平成19年02月28日中野区議会予算特別委員会
平成19年02月28日中野区議会予算特別委員会の会議録
平成19年02月28日予算特別委員会(第4日) 1.平成19年(2007年)2月28日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
  1番  いでい   良  輔       2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ        4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か       6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ        8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇      10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信      12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原     宏      14番  高  橋  ちあき
 15番  やながわ  妙  子      16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子      18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦      20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫      22番  小  串  まさのり
 23番  若  林  ふくぞう      24番  市  川  みのる
 25番  岡  本  いさお       26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち      28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤  ひろこ       30番  来  住  和  行
 31番  岩  永  しほ子       32番  篠     国  昭
 33番  柿  沼  秀  光      34番  伊  藤  岩  男
 35番  斉  藤  金  造      36番  大  泉  正  勝
 37番  斉  藤  高  輝      38番  江  口  済三郎
 39番  藤  本  やすたみ      40番  昆     まさ子
 41番  江  田  とおる       42番  池  田  一  雄
1.欠席委員  なし
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 助役      石神 正義
 収入役     沼口 昌弘
 教育長     菅野 泰一
 区長室長    寺部 守芳
 経営改革担当課長奈良 浩二
 政策担当課長  川崎  亨
 総務部長    助役事務取扱
 総務担当参事  橋本 美文
 広聴広報担当課長浅野 昭
 平和人権担当課長広聴広報担当課長兼務
 平和担当課長  広聴広報担当課長兼務
 人権担当課長  広聴広報担当課長兼務
 財務担当課長  篠原 文彦
 営繕担当課長  豊川 士朗
 人事担当課長  長田 久雄
 情報化推進担当課長           白土 純
 防災担当課長  中井 豊
 危機管理担当課長斎木 正雄
 税務担当課長  遠藤 由紀夫
 未収金対策担当課長           助役事務取扱
 区民生活部長  本橋 一夫
 区民生活部経営担当課長         登 弘毅
 地域活動担当課長区民生活部経営担当課長兼務
 南中野地域センター所長         角 秀行
 弥生地域センター所長          南中野地域センター所長兼務
 東部地域センター所長          柿内 良之
 鍋横地域センター所長          南中野地域センター所長兼務
 桃園地域センター所長          東部地域センター所長兼務
 昭和地域センター所長          横山 俊
 東中野地域センター所長         昭和地域センター所長兼務
 上高田地域センター所長         昭和地域センター所長兼務
 新井地域センター所長          東部地域センター所長兼務
 江古田地域センター所長         戸辺 眞
 沼袋地域センター所長          江古田地域センター所長兼務
 野方地域センター所長          江古田地域センター所長兼務
 大和地域センター所長          鳥井 文哉
 鷺宮地域センター所長          大和地域センター所長兼務
 上鷺宮地域センター所長         大和地域センター所長兼務
 戸籍住民担当参事榎本 良男
 産業振興担当参事鈴木 由美子
 環境と暮らし担当課長          納谷 光和
 ごみ減量・清掃事業担当参事       服部 敏信
 ごみ減量担当参事ごみ減量・清掃事業担当参事兼務
 清掃事務所長  市川 求
 子ども家庭部長 田辺 裕子
 子ども家庭部経営担当参事        子ども家庭部長兼務
 子育て支援担当課長           馬神 祥子
 子ども健康担当課長           大久保 仁恵
 中部保健福祉センター所長        鈴木 郁也
 北部保健福祉センター所長        中部保健福祉センター所長兼務
 南部保健福祉センター所長        深山 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        嶋﨑 江美
 保育園・幼稚園担当課長         合川 昭
 幼児教育担当課長藤井 康弘
 子ども育成担当課長           大橋 雄治
 子ども家庭支援センター所長       子ども育成担当課長兼務
 男女平等担当課長子育て支援担当課長兼務
 保健福祉部長  金野 晃
 保健所長    浦山 京子
 保健福祉部経営担当課長         寺嶋 誠一郎
 保健予防担当参事深澤 啓治
 結核予防担当参事保健予防担当参事兼務
 生活衛生担当課長飯塚 太郎
 健康・高齢担当課長           今 恵里
 地域ケア担当課長保健福祉部経営担当課長兼務
 中野包括地域支援センター担当課長    中部保健福祉センター所長兼務
 障害福祉担当課長田中 政之
 障害施設担当課長辻本 将紀
 生活援護担当課長瀬田 敏幸
 保険医療担当参事奥山 功
 介護保険担当課長冨永 清
 介護保険基盤整備担当課長        介護保険担当課長兼務
 都市整備部長  石井 正行
 都市整備部経営担当参事         尾﨑 孝
 都市計画担当参事都市整備部経営担当参事兼務
 土木担当課長  遠山 幸雄
 公園・道路担当課長           野村 建樹
 建築担当参事  佐藤 幸一
 住宅担当参事  岩井 克英
 地域まちづくり担当参事         住宅担当参事兼務
 拠点まちづくり推進室長         石橋 隆
 拠点まちづくり担当参事         秋元 順一
 警察大学校等跡地整備担当参事      拠点まちづくり担当参事兼務
 中野駅北口周辺整備担当課長       安部 秀康
 中野駅南口周辺整備担当課長       上村 晃一
 西武新宿線沿線まちづくり担当課長    中野駅南口周辺整備担当課長兼務
 副収入役    村田 宏
 教育委員会事務局次長          竹内 沖司
 教育経営担当課長小谷松 弘市
 教育改革担当課長相澤 明郎
 学校教育担当参事大沼 弘
 指導室長    入野 貴美子
 教育センター所長指導室長兼務
 生涯学習担当参事村木 誠
 生涯学習推進担当参事          生涯学習担当参事兼務
 中央図書館長  倉光 美穂子
 選挙管理委員会事務局長         柳澤 一平
 監査事務局長  石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    高橋 信一
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     黒田 佳代子
 書  記     永田 純一
 書  記     荒井 勉
 書  記     岩浅 英樹
 書  記     菅野 多身子
 書  記     西田 健
 書  記     廣地 毅
 書  記     鳥居 誠
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     岡田 浩二
 書  記     松本 桂治
     午前10時01分開議
○伊藤(正)委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 第5号議案から第9号議案までの計5件を一括して議題に供します。
 初めに、昨日の委員会終了後に開かれた理事会の報告をいたします。
 まず、本日の委員会運営についてであります。本日の委員会は、さきに御確認いただいたとおり、1番目に吉原 宏委員、2番目にやながわ妙子委員、3番目に来住和行委員、4番目に篠 国昭委員、5番目にむとう有子委員、6番目に奥田けんじ委員の順序で、6名の質疑を行うことを確認いたしました。
 また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
 2点目は、資料要求の追加についてであります。お手元に配付いたしました予算特別委員会資料要求一覧(追加分)のとおり、資料要求することを確認いたしました。
平成19年(2007年)2月28日
予算特別委員会

予算特別委員会資料要求一覧(追加分)

追加分 
◆総務分科会関係
80 「新しい中野をつくる10か年計画」における「おもな取り組み」事業の予算反映状況 <公>

◆文教分科会関係
31 学校休業日における学習にかかわる取り組み状況(現年度) <自民>
32 社会科・道徳の副読本の使用状況について(現年度) <自民>

 3点目は、資料の差しかえについてであります。既に配付してあります総務分科会関係1番と79番の資料に誤りがありましたので、訂正した資料を配付することを確認いたしました。お手元の資料を御確認ください。
 なお、資料要求の追加分などについては、理事会で確認されたものを全体会の席上で配付し、さらに追加、訂正を経た最終的な資料要求一覧表を、予算特別委員会の最終日に席上配付することとし、会議録の巻末にも資料として添付すること、最終的な内容のすべての資料と、最終的な資料要求一覧をCD-Rにより各会派に配付することを確認いたしました。
 以上が理事会の報告ですが、何か御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤(正)委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤(正)委員長 御異議ありませんので、そのように運営させていただきます。
 それでは、昨日に引き続き総括質疑を続行いたします。吉原 宏委員、お願いいたします。
○吉原委員 おはようございます。通告どおりやらせていただきます。
 最初に、教科書の採択についての質問でございます。
 まず初めに、中学校の歴史教科書の採択について質問をさせていただきます。この件につきましては、平成17年の第3回定例会の10月3日、決算特別委員会でも質問をいたしまして、当時の小林指導室長と長時間にわたり質疑応答を繰り返した記憶がございます。
 前回の教科書採択から既に2年が経過いたしておりますが、最初に、現在の教科書、特に歴史教科書、たしか東京書籍のものと記憶していますが、生徒や教師の評価はいかがなものでございましょうかという質問でございます。お伺いします。
○入野指導室長 中学校の教科書についてお答えをいたします。
 歴史的分野の教科書も含めまして、現在使用しております教科書について、特段の意見は聞いていないと承知しております。
○吉原委員 特段の意見を聞いていないということは、評価がいいとも悪いとも、一切何の反応もなかったということなんですか。
○入野指導室長 そのとおりでございます。
○吉原委員 東京書籍の教科書、扶桑社なり、いろんな教科書があると思うんですが、いいとも悪いとも出ていないというのは、かえって不自然だなという感じがするんですけれども、室長としてはどのようにお考えですか。何らかの形がなければ、そういうことになると思うんですが、もう一回改めてちょっとお聞きしたいと思います。室長自身のお考えでも結構ですので、お答えください。
○入野指導室長 教育委員会で学校訪問等にまいります折に、先生やそれから子どもたちに教科書について聞くことがございますけれども、そのときについて特段に意見が出ていないということでございます。いいとか悪いとかということではございませんで、教科書を教えるのではなくて、教科書で学習をしておりますので、そういう意味から言いましても、教科書の評価というものは出ていないということでございます。
○吉原委員 地方分権で教科書の採択権が各市区町村に移ったということでもありますので、中野区教育委員会としても、使っている教科書がどうなのか、それを父母に聞くのもいいし、教員、その担当者、いろいろ関係者がいると思うんですが、何らかの形でレクチャーするようなシステムをこれからもとった方がいいんじゃないかと思うんですが、そのことについては室長どのように思いますか。
○入野指導室長 教科書の採択に当たりましては、中野区は、独自に生徒の意見、子どもたちの意見を、教科書採択の年に、今使っているものに関しましても、それからこれから使う教科書に関してもいただくようになっておりますし、その時点におきましては、教員からも評価をいただくという形をとっておりますので、今後ともそういうような形で、評価といいますか、意見を聞いてまいりたいと思います。
○吉原委員 5人の教育委員は、やっぱり教科書を採択したらそれでもうあと4年間は何もないんだということではなくて、やはり採択した教科書はどういうような評価なのかというのも、5人の教育委員の方々に追って調査をしていただいて、協議していただけるような教育委員会になってほしいなというふうに思いますので、これは要望とさせていただきます。
 たしかお隣の杉並区では、今歴史教科書として扶桑社の教科書を採択しているようなんですが、例えば各区の指導室長の集まりなどで、問題点などが指摘されているかどうか、話が入っていますでしょうか、ちょっとお伺いをいたします。
○入野指導室長 教科書採択につきましては、各教育委員会の権限と責任において行われるものでございますので、指導室課長会等において、特定の教科書、教科書採択について意見が相互に述べられるということはございません。
○吉原委員 私も扶桑社の歴史教科書、改訂版、新しい歴史教科書というのが正式名称なんですが、そして新調版、新しい公民の教科書については、特に日教組や一部の左寄りの区民が大騒ぎするような内容ではないなというふうには、常日ごろから思っているわけなんです。
 現に扶桑社の歴史教科書は、東京都内の私立中学校、例えば玉川学園、日大三中、武蔵野女子学院中学校でも採用されておるわけです。特に昨年の7月27日に開催された東京都教育委員会でも、都立の中高一貫校である白鳳中等教育学校の公民教科書として、全会一致で採択をされているわけです。これに対して新しい歴史教科書をつくる会の小林会長という方がいらっしゃるんですが、以下のようにコメントを発表いたしております。「私たちつくる会は、このたびの東京都教育委員会の決定に心より敬意を表します」として、「民主国家を担う国民の資質は、現代社会の成り立ちについての正しい理解を通じて養われます。一部の偏った市民運動が掲げる課題を過剰に取り上げる教科書を生徒に渡してはなりません。この教科書を学んで適切な政治判断のできる有権者が育つことを期待します」というコメントを出しております。
 そこで教育長、教育長にちょっとお伺いするんですが、まだ就任されたばかりで当教科書問題については十分承知していないかもしれないんですが、こうした扶桑社の歴史教科書、公民教科書の採択状況やつくる会の声明、コメントについてどのように思われるかをお答えください。
○菅野教育長 教科書の採択でございますけども、公立学校につきましては、所管の教育委員会が、国立でありますとか私立学校につきましては、当該校長がその権限と責任において行うものでございます。他自治体等での採択状況について意見を述べるとか、感想を述べる立場に私はないと思っております。
○吉原委員 そういう回答になると思っていました。どうもそれ以上の回答というのは出てこないというか、引き出しにくいというか、どういうことなんでしょうか。なかなか抽象的で明快な御答弁がいただけませんでしたが、それはまた別の機会にさせていただこうと思います。
 教育長がはっきり判断しないことで、前回の採択の際に、5人の教育委員の採決で扶桑社の歴史教科書が2対3で不採択になった例が多くの自治体であったのも記憶に新しいと思います。逆に、杉並区では、3対2で扶桑社の歴史教科書が採択されていますが、このことによって教育長は、杉並の教育長ですね、議会でも一部の反対会派から矢のような質問攻めや、自宅などに手紙やファックスが大量に届けられるという嫌がらせを当時は受けたと報道されたように聞いております。
 中野区の場合は、前回の採択の際に、全会一致で東京書籍が採択されています。恐らく教育委員会が混乱を避けるために、扶桑社ではなく東京書籍を候補にしたような気がしてならないわけです。このことは、お聞きしてもそんなことはありませんというお答えしか想定はできませんので、あえて聞きませんけれども、次回の採択の際は、同じような指摘をされないように対応していただきたいと思いますが、教育長はいかが思いますか。
○菅野教育長 前回の教科書採択の際に、どのような意見を各教育委員が言って、どのような過程で採択されたかにつきましては、私も会議録を見ましたので、よく知っております。やはり基本的に、全員の委員が全部の教科書を読んで、そしてそれぞれの意見を言って、それで全員の意見が一致して東京書籍になったという経過があります。それにつきまして、私は前教育委員につきましてきちんとした審議がされ、公平に一番よいと思われる教科書を選んだというふうに考えております。次回につきましても、今中野区にあります教科書採択ルールにのっとりまして、きちんとした手続を踏み、最良の教科書を選びたいと考えております。
○吉原委員 ぜひともそのようにお願いしたいと思います。公明正大に行っていただきたいというふうに考えております。
 昨年、安倍内閣が発足しまして、教育基本法が改正をされたわけですが、この改正により各教科書出版会社は、現在の学習指導要領にもある、我が国の歴史に対する愛情を深めるに加えて、愛国心を育てるといった観点からの教科書づくりに着手していると聞いております。
 恐らくどの歴史や公民の教科書も現在の扶桑社の教科書と同じような内容に変わらざるを得ない状況になったとも思われるわけなんですが、この扶桑社の教科書は、歴史を単に善悪で裁くという姿勢ではなくて、歴史の光と影を公平に取り上げながら、自然な形で自国への愛国心を育てることのできる教科書であり、新しい教育基本法、そしてそれに基づく学習指導要領に既に合致したものであると考えておるわけなんですが、指導室長はどのようにお考えですか。
○入野指導室長 教科書におきましては、どの会社の教科書におきましても、文部科学省の検定を通っておりまして、教科書の記述が客観的で公正的なものであり、かつ適正な教育的配慮がなされるようにということで検定を通ったものでございますので、扶桑社の教科書における学習指導要領を踏まえているということでありますれば、すべての教科書においても、もちろん学習指導要領を踏まえた検定教科書になっているというふうに考えております。
○吉原委員 お立場上そのような御答弁になることは想定していました。
 学習指導要領が改定されれば、愛国心などを教える教師が変わらなければ意味がないわけです。指導主事さんを総括する室長さんは、区立学校の教師を指導育成する立場であると思いますが、現在の東京書籍の歴史教科書、公民教科書をあと2年使用しなければならないんですが、愛国心をはぐくむことについて、今後どのように指導されていくのかを、御見解をお伺いします。
○入野指導室長 新たな教育基本法に基づきまして、新たな学習指導要領がこれからつくられていくということと聞いております。それを待ちまして、その趣旨を踏まえた指導を行っていこうというふうに考えております。
○吉原委員 ぜひ愛国心を持った生徒を多く育てていただきますよう心からお願いをいたします。
 平成17年の4月に、文部科学省が中学校の歴史教科書の検定結果を発表した際に、日教組の戸田書記長が、扶桑社の歴史教科書を以下のように言っているわけです。「史実と真実を大きくゆがめる偏狭なナショナリズムをあおる危険性があり、皇国主観につながる考え方が教科書に登場したと言わざるを得ない」と、扶桑社の教科書を批判しているわけです。
 そして日教組は、連合や民主団体とともに、7月の採択に向けて地方、中央一丸となった取り組みを進め、特に運動の中心となるのは現場教員であり、各職場での学習、そして保護者や住民への積極的な取り組みを行うことが必要であるとの指示とも言える発言をしております。
 中野区の教職員にも、当然、日教組に加盟している教員が多く存在すると思われますが、こうした動きが以前にあったのでしょうか、お聞きをいたします。
○入野指導室長 前回の教科書採択に当たりまして、学校の職員団体の組織的な動きはなかったというふうに承知しております。
○吉原委員 実態を把握されていないようなんですが、それでは、区の教科書採択の際に、教師から指定委員や調査員を校長推薦で任命しているとのことなんですが、その中に日教組に加盟しているかどうかの調査はされているのでしょうか、お聞きをいたします。
○入野指導室長 組合員であるかどうかの調査はしてございません。
○吉原委員 それでは、区立学校の教員は、調査員や選定委員として採択過程に関与し、採択結果に実質的な影響を与える立場にあるわけですから、ぜひ公平公正な立場の教員を任命していただきたいと要望いたします。
 特に中学校の社会科の教師は、中学校の歴史や公民の教科書の選定にかかわりますので、特に注意していただきたいと思います。
 次回の採択、これは平成20年になるのでしょうか。その際は、教科書の選定、調査が、学習指導要領に基づき厳正かつ公正に行われなければなりません。特定の業者の教科書を排除する運動方針を掲げた教職員団体に所属する教員が教科書採択業務に関与すること自体、違法な行為であると言われているのですが、実際はどうなんでしょうか。教育長の御見解、御決意をお伺いいたします。
○菅野教育長 適正かつ公平に調査、研究が行われ、採択がされるということは、当然必要なことでございまして、採択基準とか調査項目等につきましては、教育委員会が決定しております。それに基づきまして調査、研究会が調査を行っております。また、その調査委員等の就任に当たりましては、規則や要綱を遵守するとともに、教科書用図書の採択につきまして、利害関係がないという旨の確認書をとっております。こういった中で公平な委員の選任はされているというふうに考えております。
○吉原委員 2年後ですね、公明正大な教科書の採択に際しまして、5人の教育委員の方々には、本当に公明正大な採択を実現していただきますように心から要望をいたしまして、この項の質問を終わります。
 質問が変わります。2項目めです。自治体における国際交流事業のあり方についての質問に入ります。
 平成18年の決算特別委員会の総務分科会、ここにおいて、我が会派の大内幹事長から、中野区の国際交流に関して、都合3日間にわたり質問させていただきまして、厳しい指摘を大内幹事長の方からさせていただきました。私からは、幹事長の指摘を踏まえ、自治体における国際交流事業のあり方について質問やら提案をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、平成18年の決算特別委員会の総務分科会において、問題となった、2005年中国文化散歩についてお伺いいたします。
 私は、この報告の冊子を見させていただきました。この冊子、現物はこういうものなんですけれども、当然、中野区国際交流協会が編集、発行したものですが、まず、この冊子の作成部数と経費についてお伺いいたします。
○橋本総務担当参事 ただいま御紹介のありました2005年中国文化散歩の報告冊子でございますが、発行部数は100部、発行に要しました経費は、5万9,000円余となってございます。
○吉原委員 ただいまの経費は、だれが支払いをしているのでしょうか、お答えください。
○橋本総務担当参事 国際交流協会が区からの補助金に基づきまして実施している事業で、経費支出につきましては、補助金から出してございます。
○吉原委員 区からの補助金で国際交流協会が支払いをしているということですね。
 この支払いは、区からの補助金が、先ほども話が出ました、財源となっているわけなんですが、そうしますと、区民の税金が使われ、この冊子を作成しているわけになるわけですね。それを踏まえお伺いをいたしますが、この文化散歩事業でどのような効果、また成果があったのでしょうか。区は、目標と成果を重視した政策実行を行っていますので、区民の税金が使われたこの事業の成果を明確に御答弁を願いたいと思います。
○橋本総務担当参事 この中国文化散歩事業の目的でございますが、中国の歴史、文化について学び、そこに住む人々との交流を通じて相互理解を深め、日中友好促進に貢献するとともに、西城区との友好関係の推進ということになってございます。2005年は、健康をテーマに西城区政府の協力のもとで太極拳の講習などを行い、市民交流による生活文化や健康観に直接触れるなど、成果が得られたものというふうに協会からは報告を受けてございます。
○吉原委員 今一通りのお話がございました。中国の文化や歴史を学び、太極拳の体験により西城区との友好関係が一層深まったという成果があったということでありました。確かに団員の方々の感想文を読む限りでは、そうした成果があったように思われるのですが、この冊子の内容を拝見しますと、実はいろんな事実、大変な事実といいますか、いろいろなことが記載されているわけです。
 平成18年の決算特別委員会の総務分科会においての質疑の中では、8人の参加者のうち区民は3人であり、残りの4人は区外の賛助会員、もう一人は、随行の国際交流協会の事務局員であるとの答弁を、大内幹事長は総務分科会でいただいております。
 まず、団長の松崎さん、この方は、いろいろ伺った話で、たしか私の記憶ですと、元区の職員じゃないでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
○橋本総務担当参事 間違いございません。
○吉原委員 それでは、荒畑さん、吉田さん、この二人は、過去はどういう立場の人でしょうか。以前の国際交流協会の関係者ではないでしょうか。いかがでしょうか。
○橋本総務担当参事 私の記憶している範囲で申し上げれば、元区の職員だったということでございます。
○吉原委員 元区の職員ということで、わかりました。
 次は、随行員として同行した国際交流協会の職員は、木下さんと記されているんですが、この方は元中野区の職員だと思うんですが、それはいかがでしょうか。
○橋本総務担当参事 元区の職員でございます。
○吉原委員 わかりました。
 2005年に行われた文化散歩の募集要項があるんです、こういう募集要項。10月19日から25日の7日間で、行き先は北京と天津、参加費は13万2,000円、参加対象は、中野区民か区内在勤、在学者及び国際交流協会会員となっています。これがその募集要項なんですが、ここにも訪問期間、2005年10月19日から25日、6泊7日間、訪問先、北京、天津、参加費13万2,000円、参加対象、中野区在住、在勤、在学及び当協会会員の方、募集人員、申し込み者が10人に満たない場合は中止、このようにいろいろ書いてあるわけですが、10人に満たない場合は中止と先ほど読み上げたとおり書いてあるんですけども、8人で催行した理由といいますか、8人のうち5人が、先ほどもちょっとお伺いしましたが、元区の職員か国際交流協会の職員であるにもかかわらず、催行しなければならなかった理由は何なんでしょうか。これでは親睦旅行と言われてもしようがないと思うのですが、いかがでしょうか。
○橋本総務担当参事 この事業は、隔年で実施してございます。前回は2003年が実施予定だったんですが、SARSなどの影響で中止となったという経過がございます。こうした背景を踏まえまして募集をしたところ、3名の区民からの応募がございました。西城区との関係、今後も継続をさせていきたいということがございまして、賛助会員となっている者たちに声をかけたところ、5名の賛助会員から参加の意思が確認できました。これを実施するに当たりまして、8名で実施するか、できるかどうかということで代理店などと相談したところ、8名でも大丈夫だということで、区民3名、それから会費を納めております賛助会員、ボランティアなどで御協力をしていただいているというふうに聞いてございますが、こういった賛助会員も含めまして、都合8名で、今回、2005年につきましては実施したというふうに協会からは報告を受けてございます。
○吉原委員 以上の理由で8名で催行したということなんですが、やっぱり10名に満たない場合は中止としっかり明言してあるのにもかかわらず、やはり8名で催行した理由というのは、いまひとつ見えてこない部分があるんで、隔年、中止になった年もあるという話もあったんですけども、それもう一回わかりやすく説明していただけませんか。
○橋本総務担当参事 前回中止した経緯もございまして、できる限り実施をしていきたい。そのために、区民の応募は少なかったんですけれども、先ほど申しました賛助会員の方々にお声をかけさせていただいて、それでしたならば参加をしたいという方が何人かいらっしゃいました。これ合わせまして10人に満たなかったんですが、事業として成り立つというふうに協会の方で判断をされ、実施したというふうに私どもは受けとめてございます。
○吉原委員 協会の判断なんですね。
 この行動日誌を拝見しますと、2日目の10月20日、西城区主催の歓迎宴の様子が紹介され、そこにはこう書いてあるんです。北京ダックで有名な、「鴨王」と読むんでしょうか、この真新しい支店で交流宴が行われたこと、そして3日目の21日には、金融街にある蟹道楽で寿司、そば、和洋定食、チャーハンもろもろ、その夜は雑技団の雑技の鑑賞と記載されています。そして4日目の22日は、朝の太極拳の体験後に天安門広場、東城区の歴史地区の観光、夜は北京飯店で薬膳料理を堪能、5日目の23日は、北京駅から列車で天津に向かい、古文化街や周恩来記念館の見学、そして天津名物の揚げまんじゅうで満腹になったともろもろ。6日目の24日は、景山公園や万里の長城の観光の後、上海楼飯店において区側主催の答礼宴を開催し、お世話になった方々と懇親などという記載があります。
 この行動日誌を拝見する限り、観光旅行そのもののような感じがしますが、そのように思うのは私だけなんでしょうか。いかがでしょうか、お答えください。
○橋本総務担当参事 印象で申し上げれば、今御紹介された内容だけであれば、そのような受けとめ方もあるのかなというふうには思いますが、協会からは、この事業で太極拳を通じての交流、それから中国の歴史とか文化、こういったものに直接触れることができて、先ほど申し上げましたこの事業の所期の目的、これは達成でき、またテーマの趣旨に沿った活動もできた、そのように報告を受けてございます。
○吉原委員 ただいまの御答弁でも、それなりの目的を持って行動をしているということなんですが、この冊子を読めば、10人中10人がただの観光旅行であると答えると私は思うんです。この事業には補助金は使われているんですけども、その額は決算の総務分科会でも答弁されているんですが、確認の意味でもう一度お答えをお願いします。
○橋本総務担当参事 吉原委員、質問をもう一度お願いいたします。
○吉原委員 この事業には補助金が使われているんですけれども、その額は決算の総務分科会でも答弁されているんですね。補助金の額ですね。もう一度その額をお答えくださいという質問です。
○橋本総務担当参事 26万2,615円でございます。
○吉原委員 議事録では、全体で43万5,000円の事業費がかかっているとのことなんですが、私はこのような観光旅行、幾ら本人負担があっても、参加者の半分以上が区の職員、OBで、さらに国際交流協会の随行員まで引き連れて行くような、区の職員OBの親睦旅行的な事業は、見直した方がいいんではないかと思うわけであります。
 現に、昨年の20周年事業での区長や議長、議員の訪問団がございました。2泊3日で、公式行事のみで済ませてきたわけであります。来年度も6泊7日のこの文化散歩事業を実施するのでしょうか。仮にもし実施するならば、これまでと同じように、区はこの事業に補助金を交付するのかをお伺いいたします。
○橋本総務担当参事 来年度のこの事業につきましては、区からの補助金の支出などにつきまして、見直しを図った上で実施をするというふうに協会から聞いてございますが、事業内容等につきましては、今後協会の評議員会あるいは理事会で御協議をいただきたいというふうに考えてございます。
○吉原委員 大内幹事長が決算の総務分科会の中で、区民が納得する税金の使われ方をお願いするとの要望をしているわけです。このことについての御見解をお聞きします。
○橋本総務担当参事 分科会では、厳しい御指摘をいただきました。私どももこれを真摯に受けとめてございます。分科会での審議の経過、その他につきましては、きっちりと協会の方に伝えてございます。協会でも、それを踏まえまして、十分内容につきましては吟味がされているというふうに私どもは考えてございます。
 一方、区といたしましては、補助金の交付に際しまして、事業内容が適切かどうかにつきまして確認をしていく考えでございます。
○吉原委員 ぜひともそのようにお願いいたします。これからもチェック、確認をしていくということなんですが、そういう意味では、この文化散歩事業についての質問は最後にするんですけれども、こうした補助金の使われ方に関しては、これからはチェックしていくという話だったんですが、今まではチェックしていたんでしょうか。例えば区の監査では、今回のようなケースは違法な支出に当たらないのかどうかをお答えをいただきたいんです。
○橋本総務担当参事 補助額の決定、それから交付に当たりましては、次年度はどういう事業内容になるかということにつきましては、書類の精査、それからヒアリング等を行いまして、内容については確認をしてございます。今後は、そうした内容をもうちょっと深く掘り下げながら、内容につきましてチェックをしていきたい、そのように考えてございます。
○吉原委員 ぜひとも、今後ともそのように前向きな姿勢でチェックを深目にしてやっていただくように、こちらからも要望いたします。
 次に、国際交流事業を担う組織について幾つか質問させていただきます。
 中野区の国際交流協会は、平成13年まで財団法人として運営し、その後任意団体として現在に至っているとお伺いをいたしております。また、23区をはじめとする多くの地方自治体では、こうした外部団体を廃止し、直営に戻したり、NPO法人などに事業委託をしていると聞いているんですけども、所管ではその実態を把握していますでしょうか、お答えをください。
○橋本総務担当参事 運営形態につきましては、さまざまございます。中野区と同じように区と協会で役割分担を明確にしているところ、それから、それ以外としては、区単独でこれまでどおり実施をしているところ、それから協会を設立しましたが、協会を解散して区が直接行うところ、あるいは今御紹介にありましたNPO、指定管理者になっていると思いますが、そういったところに管理を委託をする、そういった形をとっているところもございます。中野区のような形をとっているのが、全体で9区ほどあるというふうに聞いてございます。
○吉原委員 自治体が直営などに戻しているところもあるようなんですが、中野区は、このまま任意団体へ補助金を出し続けるお考えなのかどうか。実際、当初予算では、国際交流協会に対する支援として多額の予算が計上されているようなのですが、そのお考えをお聞きします。
○橋本総務担当参事 先ほど申しましたように、区と国際交流協会では、役割をこのように考えてございます。区は、自治体間の交流あるいは他の自治体から視察等に来た場合の受け入れ、協会では、市民レベルの交流あるいは中野区に在住する外国人の方へのさまざまな支援、サービス、こういったものを協会の役割というふうに考えてございます。こうした事業をこれまで進めてきましたが、例えばの話、国際化に関する事業を区で直営すると、直営で行うということになった場合、これまで協会が担ってきました市民レベルの交流事業あるいは各種講座などの事業、こういったものにつきまして、その意義とか成果、そういったものを評価、検証しまして再構築する必要があるかと思っております。その際は、そうして直接やることがどうなのか、人件費等も含めまして、費用対効果の側面から十分な検討が必要なのかなと、そのように考えてございます。
○吉原委員 詳しくは、総務分科会で同僚の委員に詳しく質問していただくんですけども、国際交流協会に対する補助金が2,300万円余、この内実は、2,000万円が人件費の補助であるわけです。2,000万円といえば、単純に区の常勤職員3人分にも相当する金額なのですが、直営で行った場合、どのような課題があるのでしょうか。直営の方がより効率的な事業執行ができると思いますが、その辺もわかりやすく御答弁をお願いします。
○橋本総務担当参事 国際交流協会のこれまで担ってきた事業をどういうプログラムのもとで再構築をしていくかということが一つ課題としてあると思います。それから、経済的な側面で申し上げますと、先ほど人件費も含めて費用対効果と申しましたが、今常勤が3名、非常勤が4名という体制でもって国際交流協会は運営されてございます。これを直営でやった場合に、他の事業との関係の中で、どういう職員体制で臨めばいいのか、この辺を十分検討しなければならないと思ってございますので、今御指摘の部分につきまして明確な御答弁はできないところでございます。
○吉原委員 詳しくは総務分科会で同僚の委員から質問していただこうと思います。
 話は変わるんですが、現在の国際交流協会には、会長という職があり、元の区長の神山さんが就任しておりますが、会長の任期を教えていただきたいと思います。
 またあわせて、区の国際交流事業上の立場といいますか、区として会長という職務を公式的にどのように位置付けておられるのか。ただ任意団体としての代表ということなのか、どちらなのでしょうか、お答えをください。
○橋本総務担当参事 会長職につきましては、任期は2年でございます。会長の協会での位置付けでございますが、規約上、理事会でもって選任をするということになってございますが、任意団体である、その協会を代表するものではございません。あえて申し上げれば、いわゆる名誉職的なものというふうに認識してございます。
○吉原委員 その辺は、会長は、国際交流協会の代表ではないということですか。もう一回重ねて、改めて質問します。
○橋本総務担当参事 国際交流協会を代表するものは、理事長だというふうに認識してございます。
○吉原委員 代表権を持っている方は理事長ということですね。それでは会長というのはどういうポジションなんでしょうか。
○橋本総務担当参事 国際交流協会の規約では、会長を置くことができる、できる規定になってございます。先ほど申しましたように、任意団体としての協会を代表するものではございませんが、名誉職的な位置付けというふうに認識してございます。
○吉原委員 じゃあ、代表権を持っている方は理事長と、会長という役職は名誉職的、会長職を置くことができると、その範囲ということですね。もう一回改めて質問します。
○橋本総務担当参事 御指摘のとおりです。
○吉原委員 実は、昨年ですね、大内幹事長のところに、このような西城区からの北京西城画報2006、第4期というカラー写真刷りの冊子が届けられました。この中の14ページから17ページにかけて、友好姉妹都市との交流の記事が掲載されておるわけです。このページのレイアウトでは、最初に、20周年の友好締結の写真と記事が紹介され、区長をはじめとする代表団の写真が掲載されていますが、15ページには、神山会長を中心とした記事の構成になっているわけです。ちょっと小さいからわかりづらいでしょうが、こういうような感じになっているわけです。この全体の構成を見ますと、今回の友好締結20周年記念行事の主人公は、神山会長であるような奇異な感じを受けるのは私だけでしょうか。先ほどの話で理事長が代表権を持つということで、会長職は名誉職、そして会長職を置くことができるという範囲ですると、理事長と会長というのは明らかに協会の中で明確に位置付けが違うわけなんですが、幾ら西城区に編集、発行権があるにしても、20年前に友好締結書に調印した人かもしれませんが、任意団体の代表権のない代表が、このように前面に出るような冊子のつくり方にはどうしても疑問が残るわけであります。
 神山会長は、区長就任のときに、西城区の名誉区民となられておるわけですが、それはあくまでも個人としての称号であり、中野区を代表するかのように取り扱われるものではないんじゃないかなと、このように考えるわけであります。神山会長の今の立場などをはっきり西城区に公式に伝えるべきではないかと考えるのですが、その辺のところ、御見解をお聞きします。
○橋本総務担当参事 御紹介のありました冊子につきましては、私も目にさせていただきました。国際交流協会の会長が訪中をされた、それは区民の代表の一人というお立場で訪中をされ、先方の取り扱いということでそのような掲載のされ方になったのかなというふうに受けとめてございます。西城区側としても、国際交流協会の会長、その位置付けにつきましては、十分承知をされているというふうに私どもは認識してございます。あくまでも区民の代表のお一人ということで訪中をされ、これまでの経緯がございますので、このような形でもって御紹介がされたのかなというふうに思ってございます。
○吉原委員 グローバル化が進んでいる現在、多くの外国都市との友好交流が求められているわけなんですが、市民同士が交流を通じて相互の文化や歴史を理解することは,国際平和へとつながっていくものと確信をいたしております。そういった意味からでも、西城区だけではなく、多くの外国都市との友好交流を進めるべきではないかと考えるわけですが、他都市との交流の兆しとかはないのでしょうか。以前、本会議で区長から、韓国との交流を進めていきたい旨の積極的な答弁があったような記憶がございますが、いかがでしょうか。
○橋本総務担当参事 現在、韓国を含めまして、中国以外の国の自治体とテーマを設定して、例えば地球環境とか平和、国際貢献など、こうした幅広いテーマ、こういったものを媒体とした友好交流の可能性につきまして検討しているところでございます。
○吉原委員 ぜひ検討を前に進めてください。お願いします。要望とします。
 区としては、今後どういった国際交流をしていくのか、長期展望に立った具体的なビジョンを持つ必要があると考えます。そして、そのビジョンをよりどころとして、これから多くの都市との交流を展開していくべきだと考えます。区として他の多くの都市との新たな国際化推進を展開していこうとしたとき、20年前に西城区との間で友好交流締結に調印した当時の区長が会長として就任し、西城区中心の交流を行っている今の中野区の国際交流協会では、新たな展開を果たして担っていけるのかどうかというものが疑問であります。
 文化散歩事業が親睦旅行的、観光旅行的に行われていたこと、あるいは不適切な経理処理が存在するように思われること、さらには、各自治体での国際交流協会事業の直営化の流れなどを踏まえると、今後も区は国際交流協会を存続させるというか、支援を続けていくおつもりなのか、区長からお答えをいただきまして、この項の質問は終わらせていただきます。
○田中区長 国際交流協会につきましては、行財政5か年計画をつくっていくという、その時期に、外郭団体の改革を行うということの一環として、財団法人を解散をして任意団体になるという形の改革をさせていただいたところなんです。ただ、団体がなくなることによって、これまでさまざまな交流の事業、中国だけではなくニュージーランドとの教育交流などもあるわけでありますけれども、そういったことが、それまでよりも後退してしまうと、それまでどおりに進まなくなるというわけにはいかないというようなことから、任意団体ではあるけれども、理事長が、例えば今助役が就任しているというような形であるように、財団法人であったときとあまり変わらない運営ができるようにという、そういう運営を続けてきたところであります。
 最近になりまして、市民の公益活動についての位置付けなども条例で明確化したといったような状況もあるわけであります。そういうことを通じて任意団体というものの取り扱い、評価といったようなことも、当時とは変わってきているというふうに思っております。
 また、国際交流について、任意団体が窓口となっているという、そういうあり方そのものがいいのかどうかという議論もやはりあるのかなというふうに思っているところでありまして、直営というのでしょうか、区が直接交流するべきものは交流をするというあり方も、これはひとつ検討するべきなのかというふうにも思っているところでありまして、そうした観点から、財団法人から任意団体となり現在の状況になっているんだけれども、次のステップといったようなこともそろそろ検討する時期にきているのではないかというふうに考えているところでございます。
○吉原委員 区長もその辺前向きに分析を図っておられて、やっていくということでございます。ぜひとも、先ほど指摘した点あたりを十分検討した上で、今後検討を重ねて前向きに進めていただきたいと要望いたします。
○橋本総務担当参事 まことに申しわけありません。答弁の訂正をお願いしたいと思います。
 先ほど文化散歩での補助経費につきましてお尋ねがありました。私、26万2,615円というふうに御答弁させていただきました。これはその内訳として、職員の随行にかかわります、同行しました職員の旅費に関するもので、全体で申し上げますと43万5,805円となりますので、御訂正の方よろしくお願いいたします。申しわけございませんでした。
○吉原委員 わかりました。議事録で43万5,000円となっていましたから、その内訳の何かだと私は思いましたので、はいわかりました。了解しました。
 そして、質問がその他になるんですが、その他の中で1点だけ、これは我が会派の柿沼秀光委員、今期で長年の議員生活を終えられまして政界等を引退と、大変残念でならないんですが、当柿沼秀光から田中大輔区長に、一生懸命頑張っていただきたいと、自信と勇気を持って推進していただきたいと、こういうエールが既に会派控室の中で出ています。吉原君からも田中大輔区長に頑張ってもらえるように、行動力をもっと活発化する方法が幾らでもあるだろうと、そういう部分での質問を幾つか出してくれと、こういうお話でございました。柿沼委員のエールのこもった質問になりますので、その辺いい意味でとっていただきたいと思います。
 田中区長は、5年前に初めて区長になられたときに、公約で公用車を廃止するということで当選されました。そしてずっとそれを実践してこられたわけでございます。もう約5年になるんですかね。その間、やっぱり雨のときはどうしているのかとか、いろんな部分の心配も我々もするわけですし、副区長が3人制になるということも決まりました今の時代、やっぱり公用車が全くなくて大丈夫なのかどうかという部分もすごく感じるわけです。今現在、区長が自宅からこの区役所、それからまた会合とか移動する手段としてどのような移動手段を使っておられるのかどうか、改めてちょっとお伺いをいたします。
○田中区長 徒歩、自転車、必要に応じてタクシーなどを使ったり、それから都心などへ行って長時間移動するような場合には、ハイヤーを利用するといったようなことで移動をさせていただいております。
○吉原委員 5年前、田中区長が区長選に出られた時期というのは、財政的にもまだ本当にひどい状況だったと思います。今改革をされてきて、財政的にも本当に持ち直してきた今現在、5年前の状況と今の状況はやはり違うというふうに思いますので、公用車を、公用車という言い方が適切なのかどうかはわかりませんが、移動する手段として乗用車を利用しても何ら区民からは批判を受けるようなことはないんじゃないかと考えるわけです。そして、副区長が3人制になるこの時代、中野区が10か年計画を踏まえて、駅前再開発を含めて、そういう時期に、やっぱり3人の副区長にも行動力を活発にしていただいて、あちらこちら飛んで動いていただく、そういう時代になってくると思うんです。そういう意味では区長の公用車という意味ではなくて、区長及び3人の副区長、そしてもしくは現場に急行していただかなければならない状況になった部長クラス、そのラインの方々が自由に使える、共通の公用車が1台ぐらいあった方が私はいいんじゃないかと思うんですが、その辺はどのように考えておられますでしょうか。
○川崎政策担当課長 今、委員から御指摘ありましたように、区長についても執務環境を整えまして機動的に行動できる環境をつくっていく必要があろうかというふうに考えております。しかし、今区長の方からも御答弁申し上げたとおり、この5年間、区長も臨機応変、タクシーなどを利用しながら機動的にこの間仕事をしてきておりますので、副区長についても同様の対応をしていきたいと考えているところでございます。
○吉原委員 電車賃、タクシー代を考えますと、公用車1台持っていた方がタクシー代より安いんじゃないかとか、そういう部分も考えられると思うんですが、その辺は、試算とかいろいろ考えたことございますか。
○川崎政策担当課長 現在、区長、助役についてはタクシーを利用することもあります。年間を通じて60万程度のタクシー代ということになっております。これを公用車を用意をしますと、これからの時代、当然、区の職員が運転をする公用車ということではないと思います。外部に運転委託というような形になろうかと思いますが、その場合でもやはり年間600万円を超える費用がかかるというようなことでございますので、そういった意味ではタクシー代60万円に対して年間の600万という、むろん経費の面だけということではなく判断をしているところもございますけれども、経費面ではそういったことが言えるかと思います。
○吉原委員 わかりました。そういうことでしたら頑張っていただいて、柿沼秀光委員からの自信と勇気を持って中野区政に取り組んでいただきたいと、最後にその言葉を残させていただきまして、すべての総括を終えさせていただきます。ありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上で吉原委員の質疑を終了いたします。
 次に、やながわ妙子委員、お願いいたします。
○やながわ委員 皆様おはようございます。平成19年度予算特別委員会で、公明党の立場から総括質疑をさせていただきます。明快な御答弁をいただけますようよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、南中野地域の防災まちづくりについて伺います。
 私は、平成3年に初当選以来、南中野地域における防災まちづくりを地元の大きな課題として取り組んでまいりました。平成3年の第3回定例会において、東大附属中・高及び海洋研究所一帯の広域避難場所に指定するよう質問をいたしました。また、平成5年の予算総括質疑、平成6年第3回定例会、平成8年第1回定例会、平成9年決算特別委員会、平成10年第3回定例会及び平成17年第4回定例会で南中野の防災活動拠点となるよう質問及び質疑をさせていただきました。その間、平成4年7月には、この当該地を広域避難場所に指定するよう要望の署名活動を行い、地域の5,000名の方々の署名を当時の区長に提出し、東京都に強く働きかけるよう要望いたしました。それを受けて平成10年4月には、東京都からここが広域避難場所に指定されました。さらに、広域避難場所指定に伴い、木造密集地の火災や震災に極めて危険な南中野の地域でしたが、住宅の不燃化が進み、防災対策を大きく前進させることができました。また、西側道路の拡幅と電線類の地中化も、平成19年度中に完成する運びとなりました。この16年間に及ぶ活動がやっと実を結ぶところまでに至り、大変うれしく思っております。
 私が議員になる前から、ここの海洋研究所の移転が叫ばれていましたので、平成20年度末の完了を目途に順次移転することが決定したことは、まさに20年の平成の歴史そのものが広域避難場所、防災公園実現への歴史であると感じております。
 また、昨年11月に西側道路の整備に伴い信号機の設置、隅切りの実施、石塀を生け垣やネットフェンスにする、南中野地域における安全、安心対策の充実についての署名活動も行い、地域の方々2,000名の署名を区長にお届けいたしました。
 南中野地域における住民の方々の大きな関心事となっていることは事実でございます。そこで今後の計画について伺います。
 10か年計画では、東大附属中等教育学校一帯の広域避難場所機能を高めるため、その周辺の不燃化を進めるとしていますが、現在どのような取り組みをしているのでしょうか、伺います。
 現況調査やアンケート調査をしていると伺っていますが、この国の都市防災不燃化事業の導入に向けても今後どのように取り組んでいくのでしょうか。また、導入する時期はいつごろになるのでしょうか、あわせて伺います。
○岩井住宅担当参事 広域避難場所であります東大附属中等教育学校一帯周辺の不燃化を進めるため実施してまいりました防災生活圏促進事業でございますが、この事業は、都の補助事業の廃止に伴いまして、今年度末で終了するということとしております。そのため区は新たに、国の事業でございます都市防災不燃化促進事業の導入に向けまして、現在準備を進めているところでございます。今年度ですけれども、今御質問の中にございましたけれども、事業導入の前提となる現況調査であるとか、住民へのアンケート調査を実施しておりまして、現在その取りまとめを行っているところでございます。
 この国の事業の導入に当たりましては、防火地域の指定であるとか、最低限公道7メートルの導入、このような新たな規制が必要となってまいります。また、これに伴う都市計画の手続も必要となります。そのため現在実施しております現況調査、アンケート調査に加えまして、直接地域住民の方の意見、要望を把握するため、意見交換会の開催なども予定をしております。これらを踏まえまして実施計画案を作成するという予定でございます。その後、都市計画の手続を進めまして、平成21年度には、この国の都市防災不燃化促進事業の導入をしていきたいというふうに考えております。
○やながわ委員 ありがとうございました。東大附属の東南側は渋谷区です。東大附属の広域避難場所の安全性を高めていくには、東大附属周辺の中野区側だけを不燃化するということではなく、渋谷区側も不燃化していく必要があります。私としては、この渋谷区の取り組みにも大変関心を持っております。渋谷区の同僚議員に聞いたところによれば、隣接の渋谷区本町地区では、まちづくり協議会を立ち上げ、地区計画の導入に向け協議を進めていると聞いております。今後、防災のまちづくりの取り組みについて、より一層渋谷区と連携していくことが必要になるのではないでしょうか。渋谷区との連携については、どのような検討がされているのでしょうか、お聞かせください。
○岩井住宅担当参事 広域避難場所でございます東大附属一帯の安全性を高めていくと。このためには渋谷区側も含めまして、その周辺一帯の防災まちづくりを進めていくと。一体的に進めていく必要がございます。これまでですけれども、渋谷区とは、東京都を含めました三者での意見交換の機会を設けるほか、日常的に情報交換をしてきているところでございます。今後さらに連携を強化しながら防災まちづくりの取り組みを進めていく必要があるというふうに考えております。
○やながわ委員 現状での東大附属一帯の広域避難場所の避難有効面積は、0.93ヘクタールであります。指定されている区域は、南台一、二丁目の全域と弥生町三丁目、四丁目の一部とされております。また、避難人口は9,400人と伺っております。方南通りに面している弥生町一丁目の方々などは、目の前に東大附属があるのに、新宿中央公園が広域避難場所に指定されております。また、隣接の渋谷区本町の方々は、代々木公園に指定されています。東大附属の敷地内に防災公園を整備し、さらに周辺の不燃化を図っていけば、もっと多くの方をここで受け入れることができると思いますが、具体的な数値があれば教えていただきたいと思います。
○岩井住宅担当参事 東大附属の敷地内に防災公園が整備されまして、また中野区、渋谷区が東大附属周辺の不燃化に取り組んだ結果、中野区側、渋谷区側とも不燃化率が70%に達したということを想定いたしますと、避難有効面積でございますけども、2.94ヘクタール、現在のおおむね3倍になるだろうというふうに試算をしているところでございます。
○やながわ委員 そうなると大変多くの人が避難してこられるということで、早くそうなることを望んでおります。
 渋谷区の我が党の幹事長に伺ったところ、渋谷区は、中野区と隣接している渋谷区本町の郵政宿舎一帯を、将来的には公園用地として取得していきたいと、こう希望しているそうです。渋谷区土地開発公社は、昨年に引き続き19年度もこの取得の予算を計上しております。将来的には当該地の防災公園と渋谷区の公園が一体利用できれば活動範囲が拡大され、両区民にとって大変喜ばれると思います。
 東大海洋研究所の千葉県柏市への移転が明らかになりましたが、防災公園は、海洋研究所の跡地ではなく、当敷地の南側、道路側に整備することが適地であると思っておりますが、防災公園の具体的な位置については、東大側との協議を含めどのような検討がされているのでしょうか、伺います。
○岩井住宅担当参事 東大附属の南側の敷地でございますけども、ここには陸上競技用のトラックであるとか野球場、またテニスコートなどがございます。区がこれまで進めてまいりました防災まちづくりとの整合性などから、防災公園は、ただいま御質問の中にもございましたように、東大附属の南側の敷地に整備する計画というふうにしておりますけども、計画を進めるに当たりましては、こうした施設の再配置というのが必要となってまいります。このため教育環境に及ぼす影響などもございますので、そういうことも含めまして、現在協議を進めているところでございます。
○やながわ委員 東大附属西側道路については、大変拡幅整備が進んでおりますが、南側、東側及び北側の道路も拡幅計画があります。延焼遮断帯機能の確保という点から、防災公園用地の取得とあわせて、これら3本の道路の拡幅部分の取得についても、東大側との協議を進めていく必要があるのではないでしょうか。いかがでしょうか。
○岩井住宅担当参事 東大附属の西側道路の拡幅整備とともに、南側、東側、北側の3本の地区計画道路につきましても早急に拡幅整備していく必要がございます。これら3本の道路についてでございますけども、拡幅用地の取得に向けまして、現在東大側の了解のもとに測量を実施しているところでございます。
○やながわ委員 また、既に西側道路が拡幅されたことによって、実はここがかなり広くなりましたので、交通量が大変ふえて、またかなりスピードを出して入ってくるんですね。そこで信号の設置を早急にしてほしいという要望も上がっております。この信号機の設置については、どのようにお考えになっているのでしょうか。この点も含めてお伺いいたします。
○遠山土木担当課長 信号機設置要望についてお答えいたします。
 昨年末、1,000名を超える方々の信号機設置要望の署名をいただいてございます。これを受けまして区から所轄の警察署に設置につきまして要望説明を行ってございます。中野署によりますと、ことしに入りまして、平成20年度に予算措置をするための上申を警視庁本部に対し行ったということを伺ってございます。
○やながわ委員 平成20年度って、ちょっと先じゃないでしょうかね。それを早めることはできないでしょうか。区の方から要望をしていただきたいと思いますが、もう一度答弁をお願いいたします。
○遠山土木担当課長 警視庁のお話では、年度ごとの予算対応というところでの御説明は承ってございますが、その辺につきましてももう一度お話はしてみたいとは考えてございます。
○やながわ委員 震災はいつ起こるかわかりません。この用地を取得後、早急に防災公園の整備に着手することができるよう、用地取得の取り組みとあわせて整備方針を策定していくことも必要だと思います。防災公園は、震災時の避難場所として、また日ごろは地域の方の憩いの場所としても利用できるようになりますので、整備方針の検討に当たっては、地域の方の意見を聞く機会を設けることが必要だと考えます。この点いかがでしょうか。
○岩井住宅担当参事 防災公園の用地の取得に向けた取り組みに加えまして、ただいま御質問にございましたように、整備方針についても検討していく必要がございます。その際には、地域住民の方の意見を十分に聞く機会を設けていきたいというふうに思っております。
○やながわ委員 それはぜひよろしくお願いいたします。
 東大附属の南側の敷地には、南中野地域にとって非常に貴重な緑がたくさん残っております。こうした緑の保存にも配慮した計画づくりが必要だと考えますが、この点はいかがでしょうか。
○岩井住宅担当参事 今後検討していきます整備方針でございますけども、その検討に当たりましては、敷地内にございます樹木の保存ということにつきましても、十分念頭に置く必要があるというふうに考えております。
○やながわ委員 すごい大木もありまして、あそこの木をきちんと整備しましたらすてきな防災公園になるんじゃないかなと、毎日通りながらそんな期待を持っておりますので、この辺も住民の方々の意見をよく聞いていただきたいと思います。
 東大附属の敷地内に防災公園が整備され、周辺の不燃化が図られれば、現状と比べると多くの方々を受け入れることができるようになると思います。中野区民の遠距離避難を解消するだけではなく、隣接している渋谷区の本町の方々の遠距離避難も解消することができると思います。今後整備していく防災公園は、周辺の中野区民、渋谷区民にとって非常に重要な施設ということになります。そのため海洋研究所の移転後、早急に防災公園用地を取得して整備を図っていくことや、周辺の不燃化の取り組みを強力に推し進めていくことを強く要望いたしたいと思っております。南中野の地域において大変貴重な広場です。住民の期待も大きいので、それにこたえられるよう取り組んでいただきたいと思います。最後に区長の御決意を伺ってこの質問は終わります。
○田中区長 南中野の防災まちづくりにつきましては、近隣の区民の皆さんとさまざま御協力をいただきながら、長い間にわたって進めてきた事業であります。そうした防災まちづくりの中でこの防災公園をつくるということが、大変極めて重要な意味を持っているわけでありますので、この防災公園ができるような客観的な条件が整いつつある今日、この公園の建設に向けて全力を尽くしていきたい、こう思っているところでございます。
○やながわ委員 ありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 その他で2点伺います。
 初めに、地域スポーツクラブについて伺います。
 昨日、我が会派の幹事長も質問させていただきましたが、私はちょっと角度を変えて質問をさせていただきます。
 東京都は、地域スポーツクラブ設立事業を、平成19年度から3カ年の重点事業にして、さらに推進しようとしております。そのため地域スポーツクラブ未設置の区市町村におけるクラブ設立支援のため、平成19年度の準備モデル地区3地区、設立モデル地区2地区、3年間を予定しております。こうした事業を東京は実施するわけですが、中野区でも現在10か年計画や教育ビジョンに基づき、地域スポーツクラブ設立に向け検討中ですが、具体的な内容についてはこれから整理することになると思いますので、このせっかくの機会でもあり、東京都のこうした事業を活用することを考えてはいかがと思いますが、お聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
○村木生涯学習担当参事 中野区では、地域スポーツクラブの検討中でございますが、平成19年度は、準備組織の立ち上げに向けまして、方針案の整理あるいは地域説明会などを実施をしたい、このように考えております。
 御提案の東京都の地域スポーツクラブ設立モデル事業は、御紹介がございましたように、クラブ未設置の区市町村におけます設立支援策として、平成19年度から3カ年の事業でございます。スケジュールを含め、当区の取り組みとおおむね重なっていることもございまして、活用の方向で検討をしております。また、3月中旬に予定をされております都の説明会に、そういう意味で職員を参加させることにしております。
○やながわ委員 昨日もフットサルの件で盛り込んでいくという御答弁をいただきましたが、この事業、早急に実現に向けて中野区としても取り組んでいただきたいことを要望しておきます。
 その他の2点目について伺います。
 健康公園づくりの整備について伺います。
 この健康公園づくりの件に関しましては、我が会派も本会議でもたびたび質問をさせていただきました。私もかつて山崎前議長と中国に行ったときに、天壇公園の周りに健康遊具が50種類以上置いてありました。大変大勢の市民の方々が利用されている光景を目の当たりにし、私も前議長も一生懸命体験してまいりました。日本にも、中野区にもぜひほしいなと、こんな感慨で帰ってまいりました。いよいよこの健康遊具の公園づくりが19年度予算に盛り込まれるわけですが、この点についてぜひお伺いしたいと思います。
 この事業は、新規事業に盛り込まれておりますが、これは、東京都の補助で整備をされるのでしょうか、伺います。
○野村公園・道路担当課長 本事業は、現在で言いますところの東京都の福祉改革推進事業、その補助、これを充て込むということを想定しています。この補助金につきましては、現在、東京都の方で福祉保健区市町村包括補助制度として来年度再編成するということで検討中というふうに聞き及んでおりますが、この中の高齢者の健康づくり支援関係事業ということで補助をいただく予定でございます。
○やながわ委員 これは、どのような計画をされているのでしょうか。
○野村公園・道路担当課長 来年度につきましては、既に少し健康遊具が設置されています公園のリニューアルですとか、あるいは妙正寺川の河川沿いの管理通路、こちらを使いましたウォーキングコース整備、これに隣接しております公園に新たに健康遊具を設置する、こんなことで想定をしておりまして、来年度の計画としましては、若干北部地区に公園としては偏っているかなというふうに思っております。
○やながわ委員 この健康遊具を設置するだけではないと思うんですが、そのほかの対応のあり方もちょっと教えていただきたいと思います。
○今健康・高齢担当課長 ソフト面については、今回私どもの方で新たにできます健康づくり公園につきまして、つくりっ放しということではなくて、区民がそこを活用しながら健康を維持できるような、また介護予防に資するような取り組みを進めていくということで、運動指導員を置かせていただく予定で予算の方は提案させていただいております。
○やながわ委員 運動指導員さんを配置をして、健康遊具を使って健康づくりに寄与していく、こういうことは区民の皆さんに十分周知をしていないと使えないわけですね。この辺はどういうふうに考えられているんでしょうか。
○今健康・高齢担当課長 周知をこれから十分図っていきたいというふうに考えておりますのと、例えば平和の森公園ですと、既にもうそこで活動していらっしゃる団体もあります。それから予定されております公園のところでは、近くに高齢者会館があったりというような状況がございますので、そういう皆さんにも働きかけながら、日常的に活用できるような、そういう取り組みを運動指導員の方とも相談しながら展開していきたいというふうに思ってございます。
○やながわ委員 今、介護予防事業が不調に終わっているんです。まだ検証段階ではありませんけれども、今回こうした健康遊具、健康公園をつくるに当たって、中野区はやっぱり特定高齢者の方々の支援事業を、参加者が大変少ないわけですので、元気高齢者は元気でいていただきたいと、こういう通りがかりにこの健康公園に寄って体を動かすとか、そういう健康づくり、岡本委員も今回本会議で質問されていましたが、区民全体がやっぱりそういうところに関心を持って乗り切れるように、やはりこれは、公園とそして保健福祉部が連携し合ってやっていかなければ、なかなか区民が乗れないんじゃないかなと、委託業者に任せるだけではなく、区長部局としてもしっかり取り組んでいただきたい、こう要望いたしますが、何かありましたら。
○今健康・高齢担当課長 やはり区民の方が実際にお使いにならなければ意味が生まれてこないわけですから、運動指導員がいるときだけではなくて、ほかの日常的なときにどう活用できるかということを一つの視点にしながら取り組みを進めてまいりたいと思います。
○やながわ委員 そう考えると、先ほど公園課長の御答弁の説明では、地域的にかなり偏りがあるように思われます。介護予防にかかわる大事な事業ですので、全区的に偏りのないように配置して取り組むべきではないでしょうか。今後の検討をお聞かせください。
○野村公園・道路担当課長 来年度以降、その次の年以降の計画でございますが、例えば、神田川沿いのウォーキングコースの整備、あるいは先ほども答弁で出ておりましたが、南部の高齢者会館、これに隣接をしております南部公園に健康遊具を設置するとか、来年度のハード面の整備、それから保健福祉部サイドでのソフト面の運用、こういったものを検証しつつ、区内の全域に満遍なくこういった公園が配置できるようにということで検討していきたいというふうに思っております。
○やながわ委員 ありがとうございます。ぜひ、南部の方にもよろしくお願い申し上げます。
 以上で私の今期最後の総括質疑を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上でやながわ妙子委員の質疑を終了いたします。
 次に、来住和行委員、お願いいたします。
○来住委員 それでは、日本共産党議員団の立場から2007年度予算に対する総括質疑をさせていただきます。時間の関係もありまして、ちょっと順番を変えるようになっております。よろしくお願いします。
 まず最初に、地域センターを廃止しないことについてということであります。
 私たちは、地域センターの持つ役割、また区民にとっての一層の必要性、そういう立場から、本会議や、また委員会でもこのことについては、サービスの面、そして地域での役割について強く求めてきたところであります。
 中野区としては、10か年計画の策定過程の中で、地域センターを仮称区民活動センターへ転換をするということで、これに対しては、区民の皆さんや諸団体からも批判や意見がたくさん出されてまいりました。したがいまして、この問題は、私は今もって決着がついていないというふうに考えております。
 当初、区の説明は、15の地域センターを、鷺宮、野方、江古田、南中野、東部の5カ所に集約をしていく。また、集約する5カ所以外の10カ所には職員の配置をしないなど、また、証明書などについても、コンビニなどでの発行というようなことが言われてまいりました。また、運営についても、地域の自主運営というような説明がされてきたわけですけれども、しかしこれに対しての批判、意見というものが多く今でも渦巻いているわけであります。この区の考え方に対する批判の意見がある中で、区は今現状として、当初の計画の何をどのように変更をされてきたのか、まずこの点をお伺いします。
○登区民生活部経営担当課長 地域センターの仮称区民活動センターへの転換に関しまして、10か年計画の策定の当初の段階でお示しした案と現時点での考え方の相違、どの辺かということでございますけれども、委員から御指摘がございましたように、まず第1点目は、当初、区民活動センターには区職員は配置しないという案をお示ししましたけれども、その後の意見交換会ですとか、その後の検討を踏まえまして、現時点では区職員を複数配置するという考えを区として示しております。
 また次に、窓口の件でございます。窓口につきましては、5カ所に集約をするということでございます。その5カ所ですべてをやるという考えでございました。他の10カ所につきましては、一切やらないということでございましたけれども、現時点では、証明書、住民票などの手渡しにつきましては、何らかの方法で10カ所についても対応したいと、その方向で検討をするという考えでございます。大きくはこの2点でございます。
○来住委員 住民、区民の皆さんの要望や意見、批判に対して変更をせざるを得なかったというふうに言っていいかと思います。
 最初に申し上げましたように、地域、まちの中では、高齢化がますます進んできているわけです。いろいろな自主団体も含めて、地域での活動が、そういう意味でもいろいろな困難を来しながら頑張って取り組まれております。
 地域センターは、一番区民にとって身近で、しかも直接サービスをそこで受けられるということで、極めて地域センターの存在というのは、言ってみれば空気のような、あって当たり前という感じを持つほど非常に密着した事業、そして職員の努力、地域とは極めて深く結びついた形でのサービスが行われてきたし、今もその努力がされていると。もちろん、改善するところがないとは言いませんけれども、そういう意味で極めて高いサービスの位置付けが住民の中には確信としてあると思うんです。
 改めて私も地域センターについていろいろ見てみました。一番わかりやすいのは、中野区のしおりであります。この中で、区役所でしかできないものというのが四つほどあるんですね、証明書関係等で言いますと、婚姻届と離婚届などの四つだけです。あとのほとんどの証明書、それから移動や転出、保健福祉の医療、それから納税納付、小・中学校の転入学の手続、私たちが実感しているところの罹災証明書など、区役所に行かなくてもほとんど地域センターで間に合っています。そういう数々の、サービスを身近に受けられる最大のセンターと言っていいと思います。同時に、罹災証明書の点でもありますけれども、防災の点でも地域にとっては極めて高い、拠点としての役割を私は果たしているというふうに思うんです。特に、私どもは東部の地域での水害などが年に一、二度起きていますが、職員の方が夜中でも飛んで来ていろんな形での対応をしていただいている。もちろん火災などに対する寝泊まりの態勢なども、非常に機敏にやっていただいているわけであります。このように、やはり地域の皆さんにとっては極めて実態が非常に深く、なくてはならないというところから、区としては、その意見に基づいて変更せざるを得なかったんではないかと私は考えるわけです。
 職員の配置についても、複数配置ということになりました。これに関しては、委員会などでも私も繰り返し言ってきましたけれども、地域センターに今ある諸施設、証明書で言うと、オンラインシステム、こういうものをどう生かして、活用していくか。これまでに劣らないサービスをどう提供できるかということになってきているんだと思うんです。
 18年前に、オンラインの、戸籍などを含めて大きな投資が行われています。この間だけでも、ざっと3億円近いこれに関する投資をして住民サービスを向上をさせてきたわけであります。したがいまして、今回の変更に伴う職員配置ということになるわけですから、個人情報の問題、いわゆる証明書の発行等に対するですね、それから受け付ける、発行する、本人の確認をするということも含めて、極めて担保が保証されるということからいきまして、今残されている、活用しているこのオンラインのシステム、これを切断といいますか、やめるということになりますと、むだになってしまう。むしろ、複数の職員を配置して、オンラインシステムを生かした窓口サービスに取り組むべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 地域センター15カ所の窓口サービスにつきましては、5カ所に集約をするという考えは変わりません。ただ、先ほど申し上げましたように、残りの10カ所につきましても、証明書の手渡し程度につきましては、現在検討しているところであります。その具体的な方法としましては、オンラインを活用するかどうかとか、どういう形で手渡しをするか、その点につきましては、現在検討している段階でございます。
○来住委員 ぜひ、財産を生かして、しかも住民へのサービスをこれ以上後退させないという立場で、ぜひ努力をいただきたいし、それを望みたいと思います。
 そこで、新年度の予算の中で、今回地域センター、仮称区民活動センターへの転換の頭出しといいますか、745万円ですか、計上をされております。そういう意味では、今回の予算がそこに踏み出すことになるわけです。しかし、昨年の末、12月にかけて、地域センターで地区町連の方々を中心にした話し合い、説明会が行われております。それの意見等が集約をされておりますけれども、例えば、鷺宮地域では、できれば地域への委託でなく区として運営をやってほしいであるとか、江古田では、時間をかけて地域で検討していく必要があると思うが、10か年計画のスケジュールで詰めようとしているのかとかの疑問や意見ですね。それから昭和、東中野の地域からは、職員を数名残すのなら、職員、行政が主体となって担うべきである。どうしても財政的なことでできない部分を住民が手伝うということなら協力もする、こういう意見が町連の皆さんの話し合いの場で、これは地域センターが主催をしたんでしょうね、そういうことになっております。すべてのセンターで行った意見です。
 したがいまして、私は、今のこのような町連の皆さんや区民の皆さんの意見を踏まえるならば、少なくとも合意が得られていない、区民や町会自治会の皆さんの理解は得られていないというふうに認識をしますけれども、区の見解はいかがですか。
○登区民生活部経営担当課長 昨年の末にかけまして、15すべての地域センターで地区町会連合会の方と話し合いを行いました。地域によっては多少温度差がございますけれども、現時点で十分に理解が得られたという状況ではまだないのかなというふうに思っております。まだ、詰めるべき課題、話し合うべき課題があるというふうに認識しております。
○来住委員 おっしゃる以上の団体、自治会や町連の皆さん、区民の理解は得られていない、これは地域センターの昨年末のこの意見の中で、ほとんどの方がこれでいいのか、こういう進め方でいいんですかということをおっしゃっていますよ。ですから、こういう調子で進めていくということになっていきますと、そして合意も理解も、まだこういう状態の中で予算だけを措置して進めていくということになっていきますと、住民組織や自主団体に対する区の責任は一体何なのかということが問われてくるんですよ。そこをきちんとあなたたちはとらえなければいけないと思うんです。したがいまして、この予算、本年度のこの予算化されたものについては白紙に戻して、もう一度地域の中で、皆さんの計画があるんであれば、やっぱり住民の皆さんの、団体の皆さんの理解があってこそ進んでいく地域づくりなんですから、改めて私は白紙に戻すべきだというふうに思いますけれども、予算の白紙化を求めて答弁をお願いします。
○登区民生活部経営担当課長 地域でいろいろ議論しましたけれども、例えば地域活動とか地域団体をサポートする事業などにつきましては、一定の理解というのは得られたのかなというふうに思います。その点で19年度の後半ではございますけれども、一部地域には、そういう地域活動をサポートするような業務につきましては、委託等のことができるのかなというふうに思います。その点で19年度予算につきましては、それらの経費につきまして計上したという次第でございます。
 したがいまして、白紙に戻すという考えはございません。
○来住委員 この項は最後にしますけれども、そういう今のような状況の住民の皆さんの意識、そして区に対するそういう町連をはじめとする区民の皆さんの意見が渦巻いている中で絶対に私は進めてはいけないということを申し上げて、この項を終わります。
○伊藤(正)委員長 来住委員の質疑の途中ですが、ここで休憩いたしたいと思います。
      午前11時52分休憩

      午後 1時00分再開
○伊藤(正)委員長 委員会を再開いたします。
 質疑に入る前に追加資料の配付について申し上げます。
 要求した資料につきましては、お手元に配付のとおり3件の資料が追加提出されております。したがいまして、これまで要求いたしました資料はすべて提出されたことになります。資料作成に当たられた職員の皆さんありがとうございました。
 それでは、質疑を続行いたします。来住委員、お願いいたします。
○来住委員 それでは、午前中に引き続き質疑を行います。
 次に、東中野のまちづくりの問題について伺います。
 東中野は、新宿に隣接をしておりますけれども、しかし山手通りや商店街を一歩入りますと、非常に静かな住宅街であります。そのよさがまだ保たれているまちであります。今現在、東中野のまちで起きている幾つかのまちづくりに関係する問題として、建設中の日本閣・三井不動産による2棟の超高層のマンション建設、東中野二丁目58番街区の等価交換方式による共同化事業、山手通りと東中野駅舎との線路上空活用の問題、今中野区が進めようとしている東中野全体の、いわゆる東中野駅周辺のまちづくりの問題、大きく分ければこういう5つの問題があろうかと思います。いずれも中野区が予算措置をしていたり、また開発許可を出すなどの何らかの関与、関係を持っている東中野のまちづくりであります。
 この東中野のまちづくりに関係しまして、調査業務、線路上空の開発に対する調査などの予算がこの間つけられていました。当初は、交通量調査の400万円程度でありましたけれども、06年度には、線路上空活用とまちづくりを入れて1,400万円程度、07年度、新年度予算では、まちづくりの整備計画に1,100万円、そして西口の自由通路、これが線路上空活用ですけれども、1,750万円ということで予算化されているわけですけ。私はこれまで、少なくともJRに関係する、こういう西口の予算については、JRに応分の負担を求めるべきではないかと指摘してきたところであります。今回、線路上空活用で1,750万円が予算化されていますけれども、JR側の負担というのはどのくらいになるのか、それについてまず伺います。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 東中野駅にかかわる線路上空活用についてのJRとの関係でございます。
 まず、今年度のお話をさせていただきたいと思いますが、区とJRが共同で駅前広場と駅舎をつなぐ線路上空活用の調査設計を行っております。約1,000万円の調査設計費がかかりますけれども、区の方が約300万円、JRが約700万円の負担としております。来年度につきましては、区として、線路上空基本設計経費を計上しておりますけれども、JRとの関係では、調査設計をもとにした事業規模を確定した上で、具体的な負担割合を決めるということになりますので、現在のところは確定しておりません。
○来住委員 これまでJR側は財政負担については、後ろ向きといいますか、一切それについては乗ってきていなかったわけです。そういう意味においては、一つのきっかけになるのではないかというふうに思います。今回、総務73の基金、起債を活用する事業別内容という資料ですが、これによりますと、平成20年度から実施設計、これは東中野駅前広場整備ですけれども、財政運営の考え方というのが当初の説明の段階で議員に配られておりますけれども、その中に数字も示されております。今回のこの総務の資料には数字が落とし込んでありませんので、これをその財政運営の考え方と一緒に見ると非常にわかるわけですけれども、平成20年度がこの駅前広場で6,100万、平成12年度が1億4,600万、22年度3億2,200万、23年度が2億4,500万ということで、8億円余の東中野の駅前広場整備工事ということで、平成21年度から工事ということで、これだけの財政の考え方が示されております。これはかなりの、区の負担としては大変大きなものだと思います。これらの今後の、財政運営のあり方が示された中身に照らして、JRに対する負担の求めについては、どういう見通しを持っておられるんでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 東中野駅前広場整備にかかわる経費として約8億円というお話がございました。この8億円は区負担ということで計上しておるものでございますけれども、実施設計費や駅前広場、あるいは駐輪場、上空活用の整備費、そういうものがこの中に含まれております。
 先ほど申し上げたように、線路上空活用につきましては、JRと共同で実施することが想定されるところでございますので、それぞれ応分の負担をすることになると、そのように考えております。ただ、現在のところ、負担金額の見込みについては、先ほど申し上げましたように明確になっているものではございません。
○来住委員 当然、線路上空については、JRのお客の利便をおっしゃるものですから、応分の負担ということでは当然だというふうに思います。今後駐輪場などの建設も区が負担をしていくということでありますけれども、私はやはり、駐輪場の利用そのものは駅利用者ということに極めて限定されてくるわけですから、当然、交通機関者としての応分の負担は求めていく区としての姿勢をきちんと持つ必要があるだろうというふうに考えます。
 あわせて、駐輪場ということなんですけれども、今回示された資料を見てみましても、放置自転車の台数が建設の4で示されております。東中野を見ますと、100台未満と、18年度の放置の台数ですから、所管課に聞きますと、74台だそうです。東中野の収容可能な台数は1,620台でしょうか、ありますので、今利用されているのはその半分です。したがって、平均ですけれども、半分の約700台か800台ですか、800台はまだ有料駐輪場は利用されていないという状況にあります。やはり駐輪場の建設も、まちづくりの中で今後区として考えて、住民参加でやっていく中で、これも含めて東中野の駅全体、地域全体を考えていく必要があるだろうというふうに考えます。
 したがって、JRに対する負担の問題と、それからJRの駅舎がどうなっていくのか、今後、まちづくりの核になりますので、当然、東中野の駅をどうしていくのかということが大事になってきます。御存じのとおり、日本閣側のマンションに対する横断橋については、私たちは、これは大規模商業施設にお客を引き込むことなる、したがって、駅の階段が残ったまま歩道橋をつくっても、これはバリアフリーにならないということを言ってきました。それから反対側の交番の口についても、35段の階段が残っております。そういう意味で、東中野駅舎全体をどうするかということも視野に入れた区としての考えが出されてこなければならないのではないか。JRに対してどういう働きをされるのか、お聞きします。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 現在、東中野駅周辺まちづくりの基礎資料をつくるベくアンケート調査を今年度実施しているわけでございます。来年度に向けてまちづくり計画の策定を予定しております。
 今、委員がおっしゃった東中野駅、これはこのまちづくりの中心になるものでございます。そういった意味からすると、西口につきましては、駅前広場や自由通路の整備などにより大きく変わっていく、動線も変化していく、そういったことで、大きな影響を持つものと認識をしています。
 また、東口についても、バリアフリーができておりません。そういったことで、バリアフリー化できれば、大きくまちづくりに貢献できるものと考えているところでございます。
○来住委員 二つ目の問題は、東中野一丁目58番街区の等価交換方式による共同事業化の問題です。これは、コンサルを受けた会社が事業者に配って説明をしているものです。西口、いわゆる線路上空のふたかけの部分と隣接している地域であります。ここで中野区が旗を振って共同化のための勉強会が開かれております。これに対する予算は06年度と新年度も予定されていると思いますが、いかがでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 東中野一丁目58番、この街区でございます。駅前広場や自由通路ができることにより人の流れが変わるなど、その影響を直接受けるだろうと思われる街区でございます。
 そこで、この当該街区につきまして、今年度約250万円でコンサルタントの活用による共同化に関する勉強会を開催し、支援をしているところでございます。来年度においても同様に支援をするために、300万円ほどの予算化を考えているところでございます。
○来住委員 しかし、極めて狭い地域での共同化の勉強会ではありますけれども、その中心にいる極めて大事な位置を占めている方がこの勉強会に参加をされていないという状況をお聞きしております。私は、コンサルに委託をして勉強会を区が始めるということであれば、やはり地権者に対して事前に地権者の勉強会への参加の確認をとって、その上でコンサルへの委託をし、スタートをするということでなければ、あってはならないですけれども、これは結果としてむだになることもあり得ます。まずお伺いしますけれども、事前の勉強会の参加の確認はとられたのでしょうか。あわせて、建設委員会に対してでしょうか、報告はなされているでしょうか。その2点、お伺いします。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 この58番街区においての勉強会の参加でございます。8名の方が地権者としておられます。私ども事前にお話をしました。6名の方はお会いできましたので、個別に面談をしてお話ししております。2名の方は電話によりお話をさせていただきました。勉強会の趣旨について説明をしているところでございます。この件に関しまして、建設委員会に御報告はしていません。
○来住委員 やはり、この事業がどうなっていくかということも含めまして、スタートの段階で当該の委員会にきちんと報告をして進めていく必要は当然だというふうに申し上げておきます。
 そこで、このコンサルに委託をされたのが昨年の7月28日、第1回の勉強会は8月24日ですので、したがって、先にコンサル委託を済ませて勉強会を開催されているということになります。私は、必要な事業であれば、当然、皆さんが責任を負うわけですから、地権者の方にまず、このまちを、この地域をどうしていくのか、どういう方々に、専門家にも依頼をし進めていくのかと、そういう、区がきちんと地権者に対して事前の了解や意思確認をするということで進めていかなければならないし、今申し上げたように、勉強会に参加をされていない方がいる中で進めていきますと、実は、これが配られまして、交流広場というのが示されました。ここにいる地権者の方たちから、自分の土地が交流広場にこの絵でなってしまっている、どういうことなんだということで大変な心配をされているわけです。確かにこの地域は何とかしなければいけないという思いもあります。そういうことであれば、まちをよくするために協力も惜しまないというふうにもおっしゃっています。だからこそ、事を進める際に十分な理解、協力、確認をして進めていくことが前提だと思いますけれども、今の現状をどう認識されて、どう打開されようとしているのか、簡単にお答えください。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 先ほど8名の方が地権者でおられるという話をさせていただきました。そのうちの7名の方からは、勉強会に参加する旨の了解をいただいて、勉強会を開催しているということでございます。当面、不参加を表明された方がいらっしゃいます。再度参加の要請をしているところでございますけれども、お話ししましたところ、勉強会の資料を送付してほしいとの要求がありますので、資料の送付をさせていただいているところです。コンサルタントには個別の対応、そういったこともありますし、私どもからの御連絡ということもございます。何らかのコンタクトをとりながら今後とも進めてまいりたいと思います。
○来住委員 まちづくりはそこに住む人が決めることでありますので、やはり十分時間が必要です。そういう取り組みをぜひ、地域住民の立場で進めいただきたい。
 この件の最後になりますけれども、日本閣をめぐる住民、地域と事業者との関係は、もう3年以上になります。昨年の11月に、法政大学の教授である弁護士の五十嵐敬喜さんが岩波新書から出版された本の中で、7ページの4で、この中野区の開発許可についての疑問を述べられております。今後、新年度の予算の中で、東中野駅周辺のまちづくりを、整備計画をつくっていくということになっているわけですが、先ほどの街区の共同化にもあらわれていますように、そこに住んでいる人たち、地域にいる人たちにどうやはり責任を持ってもらうのか、まちづくりはそこに住む人たちがみずからが決めていくということでなくてはならないし、行政やコンサルがそこに、東中野の将来の絵をかいて、それを持ち込んでいけば話が進むというふうには思えないんです、私は。少なくとも住民参加をその段階からきちんと果たすべきだと、それが区の仕事ではないかというふうに思います。既に中野区がまちづくりのアンケート調査をとられている地域では、四丁目地域ですけれども、住友不動産開発事業部が、またオリックスという大手の不動産事業者が戸別に訪問をしております。そういう状況が計画、アンケートをとる段階でも生まれてきているようなまちづくりでは、本当に地域の中での議論が、住民が中心になった議論ができないだろうというふうに思います。そういう点で今後のまちづくりについて、きちんと地域でそのまちづくりの議論が下からでき上がるように区の役割、まちづくりに対するその役割について果たしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 駅周辺まちづくりのアンケート調査、これを実施する前に、地元の商店街等の関係団体、あるいはまちづくりについて勉強されている団体、そういったところにヒアリングをさせていただきました。で、調査内容とあわせて、エリア、アンケートの概要について事前の説明をして、意向を確認しているところでございます。
 私どもまちづくりを進めるに当たって、行政として一定の役割を果たしながら推進していくというのは当然でございますけれども、区民の意向を十分に確認しながら、まちづくりにおける課題の一つひとつを解決していく、そういったことで進めていきたい、またそうしなければならないと考えているところでございます。
○来住委員 最後に私申し上げますけれども、例えばアンケートの内容、それからアンケートをとるエリアを含めて、地域の中で住民参加のもとに相談をし、やはり情報を交換してまちづくりに取り組んでいくということが区のやるべき原点だろうというふうに思います。日本閣の一角であるとか、東中野一丁目の一角であるとか、そういうところのまちづくりを個別に、こういう切り売り的な形でのまちづくりではだめだと思いますし、ディベロッパーが先行するような開発的なまちづくりではうまくいかないということを申し上げておきます。この項を終わります。
 次に、東ノランドについて伺います。
 この東中野5の17の用地を取得した目的は、既に本会議でもありましたように、東中野の地域センター、そして保育園や児童館を建設する用地として確保されたものであります。しかし、区財政の事情から建設計画が中断をしておりました。そして、ここにきて保育園の建設ということが始まるわけであります。
 そこで、まず伺いますけれども、この用地、今暫定利用されておりますけれども、子育ての関係での利用はどういう状況か、まずお聞きします。
○大橋子ども育成担当課長 現在の利用につきましては、まず、乳幼児親子を対象に、子育ての仲間づくり支援事業、ここではちびっこタイムと呼んでおりますけれども、それを毎週水曜日と金曜日の午前中、午前10時半から11時半に実施しております。今年度の事業参加者は平均15組程度となっております。事業は、この東ノランドの土地だけではなく、例えば東中野の幼稚園、また東中野の地域センター等も使って実施しております。また、水曜日、金曜日以外の10時から15時までは、乳幼児親子の方にこの場所を開放しております。また、月曜日から金曜日につきましては、小学生の優先タイムといたしまして、15時から17時15分、季節によってちょっと変わるところもありますが、その15時から17時15分に開放いたしまして、そこには職員も対応していると、そういうところです。
○来住委員 資料によりますと、乳幼児の親子の利用は、もちろん部屋を含めてですけれども、1万3,986人というふうに年間で示されております。同時に、東中野土曜日の遊びを行う運営委員会という自主グループが、隔週で土曜日に午後広場を使って子育てや遊びを行っております。大体30人程度が利用されているというふうに聞いております。
 そこで、今回、保育園の建設が始まるということから、利用者への説明が行われました。その説明も、昨年の12月20日なんですね。本当にこういう事態の、年末を押し迫る中での説明会であったということになります。そしてどう変わるかという説明は、これは地域ニュースですけれども、これまで、保育園建設用地として予定されている3分の2が遊びの広場として使われておりました。そして、今暫定使用している駐車場は、そのまま20メートルの間口で動かない、駐車場自身が全体の敷地の3分の1を占めております。そして子どもの遊びは駐車場と保育園建設予定地の間に挟まれた、わずか10メートルの幅の広場に押し込められてしまうということに説明があり、当時参加された方々は、いろいろと要望や意見を出されたということであります。そして、当日は、子ども家庭部の部長ですか、出席をされていて、検討をしたいということで返事を持ち帰られたというふうに聞いております。駐車場を何とかできないのか具体的に検討をして欲しいと要望が出されたというのは、当然だと思います。それに対して区民生活部への協議を子ども家庭部として行ったんですか、いかがですか。 
○大橋子ども育成担当課長 子ども家庭部からは、東中野地域センターに対し、駐車場の利用契約の手続等について、確認の問い合わせをいたしました。
○来住委員 区民生活部が暫定駐車場を管理しているからなわけですけれども、それではいつ、だれが、だれに行われたんですか。
○大橋子ども育成担当課長 地域の説明会の後に、部長の方から、東中野地域センターの所長に問い合わせをいたしました。
○来住委員 そうしましたら、皆さんは、子ども家庭部として、遊び場を確保したいということから、そういう立場で区民生活部に問い合わせをされたということですか。それでいいんですね。
○大橋子ども育成担当課長 子ども家庭部の事業展開といたしましては、駐車場部分まではこれまでは考えておりませんでした。そこで、駐車場の契約手続や安全管理上、駐車場まで広げた場合の問題点などを検討すると、そういう視点に立ちまして地域センターの方に問い合わせをいたしました。
○来住委員 そうしますと、今、示されたこの遊び場の変更案では、10メートルの間口で奥まった一番奥の方は保育園の建設等々、駐車場等々で、本当に危険な状態だと僕は思います、この奥まったところは。したがって、皆さんの方では、区民生活部と相談されて、それはどういう結論が得られたんですか。
○大橋子ども育成担当課長 私どもの方では、駐車場を含めた当該残地すべてを事業用地とするというところでは、安全管理上の問題もありまして、対応は困難であると考えました。
○来住委員 駐車場自身も暫定なわけですから、区の都合で3カ月前に契約を破棄できるようになっていますね。なっているんですよ。ですから、子ども家庭部自身が、子どもの最善の利益の立場でこの用地を広げようと、駐車場を含めてきちんと確保しようという意思があるかないかだけなんですよ。それはないんですか。子どもたちに少しでも広い、いい遊び場を確保しようというお気持ちはないんですか、あるんですか。
○大橋子ども育成担当課長 もちろんその気持ちはございます。ですから、小学生の子どもたちにつきましては、東中野小学校の校庭を使って遊ぶ、そういう方向で東中野小学校の方と話し合いを進めております。ですから、乳幼児につきましては、これまでの考えでは、先ほど委員がおっしゃいました保育園建設用地を除いたところでこれまで使っていたところの用地を使って遊んでいただこうと、そういうふうに考えてまいりました。
○来住委員 何でもかんでも学校に持っていけばいいというものじゃないんですよ。そうでしょう。ある土地を有効に使って子どもの遊びを確保するというのがあなたたちの仕事じゃないですか、子ども家庭部の。駐車場には何も手をつけないで、工夫すれば動かすこともできるし、百歩譲って、契約台数を変えなくても、この敷地だったら動かせるじゃないですか。なぜそういう部署を超えてでも、あなたたちは何とかしたいという思いを区民生活部に伝えないんですか。もう一度これは再検討をすべきですよ、まだ時間がないわけじゃないです、ありますから。子どもたちのために、あと5年や6年かかるんですよ、この敷地は区民活動センターを建てる用地ですから、そう簡単には建たないじゃないですか。まだ計画上も5年先ですよ。その間、ただ単に駐車場にしているだけでは、あなた方の立場もないですよ、これは。説明がつきませんよ、地元に。再度再検討をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○大橋子ども育成担当課長 当該用地につきましては、現在、保育園の建設を踏まえて、西側の擁壁の安全性等について現在調査を行っております。その調査の結果によっては擁壁の改修が必要になるとも考えられますので、その結果を待って今後の利用のあり方についてはまた検討したいと思っております。
 小学生につきましては、東中野小学校の校庭を使わせていただいて、遊び場を展開していきたいと、そのように考えております。
○来住委員 乳幼児を含めて子どもたちの、東中野はそれでなくても公的な場所が少ないんです。それだけに切実な内容で要求をされておりますので、最大限の努力を、しかも擁壁は、工事をしたってそんなに時間がかかるものじゃないと聞いています。ですから、真剣に所管の課として、子どもの利益、親子の立場で、地域の立場でぜひ頑張っていただきたいということを申し上げておきます。
 それでは次に入ります。クレジット、サラ金の多重債務者への区の対応について伺います。
 多重債務、いわゆる高金利による被害です。これが社会問題になって広がっております。多重債務に陥ることによってストレスの疾患であるとか、家庭の崩壊、また子どもの虐待などもこれが原因となっていることもあると聞いております。ホームレスなどもここが出発になるという例もあります。したがいまして、社会問題化している高金利、いわゆるサラ金被害の問題は、今、国会でも問題にされております。調べてみますと、クレジットカードの発行枚数は2億7,300万枚あるそうです。国民一人当たり2枚保有しているということです。消費者金融を利用しているのは全国で1,400万人、成人一人当たり、5人に一人ということだそうです。中野区に直しますと、3万700人という数に当たるかと思います。そして多重債務、いわゆる5社、五つの会社以上で借りている多重債務は230万人以上言われておりますので、中野では6,000人以上ということになります。
 まずお聞きしますけれども、中野区での多重債務者の相談、その数、そしてその対応について簡潔にお答えください。
○納谷環境と暮らし担当課長 私ども中野区では、消費者センターでこのような相談を受けております。消費生活相談の中で、平成17年度におきましては、融資関連、いわゆる金融関連の相談は163件ございました。うち多重債務が88件となってございます。また、平成18年度、これは12月末までの数字でございますが、融資に関する相談が144件、またそのうち多重債務が既に93件寄せられており、このまま推移しますと、本年度は昨年を上回る件数となるように考えられます。すなわち、多重債務に関する相談は増加傾向にあるというふうに考えているところでございます。
 また、次に対応でございますが、多重債務の整理等は主に弁護士の業務となってございます。そこで、私どもへ相談がありましたら、その実情を踏まえ、弁護士会の法律相談センター、いわゆる法律相談援助機関ですか、このような機関につないでいるところでございます。
○来住委員 まだ中野区は紹介をするということで、それ以降はつながるという関係にはありません。政府も、先ほど言いましたように、昨年秋に法改正をいたしました。そのもとに内閣官房に多重債務者対策本部というものを設置をいたしまして、その中心メンバーである宇都宮健児弁護士を取材することができました。この春には、自治体への窓口相談設置などの対応策がなされるというふうにお聞きをしたところであります。これに先立って厚労省では、多重債務者に対する対策として、毎日新聞ですけれども、紹介しますが、多重債務で国民健康保険の保険料を払えなくなった人を対象に、厚生労働省は、07年度から、弁護士会と連携して、貸し金業者から利息の過払い金を取り戻し、滞納分の支払いに充てる取り組みを始める。滞納で保険証を取り上げられたため、診療をためらって死亡する人もおり、多重債務者の救済とともに、国保滞納世帯を減らすのが目的だということで、本年度初年度ですね、10の都道府県でモデル事業を実施するというふうに報道をされております。したがいまして、積極的にこういう過払いを多重債務者の立場に立って区としても対応していくということが大事になってくると思いますけれども、いかがでしょうか。
○奥山保険医療担当参事 お尋ねの国民健康保険料を滞納しています多重債務者への支援モデル事業でございますが、現在、厚生労働省が、日本弁護士連合会と検討中と聞いてございます。まだ詳細が示されてございませんので、今後、具体的な事業内容が示された段階で、効果が見込まれるような内容であれば活用してまいりたいと考えてございます。
○来住委員 既にテレビを見た方はいらっしゃると思うんですが、奄美大島で、市で取り組んでいる多重債務対策が紹介をされてきています。具体的な例を一つ紹介しますと、サラ金5社に約280万の債務があり、毎月11万6,000円を支払っていた男性が、国民健康保険料を約60万円滞納していた。保険証がないために生活への不安、健康への不安を持って相談があった。そして手元にいわゆる過払いのものを取り返して、保険料を完納をし、保険証を手にしたということを、奄美大島の市として取り組んでいるという紹介がありました。奄美大島では、市民生活係に3人の職員を配置し、生活援護担当、そして収納対策室と関係を密にして、税金や国保料の滞納についても連絡を取り合って、そして御本人の立場で過払いの取り返しを行って返済もしてもらい、その方の生活を立て直すということで注目をされているということです。私自身も、10年前にサラ金に手を出して、そもそもそのときに国保料の滞納があって、それを払うために簡単にサラ金を借りてしまったということが出発になって、500万円の多重債務の方の相談を受けました。これがきっかけになって私としても、この問題をいろいろと調べて、自治体としてもこの制度に十分取り組んでいく必要があるというふうに認識をしたわけです。中野区として、このように組織的に、横断的なネットワークをつくって本人の生活再建に支援をしていく、一言で言えば、サラ金に払う利息があるのであれば、自分の命を守る国保料に払ってくださいよ、そういうことですね。そういうことをやっぱりなかなか多重債務者の方は相談をし切れないでいらっしゃいます。それだけに、区としても、そういう横断的な体制をもって、組織的に対応していく体制をぜひ検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 先ほど委員の御質問にありましたように、国では、昨年の12月、多重債務者対策本部を内閣府に設置いたしたところでございます。この中で、有識者会議で、現在、カウンセリング体制の充実、あるいはセーフティーネットの充実、あるいは金融経済教育の強化などを議論し、また委員の御紹介があった事例を含め、地方自治体の取り組みの実態調査等を今行っているところでございます。それを踏まえて、今後、この有識者会議で、多重債務問題改善プログラムを出して、関係者、関係機関が一体となった取り組みの方法を打ち出すと聞いております。
 区といたしましては、まず国保料の事例もございますが、この多重債務問題改善プログラム、これに注目をしていきたい、このように考えております。
○来住委員 ぜひ滞納の取り立てだけに走るのではなくて、その方のトータルな人生、生活設計にも十分支援できるような取り組みをしていただきたいということを申し上げておきます。
 最後になりますが、山手通りの環境問題について伺います。
 この20年来の運動によって、私たちは地域沿道住民の皆さんと一緒に、東京都や首都高に対して当初の計画について変更を求めてきました。この中で、地下高速道路の開発処理、低濃度脱硝装置の設置、6車線から4車線への変更、中央分離帯を縮小しての歩道幅の拡幅、自転車帯の設置などを実現してきました。これはやはり地域沿道住民の皆さんの運動と行政側の共同の働きかけもあったこともあって大きな成果に結びついたというふうに思います。それが1点です。その認識を伺いたい。
 引き続きもう一つ、もう1問については、この間、地域の方々と60人ほどで、地下換気所の見学会を行いました。もう既に多くの機器が搬入されておりますけれども、コンピューター関係はこれからであります。しかし、NO2などの除去をできるようになりましたけれども、その数値は住民には表示できないということから、私たちは、換気塔にリアルタイムで除去の比率を、きちんとその数値を示すように要求してきましたが、区はこの点でも、私の繰り返しの要望に対しても要望しないとされてきています。改めて、いよいよ12月に供用開始が一部ですけれども、地下高速道路が入ります。車が走ります。この段階ですので、改めてそのことを首都高に求めていただきたいということを申し上げ、その二つにお答えください。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 山手通りの件につきましては、区としては、区民要望を踏まえまして交通の円滑化、沿道周辺の利便性の向上、交通公害の軽減、沿道住民の日常の生活環境の改善に結びつくように具体的対策を明示しながら事業展開を求めてきました。さらに、歩道構成につきましては、沿道住民の方あるいは東京都、首都高速道路株式会社及び中野区で構成する検討会を設置して課題の解決を図ってきた経緯がございます。これらのことにより、区民の皆様はもとより、行政、事業者が一体となって取り組んできた成果が、今御紹介されたようなことであろうというふうに認識しております。
 次に、排ガスの測定数値をリアルタイムに示せというようなことでございます。換気塔から排出されるガスが周辺に与える影響は小さいと聞いております。また、測定結果については、平均値でありますが、公表することになっております。このようなことから、以前もお答えしておりますが、首都高速道路株式会社に改めて要請する考えはございません。
○来住委員 首都高がそう言っているからしないという立場はやめてほしいですね。やはり住民の命と健康に与える影響は大きいというふうに私たちは今でも思っています。ぜひその立場を堅持して、住民の立場でやってほしいということを再度お願いして、私のすべての質問を終わります。
○伊藤(信)委員長 以上で来住和行委員の質疑を終了いたします。
 ただいま傍聴希望者が15名を超えましたが、希望者全員の傍聴を許可することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤(正)委員長 御異議がないようなので、そのように決しました。
 次に、篠 国昭委員、お願いいたします。
○篠委員 自民・民社クラブの最後の質問ですので、タイトルは副区長制について、上鷺宮の地区計画について、少子化対策について、改正教育基本法について、公立小中学校の信用度アップについて、その他という順序で質問させていただきますが、副区長制を通してほかのところに飛ばしていただく場合もございますので、よろしくお願いいたします。
 最初に、副区長制についての御質問から入らせていただきます。
 今回、中野区特別職報酬審議会の結論をいただいたわけですが、いつどのような内容で諮問をしたかということを、我々は書類で認識しているんですが、再度御披瀝いただきたいと思います。
○橋本総務担当参事 中野区特別職報酬審議会への区長からの諮問は、本年1月22日に、中野区議会議員の報酬並びに区長、副区長、収入役及び常勤の監査委員の給料についてという内容で諮問をさせていただきました。
○篠委員 審議の特色といたしましては、どんな状況でありましたか。また、審議会は前後何回審議会を持たれたのか、その辺も触れてください。
○橋本総務担当参事 審議の特色ということで、答申に書かれてございますが、改正地方自治法に基づく副区長制の導入と収入役の廃止を前提にいたしまして、さらに区の組織機構改革による経営本部制などを視野に置いたところで審議を行いました。
 審議は、事前審議を含めまして都合5回開催してございます。
○篠委員 前期の審議会の復習をしておかないと我々はいけないんだと思うんですが、基本認識として、どのような共通認識のもとに行われたか、その辺にも触れてお答えください。
○橋本総務担当参事 御案内のとおり、中野区は昭和47年から、特別職の報酬、給料、それから区議会議員の先生方の報酬等につきましては、スライド制を採用してまいりました。それを昨年の報酬審議会では、スライド制の廃止という答申が出されました。区は、これに従いまして必要な条例を改正したところであります。スライド制を廃止したその理由などにつきまして、事前審議の中で御説明をさせていただきました。この内容をかいつまんで申し上げますと、特別職等の職務の特殊性を考えた報酬額にならなければならない、これが報酬の審議につきましては第一の命題、さらにスライド制の基準となる一般行政職の給料表が成果主義に基づくものとなることで、特別職の報酬等の算定に援用できないというような、そういういった判断でもって、前期の報酬審議会では、スライド制を廃止したところであります。
○篠委員 最終的に今回の結論は、どのような結論をいただいたというように理解すればよろしいですか。
○橋本総務担当参事 スライド制を廃止しまして、それから報酬額につきましては、どのように算定したら望ましいのかということで、新しい仕組みということで、前期の答申でも記されました。それは、まず、区長の給料額がどうなのか、区長の職務の職責、それから活動内容、こういったものを勘案すると、区長の給料額はどのくらいが適当なのか、まずそれを算定をいたしまして、そこから現行で申し上げますと、助役以下の特別職の給料額はどうなのか、また、区議会議員の先生方の報酬はどうなのか、区長の給料額を基準にしながら算定をする、その方法に改めました。今回、審議会では、消費者物価指数、それから他の自治体の区長等特別職、区議会議員の報酬等につきましては、大きな変化がない、そうしたことから、積極的、合理的に改定する理由は見当たらないということで、現状を維持するというか、現行どおりという、そういう答申をいただきました。
 一方、副区長につきまして言及がございまして、副区長を前提にした審議ということで、副区長の役割、機能につきまして、相当程度議論がなされました。その上で職務内容については広範多岐にわたる、その職責は重いという御意見もございましたが、今後、副区長の役割、どうあるべきなのか、区政への貢献はどうなのか、こういったものを見きわめた上で副区長の給料月額については定めるべきだろう、したがって、現行では、現行助役相当額が適当である、そのような答申をいただいたところであります。
○篠委員 そういうわけで、現実にいただいた金額を確定した形になったわけですが、23区で言いますと、どの辺にランクされる状況であるか、我々一応認識しておきたいと思っておりますので、よろしく。
○橋本総務担当参事 現行の特別職の報酬等を他の特別区と比較いたしますと、区長につきましては、23区中21番目、助役につきましては22番目、収入役につきましては21番目、それから区議会議員の先生方の報酬月額につきましては23番目となっております。
○篠委員 私が本来の質問のメーンでお聞きしているのは、副区長ということで、やはりこれは改正地方自治法によって位置付けられたわけですね。そして、報酬審では大変重い役割であるということが共通認識に乗ってきているんですが、内容はかなり重いらしいでは済まされないと思うんですね。やはりこれは区民に説明をする意味でも、具体的行動で示す意味でも、報酬審でどのような部分に触れられているかをちょっとお話しください。
○橋本総務担当参事 報酬審で私どもが説明し、また審議の対象としていただきました内容といたしましては、事業部制が採用される、そのことによって経営本部体制の中で政策立案あるいは経営、それから管理会計、そういったそれぞれ副区長が従前の部長の業務を行う、さらに加えて部間を横断するような個別テーマ、個別課題についても対応する、全体的なコントロールの役割を果たす、そうした意味で、先ほど申し上げました広範多岐にわたる職務内容だというようなお話をさせていただき、またこれまで議会等でお示ししました資料などを提供いたしまして、御審議をいただきました。
○篠委員 恐らく高度な、事業部を横断する課題というのもよくわかります。ただ、高度な政策判断を要する事務というのは、我々は推測の範囲を出ていないわけです。例えば、国については、美しい日本というような流れの中で行動をとるという流れが伝わってくるわけで、そうしたときに、それぞれの部署の部課長は大変有能であっても、自分の職責を全うすることについては有能であろうと、しかしながら、要するに家族の再生などと言われたような課題については、やはりさらにそれをリードしていくような方がいなくてはならない。区長が最適人者であるわけですが、そういったところを目に見える形で行動に移せる人としてとらえなければいけないと私の会派ではとらえさせていただいておるんですが、そういう実際の言葉として区民に伝えていかない限りは、中野区はどこどこに比べて何人の副区長をつくった、そして副区長については、助役についても今までもそうでしたが、退職金があるんだ、3人は既成の事実らしい、しかしながら我々の会派でもお願いして、3人目については、区民の理解を得られるような真剣な姿をお見せしなさいという注文をつけさせていただいているつもりでおります。そういう意味で、具体的に目に見える形で、少子化対策というものは子ども家庭部に任せきっていい範疇を超えているというような具体的な言葉で伝えていただかないといけないと思うんですが、いかがですか。
○奈良経営改革担当課長 今御質問にございました高度な政策判断ということだというふうに思います。副区長が担います高度な政策判断ということになりますと、今御質問にございましたように、事業部を横断するような政策課題、例えば産業振興を含めましたまちづくりの総合的な推進ですとか、あるいは質問の中にございました子ども家庭部や教育委員会といったものを横断します子育てに関します総合的な支援、そういうこととか、また時代の変化によりましてさまざま起こってまいりますことですね、最近ですと、丸井本店の閉店の問題ですとか、あるいは国家公務員宿舎の問題、こういったようなことにつきまして、副区長が責任者となりまして、各事業部長を指揮しまして必要な政策判断を行っていく、そして総合的に推進、実行していくといったことが高度な政策判断を行うということだというふうに考えてございます。
○篠委員 それで議員は納得させられますけど、区民の方に見える形でビジュアル化しないと、私はなかなか説得力がないというふうに思っております。例えば、3番目に質問させていただこうと思った少子化対策等につきましても、やはり考える形を変えなくちゃいけないというのはかなりわかりづらい視点から入ってくる可能性が十分ある。理念的なものですよね。価値観とかという形で入ってくるケースが多いと思うんです。要するに、例えば、どういうふうに、政府の見解という形で言っただけでも長々とした文章になるわけで、前回も質問させていただきましたが、少子化の原因の一つを考える場合に、過度に経済的に豊かさを求め、個人を優先する風潮があると考えられる。家庭生活より職業生活を優先させ、個人みずからの自由や気楽さを望むあまり、生命を継承していくことの大切さへの意識が希薄化し、結婚しない、あるいは結婚しても子どもを持たない方が経済的、時間的な制約に縛られることがより少ないという考え方を背景に、非婚化、晩婚化、少子化が進んでいるという側面は無視し得ないと考えられているという一つの面、このような状況に対応する対応として、政府としては経済的な支援、職業と生活との両立支援などを進めてきたが、これらの政策はいわば対症療法であり、むしろ少子化が進んでいく今述べたような背景を前提とするものである。ですから、悪い言い方をすれば、中野区の子ども家庭部、子育て支援を挙げてやっていることは、現状はまさにそのままでいい、注文があったらサービスにこたえるという体制の域を出ていないよという指摘の文言だと思うわけです。そういったところにどういう切り込みをすればいいかという、切り込みを要求されたときに、子ども家庭部だけに任せておいていいわけがない。そういうときにこそ区長の出番であり、副区長の出番であると思うわけです。こういったことについて、メッセージを区民に投げ続けると、そして施策展開をわかりやすい形で投げかけるという姿が私は必要だと思う。ですけど、簡単にわかりやすくて、少子化さえとまればいいという流れの中で、悪い言い方をすれば、フランスなり見事に反転させましたよね。少子化をうそのように直してきた。ただ、子育て支援に対する金額は日本で言う4倍ぐらいに、思い切ってやった。しかしながら、国全体の、要するに正式な結婚をしないという現状が半数を超えているという、日本とは違う現状の中で、思い切った行動、日本はそうじゃなくて、普通に結婚をするというのが当たり前の流れの中で変えていこうというようなメッセージを骨太の方針の中にも発表されたわけです。それについてのコメントを発するとしたら、区長あるいは副区長以外に私はないと思うんです。そういったところにわかりやすいチームをつくり上げるという姿が求められていると思うんですが、いかがですか。
○田中区長 いろんな課題でそうした高度な政治的な、理念的な整理というものがなければ区政が方向性を持ち得ない。方向性を持たない中で各部がそれぞれに自分の持ち場持ち場で頑張るというようなことになると、かえって区としての前進というものが図れないというようなことになると思っております。所信表明などにも再三表明させていただいておりますように、時代は大きく変り目というか、変わっていく時期を迎えている。日本の社会がどういうふうになっていくかということについてのしっかりした認識を持って区政を運営していかなければいけない時期だと思っております。そうしたことについて、必要な発信を私自身がしていくことというのがもちろん基本になると思いますし、そうしたことを常に練りながら、組織全体を一定の理念、方向性に基づいてしっかり動かしていくということが必要だという、そういう意味で、今委員おっしゃったことに全く同感ということでございまして、そういう役割として、副区長がしっかり機能していくことを期待しているものであります。
○篠委員 ありがとうございました。私は平成16年の3月の第1回定例会で、同じような質問を具体的にさせていただいた中に、ゼロ歳児保育が推奨される中、江戸川区では一貫して公立保育園のゼロ歳児保育を行わないという方針を貫いている。35年間区長を務めた中里喜一前区長、もう前々かもしれんですが、幼い子どもはできる限り家庭的な愛情の中で育てるべきだという考えが今も踏襲されている。経済的事情などでゼロ歳から子どもを預けざるを得ない家庭のために区が推進してきたのが保育ママ制度、子育ての経験のある主婦が自宅で子どもを預かることで家庭的な保育を実現させていると、30余年の歴史があり、保育ママさんによって育てられた子どもたちは実に1万人を超えている云々という部分があるんですが、現在でも公立保育園のゼロ歳児保育は行っていないんですか。
○合川保育園・幼稚園担当課長 公立保育園でのゼロ歳児保育は行ってございます。
○篠委員 何とおっしゃいましたか。
○合川保育園・幼稚園担当課長 公立保育園でのゼロ歳児保育を行ってございます。
○篠委員 行っているわけですね、公立で。私が平成16年に申し上げた質問について、なぜ反論されなかったんですか。--江戸川区ですよ。
○合川保育園・幼稚園担当課長 申しわけございません。江戸川区ではゼロ歳児保育につきましては、公立保育園で行ってございません。ただいま発言をいたしましたのは、私どもの区立保育園ということでございます。申しわけありません。
○篠委員 それは構わないですが、ただ、公立で行っていないということは、私立では行っている可能性があるんじゃないですか。
○合川保育園・幼稚園担当課長 私立それから認証保育所では、ゼロ歳児保育を江戸川区では行ってございます。
○篠委員 そのときの江戸川区の財政からのお金の流れというのは、中野区と全然変わりませんか。
○合川保育園・幼稚園担当課長 ゼロ歳児保育という部分につきましては、先ほど委員御指摘のとおり、江戸川区では保育ママ制度で区として行っているということでございます。その部分につきましては、いろいろな補助金等を合計をいたしますと、一人月額約10数万円で行っているというふうに考えてございます。
○篠委員 江戸川区からの出し分が10数万円ということでよろしいですね。
○合川保育園・幼稚園担当課長 そのとおりでございます。
○篠委員 中野区では40万円の、ゼロ歳児の方には毎月お金がかかるわけですね。これは公式発表で。民営化という流れの中では、十五、六万円倹約することはできる。怒濤の流れ、この一覧表から見させていただきますと、平成13年度のゼロ歳児保育、区とのかかわりの場合、1歳児3倍、2歳児3倍、3歳児3倍プラスアルファ、4歳児、5歳児、平成13年度、2001年から既に3倍の流れ、生活保護の金額がよく問題になりますけど、ゼロ歳の方をお預かりするというのは、うそのようですけど、40万毎月かかるという流れ、これでは区が持たんというかたくなな方針を貫いたのが江戸川区である。そういうお金、事お金だけから追及するんじゃなくて、家庭的な雰囲気というものをメ-ンに据えた施策展開をしたらどうかという質問を私は毎回のようにさせていただいているんですが、核家族化の流れ自体がもう怒濤の流れですので、その流れの中で精いっぱい支援したいという姿が伝わってきています。今回の予算にも、よくお金を捻出したなというような努力が見られるんですが、理念を伝えるのが区長の役であり、副区長の役だということを先ほども申し上げた。やはり女性が外に出て働くのが当たり前という流れに危機感を持っている識者が日本でも相当出てきている。そういうのをいち早くキャッチする力こそ大切だというふうに私は思っております。そういった切り込みを目に見える形でぜひ展開していただきたいと思いますが、区長なり--副区長はいない、副区長候補である--御答弁いただければと思います。
○石神助役 今、自治体が地方分権という中で、自治体が力をつけていかなくちゃいけない、このことについては、法改正の理念の中にもうたわれております。それに対して、中野区が自立して区政運営ができるよう努力していきたいというふうに思っております。
○篠委員 これだけのやりとりの中から、区長及び副区長候補が必ず力強く施策を展開していただけると思いますが、少子化に触れた理念の部分で少しだけ触れた部分のかなり説得力のある活字を目にしましたので、ちょっと読ませていただきます。これは明星大学の高橋史朗さんの少子化対策に触れた部分ですが、明治初期に大森貝塚を発見したことで知られるモースは、世界中で両親を敬愛し、老年者を尊敬すること、日本の子どもにしくものはない。母親が赤ん坊に対してかんしゃくを起こしているのを一度も見ていない。日本人の母親ほど辛抱強く、愛情に富み、子どもに尽くす母親はいない。「日本その日その日」に書いているそうです。しかし、今の日本の親子関係はどうか。父親を尊敬する日本の中高生は39%、米国では93%、母親を尊敬する日本の中高生は43%、米国では95%と大きな差がある。また、20代から34歳の既婚女性の4分の3が、子どもといるといらいらすると答え、親は子の犠牲になるのはやむなしと答えた親は、日本では38.5%、世界の平均は73%で、73カ国中72番目だという。日本人の価値観・世界ランキング。美しい国日本の親子関係、家族のきずなは一体なぜこのように崩壊してしまったのか。原因の一つは、戦後我が国の伝統的育児法への自信を喪失し、母子愛着と父性の必要性を否定するスポック博士の育児書に代表されるような欧米の合理的育児法にシフトしたことにある。昭和31年埼玉県の云々という部分で、最後、改正教育基本法第10条家庭教育に、父母その他の保護者は、この教育について第一義的責任を有すると明記され、また、教育再生会議第一次報告に次のように書かれている。教育委員会、自治体及び関係機関は、これから親になるすべての人たちや乳幼時期の子どもを持つ母親に親として必要な親学を学ぶ機会を提供する。これは、区長は私の質問に答弁で同じことを述べられたときがたしかあったと思います。この流れ、少子化対策を検討する子どもと家族を応援する日本人権戦略検討会議が発足され、家族、地域の再生分科会委員に高橋史朗さんはなられたそうですが、従来の経済効率優先の少子化対策を全面的に見直しという流れは、先ほど触れたとおりであります。
 また、同じようなことについて、かなりの多くの方が触れておりますが、やはりこういった価値観の乖離ということは一番難しいことだと私は思うわけです。そういう意味でも、これは後で触れる機会があれば時間をとらせていただきますが、男女共同参画基本計画などというのは、価値観を変える最たるもので、やはりマルクスレーニン主義そのものが文言の中に上手に生かされている。あれに対抗するような大きな流れをつくるという大仕事を区長及び副区長に期待して、この項の質問を終わらせていただきます。
 次に、上鷺宮の地区計画について触れさせていただきます。
 上鷺宮へ一回来ていただくと大変わかりやすいんでございますが、ですけど、やはりまちづくりというのは、このぐらい大変なものだという姿を私は見ることができるように思っております。上鷺宮地区の地区計画、まちづくりが必要な理由からお話を共有していかないとわかりづらいと思うので、まちづくりが必要な理由を一応確認したいと思います。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 区内の至るところでまちづくりは必要になりますけれども、上鷺宮につきまして申し上げますと、昭和44年からさかのぼります。都市計画決定されている区画整理事業を施行すべき区域というのが上鷺宮地域にございます。これは、区内でここだけでございます。用途地域地区など、また土地利用などにつきまして建築制限がされていると、そういったことでございまして、厳しい条件が設定されております。その後事業化されておりませんけども、土地区画整理事業実施に伴って道路線などがありますと、建築計画を立てる際には、建物の配置や構造に制約を受ける、そういった場合が生ずるものでございます。平成16年の用途地域地区一斉見直しの際に、現在の厳しい建築制限を見直して、もう少し余裕のある住宅が建てられるようにということで、土地の有効活用ができるようにしてほしいとの地域要望がございました。これらの意見、要望を踏まえまして、区の都市計画審議会においても、現実的な取り組みが早急に求められる地域として、地域の住環境の特性と住民意向を十分把握し、用途地域地区の見直しを含めて、できるだけ早期に実践的な取り組みを行っていくことの付帯意見がございました。このような経緯がございまして、まちづくりに取り組んでいるということでございます。
○篠委員 流れはかなり大ざっぱな流れで、地域にお住まいでない方には御理解しづらいかもしれないんですが、区画整理事業というシフトをされた東京都の地域というのは、どのぐらいあるんですか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 周辺9区と言われておりまして、9区にまたがって行われて、今実際にございます。それで、いわゆる中野区ではここだけでございまして、65.4ヘクタール、約でございますけども、それがこの土地区画整理事業の対象区域になっているということでございます。
○篠委員 東京都全体では、お答えできますかね。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 東京都全体の数値については、現在ちょっと数字を持ち合わせておりません。
○篠委員 9,000ヘクタールぐらいあるんだそうです。そのうち1割も外し切れていないという、外すのが大変難しいという代物なんだそうでございます。確かに平成16年に大きな流れの中でまちづくり、それなりに今までのレベルのとおりのやり方で行動を起こされたことは理解しております。その40年近い間に、それでは一切道についての行動はなかったかと言えば、そんなことはないわけで、北中野中学校というのがございますね。あの西側の道はかなりきれいになっています。富士見台から武蔵丘に行く道もかなり歩きいいところが多うございます。そして一部、難しいですが、桜並木に入る道についても、一部かなりきれいになっています。上鷺宮地域センターの前、あるいは上鷺宮小学校への道も立派な道路があります。拠点というものは、私が今申し上げただけで四つ触れさせていただきましたが、どのような経緯であれだけのものをやり切れたかというものは、担当参事は聞かれたときに答えられる準備がございますか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 40年近く前の話ですので、ちょっと正確にお伝えできるかどうかわかりません。ただ、調べましたところ、昭和44年5月に緑地地域の指定解除に伴いまして、土地区画整理事業を施行すべき区域が指定されたわけでございます。既に急激な宅地化が進んでおり、もうそのとき事業化が極めて困難な状況にあったということでございまして、そこで、区は区画整理にかわる対策手段として、主要道路、公園などの整備について、上鷺宮地区開発整備計画案を地域へ提案いたしました。しかしながら、地域の御理解を得ることができなかったという経緯がございます。地域では、住民による上鷺宮環境整備計画協議会が発足いたしまして、生活環境整備に関する要望を取りまとめたと伺っております。これは、区が御要望を反映させた修正計画を上鷺宮生活環境整備計画として、例えば地域センターであるとか、学校であるとか、道路整備、公園の整備を行ってきたということでございます。ただいまの要望というのは、すべてそれに該当するものと思いますけども、桜通り等については、この計画に基づいて整備が行われてきたものであるというふうに理解しているところでございます。
○篠委員 今回、一番最初の質問にお答えいただいた部分で、尾﨑参事は、こういう流れの中で今回の事態に至っているという部分の御説明が簡単にありましたが、平成16年度、17年度、18年度、現在18年度の終わらんとする月が明日から始まるんですが、その3年に目鼻を立てたいという流れは、議会サイドでは、あるいは理事者サイドでは共有した行動だったんですが、よく考えてみると、地域にはそれだけの認識がしっかりおり切っていなかったというのも事実だというふうに我々は反省しなきゃいけない。そして、その間に、従来の区の住民参加の方法の形にのっとって、地域のまちをよくする。住みよいまちづくりを考える会というのを立ち上げ、平成16年の夏から17年の12月20日の最後の、13回目の会議まで持たれていたというのも、我々議員は承知しているわけです。そして発言は許されませんでしたが、傍聴はさせていただいておりました。そして、実際の線を引くというのは、先ほど触れた四つの道路についてと別枠で、平成14年の4月に、区画整理というものを外す方策として、東京都でガイドラインというのを初めて発表したんです。先ほど申し上げた四つの道については、しっかりと区はお金を出しての行動をとっているはずです。しかし平成14年4月のガイドラインというのは、一応ラインを幾つか決めまして、道路率、公園率、しかし道路をこういうふうに決めるということについては、住民に任せられたら、線引きを任せられたら、利害関係が絡み過ぎるということで、触れる作業に入っていないのも承知しております。そうなると、悪役は区が担当しなきゃいけない。しかしながら、以前の方法は違うんですけど、あなた1メートル下がりなさいとか、30センチ下がりなさいとかというのは、これは穏やかじゃないもので、住民に任せられたら大変なことであるし、本当は区もタッチしてはいけないような問題じゃないか。区画整理事業というのを外すには、地区計画というのは、地区計画はお金を伴わない行動である。そういった中で、道路線を引くに当たって区は地域にどんな説明をされたんですか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 一つは、先ほどのまちづくりにつきまして土地の有効活用、こういった要望が出されていたというのが1点あります。
 それと、今委員がおっしゃった、平成14年ですけども、この土地区画整理事業がなかなか進まない、事業化できない、そういった事情の中で、東京都が示したのが、土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備のためのガイドライン、そういったものがあります。このガイドラインに沿っていけば、新しいまちづくりの方式に基づいた形で整備がされていく。その際に、土地区画整理事業については排除できる、解除できるというような部分がございます。これをあわせまして、いろいろと地域の中で検討をしていただいたというのが実際のところでございます。
 まちづくりの整備方針、それから建物の整備方針、道路の整備方針というものがございます。総論的な部分になりますが、そういった議論をしていただいて、この方式で一応まちづくりの案をつくってみようというのが今回に至る経過でございます。その際にどうしても、先ほど紹介がありました道路率とか、それから消防活動困難区域、それの解消であるとか、主要道路の充足率、そういった指標がございます。新たなまちづくり計画の中に、その達成ができるような形の、整備完了水準を十分クリアできる、そういった計画が求められておりました。そういったことから、6メートル道路で何メートルの奥行きまでが消防活動困難区域を解消できると、そういった指標でございますので、どうしても地域内に6メートル幅の道路が必要になってくる。そういったことがございまして、ガイドラインをクリアするためには、どうしてもそういう道路の整備方針案をお示ししなければならないということで、区の方がたたき台として示させていただいたというようなことでございます。
○篠委員 幾ら説明しても、住民には恐らく理解できないと思うんですね。といいますのは、私と同じことを住みよいまちづくりを考える会のほとんど全メンバーがおっしゃっています。下がっていただきます、1メートル下がっていただく場所もあるわけでしょうね。しかしながら、所有権は今までどおりお宅様のもの、また家を建てるときには平米に算入して結構です。ですけど、現実は塀をつくったりするときに、机の上で考えたものはできないわけで、そして今、東京都の平成14年4月のガイドラインの中で、私は一番クリア困難なのは、消防活動困難地域という言葉だと思うんですが、幅6メートルから8メートル、そしてその点から半径140メートルでしたか、140メートルの地域からの連結ができていないといけない。もしかしたら消防自動車ははしご車なのかもしれない。そうじゃなくても、ガイドラインはそういっているんです。そうなると、上鷺宮で全面積が91ヘクタールです。そのうちの約7割が、65.4ヘクタールに当たりますね、今回の外すべき地域。そしてその消防活動困難地域をクリアするための道は、65.4ヘクタール以外の方々も巻き込んだ道になっているはずです。例えば、新青梅方面から入っていく、入り口からかなりのところまでは外す地域になっていないはずです。そういったわけで、この案に反対する方々の中に65.4ヘクタール以外の方も入ってくるのが、まさに説得力があってうなずけるわけなんです。私はこのやり方を幾らやっていっても、またみすみす40年が過ぎる気がしてならないんです。であれば、中野区全体から見れば、大変すばらしい地域です、上鷺宮というのは。ほかの町名は名誉にかかわるので申し上げませんけど、消防活動困難じゃなくて、不能地域というようなのがかなりあるはずです。ランクはかなり上です。再度、もっといいまちをつくりたいという試み、今の手法であれば、区は一切お金を出さない。私有財産を認めないと言っているんではないという微妙な説明もありますが、ほとんど説得力がない。その中での行動ですので、何かしら、さらにすばらしいまち、今もすばらしい。さらにすばらしいまちをつくるには、引かれちゃっている線を外すためだけじゃなくて、すばらしいまちをつくるためには方法を見つけ出さなきゃいけない。尾﨑さんだけに任されても困るわけです。まちづくりで抜きん出ている方は他にいるかもしれない。副区長が役に立つかもしれない。こういった流れの中で、65.4ヘクタールを一遍にやらなければ、やっちゃいけない行動なんですか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 今回のまちづくりの基本的な考え方は、土地区画整理事業を外し、新たなまちづくり計画をつくり、これが地区計画というようなものになります。そして、用途地域の見直しという、こういう流れを想定して、上鷺宮全体のエリアを対象にしてきたというふうになっております。
 ただ、今委員がおっしゃったように、その中の7割が土地区画整理事業でございます。ここについて今全体をとらえておりますけども、ある面では部分的な対象に限定するような形で整備をしていく、そういったことも当然可能なものでございます。ただ、そうした場合、将来にわたって土地区画整理事業を施行すべき区域が残ってしまうということも考えられますので、将来的な見通しを立てながら、部分部分でまちづくりを展開していくということも一つの手かなというふうには思っております。
○篠委員 ですけど、今問題にされているのは、私が今申し上げたことじゃなくて、65.4ヘクタール全体を地区計画という手法で、65.4ヘクタール以外の人も巻き込んでの行動しかとれないガイドラインにのっとってクリアした指標、ここから先は、練馬区なんてというと、もうそちらのことは問わないという、ガイドラインを見たらそういうあれですよね。そういう流れの中で、あの地域には215号という都市計画道路がございますね。いつも問題にされる中杉通り、133号などというのも都市計画決定された道路ですね。そうしますと、決定したのは最終的には東京都なんです、これは。そうしますと、中杉通りを中野区の力でやりなさいということにはならない。決してならない。ただ、215号については、一番南は浜田山の方になりましょうかね、浜田山のあたりについては、杉並区の事情で杉並区が手をつけたようですが、土地区画整理事業の決定のあった道路というのは、東京都が責任を持って行動をとらなければいけないんじゃないですか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 その辺も東京都と議論をしておりますけども、今おっしゃった215号、この都市計画道路でございますが、第3次事業化計画優先整備路線に入っているわけではございません。杉並区の方は、一部五日市街道寄りの方でございますけども、そこは今回の第3次に入っておるんですが、それ以外のところにつきましては入っておりません。だれがその道路をつくっていくか、施行していくか、区なのか、都なのか、そういったものが明確ではございません。私どもは東京都が施行者であろうというふうに思っておりますが、東京都はこちらではございませんねというようなところがありまして、調整しているところでございます。
○篠委員 服部参事からことしかわったばかりなので、御苦労も多かったとは思うんですが、こういう大問題については、区長と副区長で進むといったようなのと同じように、やはり中野区挙げて本気の眼差しを地域に注いでくれるという感覚が大変重要なんですね。尾﨑参事にかわったように、東京都も総入れかえになっている。服部参事のときには、215号線というのは問題にされていませんでしたよね、たしか。それで、尾﨑参事にかわったときに、これはどうなっているんだという指摘がクローズアップされてきていますけど、やはり区民にしてみれば、中野区挙げて行動をとっていく。各部に任せているという形では決してないんだという姿は、区民の目からは、ほかの分野についても必要だと思う。教育委員会との関係で大変難しい部分も当たってしまうんですけど、これほど難しい問題については区を挙げての姿、そして215号については、お互いに、どっちが行動をとるのかわからないという認識の上で今回絵をかいてしまった。たたき台にしても、その1点が突破できない状態でのたたき台というのは、そのとおりのことを申し上げて、ブレーキをかける判断を、かわったばっかりの尾﨑さんに求めるのは無理だったかもしれないですけど、区長なり助役なりが、今は時ではないというような司令をおっしゃっていただかなきゃいけない。我々議員も決して正しい行動ばかりとっているわけじゃないので、本当の意味の地域の声を反映するという流れを今後ともつくっていかなきゃいけないという認識ではおります。ただ、地区計画という方法でさらにここを切り開いていくんであれば、区は一切お金は出しませんという流れは、14年4月のガイドラインで放任された形のままじゃないんですか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 今回御提案した際に、道路確定につきましては御協力していただきたいというようなお願いを申し上げました。もちろん、御自分の土地の一部が利用の制限がかかるということになりますので、大変大きな問題になっているわけでございますけども、そういうお願いをして、たたき台を出させていただいたという経緯でございます。このたたき台につきましては、今後いろいろと地域の中で議論を進めていただきまして、地域の皆さんが合意できるような、そういった形のものに修正されれば、それはそれでいいのかなというふうに思っております。
 いずれにしても、まちづくりの議論の中で地域の声を聞きながら、一つひとつ課題を解決していきたいというふうに考えております。
○篠委員 そうじゃなくて、平成14年4月のガイドラインが、あれは恐らくコンクリされたものじゃないと思います。東京都としても初めてガイドラインというものを出したので、ことによると、微調整が必要な部分、あるいは弾力的運用が必要な部分をかなり含んでいるのかもしれません。しかし、そのガイドラインが譲れない一線として、地域の方々が血を流すという言い方は似つかわしくないかもしれないですが、自分の土地を提供してでもさらによいまちをつくりたいというのがガイドラインの本旨なんじゃないんですかと、こう申し上げている。お願いに行ったときに、何とか中野区としてもいいまちをつくるので、予算づけをしてでも公道をとりたいんだということが許されていない代物が東京都のガイドラインじゃないんですか、その認識だけをお答えください。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 ガイドラインは、今までの土地区画整理事業をこれ以上事業化できない、展開できないという中で、まちづくりにとってよりよい、いい環境をつくる方策があれば、それにかわるものとして市街地整備を進めてください、それで一定のガイドラインを示しますよということでつくられたものでございます。ですので、その整備をすることによってまちの環境、そういったものを整えていくというものでございます。ちょっとお答えにならないかもしれませんが、そういう認識でつくられております。
○篠委員 熱心な方が上鷺宮にはいっぱいいらっしゃいますので、東京都にも御連絡をしているでしょうし、国とも連絡をとっているでしょう。そういったときに、地区計画というものの本当の姿は何なんですかということに対して、公式見解をしっかりいただいておかないで今後の行動はとれないと私は思います。地区計画というのは、お金の流れは住民からは求めない。別の言い方をすれば、私有財産は自分が提供しますと言わない限りは提供はあり得ないんだという法令解釈が正しい姿なんですか。尾﨑さんが答えないで、だれかほかの、区長なり副区長なりにお答えいただいて、--副区長はいないんだ。結構ですけど。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 地区計画というのは、地域住民の皆さんの合意形成のもとでつくられるまちづくり計画でございます。そういった意味で、地域住民の生活設計に合わせた整備を行うのが地区計画でございますので、十分に地域議論を踏まえた上で計画づくりをするというような内容でございます。
○篠委員 それじゃ、上鷺宮のまちへおりて行っても、区長、助役に御同行いただいても、地域を説得するのは私は難しいと思います。もう地区計画というもの自体が、区から補助金が出るとかという代物じゃないんですということを明確にして行動をとらないと、ここからここまで道として使わしてもらいます、しかしながら、提供してもらった部分は所有権はあなたのものですよ、税金もかかりませんよ、特別な場所になるんですよ、塀はここからですよというようなのは、だれが考えても財産権の侵害ととられてしまうわけです。ですけど、それ以外の方法がこの計画の作法としてないんだということであれば、違う切り込みができるかというふうにシフトを変えるか、91ヘクタールもの広大な地域、そのうちの7割、65.4ヘクタールというものを全部取り込んだから失敗のもとだったから、地域センターの周りだけまずクリアしちゃおうとか、武蔵台小学校、北中野中学校、あの辺は大変外しやすいとかという形で推し進められるかという手法、素人ながらのあれですよ、まちづくりに手をつけてもらいたくないというほどの状況に、今ムードに入っちゃっているんですから、そういう手法でも編み出さない限り、私はとてもとても難しいと思う。そのときに、地区計画の定義すら明快に説明できないでは、この議論はしばらくペンディングになってしまいますけど、いかがですか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 地区計画は地域住民によるまちづくり、そういった中でまちづくりの方針を定めているものでございます。ですので、いろいろな角度からいろいろな御議論があってしかるべきだと思いますし、また今のような形の対象エリアにつきましても、やはりエリアの限定、もっと狭いエリアでまちづくりを考える、そういった手法も含めてさまざま検討されることが必要であろうというふうに考えております。
○篠委員 もう一回、上鷺宮に入るのは現時点では難しいですよ。いずれにしても、上鷺宮、区長もいろいろお骨折りいただいて、いつも大変少ない人数の集会しか開いていないように聞きますけど、200人を超える人が上鷺宮小学校に集まっての、お話をお聞きする会で反論する気は毛頭ない会だったことも承知しています。ですけど、その後の行動は、あのときはテープも許さないという形で、じゃどうやったらテープに切り込めるんだとかというところも含めて、丁寧だなという姿を見せ、そして地区計画というのはこういう定義なんです、だめなときはだめと下がる勇気も必要だろうし、我々も選挙に勝てばいいという代物じゃございませんよ。やっぱり本当の意味で地域がよくなりたいというときにみんなで協力し合う。なりたくないというのになれというわけにはいかんわけですけど、ですけど、現実問題として、今は線が引かれちゃっている。区画整理事業の線が引かれている。とんでもないところに線が入っているために地下はつくれない、2階以上はつくれないという線が入っていることも事実なんです。隣の人が死んだのとうちの子がけがしたのと同じぐらいだからそれは関係ないという代物じゃない姿を、議員なり中野区は示さなきゃいけないわけですから、地区計画の定義はこういうものです、やはり明確に答えなければいけない。ですから、これを幾ら押しても道は開かないとなったら次の手を、そのとおりの姿として皆さんに披瀝しなきゃいけない。こういった大変難しい姿の中でやらなきゃいけないと私は思っております。
 ただ、道路計画と市民参加という問題は、市民という言葉は、私は区民の方がいいと思っているんですけど、区民参加、市民というと、中野区じゃない人も入ってくるんで、国民、区民という流れの中で申し上げていますけど、まさに上鷺宮の地区計画なんかは、区民参加の本当の姿を再度見直すいいチャンスだと私は思います。まして、道路計画の中には、パブリックインボルブメントというんでしょうか、法的には何ら位置付けていませんけど、それを外しての行動は決して許されない範疇のものだとも理解しています。こういった中で、中野区の区民参加というのは、要するに、議会で大きな勢力を得られない方々の声だけを集めやすいシステムではないんだ、議会で大きな勢力を集めることができない人が行動をとりやすい市民参加、区民参加ではない、本当にそこに思いをいたす人が構築した区民参加というのをつくり上げるチャンスともとらなきゃいけないと私は思っております。これは区民参加については、私と考え方が大分違うところもあるんですが、区長の御見解をお聞きしたい、このように思います。
○田中区長 区民参加ということなんですけれども、従来、行政が施策を行うについて、それについて何らかの形で決定に関与したりするというようなことが表に出てきがちなんですけれども、その場合、議会では受けとめられない声を受けとめる手段としての区民参加というようなことも考えられているということだと思うんですけれども、このまちづくりのような場合には、全く様相が異なっておりまして、そもそも区画整理事業が、このままだと区画整理事業をしなきゃいけない区域なわけですから、区画整理事業というのは、お互いの私有財産を提供し合って公共的に価値を生み出そうという、要するに減歩が大前提になるわけですから、そういうふうに自分たちがお互いに汗をかき合って、区画整理事業にかわるものをつくるわけですから、自分たちがお互いに汗をかき合って、そして自分たちのまちをより価値の高いものにしていこうという、自分たちで自分たちのことを決めていく、お互いに納得できる線を自分たちが、だれの問題でもない、自分たちの問題として解決をしていくんだという、区民参加というか、区民自治というか、そういうところが問われている大変大事な問題だというふうに思っております。
 そこで、40年も、30年もあのままになっていたという、行政がこれまで本当に、ちょっと話を持ちかけてはまたすぐ何もしなくなりという、無責任だと言えば言えるような対応を続けてきたということの結果もあるわけで、非常に難しいとは思っておりますけれども、やはりここでまちづくりについて大きな問題が投げかけられた、結果としてですね、状況になった今だから、しっかりとしたまちづくりの検討を地域の皆様とともに進めていきたいというふうに思っております。
○篠委員 区長は、さすがに思い切った発言をした部分がございました。といいますのは、地区計画というのは、区からお金が流れるという手法ではないんです。ということをまず明確に御答弁しておりますので、尾﨑参事が答弁するのは難しかったのかもしれませんが、そういう流れの中でまちづくりという行動の様式なんです。そうしますと、区画整理事業の線が入っているものの外し方をセットしたのは、平成14年4月の東京都のガイドラインというものがなぜできたのかというと、やっぱり区画整理事業というものを決定したのが東京都だから、東京都が決定したんでしょう。であれば、地域の本当の声はこういうものなのだということに切り込む作業としては、やはりそこをアタックする以外に現時点では方法が私は見つからないと思えてなりません。しかし、そうじゃない方法も編み出せるということであれば、91ヘクタールの7割に当たる65.4ヘクタールを幾つかに分けて、上鷺宮五丁目というのは特に大変難しく細分化されている、道なんかつくられたらとんでもないという場所も幾つかあります。幾つかじゃなくあると思いますが、そういった流れの中での行動、ありとあらゆるところの扉を開いて、それも区民参加というものとの連動においてたたいて、この区画整理事業という形での、既に引かれた線を外す方法があるかどうか。中野区だけの、地域を巻き込んだ行動だけでは不可能なのか、都議会を巻き込まなければ不可能なのかといったところまでの検証は、私はどうしても必要に思えてなりません。
 そして、直接民主主義ということも、区長も私も十分理解しているわけですが、--直接民主主義ではなく間接民主主義というのが本体であって、それを補完する作業が必要である。直接民主主義がすべてであるという流れにはないんですが、事道路に関しては、やはりかなり大きく考慮しなければいけない、このようにも思っております。問題は大変難しい部分もありますが、中野区政全体が住民参加の見直しをすべきだというような御指摘を受けないような行動をとるチャンスでもあるんです。住民自治というのは、本当の住民自治はどんなものかといったものを検証するいい材料を上鷺宮が与えてくれるともとれるわけで、この質問の最中に答えを見つけることが不可能なほど事は大きいというふうに私は認識しておりますが、今後とも区長を巻き込んで努力を期待してこの質問を終わります。
○伊藤(正)委員長 篠委員の質疑の途中ですが、ここで休憩いたしたいと思います。3時20分まで休憩いたします。
 委員会を休憩します。
      午後2時58分休憩

      午後3時21分再開
○伊藤(正)委員長 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を続行いたします。篠委員、お願いします。
○篠委員 改正教育基本法についてと公立小中学校の信用度アップについて、これは一緒にやろうとさせていただいたんですが、タイトルが長過ぎるということで二つに分けさせていただきました。そして問題意識としましては、今中野区で本気で取り組んでいらっしゃる道徳教育、公開授業にして、かなりの地域と共有した流れを一生懸命につくっている姿は、大変高く評価させていただいております。私は自民党なんですが、柳澤伯夫さんが大変問題提起、女性は子を産む機械ということで大変問題、女性侮べつ発言、まさに女性侮べつそのものであるわけですが、あれだけの人物でございますので、どんなに頑張っても男性が決してできないことをやってのけるとうとい、男性とは違う女性だということを本来はおっしゃりたかったんでしょうが、一回口に出してしまったからには、その責任は問われても仕方がないし、自民党員も含めまして、日本国の約6割の方が許せないという感覚でいるというのもうなずけるわけでございますが、教育ビジョンというのを中野区では、教育の指針として大きく打ち出したわけです。具体的にはこういうものだといったところの取り組みの展開が必死でなされるわけでございますが、その中で一番のメーンテーマは、やはり規範意識の構築、どう展開させるかということだと思っております。その中で、不二家の問題のような法に触れるものについては大変わかりやすい。しかしながら、人類が追い続けてきている規範意識、社会規範というのは、法と道徳とのバランスにおける追求を孔子を含めて続けて解決に至らないという姿なわけだと思っています。
 この道徳についての部分のやはり間違いという、柳澤伯夫さんについては、法律違反じゃないわけで、追及されても仕方がない。本人も反省しているのはよくわかるんですが、だから実刑3年なんてというわけにいかないものでございます。最大の謝罪の方法は、謝るしかないという姿なんですが、やはり政治が介入しますと、謝っても許さんという世界に入っていっちゃった。感情的になって、その姿がまさに子どもにそのまま移った世相を呈しているわけですが、学問的に言えば、謝っても許さない、納得できないという言葉自体が解決不可能な超論理的批判ということになるんでしょうが、最後は辞職しろと、こういうところになるわけです。最近、非常に経済界で言われている法令遵守、コンプライアンス大事ということを強力に進めてこなければ、会社が一瞬にしてつぶれてしまう危機の流れにあると、法令遵守を歪曲して最も非道徳的な行動に出ることもあるわけで、優秀な方々が、やれライブドアだ、やれ村上ファンドだと、知能指数的には日本の一級の方々が、法令遵守を歪曲して最も非道徳的な態度の行動をとることも可能という、どうしてもやはり人間が追求し続けるのは、法令遵守と道徳という関係、これ以外にないと思うわけです。
 ここからは質問じゃないんですが、これを政治の駆け引きに使うようであれば、まさに政治屋という形の格調の低いランクにもなってしまう。我々気をつけなきゃいけないんですが、やはり我々の姿勢自体が殺しても許さない、のこぎりで引いて小さくするなどという行動には、形で子どもたちにこたえられているように思えてなりません。この道徳というものについて、学校で展開していくときにどんな認識で進められているか、お聞かせください。
○入野指導室長 道徳教育につきましては、学習指導要領に基づきまして、学校の実態に応じて、ボランティア体験などの豊かな体験活動を通して、児童・生徒の内面に根差した道徳性の育成が図られるように、教育活動全般を通じて行われております。現在、全小・中学校で、お話がございました道徳授業地区公開講座を実施しておりまして、保護者や地域の方々の参加により、共通理解のもとに、家庭、学校、地域社会の連携による道徳教育の推進を図っているところでございます。
○篠委員 道徳教育の内容について触れた部分で、指導要領の中で、どんな具体的な項目がありますか。
○入野指導室長 内容を幾つかお話をさせていただきます。主として、自分自身に関すること、他人とのかかわりに関すること、自然、崇高なものとのかかわりに関すること、集団や社会とのかかわりに関すること、こういうふうに挙げられてございます。
○篠委員 親孝行という文言に触れた部分は一切出ていないんですか。
○入野指導室長 人とのかかわりに関することの中で、そのような中身についても触れられております。具体的な授業の中では触れられております。
○篠委員 親を大切にとかという文言は一切指導要領に出てないと、こうおっしゃっていらっしゃるんですか。
○入野指導室長 親を大切にという部分のものではございませんで、家族とか、父母、祖父母の敬愛の念を深め家族の一員としての自覚を持って充実した家庭生活を築くというような中身については、学ぶことになってございます。
○篠委員 今回、我々が活字で目にするのは、指導要領の中の家族の再生という、そこの触れた部分にどう切り込むんですか。切り込みをどう深めていくかというようなものは、指導室長にその自覚がなければなかなか展開できないというふうにも思うわけですし、校長先生などにお会いするときに、私は、校長先生の口から親孝行という話を聞いたことは一度もありませんと平気で申し上げたりするんですが、やはりどちらかというと、学校ではこの内容が問われているはずです。そして意外に指導要領の中には、もう既に活字として載っている部分がかなりある。ただ、展開はしてなかったというだけの部分が相当あるはずであります。そういった中で、地域のお力をかりてでも、昔は悪いことをするとお天とう様が見ている、逃げ切れるものじゃないなんて、うるさいほど周りから言われますので、やはりだれも見ていないけど、お天とう様が見ている、きょうは曇りだから見てないかもしれないなどという、そういう世界があったんですが、今はどちらかというと、他人に迷惑をかけなければよろしいというのが先行され過ぎているという教育内容になっている。それはやはりもったいないムードと同じようにお天とう様が見ている運動を展開するぐらいの気持ちでないと、家族再生というのはでき上がらないほど、もったいないということは一時で、世界的にこれこそ世界を変える言葉と言って広めてくださっているとうとい方々がいると同じように、まさに日本の心だと思うし、そのキャスティングボートを握っているのが指導室長だと思うし、始末が悪いのが、前回は合川さんが担当していた男女共同参画基本行動計画のところは、権利主張に傾き過ぎているといったところだと思っております。そういった中で今回、教育基本法の改正があったんですが、この教育基本法の改正の大きなポイントとして、どのような点が大きなポイントとして変えられたと思われますか。
○小谷松教育経営担当課長 昨年の12月に改正されました教育基本法でございます。今回の改正の中で大きな点といいますと、全体が前文と11条で成っていたものが、多少内容が膨らみまして、全体が18条になってございます。その前文の中に、これまでの人格の形成とか、そういったものに加えまして、公共の精神あるいは伝統や文化の尊重といったようなものが入ってございます。それから、第2条に教育の目標というところがございますが、その中に、新たに、新たにといいますか、この2条そのものが新たに加わったわけでございますが、その中に、伝統や文化を尊重しそれらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するといったような内容が新たに加わってございます。そのほか、これまで旧基本法の中にありませんでした大学私学教育、それから家庭教育といったような、それからまた幼児教育といったようなものが新たに加わってございます。そのほか教育行政につきましては、これまで教育につきましては、中立不偏不党といいますか、そういった不当な支配に服することなくという基本的な精神があったわけですが、これに加えまして、法律の定めるところにより教育行政は行わなければならないといったようなものが新たに加わった。幾つかございますが、主な内容といたしましては、そのようなところでございます。
○篠委員 旧基本法の10条は、教育の不当な支配に服することなく、これは旧の方ですが、今課長がおっしゃられたのは、16条になって、不当な支配の主体が大転換したというくだりだと思うんですが、旧基本法の10条は、その原案のときですが、GHQの情報教育局からは、教育は政治的または官僚的な支配に服することなくという文言を文部省に通告してきたいきさつがあります。そして、最終的には激し過ぎるということで、不当な支配に服することなくという表現に変わったという歴史を持っているんですが、今回は、今課長がおっしゃられたふうに、この法律及び他の法律というふうに位置付けられたわけです。今までじゃあ、不当な支配の対象として何が想定されたかというと、教育行政、まさに教育委員会自体が対象とされたわけです。教育行政が対象とされた。事実、文部科学省や教育委員会が教育内容に関する関与のことで不当な支配とされていたわけで、昨年の10月のいじめの問題でも、小渕優子政務官や山谷えり子事務局長、教育再生会議で福岡の筑前町でしたか、現地調査をしようとしたけど現場が拒否というような背景がここにあるわけで、これはまさに今までの姿そのままだと思うわけです。そこで、この部分はかなり、今度は法律がという形になりますので、教育行政の、教育内容の関与は不当な支配ではなく逆に法律を破ったり無視したりして特定のイデオロギーの教育を現場に広げるという姿、一部の教職員組合や民間団体こそが不当な支配の主体であるというふうな意味でとらえられる方向に変わった。これは大変な大きな問題であろうというふうに思っています。そして、日の丸、君が代にしろ、やはり訴訟問題と絡むのはほとんどこのくだりでありますし、それがもし鎮静化しましても、まだ我々は油断できない流れを抱えていると思ってはおります。といいますのは、やはり中野区なら中野区自体で、国との流れの中でわかりやすい法律のほかに男女共同参画基本法をはじめとする法律の流れを受けている。ここへきて予算づけをされて、基本計画というものをつくろうという流れも持っている。こういう流れの中に公教育はあるわけですから、それについて、教育委員会だけじゃなくて子ども家庭部、馬神さんのところが今度は発信元になると思うんですが、男女共同基本計画について、本年度の方針等をお話しいただければと思います。
○馬神子育て支援担当課長 中野区の男女共同参画基本計画につきましては、昨年5月から審議会を設けまして8回の審議をいただきました。11月に答申を受けまして、現在区の計画として策定を作業中でございます。予定といたしましては、ことし19年10月ごろの策定を予定しております。
○篠委員 関連で質問を幾つかさせていただきますが、前回は、その後に基本計画行動プランというのが示されたんです。行動プランというのが示されますと、馬神さんのところ発、全庁舎、学校も含めて全庁舎に発令していくという姿が明確に見えるわけです。教育委員会関係では、男女混合名簿の推進から始まって、性の自己決定権というわかりやすい、今回禁句になった言葉もここには載っている。合川さんは書いてないとおっしゃったけど、載っている。そういう教育の内容について至ってわかりやすい行動計画、服装についてもとか、細部にわたっています。男女比などというのも、女性から見れば失礼な範囲なのかもしれない、視点を変えれば。力がなくてもパーセンテージに入れてあげますよ、別枠ですよととられかねない文言も平気で、力があれば男女を問わないというのが本当の姿だと私は思うけど、そうじゃない姿勢まで書かざるを得ない冊子ができる。この中で今回つくり上げるのは、この行動プランは一切つくらないんですか。
○馬神子育て支援担当課長 今回の計画の構成でございますけれども、従来は基本計画と今おっしゃられた行動プラン、二つございました。今回は計画の中で行動プランも一緒に盛り込んでいこうという考え方でおります。大きなつくりといたしましては、答申で示されました四つの領域がございます。それごとに課題を整理して、10年後の目指す姿を示していく、その下に課題解決のための主な取り組みということで、具体的な事業例をその中に掲げていくという考え方でおります。今後盛り込む事業につきましては、各部、既存の計画、また10か年にいろいろ計画事業がございますので、そういったものを洗い出し、また、その中で、この計画の中で課題解決に向けて、大きな事業がないというところもございますので、そういった部分は新規事業も検討していくという形で考えていきたいと思います。
○篠委員 男女共同参画基本計画なり行動プランというのは、つくらないにしましても、私が極端にこれを申し上げるのは、吉原委員は席を外しちゃったわけですけれども、やはり教科書等でチェック体制の中で、正式な結婚以外の夫婦もある云々といったようなものが、現実文部科学省の検定を通りさえすればいいなどと、教育長、地域で承認いただけないような発言がございましたけど、地域が許さないという目が必要だという今後の流れがあるわけです。そういった厳しい流れの中で、公立学校というのは、大きな地域の視点にさらされている。この流れを見事クリアしなければ、黙って行動を起こすという世界が公立小学校であり、公立中学校であるわけです。そんなことばかりやっているところは信用できない。いじめに対してしっかりした対応ができない学校は信用できないと言って行動を起こされて、公立、公立、国立で進んでいける体制が崩れたときにどう再構築するかという流れとも連動するほど、そういった理念というのは大切なわけです。ですから、まさに教育委員会が大変言いづらい言葉の中に--馬神さんは一たん、よろしいです。やはり今国土交通省の癒着などというのも出ていますが、一番ひどいのは、教育委員会と教職員組合の癒着そのものであります。これは中野区は範疇外と言うかもしれませんが、事実、いじめの調査についても、北海道では拒否しておりますし、それを打ち破ってでも行動をとれないのが教育委員会であった。山梨県に至っては、教育長になるためには教職員組合の承認がなければ、あるいは資金カンパがなければ民主党の代議士になれないというような構造の中にしっかりと教育委員会がセットの中に入っているという。やはりそれはとんでもないというので、体を張ったのが安倍総理であるし、山谷えり子さんでもある。こういった教育委員会はただただ穏やかならいいということでは地域の承認はとても得られない。有能な官僚の方が多うございますので、上手に言い切っちゃうことはできますけど、地域は黙って行動を起こす。事実、小学校から中学校へ行かない方々というのは、4割になろうとしているんじゃないですか。
○大沼学校教育担当参事 ここ数年では約3割程度でございます。
○篠委員 それが地域の厳しい目ということをやはり自覚していませんと、公立小・中学校の信用度アップにはつながらない。また、土曜日は学校に来る日であると決めている私立がある。その取り組みの方が評価されている。土曜日は来ないでいいという学校についても施策展開をしている。中野区においても、そういった取り組みができるはずです。この辺の展開については、地域にもし発信することがあれば、発信しなければいけないと思う。我々に従ってくるのは、近藤委員の質問にもありましたように、いつも近藤委員が出て来るみたいですけど、私の質問に、和田中学校ですか、のこととか、全国発信で伝わってくる。そういった中で、中野区は、それなりの努力はしているはずなんですが、それに触れた部分はいかがですか。
○入野指導室長 中野区教育委員会としましては、今年度中学校全校3学期制から2学期制になるなどしまして、教育課程の充実を図っているところでございます。きょうお配りいたしました新たな資料要求の中にもございましたように、その2学期制の取り組みにあわせまして、夏季休業中は学習の合間であるということでございますので、それぞれの中学校、小学校におきましては、十分な取り組みに転向してきているところでございます。
 発信ということにつきましては、今後検討してまいりたいというふうに思います。
○篠委員 発信はよろしいんですが、地域のやっぱりお力をいただくという方向といつも連動しないと、やはり中野区だけじゃないんですけど、本当に子どものためしかお母さん方は思っていませんので、その流れから選択されないという流れがどうしても出てくる。学期制については、指導室長じゃないかもしれませんが、選択制については、現在、中野区はペンディングになっておりますが、23区全体ではそうじゃない流れになっているんですが、この辺に触れてお答えいただけますか。
○入野指導室長 選択制のところではなくて、前段の部分で少しお話をさせていただきたいというふうに思います。
 先ほどお話をしました夏季休業中の取り組みだけでなく、今委員お話しのように、各学校におきましては、保護者や地域の方のお力をかりて夏季休業中の取り組みもやっていたり、授業中の取り組みもしている状況にございます。教育という部分におきましては、三者がそれぞれの役割を果たすと同時に連携をとってしていきませんと成果が上がらないということは承知しております。
○篠委員 選択制は中野区はいち早く取り組みを提示しましたが、再編というところの連動で、やはり地域を混乱に陥れる可能性がある。大半の23区では行動を起こしている。ただ、イギリスのように、激しい行動をとると、全然学校に集まらない。校長のなり手もないというようなところまで厳しさの深さを持っている。そのバランスが大切であるという認識は、我々は、改革が必ずしもいいというものじゃないわけで、必ず目線をやらなければいけない、こういうふうに思っております。
 最後の質問をさせていただきます。
 その他で、学校再編の質問で、町会やPTA、卒業生等関係者を巻き込んだ大きな流れをつくり上げているわけですが、例えば仲町、桃丘といったところ、本当に思いを寄せている方々の心をどのように構築していくかという取り組みは、もし統合委員会というんですか、欠落している部分があれば、やはり声を吸い上げて、その心を酌んであげるという行動は必要だというふうに思っております。すぐ壊すわけじゃないわけですから、全部向こうさんに持って行っちゃうというんじゃない行動の方が地域のためにいいとか、そういった議論は続けていかなければならないと思いますが、いかがでございますか。
○相澤教育改革担当課長 各学校には卒業記念品とか校歌とか校旗とか、たくさん貴重な物があるというふうに思っております。統合新校の開校に向けてそういったものを統合新校の校舎内に展示スペースなどを確保して展示していきたいというふうに考えてございます。
 また、展示スペースの関係から展示できないようなそういう物については、学校と相談して、例えばデジタル化したりして残していきたいと考えてございます。
○篠委員 大体時間でございますが、公立小・中学校の信用度アップというのは、大げさな言い方をすれば信頼アップというところまでいかに切り込めるか、再生会議の野依座長は、学習塾の要らない体制まで目指したいと、不可能なような目標設定をしたとも聞いております。私も学習塾を40年もやった経験があって、やたらなことは言えないんですが、勝ち残った学習塾というのは、常に実績を残したところだけです。そうじゃなければ必ず淘汰されていきます。実績のつくり方としては、非常に乱暴な言い方ですが、200人いて20人の東大生をつくり出せば、地域は全員が200人東大に行けると考えるほど、しょせんは信頼というのはそういうところがある。しかしながら、土曜日にできない生徒を呼んだ、特別できる生徒を呼んで授業をしたということが、目立つのもいいかげんにしろの世界を現時点で大人はつくり上げているわけです。そういった中で、助けは地域の力以外に私はないと思うんです。先生を浮き上がらせちゃうわけにはいかない。そういった取り組みを切り込んでいかなきゃいけない。そういったときに教育委員会だけに任せれば、これは絶対に安心などという代物では私はないと思うんです。これは地域の力アップというところになると、教育委員会だけに任されても困る。まさに副区長の出番であるということを申し上げて質問を終わらせていただきます。
○伊藤(正)委員長 以上で篠 国昭委員の質疑を終了いたします。
 次に、むとう有子委員、お願いします。
○むとう委員 区民の方から寄せられました御意見をもとに質疑をさせていただきます。私の持ち時間は15分です。その他で1問追加したいと思っておりますので、時間内での配分の御協力をぜひよろしくお願いいたします。
 では第1問目、本町二丁目、郵政宿舎跡地についてお尋ねいたします。
 区がこの1月に発表いたしました財政運営の考え方の12ページに、基金、起債を活用する事業一覧という表が載っています。この中に本町二丁目用地というのがあり、2008年度の事業費が42億円、2009年度が3億円となっています。大変な金額です。この用地取得については、10か年計画にも載っていませんが、区として購入することを決めたのはいつなのか。また、まちづくり事業ということですが、具体的にはどのような目的で、どのように活用しようとしているのか、端的にお答えください。
○篠原財務担当課長 御指摘の用地の取得については、まだ決めてございません。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 活用についてですが、この地域の特徴を申し上げます。山手通り西側に位置する本町二丁目地区は、道路基盤が脆弱な地域で、さらに公園も小規模な公園が2園だけある地区でございます。南側に神田川が流れ、急激な高低差があります。東京都が平成14年に実施した地域危険度測定調査においても、火災危険度、避難危険度ともに区内でも高い地区でございます。こうしたことから、火災や避難など地域の弱点を解消するまちづくりに取り組んでいく必要があります。憩いの場や潤いの場、地域活動の場とあわせまして防災機能のある緑のオープンスペースや地域の防災機能を高めるためのまちづくりの活用を図るなど、いろいろと考えられると思っております。
○むとう委員 今の考え方に異論を唱えるつもりはありません。そこでお尋ねしたいのは、こういう地域はここだけに限ったことではなくて、中野区中に点在をしております。ですから、ここの土地をこういうことで使っていこうという考え方を持つということは、中野区中でほかの地域についても、当然こういった問題を解決するために区は積極的に空地を確保していこうというスタンスをこの際持ったというふうに受けとめてよろしいのでしょうか。
○尾﨑都市整備部経営担当参事 同一のまちの状態というのはあり得ないと思います。ケースごとに検討させていただきます。
○むとう委員 先ほどの御答弁で購入はまだ決めていないという御答弁でしたけれども、財政運営の考え方には数字が入っております。2008年度の42億円はすべて土地の購入代金なのでしょうか。その内訳について御説明ください。あわせて、2009年度の3億円の内訳も御説明ください。
○篠原財務担当課長 まだ用地の取得を決めてないというのは、今度の持ち主であります国家公務員共済連合会、ここがまだ処分を決めてないということで、まだ決めてないという意味でございます。もし19年度にそういった形で処分の方法が決まれば、そのときに対応できるように財政計画に盛り込んだものでございます。その内訳でございますが、2008年度については49億でございますが、これは用地取得費でございます。その翌年の3億円につきましては、公園整備費などでございます。
○むとう委員 今49億円とおっしゃいましたけれども、考え方には42億円というふうに書いてありますが、これは坪単価に直すと230万円ほどになりますから、すごく高い相場で計算をされているというふうに私は思います。近隣町会長の皆様のお名前で、この土地の取得を求める陳情が提出されておりますけれども、小さな区役所を目指すのであれば、未利用地を抱えている現状を踏まえ、不動産の取得は慎重に判断すべきであるというふうに私は考えます。
 続きまして、プラスチック製容器包装の回収についてお尋ねいたします。
 2007年度の予算案では、約2億円の予算でプラスチック製容器包装の回収の拡充が見られています。区内の半分の地域でプラスチック製容器包装の回収が行われるようになるということです。区民にごみ減量の理解と協力を求める以上、区役所みずからも取り組まなければならないことだと思います。区民がプラスチック製容器包装を分別して出しているのに、区立施設が行わないのは納得できません。子どもが家で分別しているのに、例えば学校や児童館がやらなくてよいのでしょうか。学校や児童館はどうするんでしょうか。すべての区立施設においてプラスチック製容器包装の回収をいつからどのようになさるおつもりなのか、端的にお答えください。
○豊川営繕担当課長 現在、区役所本庁舎から排出しております廃プラスチックにつきましては、産業廃棄物としまして東京都の中央防波堤処分場に埋め立て処分をしているところでございます。
○服部ごみ減量・清掃事業担当参事 ただいま委員の方から御紹介いただきました区庁舎をはじめとして児童館や学校等の区立の施設が排出いたします廃プラスチックの取り扱いにつきましては、ごみ減量、また資源化あるいは環境負荷の軽減という観点から大変重要な課題と認識してございます。一方で、こういった産業廃棄物を所管いたします東京都の方では、現段階で事業者排出プラスチックの受け皿整備の取り組みを始めたと聞いてございます。今後こうした都の動きを踏まえながら、施設所管と連携しながら区立施設が排出いたします廃プラスチックの資源化、リサイクル化に向け検討していきたいと考えてございます。
○むとう委員 区役所が区民に率先して環境配慮の規範を示すということでISOの認証に取り組んできているはずでございます。その点からも区みずからが、みずからのごみの減量と資源化にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。結構です。
 続きまして、食品衛生監視指導の強化についてお尋ねいたします。
 今私たちの日本の暮らしは、手を伸ばせば簡単に食べ物が手に入る恵まれた生活環境の中に置かれています。しかし、製造する側の効率主義で、安かろう悪かろうという食品も多くあり、不二家に始まる企業倫理の喪失や被害の相次いだノロウィルス、鳥インフルエンザなど、食品衛生の監視指導業務の充実、拡充が年々ますます求められています。1年前、2006年度の予算総括質疑で、かつて14人いた食品衛生監視指導員が9名しかおらず、23区平均が16人のところ、中野区は23区最少人数であるため増員を求める質問をいたしました。その結果でしょうか、2007度から9人が10人へと、一人増員されるようで喜ばしく思っています。
 ところで、昨年度多発いたしましたノロウィルスは、カキ、シジミ、アサリなどの2枚貝の体内に蓄積されているそうです。本年度の食品衛生監視指導計画によれば、11月から12月にかけて、生食用のカキの収去検査がなされたはずですが、生食用カキにおけるノロウィルスの検査実績を数値で端的にお答えください。
○飯塚生活衛生担当課長 生食用カキにつきましては、12月に8件について抜き取り検査を実施しております。これについての成分規格違反というのはございませんでした。それから、営業者、生カキ関係の営業者につきまして、歳末に146件、立ち入りを行っております。
○むとう委員 生カキ用の成分検査ではなくて、ノロウィルスのための検査というのが8件ということでよろしいですか。確認します。
 あわせて聞いてしまいます。それと、監視指導の業務の中で一番気になる点は、夜間のみ営業している飲食店にどれだけ立入検査ができたかということです。多分、営業の新規申請や許可更新のときと、年末の一斉の1日だけにとどまっているのではないでしょうか。何かの事故が発生して指導に行った数を除き、計画的に行った夜間のみ営業している飲食店の監視指導実績を、お店の軒数で端的にお答えください。
○飯塚生活衛生担当課長 前の方の質問でございます抜き取り検査につきましては、特にノロウィルスに限ったものではございませんで、成分規格全体を調べるというものでございます。
 それから、ノロウィルス関連というのは、営業者、施設についての検査、これを監視指導計画に乗っけたものでございます。
 それと、夜間でございます。これは、夜間につきましては、今年度207件につきまして夜間一斉の監視を実施いたしました。これは店舗数でちょっと出ません。207件ということで把握してございます。
○むとう委員 207件というのは、店舗数ではなくて件数、人偏の方ですね。それは1軒のお店に行っていろんな物を持ってきちゃえば、そこだけで10件とかになっていってしまうわけですから、私が聞いているのはその件数ではなくて、軒数でいかなければ十分指導ができていないということになりますので、その点は今後きちんと計画的に行っていただきたいというふうに思います。
 すばらしい2007年度の中野区食品衛生監視指導計画案が発表されましたが、計画どおりにこなさなければと、件数の数合わせに追われて、検査の実態が伴わなければ意味がないと思っています。まさにお答えがそうなんですよ。ノロウィルスのカキの検査がどんな検査かといったら、8件行ったけどもそれはノロウィルスではなかった。それから軒数は、夜間だけやっているお店は何軒行ったのかと言ったならば、件数で答えるわけですから、そういう何というか、やり方ではなくて、きちんと1軒1軒のお店に対応するということを、きめ細かく私は監視指導を実施していただきたいというふうに思います。実際にそういうふうにやるためには、23区平均の16人までは計画的に食品衛生監視員を増員することを私は再度求めますが、いかがでしょうか。端的にお答えください。
○飯塚生活衛生担当課長 中野区は、対象事業数等から見て、特に監視員が少ないという状況ではございません。
○むとう委員 私の質問とかみ合わないんですけれども、増員するように再度私は求めておきたいと思います。検討してください。食の安全確保は健康の基本です。これから一層食の安全確保策に取り組んでいただきたいと思います。結構です。
 その他で1問、2008年4月の開校を目指して、桃園第三小学校の改修工事が進められようとしています。文教の中の資料によれば、桃園第三小学校の耐震診断結果はCランクで補強が必要ということです。統合する仲町小学校はBランク、桃丘小学校はAランクです。統合計画を策定する際に建物の安全性は考慮しなかったんでしょうか。その上、桃園第三小学校は、これまでに何度も増築が行われており、土地の高低差があるので、それぞれのフロアレベルが異なっているため、無理にスロープをつながれているような状況です。統合し、これから長く使うためには、内外装の改修のみの対応では無理があるように思います。むしろ桃三は全面的に改築した方がよいのではないでしょうか。さらに、統合計画策定時にはなかった体育館の建てかえ問題も浮上し、そのため、「きこえとことばの教室」の棟の取り壊し、改修が計画されていると聞いています。この計画だと、工事状態の期間が非常に長く、通学する児童及び教職員に大きな負担をかけることになります。例えば、夏休みを中心に工事をしたとしても、夏のプール指導や補習授業まであります。ましてやぜんそくの児童数は23区で中野区が一番多く、工事期間中の児童の健康状態が大変心配です。しかも、改修工事に5億円もかけても大きな機能効果が期待できません。2008年4月、統廃合完了を達成するために無理な計画を推し進めているように感じられます。この際、桃三の児童が仲町、桃丘小に通学し、桃三を空き状態にして、すべての工事が完成してから桃三に新校をつくるべきではないでしょうか。
○相澤教育改革担当課長 学校再編によります統合新校の位置につきましては、全体的なバランスでありますとか、将来的な校舎の改築等を想定し、総合的に判断し計画を策定したものです。
 後段の御質問でございますが、御心配がないように工事時期、授業の方法などについては、十分学校と相談し、配慮して進めていきたいと思っております。したがって、学校再編計画を変更することは考えてございません。
○むとう委員 大変残念な答弁です。一度決定した計画であっても、そこで毎日学ぶ子どもたちのことを一番に考え、計画の見直しをする謙虚な姿勢が必要であることを申し添えて、すべての質問を終わります。
 4年間ありがとうございました。
○伊藤(正)委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了いたします。
 次に、奥田けんじ委員、お願いいたします。
○奥田委員 冒頭、2番目と3番目の質問の順番を変えさせていただくことを申し添えます。
 1番目に、職員構成のバランスについてまずお伺いをいたします。
 財政的な要因から2,000名体制を目指して、人的な規模の縮小が中野区政は続いております。そんな中で人材が生かし切れない状況がもしあるのであれば、これは問題だなというふうに感じている次第でございます。職員一人ひとりが最大の成果を発揮できる環境づくりが急務だと私は考えております。今回は特に、職員の男女比率に注目して御質疑をさせていただきたいと思っております。
 まず、総務の79の資料をつくっていただきました。職員全体のバランスを見ますと、男性と女性の比率が45対55、女性の方が多いんですね。こういった状況の中で、うち管理職を見ますと、男性、女性の割合が、何と8対2、つまり男性が8割、女性が2割という状況になります。さらにこれを深く分析を進めますと、幼稚園教諭を除いた管理職になり得る職員で見ますと、この傾向はさらに顕著なものになります。職員全体のバランスが4対6、男性4に対して女性が6でございます。うち管理職の割合を見ますと、男性85、女性が15という傾向でございます。この傾向は過去5年間変わるところがございません。
 そこで御質問申し上げます。
 男女に職務上の有意な能力差がなければ、全体の構成比が管理職において反映されてもおかしくない、このように考えている次第でございますけれども、なぜこうした状況が発生しているとお考えなのか、御答弁を求めます。
○長田人事担当課長 管理職選考の受験率が、男性に比べ女性の方がかなり低いことが要因となっていると認識してございます。
○奥田委員 女性の管理職試験の受験率が低い、この原因分析というのは行われておりますでしょうか。
○長田人事担当課長 管理職選考につきましては、特別区の人事委員会で、平成17年の12月から18年の1月にかけて、管理職選考の受験率が低いという、全体、男女あわせての問題意識でございますが、これについてのアンケート調査を実施したことがございます。ただ、女性に限っての調査、分析といったものは手元にはございません。
○奥田委員 総務の1の資料をごらんいただきますと、5ページに経営改革指針の組織と職員の活性化、この項の中で、男女共同参画社会を目指した職場づくりといった項がございます。重要性の認識は中野区も持っているということが、ここからもうかがえますけれども、なぜ女性に関しての原因分析を行わないんでしょうか。
○長田人事担当課長 先ほども言及させていただきましたが、私ども組織の運営上の最大の問題としては、いわゆる管理職選考離れ、管理職の全体の受験率が低いということについての問題意識を持ってございます。まず、この問題への対応が急務であるというふうに考えてございます。そういった対応の中で、女性の受験率の向上といったものも、ともに図ってまいりたいと、そのように認識しているところでございます。
○奥田委員 そもそも職員全体の管理職選考受験率が低い、これがより深刻な問題であるという認識は私も理解するところでございます。しかし、以下の2点から、この有意な男女差というのは無視できないというふうに私は考えております。
 1点目が、まず区政運営の戦力としての視点でございます。同程度の能力が期待できる女性職員が管理職をほとんど目指さないような状況、これは大きな人的な資源のロスと言えると私は考えております。
 もう1点が、有権者満足、企業で言えば顧客満足に当たるような表現かと思いますけれども、区政の意思決定に参画する管理職の男女比率が、有権者または区民の構成と著しくかけ離れていては、区民の方と同じ目線での区政運営は困難だというふうに私は考えております。民間企業と違い、幸いにも採用時に及び、全体の男女の均衡はとれているわけです。このチャンスを十分に生かし切れない、これは有権者、あるいは区民への最大の還元、これは到底おぼつかないと私は考えております。御所見を伺います。
○長田人事担当課長 職員の採用選考におきましては、男女とも同じ能力実証によって採用しておりますので、能力に差はないというふうに認識しております。そういう意味で、課題としては、管理職の女性の比率を高めていく必要があるというふうに考えてございます。
 ただ、直接管理職選考についての調査、分析ということではございませんが、男女平等施策の観点から、昇任の意向についての調査をしたものがございます。そういった中では、家事と育児の両立ができないことが昇任選考に臨むことを踏みとどまらせていると、そういった分析も私どもではしているところでございます。ただ、区政におきまして、男女共同参画を実現していくために、女性の管理職をふやすことは重要な課題であると、かように認識しているところでございます。
○奥田委員 総務の6の資料を見ていただきますと、男女にかかわる附属機関の女性の委員の比率がいずれも5割を超えている。こういった状況を見ても、当事者に聞くという必要性、これは十分認識されているというふうに私の方も見ているわけですけれども、先ほど御答弁いただきましたように、区政全体の運営に関しての意思決定に、十分女性が参画できる環境づくりというのが不可欠だというふうに私は考えているところでございます。
 そういった中で、現状の管理職構成の状況下で、優先順位を議論しても、なかなか女性という当事者がほとんどいない中で意思決定するしかない。こういった状況ですと、女性にとっては二つの障害があります。それは、例えば、今答弁いただいている理事者の方を含めて、男性が上司であるケース、この場合ですと、上下関係の壁、それから男女の壁がございます。こういった状況をかんがみますと、やはり男性である答弁理事者を含めて、このことは一層用心深く取り組んでいく必要があるんではないかと思っております。御所見を伺います。
○長田人事担当課長 管理職、経営層に求められますのは、経営能力ということでございます。情報を分析し、決断していく能力がまず優先順位として高いわけでございます。このことの資質をまず持っていることは前提でございます。その上で、先ほど御答弁させていただきましたように、区政においても、男女共同参画を実現する責務を持っているわけでございます。女性管理職をふやしていくということについては、重要な課題であると、同様に認識しているところでございます。
○奥田委員 次の質問に移ります。
 2番目に、コミュニティ・スクールについてお伺いいたします。
 子どもたちの教育について体験したことは、私は一般質問でも述べましたけれども、学校と教師、保護者と子どもたち、行政と教育委員会の三者がそれぞれ対立するのではなく、同じ方向、同じ目標、つまり子どもたちの学びに向かっていることが大切だと考えております。そのためには、まずは関係者同士のお互いの信頼関係を構築することが不可欠だと考えております。今定例会でも、伊藤正信委員、あるいは近藤さえ子委員、藤本やすたみ委員から、同様の指摘があったところでございます。まずは、十分なコミュニケーションがとれる関係づくり、三者を結びつける機能が重要です。
 さて、そこで質問を申し上げます。
 全国のコミュニティ・スクール、これは広義な意味で申し上げております。地域率という意味で申し上げております。それを過去何度か視察をいたしましたけれども、成功例は大きく二つに分類できるということがわかってまいりました。既存の地域連携が常にうまく機能している。例えば足立区の五反田小学校などがこういったケースに当たると思います。そしてもう一つが、キーパーソンの存在により機能改善、または構築が図られている。こういったケースです。例えば、尾道市の土堂小学校もこのケースに当たると思います。既存のコミュニティが機能している地域の学校については、特に問題がなく運営がされております。しかし、その他の場合、キーパーソンに頼るしかない、こういった状況が見受けられます。例えば、これの改善としては、校長の公募をするなどという手段がございますけれども、なかなかそういった人的な補充というのは易しいものではございません。そういった中で、先日私は杉並区の和田中学校を三度にわたり視察をさせていただきました。今定例会の近藤さえ子委員の質問に答え、和田中学校についてはよく承知している旨の答弁を教育長はされました。メディアでは、和田中学校の、よのなか科、いわゆる生きる力をつける授業が注目されております。これはキーパーソンである藤原校長先生の個人の能力に強く依存しており、なかなか一般化することができません。コミュニティ再生の視点からは、別のポイントが3点見えてまいります。和田中学校の成功のポイントは三つございます。よのなか科、これはコミュニティ・スクールの観点で評価しますと、人を引きつける機能です。そしてもう一つが土曜寺子屋、略称でドテラというふうに呼ばれておりますけれども、これは地域と学校を結びつける機能です。中野区でも土曜スクールの取り組みが行われております。これと同じような、地域を引きつける、こういった機能をこのドテラは持っているわけです。そして何よりも、ぜひ教育委員会の皆さんに御視察いただいて御考慮いただきたいと思っているのが地域本部の機能です。これは、運営主体として既存の地域組織の不足の部分、あるいは弊害が出てきている場合、これを補う仮想の地域社会です。これは、近藤さえ子委員も既に御紹介されておりましたけれども、学生あるいは専門家を含めたさまざまな力が学校に集まってくる、そういった地域本部の機能、今申し上げました三つの機能がこの和田中の成功要因でございます。以下、この三機能の中野区における実践の可能性を伺います。
 まず、よのなか科、生きる力をつける授業についてです。これは、過分に藤原校長の能力に依存いたします。既に言及済みですけれども、この生きる力の授業の補完は大変に難しいと私は考えております。しかし、人を集める機能に限ってみれば、仕組みで補うことが私は十分に可能だと思っております。例えば、大学の教職課程、私も課程を履修いたしましたけれども、そこの掲示板あるいは大学の就職課の掲示板、こういったところで学生の募集をかける、私の学生時代にはそういった募集はございませんでしたけれども、そういったことをしていただければ、中野区は大変立地がいいという環境もございます。私は今、大学生、インターン生を現在8名抱えておりますが、学生に中野区に対するイメージを聞いても、決して悪くございません。そういったさまざまな中野区の力を使ってこの補完機能を働かせていただきたい、このように考えております。御所見を伺います。
○相澤教育改革担当課長 中野区におきましても、沼袋小学校、例えば第四中をはじめ、そういった学校においては、地域の人材や教員を目指す大学生など、外部からの人材を積極的に活用し、それぞれ各学校の特色ある教育活動を展開しているところでございます。今後さらに地域の力を生かした学校教育を推進するため、委員御指摘のように、教員を目指す大学生をはじめ、地域の力を学校教育に生かすための仕組みづくりについて充実を図ってまいりたいと考えてございます。
○奥田委員 次に、ドテラについての御所見を伺います。
 中野区でも土曜スクールの取り組みが機能してきてまいりました。有機的に結びつけることは私は可能だなというふうに実感いたしておる次第でございます。むしろ藤本やすたみ委員が御指摘されましたとおり、うまくいき出した実践を行政としてしっかりと認識し、支え、自立を促すことが私は重要だと思っております。これについての御所見をお伺いいたします。
○相澤教育改革担当課長 先ほどの答弁と同じような内容になりますけど、中野は中野のやり方で教員を目指す大学生をはじめ、やっぱり地域の力を生かすための仕組みづくり、そういうことが求められていると思います。それにつけてはさらに仕組みづくりについて、充実させていきたいと考えてございます。
○奥田委員 最後に、地域本部についての御所見を伺います。
 仮想の地域社会づくり、この既存の枠組みを超えて参加できる仕組みづくりがなかなか地域の力といっても、人が見当たらないという状況があった場合の解決策としては、非常に有効に機能いたします。これを中野区としても実践していく、これが私は重要だというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか、御所見を伺います。
○相澤教育改革担当課長 学校は地域コミュニティの核として、また地域社会と密接に結びついていると思っております。現在でも町会自治会であるとか、地域の人材活用、防災拠点等多様な結びつきがございますが、そういったものをさらに発展させていくことが期待されていると思いますので、そういったことで進めていきたいというふうに考えてございます。
○奥田委員 最後に、この三つの機能、可能性を探りながら、中野区として、コミュニティ・スクール実施に向けた取り組みを検討されてはいかがかと思いますけれども、御所見はいかがでしょうか。
○相澤教育改革担当課長 一般的によく言われているコミュニティ・スクール、これは学校と地域社会が一体になって行われる教育だというふうに認識しております。学校をより開かれたものにしていき、地域の力を学校教育に生かしていくために、そういった仕組みづくりを充実させていくことが大切であるというふうに考えてございます。
○奥田委員 最後に、ケータイ特派員制度についてお伺いいたします。
 近ごろ、区民の方から、携帯で写真付きメールを送っていただくことがふえました。情報の保存性、伝達性など、すぐれた面を私は注目いたしております。区民の携帯電話所持率は高く、日ごろの区民のコミュニケーションに苦労されている行政として有効な道具になり得ると考えます。
 そこで、行政として、区民の方から地域情報、道路が壊れているなどです。それを携帯電話で写真付きで受け取れるような仕組みを検討されてはいかがかと思います。
 あわせて、登録制とするとか、情報の種類に制限を持たせるとか、手続方法をどうするか。こういった制度設計は、さまざま可能性はあると思います。そうした中で、設計の方法によってはアンケート調査など双方向性を持たせることも可能と考えます。あわせてお答えください。
○伊藤(正)委員長 予定時間を超過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○浅野広聴広報担当課長 現在、携帯電話を利用した区民の方は非常にふえていると思います。そうした、区と区民双方との情報交換のあり方、委員御指摘のようないろいろな方法が考えられると思いますので、研究していきたいと思っております。
○伊藤(正)委員長 以上で奥田けんじ委員の質疑を終了いたします。
 以上で総括質疑はすべて終了いたしました。
 なお、ここで委員長から委員各位にお願いがあります。
 御承知のとおり、3月1日、木曜日から各分科会に分かれて審査を行うことになります。したがいまして、会場設営の関係上、御持参されている資料等につきましては、机の中のものも含めすべてお持ち帰りいただくようお願い申し上げます。
 次回の委員会は3月6日火曜日、午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
 以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。
      午後4時28分散会