平成26年09月11日中野区議会本会議(第3回定例会)
平成26年09月11日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録
25.09.10 中野区議会第3回定例会(第1日)

.平成26年(2014年)9月11日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原      宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番     欠  員

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  英   直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  竹 内 沖 司

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

 区民サービス管理部長 白 土   純    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二

 健康福祉部長   野 村 建 樹      保 健 所 長  寺 西   新

 環 境 部 長  小谷松 弘 市      都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一  経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  大 野 貴 子      書     記  鈴 木   均

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成2年(2014年)11日午後1時開議)

日程第1 議会運営委員の辞任許可について

日程第2 第39号議案 平成26年度中野区一般会計補正予算

     第40号議案 平成26年度中野区介護保険特別会計補正予算

     第44号議案 南部すこやか福祉センター等新築工事請負契約

日程第3 「第20号議案 中野区スポーツによる健康づくりの推進に関する条例」の撤回について

日程第4 認定第1号 平成25年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 

午後1時00分開会

○議長(伊東しんじ) ただいまから平成26年第3回中野区議会定例会を開会いたします。

 本日の会議を開きます。

 会議録署名員は会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。

 16番森たかゆき議員、27番酒井たくや議員にお願いいたします。

 この際、御報告申し上げます。

 去る7月14日付をもちまして金子洋議員から議員辞職願が提出されました。よって、地方自治法第126条ただし書きの規定により、同日付をもちましてこれを許可いたしましたので、この旨、会議規則第100条第2項の規定により御報告申し上げます。

 次に、会期についてお諮りいたします。

 本定例会の会期は、本日から10月15日までの35日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 この際、申し上げます。

 本定例会の会期中、略装を許します。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、申し上げます。

 平成26年7月16日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり本会議参与に人事異動がありましたので、御報告いたします。

 

本会議参与の人事異動

 

平成26年(2014年)7月16日

発 令

氏 名

政策室長 

髙橋 信一

子ども教育部長、

教育委員会事務局次長

経営室長

竹内 沖司

政策室長

子ども教育部長、

教育委員会事務局次長

奈良 浩二

政策室参事(予算担当)

 

○議長(伊東しんじ) それでは、新たに本会議参与に就任されました奈良浩二子ども教育部長、教育委員会事務局次長を御紹介申し上げます。

〔子ども教育部長、教育委員会事務局次長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長、教育委員会事務局次長(奈良浩二) ただいま御紹介いただきました子ども教育部長、教育委員会事務局次長の奈良でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(伊東しんじ) 以上で紹介を終わります。

 次に、平成26年7月16日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。

 

人 事 異 動 表

 

 

平成26714日 経営室人事担当

発令年月日  平成26716

 

 

 

 

 

 

 

【 部長級 】

 

 

 

区長発令

発令権者   中野区長  田中 大輔

 

発  令

氏 名

現  職

備 考

政策室長

髙 橋 信 一

子ども教育部長、教育委員会事務局次長

 

経営室長

竹 内 沖 司

政策室長

 

子ども教育部長

奈 良 浩 二

政策室参事(予算担当)

 

 

 

 

 

教育委員会発令

発令権者   中野区教育委員会

 

発  令

氏 名

現  職

備 考

教育委員会事務局次長

奈 良 浩 二

政策室参事(予算担当)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【統括副参事】

 

 

 

区長発令

発令権者   中野区長  田中 大輔

 

発  令

氏 名

現  職

備 考

区民サービス管理部副参事(統括副参事)(戸籍住民担当)

上 村 晃 一

区民サービス管理部副参事(統括副参事)(区民サービス担当)

担当追加

 

 

 

 

 

 

 

 

【 副参事 】

 

 

 

区長発令

発令権者   中野区長  田中 大輔

 

発  令

氏 名

現  職

備 考

政策室副参事(予算担当)

黒 田 玲 子

子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、教育委員会事務局副参事(子育て支援担当、特別支援教育等連携担当)

経営室副参事(行政監理担当)

田 中 謙 一

区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当)

 

経営室副参事(債権管理担当)

田 中 謙 一

区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当)

 

子ども教育部副参事(子育て支援担当)

永 田 純 一

健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 

子ども家庭支援センター所長

永 田 純 一

健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 

健康福祉部副参事(障害福祉担当)

岩 浅 英 樹

経営室副参事(行政監理担当、債権管理担当)

 

 

 

 

教育委員会発令

発令権者   中野区教育委員会

 

発  令

氏 名

現  職

備 考

教育委員会事務局副参事(子育て支援担当)

永 田 純 一

健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 

教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当)

永 田 純 一

健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 

 

○議長(伊東しんじ) 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。

 一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。

――――――――――――――――――――――――――――――

 議会運営委員の辞任許可について

 

○議長(伊東しんじ) これより日程に入ります。

 日程第1、議会運営委員の辞任許可についてを議題に供します。

 お諮りいたします。

 浦野さとみ議員から議会運営委員を辞任したい旨の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

――――――――――――――――――――――――――――――

 第39号議案 平成26年度中野区一般会計補正予算

 第40号議案 平成26年度中野区介護保険特別会計補正予算

 第44号議案 南部すこやか福祉センター等新築工事請負契約

 

○議長(伊東しんじ) 日程第2、第39号議案、第40号議案及び第44号議案の計3件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第39号議案、第40号議案及び第44号議案の3議案につきまして一括して提案理由の説明をいたします。

 第39号議案、平成26年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ20億7,585万7,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,221億6,782万5,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、地域活動推進費ですが、町会・自治会会館の修繕に対する助成経費500万円を計上するとともに、南中野区民活動センター等整備工事の着工時期の変更に伴い1億6,570万円を減額するものです。

 次に、情報システム費ですが、共通番号制度に係る国のシステム仕様の提示のおくれによる共通基盤システム構築計画の変更に伴い3,381万6,000円を減額するものです。

 次に、税務費ですが、株式譲渡所得の増加により上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用がふえたことに伴う還付金が増加したことから、3,500万円を追加計上するものです。

 次に、子育て支援費ですが、放課後等デイサービスなどの障害児通所支援利用者数が大幅に伸びたことから5,652万1,000円を追加計上するとともに、学童クラブの待機児童対策のため、民間学童クラブを新たに設ける事業者に対し施設改修費及び備品購入費を補助する経費2,920万円を計上するものです。

 次に、保育園・幼稚園費ですが、弥生保育園の分園の廃止により、同園舎を活用して新たに民間の認可保育所を開設する事業者に対し、児童処遇改善経費を補助する経費600万円を計上するとともに、平成27年4月1日の保育園待機児ゼロに向け、新たに保育施設11園を誘致するため、施設改修費及び賃借料を補助する経費6億175万5,000円を追加計上するものです。

 次に、福祉推進費ですが、就学前の障害児通所支援利用者の負担軽減措置が新たに設けられたことに伴い福祉総合システムを改修する経費380万2,000円を計上するとともに、養護老人ホームへの入所措置者の数が増加したことから高齢者施設措置に要する1,768万2,000円を追加計上するものです。

 次に、保健予防費ですが、平成26年10月1日から水痘ワクチン及び高齢者肺炎球菌ワクチンの予防接種が定期予防接種化されることから、8,692万8,000円を追加計上するものです。

 次に、道路・公園管理費ですが、東京都施行の橋梁拡幅整備について、工事材料費の上昇等に伴い中野区の負担金に不足が見込まれることから、648万5,000円を追加計上するものです。

 次に、防災・都市安全費ですが、近年集中豪雨による災害が多発していることから水害への備えを喚起するため、中野区洪水ハザードマップを対象地域8万世帯へ配布する経費367万7,000円を計上するものです。

 最後に、諸支出金ですが、平成25年度からの繰越金を原資として財政調整基金積立金14億2,332万3,000円を追加計上するものです。

 この補正の歳入予算といたしましては、分担金及び負担金453万6,000円、国庫支出金2,320万9,000円、都支出金4億6,569万3,000円、繰入金2億6,406万6,000円、繰越金14億2,332万3,000円及び諸収入1,303万円を追加計上する一方、特別区債1億1,800万円を減額するものです。

 次に、繰越明許費について説明いたします。これは、今年度内にその支出が終わらない見込みである中野駅西側南北通路基本設計に係る経費8,100万円及び中野駅西側橋上駅舎基本設計に係る経費9,300万円について、翌年度に繰り越しを行うため計上するものです。

 次に、債務負担行為の補正について説明いたします。

 初めに、南中野区民活動センター等整備工事について、着工時期の変更に伴い、債務負担行為の期間を平成28年度まで延長するとともに、限度額を2億2,687万9,000円増額するものです。

 次に、共通番号制度の対応に係る共通基盤構築委託について、構築計画の変更に伴い、限度額を2,474万1,000円増額するものです。また、下鷺橋と丸山橋の橋梁拡幅整備について、負担金の増額に伴い、限度額をそれぞれ1,061万2,000円及び2,099万6,000円増額するものです。

 特別区債の補正につきましては、南中野区民活動センター等の整備を目的とした民生債の借入限度額を1億1,800万円減額し、1億5,000万円とするものです。

 次に、第40号議案、平成26年度中野区介護保険特別会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ5,590万5,000円を追加するものです。これにより、既定予算との合計額は211億2,090万5,000円となります。

 歳出予算の内容は、介護給付費及び地域支援事業費として交付を受けた国庫支出金、都支出金及び支払基金交付金の超過額を返還する経費5,590万5,000円を追加計上するものです。

 歳入予算といたしましては、平成25年度からの繰越金5,590万5,000円を追加計上するものです。

 次に、第44号議案、南部すこやか福祉センター等新築工事請負契約は、南部すこやか福祉センター等の新築工事を行うため、契約を締結するに当たり議会の議決をお願いするものです。

 工事の概要は、南部すこやか福祉センター、南中野地域事務所及び地域スポーツ施設等の新築工事です。契約方法は一般競争入札、契約の金額は16億4,181万9,000円、契約の相手方は協永・米持・武蔵野建設共同企業体です。この工事の完了予定は平成28年3月です。

 以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

――――――――――――――――――――――――――――――

 「第20号議案 中野区スポーツによる健康づくりの推進に関する条例」の撤回について

 

○議長(伊東しんじ) 日程第3、「第20号議案、中野区スポーツによる健康づくりの推進に関する条例」の撤回についてを議題に供します。

 お諮りいたします。

 第20号議案については、お手元に配付の文書のとおり、撤回の申し出がありますので、これを承認いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう承認するに決しました。

 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、大内しんご議員、白井ひでふみ議員、長沢和彦議員、酒井たくや議員、後藤英之議員、吉原宏議員、木村広一議員、浦野さとみ議員、森たかゆき議員、石川直行議員、市川みのる議員、甲田ゆり子議員、高橋かずちか議員、若林しげお議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、林まさみ議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 大 内 しんご

 1 区内産業の育成について

 2 中学二年生の宿泊行事、27年度復活の取り組みについて

 3 区民活動センター事務局員の充実について

 4 摂食嚥下機能支援について

 5 子ども・子育て支援新制度について

 6 中野四季の森公園拡張用地の整備、および新区役所用地について

 7 その他

 

○議長(伊東しんじ) 最初に、大内しんご議員。

[1]大内しんご議員登壇

○32番(大内しんご) 平成26年9月11日、中野区議会第3回定例会におきまして、自由民主党のトップで質問をさせていただきます。

 最初に、区内産業の育成について質問をいたします。

 日本経済は、アベノミクス成長戦略によりデフレ脱却の実現に向けて着実に進んでおります。また、2020年の東京オリンピック決定により、今後大きな経済効果が期待されております。東日本大震災の復興事業についても、国を挙げて急ピッチで進んでいる状況にあります。その半面で、労働市場においては労働者不足が社会問題となっており、建設現場などにおける技能労働者不足はとりわけ大きな問題となっております。

 国は、毎年建設資材や建設現場の労務費について調査し、決定をしていますが、東日本大震災以降、労務単価は急激な上昇を続け、平成24年度の労務単価と比較して、全国平均では23.2%、被災3県では31.2%という高い伸び率となっています。平成25年度においても、年度当初の労務単価と比較して、全国平均で7.1%、被災3県の平均では8.4%上昇いたしました。国は、この対策として、平成25年度において2度にわたり公共工事の労務単価の積算基礎となる公共工事設計労務単価の引き上げを行い、区でも同時期に公共工事設計労務単価を引き上げました。また、ことし4月からは消費税が8%に引き上げられたことにより、現場における資材価格への転嫁による建設現場への影響も出始めております。

 国は、昨年度、技能労働者の確保・育成には適切な水準の賃金の支払いが極めて重要であるとの観点から、労務単価の引き上げと同時に、建設業団体の長宛てに「技能労働者への適切な賃金水準の確保について」の文書を出すとともに、建設業4団体に対し技能労働者に係る適切な水準の確保、社会保険加入の徹底を要請しており、区においても区内の団体に同様の要請を行ってきたということは承知しております。

 また、ことしの6月には、インフラ等の品質の確保とその担い手確保を実現するため、公共工事の基本となる公共工事の品質確保の促進に関する法律、品確法を中心に、密接に関連する公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律、入契法、そして建設業法も一体としての法改正が行われ、法による環境整備に着手し始めております。区においても、これらの法の趣旨を踏まえて対応していることと思います。しかし、他方で、現場に従事する労働者全てにこれらが浸透しているとは言いがたい状況も見てとれます。現場に従事する労働者から、労務単価の引き上げが自分たちの賃金に反映されている実感がほとんどないという声も耳にします。

 そこで、伺います。

 他の自治体で制定している公契約条例にもうたわれておりますが、下請け、孫請けを含め、現場の技能労働者全てに、その労務単価の引き上げが反映されたことを確認できるような検討を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、区は、区内業者の育成と区経済の発展に資することを目的に、工事請負契約における制限付一般競争入札を時限的に実施してから3年が経過しました。この制度は来年度以降も継続実施することは当然のことと思いますが、材料費や労務単価が高騰し、同じ工事でも工事総額が上昇している現状において、工事請負契約の制限付一般競争入札の上限額の拡大を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 さらに、委託契約においては、緊急性が高く、区内事業者でなければ対応できないような業務や、区民の生命や安全にかかわる業務については、区内の事業者に限定した発注をすべきと思います。

 以上3点について、お聞きをいたします。

 次に、2番目に、中学校二年生の宿泊行事、27年度復活の取り組みについて、お伺いします。

 中学校2年生の宿泊行事について、平成23年度末に発生した東日本大震災により常葉自然の家が被害を受けたことから実施が中止になり、半年後の翌24年度から廃止の方針が決められました。中学生の多感な時期に友人たちと寝食を共にする集団行事は、集団生活の規律を学ぶとともに、たくさんの思い出を残す大切な行事です。中野区では、新しい学習指導要領の改訂で体験授業に移行したとのことですが、実際には他区では、宿泊体験事業をやめて体験事業に移行した区はありません。私は、体験授業の重要性も考慮に入れ、そういうことであれば、職場体験を重視している教育委員会としては、宿泊体験事業の中に職場体験やボランティア活動を取り入れたらよいのではないかとも提案させていただきました。

 そのような考えから、昨年の第3回定例会の一般質問、また決算特別委員会において、中学2年の集団宿泊行事の復活について強く求めてまいりました。今年度復活に向けての予算がつきましたが、来年度、27年度復活に向けての検討状況について、お聞きをします。

 次に、区民活動センターの事務局員の充実について、お聞きをいたします。

 区民活動センターがスタートして、この7月で丸3年が経過しました。一定の成果も上がってきていると思われる一方、課題もあるように思います。その一つに、事務局員の業務量が多いという声が聞こえます。業務量が多いかどうかは単純に判断しにくいのですが、参考として事務局員の有給休暇の取得率という点から見ると、平成25年度単年度では平均の取得率が5割弱ですが、100%消化している事務局員もいる一方で、中には1年間に1日も取得していない事務局員や1割程度にとどまる人もいます。要するに、15の区民活動センターの運営委員会の事務局が一概に同じ状況にあるわけではなく、地域によって多忙なところ、そうでもないセンターとの格差があると言えます。

 連続雇用の上限4年というルールではやっと業務に精通したところで退職となってしまう、事務局員の雇用の時期をずらして対応してはいるが2人体制ではノウハウの引き継ぎも厳しい、経験を積んだ事務局員をもっと長く活用したいとの声もあります。スタート当初、地域の人口などを基礎に事務量を想定して委託料を算定しましたが、地域特性を生かして運営するとしてきたわけですから、現在の地域事情も当初の想定のままではありません。言うまでもなく、区民活動センターの目的を効果的に実現していくために事務局の役割は重要です。運営委員会が今よりもっと地域の特性等に応じてさまざまな事業や取り組みを工夫できるよう、今後、事務局体制を充実する必要が出てきました。

 改めて3年間を振り返って、運営委員会や地域の実態を捉えなおして、それに見合った業務量に必要な事務局員の体制を充実する必要があります。地域の声を踏まえ、今後、区としてはどう対応していくのか、考えをお聞きします。

 また、地域の状況を把握し、支えあい活動の推進を担うとして配属された区民活動センターの区職員の役割も見直すべきです。地域の把握という点では、運営委員会との関係も深い。地域に関する事務をもっと担ってもいいのではないでしょうか。この際、運営委員会事務局体制の検討とあわせて、区職員の位置付けをも見直し、運営委員会のかかわり方、事務局との協力のあり方について早急に再考すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 さらに一方で、施設・貸室などの受付業務を別途、区から民間事業者に委託しています。この受付員も実際のところ2人体制になっています。運営委員会の負担への配慮もあってこの二つを分離して委託した経緯もありましたが、実際に3年間やってきて実績を積んできた。そういった中で、運営委員会の側でも当初とは考え方も変わってきています。仮に一括委託にできれば、現在の事務局員が2人、そしてプラス2人ふやして4人ないし、あるいは地域によっては3.5人、3人分といった体制が生み出せるのではないでしょうか。そうすれば、事務局員で雇用できる人数もふえるし、事務経験の継承もやりやすくなります。それぞれに約9,000万円ずつの決算となっておりますが、一括委託することでスケールメリットも期待でき、経費節減にもなるのではないでしょうか。当然運営委員会の意向に配慮すべきであるし、受付業務は平成25年度の8月から3年間の長期継続契約になっていますから、来年度すぐには変更できないにしても、今後検討してみる価値があると考えます。見解をお聞きします。

 次に、4番目に、現在、中野区では、都の3年間の補助を活用して、24年度から摂食・えん下機能支援推進協議会による多様な取り組みをし、東京都の中でも先進的な取り組みということで注目され、高い評価を得ている摂食・嚥下機能の支援の取り組みについてを質問いたします。

 高齢化社会の進展に伴い、日本人の男性の平均寿命も80歳を超えたという報道が7月の終わりにありました。御存じのとおり、女性は1984年から80歳を超え、今回の発表では86.61歳になったということです。長寿の方が増え、まことに喜ばしいことではありますが、その中にはなかなか健康長寿というわけにはいかず、さまざまな病気や障害に苦しんでいる方もおられます。私は、生きていく上でさまざまな楽しみがある中でも、食べる・飲む楽しみはいつまでも失いたくないと思います。また、専門家の話を聞いても、高齢や病気になっても質の高い生活が続けられるポイントとして、口から食べる楽しみを失わず、おいしい食事をすることが大事だということです。高齢になっても障害があっても病気になっても、口から食べる楽しみを失わず、質の高い生活を送れるようにとの思いを込めて、歯科医師会、医師会などが中心となって取り組まれている摂食・嚥下機能の支援について幾つか質問します。

 摂食・嚥下とは、食物を認識して口に取り込むことに始まり、胃に至るまでの一連の過程全体を指す言葉だそうです。食べる機能と聞くと、歯で食べられるかどうかだけの話のように感じますが、認識するとか飲み込むとか、さまざまな機能が適切に働いて、初めて食べて飲み込めるようです。このため、摂食・嚥下機能の障害はさまざまな専門家がかかわる必要のある問題であるそうです。区民向けの啓発用リーフレットや嚥下食レシピ集の発行、区民向け講演会、関係者向け研修会の開催をはじめ、資源調査や介護の必要な高齢者や障害者を訪問しての口腔ケアとアンケート調査などもさまざまな職種の方が協働し実施されています。さらに、摂食・嚥下の機能障害に関する評価医やリハビリチームの養成研修も行われ、今年度は購入した嚥下内視鏡を活用した実地研修を予定されていると聞いています。さまざまな原因で摂食・嚥下機能が弱ると、最悪の場合は口が開かなくなり、口から飲むことも不可能に思える状態になることもあるそうですが、そのような状態になっても適切な口腔ケアとリハビリを施すことで再び口から飲み食べることができるようになるそうです。今後も要介護高齢者など、介護とともに医療ケアも必要な方がふえ続けるであろうことを考えると、かかわりのあるさまざまな専門家が協働して支援する体制を地域でつくっていくことが重要です。

 そこで、幾つか質問します。

 摂食・嚥下機能の支援についてのこの3年間の取り組みを区ではどのように評価されているのか、お聞きします。この3年間の取り組み、特にせっかく養成を始めた摂食・嚥下機能の評価医やリハビリチームを都の補助が終わるからとやめてしまうのではさすがにもったいないと思います。来年度以降も本格的に活用すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 摂食・嚥下の取り組みは、医療と介護の多職種が連携してかかわる必要のある在宅療養の取り組みの一つという点でさらなる発展も考えられます。将来的には摂食・嚥下の機能障害に限らず、柔道整復師会などが取り組まれている介護予防・機能訓練等の取り組みも含め、在宅療養のさまざまな相談、問い合わせ、支援窓口として展開する可能性もあるのではないかと思います。歯科医師会、医師会では摂食・嚥下機能支援センターをスマイル歯科診療所に設置してはどうかという検討もしているそうです。摂食・嚥下、医療・介護連携拠点の設置について前向きに検討すべきだと考えますが、見解をお伺いし、この項の質問は終わります。

 さらにその他で、この項に関して最後に、拠点としての活用も期待されているスマイル歯科診療所の現在の状況について、1点質問します。

 スマイル歯科診療所では、障害者や要介護高齢者等の歯科診療に長年取り組まれ、昨年度の利用登録者は700人近く、年間で延べ3,000人以上が利用されているそうです。開設から既に20年が経過し、医療機器の老朽化も進んでいます。スマイル歯科診療所の現在の機能を維持するためには機器の更新を計画的に行う必要があると思われますが、いかがでしょうか。お聞きをいたします。

 次に、中野四季の森公園拡張用地の整備及び新区役所用地について、伺います。

 中野駅周辺は、中野四季の森公園周辺の都市開発により昼間人口が約2万人も増加、中野駅地区でも西側南北通路・橋上駅舎等整備に向け着々と計画が進行しており、中野四季の森公園拡張用地の整備は急務の課題であるはずです。今や中野区全体のにぎわいの拠点としてさらなる拡充が期待され、実際、公園拡張用地も取得をしています。中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3では、今後の整備方針として、防災・交流・にぎわいなど多様な公園機能を拡充するために中野四季の森公園の面積を拡大するとされています。しかし、平成24年度に用地を取得した当該地は事業認可期間が平成26年度まで、つまり本年度内に整備し開園される計画であるにもかかわらず、整備工事が完了しないように見受けられます。現場は閉鎖されたままで整備が進行している気配もありません。中野区では、当然、本年度内に東京都から事業認可の変更期間を受けることになりますが、公園整備の基本的な考え方は当初と変わらないはずですが、確認のためにお聞きします。整備について早急に実施するべきと考えますが、現在の状況とあわせて認識をお聞きします。

 次に、新区役所用地について、伺います。

 新区役所用地は、現在の中野体育館敷地及びその南側、中野区土地開発公社が取得し、現在仮設駐車場として活用されている敷地と理解しております。当該用地において、新区役所だけでなく、新体育館についても配置検討するとの報告を平成25年3月に受けておりますが、いまだその配置方針は示されておりません。中野四季の森拡張用地の整備を問うた、我が会派内川議員の本年度第1回定例会における一般質問では、新区役所及び新体育館は公園拡張用地を含めて検討している。体育館はさまざまな制約はあるが、公園の運動施設として公園拡張用地での建設可能性も検討しているとのお答えでした。その後、この検討はどうなっているのでしょうか。そもそも当該地に新体育館を含めて検討するとした理由は、広域避難場所の中核となる防災公園と隣接して一定の屋内空間もあわせて整備することができ、まち全体の防災対応力を高めることが大きな狙いであったと認識しております。そのようなことも踏まえ、新区役所及び公園拡張用地における新体育館配置の検討状況をお答えください。

 6番目に、子ども・子育て支援新制度について質問いたします。

 急速な少子化が進む一方、子育てに負担感、孤立感を感じる保護者の増加や待機児童の問題など、子どもや子育て家庭を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。こうした中、平成27年4月にスタートする子ども・子育て支援新制度は、区が実施主体となり、質の高い乳幼児期の教育・保育の提供や地域の子ども・子育て支援の充実により、子どもの健やかな成長と子育て支援を総合的に推進するとしています。中野区においても、新制度の実施に向けて子ども・子育て会議の議論を踏まえ、検討がなされていることと思います。子どもたちが地域の中で等しく教育・保育を受け、健やかに成長できる環境が整備されることを期待しています。しかし、子ども・子育て支援新制度の準備について、国を含めた全体の進みぐあいにおくれが生じていることから、新制度の開始そのものを不安視する声もあります。大きな制度変更により幼稚園・保育園などの利用手続にも変更が生じることと思いますが、多くの区民が戸惑い・不安を感じることがないよう、十分な周知を行っていくことが必要であると考えます。幼稚園・保育園等を利用する子どもの保護者の方々は、利用料が変更になるのか、家計に影響が出ないのかと心配されているに違いありません。

 そこで、伺います。

 現在利用している幼稚園・保育園等が新制度に移行した場合、保護者が負担する利用料金はどのようになるのでしょうか。新制度移行によって保護者の負担がふえることにはならないでしょうか。お聞きをします。

 次に、私立幼稚園について伺います。

 私立幼稚園の多くは、新制度のもとで学校教育法上の幼稚園としての位置付けが曖昧であることから、現行の私学助成によって運営を継続し、新制度への移行は考えていないと聞いています。区はこうした状況を認識しているのでしょうか。また、私立幼稚園を運営する事業者に対し、今後どのような支援を行っていくのか、お聞きします。

 3番目に、子ども・子育て支援新制度の趣旨である、質の高い幼児期の教育・保育を全ての子どもたちに提供するためには待機児童の解消が前提になります。区は、待機児童解消を実現するために、新たな保育施設の確保方策として保育所など11施設の追加募集を実施するとしています。保育施設の整備には当然多くの財政負担が必要となります。新たな保育施設の確保方策により、待機児童の解消につながればある程度の財政支出はやむを得ないものと考えますが、今回の確保方策を進めるに当たってはできる限り特定財源を確保することが必要と考えます。区はどのように財源を確保していくおつもりなのか、お聞きをいたします。

 以上で全ての質問は終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えいたします。

 区内産業の育成について、労務単価の反映の確認ということであります。新労務単価を適用した変更契約時には技能労働者への賃金水準引き上げについて確保すること、及び下請け企業との間で既に契約している請負契約金額を見直すこと、これを内容としました誓約書を徴取してまいりました。下請け、孫請け企業の賃金を引き上げたことを証する書類の提出を元請け事業者に義務付けるといったことまでは難しいと考えています。現場の技能労働者に労務単価の引き上げが反映されているかどうか、このことについての確認方法について、どのようなことが可能であるのか、今後研究してまいります。

 それから、制限付一般競争入札の上限額の拡大についてであります。制限付一般競争入札の限度額の拡大は区内事業者の育成につながるものと考えております。また、競争性を確保しつつ、経済状況の変化や経費の増嵩、今年度の契約実績等を総合的に勘案をして、入札監視委員会の意見を聞いた上で今後について判断をしていきたいと考えております。

 それから、区内事業者に限定しての委託契約といったことについての御質問であります。委託契約については、業務内容によって緊急時の対応が求められるなど、地元の業者によらなければ適切な履行を確保しづらいもの、こうしたものについては区内事業者への発注、こういったことを検討していきたいと考えております。

 それから、区民活動センター事務局員に関する質問であります。

 事務局人員体制の充実についてであります。この運営委員会の委託料については、各地域の人口規模や団体数などに応じた積算をもとに、毎年度予算措置に努めてまいりました。区民活動センターへの転換後、3年間の活動実績や運営委員会としての活動評価、検証等も踏まえて、区としてのさらなる充実策について検討してまいりたいと考えております。

 区民活動センターにおります区職員の役割の見直しについてであります。運営委員会を核とした地域課題の解決に向けて、地域住民の自主的かつ主体的な取り組み、これが大変重要だと考えております。区民活動センターに配置した区職員の役割には、地域自治の推進のための情報収集と地域との連絡調整なども含まれているわけであります。一方、運営委員会に委託した業務そのものの一部を区職員が担うことはできないということではありますが、区としては、今後とも地域事情や実態の把握や運営委員会と区との連絡調整や連携などにかかわる職員の働きについて、より充実をさせてまいりたいと考えております。

 それから、受付業務の委託と運営委員会への委託の一本化についてであります。区民活動センターの施設の受付業務を運営委員会と切り離して委託した理由としては、区民活動センターのスタート当初の運営委員会の負担に配慮をした経緯があります。この3年間の運営実績や評価・検証、また費用対効果、そして地域人材の育成といった視点なども踏まえて、二つの業務を一体化して委託をする、こうした可能性について今後検討してまいります。

 それから、摂食・えん下機能の支援推進協議会に係る幾つかの御質問であります。

 摂食・えん下機能支援推進協議会の取り組みについてどう評価をしているかということであります。中野区においては、医療・介護の多職種による連携の具体的な取り組みとして、医師会、歯科医師会、薬剤師会が参加する摂食・えん下機能支援推進協議会を立ち上げて、課題分析や研修、区民向け講演会の開催などを行ってまいりました。この大変先駆的な取り組みは、今後の地域包括ケアシステムの構築に向けて極めて重要な財産となっていると考えております。既に顔の見える関係での多職種間ネットワークが形成されてきているなど、取り組みの成果については区としても高く評価をしているところであります。

 評価医、リハビリチームの活用についてであります。評価医、リハビリチームの養成研修は、医療・介護の多職種が参加をして、2年間にわたって濃密なカリキュラムを実施して、150名程度の有用な人材が育成されております。これは他に類を見ないものというふうに考えております。こうした人材の活用については、区民が安心して在宅療養生活を送ることができる支援に十分寄与できるよう検討してまいります。

 摂食・嚥下機能支援の拠点の設置についてであります。嚥下機能が低下した要介護者等からの相談窓口となり、医療・介護の連携調整を行うためのセンター機能については、摂食・えん下機能支援推進協議会等の議論を踏まえて検討してまいりたいと考えております。また、今後は、摂食・嚥下のみならず、在宅療養支援に係る医療・介護の連携調整の機能のあり方についても総合的な検討を進めたいと考えております。

 また、スマイル歯科診療所における医療機器の更新についてであります。これについては、歯科医師会とも協議をしながら、必要な機器について計画的に更新を行ってまいります。

 それから、中野四季の森公園拡張用地の整備及び新区役所用地についてであります。

 公園の整備について。拡張用地の整備に当たっては、平成21年11月にまとめた、今後の大規模公園整備の基本的考え方と中野駅周辺グランドデザインVer.3に示された整備方針のもとに、既設開園部分と同じコンセプトの公園として整備する予定となっております。新区役所と新体育館の配置を検討する中で、公園拡張用地への影響もあり得ることから、当該公園整備の実施を見送っているわけであります。現在は敷地の一部を中野中学校の生徒が暫定通学路として利用している状況であります。新区役所と新体育館の検討状況を考えると、認可期間の平成27年3月末までの完了は困難なため、整備に必要な期間の延伸手続を行うこととしております。

 新区役所用地及び新体育館配置の検討状況についてということであります。新区役所と新体育館の配置のあり方や、あるいは周辺の地権者を含めたこの地区全体のよりよい整備、都市計画のあり方などについて検討を行っているところでありまして、まだ配置の具体的な結論には至っていないということを御理解いただきたいと思います。

 それから、子ども・子育て支援新制度についてであります。

 新制度における保護者負担について。子ども・子育て支援新制度のもとでは、国の定めた基準の範囲内で世帯の所得等に応じて区が定める金額を保護者が負担する、こうしたことになります。新制度に移行する幼稚園や保育園等の保育料については、子ども・子育て会議の中で負担の公平性や応能負担といった考え方に配慮するとともに、制度変更に伴う大きな変動が生じ過ぎないよう、現行の保育料とのバランスなども考慮をしながら検討を進めているところであります。これらを踏まえまして、来年4月以降の保育料を区として定めてまいります。

 新制度における私立幼稚園についてであります。子ども・子育て支援新制度に関しては、私立幼稚園に対して適宜情報提供しているところであります。来年4月の移行については、今後、区として最終確認を行っていく予定となっております。私立幼稚園については、引き続き学校教育法上に位置付けがあり、新制度への移行の有無にかかわらず、子どもたちがより豊かな幼児教育を受けることができるよう、区としての支援を引き続き検討してまいります。

 それから、待機児童対策の財源確保についてであります。待機児童、この問題の解消に向けた追加の確保方策を実施するため、今定例会に補正予算を提出したところであります。今回の追加方策におきましては、全体経費のうち約70%が安心こども基金をはじめとした特定財源によるものであります。特に、今年度から都は株式会社等に対する施設建設補助制度を実施しておりまして、今回の追加方策ではその制度の活用も見込んでおります。今後とも補助制度を最大限活用して、保育事業に適切に対応してまいります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 中学校2年生の宿泊行事について、お答えいたします。

 ことし3月に教育委員会の中に中学校宿泊行事検討委員会を立ち上げ、来年度から第2学年を含め、全ての学年で宿泊行事を行うことができるよう、学年ごとの実施目的や内容等を検討しているところでございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 白 井 ひでふみ

 1 子ども・子育て支援新制度について

 2 防災・防犯対策について

 3 入札制度について

 4 障がい者施策について

 5 東中野駅東口周辺まちづくりについて

 6 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に白井ひでふみ議員。

〔白井ひでふみ議員登壇〕

○13番(白井ひでふみ) 平成26年第3回定例会にあたり、公明党の立場から質問を行わせていただきます。

 質疑に先立ち、過日の8月を中心に我が国の広範囲にわたる未聞の豪雨によりもたらされた洪水・土砂災害、特に被害の大きかった広島市における土砂災害によりお亡くなりになられた皆様、被災された皆様に対し心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 質疑に移ります。

 初めに、子ども・子育て支援新制度について伺います。

 幼児期の学校教育・保育の総合的な提供、地域の子ども・子育て支援の充実を目的として、平成24年8月に「子ども・子育て支援法」と「認定こども園法の一部改正」、「児童福祉法の一部改正等関係法律の整備法」の3つからなる、いわゆる「子ども・子育て関連3法」が成立し、子ども・子育て支援新制度が創設されました。新制度は、明年の平成27年4月から本格実施が予定されています。

 子ども・子育て支援新制度の主なポイントについて、所管する内閣府では列挙していますが、ここでは5点に絞り触れておきます。

 1、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付(施設型給付)及び小規模保育等への給付(地域型保育給付)の創設。2、認定こども園制度の改善(幼保連携型認定こども園の改善)。3、地域の実情に応じた子ども・子育て支援(利用者支援、地域子育て支援拠点、放課後児童クラブなどの「地域子ども・子育て支援事業」)の充実。4、市区町村を実施主体と位置付け、地域のニーズに基づき、5年を1期とする「子ども・子育て支援事業計画」を策定し、給付・事業を実施。5、社会全体による費用負担(消費税率の引き上げによる国及び地方の恒久財源の確保を前提)と、概要を示しています。

法の規定により、各基礎自治体は創設された新制度に係る施設や事業の基準について条例により定めることとされていることから、全国の基礎自治体は基準設定の大詰め段階にあり、中野区においても同様の段階にあります。特に、都市部で顕著となっている待機児童対策の問題は、保育園等開設の募集をしても園の募集数に満たなかったり、園の開設が決定しても保育士の必要人数が集まらないなど、保育園開設の問題は既に自治体間の競争となっていると言えます。また、反面、保育の定員数、安全・安心な保育等、保育の質の担保の課題も存在します。さらに、一時、保育園の待機児数を解消したとしても、近隣自治体の待機児対策がおぼつかなければ、再び待機児問題を抱えることとなるなど、自治体単体のみだけで待機児問題を解決することはできず、広域的な取り組みが必要な課題であるとの側面もあります。明年より本格実施予定の子ども・子育て支援新制度を踏まえ、それぞれの自治体がどのように施策を展開していくのか、いずれにせよ鍵となることは間違いないと言えます。

 先日、内閣府の子ども・子育て支援会議の委員であり、NPO法人全国小規模保育協議会理事長である病児保育・小規模保育のNPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹氏と懇談、意見交換の場を、ここ中野区役所にて持たせていただく機会がありました。また、幼児教育・保育に携わられている各種区内団体の皆様とも、公明党として懇談会を重ね、新制度実施に向け思索をめぐらせてきたところです。

 そこでまず、待機児問題の解消に向け、保育園等の新規開設が不可欠です。区は、従来から行ってきた賃貸物件型認可保育所4施設と施設建設による認可保育所1施設の事業者募集、さらに新制度による3歳児未満を対象とした小規模保育事業の事業者6施設の開設を目指すとしていますが、明年度の見通しにおいて待機児問題の解消は可能となるのか。また、先ほど述べたとおり、開設園のこの目標数を達成するだけでも困難な課題であると思います。単に事業者の募集をかけ、返事を待つだけの姿勢ではなく、目標数を達成するための積極的な方策が必要であると考えますが、どのように目標数を達成しようと考えているのか、伺います。

 それぞれの施設における開設補助金や継続的補助金等、区の独自の支援策の大幅拡充が必要不可欠と考えます。内閣府の子ども・子育て支援会議の議事録からも、基礎自治体の支援策を見越しての国の基準が算定されていることがうかがえます。自治体間の保育園誘致・開設競争に秀でるための区の独自支援策はどのようなものとなっているのか、また他の自治体と比べ引けをとらない支援策となっているのか、伺います。

 また、区内に目を移したとき、中央線沿線は地価が高く、区内においても家賃に差が生じています。これまでの保育園の誘致・開設において、賃貸物件の価格が高いことから保育園の誘致が進まなかった例があります。賃貸物件の家賃補助の制度に継続的な補助制度を組み込み、地域差、価格差を反映させる必要があると考えますが、伺います。

 次に、保育園と公園の連携整備について伺います。

 保育園の増設に伴い、園庭のない保育施設の開設が進むこととなります。近隣に公園等があれば園庭の代替としての利用を認め、保育園開設の要件のひとつを満たすこととなりますが、区の保育園の担当所管は保育園の開設時にどこの保育園がどこの公園を使うのかとの情報を把握しているはずです。この情報について、公園の担当所管と情報連携をしているのか、伺います。

 公園整備の計画に子ども・子育て支援新制度の趣旨を踏まえ、また待機児問題解消のために園庭のない保育園が増えることを踏まえた、保育環境・子育て支援環境の観点を加味した公園整備計画が必要だと考えます。それぞれの園児が遊ぶ公園や広場の状況を詳細に捉え、公園整備を行うとともに、幼児が安心・安全に遊べる遊具の整備を行うべきと考えますが、伺います。

 さらに、園庭のない保育園等においてはプールの設備もありません。仮設のプールの使用さえ難しい施設もあります。この夏も猛暑が続いたところです。子どもたちの水遊びを応援するために、区として公園内での親水施設の整備や区有施設の利用、また現在も行っておられると思いますが、他の園との連携によるプールの使用のサポート強化も含め、充実させる検討をすべきと考えますが、伺います。

 また、公園の大きな遊具の整備のほか、園児が遊ぶおもちゃについて、例えば、乗り物やカートなどの大き目のおもちゃなどの置き場があれば、うれしいとのお声があります。公園におもちゃの置き場があり、善意の寄附によっておもちゃが増えたところもあると聞きます。こうしたおもちゃの置き場についての活動を広げるための方策について、検討いただきたいと思いますが、伺います。

 次に、幼稚園・保育園への防災行政無線の個別受信機の整備について、伺います。

 区では、災害時等に区民へ情報を提供する主な手段としての防災行政無線を、アナログ方式からデジタル方式へと転換する取り組みを、今年度より5年間の整備計画期間を設けて、現在進めているところです。今年度の予算であるデジタル防災行政無線の整備に当たり、我が会派として強く要望してきた、全ての保育園への配置が盛り込まれていますが、各園への説明や個別受信機の整備状況についての現況を伺います。

 また、明年度に開設を予定する保育園も、この防災行政無線の個別受信機の整備がなされることでよいのか、確認のため伺います。

 さらに、子どもたちが通う園が幼稚園なのか、保育園なのかによって災害時の情報提供に差があってはならないと考えます。全ての幼稚園にも防災行政無線の設置を進めるべきと強く望みますが、伺います。

 次に、新制度における家庭福祉員制度について伺います。

 新制度において、家庭福祉員制度の課題は多々ありますが、給食提供のための施設整備と調理員の配置の課題があります。新制度開始より5年間の移行期間が設けてありますが、原則施設による給食の提供との課題はこれまでと比べ相当ハードルの高いものとなっています。例外として、連携する他の園からの給食の搬入も認めるとしていますが、厳しい言い方をすれば、5年後には廃業に追い込まれかねない状況です。区として独自の支援策、または給食の連携について、区が主導すべきと考えますが、見解を伺います。

 また、小規模保育事業と家庭福祉員制度は3歳児未満を対象園児としています。国の基準では3歳以降も引き続き他の園に入園できるように保育の連携園の計画を示す必要がありますが、区の責任において連携園の調整を行うとの認識でよいのか、お伺いします。

 次に、学童クラブの整備について伺います。

 これまで区は、学校施設内における学童クラブやキッズ・プラザの整備を進めてきましたが、整備地域と利用希望者との開きから学童クラブの待機児問題が発生しています。新制度において学童クラブの利用対象児童が小学校3年生から6年生までと拡大され、学童クラブの定員数がさらに不足することとなります。区は明年度に向け、新たに利用児童の需要をニーズ調査により算定し、不足数と需要の高い地域を選別し、4施設の事業者を募集することとしています。明年度に向け、急ぎ施設整備の必要があることは十分理解した上で、これまで区が進めてきた計画や施策の変更が余儀なくされ、整合性を図る必要があると考えます。学校再編計画や跡地の活用、児童館の廃止計画など、区の他の施策との整合性をとりながら、新たな学童クラブの設置について、開設方針・計画を策定すべきと考えますが、お伺いします。

 次に、子育てシェアの支援について伺います。

 送迎・託児を顔見知り同士で頼りあう、子育てシェアの仕組みをネットで行い、顔見知り同士となるための地域の親子が出会う・つながる親子交流の場づくりを進めている、民間事業者アズママについてです。近年、新聞やテレビでの特集が組まれ、サービス利用の登録者数が急増しているため、御存じの方も多いと思います。同様のサービスの提供体制として、区では中野区社会福祉協議会によるファミリー・サポート、病児預かりや緊急時の預かりも実施しています。アズママのサービス内容の概要は、1時間500円から700円の謝礼の設定、万一の事故に賠償責任保険適用、登録者同士の頼り合いが成立しなかった場合、事業者がフォローする仕組みの連絡連携をネットにより行っています。サービス提供の大事なキーワードは、顔見知り同士で頼り合うこと、地域でのつながりの薄れをネットを介してつながり合う仕組みが非常に注目されています。事故やすれ違いを防ぐためにも事前の顔見知りとなる親子交流広場が大切となります。近年、自治体においてこの活動を支援するところが出てきています。新制度において、子育て広場や子育て相談事業との組み合わせから交流広場の支援ができるのではないかと考えますが、お伺いします。

 次に、医療の面から子育て支援について伺います。

 中野区では、これまで病後児保育事業を区立仲町保育園と聖オデリアホーム乳児院に委託し、準夜間こども救急診療は、医師会の協力を得て、中野総合病院で実施しており、子育て支援の充実を図ってきました。利用者の需要を考えれば、さらなる安心・安全の子育て支援に向けて充実した体制整備が望まれるところです。現在、URが基盤整備を行っている江古田合同住宅跡地では、この8月末に住宅等の整備を行うために民間事業者の公募を開始しました。そのひとつの区画に医療施設の整備があり、具体的な用途として小児初期救急診療と病児・病後児保育の機能を持たせた病院施設の整備が条件となっています。これまで公明党として、小児救急診療の充実や当該地周辺での医療モールの誘致などを推進してきたところです。URの当該地区の募集要領には、小児初期救急診療と病児・病後児保育の機能を持たせた病院施設の条件が中野区からの要望によるとの趣旨で記載されていますが、これまでの経緯と今後のスケジュールについて、お伺いします。

 明年度の子ども・子育て支援新制度のスタートにおいて、中野区の子どもたちの安心・安全な環境整備が一段と進むことを望み、この項の質問を終わります。

 次に、防災・防犯対策についてお伺いします。

 初めに防災対策について、水害対策について伺います。

 気象庁は、先月の8月は台風や前線の影響で雨の降りやすい状態が続き、西日本で1か月に降った雨量は平年の274%と、8月としては昭和21年に統計をとり始めてから最も多かったこと。また、日照時間も平年の48%と、これまでで最も少なかった昭和55年を下回り、深刻な日照不足となったと伝えています。

 気候の専門家などでつくる気象庁の異常気象分析検討会は、要因を分析し、先月上旬は偏西風が平年より北に位置していたため、台風の速度が遅く、長い間雨が降り続き、その後は偏西風が日本の西側で南に、日本の東側で北に蛇行したため、前線が本州付近に停滞しやすい状態が続いた。さらに、日本の南の海上では雨雲の発達が活発でなくなったため、太平洋高気圧の西への張り出しが弱まり、高気圧の縁を回って暖かく湿った空気が日本に流れ込みやすい状態が続き、西日本で記録的な大雨や日照不足になったとしています。

 一方、広島市の土砂災害を引き起こした局地的な豪雨など、先月各地で猛烈な雨が観測されたことについて、検討会は、地球温暖化による気温の上昇で日本付近の大気に含まれる水蒸気の量が増加していることも要因のひとつだとする見解をまとめました。検討会の会長を務める東京大学の木本昌秀教授は会見で、「複数の条件が重なって西日本では極端な天候となり、異常気象だったと言える」と述べ、その上で、「地球温暖化も短時間に猛烈な雨を降らせる要因のひとつになっており、今後、こうした現象はどこでも起こり得ることであり、日ごろから備えをしてほしい」と指摘しています。

 本日、9月11日においても、北海道では特別警報、東京においても警報が発令され、心配されるところです。

 国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、各種ハザードマップと道路冠水箇所など、防災に役立つ情報を1枚の地図上で重ねて閲覧することができるとともに、「"だれでも""どこからでも"日本中のハザードマップを"まるごと"閲覧」と題して、全国の地方公共団体が公開しているハザードマップ情報にリンクが張られており、一覧できるものとなっています。言い換えかえれば、Web上ではありますが、各自治体が提供する市民への災害危険度の情報が比較できるようになっています。地震防災危険度のマップに比べ、洪水ハザードマップは情報提供に自治体によって差があるように見えます。

 中野区の取り組みとして、水害対策の急ぎの対応として、洪水ハザードマップと説明文を危険度の高い地域に配布予定と聞きますが、どのような地域にいくらほど配布予定なのか、またその内容について伺います。

 また、区民への日ごろの備えや避難行動、水害時の区の取り組みなど、さらなる情報提供が必要と考えます。例えば、大規模浸水時の避難所として開設される避難所は、震災時の避難所とは異なります。防災会が避難する地域の単位となっていますが、浸水想定地域が町会を分断する想定となっているところもあり、避難行動の周知についても検討の余地があると考えますが、お伺いします。

 また、大雨に備えて雨水ますや雨どいの清掃、河川の増水時の炊事やお風呂など、水の使用の制限を促すだけでも大きな効果が期待されます。水害や洪水に備えた情報提供を整理し、手引きやしおりの作成、ホームページでの情報提供の充実を図るなどをすべきと考えますが、あわせてお伺いをいたします。

 次に、防犯対策として防犯カメラの設置について伺います。

 防犯カメラの設置に関する助成制度が始まってから6年、現在、区内にはこの制度を活用した防犯カメラが140台設置され、今年度予定分を含めると204台の防犯カメラの設置が行われることとなります。そもそも防犯カメラによる映像を確認する事態が起こらないこと、防犯カメラの設置の必要がないことが理想ですが、近年、設置助成の活用を希望する地域が増えてきています。防犯カメラによる犯罪抑止力に期待を込める意味からも、今後も増設を望む声が高まることが予想されます。現在、防犯カメラの設置に関する区の助成制度は、初期の設定助成のみで、再整備の設置助成制度がありません。このままでは防犯カメラの機器の耐用年数を超え、壊れた箇所の再整備が整わず、設置数が減少していくこととなりかねません。区として防犯カメラの再整備への助成制度について検討すべきと考えますが、お伺いいたします。

 次に、入札制度について伺います。

 平成23年度より、区の入札制度である総合評価制度を補完する形で、冷え込んだ景気の下支えとして、区内産業の育成と区経済の発展に資するとの見地から、区内事業者優先の制限付入札制度が導入されました。以来、景気の判断、前年度の入札動向、入札管理委員会の判断などを総合的に勘案して、制限付入札制度を毎年継続してきたところです。

 本年9月、内閣府より発表された8月の景気ウォッチャー調査によると、「景気は緩やかな回復基調が続いており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減の影響も薄れつつある。ただし、天候要因の影響が見られるほか、先行きについて、燃料価格等の上昇への懸念等が見られる」としていますが、区内産業を取り巻く環境は依然として厳しく映ります。明年度においても、区内産業の育成と区経済の発展に資する区内事業者優先の制限付一般競争入札制度の継続をすべきと考えますが、お伺いいたします。

 また、制限付一般競争入札制度における業種における限度額を、消費税の導入や昨今の人件費、資材や経費の上昇を反映させ、引き上げるべきと考えますが、お伺いいたします。

 明年度より、改正品確法が本格実施されることとなります。区が発注する入札案件において、福利厚生費を含む人件費、資材や経費等を予定価格へと反映させた予算の積算が必要となります。予定価格の積算に際し、改正品確法の趣旨を厳守し、予定価格に反映させることとなるのか、お伺いいたします。

 次に、入札制度における最低制限価格の設定について、伺います。

 最低制限価格においても、同じく改正品確法を重んじての引き上げが必要と考えますが、見解をお伺いいたします。

 次に、障がい者施策について伺います。

 視覚障害者への点字・点訳データによる「障がい者福祉のしおり」や区の行政サービスを網羅した「わたしの便利帳」の配布について、伺います。

 区では、障害者担当の窓口への設置と図書館による貸出業務によって点字による情報提供を行っています。手元に置いておけるように取得を希望しても、図書館による貸し出ししか手段がない状況です。しかも、点字による「障がい者福祉のしおり」は分厚く大きなファイル冊子で2冊、「わたしの便利帳」に至っては7冊にも及ぶ大きく重たいものとなっており、貸出・返却にも苦労があります。

 視覚障害者団体からは、点字版または点訳データによる「障がい者福祉のしおり」「わたしの便利帳」を希望者への配付をしていただきたいとの要望が出ています。「障がい者福祉のしおり」は、現在の契約においても点字のデータが区にあると聞きます。配付方法について早速検討すべきと考えますが、伺います。また、「わたしの便利帳」については、点字データが区にはないため、契約の確認・見直しから必要となりますが、同じく検討を進めるべきと考えます。伺います。

 次に、障害者の就労支援について伺います。

 区は、障害者の就労支援を促進するため、区内の建物管理団体と障害者雇用に関する協定を締結し、法定雇用率を上回ることを条件に、区の発注する管理物件を定めるなどしています。明年度においても、障害者雇用の場の一層確保を促す取り組みが必要であると考えますが、お伺いいたします。

 次に、東中野駅東口周辺まちづくりについて、お伺いします。

 中野駅周辺の北口をメインにした再開発が進み、さらに南口の再開発計画が進める段階に入りました。中野駅には、南北の開発の格差を指し、南北問題と言われてきましたが、課題の解消に向け、計画の検討がなされているところです。

 同じく中央線に位置する私の地元である東中野駅においては、現在、西口駅前広場と敷設の駐輪場整備が進み、いよいよ年度内の完成の目途が立ってまいりました。環状6号線山手通りの拡幅工事、線路上にふたをする形で上空部を活用した東中野駅西口連絡通路工事、駅前広場工事、駐輪場工事と長い工事期間を経ての完成です。ひもとけば、駅改修工事が何度も頓挫した経緯があり、関係者の皆様の努力に感謝を申し上げます。

 さて、中野駅周辺が南北問題を抱えてきたのと同じく、東中野駅周辺は開発格差である東西問題を抱えています。駅東口周辺整備の課題です。区は、中野区地区まちづくり条例を制定し、地域の声を後押ししてきましたが、駅東口周辺は現在土地に関しての動きが活発化しています。

 まず、東中野駅周辺まちづくりにおけるこれまでの区の取り組みと、特に駅東口周辺の動向についてどのように捉えているのか、お伺いいたします。また、民間主導のまちづくりとしてきた区の関与について見直す必要があると考えますが、お伺いいたします。

 最後に、東中野駅東口のバリアフリー化の計画について、同様に検討するタイミングのリミットを迎えつつあると感じます。機を逃すと、区が後押ししてきたまちづくりの成果を生むことなく、民間開発のみが進み、バリアフリー化は遠のくばかりと思えます。駅東口のバリアフリー化について、区の積極的関与並びに見解を求め、私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 白井議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、子ども・子育て支援新制度についてであります。

 待機児童対策について。子ども・子育て支援新制度に向けて実施したニーズ調査に基づいて、最近の就学前人口や保育需要の増加も加味して保育需要を算出しているところであります。募集した保育所等の施設を開設することで待機児童の問題は解消できるものと見込んでいるところです。

 今回の追加募集に当たり、さまざまな事業者に施設開設に向けた条件等についてヒアリングを行いました。その結果、募集期間を設けず、応募のあった事業者から選定していく公募方法に改めたところであります。また、家賃補助の充実を図るとともに、これまで行っていなかった株式会社等に対する施設建設費補助制度を設けたところであります。

 賃貸物件の家賃補助についてであります。現行の家賃補助は、開園後の前払い分を含めて、開園前の準備期間中に支払う家賃について補助を行っているところですが、今後は運営開始後の家賃について補助を行うよう検討しております。

 保育園と公園の情報共有についてであります。園庭のない保育所等が公園を園庭の代替として利用する場合については、必要に応じて公園担当に情報提供を行っているところであります。今後はより積極的に情報の提供を行い、公園担当と連携をしていくことにしてまいります。

 それから、公園における子ども・子育て支援のあり方についてであります。公園には年齢や目的を問わず、不特定多数の利用者が来園をされます。今後、園庭の代替として利用される公園については、利用状況全般を勘案しながら公園の施設・設備の配置について検討していきたいと考えております。

公園内に親水施設を設置するには、場所や費用、また安全管理面などの課題があると考えております。公園以外の区有施設の利用、これについては今後検討してまいります。

 公園内におもちゃを置くこと、このことについてですが、責任を持って管理できる団体などがあれば積極的に考えていきたいと考えております。

 保育園の防災行政無線の個別受信機の整備状況についてであります。防災行政無線の個別受信機は、既に区立保育園では設置をしております。今年度全ての民間保育園にも防災行政無線の個別受信機を配備していく考えであります。各園への設置工事に関する説明は今後順次実施をしてまいります。

 来年度開設保育園の個別受信機の整備について。来年度以降開設される保育園についても、今年度と同様に個別受信機の整備を図っていく考えであります。

 幼稚園への個別受信機の配置についてであります。今後、幼稚園につきましても、防災行政無線の個別受信機の設置について検討してまいります。

 それから、家庭的保育事業者の給食提供への支援についてであります。子ども・子育て支援新制度においては、家庭的保育事業は自園調理による給食の提供が原則とされています。家庭的保育事業を行う事業者に対しては5年間の経過措置が認められています。この間に献立作成やあるいは調理員の確保策などの支援を行っていきたいと考えております。また、自園調理が困難な場合には近隣の認可保育園などの連携施設からの給食搬入の仕組みを検討し、給食が適切に提供できるようにしていきたいと考えております。

 家庭的保育事業利用終了時の児童受け入れ連携施設について。子ども・子育て支援新制度において、家庭的保育事業者等は、乳幼児に対する保育が適切に行われ、3歳以降も必要な教育または保育が継続的に提供されるよう連携施設を確保しなければならない、このようになっています。家庭的保育事業者等において連携施設の確保が困難だといったような場合には、家庭的保育事業者等からの求めに応じて区が連携施設の調整を適切に行っていく考えであります。

 学童クラブの整備について。学童クラブの確保方策については、今定例会において、民間学童クラブ4か所の設置について補正予算を提案しているところであります。今後も需要数を見極めながら、民間活力を活用した特色ある学童クラブ事業の実施など、計画的に取り組んでまいりたいと考えております。

 親子の交流広場についてであります。区では、子育て広場事業として、乳幼児親子が気軽に利用でき、仲間づくりや交流を通して安心して子育てできるよう、すこやか福祉センターや児童館、U18プラザ等で身近な交流の場を提供し、また相談・助言、情報提供等を行っているところであります。また、地域で子育て広場を開設する団体に区が補助金を交付するなどの支援を行っているわけであります。子ども・子育て支援新制度では、子育て支援拠点事業や利用者支援を実施する予定であります。親子交流のニーズに応えられるよう、事業相互の連携なども検討していきたいと考えております。

 それから、子どもの医療体制をめぐってURの募集の経緯とスケジュールについてであります。

 江古田合同住宅跡地、この跡地のまちづくりにつきましては、従前からUR都市機構に対して、防災や緑の保全に配慮しつつ、良好な居住環境を有するファミリー世帯向け住宅の供給を要望し、具体的な計画内容については別途協議を行うこととしてまいりました。その後、URから、800から900戸程度のファミリー世帯向け住宅整備が可能となる土地利用計画案が示されたことを受け、子育て支援基盤として、小児初期救急診療と病児・病後児の保育機能を当該跡地内での一体的整備が図られるよう、区として検討を求めたものであります。今般、URにおいては、この区の要望を取り入れた公募要領を決定し、8月末から一般競争入札による募集を開始し、10月には譲り受け人を決定する、その運びとなると聞いているところであります。

 私からは以上です。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず、防災・防犯対策についての御質問にお答えをいたします。

 初めに、洪水ハザードマップの配布についてでございます。洪水ハザードマップの配布対象地域につきましては、平成12年9月の東海豪雨と同程度の降雨があった場合の被害想定で浸水が50センチ以上の地域、及び昭和60年度以降に浸水・内水被害のあった地域等を対象に8万部を配布する予定でございます。洪水ハザードマップに添付する説明文の内容につきましては、想定上、浸水の可能性のある地域であることの注意喚起、及び大規模な洪水に対する事前の備えと避難の方法等について記載したものとする予定でございます。

 次に、大規模浸水時における避難行動の周知についてでございます。震災時は、区内全域に被害が発生することから、防災会単位で避難所を指定しております。一方、大規模水害時には、洪水の影響のない土地の高いほうに避難することから、浸水想定地域においては震災時と異なる避難所に避難する場合があると想定しております。このことから、洪水ハザードマップ配布時も含めまして、今後、風水害時の避難行動の周知につきましてはさまざまな広報手段を検討してまいりたいと、そのように考えております。

 それから、水害に備えた情報提供についてでございます。これまでも集中豪雨などによる水害対策につきましては、区報やホームページ等で周知してきたところでございますが、よりわかりやすく、見やすい資料等に整理をいたしまして、情報提供に努めてまいりたいと考えております。

 次に、防犯カメラの再整備、更新に関する助成についてでございます。東京都では、平成25年度から、東京都地域における見守り活動支援事業において、助成を受けて設置した防犯カメラで7年を経過し、かつ通常の修繕では防犯設備としての機能を維持することが困難な状況にあること等の条件を満たした場合に、防犯カメラの更新に係る経費を助成することとしております。本事業につきましては東京都との連携事業であることから、区としても防犯カメラの更新に係る経費の助成について検討してまいりたいと考えております。

 続きまして、東中野駅東口周辺まちづくりについての御質問にお答えをいたします。

 まず、東中野駅周辺のまちづくりでございますけども、東中野駅周辺のまちづくりにつきましては、これまで区は、山手通りの拡幅整備や、都営地下鉄大江戸線の開通等にあわせまして西口駅前広場整備等に取り組んできたところでございます。また、JRも鉄道事業者として、西口駅舎の建てかえによるバリアフリー化に取り組んできております。一方で、駅東口につきましては、大規模な開発にあわせた道路横断橋の整備などが行われましたが、それ以外の大きな変化はございませんでした。現在では、地元の関係者を中心としたまちづくりの活動が継続されており、区はそれらの活動への支援を中心に取り組んでいるところでございます。今後も地元の活動を支援しつつ、民間の開発動向を踏まえ、さらに区としての対応を検討してまいりたいと、そのように考えております。

 次に、東中野駅東口のバリアフリー化についての御質問でございます。

 東中野駅東口駅舎がバリアフリー化されていない状況につきましては、区としても地域の課題であると認識しております。今後、周辺状況の変化なども踏まえ、JRに強く働きかけるとともに、区として協力できることは何か探ってまいりたいと考えております。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 入札制度についての御質問にお答えをいたします。

 まず、制限付一般競争入札制度についてですが、工事請負契約の制限付一般競争入札の継続実施及び限度額の拡大などについては区内事業者の育成につながるものと考えておりますが、競争性を確保しつつ、経済状況や経費の増高及び今年度の契約実績などを総合的に勘案し、入札監視委員会の意見を聞いた上で判断をしたいというふうに考えてございます。

 次に、改正品確法を踏まえた予定価格についてでございます。予定価格については、これまでも適正な積算に努めてきたところでございますが、改正品確法も踏まえ、さらに国・東京都における原材料費や労務単価の改定状況なども見ながら、今後とも適正な積算により一層努めてまいります。

 さらに、最低制限価格の引き上げについてでございます。最低制限価格についても、これまでも入札契約状況を勘案して適正な設定に努めてきたところでございますが、改正品確法の趣旨も踏まえ、今後も適正な価格設定に努めてまいりたいと考えております。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、障害者施策についての御質問にお答えをいたします。

 まず、点字データの活用でございますが、障がい者福祉のしおり、わたしの便利帳、これらの点字データにつきましては、区のホームページで提供できるようにするなど、今後活用を図ってまいりたいというふうに思ってございます。

 それから、障害者の働く場の確保についてでございますが、区では、障害者の雇用の促進に向け、特定組合等や区内の障害者就労施設に清掃業務や庁内印刷などの区の業務の一部を優先的に発注するなどの取り組みを行っております。今後とも区内における障害者の雇用の場の確保を進める所存でございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時28分休憩

 

午後2時50分開議

○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 長 沢 和 彦

 1 区長の政治姿勢と区政運営について

  (1)経済情勢と区政運営について

  (2)施設使用料の改定について

  (3)平和首長会議への加盟について

  (4)その他

 2 子ども・子育て支援新制度について

 3 学校施設の改善について

 4 障害者施策について

 5 その他

 

○議長(伊東しんじ) 長沢和彦議員。

〔長沢和彦議員登壇〕

○31番(長沢和彦) 2014年第3回定例会本会議におきまして、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。

 一般質問に先立ち、広島市などでの土砂災害において亡くなられた方々の御冥福を申し上げますとともに、被害に遭った皆様と関係する皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 また、我が会派の議員辞職につきましては、議長をはじめ、同僚議員の皆様と区長、職員並びに区民の皆様に御心配と御迷惑をおかけしたことを深くおわびいたします。

 初めに、1番、区長の政治姿勢と区政運営について、伺います。

 最初に、経済情勢と区政運営についてお尋ねをいたします。

 9月8日に発表された4月から6月期の国内総生産(GDP)は、年率換算でマイナス7.1%と大幅に落ち込みました。なぜここまで下がったのかといえば、家計消費が年率換算でマイナス18.7%という空前に近い落ち込みをしたからです。どうして消費が落ち込んでいるかといえば、勤労者の実質賃金が4月、5月、6月と前年比でマイナス3%以上も減っているからです。増税と円安による物価高に賃金が追いつかない中、庶民は支出を控えています。アベノミクスで大企業が空前の利益を上げる一方、国民の生活は深刻です。区長は、景気が回復して好循環に入るということはおのずと雇用や所得の増大が見られること、そうなるための方策が問題なので、金融政策、財政政策、そして成長戦略と言っている政策の3本の矢、これが的確に機能することが欠かせないと、再三アベノミクスへの期待を述べていました。しかし、今や好循環どころか悪循環の危険水域に入ってきています。実質所得が減り、消費が落ち込み、GDPが落ち込むという典型的な増税不況の始まりに至っていると言えます。いずれは景気も暮らしもよくなっていくのではと淡い期待をしていた国民も、どうも様子が違うと気づき始めています。各種世論調査の内閣支持率の低下にもあらわれ、特に消費税率10%の引き上げには反対と答える世帯が6割、7割を超えています。にもかかわらず、消費税10%増税を年内に決めようとしています。そうなれば、個人消費も日本経済も一層冷え込ませることになるのは明らかです。

 区長、改めてお尋ねしますが、消費税10%の引き上げに反対の意思表示をすべきではないですか。伺います。

 2013年度決算から見た区政運営について、伺います。

 決算年度は、一般会計で見ても、歳入で1,168億円、歳出1,140億円と最大の財政規模に膨れ上がりました。歳入では、特別区税、特別区交付金とも予算現額はもちろん、当初予算額を大きく上回りました。歳出では55億円もの不用額を出しています。この年度も予算の際には財政の厳しさを言いながら、決算では18億円の剰余金をつくりました。単年度収支も2億3,000万円の黒字額を出しています。あまり残すと体裁が悪いので、第4次の補正で減額し、さらに区が2008年、平成20年度から行っている財政調整基金からの繰入金を減じる方法をこの年度においても行って、実質収支比率を2.7%に落ちつかせました。23区平均が5.9%ですから、そことの開きを見せたかったということでしょうか。結果、財政調整基金への積み増しによって206億円にもなっています。特定目的基金なども入れると、予算の際に示された年度末現在高339億円に比べて439億円と、100億円も積み増ししたことになります。私たちが指摘してきたとおりの事態が進行しています。区がこれまで言ってきた、基金の計画的な積み立てと取り崩しという財政運営は、厳しい区民生活を尻目に、ため込み優先の決算になったと言えます。見解を伺います。

 区民生活を守る区政の役割から見て、当該決算年度はどうだったでしょうか。歳出のところでは、中野駅周辺まちづくり推進など開発偏重の予算執行は相変わらずです。この年度は、ハード面だけでなく、ソフト面でも中野区産業振興拠点の開設など、開発と企業呼び込みが際立った決算となりました。一方、事業見直しによって、わずかな福祉・教育の事業の廃止や削減が行われました。65歳以上の障害者福祉手当の削減、小・中学校の遠足・社会科見学バス代補助の廃止、切実な区民要求に応えようとしないあり方でした。あまりにも区民の暮らし向きを見ようとしない財政運営、区政運営と言わざるを得ません。将来の行政需要をことさら強調して、区民の暮らし・福祉を守ってほしいという願いに応えないあり方は改めるべきです。見解を伺います。

 次に、施設使用料の改定について伺います。

 なぜこの時期の見直しなのでしょうか。2007年の施設使用料見直し方針で3年ごとの見直しを打ち出しました。しかし、区民、利用者にそのことが周知されているわけではありません。施設使用料の積算根拠は公会計改革の名によるフルコスト算定にあります。この目的と狙いは自治体の市場化推進であり、そのための道具として行っているにすぎません。今回の固定資産台帳による減価償却費の見直しもその一つと言えます。

 前回、2011年の見直しの際に、総務委員会で付帯意見となった積算方法の見直しが考慮されていないばかりか、検討された形跡もありません。行政の怠慢と言えます。性質別負担割合についても、施設の性質による利用者の負担の割合設定の明確な根拠はありません。区の一存で決めたにすぎないのです。現行の割合設定でよいのかの検証をすべきでしたが、されていないことも問題です。特に値上げ額の大きいものが運動施設です。体育協会や新スポーツ連盟からは、施設使用料の値上げによって利用団体会員の会費などを上げざるを得ない、参加者が減るのではないかと心配されています。そもそも施設の環境や利用の改善がきちんと図られていない状況のもとで、使用料の値上げだけが行われるなどはあまりにも拙速かつ乱暴ではありませんか。見解を伺います。

 平和首長会議への加盟について伺います。

 奥多摩町が、このほど平和首長会議に加盟しました。東京の平和首長会議加盟は、これで18区21市3町村、42自治体となりました。東京の全自治体の80.7%に達しました。日本全国では1,505自治体、世界を含めると6,276都市が加盟しています。平和首長会議では、2020年までの核兵器廃絶を目指す「2020ビジョン」を策定し、世界の都市、市民、NGO等と連携しながら核兵器廃絶に向けたさまざまな活動を展開しています。2020ビジョンの目標では、核兵器禁止条約の締結、締結に向けた具体的交渉の開始を求めています。来年4月には核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれ、8月は被爆70周年を迎えます。

 区長、平和首長会議に加盟することを改めて求めます。見解を伺います。

 次に、子ども・子育て支援新制度について伺います。

 新制度のもとでも、児童福祉法第24条1項が活かされることになりました。この間の変化として特徴的なことは、待機児解消を望む保護者・区民からは、「預かってくれればよい」とする託児ではなく、子どもの健やかな成長・発達を保障する認可保育園の入園を求めているということです。ニーズ調査の結果にもあらわれています。また、今年度から実施された認証保育所等の保護者負担補助の増額をもってしても、認可保育園の入園を求める保護者が後を絶たないことからもそのことはわかります。保育の質を確保するには、それを保障する施設規模と資格のある保育従事者の配置が必要です。公的保育の充実が求められています。新制度においても、保育士による運営が行われている認可保育園により待機児解消と保育行政を行うべきではありませんか。伺います。

 第2回定例会で保育園の職員配置についてただしたところ、区は、保育状況を踏まえて行ってきており、今後も適切な配置に努めていくと答弁されました。つまり、必要な職員配置は引き続き行っていくことが示されたわけです。現在、職員の加配など、区加算の財源は都区財政調整交付金で算定されているものがあります。現行の職員配置水準を確保するためには都区財政調整交付金による財源確保が欠かせません。新制度においても、東京都との都区財調の協議の際に財源確保ができるよう強く求めるべきです。伺います。

 次に、学校施設の改善について伺います。

 中野区立中学校PTA連合会が毎年提出している要望書には、今年度も学校施設・設備の改善が挙げられています。生徒が多くの時間を過ごす学校がよりよい環境であるために、計画的な改善と原因究明の調査について早急な対応を求めています。このことは小学校の施設・設備についても同様に必要なことだと思います。校舎の雨漏りや老朽化したトイレ、窓サッシ、判読しづらい黒板など、学校生活を送る上で放置できない状況にあります。子どもたちが通う期間は限られています。再編計画で統廃合の対象となっている学校を含めて、教育の機会均等を保障する意味でも、早期の対策が必要ではないですか。伺います。

 具体的な事例で一つ、小・中学校特別教室の冷房化の完全実施を求めて伺います。

 昨年度、今年度と、中学校は理科室、小学校は図工室など、特別教室の冷房化が実施されています。来年度には中学校の全ての理科室と小学校の図工室全てを終える計画だと伺っています。しかし、それでもまだ中学校は、美術室、技術室、家庭科室が複数校残されます。小学校では、理科室、家庭科室、生活科室が相当数残ることになります。順次行っていくという計画ではなく、来年度には全て完了させる計画を持つべきではないですか。お聞きをいたします。

 次に、障害者施策について伺います。

 介護保険給付と障害者自立支援給付の適用関係について、伺います。

 障害者で自立支援給付を受けていた方が、65歳になると介護保険制度の給付サービスが優先されることになります。どの時点で、どこの部署が本人や家族に伝え、介護認定及び給付サービスにつなげていくのでしょうか。まず、伺います。

 厚生労働省の事務処理要領によれば、市町村において申請に係る障害福祉サービスの利用に関する具体的な内容(利用意向)を聞き取りにより把握の上、必要としている支援内容について介護保険サービスにより提供を受けることが可能か否かを適切に判断されたいとしています。

 中野区では、65歳になった障害者が介護認定による介護度に基づく給付サービスを受けても、これまでの障害者自立支援給付で受けていたサービス量を確保できない場合はどうしているのでしょうか。伺います。

 障害者自立支援給付サービスは、区内受給者の大半の方は自己負担がありません。しかし、介護保険のサービスは1割の自己負担となります。なぜ若い障害者と高齢の障害者が区別され、高齢者のほうの経済的負担が重いのか、障害者自立支援法違憲訴訟によって低所得者の1割負担を撤廃させたのに、年齢で障害者を差別するのはおかしいと、全国の障害者団体などからも憤りの声が上がっています。障害者総合支援法第7条で規定している介護保険優先原則は改めるよう、国に求めていただきたいと考えます。答弁を求めます。

 次に、その他で1点、野方一丁目警察寮の跡地利用について、伺います。

 2015年3月末で野方一丁目警察寮の使用を終了すると聞いています。区民から介護施設やグループホーム、小規模多機能など高齢者の施設や居宅介護支援、高齢者向けの住宅などに活用を図ってほしいという声が出されています。保育園など子育て施設を含め、区民に活用が図れるよう、東京都に要望することを検討していただきたい。まずは、東京都に情報収集をお願いしたいと思いますが、いかがですか。伺います。

 以上で私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えいたします。

 政治姿勢と区政運営についてであります。

 消費税増税について。内閣府が8日発表した4-6月期の国内総生産改定値によりますと、年率換算で同7.1%減となり、消費税の増税は一時的には家計消費の落ち込みや実質賃金の減少などを通じてGDPを押し下げていることが見てとれるわけであります。一方で、8月26日の政府の月例経済報告によれば、引き続き雇用情勢は着実に改善しており、景気は緩やかな回復基調が続き、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつあるとしているところであります。

 10%への増税につきましては、政府が法の規定に基づいて判断を行うものであり、消費増税を日本の財政構造の改革や社会保障負担の対応などにしっかりと結びつけていく必要がある、このように考えております。

 平成25年度の基金積立額についてであります。平成25年度から今年度にかけて特別区民税の増加などを見ると景気の動向は上向いていると思われます。一方で、今後、共通番号制度など大きな制度改正に対応する必要もあり、基金の残高については決して楽観視していないところであります。今後とも、学校再編に伴う校舎建設費等の支出や、あるいは予測できない経済状況の変動などに対して着実な区民サービスの維持を図るためにも、計画的な積み立てをさらに継続していきたいと考えております。

 区政運営のあり方について。平成25年度の決算は、生活保護費や自立支援給付費等の扶助費が前年度より26.8%増加しているほか、教育費が前年度より14%増加しており、区民の暮らしを支える事業は着実に実施をしているところであります。新たな政策課題や国の制度改正に向けての対応や区民ニーズに即した対応のためにも、区政経営のPDCAサイクルに基づき、事業の見直し・改善を今後も進めていく必要があると考えております。

 施設使用料改定時期について。施設使用料につきましては、3年に一度の見直しを基本にこれまでも行ってきたところであります。このたびの改定も受益者負担の適正化を図るため必要な取り組みであると考えております。

 平和首長会議への加盟について。平和首長会議につきましては、国内外の数多くの自治体の意思をどのように確認していくのか、またどのように行動していくのかといったことが不明であります。また、区の発言が宣言等の決定の中でどのように取り扱われるかなど、疑問な点も多いことから、参加することは考えておりません。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校施設・設備の改善につきまして、具体的に、教育環境の整備と特別教室の冷房化についてお答えをいたします。

 PTA連合会や学校からの意見や要望を踏まえ、施設の改善に取り組んでおります。また、毎年実施している安全点検により緊急度に応じて優先順位をつけ、維持補修を行っています。

 特別教室の冷房化につきましては、昨年度より、小学校では図工室、中学校では理科室で計画的に整備を進めており、来年度で冷房化が終了する予定です。今後も特別教室の冷房化について計画的に取り組んでまいります。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、子ども・子育て支援新制度につきまして、認可保育所により待機児童を解消すべきであるといった御質問にお答えいたします。

 待機児童対策に当たっては、それぞれの保育施設の形態に特徴がある中で、認可保育所に限らず、多様な保育施設を保護者の生活環境などニーズにあわせて確保していくこととしてございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、子ども・子育て支援新制度におけます財調算定についてお答えいたします。

 財政調整交付金は、特別区の行財政運営に必要な経費が適切に算定できるよう、算定の充実・改善に向け、都区間において毎年度協議を行っているところでございます。保育園に係る経費だけでなく、子ども・子育て支援新制度に伴う経費については必要に応じて財政調整協議の中で取り上げていきたいというふうに考えてございます。

 また、野方一丁目の警察寮についてでございます。御指摘の野方一丁目警察寮については、現在のところ、区はそのような情報について何も伺ってございません。慎重に対応したいと思います。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、障害者の施策について3点お答えをいたします。

 まず、障害者の介護保険サービスへの移行についてということでございますが、介護保険サービス利用への移行が円滑に進みますよう、65歳到達月の2カ月前から区のケースワーカーですとかすこやか福祉センターの障害者相談支援事業所の職員、こちらが御本人あるいは御家族に介護保険制度への説明と案内を行い、手続の支援を行っているところでございます。なお、介護保険による認定手続等の期間を考慮いたしまして、障害福祉サービスの支給決定期間を65歳の誕生月の翌月までとして、切れ間なくサービスが利用できるようにしているところでございます。

 次に、障害特有の事由のためのサービス量の確保ということの御質問でございます。障害福祉サービスと同様の介護保険サービスがある場合は介護保険給付が優先されるということを原則としてございます。障害者支援の観点からは、介護保険によるサービス量に不足がある場合、必要と認められるものにつきましては障害福祉サービスを支給することとしてございます。

 最後に、障害者総合支援法を改めるべきだという御質問でございます。障害を理由とする支援は障害者自立支援給付により提供し、加齢のために必要となる介護支援は、障害の有無にかかわらず、介護保険給付によりサービスを提供することとなってございます。それぞれの制度を適切に運用することが適当と考えておりまして、障害者総合支援法の規定を改めるよう国に求める考えはございません。

〔長沢和彦議員登壇〕

○31番(長沢和彦) 1点だけ再質問をさせていただきます。

 その他で取り上げました、野方一丁目警察寮の跡地利用についてでありますけども、東京都の要望に対しては慎重にというお答えで、これについてはそういうことだということで理解をいたします。

 もう一点伺っている、情報収集をお願いしたいということについて御答弁がなかったように思いますので、その点についてお願いをいたします。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) この当該の用地が警察寮跡地であるということから、私どもとしては積極的というよりも慎重に対応したいということでございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 酒 井 たくや

 1 区民活動センターについて

  (1)これまでの総括について

  (2)事務局員の採用について

  (3)指定事業について

  (4)その他

 2 キッズ・プラザ、U18プラザ、児童館について

 3 教育環境の充実について

  (1)中野中学校について

  (2)その他

 4 災害時避難行動要支援者名簿について

 5 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、酒井たくや議員。

〔酒井たくや議員登壇〕

○27番(酒井たくや) 平成26年第3回定例会におきまして、民主党議員団の立場から一般質問をいたします。

 質問は、通告のとおりですが、大きな1番の区民活動センターの(3)の指定事業についてと、それから大きな3番の教育環境の充実については、決算特別委員会の総括もしくは分科会で行わせていただきたいと思います。その他についてはございません。

 それでは、質疑に入ります。

 まず、区民活動センターについてお尋ねします。

 平成23年7月に、これまでの地域センターを地域住民の自主的かつ主体的な取り組みを促進するための区民活動センターへと転換し、窓口サービスを行う5カ所の区民活動センターに併設する地域事務所へと再編しました。区民活動センターの運営は、町会・自治会から推薦された方を中核に、地域ごとに組織した運営委員会が区からの委託を受け、地域活動の支援に関する業務を行い、集会室の貸し出しなどの業務は民間事業者に委託しています。大きな転換から3年が経過した中、幾つかお尋ねします。

 区の転換の狙いとしては、地域課題を住民みずからが話し合い、みずからの行動によって解決していく環境をさらに整えていくことが重要であり、地域住民によって運営・活用される区民活動センターを設置し、そこを拠点として活動が広がっていくというものです。これだけ聞くとバラ色のような区民活動センター転換の考えでありますが、実際にはどうなのでしょうか。確かに区の狙いどおり地域課題を設定し、その課題解消に向けた取り組みも幾つか行われております。しかし、地域間格差の問題は必ずあります。これを地域の特性として活動の濃淡だけで片づけてはなりません。

 また、同じ施設に立場の違う3者が入っていることによる強い縦割りや、すこやか福祉センターとの連携の問題、そしてまた区民活動センターへと転換されたことは運営委員会のメンバーはもちろん理解をしておりますが、しかし、それ以外の方々の認知度は、自治の拠点と位置付けているにもかかわらず、まだまだ低く、このあたりも課題であります。

 また、以前の地域センターの職員は、日々の業務により地域活動への理解や現場の実情を知ることができました。顔の見える関係の中で、地域の方々と協議を図ることにより信頼関係を築いてきたと考えます。そして、地域とのさまざまな協働で培われた地域性や区民生活への理解が職員として大きな経験と糧になってきたと、私は考えます。これは区役所にとっての財産でもあります。しかし、現状は、以前と比べると地域との関係はどうしても希薄になっているように私は感じます。

 るる述べましたが、区として、転換後3年を迎えて現在どのように総括されているのか、評価面と課題面を合わせてお聞かせください。

 次に、区民活動センター運営委員会が雇用する事務局員の採用について、お尋ねします。

 事務局員の採用については、中野区区民活動センター運営指針の中で定められており、公募により同一の方が採用される場合にあっては連続して3回を超えない、事務局員の雇用は連続して3年までというのが当初の考えでありました。この考えは、転換前に突然、運営指針として示されました。先行実施している区民活動センターは既に事務局スタッフを雇用している状況でした。また、先行実施していないところでも開設準備をしており、混乱も招きました。区としては、期待権、雇い止めをめぐるトラブルを防止するといった観点、そしてもう一つは適切な人事の刷新による組織の活力を維持することも重要であり、3年を限度とするというのが理由でした。しかし、昨年、この事務局員の雇用が3年を迎えるにあたり、同時に2人の者がやめてしまっては引き継ぎに支障が出ることや、5年以内は期待権にかからないとの理由から、連続して4年まで、と改められました。特別な事情があれば4年まで雇用できるとありますが、実際は15の区民活動センターで13カ所、14名の方が4年目の雇用を更新されている状況であります。これは、運営委員会としては事務局員に安定的に長く地域のために働いていただきたいという考えなのではないでしょうか。また、採用に関しても、運営委員会の負担になる一面もあります。しかし、そうはいっても、今の運営指針では来年度の雇用の延長はできない状況です。現在の各運営委員会のこの件に関しての不安の声などはどうなっているのか。また、更新期待権をクリアできる妙案はないのでしょうか。そして、この状況に区として、事務局員になるために必要なコーディネート講座の修了者の名簿を提供するだけではなく、地域の担い手づくりや掘り起こしの支援もしていくことも必要です。今後の運営委員会の事務局員の採用への負担、不安の解消にも取り組むべきです。お考えをお聞かせください。

 次に、年度繰越金のあり方についてお尋ねします。

 区は、区民活動センターの運営業務に係る経費を予算措置し、委託料として運営委員会に支払っております。この年度委託料に関しての残額、剰余金の取り扱いについてですが、委託料は人件費が大半を占めており、その事務局員が疾病などで長期に休まれると、アルバイトを雇用したとしても、大きな金額が剰余金になることも予想されます。剰余金を翌年度に繰り越し、地域の公共・公益的な活動に使われるのならよろしいかと思いますが、この剰余金をずっとプールするようになればどうなるのでしょうか。これまでは区は、一定の金額を超えると課税対象になるといったこと以外は、何もこの件に関しては触れられておりません。運営委員会自身のことかもしれませんが、この繰越金に関してはどのようにお考えか、お聞かせください。

 次に、区民活動センター内の体制についてです。先に触れましたが、区民活動センターという同じ施設の中に、地域支えあい推進室の区の職員と、運営委員会事務局、そして部屋貸しの委託業者と、それぞれ違う立場の三者が入っており、それぞれの業務を行っております。区民活動センターにいらっしゃる方はこの違いなどわかるはずがありませんが、実際は強い縦割りになっているように感じます。行っている業務は違えど、利用者の目線に立てば、三者が連携や問題を共有することも必要ではないでしょうか。実際に3者で朝礼などを行っているところもあると聞きます。現場の区職員がパイプとなって、このような問題も解消すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 この項の最後に、地域の見守り・支えあいの取り組みと民生委員さんの取り組みと区職員の取り組みについて、お尋ねします。

 現在、区では、地域支えあい活動の推進に関する条例に基づき、名簿の提供を希望した町会・自治会などへ見守り用の名簿を提供しています。区内110町会のうち74町会に名簿が提供されております。幾つかの町会では、これをもとに訪問などの見守り・支えあい活動を行っております。また、地域支えあい推進室より区民活動センターに配置された2名の区職員も地域の実態把握のための高齢者世帯への訪問活動を行っており、そして民生委員さんも以前からこのような取り組みを行っております。恐らく対象者はそこまで変わらないにもかかわらず、三者がそれぞれの目的に応じて取り組みをされておりますが、情報の共有はあまりされていないのではないでしょうか。民生児童委員さんの守秘義務や、地域の方がアプローチすることにより会える方、行政がすることにより会える方がいらっしゃることも理解しますが、できる範囲で情報を共有し、有機的な取り組みとなるようにできないのでしょうか。お考えをお聞かせください。

 以上でこの項の質疑を終わります。

 次に、児童館、キッズ・プラザ、U18プラザについて、お尋ねします。

 まず、児童館からキッズ・プラザへの転換についてお聞きします。

 現在の区の考え方としては、児童館を廃止し、順次キッズ・プラザへと転換していくというものであります。キッズ・プラザの対象は基本的には小学生で、乳幼児などは学校運営に支障がない場合は利用することができますが、微々たるもので、児童館が廃止されることによる、乳幼児の居場所と活動への支援の機会が著しく減少してしまいます。キッズ・プラザでの乳幼児支援の取り組みには限界があり、地域の子育て支援団体による活動や幼稚園や保育園での地域向け事業も同じく限界があります。区は、現在、子ども・子育て支援新制度を踏まえた、全ての子どもに良質な成育環境を等しく保障し、各家庭や子どもの状況に応じた妊娠・出産期から切れ目ない支援を行っていくための子どもと子育て家庭における総合的な計画として、(仮称)中野区子ども・子育て支援事業計画を策定する方向であります。児童館からキッズ・プラザへの転換による、乳幼児親子の活動の場が圧倒的に減少することが予想される中、この計画の取り組みの視点を考えると、生活圏内における乳幼児親子への支援の方策をどのように担保していくのか、区のお考えをお聞かせください。

 次に、キッズ・プラザについて。放課後の子どもたちの安全で安心な遊び場として、校庭や体育館を活用して展開するキッズ・プラザ事業については、私は評価をしております。ランドセルを持ったままで利用できるのも一つの特徴であります。これまでは区の職員が携わっておりましたが、26年度より塔山と白桜小のキッズ・プラザが民営化されました。今後も順次民営化を進めていくという考えであります。私自身、民営化の流れを否定するものではありませんが、実際に児童館、キッズ・プラザが地域の拠点となって学校・地域・保護者を結びつけ、地域の子育て、子育ちのネットワークづくりの支援もしてきたと考えます。

 また、キッズ・プラザ、児童館は、子どもの育ちと子育て家庭を支える地域づくりを効果的に推進するために設置されている、中野区地区懇談会の事務局的な役割も担っております。全てのキッズ・プラザが民営化された中で、このような役割を果たせるのかは疑問であります。

 (仮称)中野区子ども・子育て支援事業計画の基本目標のⅢ、「地域と関わりながら豊かに育つ子どもたち」とあり、目標を実現する取組みの柱として、「子どもや子育て家庭と地域の連携の強化」とあります。地域では、キッズ・プラザの民営化により、顔の見える関係が築けるのか、三者をコーディネートする立場のものがいなくなるのではないかと心配の声もあります。子ども・子育て支援新制度では地域の拠点づくりが求められており、児童館を廃止し、キッズ・プラザの民営化を進めていくという区の考えでは、どのように拠点づくりをすると考えているのか、見解をお聞きします。

 また、今後の進め方としては、現在あるキッズ・プラザは来年度、再来年度で民営化され、それ以外は第2次学校再編計画にあわせて学校施設の中に順次入れ込んでいく予定です。これまでの学校へのキッズ・プラザの導入は、比較的スペースにも余裕があったり、地域の理解もあり、導入しやすい側面もあったのかなと考えます。今後の導入においては、地域の理解は得られるのか。また、学校施設において、児童数が増加し、普通教室など必要教室の確保等を考えると転換に支障はないのか。そしてまた、再編の対象ではない学校へのキッズ・プラザの導入についてはどのようにお考えか、お聞きします。

 次に、U18プラザについてです。区の当初の考えは、9カ所に整備し、子育て家庭の相談支援の充実、そしてあらゆる年代の子どもたちの状況を把握し、年代に応じた育成活動の充実に向けた取り組みを行っていくというものでした。時間帯を延長した中・高生対応も一つの柱でありました。当初区の思い描いたとおりに機能していない面もありますが、現在、U18プラザでの乳幼児事業などは大きく評価もされていると聞きます。今後、児童館をキッズ・プラザへと転換していく中、地域の拠点はなくなってしまい、U18プラザのような施設の必要性が大きく問われるはずです。施設のあり方、考え方をいま一度整理し、(仮称)中野区子ども・子育て支援事業計画の中にしっかりと位置付け、地域の拠点として展開していくべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

 最後に、児童館に関してお尋ねします。児童館が果たしてきた役割ですね。

 児童館に対しては、いろいろな意見があるかもしれません。しかし、児童館やキッズ・プラザの区職員が学校・地域・保護者を結びつけ、地域のネットワークの強化をし、地域の拠点づくりをこれまで行ってきました。また、地域の子どもたちの健全育成の担い手を掘り起こし、ボランティア団体などの仕組みづくりの仕掛けなども多数行っておりました。私は、このようなこれまでの児童館などが果たしてきた地域における役割や取り組みを総括し、区の財産として、今後、(仮称)中野区子ども・子育て支援事業計画においての施策につなげる必要があると思います。区の見解をお聞きし、この項の質問を終わります。

 次に、災害時避難行動要支援者名簿についてお尋ねします。

 区民の誰もが適切な支援を得ながら、災害時の安全・安心を確保できる体制を構築するため、現在、区は災害時避難行動の要支援者名簿を作成し、災害時の要支援者の状況を把握し、支援の必要なレベルに応じた個別支援計画を策定する取り組みを進めております。いつ起こるかわからない首都直下型地震などの有事に備え、またコミュニティーの希薄な都市部においての孤立する高齢者や社会的弱者への対応、超高齢化社会の現実を考えると、この仕組みを構築することは自治体にとって大きな命題であるかもしれません。しかし、実際に機能するのか、と考えると幾つか心配な点もあります。

 名簿の作成にあたり、避難支援に必要かつ有効な情報としての名簿登載項目が、1、要支援者本人の情報、2、支援を必要とする事由等、3、必要な支援の内容、4、支援者の情報と、大きく4点あります。そして、四つの区分に分けた名簿登載対象者数が3万2,783名となります。区分1は避難に専門的支援が必要な方、区分2は避難に同行等が必要な方、区分3は避難に見守り等が必要な方、区分4は、平常時は自力歩行等が可能だが、災害時に安否確認の必要な方であります。支援の必要性が高い区分1、2の方から順次訪問していき、避難支援の必要状況などの実態把握を行い、区分3、4に関しても郵送により避難支援の必要状況を照会し、回答状況を踏まえては訪問による実態把握をし、要支援者個々の避難に係る支援計画の策定を進めるものです。また、この支援計画は要支援者に対して支援者を設定します。実態把握とこの要支援者への支援者のマッチングが非常に厳しいのではないかと考えます。

 まず、実態把握に関して。区分1、区分2の方を順次職員訪問を行うそうですが、対象約1万名への訪問と、確認する名簿登載項目が非常に多く、その作業に大きな労力が必要になると考えます。また、区分3、4は、郵送により避難支援の必要性を確認し、回答がなければ訪問する考えでありますが、これは非常災害時救援希望者登録制度と同じく、手挙げでの確認方法をするものです。区分3、4の対象者数は約2万2,000人、非常災害時救援希望者登録制度の登録者数、すなわち手挙げの方は900人という状況下、この区分3、4に対しても相当数訪問を行う必要があり、現在の考えでは非常に難しいものがあるのではないでしょうか。

 また次に、要支援者と支援者のマッチングについては、支援者を確定し、避難計画を作成するのは大変な労力が必要だと考えます。要支援者の親族が支援者になれば一番スムーズだと思いますが、なかなかそうもいかないケースが多々あろうかと思います。その次には、地縁者、御近所づき合いのある方を想定し、支援者が見出せないケースには、地域防災住民組織等をはじめとした関係団体や、要支援者に対して日常的にサービス提供などをしている民間事業者への協力依頼等をしていく考えであります。専門的支援が必要な区分1の方には支援者が1人以上必要かもしれませんし、この支援者のマッチングにも時間がかかるでしょう。地域防災会の方々が1人で何人もの方を支援するような形になるかもしれません。例えば、主要施策の成果、支えあい推進の施策の指標の中では、近所つき合いの中で相談や助け合いなど、親しいつき合いをしている区民の割合は16.5%という状況であります。コミュニティーが希薄な中、支援者を見つけることは容易ではありません。その結果、地域で支援者を担ってくれと言われても、対応できるのでしょうか。地域防災会の組織率も年々減少している状況です。また、この考え方を丁寧に周知しなければ、これまで以上に地域としては、行政から何でもかんでも押しつけられる、となりかねません。また、民間事業者が支援者としてどれだけ請け負ってもらえるのかも疑問であります。超高齢化社会の現在、中野区では、毎年70歳以上の人口が約3,000名増加する状況下、対象が年々増加し、実態把握が追いついていくのかも心配です。

 そこで、幾つかお尋ねしますが、まず、区分1、2を順次訪問し、実態把握をし、支援計画を作成するということですが、対象1万名をどれくらいで完了すると想定されているのか。また、訪問する職員は日常の業務をしながら、訪問、実態把握、マッチングを含んだ支援計画の作成をするということですが、どれくらいの体制を想定しているのか、2,000人体制下、業務に支障は出ないのか、見解をお聞きします。また、全体ではスムーズに支援者を見つけることができる割合はどれくらいと想定しているのかもお聞かせください。

 首都直下地震、高齢化の問題、地域コミュニティーの希薄化と、都市部が抱える大きな課題解決につながる施策であることは重々理解しておりますが、るる申し上げたとおり、実際に進めるに当たり、難しい面もあるのかなと考えます。例えば、自力避難が困難な、避難時に専門的な支援が必要な区分1の方から優先し、まずは災害時避難行動要支援者名簿の作成を行っていき、そしてその状況を見て範囲を広げていくことも肝要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。お聞きします。

 最後に、この取り組みの目的についてお伺いします。

 直接的には、支援者を見つけ、個別の避難支援計画を作成することによる災害時への備えでありますが、私はこの避難支援計画作成に取り組むことによる2次的な効果があると考えます。御自身で避難方法を改めて考えていただくことによる防災意識の向上、支援者を模索することにより地縁の大切さ、日ごろからのコミュニティーの重要性による自助・共助の効果、そして区職員のアプローチによる災害弱者や地域の実情の把握や関係団体との連携を図る等、名簿をつくる、支援計画を作成する以外にも2次的な大きな効果があり、それも狙いであるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。お聞かせください。

 直接の目的の避難支援計画の作成だけにこだわるのではなく、その2次的効果も十分に考慮した取り組みもすべきであることを申し添え、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 酒井議員の御質問にお答えをいたします。

 区民活動センターについての御質問がありました。

 区民活動センターの総括について。区民活動センター主催の事業実績で見ますと、地域センターのときに比べて、事業数で2倍以上、参加者数では約4倍と、大変活発な取り組みがされているというふうに考えております。運営委員会からも、運営委員会を構成する団体同士の理解が深まり連携がしやすくなった、また地域課題の共有が進んだ、他の地域での取り組みが刺激になり地域の取り組みが工夫されるようになったなどの感想も聞かれているところです。これらを評価面の成果として受けとめております。

 一方、この3年の間に工夫を重ねつつ取り組んできた過程で、運営委員会のさらなる活性化や、運営委員会や地域団体と区職員による支援のあり方や役割の見直しなど、新たな課題も出てきているところであります。今後、運営委員会とも協議を重ねながら改善すべき点については改善を行うなど、前向きに取り組んでまいります。

 事務局員の採用について。さまざまな議論を経て、運営委員会の意向を的確に把握する仕組みとして、事務局員の雇用の更新を重ねても連続で4年間までとするルールを区民活動センター運営指針で定めました。この方針を改定する考えはありません。

 一方、地域人材の育成の観点からは、従事された事務局員のこれまでの経験やスキル、ノウハウなどを生かすことも大切であり、その方法についても検討しているところであります。事務局員に限らず、地域活動における今後の担い手の発掘や育成についても取り組んでまいります。

 委託料の繰越金について。運営委員会において、委託料の年度繰越金が生じた場合は翌年度の事業に充当していただくよう説明をしてまいりました。この点に関して、現在問題となる状況はないと考えております。

 それから、区民活動センター内の体制についてであります。施設利用受付の委託や運営委員会への委託の適正な履行を確保しつつ、区民活動センター全体の運営が円滑に行われていくよう、区と区の職員が要となって対応してまいりました。今後とも区民、利用者の立場に立ち、区職員がパイプ役となって3者間で必要な情報共有など、さらなる円滑な運営に努めていきたいと考えております。

 支えあいの取り組みについてであります。民生委員と区職員がそれぞれ訪問した結果の情報については、円滑な相談支援につなげられるよう相互に情報共有を進めてまいります。町会・自治会の見守り・支えあい活動情報については、区もその把握に努めているところであります。今後も個人情報の保護にも配慮しつつ、区と町会・自治会との情報共有を適時・適切に行いながら効果的な連携に努めていきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、まず、キッズ・プラザ、U18プラザ、児童館についての御質問のうち、生活圏内における乳幼児親子の支援についての御質問にお答えをいたします。

 子育てひろば事業は、乳幼児親子が気軽に利用でき、仲間づくりや交流を通して安心して子育てできるよう、すこやか福祉センターや児童館、U18プラザ等で身近な交流の場を提供し、相談・助言、情報提供などを行っているところでございます。また、地域で子育てひろばを開設する団体には区が補助金を交付するなどの支援を行っております。(仮称)中野区子ども・子育て支援事業計画におきましては、すこやか福祉センターからアウトリーチによる相談対応を行うなどのサービスを付加した利用者支援や子育て支援拠点事業の実施を計画していく考えでございます。

 次に、地域の拠点づくり、児童館の評価のお尋ねでございました。子育て支援の地域拠点としての役割はこれまで児童館が担ってまいりました。児童館廃止後は、地域拠点としての機能をキッズ・プラザやU18プラザ、子育てひろばなどに引き継いでまいります。また、学校・地域・保護者を結びつけるなどの地域のネットワークづくりにつきましては、今後もすこやか福祉センターを中心に展開を図っていくことでさらに充実していきたいと考えております。

 次に、災害時の避難行動要支援者名簿についての御質問でございました。

 まず、実態調査の想定や概略についての御質問にお答えをいたします。現在、要支援者の生活状況など、基礎データの整理、実態調査の構成や調査内容の具体的な検討を行っているところでございます。それらをもとにいたしまして訪問計画等を立てることとしております。今回の訪問活動につきましては、初めての試みでもありまして、一定の範囲での試行訪問を経て、十分に検証した上で、訪問予定の全体計画を固めていく考えでございます。その後、この計画の中におきまして、個別避難支援計画の作成に要する期間ですとか、また従事する職員体制などにつきましてもお示しをしていきたいと考えております。

 次に、支援者が見つからない方への見込みについてのお尋ねがございました。個別避難支援計画の作成を通じまして、知人ですとかまた御近所の方などから支援者になっていただくことも予定してございます。支援者が見つけられない件数につきましては、現時点では未把握でございます。今後、訪問調査を進める中にありまして、できるだけ多くの支援者が見つかるよう努めてまいりたいと考えてございます。

 それから、個別避難支援計画作成の方法について、手順についての御質問でございました。支援の必要性が高いと想定される、支援の優先度が高い区分1、2の方から順次訪問等を行いまして、その後に区分3、4の方の実態把握と個別避難支援計画の作成に取りかかる予定でございます。これを前提に取り組んでまいりますが、状況等に応じましては必要な対応をとっていくことになると、現在考えております。

 それから最後に、この支援計画に関する取り組みの効果ということで御質問がございました。直接の目的といたしましては、要支援者が災害時に確実な避難ができるよう、特に支援者を見つけることにあると考えてございます。また、支援者による支援の実効性を高めるには日ごろからの備えや準備が欠かせないものと考えてございます。こうした支援関係が培われていくことによりまして、地域コミュニティーの強化につながることにも期待をしているところでございます。またさらに、職員の個別訪問によりまして地域や区民の実態把握がより一層進むことにもなり、災害時の対応にあたりましてはより万全を期してまいりたいと考えてございます。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、まず、キッズ・プラザの整備につきましてお答えをいたします。

 統合新校の開設にあわせたキッズ・プラザの整備につきましては、導入の考え方や必要となる面積等を学校施設整備計画案の中でお示しをしたところでございます。今後、学校の改築や改修の中で整備を図っていくことを考えてございます。また、再編対象ではない学校につきましても順次整備を進めていくこととしてございまして、年次計画等につきましては早期に示していきたいと考えてございます。

 次に、U18プラザの御質問がございました。子ども・子育て支援新制度の中では、乳幼児親子の交流促進や育児相談などを行う、地域子育て支援拠点事業を地域の身近な施設を活用して、事業展開をすることとしてございます。U18プラザの機能やあり方などにつきましても、(仮称)中野区子ども・子育て支援事業計画の中でさらに検討を進めていく考えでございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 後 藤 英 之

 1 区立小中学校における情緒障害・発達障害のある児童・生徒への特別支援教育について

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、後藤英之議員。

〔後藤英之議員登壇〕

○8番(後藤英之) 平成26年第3回定例会に当たり、みんなの党の立場から一般質問をさせていただきます。

 区立小中学校における情緒障害・発達障害のある児童・生徒への特別支援教育について、お尋ねいたします。

 平成19年4月から特別支援教育が学校教育法に位置付けられ、従来の特殊教育からの転換を果たしました。その理念の中で、障害のある幼児・児童・生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点が定義されていることは重要と考えます。また、全ての学校において障害のある幼児・児童・生徒の支援をさらに充実していくと同時に、特殊教育の対象でなかった知的なおくれのない発達障害も新たに対象に含んだことは大きな変化であったと考えます。区長もたびたび述べられているように、現代は少子・高齢化の加速する時代であり、そういった意味でも、社会全体が個人のパーソナリティーに付加価値を積極的に見出していくことは、個人の自己実現の視点からも社会生産性の向上の視点からも非常に重要なテーマです。そうした視点から、特別支援教育の理念や、同じく新しい流れと言える、キャリア教育の理念に賛同するところです。しかし、その理念が正しく実施され、将来的に現実の社会全体を発展させるアウトカムとなっていくのか、現在はまさしくその実効性が自治体に問われている時期であると考えます。

 現在、中野区でも東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に沿った取り組みを実施あるいは準備中かと思います。今回はこの特別支援教育の実施状況と今後の展望について、情緒・発達障害への対応に絞ってお尋ねいたします。

 まず、情緒障害・発達障害に対する捉え方について、お尋ねいたします。

 国や区も認識されているように、障害の特性は一人ひとり違っており、また障害と疾患、特に情緒障害・発達障害、精神疾患等の判断、つまりアセスメントは診断前、診断時においても、またその後の経過においても一般的に非常に困難を伴いますし、その内容によって教育の内容が違ってくると考えます。

 そこで、まず、わかりにくい情緒障害、発達障害を誰がどのように発見しているのか。同時に、その後の経緯を見守っているのか。また、そうした中での適宜の判断が重要と考えます。

 東京都が推計した平成32年度までの障害のある児童・生徒数の将来推計によると、平成16年度に1,831人だった発達障害を含む情緒障害児童・生徒数は、平成27年度には8,017人となると推計されています。実際に21年度は4,647人であり、現在は右肩上がりの激増の途上にあるという結果です。都の第三次実施計画では平成28年をめどに特別支援教室を全ての小学校へ設置していく予定と思いますが、こうした数的な規模に対して、巡回指導員の質的なあるいは量的な担保はいかにされていくのか、その考え方についてお尋ねいたします。

 また、中学校への特別支援教室の配置についてはどう予定されているのか、お尋ねいたします。

 次に、現状でも実施されている臨床心理士等の専門家による巡回相談ですが、そうした巡回相談員の専門的な知見は特別支援教育の根幹に位置する事業のコア・スキルとなるものだと考えます。こうした専門家は誰とどのようにどのような頻度でかかわっているのか、十分な活動となっているのか、お尋ねいたします。

 また、児童・生徒に対しての、特に個別の教育支援計画は、長期的な視点でさまざまな関係者、保護者などが連携・協力して児童・生徒の障害の状態等にかかわる計画であり、こうした障害にさまざまな人々がかかわる過程そのものに教育的な意義のみならず、社会的な意義もあるだろうと考えています。区では、こうした個別の教育支援計画を主に誰が主体の核となって立案しているのでしょうか。私は、アセスメントと連携するこうした計画過程においては、医師、臨床心理士、保健福祉の専門家など、多職種連携によって構築される専門的なチームがその主体の核として欠かせないと考えていますが、具体的に区においてはそうしたチームをどう配置しているのか、継続的な判断と計画を行う体制はどう整備され、実効性をもって稼働しているのか、お尋ねいたします。

 次に、情緒障害・発達障害に関して特別支援教育の実際的な運用について、お尋ねいたします。

 情緒障害、発達障害においては、特にその障害によることのマイナス要因、つまり本人にとってのデメリットと社会においてのつき合いがたさなど、そうしたことにフォーカスすることに加えて、その障害によることのプラス要因、つまり本人にとってのメリットと社会に及ぼすプラスの可能性の両面に光を当てていかなければなりません。こうした障害全般における最大のデメリットの一つとして、本人と社会との折り合いの難しさ、つまり、お互いに理解しがたいという傾向や、個人として総合的な平均点におさまることが難しいという傾向などがあると思いますが、反面、特定分野では驚異的な能力を有し、成長過程で大きな実績を残す障害者と呼ばれる人たちはたくさん存在しています。言いかえれば、突出したプラスの特質をこうした障害は潜在的に有しているとも考えられます。そうした意味で、今回、特に情緒障害・発達障害における特別支援教育において、どこにどう光を当てた教育が実際に行われているのか、お尋ねいたします。例えば、社会での折り合いの難しさを解決するためには、コミュニケーション、学習方法、感情のコントロール等の部分での教育的工夫があるかと思います。そうしたことは実際の教育指導でも実施されていることと考えています。

 次に、都の第三次実施計画での自立と社会参加に関する考え方やキャリア教育の理念にもありますように、社会の中で生きていく、あるいは活躍していく力をいかに養っていくのか、そうした部分での指導に期待があります。特別支援教育の指導要領にもある自立活動では、生活単元学習に加え、作業学習についての指導が行われていると思います。そこで、さらにキャリア教育と特別支援教育をどう結びつけて実現しているのか、個別の児童・生徒の可能性をどう発見し、どう伸ばし、社会の中での潜在的なあるいは顕在的な力としていくのか、それぞれの特性をどう社会に結びつけようとしているのか、そうした視点で考えたときに、特別支援教育における児童・生徒に対するキャリア教育は通常学級の児童・生徒のものとは異なってくると考えます。特別支援教育とキャリア教育との相乗効果についてどう捉え、教育実績は果たしてどうか、お尋ねいたします。

 また最後に、こうした障害について、先般述べました少子・高齢化時代における個人の自己実現と社会生産性の向上の両面において正しい知識の普及啓発は欠かせないと考えています。児童・生徒同士でも、障害を持った児童・生徒のみがマジョリティーの秩序へとみずからを合わせていく指導や学習をするだけではなく、マジョリティーによるマイノリティーへの理解も欠かせません。また、学校、保護者という枠だけではなく、社会全般への普及啓発も必要です。なぜなら、障害への対応には社会的なイノベーションやブレークスルーを生み出す要素が隠されていると私は考えていますが、そうした成果を生み出すには、学校や保護者を含めた社会全体の理解と障害の可能性への期待が欠かせないと考えています。また、現況ではそうした期待を醸成するだけの周知が足りていないのではないかと捉えています。

 そこで、児童・生徒、保護者、地域あるいは社会全体に対してこれらの障害の可能性に関する普及啓発はどんな方法でどれくらい行われているでしょうか。また、その効果検証と今後の展開についてはいかがでしょうか。お尋ねいたします。

 以上で私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 後藤英之議員の御質問にお答えをいたします。

 区立小中学校における情緒障害・発達障害のある児童・生徒への特別支援教育についてです。

 初めに、情緒障害・発達障害の把握について。学級担任が授業中や他の児童とかかわる際の児童の様子から発達の課題に気づいた際には、家庭における児童の状況を把握し、特別支援教育コーディネーターを中心として校内委員会において必要な支援策の検討を行うとともに、学級担任に対する臨床心理士等からの支援内容や方法の助言をもとに、それぞれのニーズに合った適切な教育を行ってございます。

 次に、巡回指導員の量的、質的な担保についてです。平成28年度に予定している特別支援教室へ巡回する教員等につきましては、東京都によるモデル事業の成果を踏まえ定数が示されることとなってございます。現在の段階では具体的な教員の配置基準等がまだ示されてございません。事業の実施に当たりましては、都の動向等を踏まえ、円滑に実施できるよう配慮してまいります。

 次に、中学校における特別支援教室の設置計画についてです。中学校における特別支援教室の設置につきましては、対象となる生徒の人数や状況等を十分見極め、小学校における実施状況を踏まえた上で検討してまいりたいと考えてございます。

 続きまして、巡回相談についてです。巡回相談は、臨床心理士等が区立幼稚園や小学校、中学校を巡回し、幼児・児童・生徒の授業中の様子を観察し、支援内容や方法を学級担任や特別支援コーディネーター等へ助言をしてございます。巡回相談につきましては幼稚園や学校の要請に応じて実施をしておりまして、子どもの状況により必要な回数の巡回相談を実施してございます。さらに、教員のスキルアップを目的に、発達に関する研修や適切な指導方法や教材・教具の提供方法を助言し、子どもたちが安定的に学校生活を送ることができるよう、十分にその役割を果たしていると考えてございます。

 続きまして、個別の教育支援計画の立案の主体です。基本的には個別の教育支援計画は、学齢期においては特別支援教育コーディネーターが中心になって、すこやか福祉センターなどの関係機関とも連携しながら校内委員会で検討し、校長の責任において作成をしてございます。

 続きまして、特別支援教育における支援体制です。個別の教育支援計画の策定に当たっては、一人ひとりの教育的ニーズを把握して、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うことができるよう、臨床心理士、精神科医等で構成される支援スタッフを教育委員会に設置をしてございます。個別の教育支援計画の作成後は、学校とすこやか福祉センター等の関係機関が児童・生徒の障害の状況等にかかわる情報を共有し、支援の目標や内容を確認し、一人ひとりの状況に応じた適切な教育が行われてございます。

 情緒障害・発達障害における特別支援教育の実際です。そういう教育が行われているのかということです。情緒障害・発達障害のある児童・生徒に対しては、特別支援学校学習指導要領に基づき、挨拶やコミュニケーション、他者とのかかわり方など自立の活動に関する内容を基本として指導していますが、対象となる児童・生徒は個々によって課題が異なるため、苦手な面に焦点を当てた指導だけではなく、得意な領域に焦点を当てて伸ばし、全体的な能力を引き出す指導を行ってございます。

 続きまして、特別支援教育とキャリア教育の相乗効果についてです。学校教育法や学習指導要領に示されている、いわゆるキャリア教育では、人間関係形成能力や自己決定能力等を培うこととされてございます。発達障害のある児童・生徒の場合、これらの力に課題が多いため、その育成に力点を置いてキャリア教育を実施してございます。こうした取り組みにより、児童・生徒一人ひとりが個性豊かに生き生きと活動する姿が見られていると考えております。

 最後に、障害の可能性に関する普及啓発及び効果検証と今後の展開です。児童・生徒に対しては、障害のある子どもと障害のない子どもが一緒に活動する、交流及び共同学習や道徳の時間等を通して障害者理解の授業を行っており、互いに個性を認め合い、人格を尊重する態度を育てております。また、保護者に対しては、学校公開等を通じて特別支援教育について周知を図ってございます。

 また、検証ですが、毎年度教育委員会では、保護者アンケートを行う中で特別支援教育の啓発に関する調査項目を設け、実態を把握してございます。今後もPTA連合会とも連携するなどして、障害者理解について保護者全体に周知し、啓発を図ってまいりたいと考えてございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で後藤英之議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。

 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後4時05分延会