平成26年02月28日中野区議会予算特別委員会
平成26年02月28日中野区議会予算特別委員会の会議録
25.02.28 中野区議会予算特別委員会(第5日)

.平成26年(2014年)2月28日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(42名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原     宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席委員

      な  し

.出席説明員

 中野区長    田中 大輔

 副区長     金野 晃

 副区長     英 直彦

 教育長     田辺 裕子

 政策室長    竹内 沖司

 政策室副参事(企画担当)        海老沢 憲一

 政策室副参事(予算担当)        奈良 浩二

 政策室副参事(広報担当)        酒井 直人

 政策室副参事(情報・改善担当)     中谷 博

 経営室長    川崎 亨

 危機管理担当部長小田原 弦

 経営室副参事(経営担当)        戸辺 眞

 経営室副参事(人事担当)        角 秀行

 経営室副参事(行政監理担当、債権管理担当) 岩浅 英樹

 経営室副参事(施設担当)        石井 正行

 経営室副参事(経理担当)        伊藤 廣昭

 都市政策推進室長            長田 久雄

 都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 横山 俊

 都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 滝瀬 裕之

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 松前 友香子

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 石井 大輔

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 宇佐美 吉久

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当)、

 都市基盤部副参事(都市基盤整備推進担当) 立原 英里雄

 都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 池田 中

 地域支えあい推進室長          瀬田 敏幸

 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 朝井 めぐみ

 中部すこやか福祉センター所長      遠藤 由紀夫

 中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松原 弘宜

 中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 波多江 貴代美

 北部すこやか福祉センター所長      田中 政之

 北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 大橋 雄治

 北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 天野 秀幸

 南部すこやか福祉センター所長、

 南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 相澤 明郎

 南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 宇田川 直子

 鷺宮すこやか福祉センター所長      小田 史子

 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 麻子

 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 高橋 昭彦

 区民サービス管理部長          白土 純

 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 上村 晃一

 区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 田中 謙一

 区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 小山 真実

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  髙橋 信一

 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、

 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当、知的資産担当) 辻本 将紀

 子ども教育部副参事(学校・地域連携担当)、

 教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 濵口 求

 子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、

 教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 黒田 玲子

 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長、

 教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 古川 康司

 健康福祉部長  野村 建樹

 保健所長    寺西 新

 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    藤井 康弘

 健康福祉部副参事(健康推進担当)    石濱 照子

 健康福祉部副参事(学習スポーツ担当)  浅川 靖

 環境部長    小谷松 弘市

 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   鳥井 文哉

 環境部副参事(ごみゼロ推進担当)    高橋 均

 清掃事務所長  杉本 兼太郎

 都市基盤部長  尾﨑 孝

 都市基盤部参事(都市計画担当)     豊川 士朗

 都市基盤部副参事(地域まちづくり担当、大和町まちづくり担当) 荒井 弘巳

 都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 古屋 勉

 都市基盤部副参事(都市基盤整備担当)  志賀 聡

 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 大木島 実

 会計室長    浅野 昭

 教育委員会事務局指導室長        川島 隆宏

 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 伊東 知秀

 監査事務局長  鈴木 郁也

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     篠原 文彦

 事務局次長    青山 敬一郎

 議事調査担当係長 佐藤 肇

 書  記     関村 英希

 書  記     東 利司雄

 書  記     土屋 佳代子

 書  記     細川 道明

 書  記     江口 誠人

 書  記     永見 英光

 書  記     鈴木 均

 書  記     井田 裕之

 書  記     竹内 賢三

 書  記     遠藤 良太

 書  記     香月 俊介

 


      午前10時00分開議

○内川委員長 おはようございます。定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。

 第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。

 昨日の理事会の報告を行います。

 本日の委員会運営について、総括質疑の順番は、総括質疑3日目は、1番目に中村延子委員、2番目に高橋ちあき委員、3番目に甲田ゆり子委員、4番目に高橋かずちか委員、5番目に大内しんご委員の順で、5名の総括質疑を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内川委員長 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○内川委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内川委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。

 それでは、質疑に入ります。

 中村延子委員、質疑をどうぞ。

○中村委員 皆さん、おはようございます。1年半ぶりの総括質疑なので少々緊張をしておりますが、早速始めさせていただきます。

 平成26年第1回定例会予算特別委員会において、民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。質問は通告のとおり、1、平成26年度予算について、2、施設の整備について、3、女性特有のがん対策について、4、国際交流について、5、その他で光熱水費についてお伺いをいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 初めに、平成26年度予算についてお伺いをいたします。

 平成26年度一般会計当初予算は1,206億8,700万円と、平成25年度当初予算に比べ36億4,600万円増となりました。本会議一般質問でも話がありましたけれども、本年は6月に区長選挙が予定をされております。多選自粛についてさまざま私の思いはありますけれども、我が会派の先輩議員3名全員が質疑をいたしましたので、ここでは触れないでおきます。

 ほかの自治体では、首長の選挙が行われる年の予算は骨格予算とするところも多くあります。昨年ですと、4月に市長の改選があった小平市で、改選前に骨格予算を通しております。予算特別委員会の冒頭で小平市長は「平成25年度当初予算におきましては、定例会初日に述べさせていただきましたとおり、年度当初に市長選挙が予定をされておりますことから、4月以降の市長が新たな施策を実現する財源的な余地を残し、同時に市民生活にできるだけ影響が生じない形で、いわゆる骨格予算として編成をさせていただきました。このため、本予算案につきましては4月当初から継続して実施していく事業等が中心となっており、着手のおくれなどにより支障を来すことのないよう編成をさせていただきました」と述べられております。小平市長は選挙にも立候補をされ、再選を果たされていますが、選挙があることを考慮し、選挙で別の方が当選をする可能性を残した上での紳士的かつ選挙結果を尊重した対応だと感じます。

 一方、中野区では、6月に新しい区長が当選する可能性がありながら、その前に再び組織にも手を加えるなど、あたかも6月からも引き続き現区長が中野区政を手放さない、御自身で背負っていくような姿勢がかいま見えます。組織にしても、本来ならば再選されてから手を加えるべきかと考えます。予算にも同じことが言えます。もし選挙で新しい候補者が当選した場合、施策的な方向転換も考えられます。そういった意味でも、施策的なものは含めない骨格予算にすることが選挙を迎える自治体としてあるべき姿ではないかと考えます。

 まず、今回、なぜ骨格予算ではなく、本格予算を組むことになったのか、教えてください。

○奈良政策室副参事(予算担当) 骨格予算を編成するということになると、事業の一時的な停滞を招くことになりまして、少なからず区民生活へ影響を及ぼすことになるというふうに思ってございます。こうした事態は避けなければならないというふうに考えております。区では、さまざまな事業につきまして、毎年度の予算編成の中でその編成過程を事前に明らかにするため、区民生活に影響のある主な取り組みを公表いたしまして、また議会に報告するとともに、区民との意見交換を重ね、さらに議会の審議を経るといった開かれた予算編成を行ってきてございます。

 26年度予算もこうした考え方に基づきまして、継続性をもって着実に予算を編成することが、区民生活にとって欠かすことのできない事業を滞ることなく、計画的かつ安定的に実施することになるというふうに考えておりまして、このことが区民にとって最も重要なことであると考えて取り組んでまいりました。

○中村委員 予算担当としてはそういう答弁になるのかなというふうには思いますけれども、選挙は民主主義の根幹だということを忘れてはいけないと思っております。選挙結果を踏まえた上で、施策の予算措置や施策のスムーズな遂行のための組織改正は妥当だと考えますけれども、選挙直前のこの時期にこのような対応は、これでは民意を軽視しているのではないかなとすら感じます。もし新たな区長が誕生した際、その新区長が施策の方向性を変えて予算措置が必要となった場合、補正予算として組みかえるという考えでよろしいのでしょうか。

○奈良政策室副参事(予算担当) そのときの区長の考えによるというふうに考えております。

○中村委員 それはそうなんですけれども、本格予算をこの段階で組み、例えば新たな区長が誕生した6月後に補正予算を組むと、さらに財政規模は膨らんでしまうと思います。既に財政の非常事態という言葉を使いながらも、財政規模は4年連続して大きくなっております。せめて年度当初につけなければ問題が生じる部分と区長選挙後の予算づけでも問題のない部分を分けて示すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○奈良政策室副参事(予算担当) 繰り返しになりますが、継続性をもって着実に予算を編成することが、区民生活にとって欠かすことのできない事業を滞ることなく計画的かつ安定的に実施することになるというふうに考えてございます。このことが区民にとって最も重要なことであるというふうに考えてございまして、現在御提案している予算が区民にとって最善な予算である、このように考えてございます。

○中村委員 言うこともないんですが、いずれにしても、この時期に組織をいじったり、予算措置もそれでしてしまう、こういうのは首長による行政の私物化と見られかねない対応というふうに指摘をいたしまして、次の質問に移らせていただきます。

 続きまして、施設の整備について質問をさせていただきます。昨日の質疑と少し重なる部分がありますが、私なりの観点で質問をしたいと思います。

 2月6日の建設委員会で今後の大規模公園整備についての報告があり、その中で(仮称)本町二丁目公園と(仮称)弥生町六丁目公園についても説明があったと聞いております。今回、本町二丁目の用地を公園にするというお話は、私だけかもしれないのですけれども、昨年まで建設委員会に身を置いておりましたけれども、一度もそんな報告はなかったと思いますし、かなり唐突な感が否めないかなというふうに思っております。なぜこの話がこんなに急に出てきたのか、また、本町二丁目用地を公園整備に充てるという方針はどのように決まったのか、教えてください。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 公園整備の用地につきましては、平成19年12月21日に、本町二丁目地区都市基盤事業用地といたしまして、中野区土地開発公社が国家公務員共済連合会より取得したものでございます。当初は、隣接地とあわせまして取得をし、国費、都費を活用いたしまして、整備できる面積の1ヘクタール以上を確保する計画でございましたけれども、隣接地の同意が得られませんでしたので、平成21年度に暫定整備工事を行いまして、平成22年度より暫定開放を行っているところでございます。

 また、東京都が平成25年11月に都市計画公園として認定されれば、交付金の対象となる都市計画交付金の運用方針を見直したことから、(仮称)弥生町六丁目公園などと組み合わせまして都市再生整備計画と位置づけまして、国費も活用できることから今回の整備に至ったものでございます。

また、本町二丁目公園用地に関します方針につきましては、平成21年に本町二丁目、三丁目のまちづくりを進めていく中で、防災機能を有する緑豊かな公園として整備するということで決定がされていたものでございます。

○中村委員 長年塩漬けになっていた土地であるということだと思うのですけれども、中野区内にはほかにも同じく長年土地開発公社で購入しながらも、さまざまな理由で手がつけられていない土地がどれだけあるのか、教えてください。また、そのような土地はどのような方針で整備していくのか、教えてください。

○伊藤経営室副参事(経理担当) 中野区土地開発公社が取得し、10年以上保有している土地ということでお答えさせていただきます。中野駅北口広場市街地整備事業用地2カ所を平成6年と平成10年に、中野駅南口市街地整備事業用地1カ所を平成6年に取得してございます。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 今、答弁にありました用地の整備方針についてお答えいたします。中野駅北側の公社用地については中野駅地区整備事業の中で、南側の工事用地については中野二丁目再開発の中でそれぞれ活用していく予定となってございます。

○中村委員 長年塩漬けになっているというよりも、目的があって買っているということなので、今後、本町二丁目公園のような急にぽっと出てくるということはないのかなというふうには思います。

 また、昨年7月の総務委員会で、国家公務員宿舎土地活用方針というものが所管事項の報告で説明され、その中の区の利活用の基本的な考え方では「国家公務員宿舎の廃止、移転の機会をとらえ、跡地の利活用が可能なものについては都市再生の推進に資するよう戦略的な活用を図る」と述べています。合計11カ所の跡地について記述がありますが、その中で弥生町六丁目にある弥生寮などの1万2,665.22平米に関しては、活用策として「公園として整備し、広域的な場所としての防災機能の確保等を図るとともに、清掃車庫の移転先として活用する」とされております。

 弥生町六丁目の国家公務員宿舎跡地は長い間廃墟となっておりまして、神田川を挟んで東京メトロの車庫があることもありまして、周辺はかなり静かで薄暗い場所です。夜、近くを歩いたこともあるんですけれども、少し恐怖感を覚えるところです。既存の建物を壊し見通しがよくなることは、地域の人間としても歓迎をいたします。ところが、あの土地は大きな段差がありまして、傾斜もかなり急な場所となっております。本会議の一般質問でも、区長の答弁で、傾斜を生かした公園づくりをされると発言をされておりますけれども、どうやって傾斜を生かした公園づくりをするのか、具体的に全く見えてきません。段々畑のように段々公園をつくるおつもりなのかというふうに思ってしまうぐらいです。具体的に傾斜を生かした公園づくりとはどのようなものをイメージしていらっしゃるのか、お答えください。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 来年度につきましては、清掃車庫も含めまして施設基本計画を策定していく中で、具体的な、どのような公園を整備していくかを決めていくことになります。

 また、基本的な公園の整備イメージということでございますけれども、まず1点目が、崖地をスロープ化し、敷地全体を園路でつなぎまして、一体的に利用できるようにしていきたい、また2点目としては、傾斜を生かし、例えばそりですとか、滑り台、そういった遊び、それからアスレチックを取り入れる、3点目としては、軽スポーツができるような広場の整備、そして4点目としては、芝生、樹木を配置し、緑豊かな交流の場となるような公園、それから、広域避難場所の指定のされている位置に配備されますので、災害活動拠点となる公共スペースを確保する、こういったようなイメージを現在は持っているというものでございます。

○中村委員 イメージということなので、本当にそういうふうになるかわかりませんが、ちょっとどうなのかなというところもあります。

 弥生町六丁目用地の整備では、大規模公園の整備のほかに、清掃車庫を新たに設置するとの方針です。清掃車庫の場所については、今までさまざまな経緯があったというふうに伺っております。10か年計画(第2次)では、清掃車庫の移転地は区役所の移転用地となっております。御答弁でも、清掃車庫の早期移転が必要不可欠と区長はおっしゃっていました。もちろん現在の清掃車庫の場所から新たな場所に移転しなければ中野駅周辺の第2期整備に支障を来すことになりますし、弥生町六丁目に持ってくるなということでは決してありません。ただ、もともと南側にお住まいの区民は、中野駅に行くよりも新宿へ出る方が便利なため、中野駅周辺の再開発の恩恵はほとんど受けていないわけです。これまでも、中野駅周辺ばかりという声を地域で聞いてきました。中野駅周辺の再開発がおくれるから弥生町六丁目に清掃車庫を持ってくることを認めろと言われても、納得ができないというのも現状だということを職員の方々には理解をしていただきたいと思います。その上で、近隣住民の方々へはしっかりと丁寧に対応をしていっていただきたいと思いますが、いかがですか。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 清掃車庫につきましては、今後の計画の進捗に応じ、近隣の皆様への情報提供や説明、意見交換の場を設けまして、近隣の皆様の御理解が得られるよう丁寧な対応を図ってまいりたいと存じます。

○中村委員 ぜひ本当に丁寧に対応していっていただきたいなというふうにお願いをしておきます。

 今回、(仮称)本町二丁目公園と(仮称)弥生町六丁目公園の整備方針が出てきたわけですが、今までの公園整備、例えば(仮称)南部防災公園や(仮称)本町五丁目公園のときよりも急で、突然出てきた感が否めません。確かに青梅街道より南の地域では、公園面積が1人当たり0.4平米、南部防災公園、本町五丁目公園、本町二丁目公園、弥生町六丁目公園の整備後でも0.96平米と、それでもそこまで多くはないという現状ではあります。一方、東中野も四丁目、五丁目地域では公園面積が0.17平米と非常に少ないのにもかかわらず、東中野小学校跡地は売却してしまうという矛盾も出てきています。これから学校再編によって統廃合し、なくなってしまう学校も出てくる予定です。すべての区有施設のあり方、施設配置のあり方を検討した上で、どの地域にどの施設が必要か、きちっと検証し、計画を立てるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 今後の区有施設のあり方につきましては、地域や区全体の中・長期的な視点から方針を定めて対応していく必要があるというふうに考えてございます。施設の再配置や改修、長寿命化などにつきまして早期に検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○中村委員 このように急に公園を整備するという方針が出てきたり、一方、売却をしないといっていた施設を売却するという決定をしたり、その時その時の場当たり的な対応にどうしても見えてしまい、きちんとした計画に沿っていないように感じられてしまうのです。こういう場当たり的な対応を繰り返していると、計画があっても、きちんと遂行されるのか、信用ができなくなってしまいます。これでは区民の納得は得られないと思いますので、きちんと学校跡地を含めた施設整備計画の方針を出していただきたいと、これは要望をしておきます。

 次に、女性特有のがん対策についてお伺いをいたします。

 昨年の第4回定例会の厚生委員会で、がん検診の見直しが報告をされました。これは国が実施していたがん検診推進事業で、子宮頸がん検診で20歳から40歳の5歳刻み、乳がん検診で40歳から60歳の5歳刻みの女性に、検診受診の無料クーポンを配布をしていた事業です。平成26年度からこの無料クーポン事業が大幅に縮小され、女性特有のがん検診事業は、子宮頸がんで20歳のみ、乳がんで40歳のみとなりました。昨年12月頭にNHKが、無料クーポンの未受診者に対し受診券の再発行をするというニュースが流れましたが、この件に関して国からは何らかの通知はあるのでしょうか。

○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 国からの正式な通知はまだございません。国の動向につきましては、1月下旬に東京都を通じて案が示されたところでございまして、平成25年度の補正予算による事業といたしまして、一定年齢の者に対する受診勧奨の実施や無料クーポン券の配布を行うというものでございます。

○中村委員 今後、もしかしたらこのニュースで流れたことも国から通知があるかもしれないので、そこは対応していただきたいなというふうに思っております。

 また、平成26年度の予算の中で、新規事業に、20歳から40歳の女性で子宮頸がんの検診未受診者に対し受診勧奨を行うという事業が組み込まれました。これまで子宮頸がん対策を取り上げる中で、受診勧奨や再勧奨については取り組んでいただくよう要望していましたので、本当に心から歓迎をいたします。担当さんの御努力のたまものだと思っています。ありがとうございます。

 以前からも述べてきましたが、子宮頸がんは、細胞の異形成や前がん病変までに発見できれば、子宮の一部を切除することで治り、子宮温存ができます。その後の妊娠、出産も可能です。でも、異形成や前がん病変までは検診でしか見つけられません。子宮頸がんは発症のピークが30代にあります。まだ妊娠、出産を終えていない女性が子宮摘出を余儀なくされたり、また小さい子どもを残して命を落としてしまったりといったとても悲しいケースが後を絶ちません。すべての方が子宮頸がん予防について正しい知識を持ち、また検診の受診率が向上すれば、こんな悲しい事態を避けることができます。各種がん検診は死亡率の減少を目的にしておりますけれども、子宮頸がんに関しては子宮を温存するという観点を忘れてはいけないというふうに考えております。

 そんな中、中野区の子宮頸がん検診受診率は、平成24年度決算値で21.3%とかなり低いものとなっております。確かにこれは区民検診として子宮頸がん検診を受診した人の割合のため、職場等で受診している人は除かれています。仮に職場等で受診した人を含めたとしても、35%に満たない数字です。欧米諸国の60~80%にはおよそ及ばない低い水準となっています。今回行われる未受診者への受診勧奨ですけれども、どのような方法で行う予定か、教えてください。また、対象者が何人くらいになるのか、教えてください。

○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 区内に居住する20歳から40歳の女性区民のうち、区の子宮頸がん検診の未受診者、おおよそ4万6,700人に対して、はがきによる受診勧奨を行うことを想定してございます。

○中村委員 20歳から40歳ということなので単身者も多く、電話での受診勧奨はなかなか難しい中、はがきで勧奨するということなんですけれども、手元に届いたときに目を引くものでないと意味がないと思います。小さい文字だけで、絵も図もないようなはがきでは、受け取った瞬間、ごみ箱に行きかねないというふうに思います。何よりも読んでもらわないと、そして検診に行こうと思ってもらわないと、予算をかけて実施をする意味がなくなってしまいます。

 奥多摩町では、若者に知られているキャラクター「ポストペット」というのを採用して、見てもらえる工夫をしています。ちなみに、ポストペットの「モモ」というのは東京都乳がん検診普及啓発事業における公式キャラクターだそうです。大阪府東大阪市や埼玉県川口市では、行政検診のお得感を全面的に打ち出して目を引く工夫をしています。自己負担額のみの提示だと、その金額で受けられることが当たり前のように見えますけれども、もともとの金額を提示することで、自治体検診がどれだけお得なのかわかりやすく示すことができます。豊島区では、女子大生の子宮頸がん啓発グループ「リボンムーブメント」と連携をし、検診レベルとなる20歳に向けて同年代の女子大生が手書きのメッセージを送っています。

 中野区でも、ただの受診勧奨はがきではなく、今並べた各自治体のように、より受け取ってもらえる工夫を凝らした受診勧奨はがきを送付すべきと考えますが、御見解を教えてください。もし、今どのようなものにするか検討状況があれば、あわせて教えてください。

○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 受診勧奨の実施に当たりましては、特に若い女性の視点からの勧奨ということが非常に重要と考えてございます。帝京平成大学の学生にはがきのレイアウトなどの協力を依頼する、そういったことを予定してございます。

○中村委員 ぜひそれは進めていっていただきたいと思います。

 また、この事業は、平成26年度のみの新規事業なのか、もしくはこれから恒久的に継続していく事業なのか、教えてください。

○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 平成26年度の受診勧奨といたしましては、20歳から40歳の女性区民に対する子宮頸がん検診の受診勧奨を予定してございますが、その後の実施方法につきましては、国の動向などを見据えながら、今後、検討していきたいというふうに考えてございます。

○中村委員 わかりました。

 NPO法人「子宮頸がんを考える市民の会」が、昨年、全国主要都市子宮頸がん予防対策実態調査報告書を作成しました。こういうものなんですけれども、自治体による行政検診は、料金、受診期間、申し込み方法などにさまざまなローカルルールが存在しておりまして、必ずしも受診者の目線に立った対応がとられているとは言えない現状を踏まえ、主な自治体における子宮頸がん予防対策の取り組みを調査し、その違いを可視化することを試み、行われました。

 対象とされた自治体は、全国主要都市50区市――これは全国で女性人口が多い上位50区市と東京都52市区町です。この中で子宮頸がん予防対策の総合評価結果が発表されておりまして、「大変優れている・優れている・一部改善が必要・かなり改善が必要・不十分」の5段階で評価をされております。まあ、悲しいところなんですけれども、中野区は東京都52市区のうち、12市区と並び「不十分」の最低ランクに評価をされてしまいました。この調査は毎年行っていくとのことですので、26年度予算に組み込まれた受診勧奨が加わることにより少しは評価が上がるものと思われますが、担当さんとしてこの評価結果をどのように受けとめられているか、お聞かせをください。

○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 現段階では、今、委員のお示しいただいた実態調査報告書の内容は把握しておりません。そのため、どのような基準をもとに総合評価を行っているか不明でございます。区といたしましては、平成25年度より受診期間の延長などを実現したところでございまして、今後も区民検診の受診向上に向けて努力してまいりたいと考えております。

○中村委員 あとでお渡ししますので、ぜひ見ていただきたいなというふうに思っております。

 中野区には20代、30代の人口が多く住まわれております。人口の30%以上も占めているところであります。女性だけのものととらえることなく、力を入れていっていただきたいと思います。

先ほども申し上げたとおり、平成26年度からは無料クーポン事業が大幅に縮小され、子宮頸がん検診では20歳のみ、乳がん検診では40歳のみとなります。昨年12月の厚生委員会で、20歳の無料クーポンでの検診受診率を確認したところ、何と7.8%というとてもとても低い水準となっていることがわかりました。無料クーポンの再発行というニュースがありますが、先ほど御答弁いただいたように、いまだ不透明な状況でありますので、20歳を迎える際に予防啓発をしなければいけないのかなというふうに思っております。

 今年1月13日に中野サンプラザで行われた「中野区成人のつどい」に出席をさせていただきました。新成人の皆さんにはさまざまな啓発グッズが配られていました。中には、東京都消費者生活保護センターの「悪質商法に気をつけろ!」とか、鷺宮商店街のタウンナビ「さぎプレ」、こころといのちの相談窓口の案内や、「HIVエイズの基礎知識」という冊子、「はたちの献血キャンペーン」記念品引換券、それから「妊娠がわかっていろいろ悩んでいるあなたへ」というすこやか福祉センターの連絡先一覧が書かれたものなどが入っておりました。ここに子宮頸がん検診啓発グッズを入れてみてはいかがでしょうか。

○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 「成人のつどい」で配布している啓発グッズですが、現在、増加傾向にあると聞いております。今後、若い世代に対する子宮頸がん検診の効果的な啓発方法につきましては、そういったことも含めて検討していきたいというふうに考えております。

○中村委員 ぜひ検証、検討をしていただきたいなというふうに思っております。

 先ほど御紹介をさせていただきました女子大生の啓発グループ「リボンムーブメント」は、2013年、さいたま市とタイアップして映像を作成し、成人式で放映をしています。「リボンムーブメント」以外にもさまざまな予防啓発団体が存在します。こういったところと連携し、一層の予防啓発に努めていただきたいと思います。

 また、昨年4月からは明治大学と帝京平成大学が、今年4月には早稲田大学の国際コミュニティープラザが中野四季の都市(まち)にやってきます。そのほかにもさまざまな専門学校が区内には多く存在しております。先ほど帝京平成大学とはがきの件では提携をとってやるというふうにおっしゃっておりましたけれども、こういった学校とも連携を図ることもとても大切だと考えております。区の御見解をお聞かせください。

○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 子宮頸がん検診の、特に受診率の低い20代、30代の区民に対する受診勧奨につきましては、若い女性の観点からの受診勧奨は欠かせないものと考えてございます。今回の受診勧奨をきっかけにさまざまな教育機関や関係機関とも連携をとりながら受診率の向上を図ってまいりたいと考えております。

○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 今回、未受診者への受診勧奨の予算措置がされたことは、本当に大きなステップだといえます。命を守るだけでなく、将来生まれてくることができる命を育てることができる子宮を守る施策だというふうに考えておりますので、ぜひこの流れをとめることなく、今後も推進していただきたいと思っております。ありがとうございました。

 次に、国際交流についてお尋ねをいたします。

 まず初めに、自治体間の友好都市、姉妹都市交流についてお伺いをいたします。

 すべての区の事業を実施する意義は、その事業がきちんと区民に還元をされていることだと思います。国際交流を実施する意義は大きく二つに分けることができるのではないかと考えます。一つは、グローバル人材を育てる教育に役立てるという観点です。もう一つは、災害時の相互援助という観点です。文部科学省でも平成24年からグローバル人材育成事業を始めております。これは、若い世代の内向き志向を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国のきずなの強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し、活躍できる人材の育成を図るため、大学教育のグローバル化のための体制整備を推進するものです。もちろん高等教育でこのように推進することもとても大切だと思いますけれども、その基盤をつくるのはもっと小さいころの環境ですし、実際に平成23年度からは小学校での外国語活動も必修化されました。

 また、グローバルな人材を育てる上で大切なことは言語だけではありません。日本について客観的な目を持つことに加え、自分とは違うものの見方や考え方をする人がいるという多様性を理解し、またそれを尊重できるということも大切ではないかと考えます。

 一昨日の質疑の中でもありましたけれども、先週、「アンネの日記」が、東京都内六つの市と中野区を含む五つの区の図書館で300冊以上が破られるという事件が起きました。また、横浜市にまで広がっておりまして、昨日は池袋の書店でも破られたというニュースが流れておりました。一昨日の答弁で、中野区内では5カ所の図書館で54冊が被害に遭ったとのことでした。犯人はまだ捕まっておりませんので、どのような目的で行われたことなのかは不明ですし、このような事件が起きてしまったことは、国際社会における日本の恥でありますし、一層人種差別を許さない姿勢や表現の自由、多様性を大切にする心を育てていかなければいけないと感じました。これこそがグローバル人材の教育だと思います。ただ、普通に暮らしている環境の中では、違う文化の方々と触れ合う機会が少ないのも現状であります。

 現在、中野区は、中国北京市西城区と友好都市を、韓国ソウル特別市陽川(ヤンチョン)区と姉妹都市を締結しております。西城区とは国際交流協会の事業で少年野球チームの交流が夏に行われておりますが、昨年は国家間の情勢不安やPM2.5の影響などもあり、中止になっております。陽川区とは2010年11月に締結してからいまだ交流の事業が決まっておりません。

 一方、友好都市、姉妹都市ではありませんけれども、ニュージーランドのウェリントンとは、区内中学校に通う子どもたちとウェリントンの中学生が毎年行き来をする交流事業が長年にわたり続けられております。私自身も中野区国際交流協会の評議員として、中野区の子どもたちがウェリントンに行く際は送迎会と帰国報告会、ウェリントンの子どもたちが中野区に来られるときはお別れ会に毎回出席をさせていただいております。交流を通して多くのことを経験してくる子どもたちの姿を見ることができ、本当に充実したプログラムとなっていることを実感しているところであります。

 まず、この友好都市、姉妹都市の自治体交流には、子どもたちの交流という観点を中野区は持っているのか、お尋ねをいたします。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 友好都市である北京市西城区との交流におきましては、先ほど御紹介がありました中野区国際交流協会が少年野球を通じて両都市の子どもたちによる民間交流を既に行っているところでございます。

 一方、ソウル特別市陽川区との交流につきましては、2010年に姉妹都市の締結をいたしまして行政交流の積み重ねをしながら、次なる段階として、民間交流をどのような形で行っていくか、協議し、模索をしているところでございます。

友好都市交流の目的といたしましては、市民、区民の間での交流を活性化させることにあるというふうに考えてございます。その中には子どもたちの交流も入っているというふうに考えてございます。

○中村委員 今、検討中というお話もありましたけれども、今後、陽川区とは具体的にどのような交流を図っていくのか、検討、調整をされるとこれまでの質疑の中で御答弁されていますが、ウェリントンと行っているような子どもたちの交流事業を含めて考えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 姉妹都市間の交流は、行政交流にとどまらず、区民同士の交流へと発展していくことが望ましいというふうに考えてございます。陽川区とは今後も協議を重ねまして、子どもも含めた民間交流のあり方を探りまして、具体化していきたいというふうに考えております。

○中村委員 ありがとうございます。

 区長の施政方針説明の中で「冷戦後のアメリカ一極集中型の世界から、中国の台頭によって世界は新たな形になろうとしています。軍備を拡大する一方で、尖閣諸島や南シナ海など王朝主義的な動きを繰り返す中国は、東アジアで新たな緊張要因をつくり出しています。日本への反発を強める一方、中国に急接近する韓国の動きも新たな東アジア情勢を象徴しているといえます。このような中で、日本にとっては米国との同盟関係を強化することが重要です。また、ほかのアジア諸国やロシアなど多様な国々とさらに交流を深めていくことも重要になっています」とおっしゃられております。区長が述べられた中で、緊張をつくっている二つの国家というのは、中野区が姉妹都市、友好都市を持つ国でもあります。こういった国家間の情勢に影響されない友好関係を築いていくことこそ友好都市や姉妹都市を締結した意義でもあると思っています。ところが、西城区との交流はそれに影響され、周年行事が延期になりました。私もあの状況であればいたし方ないと思いますけれども、それであれば、そういった影響を受けにくい新たな都市との交流も検討すべきだと考えます。今後の展望をお聞かせください。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 国の立場や慣例等によりまして影響を受けてしまうこともやむを得ない場合があるというふうに考えてございますが、本来、自治体間の交流というのは、国家間の情勢に左右される、それとは別にあるべきであるというふうに考えてございます。

現在交流のある自治体との関係を着実に進展させるということはもちろんでございますけれども、新たな自治体との交流の機会があれば、その時点で、どのような関係づくりをしていくのかということについても検討していきたいと考えております。

○中村委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。

 自治体間交流で大切な視点の二つ目は、東日本大震災以降に特に意識をされている災害時の相互援助という観点だと思います。中野区は、山梨県甲州市、長野県中野市、福島県田村市と災害協定を結んでいるところですけれども、さらに大規模な災害が発生した場合は、その協力体制の相手方は国外に求めなければいけません。国という大規模な枠組みで集約される震災時のあらゆる対応よりも、友好都市間でのピンポイントの支援がスピード、量、質において効果的だということは明らかだと思います。さらに、一番重要な発生後数時間の初動を考えれば、アジア近隣諸国こそが頼りになり、頼りにされる相手だと思います。

 中野区は友好都市、姉妹都市ともにアジアの近隣国の都市と締結をしております。先日の一般質問で同僚議員からも災害協定に向けた質疑がありました。その中で、情報交換から始めていくという御答弁がありましたが、災害はいつ起こるかわかりません。スピード感を持って対応いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) これにつきましては国外の都市との協定となりますため、防災・減災の観点から情報交換を進めるなど、できるところから積み上げていくということが必要であるというふうに考えてございます。

○中村委員 わかりました。

 いずれにしても、自治体間の国際交流は、一昔前の議員や行政の特権と言われるような区民に歓迎されない交流になっては絶対にいけないと思っています。そう言われないためにも、戦略を持って行わなければいけません。周年行事での区の職員や議会、関係団体などの行き来も、関係を築いていく上で必要だと思っておりますけれども、それだけではなく、きちんと区民へ還元されるよう今後の御努力に期待をしております。ありがとうございました。

 次に、中野区内での国際交流についてお伺いをいたします。

 近年、多くの外国人が日本に住まわれておりまして、平成26年1月現在、東京では39万4,410人、中野区では1万949人の外国人が住んでいらっしゃいます。東京のような大都市では、多文化、多民族の共生という観点も常に持っていなければいけないと思っております。

 昨年12月4日に明治大学国際日本学部主宰で行われた多文化共生フォーラムを拝見いたしました。その中でさまざまな提言が中野区に対してされました。行政にできること、できないこともともにあるというふうに感じましたけれども、中野区在住の外国人が抱える生活上の問題点で一番多いのが生活費、2番目に多いのが住まいとのことでした。多くの諸外国に比べ、日本の物価はかなり高い状況にあります。アルバイトも外国人というだけでなかなか見つからないという現状もあります。四季の都市(まち)に入ってきた大学に留学するくらいですから、外国人留学生は優秀な学生だというふうに認識をいたします。こういった現状も踏まえ、四季の都市(まち)に入ってきた大学と連携し、外国人留学生を英語活動のALTとして活用するという考えはありますでしょうか。

○川島教育委員会事務局指導室長 現在、区立中学校におきましては、英語科の中で必要に応じてALTを活用した授業を行っています。このALTですが、教科の目標を達成するために一定の質を保つ必要がありますので、中学校では派遣業務委託によってALTを活用しています。

 一方、小学校では、教科ではなくて、英語活動の一環として、主にコミュニケーション能力の育成や異文化理解を目指しております。ALTにつきましては、学校の実態に応じて、校長が適切と認められる人物に依頼をしているところです。しかしながら、小学校におきましても英語を教科として指導するような国の動きもございますので、ALTの小学校の配置につきましては、今後、外国人留学生も含めて、国の動向を踏まえつつ考慮していきたいと考えてございます。

○中村委員 昨年の質疑でもやらせていただきましたけれども、小学校の校長先生とお話をしたときに、なかなか人材を見つけることができないというふうに苦労されている部分もあるというふうに伺っておりますので、ぜひそこはよろしくお願いをいたします。

 この多文化共生フォーラムでとられたアンケートの中で、中野区在住の外国人が何を中野に求めているかというところで一番多かったのは、地域の日本人との交流の機会という回答でした。地域とのつながりができることにより、その後、地域貢献にまで発展してくれる可能性も秘めておりますので、今のALTも含めた形でぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。

 この多文化共生フォーラムの中で、外国人が日本にやってきて定住するまでのフェーズで、第1段階が移住、第2段階が暮らし始め、第3段階が定着、第4段階が地域への貢献と説明がありました。それを踏まえ提言をされた後、区長は、外国から来た人々が中野区で第4段階までスムーズに生活ができる基盤をつくっていかなければいけないところに来ていると発言をされていました。その基盤というのは具体的にどのようなことをお考えなんでしょうか、お答えください。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 外国人の方々も同じ区民として連携協力をしながら中野という地域社会の中で安心して暮らし続けていけるということが必要であるというふうに考えてございます。基盤と申しましても、具体的に申しますと、例えば日本語の習得や情報リテラシーの向上であるとか、交流の機会の提供であるというふうに考えてございます。

○中村委員 わかりました。

 多文化共生フォーラムの中でも、外国語版区報の回数が他自治体に比べて少ないとか、中野区国際交流協会の存在をほとんどの方が知らないなどの広報の不足だったり、また、私も昨年、第3回定例会で指摘をさせていただいた防災マップの更新のおくれだったり、さまざまありますけれども、外国人の方々が中野区で生活する上で必要な情報が手に届いていないというところは、今後、対策をとっていただきたいというふうに要望をしておきます。

 一方、1月31日の中野駅周辺地区等整備特別委員会において報告された区役所・サンプラザ地区再整備基本構想素案についての中で、何度も「グローバル化推進」という言葉が使われております。さきの一般質問でも、後藤議員の質問への答弁で、四季の都市(まち)には外国人留学生が多いことが基盤として生かせるというふうにお答えがありました。どのように生かしていくのか、教えてください。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 近くオープンいたします早稲田大学国際学生寮には、870人の定員のうち、約半数は外国人留学生で占められておりまして、今度の春でございますが、第1弾として、約200人の留学生が入寮するというふうに聞いてございます。また、明治大学中野キャンパスの留学生は、大学と大学院を合わせて約270人在籍しているというふうに聞いておりまして、国際学生寮の寮生と合わせれば、昼夜、夜間を問わず多くの留学生が中野に滞在するということになるかと思います。

 既に明治大学や帝京平成大学の学生が地域の交流やボランティアに参加するという事例も出てきてございます。外国人留学生についてもそういった活動に参加いたしまして、母国語を生かした子どもたちの語学教育や、例えば通訳のボランティアなど、地域貢献に携わることも考えられます。そのような力を生かせるように進めてまいりたいというふうに考えております。

○中村委員 先ほども地域とのつながりがないというか、交流の機会が欲しいということもありますので、ぜひそこはよろしくお願いをいたします。

 2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催が決まりまして、今後、東京へは多くの外国人が来街されることが予想をされます。先週末閉幕したソチ・オリンピックでは現地で英語が全く通じず、ウォーター(水)すら通じないという場面もあったというふうに報道がされております。東京はそこまでではないにしろ、基本的に英語は通じないですし、国際オリンピック委員会も言葉の問題が大きな課題になるというふうに警鐘を鳴らしております。

 いろいろな方向で多文化共生、中野区内での国際化、国際交流について質問をしてきましたが、ここで申し上げたいのは、中野区は外国人の来街者、いわゆる観光客を増やしたいのか、もしくは中野区に住む外国人を増やしたいのか、どちらなのかなというところです。観光客向けと居住者向けでは基盤のつくり方が全く変わってくるというふうに思います。グローバル化推進というとてつもなく大きな言葉でくくるのではなくて、きちんと方向性を見定めて、身の丈に合った、また、だれもが共存し暮らせる中野区になるよう、そのための基盤整備を進めていっていただきたいというふうにお願いをしておきます。ありがとうございます。

 最後に、その他の項で1点、区有施設の光熱水費についてお伺いをいたします。

 昨年第1回定例会の本会議一般質問で、コンサルタント会社を利用したガスの削減について提案をさせていただきました。その際、経営室長から、そのためには新たな費用を要することもありまして、供給事業者と協議を重ね、独自に経費の節減に今後とも努めていきたいと考えておりますと御答弁をされております。その後、予算特別委員会・総務分科会で我が会派の森議員からその件について再度質問をした際、この溝が基本的に埋められるというふうに思っております。コンサルタント事業者の方にしても、さまざまなガス供給事業者の割引の仕組みを調べ上げた上で、そのエネルギーのユーザー側の使用データをもとにベストマッチングを考えていくんだと思うのですけれども、それは同じように区の職員としても、事業者側のいろいろな料金設定を十分知った上で、中野区としての消費量、これを見極めてベストマッチングを考えていく、それは十分可能だというふうに考えていますと御答弁をされています。今回、総務73で、主な施設のガス料金の実算額及び使用料という資料を出していただきました。ありがとうございました。

 この資料を見ると、どの施設も毎年使用料は減っているのにもかかわらず、ガス料金はふえています。こうやって使用料そのものを減らしても、ガス料金そのものが高くなってしまえば、経費として出ていくお金はふえてしまいます。御努力をされていないとは思いませんし、実際に使用量は減っているわけですから、その御努力には評価をするところではありますけれども、ガス料金が年々上がっている中、それだけでは実際の光熱水費の削減にはつながらないというところも、この表を見てわかることだと思います。

 昨年この提案をしてから1年しか経過をしていないので、その後の御努力が次の決算時に反映されるのかもしれませんけれども、一番大切なのは、供給業者と使用者だけでなく、そこに第三者の目が入るということがとても大切だと思っています。民間コンサルを入れ、削減した額の一部をお支払いするのは最初だけであります。その後何年も同じ額削減ができるわけですから、区にとっては利益しかないというふうに思っております。もう一度契約の見直しによる削減を、民間活力を利用し、行うことを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○石井経営室副参事(施設担当) 区は現在、区庁舎を初め一部の学校施設に、ガスの最大時間使用料を把握する計器を取りつけております。で、実態を調査をしているところでございまして、近々、この結果を見まして、東京ガスとの契約見直しを行っていきたいと考えております。多分、削減が可能であろうというふうに踏んでおるところでございます。

○中村委員 実態調査をされており、また契約の見直しも行っていくということなんですけれども、先ほども申し上げましたけれども、一番大切なのは、第三者の目が入って、それが本当にガス業者が言っている金額でウンと言わなければいけなくならないということだと思っておりますので、またこれは要望としておきます。

 これにて私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

○内川委員長 以上で中村延子委員の質疑を終了します。

 次に、高橋ちあき委員、質疑をどうぞ。

○高橋(ち)委員 おはようございます。

 きょうは2月28日で、もう早いもので新しい年になって2カ月が過ぎてしまうんだと実感しているところでございますが、時は本当にもう、あっと言う間に過ぎていくんだなというふうに感じています。私の質問もあっと言う間に昼で終わってしまいますけれども、そのため、時間が余りないので、淡々と質問をさせていただきますので、3番バッターとしてよろしくお願いいたします。

 質問は通告どおり行わせていただきます。

 まず最初に、区政方針についてでありますけれども、区政方針はさまざま、一般質問から今予算委員会でも皆さんが質問しておりますけれども、私は、通告している内容の中でもはしょって質問をさせていただきます。

 まず最初に、施政方針では、政府に対する思いや2020年に行われるオリンピック・パラリンピックに対する思い、そしてその中に置かれる一自治体としての考え方を述べていらっしゃると思います。その思いは本当に理解ができまして、11年間を振り返ってみると、確かに今までなかった発想で改革をされてきたことは間違いないというふうに感じております。若干どなたかは、「失われた11年」というふうなことをおっしゃっていましたけれども、私たちにとってみれば、それ以前の区政が失われてきていたんだなというふうに感じ取っておりますので、そこのところは間違えないでほしいなと思います。

 しかし、区民にわかりやすく、身近な区政として対応されてきたのかは、ちょっと疑問に感じています。区民の立場に立って、区政が今まで以上に身近なものになったなあと感じられることは何だろうとか、そういう視点で考えたことはありますか。また実感して感じていることはございますか。

○田中区長 区民にとって身近になったというのは区民の側で感じることですので、私からはなかなかわかりにくいということは確かにあるんですけれども、自分なりに、やはり区政が身近に感じられるように、例えば予算のときにあらかじめ内容を発表するとか、またさまざまな対話を進めてくるとかというようなことをやってきたということも、やはり身近に感じていただくための手だてではあったというふうに思っております。

 また、区政が実際に身近に感じるということの一番大きな要因は、例えば四季の森、四季の都市(まち)が完成して、そこで本当に大勢の方たちが輝いて活動できるようになったというようなことが、ひとつ区政が身近に感じられるということになる、そういうことでもあろうかというふうに思っております。

 いずれにしても、区政を身近に感じていただいて、自分も区政に参加をしていくというような気持ちを区民の皆様に持っていただくということについてはゴールはない、こういうふうに思っていますので、皆様から御指摘をいただきながら、正すべきところは正してまいりたいというふうに思っております。

○高橋(ち)委員 区長がそのようにお答えいただいたので、本当にありがとうございます。

 四季の森のあの公園は、やっぱり、今まで私たちがあり得ないだろうと思っていたものができ上がったということで、区民は本当に実感はしていると思います。それはよかったかなというふうには感じております。

 またさらに、職員に対する思いは、振り返った中には定数削減のことしか触れていないように感じました。それでも区民サービスは充実できたよというふうにおっしゃっているんですけれども、区民が大切なように、職員も同じように大切な存在であると私は思います。新しく東京都知事になられた舛添さんは就任会見で「職員との連携は結果や成果が一番大事だ。少なくとも職員と情報共有しない限り仕事ができない。私の考えも言い、外部の意見も聞く。最後は私の責任で決断し、結果責任を負う。合意形成に時間をかけ、決まれば一気にやる」ということを職員の皆さんに話したそうです。これが職員と意思の疎通ができる大切なことだと私は思っておりますけれども、どうお感じになりますか。

○田中区長 舛添知事の言われたこと、そのとおりだというふうに思っております。私も、なかなか直接、個々の職員と意見交換するという機会がそんなに多くないのは残念だと思っていますけれども、毎月1回庁内放送をするであるとか、新任職員の研修、それから昇格する係長の研修、それから管理職の研修、さまざまな機会などに職員に直接語りかけることを心がけてまいりました。また、職員からの意見ということについても、努めて聞くということについては努めてきたつもりであります。

 そういう中で、舛添知事が言うように、最後は自分が決定したことについて結果責任はきちんととるということでやってまいりたい、こんなふうに思っております。

○高橋(ち)委員 区長がおっしゃったとおり大事なことだと思います。区民対話集会も大事ですけれども、職員との対話も本当に大事なことでありますので、忘れないでいただきたいなというふうに思います。

 平成26年度の区政の方向については、新しい中野をつくる10か年計画の四つの戦略に沿っていますけれども、戦略とは、そもそも競争相手がいる中で有利な状況をつくり出したり、あるいは競争を避けながら有利に展開するための策略であったり、計画であったりと私は思います。長期的な視点から策定をされているわけですから、戦略が明確になっているほど効果的で効率のよい経営が可能になるというふうに感じているところでありますけれども、そして、10か年計画を立てているから戦略とうたっているんでしょうけれども、この四つの戦略の内容がいつも何かよくわからないで、羅列されているなというふうに感じ取っておりますけれども、どう思いますか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 10か年計画(第2次)におきまして、区が目指す10年後の中野の姿を実現するため、重点施策を四つの戦略として提示しております。戦略ごとに目標を実現するための事業を掲げることによって区民の方々に方向性が明確になるように工夫をしているところでございます。また、毎年度の予算においても四つの戦略ごとに取り組んだ事業をそろえまして、議会や区民の方々への説明、広報活動を行っておりまして、戦略を明確にし、示しているというところでございます。

 戦略の表現等につきましては、10か年計画の改定時期を迎えるということでございますので、改定を行う際には、区の重点的な取り組みが区民にわかりやすく伝わるようにさらなる工夫をしていきたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 本当に工夫をしてもらいたいなと思っております。四つの戦略についてさまざま聞いていきたかったんですけれども、それは、取材をいただいて申しわけないんですけれども、はしょります。とにかく一目見てわかるような説明の仕方をしてほしいというのが私の希望であります。

 そしてさらに、26年度予算の案についても、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の着実な進展を図ることはもとより、災害に強い安全なまちを実現し、区民の暮らしを守り、安心して住み続けられるコミュニティづくりを進めていくための予算としていると言っています。また、PDCAサイクルにおける事業の見直し云々と、延々といろいろ言っていて、持続可能な区政運営を維持発展させる予算としていますというふうにうたっているんですけれども、どうしても説明が長いと、一気に区民はのみ込めないというふうに感じます。

 例を出していえば、世田谷区の予算はテーマがあるんですね。26年度予算は「子ども・子育て応援都市世田谷」というテーマを掲げているそうです。そして、区民にわかりやすく伝えています。ほかにも重点課題はしっかりと淡々と明確にあらわしているわけでありますけれども、非常に区民に配慮していると思いますけれども、区としては予算の特徴を一言で言いあらわすテーマというものを考えたことはありますか。

○奈良政策室副参事(予算担当) 予算に当たりましては、10か年計画で掲げております四つの戦略がそのテーマに当たるというふうに考えてございます。それぞれが重要な課題でありまして、一つのテーマに絞り込みまして、一言でわかりやすく表現するのは、なかなか難しいという面があるかと思ってございます。今後、表現の仕方ですとか、わかりやすい表現につきましては、さらに工夫をしていきたいというふうに思っております。

○高橋(ち)委員 そうしてほしいと思います。四つの戦略というのは耳なれた言葉にはなってきているでしょうけれども、中身を見るとわからないとなってしまったら、何の戦略をしているのかが非常にもったいないふうに感じますので、そこのところは改善していってもらいたいなというふうに思います。

 結びのところでは、「区政運営に当たって目標と成果による管理という考え方を徹底してきました。目標や理想像を明確にする、その実現に向かって客観的な成果を図りながら取り組みを改善する、このプロセスを不断に行い、持続可能なものとし、総仕上げしていく」とのことです。11年間を振り返ると、というのですから、目標そのものの妥当性の検証も必要なのではないかなというふうに思いました。

 区民の立場から見ても、足らず米がないのかどうか、逆に、区政の永続性を担保する上で、見直すべき目標や到達水準が上げられていないかどうか、そうした取り組みが大事なのではないかなというふうに思います。今まで行ってきたことに対してチェックや検証を行い、そして考え、見直すべきプランは見直し、継続していくものは継続するという行動を進めることが大事だと考えています。そうであるなら、PDCAではなく、私が思うにはCAPDになるのではないかなと考えるんですけれども、いかがですか。

 また、区民からいただいている大切な税金を使って仕事を進めていくわけですから、区民が家族とたとえたら、区長はその大黒柱であるというふうに思います。その言葉や行動は家族にとってわかりやすいものでなければなりません。そこのところではどういうふうにお考えになりますか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 区では、基本構想に描かれた中野の街の将来像の実現に向けまして、区民により高い価値を提供するという観点から、目標と成果による区政運営を進めているところでございます。基本構想に描く将来像と、これを踏まえて10か年計画で示す中長期的な目標について来年度の計画改定にあわせて見直しを行いたいと考えてございますが、一方で、区の組織の目標については、PDCAサイクルにおきまして評価、検証を行いまして、毎年度改定を行っているところでございます。

 区といたしましては、毎年、PDCAサイクルを繰り返しながら事業や取り組みの方法に工夫をし、改定に取り組んできているところでございますが、評価から改善策を考え、実施までに結びつけていくという一連の取り組みをさらに強化していく必要があるというふうに考えてございます。そのような認識のもと、来年度につきましては、政策室において業務改善担当の強化を図るというような目標と体制の見直しを図っていきたいというふうに考えてございます。

 よりわかりやすいものに改めていく必要があるというような御指摘もございましたが、これまでも区民の方々に対しまして、1年間の区政運営のそれぞれの過程において説明をしてきたところでございますが、説明がわかりにくいという御指摘を受ける場面のあることも事実でございます。御指摘を受けとめまして、区民の方々にわかりやすい区政を、ということを目指しまして、説明方法の工夫など、さらに改善を進めてまいりたいたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 ぜひ、PDCAサイクルは大事だと10か年計画ではうたっております。それを基本にやるんだと言っているのはわかるんですけれども、そこばかりにこだわらないで、やっぱり幅広い視線を持って取り組んでいってもらいたいなと思うこともたくさんありますので、これは要望としてお願いしておきます。

 次に、内部統制についてお伺いをいたします。

 平成23年9月に「業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全の実現を目的として内部統制の仕組み再構築にかかる基本方針を定めました」ということになっていて、これを踏まえ、平成24年3月の内部統制の仕組み再構築にかかる基本方針に基づき内部統制を進めるという総務委員会にて報告があったと思います。これに対して幾つか質問をさせていただきたいのですけれども、内部統制の基本的な要素として、1、統制環境の整備、2、リスクの評価と対応、3、統制活動、情報と伝達、モニタリングという3項目が上げられておりまして、その各項目の中で主な取り組みが書かれています。平成25年度までにその項目が検証、実現されているのかをまず確認をしていきたいなと思っていますので、よろしくお願いします。

 まず1番目、統制環境の整備として行政監理会議の設置というのがあるようなことを伺っていますが、どのような成果を出してきたのか。業務改善状況や管理職等のマネジメントの検証や、職員の職務能力を高める研修の実施、それぞれの役職の職務の規範を明らかにすることが目的だったと思いますが、その形となったものが見えないんですけれども、どうなんでしょうか。

○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 行政監理会議におきましては、監察的事項でございますとか、行政運営上で生じた事件の対応状況の検証を行いましたほか、想定する危機の分類やリスク、危機の分析及び評価基準の見直しなど、危機管理ガイドラインを改定したところでございます。

 また、議会でも御指摘をいただきました区のセキュリティーの向上対策につきましても、全庁調査を実施いたしまして、防犯カメラ、防犯資機材等の配置、配備の方針をまとめたところでございます。

 緊急対策訓練の実施につきましても、行政監理会議におきまして議論を踏まえた上で実施をしたというものでございます。

 管理職、係長として必要なスキルにつきましては、職層別の研修を少人数等に行っているほか、部下指導の心構えというものを策定いたしまして、良好な職場環境の維持向上に努めているところでございます。

 また、政策室、経営室、会計室におきまして、初級者、担当者、決裁者向けの実務研修を実施しておりますほか、中野区コンピテンシーモデルの段階やキャリアデザインに応じた特別研修というものも実施をしております。

 また、来年度から、実務能力の向上を目指しまして、文書、会計、予算、契約の減点制度の取り組みも始めるということになっています。

○高橋(ち)委員 幅広い取り組みで大変だと思うのですけれども、今お話のあった中で、特別研修の中で「中野区コンピテンシーモデルの段階に応じた研修を実施している」ということですけれども、その目的とか、具体的な内容はどうなんですか。

○角経営室副参事(人事担当) 特別研修の中で、コンピテンシー・スキル研修としているものでございます。テーマは、毎年それぞれの行動要素に関連のあるものを設定しまして、職員は得意分野の強化や苦手分野の克服など、自身の行動段階に応じて伸ばしたい能力を選んで受講し、職層ごとに求められる行動段階で能力を伸ばしていくことを目的としてございます。

 具体的なテーマの一例を挙げさせていただきますと、平成26年度(今年度)目的達成志向というところでは段階1から2、主に主任までですが、主任向けとしまして、タイムマネジメントなどを身につけさせ、段取り向上力研修というのを実施してございます。問題解決プロセスの第2段階から第3段階、係長級とか管理職向けとしましては、迅速な課題に向けて相手との合意形成能力を向上させるため、折衝、交渉力向上研修などを実施しているというところでございます。

○高橋(ち)委員 それでは、キャリアデザイン研修というのはどういうものですか。

○角経営室副参事(人事担当) キャリアデザイン研修につきまして、まず対象ですけれども、3区分としてございます。採用4年目の職員、満40歳を迎えた職員、満50歳を迎えた職員という3区分で実施してございます。研修の内容につきましては、これまでの職務経験を振り返るとともに、今後のキャリア形成及び組織における自身の役割並びに組織への貢献などについて考える機会となるよう構成してございます。こういった振り返りの機会を得まして、その者自身のキャリア形成に役立てるという研修内容としてございます。

○高橋(ち)委員 来年度からは新たに検定制度を実施するということになっていますけれども、これはどういうものですか。

○角経営室副参事(人事担当) 検定制度でございますが、来年度から新たに文書事務、それから歳計事務など実務の基本となるスキルをより確実に習得し、適正な事務処理を行うため、従来の実務研修に加えまして、eラーニングを活用した検定制度を導入するものでございます。これまで実務研修で用いてきましたテキストなどを活用し、eラーニング用の機材を作成しまして、開設期間内に対象とする職員が自身のパソコンからシステムにアクセスして受講する環境を整えて検定を行うというものでございます。

 期待する効果としましては、全職員が基本的な実務スキルを学び直すことで事務処理能力の向上を図り、不適切な案件を減少させるとともに、そういった修正作業がなくなることによる事務の適正化と効率化を期待しているものでございます。

○高橋(ち)委員 職員の皆さんがスキルアップするためには大変必要なものだと思うのですけれども、日々の仕事と、またこういう研修を重ねていくと、非常に大変なことだとは思うんですね。だけど、それを行うに当たって、結果、検証されながら、いかにこういうものが役に立つか、そして統制が図っていかれるかということは、必ずどこかでまた報告をしていただきたいのですけれども、どうですか。

○角経営室副参事(人事担当) 今、実務研修で新たな取り組みということで検定制度ということで御案内させていただきましたが、そういった制度を導入した前後の効果等について、しかるべき時期に御報告させていただきたいというふうに思います。

○高橋(ち)委員 ぜひお願いしたいと思います。

 それでは、内部統制責任者というのは経営室長となっていらっしゃいますけれども、責任者としてこの取り組みが始まってから現在までにどのようなことを行っていらしたのでしょうか。

○川崎経営室長 まず統制環境の整備といたしましては、業務の有効性及び効率性を高めるため、行政評価の仕組みを見直し、内部評価を強化をし、事業の改善につなげております。また、財務管理の確立に向けまして、公会計改革の取り組みも進めているところでございます。

 また、リスクの評価等対応の取り組みといたしまして、危機管理ガイドラインの見直しや行政運営上の事故発生時に所管部と連携をした危機管理対応を行うだけでなく、部長会などにおきまして、行政運営上の事件・事故の概要、あるいはその対応状況を全庁的に共有するなど、各部におけるリスク管理あるいは事故の再発防止の取り組みの強化をしてまいりました。

○高橋(ち)委員 大変御苦労をされているとは思いますけれども、責任者の所管事務に「財務情報と行政評価の連携を強化し、費用対効果の分析精度を高め、事業の見直し改善に反映させる」とありますが、そのようなことが現在までにありましたか。

○川崎経営室長 区政のPDCAサイクルの中で、常に全庁で事業の見直し、改善を行っているところでございますけれども、平成26年度予算の主な取り組みの中で一例を挙げますと、区民サービス管理部における窓口の委託化がございます。これは今年度実施をいたしました行政評価の内部評価を踏まえ、検討を行い、改善を図ることとしたものでございます。

○高橋(ち)委員 内部統制の責任者の下に行政監理分野統括管理者を置くとされていらっしゃいましたけれども、また名前が長ったらしくてよくわからないのですけれども、これは明確化され、職務を全うしていらっしゃるのですか。

○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 中野区内部統制に関する規則というものを制定いたしまして、行政監理会議、内部統制責任者、行政監理分野統括管理者の役割につきまして明確にしているところでございます。行政監理分野統括管理者につきましては、内部統制専門者を補佐する役割も当然負いまして、内部統制に関する総合調整ですとか、実施状況の監視を行っているところでございます。具体的に申しますと、行政監理会議の運営を行っているほか、内部統制研修、コンプライアンス研修の実施、行政運営上の事件・事故発生時の職場への支援、また監査指摘された分野へのヒアリングや対策の検証と改善の指示を行っているところでございます。

○高橋(ち)委員 それでは、リスクの評価と対応についてきちんとマニュアル化は行われているのか、または、各部に指示してあるということですけれども、どのように行われているんですか。

○岩浅経営室副参事(行政監理担当) リスク評価につきましては、危機管理ガイドラインの中で、平常時の取り組みとしてリスクの抽出・評価を行い、必要な対応をとるということに定めております。各部の日常的な業務の中で行っているというものであります。ただ、行政監理担当からも、リスク評価を実施するよう毎年通知は発送しているというところでございます。

 マニュアルにつきましては、各部(分野)がリスク評価をし、必要に応じて作成をするというものでございます。昨年度から、各部のマニュアルを危機別、部別に庁内システムに登録をいたしまして、情報システムで全庁の職員がすべてのマニュアルを見れるようにというふうに改善をいたしました。これによりまして、ほかの部(分野)のマニュアルを参考に当部のマニュアルをつくることも可能というふうになっております。

○高橋(ち)委員 これは大事なことですからきちんと進めていってもらいたいと思いますけれども、次に、統制活動と情報と伝達、モニタリングという項目においても、会計事務にさまざまな事故の未然防止を図るため、平成24年度から審査担当者を置くとなっているそうですけれども、その役割は適切に果たされているのでしょうかね。

○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 平成24年4月から、財務及び会計事務の適正かつ効率的な運営と会計事故の未然防止ということを目的に、予算、会計、契約などに関します知識を有する執行責任者クラスの職員または担当者を審査担当者として指定をしております。審査担当者につきましては、事案の決定前に、予算、会計、契約に関するものが財務会計システムで適正に処理をされているかというものをチェックしているというものでございます。審査担当者の関与は設定しておりますので、チェック機能として一定の成果は出ているというふうに考えております。監査指摘事項を見ますと、現在の審査担当者のチェックだけでは防ぐことが困難なものもございまして、チェックの仕組みにつきましてはさらに効果的な方法を検討していく必要があるというふうに考えております。

○高橋(ち)委員 細かい仕事が大変たくさんあって御苦労されているというのがよくわかりますけれども、内部統制の新たな仕組みを職員・組織に浸透させ、不適正な事務処理の根絶に向けた全庁的な取り組みを進めるというふうにおっしゃっていますけれども、本当に浸透して確実に進んでいるんですか。

○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 先ほど委員から御指摘がありましたけれども、平成23年9月に内部統制の仕組み再構築にかかる基本方針というものを決めていまして、24年3月に新たに設置する審査担当者の役割につきまして、全分野を対象に研修を実施したところでございます。そのほか、管理職、係長昇任者を対象に内部統制研修を実施するなど、新たな仕組みについて周知を図っているところでございます。行政運営上の事件・事故や、区民から寄せられました苦情等を共有いたしまして、不適切な事務処理の防止に努めているところではございますけれども、会計、契約、文書等の関係所管と連携をいたしまして、これからも取り組みを強化してまいりたいというふうに考えております。

○高橋(ち)委員 強化していただきたいのですけれども、この基本方針の中にもう一つ、資産の保全とありますけれども、この資産の保全というのは具体的にどのようなことをいうんですか。

○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 資産と申しますのは、金銭、物品、土地、建物といいます有形の資産だけではなく、知的資産、また住民情報といいまして無形のものも含まれたものとされております。資産の取得、収集、処分におきまして、適正な手続、意思決定により行われているかどうか、また、日常的に適切な管理のもとで有効に活用されているかどうかというのを資産保全と申しております。業務の有効性及び効率性や財務報告の信頼性、法令等の遵守といった内部統制の中の目的と一体となって日常業務の中に取り込まれているというものでございます。

○高橋(ち)委員 もう一つ、ITへの対応というのがあったと思いますけれども、この業務の効率性やリスク対応につなげるとなっておりまして、システム検討会を立ち上げ、検討を開始したということですけれども、どういう状況なんですか。

○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 平成24年度に、情報改善分野、予算分野、経営分野、経理分野、会計室と私ども行政監理分野で、監査で指摘されることが多い財務会計上のミスの発生をシステムの活用で防ぐことができないかということの検討を行いました。議決の必要な額の物品購入につきましては、システム入力すると警告文が出るよう、システム開発については既に開始を行ったところでございます。また、収入事務に関しまして、基準を超えて納付期限を設定するという場合の監査指摘も多くございますけれども、これについては、警告文が出るようシステム改修をするための予算を平成26年度に計上しているところでございます。また、システム対応は困難という検討結果でありましたけれども、支払いの遅延防止というのも数多く出ておりまして、会計事務の執行状況確認の周知の強化ということも取り組んでいるところでございます。

○高橋(ち)委員 そうすると、議決を忘れちゃうということがなくなるんだなという理解でいいということですよね。はい、いいです、答えは。

 もう一つなんですけれども、部経営担当の業務支援機能の強化としては、業務執行の支援と処理状況の内部モニタリングを充実させるということでしたけれども、これはどうなっているんですか。

○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 部経営担当が中心となりまして、各部の業務遂行に必要な知識ですとか、技能向上に向けた研修という取り組みを行っているところでございます。また、部経営担当は、会計や事務、公務につきまして、各分野への助言、指導を行っているというところでございます。

 モニタリングに関しましては、財政執行管理会議というのを開催しておりまして、四半期ごとの財務執行状況を各部ごとに検証を行っているところでございます。

 また、会計室では、毎年、抽出した分野等に対しまして、伝票の処理状況、現金の管理状況を含めましてチェックをするという会計事務調査というものを行っております。

 平成25年度におきましては、監査事項なども踏まえまして、この調査対象を抽出し、実施をしたところでございます。

○高橋(ち)委員 この内部統制は、早くつくって、つくってといって、やっと立ち上がり寸前のところなんですけれども、いわゆる監査の指摘とかがありますよね。それはすごい細かいことまで指摘されているようなことがあると思うのですけれども、この具体的な取り組みは各部で行っていることだからという言い訳は通用しないんじゃないかなと思うのです。この取り組みというのはとても大切なことであって、常に行っていくことが未然に防ぐということになると思うのですけれども、これからの対応はどうしていくのでしょうか。

○川崎経営室長 内部統制は日常業務に組み込まれるべきものでございまして、その業務の有効性や効率性に向けた改善、これは各部の取り組みが重要となってくると考えております。また、そのことを確かなものとしていくことが内部統制の精度管理を担う経営室の務めでもあると認識をしております。監査委員の御指摘でありますとか、ただいまいただいた御意見を真摯に受けとめまして、今後も各部と力を合わせ、区全体の内部統制の実効性を高めていきたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 ありがとうございます。本当にそのとおりだと思います。各部の取り組みは重要なんですけれども、それを全体からちゃんと把握して、そして組織としてのチェック体制が十分に機能するように努めていっていただきたいと思いますので、これは要望にしておきます。ありがとうございます。

 次に、区政目標の見直しについてお伺いしたいと思っているんですけれども、簡単に伺いたいと思います。これは各常任委員会でもう既に報告されていることが幾つかありまして、私自身が感じていることを何点か聞かせていただきたいなと思っております。

 今回の見直しにおいて、名称を変更したり、新たな分野に移行したり、また今まで以上にわかりにくい組織になっているんじゃないかなというふうに感じるんですけれども、区民が目で見てすぐに理解できる組織が本来の自治体の姿だと思うのですけれども、どうお考えになりますか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 区政の運営は最小経費で最大の効果を上げるということが目標でございます。そのためには、その時点における区政課題に正面から取り組んでいく目標を定めまして、実施する体制を整備するということが大切であるというふうに考えてございます。毎年の目標を定め、その実現に向けた予算を組み、組織を整備して効率的に取り組みを進めることによりまして、課題を解決するために最大の効果が生み出せるものであるというふうに考えているところでございます。

○高橋(ち)委員 そういうふうにおっしゃるんだろうなと思っていましたけれども、担当する分野の施策が、何で今まで行っていたところではだめなんだろうかというふうに思ってしまうんですね。一例を挙げれば、子ども・子育て支援にかかる見直しですけれども、今、すこやか福祉センターの地域ケアが担当しなくちゃ何でいけないんだろうなというふうに思うんですけれども、どうしてですか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 地域の支えあい活動の拠点でありますすこやか福祉センターが、子どもの健全育成を担っています地域施設としての児童館、キッズ・プラザ、学童クラブを一体的に運営することとしたものでございます。このことによりまして、これらの施設が子育てに関する事業を実施したり、また支援の必要なお子さんや御家庭への対応などにつきまして、地域の育成団体と連携を強めるなど、地域団体との連携が強化できるものというふうに考えております。

○高橋(ち)委員 本当に模範的なお答えでありがたいと思っているんですけれども、それはね、行政サイドの思いがあるからそうなるんでしょうけれども、この見直しの報告をいただいたとき、やっぱり私は、組織として一目瞭然、子どものことはここだ、福祉のことはここだというふうにわかるようにしてもらいたいなという思いがありました。ですので、ここの項目で何項目か質問する予定だったんですけれども、最後に希望だけをお願いいたしまして、答えがあれば出していただきたいのですけれども、今回も、何度、私が簡素でわかりやすい組織にしてほしいよと言っても、それはできませんというお答えでしたけれども、今回も切に希望をしておきますけれども、事業部制、分野制を改めて、シンプルな名称、またはわかりやすい体制にしていただきたいというふうに希望しますけれども、どうですか。

○角経営室副参事(人事担当) 区では、新たな課題へ対応するために目標を見直しして、その目標を執行する最適な組織となるよう見直しを行っています。この中でできる限りわかりやすい組織とするよう努力しているところでありまして、この辺については御理解をいただければというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 ありがとうございます。御理解できるかできないかは今後のことだと思いますけれども――もういいですよ。大丈夫です。希望は伝えましたので、それはそれとしておきます。

 次に、区政運営の長期的課題についてをお伺いしたいと思います。

 まず、区政を取り巻く環境が大きく変化をしていると思います。右肩上がりの経済成長と税収の自然増が続く夢のような時代はもはや望むべくもないと思います。社会の変動が大きく、きのうの常識がきょうは通用しないというようなことも少なからずあります。区では、見直しの時期を迎えたから10か年計画の改定に取り組むといっていますが、長期総合計画は、税の自然増が続く時代に、そのお金を最大限に有効活用するために威力を発揮した方法だという指摘があります。そこで伺いますけれども、長期総合計画を機軸にした行政運営が今後も有効性を持ち続けると思いますか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 長期的な視点を持ちつつ、区政の実現すべき目標を明確にいたしまして、取り組みを実行に移すという行政運営のあり方というのは、状況の変化が激しい時代になりましても有効性を持つものであるというふうに考えてございます。今後、今まで経験したことのない超高齢化社会、あるいは人口減少社会を迎える中にありまして、持続可能な区政をつくっていくためには、これまで以上に目標を見据えた計画的な区政運営が重要であるというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 そのとおりだと思いますよ。どのような環境変化があっても、したたかに乗り越えていかないと経営基盤をつくり上げることができないと思うのですけれども、今日の最大の課題ではないかと考えています。その要素の一つは「人」の課題だと思います。私は公務員の役割は、地域全体に責任を負い、地域の課題解決に貢献するように、地域のさまざまな資源をコーディネートしていく人たちだと思っています。こうした働きはだれでもすぐにできるというものではなくて、ある種の技術と能力とセンスが携わっていないとだめなんじゃないかなというふうに感じているんですけれども、先ほども御答弁いただきましたけれども、区が取り組んでいる人材育成はこうしたねらいを明確に持って行われていますか。

○角経営室副参事(人事担当) 職員のコーディネート能力は必要なスキルとしてございます。中野区職員研修計画におきましても、職員として必要なスキルを身につけさせるために、新たなまちづくりを創出することを目的としました地域連携のまちづくり研修や、NPO理解研修というのを本年度実施してございます。また、地域支えあい推進室でも、地域との連携支援のためということで、コミュニティーソーシャルワーカー研修やコミュニケーション能力向上研修を、室内の全職員を対象に実施し、育成を図っていると聞いてございます。このような取り組みによりまして職員のコーディネート能力の向上を目指しているところでございます。

○高橋(ち)委員 研修がより一層目に見えてわかるようなものにしてもらいたいなと思うのですけれども、役所だけでなくて、どんな会社、どんな仕事でも、これからますます人材が大切になってくると思います。人材が育つ環境の中で最も大切なものは何だと考えますか。私は愛だと思いますけれども、愛情がないと人は育っていかないと思いますけれども、この点、どうお考えになりますか。

○角経営室副参事(人事担当) 私も委員の御意見のとおりだと思います。

 先ほど御紹介させていただきました良好な職場環境を維持向上させるための新たな取り組みという中で、部下指導の心構えというのを全職場に示させていただいております。ここでは、委員の「愛」という言葉はないんですけれども、委員の主張を盛り込み、相手を思いやり、助け合える職場づくりや、部下の仕事ぶりを認め、ねぎらい、意欲を引き出すことということを掲げてございます。人材育成は、上司が部下に話をすればよいというものではなくて、部下の行動に改善があらわれるまで働き続けていくことが大切だと考えてございます。日々の仕事を通じ、時には厳しい指導を行いながらも、相手への愛情が伝わっていれば、その職員は難局を乗り越えることができ、または課題を達成しながら成長できるものと考えてございます。

○高橋(ち)委員 ありがとうございます。私の言っている愛も、変な愛じゃないですからね。副参事がおっしゃったとおりの愛でありますので、そのように取り組んでくださっているということを聞いて安心をいたしました。

 区長もやっぱり職員の皆さんと対話をしているというふうにさっきもおっしゃっていましたから、どんな環境の中でも、目を合わせて、顔と顔、対人で話をしないと、やっぱり伝わるものが伝わらないと思います。ですから、それを忘れないでいただきたいと思います。ありがとうございます。

 二つ目の要素は「物」ですが、役所の場合には情報が最大の課題になるように思います。経営に役立つ情報をいかに感度よく、また効率よく集めるか、集めた情報をいかに仕事に役立つように読み解くかが問われると思います。こうした課題にはどうやって取り組んでいくんでしょうか、教えてください。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 例えばでございますが、区民のニーズを正しく把握すること、社会や経済などの情勢を常にとらえること、新たな制度を初めとした国や都の動きを把握し、その影響等をはかることや、先進的といわれる他の自治体の取り組みを評価すること、統計情報を正確に読み取るとともに、区として必要な調査を実施していくことということなどがあるわけでございますが、経営本部はもちろんといたしまして、各部においてもこうした情報の収集活用によりまして効果的な施策や事業の立案につながるようより一層努めていきたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 そのとおりだと思いますね。ですから、いろいろな意味から、「これは知ってますか」とか言われても、「知りませんでした」とかということのないような状況にしていかないといけないと思っております。大変情報というのは必要ですから、集めるのは苦労でしょうけれども、やっていただきたいと思います。

 また、サービスは役所の生産物といってよいと思っています。自社工場で直接雇用した人材でものづくりに当たるという方式が長らく主流でありましたけれども、今日では、指定管理者制度や事業委託などの方式、つまり他人に製造を委ねる方式が大幅に取り入れられるようになりました。先日の一般質問でも、うちの伊藤正信議員、または篠議員も指定管理者制度について取り上げておりましたけれども、詳しくは避けますけれども、委ねたからあとは任せっ放しということのないように、区民にとって最良の製品に仕上がっているかどうか、しっかり確認、検証していくことが大切だというふうに感じます。

 区では、現在、どのような取り組みをされているか、先日御答弁がありましたけれども、また今後に向けてどのような改善を行っていくのか、お尋ねします。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) 指定管理者の業務につきましては、各施設の所管部におきまして定期的に実績報告書の確認を行うほか、利用者アンケートの結果、また施設の従業員からのヒアリング、また現地でサービスの提供状況を確認することなどによりまして、指定管理者が業務を適切に履行し、区民サービスの向上につなげているかといったことを経常的に確認しているところでございます。しかしながら、こうしたモニタリングの方法などにつきましては、施設ごとに取り扱いが異なるというような状況がございますので、現在検討中のガイドラインの中で、中野区の基準となる考え方を整理していきたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 そのガイドラインに、さまざまな部署が委託、指定管理をしているんですけれども、それぞれが、全てが違っていたら意味がないと思うんですよ。基本的なベースだけまずはつくって、そしてそのベースをもとに指定管理を活用していくというふうに早急にできないかなと思いますけれども、どうですか。

○中谷政策室副参事(情報・改善担当) これまで時間をかけて指定管理者制度の運営に関する基準となる中野区としての考え方をまとめるべく検討を行ってきているところでございます。単純に施設の現状を追認するようなものですとか、もしくは先行の自治体の事例、こういったものを踏襲する形での策定ということであれば時間はかからないということだと思うのですけれども、指定管理料の積算や精算、また評価制度のあり方、大規模な災害等があった場合の区と指定管理者の費用負担のあり方、そういったことにつきまして中野区の経営感覚を取り入れた独自の考え方を提示するべく、時間をかけて検討を行ってきているところでございます。検討としては、大分、担当の考え方は熟してきたという状況にございますので、できるだけ早く策定できるよう鋭意取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 わかりました。大変でしょうけれども、努力していただければと思います。よろしくお願いします。

 三つ目の課題としては、お金だと思います。中野駅周辺が大きく様変わりをして、四季の森公園には親子連れなど多くの人が訪れてにぎわっております。今までの中野では想像もできなかったことだと思っています。このにぎわいを持続し、中野の活力を一層高めていくためには、区を初め関係機関や関係者の努力が欠かせないというふうに感じます。一方で、中野に住んでいる人々の中に担税力のある区民を増やすことも必要ではないかと考えます。それを可能にする方策を含め、区として何か考えを持っていたら教えてください。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 現在でございますが、中野駅周辺のまちづくりの進展によりまして、新しい区の魅力を生み出す拠点といたしまして注目を集めているところでございます。東京はもとより国内からも注目されるまちとなることで、人が集まり、マンションを初めとした住宅の供給も活発になってきているというふうに感じております。最高レベルの住環境の提供を目指すとともに、中野の魅力の向上によってにぎわいをつくり出して来街者を増加させること、また、全ての人に対して意欲と能力に応じた働きの場が用意されていくことなどによりまして、安定した税収という好循環がもたらされるものというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 ただにぎわうだけではだめなんですよね。やっぱり区にお金を落としてくれるというか、お金を継続的、持続的に納めてくれる人たちがふえないとだめなんです。ね、区長。そういうことですので、にぎわいも欠かせませんけれども、それなりの方々がここに住みたいよ、移ってきたいよという、そういう環境整備も必要だと感じますので、よろしくお願いしたいと思います。

 区に限らず、今後の行政運営にとって大きな課題の一つとして、インフラ資産の維持管理や老朽化対策が挙げられていると思います。識者によっては公的な施設の床面積の3割が過剰だという指摘をされる方もいらっしゃいますけれども、そうした見方に立てば、新しい施設の建設などはなかなかあり得ないなあというふうにも考えます。

 そこで聞きますけれども、区では、今後の施策を地域展開する手だてとして、どの施設を中心にとらえようとしているのか、ちょっと見えないので聞きます。すこやか福祉センターが4施設、区民活動センターが15施設、さらに学校再編を進め、中心になる中学校が9校になります。区ではどの施設を柱にして地域との連携をとろうとしているのか、私にはよく見えません。何かにつけてすこやか福祉センターを中心的な施設にしているようですが、そのことが区民にどれだけ浸透しているのか、現実を把握していらっしゃるのでしょうか。さきの質問でも触れましたように、区民にとってわかりやすく、利用しやすく、メリットが最大になるような施設の展開でなくてはならないと思っています。今後どのように進めていくのか、お聞かせください。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 地域における子育て、保健福祉、支えあいの拠点といたしまして、すこやか福祉センターを設置しているところでございまして、区民の生活に身近な地域において、包括的なケアとして中核施設というふうに位置づけてございます。一方で、住民票の交付などのほか、区への申請や届け出などの手続につきましては、区役所まで出向かなくても済むように地域事務所を配置しているところでございます。それぞれの施設ごとに地域の中で役割を担っているというふうに考えてございます。今後、区有施設のあり方を検討する中で、区民にとっても利用しやすく、メリットが感じられるような再配置であるとか、あるいは改修、超寿命化について考えてまいりたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 私の前の中村延子委員も、施設、それから活用の仕方でいろいろおっしゃっていましたけれども、大事な検討課題だと思っておりますので、どれが中心になるのか、それがはっきり見えてこないといけないのかなというふうに私は思います。これ以上は聞きませんけれどもね、施設のことについては。

 区民にとって透明性の高い、開かれた区政運営を一層進めるためには、きちんとした監査並びに施設の成果に対する検証が大変大事なことになってくると思います。そのためには、先ほどお伺いしましたけれども、内部統制の働き、そして監査の働きを充実させることが欠かせないというふうに感じ取っています。区民にとって一層身近なものになるためには、区の組織を形づくる職員が自身も中野区民だという意識を持って仕事に取り組んでくださることが大事なことではないかなというふうに考えます。区民と同じ土俵に立ってこそ、今この瞬時に何をしなくてはならないのかということが皮膚感覚でわかるのではないかと思うからです。どう思いますか、最後にお伺いいたします。

○角経営室副参事(人事担当) 区職員は、区民のために働いていると同時に、よりよい中野をつくる区民の一人でもあります。職員は日ごろ、窓口での応対や訪問した先で区民の方と接する際に、自分たちの行っている仕事が区民の方々にとってどう受けとめられているのか、また、施策を考えるときには、自分たちの仕事がどう役立っているのか、改善する点はないのか等々、常に相手の立場に寄り添う姿勢で仕事を進めていくことが大切と考えております。

○高橋(ち)委員 そのとおりだと思います。ぜひその思いを忘れずに。区民の人たちは本当に、区役所の方を見れば、何でも知っているというふうに思いますから、全てこの人に聞けばと、聞かれてわからないことがたくさんある人でも、区民の目からすれば、この人は職員、だから何でもわかるというふうに思われる方ばかりですから、その点をよく理解して、同じ土俵で活動していただきたいというふうにお願いをしておきます。

 あと、残り9分ですけれども、その他、学校のテレビの活用について簡単に伺いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、テレビの設置は、小中学校以外にも設置されている施設があれば教えてください。

○川島教育委員会事務局指導室長 教育施設のテレビですが、小中学校のほか、あと幼稚園に設置をされてございます。

○高橋(ち)委員 次に、それは、どこに設置をされているんですか、テレビが。

○川島教育委員会事務局指導室長 小中学校では校長室、職員室、事務室のほか各教室などに設置をされてございます。

○高橋(ち)委員 そのテレビはもちろんデジタルなんでしょうけれども、現在はどのような利用をされていらっしゃるのか、教えてください。

○川島教育委員会事務局指導室長 校長室、職員室などのテレビは、情報収集ですとか、番組を録画する。そして、各教室においては主に授業で活用しております。

○高橋(ち)委員 そのテレビを使って授業で活用しているというんですけれども、どのような活用の仕方をされていますか。

○川島教育委員会事務局指導室長 教室では主に授業などで録画されている番組を見る。または、パワーポイントですとか、書画カメラなどを用いて写真ですとか、それから教員が自作した教材を大きく提示したり、またインターネットを活用して画像やホームページをそのテレビに映して授業を進めるというようなことで活用しております。

○高橋(ち)委員 以前も委員会で確認をさせていただいたんですけれども、要するに情報収集というか、テレビで受信できるのは、学校の中には校長室と職員室しかないということでしたけれども、今もそうなんですか。

○川島教育委員会事務局指導室長 今おっしゃるとおり、校長室、職員室、それから場合によっては事務室にもあるんですが、そのうちのいずれか2カ所に受信ができるテレビがあります。また、全部ではないんですけれども、各教室で受信ができる学校もございます。

○高橋(ち)委員 教材を利用しての指導ができているから、受信機能がなくても不便なことはないというようなことを御答弁で前にいただいたことがあるんですけれども、現在もその考えのままですか。

○川島教育委員会事務局指導室長 授業を進めるに当たりまして、テレビ番組の視聴が必要な場合には、録画しての活用ですとか、それから各教室にインターネット回線が来ていますので、そのインターネット回線を利用して視聴することも可能かというふうに考えております。

○高橋(ち)委員 ネット回線があるから必要ないと言われちゃえばおしまいなんですけど、いよいよ再編が動き出していきますよね。すべての学校、幼稚園に設置してある――幼稚園は再編には入りませんけれども――テレビは現状のままではなくなっていくわけです、再編されるんだから。最後までの期間だと長期の時間を必要としますけれども、テレビを利用する台数は現在よりもはるかに減っていくわけですね。そして、以前聞いたときは、受信するには配線をしなくちゃならないからかなりの経費がかかるという答弁をいただいて、まあ、支障がないからこれでやっているんだというような答弁をいただいたように記憶しているんですけれども、現在もそういうふうな考えなのかということと、中野中学校が新校舎になりましたけれども、ここはまさかケーブルテレビが見れなくて、配線していないよということはないんでしょうね。

○川島教育委員会事務局指導室長 まず初めに、現在建設中の中野中学校ですが、これは全ての教室でテレビ放送が受信できる学校になってございます。

 それから、各教室にある50インチの大型テレビの活用につきましては、先ほども申しましたように、テレビの映像も含めてさまざまな教材を提示するための機器として考えております。

○高橋(ち)委員 50インチですよ。それもデジタルですよ。受信ができないテレビを、教材で使えるからいいんだというような、そういう理解なんでしょうけれども、じゃ、飾ってあるだけなんじゃないのというふうに、私は伺ったときに思っちゃったんですけれども、現在もそうだというのはちょっとショックです。

 私たちの時代を含め、私の子どもたちの時代も、アナログでしたけれども、教育テレビの番組で授業を行っていた記憶があります。これは道徳とか、社会、理科とか、また授業じゃなくても、時の大事な出来事とか、ニュースとか、幅広く活用されていたんですね。教育テレビは今も授業で使える番組を放送しているんですよ。何でこういうのを活用しないんですか。

○川島教育委員会事務局指導室長 授業における教育テレビ、いわゆる学校放送の活用は、とても有効な方法であるというふうにとらえています。ただ、番組を視聴する時間帯と授業の時間割が必ずしも一致しない。逆にいいますと、一致しない場合の方が多いということもありますので、教育テレビを視聴する方法としては、先ほど申し上げたように、番組を録画して、そして必要な場面を児童・生徒に見せていくという形での提示ですとか、先ほどお話のインターネットの使い方なんですが、オンデマンド放送というのを教育テレビでやっておりまして、必要なときに取り出すことができるという形で視聴することを考えております。

○高橋(ち)委員 時間割は、それは今の時間割。だから、私たちのときはテレビに合わせた時間割があったような気がするんですよね。逆に考えればいいんですよ、時間割に合わせて。そんな、どうだってできることじゃないですかって思っちゃうんだけど。まあ、それはそれとして、本当にライブで見る――ライブで見るというのは変な言い方ですけど、もうすぐ3.11、3年目になりますけれども、そのとき同じ場所で子どもたちが本当に災害時の大変な状況とか、共有して知っておかなくてはならない事案とか、テレビを利用して知り得るものがたくさんあると思うのですよ。別にマンガとかを見なさいと言っているわけではないんです。受信ができれば、本当に必要なときに、同じクラスでしたら時を一緒にして共有できることがあると思うのですけれども、どうですか。まさしくソチ・オリンピックが終わっちゃいましたけれども、2020年には東京でオリンピックがあるんですよ。じゃ、授業をやめて見に行きましょうなんてできないでしょう。そのときに、まさしくライブで見れたらいいんじゃないかなと私は思います。大切な時間、そのときの感動、感激を一緒に感じ取ることが子どもたちにとって大事なことなんですよ。映像がないなんていうのは絶対だめだと思いますけれども、早急に検討して受信できるようにしてほしいんですけれども、どう思われますか。

○川島教育委員会事務局指導室長 テレビの受信機能につきましては、今回の学校再編の中で大規模改修等も行っていきますので、テレビですとか、その他の教材メディアの活用も踏まえて検討していきたいというふうに考えております。

○高橋(ち)委員 ぜひ、時間がない間になっちゃうかもしれないけれども、2020年までには何とか頑張って、子どもたちに感動、感激を与えられるように検討してもらいたいと思います。これはもう要望にしておきますので、ありがとうございます。

 私の質問はこれで全部終わりますけれども、やっぱり、区長が最初におっしゃってくださったように、区民も人、職員も人、議員も人でございますので、本当に心を通わせてより一層開かれた区政、そして中野区民にとっては安心・安全なまちであり続けるためにも、両方、「車の両輪」といわれますけれども、頑張って活動させていただければなと思っております。区長も何かといろいろ言われることがたくさんあると思いますけれども、お体に気をつけて頑張っていただきたいと思います。

 以上で終わります。

○内川委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了します。

 ここで休憩にしたいと思います。1時まで委員会を休憩します。

      午前11時5分休憩

 

      午後1時00分開議

○内川委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 甲田ゆり子委員、質疑をどうぞ。

○甲田委員 平成26年予算特別委員会に当たりまして、公明党の立場で総括質疑をさせていただきます。質問は通告のとおり。その他では1点、新井薬師前駅周辺まちづくりについて伺います。

 まず1点目、子育て支援施策について。26年度予算説明の区政目標の中には、6款子ども教育費3項の「子育て支援費の目標の一つとして、サービスや支援を充実することで子育て家庭の育児ストレスが軽減され、虐待等の件数が減少すること」と掲げられております。大事な目標であると思います。

 全国の児童相談所での児童虐待に関する相談対応件数は、厚生労働省のデータによりますと、平成2年から平成6年ごろまでは1,000件台であったのに対して、この20年で右肩上がりに伸び続け、平成24年は約6万7,000件と非常に多くなっております。児童虐待によって子どもが死亡した人数は、平成23年度は1年間に99人で、その前の数年も100人前後と多くなっております。

 虐待は実父母によるものが9割近く、虐待を受ける子どもの年齢は小学生未満が多く、43.5%と高い割合を占めております。子どもを虐待して死に追いやったというニュースを聞きますと胸が痛くなりますが、どうしたら虐待をなくすことができるのか、その原因、実態と課題について探り、虐待のない家庭、親子支援のために具体的な取り組みについて、幾つかの質問をしたいと思います。

 まず、(1)児童虐待について伺います。中野区における子ども家庭支援センターの相談件数について、お聞かせください。

○黒田子ども家庭支援センター所長 お答えいたします。平成24年度の相談者の実人員としましては723名となっております。

○甲田委員 そのうち乳幼児・児童虐待が疑われた相談件数や内訳はどのくらいだったのでしょうか、伺います。

○黒田子ども家庭支援センター所長 246人の乳児や児童が虐待を受けているのでないかといった相談がございました。

 内訳としましては、そういった中では、区民の方からは56件、関係機関からは48件、すこやか福祉センター等で23件、医療機関で4件の相談がございました。

○甲田委員 いずれにしても、中野区も虐待が多い区であると思います。虐待が明らかになった場合の子ども家庭支援センターの対応はどのようにされているのでしょうか、伺います。

○黒田子ども家庭支援センター所長 まず、虐待の御相談を受けますと、当該の家族や子どもに面接するためのアプローチについて緊急会議を開き、方針を決めております。その方針のもとに、子どもの安否は48時間以内に確認をすることとしております。

 また、虐待の状況が危機的な場合には児童相談所に情報を伝えまして、児童の一時保護などを行っているところでございます。

○甲田委員 虐待が深刻する前に早期発見、早期対応することが大切と思われますし、現場で対応される方は、さまざまな事例を見て感じていることも多いと思いますが、子ども家庭支援センターでは、虐待をしてしまっている理由、家庭の状況をどう捉えていますでしょうか、伺います。

○黒田子ども家庭支援センター所長 最近の傾向としましては、虐待を受けた子どもの半数近くが発達に何らかの課題があるというふうに考えております。保護者の方が発達障害への理解がない場合には、わかりやすく話しかけるですとか生活習慣をゆっくり学ぶといったような子育ての工夫ができず、言うことを聞かないから厳しいしつけをするというようなことに陥りまして、悪循環になっているというようなことがございます。そういったことの結果として、親のいら立ちが虐待につながっていくといったような状況があるというふうに感じております。

○甲田委員 発達に課題、また、親のいら立ちということですけれども、早期発見、早期対応は大切と思いますが、それと同時に、虐待に至る前に、気になるレベルでの適切な支援が大切と考えます。それには原因となるものを取り除く必要があります。昨今は育児で孤立化をし、育児不安が強い母親も多いのではないでしょうか。また、発達障害を理解しない親が多いことで、保育園、幼稚園、学校の教育現場では苦労している声も多いと聞いております。しかしながら、何よりも一番親がつらく、苦しいと思います。親を早期に支援していくことが重要です。私は、発達障害の早期発見、支援のためには、親御さんが悩み始めた3歳から5歳ぐらいの早期支援が必要だと思っております。

 区は、虐待防止、発達障害の早期発見、支援のために今後どのように対策をとっていくのか、伺います。

○黒田子ども家庭支援センター所長 まず、虐待の未然防止でございますが、すこやか福祉センター等や子育て支援のほうでの見守りや相談の充実が必要であると思っております。また一方で、児童相談所の移管などを通して、身近な自治体での児童の相談体制の強化も重要というふうに考えております。

 発達障害の対応につきましては、保護者の理解を進めるとともに、対象児童もふえておりますので、療育センターアポロ園の充実や、知的発達障害児の通所支援施設等の開所によりサービスの拡充を図ってまいりたいというふうに考えております。

○甲田委員 ありがとうございました。

 次に、産後ケアの充実について伺います。私は、産後ケアについて、平成25年6月の一般質問で取り上げ、我が会派のやながわ議員は、以前より産後ケアの充実について訴えてきておりました。平成26年度、いよいよ国の子育て支援の予算案に、厚生労働省モデル事業として、産前・産後サポート事業、産後ケア事業等が盛り込まれました。

 産後ケアは、出産後に体調が崩れ、精神的に不安定になりがちな母親に対し、助産師などが付き添って心身の回復をサポートしたり、授乳指導や育児相談などを行うものです。今日の産前・産後の課題は、出産が高齢化、核家族化により親も頼れない妊産婦が増加していることです。妊産婦の親もまた高齢化している、もしくは親も仕事をしていることが多くなっています。また、夫も仕事で忙しかったり、離婚、シングルマザーなど、身近に支えてくれる人がいない、悩みを聞いてくれる人がいないという孤立化が進んでいます。

 さらに、体力のある20歳代の妊産婦は全体の1割程度ということであり、そのうち望まない妊娠やシングルのケースが少なくありません。

 以上のような環境に経済的要因が加わり、母親のストレスが増大し、産後鬱が非常に多くってなっております。その結果、虐待に至るケースも少なくありません。

 昨今はほとんどの女性が仕事をしているため、産前から疲れやストレスをため込んでいます。母親と新生児の心身の健康を守るために社会全体で産後ケアの体制づくりを急がなければなりません。

 そこで、まず産後ケアの柱となる産後入院の充実について伺います。先進的な取り組みとして参考になるのが、東京都世田谷区が武蔵野大学と共同で2008年に開設をしました産後ケアセンター桜新町です。同センターでは、産後4カ月未満の母子が宿泊や日帰りで滞在ができ、助産師らスタッフによる24時間体制の支援を受けられます。費用は1日3万2,000円ということですが、区民は1割の自己負担で済みます。利用した母親からは、親身なケアを受けられた、久しぶりによく眠れたといった好評の声が相次いでおります。

 今後はこういった施設の新たな建設は難しいと思いますが、助産師などを活用してのケアの可能性を探ってほしいと以前も質問をいたしましたが、先日、この件について伺うために中野区内に1カ所しかない助産院を訪ねました。ここでは産後入院での産後ケアを行っておりました。1日2万8,000円と高額ではありますが、世田谷区の産後ケアセンターよりは安く入れます。ちょうど実際に産後入院していた35歳の初産を終えた方にお話を伺ってみたところ、「とても居心地がよく、家に帰りたくなくなる」と言っておりました。

 今回、国の補助金を使いモデル事業で取り組みを始める自治体もあると思います。

 中野区でも今後、例えば出産して区内に住む妊産婦に対して、産後入院の経費を補助する仕組み等を推進していくべきと思いますが、いかがでしょうか、御見解を伺います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 出産後から母親が1人で子育てをする状況がふえていることですとか、子育ての状況が厳しくなっていることは認識をしているところでございます。区はこうした母親への相談に乗るとともに、育児支援ヘルパー等の紹介も行っているところでございますが、国も母親のこういった状況を受け、産前・産後サポート事業などを創設したものというふうに考えております。今後は国の補助事業の内容、また、産後ケア、産後入院の効果等について研究を行っていきたいというふうに考えております。

○甲田委員 ありがとうございます。ぜひ積極的に推進をよろしくお願いいたします。

 次に、産後ドゥーラについて、質問いたします。出産後、間もない母親の家事・育児を手伝う専門職である産後ドゥーラという資格を持った人材がおります。アメリカでは、ドゥーラは出産に付き添ったり、産後の世話をする職業として知られています。語源はギリシャ語だそうです。

 日本でも東京都助産師会が後援をしてドゥーラ協会が立ち上がり、都内を中心に2年ほど前からドゥーラを養成する仕組みが始まっております。たびたび新聞やテレビ等でも取り上げられています。現在、都内を中心に約50人が養成されています。定期的に3カ月の実習も含めた養成講座を行い、今年中にはさらに40人ほどふえる見込みだそうです。

 養成されたドゥーラは、ドゥーラ協会がその活動を支えて職業として確立をしております。単なる家事援助ではなく、それぞれの母親の状況を踏まえ、時には赤ちゃんの世話だけではなく、子育てのアドバイスもできる人材として活躍しています。このような人材を活用しながら、区民に真に子育てしやすい中野区と思ってもらえるような支援ができないかと思っております。

 区は現在、区内在住で日中に家族などから家事などの援助を受けられない家庭に対して、産前・産後に育児支援ヘルパーを派遣するサービスを行っていますが、これはどちらかというと家事等の援助をするヘルパーです。産後ケアの充実のため中野区で現在行っている育児支援ヘルパーのうち、ニーズを捉えてトータルな支援が期待できる産後ドゥーラも活用ができないでしょうか、伺います。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 御紹介のあった産後ドゥーラの資格でございますが、家事や育児を支えるスキルを学んだ方が持つことができるというふうに聞いているところでございます。区で実施している育児支援ヘルパーの派遣事業は同様の趣旨を目的としておりますので、登録要件を満たしていく中で、ヘルパーとしての活用は可能というふうに考えております。

○甲田委員 ありがとうございます。これもぜひ活用の仕方を考えていただければと思います。

 次に、3番、子育てセミナー開催の充実について伺います。昨年11月に区役所で開催された子育てセミナーと養育家庭体験発表会に参加をいたしました。第1部は、子ども家庭支援センターの主催で開催された児童施設等で勤務経験のある臨床心理士による講演、日常の親子の会話の仕方など、非常に実践的でわかりやすいものでありました。

 第2部は、東京都福祉保健局の主催で、養育家庭(ほっとファミリー)の里親の体験発表会でした。これは都内51会場で開催されたものの一つだそうです。区内に住む里親家庭の御夫婦の体験が語られ、里親希望という人でなくても、子育て家庭において大いに聞く価値のあるものと感じました。

 私は、その日の発表者ではない里親さんにも話を聞くことができました。自分の子どもを2人育てながら我が子と同世代の児童施設にいた子どもを預かって育てている方で、子どもに対する愛情あふれる思いに胸を打たれました。里親さんは、普通の家庭に育ったこと、施設で家庭の味を知らずに育ったことの違いを肌で感じております。家庭での愛情がどれだけ大きな自信と生きる力をもたらすか、身をもって体験しています。このような里親制度について余り知られていなく、貴重な里親さんたちの苦労や秘訣、体験談を聞く機会が余りにないのはもったいないと思います。里親さんの体験発表は、日ごろ子どもに向き合う心の持ち方を学び、きょうからまた頑張ろうという決意ができるよい機会になると確信します。

 そこで伺います。このようなセミナーを開催することはとても大事であると思いますが、中野区で子育てセミナーは年間どのくらい行われているのでしょうか。また、今後の予定を教えてください。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 里親の体験発表会と子育てのテーマを合わせたセミナーは、虐待防止月間に合わせて行っているところでございます。毎年1回実施しております。来年度も同様の趣旨で実施をしていきたいというふうに考えております。

○甲田委員 また、先ほどの里親さんがこんなふうに言っておりました。「最初は虐待を受けて震えていた子が、私たちの愛情で包むことにより変わっていく姿がうれしい。家庭を知らない子を1人でも減らしたい。私には1人しか育てられないけれども、夢は、この1人から世界を変えていきたい。里子の子どもと私は家族であり、同志です」と自然に言う彼女の言葉を聞いたとき、この偉大な母の思いを共有し、伝染させていくことが大事だと感じました。体験にまさる雄弁はありません。

 そこで、里親体験を聞く機会とともに、第1部で行ったようなセミナーもあわせて区内各地域のすこやか福祉センターなどで定期的に開催すべきと考えます。里親制度の周知とともに、虐待の芽を摘むことにも大きく寄与すると思いますが、いかがでしょうか。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 里親制度のPRは、児童相談所の所管となっております。子育て支援セミナーとの共同実施が可能であるか、児童相談所との調整を図ってまいりたいというふうに考えております。

○甲田委員 児童相談所との調整をぜひ図っていただき、開催をお願いしたいと思います。

 そこで、周知方法も工夫していただければと思います。最近は、同じ年のお子さんを持つママ同士でラインやツイッターなどでグループをつくり、こういったイベントの情報共有や悩みの相談をしている方が多いようです。紙媒体、ホームページ、メルマガだけでなく、ツイッター、フェイスブックとあらゆる方法で子育て支援の情報を発信すべきと考えます。

 また、開催前だけでなく、開催の様子などのニュースが掲載されれば、次は行ってみようなどと参考になるので、参加者をふやすためにはそのような工夫も大切と考えます。

 今回ホームページもリニューアルをすると聞いていますが、子育てに関する情報の発信の仕方はどのように変わるのでしょうか。今、申し上げたようなことも含めて知恵を絞っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 子育て情報を有効に発信することは大切だというふうに認識しております。ホームページのリニューアルに合わせて子育て支援の情報が効果的に届くように工夫を図ってまいりたいというふうに思います。

○甲田委員 ありがとうございます。ぜひ工夫をよろしくお願いいたします。

 次に、4番、異世代交流の場づくりについて伺います。戦後、大家族が当たり前だった時代から、現代の核家族が当たり前になった日本社会にあって、御近所づき合いが不得手な人、親子が多くなっております。地域でコミュニケーションがとれない親のもとで育った子どもは、大人になってからも地域でのきずなを結べるはずはありません。昨今は親子でも連絡をとっていない人もあり、ましてや、祖父母への法要もなく、孤独死も増加しているといった憂うべき社会となってしまっております。

 地域のきずなを取り戻すにはどうしたらよいのか。それには核家族では体験することのできない異世代間交流を活発にしていくことが大事であると私は思っております。お年寄りと触れ合うことは子どもたちの成長過程において大変に重要なことだと思います。核家族だけでは聞けない話や貴重な体験があります。何よりも異世代が心を通い合わせ、お互いの足りない部分を補い合おうとするとき、自分の必要性というものも感じることができます。また、子育てするお母さんの安心の源は、経験豊かな人、そして寄り添ってくれる人がいることであると考えます。

 そういった、ここに行けばその安心が得られる、癒しが得られるという異世代間交流の場所をつくっていくことは、中野の未来を考えるとき、地域のきずなを強めることに必ずつながると確信します。

 そこで伺います。地域には児童館があり、すこやか福祉センターがあります。そういう中では「子育てひろば」などを行っているものと思います。しかし、もっと全区的な子育て支援の場があってもよいのではないでしょうか。ここに行けば子育ての情報が何でも得られるというような親子支援の場、高齢世代も一緒に癒され、活気づくような場づくりが今こそ必要であると考えますが、区の見解を伺います。

○濵口教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 子どもたちは、地域の中で幅広い年齢層の方と交流し、成長することが望ましいと考えてございます。地域では、地域の中での支え合いを推進するため、すこやか福祉センターや区民活動センターの運営委員会が企画した世代間交流事業なども展開しております。また、地域の子ども施設である児童館、すこやかにおいても、乳幼児親子の利用やボランティアなどにかかわる地域の方の利用がありまして、異世代交流も図られていると認識しております。こうした機会を引き続き推進してまいりたいと考えてございます。

○甲田委員 場の確保については、ふれあいの家なども地域の中でもっと有効に使っていただければと思いますし、U18についても全区的な異世代交流の場と位置付けてもよいのではと考えます。

 先日、U18上高田を視察させていただきました。そこでは、館長を初め職員の方々がコーディネートし、地域のボランティア、すこやかの専門職の方を講師として招き、利用している乳幼児親子のニーズに合わせた内容を行っていました。また、中学生の学習、テスト勉強のために地域の大学生に複数来てもらって教えてもらったり、地域の高齢者から「おばあちゃんの知恵袋」と銘打って小物のつくり方を教えてもらうなど、ここはまさに異世代交流の場として最大限有効に使っていると実感をいたしました。このような取り組みは、さらに発展させ、全体に広げていくべきと考えます。ただ、全区的なものとして手狭であるとすれば、例えば学校再編で閉校となった学校の跡地を活用することも検討すべきなのではないかと思います。

 また、発信拠点としての機能も必要です。京都市にこどもみらい館があり、12月に同僚議員とともに視察してまいりました。学校の跡地を活用して、京都市の子ども政策の全てが凝縮された、とてもまねできないような大きなセンターでした。全国に類を見ない乳幼児の子育て支援の道しるべとうたい、研究事業や就学前教育の充実、学生のための保育士養成講座、相談事業、子育てセミナーなどの情報発信事業、図書館でのお話し会、親同士の交流の場、ボランティアの養成支援、イベントなど、多岐にわたる事業を行っています。

 中野区には現在、そういう子どもに関する政策の発信源になるような機能としての拠点がありません。私は、こういったことに加え、U18で既に行っているような事業を一緒に行う場が必要であると考えています。

 例えば中野区版こどもみらい館として、子どもに関する全ての情報はここでわかるという発信のセンター、子どもたちだけが主体者ではなく、親支援にもなり、高齢者自身の活力にもつながっていくような場をつくり、異世代間交流を促進していくべきではないでしょうか。御見解を伺いますが、未来を見据えた夢のある答弁をお願いいたします。

○濵口教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) 子育て支援の制度や事業に関する情報発信は、子育て支援総合相談窓口で問い合わせをやってございます。地域に向けての情報発信は、すこやか福祉センターを中心に、児童館、キッズ・プラザが地域とのかかわりを重視しながら行っているところでございます。そのため、こどもみらい館といった構想は現在のところ持ってございません。

○甲田委員 とても夢のある答弁とは思えなかったのですけれども、今、私が申し上げた趣旨を理解していただき、これからいろんな考えの中に入れていっていただければなというふうに思いまして質問をいたしましたので、よろしくお願いいたします。

 次に、5番、子育て世帯の住宅支援について伺います。

 中野区は「住んでよかった街」の上位ということですが、本当に住み続けたいまち、住み続けられるまちにしていくためには、若い独身のときだけではなく、家庭を持ち、子どもが大きくなっても住んでもらえるようにしなければならないと思います。

 若者、学生や年金暮らしの高齢者だけではなく、働く世代の方により多く住んでいただくことこそ何よりの税収対策にもつながることは当然です。中野区から転出せざるを得ないのは、区内にはファミリーで住める広さのマンション、一戸建ての賃貸が他区に比べて少ないことからです。中野区住宅白書によりますと、一戸建て住宅は、23区の平均が全体の約23%であるのに対し、中野区は約19%となっており、木造集合住宅は、23区平均が全体の約14%であるのに対し、中野区は27%となっております。このことは、他の区に比べて、中野区には一戸建て住宅が少なく、木造集合住宅、すなわちアパートが非常に多いということを示しております。

 子育て世代の支援施策として、かつては区民住宅というものがありました。第3次中野区住宅マスタープランでは、区が一定期間借り上げてファミリー世帯向け住宅として運営してきた区民住宅は、制度上、家賃が民間相場と合わなくなり、空き室が生じたことから、今後新たに展開することはしないとして、施策の見直しを明記しております。

 そこで伺います。現在、中野区に区民住宅にかわるファミリー世帯を応援し、住み続けられるような住宅の支援施策はあるのでしょうか、伺います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 中野区にはファミリー世帯に的を絞った住宅の支援制度はございません。なお、区では都営住宅や東京都住宅供給公社の賃貸住宅建てかえに当たりましては、さまざまな世帯が居住できるよう、子育て期のファミリー世帯向け住宅の建設を東京都等に要望しているところでございます。

○甲田委員 小林ぜんいち議員の一般質問でも取り上げましたが、墨田区の良質な集合住宅認定制度は、特に配慮された集合住宅を区が認定する制度で、私も視察に行ってきました。こういった認定制度の手法を取り入れることについて、既に一般質問でも前向きなお答えをいただいていると思っておりますが、ここでは子育て世代の住宅政策に絞ってお聞きしたいと思います。

 認定された集合住宅の情報は、墨田区のホームページなどで公表しておりますので、住民は住みかえをするときの良質な居住環境の指針として参考になります。認定の型には防災型と子育て型があり、ハード、ソフト面で数十個もの認定基準項目があります。

 例えばハード面で児童が安全に遊ぶことができる屋外の遊び場がある、通園時に送迎のバス等の待機・集合場所があるなどです。

 ソフト面では、1階併設の保育所を運営しているということにより点数をとっているマンションもありました。

 大規模な集合住宅の場合には集合住宅条例の基準をクリアすることは当然のこととして、さらに区が良質な住宅と太鼓判を押すことで価値がアップします。

 また、大阪市でもマンション認定制度を行っておりますが、大阪市が認定するマンションを購入する人向けに、大手銀行が主体的に特別金利プランという形でバックアップしています。自治体が認定をするだけで価値は上がり、銀行などの民間企業も自社の営業にうまくつなげながら応援してくれる可能性が出てきます。

 このような制度をうまく取り入れて、少しでも子育て世帯をふやすことのできる、中野区らしい、住みやすい住環境を整えていくことが重要だと思いますが、このような施策について、いかがお考えでしょうか。伺います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 中野区としましても、子育て世帯をふやすことは重要であると認識をしております。第3次中野区住宅マスタープランでは、施策の方向性としまして、ファミリー向けの住宅の誘導ですとか子育て環境等への配慮が示されております。今後とも効果的な施策につきまして、委員御紹介の事例なども参考にしながら取り組んでまいりたいと考えております。

○甲田委員 さらに別の手法ですが、実は私の地元の不動産会社で賃料の安い一戸建てを地主さんに協力して建ててもらい、ファミリー世帯をふやすように促すことで、区の少子化抑制に貢献してくれている会社があります。地主で大きな土地を持っていて、古くなったアパートの建てかえなどの場合に、大きな土地が更地になることがあります。その際、地主さんに「次は単身者用アパートではなくて、賃貸の一戸建てを建ててもらえませんか」と持ちかけます。「中野区の少子化対策に貢献しましょう」と言って協力してもらい、駐車場つき3LDK一戸建てで家賃を16万円ぐらいにしてもらうそうです。このあたりの相場よりは家賃が安いので、すぐに埋まり、一度住めば長く住んでくれるため、空き室にもならず、回収率が高いということで、七、八年で建物代金は回収できるそうです。

 これを目玉にして、ここ一、二年でその不動産屋さんが主導して既に合計で25棟くらいの戸建て賃貸をつくってもらっているとのことです。それぞれ複数の子どもがいる家庭ということですので、それだけでも上高田、新井に50人近い子どもがふえたというのです。仮に1LDKのマンションばかりであれば、子どもが就学前くらいまでは住むことができても、小学校に上がるころにはほとんど転居していきます。私の同級生もほとんど区外へ転居してしまいました。一戸建てであれば、子どもが大きくなっても住み続けることができます。このような取り組みは、子育て世代や稼働人口をふやすことに大変有効と思います。

 こういった民間の取り組みを、先ほどの認定方式でもよいと思いますし、何らかの方法でしっかりとサポートし、区内全域の取り組みに広げてはどうかと思いますが、区の御見解を伺います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) ただいま委員からさまざまな取り組みを紹介いただきましたが、住宅の確保は、基本的には民間のストックを有効に活用して行われていくものであると考えております。民間と適切に連携しながら、どのような支援ができるか等について検討していきたいと考えております。

○甲田委員 ありがとうございます。子育て世代が長く住み続けられる住宅の誘致は、今後、中野区にとって大変重要であると思います。しっかりと具体的な施策を打ち出して強化していただきたいということを要望いたしまして、この項の質問を終わります。

 次に、2番、教育行政について伺います。

 1番、食物アレルギー対策について伺います。今、小中学校では食物アレルギー児が激増しております。調布の事故を受けて各学校でも真剣に研修に取り組み、ほぼ全員の教職員がアレルギー児の日ごろの対応や緊急時の対応に関する研修を受けたと聞いております。現場の教職員の皆様の御苦労や緊張感は並々ならぬものがあると察します。

 今般、東京都の方針を受けて区独自でもマニュアルをつくり、教育委員会から各学校に徹底をしたということを聞いておりますが、改めてどのような徹底をされたのでしょうか、伺います。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) マニュアルの主な内容でございますが、児童生徒に対する食物アレルギーの調査は毎年実施すること、管理職、担任、養護教諭等を構成員としました食物アレルギー対応委員会を設置すること、給食室での調理から教室での喫食までの各段階におけるチェック表での確認、そして教室での担任による確認の徹底、そして緊急時のシミュレーションですとか、アドレナリン自己注射薬、通称「エピペン」と言っていますが、これの実施を含めた研修の実施など、これらについて各学校に徹底をしたものでございます。

○甲田委員 ありがとうございます。

 今、各段階のチェックと教室での担任による確認ということでありましたけれども、もう少し具体的にイメージできるような形で教えていただけますでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 各段階におけるチェックでございますが、4段階ございまして、まず給食室での調理の段階でございます。それとでき上がった給食、除去食の食器への盛りつけが2番目。3番目は、でき上がった除去食を給食室から教室へ運ぶ際のチェック。4番目が教室でのチェックでございます。

 4番目が教室での担任による確認の徹底ということでございまして、主に三つございます。学級担任によりまして献立のチェック、対象児童への食べる前の声かけ、喫食前の児童の様子のチェック、こういったものを教室で担任が確実に実施するというものでございます。

○甲田委員 今、聞いただけでも調理の段階で4段階、それから教室の段階で3段階、チェック表でこうやってチェックしているのかなというふうに思いますけれども、大変なチェックだと思います。また、食物アレルギーの児童生徒は現在、何人ぐらいいるのでしょうか。ここ3年くらいの推移とともに教えてください。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) まず、平成23年度でございます。小学校が260人、中学校60人、合計で320人でございます。平成24年度でございます。小学校331人、中学校73人、合計で404人でございます。平成25年度、今年度でございますが、小学校416人、中学校126人、合計で542人となってございまして、年々増加傾向にございます。

○甲田委員 年々増加というか、100人単位でふえていると。320人、404人、542人ということですので、相当の数だと思います。

 では、25年度、小学校には何人の食物アレルギー児がいるのでしょうか。多い3校を教えてください。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 食物アレルギーの児童数の割合が多い小学校でございますが、まず一番多い学校が417人中35人、率にしますと8.4%。2番目の学校が271人中22人、8.1%。そして3番目が405人中30人の7.4%となってございます。

○甲田委員 ありがとうございます。

 そのうち食べられない食材を抜いて給食を提供している、いわゆる除去食の対象者数についても教えてください。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) アレルギー症状を起こす食材を除いて調理をする、いわゆる除去食の対応をしている児童数でございます。一番多い小学校は26名でございます。2番目に多い小学校は24人。3番目に多い小学校は22人ということで、こちらは2校ございます。

○甲田委員 除去食の対象者が20名以上もいる学校もあるということで、食材によって毎日対象者が違ってきたりもしますので、相当複雑な業務で大変であるのではないかと思います。ただでさえ多忙な教員が頑張ってくださってはいると思うのですけれども、本当にそのとおりに、常に間違いなくできるのか心配です。失敗が許されないことであり、対象者がふえ続ける中で、いつか限界が来るのではないかと危惧をしております。教育委員会としてもう一歩深く踏み込んで、無理は生じていないのか、今後の対策をどうしていったらよいのかということをさらに真剣に考えていく必要があるのではないかと考えます。

 私は、先月、横浜市で開かれた食物アレルギー児を家庭と地域で支える研修会に参加し、東京都立小児総合医療センターアレルギー科部長の赤澤晃先生の講演などを聞き、アナフィラキシーショックの際のエピペンの打ち方なども学んでまいりました。

 その中で、正しく診断されていますかという話がありました。個人差もありますが、食材によっては、子どもが成長するにつれ、年々食べられるようになるという場合があります。高学年になれば減っていくということが多く、医師の検査を受けてみないとわからないということです。実は食べられるものまで除去していると栄養が偏り、子どもの健康にとってよくないと赤澤先生は言われておりました。

 保育園では半年に一度医師の診断書を出してもらっていると聞いておりますが、小中学校ではどうなのでしょうか。当然入学時には提出してもらっていることと思いますが、その後、定期的に医師の指導を受けているか、確認体制はどのようにしているのか、伺います。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 毎年、医師の診断を受けていただきまして、そのようなアレルギー内容の有無にかかわらず、医師の診断による学校生活管理指導表、これを提出してもらうこととしたところでございます。

○甲田委員 多分今まではやっていなかったと思いますけれども、ことしからそのようなことで、毎年、アレルギーの有無にかかわらず、医師の診断書をもって確認をするというふうなことに変えたということでよろしいですか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 今回、マニュアル等を整備しまして、新たな取り組みを行うことで、来年度から、委員御指摘のとおり、管理指導表については、医師の診断を受けていただいて、毎年提出していただくということでお願いしたところでございます。

○甲田委員 診断書料もかかり、保護者には負担もあることとは思いますが、正しい診断でできるだけ重篤な子どもをしっかりと見られる体制にしていくことも大事と思います。

 また、複数の食物アレルギーに対処できない場合は、全部お弁当にしている子が中野区全体で8人。一部お弁当がさらに何人かいると聞いております。特に重篤な子については、該当日はお弁当にするという対策も今後は必要かもしれません。その決め方、方向性のかじ取りは非常に難しいと思いますが、除去食を多くの人数で行うには、設備的にも人の配置の数的にも限界があるということを保護者等にも理解していただくことが、事故を起こさないことにつながる場合もあると思います。それとともに、対象者ではない周りの児童生徒や保護者にも理解してもらえるような対策が必要です。教育委員会の見解はいかがでしょうか、伺います。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校給食も教育の一環でございまして、教室で友達と食事を一緒にするということは心を豊かにするというような効果もありまして、とても大事なものというふうに認識してございます。しかしながら、学校給食でこういったアレルギーに対応ができない場合につきましては、委員御紹介のとおり、保護者に弁当の持参を現在お願いしているというケースもございまして、今後、食物アレルギーを持つ児童が増加していった場合の対応につきましては、十分に検討していく必要があるというふうに現在考えてございます。

 また、保護者等への理解につきましては、例えば学校で発行します「給食だより」といったものに食物アレルギーの特集記事を掲載するなど、家庭と連携しながら進めていきたいというふうに考えてございます。

○甲田委員 除去食にしろ、お弁当にしろ、親にとって難しい対策や、子どもにとってつらいこともあると思います。また、子ども同士の中でも理解がないためにいじめなどに波及することもあるかもしれません。日々成長し、日々発達していく子どもであり、親も子もつらい病気であるがゆえに、このことをどう克服していくのか、共有する場、話し合う場もさらに重要です。そういったことを含めて、家庭、学校が共通の認識を持つことや、周りの子どもの理解を促せるよう真剣に考えていただきたいと思います。

 この項の最後に、今後ふえていくであろう食物アレルギーの対策に当たっては、限界をどこにするのか見きわめるのは非常に難しいとは思いますが、教育委員会として、特に対象の子どもが多い学校の実情、実態をよくよく把握していただき、よりよい対策がとれるよう、さらに検討していただきたいと思いますが、御見解を伺います。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 食物アレルギーを持つ児童の多い学校も年々ふえてきてございます。こういったことから各学校の給食の現場、調理の現場、こういった実態の把握に努めるとともに、今後、さらにどういった対策が効果的なのかということについては検討していきたいというふうに考えてございます。

○甲田委員 ありがとうございます。

 これでよいということではないという思いで、今、申し上げた観点からも、対象者、家庭、そして学校現場を支援していっていただきたいということを強く要望いたしまして、この項目の質問は終わります。

 次に、2番、特別支援教育について伺います。

 食物アレルギー児と並んでふえているのが発達障害のお子さんです。発達障害について悩んでいる御両親も本当に多く、私もよく相談を受けますが、今後、あらゆる角度から対策が必要です。

 昨日、我が会派の南委員が発達障害の早期発見のための5歳児健診の実施について質問しましたように、発達障害には、まずは早期発見とともに早期支援が重要です。しかし、まだ早期発見の体制も十分でない状態において、小学校に入ってからその障害の特質が顕著にわかり、困っている子どもが多いのは、多くの人が実感していることだと思います。

 文科省が調査したデータによると、発達障害の可能性のある児童生徒の割合は全体の6.5%と言われておりますが、その障害の程度ははっきりと分かれているわけではなく、グラデーションであり、発達障害に限りなく近い状態のお子さんもいます。そう考えますと、これからは通常学級で特別支援教育が行われていくことが時代の流れと言えます。

 中野区でも平成28年度からは特別支援教室を全小中学校に置くことを決めており、その流れに沿った対策が必要になってまいります。そして、これからは通常学級での理解教育も促進していかなければなりません。

 その上で、就学相談について質問いたします。教育要覧によりますと、初回相談の件数は、24年度で小学校39件、中学校29件、合計68件となっております。この就学相談の就学相談支援員にはどのような経験の方が何人いらっしゃるのか、体制について教えてください。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 就学相談専門員でございますが、現在3名の体制となってございます。そのうち2名につきましては教員の経験者、1名につきましては臨床心理士の有資格者でございまして、いずれの3名も教育分野での相談業務の経験を有しているという者でございます。

○甲田委員 また、就学相談の流れについて、簡単に御説明をお願いいたします。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 就学相談の流れでございますが、まず、発達のおくれや障害のあるお子さんの保護者が、就学の前年に区の就学相談に申し込むことから就学相談が始まります。最初の面接、初回面接と言ってございますが、必要に応じて発達検査を実施します。主治医がいない場合につきましても必要に応じて医学相談を行います。そして、就学支援委員会の委員が、複数の子どもさんに集まっていただきまして合同面接というものを行います。そういったことを行いまして、初回面接ですとか医学相談、合同面接、それと保育園や幼稚園での子どもの様子などをもとに、就学支援委員会で適切な就学の場の検討を行うというものでございます。

 そして、就学支援委員会での判断結果につきましては、就学相談専門員から保護者の方に伝えさせていただきます。また、必要に応じて面談ですとか、特別支援学級での体験入級を行った上で就学先を決めていく、そういった流れになってございます。

○甲田委員 ありがとうございます。

 現状、知的障害のある子ですら保護者が希望して通常の学級になっているところがあると聞きます。発達障害のある子については、通級の特別支援を受けずに通常学級にいる子どもさんがさらに多いと思われます。

 また、通常学級で困り感が顕著になっていき、トラブルが起きるというケースもあるように聞いております。学校側には特別支援学級で学んでほしいという気持ちもありますが、この問題は一旦こじれてしまうと、そのようなことも言える状況ではなくなってしまいます。そこで、なるべく最初の段階で本当にその子のための学習環境としてはどうしてあげることが一番よいのかということを保護者にもうまく理解させることが重要です。

 就学支援委員会で固定の特別支援教室が適当と判断をし、また、通級学級への取り出し教育が必要と見られる場合、この初期の段階では親御さんを説得したり、アドバイスしたりすることができるのは、就学相談支援員の先生方だと思います。ここが一つのポイントであると私は思っております。

この段階で子どもの将来のためには理解と支援が必要だということを、保護者を励ましながら前向きな方向に持っていける経験豊富な指導力のある人材、特別支援教育に通達している人がアドバイスをしていけば、保護者も安心することができると思います。例えば退職された先生の中にもそのような人材がいらっしゃるはずと思います。今の支援員を変更してということではありません。

 国も26年度予算案には特別支援教育についてのさまざまなモデル事業などを打ち出しております。その中に早期支援コーディネーターというものも入ってきています。就学相談の件数も、困難なケースも今後ますますふえていくと思います。大事な問題に対処するため、就学支援員には、学校や保護者に的確なアドバイスをしていけるような人材がさらに必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。

○伊東教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 就学相談専門委員には、就学支援委員会での判断結果につきまして、保護者の理解と納得、こういったものを得られる説明ですとかアドバイス、これを行うことのできる人材が不可欠だというふうに考えてございます。現在、3名の就学相談専門員も専門性とこれまでの教育分野における相談業務の十分な経験を有しており、適切な対応ができているというふうに考えてございますが、今後とも保護者への丁寧な説明やアドバイスに努めていきたいというふうに考えてございます。

○甲田委員 発達障害の問題はここだけやればよいというものではありません。切れ目のない支援をし、最終目標である就労に結びつけるまで、本人のみならず、親御さんをも励ましていくことが大事だと思います。そのようなことのできる人材の育成、確保に努めていっていただきたいということを要望し、今後、私自身もまだまだ勉強し、考え、取り組んでいきますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 次に、3番、高齢者施策について伺います。まず一つ目、高齢者の暮らしの質の向上について伺います。区長は、施政方針説明の中で、新たな時代を切り開くキーワードは、産業の生産性の向上、全員参加型社会の実現、暮らしの質の向上であると言われております。

 今、2030年問題が注目されています。それは団塊の世代が全て後期高齢者、さらに80歳以上となるからです。また、80歳以上の4人に1人は認知症になっていると言われております。

 数年前から言われ始めた「終活」という言葉があります。就職活動ではなく、終わる活、終活。私は、これからの高齢化社会において、この「終活」という言葉がキーワードであると思います。

 先日、地元の上高田区民活動センターで開催していた「私らしい終活講座 自分らしく生きるために」と題した2回のセミナーに参加をいたしまして、「成年後見制度について」「遺言書・相続について」を学びました。と言っても難しい話ではなく、とりあえず元気にこの会場に来た自分が、1時間半の講義の中で介護を受けるようになり、認知症になり、終末期を迎えると想定をして話を聞いていきます。

 終末期や死後においても、自分のために誰かが難しい判断を迫られるときが来ます。亡くなった後も、遺体の安置場所、お葬式、お墓、納骨、そして遺品整理と、いわゆる死後事務、そしてペットのことや相続など本当にたくさんの判断に迫られていきます。そのセミナーの資料としてこの「エンディングノート」が配付をされました。自分の意思、判断能力が難しくなったとしても、自分の人生を自分らしく生きるため、前もって自分で決めておく、それが終活であり、成年後見制度で言うところの任意後見であると教えてくれ、そのためにはこの「エンディングノート」にどんなことを書いておくのかという説明がありました。

 このノートは定価300円だそうですが、つくっているメーカーによって形態はさまざまです。このノートに自分の家族、履歴、思い出などの自分史をつづり、今後の介護についての希望、病歴、かかりつけの医者、終末期の医療について、お葬式のことや財産などの相続、遺品整理についてなどを書くことができ、遺言書の書き方なども載っています。最後に、お葬式に使ってほしいというような自分の写真も張っておくことができます。

 このような内容のセミナーというものは、普通は暗いイメージがするのですが、参加していた高齢者の方々は、講師の方のユーモアあふれる話しぶりに引き込まれ、幾度となく笑い声も出るようなセミナーとなっていました。

 もっと驚いたことに、一度目は30名ほどの参加者でしたが、二度目には参加者がふえ、50名近い方が参加されておられました。このような勉強会を多くの人が求めていたことを感じました。

 これまで「成年後見制度」という言葉すら知らなかったという方もいました。私は、まさにこういったことを、高齢社会を生き抜く区民が大いに学び、安心して自分らしい老後を送れるように終活していくことは大事なことだと思います。特に子どものいない単身高齢者もふえており、本人のふだんの生活も知らないような親戚が、終末期や亡くなった後のお葬式や遺品整理などで困っているケースもよく見受けます。こういったことを勉強する機会がふえれば、参加した人から友人に教えてあげることができるなど、地域での支え合いも進むと思います。

 よって、このような認知症と成年後見制度や相続、遺言書などについての、高齢者自身が勉強する機会に対して区を挙げて取り組むことは、高齢者の暮らしの質の向上に大変有効と考えますが、区長はどのようにお考えでしょうか、伺います。

○田中区長 甲田委員が「2030年問題」、こういうふうにおっしゃったわけですけれども、これは社会から見ても、個人から見てもはっきりわかる、予測のできる未来ということだと思います。これに私たちはしっかりと備えていかなければいけないと思いますけれども、必ずしもそれが今、十分にできているというふうには思えません。

 そういう意味で、今回、御紹介があったような、自分が将来どういうふうになっていくのか、何が起きていくのかというようなことを一つひとつイメージして、それに対して対応策を考えていくというような機会を持ったり、自分がそれなりの備えをしたりということができるということは、とても重要なことだというふうに思っております。

 また、そのこととあわせて、社会全体に何が必要なのかということもまた見えてくるということもあるのだろうと、こんなふうに思っております。

 具体的にどういう事業でということは、これから検討していかなければいけないと思いますけれども、そうした機会をこれから十分につくっていくということが大事なことだと思っております。

○甲田委員 非常に丁寧に御答弁していただき、ありがとうございます。さらに区内全域に広げていただくよう、区からぜひ活発に働きかけをしていただきたいと思っております。

 上高田では区民活動センターの運営費で運営委員会が開催しておりましたが、もう少し働きかけを工夫していただければと思います。

 また、講師は、まちの法律家である行政書士や税理士などにお願いをしてもよいのではないかとも思います。

 さらに、この「エンディングノート」が身近な公共施設でも手に入るようになっているとよいと思います。例えば社会福祉協議会では成年後見センターもありますので、連携しながら区民のニーズに応えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) エンディングノートの活用方法などにつきましては、社会福祉協議会などとも情報交換をしつつ、区といたしましては地域包括支援センターなどで高齢者の方々のさまざまな相談の場面などで御希望のある方にエンディングノートを御紹介できるよう努めていきたいというふうに考えております。

○甲田委員 ありがとうございます。私の母も、このエンディングノートを早く頂戴、頂戴というふうに言っているぐらい、高齢者は結構これを欲しいと思っている方もいらっしゃると思いますので、ぜひ高齢者自身が学び、少しでも自分の思いのままに人生が送れるようにしていっていただきたいと思って質問いたしましたので、よろしくお願いいたします。

 高齢者の暮らしの質の向上についてもう一点伺います。代読・代筆支援の充実についてです。

 目が見えにくくなり、記憶力等も低下をしてくる高齢者の方にとって、役所や銀行、郵便局などから来る通知を読んだり申請書を書いたりすることは大変困難なことです。通知も、高齢者に向けたものであるはずが、文字が小さく、薄く、見えにくいものもあります。また、高齢者は書類の字を書く欄にうまく書けないといったことがあります。実際に、私も近所の80代の方より、近所から来た通知の意味がわからないという相談を受けて、一緒に読んであげたり、役所に確認をしてあげたりということもありました。

 当然、区はどの窓口においても、高齢者が来て、わからないから読んでほしいと言われれば、現状でも丁寧に対応していただいていると思います。また、電話などで担当にそういった電話も受けていることと思います。例えば区役所にお年寄りがさまざまな種類の通知を持って見えて、まず総合相談のところに来ると思いますけれども、何の手続ですかというふうに聞いたときに、これらのものが、目がよく見えないので何と書いてあるのかわからない、どうしたらよいかもわからない、といっていろんな書類を持ってこられたときに、どのように対応しているのでしょうか。その通知が役所からの通知だけとは限らない場合も含めて、どこが対応しているのでしょうか、伺います。

○上村区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) お答えいたします。基本的に、区役所ではどこの窓口においても、高齢者を含めお客様の困り事や問い合わせについて親切丁寧な対応を心がけているところでございます。中でも1階の区民相談窓口には、御高齢の方が区などからの送付物などの内容がわからないから教えてほしいと持参することもあり、その場合は職員が送付物の記載内容を説明したり、また、場合によっては担当職員に1階におりてきて説明をしてもらっています。

 また、区の業務以外の内容の場合でも、問い合わせ先を調べて差し上げるなど、職員ができる範囲での対応をしているところでございます。

○甲田委員 わかりました。

 読み書き代行サービスというのは、読み書きの困難な人に対し、その人の側に立った姿勢で、相手が内容をきちんと理解できるように音読をして差し上げ、さらに書類への記入を代筆するなど、よりきめ細かい対応をするサービスです。代筆に当たっては、本人自筆を要するものについては厳格でなければなりませんし、注意が必要であると思います。それだけに、これは民間でなく、行政が行うサービスであるとも思います。でも、宅急便や郵便の宛名を書いてほしいなど簡単なことでも、困難な状態にある高齢者は多いものです。そのような支援をもっと明確にサービスとして打ち出せないかと考えています。

 例えば、今おっしゃいました1階の区民相談の窓口に、聴覚障害のマークはいろんなところにあると思いますけれども、「読み書き代行支援をしています」と掲げるようなことをしてもよいのではないかと思います。よりきめ細かいサービスのあり方について、今後、考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○上村区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) お答えいたします。今、事例がありました聴覚障害者のための耳マークについては、基本的に庁舎内各窓口に設置することとしており、1階区民相談窓口も、耳マークに加えて、筆談用の小さなホワイトボードを用いて対応してございます。区民相談窓口では、先ほども触れましたように、読み書き代行的な対応を行っているほか、お客様の困り事をよく伺って、必要に応じて担当窓口への同行や電話での引き継ぎなどを対応してございます。

 昨今、本日も朝一番に認知症と思われる方が見えまして、高齢者の来庁者もふえておりまして、高齢福祉の担当等が連携をとりながらやってございます。今後もさらにお客様の困り事に応じた親切丁寧な対応を心がけてまいりたいと思っております。

○甲田委員 ありがとうございます。きめ細かくやっていただいているとは思います。

 一方、訪問サービスについて伺います。先日、品川区に視察に行ってきましたが、品川ではこのような支援を身近なワンストップ福祉相談窓口である支え愛・ほっとステーションの相談支援の一つとしてサービスを行っております。一例として、ひとり暮らしの高齢者から、「電気釜のふたを洗ったら、もとに戻せなくなった。取り扱い説明書も読めない」という相談で、登録ボランティアの地域支援員がその日のうちに訪問して要望に応えたなど、日常の困り事にすぐに来てくれて助かったという声が広がっています。

 このように、ひとり暮らしの高齢者や障害者の方などが困ったときに、いつでも気軽に相談し、アウトリーチで読み書き代行もしてもらえるということで、日常生活の安心につながると思いますが、中野区にはこのようなサービスはあるのでしょうか、伺います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 高齢化がますます進むに当たりまして、高齢者の皆さんが地域で安心して暮らし続けるためには、読み書きにお困りの場合など、さまざまな支援ニーズがあると考えております。中野区では、現在、社会福祉協議会におきまして困り事支援事業なども行っておりまして、その中で読み書きの代行等についても対応できるというふうに考えております。

○甲田委員 今おっしゃった社会福祉協議会で行っている困り事支援事業は、我が会派が推進してきたすばらしい事業です。多くの高齢者が喜んでおります。このすき間を埋めるサービスが本当にこれからますます重要になってきます。

 ただ、この高齢者困り事支援事業のチラシを持ってきたんですが、この中には、例えば蛍光灯・電球の交換とか、高いところの物の上げおろし、簡単な縫い物、カーテンのつけかえ、重いごみの運び出しなどの具体例が載っているんですけれども、大抵のお年寄りは、ここに書いてあることだけしか頼めないと思ってしまう場合も多いと思います。この困り事支援事業の中に追加で代読・代筆サービス、読み書き代行もやりますということを明記していただくとよいと思います。高齢者の読めない、書けない、困ったということに対しても、アウトリーチで対応してあげるというサービス、今までにないサービスを書くことで高齢者の暮らしを支えていってほしいと思いますが、御見解を伺います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 困り事支援事業につきましては、30分程度で対応可能なものというふうになっておりますので、ニーズによって代読・代筆についても限定される部分もあるかとは思いますけれども、チラシの表記につきましては、その書かれていることに限定されているというふうに受けとられるおそれもありますので、今後、工夫するよう、社会福祉協議会にも相談いたしまして、利用を促進していきたいというふうに考えております。

○甲田委員 ありがとうございました。

 次に、2番、高齢者の就労支援について伺います。

 高齢者の生活の質の向上には、誰もが生き生きと充実感、達成感のある生活を送ることが必要だと思います。元気でいるためには、できる限り働くということが重要と思います。65歳以上になって新たな仕事に勤務するのは無理があります。無理のない程度で働き、世の中の役に立ちながら、年金暮らしの人でも月に数万円お小遣いにできるぐらいの仕事をして、たまには旅行に行くなど、自分の楽しみのために使うことができれば理想的であると思います。

 それには、高齢者であっても事業を興せる、起業ができる仕組みをつくれば、それぞれのできる仕事を選んで働くことができます。その際、高齢者の起業にはリスクが伴います。しかし、理想のためには、起業しやすい、少しでもリスクを低くできる仕組みが大切ではないでしょうか。それを担うのが行政の知恵の出しどころであり、今回のライフサポートビジネスや産業振興センターに期待されているところではないでしょうか。

 平成26年度当初予算案の概要では、ライフサポートビジネス創出促進が充実とされています。女性・高齢者の起業を強化するとなっていましたが、具体的にはどのようなことを考えているのか伺います。

○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) お答えいたします。来年度の拡充のうち、女性や高齢者の起業の強化という点でございますが、新たに女性や高齢者の起業そのものをテーマといたします会を設けますほか、起業や新しい事業を始めたいという参加者に対しましては、中小企業診断士などの専門家による個別のアドバイス、こういったことの拡充について想定したものでございます。

○甲田委員 私はライフサポートビジネス創造塾に2回と、先日、帝京平成大学で行われたビジネスプランコンテストにも参加いたしました。そのうちの1回は、講師として長野県佐久市の岩村田本町商店街の阿部眞一理事長が来てくださり、商店街の見事な改革ドラマを話しておりました。

 その中で、イベントをやっても、そのときばかりで、結局、ちっとも栄えない商店街。悩んだ末に、商店街は誰のものかと考えた。そうだ、商店街は商店の人たちのものではなくて、その地域に暮らしている住民を幸せにするためものだと気づいた。そのために何ができるのかと考え、住民のニーズを徹底的に調査して、住民にとって必要なものを空き店舗に次々とつくっていった。それが正解だったというお話がありました。

 この後、この商店街はまるで行政のように、子育て支援に資するような場所や、学習塾、高齢者や親子など市民が気軽に憩える場、パソコン教室、お惣菜屋さん、若者が起業できるよう区切りスペースを安く貸すなどの事業を展開していきます。その際、空き店舗を借りるために大家さんに交渉して家賃を安くしてもらうことも、「行政のように住民の幸せのためにいろいろやってくれている商店街の理事長が言うなら」といって交渉が成立したということで、その場所で若者の起業家を育てていました。

 この話は大変参考になる点が多く、その熱意に感動をいたしましたが、中野区でライフサポートの考え方を打ち出したのは、まさにこのような住民のニーズに合った事業が地域の中に受け入れられながら、地域住民のためにもなり、事業をする側の利益にもなる、という循環型の仕組みをつくるということにあったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 区といたしましては、ライフサポート、ここに着眼いたしました理由、狙いでございます。

 まず、目指すべき姿といたしましては、区民の方々が健康で安心・安全に充実した生活が送れる中野、これを目指しまして、その一助となります生活上の不便や御不安など、これの解決を助けるサービスが充実すること。そしてまた、高齢者がサービスの担い手となるなど、さまざまな提供主体が多様に用意されていくこと。こういったことを狙ったものでございます。

 そしてまた、これによりまして、雇用の拡大にもつながっていく、そうした波及が生まれてくることを実現したいということで企画したものでございます。

○甲田委員 例えば商店街の空き店舗を利用して豊富な経験の高齢者が共同してビジネスを興せば、高齢者ならではの視点で多様なサービス、まちの支え合い拠点になるような場が広がっていく可能性もあると思います。そんな場が各地域の中に満遍なくできていったら、商店街だけでなく、地域の暮らしが活気づくものと考えます。

 高齢者には少しの助けがあることで少し働くことができます。資金の確保もありますが、その一番大きなものはビジネスをする場所、店舗の確保であると思います。中野区が本気になって行動すれば、不動産業界や空き店舗の関係者など、民間の中から高齢者の起業に適した場の提供に尽力してくださる方も出るのではないかと考えます。商店街を初めとした高齢者の起業への理解者を生み、ふやしていくことが大事ではないでしょうか。そうした理解者、協力者と起業したい高齢者のマッチング支援が必要であり、それがライフサポート事業、産業振興に有効であると考えますが、区の御見解を伺います。

○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 今年度のセミナーの中におきましても、商店街の振興とライフサポートビジネスの可能性、これを直接のテーマとした会を設けたところでございます。来年度もこの観点を入れまして、商店街の方々に対しても理解を深めてまいりたいというふうに思ってございます。

 このほか、実際に商店街と何らか協力いたしまして、ビジネス展開を希望する事業者、こういった方が出てきた場合には、商店街とこの事業者の両者を取り結ぶなどの、その実現に向けた支援を行うといった方法についても組み込めないか検討しているところでございます。

○甲田委員 さまざま検討していただいていると思います。今年度のライフサポート創出促進セミナーは、座学が中心でありました。しかし、それだけでは起業、創業につなげにくいと感じます。もっと別の方法での支援も必要ではないかと考えますが、どうでしょうか。

 例えば新たにできる産業振興センターの中に高齢者起業促進の機能を位置づけるなどして、ここに来れば起業に有益な情報やさまざまな相談もできるなど、高齢者起業の支援スポットとしてわかりやすく打ち出すべきではないでしょうか。健康寿命の延伸、介護予防の観点からも重要なことだと思いますが、区の見解はいかがでしょうか。

○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 来年度のセミナーの中におきまして、成功事例などを学ぶ場以外に、参加者個々のビジネスプラン、これの精度を高めていくような専門的な支援、これを充実していくこと、そしてまた、そのビジネスプランの成熟度合いに応じまして必要となってきます事業計画のアドバイザーでありますとか、経営スタッフの紹介、そしてまた投資や融資先、あるいは事業パートナー、こういった方々とのマッチングなど、こういったことを盛り込んで進めていきたいというように一つ考えでございます。

 それから、産業振興センターにつきましては、幅広く経営支援、産業振興に取り組むという施設でございます。現在、平成26年度4月の開設に向けて準備を進めているところでございます。高齢者の起業支援の取り組み方につきましては、区の施策の進捗状況、あり方等、それからこの産業振興センターの事業の進みぐあいなども見ながら、今後、検討してまいりたいというふうに思ってございます。

○甲田委員 ありがとうございます。産業振興センターについてはまだ具体的に踏み込むのは難しいということだと思いますが、私の質問の趣旨としては、区が汗を流し、区民の起業に対して、高齢者の起業に対して、リスクを低減させる具体的な方途を考えていただきたいということでありますので、ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 最後に、4番、その他。新井薬師前駅周辺まちづくりについて伺います。

 今年度は西武新宿線連続立体交差事業が事業化され、いよいよ26年度は駅前広場や交差道路等の都市基盤整備に向けて事業化の検討を進めるということです。昨年末は地域住民の皆様にアンケートをとっていただき、回収率もよく、関心の高さが示されました。また、アンケート回答の結果では、魅力と課題が浮き彫りになり、まちづくり検討会においてもまちづくり計画の案をさらに具体化していくのが26年度であると思います。そこで2点お伺いいたします。

 1点目は、新井薬師前駅の地下化に伴い、新駅舎の出入り口について伺います。現在、新井薬師前駅については北口と南口がありますが、線路がなくなった後は、同じ位置、いわゆる駅前広場側には当然1カ所の地上出入り口ができます。昨年12月の説明会においてもそのように説明がありました。質疑応答の際、「地上出入り口を東側にもつくってほしい。2カ所にする予定はないのか」という質問に対して、「西武鉄道としては今のところ出入り口は1カ所と考えている。災害用非常口としてもう1カ所の階段と出入り口をつくっておき、ふだんはあけないようにする方向だが、まだ具体的には決まっていない」という趣旨の回答があったと思います。

 その後、私もさまざまな区民の方から声をいただきました。今回、都市計画道路であり、鉄道交差道路、補助220号線の整備が決まり、将来的に220号線のほうにもバスが通る可能性があるということが言われているため、出入り口は当然、東側にもできると思っている住民が多いことを感じております。区にもそのような御意見は届いているかと思いますが、いかがでしょうか。西武鉄道に要望していただいているのかどうか伺います。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) お答えいたします。昨年12月の連続立体交差事業の工事説明会や地元のまちづくり検討組織であります新井薬師前駅周辺のまちづくり検討会でも、出入り口に関するさまざまな御意見が出されていることは承知しております。今後、検討会等の提案をもとにいたしまして、まちづくり計画を策定し、その中で駅の出入り口のあり方を決めてから、西武鉄道側にも具体的に協議してまいりたいと考えております。

○甲田委員 他の路線で連続立体交差事業において出入り口を複数つくったという事例もあると聞いておりますが、そのようなことも可能性はあるということでよろしいでしょうか。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 西武の池袋線の連続立体交差事業におきまして、石神井公園駅で、地元からの要請を受けまして練馬区が西武鉄道と協議し、費用を一部負担して改札口を増設した事例がございます。今後、区といたしましても、まちづくり検討会での提案を踏まえて、新井薬師前駅、沼袋周辺のまちづくり計画を策定いたしまして、この計画に合わせて出入り口のあり方を十分検証した上で、整備方法等も含め、可能性を探ってまいりたいと思っております。

○甲田委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。

 2点目に、立ち退き対象者に対する情報提供について伺います。今回、西武新宿線の連続立体交差事業と補助220号の両方の事業がほぼ同時に行われることになるため、新井薬師前駅周辺は立ち退きの対象者が相当多く、今まで長く住んでいた住民も減り、まちの活力や地域の支え合いにも少なからず影響が出るという懸念もあります。住民は、できればコミュニティを培ってきた地域、住みなれた地域で住みかえたいと願っているのも多いのが現状です。東京都からの補償は当然のことながら、あわせて区は丁寧な説明とともに、さまざまな情報提供をし、専門家の派遣なども行っていくものと承知しております。

 その上で、さらに立ち退き対象地権者にとってより有効な情報を活用できる支援を強化していただきたいと思います。区内の民間事業者では、建築設計関係の会社、不動産会社、経営コンサルタント、銀行などが合同で、古いアパートや住宅、空き地などの有効活用の仕方についての相談会を定期的に開催しているところがあります。銀行の会議室などを使って、賃貸経営、土地活用、税金対策など、さまざまな疑問、相談に答える無料相談会を実施しています。

 これはあくまで一例ですが、このような事例も参考にしていただきながら、この機会に地元の建築、不動産、法律家、銀行などの知識、情報と、情報を欲しい側の地権者とのマッチングをする、例えば情報交流の場などを提供できればと考えます。そうすれば、区内事業者にとっても活力が生まれ、地権者にとっても有効な方法について選択肢が広がります。そういった方法も視野に入れながら、より丁寧で手厚い情報提供をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 都市計画道路等の事業の実施に当たりましては、計画線にかかります関係権利者の御理解や御協力なしでは事業を推進することはできません。このため、区といたしましては、区が施工予定の区画街路第3号線や区画街路第4号線、補助第220号線の関係権利者様に対しまして、立ち退きに対する意向調査や個別相談会を実施するとともに、事業認可後は用地補償にかかわります説明会を開催し、関係者が不安なく事業や補償、移転につきまして御協力いただけますよう、委員の御提案の趣旨等も考慮に入れながら、きめ細かい対応や情報の提供を実施してまいりたいと考えております。

○甲田委員 ありがとうございます。とても区としては大変なことだと思いますけれども、民間の活用もさらに考えていただければと思います。新井薬師前駅周辺の地域の方々は、今、住んでいる人たちがどこか知らない土地へ転居しなくてもよいようにと切に願っております。補償や時期については、法律上、決まった分だけしかできないわけですが、さまざまな情報や知恵は民間の方々が持っているものを結集して、より手厚い情報提供の支援を考えていただきたいということを要望しまして、以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

○内川委員長 以上で甲田ゆり子委員の質疑を終了します。

 次に、高橋かずちか委員、質疑をどうぞ。

○高橋(か)委員 それでは、予算特別委員会総括質疑といたしまして、自由民主党の立場から質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 それではまず最初に、江古田合同住宅跡地整備についてお伺いいたします。この整備につきましては、平成24年の第3回定例会の一般質問におきまして私が質問しておりますけれども、この総括におきまして、確認のために2点お伺いしたいと思います。

 区は、平成19年に独立行政法人の都市再生機構、いわゆるUR都市機構からあった跡地のまちづくりについての意見照会に対しまして、良好な居住環境を有する住宅地として整備されたいという回答を行っているということですけれども、この照会は何か法的な根拠に基づくものなのかどうかをお聞きいたします。

○荒井都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) この都市再生機構から、まあ国のほうから用地を取得するに当たりまして、その手続の一環といたしまして、開発地の自治体が考えるまちづくりの方針についての御照会があったというものでございます。区は、この照会に対しまして、今、委員のほうからお話がありましたとおり、良好な居住環境を有する住宅地として整備することということの形で要請をしてございまして、また配慮事項といたしましては、住宅供給を主目的とすること、良質なファミリー向けなどの住宅の供給、周辺環境への十分な配慮、また広域避難場所として避難路など、防災機能の確保などなどの要望を配慮事項としてあわせて行っているところでございます。現在、都市再生機構におきましては、この要望に沿って跡地開発を進めているところでございます。

○高橋(か)委員 この開発に当たって、区はUR都市機構に対して都市計画法に基づく開発許可を行っていますけれども、この許可に当たってどのような条件をつけているのか、また許可権者としての指導、監督のどういう権限を持っているのか。その辺をちょっと教えてください。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) まず、開発許可条件についてでございます。都市計画法の規定によりますと、開発許可の申請に対しては、法律で定められた許可の基準に適合し、かつ手続に違反がない場合には許可をしなければならないとされております。都市再生機構からの本件許可につきましても特段の条件はつけておりません。なお、法律で定められた許可の基準といたしましては、道路、公園、広場の規模、構造及び配置などでございます。

 それから、指導、監督権限についてでございます。開発事業が許可の内容に沿って適正に行われるように、区は事業者に対しまして報告を求めることや、必要な勧告や助言する等の権限を有しております。これら権限を適切に行使していきたいと考えております。

○高橋(か)委員 現在、整備が進んでいる、この地域ですけれども、どの段階まで整備が進んでいるのか、去年9月に造成工事に関しての住民説明会が行われたわけなんですけれども、オンスケジュールでよろしいのでしょうか。

○荒井都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 現在、工事につきまして、都市再生機構におきましては平成24年度から工事を進めてございます。現在は東京都埋蔵文化財センターによります発掘調査、これと並行いたしまして緑地の整備、また宅地造成の一部についての工事が進められている段階にございます。都市再生機構に確認いたしましたところ、平成25年9月に開催いたしました工事説明会、この説明会で説明したスケジュールどおり、現在、工事は進捗しているというふうに聞いてございます。

○高橋(か)委員 埋蔵文化財の調査という話がありました。よく埋蔵文化財調査で工期が大幅に延びたりという事例もあるようですけれども、もう一度確認ですけれども、その辺について、周辺の緑地整備に絡めても含めてですけれども、スケジュールどおりということでよろしいですね。

○荒井都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 確認いたしましたところ、この発掘調査は幾つかの区域に分けて進めているということでございましたが、現在、工程の約半分程度を終了しておりまして、スケジュールどおり、発掘調査は進んでいるというふうに聞いてございます。

 また、敷地の東側にございます江古田川沿いに整備する公園につきましては、この発掘調査の対象区域になっていないということもございまして、あずまや等の設置がされるなど、公園の整備についても予定どおり進捗しているというふうに聞いてございます。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。

 それでは、その宅地造成の工事とか道路・公園等の基盤整備というものは、今後、どう進めていくのか。今後のスケジュールについてお伺いします。それと同時に、将来的に区に移管されるものというのが何かあるのでしょうか。

○荒井都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 現在行われております文化財の調査と並行いたしまして、公園の整備、また樹木の移植、また旧合同庁舎の基礎の撤去、こういったものも並行して進められてございます。宅地造成工事や道路・公園等の基盤整備につきましては、平成26年度中の完成を目指しているというふうに聞いてございます。

また、整備完了後におきまして区に移管されるものでございますけれども、敷地内を南北に縦断する新設の道路、また南側のバス通りの新設の歩道、また、今申し上げました東側の江古田川沿いに整備する約1,300平米の公園、これらが完了後に区に移管されるものでございます。

○高橋(か)委員 今、先行整備が進んでいる緑地部分とかですけれども、私もよく前を通るんですけれども、近隣住民の方が非常に樹木とか緑の環境を心配される方が多くて、説明会でも随分そういう話題が出たんですけれども、非常にきれいに進んでいるというので、誇らしくといいますか、うれしく思っているんですけれども、区が開発投資で得られる整備効果というんですか、まちづくりに関しての整備効果というのはどういう形になるんでしょうか。

○荒井都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 地区全体につきまして、ファミリー向けなどの住宅を含めた良質な住宅供給が図られるということがまず1点でございます。また、南北を縦断する新設道路の整備などによりまして、平常時には周辺地域の主要道路として、また災害時には広域避難場所へ円滑に避難するための避難路として、防災性の向上に資する道路整備が図られることでございます。さらに、先ほど申し上げました江古田川沿いの公園、これが整備されることによりまして、水と緑の潤いある空間の形成が図られるなどが、この開発を通じての整備効果であるというふうに考えてございます。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。

 では、この整備の具体的な進め方に関してなんですけれども、URがやる話ですけれども、区民にとってこうした効果のある整備が進められていくという一方、この進捗の過程において、周辺住民とか権利者との協力というものが欠かせないと思うんですね。区は、これらの住民等の意見を踏まえて、UR都市機構に対応していく必要があるんじゃないか、こういうふうに考えるんですけれども、その辺はどうでしょうか。

○荒井都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 区といたしましては、当地区の整備を進めるに当たりまして、周辺住民等の皆様に対しまして丁寧に説明をすること、また理解を得るということを、従来より都市再生機構のほうへ要請を行っているところでございます。今後、整備を進めるに当たりまして、委員御指摘のとおり、周辺住民等の協力は欠かせないものというふうに認識してございます。地域の方々等から御意見をいただいた場合には、区としても真摯に受けとめさせていただいて、都市再生機構に対して適切な対応を図るように指導、要請等を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。この周辺には、歴史、文化、また教育関連の中核施設、あるいは地域の核となっている商店街とか多くありますので、ぜひ、こうした施設や住民の方々との調整というものが不可欠だと思いますので、その辺は再度要望しておきますので、よろしくお願いいたします。

 次に、この項の最後としまして、今後の整備のあり方について伺いたいと思います。UR都市機構から権利を次に取得した開発事業者によって、ほぼ900世帯ぐらいの良質なファミリー向け住宅が供給されるということなんですけれども、この居住者が生活基盤を当地に張っていただくということが大切だと考えていまして、職場、学校と住宅と、通勤、通学だけでスルーしていくということでは、で、買い物はほかでやってしまうということではやはりだめで、その地域に滞留というんですか、にぎわってもらわなければいけないなと、まちづくりなので。と思っているんですけれども、計画周辺地にはコミュニティの場や商店街もあるということを考えますと、こうした新たな住民を迎える側の地域としての努力ももちろん、要は、地域も頑張らなければいけないということなんですけれども、そこを利用してもらわなきゃいけないと期待しているところなんですけれども。

 前段で伺いました整備の立場からしますと、URが開発行為を終了した後は、公募によって新たな開発事業者が住宅を開発していくということになると思うんですけれども、そうすると、事業が開発事業者に移った時点で、以降は区として、まちづくりに資する考え方とか、区の考えとか、要望みたいなものを届けることは難しいんじゃないかなと考えていまして、そうすると、区の要望を反映させるためには、今、まさに文書をやりとりしているURに対してやらなきゃいけないのかな、こう思っております。

 そこで最後に伺いたいんですが、今後、見込まれると言われているファミリー世帯、子育て世代に有効な施設ということも、今後、検討していく必要もあるんじゃないかと考えておりますが、こういう検討が進んでいく中で、区として新たな対応が必要となった場合、区が今の施工者であるURに対してどのようにかかわっていくのかということをお聞きしたいと思うんですけれども。

○荒井都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 区といたしましても、先ほど、最初の答弁にございましたとおり、開発に伴い生じる行政需要、こういったものにつきましても配慮することというのも、当初から求めているところでございます。新たな対応が必要と判断した場合におきましては、都市再生機構との協議を行った上で、その実現に向けて調整を図っていくこととしているところでございます。

○高橋(か)委員 その辺はぜひよろしくお願いいたします。とにかく住民に対して、その結果報告ということじゃなくて、事前のニーズ調査、ヒアリングであったり、調整といいますか、そういうところは一番こういうまちづくりで大事だと思いますので、その要望をしておきます。ありがとうございます。

 次に、2番目の項目、道路整備について伺います。

 まず一つ目の都市計画道路補助26号線整備について伺います。この整備について、東京都の事業でありますけれども、現在、区が把握している概要を教えていただきたいと思います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 都市計画道路補助第26号線、中野通りでございますが、これは昭和21年4月25日に都市計画決定をされました。計画幅員が20メートルの都市計画道路でございます。事業化に向けまして今回の測量区間ですが、新青梅街道の北側の未完成区間でありまして、延長、約500メートルでございます。

○高橋(か)委員 いわゆる補助26号、渋谷からずうっと来ている中野通りの整備ということで、杉山公園であったり、大久保通りであったり、そういう中で第3次路線の中で、今回、ここの部分も優先といいますか、やるということで決まったということでよろしいんですか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) はい、そのとおりでございます。

○高橋(か)委員 これについては、道路の測量とか、各境界の筆の確認作業等が行われている段階というふうに聞いているんですけれども、実際、道路がどこを通って、工事がいつ始まるとか、あるいはいつ立ち退かなきゃいけないんだという、住んでいる方々にとっては、非常に今後の生活をどうするのかということもあって、見通しについて非常に不安を抱えている住民も多くいらっしゃいます。

 また、この計画地の中には、お寺さんがあったり、あるいはみずのとう公園という、これは、地域町会の防災訓練から、区長、よく御存じだと思いますけれども、盆踊りから、カラオケ大会から、地域の核となっている公園でございまして、非常に親しまれているところなんですけれども、またさらに江古田の獅子舞という区の指定無形民俗文化財に指定されていることなんですが、これの拠点であったり、地域の保存会の活動の実際の拠点であったりという、こういう影響を及ぼすんですけれども、都の事業とはいいながらも中野区としてどのようにかかわっていくのか。あるいは区としてかかわる部分があるのかどうか。その辺はいかがでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 都市計画法上、中野区のかかわりは、事業認可、関係土地の公告・縦覧手続等でありますけれども、これは区立公園であるみずのとう公園の敷地の一部を東京都が道路用地として取得することになるため、都と中野区の調整が必要というふうに考えています。

○高橋(か)委員 計画地にある住民が立ち退きに伴って引っ越しということになると、区外転出という可能性もあるわけで、地域生活あるいは区政にとっても非常に影響が大きいんじゃないかと思うんですけれども、区としても情報収集や今後の情報提供、これについてはどのようにお考えなんでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今後、本件整備情報につきましては、中野区と東京都で連携を密にしまして、中野区として必要な情報収集、情報提供に努めてまいりたいと考えております。

 また、関係権利者の意向をよく確認するよう東京都へ働きかけるとともに、地域の活動に大きな影響が及ばないよう、中野区と東京都で調整をとりながら進めたいと考えています。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。

 次に、その項の二つ目の中身ですけれども、区道の路面舗装等の保守整備について伺います。

 まず初めに、区が管理する区道延長はどのぐらいあるのでしょうか。確認のため、教えてください。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 中野区が管理いたします区道の延長は約340キロとなってございます。

○高橋(か)委員 この340キロの区道の維持管理に関する年間予算はどのぐらいになるでしょうか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 区道の維持管理経費でございますが、年間で約6億円ほどとなってございます。

○高橋(か)委員 この区道の中には、バスとかダンプカーとか、そういう大きな車が通る道路と、一般的に住宅地に位置している、自動車通行もそうないような道路とかもあると思うんですが、バスなどが多く通行するような路線というのは、区としてはどのような区道の中での位置づけになっているのでしょうか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) バスなどが通行して交通量の多い路線につきましては、例えば新橋通り、三味線橋通り、薬師柳通り、ちゃんちき通り、そして野方本通り、こういったところが通称名をつけておりますが、14路線ほどあります。これを主要幹線道路として位置づけております。また、それ以外の路線につきましては、私どもは一般的に生活道路というような形で呼んでおります。

○高橋(か)委員 江原、江古田、沼袋地域には、今の主要幹線道路と言われるバス路線がありまして、住民の方からは、特に勾配のある坂道等では、バス路線であったりすると、振動、揺れが大きくて、路面もわだち掘れというんですか──になりやすいという話を聞いているんですけれども、こういうような路線の整備については、どういうサイクル、段取りで進めていくのか、選定されていくのか。その辺はどうなんでしょうか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 道路の平均耐用年数でございますが、私ども、約50年程度というふうに考えてございます。主要幹線道路に関しましては、その中間地点でアスファルト舗装の全体の舗装面の打ちかえと、アスファルト舗装の部分のみの切削といったような舗装の打ちかえ、そういったことを基本としてやってございます。

 また、整備路線の選定に当たりましては、5年ごとに実施しております路面性状調査の結果、舗装の劣化状況等を数値的に把握してございまして、それでもって補修の優先順位を選定してございます。それを道路管理システムの中に記録させておりまして、それで管理をしてございます。また、区民の皆様方からの苦情、御相談、そういったものを参考にし、年におおむね20路線ほど選定して整備をしているものでございます。

○高橋(か)委員 先ほど、私が申し上げた振動、騒音という話がありましたけれども、区民の苦情、相談というか、要望というんですか、そういうので特に特筆すべきものというのはほかに何かあるのでしょうか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) ちょっと細かいんですけれども、例えば私どもに寄せられる苦情、相談というのは、まず道路上の放置物件、それの回収をしてもらいたい、それから動物が死んでいる、それから道路反射鏡などの道路付属物の補修、それから樹木の剪定をしてもらいたい。それから雨水升の補修だとか、あるいは防護柵の補修をしてもらいたい。道路の清掃をしてもらいたい。L型側溝がガタガタしているので直してもらいたい。そういったものの御相談、苦情、そういったものが年間約1,900件ほど届いているものでございます。

○高橋(か)委員 わかりました、ありがとうございます。

 次に、交通量の多い路線では、私の申し上げた江古田地域に限らず、振動とか揺れとかが問題になっているところが多くあると思うんですけれども、その対策について伺います。緊急に行う場合と、例えばこの振動を抑える何か工法、施工方法とか、あるいは掘れていくようなわだち掘れを抑制するような何か、その工法とか構造、対応、スペックを変えるとか、何かそういうことはあるんでしょうか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 先ほどの区民の皆様方からの苦情、御相談、それに対しての緊急的な対応につきましては、毎日、私どもの道路保守管理委託という業者に対して委託をしているんですけれども、1件1件現場に職員が参りまして、どのような対応をしたらよいか、そういったことを含め、調査をした上で毎日発注をして、その現場に急行し補修をしているといった対応をしております。また、その場所がちょっと延長距離が長いですとか、規模が大きいといった場合には、別途、発注をして対応をしているといったものでございます。

 それから、道路の振動ですとか、わだち掘れの抑制の工法といたしましては、セメント系もしくは石灰系の添加剤を土にまぜまして土壌を改良する方法ですとか、それから、振動抑制型の高規格のアスファルト舗装の舗装材を使用したり、また、振動抑制シートというものがございますが、それをアスファルトとアスファルトの層の間に入れまして振動を抑制するといったような方法を採用してございます。

○高橋(か)委員 次に、皆さん、記憶に新しいことだと思うんですが、2012年の12月に発生した笹子トンネルの天井板落下事故ですけれども、これを受けて、国は笹子トンネルの事故を契機として、第三者被害の防止の観点から、自治体が管理する道路や橋梁、トンネル、また附属物について早期に点検、調査を行って、維持管理のための修繕計画を策定する。いわゆる維持管理についての経費について国の補助対象ということで、道路ストック総点検とその修繕計画ということなんですけれども、来年度、26年度の当初予算には、中野区でも区からの通知を受けた経費というのが計上されていますけれども、具体的にはどういう形になるんでしょうか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 一般質問のきょうの御答弁でも聞いたところでございますが、道路ストック総合点検のこの中身につきましては、道路の標識、それから道路照明、道路の反射鏡、道路付属物、そういったものの約7,200基の損傷の具合を調査、点検いたします。また、道路ののり面ですとか擁壁等調査が21カ所、そして路面の舗装面のひび割れ、わだち掘れ、凹凸の状態の調査、そういった路面性状調査が320キロ、区道距離ですね。そして、主要幹線道路を対象にいたしまして、道路の路面下の発生する空洞の調査、こういったものを約21キロ行う予定になっております。

 また、この調査、点検をもとに現状を把握いたしまして、これまでの工事履歴を検証し、3段階評価で修繕計画を策定していくといったようなことになってございます。

○高橋(か)委員 といいますと、区は道路ストック総点検の実施と修繕計画の策定、これによって予算を確保して計画的な修繕を行っていく。こういうことで、これから先も区道がより安全、快適な道路を維持していくんだということでよろしいんでしょうか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) この道路ストック総合点検を実施いたしまして、修繕計画を策定して、必要な予算を確保し、計画的に修繕を行っていくことによりまして、これまで以上に安全で快適な道路を維持できるものと考えております。

○高橋(か)委員 年間1,900件のスポット対応とこうした長期計画ということで、大変御苦労さまだと思いますけれども、安全に、また第三者傷害がないように、ひとつよろしくお願いいたします。以上であります。

 それでは次に、3番目の項目、中野四季の都市(まち)の活用策と区のかかわりについてお聞きいたします。

 まず最初に、一つ目のにぎわい都市観光イベントについてです。2012年の4月の四季の森公園のオープン、また、2013年6月の四季の都市のグランドオープンということを加えて、そろそろ1年になるというところで、その間、四季の都市周辺で多くのイベントが開催されてきましたけれども、まず平成25年の主催、共催、後援といった、区がかかわったイベントの開催内容と、その規模、また区の支出した経費といいますか、その辺、おおむねどうだったのかという、重立ったものでも結構ですので、お答えいただけますでしょうか。

○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 平成25年度の主な実績ということでお答えさせていただきます。

 まず、主に中野四季の森公園、これをメイン会場として行われましたものが花と緑の祭典、これは春と秋の1回ずつ。それから、中野にぎわいフェスタ。そして、東北復興大祭典なかの、これらについては区が実行委員会等々の共催で行ってございます。そのほか、中野ランニングフェスタ2014、こちらは後援をしてございます。それから、中野セントラルパークの公開空地のほうを使って、主に民間主催ということで約20回近くのイベントが開かれてございます。そのうち9回については区が後援をしてございます。

 参加の規模等でございますけれども、一部御紹介いたしますと、中野にぎわいフェスタにつきましては、2日間で約15万人。それから、東北復興大祭典なかのにつきましては、同じく2日間で約18万人。それぞれ区のほうが共催の協定等に基づいての負担金あるいは主催部分についての経費を支出してございます。

○高橋(か)委員 26年度も継続的にこうした多くのにぎわい行事が開催されていくということなんだと思うんですけれども、予算資料によりますと、都市観光推進事業1,043万1,000円、こう書いてありますけれども、この内訳はどういう内容なんでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) お答えいたします。都市観光推進事業の1,043万1,000円の内訳でございます。こちらでは区内全域を対象といたしました都市観光イベントの開催経費で450万、それから既に開設してございます中野区都市観光ホームページ「まるっと中野」拡充経費で160万円余。それから、多言語による観光ガイドマップの作成経費として190万余、以上が主なものでございます。

○高橋(か)委員 また、商業活性費に、にぎわいフェスタ実行委員会補助金で200万。にぎわい観光振興に係るものなんでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) にぎわいフェスタ実行委員会補助金の200万円でございますけれども、この前同様、中野駅周辺の商業を中心といたしました民間主体によりまして、にぎわいの創出でございますとか、来街による消費など、周辺商業への波及を目的としているイベントでございます。民間主体の自主性・独立性をさらに高めるために補助金化して推進を図るものでございます。

○高橋(か)委員 この補助金は、例年どおりということでいいんでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 今年度は負担金ということで、区の主催ということで同時主催をさせていただきましたが、来年度につきましては、いま先ほど申し上げましたとおり、補助金化をするものでございます。

○高橋(か)委員 新設の都市魅力創出費という形で取り組みが述べられて、予算書に出ておりますけれども、これはどういう内容で、予算的にはどうなんでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 都市魅力創出費でございますが、こちらにつきましては、直接、大規模のイベントの開催経費ではございませんが、中野駅周辺のまちづくりの進展によりまして、来街者等の増加を好機といたしました、まちの魅力、価値、そうしたものをさらに向上させるための持続的、自律的な仕組みの構想、具体化の検討にかかる経費でございます。

○高橋(か)委員 中野のここの都市としての魅力をつくり出すのか、あるいは既にすごいにぎわっていますけれども、そうした今ある魅力をさらに展開していくのか。区がそこにどうかかわるんでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 区内には、今、さまざまな魅力的な地域の資源というものがあるわけでございますが、そうしたものも含みまして、また新たな魅力創出に資するもの、こうしたものの発掘等も踏まえまして、新しい中野の魅力を発信する、そういったものの仕組みづくりを構想していきたいと考えています。

○高橋(か)委員 私の手元資料なんですけれども、建設委員会のにぎわいフェスタの資料を見ますと、区の役割が負担金の拠出、利用施設の調整、あと自治体との連絡、あるいは広報、PR。こういうふうになっているんですけれども、私が、今、感じていることなんですけれども、都市観光の施策を具体化するのに、内容とか進め方とかそういうものをもっと区が主体的にリードしているのかな、どうなのかなというのが、私はそこの場にいて、会議に出ているわけではないので、ちょっとそこがすごく気になっていましてね。民間は民間で、今後、区に期待するものもどんどん膨らんでくるでしょうし、グランドオープンから1年ということで、いろんなイベントを経験されたということで、一度きちっと、民間が何を行政に求めているのか、あるいは行政としてどう区の都市観光、にぎわい施策をどう具現化できるのかということを、ぜひそこに検証していく時期でもあるのかなと、私は、今、そう考えておりますので、またどこかの機会でその辺もいろいろお伺いしたいと思っております。

 当該地、都市観光の代名詞になるような中野を代表するイベントとして、現在行われている行事をさらに発展しなきゃいけないと思いますし、また新たに創出することになるかもしれないと思うんですけれども、その際、主催者が民間など多岐にわたると思うんですね。そうしたときに、中野駅周辺地区でイベントをやるわけなんですけれども、そこだけのイベントというふうに思われないように、多くの区民が納得できるような代表的なイベントとしていくには、やはり区の関与が不可欠ではないかなと思っております。

 先ほど、ランニングフェスタの話が出ましたけれども、2月2日に開催されたランニングフェスタ、聞いたところによると、親子のウオーキングも含めると、老若男女1,700人以上が参加して、その85%が中野区民で、非常に反響がよかったという話を聞いていますし、主催者としての実行委員会、経済団体とか体協とか、もちろん、中野区、また野方警察の協力とか、多くのボランティアの区民スタッフも参加したということで、非常に活気があったなと考えています。

 今後、多くの区民参加型の中野を代表するイベントとして、継続と同時に、さらに展開していくということも期待できるんじゃないかと感じたんですけれども、こう考えてみますと、イベントを通していろいろ試行錯誤を繰り返しながら、区の重点施策として推進していくにぎわい都市観光とか活性化というので、成功に導くいろんな重要なキーワードというのが、前から区がおっしゃっている産学公連携であり、今、私が申し上げた区民参加であったり、テーマ性、統一性だと思うんですけれども、ここでちょっとお伺いしたいんですが、この項の最後に、主催者らが個々ばらばらに企画、開催するということに任せるのではなくて、産学公連携の視点からも、民間と区と、あるいは民間同士がコラボレーションするような、イベントの質とか雰囲気の一体感、統一感というものをぜひ醸し出していっていただくということが必要だと思うんですけれども、最後に区はどういう方針で臨んでいくのかをお示しいただきたいんですけれども。

○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 中野四季の都市(まち)地区のエリアマネジメントといたしまして、さまざまこれまで話し合いを重ねた経緯がございます。その中で、中野駅周辺まちづくりのグランドデザイン、ここで示されました中野四季の都市(まち)地区の特色、新たなにぎわい創出に資するというようなこと。こういった方向を目指して検討してきたところでございます。関係地権者各位等の活動等の調和も図りながら、その目指す方向にも照らし、そしてまた中野区の都市観光振興のあり方との整合を図りながら、各地のイベントのあり方について、このエリアの魅力発信にもなるよう検討してまいりたいというふうに思っております。

○内川委員長 高橋委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。3時20分まで委員会を休憩します。

午後3時00分休憩

 

午後3時20分開議

○内川委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。高橋かずちか委員、質疑をどうぞ。

○高橋(か)委員 それでは次に、(2)エリアマネジメントについて伺います。

 ことしの4月には、早稲田大学も早稲田大学中野国際コミュニティープラザとして、日本人学生と留学生が混在する、先ほども人数出ましたけれども、約900名の規模の学生寮とエクステンションセンターとして地域に開かれた生涯学習の場がオープンします。いよいよこれでオールスターキャストがそろうということだと思うのですけれども、そこで伺います。2012年4月の四季の森オープン、また翌年のグランドオープン、そして、これまでに進めてきた駅周辺全域でのタウンマネジメント、また先行する中野四季の都市(まち)におけるエリアマネジメントについて、これまで区がどのようにかかわってきたのか、具体的な実績を、時系列をお示しいただいて説明をお願いしたいと思います。

○横山都市政策推進室副参事(産業・都市進行担当) 中野四季の都市(まち)におけるエリアマネジメント、それから駅周辺全体のタウンマネジメントにつきましては、平成23年度に基本的な考え方を取りまとめまして、エリアマネジメントの設立の趣意書案、このような形にまとめたところでございます。それをもちまして関係地権者との調整、打ち合わせを進めてまいりました。

 平成24年度には、この趣意書案につきましておおむねの合意を得られましたので、仮称ですけれども、エリアマネジメントの協議会、設立準備会を発足させております。趣意書の案の中でも触れてございますが、まず維持管理面につきましては、セントラルパークと2大学の公開空地、これと中野四季の森公園との管理水準、これの水準合わせを行いまして、一体的な管理を実際に行っているところでございます。

 それから平成25年度に開校いたします明治大学、帝京平成大学、こちらにつきましてはこの1年間、実際どのようなことになるのかといった状況を見定めながら今後の取り組みを考えたいという御意向もございましたので、この間、関係者の意向把握、それから共通認識づくりを今年度進めてきたところでございます。

 実務的な調整といたしましては、月1回程度、セントラルパークの管理者、それから明治大学、帝京平成大学、そして区の四者によります会合を行いまして、実際の使い方についての調整を進めてきているところでございます。この四季の都市(まち)のエリアマネジメントの取り組みの到達点を踏まえまして、さらに中野駅周辺全体のタウンマネジメントのあり方について、考え方等をまとめていきたいというふうに思っております。

○高橋(か)委員 26年度予算資料によりますと、タウンマネジメント推進関連予算として、資料印刷費15万円、またタウンマネジメント関連イベント等開催経費79万1,000円と、こういうふうにありますけれども、これは具体的にどう使われるのでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 中野駅周辺のまちづくりの進展、それからこれまでのさまざまな取り組みを踏まえまして、まちの魅力・価値をさらに向上させるための持続的自立的な仕組みの一つといたしましてタウンマネジメントの具体化を図る、そうした費用でございます。タウンマネジメントの考え方等の策定にかかる経費といたしまして、資料印刷等で15万円。また、こうした考え方の周知でございますとか機運の醸成、内外の発信等のためのイベントの開催経費といたしまして、会場使用料及び事業委託費として79万1,000円を計上しているものでございます。

○高橋(か)委員 この資料印刷費15万円というのが、いわゆる会議体、協議体の開催経費であったりするということだと思うんですけど、これ例年11万円であったりしていたのがずっと続いていて、今回ようやく、いわゆるイベント等開催経費ということで具体的な中身が79万1,000円ということで追加されているということで非常に楽しみにしているんですけれども、ちょっとお聞きしますけれども、タウンマネジメント、まずは駅周辺ということで、その中の四季の都市(まち)を特化した形でのエリアマネジメントについてこの予算を組んでいるということでよろしいでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 御案内のエリアマネジメントを含めました中野駅周辺全体のタウンマネジメント、こうしたもの全体の経費としての計上でございます。

○高橋(か)委員 四季の都市(まち)以外でもそれぞれの残り3ブロックのエリアマネジメント──3ブロックという言い方が適切かは別ですけど、南地域とか、残りのところも独自のエリアマネジメントを展開していく経費も入っているんでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 御案内の区分けについて具体で設けているわけではございませんが、中野駅周辺全体のタウンマネジメントにかかわる考え等の策定の経費というものでございます。

○高橋(か)委員 全体のまちのあり方をマネジメントするタウンマネジメントがあって、個々のそれを効果的に推進するための少し小さい形での具体性のあるところがエリアマネジメントという認識でいたんですけど、それでよろしいんですよね。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) はい、御案内のとおりでございます。

○高橋(か)委員 では将来的には、まちづくりもありますけれども、それぞれの4区画のエリアマネジメントができ上がって、トータルで駅周辺のタウンマネジメントが進んでいくということでよろしいですか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 具体は今後検討してまいりますが、おおむねそういった方向で考えていきたいと思います。

○高橋(か)委員 まちづくりの途中ですので、その辺は楽しみにしていきたいと思います。

 四季の都市(まち)には多くの民間企業、もちろん皆さん御存じのとおり、有名大学、また区が権利を持っている産業拠点が存在していまして、先ほども申し上げたような観光・産業振興に不可欠な産学連携につながるもの、大事なものが存在していると思うんですけれども、こうした形で具体的なエリアマネジメントを今こそ進めるべきだと考えていまして、企業、大学それぞれ、先ほど副参事の説明もありましたけれども、考え方とか進出時期も違うわけで、温度差は多少なりにもあるとは思うんですけれども、ただ、この10年間にいつ来るかわからない首都直下地震に備えた減災対策というか防災の面では、BCPという考え方や、社会的な企業責任といいますか、そうしたものでも企業も学校も同じように重要視していると思っていまして、こうした考え方をすれば、まずは具体的にアクションにつながるのではないかなと。というのは、森ビルなんかが、10年たっていますけれども六本木ヒルズのときも、あるいは三菱地所が進めている大丸有の中の丸の内・東京駅の防災隣組も、具体的なエリアマネジメントの突破口というか、口火は、防災に向けた連携から始まっていると聞いていまして、いろんな事例を見てみますと、行政による位置付けがなされていたり、地区の課題がやはり防災なんだというようなそういう共通項があったり、六本木ヒルズなんかの場合はグランドオープンよりもはるか前からタウンマネジメントをフェーズ1、2として組み上げていって、準備室もグランドオープンの前に立ち上がったりとこういうふうにしているわけで、もう待ったなしではないかなと思っています。

 区として、四季の都市(まち)に進出したこうした企業、学校に声かけをして、こうした防災に向けた取り組みというものをテーマとして、エリアマネジメントの具体的な一歩として進めるということをどうお考えでしょうか。

○横山都市政策推進室副参事(産業・都市進行担当) 先ほど御答弁した中で触れました中野四季の都市(まち)エリアの設立趣意書の案の中におきましても、防災面での取り組みについては盛り込んであったところでございます。これについてはおおむねの合意を得たところでございまして、関係地権者とも重要な取り組みの一つという認識で来てございます。

○高橋(か)委員 ぜひ具体的な目に見える形での展開をお願いします。

 以上で(2)を終わります。

 次に(3)の首都直下地震対応について申し上げます。先ほどエリマネのところで防災をテーマという話がありましたけれども、これは区の直下地震においての防災減災対策として、中野四季の都市(まち)エリア、このゾーンに特化して質問したいと思います。

 まず確認ですが、大地震が発生した際、区役所2階に区長を本部長とする災対本部ができ上がって、区の職員がそこに集結して情報収集・災害対応に当たるということでよろしいんですね。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区は、災害発生時におきまして、迅速かつ的確な応急対策を実施する必要があると認めるときは、区長を本部長といたします災害対策本部を設置いたします。震災対策におきましては、中野区内に震度5弱以上の地震が発生した場合を基本として設置することとしてございます。災害対策本部は区役所2階の防災センター内に本部長室を設置いたしまして、ここを拠点として各部への指揮命令、各関係機関との連絡調整に当たることとなってございます。

○高橋(か)委員 そうしますと、それで要は48カ所の指定された避難所が開設されていくということだと思うんですけれども、この中野四季の都市(まち)は、発災後にはどういう位置付けになるのでしょうか。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) この中野四季の都市(まち)におきましては、区役所一帯として発災時、延焼火災やその他の危険から一時的に退避するための広域避難場所に位置付けられてございます。また防災公園という位置付けもございますし、帰宅困難者の一時滞在施設もございます。また災害拠点病院もございます。さまざまな防災基盤が集積している地域であるということができると思います。

○高橋(か)委員 今お伺いしたとおり、防災に関する機能が集結した、東京でもほかに例を見ないといいますか、警察病院もありますし、大きな公園もある。まさに中野はそうして防災的な観点からも整備をして、地盤面の安定・防災のことで企業も多く誘致がされてきたと思うのですけれども、実際発災すると多くの区民や帰宅困難者があふれ返ってくると思うんですね。区は災害協定として、概要ですけれども、キリンビールとは飲料水関係の提携も行っていますし、大学とは帰宅困難者の、あるいは避難所としての滞留施設であったり、学生ボランティアの協力支援等、あるいは防災訓練にも協力しますよと、こういういろんな協定を結んでいる。今後、区はさらに進出しているところに協力を求めていくという話で、非常に有効だと思うんですけれども、一方で、四季の都市(まち)での具体的な災害時に対応する組織体の概要が見えていないんですね。東京都の広域避難所ということではわかっておりますし、昨日の都市基盤部長も一時避難所、広域避難所との時系列的な関係も話をしていました。一方で区はこうした災害の強い拠点エリアをつくってきた。そうなると、地区の価値向上の観点からも、広域避難所でもあるこのエリアですけれども、災害時の管理運営というものが非常に必要になってくるのではないかなと思っていまして、現地に中野四季の都市(まち)の災害本部のようなものが機能して、指揮命令系統がしっかりと確立されないとならないのではないかと思うのです。区は行政として社会的な責任があると考えておりまして、平時から区が主導してこの四季の都市(まち)における進出企業や大学を対象とした防災訓練をぜひ行ってもらって、現地を運営する組織体制が機能して、指揮命令系統が確立されなければいけないと考えておるのですけれども、いかがお考えでしょうか。

○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) この地区には避難者、また帰宅困難者、双方の安全を確保するための災害対策が必要であるということは認識してございます。広域避難場所の運営は区の災害対策本部の避難所班、応急班が対応することを位置付けられてございます。また中野区帰宅困難者対策協議会の中野駅周辺部会におきましても、防災関係機関や事業所と連携して、駅周辺地域におけます具体的な帰宅困難者施設の検討を進める予定でございます。そうした検討の内容も踏まえながら、この地域におけます災害対策について整備していきたいと考えているところでございます。

 また災害対策の実効性を確保するために訓練は非常に重要だと認識してございます。対策を整理する中で、訓練の実施につきましても関係機関等と協議を進めてまいりたいと、このように考えてございます。

○高橋(か)委員 ちょっと時間がもうなくなってきたので、言いたいことはいっぱいあるんですけれども、災害時の行政の対応というのが防災計画第39次にのっとってマニュアルでやっていけば進むということでは多分ないと思っていて、いろんな、新潟、中越や阪神あるいは東北を見たときに、結局、現場でどう映っているかという被害者目線というか、それが非常にすべてを決するようなところがあって、ある意味、発災後何十何時間はみんな、まずそこにいるということは命が助かったわけで、幸運な方々だと思うんですね、大震災の場合は。そうするとそこで助け合って、それからどうするといったときに、だんだん目を配ってきたときに、最初は必死で救助に当たっていると思うんですけど、その後に、さあと言ったときに、中野区の姿勢が見えるのか、見えていないのかというところで、大きなあらぬ批判を受けるといいますかね。マスコミも多分投入されてくるでしょうし。そうしたときに区役所の2階の、皆さんの御家庭を吹っ飛ばして災対本部で頑張っている区の職員の姿は多分写し出されずに、避難所で「区役所は何やっているんだ」という、そういう人たちがクローズアップされるという構図だと思うので、ある意味そういうのも災害時の危機管理の一環として、懐深くぜひ対応していただければと思います。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に4番目の学校における動物飼育について伺います。

 学校での動物飼育についての有効性については、時間がないのではしょりますが、平成25年の第1回都議会定例会でも東京都の教育長が非常に教育上有益あるいは子どもの情操教育にとって有益、今後の市町村教育委員会とも連携を図り、動物飼育を通した教育を推進していきます、こういう話が出ておりましたり、文部科学省にもそうした有効性の文献が数多く出ております。そうしたことを踏まえて、中野区は今、学校飼育では、動物との触れ合いというこの学校飼育をどのように考えておられるのでしょうか。

○川島教育委員会事務局指導室長 現在、児童が置かれています社会的状況を踏まえますと、児童が生き物に対して親しみを持たせ、そして命の尊さを実感させるために、児童がみずから継続的に飼育活動を行うということは、教育的に大変意義のあることだというふうに受けとめております。

○高橋(か)委員 東京都も23年に具体的な触れ合い授業を各自治体に展開をしていて、中野区も応募したという話なんですけれども、ちょっとそこは省きまして、区内の25の小学校のうち、動物飼育をしている学校は何校あるんでしょうか。

○川島教育委員会事務局指導室長 区立小学校25校中、ウサギですとか鶏ですとか、いわゆる小動物を飼っている学校は18校ございます。

○高橋(か)委員 その管理とかいろんなコストがかかると思うんですけれども、それはどういう形で支出されるんでしょうか。

○川島教育委員会事務局指導室長 まず動物のお世話は、子どもたちが委員会などを編成して当たっています。コストについては、主に餌代が大きなものになってくるかと思います。近くの八百屋さんや給食から出る野菜くずなどで対応する場合もありますが、市販の餌の場合については校割予算で対応しております。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。

 近年、動物由来の感染症、鳥インフルエンザとか狂犬病とか、大きく報道でも報じられたりしているんですけれども、現在飼っている学校で公衆衛生の観点から専門的知識を持つ獣医師による指導とか、定期的な動物の健診等は行っているのでしょうか。

○川島教育委員会事務局指導室長 現在各学校で飼育している動物について、獣医師などによる定期的な健康診断とかは行ってはおりませんが、動物が病気になったり、または病気が疑われるような場合には、近隣の動物病院に診察をしてもらっているなどの対応をしております。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。

 文科省も、動物の飼い方の教育も先生に、なかなか忙しい中できちっとマニュアルをしないと、せっかくいい取り組みが逆効果になったりするということで、獣医師を活用するようにというのが文書で出ていたりとかしているんですけれども、児童が多くをフォローした活動で学ぶときに、その接し方とか注意点、また飼い方、仕方について、正しい知識を学ぶ必要がある。また一方、感染症の関係から、日ごろの動物のケアをするとか健診する、あるいはそうしたもので公衆衛生の専門家の指導が重要であるというふうな文献も出ているんですけれども、こうしたことで獣医師等の存在というのが動物飼育には不可欠であると思うんですけれども、区はどのようにお考えでしょうか。

○川島教育委員会事務局指導室長 学校で動物を飼育する場合に、児童への指導を行うのは主に教員の役目になります。教員が動物の飼育に関する知識ですとかノウハウを持つためには、東京都教育委員会ですとか東京都教職員研修センターが研修会の講座を実施していまして、これを受講することで動物の飼育に関する基本的な部分については補うことができるというふうに考えております。ただ、健診ですとか病気に関することは、これは専門家による指導ですとか対応が必要になるというふうに考えます。

○高橋(か)委員 文科省とか国とか都がいいからやれといっても、なかなか現場は忙しいし、学校の先生がそういう知識をまた学ぶというのもなかなか物理的に難しい面もあって、ただやはり今行っている18校の動物由来の感染症等を考えたときには、やはりそこに何らかの形で獣医師の介在が必要かなと。今おっしゃったようなスポットだと結局コストが高くつくので、渋谷区がやっているような包括的な契約のような形で、トータルで、込み込みでやってもらうという形であれば、万が一死んだときの対応とかいろんなことでの融通がきくのではないかなと思うので、こうした形でのエリア単位で獣医師に対応してもらうとか、そういうことでほかの自治体が進めている例も参考にしながら、ぜひ検討していただきたいと思うのですが、どうでしょうか。

○川島教育委員会事務局指導室長 動物の治療ですとか健診については、十分ではないとは思いますが、現状で対応できているというふうに考えますが、獣医師会との協力関係につきましては、他の事例なども参考にしていきたいというふうに考えております。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。

 それでは次に、介護サービスと消費税の関係について話を申し上げます。

 まず介護保険に係る区の予算について、これは介護保険特別会計で実施されているということですけれども、この財源構成、また一般会計から負担する分についてはどうなっているのか教えてください。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護保険特別会計の財源構成は、65歳以上の第一号被保険者の保険料、40歳から64歳までの第二号被保険者の保険料、国庫負担金と支出金、一般会計の繰入金等で構成されております。一般会計につきましては、特別会計の支出の大半を占めます介護給付費につきましては、法定負担割合ということで12.5%の負担をしております。

○高橋(か)委員 年間の収支において歳入が歳出を上回った場合、残った場合はどうされるのでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護保険の特別会計につきましては、介護保険事業計画の要介護認定者数の推計ですとか、サービスの見込み料も踏まえまして、実績も踏まえまして予測をしておりますけれども、歳出が歳入を上回る場合が見込まれている場合、それから残額が発生する場合は補正を行い、最終的には介護給付費準備金のほうの取り崩し、または積み立てを行っているところでございます。

○高橋(か)委員 消費税アップについての関連ですけれども、こうしたサービスを提供する介護施設、また物品・食料の仕入れ等に係る経費について、消費税との関係について聞きたいと思うんですけれども、支給限度基準額とか、福祉用具の販売とか、住宅改修の支給限度基準額とか、こういうものについてどういうふうになるのか。いわゆる3%上がるから、それが3%上がるのか、あるいはいろいろ計算式があって薄まるのか、その辺はどうなんでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護保険サービスを提供している事業者につきましては、物件費などは消費税の引き上げに影響を受けることになります。したがいまして、個々のサービスの介護報酬が引き上げをされることになります。それに伴いまして区分支給限度額基準額についても引き上げをすることになります。消費税につきましては3%のアップということでございますけれども、介護サービスにつきましては人件費等、それから物件費等もございまして、最終的には0.6%の引き上げというふうになる予定でございます。

○高橋(か)委員 その辺をサービス利用者のほうにきちっと周知、情報提供するという体制もぜひお願いをいたします。これは要望しておきます。

 次に、最後ですけれども、介護サービスに要する福祉用具を購入する場合、いわゆる1割負担ということだったと思うんですけれども、指定登録制のところから買うように中野区はなっているんですけれども、今、生活の中でもインターネット販売とか通販とかが主流になっている中で、そういうものを認めずに、あえてインターネットはだめよと、こういうふうに区の中で告知しているというところはどういうところなんでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 昨今、インターネットを使った介護用品の販売というのが普及しているところでございますけれども、一部で心身の状態像に合わない福祉用具の提供または利用によって、本人の自立を妨げ、かえって状態の悪化につながるようなケースが見られましたので、販売店を指定登録することになってございます。指定登録を受けた事業者につきましては、福祉用具専門相談員を配置いたしまして、利用者の心身の状況等を踏まえて、購入の際には選定の援助や取りつけ、調整を行うということで販売するということに変更になりました。

○高橋(か)委員 わかりました。安全面とか、いわゆるユーザーとの対面的な問題とか、そういうものをクリアしたときは、ぜひ、より安く、またユースフルに購入できるような、そうしたユーザー目線の視点もぜひ今後取り入れていただきたいということを要望して、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

○内川委員長 以上で高橋かずちか委員の質疑を終了します。(拍手)

 次に大内しんご委員、質疑をどうぞ。

○大内委員 どうもお疲れさまでございます。自民党5番目、金曜日、週末、最後でございますので、最後、頑張っていただきたいと思います。

 質問ですけれども、やはりここまで来るとかなりダブっている部分があります。答弁も、あれ、僕が聞くこと、何かもう答えちゃったな、そういうこともあります。理事者のほうも、どういう答えをするかまで私には通告していませんので、そういうこともあるんですけれども、やはりそういう場合はもう一歩突っ込んで、あるいはちょっとひねってお聞きすることになると思いますので、それはよろしくお願いいたします。

 では最初に、順番どおり職員定数についてお聞きをします。

 区長は、今回の施政方針説明の中で、新たな職員定数の考え方を示す時期に来ていると述べておりますが、今まで目指してきた職員2,000人体制にかわるものとして、どういったことをお考えなのか質問いたします。

○角経営室副参事(人事担当) 新たな職員定数の考え方は、職員2,000人体制にかわるものとしまして、今後10年程度の期間の職員定数計画の考え方等をお示ししたいと考えてございます。

○大内委員 よくわからないですけど、別にそんなに深く、今まで何回も答えているので結構です。

 職員定数の、この定数の職員の数というのは誰を指しているんでしょうか。

○角経営室副参事(人事担当) 常勤職員とフルタイム再任用職員の合計数のことでございます。

○大内委員 常勤職員とフルタイムね。今、再任用職員と非常勤の方もいらっしゃると思うんですけれども、そういった方はこの2,000人体制には入っていないということだと思うんですけれども、そういった方たちの推移、職員数の数。職員数とは言わないのか。再雇用職員と非常勤の数の推移はどうなっているんでしょうか。

○角経営室副参事(人事担当) 週4日の短時間勤務の再任用職員の推移でございますが、平成19年度、これは旧制度の再雇用の職員も含みますけれども、101名おりました。これが平成25年度には182名と増加してございます。一方、社保払いの非常勤職員ですけれども、平成19年度112人いた非常勤が、25年度には71人と減少してございます。

○大内委員 非常勤のほうは減少しているということですね。再雇用のほうは若干、倍近くふえていると、そういうことですね。わかりました。

 次に職員2,000人体制を構築したときの考え方ですけれども、そのときにどういった形で2,000人体制の形になるのか。こういった形で将来2,000人になっていくと、削減していく考え方についてどう考えていたのか、その当時。お願いします。

○角経営室副参事(人事担当) 少数精鋭の職員体制によりまして、最小の経費で最大の効果を地域社会にもたらすことを目指しまして、民間活力の活用等で施設運営の委託化、民営化や業務の委託化によって職員の削減を行う計画でございます。主なものに、区立保育園の民営化、学童クラブ運営の委託化、区立学校や保育園の給食等の委託化等がございます。

○大内委員 それは、答えはそうだと思うんですけれども、計画どおり着実に進んできたと、そういうふうに言えるんですか。

○角経営室副参事(人事担当) 職員2,000人体制に向けての方策の中で掲げさせていただきました、先ほど御紹介した具体的な方策はほぼ実行して、そういったところで確実に定数を削減してきてございます。職員2,000人体制の職員数換算で、先ほど御案内しました再任用短時間職員も含めまして、平成19年度に2,679人だったものが、平成26年度の見込みでは2,129人になる見込みでございます。

○大内委員 次に、この職員削減は主に委託化によると今、お話がありました。また、建築確認申請の業務など、制度改正に当たってはさらに民間業者による行政サービスの分野への参入など、委託化できる環境ができたことも委託を後押ししている状況だと思いますけれども、来年度、予算の説明でも若干ありましたけれども、新たに委託化する業務はどのようなものなのでしょう。

○角経営室副参事(人事担当) 施設の委託に関しましては、キッズ・プラザの委託とか、学童クラブの委託、それと窓口業務の委託につきましては後期高齢医療窓口、それから介護保険窓口の委託を予算化してございます。それと、あと内部管理事務につきましては、住民窓口にかかわる入出力等の業務委託、こういったものを来年度、新たに委託化ということで想定してございます。

○大内委員 それと、当面、委託する考えはないにしても、今後委託できる業務、仕事。来年、委託、民間あるいは非常勤等で雇うだとかいろいろあるにしても、中野区として、まだ来年、計画はないけれども、他区だとかいろんなところと比べると、まだこういった部分が委託できる、あるいは民間活力できるといったものはどういうものがありますか。

○角経営室副参事(人事担当) 御案内しました区立保育園の民営化というのが大きな要素としてございます。それ以外にも、足立区なども検討してございますけれども、さらなる窓口関連業務の委託化や、あとは職員が担ってございます内部管理業務での委託化も可能ということが考えられます。

○大内委員 そこまでやると職員体制何人になるんだと聞きたいんだけれども、それは通告していませんから聞きませんけれども。そうなってくると、どこまで小さい職員数が削減できるのかなと思います。

 ただ、私どもが最初、議員になったときに、学校給食民間委託。これは今、現田中区長ではなく、神山さんが主導で行ったんですけれども、田中区長になって、さらにいろんなことが委託化をされてきているわけですけれども、この職員定数の削減を業務の委託化で効率的に行おうとするとき、例えば同じ経費で窓口のサービスの提供で、区の職員だと5人しか配置できないけれども、委託化すると8人提供できます。そういった話があると、職員というか、人が多ければサービスの向上につながるのかなと、わかりやすいんですけれども。ただ、人件費が物件費にかわる、委託費にかわるというだけでは本当に効率化になっているのかというのは非常に疑問になっております。民営化した施設や委託化した業務には何人ぐらいの人が働いているのか。それを聞くと、答えられないと言っていたから、これも聞きませんけれども、今後、委託しているから何やっているかわからないとかじゃなくて、そのぐらい把握をしていただきたいなと。来年度1年かけて、物件費にかわっているから、業務内容だけ委託しているので人の把握までしていませんではなくて、やはり何人ぐらいの方が従事しているのか、そういったことは調べていただきたいと思いますので、ぜひ。来年聞くかもしれませんので、お願いいたします。

 そこで、単純に委託化の例ですけれども、私の地元の野方の地域センターが野方地域事務所と野方区民活動センターに転換されましたが、そこでお聞きをいたします。野方の地域センター時代の職員数は何人だったのか、それが現在の地域事務所と区民活動センターに転換して職員数は何人になったのか、それをお聞きします。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 平成23年4月1日現在の野方地域センターの職員数は、常勤職員7人と再任用職員1人で、合わせて8人でございました。平成23年7月19日の再編によりまして、野方区民活動センターの職員数は、常勤職員1人と再任用職員1人の合計2人となりました。また、野方地域事務所は、常勤職員7人でスタートをいたしました。が、現在は常勤職員3人、再任用職員2人で、合わせて5人の体制となっております。

○大内委員 ということは、地域事務所は今5人の体制でやっていると。前は7人だったということですよね。再任用というのは職員という数に入るんだね。ということは5人ということだよね。では5人ということで話を進めさせていただきます。

 では現在、区民活動センターでは委託の部分では何人働いているんですか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区民活動センターは、区の職員は2人でございますが、委託の職員につきましては、運営委員会事務局職員が2人、それから集会室等施設管理委託事業者が2人、合わせて4人。区の職員も入れて6人という状況でございます。

○大内委員 それは地域の会議室の貸し出し業務も入れてでしょう。ということは、端的に言うと、委託前と委託後、働いている方の人数は何人と何人になっているんですか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 委託前というのは、地域センターの人数は8人でございました。現在、地域事務所が5人、それから区民活動センターが6人ですので、11人ということで、ふえている。野方は地域事務所と合わせればふえているという状況になります。

○大内委員 単純に常勤ではないけれども職員数はふえている。それで聞きたいんだけれども、業務。野方地域事務所の場合は諸証明の発行をしているんですけれども、その量が極端にふえた、そういったことはあるんですか。

○田中区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 証明書の発行数でございますけれども、平成23年度は年度途中再編となってございますので、平成22年度と平成24年度の比較で御説明申し上げます。平成22年度が1万6,840件、平成24年度は2万813件、約24%の増となっているところでございます。また、本年度の1月末現在と平成22年度の同時期との比較でございますけれども、約33%の増というふうになっている状況でございます。

○大内委員 そこでちょっと追加して聞くけれども、地域事務所野方は確かに今聞いているとふえている。僕は今、初めてこれだけふえているのを聞いたんだけれども。地域事務所の職員の数というのは発行数によって違うんですか。例えば、ほかにも東部、鷺宮、江古田もありますよね。諸証明の発行数が多いところには職員が多く採用されている、発行数が少ないところには職員が少ない、そういうことなんですか。

○田中区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 地域事務所によって若干差はございますけれども、一番発行件数が少ない江古田地域事務所でございます、こちらは常勤職員が3人、プラス再任用職員1人の合計4人となってございます。他の4カ所の地域事務所につきましては、野方地域事務所と同様、常勤職員3人、それから再任用職員2人、合計5人というふうになってございます。

○大内委員 ある程度発行数に合わせて職員の配置もされているということになってくるんですけれども、働いている方が野方の地域センター、さっき言った7人から11人にふえているんだけれども、これでどんなサービスが向上されたんですか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区民活動センターに配置をしている職員が地域にお住まいの高齢者のお宅への訪問活動などを行いまして実態把握を行ったり、また支えあいネットワーク会議に出席するなど、地域での支えあい活動への支援を進めているところでございます。また、運営委員会に事業を委託するようになりましてから、地域事業数、参加人数等がふえています。また、広報紙の配布方法などが工夫されるようになりまして、発行部数が増加をいたしました。ホームページの開設も行われ、地域の情報発信が活発に行われているという状況でございます。

○大内委員 ということは、以前は情報発信が活発行われていなかったという言い方になっちゃう。前から情報発信されていたんじゃないんですか。前はされていなかったから、今回改めてそういう言い方をされているんですか。変わったからって、いいことばっかり言われると、じゃあ前はしていなかったのかな、していなかったから委託化したのかなと。そういうことになるの。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 前から広報紙は発行していたわけですが、運営委員会になりまして、町会などでの回覧で配布をしたりというような工夫がされましたので、地域の情報発信がさらに進んだというふうに思っております。

○大内委員 さらに進んだ地域と進んでいない地域があるかもしれないけれども、わかりました、それはそれ以上言いませんけれども。

 ただ、野方のところで言うと、今、部屋の貸し出しに2人ないし3人いらっしゃるんですよね。あれは、1人いればいいんじゃないのかなと思うんだけれども。委託しているから、何人でやろうが関係ないといえば関係ないのかもしれないけれども、これは別に1人ぐらいでできる業務ですよと言えば、もっと委託費は安くなるし、場所も机を二つ、三つ置いて、コピー機も全部また別だから、非常に場所をとるんだよね。地域事務所と活動センターがあるところというのは、今言ったように前より人数がふえていて、同じ部屋の大きさでやっているから、非常に混雑しているのよ。そういうことわかっていますか。わかっているんだったら、区長もわかっているみたいなんだけど。要は地域事務所がないところは広々しているの。地域事務所があるところは、今言ったように人数がふえて狭くなっちゃっていて、そこでやれと。もうちょっと効率的に貸し出し業務も考えていただきたいなと思います。

 そこで聞きますけれども、地域センター時代の人件費と比較して、現在の、野方でもいいや、全部でもいいですけれども、地域事務所と区民活動センターの人件費と、区民活動センターの委託費ですね、常勤もいるから。それ含めて、委託費、物件費で計算しているんだろうけれども、合計としてどっちがお金がかかったんですか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 野方につきまして、職員の人件費を標準人件費で換算した場合なんですが、地域センターのときの人件費は約6,788万円でございました。一方、転換後の現在の人件費につきましては、委託の事業費も含めた場合でございますが、約6,083万円でございます。705万円程度現在のほうが少なくなっているという状況です。

○大内委員 では、それに甘んじることなく、もうちょっと削減するよう努力をしていただきたいなと思います。

 それで、これまで委託化、民営化を進めたことにより職員定数を削減してきたんですけれども、業種や施設、どういったものが一番影響が大きかったですか。

○角経営室副参事(人事担当) 大きいものとしては、保育園の民営化や給食調理の業務委託、学童クラブの運営委託がございます。2,000人体制を構築する中で職員数を削減してきました結果、職種別では保育士、児童厚生などの福祉職が165人、調理などの技能職253名というところが一番大きな削減要素となってございます。

○大内委員 それで民営化、委託化によって職員定数を削減しておりますけれども、そういった職員の方、委託化、民営化によって配置がえになった方、そういった方たちをきちんと活用されているんですか。

○角経営室副参事(人事担当) まず、こういった施設運営の民営化や委託化につきましては、職員の定年退職年度などを勘案しながら計画的にそういった施設の民営化とか委託化を進めてきてございます。なお、技能職を特例転職制度という制度で事務職へ転換したり、もしくは職域の拡大で職員のこれまでの経験などを有効活用するということでの配置転換等を行ってございます。具体的には保育士とか児童指導が、すこやか福祉センターの窓口だとか子育て支援の窓口に従事するとか、そういったことだとか、あとは助産指導とか福祉指導の方が生活援護、障害福祉、もしくはそういったところのケースワーカーに従事しているという実績がございました。

○大内委員 保育士の話なんだけども、保育士の場合は他の事務職に配置転換とかしていないということでやっているんですけれども、今、新規採用をなるべく控えているという形で保育園の運営をしているんですけれども、普通に考えれば平均年齢もだんだん高くなってきている。今、どのような状況なんですか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育士の平均年齢といたしましては、この25年度の区立保育園常勤保育士平均年齢は49.5歳ということになっております。

○大内委員 別に49.5歳が悪いわけじゃないんだから、あなたが悪いわけじゃないんだから、ちゃんと答えればいいので。そういうと何となくやましいところがあるのかななんて。

 約50歳ということですよね。この方たちが悪いわけじゃなくて、自然にそうなったということになっていくんですけれども、新規の採用をなるべくしていないからね。ただ、そうなってきた場合に、将来的にやはり区立保育園は年齢が偏った形の運営になってしまうのではないのかなと心配をしているんですけれども、大丈夫ですか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 将来的なところでいきますと、ベテラン職員の比率が高まっていくといったところにあるのかなと思いますが、ベテラン職員を中心として、各園で今、配慮の行き届いた保育ができているというふうに考えております。

○大内委員 余計な言葉を入れると聞きたくなっちゃうから、余り余計なことは言わないでください。要は、このまま民営化をどんどん進めていくと、普通に考えれば、平均年齢が59歳という保育園が出てくるのかなと。配置転換をしないとね。全部やっていくと。平均年齢ですよ。今、一番高い保育園の平均年齢は幾つかと聞きたいけれども、それは聞きませんけれども。やはりそういったことになってくると、保育士をある程度は採用しているというふうには聞いていますけれども、しっかりとした長期的に立って、そういった事態にならないように気をつけていただきたいと思いますけれども、どうですか。

○角経営室副参事(人事担当) 先ほど保育園のお話が出ましたけれども、そういった職員の年齢構成の偏りなど、保育園運営の実態をよく把握し、見きわめながら、必要に応じて採用する場合もあるのではないかというふうに考えてございます。

○大内委員 これは保育園の民営化を着実に進めていく中で必ず出てくる問題だと思います。平均年齢が、身内に、うちらも勤めている方もいますし、それが悪いとか言っているわけではないので、あくまでも、どうしていくのかということを考えなければいけないということでございます。

 次に、先ほどの建築確認申請の話ではないですけれども、制度が変わったり、民間の機関でも手続ができておりますが、民間で判断が難しいような事例、相談、そういった場合、やはり区の職員がそういったところに携わっていかなければいけないと思いますけれども、まちづくりの事業や進捗、大規模施設、これから改修が多くなってきます。やはり技術職の必要性というのが今言われておりますけれども、この技術職というのは、新しい方を、若い方を採用すればいいというのではなくて、ある程度一定の経験が必要だと。そういった中でやはりOBの活用も含めて技術職、そういったものを充実させていくべきだと思いますけれども、新たな定数の職員採用の中で、そういった技術職の採用についてはどういうふうにお考えですか。

○角経営室副参事(人事担当) 豊富な知識と経験を持つ技術職の必要性は非常に高いと考えております。技術職の再任用率を高めながら、培ってきました知識・経験を発揮し、一方で職員の指導・育成に当たってほしいと考えてございます。先ほど委員のお話にありましたとおり、まちづくりの進展や大規模施設の更新など、技術職の増員の必要がございます。こういった対応に対しまして、若手職員を計画的に採用、育成しながら職員の確保に努めていきたいというふうに考えてございます。

○大内委員 ぜひそのように期待しておりますので、採用に当たってはそういったことを考慮してやっていただきたいと思います。

 では次、地域支えあいについてお聞きをします。

 地域支えあい活動に関する条例が平成23年4月に施行されておりますけれども、現在この支えあい、どのぐらいの町会・自治会に名簿を提供しているのか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 今月、新規に名簿を提供したところでございまして、区内の110の町会・自治会のうち、71の町会・自治会に名簿を提供しているところでございます。

○大内委員 そこでまとめてお聞きしますけれども、この名簿提供に当たって個人情報が漏れる、あるいはこの取り扱いを厳しく規制すると、活動する町会・自治会の皆さんが萎縮してしまったり、活動に支障が出るのではないかということで、名簿の管理、非常に負担になっているという声がありますけれども、御存じですか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 名簿の管理について、さまざまルールを設定しているところでございまして、名簿管理者が御自宅で管理ができない場合には、区民活動センターで保管をしている状況がございます。現段階で71の町会・自治会のうち、32の町会・自治会の名簿については区民活動センターで保管をさせていただいている状況でございます。

○大内委員 ですから地域センターで保管をしているのはいいんですけれども、ずっと保管しっ放しで全然見に来ない、活用されていないんじゃないのかなという心配があるので、手を挙げたからといって必ずしもうまく活用されていない事例があるように聞いているので、しっかりやっていただきたい。

 今度、震災対策特別委員会、あるいは地域支えあい推進委員会、あるいは厚生委員会で、災害時の避難行動要支援者名簿を作成すると報告がありました。これが大体3万人ぐらい対象者がいるのかな、広げると。このことと地域支えあいの名簿に関して、どういう関係になるんでしょうか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 災害時避難行動要支援者名簿は、災害対策基本法の改正に伴いまして区が作成を義務付けられているものでございます。災害時に区が要支援者の安否を確認するために作成をするものでありまして、災害の発生時、災害の発生のおそれのある場合には、区の判断によりまして地域住民防災組織などに名簿を提供することになっているものでございます。見守り対象者名簿は、平常時の見守り支えあい活動に役立てるものでありまして、災害時避難行動要支援者名簿については災害時の安否確認等に役立てるものというふうになっているものでございます。

○大内委員 だから、災害時避難行動要支援者名簿は約3万人ぐらいいらっしゃる、対象の方が。見守り対象者の名簿は約2万1,000人。かなり重なっていると思うので、震災のときは災害時避難行動要支援者名簿で動いて、ふだんは見守りの名簿で動くのか。非常にその辺が多分地域の方は混乱をするので、どっちがいいとか悪いとかではなくて、しっかり区のほうで見守る方はしっかりと見守っていただきたいなと。そういったことを前提に置いて、この避難者名簿の作成、どういった支援をするのかというのを考えていただきたいなと思います。

 ということで、災害時避難行動要支援者名簿が今度、地域に提供されるとなると、地域の方は非常に混乱するのではないのかなと不安に思っています。だって3万人いるということは10人に1人ですからね。10人に1人って、赤ちゃんからお年寄りまでの10人に1人だから。その中で実際支援できる方は半分もいない、年齢的に考えて。町会の方たちがこの災害支援者名簿に入る可能性が十分ありますからね。だからそういったことを考えて、地域に提供するときには説明をしていただきたいと思いますが、どうですか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 災害時避難行動要支援者名簿について、平常時などに情報提供する仕組みにつきましては、町会・自治会、また地域防災住民組織などに十分に御説明をした上、また十分に御意見を伺いながら検討をしていきたいというふうに考えております。

○大内委員 事前に言っているから答えがちゃんと返ってくるんだけど、本当にやってくださいね。事前にこうやって通告しているから、今、淡々と答えているけれども、答えているだけじゃなくて、実際そういうふうにやらないと、この場が終わったからいいとかじゃなくてね。

 あともう一つ、地域支えあいの名簿の扱いなんですけれども、規則の中で、条例第12条第1項の規定に、情報の提供を受けようとする地縁団体、町会・自治会ですね。「当該情報の提供を受けようとするときの90日前までに見守り対象者名簿提供届を提出する」と出ていて、第17条に、情報の提供の時期は原則として毎年2月及び8月として、情報の提供は更新は1回だと。片方で90日前に言ってください、片方で年に2回ですと言っていると、最近の事例で言うと、平成25年は3月22日が第1回、第2回は9月30日となっているんだけれども、要は第1回目の日にち、情報提供日が3月22日以降になると、次の申し込み日が9月30日になって、提供されるのが今度2月。約1年間ブランクがあくんですよね。だから、もうちょっとこれ柔軟に対応していただけるよう。もうある程度、多分70団体以上が町会・自治会出ているわけだから、あと残りの町会・自治会は40ぐらいでしょう。そうすると、これから毎年手を挙げてきても、そんなに数があるわけじゃないわけだから、最初の時期でちょっと大変だったかもしれないけれども、今後はこういった提供を希望する町会・自治会等には、もうちょっと迅速に何らか対応していただきたいと思いますけれども、どうですか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 今後、町会・自治会への名簿の提供が1回当たり減っていくという中では、提供回数や提供時期についても、町会・自治会の御意見を伺いながら、できる改善はしていきたいというふうに検討していきたいと思っております。

○大内委員 言い忘れましたけれども、みんなの党の石川議員がこういった話をよくされていたので、質問を。町会長だし、うちも町会長たくさんいますし。うちの町会長なんかも見守り提供してもらっている方もいらっしゃいますしね。ぜひともこれから新しく提供を希望する町会等には親切にやっていただきたいなと思います。

 次に、区民マラソンについてお聞きをいたします。

 先日、2月2日に四季の森公園を中心にランニングフェスタ、約1,700人が集まりまして行われましたけれども、この大会はどこが主催したんでしょう。

○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 主催は、区内の産業団体や観光協会等により組織されました中野ランニングフェスタ実行委員会でございます。

○大内委員 では、この大会は区はどのようにかかわったんでしょう。

○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 区は、中野区体育協会、中野区町会連合会、野方・中野両警察署等とともに後援という立場でかかわったものでございます。

○大内委員 近隣区で類似のこの大会について、まず、あるのか。また、そういった場合、当該区はどのようにかかわっているのか、教えてください。

○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 近隣区ということでございますけれども、いわゆる城西ブロック、杉並・練馬・板橋・豊島の4区に加えて、隣接いたします新宿・渋谷区の合計6区につきまして状況を調べたところでございます。対象といたしましては、マラソン大会だとかロードレース等、距離でありますとか名称はそれぞれ異なりますけれども、広く区民が参加できること、また何らかの意味で区がかかわっていること、複数回の実施があること等により、その区を代表するランニング大会と認知されているものを調べたものでございます。その結果、主催する実行委員会に区が加入しているものが2区、共催となっているものが3区、後援している区が1区でございました。

○大内委員 それぞれかかわり方が違うんだけれども、後援とか共催、どこが違うんですか。

○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 後援と共催の違いということでございますけれども、中野区後援等名義使用基準によれば、区が、団体が行う公益的事業に対しまして支援の意思を表示するものにとどまるというものは後援としてございます。また、これとは別に当該事業の実施に関し、区が経費等を支出するものは協賛としております。これに対しまして、共催についての明確な規定はございませんが、区が事業主体の一員といたしまして、他の団体等とともに事業の企画に参画し、直接的に運営に関与するものを共催と考えてございます。

○大内委員 区議会でもスポーツ議員連盟、オリンピック・パラリンピック推進議員連盟があるんですけれども、今、区議会でもスポーツを通じて区民に健康になってもらおうと、そういった意識を持った方たちがスポーツ議員連盟に入っております。そういった形で私も当日は会長という立場で開会式に呼ばれて行ったんですけれども、そういった議員も多くおります。ぜひとも協力をして、有意義なものにしていきたいと思いますけれども、その開会式の中で、野方の小松署長が、中野の警察署長もきょういらしている、来年はこの中野署の管内も使って大々的にやりましょうとおっしゃっていました。たしか、区長も覚えているでしょうけれども、ねぶたを招致して、ねぶたにL字道路を何とか通らせてくれないかと私が議長時代お願いに行ったときに、ぜひ、いいですよと。小松署長もみずからマラソン大会もやりましょうよと言って、区長もちょっと、いいんですかみたいなこともあった記憶があると思います。

 ぜひとも今後は、もし中野署も巻き込んだような形の大きなマラソン大会に発展していくとしたら、やはり区も共催なり、もうちょっとしっかりした支援をしていかなければいけないのかなと思いますので、ぜひそのときには、今やっている団体もあります、そういった団体とうまく連携をとりながら、あるいは独自でも結構です。やはりオリンピックも近づいてきました。マラソン大会をぜひともそういった意味で充実させていただきたいと思いますが、いかがですか。

○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 区といたしましては、今回のフェスタが、民間団体が組織した実行委員会の創意工夫によりまして、体育協会初めさまざまな団体、大学、関係機関と連携し、区内企業とも共同するなど、短い準備期間の中で多くの参加者を集めて開催されたことは、民間の持つ柔軟性や迅速性が存分に発揮されたものと大きく評価するものでございます。次年度以降のランニングフェスタの取り組みにつきましては、これから実行委員会の中で、今回の総括を踏まえ検討されることとなると聞いているところではございますけれども、今後の開催についても、警察や消防、その他の関係団体との連絡調整など、実施のために必要となる協力は積極的に行っていく考えでございます。今回の開催で示されました民間主体の優位性というものは損なうことなく、適切な支援をしてまいりたいと考えております。

○大内委員 とにかく適切な支援というものをやってください。何が適切だかわからないけれども、適切な支援というものをしっかりやっていただきたいと思います。

 では最後に、弥生町六丁目用地の取得について、きょうは中村議員もお聞きになっておりましたけれども、私もまた違った角度で聞きたいと思います。

 弥生町六丁目用地取得について、先に本町五丁目用地を今、中野は取得しておりますけれども、本町五丁目を例でお聞きをしたいんですけれども、用地の取得方法はどうやってやっているのか。土地開発公社で先行取得、または用特で買って、何回かに分けて一般会計で買い戻すなどいろいろなケースがありますけれども、本町五丁目、答えは用特で買っているんだけど、簡単に説明してください。

○伊藤経営室参事(経理担当) 土地を取得する場合に、目的や方針は決まっておりますけれども、具体的な事業計画ができていない場合には、先行取得ということで土地開発公社、または用地特別会計で取得いたします。この場合、用地取得時に先行取得債の起債が見込める場合は用地特別会計で取得し、そうでない場合は土地開発公社が取得する、おおむねそのように判断しております。いずれの場合も取引事例などを参考に予算は積算してございます。

○大内委員 用特会計で買う場合は、その用地費というのが、金利分も含めて特定財源、財調などで算定されていると思いますけれども、この用地購入を一般会計で買い戻すときに、金利分も今含んだことになっておりますけれども、昨日の篠委員の質疑の中で、本町二丁目は約42億5,000万円の用地費と、約4億3,200万円の金利負担があったということでした。本町五丁目については141億7,000万円の取得になっておりますけれども、金利分、これはどのようになっていますか。

○伊藤経営室参事(経理担当) 約3億2,700万円でございます。

○大内委員 単純に42億円で4億円金利がかかった。本町五丁目のほうは141億円だけど、3億2,000万円の金利だったということなんですけれども、ここで再度聞きますけれども、本町二丁目は取得するに当たって金利というのは特定財源で見てもらえたんですか。本町五丁目は用特会計で買っているから金利分は入っているわけだよね。どうなんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 本町二丁目の用地の買い戻しの件でございますが、こちらにつきましても金利の負担分、先ほど委員お話しのとおり、4億3,200万円の金利を上乗せして買い戻すということになってございます。

○大内委員 次にまた本町五丁目の用地なんですけれども、公園整備の基準単価、これは財調はどのように算定されていますか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 財調の基準単価の算定でございますけれども、こちらは毎年変動するというふうに担当のほうから聞いてございます。実勢単価と財調単価の乖離がございますことから、財調の監査につきましては大変低く抑えられているというふうな認識です。都市計画交付金の算定に当たりまして、予算担当のほうから示されているのは、平成25年度の都区財政調整交付金の公園費の工事単価、1平米当たり1万8,200円というふうに聞いております。

○大内委員 そうすると、本町五丁目の金額は幾らになるの。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 大変申しわけないんですけれども、現在、平成26年・27年度の2カ年工事に向けまして、来年度の計画に向けて設計中でございますので、費用については御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

○大内委員 僕が聞いたのは、基準単価で計算をすると、とりあえず幾らなんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 本町五丁目の経費ですね。本町五丁目、今申し上げましたように設計中でございますので、具体的な単価につきましてもちょっと御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

○大内委員 違うよ。東京都の基準単価では最低幾ら入ってくるんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 1平米1万8,200円ということになっておりますので、それ掛ける平米数ということで、あそこの用地につきましては約1万2,000平米でございますので、その数値という形になります。

○大内委員 2億2,000万円でしょう。要は何が言いたいかというと、2億2,000万円では多分公園整備はできませんよね。そうすると区が幾らか負担をしなければいけない。それは当たり前なんだろうけれども、ただ単に公園用地を取得しても、金利をいろいろ見てもらっても、最後の公園整備に当たっては基準単価の中ではなかなかおさまり切れない、それが普通だと思うんですけれども、そうですよねということを聞きたかったんです。その金額が幾らかというと、それはこれから入札とかいろいろあるから、それは言えないというのはわかりますから。それは聞いていませんから。

 暫定整備やりましたよね、本町五丁目は、とりあえず。これは用地費の中に入っているんですか。それとも公園整備費の中に組み込まれているんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 本町五丁目用地につきましては、平成21年度に暫定整備を行っております。これは本町二丁目と本町五丁目、両方の用地につきまして暫定整備を行ってやっておりますので、全体経費5,100万円ほどかかっておりますが、こちらについては一般財源で対応しているといったものでございます。

○大内委員 対応しているということは、要はこれは用地費あるいは今言った公園整備費のほうでは見てくれない、一般財源で暫定整備は見なければいけないということですよね。そこで、既に契約が終わっている鷺宮地下調節池上部多目的広場、これについてはお聞きできると思うので、これの場合の造成工事費、財調で幾ら見られているのか、実際幾らかかったのか、契約金額、それは言えますよね。お願いします。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) こちらにつきましては、鷺宮の調整池上部多目的広場工事につきましては、本定例会におきまして議決をいただいて、本契約を結んでございます。契約金額は6億4,746万円でございます。このうち国費相当分が約1億8,500万ということで、残りが一般財源の財調算定という形になります。こちらの平米数、約1万平米ございますので、この契約金額6億4,700万円を単純に1万で割りますから、平米単価6万4,700円。財調単価の1万8,200円等差し引きますと、4万6,500円ほどの差ということになります。

○大内委員 先ほど本町五丁目のときは平米単価1万8,200円だったでしょう。基準単価は同じということ。それでもう一度聞くけれども、要は鷺宮地下調節池上部多目的広場の場合は、区の一般財源から持ち出しは幾らだったのか。最後のところ。長かったから、どれを言っているのかわからなかったので。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 一般財源での持ち出しということで、申しわけございません、4万6,500円の、財調等の算定の1万8,200円と、今回整備いたします多目的広場の平米単価が6万4,700円ほどということで、その差分が約4万6,500円ですというお話を差し上げました。その結果、4億6,500万円ほど区の持ち出しがあるという中身でございます。

○大内委員 全額特定財源、財調で見てもらおうというのは虫がよ過ぎる話で、やっぱりそのぐらいは負担していかなければいけないのかなと思います。

 次に、ここで弥生町六丁目用地についてお聞きしますけれども、この用地の公園部分、清掃車庫部分の購入費は、再度聞きますが、たしか82億だったっけ。幾らでした。

○伊藤経営室参事(経理担当) 公園部分、清掃車庫を合わせて、予算上は約82億円を見てございます。

○大内委員 それでこの82億円の中には、これは公園用地費でしょう。取得用地費ということなんだろうけれども、これは清掃車庫部分とはまた別、一緒……。要するに、入ってくるお金は特定財源だから一緒なんだろうけれども、とりあえずは別々に購入する形になるわけか。

○伊藤経営室参事(経理担当) 一緒で、公園部分と清掃車庫をあわせてということでございます。

○大内委員 じゃあ一括購入ということになるとすると、それは年度はいつごろ購入することになりますか。

○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 用地の取得の年度なんですけれども、26年度に用地特別会計で一括にして全体を取得した後、公園部分につきましては平成27年度から2年間にわたって分割して購入していくという形になります。また、清掃車庫部分につきましては平成27年度に一括して、施設整備工事に着手する前に一括して一般会計で買い戻していくという方法になります。

○大内委員 要は、清掃車庫と公園用地一緒とは言いながら、公園用地は2年間かけて買う。清掃車庫は一括で買う。そういうことでしょう。それをちょっと聞きたかったんです。要は、整備の時期が29年と30年で違うわけですよね。清掃車庫は29年でしょう。片方は30年。先に清掃車庫をつくってから公園整備に入るということですよね。でも、土地の購入は清掃車庫部分だけ先に単年度で購入をすると、そういうことでよろしいですね。わかりました。

○伊藤経営室参事(経理担当) 用地特別会計につきましては、公園部分、清掃車庫をあわせてということで、一般会計については今の答弁でございます。

○大内委員 それで、あそこ、遺跡が出ると言われているんだけども、それは例えば……(「埋蔵物」と呼ぶ者あり)埋蔵物という言い方ですね。埋蔵文化財。出てくると言われているんだけれども、あそこはやはりそういうのは事前に埋蔵物の調査をやると、そういうことは決まっていたりするんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 弥生町六丁目の用地につきましては、埋蔵文化財の包蔵地に該当いたします。このため平成26年度の調査を行いまして、埋蔵文化財があるかどうかを調べます。そして埋蔵文化財がもしあった場合には、改めて平成28年に本調査をするような流れでなっております。

○大内委員 もし出てきたら、これはおくれるんですか。清掃車庫あるいは公園整備というのはおくれるんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 埋蔵物の状況ですとか、調査の結果によるんだと思うんですが、私どもが一応予定しております平成30年度までには工事等完了したいというふうに考えておりますので、極力おくれないようにというふうには思っております。

○大内委員 極力おくれないようにと言っていても、おくれるものはおくれるんだけれども、この遺跡調査費というのは、用地取得費の中に入るんですか。それは一般財源で見るんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) この調査費につきましては、国費の対象とはなってございません。この関係で東京都と調整いたしまして、都市計画交付金の対象と算定されるように調整を図ってまいりたいというふうに考えているところです。

○大内委員 では決まっていないということで。この用地費ですけれども、82億と言っているんですけれども、あそこの宿舎解体費というのは、中野区が取得してから壊すわけですよね。そうした場合の解体費が何億かかるかわからないけれども、数億円かかると言われておりますけれども、この解体費というのは、お金はどこから出るんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) あそこの建物につきましては、中野区側で解体し撤去するということで想定してございます。一般的には区は更地条件で買うのが基本かと思いますけれども、今回はそういった要件で取得をしていくということでございますので、区といたしましては、用地の売却の価格から、その撤去費の分を反映させるように財務省と調整を図ってまいりたいというふうに考えております。

○大内委員 例えば82億円が用地費だけれども、あと建物を壊すのに例えば3億円あるいは4億円かかる場合は、85億、6億円の特定財源が来る、そういうこと。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 今予定しております82億数千万というお話でございましたけれども、その中から解体撤去費を差し引いた額で取得をするという形を想定しております。

○大内委員 差し引くと、結局、国や東京都から来るわけじゃない。差し引いちゃったら、その差し引いちゃった金はどうなるのかな。話していくとややこしいから、これは言いませんけれども。要するに差し引く必要がなくて、国からもらってそのまま使うのか、差し引いちゃったら、その分どうするの、誰が払うのとなっちゃうので。まあこれは大したあれじゃないので、さらっと。理解するのがややこしいんですけど。

 この公園用地なんですけれども、整備するに当たって、私も見てまいりました。自民党議員団も外側から見ましたし、この間は区民委員会で中を見学をさせていただきましたけれども、非常に起伏が激しいところなんです。これ、宿舎を撤去した後の造成、公園にするには非常にお金がかかるというふうに私は思いますけれども、これも用地費としてやはり先ほど言った算定基準と同じものしか出ないんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 財調の算定ということなんですが、先ほど御答弁いたしましたけれども、都区財政調整交付金のうち公園費の工事単価というものは毎年決まってきますけれども、起伏が激しいからということで造成工事によって経費が余計にかかると、そういった特別の事情があっても別途算定されるものではございません。

○大内委員 先ほど最初に、調節池は約4億幾ら一般財源負担分があったけれども、ここの場合、かなりあの起伏だと財調の単価基準を上回ることは十分考えられるんだけれども、どのぐらい予想されますか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 大変申しわけないんですが、まだ基本計画も策定していない段階で、当然その設計もしておりません。その関係で、経費が幾らかといったことはちょっと想定もできない。先ほど申し上げたように、やはり起伏が激しいですとか、特別な野球の施設をつくる、サッカー場をつくる、そういったことになりますと、どうしてもバージョンアップ、レベルアップということでオプション的な要因もございますので、そうなってくるとどうしても平米単価が高くなるといったことでございます。

○大内委員 あそこはとてもそんな野球場をつくるような。見に来ていないの。それこそアスレチック何とかみたいなイメージだったらわかるけれども。ソリやるとかなんか午前中言っていませんでしたか。だからそういった野球場なんかとても無理な話だから。かなり段差があるから。あなたも中へ行って見たんだろうけれども。

 そこでちょっと一点お聞きしますけれども、工事の工程で、先に清掃車庫を方南通りの側に整備する。唯一平らなところが少ないんですよね、1階に面した。そこにつくってしまうと、後から公園を整備するといったときに非常に不都合があるのではないのかなと。要は、車の出入り口も一番いいところに多分清掃車庫をつくりますよね。そうすると1階の平らな半分ぐらいのところ、4分の1か、3分の1かな、建物を壊しちゃうと景色違うのでわからないんですけど。今現在で見るとかなり、一番いいところが清掃車庫になってしまって、後から公園をつくるに当たって、起伏が激しいところだから、造成工事がかなり大変だと思うんですけど、そういうのは大丈夫なんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 施設の基本計画の作成の段階から関係所管と密接な調整を図りながら公園整備のほうはしっかりと進めてまいりたいということで、特段問題がないというふうに考えます。

○大内委員 そこで先ほどの質問に翻るんだけど、技術屋さん、きょういらしていますか。数少ない技術屋さん。その人の意見もちょっと参考までにお聞きしたい。だって、あなた事務方でしょう。あなたが図面で見て、できるだろうという程度だから。技術的にはかなり支障を来すんじゃないかなと思うけど、技術職の方はきょうはいらしていない。事務方はいいから。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 済みません、きょう土木の担当は、土木の管理職等来ておりませんので、大変申しわけございません。私どもの中野区の技術職スタッフは大変優秀な職員そろってございますので、そのスタッフのほうからも話を確認しましたところ、うちの公園担当の職員、そして施設の担当の職員と力を合わせて英知を結集し、また関係機関と十分な調整をしながら整備していきたい、整備上の問題がないというふうに聞いております。

○大内委員 だからね、僕が言いたいのは、どうせやるんだったら一緒にやらないと大変ですよ、あそこ。公園と清掃車庫一括でやらないと。先に清掃車庫欲しいのはわかるけれども、やるんだったら一括でやるぐらいの気持ちで進めないと。例えば清掃車庫が、1階の上から見たら清掃車庫が丸見えだ、よく見える。景色的にいかがなものなのかなと。上から見ると清掃車庫がちょうど一番いいところに丸々1,800平米ぐらいありますよ。あと公園部分はこんな起伏の激しいところなんですよというと、果たして防災公園として本当に成り立つのかなという疑問もありますから、しっかりとした計画を持って進めるんだったらおやりになっていただきたいなと思います。

 そこで、またこれも午前中ありましたけれども、地域説明これからなんですか。まだ全然なさっていないんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 先日、1月の中旬に南部区民活動センターのほうで区民活動センターの運営委員会がございました。そのところにこの地域の町会長がおそろいになっておりましたので、そこの場におきまして中野区の整備の計画等、公園計画、そして車庫の移転の計画、それぞれ担当所管の副参事が参りまして御説明に上がったところでございます。

○大内委員 ですから、あそこはとりあえず目の前のところは大型スーパー店舗ですから、住んでいる方というのはちょっと離れたところなのかもしれないけれども、それにしてもやはり車の出入りも多くなる。1日何十台かもしれないけれども。あるいはバス停もあるといった中で、あそこに清掃車庫をつくるという地域の合意がとれなくても進めるのかなと。先に土地を買っちゃってから、地域の合意がとれなかったからやめます、やっぱり全部公園にしますなんてことにならないんだろうなと。それは大丈夫なんですか。

○志賀都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 地域の皆様には御丁寧な御説明をこれからもしていきたいと思います。また来年度に実施いたします施設の基本計画の策定の段階で、早目に地元の方々の御意見等を十分聞きながら実施していきたいと考えてございます。

○大内委員 地域合意がとれてから取得をするというのはちょっとタイミング的に無理なのかもしれないけれども、それはわかっていますけれども、地域がやはりしっかりと合意をなされていないと、土地は買ったけれども、29年度とても無理だと。毎度よくあるパターンですね。3年たっても、4年たっても、結局整備されないまんまと。そうすると、中村議員も言ったけど、暗くてどうのこうのなんていうこともまた言われてしまう。それをしっかりと進めるんだったらやっていただけるし、まだこれから総務委員会等でこの土地の取得に関してはいろいろ意見が出てくると思いますので、しっかりとお答えしていただきたいなと思います。

 あともう一点。この清掃車庫の用地、約1,800平米ですけれども、財調で算定されるということであるんですけれども、ほかの場所でもいいんですか。

○海老沢政策室参事(企画担当) 財調のスキームはほかの土地であっても変わらないということになるかとは思いますが、この清掃車庫の移転につきましては、中野駅周辺整備におきまして喫緊の課題になっているというところでございまして、早期に移転が必要であるというところでございます。本用地につきましては、国として早期移行の意向があるということで、用地の状況や周辺の道路交通の環境から判断しまして、清掃車庫の移転用地として適地であるというふうに考えてございます。

 また、本用地を清掃事業に活用することによりまして、松が丘の清掃事務所とあわせまして南北2カ所、バランスよく効率的な資源化推進を確保できるというふうに考えてございます。

公園整備につきましても同様でございます。今後、車庫と公園を適切に配置することによりまして、周辺環境に配慮した施設づくりを目指していきたいというふうに考えてございます。

○大内委員 ですから、あの公園を清掃車庫として一部使いたいからどうしても取得したいのか、それとも地域の防災上で取得したいのかというのがちょっとよくわからないのでね、その辺はっきりするというか、今後それぞれの委員会で答えていただきたいと思います。ただ、清掃車庫が、これからどんどん減らしていくという中で、長期的に見ると、松が丘のところだけで十分足りるんじゃないのかな。そういった考え方も出てくるんですよね。あそこをうまく改良すれば、清掃車庫、自前の車はどんどん減らしていく。最終的にほとんど数台にする。今の数をかなり半分以下に減らすということも言っているわけです。そうすると車庫というよりも、一時的に物を集めるだとか、そういったものがあればよければ、松が丘をこれから考えていけば、改良していけばできるのかなといった考え方もあるのでね。きょうはもう時間ないですからやりませんけれども、しっかりと御答弁というか、きょうはちゃんと前もって通告しているから答えが出てくるけれども、委員会だとそういうわけにいかないから、ちゃんと考え方を持っていただきたいなと思います。

 以上で質問はすべて終わらせてもらいました。

○内川委員長 以上で本日の総括質疑を終了します。(拍手)

 次回の委員会は3月3日(月曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の予算特別委員会を散会します。

午後4時55分散会