平成26年02月27日中野区議会予算特別委員会 26.02.27 中野区議会予算特別委員会(第4日)

.平成26年(2014年)2月27日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(42名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原     宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席委員

      な  し

.出席説明員

 中野区長    田中 大輔

 副区長     金野 晃

 副区長     英 直彦

 教育長     田辺 裕子

 政策室長    竹内 沖司

 政策室副参事(企画担当)        海老沢 憲一

 政策室副参事(予算担当)        奈良 浩二

 政策室副参事(広報担当)        酒井 直人

 政策室副参事(情報・改善担当)     中谷 博

 経営室長    川崎 亨

 危機管理担当部長小田原 弦

 経営室副参事(経営担当)        戸辺 眞

 経営室副参事(人事担当)        角  秀行

 経営室副参事(施設担当)        石井 正行

 経営室副参事(行政監理担当、債権管理担当) 岩浅 英樹

 経営室副参事(経理担当)        伊藤 廣昭

 都市政策推進室長長田 久雄

 都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 横山 俊

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 松前 友香子

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 石井 大輔

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当)、

 都市基盤部副参事(都市基盤整備推進担当) 立原 英里雄

 都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 池田 中

 地域支えあい推進室長          瀬田 敏幸

 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 朝井 めぐみ

 中部すこやか福祉センター所長 遠藤由紀夫

 中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松原 弘宣

 北部すこやか福祉センター所長      田中 政之

 北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 大橋 雄治

 南部すこやか福祉センター所長、

 南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 相澤 明郎

 鷺宮すこやか福祉センター所長      小田 史子

 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 麻子

 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 高橋 昭彦

 区民サービス管理部長          白土 純

 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 上村 晃一

 区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 田中 謙一

 区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 古本 正士

 区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 小山 真実

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  髙橋 信一

 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、

 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当、知的資産担当) 辻本 将紀

 子ども教育部副参事(学校・地域連携担当)、

 教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 濵口 求

 子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、

 教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 黒田 玲子

 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児教育センター所長、

 教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 古川 康司

 健康福祉部長  野村 建樹

 保健所長    寺西 新

 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    藤井 康弘

 健康福祉部副参事(保健予防担当)    坂野 晶司

 健康福祉部副参事(障害福祉担当)    永田 純一

 健康福祉部副参事(生活援護担当)    伊藤 政子

 環境部長    小谷松 弘市

 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   鳥井 文哉

 都市基盤部長  尾﨑 孝

 都市基盤部参事(都市計画担当)     豊川 士朗

 都市基盤部副参事(都市基盤整備担当)  志賀 聡

 都市基盤部副参事(建築担当)      小山内 秀樹

 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 大木島 実

 都市基盤部副参事(生活安全担当、交通対策担当) 中井 豊

 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 伊東 知秀

 教育委員会事務局指導室長        川島 隆宏

 選挙管理委員会事務局長         吉村 恒治

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     篠原 文彦

 事務局次長    青山 敬一郎

 議事調査担当係長 佐藤  肇

 書  記     関村 英希

 書  記     東 利司雄

 書  記     土屋 佳代子

 書  記     細川 道明

 書  記     江口 誠人

 書  記     永見 英光

 書  記     鈴木  均

 書  記     井田 裕之

 書  記     竹内 賢三

 書  記     遠藤 良太

 書  記     香月 俊介

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      午前10時00分開会

○内川委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。

 第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。

 昨日2月26日(水曜日)の理事会の報告を行います。

 初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に後藤英之委員、2番目に篠国昭委員、3番目に南かつひこ委員、4番目に浦野さとみ委員の順序で4名の質疑を行うことを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○内川委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内川委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁をされる理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。

 それでは、質疑に入ります。後藤英之委員、質疑をどうぞ。

○後藤委員 おはようございます。平成26年予算特別委員会におきまして、みんなの党の立場から総括質疑をさせていただきます。

 当初予算案における物件費の考え方について質問いたします。

 物件費の増加が、一般会計当初予算同士の比較で9.4%、14億円余の増、構成比もその他経費で最大の13.5%、163億円余と際立っています。人件費の構成比率は減少を続け、東京都の給与関係費24.4%や、他の23区と比較しても18%付近の低水準に抑えられていることは2,000人体制の成果と言えます。

 ただ、職員数減少の代償として、例えば指定管理等の民間委託化が各分野で急激に進み、その結果もあり、ここの経費が膨らんでいると考えます。民間活力の活用と人件費削減効果との費用対効果についてお尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 来年度の予算の中で、民間活力の活用を進める案件といたしましては、弥生福祉作業所の指定管理者化やキッズプラザなどの委託化、戸籍住民の窓口に関する入出力業務の委託など15件ございまして、委託料等の費用は合計で4億2,400万円余であるのに対しまして、常勤職員57人分と再任用職員8人分の削減効果といたしまして5億5,200万円余でございまして、1億2,700万円余の財政効果となります。民間の事業者の創意工夫やノウハウの活用によるサービス向上も期待できるということからも、民間活力の活用の費用対効果は非常に高いというふうに考えてございます。

○後藤委員 それは、費用対効果がまずはあると評価いたします。その場合、小さな政府の場合、区民には減税としてのリターンがあることもありますが、現状、中野区の場合、サービスの向上等の効果についても引き続き補足していただきますよう要望いたします。

 さて、そこでまず、民間活力活用のあり方についてお尋ねいたします。

 民間活力の活用については、小さな区役所で民間のノウハウを取り入れたサービスレベルの向上などを進めるという視点に賛成です。ですが、区の趣旨として、最低限実際に所期のサービスレベルの向上等の目的が達せられることを区民に説明でき、最終的には区民満足度の向上が確認されなければ、小さな政府のメリットは区民サイドでは判然としないでしょう。また、同時に、民間活力の活用の方法はさまざまありますが、区民に重要なのはその方法や方式ではなく、民間活力を活用することによるサービスの内容の変化やそのメリットであり、公助が確保・継続されている、もしくは、共助で無理なく補完できているんだという安心感だと考えます。そのためには、区の役割や責任範囲を明確に示し、区の税金が少しでもかかわるところには目標と成果、PDCAの視点を保持しておくことが必要で、適正な契約、適切なマネジメントを常に追求する姿勢が必要と考えます。見解をお尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 区が指定管理者制度の導入や業務の委託化などによりましてアウトソーシングを進めていく上では、民間事業者のノウハウや創意工夫を活用して、サービスの質や量の向上を常に確保していくことが必要であるというふうに考えてございます。

○後藤委員 ありがとうございます。そこで現状、例えば橋場保育園民営化に当たって、責任主体やその質の担保がきちんと区民に理解されているのか疑問です。例えば現在、園舎解体工事が進行中ですが、現段階でまず問い合わせ窓口が区なのか、運営事業者なのか、解体工事事業者なのかどうなのか、役割分担や責任の範囲を明確に説明でき、さらに十分に周知しておくことが重要です。また、その上で、民営化自体の効果を区としてどう判断し、その効果や、特に質的なメリットの変化をあわせてどう説明していくのか、お尋ねいたします。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 橋場保育園舎等の解体工事につきましては、解体工事事業者が第一義的には窓口となるものと考えてございまして、配付文書や説明会でも周知をさせていただいているところでございます。

 また、橋場保育園の建てかえ・民営化そのものは、区が実施している事業でもございますので、しっかりと関与していくといったものでございます。

 それから、民営化の効果の説明ということでございますが、保育園の民営化による基本的な保育の実施のほか、延長保育の拡大ですとか、あと、地域の子育て支援事業の充実などメリットがございまして、それらの点に関しましては、保護者の皆様や地域の皆様に説明をしてきているといったところでございます。

○後藤委員 ありがとうございます。そうしたメリットの周知と区の立ち位置、その責任範囲を限定して周知しておくことが大切だと思いますので、ぜひとも今後もよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

 次に、またこれも民間の活力の活用と言えると考えていますが、先日、中部すこやか福祉センター避難所開設運営訓練があり、首都直下型地震震度6強が休日に発生したという想定での非常訓練を行いました。複数の町会、地域防災会により構成される避難所運営組織と数名の区職員により行われましたが、避難所を起点として内外からの情報収集と避難所、そして、地域への情報伝達、物資の配付や救護など、実質50~60名のメンバーでこうした対応を行うのはとても現実的ではないと感じました。特に心配なのは、避難所にたどり着けない人々の安否確認や、避難所の場所を知らない人々とのコンタクトの方法です。避難所の機能のそれぞれが重要ですが、そこに実効性があるのか。御所見をお尋ねいたします。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 先日、中部すこやか福祉センターで避難所運営訓練を行いました。これは、避難所運営会議の委員が災害時に避難所運営本部を立ち上げまして運営を行うに当たっての本部会議、庶務部、情報連絡部などの各部役割を確認いたしまして、安否確認をはじめ避難所で直面するさまざまな課題等への対応の習熟、資機材等の組み立て、操作等の習得を目的に実施したものでございます。災害時には、訓練に参加していただいている避難所運営本部の委員が中心になりまして、避難してきた地域の方々の協力を得ながら避難所は運営を行われていくべきものであると考えております。

○後藤委員 災害時、避難所における区のガバナンスはいかに行われるかも曖昧に思いました。見解をお尋ねいたします。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区の災害対策本部体制では、災対地域部のもと区内15地域に地域本部があり、避難所の状況を把握し、必要な指示・援助・情報収集を行うこととしておりまして、全体として統制されているということになっております。災害時に避難所に設けられます避難所運営本部は、当該避難所に指定された防災会の役員と避難所範囲の区の職員、施設管理者の学校長等を本部員といたしまして、各部の役員が運営を担うこととなります。

○後藤委員 また、現状、中部すこやか福祉センターには、発災当日、情報伝達する際に、最低限の具体的方法として考えられ、使用が想定されるトランジスタメガホンに関する備えもありませんが、なおさら想定が見えませんでした。他の避難所はどうで、実際にどうやって災害箇所に孤立する人々を救援、もしくは避難所への誘導を行う想定か。見解をお尋ねいたします。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区の災害対策では、避難誘導、けが人の救助・救命活動、安否確認等は消防、警察、地域防災会と連携いたしまして、地域本部がその役割を担ってございます。

 なお、トランジスタメガホンにつきましては、地域防災会には配備しているところですが、避難所には配備していない状況でございます。今後検討していきたいと考えてございます。

○後藤委員 よろしくお願いいたします。地震など緊急事態にこそ、集中的に公助が求められると考えますが、区が避難所に備蓄物質があるから大丈夫という話とは別に、国や都や諸団体との連携を前提に、発災時避難・救護体制を実効的に整備し、全ての助けられる人々を積極的に救助するという観点からシミュレートしておくべきです。その中でも特に、区の立ち位置をどのような役割としているのでしょうか。再度見解をお尋ねいたします。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 平成21年度から毎年、首都直下型地震の発生を想定いたしまして、震災図上訓練を行っているところでございます。この訓練には、区長をはじめといたしまして100人規模の職員が従事しておりまして、消防、警察等の関係機関も含め、時系列に沿いました迅速な対応及び意思決定等の習熟等を図っているところでございます。区は、災害時におきまして、警察、消防、地域防災会と連携いたしまして応急対策を実施、必要に応じまして応援を要請する等、区民の方々の生命・身体・財産を守る責任を負うものとして災害対策に当たっているところでございます。

○後藤委員 よろしくお願いいたします。

 それでは、民間活力の活用を推進する中野区にとって、業務を任せる民間との契約に関するあり方は大変重要です。例えば、産業振興センターのように指定管理者による実施、産業振興拠点のように民間事業者が主体的に実施、どこでも出張相談のように区の委託事業者として実施など、さまざまな契約種別での実施の可能性がありますが、以下お尋ねいたします。

 契約種別、判断をする際、それぞれのメリットとデメリット、費用対効果等を検証し、また、業務評価する際の基準やガイドラインが必要と考えます。区が求める要求目標の達成度を評価・検証し、改善策や新規の取り組みについて求める頻度や手順はどうガイドライン化されていますか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 民間活力の活用を行う際に、どのような手法で行うのかといったことにつきましては、個々の事業ごとに検討を行い、判断をしてきたところでございまして、現在のところ、ガイドラインとしてまとまったものはございません。

○後藤委員 ガイドライン化についても検討していただきたいと要望いたします。

 平成25年度、定期財務監査の結果に関する報告で注目すべきは、業務委託に関する指摘です。報告は、予算の積算の不十分さ、流用の指摘や仕様書の不備を指摘し、そして、業務委託の評価に関する基準が示されているのは、企画提案公募型事業者により契約が行われている業務のみで、その他の契約にあっては統一した評価方法は確立されていないとし、「履行状況を確認して、適切な評価を行い、それを業務改善につなげていくことは、PDCAサイクルによる市政運営を進めていく上で欠くことのできないプロセス」とし、「委託した業務には区民サービスに直結している事業も多く、委託の結果で区民満足度や区政目標の達成が左右されると言っても過言ではない」とし、「業務の委託が拡大している現状をかんがみれば、区として統一した履行確認と業務の評価の方策を確立することは喫緊の課題」としています。こうした指摘は、受託業務においてまさしく区政運営の根幹であるPDCAの行動規範のうち、「D」を除く全ての過程に不十分さが存在するとする指摘であり、民間活力の活用を推進する中野区にとって致命的です。委託段階でもマネジメントのあり方を早急に再点検し、改善策を継続的に示すべきです。具体的に、現在、どのような改善計画でこれらの不備の改善に臨んでいるのか、お尋ねいたします。

○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 履行確認におきましては、契約事務規則の規定にのっとりまして、契約書、仕様書等に基づき、検査事務として実施しているところでございます。

 受託業務の評価についてでございます。行政評価では、区政目標の達成に向け、成果、事業実績、効率性等につきまして、委託業務を含めて評価検証を行い、見直し改善につなげているところでございます。今回、監査結果報告におきまして、「業務の評価の方法を早急に確立すべき」との意見が付されたことにつきましては重く受けとめておりまして、他の指摘事項とあわせ検証してまいりたいというふうに考えております。

○後藤委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 指定管理に関するガイドラインがまだ整備されていない不安は、議会でもたびたび指摘されています。他の民間活用についても、区は公助を目的として構想したことは、区が最後まで責任を持ってマネジメントし、区と同等以上のサービスレベルを確保し、成果を担保すべきです。契約種別ごとに民間委託業務をマネジメントし、また、契約種別にかかわらず公助の一貫性を保つための体系的なガイドラインの存在が必要と考えます。また同時に、契約方法、もしくは公募のあり方として、一般競争入札、指名競争入札、随意契約、企画提案型公募などについてどのような基準でその振り分けが行われているのか。その判断を誰がどう行っているのか。属人的になっている部分はないのか。基準と判断のプロセスについてお尋ねいたします。

○伊藤経営室副参事(経理担当) 契約の視点からということで、工事の発注につきましては、原則、一般競争入札を実施してございます。物品購入については、予定価格が一定金額以上の案件については一般競争入札で、それ以外の委託や賃貸借については原則指名競争入札を行っております。随意契約は、地方自治法施行令の定めにより、少額案件における各部が行う見積もり合わせと業者を指定しなければならない場合の特命随意契約、業者指定で行っております。また、企画提案公募方式につきましては、競争入札では仕様に適した業者を選定することが困難である場合は、企画提案による審査や業務実績、価格などを総合的に評価して行うことが必要であるものを採用してございます。

 入札までの事務手続につきましては、一般競争入札、指名競争入札につきましては、事業所管からの契約締結請求を契約所管が受けまして、事務手続後、入札を行います。所要期間につきましては、一般競争入札が約1カ月、指名競争入札につきましては2週間程度ということでございます。随意契約、これについては特命随意契約とさせていただきたいと思いますけれども、事業所管が業者指定理由書を付して、契約所管に契約締結請求をいたします。契約所管では、該当業者から見積もりを徴収し、予定価格の範囲内である場合に採用とします。企画提案公募型の業者選定につきましては、一般競争入札と同様の手続を行い、入札にかえて事業者は企画提案書、見積書などを提出いたします。

○後藤委員 特に、指名競争入札や特命随契は非公開性が強く、なぜその選択をしているのかが非常にわかりづらく、誤解を招きやすく感じますが、いかがですか。

○伊藤経営室副参事(経理担当) 指名競争入札は、不特定多数を対象とした一般競争入札と異なり、実績などに基づき信頼性のある業者を選定し、入札を行う必要がある場合に採用してございます。また、随意契約は、地方自治法施行令で定められた場合のみ行うことができ、少額な場合、特定した事業者しか受注できない場合、緊急である場合、不調により落札者がいない場合などに行っております。

○後藤委員 例えば、先日、現在進行中の区議会ホームページリニューアルに当たり、ホームページの作成委託が指名競争入札で行われましたが、なぜ指名競争入札が選択されたのか不可解です。仕様書が万全な設計図としてあれば、一般競争入札が妥当でしょう。一例ですが、契約担当としてはどの判断をもって指名競争入札を採用したのか。意思決定プロセスを含めて、お尋ねいたします。

○伊藤経営室副参事(経理担当) 先ほどもお答えさせていただきましたけれども、委託案件につきましては指名競争入札で行ってございます。指名競争入札で行う主な理由としましては、不特定多数を対象とした一般競争入札ではなく、履行実績などに基づいた信頼性のある事業者を選定する必要があるということで行ってございます。

○後藤委員 ありがとうございます。確認なんですが、基本的には契約分野は業務所管分野からの要請により契約種別を判断すると考えていいんでしょうか。

○伊藤経営室副参事(経理担当) 所管分野からの依頼に基づいて、協議して行ってございます。

○後藤委員 業務所管と契約担当の判断で、専門分野の調達方法をいかなる判断において行えるのか疑問です。そこにCIOオフィスはいかに関与しているのか、お尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 調達ガイドラインに基づいて、CIOオフィスは、IT調達の案件ごとに、契約前に技術的な観点から内容のチェックを行っておりまして、CIOオフィスが承認した後に契約の手続に進めていくということになってございます。CIOオフィスといたしましては、その際、可能な限り競争性が確保されるように仕様書や指定理由書の内容をチェックいたしまして、不要な、もしくは意図せずして製品指定や業者指定が生じないように、助言や指導を行っているところでございます。

○後藤委員 ありがとうございます。この件についてはもう結構ですが、属人的な判断が必要な中でも、ブラックボックスをいかに透明化していくのかも今後の課題としていただきたいと要望いたします。

 また同時に、1月末までの今年度で指名競争入札と随意契約、これはそれぞれ何件あったのか。それは、契約案件全体のそれぞれ何%に当たるのか。また、その成果をどう補足し、どう評価しているのか、お尋ねいたします。

○伊藤経営室副参事(経理担当) 2月24日現在で数字が出てございますので、その数字でお答えさせていただきます。

 820件の案件のうち、指名競争入札は313件で、全体の38.2%、特命随契は366件で、全体の44.6%となってございます。なお、これらについては、適切な事業者を選定し、履行も確保されていると考えてございます。

○後藤委員 若干ちょっと多いような気がするんですが、わかりました。適正な調達に努めていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 そこで、IT調達について質問いたします。

 民間活用における業務委託契約の例示として、現状でも歳出の額が大きく、今後はマイナンバー制の導入、オープンデータへの取り組みに伴い、ますます歳出が膨らむことが予測されるITの適正調達についてお尋ねいたします。

 基本的に、その調達過程は専門性が高く、運用過程やCIOオフィスの業務実態を含め、ブラックボックスになりやすいと感じています。同時に、業務の効率化等、費用対効果をはかりやすく、最適調達によるリターンが明確に見える化されるべき分野でもあります。その基本となる現状と姿勢をお尋ねいたします。

 まず、歳出のうちIT調達に係る予算の規模が拡大し続けているのではないかと推察されますが、昨年度のIT調達の実績はどの程度の規模でしたか。お尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 平成24年度の中野区の情報システムの調達コストは、総額で11億6,700万円余でございます。

○後藤委員 IT調達の費用対効果はどうはかり、どう評価していますか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 情報システムの調達について個別に比較を行う際に、定量的効果と定性的効果を予測いたしまして、可能な限り数値化を行っているところでございます。そうした効果と、それから必要なコストを比較した上で、投資に見合った成果――つまり、業務の効率化や利便性の向上などが見込まれるかといったことを勘案しまして、技術評価、それから、政策評価を行っているところでございます。

○後藤委員 ありがとうございます。なお、そこで仕様書の作成には高い専門性が要求されると同時に、正しくつくられなければ当然企図したものが納品されることはありません。調達ガイドラインの中では、仕様書は発注者責任として発注者がつくることになっていますが、今現状、どういった状況で、誰がどんな責任を持って作成していますか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 仕様書は、職員が作成する場合や、プロポーザルなど事業者の協力を得て作成する場合などがございますが、いずれにしましても、システム所管部が責任を持って作成したものを、CIOオフィスがこれをチェックいたしまして、修正が必要な場合は助言や指導を行いまして仕様書の作成を支援しているということでございます。

○後藤委員 IT調達においては、発注者、受注者側ともに多様に細分化された専門家たちが配置されるのが一般的です。また、内容により必要とされる人材は変化します。ですので、当然一つの業務所管分野で多様なIT調達チームが形成できるとは考えません。そこで、現在、区の業務所管分野がIT調達をするときに、支援が可能な人材群はどれくらいで、全体としてどんな専門人員が備わっていますか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) ICTに関する専門知識を持って、業務所管部の職員を支援できる職員としましては、非常勤のIT専門支援員が3名、情報政策官が1名、合計4名でございます。

○後藤委員 IT分野でも、どういう分野の専門家たちを例えばカバーできていますでしょうか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) IT分野は非常に多岐にわたりますので、特にどの分野の専門というものはございませんが、さまざまな分野につきまして幅広くカバーしているというのが実態でございます。

○後藤委員 当然、調達時にはプロジェクトチームが立ち上がると思いますが、重要なのは、統括責任者のマネジメント力とチームとしての多様な専門性の確保です。そこで、CIO補佐官2名のミッションとその違いはどんなものなのか。役割分担と権限分担についてお尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) CIO補佐官は、情報政策官と、それから、情報・改善担当の統括管理者の2名でございますが、情報政策官は、情報通信技術に関する専門知識を活用して、CIOの補佐を行っておりまして、情報・改善担当の統括管理者は、情報政策に関する総合調整を行うことによりCIOを補佐しているところでございます。

○後藤委員 CIOオフィスと情報改善分野で、柔軟な民間活用も含め、IT調達に必要な各機能、各専門性を、状況に応じてプロジェクトベースでカバーでき、同時にノウハウを蓄積できる体制を早急に構築すべきと考えます。見解をお尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 現在の体制におきましても、情報システムの調達に関するプロジェクトの状況に応じまして必要な支援を、IT専門支援員が中心となって適宜行っているところでございます。ただ、情報システムの調達に関する支援のノウハウにつきましては、情報を可能な限りマニュアルや資料、また、記録等の形で可視化、見える形にしまして蓄積をしていくことで、情報や知識を共有し、人が入れかわった場合にもスムーズに継承されるようにしていきたいというふうに考えてございます。

○後藤委員 続きまして、IT調達の実効性と積算の妥当性、その改善について質問いたします。

 改めまして、IT調達にはCIOオフィスとともに中野区情報システム調達ガイドラインが存在します。今回お尋ねする趣旨は、調達ガイドラインの実効性の確認とCIOオフィスの役割と責任範囲と費用対効果を明確化することです。

 そこでまず、CIOオフィスの維持費用は、26年度予算案、業務改善費中のIT専門支援員報酬等1,917万5,000円に、区職員の当該給与分を加えればよいでしょうか。また、IT専門支援員報酬等の内訳とその具体的な内容をお尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) IT専門支援員の第一種報酬が月額34万2,500円、第二種報酬の上限額が月額3万3,000円、情報政策官の報酬額が月額47万580円となっておりまして、IT専門支援員3名、それから、情報政策官1名の年額に換算して合計しますと1,916万5,000円になります。これに視察・研修等の旅費1万円と職員の人件費相当額を加えた額がCIOオフィスの運営に係る費用ということになります。

○後藤委員 CIOオフィスのミッションと目的、目標、そして、成果をはかる基準、組織内容についてお尋ねいたします。また、構成員それぞれの使命、権限と責任範囲を明確にあらわす基準としてはどのようなものがありますか。現実的には、例えば、今年度CIOオフィスは主にどのような成果で区民への貢献をしていると考えていますか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) まず、CIOオフィスにつきましては、中野区情報政策の推進に関する規則の規定に基づきまして、情報システムの管理を計画的、効果的及び効率的に行うためにCIOの職務を補佐する、そういった体制でございまして、構成としましては、CIO政策室長、CIO補佐官、IT専門支援員、それから、情報・改善分野の職員でCIOが指名する者をもって構成をしてございます。CIOやCIO補佐官、IT専門支援員の設置目的や職務内容、権限等にございましては、中野区情報政策の推進に関する規則に規定されてございます。

 それから、CIOオフィスの今年度の成果なんですけれども、今年度の大規模な案件といたしましては、マイナンバー対応のためのシステムの導入ですとか、図書館システムのリプレース、それから、課税業務支援システムの導入、サーバ仮想化キーパーの導入などがございまして、そのほかにも今年度の案件としては50件程度調達案件がございました。それらの仕様書の作成の支援ですとか見積もりの精査によりコストの削減に貢献しているということですとか、各種情報システムの導入や改修がスムーズに完了し、区民の利便性や業務効率を確実に向上させていくことができるようにシステム調達の過程を通じてサポートをしているというところでございます。

○後藤委員 調達ガイドラインによると、CIOオフィスは区のIT調達にとって非常に重要な位置付けにありますが、費用対効果を定量的、定性的にどう分析されていますでしょうか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) IT調達において、情報システムに求める要件の定義や業務フローの見直し、また、ベンダーの見積もり内容を精査した上での交渉などにより削減できるコストは非常に大きく、費用対効果は高いというふうに考えてございます。

○後藤委員 調達ガイドラインは、それではどういう経緯で作成され、どういう視点で改善されてきたか、お尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 調達ガイドラインが策定される以前は、情報システムを導入しようとする業務ごとに個別最適が図られているといった状態でございました。必ずしも中野区全体での情報システムのあり方まで対象とした検討や調達が行われている状況にはなかったものでございます。そのため、システム全体として俯瞰しますと、その投資による効果指標の設定が曖昧であったり、重複により非効率が発生したりする、そういった状況がございました。また、開発段階の進捗や品質管理、導入後の評価が適切に行われていないために、サービスの向上や事務の効率化等の目標が達成しているかという評価が困難な状況でございました。そういった状況を重要な課題ととらえて、その解決策として情報システムや関連するサービスの調達に関する基本的な考え方、それから手順を調達ガイドラインとして定めたという経緯でございます。

○後藤委員 調達ガイドラインでは、発注者責任ということが繰り返し求められています。そこでまず、ここで言う発注者とは一体誰を指して発注者と言っているのか。また、発注者はどんな責任を負うべきなのか。私は、適正価格に基づいた成果で区民サービスに寄与するなど、費用対効果に対する責任を負うべきだと考えています。それと同時に、調達ガイドラインというのが非常に抽象的に見えておりまして、実際そこにどの程度の実効性があるのか、疑問に思っています。御所見を伺います。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 調達ガイドラインの発注者とは、広い意味では中野区を指しまして、狭い意味ではシステム調達の発注を行っている業務所管部ということになります。発注者責任につきましては、調達ガイドラインの中で定義されておりまして、「情報システムの活用による事業目標を明確にし、目標を達成するための活動において、発注者でなければ決められないことや実施できないことなど、受注者ではなく発注者が主体となって行うべき業務責任のこと」というふうにされてございます。例といたしましては、事業目標の設定や業務フローの定義、要求事項の定義、契約履行状況の管理、完了検査などが該当するものでございます。

○後藤委員 それから、調達ガイドラインで、発注者が作成し、責任を負うべきとされる仕様書は、本来、作成者のノウハウが結集されるシステム設計図です。仕様書作成は、受託業者の納品物であることが一般的で、非常な技術専門性が求められる領域なので、現状の区の体制では内部政策にやや無理があり、基本的にプロポーザル方式の仕様書発注前提に民間のノウハウを活用すべきと思います。基本的な考え方として、仕様書作成と実装の分離発注が現状合理的と考えます。見解をお尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 大規模なシステムの導入案件ですとか最新の技術を導入するといった場合など、職員が仕様書を作成するのは困難な状況につきましては、全体のコストやスケジュールなどを総合的に勘案いたしまして、システムに必要な要件を盛り込んだ仕様書を効率的に作成して、コスト削減が見込まれる案件につきましては仕様書の発注を切り分けるといった手法を取り入れることができないか検討していきたいというふうに考えてございます。

○後藤委員 同時に、システム検証にかかわる部分も、実装部分と分離発注するほうが正確な検証ができ、特に費用対効果も高いと考えますが、現状どうで、見解はいかがですか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) システムの検証、つまりはテストの部分を分離して発注しているという事例は、現状ではほとんどないという状況でございます。こちらも全体のコストと、また納期が問題になると思いますので、それらを勘案した上で、分離調達が有効な案件につきましては、そうした手法を取り入れることができないか、検討していきたいというふうに考えてございます。

○後藤委員 よろしくお願いいたします。

 また、ITシステムは継続的な調達になるものも多いですが、その際に、ガイドラインでは、「発注者責任として見える化され、初めて調達に携わる職員でも効率的に調達が実行できるような手順や書式が備わっていること」とされていますが、こうした状況にはなっているのか。また、継続的な調達にこそ積算根拠の妥当性が問われますし、同一事業者継続の観点と市場価格相場の変化の両方の観点から、絶えず根拠の見直しが必要です。これはどのように行われていますか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 業務主管部とCIOオフィスの双方で、情報システムの調達に関する各種書類につきましてはデータ、もしくは紙ベースで保管され、人事異動等があった場合にも適切に業務が履行できるように引き継ぎ等行っているところでございます。また、リース契約や保守契約など継続的な調達案件につきましては、仕様内容に変更がない場合は変更の余地はほとんどないということが多いというのが現状ではありますが、単年度の保守契約につきましては、仕様の内容や価格の面から妥当なものになっているか。また、業者指定の妥当性などにつきまして、毎年度、再点検を行っているというところでございます。

○後藤委員 続きまして、業務フローの定義、要求事項の定義、契約履行状況の管理、完了検査等が発注者責任とされています。具体的なノウハウが必要な部分です。例えばこうした場合に、現状CIOオフィスのサポートを実務レベルでどの程度期待できますか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 全てのシステム調達案件につきまして、担当のIT専門支援員を1名配置しておりまして、調達の全ての過程において必要な支援を行っているところでございます。必要な支援の程度は、システムの内容や規模、それから、業務所管部の職員のスキルなどに応じて案件ごとにさまざまでございますが、担当のIT専門支援員だけでは対応が難しいと、そういった場合には、CIO補佐官もプロジェクトマネジメントの支援を行うといった対応を行ってございます。

○後藤委員 また、納品物の品質を確認するシステム完了検査項目の作成、もしくは確認は、誰によって、どういう視点でなされているか、お尋ねします。作成は受託事業者、確認は区の内部ということであれば、どのような視点、もしくは基準をもってその検査確認をしているのか、お尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 契約内容によりまして、受託業者が行う場合と区の職員が行う場合、また、双方で分担する場合があると考えられますが、検査に当たりましては、仕様書に記載された要件やシステムに要求される機能、それから水準を満たしているかといった観点から、想定される操作などを本番稼働前に全てひと通り検証していくことが基本になるというふうに考えてございます。

○後藤委員 ここは受託事業者と区のほうでぜひダブルチェックを行ってもらいたいと要望いたします。

 また、積算根拠の妥当性の確認や業者の安全性に関する確認は、最終的には中野区民に跳ね返ってくる問題です。ここにも発注者責任と専門性が同時に要求されています。積算については、特に属人的な判断は極力避けるべきと考えますが、現状、誰がどのように判断しているのか。積算についての留意点と積算体制、積算プロセス、同様に、業者の安全性についてもお尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 積算につきましては、まず、業務所管部の職員が、業者から概算で見積もりを徴収いたします。次に、CIOオフィスにおいて仕様書の内容と比較をして、業務内容の項目や単価、SE等の作業工数などが妥当なものになっているか、検証をいたします。その上で、詳細な内訳が必要な場合には業者に提出を求め、仕様に見合った積算になるよう精査をしているところでございます。

○伊藤経営室副参事(経理担当) 私からは、入札などにおける参加業者の安全性についてお答えいたします。

 区の競争入札に参加するためには、東京電子自治体共同運営電子調達サービスの資格審査を受け、登録をしなければなりません。その登録においては、登記簿謄本、決算書の提出や税の滞納がないことが要件となっております。一般競争入札の参加要件として、2年以上の営業実績、専門の資格を有すること、他の自治体での実績や指名停止の措置を受けていないことなどの要件を付して行っております。指名競争入札では、入札参加業者を選定する場合には、実績や履行能力などの調査を行っております。企画提案型プロポーザル方式の事業所選定では、一般競争入札と同様の参加要件を付してございます。

○後藤委員 わかりました。ありがとうございます。また、ただでさえ困難な調達において、積算過程で見積もりを取る事業者が1社で、かつ落札者が一致しているケースの割合が多ければ、入札は形骸化していると言えるでしょう。形骸化した状況にならないように、契約ではどのような指導をしているのかをお尋ねいたします。

○伊藤経営室副参事(経理担当) 契約所管では、契約の手引きというものを作成してございまして、契約の手引きで、所管部で契約締結するときや契約所管に契約締結請求をする場合の設計額の算出に当たり、複数の業者から参考見積もりを徴収し、適正価格を設定すること。入札参加資格を有する業者から徴収するなどのことを各所管部に指導しております。

○後藤委員 曖昧さを排除し、合理的な積算、合理的な調達を実現するためには、困難な専門的作業が属人的な判断に依存するのを極力避け、まずはタスクを細分化し、マニュアル化できるところはマニュアル化し、補完として各マニュアルについての研修も行うべきです。まず、発注者は、目的や要件を見積もりする側に正しく伝え、時に交渉も必要です。そのためには、伝える、または確認する要件を取りまとめる目的でも、発注前段階での情報整理マニュアルが必要と思います。また、指示されり業務フロー、見積書、契約内容、提案内容などのチェックすべき抑えどころを具体的に判断でき、または提示できるためのマニュアルや、工数や人日等にかかわるその時々の適正指数を判断できるためのガイドラインも適正な経費判断を標準化する上で必要と考えます。現状のガイドラインにそのような基準は明文化されていません。ただ、これらに類するマニュアルの整備はぜひとも必要と考えます。御所見をお尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) まず、積算のノウハウや適正な経費かどうかを判断するためのガイドラインにつきましては、CIOオフィスが設置されてから今年度で6年目になりますので、これまでに積み重ねてきた経験から、チェックすべき項目や基準となり得る考え方ができつつあると思いますので、そうしたものをマニュアルのように整備し、引き継いでいくことができないか、検討していきたいというふうに考えてございます。

 次に、要件定義や業務フローの作成段階でのマニュアル化になりますと、案件ごとに対応が異なりますので、マニュアル化は少し難しいかなというふうに考えてございます。ただし、要件定義や業務フローの作成、それから、見積もりの徴収等に当たりまして、注意すべき事項のチェックリストのようなものであれば作成できないか検討してみたいというふうに考えてございます。

○後藤委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。同時に、仕様書や事業計画書をはじめとした調達ガイドラインが求める各種書式の具体的なひな型を整備しておくことが大切です。民間から調達する際に、業務をプロジェクトレベルにしろ統括するには、民間の仕様書や事業計画書を収集し、研究・整理することです。その組織自体が民間活用でもあるCIOオフィスによりそれらのひな型を作成も含めて用意すべきです。また同時に、事業計画書の中に費用対効果や成果目標を当然記載できるようにすべきです。御所見をお尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 調達ガイドラインに基づいて作成する各種書式のひな型につきましては、CIOオフィスが整備をしているところでございまして、全庁的に共用してございます。業者から入手した各種書式につきましては、それぞれの業務所管部と、それからCIOオフィスの双方で蓄積しているといった状況でございます。

 また、情報システム調達の費用対効果や達成目標といった点につきましては、企画段階で作成いたします構想企画書といった書類の中で記載をするということになってございます。

○後藤委員 仕様書や構想、システム企画書、私も若干拝見したことがあります。もう少し民間レベルに、民間をマネジメントできるレベルに合わせた形で、もう少し精査していくということを要望したいと思いますが、いかがでしょうか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 具体的な内容につきましては、さまざまな民間企業の取り組み等の事例を参考にしながら検証していきたいというふうに考えてございます。

○後藤委員 プロジェクト、リスク、ライセンス等に関するマネジメント要件についても、段階に応じ実務的なマニュアルを整備し、研修を加えていくべきです。御所見をお尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) プロジェクトマネジメント等につきましては、情報政策機関や、またIT専門支援員の専門知識、それから、民間企業での経験、こういったものを活用して、個別の案件に応じて人的に対応しているところでございます。区としてこういったことをマニュアルとして整備していくということが、現段階ではそういったことができる状態には至っていないというふうに考えてございます。

○後藤委員 こうしたこともぜひ検討していただきたいと思います。よろしくお願いします。

 この項の最後に、区の職員は、総合的な視点で費用対効果を比較し、業務フローを統括することにその労力をさくべきと考えます。そのためには、ガイドラインを実務用に簡素化するとともに、実務に汎用性を持たせるマニュアルや書式を集めたデータベースが必要と考えます。システム化されたデータベースは便利ですが、必ずしもそうある必要はありません。大切なのはナレッジマネジメントにより調達業務から極力属人的な要素を排除し、効率化し、同時に品質の標準化を図ることです。また同時に、どうしても専門的な実務ノウハウが必要で、マニュアル化できない部分ももちろん存在しますので、そこにCIOオフィスの助言にとどまらない実働を加えていくべきだと思います。見解をお尋ねいたします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) これまでの経験をもとに調達ガイドラインをより合理的で、また効率的なものに改定することができないか、現在検討を進めているところでございます。また、情報システムの企画書や仕様書、見積書といった書類等のデータはCIOオフィスのほうに蓄積されているところでございますが、まだ全庁的な共有はされていないというのが現状でございます。情報安全保護の対策に一定の配慮が必要というふうには考えますが、これまでに蓄積されたデータや、それから経験について情報を共有し、より効率的に情報システムの調達を行っていくことができないか、検討していきたいというふうに考えております。

 CIOオフィスの支援につきましては、現在も助言にとどまるだけではなくて、必要に応じてプロジェクトの中に入って、仕様書の精査やプロジェクトマネジメントの支援などを行っているところでございまして、今後も積極的に行っていきたいというふうに考えてございます。

○後藤委員 ありがとうございます。これらの対策により、かなりの程度、財政面、区民サービス面、業務効率面などにおける費用対効果が見込めると考えますので、ぜひとも今以上に前向きな取り組みを要望いたします。

 また、その他として、民間活力の活用に必要な職員像についてお尋ねいたします。

 民間活力活用の推進で、職員にはより付加価値の高い対外型のマネジャーとしての使命と能力が求められてきます。そこで、民間活力を活用する、特にマネジメントできるレベルを獲得するためには、IT調達で触れた研修の中でも、民間出向の効果が高いと考えます。26年度当初予算説明書補助資料では、人事の成果目標は中野区コンピテンシーモデル第2段階の達成割合63%となり評価できますが、民間活用できるマネジャーとしての段階は第3段階、つまり、「内外に向けての影響力を持ち、2,000人体制に向けて民間活力を活用・支援する職員」として達成が望まれる段階となるでしょう。行政と民間はそもそも仕事への動機付けが全く違うので、この第3段階の要件に民間での実務経験が望まれると考えます。特に、IT調達や産業振興の分野にはそうした人材が必要と考えます。御所見をお尋ねいたします。

○角経営室副参事(人事担当) 今後、IT関連や産業振興の分野では民間企業との連携がますます求められてくる状況がございます。そういった連携先であります民間企業での実務経験は、その後の業務に有効と考えられます。

○後藤委員 2012年第4回定例会にて私が行いました一般質問にてもほぼ同様の趣旨で質問を行い、区長からは「民間企業への派遣研修など人事交流により、職員に民間のスキルやノウハウを学ばせることで、区民サービスにおける新たな価値創造や区政の効率的な運営に資することができると考えておりますので、そうした機会を積極的につくるように取り組んでいきたい。しかしながら、職員の削減過程の中で仕事をしているので、職場から職員を研修で抜くということがなかなか難しい実情であることも理解をいただきたい」と答弁をいただきました。その後、進展はあったのか。お尋ねいたします。

○角経営室副参事(人事担当) 研修につきましては、来年度、職員2名を大学の専門機関に派遣する予定でございます。1名は、東京大学におきまして、主に産学官連携によります新規ビジネスの創出と地域経済の再生などについて学ぶ予定です。地域振興におきまして、産学官連携を推進する人材を育成できるものと考えてございます。もう1名につきましては、政策研究大学院大学におきまして、主に地域まちづくりについて最近の手法などを学び、地域まちづくりを担うエキスパートを育成することとしてございます。いずれも派遣期間は1年で、こういった研修を通じまして、長期的な観点から地域住民の生活の向上に資する施策を立案・推進し、地域自治の発展を担い進めていく人材を育成していくことを目指してございます。また、民間企業への派遣研修についても引き続き検討してまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。非常に期待しておりますし、実際に非常に組織マインドを変えていく上でも重要かと私は考えておりますので、ぜひ進めていただきますようによろしくお願いいたします。ぜひとも進展してくれることを要望いたしまして、私の全ての質問を終わります。

 御静聴ありがとうございました。

○内川委員長 以上で後藤英之委員の質疑を終了します。

 次に、篠国昭委員、質疑をどうぞ。

○篠委員 自民党の2番バッターとして質疑させていただきます。いつもより細かく内容をタイトルとして挙げましたので、答えがまた丁寧に対応されているもようで、時間内に終わらない可能性もありますので、そのときは後のバッターにフォローしていただくと、こういうことになろうと思います。

 まず、平成26年度予算についてお伺いいたします。

 特別区交付金についてですが、東京都は1月17日、平成26年度都区財政調整フレームを発表しました。財調交付金の総額は9,812億円で、前年度比698億円、7.7%の増となり、2年連続で増加し、過去2番目の大きな交付金となりました。景気回復に伴って交付金の財源となる調整税が増加したことによるもので、新規算定項目は学校や児童福祉施設などにおける防災備蓄経費や木密不燃化事業など8項目とされています。これは都区協議会において区長会としても了承したものと聞いています。この新規に算定されることになった8項目というのは何と何ですか。

○奈良政策室副参事(予算担当) 新規に算定されることになりました8項目でございますが、1点目は新地方公会計制度運用経費、それから、2点目が防災備蓄経費――これは児童福祉施設と教育施設分でございます。それから、3点目が障害者自立支援協議会運営費、4点目が介護保険サービス利用者負担軽減補助事業費、5点目がショートステイ事業費、6点目が毒物・劇物監視業務に関する経費でございます。それから、7点目が都市景観まちづくり事業費でございます。それから、8点目がまちづくり事業費――木密不燃化事業ということでございます。

○篠委員 中野区の予算を編成するに当たって、妥当なものだったのでしょうか。

○奈良政策室副参事(予算担当) 区で既に取り組んでいる業務がほとんどでありまして、妥当なものであったというふうに考えてございます。特に、木密不燃化事業につきましては、木密不燃化10年プロジェクトに係る事業経費でございまして、区としても必要な事業でありまして、また、事業の実施にあわせて算定される態容補正ということになったことは、区としてもかねてから主張していたことでございまして、望ましいことであったと考えてございます。

○篠委員 態容補正とはどういうもので、区にとってどんなメリットがあるのかをお伺いします。

○奈良政策室副参事(予算担当) 財調の基準財政需要額の算定におきまして、標準的な算定では対応できない各区の行政需要を補足するために、補正というのが行われてございます。態容補正はその一つでございまして、各区の地域的な条件の差異、法令等に基づく特定事業の実施の有無、その他行政の質量差等がある場合に補正を行うというものでございます。26年度に新規で算定されました木密地域不燃化事業のようなまちづくり事業が態容補正の対象となりますと、交付金が実施に合わせて算定されるということで、区の一般財源の負担が軽減されることから、事業の促進が一層図れるなどのメリットがあるというふうに考えてございます。

○篠委員 わかりました。中野駅周辺まちづくりによって昼間人口が増加しました。これは、財調交付金算定上、どのような影響を持つんですか。

○奈良政策室副参事(予算担当) 昼間人口比率につきましては、財調交付金算定上の態容補正の対象の一つとなってございます。昼間人口の増加により比率が上がりますと、財調交付金算定上の基準財政需要額がふえるということになります。25年度の交付金の算定で試算をいたしますと、算定に用いているのは今22年度の国勢調査でございますが、その昼間人口が仮に2万6,000人ふえるというふうにしますと、これによりまして段階が一つ上がりまして、災害対策経費の需要額算定が3,200万円ほど増加するというふうになります。また、このほか、経常的経費の包括的な需要を算定する行政経費がございます。この中でも昼間人口の増に比例をして財政需要額が算定されて、これが増加いたしまして1万人ふえますと約1,200万円ほど需要額がふえるということになります。

○篠委員 大変ありがたいんですが、この昼間人口が増加した分の財調交付金上の反映時期はいつからですか。

○奈良政策室副参事(予算担当) 現在は22年度の国勢調査を使ってございますが、次回の平成27年度の国勢調査の結果に基づいて、30年度の財調交付金から算定されるというふうに見込んでございます。

○篠委員 中野区として、財調交付金の基準財政需要額をふやすための努力、あるいは減らさないための努力はどのように行っていますか。

○奈良政策室副参事(予算担当) 基準財政需要額をふやすために、決算等を調査分析いたしまして、都区財調協議における新規や充実を図る交付金算定事業を提案してございます。26年度は、第4ブロックの中で協議し提案をいたしました防災備蓄経費ですとか木密地域不燃化事業経費など、3事業が新規算定項目となってございます。また、基準財政需要額の見直し検討におきまして、平成24年度・25年度と2カ年にわたりまして、公園整備に係ります一人当たり公園面積の補正を廃止する案が特別区側で議論されたということがございます。一人当たり公園面積が23区で2番目に低い中野区にとっては、今後の公園整備において貴重な補正であったということから、現状の補正を継続することに向けて努力をいたしまして、26年度以降も継続されることになったということがございます。こうした努力を行っているところでございます。

○篠委員 一人当たりの公園面積の補正というのは、具体的にはどういうふうな流れですか。

○奈良政策室副参事(予算担当) 公園整備費に係る態容補正でございまして、地域間の公園の保有状況の格差の是正を目的とするものでございます。25年度の算定では、中野区の一人当たりの公園面積は1.3平米でございますので、一番大きな補正係数が適用されまして、補正がない場合と比較しますと1億7,000万円余りの基準財政需要額が増額になっているというものでございます。

○篠委員 ありがとうございます。財調交付金に関連して、都市計画交付金についてお伺いいたします。

 都市計画交付金における公園整備事業では、その対象面積が19年度に2ヘクタールから1ヘクタールに緩和されたわけです。平成元年ごろからもう既に区長会・議長会などが要望し続けてきた結果だと思うんですが、平成25年度からはこの対象面積がさらに緩和されて、平成26年度予算に0.6ヘクタール余りの本町二丁目公園用地の取得費が計上されるということになったわけですね。まず、この対象要件が緩和された内容と、本町二丁目公園の用地費を土地開発公社から一般会計へ引き取る事業スキームをお伺いいたします。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 都市計画交付金の対象要件の緩和内容ですが、1ヘクタール未満の公園整備の場合でも、東京都が都市計画事業の認可の過程におきまして、都が定める評価基準に従った都市計画公園としての認定がされれば都市計画交付金の対象とするように、東京都は平成25年11月に都市計画交付金の要綱の見直しを行ったものでございます。また、土地開発公社から一般会計に引き取る事業スキームですけれども、用地の取得に当たりましては、都市計画交付金だけではなく、社会資本総合整備計画、中野区南部地区都市再生整備計画を策定することによりまして、国費も活用していくといった流れでございます。

○篠委員 区ではこれまで、大規模な事業の実施に当たって財政的裏付けを持って、できるだけ財政の負担を抑えるように努力は続けていたわけですが、土地開発公社における用地取得時から一般会計で引き取る予定までの所有期間と金利負担をお伺いします。

○伊藤経営室副参事(経理担当) 一般会計での引き取りの予定時期を年度末とした場合でございますけれども、公社での所有期間は平成19年12月21日から平成26年度末までで、約7年3カ月となっております。この間の金利負担額は、約4億3,200万円でございます。

○篠委員 大変な金額なんですが、この金額、負担額4億3,200万円について、その後の処理はどういうふうになるのかお伺いします。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 区は、土地開発公社が平成19年度に同用地を取得した価格に、この間の金利負担分、約4億3,200万円を加えた価格で用地を引き取るといったものでございます。

○篠委員 もう少し具体的に、こういうふうに充てるというような感じでお答えできないですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 平成19年度に本町二丁目公園の用地につきましては約42億5,000万円ほどの経費で購入してございますけれども、そこに金利負担分4億3,200万円を加えた価格で区が土地開発公社から買い取るといった中身でございます。

○篠委員 確認ですが、本町五丁目公園用地や南部防災公園と同じように、国や都の補助金、財調交付金の財産費の仕組みを活用して一般財源による負担が少ないと、こう考えていいんですね。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 本町五丁目公園や南部防災公園と同様に、国費、都費、そして財調などの制度を有効に活用いたしまして、一般財源への負担は少ないものにしてまいりたいというふうに考えてございます。

○篠委員 行動を起こしてみないと細かい数字は出てこないんだと思うんですが、この開設までのスケジュールというのはどうなっていますか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 開設までの流れ、スケジュールでございますけれども、平成26年度に都市計画の決定、そして、事業認可の申請をいたします。また、土地開発公社からの用地の取得となっております。平成27年度には基本計画、そして、擁壁の安全調査、地下埋設物の調査などを行う予定でございます。平成28年度に公園の基本設計と実施設計を行います。また、平成29年度・30年度の2カ年にわたりまして、整備事業を行います。また、最後に、平成30年度に供用の開始というようなスケジュールで考えてございます。

○篠委員 最後に同じことですが、本町二丁目用地は、財源の見通しがまるで立たなかった事業なんです。なかなか事業化が進まなかったわけですが、一般財源の負担を極力少なくするとともに、区民のためにできるだけ速やかに整備を行う必要があると思います。答えは今の答えということですかね――じゃあ、よろしゅうございます。ありがとうございました。

 職員2,000人体制については、一般質問で我が会派はいでい委員も伊藤委員も触れて、また、総括でも大内委員が触れるんですが、重ならない視点で、この新しい中野をつくる10か年計画では、区民満足度の高い小さな区役所の実現をうたい、事業部が相互に連携しながら2,000人の職員体制で困難な行政課題に対応し、最小の経費で最大の価値を地域社会にもたらすことを目標としていると、こういうことだと思うんです。さらに、民間の活力を生かした業務改革により、職員定数の削減を進めることとしています。また、近年、IT技術の進歩は目覚ましく、いまやインターネットやスマートフォンを利用して買い物やさまざまなサービスを受けることかできる時代になっています。今後もこのような時代の流れは変わることなく進んでいくことが十分想像されますが、社会では高齢化の流れも無視することはできない状況です。この高齢化――高齢者の中には、先ほどのインターネットが利用できない人たちがおり、いわばIT時代の環境に置いていかれる人がおります。そのことが危惧されるわけですが、中野区では、区内に15カ所あった地域センターから区民活動センターへ転換し、新たに5カ所の地域事務所を配置しました。例えば、上鷺宮に住んでいる人は鷺宮地域事務所に行ってくださいと言われますが、例えば歩行困難な高齢者は、それまで上鷺地域センターに行って相談していたものが、歩いていけなく、相談したくても相談できない状況という方もあるかもしれません。

 そこで伺いますが、区では2,000人体制を実現する過程の中で、このような人への配慮はどのようになされているかお聞かせください。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区民活動センターにおきましても、区の手続の御案内やさまざまな生活相談などをお受けしております。歩行が困難な方などに対しましては、すこやか福祉センターの職員が訪問によりまして対応するなど、支援が必要な方には必要な支援が受けられるよう対応しているところでございます。

○田中区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 私からは、証明書の交付等につきましてお答え申し上げます。戸籍謄抄本、住民票の写し、税等の証明書の交付につきましては、歩行が困難な高齢者の場合におきましても、郵送の申請であるとか、代理の方が委任状を持参することによりまして地域事務所で証明書を取得することも可能となっているところでございます。また、住民基本台帳カードを利用することによりまして、住民票の写しや印鑑登録証明書につきましてはコンビニにおいても取得はできることとなってございます。

 このように、職員体制が縮小される状況におきましても、多様な手続方法を用意しているほか、職員は親切丁寧な対応を心がけており、区民サービスが低下しないように努めているところでございます。

○篠委員 要するに、コンビニでできると――ただ後ろに並ばれただけでもう行動がとまっちゃうような方々もいるわけで、今、すこやか福祉センターの優しい対応というのは十分理解できるし、それなりにPRもできているんですが、それだけの準備を整えていることをやはり折に触れてPRする必要があると。やはり、ただただ冷たい中野区という形でひとり歩きされるのが一番危険ですので。ただし、印鑑証明については引き続き対応を考えていきますぐらいの――やっぱり宣伝力で優しさというものは大分つくれますので、ぜひ工夫してみてください。

 区では、民営化・委託化を進めていますが、私が最近地域で感じていることは、事務の効率化を進めていく必要があるという流れの中で、地域の高齢者が温かさを感じるサービスの提供ということを強く求めているということでございます。今は元気な団塊世代の高齢者もやがて弱くなるわけですし、みんないつでも住みなれたところで住み続けるということは地域の安全の風を吹かせるもとですので、2,000人体制の構築と切り離して進めるべきではないかと思いますが、そのことについてコメントがあれば。なければいいです。

○角経営室副参事(人事担当) 先ほど担当のほうからも、2,000人体制を実現する中での御配慮の話をさせていただきましたが、全ての区民がさまざまな形で見守られ、支え合い、生涯を通じまして健康で、一人ひとりの能力や状況に応じた支援によって自立した生活が営める地域社会を構築していかなければならないと、こういった考えのもと、10か年計画で描きます新しい中野の実現のために、少数精鋭でありながら、最小の経費で最大の価値を地域社会にもたらすしっかりとした職員体制を築いていきたいと考えてございます。

○篠委員 もう結構です。頑張ってください。

 次に、元気いっぱい子育て戦略についてお伺いします。

 保育園の待機ゼロ対策について、2013年4月――去年ですね。中野区の待機児童数、内訳を含めて説明してください。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 今年度、昨年4月でございますが、待機児童数は147名でございます。0歳が32人、1歳が64人、2歳が25人、3歳以上が26人という内訳でございます。

○篠委員 前年と比べてどのような傾向でございますか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 1年前の2012年4月の待機は114名でございましたので、増加といったものでございます。

○篠委員 待機児童をカウントするときは、産休や育休を含んでいるんですか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 厚生労働省の通知では、産休、または育休明けに入所を希望するような入所予約の場合には待機児童数には含めないこととされてございます。中野区でも同様に、この入所の予約に当たるような場合は、待機児童数には含めていないということでございます。

○篠委員 わかりました。要するに、区によってカウントの仕方が違うという……。厚労省のカウントの仕方はそうで、それに従っているということですが、杉並なんかはそうではない方法をとっているとも言われていますし、さらに研究をしていただければとは思います。

 2013年4月の時点では、0歳児は何人で、保育施設を利用できていたんですか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 昨年4月の時点で、認可保育所や認証保育所などを合わせまして449人の0歳児の方が保育施設を利用しているものでございます。

○篠委員 ことし4月の0歳児の認可保育所の定員は何人ですか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) この4月の認可保育所の0歳児の定員でございますが、340人ということになってございます。

○篠委員 0歳児の保育は、どの程度の月齢から始めるんでしたか。ちょっと確認で。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 多くの園では、産休が終了する生後57日から受け入れを行っているものでございます。

○篠委員 そもそも産休とか育休の期間というのは、どのぐらい取れるんですか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 産休に関しましては、産前6週間、産後8週間となっているものでございます。それから、育児休業に関しましては、お子様が1歳に達するまで取得できまして、保育園に入れない場合には、1歳6カ月まで取得できるものでございます。なお、就業規則等によりまして、さらに延長している企業もあるといった実態でございます。

○篠委員 この0歳児のうちは、自分で子どもを育てたいという親のニーズに逆行して0歳児保育の充実をしていないか。現在、1歳児の親に保育園に入園することが難しいと考え、0歳児から入園を希望する流れになっていないだろうか。家庭で子育てする機会を失わせる施策展開になっていないか。この辺について、御所見があればお聞かせください。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 保護者の方の就業の状況から、育児休業を早めに切り上げて、お子様を0歳のときから預けて職場復帰をせざるを得ないケースもございますから、0歳児からの保育需要も一定程度あるというふうに考えているものでございます。また、育児休業明けの保護者の方を中心に、1歳からの入所の希望が多いという現状もございますけれども、なかなか入りづらいということもございまして、0歳児からの早期入園を選択しているケースもあるといったようなことも確かであるのかなというふうにとらえてございます。区といたしましても、1歳児からの保育定員をふやすなど、待機児をなくすことも進めているところでございます。

○篠委員 現実ですわな。入れなくなっちゃうと、学校の先生だったりすると、学校に戻れなくなっちゃったりしてね。いずれにしましても、1歳のときの受け皿をつくるだけでも大変ですので、この状況に対しては常に目を向けておく必要があると思います。

 日本では、0歳児の子どもへの影響が考慮されていないまま、国策として長時間保育されているように私には思えます。日本では、0歳児の長期間保育が当たり前になっていますが、経済協力開発機構加盟国34カ国中、日本のような国は先進国では見当たらないわけです。このことについて、政府からこの方向で考えているので、例えば、ILOから注意されることもない。8時間労働以上やると注意が入ったりしますよね。それから、母性保護という視点からでも切り込まれる場合がある。ILOから。ところが、子どもの長時間保育について、これは人のやることではないと切り込んでくる場所がないので、選挙権を持っていないのが最大の弱点かもしれないですけど、我々議員だとか行政で切り込む以外ないんですが、こういうことについては、区はどう考えていますか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 低年齢児の長時間保育に関しましては、ライフスタイルの変化によりまして保育需要が増加しているといったところもございまして、区としてもこれに対応しているものでございます。また、東京都の保育所の設置認可等の事務の取扱要綱等におきましても、定員のおおむね2割以上が3歳未満児の定員とすることになっていることですとか、あと、11時間の開所の基本とするといったようなことが定められてございまして、区としては基準に沿った保育を実施するという形になるものでございます。

○篠委員 板橋区では、0歳から2歳が対象で、19人以下のスマート保育を拡充するような報道が聞かれます。スマート保育は、空きビルなどを活用して低予算で素早く開設できるようです。中野区は取り組まないんですか。それとも、研究もまだなんですか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) スマート保育に関しましては、19人以下というような人数規模の保育施設でございます。少人数の保育に関しましては、中野区では認証保育所ですとか、あと、集合住宅等における家庭的保育事業を今活用しているところでございます。待機児童対策といたしましては、予算で提案している定員60人の賃貸型の認可保育所も比較的短期間で開設できるといったことがございますので、26年度はこちらを進めていくといったように考えているものでございます。

○篠委員 途中からでも機動力を発揮できれば、それなりの行動はとっていただきたいとは思っております。

 最後に、0歳児保育については、私以外にコストで質問した人を見たことないんです。聞いたことないんですが、これまでも明らかにしているんですけれども、去年と比べて実際に0歳児保育というのは一人当たりの経費はどのくらい掛かるのか。生活保護よりもかかっていたりしているのかとかという検証はやはり続けるべきだと私は思うんですね。中野の現状を教えてください。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 認可保育園におけます0歳児の保育の一人当たりの経費でございますが、区立園で約40万5,000円、それから、私立保育園で月約24万4,000円となっているものでございます。あとは、家庭福祉員に関しましては、一人当たりの経費といたしましては月11万7,000円余りといったものでございます。

○篠委員 それが概略、毎月区での一般財源で出している金額というふうな理解でいいんですか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 今申しました金額に関しましては、保育に必要な経費といったところでございまして、一般財源の負担といったところでございますれば、区立保育園に関しましては特定財源がないといったようなことがございまして、全額が区の一般財源の負担となります。私立保育園に関しましては、国と東京都のほうから特定財源がございますので、区の一般財源の負担は13万2,000円余りといったようなところでございます。あと、家庭福祉員に関しましては、区の一般財源の負担としては約7万3,000円、そんなところの金額になってございます。

○篠委員 江戸川区を比較で毎回出しているんですけれども、35年も区長をやられた中里さん――35年以上やったかもしれないね。この形を押していくと財政がもたないということで、保育ママさん――中野区のほうが厳しい訓練を要するので、簡単に保育ママにはなれないんですけれども、江戸川の場合は、子どもを育てたことがあればなれるぐらいのような感じで入ってきて、今はどうかわかりませんが、1万人、合計で対応したという情報は何回も披瀝しているんですが、最近、舛添さんが都知事になられたのを受けて、青山やすしさんが、財政に切り込んだ論文の中で、「現行制度を前提では福祉財政は破綻」という文を出しているんですね。「特に、福祉の充実については、現行制度を前提にしていると、財政が破綻する。高齢者に対する介護保険サービスは、所得に応じた本人負担制度を導入できないのか。あるいは、保育については、在宅保育を充実できないのかなど、従来タブー視されてきた視点にも踏み込まないと、サービスの質や量をふやすことはできない」。こういう文を書いているんですけれども、読まれましたか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) そういう旨の報道があったというところは承知しているものでございます。

○篠委員 質問のやりとりではこれ以上いたしませんが、いずれにしろ、大変なお金のかかる事業ですから、我々もその工夫の中に、ぜひ地域の方々の要望のほかに、そういう切り込み方ができるところがあるんじゃないかという視点を取り入れて、お互いにこの大きな問題に対応していきたい、このように思っております。ありがとうございました。

 家庭・地域・学校と学童クラブ及びキッズ・プラザの運営委託についてお伺いします。

 子どもの健やかな成長には、学校・家庭・地域がそれぞれの役割を果たし、さらに相互に連携しながら地域ぐるみで子どもを育てていくということが大変重要です。これまでも学校・家庭・地域を軸として、地域の育成団体と児童館との連携をはじめとして、キッズ・プラザ、学童クラブなども地域とのかかわり合いが進んでいます。

 そこでお伺いいたします。現在、教育的観点から見た学校・家庭・地域の連携はどのようになっておりますか。

○川島教育委員会事務局指導室長 学校では、地域の読書サークルや地域委員による読み聞かせ、また、授業でのゲストティーチャー、餅つきなどの伝統文化の体験、そのほか、部活動の外部指導員や地域の商店街での小学生のお店体験や中学生の職場体験の受け入れ、また、学校支援ボランティア、それから、区内の大学と連携した学生ボランティアによる授業支援など、さまざまな形で地域や保護者の方との連携を行っているところです。

○篠委員 わかりました。なかなか活発な動きが感じられます。教育委員会では、中野区教育ビジョン(第2次)の中で、子どもたちに身につけさせたいとしている生きる力を育むためには、家庭・地域・学校が一体となって地域ぐるみで子どもを育てていくことが必要であると述べていますね。しかしながら、キッズ・プラザ、学童クラブの中でも、施設は委託化が進み、今後さらに民間事業者による運営がふえてくる状況があるんですが、このような状況において、区は学校・家庭・地域の連携についてどのように考えていらっしゃるのか。今後、地域との連携――株式会社というと、普通のイメージとしては、やっぱり利益を抜きにして行動する団体ではない。株式会社のほうからも地域との連携という言葉も最近は出てきているんですけれども、キッズ・プラザが学校の中にあるだけでもなかなか新たな協力者を取り入れるというのも骨が折れるように普通には感じられちゃう。学童クラブなんかは特に心配な部分なんですが、御所見があればお伺いします。

○濵口教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 子どもたちの住みなれた地域の方々にさまざまな形で子どもたちの教育・育成にかかわっていただきながら、地域全体で子どもを育てていくことが大切でありまして、そのためには学校・家庭・地域の連携が不可欠であると認識してございます。今後、キッズ・プラザなどが民間事業者による運営となりましても、学校・PTA・地域の育成団体の方が参加いたしますキッズ・プラザ運営委員会で情報交換を行いまして、区が調整を図りながら連携を進めていきたいと考えてございます。また、キッズ・プラザ、また学童クラブも含めましたそういった活動・事業につきましては、保護者や地域の方が積極的にかかわれるよう工夫してまいりたいと考えてございます。

○篠委員 地域・学校・家庭、どれを一番先に言うのかは定かではないんですけれども、いい加減に言っていることもあるんですが、いずれにしろ、連携は大切ですので、地域で口を出せる前に、教育委員会なり中野区が口を出せない状況になっちゃうような効率化というのはやっぱり好ましくないので、いろいろ工夫して頑張ってやっていただきたいと、このように思います。

 結構です。ありがとうございました。

 大分とことこと行っていますので、ひょっとすると早く終わるかもしれません。

 指定管理者の制度の検証についてお伺いします。

 ガイドラインの内容について、現在、指定管理者制度ガイドラインに向けて検討を進めていると伺っていますが、これは平成20年度事務監査及び23年度の財政援助団体等監査において、統一的なルールとチェック機能の未整備を指摘された案件ですよね。20年のときに既に指摘されているわけですが、このガイドラインの内容はどのようなものになっているか。検討状況をお伺いします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 現在検討中の指定管理者制度ガイドラインの内容としましては、指定管理者制度の運用につきまして、候補者の選定や指定管理者の指定手続、それから、指定管理料の積算・精算、また、区と指定管理者の責任分担などにつきまして、基準となる考え方を検討し、マニュアルとして取りまとめるということを考えてございます。

○篠委員 精力的にやっていらっしゃると推測されますが、福祉サービス第三者評価についてここでちょっと触れますが、この福祉サービス第三者評価というのは、対象施設や実施期間や経費や評価項目について、区立施設における実績をお伺いします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 東京都の福祉サービス第三者評価につきましては、東京都の福祉サービス評価推進機構が行っているものでございまして、対象としては、高齢者や障害者、それから子どもの施設など、福祉系の施設を対象としているものでございます。中野区におきましては、保育園やさつき寮、障害者福祉施設におきまして評価を受けてございます。平成24年度の実績としましては、6施設で実施をしているところでございます。経費につきましては、評価の項目によりますが、おおむね1件当たり30万円から50万円程度というところでございます。評価項目につきましては、第三者評価では、利用者の声を聞く利用者調査と、それから、事業者の自己評価をもとにした評価者の分析による事業評価の2種類がございます。この利用者評価と事業評価について、重要な事項や共通の尺度となる事項という二つの視点から設定された共通評価項目を用いて実施することとされてございます。

○篠委員 わかりました。指定管理者ガイドラインの策定で、今年度中に策定しようという意気込みは一時期伝わってきたんですが、これまで策定に至っていないのは、どういった問題点があるか、お伺いできますか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) これまでの中で、指定管理料の考え方、それから、評価制度のあり方、また、大規模災害時などの責任分担の考え方などにつきまして、実態の把握と分析を十分に行った上で鋭意検討を行っているところでございますが、さまざまな施設の運営状況を踏まえた上で基準となる考え方を導き出すということに時間を要していることによるものでございます。

○篠委員 この制度は、1回決めたらもうコンクリートではないので、いつまでも小田原評定みたいにやっていないで、現時点で一番到達できるようなものをつくって、さらに精査していく行動をやめないという形でぜひ対応していただきたいと思います。以上。

 指定管理者の業務実績の報告についてでございますが、議会の議決を経て指定した指定管理者が、その後、選定時に提案した内容どおり適正に業務を行い、サービス向上を果たしているのか。その状況を議会に追跡し、確認する場面が見当たらないわけです。指定管理者の業務実績やその評価について、定期的に議会に報告すべきと考えますが、いかがですか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 指定管理業務の実績や、提案どおり区民サービスを向上させているかといったことにつきまして、区民や利用者の方に公表することなどにつきまして検討を行っているところでございます。その場合には、事前にその内容を議会に報告していくということになるというふうに考えてございます。

○篠委員 ありがとうございました。

 次に、教育問題で触れさせていただきます。

 自民党案というのは、各新聞社は全部がでしょうね、社説で取り上げているような案件になっております。ですけれども、まだコンクリートされたわけではなくて、決まる直前のことだと思うんですが、いずれにいたしましても、教育委員会制度の改革については、教育の中立性や首長の権限強化といった議論が行われていると思われます。こういう流れに至った原因は、いじめの問題などの困難事例に対して、教育委員会委員長と教育長の責任の曖昧さが対応をおくらせたことにあると言い切っている社説もあります。決してそれだけではないとは思いますが、また、改革案の中で、国で議論されていることの中に総合教育施策会議の構成といったような、あるいは権限といったようなものも議論されていると伺っています。議論の途中ですから――昔もいじめはあったわけですよね。いじめは最近出てきたわけじゃない。ただ、相手が死ぬまでやるいじめはなかったかもしれないんですけれども、いずれにしろ、いじめはあった。やはり教育の分野はなかなか難しくて、教育ビジョンでも大きく掲げている目標で「規範意識」という言葉があるわけですよね。価値観の多様性と言ってしまえば、まだ未熟な子どもの心も大いに認めるべきだと。日本のやり方はそういうやり方をしてきていない。大抵「道」がつく。剣道、柔道、華道、茶道。大抵入り方は守破離(しゅはり)で入っていって、勝手にお茶なんかこんなことやって飲んでしまったのでは、これは道を達成できない。守る、自信がついたらそれを破る、最後は離れる。そこへ行って初めて達成できるというような文化を続けてきた中で、それも認める、あれも認めるの流れだから、やはりいろいろ出てきて当たり前だとは思うんですが、ただ、自民党から安倍さんを出したんですが、大きな柱に、要するに経済を取り戻せば、規制緩和をすれば全て解決するとは言っていない。経済界はそうとらえたかもしれないけれども。安全保障であったり、外交であったり、この区政やなんかにものすごく関係があるのは、教育であったり、地域の財政であったり、いわゆる地域を守る心というようなことは大いに関係してくるんですが、その中にやはり地方といえど教育の問題は区長が大いに語るべきだと私は思います。それで、安倍さんも施政方針演説の中で、そこまで熱く語るかというほど、「女性が輝く」の次にそこに大分触れていらっしゃいますよね。そういった意味では、この流れ自体は、区長と教育のかかわり合いがかなり強い流れとして出てくる可能性がある。区長は、今回立候補宣言に近いような施政方針演説でしたけれども、やっぱり遠慮したのか、教育について触れる部分がちょっと少ない。ぜひこの教育問題について触れられる部分は御披瀝いただきたいと思います。

○田中区長 教育が政治的に独立をした形で進められるべきだということは、一義的な原則・考え方として私はやはり正しいだろうというふうに思っていますので、自分は中野の教育が、自分の判断する範囲の中で逸脱していないというか、うまくいっている――うまくいっているというより逸脱していないという限りにおいて、あまり何か意見を言うようなことは差し控えるべきだろうなというふうに思っております。しかし、価値観的なことであるとか、あるいは運営のあり方であるとか実際の運用状況などで私が意見を申し述べるべき場面というものがあるとしたら、そこでは積極的に意見を申し述べていかなければならない。こんなふうには思っております。

○篠委員 答えとしてはね、例えば、私が30年近く前に区議会に立候補したときに、人生経験が浅いもので、小さな地域からでも子どもは育つということ一本やりで、あと、教育委員の準公選は体を張って廃止してみせるという公約があったかもしれない。いわゆる学習塾をやっていて、3年連続で卓球の東京都チャンピオンを出した経験がある。もう指導者が灼熱というわけじゃないけど熱くなれば地域は育つというようなことをキャッチフレーズにしていた。その後も教育の問題から目を離さない中で、やっぱり区長と私――区長は行政畑ですから、根本的に切り込み方が違うなと思う。ですけれども、票を取るには、この教育というのは票にならん。そういう分野であることも事実なんです。安倍さん時代は、教育一本やりでリーダーになった人はあまり見かけないんですけれども、下村博文さんなんかはそうかもしれないですけれどもね。そういう中で、やっぱり今後、首長というのは、教育についても最後は私が体を張って責任を持ちますという場面が必ず出てくるように私は推測しますので、ぜひ折に触れて研さんされたところを御披瀝いただければと、このように思っております。

 それでは、土曜授業の復活ということについて、国も大きく取り上げているようでございますし、予算をつける構えのようです。都議会においても、教育長との間にやりとりがありました。そのやりとりについて、都議会のやりとりでは相当踏み込んだなと思うんですが、指導室長が調べた資料の中には、そういう資料は見当たらないというお話も聞いていますが、この土曜授業について、どのような御見解でいらっしゃるのか。お願いします。

○川島教育委員会事務局指導室長 土曜授業につきましては、全国的に見ますと、平成24年度のデータでは、公立小学校で8.8%、公立中学校では9.9%の実施状況であります。こうした実態を踏まえて、国はそれを推進していくために支援策を策定したものだというふうに理解をしております。東京都では、平成22年に区市町村の判断で月2回を上限とした土曜授業を認めています。これを受けまして、中野区では、平成23年度から授業時数を十分に確保して、児童・生徒にきめ細かな指導が行えるように、全小・中学校において原則第2土曜日を授業日としております。次年度もこれに基づいて、各学校は教育課程を編成しているところであります。今後、東京都から国の事業について詳細な情報が入り次第、本区において活用が図れるかどうかについて検討したいというふうに考えてございます。

○篠委員 次に、「心のノート」にかわる道徳の新教材を検討しているということですが、区はどのように把握していらっしゃいますか。

○川島教育委員会事務局指導室長 現在、各学校では、道徳の年間指導計画に基づいて、文部科学省作成の「心のノート」、それから、東京都教育委員会が作成しています「道徳教育教材集」、そして、区で購入して配付をしています道徳の副教材などを活用して授業をしているところです。今回、文部科学省が作成しました道徳用教材「私たちの道徳」というものなんですが、これはこれまでの「心のノート」を全面的に改訂したものでありまして、各学校においては他の教材や資料とあわせて有効に活用するように指導してまいりたいというふうに考えてございます。

○篠委員 それに関連しまして、9億8,000万円もかけて、配付の経費も含めてだと思うんですが、下村博文文科相は「従来より質・両ともに充実した。授業や家庭でも活用を」と呼びかけているわけですが、ざっと見て、どんな感触ですか。ページ数がふえたとか、あるいは、こういった内容が加わっているとかというものは一切キャッチしていらっしゃらないんですか。キャッチしているのであれば、教えてください。

○川島教育委員会事務局指導室長 今回、文科省が作成しております「私たちの道徳」では、主に次のような特徴があるというふうに理解しています。まず、先人の名言ですとか、それから、偉人や著名人の生き方に関する内容を多く取り上げているということ。また、いじめ問題ですとか情報モラルの問題など、児童・生徒を取り巻いているリアルな問題が取り上げられているということ。それから、学習指導要領に示しています道徳の内容項目ごとに、読み物部分と、そして、書き込み部分とで構成されていまして、特にその書き込み部分につきましては、自己を振り返ったり、道徳的価値について考えたりすることができるというような、そんな特徴を持ってございます。

○篠委員 どうもありがとうございます。大分時間が余りそうですけれども、どうしますか――委員長、びっくりした顔しているから、じゃあ、順序を変えて、一つだけやりましょうかね。

 愛称旧なかのんの運行について。これは、請願でしたか、出されてバツになったんですが、大内前議長を中心にあれだけ頑張って議会も対応し、区長も一生懸命、真剣になって対応して、まずその評価、それは評価すべきだと。しかしながら、この先一歩進めるのは大変嗜虐な技だから、我々「鷺懇」というんですが、大内議員も鷺懇に引っ張り込んだ形で、地域の大きな問題は誰がやり切ったというんではなく、真剣に取り組む行動をということを変えないことにしようという口約束があるんですね。ところが、一見わかったと思われた陳情者が、そうじゃない行動をとったので、火種が消えたような状況下にあるんですが、私は、この問題からは目を離すべきはない。このように思っております。そして、現状としては、中野区はもうお金がこれ以上出せない状況下にあっても、東京都なり国からの補助金なりのかけらでもいただければ、さらに地域のために頑張ってみようじゃないかという行動は私はありだと思うんです。そして、今元気な方々も、北原委員のお母さんみたいに100歳になって元気いっぱいというのは別として、そうじゃない人は利用できるという行動、これはとるべきです。私は、議会を挙げて行動を起こしたい。全議員に呼びかけたいと思っていますが、私が今申し上げたことについて、区長の優しさの限界を御披瀝ください。

○田中区長 要するに、いわゆるなかのんなりのように、既存のバス路線型でやるということについては、大変難しいという、これはもう長年の実感になっております。いろいろ調べても、東京都も国も、コミバス型のものに対して、当初3年間の福祉何とか補助という仕組みはありますけれども、経常的に運営をしているようなものに対する補助というのはゼロなんです。都も国も全くないんです。他の区で実際に運行しているのは、じゃあ、どうしているかというと、一般財源から赤字補てんをして、もちろんやっています。ある一つの路線だけに対して赤字補てんをして運用するということになると、ほかの地域の方の問題も出てくるというようなこともあるだろうというふうに思います。

 それから、なかのんの場合には、上鷺・鷺宮地区と中野駅周辺を結ぶというところで、ある意味、あんまり通勤・通学とかということが意識されているという路線でもなくなってしまうというようなこともありますので、非常にこういう路線型のものは難しいなと思うんですが、上鷺-中野間だけでなくて、あるいは通勤・通学ということよりも、移動困難者に対する支援のための新しい交通システム、他の地域でも汎用的に考えられるような交通システムが、ある相当な範囲での財政負担で可能になれば、皆様御支持いただけるという状況になるのかなというふうに思って、検討はしてきておりますけれども、なかなか難しいということは確かだと思っております。

○篠委員 それで、やはり現実はそうなんですよ。ですけれども――休憩にしていただいたとして――やはり我々の税金、直接じゃないんですけれども、東京都は莫大な金額をパスにつぎ込んでいるわけです。それで、だから、私はこれは休憩の時間で言ったことにしていただくと大変ありがたいんですが、やはり、そういった都議会議員が、ここには4人いるのかな。誰にも相談なく廃止みたいなことを進めることは看過できないという言葉をプレゼントして交渉させたんですけれども、私は、何の道も残されていないということは決してないと思うので、我々も努力しますから、区長も優秀な人材だけ選りすぐってチームを組んで対応してください。これは要望です。

○内川委員長 篠委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。1時まで委員会を休憩します。

      午後0時01分休憩

 

      午後1時00分開議

○内川委員長 委員会を再開します。

 先ほどの篠委員の総括質疑において、理事者より答弁訂正の申し出がありましたので、これを許します。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 先ほど、篠委員の0歳児保育におけるコスト、区の負担分に関する質疑の中で、区立園については特定財源がないことから全額が区の一般財源の負担となり、私立園については国と都からの特定財源があるので、区の一般財源負担は13万2,000円余りであると答弁させていただきましたけれども、区立園、私立園ともに保護者の負担である保育料の歳入があるといったところでございまして、大切なところを答弁漏れをいたしました。訂正しておわびさせていただきます。

○内川委員長 篠委員、よろしいでしょうか。

○篠委員 保護者からいただく金額、最高で幾らなんですか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 認可保育園の保育料に関しましては、現状では5万7,500円が最高額となっております。

○内川委員長 篠委員、よろしいですか。

 それでは、引き続き、総括質疑を行います。篠委員、質疑をどうぞ。

○篠委員 防災安全対策について、何点か触れさせていただきます。

 鷺の宮調節池についてですが、都が工事を実施している鷺の宮調節池について、人工地盤はまだ建設中でございますね。調節池は既に稼働しており、局地的な大雨が降った場合など妙正寺川が増水した場合は調節池に川の水が取水され、河川の氾濫防止の一助となっていることは理解されているんですが、昨年も局地的な豪雨・台風となり、大雨が鷺の宮調節池に取水されたのはいつといつですか。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鷺の宮調節池につきましては、平成25年4月から取水ができるようになってございます。現在まで、8月12日、8月21日、9月15日から16日にかけての計3回の流入があったと東京都のほうから確認してございます。

○篠委員 わかればいいんですが、江古田の森の場合は、1回水が入ると、なかなかすぐには次の行動が起こせない状況になりますよね。そんなような状況については把握していらっしゃらないですか。把握していなければ、ないで結構です。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) すみません。流入後にどういう処理がなされるのかは、ちょっと未把握でございます。

○篠委員 工事のおくれる大きな原因になっていたかどうかも、そうしますと定かではないんですが、このように、鷺の宮調節池に取水されるようになった場合、区はどのような情報収集をしているのか。また、区民にはどのように周知しているのか。今のやりとりを聞く限りでは、あまり情報を地元の人に流せる――逐一の情報は届いていないようにも思えるんですけれども、いかがですか。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 大雨等のときには、区は災害対策体制をとってまいります。そのようなときに、区から経時的に第三建設事務所のほうに問い合わせをして、流入の確認を行っているというところでございます。また、区民の方への周知の方法につきましては、調節池への流入というものについては、問い合わせがあれば回答しているということでございます。また、河川の推移・雨量等はメールマガジン、ホームページ等で周知を図っているところでございます。

○篠委員 鷺の宮調節池に取水されたことにより、人工地盤面に工事のおくれなどの影響が出ていると聞いてはいるんですが、人工地盤面の工事がおくれるとなると、平成27年4月に開園される予定の人工地盤上に整備される広場・グラウンドの整備がおくれることになるのではないかと思うんですが、いかがですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 東京都に委託してございます人工地盤の整備工事のおくれの件でございますが、昨年夏のゲリラ豪雨によりまして、3回ほど調節池に取水したこと。これによりまして、当初予定しておりました工事期間が少しおくれているといったことは承知をしてございます。しかしながら、私どもが整備いたします多目的広場の工事につきましては、東京都と進捗状況、それから管理、そういったことについて十分調整を行いながら、予定どおり平成27年4月の開園に向けて事業着手をしているところでございます。

○篠委員 現在のところはそうなのでしょう。実際の工事の進捗に変更がある場合は、地域の方に丁寧に説明すべきだと思うんですが、同じような答えになるかとは思うんですが、どうですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 調節池上部の多目的広場の整備工事につきましては、先ほど申し上げましたとおり、平成27年4月の開園を目指して進めてまいりますけれども、仮に工事がおくれるような場合がございましたときには、早めに議会への御報告、そして、地域の皆様方に丁寧な御説明をしてまいりたいというふうに考えてございます。

○篠委員 ありがとうございます。それで、この公園を立ち上げるときに、下がそういう取水する場所ですので、されど、あの地域に、個数は覚えていないんですけれども、いざという時のトイレをかなりつくったんですが、幾つだったかわかりますか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 今委員のほうからお尋ねのものは、災害用のトイレ、マンホールトイレの個数かと思います。それにつきましては、人工地盤面の上部ではなく、ちょうどあそこの唯一地上面があるんですが、そこに22基ほど設置をする予定でございます。

○篠委員 予定ということは、つくる準備で、まだ完成していないということなんですね。そうしましてね、要するに、避難する場所としては若宮小学校だとか鷺宮高校もそうでしょうかね。ただ、あそこ一帯は、現在どういう位置付けなんですかね。例えば、こっちのほうでしたら鷺宮小学校なり若宮小学校、八中であったりというふうに、それぞれ訓練したり、実際に行動を起こす拠点がありますよね。それとあの広場の関係はどういうふうになっていますか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 現在、鷺宮の地域には二種住宅一帯、そして、白鷺一丁目地区の2地域におきまして、広域避難場所の指定がされてございます。この上部多目的広場につきましては、白鷺一丁目地区の中にありますことから、その広域避難場所の核となるオープンスペースのある広場とした位置付けでございます。

○篠委員 確認ですが、そういう広場の使い方というのは、要するにやれ若宮小学校だ、鷺宮小学校だということとの比較ではどういうふうに説明される場所ですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 私のほうから答弁していいのかちょっとあれですが、災害時におきましては、この広域避難場所につきましては、大規模火災のときの延焼が拡大したとき、そういったときにこの広域避難場所に避難をしていただくという位置付けで、私どもはそこのところにオープンスペースが、今回は地下調節池の上にふた掛けをして、そこが広場として利用できるように、災害時においても、雨が降っていないとは限りませんので、そういったときにでも有効に避難ができるスペースの確保ということで、先ほど申し上げました災害用のトイレですとか防災倉庫、発電機、そして、ソーラー式のLEDの街路灯ですとか園内灯ですとか、そういったものを整備していく。また、それから時間が経過した後は、学校等の避難所に避難をしていただく。そういった位置付けかというふうに認識しております。

○篠委員 学校が先じゃないの。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 学校のほうは避難所という位置付けになってございますので、一たんお家が壊れてしまったりした方々が一時的に生活を行っていただく場という位置付けになってございます。繰り返しになりますが、広域避難場所のほうは、大火災、震災時の火災から一時的に身を守っていただく場所というような位置付けになってございます。

○篠委員 どっちに先に行けばいいの。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) どちらかが先という位置付けでは、一たん逃げるという意味では、広域避難場所のほうに一たん逃げていただくというような順番になろうかと思います。

○尾﨑都市基盤部長 どちらが先かということでございますけれども、避難所は、広域避難場所に避難する、その途中で、一時的に集合をする場所という位置付けもございます。その上で、広域避難場所のほうに行く場合は避難していただく。一たん火災等がおさまった場合において、自宅で生活ができない区民の方に対して、避難所の中で生活をしていただく。そういう場所になってまいります。時間的経過としては、そういった位置付けでございます。

○篠委員 言われているうちにわからなくなっちゃう。では、もう自分の好きな方向に逃げろというようなやりとりをしましたら、そうしましたら、何回整理しても、私も三丁目町会を引き連れなきゃいけないんだけれども、どっちへ引き連れていったらいいかわからなくなりそうですけどね。光が丘という位置付けは、もう中野区からは消えているんですね。

○尾﨑都市基盤部長 広域避難場所としては、光が丘というのはもうございません。

○篠委員 毎回やりとりしていれば定着しそうな、どっちに逃げてもいいみたいなところもありますけれども、いずれにしろ、地域を守るということでは、今後とも協力したいと、このように思っております。ありがとうございます。

 この4カ所のすこやか福祉センターの災害時支援対策について伺いますが、区長の施政方針説明で、4カ所のすこやか福祉センターを拠点に、在宅人工呼吸器使用患者の災害時支援体制を確保するとありました。今まで災害時の地域での拠点は区民活動センターであり、すこやか福祉センターで災害支援体制を確保するということは今までの体制と異なることになるのではないかと思いますが、すみ分けについてお教えください。

○松本鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 災害時の地域での拠点を区民活動センターにしているということには変わりがございません。今回、在宅人工呼吸器使用患者について、発災後の停電時における人工呼吸器の補助電源を確保するという体制を整備したものでございます。

○篠委員 この4カ所のすこやか福祉センターで、在宅人工呼吸器使用患者の災害時支援体制を確保することとなったわけですが、1カ所で広範域をカバーすることになると思うんですが、このことについて具体的な行動計画を持っていますか。

○松本鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 在宅難病患者等の保健衛生指導に関することは、災対保健福祉部保健予防班として、すこやか福祉センターの保健指導の専門職を中心とした職員体制で対応することとなっております。

○篠委員 現在、人数的にどういう把握の仕方になっていますか。

○松本鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 在宅難病患者さんの人工呼吸器の利用状況でございますが、現在、中野区で37名の方が人工呼吸器を使用しております。その方に対して、東京都がいろいろな支援をしながら、発電機をお家で持っていただくような指導をしているところでございますが、お家に発電機の準備がない方につきまして、区のほうが補助的に準備をさせていただく体制をとっております。

○篠委員 区が対応している、その最後の方々は何人ですか。

○松本鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 現在、個別支援計画を集めているところでございまして、正確な数はまだ把握できておりませんが、東京都が前もって行っております、東京都における人工呼吸器使用患者さんの状況によりますと、約7割近くの方が自宅に発電機の準備を現在しておるという情報が上がってきております。

○篠委員 ありがとうございました。結構です。

 この項のその他で、特定緊急輸送道路沿道建築物に対する耐震診断と改修について、耐震診断は比較的進んでいると聞いていますが、耐震補強・改修といったことはあまり進んでいないように聞いていますが、実態をお教えください。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 特定緊急輸送道路及び緊急輸送道路等にある建築物に対する耐震診断・補強設計・改修工事に対しての助成を現在実施しているところではございますが、実際、耐震診断から耐震改修工事まで進んだ事例としては、まだ数件しかございません。

○篠委員 都が実施する災害に対する大きな取り組みだと認識していますが、耐震補強・改修に活用できる補助というのはないのか。あるならば、広く周知する必要があり、なければ耐震化を図る上で必要な要望等を行うべきではないかと思いますが、いかがですか。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 現在、特定緊急輸送道路沿道建築物の場合の助成制度は次のとおりでございます。まず、耐震診断費用については、分譲マンションまたは1万平米以下の建築物については、基準をもとに算出した額を全額助成しております。補強設計費用につきましては、基準をもとに算出した額が750万円以下の建築物の場合は6分の5補助しております。耐震改修につきましては、基準をもとに算出した額が6,000万円以下の建築物の場合は6分の5の助成を行う、このような制度を設けて周知を図っているところでございます。ただ、現在実施している耐震診断・補強設計・改修工事に対する助成制度をさらに利用を促すために、今後も積極的に広報するとともに、耐震改修の必要性について建物の所有者に対して指導・助言を行いつつ、改修工事の実施率の向上につなげていきたいというふうに考えております。

○篠委員 例えば、耐震改修で、緊急輸送道路延べ面積1,000平米未満の場合、1平米当たり3万2,600円を乗じた額の3分の2以内の額、限度額3,000万円。緊急輸送道路以外の指定道路延べ面積1,000平米未満の場合、1平米当たり3万2,600円を乗じた額の23%以内の額。現在はこういうことだと思うんですけれども、この金額はあまり役に立たない。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) まず、面積で東京都が示しておりますこの単価、3万2,600円を掛けまして、例えば、緊急輸送道路の場合は、延べ面積が1,000平米未満の建物の場合ですと、単価3万2,600円を掛けますと約3,260万円という金額になります。そのうちの3分の2の額を、高いほうと低いほうを比較しまして、高いほうの3分の2の額を助成するということになっております。それで、限度額が上限の3,000万円というふうになっている数字でございます。

○篠委員 今、具体的な例として、3,000万円は返さなくていいという金額ですか。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 助成金額ですので、そのとおりでございます。

○篠委員 あと残り、どのぐらいかかるんですか。ケースとして、例えば。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 耐震改修費用だけに関していいますと、それを超えた部分が持ち出しと、所有者の方の持ち出しという形にはなるかと思います。

○篠委員 進まないには進まない理由があるわけで、私とのやりとりで披瀝できないような部分も国の動きの中にはあるのかもしれませんけれども、このままでは何も役に立たない施策になってしまう。今後ともこれが進むような方向で見守りたいと思っております。ありがとうございます。

 最後に、子宮頸がん予防ワクチンについてお伺いします。

 昨日、会議が開かれたようなんですが、きょう私は、朝日と読売と産経には出ているのは確認したんですが、昨日の会議と内容についてお知らせいただけますか。

○坂野健康福祉部副参事(保健予防担当) 昨日の夕方でございますけれども、会議がございまして、そのサマリーがきょうの朝届いております。きのうの議題は三つございます。MRワクチン、おたふく風邪ワクチン等の安全性について、2番目が水痘、成人用肺炎球菌の副反応報告基準について、3番が子宮頸がん予防ワクチンについてということでございます。3番につきましては、筑波大学の宮本教授から機能性身体症状への対応をテーマに御説明があったということ。また、引き続き接種に当たり注意すべき事項を議論いただいたと。積極的な接種勧奨の再開の是非については、次回以降改めて検討となってございます。

○篠委員 新聞によって報道の仕方は違うんですが、読売新聞はかなり細かく出ておりまして、それで、なおかつもうやめるべきだというグループのコメントも載せていましたが、あれを私はここに持ってきて申し上げれば簡単なんですが、お読みになりましたか。

○坂野健康福祉部副参事(保健予防担当) 今朝の新聞、日経新聞については私読みましたが、読売のほうはちょっと読んでおりません。

○篠委員 全部目を通していただいたほうがいいんですが、その記事の前に、この問題に対する外国人の研究グループの発表を、こういうふうになされたと。あまり進め進めじゃないようなコメントがまずついていましたが、次回あたりは方向性が決まる可能性がある。そんな中で、首長みずからが方向性にかなりかかわった発言をしているところもあるやには聞いているんですが、現在の状況、現状は、厚労省のスタンスはどういうふうになっていると理解すればいいんですか。

○坂野健康福祉部副参事(保健予防担当) 昨年の6月に副反応部会が開かれまして、そこで定期接種を中止するほどのリスクはないというふうに評価をされた。また、その会議では、接種部位以外の体の広い範囲で持続する共通の副反応症例等について、十分に情報提供できない状況にあることから、接種希望者の接種機会の確保をしつつ、適切な情報提供ができるまでの間は積極的な接種勧奨は一時的に差し控えるという説明がなされておりまして、そのようになっていると承知しております。

○篠委員 中野区においてもそうだと思うんですが、読売新聞に出ていた四つぐらいには、何しろ80%から90%以上の人が、今まで感じたことのない痛さを感じるんだそうです、全身に。それをまず接種のときに説明しなければいけないと。細かく書いてありました。それから、1回目に、もう二度と嫌だというような反応を示した人には進めてはいけないといったように丁寧に書いてあった。今の副参事の説明は、何も丁寧じゃない。それではやっぱり陣頭で指揮する人としては、私はよくないと思うので、やはり情報の最前線の最新情報を中野区の対象者全員には必ず行き渡るようにするという行動を要望して、この項の質問は終わります。

 もう少し早くできるかと思ったんですけれども、そうじゃない形になりました。ですが、なかなかいい議論ができたなと、このように思っています。ありがとうございました。

○内川委員長 以上で篠国昭委員の質疑を終了します。

 次に、南かつひこ委員、質疑をどうぞ。

○南委員 公明党二番手の南かつひこでございます。平成26年第1回定例会予算特別委員会におきまして、公明党の立場で総括質疑をさせていただきます。

 理事者の皆様におかれましては、明快で簡潔な御答弁をお願いしたいと思います。

 それでは最初に、成年後見制度の充実について伺います。

 平成26年度の予算説明書補助資料によりますと、成年後見推進事業は932万8,000円で、財源構成は一般財源が612万8,000円、特定財源が320万円となっています。前年度の平成25年度の予算説明書補助資料では、成年後見推進事業は856万1,000円、財源構成は一般財源が128万6,000円、特定財源が727万5,000円となっております。成年後見推進事業としては、前年度より76万7,000円増となっていますが、財源構成からいえば一般財源が484万2,000円の増となっているものの、特定財源が407万5,000円減となっており、半分以上の減少となっておりますが、これはどのような理由からでしょうか。伺います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 社会福祉協議会の職員の人件費補助に当たる部分につきましては、事業費から事務局経費に移したということがございます。これについての特定財源について、来年度、成年後見制度推進事業に充てる金額を減にいたしまして、地域福祉活動支援の社会福祉協議会各種事業運営補助に充てている額が増になっておりまして、実質的には変更はございません。

○南委員 実質的には変更がないということで、安心をしたところでございます。

 次に、認知症などの高齢者、知的・精神障害者などの生活や財産、権利を守るために成年後見制度を利用するときにかかる費用の助成制度導入について伺います。

 港区では、社会福祉協議会で申立人及び本人が住民税非課税または生活保護受給者かつ申し立て費用を負担することが困難と認められる場合には、申し立て時の経費である収入印紙であるとか登記印紙、切手代、診断書作成費用、鑑定費用などが上限を15万円として助成制度を実施しておるわけですけれども、中でも鑑定費用につきましては、医療機関によって費用のばらつきがありますが、3万円から10万円となっておりまして、低所得者にとってはかなりの費用負担になります。中野区でも成年後見制度の利用を進める上で、申し立て費用や鑑定費用の助成制度を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 中野区でも、区長申し立ての際に、生活保護受給者ですとか低所得者への費用助成を行っております。申し立て費用助成策の拡充につきましては、成年後見制度の普及と利用促進の取り組みの中で、その必要性について見きわめていきたいと考えております。

○南委員 わかりました。次に、成年後見人等の報酬について伺います。

 中野区では、区長の成年後見等開始の申し立ての場合に限って、後見人等への報酬の支払いが困難な――先ほどお話も少し出ましたが、困難な低所得者に対して、区が助成金を支給しております。その助成額は、在宅生活者には月額2万8,000円以内、施設入所者は月額1万8,000円以内となっております。これは介護保険の地域支援事業の必須事業である成年後見制度利用支援事業による制度でありまして、平成24年4月1日の障害者自立支援法改正により、成年後見制度利用支援事業が必須事業に格上げされたものであります。そこで、成年後見制度利用支援事業の後見人等の報酬にかかわる費用助成の手続の手順について伺いたいと思います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 本人または成年後見人等が区へ助成の申請を行います。区の助成決定を受けた後、家庭裁判所の報酬付与審判の請求を行います。区は、家庭裁判所の報酬付与の審判で決定された金額と、区の基準のうち少ないほうの金額を、その後助成しております。

○南委員 この制度を毎年どれぐらいの方が申請されて、支給対象になっているのか。また、この助成金額の総額の予算というのはどれぐらいなのかを伺いたいと思います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 平成23年度には実績は2件、45万円、24年度につきましては実績が3件、64万8,000円、25年度につきましては現時点で2件、43万2,00円、26年度の予算額につきましては153万6,000円になっております。

○南委員 成年後見制度の報酬助成額、これが予算を上回った場合にはどのような対応をされるのか。そこをお伺いしたいと思います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 継続分と現在把握している案件を踏まえて予算化しておりますが、万一上回った場合には流用もしくは補正予算で対応していきたいというふうに考えております。

○南委員 この後見人等の報酬助成の申請者は、本人または成年後見人等になっておりますけれども、区長申し立ての場合には、本人が申請することは難しく、後見人等が申請することになると思います。その際に、区で助成決定がなされて、家庭裁判所による報酬付与の審判がなされまして支給が決定した場合には、その助成金額は被後見人の口座に入るのか。それとも、後見人の口座に入るのか。どのような対応になっているのかを伺いたいと思います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 被後見人の口座に入ります。

○南委員 被後見人の口座に入るということですね。では、次にいきますが、成年後見制度を推進する社会福祉士の方々で構成する機関にパートナー東京がございます。パートナー東京は、社団法人日本社会福祉士会の1年間にわたる成年後見人養成研修を修了して、後見人等の候補者として東京家庭裁判所に名簿を提出する資格のある東京社会福祉士会所属の社会福祉士の方々の集まりであります。そのメンバーのお一人から実情をお聞きする機会がございました。中野区で区長申し立てを行った方をパートナー東京から紹介されて、裁判所より後見人の選任を受け、親身になって活動を続けて、一定期間を経た時点で家庭裁判所に後見人報酬の申請をしまして、月額2万5,000円の認定を受けたということでございます。ところが、その直後に、被後見人が亡くなられまして、後見人の責務である財産管理を行い、全ての支払いを終えたところ、後見人の報酬が取れなくなってしまったという事実がございました。区長申し立ての前には、ひとり身であったり、たとえ親族がいても疎遠であったりなどさまざまな状況から、被後見人は低所得者であることが多く、後見人の報酬が残らないというのが現実でございます。後見人等にかかわる報酬費用の助成制度の活用を広くお知らせする必要があるのではないかなと思います。先ほどの実績数をお聞きしても、なかなかそんなに多くは見受けられませんでしたので、また、専門家の方々でもこういった制度があるということを知らない方もいらっしゃるようでありますので、こういった報酬の助成制度、広報にもっと力を入れるべきとともに、今後ますますふえますこういった成年後見人がふえていくという実情を踏まえて、報酬予算の拡充にも踏み切るべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 現在でも成年後見支援センターでの相談ですとか説明会等での広報は行っております。ただ、今後もいろいろな機会を使いまして、周知に努めたいというふうに考えております。

 予算の拡充につきましては、成年後見制度の普及と利用促進の取り組みの中で、その必要性について見きわめていきたいというふうに考えております。

○南委員 ぜひとも拡充のほうをやっていっていただきたい。さらにまた、広報にも力をさらに入れていただきたいということをお願いしたいと思います。

 次に、後見人等における死後の事務について伺います。

 後見等の業務は、被後見人が亡くなられたときに終了することになります。後見が終了すると、後見人の財産管理権、診療看護に関する法律行為の代理権は消滅をします。後見人は、監督機関である家庭裁判所に対して後見終了の報告をし、法務局に対して後見終了の登記を申請して、後見の計算を行います。その後、被後見人への財産は相続人へと引き継がれることになります。しかし、本人の死亡直後から遺体の引き取り、火葬、埋葬、葬儀、法要、永代供養、それから、本人の生前にかかった医療費、入院費、施設費、公共料金の支払いなどの事務が発生してまいります。後見人は、被後見人の死亡により後見が終了していますので、通常の業務としてこれらを行うことはできません。民法654条には、「委任が終了した場合において、緊迫の事情があるときは受任者またその相続人、もしくは法定代理人は、委任者またその相続人、もしくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない」とあります。成年後見人が死後事務を遂行することについて、裁判所の見解は民法654条の「緊迫の事情がある」とは認めがたく、成年後見人の義務とまでは言えないから、事務管理というほかはないであろうという判断でございます。したがって、被後見人等の死亡により財産の帰属は相続人に移るのであるから、後見人は直ちに後見事務を終了して、あとのことは相続人に任せなくてはならないということになります。しかし、被後見人に相続人がいなかったり、もしくは疎遠であったりすることが考えられ、死亡直後に発生する事務に対して、相続人が直ちにこうした事務を行うことができないこともあります。後見人が引き続いて死後事務を行うケースがほとんどであります。家庭裁判所は、後見人の行った死後事務に対する報酬を認めることはありません。成年後見における死後の事務については、基本的に相続人が相続財産の中から処理するのが原則でありますが、相続人が行方不明、音信不通など、ケースによってさまざまな対応が必要になってくる場面がございます。成年後見における死後の事務の後見報酬について、区として独自の助成制度をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 葬儀や残存家財の片付けなどの死後事務につきましては、成年後見ということに限らずではありますが、東京都の関連団体である公益財団法人東京都防災建築まちづくりセンターが安心居住制度の中で取り扱っているサービス等がございます。ただ、いまだ一般的とは言えないというふうには認識しております。今後、他自治体の動向なども把握しながら、区としても社会福祉協議会と共同して死後事務契約について研究していく予定でございます。その中で、報酬支払い可能な財産のない方の死後事務契約への対応についても研究してまいりたいというふうに考えております。

○南委員 積極的に進めていっていただきたいと思いますので、次に、市民後見人について伺います。

 最高裁判所の調べによりますと、平成24年での親族以外の第三者が成年後見人等に選任されたものは全体の51.5%であり、制度開始以来、2000年に制度が始まったわけですが、それ以来初めて親族が後見人等に選任されたものを上回ったということです。これらのことからも、ますます市民後見人の養成の必要性が高まる時代となってまいりました。現在、中野区では、東京都が実施している社会貢献型後見人の養成講座を活用しておりますが、これは今年度をもって廃止になることが決定をしております。老人福祉法の改正を受けて、中野区でも独自の市民後見人の養成を実施しなくてはなりません。昨年も第4回定例会での一般質問で、後見人の養成講座を隣接区である杉並区、練馬区などの行政ブロックにおいて合同で実施すべきではないかとの私の提案に対しまして、区は、「これまで東京都の委託を受けて社会貢献型後見人研修を実施してきた東京都社会福祉協議会が、平成26年度についても基礎講習を開催すると聞いている。中野区としては、当面、東京都社会福祉協議会を活用し、市民後見人を養成していく考えである」と御答弁されております。しかし、来年度は東京都社会福祉協議会で養成講座を実施することは決定はしていますけれども、その次の年度以降、本当に実施するかどうかというのは本当に極めて不透明であります。このことを考えれば、隣接区での合同開催を区が主導的に働きかけるか、もしくは中野区単独で市民後見人の養成講座を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 現時点では、27年度以降も都社協への委託を基本に考えております。都社協が研修を実施しないということが明確になった場合に、その時点で検討を行っていきたいというふうに考えております。

○南委員 急にやらなくなったとなれば、すぐに中野区として対応を考えなければならないわけですから、あらかじめそういったことも想定しながら、きちんと市民後見人を中野区としてどう養成していくのかということはやっぱり計画的に持っていっていただきたいと思いますので、このことは強く要望しておきたいと思います。

 それでは、次に、中野区ではこれまで、東京都で実施している社会貢献型後見人の養成講座を活用して、市民後見人の養成をしてきておりまして、平成23年8月から平成25年5月まで、受講修了生が実際に受任を受けて、被後見人が亡くなられるまで後見業務をされておりました。これまでにその受講をした研修修了生の中で、11名中9名が家庭裁判所より受任を受ける能力があり、そのうち2名が間もなく市民後見人として申し立ての準備をしていると聞いております。親族以外の第三者の後見人の比率が高まる中で、専門職の後見には限界もあることから、市民後見人の必要性が高まっております。しかし、市民後見人にはボランティア的な要素が求められておりまして、後見等の報酬も実費程度しかございません。市民後見人の養成をさらに促すためには、市民後見人の後見報酬にも助成する必要があると思いますが、区の見解を伺いたいと思います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 市民後見人につきましては、ボランティア的性格であることを理解している方を養成の対象としております。現時点では、報酬助成を市民後見人に対して拡充する考えはございません。

○南委員 きっぱりと言われてしまいましたが、さらに第三者の後見人が比重が高くなってきて、その第三者の中でも専門職の方ではもう賄い切れなくなってきて、市民後見人がますます重要になってきておりますので、確かにボランティアだということで養成するという、これは重要なことではありますけれども、何もたくさん助成しろと言っているわけではなくて、少しでもさらにやっていこうという気持ちが上がるような意味で、助成制度を実施してもらいたいなというふうに思っておりますので、これはまた要望にしておきます。

 それでは、次に、最近、後見人の権限を悪用して被後見人の本人を守るどころか、財産を使い込むなどの不正を行った報道があります。最高裁判所の調べによりますと、後見人の不正は、平成23年1月から平成24年12月までの2年間で、不正事例が判明した件数は935件、うち被害が特定された906件の被害総額は約81億5,000万円にものぼります。このような不正防止のために、平成24年2月から、後見制度支援信託が導入されました。家庭裁判所が調査の上、大口資金を信託銀行に預けるように指示ができ、介護施設の入所時にまとまった資金が必要になった場合には、家庭裁判所から承認を得なければならないもので、不正を防げるというものであります。成年後見制度の充実を図る上からも、また、安心して成年後見制度を利用できる上からも、後見制度支援信託の周知をさらに図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 家庭裁判所の指示により、信託銀行等と信託契約を結ぶ制度でございます。家庭裁判所や信託協会が発行したパンフレットを現在でも区や成年後見支援センターの窓口で配付しておりますが、今後、ホームページ等で案内するなど、さらに周知を図りたいというふうに考えております。

○南委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 次に、成年後見制度の自治体に対するメリットとして、後見制度が利用されることで生活保護、財産を管理してもらったり、あと、介護保険の運用が適切に行える、要は、介護保険料をきちんと払っていただけるようになる。それからまた、後見人が本人にかわって税金も納めていただけるようになったりすることとか、また、市民が後見人として活動することで、地域に新たな仕事といいますか活動の場をつくり出すことなどさまざまに考えられると思いますが、区としてどのような見解をお持ちか伺いたいと思います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 成年後見制度の普及による自治体のメリットといたしましては、最大のものは、意思能力が低下した方もその権利が守られ、安心した暮らしが保証されるということにあると考えてございます。また、その波及効果といたしましては、普通徴収の場合の税や保険料等の確実な納付の確保ができるということがございます。さらには、市民型後見人として地域の高齢者等の社会参加、地域貢献の機会ともなることが期待されるというふうにも認識しております。

○南委員 では次に、昨年の5月27日に公職選挙法の排除規定を一部削除する改正案が参議院本会議におきまして全会一致で可決し、成立いたしました。公職選挙法第11条では、選挙権及び被選挙権を有しないと特定の人に選挙権を認めない排除規定が設けられておりましたが、そこから成年被後見人を削ったことによりまして、選挙権及び被選挙権が回復されたことになります。現在、中野区におきまして、被後見人で選挙権を回復された方は何人ぐらいいるのか、伺います。

○吉村選挙管理委員会事務局長 公職選挙法の改正によりまして、選挙権を行使できることとなった成年被後見人は、昨年7月の参議院議員選挙の時点で、東京都全体でおよそ1万5,700人、中野区でおよそ430人でございます。

○南委員 区内で430人もいらっしゃるということですね。改正された公職選挙法には、特定の候補者に誘導する不正投票の防止策も盛り込まれております。これまでに昨年の参議院選挙とことしの都知事選挙が実施されましたが、中野区選挙管理委員会ではどのような不正投票の対策をとられたのかを伺います。

○吉村選挙管理委員会事務局長 このたびの法改正によりまして、「代理投票の補助者は、投票管理者が投票所の事務に従事する者のうちから定めること」と明文化されたものでございます。中野区では、従前から代理投票の補助者は投票所の事務従事者により行ってきており、また、代理投票の際にも、有権者御本人の投票の意思を確実に確認し、適正に実施してきたところでございます。今回、2月執行の都知事選挙に際しましても、投票事務にかかわる関係施設及び従事者等を対象とした説明会において、改めて法改正の趣旨、内容の周知徹底を図ることにより、適切かつ公正な選挙執行に努めてきたところでございます。

○南委員 中野区としては、公職選挙法改正より以前からそういったきちんとした対策をとっていただいていたということでございますね。ありがとうございます。

 それでは、次に、法人後見について触れたいと思います。

 増大し、多様化する後見人のニーズに対して、専門職後見人が受任するケースもふえてきていますが、対応には限界が生じています。被後見人の親族関係との破綻や低所得者のために後見報酬が負担できないなど金銭的な課題はもとより、精神的疾患が原因で日常生活に関する課題を抱えている場合などには、法人後見が必要となります。中野区社会福祉協議会では、さまざま事情によって第三者後見ができない2名の方の法人後見を受任しています。成年後見制度の必要性が高まっていく中で、法人後見の需要もふえていくと思われます。千葉県では、県社会福祉協議会が中心となって法人後見マニュアルを作成し、法人後見をいかに担っていくかをまとめています。最近では、社会福祉協議会での法人後見にとどまらず、法人後見を受任する民間の法人機関もふえてまいりました。このような機関に対して、法人後見業務の円滑化を図るためにも、法人後見マニュアルを作成すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 今後、NPO法人等による法人後見への参入可能性を広げるために、マニュアルの提供も含めた支援策につきまして、社会福祉協議会とも相談しながら検討していきたいというふうに考えております。

○南委員 ぜひ検討を進めていただきたいと思います。成年後見制度が施行されましてから14年がたちますが、まだまだ利用者が少ないのが現状であります。その背景には、成年後見制度の認知度が低いことや専門職の後見人を立てた場合の費用の問題、さらには、後見人の担い手不足――先ほど430人の方が中野区内にはいらっしゃるということで、でも、被補助人、被補佐人を含めるとさらに数はふえるわけであります。それぞれの被後見人の方がついていらっしゃるということで、本当に担い手不足ということが心配されるわけでありますが、さらには、後見報酬の助成などさまざまな課題があると思います。現状での中野区における成年後見制度の取り組みについて、区長の見解をお伺いしたいと思います。

○田中区長 私も南委員と同様に、この成年後見という制度が、私たちが本当に年をとっても安心して生きていける社会をつくっていく上では、絶対に欠くことのできない大事な制度だというふうに思っております。特に、これから後期高齢者の方の数がものすごい勢いでふえていく。そういう時代になっていく中で、それに間に合うようにという言い方が適当かどうかわかりませんけれども、やはりその成年後見の制度をもっともっと充実させていくという必要があるのかなと、こんなふうに思っております。専門の後見人がどれだけの需要に応え切れるかというようなことを考えますと、やはり法人後見や市民参加型の後見人の取り扱いといったようなことも構造的にきちんと取り組んでいかなければならないだろうと、こんなふうに思っておりますけれども、なかなか今の質疑を聞いておりましても、制度的にはまだ十分柔軟で効果的な形にはなっていないのかなと、こんなふうに思っております。区としてできることをできる範囲で着実に進めていきながら、また、そこでの得た知見をしっかりと区民等への制度要望というような形で上げていくといったようなことにも心がけていきたいというふうに思っております。

○南委員 ありがとうございます。

 それでは、次に、西武新宿線沿線まちづくりについて伺います。

 中井-野方間の連続立体交差事業にあわせて、区画街路第3号線及び第4号線も平成23年8月に都市計画決定がなされまして、新井薬師前駅及び沼袋駅の各駅前広場を区が整備することとなったわけであります。各駅前広場を整備するに当たって、交通結節点としての機能だけではなく、防災上の安全面や情報提供の機能も備えた広場とすべきと考えますが、区の見解を伺います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 新しく整備いたします地下の駅ですけれども、地震や水害に対しては十分対応した構造や設備を備えることから、防災面の安全性は十分確保されると聞いております。また、駅前の交通広場やアクセス道路は、災害時には一時的な避難する場所や避難路にもなることから、御指摘の防災情報手段についても、今後事業を実施する段階で考えていきたいと思っております。

○南委員 次に、沼袋駅前広場の位置は鉄道南側に計画されることが示されております。沼袋駅の南側に駅前広場を整備することになりますと、北側にある沼袋商店街の活性化に大きな影響が起こるのではないかと懸念されますが、区としてはどのように分析されておるか、伺います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 区が昨年11月に実施いたしました沼袋駅周辺の交通量調査の結果では、沼袋のバス通りを通りまして沼袋駅方面に向かう人は13時間当たり約6,000人おります。また、沼袋駅付近からバス通りを通りまして北方面に向かう人は、同じく13時間当たり約4,300人いることがわかっております。こうした方々は、沼袋駅周辺に居住していたり、通勤・通学といたしまして当該地を利用していることが想定されるため、南側に交通広場を整備いたしましても、こうした人の流れは基本的には変わらないものと考えております。

○南委員 成年後見にちょっと時間を取りましたので、淡々と進めさせていただきます。

 沼袋駅の南側は、駅前広場が整備されるなど発展が期待されますが、現在、沼袋駅北口付近の整備も道路の拡幅などを含めて南側の整備にあわせて推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 沼袋駅の北側を含みます駅周辺のまちづくりにつきましては、西武線の地下化に伴いまして、新しい駅舎や駅前の駅前広場とアクセス道路、鉄道上部空間、駅周辺の土地利用をセットに検討し、沼袋の新たな顔となるまちづくりを推進していく必要があると考えております。現在、沼袋周辺地区におきましては、地元住民で構成されますまちづくり検討会におきまして、区も支援しながら、将来のまちづくりの目標や方針について検討しているところであります。こうした状況をうかがいながら、沼袋駅周辺のまちづくりの計画を作成していきたいと考えております。

○南委員 今度は鉄道上部をどのように活用していくか、まちづくりについて大変大きな、重要な要素になります。区画街路第4号線の整備によって南北のアクセスは整備されることになりますが、東西のアクセスが懸念されるところであります。東西方向における緑道の歩行者空間の確保や、沼袋駅周辺では自転車の違法駐輪が多いことから、自転車の駐輪場の整備も必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 鉄道の上部空間につきましては、連続立体交差事業で生み出されます貴重な空間であり、区民が最大限利活用できますよう、まちづくり検討会での検証等を踏まえまして、具体的な活用案を作成いたしまして、この案をもとにいたしまして、東京都や西武鉄道と今後調整していきたいと考えております。

○南委員 区画街路第4号線の整備においては、全長540メートルで、幅員を現在の6メートルから14メートルに拡幅する計画でありますが、これまでに用地測量やまちづくり検討会の設置などを行い整備計画を進めてまいりました。拡幅に伴う権利者の意向調査や個別相談なども進めてきたところですが、今後さらに具体的になっていく中で、用地取得による土地の有効活用のあり方や残地の問題などさまざまにありますが、まちづくりの活性化のためには共同化も一つの対策ではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 区画街路第4号線の道路拡幅に伴います狭小な残地の発生につきましては、問題点として認識しております。現在、関係者に対しましては、今月から意向調査を実施しておりまして、この結果等を踏まえながら、共同化の可能性についても今後探っていきたいと考えております。

○南委員 次に、区画街路第4号線は、拡幅により長年の課題の一つでありますバスの相互通行が可能になります。しかしながら、沼袋商店街にとっては、東西のつながりが遮断され、にぎわいが半減するのではないかとの不安の声もあります。拡幅により商店街の活性化をさせなければなりませんが、区としての見解を伺います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 区画街路第4号線につきましては、2車線の車道と両側に広い歩道を整備することで、バス等の車両の走行環境や歩行者の歩行環境が格段に改善するとともに、安全性も高まります。今後、区といたしましては、昨年実施いたしました交通量調査の結果を踏まえまして、交通安全を確保しつつ、沿道にも十分配慮した道路づくりについても検討してまいりたいと考えております。

○南委員 基盤施設整備の中で、沼袋商店街通りを一体的なまちづくりとして推進していくためにも、歩道の完全フラット化やゼブラ色にした、塗装した点字ブロックの横断歩道を整備するなどバリアフリー化を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 沼袋駅周辺のまちづくりの検討会でも、バリアフリーに関しますさまざまな御意見が出されております。今後、中野区のバリアフリー整備構想などに基づきまして、バリアフリーにも配慮いたしました道路構造の検討をしてまいりたいと考えております。

○南委員 次に、沼袋第4号踏切について伺います。

 この沼袋第4号踏切の近辺の住民の方からは、沼袋第4号踏切を廃止せず、開さく部分を野方駅方向へずらすこともでき得るのではないかとの声も聞いたところですが、工事的な観点から可能なのかどうか、区の見解を伺いたいと思います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 御指摘の沼袋第4号踏切を越してから堀割りにした場合でございますけれども、この場合には、環状七号線と野方駅が一緒となるため技術的には困難と聞いております。

○南委員 それでは、野方駅東側に位置する沼袋第4号踏切は、連続立体交差事業の開さく区間に当たるため、事業が完成した後には平面での通行が遮断されてしまいます。沼袋第4号踏切の除却後もバリアフリーに配慮して南北をつなぐ交通動線を確保するため、連続立体交差事業にあわせて歩行者と自転車用の立体横断施設を整備する案も聞いているところでございますが、現在の検討状況はどうなっているのか、伺います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 連続立体交差事業の堀割り区間にあります沼袋第4踏切の歩行者と自転車の横断につきましては、通行が可能となる施設を新たに整備する予定でございます。この施設につきましては、高齢者や障害者など誰でも利用しやすいよう、今後引き続き東京都、西武鉄道と協議しながら検討を進めてまいりたいと考えております。

○南委員 それでは、その沼袋4号踏切が廃止になれば、自動車の迂回路の整備が必要となってくるわけですが、どのような対策を講じるのか。また、西武鉄道交通管理者との協議も図っていかなければなりませんが、区の見解はどのように考えられているのか伺います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 沼袋第4号踏切の自動車への対応についてでございますけれども、連続立体交差事業の堀割り区間にあります沼袋第4号踏切については、工事完成後は廃止されますとともに、現在の箇所での平面での横断ができなくなります。しかし、横断道路が地域内の南北方向を円滑に処理する上で貴重な、重要な役割を担っており、連続立体交差事業の完成後も現在の交通を処理する対策が必要となります。そのため、東京都、西武鉄道と対応について協議していきたいと考えております。(「この間、区長が本会議で『どうにか東京都に求めていく』と言ったばかりじゃないかよ。何をもう事実みたいに語っているんだよ、おまえ」と呼ぶ者あり)

○南委員 進めさせていただきます。大内委員の気持ちもよくわかるところでございますが、じゃあ、次の質問ということで、野方、都立家政、鷺宮の各駅周辺のまちづくりについて伺います。

 野方駅以西については、野方駅から井荻駅間が立体交差事業の事業候補区間に位置付けられていますが、事業実現のために野方駅、都立家政駅及び鷺宮駅の各駅周辺のまちづくりの機運を高めていくべきであると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 野方駅以西の沿線のまちづくりのためには、今後、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅周辺におけます一層の機運の醸成が重要となります。区といたしましては、来年度、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の駅前広場等の交通基盤やまちづくりについて調査検討するとともに、地域住民によりますまちづくり活動を活発にしていくため、地元の町会や商店街と連携協力しながら、必要な情報支援を行ってまいりたいと考えております。

○南委員 わかりました。ぜひ、野方以西について機運を高めて、さらに事業が候補区間からぜひ着工採択のほうに持っていけるように努力を図っていただきたいと思いますが、この項の質問については終わりたいと思います。

 次に、空き家対策について伺います。

 居住者がいないまま放置されている空き家が全国でふえ続けています。空き家が今にも倒れそうで心配とか、壊れた窓や戸から不審者が出入りして怖いなど、空き家の近隣住民から不安の声を聞きます。適切な管理が行われていない空き家は防犯・防災、衛生、景観などで地域住民の生活環境に大きな影響を及ぼしかねません。日本の全国の空き家数は年々増加し続けており、2008年の空き家数は757万戸、空き家率は13.1%に達しています。この数値は5年に1回調査が行われる総務省の住宅土地統計調査によるもので、およそ8軒に1軒が空き家という実態が明らかになった形です。また、2008年調査時の757万戸のうち管理が行き届いていないものは270万戸近くあり、1998年と比べ1.5倍にふえていますこのような空き家の数は、人口の減少や高齢化を背景に、国土交通省では今後も都市部を中心にふえる見通しを立てており、地域住民の生命・身体・財産の保護や生活環境の保全、空き家の活用のための本格的な対策が求められてきています。国土交通省は、2013年度には、使わなくなった空き家を個人が解体する費用の一部を補助する空き家再生等推進事業がスタートしました。国や自治体が合わせて費用の最大5分の4の支援を行います。首都直下地震など災害が起こった場合、空き家が倒壊して都心部の避難路をふさぐ危険があることから支援体制を強化し、持ち主に空き家の解体を促す制度です。補助の対象となるのは、空き家の所有者で、解体する場合、国と自治体がそれぞれ最大で5分の2を支援する社会整備総合交付金などを財源として使用されます。現在は人口減の自治体など一部地域に限定された支援制度がありますが、これを人口がふえている都心部も含め、全国どこでも支援を受けられるようにというものであります。国が進める空き家再生等推進事業の補助制度を都内で利用されている実績はどのくらいあったのか。伺います。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 現時点で国が進める空き家再生等推進事業を活用して、空き家等の利活用や除却を行っている区はないと聞いております。

○南委員 ないということで、この実績状況といいますか、実績とは言えませんが、この原因というのは区としてどのように分析をされているのか、伺います。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) まず、二つのタイプがございまして、除却事業の利用には基幹となる事業が必要であり、また、もう一つの活用事業タイプは、全国における山間等地域や過疎地域が対象となっており、また、25年度までの措置のため、実績がない状況であるのではないかと考えております。

○南委員 次に、管理されていない空き家は、倒壊したり屋根、外壁が落下する危険性が高くなります。区民からは空き家があることでごみの不法投棄で景観が悪化したり、悪臭がしたりするとか、犯罪や火災の発生を誘発するなどの不安の声も聞かれます。私も空き家の屋根にあるテレビアンテナが今にも落ちそうなので何とかしてほしいと相談を受けたことがございます。登記を調べても、そこに住んでいる実態がなければ、それ以上調査を進めることはできません。固定資産税の情報からは、守秘義務と個人情報保護法から空き家の所有者の情報は開示されないのが現状です。このようなことから、空き家がふえていく要因になっています。2008年の総務省の住宅土地統計調査による中野区内の空き家等の実態数を伺います。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 平成20年の総務省の土地住宅統計調査によれば、中野区の空き家・空き室の総数は1万7,500戸でございます。そのうち一戸建て住宅について見てみると、腐朽・破損のある建物は、木造で630棟、非木造で50棟の合計680棟でございます。さらに、そのうち賃貸及び売却予定の住宅を除くと、約590棟が統計上の空き家の数でございます。また、近隣住民から区のほうへ苦情や相談が寄せられている空き家については現在83棟あり、私ども建築分野のほうで対応をしているところでございます。

○南委員 今詳しく棟数調査の数をお聞きしましたが、これはあくまで総務省の数字ということで、空き家対策を進めるためには、まず区内全域の実態調査を実施しなくてはならないと思います。平成24年度では、東京都の緊急雇用創出事業を活用して空き家の実態調査を実施した都内の自治体には江戸川区、三鷹市、小金井市、青梅市がございます。その事業内容は、老朽家屋や工作物等を調査して、安全安心な住環境を整備していくためのものであるとか、また、樹木の繁茂、ごみの不法投棄、防犯・防火上の問題のある空き家などを把握するためのものなどであります。中野区でも空き家対策の第一歩として、東京都緊急雇用創出事業を活用するなどして老朽化した空き家の区内全域の実態調査に踏み切るべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 空き家等の実態調査につきましては、緊急雇用創出事業の募集等があれば、企画をして考えたいと思いますが、その前に、これまで建築行政において蓄積されているデータの活用と地域のサンプリング調査を行い、統計上の数字の検証を行っていきたいというふうに考えております。また、本年7月には、平成25年度の総務省の土地住宅調査の結果が公表されることから、その調査内容を十分に分析した上で、反映していきたいなというふうに考えております。

○南委員 次に、空き家条例について伺います。

 これまで空き家対策は各地方自治体に任せられてきており、このため、全国272の自治体では独自の条例を制定するなど空き家対策を推進してきています。足立区の条例では、勧告によって建物を解体する場合には木造で50万円、非木造で100万円を上限に、工事費の半額が助成されることになっています。また、所有者みずから危険な状態を解消できない場合には、所有者の同意を得た上で、例えばはがれかけの外壁を除去するなど、必要最低限の措置である緊急安全措置を区が実施できるとしています。老朽化した危険家屋に対する実効性のある条例制定に踏み切った足立区のような空き家対策の取り組みに対して、区としての見解を伺います。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 足立区の条例制定の背景には、指導を行っていた建物の外壁剥落事故がきっかけになったと聞き及んでおります。市街地において住宅が密集し、危険な空き家に日々接する機会が多いことを反映させたものと考えております。

 また、所有者みずから危険な状態を解消できない場合には、必要な補修や行政代執行による除却が考えられますが、執行に要した経費の支払いを求めても履行されないリスクがあることもまた必然であります。そしてまた、全ての空き家の補修・解体に公費を投入することについて、住民の理解を得ることは難しいのではないかなというふうには考えております。

○南委員 次に、自治体での独自の空き家条例を制定するなどして、管理や撤去を促し、一応一定の成果を上げてきてはいますが、自治体の担当者からは「県、市町村などの対応では限界がある」との声が上がっているのも事実であります。この事態の改善に向けて、今国会で提出予定の特別措置法案では、市町村に対し、居住実態のない家屋に立ち入り調査ができる権限を与えることや、倒壊するおそれがありながら空き家の所有者が撤去・修繕などの改善命令に従わない場合には市町村が行政代執行法に基づいて解体できる規定を盛り込んでおります。また、空き家対策がスムーズに進まない要因として、撤去費用が高額であることや、空き家を解体して更地にする固定資産税の軽減措置が受けられなくなるなどがあります。建物を解体する場合、東京都では、坪単価3万円から4万円くらいかかり、建売住宅で床面積が30坪程度のもので解体費用がおよそ100万円かかります。壊した跡地利用を活用するという意識がなければ、そのまま残ってしまいます。税制面では、固定資産税、都市計画税の特別措置という課題があります。土地の上に、どういうものであれ建物があれば、特例により固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1も減免されます。これを更地にしてしまいますと、今の固定資産税の3倍から6倍になってしまいます。こうしたことから、検討中の特別措置法案では、必要な税制上の措置などを求めており、空き家の所有を把握するために、固定資産税の情報の利用も可能になる内容であります。公明党としても、空き家の有効活用も含め、空き家対策の議論を深め、今国会では自民党とともに特別措置法案を提出して空き家対策を推し進める方針ですが、このような特別措置法案の動きに対して、区の見解を伺いたいと思います。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 区としては、空き家周辺に居住する住民の方々の不安や悩みを一日も早く払拭するためにも法律による裏付けが必要であり、ただ、現段階では提出時期や内容も不明であるが、実効性のある法案となるよう期待しているところでございます。

○南委員 次に、自治体における空き家バンクの取り組みについて伺います。

 空き家バンクとは、自治体などが地元の空き家情報や移住に関する情報をインターネット上に公開することによって、地域の活性化を図る取り組みです。空き家バンクはさまざまな自治体で取り組んでいますが、一般財団法人地域活性化センターが2010年に行った空き家バンクを活用した移住・交流促進調査で現状を知ることができます。その調査結果によりますと、空き家バンクを開設している割合は、市町村では54.4%、都道府県では25.7%、今後実施する計画のある自治体は、市町村で13.8%、都道府県では5.7%となっていまして、空き家バンクは市町村レベルで積極的に取り入れられており、今後取り入れる予定の自治体も多いとなっております。空き家率は、現状のままではさらに上昇していく傾向があり、空き家率の上昇に歯どめをかけるには、空き家の除却をふやしていくか、新築戸数を減らし、中古住宅の活用を進めていく必要があります。そのために自治体で取り組んでいる空き家バンクの仕組みが有効であると思いますが、いかがでしょうか。伺います。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 私どもも地域活性化センターのものを調べさせていただきましたところ、空き家バンクへの物件の登録件数としましては、市町村のレベルでは1件から10件未満が約53.5%、1件もないというものが13.5%の自治体であるということでございます。都道府県単位で見れば、エリアが広いため、100件以上の登録がされているケースが33.3%と聞き及んでおります。バンクも有効な取り組みの一つと考えておりますが、現在、各区の実情を見ても、まだその空き家の担当部署も決まっていないというような実情もございます。ですから、今後の空き家対策の取り組みの状況を見きわめながら、有効な対策を検討していきたいというふうに考えております。

○南委員 撤去費用が高額であることや税制上の優遇措置が受けられなくなるなど、空き家対策にはさまざまな課題がございます。こういった点を踏まえて、区長の空き家対策についての御見解を伺いたいと思います。

○田中区長 さまざまな法律的な課題等があって、非常に難しい問題だというふうに考えておりますけれども、一義的にはやはり議員立法で対策の法律ができ上がるということを私は期待しているというか、当然注目していきたいというふうに思っておりますけれども、現状でできることは何かということを探していくということをも大事だというふうに思っておりまして、現状で多面的な可能性を探りながら、まずは実態の把握ということに努めていくというところから取り組みを着実に進めていくということにしたいと思っております。

○南委員 非常に空き家、さらにふえていきますので、区内に対する空き家対策、さらに力を入れていっていただきたいと思います。

 それでは、次に、障害児の施策について伺います。

 昨年の第4回定例会での私の質問の中に、「障害のある子どもの生活状況は、障害の特徴によって困難なこともそれぞれ違うと聞いています。知的・発達障害のある子どもや重度重複障害のある子どもたちのニーズをとらえるためにも、生活状況の実態調査を実施すべきと考えます」との問いに対し、区は「今年度、重度重複障害児の通所施設の利用希望について調査を実施したところであり、子ども子育てアンケート調査の結果を踏まえて、必要に応じて中野区障害福祉計画のための意向調査などで障害のある子どもの生活状況について把握したい」と答弁されています。この意向調査の具体的な内容はどのようなものなのか。また、第3期中野区障害福祉計画は、平成24年度から26年度になっておりますが、意向調査の実施時期はいつなのか。また、どのような形で行うのかを伺いたいと思います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) まず、調査の内容を先に申し上げます。調査につきましては、日中の介護で困っている点や日中の過ごす場所、また、災害時の対応として必要な点など、生活の状況、課題等について、現状のわかる調査を予定しております。時期につきましては、ことし4月の下旬から5月に発送しまして、5月下旬までに回収するということで、郵送を予定しています。

○南委員 次に、障害児の中には医療的ケアの必要な子どもたちがあります。日常生活の中でたんの吸引や酸素管理などが必要で、保護者は常に介護をしていて、ヘルパーを頼む際にも医療的ケアができる事業者が頼りとなってくるわけであります。医療的ケアが行われる特定行為事業者名簿は、東京都のホームページにおいて閲覧できるようになっておりますけれども、事業者の一覧表を中野区のホームページ上にもアップし、いつでも情報の入手ができるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 区の障害児の通所支援施設のホームページがございますが、そこに東京都の特定行為事業者の名簿を、リンクを張りまして、見られるように改善していきたいというふうに考えております。

○南委員 次に、緑野小学校に肢体不自由学級のたんぽぽ学級がことしの3月末をもって廃止となります。このたんぽぽ学級の跡地に重度重複障害児通所支援施設と知的・発達障害等障害児通所施設が併設され、指定管理によってことし10月より事業が実施される予定ですが、各通所支援施設の事業内容と定員はどのようになっているのか、伺います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) まず、重度重複障害児の通所支援施設でございますが、こちらは児童福祉法で位置付けられているものでございます。対象者は、身体障害が1・2級程度、知的障害が1・2度程度の障害が重複している未就学児童でございまして、こちらのほうは機能訓練などを実施する児童発達支援事業となります。また、それに加えまして、小学生から高校生までの放課後等デイサービスの事業や児童の一時保護事業なども実施する予定でございます。また、医療的ケアが必要な児童についても受け入れを行う予定でございます。定員につきましては、未就学児童の児童発達支援事業は1日の利用定員は5人、放課後等デイサービスの事業は、1日の利用定員は10人となっております。

 もう一つの施設でございますが、知的・発達障害児の通所支援施設でございます。こちらも児童福祉法で位置付けられた施設となります。対象者は、知的・発達に課題のある児童で、特別支援学校や知的障害・発達障害のある児童の通う特別支援学級の児童や生徒ということになります。事業内容としましては、小学校から高校生までが放課後や夏休みに通ってくる放課後等デイサービス事業、また、一時保護事業等を実施する予定でございまして、1日の利用定員は30人にする予定でございます。

○南委員 同じ建物内に二つの施設が開設されるわけですが、各施設の子どもたちの障害の内容や程度が異なってまいります。施設を併設されるに当たっては、子どもたちが安心して施設を利用できるように安全対策をとる必要があると考えますが、どのような対策がとられているか伺います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) まず、どちらの施設につきましても、転倒などをした場合の衝撃を和らげるためのクッションフロアを予定しております。また、重度重複障害者の通所支援施設につきましては、トイレ介護等に使用する介護ベッドについて、乳幼児から高校生まで対応できるようなものでありますとか、また、知的・発達障害児の通所支援施設につきましては、緊急時のボタン等を誤って児童が作動させて混乱が生じないようにするための工夫などを行っていく予定でございます。

○南委員 次に、たんぽぽ学級の際には、小学校の学校行事を通じて交流がありましたが、新たな施設に移行したときにも、緑野小学校の子どもたちとの学校行事を通じての交流の機会をつくり、障害への理解を深めることも大切であると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 緑野小学校とは、どういった交流ができるかということを検討してまいりたいというふうに考えております。

○南委員 昨年11月に子ども文教委員会でたんぽぽ学級を視察した際、水治訓練室が設置されておりました。ことしの10月から指定管理者が運営する新たな施設では、夏場に水治訓練室の利用ができるようになっているのかを伺います。また、近接しているアポロ園の児童たちは、夏場にプール利用をするために遠く離れた鷺宮体育館のプールを利用しており、大変な思いをしていると聞いております。重度重複障害児通所支援施設の指定管理者はアポロ園と同じ事業者となっています。その関係からも、アポロ園の子どもたちも緑野小学校内にある新施設の水治訓練室が利用できるように配慮すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 重度障害児の通所支援施設のほうでは、水治訓練室につきまして利用を行う予定でおります。アポロ園の児童につきましては、開設後、施設運営が落ち着いた段階で、本来の事業の利用を妨げない範囲で利用できるか検討してまいりたいというふうに考えております。

○南委員 ぜひとも検討を進めていただきたいと思います。

 それでは、次に、発達障害の施策について伺います。

 知的障害を伴わない軽度な発達障害は、年齢・身体の発達に不釣り合いなほど落ち着きがなく、常にそわそわしている状態とか、読み書きや計算が困難であるとか、コミュニケーションがとれないなどの障害で、中枢神経の何らかの機能障害が原因と推定されます。3歳児健診の時点では、集団生活の経験がない子どもも少なくありませんが、5歳児になると集団生活を経験する子どもも多くなります。社会性が身につきにくい軽度の発達の障害の可能性を見つけやすいと考えられます。

 発達障害の内容を進める前に、昨年11月28日の子ども文教委員会と12月3日の地域支えあい特別委員会で出された委員会資料にある、中野区次世代育成支援行動計画、平成24年度の事業実績の公表の報告について伺います。

 その報告では、子どもの発達支援や心配面などについて幾つかの指標に分けて、保育園・幼稚園の5歳児クラスの保護者にアンケート調査を行っています。5歳児のクラスに絞り込んだアンケートをしているのはどういう意図からか。何らかの計画を実行するためのものなのか。その点をどのように考えているのか、伺います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 5歳児を対象に絞った理由でございますが、5歳児の住民登録者数のうち、幼稚園や保育園に通う児童数の割合が一番高い年齢になります。人数把握を広く行うことができるということに考えまして、5歳児に絞り込んでいます。

○南委員 次に進みます。5歳児の時期というのは、発達や社会環境の適応性に重要な時期であると思います。そこで、5歳児健診について伺います。

 現在、母子保健法により、1歳6カ月と3歳の乳幼児に対して、身体・精神の発達状況を確認するための健診が義務付けられており、これ以外の健診については各自治体の判断によって行われるため、1歳未満を対象にした乳幼児健診は多くの自治体で行っています。最近では、二つの理由から、5歳児健診の必要性が注目されています。一つには、3歳児以降では学校保健法で定められている就学児健診まで法律に基づく健診はありませんが、この間の子どもの心身の発達には目覚ましいものがあり、総合的に健康状態を把握する必要があるということです。二つ目には、発達障害に関連する問題であり、早期発見や早期対応を目指し、5歳児健診が鳥取県や栃木県、埼玉県などで開始されるようになっております。これは、発達障害者支援法第5条の「市町村は、母子保健法第12条及び第13条に規定する健康診査を行うに当たり、発達障害の早期発見に十分に留意しなければならない」を根拠としております。また、5歳児健診は、そのすき間を埋める健診として必要性を訴える小児科の医師も多くおります。鳥取大の神経学の小枝達也教授は、「3歳で多動は普通であるが、5歳になればそれなりの社会性が身について、見きわめが可能です」と、5歳児健診の重要性を指摘しております。発達障害児はコミュニケーションが苦手で、いじめの対象になったり不登校につながったりします。問題が起きた後では、担任が疲れ果てて余裕をなくし、親は学校に不信感を持つことも多くなり、小枝教授は「5歳児健診で障害がわかれば、小学校入学前に保護者に伝えるように努めており、学校側はクラス編制で配慮できるし、担任も落ち着いて指導できる。子ども、教師、親、クラスの仲間全てにメリットがあります」とも指摘しています。発達障害は、早期発見をすることでその子どもの特性をつかみ、適切な教育をすれば集団生活にも適応できるようになり、不登校やいじめの二次被害も防ぐことができます。平塚市では、平成25年度より5歳児健診事業を開始しており、その背景には、幼稚園・保育園、13名の小児科の協力を得て、575名の園児を対象に5歳児健診を行いました。行動面のコントロールや対人関係などに難しさがあり、支援が必要と思われる子どもは9%認められました。市では、この結果を踏まえ、5歳児健診をスタートさせたということであります。東京都医師会でも、平成20年5月に5歳児健診の有効性を検証するためにモデル事業を実施しており、その検証の結果を踏まえて、現在では5歳児健診東京方式として独自に事業を実施しております。5歳児健診の目的は病理診断にあるのではなく、保護者や保育園・幼稚園や小学校が発達障害児への気付きを共有することにあります。この際、中野区としても5歳児健診を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 5歳児の大部分でございますが、保育園・幼稚園に通園しております。各園には、発達に課題のある児童の巡回保育事業等も実施しているところでございまして、全体的な5歳児の健診は実施する予定はございません。

○南委員 これもすっぱりと言われてしまいましたが、私は非常に重要だというふうに思っております。次に進めたいと思います。

 平成22年の第4回定例会での発達障害、5歳児健診に関する私の質問に対し、区長は「中野区において、5歳児の98%は保育園や幼稚園に在籍しております。在籍園では、発達障害が疑える児童につきまして、療育センターアポロ園からの巡回訪問指導などを行って、必要に応じて医療機関や療育機関につなげているところであります。未就園であります5歳児のお子さんが若干おられるということになりますので、こうしたお子さんへの対応について、今後検討していきたいと、こう考えております」と御答弁をされておりますが、このような未就園の子どもたちの健診状況について、どのような対応をされているのかというのを伺いたいと思います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 保育園・幼稚園に在籍していない未就園の児童でございますが、人数は30人程度となります。この中には、アポロ園等に通う児童も含まれております。したがって、5歳児の児童については、何らかの方法で健康状況等、把握できているというふうに考えております。

○南委員 本当に把握できているんでしょうか。その辺は非常に疑問を持たざるを得ないんですけれども、詳しいことはまた分科会のほうでしっかりとちょっとやらせていただこうかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 時間がなくなってまいりましたが、次に、図書館行政の施策について伺います。

 このたび、中野区立図書館のオンラインシステムリプレースをプロポーザル方式により事業者選定をされる予定ですが、現在の図書館のオンラインシステムはいつごろ導入され、いつまでのリース契約なのか。また、リース期間は当初何年であったのかを伺います。

○辻本教育委員会事務局副参事(知的資産担当) 現在の図書館システムの導入時期につきましては、平成15年12月でございます。また、リース期間は5年ということで、本年11月までのリース期間ということでございました。

○南委員 たしか5年でやっていて、何回か更新、更新をされていたんだと思うんですけれども、次の質問に移ります。新たなオンラインシステムのリプレースでは、サーバをはじめソフトウエアや周辺機器のリース契約の内容はどのようになっているのかを伺います。

○辻本教育委員会事務局副参事(知的資産担当) 機器類及びソフト、いずれにつきましても、5年のリース契約とする考えでございます。

○南委員 5年ということですね。システム再構築募集要項には、図書館のホームページでございましたけれども、この募集要項の中には、委託内容には、システムリプレースと図書館オンラインシステムの運用・保守業務委託となっておりまして、契約期間では、システム稼働時から60カ月――5年ですね。また、リース期間においても60カ月となっております。通常、リース契約は5年であるので、再リース契約をすることなく、5年後にはオンラインシステムのリプレースも計画的に行うべきであるというふうに考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○辻本教育委員会事務局副参事(知的資産担当) リプレースにつきましては、OSの更新時期との兼ね合いといった効率性等のさまざまな要素を勘案いたしまして、検討してまいりたいと思います。

○南委員 財源的な問題もあるんでしょうけれども、リースというのは5年になっていますので、それをしっかりと守っていただくように、計画的に推し進めていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。

 次に、毎年「中野の図書館」という事業報告書が改定されておりますが、25年度版については現在作成中とのことでございますが、この事業報告書の内容についてですが、毎年かわりばえがしない、本当に数字ばかりの記載がしてあるだけのものであります。昨年4月から、図書館の運営が指定管理者に変更されて、変わったということでございますので、この民間活力を生かして、この事業報告書をもっとわかりやすく、本当に興味を引くような工夫をしてもらいたいと考えますが、その点、どのように区としてはお考えでしょうか。伺います。

○辻本教育委員会事務局副参事(知的資産担当) 事業報告書につきましては、ただいま委員御指摘のとおり、わかりにくいといった声があることも承知しているところでございます。そうした声を踏まえまして、今後、あり方について工夫してまいりたいと考えております。

○南委員 次に、リライトカードの導入について伺います。

 リライトカードとは、御存じの方もいらっしゃると思いますけれども、リライトカードリーダーライターという機械を通して、文字やバーコードを書いたり消したり、また読み取ったりできるカードであります。既に三鷹市の図書館では実用化されており、カードの書きかえには、理論上、500回以上の使用が可能であるというものであります。利用者にとっては、何の本をいつまでに返却すればよいのかをカードを見ればすぐわかるようになります。将来的にはICタグとの連携の仕組みの中で活用すべきだとは思いますが、図書貸し出し用の紛失――今、中野区では紙だと思うんですけれども、そういった紛失を考えれば、試験的に導入をすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○辻本教育委員会事務局副参事(知的資産担当) リライトカードにつきましては、ただいま委員にるる御説明をいただきましたとおり、返却日を守る効果、あるいは紙ごみを減らす効果なども期待できるといったことから、導入について研究しているところでございます。

○南委員 ぜひ導入のほうを前向きに、財源的にはかかるんですけれども、それとICタグなんですが、それとあわせてやるというのが最近主流になってきていますので、ぜひともリライトカード導入を前向きに検討してもらいたいと思います。

 それでは、図書館のホームページでのバナー広告の導入について伺います。

 これについては、平成24年の第3回定例会の総括質疑でも取り上げさせていただきましたが、歳入確保の面からも重要な取り組みですので、再度質問をさせていただきたいと思います。

 横浜市の図書館では、広告事業の取り組みとして、最初に取り組んだのが市立図書館ホームページへのバナー広告の掲載であります。その理由としましては、他の広告媒体と比べて掲載までの手続が容易であったり、市のホームページの中では常にベストテンに入るアクセス数を誇る人気サイトであるということから、広告媒体としては最適であるということであります。中野区の図書館のホームページでは、平成24年度の年間アクセス数は95万8,469件で、1日平均で2,626件、蔵書検索では、年間アクセス数は575万3,980万件で、1日平均では1万5,764件となっております。広告媒体としてはもう十分に活用できると思います。中野区の図書館のホームページでのバナー広告の導入をすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○辻本教育委員会事務局副参事(知的資産担当) 今回のリプレースでは、ホームページにバナー広告を掲載する機能を付加することを予定してございます。導入に努めてまいる考えでございます。

○南委員 ぜひとも図書館のホームページの中にバナー広告をしっかり入れ込めるように、最善の努力をお願いしたいと思います。

 それでは、その他の1番目に、松が丘保育園の安全対策について伺います。

 松が丘保育園は、平成27年4月から民間事業者による運営されることになります。また、設置場所も現在の松が丘二丁目から沼袋二丁目の旧さつき寮の跡地に移転し、新園として開園します。移転先は、沼袋の朝日通りに面していますが、新青梅街道から200メートルの範囲で道幅が急激に狭くなっており、車の通行量も非常に多くて、人が通るにはとても危険な道であります。新たな松が丘保育園の園児たちは、車の通行量が激しい道路を通園しなくてはならなくなります。通園時の対策として、新設される園舎の近くに保育園があることを認識させる看板を設置することや交通管理者と協議をして付近の道路に自動車を減速させるためのハンプを設置するなどの対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。また、新園の運営事業者と協議をして、通園時の人員の配置など安全対策をとるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 現在、松が丘の新園の施設の設計におきまして、新園の東西に入り口を設けまして、交通量の多い東側の入り口の混雑緩和を図るとともに、東側の入り口は、門を園庭側のほうに引き込みまして、安全に出入りできるスペースを確保しているところでございます。また、東側道路につきましては、交通量が多いことは設置運営事業者も十分理解しているところでございまして、運営の中で安全が確保できるように調整を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

○南委員 それでは、次に、AED(自動体外式除細動器)の設置について。今年度、区立保育園には24園に設置されることになっております。平成27年4月より、松が丘保育園は区立保育園から民間事業者に運営が変わることになりますけれども、AEDについてはどのような対応になるかを伺います。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 私立保育園のAEDの設置に関しましては、現在約半数の園が設置をしているところでございまして、未設置の私立園につきましては、設置を現在要請しているところでございます。新園につきましても、同様に要請をしていきたいというふうに考えてございます。

○南委員 それでは、その他の2番目に、中野駅前広場東西連絡路について伺います。

 初めに、エレベーター・エスカレーターの安全点検について伺いますが、日ごろの安全点検についてはどのように行っているのでしょうか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 中野駅北口の駅前広場東西連絡路に設置されているエレベーターとエスカレーターの安全点検につきましては、中野駅北口広場昇降機設備保守点検業務委託によりまして、専門業者に保守点検業務を委託しております。保守点検の内容ですけれども、1カ月に1回の定期点検を実施しております。また、設備の運行状況につきましては、遠隔監視により常時行っております。閉じ込めの事故、それから故障、走行異常、安全装置の作動など発生した場合には、速やかに専門のスタッフが急行し、対策を行うことになってございます。

○内川委員長 委員会を休憩します。

      午後3時00分休憩

 

      午後3時00分開議

○内川委員長 委員会を再開します。

 南委員、質疑をどうぞ。

○南委員 次に、エスカレーターでの巻き込み事故が報道されたことがあります。JR川崎駅の上りエスカレーターで、女性会社員が左足を巻き込まれ親指を切断するという事故や、JR東京駅構内のエスカレーターで、5歳の女児がサンダルをステップ側面のすき間に巻き込まれ中指を骨折し、3本の指の爪をはがす重傷を負うという事故であります。このような巻き込み事故を防止するために、エスカレーターの側面に安全ブラシを設置するところがふえてきております。ちょっと図を、イラストと写真を持ってまいりました。

 これがイラストですけれども、安全ブラシというのはこれですね。これが実際のエスカレーターの写真で、御存じだとは思うんですけれども、一応用意をさせていただきました。こういうものですね。

 要は、エスカレーターの端に寄り過ぎると、足元にこのブラシが触れて、注意を促します。事故を未然に防ぐ効果が期待できます。中野区としてもぜひエスカレーターに安全ブラシを設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) エスカレーターへの安全ブラシの設置につきましては、エスカレーターのメーカーの設置の可否ですとかその効果、それにつきまして確認をしていきたいというふうに考えております。

○南委員 次には、雨の日や先日の大雪の日にも、エスカレーターのステップに雨や雪が吹き込んでおりました。ステップが濡れて滑りやすくなっており、また、エスカレーターの機器自体にもよくない状態です。エスカレーター部分に雨よけフードを設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) あのエスカレーターにつきましては、あの屋根については、道路構造物の附属物として設置されているものでございまして、他の駅前広場などに同様に設置されているエスカレーターとしては一般的なものでございます。なお、エスカレーターの側面に雨等の吹き込み防止ガードを新たに設置するとなりますと、現在設置されております屋根についても改築が必要となるということで、大変難しいというふうに考えております。

○南委員 それでは、次に、中野駅北口駅前広場東西連絡路のネーミングライツについて伺います。

 ネーミングライツについては、これまでも議会で取り上げてきたところです。東西連絡路は、道路法では道路という位置付けになるために、東京都屋外広告物条例の規制にかかることから、広告を出すためにはエリアマネジメントの組織をつくり、まちづくりのための取り組みをしていくことが条件となります。そこで伺いますが、中野区での現在のエリアマネジメント組織の検討状況はどのようになっているか、伺います。

○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 中野駅周辺、これは中野駅周辺まちづくりグランドデザインで示す約110ヘクタールのエリアを想定してございますが、このまちづくりにおきまして、タウンマネジメントの手法を導入することとして検討してきたところでございます。実際には、先行いたしました中野四季の都市(まち)のエリアマネジメントを進めてきたところでございまして、これの取り組み状況も踏まえますとともに、今後の駅周辺まちづくりの進捗状況を見据えて検討を進めてまいりたいというふうに思ってございます。

○南委員 さらに進めていっていただきたいと思いますので、以上で私の全ての質問は終わります。少し残っておったんですけれども、すみません、また次回にお願いします。ありがとうございました。

○内川委員長 以上で南かつひこ委員の質疑を終了します。

 ここで休憩にしたいと思います。

      午後3時04分休憩

 

      午後3時24分開議

○内川委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。浦野さとみ委員、質疑をどうぞ。

○浦野委員 二日目最後の総括質疑になりました。総括質疑は1年ぶりでして、取り上げたいこといろいろ盛り込みましたら、私の体型と同じようにちょっとボリュームがいっぱいになりましたけれども、共産党らしく、私らしく最後まで質疑をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、2014年第1回定例会予算特別委員会におきまして、日本共産党議員団の立場から、総括質疑を行います。

 質問は通告どおりで、その他の項はございません。

 それでは、初めに、よりよい教育環境の整備と子育て支援について、そのうち区立小学校における発達障害等の介助員をふやすことについて伺います。

 2010年の東京都の特別支援教育推進計画第3次実施計画に示された障害のある児童・生徒数の将来推計によると、今後も知的障害特別支援学校や知的障害特別支援学級の在籍者は増加をし、特に、情緒障害等通級指導学級利用者は平成21年から27年度で2倍近くの増加が見込まれています。また、2012年12月、文部科学省が発表しました通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童・生徒に関する調査の結果、この中でも、協力者会議における考察で、学習面または行動面で著しい困難を示すとされた児童・生徒の割合は、推定値で6.5%、これに加えて、推定値にはあらわれませんが、何らかの困難を示していると教員がとらえている児童・生徒がいることが調査結果からうかがえております。

 そこで、中野区では、2012年1月に、中野区立小・中学校における特別支援教育推進のための方針が策定されていると思いますけれども、この中で、知的障害・情緒障害等の特別支援学級児童・生徒数の今後の推計はどのようになっていますでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 委員御紹介の24年1月に取りまとめました区立の小・中学校におけます特別支援教育推進のための方針では、平成25年度の推計値としましては、小学校の情緒障害等の特別支援学級の児童数は67名ということで推計値を出してございます。

○浦野委員 教育委員会では、区立の小学校において、肢体不自由児や通常の情緒・知的特別支援学級に介助員を配置していると思います。ここでは、その中で、区立小学校の通常学級に在籍する発達障害児に対応するために配置している介助員について伺います。この介助員は、どういう役割を果たすために設置をされているのでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 通常の学級に在籍をします特別な支援を必要とする児童が、担任の先生の指導を受け入れられない場合ですとか、集団行動になじめないといった場面におきまして、必要に応じた支援を行う役割を介助員は担ってございます。

○浦野委員 それは、各学校にはどういうような考え方、仕組みで配置をされることになるのでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) まず、学校からの要望がございまして、それに基づきまして、教育委員会事務局の担当職員が直接学校に出向きまして、児童の観察を行います。それと、臨床心理士による巡回相談、こういったものも日ごろから実施してございますので、その結果報告などを総合的に考慮しまして、教育委員会として必要があると認めた、判断した場合のみ、介助員を配置しているということでございます。

○浦野委員 学校から要望があって、教育委員会等々で学校を訪問して確認をして、必要があればということですけれども、今年度、区立の小学校、全25校中に、今現在、介助員が配置されている学校は幾つになりますでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 通常の学級に在籍しております特別な支援を必要とする児童に対応する介助員につきましては、区立小学校25校中11校に配置してございます。

○浦野委員 今11校と紹介がありました。配置されていない小学校において、学校側から配置をしてほしいと要望・依頼はあったけれども、配置をしていない小学校はありますか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校からの要望がありましても、教育委員会事務局の担当職員による児童観察と臨床心理士による巡回相談、そういった結果報告などを総合的に考慮しまして、必要ないと判断して配置していない学校はございます。

○浦野委員 要望はあったけれども、必要ないと判断して配置しないことがあるということですけれども、それは、今必要がないということでしたけれども、学校から要望があって、配置したいけれども、介助員が足らずに配置できないのか、それとも、その判断で必要ないとしたのか。その辺、今の現状の需要に対して不足している、充足している、どのようにお考えでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 介助員の数が足りないということではなく、児童の観察ですとか臨床心理士の巡回相談、そういった結果などを総合的に考慮しまして、必要がないと判断したために配置をしていないということでございます。

○浦野委員 必要がないと判断したとありますけれども、それはちょっと現状の認識と違うんではないかなと思うんですけれども、今回の予特の資料、子ども文教の40に介助員の配置状況が示されているかと思います。現在、今配置されている小学校だと11校とありましたけれども、そのうちの一つの平和の森小学校に先日うかがいまして、介助員がどのようにかかわっているか、現場の状況等をお忙しい中でしたけれども、先生や介助員の方にも実際に現場を見させていただきまして、お話を伺いました。ここでは、男性1名、女性1名、計2名の介助員がいまして、ただそれぞれ週二日、週三日ということの勤務ですので、1日の実人員としては1名の介助員ということでした。担任の先生や介助員の方のお話では、きょうは、うかがった日は、ふだんに比べて落ち着いていてますというふうにおっしゃっていましたけれども、一コマの授業中、やはりずっと座っているのが難しい生徒さんや、授業になかなか集中できずに、担任の先生と介助員が全体に本当に目を配りながら、細かく配慮しながら援助・支援に入っていました。一時も気の抜ける状況はないなというふうに現場を見させていただいて感じましたけれども、また、介助員が足らないことで、音楽などの専科の先生も補助に入っているというお話しでした。学校現場、校長先生、副校長先生、教員や介助員、そして、保護者からも、この発達障害となかなか診断はされていないけれども、障害が疑われる児童がふえてきており、授業中だけに限らず、現場ではまだまだ目が足りない。もっと介助員をふやしてほしいとのお話しでした。こういった学校側からの要望を強く出されていると思いますけれども、現場の声や状況は把握されているんでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校からのそういった要望については、教育委員会として把握をしているというところでございます。

○浦野委員 把握されているということで、そうすると、先ほどの配置、その必要はないと判断したのとはやはり現状は違うんじゃないかなと思うんですけれども、新年度に向けて、通常学級に介助員の配置をふやしていくという考えはあるんでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 来年度につきましては、現在、通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする児童がふえてきている。そういった課題もございますので、今回、介助員の配置の考え方を整理しまして、各学校、小学校でございますけれども、学校が児童の状況に応じて介助員を活用できるように、現在、情緒障害等の特別支援学級に配置している介助員を、新年度は各小学校に1名ずつ配置するということを現在考えてございます。

○浦野委員 そうすると、今通級の特別支援学級、情緒、区内でいうと塔山、上高田、若宮の3校それぞれにということになると思いますけれども、その配置を引き上げて各小学校に配置をしていくということになるんだと思うんですね。それで、現在配置している情緒の特別支援学級から介助員を引き上げることについて、不安の声などは出ていないんでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 情緒障害等の特別支援学級におきましては、学級の担任による児童への個別の対応が十分に可能となってございます。そのため、学校現場からの不安の声はございません。

○浦野委員 学校現場から不安の声はないということでしたけれども、実際利用されている保護者の方から意見は聞いたんでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 今回のこの件に関して、直接保護者からの声というのは、教育委員会のほうには上がってきてございません。

○浦野委員 上がってきていないというか、聞いていないということになるんだと思うんですけれども、情緒学級の特別支援学級、中野区独自で進めてきた。これは、子どもの自立に向けて、一定成果を上げていると思っております。やはりその現場の実際の保護者からは、引き続いて配置をしてほしいというのが保護者の声。いきなりゼロにするというのは、やはりひどいんじゃないかなと思います。通常の特別支援学級、情緒には、引き続きそれは配置をすべきだと思います。また、全小学校に1名ずつ配置をする予定の介助員についても、児童数や各学校の状況はそれぞれ異なりますし、現に、先ほども紹介したように、一人では足りないという学校もありますから、現場の状況に応じて複数配置するなどの検討も必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 通常の学級に在籍します、特別な支援を必要とする児童につきましては、学校全体で組織的に対応を行っているところでございます。今回は、これに加えまして、各学校に1名ずつの介助員を配置するということとしたものでございまして、直ちに複数名の配置をするという検討は考えてございません。

○浦野委員 今後、毎年度配置していく中で、ぜひ学校現場、そして保護者の方からも声をきちんと丁寧に聞いていただいた上で、検討していただきたいと。これは改めて要望しておきます。

 それで、その介助員についてなんですけれども、介助員は任期付きの採用で、採用は3年間というふうに聞いております。今回の期間で言えば、平成23年度から25年度、今年度で1回ひと区切りして、新年度からまた3年間が一つの区切りになるというふうに聞いております。ただ、3年任期で実際採用はしたけれども、何らかの理由でその方が途中がやめることになれば、次に入る方、最初の方が1年でやめれば残り2年で、2年でやめれば1年でというふうに、その3年の任期の中での採用ということになるんですけれども、先ほど御紹介しました平和の森小を例に挙げますと、今現在配置されているその2名の方は、二人とも任期途中の採用、1年ないし2年ということでした。学校現場からは、毎年のように介助員が入れかわらないようにしてほしいという声もありました。新年度は、各学校とも新しい任期での配置になると思いますけれども、こういった――学校によってももちろん状況は異なりますけれども、介助員を配置していく上で、学校側からの意向は丁寧に聞いているんでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校からは、そういった個別な事情についての話は、学校によっては校長先生のほうから話があります。

○浦野委員 校長先生からそういう声があるということですね。それで、ぜひその現場の状況の要望に即した丁寧な対応を求めたいと思っているんですけれども、この介助員ですけれども、資格や経験は問われないということになっております。研修体制等はどうなっているんでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 介助員の研修体制でございますけれども、毎年年度当初に研修を実施しているところでございます。具体的には、発達障害のある児童・生徒の特性などの障害理解について、また、児童・生徒がパニックを起こした際の対応の仕方など、いわゆる介助方法などの内容で研修を実施してございます。

○浦野委員 年度当初に研修をとありましたけれども、やはり障害のあるお子さんとかかわる上で、一定の知識や経験というのはとても重要になってくると思いますし、ぜひその研修の充実、介助員の方の研修の充実を考えていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 介助員の方が対応します児童の状況はさまざまでございます。そのため、毎年研修内容についてはテーマを変えるなり、講師・先生を変えるなりして、常に充実を図っているというところでございます。

○浦野委員 ぜひ充実させていってほしいと思いますし、繰り返しになりますけれども、介助員をふやしてほしいというのは学校現場、そして、保護者からも切実な要望です。将来の障害を持つお子さんの推計もふえていく中では、さらに現場からも求めていかれると思いますので、ぜひ現場の本当に丁寧な、校長先生はもちろん、学校の先生はもちろん、保護者の方からも含めて実態把握していただいて、介助員をふやしていただくことを改めて要望したいと思います。

 次に、就学援助制度の周知方法等の改善について伺います。

 2月12日に発表されました文部科学省の調査によりますと、就学援助の対象となる小・中学生は、2012年度、全国で155万2,000人を超え、割合では15.64%と過去最高になったことがこの調査で報告されました。これは、1950年度調査開始以来、17年連続での上昇ということです。今回の予算特別委員会資料の子ども文教の39の中に、中野区内でのこの就学援助の受給者の方の推移がありますけれども、大体中野区内では、小・中学校を見ると、おおよそ4人に一人という状況になっています。これまでその基準を引き上げること、また、生活保護基準の引き下げの影響が出ないように、また、費目の拡大等については議員団でも繰り返し要望してきました。ここでは制度の周知方法の改善について何点か伺います。

 子育て中の方から、この就学援助を受けるにはどうしたらいいか。また、自分の今の収入で該当するのかなどの相談が、特に最近私のところに多く寄せられています。中野区において、就学援助の申請書、ここに実物、今年度のものがありますけれども、申請書、あと就学援助のお知らせということですけれども、これは各申請書の配付方法や時期についてはどのようになっていますでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 就学援助の申請でございますけれども、区立の小・中学校におきましては、毎年入学式ですとか終業式の日に申請書と制度のお知らせ、これを一緒に学校で児童・生徒に配付をしまして、4月中に学校に提出してもらうということを行ってございます。

○浦野委員 毎年学校で配られているということで、その申請をする場合、また、申請をしない場合、その手続の方法はどうなっていますでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 申請する場合には、申請書の「申請します」という欄がございます。そちらに丸をつけていただきます。申請しない場合には「申請しません」という欄に丸をつけてもらいまして、いずれの場合も、申請の有無にかかわらず、必ず全児童・生徒から学校に提出をしてもらってございます。学校への提出に当たっては、申請書を配付したときに、提出用の封筒、これも一緒にお渡ししてございます。その封筒に申請書を入れて学校に出してもらうことによりまして、申請の有無が他の児童・生徒のわからないような、こういった配慮をしてございます。

○浦野委員 自治体によっては、申請する場合だけ、学校を通じて出す場合もあるというふうに聞いてます。そうすると、誰が申請したか、そのクラスの中でわかってしまうというプライバシーの点からも問題があるということが指摘されていますけれども、中野区では、今御説明あったように、有無にかかわらず封筒に入れて全員に提出をしてもらっている。これは配慮ある対応だと思います。現在、この就学援助は全部で11の費目で支給をされていると思いますけれども、そのそれぞれの費目、支給時期、また、その金額等、保護者へはどのように案内をされているのでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) まず、先ほど御説明しました申請書と一緒にお渡しするお知らせには、対象となる支給費目、学用品費とかそういった費目と、あと支給の時期、いつから支給されるのかということを記載してございます。具体的な支給金額につきましては、支給が決定した際に、別途保護者の方にお知らせしているというところでございます。

○浦野委員 支給が決定した方にはその詳細な案内が行くということでしたけれども、ただ、寄せられる声の中で、どの費目がどれくらいの金額でいつ支給をされるのか。確かに、申請書には費目は書いてあるんですけれども、そういった詳細はわからないです。これを見る限りでは。また、中野区のホームページ、就学援助のところを引いてみても、それはやはり出ていないんですね。例えば、足立区で区のホームページで見ますと、ちょっと小さくて申しわけないんですけれども、費目とあわせて各学年ごとに支給額や支給時期などが丁寧に見やすく一覧になっています。これはほかの練馬区などもそうでしたけれども、また、申請書もそういうふうになっております。また、練馬区では、よくある質問と回答ということで、ホームページ上にこの制度がわかりやすく伝わるような工夫がされておりました。ぜひ区民の方に制度をよりわかりやすくお伝えするという意味で、その一つとして、こういった今紹介したような例も参考に、ホームページ等の改善を検討してみるのはいかがでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) まず、現在区のホームページでは、就学援助の対象者、どういった方が対象になるのかとか支給の内容、支給費目、あと申請手続についてお知らせをしてございます。他区の状況も見ながら、そういったことについては考えていきたいというふうに思っています。

○浦野委員 私たち決算のときの資料なんかでは、その費目や金額など出ていますから、それ自体を載せることはそんなに難しいことではないと思います。今御検討していくということで御答弁いただきましたので、ぜひ検討していただきたいと思います。

 文部科学省が2006年に出したこの就学援助にかかわる通知の中で、「外国人の児童・生徒教育の充実について」という通知があります。この中で、「就学援助制度を説明する資料の作成に当たっては、外国人の居住状況も踏まえつつ、英語や外国人登録の多い国籍の者が日常生活で使用する言語を用いることにも配慮すること」というふうにされています。中野区では、この外国人の方への案内、また対応はどのようにされているんでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 外国籍の児童への申請についてでございますけれども、就学援助の申請につきましては、日本語の申請書で対応してございます。外国籍の児童の保護者からも申請を受けてございまして、これまで日本語がわからないために申請ができなかったというケースは把握してございません。

○浦野委員 日本語での案内で、外国の方でその申請、それでできなかったかどうか把握していないということですね。世田谷区や大田区、これは大田区の方に実際送っていただいたんですけれども、英語や中国語、またハングル語、タガログ語など計6カ国語での案内が用意されていました。ぜひ中野区内でもその検討をお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 繰り返しになりますけれども、外国籍の児童の保護者からも申請を受けておりまして、認定もしてございます。申請ができなかったというケースは把握してございませんので、現在も日本語の申請書で対応していきたいというふうに考えております。

○浦野委員 把握していないだけで、実際そういう方はいると思いますから、ぜひそれは、そう言わずに検討していただきたいと思います。

 最後に1点、板橋区の独自制度として仮認定制度があります。就学援助を受けている小学校の1年生から5年生、中学校の1年生・2年生を対象に、2月、3月、この時期に翌年度の申請を受け付けているとのことです。所得審査の結果を待つこの4月から5月の間に、給食費、修学旅行費などの立てかえの支給を実施して、もちろん認定基準で援助の対象外となれば、その支給されたものは返還にはなるんですけれども、判定が出るまでの期間、特に年度がわり、保護者の負担を少しでも軽減させようという趣旨で行われているというようなことです。板橋のほうに聞きましたら、就学援助の認定者の約85%がこの仮認定の制度を利用しているとのことでした。ぜひそういったことも検討していくことが必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 今、委員の御紹介のあった板橋区の例でございますけれども、やはり仮認定して支給した場合に、所得確認、後ほど認定されなかった場合には、一たん支給したものを返金してもらうという必要が生じるために、仮認定を区のほうで行う考えはございません。なお、板橋区のほうも、確認しましたが、やはりその辺が課題だというふうに聞いてございます。

○浦野委員 確かに、返さなきゃいけないというのはあるんですけれども、ただ、年度がわり、特に年度の最初のところで費用がかかる。それで、実際これがあることで、今使っている方の中でも85%近くの方が使用している。それだけやっぱり求められているんだと思うんですね。ぜひこれも検討していただきたいと思っています。また、横浜市等では、年度当初の申請時期以降でも、事情や理由が発生した時期にさかのぼって認定されるという制度もあるようです。前段のところで言いましたその制度を少しでもわかりやすく知らせていくこと。そして、必要な方にきちんと行き届く、利用しやすい制度となることを最後に改めて要望したいと思います。

 続きまして、子どもの貧困対策について伺います。

 昨年の3定の本会議でも質疑をしました。その後の検討状況について、改めて伺いたいと思います。

 昨年6月の通常国会で、子どもの貧困対策法が全会一致で成立をして、ことしの1月に施行されています。先週の2月19日に子どもの貧困対策法の確実な実施を求める懇談会、これが国会の中で開かれ、市民団体や国会議員、各省庁の担当者が集まって行われたと聞いております。法が施行されているんですけれども、子どもの貧困対策を総合的に進めるための基本方針となる大綱や各都道府県での計画は具体的に進んでおらず、なくそう子どもの貧困全国ネットワークの共同代表の方がこの懇談会の中でも、子どもの貧困対策は、自治体によって格差があるので、法の早急な具体化や実施を求めておりました。また、当日の懇談会、各省庁の担当者の方は、「速やかに大綱を実施していきたい。奨学金の拡充を図りたい」と回答をしたとのことです。

 そこで、私が3定のときにお尋ねしました、区としてこれをどう進めていくのかお尋ねした際に、今後、政府が定める子どもの貧困対策にかかわる大綱や東京都の動向などを見きわめて適切な対応を図っていくという御答弁でしたけれども、その後の検討状況について伺います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 国におきましても、子どもの貧困対策を総合的に推進するための枠組みづくりを検討している状況で、子どもの貧困に関する大綱も示されていないところでございます。今後、動向を見ながら、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

○浦野委員 その動向を見てとありましたけれども、積極的な対策・支援が求められていると思います。杉並区では、この子どもの貧困対策法に先駆けて、生活保護受給世帯や不登校などの子どもを対象とした中学生・高校生の学習支援、また居場所づくりの事業を今年度、25年度から開始しています。担当の方にお聞きしましたけれども、当初の見込みより参加する子どもも多くなって、新年度、来年度は予算を倍にして対応していきたいということをおっしゃっておりました。これは一つの例ですけれども、その対策を進めていく上でも、まずぜひ区内の子どもの貧困状態はどうなのか、こういった実態把握を、これは大綱を待たずにでも始めていけると思いますけれども、いかがでしょうか。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 国は、子どもの貧困対策調査研究費を計上したところであり、調査の方法ですとか対象者、また内容については不明確となっております。今後の国や都の動向を見きわめ、適切に対応を図ってまいりたいというふうに考えております。

○浦野委員 実態の把握なしには対策を立てていくということもできないと思いますので、ぜひこの現状把握については進めていっていただきたいと思っております。

 それでは、この項の最後に、子育て支援ハンドブック「おひるね」について、何点か伺います。

 「おひるね」の発行の部数、これが実物ですけれども、毎年これはどのように発行されて、部数はされていますでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 「おひるね」でございますけれども、隔年で区内保育園・幼稚園等を通じて、全園児の保護者に個別配付をしているほか、区役所等の窓口で配付しているものでございます。平成25年度は8,000部発行いたしまして、平成26年度は1万5,000部の発行を予定しているところでございます。

○浦野委員 ことし1月に、3階の総合支援の子どもの窓口のところにこれをもらいに行った方が、行ったら「ない」というふうに言われたということで、そういうことは日常的に起きているんでしょうか。そういった部数等は妥当な部数になっているんでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 発行部数につきましては、乳幼児数の動き等を考慮して策定してございまして、必要部数は確保しているものと考えてございます。今後も保護者の求めに応じて、過不足なく配付できますようにしてまいりたいと考えてございます。

○浦野委員 ホームページからもダウンロードできるようにはなっているんですけれども、枚数が多くて、データとしてはかなり重くなります。中身は非常にいいものだと思いますから、ぜひ普及をしてほしいと思いますけれども、その配付場所、配付方法などはどうなっているんでしょうか。先ほど少しありましたけれども、もう少し具体的にお願いします。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 先ほど委員御紹介いただきました3階の子ども総合相談窓口のほか、すこやか福祉センター、各地域事務所、戸籍住民分野の窓口等で配付しているところでございます。母子手帳の交付、あるいは区外からの転入、出生届の際に交付しているところでございます。

○浦野委員 配付場所として、地域事務所、すこやかとあったんですけれども、15カ所ある区民活動センターもこの配付の場所に加えてはいかがかと思いますけれども、どうでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 区民活動センターにつきましては、行政に関します資料につきましては置いてございますけれども、子育てに関します窓口サービスは行っていないといったところでございます。「おひるね」につきましては、子育て世帯を対象といたしましたサービスの案内や手続を行う窓口で配付することとしてまいりたいと考えてございます。

○浦野委員 子育て世代の方が区民活動センターを利用しないということはないと思いますし、これは毎年出ていますけれども、中身も更新されていきますから、別に区民活動センターに置かないということは……、ぜひ置くべきだと思います。子育て世代の方により多く行くためには、ぜひ母子手帳のときとかに渡しているということでしたけれども、それをなかなか何年も持っておくという方も、なくしてしまう方も当然いると思いますから、必要なときにここに行けばもらえるとわかればと思いますので、ぜひそれは加えていただくように要望したいと思います。

 次に、大きな項の2番のところで、障害者施策の拡充で、ガソリン券、自動車燃料費の助成について伺います。

 障害者の方の社会活動の参加を進めていく上で重要な役割だと思っております。区は、事業見直しで、福祉タクシー券の利用に所得制限を設け、これで受けられなくなった方が200人以上いるということで、これ自体は大変けしからん話だと思っているんですけれども、ここではガソリン券について伺います。

 タクシー券以外にもこのガソリン券、ガソリン代の補助を行っている自治体は大変ふえてきております。また、多くは福祉タクシー券と選択が可能になっています。23区での実施状況、また、この数年で新たに開始した区の状況はいかがでしょうか。

○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者に対します自動車のガソリン費補助の23区におけます実施状況といたしましては、現在21の区で実施されている状況でございます。また、この数年間での開始状況といたしましては、平成22年度に文京区、平成24年度に墨田区で開始されているという状況でございます。

○浦野委員 23区中21区で、中野区と、あと葛飾区にもう一個はなるんですけれども、ただ、葛飾区の場合は、心身障害者の福祉手当、外出支援分ということで、ここに上乗せで支給されていますので、ガソリン券・ガソリン代ということでは21区ですけれども、葛飾区ではこういう上乗せの補助がある。そうすると、実質中野区だけということになるんじゃないかなと思うんですけれども、他区ではこのガソリン代の補助については、どのような方法で実施しているんでしょうか。

○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) ガソリン費の補助の方法といたしましては、大きく三つの方式がございます。一つ目は、自動車税の減免を受けているなど一定の要件を備えた方に対しまして、所定の額を口座振込などで給付する方式で、14の区で採用されております。二つ目が、ガソリン券をクーポン券、金券という形で交付する方式でございまして、五つの区で採用されてございます。三つ目が、給油した領収書を添えて申請していただき、償還払いでお支払いする方式でございまして、二つの区で採用されてございます。なお、タクシー券とガソリン券を共通券としております二つの区を除きまして、ほかは全てタクシーかガソリンかどちらか一方を申請する時点で選択していただくという方式となってございます。

○浦野委員 公共交通機関を利用するにはなかなか制限があったり、タクシーを利用できないという方もいらっしゃいます。例えば、脊髄損傷の方など、運転が可能なように車の中を改造等すれば、自家用車でそのまま外出できるという場合もあり、それで行動範囲が広がるということもあると思います。また、障害児、小さいお子さんがいるところの御家庭なんかも、リフト付きの福祉タクシーでは、出かけたいと思ったときになかなか出かけられないというような制約もあると思いますから、よりこの障害者の方が外出しやすく、行動範囲を広げる、こういうニーズがやはりあるんだと思います。実際、当事者の方、区民の方からも、このガソリン代の補助について要望が出されていると思いますけれども、そういったことは把握されているでしょうか。

○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者団体との意見交換などにおきまして、区の障害福祉政策に関します予算等につきましてもさまざまな御要望をいただいておりまして、そうした中で、ガソリン費補助の実施につきましても御要望をいただいているという状況でございます。

○浦野委員 中野区で実施する上で、そのハードルになっているものというのは何になるんですか。

○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 自家用車のガソリン代の補助につきましては、その利用が障害者の移動のために使用されたものであるかどうか、これを特定することが困難であるということから、中野区におきましては実施をしていないという状況でございます。

○浦野委員 その本人確認ということでしたけれども、でも、先ほど丁寧に御紹介いただきましたけれども、大体大きく三つの方法でほかの区では実施をしていますし、本人の確認についてはそれで十分じゃないかなと思いますので、ぜひ外出の範囲、社会参加を広げていく上でも、タクシー券とあわせてこのガソリン代の補助についても検討をぜひ進めていってほしいと思います。要望しておきます。

 次に、3番目、国民健康保険等の窓口業務委託での問題点について伺います。

 新年度予算補助資料の137ページ、また304ページにもあるように、新年度のところで戸籍住民窓口にかかわる入出力等や介護保険の窓口等の業務委託関連経費が新規として予算化されています。しかし、この窓口業務は、区民との接点としては大変大事な場所だと思います。区民と職員が直接かかわる窓口業務においては、他部署との連携であったり、区民の生活実態を把握する意味などからも、やはり職員が業務を行うべきだと思います。既に国民健康保険の窓口が2012年7月から、約1年半前から窓口業務の一部が委託されていると思いますけれども、この委託されている業務の内容はどういったものになりますでしょうか。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 業務委託しておりますのは、国民健康保険の加入・喪失の受付、保険証の引き渡し、そして、保険料の収納業務等でございます。

○浦野委員 大変多岐にわたる業務だと思っております。業務委託の場合、その仕様書や業務の実施にかかわる詳細なマニュアルが当然必要になってくると思います。そのマニュアルどおりに行われているのか、委託元、区としては当然チェックが必要になってくると思いますけれども、これは誰がどのようにその確認・点検を行っているんでしょうか。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 事業者から毎日提出される日報、月1回の定例的な打ち合わせの場での聞き取り、さらに、毎月提出される報告書によって、区のほうで確認しております。

○浦野委員 今の御答弁ですと、向こうから出される日報や月報によって確認ということで、区としてどのように確認をしているのかというのは、じゃあ、出されたものを確認しているということですね。もう一度確認……。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 業務を委託している区といたしまして、必要なサービスが提供されているかどうかというのを、区のほうで確認しております。

○浦野委員 厚生労働省が平成19年に出しました国民健康保険の関係の窓口業務及び国民健康保険料等の徴収業務の民間委託に関する留意事項というものが出されております。この中で、「行政職員と委託先の職員に対して指揮命令をする場合は、契約形態にかかわらず労働者派遣となり、労働者派遣法の制約を受けることになることを留意されたい」とあります。当然、区の職員と、その業務委託を受けている民間労働者との間で指揮命令が行われれば、それは当然違法な偽装請負になります。そのため、委託業者は、業務管理責任者を常駐配置して、業務従事者を指揮・監督・管理し、委託元である区との連絡調整をその責任者を通じて行うこととされています。この業務管理責任者は現在どのように配置されているのか。また、委託に従事している方は何人なのか。お願いします。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 業務の責任者でございますけれども、3名配置されております。従事者のほうは12名前後となっております。加入・喪失などの資格の担当、保険料収納等の担当、それぞれに必ず業務の責任者を常時配置される体制がとられております。

○浦野委員 もう一度確認なんですけれども、区で窓口、あそこで言うと3番から5番の三つの窓口を委託していると思うんですけれども、それぞれの窓口にこの業務管理責任者を置いている――今、3名置いているということだったので、そういう認識でよろしいでしょうか。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 責任者としましては3名おりますが、業務の範囲としましては、資格の担当と保険料収納等の担当にそれぞれ配置をされております。

○浦野委員 とすると、もちろんお休みとかがあると思いますけれども、その責任者というのは二人ということなんですか。3人なんですか。ちょっともう一度お願いします。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 3名の業務責任者がそれぞれ不在にならないような形で必ず1名ないし2名配置されるような形になっております。

○浦野委員 わかりました。3名いて、1名ないし2名が必ずいるようにしていると。当然、その公権力の行使は公務員のみということになります。この国民健康保険の場合は、保険料を納められない方や減免についての相談等も含めて一人ひとりの状況がかなり異なり、また、その生活背景なども踏まえて、区民の立場に立っての丁寧な対応が求められると思いますけれども、その相談の窓口に来られる方の相談の内容によっては、それが業務の委託外ということになって、委託業者では対応ができずに職員が対応するということももちろんあると思いますけれども、そういった相談内容を振り分ける判断はどのようにしているんでしょうか。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 事業者は、届け出の受付でありますとか制度案内といった定型的な業務を行います。一方で、区の職員は、差し押さえや申請に対する決定などといいました審査や判断を要する業務を行うというように明確に分けております。

○浦野委員 今お聞きしたのは、窓口に区民の方が来ました。3番から5番、どこでもいいんですけれども、そこに来たときに、委託業者の方が、これは業務外なので職員に回さなきゃいけないとか、そういう判断はその場でどういうふうにしているんでしょうか。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 事業者のほうで要件を聞きまして、職員へつなぐ場合ですけれども、あらかじめ区の職員のうち担当者を決めておきまして、業務責任者を通して引き継ぐようにしております。

○浦野委員 そうですよね。それは責任者を通さないと、それは違法な関係になりますからそうだと思うんですけれども、職員につなぐ際の手順――先ほど、1名ないし二人が責任者としているとありましたけれども、例えば、委託している三つの窓口があって、国保のところはかなり待たれている方も多いと思うんですけれども、それぞれのところで職員につながなきゃいけないという業務になったとします。そうしたら、責任者の方は1名ないし二人ですから、ほかの窓口、3人同時にはできませんから、そういう場合は待っていてもらうという形になるんでしょうか。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 業務を行うに当たりましては、順番に窓口では発券機というものを設置しておりまして、順番に対応するようにしております。

○浦野委員 発券機があるのは私も知っているんですけれども、実際その相談が、窓口に来て簡単な「どういう内容できょう来られましたか」という、病院で言うと問診票みたいなものは書かれると思うんですけれども、実際その相談がそこであってから、区民の方が「じゃあ、これも一緒に相談しよう」という場合ももちろん出てくると思いますから、そういうときは管理責任者を通さなければやはりできないと思うんですね。それで、業務の手順書やマニュアルの中身というのは、公開できるんでしょうか。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 区が業務を行うに当たりまして作成した仕様書は、事業者を募集する際に公開しております。また、事業者が内部で作成いたしましたマニュアル類につきましては、利用者が著作権を有しておるものでございまして、区が外部へ公開することはできないものでございます。

○浦野委員 そうなんですよね。公開できないということなんですね。そうすると、委託は税金で行っているわけですけれども、それを相手先との関係で見せることが、私たちは見られない。そうすると、マニュアルどおりにやっているし、それをきちんとチェックできているというふうにありましたけれども、そのマニュアルが公開されなければ、それがどんな中身なのかわからないわけですから、実際、それに背くようになっている場面があるのかどうかすらも判断ができないですよね。そうすると、やはり大変グレーな部分が多くなるんじゃないかなと思うんですけれども、その点はいかがですか。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 事業者におきましては、事業者だけで完結できる業務を行います。職員が行う業務といいますのは、審査や判断を要する部分でございます。

○浦野委員 今、事業者ができる業務は事業者で完結するとありましたけど、実際、来た区民の方の相談によっては、職員につながなきゃいけないケースもあるわけですよね。そうすると、事業者だけではそれは完結というふうにはならないと思うんです。ちょっと具体的に例を挙げて説明いただきたいんですけれども、ある60代の男性の方が、長年お仕事を勤められて、昨年退職をされて、社会保険から国民健康保険に切りかえるために窓口を訪れました。切りかえの手続自体は問題なく行われたんですけれども、その方は現在失業保険を受けながらハローワークで仕事を探しておられます。国保料の通知を見て、今の失業保険――まだお仕事が見つかっていませんので、失業保険だけでは生活の継続も難しく、その後、保険料の分納をしたいということで相談に来られました。こういった分納相談に来た方は、どのようなプロセスがその窓口では踏まれるんでしょうか。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 事業者は、保険料の現年分のうち納期限を過ぎていないものについての保険料の収納の業務でありますとか、来庁時の記録の作成などを行います。納期限が過ぎてしまった分の納付の相談につきましては、職員へ引き継いでいるという形をとっております。

○浦野委員 というと、それは事業者だけで完結していないということになりますので、当然、公権力の部分、じゃあ分納を実際こういう額でやりましょうというところで、最後の決定のところは職員じゃないとできないわけですから、やはりどうしても委託元での窓口だとマニュアル的な対応しかできなくなってしまうんじゃないかなという懸念もあります。

 もう一例なんですけれども、こちらは40代の男性の方、国民健康保険に加入するために窓口を訪れました。この方はちょっとお仕事が非正規で、長らく無保険状態でありました。それで、入りたいということで窓口に行きました。そうしたら、過去の1年分を支払わないと加入できないという説明を受けて、申請書、加入書にさえ記入をさせてもらえなかったと。国民健康保険の制度自体は、加入を自治体も進めていかなくてはいけない立場で、もちろん皆保険制度ですから、ここでは間違った説明がされています。その方は、先ほどのように、非正規で働いておられて、その日の賃金でその日を生活していたという方なので、どうしても1年分払えと言われてもちろん払えませんから、帰っていったと。本人は加入するつもりで来たけれども、そういう説明がされて加入できなかったわけですね。そうしたら、こういう方の場合は、例えば生活援護分野へつなぐことが必要なケースだったのではないかなと思いますけれども、そういった他部門との連携などはどういうふうにしているんでしょう。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 事業者は、単純な窓口の案内などを行います。どの窓口へ引き継ぐべきか判断を要する場合には、区の職員が相談を受けて、適切な窓口を案内するという体制をとっております。

○浦野委員 これも窓口が職員であれば、そういった複合的な対応もできますし、窓口に来た区民からすれば、相談を始めました。でも、これは業務外だから、窓口で、職員がそこで担当の職員に変わって、また同じ説明を繰り返すということにもなるわけですよね。これ自体もサービスの低下ということが言えると思います。

 1月21日の都政新報等で報道されているんですけれども、足立区では、これまで聖域とされていた専門の提携業務を含めて、ことし1月から戸籍の事務や国保事務、また、会計や出納業務等をはじめ窓口の業務委託をかなり総合的に委託をしている――ここまで総合的にやるのは23区でも初ということですけれども、既に1月から開始ですけれども、本来職員がすべき判断業務が混ざっていたり、対応が機械的になっていたりという問題が出ているそうです。中野区でも、新年度から戸籍住民窓口、介護保険窓口等の業務委託が予算化されていますけれども、そういったかなりデリケートな個人情報を民間に委ねるということにもなりますし、今のいろいろな質疑でもあったように、マニュアル自体が公開されていませんから、グレーな部分がかなりあると思うんですね。やはり窓口の業務の本来のあり方として、区民と接する。そこで、区民の置かれている状況を職員が知るということがやはり重要だと思っております。これはもうこれ以上やりとりしても同じになると思いますけれども、そういった点を指摘をしておきたいと思います。

 次に、住まい対策について伺います。

 2009年3月に策定されて、2018年までの10年間の計画・施策を示した第3次中野区住宅マスタープランというものがあります。ここでは「多様な世代が安心して快適に暮らせる、活力と魅力に満ちたまち・なかの」を基本理念に掲げて、ファミリー世帯が住み続けられる、単身者・高齢者等も含むさまざまな世帯とのバランスがとれたまちづくりを目指すというふうにされています。住まいの確保の支援の問題で、住まいの問題は人が安心して生活していく上で基礎となる大事な問題だと思います。特に、低所得者、高齢者、単身などのための住まいの確保は、やはり民間任せでなくて、区が責任を持って取り組むことが必要だと思います。区として、こういった低所得者、高齢者、また単身者などへの住まいの確保、具体的な支援計画を持つべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 高齢者ですとか所得の低い世帯など、住宅の確保に特に配慮を要する世帯に対しまして、区が直接住宅を整備し供給することだけでは対応が困難であることから、中野区住宅マスタープランにおきましては、民間賃貸住宅等のストックの質を向上させ、保健福祉部門との連携を図りながら、入居時の支援を強化することが示されております。この方針に沿いまして、中野区では、高齢者、障害者、ひとり親世帯などを対象にした住みかえ住宅の情報提供ですとか、保証人確保にかかわる助成などを実施しているところでございます。ただ、東京都防災建築まちづくりセンターであります東京シニア円滑賃貸住宅――これは高齢者の入居を拒まない賃貸住宅の情報提供事業でございますが、あるいは、安心居住制度――これは入居者の健康面での見守りですとか、あるいはお亡くなりになったときのお葬式ですとか後片付けを含むサービスですが、こういった事業の利用促進にも取り組んでいるところでございます。このように、中野区では、さまざまな支援の効果的な活用によりまして、居住の安定確保に取り組んでいるところでございます。

○浦野委員 中野区では特に、単身者、若者世代の転入・転出が、変動が毎年大きくなっていると思います。その転出をしていくときの理由の中で、都心ということで家賃が高いということも一つ大きな要因になっております。特に若い世代等が住み続けられるように家賃補助、あと、住まう上で最初にいろいろ初期費用がかかりますから、そういったあたりの支援も含めて検討していくべきじゃないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 中野区として、居住者に直接家賃補助をする予定はございませんけれども、今後、中野区集合住宅の建築と管理の条例、こういったものを効果的に運用しながら、家族向け住宅の供給促進に取り組んでまいりたいと考えております。

○浦野委員 直接的な家賃助成はしないということですけれども、例えば、お隣の新宿区のほうでは、民間賃貸住宅の家賃助成を行っていて、区内の民間賃貸住宅に住む世帯の家賃を助成するということで負担を軽減し、定住化の促進を目的とした制度です。これはちなみに今年度は、学生及び単身者には月額1万円で最長3年間、子育てファミリー世帯向けには月額3万円で最長5年間という形で助成をしているようで、今年度は応募者数が募集世帯を上回って抽せんになったということですけれども、それだけ求められていると思います。ぜひここの検討をしていただきたいということを改めて要望しておきます。

 次に、大きな5番目のところで、介護難民を生み出さないことについて伺います。

 新年度は、介護保険の事業計画第5期の最終年度となります。6期の改定に向けて、厚労省も今後それに向けて検討している、今介護保険制度改定に向けた議論がされていますけれども、今行われている議論の中で、介護難民を生み出しかねない、大変に懸念される問題が幾つか出てきております。その点について伺います。

 まず初めに、全国で要支援の1・2の方は約150万人というふうに言われておりますけれども、中野区におけることし1月現在の要支援1・2と認定された方は何人いらっしゃいますでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 1月末時点での要支援1・2の認定者数は4,160人となっております。

○浦野委員 新年度、この要支援1・2の方の、その認定者数の推計の見込み、こちらはどうなっていますでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 約4,450人と見込んでおります。

○浦野委員 そうすると、300人近くふえる、1月年度よりはふえるという見込みになっています。当然、高齢化に伴って介護・支援が必要な方は今後も増加し続けていきます。現在介護保険制度の改定の中で検討されている議論の中で、この要支援1・2と判定された方が受ける訪問や通所サービスを保険給付から外して、ボランティアなどを活用して市区町村が行う新しい総合事業に移すという方針が示されています。昨年の第4回定例会、来住区議がこの問題を取り上げた際に、「国の検討状況を注視し、第6期の介護保険事業計画の策定の中で、介護や支援が必要な方が適切なサービスを利用できるように検討していく」という答弁でしたけれども、その介護や支援、やはり一定の専門的知識が求められてきます。認知症の方も当然ふえていく。今、認知症サポーター養成講座等はじめこういった地域での取り組みが大変に大事なものであると思いますけれども、その介護や支援が必要な方がふえていくこととあわせて、担い手となる地域でも高齢化が進んでいきます。厚労省は、こういった地域でのボランティアを活用していくということなんですけれども、こういった地域も高齢化していく中で、担い切れていくんでしょうか。そのあたりの御見解を伺います。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 新しい総合事業につきましては、地域の実情に合わせて、平成27年度から29年度の第6期介護保険事業計画期間の中で実施することになっております。第6期介護保険事業計画を含む中野区保健福祉総合推進計画策定に向けた保健福祉審議会で審議を行いながら、ボランティアですとかNPOですとか、さまざまな事業主体による実施を検討していきたいと考えております。

○浦野委員 もちろん高齢の方でもお元気な方、地域にたくさんいらっしゃいますけれども、同時に、高齢化していく中で、なかなか担い切れない。しかも、ボランティアだけに任せておける問題ではないと思っております。厚労省は、自治体事業になっても、一部専門スタッフによる既存の通所介護も残す方向と説明は今の時点ではしています。ただ、逆に今度、事業者の立場になってみたときに懸念されることもあって、各サービス、今介護報酬で単価がそれぞれついていますけれども、その事業者への報酬も現行よりは下げる、安い単価設定が今想定されております。そうすると、介護事業者自体も経営できなくなり、いろいろ今株式とか出てきていますけれども、なかなか大手以外の介護事業者は、安い単価設定で営業が続けられなくなって、撤退せざるを得なくなる可能性、こういったことも大変懸念されますけれども、これについて御見解はいかがでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 新しい事業にかかわります介護報酬に関することにつきましては、まだ国から正式に示されておりません。引き続き情報収集に努めていきたいと考えております。

○浦野委員 正式にまだということですけれども、実際にこういう安い単価設定が想定されています。それで、例えば、サービス付き高齢者住宅というのがあります。この住宅を管理する、ある管理者の方のお話を伺いましたけれども、このサービス付きの高齢者住宅は、住宅の収入だけでは採算が取れないということで、入居されている方が併設する介護保険サービスを利用していただくことで何とか成り立つ仕組み――これ自身は政府自身が提唱して、建設を後押ししてきたものです。介護報酬が下がると、当然経営はピンチになるということで、要支援者を保険給付から外していくというのは、このサービス付き高齢者住宅を整備してきた政府の方針とも矛盾するというふうにお話をされていました。また同時に、ここに実際入所されている方は、要支援1・2の方ですけれども、併設されている介護サービスが使えなくなるのはやはり不安だという声も出されています。こうやって見ていくと、利用者だけでなく、その地域での担い手や介護事業者、どの側面から見ても、適切な運営をしなければ、本当に介護を受けられない、介護事業者自体もなくなってしまうというような、こういうことが考えられるんですけれども、もう一度御答弁をお願いします。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 先ほども申しましたが、介護報酬に関しましては、まだ正式に示されていないということがございます。サービス付き高齢者住宅の運営に及ぼす影響につきましても、現時点では判断ができません。しかしながら、高齢者の在宅生活を支えるサービスは、高齢者の個々の状況に応じて適切に利用することが必要だというふうには考えております。

○浦野委員 実際、こういうことがやはり懸念されると思うんですね。それで、もう1点、同じ制度改定の中で考えられているものとして、介護保険サービスを受けるためには、当然申請をして、要介護認定を受けるわけですけれども、その認定申請すら受け付けないということが今検討されています。どんなサービスを使うのかというのを、申請者と窓口で相談をし、新しい総合事業だけ、保険給付外のほうを利用する場合は認定自体を省くということを可能にするものです。このことは本来、申請をして、認定を受けました。そうしたら、要介護1でしたという方でも、窓口で相談した結果、本来その要介護認定に当たる方が申請が受け付けられないということで、本来受けられるものから外されてしまうことも懸念されていますけれども、これはいかがでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 新しい総合事業は、訪問型サービス、それから、通所型サービス、生活支援サービスなど組みかえられることが予定されておりますけれども、これらのサービスは、認定を受けていない方も利用できるということとなってございます。認定の有無ではなく、高齢者の要介護状態等になることの予防や要介護状態の軽減、悪化の防止、地域における自立した日常生活の支援をするために適切なサービスを提供するための仕組みに見直されるというふうに認識はしております。

○浦野委員 厚生労働省の老健局の課長さんが、昨年末、全国老人福祉施設の協議会の総会の場で講演をされたときに、「要支援者には、必ず専門職によるサービスを必要としない方もいる。あえて要介護認定を受けなくていい」というような発言もされています。これは大変やはり、本来受けられるべき人が認定さえ受けられずにということではじき出されてしまう可能性があると思うんですけれども、介護保険認定を受けるために窓口に来た申請者をその段階で振り分ける。新しい総合事業にしていくとなったときに、簡易なチェックリストだけで状態を把握して利用させていくという考えもあわせて示されています。その基本のチェックリストは、25項目の大変簡易な質問項目なんですけれども、確認のために伺いますけれども、現在、介護保険認定を受けるためには、どういうふうな仕組みになっていますでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 現在の認定の仕組みは、認定申請後に実施される対象者への訪問調査の結果や主治医の意見書をもとに、介護認定審査会で介護を必要とする度合い、介護の手間を判定するものでございます。

○浦野委員 そうですね。申請の後、訪問調査をして、74項目にわたる調査を行って、そこに医者の意見書が加わって、総合的に判断される。現行のこのやり方自体も全て肯定できるものではありませんけれども、ただ、基本のチェックリストだけで振り分けを進めれば、本来、先ほどから繰り返し言っていますように、要介護に該当する人までもが認定から締め出されてしまう懸念があると思います。区としては、こういう方が出ないような体制を持つべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 繰り返しになりますけれども、要介護認定の詳細ですとか、そのあたりは国のほうから示されておりませんので、今後情報の収集に努めてまいりたいと思っております。

○浦野委員 区は、新年度から、介護保険の申請窓口を民間委託する予算も計上しているわけですけれども、そういった窓口の振り分けもこの委託業者が行うことを現時点で想定しているんでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 平成26年度から予定しております介護保険窓口業務等の委託につきましては、定型的な業務を委託する予定です。窓口業務の内容につきましては、介護保険制度の案内ですとか、介護認定申請や介護給付に係る各種申請書等の受付業務を委託する予定でございます。御質問にあるような振り分けは行いません。高齢者の保健福祉、それから、生活の不安や介護に関するものなど個別の相談に関しましては、引き続きお住まいの地域を担当する地域包括支援センターに御案内し、適切なサービスを御紹介していくことになります。

○浦野委員 この部分は委託業者はしないということですけれども、先ほど御紹介した厚労省の局長さんが、そういった窓口で申請して締め出される懸念としては、結果としてそうなるというふうにこの総会のところでおっしゃっているんですよね。本人の希望を尊重することを法令に明記するとも説明していますけれども、窓口で総合事業サービスの利用を促していくということも言っていますから、やはりこういった懸念は残っていくんではないかと思っております。

 もう1点なんですけれども、もう一つの別の懸念として、この特養老人ホームの入所対象を、要介護1以上ですけれども、原則それを要介護3以上に限るとして、要介護1・2の方、新規では特養に入れなくなるということもあわせて示されているんですけれども、この要介護1・2で今特養に入所されている区内の方、また待機者は何人いらっしゃいますでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 要介護1・2の入所者は、現在126人となっております。また、待機をされている方につきましては、約340名となっております。

○浦野委員 対象者はふえていくけれども、仮にそういうふうになれば、そういう方たちが入れないというふうな、いろんな点で介護難民が出てくることが想定されます。保険者として、区として、国に対してこういった事態が起きないように求めていくべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 特別養護老人ホームの入所の条件は、要介護3以上に見直される予定ではございますけれども、要介護1・2でも、認知症で常に見守りが必要な方、特別養護老人ホーム以外での生活が著しく困難な方に関しましては入所を認めることとしております。したがいまして、直ちに利用できなくなるというふうには認識しておりません。介護保険制度の見直しの内容につきましては、先ほども申し上げましたけれども、まだまだ国から正式なものが示されていないものもありますので、現在のところは国へ要望することは考えておりません。

○浦野委員 今の御答弁の中に、直ちに利用できなくなるわけじゃないとありましたけれども、実際これから待機者がふえているわけですから、まして、介護が必要な方もふえていくわけですから、やはりそれは、具体的には動向を見てこれからということの御答弁が多かったですけれども、今挙げただけでもこういった懸念がやはりあります。介護保険制度自体、保険料を支払って、要介護認定を受けて、その1割の自己負担で今介護保険サービスを使うという仕組みですけれども、それが先ほども言ったように、要介護認定を受けるか、認定を受けずに市町村の総合サービスの事業に使うかという振り分けを行うこと自体も、この根本的な原理を壊すものだと思っております。やはり区として国に言うあれはないと言いましたけれども、保険者としてやはりそこは区として、区民の方でこの介護を利用できない方が出ないようにというのは責任を持つべきだと思いますので、改めて最後に申し添えておきます。

 それでは、6番目のところで、中野区の温暖化対策推進オフィス、旧環境リサイクルプラザについて伺います。

 そもそも区は、もう皆さんも経過を御存じだと思いますけれども、区は中野区の地球温暖化防止の施策を進めるといって、年間1万人以上の方が利用していたこの区民の活動拠点を、リサイクルプラザを廃止して、区民を追い出しました。その際、条例を制定して、民間活力を利用し、機能転換をしていく。そのときに、環境事業者である企業に施設を貸し出すことで、より幅広い区民や事業者等による取り組みを展開し、地球温暖化防止の拠点にすると説明をして、条例を制定しました。しかし、その後、拠点となるどころか、事業者決定もできずに、1年以上使用されずに来たわけです。最終的には貸し付け条件を大幅に緩和して、節電・節水、紙減量、ごみ減量、省エネ機器の導入、エコ活動、自動車対策、この7項目について一定の環境に配慮していればいいと、こういった条件で、環境事業者ではなく、株式会社に貸し出しを今行っています。株式会社千雅という、有料老人ホームやグループホームを運営している訪問通所介護事業を行っている会社が今ここに入っているわけです。ここは今、月200万円の賃料で、昨年4月から5年契約で入っている。去年の第1回定例会の区民委員会の中でそういった報告がありました。ほかのいろんな委員からもこれについては議論がありましたけれども、そのときの説明で、用途としては事務所、通所介護等で使うというふうに聞いている。スケジュールは、事務所としての入居は5月に入ってから――今年度の5月ですね。通所介護施設などは、申請にいろいろな手続がかかるので5月とはいかないという御答弁だった。今もって、あそこはオープンしていないんですけれども、今はどうなっているのでしょう。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 今委員御紹介の地球温暖化対策推進オフィスでございますが、その1階でございますが、借り主におきまして、当初、通所介護事業を予定して準備を進めてございましたが、現在のところは当初の予定を変更いたしまして、飲食店のオープンに向けて準備を進めているところでございます。

○浦野委員 本当に驚きですよね。予定していた通所介護もやっていないんです。これ、何か本当にひどいなと思うんですけれども、予定していた通所介護をやらずに飲食店が入ることになる。予定していた通所介護をやらなくなった理由は何ですか。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 借り主におきましては、このオフィス1階での通所介護事業の実施に向けまして建物用途変更や施設の改修などの検討を進めていたところでございますけれども、そういった手続の中で、ハード面での制約もございまして、昨年の秋の段階で予定を変更したというものでございます。

○浦野委員 もうね、何か本当にめちゃくちゃだと思うんですけれども、ハード面に経費がかかる――それは事業者は株式会社ですから、お金をなるべくかけないようにしたいと思うんですけれども、本当にこのために区民を追い出したのかと、拠点にすらなれなかったのに、結果的に介護事業者が入ると言っておきながら、飲食店です。区民委員会でこの報告があった際に、昨年の2013年の1定の区民委員会であったときに、私、当時の副参事に、介護事業者が入ることでの区のメリットを伺いました。そのときに、「会社の性格上、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービス、訪問介護、通所介護というような事業内容をやっている事業者ということで、中野区もこれから高齢化で介護基盤設備等々が必要になってくる中で一定の区民サービスの向上に、高齢者介護とかそういうところでつながっていければいいなというふうに認識しています」というふうに御答弁されています。それすらもされないわけですよね。賃料収入さえ入れば、それでいいのかというふうに思われても、これはしようがないと思うんですよ。結局、介護事業者もなくなり、1階での飲食店ですけれども、この飲食店は、今入っている株式会社千雅さんが行うんでしょうか。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 飲食店の運営でございますが、借り主のグループ企業が行うということで聞いてございます。

○浦野委員 借り主のグループ企業が行うと。これを又貸し――又貸しオーケーという契約になっていますからあれですけれども、これは又貸しということになるんですか。その場合、ちなみに幾らで貸すんですか。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) これは、1階部分につきまして転貸借をするということでございます。

○浦野委員 幾らで貸すんでしょうか。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 転貸借の賃料は承知はしてございますけれども、この転貸借契約そのものは区との契約ではございません。民民同士の契約でございまして、その内容は民間事業者の事業活動にもかかわるものでございますので、その御答弁については慎重にいたしたく、お答えは割愛させていただきたいと思います。

○浦野委員 こんなことでね、本当に納得できないです。本当に。又貸し――又貸し契約自体がもともとオーケーになっていますから、でも、区は大家なわけですよね。それの金額さえも公表されないということで……。区は、年間約2,500万円の家賃収入で、約1,000万円の支出、大家としての維持管理費、差し引きで約1,500万円を環境基金にということですけれども、この環境基金をエコポイントでの還元にということで環境に寄与しているという説明をこれまでしてきているんですけれども、もうこれでは何か、又貸しもしているし、全然納得いきません。それで、契約のときに、節電・節水、紙減量、ごみ減量、省エネ、機器導入、エコ活動、自動車対策、これは今ほとんどの企業や個人でも行っていることだと思うんですけれども、今入っているこの事業者は何を役割は果たしているんでしょうか。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 事業者を公募いたしましたときに、借り主の条件といたしまして、地球温暖化の必要性に対する理解が深く、その事業活動に関し、地球温暖化防止対策を自主的かつ積極的に実施するよう努めている事業者ということで、今委員から御紹介いただきました七つの取り組みのうち複数以上行っているということでございます。この取り組みの状況につきましては、契約に基づきまして、毎年度1回、区にきちんと報告がされることになってございまして、それをもとに区としてチェックを行うこととしてございます。

○浦野委員 チェックも何も、私も節電・節水やっていますよ、家で。これで本当に中野区温暖化対策推進オフィスと言えるんですかね。議会でもこれまで報告がないですから、初めて聞いた方も多いと思いますけれども、本当に何かもう言葉が出ませんけれども……。区民のための施設にすべきだったんじゃないかなと、本当に悲しいというか、ひどいなと思います。

 それでは、最後、区民への広報のあり方について伺います。

 区の広報のあり方としてはいろいろありますけれども、区の掲示板というものがあると思います。この中では、「お知らせ板」というのと「区民のひろば」という二つあると思うんですけれども、主に区のお知らせ板のほうは、区役所などの行政機関からのお知らせであったり、区または区教育委員会との共催・後援を受けている者が掲示できるとされています。行政機関からのお知らせは、本当に多岐にわたると思いますけれども、広報媒体として、このお知らせ板を使用するかしないかという判断は、どなたがしているんでしょうか。

○酒井政策室副参事(広報担当) どのような掲示物を掲示するかは、各所管の判断で行ってございます。

○浦野委員 所管の判断ということですね。それで、このお知らせ板は、区内の全域にあると思うんですけれども、どの範囲を張るかも含めて、全て所管部署での判断ということでよろしいですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 区内には356カ所のお知らせ板がございます。どのエリアの掲示板に掲示物を掲示するかについても、所管の判断でございます。

○浦野委員 356カ所、かなり個数としてはあると思うんですけれども、この張る範囲が広い、本当に端から端までというふうに広い場合はシルバー人材センターなどへの委託もしているというふうに聞いておりますけれども、張る場合、また、そういう委託をする場合、これも含めてその所管の判断ということでよろしいですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 張る場合も所管の判断に委ねております。

○浦野委員 わかりました。例えば、昨年10月22日、27日に開催された新しい区役所整備にかかわる区民との意見交換会がありました。これは参加者がいずれも一桁の人数でした。これだけに限らないと思うんですけれども、もちろんホームページや区報などには掲載がされていました。けれども、なかなかホームページも日々いろいろな情報が載っていきますから、載せても2~3日すれば埋もれてしまうようなこともあります。そのお知らせ板への掲示を、区民の方への案内、広報の一つのあり方としてはやはり効果があると思っております。このとき、この説明会に参加された方からも、こういう大事なお知らせはもっと知らせてほしい。せめて区のお知らせ板にも掲示してほしいという声が当日意見として出されたと思いますけれども、このとき、担当としてこれを活用しなかった理由というのは何でしょうか。

○戸辺経営室副参事(経営担当) 意見交換会等の周知につきましては、通常、今委員のほうからございました各戸配付の区報及びホームページを通じて行ってございます。これらの広報媒体によって広く周知できるという考えのもと、特にお知らせ板については利用してございません。

○浦野委員 広く周知をホームページ、区報でできると思ったのでしなかったということですけれども、実際にでも参加者は一桁でしたよね。これについてはどうですか。

○戸辺経営室副参事(経営担当) 区報、ホームページで周知した結果でございますので、内容によって参加者の数は変わってくるというふうに考えてございます。周知方法が悪くて参加者が少なかったのかどうかというのは、そこまでは言えないというふうに考えております。

○浦野委員 周知方法がどうかわからないというのも、どうなのかなと思います。私はやはり、周知方法として活用すべきだと思っております。今週の24日の月曜日にも、中野駅地区整備基本計画改定にかかわる意見交換会が区役所の7階で開催されました。この意見交換会は、特別委員会でも報告がありませんでした。ホームページや区報へのこれも掲載はされたんですけれども、このときもやはりお知らせ板への掲示はありませんでした。特に、この駅周辺の開発、区役所・サンプラの移転問題は、新年度予算でも都市計画手続等を進めていく。予算の上でもかなりの額が計上されています。もちろん賛否含めて、区民の方に関心も非常に高いと思っております。こういったやはり大事なことについて、幅広い区民の方から意見を聞く、聞いていくという姿勢のあり方として、やはり使えるものは使っていく、もっと積極的に活用していくということが必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 重複するかと思いますけれども、区報につきましては、各戸に配付される冊子でございます。確実に区内に情報が伝達される媒体であると認識してございます。また、ホームページにつきましても、これは区内にとどまらず、区外への情報発信力も持っているものであるというふうに考えてございます。これらを活用することで、広く情報を発信しているものと考えてございます。

○浦野委員 じゃあ、お知らせ板は要らないですよね。もちろんホームページでの特有性、区報での特有性はあると思います。でも、掲示して一定期間張っておくというのは効果があると思うんですよね。広報媒体として、やはりその姿勢だと思うんですよ。何か私からすると、あまり参加してほしくないからあまり知らせないというふうにも――そういうふうに言っている区民の方もいます、実際に。ですから、使えるものは広報媒体として使っていく。それで、区として幅広い区民の方に意見を寄せていただくというその姿勢だと思うんですけれども――使ってください。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 中野駅周辺地区のPR等につきましては、今後とも必要に応じて有効な媒体を効果的に組み合わせることにより、周知の工夫を図っていきたいと、このように考えてございます。

○浦野委員 なかなか区民の方に、こんな姿勢でいいのかなというふうに思います。いずれにしても、区民の方の声がやはり大切にされる。そこに本当に区民が参加して、こういった声が生きる区政にしていかないといけないと思っております。

 この間、いろいろ今質問させていただきましたけれども、区政をぜひ転換していきたいと思っていますけれども、本当に区民の方を大事にする区政であるべきだと。これはもうどの方も思っていることだと思いますので、そういう姿勢も含めて、ぜひ検討していただきたいということを最後に申し上げます。

 これで私の予算特別委員会での総括質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○内川委員長 これで浦野委員の質疑を終了します。

 以上で本日の総括質疑を終了します。

 次回の委員会は、明日2月28日(金曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の予算特別委員会を散会します。

      午後4時56分散会