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平成18年03月02日中野区議会予算特別委員会の会議録
平成18年03月02日予算特別委員会(第5日)
1.平成18年(2006年)3月2日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(41名)
1番 いでい 良 輔 2番 伊 東 しんじ
3番 佐 野 れいじ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 たくや
7番 奥 田 けんじ 8番 近 藤 さえ子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 しんご
12番 きたごう 秀 文 13番 吉 原 宏
14番 高 橋 ちあき 15番 やながわ 妙 子
16番 平 島 好 人 17番 むとう 有 子
18番 はっとり 幸 子 19番 長 沢 和 彦
20番 か せ 次 郎 21番 山 崎 芳 夫
22番 小 串 まさのり 23番 若 林 ふくぞう
24番 市 川 みのる 25番 岡 本 いさお
26番 こしみず 敏 明 27番 飯 島 きんいち
28番 佐 伯 利 昭 29番 佐 藤 ひろこ
30番 来 住 和 行 31番 岩 永 しほ子
32番 篠 国 昭 33番 柿 沼 秀 光
34番 伊 藤 岩 男 35番 斉 藤 金 造
36番 大 泉 正 勝 37番 斉 藤 高 輝
38番 江 口 済三郎 39番 藤 本 やすたみ
40番 昆 まさ子 41番 江 田 とおる
42番 池 田 一 雄
1.欠席委員(1名)
11番 伊 藤 正 信
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
助役 内田 司郎
収入役 山岸 隆一
教育長 沼口 昌弘
区長室長 寺部 守芳
経営改革担当課長 鈴木 由美子
政策計画担当課長 川崎 亨
政策担当課長 政策計画担当課長兼務
計画担当課長 奈良 浩二
総務部長 石神 正義
総務担当参事 橋本 美文
広聴広報担当課長 鈴木 郁也
平和人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
平和担当課長 広聴広報担当課長兼務
人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
財務担当課長 篠原 文彦
営繕担当課長 秋元 順一
人事担当課長 長田 久雄
情報化推進担当課長白土 純
防災担当課長 斎木 正雄
危機管理担当課長 防災担当課長兼務
税務担当課長 遠藤 由紀夫
未収金対策担当参事総務部長兼務
区民生活部長 本橋 一夫
区民生活部経営担当課長 登 弘毅
地域活動担当課長 区民生活部経営担当課長兼務
南中野地域センター所長 角 秀行
弥生地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
東部地域センター所長 柿内 良之
鍋横地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
桃園地域センター所長 東部地域センター所長兼務
昭和地域センター所長 蛭間 浩之
東中野地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
上高田地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
新井地域センター所長 東部地域センター所長兼務
江古田地域センター所長 安部 秀康
沼袋地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
野方地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
大和地域センター所長 大橋 雄治
鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
上鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
戸籍住民担当課長 榎本 良男
産業振興担当課長 鳥井 文哉
環境と暮らし担当課長 納谷 光和
ごみ減量・清掃事業担当参事 西條 十喜和
ごみ減量担当参事 ごみ減量・清掃事業担当参事兼務
清掃事務所長 遠山 幸雄
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当課長 合川 昭
子育て支援担当課長馬神 祥子
子ども健康担当課長大久保 仁恵
中部保健福祉センター所長 瀬田 敏幸
北部保健福祉センター所長 中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長 深山 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 嶋﨑 江美
保育サービス担当課長 竹内 沖司
子ども育成担当課長小平 基晴
男女平等担当課長 子ども家庭部経営担当課長兼務
保健福祉部長 菅野 泰一
保健所長 清水 裕幸
保健福祉部経営担当課長 寺嶋 誠一郎
保健予防担当参事 深澤 啓治
結核予防担当参事 保健予防担当参事兼務
生活衛生担当課長 飯塚 太郎
健康づくり担当課長今 恵里
保健福祉担当課長 保健福祉部経営担当課長兼務
高齢福祉担当課長 冨永 清
障害福祉担当課長 田中 政之
生活援護担当課長 浅野 昭
保険医療担当参事 奥山 功
介護保険担当課長 藤井 康弘
都市整備部長 石井 正行
都市整備部経営担当参事 服部 敏信
都市計画担当参事 都市整備部経営担当参事兼務
土木担当課長 尾﨑 孝
公園・道路担当課長野村 建樹
建築担当参事 佐藤 幸一
建築行政担当参事 建築担当参事兼務
住宅担当参事 岩井 克英
地域まちづくり担当参事 住宅担当参事兼務
地域まちづくり推進担当参事 住宅担当参事兼務
拠点まちづくり推進室長 石橋 隆
拠点まちづくり担当参事 拠点まちづくり推進室長兼務
中野駅南口周辺整備担当課長 上村 晃一
西武新宿線沿線まちづくり担当課長 中野駅南口周辺整備担当課長
副収入役 村田 宏
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当参事 村木 誠
学校教育担当課長 相澤 明郎
指導室長 小林 福太郎
生涯学習担当参事 大沼 弘
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
中央図書館長 細木 博雄
選挙管理委員会事務局長 柳澤 一平
監査事務局長 石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 山下 清超
事務局次長 高橋 信一
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 黒田 佳代子
書 記 永田 純一
書 記 荒井 勉
書 記 岩浅 英樹
書 記 菅野 多身子
書 記 廣地 毅
書 記 西田 健
書 記 鳥居 誠
書 記 杉本 兼太郎
書 記 松本 桂治
書 記 吉田 哲郎
午前10時00分開議
○斉藤(金)委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
第4号議案から第8号議案までの計5件を一括して議題に供します。
初めに、昨日の委員会終了後に開かれた理事会の報告をいたします。
1点目は、本日の議会運営についてであります。本日の委員会は、さきに御確認いただいたとおり、1番目に北原奉昭委員、2番目に小堤 勇委員、3番目に斉藤高輝委員の順序で3名の総括質疑を行うことを確認いたしました。
また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
2点目は、資料要求の追加についてであります。お手元に配付いたしました予算特別委員会資料要求一覧(追加分)のとおり、資料要求することを確認いたしました。
平成18年(2006年)3月2日
予算特別委員会
予算特別委員会資料要求一覧(追加分)
◆建設分科会関係
14 警大跡地整備及び周辺の地区計画の作成スケジュール、及び跡地処分のスケジュールの詳細<共>
15 中野駅南口地区の再開発計画の今後のスケジュール <共>
○斉藤(金)委員長 なお、資料要求の追加分などについては、理事会で確認されたものをその都度、全体会の席上で配付し、さらに追加・訂正を経た最終的な資料要求一覧表を予算特別委員会の最終日に席上配付することとし、会議録の巻末にも資料として添付すること、最終的な内容のすべての資料と最終的な資料要求一覧をCD-Rにより、各会派に配付することを確認いたしました。
以上が理事会の報告ですが、何か御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤(金)委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤(金)委員長 ございませんので、そのように運営させていただきます。
なお、追加資料の要求の締め切りについて念のため申し上げます。
本日の委員会終了後に開かれる理事会が資料要求の整理を行う最後の理事会となります。したがいまして、追加の資料要求がある場合には、本日の午後1時までに資料提出をお願いいたします。
それでは、昨日に引き続き総括質疑を続行いたします。
北原奉昭委員、お願いいたします。
○北原委員 自由民主党・民社クラブの2番手として総括質疑をいたします。まず初めに、中野区職員白書について、主として職員数の削減について御質問をいたします。
区は多彩な町の魅力、支え合う区民の力を旗印に昨年、基本構想を策定し、この1月には新しい中野をつくる10か年計画を決定しました。この計画が着実に実行されるために必要なことは、既に明らかになっている10か年計画の財政フレームとともに、区職員の力であります。我が会派の議員団長が好んで歌う歌に武田節があります。「人は石垣、人は城」と歌われておりますが、まさにそのとおりであります。
区長は施政方針説明の中で、今まで限られた財源と職員数など持てる資源を最大限活用して、区民にとって価値の高いサービスを提供する区政を実現するための経営改革を行い、事業部制や目標と成果による管理、現場や職員への権限移譲など、区政運営に民間の経営手法を導入することにより、職員一人ひとりの能力と意識を高め、より区民のニーズに合った施策展開ができるシステをつくってきたと述べております。さらに新たな10年、効率的な小さな区役所を築きながらも、持続的・進化可能な区政運営を図らなければなりません。10か年計画では小さな区役所を目指し、10年間で職員数を2,800名から2,000人まで削減するとしております。職員の削減は既に民間活用などをあわせて、平成13年から退職不補充などを進めております。5年が経過しましたが、この5年間の取り組みの結果、職員構成上どのような変化があったか。また、その影響についてお尋ねいたします。
○鈴木経営改革担当課長 お答えいたします。
平成13年度職員数は3,227名おりました。現在、平成18年度の職員数を見込みとして、私どもは2,714人を予定してございます。この間、513人の職員が減ったということになります。この減ったことが職員構成上どういう問題があるのかということ、どういう変化があったかということでございますけれども、13年度のときには職員の平均年齢は43.9歳でございました。それで、18年度当初は恐らく45.7歳というふうな、1.8歳の年齢の上昇の変化がございました。それから、職員のその年代に関していえば、構成比としては20代から30代の職員が10ポイント、当時よりは下がってございまして、40代が4ポイント上がり、50代については7ポイント上昇するというふうな状況になってございます。また、年齢構成だけではなく、職種の構成の変化についても変化がございまして、事務が全体の中では38%だったのが41%にふえてございます。それで、技能系が大体25%、13年度当初ありましたのが22%ということで、この職種については減の、構成比が減ってございます。福祉系についてはほぼ同率の構成という、そのような状況になっているところでございます。このあたりについては、職種はさまざまな仕事の委託化、あるいは見直し等々を含めて変わってきた。それから、年齢構成については、一定採用抑制等々を図ってきたことがこういう数字にあらわれたというふうに認識してございます。
○北原委員 今、職員構成上の変化はお答えをいただいたわけですけれども、それが区政運営にとって、あるいは区民側から見た側面からにおいての影響ですね。その点については、区としてはどのように認識をされておりますでしょうか。
○鈴木経営改革担当課長 さまざまなサービス提供に支障のないことを私どもは常日ごろ心がけておりまして、そういった仕事の質の担保については仕事の見直し、あるいは職員の育成というふうなところで努めてきているというふうに私どもは認識してございます。
○北原委員 よくわかりました。その中で、区の方の思っているとおりにほぼ進んできたと。決して区民サービスの方には大した影響はなかったと。低下するようなことはなかったというふうに理解してよろしいですね。
○鈴木経営改革担当課長 私どもは常日ごろ、最善のサービス提供のあり方というものについて追求してまいったというふうに考えてございます。
○北原委員 結構です。
民間企業では2007年問題への対応として、団塊の世代が蓄積してきたノウハウを次の世代へ引き継ぐため、あるいは引き継ぐプログラムをつくっております。
ここで、お尋ねいたしますけれども、さきの総括質疑の初日のときに、山崎委員の方からの再任用の質疑に対する答弁等がありましたけれども、そのほかにこの件について区で考えていることがありましたら、お聞きしたいと思っています。
○鈴木経営改革担当課長 私どもは一定数の新規採用も今後予定していきたいと思っておりますし、任期付職員あるいは経験や専門知識を持つ者の採用、そういった多様な運用形態を取り入れて、的確な、かつ柔軟な人の確保を図っていきたいというふうに思っています。
それと今、人材育成計画を区を挙げて策定の途中でございますけれども、その中で年齢層の高い職員、あるいはさまざまな職種にある職員が自分の自己開発とキャリアアップ、そういった機会が提供できるような人事システムを構築して、職員が常に新鮮な発想とやる気、意欲を持って取り組めるような、そのようなさまざまな環境整備を進めてまいる、そのように考えてございます。
○北原委員 10か年計画を着実に実行していく上で、職員構成の変化や、さらにはその2007年問題があるわけですけれども、財政を抑制しながらこれらを図っていくということで、人的確保を図って、あるいは計画を担保するということになると思いますが、その自信のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木経営改革担当課長 今申し上げた、あらゆるところに配慮しながら、私どもは効率的で最善なサービス提供ができるような自治体として努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○北原委員 次に、職員を削減し、小さな区役所を目指すには、民活のほかに町会や自治会、地域団体の地域活力、それから区民力を高めていかなければならないと思います。現在の地域には、受け皿となるべき地域力や支え合う力は十分ではないように思います。区として地域力や区民力を高める具体的な方策を考えているのか、お尋ねいたします。
○川崎政策計画担当課長 お答え申し上げます。
区ではこれまで公益活動を推進する、そのためにどうしたらいいのかというようなことで、町会の皆さんや、あるいは青少年育成団体の皆さんとの意見交換を行ってきております。その場で出される意見は、やはりその役員のなり手がない。あるいは1人で幾つもの役をしょい込んでしまうといった共通の悩みを、そこではお聞きしてきたところでございます。やはり多くの方が地域の活動に目を向けまして活動できるように、活動に参加するよう、そんなような働きかけが必要だというふうに考えておりますが、そのためには地域の皆さんが行われている活動を正しく評価して、広く知らせていくこと。そういったことが必要ではないかというふうに考えております。
また、これまで地域活動になかなか縁の薄かった勤労者への働きかけも大切であろうというふうに考えております。なかなか現役時代ということでは難しいと思いますが、先ほど委員からお話がありましたように、これから団塊の世代、こういった方々が多く地域に戻ってこられます。その仕事を通じて培った知識や経験、これらを地域の中で生かすにはどうしたらよいのか。そしてまた、その団体側もどのように受け入れていったらいいのか。そんなようなことを講習などの機会を通じてお伝えしていきたというふうに考えています。
3月13日には、この分野に詳しい堀田 力先生をお迎えして講演会を予定しておりますが、今後もそういった取り組みについて工夫していきたいと考えております。
○北原委員 この地域力を高めるとか、あるいは区民力を高めるというのは、自治体の継続した最大課題であったと思っております。今までも例えばことぶき大学なんかを通じて、区民に勉強する機会を提供してきて、そしてその人たちの力を地域の中で生かしていくというふうに位置付けていたと思いますが、そういった成果がなかなか出てこない。あるいは、PTA活動なんかをやられた若い世代に対しても、その後、持続的に地域活動の方もやっていただきたいという強い願いはあったと思いますが、それもしっかりした成果が出ていないと思っております。そうした意味で今度の2007年問題は、まさに積極的にとらえれば、これは区にとって、あるいは地域にとっても大変大きな力になり得るわけでありますので、ぜひともこの2007年問題は区役所内部だけの問題ではなくて、地域の方の中でも大きな問題であるというふうに位置付けていただいて、ぜひとも実効性のあるプログラムを、区が主導的に果たしていただきたいという要望を持って、この質問は終わります。
次に、メンタルヘルスについてであります。
区の職員の皆さんは、難関と言われる採用試験を突破し、中野区のため、中野区民のために働ける地方公務員として誇りを持ち、夢や希望を抱いて就職されたと思います。10か年計画の中で職員数の削減が一層進むことになります。そのためには一人ひとりの職員が持っている能力はもちろんのこと、潜在能力をも十分に発揮できる、働きがいのある職場環境を整えることが求められております。現代社会において、心の病の問題は社会全体で取り組むべき重要課題となっております。中野区でもすべての職員が健康で働き続けられる環境づくりに、行政の責任において取り組まなければなりません。
平成14年度から開始しましたメンタルヘルス相談の実績についてお尋ねいたします。専門医以外に健康相談室で扱った相談件数は何件であったのか。また、専門医相談など、委託機関が扱った相談件数は何件であったのかお尋ねいたします。
○長田人事担当課長 お答えをいたします。
まず、職員の健康相談室で扱った件数でございますが、平成14年度が168件、平成15年度が294件、平成16年度でございますが、319件という結果になってございます。
次に、専門医相談など、専門医療機関の受託機関が扱った件数でございますが、平成14年度が29件、平成15年度が40件、平成16年度が、これはメール相談という新しい相談の手法を取り入れておりますが、それも合わせてでございますが、30件という実績を残してございます。
○北原委員 中野区職員白書の39ページから40ページにかけまして病気休職、それから病気休暇のうち、メンタル系の状況についての資料が提供されておりますけれども、ここから読み取れるものについてお尋ねいたします。どのようにこれを分析されておりますでしょうか。
○長田人事担当課長 まず、病気休暇の取得状況についてでございますが、精神神経系疾患による取得者の割合が平成9年度以降、若干増加していると、そのように把握をしてございます。また、他の疾患に比べ、精神神経系疾患の場合が長期化すると、病気休暇の取得状況が長期化するという傾向が見られております。
次に、病気休職の取得状況についてでございますが、病気休職者数に占める精神神経系疾患による取得者の割合がふえていると、そんなような認識を持ってございます。
○北原委員 これはかなり重要な問題だと思いますね。特に、これから職員が削減されていくということですから、こういった問題が今後も続いていくようであるということになりますと、これは区長、区だけの問題にはならなくて、実際にはサービス提供を受ける区民の方にもその影響が大きく出てくるというふうに考えております。このことにつきましてさらに改善する、こういう気持ちを持っているんだと、改革していくんだと、改善するべき道筋なんかはお持ちかどうかをお尋ねいたします。
○長田人事担当課長 メンタルヘルスの対策というのは大変重要でございます。社会全般の中でも多様な働き方が求められ、社会全体としてもメンタルヘルスの対策が充実する必要があるというふうな認識が広まっております。区職員の一人ひとりに対する業務の水準といったものも高度化しておりまして、中野区としてもこのメンタルヘルスの対策は、大変重要な課題であると認識しているところでございます。
メンタルヘルスの研修、これは管理職だけにとどまらずに、一般職員についても企画、実施しております。それから、情報紙の提供、メンタルヘルスに関しての、それぞれの時々の最新の情報をグループウエアを通じて提供するなど、職員一人ひとりに対してメンタルヘルスへの対応の重要性を認識するような、そういった啓発の働きかけを強めております。
また、先ほど御紹介いたしましたように、メール相談という今、新しい匿名性を尊重した相談手法を導入しておりますが、こういったメール相談などの手法を継続して行うことによって気軽に相談できる仕組みをつくりまして、早期に発見するということで、重症化してから周囲が気がつくのではなく、本人が自発的に対応できるような環境を整えてまいります。また、具体的に発症してといいますか、病状があらわれて治療が必要になった場合につきましては、職員健康相談室が中心になり、主治医、産業医、それから専門相談医療機関が本人や職場ときめ細かく連携をとりまして重症化を防ぎ、早期の職場復帰を目指してまいっているところでございます。
○北原委員 職場の中にはいつも気分がすぐれないとか、それからチームの一員として働けない。あるいは休みがちであるとか、心の病の一歩手前にある人もいるのではないかと思われます。こうした職員のメンタルヘルスについてはどのようにお考えでしょうか。
○長田人事担当課長 先ほど申し上げましたように、具体的に周囲から気がつくような状況になるということがおくれてしまいますと、重症化の道を歩んでしまうというような結果につながります。そういう意味で、少しでも日常、管理・監督者が職員の状況を把握いたしまして、早期に適切な医療につなげられるような、そういった相談体制を充実してまいりたいというふうに考えております。また、本人の適性といったものをよく把握して、それに見合う配置についても配慮していきたいと考えております。
○北原委員 メンタルヘルスについては、職員みずからが解決する努力が必要だと思いますけれども、行政組織にも先ほど申し上げましたように、大きな責任があります。今、事業部制が導入されていく中で、チーム力というのが求められていると思うんですが、例えば3人とか5人でやる事業について、その中の1人とか2人が著しくこういうような病の入り口にあるというような状況になると、この全体の力が抑えられていって、いい事業展開ができないということはたくさんあろうかと思っております。そうした意味で、この予備軍というのは失礼かもしれませんけれども、心の病の一歩手前にある人たちに対するケアを十分にされていくということも、同時に必要であろうかと思いますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
それから最後に、予防が大事だと思います。この予防やあるいはサポート体制をもう一度お伺いいたします。
そして、これは少し余談になりますけれども、先ほどの相談室なんかには議員が行くことができるのかどうか。議員も行って相談を受けて、そうした対応をしていただくということができるかどうか。その場合は、例えば料金があるかどうかお尋ねいたします。
○長田人事担当課長 まず、サポート体制についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
先ほど来、御答弁させていただいておりますが、やはり職場での職員の状況の把握と職員への支援といったものが非常に重要になってまいります。そういう意味で、管理・監督者がこのメンタルヘルスへの対応としてはキーパーソンであると。そういう基本的な認識に立ってございます。日常の職員の状況を的確に把握するということから、これの対策が始まるというふうに考えております。その職場のキーパーソンである管理・監督者を健康相談室や、それから委託専門医療機関、それから産業医といったものが専門的な医療の観点からサポートし、かつ人事服務担当が、また服務の観点からも連携してサポートしていくと。こういった体制を組んでいるところでございます。
それから、本人の早期の復帰ということに関しましては、職場がその本人の状況についての理解を深めていく。そのことによって、職員の円滑な職場復帰を実現していくということが必要なわけでございますが、具体的には職場復帰訓練、それから復帰後の勤務軽減措置、そういった体制を制度上整え、かつ復帰後の相談についてもきめ細かく健康相談室が乗るということで、この体制をしいているというところでございます。
それから、後段の方の御質問でございますが、私ども健康相談室は、基本的に雇用主としての責任を果たしていく福利厚生の観点から実施しているところでございますが、もし何かお悩みの点がありましたら、気軽に立ち寄っていただいてよろしいかと考えております。
○北原委員 ぜひ私が最初に相談に行ってみたいと思っております。
最後に、この項の質問について区長はどのような見解をお持ちかお尋ねして、質問を終わります。
○田中区長 社会全般に通じることでもあると思うんですけれども、いろんな形で社会の構造が変わっていくという中で、きのうまでやってきたことと同じことをあしたもやれるわけではないというような形で、仕事をしているというようなことがあります。そういう中で、常に新しいことに対応していかなければならないというのは、働いている人間にとって大変プレッシャーになっているということがあると思います。また、職場の人数がどんどん減ってきているという中では、日常的にお互いに支え合えるという関係がつくりにくくなっているような場面というのもあるんだと思っております。人事担当課長がお答えした中にも、リーダーになっている人間がそういう状況をきちんと見きわめて、そういう人間関係をうまく回していけるような職場づくりというようなことに配慮していくということが大事なんだと思うんですけれども、状況としては先ほど言った社会全体の状況、あるいは区の仕事がどんどん変わっていっている。そして、人数が減っていっているという中で、職員がなかなかそういった状況に対応し切れないという場面が出てくるというのは考えられるというか、起こり得る事態になってきているんだなというふうに思っております。こうしたことについて、本当に特にリーダー、管理・監督をするそういう職員が中心となって支えていけるような意識づくり、体制づくりといったようなことに心がけていきたいというふうに思っております。
○北原委員 ありがとうございました。
それでは次に、オフィスデザインについて質問をいたします。
今、民間企業では、オフィスや施設などの働く場所を経営資源としてとらえて、オフィスや施設などの機能性や快適性の向上に取り組んでおります。中野区でも業務形態が大きく変化する中で、業務の内容や職員の能力性に配慮した、区役所内のオフィス空間の改善に取り組む必要があります。少数精鋭による効率化も、度が過ぎると結果的にはマイナス要素になりかねません。オフィス空間の改善はそれを吸収して、さらにプラスに転換できる大きな可能性を持つものであります。
オフィスには機能性と快適性が必要でありますが、分野ごとのレイアウトを見ると、職員の机はいわゆる島形の配列になっております。私は古本屋ですから古いことは好きですけれども、いつごろからこうした並べ方になっているのかお尋ねいたします。
○橋本総務担当参事 この本庁舎ができましたのが昭和43年であります。その当時はいわゆる背面管理ということで、廊下側に職員が向いて、窓口側に職員が向いて、そういった形で仕事をしていた部署もあったようです。それで、昭和40年代の半ばぐらいから、私たちの区役所で処理する事務が大幅にふえたということで、職員がふえました。また、同時に処理しなければいけない事務文書というんですかね、管理する文書類もふえた。そういったことから現在の島形というんですかね、一つのまとまりという形でもってレイアウトがされるようになったというふうに私どもは認識してございます。
○北原委員 古いものは懐かしんでいるだけではだめなんですね。現在の暮らしの中にどう生かしていくということが大切であるというふうに言われております。事務処理のIT化や事業部制などの導入に対応して、この島形レイアウトの見直しは検討したことはあるでしょうか。お尋ねいたします。
○橋本総務担当参事 例えばIT化ですか、こういったものの導入でOA床にするとか、あるいは事業部制の導入で窓口を集約するということで、子ども家庭支援センターなどのような窓口など工夫してございます。そういった意味では、一定程度のレイアウト変更、見直しなどを行ってきました。それにあわせまして区民の利便性の確保、それから職員の業務能力が高まるようなレイアウトの工夫、そういった形での見直しはその都度行ってきたところであります。
○北原委員 民間企業や、あるいは他の区ではさまざまな取り組みを行っているようですが、そうした事例について調査・研究する考えはないでしょうか。
○橋本総務担当参事 先ほど申しました、来庁される区民の方々の利便性あるいは快適性、それから働く職員の執務環境の整備、こういったものは、私は庁舎管理者であります。庁舎管理者として不断にその見直し、あるいは改善を図らなければいけない責務を持っております。そういった意味で、他の自治体あるいは民間などでそういう取り組みをしているということでありますので、その辺を参考にしながら可能なところで対応を図っていきたい。そのように考えてございます。
○北原委員 それから、組織改正などが行われておりまして、事業の外部委託化というのが進んでおります。地域施設に配属されていた職員が本庁舎に移動してくるということで、オフィスは手狭になると思いますが、どのような配置、あるいは対策を考えているのでしょうか。お尋ねいたします。
○橋本総務担当参事 委員御案内のように、この本庁舎は非常に狭隘、手狭になってございます。平成18年度につきましては、組織改正等で40名の職員が地域施設から本庁舎の方に移動してくるということで、これをどういう形で受け入れるかということで、現在さまざま工夫して考えてございます。一つにはフロアに面して置かれます倉庫、それから検査室とか無線室とか、本庁舎になくてもいい、そういったものにつきましては他へ移動させまして、できる限りの余裕床を生み出し、そこに、あえて誤解を恐れず申し上げれば、島形のような形になるかもしれませんが、そういった形で、できる限り職員が受け入れやすいようなレイアウトを考えまして対応していきたい。そのように考えております。
○北原委員 すぐにその本庁舎を建てかえられるとかという状況にはないと思います。限られたスペースの中で、効率的に使うということが大変重要であろうと思っております。そうした意味でその一部の倉庫機能とかをほかに移していく。余り利用価値のないものについては、やっぱりそういうところに移していく。そして、少しでもゆったりした空間をつくらない限りは、私はこれは精神衛生上、中で働く職員のそうした問題についてもかなり影響を与えていくのではないかと思っております。ぜひともその辺も念頭に入れて、特に外部から戻ってくる1人当たりの床面積というんですかね、職員の。非常に狭くなっていくわけですよね。ぜひともそれを限られたスペースの中で工夫されていくということが大切であると思いますので、十分調査・研究して、働きやすい職場づくりにしていただきたい、そう思っております。
それから、次に続けて質問をさせていただきます。
1階の戸籍・住民分野と、それから3階の子ども家庭支援センターでは、区民の利用に配慮した窓口配置となっておりますが、その後方の方は相変わらず旧来のレイアウトになっております。窓口業務との連携はスムーズに行われているのかどうか、それぞれの分野にお尋ねいたします。
○榎本戸籍住民担当課長 1階の窓口についてのまずお答えをしたいと思います。
内部のレイアウトにつきましては、基本的には受け付け、端末への入力、審査、証明交付といった事務の流れに合わせた配置となってございます。ただ、私どもは事務室全体が窓口とも言えるような仕事というふうになっているわけで、しかし一部には島形でなく、大型テーブルスタイルの机を置きまして、コミュニケーションがとりやすいようにもなってもございます。
それで、連携につきましてですが、窓口混雑時には職員が臨機応変に窓口に応援に出られるように人員配置を変化させるといった縦の連携、それからまたワンストップサービスを念頭に置きまして、例えば婚姻届、それから転入届、証明がすぐ欲しいといったようなケースもあるわけですけれども、お客様を他の担当に回すことなく、できるだけ1カ所で届け出から証明交付までできるような横の連携もとっているところでございます。
オフィスデザインにつきましては、地域センターの窓口集約に伴う1階事務室のレイアウト変更の必要性とあわせて検討したいと思っています。
以上でございます。
○馬神子育て支援担当課長 3階の子ども総合相談窓口についてお答えいたします。
窓口に常時受付職員を置いてございます。そこで来庁の御内容をよくお聞きして、適切な担当につなぐことによりまして、たらい回しというような状況が起きないようにしております。
また、申請等、手続に対応した職員につきましては、そうした手続の終了後に「これで御希望の御用はお済みでしょうか」とか、「ほかに手続等はございますか」というようなことをお聞きして、必要に応じて他の担当に引き継ぐようにしてございます。このことによりまして、ワンストップサービスの実現を目指しているところでございます。
○北原委員 はい、結構です。
私は先ほど申しましたように、古いものをすべて否定するものではないんですね。古いものでいいものは、やっぱり現在の中で生かしていくということが大切だと思っております。そうした意味で、その島形のレイアウトを否定するわけではありません。しかし、幾つかの職場で業務形態に応じた例えばスクール形だとか、あるいはコの字形もやっているところもあるかと思いますけれどもね。あと、円形型、都庁なんかはこの円形型が結構ふえてまいりました。あるいは事業部制に対応したチーム形というのもありますね。こういうふうにすぐに全部というわけにはいきませんから、幾つかのところでこういった配置を考えてみる、やってみるというお考えはないでしょうか。
○橋本総務担当参事 委員御提案のスクール形、コの字形、こういったレイアウトにつきましては、相当のスペースが要るのかなというふうに思います。そうした意味からしますと、現状ではなかなか難しい状況にございます。しかしながら、一定のスペースが確保できて、業務の形態からそのような配置がより望ましい。そういった職場につきましては、もしそういう状況が生まれましたらば、試行的にそういったレイアウトをやってみたい、そのようには考えてございます。
○北原委員 限られたスペースということは絶えずつきまとうわけですけれども、先ほど申しましたように外部から戻ってくる。それを受け入れるだけでも大変だと、多分そのように考えられると思います。私もそのようにも思っております。しかし、もう一工夫していただいて、ぜひともこの取り組みを一つの分野でもいいと思っておりますので、ぜひやっていただきたいということを最後に申し上げておきます。
それから、機能的で快適なオフィス空間の創造は業務効率の向上だけではなくて、職員のコミュニケーションと仕事への意欲を高め、ひいては区民にとってよりよいサービスの提供に結びつくものと考えます。最後になりますけども、区長の見解をお聞きいたします。
○田中区長 まず、本当に絶対的なスペースの制約というのを、総務担当課長も言っているんですけれども、現在はペーパーレスオフィス、要するに書類や資料はみんな紙でなくしてしまうという時代への移行期になっていまして、紙の資料もあればコンピュータのサーバーもあれば、ハブとかそういういろんな周辺機器も置いてあればというようなことで、スペースがいろんなふうにいろんなものでとられて、狭いスペースが余計狭くなっているといったような状況もあるというふうに考えております。そういう意味で、スペースをうまく生み出すというような意味でのIT化みたいなことも考えていかなければならないのかなと、一つは思っております。
それから、事務室レイアウトとか配置の問題は、委員先ほどおっしゃいましたように、例えば事業部制だったらチーム形なんだから、そういう並び方もあるだろうというようなこともおっしゃったわけですけども、島形で並んでいれば島形の働き方とか島形の組織文化とか、それから島形の人間関係みたいなものが出てきたりするわけであります。それで、島形でやっておりますと、対面のコミュニケーションが割合濃くなりますので、その場では情報共有がなされているかのように思いがちなんですけれども、実はだれが責任を持ってある業務をやっているのかよくわからないというようなことになっていたり、それから個々の机に座っていれば、それぞれに自分がやるべき業務については責任を持っているんだけれども、情報共有が弱くなったりというような、いろんな働き方のあり方とか組織文化、コミュニケーションのあり方とかといったことにもつながっていくんだろうというふうに思っております。
そういう、じゃあ、どの業務だったらどういう働き方がいいのか、どういう種類の仕事をしている人間はどういう情報共有のあり方がいいのかというようなことをきちんと検討しながら、執務室のレイアウトなども工夫して、やはり区民に一番いいサービスが提供できるようなやり方を考えていきたいと、こう考えております。
○北原委員 ありがとうございました。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
民間活力の導入についてであります。
地方自治体が持つ施設の管理運営を、民間に開放する動きが活発化してきています。このことは行政のコスト削減を進め、同時に民間のノウハウやアイデア、さらに競争原理を生かして住民サービスを向上させようとするものであります。官から民へ。中野区も10か年計画の中で、小さな効率的な区役所を実現するためには民間活力の導入は不可欠であります。
そこで質問に入りますけれども、民営化、民間委託、それから指定管理者の違いは何なのか。また、それぞれに契約上の標準的な期間があるのかどうかをお尋ねいたします。
○鈴木経営改革担当課長 民営化、それから委託、それと指定管理者、それらについての御質問でございますので、私の方からまとめて御答弁したいと思います。
まず、中野区において民営化というふうにやってきてございますのは、区が持っているその施設の資産を無償で貸し付け、あるいは譲渡などをして、民間事業者が事業の実施主体となって、その権限と責任においてサービスを提供するというふうな形態であるというふうに考えてございます。例えばその契約の期間で言いますと、中野区の場合は保育園の例で言いますと、建物は無償譲渡して、土地については30年間の使用貸借契約、そういうようなことで契約関係を結んでございます。
それから、2点目は民間委託なんですけれども、これは主に事業運営の場面での委託の契約の民間委託でございます。この場合は委託する事務事業の範囲については区が決定し、それから実施方法などの枠組みも決めて、これを契約によって民間の事業者に委託するというふうな形式でございまして、これは単年度の契約というふうに期間を定めてございます。また、指定管理者につきましては、これは区民が利用する公の施設の管理権限を一定期間、株式会社を含めた区が指定する法人、その他の団体に委任する方法です。中野区の場合は10年というのを最長として、施設の特殊性に合わせて5年、3年、2年というような形で契約の期限を決めているというような状況でございます。
○北原委員 わかりやすく説明をしていただきましたが、あと、議会が何らかで関与するという、これらのことにですね、関与するということがあるかどうかお尋ねします。
○鈴木経営改革担当課長 契約については、その契約金額によって議決いただくということがございますし、指定管理者につきましては管理者の指定、それから施設の条例の改変、そこらについての議会の関与は御承知のとおりというふうに存じてございます。
○北原委員 区から施設の民営化、あるいは民間委託、指定管理者に移行したものの中で代表的なものは何か。また、それぞれの実績をどう評価しているか。現状、そしてまた将来に不安はないのか、お尋ねいたします。
○鈴木経営改革担当課長 代表的なものと言いますと、民営化につきましては保育園が先駆けて中野区としては実施いたしました。それらについては利用者の、非常に保護者を通じてのサービスの充実があったというふうに、私どもも常日ごろ反応を伺っているところでございます。
それから、委託につきましては非常に多岐にわたってございますけれども、例えば高齢者会館の事業運営委託というようなことでも、やはり利用者の側に立ったさまざまなニーズ把握を行いながら柔軟な対応をしている。また、図書館においても、地域図書館でのサービス向上が十分図られているというふうに認識してございます。また、指定管理者につきましても、従来、区ではなかなか行えなかったようなサービスの質の向上、利用時間の拡大でありますとか、そういうものが実現できているというふうに認識してございますので、今後とも区民のためによりよいサービス提供が提供できるというふうなことでは、そういったものについて十分に評価しながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○北原委員 18年度に民営化、民間委託、指定管理者に移行する施設としては、どのようなものを予定しているのか。施設数は何施設なのかお尋ねいたします。
○鈴木経営改革担当課長 18年度のいわゆる民営化でございますと、これは今、予定しているのは、南中野高齢者在宅サービスセンターのこの1件がございます。
それから指定管理者は、既に議会で指定議決をいただいているものについては、4月から移行するものとしては19施設ございまして、これは文化・スポーツ施設を含みまして非常に多くなってございます。
また、これからお願いすることでございますけれども、18年度の年度途中で指定管理者に移行したいと考えているものでは、区営住宅、福祉住宅関係が非常に多うございまして、全体では33カ所を予定しているところでございます。
○北原委員 民営化、民間委託、それから指定管理者のいずれの制度も、質の高いサービスをより少ない経費で提供することでありますが、このサービス提供の責任はどこが担うのかお尋ねいたします。
○鈴木経営改革担当課長 まず、民営化につきましては、そこは民間事業者がもう実施主体として、その権限と責任においてサービス提供を行いますので、その民営化された施設でのサービス提供の責任は民間事業者ということでございます。それからまた、事業の委託での民間の事業者、事業サービス提供者はその受託を受けた業務範域内でのサービス提供にかかわる責任は、当然事業者が負うものというふうに考えます。それから、指定管理者につきましては、これは区から幅広い権限を授与されておりますので、基本的に公の施設の管理運営全般にわたっては、指定管理者が利用者の間でのさまざまな責任を負うものというふうに考えてございます。
○北原委員 長期の委託期間などを設けた場合には、不測の事故や災害に巻き込まれるおそれがあります。そうしたときの対応や責任は規定があるのか。自治体が担うものか。それについてもお尋ねいたします。
○鈴木経営改革担当課長 さっきの答弁で、基本的にそれぞれのサービス提供者がサービスの責任を負うというふうに御答弁させていただきました。また、行政としてはそういった民間事業者が適切なサービス提供をしているかどうかということについては、監視したり必要な指導をするというふうな立場にございます。
今、御質問いただきました長期の期間にわたるということを考えれば、特に指定管理者でありますと、私どもも10年間というふうな期間を設けてございます。その間に予測できないような天災でありますとか、そういうようなことが起きた場合には、これにつきましては区が基本的に、不可抗力の分については区がリスクを負うことに、公の施設の設置管理者としての責任は免れないというふうに考えてございますが、当然協定の中で指定管理者の業務でそれが責めに帰すべきものであれば、その民間事業者があくまでも責任を負うというふうな基本的な考えを持ってございます。
○北原委員 次に、この自治体が担う場合、事故が発生したときにどのように対応するのかということでありますけれども、実は昨年だと思いますが、仙台市のスポーツ施設スポパーク松森、これは何ていうんでしょうかね。これは固有名詞だから、間違えると失礼に当たりますけれども、ここがPFIでこの公共施設を運営したわけですけれども、実は天井が落ちましたね。どーんと落ちた。ということで、これは自治体の責任というのよりも、これはPFIですから、これは民営化ですから、そちらの方が責任をとらなければいけなかったわけですけれども、自治体にも何らかの責任があるんじゃないかというような議論もされたようであります。そうした意味で、こうしたことが起きた場合、これはもうかなり大きな大規模な事故なんですけれども、区としてこういうケースがあったらこうなんだというようなことを検討しているのかどうか、お尋ねいたします。
○鈴木経営改革担当課長 今、委員御質問のPFIというのは、指定管理者の10年をはるかに超えるような形での契約の関係だというふうに思っています。そのPFIにつきましては、特にその事業期間のリスク分担について、明確にその発足、PFIの事業を開始するに当たってリスク分担を明確にするというふうなさまざまな手続があるというふうに理解してございます。現在、中野区では基本的にそれが公の施設であるということであれば、基本的には行政、自治体が最終的な施設管理者としての責任を負っていくというふうな考えでございます。これから多様な委託の形態というのも開発され、研究されてくるというふうに思いますので、そういったもの、状況を踏まえながら、自治体としてきちっと対応ができるような検討をあわせて研究しながら、進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○北原委員 民間活力を導入した幾つかの施設において、経営上の問題が発生した場合、区の方はどのような対策を考えているかお尋ねいたします。実はこの件につきましては、本会議の方で酒井たくや議員の方からも指摘がありましたが、福島県三島町の施設ですね。ここではもともと赤字を抱えた施設でありますけれども、年間約1,500万円の赤字を出していたと。しかし、これを指定管理者による委託を行いました。ところが、数カ月で一気に赤字が膨らんじゃいまして、運営の継続は難しいということで、3カ月で直営に戻したというケースがあります。
それから、これは足立区の第三セクターですけれども、足立コミュニティーアーツという施設がありますけれども、ここは文化的な施設ですね。それで、ここも実は委託したわけですけれども、この経営状態がうまくいかないということで、これは北千住駅前にある施設でありますけれども、約1億円の負債を抱え込む格好になってしまったと。これも回収が困難であると。収益源を予定していたこの自主興業がなかなかうまくいかなくて、人が集まらなかった。観客が集まらなかったということでありまして、その株ですね。持ち株の比率を変えていってというふうに、大変これは今、区として悩んでいるようであります。
こうしたことを踏まえまして、経営上の問題が発生したときに、区はどのような対策を考えているのかということを質問させていただきます。
○鈴木経営改革担当課長 今、指定管理者の例で委員の御質問をいただきました。それらの私ども指定管理者の指定、それにつきましては、協定の中でさらに詳しくリスク分担については明確にしていくということを、この間やってきているというふうに認識しています。物価変動でありますとか金利変動に伴うリスク、それは民間事業者の方が負うものであるというふうに思っております。ただ、政治的でありますとか、あるいは法令が急に変わってしまう、そういうようなこと。特に、法令の変更による影響については、区の方がそのリスクは負うべきだろうというふうに思います。ただ、政治的であるとか、あるいは人が集まらないとかというふうなことにつきましては、直ちに民間事業者、あるいは直ちに区というよりか、やはりこれらについてはよりよい公の施設としてのサービス提供がどう持続できるかというふうな観点から、協議を尽くさなければいけないことだろうというふうに考えてございますが、基本的には事業者の経営努力、そういったものに期待したいというふうに思ってございます。
○北原委員 最後になりますけれども、この民営化あるいは民間委託、指定管理者の場合、施設改修などの工事の発注はどこが行うのか。できれば区内業者の発注が望ましいわけですけれども、この件につきましては山崎委員の質問にも答えられておったと思いますが、区の方の見解をもう一度お尋ねしておきます。
○篠原財務担当課長 お答えします。
指定管理者、民間事業者から区内業者に契約をする場合につきましては、あくまでも民間同士の契約ということになります。それに区が関与するということが、非常に難しい問題があるというふうに考えてございます。
○北原委員 わかりました。せんだっての答弁でも、区内業者の育成ということで対応していきたいというようなことがあったと思います。制度上、難しさがあるかと思います。また、ぜひこれは、ちょっとこれからは本論から外れますけれども、区内業者の育成ということは、裏を返せば他区の方でも自分たちの能力を発揮できるという垣根が、ほとんどの自治体で取り払われていくということになろうかと思いますので、ぜひその視点から今後とも努力していただきたいと思います。
次に、学校再編について質問をさせていただきます。
平成18年度に約5億円の予算が計上され、再編計画が本格的にスタートいたします。この計画が速やかに実行されることは中野区の公教育の再構築であり、その重要性を十分認識しております。既に示されている再編計画は、前期分だけで小学校8校の再編で統合新校が4校、また中学校6校の再編で統合新校が3校となっております。統合新校誕生まで長いものは6年を予定しております。想定外のことが起こり得るかもしれません。ある自治体では再編計画が示された後、統合新校が1校誕生しただけで計画が中断していると聞いております。
ことしの区立小・中学校の入学者数についてお尋ねいたします。最初の再編の対象となる学校での18年度の区立小・中学校の入学者数は、前年度と比較してどうなっているのか。小学校は桃丘、仲町、桃三、中学校は六中、十一中についてお尋ねいたします。
○相澤学校教育担当課長 お答えいたします。
今後も転出入などもございますので、確定的な数値は差し控えさせていただきたいと思いますが、小学校につきましては、平成17年度の入学者は桃丘小学校が18名、仲町小学校は14名、桃園第三小学校は79名でございましたが、平成18年度も、それぞれ同程度の入学者数があると見込んでいるところでございます。
次に、中学校でございますが、第十一中学校につきましては平成17年度の入学者数は66名と、ほぼ同程度の入学者数を見込んでございます。第六中学校につきましては、平成17年度の入学者数は48名でございましたが、来年度は20人台を見込んでいるところでございます。
○北原委員 それから、その他の学校で大きな、これは再編と関係なくその他の学校ですけれども、大きな増減があったところがあればお聞かせ願います。
○相澤学校教育担当課長 来年度の入学者数については、学校によりその学区域の住民登録者数の変化など、変動要素もございます。その影響により増減することはございます。
大きな影響ということでございますが、第十中学校については、平成17年度の入学者数は38名でございましたが、来年度はおおむね半数程度になるのではないかと見込んでいるところでございます。
○北原委員 これは学校再編計画というのが出ているわけですけれども、この後ろに児童・生徒数の推計というんですかね、これが出ておりますね。今後、何年間という長期的なところで出ておりますけれども、この数値と、実際のこの児童・生徒数とかなり違った数値があらわれてくるのではないかと思います。今後ともこういうことが起こり得る、続いていくだろうということも予想されていくわけですけれども、このことについてはどのようにお考えでしょうか。
○相澤学校教育担当課長 いろいろなさまざまな変動の要因もあることかとございます。例えば指定校変更の制度や再編にかかわる弾力的運営、再編にかかわる運営、そういったことも制度として持っているものでございます。
例えばですけど、先ほど言いました第六中学校、これにつきましては、再編に関する指定校変更の弾力的運用というよりは、従来からの指定校変更の制度の中で入学者数が変動しているところでございますが、それ以外の学校については、大きな変動は出ていないというふうに考えてございます。
○北原委員 指定校変更の制度や再編に関する指定校変更の弾力的運用が影響したのではないかというふうな、少しお話ではありましたけれども、私はこの制度とこの弾力的運用というのは、かなり影響を与えますよというようなことは、今まで本会議の質問でもしているわけですね。これが、やっぱりこれだと思うとおりになっていったじゃないかということになってしまうわけですよね。それで私は、その再編計画を進めなければならないわけですね。これを進めたくない人たちもいるわけですよね。そのときにこういったことが出てきて、こうだからこうだったじゃないかということになりますと、まさにその中野区の公教育の再構築というのはさらにおくれていってしまうわけなんですね。そういうことを含めて、この特に指定校変更の制度や再編に関する指定校変更の弾力的運用、このことについては私はもう一回考え直してみる必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○相澤学校教育担当課長 さまざまな御意見があると思います。昨年度、再編計画をつくるに当たりまして、教育委員会の中でこの指定校変更の制度や再編にかかわる弾力的運用というものをつくったところでございます。当面、この制度を続けていきたいというふうに考えてございます。
○北原委員 地元の再編校に行かないのは、中学校ではちょうどこれは受験時期に再編があるということで、保護者に不安があるようです。これは指定校変更の、先ほどから言っていますけど、弾力的な運用もあると思いますが、逆にこの再編が、ちょうど受験期に重なる子どもたちが今度の4月に入学してくるということであろうと思っています。このことについてはどういうふうにお考えでしょうか。
○相澤学校教育担当課長 保護者の中には、委員御指摘のような御不安を抱いている方もいらっしゃるというふうに認識してございます。教育委員会としては、統合の対象校においても地元の指定校に入学していただきたいというふうに考えておるところでございます。そのために統合までの間、落ちついて教育が受けられるような教育環境の整備でありますとか、円滑な統合に向けての学校間の交流、指導内容の一層の充実など、全力を挙げて取り組んでいくことを保護者に伝えてきたところでございます。
○北原委員 質問を少し変えます。
ことしは新聞とかテレビを通じまして、私立校の人気が大変高かったというふうに思っております。今年度、私立中学校を、これは受験した比率が例年より高いんではないかと思われますが、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○相澤学校教育担当課長 私立中学校の受験者の数というのは把握してございませんので、入学者数というようなことで回答させていただきたいと思います。
今後、届け出が出される分もございますので、まだ確定的なことは申し上げることはできませんけれども、現時点で私立中学校に入る入学者比率というのは平成17年度とほぼ同様と、同じ程度というふうに見込んでございます。
○北原委員 近く再編となる地域とその他の地域とで、私立中学校に今、流れたということを言われているんですけども、流れた比率について違いが出ているのかどうか。もしおわかりになれば、答えていただきたいと思います。
○相澤学校教育担当課長 これも入学者数ということで御回答させていただきたいと思います。
私立中学校への入学者の比率については、再編対象校の地域とそれ以外の地域とでは大きな差がないというふうに把握しているところでございます。
○北原委員 結構です。
入学者減少が偏っていくわけですね、どうも。こっちがふえてこっちが減っていくとかですね。この場合というのは、極端にふえていくところは学校の施設上の問題を含めて、対応を短期的にしなきゃならないということがあるわけですね。1クラスふえますよと。じゃあ、教室はどうするんだということを直前になってやらなきゃならないということで、大変ふえる方も減る方もそれぞれ大きな悩みを持つわけであります。今後とも、この入学者数のことで同じような状況が繰り返されていく可能性が高いんです。今後、再編を迎える学校のためにも、この課題を総括しておくべきであります。減少への対応と急激な増加について、今後の対策、課題などをお答えいただきたいと思います。
○金野教育委員会事務局次長 入学者の人数によって、学校の学級数が変動するというようなことはこれまでもございまして、また、子どもの数の変化というのは避けられないというように思っております。その学校の教室の配置の変更などの対応は、着実にやっていきたいと思っています。
また、学校再編に伴って再編の対象となる学校で、ある程度入学者数が変動するというようなことについては、事実として受けとめていかなければいけないというふうに思っておりますが、教育委員会としては、できるだけ地域の学校に入学していただけるよう努力をしていきたいと考えております。
まず、再編する学校について、引き続き子どもたちに充実した学校生活を送れるよう、また適切な教育が受けられるようにしていくこと、それからできるだけ地域の学校に入っていただけるように、働きかけや情報提供をしていくというようなことに取り組んでいきたいというように考えております。
○北原委員 統合新校がスタートするまでには、再編となる各学校は入学者確保に努力をされております。教育委員会は再編に対する説明会だけではなくて、入学者の学校説明会にも出ていって、教育委員会が学校説明会で地元に入ってほしいというはっきりしたメッセージを出していくべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 学校での入学者説明会は、基本的には各学校で行っていただいておりますが、学校から依頼があったり話があるというようなことがあれば、それを踏まえて対応していきたいというふうに思っております。
また、入学者説明会以前にもさまざまな形で情報提供が必要かと思っていますので、そうしたことについて学校と協議しながら支援をしていきたいというように考えております。
○北原委員 次に、統合新校の施設整備についてお尋ねいたします。18年度予算で統合新校の整備で5億円の予算をつけましたけれども、どういう設備を考えているのでしょうか。お答えをお願いします。
○村木教育経営担当参事 平成18年度の統合新校の施設整備の対象となりますのは、桃園第三小学校と第十一中学校でございまして、両校とも施設整備につきましては、18年度から20年度までの3年間を予定してございます。そのうち18年度につきましては、両校とも屋上防水、外壁改修、アルミサッシ改修、バリアフリー化並びにPタイルの床改修などを予定してございます。
○北原委員 十一中は隣にたんぽぽ学級、肢体不自由学級があるわけですけれども、ここの生徒は十一中に在籍しているわけであります。今、このたんぽぽ学級との交流教育をすることが、現在も行われておりますし、今後ともしなければならないわけですが、校舎がバリアフリー化されておりません。これは音楽室とか理科室が3階にありますし、それから1年生の教室もこれは3階なんですね。これは構造上、1階につくることができないんです。エレベーターの設置が最低限必要ではないかと思いますが、そのような計画はあるのかどうか。これは今年度ではないかもしれませんけれども、来年度ではないかと思いますけれども、お尋ねいたします。
○村木教育経営担当参事 統合新校の施設整備につきましては、先ほども申し上げましたように、18年度は外側、これを中心に、19、20年度は内部を主に実施する予定でございます。その際、既存の教室の配置の検討なども必要になるとは思いますけれども、今後、いわゆる特別支援教育という大きな課題もございます。こうした実施を考慮すれば、エレベーターの設置については検討課題であるというふうに認識しているところでございます。
○北原委員 ぜひとも積極的な検討をしていただいて、特殊な学校であるわけですので、十分その特殊性をかんがみていただいて、実現していただきたいと思っております。
それから、統合新校ができるということは、これまで、例えば小学校の場合は3校が1校になるわけでありますので、備品の移設や廃棄にかなりの経費がかかると思いますが、学校再編に関して示された施設整備の経費枠の中に含まれているのかどうかお尋ねいたします。
○村木教育経営担当参事 学校再編にかかわります現在のフレーム上では、備品の移設や廃棄の費用は含まれてございません。統合により発生する不用となる備品については他校との調整をとりまして、有効利用をするなどの対応を図っていきたいと、このように考えておりますが、またそれにかかわる経費や廃棄をする必要があると。そうした経費につきましても、必要な時期に予算措置を考えていきたいと、このように考えております。
○北原委員 十一中ではLL教室の撤去費用を、これは通常の校割予算から出すということにしているんだということを聞きましたが、これは再編のための準備経費とすれば、学校に負担がかかり過ぎているのではないかと思いますが、どのように考えているでしょうか。
○村木教育経営担当参事 第十一中学校のLL教室の撤去費用について、校割という考え方をこれまで示したことはございません。LL教室の撤去費用につきましては、今後の施設整備の中で対応を図ってまいります。
○北原委員 大変ありがとうございました。これは私の調査不足かもしれませんので、そのようであったらおわびをしておきます。
それから次に、学校統合の統合準備のための学校の人的な負担についてどのように考えているのか。入学者の確保、あるいは交流事業の諸準備などがありますが、これは職員の加配などのことは考えられないのかどうかお尋ねいたします。
○金野教育委員会事務局次長 学校の再編に関する教職員の加配などについてのお尋ねですが、教職員につきましては、東京都の教育委員会の基準に基づいて配置されるものですので、区としてもいろいろ教職員の配置について要望しておりますが、区だけで対応するということには制約がございます。区でできることにつきましては、例えば学習指導補助員の配置などについて、一定の配慮をしていきたいというように考えております。また、事務的な作業につきましても、教育委員会事務局として学校とよく協議して対応していきたいと考えます。
○北原委員 統合委員会について質問いたします。学校統合委員会の構成や役割、あるいは決めることなどについてどのように考えているのかお尋ねいたします。
○金野教育委員会事務局次長 学校統合委員会は地域の意見を聞きながら、学校の統合新校の設置を円滑に進めるために設置するものでございます。構成としては地域の代表者、町会や自治会の代表者の方、それからPTAの代表者、校長などの学校関係者のほか、各地域の実情に応じてほかの委員を加えて構成したいと考えております。役割としては新しい学校の校名、校章、校歌、校旗などを検討するほか、標準服など学校指定品のあり方、また期待する学校のあり方、学校目標などですね。そういった新校のあり方などについて協議をしていただくことを予定しております。
○北原委員 統合委員会は後にしこりを残さないように、十分な検討をすることが必要であります。他区でありますけれども、制服を決めるだけで3年かかったという例もあります。すべて、統合委員会の自主運営に任せるのではなくて、教育委員会が主体性を持って運営や進め方に役割を果たして、中立性、公平性が失われないようにすべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 学校統合委員会の運営は、基本的には自主的な運営というようにしていきたいと考えておりますが、その事務局については教育委員会が担当したいというように思っておりますし、またその委員としても、教育委員会事務局からもしかるべき職員が参加をして公平性を保っていきたい、また円滑な運営に努めていきたいというように考えております。
○北原委員 統合委員会の委員のメンバーの中に、教育委員会が加わるからそれでいいのかと。その中で自主的なことが、本当に公平・中立に運営されればいいんですけれども、私はなかなかそういかないと思っておりますよ。そうした意味で、私は教育委員会がある程度主体性を持つべきだと。そして、中立性、公平性を担保していくということは、これは今後の再編計画を進めていくために非常に重要なんですね。新年度のもう4月には統合委員会が設置されることになっているわけですよ。これは19年に再編が行われるということになると、もう遅いぐらいなんですね。ぜひその中の役割ははっきりと教育委員会が一定の考えを持つべきだと思いますので、もう一度御答弁をお願いいたします。
○金野教育委員会事務局次長 現在、最初の再編となる学校に関する地域などについては、統合委員会のお話をしに入っております。そうした中でどういった委員の構成にするのか。またその中で、例えば座長のような進行役の考え方はどんなように考えていくのかということについて、教育委員会で十分検討して対応したいというように思っております。
○北原委員 一番大変で入り口であるのは、その統合委員会の中で、学校名だと思うんですね。学校名などを決める際に、統合委員会が例えば小・中学生の声を聞くとか、こういう方法をとるなんていうのはすごく私はいいと思うんですけれども、例えばそういうことをしないということになった場合は、これは統合委員会とは別に、例えば教育委員会が小学生の声を聞くとかということもやられるとか、あるいは統合委員会に対して小・中学生の意見も参考にしていただきたいよというようなことを、私は言うべきだと思いますけれども、このようなことについてはどのようにお考えでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 確かに学校名を決めると、なかなか大きな課題というように受けとめております。学校統合委員会でどういう決め方をするかということについては、協議していただきたいと思っていますが、そうした中で子どもたちの意見を聞くということについても、ぜひ協議してもらうように働きかけをしていきたいと思います。
○北原委員 ありがとうございました。
最後に、この項の最後になりますけれども、学校再編では後に続く学校のためにも、最初の統合をきちんとやることが重要であります。学校再編支援プロジェクトチーム、これは大変かもしれませんけれども、少数で結構ですので、こういった支援のプロジェクトチームをつくるなど、教育委員会はそのための最善の努力をすべきだと思いますが、教育長の決意をお聞きいたします。
○沼口教育長 学校再編問題につきましては、最初のお話にありましたように、中野区の公教育の再構築ということでございますので、我々も不退転の覚悟で取り組んでまいりたいと思っています。
ただ、この学校の再編は、単に学校同士を統合すればいいという問題ではなくて、やはりその目指すところは教育環境を整えて、よりよい教育内容を向上させていくというところにございますので、過渡期の問題はたくさんあります。そういうことに適切に対応しながら、また最初に統合する学校、これは本当に後に続く学校の模範となるような形でやらないと、全体の計画はうまく進まないということもございますので、肝に銘じて頑張りたいと思っています。
○北原委員 ありがとうございました。
それでは、次の質問に移ります。護岸調査とその対策についてであります。
昨年9月4日の集中豪雨は区内に多くの浸水被害をもたらしました。妙正寺川、江古田川水系では30数年ぶりという浸水被害になりました。特に妙正寺川においては、上高田の北原橋付近で40メートル、それから野方の三谷橋付近では30メートルにわたり護岸が崩壊しました。もし、あと1時間この豪雨が続いていたならば、護岸崩壊をきっかけに、浸水被害だけではとどまらない大災害になったと思われます。
昨年9月に妙正寺川護岸で2カ所のこの崩落があったわけですけれども、過去に区内で護岸が崩落するようなことがあったら、その事例についてお答えいただきたいと思います。
○野村公園・道路担当課長 お答えいたします。
1982年、83年、昭和50年代の後半でございますが、台風時に江古田川の護岸崩落というのが2回あったというふうに承知しております。
○北原委員 護岸崩落後、区職員による、これは中野区の全河川の目視調査を9月に実施したと聞いておりますが、その調査のポイントと調査結果をお尋ねいたします。
○野村公園・道路担当課長 9月4日の集中豪雨の後、9月8日になりますが、私どもの職員が区内の全河川全区間を点検しております。その際の目視調査のポイントは、護岸のかさ石のずれですとか護岸のブロックの目地の剥離、あるいはその河川沿いの通路の落ち込み、こういったものを中心に点検させていただいております。その結果、若干問題があろうかというふうに思われた地点を現在、整備工事を行っておりますが、1カ所は四中の校庭内、それから若宮二丁目になりますが、鷺宮製作所の前の河川管理用通路のところについて、現在、整備工事を行っております。
○北原委員 今年度の補正予算で、区内河川の護岸調査を委託実施することにしたと聞いておりますが、調査結果は出ているのか、お尋ねいたします。
○野村公園・道路担当課長 昨年の11月10日からこの3月20日までを期間といたしまして、委託の調査を実施しております。まだ調査期間内でございますので、調査結果というものはまとまってございません。
○北原委員 既に50ミリ対策の改修を終えている護岸について、今回の集中豪雨で亀裂などの被害は見られたのかお尋ねいたします。
○野村公園・道路担当課長 50ミリ対策の改修が終了しておりますのは、おおむね20数%程度と承知しておりますが、職員による目視調査の中では、特に問題となる箇所は発見しておりません。
○北原委員 今回の護岸崩落は偶発的なものなのか、それとも護岸の老朽化によるなど、これは耐久性の問題なのか。区はこれらの調査によって今回の原因をどのように考えているのか。また、発見された危険箇所について今後の対策をお尋ねいたします。
○野村公園・道路担当課長 先ほども御答弁申し上げましたが、まだ調査結果がすべてまとまったというわけではございませんので、その崩落の原因について明確にお答えするというわけにはまいりませんが、基本的には2回にわたる集中豪雨が続きまして、護岸裏側にある程度の水がたまっていたのかな。それで、2回目の9月4日の集中豪雨の際に、蛇行している河川の外側に対しては水圧が強く外側に働きかけますけれども、蛇行の内側については、かえって護岸を引っ張っていく力が作用するのかな。それで、集中豪雨がとまりまして、河川の水位が急激に下がっていくようなときに、外側にたまっていた水で護岸を押して崩落が起きたのかなと、こんなように感じております。
それと、今回のその調査結果について、今後どのように対応していくのかということでございますが、第三建設事務所とも協議を行いながら、必要な箇所については対応を図っていきたいというふうに思っております。
○北原委員 この災害で激特事業に指定されているわけですけれども、環状7号線の地下の調節池の整備状況ですね。進捗状況についてと、また妙正寺川からの取水口の完成はいつごろになるのか。これは年度を前倒ししてでも完成を急ぐべきだと思いますが、その辺はおわかりになりましたらお答えをお願いいたします。
○尾﨑土木担当課長 お答えいたします。
環七の地下調節池の件でございますけども、第1期事業が2キロメートル、第2期事業が2.5メートル、5キロメートルのトンネルが接続されまして、54万トンの貯留ができるようになっております。また、貯留は神田川とともに、善福寺川からも昨年9月中旬から取水できるようになりました。それで、妙正寺川からの取水につきましては、18年度中の取水施設の工事を進めまして、19年度から取水できるようになります。それで、この取水施設の整備につきましては地元、または中野区の強い要請を受けて、東京都が当初の予定を1年早めて計画したということでございまして、最短の整備スケジュールであると聞いているところでございます。
○北原委員 この項の最後の質問ですけれども、激特事業は数年先までの事業であります。仮に今回の調査で危険箇所が発見されたといたしますと、数年先の護岸改修まで放置するということはなかなかできないと思います。激特事業の実施計画と調整の上、優先整備区間を決定する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○野村公園・道路担当課長 お答えいたします。
先ほども申し上げましたが、この結果につきましては、三建事務所の方ともよく協議を行って、施行してまいりたいというふうに思っております。それで、基本的には河川の改修というのは、下流域の方から順次進めていくということが想定されますので、もし仮に上流域の方に問題箇所があるということでしたら、現在の護岸そのものについては河堰をそのまま残しながら応急的な対応をして、しかるべく後に激特の事業で改修を行うと。こういうことで計画をしております。
○北原委員 どうもありがとうございました。
残り時間が20分少しになりました。最後の質問に入らせていただきます。
情報格差についてであります。
情報化の進展は社会生活に大きな変化をつくり出しております。若年層を中心とした世代と、高齢者層を中心とした世代に情報格差が広がってきています。10か年計画を確かに実行するには、多くの区民の理解と協力がなくてはなりません。そのためには区民と行政の間の情報の共有が、区政運営にとって極めて重要な課題となります。
また、中野区は電子情報の拡大を図る計画を持っております。こうした背景の中、この4月からシティテレビ中野の区民チャンネルが、区内のほとんどの世帯で視聴可能になったことは高く評価されます。しかし、2005年度中野区世論調査によれば、区の情報が区民に十分提供されているという層は、提供されていると、どちらかというと提供されているというのを合わせても31%、区政情報を入手できる層は、入手できている、どちらかといえば入手できているを合わせて28%であります。いずれも十分であるとは言えません。区民と区の情報共有を図るための主な媒体として、区報、ホームページあるいはケーブルテレビがありますが、今後、区はどのように情報共有に取り組んでいくのかお尋ねいたします。
インターネットの時代と言いますが、さきの2005年中野区世論調査でも区政情報の入手媒体として望むもの、これはインターネットで入手したいが24.7%に対しまして、区報やチラシなど紙媒体で入手したいという人が77.3%になっております。依然として紙媒体で入手したいという要望が、8割近いという結果が出ているわけであります。
そこで過去5年間、平成14年度から来年度の18年度ですけれども、広報関係の予算はどのように推移しているのか。区報、それからホームページ、あるいはその他、入手媒体ごとに概算を示してもらいたいと思います。
○鈴木広聴広報担当課長 お答えいたします。
各広報媒体の予算の推移というお尋ねでございます。
まず、区報につきましては、5年前の平成14年は約6,000万円ほどでございました。その後は新聞購読世帯数の減少傾向に対応する一方、コンビニエンスストアなど配布場所の拡大に取り組むなど、区報が容易に区民の皆様にとって手に入れられるよう工夫をしてきたところでございます。予算額はこの間の印刷、それから折り込み部数の見直しなどによりまして、平成18年度当初予算におきましては約5,100万円となってございます。5年前に比べまして約900万円の減ということでございます。
それから、ホームページについてでございますが、5年前から経常的に100万円ほどで推移してきたところでございましたが、情報技術の急速な進展に対応し、区民への情報提供手段としての重要な役割を果たしていくべきものといたしまして、平成16年度にリニューアルを行ったところでございます。リニューアルの経費分といたしまして、約1,000万円ほどでございました。したがいまして、平成16年度予算では合計で約1,050万円となっておりました。平成18年度は新しいホームページのサーバーのリース、ソフトウエアの管理・保守などの経費といたしまして、約170万円でございました。平成18年度予算案では新たに施設案内地図の作成のための業務、それから入力業務の委託、これを行うことにしたため約560万円となりました。19年度以降につきましては、これが平年度化するために約510万円となる見込みでございます。
それから、しおりにつきましては、5年前から昨年までは、主に転入世帯分といたしまして毎年2万3,000部を作成して、予算が約300万円でございました。平成18年度予算案では全面改訂を行ったり内容の充実、A4判化、それに加えまして部数を約5,000部増ということを行うことにしたため、予算額が約450万円となってございます。
○北原委員 ある会議で、100人ぐらい出席されていた会議でありますけれども、たまたまその日の朝、大体日曜日に中野区報というのは新聞に折り込まれますね。その日曜日の夜の会議でありましたけれども、出席者の方々に区報の記事を読んだかどうかということをお聞きしましたところ、その日の朝、新聞折り込みで区報が配布されたことを知っている人は、100人の中で数人なんですね。その数人の中でも区報を読んでいますかという質問をしましたら、これはほとんど読んでいないわけですね。これは今の区報のどこかに問題があるのかなという気もいたします。それは、情報入手のためには自己努力というのが一番大事なんですけれども、しかし努力しやすいようなことをつくらなければならないということも言えると思います。例えば活字を大きくしたり、あるいは概要版というものをつくったり、活字になじみのない人でも読んでもらえるような紙面構成を工夫する必要があるかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○鈴木広聴広報担当課長 委員が先ほど来、お話にございました2005年の世論調査、その中でも区報を読んでいる世帯の調査もございました。全体の67.6%という数字も出てございます。いずれにしましても、区報が区民にとって重要な広報媒体、情報の媒体であるというふうに考えてございます。わかりやすく読みやすい区報を目指しまして、広報の外部評価の仕組みといたしまして広報品質評価委員会、そういった委員会の御意見なども踏まえまして、紙面の改善に取り組んできたところでございます。さらに18年度は紙面の刷新も含めた検討を行っていく予定でございます。多くの区民の皆さんにさらに読んでいただけますよう、より一層の編集上の工夫を行っていきたいと、このように考えております。
○北原委員 次に、この中野区のしおり、区民生活便利帳というんだそうですけれども、この全戸配布についてちょっとお尋ねしたいと思います。
この中野区のしおりは、現在、財政上の理由等で全戸配布を行っていないと聞いております。ところが実際は今、区の仕組みもここ数年で大きく変わっているわけであります。区民が問い合わせをしやすいように、このダイジェスト版でもよいから、これは保存版として、今は窓口に来た人、あるいは新規に転入してきた人に配布されているという、そういう話でありますけれども、随分前に全戸配布をしただけで、今はされていないということでありますから、その区民サイドの方で区に問い合わせるということは、大体これは決まっていると思うんですね。電話の問い合わせとかというと、区役所もほとんど把握できていると思うんですよ。そうしたときに、そういったことを踏まえて、ダイジェスト版で結構ですから保存版として全戸に配布する。このことが先ほど言った、なかなか入手できていないということの、その2005年の世論調査、これの数値を上げていくというふうになると思いますけれども、このことについてはどのようにお考えでしょうか。
○鈴木広聴広報担当課長 中野区のしおりにつきましては、委員御指摘のとおり、平成5年度までは隔年で全戸配布していたものでございます。財政上の理由により休止して以来、全戸配布は行ってございません。現在では転入世帯、それから希望者の皆様を中心に、区役所や地域センターの窓口で配布してございます。中野区のしおりの全戸配布につきましては、区民生活に必要な基礎的な情報の提供ということで、重要な課題であるというふうに認識しております。
平成18年度につきましては、しおりの全面改訂を予定してございます。内容は新しくなっても、大勢の方に利用していただくという点では不十分でございます。したがいまして、全戸配布には作成に加えて配布の費用がかかり、配布のコストをいかに抑えるか。これが非常に工夫の要るところでございます。広告収入の確保などの取り組みとあわせて、実現に向けて検討してまいりたい、このように考えております。
○北原委員 次に、デジタルデバイドということでしょうかね。最近、もうインターネットでこういうことをよく言うんですが、情報格差ということでありますが、これは周囲の人に聞いても、パソコン等でインターネットをしている人たちというのは、やはり若年層ですね。特に、高齢者というのはなかなか縁遠い。私、紹介なんかやっているんですけど、役員をされたり委員をされている人たちで、50代後半からの主婦の方がたくさんおられるんですが、インターネットに興味は持っているものの、実際なかなか使っていかないというのが現状であります。こうしたその情報格差が解消されていない中で、区のホームページにより、より多くの情報提供を行っていくということでありますけれども、なかなかその効果が十分に期待できないのではないかと思っております。
何年か前に、これは国の補助だと思いますけれども、受けて、希望する区民を対象にパソコン教室を開いたことがありました。今後、区はこうした取り組みを、これは進めていくべきだと思うんですね。また、財政的な話が出てくるかと思いますけれども、例えば区内にある短期大学はほとんどコンピュータ教室を持っているわけですね。こうしたところ、うちの地元にある学校では、特に情報ネットワーク学科というのがありまして、ここで希望する人たちに対して無償の受け入れをしているわけですね。ぜひ、区内にある短期大学の方にこうしたことを要望していただいて、そして区民の皆さんに親しみやすいそのパソコン教室みたいなのを開いていただきたい。
これは例えば短期大学にとっても、文部科学省の方から、今、地域貢献というのは積極的にやりなさいよと。それを大学の評価としてしっかりと点数をつけますよというふうに文部科学省は言っているわけなんですね。ぜひ、こういうところに区の方も目をつけていただいて、もう既に始まっているところがあるかもしれませんけれども、この事業を少ない予算の中で実現できるわけですから、ぜひ工夫して、このパソコン教室について取り組む姿勢があるのかどうかお尋ねいたします。
○白土情報化推進担当課長 お答えいたします。
いわゆるデジタルデバイドの問題と申しますのは、パソコンやインターネットなどのデジタル系の情報機器を使いこなせる人と、それから使いこなせない人との間との情報格差によりまして、収入やサービスの利用面などで格差が拡大していくという問題でございます。近年、光回線などのブロードバンド環境が拡大していく中で、一層深刻化していくのではないかというふうに懸念しております。
その対策としまして、障害のある方や、あるいはパソコンになじみのない方、特に中高年の方などを対象としたIT講習会を開催するなどの取り組みにつきましては、委員御指摘のように大変重要で、現在も区あるいは関係団体で行われておりますけれども、御提案の趣旨を踏まえまして、今後も継続的に行っていくべきであるというふうに考えております。
ただ、IT講習会だけでは、デジタルデバイドの問題を抜本的に解決するというのはちょっと難しいかなというふうに考えてございます。それではどうしたらいいのかということになるわけでございますが、結論から言いますと、デジタルデバイドの是正のための切り札、これはデジタル化したテレビであるというふうに考えてございます。その理由でございますが、テレビはほとんどの御家庭に1台以上あるということで、一番身近な情報端末であると考えております。また、だれもがなれ親しんでいるということで、操作も簡単ですぐに情報が手に入るということで、テレビは最も身近、簡単、便利な情報端末であるというふうに考えてございます。
それで、このテレビにつきましては御存じのように、平成23年、2011年7月にデジタル放送完全移行に向けまして、既にデジタルテレビへの買いかえが始まってございますが、アナログテレビにつきましてもデジタルチューナー、それからデジタルセットトップボックス、これは家庭用のテレビに接続して、双方向通信を実現するための端末でございますが、これに接続することによりまして、デジタル化ができるということでございます。さらにこれとデータ放送を組み合わせることによって、区民が自宅のテレビから区のホームページにアクセスしたり、節約サービスや電子申請サービスを利用できる環境が整います。このデータ放送によりまして、地域コミュニティ情報をすることによって、一例でございますが、町会、自治会の回覧板を電子化して瞬時に回すことができるとか、あるいは地域活動の日時を広く周知、あるいは生活密着情報をデータ放送することによって、これも一例でございますけれども、地元商店街の安売り情報やイベント情報を流すこともできる。区民はこれらの情報を、いつでもテレビから好きなときに入手できるということでございます。
それで、このデータ放送の方式でございますが、地上デジタル放送による場合とケーブルテレビによる場合、大きくわけて二つございますが、既に実証実験等が行われて実用段階に入ってございます。中野区の場合には、区内に張りめぐらされておりますケーブルテレビ網を使って、データ放送をするというのが適当であるというふうに思いますけれども、デジタル放送のもう一つの利点としまして、双方向性があるということがございます。こういった環境をつくることによりまして、デジタルデバイドの是正ができるとともに、区民サービスの向上を期待することができます。
ただ、このサービスを実現するためには、やはり非常に大規模の電障施設の移管問題等、その前に解決しなければならない区民間の情報格差の問題がございますので、そういった将来構想に立った上で、これから現在急速に進んでおります放送と通信の融合、こういった流れも注視しながら、情報格差の問題に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○北原委員 大変詳しい説明をお伺いすることができました。なかなか覚えていないんですけどね。私もなかなかそのデジタル化が一番おくれている世代でありますけれども、詳しいことはまた改めてお尋ねをいたします。
最後の方になりました。あと2分余りですけれども、最後に区長にお尋ねいたします。
いよいよ新しい10か年計画ということでスタートするわけですね。この中で区民と情報を共有するということは非常に大切になってまいります。情報の共有というのは、情報交換だとか情報発信だとか、情報を受信する側の立場とか、さまざまな要素が絡み合ってまいります。そうした意味で情報格差をなくしていくというのはデジタルの問題でもありますし、紙の問題もありますし、これはそのほかのコミュニケーション能力の場合もあると思いますね。こういうことを踏まえて、区政運営についてこの情報格差をいかにしてなくしていくか。それが区政運営をスムーズに運営できていくのか、持続可能な中野区を実現できるかどうかで大変重要なことであろうと思っております。
最後になりましたけれども、区長の見解をお聞きして、私の質問を終わります。
○田中区長 電子的な媒体はたくさん発展して、いろんな形で大量の情報をさまざまな手法でお届けできるようになってきているということもありますけれども、一番ベースにあるのは、人と人のコミュニケーションというところがやっぱり大きいんだと思います。その地域の中での、例えば町会、自治会のような地域の中での人と人とのネットワークというようなものがきちんとでき上がっていると、そういう結びつきを通じてお互いに情報がうまく流れていく。そういう中にデジタル情報とかという形のものが、皆さんに適切にアクセスできる形で提供されているというふうな形になっていくことが大事だというふうに思っておりますので、そういう意味で人間同士のコミュニケーションというものが、よりうまく機能していくような地域社会をつくっていくということをベースに置いて考えていくべきだというふうに考えております。
○北原委員 ありがとうございました。初めての総括質問をさせていただきました。大変緊張しておりましたが、何とか時間内に終わることができました。どうもありがとうございました。
○斉藤(金)委員長 以上で北原委員の質疑を終了いたします。
ここで休憩にしたいと思いますが、委員会を1時まで休憩いたします。
午前11時57分休憩
午後1時00分開議
○斉藤(金)委員長 委員会を再開いたします。
質疑に入る前に、追加資料の配付について申し上げます。
追加要求した資料につきましては、お手元に配付のとおり、2件の資料が提出されておりますので、御承知おきください。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。小堤委員。
○小堤委員 2006年度第1回定例会に当たり、日本共産党議員の立場から総括質疑を行います。
質問項目ですけれども、2番目の青年雇用と4番目のコミュニティなかのんの充実を目指して、この順序を入れかえます。というのは、1番目の産業振興と2番目の青年雇用、これを主に答弁される理事者の方が同じなんですね。私の方の配慮が足りなくて、今回このように入れかえますので、よろしくお願いいたします。
まず最初に商店街、こちらの支援を中心とした産業振興についてお聞きします。
区内の産業構造は業種別事業者数が卸・小売業、飲食店の40.7%、サービス業は30.4%、不動産業は12.1%となっており、その多くが地域で商店街を構成しています。不動産業は12.1%と多いわけですけれども、この多くは区民の方が賃貸しをしていると。商店を経営されている方も兼ねている方が多いんです。この場合、業種別にどっちに分けるのかと聞きましたら、商売よりも不動産業、この収入が多い方は不動産業にカウントするということでございます。
産業の発展と地域経済の活性化には特性を生かした産業振興が必要であり、中野区は小売業を中心とした商業の町であり、商店、商店街が地域住民の生活と結びつき、まちづくりを進めてきました。したがって商店街支援、個店支援は区政の上でも大きな位置付けとなっており、産業振興のかなめとなっています。この立場から幾つかの支援策を質問いたします。
一つは、たび重なる増税や社会保障の切り下げ、雇用不安はとりわけ商店街、個店での消費を低迷させています。区は平成15年に経済勤労課を産業振興課にし、平成16年には商店街支援担当を置き、現在職員は3名です。遅きに失した感はありますが、こうした支援をさらに大きく強めていかなければなりません。
そこで伺います。新しい中野をつくる10か年計画では(仮称)商店街活性化協議会、この設置を決めておりますけれども、何を獲得目標に取り組むのか、まずそのことをお聞きいたします。
○鳥井産業振興担当課長 ただいまお尋ねの(仮称)商店街活性化協議会でございますけれども、10か年計画にも記述してございますとおり、新しい個店、商店街構想や商店街の活性化への抜本的な取り組みへの検討を進めるというものでございます。
○小堤委員 また、区には2002年3月に作成した中野区商店街振興プランがあります。このプランは区内商店街の活性化を図るための工夫、努力と商店街としての連携した取り組みの方向性について提案いたします。この提案がどこまで具体化されたのか。また、検討すべき点は何かお答えください。
○鳥井産業振興担当課長 この商店街振興プランでございますが、商店街、消費者、行政が連携いたしまして商店街の活性化に取り組み、まちづくりを推進していくという、そのための活動の提案や施策の方針を示したものでございます。このプランは主として平成15年度から始まりました「新元気を出せ商店街事業」の区内での展開の指針としてございまして、各商店会にも配布をして活用していただいているところでございます。イベント事業あるいは活性化事業実施の際の参考資料として、役に立っているというふうに考えてございます。
今後でございますが、さらに商店街が地域と連携した取り組み、そういったことが重要だと考えてございます。また、商店街としての取り組みの体制の強化も望まれるというふうに考えているところでございます。
○小堤委員 このプランでは、これからの商店街としてみずから考え、動く商店街、時代をつかむ商店街、地域に求められる商店街、そして受け継がれる商店街、これを明らかにしています。私も読みましたけれども、すぐできることと時間の要すること、これがあります。しかし、この立場で頑張れば、あるいは区の適切な支援があれば、中野区の商店街は必ず活性化される、この意を強くいたしました。また、人材育成につきましても、このプランでは経営戦略を持ち、行動力のある意欲的な人材を育成することが急務としています。
実はことしの1月25日付の中野区の区商連情報、この中に商店街大学に参加した青年の手記が載っております。この方は薬師アイロード商店街振興会にいる青年実業家です。そして、地域社会の核になる商店街が必要という手記を寄せました。この中で、「商店街が活気を出すには、各店の営業努力は大前提ですが、その上で商店街として何ができるのか。こうみずから問いをかけて、そしてそれぞれが答えを出すまでの道筋、方向、考え方等、商店街大学に参加してたくさんの教訓を得ることができました」。こういう頼もしい手記を寄せているわけです。そして、このプランを今後の商店街振興に生かし、地域の商業の発展のためには、一つは商店街への支援、二つ目には商店街を構成する個々のお店への支援、三つ目には商店街の核になる人材の育成。この三つを一体的に進めて、腰の座った支援が必要です。産業振興担当課長としてその決意をお聞かせください。
○鳥井産業振興担当課長 私ども商店街につきましては、区民の皆様の消費生活を支える。それだけではなく、地域コミュニティの核としての役割を担う重要なものであるというふうに思って、認識してございます。また、その活性化のためには、より継続的な活性化につながるような商店街事業への重点的な支援も重要であると考えてございます。引き続きその商店街の活性化支援のために、全力を尽くしたいと考えてございます。
○小堤委員 どうもありがとうございます。
次に、区商連の行う実態調査、これについてお聞きしたいと思います。
今後、区商連が中心となって大がかりな実態調査が計画されています。関係者に聞きますと、東京都が3年ごとに行っている調査では出ない点を探りたい、あるいは商店街の活性化が十分でない原因は何かを明らかにしたいと語っています。この実態調査に区はどのような支援を考えているのか、お聞きします。
○鳥井産業振興担当課長 この区商連の行う実態調査でございますが、平成18年度の私どもの新規事業でございます、商店街コミュニティ等推進事業、これに該当するものといたしまして、通常よりも補助割合を上げて補助することを予定してございます。また、既に区商連の方ではこの来年度の調査の準備に今入っていらっしゃるようですけども、区は区商連の要請を受けまして、東京商工会議所中野支部の皆さんとともに、その調査内容等を検討する打ち合わせにも同席させていただいているところでございまして、引き続きそのようにしていきたいというふうに思ってございます。
○小堤委員 今、課長の方から、補助割合を考えているという答弁がありました。それで、こうした事業を行うときには、都と区と商店街がそれぞれ3分の1と、こういう決まりになります。ですから、都と区が3分の2、これを区の負担をさらにふやして都と区では5分の4にする。そうしますと、商店街の方の負担は5分の1になるという答弁の中身です。ぜひそういう方向で頑張っていただきたいというふうに思います。
次にお聞きしたいのは、この実態調査はこれからつくられる(仮称)産業振興ビジョン、これにどのように生かされるのでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 来年度の新規で検討してございます(仮称)産業振興ビジョンでございますが、この中で商店街振興を検討する中で、十分参考にいたしたいと考えてございます。
○小堤委員 また、この項目なんですけれども、商店街地域コミュニティ等推進事業というのが5事業予定されています。その一つがこの区商連中心の実態調査であるわけです。それ以外にどのようなこうした取り組みが今あるのか。それをちょっとお聞きしたいと思います。
○鳥井産業振興担当課長 今回の5事業ということで、この商店街地域コミュニティ等推進事業を予定してございます。私どもがつかんでいる情報でございますけれども、一つは商店街の空き店舗、これを活用いたしまして、高齢者の方のお休みどころ、あるいは相談所といった機能を持つ店舗でございます。
もう一つは、やはり商店街の空き店舗、これを活用いたしまして、地域住民の方による趣味の指導が行われたり、あるいは作品の展示が行われたりといった店舗の事業でございます。それから、もう一つは地域の著名な観光資源といいますか地域資源、そういったものを中心といたしました、特にコンセプトのある商店街活性化の取り組みというものでございます。それから、現実な情報ではございませんけれども、NPO等が行います地域のコミュニティに資するような店舗事業ということで5事業、先ほどの商店街の行う実態調査を含めまして、5事業ということで想定しているところでございます。
○小堤委員 より区民的な取り組みがこの事業の中で行われようとしております。中野区では新しい取り組みですし、ぜひ成功させていきたいと思います。また、こういう先進例というのは他の自治体でもありますので、そういうものを学びながら進めていただきたいと、このように考えております。
次に、新元気出せ商店街事業、これについてお聞きいたします。この事業は年々実績を上げております。イベント事業の実績なんですけれども、平成15年度、これでは32商店街、48事業、平成16年度は33商店街、55事業、そして平成17年度はまだ見込みですけれども、38商店街、62事業とふえており、補助金額の実績も2,500万円、2,980万円、3,958万円と伸ばしております。特にこの中で、平成16年度から平成17年度は5商店街、7イベント事業ふえています。大変喜ばしいことです。このことで特徴や、感想があればお聞かせください。
○鳥井産業振興担当課長 私ども、こういった商店街の皆様のイベントの取り組みにつきましては、できるだけ部長以下職員で見て回らせていただくようにしてございます。
例えばですが、中野チャンプルフェスタといったものがございました。これは沖縄県のエイサーという踊りでございますけども、それを踊りながら中野区の北口周辺を練り歩くといったもので、地域全体を巻き込んだような特色のあるイベントであったというふうに感じております。また、夏祭り、盆踊り、夜店市といったような形でのイベントもございましたが、やはりこれは地域の皆さんがたくさん集まって、皆様の笑顔があふれるようなイベント、そういったものが多くなってきたというふうに感じてございます。こうしたイベントがふえつつあることに、私どもも手ごたえを感じているところでございまして、また一歩一歩商店街の皆さんの地道な取り組みが実りつつあるというふうに思ってございます。
○小堤委員 どうもありがとうございました。
ところが、このイベント事業補助では、66の事業中65の事業が100万円以下で、都の負担が3分の2、商店街が3分の1の負担で、区の負担はありません。そして、100万円以上の事業は1事業で、これについては都と区と商店街がそれぞれ3分の1ということになります。つまり、平成17年度はこのイベント事業の補助金額の総額、これは3,958万1,000円と多いわけですけれども、では区の補助はどうかと言いますと、200万円イベント事業の一つ、その3分の1の66万6,000円にしかすぎません。体力の弱い商店街ほど100万円以下のイベントでも負担が重く、参加をちゅうちょしています。
私は、2年前のこの予算総括質疑でも要望いたしましたけれども、全商店街の参加、これを目指して、どうしても100万円以下のイベントについては区独自の補助をお願いしたいと、こういう要望を出しております。ところが東京都は平成18年度からこの補助を、3分の2を2分の1に切り下げるということを行おうとしております。一つ、それはなぜそうなったのかお聞かせいただけますか。
○鳥井産業振興担当課長 昨年の秋でございますが、東京都の方からさまざまな都と区の事業の負担の割合等につきまして見直しの提案がございまして、その協議の結果、今、委員がおっしゃいましたイベント事業の中で、100万円以下の規模のものにつきましても区の負担が6分の1というふうなことで、協議がまとまったというものでございます。
○小堤委員 今、課長の方からの答弁の、そのとおりなんですね。しかし、それは都と区の配分の割合であって、商店街の負担は3分の1、これで変わらないわけです。私は改めて要望したいんですけれども、この区の負担と商店街の負担を同じくする。そういう点では都が2分の1、そして区が4分の1、商店街が4分の1と、こうすべきと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 ただいま委員から御指摘いただきましたとおり、平成18年度から100万円以下のイベント事業におきましては都と区の負担割合が変わります。これによりまして、商店街の負担割合の3分の1は変わらないわけでございますが、新たに区が6分の1の負担ということになったことによりまして、例えば平成18年度予算ベースで見ますと、区の新たな負担増が約1,080万円余りというふうに見積もっているところでございます。委員から補助の上積みというお話がございましたけれども、私どもといたしましては、そういったものはより商店街の継続的な活性化に資するということで、来年度事業で新規予定してございます商店街コミュニティ等推進事業の方で行いたいと、このように考えてございます。
○小堤委員 区の指標として、このイベント事業のその町に来る数ですね。来街者数の目標を平成17年度、これはまだ見込みですけれども160万人、それから平成18年度には165万人と、5万人の増をもくろんでおります。そのためにもこうしたイベント事業に参加する商店街をふやす、これが必要です。ですから、再度そのことを要望しておきたいと思います。
また、この平成18年度の新元気を出せ商店街事業の申し込みはこれからなんですけれども、取り組み状況はどうでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 これまでの新商店街元気出せ事業の実績や、商店街から寄せられております情報からいたしますと、おおむねイベントで65程度の申し込みがあるというふうに想定をしてございます。
○小堤委員 それと、申し込みの期限はいつまでですか。
○鳥井産業振興担当課長 3月15日であったと記憶してございます。
○小堤委員 まだ期日があるわけですから、ぜひ産業振興分野としても努力されて、参加する商店街、イベント事業数、これがふえるような、そういう努力をしていただきたいと思います。
そして、このイベント事業を見ますと、参加の商店街は32から33、38、そして新年度は42、またイベント事業は48から55、62、そして新年度は65とふえております。ぜひこの流れをさらに大きくしていただきたいと思います。
次にお聞きしたいことは、中野区商店街の活性化にかかわる事業者の相互協力等に関する条例についてであります。この条例は昨年の12月7日に公布されました。この条例の実効性をあるものにしていかなければなりません。制定後、区はどのような取り組みをしてきましたか。
○鳥井産業振興担当課長 17年12月に議決をいただきまして、制定されましたこの商店街の活性化等に関する条例でございますが、商店街の役割を私ども区として、先ほど申し上げましたんですけれども、区民の皆様の消費生活を支えるだけではなくて、地域コミュニティに資する役割を担っていただいているということで条例を制定したものでございます。実際のPR等でございますが、ことしの区報1月15日号の2面で、区内商店街の果たしている重要な役割についての広報記事を掲載してございまして、この中で今回のこの条例の内容にも触れたところでございます。また、条例制定後の年末年始、商店街との会合、役員会等たくさんございましたが、その中でもPRに努めさせていただいたところでございます。
○小堤委員 ありがとうございます。
それで、世田谷区なんですけれども、ここも2004年4月に条例の一部を改正し、実施しました。そして、商店街への加入と事業協力、これを強力に進めるということを決めました。
実はこれに先立って、2月に世田谷区長名でコンビニ、スーパー、ドラッグストア、飲食店等のチェーン店453店及びその上部の企業本部に対しまして、改正内容とその趣旨を伝える条例の案内文、これを送付いたしております。これが実物なんですけれども、これによりますと、世田谷区産業振興基本条例の一部改正の御案内(商店街への加入と事業協力のお願い)。そして、いろいろ書いてありまして、平成16年2月、世田谷区長熊本哲之と。そして左側にはこの変わった条例の部分ですね。これも書いてあります。一つが、商店街への加入等により相互に協力するようにと。もう一つは、応分の負担等をすることにより、当該事業に協力するようにと、こういう要望の文書なわけです。
その後もこの世田谷商店街は商店街加入促進委員会、通称パワーアップ委員会と言いますけれども、これが取り組むさまざまな活動、例えば啓発紙の発行や加入促進マニュアル作成、そして区内にある約1,200店の不動産屋さん、ここに新規出店の条例や加入チラシの配布依頼、またチェーン店対策、2回の加入促進大会、またこの2月28日に行われた全国商店街加入促進サミットなどへの支援、少なくない補助金を含めて支援を行っております。こうしたことも、この世田谷区の条例の中に事業者の責務とともに、区の責務も明記していることを指摘しなければなりません。
そこで伺います。中野区の区商連の本格的な取り組みもこれからです。区の新姿勢をお聞かせください。少なくとも各チェーン店と本部に、中野区長名の条例案内文と商店街への加入事業協力のお願い、これを送付すべきだと思います。お答えください。
○鳥井産業振興担当課長 商店会への加入促進という部分でございますが、基本的には各商店会やその連合体でございます区商連の方で取り組んでいただいているものでございます。私どもはその活動に対しまして、十分な支援、協力は行っていきたいというふうに思ってございます。
例えば、区商連の方では加入促進委員会のようなものをおつくりになりまして、区商連の会長みずからその委員長に就任され、加入促進の運動をこれから強力に進めていかれるというふうに伺っております。例えばお話でございますが、なかなか商店会に加入していただけないような、そういった例えばチェーン店、そういったものがございましたら、その本部へ働きかけを行いたいというふうにおっしゃってございます。そういった場合には私どもで制定していただきましたこの条例案文を持ちまして、その本部への働きかけには同行するような形で協力もしていきたいというふうに思ってございます。
○小堤委員 今、そういう取り組みをしたいという答弁がありました。私は今、世田谷区の条例には区の責務があると紹介いたしました。大体どんな自治体のこうした条例でも区の責務とか区長の責務、こういうのを明記しております。中野区にはないわけですけれども、しかし中野区の条例の第6条ですね。これによりますと、組織基盤の強化に対する支援ということで、第6条では区は前条第3項に規定する商店街の組織の基盤の強化に対し、必要な支援を行うものとすると、こういうふうに書いてあります。ぜひそういう立場でよろしくお願いしたいと思います。
そして、私はこの場で発言したいことは、こうした世田谷区の取り組みの中で実際に効果が上がっているということなんです。それで条例改定以来、2005年12月末の段階で786件が新規に加入し、そのうちのチェーン店は2割なんですね。また、あるチェーン店の企業では構成店の7割が商店街に入会したと、こういう状況です。ですから、取り組みいかんでは効果の上がるこうした事業に、区の支援を心から要望したいと思います。
次にお聞きしたいのは、商店街街路灯電灯料助成についてお聞きします。
新年度は1,258万2,000円が計上されていますが、昨年度に比べて41万4,000円、これは減っているんですね。この原因は何でしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 私どもの方では商店街の方で設置されました街路灯、これを夜間、昼夜点灯していただいております場合に、その防犯上、生活安全上といった観点からその電灯料の助成をさせていただいてございます。確かに18年度予算では17年度と比較いたしまして41万円ほど減ってございますが、この原因でございますが、商店会の解散といったことがございまして、街路灯の本数が若干減ったことによるものでございます。
○小堤委員 こうした街路灯は商店街に役立つとともに、夜道を照らし、町の防犯、あるいは安全に大きな役割を果たしております。だからこそ、多くの商店街が地域の明かりを消すわけにはいかないと、そういう頑張りをしております。ですから、そうして商店街が解散するということは非常に残念に思います。
そして、江古田にあった一つの商店街は加盟店が18店舗に減って、昨年の7月に解散しました。この商店街の電灯料負担は3割で、7割は区から助成がされていました。しかし、それでも最高時は86店舗ありましたから、解散時には1店舗当たりの負担は4.8倍になっていました。この商店街は解散前に商店街でつけた街路灯の33基、これを撤去いたしました。そのことによって夜道が大変暗くなったわけです。ですから、地域の住民の方から不便ということで都にそういう要望があり、今、都は都道のためのこの住民の要望を聞いて、現在街路灯の設置の工事を行っています。例えば、今後同じようなことが区道で起きたら区は設置をするのか、それをお聞きします。
○野村公園・道路担当課長 お答えいたします。
現地の状況を調査させていただき、必要性のあるものについては区が街路灯を設置することといたしたいと思います。
○小堤委員 私も商店街に行ってみたんですね。確かに区の電灯と並んで商店街の街路灯がついているわけなんです。ですから、商店街の街路灯、電灯がなくなっても、区で設置した街路灯はついているんですけども、大体25メートルとか30メートルに1本なんですね。それで、やっぱり夜道は暗いですね。そういうことを勘案して、今の課長の答弁だったと思いますけれども、ぜひそういうことになりましたらよろしくお願いしたいと思います。そして、何よりもそうした事態が起こらないように商店街の活性化を進めていく、このことが大事だと思います。
次にお聞きしたいことは、区内の商店を支援するために、中野区共通商品券を活用するということを区は行ってきました。どのようなところにどのくらい活用したのか、お聞きしたいと思います。
○鳥井産業振興担当課長 お尋ねの区内共通商品券でございますが、区で購入し、活用している例について御答弁申し上げます。
例えば、国政調査員の推薦の謝礼、あるいは消火器を置く場所の土地の提供の謝礼、それから成人の集い実行委員謝礼、明るい選挙推進員謝礼、あるいは敬老祝い品、主にこういったもので活用しているところでございます。
数でございますが、ここ数年間の平均で申し上げますと、年平均4,700万円ほど購入をしてございます。今後もこのような謝礼を払うような場を生かしまして、購入・活用してまいりたいというふうに考えてございます。
○小堤委員 ぜひそうした支援を引き続きお願いしたいというふうには思います。どうも課長、ありがとうございました。
次にお聞きしたいことは、区内の商店街では小学生、中学生の職場体験、これを受け入れています。その状況についてお聞きしたいと思います。まず、小学校からどうでしょうか。
○小林指導室長 区内の多くの小学校では、社会科の地域の学習におきまして、学校周辺の職場の見学が行われておりますが、委員御指摘の職場体験については、今年度一部の小学校で地域の商店街の協力を得て、児童が商店のお手伝い等をしているところでございます。
○小堤委員 じゃあ、中学校の方はどうでしょうか。
○小林指導室長 区内の中学校でございますが、全中学校におきまして、第1学年、第2学年を中心に地域や区内、近隣区の事業所で、2日から3日間程度の職場体験を実施しているというところでございます。
○小堤委員 職場体験した子どもたちは、より地元の商店街に関心を持ったと思います。そういう点で感じたことがあればお聞かせください。
○小林指導室長 体験後の生徒からは、仕事をする上での緊張感や責任感を実感するとともに、やり遂げたといった成就感を味わい、いい体験になった等の感想が多く聞かれると学校から報告を受けております。このようなことにつきましては、今後も積極的に推進してまいりたいというふうに思っております。
○小堤委員 どうもありがとうございます。
中野区は多くの農地が宅地化され、住宅地としての機能を培ってきました。そして、住民の皆さんと商店、商店街が力を合わせ、まちづくりを進めてきました。商店街での売り上げは地元で何回も使われ、地域経済に還元され、区の税収につながります。スーパー、チェーン店の売り上げは即日本部に行き、見た目ほど地元に還元されません。そして、地元の商店は地域住民の雇用の場でもあり、住民の職住接近でまちづくりにプラスになっています。また、子どもの安全・安心が叫ばれる中で、品川区の戸越銀座商店街では「こども110番」を開設し、独自のオレンジ色の旗を店頭に掲げ、何かあったら子どもが駆け込める拠点にしております。ある商店街では協力店が約80%の300店、そして見守る目がふえて安心、あるいはおじさんは顔見知りなので、子どもも助けを求めやすいと好評です。こうしたことも地元と 商店街ならではの取り組みです。地域経済、社会に貢献する商店街支援、個店支援を強く求めます。
そして、私たちは繰り返し、中野区の産業振興の基本に中小商店を据える中小企業振興基本条例の制定を強く求めてきたところです。そうした努力を引き続きしていきたいと思います。
そして、ことしの区商連の新年会には産業振興分野の課長とともに、商店街担当の職員の方2名が参加されました。私は僣越ながら「商店街を訪問していますか」と、こう聞きましたところ、回っていると答えられました。今後ともそうした姿勢で仕事をされることを期待し、この項の質問を終わります。
次に、コミュニティバスなかのんの充実についてお聞きしておきます。
なかのんが運行され、区の中心部に行きやすくなった、出かける気持ちになる、あるいは区政が身近に感じられると好評です。よく利用される上鷺、鷺宮から乗車される方は友達のように感じる、こう語っておられますが、ここに地域の皆さんの思いがあります。
なかのんは昨年11月30日に運行されましたが、予想より利用が多いと聞いています。12月、1月の乗車状況と特徴をお答えください。
○尾﨑土木担当課長 コミュニティバスなかのんの運行状況につきまして、御報告をしたいと思います。
12月の乗車人員でございますけども1万3,308人、1日平均利用が約430人でございます。1月の乗車人員は1万5,358人、1日平均利用が約495人となっております。12月より1月の方がふえております。また当初、バス会社が想定いたしました乗車人員を上回っている、そういった状況でございます。
利用者の特徴といたしましては、現金での御利用がふえているということと、シルバーパスを使えるという特徴がありますので、高齢者の方の利用が多いということでございます。また、平日より土曜日、日曜日、あるいは祝日の利用が多いことが挙げられると思います。
○小堤委員 この間の特徴として、現金で利用される方が多いということですね。
それと、私は当初シルバーパスを利用される方は、よく半分じゃないかという見積もりをしていたと聞きましたけれども、ことしの1月を見ますと現金で乗られる方は43.3%、カードで乗られる方は27.3%、そしてシルバーパスは29.4%と、こういう比率になっております。また、土・日の乗車が多いということもあると思います。現金収入が多いということは、バス会社の経営にとってよいことですし、土・日の乗客が多いということは、ショッピングなどで利用される方が多いのではないかなというふうに思っております。
ある方が以前、大きな買い物をするときは新宿や池袋に行っていたが、今度は中野で買い物できると、こういうふうに語っています。直通で中野に行き、買い物できることの経済効果、これは多いと思いますけれども、いかがでしょうか。
○尾﨑土木担当課長 土曜日、日曜日の利用が多いということでございまして、利用目的を調査したわけではもちろんございません。ただし、印象としては、中野駅周辺への買い物や食事などの目的で御乗車されているのではないかなというふうに想像をいたしております。そうであれば、経済効果を生んでいることと言えるかもしれません。
○小堤委員 今、課長は経済効果はあるかもしれませんという答弁でしたけども、私は経済効果はあると確信しております。
あわせて、健康促進の効果もあると思います。バスというのはバランス感覚を保つのに非常にいいんですね。ですから、武蔵野市がムーバスを導入したときに、当時の市長が議会での答弁で、「寝たきりで1,000万円を1人にかけるよりも、こうしたバスをつくって高齢者に乗っていただいた方がいい」と、そういうことを発言したのを思い出しました。
次にお聞きしたいのは、なかのんは現在、八成小学校から見ますと始発が午前7時50分と遅く、中野駅からは終発が午後6時10分と早い。このことは当初から指摘されていました。しかし、これは朝夕の渋滞や高齢者の利用時間帯等を判断して、現在の運行時間になっています。しかし、シルバーパス以外の利用が伸びており、一般の方の需要もさらに期待ができます。それで、停留所にあるこのなかのんのお知らせには電話番号等も書いてあります。そういう点で、運行時間等について中野区なり関東バスなりにそういうお問い合わせがあったかどうか、ちょっとお聞きします。
○尾﨑土木担当課長 運行時間の件でございますけども、運行ダイヤや使用時間についてのお問い合わせはかなりございます。
運行時間につきましては中野駅初の終発便、これが18時10分でございますけども、これを何とか19時台、午後7時台まで延長してくれないかという、そういった内容の御要望を二、三件いただいているところでございます。バス会社から特にこの運行時間についてのお話は聞いていません。今後、ある程度の利用状況を把握した上で、バス会社とともにいろいろと検討は進めてまいりたいと思っています。総合的に検討していこうというふうに考えております。
○小堤委員 先ほど乗客状況はお話ししていただきました。12月の乗客は1万3,308人、1月は1万5,358人と15.4%も伸びています。さらに乗りやすいバスにしていかなければなりません。
そこで提案したいんですけれども、なかのんの蝶々のマークのプレート、これがあります。各停留所に設置されてシンボルマークになっているんですけれども、環七通りのバス停、野方駅北口のバス停から大場通りのバス停の間、これはありません。また同じく早稲田通りにもありません。専用のポールを立てられないからです。当初努力されたそうですけれども、このルートには同じ関東バスのポールが立っております。このポールにプレートだけでも設置できないか、どうでしょうか。
○尾﨑土木担当課長 蝶々のプレートがなかのんのバス停についておりますけども、停留所につきましては環状7号線、早稲田通りにつきましても中野区、それからバス事業者とともに、専用の停留所の設置を希望いたしました。ただ、関東バスの既存の停留所があることから道路管理者、これは東京都でございます。及び交通管理者の承認が得られなかったという経緯がございます。そういう事情で、既存の停留所にプレートを設置するということを考えましたけども、なかなか既存の停留所にあの蝶々のプレートを設置することは困難であるということから、路線名となかのんと行き先を表示して対応しているところでございます。
○小堤委員 このプレートは長さが32センチなんですね。そんなに大きなものじゃないので、さらに検討を願いたいということを要望しておきます。
次にお聞きしたいんですけれども、地域の皆さんから、なかのんは通ったんだけれども、停留所が自宅から遠いという声があります。この声の多くは、中野のチベットと言われた上鷺宮地域の中部から北部に住んでいる方々なんです。また1997年、平成9年10月にバス需要調査で一番要望のあったコースは上鷺宮の内側を通るコースであります。これはちょうど今の上鷺宮地域センター前を通るルートで、道幅も結構あるところなんです。そして今、なかのんが運行されまして、あのようなミニバスなら地域内を走っても交通負荷は少なくて安心だという声があります。地域の高齢化はさらに進んでいます。適当な時期になかのんの利用アンケートを実施してはいかがでしょうか。お答えください。
○尾﨑土木担当課長 なかのんの利用アンケートでございますけども、なかのんはお話がありましたとおり、運行してから3カ月を過ぎたばかりでございます。今後さらに私どもは運行状況を見ていく必要があると考えております。ある程度の期間における運行状況を把握できた段階で、運行支援について検証する予定がございます。このような検証していく過程の中で、必要があればアンケートを通じて検討していきたいと思っております。
○小堤委員 ぜひそのようにお願いいたします。
それと、ことしの新年会なんかでなかのんではバス停が遠いと。区内最北部の上鷺宮三丁目、四丁目、五丁目の住民の皆さんから、直通で中野駅のバスが欲しいという声が多く出されました。現在、中野駅から中村橋駅まで毎日44便が、そして朝夕は1時間4便が出ています。また、阿佐ヶ谷駅からは平日は167便もあります。この地域から中村橋駅までは電車の区間では1駅ですけれども、直通で中野駅まで行ければ大変便利になります。この間、区として関東バスに2回、口頭で要望したとのことですが、回答はまだのようです。どのような経過になっているのでしょうか。そして、バス会社の議題にのりやすいように、区長名をもって文書で強く要求すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○尾﨑土木担当課長 今お尋ねの関東バスには、中野駅、中村橋駅間のバス路線がありまして、これを富士見台まで延伸できないかということで、私の方からバス会社の方に今、検討方要望しているところでございます。それで、こういった経過の中で、この要望につきましては地域の中でさらに議論をしていただきいと考えております。地域の意向をまとめていただく必要があると感じております。その上で区として対応していきたいと思っているところでございます。
○小堤委員 ぜひ地域住民の皆さんの要望にこたえるように、区としても頑張っていただきたいと思います。
次に、このなかのんのさらなる利便性を図るとともに、検討すべきは日常生活の移動にとって便利な住宅地と最寄りの鉄道駅、幹線バス停留所や地域の商業、文化、医療機関、区施設等を結ぶバスです。生活の基本である移動が容易になることによって、個々の生き生きとした暮らしにつながり、そのことが健康増進や社会参加に寄与します。そのための検討会の設置を、私は2005年度の第1回定例会でも求めたところ、区は庁内検討組織を設け、検討するという答弁でした。現在どのような検討になっているのかお聞かせください。
○尾﨑土木担当課長 新しい交通の仕組みにつきましては、庁内に検討組織をつくり、検討していく考えでおります。今後、その検討組織をつくり、これから検討を始めたいと思っております。
○小堤委員 ぜひそのようにお願いします。どうもありがとうございました。
高齢化社会が進む中でバスは動く公共施設、こう言われております。まちづくりや福祉の中心に公共バスを位置付けるならば、それを検討する組織が必要です。武蔵野市のムーバスや杉並区のすぎ丸くんが成功しているのは事前の取り組みがあったからです。特に、武蔵野市は高齢者の本音と切実な要求や無意識の行動特性、これをつかんで、システムづくりに反映させるためにグループインタビューやビデオ撮影による高齢者の行動調査を行いました。こうした調査が運行システムや経路に反映され、成果につながっています。高齢化社会に向けた交通対策を前向きな施策として強力に進めてくれることを要望し、次に進みたいと思います。
次に、補助金のあり方についてお聞きします。
区が行う補助金については、中野区補助金等検討協議会が昭和48年に出した中野区における補助金等のあり方について答申があります。この答申では補助金について五つの基準を示し、一つは効果があること、二つ目は重要性の優先、三つ目は平衡を失わないこと、四つ目は公正であること、五つ目は範囲の限定としています。これらの基準を含めて、答申の考え方は現在なお生かされると思いますけれども、区の考えはどうでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 お答えをします。
ただいま委員が掲げられました5項目、これについては、現在の補助金の執行に当たっても基本としているところでございます。
○小堤委員 それと、平成16年度の決算で、補助金の総額が19億6,267万円となっています。平成18年度の予算ではどのくらいになるのかお答えいただけますか。
○篠原財務担当課長 お答えします。
18年度予算案でございますが、18億3,085万9,000円でございます。
○小堤委員 そして、こうした補助金を出す場合には、区民の皆さんから見ても納得のいく公平性や透明性が確保されるべきです。その点、区の考えはどうでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 中野区が補助金を執行するに当たりましては、公平性、透明性、これをしっかり確保しながら行ってきているところでございます。
○小堤委員 それでは、新年度で町会、自治会活動推進助成として2,600万円が新たな補助金として計上されています。その中身についてお答えください。
○登区民生活部経営担当課長 お答えします。
18年度予算の町会、自治会活動に対する助成金でございますけども、大きくはこれは各町会、自治会活動への助成金、これは総額2,550万円と、もう一つは中野区長会連合会の活動に対しての助成金50万円、この二つに分かれます。それで、各町会分につきましてはその町会の自治活動と、それから区政協力活動の二つの活動が補助対象ということになります。ただ、上限がございまして、トータルで1世帯当たり150円、これに世帯数を掛けた総額、これを上限とするという考えでございます。
なお、各町会、自治会が任意に行う自治活動につきましては、対象経費の3分の2の補助というふうに考えています。したがいまして、3分の1は町会の方で負担をするというものでございます。また、区がお願いしてやってもらうもので区政協力活動、これは瓶、缶の回収活動の協力ですとか、あるいは区の広報への協力、こういったものにつきましては、区の基準に基づいて支給をするというものでございます。
なお、町会、連合会の活動に対する助成金につきましては、町会、連合会からの公益的な活動を対象にしまして、その3分の2を支給して50万円を限度とすると、そういうものでございます。
○小堤委員 報告されましたけれども、具体的な積算の根拠ということが大事になります。それで、区の広報協力、回覧だとか掲示板云々で1世帯30円ですか。それと瓶、缶、これに対しての補助もするということですけども、それが幾らなのか。そして、それを合わせて1世帯当たり150円という計算ですけども、そこのところをもう少し詳しくお答え願えますか。
○登区民生活部経営担当課長 瓶、缶の回収に対する協力ですけども、回収ポイントといいますか、回収場所は1カ所当たり年間1,440円という計算でございます。また、区の広報活動への協力につきましては、これは回覧板で配布、区の方からいろいろな広報物をお願いしていることもございます。また、町会の掲示板への掲載、これもお願いしているものもございます。いろいろありますが、トータルで1世帯当たり30円程度の積算で計算をしております。
これ以外に、先ほど申しましたような自治活動に対する助成金というものがございます。トータルで1世帯当たり150円を限度とするという考えでございます。
○小堤委員 こうした上限を決める上で、町会の方ともお話しになったと思うんですけれども、その辺の役割というのはどうなんですか。
○登区民生活部経営担当課長 町会、我々の考えからすれば補助金といいますか、助成金につきましては一定の効果がある金額でなければならないと。したがいまして、多過ぎてもまずいですし、少な過ぎてもまずいと、そういうものだろうというふうに思います。
それで、助成金を出すことによって、その消化をするために活動すると、そういうようなことであってはだめだというふうに思っております。そういうことから勘案しまして、あと区の財政状況等々を勘案しまして、150円程度が今の町会活動にとっては一番妥当な金額ではないかなということから、その金額にしたということでございます。おおむね町会側の反応はその程度、欲しいのはもっと欲しいけども、その程度ならばという、そういう感触を私どもは受けております。
○小堤委員 ここで世帯数というのは、何を指して決めているんですか。
○登区民生活部経営担当課長 この助成金自体が、町会のいわゆる公益的な活動を対象としておりますので、その地域に住むすべての世帯の方を対象にしているということから、住民基本台帳上の世帯数という数字で押さえております。
○小堤委員 それと、町会連合会に加入していないところもありますよね。その辺の数とか、そのことによっての何か区別みたいなのがあるのかどうかお聞きします。
○登区民生活部経営担当課長 町会で町会、連合会に加入していない町会ということでございますけども、ほとんどの町会、自治会が中野区長会連合会に加入しています。108町会ということになりますけど、それ以外に加盟されていないのが、我々の把握では五つの町会、自治会が加盟しておりません。ただ、この助成金につきましては、そうした町会、自治会に対しても助成の対象ということを考えております。
○小堤委員 今までこうした補助金は、行う事業に対して補助されていたわけです。それで、お聞きしたいんですけども、今回こういう形で2,600万円補助されるわけですけども、逆に使ってはならないような項目というのはあるわけですか。
○登区民生活部経営担当課長 基本的には公益的な活動に対して助成をするということですから、これ以外の項目につきましては対象外ということになります。よく言われるのが親睦会等の飲食とか、そういったことだろうと思いますけども、それらに対しては対象外ということでございます。
○小堤委員 それで、補助を受けるに当たっての申請方法と、その会計はどうなるのか。それについてお聞かせください。
○登区民生活部経営担当課長 これは各町会、自治会の申請に基づいて支給するというものでございます。したがいまして、申請を受け付ける時点でどういう事業に対して申請するのかということで、我々はそれにつきまして公益性というものを、その段階でチェックするということでございます。
また、活動実績につきましては、年度末に御報告を求めることになりますけども、その段階でもどういうものに使いましたという報告を受けるということになっていますので、その段階でもチェックするということから、公益性や透明性については確保できるというふうに考えております。
○小堤委員 どうも課長、ありがとうございます。
町会、自治会への補助金は、新年度から初めて行われるものであるだけに、補助金等検討委員会の答申の精神から見ても、また公平性や透明性を求める区民の目から見ても、納得のいくものでなければなりません。そのことを強調して、次に移ります。
次に、青年雇用についてお聞きします。
総務省は労働力調査による非正規雇用は、10年前に比べると593万人ふえ、2004年度は1,564万人で、労働者の3人に1人、若者は2人に1人の割合でいるということを発表いたしました。大変な状況であるわけです。こうした低収入、不安定な非正規雇用が劇的に進んでいる背景には、財界と政府の雇用破壊があります。
それで、財界の労務対策を担ってきた当時の日経連は1995年、「新時代の日本的経営」で正規雇用は管理職など一部のみ。それ以外は派遣や請負、パートなど、非正規雇用にという方針を出しました。政府はそれに沿って1998年と2003年に、2度にわたって労働基準法を改悪いたしました。その一つが有期雇用の上限を1年から3年に延長し、企業が非正規労働者を雇いどめしやすくなったこと、二つ目に2003年には労働者派遣法を改悪して、製造業への派遣を解禁しました。この派遣期間を3年に延長したことで、それまで正社員中心だった職場に、非正規雇用の若者も多く派遣されるようになりました。
例えば、奥田日本経団連会長のおひざ元のトヨタグループの子会社でも、正社員と同じ仕事をしているにもかかわらず、請負労働者の時給はわずか3分の1です。こうした背景を見るときに、非正規雇用の問題は一個人の問題ではありません。そして、こうした若者の多くは月収10万円を少し超える程度の低賃金や、平均11時間を超える長時間労働、さらに一方的な解雇や雇いどめ、短期契約の雇用を反復するなど、無法な状態が広がっています。そしてその上、抗議すれば「嫌ならやめろ」、「文句を言ったら更新しない」など、人権無視が若者を深く傷つけています。中野区は若者が32%を占めていますけれども、こうした若者の雇用をめぐる深刻な状況をどのように認識しているのか、見解をお聞きします。
○鳥井産業振興担当課長 雇用をめぐる状況でございますが、確かにパートやアルバイトを初めといたします非正規の方、こういった方の比率がふえているという状況がございます。中野区におきましても、相当数の若者の方が非正規雇用の状況にあるというふうに考えてございます。そのため、正規雇用を求める、そういった若者の方に対する就業支援は重要であるというふうに認識してございます。
○小堤委員 青年雇用の確保については、今、各自治体での取り組みが始められてきたと、そういう状況です。そして、区のニート問題検討会には新年度の予算で34万8,000円計上されています。このニートの問題というのは、若者が働きたいのに働く場がないという構造的な問題と、働きたくとも働けないという引きこもりの問題、この二つの問題を分けて、総合的な支援が必要と言われております。区としてはこの問題、どのような検討を行うんでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 ニート問題でございますが、確かに社会問題となっておりまして、行政による支援策も、これも必要だというふうに考えてございます。
私どもは、来年度の予算案にございますニート問題の検討会でございますが、メンバーといたしましては教育の関係者、PTAの方あるいは保健医療の関係者、あるいはニートを支援するようなNPOの方々、こういった方々を考えてございまして、内容といたしましては、まずは区内のニートの実態の把握、それから基礎的自治体としてのどのような支援が有効であるか。また、国や東京都と連携できるものは何か。そういったことなどを中心に、検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○小堤委員 このニートの問題を個人の怠けと見る人もいますけれども、これではニートはふえるだけだと思います。
それで、立川市では既存の就職支援機関には足を運ばない若者が多いために、ニートやフリーターの若者をスタッフの中心に据えることで、参加しやすい雰囲気をつくって成果を上げていると、こういう経験があります。そして、就労支援では居場所の提供及び運営、これはキャリアコンサルタント等による就労相談、ハローワークと連携した就労情報の提供、あるいはボランティア情報の提供、また友達づくり、人間関係構築の手助け、そして親へのセミナーも行っております。これは保護者向けに若年就労に対するカウンセリング、そして若者の就労問題をかかえる保護者のネットワークづくり、こういうものの手助け、これを行っているわけです。また、足立区では若者の雇用対策の一環として情報提供や相談活動を行い、そして(仮称)地域若者サポートセンター、これを設置して、青年の就労支援の拠点になっています。ここでは副参事を中心に、兼務で6人の職員が担当しているということでございます。
中野区では、この就職相談の予算に25万2,000円を計上しておりますけれども、これを一体何に使うのか。また、この若者の就職対策に担当の職員という方は何人いらっしゃるんですか。
○鳥井産業振興担当課長 2番目の方の担当職員の数でございますが、就労支援の担当をしております職員は3名でございます。
それから、来年度予算案にございます就職相談会の内容でございます。人材を求める区内の事業者の皆様と、地元で仕事を求めていらっしゃる区民の皆様、このマッチングの場ということで考えてございまして、区内の産業団体、それから中野区を管轄しておりますハローワーク新宿がございますので、こういったところの協力を得ながら、区内で実施したいというふうに考えてございます。
○小堤委員 今、就職の方の担当が3人とお答えになりました。ニートの担当はまだいないのかなと思いますけれども、ぜひこの点も考慮に入れていただきたいと思います。
そして、全国的にこうした事業はNPOとのかかわりが多いんですね。今、紹介した立川市も足立区もNPOが中心になっております。中野区ではこうしたNPOの動きというのはどうなっているんでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 今、お尋ねのような立川市のようなNPOということでございますが、中野区内には主たる事務所を置いておりますNPOが、昨年度末現在で130ほどございますが、私どもが承知している範囲では、その活動内容として若年者の方の就労支援、こういったものを行っているというNPOはないというふうに認識してございます。
○小堤委員 そういうなかなか全体的にも厳しい取り組みの状況ということがわかりました。
それで、次にお聞きしたいことは、こうした雇用促進とともに、働く青年がみずからの権利と企業の義務を知ることによって、就労条件の改善と生活向上に向けるということが必要です。
私は最近、首都圏青年ユニオンに入った22歳の女性の話を聞きました。この方は有名ホテルで派遣社員として働いていました。そして昨年、働き始めて3カ月たったので社会保険に加入したい、有給休暇をとりたい、こう派遣会社に要望いたしましたら、会社は「8時間以上働いていないから加入できない。休みは3日ならとってもいい。しかし、他人には言わないで」と、こういう回答だったそうです。しかし、法律では正社員の4分の3働けば社会保険に加入できますし、有給休暇も10日取得できます。彼女はこの青年ユニオンを紹介され、会社と交渉し、有給の10日の取得と社会保険に加入し、保険料もさかのぼって払うことを約束させたそうです。今こうしたことが非常に多いわけなんですけれども、そういう中で逆に一つの特徴として、余りにも労働の現場に憲法がないために、労働者が法律に沿って会社と交渉しますと、要求が実現するということも間々あります。しかし、そうした実態を知りながら、若者をそういう状況で使っている企業もあるわけですから、厳しいことには変わりありません。
こうした中、東京都は労使がお互いに労働法で定められたルールを守り、よりよい職場環境を築くための一つの助けとなればということで、2005年6月にポケット労働法、これを作成いたしました。現在、区にはこのポケット労働法は何冊あるのでしょうか。また、どのように活用されているのでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 現在、区には、この御質問にございましたポケット労働法は3冊ございます。
ポケット労働法でございますが、東京都が作成しておりまして、労働法を初めて勉強する労働者の方々などを対象に、職場の中で労働法が身近で大切なものであるということを知っていただくために、毎年作成しているものでございます。東京都の方では労働相談所センター主催のセミナーや、あるいは各種相談実施時に配布しているほか、都立美術専門校に配布しているということでございます。こうした一環で、区には参考資料として3部ほど送付されてございまして、私どもといたしましては私どもの窓口にいらっしゃって、労働関連のそういうお問い合わせがあった場合のお答えをする参考資料ということで活用してございます。
○小堤委員 ポケット労働法が3冊ですから、活用も本当にごくごく限られているわけです。これがは実はポケット労働法です。それで、この初めを見ますと、平成16年度の労働相談件数は4万4,737件となっており、相談の内容を見ると解雇や賃金未払い、こうした深刻な内容が多く寄せられていると、こういう書き出しで始まっております。しかし、4万4,737件ですけれども、やはりこうした統計に出ないひどい件数というのはさらにあるというふうに私は理解いたします。
そして、このポケット労働法の中身を見ますと、全部読めば本当によくわかるんですね。一つは就職するときに、二つ目は働く人、雇う人のルール、三つ目は労働時間と休日・休暇、四つ目は育児・介護休業法、五つ目は派遣労働、六つが労働組合、そして7番目が安全衛生と労災保険、8番目が雇用保険と憲法、年金、そして9番目が退職、解雇のときに、そして最後の10番目が働く人たちのための窓口と、こういう中身になっております。ぜひこれを普及するということが必要だと思います。
私は、先ほど例も挙げましたけれども、例えば2005年11月8日付のエコノミスト、ここでたった200人のフリーター組合がグローバル企業デルを追い込んだという特集をいたしました。これも個人加盟の首都圏青年ユニオンの活動で、労働法を学んでのそうした会社側との交渉でした。台東区ではポケット労働法を成人式で新成人900人に配付しております。中野区ではことし成人式に1,300名が参加しているわけです。この方にポケット労働法を配ると幾らの予算が必要なのか、そういう計算をしているのがあればお知らせください。
○鳥井産業振興担当課長 ポケット労働法につきましては、版権は東京都にございますが、市町村が印刷する場合には、その版権の無料使用は認めるということは聞いてはございます。中野区の成人式の出席者の方は、大体1,500名弱ほどいらっしゃるというふうに聞いておりますので、仮にある区の印刷した例をちょっと参考にいたしますと、400円程度は一部にかかるようでございますので、単純に計算いたしますと、60万円近い経費はかかるかなというふうには思ってございます。
○小堤委員 都議会では我が党の質問に対しまして、このポケット労働法の版権については、区市町村から要望があれば無償で提供すると。そして、仕事と子育ての両立の支援についても都として努めていきたいと、こういう答弁をされております。今、課長、版権の都の話をされましたけれども、ぜひこれを活用して、ポケット労働法を成人式で配るというのも一つの例ですけれども、いろんなところで普及していくと。そういうことを図るべきだと思います。再度お答えをお願いします。
○鳥井産業振興担当課長 私どもといたしましても、若い方が働くことに関する法律やルール、そういった知識を得る機会を持つということは、大切なことだというふうには考えてはございます。ただいまの御質問の件につきましては、私どもといたしましては若者の方の就労支援、そういった全体にかかわる有効な情報提供の内容とか方法、そういったことを検討していく中で考えてまいりたいというふうに思ってございます。
○小堤委員 ぜひ検討をお願いしたいと思います。どうもありがとうございます。
次に、公園の整備についてお聞きします。
区はこの間、意識的に公園の整備を行ってきました。それは、ほぼ中野全域が市街地化された今、緑の確保が容易でないからです。緑豊かな空間は憩いの場となり、日々の生活に潤いを与えます。また、災害時には避難場所になるとともに、火災の延焼防止など、安全性の確保に大きな役割を果たしております。このことは阪神・淡路の震災時にも経験したことです。さらに大気の浄化や温暖化防止の機能を持っています。こうした役割を持つ公園についてお聞きしたいと思います。
最初に、現在区には都市公園と条例に基づく公園、最初にこの違いと数をお知らせください。
○野村公園・道路担当課長 今、お尋ねの件でございますが、都市公園法上の区分けといたしまして、街区公園ですとか地区公園ですとか総合公園ですとかといった名称、区分がございます。これらはその近くにお住まいの方々に、どれだけ身近にあるかといったところの区分で分けられているものでございまして、例えば街区公園ですと、今までの基準ですと大体250メートルぐらいの間隔の中で一つというようなことで決められております。
○小堤委員 順を追って質問していきたいと思います。
それで、最初にここに総合公園が1カ所あるんですね。この規模と、具体的に中野区ではどの地域を指しているのか、それをお聞かせください。
○野村公園・道路担当課長 先ほどちょっと言葉足らずでございましたが、総合公園と申しますのは、大体一つの区市町村に1カ所程度というようなことで想定をされておりますが、中野区の場合ですと、都市計画上の公園名としましては、都市計画公園、野方公園というのがこの総合公園に当たります。それで、実態としてのその公園の名称で申し上げますと、哲学堂、それから中野、上高田、それと江古田公園、この三つをあわせて総合公園、野方公園というふうになっております。
○小堤委員 あわせて地区公園が二つあるんですね。この規定とその場所はどこかお願いします。
○野村公園・道路担当課長 地区公園と申しますと、中野区内では平和の森の公園、それから今、続いて整備を始めておりますが、北江古田公園、この二つが地区公園でございます。
○小堤委員 この公園の数の中で117と、一番大きいのが都市計画公園、緑地以外の都市公園ということが書いてあるんですけれども、この公園の性格をお願いできますか。
○野村公園・道路担当課長 先ほど冒頭で申し上げましたが、一番身近にある公園、街区公園と言っているものがそれでございますが、このうち整備手法でございますが、都市計画決定を受けて整備した公園が街区公園としては34、都市計画決定としての、その都市施設以外で整備されている街区公園が117ということになっております。
○小堤委員 こうした公園が一番多いということも、中野区はそもそも広い空地がなかなかないために小さいところも公園にしてきたと、そういう公園づくりが過去にあったということだと思います。
次にお聞きしたいんですけれども、2001年2月につくられた中野区みどりの基本計画というのがあります。これはどういうものか、簡単にお答えください。
○野村公園・道路担当課長 現在は法律名が変わっておりますが、当時の都市緑地保全法というものがございまして、その中の第2条の2で緑地の保全ですとか緑化の推進といったもの、こういった緑に関する施策の総合的な推進を図るために計画をつくれというものを受けまして、つくったものがこの現在の基本計画でございます。
○小堤委員 このみどりの基本計画を作成するに当たって、中野区の都市計画マスタープラン、地域協議の結果で出された緑に関する区民からの主な意見、提案というのがあります。これを見ますと、一つは公園をふやし、1人当たりの公園面積が1.7平方メートルになることを目標とするとか、あるいは生活空間に緑と潤いのある小さな公園をつくる等々が書かれてあります。私はこうしたことが生かされてこれまでの公園整備がつくられ、平成17年度の中野区のしおりには区立公園が158、ポケットパークは四つ、ちびっこ広場は5カ所と、こういうふうになっております。ところが、新しい中野をつくる10か年計画では緑をふやし、緑をつなぐ。この中で解決すべき課題の一つに狭小な公園を挙げているんですね。この158ある公園の中で、1,000平方メートル未満を狭小な公園というふうに言っていますけども、全体の3分の2を占めているわけですね。100を超える公園になるわけですけども、これをどのような解決というふうなことに比較しますと、どうなんでしょうか。解決するんだから、売却も考えているのかなという区民の不安があるんですけども、その辺はいかがなんでしょうか。
○野村公園・道路担当課長 解決すべき課題というところで、狭小な公園というふうに表示しております。ただ、狭小な公園のすべてをなくしてしまうということでは決してないというふうに私どもは思っております。
今後の整備につきましては、例えば区内の区有施設の再配置、こういったことであいたスペース、そういったところを公園として整備する際に、その近隣にある小さな公園を糾合するといいますか、吸収していく、そういったことを想定しております。
○小堤委員 そもそも中野区は1人当たりの公園面積が少ないわけですし、もっともっと緑地をふやしていかなければなりません。あいたスペースがあったときとか、大きな公園をつくるときに隣接する小さな公園云々とありましたけども、どんな場合でも地域住民の意向というものをしっかり踏まえて、この公園整備というのは行っていかなければいけないと、こういうことを強く述べたいと思います。
そして、現在区民1人当たりの公園面積は1.17と低くと。この1.17も外国人を入れると1.07になるんですよね。ところが、区の数字はそれを除いて1.17というふうにしています。23区が全体そうなのかもしれませんけれども。そして、23区では豊島区の0.72平方メートルに次いでワーストツーなんです。もし過去に区が施策として小さな公園を新設してこなかったら、区民1人当たりの公園面積は23区ワーストワンになっていたかもしれません。
一方、公園の数の多さは注目され、2月28日付の雑誌「東京ウォーカー」は人気タウンランキングで、「中野区には小さな公園がやたら多いらしい」という見出しで、この「やたら」というのがいろいろ言葉として問題があるんですけれども、私はいい方向でこれは解釈しましたけれども、そういう見出しで、「小さな小規模な土地を活用し、憩いの場としてポケットパークを設置、緑と潤いのある町を推進し、快適な都市空間を創造することを目的とする」と、こういう紹介をしています。私はこういう評価というのは、これまでの区の努力が認められたというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○野村公園・道路担当課長 お褒めにあずかりまして光栄でございます。
○小堤委員 簡潔ですけども、意の通るような答弁だったと思います。
それで、公園というのは子どもからお年寄りまで、だれでもが日常生活で利用できるように配置される必要があります。先ほども説明ありましたけれども、最も生活に密着した小規模な公園、これは街区公園です。この配置というのは都市公園法では標準面積が2,500平方メートル、誘致距離は250メートルとされています。この誘致距離を250メートルで計算した場合、中野区には本来幾つの公園が必要なのでしょうか。お答えください。
○野村公園・道路担当課長 委員が今おっしゃられたその基準でございますが、平成15年の政令の改正で、そういった数字は今現在はなくなっておりますが、考え方は基本的に変わらないというふうに存じております。その基準で計算いたしますと、約62が必要になるかというふうに思っております。
○小堤委員 考え方は残っていると言いましたけども、そういう考えが大事なわけなんです。
ところが、そういう基準で今、数字を出されましたけれども、現在は34なんですね。これをそれだけ減らすというのはなかなか大変なんですけれども、そういう立場でやはり公園はつくっていかなければいけないというのを、今後の中野区の課題にしていかなければいけないというふうに思います。
次にお聞きしたいのは、中野区は将来の公園拡張整備に備え、狭小な公有地を売却し、公園の整備基金として財源を確保するとして、私が住んでいる近くなんですけども、鷺宮六丁目5番先にある公園の役割を果たしている約40坪の三角広場、この売却を検討したわけなんですね。そこで、1月29日に開かれた区主催の説明会では約25名の方が駆けつけて、車の通行時の一時的非難場所として有効と。このまま残してほしい。あるいは、休息や憩いの場所として小さいながらも活用度があると。また、災害時には共有の空地として利用できるなどなど、売却ということは考えてくれという声が多く出されました。私はこの説明会の中で、ある方が「大きな公園の中にある40坪よりも、40坪だけの公園であっても利用頻度ははるかに高い」という発言を大変印象的に聞きました。行政は住民の皆さんが望んでいることを的確にとらえて、区政に反映させていかなければなりません。大きな公園の整備とともに、こうした狭小な公園であっても住民の皆さんが必要としている、こうした公有地は残すべきです。そういう姿勢を改めてお聞きしたいんですけども、いかがでしょうか。
○野村公園・道路担当課長 委員が今、御指摘のものについては、正確に言いますと公園ではなく、広場という扱いでございますが、私ども基本的には小さなものは何が何でもだめだというふうな考えではございません。今後、例えばその管理・運営の方法を地域の方々の自主管理ですとか、そういった新しい手法を取り入れるにしても、小さ目の公園の方が管理はしやすいかなと、そんなようなことも考えております。ただ、区としてこれから施設を再編し、整備していく中では、総合的に判断して、例えば遊休地などについては売却というのも一つの手法としてあるのかなというふうに考えています。
○小堤委員 先ほども言いましたけれども、中野区は1人当たりの公園面積が少ないですし、直下型の地震というのはいつあってもおかしくないというような状況にありますから、公園はしっかりつくり、ふやしていくという必要性を再度強調したいと思います。
それで、この部分で最後にお聞きしたいのは公園の木の剪定なんです。この剪定はどのような計画で実施しているのでしょうか。
○野村公園・道路担当課長 一つは、毎年必ず行っているということでは、季節的な剪定ということを計画しております。これは夏場、低木、潅木等が生い茂って見通しがきかなくなってしまうと。こういったことを防ぐために刈り込みをするというようなことでございます。それと、もう一つは、秋になりまして近隣の方々に落ち葉で御迷惑をかけないために、その落ち葉の季節の前に刈り込みといいますか、剪定するというようなことがございます。それと、もう一つは年次計画を立てまして、これはかなり大きな木、高木になりますが、年次計画に基づいて剪定を行っていくといったようなことで進めております。
○小堤委員 例えばこういう計画以外に、公園の木が生い茂って、カラスが巣をつくって卵を産むとカラスも攻撃的になりますから、子どもが危ないというような相談を受けたことがあるんですけども、そういうときの剪定というのはどうなんですか。
○野村公園・道路担当課長 地域の方々からの個別の苦情というのも間々お受けいたしております。その際にもできる限りの剪定、あるいはその巣の除去ということもさせていただいておりますので、もしお気づきの点がございましたら、御連絡をいただけると。
○小堤委員 そういう例がまた来ましたら御相談いたしますので、どうもありがとうございました。
次に、区職員の方の健康管理についてお聞きします。
総務の65では職員の方の病気休暇、病気休職数の資料が出ています。病気休暇、病気休職を合わせますと毎年30人を超え、多いときには46人、平成17年度は途中ですけれども、44人になっています。こうした数値を区はどのように見ているのでしょうか。
○長田人事担当課長 お答えいたします。
職員が職務に専念できる環境を整備するために、職員の健康管理は重要な課題であるというふうに認識してございます。お示しをしていただきましたこの数値については、私どもとしては特別に高いというふうには認識してございませんが、もとより減少させていくよう努力してまいりたいと考えております。健康診断の受診率を高めることや、産業医の活用による適切な医療機関の紹介により、病気の早期発見、早期治療をさらに推進していきたいと考えております。
○小堤委員 今、健康診断率を高めたいという答弁がありました。今回の職員の方の受診率は72%なんですね。この数値は決して高いとは思えないと思うんです。この間、どうなんですか。この72%というのは、その推移はここ数年減っているのか、ふえているのか。もし減っているとすれば、そういう改善の努力をされているのか。その辺のことをお聞きします。
○長田人事担当課長 健康診断の受診率ですが、私どもの所管のところで最善の努力をしておりますけれども、大体72%程度で推移しているところでございます。この健康診断の実施に当たりましてはできるだけ効率的な実施をいたしまして、効果を上げていこうというふうに考えております。受診者、職員の利便性を損なわないように配慮し、受診率を高めていきたいと考えておりまして、実施期間をできるだけ長くすると。実施の期間の設定を長くする。それから、期間中にそれぞれ男女の区別の受診の時間帯等を区別はしてございますが、できるだけ受診がしやすいような工夫ということで、受診の項目の順序の工夫などをいたしまして、受診時間が短く済むようにしようと。そんなような工夫をしてございます。
それから、健康診断の実施に当たりましては実施の前、それから実施の期間中につきましても、庁内LANの活用などを含めまして、重ねて周知を図っているところでございます。
それから、その72%という数値についてでございますが、職員が受診をしない理由としては、全く医療機関との接触がないということではなくて、病気の治療中であったり、それから人間ドックなど、個人で健診を受けているといったものも多くございます。そこで、職員の健康管理をする立場からは、そうした個人の受診管理データの提供を職員に求めまして、定期健康診断のデータとあわせて職員の健康管理に当たっているところでございます。こうした職員からの受診管理データの提供を合わせてその数値をカウントいたしますと、90%を超える職員のデータ、健康に関するデータを管理し、具体的な職員の健康管理に当たっているということでございます。それ以外の職員に対してどうするかということでございますが、残りの職員については健康相談室の保健師、それから産業医によって聞き取りをいたしまして、具体的に面接をし、健康管理についてのアドバイスをして、次の健診の受診についてさらに啓発し、促していくと。そういう対応をとっているところでございます。
○小堤委員 毎回の定期的な健診を受けるということで、健康が守られていきます。72%以外にも、こういう取り組みをしているという答弁がありました。少なくとも100%の職員の健康状態を区自身がつかんでいると。こういうことに目を向けて、また取り組んでいただきたいというふうに思います。
次にお聞きしたいのは、職員の健康管理として区役所7階に職員健康相談室があります。相談件数とか相談内容の特徴について御説明ください。
○長田人事担当課長 この職員の健康相談室でございますが、平成11年4月以降、今のような体制で開設をしてございます。年ごとに相談の件数というのは、ふえてきているという認識を持ってございます。これは健康管理に関する職員の意識が向上したこと、それから職員にこの健康相談室の存在が年ごとに認識をされ、受け入れられたといったことによるものだというふうに考えてございます。
相談内容別に見てみますと、身体に関すること、それからメンタルヘルス、心の問題に関すること、それからけがをしたような場合の応急処置、そういったかなり広範囲なことに関して対応しているところでございます。
○小堤委員 いろんな病状に対応しているという回答、答弁でした。この中で、精神神経系の相談の割合というのはこの間どうなんでしょうか。
○長田人事担当課長 健康相談室の相談実績の中に占める精神神経系の割合というのは、年を追うごとにふえてきてございます。この精神神経系の相談、精神保健相談につきましては、職員本人の相談というのはもとより、職員を支援する立場である職場の上司、それから家族からの相談といったものも含めておりまして、こういったその相談者の幅が広がるということから、全体としては相談の内容の中で、この精神保健相談がふえてきているというふうに考えてございます。今後もこの職員の健康相談がより有効に利用されるように、努力してまいりたいと考えております。
○小堤委員 私も、区の職員の方からはいろいろ話を聞く機会があるんですけども、そういう話を聞きますと、今、区の職員が減っております。そうした中で仕事がハードになり、また個人の目標と成果が追求される中で本当にプレッシャーを感じているとか、あるいは今までチームでカバーしてきた仕事のやり方が変更されて戸惑っているとか、そういう話を聞くわけです。そういうことが健康を壊すということにつながらないような対策をぜひ要望したいと思います。
次にお聞きしたいんですけれども、この健康相談室での相談のほかに、神田クリニックでの医師による対面診断が行われてきました。これが昨年の8月ですか、メール相談に変わったんですけれども、その理由はどうでしょうか。
○長田人事担当課長 メール相談という形で、精神神経系の相談の対応をするという方法を変えましたのが、平成16年8月からでございます。それ以前は専門医療機関に委託をいたしまして、一つ、月のうち2回専門医療機関に委託をした相談の実施をしてございますが、一月のうち1回が区役所の健康相談室で相談を対応するもの、もう一回がその受託医療機関のクリニックで、診療所で現地で相談する方法と、こういう方法で展開してございました。ただ、その受託医療機関のクリニックで相談をするということについての意味合いが、私ども区の職員、健康相談室などの区の職員を介さずに、直接病気についての悩みを持っている職員が、高い匿名性の中で直接医療機関と接触ができるような、そういう意図を持って、あえて現地のそのクリニックで受診できるような体制をとったわけでございますが、そうした目的が十分に効果が出なかった。約2年間の中で、そういった自発的にクリニックに相談に行った件数が1件しかなかったということから、その改善を検討いたしまして、当該の医療機関からメール相談という方法についての提起がなされ、これについて安全衛生委員会等で検討した結果として、最近のパソコンなどの普及等をとらえまして、メール相談という方法に変えた次第でございます。
○小堤委員 今、メール相談に変えた経過を述べられました。じゃあ、実際にこのメール相談の実績というのはどうなんでしょうか。
○長田人事担当課長 平成16年8月から17年3月まで、16年度の年度の途中から方法を変えたわけですが、その16年度の実績では9件、それから今年度ですが、平成17年4月から18年1月末までの実績でございますが、11件というような実績になってございます。特に、平成17年10月以降については毎月メール相談の対応があるということで、メール相談については職員の中に浸透しているのではないかと、そのように認識しておるところでございます。
○小堤委員 メール相談にはメリットもありますけれども、しかしこうした病状の場合、対面であるということが一番いいわけです。ただ、対面でないことから来る制約も多いと考えられますけども、そうしたデメリットに対しては、どのようなカバーを方策としてとっているんでしょうか。
○長田人事担当課長 確かに対面ではないというところから、幾つかの制約を負っている方法であるという認識はございます。一つがメールによって相談が提起されるわけですが、本当にメンタル、心の問題で悩んでいるのかどうかといったことの、まず入り口でのその判定が必要になってくるわけですが、このことについてはメールでの何回かやりとりをする中で判断を、医療機関の専門性の中で判断していくということになります。
それで現在まで、要するにいわゆる本来の悩みの相談ではないというような、そういうような事例についての報告は出ておりません。それから、今度は相談をして、具体的な助言等をしたことについて、正しくそれを受けとめたのかどうかということが、やはり面談という形態ではございませんので、そこで確実に確かめるということが、その場で確かめるということができません。そういった制約がありますが、より詳しいアドバイス、メール相談を超えてより詳しいアドバイスを受けるということをその相談の中で進めるということで、本人から健康相談室等につなげていくと。そういうような対応をとっているところでございます。
それから、一番危惧しなければなりませんのは、本人の病状が深刻で危機的な状況にあった場合、どのようにするか。即時的な対応ができないということが、メール相談の場合に制約としてございます。これについても、この方法で対応する場合に想定をしているところでございますが、本人に危険が発生するような場合につきましては、本人の了解のもとにでございますが、区に連絡して必要な対応をとるようにと、そういう方法についてのノウハウの確立をしているところでございます。それで幸いに、実際にはこういった生命に関する危機が生ずるようなケースが、このメール相談の中ではなかったということでございます。
○小堤委員 職員の人数が減っていく中で、これまで以上に職員の方の健康管理は重要課題です。
平成16年度の決算特別委員会で我が党議員の質問に、「職員の意思で職場や住まいの近くの通院しやすいところを選んで、メンタルヘルスに対応するセルフケアをより充実させるために検討している」と、こう答弁されましたけれども、どのような検討がされているのでしょうか。
○長田人事担当課長 平成16年度の決算の総括質疑をいただいたその年でございますが、平成16年8月からメール相談を開始したところでございますけれども、その際、それからその以降、平成17年度の職員の定期健康診断などの際に、職員がみずからの心の状況について、みずからチェックできる方法ということで、セルフチェックシートというものを全職員に配りまして、自分の健康管理、心の健康管理ができるようにというような対応をしてございます。それから、情報紙の提供、メンタルヘルスに関する庁内LANを利用いたしました毎月の情報の提供といったものをいたしまして、職員一人ひとりがメンタルヘルスの重要性を認識するようにという啓発に努めております。それ以外に、一般職員まで対象を広げまして、メンタルヘルス研修を実施いたしまして、みずからの心の健康管理についての動機付けを行っております。職員一人ひとりがストレスをコントロールし、良好なライフスタイルを身につけられるよう、今後とも情報提供、研修、相談などの必要な体制を充実していきたいと考えております。
○小堤委員 心の健康づくり対策の推進のためにということで、四つのケアの普及・啓発が重要ですということが言われています。この四つのケアについてお聞きしたいんですけれども、この最初のセルフケア、これは具体的にどういうことでしょうか。
○長田人事担当課長 委員御指摘の、そのメンタルヘルスケアの四つのケアということでございますが、これは平成12年8月の労働省による、事業所における労働者の心の健康づくりのための指針の中に示されたものでございます。それで、内容としてはセルフケア、ラインによるケア、事業所内産業保健スタッフ等によるケア、事業所外資源によるケアと四つになってございます。中野区でもこの内容、四つの対応についてはすべて対応しているところでございます。
それで、セルフケアにつきましては先ほど御説明しましたとおり、本人の自覚に基づいてストレスへの体制をつくっていくなど、みずからのストレスに対するコントロールをしていくと。そういったものが中心になるわけでございます。それで、ラインによるケアでございますが、これは管理・監督者が日常に接する職員の心の健康にも目を配り、職場環境等の改善を行ったり職員の相談に気軽に応ずるようにする。そういうようなことで、職場における良好な人間関係を形成する。それから、その職員の適性を見きわめた人事配置などをするということによって、仕事上のストレスを除去していくと。そういったことが中心になる対策でございます。
それから、3番目でございますが、事業所内産業保健スタッフ等によるケアでございますが、職員健康相談室に専任の保健師を配置し、日常の相談をきめ細かく対応してございます。また、産業医による相談を週1回行い、また専門医療機関による相談、そういったものにつなげていくような保健師、それから産業医による活動といったものが中心になっているものでございます。
最後に、4番目でございますが、事業所外資源によるけアでございますが、外部の医療機関への委託ということで、専門の精神保健専門医による相談、それからメール相談、それから外部の治療を行う医療機関への受診を促すという意味での紹介等、そういった形で地域にある資源を活用するように努めているところでございます。
○小堤委員 どうもありがとうございます。
もう一つ聞きたいんですけれども、ことしの2月に報告されました、中野区行政改革5か年プラン案の成果重視の人事システムの確立と。これには職員一人ひとりが日ごろから健康増進を図ると。そしてまた職場では、特に心の健康づくり推進のための対応策を講じると、こういうふうにしているわけです。成果重視の人事システムにつきましては、別の機会に問題にしたいと思いますけれども、今、区としての対応策を職員とともにつくるということが重要だと思います。職員参加で計画を策定するということを求めたいんですけれども、いかがでしょうか。
○長田人事担当課長 メンタルヘルスの対応策というのは、今後もますます重要になってくる課題だというふうに認識をしてございます。職員参加でこういった問題に対応する場としては、安全衛生委員会といった合議体、機関を設けてございます。ここで定期的にこの問題についても話し合いをし、具体的な施策について議論しているところでございます。
今、委員から職員参加でというお話がございましたが、まさしくメンタルヘルスについての中野区における対応の強化を図ったきっかけになりましたのが、平成14年3月にこの安全衛生委員会から、中野区の職員のメンタルヘルスについての提言といったものをまとめて提出してございます。こういった取り組みで、今のまさしくメンタルヘルスの中野区における対応が形づくられていくというふうに考えております。こういった職員の発想を取り入れながら、メンタルヘルスについての対応策の充実をしてまいりたいと考えております。
○小堤委員 どうもありがとうございます。今後とも精神神経系の病がふえてくることが予想されるだけに、この分野の取り組みを充実させることが大事だと思います。この取り組みの充実を求めまして、この項の質問を終わります。
その他の項として、自立支援型家事援助サービスについてお聞きします。
新年度予算案では在宅福祉事業のうち、自立支援型家事援助サービスが廃止されます。この制度は介護保険の要介護認定で自立と認定された65歳以上の方でひとり暮らし、高齢者のみの世帯で、何らかの家事援助を受けないと在宅生活が困難な世帯に対しまして、家事援助のためのホームヘルパーを派遣する制度です。これまでは区が民間事業者ヘルパーに委託し、利用者は原則費用の1割負担ということで行われてきました。
そこで伺いたいんですけれども、04年度の実績では利用者は4人、派遣回数は150人となっていますけれども、もう少し詳しく報告願いたいと思います。
○冨永高齢福祉担当課長 2004年度の利用実績でございますけども、家事全般、いわゆる調理とか洗濯、掃除、それから買い物、それをセットで受けている方が2名で53回、それから掃除と月1回の洗濯の方が1名で51回、それから掃除のみの方が1名おりまして、46回となってございます。派遣回数は合計で150回でございます。
○小堤委員 生活する上で大変必要なそういうサービスを受けていたわけです。この方々の中で減免されていた方というのはあるんですか。
○冨永高齢福祉担当課長 2004年度は1名ほどおりました。
○小堤委員 新年度の予算ではこれが全部なくなるんですね。結局こうした事業が廃止された場合、これらの方は4人なんですけども、今後どうなるんでしょうか。
○冨永高齢福祉担当課長 17年度にサービスを受けている方が4名ございます。そのうちの1人が、昨年12月に介護保険に移行してございます。したがいまして、現在サービスを受けている方が3名。
それで、3名の方々の廃止後の動向でございますが、社会福祉協議会が行っておりますほほえみサービスに移行するのか、あるいは介護保険の再認定申請を受けるのかということで、現在3人の方々がそれぞれ検討している状況でございます。
○小堤委員 そういうことになりますと、自身によるサービスということになり、負担増は避けられませんね。そうしたときの区の、どうなんですか。もうそれは制度じゃなくなるんだから、御自分でやってくださいと。そういう態度になるんですか。
○冨永高齢福祉担当課長 区のやっているその本事業でございますけども、それは1時間で153円ということですけども、社会福祉協議会が行いますほほえみサービスの場合は1時間で700円ということになってございます。したがいまして、この3人の方々が仮にほほえみサービスを利用するということになれば、その金額を御負担していただくことになろうかと思います。
○小堤委員 負担はそれだけではないんですね。いわゆるこのほほえみを利用した場合、年間費が3,000円も要ると聞いているんですね。そういう負担も出てくるんですよ。ですから、利用者にとって大変な負担になるわけなんです。
それで、区の実績からすれば72万5,000円の金額なんですね。この金額を削って、必要なヘルプサービスを削るということは本当にいかがなものかというふうに思うんですけれども、引き続きこの自立支援型家事援助サービスの継続ということを要望したいと思うんですけども、いかがでしょうか。
○冨永高齢福祉担当課長 そもそもこの制度を創設した経緯でございますけども、介護保険制度が平成12年にスタートしたときに、ホームヘルプサービスを受けている方々が自立と判定された方々に対する経過措置、軽減、緩和策で創設したわけでございます。発足当時は51名の方々が利用しておりましたけども、年々減少しておりまして、現在は3名ということでございます。このたび改正される改正介護保険法では介護予防に視点入れまして、単なる家事代行ということについては、残された残存機能の低下を招くおそれがあるのではないかというような考え方から、ホームヘルプサービスを見直し、廃止するというふうな考え方をとってございますので、この事業を区として見直し、評価をした結果、廃止するという、一定の役割は終わったという判断をしたわけでございますので、御提案の継続する考えはございません。
○小堤委員 今の答弁は到底承服できません。今、介護とかこうした老人福祉ですよね。受けようとしている方々は、大変だった戦争を乗り越えて今の日本をつくってきたわけです。そして、年をとることによる衰えというのは避けられないわけなんです。しかし、こうした制度改正をされることによって、そういう方々が大変な生活になっていくということは、本当に自治体として許すということはできません。私たち日本共産党は何よりも区民の暮らしを支える、これを掲げて中野区政というのをこれからも進めていきたいということを申しまして、私のすべての質問、ちょっと時間が余りましたけれども、終わらせていただきます。どうもありがとうございます。
○斉藤(金)委員長 それでは、休憩にいたしたいと思います。3時20分まで休憩いたします。
委員会を休憩します。
午後3時00分休憩
午後3時21分開議
○斉藤(金)委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
斉藤高輝委員、お願いいたします。
○斉藤(高)委員 公明党の一員として質問させていただきます。理事者の皆さんも、まだ1人いるんだと思うかもしれませんけども、御協力をよろしくお願いいたします。
最初に、ことしの本庁舎で、1月4日に区長が職員のメッセージということで庁内放送がございました。私は後でこのメッセージをいただきましたけれども、確かにちょっと区長としては大変だったと思うんですけども、年末にある職員からメールをいただいたということで、毎日暗い不機嫌な顔をしたリーダーのもとで働きたくないなどと言っている方がいるようですけども、その後、2月2日ですか。「笑顔であいさつ」と提案をしたら、多くの皆さんが共感を示す反応が寄せられましたということで、区長も喜んでおりました。そういう意味で私も一言。区長というのはリーダーでありますので、職員を褒めたたえる人であってほしいと思っております。言葉は力であります。言葉が心であります。私はこの言葉が非常に好きなものですから、紹介させていただきましたけれども、真剣に取り組んでいる職員にはありがとうございます、御苦労さまですと、感謝の言葉をかけていっていただきたいと思っております。
また、当然相手のことを知っていればいるほど会話は弾みます。ゆえに区長は相手を知る努力を惜しまないことであります。その上で、あとは区長らしく誠実に語っていけばいいのではないでしょうか。本年は、自身のなすべきことは区民のための行動に取り組み、前向きに、そして生き生きと躍進する1年としていただきたいと思っています。
それでは、質問に入らせていただきます。
それでは、最初の項目にもありますように、耐震対策についてお伺いをいたします。
阪神大震災は平成7年1月17日、午前5時46分発生から11年を迎えたわけですが、約5,500人以上の人が命を奪われ、一瞬にして破壊し、とうとい生命と貴重な財産を奪ってしまいました。あれから11年が経過したということですけども、本年1月に私は神戸市、西宮市を中心に復興行政の仕上げの段階、被害者の抱える課題、耐震化の重要性等について伺ってまいりました。神戸市の犠牲者に対しては、窒息死や圧死で建物被害の犠牲者は全体の83.3%、火事で亡くなった方が15.4%でありますが、御承知のとおり、大多数は建物の下敷きで逃げ出せずに亡くなっております。兵庫県監察医の調査によりますと、死亡推定時刻は地震直後15分以内が92%を占めております。建物の耐震性の見直しが当然必要になってくるということで、私は最初にこのことを話をさせていただきました。
それでは、区有施設の耐震診断結果と対応策について伺います。中野区役所本庁舎の耐震補強について伺います。
庁舎建物の経歴を調べますと、1968年、昭和43年10月11日が区役所新庁舎落成でございます。そしてその後、増築は13年後の1982年、昭和57年4月に増築工事が完了しております。平成6年度から7年度にかけて、高層棟のこの施設壁面タイルの剥脱防止として外壁改修を行いました。そして、平成8年度になりますと耐震診断を行ったと思います。平成16年度には外壁改修ということで、低層というのは南側の建物ですけども、さらにこの議会棟、平成17年度はこの高層棟の2階から7階、そして議会棟の3階の便所改修となっております。これ以上に本庁舎の補強工事はないと思っております。
そこで、伺っていきます。
まず、中野区公有財産表というのがあります。2005年、17年版でございますけれども、私もこの10か年計画ということで、中野区のいろんな面のこの建物を調査するという意味で、この分厚い中野区公有財産表を見ました。最初に、一番驚いたのはこの本庁舎でございますけれども、この中に構造という欄がありますけれども、RCとありました。ということは、この庁舎は当時は7階までは、RCといえば鉄筋コンクリート造となりますけれども、その後、8階、9階は増築したわけですけれども、構造がSと聞いておりますけども、鉄骨造ということでこれは理解してよろしいんでしょうか。
○秋元営繕担当課長 平成17年度に作成をいたしました公有財産表でございますが、確かに委員御指摘ございましたように、RC造というふうに記載されてございます。しかしながら、この庁舎を新築するときに東京都の方に届け出を出しているわけでございますが、それによればSRC造ということでございまして、まだちょうどこの庁舎の建設当時、私は入所したばかりで、大規模現場の研修ということでこの庁舎の現場にも訪れたことがございます。その時点でも大きな立派な鉄骨の加工がされており、その周りを鉄筋で囲んでコンクリート打ちをしていると。そういったようなことを記憶してございます。この庁舎は間違いなくSRC造、鉄骨鉄筋コンクリート造でございます。おわびをして、訂正させていただきたいと思います。
○斉藤(高)委員 今まで私もRCと思いましたけれども、SRCとなっているから建物としては大丈夫だということで理解をさせていただきます。
次に、8階から9階までの建物は、昭和57年4月ですが、この増築の建物を確認されたのはいつになるんでしょうか。
○秋元営繕担当課長 これは公有施設、公共施設ということでございますので、計画通知という手続になるわけでございます。計画通知を東京都に提出いたしましたのが昭和42年1月14日、そして適合する旨の通知、これをちょうだいいたしましたのが昭和42年3月31日になってございます。
○斉藤(高)委員 これからの耐震ではこの昭和56年、その前後は非常にこの建物の問題が出てくるわけですけども、私も当時のことはわかりませんけれども、急いで手続をやったんだなと思いますし、本来ならもう少したてば新しい耐震の基準で新体制で行ったと思いますけれども、そこでもう一回お尋ねしますけれども、確認が今昭和56年1月ですから、新しい法律ができる前にこの建物の確認がおりたということですけども、この本庁舎の9階の建物、また2階の低層ですね。そして、議会棟がありますが、本庁舎のいわゆる地下から9階までのが一つの階ごと、フロアですね。この壁や柱の量やこの強度に使うIs値というのがありますよね。構造耐震指標。これはいろんな調べ方があると思いますけれども、このIs値でそのフロアごとに数字を、大変恐縮でございますけれども、教えていただけますか。私もこれを記入しますので、早口にしないで、ゆっくり言っていただきます。
○秋元営繕担当課長 大変失礼申し上げました。この建物の8階、9階の増築の手続は昭和55年11月25日に東京都へ計画通知を提出いたしまして、翌年1月27日に適合する旨の通知書をいただいているということでございます。
それで、今の御質問でございますが、この庁舎は平成9年に耐震診断を実施してございます。その段階で調査した結果のIs値、これは構造耐震指標のことでございまして、通常ですとこの指標が0.6以上あれば性能評価はAランクということで、安全という評価になるわけでございます。
この本庁舎でございますけれども、議会棟とそれから高層棟、この二つの構造体に分かれてございまして、この建物の主体をなします高層棟の方で、そのIs値を御報告申し上げたいと思います。それで、このIs値でございますけれども、これはいわゆる2方向、x方向、y方向と言っているわけでございますが、この建物ではx方向といたしまして南北方向、それからy方向といたしましては東西方向、そういったことでそれぞれIs値を計算したということでございます。
x方向、南北方向でございます。まず、1階でございますが、0.77、2階で0.99、3階で1.14、4階で1.02、5階で0.68、6階で0.76、7階で0.67、8階で0.66、9階で1.0。続きましてy方向、東西方向でございます。1階が0.73、2階が1.03、3階で0.6、4階で0.59、5階で0.64、6階も同じく0.64、7階で0.66、8階で1.16、9階が1.86というふうになってございます。
○斉藤(高)委員 ただいまの参事の報告を聞きますと、私も初めて知りましたけど、南北方向とか東西方向があるということですけども、一つの建物で私は検査をしていると思いましたけども、そういうやり方があるんだなとわかりました。
それで、私は今見ていて、この数字からいくと、この数字というよりこの南北、いわゆるx方向の、こっちの方が案外しっかりしておりますけれども、この東西方向ですか。そっちへ行きますとこの3階、4階、これは数字的に言うと、ちょっと私もその数字が0.1とか2とかがどのぐらい厳しいかわかりませんけれども、これでいくとこの3階、4階が0.6、0.59ですから、普通よく言う性能ランクとありますけども、Bクラスになると思うんですよね。それから、この東西方向を見ますと、5、6、7ですね。みんな0.64とか0.66ですけども、これも普通は性能ランクでいえば普通で言うBランクですよね。我々が建物というのは、この公共施設というものは区民がいわゆる避難するというか、一つの拠点ですから、普通の家庭に例えちゃ悪いですけども、頑丈なものじゃなくちゃなりませんですよね。ここがつぶれたということであっちゃ困りますので、やはりこのBクラスというものは、これからも一日も早くこの補強をしていかなくちゃならないと思っておりますけれども、そういう中で、これから耐震性の安全の分類とかまた構造体でこのいろんなⅠ類とかII類とかとありますし、そういう中でこの数字を見ますと、やはりここで補強工事というものを一日も早く、そして計画を立てなくちゃならないと思いますけど、そういう考え方に対してはどうでしょうか。
○秋元営繕担当課長 今のIs値を御報告する前に、この値が通常0.6以上ですと安全、Aというふうに評価されるというふうに申し上げました。これはあくまでも一般の建物ということでございまして、委員が御心配をなさっているこういった区役所というような大切な施設、これにつきましては、この通常0.6の値を0.7で算出しなさいということになっているわけでございます。それで、その値をもって計算いたしますと、今、委員がおっしゃったようなB-1という、Bの中でも一番いい判定になるわけでございますが、一応B-1の判定の部分があるということは確かでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、0.6という値は非常に建物としては安全であるということが言えるわけでございまして、建物全体を考えていきますと、現在のところ危険はないということで耐震工事の計画はしておらない、そういうことでございます。
○斉藤(高)委員 私も後でお話ししますけれども、各自治体のこの耐震化、今、確かに秋元さんが言ったように0.6以上、Aクラスだったらいいと思うかもしれませんけども、ほかではこの耐震、安全性の分類をつくりまして庁舎、さらに学校とか病院はどのクラスまでの基準にしようかということで、一生懸命工夫しているわけですよ。確かにさっき言ったように、今のような数字でいくならば、これから大きな地震が来ては困りますけども、来た場合に、この建物が大丈夫かということがありますので、そういうことを言わせていただきました。
そこで、もう1点お伺いしますけども、今、参事から報告がありましたように、この数字が出てまいりましたけれども、これからはもう東海地震、南関東地域では大きな横の揺れが長く続くという、そういう話が出ているようですけども、今、この数字を見ても庁舎、いろいろ出ている中で、私が答えるより理事者から答えてもらいたいと思いますけども、この本庁舎の中で一番耐震性が低い、どこが一番危険と思っているでしょうか。
○秋元営繕担当課長 先ほど御報告申し上げましたIs値のIsの値からあえて申し上げますと、4階のy方向、いわゆる東西方向の耐震性、4階の東西方向の耐震性が弱いということが言えるわけでございますが、ただそれでもIs値は0.59という値でございますので、危険な値ということは言えないというものでございます。
○斉藤(高)委員 今のお話の中で、4階の0.59ですね。この中野区役所では、先ほど参事は南北方向とか東西方向と言いましたけど、東西方向というのは当然、市街地でも震度5のことがありますけど、この庁舎にいるとどの辺のことを言うんでしょうか。どっちの場所、どの辺なんでしょうか。一つの建物、全体じゃないですよ。
○秋元営繕担当課長 要は、地震というのはどっちから来るか実際わからないわけでございまして、それで二つの2方向できちっと計算をしておくということになっているわけでございます。それで、4階部分の東西方向と申しますと、高層棟の中の4階の東西方向ということになりますと、こちらの方向ですね。こちらの揺れです。この揺れに対して、値は一番低いということになるわけでございます。
○斉藤(高)委員 それでは、私もことしの1月、神戸市、西宮市を視察に行った項目の一つは、いわゆるその本庁舎の被害状況を伺ってまいりました。これはあくまでも中野区の庁舎が心配で行ったわけです。ここだけはよく覚えておいてほしいんですけど、西宮市の本庁舎は鉄骨鉄筋コンクリートづくりで、地下3階から地上8階で、建築は昭和46年でありました。本庁舎の被害は阪神・淡路大震災ですけども、6階から7階の被害が多くて、6階以上は立入禁止し、余震のおそれがあり、当時は取り壊しも検討されていたという、すごかったそうです。あとは神戸市役所も、庁舎も1号から3号までありますけれども、その中で2号館の地下1階から8階建てがありましたけれども、その6階の層全体が崩壊ということでぺしゃんこになりまして、私もあのときに行って写真まで撮らせていただきましたけども、この6階以上のフロアが、やはり今話にもありました横揺れとはありませんけど、1.5メーター北側にずれ、全館が使用不能となり、6階は水道局のフロアとして利用していました。そういうことでぺちゃんこで、市の下水道の方の図面が全部そのまま下にあったものですから、だれもその中に入れなかったということで、あの復興の中で大変御苦労したというのは、もう皆さんもよく知っていると思います。そのうち、この2号館の庁舎は新築、増築、改革に対する案が出されましたけれども、現在はもう皆さん御承知のとおり、5階までの建物におさまっております。それと、今度は崩壊した6階から8階までですが、これは聞くところによりますと鉄筋のみで、5階から下は鉄骨鉄筋入りで、強度が下がったということは後で話題になったそうでございます。
それから、今度は話が変わりますけれども、茨城県のつくば市にあります防災科学技術研究所がことしの1月13日、皆さんテレビを見たと思いますけども、1970年代の当時の一般的な設計手法により、この設計した6階建ての鉄筋コンクリート建物の耐震を実施しまして、見ている中でこんなに簡単にこんな建物が倒壊するかということで私も驚きました。結果として震度6強で倒壊寸前となりまして、やはり昭和56年以前の建物は鉄筋コンクリートでも倒壊することがわかりました。
くどいようですが、もう一つ紹介をさせていただきます。今度は武蔵野市の話ですけど、武蔵野市役所ですけども、隣にというか、西棟という建物があります。今までは2階建てでありましたが、現在、地上8階の増築工事が始まりまして、増築工事の2階のくいと基礎の補強、そして今度は3階には免震措置を設置し、その上に5階分を建築し、震度7に耐えられる構造にして、安全・安心の建物にしていくという説明をしてありました。もう聞いたところ、中野区のあれは発想ではありませんでした。もう震度7が来ても大丈夫だというものも、よく話をしてくれましたけれども、さらに驚いたのは、もう各区のこの庁舎の、23区のこの耐震構造強度まで調べていまして、私も中野区のは大体そこでわかりましたけれども、私が言いたいことは、一日も早くこの補強計画を作成して、補強工事を実施してほしいということでございます。もしここにマグニチュード7の地震が発生した場合、本庁舎は先ほどの説明では大丈夫だということでございましたけれども、ここで今回ははっきり聞いておきたいことは、この大震災が発生して本庁舎が職員、区民に大きな、また小さい被害もあるかもありませんけれども、補強しなかったということで、もし万が一の場合は、これはだれが責任をとるかということだけは記録に残しておいた方がいいと思いますので、ぜひ答弁していただきたいと思います。
○秋元営繕担当課長 マグニチュード7.3の地震、これはちょうど阪神・淡路大震災でそういう値であったということでございます。震度階で申し上げますと、震度7前後ということになると思われます。先ほど申し上げましたIs値が0.6という値で、それ以上確保している建物、これは阪神・淡路大震災のときにどういう被害を受けているか。そういったような調査が行われております。それで、この0.6以上を確保している建物にありましては小破がほとんど、軽微な損傷あるいは小破、こういったものがほとんどであったというふうに記録が残っております。最悪の事態でも中破程度ということになるわけでございます。今までの地震の経験、こういったものから申し上げますと、Is値で0.6以上を保っていると、大体その程度の被害で済むということになるわけでございます。ただ、小破ですと、そのまま建物が継続して使えるわけでございますが、中破程度になりますと、相当の改修をしなければその後の使用ができない。そういったようなことは想定されるわけでございますが、ただ、にわかに建物が神戸市の市庁舎のような事態、こういったものは避けられるのではないかと、そういうふうに思っているわけであります。
○斉藤(高)委員 一番大事な言葉をお聞かせください。
○秋元営繕担当課長 地震というのは非常に不確かなものでございます。不確かなものというのは、この建築基準法の構造の改正、これはいわゆる大きな地震のたびに構造計算が改定されてきた。要するに経験がないわけであります。それで、その経験によって初めて、改めてというんでしょうか、構造の計算を変えてみたり基準を変えてみたり、そういったことを繰り返し行ってきているわけであります。したがいまして、私が今申し上げておりますのは、過去の経験から申し上げているわけでございまして、これから先のことまでの予言というものはできない。そういうことでございます。
○斉藤(高)委員 じゃあ、別なところでお聞きします。
次に、鷺宮地域センターについて伺いますけども、今回の定例会で公明党の久保りか委員が鷺宮地域センターの精密診断の内容等について質問いたしました。答弁も精密診断についてはできるだけ早く実施し、一定の結論を得たいというふうに考えているようでしたけれども、私はそれを聞いていて本当に何を言っているのかと思いました。あの鷺宮地域センターは図書館との複合施設で、建築は昭和47年、地下1階、構造はRCですよ。地上6階建てで鉄骨コンクリートづくりです。建物の耐震性能は1階から4階は、あれは確かに性能ランクでいくとCですよね。あれはだれが行っても、私もたまに本を借りに行ってもわかりますけど、よく今、最近やる耐震壁ですね。あれなんかが必要じゃないかと思うぐらいですから、本当は参事なんかが知っていて、本当にあそこには近づかないと私は思っていますよ。私が言いたいことは、この耐震診断の結果は平成8年度にはわかっていたわけですから、それからもう10年以上補強計画も、また工事もしていなかったわけですけれども、この鷺宮地域センター及び図書館として、あそこには職員並びに大勢の区民が利用している施設でございます。また、今回の10か年計画でも地域の総合窓口の5カ所のうちの一つでございます。区は区民に対して耐震診断をやりなさいとか、危ないから耐震補強をしなさいと言っても、区自身、もう一番典型的な鷺宮地域センターですよ。一番区民が利用をしているこの施設に何の対応もしていないで、区民にそんなことを言うというのは本当に私は失礼だと思っているんです。ですから、耐震補強工事は早急に実施すべきと思いますし、先ほどの責任の問題が出ましたけど、区役所の方は大丈夫だと言いますけども、済みません、鷺宮地域センターはあれは申しわけないですけど、危ないんですよ。あれを知っていながら補強しなかったんですから、そこから半分から後ろにいる方はだれかが責任をとる。そんないいかげんなことを言うわけじゃないですけど、やはりそういうことを決めておかないと、いや後でやればいいやというような感じでは困るんですよね。だから、今はこの時代で予算がないかもわかりませんけれども、どうしてもやるのはもう鷺宮地域センターです。そういう意味で、もう一回答弁していただけますか。
○秋元営繕担当課長 鷺宮地域センターでございます。確かに性能評価はCランクが既に出ておりました。今までもどのように改修をするかという、検討の俎上には幾たびかのっているというような経過書もあるわけでございますが、鷺宮地域センターそのものの施設をどうするかということと、いつもなかなか話がまとまっていないという状況でございました。それで今回、10か年計画の検討がなされまして、その中で施設そのものの配置がある程度明確になってきたということがございます。したがいまして、先日の一般質問で区長から御答弁で申し上げた内容を、重複になりますが、再度お話を申し上げさせていただきたいと思います。
来年度、できるだけ早い段階で精密診断の結果を得まして、鷺宮駅周辺の施設の配置計画を勘案しながら補強内容の検討を行っていくと。できるだけ早い段階で手当てをしていく。そういうふうに考えてございます。
○斉藤(高)委員 もう一つ言いたいんですけども、やめておきますけど、次に、それならば私も去年の定例会を、ちょっと忘れちゃいましたけど、そのときに質問した中で、いわゆる耐震診断を実施していない施設を紹介してほしいということを質問しました。そしたら商工会館、さつき寮、橋場児童館、北部保健福祉センター、教員寮の施設については耐震診断をしないということがありましたけれども、この耐震診断を実施しないその理由は何でしょうかということを聞きたいわけですね。先ほど話しましたように、区民が利用したり職員の方がいらっしゃるわけですよね。自分の建物を信頼していないんですから、ちょっと震度幾つが来たら大丈夫だとか、本来は今ここで参事さんが言ったように、この本庁舎は大丈夫と言うから、私ももし揺れてもちょっとは驚かないかもわかりませんけども、耐震診断をしていないところは、この建物の年数を見ても本当に古い建物ですよね。そういう中でこの診断をしてこなかった。そういうことを考えると、やはり何らかの理由があるんじゃないかと思いますけども、やらない理由というのは、この際黙っていないではっきりと言ってください。
○秋元営繕担当課長 今、商工会館、それから橋場児童館、それから東中野図書館でございましょうか。北部福祉センター、こういったところの施設につきまして、診断をしないのはなぜかという御質問でございました。
商工会館につきましては、今後早い段階で機能廃止が予定されているということでございます。先日の山崎委員の御質問にもございましたように、この施設を今後どのようにしていくのか。機能廃止ということはもう既に大体定まっているといったことから、現在の段階では耐震診断を予定はしてございません。それから、北部福祉センターでございますが、こちらは地下1階、2階建ての、地上2階の建物でございます。したがいまして、耐震診断を要しない施設、いわゆる2階建てということでございますので、比較的安全性の高い施設という位置付けをしてございます。それから、東中野図書館、保育園、こちらの方は平成9年に診断を実施してございます。既にAランクの評価を得てございます。それから、橋場児童館でございますが、こちらの方は耐震診断を実施いたしまして、ついこの間でございますが、2月末日にその結果が出ております。その結果ですと、一部補強を要するBランクという判定が出されまして、やはり久保委員の一般質問で、区長が御答弁した今後対応すべき施設の中に加えまして、できるだけ早い段階で施設の安全性の確保に努めていきたいというふうに思っているわけでございます。
○斉藤(高)委員 商工会館の話が出ましたけど、私も社協の評議員になっていますから、たまたま利用しますけど、本当に区民はよく知っていると思うんですよ。エレベーター、あそこを利用している人はもう階段で3階まで歩いていきます。なるほど、区民というのはすごいんだなと思いましたけども、私もそれにまねして最近エレベーターに乗らずに3階まで行きますけど、そのくらいの区の施設、やはりもう一度本当に見直して、もう全館、本当に検討していただきたいと思うんです。そういうことで、こちらの話はここで終わりますけども、次に区立の小・中学生の体育館の耐震性について伺います。
結論から伺いますけれども、この耐震診断の結果を小・中学校は43校ありますけれども、このIs値でなくても結構ですけども、いわゆる性能ランクですか。AからDがありますけれども、今もし資料をお持ちだったら、その学校の体育館ですね。A、B、C、Dで、数だけ最初教えていただけますか。
○秋元営繕担当課長 区立小・中学校の体育館の耐震性能評価A、B、C、Dランクの件数を御紹介申し上げます。
Aランクにつきましては8校でございます。これは中学校が2校、小学校が6校でございます。それから、Bランクが3校ございます。これが中学校が1校、小学校が2校。Cランクが18校ございます。Cランクの方は中学校、小学校それぞれ9校ずつでございます。それから、Dランクが10校ございます。Dランクは皆、小学校になってございます。
以上でございます。
○斉藤(高)委員 今の数字を聞くと驚きましたけれども、避難所としては区立の小・中学校はしておりますし、どこでも全国的に地震があれば、大体体育館に避難していく場所になっておりますけども、せっかく区民が避難して、体育館に飛んでいったら倒壊しちゃったとか、そんなことで次の晩に行っても、東京では場所があいているところは信じられませんですよね。そういう中で、この耐震補強工事を実施しなくてもいいということで、ずっとここに今言ったようにCで18校、Dで10校。素人から見ましてなぜやらないのかなと思いますけども、専門家から、今ここにみんな委員さんがいますので、理解できるような話をしていただきたいと思います。
○秋元営繕担当課長 体育館でC、Dランクにございますのは、鉄骨造の平家建ての単独施設でございます。それで、過去のやはり例でまいりますと、阪神・淡路大震災でもそうでございますが、こういった同種の平家建て体育館につきましては大きな被害が認められていない。こういった状況を受けまして、現在までのところ耐震改修をやっておらない、そういうことでございます。平家建て、それから、構造体が軽量といったことから、実際に被害が少なくて済んでいるんだろうという判断をしているわけでございます。
ただ、避難場所として利用するわけでございますので、いわゆる二次災害から区民の方を守る必要があるということから、天井材の落下防止、あるいは窓ガラスの飛散防止、こういった二次部材の対策をしっかりと進めてきているわけでございます。これらの二次部材の改修、これにつきましては今年度、平成17年度ですべての体育館の対策を完了しているものでございます。
○斉藤(高)委員 今のお話でやっと意味が私もわかりました。神戸市と西宮市で言われたことは、皆さんが全国的にみんな理解していないことが一つあると言われていたんです。体育館のことで。何も体育館は違いがないと言うんですけど、神戸市なんかは例えば1階が教室、2階が体育館。これは中野区もあると思うんですけども、そういう複合施設はみんなところどころそこに避難できないような場所になっているんだそうですけれど、また西宮市だったと思いますけど、あそこは2校を改築したり、2校はもう補強したりと、何かこれをみんな理解していないようなことを言っていました。もう神戸市を見たら、体育館なんか別に改修しなくても平家だということで、そう言っていますけども、やはり中野区だってたしか大分ありますよね。複合施設が今言ったように、上が体育館で下が教室とか、そういう施設は大変危険だということをそのとき教えられてきましたので、今やっと私もお話を聞いて理解をさせていただきましたので、これは中野区もその建物が、体育館が新しい、古いといろいろあるでしょうから、それは一度検討していただきたいということをお願いいたします。
次に、改正耐震改修促進法について何点かお伺いします。これは住宅及び特定建築物の耐震化率の10年後の目標を、現行の75%から90%に引き上げる具体的な数値目標が決まっています。この耐震化を具体的に進めるために、国が目標などを定めた基本方針を策定し、それに基づき都道府県が策定する耐震改修促進法にはありますけれども、その中の第6条の中に学校、病院、老人ホーム、百貨店などの特定建築物は耐震診断を速やかに実施して結果を公表するとともに、耐震化の目標を認定するとか、ずっと幾つか書かれておりますけど、時間の関係で省略しますけれども、そういう中でこの特定の建築物の一つであります1,000平米以上の病院ですね。1981年の新耐震基準導入以前に建てられた病棟で耐震診断を受けた病院のうち、75%が補強が必要だと判断されたことが厚労省でその調査の結果わかったわけです。
そこで伺いますけども、この耐震改修促進法の第7条では特定建築物に対する耐震診断改修工事に関する指導、助言、指示ができることとなっております。そうすると区では具体的にどのような対応を考えているのか、まずお伺いいたします。
○佐藤建築担当参事 平成7年12月に耐震改修促進法が施行されております。それ以降、民間の学校で7件、病院で3件、特別養護老人ホームの1件につきましては指導を行いまして、耐震診断補強工事の実施に結びつけております。現在も引き続きまして特定建築物の耐震診断、補強工事の相談を受ける中で、指導、助言をしております。必要に応じて専門家の紹介も行っているところでございます。あわせまして、耐震改修促進法によります認定制度の活用についても助言しているところでございます。
○斉藤(高)委員 ありがとうございます。
次に、これは私も神戸市役所、または西宮市で話題になったのは、東京都、また中野区とその違いがあるんでしょうけども、耐震化を進めていくことはいいことですけども、そのほかに建物や施設を設けるための土地ですね。敷地というんですかね。この敷地が、地盤を崩壊することによって建物への被害が出ていたということでございますので、この地盤を強化する対策も考えねばならないと思いますけども、中野区は地盤はしっかりしていると聞いておりますけども、この際もう一回答弁していただけますか。
○佐藤建築担当参事 建築をする際には、事前に敷地の地盤状況を十分調査しまして、その地盤状況に合わせた設計をするということが重要でございます。
中野区内の地盤ですが、河川の近くを除きまして、一般には関東ローム層の堆積も見られまして、その下部が粘土層を挟みまして、砂れき層と呼ばれます砂利層によって構成されております。この関東ローム層は比較的安定した支持力が得られますので、低層の建築物ではこれを支持地盤として採用されております。また、中高層の建築物ではくいの基礎、これを採用しまして、より強固な下部の砂れき層、それを支持地盤にして設計されることが多くなっております。区内ではその臨海地域に見られますような水分を多く含んだ砂質地盤がないわけで、地震時の液状化現象の発生のおそれはないと言われております。
○斉藤(高)委員 次に、災害時の後方医療施設について伺いますけども、これは私の周辺に、今度は警察病院がこちらに移転してきますので、この話題が出まして、災害時にはこの医療救護所で対応できない重傷者を地域の拠点となる後方医療施設に搬送し、収容、治療するための業務を行うと聞いていますけれども、この耐震補強に当たっては補強、改修の計画、中野区にも幾つかの病院がありますけども、もし名前を言ってもいいかどうかわかりませんけれども、数でもいいですけども、そういうところは精密の診断というものが実施しているのか。そこをお伺いしておきます。
○佐藤建築担当参事 医療施設の個々の名称をここで具体的にはお話できませんけども、大規模で現在指定されています緊急の病院7施設についての状況でございます。耐震診断をしたものが1件、それからその後、補強工事を引き続きしたものが1件、それから建てかえ中のものが1件、それから耐震診断を現在検討中であるというものが2件、それから建てかえの検討中というものが2件ということになっております。
○斉藤(高)委員 ありがとうございます。
次に、これは日本全国が耐震化という中での相談がありましたけれども、この住宅の耐震化を考えると、一番厳しいのは賃貸住宅マンションです。この賃貸住宅に住んでいる人がこの耐震化を診断したいと思っても、いわゆる大家さんですね。住んでいるわけではありませんので、非常にそこに一つの難しさが出てきたり、それから耐震診断をしたが、結果の判定がやや危険でという形になれば、資産価値がマイナスになるということで、協力がないような話もあるんだそうです。古いマンションの中には、問題になっているこの姉歯元建築士の建物にも危険なものがあるんじゃないかというのは、区民の言い分ですよ。そういう人もいますし、ここまで耐震化するというならば、入居者に情報を得て、契約できるようにしていただきたいと考えますというその考えだったんですけども、区としてもし、その賃貸マンションの耐震性能はどのように判断すればよいのかということで、難しいことかもわかりませんけど、お聞きしておきたいと思います。
○佐藤建築担当参事 賃貸マンションにお住まいの方から相談された場合ということでお話ししますと、まず建設年次、これを確認していただきたいと思っております。昭和56年6月以降に建築確認を受けた建物であれば、一応安全であるということが考えられます。これは新耐震基準が採用されたということがありますので、そういうふうにお答えできると思います。ただ、その昭和56年5月以前の建築物につきましては、一応所有者等に耐震診断を行って安全を確かめていただくという、そういった作業が要るということで、これは所有者等にそれをお願いするということになると思います。
○斉藤(高)委員 先に進ませていただきます。
これも同じ耐震化という中でのことですけども、この耐震化に対する意識が低いのではないかと言われているのは、いろんな助成を各区でいろんなことをやっていますけれども、なかなか件数がふえてきませんけれども、やはり大人から見れば、やはりこれはもう小さいときというか、小学校の時代から学校の教室を利用したりして、この耐震化の重要性と阪神・淡路大震災の体験からこの耐震性の重要性を学ぶということで、学校教育の中で取り上げていただくことも大切じゃないかということでございます。そういう意味で、この小学生から防災教育で取り組むということは、区ではどのようなお考えを持っているでしょうか。
○小林指導室長 区立の小学校、中学校、幼稚園では、月に1回の安全指導と避難訓練を教育課程に位置付けて実施しております。子どもを発達段階に応じて地震等に対する具体的な訓練や指導を行い、防災に対する意識を高め、実践的な態度を培っているところでございます。
○斉藤(高)委員 それから、これは私はまだ調べてなくて質問させていただきますけれども、区内でこの地震について危険地域、東京から5年置きにですか、調査したのを中野区に返って報告がありますけれども、やはりここで地震のハザードマップというんですか。これはPTAの方が言われたんですけども、やはりここでそれを公表して、耐震診断が大事だとわかるような啓蒙をしていくことも大事ではないかという提案がありましたけども、この案についてはいかがでしょうか。
○斎木防災担当課長 お答えいたします。
区民の方へ配布用として作成してあります「中野の防災 地震に備えて」というリーフの中に、都が調査した地域危険度も盛り込んでいますので、それを地震ハザードマップというふうに考えております。
○斉藤(高)委員 結構です。次に参ります。
次に、家具転倒防止器具取りつけ助成について伺います。
私も、この制度は本当にすばらしいことだと思っております。特に、神戸市に行ってこの話を聞かせていただきまして、この器具というのは本当に命を助けるという話を伺ってまいりましたけれども、そういう中で、これは現在中野区では対象は満65歳以上とか、体の御不自由な人とかいろんな条件があるようですけども、最近ではこの高齢者以外に中高年の皆さんから、私も当てはまらないんじゃないかと思いますけども、何か工夫して、この中高年の方まで助成、そういうのはできるんじゃないかという話がありました。
また、もう一点は、このPR用のチラシですけれども、この今の家具転倒防止のですね。この耐震への啓蒙を行っていますけれども、もう少し努力したらどうかというのが、板橋区から中野区に生活を移した方が言われまして、それはどういうことかというと、中野区もチラシを一生懸命つくっているんですけども、おもしろいことに、この板橋区は阪神・淡路大震災の体験談が載っていまして、「僕の目に入ってきたのは、飛んでしまっていたテレビだった」とか、そういうのが書かれたり、「また、揺れて揺れて揺れて、壊れて壊れて、落ちてくるガラスにびくびくしながら、倒れるたんすを丸くなって避ける」。これは非常に子どものおもしろい体験談をまとめていますので、ああ、なるほどなと思いました。中野区で一生懸命やっていることですけどね。そういう意味で、こういうチラシということについて、やはり力が要るんじゃないかと思っています。
さらに、私もパトロール隊に入っている中で、いろんな意見の中に一つ、大体地震は、いわゆる防災は大丈夫ですかと言うと、3日分の飲み物が用意されていますけども、私も神戸市に行ってよくわかったことは、そんなものよりは、そんなのは言っちゃいけないですね。大体、阪神大震災で見ましたように、死者のほとんどの人が、この家具や建物の下敷きになって圧死であるということですね。だとしたら、真っ先にやることはこの圧死対策だということですね。ですから今、中野区でやっているこの取りつけの器具ですね。これは本当に大事なことだと思っております。水も飲料も大切ですが、神戸市、西宮市へ行って再確認したのは、生きる、生き残ることが大切なんです。水というと、大体神戸市の方でも飲料水は大丈夫だったようですから。トイレの水は違いますけども。そういう意味で、この対策の一つとして家具転倒防止器具取り扱いでありますけれども、区はこの耐震の啓蒙、これにもう一度取り組んだらどうかと思いますけれども、何か御意見はあるでしょうか。
○佐藤建築担当参事 家具取りつけ工事を無料にしておりますのは条件がございまして、先ほど御紹介ありましたように、65歳の高齢者の方というふうに、あと障害者の方というふうに限定しております。ただ、これを1件1件に取りつけ工事をしますと、非常に費用が高くなりますので、5件ほどまとめたところで施工者に派遣して取りつけ工事をしていただいています。そうしますと非常に単価が安くなります。したがいまして、こういったその適用されない方で、取りつけていただきたいという方には、有料になりますけども、こちらでまとめて派遣できるということも今しておりますので、相談を受けましたら、そういった御紹介をしたいと思っております。
それから、今、御紹介ありましたような、戸別訪問の中で器具の取りつけをしていただけるように御紹介しているところでございますけども、その配布いたしますリーフレット、これにつきましても、今、御紹介ありましたような例が、他区の例もありますので、参考にしながら改善を加えていきたいと考えております。
○斉藤(高)委員 次に、項目が変わりますけども、この木造住宅の耐震補強支援について伺います。
これは皆さんも、なかの区報の2006年2月12日臨時号で、住まいの耐震対策特集ということで、私も拝見させていただきました。また、区民の方も大勢の方がそれを見たようですけども、この区の、その中で区の簡易耐震診断、これは昭和56年以前に建築された木造住宅の約9割が、震度6強などの地震には安全とは言えない結果になってきているわけですけども、区長の所信表明の中にもありましたが、昭和56年5月以前に建設した木造住宅の全戸訪問をと言っていますが、まだかかるんでしょうけども、なかの区報でも簡易耐震診断の判定結果が紹介されていました。少し時間の関係で省略しますけど、まとめて聞きますけども、この簡易耐震診断と一般耐震診断におけるこの診断士の業務内容及び費用についてお聞きしますし、また、当然それに対する実績ですね。件数もあわせてお願いします。
それから、先ほど区長からありましたように、この戸別訪問、これはいろんなところでいろんな職員が体験しているようですけども、これも具体的な内容についてお聞きしたいと思います。
○佐藤建築担当参事 耐震診断士はまず現地に参りまして、図面がない場合が多いわけですので、図面作成をいたしまして、簡易耐震診断作業に入ります。現地のその基礎、それから外壁の劣化状況とか屋根のゆがみ、そういった外観調査をしまして耐震診断をするわけでございます。
その経費でございますが、1件当たり1万9,000円でございます。実績でございますが、診断の委託を開始しました平成17年11月からことしの2月末までの4カ月間で、申し込みは450件ございましたので、平均で月100件を超えているという状況でございます。
それから、一般耐震診断でございますが、簡易耐震診断の結果、総合評定が1.0未満の場合に、一般耐震診断を希望された方にやっておりまして、この耐震診断士の業務ですが、建物の床下、天井裏、小屋裏等に入りまして調査いたします。それで、診断をいたしまして、この所有者には診断結果を説明いたします。それから、構造計算をいたしまして、補強計画案の図面も作成いたします。具体的な補強のところを進めているわけでございます。
経費でございますが、延べ面積が200平米以下の建物が多いわけですが、図面がある場合で9万7,650円、これは消費税込みです。図面がない場合は13万200円という経費がかかります。今年度の実績でございますが、今年度、平成18年2月末までの合計で201件ございました。それから、戸別訪問の内容でございますが、事前に町会の回覧板に戸別訪問するということを周知しております。それから、その後で区が委託しました調査員が写真つきの身分証明書を携帯し、はっきりと名前を名乗った上で耐震診断、それから一般耐震診断、家具転倒防止器具の取りつけに関するチラシの配布を行いながら、事業内容の説明を行うと。それで、そこで申し込みは受けませんで、申し込みは必ず区役所に電話でしていただくようにしております。
○斉藤(高)委員 そして、また関連して、この資産活用型耐震改修助成について伺いますけども、これも区長は所信表明の中で、住宅金融公庫の資産活用型の融資により、耐震工事を実施した高齢者世帯に対して融資や利息等の支払い、資金の貸し付けをし、手元に自己資金がなくても耐震補強が可能となるようにしますとありました。ということは、現在実施していることだと思いますけれども、まだこれはまた私は他区でやっている方はちょっと調べてありませんけれども、その融資の限度額とか内容についてまた説明してほしいと思うんです。
さらに今、大体これは各家庭でもこの耐震改修の費用というのは、普通で言えば150から200万円ぐらい費用もかかると言われていますけれども、今回、この制度においては、よく寝室だとか居間だけの一部分ですね。こういう耐震補強工事でも助成が受けられると聞いておりますけども、それについてはいかがでしょうか。
○佐藤建築担当参事 今、御紹介ありました住宅金融公庫のリフォーム融資でございますが、これは高齢者向け特例返済制度という制度になっておりまして、対象はバリアフリー工事、例えば段差解消とか浴室の改修、手すりの設置、そういったものの制度でございました。この中に区として耐震補強工事を組むということで問い合わせまして、これもできるという回答を得ましたので、この制度を活用させていただいております。融資の限度額は500万円ということになっております。担保になりますのは、土地・建物になりまして、それを保証しながらお貸しするという制度でございます。区としましても、さらにそれにいろんな登記の費用とか利息がかかりますので、そういったものも今度は区の方で無利子で貸し付けておりまして、返済も死亡時に一括返済していただくということになっております。この中で、寝室とか居間のみの工事も、補強工事であっても融資対象になりますので、この点については積極的にPRしていきたいと思っております。
○斉藤(高)委員 それでは、耐震対策の最後になりますけども、今、公園内に設置されている構造物の耐震基準について伺います。
公園は緊急的な避難場所になりますが、震災直後から長期にわたって避難拠点になりますけれども、今、公園内にはトイレとか、地震のときですけれども、仮設ぶろ設営とか仮設住宅の建設とか、そのほか となる大きな役割があると思いますけれども、現在、公園内にあるこの施設、例えばトイレ等についてですけども、耐震基準というものは考えているかということと、あと中野区もこれから新しい大きな公園ができるようですけども、そういう中でこの公園に対して耐震基準というものについて、今、現時点ではどのようなことを考えているんでしょうか。
○野村公園・道路担当課長 お答えいたします。
公園内のトイレにつきましては、その建築時の建築基準に従ってつくっているものでございまして、その後は大規模な改修等がない限りそのままという状態になっております。それで、すべての公園にトイレがあるということではございませんで、私どものこの区内の公園、鉄筋コンクリート造のものが28、それからプレハブのものが77、その他、公園に隣接しますような児童館ですとか、高齢者会館に併設されているようなところも若干ございます。それで、トイレという構造でございますので、鉄筋コンクリート造のものについては耐震性としては特に問題はないのかな。それから、プレハブ構造のものについても、メーカーによりますと問題はないというふうに言っております。
ただ、避難場所としての今、御指摘がございましたが、建築物そのものに問題がなくても、ライフラインとしての水がとまってしまいますと、この一般の公園内のトイレが使用できないような状態になります。それで、平和の森公園ですとか、今、整備中の北部の防災公園、こちらにつきましては、仮設のトイレがつくられるような構造にしております。平和の森、北部防災公園、生活用水ですとか防火のための貯水槽がございまして、この水を使い切った後にはブースを置いて、仮設のトイレにしてしまうと。便槽にしてしまうということですね。そのほか、北部防災公園につきましては、主軸の園路に下水管を通しまして、その上に18個ほどマンホールをつくりまして、これも仮設のブースを置いて、マンホール式のトイレということで使えるような計画にしております。
○斉藤(高)委員 それでは、耐震対策についてはその項で終わります。
次に、防災対策について伺います。
これは避難所周辺のマンホールトイレの整備について伺うわけですけども、学校の周辺の道路のマンホールをマンホールトイレとしてできる、そしてトイレ資機材を順次整備していくんですけども、私もこのマンホールトイレというのは2年以上前ですけど、世田谷区で知りました。さらにそこで下水道局のパンフにこのマンホールトイレと書かれたものがありまして、世田谷区はやるんですかと聞いて、中野区はやらないと思ったから、余り効果がないと思って、ずっとこの2年間参りました。今回、これはすごいことだなとわかりましたけれども、東京都からこの区の避難所におけるトイレ設置計画が具体化している箇所から優先的に実施していくということを聞きましたけれども、中野区がやっとこの新規事業としてスタートすることになりましたが、その事業についてこの下水道局と区と、何かほかの区に聞きますと協議が必要だと言いますけども、もう話はそこまで行っているんでしょうか。
○斎木防災担当課長 お答えいたします。
この事業は下水道のマンホールを利用しますので、下水道局へ事前に打診しました。一方、下水道局の方は防災機関のライフラインを担うということですので、前向きに協力していただくということで協議が調いまして、今回実現する運びになりました。
○斉藤(高)委員 うまくいくかわかりませんけれども、阪神・淡路大震災でも一番困ったのはトイレだというお話をよく聞きました。ある主婦の体験を聞きましたけれども、「生理的な要求は精神以前のものだし、ただトイレに行きたいという思いで何も目に入らず、聞こえなかった」という、そういう文書も読ませていただきましたけれども、そういう中でこのマンホール用トイレというのは、マンホールの上に足場とカバーを設置して、マンホールを直接トイレとして使用するマンホール用仮設トイレの設置というものは、これは区と下水道局というのはどういう形で応援というんですかね、その設置をしていくんでしょうか。
○斎木防災担当課長 マンホールの口径に合わせたものをセットするということでございますので、私どものトイレの設備に合ったマンホールにしていただけるということで確認してございます。
○斉藤(高)委員 それから、ちょっと不思議に思うのは、この設置場所ですけれども、当然この避難所周辺には道路を使うんでしょうけども、その中で人とか車が走ってくることを考えると、こういう車両の通行の問題を考えていかなきゃなりませんけれども、そういう面で車の車両とか人間というか、みんな避難する人たちですね。そういうときに、その道路上にあるこのマンホールですね。トイレ、これはどのような形になっていくものでしょうか。
○斎木防災担当課長 避難所を開設して、このマンホールトイレを設置するような状況というのは、幹線道路以外の車両の運行というのは一定期間制限されるということになりますので、その間、その交通規制の中で設置するわけなので、その間は十分使用できると、このように考えてございます。
○斉藤(高)委員 それから、今度はこれに対して耐震化という問題が出てきますけども、下水道管とかのマンホールの接続部に対して、どのような耐震化を考えているかという点と、あとマンホールを、ふたを本来はあけてはいけませんけれども、危険であると言われていますが、この震災時のトイレは、この機能を確保する取り組みですけれども、このマンホールは相当重いというんですか、重量があります。これはだれがこのふたというんですかね、あけることになるんでしょうか。昔、のぞいたことがありますけども、深いですよね。そういうことを考えますけども、専門家には違う話かわかりませんけれども、この点はどう理解したらよろしいでしょうか。
○斎木防災担当課長 このマンホールは道路にありますマンホール、つまり本管を利用するわけです。したがいまして支管と違いますので、かなり強度が強いということで、こちらで想定しています震度6強は耐えられるだろうということで確認をしてございます。
それから、この重さなんですが、このトイレ設備のセットの中にマンホールをあける道具、これをつけますので、普通の力があればあけられるということで聞いてございます。ただし、この納品の際、それから避難所運営訓練等の際にどのようにあけられるかを試してみたいと、このように思っています。
○斉藤(高)委員 もう1点は、これは長く文書が書いてあるんですけども、短くお聞きしますけれども、このトイレ用水の確保ということで、学校ですよね。校庭とかいろいろありますけども、この学校や公共施設等の避難場所において、給排水施設のそれに対してのこの耐震化というのはどの辺まで今進んでいるんでしょうか。
○秋元営繕担当課長 避難所でございますが、避難所ではまず飲料水の確保を優先して考えております。したがいまして、現在受水槽及び高地水槽--建物の上に置いてある水槽でございますが、こちらの方の耐震化に努めているわけでございます。受水槽につきましては、現在44基保有しているわけでございますが、そのうち42基、高地水槽につきましては49基のうち41基の耐震化が完了してございます。平成18年度は受水槽1基、高地水槽3基の耐震化を予定してございまして、引き続き設備の更新に合わせまして、耐震化を図っていきたいというふうに考えてございます。また、給水配管でございますが、こちらの方は水槽あるいは建物との取り合い部分で変位が非常に大きくなるといったことから、その部位での変形に耐えられるようなフレキシブルな配管、こういった継ぎ手を用意いたしまして、現在耐震化に取り組んでいるという状況でございます。
○斉藤(高)委員 それでは、次に移ります。
首都直下地震による東京の被害想定について伺います。これはもう皆さんも新聞でお読みになったと思いますけれども、昨年の5月、東京都防災会議を踏まえて、地震部会において被害想定の見直しに検討してまいりましたが、本年2月に中間報告がまとまりまして報告がありました。そういう中で、都市型災害の対応が新たな課題として、その中から私2点お伺いしますけれども、まずその第1点はエレベーターの閉じ込め防止でございます。この中間報告の中では東京湾北部地震でマグニチュード6.9の場合はエレベーター約14万5,000台中、閉じ込めが発生するエレベーターは約7,500台、マグニチュード7.3は約9,200台となっております。いずれの場合も区部がほとんど占めているわけですけども、中野区を見ますと、マグニチュード6.9の場合は154台、マグニチュード7.3の場合は174台となっております。中間報告にはこの閉じ込め防止の発生原因として、一つは安全装置の作動、揺れによる故障、そして停電の三つが想定されております。
それで今度は、国土交通省では地震時のエレベーターの閉じ込め事故防止のための対応策として、地震を感知して最寄りの階で停止し、ドアは開く。地震時管制運転装置が作動し、運転休止する。揺れの大きさを現行の震度4から5弱程度から引き上げ、震度5弱度まで安全に運転が継続できるようにすることで、事故の発生を防ぎたいということでございます。また、閉じ込めの事故が多くて、ドアの異常を感じて停止する緊急停止装置が管制運転装置に優先して作動した結果、起きていることから、対応策には地震の初期微動に感知して停止する管制運転装置の設置義務付けの方針も盛り込んでおります。
そこで伺いたいのは、閉じ込めの事故発生後の救出や運転休止したエレベーターの復旧に時間がかかかります。このエレベーター閉じ込めの災害が想定されておりますけれども、建物の管理という観点から、対応策は考えられないかと思いますけども、いかがでしょうか。
○佐藤建築担当参事 保守いたします会社と遠隔管理サービスの保守契約を結んでおりますエレベーターにつきましては、自動的に電話回線を通じて送られました情報から保守員がいち早くその情報を入手しまして、早期復旧に向けた取り組みができるということになっております。また、かご内に閉じ込められました人等は情報センターの係員と直接通話するということにより、不安を和らげることになっております。
それで、今、御紹介ございましたように、昨年7月の千葉県の地震で閉じ込め被害があったということで、国土交通省ではさまざま今、委員御紹介あったものを検討しておりまして、その検討結果が出てまいりますので、その結果を踏まえまして適切に対応していきたいと思っております。
○斉藤(高)委員 それから、もう一つの帰宅困難者の把握について伺いますけれども、この中間報告を見ますと、震度5強の場合には、鉄道とほとんどの交通機関が停止する。このため、約392万人の帰宅困難者が発生する。アンケート調査を見ると、地震発生直後、何としても自宅に帰ろうとする者が約372万人、とどまって様子を見る者が約420万人、駅に様子を見に行く者が約95万人と想定されています。中野区のこの帰宅困難者はマグニチュード6.9の場合と、またマグニチュード7.2の場合でも約4万1,600人と想定はされております。この距離別帰宅困難者割合では自宅までの距離は、20キロメートル以上になると全員帰宅困難者割合が100%と考えられていると言われております。私も、神戸市の視察の中でもこの地域防災計画の主な変更点として、帰宅困難者対策を追加したいということで話題になっておりました。神戸市では帰宅支援施設の指定配置として公共施設の活用、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド等、民間施設との連携により指定配置することとして、帰宅困難者に対して水、トイレ、休憩所の提供というものを考えているんだそうです。
そこで、まとめて4点伺いますけども、この中野区としてもこの問題は民間の会社等の支援とか民間団体の協定、例えばコンビニ、課長さんは東京都がやっているということで、私も知らなかったんですけども、そういう協定もすべきじゃないかと思います。それからもう1点は、中野区の帰宅困難者、約4万1,600人ですけども、これに対しての区の対策はどのように検討しているか。3点目は、帰宅困難者に対して避難誘導や帰宅のための情報提供、飲料水、トイレの貸し出しを考える等、区内に協力会とか支援組織について検討したらどうかという点。それから4点目は、東京都の防災会議は、3月までにターミナル駅ごとの帰宅困難者数を含めた最終報告をまとめて、地域防災計画を修正したいとありますが、これについても区のお考えをお聞かせください。
以上4点ですけど、まとめてお願いします。
○斎木防災担当課長 お答えいたします。
まず、帰宅困難者が大口に発生するところと言いますのは駅ということです。それで、JRや私鉄、これは防災関係機関になってございます。そうしたところへ災害業務計画に状況の把握、それから誘導、そういったことを計画に反映させるように体制強化、整備を働きかけたいと、このように考えてございます。
それから、民間との協定ということでございます。当然そういうことで考えますと、駅の近くの民間の事業所ということになろうかと思いますが、ただ、東京都は方針を変えまして、今までは帰宅を勧めていたのが、やはりそういう帰宅困難が発生することを抑えるためには、その事業所でとどまるように指導しています。こういったことを中野区としても同様な考え方で、そういう帰宅困難者の混乱が起こらないような方策を立てなきゃいけないかなと、こんなふうに思っています。
それから、3月末の最終報告につきましては、今、委員おっしゃったように、4万1,500人ぐらいが帰宅困難になるということ。これはまだ想定外の風速15メートルのことが書いてございませんので、これが加わるとさらにふえるんだろうと、こういう想定はしていますので、それを見きわめながら防災計画を見直したりしたいと思っています。
○斉藤(高)委員 次に、緊急地震速報伝達システムについて伺います。これも文書が長いので、大分、防災課長さんとお話ししましたので、防災課長の見解というんですかね、今いろんな宮城県の話とか、いろいろこの間させていただきましたけれども、今また中間発表というのが出てくるようですけれども、この緊急地震速報ということですね。この中野区にとってどういうような形になるか。今、考えていることをもしお聞かせいただければ、ありがたいと思います。
○斎木防災担当課長 このシステムは、地震が発生するときに大きな揺れが来る。これは影響力の強い揺れなんですけれども、その前にP波という小さな先行してやってくる波があります。これを震源の近くでとらえることによって、その時間差を利用していち早く事前に情報提供する。こういうシステムでございます。ですから、これが実用化を視野に入れまして、区としても関心を持っているところでございます。
○斉藤(高)委員 ありがとうございました。
次に、区内の小・中学校の体育館の窓ガラスの飛散防止、落下防止工事について伺います。
平成17年第2回定例会で、私は災害時に避難場所や防災活動の拠点になる小・中学校の体育館の窓ガラスの飛散防止策について伺いました。答弁は、体育館、窓ガラスについては調査、工事につきましてはすべての学校は行い、学校再編の計画の対象になっている有無にかかわらず、実施することにしてありますと立派な答弁がありました。今年度は全小・中学校の体育館の窓ガラスについてこの飛散防止フィルムを張っていただきましたけれども、非常に急いでやっていただいたようで感謝いたします。
そこで、お聞きしたいのは、この校舎の窓ガラスについては防音対策として、この校庭に面している窓ガラスを強化ガラスにした場所というのは、校庭に面している場所になるのかという点と、その窓枠のことですけれども、サッシが必要になりますけれども、体育館のこの窓枠をスチールからアルミ製に変えているようですけれども、どのような効果があるんでしょうかと。また、普通教室のアルミサッシへの改善状況がどこまで進んでいるのかの2点、あわせてお願いいたします。
○秋元営繕担当課長 まず、体育館のスチールサッシの取りかえでございますが、これは主に劣化によるものでございます。ただ、アルミサッシの方がガラスの飛び方、構造が違いまして、サッシの変形等によります破損防止、これに有効でございます。こういったことから結果として地震時の窓ガラスの飛散防止に役立つという、そういう効果があるわけでございます。
それから、教室の窓ガラスのフィルムでございますが、これは主に避難場所として運動場が使われるわけでございます。そういったことから現在、運動場側の窓ガラス、こちらの方のフィルムなり、あるいは強化ガラスへの取りかえ、こういったものを進めているわけでございます。
それで、その取り組み状況でございます。対象校はもう既に取っかえてしまったものがあったり、実施しておりますので、24校ございまして、そのうち小学校は19、中学校が5、これが対象校でございますが、改修済みの学校といたしましては16校、小学校が13校、中学校が3校。進捗率として67%。18年度は小学校が2校、中学校が1校、こちらの方のアルミ化を考えているということでございます。
○斉藤(高)委員 ありがとうございました。
次に移ります。
次に、災害時の民間団体の協定について伺います。まず第1点は、大地震に対して災害時に備えて民間団体との協定が必要ということで、私も何回か質問させていただきましたけども、最近では平成16年度第2回の定例会で、区内での専門学校の専門性を生かした協定とか食料品等の供給にコンビニ等の協定。それから3番目に獣医師会との協定。この提案した3点について、どうなったかという点が一つと、時間がありませんのでまとめていきます。もう1点は、長野県中野市との相互応援協定について伺います。中野市は昨年の12月12日以降、記録的な大雪によってけがで救急車に運ばれることが多かったようです。原因としては、雪おろしの作業中に転落したり足の骨を折るなどです。中野区としても中野市とこの豪雪による被害状況をどのように判断して、どのような対応をしてきたのかお聞きいたします。
○斎木防災担当課長 お答えいたします。
災害時の協定で、まず1点は獣医師会との協定は去年の3月に協定を結びました。その協定後、避難所におけるペットの問題、これについて御相談したという経過、それから総合防災訓練には引き続いて訓練に参加していただいたということ。それから、専門学校の織田学園とは12月に災害時における給食の供給に関する協定を結びました。今後、防災訓練などの参加、それからあそこにいる生徒のボランティア、そういったことについて引き続き話し合いをしていきたいなと、こんなふうに思っているところでございます。
それから、長野県の中野市との協定は、昨年10月3日に非常災害時等における相互防衛に関する協定というのを結んだところでございます。それで、2月の初旬に大雪の被害報道を聞いて、ちょっと遅かったんですが連絡をとりました。農作物の被害のほかに、雪おろし中の事故が2件あったと聞きました。その際、その応援要請は特にありませんでした。
○斉藤(高)委員 中野市の協定ですけど、私も長野県人だから言うわけじゃありませんけども、あれだけの大雪が降ったんですから、もし課長さんが飛んでいけば、長野県人はそのお仕事の後、近くの温泉地まで招待して御苦労さまですと、そこまでやってくる県民でございますので、本来ならもう少し去年から行ってもらってやってもらうと、ああ、中野区と協定を結んでよかったなということになりますけども、ことしも大分たってから電話が行ったのは、あの中野区というのは本当に信用できる区かなということで心配になりますので、二度とこういうことがないように、よく新聞、テレビを見て判断していただきたいと思います。
次に、災害時の要援護者の救援・救護体制についてお伺いします。これは質問項目を見ていたら、佐藤委員からもありました。私もちょうどそのとき席を外していましたので、もし同じようなものだったら、それはもう答弁しましたと言って結構です。
災害、台風や地震における被害者は高齢者や障害者にありますけれども、このため高齢者等の災害時擁護者への減災対策として、この災害時における情報や救援体制の確立が急務となっております。皆さん御承知のとおり、この新潟県の中越地震のニュースを見ても、私もその後、伺わせていただきましたが、この要援護者の被害が非常に多くて、避難への誘導などさまざまな課題が報告されておりました。私たちこの中野区においても、非常災害時救援希望者登録制度というのがあります。これに対して支援する仕組みで、いわゆる手挙げ方式だと思いますけども、これについて短時間で結構です。私もよくわからなかったものですから、御説明していただいてよろしいでしょうか。
○斎木防災担当課長 中野市に対する配慮が足りなかったのは済みませんでした。
災害が発生したときに、自力で避難することが難しい高齢者、障害者の方などに、あらかじめ同意の上登録していただき、地域の防災会の方が中心になって救援に当たる仕組みでございます。登録者の名簿は地域の防災会、それから地域センター、警察署、消防署に配備してございます。
○斉藤(高)委員 それから、中野区はこの登録された名簿を、ちょっと間違ったら失礼しますけど、地域防災会とか地域センター、警察署、消防署に配備すること、及び申請者の写しを地域防災会、地域センターに配備することに承諾をお願いしているかどうか、ちょっと疑問を持って質問していますけども、そこで伺うのは地域センター、警察署、消防署、地域防災会の役割分担というのはどうなっているかということと、また現在の登録者数は何人いるかということです。さらに話を進めますけれども、新潟県のこの中越地震でも明らかなように、学校での避難生活は厳しいものがあったと思います。震災時にさまざまな困難が予想されるこの高齢者、障害者の要援護者の安全を図るための災害要援護者支援向けの対応マニュアルの作成を、何か各区でも検討しているようですけども、中野区はもうあるというんですかね。もう準備しているものなんでしょうか。
○斎木防災担当課長 まず役割分担は、この名簿をもとに、いざ災害のときにいきなり行ってもなかなか 救助がしにくいということでございますから、防災会の皆様にはあらかじめ名簿を渡して、その人について何人か担当を決めていただいて、ふだんから交流をしていただくということをお願いしているところでございます。それから、警察、消防については人命にかかわるということで、あらかじめ地図上にその方の居場所等を記して駆けつけていただくと。こういうふうになってございます。それから、地域センターの役割は、当然そこにどういう人がいるかということを承知して、そういう問い合わせに対して警察、消防の確認ですね。現場のそういうところからの確認に対して、問い合わせがあれば連絡すると、こういうことになってございます。それから、登録者数ですけども、2月末現在ですけども、931人の方が登録してございます。それから、災害要援護者と家族のための防災マニュアルというのは作成してございまして、今、これをちょっと古くなりましたので、改訂作業を進めているところでございます。
○斉藤(高)委員 さらにこの中野区のこの要援護者対策について、今お話にあったように、もう具体的にちょっと対応のあり方について協議したらどうかと思っております。区のこの要援護者対策について、高齢者、障害者、防災等の複数の部局にまたがるという課題ということもあって、不明確なことがあるのではないでしょうかという方もいらっしゃいます。これは今、どこの市町村においても苦労しているところですけれども、ある市ではこの福祉関係の部局を中心として、社会福祉協議会とか介護保険関係とか、福祉関係者と連携を大事にしながら取り組みを始めているようですけれども、当区の災害時要援護者のこの避難対策について、現時点ではマニュアルも今はあるかわかりませんけども、現時点でこれからどのように、ちょっといろんな悩んでいるところがあると思いますけども、お考えをお聞きしたいと思います。
○斎木防災担当課長 今回、改訂を進めているマニュアルの中には、周りの人へということで、さまざまな対応をお示しして、適時情報提供をしているわけですけれども、内部の関係部課とはやはりさらに連携を強化して、その救援体制をしっかりさせていきたいと、こういうふうに思っているところでございます。
○斉藤(高)委員 次に、防火水槽の設置について伺います。
公園とか児童遊園などの公有地や民有地の防火水槽、中野区が設置しているのは5トンしかありませんけども、この初期防火体制の充実を図ってきたと思いますけども、この防火水槽の設置に当たっては東京消防庁と整合を図りつつ、地域防災会に対して設置協力を要請していると思います。中野区のこの地域防災計画の別冊資料にも、地域防災会別防災活動拠点一覧表に貯水槽という項目がありますけれども、その防火水槽について5トン、30トンとか40トン、75トンとか100トンというのがありますけれども、この防災活動を拠点に例えば児童館、公園、住宅、広場とかありますけれども、そこで私が聞きたいことは、この貯水槽というのは火災のときに利用しているんでしょうかということです。
この防火水槽は、済みません、私もふたをあけてにおいをかいだわけじゃありませんけれども、においがあるという人が出てきり、常に水質を保全及び維持管理というのはどうなっているんでしょうかという話をよく聞きますけども、私も何の点検もしていませんから、はっきりは言いませんけど、これは区民の声だと思いますから、その点について、それに対してどのような答弁があるんでしょうか。
○斎木防災担当課長 5トン槽は中野区が設置した防火水槽でございます。それ以外の今お話がありました30トンとか40トンとか75トンとか100トン、これは消防庁が設置した水利でございます。この消防庁の水利につきましては、当然火災のときに使ってございます。ですから、消防庁としまては年2回、保全調査ということで、水の減りぐあい、減水調査ですか。それとあわせてにおい、それから濁り、そういった異常の有無、こういった調査をしているところでございます。
それから、私どもの5トン槽も毎年1回、同様な減水調査をしてございます。その際ににおい、それから濁り、異常の有無について確認をしているところでございます。
○斉藤(金)委員長 斉藤高輝委員の質疑の途中でございますが、ここで委員会を休憩して、理事会を開会したいと思います。
委員会を暫時休憩いたします。
午後4時58分休憩
午後5時01分開議
○斉藤(金)委員長 委員会を再開いたします。
ただいま開かれました理事会の報告をさせていただきます。
理事会において、斉藤高輝委員の質疑の途中でありますが、本日は終了することとし、引き続きあす質疑を行うということの確認をいたしました。以上が理事会の報告ですが、何か御質疑ございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤(金)委員長 それでは、ただいまの報告のとおり、委員会を運営していくことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤(金)委員長 御異議ありませんので、さよう運営させていただきます。
以上で本日の総括質疑を終了いたします。
次回の委員会は3月3日午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告いたします。
開会時間につきましては、本日と同様、厳守をお願いいたします。
以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。
午後5時02分散会
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