1.平成26年(2014年)3月12日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか
3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子
5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子
7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之
9番 石 川 直 行 10番 伊 東 しんじ
11番 内 川 和 久 12番 ひぐち 和 正
13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明
15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき
17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ
19番 小宮山 たかし 20番 浦 野 さとみ
21番 佐 野 れいじ 22番 北 原 ともあき
23番 吉 原
宏 24番 いでい 良 輔
25番 小 林 秀 明 26番 久 保 り か
27番 酒 井 たくや 28番 奥 田 けんじ
29番 近 藤 さえ子 30番 金 子 洋
31番 長 沢 和 彦 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 やながわ 妙 子 38番 佐 伯 利 昭
39番 むとう 有 子 40番 か せ 次 郎
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 金 野 晃
副 区 長 英 直 彦 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 竹 内 沖 司 経 営 室 長 川 崎 亨
都市政策推進室長 長 田 久 雄 地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸
区民サービス管理部長 白 土 純 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一
健康福祉部長 野 村 建 樹 保 健 所 長 寺 西 新
環 境 部 長 小谷松 弘 市 都市基盤部長 尾 﨑 孝
政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一 経営室副参事(経営担当) 戸 辺 眞
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 篠 原 文 彦 事務局次長 青 山 敬一郎
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希
書 記 東 利司雄 書 記 土 屋 佳代子
書 記 細 川 道 明 書 記 江 口 誠 人
書 記 永 見 英 光 書 記 鈴 木 均
書 記 井 田 裕 之 書 記 竹 内 賢 三
書 記 遠 藤 良 太 書 記 香 月 俊 介
議事日程(平成26年(2014年)3月12日午後1時開議)
日程第1 第6号議案 平成26年度中野区一般会計予算
第7号議案 平成26年度中野区用地特別会計予算
第8号議案 平成26年度中野区国民健康保険事業特別会計予算
第9号議案 平成26年度中野区後期高齢者医療特別会計予算
第10号議案 平成26年度中野区介護保険特別会計予算
日程第2 第13号議案 中野区職員定数条例の一部を改正する条例
第14号議案 中野区事務手数料条例の一部を改正する条例
第15号議案 中野区財産価格審議会条例
日程第3 第18号議案 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について
第26号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例
日程第4 第19号議案 中野区社会教育委員の設置に関する条例の一部を改正する条例
第20号議案 中野区スポーツによる健康づくりの推進に関する条例
日程第5 第21号議案 中野区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第22号議案 中野区公衆便所の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
第23号議案 指定管理者の指定について
日程第6 第24号議案 指定管理者の指定について
第25号議案 指定管理者の指定について
午後1時00分開議
○議長(伊東しんじ) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
これより日程に入ります。
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第6号議案 平成26年度中野区一般会計予算
第7号議案 平成26年度中野区用地特別会計予算
第8号議案 平成26年度中野区国民健康保険事業特別会計予算
第9号議案 平成26年度中野区後期高齢者医療特別会計予算
第10号議案 平成26年度中野区介護保険特別会計予算
(委員長報告)
○議長(伊東しんじ) 日程第1、第6号議案から第10号議案までの計5件を一括議題に供します
平成26年(2014年)3月10日
中野区議会議長 殿
予算特別委員長 内川 和久
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号
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件 名
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決定月日
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第6号
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平成26年度中野区一般会計予算
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3月10日
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第7号
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平成26年度中野区用地特別会計予算
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3月10日
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第8号
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平成26年度中野区国民健康保険事業特別会計予算
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3月10日
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第9号
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平成26年度中野区後期高齢者医療特別会計予算
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3月10日
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第10号
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平成26年度中野区介護保険特別会計予算
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3月10日
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(第6号議案 付帯意見)
○ (仮称)弥生町六丁目公園基本計画の策定にあたっては、案の作成段階から議会及び地域住民の意見の反映に努められたい。
○議長(伊東しんじ) 予算特別委員会の審査の報告を求めます。内川和久予算特別委員長。
〔内川和久議員登壇〕
○11番(内川和久) ただいま議題に供されました第6号議案、平成26年度中野区一般会計予算、第7号議案、平成26年度中野区用地特別会計予算、第8号議案、平成26年度中野区国民健康保険事業特別会計予算、第9号議案、平成26年度中野区後期高齢者医療特別会計予算、第10号議案、平成26年度中野区介護保険特別会計予算、以上5件の予算特別委員会における審査の経過の概要とその結果並びに主な質疑、要望及び問題点の指摘等について御報告申し上げます。
なお、予算の内容につきましては、本会議における提案説明や当委員会における詳細な総括説明がありましたので、省略いたします。
それでは、初めに審査経過の概要とその結果について御報告申し上げます。
当委員会は、2月21日の本会議において設置され、同日、直ちに委員会を開きました。
初めに、正副委員長の互選を行い、その後、五つの分科会の設置、分科会分担区分の決定及び分科会委員の選任を行いました。
続いて、各分科会の正副主査を選任し、理事会の設置と理事の互選を行いました。
そして、直ちに理事会を開会し、審査方法や日程など、予算特別委員会の運営について協議を行い、その内容を委員会に報告し、決定いたしました。
2月24日には政策室長及び各室長・部長から総括説明を受け、2月25日は各委員が予算議案を検討するための予算検討日といたしました。
そして、2月26日から3月3日までの4日間にわたり、21名の委員が総括的な質疑を行いました。
なお、総括質疑に資するため、208件の資料要求を行い、資料の提出を受けました。
その後、長沢和彦委員ほか5名から委員長宛てに提出された第6号議案、第8号議案及び第9号議案に対する予算の組み替えを求める動議を議題とし、提案説明を受けました。
それでは、予算の組み替えを求める動議の内容について御紹介いたしますが、その内容は多岐にわたりますので、概要を御紹介いたします。
その概要は、経営費中、区役所前宣言塔と公園の記念碑銘板の補修、子ども教育費中、社会科見学・遠足交通費の公費負担復活、健康福祉費中、障害者福祉手当第二種の増額、都市基盤費中、木造住宅耐震・リフォーム助成の実施などを求め、一方で、経営費中、新区役所整備に向けた計画策定の削除、都市政策推進費中、中野駅周辺計画の削除、中野駅周辺地区整備の削減を求めており、財源については、財政調整基金からの繰り入れにより賄うというものです。
また、3月4日、5日及び6日の3日間は分科会ごとに審査を行い、3月10日の当委員会において各分科会主査の報告を受けました。
その後、動議に対する質疑を求めたところ、5名の委員から質疑がありましたので、主な質疑の内容について御報告をいたします。
初めに、組み替えに係る経費のうち、平成27年度以降経常経費化する金額を区に問われた上で、財政調整基金の繰り入れでの対応では、財政運営上大きな問題となると指摘されました。
また、キッズ・プラザの運営について、委託に向けた準備が進んでいる段階で委託を取りやめることの影響が質されました。
次に、後期高齢者医療特別会計繰出金の増額について、東京都後期高齢者医療広域連合の条例で保険料が決められているため、区で保険料を据え置くといった対応はできないのではないか、と質されました。
次に、商店リニューアル助成の実施について、積算根拠、対象や効果について質されました。
その他、公園の記念碑銘板の補修、中野駅周辺計画の削除、南口駅前広場等における交通指導を除いた、中野駅周辺地区整備の削除、就学奨励の増額、食材の放射性物質測定・検査などについて質疑がありました。
その後、質疑を終結し、討論を省略して、直ちに採決いたしました。
採決は議案ごとに行いました。
初めに、第6号議案の組み替えを求める動議を起立により採決した結果、動議は起立少数で否決されました。
続いて、第6号議案の原案を起立により採決した結果、起立多数で可決すべきものと決しました。
次に、第7号議案について採決した結果、異議なく可決すべきものと決しました。
次に、第8号議案の組み替えを求める動議を起立により採決した結果、動議は起立少数で否決されました。
続いて、第8号議案の原案を起立により採決した結果、起立多数で可決すべきものと決しました。
次に、第9号議案の組み替えを求める動議を起立により採決した結果、動議は起立少数で否決されました。
続いて、第9号議案の原案を起立により採決した結果、起立多数で可決すべきものと決しました。
次に、第10号議案について起立により採決した結果、起立多数で可決すべきものと決しました。
次に、委員会での審査過程における主な質疑、要望及び問題点の指摘等について報告いたします。
初めに、統合型GISの導入と統計GISの活用について、e-Stat(イースタット)の統計GIS機能の有用性と活用可能性に係る検討状況や今後の方向性が問われ、統合型GISは、区長のリーダーシップのもと、全庁的な検討を進めて早期に導入し、新サービスの創出や防災、暮らしの安全・安心などにG空間情報を活用できる環境を整えるべきであると質されました。
次に、防災行政無線について、デジタル化全体の事業計画の概要を問われた上で、デジタル化完成後、現在のアナログ防災行政無線と比べてどのように変わるのかを質し、デジタル化のメリットを最大限活用した区民への情報周知の義務を果たすために、中野区デジタル防災行政無線等整備実施計画の見直しが求められました。
次に、子育て支援と待機児問題について、平成26年4月の認可保育園入園申し込み者数と、そのうち不承諾となった人数が問われ、待機児童をゼロにするための抜本的な対応として、国有地や都有地、区有地を活用した認可保育園の増設が必要であると質されました。
次に、図書館におけるシステム更新について、区と指定管理者との関係やその費用負担を質すとともに、機能面で強化される点について問われた上で、国会図書館で行っているデジタル図書の発信に関しても新しいサービスの中に取り組んでいくよう要望されました。
次に、民間活力活用のあり方について、区の役割や責任範囲の明確な提示による目標と成果、PDCAの視点保持の必要性を指摘し、適正な契約、適切なマネジメントを常に追求する姿勢が欠かせないと質した上で、民営化の効果やメリットの区民への説明のあり方が問われました。
次に、愛称旧なかのんの運行について、区議会挙げて真剣な取り組みをすべきという認識に立つべきと思うが、区においてもそれと連動した行動をとる必要性について質した上で、区も一歩でも前進する道を探るために、都や国の支援策を模索し、その活用についての方策を考え、運行できるあらゆる努力をするよう求められました。
次に、成年後見制度の充実について、申し立て費用の助成制度を導入すべきと質すとともに、後見制度の普及・活用による区のメリットが問われ、市民後見人養成講座の隣接区との共同実施や区単独実施の検討、また、報酬助成の必要性が指摘されました。
次に、区立小学校における発達障害児等の介助員について、通常学級に在籍する発達障害児のための介助員の役割や配置の考え方、また、情緒障害等の特別支援学級から介助員を引き上げることについて、現場の声の有無などについて問われた上で、介助員の配置については学校現場や保護者の声を丁寧に聞いて対応するよう求められました。
次に、女性特有のがんについて、未受診者への受診勧奨の方法や対象者数が問われ、成人のつどいでの子宮頸がん検診啓発グッズの配布を提案するとともに、予防啓発団体や区内の教育機関等との連携により、一層の予防啓発に努めるべきであると質されました。
次に、区政運営の長期的課題について、今日の最大の課題であるヒト・モノ・カネについて、それぞれに対する取り組みや考え方を質した上で、区政が区民にとって一番身近なものになるためには、区の組織を形つくる職員が、自身も中野区民だという意識を持って仕事に取り組むことが大事であると指摘されました。
次に、高齢者施策について、一人暮らしの高齢者や障害者などが、いつでも気軽に相談し、読み書き代行を受けられることは日常生活の安心につながると指摘し、庁舎1階の区民相談窓口に代行支援の旨を掲示するなど、きめ細かいサービスのあり方が質されました。
次に、中野四季の都市(まち)地区におけるにぎわい都市観光イベントについて、区が関与した主なイベントの開催数や参加人数、また区の支出した経費について質した上で、主催者がばらばらに企画開催するのに任せるのではなく、産学公連携の視点からも、民間と区や民間同士のコラボレーションにより、イベントの質や雰囲気等の一体感を醸し出していくことが必要であると指摘されました。
次に、職員定数について、施設運営の委託・民営化後の職員配置や、定数削減に伴う人件費削減の工夫が問われるとともに、まちづくり事業の進捗や大規模施設の改修への対応など、一定の経験を有する技術職が必要であると指摘し、OBの活用を含めた技術職の充実が質されました。
次に、商店街の街路灯について、街路灯のLED化をしていない商店街は、今後LED化しないと3年後以降は電気代の補助が減り、負担が増えることになることを指摘し、その内容について丁寧に周知するよう求められました。
次に、ごみゼロ推進費について、新たに取り組む、金属系粗大ごみの資源化や使用済み小型家電・蛍光管の回収・資源化に関し、その方法や収益の見込みが問われ、これらの事業の区民への周知を徹底するよう求められました。
次に、待機児童ゼロについて、待機児童数のカウント方法が自治体より異なることを質した上で、統一的なカウント方法を国や東京都に求めていくよう要望されるとともに、待機児ゼロの達成について複数年度の対策で実施していくよう求められました。
次に、介護保険について、介護予防事業の参加人数の状況や、病院から自宅に戻る際に必要なリハビリ支援の現状が問われ、介護老人保健施設の誘導整備が進んでいない理由を質すとともに、誘導整備のための積極的な情報発信が求められました。
次に、産業振興施策について、特定の産業に限定して少ない予算で振興し、まちおこしを期待するのは難しいのではないかと指摘した上で、若き起業家たちを輩出するまちとなるよう、業種を絞らず、企業支援に集中してはどうかと質されました。
次に、地域スポーツ施設事業について、主に指定管理者による運営に変更した理由を問い、高額な事業費が計上されていると指摘した上で、スポーツ・健康づくり推進団体を指定管理候補者に選定することの公平性・透明性が質されました。
次に、中野区の国際化と外国人への対応について、日本に観光で訪れる外国人来街者への情報発信について問われた上で、観光スポットの案内板や説明書きについて、多言語や平易な日本語での表記の必要性が指摘されました。
次に、文化芸術の振興について、振興に関する明確な基本方針を定める必要性が指摘され、文化財保護や伝統工芸の振興とともに、中野区独自の若者文化の振興支援を行い、将来の中野のまちの資産としていくよう求められました。
以上が、主な質疑、要望及び問題点の指摘等であります。
なお、このほか、項目のみを挙げてみますと、西武新宿線連続立体交差事業について、オープンデータについて、東中野小学校跡地活用について、区政運営における法解釈について、IT調達について、教育問題について、空き家対策について、障がい者施策の拡充について、施設整備について、内部統制の取り組みについて、江古田合同住宅跡地整備について、弥生町六丁目用地について、中野区立小中学校再編計画の今後の進め方について、平和事業について、公会計の改革の現状と今後について、公教育の充実について、柔道整復、はり・きゅう・あん摩・マッサージ療養費について、新しい公共と区民参加のまちづくりについてなどの質疑及び要望等がありました。
なお、予算特別委員会は、議員全員をもって構成されていることから、質疑等の紹介は以上のとおり概要といたします。
詳細につきましては、予算特別委員会の会議録により御承知いただきたいと存じます。
また、各分科会における質疑応答につきましては、当委員会において、各分科会主査から詳細な報告があり、委員会会議録に記載されておりますので、その内容は割愛させていただきます。
最後に、当委員会において第6号議案に対しまして、賛成多数により付された付帯意見を申し上げます。(仮称)弥生町六丁目公園基本計画の策定にあたっては、案の作成段階から議会及び地域住民の意見の反映に努められたい。意見は以上でございます。
以上、簡単ではございますが、予算特別委員会における審査の経過の概要とその結果並びに主な質疑、要望及び問題点の指摘等についての報告を終わります。
○議長(伊東しんじ) ただいまの報告について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。金子 洋議員、北原ともあき議員、酒井たくや議員、平山英明議員、むとう有子議員、後藤英之議員、林まさみ議員、石坂わたる議員から討論の通告書が提出されていますので、順次、通告議員の討論を許します。
最初に、金子洋議員。
〔金子洋議員登壇〕
○30番(金子洋) 上程中の第6号議案、平成26年度中野区一般会計予算、第8号議案、平成26年度中野区国民健康保険事業特別会計予算、第9号議案、平成26年度中野区後期高齢者医療特別会計予算、第10号議案、平成26年度中野区介護保険特別会計予算の4議案に対し、日本共産党議員団の立場から、一括して反対の討論をいたします。
区民の暮らしは困難さを増しています。働く人の賃金は下がり続け、中小零細業者にも景気回復の実感はありません。年金も引き下げられるなど、区民の所得は減少しています。4月には消費税率が8%に引き上げられると同時に、生活保護の2度目の引き下げが行われ、低所得層に対する各種の給付や負担減免にもその影響が及ぼされようとしています。さらに、国家戦略特区の導入は、解雇・労働時間の規制緩和や、国民皆保険制度を掘り崩す混合診療の導入、容積率規制の撤廃による高層ビル・マンションの建設ラッシュなどに道を開こうとしています。このような国や東京都の悪政から区民の命と暮らしを守る区政が今、求められています。
田中区長は、さきの施政方針説明で、みずからの公約にも反する4期目への出馬を正式表明しました。区長は、大規模再開発を聖域としながら、財政難を理由に福祉・教育・区民サービスを切り捨ててきました。毎年の国保料の値上げ、小・中学校の統廃合、児童館の廃止、区立保育園の民営化、そして「事業見直し」として強行された高齢者福祉センターの廃止や障害者福祉手当の削減など、区民にとって田中区政のこの12年間は、まさに「奪われた12年」でした。そして、今定例会に提出された予算案は、区民から命と暮らしの支えをさらに奪うものとなっています。日本共産党議員団は、これだけはというものに限った組替動議を提出しました。以下、予算案の特徴について見解を述べます。
第1に、予算案は相変わらず中野駅周辺の再開発と、そのための基金積み立てを聖域化しています。予算案は、区役所の移転・建て替えを推進するため、整備基本構想と整備基本計画の策定支援業務の委託費を計上しています。今年度の補強工事で耐震性も高まり、来庁者の安全が確保されている区役所をほかの場所に建て替えるのは、サンプラザも解体して跡地を一体で再開発するためです。初めから一体再開発ありき、区民不在の計画推進は認められません。
また、中野駅西側の南北通路や橋上駅舎など、中野駅地区の再開発を進めるため、基本設計や都市計画手続などに2億8,870万円余りを計上しています。駅地区再開発の計画は、一度立ちどまり、区民参加で見直すべきです。
そして、こうした再開発のためのまちづくり基金には13億5,000万円を積み立てるなど、各種基金総額400億円を確保しようとしています。決算時には例年のように剰余金を生み出し、これを積み立てることによって、積み増しになる可能性もあります。東中野小学校跡地など防災上も貴重な区民の財産を売却し、施設整備の資金に宛てようとしていることも見逃すことはできません。
第2に、予算は国の社会保障の解体を率先して進め、区民に給付削減と負担増を強いるものとなっています。就学援助の所得基準額を生活保護基準に連動して引き下げ、推定200人の子どもたちを支給対象から締め出そうとしており、教育の機会均等を脅かしています。
認可保育園の保育料が、所得の低い層ほど大きな比率で値上げをされます。認証保育所との負担の公平化を口実としていますが、認可園保育料の値上げによる増収は、認証保育所保護者補助の拡大分をはるかに上回り、保護者補助の総額をほぼ賄うものとなっています。一方、認可保育園の待機児解消の努力は不十分です。来年度中に402人分の認可園の増設が予定されていますが、需要の増大に追いつかない状況となっています。
国民健康保険料は均等割額、所得割額、賦課限度額のいずれもが引き上げられ、誰もが値上げとなります。国保に加入している自営業者や退職者、非正規労働者の所得は低下しており、これ以上の国保料の負担増は耐えられません。区は2分の1国庫負担の回復を国に求めるべきです。
後期高齢者医療の保険料も値上げされます。75歳以上の高齢者を別枠とする後期高齢者医療は、高齢者の医療費の増大が保険料に直接はね返る仕組みとなっており、我が党はその廃止を求めてきました。財政安定化基金の繰り入れによって値上げ幅を抑えたことは評価できますが、国と都と区の3者による基金への拠出が今回は行われていません。これを行えば、値上げをもっと抑えることができたはずです。
介護保険においても、第5期事業計画で2012年度から引き上げられた保険料が来年度まで続きます。その一方、特別養護老人ホーム100床分の第5期事業計画期間内の開設は、見通しが立たなくなっています。
第3に、木造住宅の耐震補強工事や住宅用太陽光発電設備への助成、給食食材の放射能測定など、他の区でも実施しており、区民から強い要求がある施策に区は背を向けています。区民の命と環境を守るために、区は公的支援を行うべきです。飼い主のいない猫対策活動への助成に踏み出したことは評価できますが、対象が限定されており、極めて不十分です。
第4に、予算案は職員2,000人体制を至上命題とし、来年度は戸籍住民窓口内の入出力業務、後期高齢者医療の窓口や介護保険の窓口、キッズ・プラザと学童クラブの委託を進めようとしています。
窓口とその中の一体的な業務の一部分を委託することは、偽装請負の疑いがあり、また、労働者派遣ではなく、委託だとして、その独立性の形を整えようとすれば、委託業務のブラックボックス化につながります。区が公契約条例の制定に背を向けているもとでは、委託労働者の賃金や労働条件が保障されず、官製ワーキングプアを生み出しかねません。また、それは区民に良質なサービスを提供する障害ともなりかねません。
また、区立保育園などの退職者不補充と再任用は、職員の年齢構成のバランスを崩しています。
第5に、安倍政権は戦争のできる国づくりと憲法改悪への動きを加速させています。憲法擁護・非核都市宣言を生かす区政が一層強く求められています。ところが、区は平和事業予算から非核宣言自治体協議会の分担金を削り、会議から脱退しようとしています。また、NPT再検討会議準備会議で核不使用決議に署名しなかった国の姿勢に、区長は核抑止力論の立場から理解を示しました。
以上の理由から、四つの議案に反対いたします。区民の声が生きる区政、憲法を生かして、命と暮らしを守り、平和を広げる区政への転換を求め、反対討論といたします。
御清聴ありがとうございました。
○議長(伊東しんじ) 次に、北原ともあき議員。
〔北原ともあき議員登壇〕
○22番(北原ともあき) 初めに東日本大震災から3年、改めて亡くなられた方々の御冥福と復興の加速を心からお祈り申し上げます。
それでは、ただいま上程されました第6号議案、平成26年度中野区一般会計予算につきまして、自由民主党議員団の立場から賛成討論を行います。
国は、デフレからの早期脱却と経済再生の実現に向けて、全力で経済財政運営を進めるとともに、経済の好循環の実現に向けた取り組みを着実に実行するため、平成25年度補正予算を成立させました。
一方、我が国の経済の先行きについては、景気の回復基調が続くことが期待されるとともに、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっており、さらには、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要及びその反動が見込まれることから、その見通しは依然として確実なものとはなっておりません。
平成26年度の予算編成においても、消費税率引き上げに伴う税制改正の全体像とともに、国庫負担事業の一般財源化など、歳出構造の変更が明らかになっておらず、歳入歳出ともに不透明な状況下での予算編成となりました。
平成26年度一般会計予算は、1,206億8,700万円で、前年度に比べ、36億4,600万円、3.1%の増、その予算規模は、4年連続で前年度を上回るものとなっております。
歳入については、特別区税と特別区交付金の増額や、税制改正による増収の影響を見込むとともに、歳出では、職員2,000人体制に向けた計画的な職員数の削減により、人件費を6億7,000万円余の減とした一方で、生活保護費や待機児対策により保育経費が伸びるなど、扶助費が10億2,000万円余と依然として高い伸びを続けております。
この結果、全体の財源不足を補うために、財政調整基金から20億円余り繰り入れることとしております。財政調整基金からの繰入金は、前年度と比較すると約5割の減となっており、こうしたことは、計画的な財政運営が着実に進んでいるものと考えております。
我が会派は、今回の予算審議を通じ、こうした不透明な状況下にあればこそ、区民が必要とする施策を将来負担の軽減にも配慮しながら、計画的かつ安定的に実施していくことが必要と考え、そのことを強く求めてきました。
平成26年度予算には、新たな事業として、商店街の街路灯LED化促進助成、歯科医療拠点事業、子宮頸がん検診の受診勧奨、道路、橋梁などのインフラ更新対策、子育て臨時給付金や臨時福祉給付金など、区民生活にとって重要な事業が盛り込まれるとともに、喫緊の課題である保育園の待機児対策のさらなる拡充も図られています。
また、これまで計画的に進めてきた、にぎわいと魅力あふれる、活力ある中野のまちを実現するための中野駅周辺まちづくりや、西武新宿線連続立体交差事業の進展、地域での区民の暮らしを支えるライフサポート事業や都市観光事業の推進、さらには、災害に強く、より安全な中野のまちを実現していくための弥生町・大和町防災まちづくりや防災対策、大規模公園整備などの着実な取り組み、さらには、東日本大震災復興支援の継続など、多くの事業が盛り込まれ、その積極的な展開が図られることを、我が会派としても高く評価するものであります。
一方で、この26年度予算には、我が会派が、各定例会などで質問、質疑を通じて指摘してきたさまざまな事業が反映されました。その予算の執行に当たって、指摘の意味、重さをしっかりと踏まえながら、事業を計画的に進めていただきたいと考え、ここで改めて幾つかの点について申し上げておきたいと思います。
まず、職員数の削減と委託化の問題です。26年度予算では、窓口業務の委託や、学童クラブ及びキッズ・プラザの運営委託などが盛り込まれております。こうした業務の委託化に当たっては、その財政効果や委託後の地域との関係など、いまだ十分とは言えない点も見られることから、再度の委託内容の検証が求められます。
また、IT関連業務の委託についても十分な財政効果が得られているのか確認ができないことから、今後、その効果を十分に説明できる体制を整えていただきたいと思います。
さらに、既に実施している指定管理者による業務の検証と、指定管理者制度をより効果的に運用するためのガイドラインの策定など、早急な対応が望まれるところであります。
また、今後も上昇が見込まれる労務単価への対応、私道整備助成、生活道路整備事業については、執行段階で予算が不足することがないよう、しっかりとした対策と区民への丁寧な対応を求めます。
さらに、区民税や国民健康保険料の滞納整理などの収入確保策は、一定の成果は見られるものの、いまだ道半ばであり、さらなる努力を求めます。
区民にとってわかりやすい組織についても、ぜひ再考いただきたいと思います。区民から見てすぐに理解できる組織こそ、本来の自治体の姿であると言えます。
さらに、この組織を形つくるのは人であります。職員2,000人体制後の新たな職員定数の考え方を早急に示していただくとともに、職員の人材育成のための方策と今後の展開も明らかにしていただくことが必要であります。限られた経営資源をより有効に活用し、コンパクトで質の高い行政、新たな行政需要に対し柔軟に対応できるわかりやすい組織、執行体制の整備を再度強く求めるものであります。
区財政にとって、独自事業などに自由に使える一般財源をふやしていくことが何よりも大切ですが、それとともに、この一般財源をしっかりと管理することが施策の充実、区民サービスの向上、区としての独自性の発揮につながっていくものと考えます。
歳入においては、区が目標とする「基準となる一般財源規模」を5年ぶりに超え、これまでの財政運営の方針にのっとり、当初予算の段階から基金へ積み立てる環境ができたことは好材料となりました。
しかし、歳出においては、一般財源を充当する事業費は、区が目標とする基準を14億円余り超過しております。今後この基準を超過している14億円余りの削減にしっかり取り組んでいかなければならないと考えます。
不透明で、変化の激しい時代であればこそ、区民にとって必要な事業はしっかりと経費をかけて取り組むこと、そして、効果の薄れた事業、見直すべき事業は、しっかりと見直していくことが重要です。
持続可能な区政運営を確かなものにしていくためには、これまで以上に、歳入確保と歳出抑制に向けた取り組みを強化していくことが必要となります。歳入確保の一層の努力と事業の見直し、抑制など、歳入と歳出の両面からの財政健全化に向けた取り組みをより一層進めていただきたいと思います。
強固で、持続可能な財政基盤があればこそ、区民の暮らしを守るための施策を安定的に展開していくことができると思います。
区民の暮らしを守り、災害に強く、より安全な中野のまち、にぎわいと魅力あふれる、そして活力ある中野のまちの実現を目指し、さらなる着実な区政展開を求め、賛成討論といたします。
○議長(伊東しんじ) 次に、酒井たくや議員。
〔酒井たくや議員登壇〕
○27番(酒井たくや) 第6号議案、平成26年度中野区一般会計予算について、民主党議員団の立場から反対の討論をいたします。
平成26年度一般会計予算は、前年度に比べ36億4,600万円、3.1%の増の1,206億8,700万円となりました。厳しい財政状況下、財政の非常事態と言われながらも、4年連続で前年度を上回る予算規模となっております。
個別の施策を見てみると、多様な待機児童対策による定員の拡大、受診率向上を図るための子宮頸がん検診の受診勧奨、滞納整理支援システムの機能拡充による収納率向上対策、ごみの適正排出指導の強化・普及啓発などは評価します。
また、中野駅周辺は大きく生まれ変わり、まちの活性化やにぎわいが創出されていることも是としますが、西口改札開設のおくれによる駅北口の混雑と、本来、道路交通法では認められない坂道へのバス停設置などの残された課題もあります。
不燃化特区制度の活用、大規模公園の整備等、災害に強く安全なまちの実現に向けてのさまざまな取り組みと、引き続きの被災地自治体への職員の派遣も評価しますが、公園用地の取得に関しては、東中野小学校跡地整備の例を挙げると、一方では地域防災機能の向上と一人当たりの公園面積の増加のため土地が取得されますが、他方では、売却しないと議会答弁と地域説明会でお約束されたことがほごにされ、区が元来所有する学校跡地の大部分が売却され、避難所の指定も解除されるのは到底理解ができません。
人口減少時代の中、全ての公共施設が今までどおり残されることが難しいことは理解をしておりますが、場当たり的な対応ではなく、区内施設全体の公共施設マネジメントを早急に策定し、施設の再配置を明確に示す必要があります。
また、カーボン・オフセット事業については、CO2削減であれば、オフセットクレジットの購入や再生可能エネルギーの活用、環境交流であれば区内事業者との連携など、ほかにも方法があるはずです。そうしたことを十分に検討した上での事業スキームであるとは思えません。
それから、産業振興分野では、ICT・コンテンツ関連産業、ライフサポート関連産業をターゲットにした振興策を行っていますが、本当に効果が出るのか、区民にどのようなプロセスで還元されるのかが不明確です。また、特定の産業の収入がふえたかを区政目標にするということも理解できません。
区長は、PDCAサイクルの確立を成果としていますが、そのようには思えません。例えば、中部地域スポーツクラブ、産業振興拠点、リサイクルプラザは、同じ問題の構図を抱えています。区が当初想定していたスキームをもとに民間事業者を公募したものの、それに合う事業者を決定することができず、まずは施設が宙に浮いてしまう期間が発生し、その後何とか委託先を見つけたものの、いずれも当初描いていた絵とは大きく異なるものとなっています。もし本当にPDCAサイクルが確立されているのであれば、このような同じ構図の問題が何度も起きることはあり得ないはずです。
組織変更についても1点事例を挙げますが、ソチオリンピックが終わり、メダリストたちが文部科学大臣を訪ね、口々に競技施設の整備、選手の育成を訴えました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まり、今こそ国、自治体を挙げてアスリートづくりに力を入れるべきにもかかわらず、中野区の姿勢は、スポーツは健康づくりの手段としてしか考えていないようにも思えます。さらに、今回の組織改正にあるような、スポーツ担当が休日診療や小児初期救急医療まで所管するというのは、驚くばかりです。議会からも幾度も指摘された、度重なる組織変更による弊害の一つであります。
また、6月に区長選挙が行われるにもかかわらず、その結果を見る前に、今後の予算を拘束する債務負担行為を新規で18件も設定することは容認できません。
権力が長期集中化することにより腐敗が生じます。独善的な傾向が生まれ、側近政治によるイエスマンの増加や職員の士気の低下など、庁内やまちが閉塞感に包まれているように思います。区長は、初当選後の所信表明において、「区長という職は、重い責任と権限を伴うものであり、一人の人間が長い間その職にあり続けた場合は、惰性に流れたり、政策に偏りやゆがみができてくるなど、弊害を生じることになると認識しています。私は、区長の任期は2期8年を限度とすべきであると考えています」と述べられました。この2期8年の公約をまず破られ、3期目の立候補をし、そして今回4期目にも出馬の意向を示されたわけでありますが、まさに、このような姿勢は、区長自身が考えていた多選による弊害の象徴であると考えます。惰性に流れたり、政策に偏りがゆがみができてくるなど、弊害を生じていることが明らかです。
これに関しては、みずから提案された中野区自治基本条例第7条の、区長の任期は3期を超えないよう努めるものとする多選の自粛条例に抵触することを自覚されたのか、今回、一部を削除する案を提出されますが、初当選からこれまでの一連の区長の言動を思い起こせば、大変な変節であります。今後の審査に当たっては議会の良識と見識が大きく問われるものだと考えます。このような区長の政治姿勢に対しても到底賛同することができず、反対の討論といたします。
○議長(伊東しんじ) 次に、平山英明議員。
〔平山英明議員登壇〕
○14番(平山英明) 上程中の第6号議案、平成26年度中野区一般会計予算について、公明党議員団の立場から賛成の討論を行います。
平成26年度の一般会計歳入歳出予算は、前年度比36億4,600万円、3.1%の増の、1,206億8,700万円となりました。歳入では、特別区税が前年度比7億8,300万円余、2.6%増の305億227万円余、特別区交付金は財産費の伸びだけでなく、23区の交付金総額にも大きな伸びがみられ、前年度比25億2,000万円、8.1%増の337億円と、基幹収入の増加を見込んでいます。これは、政府による経済対策の効果を歳入の増加から見てとれます。
区は、これまで、基準となる一般財源規模を650億円としてきましたが、平成26年度は消費税を中心とした税制改正の影響を7億円として、657億円と改め、平成27年度以降は暫定的とした上で、664億円とする見通しを示しました。一般財源における平成26年度の歳入予測は、657億円を14億円上回る671億円となり、5年ぶりに基準規模を超えました。一方、歳出においても14億円上回る671億円となり、その結果、財政調整基金からの繰り入れのうち年度間調整分は14億円余、予算で比較すると、ここ数年の中で最も少ない繰り入れ額となりました。しかし、依然として財政調整基金の繰り入れなしに予算編成ができない状況は変わっておらず、今後もさらなる歳出抑制が求められますが、過度に区民生活を痛めることのない歳出抑制に努めるべきであることを指摘しておきます。
歳出である事業費から予算を見ると、中野駅西側南北通路、中野駅西側橋上駅舎の基本設計が予算化され、区民が待ち望む安全で快適な中野駅周辺まちづくりのための第2期整備に向けた取り組みが始まります。また、区民が安心して暮らすことができるための都市の基盤強化として、西武新宿線連続立体交差事業と沿線まちづくりの推進や道路の計画的整備のための調査の実施、橋梁の長寿命化計画に基づいた維持補修などが開始されます。そして、間近に迫るとも言われる首都直下型地震から区民を守るための防災・減災対策として、弥生町、大和町など災害時の危険度が高い地域での防災まちづくりのさらなる推進や、避難所における備蓄物資の拡充、防災行政無線のデジタル化及び消火用スタンドパイプセットのさらなる配置、平成27年度完了を目指した区立小・中学校の耐震化等が進められます。
そのほか、喫緊の課題である保育園の待機児ゼロに向け、400名以上の定員増を図るための区有地への民間保育所の整備や賃貸物件等による認可保育所の誘致などの対策、共通番号制度対応に伴うシステム改修、商店街街路灯LED化促進のための新たな補助事業の創設、障害児通所施設の開設・運営や南部地域での特別支援学級の開設、生活保護自立支援対策等、いずれも我が会派がその実現を強く求めた事業であり、区民にとっても一刻も早い実施が望まれる施策が予算化されたことは、高く評価をするものです。
一方、(仮称)弥生町六丁目公園の基本設計については、議会が付した意見を踏まえ、適時適切な執行を求めます。
区は、持続可能な財政運営のために、今後も基準となる一般財源規模をベースに財政規律を保持することが最重要であるとしています。今後、歳出に及ぼす影響については、国の社会保障制度をはじめとする制度改正や国から地方への移管事業が定まらず、一般財源規模の予測は難しいものの、歳入については、地方消費税交付金の大幅な増額が見込まれるため、財政規律の保持には公債費負担比率をはじめとする区の財政指標についての見直しの検討も必要と考えます。
昨日は、東日本大震災の悲劇から3年目となる3月11日でした。あの日より3年が経過した今もなお、26万人以上の方が避難生活を送られ、10万人近い方が仮設住宅での生活を送られていることを思うと、被災地、そして被災者の方々が置かれている今を夢寐にも忘れることなく、今後も復興への支援を続けていくことを改めてここに誓い、賛成の討論といたします。
○議長(伊東しんじ) 次に、むとう有子議員。
〔むとう有子議員登壇〕
○39番(むとう有子) ただいま上程されました第6号議案、2014年度中野区一般会計予算に反対の立場から討論いたします。
一般会計予算は、1,206億8,700万円で、前年度に比べ36億4,600万円もの増額です。その財源となる特別区税と特別区交付金を合わせて約33億円の増額を見込んでいます。見込み違いにならなければよいのですが、不安がよぎります。また、次年度発行する特別区債は、一般会計と用地特別会計を合わせて144億6,300万円となり、前年度比120.2%増と激増していることも不安材料です。未来に借金を残さない区政運営をしていただきたいものです。
さて、経営費の中に、基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の改定のために約300万円が予算化されています。10か年計画は2010年3月に改定され、目標の達成度を検証しながら、おおむね5年後に必要に応じて改定するとのことでしたので、今年度が改定の検討時期であると理解いたしますが、10か年計画と連動して基本構想までも5年ごとに改定するあり方に以前から違和感を持っています。そもそも自治体における基本構想とはどのように位置付けられていたのでしょうか。改正前の地方自治法によると、「市区町村は、議会の議決を経て、その地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定めなければならない」とありました。自治体においては、日本国憲法の前文に当たるようなものと考えられ、区が目指す理想のまちの姿を理念的、普遍的に描くものです。よって、基本構想は自治体計画の最上位計画と位置付けられ、基本構想のもとに基本計画があり、そのもとに実施計画という3層で捉えられているのが通例でした。
中野区では、基本構想のもとに基本計画に当たる10か年計画がありますが、そのもとに実施計画に当たる計画がなく、各事業部に委ねられているようです。5年ごとの10か年計画に連動して改定しなければならないような基本構想は、既に基本構想とは言えない代物になっているのではないでしょうか。
中野区では、1981年1月に初めて基本構想を策定し、24年後、田中区長のもとで、2005年3月に新たな基本構想と新しい中野をつくる10か年計画が策定されました。そのわずか5年後の2010年2月に基本構想が、3月に10か年計画(第2次)がセットで改定されました。そしてまた5年が経過して、基本構想と10か年計画がセットで改定されようとしています。もはや基本構想の本質を大きく逸脱としているとしか言いようのない区政運営です。
区が目指す理想のまちの姿が5年ごとに変わるようでは、目標が定められません。いま一度、基本構想の本質的意義と位置付けを考えるべきです。付け加えて言えば、2011年8月1日に施行された地方自治法の一部を改正する法律により、基本構想の策定を義務付けていた規定が廃止されました。この法改正は、地域主権改革における国から地方への義務付け・枠付けの見直しの一環として行われたものです。したがって、当然のことながら、市区町村において基本構想がその役割を終えたということではありません。蛇足ですが、検討期間は区長選後の6月から来年12月までの1年半となっています。
次に、都市政策推進費の中で、一向に成果の見えない産業振興策として、産業振興センターの新規開設に約6,369万円や、ライフサポートビジネス創出促進に約1,536万円が予算化されています。田中区政のもとで産業振興に税金を投入し続けていますが、果たして区内産業の振興に役立っているのでしょうか。どれもこれも思い付きのような施策を次々打ち出していますが、成果が見えず、迷走し続けているように見えます。
また、地域支えあい推進費の中で、東中野小跡地に建設する東中野区民活動センター等整備の基本計画策定に816万円が予算化されていますが、東中野小跡地の約3分の2を売却してのセンター建設と公園新設に、地元住民の賛同は得られていません。区政は区民みんなのものであることを区長が認識しているのであれば、抜本的に再検討すべきです。
次に、南部すこやか福祉センター等整備に約5億9,924万円が予算化されています。この中には、地域スポーツ施設が含まれていますが、2010年7月に中部すこやか福祉センターに併設した地域スポーツクラブがいまだに本格稼働できない状況下で、さらに近隣に民間スポーツ施設があることも踏まえれば、ライフサイクルコストを考慮し、新たなスポーツ施設整備は再考するべきです。
さらに、区民サービス管理費の中で、介護保険窓口等業務委託に約3,795万円が、後期高齢者医療窓口業務委託に約3,733万円が予算化されています。介護保険と後期高齢者医療の制度案内、届出や各種申請の受付窓口を一括委託するものです。将来的に高齢者窓口のワンストップ化を目指すのはよいことですが、制度が複雑で頻繁に変化する中で、民間が制度を熟知し切れるとは考えにくく、制度利用の入り口である窓口の委託化は区民に不利益となるおそれがあり、疑問が残ります。
総じて、人件費削減に目を奪われ、職員数を減らした分、次年度は学童クラブ運営、窓口業務、学校用務業務等の民間委託、福祉作業所への指定管理者制度の導入などが予算化されており、他の要因もありますが、物件費が前年度比較で約14億895万円、9.4%の増となっています。
民間の専門性を活用することはよい点もありますが、民間委託が進むと官製ワーキングプアを生み出し、現場経験を持たない職員は委託事業の点検、管理、評価をする能力を身につけることができず、長い目で見ると区民サービスの低下を招くのではないかと考えます。民間に委ねてよい業務と公務員がやるべき業務の見極めが重要です。職員数削減、人件費削減に目を奪われ、公的責任を果たさず、民間活力の利用という大義名分でやみくもな委託化や指定管理者制度の導入には反対です。
なお、総括で質疑いたしましたが、日本非核宣言自治体協議会を脱会することは、平和事業の後退であり、認められません。
障がい児通所施設や特別支援学級の開設、小型家電や蛍光管など新たな品目の資源化などの予算化は評価できますが、ライフサイクルコストを考えているとは思えない施設建設、さらに言えば、区長の任期が終わり、選挙が6月に実施されることを全く考慮せず、いや、ある部分では十分考慮し、続投を確信しているような傲慢さが感じられる予算には賛成できません。
以上、雑駁ではありますが、第6号議案、2014年度中野区一般会計予算に対する反対討論といたします。
○議長(伊東しんじ) 次に、後藤英之議員。
〔後藤英之議員登壇〕
○8番(後藤英之) ただいま上程されました第6号議案、平成26年度中野区一般会計予算につきまして、みんなの党の立場で賛成討論をいたします。
平成26年度の一般会計予算は、1,206億8,700万円となり、前年度に比べ36億4,600万円の増となりました。
歳入は、特別区税を2.6%、特別区交付金を8.1%、地方消費税交付金を25%の増と見込み、これらを含めた増加の要因として、中野四季の都市(まち)開発や産業振興、にぎわい創出などの施策の成果が総合的に寄与し始めている。また、昼間人口も大幅に増加し、経済波及効果も見え始めていると推察します。まだ初動段階ですが、まずは現状の都市政策推進について、区内経済振興の面から一定の評価をいたします。
今後のさらなる少子高齢化、産業国際競争等の外部環境の激変を予測したときに、あるいは、自治体間競争が進む中、歳入歳出見込みがこれまでどおりということはあり得ず、経済・経営の早急なイノベーション、それに伴う自治体経営にもパラダイムシフトが求められると考えられます。
そこで、区の都市政策推進などは、おおむねこうした変化に方向が沿っていると捉えています。また、国の施策は強力に経済構造を変換させようとしており、中野区においては、政府の唱える成長戦略をまさに、さらに具現化すべきで、そういった意味で区の都市計画推進予算等、経済振興のために組まれる予算は、将来への先行投資として必要であり、評価もし、またそうあるべきと強く求めます。
ただ、地域経済の活性化を含む地域活性化は一長一短には進まず、そうした中で、中野南北問題の解消や中野の魅力創造などの課題、また、区内産業振興の戦略性、実効性の検証・確保に関する課題、雇用、所得向上への対策など、個人ベースでの生産性の向上に関する課題などもまだまだ存在すると考えています。あくまでソフト面を主役と見立て、ハードを補完とする都市政策こそが、費用対効果が高く、結果、実感できる地域の経済成長策と考え、そうした姿勢でのまちの活性化を区は今後強く推進していくべきです。
また、次に今回、特に着目した点として、計画的な職員数削減による職員2,000人体制の成果が数値として顕著です。人件費率は歳出の実に17.7%となり、数値的に目覚ましい成果と言えます。我が会派が主張する公民所得格差の是正とは異なりますが、小さな政府を目指す行政改革という面から、みんなの党とは親和性のある削減策で、スリムな行政の成果を評価いたします。
また、そのためには民間活力の活用が不可欠となります。民間にできること、民間が得意なことは民間に移す、そして小さな区役所を実現するという方向性に賛成です。新たに開設される産業振興センターなどを指定管理とし、さまざまな窓口業務などを業務委託化、保育園などを民営化等々、さまざまな形での民間活力の活用が推進されています。
また同時に、さまざまな業務支援システムの調達も予算化され、行政事務の効率化が図られようとしています。区役所のあり方も職員のあり方も急速にその仕事の中身にイノベーションが求められ、区役所自体も効率性を獲得すべきと求めます。
サービスレベルの向上や行政事務の効率化等の視点から、これら民間活力の活用やシステムの導入は方向性として有益と捉え、評価します。
しかし、反面、官民の責任の所在と範囲、役割分担の明確化についてはいまだ周知に至らず、また、費用対効果、または区民満足度に対してもどうなのか。信頼性と妥当性を兼ね備えた絶え間ない検証と改善による真摯な追求を求めます。また、そこでさらに民間活力をマネジメントし、公的サービスの向上や業務効率化が実現し、そして結果、区民満足度の向上に確かにつながるための実効的な仕組みの構築、職員のスキルアップやスキルチェンジとその前提となる意識の改革など、そういった組織のあり方も含め、官民協働への取り組み方は、今後の重要な課題と考えます。
また、委託業務を調達する現状についても、まだその効果を生かし切るには、ここにはまだ課題があると考えています。調達時の仕様作成、積算、契約、評価、改善のプロセスや調達するものに対する費用対効果についてさらなる精査を、今後歳出の抑制、適正化のためにも、我が会派も主体的に審査していくと同時に強く求めます。
また、所管業務分野全体に言えることとして重要なのは、体系的な戦略性、費用対効果の検証、これらを成果指標として適切に反映させること、そしてPDCAの徹底。これらを追求し、形骸化させないことこそ、今後の大きな課題の一つと考えています。
区政運営についてまだまだ課題や不透明な部分もたくさんありますが、予算の方向性については、経済振興策を含め評価すべき点が多く、また、現状を踏襲しつつ、次へのステップに進むべき施策が多いと考えることから、第6号議案に賛成をいたします。
国の経済政策と中野経済活性化を確実に相乗させ、実感できる雇用と所得に反映させること。また、最適な積算、戦略、計画に基づき、目標・目的を明確に確立した歳出を追求し続けること。区は戦略的マネジメント力を堅持し、官民が活力をもってつくり上げていく、発展的な中野のまちの実現に向け今後の着実な区政運営が行われていくことを期待し、賛成討論といたします。
○議長(伊東しんじ) 次に、林まさみ議員。
〔林まさみ議員登壇〕
○18番(林まさみ) ただいま上程されました第6号議案、平成26年度中野区一般会計予算に反対の立場で討論いたします。
2月の内閣府による日本の経済見通しによると、平成26年度の日本の経済は、「前年度に続き景気回復が見込まれる」とありますが、「海外景気の下振れ」や「消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減」とあり、楽観できる状況ではありません。
平成26年度の中野区当初予算の概要(案)を見ると、歳入は5年ぶりに基準となる一般財源基準額を上回りましたが、依然として財政調整基金を繰り入れなければ予算が組めず、今後その状況が5年間続くことから、10年も連続で基金を繰り入れる赤字体質が長期化すると考えられます。
今年度の予算内容を見ると、橋梁の長寿命化計画の修繕工事など、インフラ資産の適正管理やレアメタル等金属系粗大ごみの資源化、使用済み小型家電や蛍光灯の回収による資源化など、環境に配慮した取り組みなど評価できます。
一方で、中野区の財政規模に見合った事業数とは言えない、大型事業が次々に計画されています。中野駅地区、周辺地区まちづくり、区役所サンプラザ地区再整備、西側南北通路建設、西武新宿線立体交差化事業に伴う駅周辺まちづくり、鉄道交差事業の整備に、弥生町地区、大和町地区の不燃化事業と、全て事業化されれば、現在34億円のまちづくり基金等で対応することは不可能です。
個別の事業費を見ても、歳出の増加が想定されます。中野駅前開発事業は、請願駅ということで、西側橋上駅舎は区の負担となるだけではなく、整備後の西側南北通路や東西連絡通路、都道から移管された道路整備などは、今後区の負担になります。また、駅前の四季の森公園維持管理費は、夜間警備を配置しているとの理由から年間8,300万円余、1カ月で700万円、1日23万円と異常な支出であり、区内160カ所の公園の光熱水費・修繕維持費7,600万円よりも高額となっています。
ビル管理事業者にとって資産価値を上げる公園整備であることから、植物の管理剪定、清掃、巡回警備、トイレの清掃等をビル管理事業者が負担する管理協定を結んだ六本木ミッドタウンと港区のように、民間活力を活用することなく、かえって民間に活用されている状況です。
このことから、駅前開発等を行い、駅前を活性化させて、歳入の確保を図るとしていますが、財政効果が不透明な上に、開発事業費や整備後の維持管理費に中野区民の多額の税金を投入することが想定されます。
新たに取得する本町二丁目、弥生町六丁目の2カ所の大規模公園用地と本町五丁目と南部防災公園の用地取得、鷺宮調節地上部多目的広場の整備工事等に、一般会計と用地特別会計の合計192億円のうち、用地取得に関しては国や都の補助金で算定されるとのことですが、整備事業の差額分や整備された後の全てのメンテナンス費用は、四季の森同様に一般財源となります。
地域スポーツ施設事業も区財政を圧迫することは必至であり、区内に4カ所もスポーツ施設を新たに建設し、2億円以上となる指定管理費が将来想定されるスポーツクラブ計画を推進しているのは23区で中野区だけであり、その上、一般区民団体に高額な指定管理事業を選定させる極めて不透明なスキームは、大いに問題です。葛飾区のように民間スポーツクラブの施設を活用するなど、事業を見直せば歳出の大幅な抑制につながるのに、検証すら行わず、施設建設ありきで推進されていることから、見直しができにくくなっています。
それでも、多くの区民が利用する施設であれば納得もいくものですが、今年度区内プール使用料による歳入が、前年度と比べてマイナス140万円となっており、その理由として、利用者の自然減としていることからも、各スポーツ施設の計画は見直すべきであり、中部すこやか福祉センターの会議室の利用が10%台であり続けることや、平成25年度の2月末までの中部地域スポーツ施設の多目的ホールの稼働率が12.0%からわかるように、たまたま廃校になった学校跡施設等の活用ありき、行政目線の、利便性を無視した施設に区民の足は向くことはなく、高額な維持運営費が予算に計上されることになります。
また、今年度基本設計のため予算計上された、東中野区民活動センター整備事業を見ても、駅前にあり、東中野四・五丁目目のどちらにも利便性のよい、第三中学校という候補地があるにもかかわらず、駅から遠い崖地に位置している東中野小学校跡地を活用とするとしていますが、この方針は、利用する地域住民の立場に立ったものではなく、行政コストを抑えるものでもありません。
これは、施設改修改築計画や適正な施設配置計画が、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)や目標体系の見直し方針策定時に盛り込まれなかったことが原因であり、今後、施設配置の検証もされないまま整備が行われ、バリアフリーのためとエレベーターが建設されることになれば、計画性のない施設配置による税金の無駄の象徴になることは間違いありません。
施政方針説明に、区政の歩みをとめるべきではないとありましたが、いま一度立ちどまり、区民のための姿勢配置や、将来を見通した区政運営を行うべきです。
また、私の一般質問の答弁で、インフラ資産が総額660億円余増加したとありましたが、増加したインフラ資産に対し、整備・開発後の維持管理運営費などについての議論がないため、将来一般財源を圧迫することも当然考えられます。
施設を持たずに、民間活力の活用を行う工夫もなく、区民の財産である区有施設の整備や配置において利用する区民のことを第一に考えられていない施設計画を推進し続け、基金を積み立てるなど計画的に行うべき施設の保全計画にはいつまでも取り組まず、補助金ありきの公園用地購入や大型プロジェクトが優先された平成26年度の長期政権による末期的な予算は、史上最大の1,206億8,700万円余であり、活力ある区政運営が将来的に行われる予算ではなく、また区民のための予算とも言えません。
以上の点から、今回の予算について反対いたします。
最後になりましたが、東日本大震災の早期復興を心から願い、討論を終わります。
○議長(伊東しんじ) 次に、石坂わたる議員。
〔石坂わたる議員登壇〕
○7番(石坂わたる) ただいま上程されました第6号議案、平成26年度中野区一般会計予算について、賛成の立場より討論をいたします。
区長は、平成14年の初当選後の所信表明で三つの理念を語っています。
その一つ目が、区の危機的な財政からの脱却と、新しい時代に合ったサービスと施策の体系をつくり、健全な収支構造をつくる、「みんなの知恵で危機を希望へ」。
二つ目が、区民と区が情報を共有し、十分に話し合うこと。そして、行政が説明責任を果たす、「形だけではない、手応えのある区民参加」。
そして三つ目が、人権・福祉・教育など区民の暮らしを支え、誰もが自由に活動し、区民のさまざまな活動を結び付け、支援をし、「一人ひとりの可能性をひらく」ということを述べています。
区長が述べた三つの理念を予算の数字のみであらわすことは難しいとは思われますが、3期目の節目の任期を終えるに当たり、今回の予算は単なる通過点の予算ではなく、これまでの区長の実績と反省を総括した上で、果たし切れなかったものをどう果たすのかをきちんと示す予算であるべきだと思われます。
田中区長の初当選約1年後に発行された、2003年4月28日発行の「10年後の中野を描くメールマガジン第1号」では、「かつての区民参加は、ともすればそれぞれの理想や要求だけを網羅的に並べて、行政に物申すだけの参加になりがちだったと言えます。そうした参加のあり方から脱皮して、実現可能性と目標年次を見定めて、多様な区民の意見を区民自らが調整し、具体的な目標を作りり出していくという作業は、格段に困難なものであると同時に、新しい自治の実践になると言えると思います。」という言葉がありました。こうした区民参加を実現する環境づくりを行う役割を持つ上で重要な役割を持つのが、支えあい推進室であると理解をしております。これは区長の3期目の活動の中でも大きな目玉である項目であると思われます。
こうした解決すべき課題は多く抱えていますが、その支えあい推進室、平成24年以降、予算全体に占める構成比も年々ふえていることや、今回、区内4カ所の全エリアでのすこやか福祉センターがスタートした平成23年度の予算額を上回る予算が計上されていることで、地域の自治、地域福祉、区民の公益活動が一層進む契機となることを期待し、予算の増額を評価したいと思います。
また、財政再建では、特別区民税が2.4%増、歳入合計が3.1%の増の一方で、基金からの繰入金が減少するなど、確かに歳入面で見ると区の財政には明るい兆しが感じられます。
では、区民一人ひとりの生活を見た場合ではどうでしょう。確かに、課税標準額が1,000万円を超える5,100人程度の人が納める税の所得割額が、平成24年の7月から25年の7月にかけて18億円という伸びを示してはいます。しかし、区民税が均等割のみという人もふえ続け、その数は6,000人に迫る勢いであり、中野区民は一人当たりの所得額が今でも23区平均より低くなっています。
区民の希望を高めるということを意識した財政再建を考えるならば、格差に対して、高額納税者の定住促進、低所得者に対する所得の底上げ、社会保障制度を含めた所得の再分配、雇用促進を含めたセーフティネット、若者が所得がふえ始める中年期に至っても中野に住み続けてもらうための工夫をすることによって、希望を抱く区民がみんなで区財政を支える形をつくることが不可欠であり、それなくしては税収の伸びも一過性のものに終わってしまうおそれがあります。
こうした中、生活保護の対象者に対する身体全体にわたる健康面での向上を目指すための保健師の雇い上げ、メンタル面に対しては、生活習慣やコミュニケーション能力に課題のある人や、勤労意欲を失った人に対し、勤労に向けた支援を行い、就職先の開拓、マッチング、定着を行う就労意欲喚起等事業の開始、物理面において、子どもを抱えて働けない保護者のための認可保育所の新設を含めた保育枠の増設などは、大変評価できるものと思われます。
また、区長の初当選後、最初の所信表明では、ほかに保健や福祉や子ども、環境、まちづくりなど、区政の各分野の課題について触れられていました。そうした問題意識が26年の予算において、さまざまな予算がカットをされている中でも、子ども家庭支援センターの子ども家庭相談での従来の臨床心理士に加えての精神保健福祉士や精神科の看護師への相談ができるようになること。たんぽぽ学級跡地にできる重度重複障害児通所支援施設や知的・発達障害児通所支援施設の開設とあわせて、放課後に学校と施設と自宅を結ぶバスの運行を行うこと。また、成人を含む発達障害児・者や、事故や脳血管障害などによる高次脳機能障害者への専門相談などの開始などについて工夫を凝らすことで、誰もが元気で順調なときだけではなく、つまずいたときにも支えてもらえる予算になっていること、これを評価します。
ただ、予算という枠があっても、区長が最初の所信表明で語った三つの理念及び到達すべき目標が、区長以下2,000人の職員全てに徹底されていなければ、その理想を達成するこは何年かけても達成はできません。また、指定管理や業務委託がどんどん進む中で、これに関する透明化を図るガイドラインの作成がおくれていること、公園や施設の新設や売却の予定が発表される一方で、施設や公園の配置に関する長期的な計画策定ができていないこと、男女共同参画基本計画ができても、計画でうたわれているワークライフバランス推進企業の認定がいまだにできていないこと、乳幼児・高齢者・障害者などの災害時二次避難所の整備がいまだに不十分であることなどの課題の存在も指摘し、私の賛成討論とさせていただきます。
○議長(伊東しんじ) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
これより、議案ごとに分けて採決いたします。
初めに、第6号議案について起立により採決いたします。
上程中の第6号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(伊東しんじ) 起立多数。よって、第6号議案は可決するに決しました。
次に、第7号議案について採決いたします。
上程中の第7号議案を委員長報告どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次に、第8号議案について起立により採決いたします。
上程中の第8号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(伊東しんじ) 起立多数。よって、第8号議案は可決するに決しました。
次に、第9号議案について起立により採決いたします。
上程中の第9号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(伊東しんじ) 起立多数。よって、第9号議案は可決するに決しました。
次に、第10号議案について起立により採決いたします。
上程中の第10号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(伊東しんじ) 起立多数。よって、第10号議案は可決するに決しました。
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第13号議案 中野区職員定数条例の一部を改正する条例
第14号議案 中野区事務手数料条例の一部を改正する条例
第15号議案 中野区財産価格審議会条例
○議長(伊東しんじ) 日程第2、第13号議案から第15号議案までの計3件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野 晃登壇〕
○副区長(金野 晃) ただいま上程されました第13号議案から第15号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第13号議案、中野区職員定数条例の一部を改正する条例は、職員の定数を改めるもので、改正後の職員の定数は、区長部局においては1,816人とし、教育委員会の事務部局においては65人とし、教育委員会の学校の事務部局においては77人とし、合計で現行の定数より75人減となる2,000人とするものです。
この条例の施行時期は、平成26年4月1日です。
第14号議案、中野区事務手数料条例の一部を改正する条例は、薬事法の改正に伴い、引用条項の整備を行うものです。
この条例の施行時期は、薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律の施行の日です。
第15号議案、中野区財産価格審議会条例は、公有財産の管理及び処分並びに財産の取得及び借り入れに関し、適正な価格を評定するため、区長の附属機関として、中野区財産価格審議会を設置するに当たり、その設置、所掌事項、組織等について定めるものです。
この条例の施行時期は、平成26年4月1日です。
以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
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第18号議案 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について
第26号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例
○議長(伊東しんじ) 日程第3、第18号議案及び第26号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野 晃登壇〕
○副区長(金野 晃) ただいま上程されました第18号議案及び第26号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第18号議案、東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更については、東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更の協議に当たり、議会の議決をお願いするものです。
変更の内容は、平成26年度分及び平成27年度分の後期高齢者医療の保険料の軽減のために、各区市町村の一般会計から負担を求める経費を定めるものです。
この規約の変更の時期は、平成26年4月1日を予定しています。
第26号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例は、国民健康保険の保険料率等の改定を行うものです。
この条例の施行時期は、平成26年4月1日です。
以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。
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第19号議案 中野区社会教育委員の設置に関する条例の一部を改正する条例
第20号議案 中野区スポーツによる健康づくりの推進に関する条例
○議長(伊東しんじ) 日程第4、第19号議案及び第20号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野 晃登壇〕
○副区長(金野 晃) ただいま上程されました第19号議案及び第20号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第19号議案、中野区社会教育委員の設置に関する条例の一部を改正する条例は、社会教育法の改正に伴い、社会教育委員の委嘱の基準を定めるものです。
この条例の施行時期は、平成26年4月1日です。
第20号議案、中野区スポーツによる健康づくりの推進に関する条例は、スポーツを通じた健康づくりの推進に関し、基本理念、区及び区民の責務等、健康づくり・スポーツ推進計画の策定等を定めるとともに、健康スポーツセンターの設置並びに指定管理者による管理の基準及び業務の範囲、利用料金等を定めるものです。
この条例の施行時期は、交付の日から起算して1年を超えない範囲内において規則で定める日ですが、一部は公布の日です。
以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託します。
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第21号議案 中野区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第22号議案 中野区公衆便所の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
第23号議案 指定管理者の指定について
○議長(伊東しんじ) 日程第5、第21号議案から第23号議案までの計3件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野 晃登壇〕
○副区長(金野 晃) ただいま上程されました第21号議案から第23号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第21号議案、中野区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例は、道路法の改正に伴い、規定を整備するものです。
この条例の施行時期は、公布の日です。
第22号議案、中野区公衆便所の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例は、西武鉄道新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業に係る沼袋駅改札工事の実施に伴い、沼袋駅前公衆便所を廃止するものです。
この条例の施行時期は、平成26年4月1日です。
第23号議案、指定管理者の指定については、産業振興センターの指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
指定管理者として選定した団体は、ハートフルサポート共同事業体で、指定の期間は、平成26年4月1日から平成29年3月31日までの3年間としております。
以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託します。
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第24号議案 指定管理者の指定について
第25号議案 指定管理者の指定について
○議長(伊東しんじ) 日程第6、第24号議案及び第25号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野 晃登壇〕
○副区長(金野 晃) ただいま上程されました第24号議案及び第25号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第24号議案、指定管理者の指定については、重度・重複障害児通所支援施設の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
指定管理者として選定した団体は、社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会で、指定の期間は、平成26年10月1日から平成36年9月30日までの10年間としております。
第25号議案、指定管理者の指定については、知的・発達等障害児通所支援施設の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。
指定管理者として選定した団体は、特定非営利活動法人わかみやクラブで、指定の期間は、平成26年10月1日から平成31年9月30日までの5年間としております。
以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。
お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第7、第27号議案、中野区自治基本条例の一部を改正する条例を議題とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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第27号議案 中野区自治基本条例の一部を改正する条例
○議長(伊東しんじ) 日程第7、第27号議案、中野区自治基本条例の一部を改正する条例を上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野 晃登壇〕
○副区長(金野 晃) ただいま上程されました第27号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
第27号議案、中野区自治基本条例の一部を改正する条例は、区長の在任期間に係る規定を削除するものです。
この条例の施行時期は、公布の日です。
本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
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○議長(伊東しんじ) この際、お諮りいたします。
理事者から、2月19日に開会されました本会議での久保りか議員の一般質問における地域支えあい推進室長の答弁について、発言の一部を取り消したい旨の申し出がありました。
よって、この申し出を許可するに御異議ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、理事者からの発言取り消しの申し出を許可することに決しました。
○議長(伊東しんじ) 次に、陳情の常任委員会への付託について申し上げます。
お手元に配付の陳情付託件名表Ⅰに記載の陳情につきましては、記載のとおり所管の常任委員会に審査を付託いたします。
平成26年第1回定例会
平成26年3月12日付託
陳情付託件名表(Ⅰ)
《区民委員会付託》
第1号陳情 国保料滞納に対する資産差押えで、子どもの進路に影響が大きい学資保険を差し押えないことを求める件について
《厚生委員会付託》
第2号陳情 ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充に関する陳情
○議長(伊東しんじ) 本日はこれをもって散会いたします。
午後2時39分散会