平成16年3月4日予算特別委員会(第6日)
1.平成16年(2004年)3月4日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
1番 いでい 良 輔 |
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2番 伊 東 しんじ |
3番 佐 野 れいじ |
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4番 北 原 奉 昭 |
5番 久 保 り か |
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6番 酒 井 たくや |
7番 奥 田 けんじ |
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8番 近 藤 さえ子 |
9番 小 堤 勇 |
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10番 大 内 しんご |
11番 伊 藤 正 信 |
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12番 きたごう 秀 文
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13番 高 橋 ちあき |
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14番 高 倉 良 生
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15番 やながわ 妙 子 |
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16番 平 島 好 人 |
17番 むとう 有 子 |
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18番 はっとり 幸 子 |
19番 長 沢 和 彦 |
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20番 か せ 次 郎 |
21番 山 崎 芳 夫 |
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22番 小 串 まさのり |
23番 若 林 ふくぞう |
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24番 市 川 みのる |
25番 岡 本 いさお |
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26番 こしみず 敏 明 |
27番 飯 島 きんいち |
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28番 佐 伯 利 昭 |
29番 佐 藤 ひろ子 |
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30番 来 住 和 行 |
31番 岩 永 しほ子 |
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32番 篠 国 昭 |
33番 柿 沼 秀 光 |
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34番 伊 藤 岩 男 |
35番 斉 藤 金 造 |
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36番 大 泉 正 勝 |
37番 斉 藤 高 輝
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38番 江 口 済三郎 |
39番 藤 本 やすたみ |
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40番 昆 まさ子 |
41番 江 田 とおる |
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42番 池 田 一 雄 |
1.欠席委員(0名)
1.出席説明員
中野区長 |
田中 大輔 |
助役 |
内田 司郎 |
収入役 |
山岸 隆一 |
教育長 |
沼口 昌弘 |
区長室長 |
金野 晃 |
政策担当課長 |
鈴木 由美子 |
基本構想担当課長 |
合川 昭 |
経営改革推進担当課長 |
長田 久雄 |
総務部長 |
石神 正義 |
総務部参事(特命担当) |
鈴木 勝明 |
総務部参事(特命担当) |
西條 十喜和 |
総務課長 |
田辺 裕子 |
財務課長 |
村木 誠 |
人事課長 |
寺島 誠一郎 |
広聴広報課長 |
鈴木 郁也 |
IT推進課長 |
瀬田 敏幸 |
営繕課長 |
佐藤 幸一 |
防災課長 |
納谷 光和 |
区民部長 |
本橋 一夫 |
区民課長 |
橋本 美文 |
税務課長 |
若槻 盤雄 |
国民健康保険課長 |
区民部長事務取扱 |
産業振興課長 |
高橋 信一 |
地域センター部長 |
柳澤 一平 |
調整課長 |
大沼 弘 |
女性・青少年課長 |
竹内 沖司 |
保育課長 |
榎本 良男 |
南中野地域センター所長 |
鍋横地域センター所長兼務 |
弥生地域センター所長 |
東部地域センター所長兼務 |
東部地域センター所長 |
中村 正博 |
鍋横地域センター所長 |
斎木 正雄 |
桃園地域センター所長 |
中野 多希子 |
昭和地域センター所長 |
蛭間 浩之 |
東中野地域センター所長 |
昭和地域センター所長兼務 |
上高田地域センター所長 |
新井 一成 |
新井地域センター所長 |
上高田地域センター所長兼務 |
江古田地域センター所長 |
安部 秀康 |
沼袋地域センター所長 |
江古田地域センター所長兼務 |
野方地域センター所長 |
大和地域センター所長兼務 |
大和地域センター所長 |
浅野 昭 |
鷺宮地域センター所長 |
豊川 士郎 |
上鷺宮地域センター所長 |
鷺宮地域センター所長兼務 |
環境部長 |
寺部 守芳 |
環境消費生活課長 |
環境部長事務取扱 |
資源循環推進課長 |
大杉 規子 |
清掃事務所長 |
遠山 幸雄 |
保健福祉部長 |
菅野 泰一 |
保健所長 |
清水 裕幸 |
保健福祉課長 |
川崎 亨 |
生活援護課長 |
中澤 知子 |
高齢福祉課長 |
冨永 清 |
障害福祉課長 |
田中 政之 |
介護保険課長 |
岩井 克英 |
障害者福祉会館長 |
保健福祉部長事務取扱 |
健康推進課長 |
今 恵里 |
生活衛生課長 |
小谷松 弘市 |
保健予防課長 |
保健所長事務取扱 |
中部保健福祉センター所長 |
城所 敏英 |
北部保健福祉センター所長 |
石崎 泰江 |
南部保健福祉センター所長 |
佐々木 美枝子 |
鷺宮保健福祉センター所長 |
沼田 久美子 |
都市整備部長 |
石井 正行 |
まちづくり調整担当部長 |
那須井 幸一 |
都市計画課長 |
服部 敏信 |
まちづくり課長 |
久保田 浩二 |
住宅課長 |
高野 佑二 |
指導課長 |
遠藤 由紀夫 |
建築課長 |
秋元 順一 |
道路課長 |
尾崎 孝 |
交通対策課長 |
登 弘毅 |
公園緑地課長 |
大谷 則章 |
副収入役 |
村田 宏 |
教育委員会事務局次長 |
山下 清超 |
庶務課長 |
佐藤 栄時 |
教育改革推進担当課長 |
教育委員会事務局次長事務取扱 |
学校教育課長 |
篠原 文彦 |
指導室長 |
小林 福太郎 |
生涯学習課長 |
奥山 功 |
中央図書館長 |
石崎 新一 |
選挙管理委員会事務局長 |
荒畑 正子 |
監査事務局長 |
細木 博雄 |
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 |
正木 洋介 |
事務局次長 |
飯塚 太郎 |
議事調査担当係長 |
大谷 良二 |
書 記 |
黒田 佳代子 |
書 記 |
巣山 和孝 |
書 記 |
永田 純一 |
書 記 |
長崎 武史 |
書 記 |
荒井 勉 |
書 記 |
西田 健 |
書 記 |
岩浅 英樹 |
書 記 |
鳥居 誠 |
書 記 |
佐藤 雅俊 |
書 記 |
松本 桂治 |
書 記 |
吉田 哲郎 |
午前10時01分開議
○平島委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。
初めに、委員会終了後に開かれました理事会の報告をいたします。
本日の委員会運営についてであります。
本日の委員会は、さきに御確認いただいたとおり、1番目に小串まさのり委員、2番目に小堤勇委員、3番目に市川みのる委員、4番目に近藤さえ子委員、5番目に大内しんご委員の順序で5名の質疑を行うことを確認いたしました。
また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、さきに御確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
以上が理事会の報告でありますが、何か御質疑ございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営していくことに御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、そのように運営させていただきます。
次に、要求資料の配付について申し上げます。
要求した資料につきましては、お手元に配付のとおり1件の資料が追加提出されております。
○平島委員長 したがいまして、これまで要求いたしました資料はすべて提出されたことになりますので、御承知おきいただきたいと思います。
資料作成に当たられた職員の皆様、本当にありがとうございました。
それでは、昨日に引き続き総括質疑を続行いたします。
小串まさのり委員、お願いいたします。
○小串委員 昨日に引き続きまして、あと28分ほど質疑をさせていただきます。時間制ということで、時間が思った以上にかかってしまいまして、3番、子供の安全と地域社会の役割についてにつきましては、今回カットをさせていただきたいと思います。
室長さんを初め取材に来ていただいていろいろとやりとりはさせていただいたんですけれども、ぜひ、大切なことですから、質問はしませんけれども、目で質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。うなずいていただいたので、アイコンタクトで、よろしくお願いをいたしたいと思います。
それでは、1の(2)の方からいきまして、憲法のことについては、時間があればやらせていただくということで進めさせていただきたいと思います。
公というか、官というか、役所、と民間ということでお尋ねをしてまいりたいと思います。
最後の保育園の問題に入っていきたいと思いますが、最近の区政でよく議論になるというか、その問題としてやはり民間委託の問題があろうかと思います。もっとも、民間委託というか、民間活力の導入といった方が正確なのかもしれませんが、そこで、最近、保育園の指定管理者制度についてもそうなんですけれども、中野サンプラザでは第3セクター方式ですか、これは昔からよく使われる言葉ですが、江古田の森ではPFIという方式だということなんですけれども、区民にとっては余り聞きなれない言葉が先行しているような気がいたしております。
そこで、従来のやり方である公共事業のやり方と民間委託、あるいはまた民営化、これもまた違うんですね。第3セクター方式、PFI手法、公設民営方式というのもありますね。これらの民間活力の手法、さまざまなものがあろうかと思いますけれども、ほかにもあるのかもしれません。従来のものと比べて、またそれぞれについてどのような違いがあるのでしょうか。民ということで改めて整理してお聞きしたいと思います。
○鈴木政策担当課長 最近、とみに規制緩和ということで、従来の公が担っていた分野にさまざまな民間へ門戸が開かれたという状況がございます。そうした中で、多様な民間活力の手法があるわけでございますけれども、一つは公設民営方式といいまして、区が施設を設置して、管理運営を民間が担う、あるいは施設を民間に普通財産として貸し付ける、そういったことも考えられます。それからまた、今御質問の中にもありましたけれども、指定管理者制度でございまして、これは公の施設の管理者の範囲、これを特段の制約を設けずに株式会社にも門戸を開いたという地方自治法の改正に伴いまして新たにできた制度でございます。指定管理者の指定は議会の議決を経て決めるという制度でございまして、契約ではなくて行政処分によりまして業務を代行させるという仕組みでございます。それから、先ほどもありましたが、区が出資をして経営に関与するということの第3セクター方式、それから独立地方行政法人といったことで、地方自治体と別の法人格を持つ法人を設置して一定の業務を行わせる、そういった仕組みもございます。それから土地信託方式が考えられると思うんですけれども、区が土地の有効利用を目的に信託会社に土地を信託する、信託会社が土地や上物の管理運営を行って、そこの信託配当を区が受けるといったことも考えられます。後はPFIといいまして、これは民間の資金を活用する事業ということでございます。中野区では江古田の森の福祉関連施設の整備に採用しているところです。後は、実際はもう民営化ということで完全に独立採算、独立した事業体で民間が実施して、事業開始後は民間の責任になるといったことが考えられると思っております。
○小串委員 そういうさまざまな手法を使って、民でできることは民でやっていこうということが一つの姿勢ではないかと思います。
それでは、逆なんですが、公といったらいいのか、官といったらいいのか、行政といったらいいのか、中野区といったらいいのでしょうか、いわゆる皆さんの仕事、役割というのは、そうしますと一体何だと考えておられるでしょうか。
○鈴木政策担当課長 これからの行政像といったものについてのお尋ねではないかと考えております。
将来も持続可能な地域社会をつくっていくためには、行政組織を肥大化させない、そして民間の自由な発想と競争の中でサービスを向上させていく、そういったことが非常に重要で、その中で区民の税を最も有効に使うということを考えるというのが行政の役割ではないかと考えております。例えば、地域の人々や企業、そういった多様な主体が活動するための基盤をつくること、あるいはその機会を発揮してもらうルールをつくる、そういったことがこれからも行政の役割だと思っておりますし、また将来の暮らしの安全だとか安心、そういったものを保障する仕組み、セーフティネットといったものの構築も私どもの役割ではないかと考えます。それと最後には、やはりこういった行政サービスを通じて、それによって苦情が生じないか、あるいは苦情があったとしても、それをきちんと受けとめる仕組み、そういったものを保障していくということが小さな区役所で大きな豊かな仕事をしていくのに欠かせないと考えてございます。
○小串委員 私なりの理解では、今後、小さな政府ということで考えていきますと、役所は人間に例えるならば頭、心臓、そういう役割をして、手足の部分は可能な限り民間の力をかりてやっていこうということなのかと思っておりますが、ただ、よく皆さんの話に出てくるのは、そうはいってもコンサルタントがどうのこうのという話がよく出てきます。何か企画をしても、すぐに、言葉は悪いんですけれども、コンサルに丸投げをするということが多々あるのではないかと思っておりますけれども、コンサルの役割というのは一体どういうことなんでしょうか。
○鈴木政策担当課長 これまでもさまざまな場面で外部の専門の機関の知恵をおかりするということで、コンサルタントに調査委託をするということをやってございます。非常に多様で個別、複雑な政策課題にどういうふうに対応するのかといったところでは、やはり専門の知恵、支援をいただくということで、業務支援の一環として、そういった方法を採用してきたという経緯はございます。
○小串委員 役割ということで聞いたんですけれども、そうすると、皆さんを補完する役割ということなんですか。どういうことなんですかね。もう一度。
○鈴木政策担当課長 補完といいますか、私どもがなかなか持ち得ていない専門的な分野で、特異なものを政策形成の中に生かすという意味で、コンサルタントに依頼をするといったことは現在もやっているところでございます。
○小串委員 よくわかりませんが、いずれにしても、公の役割と民間の役割を今お話ししていただいたわけなんですけれども、質問している私でも余りその辺が明確によくわからない。ましてやというか、区民にとっても、その辺のところがもっとはっきりと、こうなんだということを私は示す必要があるのではないかと思っています。特に現在、官が直接やっている仕事を民に意向する場合、基準というものをもっと明確に区民にわかりやすく今後示していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○鈴木政策担当課長 確かに、公と民の役割は一体どこで線が引けるのか、そういったことについては、区民ももとより私どもも非常に考え方として整理していかなければならない、そういった大きなテーマだと考えております。そうしたことを基本構想の策定の中で区議会や区民の方々と議論をして、その考え方については明らかにしていきたいと考えております。
また、後段の民間に移行するときの基準というお考えでございますけれども、それにつきましては、基本的にはそもそも今までやってきた仕事がこのまま公益に合致するのか、それをやるのが公共部門が担うべき仕事なのか、仮に担うとしたら民間でできるものはあるのかということで、一つひとつを精査していかなければならないと考えております。そうしたことも含めて10カ年計画等の中で可能な限り明らかにしていければと考えております。
○小串委員 いずれにしましても、民間がやった方がいいのか、あるいは官がやった方がいいのか、いわゆる一般の区民の立場に立って考えた場合に、森永の100円のチョコレート、一つのスーパーでは100円で売っている。でも、こちらでは80円で売っている。製造年月日も全く同じだったら80円の方を買うんです。同じものだったら100円で買う人はまずいない、それが庶民感情だと思うんです。ただ、1杯800円のラーメン、中野は最近ラーメンの町ですから、800円のラーメンと500円のラーメンがあっても、500円のラーメンを必ず食べるとはならない。おいしければ800円を出したってやはり食べるんです。それも含めて、そういうのが率直なところの区民感情ではないかと思っております。
そういうことだと思いながら、もう時間がないので憲法はできないと思いますので、これ、また持ってきました。「読売ウィークリー」、ジャイアンツファンなもので済みません。「働く女性を支援、子育てしやすい町、住みやすさランキング第1弾」というやつなんです。読まれた方もおられるかと思いますが、これで保育園のことをお聞きするわけなんですが、「暮らすならおしゃれな町、通勤の便利なところに住みたい、こんな理由だけで住む場所を選んでいたら、自分や家族が満足できる生活を送るのは難しい時代が到来している。自治体への権限移譲や規制緩和が進む中、財政事情や首長の考え方一つで行政サービスの中身が大きく異なってきているのだ。これからは自分の住む町のレベルが隣町とは月とスッポンということだってあり得る。そこでまずは子育て支援の中でも関心が高い保育園と学童保育所の実情を徹底的に調べた」、かなり10枚ぐらいの特集が組まれています。すごいですよ。「保育移民も辞さず」、見出し、「園探しで夫との別居も」「働く母は品川区を目指す」「マスコミで働くヤマダエミさんは妊娠した2001年に世田谷区から品川区に引っ越した。出産しても仕事をやめるつもりはない。育児休業が終わったら子どもを保育園に預けなくてはならないが、ゼロ歳児保育や夜間保育をしている公立園は少なく、唯一の選択肢が品川区移住だった」、すごいですね。青年は荒野を目指すけれども、働く母は品川区を目指す。
ここに表が出ているんですけれども、23区のランキングが出ているんです。おもしろいので少し説明したいと思うんですが、「えっ、こんなに差があるの、保育料低負担ランキング、3歳未満児の保育料」、これで中間額と最高額が出ているんですが、何と中野区は23区中第2位、すごいですね。もっとも来年度予算で少し値上げのことが出ていますけれども、すごいかと思ってみたら、そうではないんですね。3位が19区あるんです。中央区は財政豊かなんでしょうけれども、1位、これはずば抜けて1位なんですが、安さで、中野と3位とはそんなに差がない。荒川と豊島が22位ということで出ております。3位と2位とはそんなに差がないので、2位ということでありますけれども、こちらの一方のランキングですけれども、「残業しても大丈夫、延長保育充実度ランキング」、23区中、何と中野区は23番なんです。先ほど言いました品川区が1位、だからみんな品川区を目指す、そうすると中野区から品川区を目指す、この表だけを見ると、そういうことになってしまうんでしょうけれども、もう一つあって、「安心して早期復職できますか、ゼロ歳児保育充実度ランキング」、中野区は第5位です。23区中5位なんだから、まあいい方だ、ベストファイブに入っているんですからね。これを見ますと江戸川区がブービーメーカーです。この特集記事を読みますと江戸川はだめだということになってくるんですが、先日の篠議員の哲学を聞きますと、なるほどなと。びりでも美学を持っています。哲学を持ってびりなんだ、これは堂々としたびりだと思うんです。ただ、中野には哲学がありませんから、どうかというのは、また別の評価になると思います。
それで、ここでおもしろいと思ったのは、囲みの中に出ているところなんですが、「公立園が次々と民間委託へ。保育内容の充実を図る自治体がふえる一方で、財政の悪化から公立園を民間委託、または民営化する流れがある。しかし、民間業者が保育を行うことで保育者の質や内容の悪化を懸念する声は各地で上がっている。保育園を考える親の会の」、普光院亜紀さんですか、私はよく知りませんが、「代表は、民間委託の実態をチェックするための最低条件として以下の10項目を挙げる。1、求められる質を備えているか、2、コスト軽減分は保育に生かしているか、3、利用者が安心できる説明と意見の聴取があるか、4、人件費の極端な低下がないか、5、受託業者の選定が適正に行われているか、6、移行に当たって子どもの心の負担を最小限にする努力をしているか、7、自治体の責任が明確であるか、8、園の公共性が維持されているか、9、自治体直営の園の役割を確認し、急激な委託推進による影響について長期的に検討する姿勢があるか、10、移行後の情報開示に努め、利用者との対等の関係を維持しているか、数字や目に見えやすい部分だけの評価だけではなく保育の中身についてのチェックも必要ということだ。これは民営化する園だけに限ったことではない」、なかなかおもいしろいなと思って、既に指定管理者制度につきましては、一定の結論が出て議論も尽きているとは思いますけれども、改めて今、1から10までのことを申し述べました。一つひとつ聞こうと思いましたけれども、時間がかかりますので、まとめてそれぞれについて区の意見を聞かせてください。
○榎本保育課長 まず1点目の求められる質を備えているかということでございますが、もともと応募要件が認可保育園を既に運営している事業者に限っていること、それから事業者選定に当たっては、既存の認可保育園の運営状況を視察し、保育の実態を評価し、このうち一番すぐれた事業者を選定するという方法を採用していること、経営診断も行い経営の安定性も確認していること、それから都の補助金加算を上回る常勤職員の配置及び経験のある保育士を必ずその中に含めることが約束されていることなどから、その点は担保されていると考えてございます。
それから2点目のコスト軽減分のお話でございますが、単に削減ということではなく、産休明け保育や延長保育、年末保育、休日保育等のサービスの拡充につながっているということで考えてございます。
3点目の利用者が安心できる説明と意見の聴取があるかという点でございますが、今回の指定管理者制度の導入に当たりましては、これまでに区長と区民の対話集会、区民説明会、保護者説明会を計19回実施してきてございまして、区報や保護者への掲示などについて周知を行ってきたところでございます。また、事業者は募集要項を事前に保護者にお示しし、御意見もいただいた。実地調査のチェック項目につきましても、事前に保護者にお示しし、これについても御意見をいただいて作成したものでございます。なお、今後のことにつきましても、運営開始前に事業者と区と利用者の三者協議会を設置しまして、運営開始後に定期的に開催して保護者の要望をお聞きしていくというお約束をしているところでございます。このほか保育課には苦情解決のための苦情処理担当を設置するということも考えてございます。
それから4点目でございますけれども、人件費の極端な低下がないかという御心配でございますが、これまでの区の職員体制とほぼ同数の常勤職員配置のほか、非常勤につきましては現行を上回った配置となってございまして、人件費についても認可保育園の平均的な額となっていると考えてございます。
それから委託事業者の選定が適正に行われているかという点でございますが、このたび現場の専門職の職員が国の第三者評価制度の評価項目に、さらに保護者の意見を取り入れた調査表によって視察した結果をまとめまして、さらには専門家に、先ほども申し上げましたけれども、財務状況の診断結果を資料に選定委員会で審査をしてございまして、さらに議会の御審議を経ているところでございます。
移行期に当たっての子どもさんの心の負担の関係でございますけれども、3カ月間という引き継ぎ期間を設け、子どもさんの健康状態、アレルギーなども含め引き継ぎを行っているほか、移行時期には保育士が子どもさんのケアに当たることとしてございます。
それから自治体の責任が明確であるかどうかのお尋ねがございましたが、今回の委託は指定管理者制度に基づき業務の代行をさせるものでございますけれども、これは区の責任にかわりはございませんで、また、このほか定期的に区としても運営内容をチェックしていく方針でございまして、区が責任を持って監督していくということを改めて明言したいと思ってございます。
園の公共性が維持されているかどうかのお話でございますが、公共性を失わないように、これまでの行事、嘱託医、給食の中身につきましても、区立と変わらないように配慮しているところでございます。苦情申し立ても区が処理をしていきます。
それから自治体直営の園の役割、委託推進にかかわる影響についての長期的な検討の姿勢でございますが、今後の次世代育成支援対策推進法に基づく地域行動推進計画の中でも、改めて計画を定めて明らかにしていきたいと考えてございます。
移行後の情報開示のことでございますけれども、運営内容は保護者に公開しながら常に適正な運営に努めていきたい、このように考えているところでございます。
○小串委員 そうしますと、民間委託の実態をチェックする最低条件、保育園を考える親の会の普光院さんという人が10項目を挙げておられるんですけれども、そうしますとこの最低限はクリアしていると考えておられますか。
○榎本保育課長 そのとおりに考えてございます。この点につきましては、厚労省や総務省の方からは、中野さんは丁寧なやり方をしているから心配はないというお言葉もいただいたところでございます。
○小串委員 ありがとうございました。結構です。
いずれにしましても、しっかりと頑張っていただきたいと思います。
憲法を残り1分33秒でやることは非常に困難でありまして、それぞれ私なりにきょうは17条憲法、大日本帝国憲法、さらには現行憲法と全部を持ってきて、本当はもうそれだけで30分、1時間をやりたかったんですけれども、また別の機会にさせていただきたいと思います。
以上で私の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○平島委員長 以上で小串まさのり委員の質疑を終了いたします。
次に、小堤勇委員、お願いいたします。
○小堤委員 おはようございます。日本共産党議員団の立場から総括質疑を行います。
まず初めに、商店街支援についてお聞きします。
地域経済を支えてきた、商店街、中小業者が未曾有の危機にあります。日本経済の6割を占める個人消費が落ち込み、不況をさらに長引かせております。個々の商店、商店街の努力とともに行政の支援が具体的に求められています。中野区は産業振興を図るために中野区産業実態調査を昨年行いました。これは区内の全事業所1万5,000、区外の1,100事業所を対象とした、中野区の産業発展の可能性を見出すものです。このアンケートに基づきまして区内事業者100件以上の聞き取り活動を行ったと聞きます。どのような声が寄せられたのか、また産業振興課として何を感じたのか、これをお聞かせください。
○高橋産業振興課長 まずヒアリングの中では、事業環境が厳しいという声がある反面、顧客ニーズに応じたサービスへの取り組みにより業況がよいとの回答が業種にかかわらずございました。その中で、区に対する要望としては、顧客ニーズを把握できるような基礎データがあると助かるとか、販路拡大のための産業情報を提供してほしい、区で行う融資などの情報をわかりやすく提供してほしいなどの声が寄せられております。
産業振興課としてヒアリングで何を感じたかということでございますが、事業所のアンケート調査においては、区に期待することの上位に、支援についての情報提供、相談体制の充実などが挙げられております。ヒアリングの中でも、資金についての相談や人材の育成・確保などが難しいなどの状況を聞いております。従業員が4人以下の事業所が68%を占める中野区においては、小規模事業者への支援の充実が重要であるかと感じております。
○小堤委員 こうした足を使った実態調査は我が党が常々要求していたことです。このことを評価したいと思います。
そこで伺いますが、この調査は具体的にこれからどのように活用されるのでしょうか。
○高橋産業振興課長 今、産業まちづくり調査会で、このような調査の内容を集計いたしております。今回のヒアリングの調査では、おのおのの企業のビジネスモデル、うまくいったような状況等を集計いたしまして、これを一つの指針例として出していきたいと思います。業者がこれを見て、自分たちにマッチした業者であれば、これを利用して、こういう形でいけば自分たちの事業がうまくいくのではないかという一つの成功モデルという形を提示していきたいと思っております。
○小堤委員 創業や転業、既存の商店にも活用されることを十分に期待しております。ありがとうございます。
次に、元気を出せ商店街事業についてお聞かせください。
平成15年度の実績と成果についてお聞きします。
○高橋産業振興課長 今年度は、新春餅つき、夏まつり、盆おどりなどイベント事業を28の商店街、49事業、街路灯や放送設備の整備など活性化事業を9商店街、9事業で行いました。イベントには多くの来街者があり、地元商店街のPRと活性化につながっていると思っております。また、地域の方々と一緒に行っているイベントもあり、地域住民の人々が集まり、交流するにぎわいの核としての役割も果たしているものと思っております。
○小堤委員 この事業自体は商店街と地域が一体となって実施するものです。成果もだんだん上がってくると思いますので、引き続き継続していただきたいと思います。
そこで伺いたいんですけれども、イベント事業等につきまして、商店街の意見を聞きますと、事業のお知らせと申込期間が余りにも短い。つまり、短いために昨年度のイベントを踏襲するということが多くて新しいイベントを企画しづらいという声があります。来年度は東京都がこの事業を重視していることもありまして予算も大きく伸びております。一層の成果を上げるための工夫、改善はどのように考えているのでしょうか。
○高橋産業振興課長 今年度から東京都の商店街支援事業の見直しがございまして、元気を出せ事業も単年度の事業から継続的な定例的な事業に変わりました。今後は、前年度に申請ということにはなりますが、申込期間を1カ月程度にするなど長くとったり、各商店街からの事業を終えた後の実績報告の場で次年度の御相談も始めていくなど、長い準備期間がとれるような配慮をしたいと思っております。
○小堤委員 このイベント事業は手挙げ方式なんですね。交付申請のあった事業から決定するということです。来年度は幾つぐらいの事業を予定しているか。また、今年度は区商連自体もイベント事業に参加しております。もし振興組合がイベント事業に参加しても、振興組合に加入している単位商店会もあるんですね。こういう単位商店会も申請できるようにしていただきたいんですけれども、どうでしょうか。
○高橋産業振興課長 来年度の事業につきましては、今はまだ申請の段階でございますが、約58ぐらいの事業を受けているところでございます。まだこの後に追加の申請もございますので、それは若干ふえるかと思っております。現在の元気を出せ商店街につきましては、とりあえず小さな商店街ともいうんですが、東京都の事業対象という制約もございますので、その部分につきましては東京都に働きかけはしていきたいと思いますが、現実的には、今の段階では小さな商店街についてはできないというところでございます。
○小堤委員 私はやはり商店街もみずからこういう事業に参加するということが活性化につながると思っておりますので、いろいろな方法を使って、中野のいろいろな商店街、区商連に入っていない商店街もありますけれども、そういうものがぜひ元気になるような方向というのも、産業振興課としても検討していただきたいと思っております。
さらにお聞きしたいんですけれども、イベント事業の経費負担の割合なんですけれども、これは現在どうなっておりますか。
○高橋産業振興課長 イベントの事業費でございますが、100万円以上の事業費につきましては、事業者か3分の1、東京都が3分の1、区が3分の1の負担でございます。事業費100万円以下のものにつきましては、事業者が3分の1、東京都が3分の2で、区の負担はゼロでございます。
○小堤委員 今年度の57事業中、経費100万円以下の事業は幾つありましたか。
○高橋産業振興課長 約48事業所かと思います。
○小堤委員 これは57事業所に比べますとかなり多い割合なんですね。実は体力の弱い商店街ほど100万円以下の経費でこういうイベントを行うわけです。それでも商店街の負担は3分の1、これもきついと聞いております。今、課長から答弁がございましたけれども、経費が100万円以下だと都が3分の2を持ち区の負担はないということです。ですから、例えば経費が105万円ですと商店街が35万円、区が35万円、東京都が35万円の負担となりますけれども、これが経費90万円だと商店街は30万円で、東京都が60万円を持って、区の負担はないということなんです。つまり、区の負担からすると、100万円を越えるか越えないかで天と地の差があるわけなんです。こういう状況を見たときに、私は100万円以下のイベント事業を行う商店街に対しましては、こうした制度でありますけれども、制度の枠を超えた区独自の援助というのは考えられないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○高橋産業振興課長 イベント事業につきましては、商店街が実施する事業の支援ということでございます。実施主体として事業者の3分の1程度の必要であるのではないかと思っております。区としては、イベント事業の相談とか、事業の会計相談などソフト面での支援を一層充実させていきたいと思っております。
○小堤委員 商店街の3分の1の負担、100万円以下でも必要だと思うという課長の答弁ですけれども、やはり私は、今の商店街を本当に元気にさせるということを考えたときに、全商店街がこういうイベントに参加できるという方向を検討していただきたいと思うんです。そういう意味でいろいろな方法をこれから考えていただきたいということを、この項の私の最後の発言にしたいと思います。
引き続きまして、空き店舗対策についてお聞きします。
この事業の趣旨と本年度の実績、成果はどうだったでしょうか。
○高橋産業振興課長 空き店舗対策につきましては、空き店舗にまず入っていただく、そのことにより商店街の活性化につながっていく、そんなことを考えております。また、創業の方が最初の初期投資の資金を少なくできる部分もありまして、家賃の補助、そういう部分で考えております。また、平成15年度の実績についてでございますが、約24の商店街を指定して行いました。募集期間が短かったため応募は5件でございました。この中から商店街の活性化に資する事業者ということで、約4件を選定いたしまして、うち1件は既に廃止してしまいました。3件については現在も助成が続いている状況でございます。
○小堤委員 新年度は新規10件と予算は伸ばしておりまして、この点は評価しております。そして補助決定が10件されることが望ましいわけなんですけれども、見通しはどのように考えておりますか。
○高橋産業振興課長 平成16年度は、事業回数をふやし、募集の要件としての開業の時期や対象の事業形態を拡大する予定でございます。したがって募集者が増加することが見込まれます。
○小堤委員 ぜひ見込まれるということが実行できますようお願いいたします。
いま一つお願いしたいことは、例えば今、商店街を見まして、お客が求める、特に魚屋さんがない商店街が多いわけです。このことが商店街の魅力を半減させております。一つの商店街で買い物ができないということが客足を遠のかせているということにもなっております。ですから、私は生鮮3品や生活必需品、例えば高齢者が非常に多いわけですけれども、そういう方々が常日ごろ買い物をするお惣菜屋さん、こういうものがないところでは、そういう店舗がそろうような便利な商店街というものをつくっていかなければなりません。こうした要望が商店街から出たときに、それを聞き入れた空き店舗対策ということも検討していかなければいけないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○高橋産業振興課長 今、委員がおっしゃった業種については、当然、現行の商店街の核店舗になる要素がございます。現行の空き店舗活用事業においても選定審査の評価では高いものが得られるものと考えております。よって、空き店舗活用事業の活用の中で考えていきたいと思っております。
○小堤委員 わかりました。
次に、ハートビート支援についてお聞きしたいと思います。
インターネットのアクセスの数字が非常に多いわけなんです。アクセスが商店街や個別の商店の販売促進にどのように結び付いているのか、何らかのデータはありますか。
○高橋産業振興課長 ハートビート中野のようなホームページの開設と商店の売り上げの関係をデータとしてつかむのは非常に難しいことでございます。一般的にはアクセス数が評価の上で一つの目安となっております。しかし、店主からは、来店者がふえたから、ハートビート中野を見てお店に来たという声も随分聞いております。大規模なホームページを開設したことにより商店街や商店の認知度が高まった、そのような効果があったと思っております。
○小堤委員 日本経済新聞がことし2月5日にハートビートをそれなりに大きく取り上げているんです。この中で中野区の区商連が、商店街サイトは1日当たりのアクセス件数が7,000から8,000と非常に大きい、商店街のサイトとしては閲覧者がかなり多い、そのPR効果で時計店、花屋、くだもの店など、区外からの修理の依頼や注文が入るようになったと紹介して、内容をさらに充実させれば地域経済の活性化になる、こういうふうに記事にしているわけです。私は具体的に聞いてみました。例えば、遠方の方から花屋さんに、インターネットで見た、病院に花を届けてほしいという依頼が来たとか、あるいはロレックスの修理で問い合わせがあり仕事になった、また一番多いのは、会合や謝恩会などで使う飲食店に関する情報の問い合わせということです。私は引き続きハートビートは重視していくべきと思っております。
しかし、ハートビートを運営するための人件費補助がことしで切られるわけです。今後の運営に非常に苦慮しているということですけれども、この辺の経過をお聞かせください。
○高橋産業振興課長 区は、ハートビート中野について、商店街情報ネットワーク構築や消費者の商店街情報の発信が商店街の活性化に寄与するとの見地により、3年を限度として助成を行い支援することといたしました。初年度、平成13年度でございますが、開設のための費用として、ホームページ開発の事業費の約3分の2の900万円を補助いたしました。開設後の平成14年度と15年度につきましては、自立運用を促進するための期間としてホームページの更新費用、200万円を限度に3分の1の助成を行っているところでございます。
○小堤委員 そのために、NPOを設立して人気の高い商店街サイトの運営に乗り出す、そういう動きが今あります。希望店を募って、各ホームページは加盟3,400店の情報を掲載する区商連のサイト、ハートビート中野にリンクさせるという構想です。こういう動きが実現いたしましたら、私は何らかの支援を検討すべきと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○高橋産業振興課長 御質問の動きは、技術と意欲を持った人たちがNPOを立ち上げ、区内商店街、商店とタイアップして活性化に向けた取り組みを積極的に行うというものであると思っております。状況を見ながら、区にとどまらず、都や国などあらゆる制度を有効に活用してもらうよう、情報提供や相談などの支援を積極的に行いたいと思っております。
○小堤委員 インターネットはますます利用されます。支援を要望しておきたいと思います。
次にお聞きしたいのは、今、商店街が本当に元気をなくしている中で、地域を守り、高齢者の生活や子どもたちの育ちを支援する上で、商店街が本来の役割を果たすというふうにしていかなければなりません。等々するならば、ここへの行政の支援は欠くことのできないものです。ある商店会長は、商店街の活性化というのは単年度ではなかなか難しい。長期的に商店街を支援していく区の姿勢が欲しいと語っております。また、こうした立場が今、行政に求められているのではないでしょうか、見解をお聞きします。
○高橋産業振興課長 商店街支援につきましては、平成16年度予算案において元気を出せ商店街事業の対象の拡大とともに予算額の大幅な増額計上をいたしました。商店の活性化への取り組みを支援していく考えでもございます。事業拡大に伴う各商店街の事業活動の成果を検証しながら長期的な支援のあり方について今後、検討していきたいと考えております。
○小堤委員 私は、ここで全国的に有名な商店街の取り組みを一つだけ紹介したいと思います。
これは京都の西新道錦会商店街なんです。155件のお店がひしめく昔ながらの商店街なんです。おしゃれなブティックや高級レストランはありませんけれども、米屋さん、八百屋さん、魚屋さん、肉屋さん、衣料品屋さん、そして家具屋さんと庶民の日常生活に欠かせない商品は何でもそろっているということです。いわゆる地域密着型の商店街ということで頑張っております。そしてお客さん本位の品ぞろえと心を込めた対面方式、きめ細かな配達制度で地域住民の消費活動を支えています。それだけではなくて、ファクスやインターネットによる受注、商店街独自のプリペードカードの発行など新しい手法を取り入れてお客さんを離しませんという紹介です。この振興組合の理事長いわく、例えば米屋の私に注文がくると、ついでに魚を買ってきてくれ、野菜を買ってきてくれ、こう頼まれる。そうすると、他の店を回って注文どおり届ける。お客さんからすると、出歩く手間が省けるし、店の方も配達の手間が省ける、大変喜ばれている、こういう紹介です。今、少子化、高齢化、共働きの全盛の今、こうした手法が受けるのは当然のことだと思います。そして、この商店街振興会がすごいことは、これだけではないんです。消費者向けのイベント事業を年間40件取り組んでいるわけです。例えばチャリティバザーだとか、海外旅行、ダンスパーティなど、地元町内会や旅行代理店、ダンス教室と組んで広く多彩な行事が住民の人気を呼び、しかも黒字で運営されているというなわけです。
ですから、こうした商店街もあります。区内の商店を活性化するために経済振興課として何が必要か、もちろん商店街自身の頑張り、これが前提ですけれども、育成する視点でこうした視点を考えていただきたい、このように考えております。
そして、私は最後に、都立家政商店街、ここでは「家政チャンネル」というニュースを昨年3月から発行しております。商店街のニュースですから、秋の味覚セール、都立家政、この店いいじゃん、ちょっと得するクーポン券、こうした宣伝とともにひったくりに御注意、しみ抜き・暮らしのヒント、あるいは学童クラブ父母会の役員が登場しています。次号のニュースでは青少年育成委員会の標語や小学校の先生に子どもと商店街についての寄稿を予定するなど、発行するたびに地域とのかかわりを強めております。私は、こうした商店街の活性化は、地域の行事と結合したイベント事業とともに腰を据えた取り組みか求められていると思います。腰を据えた支援を行うためにも、「中野区中小企業振興条例」の制定を要望いたしまして、この項の質問を終わりたいと思います。
次に、子供虐待防止についてお聞きします。
大阪の岸和田市の中学3年生男子虐待事件は多くの国民にやりきれない思いをさせました。そしてその後も新聞やテレビなどでは子ども虐待が報道されております。子どもの命と人権をどう守るのか、これは社会全体が考えていかなければならない大きな課題です。
そこで、子ども虐待の現状についてお聞きします。
東京都の児童相談所のしおりによれば、2003年度の虐待処理件数は1,802件、この10年間で11.6倍にもなっております。中野区の子ども家庭支援センターにおける虐待の相談件数は、資料区民6に出ておりますけれども、これによれば02年度で延べ1,286件、03年度は途中の数値で延べ913件にもなっております。この数字は全体の相談件数の44%から47%にもなっております。しかも、こうした数字は氷山の一角で潜在的にはもっと多いと見なければなりません。
そこでまずお聞きしたいのは、中野区における子ども虐待の現状と課題についてどのように考えておられるでしょうか。
○竹内女性・青少年課長 中野区における虐待の現状でございますが、昨年12月末現在の虐待の件数は74件でございます。前年同期と比べると6件少ないという状況になってございます。また、虐待の種類ではネグレクトが約7割を占めておりまして、虐待者の約8割が母親となってございます。また、虐待を受けている子どもは、就学前のお子さんが全体の45%、小学生が42%を占めてございます。
次に、課題ということでございますけれども、まず一つには74件の発生がございますので、これを限りなくゼロにするといったことでございまして、そのための発生予防のための子育て支援策の充実ということが必要であると考えてございます。また、場合によりましては74件以外にも発生しているかもしれないわけでして、家庭内で起こっていて明らかになっていない虐待をいかに把握して早期に支援していくのかといったことも重要な課題であると認識しております。
○小堤委員 私はある児童養護施設の園長さんに話を聞きました。虐待を受けている子どもというのは、入所して落ち着いてくると、親のことをかわいがってくれた、やさしかったと言い始めるといいます。わかってきたことは、毎日、毎日が虐待だけの関係であったわけではないということです。親は一方でその親なりに育児をしてきたわけで、虐待という行為は、そうした子育ての一部としてとらえた方が多面的に見られると語っていました。私は、この多面的に見られるという言葉の中に行政のきめ細かな対応の必要性を感じております。
次に、児童虐待で中心となる子ども家庭支援センターの運営と役割についてお聞きしたいと思います。このセンターが設置されたのは2000年6月です。また、資料6の2を見ますと、このセンターに寄せられた相談件数というのは、2000年では延べ1,333件でしたけれども、2001年は2,627件と倍になっています。これ自体、センターの設立によって区民の子育て相談の場ができたと思っております。設立から相談件数の推移などを見て、この支援センターの果たしてきた役割と成果についてどのように考えておられるのでしょうか。
○竹内女性・青少年課長 子ども家庭支援センターの相談につきましては、例えば離婚ですとか、養育困難、子どものしつけや非行など、さまざまな家庭の問題を抱えた方々の相談の場としての役割を果たしてきていると考えてございます。また、相談者に関係機関職員が多いということは、関係機関が抱える問題事例の対応について子ども家庭支援センターと連携して対応していくといった姿勢のあらわれであると思ってございまして、その問題への対応に子ども家庭支援センターが効果的に機能を果たしていると考えてございます。
○小堤委員 子ども家庭支援センター専門員の方がおられます。職員への研修を目的に配置されておりますけれども、どのような研修がどのような職種、立場の人に行われているのでしょうか。
○竹内女性・青少年課長 毎年度こういった研修を行っております。15年度につきましては、児童館職員の事例検討研修会、これは児童館職員15名、固定した15名を対象として4回連続で行ったものでございます。それから児童館長を対象としました事例検討会の研修を行っております。これは新任の児童館長9名を固定いたしまして3回連続で研修を行っております。また、保育園の主任・主事11名を対象に連続して3回の研修を行っております。それから児童館がかかわる子育て・子育ち関係団体への講演会というのも5回ほど地域で行っております。その他、OJTの研修といったことで講師の方を招いた研修も行っております。
○小堤委員 児童虐待防止法では、学校の教職員、その他児童の福祉に職務上関係のある者は発見通告の義務があると規定しております。これは日常的に子どもと最も接する立場の人に虐待の早期発見を期待しているからです。
そこで伺いたいんですけれども、職員の方が虐待に気づいた場合、どのようなルートで通報が行われるのでしょうか。また、その通報はどのように扱われるのでしょうか。
○竹内女性・青少年課長 緊急を要する場合ですとか、虐待が明らかにな場合、こういった場合には、もう直接、各発見されたところから児童相談所に通告をしていただきます。その後、子ども家庭支援センターの方に御連絡もいただく形になっております。ただ、なかなか明確な場合ばかりではございません。むしろグレーゾーンに属するものが大変多うございます。判断が迷うものにつきましては、子ども家庭センターに連絡をいただきまして、状況について情報収集をした上で児童相談所へ通告するとなってございます。通告したものを虐待として扱うのか、情報提供として扱うのか、これは児相の判断でございます。
○小堤委員 具体的に学校でそういう事件が起きた、一教師が発見したと仮定しますと、具体的にどういうルートで処理されるんですか。
○竹内女性・青少年課長 通常は教師の方が学校内で教頭先生、校長先生と御相談の上で通告するしないという判断をなさると思っております。
○小堤委員 今、答弁がありましたけれども、先生が発見すれば、校長を経過して、場合によっては直接児童相談所、あるいは子ども家庭支援センターとなります。
実は先日、私は世田谷の子ども虐待防止センターに伺ったわけです。この中での話なんですけれども、虐待に気づいた教員が校長に相談したけれども、校長が取り合わなかったということなんです。推測の話なんですけれども、学校の対面、ある意味では校長の対面となるのかもしれません。あるいは風評を気にしていたと考えられます。やむを得ずこの教員が虐待防止センターに匿名で通報してきたという事例があったということも紹介しておきたいと思います。
次に、虐待というのはいきなり重症になるという場合もありますけれども、段階的に進行する場合が多いわけです。東京都の児童虐待の実態によれば、1年以上も虐待を受けていた子どもが43%にも上っているということなんです。虐待は子どもの心と体に深い傷を残します。将来に大きな影響を与えるわけです。それだけに早期発見ということが必要になるわけです。
そこで伺いたいんですけれども、中野では虐待防止に向けたネットワークの機能ということで三つの会議があります。子ども虐待防止連絡会議、情報交換会、そしてケース会議・サービス調整会議というのがありますけれども、その開催状況と今までの成果、教訓というのをお聞かせください。
○竹内女性・青少年課長 私ども子ども家庭支援センターでは、ただいま御紹介をいただきました虐待防止連絡会議、情報交換会、ケース会議のほかにも、関係機関との間に意見交換会ですとか研修会、専門医によるコンサルテーションなど、さまざまな緊密な連携の場を持ってございます。お尋ねの虐待防止連絡会議でございますが、これは関係機関の主な代表者の方々をメンバーとした会議で年2回開催してございます。それから情報交換会というのは、関係する区の内部の事務担当者の情報交換のための会議でございまして、これも年2回の開催でございます。それからケース会議につきましては、深刻で複数の機関が関係するような虐待の事例について適宜開催をいたしておりまして、対応ですとか処遇を検討するものでございます。10年度は15回の開催でございます。いずれの会議にも、虐待防止ネットワークの形成のための一環として必要なものでございまして、関係機関が速やかに、かつ柔軟に連携をとりながら、適切な対応を行うために重要な役割を果たしていると認識してございます。
○小堤委員 子ども家庭支援センターの役割はますます重要になってくると思います。
先日、杉並区の児童相談所に行きました。ここで子ども虐待などさまざまな問題と対応について伺ってきました。各自治体の子ども家庭支援センターの取り組み状況についても話を聞きました。その中で、三鷹の子ども家庭支援センターでは、市民や関係機関からの通報や相談があった場合、支援センターのワーカーが該当する住所や氏名などを確認し、出向いて調査や相談に応じると伺っております。実際に三鷹の子ども家庭支援センターに確認しましたけれども、そのような対応をしているということなんです。これは非常に重要なことだと思います。中野区の支援センターでは、ここまでの対応ができるようになっているのか。もしなっていなければ、今後、区としてもこういう対策が必要と思いますけれども、いかがでしょうか。
○竹内女性・青少年課長 中野区におきましては、これまでネットワークによる対応というものを重視した取り組みを進めてまいっております。それは子ども家庭支援センターだけで虐待の対応をするのではなく、すべての子どもの関係機関が連携して対応していくといったことでございます。虐待通報があった場合にも、例えば子どもが助けを求めているというのが明確な場合には、中野区を担当する杉並児相に3人おりますので、区役所の方にも足しげく足を運んでいただいていますので、福祉士が権限に基づき直ちに調査を行います。ただ、明確な場合というよりも、むしろなかなか判断がつかない場合がほとんどでございます。そのような場合には、子ども家庭支援センターの職員ですとか、児童相談所の福祉士が直接訪問するのではなく、例えば子どもさんが保育園に通っていれば、園に子どもさんの状況を確認したり、また園を休んでいれば担当の保育士さんが家庭訪問をしたり、また地域の状況がよくわかっている地域担当の民生児童委員の方に、近隣からの情報収集ですとか、場合によっては訪問をしていただくということをしているところでございます。通報されてしまった方にも生活があるわけでして、またその方が通報されたということ、私どもが訪問をしたことにより地域とのかかわりを閉ざしてしまうといったことがないように十分に留意をしなければならないわけでございます。そういったさまざまな配慮をしつつ、迅速な初期対応の重要性というのは私どもも十分に認識しておりますので、効果的かつ適切な対応に今後もより一層努めてまいりたいと考えてございます。
○小堤委員 来年度は新規事業として子育て支援機能の強化ということが挙げられております。これがどういう役割を持つのか、それと新たに子ども家庭専門相談員が一人配置されます。この方がどういう仕事をするのか、またマニュアルを今回改定するということですけれども、それをあわせてお聞かせください。
○竹内女性・青少年課長 子育て支援機能の強化は、さまざまな子育てサービスと一体となった支援体制に基づき、各関係機関と連携を強化することによりまして虐待の早期発見や適切な対応を図ろうとするものでございます。
それから子ども家庭専門相談員でございますが、これは今回、新たに設置するものでございまして、月2回、1日4時間の勤務を予定しておりまして、臨床心理士の方にお願いをいたします。直接、区民の方からの相談に応じることが役割でございます。
それからマニュアルというお話がございました。これは虐待の未然防止、早期の発見、それから早期の適切な対応を図ることを目的に、子ども関係機関職員を対象として作成をいたすものでございます。
○小堤委員 次に、虐待を行う人へのケアの問題についてお聞きしたいと思います。
子ども虐待防止マニュアルの改定に当たりましては、虐待する者へのケアや虐待予防を位置付けるということが必要だと思います。現行のマニュアルにはケアや予防の記述がありません。虐待は再発する可能性が大きくてケアが大事です。東京都の報告でも、虐待者へのケアの結果、44%の者に効果があらわれております。特に効果が大きいのは、育児の疲れによる虐待の場合は66%、虐待を認めて援助を求めている場合は67%となっております。子どもを虐待する親へのケアの問題を今後どのようにしようとするのか、お聞かせください。
○竹内女性・青少年課長 児童虐待防止法では、虐待を行った保護者について児童福祉司が指導を行い、当該保護者はその指導を受けなければならないという規定がまず一つございます。また、ケアといったことでありますと、現在、東京都の児童相談センター、先ほど委員がお話しございました社会福祉法人の子ども虐待防止センターで、グループカウンセリングといった形で実施がされております。虐待者へのケアというのはまだまだきちんと確立されたものがなかなかございません。また、専門性も高く、継続的に長期間で行うことが必要な心理療法でございます。こういったものについては、私ども区といたしましては、専門機関へつなげていくといったことが役割であると考えてございます。
○小堤委員 具体的に、虐待をしてしまって、そのことで悩む親同士のグループによるケアに対する支援というものも必要です。世田谷の子ども虐待防止センターは、虐待をしてしまう親が五、六人集まってグループをつくっております。そして自分の体験とか痛みを語り合うことで一人ひとりが心の傷を見つめ直すという時間を持っております。そして一定の成果も上げていると聞いております。専門職のかかわりが必要になると思いますけれども、中野区として、こうした支援策を今、検討するというところが求められると思いますけれども、いかがでしょうか。
○竹内女性・青少年課長 ただいま申し上げましたように、委員のお尋ねは、そうした虐待をしてしまった保護者の方々に対する直接的な対応といったお尋ねだと思いますが、虐待防止センターで行っているグループカウンセリングについてもお話を伺っておりますが、なかなかまだまだきちんとした手法としても確立しているものではないといったことも伺っております。そういった意味から、先ほども御答弁申し上げましたけれども、今、中野区という自治体のレベルでそうしたことへの対応というのは、なかなか難しいのかと思ってございます。まさに横の連携だけではなくて、縦の連携を活用した対応というのが求められているのだろうと思っております。
○小堤委員 日本社会自体が虐待者へのケアはこれからということも言われております。区としてもいろいろな検討をしていただきたいと思います。
最後にお伺いしたいのは、子ども虐待に関しまして地域社会の啓発をどのように進めていくのか、その考えをお聞きしたいと思います。
○竹内女性・青少年課長 これまでも子ども家庭支援センターのパンフレットの配布ですとか、区報やホームページでの啓発といったことを行ってございます。また、今年度は子ども虐待防止シンポジウムを開催したところでございます。こういった啓発を継続的に進めていくといったことで対応してまいりたいと考えてございます。
○小堤委員 虐待が通報されても、子どもが保護されるケースというのはほんのひと握りです。逆にいえば問題を抱えている家族が多くの地域にいるということにもなります。虐待防止の基本は、区、子ども家庭支援センターが核となって、地域の家庭とつながって子ども虐待防止の啓蒙や相談、子育て支援などの役割を果たしていくことだと思います。問題を抱えて孤立しがちな家族にさまざまなところで声をかけていくという地域コミュニティの役割もあります。監視するのではなく、横につながり合って虐待防止を進めていく、この必要性を述べまして、次の質問に移りたいと思います。
質問の順番を変えまして、ミニバスについて先にお聞きしたいと思います。
区内の交通不便地域である北西部、上鷺宮、鷺宮から区の商業・文化の中心である中野駅周辺への交通線新設に向けて具体的な検討を進めるということで予算化されました。振り返れば、もう20数年来の地域の要望で、それだけに高齢化も進み、住民の期待もさらに強くなっています。昨日の当委員会で都市整備部長からバス運行事業者とタクシー事業者に運行について調査検討をさせてきたという答弁がありました。つまり、この間、二つの方向での検討がされてきました。それぞれの概要についてお聞きしたいわけです。
まず初めに、タクシー業者によるワゴンタクシーを利用する方法について、予算内示の段階でも説明がありました。
そこで伺いたいんですけれども、現在、区がワゴンタクシーで検討していることはなんでしょうか。
○登交通対策課長 現在、検討していますのは、10人乗りのワゴン車を利用しまして一定のルートを通るというものでございます。ですから、バスに近い形ですけれども、あくまでもタクシー事業者が行うという形態を考えているところでございます。
○小堤委員 10人乗りといっても、運転手がいるから9人ということでいいわけですね。
○登交通対策課長 そのとおりでございます。
○小堤委員 ワゴンタクシーにした場合の利点とか問題点についても検討されていると思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○登交通対策課長 ワゴンタクシーを使っての新交通というのは、23区内ですと千代田区がやっております。利点としましては、車が小さいですから小回りがきくということで住宅地内を通るには極めて便利だと思います。その結果、幹線道路を避けることができますので交通渋滞を避けることかできるといったことが利点だと思います。ただ、マイナス面もございまして、御指摘いただいたようにお客様が9人しか乗れないということですので、例えばイベントがあった場合ですと当然、瞬間的にふえます。そうしますと乗れない方が出てくる。こういう事態がしばしば起きているということでございます。それから住宅地内、特に中野区内の場合ですと一方通行が多いですから、当然、行きと帰りが別の道路を通るということから、わかりにくいといったこともあるだろうと思っております。
○小堤委員 23区ではワゴンタクシーを千代田区が行っているという答弁でした。千代田区に実際に視察したということはありますか。
○登交通対策課長 千代田区の方には以前、お伺いしまして事業の内容等を聞いておりますし、実際にワゴンタクシーにも乗ってみました。
○小堤委員 それとタクシー業者の反応というのはどうなんでしょうか。
○登交通対策課長 タクシー業者の方から、当然、見たところ、どうも黒字にはなりそうもないということですので、一定の補助があれば会社としてやってみたいということでございました。
○小堤委員 一定の補助があればやりたいという意向もあるそうです。区の負担する金額もあると思いますけれども、タクシー業者が望む一定の補助と金額の差というのはかなりあるんですか。
○登交通対策課長 具体的に幾らかということでは詰めていませんけれども、バス会社よりは少し少なめかなと思っております。ただ、継続的にタクシー会社の方に赤字が出る、1年やっても2年やっても会社としてはマイナスだという事態になった場合には、どうなるかということについてはまだ結論を出していませんので、例えば来年度はどうかということであれば可能性はあるんですけれども、では、それは継続的にずっと続いた場合ということについては、まだ確たる答えが出ておりませんので、その点も含めまして今後詰めていく必要があるだろうと思っております。
○小堤委員 私は、千代田区で実際に運行しております、これは地域福祉タクシーかざぐるまというんですけれども、これを少し紹介したいと思います。これは平成9年4月に運行されまして、今新たに二つのコースが拡充するということで、3コースということになっております。これはタクシー事業者に運行経費の一部を補助する。利用者定員9人のワンボックスカーということです。これ自体は、都バスの路線が廃止されることによる区内の交通空白区の克服、あるいは高齢者の足の確保のために実施したわけです。非常に好評で高齢者にとってはなくてはならないという福祉タクシーになっているわけです。利用者は決められたルートのポイントで乗って、そしてルート上なら自由な場所で降車できるという大変乗客にとっては便利なタクシーです。利用料金は1回100円なんです。そして施設利用のパス券を見せれば無料ということで、実際は利用者の7割から8割が無料になっております。運行時間は午前9時から午後6時ということです。
先ほどワゴンタクシーの難点としてイベントなどがあったら乗れないということが指摘されました。千代田区はそうした場合、区内のいろいろな施設、集会所でこういう企画があるということは、参加者数がおおよそ測定できるわけです。そうした場合、もう別の車が待機している、ときには大きなバスも用意するということで、文字どおり実態にあわせた運行をしております。こうしたことも参考にしていただきたいと思います。ですから、大変利用者が多いわけです。平成9年にできましたけれども、9年度は4万2,798人が乗りましたけれども、平成14年度は6万9,864人の方々が利用しております。そして千代田区の負担という点でいうと年間事業者一人当たり区の負担は821円という数字が出ております。こういうことも多面的に検討していただきたいと思います。
引き続きまして、もう一方の検討してきたというバス運行事業者による方法について、どのように区は検討しているのか、また進行状況についてもお聞かせください。
○登交通対策課長 バスにつきましては、かなり長い期間で検討しております。平成6年から平成11年にかけましてバス事業者も含めまして区と検討を重ねました。一定の結論としましては、多額の赤字が出ることから一定の運行経費の補助がなければ実施できないというものでございました。その後、財政状況の悪化を踏まえまして、区として補助を出せるといえる状況ではございませんでしたので、なかなか話し合いが進行しなかったところがございます。ただ、ここ二、三年、ルートにつきましても、従来のルートとは違って、例えば練馬区を通るルートですとか、いろいろとバス会社と我々の方も検討しました。しかしながら、いずれにしましても、かなりの赤字になりそうだということからやはり難しいという結論でございました。そういうことから、昨年から一定の補助といいますか、多くの自治体でコミュニティバスを始めておりますけれども、一定の補助を出しておりますので、そういった状況も踏まえまして、一定の補助を前提にして今後、検討する必要があるだろうという段階でございます。それもありまして、昨年の暮れごろから、いろいろなルートも含めまして今、検討している最中でございます。
○小堤委員 ぜひ検討を進めて、早期の実現という方向で努力していただきたいと思っております。23区はもう既に7区でこういうバス、タクシーを運行しております。さらに江東区では試行運転、港区ではことし6月に運行するということが報道されておりますけれども、こうしたことは、単なるサービスではなくて、区の施策としても、そういう重要性をこれらの区が認識しているということだと思います。
私は、こういうコミュニティバスを運行している自治体のアンケートというのを見ました。これには東京で25の自治体が回答しているんですけれども、回答の中身を見ますと、高齢者、障害者を初めとする交通弱者の外出の機会が増大したということを全自治体が回答しております。その次に住民同士のコミュニケーションの増大の問題とか、権利としてのモビリティ、つまり交通のしやすさの確保の問題、また一般車両のスピード制限の問題や商店街の振興、そして放置自転車の減少に続いているとアンケートでは答えられております。こうした効果というのは区の施策にとっても生かされるわけですから、ぜひこういう視点を持っていただきたいと思います。
そして私が特に強調したいのは高齢者社会に対する対応の問題です。高齢者に対する対応の問題というのはどこの自治体でも避けることはできません。現在、中野区では高齢者は18.4%で、このうち6割は高齢者だけで生活しているということです。また、福祉団体からも、こうしたバスや乗り物が欲しいという要望が強いということは区も承知のことと思います。私はこうした高齢者、障害者が利用可能なバスを整備することによって、高齢者、障害者の自立した移動が可能になり、ある意味では交通体系が、一定の経費がかかるにしても、介護や医療費などによって社会福祉費用がそれ以上に節約でき、高齢者、障害者はもちろんのこと社会全体にとっても便益になると思います。こうした前向きな施策と思っておりますので、ぜひとも中野に求められています、こういう認識をお持ちでしょうか、どうでしょうか。
○登交通対策課長 この問題は長いこと検討しておりますので、来年度はぜひめどをつけたいと思っております。
○小堤委員 大変前向きな住民の要望にこたえた答弁だったと思います。そういう立場でよろしくお願いしたいと思います。
そして、この間、ミニバスだとかコミュニティバス、シャトルバスなど地域の要望を踏まえたいろいろな提案が議会でもされてきました。いずれの場合でも、地域住民の声を反映させながら事業実施可能な方向というのを、来年度中には見通しをつけてほしいということをもちまして、次の質問に移りたいと思います。
次は精神障害者に対する支援の問題です。
精神障害者の支援の形が地域で生活しながら治療や社会復帰へと変化してきております。地域住民の理解のもとで医療関係者や社会復帰施設のスタッフ、ボランティア、あるいは家族のサポートが求められております。区が支援すべき大事な事業として、精神障害者の生活支援センターでの改善の問題についてお聞きしたいと思います。
一つは、スマイル中野にあります生活支援センターの利用者から交流室が狭過ぎるという訴えがあります。女性利用者にとっても特に切実な問題です。これに対してどのように対応されるのでしょうか。
○菅野保健福祉部長 生活支援センターの交流室でございますけれども、交流の場として設けているわけでございますが、利用者がかなり多うございまして、そういう意味では狭いという声は聞いてございます。そのため同階にございます食堂でありますとか、その下の階にあります和室なども確保いたしまして、そういったいろいろな場所を使って交流をしていただいているという状況でございます。
○小堤委員 この交流室は6畳ほどの和室と丸テーブルを置いた6畳ほどのフロアということで確かに狭いんです。私が行ったのは土曜日の午後なんですけれども、このテーブルでは男性がマージャンを囲み、和室では男性二人が寝そべっていました。とても女性が利用できるという状況ではありませんでした。ですから男女別々ということを検討していただきたいと思います。
今、交流室のほかに、例えば5階の和室という話がありました。ただ、この和室も、ほかに使う施設がありまして、1週間のうちでは水曜と金曜の二日間、しかも午後1時から4時半の3時間半という利用なんです。精神障害を持つ方というのは、体調の変動が大きくて薬も常用されるということです。飲むとどうしても横になりたがるという状況もありますので、早急に男女別々の交流室というのを検討していただきたいと思います。
次に、スマイル中野は全館禁煙になっております。精神障害者の方というのはたばこに頼るところが多いと聞いております。現在、喫煙者はどのような方法をとっているのでしょうか。
○菅野保健福祉部長 交流室の外側にベランダがございまして、そこに喫煙所を設けてございます。
○小堤委員 私が訪ねたときに3人の方がベランダに行って喫煙されておりまして。心配なのは手すりがそんなに高くないので落下する危険があるんです。また、いすが置いてありますけれども、そのいすの上に立つとさらに低くなるということですけれども、こうしたことは知っておりますか。
○菅野保健福祉部長 当然、知っております。
○小堤委員 それで対応というのはされないわけですか。
○菅野保健福祉部長 ベランダの手すりの高さですけれども、1.25メーター正確にはございまして、基本的にそこから落ちるという心配はございません。これにつきましては、健康増進法25条、これは15年5月に施行されておりますけれども、25条によりますと、こういった官公庁とか人が大勢集まる場所では、受動喫煙の観点から施設内禁煙、あるいは完全分煙ということになっておりまして、スマイルにつきましても全館禁煙にいたしました。したがいまして、生活支援センターにつきましても禁煙ということでお願いしたわけですけれども、利用者の中から、どうしても精神に障害を持っているのでストレスの解消のために必要だという声がございまして、それではベランダということで、皆様の気をつけて上がっていただくという中で認めたという経緯がございます。ベランダにおきましては、必ず座って喫煙していただくということから、そこから落ちてしまうということはないと考えておりますし、利用者の方々も、そういうことであればやりますということでありますので、私どもはそのようなことで認めているわけでございます。
○小堤委員 そういう経過は今お聞きいたしました。規定からして、あの手すりの高さでも大丈夫という答弁なわけです。ただ、やはり家族の方からもそういう心配の声が上がっているわけなんです。私は、やはり安全、安心できる喫煙の条件というのをつくるべきだと思います。具体的に館内が無理なら、ベランダに透明感のあるサンルーフみたいなもので覆うという方法も考えられると思うんですけれども、その辺の検討というのはしていただけますか。
○菅野保健福祉部長 そういった声があるということにつきましては謙虚に受けとめまして、何かできるかどうか検討してみたいと思います。ただ、もう一つは、我々といたしましては、実はあそこの場合には、交流室の外ですので、ずっと見ていられますので、職員としてもその辺につきましては十分に気をつけているところでございます。
○小堤委員 十分に見るという答弁でしたけれども、それはそれでやっていただきながら、やはり喫煙場所、安全な場所というのは検討していただきたいと思います。
次に移りたいと思いますけれども、現在の生活支援センターは当初から狭いということが指摘されておりました。そのために早急な対応を求められて今の支援センターがあの場所に設置されました。したがいまして、第2の生活支援センターの建設は当初からの課題になっていたわけですけれども、2カ所目の開設の見通しについてどのように立てているのでしょうか。
○菅野保健福祉部長 精神障害者の生活支援センターでございますけれども、23区には18カ所ございます。世田谷区には2カ所ございますので、ない区も6区あるという状況でございます。中野区に生活支援センターがさらに増設が必要であるかどうかにつきましては、中野区保健福祉総合推進計画の中でも検討課題ということにしておりまして、今、精神障害者を取り巻く状況というのは、一つには国が入院している方を退院させて地域で生活するようにしようという試み、それからもう一つは介護保険の検討の中で対象に精神障害者を含めるかどうかというさまざまな課題がございますので、そういった状況を見ながら今後、検討してまいりたいと考えております。
○小堤委員 東京都の計画も人口30万人の場合は2カ所となっているわけです。中野はどうしても2カ所目が早急に欲しいわけです。現在、約260名の方がセンターに登録されておりまして、生活実用講座とか趣味講座など、心の病気を抱えた方が地域で孤立せず安心して生活を送れるように、そういう事業をしているわけです。狭過ぎることによって活動が制約されないように早急な2カ所目の開設を再度要望いたします。
次に、四つの保健福祉センターで実施されておりますデイケアについてお聞きします。
最近の利用状況はいかがでしょうか。
○佐々木南部保健福祉センター所長 保健福祉センターで行っているデイケアの実施状況についてお答えします。デイケアは、精神障害回復者の社会復帰を促進するために、回復者で希望する人を対象に昭和54年から開始されています。平成元年からは4保健福祉センターで実施されています。昨年度ですけれども、延べ回数4、中部、北部、南部、鷺宮4保健福祉センターで回数合計201回、参加人数がトータルで4,034人となっております。1回当たりの人数はほぼ20人というところです。それから最近3年間では、平成12年度が196回、3,997人、13年度が199回、3,712人の参加、平成14年度は201回行われまして、今申し上げました4,034人が参加していらっしゃいます。
○小堤委員 今、答弁がありましたけれども、参加者がふえているわけなんです。平成11年度から14年度になりますと2割以上がふえているわけです。現代社会というのは、心の病気、つまり精神障害はだれでもかかる可能性があると言われております。全国では100万人以上いると推定され、中野区では98年10月に行われました精神障害に関するニーズ調査によると、区内の精神障害者は約4,000人、そのうち通院患者が約3,400人で、福祉施設対象者は900人おり、ふえる傾向にあると書かれております。
そこで伺いたいんですけれども、この事業というのは今後ますます重要になってまいります。区はこの事業の充実のために来年度はどのような努力を払うのでしょうか。
○佐々木南部保健福祉センター所長 今申し上げましたように4センターで週1回開始していますけれども、回数を各センターで例えば週2回とか、それは物理的に無理でございます。それで今、デイケアの担当者会議がありまして、より効果的なデイケアの実施について検討しております。今、人数の点が出ましたけれども、デイケアにいらしている人たち、区内の障害のある方の中でわずかだと思います。再来で何回も来ていらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。どのくらいの数があるかといいますと5年以上通っている方が半分ぐらいという状態です。ただ、54年にデイケアを開設しましてから余り見直しというのが行われていません。つまり、そういう人たち一人ひとりのケーススタディがない、それから医師によるフォローも、通院している人が多いですけれども、センター自体で医師によるフォローもなされていません。そのようなことから一人ひとりのケースについて細かく検討して、どうしたらいいかということを来年度に向けて考えていきます。そういう量よりも実の充実を図りたいと思っています。
○小堤委員 どうもありがとうございます。
現在、保健所や保健福祉センターのあり方について内部での検討がされております。関係者の皆さんは、場合によってはデイケアの事業が4カ所から2カ所に縮小されるのではないかという心配をしております。こうした事業は一層拡充に努力すべきもので後退することがあってはなりません。今後の見通しと一層の充実を図る、そういうことを聞きたいと思います。
○佐々木南部保健福祉センター所長 その問題につきまして、確かに保健福祉センターは設備配置の見直しが必要になっています。それで今、私たちはそれを検討しているところで、まだ結論が出ていません。ただ、どのような形で見直しを図るにしても、現在、実施しているサービスのレベルを維持しつつ、さらにサービスそのものの内容を向上させるような方法を考えております。
○小堤委員 障害者のしおりについてお聞きしたいと思います。現在、障害者のしおりと精神障害者のしおりが別々のものになっております。関係者からは、精神障害は他の身体障害や知的障害と異なる特殊な障害として差別される印象を持つという意見も寄せられているんですけれども、もっともな指摘だと思います。これに対してどのように対応するか、お聞きします。
○田中障害福祉課長 16年度の早い時期に新しい障害者福祉のしおりを作成する予定でございます。この際には、委員からの御提案のとおり、身体障害者、知的障害者、それに精神障害者を加えたものを作成していきたいと考えてございます。
○小堤委員 中野区は障害のある人、ない人、みな区民、ともに歩もう中野のまち、これをスローガンに象徴されているように、いち早く障害者施策の充実に努力をしてきました。しかし、精神障害者の問題についてはおくれが目立つと言われており、今日なおそのおくれは克服されておりません。関係する病院がないことがその要因とも言われておりますけれども、この分野の取り組みの充実をさらに要望いたしまして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
○平島委員長 以上で小堤勇委員の質疑を終了いたします。
若干早いんですが、ここで休憩したいと思います。1時まで休憩させていただきます。
委員会を休憩いたします。
午前11時46分休憩
午後1時02分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
次に、市川みのる委員、お願いいたします。
○市川委員 総括質疑をさせていただきます。
初めに、通告をしました質疑項目の順番を、2番のいわゆるポイ捨て条例の方を先に質疑したいと思います。後に中野駅周辺整備についての質疑をしたい。その他の項はございませんので、よろしくお願いいたします。
我々42名の議員の中にも、たばこを今現在吸わない人、それから吸っている人がおります。人数的に見ますと、質問者の席から向かって右側が3人、向かって左側が何と14名もいるんです。こちらは非常にたばこ税の収入に協力をしているということになるわけですが、そういう貴重な税源でもあるたばこを吸っている人のマナーというものが最近大変に崩れてきております。特に私は町中で歩きたばこをしている人の姿を見ると大変に、それこそ煙ったい、そういうことになるわけです。特に最近若い女性の歩きたばこというのが多いんです。これは皆さん、よく見かけると思います。あと働き盛りの男性というか、我々ぐらいの年配になってくるとほとんど歩きたばこをしている人はおりません。たばこを吸う人は、皆さん必ずたばこの吸えるところで吸うか、路上であるならば、ポケット灰皿、携帯式の灰皿をきちんとみずから携帯していて、それを出して、立ちどまって、副流煙など人に迷惑をかけないようなマナーをもって吸っているというのが最近の現状ではないかと思います。
今現在ある条例を今後改正していこうという動きが最近出てきました。環境部の環境消費生活課の方から2月12日の日付で歩きたばこの規制及びまちの美化についてというペーパーが配られております。このペーパーは、私の手元に、この間、環境部長の方からいただきましたが、今現在、どこで、どのような形でこのペーパーが出回っているのか、それをまずお答えいただきたいと思います。
○寺部環境部長 今、御指摘のペーパーでございますけれども、条例の見直しをしようかということを考えておりまして、そのたたき台として、いろいろな人からこれから意見を聞いていこうという意味でつくっております。現在のところ町会連合会との話し合いに使用いたしました。それから環境モニターの方もいらっしゃいますので、そういった方からも御意見をいただく。それから最近はたばこ小売商の皆さん、特に中野駅周辺について大きな課題があると考えておりますので、中野駅周辺の商店街の会長さん、これは郵送でしたけれども、送らせていただいております。これからいろいろな意見をお聞きしたいという意味でつくって配布をしております。
○市川委員 内容はあくまでも案として歩行中喫煙に関する規制の規定を加えたいという意味のことなんです。まず1番が区内全域について歩行中の喫煙を禁止することとしたいということです。これは案です。それから多数の人が集まったり区民などの安全及びまちの美化を図る観点から、特に必要があると認める地域を路上喫煙禁止地区とし路上での喫煙を禁止することとします。当面は中野駅周辺地区を想定します。こんなようなことが書いてあるわけです。それからもう1点、これが一番大事なことだと思うんですけれども、これをなぜ1番にしなかったのかと思うんだけれども、あくまでも案ですから、たたき台ですから、環境美化に関する規定を充実しますと書いてあるわけです。これは一番大事なところです。環境美化の問題を中心に事を進めていきたい。たばこばかりを何か敵視したような条例の改正の動きであるかのようなごとくの表現というのが、さもそういう御意見を聞こうという場の皆さんを、このペーパーを見ている限りでは、環境美化が後になっているものですから、たばこを路上で喫煙してはいかぬ、歩行喫煙はいかぬ、そして最後に罰則の規定も適用します、いわゆるこれに違反した場合は罰則の規定も適用しますというたぐいの内容になっているわけです。そうすると、たばこがいけないものなんだ、とにかくたばこ吸いをまちの中から追い出してしまうんだといったふうに持っていくためにこれをつくったのかという誤解をしていらっしゃる方もいる。そうではないんだ。これも環境部長と取材のときにお話をしましたけれども、あくまでもこれは案なんだ。口頭で説明したってなかなか人様はわかってくれないから条例を改正したい。その条例改正に向けて区民の皆さんのあらゆる声を聞いておきたい。そのためには何かたたき台がなければいけないんだといって、このたたき台ができたという説明を受けました。
そこで問題なんですが、ほかの区でも条例改正の動きが確かにあるんです。板橋とか中央、世田谷、大田あたりが23区の中では、いわゆるポイ捨て条例の条例改正をしていこうという動きがあるんです。内容を少し調べてみましたが、路上喫煙禁止エリア指定となるわけです。歩きたばこは努力義務、過料は一定期間しない、こういったたぐいの条例改正の動きが何区か見えるんです。板橋とか世田谷とか大田区。一番もとになっているのが杉並区の条例なんです。杉並区がこういった条例を持っている、その条例の方向にみんな向かっていきたいという動向があります。ここらの条例改正の動きと中野区のたたき台になっている現在のペーパーの中での表現とは若干開きがあるわけです、違いが、その点について環境部長はどのようにお考えになりますか。
○寺部環境部長 たばこをめぐる規制の問題、千代田区が一番最初といいますか、話題を投げかけたところだと思っております。それで、歩きたばこをめぐっては、歩行中の喫煙の問題と路上でそもそも吸うこと自体の問題と二つ取り上げて方があろうかと思っております。歩きながらたばこを吸うということにつきましては、罰則付きの禁止をするということは行っていない、これは罰則の規定の適用が難しいということがありますので、これは行っていない。努力義務にとどめるというところが多いかと思います。それから実際に罰則を適用するという場合は、路上で吸っている行為をとらえて罰則を決める、これは客観的に判断しやすいということがありますから、それは罰則付きで規制をする。ただし、それも限られたエリアでの路上喫煙の禁止という形で罰則規定を設けている、そういう区があるわけでございます。中野の場合も、これら幾つかの区の規定の仕方を参考にしながら、どういう形であれば一番効果的なのかということを考えていかなければならないと思っております。ここでは案として書いてありますけれども、今後いろいろな意見を聞きながら、努力義務規定がいいのか、あるいは路上喫煙の罰則規定まで設けた方がいいのかということは、これから十分に考えたいと思っています。
○市川委員 港区に港たばこルールというのがあるんです。これはいわゆる分煙方式なんです。今、部長が答弁の中で少し触れた分煙、ここで吸ってもいいですよという場所を路上に設けるわけです。だけど、ここから別のところはだめです。それによって、昨年8月にスタートして、JR新橋駅周辺を港区による調査で行ったところ、施行前に比べてポイ捨ての本数が67%の大幅減になっているんだそうです。歩行喫煙者も52%の減少になっているんだそうです。こういった分煙方式というか、これは昨年の秋にTOKYO自民党中野区議団が会派の方から予算要望を出したときに、分煙方式のルールを確立して、それをなかの区報に広報として区民の皆さんに広くお知らせしてくださいという予算要望を出しているんです。そのときも確かに私たちも分煙方式というのを打ち出しております。こういった方向に行ったらいいのかと思うんです。
それで、まして中野駅北口のサンモール商店街みたいな商店街に、混雑時に、たばこに限らず、自転車をこいで走っている人なんかはだれもいませんね。非常に混雑している時間帯に犬の散歩をしている人が、あの商店街のどこかで犬にふんをさせるなんてことはまずありません。それと同じで、非常に混雑している時間、歩きたばこをしている人なんているわけはないですね。それはなぜかというと、それぞれの立場において、ここで何をしていいか悪いかぐらいはわかるわけです。そういうことは、あくまでも人の持っているマナーとか、人が持っている一つの道徳というのか、そういうものは罰則などなくても、まちの中で働いてつくり上げていくものだと思うんです。ですから、今後、条例改正をしていこうといった動きの中で、罰則規定があってもなくても、中野のまちの中で、どこでたばこを吸っていいのか、ここはたばこを吸ってはいけない、ここならいいのかといった分煙方式みたいなことも考えながら条例改正の動きをしていっていただきたいと思います。分煙方式についてもう一度お尋ねしておきますので、今後、分煙方式のような方式は考えられるか考えられないか、もう一度お答えいただきたいと思います。
○寺部環境部長 一定のエリアを決めて禁煙にして、それ以外のところについては努力義務の規定にするということも当然考えられると思っております。例えば、中野駅周辺について、禁煙地区に指定した場合、やはりエリアを区切って決めるということになりますので、それ以外の地域については努力義務になると思います。それから中野駅周辺について指定をして喫煙禁止地区にした場合、その中のどこかで吸ってもいいのかという特定の喫煙場所を設ける必要があるのかどうかということも、恐らく区民の中から議論が出でくると思います。そういったことも踏まえていろいろと検討してまいりたいと思っております。
○平島委員長 質疑の途中ですが、ただいま傍聴希望者が15名を超えました。希望者全員の傍聴を許可することに御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平島委員長 御異議ございませんので、そのように決定いたします。
なお、本日は非常にたくさんの傍聴者がお見えになっておりますので、お互いに譲り合いながら傍聴されるようお願いいたします。
質疑を続行してください。
○市川委員 次に、中野駅周辺まちづくりについての質疑をいたします。
中野駅周辺整備、警察大学校等跡地整備特別委員会に私は所属をして委員長を務めていますけれども、きょうは会派の方からの質疑ということで、この質疑をさせていただきますので、御承知おきください。
まず大変区民要望の大きい防災公園としてこの跡地を整備したらどうだろうかといった声をよく耳にします。確かに中野の真ん中に、それこそ芝生広場が広がれば、それはこれにこしたことはないわけなんですが、それにかかる費用というのに自前の費用が大分持ち出されてしまう。それを整備するにも、維持していくにも、年々ランニングコストがかかっていくといったことをやはり考えてしまうと、ちょっと無理なのかといったことも考えています。
それで、現在、整備が進められている平和の森公園があります。平和の森公園の用地取得と施設整備にかかった費用が幾らなのか。また、その財源はどのようになっているのか。さらに、平和の森公園のメンテナンスの費用は、もう既に1年以上たちましたから、年間でどのくらいかかっているのか、これを1平米当たりにすると幾らぐらいにあるのか。いつだったか、資料要求をしたんです。建設13の資料が出ているんですが、これは平米単価が出ていないので、今言ったことをあわせてまず答えていただきたいと思います。
○久保田まちづくり課長 まず平和の森公園の用地取得でございますけれども、およそ20年ほど前に取得したところでございますが、2.1ヘクタールの取得にかかった費用が52億1,000万円でございます。その内訳でございますけれども、国庫補助が9億1,000万円、都市計画交付金が8億7,000万円、起債か33億8,000万円で、一般財源が5,000万円という内訳でございます。
それから施設整備でございますけれども、下水処理場の上の部分を含んで5.4ヘクタールの整備を現在まで行ってきておりますけれども、トータルのコストが12億8,000万円でございまして、内訳として国庫補助が5,000万円、都市計画交付金が 1億3,000万円、起債が5億6,000万円で、一般財源として5億4,000万円で充てられております。
それから年間の維持管理費用でございますけれども、15年度の予算額で申しますと、ほぼこれが執行されていると伺っておりますけれども、これも予算の資料の中にありますけれども、大体7,400万円となっておりまして、平米当たりに直しますと1,400円程度かかっていると伺っております。もちろん、これは職員人件費は別でございます。
○市川委員 また、平成14年度に補正予算を組んで用地の取得を行った(仮称)北部防災公園の用地取得費用と財源はどのようになっているのか、お尋ねをします。
○久保田まちづくり課長 この公園の場合については、処分価格、補助といったことについては非常に好条件の例であったということで御紹介をいたしますけれども、大体4ヘクタールにつきまして49億9,000万円で取得をしてございます。内訳でございますけれども、国庫補助が15億円、都市計画交付金が11億4,000万円、起債が22億6,000万円で、一般財源としては9,000万円が充てられております。今後、工事費がかかるわけでございますけれども、大体7億円以上はかかると予定がされているところでございます。
○市川委員 今、平和の森公園と(仮称)北部防災公園の用地取得費や国や都の区の負担割合とか、それから維持費というものをお尋ねして、伺った金額というのはやはり非常に莫大なものですね。維持管理など特に多くの費用が後々かかっていること。区としての実質的な負担があるということもよくわかりました。
次の質問に入りますけれども、警察大学校等の跡地における公園の整備を考えてみます。例えば、区が4ヘクタールとか、または10ヘクタールの公園の整備を行う場合の費用と財源の試算はしているか、これが一つです。これは概算で結構ですから。また、これを区が管理した場合の維持管理費用は、平和の森公園の場合を想定して試算して年間どのくらいかかるか、これが2点目です。この二つをお尋ねします。
○久保田まちづくり課長 跡地の処分価格につきましては、財務省の方で評価をして決定するということでございますので、現時点でこれを幾らぐらいで想定するかということが最初に求められるかと思いますけれども、仮に周辺近傍の価格等を参考にして、例えば平米当たり40万円から50万円程度と想定をして、財務省からここについては3分の1の無償貸付ということも条件として出されておりますので、そういったことを前提として計算をしてみますと、4ヘクタールを取得するといった場合であっても100億円以上はかかるだろう。10ヘクタールになりますと300億円という巨額な費用が想定されるというところでございます。平和の森公園の例と比較しても、このくらいの額がかかるのではないかと考えております。
用地の取得の内訳でございますけれども、先ほどの平和の森と同じように国庫補助、都市計画交付金、起債、一般財源ということになるかと思いますけれども、まず国庫補助率でございますが、3分の1という制度上の数字はございますけれども、国庫補助というのは東京都の枠の中で決められてくるものでございますので、実際の補助対象というのは非常に少ないということが想定されるということでございます。具体的な額はなかなか試算ができないのかと思っております。また、都市計画交付金ももちろん入ると考えておりますけれども、残りの多くは起債に頼らざるを得ないということになるかと思います。もちろん、起債の限度もありますので、一般財源の投入ということも考えなければいけないと思っております。
施設整備についても、4ヘクタールをやった場合であっても9億円以上、10ヘクタールであれば20億円以上という想定がされております。用地費と同様に施設整備費についても区の大きな負担は免れないものと考えております。
それから年間の維持管理費用でございますけれども、4ヘクタールで大体6,000万円程度はかかるだろう、10ヘクタールになれば 1億3,000万円以上はかかるのではないかという想定をしているところでございます。
○市川委員 区が直接、公園用地として財務省から取得をし、整備をし、それを維持管理していくということは、今、答弁にあったような莫大な費用がかるということがまずひとつここでよくわかりました。
次の質問に移りますが、開発者負担によって一定規模以上の公園など基盤施設整備を誘導するといった中野駅周辺まちづくり調査検討委員会の検討は、私たちは十分に理解ができているつもりです。
会派で昨年、汐留のシオサイトとか恵比寿ガーデンプレイス、飯田町の貨物の操車場跡の開発、いわゆる町並みを見てきたのではなくて、そこに視察に行って学んできたのは、開発者負担行為というものの内容、土地区画整理事業の事業手法について現場を見ながら学んできました。何も中野はああいうまちになるんだということを想定して行ったわけではないんです。いわゆる整備手法を学びに行ってきました。ですから、開発者負担行為の考え方というのはよくわかります。理解できています。そのつもりです。
警大跡地においては、区が単独で公園を整備することは、先ほどの答弁のように莫大な費用がかかりますから大変に難しいと私は考えます。区の見解はいかがでしょうか、お尋ねをします。
○久保田まちづくり課長 先ほどもある程度の数字をお示しいたしましたけれども、かなりの総額でもございますし、起債の額も莫大なものになるかと思っておりますので、後年度の償還というものもかなり発生してくると考えておりますので、公園用地を直接区が取得するということは非常に難しいことではないかと考えております。このため、今、委員から御紹介がございましたけれども、跡地を取得する民間企業等が開発者として公園とか道路といった基盤施設を整備する、そういったことを誘導していく開発者負担を原則として、区の負担が過大にならないようにしていきたいと考えております。
○市川委員 視察に行ったときに大変感じたのは、オープンスペースがきちんと確保されているといったことでした。。開発者負担により公園などの基盤施設整備を誘導していくべきだと考えます。開発者負担の代表例といわれる土地区画整理事業や都市計画法に基づく開発許可の場合、どのくらいの公園整備を求めているのか、これをお尋ねします。
○久保田まちづくり課長 通常、土地区画整理法、もしくは都市計画法に基づく場合の公園の整備ということでございますけれども、開発対象面積の3%といったところが基準としてございます。また、区画整理事業の場合については、定住人口一人当たり3平米という基準もございます。そういったところで公園を整備していくということになるかと思います。
○市川委員 まちのにぎわいにも十分に配慮して、公園やオープンスペースの確保を誘導する必要があります。具体的にはどのようなインセンティブを有する誘導策が考えられるのか。また、その際、行政の持つ最大の役割は何なのか、お尋ねをします。
○久保田まちづくり課長 現在、再開発等促進区を定めます地区計画というものを活用いたしまして段階的な土地利用転換を進めたいと考えてございます。この制度はまとまった低未利用地における円滑な土地利用転換を進めるために、道路や公園といった基盤施設の整備とあわせて優良な建築物を一体的に整備するという計画を定めまして、これに基づいて土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進を図る都市計画制度でございます。具体的には、基盤施設の整備、地域への貢献、こういったものを条件として、これにふさわしい規模の建築を可能とする容積率が認められるといった誘導を図っていきたいと考えております。これによって公園やオープンスペースを中心ににぎわいを生む空間形成を図るとともに、災害時には、もちろん警察病院と連携をした避難場所としても十分に機能するように整備を図っていきたいと考えております。この中で行政の役割でございますけれども、今御紹介をいたしました地区計画を初めとする都市計画制度、都市計画の決定権限、具体的な開発を進める上で、例えば開発許可の権限といったものは、行政が持っておりますので、これを用いてまちづくりの誘導を実現する主導的な役割を果たしていくものと考えております。
○市川委員 開発者負担行為の中からまちづくりを進めていく。行政の最大の役割は都市計画決定権限というものなんだ。だからソフト面での支援は行政がきちんと担ってやっていく。ハード面での整備は開発者負担行為をとりながら民間レベルで進めていく。そういった一つの基盤があるわけです、考え方の根底に。もちろん、これから検討委員会が4回目で閉じて、区民要望、区民参加の場がきちんと確保されているわけですから、そういった声もその中に組み込みながらまちをつくっていくとなるわけです。
ところで、なかなかイメージがわいてこないのが跡地に導入される機能なんです。ここらがみんな共通のイメージにまだまだなっていない。開発者負担行為なる事業手法をとりながら導入する機能というのはどんなものなのか。調査検討委員会の中間のまとめでは、教育とか文化といった導入機能が示されているんですけれども、新たに大学等の教育施設の導入を考えているのか、そこのところを少しお尋ねしたいと思います。
○久保田まちづくり課長 複合的な市街地を誘導していきたいということで、その中に示されている教育ですとか文化の機能といったことでは、もちろん具体的なものはまだ考えておりませんけれども、産学連携ですとか、区民が利用できる公開講座、こういった開放性があって地域にも貢献できる大学ですとか大学院、こういった教育施設の導入というのは非常に望ましいのではないかと考えているところでございます。
○市川委員 大学等、教育とか文化だけではなくて、住宅とか、将来の区役所のあるべき姿とか、後ほどまたお尋ねする場面があると思いますけれども、なかなかイメージが膨らんでこないんです。それはそうですね。まだだれが参加してくるか何かもまだこれから先のことですから。
そこで、跡地に関連して跡地の処分時期というのがあるんですね。財務省は、この間、別の会派の方の質問の中に、限りなくまだまだ時間はあるんだといった表現がありましたけれども、私はそうは思わないんです。財務省は跡地処分の時期についてどういう見解を持っているのか。一応、中野区の方としていただいている情報をお答えください。
○久保田まちづくり課長 検討委員会の第1回目で財務省にお示しをしていただいた見解というものは、大学校等の施設の府中等への移転費用というのは借入金で手当てをしているということから、借入金の金利負担が毎年発生しているということで、できるだけここの部分は早期に売却をしなければならない財産であるという見解を明確に示されております。具体的な時間といったものはなかなか示してくれませんけれども、できるだけ早くということで非常に短い時間の中で処分をしていきたいということを示されているところでございます。
○市川委員 次に、跡地以外の既成市街地のまちづくりについて質問します。
周辺の既成市街地のまちづくりも、中野駅周辺整備、特に警察大学校跡地の周辺既成市街地のまちづくりというものも当然大事なことになってくるわけです。中野駅周辺整備というのは50ヘクタールのエリアを対象にしているわけですから。既にもうサンモール商店街の青年部なんかは例会に、あれは夜9時半からだけれども、まちづくり課長やまちづくり調整担当部長を招いて学習会を開いています。跡地利用や中野駅周辺整備の問題について大変関心を深く持っています。それから今現在、既成市街地のまちづくりというと、この周辺ではないんですが、期成同盟を立ち上げた西武新宿線の沿線、沼袋駅のあたりでたしか勉強会が発足して、熱心な学習会が始まっていると聞いています。西武新宿線の沿線でのまちづくりの勉強会の手法を中野駅周辺における既成市街地のまちづくりにも生かすべきだと考えるんですが、いかがでしょうか、お尋ねをします。
○久保田まちづくり課長 西武新宿線沿線、特にまずは沼袋駅周辺でこういった勉強会を開始したところでございますけれども、こういった地元の方々主体のまちづくりというものは非常に大切ですし有効であると考えております。中野駅周辺の既成市街地においても、例えば区が専門家等の派遣をするとか、何らかの形で支援をしていく必要があると考えているところでございます。
○市川委員 関係者と勉強会を始める前提として、中野五丁目地区、サンプラザの東側、サンモールやブロードウェイなど北口商店街の課題とか今後のあり方はどのように認識をされていますか、お尋ねをします。
○久保田まちづくり課長 現在、界隈性のあるにぎわいを保持している一方で、道路が狭隘であったり、荷さばきのスペースが不足している、また老朽化した建物も多くて防災化への対応もおくれているという課題があるかと思います。今後、まちづくりを進めていくことによりまして、もちろんにぎわいは保持していきながら活気ある個性と魅力を有して、安心、安全性の高い商店街として保全、発展していくものと考えております。
○市川委員 賑わいの心として位置付けられているわけです、うちのマスタープランの中に。賑わいの心というんだから、今ある既成市街地と警察大学校等の跡地、また後にもお尋ねしますけれども、中野駅南口周辺、すべてが回遊性のある一体的なまちにしていきたいということになってくるわけです。だから、今ある既成のものに限らず新しいまちをつくっていくといった感覚で皆さんに勉強会に参加してしただく。余り既成のものにこだわらずに、新しいものをみんなで、この際だからつくり上げていこうということで、災害に強いまちにしようとか、いろいろと考える勉強会が始まっていくということになると思うんです。
それで、北口の商店街の話をもう1回しますけれども、商店街の振興、先ほど小堤委員は非常に弱体化した商店街の振興策をいろいろとお尋ねしていましたけれども、こういう駅前の商店街も、今は人の流れはあっても、なかなか買い物客が足をとめてくれないというのも現状なんです。流れてはいるんです。北口からサンモール商店街に入りましてブロードウェイ商店街を抜けて早稲田通りまで出る、これは非常に便利です。あれはなぜかというと雨に濡れないで通れるから、これは流れているんです。だけど、あの商店街に果たして本当に魅力があるのかといったことに、あの商店街の人たちは疑問を持っているんです。なぜかというと人は流れていても立ち寄る客がいないんです。立ち寄る客はどこに入っていくかというとコーヒー屋とラーメン屋に入っていくんです。それで小売商の中にお客さんが入ってこないといって非常に深刻な問題としてやはり考えています。サンモール商店街にはオーナー会という会が発足しまして、ほとんど半分近くの方がテナント貸しをしているといったところが現状なんです。そういった商店街、しかしながらサンモールという商店街はやはり中野駅北口の大動脈です。これを大動脈にして、そして西には警大跡地、東には共立病院の方の手前まである飲食のまち、そしてその向こうには住宅街が形成されていて、そういう一体性というものをつくっていかなければいけない。北口商店街の振興を考えると利用者の流れが非常に重要であって、中野駅からの入り口は北口駅前広場のロータリー、あれは私たちは通称北口ロータリーといっています。駅前広場と呼ぶには余りにも貧しい、キャパがない。その再整備というのがキーポイントであると私はいつも考えているんです。
そこで、区では北口駅前広場、いわゆるロータリーが抱える課題とあのロータリーの今後のあり方をどのように考えているのか、お尋ねをします。
○久保田まちづくり課長 現在の北口広場につきましては、駅の乗降客などを中心として歩行者の歩行空間となっているわけでございますけれども、バスとかタクシーといったターミナル機能もそこの中に入っているということで、交通結節点機能がかなり飽和的な状態にあると考えております。したがいまして、今後、中野サンプラザ前にこういったバスとかタクシーのターミナル機能を移しまして、現在の北口広場の部分については歩行者を中心とした歩行空間、広場空間というものにしていきたいと考えております。
○市川委員 また、中野駅についてなんですが、利用者の利便性を考えた場合、西口改札、警大の跡地を整備するわけですから、今後JRとの協議の中から西口改札の話、これは大変重要な話、必要なことになってくると思います。北口と南口の連絡性とか回遊性の向上もこれまた大事なことになってくるんです。駅及びその周辺の将来像をどのように描いているのか、これをお尋ねします。
○久保田まちづくり課長 現在、中野駅周辺まちづくりの計画をつくっているわけでございますけれども、今後、具体的な整備を図っていく中で、もちろんJRによる駅そのものの再整備といったものも働きかけていくつもりでございます。こういったことによりまして、西口改札ですとか南北の自由通路を初めといたしまして駅周辺の回遊路を確保できると考えているところでございます。
○市川委員 次に、駅の南口の話、先ほど少ししましたけれども、中野二丁目に話を移していきます。
築50年を超えた駅前住宅、東京都住宅供給公社のあの住宅はもうかなり老朽化しています。それで南側の建設会社、西松建設の社員寮がありました。今はもう人が住んでいません。あの社員寮とか区の駐輪場もあります。南口駅前のまちづくり、この一体、老朽化した公社住宅はそろそろ建てかえの時期を迎えているとも聞いています。駅周辺の南口駅前のまちづくりをどのように考えていますか。
○久保田まちづくり課長 供給公社の住宅、その周辺の用地を活用いたしまして市街地再開発事業を検討しているところでございます。再開発によりまして、もちろん新たな住環境を整備するといったことだけではなくて、低層部等には商業施設を含む複合的な土地利用といったものを誘導していきたいと考えております。また、駅前広場との接続をいたしまして、駅から東側の住宅地に至ります新たな東西方向の導線、千光前通りから大久保通りに至る新たな南北方向の導線、また敷地内には一定のオープンスペース、広場、駐輪場の整備ということも検討をしているところでございます。
○市川委員 南口の駅前にありますティップネスですか、下に飲食があって、上にティップネスのスポーツジムが入っています。あそこのまちの皆さんは住宅供給公社の建てかえにあわせて、その中に組み込まれていくといったまちづくりを考えていらっしゃるようです。そうすると、駅前広場は今よりもまだキャパが広がるんです。南口の駅前広場というのは、まさに駅前広場と呼ぶにふさわしい駅前広場になってくると思うんです。ですから、それを囲む周辺の既成市街地のまちづくりというのはかなり重要視されると思います。
けさ、ある地元の方にお目にかかったら、サンプラザの譲渡を受けるんだな、中野区はという話になるわけです。サンプラザの譲渡を受けて、これを10年使ったら壊すのか、壊したらどうするんだ。そんなことはまだわかりませんよ。まだ正式譲渡も受けているわけではないんだからといったところで慎重に話をしましたら、非常に夢を持った方で、あの南口に丸井の本店があるではないか。サンプラザは10年たったら壊して、あれを丸井に買ってもらえばいいんだよ。ここに丸井の本店を持ってきて売り場をつくるんだよ。そうすると、こっちの方にうんと人が流れてくるよというから、そんなことを言っていると南口のお客さんは減ってしまいますよと言ったんですよ。いやいやそうではないんだ。南口は駅前の開発が始まれば、また新しい商業のそういうスペースが生み出される。まして駅前広場と丸井の本店を更地にしたら、そこに生まれるものとの一体性のあるものをつくれば南口のためになるんだよと逆にこういう考え方を持っている人が地元にいるんですね。
なかなかおもいしろいなと思って聞いていましたけれども、皆さんそれぞれに夢を描いていますので、周辺の既成市街地の皆さん方の声をよく聞き取りながら、皆さんと一緒に、このまちがどういう方向に進んでいくのかというのを、いろいろと目の方向が皆さん違いますから、いつも何かの方向を見つめるようにしていっていただきたいと思います。やはり地元の地権者の合意形成が必ず必要になってくるわけですから、区としては大いにまちの中に出て地元のそういった合意形成に今後は努めていただきたいと思っています。
次に、中野駅周辺まちづくりを進める上で、区では点在する公共施設の活用が重要となると考えるので、学校や保育園なども含めた公共公益施設に関連した質問をさせていただきたいと思います。
憲法擁護・非核都市宣言の冒頭にまちには子どもの笑顔があるというんです。今、中野駅周辺には子どもの笑顔があるでしょうか。ありませんね。ほとんど子どもがいないですね、ここは。それから広場には若者の歌がある。最近、北口の駅前の駐輪場の横で沖縄をやっているからにぎやかだけれども、ああいうような若者の歌があるとなるわけです、とありますけれども、中野駅周辺において子どもが遊び、広場で若者が集う姿を想像いたします。これは私の想像の中の範囲ですが、これからのまちづくりにこれが参考になると思いますが、今後の子どもの笑顔があるとか、若者の歌があるといった私の今思い浮かべるまちのあるべき姿ということをどのようにお考えになりますか、お尋ねをします。
○那須井まちづくり調整担当部長 まちには子どもの笑顔がある、それから広場には若者の歌がある、とてもいい言葉だと思うわけでございますけれども、これらを参考に頭に入れながらまちづくりを進めていきたいと考えているところでございます。欧米の都市の広場などには歌声があるとよく言われたものでございますけれども、それらがまちの魅力を高めている一つの要因と言われておりまして、東京の広場も地域の特性ですとか、広場等の機能にあわせまして心地よい歌声もあればと整備を進めてきたと思っているところでございます。しかしながら、本来の目的以外の使用がありまして、子ども連れでは行きたくないような公園というものを新たにつくるわけにはいかないと考えているわけでございます。いずれにいたしましても、検討委員会等で広場や公園などオープンスペースの整備のあり方についても検討を進めてきたところでございます。跡地全部を公園や広場にという方も一部いらっしゃるわけでございますけれども、これまで課長が答弁いたしましたように、財政の現実を十分に見据えて、またまちのにぎわいを求める多くの区民の声にも耳を傾けていく必要があるだろうと思っています。全部が広場だとか公園、全部が開発かといった対立の構図でまちづくりを考えるべきではないと思っておりまして、検討委員会やまちづくりのフォーラムを行いましたけれども、そういった中でまちづくりの基本コンセプトといたしましては、にぎわいと環境の調和したまちづくりというのを掲げてございます。御指摘の点も十分に踏まえ、また今後とも区民の皆様のさまざまな意見を聞きながらまちづくりを進めていきたいと思っているところでございます。
○市川委員 警大跡地や中野二丁目、先ほどもお話しした公社住宅の建てかえだとか、警大跡地に新たな住宅を設けるといったことが導入されてくると子どもがふえるという想定が成り立つわけです。中野駅周辺にできる住宅にそれなりの家賃を払って入居してくる世代というのは、やはり働き盛りになるでしょう。その方たちには必ず、一番元気のいい世代ですから、お子さんもいらっしゃるでしょう。ファミリー世帯です。その子どもたちが、このエリアの中、50ヘクタールの中に位置する小学校や中学校に通うということになってくるでしょう。最近、桃丘小学校が全部7学級しかないんです。小規模校として位置付けられているわけです。だけれども、将来の中野駅周辺整備の先々の見通しというものを立てたとき、前の決算特別委員会の総括でも私はお尋ねしましたけれども、ここの人口規模がどういうものになってくるのか、どのぐらいの規模の人口を見込んでいるのか、将来のあるべき中野のまちの姿というのは、全区的なものもあるでしょうけれども、特に今、中野区では特化してこの50ヘクタールを周辺整備地区として位置付けているわけです。適正規模人口数というのはどのぐらいになるのか。その中に必要になってくる都市施設、教育施設というものは何が必要なのか、こういうものをしっかりと見極めておかないと、後になってから手おくれになってしまうということが発生すると思うんです。桃丘とか中央中学校というのがあります。中学校や小学校の統廃合の問題も含めて今後のあり方を教育委員会ではどのように考えているのか、お答えをいただきたいと思います。
○山下教育委員会事務局次長 御指摘のありました桃丘小学校、あるいは中央中学も含めてのお話でございますけれども、御案内のとおり、教育委員会では現在、区立学校の再編を検討しているところでございます。近く具体的な案をまとめたいと考えてございますが、それを進めるに当たりましては、さまざまな御指摘のありましたまちづくりの動向ですとか、今後の人口推計ですとか、あるいは学校が立地をしている条件ですとか、そういったことを踏まえ、さらに中野区全体の情勢を見回して案をまとめていく必要があると考えているところでございます。
○市川委員 教育委員会だけではなくて、横の連携、都市整備部との連携がありますでしょう。そういったことはどうお考えになりますか。
○山下教育委員会事務局次長 さまざまな情報を入手した上で検討を進める必要があると思います。当然、庁内の都市整備部ももちろんですけれども、さまざまな部門との連携が必要だと考え、それを進めていく考えでございます。
○市川委員 ほかの小規模校も、周辺の動向というものを、常に都市整備部、都市計画サイドと連携をとりながら、そのまちが将来どのようなまちに変わっていくんだろうかということをよく考えた方がいいと思います。今、小規模校がある周辺地区というのは、もしその周りに今後まちづくりの計画、例えば沼袋小学校だってそうではないですか。沼袋でまちづくりの学習会を立ち上げているでしょう、駅周辺で。あれはたしか沼袋親和会、沼袋町会、沼袋振興会、江古田四丁目昭和会、江古田四丁目町会とか、北原さん、そうだよね、それが全部集まってやっているんだね。あそこのエリアは沼袋小学校か丸山小学校に行く。そうすると、沼袋小学校は現在、小規模校として位置付けられていると思います。けれども、あそこで勉強会が立ち上がっているんです。あのまちをつくっていこうとしているわけです。そこに果たして小規模校、今現在そうであるからといって、それを捨て去ってしまっていいものであろうかといったことも考えながら、慎重に、かつスピーディーにその問題は検討していく。まして、今、私が御紹介申し上げた桃丘と中央中は、ここの跡地整備がありますから、ここのスピードにきちんとあわせて教育委員会も同じスピードで進んでいくようにしていただきたいと思っておりますので、これは要望です。
次に、保育園や幼稚園など子育て支援施設も充実させることが必要になると思うんです。この周辺は、保育園は打越と桃丘、幼稚園はたしか東京アスレチッククラブの未認可しかないのか、私立幼稚園はないですね。そういった施設もやはり必要になってくると思いますが、どのようにお考えですか。
○久保田まちづくり課長 駅周辺という特性を生かして、周辺地域からの利用も考慮いたしまして、新たな住宅の整備にあわせて必要な子育て支援施設の誘導も図っていきたいと考えております。
○市川委員 次に、中野駅周辺まちづくりにおいて重要な位置を占める中野サンプラザと区役所の庁舎について質問をします。
サンプラザは第3セクターによるサンプラザの取得目的と将来の活用について、まずどう考えているのか、確認をさせてもらいます。
○鈴木政策担当課長 中野区がサンプラザを取得する目的でございます。一つはサンプラザが現在、果たしているにぎわいを継続、発展させていくこと、もう一つは中野駅周辺のまちづくりにおいて駅前という重要な立地に対して区民や区の意向が反映できる方策を確保しておくこと、この二つが目的でございます。将来の活用につきましては、おおむね10年間の事業経営を維持しまして、その時点で区民の意向や中野駅周辺整備の動き、そういった動向を十分に踏まえまして、にぎわいの継続と発展、そういった本来の目的に立脚して、第3セクター・株式会社が事業を継続することを基本としまして、まちづくりへの貢献といった視点から用地の利活用等を図っていくということが基本であると考えております。
○市川委員 サンプラザの将来の活用を考えると、西側、区役所庁舎の活用も非常に重要になってくると思うんです。一体的な整備といったものが重要になってくると思います。区役所は既に築40年近くたっているはずです。サンプラザ取得後、当初の運営とされる10年が経過したとき、区役所の耐用年数というのは50年ですか、大体カウントするのは、50年という耐用年数を考えますと、区役所はちょうど建てかえの時期に入ります。まちづくりの観点から区役所は将来どこに配置されるのがふさわしいと考えるか。これはまちづくりの観点ですから、まちづくりの観点から考えると、サンプラザと区役所のある用地の将来的な活用も含めて、どこに配置されるのがふさわしいか、これを聞いてみたいんですが、お願いします。
○久保田まちづくり課長 あくまでもまちづくりの観点でございますけれども、区役所につきましては、跡地内の西側への人の流れを誘導する、跡地の周辺も含めた回遊性を高めるということから、もちろん災害時には警察病院等との連携も考えて、跡地内、もしくは隣接したところに再配置をするということが望ましいのかと思っております。それから現在のサンプラザですとか区役所の用地については、中野のにぎわいに資する、もちろんいろいろな面で活用ができるかと思いますけれども、商業、文化、業務という施設の用地として活用することがまちづくりの観点からは望ましいと考えているところでございます。
○市川委員 さっき最初にたばこのポイ捨て条例の質問をしました。そのときに、区民の皆さんに、これから条例改正の動きがあります。それについては、このようなたたき台を持って皆さんのところに説明に伺いましたといって、あらゆる団体とか、あらゆるグループ、いわゆる区民の皆さんの声を聞いて、それを必ず反映させながら議会の方に提案をして、議会の議決をいただくということがあるわけです。こういうたたき台が必要なんです。僕がさっき言ったのは、これがひとり歩きしてはだめだと言ったんです。これを人様を誘導してもいけないと言ったんです。これはあくまでもたたき台で皆さんの声を聞かせてください、専門家の声も聞かせてくださいといった中で、私は先ほど分煙方式という考え方がふさわしいと思うんだけれども、たばこを吸う人たちのマナーもきちんとできているといったことは発言をさせていただきました。
これから今言ったような例えばまちづくりという観点から一つのたたき台をつくるとすれば、中野駅の北口をおりた人は、ペデストリアンデッキというのかな、空中で中野通りをまたいで、こちらに来ると今ある自転車駐車場のところがバスターミナルとタクシー乗り場になって、駐輪場もそこにあって、西口の改札はまだできないけれども、そこから真っすぐ進んでいくと両側にいわゆる開発者負担行為によって参加した企業のビルがあって、下には商店街、いわゆるショッピングモールが形成されて、ずっと進んでいくと住宅があって、進んでいくと区役所があって、これはまちづくりの観点から、僕が勝手に言っているだけです、それを曲がると今度は大学があるんです。曲がると今度は病院があるんです。病院からこっちへ戻ってくるわけです。そうすると、またそこに開発者負担行為によってでき上がった町並みがあって、その町並みの中には、計画上、必ず公園やオープンスペースとして、建物の容積なども区が行政権限で緩和して、そうすればオープンスペースがきちんと確保できますから、減歩した保留地を公園や広場にして、オープンスペースと連続性のあるまちにしていけばかなり大きな広場ができる。いざ災害のときには、そこは皆さんが防災広場として逃げ込んでくるところにもなる、病院も活用できるだろう。こっちに戻ってくるとサンプラザのところに来ます。区役所、サンプラザのところに何か新しいまちができたとして、今度はあそこの今川焼き屋さんのところから入ってくるんです。そこから右に曲がってサンモール商店街に行くんです。一杯飲みたい人は向こうへ行って、駅の前に歩行者優先の車の入らないロータリーがあるわけです。南口に今度は南北通路があって行ってみると、広い駅前広場があって、また公社住宅が建てかえられて、建設会社の寮も建てかえられて、その下にショッピングモールができていて、そして近隣の商店街と一体化して人が集うようなまちになっている。ここに住まう人たちは馬力がある人たち、子どもを抱えている、桃丘小学校に通わせよう、中央中学校に通わせよう、何と便利なまちなんだろうか、ここに引っ越してきたいとなるわけでしょう。こういうまちを想像していますというたたき台をつくらなければだめですね。そうでないと、はい、これは更地です。ここに何でもいいから区民参加でみんなでつくってください。つくれますか。つくれないですよ。どう考えてもつくれない。だから、中野の森にしましょうとか、防災公園を広く抱えましょうといった単純な発想しか出てこないんです。これはある一定のプロフェッショナルのそういう意見とか、プロフェッショナル的な考え方を盛り込んだたたき台を、問題は違うけれども、さっきの歩きたばこの規制についてもそうです、たたき台です。こういうものが必要になってくる。そういうものを持って、調査検討委員会は4回で閉じて、限られた時間だけれども、中身の濃い時間をして、幾ら時間をかけて、何遍会議を開いたって、事が進まなかったら同じです。財務省だって限られた時間で必ず処分の時期が来るわけでしょう。だから、それに応じていこうとこっちもスピードを持っていなければだめだと思うんです。
今までの警察大学校跡地の問題で、僕が初めて当選したときは平成3年です。平成3年といったら、もう今から13年前です。13年前に、僕が一番最初に入った特別委員会は中野駅周辺整備・警察大学校移転促進特別委員会というのがあったんです。その当時からここをどうするかという議論をしているんです。だけども、議論のための議論で、そこから遅々として進まないんです。ようやく警察大学校が移転しました。加速感がついてきたのは清掃工場の計画が一時期中止になったことです。それからサンプラザの譲渡に中野区が応じるということです。ここらあたりが一つの起爆剤になって、また大きくドラスチックに変わってきています。もともとある土地利用転換計画案というものがまずベースになっていますから、いろいろな区民の皆さんの声を4月から聞き取って、8月ぐらいまでは住民参加がありますね、9月か10月だったかな、その間にそういうものをつくっていくわけでしょう。もう1回、それを国に示した上でということになっていくわけでしょう。そのスピードというのは非常にこれから加速していかなければならない。そのためのたたき台というのは、やはり区民の皆さんに参加してもらうならば、ある一定のたたき台は用意しなければいけない、そういうことをお願いしておきたいと思いますので、まちづくり課長は大変でしょうけれども、よろしくお願いをします。
最後に、区長に今後の中野駅周辺まちづくりの事業化に向けた御自身の決意を伺って質問の結びとしたいと思います。
○田中区長 基本構想はこの先10年間の中野というわけであります。基本構想で10年間といいながらも、その先、さらに20年、30年を見据えた中での10年間というわけであります。まちづくりというのは、さらに50年、100年先の中野をどうしていくかということにもつながっていく大変重要な問題だと思っております。また、50年、100年先のことであるけれども、まちづくりのビジョンをつくっていくということについては、天の時、地の利、人の和という言い方をいたしますけれども、やはり今という時期に基本的なグラウンドデザインを描かなければいけない、そういう時期を今迎えているんだと思っているわけであります。長い先を見据えながら中野にどういう機能をつくっていくのか、東京中で中野にしかない本当に中野らしいいいまちをどうつくっていくのかといったことをしっかり議論していかなければいけませんし、先ほど市川委員が披瀝されたように、それを全部どうこうということではありませんけれども、やはり全体、一体としてどういうまちになっていくのかというはっきりした展望を考えながらのまちづくりということの議論をしていかなければならないと思っております。計画について区民の皆さんとしっかりと議論をしながら、きちんとまとめて、そして動きだすべき事業について、基本構想、あるいは10カ年計画の中で着実に動き出せるようにやっていく、これが私の仕事だと思っております。
○市川委員 わかりました。
以上、中野駅周辺まちづくりについて聞いてきましたけれども、特に跡地と周辺の既成市街地、中学校や体育館、区役所など、こういう公共施設も含めて、まちづくりの中・長期的な方向性とかスケジュールなどを早く示すこと、そして常に区民の皆さん方にそれを提示して、皆さん方の声はすべてを吸収するわけにはいかないかもしれないけれども、その声を吸収した形の中で、こういったものができる、こういったまちをつくるんですといったはっきりとした姿勢を示していくこと、それがまちづくりの中では非常に大切なことになってくると私は常々考えております。これができ上がってきますと、必ず声の大きい人がまたさらに声を大きくして、防災広場、防災公園と来るわけです。そうしたときには、予算特別委員会、市川みのるの質疑、答弁を読んでおきなさい。そうすれば、どのくらいお金がかかるのかわかるんだ。見てもられば、それで一目瞭然です。だけれども、開発者負担行為をしたからいって、ビルとビルでつないですき間がないようなまちにしてしまうなんて、そんなことを考えているわけではないんです。だけど、あの人たちはそういうことを考えているんです。だから、歌舞伎町の雑居ビルみたいなことを考えているから、そんなことを意識しないで、まちづくりはこうなんだという姿勢を示しながら私の質問を終わります。
○平島委員長 以上で市川みのる委員の質疑を終了いたします。
次に、近藤さえ子委員、お願いします。
○近藤委員 初めての総括質疑をさせていただきます。
きょうまで先輩議員の御質問の中で私の伺いたいこともかなり伺いました。できるだけ重複しないように、時間制限もありますので、手短に質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
まず区長のビジョンと予算配分についてです。
今、中野区は、基本構想の作成、事業部制を取り入れるなど、持続可能な自治体をつくるために皆さんで取り組んでいるところです。職員の皆様は本当にお疲れさまです。
16年度の予算を考えるときに、職員、議員、区民が現実をしっかり把握することが必要であると思います。そこでお尋ねします。
予算説明書補助資料によると、土地開発公社の保有地の2002年度実績は簿価で約170億円、2003年見込みで112億円になっていますが、時価ではお幾らですか。
○村木財務課長 土地開発公社保有地の買い取りにつきましては、中野区の事業用地の取得及び中野区土地開発公社の業務運営に関する協定によりまして区が保有地を買い取る場合の価格は当該保有地の所得及び管理に要する経費、すなわち土地の取得費用、これは土地代、建物等の補償費、測量費に当たります、また取得後の管理費、これは金融機関借入利息及びその他管理費の合計、これを簿価と申しますけれども、簿価によることとなっているため、これまで時価評価というものはしたことがございません。
○近藤委員 簿価評価で買うことになっていることはわかっているんですけれども、本年度も中央五丁目の林野庁の土地を中野区が買います。これに9億円を出している。区民は大体幾らの土地なのかということを知りたいんですけれども、きちんと幾らの価値のものを9億円で買うのか知りたいといっているんですけれども、その必要はないとお思いですか。
○村木財務課長 ただいま申し上げましたとおり、あくまでも土地開発公社というのは、区から依頼を受けた土地を買いまして、一定の期間内にこれが区が買い取る、公社が取得をした時点での取得価格にその他の諸経費を加えた簿価で買い取るということになっておりますので、ただいま申し上げました考え方に基づいて土地開発公社は動いているということでございます。その際の区の買い取りの予定額は、予算案にお示しをしましたとおり9億5,600万円ということでございまして、公社が平成7年3月に購入をした価格でございますが、これは7億9,500万円でございました。
○近藤委員 先日の高橋委員の質問のときに、事業部制で18年度以降、公社から中野区が買い取った土地の使い方が決まったら各部が買い取っていくとおっしゃっていましたけれども、各部にその予算が与えられても、簿価で予算が与えられてしまったら各部は大変困ってしまうのではないでしょうか。
○村木財務課長 逆に申し上げますと、簿価で引き取っていただけない限り土地開発公社の運営が立ち行かなくなってしまいます。
○近藤委員 土地開発公社の運営が行き届かなくなってしまうのは土地開発公社経営改善計画書などでもわかるのですけれども、今ある状況を区民の皆さんにお知らせするという点では必要がないとお思いですか。
○村木財務課長 公社の用地を区が買い取りまして、そして区有地となった場合、これは公社から買い取った区有地を含めてでございますが、現在、いわゆる施設用地の今後のあり方について検討しておりますので、そうした中で今後の施設用地につきましての扱いに関する実施の方針といったものが定まれば、その時点でこの用地は今後とも区の施設用地として使っていくのか、あるいはこの用地は今後不要になるから売却しようといった状況がその時点で生まれてくると思いますので、その際、それぞれの必要な用地について、どういった対象の用地、あるいはどういった方法で評価をしていくかということは必要になってくると思います。
○近藤委員 それでは、今の時点で全く時価を計算したりする必要は、基本構想、10年後を考えている区長も、これからの社会の中で求められる施設を一たんゼロベースで考えよう、もう一度きちんと再考して16年度の議論をしっかりしなくてはいけないとおっしゃられていますけれども、今の段階で時価を出す必要はないのですか。
○村木財務課長 繰り返しになると思いますけれども、区有地につきましては、今後の施策、用地のあり方について方針が定まり、不要な土地の売却処分ということになればその時点で売却のために時価評価をすることになると思いますし、その他の用地についても、評価の対象ですとか、あるいは区の財政運営に役立てるために、なるべく費用をかけない方法で、可能となる評価の方法もあわせて、そういった時点で検討はしていきたいと考えております。
○近藤委員 私は、持続可能な中野区をつくるためには、まず実態をきちんと把握し、示し、それを区民に理解してもらい、区民と一緒に考えることが一番大事な責任のある行政の姿だと思います。実際とかけ離れた数字がこれから出てきたとき次の世代に大きな負担をかけることになると思います。そのことを申し添えて、この項の質問は終わらせていただきます。
次に、公教育の充実の項で、小・中学校のことを伺います。
平成13年3月に教育委員会が出した中野区児童・生徒意識調査報告はどのように使われたのですか。これは、中身を見ますといろいろな項目があるんですけれども、小学校の3年生、5年生、中2を対象にしているんですけれども、「あなたはふだんからどんなことを思っていますか」という欄がありまして「学校に行く前に教科書など忘れ物がないかどうか点検する」というのがパーセンテージで出ていたり、また「あなたは学校で頑張ってよかったなという気持ちを味わったことがありますか、それはどんなときでしょうか」といろいろな項目でグラフになって出ているんですけれども、これは、先日調べていただきましたら1,400部で488万2,500円かかっているそうなんですけれども、どのように子どもたちに生かされたか、お答えください。
○佐藤庶務課長 調査の結果は、委員の御質問にございましたように分析とともに1,400部を報告書として取りまとめました。取りまとめを区立の小・中学校のすべての教員に、日常の教育活動や生活指導に活用すべく配布いたしました。また、それ以外にPTAや民生委員、地区教育懇談会のメンバー、地区委員会の方々に情報提供をさせていただきました。これは家庭教育の重要さを示唆する内容のものが多く見られたということで、そのような形になったものでございます。区におきましても、教育施策だけではなく、子どもにかかわる施策や事業を行う基礎データといたしまして活用しております。また、子どもの理解等の教育研修等にも活用してまいった次第でございます。
○近藤委員 それから続けて質問させていただきますけれども、また予算説明書補助資料の中から学校指導の小学校と中学校の目標というところに「基礎的、基本的な学習を身に付けさせ、子どもの個性、特徴を生かした教育を推進するために一人ひとりの児童・生徒に応じた学習指導を充実する」とありますけれども、具体的にどういうふうにすればそれが実現できますか。
○小林指導室長 一人ひとりの子どもに基礎的、基本的な学習を身に付けさせてさせていくためには、各学校が自校の子どもたちの実態に基づいて強化の指導方法の改善を図るとともに、子どもたち自身が学習上の課題を認識し、そして自分で学習に取り組んでいこうとする学習意欲と学習する力を育てていくことが必要であると考えております。したがいまして、子どもたちの学力にかかわる状況をできる限り的確につかむということが重要でございます。そうしたことから学力にかかわる調査の実施を予定しているところでございます。さらに、一人ひとりの子どもの個性や特徴を生かした教育を進めるためには、きめ細やかな指導ができる体制づくりと指導者である教師の力量の向上が重要な要素でございます。これにつきましては、チームティーチングや少人数指導などの工夫、充実や子どもたちを理解していくための指導法にかかわる研修の実施、充実等に努めているところでございます。
○近藤委員 済みません、時間がないのでどんどんお聞きしてしまうんですけれども、学校選択制のことはきょうまでに各議員が質問されたので予算面のことだけ伺うんですけれども、学校選択制の予算1,371万9,000円はどのように使われるんですか。
○篠原学校教育課長 この予算につきましては、児童・生徒、その保護者が学校を選択する場合のわかりやすい学校案内のパンフレット、それから就学事務の効率化のためのシステムの導入に使うものでございます。
○近藤委員 先日少し伺ったところによると、小学校で2,200部、69万3,000円、中学校で2,200部、46万2,000円かかって、115万5,000円を使われるということですけれども、それでいいですか。
○篠原学校教育課長 そのとおりでございます。
○近藤委員 もう一つ、中学校において学校選択制で合同部活動をやるという予定はありますか。
○小林指導室長 合同部活動につきましては、先年度、部活動のあり方につきましての検討委員会を開き検討し、今後その実態に応じて、必要に応じて進めていくということになっております。生徒数の推移、さらには子どもたちの意向、また異動によります顧問教師の実態、そういったものを見きわめまして総合的に今後検討していきたいと思っております。
○近藤委員 自分の学校を選択してもらう一番のアピール方法というのは何だと思いますか。
○山下教育委員会事務局次長 各学校が取り組んでおります教育内容、あるいは教育方針、さらにはそうしたことを通してどういう子どもを育てたいのか、そういったことを保護者の皆さんによく理解していただくということが必要だと思っております。これから各学校のそうしたパンフレットをつくることになってまいりますけれども、その際には、そうしたことがよくわかっていただけるような内容と工夫というんでしょうか、そうしたことを各学校にも求めていきたいと思ってございます。
○近藤委員 いろいろと伺ったのは、どういうふうに教育委員会の方がお考えなのかということをお聞きしたかったんですけれども、学校選択制を取り入れる一番のアピール方法、選択制がいい悪いとかという議論はまた別に置きまして、教育委員会が取り組んでいただきたいのは、どんなことなんだろうと私は思うのは、やはり学校をアピールのは1番は子どもなんです。さっきからパンフレットやいろいろな代金を申し上げていたのも、幾ら立派なパンフレットをつくっても、保護者たちは、そこに通っている子どもたちを見て、その子たちが生き生きしていなければ、やはりその学校を選びません。うちにもこの2枚のパンフレットが来たんですけれども、何か中野区がいつもくださる、丸くなって、家庭、学校、地域というパンフレットをよくくださるんです。それで矢印がついていて、こっちの学校の方から、どうだこうだというのを本当による見るんです、何か資料をいただくと。それで子どもの声が聞こえますかとか、こういうグラフが載っていたり、統計が載っていたり、そういうパンフレットをたくさんいただいて、この調査も大変お金がかかっているんですけれども、やはり学校に行って子どもたちが楽しくなければ学校は選ばないんです。それはもちろん皆さんもわかっていらっしゃるんですけれども、何かパンフレットづくりに追われてしまっているのではないかというところが私のすごく思うところで、保護者の方たちは、もうそこにいる子どもたちが充実していれば、その子たちは一番のスピーカーなんです。中野中を元気に、おれの学校は楽しんだ、私の学校は楽しいんだと走り回って、お金を一銭も出さなくても、子どもは元気にその学校が楽しいことを教えてくれるんです。ぜひ、貴重な予算なんです、学校選択制の予算、どういうふうに使われるか。さっき教育委員会の方もおっしゃってくださったんですけれども、学校には人の配置、先生がとても重要だと思うんです。それを見ていただくシステムづくりとか、ことし1年、本当に教育委員会の方が、私は何だかパンフレットづくりに追われてしまって、忙しくて、校長先生たちも、もう何もいっても学校選択制が始まるから、うちの学校をみたいな状態になってしまうことだけは本当に避けたい、そういう思いで、どういう効果があったのかとか、伺わせていただいたんですけれども、本当に子どもたちのわかる授業、これにも書いてあったんですけれども、わかる授業が欲しい、わからなければ教えてくれる体制が欲しい、それを教育委員会に望んでいます。
中野区の教育行政ビジョンというものにも86万円をかけるといいます。見せていただいたら、やはり矢印がこういうふうになっていて、こっちからこっちがどうで、地域がどうだとなっていたんです。あれ、またこれ86万円なくなってしまうと私なんかはどんどん消していってしまって、本当に子どものマットの一つでも買ってあげたいという思いで、練馬区では海外で暮らした経験のある主婦が英語の授業を教えてくださったり、探そうと思えばお手伝いしてくださるお母様方やお父様方というのはいらっしゃると思うんです。お金をかけなくても、パンフレットを出さなくてもいらっしゃると思うんです。どうか地域で手伝ってくださいというのが、どういう部分で手伝ってほしいのかとか、そういうことをきちんと学校と話し合って、あらゆる角度で先生とどういうふうに学校をしていったらいいのかということを議論していただき、それに一番時間を費やしていただき、パンフレットづくりなら本当にお母さんたちを集めてつくります。こういう図も、こういうのもみんないっぱい見ているので、つくれるので、それよりもやはり教育の本当の充実が何なのかということを考えていただきたいと思います。
それで、学校の選択制を機会に中野の学校はどこに行ってもいい学校だという学校づくりをしたいと思います。
また少し飛んでしまって申しわけないんですけれども、不登校はどういうふうにしたら直りますか。
○小林指導室長 不登校の背景につきましては、学業不振、交遊関係、教師との関係、ときには家庭内の問題等、さまざまなことが考えられるところでございます。したがいまして、何が背景にあるかを的確に見極め、学級担任が中心になって、言うなれば家庭、さらにはスクールカウンセラーやここの教育相談員等と十分に連携を図って適切な対応をやっていく必要があろうかと思います。特に不登校につきましては、子どもの理解を的確に深めること、不登校になる前兆をより早く発見し、より早い対応を図っていくことが重要であると考えているところでございます。
○近藤委員 それで、ぜひ学習補助指導員、アシスタントティーチャー、ボランティアの学生など、先生の起用をぜひお願いいたします。この項の質問とさせていただきます。
次に、デマンド交通システムについてお聞きします。
昨年、私は第3回定例会で既存の交通手段で不便な地域にコミュニティバスの路線を整備することを希望して質問をいたしました。今回の総括でも同期の議員二人からバスの質問がありました。それだけ交通手段の不便な地域が中野区にはあります。しかし、コミュニティバスの整備には確かに多額の予算が必要なことも事実です。各自治体が先に運行され、武蔵野市のように新たな路線を拡充しようとしている自治体もある一方で、赤字の自治体も少なくはありません。これから始めようとする中野区は先輩自治体から多くのことを学ばなくてはなりません。今回の予算で貴重な26万3,000円の検討予算がついていたのですから、大事に使っていただきたいと思います。
デマンド交通システムというのを少し紹介させていただきたいんですけれども、全国で試み初めているタクシーを利用した乗合交通のシステムです。利用者が電話で予約センターに電話します。タクシーのカーナビが予約センターから情報を得て、同じような路線をたどる方が1台に乗り合わせて目的地に向かうシステムです。デマンド交通システムでしたら設備投資のお金が少なく、住民にとって送迎タクシーのような利便性があるので、固定のルートを走るコミュニティバスより、高齢化が今よりも進んでいくことを考えると、このような交通手段を考えていく必要もあると思います。福祉タクシーのお金も、だんだんと高齢者がふえたり、足の不自由な方、そういった方がふえた中で大変な出費になっていくと思います。このデマンド交通システムでしたら、全くの予約的なシステム、民間のシステムでやっていくものです。私の御近所のお年寄りがぐあいが悪くなったときに、私の足なら15分もかからない病院に通うために大宮の親戚が迎えにきてくれてやっと病院に行くことができたという話を聞きました。通院が続くと、お年寄りにとっては毎回タクシーで病院に通うわけにはいきません。今はまだデマンド交通システムは余り聞きませんが、こういったサービスこそ、民間の活力を使い、安くて効率のよいものがあれば、お年寄りの足の確保のために検討されてはいかがかと思います。
そこでお尋ねします。デマンド交通システムを御存じですか。そして、御存じでしたら、この交通手段をどう考えていらっしゃいますか。
○登交通対策課長 デマンド交通システムというのは比較的新しい言葉だと思います。国土交通省が平成13年度から、デマンド交通システムモデル事業というのをやっております。形態としましてはいろいろとございます。今、委員のおっしゃられたようなタクシーを利用したもの、それから路線バスを利用したものとか、いろいろなものがあります。ただ、現段階ではまだきちんとした評価は恐らく定まっていないだろうと思っております。確かにモデル事業としてやった自治体においても、比較的成功したと言われているところもありますし、余りうまくいかなかったというところもあります。そういったものをいろいろと見ながら、今後、都市部において、そういったシステムがうまく機能するかどうか、やはり研究していく必要があるだろうと思っております。
○近藤委員 では、コミュニティバスとデマンド交通システムを御一緒に御検討をされていくようなお考えはあるんですか。
○登交通対策課長 同じようなウエートでの検討ということにはならないだろうと思っております。ただ、今申し上げましたように、デマンド交通につきましては比較的新しいシステムということですので、将来的にはそれを見ていく必要があるだろうと思っております。
○近藤委員 今まで予算がないからできないと考えてきた発想を、予算が少なくても、どうしたら交通弱者の足の確保ができるのか、どうしたら中野区民が暮らしやすくなるのかと当事者主体で考えていくことをぜひお願いします。
その他の項で1点お尋ねします。
昨日、むとう委員が質問しました安全で安心なまちづくり条例を制定しても、多様な区民の理解と協力がなければ、その目的を達成することができません。きのうの総務課長の答弁では15の地域センターで説明会のようなことを開かれたというお話でしたけれども、開催について区報に広域な区民の参加が得られるようにお知らせをする掲載はされたのですか、その点をお願いいたします。
○田辺総務課長 昨日、予算特別委員会の中で私がお答えいたしましたのは、15の地域センターで説明会ということではなく、さまざまな団体に説明させていただいたということでございます。12月に出しました区報につきましては全体的な説明会というのは掲載をしておりません。
○近藤委員 これで私の質問を終わらせていただきます。
○平島委員長 以上で近藤さえ子委員の質疑を終了いたします。
次に、大内しんご委員、お願いいたします。
○大内委員 たしか決算に引き続き一番最後、紅白でいうと大トリということになります。ことしの紅白はどっちが勝ったか。ことしはまだやっていない。そういうことで時間がどんどんと過ぎてしまいますので、やらせていただきます。
まず最初に、私としては画期的な予算がついた。野方駅北口開設調査費に100万円の予算がついた。区の大きな予算にとっては小さな一歩かもしれないけれども、野方に住んでいる私たちにとっては非常に大きな前進だと思います。この100万円の予算について具体的にもう少し、どういったことに使われるのか、それについて御答弁をお願いします。
○服部都市計画課長 長年にわたりまして地域の課題でございます野方駅北口の改札につきまして、西武鉄道と区との役割分担を明確にしながら、着実に改札口の開設を目指すための調査費の計上でございます。執行の予定でございますが、既存駅舎との取り付けの可能性とか、あるいは具体的なさまざまな整備手法の検討、そういったものを専門的な見地からさらに検討を加えるために現段階では調査委託を想定しているところでございます。
○大内委員 野方駅は、北口開設、バリアフリー等を含めて、私も第2回定例会の一般質問、第3回定例会における決算特別委員会での総括質疑の中で強く求めてきたものでございますけれども、今回、この予算がついて今説明がありました。ただ予算がついただけ、調べるだけというのではやはり困る。現実に一刻も早く設置をする方向で具体的に地域に話に入っていただきたいという思いもありますけれども、今すぐに、来年できるだろう、再来年できるだろう、そういった具体的なことは、地域に入っていって合意を得なければ、あるいは区の予算等の枠組みの中で考えていかなければいけないことだと思いますけれども、この1年間、地域の方にしっかり入っていただいて、できる限り合意がとれ、予算措置ができるようであればバリアフリーも含めた設置の方向で動いていく、そういったお考え方はあるのでしょうか。
○服部都市計画課長 今の委員の質問で地域に入れという御質問でございますが、今回の調査費の計上につきましては、先ほども申し上げました既存駅舎との取り付けの可能性を初めさまざまなこれまでも検討してきました具体的な整備の手法をさらに専門的に加えるために調査委託を想定してございます。したがって、そういった私どもが考えてございます開設にかかわります必要な条件、幾つかあろうかと思ってございます。繰り返し申し上げていますような既存駅舎との取り付けの可能性、あるいは北口の開設に必要な用地の確保の問題、また整備手法とそれにかかわります財源の確保の方策、そういったものを検討して初めて地域に入っていけるものと考えてございます。
○大内委員 詳しく説明していただいたんですけれども、後は気持ちの問題で、区長がしっかりやるんだ、しっかりやっていくんだという気持ちを聞きたい。きょうはずっと座りっ放しで腰も痛いでしょうから、お願いします。
○田中区長 こうしたやるやらないの話ですから、一言一言が大変影響が大きいものですから、つい気を使ってしまうんですけれども、とにかく必要なことだということを我々は十分に認識をしているわけでありまして、そのために具体的な調査もしていこうということで踏み出しているところを十分に御理解いただきたいと思います。
○大内委員 しっかりやっていただくと御答弁いただいたと思いますので、お願いします。
次に、住民票の取得についてお伺いします。
具体的に何を聞くかといいますと、住民票における第三者請求、例えば私の住民票が第三者によって知らぬ間に取得をされている。そうした場合、私が誰が私の住民票を取得しているのか、そういったことが今の段階で、区の個人情報審議会等の中でまだ話し合っていないと思うんですけれども、要は請求できない。先日、渋谷の方でこの問題について新しい見解が出ましたけれども、まず最初に14年度に交付した住民票の写し、要するに年間で何件ぐらいあったか。それと住基ネットを切断している間にパスポート申請などで無料交付した住民票の数、それをあわせてお聞きしたいと思います。また、それを申請する際に本人確認を行っているのか、要は身分証を提示して本人が住民票を取得していると確認する行為は行っているのか、まとめてお願いします。
○橋本区民課長 平成14年度に交付いたしました住民票の写しは、役所間の公用によります請求を除きまして約24万2,000件ございました。御案内のとおり住基ネットの切断中は、区民に不利益が生じないよう、このシステムで本人確認が可能となる事務に関しましては無料で交付してきたところであります。委員の御指摘のように一般旅券の申請、いわゆるパスポートの手続などで無料交付いたしました住民票の写しは約3,800件であります。申請の際の本人確認というお話でありますが、成り済ましや不正な目的での住民票の写しの申請を防止するため、区では昨年7月から本人確認に関する要項に基づきまして身分証明書等による本人確認を行ってきているところであります。
なお、本人確認の仕組みの透明性とか区民への周知を図っていきたいということで、今議会に条例化をしたいということで、現在、要項の整理を行い条例を今議会に提案させていただく段取りになってございます。よろしく御審議をいただきたいと思います。
○大内委員 これから審議するやつですから、その件には余り触れないでお聞きしたいと思いますけれども、それでは、まず先ほどの話に戻りますけれども、不当な目的がなければ、だれでも他人の住民票の写しを請求できる、そういったことなわけでありますけれども、本人はだれが自分の住民票を請求したか知ることができるのでしょうか。
○橋本区民課長 住民基本台帳法の規定によりまして、くどいようですけれども、だれでも、請求事由を明らかにいたしまして住民票の写しの交付請求をすることができます。現在、区では、住民票に記載されている本人から交付申請書の開示の請求があった場合につきましては、第三者の請求に係る交付申請書に関しましては第三者の情報ということで、例えば第三者の住所とか氏名については開示してございません。
○大内委員 それでは、私、実はきのう自己情報開示請求書をそちらの区民部の方に請求しました。中野区個人情報の保護に関する条例第28条の規定に基づき次のとおり請求します。請求にかかわる個人情報の内容、平成15年度中の住民票の申請書、そして請求の趣旨として第三者の請求内容を確認したい、そういったことで先日、申請をしたわけですけれども、こういった場合、本人の求めに応じて申請書の開示、法律的に何か定めがあるのか、自由に開示することができるのか。
○橋本区民課長 第三者の請求ということに限定してお話をさせていただきますと、住基法では第三者の請求、つまり申請者の第三者情報になるんですけれども、これを開示してはならないという特段の定めはございません。ただし、総務省が取りまとめております質疑応答集、これは基本的には総務省の見解だと私どもは受けとめてございますが、開示の問題につきましては、各自治体の個人情報保護条例に従ってプライバシーの保護に留意した対応が望ましいという回答をいただいております。
○大内委員 それでは、先日の住民票取得情報開示、渋谷区の方で、第三者、どういった方が私の住民票をとっているか確認したいといったことで、区としては基本的には今まで開示をしていない。では、個人情報審議会で審議をしてほしいということで審議をした結果、住民票の写し交付申請書の部分開示決定処分に関する個人情報の保護及び情報公開審査会の答申ということで「本件の決定で不開示とされた住民票写し交付の申請書における申請者の住所、署名欄及び請求事由欄の記載は、住民票の本人である右の申立人に開示すべきである。会社名欄、申請者の自宅電話番号及び私印の印影は不開示のままである」、いろいろと長いんですけれども、要は「申立人は本件実施機関が不開示とした申請者の住所、氏名及び請求理由の記載を開示されてしかるべきであると判断される」、要は第三者、例えば私の住民票をそこにいる佐伯さんが請求した。そうした場合に佐伯さんの名前を黒字でつぶすのではなくて、だれが請求したかもちゃんとわかるようにしなさい、そうしたことを渋谷では個人情報審議会で答申を出したんですけれども、中野区では、あるいは他の自治体、全般的にどのような取り扱いになっているのでしょうか。
○橋本区民課長 今、委員が御紹介になりました渋谷区の個人情報保護及び情報公開審査会の答申、これが非常に画期的だということで、そのような形で新聞報道をされてございます。繰り返しになりますが、本年1月、渋谷区では審査会の答申を受けまして第三者請求に係る申請書のうち取得者の住所、氏名、申請の理由を開示することとしてございます。答申の内容を拝見させていただきますと、一つには、住基法に基づいて第三者が交付申請できるという第三者にとっての法的な利益、それからもう一つは個人情報保護条例などで自分の情報が守られなければならないという住民票本人の情報をコントロールするという意味で第三者を知る権利、これの比較考量などが議論をされたと聞いております。渋谷区の考え方では、いわゆる重複個人情報と申しまして、住民票に記載されている当該本人、当該本人が申請書にも書かれているということで、住民票と申請書がダブっているということで重複個人情報に当たるのではないかという学者、研究者の見解がございます。こういったものが取り入れられて先ほどの御案内のような答申になり、それを踏まえて、住所、氏名、申請理由につきまして開示をしたという状況であります。
○大内委員 初めて聞く方は少しややこしいですけれども、時間が余りないのであれなんですけれども、また例を挙げますけれども、佐伯さんの個人情報も必要だ、佐伯さんが私の個人情報を取得した、そうした場合、私が区にだれが取得したかを教えてください、でも、だれがとったか、佐伯さんの個人情報に当たるから、それは教えられない、そういうのが今までの見解、弁護士事務所だとか、金融機関だとか、そういった場合、例えば破産で逃げたとか、何かの事情で引っ越した場合に追いかける一つの手段として、住民票に新しい移転先の住所、残留というんですか、載っていますね、そういったことに活用される、それは法的に認められていることなんでしょうけれども、中野区でも、渋谷のように第三者請求について、申請者ではないです、申請された側、要は本人の情報として、個人情報審議会に図らなければいけない話で、私がそういった手続を踏んで、新聞に出ます、自民党の大内しんごさん、個人情報の開示を区に求める、そこまでは私はやりませんけれども、どうですか、部長、そういうことをされる前に事前にもう審議会でそういったことをお話し合いになったらどうですか。そういった方向で、請求される前に個人情報審議会で審議してくれという前に、事前に渋谷で答申が出ているし、普通に聞いていればなるほどなということだと思います。もうここまで話が来ているんですから、部長の判断というか、部長のところでそういったことを検討してみたらどうでしょうか。部長、お願いします。
○本橋区民部長 住民基本台帳法の趣旨、あるいはこれまでの区の対応の考え方については区民課長から御答弁させていただいたとおりでございますが、一方で人の権利意識というのは時代とともに変化し発展してくると認識しております。また、そういう認識のもとに中野区におきます区政情報、個人情報の開示制度について判例方式ということで取り組んできたところでところでございます。今回、渋谷で情報公開審査会の答申が出た。非常に画期的なものだと思いますけれども、いろいろと示唆にとんだ重要な判断だと受けとめております。私どもといたしましても、これからの対応につきまして、中野区におきます個人情報保護の仕組み全体の検証、整合とも図りながら適切な対応を検討していきたいと考えております。
○大内委員 適切な対応というのは、私が言ったことが適切であればやるということ、適切でなかったらやらないということなんだけれども、私の言ったことは適切なんですか、どうなんですか。
○本橋区民部長 一つの時代の流れと受けとめております。開示できる方向で取り組んでいきたいと考えております。
○平島委員長 それでは、ここで一たん休憩したいと思います。3時20分まで休憩いたします。
委員会を暫時休憩いたします。
午後2時56分休憩
午後3時22分開議
○平島委員長 それでは、委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
○大内委員 次に、幼稚園等の公私間格差についてお尋ねをします。
この件は我が会派も予算要望のときに、できる限り公私間格差を、今までもさんざん申し上げていることですけれども、公私間格差をなくす方向で少しでも動いていただきたい、そうしたことをお願いしています。
今回、我が会派が要求いたしました予算特別委員会資料、文教36を見ますと、区が区立幼稚園児一人にかける額は年間で63万7,000円、私立幼稚園児では11万4,000円、約50万円以上の差がありますけれども、これは区が負担をしている金額でありますけれども、保護者の方の負担はどのぐらいになっているのでしょうか。
○篠原学校教育課長 区立と私立の幼稚園の負担の差でございますが、まず入園料で比較しますと区立が2,400円です。私立が平均で8万6,800円、入園料の補助金の2万5,000円を差し引いても約6万円程度の差がございます。それから毎月の保育料でございますが、区立が7,900円でございます。私立は平均で2万3,000円でございまして、保護者補助金の8,500円を差し引いても毎月約6,800円、年間でおおむね8万1,000円程度の差がございます。
○大内委員 資料を見ますと区立幼稚園が413人、これに対して年間支出しているお金が2億6,300万円、一方、私立幼稚園の方は園児が3,073人、それに対して区の支出額が約3億5,100万円余といったことでかなり不公平感があるんですけれども、毎月約6,800円、年間で約8万1,000円、3年間幼稚園に通わせるとした場合、約24万円、入園料等を含めると概算で約30万円近い差がある。私立の方に通わせている、あるいはそういった関係者、保護者には非常に不公平感がありますけれども、この格差を毎年少なくしていくべきだということを主張しておりますけれども、区としては、改めてお聞きしますけれども、どのような考え方を持っているのでしょうか。
○篠原学校教育課長 教育委員会といたしましても格差の是正を行う必要があることは認識をしてございます。今後、16年度中に17年度に向けました区の使用料、手数料の見直し作業がございます。こういった中で他の子ども施策の均衡を図るといったことも考えながら適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○大内委員 今回、事業部制、あるいは組織改正を行ったわけですけれども、今回の子ども家庭部の設置に当たって中野区の子ども施策を総合化し、すべての子ども関連施策が同一の価値観で展開すべきだ、そういった考え方が述べられております。公私格差、やはり同様の価値観で考えていくとどのような考え方になるのでしょうか。
○鈴木政策担当課長 子ども家庭部のできたゆえんといいますのは、子育て・子育ち支援をより一層向上・充実していく、そういった観点で子ども施策を総合的な視点で展開できるということに着眼して部を編成したわけでございます。現実的には、私立幼稚園でも預かり保育をやっている、あるいは区立保育園では幼児教育の一環のような取り組みも行われている、そういうことから互いに補いながら中野の子どもが受けるサービスの質の向上に寄与しているのではないかと考えております。今後も同質な、そしてより高いサービス、幼児教育が提供されるように私立も公立もともに努めるべきであると考えております。そうした観点から今、御質問のように同じサービス、幼児教育を受けるのであれば私立と公立で負担が違うのはおかしい、そういった考えもあると認識してございます。今後、子ども施策を総合的に推進していく中で、負担のあり方についても検討していくべき課題であると認識しております。
○大内委員 例は違いますけれども、保育園でいうと私立であろうと公立であろうと保育料は同じなんです。幼稚園になるとこれだけ差が出てくる。そういったところで、先日の一般質問におきまして我が会派の篠幹事長が述べておりました。江戸川区の例なんですけれども、私立幼稚園の入園料などの負担を軽減するために保育料補助金として一人当たり月額最大2万6,000円が支給されている。保護者の負担を区立幼稚園とほぼ同じに設定することで、若い子育て世代が経済的にもゆとりを持って子育てができる環境を提供しています。こうした手厚い子育て支援を背景に、平成7年以降、江戸川区の子ども人口は一貫してふえている。そういったことも当然、区としても理解はしていただいていると思います。
中野区では、例えば今ある区立幼稚園、それを学校法人などにより、要するに指定管理者にはできませんから、民営化するということです、そして人件費など、その分の浮いた経費を補助金の増額に充てる。また、きのう小串委員が提唱しました幼保一元化も積極的に進めていく材料になるのではないか。今ある区立幼稚園を民営化し、そして区立幼稚園で働いている方は保育園で一緒に働いていただく、そういったことも将来的には考えていかなければいけないと思いますが、そういった可能性をお聞きしたいと思います。
○山下教育委員会事務局次長 区立幼稚園につきましては、現在、施設の配置のあり方ですとか役割や機能について検討を進めているところでございます。そうした中で、今御提案のありました事項なども可能性ということで検討はしなければいけないと理解をしております。なお、職員の配置については、現在の仕組みの中では教育職員と一般職という区別等もございまして、越えなければならない壁などもございますが、そうしたことも含めて将来に向けての課題の一つと認識をしているところでございます。
○大内委員 次長、もう一つお尋ねしたいんですけれども、公私間格差ということはもうずっと言われ続けてきている。それに対して、これは是正をするという言い方ではないと思うんだけれども、公私間の格差をなくすために、早い話、補助金といった形で私立の方をふやすか、あるいは公立の値段を上げるか、はっきりいって方法はそうしたことしかないと思います。ただ、一概に公立幼稚園の保育料を上げれば私立に近づくだろうといった簡単な考え方ではなくて、やはり長期的に立って徐々に段階的に私立との公私間格差をなくしていくために、私立の補助金をアップして区立幼稚園の保育料を少しずつ上げていくというんですか、私立に並ぶようにしていく。また、今回の9月に改定の時期を迎えると思いますけれども、そういったことを踏まえて努力をしていく、公私間格差をなくしていく、そういった努力を今後またさらに進めていく、そういった考え方はあるのでしょうか、改めてもう一度お尋ねします。
○山下教育委員会事務局次長 まず格差があるということは、先ほど課長からも御答弁しました、その認識をしておりまして、この解消は大きな課題だと常々考えているところでございます。機会をとらえてということになりますので、その意味では、使用料、手数料の見直しというのはいいチャンスだと思ってございます。そうした中で努力をさせていただきたいと思っております。
○大内委員 次に、3の外郭団体等の今後について若干触れていきたいと思います。
区では、中野区経営改革指針、あるいは中野区行財政5か年計画、行財政改革と新たな施策展開等の中で外郭団体等の今後の扱いについて触れられておりますが、こういった外郭団体は、国の公益法人の整理、あるいは行革、改革の流れの中で、そのあり方についても区民も利用者の目も一段と厳しくなってきている。こういった状況の中で、各団体とも設立目的達成のために経営の効率化に努め、そして自立性と自主性を高める努力をしていると思っております。経営改革指針といったものを受けて各団体のあり方について今はどのような見直しを行っているのか、また現段階で見直しの方向がどこまで進歩しているのか、各団体別にお聞きをしたいと思います。
○高橋産業振興課長 私の方からは勤労者サービスセンター及び中小企業退職金共済会について報告させていただきます。
まず勤労者サービスセンターでございますが、勤労者サービスセンターの抜本的見直しにつきましては、サービスセンターに財団法人中野区勤労者サービスセンターのあり方検討会をことし1月に設置し、サービスセンターの方向について検討を行っているところでございます。検討期間はことし9月までを予定しておりまして、平成17年度予算にはその検討結果を反映させたいと考えております。また、勤労福祉会館の管理についても指定管理者制度への移行を検討する予定でございます。
続きまして、中小企業退職金共済会の見直しについてでございます。中小企業退職金共済会については、共済会内に中野区中小企業退職金共済制度の給付のあり方検討会を昨年4月に設置しました。共済制度の財政健全化に向けた検討を行ったところでございます。検討結果につきましては、昨年12月に理事長に報告をした後、ことし2月に共済会理事会及び評議員会で報告をいたしました。検討結果の内容につきましては、国税当局との調整ができた段階で加入事業者等に説明をし、また理解と協力を得ながら平成17年度からの制度改正ができるよう進めたいと考えております。議会にも加入事業者への説明ができるよう整理できた段階で報告する予定でございます。
○川崎保健福祉課長 私からは福祉サービス事業団につきましてお答え申し上げます。
同事業団につきましては、介護保険収入を基本とした独立採算性の確立を目指して現在、改革を進めております。今年度につきましては、2カ所の特別養護老人ホーム、それに付随しますデイサービス、ショートステイ事業につきまして自主運営化を図ったところでございます。また、ショートステイの増床でありますとかデイサービスの時間変更による増収対策、あるいは人件費の削減でありますとか施設運営の見直しなど、自立した経営に向け事業団として着実な取り組みをしているところでございます。区としても引き続きその実現に向けて支援をしていきたいと考えております。
○奥山生涯学習課長 文化・スポーツ振興公社の見直しにつきましては、指定管理者制度が創設されるなど設立時と環境が大きく変わっていることを踏まえまして、区の文化・スポーツ施策の今後の方向、施策推進におけます公社の役割と意義、公社の将来像と具体的には今後の取り組みなどについて基本に立ち返った検討を行っているところでございます。
○大内委員 文スポに関して今回も総括の中で何点か取り上げられたので、昨日、高橋ちあき委員も御質問なさりたかったようですけれども、お時間がなくて、私の方にその分をまたしっかりやってくれと、趣旨はお聞きすると大体同じ方向だということなので、その辺についてもう少しじっくりお話を聞きたいと思います。
まず文・スポ公社の見直しについて、どのような検討をどの場所でだれがやっているのか。利用者、あるいは現在ある文・スポ公社の意見というものをどのように反映しているのか、それもお願いします。
○奥山生涯学習課長 公社の見直しの検討につきましては教育委員会事務局と区長室とで検討組織を設けまして検討してきてございます。それを踏まえまして最終的に区としての考え方をまとめることになります。現在、取りまとめの段階に入ってございます。公社との関係でございますが、公社とはこれまでの検討の経過、過程におきまして、指定管理者制度への移行、また公社の将来のあり方などについて、何回か公社の常務理事、また事務局職員などとの意見交換等を行っているところでございます。利用者等につきましては、現在のところはまだそういったことは行ってございません。
○大内委員 ということは、公社とは直接一緒に協議をしている、利用者に関しては特に今のところ意見を伺っていない、端的にいうとそういうことですか。
○奥山生涯学習課長 公社につきましては、必要な都度、意見交換は行っているということでございます。利用者につきましてはまだ行ってございません。
○大内委員 私は中野体育館に木曜日の夜、卓球を、まだ何回しか行っていないんですけれども、やりに行ったときに、運動施設に関していいますと、平成17年4月にスポーツ施設、18年4月に文化施設を指定管理者制度にしていく、そして民間で運営をしようといった方針が出されているようですけれども、中野体育館の利用者の一部という言い方でいいと思うんですけれども、平成17年から民間に委託されて運営を行う、文化・スポーツ公社はやらないといった形の話を受けたんですけれども、そういった事実はあるのでしょうか。
○奥山生涯学習課長 スポーツ施設、文化施設、公社が担っている施設がございます。指定管理者制度への移行の年度、先ほど委員から紹介がありましたけれども、そういった具体的な年度についてはまだ区の中で決定という段階には至ってございません。検討している段階でございます。
○大内委員 うちは文・スポの評議員にきたごう委員が入っておりますが、1月の評議員会で、民間と対等に競争して指定管理者に指定するために民間と同等の体質に改善する必要があるので、この4月から職員及び人件費の削減、並びに組織の簡素化を図りたいということで、文・スポ公社もそれなりに頑張っているというんですか、民間に対応できるような形に変えていこうといった動きをしているようですけれども、こういったことは当然御承知だと思いますけれども、どのように評価しておりますか。
○奥山生涯学習課長 公社の経営につきましては、従前から経営の改革を進めなければいけない、できるだけ自立した公社経営ということが求められてきておりますので、そういった取り組みは公社の方でやっているという認識はしてございます。そういった意味では公社の法人としての判断でそういった取り組みを行っていると考えてございます。
○大内委員 要は評価しているということですね、どうなんですか。
○奥山生涯学習課長 公社のそういった主体的な取り組みについては評価はしてございます。
○大内委員 今まで文化・スポーツ公社に関していいますと、議会も非常に甘いのではないか、体質が、早く改善をするようにと前々から言ってきた過程もありますけれども、文化・スポーツ公社について、民間並みに経営改革をしていかなければ、当然、指定管理者制度の中で手を挙げる一因にもならない。やはりしっかりと指定管理者の指定業者になれるような形の経営改革をしていかなければいけないと思いますけれども、まず指定管理者の指定される、文・スポ公社がです、そういった指定される会社だという認識はありますか。
○奥山生涯学習課長 公社が指定管理者制度の中で名乗りを上げるというか、そういったことにつきましては制度の趣旨からは可能だと考えてございます。指定管理者制度は基本的には公募を前提とするということでございますので、そういったことでの名乗りというんですか、そういったことについては制度上はあり得ると考えてございます。
○大内委員 だから、要はなれるということで話を進めていますか。違うんだったら違うと言ってください。指定管理者の一つとして当然考えられると言っていただかなければ、次の話に進まないので、そこで何回もとまってやらなければいけないので、そういうふうに私は理解をして話を進めますから、違うんだったら違うと言ってください。
○奥山生涯学習課長 手を挙げるということは考えられますが、指定管理者として指定されるかどうかということについては、選考ということがございますので、別問題というか、そういったことになろうかと考えてございます。
○大内委員 それでは、文化・スポーツ公社というのは教育委員会に附属しているようなところだと思うんですけれども、民間並みに経営改革をしていく、今いる公社の職員をさらに活用するというんですか、改善をしていただいて、民間に負けないような取り組みを行っていただく、そういった組織にしていただく、そのことで区や教育委員会、そして公社も一緒になって、そういった方向に努力をしていく、あるいはお互いに考え方をぶつけ合いながら民間に負けないような公社にしていく、そういったことが必要だと思いますけれども、区としてはどう考えていますか。
○奥山生涯学習課長 公社の役割、将来についてでございますが、いろいろと考え方があろうかと思います。現在、区の方で公社のあり方について検討しているところでございますので、その考え方をまとめた上で公社の方に示して協議していきたいと考えてございます。
○大内委員 まとめていくというのがよくわからないんだけれども、要は最初に指定管理者にはなれない、あなた方は体質が甘いんだから、そういうことではなくて今の時点ではしっかりと改善を行っていく。聞くところによると、来年度から職員の削減、給与の削減等も行っていくという話も聞いております。そういった中で民間に負けないような組織づくりを区も一緒にやっていくということが必要だと思います。何回も繰り返すようですけれども、まず文化・スポーツ公社がそういった組織になったときには、まず中野区の文化施設等を受け入れる一番近い私は会社だと思います。そういった意味で、しっかりと区も、ただ単に突き放すのではなくて、いろいろな条件、このぐらいやらないととても指定管理者にはなれない、民間はこのぐらいだ、どこに民間の基準があるかということも非常に不明確なところがあります。どこまでやれば民間のレベルなんだ、そういった基準も何もない、だから非常に難しい、簡単にはいかないとは思いますけれども、区として指導をしっかりと行っていく、私は必要だと思いますけれども、どうでしょうか。
○奥山生涯学習課長 繰り返しになりますが、公社の設立目的とか、意義とか、これからの公社が役割を果たすべき分野などについて、やはり区としての一定の考え方を整理した上で、そういったさまざまな方法について公社の方と協議していきたいと考えてございます。
○大内委員 文言でまとめて協議をしていく、まとめるというのは、結論を出すということではなくて、全部の話の中の途中でまとめて、この結論に至らなければ指定管理者はとても無理です、結論を出す前にある程度、そういったことをまとめて、公社にぶつけて、ここの結論までに努力しなさいということですか。
○奥山生涯学習課長 将来にわたる公社のありようとか、指定管理者の指定も含めまして、そういったことを総合的に検討するところでございます。そういったことを踏まえて区としての一定の考え方を整理し、公社は独立した法人でございますので、区としての考え方を投げかけた上で、これから協議していくといったことで考えてございます。
○大内委員 担当課長のお話はわかりました。
区長として、文化・スポーツ公社に対して、つくった以上は責任がある。ただ単に放り投げるというのはやはり無責任過ぎる。そのためにも、まず民間並みに、今まではそういうことを言ってもなかなかできなかったんです。もっと民間並みに給料を下げろと言っても、いや、あれは区に準じている、いろいろなことがあってできなかったけれども、ここに来て、指定管理者制度を3年以内に実行しなさい、でなかったら区で運営しなさい、そういう瀬戸際に立たされている以上、区が責任を持つというのは非常に言い方が難しいかもしれないけれども、しっかりと指導を行って民間に負けないような会社をぜひつくっていただきたい、そう目指すことがまず必要だと思いますけれども、区長はどうですか。
○田中区長 おっしゃるとおり区が設立にかかわっている団体でありますので、これからのことを考えますと、新しい制度になっても自立してやっていけるような団体になるということが大前提だと思います。そのために本当に必要な経営努力はしてもらわなければいけませんし、改革もやっていかなければいけない。改革してもだめなものは、だめだったという結論も含めて、区としてもそうした努力を後押ししていきたいと思っております。
○大内委員 ぜひお願いいたします。
その他で1点、少し聞きたいことがあります。これは担当の方には通告してありますけれども、ここのところ、予算の中で、地域センター等で、非常に中野区の財政が厳しいということで、例えば地区まつり、地区の運動会をやっているところ、やっていないところがありますけれども、補助金というんですか、地域でできるものは地域でやりなさいといったことを進められておりますが、来年度も同じ方向でしょうか。
○大沼調整課長 今、住民の中には、公益的な活動を担っていく、そういう方もふえている、そういう地域社会づくりが大事だという面からすると、そこの住民がみずからまつりを展開していくということは本当に重要なことだと思います。そういう意味からすると、地域センターの職員というのは、側面的なかかわり方というのを重視しながら後押ししていくという形で、お金を提供するというのではなくて、情報とか、あるいは当日のお手伝いという形でのかかわり方というのが大事かと思ってございます。
○大内委員 要は、自分でできることは自分でやってください、区長の施政方針にも書いてありました。今後の地域社会は自己決定と自己責任を身に付けた市民が自分の住んでいる地域づくりや公共・公益活動に主体的に取り組む社会になっていく。要は自分でできることは自分でやる、地域でできるとは地域でやる、自分の判断ですべていくといったことだと思います。ありがとうございます。区長もうなずいておるから多分そうだと思うんですけれども。
それで、5番、教育委員の選任についてお聞きをいたします。
まず今回、教育委員候補者区民制度を廃止し教育委員候補者登録制度を創設しておりますが、その理由について、簡単で結構です、お願いします。
○田辺総務課長 教育委員につきましては、区長が選任する事務ということでございますが、選任に当たりまして広く人材を求めたいという趣旨で今回、登録制度というものを創設しようと考えております。これは従来ですと、推薦された御本人の主張ですとかお考え、経歴等がなかなかわかりにくかったり、あるいは公表基準がございまして推薦された方全員が公表されるわけではないといったこと、区民推薦に参加する方が少なくなっているといった課題がございまして、今回こうした制度を提案させていただこうと思ってございます。
○大内委員 それでは、聞きますけれども、前回、教育委員候補者、4年前のときに行ったわけです。このことを踏まえて教育委員を何人選ばれたか。あるいはそのときにかかった費用は幾らぐらいだったですか。
○田辺総務課長 前回、平成12年に実施しました区民推薦制度で教育委員に選任された方は2名でございます。また、予算でございますが、予算は658万円ですが、実際にかかった決算では359万円余でございます。
○大内委員 それでは、今回は約60万円余り、58万円だったか、予算を組んでいますけれども、どのくらい教育委員候補者制度に関して職員を使うおつもりですか。
○田辺総務課長 詳細には、これから制度については詰めたいと考えておりますが、一人という事務ではないと思っておりまして、0.3人から0.5人ぐらいの事務かと考えております。
○大内委員 私が聞きたかったのは、0.3人でも平均給与は700万円にすれば200万円、0.5にすれば350万円、その前後の表には出てこない人的な費用がかかっていると思うんですけれども、今回、例えば国立で教育委員候補者選考に関する公募を行った。あそこでは、皆さん御存じのとおり元中野にいた方を市長が提案したけれども、議会がノーと言っておりますけれども、中野の場合は、そういった例は今までなかった、表面に出てこなかったのかどうか、あったそうですね、済みませんでした。そういった中で国立の場合は15万円で済んでいる、教育委員候補者選考に関する課題論文への意見付記料、その謝礼として約15万円のお金で済んでいるんですけれども、中野の場合はその4倍の60万円ぐらいを使っている、中身は何に使うんですか、60万円の。
○田辺総務課長 主にPR経費でございまして、登録する募集のチラシと申しますか、区長と候補予定者になろうされる方々に意見を聞く会という形で会を設けようと思っておりますので、そうしたPR経費、意見を聞く会を記録といったものでございます。それでトータル58万7,000円を計上しております。
○大内委員 そういったことも必要かもしれませんけれども、少し乱暴な言い方をすると、教育委員は議会の同意を得て区長が任命をする。この間の同僚議員の質問の中でも、区長の権限、区長の選任だということをおっしゃっていました。助役、収入役、監査役も同じように区長が選任をする、教育委員も選任をする、何で教育委員だけそういうことをするんですか。何で助役は、区民、あるいは民間からいろいろな方を募集する、そうしたことは考えていないんですか。なぜ教育委員だけそういう考え方なんですか。
○田辺総務課長 教育委員につきましては、さまざまな年代層や経歴の方々の中から選任をするように努力をすべきであるといったような地教行法の規定もございまして、教育に識見を持つ方を幅広く選ぼうという趣旨でこうした制度を考えたものでございます。
○大内委員 法律論になってしまうと読まれるだけになってしまうので、あれなんですけれども、今回は総務費に出ている。総務部長、あなたの権限でこの予算をつけたのか、新しい組織の中でいうと部長が予算の配分の権限がある。これでいくと総務部に入っているけれども、総務部長がこれをつけよう、やろうと言ったのでしょうか。
○石神総務部長 教育委員の選任事務につきましては、区長の事務でございますので、総務部で扱っております。やり方等につきましては私の方が最終的に決めまして、予算をつけて、政策経費ということで区長と話し合いをした上で決定したというものでございます。
○大内委員 総務部長に、これは賛成なのか反対なのかというのは、難しい問題だと思うので聞きませんけれども、区長がやりたいと言っている。その中で、先ほど私は言いましたけれども、区長は区民に対して、自分でできることは自分でやりなさいとおっしゃっている。ここにも書いてある。自己決定と自己責任を身に付けた市民、区長も市民ですね、そういったことをうたっているし、地域ではお金がない、中野の財源はない、皆さん、地域でできることは地域でやってください、そういうことを強くおっしゃって、実際にそういうふうに市民も変わろうとしている。しかし、何でそれを言っている区長が、あなたの権限で選任できるんです、60万円余りのお金を何でここに使うんですか。私はむだだという言い方はしたくありませんけれども、区長のあなたの権限でできるんです、自己決定できる。それをいろいろな市民に確かに聞くことは必要かもしれないけれども、60万円という予算を付けてまでやる必要があるのでしょうか。どうでしょうか。
○田中区長 自分の責任で自己責任、自己決定をするというに当たって、野にさまざまな人材がいられるわけですから、そうした人材と私自身がめぐりあう機会を私みずからが求めるといったことは当然行うべきなのかと思っております。経費については、予算が65万円あるから全部使うとかということではなくて、できるだけかからない方法でやっていきたいと思っております。
○大内委員 少し時間がありますのでもう少し聞きますけれども、他の区長が権限で選任する特別職に関しては特に一般公募はしない、別に私はしろというわけではないですけれども、教育委員、他の区ではほとんど区長が自分で選んでお金もかけていない、今までの準公選からの流れが来ていて、前回4年前は500万円以上のお金をかけたから今回は少ないといった考え方もあるかもしれませんけれども、今、区の組織がこれだけダイナミックに動いている。その中で、なぜこれだけ引きずるのか。これももうダイナミックに区長がやれば済むことだと、わざわざ予算つけなくても、他の区ではみんなできているのに、何でうちの区だけはできないんだ。広く区民の御意見を採用したい、そういう気持ちはあるかもしれないけれども、では、ほかの区では、さっき総務課長が言っていた、いろいろな階層から入れる、他の区ではやっていないんですか。中野区だけがそういうことを尊重してこういうやり方をする。他の区ではそういったことを尊重していないのか。他の区でもしっかりと自分の権限でいろいろな階層から集めて選んでいるわけでしょう。何で中野区だけそうなんですか。
○田中区長 他の自治体でも、それぞれの首長がそれぞれの首長の判断でやっていることはいろいろとあるだろうと思います。私は私の判断でこれをやっているということであります。
○大内委員 自己決定で60万円余りの予算をつけた、それも自己決定ですよ。ただ、私たち会派では、この予算については前々から必要ないではないかといったことを申しております。だから、むだだとは言いませんけれども、予算がついたとしても、できる限り執行を抑えていく。区長のあくまでも選任でありますから、それに対して議会が同意するかどうかは別にして、区長がこういったところで、しっかりと自分の権限において、予算を、むだなという言い方はよくありませんけれども、やっていただきたいと思います。
○大内委員 時間が少し残っていますけれども、これで終了させていただきます。
○平島委員長 以上で総括質疑はすべて終了いたしました。
なお、ここで委員長から委員各位にお願いがあります。
御承知のとおり明日3月5日金曜日から各分科会に分かれて審査を行うことになります。したがいまして、会場設営の関係上、持参されている資料等につきましては、机の中のものを含め、すべて持ち帰りいただくようお願いいたします。
時間の委員会は3月11日木曜日、午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。御苦労さまでした。
午後4時03分散会