平成17年3月2日予算特別委員会(第5日)
1.平成17年(2005年)3月2日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
1番 い で い 良 輔 2番 伊 東 し ん
じ
3番 佐 野 れ い じ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 た く や
7番 奥 田 け ん じ 8番 近 藤 さ え 子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 し
ん ご
11番 伊 藤 正 信 12番 きたごう 秀 文
13番 吉 原 宏 14番 高 倉 良 生
15番 やながわ 妙 子 16番 平 島 好 人
17番 む と う 有 子 18番 はっとり 幸 子
19番 長 沢 和 彦 20番 か せ 次 郎
21番 山 崎 芳 夫 22番 小 串 まさのり
23番 高 橋 ち あ き 24番 市 川 み の る
25番 岡 本 い さ お 26番 こしみず 敏 明
27番 飯 島 きんいち 28番 佐 伯 利 昭
29番 佐 藤 ひ ろ こ 30番 来 住 和 行
31番 岩 永 し ほ 子 32番 若 林 ふくぞう
33番 篠 国 昭 34番 伊 藤 岩 男
35番 斉 藤 金 造 36番 大 泉 正 勝
37番 斉 藤 高 輝 38番 江 口 済 三
郎
39番 藤 本 やすたみ 40番 昆 ま さ
子
41番 江 田 と お る 42番 池 田 一 雄
1.欠席委員(0名)
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
助役 内田 司郎
収入役 山岸 隆一
教育長 沼口 昌弘
区長室長 田辺 裕子
経営改革担当課長 合川 昭
経営改革推進担当課長 経営改革担当課長兼務
危機管理担当課長 経営改革担当課長兼務
政策計画担当課長 鈴木 由美子
政策担当課長 政策計画担当課長兼務
計画担当課長 川崎 亨
まちづくり総合調整担当部長 那須井 幸一
まちづくり総合調整担当参事 まちづくり総合調整担当部長兼務
まちづくり総合調整担当課長 中野駅周辺整備担当課長兼務
総務担当参事 橋本 美文
広聴広報担当課長 鈴木 郁也
平和人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
平和担当課長 広聴広報担当課長兼務
人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
財務担当課長 村木 誠
営繕担当課長 秋元 順一
人事担当課長 長田 久雄
情報化推進担当参事 鈴木 勝明
防災担当課長 納谷 光和
税務担当課長 若槻 磐雄
区民生活部長 本橋 一夫
区民生活部経営担当参事 西條 十喜和
地域活動担当参事 区民生活部経営担当参事兼務
南中野地域センター所長 中村 正博
弥生地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
東部地域センター所長 柿内 良之
鍋横地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
桃園地域センター所長 東部地域センター所長兼務
昭和地域センター所長 蛭間 浩之
東中野地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
上高田地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
新井地域センター所長 東部地域センター所長兼務
江古田地域センター所長 安部 秀康
沼袋地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
野方地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
大和地域センター所長 大橋 雄治
鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
上鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
戸籍住民担当課長 登 弘毅
産業振興担当課長 高橋 信一
地域生活支援担当課長 産業振興担当課長兼務
みどりと環境担当参事 区民生活部長兼務
清掃事務所長 遠山 幸雄
子ども家庭部長 柳澤 一平
子ども家庭部経営担当課長 竹内 沖司
子育て支援担当課長 新井 一成
子ども健康担当課長大久保 仁恵
中部保健福祉センター所長 瀬田 敏幸
北部保健福祉センター所長 中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長 佐々木 美枝子
鷺宮保健福祉センター所長 石崎 泰江
保育サービス担当課長 榎本 良男
子ども育成担当課長小平 基晴
男女平等担当課長 子ども家庭部経営担当課長兼務
保健福祉部長 菅野 泰一
保健所長 清水 裕幸
保健福祉部経営担当課長 寺嶋 誠一郎
保健予防担当参事 保健所長兼務
結核予防担当参事 保健所長兼務
衛生環境担当課長 遠藤 由紀夫
生活衛生担当課長 衛生環境担当課長兼務
健康づくり担当課長 今 恵里
保健福祉担当課長 保健福祉部経営担当課長兼務
高齢福祉担当課長 冨永 清
障害福祉担当課長 田中 政之
生活援護担当課長 浅野 昭
保険医療担当課長 奥山 功
介護保険担当課長 藤井 康弘
都市整備部長 石井 正行
都市整備部経営担当参事 服部 敏信
都市計画担当参事 都市整備部経営担当参事兼務
土木担当課長 尾﨑 孝
交通安全対策担当課長 上村 晃一
公園緑地担当課長 斎木 正雄
建築・住宅担当参事佐藤 幸一
地区整備担当課長 岩井 克英
地域まちづくり担当課長 地区整備担当課長兼務
中野駅周辺整備担当課長 豊川 士朗
副収入役 村田 宏
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
部門経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育委員会担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育環境担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育改革担当課長 小谷松 弘市
学校教育担当課長 篠原 文彦
学校教育管理担当課長 学校教育担当課長兼務
学校健康推進担当課長 学校教育担当課長兼務
指導室長 小林 福太郎
生涯学習担当参事 大沼 弘
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
生涯学習施設担当参事 生涯学習担当参事兼務
知的資産担当参事(中央図書館長) 石﨑 新一
選挙管理委員会事務局長 山下 清超
監査事務局長 細木 博雄
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 正木 洋介
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 黒田 佳代子
書 記 巣山 和孝
書 記 永田 純一
書 記 荒井 勉
書 記 廣地 毅
書 記 西田 健
書 記 岩浅 英樹
書 記 鳥居 誠
書 記 杉本 兼太郎
書 記 松本 桂治
午前10時00分開議
○平島委員長 それでは、定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。
初めに、昨日の委員会終了後に開かれた理事会の報告をいたします。
1点目は、本日の委員会運営についてであります。本日の委員会は、さきに御確認いただいておりました質疑者の割り振りを変更し、1番目に奥田けんじ委員、2番目にはっとり幸子委員、3番目に久保りか委員、4番目に伊藤正信委員の順序で4名の総括質疑を行うことを確認いたしました。
また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に御確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
2点目は、資料要求の追加についてであります。お手元に配付いたしました予算特別委員会資料要求一覧(追加分)として記載されておりますとおり、資料要求することを確認いたしました。
予算特別委員会資料要求一覧(追加分)
◆総務分科会関係
81 一般財源に占める国保会計繰入金の推移(グラフ付き、次年度までの12年間)<公>
82 国保会計における一般会計からの繰入金の推移(予算・決算、グラフ付き、次年度までの12年間)<公>
83 予算編成における一般財源限度額(現年度、次年度)<公>
○平島委員長 3点目は、資料要求の差しかえについてであります。既に配付してあります区民分科会関係8番の資料に誤りがありましたので、訂正した資料を配付することを確認いたしました。
以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、さよう運営させていただきます。
なお、追加の資料要求の締め切りについて念のため申し上げます。
本日の委員会終了後に開かれる理事会が資料要求の整備を行う最後の理事会となります。したがいまして、追加の資料要求がある場合には、本日の午後1時までに提出をお願いいたします。
それでは、昨日に引き続き総括質疑を続行いたします。
奥田けんじ委員、お願いいたします。
○奥田委員 昨日に続きまして質問させていただきます。
本日、一つ目の質問は、まず予算編成の改革についてという項の質問をさせていただきます。二つの視点から質疑させていただきます。
一つ目が、まず実効性をどう上げていくか。予算をつくったものが果たして有効に使われているかどうか。そういった視点を経営改革の視点で見たときに、今、中野区が取り組んでいらっしゃる行政改革、いわゆるPDCAのサイクルにこの予算の編成過程をどのように乗っけていくか。こういった視点をこれから盛り込んでいっていただきたい。こういった視点での質問をさせていただきます。
行政評価、PDCAサイクル。確認させていただきますと、プラン計画、実行Doですね。それから評価ここはチェックの段階です。ここが今、外部評価という形で、外部の第三者の方に行政がちゃんとうまくやられているかどうかという形での評価が下されているところまで来ております。そういう意味では、PDCというところまでは何とか機能し始めているんじゃないかというふうに私は見ております。ただ、その次の段階、アクション、これを実行、うまいぐあいにサイクルとして回していく、ここの段階が今、行政として一番難しいところなんじゃないかなというふうに見ております。というのは、予算の編成過程というのは、これまでの行政評価がなかった時期から同じような形で編成しておりますので、このサイクルになかなかのっけづらいんじゃないかなというのが印象でございます。
現在の予算関係の書類を見せていただきますと、例えばこのファイルのいただいているものを見せていただきますと、基本的に行政の改革をする際に、どういった新しい計画をしていくのかというようなものを、新たな計画ということで、新規の予算計上という形でのプランニングといいますか、アクションというものがのせられるわけです。しかし、本来の行政改革の視点でいきますと、必ずしも新規の予算をつけるかどうかということが行政改革、アクションの本当の意味ではないはずなんですね。しかし、来年度はどうするんですかというふうにこのフォーマットで問われたときには、どうしても各担当部署ごとに、じゃあ、何か新しいことをしなきゃいけないだろう。何か指標に対して、結果を出すためには何かやっているということを形にしなきゃいけないだろうというときに、どうしても新規の予算をつくって、何か新しいことをするんだという考え方になってしまうというふうに思うんです。そういう意味では、PDCと回してきたチェックを、外部の力を入れてせっかくチェックまでやったのに、アクションのところで漫然と予算がふえるというふうに逆の効果として働きかねない。そういった懸念があるんじゃないかな。この書類一つを見ても、そういった懸念があるというふうに私は感じております。そういう意味では、これまでどおりの予算編成の仕組みに新たな発想を加えていくという意味で、こういったことが考えられないかということを、ぜひお伺いさせていただきたいと思います。
予算の増減というもので改革をあらわすだけではなくて、アクション、改革が見えるような形、例えば予算のこの説明の補助資料の中で、事業メニューに予算項目として金額はゼロ、そういう項目も書けるようにしたらどうか。こんなことを考えております。つまり予算としてはとっていないけれども、行政の内部的な仕組みとして工夫していくんだ。例えば期間的に短くできるようにしていくんだ。そんな内容をここの中で見えるような形にしてはどうかというふうに考えております。
それから、例えば予算を減額する。減額幅を載せていく。こういったこともしてはどうかと思います。つまり新規に何かをする、プラスアルファしていくというだけではなくて、マイナス、減額幅をここに示すことによって、同じ内容を少しでも効率的にできるようになっているんだということが示せるような形にしてはどうかと思います。そういった視点で、ぜひ財務の立場からこういった内容の記述ができないかどうか、お答えいただきたいと思います。
○村木財務担当課長 事業部制による予算編成ということで、その本来のメリットの一つに、各部が配分された一般財源フレームの範囲内での予算調整ということに当たりまして、みずから予算、事業費を縮減しながらも、より効果的な施策、事業の組み立てを行うということが考えられます。
行政評価ということになりますと、先ほどのCというところでございますが、これは決算に基づくということになりますので、これを活用しつつ施策の見直し、そのことによる新たな展開といったようなことにつきまして、予算の編成に際してより、いわゆるアクションの部分がわかりやすくなるようなあらわし方について工夫をしていきたい、このように考えます。
○奥田委員 事業部制が導入されましてから、これまでの取り組み方としてはかなり変わってきているという印象自体は持っております。しかし、これまでどおりの予算編成プロセスのフォーマット自体がいろいろなところに残っておりますと、そこで新しい取り組みが切れてしまうようなところが発生すると思います。それに対して、既存の仕組みを少しでもこれからやろうとしている仕組みに変えていくために、どういったことができるのかということをぜひ財務の方を中心に、これは恐らく行政改革の方とタッグを組むというか、本来、財政の改革という視点でやりたいこと、それから行政改革としてやりたいこと、それが恐らく目指すところは同じだと思いますので、相入れない形で予算は予算なんだ、行革は行革なんだという形で、ばらばらにならないように、ぜひ意見を合わせながらやっていただきたいと思います。それに関して何かあれば。
○村木財務担当課長 目指すところは、いわゆる区政の改革であったり、あるいは予算の改革であったりといったようなことで一つでございますので、十分に協力をしながら改革を進めていきたい、このように考えております。
○奥田委員 ぜひ、そのようにしていただきたいと思います。
もう一つの視点で、実効性をどういうふうに確保していくかということももちろん大事なんですが、これから中野区民の皆さんに、予算の段階であっても、果たして中野区が今どういうことを考えているのかというのを、より具体的に見えるような形にしていただきたいという思いもございます。そういう意味では、主体的な市民参加というのを予算の段階でも実現していただきたい、こんな思いを持っているわけです。そういう意味では、事業部制が導入されましてから主要な課題について、区民の方に直接的な影響があるものについては、恐らく概算要求の段階だと思うんですが、区報等でこんな事業を中心にやっていきますよなんていう発表--今回も25項目ですか、出されていると思います。これに関しては、区民の方にとってはなるほど、これからこういう事業が始められようとしているのかということで、予算編成される前に、何らかの区民の方の思いというのが届けられるきっかけになるんじゃないかなという意味では、かなり進歩的な取り組みだというふうに私は評価しております。
しかし、実際に区民の立場からしますと、この予算編成のプロセスの中で概算要求を既にされてしまった段階では、何か思いを持っても、実際は動かすことが難しいんだというのがわからないわけなんですね。そうすると、例えば25項目の具体的な予算編成がされようとしていますよというのを受けて、それよりもっとこういうことをしてほしいというふうに区民の方が思ったとして、その段階でアクションを起こされる、行政に対して何か働きかけをされても、実際に私のところにもそういった予算編成の案が出された後に、そうじゃなくて、こういうのをしてほしいんだけどなんていう相談を受けても、今の段階は、実はもう既にほとんど予算としては固まってしまっていて、動かすことは難しいんですよなんていうお話をすると、何だ、そうなのかというようなお声を聞かされることがあるんですね。
それで、これまでの活動を長くされていらっしゃるような団体の方であれば、当然、行政がどういう段階でどういう意思決定をするかという、ある程度の見込みといいますか、御存じでいらっしゃいますから、予算要望等をされる動きというのは非常に毎年、的確な時期にされていると思う。10月であるとか、11月のような段階ではもう既に書類を出されていると思うんですが、一般の区民からしますと、新年度から始まる予算がどの段階で検討がスタートされて、どういうタイミングであればそのアイデアを、仮に区民が出したときに行政として受けとめることができる段階なのか、恐らくわからないと思うんですね。そういう意味では、今、事業部制が導入されましてから、少しは区民の方の意見を取り入れた上で、例えば今年度は難しくても、来年度に生かしていくというようなことができるかもしれませんが、できれば今年度の予算をつくる段階にあって、各種団体が予算要望をされるのと同じように、タイミングとしてはせっかくですから区民の方にもう少し前の段階で、予算に反映できるタイミングというのがここなんですよというのが伝わるような形での区民の方への働きかけというのをしていただきたいんですが、それに関していかがでしょうか。
○村木財務担当課長 御紹介のありました事業にかかわる区報掲載については、16年度の予算編成から公表して御意見を伺うといったような取り組みをしてきてまいっております。予算編成全体のプロセスを適切な時期に区民に示せるようにすることによりまして、今、御提案のあったようなことにつきましては、そういったことは可能になるよう工夫をしていきたい、このように考えております。
○奥田委員 既に行政とのつき合いが長い団体であるとか個人の方にとっては何の疑問もないような内容でも、一区民の立場に立てば、中野区の行政がどういう意思決定のプロセスをしているかというのがわからないのが当然だと思うんですね。そういう意味では、例えばホームページの中で時系列の矢印かグラフのようなものがあって、1年間の中で今はこのタイミングです、このタイミングであれば、中野区としてはこんな意思決定をしています、予算としてはこういうタイミングに来ていますというようなのが区民一人ひとりにわかるような資料が、例えばホームページのトップページを見たら、あっ、中野区は今この段階なんだな。だったら、こういうことを中野区に働きかけていったら、ひょっとしたら取り上げてもらえるかもしれないというのが見えるようにしていただけると、大変ありがたいと思うんです。ホームページがあればそういったことは機動的にできますし、区報であってもそういった資料が、中野区が1年のサイクルの中でどういう意思決定過程にあるのか。区民としてどういう働きかけが中野区に対して可能なのかというのが見えるような形で、ぜひタイミングを見て掲載していただけるとありがたいと思うんでが、いかがでしょうか。
○村木財務担当課長 区報の場合ですと、紙面にある程度、制約といったようなこともございますけれども、所管の方ともよくその当たりを相談しながら進めていきたいと思います。
また、ホームページにつきましては、これはある意味でその場面その場面で転換をさせてお知らせするといったようなことは可能ですので、これにつきましても所管の方とよく相談して進めていきたい、このように考えております。
○奥田委員 ぜひよろしくお願いします。
その際に留意していただきたいのが、活字で書いてしまうとなかなかとらえづらい部分がありますので、ぜひ図でというか、1年というもの全体が見えている中で、今がどのタイミングかというのを視覚的にとらえられるような形で表現をぜひしていただければと思います。いかがでしょうか。
○村木財務担当課長 要するに、区民がその内容をごらんになったときに、よりわかりやすさというものが求められますので、そういった点についても工夫をしていきたいと、このように考えます。
○奥田委員 ありがとうございます。この項の質問を終わらせていただきます。
次に、契約についての質問をさせていただきます。
1番目に、ITにかかわります調達についての質問をさせていただきます。
昨今、ITゼネコンというような表現が使われるようになりまして、行政が、これまでは公共工事に対しての丸投げであるとか、受注に関しての目が非常に厳しかったというようなことがございます。しかしながら昨今、かなり公共工事というのは減っている中で、第2の公共工事というふうな形で注目されているのが、いわゆる行政のシステム開発にかかわりますITゼネコンに対しての契約ですね。これに関してちゃんと適正に行われているかどうか。こういったことが各種メディアでも注目されるようになってきております。そうした中で、中野区にありましても昨今、さまざまなシステム開発、住基ネットにかかわるものも含めて、文書管理であるとか財務管理であるとか、財務会計にかかわるものであるとか、さまざまなシステムの開発を今、外注に出しているわけですね。
既に私が出していただきました総務の80の資料の中でも多くの契約の中に、例えば、財務会計システムの開発及び研修委託というようなものであるとか、文書管理システム等主要機器の保守及び情報ネットワークシステム運用業務委託、あるいは人事給与総合情報システム機器等の賃貸借というようなさまざまな形であるわけなんですが、いずれもいわゆる大手ゼネコンといいますか、大手ITゼネコンというようなところですね。富士通さんであるとか、いわゆる大手に出されているのが大半でございます。
そうした中で、この契約が一体どういう形でなされているのかというのが、公共工事と同じように厳しい目で見ていかなければならないだろうというのが今後の課題だと思います。そうした中で、まず今取り上げさせていただきましたシステム開発の内容ですね。時期であるとか稼働の状況、契約の方法、契約相手といったものを財務会計システム、文書管理システム、人事給与システムのそれぞれについて、どのような形であったかというのを御報告いただけますでしょうか。
○鈴木情報化推進担当参事 文書管理システム、それと財務会計システムにつきまして、私の方からお答えさせていただきます。
文書管理システムにつきましては、その内容として電子決裁、文書管理、情報公開支援という三つのものがございます。これは平成14年度に開発しておりまして、その三つのシステムのうち、電子決裁と文書管理が平成15年4月から、情報公開支援が平成15年9月から稼働しております。それから、財務会計システムにつきましては、平成15年度から開発を始めまして、一応、来年度の終了を目指しております。
それで、内容につきましては予算編成、起債管理、備品管理、財産管理、決算統計、業者管理、予算管理、契約管理、資金管理、歳入管理、歳出管理、出納管理、決算管理、財務監査という内容になっております。このうち、16年9月から動いておりますのが最初に申し上げました三つ、予算、起債、備品が稼働しております。さらに、16年12月から財産管理が稼働しております。また、決算管理と業者管理につきましても、その一部が12月から稼働しております。あと予算管理につきましては17年1月、契約管理につきましては17年2月、資金管理につきましては今月から稼働を予定しております。以下、歳入管理から財務監査までにつきましては、17年度に開発予定となっております。
それで、契約の方法ですが、プロポーザル方式による業者選定ということで、随意契約で行っております。契約の相手方は富士通でございます。
以上です。
○長田人事担当課長 私からは、人事給与総合情報システムについてお答えをさせていただきます。
人事給与総合情報システムは、職員の人事記録、給与支給事務等に活用するために総合的にこういった情報の管理をする、記録・処理するために導入したものでございます。
導入の時期でございますが、平成12年2月1日からの本稼働でございます。人事分野では人事の関係の記録、給与の支給の関係の事務、それから福利厚生などの各業務についてこのシステムを活用し、処理しているものでございます。
契約の方式でございますが、システム及び機器を含めてリース契約による賃貸借でございます。導入に当たりましてはシステム選定委員会を設置し、各業者からプロポーザル方式により導入のシステムを決定いたしております。契約の相手方は見積もり合わせにより数社を競争させた結果、決定しているものでございます。
○奥田委員 まず、職員課人事給与総合情報システムについてもう少しお伺いしたいんですが、リースでということですが、開発を含めた形でリース契約されているということでよろしいですか。
○長田人事担当課長 お答えをいたします。
先ほど御説明させていただきましたように、まずシステムとしてどこのシステムを採用すべきかということについて、プロポーザル方式によりシステムの決定をまずいたしております。その後、賃貸借契約としてはシステム本体、それから機器についてリース方式、賃貸借契約を結ぶということについては、これはまた別に見積もり合わせ、価格競争をいたしまして事業者を決定していると、そういう流れ、事務処理でございます。
○奥田委員 そうすると、開発自体はされていないといいますか、既存のものを導入されたということになっているわけですか。
○長田人事担当課長 システムについての方式、そのシステムを開発する主体から提示を受けまして、これについても先ほど御説明いたしていますように、プロポーザル方式により、その優秀さ等を勘案して決定しているということでございます。
○奥田委員 それはこの資料中の12ページの1億3,000万円の中に全部含まれた金額という認識で大丈夫ですか。
○長田人事担当課長 リース契約の方式は、リース契約を区と締結する業者がシステム、それから機器を調達いたしまして区に納入するという形をとっておりますので、経費全体がリース契約の中で見込まれているというものでございます。
○奥田委員 そうすると、機器の選定であるとか開発の内容であるとかもろもろを含めた形で、すべてをリースの受け手側でやった上で、納入をリース形式でという形の認識でいいわけですね。すべてをパックにした形で納入されている形式がリースだということなんですね。
○長田人事担当課長 区がまず方式を決めましたのは、システムの優劣性によって決めたということでございました。それを具体的に稼働するためのシステムの仕様と、それから、それに関連する機器についての納入を業者に対して見積り合わせをして実施したということでございます。
○奥田委員 それぞれ金額的にはかなり幅があるんですが、いずれにしてもこういったシステムの開発自体の、金額的にある程度まとまった金額になってきております。一方で、発注自体がプロポーザルであるとか提案型の採用のされ方ということであるので、一定程度、内容を吟味された上で契約されているんだというふうには思うんですが、一括で受注、発注されることで、業務的には効率化されるということも考えられる一方で、例えばある都道府県の例で言いますと、佐賀県の例ではこういった発注、システム全体をまとめて注文することの中で、明細がないような見積書が調べてみると出てくるなんていうようなことが実際にあって、それを詳細に詰めていった結果、52億円の予算要求のうち、8億9,000万円の削減がなされたというようなことが実例として出ております。
それから、長崎県の例では、システム開発の分割発注というようなものを試みまして、地元の中小企業への落札率というのが6割に達しているというような実例もございます。これがさらに財政的な効果もありまして、年間10億円の削減効果にもつながったというような実例もございます。これは都道府県レベルですので、システムの開発の規模自体が大きいということはあるんですが、どうしてこういうことが実現できたかという背景に、ITの専門家を自治体の短期的な職員として採用して、その方が実際に見積もりを調べられたりとか、システム自体をまとめてお願いするという形ではなくて、例えば先ほどであれば、説明していただいた資料の中の文書管理であれば、文書の管理のシステムについてはどこどこの業者にお願いするとか、人事の決定のプロセスの開発についてはどこというような形で、それぞれの開発の単位を小さく分けることによって、それをどういうふうに分けるのがいいかとか、分け方、発注の仕方というようなことも、専門性はかなり高いですから、もし専門家が中野区内にいなければ、丸ごとお願いしてしまうということになるんですけれども、仮にこういった方がいれば分割発注というようなことができて、中野区の地元の業者ですね。この場合はほとんど地元というよりは、もう大手企業に丸ごとお願いしているわけですけども、分割の発注ができるようになれば、当然、地元の業者への発注も可能になるでしょうし、コスト的には抑えることもできる。そうなってくれば、恐らく金額的に都道府県のレベルとは違いますけれども、専門家にお願いする際の人件費分ぐらいは当然コストとして浮いてくるんじゃないかと思います。そういったことを今後、考えていくことはできないでしょうか。
○村木財務担当課長 御紹介ありましたように、いわゆる財務会計あるいは文書管理、人事、給与等のシステムを新たに開発する場合には、これまでいわゆる企画提案、プロポーザルと申しておりますが、この方式によりまして採用し、その採用した1社と契約し、開発、その後の運用をさせておりまして、分割発注ということにつきましては、これは監査から一貫して行わないようにとの指摘がなされておりまして、現在のところシステムを分割発注すると、こういう考えを持ってございません。しかし、例えばでございますけれども、これに要する基本的なプログラム、これがすべて公開ができるといったようなことで、そのプログラムに合わせた小型サーバー、これを幾層かに連結をして、先ほどのように一つひとつそのシステムを開発して、これをつなぐといったようなことがもし可能だという場合には、そのシステム開発あるいは保守とかシステム改修、これらについては実際に、さっきもちょっと御紹介ありましたけれども、入札による契約を行っている。こういう自治体があるというふうに聞いてございます。契約担当とかあるいは財政担当、これは私の立場でございますが、こうした立場から見ればこのような方法、これは例えば中野区にあるとしてということでございますけれども、地元ベンチャー企業の活用ですとか、あるいは契約方式の改善、またはコスト、特に開発後の補修あるいはシステム改修にかかわりますコストダウン、これができるといったようなメリットがあると、このように言われておりまして、財政的にも有効なものと考えられますことから、そういう意味で現在、分割発注が認められていないということと、実際にそういう開発ができるのかということを含めて、今後の研究課題にしてまいりたいと、このように考えております。
○奥田委員 財政的に効果があるというような見解を出していただきましたので、今後前向きに、検討していただきたいというふうに思います。
これは通告がなかったんですけれども、区長に一言コメントいただきたいんですけれども、監査にだめだというふうに言われているということで、財務の方で契約の立場でちゅうちょされているというようなことがあるんですが、区長のお立場で、今後こういったことに関してどのような御見解をお持ちでしょうか。
○田中区長 分割発注というふうに、一概にどういうものを指して言うかというあたりはなかなか難しいと思いますけれども、契約の仕方とか、それからシステムの開発の仕方、あるいはそのシステム開発に当たって区の中にどれだけ、どういう能力を蓄えていくかといったようなことを全体的に考えながら、機動的で効率的なやり方を工夫していくということがいいんだというふうに思っております。
○奥田委員 ありがとうございます。
恐らくこのシステムの開発に関しては、先ほど財務担当課長がおっしゃったように、ソースといいますか、システム自体がオープンなもの、分割発注する際には大手の業者が開発したシステムの大型のサーバーで、中身がほかの業者が見てもわからないという形のものであれば分割するのは難しいんですが、公開されている、例えばリナックスベースであるとかウィンドウズベースのようなものに転換することができれば、そういったこともかなり前進してくると思いますので、そういったことも含めてぜひ検討していただきたいと思います。これは申し添えさせていただくということで、お答えは結構でございます。
ITに関することは以上なんですけれども、その他の項目で、契約一般について御質問させていただきたいと思います。
一般の契約全般で、この契約一覧というのを出していただいたんですが、一般の競争入札というものは、見させていただきますと1件もないということなんですけれども、この状況というのはどういった意味を指しているんでしょうか。
○村木財務担当課長 一般競争入札につきましては、これは手続の客観性や透明性が高いこと、それから入札参加者の数も多く、競争性が高いという点がございますけれども、各案件ごとに参加業者の経営状況、それから技術力、過去の実績等、客観的な条件を一つひとつ調査する必要がございまして、準備から入札まで長期間を要することから、議会での議決案件、契約予定金額1億8,000万円以上について制限つき一般競札として入札、発注をしているものでございますが、最近につきましてはこうした案件がございません。そこで、ほとんどは事前に契約履行能力等について、区に登録をしてもらった業者により競争させまして、その中で最も有利な価格で入札した業者と契約する、いわゆる指名競争入札、これを取り入れているものでございます。
○奥田委員 最近はもう1億8,000万円を超えるような契約はほとんどないというお話ではあったんですが、財政規模自体が緊縮財政という傾向が続く中で、これはちょっと通告にはなかったんですけれども、1億8,000万円という基準自体はどうでしょうか。見直しは今後、必要ございませんでしょうか。
○村木財務担当課長 現時点では考えておりません。
○奥田委員 一般競争入札ではなくても、それと同じような効率性を持った契約が可能なような形で今後とも努力していただきたいと思います。
土木の工事について1点お伺いさせていただきます。
土木の工事に関して見させていただきますと、予定価格と落札額の差というのが極めて小さい。98とか99%というような数字の落札率のものが非常に多いような形で見させていただいているんですが、これに関してはどういった意味を指しているんでしょうか。
○村木財務担当課長 予定価格及び落札額、土木工事でございますが、これらにつきましては、他の案件もそうですけれども、入札経過調書というのがございまして、これを入札後に公表してございます。事業者としては毎年、同様の工事案件につきましては、事前にこうした経過調書等によりまして情報を入手する機会がございます。そういったことから、いわゆる落札率が高くなっているものと、我々はそういう想定をしてございます。
○奥田委員 入札の結果自体を公表されているので、それをベースに積算すれば同じような入札の金額になって、落札率との差が極めて小さくなってくるんだろうという御見解だったんですが、だとすると、入札される方にとっては以前の入札の積算と大体、中野区が同じようにやってきているだろうなという心づもりで出してきているということが見えるわけですね。だとすると、例えば効率的な資材の調達であるとか、さまざまな形で予定価格の積算の仕方自体を、考え方自体を今後変えていくとすれば、恐らくこれまでと同じような積算にならない方法、つまりこれまでやってきた機械的な、台帳みたいなものがあるんですよね。その台帳をもとに積算されている方式から、例えば時価ベースといいますか、もう少し市場に近いような形での積算というのが今後されてくれば、入札される側も行政が示している過去の履歴から機械的にはじき出すのではなくて、もう少し市場に敏感になった入札の結果というのが出てくるような形で私は考えているんですが、今後、その積算の仕方について見直すというような形の検討というのはなされておりませんでしょうか。
○村木財務担当課長 詳細は担当の方から答えさせますけれども、積算方法につきましては、東京都の示しました積算基準を準用して行っております。といったことで、この問題について今後どうするかについては、所管の方から答弁をさせていただきます。
○尾﨑土木担当課長 ただいまの積算基準について、見直すことは考えていないかということでございますけども、今、答弁したように、東京都が示した積算基準を準用して積算しております。それで、このようなやり方をとっておりますので、直ちに見直すことは考えておりません。
○奥田委員 直ちにということは当然、難しい内容ではあると思うんですが、今後、可能であれば可能なところからぜひ着手していただいて、より効率的な入札が可能なような試みをしていただきたいと思います。お答えは結構でございます。
時間がございませんので、最後の質問をさせていただきます。もう時間がほとんどないので、簡単にいかせていただきたいと思いますが、財政について質問させていただきます。
無所属の会では、これまで長期的なコストの要因のうち、退職金であるとか施設の改修等を長期的にどれぐらいのコストが発生してくるのかというのを独自に試算させていただきまして、その内容も議会等でお示しさせていただいたんですけれども、この意図は、長期的にどういった中野区にコストが発生してくるのか。つまり実際は払わなければならないけれども、負債として見えない借金、まあ隠れた借金というふうに言ってもいいかもしれませんけれども、どういったものがあるのか、中野区が持っている財務の資料を見ただけではなかなか見えてこない。これをどういうふうに顕在化させていくか。その一つのきっかけとして考えていただければと思いまして、試算させていただいたんですけれども、企業で普通考える場合にPLといいますか、行政でいえば行政コスト計算書というふうになるんだと思うんですが、PLの段階で資金の出入りで大きく黒字が出せるということであれば思い切った資金調達をして、それでどこに投資していくか。それで、資産を大きくしていくのか、正常な形にしていくのかというような形で積極的なアプローチというのが財政的にもとれるわけですけれども、行政で考えたときには、今後ますます資金調達をしたからといって、収益が見込める投資というような考え方は難しいわけですから、企業が発想するような資金調達をして、有効な投資をしていくというような考え方自体は難しいというふうに考えております。
では、そういった企業ベースで考えられるようなバランスシートであるとか、そういった企業ベースの資料の考え方をなぜ私がこれまでも再三繰り返して提案させていただいているかというと、そういった必ずしも収益性が高いところにどう資金を調達して投資していくかという発想としては使えないんですが、予算的に制約がある中で、投資を例えば新たにしようとしたときに、もしそこが収益性が高いということであれば新規に調達して、さらに投入するということは可能なんですが、そうではない場合にはどこかを削る、あるいは効率化する。その中で新規の投資の枠というのをつくっていかなければならないわけですね。そうしたときに、一体どれぐらいの効率化、どこを例えば選択的にやめれば、新たにやらなければならないところに投資として枠を設けることができるのか。その枠が今の段階ですとどれぐらい削れば、一体どこに新しいことができるのかというのが視覚的にとらえることができないので、それを見えるようにするための資料として企業ベースでの、例えばバランスシートのようなものを考えられてはどうかということで提案させていただいていたわけです。そういう意味で、そういったことを機能させるために、今後ぜひ取りそろえていただきたい資料として御質問させていただきます。
歳出のうち、特に義務的な経費、人件費、公債費、扶助費といったもの、それから設備の改修費。改修であるとか建てかえといったような費用ですね。耐用年数であるとか減価償却のコスト、こういったものを積算することによって、今後の見通しというのがかなり見える、負債の部分についての見通しが見えるようになってくると思います。そうした長期的な見通しを持った資料というのを今後おつくりになることは可能でしょうか。
○村木財務担当課長 17年度予算案等の内示に当たりまして、私どもから財政運営の考え方というものをお示ししてございます。この中でこれは一定の試算条件のもとに行ったものでございますが、歳入につきましては、17から21年度の5カ年の見込みを示しております。今後、いわゆる10か年計画が策定されていくわけでございますけれども、この策定に合わせまして10年間の一般財源のフレーム、そして人件費、公債費、扶助費及びこれらを合わせました義務的経費、また、施設の問題も大きなテーマになっております。こうした点も踏まえまして、例えば施設改修費にかかわります長期的な見通しなどもあわせて作成し、公表していきたい、このように考えております。
○奥田委員 ぜひ積極的に、例えば今回は10か年計画というものが目前に迫っておりますから、10年という視点がある程度出てくるのは納得できるものではあるんですけれども、長期というとらえ方をしたときに必ずしも10年に限る必要はなくて、10年というのが一定の目安にはなるかもしれませんけれども、とらえ方としては継続的に中野区が運営されていく、将来にわたってどれぐらい発生するかという考え方もぜひ取り入れていただきたいんですね。つまり100年、200年とずっと続いたときに、現在、どれぐらい必要なのかという考え方を、割引現在価値の考え方を導入すれば積算することは可能ですので、ぜひそういったことも含めて、まずは10年ということですけれども、長期的にはそういったことも視野も入れて検討していただきたいと思います。そうすることによって今後の、例えばバランスシートを中野区も出しておりますけれども、活用可能なバランスシートをつくっていく際の負債項目の認識というのが明確にできるようになると思います。その辺をぜひ御検討いただきたいと思います。
もう1点、償却前の資産状況ですね。今は負債に関しての御提案といいますか、質問をさせていただいたんですけれども、資産の状況というのをある程度洗い出していかないと、その資産が劣化していったときにどういった手を打たなければならないのか。その資産が実はあると思っていたけれども、それが劣化していて、それほどなかったんだというようなことになると、財政的に見通しを立てることが非常に難しいですから、ぜひ償却前の資産ベースで、一体どれぐらいの価値があるのかというのを今後、試算していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○村木財務担当課長 バランスシートといったような観点からちょっと申し上げたいと思いますけれども、これにつきましては、現時点では昨年度までと同様の、いわゆる総務省方式、これによる内容となる予定でございますけれども、今ございましたストック、そしてフローというこの両面から財政運営を考えていかなければならないということは、私どももその考え方としてはわかっておりますので、そういった内容のものが今後示せるように研究をしていきたい、このように考えております。
○奥田委員 東京都もこれに関してはわかってはいるけどという、同じようなことを実は言っていました。そういう意味では中野区独自で取り組むのは難しい内容ではあるとは私も思うんですが、詳細なベースで東京都はつくろうとしておりますから難しいという話だと思います。ぜひ中野区としてはざっくりとした概観をつかむということが経営上、非常に重要だと思いますので、例えば試算ベースですぐに具体的に何十何円というところまで出すということではなくて、ざっくりとしてつかむ意味で、試算ベースで何らかの数字をつかんでいただきたいと思います。
○村木財務担当課長 お答えは先ほどと同様になってしまいますけれども、その必要性、有効性については我々も理解しておりますので、今後、研究をしていきたい、このように思います。
○奥田委員 ぜひ積極的な長期の見渡しがきくような資料づくりというのを今後、心がけていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○平島委員長 以上で、奥田けんじ委員の質疑を終了いたします。
次に、はっとり幸子委員、お願いいたします。
○はっとり委員 一つ目の区政改革についてからお尋ねをいたします。
この2年余り、区は顧客満足度優先の視点、区民と行政とのパートナーシップの視点に立って、区の内部努力による改善を主に、職員参加と区民参加の推進、区民や民間の力を生かすための方策などによって、新しい公共経営の考え方をもとにした区政運営を進めてきました。区民参加が足りないと言われる一方、これまでの区政では余り重要視されなかった地域活動分野、公共公益活動推進分野と産業振興の分野で、組織体制整備とともに地域の力を生かす施策が進められて、区民が活動しやすくなったという声もあります。昨年4月から、高齢者会館3館の管理運営が地域の団体に委託され、もうすぐ1年を迎えます。地域の人々が担う運営に、区の直営時代との違いがあらわれていると評判もいいようです。
先日、野方にある東山高齢者会館を訪ねました。運営にかかわる方は区の直営のときには会館の運営委員会のメンバーだったボランティアの方が多くいます。これまで利用者は職員から何か言われるときはしかられるか、指導されるか、上から物を言われることが多くあったそうです。そして、職員には無抵抗だった。しかし、今は文句も出るそうです。運営をする側も立場が変わって公共の場ということを意識し、税金をどう広く効果的に使うかなど真剣に考えるようになったと、自分たち自身の意識の変化も話してくださいました。
また、このまま区の言うとおりにやっているのなら、ずっと単なるボランティアでいいけれども、この地域に住んでいる者として豊かな終末期を過ごすために高齢者会館がどうあったらいいのか。歩いていけるところにある最後のとりでとしての会館として意識しながら考えたい。地域の人たちとともに会館を地域の宝にしていきたいというお話をされ、使命感に燃えた姿勢に打たれました。
この1年間の地域の力を生かした高齢者会館委託事業について、どのような評価をされているのかお伺いいたします。
○今健康づくり担当課長 委託の3館ですけれども、まず利用状況が委託前に比べてふえております。これは利用者数が月平均3館で191人増というふうになっております。これはちょっと微増ですけれども、もう一つは事業への参加者数、これがやっぱり月平均で申し上げますと、3館合わせて15年度は179人であったものが、16年度は350人ということで、ほぼ倍増しております。それで、このことは既存事業のほかに委託先が積極的にさまざまな事業を組み立てて、それを実施している。そこに積極的に地域の参加を得ているということだというふうに思っております。それで、新たな事業の内容は、健康づくりに関したものがやっぱり多く取り入れられているということでございます。
こういうふうに利用者増、事業参加者増というのが委託による高齢者会館の活性化を示しているものというふうに思ってございます。そういう意味で、地域の力を生かした運営を行っているというふうに考えておりますが、まだ1年目ですので、きちんとした評価については17年度に行っていきたいというふうに考えております。
○はっとり委員 ありがとうございました。
一昨日、区役所1階のエレベーターのところに、町会連合会と小・中のP連共催の中野を愛するシールの会議の案内が張ってあるのが目を引きました。この事業は、町会連合会とP連が連携した初めての取り組みと聞いております。区はこの事業では事務局での立場で黒子に徹したというふうに聞いておりますけれども、この活動の内容、それから区のかかわりについて手短にお話しいただけたらと思います。
○西條区民生活部経営担当参事 この件につきましては、町会連合会で昨年の2月から中野を明るく安心して住めるまちにするにはどのようにしたらいいかということで検討されていたところ、小・中P連の皆さん方にも一緒に検討をしようというお話しかけをされまして、約10回ぐらいの協議を重ねて行われてきたものでございまして、区といたしましては、町会連合会と小P連という連携した活動ということで、地域活動の一環として、支援の一環として支援するという形をとらせていただいているものでございます。
これにつきましては、いろいろと情報のひろばにその募集の内容なども掲載させていただくとともに、私どもといたしましては、皆さん方の主体的な活動ということで、本当のいろんな技術的な問題だとか、そういったものの情報提供だとか、そういった支援にとどめているところでございます。
○はっとり委員 ありがとうございました。御紹介はこれだけなんですけれども、このように行政に要望するだけではなくて、ともに汗も流して地域活動あるいは公共公益活動に取り組む区民がさらに活動しやすくなる環境整備が期待されていると思います。10か年計画策定の中で地域の力を生かす施策が盛り込まれるよう、要望としてお伝えしておきたいと思います。
これまで区内の優良企業が他の区へ流出しても中野区は情報を持たず、何もしないという批判や、産業、企業の区内への誘致にも無関心だという批判がありました。前人未到と表現されるほど、これまで無策のままだった産業振興分野で、昨年度、初めて区内産業の実態調査が行われ、中野区産業データブックとして報告書がつくられました。また、区内中小企業の代表者などで構成される産業懇談会の開始、創業支援、経営相談や診断などの取り組みが進んでいます。今後への期待が大きくなる中、区内で生き生きとした産業活動が展開されるための施策づくりについて、区のお考えをお伺いします。
○高橋産業振興担当課長 平成15年度に実施した中野区産業実態調査や中野区産業まちづくり調査会の検討を踏まえまして、今年度は各種情報を収集、整理した産業支援データベースの構築や、区内の産業関係者が集まり、産業発展に向けて率直に意見交換をする産業懇談会を設置いたしました。また、その中でネットワークづくりを進めながら、産業活性化に向けた検討も今、行っているところでございます。
今後は平成15年度の現状把握から、今年度、平成16年度の基礎固めを経まして、産業支援データベースの情報をホームページで提供したり、またメールマガジンを活用することにより、事業者が求める情報を素早く的確に提供できる仕組みを整えます。また、産業懇談会を契機に区内事業者のネットワークを広げるとともに、産業団体との連携により、中野区の産業活性化の機運を高めていきたいと思っております。
これらの取り組みを通しまして、事業者、産業団体の声を聞きながら区内事業者の真に求めているものを把握しまして、価値ある施策を積極的に展開していきたい、そのように考えております。
○はっとり委員 ありがとうございました。
また、団塊の世代の退職者が2007年にピークを迎えると言われています。どこの自治体でもそのときまでに地域で活動できる場づくりについて検討が進められていると聞いています。中野区はどのようにお考えでしょうか。具体策はあるのでしょうか。お伺いいたします。
○本橋区民生活部長 いわゆるアクティブシニアの豊かな経験、能力を地域で生かしてもらえるということが、これからの地域活動の展開、また御本人にとっても生きがい、心の張りを持って暮らしていただく上でも重要な課題だと思っております。区といたしましては、地域では団体、グループがどんな活動をしているのかがわかる、見えるというようなことでの地域活動への参加を促すとか、あるいはまた、できることから始めていただくという点では得意とするようなことを登録してもらいまして、そのサービスを求めている方とつなげてありがとうの気持ちを循環させていく。いわゆるエコマネーなどを活用した活動の仕組みなども有効と思います。
さらには、三鷹市でやっておりますけども、NPOシニアプラザの例にもありますように、みずからコミュニティービジネスを立ち上げて運営していくと。これは地域内雇用あるいは産業振興という点でもプラスになると思いますが、これらの取り組みにつきまして、情報提供ですとか相談などをサポートしていきたいと考えております。
○はっとり委員 ありがとうございました。
次に、民間の力を生かす取り組みについて伺います。
昨年4月から区立図書館の業務の一部がNPO法人や株式会社へ運営委託され、日曜・祝日をすべて全館で開館しています。全国から視察に訪れていると聞いています。
昨年夏の中野区職員報中野ゲノムに「変わる図書館」という見出しで掲載された記事には、蔵書検索、貸し出し予約状況の確認、Eメールでディファレンスができるホームページが新設され、苦情は激減し、貸し出し冊数がふえる中、さらにサービスの拡大ができるよう準備しているそうです。利用者アンケートなどでも評価をされています。
民間の力を生かす取り組みに移行して、何がどのように変わったとお考えでしょうか。お尋ねいたします。
○石﨑知的資産担当参事 お答えいたします。
図書館といたしましては、12月に顧客満足度がどう上がったか。それから、委託業務が順調に推移しているかどうかを検証するために、業者の方々にアンケートを行ったところでございます。調査母体は約1,330名でございますけども、5割のお客様から窓口サービスが向上した、それから、2割のお客様から変わらない、3割のお客様からわからないということでございまして、悪くなったという評価は0.8%ということで、区民の方々からは、非常に好意的に受けとめられていると理解するところでございます。
以上でございます。
○はっとり委員 ありがとうございました。今後もぜひ民間ならではの取り組みを工夫し、進めていっていただきたいと思います。
保育園の民営化指定管理者制度への移行についてもお聞きする予定でしたけれども、時間の関係で削除、割愛させていただきます。準備をしてくださっていた榎本課長には大変申しわけありませんが、また、いずれの機会かにお願いしたいと思います。
次に、職員の力を生かすことについて伺います。
来年度予算は従来からの財務担当の査定による編成ではなく、事業部制の中で初めて編成されました。限りある財源の中で各事業部は、それぞれ歳入の確保についてはどのように取り組まれたのでしょうか。代表的な取り組みがあれば、1事業部だけお答えください。
また、最少の経費で最大の効果を上げるための工夫をどのようにされたのでしょうか。これも代表的な取り組みがあれば、1事業部だけお答えをいただきたいと思います。時間の関係で手短にお願いしたいと思います。
○服部都市整備部経営担当参事 お答え申し上げます。
都市整備部におけます歳入確保策の具体例として、交通安全対策で取り組んでございます自転車駐車場の再編整備を行いまして、無料制から登録料制に移行した関係で一定額の歳入確保を図れたと思ってございます。
また、最少経費で最大の効果という項でございますけども、同じく交通安全対策の項でございますけども、国の緊急地域雇用創出事業の補助金を受けまして、今年度まで取り組んでございます放置自転車の防止強化事業でございますが、来年度につきましては、おおむね今年度の予算の約75%程度の金額で今年度と同じレベルを維持する、そういった方向で部としても努力してきたケースでございます。
以上でございます
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 保健福祉部での取り組みですが、短く例を挙げさせていただきますと、歳入確保では国民健康保険料の収納率向上のための自動電話催告システム、効率化では、例えば本町五丁目の知的障害者通所援護施設整備のための民間活力の活用ということでございます。
○はっとり委員 ありがとうございました。ことし初めてということですので、また来年度以降、しっかりと事業部制の中で責任を持って編成をしていただけたらと思います。また、来年お伺いしたいと思っております。
また、従来の考え方では整理・分析ができない難しい問題に対し、思考レベルを向上させるよう、職員の研修内容や方法を変える取り組みが企業や自治体などで進んでいます。上司が決めつけたり意見を押しつけたりしていたら、十分に掘り下げた話し合いはできません。すぐれた対話プロセスを確保するための取り組みについて、どのようにお考えでしょうか。
組織がみずからを変えていくのは、個人が生活習慣を変えていくのと同じように意思を持つ、考え方を学ぶ、考え方を変える、話し合い方を学ぶ、話し合い方を変えるなど、プロセスを変えることが大事だということを私も最近学びました。来年度の取り組みを含め、区はどのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。
○合川経営改革担当課長 事業部制のもと、各事業部が自律的に最少の経費で効果の高い事業を選択し、またそれを実行していくためには、目標による管理、こういったものを十分に職員に浸透させ、計画、実施、評価、改善というようなマネジメントサイクルを十二分に円滑に機能させなければならないというふうに考えてございます。そのためには行政評価など、区民の視点からの評価を改善に生かしていく。こういったことと、その改善を支える職員の意識改革がとても必要だというふうに考えてございます。
平成16年度に当たりましては、経営コンサルタントの支援のもとに区民の視点で満足度を日常的に高められ、区政目標に対してより大きな効果を上げることができる組織像を具体的にイメージしながら、将来像に近づくため、我々の組織には何が必要なのか、あるいは何を優先的に取り組む必要があるのかについて、主に管理職を中心とした経営層がしっかりとこれに取り組むということで、研修を行ってございます。
○はっとり委員 今回、コンサルタントのもとで新たに研修を行うということですので、成果に期待したいと思います。結構です。ありがとうございました。
次に、地球温暖化防止への取り組みについて伺います。
昨年夏の猛暑、そして大型台風、豪雨、洪水、中越大地震、スマトラ沖地震など、数々の災害に対しては、危機管理の観点からの対策が重要な課題として登場します。しかし、そうした災害だけではなく、例えば桜や梅の季節外れの開花なども含め、地球規模での異変が起きているということを身近なところで実感させられます。地球環境問題での取り組みの努力が必要だと思います。
先日、京都議定書発効に合わせ開催されたアジア太平洋みどりの京都会議に佐藤議員と参加しました。26カ国からNGO、国会議員、地方議員などが集まり、地球温暖化防止に向けて熱い議論が交わされました。私たちが報道などで得るような情報を現地の市民から報告され、改めて地球規模での環境破壊の様子が胸に迫ってきました。
事業者、消費者としての中野区環境行動計画は、温暖化対策実行計画としての性格をあわせ持つものとしています。この中で、区の温室効果ガス排出削減目標を2000年度比で3%削減としています。中野区が対比の基準を2000年度にしているのは、それ以前のデータがないこと。また、削減率を3%としているのは、京都議定書で合意された削減率が10年間で6%なので、5年間の区の計画の目標値を2分の1の3%にしたということです。設定の仕方に余り真剣さが感じられません。
先日の佐藤委員の質問に対して、2003年度で削減率の目標を達成しているとの答弁がありました。この計画は2001年度から2005年度までの5年間です。2年も早く達成したのですから、その段階で目標値を修正すべきだったと思います。今後の数値目標を立てるに当たっては現状をしっかりととらえ、本気で地球温暖化防止に向けた取り組みをしていくことが必要だと思います。区のお考えを伺います。
○本橋区民生活部長 御指摘がありましたように、区の取り組みといたしましては、非常にこの温暖化の問題は大事な課題だということで考えております。基本構想の中にも大きな柱として考えておりますが、その具体的な取り組みということにつきまして、今、環境施策の全体の再構築の中で、点検、検証の組み立てをしているところでございます。
○はっとり委員 区は自然エネルギーの利用促進を進めていく方向性を示し、来年度予算にも盛り込んでいます。具体的な施策については検討を進めているのでしょうか。お伺いいたします。
○本橋区民生活部長 自然エネルギーにつきましては、先行自治体での取り組み例なども参考にしながら検討しております。活用の可能性が高いと見込まれるものといたしましては、現時点では太陽光発電ですとか風力発電などが考えられます。区としての取り組みといたしましては、自然エネルギーに関します情報の収集・提供、それから区の施設への設置、また区内の事業者や家庭でのモデル的な設置に対しての助成をしながらその効果を測定していくとか、それからこれは別のセクターをつくっての取り組みということになりますけれども、いわゆる市民ファンドで資金を募りまして、ある程度の規模での事業化を図っていくというふうなことが考えられるかと思っております。
いずれにせよ、それらの自治体での取り組み例なども参考にしながら、中野区としてやれることを整理しながら、10か年計画の中に入れ込んでいきたいというふうに考えております。
○はっとり委員 ありがとうございました。
次に、障害のある区民への対応についてお伺いをいたします。
昨年、中野区聴覚障害者福祉協会から総合防災訓練等を通じ体験した中からの問題を踏まえて、災害時における聴覚障害者の情報伝達に係る要望が出されたと聞いています。区はこれらの要望についてどのような対応を図るお考えなのでしょうか。
○納谷防災担当課長 お答えいたします。
まず、聴覚障害者団体からの要望内容でございますが、大きく分けて、一つは緊急災害時の情報提供、これにつきまして、視覚文字情報の提供についての取り組みをということが1点目。2点目は、避難所に聴覚障害者の方の情報提供としてホワイトボード等、これを整備すること。これが主な2点でございます。
これに対しまして区は現在の、特に視覚文字情報の提供に力を入れて取り組んでいきたいと考えているところでございます。来年度からCTNあるいは携帯電話、また電光表示板つきの自動販売機、これらによる視覚文字情報の提供の充実を進めていく。このような中で、聴覚障害者の方への情報提供の充実についてもいろいろ考えていきたいと思っています。また、避難所のホワイトボードにつきましては、ホワイトボードではなく、経費の点からいっても、例えば白いちょっと厚目の板目紙のようなものでも可能かと考えております。
いずれにいたしましても、聴覚障害者の団体とは会合を持ったこともございます。いろいろ意見交換をして取り組んでいきたい、このように考えております。
○はっとり委員 区は来年度、災害要援護者と家族のための防災マニュアルの改定を予定していると聞いています。改定に当たっては中越地震等の教訓を生かすこと、また、障害者本人の意見や家族、介助者の意見を聞くことが必要だと思います。どのようにお考えでしょうか。
○納谷防災担当課長 災害要援護者と家族のための防災マニュアルでございますが、実は先日、正式名称が日本障害者リハビリテーション協会、このような協会が主催しました障害者に視点を当てました新潟中越地震の動き、対策、このようなシンポジウムがありました。この中で、主に障害者に対しては、障害者の中での連絡網の整備あるいは安否確認の態勢の整備、また避難所での情報、コミュニケーションですか、このような課題が出されております。このようなことの教訓の把握に努め、またこの改定に当たりましては、当然、障害者団体等を通じ、障害者御自身からも意見を聞く機会を得るなど、障害者の方にとっても、またそれを介護する方あるいは御家族の方にとっても、十分活用できるようなマニュアルの整備にしていきたい、こう思っております。
○はっとり委員 ありがとうございました。
二つ目で、難聴者の対応についてということをお聞きする予定でしたけれども、取材の段階で担当課長の対応が速やかにされまして、解決した部分がありますので、また改めてと思っております。ありがとうございました。
4点目に、高齢者虐待防止に向けた介護家族への支援について伺います。
高齢者虐待防止に向けた法整備を求める声が大きくなっています。
昨年7月、世田谷区は全国初の虐待を受けている高齢者を隔離し、保護する仕組みと、虐待を早期発見し、防止するネットワークづくりに着手しました。中野区でも虐待された高齢者を一時的に緊急避難させ、保護した事例などがあると聞いています。そうした取り組みを今後、仕組みとして整備することについて、区のお考えを伺います。
○瀬田中部保健福祉センター所長 お答えいたします。
区における高齢者虐待防止への対応は、高齢者個々人の方にとって、尊厳を持って地域で暮らし続けられるという観点からも重要な課題の一つであると受けとめております。
今後、保健福祉審議会での議論ですとか庁内検討、また区内の関係機関などとの協議を踏まえまして、ネットワーク組織の立ち上げですとか職員の解決対応のノウハウ、これのスキルアップの充実、あるいはマニュアル整備などにつきましても、順次、取り組みを進めていきたい考えでございます。
また、虐待の理由を初め、介護者の急病など、特別な事情を理由とした一時保護の仕組みとして、当区におきましても16年度当初より高齢者の緊急一時宿泊事業を立ち上げたところでございます。既に同事業を活用いたしました虐待保護の事例もございまして、今後とも緊急対応などに生かしていきたいと考えております。
○はっとり委員 ありがとうございました。
介護をしている家族が十分に休息をとり、安らいだ暮らしをしていれば、虐待はかなり未然に防げると思います。そうした意味からも、介護家族に精神的・肉体的な安心感、解放感をもたらす場と機会の確保が必要だと思います。
港区に事務所を持つ福祉系NPOがケアフレンドの養成講座を開いています。これは阪神・淡路大震災のときに被災した方々の仮設住宅でのコミュニティーづくりから考え出されたシステムで、文科省が小・中学校に配置しているメンタルフレンドからヒントを得て、介護に疲れた人たちの受け皿となる場づくりを目指しているということです。
講座の修了者の中には自宅を開放したり、デイサービスセンターの休館日を活用して家族会を開く介護者デーなどを始めている方もいるそうです。介護家族への支援について、現在、中野区が実施している認知症高齢者家族教室の事業内容を工夫することなども含め、区はどのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。
○瀬田中部保健福祉センター所長 当区におきましても、現在行っております認知症の高齢者家族教室などにおきまして、医師や保健師のサポートを初めといたしまして、特に御本人が参加した際には地域のボランティア団体からの御参加、協力をいただきながら、本人介護のサポートをしてきていただいているところでございます。このことは、御家族の方々にとっては日ごろの介護負担の軽減ですとか心のケア、休息といったことにもつながっているものと考えております。
今後とも地域における医療機関、NPOなどの協力・連携をさらに図りながら、地域支え合いの自発的な活動とも結びつけながら、個々のケースごとに本人あるいは御家族にとって最も効果的な地域ケアにつなげられるよう、努めてまいりたいと考えております。
○はっとり委員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
次に、中野駅周辺まちづくり計画素案についてお伺いをいたします。
警察大学校が移転して既に3年がたちました。清掃工場建設計画中止以降、新しい中野駅周辺まちづくり計画策定のために、既に1年半、議論が続けられてきています。
財務省が所有する警察大学校跡地を区民が防災広場などに使えるよう、次世代にツケを残さないよう、最少の経費で一刻も早く計画策定に向けていく努力が必要だと思います。当初の予定からおくれて、ようやく計画素案が出されました。警察大学校跡地整備を中心にお聞きしたいと思います。
中野区役所一帯には防災公園はありませんが、広域避難場所として既に指定されています。広域避難場所指定については何が条件でしょうか。お伺いいたします。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 広域避難場所は、基本的には一定のオープンスペースを指定するものでありまして、防災公園の存在自体が広域避難場所指定の条件ではございません。指定の際の条件として、一つ目としては周辺の市街地の大規模な火災による輻射熱の影響の少ない空間が1人当たりおおむね1平方メートル以上確保できること。それから、二つ目といたしましては、危険物の貯蔵施設など、避難者の安全を著しく損なう施設が存在しないことでございます。
なお、広域避難場所を指定する際には、東京都がその土地所有者に同意を求めた上で指定するということでございます。
○はっとり委員 広域避難場所の条件と役割を説明して、広域避難場所としての役割が十分果たせる整備目標や整備条件を明記すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 広域避難場所の所期の役割は、市街地が大火に見舞われたときに一時的に避難する場所でございます。地震災害の場合には、時間の経過とともに救援・救護、復旧活動などに使用されることになりますが、これらの機能は広域避難場所としての役割というよりは、オープンスペースの活用というふうな役割でございます。
今回、お示しをいたしました中野駅周辺まちづくり計画素案は、にぎわいと環境が調和する新しいまちをどのようにつくっていくかというビジョンを示しているものでございますけれども、防災の要素も非常に重要な視点として盛り込んでございます。御指摘の点も踏まえながら、検討を進めたいと考えております。
○はっとり委員 昨年、私たち市民自治として、警察大学校跡地に区民が憩える森をつくることを提案しました。森の中心部分として区立防災公園を3ヘクタール以上確保すること、現在の囲町公園と開発に伴う公園とも連続させて区立公園として整備し、民間のオープンスペースとあわせて4ヘクタール以上を緑の保全と再生ゾーンにという内容です。
素案では、移動した囲町公園とあわせて、区立防災公園を1.5ヘクタール確保すると書かれています。その根拠をお伺いします。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 ただいま御指摘のとおり、防災公園の整備は既存の囲町公園0.5ヘクタールに加えまして、開発者が負担をいたします1.0ヘクタールの公園をあわせ、約1.5ヘクタールを確保することを想定しております。なお、警大跡地の道路や公園の整備は、原則として開発者が負担するという予定でございます。
防災公園の面積を1.5ヘクタールとした理由でございますけれども、この警大跡地の全体の土地利用上、他の利用の必要面積とのバランスから、2ヘクタールあるいはそれ以上の公園面積を確保することは困難であるということでございます。しかしながら、防災公園の確保面積を1.5ヘクタールといたしまして、民間事業地からさらに0.5ヘクタールを加え、全体で2ヘクタールの防災と緑の空間が確保できます。これで2ヘクタールの公園と遜色がない機能が確保できるというふうに考えております。この空間に接しまして、建築物の敷地でオープンスペースとなる部分を連続させることによりまして、3から4ヘクタールのさらに広い公園的な空間を広域避難場所の中央に確保することができます。区としては、これが少ない費用で大きな効果が得られる整備の道筋であるというふうに考えてございます。
○はっとり委員 私たちとしてはもっと広く確保して、跡地の樹木を生かした緑あふれる公園にするべきだというふうに考えております。これは要望としてお伝えをしておきたいと思います。
次に、公園の整備に当たっては広く区民から提案を募集し、整備計画をつくってはいかがでしょうか。また、区民や企業などから寄附を募り、区民ファンドを創設して、樹木の保全と再生のための基金をつくることなど、区のお考えを伺います。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 平成15年10月に東京都都市計画審議会が答申をいたしました東京らしい緑をつくる新戦略におきましても、多様な主体が連携して緑をつくることが示されてございます。このようなことから、樹木の保全については、基本的にはそれぞれの事業者が事業者の責任において行うということにはなろうかと思いますが、今後、公園の整備の検討を行うに当たりまして、御指摘のような内容を参考にしながら、まちづくりを進めたいというふうに考えてございます。
○はっとり委員 跡地に建設する建物の高さはこれ以上風害を起こさないよう、NTTドコモビルの高さよりも抑えるべきだと考えています。NTTドコモから出ているマイクロウエーブの問題や、警察病院の屋上に設置されるヘリポートなどとの関係から考えても、高さはおのずと制限されるのではないでしょうか。建物の高さについて、区はどのようにお考えでしょうか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 跡地内に建設されます建築物の高さについてでございますが、基本的には開発者みずからがさまざまな法規制などをもとに検討し、具体的に決まるものでございます。しかしながら、おおむね御指摘のような高さ、すなわちNTTドコモビル程度の高さにおさまるものというふうな想定ができようかと思います。
また、跡地内の杉並区側でございますけども、これは相対的には高さが抑えられるというふうな想定をしてございます。すなわち、跡地すべてを高度利用というふうなことをするのではなくて、一部高度利用を進めまして、健全な土地利用を図ることによりまして、一定のオープンスペースを確保したいというふうに考えてございます。
○はっとり委員 素案の環境共生の項で、環境保全型のまちづくりがこれまでよりも具体的に書かれたことは評価をいたします。さらに都市緑地法や景観法の活用など、環境保全を担保する仕組みについても具体的に書き込むべきだと思いますが、お考えを伺います。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 環境保全を担保する方法や仕組みなどにつきましては、御指摘のような新たな法制度も踏まえながら、区として一定の方向性を示しながら、事業者と連携して行うものというふうに考えてございます。
今後、本文への書き込みなどについても、検討していきたいというふうに考えてございます。
○はっとり委員 また、環境保全型のまちづくりを素案の中でうたってはいるんですけれども、警察大学校跡地とその周辺地区の開発目標に緑を重視する姿勢が示されていないと思います。明確に示すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○豊川中野駅周辺整備担当課長 警大跡地とその周辺の開発目標に緑を重視する視点につきましては、当然持っているわけでございまして、今回の素案におきましても一定の記述はしているところではございますが、今後さらに記述については工夫をしていきたいというふうに考えてございます。
○はっとり委員 ありがとうございました。次に移りたいと思います。時間の関係もありますので、 最後のワークシェアリングの検討についてお伺いをいたします。
昨年6月に設置されたワークシェアリングの検討会の報告がこのほど出されたと聞いています。私たちも何回か傍聴をさせていただきました。どのような内容の報告なのでしょうか。お伺いをいたします。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 報告書の内容でございます。
検討会では有償労働に限らず、無償労働も含めて、人々がそのようなさまざまな労働に参画をしていく中で、社会が必要とする仕事やサービスを確保し、それを通じて支え合える地域をつくっていくというような意味での、広い意味でのワークシェアリングのあり方について、主に3項目に絞って検討をいたしました。
一つ目が、団塊の世代の退職と地域活動ということで、先ほど委員からも御質問がございましたが、この10年間、大変団塊の世代の方々が地域に戻っていらっしゃる。そうした方々の活動をどうしていくのかということでございまして、例えばここでは企業で仕事に専念してきたために、その地域に足場を持たない、そういった人が地域に戻るためのきっかけや受け皿、そして男性向けの生涯学習プログラムの開発ですとか、地域活動、インターンシップの退職前の実施、こういったことについて提案をしてございます。
それから2点目に、少子・高齢社会におけます家庭、家族の変化への対応ということで、ここでは職場と子育て双方のワークシェアリングを進め、労働時間の短縮を父親の育児参加に結びつけていくというようなこと。それから、専業主婦に子育ての支援情報だけでなく、再就労に必要な情報も届けていくというようなこと。それから、異なる年齢の子どもとその世話をする人々が出会える場を設けていくというようなことについて、提案してございます。
それから3点目でございますが、地域サービスの分かち合いということでございまして、ここではNPO、それからボランティアに対して、その質向上のための研修等の支援をしていくというようなこと。それから、区の業務委託に当たりましては、定期的な検査や事務評価を行ってフィードバックするとともに、利用者の苦情や不満といったものを受けるルートを確保していくというようなこと。こういったことについて、主な方向性について報告をしております。
○はっとり委員 また、この報告書を踏まえて、今後の取り組みにどのように生かしていくお考えなのでしょうか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 まず、ワークシェアリングということ自体が、なかなかまだなじみのないことでございますので、私どもとしては、区民の皆さんにこうしたワークシェアリングという考え方についての周知を図っていくといったことがまずは大事かなというふうに考えてございます。
そして、ワークシェアリングについては、男性を含めた働き方の見直しですとか就労あっせん、起業といったこと、それから地域活動の活性化など、大変幅広い課題を含んでおりますので、今回、示された視点をもとに、各部と連携した議論をさらに深めていく必要があるというふうに考えておりまして、そうした中で、具体的な取り組みについても今後、明らかにしていきたいというふうに考えてございます。
○はっとり委員 この検討会なんですけれども、今年度の予算書にも検討会が掲載されていますね。それで、内部の検討ということで、当初、非公開でこの検討会が行われておりました。それで、私たちもぜひ傍聴させていただきたいということでお願いをして、公開していただいたいんですけれども、設置も議会の方には報告もなく、それから報告書についても設置の報告がないと、報告についてもないのかなと思うんですけれども、やはり予算書にきちんと載っている検討会ですし、たとえ内部の検討であっても、外部から専門家3人を入れての検討ですので、ぜひそうしたときには公開して、広く、内部というか、私たちだけではなくて、区民の方にも傍聴を呼びかけるというようなこともしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 この検討会の報告自体が1月末でございますので、この報告書の内容については、所管の委員会の方に御報告をさせていただきたいというふうに思ってございます。
○はっとり委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。
すべて、この質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○平島委員長 以上ではっとり幸子委員の質疑を終了いたします。
次に、久保りか委員、お願いいたします。
○久保委員 それでは、総括質疑をさせていただきます。2回目の総括でございますが、大変緊張しておりますので、理事者の皆様にはどうぞわかりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。
初めに、バス路線新設についてお伺いいたします。
いよいよ今年度、待望の上鷺宮、鷺宮地区から中野駅方面へのバス路線が新設をされる予定になっております。昨年の予算の総括質疑でもこの問題について取り上げさせていただきまして、幹線道路を走るバスの提案を含め、質問させていただきました。1年がたち、大きくこの問題が進展をしてきたことを大変うれしく思っております。北の外れで練馬区か杉並区かと言われている我が地域が、中野区との直接のアクセスがこれで可能になってまいります。
確認のために伺います。区が地域の中をくまなく走るミニバスではなく、幹線道路を走る路線バスを推進してきた、その理由をお聞かせください。
○上村交通安全対策担当課長 お答えいたします。
この上鷺宮地域は通行禁止規制の時間帯が長いとか、一方通行、また車幅規制など、地域の強い要望により交通規制がかけられている地域と認識しております。また、昭和50年代より、このバス路線誘致の課題につきましては住区協議会等々で議論がありまして、その中で住宅地内を通るバスルートということにつきましては住環境の悪化を招く等々の意見があり、実現に至らなかったというような形で、地域内の一定の到達点ということを認識してございます。
以上のような理由から、ただし、速やかにバスルートを、この上鷺宮地域等と中野区を結ぶということを実現したいという地域の強い要望にこたえるということで、このたび幹線ルートを選択したということでございます。
○久保委員 中野区がこのバス路線の新設を進めてきた理由としては、上鷺宮、鷺宮から中野区までの足の確保だけではなく、交通不便地域の解消という目的があったかと思います。そもそも交通不便地域というのはどういったところを指すのでしょうか。
○上村交通安全対策担当課長 お答えいたします。
交通不便地域とは全国統一的な基準というものはなく、自治体が自主的に決めているものでございまして、中野区の場合、平成15年の行政評価の指標を設定する際に使い始めたものでございまして、鉄道駅から700メートル、バス停から300メートル以上離れた地域を指してございまして、現在11町丁ございます。
○久保委員 このバス路線の新設により、交通不便地域はどの程度解消することができるんでしょうか。
○上村交通安全対策担当課長 バス停の設置場所にもよりますが、鷺宮五丁目と上鷺宮二丁目が解消するものと想定してございます。上鷺宮地域では、上鷺宮一丁目が残るものと考えております。
○久保委員 もう一つの交通不便として、さまざまな交通機関とのネットワークが不便という問題があります。この解消策の一つは、乗りかえの利便性ではないでしょうか。ネットワークをうまくつくる、その視点でのバス路線のバス停の配置を検討されてはいかがかと思いますが。
○上村交通安全対策担当課長 現在、開設を考えているこの路線中、新青梅街道沿いにバス停がなく、ここに新設が予定されております。バス停の場所については、まだ白紙の状態でございますけども、バス停設置場所の視点としましては委員御提案のように、乗りかえの利便性やネットワークを考慮するというような指摘は参考になると考えておりますので、バス事業者に伝えていきたいと思っております。
○久保委員 バス停の設置はバス会社が決めることなんでしょうか。予算の中には、バス停設置のための支援も含まれていると伺っております。区もこのような視点から、バス停設置に関与するべきではないかと思います。
そこで提案ですが、まず始発地点の西武新宿線下井草駅との連携、また次に、新青梅と中杉通りの交差点付近にバス停を設置することで、鷺ノ宮駅のアクセスと中杉通りを南北に走る阿佐ヶ谷・中村橋間のバス路線とのアクセス、これも可能になってまいります。また、都立家政駅入り口・野方駅とのアクセス、環状7号線を使って、高円寺行き、王子行きなど、ほかのバス路線との乗りかえも可能になります。ほかの交通手段とのネットワークを考慮したようなバス停の配置を検討されるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○上村交通安全対策担当課長 バス停の設置場所につきましては、基本的にはバス会社が責任を持って交渉に当たるものと認識しております。しかしながら、この路線の新設の経緯から区も大きくかかわっておりまして、必要に応じ、バス事業者とともに交渉に当たっていく場面もあろうかと思います。
今、バス停の設置場所等々の御提案をいただきましたけども、バス停の設置場所につきましては、委員御指摘のようなことも考慮しながら、またあと、道路管理者の第三建設事務所や交通安全の立場からの警視庁の交通規制課等の指示により大きく左右されることもあり、相手先の交渉前に、特に警視庁との事前調整の承認が欠かせないところでございます。
○久保委員 もう一つ、このバス停の設置のことなんですけれども、団地とかのアクセスを配慮した設置ということです。新青梅街道沿いには四谷商業や武蔵丘高校など、こういった都立高校もございますし、都営上鷺宮二丁目アパート、丸山アパートなどの集合住宅もあります。こうした利用者が多いと考える位置にも、バス停はぜひ設置をしていくべきではないかと思っております。特に、集合住宅には高齢者の方が多く住んでいることを考えますと、東京都の高齢者いきいき事業の目的からしても、外せないポイントではないかと思いますが。
○上村交通安全対策担当課長 より多くの人に乗っていただくというためには、より利用者が多いところに設置すべきだというふうに考えております。また、都の補助事業の趣旨を生かした形での場所も、考慮することを伝えてまいりたいと思っております。
○久保委員 バス停の設置に関連いたしまして、バス停のスタイルについて伺います。
スペースのあるところには、雨や日差しからバスを待つ人を守ることのできる屋根つきの全天候型のバス停の設置を検討されてはいかがでしょうか。バスを利用する高齢者の方たちにも大変喜ばれるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○尾﨑土木担当課長 屋根つきのバス停留所でございます。上屋と申しますが、上屋の設置につきましては、バス事業者の申請に基づきまして道路管理者が許可するものでございます。許可の要件といたしましては、駅前広場の交通島や原則3メートル以上の歩道があるところなどでございます。
今回のバス路線につきましては、ほとんど都道を通行することになりますので、設置するのであれば、東京都が許可する必要があります。しかしながら、最近ではバス事業者の上屋設置につきましては、設置コストの面でなかなか難しいという話を聞いておりますので、今回の件につきましては、バス事業者に意向を確認したいというふうに考えております。
○久保委員 ありがとうございました。
次に、西武新宿線沿線まちづくりについて伺います。
基本構想の素案には、持続可能な活力あるまちづくりの10年後という領域に、「踏切問題の早期解決に向けて、西武新宿線の立体化と沿線まちづくりが計画をされています」と書かれております。向こう10年間で到達する将来の姿ということですから、10年間かけて計画をしていくということなのでしょうか。言いかえれば、10年のうちには問題は解決されず、計画で精いっぱいという意味なのでしょうか。お答えください。
○岩井地区整備担当課長 鉄道の立体化の実施までの一般的な手続、スケジュールでございますけれども、現在、西武新宿線の沿線まちづくり構想について検討を進めているところでございます。このまちづくり計画は連続立体交差事業と言いまして、周辺のまちとかなり関係が深いものですので、このようなまちづくりの構想を策定する必要があるわけでございます。
区が策定をいたしました沿線まちづくり構想の策定を受けまして、都は連立についての調査を実施いたします。その後、都から国に対しまして連立調査の実施要望、国が連立調査を実施いたします。その次に、連立事業の実施について都から国への採択を要望いたします。国が事業を採択いたしまして、その後、都が連立についての都市計画決定、事業認可という流れと聞いております。こういう手続は10年はかかるであろうというふうに言われております。
また、区といたしましても、駅周辺地区を中心といたしましたまちづくりの構想を策定いたしました後、駅周辺に求められます機能であるとか、周辺道路の整備の考え方などをもとにいたしまして、具体的な事業規模であるとか事業手法など、さらに詳細な検討を行っていく必要がございます。こうした取り組みを都と連携しながら着実に進めていくことで、10年後には具体的な事業に着手する前段階まで到達していくという姿を描いているところでございます。
○久保委員 長い取り組みになるかと思いますけれども、この西武新宿線の踏切問題については、中野区は区内全線地下化が一番の解決策と考えているのでしょうか。全線地下化といっても、隣接区との関係もあると思いますが、隣接区とはどのように協議をされていますか。
また、全線地下化ということになると、当然、駅は地下化をされますし、線路もなくなるわけです。多様なまちづくりの可能性が広がることと思いますけれども、中野区にとって一番のメリットは何だと考えていますか。
○岩井地区整備担当課長 鉄道と道路の立体交差化事業の事業主体は都でございますけども、区といたしましては、鉄道の地下化が望ましいというふうに考えております。また、昨年1月、区民、区議会、区の3者によりまして結成いたしました西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟、この規約にも区内全線の地下化の実現を掲げているところでございます。
また、隣接区との関係でございますけれども、隣接する新宿区、杉並区及び練馬区--西武新宿線は、杉並区の次に練馬区を通過いたします。そのため、この3区とは今後、連携した取り組みをしていくことも必要だろうと考えております。これまで各区の取り組みの方針であるとか検討状況等につきまして、情報交換をしてきているところでございます。
また、地下化の一番のメリットという御質問でございますけども、地下化の一番のメリットを挙げるということはなかなか難しいと思いますけれども、地下化された場合には、踏切遮断によります交通渋滞であるとか踏切事故が解消されることはもちろんでございますけれども、それにあわせて経済効果、環境改善、また緊急車両がスムーズに通行できるようになるなどのメリットが挙げられます。さらに、新たに創出される鉄道の跡地を活用いたしまして、周辺地域と一体となったまちづくりなども考えられると思います。
○久保委員 さまざまな可能性が広がっていくのだと思いますけれども、この東京都策定の踏切対策基本方針によれば、鉄道立体化に向けた当該区間固有の主な課題として補助133号線、いわゆる中杉通りの整備計画及び事業実施時期との整合を図る必要があるというふうに書かれてあります。そのためにはどうするのかは検討されているのでしょうか。
○岩井地区整備担当課長 御指摘の点はまだ検討はしてございませんけれども、先ほど御答弁いたしました立体化の事業の取り組み、これを進めていく中で、都と協議・調整が必要だろうというふうに考えております。
○久保委員 昨年の予算総括でも伺った中杉通りの問題ですが、12年間のうちに整備が優先される東京都都市計画道路第三次計画の状況に変化はあったのでしょうか。優先整備路線、着工路線の採択はどうなったのか。また、着工時期のめどはたっているのか伺います。
○服部都市整備部経営担当参事 お答え申し上げます。
中杉通りにおきましては、都市計画道路といたしまして自動車交通の円滑化、防災性の向上など、広域的な課題の解決に寄与する路線でございまして、委員御指摘の昨年3月に東京都都市計画道路第三次事業化計画をまとめてございます。その優先整備路線として位置付けの変更はございません。ただ、しかしながら、現段階で具体的に事業化の時期、それはこれからと伺ってございます。
○久保委員 西武新宿線の中野区全域が鉄道立体化の検討対象区間に入っていますが、これはあくまで鉄道立体化の可能性を関係者間で検討すべき区間であるということで、具体的な対策が決まっているものではありません。何年先に解決するのかわからない問題ではないかと思います。まずは補助133号線の整備に向けた取り組みが先ではないかと思われますが、いかがでしょうか。
○服部都市整備部経営担当参事 先ほどもお答えしてございます、昨年3月に都区の協議で合意いたしましてまとめました第三次事業化計画で、そこでも明らかにしてございますけども、中杉通り、優先整備路線といたしまして、都としても順次、事業を進めていくこととしてございます。区といたしましては渋滞解消、渋滞対策の観点から、今後とも早期事業化、先ほども具体的に、時期等未定でございますけども、都の方に働きかけていきたい、要望していきたい、そう考えてございます。
○久保委員 今、沿線まちづくりの勉強会等も行われております。先日、参加をさせていただきまして、私も大変興味あるすばらしい勉強会であるなというふうに思いました。
しかし、私が心配をしておりますのは、この結論の出ていない中杉通りを抱えた鷺宮エリアの勉強会では、どのようにまちづくりを検討していくのかということです。あらかじめ133号線は整備されると仮定して勉強会を行うべきではないかと思います。現在の中杉通りのまま、まちづくりを考えるのと、133号線が整備をされた上でまちづくりを考えるというのでは、全く大きな違いがあると思うんですが、その辺はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
○岩井地区整備担当課長 お答えをいたします。
補助133号線の中杉通りでございますけれども、都が平成16年3月に策定をいたしました区部における都市計画道路の整備方針におきまして、平成27年までに優先的に整備すべき路線と位置付けられているところでございます。そのため、現在の中杉通りではなくて、新たに補助133号線が整備されることを想定いたしまして、沿線まちづくりを検討していくことが必要であろうというふうに考えております。
○久保委員 あくまでも、この都市計画道路を優先したまちづくりの勉強会を行っていくというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○岩井地区整備担当課長 ただいま答弁いたしましたように、都市計画道路のことを前提とした検討を進めていくということでございます。
○久保委員 昨年の予算総括でも、西武新宿線北側の中杉通りについては提案を含めた質問をさせていただきました。また、この南側に関しましては、ユニバーサルデザインの歩行者・自転車の優先道路、緑の散策道路、休みながら歩ける道路、こういったものを提案させていただいております。
昨年末に国土交通省の特別な支援として、住民ニーズの高いくらしのみちゾーンやバリアフリー重点整備地区、面的無電柱化地区、自転車利用倍増地区など、四つの施策のスーパーモデル地区を募集しておりました。こうした支援に中杉通りも手を挙げることは考えていないのでしょうか。新たなまちづくりを視野に入れてさまざまな手法を使うという、こういった形で区が積極的に取り組む姿勢を見せていただきたいと思います。現状の中杉通りは都道ですが、今後の整備計画を視野に入れ、中野区が主体となって現道の整備に取り組むべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○服部都市整備部経営担当参事 お答え申し上げます。
区といたしましても、さまざまな道路の整備にかかわります補助事業、これからは支援事業といいますか、支援メニューといいますか、今後とも把握していきたいと考えてございます。
今、委員の方の御質問の西武新宿線の南側のいわば現道の取り扱いの御質問は、昨年、委員からの御質問を承ったと記憶してございますけども、今後、中杉通りが整備され、また鷺ノ宮駅南側のところの現道の扱いにつきましては、道路の持つ機能と申します交通機能あるいは空間機能、あるいは市街地の形成機能と大変多様な機能を持ってございますが、そういった機能を踏まえながら、これから都と区の役割分担を明確にして、連携を図りながら整備等々を進めていきたいと考えてございます。
○久保委員 12年間の間に整備をされるにしても、現状の中杉通りは見通しの悪さ、道路の傾斜、歩道の段差と問題点は非常に多く、改善が望まれております。特に、西武新宿線の踏切の南北は非常に危険です。南側の歩道部分や北側のバス停に関しては対策が急がれています。特に、北側のバス停は踏切の手前にあり、バスが停車をしてしまうと、ほかの車は追い越しをしていくこともできずに、交通渋滞の原因の一つにもなっています。踏切を広げる、バス停の位置をずらす、踏切の南北だけでも道路の拡幅を行うなど、何らかの対応が急がれると思いますが、その辺はいかがお考えでしょうか。
○服部都市整備部経営担当参事 確かに鷺ノ宮駅の踏切の直前にございますバス停につきましては、今、委員御指摘の乗降車によります新たな交通渋滞などの問題がありまして、交通事故の心配もございます。御提案あった幾つかの項目のうち、バス停の位置の変更なりにつきましては、道路管理者、またバス事業者との協議を行いながら、対応可能か検討していきたい、そう考えてございます。
○久保委員 ぜひともこの踏切の南北の問題だけでも、早目に解決をしていただきたいと思います。
○平島委員長 久保委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午前11時58分休憩
午後1時00分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
質疑に入る前に、追加資料の配付について申し上げます。
要求した資料につきましては、お手元に配付のとおり、3件の資料が追加提出されておりますので御承知おきください。また、午前中に御了承いただきました、区民分科会関係8番の差しかえ資料を配付いたしましたので、御確認ください。
それでは、質疑を続行いたします。
○久保委員 それでは、受動喫煙防止について伺います。
喫煙による健康被害を防ぐためのたばこ規制枠組み条約が27日に発効されました。主な内容としては、3年以内に健康への警告表示の面積をたばこの箱の表裏それぞれ30%以上に拡大、未成年者へのたばこ販売を禁止する対策を行う、屋内の職場や公共の場所などでたばこの煙から保護する措置をとるなどです。
中野区は平成17年4月に区内で歩行喫煙しない規定を設けた条例に改正しようとしています。7月には中野駅周辺を路上喫煙禁止地区と指定するとしています。事業メニューとしては、まちの美化啓発となっていますが、これはまちの美化ということだけではなく、受動喫煙の防止や禁煙推進にも非常に効果的であり、まちの安全という意味からも意義のあるものだと思います。区としては積極的に受動喫煙対策を検討されているのでしょうか。
○本橋区民生活部長 お答えいたします。
本議会でポイ捨て条例を改正いたしまして、歩行喫煙の防止の取り組みをしていこうと考えております。その条例の中では、路上喫煙の禁止区域の指定ができるようにということでの予定もしておるところでございますが、これについては、結果的には受動喫煙の抑制の効果もあろうとは思いますが、基本的には、歩行者等の安全の確保という観点から取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○久保委員 禁止地区内での禁煙の徹底を図るということですが、この禁止地区内に喫煙所を設けるという考えはあるのでしょうか。本会議での江口議員の質問にもありましたが、喫煙者というのは駅などの喫煙できない場所から出た途端に、解放感からたばこを吸うといった傾向があるように思われます。禁煙エリアを設けても、そこを出た途端にたばこを吸われては、せっかく歩行喫煙を禁止していても元も子もありません。禁煙エリアの境界線には、灰皿や喫煙所を設けるなどの措置が必要でなはいかと思われますが、いかがでしょうか。
○本橋区民生活部長 喫煙者にマナーを守っていただくよう促すためにも、路上喫煙の禁止区域におきましては、指定に当たりましては、指定喫煙場所の設置ということが必要だろうというふうに考えております。
この喫煙場所の設置に当たりましては、歩行者の安全を確保するというのが大事な要件になりますので、歩道幅と人の通行量などの関係から、なかなか設置場所には制約がございます。境界領域のところでそれぞれにというわけにはなかなかいかないところがございますが、現在、第三建設事務所ですとかJTなど関係機関、関係者などの御協力によりまして、中野駅の南北駅前広場など中野駅の近くに4カ所の喫煙スタンドを設置するということで、年内の設置を目指して準備を進めているところでございます。
○久保委員 区内全域の歩行喫煙の禁止のアピールはどのように行っていくんでしょうか。立て看板やステッカー、路面の注意書きなどを検討されているようですが、効果的と思われますか。
○本橋区民生活部長 スタンドの設置につきましては、年内ではなくて年度内です。3月中に設置をする予定でございます。失礼いたしました。
それで、マナー啓発のためのいろいろな取り組みですけれども、これにつきましては、ライオンズクラブに協力していただきまして、商店街の街路灯などに歩きたばこやポイ捨てをやめましょうという呼びかけの巻きつけ広告を設置できるようにしております。また、たばこの販売店や自販機などにマナー啓発のシールを張ってもらうようにするとか、またバスの車内広告、車内放送や商店街の放送でのPRなど、御協力を呼びかけているところであります。路面表示等々もしながらということで、地域の方々にも協力していただきながら、啓発のキャンペーンをしていきたいというふうに考えております。
○久保委員 ただ、禁煙としてどこでも仕切ってしまうのではなくて、しっかりとした分煙を行っていく必要があるのではないかと思います。
さきに紹介したたばこ規制枠組み条約には、屋内の職場や公共の場所などでたばこの煙から保護する措置をとるとなっております。区の施設の禁煙・分煙状況はどのようになっているんでしょうか。
○秋元営繕担当課長 お答えをいたします。
区有施設の禁煙・分煙状況につきましては、総務資料66で御提示させていただいたところでございます。区営住宅等の住宅系施設を除きますおおよそ199の区有施設のうち、187施設が禁煙措置、本庁舎を含みます12施設において分煙措置を行っているところでございます。
ただ、分煙施設のうち、喫煙室等に排気設備等の設置をしている施設が8施設だったのに対しまして、残りの4施設は窓などの開閉により対応しているという状況でございました。これら自然換気の4施設につきましては、たばこ規制枠組み条約の発効といったことを背景といたしまして、いずれも現在、全館禁煙という方向で、お客様と調整しているということで伺ってございます。
以上でございます。
○久保委員 禁煙をされている区内の施設というのは、分煙の設備が整い次第、また分煙に戻すんでしょうか。それとも、そのまま禁煙ということで続行していくようになるんでしょうか。
○秋元営繕担当課長 現在、自然換気の施設のところにつきましては、禁煙の方向ということで今、お客様と折衝、調整中であるというふうに伺っているわけでございまして、そのまま全館禁煙施設として続行するというようなことで伺っているわけでございます。
○久保委員 ありがとうございます。
健康推進の成果指標でも、喫煙者率を下げることを目標にしています。喫煙者を減らすということは、これからたばこを吸う人をふやさないようにする。今たばこを吸っている人をやめさせようということだと考えますけれども、保健福祉としての取り組みとしては、どのように推進をしていくのでしょうか。喫煙者を減らすことと受動喫煙の防止との関係性はどのようにあるのでしょうか。受動喫煙の防止のためには、何が一番効果的であると思われますか。喫煙者の権利を守りながら推進をしていくということであれば、分煙の推進を行っていくべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 区では昨年、受動喫煙防止・禁煙支援の推進についての基本的な考え方を確認してございます。そこではまず、受動喫煙の影響を提言する環境づくりを進める。それから、情報提供やPRにより、健康づくりへの機運を高める。未成年者の喫煙防止対策に努める。喫煙習慣から抜け出すことを希望する区民への支援などを柱に、調整の場を持ちながら推進を図っているところでございます。それで、今、基本指針の検討も進めさせていただいているところです。
また、区民に対する直接的な働きかけとしては、世界禁煙デーとかくらしの安全展などでのPRのほか、ことしから禁煙教室、それと地域で進める受動喫煙防止・禁煙支援シンポジウムなどの開催、それから事業者等への会合に出向いていって受動喫煙防止・禁煙対策推進の呼びかけを行うなどをしております。今後もこうした事業等を充実させながら、喫煙率の引き下げを図っていきたいというふうに思っております。
それで、喫煙者が減少すれば、受動喫煙の可能性も当然、減少するというふうに考えております。また逆に、受動喫煙防止のためには、喫煙者が減ることが効果的というふうに考えられますが、もう一方できちんとすみ分けがなされれば、大きな効果が期待できるというふうに考えております。それで、喫煙者の権利を守りながら推進していくというためには、形だけの分煙ではなくて、煙などが外に流れないような完全分煙、これは室内の完全分煙が進められていれば、喫煙者の権利を守りながら、ほかの人たちの健康も守るということにつながっていくというふうに考えております。
○久保委員 中野区の健康づくり協力店について伺います。
この協力店の目的はどのようなもので、現在、協力店は区内に何軒あるのでしょうか。また、17年度の協力店の拡充の目標数はどのようになっていますか。
○清水保健所長 健康づくり協力店についてのお尋ねでございます。お答え申し上げたいと思います。
まず、目的でございますが、食の多様化とともに、いわゆる外食あるいは中食と言いますが、これはいわゆるおうちに持って帰ってすぐ食べられる、調理が必要なくて食べられるような状況を中食と申します。こういったものが、区民がかなり高い利用率があるということで、これを健康的にするということ、これが非常に重要だろうということで、平成4年から始まった事業でございます。
それで、どういう協力内容かと申し上げますと、3点ございます。一つは、これはよく外食産業の中でも見かけるわけでございますが、いわゆる提供される食事、食材の栄養成分の表示、カロリー、塩分等ですね。こういったものを表示する。それから2点目として、そこまではいかないけれども、いわゆる食にまつわる健康情報の提供。例えばおそばの効用ですとか、いろんな情報提供を外食の中でやっている。それから、3点目が一番重要なわけでございますが、いわゆる健康に配慮したようなメニュー、あるいは高齢者向けのメニューを作成して、実際に提供する、この3点がございます。
現実に、平成17年2月末現在、中野区内に300店舗が登録されております。これは中野区内のそういった事業者の総数は2,200ほどございますけども、約13%に当たるということで、かなり無視できない数の登録をしていただいているというふうに認識してございます。
それで、17年度は拡充の目標として、あと年間30店舗拡大をしていきます。そうすると330店舗ということになりまして、大体15%程度に相当するものというふうに考えてございます。
以上でございます
○久保委員 健康づくり協力店に、「空気もおいしい店」というようなキャッチフレーズが書かれているものがございました。禁煙を推進していくということも、この健康に配慮した店の一つの条件ではないかと思うんですが、こういったことも協力店の一つのポイントにしていってはいかがかと思います。例えば、空気清浄機の設置などの義務といったものも必要ではないかと思いますし、また分煙を行っている店の中にも、空気清浄機設置などの配慮をしている、そういったお店などもありますので、全くの禁煙というだけではなく、分煙をしっかりしている、そういったところも協力店と言えるのではないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○清水保健所長 いわゆる健康づくり協力店における禁煙ステッカー等の表示についてのお尋ねでございますが、まずこれ自体は健康づくりの観点から、いわゆる禁煙の推進を図るため、いわば先行的にと申し上げますか、モデル的に試行したものでございます。したがいまして、区全体の喫煙対策と必ずしも十分に整合性をとっていないという懸案でございまして、今後、早急に全庁的な喫煙対策の中で調整を図りながら、本格実施に向けて、いわゆる協力店事業としてこういった喫煙対策あるいは禁煙対策を本格的に実施するかどうかにつきましては、検討してまいりたいというふうに考えてございます。あくまでも現時点では要綱上は食に関する、先ほどの3点の栄養成分表示、健康情報の提供、それから健康に配慮したメニューの提供、こういったものが事業内容となってございます。したがいまして、健康づくり協力店事業におきましては、空気清浄機の設置義務もございませんし、それから御指摘のような、いわゆる禁煙を、あるいは喫煙対策を主眼にしたというような考え方は今のところ余り想定はしていないということをまず御理解いただければと思うわけでございます。
○久保委員 1月28日に開催されました受動喫煙防止・禁煙支援シンポジウムの中で、江東区の飲食店用の受動喫煙防止対策パンフレット配布や、禁煙・分煙飲食店登録制度を開始したといったことが紹介されておりました。中野区でもこうした事業を行っていく予定はあるのでしょうか。
○清水保健所長 いわゆる健康増進法の施行に伴いまして、受動喫煙防止対策ということが課題になっているということは十分認識してございます。また、従前から言われておりますように、健康づくりにおいて、禁煙の推進というのは極めて重要なわけでございます。それで、私ども保健所あるいは保健衛生の立場から申し上げれば、いわゆる個人の健康管理として喫煙対策あるいは節煙、禁煙と、こういったものを健康管理として申し上げてきたわけでございますが、それを一歩踏み込んで社会的にどうするかということが今、課題になっているわけでございまして、当然、健康づくり協力店の中でも、こういったことに全く触れないというわけにはいかないわけでございます。
まず、協力店の登録に際しましては、その店舗で何らかの喫煙対策を講じているかどうか、これについては実態把握をしてございます。その中で、事業者の意向というのが一番尊重されるべきでございますので、事業者の意向を十分に尊重しながら、あわせて区全体の喫煙対策を協議する中で、今、御指摘のような事業についてどう取り組んでいくか、早急に検討してまいりたいというように考えております。
○久保委員 区としては、今後、喫煙対策を推進していく上で、対策を講じたくてもできないお店、先ほど言われておりましたように、アンケートなどを拝見いたしますと、やりたくてもできないといった、そういったお店もあるように思われます。それで、施設の改装ですとか空気清浄機設置のための助成制度といった、有効な対策方法の紹介などを行っていく必要があるのではないかと思います。
飲食店などでは単に禁煙をするということであると、お客さんの減少につながってしまうということで、非常に売り上げが下がってしまうという、そういうことも心配をされている店舗もあるかと思います。しっかりとこの受動喫煙の防止を区が呼びかけていくのであれば分煙を行えるような、そういった施設の整備に対しても何らかの助成でありますとか対策を行っていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○清水保健所長 冒頭で申し上げておりますように、健康づくり協力店事業では、その協力内容が要綱上は食に関するものというふうに限定してございます。したがって、本事業の中において喫煙対策のための施設整備を考えるという、助成を考えるということは想定してございません。
ただ、禁煙あるいは喫煙対策は重要でございますので、事業者の責務あるいは事業者の裁量権の中でどう対応してもらえるかということが一番大きな主眼でございますので、当然、協力店の事業者に対しましては、喫煙防止あるいは喫煙対策などの情報提供を積極的に行いまして、事業者自身みずからが禁煙推進などの喫煙対策を講じるように意識の醸成を図ってまいりたいと、かように考えております。
○久保委員 ありがとうございました。しっかりとこの受動喫煙防止については、区としても取り組みを続けていただきたいと思います。我が会派におきましても、何とかこの分煙の状況をつくっていきたいと思っております。
次に、成人健診事業について伺います。
成人健診事業につきまして、平成16年度第4回定例会でも質問をさせていただきました。その際にも伺いましたが、再度お伺いをいたします。
成人健診等の一部自己負担を導入するのであれば、当然、サービスの拡充がされるべきです。その一つのサービスとして、成人健診の受け付けは通年を通して行うべきであるというのがこのときの質問です。通年受け付けはいつから始められるのでしょうか。
○今健康づくり担当課長 お答えします。
区民健診は現在、登録制で実施しておりまして、健診の実施期間は5月から11月としております。それで、この期間内に登録者に受診票を送付して受診していただくためには、新規登録受け付けは9月末がぎりぎりという状況にあります。それで、成人健診の15年度の登録者が5万7,000人というその人数からも、この期間設定については事務処理上やむを得ないということをまず御理解いただきたいと思います。
ただし、区民からの御要望を受けて医師会とも協議を重ねた結果、この期間を過ぎて独自に申し込みに来た場合、それから郵送があった場合には、翌年度分の仮預かりをするということにいたしました。その年度の受診には間に合わないとか、それから健診の対象ですとか実施方法等に変更があった場合には、改めて申し込みいただかなければならないとかというようなことはございますが、一応、次年度の登録申し込みとしてお預かりして扱っていきたいというふうに考えてございます。
○久保委員 ということは、18年度からは通年受け付けという形で開始ができるということでしょうか。
○今健康づくり担当課長 今申し上げましたように、これはあくまでも仮預かりということで、積極的にやった場合には、かえって制度が変わったときの混乱を招くというようなことも危惧されますので、あくまでも持ってきた方、それから郵送で届いた場合にはそういう扱いをさせていただくということで、17年度後半からと。実際に、17年度の受付期間が終わってからという扱いになるかと思います。
○久保委員 次に、乳がん検診について伺います。
中野区では30歳以上の区民への視触診検診と、46歳以上の偶数年齢時にマンモグラフィ検査を行っています。マンモグラフィの乳がん発見に対する信頼度は大変高いものです。17年度の国の予算でも、250台の整備や検査技師の促進といったものが盛り込まれております。加えて乳がんの発症率は40代が一番高いという結果も出ています。
この際、中野区では30歳からの視触診による乳がん検診の見直し、マンモグラフィによる検診を推進してはいかがでしょうか。視触診によるがんの疑いというのは、かなり進行が進んでいる状況なのではないかと思われます。マンモグラフィによる早期発見をされることが望ましいのではないかと考えます。より精度の高い検診方法を採用することが、健康づくりの効果を高めるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 16年4月に改正されたがん検診に関する国の指針の中では、40歳以上を、視触診検査とマンモグラフィ検査を同時に隔年で実施するということが示されてございます。それで、国の指針に基づく実施につきましては、関係機関である医師会と協議を行ってきたところでございますが、17年度につきましては、現行方法による検査の仕方の、ちょうど3クール目の最終年度に当たるということがございまして、データ収集、これまで蓄積していますデータを完成させるためにも、あと1年は現行どおり実施させてほしいという要望がございまして、区の方でもそれでやむを得ないというふうに判断してございます。それで、今後、医師会との協議を行いながら、18年度は国の指針どおり実施できるように進めてまいりたいというふうに思っています。
なお、30歳からということですけれども、国のがん検診評価委員会の評価では、視触診検査とマンモグラフィ併用の検診は40歳代の有効性という意味では示されてございますが、30歳代のマンモグラフィ検査はまだ評価が示されてございません。また、30歳については、乳腺の発達の関係で、乳腺の密度が高いんですね。そういう関係がございまして、正確なマンモグラフィ検査は難しいというふうに聞いておりますので、現在のところ30歳からということは考えてございません。
○久保委員 ということは、40歳からは、この視触診とマンモグラフィの組み合わせが可能になっていくというふうに、18年度からは検討されているというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○今健康づくり担当課長 国が示しているとおり、隔年で40歳から両方の同時実施ということを今、検討させていただいております。
○久保委員 次に、子宮がん検診について伺います。
子宮頸がんの発症は、20代が極めて高いという報告が出ています。さまざまな理由が考えられますが、一つにはヒトパピロマウイルス感染などの性感染症による影響も心配をされています。
杉並区では二十以上の女性を対象に、指定医療機関での受診費用1,000円で子宮がん検診を行っています。20代の人口が高い中野区で、二十からの子宮がん検診を推進するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○今健康づくり担当課長 子宮がん検診についても乳がんと同様に2004年に示された国の指針で、20歳以上の隔年での実施ということが示されております。それで、この指針に基づいた実施についても医師会と協議を行ってきたわけですけれども、乳がん検診を1年見送るということになりました。その関係で、子宮がんだけというのもまた混乱を招くことになりますので、子宮がんもあわせて、あと1年現行どおり行って、その後につきましては国の指針どおり、つまり20歳からの隔年の実施ということで進めてまいりたいということでお話をしているところでございます。
○久保委員 これは乳がん検診とあわせて、18年度からは20歳以上の隔年でという形で考えていらっしゃるということですね。
また、若い女性の子宮がん検診は、少子化対策としても行っていく必要があると思いますが、次世代育成支援行動計画の中では、どのように考えられているのでしょうか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 若い女性の子宮がん検診につきましては、確かに少子化対策という視点でのとらえ方も一面ではできるかというふうに考えてございます。しかし、検診は子宮がんの早期発見のために、これまで発症の多い年齢に合わせて実施しているものでございますし、また、これから先、子どもを産む、産まないにかかわらず、区民にとって必要な事業であるというようなことから、行動計画では載せていないものでございます。
○久保委員 済みません、通告にはないんですが一つ、この行動計画の中に不妊治療というのは書かれているでしょうか。
○竹内子ども家庭部経営担当課長 載せてございません。
○久保委員 子宮がん検診とか不妊治療というのは、次世代育成にはなじまないのかもしれませんけれども、非常にこの少子化の中で考えていかなくてはいけない点だと思いますので、その辺のこともしっかりと考えていただきたいなと思います。
あわせてエイズと性感染症対策について伺います。
中野区ではエイズなどの性感染症対策はどのように行っているんでしょうか。
○清水保健所長 エイズなどの性感染症対策についてのお尋ねにお答え申し上げます。
まず、大きく分けて三つほどの事業展開がございます。一つは実際的な検査体制ですね。それから、もう1点が相談事業、そして普及啓発事業と。この3点を大きくつかまえれば申し上げることができようかと思います。
それで、まず抗体検査でございますが、これは御案内のように、エイズ抗体検査と保健所では申しませんで、HIVというふうに通常申します。これは、来所される方がエイズという言葉に敏感に反応しない、他者への情報等が、偏見が生まれないようにというようなこともありまして、こういう抗体検査の名前が若干違った形、専門用語で言われてございます。これを月2回、匿名無料ということで行ってございます。実績については、資料に載せているとおりでございます。
ここ数年から始まったことでございますが、クラミジア抗体検査、それから、いわゆる梅毒反応の検査もあわせて行っているということでございます。それで、これは今申し上げましたように、匿名無料ということで、匿名でございますので、実際に来ている方が中野区民かどうかという確認はできないということになるわけでございます。
それから、相談事業でございますが、これはいわゆる保健所あるいは保健福祉センター等、専門職がいるところで電話あるいは来所による相談事業を随時行ってございます。
それから、普及啓発活動でございますが、まず世界エイズデーというのが12月1日にWHOが指定してございます。これをちょうど軸にしまして、11月16日から12月15日までが世界エイズ予防月間ということになってございます。この中でエイズキャンペーンというのを国や自治体が行うことになってございまして、中野区でも目的としましては、エイズに関する正しい知識と知識の普及と、それから患者・感染者に対する差別、偏見のない社会と、こういった2点の大きな目標を掲げまして、エイズキャンペーンを行ってございます。大体、例年ほぼ同じ内容でございますが、まずはエイズの感染予防についての具体的な科学的な医学的な記事を区報に掲載します。それから、ちょうど12月初頭は人権週間にも重なりますので、区役所のロビーにてパネル展示を行うということになってございます。それから、ホームページではHIV抗体検査等の情報を提供していくということが、保健所の事業として行ってございます。
それから、いわゆる学校教育の中の予防教育は重要でございますので、これは学校教育との連携の中で、学校のさまざまな授業に御協力をしているという状況がございます。まずは養護教諭の勉強会への保健所職員の参加と、あるいは情報の提供ということがございます。それから、教育の中で設置されてございます学校現場での学校保健委員会、こういったもので保護者、教職員、それから校医、こういった方々を対象とした講演会というのを開催、保健所職員が実際に出向いて行ってございます。「今、みんなで考えるエイズ」というテーマで平成16年度は行っておりました。4校で行ったわけでございます。17年度についても1校をプラスして、5校の予定になってございます。
それから、実際に教職員あるいは父兄等だけではなくて、学校の御要望があれば、児童・生徒に対してエイズ予防教育そのものを保健所職員がお手伝いするということでございまして、これを平成16年度は1校において児童・生徒に自分を大事にするということ、それから具体的な性感染症等の予防教育、こういったことを実際に行ったところでございます。
以上でございます。
○久保委員 全国高校PTA連合会が高校生約1万人の性意識調査などを行っております。全国高校生の生活意識調査の結果を公表いたしました。これはエイズや性感染症が若年層に広がっていることを受け、高校生の現状を把握し、予防教育のあり方を探ることを目的としているものです。
また、東京都が先ごろ発表した、健康に関する世論調査の性感染症の項目のエイズについての関心度は全体の65%で、20代、30代の若年層ほど関心が高く、東京都に力を入れてほしい、エイズや性感染症対策として学校における正しい知識の普及、啓発のための取り組みの推進が60%でトップとなっておりました。中野区でもエイズや性感染症の被害から、中野区の未来ある子どもたちを守るために、しっかりとした性教育を行っていくべきであると思いますが、この点はいかがでしょうか。
○小林指導室長 中野区におきましては、平成14年度から16年度までの3カ年にわたりまして、文部科学省のエイズ教育(性教育)推進地域事業の指定を受けまして、区立小・中学校5校、高等学校1校の推進校を中心に、学校、家庭、地域及び関係機関との連携を図りながら、効果的な指導のあり方について研究及び実践を進めてきております。
それで、推進校の成果につきましては、昨年11月4日に研究発表会並びに講演会を開催いたしまして、全小中学校、幼稚園に普及啓発をしております。また、来年度にこの成果を生かしまして、すべての小中学校において性教育の年間計画を作成することになっております。
○久保委員 ぜひともしっかりと進めていただきたいと思います。
次に、介護予防事業について伺います。
中野区保健福祉部のまとめた介護予防メニューなど検討報告によると、いわゆる団塊の世代が65歳以上となる2015年を迎えるためのあるべき介護予防を実現する、長期的戦略づくりのための基礎資料を得る目的でモデル事業を行い、モデル事業の課題の検討を行ったということです。また、区の試算では、介護予防の取り組み効果があらわれなかった場合、2014年の認定者は約1万4,800人、介護保険スタート時点の3倍近くに達すると見積もっています。この場合、サービスの利用率などの諸条件が変わらないと仮定しても、介護保険財政規模自体が約3倍に拡大することとなってしまうという、そういった報告がありました。2015年に向けて、介護予防の取り組みを進める必要性は明らかですが、10年後に向けての介護予防10カ年戦略、こういったものはいつ策定をされるのでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 お答えいたします。
介護予防10カ年計画を単独の計画として策定する予定はございませんが、来年度、改定を行う保健福祉総合推進計画の中に盛り込む予定でございます。
○久保委員 将来的には事業メニューをより多くの高齢者が利用できるように、可能な限り高齢者の身近で実施できる体制を整えることは重要な課題であると思います。
平成17年度の事業メニュー、高齢者会館の事業の内容は、介護予防などの健康維持重視の機能を持つ会館への転換を行うとなっています。ここで言われる機能とはどのようなものでしょうか。また、対象は60歳以上の区内在住者となっていますが、介護予防事業を利用する年齢は60歳からということになるんでしょうか。
○今健康づくり担当課長 高齢者会館につきましては、従来の憩いの場、趣味活動の場としての機能を残しながら健康づくり、介護予防事業を展開する拠点の一つとしての機能転換を図っていくというふうに考えております。それで、具体的には健康講座ですとか転倒予防の体操トレーニングなど、それから高齢者の自主活動支援などにより、高齢者の健康づくりや介護予防を進める場としていきたいというふうに思ってございます。
それで、会館の利用対象者は一応60歳以上ということになってございますが、介護予防事業の対象者は、これは介護保険等々の関係で、65歳以上というふうに考えてございます。
○久保委員 高齢者健康づくりの事業メニューでは、転倒、骨折などを予防するための運動機能訓練の実施とあります。松が丘高齢者福祉センターなどで計60回というこの数字は何を意味しているんでしょうか。昨年の筋力向上トレーニングマシンの効果を検証された上で、この数字は出てきたものなのでしょうか。報告によれば、マシントレーニングの結果は大変効果があったように思われます。さらに回数をふやすとか、設置する施設をふやすなどの検討はされているのでしょうか。
○今健康づくり担当課長 昨年、モデル事業でマシントレーニングを実施した松が丘高齢者福祉センター、それから東中野デイサービスセンターで、17年度も既存のマシンを活用したトレーニングを実施するというふうに考えてございます。これを2施設で各24回ずつのコース、それと、より多くの方に介護予防に対する関心を持っていただくための半日体験コース、各6回というのを考えてございまして、合わせて2施設で60回ということを予定してございます。それで、これらにつきましては、昨年のモデル事業の効果を踏まえて検討してございます。
それから、これから先の話ですけれども、18年度の介護保険の制度改正、これは法案がやっと示されたという、そういう段階にございます。詳細につきましては、省令により示されるというふうに思ってございますが、これがまだ全く示されている段階ではございません。そういうこともございますので、今後、介護予防事業の基盤整備の一つとして、筋力向上トレーニングマシン、この導入推進は必要というふうに考えてございますが、区がみずから実施するというより、むしろ民間の力をできるだけ生かしていきたいというふうに考えております。その辺につきましては、国が示す官民の役割分担の方向性等を見きわめ、また、民間事業者の動向等も踏まえながら、今後、検討してまいりたいというふうに思ってございます。
○久保委員 民間という言葉がございましたけれども、民間のスポーツ施設などと協力してシニア対象のマシントレーニング、多くの方が利用できるような、そういった方法も検討されていくということでしょうか。
○今健康づくり担当課長 これから民間の力が、この介護予防の分野におきましても非常に大きくなるというふうに考えてございます。そういう意味では、民間事業者との連携をできるだけスムーズに図りながら民間でやっていただく部分と、それから区が担わなければならない部分、この辺について十分協議をしながら、国等の基準等も踏まえながら検討してまいりたいというふうに思っております。
○久保委員 転倒防止ですとか筋力向上トレーニングという、こういったものもワンクールだけ、そこでやっただけでは全く習得をされずに、継続することができないと思います。これでは介護予防の意味がなくなってしまうと思います。介護予防教室に参加された方たちのその後のフォローというのは、どのようになっているんでしょうか。
○今健康づくり担当課長 昨年、実施しましたマシントレーニングのモデル事業参加者に対しましては、高齢者福祉センターで週1回のトレーニングを継続実施してございます。それから、高齢者会館のうち、四つの高齢者会館で今年度、転倒予防教室を実施してございますが、その参加者についてもそれぞれ自主グループ化して、職員の支援を受けながら体操を継続しているというような状況にございます。
○久保委員 また、個人の趣味とか体力とかの状況を考慮しながら、個別のプログラムを多様な事業メニューで展開していく必要があると思います。注意するべきポイントは、気軽に入っていける、参加できる、そういった仕組みづくりだと思います。こういったことも十分に検討をされているのでしょうか。
また、こうした事業が多くの方に参加をしていただけるための周知徹底、この辺はどのようにされているんでしょうか。
○今健康づくり担当課長 介護予防効果を高めるためには、やっぱり参加者の心身機能に適応したトレーニングの実施、それから本人の参加意欲を大切にしたプログラムというのが重要だというふうに認識しております。そういう意味では、運動プログラムだけではなくて、低栄養予防ですとか口腔ケア、閉じこもり防止などの事業メニューも準備していきたいというふうに思っております。そういう中で本人の希望があり、気軽に参加できる事業を工夫しながら、さまざまな周りの方たちの支援を受けながら、本人ができるだけ気軽に参加できるような働きかけを考えてまいりたいというふうに思っております。
それから、介護予防のPRにつきましては、年度内に介護予防読本、これは一応3万部ですけれども、その配布を予定してございます。これは65歳から75歳の高齢者のいる世帯とか、関連施設への配布を予定しております。
さらに、パンフレットですとか銀のしおり等々でのPR、それから保健福祉センターや在宅介護支援センター、それから地域に密接にかかわっている民生委員ですとか、実際に介護の現場にいるケアマネジャーなどに呼びかけて、PRをさらに徹底してまいりたいというふうに考えております。
○久保委員 ありがとうございました。
次に、芝生のグラウンドについて伺います。
小学校1校を対象に、校庭の芝生化がスタートする予定です。学校校庭芝生については議会でも何度も取り上げられ、長年にわたり検討されてきたことであると思います。
先日、京都で活動しているNPO芝生スクール京都の取り組みを伺ってきました。子どもたちの足元から緑の教育改革と環境改善を目指し、京都での校庭芝生化のモデル校の推進を行っているNPOです。
芝生の校庭を実施していくためには、グラウンドの土質が大変重要なポイントです。当然、中野区の校庭では土壌改良の必要性があります。また、適した品種の選択も必要です。張り芝による失敗例や種から育てた例などを伺ってきました。今回、実施をするに当たって、どのような調査を行ってきたのでしょうか。他の自治体での成功・失敗、問題点などを熟知した上で、実施を計画していくことと思います。
芝生には、主に張り芝と種から育てていくまき芝との、この2種類がありますが、杉並区の和泉小学校では、張り芝による芝生が粘土質の土壌と合わずに枯れてしまったといったようなこともあったようです。芝生の種類なども十分に検討されてきたのでしょうか。ようやく芝生の校庭第1校ができたといっても、すぐに枯れてしまうようなことがあっては、2号、3号と芝生の校庭を推進することが困難になってしまうことが心配です。この辺はいかがお考えでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 お答えいたします。
校庭の芝生化につきましては、教育委員会内の学校・幼稚園施設整備検討委員会などで、今年度の検討事項として検討して、調査結果などをまとめております。その中では、先行している自治体の事例の調査、また芝生の種類などの検討も行っております。
御質問のとおり、芝生の造成には張り芝とばん種、種まきの芝の2種類があるわけでございますが、種からの方が丈夫と言われております。ただ、工期の点からは張り芝がいいというようなこともございます。また、夏芝、冬芝の2種類のそれぞれの特徴というようなことについても調査をしてきております。また、今回の芝生化に当たっては、校庭の土壌改良を行うことにしておりますので、検討結果を踏まえて進めていきたいというふうに考えております。
○久保委員 昨年末から芝生のグラウンドを希望する小・中学校を募っていたと伺いますが、どのような学校が最も適していると考えているんでしょうか。芝生化を行う学校はもう決定をしているのでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 芝生化を行う上で一番大事なことは、校庭の使用の制約というようなことがございますので、学校が十分そういうことについて教育課程上、また芝生の管理という点で対応できるということ。また、日照時間の確保、校庭の条件ですが、児童数や校庭開放の状況なども考えて、適当な学校を選んでいきたいというふうに思っております。
なお、学校のこういう取り組みというのは重要でございますので、手挙げ方式で学校の希望調査を実施しております。現在、小学校5校、中学校2校から希望が出ております。一応、小学校を想定しておりましたが、小・中学校どちらかということではなくて、全体的に今、検討しておりますので、これから実施校を決めていきたいというふうに考えております。
○久保委員 芝生を植えるタイミングを考えますと、6月ごろが最適であり、夏休みを経て9月からはグラウンドの使用が可能になるという、こういったスケジュールが一番いいのではないかと思います。17年度に芝生の校庭の実施をするのであれば、当然こういったスケジュールから考えられても、今から学校が決定していなくては間に合わなくなってしまうのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 実施する学校につきましては、近々決めていきたいというふうに考えております。
なお、工事の時期につきましては、芝の種類、また工法などによって適切な時期があるわけでございますが、学校行事との関係もございますので、こうした点を考慮して、学校と相談しながら進めていきたいというふうに思っております。
○久保委員 このタイミングが合わないと、先ほど申し上げましたように、芝生が根付かなかったりということで、せっかく芝生を植えても枯れてしまう、そういったこともございますので、この辺のスケジュールをきちっと調整しながら学校を選んでいっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
また、土壌改良し、芝を植えた後の維持管理がさらに大事なことになります。実施後も芝生の校庭の維持管理がうまくいっている学校のほとんどが、保護者や地域を巻き込んでいるものです。芝生の植栽や管理を通じて助け合いのコミュニティーが生まれ、学校、生徒、地域をつないでいきます。また、学校とのかかわりが必要と言われている父親の参加も見られ、交流のチャンスとなっています。地域の人々にとっては、社会活動に参加できる喜びの場の提供にもなります。実施学校を選択する上でも大変重要なことであると思います。こうした点も十分考慮した上で、芝生の校庭第1号を決めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 芝生の校庭をつくった以降の維持管理につきましては、地域との協働によって管理をしていくということが大変重要であるというふうに私どもも思っております。また、東京都の補助基準の中でも、地域との協働の仕組みを構築した場合、補助率を対象経費の10割にするというような基準になってございますので、ぜひとも地域との協働の仕組みをつくっていきたいというように考えております。
○久保委員 校庭芝生化の予算の中には、維持管理に関する費用も含まれているんでしょうか。芝刈り機の準備やスプリンクラーの設置、こういったものはどうなっているんでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 予算の中にスプリンクラーの設置、また芝刈り機などについてはそれぞれ工事費、また備品管理費として見込んでございます。
また、地域との協働の仕組みをつくるに当たっては、既に先行している学校の見学あるいは勉強会というようなこともやっていきたいと考えておりまして、その費用なども見込んでいるところでございます。
○久保委員 中野区としては今後も芝生の校庭をふやしていく、そういった計画はあるのでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 芝生の校庭はふやしていきたいと考えております。これからどんなふうに進めていくのかということについては、計画的にどういうふうな形でやるかという検討をしていきたいというふうに思っております。
○久保委員 区内には緑の保全や植樹の活動で社会貢献をしたいと考えている人も大変多いのではないでしょうか。芝生の里親制度を創設し、学校やスポーツ施設のグラウンドを芝生化するための基金や、また賛助会費などを区民から募り、芝生の里親となってもらう。維持管理のための芝生のサポーターに登録をしてもらうなどを推進して、さらに区内の芝生化の推進をしてみる。そういったお考えはないでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 学校の芝生化に当たって、地域との協働の仕組みをつくるわけでございますが、その中でどんなことが可能か。いろんな方法があると思いますのて、広く検討していきたいというように思っております。
○久保委員 ありがとうございました。
次に、学力の低下について伺います。
この問題は、本会議でも斉藤議員、藤本議員からも質問がありました。多くの方が文部科学省の発表については興味を引かれるとともに、日本の子どもたちの未来に少なからず不安を抱いたのではないでしょうか。私も調査対象の年代の子を持つ親の立場でもあり、大変心配になっております。
今年度、区として行った学力調査は、この文部科学省が行った国際学力調査とは関係のないものなのでしょうか。今回の中野区での学力調査は何を目的に行われたのか。また、どのような結果だったのでしょうか。いわゆる学力の低下が心配されるような結果というのは出ていたのでしょうか。教育委員会ではどのように理解をされていますか。
○小林指導室長 まず初めに、国際的な学力調査では読解力の低下であるとか、また数学や理科の学力の低下等が指摘されております。この結果につきましては、真摯に受けとめなければなりませんが、中野区の子どもたちの状況につきましては、今年度、新たに始めた学力調査を経年的に行い、実態把握に努めていきたいと思います。
なお、このOECDが行っているPISA、さらには国際教育到達度評価学会が行っているTIMSS、この国際的な調査につきましては、一方が高校1年生を対象に、さらには小学校4年生、2年生、いずれも日本国内の4,000名から5,000名弱が対象となっております。中野区の児童・生徒は調査対象ではなかったということから、この結果がそのまま中野区の現状とは言えない状況がございます。
なお、今年度、新たに始めました中野区の学力にかかわる調査の目的は大きく3点ございまして、第1点目は、各教科の目標や内容に照らした学習の実現状況を把握し、区内の小・中学校における教育課程の実施状況について課題を明らかにし、教育委員会の施策及び事業に生かすこと。そして2点目としては、各学校において自校の児童・生徒一人ひとりの学習状況を踏まえて教育課程の改善や指導の充実を図ること。そして3点目としては、調査の結果をもとに児童・生徒自身が学習上の課題を認識し、その後の学習に役立てる。こういったところがねらいとして挙げることができます。
今回の学力調査の結果につきましては、国語、算数、数学、英語に関して、学習指導要領の目標とする内容の理解についておおむね良好でございましたけれども、理科、社会の基礎的な事項の理解にやや課題が残るという状況が見受けられたところでございます。
○久保委員 本当に日本の子どもの学力は低下をしているんでしょうか。上下に分裂し、だれもができるラインが崩れていると、そういった専門家の分析や、学力低下は全体の問題ではなく、下位層がふえていることが深刻と指摘する、そういった声もあります。中野区の調査の結果には、学力の二極化の実態はあらわれていたんでしょうか。
○小林指導室長 今回の調査は初めてということでございまして、下位層がふえているということは言えない。さらには、今回の集計方法では、二極化現象を見ることはできないという状況がございます。
○久保委員 私は、必ずしもだれもが平均点をとる必要はないと感じています。しかし、もしこの下位層がふえているということがあったならば、教育現場で何らかの手だては必要であると考えていますけれども、今回の調査ではその辺が見えていなかったということですが、こういった下位層がふえているというような心配も視野に入れての手だてというのは、何か考えていらっしゃるんでしょうか。
○小林指導室長 区内の小・中学校におきましては、今回行いました学力にかかわる調査の結果を受けまして、来年度に向けて事業改善プランを作成中でございます。これに基づいて、充実した指導を実践していくことが大事であると考えております。
○久保委員 子どもたちの学習意欲の向上のために、どのような指導方法や指導形態の工夫を具体的には実施をしていくというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○小林指導室長 学習に対する意欲の向上につきましては、子どもたちにとって、わかる授業や楽しい授業を実現していくことが大切であり、児童・生徒の興味・関心を喚起する教材の活用、一人ひとりの学習等の状況に対応する学習活動や学習展開が求められていると思っております。そのためには、児童・生徒の個性に応じた学習が展開される必要があり、習熟度や課題に応じた学習が可能な少人数指導を行ったり、体験を通して考え、知識をしっかりと定着させていく体験学習を効果的に取り入れるなど、指導の一層の充実を図っていくことが重要であると考えております。
○久保委員 中野区では、習熟度別授業を行う学校が年々増加をしています。単なる学力別の授業を行うことが習熟度別授業ではありません。中野区の考える習熟度に応じた少人数指導の実施というのはどのようなものなのでしょうか。
また、この少人数指導が充実をされることにより、少人数学級を行うことよりも効果的だというような、そういったことは考えられるんでしょうか。
○小林指導室長 本区におきましては、およそ7割の学校が習熟度別少人数指導を算数、数学、英語等の学習に導入しております。
実施に当たっては、各コースの子どもたちの実態に応じたきめ細かな指導が展開されておりまして、これに対応するための教師の授業力の向上も図られております。
習熟度別少人数指導を行うことによりまして、子どもの実態に応じたきめ細かな指導を展開されており、子どもたちの学習への意欲が高まったり、また授業中に発言しやすいなど、積極的に授業に臨むようになったりするなどの効果が学校からは報告されております。
○久保委員 ということは、かなりこの少人数指導が充実をしてきて、効果があるというふうに思われているということですか。
○小林指導室長 そのとおりでございます。今後とも少人数指導については、積極的に推進していきたいと考えております。
○久保委員 中野区では学生ボランティアや、ことしから始まった都のアドバイザリースタッフの派遣制度を活用している学校はあるんでしょうか。
○小林指導室長 現在、学生ボランティアを独自に導入している学校もあり、主に心の相談に応じる東京都のアドバイザリースタッフを活用している学校も3校ございます。また、区として来年度、学生スタッフを導入するための予算化を図っております。
○久保委員 また、公立の学校離れというのが進んでいると言われていますが、区の実態はどのようになっているんでしょうか。
○篠原学校教育担当課長 お答えいたします。
小学校におきましては、本年度8.3%の児童が国立もしくは私立の学校に進んでございます。一方、中学校におきましては24.3%、こういった生徒が国立もしくは私立の中学校の方に就学をしているというふうな状況でございます。
○久保委員 公立の学校では確かな学力はつかないといったような、そういった心配があって、中学受験をされている場合もあります。学校では学力がつかないから塾が頼りといった保護者の声もあります。こうした心配のように、本当に中野区の公立学校の学力は低下しているんでしょうか。
○小林指導室長 中野区における学力に係る調査は、先ほど申し上げましたとおり、今回が初めてということで、また、今まで国や東京都の調査は抽出校や一部の学年での実施ということもありまして、これらの結果をもって中野区の児童・生徒の学力が低下しているとは一概に言えないと考えております。
○久保委員 私は、本当に子どもの学力の低下なのだろうかということを疑問に思っています。家庭や、もしくは学校の教育力の低下、そういったところに原因があるのではないでしょうか。
○小林指導室長 子どもの学力の向上と家庭や学校のあり方は、当然、関連が深くあると言えます。中野区の学校としては、これまでも指導の充実に努めてまいりましたが、さらに今回、実施した学力にかかわる調査の結果をもとに、授業の工夫・改善をより一層図ってまいりたいと思っております。
また、今後とも学校は家庭との連携を十分図って、指導を効果的に進めてまいりたいと思っております。
○久保委員 学力低下への対応と17年度から試行的に導入される2学期制について伺います。
17年度になぜ2学期制を導入されるのでしょうか。現在の3学期制と2学期制とのこの大きな違いは何でしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 まず、2学期制の実施のねらいでございますけれども、これにつきましては、各教科等の授業時数を確保するとともに、今まで固定的にとらえられていました3学期制を見直すことによりまして、各学校がみずからの学校運営を改善していくという、その機会にすることでございます。
それから、3学期制との違いについてでございますけれども、一つの学期が長くなることによりまして、長期にわたる単元構成が可能になるとともに、学期末の評価などだけでなく、単元ごとの評価など評価の改善が図れること。それからまた、授業時数を確保することで、一人ひとりの児童・生徒に対しまして、きめの細かな指導ができるということでございます。
○久保委員 私はこの学校2学期制を導入することによって、さらなる学力の低下を招くのではないかという、そういった心配をしています。
昨日の佐伯委員の、麻生大臣のお話の中にもありましたけれども、我が家の子どもたちを見ても、中間試験や期末試験の1週間前ぐらいしか自宅学習をしているという、そういった様子を見ることができません。試験の回数や学力の評価である成績表が渡される機会が減ることにより、勉強しない状況を招くことはないんでしょうか。特に、試験範囲が広くなることにより、試験勉強はより困難になるおそれがあります。一説には成績をつける機会が減ることで、先生の負担が軽減されると言われておりますが、果たしてそうでしょうか。よりきめ細やかな指導ができるように2期制を導入するのであれば、現場の意識が変わらなくては、現実には何も変わらないのではないかと思います。教育委員会の考えと学校側、先生側の意識は一致しているんでしょうか。
学力低下を招かないためには、授業を子どもたちが本当に理解しているのかを知るためにも、一つの単元が終了するたびに小テストを行うなどの工夫が必要となるのではないでしょうか。学力の低下を伴わない2学期制の導入を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 2学期制を導入することによりまして、勉強する機会が少なくなって、逆に学力の低下を招くのではないかという御心配でございますけれども、2学期制を導入することによりまして、十分な学習活動の時間を確保しやすくなり、一つひとつの学習内容を確実に定着させることはできると考えてございます。
また、ゆとりある年間計画の中できめ細かい指導や評価を行うことや、児童・生徒、保護者との相談の充実をさせることができ、学習の目当てや意欲を持たせることにつながるというふうに考えてございます。
それから、定期考査の回数が減るというようなことでございますけれども、現行の3学期制の中でも、これは各学校によりましていろいろ、まちまちでございます。今、委員の方から御指摘ございましたとおり、学期の途中に単元ごとにきめ細かい評価をするなど、そういった評価場面をふやし、次の学習に結びつける工夫をすることによりまして学習の向上を図るなど、今回のこの2学期制導入によりまして、一層きめの細かい評価、指導の機会としていきたいというふうに考えてございます。
○久保委員 今言われたようなことですと、どちらかというと先生たちの負担というのは大きくなると思うんですけれども、その辺は大丈夫なんでしょうか。しっかりとこの単元ごとのテストを行っていくというのはかなりの努力が必要であると思いますし、単元ごとに理解ができているかどうかを確認する作業というのも大変なことではないかと思います。その辺のところはしっかりと教育委員会として学校側に指導、またこういった意見というのは通っているんでしょうか。
○小谷松教育改革担当課長 この2学期制によりまして、教師の負担が逆にふえるのではないかということでございますけれども、2学期制では一つの学期が長期になります。そのことによりまして、学校行事を柔軟に組むことができるようになります。
今まで、教師の場合ですと、通知表の作成や学期の切りかえ準備の時期が重なるなど、一時期に教師の多忙な時期というものが集中してございました。そういったことから、教師の多忙な時期を分散させる、それから、また各学校が年間計画を工夫することによりまして、教師自身にも時間的、精神的なゆとりを生み出しまして、その分を児童・生徒の指導に振り分けるということも可能になるわけでございます。
それから、この2学期制についてでございますけれども、これはこれまで教育委員会の中でも校長、教頭、教務主任を委員とする学期制検討委員会を設けまして、検討を重ねてきたところでございます。そういった中で、この2学期制に関しますいろんな資料を作成いたしまして、各学校に配付をしたり、あるいは教員の研修テーマにもするなど、教育委員会と学校側との、そういった意味でこの2学期制に対するいろんな意識の共通、共有というものを図ってきたところでございます。今後もこの2学期制を順調にきちんとやっていくためにも、学校側ときちんとそういう意味で意思の疎通を図りながら、一つひとつやってまいりたいというふうに思っております。
○久保委員 しっかりと学力の向上が図られる2学期制の導入を行っていただきたいと思います。
次に、防犯対策について伺います。
現在の中野区が防犯資機材などの支援を行っている団体は幾つあるのでしょうか。
○西條区民生活部経営担当参事 107団体でございます。
○久保委員 大泉委員の質問に対し、今後の区の防犯体制のあり方として、現在、防犯パトロールを行っている団体との連携も検討されているようなお答えがありました。今後、区の防犯の一翼を担う団体として警察などと連携し、希望者には防犯パトロールに当たってのセミナーなどを開催し、団体の中心者を防犯リーダーなどに育成する、そういった考えはあるんでしょうか。
○西條区民生活部経営担当参事 今年度、一部の地域におきましては、警察署員が講師となりまして、地域合同講習会あるいは合同パトロールなどが行われてございます。今後、こういったことにつきましても引き続き、警察署と連携して支援していく考えでございます。
また、防犯リーダーについてでございますが、これは東京都が防犯にかかわる都民を対象に、7週連続で土曜あるいは日曜日に実施する安心・安全アカデミー講座を行ってございますので、これへの参加によりまして、リーダーの育成を進めていきたいというふうに考えてございます。
今年度、中野区におきましては、23区では最も多い13名の方が修了されておりまして、地域の団体に戻って、リーダーとして活躍されていることというふうに考えているところでございます。来年度におきましても、こういったことを進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○久保委員 区民、警察、区の3者の連携やパトロールに参加している方の意見を聞く場はどうなっているんでしょうか。協議会などを立ち上げる予定はあるんでしょうか。
○西條区民生活部経営担当参事 防犯に関しましては、区民、警察、区の連携につきましては、今年度について、主に日ごろのパトロール隊活動の支援を視野に置きまして、パトロール団体の要望にこたえて警察のパトロールの同行あるいは団体の会合などで、区とかあるいは警察から情報提供だとか説明を行ってございます。
今後もこういったパトロール団体はまだできてくる予定でございますので、こういったことを基本にしますけれども、いろいろとこれまでの活動の状況や犯罪情報などの提供する場、あるいは講習会などにおきまして意見を聞く場を設け、パトロール団体の意向も聞きながら、今、御指摘のような、さらに深まるような場を設けていくようなことも考えていきたいというふうに考えてございます。
○久保委員 区の防犯パトロールについて伺います。
今年度の予算でステッカーを作成されるということです。第4回定例会でも質問いたしましたが、ステッカーにどのくらいの抑止力が期待できるんでしょうか。ステッカーをつけているときは、パトロールを行っているということなんでしょうか。
○西條区民生活部経営担当参事 パトロール隊など、区民の皆さん方を初め、多くの方々が犯罪者に犯罪抑止のバリアを築かれているというようなパトロールをやっていただくことによりまして、犯罪の抑止効果が出てくるというふうに言われているところでございまして、庁有車にもステッカーを張って、犯罪を起こす人に、このまちでは安全を見守る人が多いというような印象を与えることによって、抑止効果はあるというふうに考えているところでございます。
また、そういったことから、庁有車で目的地までの移動中、こうしたステッカーを張ることによりまして、区内を運行することもパトロールの範疇に入ってくるだろうというふうに考えてございます。
○久保委員 区有車にステッカーを張るのであれば、青色灯や回転灯を設置する方がずっとインパクトもあると思います。目立つことによるかなりの抑止力も期待できるのではないでしょうか。区有車への青色灯設置は進んでいるんでしょうか。
○西條区民生活部経営担当参事 御指摘のとおり、青色の回転灯につきましては、防犯パトロール車として目立つということから、そういった意味ではインパクトがあるというふうに認識しているところでございます。現在、来年度に向けて、区有車にこの青色回転灯をつけることについての準備を進めているところでございます。
○久保委員 区有車に青色灯などを設置するためには、大変な手続が必要なんでしょうか。この手続がスムーズに行われれば、17年度中に青色灯などを設置した区有車でのパトロールは可能なんでしょうか。
○西條区民生活部経営担当参事 実際のこの手続でございますけれども、まずパトロール団体等の概要、それからこれまでのいろんな実績などを添えて最寄りの警察署に提出することになりまして、これを審査していただいて、警視総監名の証明書がおりるという形になってまいります。またこれを、具体的には管轄の地方運輸局長の方に保安基準の緩和申請を行う手続がその上にはございますので、こういった手続を踏まなければ、この青色の回転灯をつけることができないというふうな形になってございます。そういったことの手続に必要な時間がありますので、一定程度の時間が必要かというふうに考えてございますが、できれば来年の夏ごろまでには何とかできるような形をできないかというふうに今、考えているところでございます。
○久保委員 何とかこの危険な夏休みの前に、区有車によります青色灯などを設置した区有車のパトロールが実現されることを望みます。
次に、学校の安全について伺います。
区の基本的な考え方として、学校への不審者の侵入を防ぐことと、不審者が侵入した場合に刺股などで撃退する対応は、どちらが重要だと考えているのか伺います。
○篠原学校教育担当課長 お答えいたします。
教育委員会といたしましては、学校へ不審者を侵入させないことがより重要であるというふうに考えております。
なお、万が一、侵入者が侵入した場合の対応策も同様に必要であると考えておりまして、今回、警棒や刺股を導入したものでございます。
○久保委員 私は侵入した者を撃退するよりも、侵入させない努力をまずはするべきではないかと思います。
本会議での高倉委員の質問にもありましたように、スクールガードなど、人の配置が最も効果的ではないかと思います。防犯カメラを設置しても、職員室などで実際にじっとカメラを見ていることができるほど、学校の先生は暇ではありません。横浜市の報告にも、監視カメラの映像を見ている時間は極めて少ないという報告がありました。ともかく、侵入を防ぐ手だてが急がれると思いますが、機械警備委託事業を活用した日中の警備なども検討に入れて、こういったことを考えてはいかがでしょうか。
○篠原学校教育担当課長 今回、当面の緊急対応といたしまして、教職員によります学校内・周辺の巡視を強化するように指示したところでございます。また、さらに中野・野方両警察の方におきまして、警察官によります学校への立ち寄り、それから周辺のパトロール、こういったことも強く要請をしてございます。今、委員御指摘の人的配置や施設の改善、機器の活用につきましては、今後、早急に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○久保委員 教育長に伺います。早急に対応したいという、そういった課長の答弁もございました。子どもたちの安全、学校の安全を守るためにも、侵入を防ぐための対策が急がれるべきではないでしょうか。
○沼口教育長 今回、緊急の対策としていろいろと手は打ってございますけれども、それと同時に、今あわせまして、各学校に安全管理の全般的なチェックもお願いしています。そういう結果も踏まえまして、例えば学校周辺のパトロールなども含めまして、できるところについて対応してまいりたいと、そのように考えてございます。
○久保委員 できることということですけれども、何とかこの警備をしっかりと進めて、人をつけるというところまで考えていただきたいと思いますけれども、教育長、その辺はいかがでしょうか。
○沼口教育長 先ほどからも出ています、例えば地域の方々の力もあります。そういうことも全部含めまして、そういう点で人的な対応を考えてまいりたいと思います。
○久保委員 地域の方たちの力をかりての対応ということだけでしょうか。例えば警備会社でありますとかスクールガードという、再三申し上げておりますが、そういった形での予算を伴うようなものの、そういった配置というのはお考えになっていないんでしょうか。
○沼口教育長 先ほど申し上げましたように、今、全般的なチェックを行っていますので、総合的な対策をこれから考えていかなければいけないと思っています。その中でどういう対応が一番効果的か、それを考えて実施していきたいと思っております。
○久保委員 何とか早急に対応をお願いしたいと思います。
防災対策について伺います。
防災に関する情報や地域の訓練などは、地域防災会を中心に行っていると思います。防災会は町会中心の組織になっていると思われますが、町会に加入していない人もふえています。特に、単身の若い人などは、ほとんど町会には入っていないのではないでしょうか。防災会に所属していない区民への情報提供はどうなっているのでしょうか。実態をどのように掌握しているんでしょうか。
○納谷防災担当課長 お答えいたします。
まず、防災会が町会・自治会が中心であるという御指摘でございますが、防災会の発足の推進に御尽力いただいたのが町会防災会であり、また現状でも防災会の運営をほとんど担っていただいているのがこの町会防災会という現状でございます。私も、町会防災会がどうしてもこの地域の活動を中心にやらざるを得ないという現状は十分認識しております。
また、区民すべてが防災会の構成員であるというような考え方も持っているところでございますが、自主的に御指摘のように防災会、町会に入っていない区民の方の情報提供ということは、主に区報、地域ニュースあるいはホームページ等に偏らざるを得ず、きめの細かい情報提供の面で不十分な点があるというふうには十分考えております。この点につきましては防災会ともよく話し合っておりまして、我々共通の大きな課題認識としてとらえているところでもございます。
○久保委員 特に、防災会に加入をしていない単身の若い方たちなどには、情報提供はどのようになっているんでしょうか。
今年度末、中野区ホームページのリニューアルも行われ、防災情報もかなりの期待ができるようです。また、CTNでの情報提供や情報媒体はふえています。アクセス方法は簡単なのですから、インフォメーションさえきちんと行えば、自分で欲しい情報を手に入れさえすればよいのではないでしょうか。例えば、若い人たち向けにホームページアドレスや携帯サイトの紹介のための安全カードを作成し、コンビニエンスストアやファミレスやファーストフード店などに置くなど、こういった情報カードを作成してみてはいかがでしょうか。これから携帯電話機能にふえていくQRコードを利用していくというのも効果的ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○納谷防災担当課長 若い人に限らず、この防災会の活動になかなか参加していただけない区民の方への情報提供については、例えば本年度より防災便りという機関紙の発行を開始したところでございます。この機関紙を若い人を中心に、すぐ手にとれるような場所への配備を工夫していきたいと思っております。
また、今、委員の方から御提案のありましたような、確かにQRコードが載った安全カードというんですか、そういうカードについても若い人向けかなとは思いますが、私ども今、防災対策を進める上で普及啓発は大変大事なことであると思います。全体的な普及啓発について、これからまた構築を考えております。その中で各方面の意見をさまざま聞くなりしていきたいと思っております。その中で委員の御提案のそのカードについても十分に参考にさせていただきたい、このように考えているところでございます。
○久保委員 このカードなんですけれども、企業との連携をとって、パスネットとかSuicaとかQUOカードとか丸井のクレジットカード、銀行のキャッシュカードなどのそういったところの表面にメディア情報を印刷する。こういう利用をする人に情報提供を行っていく場というのがもっと必要ではないかと思います。それで、手元に何かなくては、情報を得たいというときに得られなくなってしまいます。そういった点では、このパスネットですとかSuica、こういったものに印刷をして、こういう情報を提供していくということが必要ではないかと思うんですが、その辺のことはいかがでしょうか。
○納谷防災担当課長 この情報提供の手段についても企業と連携し、また企業と協力して行っていくというのも一つの大きな方策であろうと思います。また、例えば交通機関等のその企業自体が利用者の安全を確保する責務を担っていると思っております。そういう企業との連携をまず図っていくということも考えていかなくてはならないと思います。
御提案のパスネット等につきましては、私どもの経費負担があるのか、ないのか、そういうことも含めまして、企業の方にその可能性についてはちょっと当たってみたいなとは思っているところでございます。
○久保委員 17年度の予算の学校施設の地震対策応急工事について伺います。
この地震対策応急工事は学校体育館の落下物防止、ガラスの飛散防止などを行うものだと思いますが、ほかにはどのような工事が含まれているんでしょうか。屋根の落下の防止は検討されていないんでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 17年度の予算に計上しております耐震の緊急の対策でございますが、委員御指摘のとおり、すべての学校の体育館につきましては、天井材等の部材の落下防止、また窓ガラスの飛散防止措置等を行うものでございます。
なお、体育館本体の改修工事ということですが、さきの阪神・淡路大震災及び中越地震におきましては、体育館自体の倒壊等の被害が認められなかったということから、17年度は実施の予定はしてございません。
○久保委員 この工事により、安全な学校施設、避難所が確保できるとお考えでしょうか。
今回、工事を行う予定になっていない幼稚園や保育園などの施設に関しても、順次、地震対策は行っていかれるんでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 体育館は震災時に避難所となるわけでございますので、避難されてきた区民を二次的な災害、ガラス等の落下から守るということについては、この工事によって効果が出るものというふうに思っております。また、そのほかの施設を含む全体的な耐震対策でございますが、現在、区の施設全体の配置についての検討を進めております。それにあわせて、耐震対策についても計画的に進めるよう検討してまいりたいと思っております。
○久保委員 以上で私の質問は終わります。どうもありがとうございました。
○平島委員長 以上で久保りか委員の質疑を終了いたします。
次に、伊藤正信委員、お願いいたします。
○伊藤(正)委員 自民・民社クラブの伊藤正信です。
総括質疑も3日目。私、3日目の最後なんですけども、ちょうど今ころの時期というか時間が一番お疲れのところだと思いますね。理事者の皆さん、そして委員の皆さん。私に与えられた時間は119分なんですけども、5時には終わる予定ですから、しばし御清聴いただきたいなと思っております。
また、ちょっと通告していない質問もあるかと思いますし、時間によってはその他の方で、うちの大内委員やら隣の高橋委員から何か伊藤(正)君がやるようなんですという話をされていたので、時間によっては触れるかもしれませんので、御理解をいただきたいと思います。
(「触れてくれないと困るんですけど」と呼ぶ者あり)
そうですね。重要な問題ですね。
まず初めに、都区制度改革について伺います。
これは私も12月の第4回定例会で区長にお伺いをしたんですけれども、1月、2月に入って大分、都区間の話し合いなんかも進んでいるかと思いますけども、その点も踏まえてお伺いをしたいと思います。
また、昨日ですか、都議会の代表質問で自由民主党の比留間幹事長が質問もしております。都議会議員も区の立場になって考えているようですから、やはりこれは大変重要なことだと思いますので、御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
地方自治法第281条の2に定める都と特別区との役割分担の原則とは、都は特別区の存する区域において、特別区を包括する広域の地方公共団体として都道府県が処理するものとされている事務のほか、市町村が処理するものとされる事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から、当該地域を通じて、都が一体的に処理することが必要であると認められる事務を処理するものとする。
また、特別区は基礎的な地方公共団体として、都が一体的に処理するものとされているものを除き、一般的に市町村が処理するものとされている事務を処理するものとする。都及び特別区はその事務を処理するに当たっては、相互に競合しないようにしなければならないというものです。これは地方自治法に書かれております。
平成12年の都区協議会で確認されたいわゆる主要5課題、その解決のため、15年3月に都区検討会を設置し、今日まで検討・協議を進めてきました。この間、この問題の重要性にかんがみ、東京都議会自由民主党は昨年9月、都区制度改革推進議員連盟を設置し、その解決に積極的に取り組んでまいりました。またこの間、推進議員連盟は区長会、そして議長会との協議を重ねるとともに、都に対しましても解決に向けての検討を強く働きかけてきております。
こうした中、先ほども申し上げましたように、今年に入りまして、この問題の解決の基本となる大都市事務の範囲が大都市行政という新たな概念を通じて、都から示されて今定例会の話題にもなっております。先ほど申し上げたように、きのう比留間幹事長が都議会で代表質問をされております。それに対して知事のコメントは、まだ私は取り寄せていないんですけれども、大都市事務、いわゆるその範囲について、都と区との間には大きなギャップがあることが、その溝を埋めるためには都区間で相当なエネルギーを注入しなければならない、必要だと思います。
私ども、区議会自由民主党、隣のTOKYO自民さんもそうですけども、都区制度改革の行方には重大な関心を払っており、その早期解決に向けた努力を惜しみません。あえてこの問題を一番初めに持ってこさせていただいたんですけれども、こうした基本姿勢に基づきまして、大都市事務という観点から数点質問をさせていただきます。
まず、区側と都側との見解の相違について、その内容と所要額の概要を簡単に御説明ください。
○村木財務担当課長 都と区の見解の相違につきまして、まずその内容でございますが、今、冒頭に伊藤(正)委員が御紹介をいただきましたけれども、都が行う大都市事務は、地方自治法に規定される事務で、特別区優先の原則のもとに都が例外的、限定的に実施する市町村事務を言うのであって、都が主張する府県事務や政令指定都市事務を含むものではないというものでございます。
また、都側の見解に基づく大都市事務、この事業数は275に及んでおりまして、前回、これは平成10年度の時点で提示されたものの約3倍に当たっております。また、それに要する経費は1兆2,000億円となっております。このうち今後、調査・検討等を要するものとして除外をしているものが1,700億円ございます。これを差し引いた1兆300億円、これは都の主張でございます。これに対し、区側の試算による見解は6,700億円程度であると、このように主張をしてございます。
○伊藤(正)委員 ありがとうございます。
ただいま御説明いただいた中で、府県事務あるいは政令指定都市の事務のお話がございましたけれども、二、三例を挙げていただけますか。具体的にお願いします。
○村木財務担当課長 府県事務といたしましては、区の実施事業に対する補助負担金や区を経由する民間への補助金、法令等により国、都、区の負担割合が定まっている補助負担金は当然、府県財源を充当すべき府県事務でありまして、土地区画整理事業助成、生活保護費の都加算分、このようなものがございます。
また、法令上、政令指定都市の事務とされるものは法令で指定されない限り、当然、府県事務でありまして、政令指定都市の事務といたしましては児童相談所、河川、都道府県道などがこれに含まれると、このように考えております。
○伊藤(正)委員 ありがとうございます。
そこで、大都市事務に係る都の考え方とはどのようなものだったんでしょうか。難しい内容ではないと思いますので、私にも、また皆様にもわかるように易しく御説明していただけますか。
○村木財務担当課長 易しくということでございますので、具体的な事業などを御紹介するのが一番手っ取り早いと思います。
まず、都の考え方といたしましては、法令により都が一体的に処理することとなっている市の事務は、これは大都市行政であり大都市事務であるとして、水道、下水道、消防事業などでございます。
それから二つ目、法令等により政令指定都市が行う事務は、都が特別区の区域において一体的に実施しているものであるとして、民生委員の活動、児童相談所の運営などを挙げております。
また、三つ目といたしましては、府県も市も処理することができる事務、これを任意共管事務と申しておりますが、これといたしましては地下鉄やバス等の公共交通、ディーゼル車対策などの大気汚染対策、老人福祉施設などの福祉関係の事務、それから病院、公園、住宅、高校など、こういったものを挙げてございます。
○伊藤(正)委員 そうしますと、最初に質問をさせていただいた事務内容と、これにかかわる所要額、これはかなり大きな問題となりますけれども、その辺はどのようにお考えでしょうか。
○村木財務担当課長 東京都と特別区の間には現時点におきまして、先ほど、これから検討調査を要するものは1,700億円を除く1兆300億円と申し上げましたが、これと特別区側の算定いたしました6,700億円、この間には3,600億円、35%もの開きがあり、また一方で、少し詳しく御説明させていただきますけれども、今後、調査・検討するとしたもの、これが1,700億円。これを含めましても8,400億円でありまして、調整税のうち、48%の7,000億円に本来、いわゆる市町村目的税であります都市計画税、それから事業税など3,000億円を加えて、要するにこれが都が留保している1兆円でございますけれども、この1兆円をも下回りまして、都側が主張する1兆2,000億円とはそういった意味でも大きな隔たりがあるということで、これは非常に問題である、解決には相当な努力が必要であると、このように考えております。
○伊藤(正)委員 ところで、現行の財調制度上、その財源となっているいわゆる調整三税、これは普通どれくらいあるんですかね。
○村木財務担当課長 いわゆる調整税でございますが、固定資産税、それから法人住民税、それから特別土地保有税、この調整三税の合計が年度によってばらつきがございますけれども、大体1兆5,000億円程度と言われております。これに区側の52%、都側48%のそれぞれに分けますと、大ざっぱではございますけれども、区側が8,000億円、都側が7,000億円と、このようになります。
○伊藤(正)委員 ことし、法人税の税収が大分ふえたというんですけども、これは去年と今年と比べてどのぐらい増えたんですかね。わかりますか。
○村木財務担当課長 16年度当初予算上のいわゆる算定予定額と、その後の法人住民税を中心とする再算定、それから17年度の当初予算ということで申し上げますと、いわゆるその再算定後の数字と17年度の当初予算との関係でいけば、おおむね同様の数字が出ているというものでございます。
○伊藤(正)委員 よく都政新報なんかを見ますと、1兆2,000億円だとか1兆5,000億円だとかという記述がされていますけども、今言ったこの1兆5,000億円を考えればいいんでしょうかね。
○村木財務担当課長 1兆5,000億円というのがこの調整三税の、要するに合計額、いわゆる財調上、特別区側に配分されるのと都に留保されるもの、これを合わせた額というものでございます。
○伊藤(正)委員 そうしますとこの1兆5,000億円、都区間の割合は区が52%、都が48%、おおむね7,000億円ですか。そういう計算になるんですけれども、先ほどの説明では、都側が示している所要額はたしか1兆2,000億円と言っていましたよね。今後、調査・検討等を要するものとして、現時点では除外している1,700億円を差し引いた1兆300億円、これに対して区側の見解は先ほど説明にあったように6,700億円、かなり大きな開きがありますね。この開きを埋めることがこれから可能なのでしょうか。
また、課題解決のための時間はもう少ししか残されていませんよね。17年度までには決着をつけなければいけないということで、この残されていない時間、いつごろまでに一定の方向性が都区間で確認される必要があるのか、お伺いをいたします。
○村木財務担当課長 この問題につきましては、平成17年度中に決着をする必要があることから、今年の7月から8月ごろまでには都区間--都区間と申しますのは、まず都区協議会のもとに設置されております、東京都側は総務局の総務部長、それから行政部長、それから財務局の主計部長、それから特別区側といたしましては特別区助役会の会長、副会長及び同監事によって構成されております都区財政調整協議会というのがございまして、この場で取りまとめを行う必要があると、このように言われております。
○伊藤(正)委員 今年の7月から8月ごろまでといえば、もう3月ですから、あと4カ月余りしか残されていないようですね。これまでのような取り組み方では、とても協議が前へ進まないような感じなんですけども、相当な覚悟と決意を持って当たらなければいけないだろうと私は思っております。
そこで、田中区長に前回の4定で一般質問もさせていただいたんですけども、いろいろ23区の区長会でもこの話題がほとんど中心になってきていると思いますけれども、特別区長会として、この問題に対する覚悟をいま一度、御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○田中区長 事は、要するに都というものがあって、区というものがあって、何かお金を分捕り合っているという、こういうことではないわけでありまして、特別区の区民の自治がどれだけ保障されているのかということ。地方分権の時代にあって、区がそれぞれ、前にも出ました地域間競争でいい地域をつくっていこうという、そういうことを自分たちで決められる権限をどれだけ持っているのかということ。要するに、特別区の区民にとっての自治の問題ということだというふうに我々は認識をしているわけであります。
きのうの都議会の質疑もちょっとだけ拾い読みをいたしましたけれども、都知事の見解も総務局長の見解も、やっぱり都政と市政の間に大都市という何か特別な、そういう新しい別の類型のものを想定して、そこの運営を東京都がしているんだというような考え方のようであります。
我々はあくまでも地方自治法の精神にのっとって、市の事務は特別区が基本的にやるんだと。そのうち大都市で統一的、一体的に行わなければいけないものというものを限定的に抜き出して、東京都がやっているんだという考え方に立ってこれをやっていかないと、23区の区民がよその市と比べた場合に、自分たちのまちのことを自分たちで決められる範囲というものが大幅に少なくなって、大都市事務となったものについては、自分たちのまちのことなのに、千代田区だ、足立区だ、あるいは奥多摩町の人だという人たち全部が合わさった都の意思で決めなければいけないというようなことになってくるわけでありますので、こうした区民の自治というものを守るということが、我々区長会としては絶対に必要だと。これをやっていかなければ特別区の自治の発展というものはないし、地方分権時代の推進ということもないといったようなところで、強く意思統一をしているところであります。
それで、各区においても、議会と区長側と一体となってこの運動を進めていこうということでありますので、中野区におきましても、ぜひ皆様と御協力をさせていただいて推進してまいりたい、こう思っているわけであります。
○伊藤(正)委員 きのうの都議会での質問の最後に、比留間幹事長から基礎的自治体優先の原則という言葉も出ているんですね。「身近な事務を区に任せ、より戦略的な対応が図れるように、都は都内市町村の地域を含めた府県行政と、区間にまたがる広域的大都市行政に徹するべきではないでしょうか」というふうに問いをかけております。その辺、大変これからいろんな事務が、今現在もやっているわけですけども、やはり財源も伴っていない。私からすれば、やることはやっているんだけど、親からの仕送りがないというような考えを持っていますし、また子どもが23人いて、一方では働いて自律して、財調に恩恵を受けていない区も何区かありますよね。ところが、やっぱり23人の兄弟が一緒になって両親に問いかけをする。これがやっぱり必要なんだと思いますので、ぜひこの取り組みは決着をつけるまで頑張っていただきたいと思います。
それで、次に、17年度の財政運営について伺います。
財政というと、ほとんど細かい数字で皆さん、質疑をされているんですけども、私は所信表明の記述について少し伺いたいと思います。
施政方針説明、この中で区長は、「私はこれまで財政、組織、人事など、トータルな視点で区政の内部改革を進めると同時に、区民へのサービスの量と質を確保する観点から、民間活力の活用によるサービスの多様化と拡充を図ってまいりました。今後、さらに目標と成果による管理の徹底を図るとともに、事業や政策に対する評価、改善のシステムを行政運営の中に組み込みながら、引き続き新しい時代の行政のあるべき姿を区民の意思に基づいて、区民とともに実現していきたいと決意を新たにしているところです」と述べております。これは5ページですね。
この説明で重要なポイントとなるのが行政評価だと私は考えておりますけども、平成13年度からでしたっけ、行政評価を始めていまして、4年間実施しているわけですけれども、この評価結果として、廃止・見直しを行った事業がどれくらいあるのか。あわせて、17年度予算に反映させた事業名を挙げて御説明していただけますか。
○合川経営改革担当課長 お答えをいたします。
行政評価は、委員御指摘のとおり13年度からやってございますけれども、13年度からの事業の廃止・見直しを行ったものということですが、4年間で何らかの見直しを要するというふうに評価をされた施策あるいは事務事業は52ございます。この52については廃止も含め、何らかの見直しを行っているというところでございます。
それから、17年度予算に反映させた事業でございますけれども、例えば区立保養施設の民営化あるいはIT活用地域活性化事業の廃止等、またそれぞれの施策事務事業によって、その事業の手法の工夫によりまして、経費の節減等を図られているというふうに考えてございます。
○伊藤(正)委員 また、区長は15ページですけども、「行政評価の結果を踏まえた事業の廃止・見直しを積極的に進め、区と民間との適切な役割分担を行い、サービスの質、量を確保しつつ、民営化や委託化、PFI制度の活用など、多様な主体による効率的なサービスを行うことに努めました」と述べておりますが、この発言と実態とのギャップが大き過ぎるんじゃないかなと私は考えておりますけども、いかがでしょうか。
○合川経営改革担当課長 今、お話をいたしましたとおり、行政評価の結果を踏まえ、現在52の指摘がございました。こういった事業の廃止あるいは見直しを積極的に進めているというふうに考えてございます。
民間化あるいは委託化、PFI制度の活用につきましては、例えば保育サービスですとか江古田の森の整備など効果的なサービスの提供、こういった有効的な手段として行ってまいりました。また、17年度につきましては保育園2園の民営化、あるいは先ほどお話をしたように、区立保養施設の民営化などを行うこととしております。
行政評価の結果を踏まえまして所管部で十分な分析を行い、区の役割を明確にした上で、効果的なあるいは効率的なサービスを行っていくための民営化、委託化については常に検討されなければいけないというふうに考えてございます。
○伊藤(正)委員 行政評価の結果は予算に反映させることになっておりますよね。というのは、このことがまず区財政の軽量化を生み出して、また弾力性や安定性につながることだと思いますけども、いかがでしょうか。
○合川経営改革担当課長 委員御指摘のとおり、行政評価の結果を踏まえまして、事業の廃止・見直しを行うことによりまして区財政の軽量化を生み、あるいはその弾力性、安定性をもたらすことは委員御指摘のとおりというふうに考えてございます。
○伊藤(正)委員 今後、この行政評価の結果を見まして、財政運営に資することが可能な内容、評価の仕方について早急に改善を行うべきだと考えますが、この辺も区長の施政方針ですので、区長にちょっとお伺いしたいんですけども、将来的に健全な財政運営を可能にしていくためにも、ほかにどのような対策というんでしょうか、考えがあるのか、ちょっと御披露していただけますか。
○田中区長 行政運営そのものを効率的にして、小さい規模の役所にしていく。それで、一方で効果の高い、質の高いサービスを保障していくということで、小さい区役所で大きなサービスを提供できるようにしていきたいということを言っているわけですけれども、そのための区政の運営をする仕組みそのものを、行政評価によって事業を廃止したり改善したりして、毎年必ずそういった改善のサイクルが働くという形にしていくということが私は大事だということで、PDCAサイクルといったようなことを言って、区政の経営サイクルを確立しようということをやっているわけであります。その中でも最もポイントになるのが、今さまざま御指摘のありました、行政評価を受けてどれだけ反映しているのかという、その評価、改善のところのチェックというものが一番大事だというふうに思っております。
今回、予算の編成が終わったところで、行政評価の反映事項といったようなものを調査して、的確に反映されているかどうかといった後追いのリサーチなどもしているというようなこともやっているわけでありまして、これからもそうした行政評価が本当に反映できているのかどうかというようなことを、着実に後をフォローしながらやっていくということが、日常的な運営という面では大変重要だというふうに思っております。
また、もう一方で財政体質の改善ということで言いますと、多様な形でサービスを提供できるような体制をつくっていくための手法をつくったり、そうした形のものを開発していくということも大変重要でありまして、今回お願いをしております、任期つきの短時間公務員制度といった新しい制度をつくりながら区民のサービスを拡充していくとか、あるいはPFIの活用とか指定管理者制度の活用とかといったようなことをしながら、着実に行政サービスを行いながら、全体の効率化も図っていくというようなことを進めていくということが大事だというふうにも思っております。
また、もう一方で、全体として持ち切れない施設や維持し切れないサービスを持っている部分があるんだとすれば、それら全体の見直し、縮小といったようなこともトータルで考えていかなければならないということで、施設全体の見直しといったようなことについても、現在、鋭意検討を行っているというところであります。
○伊藤(正)委員 財政運営、これは本当に重要な問題でありますので、この行政評価ですか、今、外部評価もされているようですけども、きちっとしたこれからの見直し、検討を進めていただければと思います。
それから財政について、他の委員からもいろいろ国保の収納対策ですか、お話が出ていますので、国民健康保険料の収納対策についてちょっとお伺いしたいと思いますけども、16年度当初に予算の繰上充用といった、極めて特異な措置を行った国民健康保険事業特別会計において、17年度の収納確保にはどのような点で努力されたのか、努力しようとしているのか、お考えをお聞かせください。
○奥山保険医療担当課長 保険料の収納確保につきましては、滞納者に対します早期の督促、また催告、納付交渉、これが最も重要なことと考えてございます。これらのことを効果的に行うために、平成17年度の予算におきましては自動電話催告システム、これを予算化したところでございます。
また、督促や催告に応じない悪質な滞納者、これらにつきましては、来年9月に保険証の一斉更新の時期がございます。それと合わせて、その時期に保険証の資格証、また短期証、これの発行をいたしまして、財産調査、また財産差し押さえ等の滞納処分等をあわせまして対策を強化し、納付交渉の機会をふやす、そういったことで収納確保を図っていきたいというふうに考えてございます。
○伊藤(正)委員 いろいろ対策を練っているようですけども、自動電話催告システムですか、導入すると今聞きましたけども、運用形態はどのように考えているんでしょうかね。
○奥山保険医療担当課長 このシステムの運用につきましては、自動電話のダイヤルをして、人間がオペレーターの役目を果たす部分がございます。そのシステムの全体の運用とオペレーション、これについても職員が行うこととしてございます。
○伊藤(正)委員 職員がおやりになると聞いたんですけども、今、職員がオペレーションを行うということが効率的、効果的に運用することを考えるとするならば、民間に委託したらどうなんでしょうかね。
○奥山保険医療担当課長 このシステムの導入の検討に当たりまして、このオペレーションにつきましては、オペレーターの委託、これについても検討した経過はございます。ただ当面、来年度につきましては職員がやるということで考えているところでございます。
○伊藤(正)委員 他の区でも実施されていますよね。やはり職員がやっているんでしょうかね。
○奥山保険医療担当課長 現在のところ3区で導入してございますが、この3区ともすべて職員、非常勤とか再任用職員が中心にやっているところは2区でございますが、そういったことで職員が対応してございます。
○伊藤(正)委員 じゃあ、税務分野とか介護保険分野ではこういうシステムは導入されないのかな。ちょっとお伺いします。
○若槻税務担当課長 自動電話催告システムを導入するに当たっては、ホストコンピューターとの情報の二重管理といった技術的な問題を解決するということもございます。有効に機能するためにはフォロー体制、今、お話がございましたオペレーターでございますが、そのフォロー体制をどのようにとるかということが一番のポイントかなというふうに考えてございます。
日常の滞納整理業務を職員が行っているわけなんですが、その職員を割いてフォロー体制をとるのか、あるいは他区のように専任のオペレーターをとるのかといったようなことがございますので、単独で導入することについては、効率面、経費面、そういった面を見きわめる必要があるというふうに考えてございます。したがって、当面、税務分野としましては、保健医療分野の導入状況において、使用時間等の限定的な共通利用、そういった可能性を探っていきたいというふうに考えてございます。
○藤井介護保険担当課長 介護保険につきましては税と同じように、単独での導入は困難であると考えていますが、国民健康保険料の導入の実施状況とシステム利用のための経費等を勘案しながら、国民健康保険で導入したシステムの共同利用を検討していきたいと考えています。
○伊藤(正)委員 これからの収納対策はかなり、今年度というか来年度ですか、17年度の予算は大分、一般財源から繰り上げ、繰り入れしていますので、この納税対策というのは大変な問題だと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
これで財政の質問は終わります。
○平島委員長 伊藤(正)委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にいたしたいと思います。午後3時20分まで休憩いたします。
委員会を休憩いたします。
午後3時00分休憩
午後3時20分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
伊藤(正)委員、お願いいたします。
○伊藤(正)委員 先ほど財政について、一応終わるというふうに申し上げたんですけども、やっぱり国保の収納対策、税金もそうですし、納税、区民税、介護保険料もそうなんですけども、実際に費用対効果なんていう話もありましたけども、いろいろ収納率というのがありますよね。国保は何%でしたっけ。
○奥山保険医療担当課長 平成17年度の予算編成におきましては、87%で算定してございます。
○伊藤(正)委員 じゃあ、区民税は何%でしたか。
○若槻税務担当課長 平成15年度の現年分につきましては97.43%、滞納繰越分は18.05%でございます。
○伊藤(正)委員 区民税の滞納繰越分は、どうやってまた収納するつもりなんですか。
○若槻税務担当課長 滞納繰越分につきましては、長期の方もおいでです。そういった方の財産調査等を行いまして、必要に応じて滞納処分を行うということで、現金化、換価するということで行ってございます。
○伊藤(正)委員 国保はたしか87%とお答えになったんですけども、達成基準というのがありますよね。それは何%ですかね。
○奥山保険医療担当課長 責任収納率でございますが、91%でございます。
○伊藤(正)委員 4%の開き、これにはどのような対策をとるつもりですか。
○奥山保険医療担当課長 この収納率につきましては、これまでの平成15年度までの収納率の経過、また16年度の決算見込みにおけます収納率の見込み、これらを踏まえまして、平成17年度は87%というふうに設定してございます。
○伊藤(正)委員 もし責任収納率が達成できなかったら、どういう形でどなたが責任をとるんでしょうか。
○奥山保険医療担当課長 この91%との差でございますが、これにつきましては、予算上では一般財源の繰出金を充てるということで算定してございます。
○伊藤(正)委員 そうすると、正式にこの4%は幾らになるんですかね。
○奥山保険医療担当課長 ちょっと今、詳しい数字じゃなくて概算で申し上げますが、約4億円から5億円程度かと思います。
○伊藤(正)委員 いろいろな収納対策方法があると思うんですけども、やはり私は自動電話催告システムなんかも申し上げましたけれども、やっぱり職員、管理職さんを初め、訪問して滞納金分を含めて集めていかなきゃいけないと思いますけども、その辺はどのようにお考えですか。
○奥山保険医療担当課長 訪問催告につきましても、16年度から休日の催告につきまして、昨年度までは年間1回しかやってございませんでしたが、今年度は4回実施。また来年度につきましても、できるだけ多くの特別訪問催告を計画したいというふうに考えてございます。また、夜の時間帯の催告、そういったこともできるだけ多く実施していきたいというふうに考えてございます。
○伊藤(正)委員 自動電話催告システムというのは、どのぐらいの予算を見積もっているんですかね。財政効果とか予算とね。
○奥山保険医療担当課長 予算につきましては1,480万円ほどでございます。効果につきましては5,500万円ほど見込んでございます。
○伊藤(正)委員 一応じゃあ、4,000万円の効果があるんですか。
○奥山保険医療担当課長 この電話催告システムを導入した上で、今年度の実績との対比で、今申し上げました5,500万円ほどの増収を見込んでいるところでございます。
○伊藤(正)委員 ですから、このシステムを導入したら、4,000万円ほどの効果が出るということでよろしいんでしょう。
○奥山保険医療担当課長 導入経費を差し引きますと、そういう金額で見込んでございます。
○伊藤(正)委員 また税務担当課長にお伺いしたいんですけども、区民税ももちろん、何年前でしたっけね、各管理職さんたちが訪問して収納率を上げた記憶があるんですけど、今現在はそれをおやりになっていますかね。
○若槻税務担当課長 管理職を挙げての徴収訪問でございますが、かつて3回ほど実施してございます。
○伊藤(正)委員 やはり効果はありましたか。
○若槻税務担当課長 当日の現金収入額ということで申し上げれば、数百万円ということでございますので、それだけを見れば、効果ということではなかなか厳しい評価になるかと思います。
ただ、管理職を挙げて実施するということによりまして、区民の皆様に税の収納をしていただくことについて御理解を深める、あるいは庁内を挙げてそういうことに取り組むということについての一定の効果があるのかなというふうには理解してございます。
○伊藤(正)委員 大変でしょうけども、ひとつ頑張っていただいて、収納対策をきちんとしていただきたいと思いまして、これは通告していなかったものですから、ちょっと申しわけないと思っております。以上で終わります。
それから、次に順番でいくとたしか扶助費ですね。扶助費についてお伺いしますけども、予算に占める扶助費の割合、その他の項からちょっとお伺いしたいと思いますけども、これは当初予算(案)の概要の53ページを見ますとグラフが載っています。中野区一般会計当初予算性質別歳出内訳の推移ということで、17年度を見ますと875億円の中のうち、187億円が扶助費ですよね。これは年々見てみますと、やはり上がっています。昨年度、16年度よりも21億円も上がっているようですね。
それで、予算書説明書の141ページを見ますと、扶助費はいろいろ、生活保護もそうですし、ひとり親家庭の手当もそうですし、保育園の委託料だとか支援費制度なんかも含まれていて、この141ページを見ますと、扶助費に児童の保育の委託とありますよね。これをちょっとお伺いしたいんですけども、子ども家庭費、保育サービス費の民間保育費のうち、この児童保育委託について12億1,100万円程度になっていますけども、たしか昨年度は8億5,270万円ですよね。昨年度の予算と比較すると3億5,800万円増額になっていますけども、これはどういうわけでしょうか。
○榎本保育サービス担当課長 お答えをいたします。
平成17年度の予算説明書の141ページの民間保育士の児童の保育委託についてのお尋ねでございます。
この保育サービスの扶助費とは、主に私立保育園で児童を保育してもらうための委託費というふうに御理解いただきたいというふうに思います。
確かにお尋ねのように平成16年度は8億5,270万円の予算でございましたが、17年度につきましては12億1,137万9,000円ということで、3億5,867万9,000円が増額になってございます。
この増となった主な要因でございますけども、平成17年度には大和北保育園とあけぼの保育園、この2園の区立保育園が民営化によりまして私立保育園となります。このために児童の保育委託費として約3億円がふえることになる。これが主な理由でございました。
○伊藤(正)委員 民営化にした上で、今申し上げた2園で3億円ふえたということの理解でよろしいかと思うんですけども、そうすると、民営化してもこれだけやっぱりお金がかかるのかなと疑問に思うわけなんですけども、当然、区の職員、区でやっていませんから、職員の給与なんかは省かれますよね。それでもやっぱりこれだけかかるんですかね。
○榎本保育サービス担当課長 お尋ねのとおりでございまして、民営化によりまして、確かに3億円なりのこういった委託扶助費がふえるわけですが、その一方で区立保育園の運営費、これはモデル的に申し上げることしかできないんですが、1園当たり、大体人件費を含めまして、運営費として2億円かかっております。したがって、ざっと大ざっぱな計算なんですが、2カ所で4億円ということになりますので、4億円引く3億円で差し引き1億円の財政効果があった。これはモデル的なあくまで計算ですけども、そういったことになるわけです。そのように御理解をいただきたいと思います。
○伊藤(正)委員 今、1億円の差ということで、2園やれば1億円。1園に対して5千万円は浮くだろう、財政効果があるだろうということで、これまで区が区立保育園から民営化された園というのは今、幾つありましたっけ。
○榎本保育サービス担当課長 平成15年度に移行型では1カ所、それから、16年度に1カ所。それから、17年度は指定管理者制度による、いわゆる公設民営の委託と民設民営の合計で4カ所。あと、上鷺宮の方に1カ所、全く移行ではなく新設につくったものが1カ所ございました。これは移行型ではございませんので、別の計算になると思いますが、そういう移行型では4カ所ということになります。
○伊藤(正)委員 そこで今、指定管理者制度ということで、たしか去年から宮園保育園と宮の台保育園の2園が指定管理者になったんですけども、これを見ると、同じ141ページで委託料となっているんですよね。これは扶助費ではない。指定管理者園の運営は委託料、それと項目が違いますよね。これはどういうことか教えていただけますか。
○榎本保育サービス担当課長 指定管理者制度によります委託につきましては、国の考え方もございまして、委託料で取り扱うのが一般的である、このような見解をいただいていますので、あくまで区立保育園には違いないというふうなことで、区立保育園の部分に委託料として入っているわけでございます。
それで、民間保育の方の保育委託というのも、意味合いとしてはほとんど変わりはないんですが、委託料の場合は丸ごと包括的に幾ら幾らかかる。例えば、1億5,000万円と同じ金額だと仮にしましても、1億5,000万円で包括的にそのすべてを運営していただく、このようなことの考えがある。それで、扶助費で子どもさんを私立保育園で委託というようなことにつきましては、何で扶助費かと言いますと、子どもさん一人あたり、例えばゼロ歳であると幾らというような国の基準がございまして、これは子どもさんを保育していくに当たっての人件費であるとか光熱費であるとか、いろんなもろもろを含んだお子さんを育てていくための扶助費というようなとらえ方で、これは国の考え方の流れを組んでいるわけでございますが、そのような予算上の振り分けをしているところでございます。
○伊藤(正)委員 この区分の分け方が私いま一つわからないものですから、今お伺いしたんですけども、いわゆる民生費の中にこの扶助費、また今言った委託料なんかが含まれている。この区分なんかはもうちょっとわかりやすく説明書ができたらいいなと思って、今質問させていただきました。ありがとうございます。
それで、生活保護について、きのうも高橋ちあき委員が質問をされておりましたけども、私も生活保護について、今回、質問させていただくに当たって、結構、勉強させていただいたわけですけども、まずこのしおりというのがありまして、生活保護とあって、最初に書いているんですね。「健康で安定した暮らし、これはすべての人々の願いです。人間が人間らしい生活を送ることは私たち国民に認められた当然の権利で、国の責任として憲法にも規定されています。私たちが生活していく上で病気や老齢あるいは働き手の死亡などの理由で、生活費や医療費などに困る場合があります。生活保護はこうしたその頼りないところを補い、一日も早く自分の力や他の方法で生活できるように手助けする制度です」と、こう書いています。国の責任として憲法にも規定されているということで、その下に日本国憲法第25条、「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部門について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び推進に努めなければならない」と書いてあります。そして生活保護法の第1条に、「この法律は、先ほど申し上げた25条の規定する旨に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」というふうに書いているわけですけども、それでページをめくっていきますと、8ページにこの保護の種類というのがあり、私もこれを質問させていただく上で、ああそうなんだということを大分勉強させていただいたんですけども、保護には8種類の扶助があります。
一つ目が生活扶助。これは食べるもの、着るもの、光熱水費、入院中の日用品代などの日常の暮らしの費用。2番目に住宅扶助。家賃だとか地代ですね。それで、3番目に教育扶助。義務教育に必要な費用、給食費、学級費を含むと。4番目に介護扶助。介護サービスを受けるために必要な費用。5番目に医療扶助。医者にかかる費用ですね。診療費のほか通院費、そして眼鏡、コルセットなども入るんですね。そして、出産扶助もあります。お産のための費用。そして生業扶助。手に職をつけたり仕事につくための費用もあります。それで、最後に8番目に葬祭扶助。葬式の費用。お葬式まで出してくれる、そういうシステムになっているんですね。生活保護の種類が8種類ある。
それで、いろいろ厚生の50番の資料を出していただいたんですけども、17年1月現在で5,070人の生活保護の方がいるわけですね。昨年と比べて大体270名ふえています。年々ふえています。それで、厚生の54の資料を見ますと、世帯数でいえば、これは23区の一覧表で中野区は3,854世帯、1.56%の割合で生活保護をしている。それで、予算書の説明を見ますと、174ページに生活保護費が117億3,839万9,000円、これは恐らく人件費が入っていると思います。実際には175ページを見ますと、生活保護が109億6,000万円ですよね。それで、これは国の制度ですから、国が4分の3、区が4分の1。そうしますと、ざっと計算しても25億円以上の生活保護費が、この5,000人に対して支払われているということだと思います。
それで、先ごろ社会保障審議会における生活保護制度のあり方に関する、専門委員会から生活保障制度の見直しに関する報告書が出されました。その基本的視点としては、最低生活保障を行うだけではなく、生活保護受給者の自立、就労を支援する観点から生活保護制度を見直していこうというものがあります。つまり働ける者には就労を促し、資産のある者についてはその資産を活用するべくことを教えて、それが不可能な、真に制度の対象となる者だけに生活保護制度を適用していかなければ、制度の運営自体が行き詰まってしまうことを指摘しております。また、生活保護制度以外の低所得者施策を充実・強化すべきであるとも提言しております。
そこでお伺いしますけれども、年々ふえていっているこの生活保護受給者、これは増加させない工夫といったらいいんでしょうか。何と質疑していいのかわかりませんけども、そういう工夫というのはできないものですか。
○浅野生活援護担当課長 お答えいたします。
生活保護費をふやさないためというのは非常に難しい課題ではございますが、まず、私ども現行の制度の中でできることを申し上げますと、最初に生活保護を受けるためには、生活保護の相談ということを行っております。そこの段階でいろいろお話をこれまで以上に詳しく聞きまして、現状におきましてもただ単に失業で職がない、体の方は元気だという方に関しては、私どもの方でもハローワークの利用を積極的に勧めたりしております。
さらにまた、それ以外にいろいろと疾病を抱えている方もいらっしゃいますが、中には他の制度、例えば年金の受給権が見込まれる方、そういった方につきましては、若干これは時間がかかるので、御本人の生活が成り立つかどうかという非常に難しい問題もございますが、そういった方については、年金の受給権があれば、それである程度の生活ができますので、そういったことを積極的に指導していく。要するに、生活保護制度以外の他法他施策の利用というものをより進めていくというのが一つの方法かと思います。
それからもう一つは、生活保護を現に受けている方につきましては、これは例えば現在、生活保護を受けながら働いていらっしゃる方と、それから生活保護を受けてまだ何とか働けるめどはあるが、働くに至っていない方の2種類の方がいらっしゃるんですが、現に働いている方につきましては、例えば今行っている仕事がさらに増収の可能性があるのかどうか。それは、例えば、もしかすれば資格を取ればもっと増収が見込まれるという場合は、先ほど委員が生活保護の種類の中で御紹介しました生業扶助などを使いまして、資格を取得していただいて、その資格で新たな職業についていただく。それによって増収を図るというのが一つの方法として考えられます。
それからもう一つは、現にある程度働ける状態でありながら、まだ働くに至っていない方につきましては、これは就労指導というのを担当職員の方から重点的に行いまして、何らかの形でまず職につくということを念頭に置きまして、そこから継続して働いて徐々に収入をふやしていくと。現行のやり方としてはそういう方法が考えられます。
ただ一方で、いろんな制度が使えない、もう本当に生活保護しか使えない方というのがある程度ふえてまいりますと、どうしても生活保護費といいますか、自立して生活保護から離れていく方よりも、新たに生活保護を受給する方の方がふえてまいりますので、そうなりますと、必然的に生活保護費の方はふえていってしまうと。そういった問題もございます。
○伊藤(正)委員 私はこの質問をちょっと考えさせていただいて、もちろん生活に困窮している人に与える、これはもう税の公平性を考えれば当たり前のことだと思うんですけども、過剰給付、これがあるんじゃないかなと思いまして、それで、実際に私の知っている人もアパート1棟を持っていまして、6世帯の小さなアパートらしいんですね。それで、ちょうど四畳半から六畳の1間、共同トイレ、浴槽はない。そこにやはり生活保護を受給している世帯が5世帯いるそうなんですね。6世帯のうち5世帯が生活保護を受けられている方と聞いておりました。そういうアパートですから、いろんな不動産会社の方からも御紹介されるんだと思うんですけど、結構、いただいたと同時に生活が豊かになってというか、すぐもう変化があらわれてくるような人もいるわけですよね。だから、本当に実態調査をしているのかなという疑問もありまして、きのうでしたか、高橋ちあき委員の質問の中に44名のケースワーカーさん、1人あたり90世帯も担当しているということをおっしゃいましたけども、例えばこういう話もあるんですね。さっき言った住宅扶助は家賃5万円だったら5万円も入っているんでしょう。ところが、2年更新だと更新料というのもありますよね。その更新料も支給されているんでしょうか。
○浅野生活援護担当課長 アパートの更新に伴う更新料も、一応、保護費の中で出しております。
○伊藤(正)委員 2カ月分の更新料をいただいたのに、大家さんが更新しようと思ったら、もういなくなっちゃったという例もあるんですよ。その跡を見たらテレビが3台、冷蔵庫が2台出てきたんだそうです。これは本人がいなくなった場合、財産というのはどこが管理しているんですか。
○浅野生活援護担当課長 原則としては、いわゆる家主さんと店子さんとの関係になりますので、家主さんの方にやっていただくようになりますが、私どもで例えば、これはちょっと例が違うかもしれませんが、アパートを借りていて、病院などに入院していて、単身で亡くなられた方なんかがあった場合、荷物はそのままになってしまいます。それで、こういった場合には、例えば身内の方で片付けていただける。まず最初には、身内の方にそこら辺のことをお願いしますけども、それができないと。例えば身内もいらっしゃらないという場合には、一応、荷物をそのままにしておくことができませんので、そういった場合につきましては、業者に依頼しまして片付けてもらう。そういうふうな形をとってございます。
○伊藤(正)委員 全く身寄りもなくて頼る方もいないというときには、やはり大家さんがみんな片付けているらしいんですよね。だからテレビ、冷蔵庫--今、リサイクル法で粗大ごみじゃなくて、1台4,000円ぐらい負担するんですよね。そうするとテレビが3台で1万2,000円、冷蔵庫は五、六千円だったですかね。それだけでももう3万円になる。それで、敷金はいただいていますが、リフォームもしなきゃいけない。その分は大家さんが涙をのんでいるんですよね。
そこで、この家賃だけでも、家主さんに直接渡す方法というのはできないものでしょうかね。
○浅野生活援護担当課長 現在も、例えばこちらの方でその保護を受けている人が家賃を払っていないということが、こちらの方でも確認できている場合には、保護費は銀行振り込みを原則としてございますが、直接、区役所の方に、月の初めに決められた日がございますが、その日に受け取りに来ていただき、それで、まず家賃分を渡して、確実に本人がそれを振り込んだかどうかを確認した上で、生活費の残りの分をお渡しするとか、あるいは担当者が銀行の窓口へ同行しまして、確実に振り込んだかどうか、それを確認するということはやってございます。
それで、委員御指摘のように、直接振り込めないかという御指摘なんですが、一方で借りている御本人が家主さんに、生活保護を受けているというふうに言っていない場合がかなりあります。そうしますと、本人のプライバシーの問題ともちょっとかかわってきますので、そこら辺も考えながら、ただやはり家賃の不払いというのはある一定の割合で起こっていますので、そこら辺のことは被保護者のプライバシーの保護の観点も考えながらできるかどうか、一応検討はしてみたいというふうに思ってございます。
○伊藤(正)委員 今も質疑を聞いて、私はほとんど家主さんがこの生活保護を受けている方が住んでいるというのを実態として知っているのかなと思ったんですよ。今、初めてそのお話を聞いて、なおさらそうすると家賃代を滞納する受給者だっているんじゃないかと思いまして、その辺を検討していただくと言ったんですけども、定期的というと変ですけども、何日にケースワーカーさんがお伺いするからなど、どういうふうに生活されているのか、日々の日常生活は調査されているんですか。
○浅野生活援護担当課長 まず、生活保護を現に受けている方につきましては、特に相手の方に日時は指定してございません。例えば、働いていてどうしても時間の都合がつかない方については時間を指定してお会いしていますが、一般的にそうでない方につきましてはこちら側の計画で訪問しております。
それで、例えば何回行っても不在だと。しかし、特に仕事もしていらっしゃらないというような場合には一応こちらに連絡をするか、あるいは区役所に来ていただくか、何らかの指示をした連絡表を置いてまいるんですけども、それでも一向に連絡がない場合には、それなりに保護費をこちらの方で銀行振り込みから事務所払いに変更したりとか、そういった形ととって事情を聞いたりしております。
それで、確かに非常に御指摘のような部分はございますけども、やはり定期的な訪問によって、家財がふえているとか、あるいはその御本人が就労していれば少し自分の自由になるお金もございますので、そういったもので何か買うことはできるんですが、そういう部屋の中の状況が変わっているなどの変化があった場合には、やはり本人から、何か事情があったのかというふうなことを聞いて、それなりの対応をしてございます。
○伊藤(正)委員 職員の方も大変でしょうけども、ぜひ実態調査もやっていただきたいと思います。
それで、この保護を受けている方で自立された方というのはどのぐらいおられるんですか。
○浅野生活援護担当課長 自立という範囲には、私どもでは経済的な自立と、それから扶養義務者の援助というものがございます。例えば身内の方が引き取られたとか、そういったものも含めて一応自立というふうにカウントしてございますが、経済的に就労がふえて自立するというのが大体年50人ぐらいです。それで、それ以外に身内の方の引き取りとか、例えば生活保護を受けた当初は年金受給権が御本人はないというふうに思っていたのが、こちらで調べたらあった。それで、さかのぼって手続をしたところ、今までの分も含めてある程度の年金がもらえて、それを使って生活していくというふうな方を含めまして、大体年間100名ぐらいでございます。
○伊藤(正)委員 これは産経新聞で、港区での生活保護は過剰給付にノーということで取り組みがあるんですけども、これは大変大きな取り組みだと思うんですけど、これは手薄だった区内の生活保護世帯の訪問、調査活動に潜入スタッフを配置して、より適切な給付を管轄するとしている。適正給付を行うために、現行の給付についてみずからメスを入れるというような事業なんですけども、こういうことは区としては考えておられませんか。
○浅野生活援護担当課長 この港区のケースは非常に先進的なやり方ですので、非常に注目してございます。私どもの場合も、やはりこういった形がとれないか研究をしていきたいというふうに考えてございます。
○伊藤(正)委員 私、先ほど申し上げたように109億円、そのうちの一般財源が25億円、これは三位一体改革で割り当てが変わるだろうという話もありますよね。国が3分の2、区が3分の1になった場合はさらに一般財源がふえるわけです。事業部制にしたんですから、今言ったような取り組みだとか実態調査をもっとやはり強固にして、やはり歳出の抑える部分も考えていかなければいけないと思うんですけども、区長さん、この生活保護制度に対して何か考えがありましたら、ご答弁をお願いしたいと思います。
○田中区長 生活保護受給者がふえるということについては、単に経済の循環で、不況だから収入が下がったというだけではなくて、雇用構造が変わったり、それから高齢化が進んだり、それから家族関係が変わってきたりという、いろいろな構造的要因も含んでいるだろうというふうに思うわけであります。そういうようなことから、制度の厳密な運営とか見直しといったようなことに国も着手をしたんだろうというふうに考えているところでありますが、やはり我々としては、その生活保護という制度をしっかり運営するという立場の自治体でありますので、適正な保護、そして自立支援といったようなことをきちっとやっていくということと、それから地域全体に雇用機会がもう少しふえるようにするとか、あるいは働きたいと思った方が働けるような環境をつくっていくといったようなことも含めて、全体的な取り組みが必要なのかなというふうに思っているところであります。
○伊藤(正)委員 もう時間もないので進みます。ありがとうございました。
それで、ひとり親家庭のことでちょっとお伺いしたいんですけども、今度は中野区のしおりの62ページを見ますとひとり親家庭というのがありまして、母子生活支援施設と。沼袋にさつき寮がございますよね。このさつき寮というのはどういうところなのか、ちょっと御説明していただけますか。
○新井子育て支援担当課長 さつき寮は、児童福祉法に基づく母子生活支援施設でございまして、配偶者のない女性が生活、就労、教育、住宅等の解決困難な問題により、その児童の養育が十分にできない場合に当該母子を保護するとともに、生活の支援、児童に対する学習指導や就労等による自立を促進することを目的とした施設でございます。
○伊藤(正)委員 さつき寮における就労支援というのはどのようにされているんですか。
○新井子育て支援担当課長 さつき寮における就労支援といたしましては、就労相談やハローワークへの同行、また就労につなげるためのパソコン指導などを行っております。
○伊藤(正)委員 さつき寮に入寮していない母子家庭がございますよね。そういう方々の就労支援は現在どのように行っているかお聞かせください。
○新井子育て支援担当課長 平成16年4月から区役所3階に子ども総合相談窓口というものができましたけれども、そちらに母子自立支援員が2名おりまして、母子家庭のさまざまな相談に応じているところでございますけれども、就労支援といたしましてはハローワークや技術専門校の紹介や、東京都が提供する求人情報などの案内を行っております。
○伊藤(正)委員 先ほども申し上げた生活保護の方とは恐らく形態は違うんだと思いますけども、やはりこの自立支援というのを区側として一生懸命取り組んでいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。ありがとうございます。
次は環境問題なんですけども、 もう時間が35分しかないので、多分無理だと思いますので、理事者の方、取材に来ていただいたのに申しわけないですけども、教育問題をやらせていただきたいと思います。
日の丸、君が代なんですけど、これは本当は大事にしなきゃいけないんですよね。
高橋ちあき委員もきのう質問されていましたが、卒業シーズンがやってまいりました。区立幼稚園の卒園式、また18日には中学校の卒業式、24日には小学校の卒業式がそれぞれ行われます。また、4月に入りますとそれぞれ入学式が始まるわけですけども、昨年、小学校の入学式、桃園第二小学校でいろんな問題がありました。PTA会長さんのあいさつで、日の丸、君が代の問題に触れて、教育現場の押しつけはおかしいというお話をされたと。その非難の風の中、会長職を辞任するとか、辞任させられたとかということが記憶に新しいところですけども、この問題に触れるつもりはありません。ことしはこのような問題がないように願いたいと思っております。
それで、今回この日の丸と君が代について、改めて私、考えてみたいなと思います。もうお亡くなりになりました我が先輩、岩田みつる議員なんかは何年か前の本会議場で、延々とこの日の丸、君が代について質問されたことがあるということを聞いております。
それで、日本の国旗であります日の丸の意味と由来、御承知の方もおられますけれども、あえて申し上げさせていただくと、聖徳太子が遣隋使に託した文書以来、自国を日出る国とする考え方があり、赤い日の丸は日の出の太陽を象徴する。また、紅白は日本の伝統色でめでたいものとされており、赤は博愛と活力、白は神聖と純潔を意味するものと言われております。もともと島津藩が海外交易用の旗として使っており、開国時に商船を区別する旗として江戸幕府が正式に採用したものが、今の日の丸国旗として使われた起源であると言われております。
その後、日の丸は明治政府、日本国政府に引き継がれ、国旗として利用されてきました。しかし、きちんとした法律によって定められたものではなく、長い間、慣習として使用されたことにすぎませんでした。そして、平成11年8月13日に公布・施行された国旗及び国家に関する法律によって、法律的にも公式に日の丸が日本の国旗であると定められました。海外の習慣に倣えば、この8月13日が日本版フラッグデー、旗の日となるわけであります。
国旗の掲揚や奉納するときに、いろいろな国際マナーがきちんとあるそうです。国旗が掲揚されているときは、自国、他国にかかわらず、国旗に対して敬意をあらわしましょう。諸外国の中には、右手の平を左胸に当てるなどの習慣などもあるようです。よくアメリカでブッシュ大統領なんかはこうやりますよね。日本では特にそのような規定はないそうです。ただ、起立、脱帽して姿勢を正し、国旗に向かって黙礼をして敬意をあらわすのが一般的とされております。
また、国旗の掲揚は本来、日の出から日没までにされています。また、始業時から終業時など、1日の節目には掲揚・奉納するとしております。国旗は国家の象徴であり、破れたり汚れたりしたものを使用してはいけません。また、通常雨天の場合は国旗を屋外に掲揚しません。また、国旗を三脚などで設置する場合、地面に引きずってはいけません。また、弔意をあらわす場合には半旗を上げることがありますが、その場合は一たん最上部まで掲揚した後、半旗の位置まで下げて掲げるそうです。ただいま申し上げた国際マナーには、ほかにも他国との国旗の掲揚のマナーがいろいろあるようなんですね。
また、君が代の歌の意味は、天皇のいるこの国が、小さな石が岩となり、その上にコケが生えるほどまでに長く平和で繁栄することを願う歌で、古今和歌集の詠み人知らずの歌に由来しています。古今和歌集では「我が君は千代に八千代に」と始まる歌でしたが、民衆の間に歌い継がれていくうちに、鎌倉時代の初期までには君が代はという、我が君が君が代というふうに現在、歌詞に変わってきているそうです。このように1200年もの間、君が代ほど日本の歌謡詩として広く親しまれてきた歌はないそうです。
そこで伺いますけども、ここの中野区役所の屋上にポールが3本ありますよね。たしか役所の方に向かって真ん中が国旗だとすれば、サンプラザ側がたしか中野区旗、それで左が東京都旗だと私は記憶しておりますけれども、これは、どの部署が掲揚・奉納されているんですか。ちょっと伺います。
○橋本総務担当参事 区役所屋上の国旗等の掲揚につきましては、庁舎警備を委託しております事業者にその掲揚等の業務をお願いしているところであります。
○伊藤(正)委員 警備の人がやっているんですか。区役所のそれなりの担当の方がやっているのかなと思ったんですがけども、ちょっと残念でしたね。やはり私が先ほど申し上げたように、雨の日だとか雪の日なんかは上げていないんですか。
○橋本総務担当参事 私どもは当然、国旗には敬意を払っているところであります。
旗につきましては、通常、朝から夕方まで掲揚しているところでありますが、雨の日とか風の強い日につきましては控えさせていただいております。
○伊藤(正)委員 やはり私が先ほど申し上げた国際マナーにのっとっていっていただいているということには本当に感謝します。そういえば、二、三日前に雨が降ったときに私がこうのぞいたらやっぱりなかったので、ありがたいなと思っています。
それで、ほかの区立公共施設で国旗掲揚されているところはありますでしょうか。
○橋本総務担当参事 私の知っている限りでは、学校を除きまして、区役所以外の施設での掲揚はないと思っております。
○伊藤(正)委員 すると、ZEROホールとか野方WIZだとか、そういうところにはないということですね。じゃあ、保育園や幼稚園にもないということですね。
先ほど小・中学校にはあると言ったんですけども、小・中学校での日常はどうなんでしょうかね。日常は掲揚されているんですか。
○小林指導室長 区内の小・中学校におきましては、日常において国旗を掲揚するということはございません。学校によって校旗を掲揚するというような学校はございます。ただし、儀式的行事等においては、国旗を掲揚するという情景が見られるところでございます。
○伊藤(正)委員 そこで、先ほど私が前段で申し上げた小・中学校の卒業式に向かうに当たって、教育委員会として改めてどのような指導をされているのかお伺いいたします。
○小林指導室長 教育委員会では各学校の卒業式、入学式などにおきまして、学習指導要領に基づいて国旗の掲揚、国家の斉唱が適正に実施されるよう、校長会等を通じて指導を重ねております。
○伊藤(正)委員 たしか昨年の秋の園遊会で東京都教育委員会の米長邦雄さんは、日本じゅうの学校に国旗を上げ、国家を斉唱させることが私の仕事とおっしゃっていました。そのお話に天皇陛下は「強制ではないことが望ましいですね」と話された。これはマスコミでも結構大きく取り上げたわけですけども、国旗が国家のシンボル、象徴であるということを多くの日本人は知っています。それを常に尊重しなければならないということを日常から実践しているのは中野区役所だけだそうですし、私どもも祝日になって初めて国旗を掲揚しており、日ごろから国旗を意識するというのはなかなかないわけですけれども、国旗や国家の意識の向上を図るためには、押しつけることなく、強制することなく、やはりごく自然にみんなが日本人として誇りを持ち、自国を愛し、国旗・国家に敬意をあらわすことになっていただきたいと強く思いました。そのためには小・中学校等の教育の現場においても、幼いときから、私が今まで申し上げた国旗・国家に関する十分な教育が必要であると考えますけれども、これに対して教育長としてお考えはございますでしょうか。
○沼口教育長 当然、国旗というものは、どこの国においてもやっぱり象徴でございますので、大切にされているようでございます。その意味で、我が国におきましてもそういう国旗の意義、これを子どもたちに理解させて、そしてまたほかの外国の国旗についても含めまして尊重する。こういう気持ちを育てていく。こういうことが非常に大切だと思います。そういう意味では学習指導要領にのっとりまして、きちんと教育をして指導してまいりたいと、そのように考えてございます。
○伊藤(正)委員 当然そうだと思うんですけども、逆に区長さん、今、区役所だけしか国旗が掲揚されていないということですが、国旗のあり方について御自分のお考えがあったらお述べいただけますか。
○田中区長 どこの国の国民もそうだと思いますけれども、我々日本人は最後まで日本の国民としてしか生きられないわけでありまして、我々日本人はみんな日本国という国のもとに、ある意味で運命共同体として生きているわけでありますから、この国というものを大事にするという心を持つということが大事だと思っております。そういう意味で、日本国の国民であるということをごく自然に意識をするということからも、国旗を敬うというか、国旗を大事にする心というものを区民みんなが持つということが私は大切なことだというふうに思っておりますし、ごく自然にそういう気持ちが養われるようになるためには、教育の現場での指導といったようなことも大切だろうというふうに思っているわけであります。
○伊藤(正)委員 本当に日常から、私たちもそうなんですけども、やっぱり意識を高く持って、国旗に対しての敬意というのを改めて考えたいなと思っておりますし、また、これは議会側の検討なんですけども、やはり中野区議会本会議場に、いずれは私が議員でいる間に、絶対に国旗と中野区旗を掲げる。何年後になるかわかりませんけども、本会議場に掲揚されればいいなということを願って、この質問を終わります。
それで、次に心を育てるニューモラルについて伺います。
昨今、子どもたちが巻き込まれる事件・事故、犯罪が多く発生しており、被害者として、時には加害者として、毎日のように新聞・テレビ報道されていることは皆さん御承知のことでございます。特に、加害者となっている子どもたちは心の病、精神にやっぱり障害を抱えているお子さんが多いことが原因ではないかなと思っております。
それで、ある研究所で発表しているものに「育てよう三つの心」というのがありまして、感謝、思いやり、自立。自立は先ほども出ましたけども、一つ目の感謝は大自然の恵み、また、家庭や国の恩恵などに対する感謝の心は、自分の命はもちろん、人や周囲のあらゆる命を大切にする尊厳性をはぐくみます。そして、恩返しをしたり、社会や世界に貢献していく勇気を育てます。
二つ目の思いやりは、相手の立場に立って考えることのできる思いやりの心は、人の喜びや悲しみ、痛みへの共感性をはぐくみます。そして、自分を反省したり、相手を許す謙虚さや周囲に奉仕する深い優しさを育てます。
三つ目の自立は、夢や志に向かって主体性を持って生きようとする自立の心は、家庭人、社会人、また国民としての責任感や使命感をはぐくみます。そして、地域や国際社会に目を向けてたくましさを育てます。
これが三つの育てようという心なんですけども、先日も皇太子様が45歳の誕生日を迎えられて、記者会見をされました。我が子の愛子様の養育方針に触れられました。3歳の我が子には愛子という名前のとおり人を愛し、人から愛される人間に育ってほしい。加えて、有名になりましたスウェーデンの教科書にもありました詩を紹介されました。
「批判ばかりされた子どもは非難することを覚える。殴られて大きくなった子は力に頼ることを覚える。しかし、激励を受けた子どもは自信を覚える。寛容に出会った子は忍耐を、友情を知る子は親切を、安心を経験した子は信頼を覚える。かわいがられ、抱き締められた子どもは世界じゅうの愛情を感じ取ることを覚える」という談話がございました。何を私は言いたいかというと、この道徳教育、心を育てる教育、これをいま一度やはり見直さなければいけないんだなと思っております。学習指導要領のもとで、教育されているんだろうと思いますけれども、我が党の公約で教育基本法を改正するというものがあり、自民党は国を誇りに思う教育を実現します。教育基本法を改正し、豊かな情操と道徳心にあふれ、正義と責任を重んじ、伝統文化を尊重し、家族や郷土、国を愛する心や公共の精神が身につくような教育を実現しますと、我が党はこのように公約しているんですけども、どうもこの教育基本法は大変残念なことなんですけども本国会では流れるようです。そこで、私が申し上げたような道徳心、心を育てる教育について、改めてお伺いしますけども、どのように考えられているでしょうか。
○小林指導室長 道徳教育につきましては、区内の全小学校、中学校におきまして指導計画を作成いたしまして、計画的にすべての教育活動の中で道徳教育を行うとともに、道徳の授業を毎週1時間実施し、子どもたちの心を耕す指導を進めております。
また、道徳授業地区公開講座につきましては、区内全小・中学校で平成14年度から実施しておりますけれども、その中では道徳の授業を公開し、内容等を協議し合うなど、学校、保護者、地域が協力し合って、子どもたちの心を耕すために道徳教育を推進しているところでございます。
○伊藤(正)委員 心の病を治すには、やっぱり道徳教育というのは大変必要だと思いますので、ぜひとも推進していただくようお願いをいたします。
それで、教育問題のその他で、これはやっぱりどうしてもやらなきゃいけないものですから、教科書採択についてお伺いをいたします。教育採択の流れというのがありますよね。教育委員会が調査委員会に調査依頼をされて、その調査委員会が今度は研究会に調査依頼をして、それで、学校、児童・生徒、また保護者、区民の方からもいろいろ意見をいただくようになっております。
これは、私がちょっと入手した23区の教科書採択要綱の内容の分析の一覧表というのがありまして、我が区は先ほど言いました下部組織ですね。教育委員会の下の調査委員会の権限の中に調査報告複数推薦とあるんですけども、この複数推薦、これがどうもひっかかるようなんですね。これはどのような形なんですか。ちょっと教えていただけますか。
○小林指導室長 教科書採択にかかわりまして、選定調査委員会が複数推薦するということになっておりますけれども、現実にすべての教科書を調査し、そして教育委員会に報告していくというのが実態でございます。
○伊藤(正)委員 それから、学習指導要領への言及書が、この部門があるんですけども、これは中野区はなしとなっているんですけども、他の区は内容が正確かつ公正であるだとか、学習指導要領に関する法令措置等に基づきだとか言及されているんですが、中野区はないんですね。他にも言及していない区として台東区さんだとかがあるんですけど、これはどういうことですか。
○小林指導室長 ただいま学習指導要領について、本区の規則等で言及されていないということでございますけれども、教育委員会では教科書採択の方針の中で、明確に学習指導要領の目標達成に適した教科書を採択するということで進めております。
○伊藤(正)委員 今、言った目標なんですけども、この目標を次のように定めていますと。「国家、社会の発展に大きな働きをした先人の業績やすぐれた文化遺産について、興味、関心と理解を深めるようにするとともに、我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を育てるようにする」と書いておりますけども、この目標設定、中野区はこれをどのように解釈されていますか。
○小林指導室長 学習指導要領の目標全般にわたって、その目標達成に適した教科書ということで採択を進めております。また、さらに教育委員会が定める教育目標の実現を図るに適した教科書という点も、この採択の指針の中に明確に位置付けております。
○伊藤(正)委員 区の教育採択に教員の意見が強く反映している感じがするんですよ。それで、中野区の中学校によっては、同教科の担任が複数いない学校もあります。学校の意見が1人の教員の意見ということになると考えますけども、どうでしょうか。
○小林指導室長 学校の意見につきましては、教員の意見を校長が責任を持って学校として集約しておりまして、1人の教員の意見が学校の教科用図書の研究の結果として報告されていることはございません。
○伊藤(正)委員 教科書は全部で500冊以上あるんでしょうかね。ぜひとも広範囲に、教育委員会で目を通していただいて、良識ある区民の声にこたえるとともに、結果について十分、説明責任を果たせるような中野方式ができればなと思うんです。とにかくみんなの意見を聞いて、1冊、2冊だけじゃなくて、固定されることのないようにしてほしいと思います。そこで、選択の仕方を改めて伺います。
○小林指導室長 今、委員お話しのとおり、本区の規則、また要綱等に従いまして、教育委員会は権限と責任を持って、採択権者として公正かつ適正に教科書採択を進めていく所存でございます。
○伊藤(正)委員 中学校の教科書採択は今年度ですか。
○小林指導室長 来年度、平成17年度に中学校の教科書採択をいたします。
○伊藤(正)委員 ぜひとも、選択は間違いのないようによろしくお願いをいたします。
その他のその他でやはり自治基本条例、8分しかないんですけども、これは私も総務委員会ですので、きょうは主なところを質問させていただきますけれども、やはり区議会の役割及び責務というところに区議会のことが結構書かれています。
区議会は区議会の保有する情報を公開し、区民との情報共有を図るものとすると書かれていますけども、区の執行機関としてはいろんな情報公開がされておりますけども、これを明記するに当たって、やはり区議会も持っている情報をどんどん出しなさいという意味なんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 お答えいたします。
現在の私どもが大綱でお示ししております、今、委員から御発言のありました議会に対しての部分でございますが、議会が持っている情報というのは、現在、中野区が持っております区政に関する情報の提供、情報公開に関する条例の中で実施機関として議会も位置付けられている。その上にのっとって、そのことを根拠に議会の中の情報提供、情報共有のあり方を記述させていただいているというふうに考えてございます。
○伊藤(正)委員 区、いわゆる執行機関と区議会はどういう関係にあるんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 御存じのとおり、地方議会は二元代表制ということで、区長が執行機関の代表としてさまざまな政策提案をし、それに対して議会が審議をし、区民の代表として意見を集約して、それについてのジャッジ、判断をしていく。それと同時に、執行機関の行っていることに対して監視をする。そういうような権限・権能を持っている位置付けだというふうに私は認識してございます。
○伊藤(正)委員 そうすると、上下関係ではないということは御理解いただけますよね。
○鈴木政策計画担当課長 全くそのとおりでございます。
○伊藤(正)委員 そうすると、区民というのはどのような位置付けなんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 広い意味では区民は住んでいる人に限らないというようなこともございますけれども、中野区という地域に住んでいる住民というふうなことでございまして、その住民が持っている一つの権利として選挙の参政権があるというふうなことですので、私どもは選挙権を有するというところで、この条例の中ではさまざまなことを考えているというところでございます。
○伊藤(正)委員 私はこの自治基本条例(案)を見させていただいて、やっぱりひっかかるところは、何で区議会が対等の立場である行政側、執行機関からこういう記述をされなければいけないのかなと思うんですよ。その辺はぜひ考えていただきたい。あと、共同提案とか地域協定とかありますよね。共同提案の手続というのは区議会に報告するだけなんでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 大綱をお示ししてからパブリックコメントの手続が終わったところでございます。さまざま御意見をいただく中で、そこら辺をもう少し明確にというような御意見をちょうだいしています。また、今回も議会でさまざま御議論いただいている、そういうようなことを踏まえまして、私どもは共同提案があった場合に、議会にも御報告するということを現在、想定していきたいというふうに考えています。
○伊藤(正)委員 共同提案というのは、中野区に住んでいる方や、中野区で働いている18歳以上の方100名以上でできるんですよね。
○鈴木政策計画担当課長 共同提案ができる人というのは、中野区の在住・在勤・在学ということで大綱の中でお示ししました。大内委員の御質問で何歳なのかというふうなお問いがございましたので、現在、私どもが考えているということでは18歳以上というふうに御答弁をさせていただきました。
○伊藤(正)委員 ところが地域協定の場合は、これは18歳以上の区内に住所を有する方となっています。これは中野区で就労している人は除かれるわけですよね。
○鈴木政策計画担当課長 そのとおりで、地域協定の場合には、やはり地域で暮らしをともにする、そういった人たちの共通のルールづくりということが目的でございますので、そういったことを踏まえるならば、厳密に区民というものを限定した方がよかろうというふうに考えてございます。
○伊藤(正)委員 そうすると、この地域協定というのはあらかじめ区議会の意見を聞くという仕組みになっていますか。
○鈴木政策計画担当課長 何度も申しわけございません。区民にお示しし、議会にお示ししてあります大綱の中では、なかなかそこら辺の手続とか、どういうふうな流れになるのかというのが明確ではございませんでした。さまざま区民の方からも御意見をちょうだいしているところで、そういったものを極力、最終的な御提案の中に反映していきたいというふうに考えていまして、現在、あえて御発言させていただければ、そういった非常に大事なルールでございますので、区民の方みずからが合意の上でお決めになったルールだとしても、その影響を及ぼす範囲が適切かどうか、また、その内容と範囲が整合されているのかどうかについては区もきちっと調査をし、なおかつ公表に当たっては、議会にも御意見を聞きたいというふうなことを考えているところでございます。
○伊藤(正)委員 それで、この条例を見ますと、私どもにはやはり声の大きい少数派の方の意見をどうも取り入れるようなシステムになっているのかなとしかとらえられないんですよね。声の大きい少数派。わかりますか。こういう方たちのためにというわけじゃないんですけども、そういう気持ちがあるものですから、その辺は間違いのないようにつくっていただきたいんです。この後、総務委員会もありますけれども、またそこで引き続きやらせていただきますけども、どうでしょうか。
○鈴木政策計画担当課長 やはり30万区民の総意がどこにあるのかというのを常に根底に置いて、適切な政策判断が求められるわけでございますので、声の大きい一部に偏った判断というのは、適切な政策判断と言えないというふうに考えてございます。
○伊藤(正)委員 ありがとうございました。いろんな通告していない質問までさせていただいて申しわけないと思っています。
これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○平島委員長 以上で伊藤正信委員の質疑を終了いたします。
これで本日の総括質疑を終了いたします。
次回の委員会は、3月3日(木曜日)午前10時から当委員会室において開会することを、口頭をもって通告いたします。
開会時間につきましては、本日と同様、厳守をお願いいたします。
以上で本日の予算特別委員長を散会いたします。
午後4時41分散会