平成18年03月01日中野区議会予算特別委員会
平成18年03月01日中野区議会予算特別委員会の会議録
平成18年03月01日予算特別委員会(第4日) 1.平成18年(2006年)3月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(41名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 12番  きたごう  秀  文       13番  吉  原     宏
 14番  高  橋  ちあき        15番  やながわ  妙  子
 16番  平  島  好  人       17番  むとう   有  子
 18番  はっとり  幸  子       19番  長  沢  和  彦
 20番  か  せ  次  郎       21番  山  崎  芳  夫
 22番  小  串  まさのり       23番  若  林  ふくぞう
 24番  市  川  みのる        25番  岡  本  いさお
 26番  こしみず  敏  明       27番  飯  島  きんいち
 28番  佐  伯  利  昭       29番  佐  藤  ひろこ
 30番  来  住  和  行       31番  岩  永  しほ子
 32番  篠     国  昭       33番  柿  沼  秀  光
 34番  伊  藤  岩  男       35番  斉  藤  金  造
 36番  大  泉  正  勝       37番  斉  藤  高  輝
 38番  江  口  済三郎        39番  藤  本  やすたみ
 40番  昆     まさ子        41番  江  田  とおる
 42番  池  田  一  雄
1.欠席委員(1名)
 11番  伊  藤  正  信
1.出席説明員
 中野区長     田中 大輔
 助役       内田 司郎
 収入役      山岸 隆一
 教育長      沼口 昌弘
 区長室長     寺部 守芳
 経営改革担当課長 鈴木 由美子
 政策計画担当課長 川崎  亨
 政策担当課長   政策計画担当課長兼務
 計画担当課長   奈良 浩二
 総務部長     石神 正義
 総務担当参事   橋本 美文
 広聴広報担当課長 鈴木 郁也
 平和人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
 平和担当課長   広聴広報担当課長兼務
 人権担当課長   広聴広報担当課長兼務
 財務担当課長   篠原 文彦
 営繕担当課長   秋元 順一
 人事担当課長   長田 久雄
 情報化推進担当課長白土  純
 防災担当課長   斎木 正雄
 危機管理担当課長 防災担当課長兼務
 税務担当課長   遠藤 由紀夫
 未収金対策担当参事総務部長兼務
 区民生活部長   本橋 一夫
 区民生活部経営担当課長          登  弘毅
 地域活動担当課長 区民生活部経営担当課長兼務
 南中野地域センター所長          角  秀行
 弥生地域センター所長           南中野地域センター所長兼務
 東部地域センター所長           柿内 良之
 鍋横地域センター所長           南中野地域センター所長兼務
 桃園地域センター所長           東部地域センター所長兼務
 昭和地域センター所長           蛭間 浩之
 東中野地域センター所長          昭和地域センター所長兼務
 上高田地域センター所長          昭和地域センター所長兼務
 新井地域センター所長           東部地域センター所長兼務
 江古田地域センター所長          安部 秀康
 沼袋地域センター所長           江古田地域センター所長兼務
 野方地域センター所長           江古田地域センター所長兼務
 大和地域センター所長           大橋 雄治
 鷺宮地域センター所長           大和地域センター所長兼務
 上鷺宮地域センター所長          大和地域センター所長兼務
 戸籍住民担当課長 榎本 良男
 産業振興担当課長 鳥井 文哉
 環境と暮らし担当課長           納谷 光和
 ごみ減量・清掃事業担当参事        西條 十喜和
 ごみ減量担当参事 ごみ減量・清掃事業担当参事兼務
 清掃事務所長   遠山 幸雄
 子ども家庭部長  田辺 裕子
 子ども家庭部経営担当課長         合川  昭
 子育て支援担当課長馬神 祥子
 子ども健康担当課長大久保 仁恵
 中部保健福祉センター所長         瀬田 敏幸
 北部保健福祉センター所長         中部保健福祉センター所長兼務
 南部保健福祉センター所長         深山 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長         嶋﨑 江美
 保育サービス担当課長           竹内 沖司
 子ども育成担当課長小平 基晴
 男女平等担当課長 子ども家庭部経営担当課長兼務
 保健福祉部長   菅野 泰一
 保健所長     清水 裕幸
 保健福祉部経営担当課長          寺嶋 誠一郎
 保健予防担当参事 深澤 啓治
 結核予防担当参事 保健予防担当参事兼務
 生活衛生担当課長 飯塚 太郎
 健康づくり担当課長今  恵里
 保健福祉担当課長 保健福祉部経営担当課長兼務
 高齢福祉担当課長 冨永  清
 障害福祉担当課長 田中 政之
 生活援護担当課長 浅野  昭
 保険医療担当参事 奥山  功
 介護保険担当課長 藤井 康弘
 都市整備部長   石井 正行
 都市整備部経営担当参事          服部 敏信
 都市計画担当参事 都市整備部経営担当参事兼務
 土木担当課長   尾﨑  孝
 公園・道路担当課長野村 建樹
 建築担当参事   佐藤 幸一
 建築行政担当参事 建築担当参事兼務
 住宅担当参事   岩井 克英
 地域まちづくり担当参事          住宅担当参事兼務
 地域まちづくり推進担当参事        住宅担当参事兼務
 拠点まちづくり推進室長          石橋  隆
 拠点まちづくり担当参事          拠点まちづくり推進室長兼務
 中野駅南口周辺整備担当課長        上村 晃一
 西武新宿線沿線まちづくり担当課長     中野駅南口周辺整備担当課長
 副収入役     村田  宏
 教育委員会事務局次長           金野  晃
 教育経営担当参事 村木  誠
 学校教育担当課長 相澤 明郎
 指導室長     小林 福太郎
 生涯学習担当参事 大沼  弘
 生涯学習推進担当参事           生涯学習担当参事兼務
 中央図書館長   細木 博雄
 選挙管理委員会事務局長          柳澤 一平
 監査事務局長   石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    高橋 信一
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     黒田 佳代子
 書  記     永田 純一
 書  記     荒井  勉
 書  記     岩浅 英樹
 書  記     菅野 多身子
 書  記     廣地  毅
 書  記     西田  健
 書  記     鳥居  誠
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     松本 桂治
 書  記     吉田 哲郎


      午前10時00分開議
○斉藤(金)委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 第4号議案から第8号議案までの計5件を一括して議題に供します。
 初めに、昨日の委員会終了後に開かれた理事会の報告をいたします。
 まず、本日の委員会運営についてであります。
 本日の委員会は、さきに御確認いただいたとおり、1番目にやながわ妙子委員、2番目に佐伯利昭委員、3番目にむとう有子委員、4番目に佐藤ひろこ委員の順序で、4名の総括質疑を行うことを確認いたしました。
 また、委員会の開会及び再開・休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
 以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤(金)委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤(金)委員長 御異議ありませんので、そのように運営させていただきます。
 それでは、昨日に引き続き、総括質疑を続行いたします。
 やながわ妙子委員、お願いいたします。
○やながわ委員 皆様、おはようございます。
 それでは、18年度予算特別委員会におきまして、総括質疑をさせていただきます。
 予特に当たり、私は今回の総括質疑のテーマを、お年寄りから赤ちゃんに至るまで、区民お一人お一人の生活が、あるいはこの中野のまちに住んでよかった、そういう思いを込めて総括をさせていただきます。所管の分野にかかわるところも何点かございますが、全体に及ぶところもありますので、この総括の場でやらせていただきます。また、何分、久しぶりにここに立たせていただいておりまして、先ほどから大変緊張しておりますので、理事者の皆様には、御答弁は簡潔に、そしてわかりやすくお願いします。
 それでは初めに、認知症にならないまちづくりについて伺います。
 高齢社会から超高齢社会へ突入した今日、年を重ねても心身ともに健康で、生きがいを持って積極的に人生を総仕上げするというアンチエイジング、またはサクセスフルエイジングの取り組みが最重要のテーマです。老いをいかに豊かに生きるか、いかに充実させるか、どう価値的に過ごすかが、超高齢社会の根本の課題であります。また焦点だと思いますが、この点、区長はどのように認識していらっしゃいますでしょうか。
○田中区長 お答えいたします。65歳以上を高齢者というふうに区分けしているわけですけれども、そう考えますと、平均寿命から考えますと、高齢期という時代を大体20年はみんなが生きる時代というふうになってきたと思います。人生の中で20年というのは本当に大きな長い時期でありまして、ここの20年間というものをきちんと人生設計して、実り豊かな生き方をしていくということが、個人にとっても非常に大事なことだと思いますし、そういう生き方をバックアップできる社会をつくっていくということ、それから、そういう時代を生きる人たちが社会貢献できるような仕組みをつくっていくということなど、やはり高齢時代、これからの時代に向けた課題というものはたくさんあるんじゃないかというふうに思っております。
○やながわ委員 ありがとうございます。
 最近、私のところに、ひとり暮らしの認知症の高齢者の方が、ガスの消し忘れによるぼや騒ぎや、認知症高齢者を抱える介護の問題など、認知症にかかわる相談が多くなっています。そこで、昨年の暮れ、私は、認知症がどういうものなのか、認知症予防や治療の権威と言われている浜松早期痴呆研究所の金子満雄先生の「ボケは防げる、治せる」という講演を聞いてまいりました。ぼけには小ぼけ、中ぼけ、大ぼけがあり、小ぼけや中ぼけの初期には、自分も周りも気がつかないそうです。しかし、発見ができれば、ほとんど治るそうです。中ぼけの後半から大ぼけには一挙に進み、大ぼけになるとほとんど治らないというんですが、認知症というのはどういう定義なのか。皆さん本当によく御存じだと思いますが、認知症とは、成人期に起こる記憶低下を含む認知障害だということですね。どういうことなのかと。
 また、この金子先生は、認知症は生活習慣病だとおっしゃるんですね。ですから、こういう人によく認知症が出てくると。皆さん、よく聞いていてください。若いころから仕事一辺倒。2、趣味、遊びがない。3番、散歩もラジオ体操もしない。4、出不精で交遊が苦手。5、家庭内で団らんがない。6、数年先まで何の目標も夢もない。こういう方が認知症に早くなると、こう言われています。また、どんなパターンの生活をしている人がなるのかと。1番、時間に制約されず、責任感がない。危ない人いますか。買い物、銀行業務、税理庶務をしない。ふだんから新聞や雑誌を読まない。手紙を書かない。趣味、遊び、スポーツをしない。友達がいない。テレビ番組を自分で選んで見ない。工夫、応用をてきぱき要する脳活動をしない。これ、実は楽隠居生活というんですね。こういう方が認知症にいち早くなる。大変怖いお話を聞いてきました。
 一番なりやすいのは教職員の方、その次が公務員の方、その次がお役人さんと、こういう順序で並んでいるそうです。そういうように、「ボケは防げる、治せる」、こんなお話を聞きまして、私は、ぼけは人ごとではなく、本当にごく身近な問題だと実は再認識してまいりました。
 公明党では、国会でも介護予防の推進をいち早く提案し、認知症対策を訴えてまいりました。私も区議会で、介護予防について、音楽療法や園芸療法など再三取り上げてきました。これらはますます大事な課題になると思っております。認知症は現在、全国で約160万人。2020年には300万人になると言われております。中野区には現在、4,500人もの認知症の方がいると聞いています。18年度の予算案の新規事業の中に、ようやく具体策が幾つか盛り込まれました。介護の中でも認知症の問題は、もう避けて通れなくなっています。その対策として、まず、認知症に対する正しい理解、啓発、そして、早期発見・早期対応といった一連の取り組みが不可欠だと思います。区長はこの点どのようにお考えなのでしょうか、伺います。
○田中区長 昨年、中野区で、医師会がやっていただきました認知症フォーラムというのがありまして、私もそれを受講いたしました。その中でもやはり大変いろんなことを教えられたんですけれども、アルツハイマー病は治療方法がこれまでなかったということなんですけれども、進行をとめるというのに効果のある薬はできてきたというようなことがあったり、やはり早期発見・早期対応ということが実際に大変効果もあるし、重要なことなんだというようなことを認識したりいたしました。
 昨年の保健福祉審議会におきましても、認知症の問題というのを大きなテーマに取り上げておりますし、今度の新しい介護保険制度も、認知症に対する対応といったようなことについて、非常に着目した形になっております。区としても、この認知症に対する対応ということをきちんと組織的に強めていくということが必要だというふうに認識をしているところです。
○やながわ委員 18年度に認知症支援講座を実施し、参加者を200人としています。非常に少ない参加者です。対象はどのような方ですか。こうした講座が単発的な事業でなく、広く区民へと広がるような事業でなければ意味がありません。どのような位置付けの講座なのでしょうか、伺います。
○今健康づくり担当課長 18年度の認知症支援講座は、町会の関係者の方ですとか、民生委員ですとか、地域で活動している人たちを主な対象に、認知症の正しい理解と普及啓発を目的として、地域での見守りと支援に生かしていただくということを大きな目的としながら実施するものです。そういう意味で、必要な方に呼びかけて実施して、地域の人たちによる認知症高齢者の見守りや支え合いの推進に、地域での生活支援により効果的につなげていきたいというふうに思っております。
○やながわ委員 わかりました。
 練馬区では、認知症予防推進員の講座を実施しています。まず、あらかじめ必ず地域の予防推進員になってもらうとの条件で募集した結果、予想に反して、定員の3倍近くの272名の申し込みがあり、やむを得ず120名を人選して、3回のコースで講座を実施しました。この事業を計画的に進め、3年間で400名の認知症予防推進員を養成するとしています。さらにその中から、専門性の講座を行い、訪問調査員を養成します。中野区でも、単発的な講座ではなく、計画的に進め、地域の中での認知症予防のスタッフを養成するなどの仕組みをつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 18年度は、対象を地域で活動している人たちを中心に進めさせていただきますけれども、こうした支援講座を単発で終わらせずに、参加者を広げながら進めていくという仕組みづくりにつきましては、今後さらに検討させていただきたいと思います。
○やながわ委員 次に、早期発見の体制をつくることは特に大事だと思います。その先駆的取り組みをしている盛岡市を調査してきました。わかりやすく、物忘れ検診という形で実施し、今、大変注目を集めています。中野区は、検診の必要性をどのように認識していますか。また、18年度には、認知症に対する具体的な検診の体制はあるのでしょうか。盛岡市では、このような検診票をつくっております。ちょっとコピーを大きくしてきましたが、多分後ろの方は見えないと思いますが。物忘れ検診検診票、盛岡市、約10項目の検診票なんですね。そして、これで、成人病検診のオプションとして認知症の検診を実施しています。2年間で3,943人が受診し、その中の2,036人が2次検診を受けています。さらに、対象者は278人となり、検診による早期発見の効果がはっきりとあらわれています。中野区でも、成人病検診のオプションとして認知症の検診ができるように、早急に検討すべきではないでしょうか、伺います。
○今健康づくり担当課長 認知症検診として独立した検診の実施は予定しておりませんが、平成18年度から、65歳以上を対象にした成人健診の中で、生活機能評価ということを行うことになっております。これは、25項目の基本チェックリストに加えて、問診ですとか、理学的検査ですとか、それから、そのほかの健診の結果などを踏まえて、健診担当医が生活機能を総合的に評価するというようなものです。この基本チェックリストには、認知症に関する項目も3項目含んでおります。健診担当医が、介護予防事業特定高齢者施策の対象者の候補者というのを選定することになるんですけれども、その判断材料を提供していただくことになるんですけれども、そういう中で、認知症についても、成人健診を通して一定把握できていくのかなというふうに思っています。その健診担当医が提供してくださる判断材料をもとに、地域包括支援センターでは、面接等によって対象者のマネジメントを行いますし、そのときに、認知症についての把握ですとか、アドバイスも進めていけるものというふうに考えております。
○やながわ委員 今、るる説明していただきました。この盛岡市でも、今回から介護保険の改正に伴い、そうしたものが入ってくる。その中に、今、課長おっしゃいましたけれども、3項目の認知症にかかわるチェック項目がある。盛岡市の担当職員の方が、この3項目だけだと、認知症の早期発見につながらないのではないかという、こういう危惧をされておりました。私も確かに、3項目見させていただきましたが、これで発見できるかなと。今、あえて10項目の検診票をお見せしたんですけれども、これを、3項目入っているから認知症の人たちが発見できるかどうか、これはやってみなきゃわかりませんけれど、私は、もう少し手厚い検診体制というか、こういうことを、ここに入っているからいいという考え方ではなく、もう少しその辺しっかりと検討なさった上で取り組んでいただきたいなと、再度お伺いいたします。
○今健康づくり担当課長 チェックリストの質問項目は3項目なんですけれども、健診を通して医師が問診を行います。それから、ほかの健診項目、さまざまございますけれども、それも踏まえて総合的に判断するというふうになりますので、この項目でもある程度の発見はできるというふうに考えております。それからまた、チェックリストは全国共通で使用するものですので、モデル事業を通しての検証等もされているというふうに聞いております
○やながわ委員 保健福祉総合推進計画(案)によれば、ステップ1に、認知症アドバイザーのリスト活用検討と載っています。また、ステップ2には、アドバイザー医と連携した相談体制の充実とあります。健康福祉都市なかのの四つの柱の一つが、今回、認知症高齢者の戦略です。時間をかけずに早急に実施すべきではないでしょうか。
○今健康づくり担当課長 保健福祉総合推進計画に沿って、早期に具体化できるように検討していきたいと思います。
○やながわ委員 盛岡市は、医師会が認定した物忘れ相談医が47人います。「脳いきいき生活」という、きょうお持ちしましたが、大変わかりやすいリーフです。このリーフの一番後ろに「物忘れ相談医を御利用ください」、全部盛岡市の物忘れ相談医の一覧がここに載っております。この中をあけると、「正しく知ろう認知症」、チェックリストも入っていまして、どんなことをしたらそうならないのかというのが具体的に、厚くもなく薄くもなく、大変見やすくて、これはいいものだなと思って持って帰りました。一覧表がこういうふうに載っているわけでして、中野区も、先日、私、中野の医師会の先生と懇談いたしました。中野区には既に、認知症アドバイザー医が80人いらっしゃるそうです。すぐにでもリストの作成と活用が可能なのではないでしょうか。ぜひとも18年度から実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 アドバイザー医の制度を今年度つくっていただきました。できるだけ早期に活用できるように、これから医師会とも具体的なことについて話し合いながら進めていきたいと思います。
○やながわ委員 その際、中野区の独自の認知症アドバイザー医のステッカーをつくって、アドバイザー医の病院などに張っていただいてはいかがでしょうか。ちょっと私、つくってまいりました。こんなのがいいんじゃないかと。中野区認知症アドバイザー医、これは横版です。病院のところに、現在80人いらっしゃると伺ってまいりました。こういうのを張っていただいたらどうでしょうかと医師会の先生に御相談しましたら、大変すばらしいと。それで気をよくしてつくってきちゃったんですけれども。縦版だったら、こんなふうかなと。中野区認知症アドバイザー医、中野区医師会。もうちょっと、少し若返って、こんなのでもいいかなと、3パターンつくってまいりました。
 実は盛岡市、ここは物忘れ相談医なんですけど、大変好評なんですって。いろんな、家族が相談に行ったり、自分が、ちょっと先生、おかしいと、行くというんですね。だけど、私は懇談のときに、じゃあ、そういうところに物忘れ相談医というのが載っているんですかと言ったら、載っていませんと。そういうステッカーがあるといいですねと言ったら、それはぜひいいと。早速使うようなことを言っておられましたので、どうか早急に医師会と御相談の上、できるところからやっていただいてはと思うんですが、いかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 アドバイザー医の活用、本当に必要だと思っています。リストの活用方法ですとか、それから、今、御提案のステッカーなどについても、これから中野区の医師会と相談させていただきたいというふうに思っております。
○やながわ委員 ぜひ御相談していただいて、こういうものがアドバイザー医の病院に張ってあれば、認知症に対する普及啓発に大きくかかわってつながるんだと私は思いますので、ぜひともこの点よろしくお願いいたします。
 また、今お見せしましたこの「脳いきいき生活」というリーフ、大変使いやすいです。また読みやすくなっております。中野区は今年度、18年度、「銀のしおり」改訂版の予算がついておりますが、どのようなものをつくるのでしょうか。
○冨永高齢福祉担当課長 「銀のしおり」につきましては、18年度、全面改訂する予定でございます。編集方針といたしましては、簡易版と詳細版と2種類を発行する予定です。まず、簡易版でございますけども、簡単な事業概要と問い合わせ先、あるいは窓口をわかりやすくまとめまして、65歳以上の全世帯配布用として、いわゆる案内板形式のものをつくります。それから、詳細版でございますけども、介護予防の観点を盛り込みまして、これまでの「銀のしおり」をより充実した形で編集いたしまして、地域包括支援センター、あるいは介護サービス事業所、民生委員など高齢者福祉事業に携わる方々、いわゆる関係諸機関に配布するものでございます。必要とする情報をできるだけわかりやすく、かつ効率的に提供するために、「銀のしおり」を見直していく考えでございます。
○やながわ委員 2種類つくるということで、大変結構なことだと思いますが、私は、こういうしおりがあるわけです。しかし、先ほども申し上げましたように、認知症予防に対し、あるいは認知症にならないように、こういった、そのための独自のリーフをつくるべきだと考えていますが、その点についてはいかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 実は、既に作成したものがございます。それについて、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりなどを視点に、有効な活用というのを検討していきたいというふうに思っています。また、今後さらに作成するという場合につきましては、工夫を重ねるというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。
○やながわ委員 私も拝見させていただきました。紙1枚で、決して悪いとは言いませんが、もう少し丁寧に、あるいは、認知症アドバイザー医が80人いるわけで、こういう方々の一覧を含めて、今度つくり直すときには、よりよいものをつくっていただければと要望しておきます。
 大牟田市では、認知症予防を正しく理解してもらうために、小学校の子どもたちに、認知症とはどういうものなのかということを、集まっていただいて、そして、絵本をつくって、それを啓発に、子どもたちだけではなく大人も含めて、その絵本を使ってまち全体に啓発活動をやっています。私は、わがまち大牟田の「認知症早期発見・支援」ハンドブック、このリーフも大変すばらしいんですね。何が本当に感動したのかというと、実はこの大牟田市、平成17年1月30日に、去年、大牟田文化会館で、認知症高齢者への新しいケアの可能性を探るフォーラム、1,200人が集まった。そこにおいて、大牟田市の認知症ケアを中心としたまちづくりのメッセージが市長によって宣言され、全国に先駆けた貴重なメッセージで、市民にとっても大きな財産となった。このフォーラム宣言、認知症の人とともに暮らすまちづくり推進メッセージ。ちょっと長いので、下だけ読みますが、「大牟田市は、認知症の人とその家族を地域全体で支え、市民が認知症を超えて、安心して豊かに暮らし続けることができるよう、まちづくりを推進してまいります」。このフォーラム宣言がここに載って、これも大変わかりやすい。ここにもやっぱり物忘れ相談医の、「ここに行けば安心」というところにこういうふうに書いてあります。大変啓発が大事なことなんだなということを感じました。
 中野区では、啓発を進めていくためにも、健康な人も対象にして、さまざまな機会をとらえて、認知症のチェックリストを配布して、中野まつり、そういうところでチェックリストを配り、物忘れ検診コーナーとして、医師会の協力を得て、楽しいイベントコーナーなんか設けてはどうかと思うんですね。この間、医師会の先生のところに行って、実は私も、物忘れスクリーニング検査をしてまいりました。危ないところにいますが。こういうのがさっと出てくる。本当に危なかったんですが、こういう、自分も気をつけようという、そんな意識になりました。いかがお考えでしょうか。
○今健康づくり担当課長 中野まつりでという御提案ですけれども、中野まつりの中身に関しましては、三師会が主体的に考えて実施しているものですので、物忘れ検診コーナー等々につきましては、ここでの御提案を踏まえて御相談させていただきたいというふうに思います。また、そのほかにも、さまざまな機会を利用した認知症についての情報提供というものについては、工夫してまいりたいと思います。
○やながわ委員 私はさらに、専門の先生による啓発講座を地域に根差した形で実施してはいかがかと思います。先日、大田区民ホールで開催された、「考えよう!認知症にならないまちづくり」という講演会がありました。約1,500人の人が熱心に聞いておりました。また、先ほど紹介いたしました横浜市での講演会も、1,200人の聴衆でいっぱいでした。中野区でも、早期の段階での痴呆を理解してもらうためのキャンペーンとして、専門家による講演会を企画すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 講演会につきましては、区全域対象にしたものと、それから、認知症に関しては地域の方の理解というのが非常に重要だと思っておりますので、生活圏域ごとに開催を予定している講演会と、その中で何らかの形で取り上げてまいりたいというふうに思っているところです。
○やながわ委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 認知症予防のための、要するに予防事業です。これは各地で、体と脳の活性化づくりの取り組みをさまざましております。小金井市では、全国麻雀協会から人とマージャン用具をレンタルして、健康マージャン教室を実施しています。大変好評で、抽せんによるそうなんですね。教室の中でマージャンをやると。
 また、孫と一緒に遊ぶ高齢者玩具、ワニワニパニックというのがあるんですね。これはゲーム専門のナムコというんですか、株式会社ナムコ。ナンジャタウンに何か出ているらしいんですけど。このナムコが福祉事業にいよいよ参入して、リハビリエンターテインメント事業と、こういうふうな事業を展開して。ワニワニパニックというと、モグラたたきみたいなものなんですが、遠くまで行けない。1列に並んで、足腰を鍛えながら脳も活性化し、子どもと、孫と一緒にやって。これを置いておくと、大変高齢者会館に人がたくさん集まってくる、こういうお話も聞いております。
 また、盛岡市では、脳いきいき教室というのをやっているんですね。脳の活性化を促すための、8コースあります。具として、脳を活性化する脳いきいき事業、あるいは脳リハビリ事業、これはかなり大事な事業だと思っています。マージャンだとか囲碁、大変効果があると専門家からも指摘をされておりますが、高齢者の施設などで具体的にそういった事業を開催していく必要性があるかと思いますので、その点いかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 健康マージャンなどは、高齢者福祉センターなどを会場にして、区民の方が自主サークルという形で進めていらっしゃいます。それからまた、囲碁なんかは、高齢者会館なんかでも日常的に行われているということですので、そういうものをこれからも継続していっていただきたいというふうに思っています。認知症の予防プログラムというのは非常にさまざまあると思うんですね。その中で、より効果が期待できるものというのを私どもとしても研究しながら、適切な情報収集だとか提供に努めてまいりたいというふうに考えております。
○やながわ委員 自主的にやっているからいいと、これはちょっと違うと思います。やっぱりそこに来る方は顔なじみが多いわけですね。やっぱり参加しようかな、どうしようかなと迷っている、あるいはなかなかそういうふうに表に出てこない。でも、例えばで言っているんですが、健康マージャン教室を開催しますよと区報に提示したら、あ、ちょっと行ってみようかなと。初心者ばっかりですから。できる人はいいんですよ。みんなできる人とやればいい。だけど、そうじゃなくて、新たに始めて、少し活性化していこうという、そういう気のある人たちに、どうそういうプレゼンテーションをしていくかという、こちらのやっぱり、区側のそういう積極性、真剣に考えていますよという、これは私はメッセージだと思っています。ですから、今、工夫していろいろ考えていきたいというふうにおっしゃっていましたが、私の意図としては、そういう働きかけ、積極的な、脳を活性化というか、リハビリの、そういう対応に対しての働きかけを聞いているわけですので、もし何か考えていることがあれば、お答えいただきたいと思います。
○今健康づくり担当課長 どこの場で、どういうものがふさわしいかということは、そこの運営に携わっている職員等々が適切に判断しながら、行事というような形で、その都度いろいろ取り上げて提起しています。その中には、例えば子どもと一緒に囲碁教室をやろうとか、マージャンをやろうとか、いろんなことが含まれているというふうに思っております。そのほかにもさまざまなプログラムがあるというふうに思いますので、これは一律というよりも、やはりその会館とか高齢者福祉センターのニーズに合わせながら、その場その場で積極的に提案していくということが必要かなと思っているところです。
○やながわ委員 わかりました。介護予防プログラムの中にたくさんメニューをつくってあげていただきたいと思います。
 認知症を抱える家族は介護が大変です。認知症対応のデイサービスは支援策の大きな事業です。区内では何カ所実施されているんでしょうか。
○冨永高齢福祉担当課長 2月現在でございますけども、区内に8カ所実施してございます。
○やながわ委員 認知症の方の人数からいって大変少ないと思います。今、大きな課題は、認知症の専門の知識を持った職員が少ないという現実です。品川区では、区内の介護施設や事業所で働く職員を対象に、福祉専門学校で、品川福祉カレッジ「認知症ケア専門コース」で研修をさせている事業を実施しています。さらに、認知症の方に携わるヘルパーの質の向上も急務ではないでしょうか。中野区においても何らかの方策を考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 この質問の前に、私、大変お世話になっている、私の母がお世話になっているケアマネジャーがいるんです。この人は、おおきな木中野のケアマネジャーさんで、デイホームゆりの木中野、生活相談員もやっておられます。今回、「ケアワーク」という専門雑誌に取材をされたというので、私、送っていただきました。
 「東京都中野区のデイホームゆりの木中野は、認知症専門のデイサービスセンターです。その生活相談員であり、併設のヘルパーステーションおおきな木中野のケアマネジャーでもある右馬野節子さんは、13年前に中野区の痴呆専門相談員を始めて以来、これまでに中野区内の500人以上の痴呆の方とその家族を支えてきました。今回は右馬野さんに、認知症のお年寄りとのかかわりについて伺いました」。こういう出だしで、ずっと、大変中身の濃い、すばらしい内容で、うちにしょっちゅう来てくれる右馬野さんがという、ちょっと絶句したんですが、彼女がこういうふうに言っているんです。「家族が手を焼いて、どこのデイサービスでも受け入れてもらえなかった認知症のお年寄りが、ここではすぐに溶け込んで、自分の居場所を見つけてしまいます。なぜそんなことができるのでしょうか。認知症の人が安心し、納得し、精神的に安定できるように接しているからだと思います。家族やヘルパーの方が幾ら一生懸命に接しても、認知症の本質を理解していないために、不適切な対応によって、認知症の人に不安を抱かせてしまうことが実はとても多いんです」。ここにずっと書いてあるんですが、私は本当に、専門的な技術あるいは知識というのは、認知症の方々をヘルプするためには大変欠かせない、重要な視点だと思います。中野区は今後どういう方策をとられるのでしょうか、伺います。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 お答えいたします。委員おっしゃるとおり、認知症の方のケアを担っている施設の職員とかヘルパーの方が、認知症について正しい知識、あるいは専門的な知識ということを持って、認知症の方の気持ちを理解しながら対応するということは、とても大事だというふうに認識しております。区としても、御紹介のあったような事業を直ちに実施というのはなかなか難しいところでございますが、今後、サービス事業者に対する認知症についての体系的な研修の場の充実に図ってまいりたい、こういうふうに思っております。
○やながわ委員 さらに、認知症対応のデイサービスを充実させるべきだと思っております。江古田の森の施設で、認知症のデイサービスやレスパイトなど宿泊の機能を持たせるべきだと思います。これらの事業については、たとえ不採算であっても区が責任を持って支援をすべきだと思いますが、また、認知症に対する虐待防止をするための取り組みをすべきだと思いますが、区のお考えをお聞かせください。
○冨永高齢福祉担当課長 前段の御質問にお答えしたいと思います。
 まず、現在建設中の江古田の森の保健福祉施設では、通所介護施設を開設する予定でございます。一般型が30人、それから、今、御議論していただいています認知症対応型のデイサービスにつきましても、10人との規模で開設する予定でございます。それから、ショートステイ、レスパイトの御質問でございますけども、特別養護老人ホームに併設するショートステイ、20床開設する予定でございますので、レスパイトの事業につきましても有効な運営をしていただけるものというふうに思ってございます。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 後段について私の方からお答えいたします。
 認知症に対する虐待防止の取り組みのお尋ねの件でございます。虐待防止のためには、認知症の方を抱える御家族への支援が非常に重要であろうと思われます。18年度から、区内の特養ホームに緊急ショートステイ、専門床として1床を確保してございます。また、18年度から開設する地域包括支援センターにおきましても、虐待相談を含む高齢者相談を行う予定でございます。
○やながわ委員 関連して、成年後見の制度について伺います。
 今まで中野区においてどのくらいの人がこの制度を活用し、後見人はどのくらいいるのでしょうか。18年度から、今お話があったように、地域包括支援センターで取り組むことになりますが、どのような対応を考えているのでしょうか。区民が相談しやすく、また、わかりやすい仕組みになっているのでしょうか、伺います。
 時間がありませんので、あわせて、今後、高齢者人口が増加するに当たって、現在の成年後見人の人数では大変不足になるのではないかと思いますが、その点もあわせてお答えください。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 成年後見制度には、御存じのとおり、判断能力が低下して、家庭裁判所に申し立てる法定後見と、元気なうちに契約をする任意後見と二つございます。法定後見のうちに区のケースワーカーが関与したものは、今年度6件。それから、親族がいないために区長が申し立てたものが8件でございます。増加する傾向にあります。ただ、区が関与していないその他の法定後見とか任意後見につきましては、利用実績については掌握してございません。また、後見人の数についても同様でございます。
 18年度からどういうふうに対応するのかということですが、先ほども申し上げましたが、区内8カ所の身近な地域包括支援センターにおいて、社会福祉士がおりますので、専門性に基づいた相談に当たります。そのほか、社会福祉協議会が設置している権利擁護センターなどとも連携して整えていく予定でございます。
 それから、現在の後見人の数ではどうなのかというお尋ねですが、高齢者人口の増加によって、後見人の需要はこれからふえていくだろうということが予想されるところでございます。
○やながわ委員 先日、世田谷の成年後見制度の取り組みを聞いてきました。支援センターの開設とともに、後見人を2年かけて養成しています。今後、中野区も後見人を育成する仕組みをつくってはいかがかと思います。これからふえてくるということなので、こうした対応も考えられるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 区といたしましては、東京都が実施しております後見人の養成事業に参加したところでございます。そこで、社会貢献的な意欲を持つ後見人の方を確保すると。地域における後見人候補者を発掘・育成していく仕組みづくりに今後取りかかってまいりたいというふうに考えてございます。
○やながわ委員 この項の最後に、区の組織について提案したいと思います。
 介護予防が正式に介護保険のサービス事業になりました。認知症も、区はコーディネートや予防のきっかけづくりをしなければならない大事な事業になっています。しかし、これらに係る組織が全くわかりにくく、機能が十分に働かないのではと危惧しております。そこで、例えば介護保険担当分野に介護予防、認知症予防の専門のチームをつくり、こうした問題に対して対応すべきではないかと思いますが、区長、いかがでしょうか。
○田中区長 保健福祉部の方で、健康づくり分野の目標を充実していくという中で、そうした介護予防の取り組み、それに取り組める体制というものを来年度以降、さらに強化をしていきたいというふうに考えているところであります。
○やながわ委員 続きまして、元気高齢者の健康づくりについて伺います。
 ことしの1月は中野区健康づくり月間でした。また、健康福祉都市宣言から3周年記念のイベントが、NHKの公開番組「福祉ネットワーク・公開すこやか長寿」とタイアップして開催されました。ZERO小ホールは満席状態でした。「高齢者にやさしいヨーガ」と、山田邦子さんの「ワッハッハで行こう」という講演会、健やかな口と書いて「健口体操」など、かなり長時間の内容でしたが、席を立つ人もなく、私も最後まで参加しましたが、疲れを感じさせなく、大変楽しい充実したものでした。これは応募による参加者を募ったようですが、どの程度の申し込みがあったのでしょうか。このイベントをどうとらえたのでしょうか。また、健康福祉都市宣言がどの程度区民へ浸透したとお考えになっているのでしょうか、お聞かせください。
○今健康づくり担当課長 NHKと共催したイベントにつきましては、往復はがき、これを2名一組という形で募集させていただきました。往復はがきで340通ほどの応募があったところです。区では、1年の初めである1月を、これを健康づくり月間として位置付けて、区民の自主的な健康づくりへの取り組みと定着ということを目的にして、さまざまな事業を行ってきました。このイベントを初めとして、多くの区民が健康づくりを体験できるようなというようなことに視点を当てて進めてきたものです。参加した区民につきましては、健康福祉都市宣言の言葉ではなくて、趣旨そのものを受けとめていただいたのかなというふうに思っております。
○やながわ委員 健康づくり事業は今後一層充実させなければならないと思います。私は、先進的に取り組んでいる自治体を何カ所か見てまいりました。地域全体で高齢者の健康づくりに取り組んでいる茨城県鉾田市のとっぷ・さんて大洋の「たっしゃかプラザ」事業を見てまいりました。本当にため息が出るような施設でした。平成4年にできた施設ですが、全国で初めて筋トレマシーンを導入したことや、健康体操を実施したことで大変有名です。現在も活発にこの事業を展開しています。独自の健康増進士を養成し、派遣しています。
 また、地域の体育館を利用して健康体操普及に取り組んでいる福生市にも行ってきました。また、千葉県富津市の山間部にある公民館で、健康運動推進士を派遣して健康体操を普及している、その現場にも行ってまいりました。山の中だったんですが、大変年齢のいったお年寄りがみんな歩いて、田舎ですから何キロか歩くんでしょうね。最初は迎えに行っていたんだそうですが、自分でそのうち歩いて来るという。私は感動しました。いかに体操が大事なのかなということを目の当たりにしたような気がいたします。
 中野区は今後、健康づくり事業の取り組みをどのように展開されるのでしょうか、伺います。
○今健康づくり担当課長 広く区民の皆様に向けては、18年度も地道な健康づくりの啓発ですとか学習支援、相談などのほかに、健康づくり月間をやっぱり設定して、さまざまな健康づくり事業を御紹介しながら、一緒に参加していくというような取り組みを進めていきたいというふうに考えています。
 また、一般の高齢者の方々に対しましては、高齢者会館ですとか高齢者福祉センターでの健康体操、これは本当に日常的に進めております。それから、健康講座などの健康づくり、生きがいづくり事業、それと、そのほかに銭湯を活用したはつらつ体操なども実施していく予定です。それから、高齢者会館では新たに寄席もやることにして、笑いを通しての健康づくりというようなことも進めていきたいというふうに思っております。
○やながわ委員 福生市の市民健康づくりは、病気にならないよう、健康福祉課、スポーツ振興課、健康管理課が連携し合って取り組んでいます。大勢の市民が健康体操教室に参加しています。特に体育指導員をインストラクターとして、講師になってやっています。今後はスポーツボランティアの養成が課題であると言っていました。私も同感です。中野区も、こうした体育指導員さんに担っていただき、健康づくり事業を進めてはどうかと思っていますが、いかがでしょうか。
○大沼生涯学習担当参事 体育指導員は、年間に事業計画を立てまして、スポーツの振興、スポーツを通した健康づくりを行っています。今言った福生市における取り組み状況の情報を得て、中野区に合った、そういったものを考えていきたいと思います。
○やながわ委員 よく検討していただきたいと思います。
 福生市では、だれでも気軽にどこでも体操ができるように、このような、健康づくりに高齢者の筋肉トレーニング、こういう冊子をつくっているんですね。これを見まして、私もおうちへ帰っていろいろ、たんすにもたれてこうやるんだとか、枕をつぶすんだとか、わかりやすく載っているんですね。やっぱり体操といったって、手を上げたり下げたりというだけじゃ筋肉トレーニングにはならないわけで、こうした冊子が必要なのではないかなと思います。中野もわかりやすいこうしたものをつくってはいかがでしょうか、どうでしょうか。
○今健康づくり担当課長 冊子だけで体操のポイントをつかんで継続するということは、これはかなり難しいというふうに考えております。ですので、冊子だけを作成して配布するということは考えておりません。ただ、講座や教室のときには、やっぱりプリントをつくって、目でも確かめながら、それから、自宅に帰ってもそれが継続できるようにという形で、プリント配布等をやっておりますので、そういう形で対応していきたいというふうに思います。
○やながわ委員 わかりました。健康体操に来る人はいいんですよね。来ない人たちにどう普及していくかという点も今後の課題だと思いますので、いろいろ工夫してやっていただければと思います。
 先日、中野区医師会、歯科医師会が主催のお口の健康講座に行ってまいりました。口腔ケアは介護予防になるというお話を伺い、必要性を強く感じました。今回、介護保険の改正によって、新予防給付として新たに口腔ケアも加わります。また、地域支援事業としても口腔ケアの実施が求められています。このことについて、区の新たな取り組みを簡潔にお聞かせください。
○今健康づくり担当課長 区が実施しますのは、地域支援事業の介護予防事業でございます。その中で、特定高齢者の口腔機能向上として、週1回、3カ月間のトレーニングを定員20名で4コース予定しております。
○やながわ委員 現在、中野区には歯科衛生士さんが6人いると聞いています。この方と歯科医師会の先生方との連携が大変大事になってくると思います。また、歯科医師会の先生方の御協力なしでは、口腔ケア事業はできないと思います。うちの議会にも先生がいらっしゃいますが、区はどのような取り組みを考えているのでしょうか。
○今健康づくり担当課長 歯科医師会と歯科衛生士の懇談会を定期的に開催したり、それから、歯科医師会の講座に区の歯科衛生士も参加させていただいたりというような形で、そこの専門職としての連携は強めさせていただいているところでございます。また、歯科相談などのさまざまな事業も、歯科医師会の協力のもとに進めているほか、新たな介護予防事業の口腔機能トレーニングも、これもやっぱり歯科医師会の協力を得て実施していく予定でございます。ほかにもさまざまな形で連携を強めていきたいということで考えております。
○やながわ委員 義務教育後、みずから意識して歯科健診を受けない限り、口腔ケアについてはほとんど知識のない人が大半であると思います。介護予防と啓発の視点からも、口腔ケアは極めて大事であると思っています。私は、歯科医師会の先生方にもお願いして、口腔ケアの講座をもっと積極的に開催すべきだと思います。私も今回の講座を聞いて、この総括質疑が終わったら必ず歯医者へ行こう、こう決意して帰ってまいりました。それだけ歯は人の人生の一生を左右する大事なことなんだなと、改めて認識をしてまいりました。ふだん、議会の先生からそういう話を聞いたことがありませんで、改めて今度講義を受けたいと思っております。山崎先生にお願いしたいと思います。その際、できるだけ身近な地域で、出前講座のような形で継続して実施できるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 高齢者会館ですとか高齢者福祉センター等の身近な地域での講座、これにつきましては、歯科衛生士を活用してかなり実施しているところでございます。その中で特に必要な場面につきましては、講師として歯科医師の協力も得て進めているということでございます。
○やながわ委員 健康づくりは、行政と区民が一体となってやらなければ進みません。区長も、1月のイベント、また、お口の健康講座にも参加されていました。高齢者だけを限定するのではなく、幅広く区民が取り組めるようにしなければならないと思います。区長はどのようにお感じになったのでしょうか、御感想をお聞かせください。
○田中区長 1月の健康づくり月間についてなんですけれども、初めて区としてこういう形で取り組んだということで、まだまだ第一歩だというふうに思っております。これからますます充実していかなければいけませんし、お口の健康ということでも、口が本当に全身状態に関係あるんだと。口をちゃんとケアすることで、体全体の健康に大きくつながっていくんだというようなこと、こういうことも、私としても認識を新たにしたというようなこともありまして。健康知識、今はんらんしているんだけれども、体系的できちんとした指導が行われるというようなことが余りないわけでして、そういうものをきちっと区としてつくっていくというのが大事だというふうに考えているわけであります。
○やながわ委員 ありがとうございました。
 続きまして、2007年問題について伺います。
 2007年問題は二つあると言われております。一つは厚生年金の分割問題で、熟年離婚がふえる、こういう問題を指摘されておりますが、今回は団塊の世代について伺います。戦後直後のベビーブームの時代に生まれた団塊の世代、約700万人が、2007年から大量に定年を迎え、退職者がふえてきます。2007年問題として、日本は大きな転換期を迎えようとしています。戦後の日本の高度経済成長を支えてきた経験豊富なベテランたちが社会の第一線から退き、労働力人口が120万人も減っていくとも言われています。今、50代後半から60代は元気いっぱいに生活しております。そうした方々が地域の中で活躍できるよう、多様な生き方、働き方ができるよう、区としてもサポートする必要があると強く実感しています。
 ここでちょっとお伺いしたいんですが、この中で、自分は団塊の世代だと思われる人、ちょっとお手を挙げていただけませんか。ちょっと詐称している方もいらっしゃいますが。わかりました。ありがとうございます。もうちょっと多いのかなと思いましたら、中野は若いんですね。
 最近、私は、「それでいいのか蕎麦打ち男」、こういう本を読みました。残間里江子さん、昔、山口百恵さんのプロデューサーをやって、今はクリエイティブ・シニアを設立して、高齢社会に対応する事務所をつくっているそうなんですが、この方が、定年を迎える男性にエールを送るとともに、退職後の生き方を風刺した内容です。お金も時間もあるこの世代が、どのようにお金を使い、どこに時間を費やすかで、日本の経済・社会が違ってくると訴えています。著者の残間さんは、ここ数年、中高年の男性が物すごい勢いでそば打ちブームに乗って、全国的にはやっている状況を踏まえ、リタイアする人に、陶芸やそば打ちだけでいいのかと警告を発しています。さらに、定年後も地域社会との新しいネットワークをつくり、新しい価値観を生み出すきっかけにしてほしいと言っています。私も同感です。この世代の第2の人生の活躍次第で、今後の日本の動向も大きく変わるとさえ言われています。区長は、この問題をどのようにとらえているのでしょうか。
○田中区長 私も陶芸をちょっと習ってみたり、見よう見まねでそばを打ってみたりと、やってみたりするんですけれども。やっぱり、本当に手ごたえのある社会参加というのか、地域貢献というのがその年代になってもできる、その年代だからこそできるという、そういう地域貢献ができるような社会になっていかなきゃいけないんだなというふうに思っております。
○やながわ委員 認識を変えていただければなと思います。東急ハンズによると、数年前から、ここ10年前と比べて、そば打ちセットが10倍売れているそうです。ここにも大分影響が出ているのかと思います。中野も団塊の世代の定年を迎えますが、どのくらいの人がいるのでしょうか。また、中野としてどのような影響があるとお考えになっていますか。
○川崎政策計画担当課長 お答えをいたします。中野区でございますけれども、ことしの1月1日の住民基本台帳人口を見ますと、団塊の世代と言われます昭和22年から24年までに生まれた方々、この方々、男女合わせまして約1万4,000人、人口比でいいますと、全体人口の4.7%という数になっております。ちなみに、団塊の世代の先頭であります昭和22年生まれの方は4,700人。その前の年に生まれた方が3,400人ということですので、その数の大きさがわかるかと思います。
 そして、そのことについて中野区の影響ということでございますが、2007年問題ということでは、労働力の問題、あるいは税収の問題、さまざま言われております。こういったことについても、中野区として当然さまざま影響は出てくるかというふうに思いますが、中野のまちとして見た場合に、今後の雇用延長の問題などもございますけれども、かなり多くの方が職場から地域に戻ってくるという、かなり元気な方がたくさん戻っていらっしゃるということで、その地域活動の様相にもさまざま変化があらわれるのではないかというふうに考えております。
○やながわ委員 ありがとうございます。
 退職した団塊の世代の方が、サービスを受ける側になるだけではなく、むしろサービスを提供する側にならなければならないと思っています。団塊の世代はこれまで定時制の区民だったわけですが、これからは全日制の区民として戻ってまいります。つまりパートタイムからフルタイムの区民になるわけです。この世代が高い能力を発揮して、まちづくりをリードする存在になれば、地域は新たな発展ができると思います。区長はどのように考えておられますか。
○田中区長 お話のとおり、団塊の世代の皆さんというのは、これから先の地域の中でも大変重要な資源というか、大きな資源で、地域をよくしていく大変大きな原動力になっていただける、そういう可能性をたくさん秘めた存在だと思っております。町会・自治会の活動でありますとか、さまざまな区民の活動などでも、担っている方の高齢化とか、それから、新しい方が入ってこないとか、いろんな悩みを抱えているわけでありまして、そういう中で活躍をしていただけるような条件づくりとか、そういう場づくりといったようなことも含めて、取り組みをしていきたいというふうに思っております。
○やながわ委員 この世代の人たちに、いかにまちづくりに力を発揮できるような仕組みをつくるかで、大変変わってくると思います。しかし、そんな簡単にこの世代の方々が職場から地域に移行できるとは思えません。そうした方々が地域に溶け込むのに、男性はどのくらい時間がかかるか、御存じでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 お答えします。男性が地域に溶け込むのにどのくらい期間がかかるかということですけども、やはり人それぞれだと思います。また、この点につきましては、調査等をちょっと私、承知していませんので、詳しいことはわかりません。
○やながわ委員 私も伺ってきた話なんですが、この人はリクルートの東京営業所の所長さんがこう言っていました。男性は、リタイアして地域に戻って、地域に溶け込むのに、早い人で5年、遅い人で10年、そして、そのほか全くかからない。そういう厳しい現実をお話ししてくださいました。大変時間がかかるということだそうです。
 私は我孫子市に行ってまいりましたが、我孫子市では、50代の男性に数年前にアンケート調査を実施し、何を求めているのかを分析した上で、地域で活動するための準備をする事業として、地域活動インターンシッププログラムを行っています。定年退職前後のシニア世代に、さまざまな地域の活動を気軽に体験してもらうことで、17年度から実施しています。団塊の世代に新たな戦力になってもらうための、地域デビューするための施策で、大変関心が高く、着々と成果が出ているそうです。中野は、シニア世代の地域活動をどのように考えているのでしょうか、伺います。
○登区民生活部経営担当課長 東京都の調査によりますと、団塊の世代とか、いわゆるシニア世代、こういった方々の特徴として、地域との接点がやはり少ないというのが大きな特徴として挙がっているかと思います。そういったことから、そういう方々に対しましては、地元を知ってもらう機会ですとか、あるいは地域の人々と接する機会、あるいは地域活動が体験できるような場、こういったものを提供する必要があるだろうと思います。ですから、そういう視点で各種のイベントを行ったり、あるいは区としての取り組みもやっていきたいというふうに思っております。
○やながわ委員 ちなみに登課長は、地元、おうちの地域で何か活動しておられますか。
○登区民生活部経営担当課長 地元では余りやっていませんけども、数年に1回、地元自治会の役員の輪番等ございまして、その中で活動しております。
○やながわ委員 私は二、三の理事者に取材したところ、地域には寝に帰るだけ、こういう方が随分おられましたので、自分のこととしてとらえていただきたいと思います。
 先日、ワークシェアリングの講演で聞いてきた話ですが、高齢者活用の三つの特質は何か。命令されて仕事はしない。2、今まで培った知識や技術が生きることをしたい。3、世の中の人のために働きたい。これらの特質は年を重ねるごとに増してくるそうです。中野区は、こうした特質を踏まえたシニア世代の方々が地域活動をスムーズに移行する対策をどのように考えておられますか。
○登区民生活部経営担当課長 先ほど説明しましたように、シニア世代というのは地域との接点が非常に少ないということから、なるべく地域と接点を持つような場といいますか、そういった機会をつくることによって、できるだけ自然な形で地域に溶け込むような方策というのを進めていきたいというふうに思っております。
○やながわ委員 我孫子市では、「定年のみなさん、お帰りなさい!」とのテーマでシニア歓迎の集いを行っています。地域活動の受け皿づくりを行っています。中野区としても、シニア世代を対象とした地域活動シンポジウムやコミュニティビジネスのセミナーなどを開催してはどうでしょうか。また、シニア地域活動推進委員会など、区の取り組みを明確に示す必要があると思います。団塊の世代の方々は、情報をキャッチし、選択する力がすぐれております。区の取り組みを示すことが大事だと考えますが、この点いかがでしょうか。
○登区民生活部経営担当課長 シニア世代の方には、地域活動やボランティア活動、あるいはNPO活動、いろいろございますけれども、そういったことに興味や関心を持って参加していけるようなきっかけづくりなどの取り組みが必要というふうに考えております。中野区が中心となりますけども、区だけではなくて、さまざまな団体との連携のもとに、受け皿づくりを進めていきたいというふうに思っております。ちなみに、この3月13日なんですけども、区と社会福祉協議会と共催で、「コミュニティデビュー」という題で講演会をZEROホールで行うことを予定しております。そういった取り組みの一つというふうに考えていただければと思います。
○やながわ委員 大変すばらしい内容だと思っております。私も参加したいなと思っていますが、ぜひPRもしてあげてほしいと思います。なかなか知らないことが多いので、区報も皆さん読んでいませんので、そういった意味で、シニアの世代の情報提供をもう少し工夫したやり方でやってほしいなと思っております。これは要望です。
 予算説明書には、18年度に地域活動ハンドブック作成とあります。シニア世代向けの地域ハンドブックも作成してはいかがでしょうか。東京都老人総合研究所の調査によれば、地域活動をする人に対して、やらない人が認知症になる確率はその8倍になるとの報告もあります。シニア世代向けの地域活動ハンドブックを、NPOや地域活動団体とも連携をとって作成してはいかがでしょうか。高齢者の健康、コミュニティ、就労、老後の生き方など、かかわる大事なサポート事業になると思います。ぜひとも作成すべきだと思いますが、区のお考えをお聞かせください。
○登区民生活部経営担当課長 いわゆる団塊の世代の大量の退職というのは2年後、つまり平成20年3月ということが言われております。我々としましても、その時期に合わせまして、取り組みの一つとしてそういった冊子の作成というものを考えていきたいというふうに思っております。
○やながわ委員 大変これからというか、もう間もなくですので、区としてもそうした対応をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 次に、若者のまち中野を築くためについて伺います。
 トリノオリンピックが26日で終了しましたが、我が家でも娘、息子が毎晩のように寝ずに見て歓声を上げているので、私も次の日がつらいなとわかりながらも、ついつい見てしまいました。若者が伸び伸びとプレーをしている姿、そして、何といってもフィギュアスケートの荒川静香さんが金メダルを獲得したときは、本当に興奮し、感動もいたしました。若者であれば、自分も思う存分に体を動かし、スポーツを楽しみたいという願望は必ずあるはずです。そんな望みを中野区の青少年にもかなえてあげたいと強く実感したトリノオリンピックでした。
 先日、品川のティーンズプラザを見てきました。児童センターを改修して整備し、中高生の居場所事業を行っています。この施設は、利用目的が明らかな中高生への支援と、居場所のない中高生への二つの支援をしています。バスケットボール、フットサル、インラインスケート、そのためのハーフパイプもありました。ダンスルーム、エレキもできる本格的な照明や音響装置を備えたルーム。カヌー教室までやっていました。また、本格的にできるテコンドーやボクシングのフィットネスも設置されていました。品川区内には、中高生の居場所を5カ所整備する予定です。既に2カ所が終了し、毎年1カ所ずつ整備していく計画だと伺いました。
 中野の10か年計画では、ステップ4で大和児童館などを整備する計画になっておりますが、この計画では余りにも遅過ぎると思います。私は、計画を待つだけではなく、既存の施設でできるところから、また工夫をして、中高生の居場所や若者の居場所づくりを整備すべきだと思います。わずかのスペースでも整備をすれば、若者の居場所を確保できるのではないでしょうか。区長、お考えを伺いたいと思います。
○田中区長 確かに、一つの建物をそういう形で整備するというのを待っていて、ずっとほか何もしないということではやっぱりいけないんだろうというふうに思います。いろいろ工夫しながら、ただ物を用意するというよりも、どういうことをするのが若者を引きつけるのかという、そういったソフトの面でしょうか、そういったようなことについての研究もしながら、できる施策に取り組んでいくということが必要なのだというふうに思っております。
○やながわ委員 ありがとうございます。
 区内に運動公園や広場、つまりバスケットボールなどのスポーツができる公園は何カ所ぐらいあるんでしょうか。
○野村公園道路担当課長 お答えいたします。グラウンドですとか、有料の施設を除きまして、運動公園と言われているものが二つございます。それから、球技ができるということで、フェンスを張ってある公園が7カ所ございます。そのほかに、立地条件でバスケットのボードが設置してある公園が1カ所。合わせて10カ所でしょうか。
○やながわ委員 この人口から考えると、大変少な過ぎると思います。公園近隣の住民に配慮して利用条件をつける必要もあろうかと思いますが、平和の森公園や北江古田公園など、新たに若者が運動できる公園を整備してはいかがでしょうか。
○野村公園道路担当課長 これまでもバスケットボードを設置したり、あるいは御近所からの苦情で取り外したりというようなことがございました。こういった運動ができるということには、ある程度の広さですとか、構造ですとかいった物理的な条件面、それから、御近所、地域の方々の御理解をいただくという面、それともう一つは、みずからルールをつくって、そのルールを守っていくというような運営管理上のソフトの面、こういった諸条件が整ったところから整備が可能なのかなというふうに思っておりまして、今、御指摘いただいたような公園も含めて、そういった条件整備に工夫してまいりたいというふうに思います。
○やながわ委員 もっと積極的にやっていただかないと、こういう条件が全部そろってから、じゃあ、やろうかといったら、やっぱり何年もかかっちゃうわけですね。品川のティーンズプラザだって大変狭いところなんですよ、屋上ですから。インラインスケートもできる、ハーフパイプ、そういうものだとか、本当に狭い場所につくってあるんですね。私は、今の課長の御答弁だと、ああ、やる気がないんだなというふうに受けとめちゃうわけですね。やっぱり今、公園、私のエリアで見ていても、本当に使われていないです。人がいない。だから、そういうところを工夫して、本当にまちの人たちとの話し合いもしながら、ここにはこういうものをつくるとか、運動ができる、スポーツができる公園として、もう少し積極的に働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○野村公園道路担当課長 18年度の新規の取り組みといたしまして、巡回で公園のパトロールを行うといった取り組みも行っております。夜間に騒音等が起きないような、適正利用の指導といったような取り組みも行いますので、そういったことも踏まえまして積極的に取り組んでまいりたいと思います。
○やながわ委員 もう言いませんが、しっかりやっていただきたいと思います。
 区内には、塩漬けになって雑草だけが居座っている空き地があります。特に私の地元、南台五丁目にあるんですが、何も使われないこの空き地、これらの中から条件が合う土地を整備して、こうした若者のスポーツ、バスケット等々ができるようにしてはどうでしょうか。こういう小さなスペースに、先ほども言いましたが、バスケットボード一つあるだけで大分違うと思うんです。やっぱり汗を流す、友達と一緒に遊ぶ、こうしたことを区が本当に計画を立てて、一つ二つとふやしていくことが大事だと思います。そういう計画を立てる、あるいは整備をすべきだと思いますが、改めて伺います。
○野村公園道路担当課長 今、委員御指摘いただいたのは、南公園の拡張予定地なのかなというふうに存じますが、こちらにつきましても、地域の皆様に御理解をいただいた上で、できるだけ速やかに、本格整備までの間になろうかとは思いますが、そういったボードですとかといったもので、青少年が運動ができるような公園といいますか、空き地といいますかの整備を図ってまいりたいというふうに思います。
○やながわ委員 目と鼻ですから、よろしくお願いいたします。
 なかのZEROホール、小ホール横には、一生懸命ダンスを練習する若者がいつも集まっています。区は暗黙のうちに認めて、多少の整備をしているように聞いております。この際、照明やガラスにもう少し大きく、鏡になるようなフィルムを張るなどして、整備をきちんとしてはどうでしょうか。さらに、思い切ってあの場所をZEROダンスストリートとネーミングをして位置付けてはいかがでしょうか。また、指定管理者制度が導入されても、若者がそこでダンスができるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○大沼生涯学習担当参事 ZEROと西館のスペースで若者がダンスをやってございます。今、若者の間ではかなり有名になっておりまして、いわば我々が名称をつけなくても、ダンスストリートというような形で行っています。それで、あそこに、公社と協議をしながら若者の意見を聞きまして、フィルムを張ってあります。今の提案なんですけれども、照明をつけて明るくすると、自分の姿が映らないという問題もありますので、若者の意見を聞きながら、ダンスのまちというようなイメージ、あるいは発想できるように支援していきたいと思います。また指定管理者も、ああいった若者の活動している姿というのについては支援していきたいという考えがありますので、我々も取り組んでいきたいと思っています。
○やながわ委員 ぜひダンスのまち中野、今、大沼さんおっしゃったので、それを発信していただきたいと思います。
 現在、地域センターなどを使って、中高生を対象にしたダンスやバスケットボールなどができるところはどのくらいあるのでしょうか。また、どのような使い勝手をされているのでしょうか、お聞かせください。
○登区民生活部経営担当課長 お答えします。地域センターのうち、施設的にそういったことが可能なところというのは12カ所ございます。そのうち、いわゆる中高生が専門に使えるようなときといいますと、中高生タイムというのを設けている地域センターもございます。5カ所ほどそういったところがございます。ちなみに例えば桃園地域センターですと、平日4時から7時までは中高生タイムとして、中高生が専門にそこを使うと、そういうところがございます。幾つかのセンターでそうした取り扱いをしているというものでございます。
○やながわ委員 勤労福祉会館などで公共の施設を使って、若者たちのダンスの練習ができる場として、一定時間を開放してはいかがでしょうか。例えばできるところから、ダンスが踊れるというのは、やっぱり鏡がないとできませんので、そういったところがあるところでやってはいかがかと思います。例えば中野ヤングデーと銘打って、若者たちにこの日は1日開放しますよと、こういった日を設けてはいかがでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 勤労福祉会館はZEROホールの近くにございまして、主として中小企業に働く勤労者の皆様の福利向上を目的とした施設でございますが、若者の方も含めまして、広く区民の皆様に御利用いただいております。ダンスの練習を行う施設という意味では、鏡がある部屋としましては1階に小体育室、鏡はございませんが、地下に多目的ホールなどを持ってございます。今後、若い方を引きつけるまちということを考える中で、他の利用者の方とのバランスなども考慮しながら、御提案のような若者の方の施設利用について十分検討してまいりたいと思ってございます。
○やながわ委員 ぜひそうしていただきたいと思います。南では、南中野地域センターのタウンホールとか、女性会館だとか、いろいろあるわけでして、お金を無料で、もちろんヤングデーですから、無料で開放するというね。お金を払えば、今、社交ダンスとか、大変場所をとるのも大変だというふうに伺っておりますが、やはり若者向けとして、そうした中野区としての事業として取り組んではいかがかと思います。これは要望しておきますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 今まで何回か西館で、ZEROの小ホールで、ダンスのコンクールを開催していると伺いました。満席で大盛況だそうです。しかし、PRがされていなく、ほとんどの人は知りません。やっている人は知っているんでしょうけれど。若者のまち中野をもっとアピールする意味でも、ZERO大ホールやサンプラザを、ダンスの全国的なコンクールをマスコミにも働きかけて開催してはどうでしょうか。
○大沼生涯学習担当参事 3年前からダンスストリートでやっている方たち中心に実行委員会をつくりまして、コンクールを10月に行っています。ちょっと余談になりますけれども、昨年は金野次長と私が最後まで見ていました。最初は、3年ぐらいなので、レベルはどうなんだろうという不安はあったんですけれども、行ってみて感心したのは、大変レベルが高くて、名古屋、愛知とか全国から集まっていました。ですから、そういった可能性を見まして、今後、指定管理者と相談しながらなんですけれども、やはりダンスの中野という形で全国に発信していきたいなと思います。そのときには、ZEROホールあるいはサンプラも可能性はあるかなと思います。できたらそういうところまで大会ができるような発展をしていけたら、うれしいなと思っています。
○やながわ委員 ぜひ努力をしていただきたいと思います。
 トリノのオリンピックの開会式にインラインスケートが登場しました。競技ではスノーボードやハーフパイプ、モーグルに注目が集まりました。中野にはスケートボードをする多くの若者が集まるお店があります。中野にスケボーパークをつくってほしいとの数百名の署名を区長にも届けた経緯があります。理事者の皆さんでスケボーパークを見たことがある方、いらっしゃいますか。
○大沼生涯学習担当参事 この御質問をいただきましたので、昨日、武蔵野市のスポーツ広場というところへ行ってまいりました。あそこは総合体育館、総合陸上グラウンド、その一角にございました。ちょっと小雨が降っていたんですけれども、3人ほどやっていまして、シルバー人材の方も管理を行っていました。中野区でああいった、住宅密集地で騒音が出るものをどうやって土地を確保していくかと、結構難しい面はあるなと思いますけれども、やっぱり若者のエネルギーを発散させる場というのは必要だとは思っています。
○やながわ委員 次の質問まで答えていただきましたので。武蔵野市ではスポーツ公社が運営するスケボーパークがあるんですが、このスケボーパーク、多分ごらんになっていらっしゃったからわかると思いますが、テニスコートほどの広さなわけですね。その中にハーフパイプを初めさまざまな設備があります。インラインスケートやマウンテンバイクなども楽しむことができます。中野にスケボーパークが整備されれば、運営管理は自分たちが責任を持ってやりますと若者たちは言っております。こうした声にこたえ、スケボーパークの設置をぜひとも検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○大沼生涯学習担当参事 以前、サンプラの前でスケボーをやっていた記憶がございます。今は坂上の路面でスケボーをやっています。やはり若者がすいた場所をうまく見つけて、自分なりのルールをつくって、迷惑かけないような形でやっていく工夫というか、そういうのは大事かなと思っています。そういった、うまくまちと融合しながら、なおかつきちんと後片づけをするとか、一定のルールをつくってプレーしなければ、なかなか理解が得られにくいなと思っています。ただ、そういった場所というのはあると本当にいいとは思っています。どうやってそういった適地を見つけていくかというのは課題だと思っています。
○やながわ委員 探せば必ず出てくると思いますので、やはり先ほども言いましたように、積極的に、本当にこういうものをつくろうと、つくってあげようという熱意が、道が開けるんじゃないかと思っておりますので、せっかく見てきていただいたわけですから、何とかつなげていただきたいと思います。
 若者が都外から、あるいは全国から集まってスポーツなどをする場所が中野にはありません。若者のまち中野というコンセプトがあるわけですから、広場などでできる若者のスポーツ振興構想を検討すべきだと思います。これはまた後でお答えしていただきますが。
 若者が自由に楽しめる場所があれば、交通の便のよい中野に必ず若者が集まってきます。ダンスやスケートボードはそのきっかけになるのだと思います。区役所前のあの北口公園、ちょうど区役所の真ん前にありますね。この公園も、工夫次第ではすぐできるのではないでしょうか。今、委員長は、もみじ山公園はどうかと声が聞こえましたが、一つひとつ探せば、どこかにあると思います。中野駅周辺まちづくり計画の実施には、まだまだ時間がかかります。若者のスポーツ広場整備を積極的に検討すべきではないでしょうか、お答えください。
○尾﨑土木担当課長 北口広場の件でございます。道路敷ということで、私どもがあの土地を所管しております。北口広場につきましては、中野駅に通じる歩行者空間であり、また、自転車駐車場へのアクセス、それから、駅前の休憩ができる公園的な機能も有しておりまして、さまざまな区民の御利用をいただいております。そういった状況でございますので、スポーツなど専用的な利用につきましては、せっかくの御提案ではございますけども、今の現状から見ますと、ちょっと難しいというふうに担当の方では考えております。
○やながわ委員 それでは、せっかくの御提案とおっしゃっていただいたんですが、まだまだ、全面的に開放しろと言っているわけじゃありません。何らかできるものを、できるところからやっていただければと思っておりますので、もうちょっと、もう一ひねりして検討していただければと思います。お答えは結構です。
 今、中野の若い人たちの声を反映させる場が少ないと感じております。中野の未来は若い人のものですから、区長が中野の若者から斬新なアイデアを聞く場を設けてはいかがでしょうか。私は、若者と区長とのヤングドリームミーティング、こういうネーミングで、こうした場所で継続的に対話ができる場を設けてはいかがかと思います。若者も大変期待しております。今、一生懸命考えていただいた、そうしたいろんな発想も、そうした中から生まれてくるのではないかと、こう思っておりますので、このヤングドリームミーティング、こうした機会、いかがでしょうか。
○田中区長 今やっております区民対話集会なども含めて、今、委員が議論されているような若者、若い人と話す機会というのが一番少ないんですね。ほとんど出てきていただけない年代という感じなんですけれども。何とかそういう方たちと結びつけるような、集まってもらえるような仕掛けの仕方、集め方と言うと変ですけれども、場の設定の仕方というようなものも工夫しながら、来年度の対話集会ではそういったことも意識をしながら、これまでの形ということにとらわれないで、いろんなやり方をやってみたいというふうに思っております。
○やながわ委員 ぜひやっていただきたいと思います。今、若者のまち中野、そうした方々が本当にいろんな御意見を持っていますし、斬新な発想を持っております。私たちの想定外の発想がたくさんあるわけで、そうしたものが区政に生きてきたら、本当に夢が広がるんじゃないかと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 現在、東京都は、2016年に開催されるオリンピックを東京で実施できるよう、働きかけや準備をしております。首都10キロ圏内で、競技の実施も含めて重点地区になるようです。中野もそのエリアに入っております。誘致が決まり、具体的な話になった上でのことですが、中野区として積極的に何らかの形で参加・協力すべきだと思いますが、区長はどのようにお考えになっているのでしょうか、お聞かせください。
○田中区長 区長会といたしましても、東京都のオリンピック招致については全面的に協力しようという申し合わせをしているところです。中野区としましても、オリンピックの招致について何とか協力していきたいというふうに思っておりますし、実際に開催が決まったとなれば、またそれにさまざまな形で積極的に協力をしていきたい、こう思っております。
○やながわ委員 それでは、最後の項目に入らせていただきます。
 元気いっぱい子育ての推進について伺います。
 10か年計画に、未来への扉を開く四つの戦略と行政革新の中に、元気いっぱい子育て戦略が示されています。区が子育て支援に力を入れようとする姿勢を評価しています。私は議員になったときから、この子育て支援を区政の柱にするよう訴え続けてきました。この子育て戦略は10か年計画の重要な柱になると思いますが、区長のお考えをお聞かせいただきます。
○田中区長 全国の人口減少が進むと、少子化がどんどん進んでいくという中で、中野区はその中でも本当にトップレベルの少子化傾向、特殊合計出生率が0.75ということであります。少子化がどんどん進んでいく中で、地域の中でのそれぞれの御家庭での子育ての大変さといったようなことも、非常に目につくようになってきているということが進んでいると思っております。子どもが育つということが私たちの社会の未来を形づくるわけでありますので、この元気いっぱい子育て戦略というのが10か年計画の中では大変重要な意味を持っているというふうに思っております。
○やながわ委員 子育て支援の柱として、医療費の充実を図ってまいりました。小学校入学前まで乳幼児医療費の無料化を実現してきました。さらに、乳幼児医療費の充実だけではなく、新たに子ども医療助成制度の提案もしてまいりました。公明党の提案で、昨年10月から小学校6年まで入院費が無料になりました。18年度の予算説明書によれば、この事業の予算は1,880万円余になっております。この事業を中学生まで拡充した場合、予算としてはどの程度になると試算されているのでしょうか、伺います。
○馬神子育て支援担当課長 お答えします。現制度を中学生まで拡大した場合、拡大分、おおむね約940万円程度と今、試算しております。
○やながわ委員 今、各自治体で子育て支援がさまざま拡充してきております。中野区はどんどんおくれてしまうのではと心配しております。中学生まで入院費の無料化を実現する方向で検討すべきだと思いますが、どうでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 子どもの医療費につきましては、小学生の入院、その場合の負担が重いという状況という認識のもとでこの制度を行っております。現時点では、年齢の拡大というのは考えておりません。この制度の開始からまだ期間もたっておりません。また実績も余り上がっていない状況にございます。今後この動向をさらに注視しまして、できるだけ利用しやすい制度にするように、今後周知等に努めていくとともに、子育て施策全体の中でどのようなあり方がよいのか、検討してまいりたいと思っております。
○やながわ委員 ぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、子育て都市宣言することについて伺います。
 山口県の光市では、10年前におっぱい都市宣言を行いました。その結果、子育て支援が急速に充実したと伺いました。昨年はさらにこの宣言を更新し、母親の胸のぬくもりの中で子どもをしっかりと抱き、慈しみ、心豊かで健やかな、輝く光っ子を育てることを目指しております。このおっぱい宣言、こう都市宣言してから、おっぱい育児支援ということに力を入れてきたわけです。
 おっぱい育児とは、母乳が出る出ないにかかわらず、赤ちゃんを胸でしっかり抱き締め、赤ちゃんと見詰め合い、語りかけ、豊かな心を持って子育てすることです。母乳育児推進はその手段の一つです。こう書いてありまして、この宣言と同時に、この市はどういう取り組みをしたかというと、妊娠したときに母子手帳をいただきに行きます。この母子手帳をいただきに行ったときに、必ずアンケートをし、そして、母子保健推進員さんがいるそうなんですね、保健師さんと一緒に。この母子保健推進員さんというのは全くのボランティアです。1回お宅にお邪魔をすると、200円だそうです。この方と一緒に面接をして、妊娠前に3回訪問するんだそうです。そして、出産してから何と3歳までに、7回もそのお子さんとお母さんに会いに行く。この母子保健推進員制度というのがあるそうなんですね。これは母乳が出る出ないにかかわらず、本当に生まれる前から、そして生まれてからお子さんとお母さんにかかわっていこうという、この宣言をしたと同時に、さまざまなこういう取り組みが充実し、展開をされてきたわけです。
 この話を聞いたときに、当時この光市は、母乳で育てていたお母さんというのは40%台だった。しかし、この宣言をし、この推進員制度を充実していく中で、母乳で育てる親御さんたちが74%になった。私は、それはすばらしいことだなと実は感動もしております。この宣言をすることで、やっぱり市民や地域の人たちが、子育てはみんなでやるものだという認識に変わっていったと。ここに大きな意義が私はあると思っております。こうした子育て都市宣言について、区はどのように考えられているのでしょうか、伺います。
○合川子ども家庭部経営担当課長 ただいま議員から御紹介いただきました光市のおっぱい宣言ということでございますけれども、今、御紹介にありましたように、触れ合いの子育てを大切にすると、こういった視点から、子どもを胸でしっかりと抱き締めて、しかも豊かな子育てを楽しみましょうという趣旨というふうに聞いてございます。そういった意味では、非常に子育てにとって大切な視点、趣旨というふうに考えてございます。そういった意味では、今、御紹介いただきました子育て宣言につきましては、地域と一体として進め、あるいはこうした広く区民に浸透させる、こういった取り組みの中で、宣言の可能性についても考えていきたいというふうに考えてございます。
○やながわ委員 私は、この中野区でも、先ほど区長がお話しいただきましたが、元気いっぱい子育て戦略という四つの柱を立てて、その一つに立てたわけですから、中野のこうした戦略を、戦略と言うと何か戦う、片や胸で抱き締めてという、ちょっと何となくぴんとこないかもしれませんが、この考えを区民への広がりを持たせ、充実させるために、区としてこうした、例えば元気いっぱい子育て都市中野とか、こういう宣言をすべきだと思います。今後、子育ては、一部の人が取り組むのではなく、地域と一体となって、区民の中に広く深く浸透させ、地域の問題意識やネットワークが欠かせないと考えております。改めて、もう一度お考えを伺います。
○合川子ども家庭部経営担当課長 今、区として大変重要なことというのは、さきに制定をいたしました次世代育成支援行動計画あるいは10か年計画に沿いまして、まず、少子化に対する施策を推進し、また、子育て支援を充実させるということだと考えてございます。先ほど御答弁を申し上げましたように、こうしたことを地域と一体として進める中で、広く区民に浸透させる、こういった取り組みの中で、宣言の可能性についても考えていきたいというふうに考えてございます。
○やながわ委員 ありがとうございます。
 現在、特殊合計出生率は、東京都全体では1.01、中野区は0.75で、都内でも中野はずっと低迷しております。中野としても、出生率向上の得策がないのが実態ではないでしょうか。0.75という出生率の数字を見ると、むしろ私は、2人目を出産することにためらっているのではないかと考えています。私は、2人目の出産やお子さんへの支援を充実させる第2子目対策を行ってはいかがかと考えております。現在、児童手当は1人目が5,000円、2人目が5,000円、3人目から1万円となっています。例えば2人目を5,000円から7,000円--6,500円でもいいんですが--にする。出産育児一時金も2人目から増額する。それからまた、2人目が誕生したときのお祝いとして、区内の商品券を、たとえ5,000円でも私はいいと思います。こういうように、2人目が誕生したときのお祝いとして、ハッピーセカンド事業をする。さらには、幼稚園保護者補助金も、2人目には手厚くする。また、保育園も、2人目が入園する際には軽減策を取り入れるなど、第2子目対策を取り入れてはいかがでしょうか。区のお考えをお聞かせください。
○田中区長 よその区よりも出生率が低い中野ということですから、3子産まれる方も少ないんでしょうし、2子産まれる方も少ないのかなというふうに、直観的に感じるわけですけれども、客観的なデータというのはなかなかとっていないところでありまして、要するに出生児のうち第1子の人が半分ぐらい、それから、第2子の人が3割5分から4割ぐらい、残りが3子以降と、こういう感じの数字になっているようであります。そういうことだとか、それから、最終的に何人産むのかというような数字ですとか、そういったような分析などもしながら、御提案の2子の問題についても検討してみたいというふうに思っております。
○やながわ委員 ぜひ第2子目対策を充実させることによって、やっぱり希望が持てますし、また、いろいろ若いお母さんたちにも御意見を伺いました。今、出産費が、将来的には無料にすべきだとか、そういうお話が出ているんですが、結構若いお子さんを産んでいるお母さんたちは、出産費が無料になるよりも、やはり1子、2子産まれたときに、産まれた後がお金がかかるし、精神面も肉体面も大変なんだと。こういった、産まれた後からのサポートを充実してもらった方がうれしいんだと、こういう、何か、出産費が無料になるというと、ただになるから産めというふうに言われているみたいだという、ああ、こういうふうにとらえる人もいるんだなと、いろんな意見があるわけですが。私は、この0.75という超少子化というんですか、本当に低迷している少子化の中にあって、何か中野区でも新たな対応が必要かと考えております。第2子対策、2人目、ハッピーセカンドという、大きく銘打って、こうした対応を今、区長も検討していただけるということなので、ぜひとも対応していただきたいと要望しておきます。
 最後に、保育園の民営化におけるサービスの充実について伺います。
 保育園の民営化によって、従来公立ではできなかった11時間の延長保育、休日保育、病後児保育等が可能になりました。今後は、保育園に入園するための母親の就業時間を、100時間以上の制限を大幅に緩和し、週2日から3日の就業でも入園できる特定保育を取り入れて、仕事と育児の両立支援を積極的に行ってはどうでしょうか。民間委託や民営化が進んでいる中野区だからこそ、この事業は可能となると思います。ぜひ検討すべきではないでしょうか、伺います。
○竹内保育サービス担当課長 特定保育事業というのは、パートタイム労働の増大など保護者の就労形態の多様化に対応するために、特に3歳未満児を対象に、週に2日ですとか3日、こういった必要に応じた保育というのを柔軟に行っていくというものでございます。区では既に、保育園の入園の要件を週3日というふうにまずは拡大をしております。それから、特に3歳未満児につきましては、待機児が発生する状況にございまして、その解消にまずは最優先に取り組むべきものというふうに考えているところでございますが、今後の保育需要をきちんと見きわめた上で、特定保育事業についても、その必要性について考えてまいりたいというふうに思っております。
○やながわ委員 3日ということが優先順位からずっと低くなるということにもなっておりますので、この特定保育という新たな事業なんですけれども、私はもっと明確に、今、検討してくださるということなので、詳しくは言いませんが、本当に両立支援と、ワークシェアリングをどう根づかせていくかと、なかなか日本というか、今の現状ではワークシェアリングも根づかないような気がするんですね。やっぱりそれは受け皿がないから。また、こうしたいんだけれど、こういう制度がないという。制度や、また社会の認識等々も薄いわけなので、特にやっぱり中野だからこそ、また民営化が進んでいるからこそ、こうした特定保育事業。日本の中でも、この特定保育というのはまだほとんど手つかず状態なわけで、やっているところは二、三だと聞いておりますので、ぜひとも、一歩進んだ中野の保育園の考え方がありますので、対応をよろしくお願いいたします。
 住吉保育園と東中野保育園廃止に伴い、民営化の保育園を設置すると伺っております。新たな保育園は、建設から運営に至るまでかなり大きなプロジェクトです。この事業者の選定はどのようにされるのでしょうか。また、選定基準に合わない事業者が出てきた場合はどのようにされるのでしょうか。私はこの園についても、今言った特定保育や、在宅での子育て支援として親子が遊べる広場等も行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○竹内保育サービス担当課長 まず、事業者の選定方法でございます。これにつきましては、事業者を広く公募いたしまして、応募があった事業者から提出をさせました建設計画や職員配置などの新しい保育園運営にかかわる提案、それから、事業者の財務状況、それから、事業者が現に運営しております保育園の保育内容について総合的に評価をいたしまして、最もすぐれた事業者を選定するという方法でございます。
 それから、二つ目のお尋ねですが、この選定基準というのは、長期に安定して、区立保育園と同程度の保育内容を実施できるということを基本に策定しております。したがいまして、その選定基準に合わない事業者は当然選定をいたしませんし、万一選定基準に合致する事業者がない場合には、再募集というようなことを考えてございます。
 それから、最後のお尋ねでございますが、民営化によりまして新しく開設する保育園につきましては、地域の乳幼児親子が利用できる施設とするということについては、10か年計画の中で明らかにしておるところでございます。せっかく新しく保育園をつくるわけでございますので、最初からそういったコンセプトを持った保育園づくりということをやっていただくという考えでおります。具体的にどのような地域における子育て支援事業を行うのかということにつきましては、まずは応募事業者からの提案をさせた上で決めていきたいというふうに考えてございます。
○やながわ委員 さらに、新しく東中野五丁目に建設される保育園の定員はどのように考えているのでしょうか。新しい保育園ができると、入園希望者も多くなります。せっかく新しい保育園ができたのに、待機児がふえるということでは困ります。東中野保育園が認証保育所になるということですが、これによって、ゼロ歳から2歳の低年齢児の待機児は解消されるのでしょうか、伺います。
○竹内保育サービス担当課長 新しい保育園の定員につきましては、住吉保育園と東中野保育園の定員を合わせたものにすることを基本に考えてございます。しかし、その結果、特に低年齢の定員の多い大型園になってしまうことや、また、そのような定員が年度の早い時期から埋まるのかということもございまして、ゼロ歳と1歳については、2人ずつ定員を少なくしたいというふうに考えてございます。この定員を減らした分につきましては、例えば1年後に民営化を進めております桃が丘保育園において、新たにゼロ歳児の定員を設けることですとか、また、住吉、東中野の近隣の保育園の定員の弾力化を行うこと。さらに、委員からお話ございました、東中野保育園の跡に認証保育所を誘致することなどにより対応できるというふうに考えてございます。
○やながわ委員 大変この問題に関しては、保護者の中でいろいろ心配され、さまざまな議論を呼んでおりますが、本当に親子が安心して、また、地域のニーズに対応できるように、区としても丁寧な説明をしてあげていただきたいと要望しておきます。
 これで私のすべての項目が終わりました。お年寄りから赤ちゃんまで、冒頭申し上げましたが、本当に10か年計画を推進していくに当たっても、区民一人ひとり、そうした細かいところに手が届く。大変財政も厳しい。だけど、私は、そういうときだからこそ汗を流し、そして知恵を絞り、そして、心を合わせていくことが大事なことだと思っております。そういう、きのうからさまざま総括質疑を伺っておりますが、職員の意識、また首長の背中、そういう話がいろいろ出ておりますが、私も本当にそう思います。大変なときだからこそ皆さんと一緒に力を合わせて、本当に区民が幸せな生き方、あるいは充実した生き方ができるよう取り組んでいただきたいと思っておりますので、要望しておきます。大変長い間ありがとうございました。
 以上で終わらせていただきます。
○斉藤(金)委員長 以上でやながわ委員の質疑を終了いたします。
 ここで休憩にいたしたいと思いますが、1時まで休憩いたします。
 委員会を休憩いたします。
      午後0時03分休憩

      午後0時59分開議
○斉藤(金)委員長 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続いて、総括質疑を行います。
 佐伯委員、お願いいたします。
○佐伯委員 それでは、総括質疑をさせていただきます。
 中野サンプラザにかかわる問題ということで通告をさせていただきました。ここでは、昨年来、サンプラザ取得のときに出資をしていただきましたビジネスバンクコンサルティング、それと、その子会社等の問題につきましてお話をさせていただきたいと思います。皆様方におわかりいただくように、ボードをつくってまいりました。
 まず最初に、このビジネスバンクコンサルティングですけれども、昨年秋からちょっと株価が異様な動きをしていることを御存じでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 お答えをいたします。昨年の11月ころに同社の株価が急な上昇を見せていたということについては、承知をしております。
○佐伯委員 それにつきましては、いつごろお気づきになりましたでしょう。
○川崎政策計画担当課長 これにつきましては、11月の中ごろだったと思います。
○佐伯委員 今、最初にも言いましたように、この会社はサンプラザ保有ということで、中野区のパートナー会社となっております。やはりこういう異様な株価の動きをしたときには、何か調査をされるべきだと思いますけども、何か区の方では調査をされたでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 このサンプラザ事業における、サンプラザ保有の直接のパートナー、これについては、運営会社である株式会社中野サンプラザでございます。今お名前を挙げていただいたビジネスバンクコンサルティングにつきましては、その出資者ということでありますので、当然関心を持っているところでございますが、今回の件につきましては、特別の調査は行っておりません。
○佐伯委員 まちづくり中野21に関しても、議会に報告もないままに増資をされたり、優先株を発行されてしまったりということがありまして、やはり我々としては非常に関心を持って監視をしていかなくてはいけない問題と思っておりました。
 その中で、ジャスダックから出されておりますさまざまな報告を見ますと、まず、8月にユニファイドキャピタルジャパンという会社を子会社化を図りました、この会社。この会社は、金融機関から不動産担保つきの不良債権を買い取る不良債権不動産ファンドの運営、あるいは不動産会社と手を結んで不動産担保つき債権ファンドを組成し、投資事業の拡大などを行っています。インターネットのヤフー・ファイナンスの書き込みなどを見ますと、この会社の子会社化、この会社の買収が株価高騰、その引き上げの原因になっているようです。
 そして、8月31日に取締役の決議として買収を決定しました。ところが、時期は9月30日としました。ですから、9月1日にはちょっと株が上がりました。その後、なかなかこの買収がうまくいかず、交渉が難航していたようで、横ばいだったんですけども、9月の終わりになりまして、この買い取りがうまくいかないので、時期を延期するという発表をしました。その後、10月になって話が進み出したんでしょうか、10月7日からどんどん株が上がっています。それで、10月31日に子会社化が完成したという発表がジャスダックを通してありました。その途端に株が一気に上がっています。11月8日には取引時間中に2,000円高、11月9日には8,340円の最高値をつけています。ですから、私が最初に基準としました8月19日、1,390円ですから、例えば13万9,000円で買っていれば83万4,000円、1億3,900万円で買っていれば8億3,400万円と、こういうお金が動いているわけであります。
 そういった中で、私は、別に会社に何か問題があるとか、そういったことを申し上げるのではなく、やはりパートナー会社として一緒にこれは運営をしている会社です。今、昨年もニッポン放送の買収とか、阪神タイガースの買収、こういった話が出ました。ぜひこういったこと、関心を持っていただきたいと思うんですけども、助役さんはこのビジネスバンクの取締役になっていますけども、何かお話をお聞きになりましたでしょうか。
○内田助役 お答え申し上げます。私、所有会社でありますまちづくり中野21の取締役を務めさせていただいております。お尋ねの件につきましては、私も課長の方からそうした動きがあったということは聞いておりますけれども、私の方からこのことについて話題にしたことはございません。
○佐伯委員 ぜひ、これからも、10年間ということで、中野区の出資、そしてこのビジネスバンクさんの出資ということでサンプラザを保有していくわけですから、実はきのうも500円上がっています。このところ3,500円ぐらいで安定していた株なんですけども、きのうも500円上がりました。4,500円ぐらいになっています、きょうあたり。ぜひ関心を持っていただきたいと思うんですけれども、これは要望しておきます。
 そこで、このビジネスバンクさんのホームページを見ますと、運営会社である中野サンプラザが連結子会社になっているんですけれども、こういったことは区に事前に報告があったのでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 お答えをいたします。この株式会社ビジネスバンクコンサルティングでございますけれども、運営会社の議決権のある株式を間接・直接合わせまして、その5割以上当初から保有しております。この結果、法令の規定によりまして、両者は必然的に親会社・子会社の関係になってきます。また、連結対象とすることについても義務付けられているところでございます。したがいまして、改めて子会社になったといったことでは報告は受けてございません。ちなみに今申し上げました法令ということでございますが、証券取引法の財務諸表等規則及び連結財務諸表規則というもので、これらは企業活動の透明性を高めるためにということで、今申し上げたようなことを規定しているというものでございます。
○佐伯委員 1点お聞きしたいんですけども、決算が連結化されますと、今、話題になっている利益のつけかえとか、さまざまなことが--もちろんここがやるとかやらないとかという話じゃありません。そうした中で、運営会社である株式会社中野サンプラザからは、通常の家賃とは別に、利益に応じた賃料、そういったものが支払われることになっていると思います、まちづくり21に。こうした連結決算により、そういった金額に影響が出ることはないのか。それと、私もこのビジネスバンクさんの決算書を取り寄せてみましたけども、正直言って全然わかりません、何が何だか。そういったことでは、区の今の体制の中で、それぞれの決算であるとか財務諸表、こうしたものがしっかり読める体制ができているんでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 ただいま少し例に出されました、例えば利益のつけかえなど、そういったような問題が起きないように、企業活動の透明性を高めるといった意味で、連結制度というのが設けられていると私どもは理解をしているところでございますが、そういった意味で、子会社化ということによって、そのことによってこの事業についての影響があるというふうには考えておりません。
 また、後段、委員がおっしゃいました、運営会社の経営状況についてしっかり把握をするということにつきましては、今後とも十分努めていきたいというふうに考えております。
○佐伯委員 ぜひお願いします。
 さて、先ほど、子会社化したユニファイドキャピタルジャパンですけども、不動産会社と手を結んで、いわゆる投資ファンド等を運営すると、そういう会社だということを申し述べましたけれども、実はそのパートナー、相手方となっている会社が、今、中野区上鷺宮一丁目に9階建てのマンションを計画しています。近隣の住民の皆さんとは少々建築紛争になりかけているということで、ちょうど今この時間にも、近隣の方が9階の建築課に行っていろいろ話を聞いているということなんですけども。
 非常にそのマンションというのが、これが新青梅街道です。計画地です。前面の道路が5.42メートル。新青梅街道は15メートル。本来であれば、高さ制限、道路車線制限で、9階建ては建たないんですけれども、新青梅街道がちょっと膨らんでいる、出っ張っている。そのために、この境界線から新青梅街道の向こう側までを道路車線としてとって、これで申請がされているんです。こういうケース、本当に驚く形の申請がされているんですけども、区に建築確認が出されていると聞いていますけども、今、区の方としての対応はどういうふうになっているでしょう。
○佐藤建築担当参事 建築確認申請はことしの1月16日に受理いたしまして、確認済証を2月22日に交付しております。
○佐伯委員 本来、この問題はもう少し時間をかけて、こういった建築確認、こういった前面道路のとり方、本当にいいのかどうか議論をしたいところなんですけども、もう既に確認申請をおろされてしまったということですので、またこれは今後の課題となってくると思います。きょうのところは、こういった問題があったんじゃないかということだけ指摘をさせていただきます。
 次に、2番目の項目に移らせていただきたいと思います。
 国家公務員法103条2では、「職員は、離職後2年間は、営利企業の地位で、その離職前5年間に在職していた人事院規則で定める国の機関、特定独立行政法人又は日本郵政公社と密接な関係にあるものに就くことを承諾し又は就いてはならない」、いわゆる天下りを規制する規定です。まず、この法律の目的とするところは何だとお考えでしょうか。
○長田人事担当課長 お答えいたします。国家公務員法第103条の第2項でございますが、離職者の営利企業への就職の制限をしてございます。具体的には、職員がその在職中、離職後、特定の営利企業に就職する目的で、その地位や職権を利用して、当該企業に便宜を与えるなどして、職務の公正な執行をゆがめることがないようにという、そういう趣旨から制定されたものだと認識してございます。
○佐伯委員 そうですね。職務の公正をゆがめることのないようにということで。
 地方公務員法には、同様のいわゆる天下りを規制する条文というのはあるんでしょうか。
○長田人事担当課長 地方公務員では、職員の離職後の就職に関する制限の規定といったものはございません。
○佐伯委員 地方公務員法にはありませんけども、東京都ではこうしたことへの基準を明文化してつくっていると思いますけども、いかがでしょうか。
○長田人事担当課長 あくまで東京都の内規というものでございますが、東京都としては、職員の民間企業への再就職に関する取り扱い基準といったものを制定していると聞いております。
○佐伯委員 先日の酒井議員の一般質問でも、指定管理者についての問題点、数々指摘をさせていただきました。私も昨年の第4回定例会で、指定管理者への再就職、これについては、一定範囲の歯どめをかけるべきだということを述べさせていただきました。もちろんさまざまな会社、民間会社への再就職というもの、しっかりと監視をしていかなくてはいけないと思うんですけども、先般もこうして東京新聞に、指定管理者公募に落とし穴、辞退続々、やり直し、役所の御都合主義、スキャンダル発覚、不採算でという記事も掲載されていました。そして、この記事の冒頭で、鳥取市が公募した施設運営について、事前にある団体が募集要項を入手していたと。このスキャンダルで、この団体の理事長、事務局長が辞任したということが掲載されていました。
 私は早速、この記事を書きました記者に連絡をとりまして、この辞職をした理事長、事務局長というのは市の管理職のOBでしょうということを問い合わせましたら、御指摘のとおりですという答えが返ってきました。つまり市の職員OB、幹部職員OBゆえに、事前に応募要項を渡してもらえると。募集の内容を知るという、そういう便宜が図られていたわけです。たまたまこのケースは発覚しましたけれども、これが発覚しなければ、このまま不公平な形で行われた指定管理者の決定というものが、そのまま決定になってしまうわけなのです。ですから、まず、私どもが主張しておりますように、指定管理者に対しての再就職、こういったものを中野区ではまず、全国の自治体に先駆けて規制する、こういったものを明文化するつもりはないでしょうか。
○長田人事担当課長 ただいま委員の御指摘の中にもございましたように、区職員の再就職につきましては、在職中に培った知識・経験を社会に還元するといった意味では大変有意義な点がございます。ただ、区民からその再就職等に関して誤解を受けることのないよう、公・民の癒着の批判を受けることのないよう、職員の倫理に関する基準を検討し、これで対応していきたいと考えております。
○佐伯委員 検討しというのは、いつまでにやりますか。
○長田人事担当課長 できるだけ速やかに対応したいと考えております。
○佐伯委員 できるだけということではなく、やはりいつまでにやるということをきちんと明確にしておかないと、私たちはこれは納得できません。例えば皆さん方は定年を、60歳を迎えても、年金が支給されるまでということで、再任用なんていう制度が役所にはあります。法律で決められています。しかし、民間の一般のサラリーマンの人は、60になったら一生懸命自分たちで、コンビニの夜の仕事を見つけたりとか、あるいはシルバー人材センターで働いたりとか、そういうのを見つけるわけですよ。しかし、一方で、皆さんは、再任用なんていう制度、こういったものが認められている。
 さらに、管理職の皆さんは、幹部職員の皆さんは、どこか民間会社に天下りをして、そして、前、本会議でも指摘をしましたけれども、もとの役所に戻ってさまざまな情報を聞き出したり、国にはこういったことがいっぱいあるわけじゃないですか。そして今、外郭団体がどんどんなくなってきている中では、当然今度は民間会社に再就職しようとしたり、民間会社では、区との契約条件をよくしようと思って幹部職員OBを欲しがる。これは当然の流れなんですよ。だから、そこをとめておかないと、やっぱり一般の区民からすれば、これはちょっとおかしいなと不信を抱くと。そして、公正な競争ができなくなって、税金がむだに使われる。こういう状況が起こってくるから、まず明文化しましょうよということを言っているんです。
 先般、本会議の佐野議員の質問に対して区長は、こういったながら条例に対しては早急に取り組むということを言っているんです。職員に対してのことは早急に取り組むのに、自分たち、区長は前の選挙のときに「官の勝手をシャットアウト」と、こういう公選はがきを出したわけじゃないですか。官の勝手。管理職の勝手はいいんですか。そういったことはないと思いますよ。明確に、ぜひこれは区長にお聞きしたい。早急にこれは取り組んでください。
○田中区長 早急に取り組みたいと思います。
○佐伯委員 ぜひお願いします。
 次に、総務の資料の77ですけれども、23区の特別職の退職手当、勤続1年につき乗じる割合、これを出していただきました。以前から私たちは、4年ごとに支払われる退職金、これについては疑問を呈していました。そういった中で、河村たかしさん、私も100%この人と考えが一致するわけじゃありませんけども、この方が書かれている本の中でも、こういったことにつきましては厳しく書かれています。直筆でサインもいただいているわけなんですけども。昨今、東京都内でも、あるいは地方の自治体でも、特別職の退職金、条例をつくったりとかということで、これを廃止したり、そういう動きが出てきていますけども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○長田人事担当課長 お答え申し上げます。委員御指摘のように、23区の中での動きでございますが、当該のそれぞれの特別職の任期中に限りということを前提としているものでございますが、退職手当を支給しないという区はございます。ただし、条例上の、制度上の措置としてこれを廃止しているという区はございません。また、中野区長の退職手当につきましては、資料からお読み取りもいただけますように、23区の中では支給率、支給額とも最下位であり、さらにこれを減額や廃止する考えは持ってございません。
○佐伯委員 確かにこれを見る限り、一番低いということはわかります。ただ、一般の住民の感覚、一般の区民の感覚として見たときに、本当に4年ごとに退職金が出るという制度、これ自体が区民に受け入れられるものなのかどうかということをひとつ御考慮に入れた上で、さらに御検討いただけたらと、これもお願いをしておきます。
 時間が限られておりますので、ぽんぽんいきたいと思います。
 次に、生活保護の不適切支給について伺います。
 先般、朝日新聞の1面に、生活保護の不適正支給回収断念、2年で20億円という記事が掲載されました。そこで、当区の場合は一体どういうふうになっているのかということをお聞きしました。厚生の資料52です。まず、こうした不適切な支給が行われる原因についてお聞かせください。
○浅野生活援護担当課長 お答えいたします。いわゆる不正受給と申しますものの中には、まず一番大きな要因といたしましては、就労収入の未申告、これが一番、最も多くございます。それから、次に、年金収入あるいは年金受給の未申告。それから、さらには、年金担保の貸し付けをまた無断でやっていると、そういったものなどが大きな原因となっております。
○佐伯委員 それで、ちょっとこの表からはなかなかわかりづらいと思うんですけども、この一番右端の残高というのは、その年度の残高と、各年度ごとの残高ということでよろしいわけですよね。
○浅野生活援護担当課長 この残高といいますのは、ほとんどの返還が分割返還をしている関係で、繰り越し、繰り越しという形で来ております。したがいまして、それぞれの年度ということで見ますと、表の一番上の平成17年度のところにつきましては、その年度の残高ということがわかるんですが、それ以外のものにつきましては、年度といった形ではなかなか、はっきりとした数字としてはあらわせてございません。
 それで、ということは、現在、実際に不適切支給がされて残高になっているという金額は、この右端の合計額ということで、トータル1億4,337万1,564円になるんですけど、これを足すと。そういう金額になるということでよろしいんでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 そのとおりでございます。
○佐伯委員 それで、こうした不適切な支給というのは、どういうことからわかってくるんでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 主な発見の契機としては、毎年定期的に、生活保護法第29条で関係機関調査ができることになってございます。それに伴いまして、定期的に課税調査、あるいは年金の一斉調査を行いまして、私どもの方で把握している被保護者の方の収入ですとか、年金受給額と比較しまして、例えば合わない場合等がございます。そうしたときに、御本人から直接事情をお聞きして、それが不正であったということがわかるのが主な原因でございます。
○佐伯委員 わかったときというのは、どういった対応がとられるんでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 この調査自体は、まず、地区担当員といいまして、それぞれの被保護者を担当している職員が行いまして、その調べた結果をもとに、生活援護分野の中でケース診断会議という会議が設けられております。これは私と、それから査察指導員といいまして、生活保護業務を担当する係長のことをそういうふうに呼んでおりますが、私と査察指導員とで構成されますケース診断会議におきまして、事例につきまして、法78条の適用ができるかできないか、あるいは今後の対処方針、お金の返還とか、生活保護の適否をどうするか等々について、一応分野内での決定をしてございます。それに基づきまして、各担当の方で起案をいたしまして、最終の決定権者、保健福祉部長の方で決定をしまして、それに基づきまして、御本人に対して費用の返還を求めていくというふうな形をとっております。
○佐伯委員 中野区の一般会計予算がここのところ大体900億円弱だと思います。そのうちの100億円以上が生活保護費ということになっているというのは、大変深刻な状況だと思います。しかし、やはり制度として、本当に困っている人は守る、これは当然のことですけれども、一方で、こうした不適切に支給をされて、返ってこないお金が1億4,300万円以上もあるということ、これはさらに深刻な状況になっていると思います。
 さらに、先ほど言いました、ちょうど昨日の新聞でしょうか、朝日新聞です。生活費を年金で担保にして借りちゃうというようなことも行われているようですけど、どうしてそういったことができるんでしょう。
○浅野生活援護担当課長 年金自体を担保にした貸付制度というのは現在も行われております。ただ、生活保護世帯については、それは現在のところ、福祉事務所の方で、例えば生活保護を受けていて年金をもらっている方がそういうことはしないようにという指導をしております。ところが、残念ながら何件かそういう、いわゆる年金を担保にして借りますので、担保分けが近づいた時期に、私どもの方で御本人に確認しますと、また借りてしまいましたというようなことが何件かございまして、これは中野だけではなく、各福祉事務所でも非常に深刻な問題になっております。今、委員が御紹介された昨日の朝日新聞の記事は、それを受けての厚生労働省の今後の対応というふうに考えております。
○佐伯委員 さらにきょうの新聞などを見ますと、暴力団員には生活保護は支給をしないというようなことも出ておりました、東京新聞。それで、朝、ラジオで聞いておりましたら、本当に暴力団員、困っているなら、生活保護をもらいたいなら、暴力団をやめなさいという指導をするなんていうことを言っていましたけど、一体何を考えているんだと思いましたけれども、そういう動きもあるようです。
 結局、酒井議員が本会議で道徳心の話をしました。生活保護というのは、先ほども申しましたように、本当に困っている人を助けるべきはずの制度です。一方で、わからなければもらった方が得。見つかったときは、もうお金を使ってしまって返せません。さまざま出ていましたけども、年金を担保として生活保護者がギャンブルとか遊興費に使っている、こういった現状もあるということで、先ほど課長がお答えになったことだと思うんですけども。やはり私は、いろいろなお宅を訪問して指導する云々ということも必要かもしれませんけれども、道徳心のない人間、それこそもらってしまえば勝ち、もらってそれをギャンブルに使ってしまって、もうお金はありません、こういう人に対しては、ある程度のペナルティーというのは必要だと思うんです。ですから、公表とか、あるいは刑事告発とか、段階を決めて、そういったペナルティーというのをつくっていかなくてはいけない状況になってきているんじゃないかなと考えるんですけど、いかがでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 名前の公表というのは、現実に被保護者のプライバシーの保護という観点もありますので、確かに非常に不適正な受給をした者に対するとして気持ちはわかるんですが、なかなかプライバシーの保護という観点から、非常に難しいのではないかというふうに考えております。
 また、罰則規定等につきましては、生活保護法の85条の方におきまして、3年以下の懲役または30万円以下の罰金というのが定められております。ただ、これにつきましても、不正受給の程度、非常に悪質なもの、それから、あるいは78条を適用して費用返還を求めたにもかかわらず、一切返還をしていないとか、かなり悪質なものについて適用するようにという、厚生労働省の方からも一応指導があります。
 私どもで今、対応しておりますのは、とにかく返していただくものはきちっと返していただかねばなりませんので、年2回、滞納している方には一斉催告を行っております。それでもなお返さない方につきましては、保護費というのは原則銀行振り込みでやっている方が大半なんですが、そういう方につきましては、直接払いといいまして、区役所にとりに来ていただいて、保護費を渡したと同時に納めていただくと、そういうふうな対応をしております。
 この件につきましては、私ども非常に深刻にとらえております。ただ、今までのような調査というのは、これは事後になってしまいますので、どうしても、もう本人が使ってしまったというようなことで、事後処理というような形が多くなってしまいます。したがいまして、とにかく事前予防ということで、今、分野の中で、来年度に向けてどういう対応ができるか検討しておりまして、できるだけ不正受給を減らすということで努力していきたいというふうに考えております。
○佐伯委員 ぜひお願いしますけれども、不正受給を減らすんじゃなくて、不正受給をなくすと、そのくらいの決意でぜひお願いしたいと思います。
○浅野生活援護担当課長 それに向けて頑張りたいと思います。
○佐伯委員 ありがとうございます。やはり正直者がばかを見るという世の中というのは絶対になくさなくてはいけないと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、青少年のスポーツ振興と部活動の活性化についてお伺いします。
 まず、中野区として、中学校の部活動についての位置付けについてお聞かせください。
○小林指導室長 中学校の部活動につきましては、学習指導要領には示されておりませんけれども、学校において計画する教育活動であり、人間関係・社会性の育成や、体力・技術・忍耐力の充実・向上など、子どもの健やかな成長を実現していくため、重要な役割を担っていると考えております。
○佐伯委員 教育活動と明確に位置付けているということで間違いないですか。
○小林指導室長 そのとおりでございます。
○佐伯委員 ありがとうございます。
 先般、酒井議員の方からも本会議で話をさせていただきましたけれども、この部活動というもの、今、積極的に支援をし、そして、活性化を図っている世田谷区に先日お邪魔をしてきました。世田谷区では昨年3月に、区内に部活動検討委員会というものを立ち上げまして、12月にその報告書を出されています。この報告書を見て感心したのは、内容はもちろんなんですけれども、その構成しているメンバー、当区はこういう検討会をつくりますと、すぐに学識経験者を入れたがるんですけども、学識経験者は入っておらず、現場の校長先生、副校長先生、教育委員会の事務局でこういったものをつくり上げています。
 そして、この中でちょっと懐かしいお名前を発見しました。岩瀬正司さん。今の室長の前の指導室長さんですね。そういったことで、どういうふうに積極的に取り組んでいるのかということで、岩瀬先生は今、世田谷区立尾山台中学校にいるということで、ホームページを開いてみました。そうしますと、校長先生のあいさつとして、明るくあいさつができ、元気で行事や部活動に取り組める。楽しい授業を受けて学校生活を送れる生徒たちということが書かれていました。授業よりも行事や部活動というのが先に出ているということ、大変興味深く思ったわけなんですけども、こうしたことで、世田谷区は部活動の活性化を図っているのだなということを感じました。
 ところで、この世田谷区でも少子化で子どもの数が減り、顧問教員不足から廃部・休部に追い込まれる部活に対し、そういったものが出てきているということで、区内の大学との協定を結んで部活を支援しようと、現在250名登録者がいるそうです。先般の酒井議員への答弁にもありましたけれども、当区でも大学生の活用、こういったものを考えているということがありましたけれども、具体的にはどのようなことをお考えなのでしょうか。
○小林指導室長 外部指導員に大学生を活用するということにつきましては、学校の顧問教員とともに部活動の指導面を担当し、支援してもらうということでございます。指導員を地域の方に限定いたしますと、平日の夕方に子どもを指導できる人が少ないことなどから、大学生の活用は有効な導入であると考えているところでございます。
○佐伯委員 具体的にどういうふうに大学生を確保していこうとお考えでしょうか。
○小林指導室長 これまでにつきましては、各学校が地域の方、卒業生であるとか、または教育実習を終えた方など、そういったものから外部指導員をお願いしていたというような経緯がございます。
○佐伯委員 実は中教審が、昨年1月28日に「我が国の高等教育の将来像」という答申を出しています。その将来像において明確に指摘されているのは、21世紀の大学は、教育と研究だけでなく、社会貢献という役割を担うべきと、こういったことがこの答申には書かれています。
 実は先般、我が母校であります法政大学の総長と会う機会があり、いろいろとお話を伺いました。今、大学が力を入れているのは、この中教審の答申にもあるように、社会的貢献、あと、ブランドづくりということです。
 ブランドづくりということでいいますと、やっぱり各大学、アピールできるもの、そういったものを考えて、例えば箱根駅伝なんかを一生懸命取り組むわけですよね。正月の2日、3日ずっと、午前中いっぱい日本テレビに映っているわけですから。だから、駒澤大学なんていうとすぐに、ああ、あの箱根駅伝のと。うちの近くに、練馬区ですけども、順天堂大学の病院ができました。すると、ああ、あの駅伝の順天堂の病院ねと、こういうような答えが返ってくるようになっています。そういうブランドづくり。それと、もう一つは、やはり社会的貢献なんです。そういったことで、法政大学でも現在は、台東区とは中小企業支援プロジェクト、こういったものを引き受けたり、三鷹市とは自治体政策支援、千代田区とは千代田学、こういったものにも積極的に参加して、社会的貢献というものを取り組んでいるということもお聞きしました。
 ぜひ中野区でも積極的に、先日視察をした世田谷区では、東京農大と国士館、この二つの大学と協定を結んでいるそうです。さらに、この答申の中でも、教育課程の改善ということで、こういった社会的貢献を履修形態の一つとして認めるというような動きもあるようです。積極的に近隣の大学に声をかけて、そうした部活の指導者を確保していくということ、来年度早々に始めたらいかがでしょうか。
○小林指導室長 今後、学校教育にかかわる学校施策につきましては、大学と連携を積極的に図ってまいりたいというふうに思っております。
○佐伯委員 そこで、中野区の現在の外部指導員に対しての予算というのはどのくらいになるんでしょうか。
○村木教育経営担当参事 外部指導員の予算措置でございますが、平成18年度につきましては、1校年間220回として、総額で924万円を計上しております。
○佐伯委員 そのあたりにつきましても、世田谷区では5,000万円の予算が組まれているということも聞きました。教員不足の中で部活ができない。かなり多いです。220回なんていう回数じゃなくて、1校に、一つの競技に2人ついているなんていうところもあります、外部指導員が。ぜひそういったこと、やっぱり部活というのは、子どもたちにとって、中学生にとってはいろいろ将来に思い出も残りますし、先輩と後輩とのいい関係もできる。そういったことで、もっともっと中野区においてもこういった活性化を図ってもらいたいなと思います。
 ところで、中野区では、文教の資料32ですけども、指定校変更、これについての資料を出していただきました。中野区では、こうした部活動を理由とした指定校変更、これを認めていないようですけど、その理由をお聞かせください。
○相澤学校教育担当課長 お答えいたします。指定校変更は、通学距離、身体的理由、いじめなど配慮すべき交友関係がある場合など、学校生活を送る上で、指定校に入学することが児童・生徒に著しく負担になる場合が予測される場合に、保護者の申請に基づき、本人の状況などを勘案して認めているものでございます。部活動は、言ってみれば学校による特色の一つであるというふうに考えてございますが、学校の特色に関することについては、指定校変更の理由としては認めてございません。
○佐伯委員 実は世田谷にお邪魔した理由というのは、世田谷区ではこれを認めているということ、これがありましたので、お話を聞きに行ったわけなんです。もちろん、強い学校に行きたいとか、いい先生がいる、そういった学校に行きたいから指定校を変更すると、こういったことは認められないわけですけども、やっぱり自分が行く学校に自分がやりたいクラブがない、そういったことであれば、中野でもこれをぜひ認めていただきたいと思います。世田谷の場合、平成13年度からこれを正式に基準をつくって、部活による指定校変更を認めるようになりました。そうしますと、13年度では18人だった指定校変更、14年度では22人、15年度では36人、16年度では86人、そして17年度では93人、年々部活を理由とした、やりたい部活があるということで指定校変更をするという子どもたちがふえてきています。
 そして、例えばこの中野区におきましても、中学校総合体育大会、その結果、先般、課長の方に出していただきました。例えば水泳、これは二中と九中が圧倒的に強い。ほとんど優勝は二中と九中です。温水プールがあるからです。そういう環境に恵まれているんです。そういったことを考えたら、やっぱり自分のやりたいクラブがないとしたら、そういうところに指定校変更を認めてあげるというのは、私は当たり前のことなんじゃないかと思います。もしかしたら、一昨年ですか、丸山小学校の中野セネターズというチームが少年野球の大会で全国大会まで行きました。水戸まで行きました。区長のところにもごあいさつに来たと思います。ところが、十一中にはないんですよ、野球部が。だから、全国大会へ行った選手が私立に流れてしまったり、よその区に流れていったりしてしまうんですよ。
 事によると、こういったことを認めないことによって、大げさかもしれませんけども、その子どもの将来を奪っているかもしれないんですよ、中学校でその部活ができないということで。私はそのくらい重大な問題だと考えていますけども、ぜひ中野区でもそうした柔軟な考えを持っていただいて、部活による指定校変更を認めていただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。
○相澤学校教育担当課長 今、委員が例で出されました、例えば指定校に希望の部活動がない場合、そういった例を認めるべきではないかということなんですけれども、指定校に希望の部活がない場合でも、先ほどの理由により指定校変更を認めてはございませんが、学校再編に取り組む中で、部活動の種類についてなるべく確保するようにしていきたいと考えております。また、部活動が各学校において活発に行われるよう、外部指導員の確保でありますとか、先ほど室長が御答弁させていただきましたとおり、大学生の活用などにより、教育委員会として積極的に支援していく必要があるというふうに考えているところでございます。
○佐伯委員 ぜひこれにつきましては、学校再編云々という話ではなくて、生徒たちが生きがいを持って中学生活、本当に楽しく伸び伸びと、そして、スポーツに励める、あるいは吹奏楽もそうですよ。そういったものにも励める、そういう環境をつくっていくために、ぜひお願いしたいと思います。
 10月に国立競技場を使っての総体陸上があります。私も好きで、でも、大体この時期というのは決算の総括質疑だったり、分科会になったりして、行けないこともあるんですけども、時間があれば、藤本議員とともに応援に行っています。ただ、一時、あの国立競技場の電光掲示板を使わなかったという時期があったと思います。そこの電光掲示板に名前が出るということ、スポーツ選手にとっては大変な励みになると思うんですけども、昨年度からこの電光掲示板を再び使うようになったとお聞きしていますけども、これについては来年度以降も大丈夫ということでよろしいんでしょうか。
○相澤学校教育担当課長 電光掲示板の操作については、教員の人員確保が難しいという理由で使用しなかった時期もございました。大会を盛り上げるという意味で、今年度から再び予算措置をしているところでございますが、来年度以降も、これに係る経費については確保し、対応していきたいと考えてございます。
○佐伯委員 ぜひ職員の皆さんも行って、電光掲示板の使い方、習ったり、協力したりしていただければと思うんですけども。
 実はこの総体陸上の開会式というのは、私たちが中学生時代というのは、まさに総合体育大会の開会式ということで、せっかく国立競技場を使うわけですから、全校挙げて行って、それで、各部ごとに入場行進をしたわけですよ。また少年野球の話ばっかりして申しわけないんですけども、4月に都知事杯という少年野球の開会式があって、東京ドームで開会式をやります。そうすると、子どもたちは東京ドームの芝生におりて、本当に大喜びなんですね。中学生なんかだって、やっぱり国立競技場、サッカーをやっている選手は、あのJリーグをやっているグラウンドですよ。そういうところにおりられるということはすごく励みになると思いますし、1日2日勉強しなくたって、そっちの方が私はよっぽど社会的体験としては重要なことなんじゃないかなと思いますけれども。
 最近、連合行事もなくなってきてしまっています。駅伝大会、区長は、小学生が50メートル走るタイムが全国の女子より中野の男子が遅いなどということを最近盛んに言っておりますけど、それはきのうきょう始まったことでなくて、教育ビジョンを見ますと、昭和の時代から中野の子どもたちというのは遅かったわけなんですよね。ですから、やっぱり日ごろからそういう、走ること、何か目標を持ってスポーツをすること、そういったことを心がけていくために、この国立競技場を使ってやるイベントに関しては、学校挙げてのイベント、教育委員会が先頭に立ってそういうものにしていくというおつもりはないでしょうか。
○相澤学校教育担当課長 総体陸上は、日ごろの部活動の成果の発表でありますとか、区内中学校間の交流、あるいは連帯感を高めるために、多くの生徒が参加することに意義がある、必要だというふうに考えてございます。現在でも多くの生徒が参加して実施しているところでございますが、全校生徒の参加ということはなかなか難しい面もございます。学校の士気を高められるよう、さらに総体陸上の内容が充実するよう、積極的に支援していきたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 先ほど電光掲示板につきましても、操作する人間がいないから使わなかったんだというお話でしたけども、本音のところは予算の関係だったんじゃないかなと思うんです。そういったことを考えれば、区内から生徒が集まって、保護者が集まって、国立競技場のスタンドがいっぱいになれば、スポンサーだってつくと思うんですよ。すると、電光掲示板、競技をやっている間に、区内の例えばお買い物は丸井でとか、カンロ飴とか、出していただく。そういったことで、電光掲示板の経費だって、生徒がいっぱい集まることによって、保護者がいっぱい集まることによって、そういった方法だって考えてもらえると思うんです。ぜひ学校任せにしないで、教育委員会が先頭に立って、そういったことという工夫を重ねていってもらいたいと思うんですけども、いかがでしょうか。
○相澤学校教育担当課長 委員の御指摘も受けました。先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、教育委員会として積極的に参加促進、内容の充実をするように努めていきたいというふうに考えてございます。
○佐伯委員 そうしましたら、もろもろ、今までのこと含めて、総体陸上等含めて、教育長、ぜひこういったものの部活動の振興のために、教育委員会が中心となって、先頭に立って動いていただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。
○沼口教育長 教育委員会でも、子どもたちの体力向上、これを最重要課題としていますので、よく学校とも相談しながら、充実に努めてまいりたいと思います。
○佐伯委員 またこれにつきましては、分科会等で酒井議員にしっかりとやっていただきたいと思いますので。
 次に、教育委員会表彰について聞きますけども、先日、基準もいただきました。いろいろと基準があって、表彰とか、いろいろあるんですけども、その中で、部活の指導で熱心だった先生などへの表彰がこの規定にはないと思うんですけども、私は、部活を一生懸命やって、子どもたちと必死にこれを取り組んだという先生というのは、表彰なり何なりの対象にすべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。
○村木教育経営担当参事 ただいま御紹介もありましたけれども、全国レベルの大会、競技会、コンクールなどで3位以上に導いた部活動の指導者などにつきましては、学校教育の推進・発展に功労があった者として、表彰基準に該当してございます。学校からの推薦をいただければ、こうした指導者については候補者として審査対象となりますので、校長会等を通じまして改めて周知をしてまいります。
○佐伯委員 全国大会3位というと、かなりのレベルになると思うんですよね。やはりこういった基準についてももう一回見直しをしていただいて、ぜひ先生の励みになるようにしていただきたいと思うんですけど。
 もう1点、この表彰を見てみますと、区内の私立学校が多いということも特徴的に見られると思います。もちろん私立にほかの区から来て、ほかのまちから来て、中野区内の学校でいい成績をおさめた子を表彰しちゃいけないというわけじゃありません。もちろんしっかりと表彰してあげるべきだと思いますけれども、一方で、中野区の出身で、中野に住んでいて、よその区で、よその市でいい成績を残した、全国大会に出場した、こういう選手というのは、やはりしっかりと表彰するべきだと思うんですけど。
 例えば昨年の夏の甲子園、中野区の少年野球出身で、中野区立の中学校を出ている選手が2人、甲子園に出場しています。理事者の方の中で、セクションは問いません。こういったことを御存じの方、いらっしゃいますか。御存じの人はちょっと御披露をお願いします。
○角南中野地域センター所長 私が聞いているのは、二中の生徒ということでお伺いしています。
○佐伯委員 二中と九中から1人ずつ出ていますね。国士館高校のピッチャーと、あと、神宮の予選でホームランを打った二中の子です。こういった子も、少年野球連盟とか、サッカーでいえば少年サッカー連盟、いろいろと網を張っておけば、いろんな情報が入ってくると思うんです。
 もう一つ、ことし1月2日、さっき箱根駅伝の話をしましたけども、大学ラグビーがありました。関東学院大学に破れはしましたけども、同志社大学のナンバー8、これは北中野中学校出身です。3年生です。来年度はキャプテンです、名門同志社大学の。こういった選手というのは、やはり教育委員会としてしっかりと、卒業後もきっちりと見ていっていただきたいと思いますし、こういった選手も中野区の中で表彰というような対象にしていっていただけたらなと、お願いしたいと思いますけども。
 例えばこういう優秀な選手を、中野の教育だより--教育だよりの中では、どこかの学校が常葉へ行きました。常葉で農作業をやってきました。いろんな記事が出ています。いろんな記事はありますけども、そういった中で、こういう、中野から外へ出ていろいろ優秀な成績を残した、これから恐らくオールジャパンなんていう選手も出てくる可能性があると思います。こういった選手を教育だより等で取り上げることによって、区内の青少年のスポーツ、こういった意識を高めていくということ、考えられないでしょうか。
○村木教育経営担当参事 前段の御要望につきましては、担当の教育経営といたしまして、みずからアンテナを高く張って、対応ができるのではないかというふうにも考えておりますので、その意味では努力をしてまいります。
 また、あわせまして、活躍した選手のインタビューを教育だよりに掲載することなどにつきましては、その方向で考えてまいります。
○佐伯委員 ぜひお願いします。
 この項の最後なんですけども、文教の資料33、これで、球技開放の登録団体、登録者数を出していただきました。野球、軟式野球が21団体1,548人、サッカーが16団体1,017人、ソフトボールが1団体21人ということになっているんですけども、今、サッカーと野球、共存共栄で一生懸命やっているんですけれども、やはりいかんせん、球技開放、野球のできない学校、これは色分けしていただいたんですけども、12校がサッカーのみということになってしまっています、29校のうち。既に私の周りでも、朝9時までしか使っていないところがあるんだとか、いろいろな御要望も来ています。サッカーの指定校で、朝しか使っていないというようなところもあるというようなことも話が来ているんですけども、こうしたところ、実態を調査しながら、もちろん野球の試合はできないとはいえ、野球にも開放できるような、そういった方向というのは考えていただけないでしょうか。
○大沼生涯学習担当参事 球技開放なんですけれども、それぞれ学校に遊び場開放委員会というのがございます。その中で利用の枠、時間等を決めてございます。今の御指摘については、実態調査をきちんと把握しまして、サッカー、野球が有効に利用できるように取り計らっていきたいと思っています。
○佐伯委員 ぜひお願いします。
 最後に、その他で1点お聞きをさせていただきたいと思います。
 昨年の4定の一般質問で私は、中野のコミュニティバス「なかのん」の運行経路につきまして、上鷺宮三丁目、四丁目の住民の便宜を図って、八成小学校まで行くのであれば、その先まで行って、千川通りを回って中杉通りを戻ってくる、そういう経路にすべきではないかというような質問をしました。ところが、そのときに返ってきた答弁は、中杉通りには多くのバス路線があり、交通渋滞に拍車をかけるというようなことを区長が答弁されました。CTNを通じて、うちの地域にもそういった答弁が流れました。1時間に2本バスがふえるということで、中杉通りというのはそんなに交通渋滞に拍車がかかる、そういうふうにお考えなんでしょうか。
○尾﨑土木担当課長 コミュニティバスが千川通りを経由するルートで運行できなかった理由の中で、一つは、中杉通りの交通問題があるとお答えしております。中杉通りが新青梅街道と交差する鷺宮四丁目の交差点においては、中杉通りには右折レーンがない、右折車線がないことや、交差点の手前にバス停留所があること、西武新宿線の踏切による影響もあり、特に朝の時間帯は渋滞が生じているところでございます。既に中杉通りには、中村橋から阿佐ケ谷行き、荻窪行きなどのバスが頻繁に運行されており、新たなバス路線の運行は渋滞へ影響を及ぼすことから、そのようなお答えをいたしました。
○佐伯委員 渋滞に拍車がかかるという答弁をしていませんか、そういう表現を。
○尾﨑土木担当課長 確かに答弁の中で、拍車がかかるというような言い方をしております。
○佐伯委員 私は別に答弁を書いた尾﨑課長を責めるわけじゃありません。本会議の答弁ですよ。部長会とか開かれて、全部の部長さんが見るわけでしょう。その部長さんがみんな見て、1時間に2本バスがふえて交通渋滞に拍車がかかるなんていうこと、だれもおかしく思わないんですか、不思議に思わないんですか。私はこの答弁を聞いて、住民から要望を受けたときに、どういうふうに実現していくかと考えるよりも、いかにうまいことを言って断る方法がとれるか、そういう区政になってしまっているんじゃないかと心配するんですよ。部長さん方の中で、1時間に2本、中杉通り、バスがふえたから交通渋滞に拍車がかかる、おかしいと思う人いないんですか。私はやはりこれ、こういったことというのは、断ればいいというものじゃないですよ。ただ本当にできない理由だけをつくっている。そういうふうに感じてしまうんです。
 最後に区長にお願いしますけれども、お聞きしますけども、住民から要望が出たとき、議会から要望が出たときに、どうしたらできるだろうかと。できないことを考える、できない理由を考える人が偉い世界ではなくて、しっかりと要望を受けとめて、できる方法、できる手段を考える、そういう区政にしていただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
○田中区長 中杉通りの朝夕の渋滞、特に朝の通勤時間帯の渋滞というのはひどいものでありまして、1時間2便といえども、私は拍車をかけるというふうに思っております。何でもできない理由をすぐ探して答えるということではなくて、何でも前向きにとらえて検討するようにというふうに私ども気にしているところです。
○佐伯委員 それをおっしゃるのでしたら、「なかのん」の朝の運行時間を見てください。そんなに混雑をする時間から走り始めているのかどうか。込むのは7時台です。7時か7時半の間です。ぜひそういったあたりを見て、やはり要望が出たときにはきっちり答えていただきたい。残念ながら、今の区長の答弁を聞いて私は失望しました。やっぱり本当に、できない理由を考えるんじゃなくて、ぜひお願いしたいと思います。
 以上申し上げまして、私の総括質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○斉藤(金)委員長 以上で佐伯委員の質疑を終了いたしました。
 次に、むとう有子委員、お願いいたします。
○むとう委員 私の持ち時間は60分ですので、簡単で端的でわかりやすい御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 まず1点目に、食品衛生監視員の増員についてお尋ねいたします。
 アメリカ産牛肉の輸入が、多くの心配や反対の声を押し切って、昨年12月12日に再開されました。それからわずか1カ月後の1月20日に、特定危険部位の背骨がついたままの牛肉が成田空港検疫所で発見され、直ちに輸入再停止となっています。その間に輸入された牛肉はどのようになっているのかなど、BSEをめぐって日本政府やアメリカ政府に対する不信感は高まっています。BSEを初め、鳥インフルエンザ、遺伝子組みかえ食品、残留農薬や食品添加物、食品の偽装表示問題等、食の安全の確保が急務になっている現在、その責任の一端を担っている食品衛生監視指導業務の充実・拡充が区民から求められています。
 中野区は全国に先駆けて、1993年に食品安全委員会を条例で設置し、食品の安全確保を推進してきた経緯があります。これまでに時代の先取りとも言える三つの答申が出されましたが、その答申内容が区政に生かされてこなかったことが残念です。おくればせながら国がやっと重い腰を上げ、2003年5月に食品安全基準法が公布され、食品衛生法も制定以来半世紀ぶりに大改正されました。これにより食品衛生監視指導計画の策定が決定されて、このたび2006年度、中野区食品衛生監視指導計画案が公表され、意見募集が実施されたところです。
 この指導計画案を読みますと、食中毒対策、不正な添加物などの違反食品や、異物混入などの苦情対策、有害食品などの交易流通防止対策、輸入食品の安全確保対策、適正表示への対策、食肉衛生対策など、それぞれの対策のための監視指導の強化と、汚染実態調査、細菌検査、化学検査の実施、さらに、区民・事業者・行政間の情報及び意見交換や講習会の実施など、年間実施事業計画が詳細に記されています。立入検査の予定件数は8,000件と、2006年度に向けて食品の安全確保に取り組む保健所の食品衛生監視員の皆さんの意気込みが感じられる指導計画案となっています。
 さて、この指導計画案について、区民からはどのような意見が寄せられたのか、簡単に御紹介ください。
○飯塚生活衛生担当課長 お答えいたします。現在、寄せられた意見等につきましては集計中でございますが、多くは質問に類するものでございました。ただ、その中から意見と考えられるものを幾つか御紹介申し上げます。
 食品安全対策のための区の活動、これをもっとPRしてほしい。それから、食品監視指導計画をホームページ等で公表するのみではなく、イベントや講習会の場で区民に宣伝してほしい。食の安全確保対策をもっと強化してほしい。新しい食中毒がふえていると聞くけれど、それらについて教えてほしい。また対策を強化してほしい。それから、小規模な八百屋さん、肉屋さんにおいても、産地表示をきちんとするよう指導してほしい。こういったものが主なものでございました。
 以上でございます。
○むとう委員 指導計画どおり監視指導を強化する意気込みをお聞かせください。簡単にどうぞ。
○飯塚生活衛生担当課長 食品というものは直接区民の口に入るものでございますし、区民の健康を守るという観点からも、食品の安全・安心を守っていくということは非常に重要な課題であると認識してございます。食品衛生監視指導計画というのは、そのための基本となるものでございますので、全力を挙げて実施に努めたいというふうに考えてございます。
○むとう委員 ぜひしっかりと取り組んでいただきたいというふうに願っております。
 予算説明書補助資料の213ページ、食品衛生費の安全確保事業の成果指標2の苦情件数ですが、2005年度の見込みが73件で、2006年度も、目標も同じ73件です。この事業の目標は食品の安全・安心確保対策の推進ですので、苦情件数が減るよう努力すべきなのですが、なぜ目標数が同じなのでしょうか、簡単にお答えください。
○飯塚生活衛生担当課長 委員御指摘のとおり、食品につきましては区民の関心が非常に高いということがございまして、寄せられる苦情というのも年々増加しているというような現状がございます。恐らく18年度も苦情というのはふえるだろうというような予想がございました。せめて苦情、これをふやさないということを目標にしようということを考えたわけでございますけれど、御指摘を受けてみれば、確かに目標でございますので、少しでも減らすことを考えるべきだったのかなと、反省しないこともございません。来年度に向けての課題としたいと思います。
○むとう委員 すばらしい指導計画案があるわけですから、苦情件数が減るよう努力をしていただきたいと思います。事業目標を達成する意欲を感じることができない成果指標というのが、実はこのほかにもあることを指摘しておきたいと思います。
 次にいきます。食品衛生監視員とは、食品衛生法施行令第4条で定められた資格を有する方で、中野区には現在7人いらっしゃいます。一番多かった1992年ごろには14人いました。今は仕事内容が当時の2分の1になったわけでもなく、むしろ現在の方が仕事量はふえていると考えられますが、今は2分の1の人数です。ちなみに7人という数は23区最少の人数です。区の面積や監視対策、施設数にもよりますが、極端に少ない人数と言えます。一番多い区は大田区で25人。23区平均では16人です。全国に先駆け14年前から食品安全委員会を設置し、答申し続けているにもかかわらず、形だけで、いかにこの分野に中野区が力を入れてこなかったのかがわかると思います。3年後にはその7人のうちから定年退職者が出てきます。1990年を最後に採用されていません。この職種に限ったことではありませんが、新人が採用されて直ちに一人前に仕事がこなせるわけではありません。
 国レベルでも2006年度に食品衛生監視員の増員を予定しており、行政需要に見合った適正な人員配置を図るとのことです。4月に決定するこの2006年度中野区食品衛生監視指導計画が計画倒れのお題目だけで終わることのないよう、これまで以上に監視指導強化を実現させるためには、計画的に食品衛生監視員を採用すべきと考えますが、今後の採用計画についてお答えください。
○飯塚生活衛生担当課長 若干御説明を申し上げたいと思います。食品衛生監視員という職種の職員というのは7名でございますが、ただいま委員が御指摘になったとおり、食品衛生監視員、これは従事できる職員の要件というのが法律で決められておりまして、必ずしも食品衛生監視員という職種で採用された職員に限らないわけでございます。現在、食品の監視指導に従事している職員のうち、食品衛生監視員という職種の職員は7名でございますけども、その他の職員でこの要件に該当する職員2名が配置されておりまして、9名で監視指導を行っているというのが中野区の現状の実情でございます。
 確かに23区で9名というのは少ない数でございますけれど、中野区は特に監視指導について困難な区ではございません。困難な区というのは、監視対象が非常に多いという、あるいは非常に困難な条件があるというようなことでございまして、どういう区かと申しますと、例えば食品関係の倉庫が集中しているとか、それから、超高層ビル群とか地下街とか、立体的な商業施設が集中しているとか、あるいは食品関係の中小製造業、地場産業、こういったものが多くあるというような区があるわけでございます。地場産業というのは、雷おこしでありますとか、人形焼きとか、そういったたぐいのものでございますけれども。中野区はそういったような要素というのはないということでございますので、そういった事情があるということはここで御認識いただきたいと思います。現在9名で監視指導を行っておりまして、これからも9名でやっていくというふうに考えておるところでございます。
○むとう委員 そういたしますと、私が聞いているのは今後の採用計画なんですが、9人で足りているから採用しないという御答弁でしょうか。一言でお答えください。
○鈴木経営改革担当課長 お答えいたします。食品衛生監視員、今後ぽつぽつと退職が続きます。監視業務というのは、直接職員が行わなければならない業務ですので、その業務ができる体制の確保を図ってまいりたいというふうに考えております。
○むとう委員 ぜひ計画的に採用していただきたいということを要望したいと思います。
 続きまして、特定学童クラブの定員6人の弾力化についてお尋ねいたします。
 障害等により保護・育成に特段の配慮を要する児童の受け入れは、1学童クラブ4人までとされていました。しかし、働く保護者の要請にこたえて、2003年10月より、障害学級のある小学校に対応している学童クラブについては、特定学童クラブとして6人まで受け入れるようになりました。当然のことですが、障害学級のある小学校に対応している桃園、新井、大和、西中野の四つの特定学童クラブには、特段の配慮を要する児童が他の学童クラブよりも集中します。
 かつては制度が整っていなかったこともあり、障害のある子どもを持つ母親は仕事を持てず、子育てに専念する方がほとんどでした。しかし、女性の社会進出が進んだこともありますが、教育費や生活費がかさみ、経済的にも余裕がなくなり、社会全体として専業主婦が激減し、子どもに障害があるなしにかかわらず、大多数の母親が仕事を持っています。このような現状から、特定学童クラブにおける6人という定員枠に固執せず、設定を柔軟に考える必要が出てきています。
 さて、2006年度の利用申請期間は昨年12月1日から1月7日まででした。その結果、西中野学童クラブには、配慮を要すると区が判断した児童が現在7人おり、受け入れ枠が6人であることから、既に在籍している1人に4月から隣接クラブへの転出を区が保護者に求めました。なお、西中野学童クラブの定員は45人ですが、32人の在籍です。定員を大幅に満たしていないにもかかわらず、区は遠く離れた鷺宮学童クラブへの転出を求めました。
 転出を求められたお子さんは現在2年生で、自閉症という障害を持ちながら、家から友達と一緒に西中野小にあるしらさぎ学級へ通い、友達と一緒に西中野学童クラブに通い、1人で家に帰れるようになっています。家から学校へ、学校から学童クラブへ、学童クラブから家へという1日の生活のサイクルを、友達や先生とかかわりながら2年間をかけて確立することができ、今、安定した毎日を送っていらっしゃるそうです。自閉症のお子さんがここまで独力でできるようになることがいかに大きな成果であるかは、自閉症について多少知識のある方であればおわかりになるはずです。保護者は新年度もこのまま西中野学童クラブに通いたいと、子ども家庭部長、担当課長と話し合いを重ねました。
 このことを知った西中野学童クラブ父母の会の方々が、2月8日の区民と区長の対話集会で、区長にこのまま受け入れるよう直接要望をなさったと聞いております。2月20日には西中野学童クラブ父母会から区長及び子ども家庭部長あてに、このまま認めてほしいとの要望書が届けられました。その結果、この2年生のお子さんは新年度もこのまま西中野学童クラブに受け入れられることになったのですが、何と今度は4年生の自閉症のお子さんに若宮学童クラブへの転出を区は求めました。我が子が受け入れられても、ほかの子が追い出されてしまうということで、御両親は深く心を痛めておられました。この間、区は、受け入れるか否かの態度を二転三転させ、区民の心を翻弄しました。
 最終的には、私の質疑通告後の2月24日の午後、希望する8人全員の受け入れが決定したとの報告を受け、心から安堵した次第です。区民の要望にこたえ、区が6人枠に固執せず、柔軟な対応策を講じてくださり、区民の立場に立った事業運営の道を選択なさってくれたことを評価いたします。
 2003年2月に発表された経営改革指針の1番目に、施策や行政サービスに対する区民の満足度を高めることを優先し、サービスの受け手である区民の立場に立って事業運営を行いますとの方針を示しているわけですから、このような結果を導き出せるのであれば、区民を落胆に追い込み、取りつく島もない拒絶の態度ではなく、最初から「検討します」という柔軟な姿勢を見せるべきでした。
 改めて確認いたしますが、障害等により保護・育成に特段の配慮を要する児童の受け入れに関しては、2006年度より6人枠を超えても利用可能となるよう、特定学童クラブの定員の弾力化運用をするということでよろしいでしょうか、お答えください。
○小平子ども育成担当課長 お答えします。ただいま委員から御発言のありましたとおり、既に利用申請している方を対象に受け入れる予定でおります。
○むとう委員 ありがとうございました。
 四つの特定学童クラブのうち大和は、学童クラブ全体の定員を10人を限度に超えて受け入れている中で、さらに特段の配慮を要する児童の枠をふやすことは、施設の面でも過密になるので、安全を守るためには職員の増員をしなければなりません。また、西中野学童クラブは、枠をふやすこととともに、障害児の放課後の受け皿のシステムの確立のための準備を進める仕事も請け負うことになると聞いています。このことも踏まえ、職員の配置はこの状態に対応できる経験と責任を持った立場の正規の職員が今までどおり配置されることはもとより、当然増員も必要と考えますが、特定学童クラブの職員配置はどのように増員されるのでしょうか。アルバイトや短期雇用の非常勤職員で数だけそろえるというのではなく、枠を広げただけでは、枠を広げた責任を果たせないと考えますが、どのような職員配置になるのかお答えください。
○小平子ども育成担当課長 職員配置についてのお尋ねでございますが、子どもの状況等に応じまして、人的配置が必要だというふうに考えておりますが、具体的な配置の人数等については、児童館、学童クラブ全体の状況により決めていきたいというふうに思っております。
○むとう委員 枠を広げた以上、しっかりと対応できる職員配置ということを心得ていただきたいというふうに要望したいと思います。
 今回の受け入れ枠の変更は、2006年度の申請受け付けが1月7日に締め切られて以降のことですので、一度は提出を受け入れてしまった方から似たような要望が出てくるかもしれません。それに対する対応はどのように講じられるおつもりでしょうか。
○小平子ども育成担当課長 これにつきましては、保護者の要望が前提となりますが、そうした要望があれば、当初希望していた学童クラブの方で受けていくということになろうかと思います。
○むとう委員 今後もますます障害児の学童クラブ利用のニーズは高まり、希望人数はふえると思われます。このたびは急場をしのぐ対応でしたが、2007年度以降についての対応はどのようにお考えでしょうか、お答えください。
○小平子ども育成担当課長 ただいま御発言のありました問題につきましては、単純に定員の問題だけでなく、学童クラブにおけます特別に配慮を要する児童の受け入れのあり方もトータルに含めたものというふうに考えております。この部分も検討いたしまして、2007年度の募集時期までには考え方をお示ししたいというふうに考えております。
○むとう委員 ぜひとも、今回弾力化で8人を受け入れたわけですから、その線を崩すようなことのないようお願いしたいというふうに思います。
 今回の特定学童クラブにおける特段の配慮を要する児童の受け入れ枠の弾力化を求める区民ニーズには、どうにかあたふたとこたえることができましたが、このような事態は早くから予測できていたはずですし、現場の職員からも意見が出ていたはずです。しかしながら、子ども家庭部は全く区民ニーズに対応した動きを見せませんでした。区長選を前にした、区長に区民が要望を出したら動き出し、区民ニーズがかなったという事実を管理職の皆さんはどうとらえていらっしゃるのでしょうか。情けないとはこのことです。区民ニーズに対応し、それにこたえる手段を真摯に考慮し、探し出すことを行政が求められていることを指摘して、この項の質疑を終わります。ありがとうございました。
 次に、個人情報の提供のあり方についてお尋ねいたします。
 2月11日付東京新聞に、国民年金の未納理由などを調べるため、社会保険庁が3年ごとに実施している国民年金被保険者実態調査について、文京区、国分寺市、八王子市の3自治体が、それぞれの個人情報保護条例に抵触するおそれがあるとの判断から協力を拒否、中野区は1月20日の提出期限の3日前に提出との記事が掲載されていました。今回問題となっている調査は、自治体を通じて国民年金加入者の所得や家族構成などを調べるものです。
 しかし、こうした個人情報は自治体が課税のために得たもので、文京区、国分寺市、八王子市は、目的外使用には本人の同意が必要としている各市区の個人情報保護条例に抵触すると判断されたとのことです。社会保険庁は、個人名が特定されることはないと説明していますが、特定しようとする意思が働けば、特定できる危険性があると問題を指摘する専門家もいらっしゃいます。一方では、社会保険庁職員によるデータ不正閲覧事件など、国民は不信感を抱いていることも事実です。
 顧みれば、昨年9月4日の集中豪雨による被害者名簿をNHKと都税事務所に外部提供したことは、個人情報保護条例に違反するとし、区長は厳しく担当課長に対し訓告措置をいたしました。その経過を考え合わせれば、中野区が個人情報保護について厳格な判断を下す区であるとの印象を私は持ちました。
 しかるに、さきの3自治体のように拒否するのかと思いきや、今回の調査に中野区が、個人情報を収集目的の範囲を超えて区の機関以外のものに外部提供したことは、私にとって意外でした。新聞記事には、「情報提供を拒否した自治体の姿勢に賛同する。個人情報は私たち一人ひとりの大切な人権。目的がどうあれ、個人の同意なく国に知られてしまうのは非常に危険だ」と、中野区民の談話が載っていました。
 個人情報保護法が昨年4月に施行され、間もなく1年になりますが、9月4日の水害被災者名簿の外部提供については、杉並区と判断が分かれ、また、今回の実態調査への外部提供についても、自治体の判断が分かれるなど、個人情報をどのように保護するのか、さらに個人の情報にどこまで自己コントロール権を保障するのかが自治体に問われています。私は基本的には、本人の同意なくして個人情報の目的外利用及び外部提供をすべきではないと考えています。たとえ法令の定めがあっても、公の利便性のみで個人の利益につながらない場合は、目的外利用及び外部提供をすべきではないとも考えます。
 よって、個人情報の目的外利用及び外部提供は、初めに本人の同意を前提として、次に、生命、健康、または財産に対する危険を避けるため、緊急かつやむを得ないと認めるときとすべきであるとの考え方に基づきまして質疑いたします。
 今回の実態調査は、統計法第8条第1項に基づく届け出統計調査であり、2004年の国民年金法の改正により、社会保険庁長官は官公署に必要な情報の提供を求めることができるという一文が盛り込まれ、自治体からの個人情報提供に法的根拠を整え、区に調査協力を求めたものです。中野区個人情報保護条例第18条第1項第1号、法令の定めのあるときは外部提供できるに当たるため、問題はないと判断し、区は個人情報の外部提供をしたわけです。しかし、情報提供を求めることができるという「できる規定」であり、強制力を伴わず、義務的なものではありません。判断いかんでは、3自治体のように、中野区も拒否することもできたという理解でよろしいでしょうか。
○榎本戸籍住民担当課長 まず、年金の実態調査に関するところを私の方からお答えしたいと思います。
 まず、簡単に概略を申し上げますと、国民年金の被保険者の実態調査というのは、御質問にもございましたように、国民年金の法第108条の3の規定及び厚生労働省令96条に基づきまして、社会保険庁が全国規模で一斉に行っているものでございます。社会保険庁が国民年金保険者から電算で無作為に抽出して行っているサンプル調査でございまして、中野区内には被保険者が約6万7,000人いらっしゃいますけども、このたび依頼のあったのは380人ということでございます。実施方法は、税情報や国保の加入状況などの情報を調査票に職員が転記しまして、これを紙ベースで社会保険庁に送ったというようなことでございます。
 区としてこれを提供すべきかどうかというようなことの判断のお尋ねでございますけども、国民年金の法的な根拠の有無。あと、2点目は、この調査の目的が国における年金制度改正やさまざまな事務改善、そういったことにつなげていくことにある点。3点目としては、提出の際、氏名・住所・生年月日は切り離して、社会保険庁には提出せず、個人が特定できないように配慮がされている。以上から、妥当性などを総合的に判断して情報提供したものでございます。
 なお、調査への協力を前提といたしまして、当然のことでありますけども、情報の外部提供について、既に個人情報審議会の了承を得て行っているものでございます。
○むとう委員 そのことはよくわかっているんですけれども、「できる規定」ですから、拒否することもできるという理解でよろしいでしょうかというふうに聞いたんですが、そのことについてのお答えがないのですが、榎本課長。簡単にお願いいたします。
○榎本戸籍住民担当課長 「できる規定」で確かにあるわけですけれども、なぜ拒否しなかったのかということですけども、この調査は制度改正などに生かされていることから、必要な調査だというふうに判断したということから、協力した次第でございます。
○むとう委員 ですから、私は、判断いかんでは、3自治体のように拒否することもできるのではないですかというふうにお尋ねしたつもりなんですが、そういうお答えは得られないので、次にいきます。
 では、去年の水害被害者名簿に戻りまして、中野都税事務所によりますと、中野区は昨年9月4日の水害以外にも、これまで都税事務所に水害被害者名簿を提供してきたそうですが、御存じだったでしょうか。また、昨年9月4日に水害被害者名簿を中野都税事務所に外部提供した際は、いかなる根拠に基づいて提供されたのでしょうか。提供した担当課長にお伺いしたいと思います。
○登区民生活部経営担当課長 水害被災者名簿について、以前提供していたのではないかということでございますけども、きちんと確認はできないんですけども、都税事務所の方は、中野区を含め各区からは以前から提供を受けていると。大規模の水害のときは、中野区からも提供されていたという話を受けております。
 それから、都税事務所に対してなぜ提供したのかということでございますけども、都税事務所の方は、地方税法第20条の11に基づきまして、官公署への協力要請という点で提供の協力を求めてまいりました。提供を求めることができるという規定でございますけども。それに対してこちらの方は、当初の私の判断では、法令の根拠があるということから提供したということでございます。
○むとう委員 これまでも提供していたということだと思います。
 それで、中野区の公式見解では、収集目的の範囲を超えた外部提供というふうになっています。しかし、この区の見解の外部提供であったとしても、今、課長の方からお答えがありましたように、地方税法第20条の11、「地方税に関する調査について必要があるときは、官公署又は政府関係機関に、当該調査に関し参考となるべき簿書及び資料の閲覧又は提供その他の協力を求めることができる」という法に基づいて外部提供したもので、社会保険庁に外部提供したことと考え合わせれば、中野区個人情報保護条例に違反していないと判断することもできます。
 しかし、2月20日に、9月4日の水害被災者名簿の件で、私が橋本総務担当参事に電話で問い合わせをしたところ、求めることが「できる規定」は義務的なものではないので、法令の定めがあるとは認めないとの答弁でした。つまり中野区個人情報保護条例第18条に定める外部提供できる要件の第1項第1号、法令の定めがあるときの法令とは、「できる規定」ではなく、義務規定の法令でなければならないということでよろしいでしょうか。そうだとすると、先ほどの国民年金法による、これは総合的に判断されたということではありますけれども、国民年金法も「できる規定」なんですね。これはどのように判断したらいいのでしょうか、お答えください。
○橋本総務担当参事 委員お尋ねの外部提供、条例の18条の1項、その1号では、法令の定めという規定がございます。この法令の定めの規定の解釈といたしましては、例えば法令上、地方税法で申し上げますと、官公署に資料等の請求ができるという文言になってございます。これはあくまでも請求側の規定であります。それを受けた提供する側としては、この規定の拘束を受けません。提供する側では、そういう請求があった際に、これが、提供することが妥当なのかどうか、個別具体的に判断する必要があると思います。
○むとう委員 そういたしますと、法律のほとんどが実は「できる規定」なんです。先ほど御紹介いたしました国民年金法も「できる規定」なんですよ。ですから、「できる規定」をもって、さまざまいろんな状況の中からほかの条件もかみ合わせて判断されるということだとは思いますけれども、中野区としては、「できる規定」については、義務的ではないので、法令の定めがある、強制力を伴うものではないというふうにこれからも判断するということでよろしいでしょうか。
○橋本総務担当参事 先ほどの御答弁、若干追加をさせていただきたいと思います。
 冒頭、国民年金法にかかわります国民年金被保険者の実態調査に関します回答でございますが、戸籍住民課長の方から御答弁させていただきましたが、法令上、国民年金法上請求ができるという規定があり、これを受けとめました中野区といたしましては、あらかじめこの情報については、国民の年金権あるいは区民サービスという観点から、個人情報保護審議会の同意を得てございます。そうした意味合いから、国民年金については回答をしてございます。
 また、昨年の水害に関しましては、都税事務所等へ回答するに当たりまして、個別具体的に判断をさせていただきましたが、個人情報保護審議会にかけることもない、そういういとまもなかったという中での対応ではありましたけれども、法令に基づく提供ではないというふうに判断したところであります。
○むとう委員 1970年4月18日付で出された各都道府県知事、指定都市市長あての厚生省社会・児童家庭局長連名通知、「日本放送協会放送受信料免除基準の一部改正について」というのがあります。その通知には、日本放送協会から免除事由の存否について照会を受けたときは、速やかに所定の回答を行うことと国は都道府県知事、指定都市市長に求めており、この通知と放送法及び総務大臣認可日本放送協会放送受信料免除基準及び災害救助法をもとに、NHKは昨年9月4日の水害だけではなく、過去の大規模の水害のときにも被災者名簿を中野区に求めてきたそうです。そして、中野区もこれに応じてきたということです。
 つまりこれまでは、先ほどの都税事務所もNHKも出してきた。これまでは、個人情報保護条例に違反していたことに気づかずに、NHKと都税事務所に被災者名簿を外部提供してきたということなのか。条例の解釈が昨年の9月に変わったのか。どういうことなのでしょうか。
○橋本総務担当参事 ただいま委員お話しになりました放送法、それから放送協会規約、これらに基づきまして、区の被害者情報をNHKに提供することは、そうした規定その他に基づきまして提供することは、適切ではないと考えております。
○むとう委員 これまで提供してきたわけですけれども、じゃあ、9月になって、適切ではないというふうに区の判断が変わったということでよろしいんでしょうかね。いいんですか。
○橋本総務担当参事 再びのお尋ねですけども、適切ではないと考えております。
○むとう委員 聞いていることに答えていただけないのがとても残念ですが、適切ではなかったけれども、これまで、じゃあ、提供していたということだというふうに受けとめたいと思います。
 また、水害被害者名簿は、区の今度は内部にはどの分野に提供したのでしょうか、教えてください。
○橋本総務担当参事 被害者情報につきましては、区内部の組織といたしましては、区民税の減免措置、介護保険の保険料の減免措置、国民健康保険料の減免措置などの事務的に処理をするために、便宜上そうしたところに提供してございます。また、これらにつきましては、その前提といたしまして、区民への利便を図るということと、もちろん提供した後につきましては、速やかに個人情報保護審議会に報告するということを大前提にしてございます。
○むとう委員 ただいまNHKと都税事務所への提供が、その収集目的の範囲を超えて外部提供に当たると区は判断していたわけですから、同様に、区の機関内部への提供も個人情報保護条例第17条、「実施機関は、保管している個人情報をその収集目的の範囲を超えて区の機関の内部で利用すること」、つまり目的外利用に当たるという判断でよろしいでしょうか。
○橋本総務担当参事 区民税、国民健康保険、介護保険へのこの情報の活用につきましては、収集の範囲を超えた利用ということで、目的外の利用であります。
○むとう委員 目的外利用だったということですが、利用に当たって、条例上の所定の手続を行って利用したのでしょうか。先ほど、財務分野にも提供されたということですので、財務分野の方にお尋ねしたいと思います。
○遠藤税務担当課長 ただいま総務担当参事の方から御答弁申し上げましたけども、特別区民税の減免ということで、便宜上、緊急かつやむを得ないということで提供を受けたものでございます。
○むとう委員 区民税については、目的外利用の第17条第1項第3号、区民の生命、健康または財産に対する危険を避けるために、緊急かつやむを得ないと認めるときということでよろしいんですね。そういたしますと、どれほどの緊急性だったのか、端的にお答えください。
○遠藤税務担当課長 減免ですけども、これは納期限の7日前までに本人からの申請が必要ということでございまして、9月4日の災害につきましては、普通徴収では、第3期の納期限が10月の末日、特別徴収につきましては、9月分の納期限が10月10日ということで、緊急というふうに判断したものでございます。
○むとう委員 そういたしますと、10月10日と10月31日ということですので、1カ月以上あったわけです。ちなみに都税については、先ほど都税事務所はだめだったわけですけれども、都税事務所の方は2期の納付期限が9月30日で、これに間に合うよう手続をすれば4分の3の減免。9月30日に間に合わなければ、3期の納付期限が12月27日で、4分の2の減免になってしまうそうです。ですから、都税事務所は、被災者の利益を考え、緊急性は区税よりもあったというふうに言えると思います。つまり区税は10月31日、都税は9月30日であったという事実です。
 区内部の目的外利用については、今の区税の一例のように、1カ月半以上あっても、緊急かつやむを得ないとの判断をしてきたということは、長年にわたって、1カ月半あって緊急やむを得ないという感覚なわけです。長年にわたってこういうことでは、条例上の手続が厳密になされずに行われていたと言わざるを得ません。これは条例違反ではないんですか。
○橋本総務担当参事 税務、それから国保、介護保険での内部での目的外の利用、これにつきましては、事務の便宜上、適切に、迅速に処理をするために活用させていただきました。もちろん、繰り返しになりますが、区民サービスということが念頭にございます。その後、直ちに個人情報保護審議会に報告をするということを前提にしてございます。
 一方、都税事務所への提供というのは、目的外の利用ではもちろんありますが、同時に外部提供、条例で申し上げますと18条にも該当いたします。委員も御案内だと思いますが、中野区内の組織、中野区役所の中での組織と、それから、中野区役所を出た外の機関での利用、これは大きく違います。つまり中野区からその情報が出るということにつきましては、より一層慎重にならざるを得ません。それはどういうことかと申しますと、中野区の管理下にその情報が置かれないで、その情報が漏えいするリスクが広がっていくということであります。いま1点は、その情報について御自身が、その情報の本人が、その情報の管理権を行使することができない。つまり訂正だとか削除だとか、そういった権限が行使をする領域から外れてしまうということで、外部提供に関してはより一層慎重に対応するということであります。
 都税事務所の問題に戻りますが、都税事務所、同じ官公署でありますが、中野区というところから情報が出て、それが都税事務所にいった場合、中野区がその情報に関与できないということがあります。したがって、18条の運用解釈については、一層の慎重さが求められているというふうに考えております。したがいまして、そうした観点から、区内部での利用、これにつきましては、先ほど来申し上げているとおり、事務処理の迅速化・効率化、区民サービス、そういった意味でこれまで利用させていただきました。
 この手続がどうなのかという問題は後刻残りますが、私ども情報担当セクションといたしましては、より適切な運用が望まれるということから、こうした情報の取り扱いについては十分検討していきたい、そのように考えております。
○むとう委員 多分感覚の違いなのかと思いますけれども、橋本参事は区の内部の方ですから、それぞれ区、全部の内部の組織をすごく信頼しているんだと思います。だけど、個人情報を持っている個人からしたら、同じ例えば税務署でもNHKでも官官です。国民年金もそうです。区役所内部もそうなんですよ。だから、それは区外部で、区の外だからすごく危険性があるとか、区の内部であれば危険性がないなんていうふうに思っているんだとすれば、それは思い上がりだと私は思います。
 それで、個人情報保護条例の17条と18条、読んでいただきたいと思うんですけれども、区内部で目的外利用することができる規定も、区外部に外部提供することができる規定も、全く同じ定めなんですよ。ということは、区内部でも厳密に条例に照らし合わせた運用をしなければならないはずです。個人情報保護条例をつくるときに、17条も18条も同じような手続がなければ、「できる規定」は全く同じなわけです。ということは、やはり外部だからより厳密に、内部だから手ぬるくということは通らないはずです。それは区民の思いからしてもそうです。
 これまで、先ほど言いましたように、区民税ですか、1カ月半もあって緊急やむを得なかったと。だれが1カ月半が緊急なんですか。こういう感覚で内部で目的外利用が、この条例の趣旨が生かされないで、なあなあで内部での目的外利用をされてきた事実があるのではないかというふうに私は感じました。今後、区外部に提供するときも、内部への目的外利用といえども、17条も18条も厳格なる手続をとるべきと私は考えますが、いかがでしょうか。
○橋本総務担当参事 御指摘のとおりだと思います。17条に関しましても、適切な運用が必要だと思っております。
○むとう委員 ぜひ今後からお願いしたいと思います。
 それから、法令の定めの多くは、先ほど申しましたように「できる規定」になっています。義務ではないので、拒否する場合と外部提供する場合と、ケース・バイ・ケースで判断が分かれています。区民にその判断の妥当性が明らかになるよう、法令の定めがあるときの判断について、官から官の利便性のみなのか、あるいは真に個人の利益につながるのかなど、ガイドラインを定める必要性があるかと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本総務担当参事 なかなか具体的なガイドラインを設けることは難しいと思います。ただし、あらかじめ想定される事案につきましては、個人情報保護審議会にかけまして、当該情報につきましてはこういうケースに利用できるとか、そういった事案につきまして審議会で御審議いただきまして、それが一定程度まとまりますれば、ガイドライン的なものになるかと思いますが、直ちに区サイドでもってそのガイドラインをつくるというのは、情報の取り扱いについては区が独断専行でもって行うのではなくて、あくまでも有識者、区民を交えた審議会の中で積み上げてきたこれまでの成果がございますので、そういった中で対応していきたいというふうに考えております。
○むとう委員 今回の国民年金被保険者実態調査については、個人の全くあずかり知らないところで、社会保険庁に所得や家族構成などの個人情報を区が提供したことを不愉快に思っている人もいれば、それほど気にならなかった方もいらっしゃると思います。水害の被災者名簿の件も、受けとめ方はさまざまだっただろうというふうに思います。だからこそ、個人情報を目的外利用または外部提供する際には、でき得る限り本人の同意が優先されるよう条例の運用をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○橋本総務担当参事 目的外の利用あるいは外部提供につきましても、その制限を解除する例外として本人の同意ということが定められております。この本人同意ということがやはり必要なのかなと。自分の情報がいつ、どの事務に使われているのか、そうしたことを承知することが、また自己情報の管理という意味で必要だというふうに考えております。ただ、さまざまな事例がございますので、すべてについて本人同意を求めていくということは、これは不可能だと思います。可能なところでの本人同意ということはこれまでもやってございますので、その辺につきましては工夫をしてまいりたいと思います。
○むとう委員 ぜひお願いしたいと思います。個人情報に自己コントロール権が保障されるような条例の運用となることを要求いたしまして、この項の質疑を終わります。
 次に、事業部制についてお尋ねいたします。
 中野区は2004年度から事業部制を導入しました。ところが、私も含め多くの区民にとっては、事業部制といっても何のことかよくわかりません。最近、中野区の組織名が長くなったり、課という組織が何々分野という組織名称になったり、課長はすべて何々担当課長、そして、統括管理者、執行責任者などと、判然としない役職名が登場してきて、どこに尋ねたらよいのかもわかりにくくなってきています。外から見ると、区役所内部で何をやっているのかさっぱりわかりません。顧客満足どころか、区役所内部の自己満足とやゆされても仕方がないのではないでしょうか。
 一般に事業部制にも長所と短所があり、会社の規模や置かれている状況により、事業部制が適したり適さなかったりする場合があると言われています。先日、ある課長に、事業部制をとっている役所はほかにありますかとお尋ねしたところ、それぞれの省庁の独立性が高いという点では、国の省庁が事業部制に近いというようなことをおっしゃっていました。何か縦割り組織の典型のような気がいたします。
 そこで、お尋ねいたします。事業部制の定義とその長所・短所、また、中野区のこの2年間の事業部制の具体的な成果について、わかりやすく短く一言でお願いいたします。
○鈴木経営改革担当課長 まず、定義からわかりやすくいきたいと思います、簡潔に。
 まず、事業部制というのは、経営に関する権限を事業部に移譲することによって、部門の活動を活性化して、状況の変化に迅速に対応することを可能にする柔軟な組織形態というふうに定義づけられるというふうに思います。
 長所としては、部への権限移譲によりまして、環境や需要の変化を踏まえた素早い対応が可能になるということ。それから、当然、対応の前提としての意思決定も速やかにできるということが1点目にあります。
 2点目は、権限と責任が明確になって、成果の向上に向けた意欲が期待できるということ。
 それと、3点目は、区長がそういった権限を移譲することによって、より政策的、全体を見回して、政策的な事項に集中できることが挙げられます。
 短所としては、どうしても一つの部門を超えた課題への対処がちょっと遅くなりがちかなということが挙げられると思います。
 効果といいますと、2年目でございます。今般の予算の説明のときでも、各事業部長から方針を踏まえた予算編成の重点の置きどころについて発言をさせていただく機会をいただきました。こういうふうな場を通じながら、より事業部がどういうことを目指しているのかということは、やはり区民の方にも見えやすくなったのではないかというふうに私どもは思っておりますし、事業目標について部長が簡潔に目標を設定しているということでは、リーダーシップが十分発揮されているというふうに考えてございます。
○むとう委員 2005年度決算特別委員会における飯島議員の総括質疑でも御指摘がありましたように、事業部制の効果を発揮する大きな手法として、各部の努力により効果的に予算執行した場合は、その努力の結果、つまり執行残額の一定割合を翌々年度の予算配分に上乗せしますということが事業部制の目玉の一つだったと思います。2004年度の予算編成方針にも、各部門別の決算において実質収支が生じた場合は、翌々年度、その一定割合を当該部門が自由に活用できる財源として配分すると明記されています。翌々年度に配分するとお約束したわけですから、各部の努力により実質収支が生じていたと記憶していますので、今示されている2006年度予算に各部が自由に活用できる財源が配分されなければなりません。しかし、予算書からはその部分を読み取ることができません。どこに記載されているのか、一言でお答えください。
○篠原財務担当課長 御指摘の方針につきましては、17年度の予算編成方針の中で既に改めてございます。したがって、18年度予算には一切ございません。
○むとう委員 また、2004年度、2005年度の予算方針には、実質収支が生じたら、翌々年度その部に財源として配分するということが記載されていましたが、おっしゃるとおり、2006年度の予算編成方針ではこの記載が消えています。この実質収支が生じたら配分するという方針は、結局1回も行われずに変更されたということでよろしいですね。やめてしまったとするならば、区長が提唱する計画・実施・評価・改善のPDCAサイクルを踏まえて、この件についても、時間がありませんので簡単にお答えください。
○篠原財務担当課長 PDCAサイクルというよりは、財政上の理由でやめたものでございます。
○むとう委員 そうしたら、2006年度の予算方針には、新たに複数年予算編成という記載がされており、新しい中野をつくる10か年計画の中でも、予算編成に当たり3年間程度の事業規模に相当する予算総額の中で予算編成、管理できる方式を導入しますと記されています。予算書からそれを読み取ることができませんが、どの事業がそれに当たるのでしょうか、簡単にお願いします。
○篠原財務担当課長 18年度は該当するものはございません。
○むとう委員 事業部制のもう一つの目玉として、人事におけるドラフト制というのが華々しく新聞記事になったように記憶しています。このドラフト制は、1回やってみてやめてしまったようです。各事業部が部間異動で対等の権限を持つことに不都合があったのではないかと私は想像します。このドラフト制についても、PDCAサイクルと絡めて、どうしてなのかお答えください、簡潔に。
○長田人事担当課長 お答えをいたします。委員御指摘の新しい方法ということで、いわゆるドラフト制ということでお示しなさっていることは、各部長がくじ引きで人事異動の配置を決める際に、順次部間異動対象者の職員を選択していくと、そういう方法によったものでございます。この制度を導入した理由でございますが、事業部制を導入するに当たり、各事業部長の人事権の強化を図ると。そのことをもって組織の活性化を図っていこうというものでございます。
 このことの効果でございますが、各所属長はもとより、部長がそれぞれの職員の人材育成の面での活用という方面から、人事に関しての関心を高めたといった効果が認められるというふうに考えております。ただし、職員の適性や職員の職務に関する意向といったものが十分に反映されない結果となりまして、人事異動についての最もねらいとするところの適材適所といった観点からは、十分な効果が得られなかったと、こういった総括をしてございます。
 このことから、改めて各部長から、それぞれの部の専門性等に勘案して、必要とする能力とか経験を持った人材についての要望をお伺いし、それを前提として適材適所を図るべく、各部への異動対象者を各部に配分していくと、そういう新しい方法に変えたものでございます。
○むとう委員 努力により執行残額を残せば、お土産がありますよと言いながら、最終的には取り上げてしまうという、だまし討ちのようなお手並みです。各部に平等に人事異動の権限を与えたと思ったら、すぐに取りやめてしまうという朝令暮改、これでは職員のやる気をそぐであろうことは容易に推測できます。区長とともに頑張ろうとはだれも思わなくなってしまうのではないでしょうか。
 さて、区長は2期目の選挙に御出馬される意向を表明されておられますが、この二、三年で区職員の仕事への意欲、満足度は高まったのでしょうか。仕事が原因で心の病を抱える職員もふえているという話を聞きます。民間企業でも、経営がうまくいかないのは組織やシステムのせいだと、次々に組織やシステムを変えた結果、現場がますます混乱して、かえって業績が悪化したというような事例も多々あるようです。一連の経営改革で職員の意欲は向上したのでしょうか。職員のやる気を引き出すことは区長に必要な資質だと思います。そこで、職員の仕事満足度調査をすることを御提案したいと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木経営改革担当課長 事業部制導入、16年度末に一度職員に対してアンケートを行っております。目標を設定して仕事がしやすいかということでは、半数以上の職員がやりやすくなったというふうな結果になってございます。また、今年度末に、そういった視点を踏まえて調査をしたいというふうに考えてございます。
○むとう委員 アンケートの仕方によってはいろんな答えが出ますから、本当にその点十分注意して、本当に職員の意欲を感じ取れる、読み取ることができるような調査内容の工夫をお願いしたいと思います。
 組織経営上のかなめとなる人とお金の方針が大きく変わり、変更となったということは、民間会社の手法である事業部制が区役所にはなじまなかったと言えるのではないでしょうか。小手先のとっぴな改革ではなく、基本的に、職員が心身ともに気持ちよく働ける職場環境の整備こそが、区民のための価値の高いサービス提供につながるはずです。職員が区長にあいさつするとかしないとかの対峙があると聞き及んでいますが、そのレベルでは、区長の経営改革方針が職員に受け入れられなかったことを意味するものであることを、差し出がましいようですが、御指摘させていただきまして、すべての質疑を終わります。
○斉藤(金)委員長 以上でむとう委員の質疑を終了いたします。
 ここで休憩にしたいと思います。
 委員会を休憩いたしますが、3時20分まで休憩いたします。
 委員会を休憩いたします。
      午後3時03分休憩

      午後3時25分開議
○斉藤(金)委員長 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
 佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 予算総括質疑をさせていただきます。
 用意していただいた答弁の中で、質問を時間の関係ではしょるかもしれません。そのときには御容赦願いたいと思います。
 格差社会についてお伺いいたします。
 格差社会がさまざまな場面で取り上げられております。昨日、NHKの朝のテレビ番組でも、「広がる格差社会」と題して特集が放映されておりました。格差社会は広がっている。いや、日本は格差の是正に向かっていると、識者の間でもその見解や原因の分析もさまざまであるところです。しかし、多くの人々が格差の広がりを感じていることは確かで、最近、各新聞社が行った世論調査で浮き彫りになりました。
 昨年朝日新聞が行った全国世論調査では、所得の格差が広がっていると思う人が74%に上り、特に40代、50代の男性が83%と最多であったという結果が出ております。また、1月末に行われました読売新聞社の全国世論調査でも、日本社会が格差社会になりつつあるとの指摘について、そう思う人は計74%と、そう思わない計19%を大きく上回ったという結果が出ています。
 一体なぜこのような受けとめ方が広がっているのか、原因を分析し、対応策を考える必要性があると思います。中野区では格差はどういう状態にあるのか考えてみるために、以下、質問させていただきます。
 年末から年始にかけて毎日新聞で掲載されていた「格差の現場から 患者になれない」の記事で、国民健康保険料が払えず、医療費が全額自己負担となるため、医療を受けずに病気が悪化してしまった人の事例が紹介されておりました。国民健康保険料を滞納している人がふえており、そのため保険医療を受けられなくなっている人は、2004年度は全国で30万6,000世帯になり、2005年度ではさらに5%ふえているということです。
 中野区において、滞納者は、保険料が払えない低所得者の方が多いのでしょうか。滞納者の推移と傾向はどのような状態にあるのでしょうか、お伺いいたします。
○奥山保険医療担当参事 お答えいたします。滞納者の推移でございますが、総体としましては確かに毎年増加傾向になってございます。ただ、払えない状況ということでございますが、低所得者が払えない状況にあるのかということでございますが、全体の中で、低所得世帯である保険料の減額世帯、これは低所得世帯でございますが、これらの収納率につきましては大体90%程度となっております。また、均等割のみの世帯の中で、住民税未申告世帯については収納率が非常に低い状況、大体50%程度にとどまってございますが、申告されて非課税の世帯については、収納率が82%ほどというふうになってございますので、必ずしも低所得世帯が保険料を払っていないというような実態にはない状況にございます。
○佐藤委員 1年以上の滞納者に発行している被保険者資格証明書数の推移についてお伺いいたします。そのために医療が受けられなくなっている人は多くなっているのでしょうか。医療を受けることができるようにどのような対応がされているか、お伺いいたします。
○奥山保険医療担当参事 資格証明書につきましては、一たん医療機関では10割負担していただきまして、後日、特別療養費という形で申請していただいて給付するという資格でございます。実際にこの資格証明書を発行された方についての状況でございますが、実際に医療にかかる時点で、滞納、保険料についての御相談にいらっしゃって、その中で一部保険料を納めていただく。また、納付のお約束をいただいて、分納、分割納付をしていただく、そういったことで、保険証を短期の保険証に切りかえる。そういったことをやってございまして、現実に医療にかかれないということで、冒頭で御紹介ございましたようなケースは、ほとんどないのではないかというふうに、中野区ではそういうふうに考えてございます。
○佐藤委員 低所得者には2割、5割、7割、先ほどおっしゃったように軽減策が実施されていますが、軽減対象者数はふえているのでしょうか。滞納率はどうでしょうか。また、軽減や減免の情報提供が他の自治体よりもされておりませんが、区のしおり等で、軽減策や、また減免等ができることをきちんと伝えるべきではないでしょうか、お伺いいたします。
○奥山保険医療担当参事 低所得者の保険料の軽減世帯数でございます。5割、7割減額がございますが、これにつきましては、毎年少しずつ増加している傾向がございます。14年度が2万3,300世帯、15年度が2万3,700世帯、16年度が2万4,500世帯というような状況になってございます。それと、これらの減額世帯の収納率でございますが、先ほどちょっと申し上げましたが、90%程度で推移してございます。
 あと、減免制度でございます。これは災害とか、また、その他特別な事情がある場合に適用される制度でございますが、この周知につきましては、国保世帯全世帯に配布してございます国保ガイド、また区報などで周知するとともに、実際の納付相談とか、そういった窓口での御相談の際に、この制度について周知しているところでございます。
○佐藤委員 より周知の方法をぜひ検討していっていただきたいと思いますが、今までの御答弁をお伺いしますと、低所得者というよりも、いわゆる制度を御存じない、その制度にかかわらないという、まず税の申告をしていない人、あるいは、そういう人は多分フリーターとか、若い人に多いんじゃないかと思うんですけれども、どういう傾向にあるでしょうか。
○奥山保険医療担当参事 実際に数字を正確に把握しているというものは持ってございませんが、滞納整理などの傾向の中では、御指摘のように、20代から30歳前半ぐらいにかけての長期未納の方、国保制度に該当しているんですけど、なかなか御理解を得られずに、保険料の支払いも滞っているという、そんな傾向が見られております。
○佐藤委員 制度に乗れば、つまり軽減策とか減免策とか、低所得の方にはさまざまな制度が用意されている。そういうことで、制度に乗った方に関してはかなり、低所得の方は納付率が高く、きちっとそういう意味で保険医療を受けていらっしゃるというところで、今、現在の問題は、要するに制度の枠の中に入らない方たちにどう制度の枠に入っていただくのかということが大きな問題だろうなと、今、御答弁をお聞きしながら感じましたので、ぜひその辺の周知の方をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 生活保護受給者は、国全体で1995年88万人であったのが、2005年には143万人と1.6倍にふえています。中野区でも生活保護受給者は、1995年度2,838人であったのが、2005年度には5,163人と、10年間で1.8倍にふえました。そのうち高齢者世帯が約半分で、約2,000世帯になるそうです。高齢化が進むにつれてその数もどんどんふえており、今後もふえると予想されております。一方、国全体では、生活保護の対象になる世帯は約480万世帯あるが、実際受給しているのは約100万世帯と言われております。低所得層の8割近くがいわゆる生活保護と同等の所得層にあるにもかかわらず、生活保護を受けていない状態にある。それが問題であるとも言われております。
 中野区では、生活保護受給者と同等またはそれ以下にある低所得の方たちは、どのくらいの数なんでしょうか。また、その数がふえているのかどうなのか、その傾向についてお伺いいたします。
○遠藤税務担当課長 今、委員お尋ねの生活保護受給者と同等またはそれ以下にある者というお尋ねですけども、これについては、具体的な統計等をとってございませんので、課税データをもとにお答えしたいというふうに考えております。
 平成17年度特別区税、区民税の当初課税の処理の中で、非課税となった者のうち、収入がゼロのため非課税となった方が2,381人いらっしゃいます。生活保護法の生活扶助基準を若干上回る水準に定めております均等割非課税限度額の所得基準以下の方が2万1,022人。合わせて2万3,403人いらっしゃいます。平成17年の1月1日現在の20歳以上の区内人口に対しては、その割合としては約9%となっております。この人数については、ふえる傾向にございます。
○佐藤委員 区民の所得水準についてお伺いいたします。
 昨年2月に発表された経済協力開発機構のレポートによりますと、日本の貧困率は15.3%で、メキシコ、アメリカ、トルコ、アイルランドに次いで5番目ということです。本当に驚きました。最も貧困率の低い国はデンマークで、4.3%だそうです。貧困率は、所得の中央値の半分以下の所得で生活している人の比率で、日本の中央値は2002年で476万円ということですから、半分の238万円以下の所得の人が15.3%いることになります。1994年の日本の貧困率は8.4%ということですから、8年間で2倍近く増加したことになります。
 中野区ではどういう状況なのでしょうか。総務省の課税所得額の1人当たり所得額、2002年度データによると、中野区は対納税義務者では422万5,000円。区部平均では447万2,000円なので、中野区は平均より区民所得額が低いということがあらわれております。もっと最近のデータが欲しかったんですけども、いわゆる国勢調査に合わせてということで、一番最新のものが2002年度ということになっておりました。
 また、高額納税者の人口1万人当たりの人数については、中野区は16.3人で、区部平均22.7人より低く、一部の高額所得者に所得水準が引っ張られているということは、例えば港区と比較するとない。港区は圧倒的に高額所得者が多く、所得水準も高くあります。そういう意味でいうと、格差が少ないということも言えると思います。区民全体の所得水準が低い状況にあると考えます。住民の半分以上が単身世帯であるということや、20代、30代の人口が最も多いという中野区の地域特性が影響しているものと思われます。
 中野区民の所得水準の状況、他の自治体に比べての特徴とその原因はどのように分析されているのか、お伺いいたします。
○遠藤税務担当課長 納税義務者数では、課税標準額200万円以下の方、区民税の税率が3%の層になりますけども、この層が55%となっておりまして、23区平均の53.6%より高くなってございます。それと、2,000万円を超える高額層、これで比較いたしますと、中野区内が0.9%になっております。23区の平均が1.2%でありますから、高額層のは低いということになっております。
 また、平成17年度課税の1人当たりの総所得金額、これで見てみますと、平成16年度までは全世代で減少を続けてきております。平成17年度には20歳、40歳、50歳代が増加に転じております。30歳代と60歳以上では所得が減少しております。なお、60歳以上の方のここ数年の減少の傾向、これが大きくなっております。
 1人当たりの所得割課税額が最も大きいのが50歳代になっておりますけども、この納税義務者数は減少傾向にございます。所得割課税額の少ない30歳代が増加している傾向にあります。また、先ほど申しましたように、課税額が減少している60歳以上の納税義務者数ですけども、これが増加しております。
 1人当たりの総所得金額は、平成17年度課税では、23区平均の424万5,000円と比較いたしますと、29万7,000円ほど低くなっております。また、前年度からの所得の伸びというものを見た場合、23区平均では0.3%の増となっておりますけども、中野区では0.6%の減となってございます。23区の所得の動向、これを見ますと、その動向が中野区民にはそのまま反映されていないということが言えるのではないかと思います。
○佐藤委員 失業率についてお伺いします。
 全国の若者の失業率は8.6%で、全体の失業率4.5%の約2倍にもなっているという結果が出ております。全体の失業率は低くなっている中で、若者の失業率はふえております。非正規雇用者は31.5%で、10年前の5分の1から3分の1へと大きくふえました。正社員の平均年収は531万円であるのに、派遣社員は226万円、フリーターは167万円と、生活保護受給者と同等か、それ以下の所得となっております。若者の間に格差が広がっていることを裏付けていると思います。
 中野区民の失業率と傾向はどのような状況にあるのでしょうか。また、区としてどのような改善策や対応を行っているのか。またあわせて、失業し、生活保護になっている人の就労支援、これは大事です。就労支援はどのようなものを考えているのか、あわせてお伺いいたします。
○鳥井産業振興担当課長 まず、中野区民の失業率につきましてのお尋ねでございますが、中野区のみのデータはございませんので、東京都の全体のデータでお答えを申し上げます。
 東京都におきます完全失業率の最新データは4.3%となってございます。これは平成17年の10月から12月の平均データでございます。平成16年の同期に比べまして、0.6ポイント低下しております。全体としては改善に向かっておりますが、依然として厳しい状況でございます。また、15歳から24歳の方に限って申し上げますと、8.1%ということで、平均よりもかなり高い失業率になってございます。
 それから、こういった状況に対して区としてどのような対応を行っているかということでございますが、区では平成17年度から、就業の支援を新たに区政目標にいたしまして、17年度は求職活動支援セミナーなどを実施したところでございます。18年度でございますが、まず、求職活動を支援するセミナーを実施いたします。これは団塊世代、それから、高齢者の方向けにセミナーを実施したいということで考えてございます。また、仕事を求める区民の皆様と、人を求める区内企業のマッチングを目指して、就職相談会を開催したいというふうに予定してございます。
 それから、若年者の方につきましては、いわゆるニートの問題が大きな課題であるというふうに考えてございますので、来年度はニート問題検討会、教育や保健医療関係者などをメンバーにいたしまして検討会をつくりまして、まずはニートの実態把握、それから、基礎的自治体としての有効な支援策、また、国や東京都との連携、こういったことにつきまして中心に検討してまいりたいと、そのように思ってございます。
○浅野生活援護担当課長 お答えいたします。生活保護受給世帯の就労支援のことについてお答えいたします。
 生活保護世帯については、自立の助長という観点から、これまでも生活保護分野内で就労指導推進ケースという形で、就労の可能性のある方を選定いたしまして、就労への働きかけを行ってまいりました。平成17年度に、新たに国の提唱いたします生活保護受給者等就労支援事業というのが始まりまして、これは公共職業安定所と連携いたしまして、就労あるいは技術訓練を希望する生活保護受給者の方に、職業の紹介、職業訓練校のあっせんなどを行うものでございます。今年度は現時点で45名の方がその事業を利用しておりまして、その中で既に18名の方が新たに仕事についております。また、来年はさらに非常勤の就労支援員を設置いたしまして、今申し上げた事業、それからさらに、就労を希望する被保護者に対する就労支援をさらに拡大していきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 ぜひ就労支援策、頑張っていただきたいと思います。
 この2年ほど、ホームレス支援の現場に私は時々かかわってきました。何で佐藤さんそんなことやっているのと、あきれられたりしてきましたけれども、現場に行くと、何らかの障害を持つ人が、家庭や地域や働く場からはじかれて路上生活に至っている実態、また、ホームレスの中に若者が大変まざってきているという驚くべき現実に向き合い、どうすればよいのかということを考えざるを得ない思いに駆られております。
 支援するボランティア団体も若い人たちが中心になっております。なぜボランティアとしてかかわっていくのとその方たちに聞きますと、自分自身も引きこもっていたり、登校拒否をしていたりということがある。だから、気持ちがよくわかるということで、人ごととは思えないということで、今度はそういう方たちの支援として頑張っている若い人たちがたくさんいるということにも驚かされました。ニートや引きこもりも、家庭というとりでが崩壊すれば、路上にほうり出される予備軍だからです。格差社会は、年金などの社会保障の枠に少なくとも支えられている高齢者よりも、これから時代を背負っていく若者たちにこれから深刻になるというデータも出ております。
 この間行われてきた地域生活支援事業により、自立支援が促進され、路上生活者の数が減ってきているということです。来年度さらに自立支援を進めるために、巡回相談を行う新規事業が都で予定されていると聞きますが、中野区としてはどう取り組むのでしょうか、お伺いいたします。
○浅野生活援護担当課長 今、委員の方から御紹介のありました地域生活移行支援事業といいますのは、平成16年度から今年度、2カ年で行われているものでございまして、都内にある五つの大きな公園にいるホームレスの方を対象にして、その方にアパートをあっせんし、自立を図っていくというものでございます。
 来年度からは、これを都区共同事業、先ほどの事業も都区共同事業ですが、引き続きの形としまして、この対象者を23区内の公園にいる方に拡大して、巡回相談事業を、これはブロック別に行っていこうというところまでは計画ができております。ただ、具体的な方策については、まだこれから協議することになっておりますが。中野区といたしましても、区内の公園にいるホームレスの方について、こういった巡回相談事業の紹介等を行いながら、できるだけ自立を支援していきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 ありがとうございます。
 来年度、新たに中野区の公園の巡回警備が行われる予定です。もちろん、ホームレスの方がいるので大変不安だという地域住民の声も私の方にも届けられておりますので、できるだけそういうところで摩擦が起こらないような形での巡回相談も必要だと思います。ホームレスの自立支援の特別措置法、いわゆる国の法律では、自立の支援に関する施策との連携を図ることとなっております。公園の巡回の折に、自立の支援に関する情報提供を同時に行えるように、公園担当と連携をとる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 来年度、公園道路分野の方で実施いたします公園巡回事業、これにつきましては、私どももこの事業との連携は欠かせないというふうに考えております。巡回の際に、例えば先ほども言いましたホームレスの自立支援策、こういったものを紹介するパンフレットの配布を依頼したり、あるいは、23区で都区共同事業で行います巡回事業とのタイアップですとか、あるいは職員の動向、そういった形で連携を深めていきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 ボランティアの方たちは言います。配るおにぎりはその人の空腹を満たすものではない。あなたのことを気にかけている私たちがいますよということを根気強く伝え、人間不信、社会不信を取り除き、その方が前向きに生きる意欲を引き出していくためだと言います。どんな自立支援策も、相手との会話が成り立たなければ功を奏しない。本当に現場の方がよく御存じだと思います。コミュニケーションがとれなければ、どんなに行政がすばらしい政策を持っていても、その方に伝わったり、その方に利用していただくことができないわけです。
 格差社会の問題は、私は、人と人とのつながりがどんどん崩壊し始めていることにあるのではないかと思います。特に都市部においては、人と人とのつながりをどう再生していくのかが大きな課題だと思いますので、ぜひそれを全庁的に御検討されて取り組んでいただきますようにお願い申し上げます。
 次に、重い障害があっても安心できる支援策についてお伺いいたします。
 災害時の要援護者対応についてです。現在、災害時要援護者と家族のための防災マニュアルが策定中であると聞きます。当事者や家族がどう対応すればいいかのマニュアルであって、援護に当たる側の区の職員や防災会、ボランティアなど関係者がどう対応したらいいのかのマニュアルも必要ではないかというお声も届いております。防災会においては、手挙げ方式での名簿を渡されたものの、具体的にどういう体制で臨めばいいのか不安だというお声もあります。援護する側がどう対応すればよいのか、具体的なマニュアルづくりが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 また、障害当事者の方の意見や要望を入れてほしいという声も、障害者当事者の方から届いております。当事者の方々が主催して、障害者の災害時の対応の検討会を設置しようという動きもあります。区も参加して、関係機関とも連携し、実効性のあるマニュアルづくりを行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○斎木防災担当課長 お答えいたします。災害要援護者のマニュアルにつきましては、援護する側のマニュアルも必要と認識しております。そこで、現在改訂を進めている災害要援護者と家族のための防災マニュアルの中で、そうした障害の対象別に、困っている状況や対応方法について整理したものを盛り込む予定でございます。それを作成次第、防災会へ配布し、それを活用していただくと、このように考えてございます。
 それから、もう1点の災害要援護者の方々が連絡会をつくると。そういうところの出席についてということでございますけども、これまでも改訂マニュアルを作成する折に、福祉団体連合会、また個別の団体の話し合いを持ってきたところでございます。そういったことでございますので、そのような機会や場がありましたら出席したいと、このように考えてございます。
○佐藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、障害者自立支援法について2点お伺いいたします。
 障害程度区分が決められる中で、サービスが制限されるのではないかという不安があります。自立支援法の趣旨にのっとり、だれもが地域で在宅での暮らしができるように、24時間在宅介護が必要な人には24時間介護サービスが支給できるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○瀬田中部保健福祉センター所長 障害者の自立支援法のもとにありましては、特に障害の重い方々に対しまして、居宅介護など複数のサービスを包括的に提供する、重度障害者等包括支援といった新しいサービスの仕組みが予定されております。ただ、現時点におきましては、国からこのサービス制度の詳細部分がいまだ提示されていない状況にございますことから、新しいサービスを踏まえての区の具体的な検討はこれからとなる予定です。区といたしましては、どんなに重い障害をお持ちの方でありましても、御本人の身体状況、サービスにおける利用意向などを十分に勘案しつつ、真に必要とされるサービス内容に対しましては、より適切かつ効果的なサービスが整うよう、できる限りの支援をしていくよう努めてまいりたいと考えております。
○佐藤委員 高齢者の方は、介護保険の中で同じ6段階でも、いわゆる最後、在宅で住めなくなったとき、本当に介護サービスの上限がありますから、住めなくなったときに結局特養に行くということでなさっています。しかし、障害を持つ方が今すごく不安に思っているのは、やっぱり介護保険と6段階ということで、あわせていったらば、自分たちはいわゆる施設から地域に、この流れは本当に今、国を挙げてやっているところですよね。国は施設の解体、施設から地域にという動きをつくっております。そうしたときに、地域で24時間支えられなければ、じゃあ、また施設に戻らざるを得ないのか。これは全然やっぱり法の趣旨からしても違うと思います。ですから、本当に国が今、具体的なことは示していない中でも、やはり24時間きちっと中野区としては支えてまいりますということは、必要な方にはきちっとやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○瀬田中部保健福祉センター所長 国の方からも、サービスの提供については、実態に即した基準、あるいは著しく重度の障害の方に対しましては十分な配慮をするということから、これから詳細な内容も示させる予定ですので、そういったことも受けまして、区としてできる限りの支援をしていくように努めてまいりたいというふうに考えております。
○佐藤委員 24時間必要だとおっしゃる方がいたら、じゃあ、できる限り24時間を支給していく方向でということでよろしいんでしょうか。
○瀬田中部保健福祉センター所長 でき得る限りの支援をさせていただく予定で考えております。
○佐藤委員 制度の変わり目の中で、利用者の不安が大変大きくなっていることも先ほど言いました。必要な人がサービスを利用しやすくする方策、いわゆる1割負担とか、新しくいろんな不安要因が出てきます。だけども、負担しても、サービスがよくなるということが見えないと、やはりその負担というのが一体何なのかということも出てくると思います。どんなふうに利用しやすいサービスにしていくのかということは、何か方策は検討されているでしょうか。
○田中障害福祉担当課長 お答えします。障害者自立支援法では、地域生活支援事業の実施によりまして、地域の実情に応じたサービスを提供することになってございます。地域生活支援事業の詳細については今後検討する課題でございますけども、その中で、区民が本当に必要とするサービス、利用しやすいサービスは何なのかということについて検討していきたいと考えてございます。例えば充実策の一つとして、現行の支援費制度では、いわゆる通勤時のガイドヘルプというものは使えないわけでございますけども、障害者の就労を促進するという観点から、就職時の一定期間について、通勤になれるまでガイドヘルプができるようにできないかというようなことについて、積極的に検討してまいりたいと考えてございます。
○佐藤委員 積極的な御答弁ありがとうございます。ぜひまたそれに限らず、こういうことをもっと利用を、サービスを充実させてほしいという、これからのお声にも積極的にこたえていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 財政について次にお伺いいたします。
 基金についてです。その中の財政調整基金についてお伺いいたします。
 特定目的基金と違って、財政調整基金は年度間の財源を調整することが目的であると説明されていますが、その説明だけでは、この基金の目的や必要性については区民によく伝わりません。例えばどのようなことに使われていくのか例を挙げて、この基金の目的と必要性についてわかりやすく説明してください。
○篠原財務担当課長 お答えします。財政調整基金、この目的でございますが、経済状況、それから景気の変動などによりまして、財源が著しく不足する場合がございます。その際に活用することによりまして、年度間の財源を調整いたしまして、長期的な視点での財政の健全化を図る、こういったことを目的としたものでございます。
○佐藤委員 来年度末の積立予定額とその内訳は幾らでしょうか。
○篠原財務担当課長 18年度末の財政調整基金の残高見込みでございますが、約120億円程度というふうに見込んでございます。その内訳でございますが、年度間調整分が約62億円、それから、施設維持改修分が約25億円、それから、退職手当分といたしまして約33億円というふうになる予定でございます。
○佐藤委員 今後、何を目的に、幾らを目標に積み立てていくのか、内訳も含めて具体的に説明してください。
○篠原財務担当課長 この財政調整基金につきましては、17年度末の見込みが107億円になる予定です。これは、予算の資料でもお配りしておりますが、23区中でも11番目となってございます。ただ、特定目的基金を含めました総額では、いまだ20番目というような状況になっております。こうしたことから、財務担当の希望とすれば、財政調整基金につきましては、標準財政規模の約3分の1程度、17年度の規模でいきますと660億円でございますので、220億円程度まで積み立てることがより好ましいというふうに考えてございます。
○佐藤委員 今後、増税により低所得者が厳しい生活状態になっていくことが予想されます。そのときにも、自治体が区民の生活をしっかり支えることができるように備えが必要だと思います。この基金はそのためにも使える基金でしょうか。
○篠原財務担当課長 現に18年度予算の案では、今後拡充される予定でございます児童手当、それから児童扶養手当の分を計上してございません。この両制度につきましては、その全容がわかり次第、補正予算で対応することにしてございます。その際の財源といたしまして、こういった財政調整基金を活用するといったこと。また、あと、支援費制度等いろいろな制度改正があった段階で、必要なサービスを確保する、そういったためにも補正用財源として活用すると、そういったことで考えてございます。
○佐藤委員 障害者自立支援法による法改正で、いわゆる財源がどうなるのかということも不安要因です。いざというときにはしっかり活用し、区民のサービスの低下にならないようにぜひ努めていただきたいと思います。
 今後、どのような計画でこの基金の目標額を確保するのか、その使い道や計画を具体的に区民にわかりやすく示していただくことが必要だと思いますが、どう考えていらっしゃるのかお伺いいたします。
○篠原財務担当課長 今後につきましては、18年度の早い時期に、財政運営の考え方をお示しするというふうに考えております。その中で、特定目的基金の目標額、それから、年度ごとの活用なども含めまして、考え方をお示ししていきたいというふうに考えてございます。
○佐藤委員 ありがとうございました。
 次に、補助金交付における透明性についてお伺いいたします。
 助成金や補助金交付の基本的な考え方は、申請された公益性のある事業活動に対して行う事業費補助であると答弁されてきましたが、今後もその考え方に基づき交付を行っていくということの姿勢で変わりないでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 補助金等は、事業に要する経費を算定し、交付をするということを基本にしておりまして、これは今後ともそのように行っていきたいと考えております。
○佐藤委員 交付の考え方や基準、手続における透明性の確保などを現在どのように規定されているのでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 補助金等の執行の適正を図るために、補助金等交付規則というものを定めております。この中で、公正かつ有効な補助金の執行を行うということとあわせまして、申請書に記載をする事項でありますとか、審査方法などを規定しているところでございます。
○佐藤委員 補助金の支出根拠は、地方自治法第232条の2に、公益上必要がある場合と定められています。どういう活動や事業が公益上必要なものに当たるのか、その考え方や基準を具体的に示したものがさまざまな自治体で公表されております。
 例えば立川市では、補助金を次の六つに分類して、その基準を定めています。事業費補助のほかに団体補助や、極めて公共的な事業、例えば障害者の作業所の整備などがそうです。また、行政サービスとの格差是正補助金、私立幼稚園の補助金などがそれに当たります。また、建設的事業費補助、駅のバリアフリー整備事業補助などがそれに当たります。また、市民等の借入金にかかわる利子に対する補助金などです。
 また、埼玉県蓮田市では、一昨年、行政改革推進委員会が補助金の見直しをする提言を行い、補助金交付に関して、公益性のとらえ方など基準があいまいであることを見直すために、事業費補助への移行、運営費補助の見直し、公募型補助金制度の導入の3点を重点項目に挙げました。
 中野区では、補助金支出の考え方や基準などを具体的に示したものがあるのでしょうか。また、それをわかりやすく公表されたものがあるのでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 中野区の基準といたしましては、先ほど申し上げました規則ということでございます。ただ、個別事業の補助基準につきましては、ちょっと古くなりますけれども、昭和48年に出されております区の補助金等のあり方の答申の考え方、これを踏襲いたしまして、効果があること、重要性の優先でありますとか、平衡を失わないこと、公正であること、また、範囲をむやみに広げないことというようなことを基準に定めているところでございます。これらの基準につきまして、今日の状況により適合したものとするための見直しですとか、あるいは内容、今現在わかりやすい形で示すということにはなっておりませんので、その点についても今後工夫をしていきたいというふうに考えております。
○佐藤委員 かなり前の考え方ですよね。幾らその考え方がよくて踏襲されていたとしたって、今の区民には伝わっていないと思います。今の方たちがわかりやすく、中野区はこの考え方に基づいて補助金を支出しているんだ、こういうふうな使い方が求められているんだ、こういうことでの補助金の基準ができているんだ、そういうことがわかりやすく伝わるような形でのものを示す、きちっと公表していく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 先ほどの答弁後段で申し上げましたとおり、現在の基準が今日的状況に合っているかどうかの見直しも含めまして、そのわかりやすい示し方、これについても検討し、実施をしていきたいと考えております。
○佐藤委員 補助金交付に関して透明度を高めるために、公益性、公共性や事業実施の有効性などをチェックする第三者機関の設置が必要で、その第三者機関の設置をしている自治体もふえてきているところです。透明性のある補助金運用を行うことが必要と考えますが、このような仕組みを今どう検討されているのか、お伺いいたします。
○川崎政策計画担当課長 ただいま御審議をいただいております新年度予算に、区民公益活動推進協議会の設置を盛り込んでいるところでございます。この審議会におきまして、区民団体への既存補助金、あるいは助成金制度のあり方を御審議いただきたいというふうに考えているところでございます。そういったところでの議論を踏まえながら、先ほど申し上げた基準の見直しなどを行いながら、より透明性を高めていく、そんな工夫をしていきたいと考えております。
○佐藤委員 ぜひ透明性を高め、そして、区民にきちっと説明できる形のものを、仕組みをつくっていかれることを要望して、この項の質問を終わります。
 次、最後ですけれども、「官から民」と「民から公共」についての質問のところに移ります。
 まず、官を変えることについてです。「官から民へ」という言葉に対して、ただ経済効率だけを追い求めているかのように言われている向きがあります。本当にそうなのでしょうか。官に戻せばいいのでしょうか。経済効率だけを求めた「官から民へ」の政策ではないはずです。官は、官僚的と言われているように、非効率性のほかに、権威主義、形式主義、硬直性、閉鎖的、ひとりよがりと、さまざまな言葉で使われてきました。「官から民へ」は、官の持つ権威性、形式主義など、そういったマイナス要因をきちっと正していく。民の自由さや柔軟性、民のよさを導入していく。その官の体質をしっかり変えていくことを目指していることだと思います。
 区長は官をどのように変えようとこの間なさってきたのか。4年前に、先ほど佐伯委員からも御紹介がありましたけども、「官の勝手をシャットアウト」というスローガンを公約の一つに掲げられておりました。どのようなことを目指し、どう達成されてきたのか、お伺いいたします。
○田中区長 「官の勝手をシャットアウト」というスローガンですけれども、そこで強く意識していたのは、とかく官と言われる行政部門というのは、前例踏襲主義であったり、あるいは官は間違いを犯さないものだというような無謬主義、無謬神話といったようなものにとらわれていたりして、非効率であったり、あるいは、仕事の目標ではなくて組織そのものを守るために動いてしまうというようなことから、閉鎖的であったり、決定が非民主的であったり、行っていくことが非効率的になっていくという、さまざまな欠陥を持っている。そうした行政の陥りがちな悪弊を象徴的に「官」というふうな言い方をして、その勝手、官が内向きに、自分の組織の都合だけで物事を決めていくというようなことをシャットアウトするんだというような意味合いで言ったわけであります。
 区長になってからやってきたこと、要するに区が政策を決めていく中にあって、区民の参加の手続をきちんと踏んでいくこと。区民の御意見をいただいて、その御意見に対してどういう判断をしたのかについての説明責任をしっかりと果たしていくこと。また、そうした区民の御意見を聞くチャンネルをさまざまにつくっていくこと。そうした実践を行うとともに、自治基本条例の制定も実現をしてきたということであります。
 さまざま、区民対話集会の実施を初め、政策決定に至るさまざまな区民の参加の手続もやってくることになりましたし、それから、パブリックコメントの制度、こうしたことも、すべての必要な場面では動いているといったような状況になってきたということだと思っております。
○佐藤委員 官というのは、正確に言うと、国の官僚に使われる言葉だそうです。とかく、やはり先ほど区長がおっしゃったように、そういう形式的なところ、あるいは自分たちで、内輪で決めてしまうようなところを代名詞として、いわゆる公務員、区の職員の方は官僚とは言われませんよね。正確に言うと公務員、あるいは職員ということ、地方自治体の職員ということでしょうけれども、そういうところにもいわゆる代名詞としてのものがかぶさってきた。それをやはり取っ払っていって、本当に官僚のサービスじゃなくて、公共のサービスをやるんだ。そういう公務員として生まれ変わっていくことがこれから必要だと思います。その公共というものは、行政だけがつくるものじゃないということ。今おっしゃった参加の仕組み、区民と一緒につくっていくものだということ、そういう意味での本当の公務員として生まれ変われるのは、地方自治体しか私はないと思います。
 次に、民間の評価についてお伺いいたします。
 民間は営利目的で、公共性を考えないから、公共サービスは民間に任せず、官で行った方がいいという御意見もあります。しかし、お金もうけのためなら何でもやっていいという法律体系に民間はなっているでしょうか。1947年に制定された経済の基本法とも言われる独占禁止法で、民間の私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法を禁止しています。第1条の目的には、公正かつ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにして、雇用及び国民の実所得の水準を高め、もって一般消費者の利益を確保すること、国民経済の民主的で健全な発達を促進することと定められており、公共の利益に反する企業活動を禁止しております。ですから、そういうことに反する企業活動を行っていくと、直ちにそれが問題になっていく、そういう法体系を私たちは持っているわけです。
 最近、CSRという企業の社会的責任がクローズアップされておりますが、この独占禁止法によって、既に企業の社会的責任は定められていると言われております。民間に公共サービスを任せるときには、この社会的責任を果たしている事業者かどうかについて評価する必要があると考えます。保育園の民営化や指定管理者を選定する際の中野区の評価項目は、他の自治体からも視察が多く、参考にされているところです。他の施設や事業者選定に当たっても、このような評価項目は設定されているのでしょうか。また、あわせてお伺いしますが、民間事業者の社会的責任について評価項目を設定し、選定に当たるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木経営改革担当課長 他の施設に先駆けて、保育園は指定管理者、民営化を導入したわけですけれども、その後に続く指定管理者、民営化に当たっては、その評価項目を一つの基準として、施設のそれぞれの特殊性をその後に加えながら、一定の評価の基準を維持するような取り組みをしているところでございます。
 また、企業の社会的責任については、経済活動、それから環境への配慮、そして社会的な活動、そういった各分野の取り組みを企業の戦略の中に入れて、企業の持続可能な維持を目指そうというふうな位置付けにあろうかと思います。そういったのは、企業の運営理念でありますとか基本理念、そういったところに非常によくあらわれておりますので、例えば具体的には、ISOシリーズを取っているとか、そういうようなところで幅広く評価の中では把握できるというふうに考えております。
○佐藤委員 民間が行う公共サービスの質や透明度を高めるために、民間事業者を選定するに当たっての事前評価、適切に事業が行われているかどうかをチェックするための年次ごとの中間評価、事業終了後の事後評価の仕組みをきちっと定められてはいかがでしょうか。
○鈴木経営改革担当課長 事前評価につきましては、いろいろ取り組んできているところです。それから、事業の途中の評価につきましても、年度ごとにきちっと業務報告を求めたり、あるいは利用者へのアンケートを区から行うというふうなことで、利用者満足度を確認してみたりというふうなことをしているところでございます。
 それから、それを全体の仕組みとしてどうかという御提案でございます。これにつきましては、中野区の民間事業者がきちっと仕事しているかどうかを、区がどう関与するかという観点から見えやすくする、そういう仕組みとして、スタンダードな形をつくってまいりたいというふうに考えております。
○佐藤委員 ぜひ区民の方に、中野区はこういう基準、こういうもので事業者を選定しておりますというのが、すべての事業トータルとしてわかる基準の設定、評価の仕方をわかりやすく示す仕組みを示していただきたいと思います。
 最後に、ともにつくる公共についてのところです。
 総合公共サービスセンターが10か年計画で計画されております。地域団体や民間が行う公共サービスもそこで行うことができるということですよね。保健福祉センターの機能、あるいは子育て支援センターの機能、公務員の方たちがそこでお仕事をなさる機能と同時に、民間の方たちが行う公共サービスもそこで行える。例えば地域の方たちの中には、民間の障害者の作業所など、今、大変手狭である、そういうところも使えないかどうか、対象になるかどうかという御希望、御要望もございます。いかがでしょうか。
○奈良計画担当課長 (仮称)総合公共サービスセンターについてのお尋ねでございます。
 (仮称)総合公共サービスセンターでは、行政と地域の団体・組織、それから民間事業者などが連携をしまして、総合的な地域ケアの拠点になるというふうに考えてございます。区内に4カ所設置をするということで現在考えてございます。この(仮称)総合公共サービスセンターでは、先ほど委員の方からございましたように、高齢者への支援に取り組む地域包括支援センターですとか、子育て・子育ち支援に取り組む地域子ども・家庭支援センター、また、保健福祉センターですとか、障害者の相談支援事業所、こういったものが中核の機能として設置をしてまいります。これらの中核となる機能にあわせまして、連携をするような事業所、こういったものにつきましては、施設の規模ですとか地域の特性、こうしたものに応じて個別に検討していくということを考えてございます。
○佐藤委員 ぜひ、さまざまな福祉グループ、福祉団体の方たちもそういった機能を使えるような形での総合公共サービスセンターづくりに向けて考えていただければと思います。
 また、次に、10か年計画の中で、(仮称)NPO活動センター、来年度設置される予定ですが、これからのNPO活動センターは、NPO支援だけを行っていては、NPOのニーズにこたえることができません。
 ある県で行いました、県下のNPOの方たちに対するアンケート調査によりますと、NPOが支援を受けた団体で一番多かったのは、実は民間企業でした。そしてまた、NPOの方たちが今後とも支援を受けたいと思われる割と上位に、民間の企業の方たちとの連携というのが入っていたというのが、大変私にとっては新鮮でした。なぜかと考えてみますと、ほとんどNPOの方たちの活動を、実は、例えば日本財団とか、ヤマト財団とか、企業がつくっている財団が支援をしている。その力でNPOの方たちが多様な活動をなさっているという、本当にそういう、企業とNPOをつないでいる、そういった仕組みが改めて見えてまいりました。
 したがって、NPOと企業をつなぐ力がこれからのNPO支援センターに求められております。また、地域団体、商店街、商工団体、自治会など、地域団体等もつなぐ役割も求められております。新たな要望にしっかりこたえられる力を持ったNPO活動支援センターをつくる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 お答えします。NPO活動センターでございますが、幅広く区民公益活動の推進をするということをねらいとして設けたいと考えておりますが、ただいま御意見があったようなことについても重要であると考えておりますので、企業などの支援を引き出したり、あるいは企業をパートナーとして事業展開ができるような、そんな支援をするということもしっかり行っていきたいというふうに思っておりますので、そういった運営ができる実力のある委託先を選定していきたいと考えております。
○佐藤委員 官が公共にこれから変わっていくことが必要です。そして、民からも公共を生み出していくことが必要です。そして、ともに公共をつくっていくことが、これからの地域社会を元気にしていくかなめだと私は思います。
 先日、三島市に行ってまいりました。NPO法人グランドワーク三島。青年会議所、商工会議所、NPOの団体の方たちがつくったNPOです。そのNPOが、2,500万円かかる公園を、実はみんなの協力で5万円でつくったという実態を目の当たりにして、本当に驚きました。行政は土地を貸し、市民は汗を流し、企業は機材や技術・資金を提供したという3者の役割を果たされたということです。そういった多様な公共サービスの担い手が存在する自治体こそが、これから発展していきます。中野はそこが一番弱いところでもあります。それについてどう考えていかれるのか、最後にお伺いいたします。
○川崎政策計画担当課長 さまざまな団体や事業者がそれぞれの特徴を生かした活動を広げる。それによって、区民の皆さんに対して、価値の高い多様なサービスが提供されることによって、中野のまちの魅力も高まり、中野のまちが、住み続けたい、そして、中野を選びたいという、そういったことにつながるものであるというふうに考えております。
○佐藤委員 ありがとうございます。
 格差社会の問題を取り上げ、最後に、ともにつくる公共のテーマへつないでまいりました。私たちのまちの課題は、排除をしない、そして、排除されている人を地域の中に入れて、人と人とのつながりを再生することにあると思います。区長のおっしゃる支え合いの地域社会をどうつくっていくのか、本番、これから試されていくと思います。ぜひその役割、行政の新たなる役割を期待しております。
 以上で質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○斉藤(金)委員長 以上で本日の総括質疑を終了いたします。
 次回の委員会は、3月2日午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
 開会時間につきましては、本日と同様、厳守をお願いいたします。
 以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。
      午後4時27分散会