平成20年02月27日中野区議会予算特別委員会
平成20年02月27日中野区議会予算特別委員会の会議録
平成20年2月27日予算特別委員会(第4日) 1.平成20年(2008年)2月27日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(39名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       11番  伊  東  しんじ
 12番  佐  野  れいじ        13番  北  原  ともあき
 14番  南     かつひこ       15番  小  林  秀  明
 16番  の  づ  恵  子       17番  奥  田  けんじ 
 18番  近  藤  さえ子        19番  牛  崎  のり子
 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご
 23番  伊  藤  正  信       24番  きたごう  秀  文
 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子
 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭
 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦
 31番  か  せ  次  郎       32番  山  崎  芳  夫
 33番  斉  藤  金  造       34番  篠     国  昭
 35番  市  川  みのる        36番  岡  本  いさお
 37番  飯  島  謹  一       38番  江  口  済三郎
 40番  佐  藤  ひろこ        41番  来  住  和  行
 42番  岩  永  しほ子
1.欠席委員 (1名)
10番  いでい   良  輔
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長(経営室)石神 正義
 副区長(管理会計室)          沼口 昌弘
 副区長(政策室)西岡 誠治
 教育長     菅野 泰一
 計画財務担当課長長田 久雄
 区民自治推進担当課長(調査研究担当課長、平和・人権・国際化担当課長) 小田 史子
 情報化推進担当課長           白土 純
 政策室特命担当課長           奈良 浩二
 危機管理担当部長清水 流作
 経営担当課長  川崎 亨
 報道・秘書担当課長           浅野 昭
 人事担当課長  合川 昭
 財産管理担当課長豊川 士朗
 用地・管財担当課長           冨永 清
 危機管理担当課長(防災担当課長)    志賀 聡
 経営室特命担当課長(契約担当課長)   篠原 文彦
 評価・改善推進担当課長         田中 政之
 経営分析・公会計改革担当課長      相澤 明郎
 税務担当課長  中井 豊
 未収金対策担当課長           若槻 磐雄
 管理会計室特命担当課長         伊東 知秀
 会計室長    村田 宏
 区民生活部長  大沼 弘
 区民生活部経営担当参事         服部 敏信
 南地域担当課長 波多江 貴代美
 中部地域担当課長(地域活動担当課長)  遠藤 由紀夫
 東地域担当課長 横山 俊
 北地域担当課長 戸辺 眞
 西地域担当課長 鳥井 文哉
 戸籍住民担当参事奥山 功
 産業振興担当参事鈴木 由美子
 環境と暮らし担当課長          納谷 光和
 ごみ減量・清掃事業担当参事       橋本 美文
 清掃事務所長  斎木 正雄
 子ども家庭部長 田辺 裕子
 子ども家庭部経営担当参事(男女平等担当参事) 榎本 良男
 子育て支援担当課長(子ども家庭支援センター所長) 馬神 祥子
 子ども健康担当課長           原田 美江子
 保育園・幼稚園担当課長(幼児研究センター所長、幼児教育担当課長) 藤井 康弘
 子ども育成担当課長           野村 建樹
 地域子ども施設連携担当課長       吉村 恒治
 保健福祉部長  金野 晃
 保健所長    浦山 京子
 保健福祉部経営担当参事         岩井 克英
 保健予防担当参事(結核予防担当参事)  本保 善樹
 生活衛生担当課長飯塚 太郎
 健康・高齢担当参事(地域ケア担当参事) 尾﨑 孝
 中部保健福祉センター所長
 (中野地域包括支援センター担当課長、北部保健福祉センター所長) 鈴木 郁也
 南部保健福祉センター所長        深山 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        嶋﨑 江美
 障害福祉担当課長辻本 将紀
 障害施設担当課長大橋 雄治
 生活援護担当課長瀬田 敏幸
 保険医療担当課長柿内 良之
 介護保険担当課長今 恵里
 都市整備部長  石井 正行
 都市計画担当課長(住宅担当課長)    登 弘毅
 南部地域まちづくり担当課長       角 秀行
 中部地域まちづくり担当課長       上村 晃一
 北部地域まちづくり担当課長
 (拠点まちづくり推進室西武新宿線沿線まちづくり担当課長) 市川 求
 土木・交通担当課長           遠山 幸雄
 公園・道路担当課長           安部 秀康
 建築担当参事  佐藤 幸一
 拠点まちづくり推進室長         谷村 秀樹
 拠点まちづくり担当参事         秋元 順一
 中野駅周辺整備担当課長         松前 友香子
 教育委員会事務局次長          竹内 沖司
 教育経営担当課長小谷松 弘市
 教育改革担当課長青山 敬一郎
 学校教育担当課長寺嶋 誠一郎
 指導室長    入野 貴美子
 生涯学習担当参事村木 誠
 中央図書館長  倉光 美穂子
 選挙管理委員会事務局長         柳澤 一平
 監査事務局長  石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    髙橋 信一
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     黒田 佳代子
 書  記     永田 純一
 書  記     荒井  勉
 書  記     菅野 多身子
 書  記     廣地  毅
 書  記     松本 明彦
 書  記     丸尾 明美
 書  記     鳥居  誠
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     岡田 浩二
 書  記     松本 桂治
1.委員長署名

午前10時00分開議
○吉原委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。
 第5号議案から第10号議案までの計6件を一括して議題に供します。
 はじめに、理事会の報告を行います。
 本日、総括質疑二日目は、1番目に佐野れいじ委員、2番目に白井秀史委員、3番目に牛崎のり子委員、4番目にのづ恵子委員の順序で4名の質疑を行います。
 次に、追加の資料要求2件について、お手元に配付の資料要求一覧(追加分)のとおり整理しました。


平成20年(2008年)2月27日
予算特別委員会

予算特別委員会資料要求一覧(追加分)
追加分 
◆建設分科会関係
18 旧囲町公園内に生えていた樹木の行方 <共>
◆文教分科会関係
34 学校統合に伴う施設改修工事等関係経費の内訳(次年度)<共>


○吉原委員長 次に、総括質疑の順序について、自民党のいでい委員ときたごう委員の入れかえの申し出があり、これを了承しました。これにより、きたごう委員は総括質疑3日目の4番目に、いでい委員は4日目の1番目に変更となります。
 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
 続いて、資料要求についてお諮りします。
 お手元に配付の資料要求一覧のとおり、資料要求することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
 それでは、前回に引き続き、総括質疑を行います。
 それでは、質疑に入ります。佐野れいじ委員、お願いします。
○佐野委員 おはようございます。本日の1番バッターとして、自由民主党の立場から総括質疑を行わせていただきたいと思います。
 質問につきましては、通告順の順に従って質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず、最初に、「中野区の財政運営について」の財政規模についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 ここ10年間ぐらいの一般会計予算を見ますと、中野区の場合には800億から900億前後、ほとんどその域を脱していないのが現状だと思います。私は、5年前に議員にならせていただいて、ずっとそのような規模で来ております。一番私が思っていることは、なぜこの予算規模が拡大できないのかどうか、ここに不思議さを持っている次第でございます。このままの推移では、毎年同じであるパイの中で、それぞれの事業部がそれぞれの配分を取っていき、その中で予算を組んでやらざるを得ないという状況が来るんではないかというふうに思っているわけです。とりわけ、より大きな新規事業を推進するに当たっては、起債というような問題に直面せざるを得ないんではないか。このままの状況でいきますと、800から900をどう脱皮していくかということを真剣に考えなければならない。特に、財調が厳しくなってくる現状の中では、よりそういった一般財源の支出、一般財源をどうしていくかということがより問われていくんではないかというふうに思う次第なんですけれども、まず、そうした考え方について、区の考え方をお伺いしたいと思います。
○長田計画財務担当課長 委員の御指摘のとおり、近年、推移しております一般会計の規模、800億から900億台という財政規模でございます。この財政規模につきましては、人口等その他の諸条件を勘案した場合、適正な財政規模であるというふうに認識をしてございます。特別区民税に代表されます区の自主財源がふえれば、財政規模はおのずと拡大をしてまいりまして、新たな事業を実施することがその分可能になるというふうにも考えてございます。
 また、投資的経費につきましては、必要に応じて起債による財源を充てることが考えられます。それとともに、経常的経費につきましては、抑制を図るために事業のスクラップ・アンド・ビルドを徹底していくと、そういうような基本的な認識のもとに財政を運営していくべきであると、そういう認識を持っているところでございます。
○佐野委員 今、御発言の中で、適正規模というふうに認識していると、中野区においては800から900が適正規模な一般財源であるというふうに認識しているとおっしゃいましたけれども、その中には、中野区の身の丈に合った財政というものはそれぐらいではないかというふうにお思いになっていると思います。
 しかし、私は、やはり自主財源がふえるということをこれからしっかりと考えていかなければならないんではないか。特に、財調という問題がこれからより厳しくなってくることは目に見えております。そういう中で、財政規模をやはり考え直すというところにひとつ来ているんではないかというふうに思う次第でございます。
 特に、特別区民税を見ましても、交付金に頼るだけではなくて、自主財源である特別区民税をどうやっていくかということを考えていかなくてはならない。特に、これも約300億前後でこの10年間ぐらい推移してきているわけです。これを見ても、やはり特別区民税をどうしていくか。これは今、発言の中でおっしゃいました、人口をどうしていくかという問題にもつながってくるし、そしてまた、富裕層の人たち、それ以外の人たちもどうやっていくかということをこれから中野区は考えていかなければならない問題ではないかというふうに思う次第でございます。
 そういったことで、中野区の場合には、30から31万という人口が、これもやっぱり10年脱皮しておりません。それから、もう一つ、中野区の場合には、全体的に見て住宅が主体でありまして、さほど大きな税源とされる大きな企業もないというのが現状だと思います。また、人口密度は23区で1番とされております。23区で一番労働力が区外に出るなど、移住に重点が置かれた施策が持たれているんではないかというふうに思うわけです。そういう中で、そうした環境において、区民税が伸びれば、自分たちの自主財源もふえることになることは事実ですけれども、また、地方消費税交付金も、人口と区内業者がふえることによって正比例的にふえていくという仕組みがございます。そういったことから、やはり人口増をどうやっていくか。さらには、住みよいまちづくり、魅力ある中野をどうしていくかということに着手をしていかなければ、一般財源は今後伸びていかないというふうに思っている次第なわけです。
 そういうことからして、今、スクラップ・アンド・ビルドというふうにおっしゃいましたけれども、スクラップというのは、今現状あるものを見直して、ある程度壊しながらやっていく。そして、ビルドというのは、建てるということだと思います。新たに構築をしていく。構築をしていく中には、少なくともその一般財源をどうやっていくかということも図っていかなければならないことは事実だと思います。そういう意味において、もう一度そうした、今言ったような中野区の環境を踏まえて、どういう財政規模が適切かということをさらにもう一回お答えいただきたいと思います。
○長田計画財務担当課長 委員御指摘のとおり、中野区の将来像を考えていく取り組みというのが大変重要だというふうに考えてございます。例えば、中野駅の周辺のまちづくり、警大跡地の整備など含めました中野駅周辺のまちづくりとか、それから、来年度から本格的に力を入れて実施してまいります中野駅周辺のまちづくり等とタイアップをいたしました中野全体のイメージアップの戦略的な取り組み。そういった政策を実行していくことによって、中野区の都市が持っている潜在的な価値というものをきちんと表現できるようにしていきたい。中野区をより魅力的な都市につくり上げていく、こういうことが必要だろうというふうに考えてございます。
 このような魅力的なまちづくり、施策の展開によって、中野に人々を引きつけていく。中野に住んでみたい、ないしは中野に住み続けていきたいと、そういう人たちへのアピールを続けていくことによって、最終的には中野区の人口もふえ、中野区全体の担税力も向上すると、そういうふうに考えているところでございます。
○佐野委員 今お聞きしたことは、毎回、毎回、リピートのごとく同じことを言われているような気がするんです。私が議員にならせていただいて5年間、毎回同じようなお答えをしていて、具体的に人口をふやすのはどうやっていくのか、魅力のあるまちづくりはどうやっていくのか、具体的なものが何ら見えていないというふうに思います。
 そして、今「担税力」というお言葉がございました。担税力というのは、私自身ははじめて聞く言葉ですけれども、いろいろ勉強させていただいて、課長とも何回か話をさせていただきました。その中で「担税力」という言葉が出ました。私なりに経済的税制用語というふうに理解をさせていただいたんですけれども、租税を負担できる経済的能力があるかないか、それから、私ちょっと調べさせていただきまして、辞典なんかを調べましたから、そういう標語が出ていました。この「担税力」というお言葉を今言いましたけれども、租税を負担できる経済的能力、こういったものを高めていく必要があるんだというふうに今おっしゃいましたけれども、それでは、その担税力を向上させれば財政は豊かになるとお思いでしょうか。
○長田計画財務担当課長 区民全体の担税力が向上いたしますとすれば、自主財源、特別区民税の歳入が増加するということになります。そのことによって、中野区の財政規模がおのずと拡大をするということになるわけでございます。
○佐野委員 難しい用語ですから、一般の方はなかなか、私もわかりませんでした。そういうことからすると、やはりこういったお言葉を使うのも事実かもしれません。そして、この間出されました文書の中にも入っておりました、この言葉がですね。やっぱりわかりやすく、担税力とは一体何なのかとはじめて聞く人は思うわけですよ。これが区民にPRしたときに、担税力を高めていきたいと。何なの、担税力はという表現になりはしませんかということを私は懸念しているわけです。それは、専門家でありますから、担税力という言葉は十分理解されていると思います。しかし、区民はわからないと思います。じゃあ、担税力とは何で、どうやってその担税力を高めていくのか。こういったことをわかりやすくPRする、そういった姿勢を持つ必要があると思います。
 それから、区内の富裕層だけではなくて、富裕層以外の人たちをどう高めていくか。これをやっぱり一つの重要な、人口増とともにあわせていかなければならない問題だと。そういったことをるるわかりやすく区民にPRをしていく。このことが私は大切ではないかというふうに思います。
 次に移らせていただきます。
 義務的経費について、次にお伺いします。
 義務的経費というのは、一般的に人件費、公債費、扶助費というふうに言われておりますけれども、ここ数年中野区では義務的経費がふえ続けており、特にその中で人件費が、せっかく2,000名体制を目指して下がっているにもかかわらず、その分をそれ以上の額で扶助費が拡大しているという事実があります。そのことについては、これまで一般質問で先輩諸兄の議員からもいろいろと質問がございました。一方で、減ることなく、逆に大きくふえているというのが現状ではないかというふうに思うわけです。例えば、20年度の一般会計予算を見ますと、義務的経費は構成比で55.6%、約546億2,200万円、昨年比4.5%、23億4,800万円の増となっております。その中でも扶助費は約205億6,900万円、21.1%、昨年比3.6%増です。人件費が0.4%下がっておりますので、その分以上にそういったものが食っているというのが現状ではないかというふうに思うわけです。そういうことで、そういったものが義務的経費を押し上げているんだなということが、この数字からも読み取れるんではないかというふうに思うわけです。
 そして、扶助費の構成比を見ますと、子ども家庭費と保健福祉費の全体の割合が、ここでほとんどがその900億前後の予算の中で実に50.3%、子ども家庭費が14.2%、保健福祉費が32.9%となっているわけです。20年度予算の半分以上が既にこの両部で消化をされているわけです。したがいまして、残りのところをほかの部でいろいろな施策を用いながら区民のためにやっていこうというような今の配分でございます。それは、19年度の11月に示されました「中野区財政白書」の中でも、区はこのことを懸念していると思います。その中には「扶助費は年々増加しており、歳出全体を圧迫する要因となっている。特に、生活保護費は18年度115億で、平成4年度に比べると実に2.6倍になっている」というふうに書かれております。一方で区は懸念をしているわけです。しかし、懸念をしながら何も示していない。どうしていくかということを示していない。これはやはり私たち区民にとっては大きな疑問点が出てくるのではないかというふうに思う次第です。
 義務的経費というのは、一般の家庭で言えば電気・ガス・水道、借金があれば借金、そして家賃があれば家賃を払わなければいけない。毎月払わなければいけない問題だと思います。これを区では50%以上が義務的経費で消えていくわけです。払わなければいけないようなところで消えていくわけです。残りの45%ぐらいで、それじゃあ投資的経費がなされていけるのかという一つの問題点があると思います。投資的経費というのは、御承知のように、学校・病院・道路、こういったものを直していかなければいけないわけです。そういったものを残りのパイの中で消化をしなきゃいけないという現実が中野区にはあるんではないかなというふうに思うわけです。
 そういったことからすると、「財政運営の考え方の中」で、「本年重視すべきは、区民や地域にとって本当に重要な施設は、事業は何なのかという取捨選択が大切である」と区は書いてあるわけです。こういったことからも、今後この義務的経費、特に扶助費の増加とあわせて、偏りの見えないような区の予算配分をしていくべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 子ども家庭費、それから保健福祉費の全体の予算に占める割合が高い状況が確かにございます。これは、扶助費が多く、少子・高齢化社会において、社会のセーフティネットとしての機能を自治体として果たしていくために必要なものというふうに認識をしてございます。
 ただし、扶助費の増加は、財政構造を硬直化させる要因となるものでもあり、適正な給付を図っていくとともに、区の単独補助等につきましては、その必要性の再検討をPDCAサイクルで常に評価・改善を行う、検証する必要があるというふうに認識をしております。
○佐野委員 今の発言の中で、その必要を再検討する考え方があるというふうにおっしゃいましたけれども、まさしくこの扶助費を今後どうしていくか、あるいは義務的経費をどうしていくか、こういったことを再検討すると今おっしゃいましたので、ぜひこの再検討をしながら、パイの配分の比率をどうしていくかということを考えていただきたいというふうに思う次第でございます。
 次に、起債計画についてお尋ねをさせていただきます。
 区は、基金と起債がなければ大きな事業ができないことは御承知のとおりでございます。そのために、中野区は、これまで大きく基金をつくってまいりました。これはよいことだったと私自身も思っております。
 一方、現在区は、起債の借り入れ期間は20年を基本としているというふうにおっしゃっております。全体の起債額は、20年度が443億6,500万円、そして積み立て分が現在で375億2,000万円、少しでも多くたまってきているわけですね。こういったものをできるだけ償還する、繰り上げ償還も含めて検討をすべきではないかというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 御指摘のとおり、償還ということについての方法はあるというふうに考えてございます。一部の自治体では、基金積み立て分を起債の償還に回すというような取り組みを行われているところがあるというふうに把握してございます。
 ただ、中野区の財政状況を見ますと、かつて中野区では、単年度で約60億の減収を一時的に見た時期がございます。こういったことをとらえて考えますと、基金の持つ年間の調整する機能、財政運営上、年間を通しての財源の調整をする機能といったものは大変重要なものであるというふうに考えてございます。一定程度の基金残高を保持しつつ、減債基金の積み立て状況によっては繰り上げ償還をするなどして、適正な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
○佐野委員 当然、起債が高くなければ、それだけ区民に負担がかかってくるわけですよね。借金が多くなれば、それだけ区民は返済していかなければいけないわけです。そういったことを考えると、この起債というのはより慎重に行っていかなければならない。それと同時に、やはりためるということですか、そういったことも大切なことであって、この両手をうまくバランスを使いながらやっていく、この辺のものを考えていかなければならないというふうに思っております。やはり、起債というのは、身の丈に合った起債、適正規模に合った起債、こういったものを考えていかなければならないんではないかというふうに思っている次第でございます。
 次に、その起債のところでございますけれども、中期財政フレームの中で、「財政運営の考え方」の中で、今後の26年までの起債計画を区は示しております。その中で、一般財源に示される公債費の割合について、「平均10%を目安として起債計画を作成した」というふうに書かれております。ちなみに、20年が10.3%、21年が10.27%、そして25年が10.4%、26年が8.5%、全部10%を目安にしているなというのはうかがえるわけですけれども、22年は12.1%、23年は12.36%の起債計画を立てているわけですね。そうしますと、まず平均10%を目安として起債計画を作成したということと矛盾してくるんではないかというふうに思うわけです。何ゆえ22年度と23年度が12%台という数字になっているのか。もっと言えば、前段で提議した10%を目安にするという歯止めを無視した数字ではないかというふうに思うわけですけれども、まず1点目として、その辺についてお伺いしたいと思います。
 2点目としまして、それでは目安という定義はどれほどの幅を区は考えているのか。普通、一般的に目安といえば、さほど10%からかけ離れた数字は考えていないというふうに思いますけれども、12.幾つという数字になっておりますので、この目安という数字はどれぐらいを目安として考えているのか。
 そして、3番目として、1%はどれくらいの額になるのか。
 この3点についてお答えをいただきたいと思います。
○長田計画財務担当課長 まず1点目でございます。「財政運営の考え方」の中にお示しをしました起債計画の中で、平成22年度と23年度が12%台で推移していると、そういう状況をお示しさせていただいております。これにつきましては、警察大学校等跡地の整備、それから南部防災公園の整備に係る減債基金の積立金をこの年度で計上いたしますので、この減債基金の積立金が結果的に公債費負担比率、これは中野区方式でございますが、この数値を押し上げているという結果になっているものでございます。
 この二つの事業は、起債相当額が都区財政調整制度上の財産費という項目として、基準財政需要額にされるものでございます。これによって、特別区交付金が増額されるという内容になってございます。確かに、公債費負担比率は10%を超えておりますが、中野区の一般財源に実質的に与える影響は小さいものであるというふうに考えてございます。
 それから、続きまして、平均10%を目安としてという、その目安の定義、それから1%というのがどれぐらいの額になるのかということについてお答えをさせていただきます。
 ここで「目安」という用語を用いて御説明をさせていただいておりますが、具体的な数値として幅等を考えて定義を考えているということではございません。目指すべき方向を明らかにするという意味で、「平均10%を目安にする」ということを表現させていただいております。
 それから、公債費負担比率は、当然のように一般財源をとっておりますので、大体一般財源が700億程度で推移してございますので、100分の1、およそ7億、1%が7億に相当するというものでございます。
○佐野委員 今の御発言の中で、公債費比率は10%を超えているが、中野区の一般財源に与える影響は少ないというふうにおっしゃいました。1%は今7億とおっしゃいました。そうすると、課長自身は、7億というのは区民に対する大きな数字ではないというふうに、一般財源に与える影響は少ないというふうにお考えなんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 貴重な自主財源である区民税、その中での7億円というのは大変大きな金額であるというふうに認識をしてございます。この認識は、変わらずに、財政運営の基礎的な認識として持っていかなければならないというふうに考えてございます。
 私が御説明いたしましたのは、都区財政調整制度の中で、財産費という算定項目がございまして、特別に特別区交付金の増額があるので、結果的に歳入としてこの部分が見られているので、自主財源のほうに与える影響が少ないと、そういう御説明としてさせていただきました。
○佐野委員 12.幾つですから、10%を目安ということの2%以上がオーバーしているわけですよね。ということは、7億ではなくて、14億、あるいは15億ぐらいなんですよ。逆に数字でやらないと、パーセンテージでやったら、額が大きくなればパーセンテージは大きくなるわけです。そういうことを考えながらやっていかないと、区民の立場でいろいろな物事を判断していっていただきたいと思うんです。それは1%というのは、額が小さなければ1%は、1,000円で言えば10円ですよ。ところが、これは額が大きくなればなっていくわけですよ。今言ったように、1%が7億であれば、2%は14億。この14億以上を、ここに書いてある10%を目安にしてと言いながら、14億以上をプラスにしているわけですよ、起債計画。こういった認識をしっかり持って、これから目安という表現一つを使うについても真剣に考えて、区民の立場に立ってこれは書かれるべきじゃないかなというふうに思っておりますので、ぜひ今後、今言ったようなことを思いながら、この区政の運営をしていっていただきたいというふうに思う次第でございます。
 何かコメントございましたから、私自身はそういう考え方ですけれども、何かございましたら、どうぞ。
○長田計画財務担当課長 御指摘のとおり、起債ということに関しては、将来への区民の負担をお願いするということでございますので、いたずらにこれを拡大するということはあってはならないというふうに考えてございます。中野区としては、中野区方式ということで、公債費の負担については、財務規律として厳しくみずからを規律していくという中で、計画的に起債についての管理をしていきたいというふうに考えてございます。きょう御指摘のあった点を踏まえまして、さらに財政運営、規律を正してまいりたいというふうに考えてございます。
○佐野委員 ありがとうございました。それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 次の質問は、「中野区の未収金について」、質問をさせていただきたいと思います。この問題につきましても、いろいろな先輩諸兄議員から質問がございました。そして、私自身も過去、2年前に質問をした経緯がございます。
 そういうことで、中野区のまず未収金について伺いたいんですけれども、中野区の過去3年間、16・17・18年度の収入未済額と不納欠損額をまずお示しいただき、できればその内訳を示していただきたいと思います。
○若槻未収金対策担当課長 中野区の未収金についてのお尋ねでございます。収入未済額、概算で申し上げます。16年度は58億5,900万、17年度57億200万、18年度58億3,700万、不納欠損額、16年度14億2,700万、17年度14億5,000万、18年度13億8,100万でございます。
 また、主なものの内訳ということでございますが、収入未済額につきましては、18年度で申し上げますと、国民健康保険料が30億200万、区民税が20億9,700万、その他介護保険料、生活保護費弁償金、民生費貸付金等で7億3,800万円でございます。
 また、不納欠損の主なものでございますが、国民健康保険料が9億4,600万、区民税が3億7,300万、その他といたしまして、介護保険料、生活保護費弁償金、保育園保育料等で6,200万円となってございます。
○佐野委員 今いただきました。やっぱり大きいですよね。57億、58億。それぞれの所管で御努力をされて未収金を回収されているということは前のときにもお伺いしましたし、この3年間いろいろな努力をされてきたというふうに思います。それは努力を多としていきたいと思いますけれども、実際的に数字が3年前とさほど変わっていない、こういったことを考えると、やはりさらなる努力が必要ではないかというふうに思う次第なんです。
 18年度の未収金58億の内訳ですけれども、今課長がおっしゃったように、国保で約30億、区民税で約21億、その他で約7億ということで、58億ということだと思いました。それでは、23区のそれぞれの未収金の順位というものがどういうふうになっているか、お答えいただけますでしょうか。
○若槻未収金対策担当課長 徴収率で申し上げます。区民税につきましては、現年度分は16位でございますが、滞繰分を合わせますと合計で20位になってございます。
 また、国民健康保険料につきましては、現年度分、滞繰分を含めまして、その合計が15位ということでございます。
○佐野委員 大体中位ぐらいで頑張っておられるというのはよくわかります。20位ですから中位とは言えませんけれども、国保のほうは15位ですか。別に競っているわけではないんですよね。私が質問しているのは、23区の中で1番になってほしいという願望はありますけれども、できる限りやっぱり上位に行くように努力をしなければならないというふうに思っているわけです。そういった施策のために、いろんな努力を今、されていると思います。
 そういう中で、まずお聞きしたいんですけれども、不納欠損額、ここ5年間で大きく回収が私は伸びているとは思っていないんです。そういうことからすると、1番目として、未収金対策担当として、その間の経過を、大変辛い質問かもしれませんけれども、どのようにお考えでしょうか。
 それからまた、2番目として、未収金対策担当の役割といいますかミッション、こういったものは何だというふうに考えられますでしょうか。
 それから、3番目ですね。こういったものを踏まえまして、今後の取り組み、これはどういうふうに考えるでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○若槻未収金対策担当課長 未収金対策担当の成果のお尋ねでございます。区の未収金、すなわち債権でございますが、税や国保など強制徴収ができるものと、貸付金の回収など強制徴収ができないものがございます。これらの未収金につきまして、年間徴収計画というものを策定しまして、進行管理の徹底を図ってきたところでございます。特に税、区民税と国民健康保険料につきましては、共同体の整理ということで主導的な調整を行ってきました。
 また、強制徴収ができない未収金につきましては、担当職員の実務研修や滞納整理を行うための徴収マニュアルの策定、さらには、18年度には不良債権の処理というようなことにも着手いたして、未収金の減少に取り組むための環境づくりを行ってきてございます。
 しかしながら、委員御指摘のありましたとおり、全体の収入未済額、あるいは不納欠損額が依然と大きなものになっているということにつきましては、現状を踏まえ、一層効果的な対策を工夫し、徹底していく必要があると考えてございます。
 また、2点目の役割でございます。未収金を適正に管理するという観点から、今申し上げましたような収納未済率、あるいは不納欠損率の減少を目標に掲げまして、未収金対策に係る企画調整、あるいは所管部への支援等、統括的な役割を担い、取り組んできてございます。所管部への支援といたしましては、税、国保以外の徴収専管部署でない未収金を抱える部署に対しまして、適正な事務処理の徹底や効果的な取り組みへの助言・指導を行ってきたところでございます。
 今後の取り組みについてのお尋ねでございます。未収金対策分野は、中野区の債権管理に関する条例や規則を制定いたしまして、区の、先ほど申し上げましたとおり、未収金対策の基盤づくりを行ってきまして、一定の役割を果たしたと考えてございます。今後は、現行の未収金対策分野を見直し、徴収事務に直接的にかかわる体制にしていくため、全分野を中心とした体制を考えてございます。すなわち、区の徴収事務にかかわる区の最大組織である税務分野のノウハウ・人材を生かし、適正な管理と共同整理の両面から、より効果的な未収金対策に取り組み、体制を強化していきたいと考えてございます。
○佐野委員 今のお話しですと、未収金対策担当というのは、それぞれ国保、また区税、税金、こういったものを担当して集める部署ではなくして、所管部への支援を仕事の一つとしているというふうに今理解していたんですけれども、ということは、みずから責任と権限を持って未収金対策課がやるんではなくして、最終的にはそれぞれの所管、要するに国保は国保、そして区民税は区民税課が徴収を行う。それに対する、今課長がおっしゃっていた今の未収金対策担当というのは、それぞれの分野への支援だけを主体としているということなんでしょうか。
○若槻未収金対策担当課長 徴収につきましては、それぞれの専管部署、所管部署が対策を講じて徴収をしてございます。そうした所管部署の取り組みにつきまして、先ほど申し上げましたが、例えば貸付金とかそうした私債権、要するに強制徴収ができない債権も多くございます。そうした部署につきましては、なかなか滞納整理のノウハウを持っていないという現実もございます。そうした取り組みとして、これまでの取り組みとしてやや弱い、そうした部署に対して、先ほど申し上げましたように研修とか、あるいはマニュアル、そうした支援をしておるところでございます。
○佐野委員 そうしますと、課長のところの組織があって、またここに国保があって、そしていろいろな所管の課があるというふうになりますと、課長のところはこうやったほうがより徴収ができますよ、あるいはこういった研修をしてくださいよ、そういった支援体制をするだけ。要するに、それ以上の、なぜあなたはそれ以上確保できないんですか、あるいは数値目標を掲げてください。そして、その数値目標はなぜできなかったんですか、そういったところの権限とか要するに責任――そのかわり責任も負わなきゃいけませんけれども、そういったものがない組織というふうに理解してよろしいんでしょうか。
○若槻未収金対策担当課長 先ほど成果のところで申し上げましたが、未収金、すなわち債権でございますが、区の中には60種類ほどございます。そうした未収金の各部署が取り組む目標、あるいは具体的な対策、そうしたものを年間徴収計画という形で年度のはじめに提出していただき、それを年間の期間を決めまして、進捗状況を図って、今までの対策はどうだった、あるいは今後の対策はどうするのかというようなことを進行管理という形で行ってございます。
○佐野委員 進行管理をするのは当たり前だと思うんですよね。どうなったか、どうだと。問題は、そうではなくして、未収金担当というのが3年前に生まれたわけですよ。その中で、私は課長が言われたのはそういうことではなくて、組織の問題が私はあるなということを今考えたんですけれども、そういった部署が生まれたのは、そこの部署がコントロール・タワーとして、要するにそれぞれの所管のところにどうなっていますか、どうしますか、そしてこういう数値を上げてください、上げられなければ、こうじゃないですかというところの指示命令系統、そしてまた、責任と権限をしっかりと持って指示を出す。そういった部署だと私は理解していたんですけれども、どうも今のお話を聞くと、そうじゃないような感じがするわけですね。そうしますと、やはり組織上、それぞれの部署がそれぞれに頼ってしまうと思うんですよ。要するに、自分たちは自分たちの部署、個々は個々がやらなきゃいけないというふうに思いますけれども、結果的にはそれに対する責任と権限は、その部分だけじゃなくて、全体が見られなくなってしまう。やっぱり全体を見て責任と権限をやるのが未収金対策担当の課ではないかというふうに思うわけです。今のお話を伺いますと、直接かかわる体制にしたいというふうにおっしゃいましたけれども、直接かかわっていないと。直接という表現は難しいかもしれませんけど、そういうふうに思わざるを得ないわけなんですけれども、これ以上言っていても組織の問題だなと私は思いましたので、課長自身のところのポジションがこういう三角形で言うと、いろいろ部署はありますけれども、国保と区の税制のほうの担当、そして課長のところがあって、私はこういうピラミッド型かなと思ったんですけれども、そうじゃなくて、平行のような形、面のような形で今とらえられているような気がするんですけれども、したがって、意識がそれ以上は希薄にならざるを得ないんじゃないかなと思うんで、ぜひ今後、組織をしてこれを区として、この58億を本当に真剣に取るんだということであれば、それぞれの部署に責任と権限を持たせると同時に、1カ所のどこかがそうしてやって、アウトソーシングを出すなり何なりする。そして、アウトソーシングを出すことによって、それじゃあそのものをどうするかということを、コントロール・タワーをしっかりとすべきじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○若槻未収金対策担当課長 今後の収入未済をいかに減少していくかということは、区としても大きな課題でございます。今御指摘のありましたような責任を明確にしまして、収納率の向上、あるいは収入未済の減少に取り組んでいく必要があると考えてございます。
○佐野委員 今回の定例会、一般質問では、我が会派の北原ともあき議員が、造語として新しい「限界商店街」という言葉を使いまして、覚えていらっしゃると思います。大変失礼な言い方かもしれませんけれども、私は「限界未収金」というようなことにならないように、今後中野区としてこの「限界」という言葉を頭に入れながら、一生懸命努力をしていただきたい。大変失礼な言い方をして申しわけないですが、そういうふうに思っていますので、ぜひ区長も含めて組織のあり方をこれはやっていただきたいというふうに思います。ひとつよろしくお願いします。
 今我が会派のほうから、区長もどういうお考えか聞きたいということでございまして、「限界未収金」にならないためにはどうしたらいいか、区長、ぜひお言葉をいただきたいと思います。
○田中区長 るる質疑いただきましたように、未収金の問題というのは大変大きい問題だと、こういうふうに思っております。額が本当にばかになりません。これだけの額が集められないということは、58億集められないということは、その58億というこの大きさを考えれば、どれだけ事業ができるかと、こういうことにもなるわけでありますので、しかも、まじめに払っていただいている方が大多数の中でそういうものが発生すると、こういうことでありますので、未収金というものを本気で取り組まなければいけないと、こういうふうに思っております。先日も、所管を集めて、未収金の対策の会議をやったところですけれども、なかなかどうして未収が、未納が発生するかというその構造そのものの分析がまだまだ弱いと、こういうふうにも感じているところでありますので、本当に根本的な原因をきちんと分析して、効果のある対策を打っていきたいと、このように思っております。
○佐野委員 ありがとうございました。いずれにしましても、今強いお言葉が区長から出ましたので、組織体制の中で私は権限と責任をしっかりと持った部署を据えて、この回収に当たっていくと、そういうことが必要ではないかと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
 時間がなくなってまいりましたので、次に移らせていただきたいと思います。
 次に、「中野区内の生活道路(狭あい道路)について」、お尋ねをさせていただきます。
 区内にはいろいろな私道がございます。この問題も、今回の定例会でも複数の議員から質問がございました。区は、いわゆる生活道路が整備できない部分が生じているのも現状だと思います。さらに、その後、私は道路台帳についてもお尋ねさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。我が会派の伊東しんじ議員も、この件について質問をいたしました。そういうことでかなりいろんな方からこの質問が出されたというふうに思っています。
 まず、建築基準法で定められた4メートルの道路幅が確保されるよう、その場合に42条2項ですか、みなし道路、後退部分についてというふうになっているわけですけれども、後退しなさいと。しかし、後退した後、そこの土地が整備されない。そしてまた、どうしたらこの後退した部分を整備していくのかという、いろいろな問題点があると思います。それで、私が課に行きまして、「安全で快適に住めるまち」という、このパンフレットをいただいてまいりました。この後ろにいろいろ説明がございます。こういう申請を出してくださいよ、こうですよということがございました。
 まず、非常に困難になっている。整備ができにくいというふうに思っている、その難しい問題とあわせてこの概要を、時間もないですので、簡単に御説明をいただきたいと思います。
○安部公園・道路担当課長 今委員から御指摘がありましたとおり、生活道路整備というのは、42条2項道路のセットバック部分について、所有者の承諾によって区が整備するという事業でございます。それで、この手順でございますけれども、先ほど委員からお示しいただきましたこの「安全で快適に住めるまち」というもので、これは区民の方にお渡ししているものでございますが、これに書いてありますが、大まかに御説明いたしますと、まず、建築主が、42条2項道路に接する方が建築を行う場合に、まず区に事前相談をしていただきます。この事前相談をしていただいたときに、区はいわゆる中心線判定というものを行います。その中心線判定を受けて、区に対して建築主の方が生活道路拡幅整備協議申請というものを行っていただきます。このときに、その生活道路について寄附・無償使用というやり方もありますので、こういうことについても協議をいただきます。こういう協議をいただいてから、建築主の方は建築確認申請を出していただくということになります。一般的には、建築確認申請を出した後に建物を建てるということになるわけですが、この建物を建てているときに、途中の段階でなんですが、生活道路の整備承認、先ほどは申請でしたけれども、今度は整備承諾書というものを出していただきまして、それとともに非課税申告書というものを提出していただきます。この整備承諾を受けたことによって、中野区としてはそのセットバック部分について舗装を行うという手続になってございます。
 それから、その難しい問題点ということでございますが、このセットバック部分については、無償使用とか寄附をいただいた場合には中野区が道路法の道路として管理するものでございますが、寄附はしませんと。私道として、自分の土地として持っていますという方もおられるわけでございます。そういう場合には、私権が非常に優先しまして、整備をしてほしくないんだというような方もおられます。それに対して区としては御理解・御協力をいただくという立場でございますので、なかなか理解していただけないで、整備はしてもいいけれども、電柱は下げてもらっては困るとか、そういうようなこともございまして、私権と公共性というもののはざまといいますか、そういうところで難しい問題がございます。
○佐野委員 ありがとうございました。大体概略はわかりましたし、整備をしてほしくないんだという人がいると。しかし、それは法的には、42条2項では道路という規定はしているけれども、実態としては道路ではないというようなところからきているのかなとも思いますけれども、所管の御苦労はわかりました。
 しかし、ここにこういうふうに書いてあります。このパンフレットの後ろ、「御注意願います。後退用地は生活道路として公共の用に供していただくため、自動車等の駐車場スペースとして利用したり、塀や花壇などの建造物をつくることはできません。また、排水口や水道メーターなども設置しないでください」というふうに書いてありますね。これは注意事項ですから、お願いでしかないんでしょうけれども、法的規制ができないというところに問題があるんだと思いますけれども、いずれにしても、そういう中で、実態としては下がった後、整備の前に塀や花壇を建てている場合が多く見受けられるわけですね。こういったことからすると、この現象は、今法的な面も含めて、私も感じとしてはわかりますけれども、どこに原因があると課長はお考えでしょうか。
○安部公園・道路担当課長 確かに、このパンフレットの中に塀や花壇はつくらないようにという注意書きを書いております。それで、そのように指導もしているわけでございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、そういう方は当然、寄附・無償使用は受けてくださいませんので、私の道である、私の土地であるということで、なかなか御協力はいただけないということでございます。
 ただ、そういう中でも、生活道路の拡幅整備に関する条例の中では、これに協力しない者については氏名を公表できるというような条文もございますので、そういうことを見ながら、なるべく強力に進めてはいるということではございますけれども、なかなか協力していただかないというようなことがございます。
○佐野委員 今、問題点はどこにあるのかという質問だったんですけれども、それはちょっとお答えが見えなかったんですけれども、私自身は問題点は今、建築基準法の42条2項のところにあるものはあくまでも建築物に対する規制であって、2メートル下がりなさいという規制であって、しかし、2メートル下がったもののところの道路を整備するかしないかは、あくまでも私的なものである。あるいは、それを寄附する人もいるし、いろんな方がいらっしゃるために、私的なものだととらえる方については、法的な根拠がない。要するに、42条2項では道路であるという明言がはっきりされているわけですね。しかしながら、道路を整備しろとか、道路法上の道路という規定がない。そのために区としてはそれを整備したり、あるいは私的なものとして使われざるを得なくなってくると、そういうことで解釈してよろしいでしょうか、問題点は。
○安部公園・道路担当課長 すみません、先ほどお答えの中で漏れておりまして。確かに、委員御指摘のとおり、建築基準法上は道路ではあるけれども、道路法上は道路ではないということがございまして法的に何らかの規制があるものではございませんで、区としては条例でお願いしているということで、なかなかそこのところで強制力がそこまでは強くない、法までは強くないものですから、御協力いただけないということでございます。
○佐野委員 わかりました。そこで、今の条例でしかないというお話しですけれども、私調べましたら条例の中の3条に「区長の責務」というのがあるんですね。「区長は、生活道路整備事業の施行に当たっては、建築主の工事施工者及び関係利害者の理解と協力を得られるよう啓発に努めるとともに、建築主に対する指導、その他必要な措置を講じなければならない」と書いてあるんですね。この条例には。要するに、必要な措置を講じなければならないということなんですけれども、どのような措置をこれまで講じてきたんでしょうか。
○安部公園・道路担当課長 指導ということでは、比較的御協力をいただきやすいのが、今までセットバックしていなかったお家があって、その隣のお家が下がったというような場合に、今までセットバックしておられないお方にも、「隣の方も下がられたので、御一緒に下がっていただけませんか」というようなお声がけをする。そうすると割合、隣関係ということもございまして、お隣の方が下がったんだからということで、割合御理解いただきやすいということで、そういう場合には必ずお声がけをするようにしております。そのほか、あそこの部分が出ていて危ないよというようなことがあれば、そのお宅にお伺いして、「何とか下がっていただけませんか」という個別の対応もしておりまして、そんな形で指導をしております。
 ちなみにですけれども、平成18年度から平成19年度にかけてセットバックをしていない方が約0.6%ですが、年間でそういうお声がけをする中で0.1%弱程度の方が御協力をいただいて、少しずつではございますけれども、御協力いただけない方は減ってきてはおります。
○佐野委員 いずれにしても、そういう法的な規制ができないために、区としてはそれこそ限界だというような表現だと思いますけれども、いずれにしても、こういったことがある中で、努力をしていかなきゃいけない。条例までつくられているわけですよね。したがって、その条例を生かすような工夫、生かすようなものを今後していかなければいけないというふうに私自身は思います。
 そしてまた、その私道が中野区は非常に多いわけですよね。そうした中で、その狭隘道路を今後消防車や緊急自動車が入れるようにする、こういった問題をやはり重視して、中野区は安全で住みよいまちづくり、こうしていかなければならないというふうに思っております。
 「家づくりは道づくりから始める」とここに書いてあるんですね。すばらしい文句だなと思ったんですよ。ところが、実際は、道づくりがそういった問題点がある以上できていないという現状があるということがよくわかりました。そういうことで、法的な規制をこれからどうやっていくかという問題はあるかもしれませんけれども、いずれにしてもその範囲内でどうしていくかということではないかと思いますので、ありがとうございました。この問題はこれで終わらせていただきます。
 続きまして、道路台帳についてお伺いをさせていただきます。
 今ありましたような私道、こういったものも記録にとどめて、中野区は今後の活用をしていかなければならないということだと思いますけれども、まず、中野区では、道路台帳というものが現在どうなっているかをお尋ねさせていただきたいと思います。
○遠山土木・交通担当課長 今委員お尋ねの道路台帳は、いわゆる道路法第28条で、区など自治体に求められている道路台帳ということかなと思います。この道路台帳でございますが、区道はじめ区が管理している道路につきまして、路線名、起終点、それから幅員などを記載した調書、それから道路の区域の境界線や幅員などを記載した図面から成っているものでございます。
 この区としての整備状況でございますが、率を出すのはなかなか難しいところがありますが、4割から5割程度の整備率というふうに認識してございます。
○佐野委員 そうしますと、今28条とおっしゃいましたけれども、道路法の28条、このものにはそのうちの4条の2項では「以下のものを具備しなければならない」ということで書かれていますけれども、完璧な道路台帳はできていないというふうに判断してよろしいんでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 新たに区道、あるいは区有通路になったものについては、きちんと台帳を整備していると。これは当然と言えば当然でございますが、もともとの部分、歴史的に申し上げますと、昭和28年、36年、それから40年、当時の旧都道の部分が一括して区に管理を移されたと。この部分につきましては、当時からデータ等が未整備の状態であった。そのまま管理を移ったということもございまして、この部分についてはなかなか整備が進んでいないということでございます。
○佐野委員 私、中野区のホームページを調べさせていただきました。その中で、「整然として快適な道路交通案内 中野区土木分野の目標」というものがございました。その中で、強みと弱みというのが出ていました。強みはいっぱい書いてありました。しかし、弱みも正直に書いてありました。その中で見ますと、弱みは「道路台帳未整備のための境界確定の事務処理に多大な労力・時間を要する」と、こう書いてあるわけですね。これを見ると「道路台帳未整備のため」と、未整備ということをもううたっちゃっているわけですよね、区民に。あっと思ったんです。それで、この更新年月日を見ましたら、2006年5月2日。2年前に出しているわけですよね。そのまま更新されていないんですね。これは別に悪いとかいいとかじゃなくて、やはり「未整備」という表現を使うということになりますと、区民は当然不安になるんじゃないかなというふうに思うわけです。
 例えば、28条ではどう書いてあるかといいますと、「道路管理者は、その管理する道路の台帳を調製し、これを保管しなければならない」、そして97条では、「道路管理者が地方公共団体であるときは、その長が道路台帳の調製・保管を行うこと」ということですから、当然、道路管理者は区で言えば区長、そして都で言えば知事、そして国で言えば国土交通大臣ということになるわけですね。そういったことで、中野区の場合は当然、道路管理者は区長ということになるわけですけれども、そして保管場所については、国道については国土交通省、都道については都庁、そしてそれぞれの区については、「市町村にかかわる道路台帳は、関係市町村の事務所」というふうに書かれていますね。今課長おっしゃったように、道路台帳は古く27年の国土法の制定で定められていると。28年から施行されているわけですね。それを考えたときに、今まで56年間、中野区は未整備のままで来たのかという問題点が一つ出てきてしまうと思うんです。
 それで、今ここに「具備しなければならない」という中に、「道路の区域の境界線」というのが書かれているわけです。要するに、自分の家と道路との間の境界線をちゃんと具備しなさいよと書かれているわけですね。こういったものが未整備ということが一つとしてあるのかなというふうに思ったわけですけど、私自身がその道路課へ行って確認をさせていただきました。私の友人から聞いた話ですけれども、道路課へ行ったときに、「民地と区道との境界線を出してください」と言いましたらば、中野区にはそういったものがここの地域はないと。そして、測量等を各自で行って、負担は各自でしてくださいと言われたと言うわけですね。要するに、中野区の場合には、道路台帳が整備されていないから、例えばそこを売買したい場合には、区との境界線がはっきりしていない。そうしたことを自費でやりなさいと。測量を自分で立てて、測量費を自分で払いなさいということを言っているわけです。それで私、練馬区のほうに行きました。練馬区の窓口へ行きましたら、練馬区のほうは「はい」といってすぐに出してくれるんですね。区民のところの場所はですよ、区の中。区が民地との境界線の部分を持っているのかいないのか、これは非常に大きな問題です。そしてまた、法律的にも28条で「具備しなければならない」と書いてあるわけですね。こういったことを考えたときに、やはり区として今後こういった整備というものは非常に大切ではないかというふうに思うんです。そして、28条3項では、「道路管理者は、道路台帳の閲覧を求めた場合には、これを拒むことはできない」と書いてあるんです。しかし、中野区の場合には、実際に行って、拒むとか拒まない以前の問題として、ないわけですよ。この辺は本当に中野区としても認知して、しっかりとどうしていくかということを考えるべきだというふうに思うわけです。
 そういうことからすると、まず、今後のことについて――これ以上言っても仕方ない、56年前の話ですから。結果として――課長が悪いんではないと思うんですよ。課長は2年か3年前におなりになった。歴代の中野区の体質がそういうふうにしてきちゃったんじゃないかと。多分、28年、国から移管を受けるときに補助金なり何なりが出ていたはずです。私はそれを調査していませんからわかりませんけど。それをどこへどう使っちゃったかわかりませんけれども、いずれにしても、この道路台帳整備に充てていなかったということが事実だと思うんですよね。そういうことから思うと、今後、実測求積図というのをやっておられると思うんですけれども、この実測求積図なんかを使うと、私が調べた限りでは都から援助金が出るんですよね、多分ね。そういったものも踏まえて、どんどんこの実測求積図をつくっていくということが必要ではないかなと思うんですけれども、いずれにしても、不平等性・不公平性、道路との境界線がない、中野区は持っていない部分がある。こういったものははっきりとどうしていくかということをうたう必要があると思いますけれども、まずこれには費用と日数が、私は56年間のうみを出すためには相当な時間がかかると思うんですけれども、どのように日数と費用をお考えになって、どのようにしていきたいとお考えでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 今委員からお話のございましたように、道路台帳の整備ということは、道路法の中で整備をしなければならないとうたわれていることは十分認識しているところでございます。中野区といたしましては、本年度から江原三丁目で開始してございます地籍調査事業を行ってございます。これは、官民境界先行型という名称がついてございますが、まさに道路を中心とした土地に関する基礎データを集積すると、整備するという事業でございますので、私どもはこの道路台帳に向けた整備事業と地籍調査を同時にやるということではなくて、この地籍調査が大部分道路台帳に必要な項目を網羅しているということからも、また財源的にも国・都からの財政的な補助金等も使えるということから、この地籍調査を十分に使いながら、道路台帳の整備を進めてまいりたいと、このように考えてございます。
○佐野委員 この具備の中に、「道路の敷地の面積及びその内訳」と書いてあるんですね。これも具備しなきゃいけないものの一つなんですけれども、今おっしゃったように、求積図をこれからやっていきたいということです。私なんか練馬へ行って聞きましたら、すぐに区道の容積率なり、面積率がぱっと出るわけですね。中野区の場合には、三角形で出てきているんですね。底辺×高さ÷2ですか、そういった問題でずっと計算を出していくんです。すごくおくれているんですよ。ですからやはり、本来なら具備しなきゃいけないわけですから、一発で出るようなものを、今課長おっしゃったように求積図をこれからやっていくというんですが、えらい費用と時間がかかると思うんですよ。具体的にどのようにやっていくおつもりなのか、ちょっとお聞きしたいと思っているんですけれども。費用と時間はどうでしょう。
○遠山土木・交通担当課長 先ほどの回答と重複する部分ございますが、道路台帳の整備はしなければいけません。それで、私ども、本年度から開始している地籍調査を行ってございます。今、江原三丁目で、今年度・来年度2カ年をワンクールとして、はじめて区として地籍調査に取り組んでございます。この中で、いろいろなノウハウや、あるいは執行体制等の工夫・検証を行ってございます。これを踏まえて、この地籍調査を推進していきたい。その中で得られたデータをもとに、道路台帳もあわせて整備を行っていきたい、このように考えてございます。
○佐野委員 わかりました。今、課長がそうおっしゃっていただいたので、これは区の見解として受け取って構わないと思いますけれども、国であれば国土交通省が保管をすると、国道はですね、そうなっているわけですけれども、区であれば、先ほど言いましたように、区長は道路管理監督者ですから、道路管理者は区長ですから、区が保存しなければならないとなっていますけれども、今言った答えを踏まえまして、区長の最終的な見解といいますか、どのようにしていくかというお考えをお示しいただければと思います。
○田中区長 今、課長が答弁を申し上げました地籍調査、これを進めていかなければならないんですけれども、委員の御指摘にもありましたように、これは大変な大事業になってしまいます。ということで、今年度・来年度と江原で行っております事業、この結果をきちんと見ながら、どのぐらいの年数でやっていくのかということをきちんと見定めて事業化していきたいと、こんなふうに思っております。できるだけ早くやることが、その地籍図ができ上がっていることが事務の効率上よくなるというようなことも、効果があるというようなこともあると思っておりますので、できる限り早く進めたいと、このようには思っているところであります。
○佐野委員 今おっしゃったとおり、昭和28年から制定しなきゃならないものを56年間こういう状況で来ているわけですから、これを直すには相当な時間とお金と労力が必要になってくると思うんです。そういう意味で、今区長が言ったように、地籍調査を中心としながら、今後区はこれを整備していくということですので、地籍調査の状況を見ながら、それぞれの分科会があります。建設委員会でもどこでも、こういったものの報告を入れていただきながら、今後中野区は他区に負けない区民へのサービス、差別化を出さないサービス、そういったものをぜひやっていっていただきたい。練馬区はお金がただで、無償で道路との境界線がもらえて、中野区はもらえない。自分でやれば、当然お金がかかることは事実ですよ。測量士を入れてやらなきゃいけませんから。そういった差別・区別が出ているということをしっかり認識していただいて、お金はかかる、時間はかかるかもしれませんけど、ぜひこの実現に向けてやっていっていただきたいと思います。
 未収金に次いで、こういった嫌な質問をして本当に申しわけないと思いますけど、私自身、これは堂々と言う必要がある。区民の立場からすれば、当然正すことが私たちの責務であるというふうに考えておりますので、私たちのそういったものを理解していただいて、ぜひ実現に向けて頑張っていただきたいと思う次第でございます。
 それでは、この項の質問を終わらせていただきます。
 それでは、「その他」のところの最後の質問に移らせていただきます。障害者の就労意欲の向上について、お伺いをさせていただきます。
 中野区本町五丁目にある知的障害者通所施設「ふらっとなかの」のことでございますけれども、ここは土・日を除いて毎日多くの知的障害者の人たちがパンだとかお豆腐をつくっております。それを一つ100円程度で現在販売しております。私もときどき近くですのでふらっとそれこそ行ってみるわけですけれども、非常にいい雰囲気で、一生懸命汗を流して知的障害者の方がおつくりになったものをその場で食べられるようなシステムになっております。そして、お茶も買って、そこで食べたり飲んだりできるような施設になっております。非常に明るくて、すばらしいなというふうに思っております。
 しかし、こういったことをできる限り多くの方が知っていただくことが私は必要ではないかというふうに思っている次第なんです。近隣でも、知っている方と知らない方がいらっしゃいます。そういうことで、知的障害の方たちがみずから汗をかいて一生懸命働いている姿や、物をつくり、それを買ってもらえた喜びを本人たちが感じ取ること。こういったことが私は今後、区の就労支援、向上支援につながってくるんではないかというふうに思う次第です。
 したがって、そこで提案なんでございますけれども、せっかく汗をかいて知的障害の方がつくられたパン等を区内の庁舎で、1階のロビーのところでも結構ですし、どこでも場所は構いませんけれども、売っていただいて、そしてPRをしていただく。そして、少しでも多くの区民の方々に知ってもらう、その勤労意欲と成果の喜びを知ってもらうということを行ったらどうかと。それで、区庁舎の1階でもしやるとすれば、区報やホームページでそれをPRしていく。そして、区民の人たちにも、少なくとも知的障害者のための理解度を増してもらう、こういったことが必要ではないかというふうに思うわけです。
 そしてまた、聞くところによると、よくわかりませんけれども、ほかのところでもこういったものをつくられている、知的障害者の方がやられているところがあるというふうに聞いております。したがって、コロニーさんですか、そういうことも聞いていますので、そこも入りながら、区内の他の身体障害者がつくられているものがあれば同時に検討したらどうかというふうに思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○大橋障害施設担当課長 障害者の活動支援の面から、区内各障害者施設の製品は、区役所1階の障害者福祉事業団が開設しております福祉売店で現在販売しております。今お話しのパンの販売につきましては、現在庁舎管理上の扱い、また衛生面からの設備の課題がございます。また、福祉売店で、今お話のありましたふらっとも含めまして、他の障害者施設でつくられているパンなどが売れるかどうか、この点については障害者福祉事業団とも協議を進めていきたいと考えております。
 これらの課題の解決の方策を探ってみながら、そしてこれらの課題が解決できまして、また関係者との協議が整えば、試行という形で始めてみたいと、そのように考えております。
 そして、この販売を始めることができましたから、その後の販売の状況等を見ながら、PRのあり方を考えたいと、このように考えております。
○佐野委員 今、これを実現するためにはいろいろな課題があるというふうにおっしゃいましたけれども、課題は課題でこれからクリアしていかなければいけない。それをクリアしていって、できる限りそういったものをやっていきたいというお話しだったと思いますけれども、もしやるとすれば、課題で、新年度からとか、そういうことの方向性は可能なんでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 このような課題が解決できまして、関係者との協議も整えばということですので、新年度以降になるかと、そのように考えております。
○佐野委員 ありがとうございました。ぜひこういった知的障害者の方が汗をかいたものを、区民の方一人でも多くに知っていただいて、今後、こういった方たちの支援、そういったものもやっていく必要があるんではないかというふうに思っておりますので、ぜひお願いしたいというふうに思う次第でございます。
 いろいろ長い間ありがとうございました。これで私の今回の総括質疑の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で、佐野れいじ委員の総括質疑を終了いたします。
  次に、白井秀史委員、お願いします。
○白井委員 おはようございます。公明党の白井秀史でございます。はじめての総括質疑に、ここから見る景色というのはこんなに違うものかなと、改めて今実感しているところであります。非常に緊張しているというのが正直な心境なんですけれども、一生懸命頑張りたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、平成20年度第1回定例会予算特別委員会において、はじめての総括質疑を行わせていただきます。
 本来、総括質疑というのは、総括の意味というのは、個々ばらばらのもの、個々別々のものを一つにまとめて、最後に取りまとめるというのが総括の意味合いであろうかと思います。しかしながら、私の質問、取りまとめとはほど遠い質問になろうかと思いますけれども、何とぞ御了承のほどお願いしたいなと思っております。
 また、予算という関係ですから、この分野においてお話を通して、若干外れるところもあろうかと思いますが、その点は関連ということで御容赦、この辺もお願いしたいと思います。
 なお、公明党からは今回3人が質疑に立ちました。先日は岡本委員が質疑に立ち、先発ピッチャーです。きょうは私が中継ぎピッチャーで、明日が抑えの投手として飯島幹事長が質疑に立つ予定であります。私の質疑が早く終われば、与えてはいけない人の追求、舌鋒鋭い時間が多々ふえるかなと、このようにも思っておりますが、理事者の方々、ぜひ温かい御支援を私にいただければ、幹事長の時間帯はそのままと、このような形かなとも思っておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、まず一つ目は、早速なんですけれども、総括ではなく、むしろばらばらにして細かくお話をお聞きしたいなというところからのスタートになります。
 予算のほうからいいますと、20年度予算では、がん等検診費6億5,374万5,000円、特定高齢者健診費1億8,606万3,000円、特別会計、国民健康保険でありますけれども、特定健康診査・特定保健指導4億5,225万7,000円、介護保険特別会計、これは生活機能評価の関係がありますので全部ではありませんが、一部関係があるんだろうなというところからです。介護予防特定高齢者事業費4,725万8,000円に関連して、もうそのままのとおりなんですけれども、区民健診等についてお伺いしたいと思っております。
 なお、新しく制度が変わります。具体的には、特定健診が入って、区民健診がどう変わるのか。また、その中のがん検診との関係でどう変わっていくのか。この辺を一つひとつ丁寧にお聞きできればなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、「区民健診等について」を伺います。
 一連の医療制度改革において、医療費の負担、窓口の負担、そして診療報酬の改定という前半部分が終わりました。いよいよ本年より後半部分である特定健診、特定保健指導、そして後期高齢者医療が4月よりスタートすることとなります。
 では、まずはじめになんですけれども、高齢者の医療の確保に関する法律、高確法とも、高齢者の医療確保法とも言われていますけれども、この法律に基づき行われる特定健康診査というのは、一体どのような目的で行われるのか、ここからお聞きしたいと思います。
○柿内保険医療担当課長 特定健康診査の目的でございますが、近年我が国では、糖尿病や高血圧等の生活習慣病が増加しており、生活習慣病対策が急務となってございます。厚生労働大臣が定めます特定健診・健康診査等基本指針の案によりますと、特定健康診査は、生活習慣病対策を効果的に進めていくために、早期に患者及び予備軍を発見いたしまして、保健指導を徹底し、生活習慣を変えてもらい、それによりまして重症化・重度化を防ぐことが目的とされているものでございます。
○白井委員 今、糖尿病等の生活習慣病対策のお話がございました。若干補足説明をさせていただければと思うんですけれども、もちろんそのとおりでございます。具体的に触れるところというのは、実は、じゃあ生活習慣病をどこで危険因子を判断するのか。メタボリック・シンドローム、皆さんもう耳によくよくお聞きするところだと思うんですけれども、これに特化して危険因子を判断していくと、このようになると思います。
 では、その前段階お話しいただきましたけれども、生活習慣病の、特にメタボに関してこの検査を行うということになりますが、じゃあ、なぜこのメタボリック・シンドロームについて特化して、メタボに着目するのはなぜかと、この辺をもう一度お聞きしたいと思います。
○柿内保険医療担当課長 内臓脂肪型肥満と生活習慣病とは密接な関係があるということがございますので、その点でメタボリック・シンドロームに着目しているものでございます。
○白井委員 メタボに注目して、生活習慣病対策に資する危険因子を階層化していって判断していく。そして、保健指導につなげていく。これが特定健診であろうかなというふうに思います。
 では、今まで区民健診と言われてきました、正確に言うと成人健康診査になるんでしょうけれども、これは老人保健法に基づいて行われてきた健診ではありますが、今までの従前の老健法に基づく成人健診、区民健診というのは、どのような目的から行われてきたものなんでしょうか。
○尾崎健康・高齢担当参事 これまでの基本健康診査、成人健診につきましては、老人保健法に規定する保健事業の一つとして位置付けられ、健康診査として実施されているものでございます。心臓病、脳卒中等の生活習慣病の予防を目的としたスクリーニングでございまして、疾病の早期発見・早期治療につなげ、必要なものに対しては保健指導や正しい知識の普及を行うということになっております。
○白井委員 そうすると、老健法に基づく今までの区民健診、成人健診というのは、特定健診で導入されているところ以上の一般的な疾病というんですかね、ここも包括的に診てきた健診であって、今回導入される高齢者の医療確保に関する法律に基づく特定健康診査というのは、むしろメタボに着目して、ここを限定的にという、ここが特定という意味なんだろうなと思っております。
 では、除外されてしまう部分、この点の観点が、いわゆる区民に対する保健サービス、医療の提供という観点がないのではないか、または薄れてしまうのではないかと、このように思いますが、いかがでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 委員御指摘のように、特定健診につきましては、法律の改正によりまして、従来区が行っていました健診から保険者が行う健診へと役割が移行したものと受けとめてございます。このように、保険者が責任を持って特定健診・特定保健指導を義務として行うことによりまして、例えば、私どもで考えますのは、中野区の国民健康保険の被保険者などの健康づくりの推進を図ることができるということで考えてございます。
○白井委員 もともと、じゃあ何で特定健診、医療制度改革を含めてなんですけれども、こういうお話が上がってきたかというと、もう皆さん御承知のとおりだと思います。高齢化が進むことによって、どうしても高齢者の方々、病気になります。当然、医療費が上がります。ですけれども、それがやっぱり医療制度自体を圧迫していって、もう成り立たない。ここから、どうやってふえ過ぎる医療費を抑える、ある意味、節約という言い方になるかもしれません。一方で、制度自体を維持しないと、もうもともとの橋がなくなってしまうというところから起こってきているわけであります。ですから、財政的な面というか、この辺の観点を入れながら、もちろん前提です。しかしながら、一般的な疾病に対して中野区として上乗せできるもの、追加していくもの、あってもいいんじゃないかなと。この視点から、つまり区民に対する保健サービスの視点、この視点で質疑を続けさせていただきたい。改めて前提の確認でございました。
 それでは、細かくなって、さらに中の話に入っていきたいと思います。大変恐縮ではございますが、高齢者医療確保法、国の基準で特定健診の基本的な健診項目、それとさらに詳細な健診項目がそれぞれ決められております。これらの項目についての話を伺います。
○柿内保険医療担当課長 特定健診につきましては、基本的な健診項目と、詳細な健診項目というお医者さんの判断によって行うものがございます。基本的な健診項目といたしましては、身体測定でありますとか血圧、生化学検査、血液検査、尿検査等がございます。また、詳細な健診項目としては、血液学検査、生理学検査があるものでございます。
○白井委員 朝、図画工作で、ちょっとわかりづらくて恐縮なんですけれども、あえて項目の一覧をつくってみましたので、見えないとは思うんですが、恐縮です。
 それでは、今お話のありました、まず基本健診の部分と、それ以外の詳細な健診項目というのがあります。詳細な健診項目というのと、この違いを教えていただければと思うんですが。
○柿内保険医療担当課長 基本的な健診項目につきましては、どなたでも行うということでございます。詳細な健診項目につきましては、医師の判断によって行うということがありますので、一定の条件があるかというふうに理解してございます。
○白井委員 それでは、今度は後期高齢者の話へ移ります。
 東京都がこの度、後期高齢者の広域連合として行う後期高齢者医療健診の項目、これも同じように、どのような項目があるのか、教えていただければと思います。
○柿内保険医療担当課長 後期高齢者健診の項目といたしましては、先ほどとダブル部分もございますが、身体測定、血圧、脂質、肝機能、代謝系、尿検査というものが予定しているものでございます。
○白井委員 後期高齢者の東京都が行う、東京版といっていいんだと思います。国が定める基準の後期高齢者の健診と、もともとは努力義務でありますので、全くなくてもということなんですが、東京都としては行いますよという話にありました。さらに、国の基準よりも上乗せとして行う項目があるんでしょうか。教えていただければと思います。
○柿内保険医療担当課長 上乗せということではなくて、基本健診の特定健診にあります健診項目に準拠として行うものでございます。
○白井委員 血糖検査、空腹時血糖とヘモグロビンA1c、どちらか選択式に行うようになっておりますが、東京都においては、広域連合としてどのようにお考えになっているんでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 やはりこれにつきましては、基本的な健診項目ということで、いずれかを行うということを想定しているものでございます。
○白井委員 私の記憶だと、ヘモグロビンA1cのほうを採用したんではなかったかと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 もう一回すみません。質問を聞き取れませんで、申しわけございません。
○白井委員 東京版としての後期高齢者の健診項目なんですけれども、国基準としてはどちらか、空腹時血糖か、もしくはヘモグロビンA1c、どちらでもいいですよという話になっています。細かく言うと、空腹時血糖よりもヘモグロビンA1cのほうが検査項目としては高いんです。なんですけれども、精度は上がります。たしか、東京版のほうは、広域連合としてヘモグロビンA1cのほうを採用したんではなかったかと思うんですが。
○柿内保険医療担当課長 私の理解では、いずれか一方の実施で可能というふうに考えてございます。
○白井委員 わかりました。どうもありがとうございます。
 それでは、中野区において、今までの健診項目と異なってまいります特定健診検査項目、どのように行われるようになるのでしょうか。お尋ねいたします。
○柿内保険医療担当課長 中野区の特定健診の項目につきましては、先ほど申し上げました基本的な健診項目並びに詳細な健診項目に加えまして、胸部エックス線、尿潜血、尿酸、アルブミン、クレアチニン、白血球数、血小板数等を行うことを予定してございます。
○白井委員 それではまた、上から順番に、国の基準と比べて中野区はどんな健診項目になっているのかなと、細かいお話なんですけれども、これは一つひとつ区民の保健サービスに資するんだろうなと。ある意味、たくさん入れていただいたんだなと、このように評価しております。中野区の区民に対する保健サービス、こうやって努力しているんですよという売りですから、しっかりアピールするつもりでお話をいただければなと思っております。
 同じく、血糖検査のところなんですけれども、空腹時とヘモグロビンがあります。中野区においては、これをどのように採用されているでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 特定健診につきましては、国の基準では空腹時血糖、ヘモグロビン、選択的にいずれかを行うということでございますが、私どもとしては両方を同時に行うということを想定してございます。
○白井委員 ありがとうございます。
 それでは、詳細な健診項目についてなんですけれども、本来は先ほどお話しいただきました医者の知見によって、場合によって検査を行うというところがあるかと思います。しかしながら、今お話を聞いたところによると、中野区はもう基本的にやりますよという項目がかなり入っていたかと思いますが、この点、改めてもう一度お尋ねします。
○柿内保険医療担当課長 詳細な健診項目、いわゆるお医者さんの判断によって健診するものでございますが、その中で、血液学検査ですとか心電図につきましては、特定健診の方については皆さんやっていただくということを想定してございます。
○白井委員 それでは、1個1個やると多分もう延々の繰り返しになりますので、上積みされている項目、ざっと挙げさせていただきます。特にこれを行うことによって、具体的には区民にとってこの辺の保健サービス、しっかり手当てしたんですよと、手厚いことをしたんですよというふうにお話しいただければと思うんですが、今お話しさせていただきました詳細な健診項目三つありまして、細かいんですけれども、血液学検査の中のいわゆる貧血検査と言われている部分です。ヘマトグリッドというところと血色素量、ヘモグロビン値と言われるところです。それと、赤血球数、RBCとも言われております。さらに心電図、ここもお話がありました。そして、胸部エックス線についてもお話がありました。さらに尿酸、血清アルブミン、血清クリアチニン、尿潜血、白血球、血小板とありましたけれども、これらがすべて実は中野区は独自でやりますよというお話なわけですね。国の基準よりもさらにさらに上積みして区民の保健サービスに資するんだと、こういうことでございますけれども、具体的にどのような検査をやられて、どのような形で区民の健康に資するのかなと。ざっくりで結構でございますので、お話しいただければと思います。
○柿内保険医療担当課長 血液化学検査につきましては、貧血が疑われるかどうかというものを検査するものでございます。また、心電図につきましては、心疾患のおそれのある状況を発見するという検査でございます。また、胸部エックス線につきましては、胸部の疾患等の有無などを検査するものでございます。また、尿酸につきましては、高尿酸血症や痛風などの原因になる尿酸濃度をはかるための検査でございます。血清アルブミンにつきましては、栄養状態を評価するものでございます。また、クリアチニンにつきましては、腎機能を調べる検査でございます。尿潜血につきましては、腎臓や尿管、膀胱など尿の通り道となる臓器の異常の有無を調べる検査でございます。白血球につきましては、感染症の有無や白血病、悪性貧血などの可能性を調べるものでございます。血小板につきましては、骨髄機能の異常を調べるものという検査であるというふうに理解してございます。
○白井委員 ありがとうございます。細かいお話になってくるとあれなんですけれども、代謝系だとか腎機能、尿系の機能、心機能、肝臓機能も含めて、多分この辺が手厚く補てんされているんだろうなと言い切れると思います。一般的にさまざまな意見があるんです。お医者さんによっても、そのよって立つ見地によって違うんですが、実は医師会の方々からの要望とか、その他の団体から言われている要望だとか、我が党からもこれは最低限入れるべきですよと言わせていただいた項目も入っております。結構いろんなところ、重なるところと重ならないところもあるんですけれども、大体網羅して入れていただいたんではないかな。このような意味で、大変評価しているところであります。
 23区横並びという言い方も変なんですが、皆さん特定健診が入ってくることによって、従前の健診体制の項目を改めようとしております。ちょうど予算の定例会のタイミングですから、本当は改めてどことどこという横並びのお話もしたかったんですけれども、若干手に入ったんですけれども、まだ内々にしておいてくださいというお話しでして、ここはこうやっていますというお話はちょっとできないものですから、そういう意味では、他と比べて結構頑張っていただいているんではないかなという手ごたえ、まだ全部は入っておりませんが、感じております。
 さて、次に保健指導についてお伺いしていきたいと思います。
 健診をやりました。その中で、危険因子を幾つか選びました。階層化して、この人たち、積極的支援、動機付け支援、このような形を受けて保健指導を行っていくようになるんですけれども、保健指導として、多くの上乗せ項目が今回、今お話しさせていただきましたようにあります。本来は、保健指導というのは、特定健診で得たデータ、それもメタボに限定した部分だけのデータを利用して保健指導を行うと、こういう形になっているわけですけれども、せっかくこれだけいろんな項目が入っているわけですし、この保健指導を行う際、せめて積極的支援、動機付け支援になった方々に対して、このデータを使って保健指導を行うことはできないかなと、このように思うんですが、いかがでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 健診項目につきましては、特定健診の結果のデータに基づきまして、健康づくりに幅広く役立てていただくということを考えてございます。これによりまして、本人の生活習慣の変容とかにもつながるのではないかというふうに考えてございます。
○白井委員 上乗せ項目について、その保健指導ですね。データとして使っていただけるのかどうかというところなんですが、もう一度お聞きします。
○柿内保険医療担当課長 上乗せ項目について保健指導に生かすかどうかは別といたしまして、各人のほうで健診結果に基づきまして本人の生活の習慣の見直しとかそういうところに生かしていただければと思ってございます。
○白井委員 ここも実は厚生労働省の確定版の中に、復帰という形なんですけど、一般的な上乗せ項目で行う自治体もあるでしょうと、保険者もあるでしょうと。その際には、例えば保健指導を行う際、本来では違うんです。ですけれども、せっかく保健指導をやっているんですから、それも一般的な疾病も含めてあわせてやっていくのが望ましいという項目になっております。ぜひ中野区も、たくさんあるのでこの中で限定でもいいかなと思うんですが、区民の保健サービス、この保健指導の分野でも生かすことができるんだというようにぜひ御検討をいただければなと思います。
 続きまして、今度は年齢を横並びで分けます。今のは、特定健診の分野ですから、40から74歳が該当部分になります。区民健診においては、35歳から行っておりましたけれども、35歳から39歳、下の部分ではここが現在特定健診には入らない状態となっております。この35歳から39歳の健診体制とどのようにとられるのでしょうか。
○尾崎健康・高齢担当参事 お尋ねの件の35歳から39歳の、今回は健康づくり健診という言い方をさせていただきたいと思いますが、その検査項目でございますけれども、国の特定健診の基準に従いまして、基本的な検査項目としては問診、身体計測、血圧、尿検査、それから中性脂肪などの血液化学検査を行います。そして、詳細な検査項目といたしましては、一定の基準に該当し、医師が必要と判断した場合でございますけれども、貧血検査、心電図、眼底検査を行うこととしております。さらに、同時健診が可能な尿潜血などは、上乗せして行うことにしております。
○白井委員 本来、この40歳からが特定健診なわけですから、保険者においては努力義務、健診を行わなくてもいいというところがスタートになろうかと思っております。しかし、中野区としては、保険者として、35歳、今までもやってきたわけですから、今回、健診項目をやりますよというところだと思います。もう一歩上乗せ、これ自体も上乗せということもできるんでしょうけれども、今お話しがありました尿潜血ですか、ここが入ってくると思います。主に腎機能の検査であって、これを検査することによってこの異常が早くわかるということなんですけれども、実は、これもいいことだなと思っております。30代において腎機能障害を起こす方、多いとも言われております。そういう部分では、若い人たち、30代の人たちに対してもしっかり保険者として中野区は保健サービスを提供しているんだぞというアピールもできるのではないかと思っております。
 もう一つなんですが、例えば、特定健診の項目と比べると若干少ないかなというような発想もあるんです。やみくもにふやせばいいというわけではないんですけれども、私も具体的にどの項目がいいのかなと悩んだんですが、なかなかわからなくて。一番30代で多いのはどこかというと、身体的ではなくて、精神的な病が最近非常に多いんですけれども、これはちょっと健診にはなじまないんだろうなというふうに思っております。今後にはなるでしょうけれども、いわゆる健康づくり健診、新しくできた項目に関しても、制度の運営も含めてなんですが、新たな項目もぜひ御検討いただければと思いますので、御答弁いただけますか。
○尾崎健康・高齢担当参事 来年度、制度が変わりますので、国が示した基準の検査項目を基本にして実施してまいりたいと思います。その上で、必要ならば改めて検討をしていくというような考え方でございます。
○白井委員 ありがとうございます。それでは、この健康づくり健診の方、検査をやります。やっぱり、当然診断が出ます。保健指導というのは全く行わないような形になるんでしょうか。お聞きします。
○尾崎健康・高齢担当参事 健康づくり健診には、医療保険に加入されていない方も対象になります。例えば、生活保護受給者の方、そういった方も入ります。それで、保健指導についても実施を考えているところでございますけれども、今、話題のありました35歳から39歳までの方については、特定保健指導の対象前の年齢でございますので、特定保健指導というのではなくて、これから私ども取り組んでまいります健康づくり、各事業ございますので、そういったところへの参加を働きかけてまいりたいというふうに考えております。
○白井委員 すばらしいことだと思います。本来義務的健診であって、さらに保健指導の分野というのは、全く手をつけなくてもいい分野なんですね。それを通知だけでなくて、健康づくりにさらに努める。この点に関しては、大変評価したいと思います。
 続けます。では、35歳から39歳は述べたんですけれども、生活保護の受給者の方々について、健診はどうなっているのかというのをお伺いしたいと思います。
○尾崎健康・高齢担当参事 生活保護受給者の方につきましても、健康づくり健診で受診していただくことを考えておりまして、検査項目につきましては、35歳から39歳までの方と同様の内容ということにいたしております。
○白井委員 この生活保護受給者の方、保険者というのはどこになるのかといったら、実は保険者はいない状態なんですね。私もそうなんですかというところだったんですけれども、つまり、保険者がいないということは、だれもこの健診を手当てする人がいない状態なんです。その意味においては、中野区はそこも担保しますよというところですから、やっぱり一般的な特定健診の項目、74歳までの方々の項目と比べても少ないというのはやむなしというところもあるのかなというふうにも思います。しかしながら、年齢を一切問わず、74歳の方々の範疇すべてにおいて、国が定めた基準ですと言われればそこまでなんですけれども、ある程度年齢に応じて病気のかかり方も変わってきます。上乗せ項目というんでしょうか、若干配慮があってもいいかなと思うんですが、この辺の御検討はいかがでしょうか。
○尾崎健康・高齢担当参事 繰り返しの答弁になりますけれども、生活保護受給者についても、国の特定健診の項目を基準として考えておりますので、年齢によって組みかえていく、そういったことは難しいと考えております。
○白井委員 それでは、自己負担についてのお話をさせていただきたいと思います。
 東京版の後期高齢者の自己負担額は500円と伺っております。健診の際に、本人の費用負担については、健康づくり健診、35から39歳、そして中野区版の特定健診、40歳から74歳、この費用負担はお幾らを想定されているんでしょうか。
○尾崎健康・高齢担当参事 私からは健康づくり健診の自己負担金につきましてお答えしたいと思います。これまで成人健診では400円としておりました。この健康づくり健診の自己負担金につきましても、400円とする予定でございます。
○柿内保険医療担当課長 特定健診につきましては、500円を想定してございます。
○白井委員 ざっと聞くと、もともとは400円で、大腸がん検診も含まれての値段であったりするので、上がったのかなという言い方もできるんですけれども、保健指導が入ってくるというところですから、一概に言えない部分ではあるんですけれども、料金設定、今お話のあった、これははじめて出たところですよね。検討していただければなと思います。
 じゃあ、一般の方々が健診を受けて、そうした保健指導を受けられる。逆に言うと、今までこの健診の費用の免除をされていた方々の規定があります。例えば、前年度の住民税の非課税世帯に属する全員の方、もう一つが、生活保護を受給した世帯に属する方。年齢において、70歳以上の方は成人健診、大腸がん検診、成人歯科検診、これは自己負担が免除されていたんですけれども、これらの項目は新しく特定健診が入ってくることによって免除規定はどうなるでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 国民健康保険の特定健診につきましては、免除の規定は考えてございません。
○白井委員 すると、健康づくりのほうはありますか。
○尾崎健康・高齢担当参事 健康づくり健診につきましては、これまでの免除規定を生かすような形で考えております。
○白井委員 そうすると、年齢が本来入っていませんから、住民税非課税世帯の方々と生活保護受給世帯の方々に関しては、今お話のあった免除規定をそのまま適用できると、こんな形でしょうかね。ただ、年齢がぐっと下がりますが、このような理解でいいかと思うんですけれども、続けます。
 他の自治体保険者、先ほどお話しさせていただいたんですけれども、今、自己負担額を含めたり、健診項目、まさに議論中のところであります。ぜひ今後、保険者としての中野区の特定健診の部分とか、もしくは39歳より以前の若い人たちへの健診、どのような項目で、実際どのぐらいの負担額でやっているのかなという情報を収集いただいて、今回はこれでスタートを切りますというお話しですから、今後、改めて必要があれば健診項目を含めて見直すというところでございますので、情報収集を続けていただければなと思います。
 受診率の目標についてお伺いをしてまいります。
 本計画は、5年を1期として、20年4月からスタートして、平成24年(2012年)までを必要に応じて見直すという形になっているんですけれども、区民健診の現在の受診率の現状と今後の目標、さらには保健指導のこれも目標で、メタボの該当者・予備軍の減少、これは最後の結果の部分になるんですけれども、それぞれの目標設定についてお伺いいたします。
○柿内保険医療担当課長 私からは、国民健康保険の特定健診の部分についてお答えいたします。これにつきましては、国の参酌標準というものがございまして、平成24年度までに特定健診については65%、保健指導については45%を目標とするものでございます。また、メタボにつきましても、メタボの該当者・予備軍につきましては、平成20年度に比べて10%の減少ということで国のほうで示されてございますが、中野区としても同様な形で目標を設定したいと思ってございます。
○尾崎健康・高齢担当参事 基本健康診査、成人健診の受診者につきまして、受診率の現状を申し上げたいと思います。対象者約4万7,000人が受診されておりますけれども、人口比で見ますと30%に達していません。30%弱の受診率でございます。健康づくり健診は制度が大きく変更になりますので、今後の目標値については改めて検討してまいりたいというふうに思っております。
○白井委員 健康づくりのほうは改めて検討というお話しだったんですけれども、特定健診はかなり実はハードルが高い目標設定がされているんじゃないかなというふうに思います。受診率があって、保健指導のもあって、最後の結果の具体的に該当者・予備軍の減少に関しては、5年後の2012年、このタイミングで後期高齢者への支援金という形も、ペナルティ金という言い方もされているんですけれども、拠出がされます。保険者としてしっかり対象者に対して手当てをしてこなかったという意味合いの部分で、支え手となるところなんですけれども、具体的に、4月からのスタートに対して、まずこんな今お話ししたところ、実際どんな健診項目があって、どんな保健指導があってと、ほとんどの方が知らないんだろうなと思います。私も勉強してはじめて今回知ってというところなんですけれども、受診率を上げるというのは、まずはこういうことがありますよと知っていただかなければならないでしょう。そういう面では、周知案内の方法について、どのような方法で御検討されているのか、お伺いします。
○柿内保険医療担当課長 特定健診の被保険者であります対象者につきましては、個別に受診票を送付するということでございまして、その受診票を受け取った対象者の方は、区内の医療機関等で健診を受診してもらうということを想定してございます。また、区報やホームページ等を活用して、さまざまな工夫をして周知に努めているところでございます。
○白井委員 あわせて、恐縮です、健康づくり健診のほうの周知に関してはいかがでしょうか。
○尾崎健康・高齢担当参事 健康づくり健診につきましては、区民健診に既に登録されている35歳から39歳までの方については、個別にお知らせと受診票を送付いたしたいと考えています。その他の健診全体についての広報と、特定健診と同じようになりますけれども、区報、ホームページ、ポスターなどにより周知を図ってまいりたいと考えております。
○白井委員 そうすると、周知方法、今までの区民健診よりもさらに上がるんだなと。特定健診に関しては、全国一律で御自宅のほうへ受診票が届くというような形だと思うんですけれども、まずはしっかりしていただいて、こういうことがあるんですよと、健診を受けていただく。それから、階層化した上で保健指導へつなげていく。ここからがスタートなんだなと。本当の意味においては、保健指導においてどれだけ改善していくかというところが大きいところなんですけれども、スタートに当たっては、しっかりとこの点に力を入れて取り組んでいただければと思います。
 現場において、二転三転、あるいは課題山積みの状態の中、保険者においては大変混乱している状況だとも伺っております。中野区においても大変な中でのスタートを切られるかと思うんですけれども、ぜひとも御努力いただければと思います。
 さらに続けます。特定健診の実施時期、どのタイミングで健診を具体的に行うかについてお聞きします。
○柿内保険医療担当課長 特定健診につきましては、6月から11月を予定してございます。
○白井委員 今、お話しがあったように、相当ハードルの高い設定なんですね、目標値というのが。その意味において、6月から11月だけ、手続の期間が確か要るんでしょう。その後、健診を受けた後も保健指導へつなげなければならないんですが、医師会の方々、実際にこの健診を受けられる、もしくはほかの医療機関と差があるのかもしれませんが、受けられる方々にとっては、今回、たくさんの人たちが健診を受けるようになる。そうすると、どうしても労働力を整えなきゃいけない。だけども、期間が終わるとぱたっとやめる。季節労働者的な部分で、一定的な雇用、雇うのが大変だという要望があります。また、実際の対象者の方々が健診を受けるに当たっては、やはり広ければ広いほどいいんだろうなと思います。1年を通してとまでは言いませんが、この受けられる期間を広げる必要性がある。そうしないと、受診率の向上自体もなかなかおぼつかないんではないかなと、このように思うんですが、いかがでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 特定健診につきましては、特定健診の結果につきましてデータ化をしまして、それに基づきまして保健指導を行うわけでございますが、実際には特定健診を行いましてから3カ月ぐらい、データのやりとりの部分とか判断がかかるということでございますので、特定保健指導はやはり3カ月ぐらいずつで行われていくということを想定してございます。そのスケジュールを考慮いたしますと、どうしても特定健診の実施時期は、特定健診、特定保健指導が年度内にある程度終わるということを想定いたしますと、やはり11月ぐらいが限度ではないかということで想定してございます。
○白井委員 事務的なところ、わかるところもあるんですけれども、なるだけ横の幅を広げる努力も続けていただければと思います。
 では、縦はどうでしょうか。例えば、夜間、もしくは休日、具体的には医療機関がどのように受けていただけるかという形になると思うんですけれども、保険者として、基本的には委託になるんでしょうね、健診を。ぜひともその辺を、受けられるタイミングを広げていただくようなお願いというのはされるんでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 なかなか個々の医療機関に働きかけるというのは難しいものがございますが、実際には、土曜日・夜間に医院が開いている部分がございます。その期間が健診を行っているということであれば、その部分につきましては受診も可能かなというふうに想定してございます。
○白井委員 それでは、他の法令との関係を少しお聞きしたいと思います。といっても、健診についてなんですけれども、例えば、健診項目の中に血清アルブミンというのがありました。実は、この65歳以上は介護保険予防法に基づいて、基本チェックリストと生活機能評価というところに重なるところなんです。特定健診というのは、他法優先と言われておりまして、特別法みたいな感じなんですかね。介護予防法があればそっちを優先していただいて、その健診を受けていただいて、データはそっちから移管する。財源的には、国保の部分ではなくて、介護保険特別会計とかになるんでしょうか。そういうふうになるんですけれども、そのタイミングをうまく同時にできれば、わざわざ2回やる必要はなくて、積極的に一緒に受けることになればコストが削減できるんじゃないかなというふうにも思っております。ただ、基本的には介護予防に基づくチェック項目なので、何が何でもここへくっつけるというわけではないんですけれども、極力このような体制がとれるのかどうかお聞きしたいんですが、お願いします。
○尾崎健康・高齢担当参事 生活機能評価につきましてお話をさせていただきたいと思います。国民健康保険の特定健診と検査項目、重なる部分がございます。それがございますので、同時ですし、できるものはそのようにしてまいりたいと思います。
 ただ、御存じかと思いますが、生活機能評価は、検査により虚弱な高齢者を抽出して、介護予防事業につなげていくという流れがございます。そういった流れの中で、やはり実施時期を早目にスタートを切らなければならないという部分がございまして、時期が合わない場合は単独実施ということになります。
○白井委員 おっしゃるとおりだと思います。そもそも何でやるのかといったら、介護予防につなげるためですからね。ここを優先しながらも、タイミングが合うものに関しては積極的にコスト、わざわざ2回やる必要はないと思うので、取り組んでいただければと思います。
 さらに、他の法令に基づく健診に関連してお聞きしたいと思います。例えば、現在、区民健診で行っている肺がん検診というのがあります。これは健康増進法にたしか基づく検診にあるかと思うんですけれども、一方、今回、国の定めた基本健診項目にはない項目だったんですけれども、胸部エックス線検査があります。中野区、保険者として行うことになっているんですけれども、じゃあ、健康診査で行う胸部エックス線と肺がん検診で行うレントゲン、まず、この違いというのはどうなんでしょうか、お伺いします。
○柿内保険医療担当課長 健診内容についてはつまびらかではないんですが、やり方が若干違うということで想定されております。
○白井委員 やり方が違うとあれなんですけど、私が区のホームページを見た限りでは、肺がんの専門医が二人で診て、これは肺がんの疑いがあるんじゃないかという先入観から見る。一方、健診というのは、一般的な疾病がないかどうかということで、より精度が上がるんだというお話しなんですけれども、ここはさておき、では肺がん検診の年齢が設定されておりますけれども、特定健診でやる場合は外してもいいんじゃないかなと思っているんです。該当年齢のときは、健診としての部分と、肺がん検診の部分とあれば、ここもコストが削減できるんではないかと考えるんですけれども、いかがでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 肺がん検診を受診した方につきましては、改めて国民健康保険の特定健診で胸部エックス線を実施しない方向で医師会と協議中でございます。
○白井委員 それでは、肺がんまで行きましたので、がん検診、ほかのところについてお伺いしたいと思います。
 予算書を見ていて、喉頭がんのところが50歳のところから現在実施されているところなんですけれども、60歳に上がっております。恐らく、がん検診自体が、中身のものが変わっているんではないかと思うんですけれども、その他のがん検診の項目、実施の対象だとかというのが変更になっているんでしょうか、お伺いします。
○尾崎健康・高齢担当参事 ただいま喉頭がん検診についてお話がございましたけれども、そのほかのがん検診でございます。がん検診全体としてお話しさせていただきたいと思います。変更点は、検診の検診実施対象年齢基準を見直すということでございます。これはどういうことかといいますと、これまでの検診実施年は、3月31日現在での年齢ということにしておりました。これを見直しまして、検診実施年度、その年度の年度末の3月31日現在の年齢とする。つまり、これまでより1年は早く検診が受けられるように、そういうような変更をするものでございます。
○白井委員 すみません、お昼時間ですが、少しだけ、最後の項に当たりますので。
 そもそもがん検診の目標、受診率というんでしょうか、かなり大きな設定をされているんですけれども、改めてお伺いいたしたいと思います。
○尾崎健康・高齢担当参事 がん検診の来年度目標でございますけれども、これは登録された方を対象にしてということになりますので、そういった対象のもとの受診率でございます。71.5%を目標としております。毎年徐々に上げていくということでございます。
○白井委員 そうすると、国で定めている受診率の50%というのは、そもそも分母が違うと。ここに中野区の出ている部分というのは、手挙げで、登録された方を分母として、受けた方、受診者で割っているからこういう高い設定になっているわけですね。本来、受診率50%というのは、もう本当に難しい数字だとも言われているんですけれども、実はこの辺の制度をしっかりはっきりさせていく必要もあるんじゃないかなと思っております。がん検診自体が、年齢を前倒しの意味合いはとてもわかるんです。例えば、後期高齢者の部分に関しても、その年になったらスタートというところなので、他の健診においてもここは一律にしないと、若干少しずつずれていくようなところもあろうかと思います。努力義務ではあるんですけれども、そもそもがん対策については予防推進計画というのがあります。中野区においては、これをおつくりになるおつもりがあるでしょうか。
○尾崎健康・高齢担当参事 がん対策推進計画、これはがん対策基本法により、都道府県が策定を義務付けられております。現在、東京都において策定中というふうに聞いております。その中で、区市町村のレベルでもがん予防対策推進計画策定を支援するというような内容が盛り込まれているというのは聞いておりますけれども、今後、東京都が策定したこのがん対策推進計画などを見た上で考えてまいりたいというふうに思います。
○吉原委員長 白井委員の質疑の途中ですが、ここで昼食休憩をとります。
 再開時刻は13時といたします。
午後0時01分休憩

午後1時00分再開
○吉原委員長 委員会を再開します。
 お手元に、先ほど要求しました資料2件を配付しましたので、御確認ください。
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。白井委員、お願いします。
○白井委員 午前中に引き続き、緊張して質疑を続けさせていただきたいと思います。
 区民健診については、本当はもう少しがん検診に触れたかったんですが、後ろがもうたくさん残っておりまして、これで区民健診の項目については終わらせていただきたいと思っております。ただ、さまざま要望を提出させていただいて、採用していただいたところもあるんですけれども、さらに区民の健康に資する、この観点から、充実をお願いしたいと思っております。
 それで、以下なんですが、順番を変更させていただいて、質疑をさせていただきたいと思います。これからは「東中野駅前再開発について」、その後「通学路等の安全確保について」、次が「資源の回収について」、そして「障害者施策等について」、「緑化の推進について」、この順番で行わせていただきます。午前中とは違ってテンポアップして、さらに項目も単発な形で進めていきたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 それでは、「東中野駅前再開発について」、お伺いいたします。
 過日、中野駅・東中野駅の再開発について、まるで再開発自体がむだな予算措置であるかのような趣旨の発言がありました。特に、東中野駅の再開発について、地域住民の声を生かせというのであれば、いま一度にぎわいを望む声、また地域力の結集となるよう広場を求む声など、さまざまな希望・期待の声があります。きょうはその代弁者としての立場から質問を行わせていただきます。
 まずはじめに、山手通り、東中野駅周辺、西口駅前広場と、軌道上空活用のこれまでのまちづくりの取り組みについてお伺いいたします。
○登都市計画担当課長 東中野駅西口の広場でございますけれども、昭和32年に東京都のほうが駅広場として都市計画決定をしまして、事業に着手いたしました。昭和40年代、東京都と旧国鉄のほうで広場の整備につきまして施工協定を締結しまして、双方、半分ずつという按分で広場を整備するという協定に至ったという経過がございます。
 ただ、その後、国鉄の経営状況の悪化等がございまして、広場整備につきましてはしばらく中断をしてしまったという状況が長く続きました。その後、山手通りの拡幅整備が日程に上ってきまして、その中であわせて広場整備というのも再度復活をしたということでございます。その中で、平成9年に東京都、JR、中野区で広場を整備するということで合意に至りました。中野区が整備主体となるという点と、土地につきましては無償使用ということでございます。
 その後、山手通りの整備等の事業が進行いたしまして、平成14年でございますけれども、軌道上空の仮設桟橋と呼んでいますけれども、山手通りの工事に伴って設置するところ、それらを山手通り整備後につきましては広場に転用するという合意ができました。その後になりまして、広場の設計等がございました。その中で、JRの改札口と広場を結ぶ線路上空の活用についても日程に上ってきて、現時点ではそれらにつきまして検討しているという状況でございます。
 なお、広場整備でございますけれども、完成は平成23年度を目途にしております。その中で、環六整備、あるいはこの広場整備にあわせまして周辺のまちづくりということで、東中野駅周辺まちづくりについての検討も、平成18年、19年度と2年間にわたって検討が進められてきたという経過がございます。
○白井委員 そうすると、長い経過を経て、降ってわいたような話ではないんですよと。一連あって、中断もありました。ですけれども、やっぱりもう一度こういう計画を起こすべきだというところから、リスタートした計画であるということだと思います。その中心となるのがこの駅前広場、西口の駅前広場といってもいいのかと思いますが、この広場、一体どのぐらいの規模、広さのものなんでしょうか、お伺いします。
○登都市計画担当課長 まず、広場でございますけれども、2,240平方メートルでございます。また、軌道上空でございますけれども、これは700平方メートルということで、合わせて2,940平方メートル、約3,000平方メートルという広さでございます。
○白井委員 それでは、この経済的効果というのはどのように見ておられるでしょうか、お伺いします。
○登都市計画担当課長 経済的効果というなかなか難しいことでございますけれども、まず言えることは、仮に広場とか軌道上空を土地というふうに考えますと、仮に地価で換算しますと約40億から50億程度のものでございます。もし仮に、区が土地を取得するということになれば、その程度かかるということです。また、経済効果全般でございますけれども、やはり乗降客等の利便性が非常に高まる。それから、バスやタクシーに乗りやすくなるということで、交通結節点機能の強化という点にも役立ちますし、また、それを通じまして、まちのにぎわいにも資するものというふうに考えております。
○白井委員 おっしゃるとおりだと思います。土地を生かしながら、本当に駅前一等地なわけですから、例えば単価150で見積もると大体45億ぐらい、この辺は下らないんだろうなと思います。新たに土地をつくるような意味合いですから、そういう部分では、あそこへ土地を購入しまして、それから上物を建てますというよりははるかに経済的効果も望めるでしょうし、またそれができたことによって、地域の活力復活を大いに期待できるんではないかなと思っております。
 では、その一帯を含めてなんですけれども、具体的にどのような計画が検討されているところなんでしょうか、お伺いします。
○登都市計画担当課長 まず、周辺まちづくりという点では、具体的なものというのはこれからということになりますけれども、駅広場につきましては、先ほど申し上げましたように、バス停ですとか、あるいはタクシー乗り場等ができますし、軌道上空につきましては、JR側はある程度店舗・事務所等を設置したいという意向もございます。また、広場の下といいますか半地下式になりますけれども、駐輪場が整備されますし、また、広場の関連でいきますと、環六の下に地下通路ができることになります。それを通じまして、銀座通り商店街のほうに通ずる地下道ができるということでも、一定の前進が見られるのかなというふうに思います。
○白井委員 駅前の広場の再開発、それと並行してまちづくりも検討を始められているかと思います。このエリアというんですか、対象地域というのは一体どのくらいを指すものなんでしょうか、お伺いします。
○上村中部地域まちづくり担当課長 駅周辺及び山手通りを中心にしながら、後背地である住宅地まで目線に置いておりまして、東中野一丁目から五丁目全域、規模的には約1平方キロメートルを対象としてございます。
○白井委員 にぎわいの要素、また地下鉄・JRの結節点、さらには学校、各種専門学校もあり、商店街やシアターなどの文化施設もこの東中野の駅、また周辺エリアにはあります。これらに相乗効果を持たせるようなまちづくりの工夫が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○上村中部地域まちづくり担当課長 東中野駅利用者は、JR、地下鉄大江戸線を合わせると10万を超える人数がございます。このうち、しかしながら大江戸線の利用者約2万人のうち7割程度がJRに乗りかえるだけといった調査結果も出ております。また、歩行者通行調査でも、北側と南側では、南側が北と比べて約3分の1、西口と東口では、東口が4分の1というような調査結果も出ております。周辺商店街の売り上げも減少しているというような現況がございます。このような分析を踏まえながら、委員御指摘のように、交通結節点の高さや専門学校が多い、また全国発信している映画館などの特性を生かしながらにぎわい拠点を生み出し、これから行われます都市基盤整備や民間プロジェクトをうまく結び付けながら、にぎわいを生み出しながら、歩いて楽しい新たな出会いが生まれるまち、回遊性を促す空間づくりにより、住む人・訪れる人の滞留時間が長くなるような施設展開が必要かと考えております。
○白井委員 今るる述べていただきました。確かに、中野駅には私は交通の便を考えるならば匹敵するんじゃないかなと、手前みそながら考えております。また、商店街等々含めて、今町並みのお話もちょうだいいたしました。ポテンシャルは高いんだろうなと、これも手前みそにとらえられるかもしれませんが、感じているところであります。
 さらに1点、交通結節点というお話がありました。今まで、確かに乗りかえだけなんですね。これを回遊するようになれば、地域経済にも大いに反映できるんじゃないかなというふうに考えております。ぜひとも地域住民の要望を踏まえて、今力強いお言葉をいただきましたけれども、私からも課長に負けない思いで取り組んでまいりたいと思いますので、ぜひとも御協力をよろしくお願いいたします。
 以上です。ありがとうございます。
 続きまして、「通学路等の安全確保について」、質問に立たせていただきます。
 今年度は、区立小学校ではじめての統合校、桃花小学校が開校いたします。平成21年度には中野昭和小学校と東中野小学校が統合し、中野昭和の跡地のほうに統合校が誕生いたします。中野昭和小学校と東中野小学校の統合校では、早稲田通りや山手通りの幹線道路、これは御指摘があったところですけれども、横断しなければならない地域ができることとなります。この点は、多くの方々が指摘しているところでもあるんですけれども、私もそれは事実として同感するところです。
 しかしながら、統合自体を巻き戻したり、多くの方々の労を全く無にするような議論ではなくて、前向きな議論の積み重ねというのが大事ではないかなと、このように感じております。
 では、いかにすれば、現実のものとして、通学路の安全を確保し、また子どもたちの、また保護者にも納得いただけるかなというような思いで質問に立たせていただきたいと思います。
 まず、そもそも通学路の指定、安全の確保というのは、これまでどのように進めてこられているのか、お伺いいたします。
○青山教育改革担当課長 小学校の通学路につきましては、学校長が指定するものでございますが、一例といたしまして、本年4月に開校いたします桃花小学校の通学路につきましては、学校統合委員会や保護者からの意見を参考に、警察などとも相談しながら、関係校長を中心に検討して、案を作成してまいりました。最終的には、新校の学校長が通学路を指定するということになります。
 また、通学の安全確保につきましては、児童安全誘導員の拡充を行ってまいります。また、関係する警察署や道路管理者である東京都第三建設事務所などに対して、安全確保についての協力を依頼するとともに、学校統合委員会においても、町会やPTAの方々に御協力をお願いしたところでございます。
○白井委員 この際、警察のOBの方とか警察の方たちの御協力をいただいているところではあるんですけれども、個別にはお名前言いませんが、例えば通学路の安全だとか危険予測の専門家みたいな方々がおられます。プロの目から見た通学路の安全をチェックするというような、この点はお考えあるでしょうか、お伺いします。
○青山教育改革担当課長 通学路の安全チェックでございますが、私ども特に中野昭和小学校、東中野小学校の統合新校の通学路につきましては、学校統合委員会での議論を踏まえまして、警察などとも相談しながら、両校で検討を進めてまいるところでございます。今後、通学路の指定に当たりましては、専門家である警察、あるいは道路の管理者に安全チェックなどについて依頼したいというふうに考えてございます。
○白井委員 その上でなんですけれども、交通安全対策としては人の配置等々、人的対策、これ以前に、例えば物理的対応、このようなことについてはお考えはあるでしょうか、お伺いします。
○青山教育改革担当課長 今の御質問の安全対策につきましてということで、私ども人的措置、先ほどお話を申し上げましたが、この現在問題となっております通学路につきましては、ちょうど通学路として想定しておりますところに路線バスがございまして、それを徒歩による通学を補完する方策として考えてまいりたいというふうに思っております。
○白井委員 物理的、抽象的な言い方をしましたけれども、さまざまな交通安全の観点からとか防犯の観点から、通学路の整備もあり得るのかなと思っております。
 今、バスのお話が出ましたので、確かに距離は存在するだろうと思います。幸い、このエリアというのは路線バスもあります。文科省が以前、小学校で不幸な事故がありましたけれども、その際、通学に関して、路線バスの適用基準を下げて、安全に資するという意味から検討してもらえないかというような旨の通知を都道府県知事に出されたことがあります。これも多分今はまだ有効なんだろうと思うんですけれども、この観点の基準を緩和して、路線バスの適用とかを認めるような措置は可能性としてあるのでしょうか、お伺いします。
○青山教育改革担当課長 学校統合委員会における通学の安全に関する議論におきましても、地域や保護者の方々から、路線バスの利用を認めてもらいたいという御意見が出てございます。最終的にこれを認めることについての判断は学校長が行うということになりますが、一応、基本は徒歩による通学ということを考えておりますが、お子様方の個別の事情に応じて、申請に基づいて認めるという形の対応を考えてございます。
○白井委員 日常的には、PTAや町会、地域の方々のさまざまな支えを得ていかなければ、事実上、この通学路の安全確保というのは成り立たないんだろうと、このように思います。
 そこで、積極的に支えていただける方々に、支援体制としてもしっかり取り組んでいくべきじゃないかと思います。例えば、警察OBの方々によるスクールサポーターによって指導体制だとか、実際交通安全についていただける方々に対しての協力体制をお願いするとか、このような必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○青山教育改革担当課長 ただいま御指摘のありましたスクールサポーターでございますが、これにつきましては、警察OBの方が、各警察署に配置されているものでございます。役割としましては、学校及び地域における少年の非行防止、あるいは児童等の安全確保対策等に係る業務ということで、具体的には、例えば教職員との合同パトロールですとか、あるいは通学等の安全マップ作成への協力、あるいは登下校時の防犯対策などに関することというものが活動内容に含まれてございます。
 こうしたことから、私どもとしましても、児童の安全確保への協力について、関係の警察署に依頼していく予定でございます。
○白井委員 ぜひともわざわざ取り組んでいただける、積極的な支援をいただける方なわけですから、そこを手厚く何とか配慮していくような体制を整えていただければと思います。
 では、現在、行政として防犯事業等で取り組んでいるものがあります。これを例えば学校再編に伴って通学路の安全とかに適用できるようなものは事業としてあるのでしょうか、お伺いいたします。○志賀危機管理担当課長 はじめに、安全対策として有効なものとしてですけれども、危機管理担当では、通学路・地域の安全・安心の取り組みといたしまして、午前には主に区内の狭小路地を中心に、午後には小学校周辺の通学路を、下校時間帯に合わせまして、青色灯防犯パトロールを運行しているところでございます。また、中野区内に152団体ございます防犯パトロール団体の活動をされている皆様方に、安全・安心のパトロールをお願いしているところでございます。この防犯パトロール団体の皆様の活動できる日に通学路の安全対策等も行っている、そういったところでございます。
 今後の取り組みでございますけれども、犯罪発生の抑止には人の目、地域の目が大変重要であるというお話を中野警察署、それから野方警察署それぞれからいただいておりますので、引き続き地域の防犯パトロール団体の方々の御協力をいただきながら、危機管理担当といたしましても、事業の支援・啓発等を行っていきたい、このように考えてございます。
○白井委員 おっしゃるとおりだと思います。より多くの方々の見守りの目があるかないか、これによっては全然安全対策も異なるんだろうなと思います。今年度の新規事業で、「子ども110番の家」というのが創設されております。従前、PTAが運営されていたサービスかなとも思うんですけれども、これを新規として拡充するというお話しなんですが、これについてどのような事業なのか、お伺いいたします。
○志賀危機管理担当課長 はじめに、「子ども110番の家」の経過から少し御説明をさせていただきたいと思います。
 この事業につきましては、平成9年11月から青少年健全育成事業の補助金を活用いたしまして、14の地区委員会が地域ごとの特色を生かしました「子ども110番の家」のステッカーの作成、それから「子ども110番の家」の協力者を探し、協力を依頼してきたところでございます。平成13年5月からは、中野区小学校PTA連合会がこの取り組みを開始いたしまして、現在に至っているものでございます。現在、この協力者は約2,000軒に上っているところでございます。
 危機管理担当といたしましては、平成20年度からこの中野区小学校PTA連合会が実施している活動を支援する仕組みを新規に担当するものでございます。
 次に、「子ども110番の家」の内容でございますけれども、「子ども110番の家」は、子どものつきまといや声かけの事案、それから不安を抱かせる事態に遭った子どもたちが通学路の周辺の家や商店に避難してきた子どもを保護し、110番通報するという仕組みの趣旨に同意していただける皆様の家や商店を「子ども110番の家」としてステッカーを張っていただいているところでございます。このように、この事業は、地域の皆様の協力を得まして、子どもたちに対する犯罪の発生等を未然に防止することを目的としております。
 次に、行政といたしましての支援でございますけれども、活動の支援策といたしましては、区では「子ども110番の家」ステッカーやマップ、マニュアルづくり、そういった経費、また「子ども110番の家」の協力者が犯罪被害に遭った場合に備えまして加入いたします保険料の助成、このようなことにつきまして区として助成金等を行うものでございます。
 また、現在も実施しているところでございますけれども、中野警察署、野方警察署との連携によります各学校で実施しておりますセーフティ教室での犯罪発生情報等の発信や連絡会の開催、こういったこともやっていきたいというふうに考えております。
 また、新しく指定される通学路上につきましても「子ども110番の家」はございますけれども、委員御指摘のとおり、新たな設置も含めまして、子どもたちの安全な環境づくりは大変必要なことだというふうに認識しておりますので、中野区小学校PTA連合会、中野警察署、野方警察署をはじめといたしまして教育委員会、子ども家庭部と連携しながら事業を進めていきたい、このように考えてございます。
○白井委員 従前のあるものが区の所管に移ったという意味ではなく、新規なわけですから、ある意味全然体制が変わるぐらいでもいいかなと思っております。しっかり見守りの目を、一人の方でも多くふえるような体制をよろしくお願いいたしたいと思います。
 ちょっと縮めていきたいと思いますけれども、例えば、下校時の時間のほうが登校の時間帯よりも当然子どもたちの時間帯がまばらになる。朝は大体行くときは同じなんですね。ところが、帰る時間帯は、授業の終わる時間帯も違えば、学童のほうもあるでしょう。そういう意味では、遊んで帰ったりする子もそうなんですけれども、帰りの時間帯の見守り体制というのは、やっぱりどうしても手薄になるんだろうなと、このようにも思っております。その際、例えば遊ぶ場所が自宅から近いところにあれば、そういう意味において、通学路の安全というんでしょうか、子どもたちの安全という意味からも資するんじゃないかと思います。繰り返しのお話になって恐縮なんですが、東中野小学校の跡地の利用について、例えば子どもたちの遊びがしっかり確保できるようになれば、子どもたちの安全、また保護者の安心という意味からも資するのではないかと思います。今年度じゅうに策定案をまとめるというお話しなんですけれども、ぜひとも早期にまとめていただいて、この要望を取り込んでいただきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。
○長田計画財務担当課長 学校跡地につきましては、区全体の施設配置やそれぞれの地域の実情に合った課題解決を行う観点から検討してございます。東中野小学校跡地につきましては、今年度中に活用案について区民の皆さんにお示しをしていく予定でございます。
○白井委員 ぜひともよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 時間がなくなってまいりました。次の項に移ります。
 「資源の回収について」、お伺いしていきたいと思います。
 一体何の回収かというと、鉱物の回収です。何だそれという感じなんですけれども、しかもそれは山からではなくて、都市の鉱物の回収というと大体ぴんとくる方もいるかと思います。「レアメタル」という言葉が最近新聞紙上、ニュース等々で出ております。どんなものがあるのかなと思って、僕も最近気になっていたところなんですけれども、資源としての量が少ない、もしくは多くても産出するのはなかなか難しいとか、直接とれるのではなくて、副産物として抽出するために、どうしても入手が困難だと。こういうような鉱物をレアメタルというそうなんです。この定義に当てはめると、一説には30種類あったりだとか、もっとたくさんあるよというのもあるんですけれども、これが本当に少ない状況。ところが、日本において、特に都市部においてたくさんあるというところからの観点なんです。例えば、日本では、経済安全保障の面から、輸出・輸入の停止が行われた際に、備蓄として、ニッケルだとか、クロムだとか、タングステン、モリブデン、コバルト、マンガン、バナジウム等7種類のいわゆるレアメタルについて、国内消費量の35日分を官民共同で備蓄しているという体制もあります。それほど日本経済にとっても貴重な資源という形なんですけれども、簡単なところからちょっとお話してみたいと思います。
 例えば、金なんかは有名なんですけれども、例えば南アフリカ、ここが世界でとれる鉱物としては最高の貯蔵量があります。その貯蔵量、あらかじめまだ埋まっているだろうなと想定される量よりも、日本国内に出回っている金のほうが既に多いというような状況なんです。具体的な数字を挙げるとあれなんですが、例えば、金は6,800トンで世界貯蔵量の16%に相当しております。延べ板に換算すると約20兆円分になります。さらに、銀は6万トン、インジウムが1,700万トン、それぞれ世界の埋蔵量の20%、61%に及ぶと言われております。「都市の鉱山」と言われるのはこういうところからなのかなとも思うんですが、もっと身近な話題で、携帯電話、よくこの機器の中には貴重なレアメタルが含まれているよというんですけれども、大体1台から0.3グラムの金が抽出されるんです。わずかだなと思うんですけれども、1トンに換算したときには約300グラムしかないんです。そんなのを回収するのは大変じゃないかと思うんですが、普通の鉱山に例えると、鉱山1トンからとれる量というのは5グラムなんです。つまり、自然に存在するものからとるよりも、都市でこれを回収したほうがよっぽど率がいいという、これぐらいのお話しなんです。
 過日、このレアメタルの回収について、新聞紙上で出たこともあるんですが、東京都において自治体の担当課長会を招集して、課長会があったと聞いております。今回のこの希少資源の回収方法について、どのような内容であったのか、お伺いいたします。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 委員お話しのとおり、先般、特別区23区の清掃主幹課長会がございました。この席上、東京都から、今御案内のありましたレアメタルにつきまして、回収方法、そのあたりについて検討していきたい。ついては、そうした業界団体と、それから都内の区市町村、合わせて合同の協議会を立ち上げてはどうかという提案的なお話がございました。そのときは、時間も限られておりまして、十分な説明を受けることはありませんでしたが、今後、携帯電話のメーカー、あるいは通信会社、そういった業界団体の代表と区市町村と東京都などで合同の協議会が立ち上がるのかなと。まだ具体的に何をどのように、またどういう体制で検討するかにつきましては、提示がございませんでした。
○白井委員 今、携帯会社のお話が出たんですが、恐らくその事業者が共同で行っているのは、たしかMRCといって、モバイル・リサイクル・コミュニケーションでしたか、ここは名前を出しても大丈夫だと思います。資源回収についても大手が出ているんですが、ここは固有名詞なので差し控えさせていただきますが、例えば、宝の山と言われるレアメタルの回収、リサイクルの対象というのは、携帯電話が恐らく中心になってくるんだろうなと思います。ハイテク機器であれば、ほとんどのものが含まれていると言われているんですけれども、その場合、個人情報の保護だとか、回収などの関連サービスにおいてこの辺を整備していく必要があるのではないかと思うんですけれども、御見解をお伺いいたします。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 昨今、携帯電話の回収量が非常に少なくなってきております。それは個人情報の問題、それからそこに写しました動画、あるいは写真、それからメール、こういったものにつきましては、新しい携帯電話にそのまま移行できないということで、記念という意味合いもあって、買いかえても古い電話機はそのまま持っていると、そんな状況がございます。例えば、買いかえの際に、販売店でもってそういったものをきちんと処理をする。それから、その携帯電話に含まれておりますレアメタル、こういったものが非常に貴重な資源なんだということを十分店頭で御説明をして、その上で回収をする。そういったシステム、仕組み、これが必要なのかなと。そのためにも、協議会の中でそういったルール的なものが話し合われるのかなと、そのように考えております。
○白井委員 まだ、ある意味スタートというんでしょうか、新聞に出てしまって急遽開かれたというようなニュアンスも強いのかなと思います。今後、具体的な仕組みだとかが検討されていくかと思うんですけれども、区としてどのように取り組みを考えておられるのか、ありましたらお伺いいたしますが。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 先ほど申しましたように、まだ具体的な検討事項、あるいは検討体制などにつきまして提示がございません。こういったものが示された段階で、中野区、それから23区特別区としても適切な対応をとってまいりたい、そのように考えております。
○白井委員 ありがとうございます。民間が主として動くようなところだと、東京都はまだ素案なんですけれども、新聞に出ていたところでは、まだ事実的なことは違いますというお話があったんですけれども、この回収前段階としての話、背景にある部分というのは、非常にうなずける部分があります。要は、回収システムだとかリサイクルシステム、この体制をどのように整えていくのかが焦点になってくるのかなとも思っております。行政として支えられる立場もあるかなと思っておりますので、今後ぜひとも協力を惜しまないで取り組んでいただければと、このように思っております。
 次の質問に移ります。「障害者施策等について」、まずはじめに、障害者の控除、税控除についてお伺いいたします。
 確定申告の時期であるんですけれども、障害者控除というのは一体どのような制度なんでしょうか、お尋ねいたします。
○辻本障害福祉担当課長 障害者控除につきましては、障害者手帳をはじめとする手帳を保持されている方に加えまして、高齢になられてからそういった精神、または身体の障害のある満65歳以上の方でございますが、その障害の程度が身体障害者手帳の交付を受けている方に準ずるものと区長が認定をした場合、その税の控除を受けられるといった制度でございまして、その認定につきましては、私ども障害福祉分野が担当しているところでございます。
○白井委員 そうすると、税控除、制度としてはありますと。ただし、一律ではなくて、区長の裁量として認定を受けて証明書が出ますと。その証明書を税務署に添付して持っていくと、税控除、所得税控除から受けられると。制度としては成り立っているんですね。一体、ではこの認定の基準というんでしょうか、区長が判断されるときの基準というのは、どのような中身になっているでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 介護保険におけます介護認定調査、これを実施しているところでございますが、ここで寝たきりや認知症に関する、いわゆる日常生活自立度というのを判定をしているところでございます。これに基づきまして、対象者の障害状況を確認した上で、認定書を発行しているところでございます。
○白井委員 介護保険の、介護等級の認定を受ける際に、内部的な調査のチェック項目というのがあるんですね。身体的だとか、精神とかの、その度合いによって等級が決められて、これを受けて介護等級が決まるんですが、その介護等級が決まる一つ手前の、ここを基準として税控除の対象になることができる。ただし、個人で情報を「私、一体どの等級なんでしょう」と聞かない限りはわからないし、もともとの利用としては、介護保険の認定を受けるためでありますから、税控除のための目的になると、目的外の利用になるのかなと思っております。本来であれば、あなたは税控除できますよと、こういう案内ができれば、みんな受けられるんだというのが素直にわかるところなんですけれども、直接お知らせするというのは、やはり介護保険の選定ですから、目的外利用になってしまうし、また税という観点からは申請主義に反するのかなと、このようにも思うんですが、いかがでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 御指摘のとおり、税につきましては申告主義ということでございますけれども、そういった区民の方の利便性に配慮いたしまして、昨年6月から介護保険の認定申請の御案内を送付しているところでございます。これにそういった御案内を加えて発送することとしたところでございます。
○白井委員 名前は伏せます。お隣の区で、この認定の基準、先ほど申しましたように、区長の裁量でやられているんですね。裁量基準なわけですから、実は税控除を受けられる基準というのもまちまちなわけなんです。介護保険を利用していて、障害者手帳をお持ちじゃない方、中野区においては要支援1からずっと窓口を広げて中身を見ています。お隣の区では、実は介護等級3からしか見ませんよというところもあったんです。実は、今年度からそれを改めて、間口を目いっぱい、要支援からやりますという体制になったんですけれども、まだ実は自治体によってまばらな状態、税控除が受けられるところとそうでないところがあるとも伺っております。その意味においては、中野区は目いっぱいはじめから、要支援1から受けられるようになっておりますから、ただ直接言えない。ならば、やっぱりこういう制度がありますよというのをしっかり周知していただく必要があるかなと。事実上、この税控除を利用されている方々、年々ふえてきているとも聞いております。そういう部分では、周知をされているからだと思うんですけれども、さらにこの周知徹底について御協力をお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 先ほど申し上げました介護保険の認定申請の際に加えまして、従前から確定申告前の区報、あるいは高齢者の方に御配付させていただいております銀のしおり、さらには障害者福祉のしおりなどで周知を図っているところでございます。ホームページ等でもわかりやすく、今後ともきめ細かく周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○白井委員 ありがとうございます。
 では、障害者施策でもう一つお伺いしたいことがあります。障害者施策というよりも、障害者への配慮といったほうがいいかと思います。
 区のホームページの開閉についてなんですけれども、20年度の計画として、区のホームページを拡充して、音声読み上げ機能や文字拡大の機能を付加するというふうに聞いておりますが、一体どのような内容を御準備されているんでしょうか、お伺いいたします。
○浅野報道・秘書担当課長 今回のソフト導入でございますが、高齢者の方、弱視の方、知的障害のある方などに対しまして、区のホームページの閲覧を容易にすることによりまして、さまざまな情報を入手しやすくするものでございます。音声読み上げ機能でございますが、ホームページに書かれている内容を、これは合成された人の声で読み上げていくものです。その際、読み上げのスピードですとか、声の音量なんかも調節できるものを考えてございます。それから、文字拡大、文字色変更ソフトでございますが、これは、ホームページ上の文字を何倍にも拡大することができるもので、また、弱視の方ですとか色覚障害のある方の場合には、文字の背景と文字色を変更することによって、より見やすくする機能を備えたものでございます。また、文字を大きくするだけではなくて、漢字を読むことが難しい方もいらっしゃいますので、そういった方にもルビ振りの機能を備えたものを用意しようというふうに考えております。
 それで、これは実際ホームページを開いて操作していただくわけですので、やはり、対象の方が操作をしやすいように、操作ボタンをわかりやすいものとか、あるいは大きさが見やすいものなどにも配慮して、整備していきたいというふうに考えてございます。
○白井委員 本年の4月から区のホームページが新しくなるというような話も聞いているんですけれども、一体どのように新しくなるのか、あわせてお伺いいたします。
○浅野報道・秘書担当課長 新しくなるといいましても、まだトップページについてはこれまでも委員の皆様からも御指摘も受けていたところもございます。やはり見やすさ、あるいはもう少しいろんな配置の問題ですとか、そういったものを今、いろんな形で利用者の方に見やすい形をとれるようにということで、今作業を進めているところでございます。
○白井委員 今お伺いしていると、一度にというよりは部分的、部分的、しかしながら、少しずつですけれども、配慮が行き届いてきているんだなと思います。ですけれども、やはり今後のことを考えると、どうしても全体的なリニューアルも含めての計画が必要になってくるのではないかなと思います。今後の計画等、なければ当然つくる必要があるでしょうし、あるならば、そのスパンをお示しいただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○浅野報道・秘書担当課長 ホームページにつきましては、今委員御指摘のように、いろんな形で少しずつ機能強化ということを図っております。いわゆるユニバーサル・デザインというんでしょうか、使いやすさということを常に主眼に入れております。来年度、新しいソフトを入れた段階で、さらにもう少し改善の余地はないかということで検討してまいりたいと思っています。リニューアル、来年度にはちゃんと予算はとってございませんが、再来年度、もしそういう問題点があるということであれば、やはりその点を視野に入れて取り組んでいきたいというふうに考えております。
○白井委員 ユニバーサル・デザインのホームページ、実は一つひとつの規定というのは、かなり細かいところまであるんですね。ポイントの指定とかあれば、色もあれば、背景もあればというところで、やればやるほど幾ら予算があっても足りないというところもあるのかもしれないんですけれども、ある程度やっぱりこういうのは情報のバリアフリー化という意味では必要ではないかなと思っております。ぜひともさらなる障害者の方々、もしくは高齢者の方々、だれが見てもわかりやすいというか、使いやすいホームページをさらにお願いしたいと思います。ありがとうございます。
 残り時間が1分になってしまいました。大変恐縮です。通告だけしていたんですけれども、以上をもちまして、私のすべての質疑を終わらせていただきたいと思います。大変申しわけございません。ありがとうございます。
○吉原委員長 以上で、白井委員の総括質疑を終了いたします。
 次に、牛崎のり子委員、お願いします。
○牛崎委員 2008年予算特別委員会におきまして、日本共産党の立場で質疑をいたします。
 最初にお願いがございます。理事者の皆さんには大きな声で、ゆっくりと、はっきりと、しっかりと、そして明るい御答弁を期待いたします。
 まず最初に、「リニアパークの自転車対策について」、お聞きいたします。
 この写真は、2月に撮ってきたものなんですけれども、こちらがスマイル、社会復帰センターがあるほうで、こちら側がブロードウェイ側なんですけれども、ちょうど真ん中辺のところでブロードウェイ側のほうから撮った写真ですけれども、常に歩道のほうに何台かはみ出しております。これは、朝というか午前中とか、それから夜8時過ぎとかはこんなような状態で、私も数えてみたんですけれども、大体120~130台自転車が置いてありまして、バイクは23台ぐらいということなんですね。それで、一番ピークと言われているときには、ごらんになってわかるように、これは早稲田通り側から撮った写真でございますが、ほとんどこれは全部歩道が埋まっているということなんです。ここがスマイルなかの、社会復帰センターに入る入り口だけがあいているということで、本当に今大変な状況になっていると。こういうときは、この間の日曜日の夕方、風の吹く日に見てまいりましたら、自転車が480台、だだっと倒れているものもありましたし、バイクは39台。ですから、風なんか吹かないでもっと穏やかで、買い物客などが多いときには、優に500~600になっているというのが現状でございます。
 それで伺いますけれども、このような状態を改めてどのように見ていらっしゃるかということをお聞きします。
○遠山土木・交通担当課長 今委員から御紹介いただきましたように、特に私どもリニアパークと言われる場所につきましては、平日、毎日、撤去を行っているわけでございますが、特に正午前後から夕方にかけましては、買い物客等の放置自転車が多数置かれております。この状況によりまして、歩行者等に大きな影響を与えているというふうに認識してございます。
○牛崎委員 特に、この歩道というのは、スマイル社会復帰センターを利用されている障害者やその御家族だとか利用者の方たちが多いので、先ほどごらんになっていただいたように、車いすは当然通れませんし、視覚障害の方なんかは、本当に身の危険を感じるというふうにおっしゃっています。1日も早く安心して通れるようにという御要望が私どもにも、共産党議員団のところにも毎年毎年、本当に毎年寄せられておりますけれども、このままでよいと思っている人はだれもいないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 今委員からも御紹介ございました。私どもへも障害者団体等からもリニアパークの放置自転車の改善ということで要望を毎年いただいてございます。先ほどもお話し申し上げました、平日は毎日撤去ということを行ってございますが、買い物客の自転車がかなりの部分というか、ほとんどの部分を占めているということで、入れかわりが激しく、撤去の実効性がなかなか上がっていないのが実態でございます。
 と申しますのは、私ども現在の放置自転車の撤去のやり方といたしましては、まず警告札を張ります。そして、大体実務上は1時間ぐらい後にその札の確認をして、そしてこれは長時間にわたって放置されている自転車だという確認のもとに撤去を行っているということで、リニアパークにおきましては、この警告札を張りまして、いざ撤去というときには、別な自転車に入れかわっているといいますか、恐らくは買い物客がほとんどなのかなというのが実態でございます。
○牛崎委員 ブロードウェイの管理組合に、ほとんどそこに買い物に来る方が多いということであるならば、責任をとってもらうというような、そういう働きかけはしているんでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 私どもは、中野区自転車等放置防止条例ということで、一定規模の店舗等の新築・増築の際には、自転車駐車場を設置するという付置義務をかけてございますが、当ブロードウェイにつきましては、これは条例施行以前の施設ということで、この付置義務の対象にはなっていないというのが実態でございます。ブロードウェイの管理組合につきましては、これまで何度かお話し合いをしながら、対応について協議をしているところではございますが、実態としてはなかなか効果を上げるところまでは至ってございません。
 区といたしましては、まず一つは、今後も管理組合等に呼びかけていきたいなと思ってございますが、自転車利用者への啓発活動として、管理組合が主体となるようなクリーンキャンペーンをやってみませんかというのを働きかけていきたいというのが1点でございます。
 それから、放置自転車による危険状態が生じている場合は、ルール上の付置義務はないけれども、区として施設設置者に必要な措置をとるよう、例えば勧告ができるような、そういったことを条例改正も見据えながらただいま検討しているところでございます。
○牛崎委員 ぜひそのようにしていただきたいというふうに思います。
 また、中野通り側の通りというのは、ドンキホーテができてから非常に自転車でお客様として来る方が多くなっていまして、また、自転車置き場が大変少ないので、道路に置いてあるというようなこともありまして、ドンキホーテ側のほうにもぜひそういう形で自転車の対策をしていただきたいという申し入れをしていただきたいというふうに思っております。
 それで、ブロードウェイの管理組合は、商店街の私有地でもあるけれども、撤去してもいいよという文書をくださったというふうに聞いておりますけれども、その自転車の撤去承諾書というのには、承諾事項として、「私が権利を有する土地に放置されている自転車等を、法令に定める手続により、中野区が即時に撤去すること」というふうになっておりますが、これは具体的に言うと、中野区がそこにとまっている自転車を撤去してもいいというふうに受け取ってよろしいんでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 少し補足説明をさせていただきますと、まず、リニアパークは区道でございます。その中で、区道に接した、今委員のお話のように、ブロードウェイ側に幅が約60~70センチぐらいの細いブロード側の私有地がございます。私どもは、本来、私道や私有地にとまっている自転車というものは区では撤去できないということになってございますが、放置規制区域内で不特定多数の人たちが往来する私道などにつきましては、歩行者等の安全確保等の観点から、こういった私道・私有地等を所有する所有者の承諾を得まして、区道の同様の取り扱いができるということがございます。簡単に言いますと、例えば、自転車が一部私有地に置かれ、一部が公道上とか、私有地にぴったり入っている場合とか、そういったところでは何かとトラブルのもとになるということで、当該リニアパークにおきましては、委員の御紹介のように、一部私有地がずっと壁沿いにございますので、そういったことでブロードウェイの管理組合からそういった承諾書をいただいて、一般区道と同様の放置自転車の対応をしているということでございます。
○牛崎委員 それでは、ぜひ撤去するという方法とか、また整理員の人員配置も含めてやるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 今定例会は予算議会でございますが、来年度に向けまして、これまでも警告札を張るときにそういった指導もするということがございますが、特にこのリニアパークをはじめ駅周辺では、例えば南口、例えば北口ロータリーとか、あるいはサンクォーレ前とか、いろいろと放置自転車の多い箇所がございます。そういったところには指導強化ということを図る意味で、整理指導員を配置するということでの予算措置も組み込まれた予算になってございますので、当該リニアパークにつきましても、ローテーションを組みながらになるかとは思いますが、そういった整理指導員の対応についても取り組んでまいりたいと、このように考えてございます。
○牛崎委員 ということは、この間お話を伺ったところによりますと、整理指導員さんというのは二人で、午後の4時から2時間ぐらい、1年間そのことを自給960円という形でやるという計画だというふうに伺っておりますが、年間で言うと約240万になるということなので、2年間やると480万、時間を延長して2時間延長するとやはり480万ということで、財政的な面で言えば、それほどとてつもない金額であるというふうに思いませんので、先ほどもブロードウェイ側にまた働きかけていくというふうにおっしゃっていただきましたし、ブロードウェイ側の管理組合とお話ししたときも、本当にこの自転車の問題は悩んでいるんだと。何とか対策を講じなきゃいけないし、中野区さんとも話し合いをしていきたいというふうに言っておりますので、1日4時からのある時間二人というようなことではなくて、やはり長い時間かけてちょびちょびやるよりも、一気にここは障害者の方たちが通る本当に大事な道なんだよということで区民の皆さんが自覚をして、そしてそういうふうに置いてはいけないところなんだということがきっちりと落ちるまで、なるべく急いでやっていくということが大事かというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 来年度に向けての強化の一環としての予算措置を組ませていただいたということで、議会での御承認をいただくことが前提ではございますが、今委員の御紹介にございましたように、びっちり決めたローテーションを組むかどうかは、今後もその場所場所によりましてのそういった融通性を持ちながら、取り組みを検討していきたいと思います。何時から何時までいていただくとか、その辺はその場所に応じた取り組みをしてまいりたい、こんなふうに考えてございます。
○牛崎委員 ぜひここを使っていらっしゃる多くの障害者の方たちは、ただでさえ困難を抱えていらっしゃるわけですから、ぜひその立場に立って、よりよい方法を1日も早く実現してくださいますことをお願いいたしまして、この項の質問を終わりにいたします。
 それでは、2番目に「障害者の就労支援について」、伺います。
 2007年3月に第1期中野区障害福祉計画が策定されました。計画では、「第3章 重点課題への取り組み」、「障害者の立場からの支援」の中で「就労の促進」をうたっています。「支援のあり方も定める」としています。
 そこで、はじめに、中野区内の障害者の就労の実態とそこから予測できる区の課題というものをお聞かせください。
○辻本障害福祉担当課長 ただいま区内の障害者の就労の実態ということでございます。昨年度、障害者の実雇用率というのを国のほうではかっているところでございますけれども、1.74%といった雇用率でございました。これは、法定雇用率1.8%に近い数字でございますけれども、依然、小規模事業者の雇用が進んでいない実態があるというふうに認識してございます。したがいまして、中小企業の雇用を伸ばしていくことなどが課題というふうに認識しているところでございます。
○牛崎委員 次に、就労支援では、障害者福祉事業団への委託事業がございますけれども、具体的にはどのようなことを委託しているんでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 事業団には、雇用促進事業ということで、職業相談、あるいは職業実習支援等の就労支援というものと、日常生活支援等の生活支援、こういったいわゆるジョブコーチの事業のほかに、ジョブサポーターの養成講座などの事業を委託しているところでございます。
○牛崎委員 その中でも、ジョブコーチの役割は大変大きいものがあると思います。昨年の4定で我が党の山口議員が、ジョブコーチの実績に触れながら、さらに就労の支援の促進を図る立場で、ジョブコーチの常勤化を含む職員体制の拡充を求めました。現在、常勤が二人、そして非常勤が3人の5人体制とお聞きしています。ジョブコーチを必要としている人は、ますますふえてきているというふうに思います。そして、今後就労促進を図るという区の方針であるならば、さらに拡充する必要があるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 先ほども申しましたが、ジョブコーチが担っておりますいわゆる生活支援というものでございますけれども、これはジョブコーチだけが行うものではなくて、例えば相談支援事業の中で行う、あるいは先ほど申しましたジョブサポーターの養成など、体制拡充を図ることによって充実をさせていきたいと、このように考えているところでございます。
○牛崎委員 しかし、ジョブコーチさんの質の問題も問われるというふうに思いますけれども、障害者の職につきましても、定着するということがなかなか難しいというふうに言われていますけれども、要するに、仕事を安心してできる生活環境というか、状況というものも保証していかなければいけないというふうに思いますけれども、そのためにはやはり常勤職員さんというものが、質の高い常勤職員さんというジョブコーチの立場の方がいらっしゃらないと、なかなか対応ができていかないのではないかと。数が何人いても、本当にそういうジョブコーチが必要としている支援が本当に満たされるのかどうかとても心配なんですけれども、区の判断として、体制強化ということはお考えにならないんでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 ジョブコーチにつきましては、量ではなくて質の拡充ということで委員の御指摘もございました。私どももそのように質の向上を図ってまいりたいという観点から、委託業務の中には研修費用なども含んでおりまして、ジョブコーチのスキルの向上には今後も努めてまいりたいと考えてございます。
○牛崎委員 また、4定の山口議員の質問の答弁に際しまして、「ジョブコーチによる就労支援のほかに、企業による採用増などについて、図り得る方策を考えたい」というふうにお答えになっていらっしゃいますが、この「図り得る方策」というのは、具体的にどういうことでしょうか。また、企業の採用増をいかに進めるかという具体的なこともお知らせください。
○辻本障害福祉担当課長 現在、企業採用に結び付けるために、就職準備フェアというようなことで、企業への採用の相談会等を実施しているところでございます。こういった事業をさらに拡充をさせていきたい。さらには、日ごろの業務の中で、企業への働きかけも十分に行ってまいりたい、そのようなことも考えているところでございます。
 また、その他の方策ということでございますけれども、現在、他の自治体の事例なども参考に調べているといったところでございます。
○牛崎委員 ぜひ積極的にほかの自治体の先進例などを参考にしていただきたいというふうに思います。
 私がこの福祉事業団にお訪ねをしたときに、お話があったんですけれども、あそこには看板が道路に出ていますよね。その看板を見て、企業の方が飛び込んできて、「私のところで障害者の方を雇い入れたいんだけれども、どういうふうにしたらいいでしょうか」というような御相談があるんだそうです。そのときには、中野区内で対応できないときには、近隣の区の関係団体の方だとか、さまざまなネットワークを利用してつなげているというふうにおっしゃっていましたので、私はそういうことであるならば、区も一層周知徹底をするという方法を具体的に考えるなど、また、中野の役所の中でも本当に企業の方がどういうふうにしたらいいかと気軽に飛び込んで相談できるような、そういう窓口というものもつくってはどうかなというふうに、これは要望にしておきますけれども、思っております。
 さらに、計画につきまして、もう1点お聞きいたします。
 今年度より、就労に向けたIT講習を実施して、来年度も引き続き行うとしていますけれども、今年度の講習会の受講者の実績などを聞かせてください。
○辻本障害福祉担当課長 まだすべて修了したところではございませんけれども、現在のところ23名の方が受講されてございます。そのうち、実績といたしまして、1名の方が既に就職をされているというところでございます。さらに、別の1名の方がトライアル雇用、挑戦をされているといったところでございます。
○牛崎委員 その実習をしたからといって即、すぐ終わってから就労に結び付くというふうには私も考えてはおりませんけれども、計画の中では、就労支援の範囲として、企業での就労を進めるということを方針にして絞って支援策を提案していらっしゃいますけれども、IT活用などは企業の中で就労するだけでなくて、家の中でできる仕事というふうな便利なところがあるというふうに思っておりますけれども、そういうふうな形で在宅就労に生かせるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 企業の雇用形態はさまざまございまして、在宅での就労ということもあるというふうに認識しているところでございます。このIT講習会を受講されて、在宅就労に結び付くことができればということで、私どもも考えてございます。
○牛崎委員 ぜひそのようにしていただきたいと思います。
 この項の最後になりますが、実は、私ども日本共産党議員団は、昨年12月なんですけれども、京都府の舞鶴市に、フランス料理を楽しめるカフェレストラン「ほのぼの屋」というものがあるということで、5年前に精神障害者の施設としてワークショップ「ほのぼの屋」の事業としてスタートしたということが載っておりまして、ここでは年間1万人を超える食事客があったり、レストランやウェディングが80組もあると。そして、5年間で2億5,000万円を超える予想外の売り上げを得ていて、本当に生き生きとこの中で働いていらっしゃる障害者の方たちにお会いすることができたんですね。この就労の問題として、ちょっと私が印象に残った言葉として、施設長の方が「働くことが人間としての誇りを取り戻す最も大きな力になるんだ」ということをおっしゃっていました。そして、「障害者にとって、最高のリハビリテーションになるんだ」というふうにおっしゃっておりました。ぜひこの見地で障害者の就労支援をますます拡充させていただくことをお願いいたしまして、この項の質問を終わります。
 次に、3番目に「小規模作業所等の障害者自立支援法移行にともなう区の支援について」、伺います。
 2006年4月から施行された障害者自立支援法、以後自立支援法と言います。施行以来、1年もたたない間に国がこれを見直しをいたしました。この見直しの必要性がどこにあったというふうに区はお考えでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 法施行を受けまして、利用者負担の問題、あるいは事業者の運営上の経費的な問題などが大きかったのかなというふうに認識してございます。
○牛崎委員 課長おっしゃるように、国の見直しの後も、障害者や関係者から1割負担の廃止を求める声がどんどん高まっているわけです。障害者の自立を阻害する法律になっているのではないかというふうに私は考えていますけれども、自立支援法が施行されたことで、福祉サービスとは一体何なのか、まただれが責任を持ってそのサービスを提供するのか、そして国や自治体の責任は何なのかという公的な問題が問われていると思います。このようなことについて、どのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 障害者自立支援法につきましては、利用者が使用料と所得に応じた負担をするとともに、国と自治体が責任を持って費用を負担し、必要なサービスを確保・充実させ、障害者の自立を支えるものでございます。この制度は、これまで2回にわたりまして見直し、今回も含めまして見直しなども行われているところでございます。こういった改善すべきところは改善されるものと考えてございまして、そういった中で国や自治体はそれぞれの役割を果たしていくべきものであるというふうに考えてございます。
○牛崎委員 それでは、次にいよいよ小規模作業所などが自立支援法に移行する時期を迎えているというふうに思います。そこで、区の役割と支援についてお聞きしますけれども、小規模作業所などが自立支援法の新体系に移行しなければならないのは、いつまででしょうか。
○大橋障害施設担当課長 自立支援法が施行されてから5年間の経過措置がございまして、23年度までには移行することになっております。
○牛崎委員 移行に当たりまして、法人格の取得が前提となっているようですけれども、東部福祉作業所などは本当に心配をして、そして苦労をしていらっしゃると伺いました。このことには十分に相談に乗り、利用ができないようなことがないように、立ち行かなくなるようなことがないように必要な支援をすべきと思いますが、いかがでしょう。
○大橋障害施設担当課長 今お話がありました東部福祉作業センターにつきましては、運営をしている中野区肢体不自由児父母の会の方々と現在話し合いを進めているところです。なかなか方向性を決めるのに時間が必要と思われますが、よくお考えをお聞きしながら対応していきたいと、そのように考えております。
○牛崎委員 ぜひそのようにしてください。
 小規模作業所などが移行するに当たって、しなければならないということはどういうことでしょう。
○大橋障害施設担当課長 事業者がどのような障害者自立支援法上の事業を行うか、それによりまして求められている人員、設備や運営に関する基準がございます。まずそれに適合できるような、そういう準備をしていただくと、そのようなことが求められると思います。
○牛崎委員 そうしますと、移行に当たって、小規模作業所からはさまざまな要望が出ているかというふうに思いますが、その要望はどんなものであり、またどういうふうにその要望にこたえていくか、お聞かせください。
○大橋障害施設担当課長 まず、作業スペースの確保とあわせまして、作業環境の改善のために区の施設等を提供してもらえないかと、そのような要望をいただいております。このようなことで、小規模作業所がまず作業環境の向上を図り、そして障害者自立支援法に基づいて主体的で安定した運営を行えるような、幅広い支援策を検討したいと、そのように考えております。
○牛崎委員 ぜひそのようにお願いいたします。
 次に、東京都は時限措置として平成18・19・20年度中に移行したところには、一人当たり1万9,600円の運営補助をするというふうにしています。区内の小規模作業所は、平成20年度にはどこも移行できないというふうに聞いています。そうすると、その運営補助の活用ができないということになりますけれども、このままでよろしいのでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 今委員御指摘のように、東京都で設けております補助事業は、確かに使えない状況にあります。そして、区内の小規模作業所の多くは21年度移行を考えていると、そういうお話を伺っておりますので、20年度で切れてしまうという補助事業は使えない状況にありますが、ほかに国や都の補助事業等、活用できるものはしていきたいと考えております。
 また、国は緊急的な改善措置といたしまして、この4月から事業者の経営基盤の強化を実施しようとしております。これが実施されたところで、各事業所の収入を私どものほうでも試算したりして、運営の効果を確認したり、また施設の再検討の提案等もさせていただいたりしながら、効率的で自立的な運営を継続して行えるよう、事業者の方とも今後協議を進めてまいりたいと、そのように考えております。
○牛崎委員 次に、改めてお聞きいたしますけれども、区は小規模作業所が中野の中で果たしてきた役割をどのように認識していらっしゃるんでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 この小規模作業所につきましては、まず一つ、区内の福祉的ではございますが、就労施設として養護学校の卒業生の進路先、そしてまた入所施設、あるいは病院の退院後の地域移行の受け皿としての役割を担ってきていると。さらに、家庭で引きこもりをされている方、また企業からの離職者の受け皿という機能も果たしていただいておりまして、そういう面では障害者の日中活動サービスとして障害者の自立を促進する重要な役割を果たしていると考えております。
 そしてまた、今後につきましては、一般就労の機能も果たしていく、そういう役割が求められているのではないかと、そのように考えております。
○牛崎委員 平成20年度中に移行できない場合は、財政的な問題が大きいというふうに思います。作業所にとっても、区にとっても、そんなことが起こったら大変なことだというふうに思いますけれども、5年間の経過措置というんであるならば、平成23年度までにこれを引き延ばすように都に強く求めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 先ほども申しましたように、まず4月から実施されます国の事業者経営基盤の強化、それを示されることもありますので、そこによる効果、そういうことも勘案させていただきながら検討していきたい、そのように考えております。
○牛崎委員 さらに、区としても移行準備期間と移行後に運営が安定する間まで、区独自の支援を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 小規模作業所が移行するに当たりましては、まず情報提供やアドバイス等を行ったり、また移行に必要な費用の一部を区独自で補助するなど必要な支援を行うとともに、先ほど申しましたように、施設の再編も含め、効率的な、また自立的な運営を行うよう、その移行に当たる準備期間として十分事業者との協議を進めていきたいと、そのように考えております。
 また、何度も申しておりますが、そのような中で自立的な運営に向けて、国や都の助成制度を活用できるものは活用して、支援していきたい、そのように考えております。
○牛崎委員 それでは、移行した場合に、事業によっては基準の定数が違うというふうに思うんですね。それで、東部福祉作業所のように少数のところは、この基準の定数に満たない。そういう場合はどうするんでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 東部福祉作業所におけますこのような課題については、十分認識しているつもりでございます。ですから、その東部福祉作業センターの今後につきましても、どういう方向がよいのか、十分協議をして進めていきたいと、そのように考えております。
○牛崎委員 二つの事業所が合体して、人数が満たせるような形でやるという方法があるということも聞いておりますが、なかなか当事者同士の話し合いや進めていく困難さがあるというふうに私は思っているんですね。また、法人格を取っているところに、間借りではないけれども、入れてもらうということも、運営上どういうふうにしていくかということもなかなか難しい問題があるというふうに思いますで、本当によくよく作業所の皆さんのお声をしっかり聞いて、要望に沿うように支援をしていただきたいと思います。
 それで、移行する事業によっては、定数が20名と定められているものがあって、20名の利用者がいるところが移動したとしても、応益負担に耐え切れないとかさまざまなことで減ったりしますね。そういうことが予想されるわけですけれども、そういうときにどうするのかという問題と、それから、作業所を移行する前からすばる作業所などは今でも本当は人員をふやしたいと言っているけれども、今の施設の状況ではふやしようがないというふうにおっしゃっていて、本当に大変だなと思っているんですが、そういう現在の施設では狭くて受け入れが困難な作業所が多いということをどのように解決していくのかなというふうに思うんですが。
○大橋障害施設担当課長 まずはじめの御質問ですけれども、作業所が自立支援法に移行した場合に、利用者の方が自己負担分を払う分についてなかなか耐えられないで、おやめになる方がいるというふうに、それについてどうするのかという意味で今御質問を伺ったんですが、その点につきましては、先ほど申しました国の緊急措置の中で、この7月から利用者の負担軽減策が示されております。そういたしますと、これまで以上に利用者の負担上限額が下がってまいります。ですから、このようなことから、小規模作業所が自立支援法に移行しても、新たにそのためにおやめになるというような利用者の方はいないのではないかと、そのように考えております。
 また、先ほどお話しありました、すばる作業所等につきましては、特に精神障害者の作業所の現在の施設についてのさまざまな課題については承知しているつもりでございます。ですから、自立支援法への移行に当たりましては、小規模作業所が主体的で安定した運営を行っていけるよう、それに向けて作業環境の改善等、また工賃のアップとか、そういうことも含めまして、幅広い支援策を検討していきたいと、そのように考えております。
○牛崎委員 ぜひ積極的にそのように進めていただきたいと思います。
 また、施設の問題での御要望が多かったというふうにお聞きいたしましたけれども、区としての代替の施設の提供だとか、新たな施設を確保するための財政支援ということはお考えになっていませんでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 準備段階からまたいろいろと協議をさせていただきながら、その点についてもまた、本当にそこを利用される方々がよりよい仕事ができるように、また生活ができるように、そういう点もいろいろ考えさせていただきながら検討したいと思っております。
○牛崎委員 財政的な支援ということが一番の解決策でございますので、ぜひその方向で取り組んでいただきたいというふうに要望しておきます。
 小規模作業所抜きでは、障害のある人の社会生活支援が立ち行かなくなっているというのが現状ではないかと思いますし、先ほども課長が御答弁されたように、本当に大事な役割を果たしてくれている作業所だというふうに思っております。また、どのような障害でも、適切な支援があれば、みんな立派に、その条件が備わりさえすれば、地域で暮らすことが可能になってきているというふうに、そういう実績も上げています。入所施設から地域へ、そして病院から地域へというふうに、障害者の地域参加の道を開いてきているというのが、私は小規模作業所の大きな役割だというふうに思っていますが、改めてもう一度お聞きしたいなというふうに思います。
○大橋障害施設担当課長 先ほど申しましたように、区内の小規模作業所につきましては、障害のある方の、本当に就労の面から、また日中活動の面から、重要な役割を果たしていただいていると、そのように認識しております。そして、これからはまた本当に自立支援法の施行に伴いまして、就労、特に一般就労が大きな課題になっております。そのような機能も果たしていただけるように、私どもといたしましても、できる支援はしていきたいと、そのように考えております。
○牛崎委員 自立支援法が施行された後から今日まで、障害のある人やその家族の皆さんが、皆さんの痛ましい事件が報道されております。経済的な不安だとか、介護の負担やその不安だとか、体力の限界というようなものを感じて孤立をして、追い詰められて、本当にぎりぎりのところに立たされている方たちが多いというふうに伺っています。本当に胸の痛む思いがいたします。ぜひこのことについては、報道陣なども、制度によってもたらされた悲劇であるというようなことも言っているわけですから、国による一時的な軽減策が講じられているというふうには思いますけれども、自立支援法が抱えている根本的な問題は解決されているというふうには思っていません。障害を持った人たちの精神的な負担、事業所経営の圧迫はますます深刻になってきています。1日も早くこの法の改正を願って、この項の質問を終わります。ありがとうございました。
 4番目に「新井薬師前駅の踏み切り内の歩道の安全確保について」、伺います。
 新井薬師前駅の踏切渋滞解消は、長年の地域住民の悲願でもございました。このたび、西武新宿線の立体交差化が中井から野方駅、新井薬師前駅も含みますけれども、着工準備することが採択されました。ようやく立体交差化への第一歩を踏み出すことができたということで、私も大変喜ばしいことだというふうに思っております。
 しかし、完成までには優に15年以上も要するという、大変長期的な計画であるわけですから、いつ事故が起こっても不思議ではないという、こういう状態が、危険な状態が15年間続くということになりかねません。このままでよいのか、お答えをお願いいたします。
○遠山土木・交通担当課長 区といたしましては早期に、踏切交通の円滑化、安全性の向上を図る対策、いわゆる即効対策と言われているものを検討してまいりたいと、このように考えてございます。
○牛崎委員 私が07年の第3回定例会でこの問題で質問をいたしましたときに、区は、「踏切内の歩道の拡幅については、遮断機、警報器、ケーブル等の移設に費用を要するので、鉄道側は区の負担を求めている。最大限鉄道側に求めていく」というふうにお答えになりました。現段階での西武鉄道との交渉にはどんな態度で臨んだんでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 区といたしましては、引き続き西武鉄道側でも最大限努力をするようにというふうに求めて、その態度は変わってございません。
○牛崎委員 ぜひその態度を貫き通していただきたいというふうに思います。
 国土交通省も2006年、平成18年8月に「踏切についての調査と対策」を発表いたしました。立体交差化など抜本的な対策が進まない踏切は歩道橋の設置、歩道の狭い踏切は拡幅などの即効対策を5年以内に完成することを求めております。ことしは既にもう2年目に入るわけですけれども、即効対策の進捗状況とこれからどうするかということをお聞かせください。
○遠山土木・交通担当課長 今委員からのお話の中にございました「踏切についての調査と対策」という中で、即効対策ということがうたわれてございます。この当該新井薬師前駅の踏切でございますが、「前後の区道と比べて、1メートル以上狭い踏切であり」という要件がございます。この要件に対しましては、この新井薬師前駅の踏切というのは該当しないということは確認してございます。
 ただ、他の即効対策としては、賢い踏切の設置や踏切内の歩道部のカラー舗装など、これらにつきましては即効対策として西武鉄道により既に実施されていると、このように認識してございます。
○牛崎委員 新井薬師前駅の踏切内の歩道というのは、カラーを舗装してどうこうということで解決する問題ではなくて、新井薬師前駅の利用者の会が西武鉄道に要望に行きましたときには、緊急に改善する必要があるというふうな認識を示していただきまして、踏切側の鉄道敷地を活用する方法もあると、区と相談すると前向きな答弁をしているということは述べてきたとおりでございます。西武鉄道は、乗客の命と安全を守るという責任と義務があるというふうに思いますので、やっぱり西武鉄道にきちんと責任をとらせるということが必要であると思いますが、いかがでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 先ほどの御質問の答弁と重なる部分ございますが、区といたしましては、西武鉄道側に対しまして、引き続きこの踏切拡幅につきまして最大限の努力を求めてまいりたいと、このように考えてございます。
○牛崎委員 3回定例会での最大限の努力と今度の最大限の努力は、質が違うというふうに受け取ってよろしいでしょうか。区民の安全と命を守るという立場にあるのが区の姿勢でございますので、しっかりと区民の命が私の肩にかかっているという構えで西武鉄道に申し入れをしていただきたいというふうに要望しておきます。
 それから、そのほかですけれども、国交省の委託を受けて、正確でなかったら申しわけないんですが、連続立体交差化事業所轄の部署が、即効対策として、都立家政の地下通路を2月いっぱいかけて実証実験するというふうに伺っておりますけれども、新井薬師前駅も上り下りと両方の出口がございます。跨線橋がありますので、ぜひ都立家政の実証実験の検証結果を踏まえて、ここでも実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○市川北部地域まちづくり担当課長 国が今回行った実証実験の取り組みについては、区としても注目しているところでございます。国は、今後その取り組みについて取りまとめていくと聞いているところでございます。区といたしましては、今後その実験の成果を見きわめながら、国や鉄道会社等に働きかけていきたいと考えております。
○牛崎委員 この項の質問は終わります。
 次に、「みどりの基本計画について」、お伺いをいたします。
 中野区みどりの基本計画は、1994年、平成6年ですけれども、都市緑化保全法が改正されたことに伴って、緑に関する施策を総合的に進めるとして、基本計画の策定が位置付けられて、つくられたものだと聞いております。その中野区のみどりの基本計画の改正が平成20年度の予算で示されております。
 そこで伺いますけれども、変えなければならない理由、そしてどのような意図のもとに変えるのか、お聞かせください。
○登都市計画担当課長 みどりの基本計画、現行のものは平成13年3月に策定したものでございます。それから7年ほど経過しているという点、それから平成20年度は都市計画マスタープランの改定も考えております。それとの整合性を図るという意味もございます。また、19年度、みどりの実態調査を行いました。これは十数年ぶりでございます。そういった成果を踏まえまして、20年度に改定をしたいということでございます。
○牛崎委員 それでは、その問題はまた後ほどお聞きすることになるかと思いますが、次に、緑を守るための自治体の役割について伺いたいと思います。
○安部公園・道路担当課長 緑の保護と育成に関する条例の中では、「区は、区民及び事業者が一体となって緑化を推進し、区民の健康で安全かつ快適な生活環境を確保する」というようなことで述べられております。自治体の役割としましては、区民、事業者の方などと緑を推進しながら、区民の方の福祉に寄与するということだと思います。
○牛崎委員 緑の中の一部でございますが、樹木というのに限って、その役割についてどうお考えになっているかお聞かせください。
○安部公園・道路担当課長 樹木の役割としましては、いろいろな役割があるかと思いますが、いわゆる環境面ということを主体に申し上げますと、まず二酸化炭素や有害物質の吸収というようなことを行っております。また、酸素の供給、それから蒸散作用によるヒートアイランド現象の緩和、また防火・防風、それから生き物の生息場所の提供による生態系の保全、暮らしに潤いや安らぎをもたらすなど、さまざまな役割を果たしており、人間の生活に重要なものだというふうに考えております。
○牛崎委員 それではお聞きしますけれども、区の緑の実態はどのようになっているのか。それから、その結果がわかれば、教えていただきたい。
○安部公園・道路担当課長 中野区の緑の実態は、緑被率で申しますと、平成16年度調査で16%でございます。また、緑地率で申しますと、平成20年度現在で5.67%でございます。また、公園地率で申し上げますと、平成20年度現在で2.57%でございます。非常に23区の中でもあまり多いとは言えないというか、どちらかというと少ないという状況でございます。
 また、その中でも特徴としましては、大きい公園、都立公園等がないものですから、大きい緑が少なくて、点在した緑が多いというような状況でございます。
○牛崎委員 緑が少ないのは、かなり少ないほうではないかというふうに思っておりますけれども、どうしてもそのように緑が少ないのか、原因がわかったら教えてください。
○安部公園・道路担当課長 中野区は、比較的戦前・戦後から開発されてきまして、その戦前についてもあまり大きい緑というのは中野区にはなかったところでございます。そういうところが、戦後、住宅化していったという中で、なかなか緑を計画的に保全できなかったというようなことから、緑が減っていったんだろうというふうに考えます。
○牛崎委員 次に、みどりの基本計画のもとになっているのは、平成2年に改正されている「中野区緑の保護と育成に関する条例」であるというふうに思いますが、条例に基づいて一定の基準に該当する樹木、樹林、生け垣について、これはどのように保全をされてきていますか。
○安部公園・道路担当課長 緑の保全施策としまして、その緑の保護と育成に関する条例の中でやっているものは、大きく3点ございます。いわゆる保護樹林、保護樹木、保護生け垣の3点の制度がございます。保護樹林につきましては、現在10万5,233平米、41カ所ございます。これについて中野区として、面積にもよりますが、1カ所年間2万円から5万円の助成金を出しております。保護樹木につきましては、現在311本ございます。これにつきましては、助成金を年間1本6,000円出しております。それから、保護生け垣につきましては、1,704メートル、67カ所ございまして、これにつきましては年間500円の補助金を出しております。
○牛崎委員 中野区で保護している樹木の本数が311本というのは、本当に少ないなというのを改めて実感いたしました。
 それで、保護をしていない木というのがあるわけですから、減ったか減らないかというようなお尋ねをしても、保護されているものについてはわかるけれども、保護されていないものについてはわからないということですが、やはり保護をしている樹木・樹林・生け垣の数がまだまだあまりにも足りないということではないかと思いますけれども、今、課長おっしゃいましたように、保護樹木に指定をされた所有者の方には、1年間に6,000円という、これはどういう名目になるのかなというふうに思っていますが、6,000円ではちょっと保護している御苦労に報いる金額ではないなというふうに思っているんですが、いかがでしょう。
○安部公園・道路担当課長 区といたしましても、この6,000円で保護樹木1本が年間管理できるというようには考えてはおりません。保護樹木の剪定を毎年やらないにしても、普通、中野区の場合ですと公園で高木で3年に1回剪定しておりますが、3年に1回剪定したとしましても、保護樹木というのは非常に背の高いものが多うございますから、機械を使って剪定しなきゃいけないようなことになりますので、区で一般的に公園なんかで剪定をしているので考えますと、3万円、5万円とか、非常に大きいものについては10万近くかかるような場合もあるかと思います。それと、いわゆる落ち葉の処理ですね。これについても保護樹林程度の規模になりますと相当の量の落ち葉が出ますので、単に家庭ごみとして出すわけにはいきませんので、産業廃棄物として有料になるかと思いますが、こういう管理の費用がかかるということについて、その一部を助成しているというものでございます。
○牛崎委員 私の住んでいる新井一丁目にも、木の名前は忘れたんですが、相当大きな木がありまして、その落ち葉が非常に近所の迷惑だということで、所有者に頼むけれども、落ち葉の処理をなかなか区のほうでもやってくれないとか、そういったようなお話もあったり、それから、実際に保護樹林があるお家が、いきなりマンションに変わっていて、木も一緒になくなっているといったようなことがあるんですが、そういう場合には、所有者の方が土地を売って処分してしまうというのは、区がそこに口が出せないということがあるのかもしれませんが、そういうことが事前にわかったときに、きちんと保護樹林・樹木があるならば、区として所有者の方に何らかの支援というか、またお話し合いだとか、そういうことはできないんですか。
○安部公園・道路担当課長 保護樹林・保護樹木の指定につきましては、所有者の方の御了解をいただくといいますか、事前に相談をするわけですが、所有者の申請に基づいて区が指定するという制度になってございます。それで、申請をしていただいて保護樹木に例えば指定をしたと。しかし、いわゆる相続とかそういう関係で、ここについては何か建物を建てなきゃいけないとか売買するというようなことがあるかと思います。そういうときには、その所有者の方から、保護樹木の指定について取り消しをしてほしいという申し出があった場合には、区としてはなるべく残していただく方向で御検討願いたいということはお願いするわけでございますけれども、あくまでも個人の財産でございますので、その方がどうしても処分をするということであれば、そこについて区はどうしても残すというようなことを強く言うことはできないということでございます。
○牛崎委員 それはそうだとは思いますが、新しくそこの土地を所有して、マンションなどを建てられる建設・所有者に対して申し入れをするというようなこともしてみてはいかがかというふうに思います。
 次に、条例に基づいてみどりの協定を締結するという制度も実施してきているようですが、この現状はどういうふうになっているのでしょうか。
○安部公園・道路担当課長 みどりの協定という制度は、地域の方が、おおむね10戸以上の方が集まっていただくといいますか、お話し合いをしていただきまして、その10戸の方でこの地域で緑を守り育てていこうという協定を結んでいただきます。その協定を結んでいただいた方々に対して、樹木を区から差し上げまして、植樹していただいて、緑を守り育てていただくという制度でございます。それで、その協定を結んでいただく期間、永久にではございませんで、以前は5年間でした。現在は3年間になっております。そういう中で、今まで36件協定を結んでいただいておりますが、今継続して協定を結んでいただいているという地域はございません。したがいまして、現在、みどりの協定を結んでおられる地域はございません。そんなこともありますので、区としましては、今やはり近隣の関係ですか、そういうものが希薄になっていて、なかなかこういう10戸程度の方が集まってそのようなことをやっていただくというのが難しくなってきているのかなというふうな認識をしてございまして、今後、この制度について、また検討していかなければいけないかなというふうに考えております。
○牛崎委員 そういうことであるならば、今、緑に対する関心が大変区民の中にも高まっていて、ガーデニングが非常に盛んになってきているとか言えますけれども、草花などの協定というか、そのほうがもうちょっと手近で、狭い範囲でもできるんじゃないかというふうに思うので、草花のみどりの協定というか、そういうことはできないんでしょうか。
○安部公園・道路担当課長 確かに、委員おっしゃるとおり、草花の場合ですと、樹木ほど――樹木は、最初植えたときはいいわけなんですが、それからどんどん成長してしまうというようなことがございますので、面積的には草花のほうが面積はとらないで済むのかなというふうに考えております。先ほど申し上げましたとおり、みどりの協定についてなかなか時代にそぐわなくなってきたのかなというようなことも実感しておりますので、今後の検討の中で考えていきたいと思います。
○牛崎委員 ぜひよろしくお願いします。
 それでは、次に、通称・屋敷森、樹林ですけれども、これは昔ながらの姿を残す大変貴重な財産ではないかというふうに思います。一度失ったら、二度と取り戻せないという緑の財産ですけれども、この屋敷森はどんなふうに守られてきて、今どんな状態ですか。
○安部公園・道路担当課長 屋敷森、先ほど申し上げましたような制度の中で、保護樹林として中野区に申請していただければ、それは保護樹林として守られているわけでございますけれども、これはあくまでも御本人からの申請でございますので、御本人がそういう区の指定を受けると何か制約があるんじゃないかというようなことで、実際は制約はないんですけれども、そういう指定を受けられない方もおられます。そういう方につきましては、中野区の場合、そんなに数もないものですから、我々大体ある程度の面積のところについては、指定はしていないけど屋敷森があるというものについては、いわゆる現場を回っている中で把握しているわけではございますけれども、それについて我々から何らかの形で保護してくださいというような働きかけはしておりません。
○牛崎委員 直接お宅をお訪ねして、お宅を保護樹林にしませんかということをやらないまでも、こういう制度がありますよというぐらいは、もう少し積極的に働きかけてはどうかなというふうに思います。
 それでは、次に、生産緑地についてお聞きいたします。
 現在、指定されているものは、現在どのようになっているのでしょうか。
○登都市計画担当課長 生産緑地でございますけれども、現在、中野区内には14カ所ございまして、面積で言いますと2.2ヘクタールでございます。位置としましては、上鷺宮や鷺宮、それから大和の北部地域に限られているというものでございます。
○牛崎委員 この生産緑地というのは、各区でもいろいろな報告がされていますが、どんどん減ってきているというふうに伺っていますけれども、減っている理由というのは、一番大きなものは何でしょう。
○登都市計画担当課長 減っている理由でございますけれども、営農されている方が亡くなったり、それから病気等で営農を続けるのは困難になったという理由で、生産緑地として維持するのが困難になってきたということでございます。それに伴いまして、一番多いのは相続にかかわって農地を手放すというケースが大半でございます。
○牛崎委員 今後はそういう理由がますますふえるというか、変わらずに続いていくわけですけれども、そうすると、貴重な緑が失われるということになりますけれども、どうしようとしていらっしゃるんですか。
○登都市計画担当課長 生産緑地、中野区ではこれまでどうなっていたかといいますと、平成5年当時、25カ所、5.4ヘクタールございました。それが現在14カ所、2.7ヘクタールですから、15年間で半分になったということでございます。なかなか維持が難しいということは、中野区に限らず全国の自治体共通の悩みということでございます。何らかの手だてといいますと、営農の継続というのは一番でございます。それがかなわない場合、どうするかということにつきましては、今後、場合によっては自治体が取得するとか、そういった方策につきましても考えていかなければならない時期かなというふうに思っております。
○牛崎委員 ぜひそういう方向で御検討いただければというふうに思います。
 また、生産緑地に関しましては、区民農園をもっと広げてほしいという区民要望がかなり前からございますけれども、こうした要望をかなえるためにも、生産緑地というのは活用できるというふうに思いますので、その辺はどうでしょうか。
○登都市計画担当課長 現在、農地というのは必ずしも公共的な目的のために適した場所にあるというわけでもございません。そういった事情から、東京都なり区市町村、区・市のほうが取得するというのがなかなか難しい点もございますし、それから財政的な面もございます。そういったところから、なかなか取得がうまくいっていないという面もございます。
 区民農園なり緑に親しむという観点から活用したらどうかという点でございますけれども、公園ですとかその他の緑地等々も含めまして、また全般的な配置状況等考えながら検討していく必要があるのかなというふうに思っております。
○牛崎委員 ぜひそのように、近隣区とも歩調を合わせていただいて、何らかの形で生産緑地を残せるように検討していただきたいというふうに思います。
 それで、ちょっと区長にお伺いしたいんですが、2月15日の都政新報に「連続する緑の創出」ということで自治体の相互連携とか財政支援の問題とか緑の保全・創出で区市長が共同アピールを出すということで、第3回の「都市のみどりを守るフォーラム」というものが開催されましたが、そこで田中区長も、我が区は緑のすごく少ないところだと。しかし、江古田の森公園という自然の森を生かして公園がオープンするなど、また警大跡地にも3ヘクタールの緑地をつくっていく計画があるというふうに述べて、区ではもっと公園をつくれるように、あいた土地を虎視たんたんとねらっているわけですが、というふうにおっしゃっていらっしゃいますので、ぜひ区長からも一言、この生産緑地も含めて、緑の保全の問題についてお聞きしたいと思います。
○田中区長 中野区は、防災上の観点からも、大規模なオープンスペースというのはこれからつくっていかなければいけないということだと思っております。また、地球温暖化の問題などもありますので、そうした中で緑を保全していくといったようなことにも力を入れていかなければいけない、こういうふうに思っております。
○牛崎委員 ぜひお願いいたします。
 そこで、練馬の区長さんが、今度「緑30推進計画」を策定したと。今後30年間で緑被率を30%に引き上げるというものだと。具体的に言うと、5年間で50ヘクタール、30年間で東京ドーム93個分に相当する437ヘクタールの緑を確保する計画だというふうに述べていますね。中野区のみどりの基本計画が改正をされて、そして大規模な調査も行われたということですので、ぜひこの区民の要望も大きい、今本当に必要な、環境にとって大事な緑の保全について積極的に取り組んでいただくことをお願いして、この項の質問を終わります。
 そのほかに移りますけれども、ちょっと順番を変更させていただきたいと思います。2番目になっておりました「平和公園通りの歩道の安全について」を「その他」の「(3)その他」の後に回させていただいて、トイレの擬音機のほうを先にやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、「その他」の(1)生ごみの資源化について、伺います。
 食品のリサイクル法が2007年に改正され、12月に施行されました。その一つに、発生抑制を一層重視して、発生抑制単独で達成すべき目標を設定する。2番目に、再生利用のあり方を見直し、地球温暖化対策とかみ合う内容にする。3番目に、地域内で資源が循環する仕組みづくりを進める。また、4番目に、学校教育に食品循環資源活用の具体策を検討することを求められるということで、3番と4番に関連してお伺いをいたします。
 中野区の給食のごみは、現在どのように処理をされているのでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 給食の生ごみの処理でございます。これにつきましては、生ごみの回収事業者が各小・中学校に週2回でございますが、その回収を行ってございます。回収したその生ごみにつきましては、これは農業資源活用の事業者に搬送いたしまして、そこで堆肥化を行ってございます。この堆肥につきましては、さらにそこから契約農家に供給いたしまして、その契約農家では野菜などの生産をいたしまして、その商品を市場に出荷するというような、そういったサイクルで行われてございます。
○牛崎委員 改正法は、発生抑制を特に強調しております。むだを出さない学校給食のためには、どのようなことを考えていらっしゃいますか。
○寺嶋学校教育担当課長 まず、調理の場面では、調理するに当たって、食材の廃棄部分をなるべく少なくするということがあります。それから、毎日の学校給食では、児童・生徒に残さず食べましょうというふうに指導してございますし、全部に分けてなおかつ余りがある場合には、希望する児童・生徒には配っているといったようなことをやっています。ただ、児童・生徒の栄養のバランス、あるいは健康な食生活の観点から、あえて和食とか、あるいは歯ごたえのあるゴボウなどを献立に加えることがあります。そういったところで、必ずしも児童・生徒の好みと一致しないので、ある程度の残りが出るということも避けられないという場面があります。
 しかしながら、いずれにいたしましても、今後とも献立を工夫し、また食育の観点から重要であると、食べ残しを少なくしたいと、そういったような努力を続けたいと思います。
○吉原委員長 それでは、牛崎委員の質疑の途中でありますが、3時休憩をとらせていただきます。
 再開時刻を3時15分といたします。
午後2時55分休憩

午後3時15分再開
○吉原委員長 委員会を再開します。
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。牛崎委員、お願いします。
○牛崎委員 食品リサイクル法の改正を受けて、学校給食の生ごみから飼料や堆肥をつくり、その飼料や堆肥で育った畜産物を、その生ごみを出したもとの学校が食材として購入する。こうした循環が提案をされています。
 そこで伺います。子どもたちには学校給食を通じて、食品環境資源活用に取り組んでもらう。それでは、お手本となる私たち大人は、生ごみの減量に向けて一体何をすればよいとお考えでしょうか。かお聞かせください。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 我々大人につきましても、食品廃棄物の減量につきましては、3Rで言うところのリデュース、発生の抑制などの取り組みが重要ではないかというふうに考えてございます。例えば、食材をあまり多く買わない、買い過ぎない。それから、調理は適量にする。食べ残しはしない、減らすような、そうした生活スタイルが必要ではないかなというふうに考えております。子どもたちの身近でこうした実践的な取り組みを進めることで、手本となり、教育とかしつけにつながっていく、そんなように考えております。
○牛崎委員 私は、それと同時に、私自身も産直のお米や野菜というものを取り寄せております。自分が食べたその生ごみで堆肥をつくって、それをもとの生産地に使ってもらえるような仕組みを今区民の皆さんと一緒に検討してみたいというふうに思っているところなんですけれども、そこで伺いますが、区立の公園だとか区の施設の植栽など、中野区でつくった堆肥をそこで使っている場所というのはあるんでしょうか。
○安部公園・道路担当課長 今お話のありましたような堆肥について、直接区立の公園等で使っている例はございません。なお、区立の公園で哲学堂公園では、指定管理者が落ち葉を堆肥化しまして、それを肥料に使っているという例はございます。
○牛崎委員 哲学堂公園の落ち葉を堆肥にしているのは、私も見たことがありますが、他の公園でもぜひそういう試みをしていただければいいなというふうに思っております。
 それで、今、区民や区民団体が生ごみの堆肥化に取り組んでいますけれども、中野区の区有の緑ですか、それから中野区がつくっているプランター、道路のわきに置いてあるプランターなどに活用する手だてを検討してはいかがかというふうに思います。なぜかといいますと、中野区の花というか、サツキは区の花でしたよね。それが中野通りから新井薬師小学校のところ、平和の森公園に向かっていくところ、特に目立つんですが、あそこは道路が広くて、両わきにそのプランターが置いてあるんですけれども、ほとんどが枯れ枯れになっていて、本当に寂しい姿なんですね。そういうところにきちんとそういう堆肥などをこまめに与えて手だてを加えれば、もっともっと美しい並木というか、道路になるというふうに思うんですが、いかがでしょう。
○安部公園・道路担当課長 中野通りについては、東京都第三建設事務所の管理でございますけれども、中野区で管理している区道についても、今委員が御指摘になられたような部分はございます。そういう中で、当然、毎年といいますか、公園の維持・整備は我々の手で行っているわけで、業者委託したり、我々の手で直接行っているものもございますが、そういうことを行っているわけでございます。今御指摘のありました、区民団体の方が堆肥をつくっていただいたというようなことができた場合に、タイミングがちょっとあるかとは思いますが、御寄附をしていただけるということであれば、またうまく現場の工程ですね、予定とうまく調整をしながら使わせていただくということはできるかと思います。
○牛崎委員 私が3定のときに質問いたしましたときにも、生ごみの資源化を検討するというふうにお答えになっていらっしゃいます。今後も積極的な私も提案をしていきたいと思いますが、区も積極的な検討・検証をしていただきたいということを要望して、この項の質問を終わります。ありがとうございました。
 「その他」の(2)に入らせていただきます。
 トイレに擬音機をと。学校のトイレ改修にあわせて、女子トイレに音をかき消す擬音機を設置することを我が会派のせきと議員が一般質問で提案をいたしました。区の答弁は、「教育上は節水指導の見地など、さまざまな観点から検討が必要であり、現時点では設置する考えはない」という、大変すげないお言葉でございました。教育現場にしっかりと目を向けてほしいとの思いから、学校の女子トイレに擬音機を設置することについて改めて質問をいたします。
 学校のトイレ研究会の報告を引用させていただきますと、用便中の音を消すために、女性は1回に平均2.5回流すという調査結果があります。擬音装置は、トイレの音を消すために使われるむだな水をカットするので、子どもたちの排泄の恥ずかしさを軽減するだけでなく、節水もできるとしています。まず、ほかの自治体の取り組み状況はいかがか、お伺いいたします。
○小谷松教育経営担当課長 ほかの自治体の例ということでございますけれども、これは全国的にという形では、ちょっとそこまで、また都内という形では調査はしてございません。ただ、いろいろインターネット等で流されている情報等については承知してございます。ただ、まだ現段階ということで申し上げれば、まだかなり先駆的といいますか、試行的な形で実施をしているところが多いのかなと、そういったところがまだ現状なのかなというふうに見ております。
○牛崎委員 ほかの自治体の実施状況を調べてみました。女子トイレに擬音機をつけている学校は、大阪府和泉市郷荘中学校、寝屋川市立第四中学校、福岡県立輝翔館中等教育学校、兵庫県宝塚市安倉中学校、愛媛県松山市北条地区、それから札幌市内のすべての市立中学・高等学校などで、前例は多数ございます。札幌市の実例を紹介いたしますと、札幌市ではすべての市立中学・高校の女子トイレにこの消音機が設置されていました。1校当たり150万円ほどかかりますが、札幌市の調査では、平均節水率は55%で、1校当たり約125万円の水道料を節約できる計算だそうですが、そこで伺いますが、費用対効果は試算をしたのでしょうか。お答えください。
○小谷松教育経営担当課長 女子トイレに擬音装置を取り付けるということで、教育委員会としてそういった費用対効果ということについて試算をしたかということでございますが、そのような試算はしてございません。
○牛崎委員 やはり、先ほどのような、はっきりと考えはないというような御答弁を出すからには、それぐらいの試算はしてもよいというふうに思いますけれども、この中野区役所の中のトイレも、また区有施設のトイレにも、節水のためにあの音を流しましょうというような、こういう小さな紙が張ってありますよね。今はほとんど洋式トイレですから、洋式トイレそのものにいわゆる消音機がついていますけれども、以前はこんな小さなものを取り付けて、そこを押せば鳴るという仕組みになっていたので、そんなに札幌市のような形で財政負担があるというふうには考えられませんので、ぜひ一度それは試算をしていただきたいというふうに要望いたします。
 それで、環境面から質問いたしますけれども、節水は大変立派な環境行動だというふうに思いますが、教育委員会の認識はどうでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 おっしゃるとおりだと思います。トイレでの水使用とか、あるいは水飲み場での手洗いなどにおきまして、必要以上の水を使わず、水を大切にすることに通して、日ごろから身近なところで資源を大切にしていくということにつきましては、これは子どもたちにとって非常に環境に配慮した、自分でできる行動だというふうに思っております。
○牛崎委員 課長は、区内の小・中学校に太陽光発電を設置することは、子どもたちが環境行動を実感できる取り組みなので推進していくというふうに述べております。それでは、トイレで水を流す回数を2回から1回に減らすことは、子どもたちが環境行動を実感できる取り組みというふうにはお思いになりませんか。
○小谷松教育経営担当課長 そのとおりだと思います。むだな水を省くということでは、それは大変奨励すべき行動だというふうに思います。
○牛崎委員 それでは、私たちの提案は即聞き入れられていただいてもいいように思うんですけれども、教育委員会は、学校の改修に際して、児童や生徒の要望を酌み上げる意向はあるのでしょうか。というのは、2002年にまとめられた中野中学のトイレに関する児童・生徒のアンケート調査の報告書というものがあります。区内小・中学校に通う子どもたち2,000人余りから回答を得て、北中野中学校もこの調査の対象になっております。アンケートを見ますと、学校のトイレに望むことのその第1位は、洋式トイレの増設です。トイレ用の擬音機の設置は全体の第5位、しかし、中学生の女子に限ってみれば、トイレ用の擬音機の設置は、洋式トイレの増設を抜いて第1位でした。
 もう一度お伺いをいたしますけれども、来年度にトイレ改修を予定している北中野中学校をはじめ学校の女子トイレを改修する際には、音をかき消す擬音機を設置すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 子どもたちが環境問題を意識して行動するということは、これは非常に大切なことであります。節水に努めるということを常に意識して、そして行動することを教育上の指導を行うということで身につけさせていくということは、これはきちんと行っていかなければならないことだと思っております。
 その手段として、擬音装置を取り付けるということも、それは確かに一つの手段としてあろうかというふうに思いますが、まず日ごろから資源を大切にして、むだな水を使わないという、そういった意識。そして、それに基づいた行動というものを、教育上の指導を通して子どもたちにしっかりと身につけさせていきたいと、そのように思っております。
○牛崎委員 ふだんからというふうにおっしゃいますが、トイレの使用というのはもうふだんからも何も、どうしても必要なことでございますし、そこでの節水として非常な効果があるというならば、それがもっとも環境教育として有効ではないかというふうに私は思っております。
 アンケートを実施しました学校・幼稚園設備検討委員会は、今後の取り組むべき課題として次のように述べています。家庭をはじめデパートなど、他施設のトイレのグレードが高まってきていると。清潔性だとか快適性の高いものがふえている中で、子どもたちはそういうところを使っているわけですね。そうすると、学校のトイレだけが取り残された部分になってしまう。今後、子どもたちが学校でトイレを使用しない、したくないとの意識が芽生える可能性もあるのではないかというふうに思います。そこで、将来に向けて、トイレを単なるトイレではなく、身だしなみを整える姿見の設置や会話ができるようなロビー方式を取り入れるなど、新しい機能のトイレを検討すべきであるというふうにしています。小学校高学年から中学年にかけて、特に女子生徒は多感な思春期に入ります。休憩時間にトイレに行くのを我慢して体調を壊すという生徒も出てきていると聞いています。トイレの擬音機の設置は、女子中学生の要望第1位、費用対効果も十分です。全校一斉に取り付けてくださいと言っているのではありません。トイレ改修の際にあわせて取り付けるべきだというふうに要望しています。もう一度検証し直してはどうかということを教育長にお聞きしたいと思いますが。
○菅野教育長 本会議でもお答えしたとおり、擬音機につきましては、教育上の見地、それから節水の指導上の見地など、さまざま検討する必要があると思いますので、現時点で直ちに設置する考えはございません。
○牛崎委員 本会議の答弁と一つ違ったのは、直ちに設置する考えはないとおっしゃったところが、じゃあ、直ちでなければ設置する考えがあるというふうに前向きに私は受けとめさせていただきます。設置する考えはないという考えをないというふうにしていただければと思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 それでは、最後の「その他」の項になりますけれども、平和公園通りの歩道の安全についてでございます。平和公園通りは、新井地域センターから向かうときの歩道が狭いのです。歩道と車道の境目にガードレールが設置してありますが、その歩道の内側に平和の森公園入り口の約350メートルの間に、10本ぐらいのかなり太い電柱が建っています。自転車は通りにくい道なので、車道のほうを通りますけれども、車道も狭くてとても怖いところなんです。しかも、車道のほうより歩道のほうへ少し傾斜がありまして、車いすだとかベビーカーが通るときにはゆがんで、すごく怖いというような声が聞こえています。歩道沿いのほうの公務員住宅は、子育て世代が大変たくさん住んでおりまして、子どもを自転車に乗せるときなど、本当に危険を感じていると。何とかしてほしいという声が私のところにも寄せられております。ぜひ早急に歩道の安全対策に取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○安部公園・道路担当課長 平和公園通りでございますけれども、やはり近隣にお住まいの方から、我々の分野に、あそこの通りについて、確かにベビーカーを押して通るには通りにくいとか、自転車が通るには中途半端な広さだとか、そういうことが数年前からお話がございまして、うちの分野としましても、何らかの対策を考えなければということで、現在対策を進めております。
 平成19年度につきましては、あそこに委員御指摘のとおり10本程度の電柱がございますけれども、それが路肩から出っ張っているといいますか、道路側に一番出ているもので70センチぐらい出ているものがございました。出ていないものは20センチぐらいというようなものなんですが、そういう路肩から出ているものにつきましては、NTT、東京電力などの事業者に話をしまして、今、電柱を下げたところでございます。それで、平成20年度につきましては、あの道路自体が、もう舗装も大分古くなっておりますので、舗装を全部やりかえる予定でおります。舗装をやりかえるときに、当然、今勾配がありますけれども、あの辺の勾配も、雨水との関係がありますのでゼロにはできませんけれども、できるだけ少なくするということで考えております。
 それから、ガードパイプにつきましては、今、路肩から1.1メートルぐらいのところにあるんですけれども、そうすると、電柱がありますとどうしても一番狭いところで60~70センチぐらいしかなくなってしまうと。確かに、ベビーカーを押しながら通るにはちょっと狭いかなというふうに考えておりまして、約50センチほど道路側に寄せると。車道側がその分狭くなりますけれども、車道については、そこは一方通行でございますので、何とか大丈夫だろうというふうに判断しておりまして、歩道といいますか、ガードレールの路肩側の部分を、路肩から1.6メートルぐらいの広さをとろうというふうに考えております。そうすると、電柱のあるところにつきましても1メートルぐらいの広さは確保できるだろうというふうに考えておりまして、その工事を20年度に行うということで考えております。
○牛崎委員 最後に大変明るい御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 これで私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で、牛崎のり子委員の質疑を終結いたします。
  次に、のづ恵子委員、お願いします。
○のづ委員 民主クラブののづ恵子です。はじめての総括質疑になりますので、よろしくお願いいたします。
 平成20年の予算特別委員会におきまして、通告順に質問をさせていただきます。
 まずはじめに、「子どもの安全安心について」、地域の施設ということから始めさせていただきます。
 私の住んでいる中野本郷小学校区内の近くに、宮の台児童館があります。宮の台児童館は、1日平均180人の稼働率があります。皆様のお手元に「乳幼児親子の利用状況」という厚生26の資料が手渡っていると思います。そこを見ていただいても、宮の台児童館の利用者合計が1万人を超えていて飛び抜けているということが、おわかりになると思います。それだけ乳幼児親子の利用率の高いところです。19年度にはほっとルーム、乳幼児の居場所事業が始まりました。世代間交流だったり、午後に来る小学生たちとの交流ということはとても評価するんですが、宮の台児童館はとってもほっとルームが狭く、反面、施設は同じスペースの中でやっていくということで、許容量には限界があります。その児童館の学童クラブが現在55人から、この春には70人になります。15人多くなるということです。現在の同じ施設の状況の中での安全確保はすごく大変で、今でも動き回る子と、それから静かにしていたい子、そういうような子ども達の日常的な交通整理、子どもの安全確保に非常に苦慮するということが児童館の先生たちからも聞こえてきます。また、利用者が学童クラブに求めることも多様化しているので、保護者とのやりとりを丁寧にするという職員の負担もふえているように思います。
 今後は、学童の民間委託が始まります。それから、21年度からはU18に移行するために施設の転換への準備があり、小学校と連携をとって遊び場を広げていきたいと思っている矢先に、この春から本郷小の校庭の芝生化ということが降ってわいてきました。22年度からは、数少ない公園の一つの杉山公園の自転車駐輪場の設置工事も始まります。これでは、子どもたちが安心して遊べるところがますます過密になってきてしまいます。こういう地域の全体的な調整というのは、区のどこの、どの部署でやっていくのか、お答えいただけますでしょうか。
○川崎経営担当課長 ただいまは地域の施設整備をどのように調整して行っていくかという御質問かと思いますが、区がいろいろ施設を新築したり、あるいは改修をするというときには、その施設を所管する担当の部署が、利用者の皆さんへの影響でありますとか、地域への影響、こういったものを十分考慮しながら、情報提供を行ったり、調整を行っているところでございます。
○のづ委員 この盛り込み方を見て、調整が図られているとは私にはちょっと理解しかねる部分がありますけれども、ほかの地域でも結構同様なことがあるように思います。以前はこういうことを地域センターがやっていたように思うんですけれども、地域センターが(仮称)区民活動センターへ移行ということで、言葉は自立する区民が育つようにということでやってくださいということですけれども、悪く言うと手放しているみたいな、そんな気がしないでもないんです。もう少し丁寧な対応をお願いしていきたいと思います。地域というんでしたら、地域という矢のように降ってくる言葉を、私たちのほうでは時系列をつくってやってみたら、一緒の時期がとってもあるということに最近気がついたので、前から言ってはいるんですが、そういうところを整理するということを地域でもしていませんでしたけれども、どうぞその辺の丁寧な対応をお願いしたいと思います。
 その宮の台の活用についての提案なんですが、宮の台の隣に防災住宅があります。そこの入居状況をこの間調べていただいたんですけれども、家庭世帯の2部屋、ここは3年間ゼロです、入居率。3年間ですよ。それで、単身の6部屋は入居の募集はして、この春もかけたんですけれども、もう空き部屋になっています。この利用率の悪さはどういう理由だと思われますでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 防災職員住宅につきましては、空き室が出ますと、そのたびに募集をかけているところですけれども、なかなか職員のほうからの入居の申し出がない、そのようなことでございます。
○のづ委員 どうして申し込みがないのかと、私たちは地域であれが建つときに、絶対にここは防災住宅なので、防災というのは万が一なんですね。あの建った時点は、すごく神田川があふれたときだったので、地域の方々は、神田川があふれたときにすぐさま駆けつけてくれるというふうに誤解もあったんですが、防災ですので、もしものときにということで、地域の方が住んでいるわけではなくて、区役所に駆けつけるという方が住んでいるところですよね。それなのにそんなにあいていていいんですか。
○志賀危機管理担当課長 近年の台風、それから大雨等の洪水等で被害等が出ているのは事実でございますけれども、先ほども申し上げましたように、空き室が出るたびに防災担当といたしましては募集等を行っているところですけれども、なかなか申し込みがない。私も家が遠ければ入居しているところでございますけれども、たまたま近いものですから、入居していないというような状況でございます。
○のづ委員 それだったら、3年もあけておかないで有効利用を図って、鍋横の地域センターの方でも入りたいけど、単身なので落ちてしまったという方が、じゃあ、地域だったら世帯を優遇して入ってもいいとか、ほかの方法でしたら、私としてはやっぱり宮の台の学童がこれだけふえるわけです、15人も。稼働率がもっとふえていく。そういう安心からしたら、子どもの広場事業を移すとか、学童を全部下の1階だけ、割とプレハブ的な住宅ですよね。下の1階だけを学童にしていくとか、有効利用は図れないかと思うんですけれども、いかがなものでしょう。
○志賀危機管理担当課長 防災職員住宅につきましては、大変重要な施設だと思っておりますので、他の用途に供する考えは持ってございません。
○のづ委員 区の施設の有効利用を考えたときに、そんなあいてばっかりいて、いいということですね。
○石神副区長 防災職員住宅につきましては、災害時に職員がすぐに駆けつける体制をとるということから、防災ということでつくってきているわけでございます。普通の厚生事業としての職員住宅は廃止をしていますが、そういう形でやっているわけです。特に、2,000人体制になっていきますと、地域の方と職員が連携しての体制が必要になってくるということから、職員が中野区に住むということが非常に大事なわけでございます。ただ、防災職員住宅の場合には、日ごろから町会等で行う防災訓練であるとか、さまざまなそういう行事にも出るということが前提になっておりますので、なかなか職員に理解されない。そういうことがございます。
 ほかの区のほうを見てみますと、やはり管理職がそこに住んでもらうということで体制をとるとか、そういう防災体力をつけるということをやっているわけでございます。そろそろそういった形で、ただ手挙げで募集するだけではなくて、必要な職員についてはそういう住宅に住んでもらって、役割を果たしてもらう、こういったことも考えていく必要があるかというふうに思っております。
○のづ委員 先ほどお答えになりませんでしたけれども、住まない理由は、狭いんですよ。単身のところもそうですけど、家賃は安いと思います。本当に理由としては、世帯なのに、今時単身で住む方、19平米ぐらいのマンションですけれども、かなり狭いということが多分ネックになっているのかなと思いますけれども、先ほど言った防災住宅には、もしかしてほかに利用するところがあったら、この公園の隣のこの場所は有効利用とか、中野区のためを思ったときに考え直したほうがいいと私は思っております。その辺をもう一度御検討いただければと思います。
 それから、(2)のほうのその他は、安全マップとキャップの講習会についてです。
 安全マップは、先ほどもちょっと出ましたけれども、これまで青少年の健全育成のほうで取り組んでまいりました。いろんな変遷があって、それぞれの地域でのつくり方が違っています。これは一例ですけれども、鍋横でつくったものですけれども、この仕様もいろいろあります。この中を見ていただくとわかるんですが、マークも、それからその後につくった、2006年につくったこちらのカラー版もあるんですが、これは全部地区委員会でつくったものをまとめたものなんですけれども、これは予算があったからまとめたんじゃないかなという代物ですよね。ほかの住宅のとかマークが全く違うし、つくり方も違うので、これを有効活用するというのはなかなか難しいんです。私たちはこれを一度小学校1年生に上がる子どもたちには配付をしております。ですから、ことしも予算をとった中でこれを、モノクロですけれども、1件1件にもう一度お電話をして、確認をしてつくるということを、今年度は予算とりましたので、やりました。
 ところが、先ほど白井委員のお答えの「子ども110番の家」のことを聞いたときに、危機管理の担当のほうからは、これを今後は地区委員会ではなくて学校、PTAのほうに移行するというようなことをお聞きしました。私、きょうの質問は、こうやってばらばらにつくっているものを、今後はせめてマークとかステッカーとかを、地域割りが変わっていくので、子どもたちが、地域の中にいろんなステッカーがあるんですよ。ですから、それが統一できるようにしてもらえないかという質問をしようと思っていたんですが、先ほどPTAからの依頼、PTAのほうは保険のほうのお金を今までも出していてくださったんですけれども、ステッカーも、あわせてマップもPTAのほうにという話だったと思います。その辺の確認をもう一度したいんですが、いかがですか。
○志賀危機管理担当課長 先ほど「子ども110番の家」のお話を白井委員の答弁の中でさせていただきましたけれども、平成9年に地区委員会が始めた事業で、その後、平成13年から、小学校PTA連合会が実施している事業でございます。その関係で、今後は小学校PTA連合会では、統一したマークでやっていきたいというお話しもございました。そこで、私ども危機管理のほうといたしましては、統一したシールを作成いたしまして、それを各家庭に配付・設置していただきたい。それで、これまではシール形式だったんですけれども、両面テープで張っていただいたり、あるいは門扉、あるいはフェンスに針金等で張れるような形のものを工夫しながらやっていきたいなと思っております。
 また、環境安全マップにつきましては、引き続き地区委員会のほうで作成されるということですので、これはまた110番の家のマップとは別のものだというふうに考えております。
○のづ委員 別に分けなくても、一緒につくるのでしたら、今地区委員会も予算を決めているところですので、早目にお知らせいただければ、PTAのほうがつくるとかというふうには対応はしていきたいと思いますけれども、それができるかできないかは地域によると思います。この2年間は手挙げ方式で、やってもやらなくてもいいんだよということになっていましたから、一度間があくとなかなか私たちがやるわというのは地域の難しいところだとは思っています。そのマークの統一とかステッカーの統一というのは望むところですので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、先ほどの子ども110番のステッカーのことにもなるんですけれども、実は、地域のミニリーダーの子どもたちと、その110番の家の駆け込み体験をしました。そのときには、暴漢が出るということは子どもたちには言っていなかったので結構騒ぎになったり、子どもたちの感想では声が出なかったとか、犯人がよくわからなかったという声が多かったです。駆け込まれたお宅は、子どもが慌てているので何を言っているかよくわからないとか、それをどういうふうにすればいいかというところに戸惑ったり、でもその体験ができて、これからも協力していきたいんだというお話になりました。よくステッカーを張ることをお願いすると、自分はいないのにそれを受けることはできないとか、啓発のためなので張ってくださいというお願いはするんですが、なかなか難しいものがあります。こういう体験を通していくと、すんなり受け入れてくださるんだなということもわかりました。暴漢の一人に吉原議員に御協力いただきまして、ただ、吉原議員は地域の中にポスターとか看板があるものですから、「このおじさん変な人だ」と指を指して言わないようにというフォローはちゃんとしておきましたので、御安心ください。
 その後、集まった警察の方から、いろいろなそのときの対処の方法を教わったんですけど、やっぱり経験した後ということで、子どもたちの理解のぐあいもすごくよかったと思います。その後、本当に事件が起こりまして、変なおじさんが出てしまったんですが、そのときに体験した子どもたちがその中に二人いて、今度はその子どもたちが見たときに、犯人が例えば何歳ぐらいとか、どういう人だったというのは大人でもなかなか言えないんですが、警察の方に「背はこの塀と同じぐらいだった」とか、「お父さんと同じぐらいだった」とか、そういう表現でいいんだよというふうに教わっていたので、犯人の特徴がきちんと言えて、かえってお家の方がびっくりして、地区委員会のほうに連絡をいただいたようなことがありました。とてもそれはいろんな形で地域がリンクして、よい事例だったと思うんですけれども、こういうことが起こる今時なので、キャップという講習会があるんですけれども、子どもへの暴力防止プログラムで、キャップというので、区でも補助金をつけてとってはいるんですけれども、補助金のとり方によっては、キャップが親子セットということが基本になっているので、なかなか補助金のとり方が難しいんですけれども、それを例えば全クラス、3年生はいつも全クラスでやろうとかというのは、教育委員会のほうにちょっとお聞きしたところでは、学校では難しいというような話でしたけれども、どこかほかに組み込めるところはないものでしょうか。
○野村子ども育成担当課長 現在、委員がおっしゃられたような安全講習会、こういった活動につきましては、一つは広域活動助成金、この活用がございます。ただ、この広域活動の助成金につきましては、かかった対象経費の3分の2の助成ということでございます。
 それともう一つは、家庭地域教育学級、これの委託事業として私どもが持っているものがございます。通常、この家庭地域教育学級につきましては、保護者の方、大人の方を対象とした事業に対する委託ということで考えてございますが、一つの方法といたしましては、こういった子どもも実際に体験をしなければならないといったような安全講習会を、私どもが提案を求める際のメニューとして御提示をして、これにお手挙げをいただいたところについては、子どもを対象とした経費についても委託経費の中で見ていくといったようなことも検討する余地があるかというふうに思っております。
○のづ委員 ありがとうございます。ぜひそういう方向で考えていただけたらと思います。
 次に、環境のほうに移ります。
 中野区の環境基本計画の改定の素案が示されましたけれども、これは地球温暖化対策の地球推進計画の位置付けとなるものです。家庭業務でCO2 の排出量の約7割が電気によるものということでしたので、その削減の取り組みの重要性が示されていました。
 その中で、エコシティなかのの実現に向け四つのプロジェクトを定め重点的に取り組む事業、アクション・プログラムを示していました。
 そこで、地球温暖化対策の中で、環境エネルギープロジェクトのアクション・プログラムの一つに「自然エネルギーの使用を進めます」とあり、「里・まち連携で区民風車の建設を進めます」とありました。風車の取り組みで思い出したのはデンマークだったんですけれども、デンマークは比較対象にはならないかもしれませんけれども、風力発電の所有の45%が協同組合みたいな形で個人で持っています。それから、民間企業が持っているのが30%、あと残りの25%が公共で持っているというところです。石油や石炭などの化石燃料が限りある資源で、特に石油は今世紀で使い果たすと言われていますので、ならば原子力と思うのは日本人的な発想だと思いますけれども、デンマークは1985年の国際会議でもう原発導入に見切りをつけて、そして後世に受け渡す持続可能なシステムとして風車を選択しています。2030年までに国内の需要の40%を賄うという目標になっていますけれども、まだことし現在では16%ということでしたけれども、年間470万トンのCO2 の削減になっています。中野と比較してはちょっと規模が違いますけれども、2017年度のCO2 の削減の目標が合計9万1,000トンですから、風車の能力というのはかなり有効だという認識はあります。区長もマニフェストで区民ファンドによる区民風車ということを言っていらっしゃいましたけれども、なぜ区民風車の建設予定地が常陸太田なのか、決まる経緯を教えていただきたいと思います。
 それから、そこの現況をあわせてお答えいただければと思います。
○納谷環境と暮らし担当課長 区民風車の建設の経緯でございます。
 まず、中野区は、平成17年度に「新しい中野をつくる10か年計画」を策定しました。この中の地球温暖化防止戦略におきまして、自然エネルギー、風力発電等、自然エネルギーの機器を友好都市に設置するという事業の、その方向性を示したところでございます。それに沿いまして、この度の環境基本計画の素案で、地球温暖化防止を重点的に、また、里・まち連携を基盤に区民風車の建設を目指すということとしたものでございます。
 そこで、極めて風況が安定している地方都市である。また、中野まつりに参加をされている。また、中野区内のNPOがこの常陸太田市と農業自然体験の交流、これを従来から続けているような状況があります。こういうことで、常陸太田市を候補地として考えたところでございます。
 その上で、私ども常陸太田市を訪ね、現地を視察し、また常陸太田市と協議をしました上で、常陸太田市の御協力を得られるということになりましたので、この常陸太田での建設を計画化したものでございます。
○のづ委員 そこの今の現況というのもお願いいたします。
○納谷環境と暮らし担当課長 一応候補予定地として考えていますプラトーさとみ、いわゆる里見牧場一帯には7基の風車が建設されております。そのうちの1基が里見氏自身が建設し、運営している風車でございます。風車の規模を申し上げれば、定格出力600キロワット、設備利用率、どのぐらい電力が売れているかという指数でございますが、それが20%ということで、極めて安定的にこの風力発電事業が行われているというふうに聞いております。
○のづ委員 茨城県には、ほかにもあるんですか。
○納谷環境と暮らし担当課長 茨城県内にはほかにも風況のいいところがございます。神栖市、あるいは鹿嶋市等、茨城県全体で40基近い風力発電がされているというふうに聞いております。
○のづ委員 いっぱいあるところでは、騒音問題とかいろんなことも発生しているように聞くんですけれども、その辺というのは送電線とかちゃんと、7基あるということはかなり今の時点では整備されているということですか。
○納谷環境と暮らし担当課長 当然、建設に当たってはさまざまな建設に要する設備の問題、今委員から御質問のあった環境上の問題、これを全部クリアした上で建設をしています。ですから、現在の風車の運営を見ている限り、特に大きな課題はないというふうに考えております。
○のづ委員 建設に当たっては課題はないかもしれないですけれども、区民にはやはり見えたアピール度というのはすごく低いと思うんですね。風車で皆さんがだめというわけではないとすれば、もっとこの唐突なイメージを中野区のほうでアピールするようなところを、慎重な対応と、いろんなアクションと言っているなら、理解が得られるアクションを起こしてほしいと思います。
 それからもう一つ、環境に配慮した快適なまちづくりプロジェクトということで、私は以前から自販機のことがとても気になっていました。中野坂上などは10台並んでいたり、ところによっては20台も並んでいるというところがあります。その缶の捨て方とかも気になっていましたけれども、なぜ自販機が多いのかというところで、売り上げによるマージンがあるというふうにも聞いております。設置には個人の選択がありますし、企業とのかかわりもあるので、この自販機を減らすということは難しいかもしれません。しんし、中野区では環境配慮基金とか、エコポイントとかということを挙げていますので、設置者がその売り上げの一部をその基金に協力をするとか、環境配慮行動ということでエコポイントがあるとか環境を意識していただきたいと思っています。
 それで、(仮称)地球温暖化防止条例の策定が予定されていると聞きましたけれども、そのことをちょっと教えてほしいんですけれども、その中に入れ込んでそういう自販機の抑制ということはできないものでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 地球温暖化防止条例は仮称でございますが、予定しています条例には、区民、事業者、区の責務、あるいは地球温暖化防止に対する理念等を盛り込む考えではおります。自販機の協力金というようなお話しでございますが、確かに自動販売機も二酸化炭素を排出する要因でございます。しかしながら、自販機も含め、二酸化炭素を排出する事業活動は多々ございます。こういう意味から、いわゆる環境に配慮した事業活動、あるいは事業活動によって環境負荷を与える場合、こういうものへの対策については、今後の一つの大きな研究課題だと思っております。
○のづ委員 ちょっと時間が少なくなってきたので、保護樹木に移らせていただきます。
 先ほども出ていましたけれども、まず保護樹木の定義というのを教えていただけますか。
 それから、いつから始まった制度で、さっき本数は311本ということをお聞きしましたので、いつから始まった制度なのかということをお知らせください。
○安部公園・道路担当課長 保護樹木と保護樹林と二つ制度が分かれておりますけれども、いずれも昭和53年度に条例化しまして、54年度から始まった事業でございます。
○のづ委員 先ほどの本数311本というのは、今ある指定の本数ですよね。過去、これから今までの指定された本数というのは、おわかりですか。
○安部公園・道路担当課長 指定を始めたときは、当然少ない本数1本、2本で、だんだんふえていったわけですけれども、一番多かったときというのは、平成元年でございまして、このときが349本でございます。ですから、平成元年から今まで38本減っているということになります。
○のづ委員 先ほども牛崎委員のお答えに、その補助が6,000円ということで、個人の負担ということをお聞きしましたけれども、先ほどは3年間に一度、区の剪定の時期があるというふうにお伺いしましたので、そのときにあわせてその保護樹木も剪定するということは難しい話でしょうか。
○安部公園・道路担当課長 保護樹木につきましては、先ほどもちょっとお答えしたわけですけれども、その所有者の方のものでございまして、中野区としましては、その所有者の方に主体的に管理をしていただいて、それに対して、1本6,000円でございますから、すべて管理できる費用ではないということは認識してございますけれども、そういう助成をする中で、所有者の方に管理していただきたいというふうに考えております。
○のづ委員 そのお答えは先ほどもお聞きしたんですが、やっぱり今この保護樹木を抱えていらっしゃる方が、木も高齢なら、御自分も高齢なんですよ。それで、落ち葉の話がさっき出ていましたけれども、下ははけるけど、上を切るということはとても難しい話で、本当に4~5万かかるということを個人の負担でやるんですかということですけれども、今ある緑を守るという取り組みの方向があるわけですから、今こそ、今まではできない、できなかったかもしれませんけれども、今見直す必要というのは、今だからこそあるように思います。これを区民全体で保護する方向で、例えば案内板をつくったりとか、それから樹木の散歩コースをつくったり、みんなも環境の保護樹木に意識を持ったり、それから環境教育にも役立てるというような方向で、6,000円の負担というのがそういう補助金という形ではなくて、皆さんが守り育てるんだという方向に一つでも変えていってほしいと思っています。御検討ください。
○安部公園・道路担当課長 今お話がありましたように、指定した樹木には、樹木の板をつけるということが条例で決まっておりまして、これをつけてございます。ただ、皆さん方が、以前は保護樹木がここにありますよという案内図も公園・道路分野で皆さんに配付しておりました。ただ、そういう状況の中で、無断でその中に入っていくという方が結構おられたんですね。中野区の場合には、いわゆる屋敷森が多いものですから、ほかのところみたいに単に屋敷とは離れたところに樹林があって、そこの中に自由にお入りくださいというようなものは中野区の場合はありません。そういう中で、保護樹木の所有者の方から、いわゆる個人の安全ということもありまして、地図を配付するのは困るというような御意見もございまして、現在、地図は配付してございません。
○のづ委員 今のことはわかりましたけれども、個人の努力でできるのは限りがあるということで、今だからこそ、変更の検討をしていただければと思います。ありがとうございます。
○安部公園・道路担当課長 あと一つ、中野区として検討しておりますのは、先ほど落ち葉の件がございましたけれども、落ち葉も非常に多いと、先ほどもちょっとお答えしましたけれども、有料になります。それについて、堆肥化するということを考えてございまして、中野体育館の前のケヤキ通りを今年は試験的に無料で引き取って、堆肥化して売るという業者がございましたので、そちらへ引き取ってもらうということをやってもらいました。今、その業者さんもそれでペイするかどうかやってくれているところでございますので、そういうものがうまくいけば、その保護樹木の所有者の方の落ち葉を区で処理するというようなこともできるのかなというふうに考えております。
○のづ委員 ありがとうございました。
 その次に、共感教育ということです。赤ちゃんが教室にやってくるという授業が学校でありましたけれども、これは小学生が乳幼児親子に触れ合う事業です。子どもにどういうふうに育ってほしいですかと聞かれると、大体の親御さんは、思いやりがある子に育ってほしいというふうに答えることが多いと思いますけれども、その思いやりをどういうふうに育てるかということが、赤ちゃんが何を言っているか、なぜ泣いているかわからない、そういう困ったりする中で一生懸命赤ちゃんの気持ちをわかろうとするという。その中で、子どもの考える力が引き出されたり、そして思いやりの気持ちが育つと思っています。
 これは、子どもたちだけでなくて、参加したお母さんたちも、自分が乳幼児を抱えて、人の役に立つなんていうことは今まで考えていなかったけれども、とてもそういう意味では自分が皆さんからいろんな温かい気持ちをもらったということで、私はそういうことが地域の次の人をつくることになっていくのかなと思いましたので、ぜひこういうことをほかでもやってほしいなと思ったんですけれども、これはたまたまここの先生が以前にこの授業を経験していたので学校の受け入れがスムーズにできました。しかし、なかなか学校の受け入れというのは難しくて、こういう提案などを受け入れてくれるシステムが何かありますでしょうか。
○入野指導室長 今のお話のような、そうした活動を行うかは学校のほうの判断になっておりますので、教育委員会としましては、地域の方々のそういう御協力ですとか、お力をかりるためのシステムづくりを現在検討しているところでございます。
○のづ委員 学校支援ボランティアというのがありますけれども、そういう学校支援ボランティアの方たちが例えばこういう授業があるとかそういうことを学校側に伝えてくださったりということをする方ですか。
○入野指導室長 現在、いろいろな呼び方をしておりますけれども、学校の中に入っていただいているボランティアというのは、各学校が発掘という言い方は失礼ですけれども、御協力をいただいているということで、つながりを持っているという形をつくっているところでございます。
 現在、教育委員会として検討しておりますものも、同じように学校支援ボランティア制度ということで、学校のほうへお手伝いをいただくような形、仕組みづくりを今検討している最中でございます。
○のづ委員 ありがとうございます。共感教育というのはとても大事だと思っていますけれども、先生方のほうにまだまだ知られていませんので、こういうことが先生方の研修の中でも知っていただける機会を設けていただければと思います。
 最後に、「その他」で青少年委員のことをお伺いしようと思っています。
 青少年委員の制度が大きく変わるというよりも、この3月で一応任期切れということになっていると思います。まだ何日か前の会議の話だったりするので、なかなか細かいことが提案できなかったりすると思いますけれども、青少年委員が、私たちが青少年委員だったころには「地域の黒子たれ」ということで、隠れた存在で地域の活動の方のほうが多かったと思いますけれども、今の青少年委員さんたちは、学校を足場に青少年委員としての学校とのコーディネートをしてきたという方々も多いと思います。学校の編成も変わる中で、この青少年委員さんの任期切れになった後というのがとても心配に思っているんですが、その辺をお伺いしたかったんですが。
○野村子ども育成担当課長 ただいま委員お話がございました青少年委員制度、区の中で今後のあり方について検討を進めている段階でございます。まだ将来像についてお示しできるという段階にはございません。
○のづ委員 本当に皆さん、不安に思っています。私たち地域の者としても、不安に思うことが多いです。多分、役所の方もそれぞれの役割の中で不安に思って、みんながそういう中ですので、今後の理解や協力は必須と考えていますので、丁寧な対応をお願いいたします。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で、のづ委員の質疑を終了します。
 以上で本日の総括質疑を終了いたします。
 次回の委員会は、2月28日(木曜日)午前10時から当委員会室において開会することを、口頭をもって通告します。
 以上で本日の予算特別委員会を散会します。
午後4時15分散会