平成26年09月24日中野区議会決算特別委員会
平成26年09月24日中野区議会決算特別委員会の会議録

.平成26年(2014年)9月24日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(41名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原      宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番     欠  員

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席委員

      な  し

.出席説明員

 中野区長    田中 大輔

 副区長     川崎 亨

 副区長     英 直彦

 教育長     田辺 裕子

 政策室長    髙橋 信一

 政策室副参事(企画担当)        海老沢 憲一

 政策室副参事(基本計画担当)      森 克久

 政策室副参事(予算担当)        黒田 玲子

 政策室副参事(広報担当)        酒井 直人

 政策室副参事(業務改善担当)      中谷 博

 経営室長      竹内 沖司

 危機管理担当部長  小田原 弦

 経営室副参事(経営担当)        戸辺 眞

 経営室副参事(人事担当)        角 秀行

 経営室副参事(行政監理担当、債権管理担当) 田中 謙一

 都市政策推進室長  長田 久雄

 都市政策推進室副参事(産業振興担当)  青山 敬一郎

 都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 滝瀬 裕之

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 松前 友香子

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 宇佐美 吉久

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当)、

 都市基盤部副参事(都市基盤整備推進担当) 立原 英里雄

 都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線基盤整備推進担当)、

 都市基盤部副参事(都市基盤整備推進担当) 千田 真史

 地域支えあい推進室長       瀬田 敏幸

 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 朝井 めぐみ

 地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当)、

 中部すこやか福祉センター所長      横山 俊

 中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 波多江 貴代美

 北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 天野 秀幸

 南部すこやか福祉センター所長、

 南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 相澤 明郎

 南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 宇田川 直子

 鷺宮すこやか福祉センター所長      小田 史子

 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 石崎 公一

 区民サービス管理部長          白土 純

 区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 小山 真実

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長   奈良 浩二

 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、

 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀

 子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、

 教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当) 濵口 求

 教育委員会事務局指導室長        川島 隆宏

 健康福祉部長  野村 建樹

 保健所長    寺西 新

 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    藤井 康弘

 健康福祉部副参事(障害福祉担当)    岩浅 英樹

 健康福祉部副参事(生活援護担当)    伊藤 政子

 健康福祉部副参事(生活保護担当)    鈴木 宣広

 環境部長    小谷松 弘市

 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   鳥井 文哉

 都市基盤部長  尾﨑 孝

 都市基盤部参事(都市計画担当)     豊川 士朗

 都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 安田 道孝

 都市基盤部副参事(建築担当)      小山内 秀樹

 都市基盤部副参事(生活安全担当、交通対策担当) 中井 豊

 会計室長    浅野 昭

 

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     篠原 文彦

 事務局次長    堀越 恵美子

 議事調査担当係長 佐藤 肇

 書  記     関村 英希

 書  記     東 利司雄

 書  記     土屋 佳代子

 書  記     細川 道明

 書  記     江口 誠人

 書  記     大野 貴子

 書  記     鈴木 均

 書  記     井田 裕之

 書  記     田中 寛

 書  記     遠藤 良太

 書  記     香月 俊介


午前1000開議

○内川委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。

 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。

 前回、9月22日(月曜日)の理事会の報告を行います。

 初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑は、1番目に後藤英之委員、2番目に市川みのる委員、3番目に小林秀明委員、4番目に佐野れいじ委員、5番目にひぐち和正委員の順に5名の質疑を行うことを確認しました。以上が理事会の報告ですが、質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○内川委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内川委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。

 ただいまから総括質疑を行います。答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。

 それでは、質疑に入ります。後藤英之委員、質疑をどうぞ。

○後藤委員 皆さん、おはようございます。みんなの党の立場から総括質疑をいたします。

 行政情報の周知について質疑いたします。

 戦略的広報の必要性についてお尋ねいたします。区民の生活にかかわるさまざまな分野で、区は日々さまざまに行政サービスを考案し、区民生活の向上を目指して、区政運営、区政改革に臨んでいる途上であると考えています。同時に、区の施策の上では、経済政策の実効性が求められるなど、さまざまな意味で行政のつくり出す施策の質と同様、行政情報の展開の成果が重要です。

 そこで、まずお尋ねいたします。区の広報において、その使命とは何ですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 区民がどんな情報を区に求めているかを的確に把握して、区民が区政について知りたい情報を提供することと、区が進めようとする施策を区民に理解していただくことだと考えております。

○後藤委員 使命と目標はまた違いますが、平成25年度の分野目標では、「区政や地域情報の発信により、区民生活の利便性が高まるとともに、中野区に対する理解が深まっている」とあります。区民が区広報に期待できる利便性の向上とはどういうことですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 区民が必要とする情報が正確に速やかに得られることです。

○後藤委員 広報の使命は、区民のためになされる区行政による情報のマネジメントだと考えます。そのために必要最低限なことは、まずは、行政が発信するべきとした情報を、その対象のもとに確実に届け、確実にコンタクトするということだと考えます。そこで、2013年の区民意識調査・実態調査報告書では、区政情報の入手状況は、「得られている」が45%強、「得られていない」が32%弱で、「必要としていない」、「わからない」、「無回答」は合わせて23%弱となっています。また、情報を得られない理由として、「情報を得る手段がわからない」が41%弱となっていますが、これをどう評価していますか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 「情報を得る手段がわからない」とする人は、回答者全体からいくと、割合が13%であります。区としても、こうした方たちへの情報提供についてどのようにアプローチすべきかが課題だと考えております。

○後藤委員 ぜひそうした課題に取り組んでいただきたいと思います。

 次に、周知の基準、つまり、どれくらいの対象に情報が届くことで、周知されているというふうに考えられていますか。周知の基準の設定と、その理由についてお尋ねいたします。

○酒井政策室副参事(広報担当) 対象となる人全てに周知することが求められていると考えております。

○後藤委員 おっしゃるように、行政が提供する情報について、情報の対象者全てがその情報をまずは知っている状態にすることが広報の第一番目の目標であるべきです。PDCAとしては、行政サービスのニーズを捉え、対象に伝え、受け取られていることを確認し、満足度を向上させ、最後に、結果、区政への評価となると考えています。そうした意味で、情報が得られていることが前提で、重要なのは、いずれかの情報を受け取って、区民が満足したり、安心したりしているかということを把握し続けていくことが重要なんでしょう。そうした意味で、例えば、「震災が起きたときに、まず自分が避難すべき場所を知っていますか」というような具体的な問いかけも重要であろうと考えます。行政の防災計画の実効性を問う前提として、周知の検証が不可欠だからです。こうした視点でも情報に関する調査を総合的にPDCAの中に入れていくべきと考えます。御所見を伺います。

○酒井政策室副参事(広報担当) 周知の方法についてはさまざまあると認識しています。一般的に広く伝える広報手段と、説明会のように、説明会に来る方に、特定の人に正しく理解してもらうためのものもあると考えています。正しく周知することも必要ですが、行政サービス情報などをしっかり説明し、施策の満足度を高めることが重要だと考えております。

○後藤委員 ありがとうございます。また、実施された同じ調査の中で、区政情報の入手先として、「区報」、「教育・区議会だより」、「ホームページ」、「街中の掲示板」、「人づて」が上位を占めています。こうした手段は有効な手段と考えることができますが、区と区民のコンタクトするコンタクトポイントは少ないと感じており、コンタクトポイントの量を再検討する必要性と、上位の手段をより洗練させていく必要性があると考えますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 区民にいかに情報を伝えるかという点で、常にコンタクトポイントを意識する必要があると考えております。

○後藤委員 そうした意味でも、戦略的広報は大変重要であり、その中で区全体の広報機能と、個別施策別の広報を切り分けて、それぞれの戦略を立案していくことが必要と考えます。個別情報は基本的に業務所管別に発信されることが多くなると考えますが、業務所管別の広報の中では、予算の効率的な執行という意味でも、情報のターゲティングにおける細分化が重要となると考えますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 対象となる区民が限定しているようなお知らせは、個別に周知する方法をとることとしています。ターゲティングは重要だと考えております。

○後藤委員 ありがとうございます。それから、ニーズのある行政サービスも、その情報を対象が受け取らなければ意味がありません。また、一言に周知と言っても、簡単なことではありません。広告理論にAIDMA理論がありますが、この理論では、情報が受け手に伝わり、結果があらわれるためには、情報のプロセス管理が必要であるということが言われます。また、情報が正しく受け手に伝わっているかどうかのPDCAは、サービス体質と一体的に考えられるべきであり、その効果は常に検証されているべきです。御所見を伺います。

○酒井政策室副参事(広報担当) マーケティング理論として一般的とされるAIDMA理論などを理解した上での広報は必要不可欠だと考えております。

○後藤委員 ありがとうございます。また、前提として、広報が戦略的である必要があり、プロダクトアウト、つまり、「区のサービスがよければ、それは周知されるはずだ」、あるいは、「その情報を提供した事実があればいいのだ」という発想から、情報の受け手のニーズに沿って発信をしなければ、情報は届かないし、目指す行政の成果も生み出されないというマーケットインの発想を取り入れる形となっていなければなりません。提供することに意味があるだけではなく、情報の実効性により配慮した広報であるべきです。区の広報についてはいかがですか。見解をお尋ねいたします。

○酒井政策室副参事(広報担当) 情報を得る手段は世代によって違いがあるため、多様な媒体を使って区政情報の提供に努めています。総務省の調査によると、フェイスブックなどのソーシャルメディアの利用率は、20代が9割、30代8割と、大半が利用しています。区としては、若い世代に区政情報や地域情報を届ける手段として、平成25年度からフェイスブックによる発信を開始するなど、情報の実効性についても配慮しています。

○後藤委員 そういった取り組みについては評価できますので、ぜひ全庁的にニーズに合ったサービス、ニーズに合った届け方をすることで、行政の実行力をさらに向上していただきますよう要望いたします。

 また、クリエイティブの戦略についてもお聞きいたします。対象が十分に関心を持つ媒体づくりが重要です。その重要性については、誰しもが「それはそうだ」と考えると思いますが、一般的に行政のチラシやポスターでは、クリエイティブの要素が希薄になりがちと感じます。伝える使命の上では、企業も行政も同じだと思うので、見せる工夫をしてもらいたいと考えます。そのためには、区報やホームページのような総合的な情報提供媒体と個別に展開されるべき情報提供媒体は、ターゲットを考慮しつつも統一性を保つべきで、その両者がそれぞれに重要です。クリエイティブな統一的なガイドラインと広報分野におけるクリエイティブのマネジメントも必要と考えますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 全体的なガイドラインは持っていませんが、例えばホームページについては、デザインをテンプレートで行い、統一的なデザインになるようにしています。広報担当においては、効果的なデザインによる情報発信に努めるとともに、各所管から相談があれば対応しているところであります。積極的に各部の支援をすることを考えていきたいと思います。

○後藤委員 そういったところを徐々に体系化していただきたいと思いますが、いわゆる媒体政策の過程に必要なディレクションの機能が区の政策には欠けていると考えていますので、全庁的にそのような機能をぜひ広報分野が担っていただきたいと考えます。ぜひ戦略的な広報を確立していただけるように要望いたします。

 次に、区内に向けたコミュニケーションについてお尋ねいたします。

 そこで、広報の対象となるターゲットですが、大きくは区民を中心とした区内と区外へのコミュニケーションの2種類に分けられると考えます。そこで、今回、区内へのコミュニケーションにおいて、情報の受け手とのコンタクトポイントとして有効なのは、どういう媒体もしくは場所であり、それらのコンタクトの効果を広報分野として現在どのように把握し、評価されていますか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 区報は全区民を対象とし、各戸配布していることから、確実に手元に届けられる媒体であると考えております。ホームページは、ホームページを閲覧できる事業者を含むあらゆる方が対象、アクセスした人へ知りたい情報を速やかに提供する役割とともに、区の魅力を区内外へ発信する役割を持っています。お知らせ板は区民を対象とし、掲示されたポスターを目にした区民の視覚に訴えることになり、区報やホームページを補完する情報提供を担う媒体です。また、ケーブルテレビにおいて提供する広報番組は、テレビをよく視聴する高齢者を対象とし、区の魅力を伝えるとともに、区の取り組みを紹介しながら、区政について考える機会を提供する役割を担っております。これらの媒体を活用して、より広く区民への周知を図っているところですが、今後、区の情報アクセスやICTの変化に柔軟に対応した広報を考えていきたいと思っております。

○後藤委員 ありがとうございます。そうした情報の発信方法を複数意識されていることは評価すべきと考えます。加えて言うなら、先般述べましたプロセス管理やターゲティングの適正化を意識した媒体戦略を展開していただきたいと考えます。同時に、区全体の広報と所管分野ごとの広報を適正に切り分け、見せ方のバリエーションにも配慮しながら、情報発信後の効果設定をもとに、必要な情報が必要な方々へと確実に周知に至っているという広報を実現されるように要望いたします。また、そうしたコンタクトポイントや手法、発信量、プロセス管理等、現状の業務個別ごとの広報で十分周知が実現され、かつ、施策の実効性の向上に役立っていると考えられますか。

○酒井政策室副参事(広報担当) まちづくりについては勉強会など事業への理解、区全体の施策についてはパブリック・コメント、区政情報については区報など、それぞれの特性を生かし、一定の効果を得ていると考えています。

○後藤委員 どういう効果を得ているのかが重要かと思うんですが、こちらも、現在、多くの業務所管分野では、個別行政サービスの広報の成果は指標となっていないか、もしくは、指標となっていたとしても、どう役に立ったのかといった検証が指標の概念の中に不足していると考えています。これは、区として、戦略性を持った取り組みとは考えられません。ぜひそういった意味でも、実効性の向上を実現していただきますよう要望いたします。

 例えば、実効性が足りないと思うことの一つに、掲示板による効果があります。先ほども言いました、区民の行政情報の入手先の調査の中で上位に位置する媒体です。区の広報掲示について、町会掲示板には、町会の関連記事だけではなく、区の広報や区内情報に関する広報などが所狭しと張られているのを目にします。区の掲示板には、さらに、各所管分野で知らせたいこと、知らせるべきことなど、独自に発信する必要があることが、まずはもっとあるのではないかと考えますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 各所管では、対象者、広報のタイミングなど、ターゲットや広報の効率性を踏まえた上で、掲示板に限らず、さまざまな広報手段を活用しており、広報としては、全てを掲示板で行うべきと考えているわけではございません。

○後藤委員 もちろん、全てを掲示板で行うべきだとは私も考えていませんが、貴重なコンタクトポイントである掲示板の有効活用が十分になされていないように見えるのはなぜでしょうか。各所管での広報を、一旦、広報分野で取りまとめ、新たな予算措置も含め、広報分野で一括して掲示板管理を行うことも考えられますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 広く区民に伝える一般的広報については、区報、ホームページとなっており、より対象を絞ったターゲティングに基づく広報については所管の判断に委ねております。広報としての一律管理は考えておりません。

○後藤委員 広報が情報をマネジメントする際に、一律管理すべき媒体として、掲示板ほどふさわしいものもないのではないかと考えますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 広報として何をどれぐらいの期間掲示するかの管理はしています。掲出の有無は所管の判断に委ね、広報としては支援をしていく考えです。

○後藤委員 いずれにせよ、広報分野は、先般述べました広報の使命について、再度よく確認していただきますよう要望いたします。

 次に、実効性の検証として、広報の効果測定、つまりモニタリングについて、現状を伺います。どのような手法からどのような測定結果を得ており、それをどのように業務所管ごとのPDCAサイクルに当てはめ、生かしていますか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 広報全般としては、広報関係の指標を活用している一方、所管事業の評価については、広報を含めた事業評価となるため、広報だけを取り出したPDCAとはなっていません。

○後藤委員 広報に対する反応率、満足度、実際にサービスに関心を持ったかどうか、サービスを利用してどうだったか、そうしたプロセスにおけるPDCAが一々必要なのがプロモーションです。そして、そのPDCAが回っていない限り、知覚度の高い広報成果は得られようがありません。そうした意味で、こうしたことにも広報の改善の余地があると考えます。ぜひともより厳格なPDCAの遂行を要望いたします。

 次に、広報分野の成果についてお尋ねいたします。

 広報分野の成果指標の妥当性にも疑問がありました。平成25年度主要施策の成果(別冊)よると、成果指標のうち、必要な区政情報を区報から入手できるとする区民の割合は、達成度が88.8%となっているものの、この指標に果たして妥当性があったのかどうか疑問です。受け手にとって必要な区政情報が区報に掲載されていない可能性もあるからです。妥当性について御所見を伺います。

○酒井政策室副参事(広報担当) 回答数が少ないなど、指標として妥当でないと考えたため、平成26年度の指標を見直し、単に「必要情報が得られている」という内容から、さらに一歩踏み込み、区政全体への理解や身近に感じられる区民の割合の指標に変えた、「区からの情報に接し区政を身近に感じている区民の割合」へと変更しました。

○後藤委員 変更については評価できますが、より具体的な成果指標をつくるべきです。例えば、戦略的な広報を具現化するセンターとして広報分野が機能するためには、各所管の指標に個別広報の指標を加え、それらの指標を統括するような指標を広報分野には設定すべきです。そうすると、周知を徹底するとする各業務所管の課題解決に具体性が生まれてきます。いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 各部の指標の達成のため、各所管の戦略的広報は欠かせないものと考えています。個別の指標を統合して広報分野の指標とするのは一つの考え方ではありますが、全ての所管を含むとする指標としては、総花的となり、なじまないと考えております。各部の指標達成のための広報に係る必要な支援は積極的に行っていきたいと考えております。広報をいかに計画的に行っていくかは、広報としても積極的に支援していかなければならないと考えております。

○後藤委員 果たして、総花的になるのかどうか疑問なんですが、総花的になるのでしょうか。先ほど例に挙げました、「あなたの避難所の場所はどこか」というような問いに対する答えのような具体的な周知の効果を個別具体的に設定し、誰かがそこに全体目標を設定し、その成果をはかっていくことが重要だと、マネジメントしていくことが重要だと考えますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 各所管の全ての指標を統合して広報分野の指標とするということに関してはなじまないと考えています。各部の部分的な指標について、それを広報の指標として考えることに関しては考えていきたいと思います。

○後藤委員 わかりました。

 それでは次に、同時に、ホームページのトップページアクセス件数が指標となっています。この点については、ホームページの総閲覧数が大幅に増加しているので、検索サイトから直接個別ページを閲覧するケースが多いと考えられ、「トップページのアクセス数に反映していない」と分析にありますように、トップページの閲覧数をもってホームページの成果とするには無理があると考えていますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 御指摘のとおりで、26年度はこれを見直して、総ページビューを指標にしました。

○後藤委員 ここは、総ページビューも大切ですが、個別ページの閲覧をはかるほうが、より具体的に各行政情報と情報ニーズの相関関係が明らかになると考えます。いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 個別ページの閲覧数についても、各所管の指標として活用できるものは活用していきたいと考えております。

○後藤委員 こうしたことも、ページビューですとか、閲覧数をはかる目的意識をしっかり持った上で、そういったものを指標としていきたいというふうに要望いたします。

 次に、広報分野では、フェイスブックやツイッターの活用を行うなど、情報のインターネットによる配信を促進している点は評価できます。ついては、インターネットによる成果を、ホームページのトップページアクセス数や総ページビューといった、何をはかっているのかが曖昧になりがちな物差しのみではかるのではなく、インターネット全般における成果を違った切り口ではかってはいかがかと考えますが、どうですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) ツイッターは、災害など、緊急時の情報提供の媒体として、フェイスブックは区政情報や地域情報を提供するといったように使い分けています。ホームページの総ページビューとともに、フェイスブックの例えば「いいね!」数などを指標とすることも検討されております。

○後藤委員 これも一つ、よい方法だとは思います。同時に、インターネットプロモーションの利点の一つとして、ユーザーの解析や効果測定の費用対効果が高いという点があります。インターネット広報における効果測定を各分野の目標管理にも生かしていくことで、行政サービスの実効性に寄与すると考えますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 各所管が作成した情報のページビューの一覧を提供し、区民サービスの向上に反映してもらうことを検討したいと考えております。

○後藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、広報分野の組織の中での役割についてお尋ねいたします。

 インターネット以外での効果測定についてはいかがですか。また、広報分野は、区の情報発信、コミュニケーションに関するスタッフ部門として横断的なマネジメントを行うべきです。そうした意味で、全ての分野の広報活動を把握し、全ての行政サービスの周知効果に責任を持つべき分野であると考えますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 政策室として戦略的な広報を進める責任はあると考えております。

○後藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。そのためには、戦略的広報を実現するための全庁的なガイドライン、マニュアルなどの作成が必要で、統一ルールを全庁的に共有するとともに、前提として、業務分野の目標管理の中に情報発信やコミュニケーションについての要素を取り入れ、その上で、PDCAサイクルを確立する仕組みが必要となると考えます。北海道の旭川市の広報戦略が比較的同趣旨でまとまっています。こうした全庁で統一された戦略的な広報を行っていくべきと考えますが、現在、全庁的、戦略的にどう広報をマネジメントしていますか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 各所管の指標の達成のために、さらに戦略的に進めるためのマネジメントをしていきたいと考えています。

○後藤委員 ありがとうございます。そのマネジメントの内容について見解を伺います。

○酒井政策室副参事(広報担当) マネジメントとしては、具体的には、区の戦略的な広報、そのようなものが基準になるべきだと考えます。

○後藤委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。また、ホームページについては、CMSにより、各分野が独自に各分野の記事をアップロードしていくという手法がとられ、その全体を広報がマネジメントしていくという形ができていると思いますが、例えば、記事更新スケジュール、表示や文言等については、どうルール決めされ、整理されていますか、お尋ねいたします。

○酒井政策室副参事(広報担当) ホームページの作成マニュアルを整理し、これに基づいて、各分野はホームページに情報をアップしています。広報分野では表示や文言などアクセシビリティーに対応していないページがあれば、適宜修正を指示しています。

○後藤委員 広報分野のあるべきホームページ運営のあり方かと思います。ぜひ継続していただきたいと思います。

 次に、全庁的に取り組みが必要な理由として、例えば25年度決算の行政評価において、目標の達成度合いが目立って低いものに、産業・都市振興分野の「ICT・コンテンツ事業者支援資金、ライフサポート事業支援資金の利用件数」、達成度52.5%、生活環境分野の「ペットの適正飼養に係る普及啓発事業参加者数」、達成度64.0%、都市計画分野の「都市計画審議会に関するホームページアクセス件数」、達成度46.2%などがあります。例えば、これらの達成度の中には、戦略的な広報によって十分向上の余地があったものがあると考えます。広報分野は、各所管の個別な広報を区全体の戦略体系の中に落とし込むと同時に、個別広報の脆弱性をサポートする必要があると考えますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 施策ごとにどういった媒体を使って効果的に周知することは重要と考えております。基本的には、各所管が区民への周知方法を選択していますが、広報分野と各所管の連絡調整を担う広報広告推進員を活用しながら戦略的に支援していきたいと考えております。

○後藤委員 ぜひ各所管の仕事が、周知を理由に成果が上げられないということのないように、広報分野で強力にサポートしていただきたいと要望いたします。

 次に、行政サービスの網羅的なコンシェルジュとなるホームページについてお尋ねいたします。

 さて、先ほども例示いたしましたが、25年度決算において、ライフサポート支援資金利子補給金について、実績は82万円弱、執行残が800万円強という数字です。達成度が52.5%となっており、低い状況でした。こうした状況について、原因はさまざまあると考えますが、広報の面からの周知にも問題があったと考えますが、いかがですか。

○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 区が実施する支援策につきまして、それを必要とする事業者に知っていただき、活用していただくためには、広報の役割も非常に重要であると考えております。そのため、区のホームページやパンフレットのほか、取り扱い金融機関の担当者説明会や経営者向けセミナーなどでさらに周知を図り、利用を促進してまいりたいと考えております。

○後藤委員 そうした場合に、例えば産業振興分野で、「周知を徹底してまいります」という際に、その周知の仕方であるとか効果測定の仕方というのは確立されているのでしょうか。

○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 私ども、さまざまな施策がございますので、例えば相談ですとか、ただいま御質問にありましたような融資、そういった利用の状況でございます。そういった際に、実際に相談を受けた際に、どういったことでこのことを調べたかというようなことを聞くこともございますし、反対に、利用された件数ということで、その先の利用率といいますか、そういったものがはかられるというふうに考えております。

○後藤委員 今回のライフサポート支援資金利子補給金の執行残について、実績の約10倍の執行残があるわけですから、ここにはかなりPDCAのCの部分の検証が必要なんだと思います。ぜひとも、今までとはまた違った視点で、より周知に努めるような体制、それから戦略をつくっていただけるように要望いたします。その際に、広報分野にもぜひサポートをしていただきたいと要望いたします。

 続きまして、中野区のライフサポート支援資金を例に申し上げましたが、区民や区の事業者に役立つ産業施策は、中野区のものに加え、国も都も、現在特に力を入れて、その有効活用を呼びかけています。こうした情報を戦略的に伝えていくことで、包括的に行政サービスの実効性を底上げしていくことが大切です。国の成長戦略の成否もそこにかかっていると言っても言い過ぎではないと考えています。地域の経済成長を実現するには、区のみならず、包括的な産業支援メニューを周知し活用してもらう必要があります。こうしたことは基礎自治体の役割であるとも考えますが、いかがですか。

○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 包括的な産業支援メニューにつきましては、中小企業庁が中小企業向けの国及び都道府県、区市町村の施策をインターネット上で検索できるサイトであります施策検索システム「施策マップ」というものをことし6月30日からオープンしております。中野区も産業支援の施策情報をこれに提供しているものでございます。このサイトについては、現在、産業振興センターや産業振興分野の窓口にパンフレットを置いて周知しておりますが、今後、広報分野と連携し、区のホームページ上においても周知を図ってまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。ぜひともそういった国の施策といいますか、国のものも活用しながらやっていっていただきたいというふうに思います。

 ここで、1点、例示として提言いたしますが、区のホームページ上で、ちょうど今改訂中なのかもしれないんですが、例えば産業振興ランディングページをつくり、情報集約の一つの拠点とすべきと考えます。ホームページ上での区政目標ごとのコンシェルジュ機能をイメージしており、国や都などの情報も含めた網羅的な情報を集約して掲載すべきと考えます。また、産業振興に限らず、ホームページは特に効果検証がしやすいので、そういったランディングページが必要な、周知できないことが施策の実効性を妨げる事業全般について、ランディングページを充実させていくべきです。こうした視点についてはいかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 今年度取り組んでいるホームページの改修の中で、いわゆるランディングページを充実させたいと考えております。

○後藤委員 最後に、全庁的な広報戦略の策定が今こそ必要だと考えますが、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 先ほども御答弁しましたけど、戦略的に広報を行っていくためのガイドライン等を作成していきたいと考えております。

○後藤委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。区民にとってのメリットや、区民の対してのメッセージを今後さらにしっかりと周知し、行政施策の実効性を向上させてほしいと要望し、私の全ての質疑を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

○内川委員長 以上で後藤英之委員の質疑を終了します。

 次に、市川みのる委員、質疑をどうぞ。

○市川委員 以前、15年ぐらい前ですか、平成11年のころ、ちょうど私たちが3期目の当選を果たしたころの当時は、決算特別委員会は第4回定例会で、決算特別委員会をその会期中に開いていました。当時、議論があって、決算特別委員会を4定のさなかで開いてしまうと、次年度の予算に反映できないではないかといったようなことから、決算特別委員会の時期を見直そうという話になりました。議会運営協議会の中でこれを協議して、出納閉鎖の5月31日から決算の説明書等々の資料づくりに時間をどれぐらい要するか、その当時の執行機関に検討していただいて、十二分に、7月提出に間に合うというような協議を経て、この3定で決算特別委員会を開くに至った経緯があったと記憶しています。ということは、やはりこの決算特別委員会は、次年度、新年度の予算に大きく、この審議の内容が反映されるものでなければならないというのが、まず私の思いでございます。これは自民党の思いでございます。したがって、この総括質疑並びに分科会、こういったものは、セレモニー化しない、いわゆる議会から貴重な提案が数々出されておりますね。そういったことをきちっと教訓として受けとめて、行政側もその提案を盛り込んだ予算編成を行うということであるならば、この決算特別委員会の総括質疑をする意義はより深いものになっていくと思います。そういった観点に立って、理事者の皆さん方は答弁していただきたいと思いますし、よくよく、この決算特別委員会の総括質疑並びに分科会の指摘された内容を十二分に把握した上で、次年度に向かっていってもらいたいと思います。まず、冒頭、それだけ述べさせていただきます。

 まず最初に、私は、弥生町三丁目地区の不燃化による防災まちづくりについての質疑を入れました。

 この質疑は、決算の説明書の438ページを見ますと、執行率が41.1%になっているんですね。非常に執行率の低い事業になっているんです。ところが、担当者に聞くと、着実な成果は上がっている、こういうところでありますという報告を受けるんですね。それがどういうことなんだろうかということをきょうは質疑して、また、この質疑を経た上で、ある一定のこういった防災まちづくりについて必要な組織のあり方はどういったものが必要なのかということにも触れてみたいと思います。

 一般質問で、私は国家戦略特区の質問をしました。国家戦略特区で職住近接の新しいスタイル、こういったものも述べました。そういったものを提示する可能性があるんだということも述べました。職住近接といっても、木密地域で災害の危険度が高い町では、職住近接にはならないわけですね。そういった観点から、暮らしやすい住環境を形成する、そういった観点から、この不燃化特区による防災まちづくりというのはとても大事な事業だと思います。ここについて何点か伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。

 まず、不燃化特区制度は、平成32年度までに不燃領域率70%の達成を目標にしております。この弥生町三丁目周辺地区では、目標達成が平成32年度までに可能なのかどうか、まず、この点を伺いたいと思います。これがどのような事業で、どれだけその数値、いわゆる不燃領域率が上がるのか、その達成に向けた見込みを教えてください。

○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 不燃領域率70%達成に向けた具体的な取り組みの御質問でございます。弥生町三丁目周辺地区の不燃領域率は、平成24年の不燃化特区の先行実施地区の選定時は59.5%で、70%にするには10.5%向上させる必要があると考えております。こうした中で、事業計画を定めてまいりました。目標達成への取り組みについては、本年3月に策定した本地区の防災まちづくり事業計画においてお示ししてございます。具体的には、避難道路ネットワークの整備で約1.6%、これは公共整備型の道路関連になります。さらに、2番目として、都営川島町アパート跡地の活用です。ここには、一定規模の公園と代替地整備による不燃建物の建て替え、新築等を考えてございます。これが1.8%。3番目としまして、不燃化特区の助成事業やUR都市機構による木密地域不燃化促進事業により、建て替え促進が3.7%、その他、地区計画の導入や自然更新による建て替えにより、約3.4%の向上をそれぞれ見込んでおり、これらにより、平成32年度までの目標達成は可能と考えております。

○市川委員 そもそも東京都の目標としている不燃領域率というのはどういう指標なのか、それを教えてください。

○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 不燃領域率はどのような指標かという御質問でございます。不燃領域率とは、東京都の防災都市づくり推進計画に定められるまちの燃えにくさの指標のことであり、阪神・淡路大震災の被害分析を参考として設定されたものでございます。不燃領域率は、対象地区における幅員6メーター以上の道路の面積と一定規模の公園等の公共的な空地面積、これに加え、地区内の全建築面積中の耐火建築物及び準耐火建築物の建築面積の割合により算定されます。不燃領域率が30%程度の市街地では、火災が燃え広がり、地区のほぼ8割以上が延焼するおそれがあるとされてございます。不燃領域率が70%以上になると、地区の延焼の危険性がほぼゼロになるとされており、不燃化特区の目標数値となってございます。

○市川委員 70%になると延焼率がゼロになるという、そういったような数字だと捉えておいていいわけですね。30%になると、延焼率が80%になるんですね。それだけ違うんですということなのね。わかりました。

 それでは、平成25年度の決算額、先ほど私触れましたけども、当初予算1億424万円余に対して、執行額は4,289万円余でありました。先ほども述べたように、41.1%の執行率でした。執行率がよくないんだけど、短期集中して事業を進める必要があるにしては、決算額がこのような数字になっているわけだ。これは、どうしてこういう数字になったのか、その理由を述べてください。

○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 執行率が41.1%と低い理由に関する質問でございます。本地区の当初予算で大きく見込んでいたのは、事業計画策定費と測量設計委託費に関する予算でございます。これが低くなってございます。特に、事業計画策定費については、短期集中型に、集中で事業に着手する必要があることから、弥生町三丁目周辺地区の防災まちづくりにおいて、中心となる都営川島町アパート跡地の活用事業として、当初は権利変換による建物共同化を基本とした防災街区整備事業の事業計画を予定していたところでございます。しかし、短期集中に進める必要があることから、東京都と協議を進める中で、不燃化特区のコア事業の早期事業着手を求められ、区は都営川島町アパート跡地をUR都市機構と共同して取得し、区は道路・公園の整備を先行して行い、UR都市機構には代替地の整備をしてもらう役割分担の事業計画を定めさせていただきました。この結果、跡地に関する建物共同化に向けた権利変換や設計に関する事業計画費が大幅に削減され、結果として、全体に係る歳出が削減されたことが大きな理由でございます。

○市川委員 区とURが共同して、その役割分担の中で、短期集中して進める見込みを立てたと。そういう結果、決算資料の主要施策の成果(別冊)の227ページにも記載されているように、弥生町三丁目周辺のまちづくりは、当初の目標が達成でき、事業の早期着手と経費節減につながったと、こう書いてあるわけだ。だから、この点は、そういったことについて、今の答弁、私どもとしては大きく評価したいと思います。

 この弥生町のまちづくりでは、事業を短期集中して、平成32年度という年度をきちっと切って進めるために、公共整備型道路という道路の優先整備手法を採用しているわけですね。南台地区とか平和の森公園周辺地区の地区計画、この建て替えのときに後退をするといった手法とは違って、あの場合は、非常に長い年限がかかります。当初、建て替えて、道路に提供したお宅が、しびれを切らしてしまうといったことにもなりかねないといったことがあらわれてきますね。ところが、それに比べると、弥生町のこの公共整備型路線、これは、特に重要な路線に対して期限を決める、平成32年度という期限を決める、それで、路線で、地権者の同意を求めて補償を行う。それで、道路整備を積極的に進める新しい手法だと思うんだけど、ほかの区でも行っているのか、それから、用地買収、これですよ。用地買収には国や都の補助金は入っているのか。この点をお尋ねします。

○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 公共整備型道路の整備に関する御質問でございます。道路法に基づく公共整備型による道路整備は、23区内では豊島区や葛飾区などで行っております。ちなみに、豊島区の場合については、私も木密課長会で見学させていただいたところでございますが、東池袋の四、五丁目地区で、複数の路線において、公共整備型により道路の拡幅整備を実施しており、密集地域の防災性を大きく向上させているところでございます。

 また、国費、都費の補助があるかという御質問でございますが、道路用地の拡幅、用地取得や整備については、密集事業の補助が入ることになってございます。国が2分の1、東京都が4分の1、全体の4分の3がいわゆる密集事業の補助金・交付金で充当される事業となっております。

○市川委員 先進区を事例にしてこの事業を導入したということになるわけですね。しかし、道路法による用地の取得、これは事前にその沿道の地権者、権利者に道路拡幅の了承を得ることが必要になってきますよね。権利者との交渉、これは非常に困難を伴うものになります。勝手に線を引いて我々をどかすのかというような被害者意識を持たれるケースが非常に多いと思います。そういった権利者交渉は非常に困難だと思うんだけど、この点がいかがであるか。また、現在、どのくらい権利者との交渉を行っているのか、全体の割合として。その点についてお尋ねをします。

○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 公共整備型道路の権利者交渉に関する御質問でございます。権利者の皆さんには、それぞれさまざまな御事情とか御要望があり、御協力をいただくためには、生活再建や御商売などの継続に十分配慮し、丁寧に対応することが重要と考えており、担当職員全員が一丸となって、計画及びその後の生活再建、手続も含めて、これについて丁寧に御説明しているところです。計画を進めて、今後防災まちづくりに対してどれだけ効果があるかということも詳しく御説明させていただいております。

 本地区で計画されている8路線のうち、公共整備型の道路は3路線あります。土地・建物の権利者で言うと、約50名の権利者があります。これは土地・建物の物件ベースで言いますと90件程度あります。そうした権利者等に対し、道路計画の説明会の開催や個別説明等を実施しているところでございます。

○市川委員 防災まちづくりにおける道路の拡幅というのは、地権者が自分の資産、財産というものを提供するわけですよ。その防災まちづくりに協力をするわけですね。その結果、地区全体の防災性向上につながるということに至るわけなんだけども、今の生活が犠牲になるということに対しては相当、抵抗とか痛みがあるわけですね。特に年配の方は、その間の引っ越しの苦労だとかというものを考えると、とてもじゃないけど応じ切れないという場合も往々にしてありますね。このようなことを十分に踏まえて、その権利者に対して特にこの不燃化特区のいわゆるメリットを十分に説明して、先ほど答弁に出た生活再建、これの手段などを細かく丁寧に説明して、防災まちづくりについては十分理解を求めていく必要があると思うんですよね。その点が、今、安田副参事のところの職員は、人数が何人だったっけな。何人でやっているの。

○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 私を含めて、職員は6名になります。専門職、まちづくり専門員を西武新宿線沿線まちづくり分野から応援をいただいて、1名指導をいただいております。

○市川委員 それだけの人数で90人、90件の地権者を対象にして、それこそ日夜交渉に当たるわけですね。そういったことに対してちょっと触れてみたいんだけど、職員のまちづくりに関する能力の育成、いわゆる能力の開発とか育成、そういった点に触れてみたいと思います。それだけの少ない人数で今、対話しているわけですね。とても1人にかかる負担というのは大きくなっていると思うんですよ。中野区はこれまで、中野坂上とか野方、それから四丁目東地区とか、再開発事業をいっぱいやってきましたよね。平和の森公園や南台など、先ほど紹介した地区計画、これも防災まちづくりの一環として網をかけてきた。特に中野駅周辺の各プロジェクト、これは多くのまちづくりを手がけてきていますけども、国家戦略特区の提案もそうなんだけども、中野区におけるまちづくりを考え、計画して事業へとこれを導いていくには、国や都の各政策はもとより、中野区を取り巻く社会経済状況の変化を見据えて、建築とか都市計画にとどまらない、広い視野や政策視点に加えて、きめ細かい権利者交渉──ここ、大事なところです。とか、住民合意による計画や事業へと導いていく経験、それとか、技術といった知識、そういうものが重要になってくると僕は思います。このようなまちづくり専門職員の育成とか能力開発は大変重要と考えます。

 中野駅周辺のまちづくりも、いよいよ南口あたりに着手しますと、こうあるんだけど、三丁目のあの西口の改札口の降り口一つとって、あそこの区画整理事業一つとってみてもしかり、また、今現在進行中の住民組合から組合へと変わろうとしている二丁目の再開発事業もしかり、囲町地区の住民組合が結成されている再開発事業もしかり、ここのところにおいては、住民の合意形成というのが必要になってくるわけですね。真っ白いキャンパスに絵を描くんじゃなくて、既成市街地の中に入っていくまちづくりというのは、そういった技術を要するわけですよ。専門職員の持っている、そういう能力というものが必要になってくる。それでまた、法律とか税務とか、不動産鑑定とか相続だとか、そういう権利者の生活再建にかかわるさまざまな知識が必要になってくると思うんですよ。そうしたまちづくりのスペシャリストの育成とか能力開発について、具体的にどのように取り組みを進めているのか、その点をお聞きしたいと思います。

○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) まちづくりや土地買収等に関する職員の能力開発、育成に関する御質問でございます。道路法に基づく用地交渉、計画の説明に関しては、今現在、職員が2人一組で各お宅を回って、丁寧に御説明しているところですけども、委員のおっしゃられるとおり、非常にいろんな知識が要ります。まちづくりや用地交渉を進めるためには、権利者の生活や御商売に関する説得力ある説明が必要で、これに建築、法律、税務、不動産鑑定、相続、あらゆる質問に答えていかなくてはいけないと感じておりまして、大変苦労しているところでございます。

 こうした職員の能力開発、指導なんですけれども、先ほど少し申し上げましたけれども、現在、弥生町のまちづくり担当につきましては、東京都の建設局などで用地担当を経験したまちづくりの専門員の御協力を得ております。非常に経験豊かで、こうしたまちづくり専門員の御指導により、OJTを実施するとともに、実際に行く前とか行った後に対して、きちっと指導を受けたり、勉強会を開いたりしております。

 また、東京都が主催する用地折衝や補償に関する専門研修にも特別に職員を派遣して、知識・技術の習得に努めているところでございます。

 また、あわせて、弥生町まちづくりなどの事情を、こうした経験を生かして、今後のまちづくりについて知識や経験を引き継いでいくカリキュラムを設定して、例えば人事担当の研修係の協力を得たりして、実践や研修等を通じて、用地買収やまちづくりの専門家の能力開発や育成にこうした経験を生かしていきたいなと考えております。

○市川委員 今の答弁は弥生町のまちづくり担当からの答弁だったんだけど、今後、そういう専門員なる方たちが必要になってくると思います。沼袋駅の道路の拡幅もしかり、大和町の道路の拡幅もしかり、また、南口周辺の市街地の区画整理事業や再開発事業もしかり、既成市街地の中に入って、そこに今暮らしている、そこで商売を営んでいる、そして、そこで生活をしている人たちの領域に踏み込んで、線を引いて道路を拡幅するとか、そのまち全体をドラスティックに書きかえるということになると、そういった地権者間の交渉というのはとても大事になってくるんですね。行政側と住民側との信頼関係というのが築かれないと、住民の側は動かないですね。どんな絵を描いても、その絵は実現しないわけですね。そういったような専門員とかいった立場の、いわゆるエキスパート職員というのかな。そういったものの活用、それから開発、育成については、ここで要望しておきます。

 この項の質問はこれで終わります。

 続いて、このまま区民活動センター運営委員会事務局員についての質問に移ります。

 一般質問でもこれに私は触れました。それは、運営委員会の裁量について触れました。各区民活動センターにある、いわゆる中野区が事業を委託している運営委員会の持っている裁量についてのお尋ねをしました。区長からもるる答弁をいただいていることは、まず前段の一般質問に委ねておいて、まず、私はせんだって、ある事務局員さんから聞いた話なんだけども、それをちょっとここで紹介して、ちょっとお尋ねをしたいことがあるので、お聞きします。

 事務局員さんの側で、経験を共有して、それを蓄積していく必要を感じているようなんですよ、その話によると。それはどういうことかというと、人材バンクのようなものを立ち上げたらいいのではないかというようなことを考えていらっしゃるんですね。例えばNPO法人だとか、社団法人だとか、任意の団体の立ち上げといった話。仮に、事務局員経験者など、いわゆる地域活動コーディネーター養成講座の受講を修了したような方たちがそういった団体を立ち上げる。こういう団体を立ち上げたらどうだろうかという話を聞いたんですよ。その団体を立ち上げた場合、その団体が運営委員会から事務局業務を再委託されて、請け負うということはどうなんだろうかと、こういう話を聞いたんです。それは可能なんだろうか。これをまずお尋ねします。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 再委託に関してでございますが、現在、区民活動センターの運営指針、この中では特段触れてございません。ですけれども、団体に一部を再委託するといったことは可能というふうに考えてございます。なお、その際、委員のお話にありましたとおり、事務局員は区主催のコーディネーター養成講座、これの修了生に限っておりますので、こうした条件を満たすことなども含めまして、運営委員会を担う業務と、それから、団体のほうへ再委託いたします事務局の業務、それぞれについて明確に規定する必要もあるというふうに考えてございます。

○市川委員 この再委託をする方法をとる場合、事務局員さんと運営委員会との関係、これは直接の雇用関係とはならないという考えでいいですかというのが1点。そうなれば、労働契約法に抵触しないのではないかというのが2点。これを伺いたいと思います。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 仮に再委託をした場合でございますけれども、運営委員会と再委託先の団体は業務委託契約という関係になりまして、直接の雇用関係はなくなるわけでございます。なお、この雇用関係がなくなるということにつきましては、業務委託契約の仕様に基づきまして、受託した団体側が、あるいは実際に配置をする団体の社員といいましょうか、メンバーが、みずから業務について判断をいたしまして履行するということになるわけでございまして、運営委員会の直接の指揮監督下に入らなくなるという点についても御理解いただく必要があるというふうに考えております。それから、労働契約法も、したがいまして、雇用関係がございませんので、適用はなくなるというふうに考えられます。

○市川委員 仮に、どんな団体かが立ち上がった場合、運営委員会が業務委託契約をしたとします。もしも何らか不都合な事情が発生し、その次の年からは委託契約をやめたいとなった場合に、これは運営委員会の裁量で、この団体との業務委託を打ち切る選択はできるはずなんだけども、その点について確認しておきたいんだけど、いかがですか。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 仮の話でございますけれども、まず、運営委員会に区のほうから委託しております予算が1年分ということからいたしましても、団体との契約は1年限りのものとなると考えられます。したがいまして、翌年度その契約を打ち切るか否かの決定権限、これは運営委員会のほうに担保されると考えられます。

○市川委員 運営委員会が直接事務局員を雇用するという、4年雇いどめの今までの制度、いわゆる運営指針の中でのあり方、これについては、これは僕は大前提にしていますということを一般質問できちっと述べていますからね。これは一番大事なことなんですよ。まずそこからスタートしたわけですから。これを大前提としつつも、今やりとりをした、再委託をする方法も同時に併存させることはできるのか。できるならば、運営委員会の選択の幅、いわゆる裁量の幅を広く保てるということにつながるという考え方もできるんだけども、それはどうでしょうか。

 もう1点、6カ月間の例のクールダウン、この問題も、法によるものとはいっても、再び、また4年たつと起きることなんですよ。いわゆる小手先のことなんです。そんなことをまた4年ごとに、どうしても必要だと言っている区民活動センターの運営委員会が行うよりも、きちんと仕組みを、法にも抵触されない、かつ、運営委員会の裁量、自主性、こういったものをきちんと担保して、そういう方法を考えておく必要が僕はあると思います。

 それで、直接雇用する方法に加えて、団体へ再委託する方法、そういう2本立てという仕組みも、これはあるのかもしれません。その点について、まずどのようにお考えか、ちょっと聞いておきます。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) まず、運営委員会等の意向をはじめといたしまして、さまざま配慮すべき点があるというふうには考えますけれども、理論上は、現在の直接雇用する方法、これに加えまして、他の団体に再委託をするという方法につきまして、併存しておくということは可能というふうに考えられます。

○市川委員 ここで過去のちょっと苦い思いをひもといて話をしたいと思いますが、以前、中野区は、非常勤のたしか栄養士さんだったと思うけども、その職を廃止して、中野区が独自にたしかNPO法人を立ち上げて、そこで非常勤の職員さんを抱え込んで、委託業務に切りかえますといった作業をしたことがあったやに記憶しているんです。ところが、そちらのほうに加わらないで残された非常勤職員さんが、たしか訴訟か何かを起こして、問題になったようなことがあったような記憶があるんです。団体を立ち上げて、その団体に委託をするということ、今現在、栄養士さんは民間委託になっているわけですけども、以前は常勤職員、非常勤職員という方がかかわっていたわけですよね。それを民間委託に切りかえていく経緯の中で、団体を設立するといった問題の中に、なぜか何か苦い記憶というか、経験というのがあるわけです、私どもの中に。

 要するに、設立団体にまつわる対立とか反発、それから、力関係のゆがみ、それから、一方づいた考え方によって、委託を発注する側が逆に縛られてしまう。そういった危惧、トラブル、こういうものを招くおそれがあると思うんですよ。運営委員会の事務局員は公務員じゃないから、区民活動センターの運営委員会がこういうことに巻き込まれてしまっては、先ほど私どもが述べている裁量だとか自主性だとかいう以前の問題になってしまうわけだ。そういったひとり歩きをさせてはいけないという危惧の念を今抱いておりますが、これはあくまでも仮定の話ですから、たまたまある事務局員さんから聞いた話を起こして、今やりとりをしているんですよ。

 だから、こうした、私が思っているのは、そういった事態に陥らないためにも、今後の運営委員会のあり方、そして、事務局実務の執行の仕方などについては、行政側がしっかりと音頭をとって、区民活動センター全体の枠組みをしっかりとつくっていく必要があると思います。地方自治の一方の当事者として、中野区独自の住民自治の仕組みを実際動かしている運営委員会の経験とか意向などもしっかり聞き取って検討していくべきだと考えますが、そうした検討の場を設けていくことも含めて、運営委員会が区民活動センターの目的の実現に向けて、公平で無私な立場での裁量とか主体性、これをさらに発揮していけるように、十二分に時間をかけた改善に向けた対応をしてはいかがかと思います。区長にこれは聞いておきたいんだけど、どうお考えですか。

○田中区長 区民活動センターの問題ということですけれども、事務局員をどう雇用するかということが何よりも大事ということではなくて、やっぱり地域の運営委員会の皆様、地域の町会・自治会を中心とするコミュニティの皆さんが、自分たちの地域をより自分たちの意思に沿って運営しやすいという仕組みをつくっていくことが何より重要なんだというふうに思っております。そうした地域課題の解決に向けた地域住民の自主的、主体的な取り組みを促進するために、区民活動センターを設置したというものであります。そのための柱となる仕組みとして、町会・自治会を核として運営委員会に運営を委託すると、こういった仕組みをつくり出したわけであります。この目的の実現に向けて、運営委員会がそれぞれの地域の特性に見合った、創意工夫のある取り組みが進めていけるように、この3年間の活動実績の評価や検証なども踏まえながら、改善に取り組んでいくという考えであります。その際に当たっては、会長連絡会といった場もありますし、運営委員会の皆様の御意見も十分にお聞きしながら、一緒に検討させていただくという立場で臨んでいきたいと思っております。

○市川委員 ありがとうございました。

 次の項に移ります。介護予防事業についてでございます。これも一般質問で取り上げましたから、各論に入ります。

 介護保険制度の中では、地域支援事業として介護予防事業を位置付けていますね。要介護状態となることを予防することを目指している地域支援事業は、介護給付、予防給付の見込み額の3%以内におさめなければならず、中野区としては、介護予防事業については1%以内とすることとしているんですね。中野区はこの枠をいっぱいには使っていないわけです。介護予防事業については、今年度の予算で積算すると、1億4,000万円余っているわけですよ。これ、予防事業に充てて効果を上げれば、先々介護保険のお世話になる方が減るわけだと思うんだけど、そういったことを踏まえて、区はこの介護予防事業を今後ふやしていくべきだと考えるんだけど、どう思いますか。これが1点目。

 もう1点は、高齢化が進む中で、来年から始まる地域包括ケアシステム、これも私は一般質問の中で触れました。国家戦略特区のところで触れました。また後も触れますけどね。これのシステムの構築が、各自治体、特に中野区にとっても、これは急務になっています。

 一般質問で区長は、今後、医療、介護、福祉の連携を構築していく中、例えば柔道整復師等も含めた幅広い連携や活用を検討していくと答弁しているわけです。中野区は、介護予防事業を充実させていくに当たって、柔道整復師などコメディカルと称される医療従事者についても活用していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。2点お尋ねします。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区といたしましては、介護保険法の改正によります地域支援事業の再編の中で、介護予防事業の実施方法を見直しまして、介護予防事業の拡充をしていきたいというふうに考えております。そして、この介護予防にかかわる取り組みについてでございますが、現在も作業療法士、管理栄養士、歯科衛生士など幅広い地域の人材により実施をしているところでございますが、今後も、柔道整復師なども含めました多職種の連携によります効果的な実施について検討していきたいと考えております。

○市川委員 ありがとうございました。

 次の項目に移ります。自治基本条例は後にして、基本構想と10か年計画について触れます。

 もう既に私ども会派のいでい幹事長が、それから、篠議員も少し触れたかな。公明党の平山議員も触れていましたが、区政運営とか財政運営を考える上で大切な論点を定義しているんですよ。それで、そうしたことも踏まえた上で、ちょっと内容をもう少し私なりに掘り下げたつもりでお尋ねをしたいと思います。

 まず、確認の意味で伺います。区にとって基本構想とはいかなるものか、10か年計画とはいかなるものか。これはどういう受けとめ方をしているのか、伺います。

○森政策室副参事(基本計画担当) まず、基本構想についてでございますが、中野区に住む人だけではなく、中野のまちで働き、学び、活動する人々、そういった人々が力を合わせて、互いの暮らしやまちの豊かさを高めていくという、そういう共通の目標であるというふうに一つ考えています。また同時に、区が区民の信託に基づき行政を進める上で、最も基本的な区政運営の指針であるというふうに捉えておるところでございます。

 10か年計画につきましては、基本構想で描く10年後に実現するまちの姿を実現するために、区が取り組むべき方策を明らかにしているところでございまして、中長期的な目標と戦略を示し、目標を達成するための手段である事業について、効率的・効果的に展開していくための基本的な方向性を示しているというふうに考えているところでございます。

○市川委員 はい、わかりました。大体そんなことだろうと思うんだけど。我々議員はもちろん、区長も選挙で区民の信託を受けた立場にいるわけですよ。当然、区民から寄せられるさまざまな要望とかニーズ、そういったものを最大限区の施策に反映させていきたいという気持ちは同様ですよ。誰しも思っている。それで、区民福祉を増進したい。これも思っています。しかし、行政のトップとしての区長、また、区長を補佐する行政の職員の皆さんは、限られた財源とかマンパワー、人材、時間など、経営資源の節約を意識し、時に我々とは異なる立場に立たざるを得ない場合もあるんだけど、さらに、区民の中にもさまざまな意見、要望がある。その全てを実現できるだけの資源、これを我々は持ち合わせていない。したがって、取捨選択をする必要がある。こうなるわけです。

 長期計画というのは、そうした長期的なスパンの中で、どのような取捨選択が必要なのか、どのような規模や順序で施策の実現を図ろうとするのか、そうしたことを多くの関係者の合意のもとにまとめ上げたものではないかと考えるんだけど、担当者はどういうふうに思うの、それ。その所見を伺います。

○森政策室副参事(基本計画担当) これまで、17年に制定し、22年に計画を改定しているということでございますが、その策定、検討に当たりましては、議会での御議論、区民や関係団体等の意見交換会やパブリック・コメント手続など、そういったさまざまな御意見をいただきまして、計画を策定してきたというふうに認識しているところでございます。今回の改定に当たりましても、そういった議会での御議論や幅広い区民の声を踏まえながら進めていきたいと、そのように考えております。

○市川委員 今の答弁が実効性のあるものになるように努力しないといかんと思うよ。それは同じことを前回の10か年計画、基本構想の改定のときも、同様の質問が出たら同様の答弁をしているはずだよ。だけども、同様に今日まで来ているわけだから。改善、改善って言うのは簡単だけど、また、議会で提案された内容と言って触れることも大事だけど、本当にそこまで踏み込んでいくという姿勢が大事だと思いますね。

 このような長期計画を公平に、かつ科学的・合理的実現可能性の高いものとしてまとめるには、その一番基本となる、いわゆる客観的なデータと、その精度の高い財政の見通しが欠かせないわけであります。しかも、誰もが納得できるわかりやすさを伴っていないとなりません。ところで、過去にさかのぼって、第1次、第2次の長期計画の策定に当たって、議会や区民に対して十二分なデータの提供を行ってきたと、ちょっと先ほども触れたけど、胸を張って言えますか。

○森政策室副参事(基本計画担当) 人口推計や、さまざまな関連する客観的データ、財政見通しなど、議会や区民のほうに随時情報提供いたしまして、御議論、御意見をいただきまして計画の策定を進めてきたと、そのように認識しているところでございます。今回の改定に当たりましても、随時関係するデータを提供しまして、幅広い御議論、御意見をいただきながら検討を進めていきたいと、そのように考えております。

○市川委員 我々の側からすると、十二分なデータの提供があったとは思えないんだよね。だから、この点を聞いているわけ。もう少しその点は考えてほしいと思います。

 当初の計画には盛り込まれていない大規模な投資的事業とか、用地取得への取り組みが必要となった場合などには、当然財政見通しの大幅変更が必要になります。それで、当然、計画全体の大幅変更とか、事によると立て直しを求められる事態にもなってくると思います。そんな点についてどんなふうに考えているか、この点を伺います。

○森政策室副参事(基本計画担当) まず、今回の改定については、基本構想のほう、新しい10年後のまちの姿を描き直すということで進めているところでございます。その後、区として、その実現に向けて取り組むべき方策を10か年計画のほうで明らかにしていくということでございまして、その10か年計画の改定に当たりましては、これまでの実施状況を踏まえるとともに、これから先の長期的な社会動向等を見据えまして、現行の計画に盛り込まれていない事業等の位置付けもしっかり検討いたしまして、財政の見通し、計画全体の見直しをしっかり行っていきたいというふうに考えております。

○市川委員 今言ったようなことをつらつら言っているけど、本当にやらなきゃいけないんだよ。いいね。これ、言ったら会議録に残るからね。残ったら、我々はこれをもって区民の側に説明に行くんだから。いいね。責任を持った答弁をきちんとするんですよ。いや、まあ、そうだと思いますよ。だから、言ってくれることはありがたいなと思って聞いているから、そこのところ実効性のあるものにしてください。

 また、先日の質問への答弁の中で、10か年計画の財政フレームと前年の年ごとの予算編成の指針とされる、基準となる一般財政規模とを関連づけるお答えがあったように記憶しています。ありましたよね。長期計画の実現可能性を重視するのであれば、そのための財源として、毎年幾ら確保するというような逆の発想もあるんじゃないか、必要なんじゃないかと思うんだけど、どう思いますか。これは財政担当かな。

○黒田政策室副参事(予算担当) 中野駅周辺の整備や義務教育施設整備などの大きな課題に長期的に対応するためには、各年度の支出計画をしっかりと持ち、着実な事業実施に向け、各目的基金の積み立てを積極的に行っていきたいと考えております。また、基準となる一般財源を上回る歳入が見込まれる場合には、財政調整基金などへの積み立てを積極的に行い、経済状況によっては当該基金から繰り入れることで計画の実施を図ってまいりたいというふうに考えております。

○市川委員 大体オフィシャルの場ですから、そのぐらいでいいと思いますね。はい、わかりました。

 次に、国家戦略特区の提案と、基本構想と10か年計画改定について触れたいと思います。私は定例会の一般質問で、国家戦略特区と都市再生緊急整備地区事業に関する質問をしました。計画の実現可能性との関係では、基本構想や10か年計画との関係でも大変重要な接点があると思います。国家戦略特区については、時間、選択肢、財源が限られている中、いかに効果的に、いかに早急に取り組むかが責務であり、そうした中で私は、中野区がどのようなビジョンを持って取り組むのかが重要である、そして、国や都や、これを動かして、民間を巻き込んでいくような構想を打ち出すぐらいの提案をすべきと提案をしました。これは一般質問でね。

 中野区を含めて、日本の都市は現在、大きな時代変革の中にあることは承知の事実であります。人口減少、少子・超高齢化社会を迎えて、区内の魅力ある特色を最大限生かして、人材の流通や地域経済の活性化を促す仕掛けに満ちている都市政策やまちづくりが求められています。どこの自治体もみんな同じことを言っているんだよね。区の基本構想が示す四つの柱との関係、ここですね。ここでは、持続可能な活力あるまちづくりがありますが、都市基盤などハードの整備のみに特化したまちづくりの視点だけでは、こうした時代の変革や、また、中野にふさわしい交流拠点ごとの特色あるまちづくりはできないと思います。基本構想の各領域が有機的に連携し合うまちの実現、例えば安全を含めた区民の生活基盤を整えるとか、あわせて、まちの活性化に寄与する施策が示されるとか、そうした基本構想や10か年計画の改定がなされるべきと考えますが、いかが思いますか。

○森政策室副参事(基本計画担当) 今回の国家戦略特区に関しましては、次世代グローバル都市のモデルとなる、職住近接型の拠点形成を提案したというところでございます。世界に視野を広げつつ、地域経済の活性化を図っていくとともに、働く、住む、楽しむ、学ぶといったことが融合することで相乗効果を生み、魅力ある都市を形成していくと、そういう地域にしていくものというふうに考えているところでございます。今回の基本構想、10か年計画の改定に当たりましては、このような視点を踏まえつつ、委員御指摘になられました基本構想各領域が有機的に連携していくというような形で、都市基盤の整備とまちの活性化がしっかり連携していくようなまちづくり、施策展開というものを検討していきたいと、そのように考えています。

○市川委員 この計画も、実現可能性を重視する考えからすると、計画内容の妥当性も重要と思われます。計画策定に当たって行われる事前の検討の中で、事業の選択、目標や課題の設定、実現を拒む障害への対処方法、こういった実現に向けたプロセスなどについて、精度の高い議論や検証などが求められる。これは先ほども言いましたけどね。区の職員が持ち合わせていない、専門性の高い識見、知見、こういったことについては、先ほどもちょっと触れたけども、全体的に、全庁的に考えて、外部の専門家の協力を得ることも必要と考えますが、いかがですか。

○森政策室副参事(基本計画担当) まず、基本構想におけます10年後のまちの姿の検討に当たりましては、基本構想審議会におきまして、各領域の専門家の学識経験者や区民団体の代表等、各委員のそれぞれの分野において持つ専門性を生かしていただくというふうに考えているところでございます。10か年計画の改定に当たりましては、施策の構築に求められる専門性やデータ分析などについて、精度の高い議論、検討が必要な場合、その場合につきましては、専門的知見を得るというようなことについても検討していきたいと、そのように考えています。

○市川委員 基本構想については審議会を設けて、10か年計画についてはこちらでというんじゃないんだよ。これに国家戦略特区が載っているんだよ。これをコンダクトする人がいないと、整合性がとれなくなるんじゃないかということを危惧しているわけね。これはもう別に聞かないから、答える必要はないんだけど、そういった観点が必要かなと思っているんです。だから、従前の基本構想の改定とかの作業工程、それから、10か年計画の改定時の作業工程とは違うものになってきますよね。ということを私は言いたいわけですね。それをよく覚えておいてほしいんですね。

 さらに、先ほど触れた弥生町のまちづくりの質問ともこれ、関連するんですけども、国家戦略特区に伴う計画の実現に向けては、社会経済状況や時代の変化を察知して、計画策定へと導ける都市政策の専門家、このいわゆる専門職員の育成、それから組織、この体制づくりを早急に整える必要があると思いますが、この点についてはどのようにお考えか、お尋ねをします。

○角経営室副参事(人事担当) 都市政策の専門職員の育成につきましては、今年度から政策大学院や東京大学への派遣を始めております。本格的な政策研究を行いながら、専門性を高めていきたいというふうに考えてございます。これにあわせまして、例えば国の行政機関や東京都へも職員を派遣し、国や都の制度の習熟や、それを運用する経験を積ませることで、専門性を持った職員の育成を図っていきたいというふうに考えております。組織体制につきましては、具体的な事業の進捗等に合わせまして、職員を確保しながら適切に対応してまいりたいと存じております。

○市川委員 私は、中野にふさわしい国家戦略特区のあり方の一つとして、中野区民、いわゆる暮らしている中野区民の側に立って物を考えて、地域包括ケアシステムなどを活用したまちの活性化を仕掛ける。例えば、戦略特区だからライフサポート産業のビジネスチャンスがあるんですよというまちにしていく。そうすると、地域包括ケアシステムの構築の中で、事業者の参入が非常に活発になってくるわけ。そうすると、より精度の高い、よりサービスの質の向上を図れる地域包括ケアシステムというものができてくるわけ。そういうような、先ほどの木密地域の解消のような、不燃化のような防災面での安全・安心、それから、こういうケアによる安全・安心、そういうものを担保するような戦略特区であるというのも一面あると思うんですよ。そういうことも踏まえた上で一般質問でも提案したし、職住近接の、いわゆる職住接近の新しいスタイル、これを提案したわけね。こういったことをきちっと解消するための戦略特区であると思うんです。そういった人材育成には大いに励んでいただきたいと思います。

 これらの提案を含めて、議会が行う、これは最初にも言いました。さまざまな提案に対して、今後改定していく基本構想とか10か年計画との関係において、どのようにこれを反映させていくのか。その点についても、これは区長に確認をしておいてみたいと思いますが、区長ね、議会のほうからのさまざまな提案、種々あると思います。それを取捨選択して、それをどのように反映していくか。今後改定していく基本構想や10か年計画との関係において確認をしたいと思います。よろしくお願いします、答弁。

○田中区長 基本構想にしましても、10か年計画にしましても、案をつくって、10か年計画のほうは、決定するのも首長、私のほうの側ということになりますけれども、責任を持って、さまざまな分野の御意見を踏まえながら、基本構想については、案をつくるまでやるのが私の仕事ということになります。基本構想というのはそもそも議決事項ということになりますので、議会が定めるものという言い方もできるわけであります。したがいまして、検討の経過から、議会での御意見や御提案を受けとめながら、全ての区民が共有するにふさわしい基本構想、そういった案をつくっていきたいというふうに思っているわけであります。

 10か年計画につきましては、その基本構想を実現するための計画ということでありますので、その具体的な内容につきましても、折々に議会から示される御意見が反映されたものになるというふうに考えているところであります。

○市川委員 よろしくお願いしますね。

 最後に、自治基本条例について触れておきたいと思います。これは自民党の私どもの会派の篠議員が既に質疑をしていますから、私は簡単に触れます。

 この自治基本条例なる理念条例は、平成14年の当時か、法政大学の松下圭一さんという教授が、全国の自治体を要するに国から切り離して、独立した一つの国家として、全国津々浦々、地方自治体の議員というのは、おおよそ8割から7割が保守系なんですよ。2割か3割が、左翼と言っちゃいけないな。左なんだな。あとは市民派なの。そのままにしておくと、自分たちの左翼思想というものが全国に普及しないから、根付かないから、いわゆるプロ市民なる市民を送り込んで、この自治基本条例を各自治体が制定することによって、それで、自治体改革をしようじゃないかというところからスタートしたというふうに私どもは記憶している。だけど、プロ市民じゃない普通の市民から考えると、我々はそんないとまがないんだよ。だから、税金を払って、その税金でもって報酬を払ってもらっている区議会議員のあなたたちにこの中野区政を委ねているんだよ。だから、しっかり頑張ってくれよというのが、私たちの側の物の考え方ですね。これは今の国の憲法、地方自治法に基づけば、そういうふうになっているわけだ。間接民主主義というのが成立しているわけですね。そういったものを一つの左翼思想として、この自治基本条例なる理念条例をもって、全国津々浦々に至るまでというのが当初の目的であったはずなんだけど、今、全国でも1,700ぐらいある自治体のうち、307か8ぐらいでとどまっているわけだ。今、自民党では、全国の自治基本条例、これを検証せよという、この間、篠議員のほうから紹介のあった冊子が、各自治体の議会、会派のほうに提供されているわけです。

 それで、私は思うんですけども、今、中野区で、この自治基本条例が実際機能しているのは、例えば区民活動センターの運営委員会の皆さん方による住民自治の場、これが一つ。それから、パブリック・コメント、要するに、住民に対しての説明、また、意見の聴取といった点ですね。こういう点が担保されているというのが二つ目。ここいらが2本柱になって、今、中野区の自治基本条例があるんじゃないかと思うんですよ。というならば、この自治基本条例という名称、これが本来の自治基本条例からかなり乖離したものに僕はなってきつつあるんじゃないかと思うんです。だから、というならば、名称を、例えば住民自治条例とかいうものに変えてもいいんじゃないかなと私は思います。まして区長は、昨年の総括質疑の場で私が尋ねましたね。竹田恒泰さんの書いた本の中に、最近、安倍政権になって世の中が右傾化しているという傾向があるが、竹田恒泰氏がおっしゃるには、それは右傾化したのではなく、スタンダードに戻ったんだと。それについて区長はどう思うかと言ったらば、区長も現在の安倍政権がスタンダードであるという答えをしているわけだね。ということは、そもそも自治基本条例というのは、そういった左の人たちが全国に自分たちの運用を展開せんがために広めようとした経緯があるということを鑑みますと、そもそもこういったことを、名称の変更等を考えてみてはいかがかと思うんです。それについて区長はどう思うか、最後にこれをお尋ねして、私は終わりたいと思います。

○田中区長 住民自治、団体自治の二つの考え方で日本の地方自治いうのは成り立っています。この二つの住民自治、団体自治を実現する仕組みとして、首長と議会の二元代表制、それぞれが直接区民に選挙で選ばれるという二元代表制を持っていると、こういった地方自治のあり方、これを厳然として私は、変えることはできないし、また、これからも有効に機能していくだろうというふうに思っております。そういった地方自治の仕組みの中において、住民の最終的な意思というのは、議会が表決することによって定まります。一方で、行政側、執行機関側の意思決定のプロセスについても、これもまた直接選挙を受けているわけですから、幅広く多様な区民の意思を受けとめていく必要があると、こういうことだと思っております。

 中野区における自治基本条例というのは、そうした住民の意思を受けとめながら、主として執行機関が行政の意思決定を行っていくプロセスを手続として明確に定めているというふうに考えておりまして、この点、よくできているというふうに思っています。また、地域の課題に対して、住民自身が解決のための取り組みを行っていくといった責務についても定めていて、これもまた住民の皆様がよく受けとめていただいていると、このように考えてもおります。

 こういったことを考えまして、議会を最高の意思決定機関とする日本の地方自治において、この中野区で持っている自治基本条例、主として行政と区民の関係に着目している面の強いこの条例について、自治基本条例という名称を冠することについては議論のあるところなんだなという認識を私は持っているところであります。今後、そうした議論に注目をしていきたいというふうに思っております。

○市川委員 自民党の席から、質問の仕方がやわらかいと、優し過ぎると言われているから、あまり強くは言っていないように聞こえているけど、実は強いことを言っているんですよ。そろそろ脱してくださいということを言っているわけだ。そういうことを、今、区長の答弁の中では、議論の余地があるということを答弁いただきましたから、今後のそのような議論にまた委ねていきたいと思います。

 きょうはこれで私の質疑は終わります。どうもありがとうございました。

○内川委員長 以上で市川みのる委員の質疑を終了します。

 次に、小林秀明委員、質疑をどうぞ。

○小林(秀)委員 公明党の小林秀明でございます。平成26年第3回定例会決算特別委員会におきまして、総括質疑をさせていただきます。

 質問は、通告のとおり行わせていただきます。5番のその他についてはございません。お答えをいただく理事者の皆様には、わかりやすい御答弁をお願いいたします。

 それでは、平成25年度決算についてお伺いいたします。

 1番、高齢者施策について、支えあいの仕組みづくりについて伺います。

 主要施策の成果27ページには、緊急通報システムの拡充の実績が示されております。当事業は、地域の見守り体制のさらなる推進を図るために、これまで福祉推進分野で取り組んでいた対象者から、日常生活で常時見守りを必要とする65歳以上のひとり暮らし、また、高齢者のみの世帯、日中独居の高齢者にも拡大し、24年度から東京都のシルバー交番制度を活用し、地域活動推進分野で開始した事業でございます。

 最初のお伺いでございますが、予算現額255万円に対して、支出済額が96万3,369円、執行率が37.8%で、執行率の低さが目立ちます。執行率の低い原因はなぜなのか、お伺いいたします。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 執行率の低い理由でございますが、一つは、緊急通報システム業務委託の契約におきまして、37万円余りの落差がございました。もう一つは、年間の利用実績なんですが、見込みの4割弱という結果でございまして、約93万円の不用額が生じたことが理由でございます。

○小林(秀)委員 家庭内で緊急事態に陥ったとき、無線発報器・感知器などの機器を用いて、容易に民間受信センターに通信することによって、高齢者の異変などに対して速やかに対応を図ったとのことですが、対応件数、また、その対応の内容についてお伺いいたします。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 平成25年度の誤報を除いた対応件数は3件でございました。その内容は、一つは転倒の際に体を痛めた。もう一つは、腰が痛くて動けない。三つ目が、インフルエンザで胸が痛いといったような症状での通報でございまして、いずれも救急隊による病院搬送を行ったものでございます。

○小林(秀)委員 一方、福祉推進分野設置数は、25年分までの設置数は342件と伺っております。今後高齢化が進む中で、緊急通報システムの担う役割は大きくなってくると考えますが、地域活動推進分野としては、緊急通報システムの効果と今後の事業の推進についてどのように考えていますか、お伺いいたします。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 地域にひとり暮らしの高齢者の方がふえていく、そういう状況の中にございまして、緊急通報システムは、機器の設置によって高齢者が安心して在宅生活を継続していく、そのための支援の一つになっているというふうに認識をしております。今後も、地域支えあいネットワークの担い手となっています民生委員や町会・自治会とも連携をしながら、必要な方へのPRをしていきたいと考えております。また、すこやか福祉センターや地域包括支援センターにおきましても、相談対応の中などにおきまして、必要な方へ御案内を行っていきます。

○小林(秀)委員 次に、救急医療情報キットについて伺います。決算の説明書の183ページには、救急医療情報キット(緊急連絡カード)保有者数4,891件と事業実績が示されております。また、救急医療情報キットには緊急カードが入っております。このカードが記入されていることで、万が一のときに救急隊が駆けつけた際に、カードを見て対象者の病歴や服用している薬、また、通院している病院、連絡先などを確認することができます。ここで御質問でございますが、この緊急カードを活用した具体的な取り組みはされているのか、お伺いいたします。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 御指摘のとおり、緊急時に駆けつけました救急隊が緊急連絡先や病名などの確認を行うということで活用されているものでございますが、この緊急連絡カードは4枚複写になっていまして、御本人以外にも、地域包括支援センター、それから民生委員、それから区が持っている、そういった仕組みになっています。すこやか福祉センターや区民活動センター、また、民生委員の方などが、緊急時の確認などにこの緊急連絡カードを活用している、そういった状況でございます。

○小林(秀)委員 緊急通報システムや救急医療情報キットは、高齢者社会において、高齢者が住みなれた地域で安心に暮らせるためには非常に大事なツールであると考えております。この事業を推進していくとともに、緊急カードの情報などを十分に活用して、今後の見守りに役立てていくべきではないでしょうか。

 また、平成25年1月からスタートした要支援者の情報台帳システムとの連携が重要であると考えております。現在、通報システム、救急キットの情報は、要支援者情報台帳に反映されているのでしょうか、お伺いいたします。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 緊急通報システムの情報、それから、緊急連絡カードに書かれている情報、いずれも利用されている方については、その情報を要支援者台帳システムに入力しています。すこやか福祉センターや区民活動センターの職員が、相談支援の場面においてこの情報を活用しているところでございます。

○小林(秀)委員 一方、区では、避難行動の要援護者の個別の行動計画を現在検討中であると思いますが、台帳システムとの関係性はどうなっているのでしょうか。また、台帳システムは、高齢者、障害者の方々の情報を一元管理し、今後、地図情報とも連動し、マッピング等を進めていくこともできます。見守り・支えあい、避難行動計画、アウトリーチの取り組みの中でどう活用されるのか、お伺いいたします。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 災害時避難行動要支援者名簿に基づいて作成をしていきます。お一人お一人の個別の避難支援計画の内容につきましても、この要支援者情報台帳システムに入力をする予定としております。すこやか福祉センターの職員や民生委員による高齢者の訪問活動の結果、また、さまざまな場面での支援活動につきましても、このシステムに入力をしておりまして、的確で迅速な各種情報の把握・共有と一元管理をしているところでございます。すこやか福祉センターや区民活動センターにおいては、このシステムを相談の場面、また、支援の場面、また、訪問活動などにも活用することとしているところでございます。

○小林(秀)委員 現実に行動計画や支えあいの仕組みを完成させていくには、そこには多くの人の手が不可欠であると思います。国からの地域包括ケアをすこやか圏域で推進していくためには、基礎データを積み上げ、それぞれの関係機関が情報共有していくことが不可欠であり、そのためにもすこやか福祉センターでは、徐々にアウトリーチの取り組みを進めていることと思います。地域支援分野で行われているすこやか福祉センター職員による訪問活動では、平成25年度からは、従来の70歳以上の単身、75歳以上のみ世帯に加え、家族の同居世帯を対象とした訪問活動も実施されております。活動実績は、23年度が1,640件、24年度が3,970件、25年度は8,181件と年々増加の一途をたどっております。訪問対象者はこれからも増加していくことが予測されます。すこやか福祉センターの皆様は地域のフロントランナーであり、本当に頑張っていらっしゃることに敬意を表します。本当に御苦労さまです。この訪問活動は、実際には何人の職員で、どのような形で行われているのか。また、この訪問により把握された高齢者の生活実態はどのように生かされるのか、お伺いいたします。

○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 職員訪問につきましては、25年度は39人の職員で行っております。どのような形でというお問い合わせですが、高齢者宅を訪問して、世帯の状況や自立の度合い、外出の頻度などを聞き取り、結果を要支援者情報台帳システムに入力してございます。この情報につきましては、地域から、新聞がたまっているとか、雨戸が閉まりっ放しになっているなどの高齢者の異変を知らせる緊急通報、あるいは個別の高齢者に関する相談が寄せられた際に、迅速で的確な対応をするために情報を活用してございます。

○小林(秀)委員 この訪問活動で訪問しても、実際に会うことができなかった実態把握はどうされているのでしょうか、お伺いいたします。

○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 一度で会えなかった場合でも、最低3回は訪問することにしてございます。その際は不在箋を置くなどして、折り返しの連絡が入って、生活の状況の調査ができる場合もございますけれども、それでも連絡がとれない高齢者につきましては、今後引き続き訪問して、生活の実態の把握に努めてまいりたいと思っております。

○小林(秀)委員 さらに、24時間緊急連絡体制を整備されているとのことですが、これはどのようなものなのか、お伺いいたします。

○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 地域で見守り・支えあい活動を行ってくださっている町会・自治会の活動者の皆さんや民生児童委員さんを支援するために、異変の発見などを通報してもらう仕組みをつくって、24時間受け付ける体制をとっているものでございます。

○小林(秀)委員 支えあいの仕組みづくりを構築する中で、本当に重層的な見守りをされる方と、一方、どこからも情報がなく、実態把握ができずに放置されてしまう人が出てきてしまうことはないのか、心配されます。このときはどのようなケースが一番心配なケースと考えますか、お伺いいたします。

○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 職員が高齢者訪問した中で、外出頻度などを聞いてございます。ほとんど外出をしないと答えた高齢者の方や、それから、つき合いの度合いも聞いてございますけれども、交流なしというふうに答えた高齢者の方につきましては、常日ごろの地域の見守り活動の中でも、その方の生活状況というのがつかみにくいと思われますので、こうした方々について最も心配なケースであると考えてございます。

○小林(秀)委員 ここまですこやか福祉センターの取り組みについて伺いましたが、今度の地域包括ケアや中野区の目指すノンストップ窓口などを考えると、すこやか福祉センターをより重層的に強化していく必要があると感じます。職員体制や職員研修等をさらに強化していくべきと考えますが、今後のすこやか福祉センターの体制についてお考えをお伺いいたします。

○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) すこやか福祉センターは、その生活圏域の中で包括的な地域ケアを推進していく拠点として、見守り・支えあいや、それから、支援を必要とする住民への対応を強化しながら、今後、地域の交流を促す活動や高齢者へのサービスなど、地域資源をしっかりと把握、活用しつつ、アウトリーチや相談業務を通じて浮かび上がった個別ケースや地域の福祉課題について適切に支援し、解決をしていくために必要な資質というものがありますが、そういった資質について職員がさらに向上させていけるように、人材育成に努めていきたいと考えております。

○小林(秀)委員 今のお話も聞きましたけど、大変な仕事だというふうに思っておりますが、本当に感謝申し上げます。この項は終わります。

○内川委員長 小林秀明委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。

午前1155休憩

 

午後1時00分開議

○内川委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 小林秀明委員、質疑をどうぞ。

○小林(秀)委員 それでは、継続をさせていただきます。

 次に、認知症対策について伺います。

 最初に、東京都の「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」について伺います。

 認知症は、誰でもかかる可能性のある脳の病気です。都内では、認知症の人は38万人を超えており、平成37年には約60万人に増加すると推計されております。東京都は、認知症の気づきチェックリストのシートをつくり、各地域で利用することができるようになりました。これは、自分で認知症に近づいているのか確認できるシートです。これが、安心といいますか、認知症の気づきチェックリストという形になっております。これは、何度も何度もホームページでダウンロードしようと思っているんですが、なかなか、4回も5回もやってもダウンロードできませんでした。これが区のほうでいただきましたので。実際には、こんな大きな形ではないです。この半分の形であります。そういう形で御案内しております。

 この自己診断によって認知傾向に気づき、早期受診や予防事業への参加につなげられるようになります。このシートの内容の説明をしていただきたいと思います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 認知症の気づきについてのチェックリストの件ですけれども、10項目の簡単な質問に回答していただきまして、合計点数により判断を行うというものでございます。合計点数が20点以上の場合には、認知機能や社会生活に支障が出ている可能性があるとして、医療機関や相談機関への相談をお勧めするというものでございます。

○小林(秀)委員 今、簡単に言っておりますが、この10問の中で20点以上ということはあまりないんでしょうけども、基本的には、いわゆる認知症になっている方は、恐らくこれは使わないと思います。ふだんの皆様が、ちょっとクイズ的にやろうという形になります。そして、家族の人がこれを手にとって、例えばおじいちゃんの形で生活を見て、おじいちゃんは認知症になっているのかもしれないなというような形の、そういう形で使うというような形になりますので、よろしくお願いいたします。

 中野区もこのシート、認知症の気づきチェックリストを中野区の地域に身近なところに置いておけば、自由に認知症チェックができます。気にしている高齢者を持つ家族が、このシートを見たいと思います。御家族の方がどこでも手に入れられるように、区役所等の目立つような場所に設置するべきと思いますが、お伺いいたします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 東京都から既に各市町村に配付された分につきましては、すこやか福祉センターを通じて地域包括支援センターに配付してあります。今後、中野区の相談機関等を盛り込みました中野区版を作成いたしまして、区役所や地域包括支援センターなどに配付する予定でございます。

○小林(秀)委員 こうした制度ができましたので、気づきという形に関しては本当に早いところでしっかりと家族がいわゆる守っていくという形になりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、認知症の徘回高齢者白書について伺います。

 全国の警察が把握した認知症の行方不明者が、昨年、2013年の1年間で1万323人に上ることが6月5日、警察庁のまとめでわかりました。このうち1万88人は、昨年中に警察の捜査などで見つかったが、ことし4月末の時点で151人の所在がわかっていません。前年分も含めると、所在のわからない人は、合計258人に上っております。ことしの6月5日でございます。中野区は、認知症高齢者の徘回をどのように見守りをしているのか、お伺いいたします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 認知症による徘回行動のある高齢者を在宅で介護する方に対して、位置情報専用探索機を貸し出しまして、GPSを利用した探索システムで、徘回時の位置情報を提供しております。

○小林(秀)委員 貸し出しの利用数は何人となりますか。昨年の予算をお伺いいたします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 平成25年度の利用者数は18名、予算額は20万5,000円になります。

○小林(秀)委員 この位置情報の専用の探知機にはどのような効果がありますか、お伺いいたします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 区内外で24時間の位置検索が可能でございます。平成25年度は329件の検索依頼があり、早期発見と安全確保に役立っていると考えております。

○小林(秀)委員 外に出ていくときに、認知症の本人が持参していないことなど不便なところはありませんか、お伺いいたします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 探索機は携帯に便利な小型機器でございます。あらかじめ上着やバッグに入れておくことも可能ということで、持っていっていただくようにしております。

○小林(秀)委員 この貸し出しの利用数と昨年の予算はお幾らになっているんでしょうか、予算としての。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 利用数は18名で、予算額は20万5,000円です。

○小林(秀)委員 兵庫県明石市の社会福祉協議会は、行方不明者の顔写真のついているメールを市内の協力者150人の携帯電話へ送るシステムを運用しています。老老世帯に向く明石市の認知症高齢者発見システムです。家族が認知症で徘回する人を協力者として社会福祉協議会に登録し、警察とともに捜査の目をふやすのが狙いであります。厚生労働省も紹介しているようです。兵庫県内の取り組みで、警察と協力者150人に写真つきメールを一斉に送信することができます。制度の内容は、あらかじめ家族が本人の名前や住所、体の特徴などを顔写真とともに社協へ登録しておく、社協は民生委員やデイサービスセンターの送迎担当者、また、ケアマネジャーなどから協力者を募り、アドレスを登録してもらいます。協力者は事前審査にするなど、登録に一定の基準を設けるとともに、メールを転送しないこと、また、本人が見つかった場合には、その写真を削除することを求め、協力者に誓約書を提出してもらっております。個人情報を守る対策もあり、社協がメールにパスワードをつけます。こうしたシステムは、携帯等が苦手な老老家族には必要であると思います。いざとなれば社協へすぐに電話をできるようにしたシステムです。社協のパソコンから顔写真つきのそのメールが送られ、警察の目と150人の目でいち早く見つかることになります。

 そこで、中野区も高齢者認知症対策の徘回高齢者発見システムを運用すべきであります。そこに入っているカードを警察署と協力者の携帯に一斉に送るだけであります。ぜひ対応するべきと考えますが、伺います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 徘回高齢者の発見の方法につきましては、介護者の利用のしやすさなどを含めまして、他自治体での取り組みについても検討していきたいと考えております。

○小林(秀)委員 これはお金もあまり払わないで、電話するだけの話でございますけども、厚生労働省に関しても、こういう形を推進しているという形もありますので、ぜひ検討していただきたいというふうに思っております。

 次に、認知症への家族と地域について伺います。

 認知症の調査について、過去5年間にわたって厚生労働省の研究班が行ったもので、本人との面接に加えて医師の診断を行うなど、精度を高めたものであります。その推計が2012年に発表されました。その数は462万人です。2012年の全国の高齢者の数は3,079万人です。この調査では、高齢者の15%が認知症という診断結果となりました。

 なお、認知症の前段階と考えられているMCI予備軍、このMCI予備軍は、正常と認知症の中間とも言える状況のことですが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは判断できません。MCIの人のうち、年間で10から15%が認知症に移行するとされております。そうしたこのMCI予備軍を加えると、4人に1人の割合となりますが、このMCIの方が全て認知症になるわけではありません。また、年齢を重ねるほど発症する可能性が高まり、今後も認知症の人はふえ続けると予想されております。

 そこで、中野区においても、高齢化が進む中、認知症になった方、MCI予備軍の推計の予測はどのようになっているか、直近の推計値を伺いたいと思っております。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) MCIにつきましては、国から具体的な推計方法は示されておりません。中野区としても、具体的な推計数値は出しておりません。現在、認知症高齢者について把握している数値といたしましては、要介護・要支援認定者のうち認知症傾向があるとされる方が5割を超えておりまして、6,700人程度になるというふうに考えております。また、今年度実施した高齢福祉・介護サービス意向調査では、介護保険を受けていない高齢者のうち、軽度認知障害と思われる方が約1割いるとの結果が出ています。両方合わせますと、区内に1万から1万2,000人程度の方が認知症の疑いがあるというふうに思われます。

 今後の推計といたしましては、要介護者や認知症の発生率が高くなる75歳以上の後期高齢者が、向こう10年間に10%強増加することが予想されていますので、認知症高齢者についても同様の増加が予想されております。

○小林(秀)委員 今の数字、中野区においても本当に認知症を放っておくというような形はできないんじゃないかなと思っています。特にこの予備軍に関しては、生活も全てできるので、そういう形の中で予防ということもしっかりと進めていきたいというふうに思っております。

 認知症の方が400万人時代と言われる中、国を挙げての対策が急がれるところです。認知症対策の一つにオレンジリングのマークである「認知症サポーター養成講座」があります。認知症サポーターは、認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守り、支援する高齢者を指しますが、これまでの認知症サポーター養成講座の実績をお伺いいたします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 平成21年度から取り組みまして、25年度末までで5,094人の方が認知症サポーター養成講座を受講されておられます。平成24年には1,358名、平成25年には807人の方が受講されております。

○小林(秀)委員 25年度の講習参加の加入数の減少について、どのように――807人ですよね、どのように捉えているのでしょうか。また、主要施策の成果の177ページには、認知症サポーターの数や権利擁護の新規相談者数などふやすのか減らすのか、どうするかが不明確なものがあります。目標数の設定や方向性が酌み取れないものがあると評価されていますが、この点についてもお考えを伺いたいと思います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 指標の関係につきましては、26年度から指標の見直しを行いまして、認知症サポーターの数等について外している関係から、ちょっと行政評価ではわかりにくいということで御指摘されたと考えております。

 なお、25年度の認知症サポーター養成講座の開催数は、24年度と変わらず54回行っておりますが、参加者数が大幅減になりましたのは、23、24年度当時、大規模な団体からの開催要請がありまして、24年度には300人近い参加のあった団体もございました。こういうものが25年度になかったというものでございます。

 なお、認知症高齢者の増加が見込まれる中、認知症サポーター養成については引き続き積極的に取り組むべき課題というふうに考えております。また、認知症については、認知症サポーターだけではなく幅広い取り組みが必要になるというふうに考えておりまして、その中には、判断力が衰えても安定した生活が維持できるよう、成年後見制度等権利擁護に関する相談についてもより強化していきたいというふうに考えております。

○小林(秀)委員 そういう状況でございますが、あと、小学校、中学校での認知症の取り組みをどのようにするのか、お伺いします。

○川島教育委員会事務局指導室長 東京都の人権課題というものの一つに高齢者というものがございます。これは、人権教育を実施するに当たりまして、高齢者に対する偏見や差別をなくして、高齢者を大切に思う気持ちを育てるというものでございます。学習の展開としましては、例えば総合的な学習の時間の中で、デイサービスをテーマに調べるなどさまざまな方法がございますが、認知症をテーマにして学習を進めることも可能であるというふうに考えております。

○小林(秀)委員 今まで、小学校から、あるいは中学校の中で、全国の各地方に関しては講座をやっているという形なんですね。紙芝居をやったりとかビデオとか、あとは先生が認知症の形になって子どもが助けるとか、そういう高齢者の思いということを勉強させてもらっているという形なんですが、まだ中野区ではやっていないというお話であった場合は、1年に何回か教室をまたやっていただきたいなというふうに思っていますが、その辺伺いたいと思います。

○川島教育委員会事務局指導室長 数年前に区立の小学校におきまして、認知症サポーターに関する講習会というのを実施した例がございますが、例えば平成26年度、今年度においては、そういう学校はないので、また情報提供などに努めてまいりたいというふうに思います。

○小林(秀)委員 先ほどの認知症サポーター養成講座の認知症サポーターは、一度限りの講習で取得ができました。本来その後は、講演とか講習や研修がない状況であります。そういう意味で、ぜひ区のほうで、やっぱりこの認知症養成講座だけじゃなくて、講演とかそういう形をしっかりとやってもらいたいというふうに思っております。認知症においても、早期発見、早期予防がやはり大事となります。早期発見の気づきのこの促しのために、温かく見守っていただいている認知症サポーターの方に、継続的な研修や取り組みを行うことによって、より専門的な研修を用意して、手厚い支え合いの仕組みを充実すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) これまで認知症サポーターにつきましては、認知症を理解し、地域でソフトに見守る役割とされてきました。このため、個人情報保護の観点からも、受講者の登録を行うということはしてございません。意欲のある方につきましては、今後登録制度をつくり、追加的な研修を行って、地域で認知症高齢者を支える役割も担う活動をしていただけることについて検討していきたいと考えております。

○小林(秀)委員 了解いたしました。認知症について正しく理解し、認知症の方や御家族の方の支えとなる人が一人でも多くなることを望んで、次の質問に移ります。

 次に、認知症カフェの推進について伺います。

 早期の認知症の方は、自分自身が体験するさまざまな異変に不安を感じたり、時にはそれが恐怖になったりすることもあります。御家族は、次々起こる不可解な状況に戸惑い、また、本人と家族との関係性が複雑化してしまうことも少なくありません。しかし、専門家の多くが個々の機能低下に対応した生活環境を整え、こうした混乱を生じさせない配慮を持ってかかわりを続けることで、その人らしい落ち着いた生活を継続させていくことが可能だと言われております。認知症の早期の段階で、本人や御家族を支えるさまざまな人たちにつなげることであり、その後に起こり得る状況に早目の備えを講じていくことが大切であります。そのためにも、本人も家族も孤立させることがないように、早い段階から地域のさまざまな支援者と出会える場づくりが必要となります。その場づくりの一つが認知症カフェだと思います。

 一口に認知症カフェといっても多様であります。地域の中で開業しているコミュニティカフェのようなところもあれば、空き家を利用して、また、介護事業所の一部を活用するそうしたサロンやミニデイサービスのようなものもあり、ミニコンサートや癒しの要素を取り入れたイベント型のものなど、さまざまな実施形態や開催、また、頻度もさまざまにあります。厚生労働省は、平成25年から29年度の認知症施策推進5カ年計画、オレンジプランと言われています。その中で、認知症の人やその家族等に対する支援があります。その一つが認知症カフェであり、認知症の人と家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき集う場とあります。平成25年度以降、認知症カフェへの助成を利用しながら普及が始まっております。地域包括ケアシステムの構築が進む中、多くの自治体で認知症カフェの設置も進むと思われます。在宅介護を担う家族の介護者はケアラーといいます。これまでは妻や嫁の仕事でしたが、夫や息子など男性が担うケースも全体の3割となってきております。

 先日、我が公明党の久保議員と白井議員と杉並区阿佐ヶ谷にありますケアラーズカフェを視察してきました。この店は、NPO法人として経営をしております。ありがたくもNPOの理事長がお待ちしていました。お客様は皆、私より若いお客様で、活気があふれてびっくりしております。全国各地から、自分の地域でもこうしたカフェを開きたいと多くの方がカフェを見学に訪れております。特にこれからの若い世代には、会社帰りにふらっと立ち寄れる、さまざまな情報と仲間が得られる安心な場所が望まれると思います。採算がとれない状況のこの認知症カフェが多いため、支援策のあり方や独自性や運営の柔軟性を尊重してあげられるような仕組みが大切と考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 地域の場づくりにつきましては、構成する団体や地域の特性などから多様な運営方法があると考えております。その特性を生かしつつ、柔軟な運営がされるよう期待しておりまして、各団体の自主性を損なわないような支援策を今後検討してまいりたいと考えております。

○小林(秀)委員 ぜひお願いいたします。地域の人と当事者との交流拠点となることで、認知症の人と地域住民との垣根を取り除いていくこと、また、本人や御家族が抱えている生活課題をすくい上げて、必要に応じた社会支援につなげていくコーディネート機能を発揮すること、こうした取り組みが大切だと思います。このような取り組みがあって、認知症の重度化を予防し、中野区の住みなれた地域での継続的な暮らしを可能とする一助となると考えます。

 そこで、認知症カフェは、他の委員も質問で取り上げていますけども、詳細は省きますが、厚生労働省のオレンジプラン計画に沿って、NPOなどの団体の協力をいただいて、区は認知症カフェの積極的な設置を推進すべきと考えますが、区の見解を伺います。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 認知症の方と介護する家族、あるいは支援者が集まりまして、認知症についての悩みや情報を共有し、家族の息抜きともなるような地域の場づくりにつきましては、認知症者と家族への支援策として重要な役割を果たすと考えております。今後、介護保険の制度改正の関係で、総合事業に生活支援サービスというものが出ておりますけれども、その制度の内容について詳細がわかりましたら、その活用も含めまして検討していきたいというふうに考えております。

○小林(秀)委員 地域住民の方が気軽に集まれる垣根の低い認知症カフェとなるように、認知症の方や御家族が孤立することのないような取り組みを推進するべきと考えます。

 また、この項の最後に、小・中学校での認知症サポーター子ども講座の推進や地域で活躍した認知症サポーター、また、認知症カフェなど、中野区地域支えあい賞をつくってはいかがでしょうか。もちろん、他の支えあい分野も同様に表彰を推進してはいかがでしょうか。地域を区長がわかっている。そして、区民もわかっている。この優しいまちづくりが大事だと思います。1年、2年後には表彰ができるときが来るようになると思います。区長の御見解を伺います。よろしくお願いいたします。

○田中区長 認知症の予防に関する表彰ということですけれども、提案も踏まえて検討していきたいというふうに考えます。

○小林(秀)委員 ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

 次に、障害者施策についてですが、スマイルの歯科診療所について伺います。

 今年度までの3年間、東京都の委託事業として、中野区は医師、歯科医師、薬剤師、歯科衛生士、介護事業者等から構成する中野区の摂食・嚥下機能支援推進協議会を設立支援し、医療、介護事業関係者の連携体制を構築して、高齢者らの誤嚥性肺炎を予防するとともに、嚥下機能に課題のある方に対する口腔内リハビリを推進し、対象者のそしゃく機能、嚥下機能の向上を図ってまいりました。まずは、この3年間の事業成果をお伺いいたします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 平成24年度から摂食・嚥下機能支援推進協議会を立ち上げまして、摂食・嚥下にかかわる区内の医療資源調査、区民向け講演会、関係者向け研修を通じて、地域での人材育成と多職種の顔の見える関係の構築が進んできております。区としても、その実績を高く評価しているところでございます。特に中野区医師会に委託して実施している評価医・リハビリチーム養成研修は、2年間にわたる濃密なカリキュラムの研修に区内の多くの専門職が参加されており、その活用は重要と考えております。

○小林(秀)委員 先日、同僚議員とともにスマイル歯科診療所における摂食・嚥下障害を持つ子どもたちの診療を中心に視察をしてまいりました。物を食べるという普通に行っている一連の動作が、普通に問題なく行えることがいかに幸せなことなのかを改めて認識しました。3カ月前の前回の診療のアドバイスから、この食べ物が食べられるようになりましたとか、子どもが顔をしかめずに飲み込むようになりましたなど、うれしそうに先生に報告されているお母さんの笑顔が非常に印象に残りました。摂食・嚥下機能支援の事業は、東京都の委託事業としては、財源構成10分の10、つまり全額の費用が助成されていましたが、今年度で助成が終わることとなります。中野区の摂食・嚥下機能支援推進協議会からは、明年度の事業の本格実施に向けて、スマイルの歯科診療所内に中野区の摂食・嚥下機能支援センターの設置が要望されております。

 私は、3年前に議会質疑で、摂食・嚥下機能支援を取り上げ、まずは受け皿を中野区が設けるべきであると述べてきましたが、これまで3年間の研究成果を支援センター設置という形とすべきと考えますが、お伺いいたします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 摂食・嚥下機能支援というものが在宅療養の中では比較的新しい分野でございまして、地域の医療機関の受け皿も十分ではない。そのため、相談に対応できる人材がまだ十分に育っていないということから、区民からの相談を専門に受ける窓口、あるいは寄せられた相談に対応できる体制の構築が必要と考えております。養成した評価医やリハビリチームを活用しながら、さらに相談に対応する中で、地域全体のレベルアップを図る取り組みが重要であると認識しております。その取り組みにつきまして、今年度の協議会では、具体的なセンターの設置案が議論されております。今後、摂食・嚥下機能に限らず、在宅療養の医療・介護連携についての介護保険の制度改正の詳細や財源等を含めまして検討していきたいと考えております。

○小林(秀)委員 今後、中野区において在宅療養、介護の連携を進めるに当たり、まずは中野区の摂食・嚥下機能支援センターを開設すべきと考えますが、お伺いいたします。もう一度。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 御指摘の摂食・嚥下機能支援の取り組みにつきましては、在宅療養にかかわる多機関、多職種の連携の一翼を担うというふうに考えております。この取り組みの中で、医療・介護の具体的な連携を推進できるのではないかというふうなことも含めまして検討していきたいと考えております。

○小林(秀)委員 次に、障害者等の歯科事業運営委託及び歯科用のポータブルユニットの賃借料について伺います。

 訪問診療に不可欠な歯科用のポータブルユニットを2台、中野区が購入し、事業を委託する形をとっていますが、昨年末には、2台同時に故障したと聞いております。この委託契約の内容では、中野区が必要な機能を準備することとなっていますが、早急な対応が必要とも考えます。また、そもそもメンテナンスや修理費用を積算していないことに問題があると考えます。現在のポータブルユニットは、18年前に区が購入されたものと聞きますが、メンテナンスや修理費用を考慮し、リース契約も含め検討すべきと思いますが、お伺いいたします。

○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 訪問診療時に貸し出しをしております歯科用のポータブルユニットでございます。委員おっしゃるとおり、購入後18年が経過をしておりまして、老朽化も含め故障が多くなっているというふうに聞いております。更新に当たりましては、リース契約も含めて、今後考えてまいりたいと考えております。

○小林(秀)委員 もう一度といいますか、さらに、他の機器類も視察のときに拝見させていただきました。棚に置いてあるだけで現在は使用されていないものや使えないものまで、在庫管理のために置いてありました。購入時から年数がたち、老朽化しているものもあります。施設における機器整備の更新を計画的に進める段階に入っていると思いましたが、いかがでしょうか、その辺をお伺いいたします。

○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 先ほどのポータブルユニットも含めまして、歯科医師会と調整を行っているところでございます。今後、計画的に更新をしてまいりたいというふうに考えております。

○小林(秀)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、中野区立図書館についてでございます。

 中野区は、平成25年度より指定管理者制度を導入いたしました。また、ことしの12月には図書館システムのリプレースが本稼働することになります。その際、システムの再構築によりさまざまなサービスが実施されることになります。そのサービス内容について幾つか伺います。

 初めに、リライトカード導入の内容と利点についてお伺いいたします。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) リライトカードにつきましては、貸し出し中の資料のタイトルと返却日を表示できる厚さ0.25ミリ程度のテレホンカードタイプのカードでございます。500回以上の書きかえが可能でございまして、通常使用いたしますと、約19年間使用可能となってございます。

 その利点でございますけども、利用者の方が貸し出し中の資料のタイトルと返却日を容易に確認することができ、サービスの向上につながるものと考えてございます。また、返却期限に対しまして抑制効果も期待できるものと考えてございます。また、コスト効果といたしましても、貸出レシート用紙の削減や返却期限の督促に係る電話代の削減等を望んでいるところでございます。

○小林(秀)委員 このリライトカード導入ということは、皆さん、御存じかもしれませんが、本当に、いわゆる普通の今まで紙でなくなっちゃっているとか、そういうような状況にならないで、本当に、自分が今、図書の預かったものが、今これだけまだ返していないとかそういう形で、リライトカード導入がされております。本当に便利になりますので、よろしくお願いいたします。

 図書館ホームページのリニューアルについて伺います。

 有料のバナー広告の掲載機能を組み込むことになっていますが、指定管理者に任せるだけでなく、中野区でも広告掲載をバックアップする仕組みが必要と考えますが、お伺いいたします。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 法人、その他の団体及び個人事業主に対する制度の周知につきまして、ポスター、チラシにつきましての関係窓口への配置など、他分野の協力も得ながら、指定管理者によります広告掲載者の獲得につきましてバックアップをしていきたいと考えてございます。

○小林(秀)委員 ぜひお願いいたします。数少ないので、よろしくお願いいたします。

 あと、障害者予約、それから団体の貸出予約の機能も組み込まれますが、具体的にはどのような内容なのかをお伺いいたします。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 障害者予約につきましては、現在、障害者の方がカセットテープなど障害者専用の資料を予約する場合には、窓口あるいはファクスで受け付けているところでございます。これを今後は障害者専用の資料をホームページ上に一覧表示をいたしまして、その中から選んで予約できるようにするものでございます。また、団体貸出予約でございますけども、現在、小・中学校や読書グループなどの民間団体等、団体登録者が資料を予約する場合には、同じく窓口、電話、ファクスでのみ受け付けているところでございますが、今後はホームページ上からも予約できるようにするものでございます。

○小林(秀)委員 わかりました。

 あと、ホームページで、図書館に所属していない本をリクエストできるのか、方法をあわせてお伺いいたします。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 所有していない図書につきましては、ただいま委員御指摘のとおり、リクエストができる機能も盛り込んでまいります。

○小林(秀)委員 これは今までは、いわゆる所蔵にないやつは、以前もありましたでしょうか。これからという形でしょうか。すみません。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) これまでも窓口等で申し込むことはできたんですけども、今後はインターネットを介しまして申し込みができるというようなことでございます。

○小林(秀)委員 確かに、自分のパソコンから図書館に所属していない本を、いわゆるお借りするという形、これは新しいことだと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次、有料宅配サービスはできるのか伺います。

 平成25年度の実績では、登録をしている人が4名、そして発送回数が2回、発送の冊数が27冊となっていますが、中野区が直接運営していたときの3年間の実績をお伺いいたします。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 平成22年度から実施してございまして、22年度実績につきましては、登録者14名、発送回数33回、発送冊数は164冊、23年度につきましては、新規登録8名、発送回数48回、発送冊数は176冊、そして、24年度につきましては、新規登録1名、発送回数13回、発送回数は55冊でございます。

○小林(秀)委員 小さい声だ。減ってきているということですよね。ちょっとその原因がわかりませんので、その辺の分析はどうでしょうか。実績が下がってきているということなので、ちょっと伺いたいと思います。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 実績につきましては、でこぼこがあるような状態でございます。この実績の内容につきましては、今般、指定管理者制度導入に伴いまして、図書館の開館日あるいは開館時間を拡大したことによりまして、当該サービスを利用しなくても、来館して貸し出しを受けられるようになったこと、そういったことも一つの要因ではないかと考えているところでございます。

○小林(秀)委員 有料の宅配サービスのPRを強化すべきと考えますけど、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 図書館をより便利に利用していただくため、現在、ホームページや利用案内によりPRしているところでございますが、今後は、これに加えまして、ポスター、チラシ等によるサービスの周知等、さらに工夫してまいりたいと考えてございます。

○小林(秀)委員 指定管理者による自主企画事業について伺います。平成25年度から指定管理者による自主企画事業を行っております。この関連資料のページや貸し出しを行っていますが、どのような事業なのかを伺いたいと思います。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) ただいま御紹介いただきました指定管理者によります自主企画事業につきましては、新規利用者の掘り起こしや既存利用者のさらなる利用促進を目的としまして、企画実施しているものでございます。その代表的なものといたしましては、親子で使うタブレットPC講座、あるいはイブニング映画会、シニアプラザでのおはなし会、ビブリオバトルなど実施しているところでございます。

○小林(秀)委員 この新規事業での事業実績では、中央図書館では実施回数が33回、そしてまた、参加者数は1,005名、江古田図書館では実施回数が64回、参加者数1,426名、野方図書館では実施回数3回、参加者が77名、また、本町図書館及び東中野図書館では実績がゼロとなっていますが、中野区としてこの結果をどのように分析して、どのような支援をしていくことになるのか、お伺いいたします。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 各館ごとの自主企画事業がバランスよく実施されないといったことにつきましては、好ましくないと考えてございます。区といたしましては、引き続き事業内容にかかわります企画でございますとか、関係機関との連絡調整のための助言などを行うとともに、事業の周知などにつきましても、積極的にバックアップしてまいりたいと考えてございます。

○小林(秀)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 あとは、雑誌のスポンサー制度について伺います。

 中野区では、今年度より開始されたけれども、事業実績はどのようになっているのか、お伺いいたします。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 雑誌スポンサー制度でございますけども、団体及び個人に雑誌の購入費を負担いただきまして、その名称及び広告を雑誌カバーに掲載するといった内容でございます。現在のところ、4社、1個人、計5者により6誌につきまして雑誌スポンサーになっていただいてございます。

 雑誌購入費用といたしまして9万7,000円余りを確保いたしまして、これを資料購入費に充当いたしまして、図書資料の充実を図っているところでございます。

○小林(秀)委員 こうしたスポンサー制度が声を出すか、何らかの形でやっていかないと、広く実績が出ないと思います。図書館ホームページ上での公表もすべきであると思いますが、どのような対応、つまり、ホームページの上で公表をしていきたい、そういうことのお話があったと思いますが、しっかりとホームページのほうで進めていく、それをお伺いいたしますが、どうですか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 雑誌スポンサーの方の名称及び氏名につきましては、当該雑誌、館内掲示ポスター、また、図書館ホームページで公表ができることとしてございます。雑誌スポンサーの希望によりまして、公表の有無を決定しているところでございます。

 また、加えまして、雑誌スポンサーが自身の店舗等におきまして、雑誌スポンサーであることを周知することができる掲示物を指定管理者におきまして作成して、配布しているところでございます。その掲示の有無につきましても、雑誌スポンサーの判断に委ねておるということでございます。

○小林(秀)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 最後に、タブレットを利用した電子書籍を貸し出しするサービスがいよいよ普及される時代になってまいります。特に区立図書館が採用しているところが多くなってきております。中野区の図書館としても取り組んでいくべきではないかと思いますが、お考えを伺います。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 今後、電子書籍の普及状況を勘案いたしますとともに、他自治体の実績等を研究してまいりたいと考えてございます。

○小林(秀)委員 皆さん、タブレットを使った電子書籍というのはほとんどわかっておりますので、特に若い方々がそういう形で本を使える形になると思いますので、ぜひ検討をしていただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、中野駅周辺まちづくりについて。

 中野二丁目、三丁目のまちづくりについてお伺いいたします。

 初めに、中野二丁目のまちづくりについてお伺いいたします。確認のために、今年度内に予定されている中野二丁目の地区整備にかかわる都市計画変更の内容を御説明ください。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 都市計画ですけども、中野二丁目の中野駅南地区都市計画は、地区計画と関連する七つの都市計画と合わせて八つがございます。

 まず、地区計画ですけども、中野駅南地区につきましては、公社中野駅前住宅一帯の再開発におきます再開発地区と、ファミリーロード沿道や中野郵便局などの再開発周辺地区に分けてまちづくりを進めていくことにしています。まず、地区全体につきまして、地区計画の目標と方針を定め、再開発地区につきましては、地区整備計画を定めます。

 また、再開発に合わせまして、都市施設である南口駅前広場の拡張整備を行います。これに連動して、駅前広場の都市計画変更を行います。

 次に、南口駅前広場を含む再開発につきましては、土地区画整理事業と市街地再開発事業の一体的施行で行うこととしています。したがいまして、土地区画整理事業と市街地再開発事業を都市計画決定いたします。

 さらに、市街地再開発を行う要件でございます高度利用地区、これも都市計画変更を行います。

 さらに、地区計画を定めるために、用途地域、高度地区、防火地域・準防火地域の三つの都市計画変更を行います。

 これらの八つの都市計画変更につきましては、平成26年度末を予定しております。

○小林(秀)委員 今、中野二丁目地区の市街地再開発事業における主要の区画道路についてお伺いいたします。

 この主要区画道路は、大久保通りから千光前通りまでの幅員が11.5から13メートルの相互通行を可能とする道路です。それで、大久保通りと千光前通りの高低差は10メートルほどあります。その高低差の影響で、主要区画道路は一部掘割構造となる予定です。東西には橋をかけ、歩道を確保することになっています。主要区画道路周辺のバリアフリー化が可能なのか気になるところでございます。交通動線に関するこのバリアフリーについては検証がされているのか、お伺いいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) バリアフリーについてですけれども、中野駅南口まちづくりについても、バリアフリーに配慮した歩行者動線の整備をまちづくり整備方針としております。具体的には、南口の駅前広場から再開発ビルの2階に向かって、エレベーターとエスカレーターを配置しまして、再開発ビルの2階と、さらに千光前通りの歩行者動線を確保する計画となっています。また、主要区画道路上に歩道橋をかけるために、再開発ビル2階と主要区画道路を結ぶエレベーターを配置しまして、産業振興センター方面ですとか、主要区画道路への歩行者動線を確保する計画ともなっています。

○小林(秀)委員 中野駅は、中野の玄関でもあります。外国の方々も中野に訪れるときがたくさん来るときがあります。実際に、この地域に暮らす障害者の方、また、高齢者の方の声を十分に聞いて、安全なバリアフリーのまちづくりに生かしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 現在まだ計画段階ですが、今後、実施設計等を進めていきますので、具体的には、その時期に整備を進めていきたいと思います。

○小林(秀)委員 次には、中野三丁目のまちづくりについて伺います。

 中野駅の西側の南北通路と中野三丁目駅前広場の整備のスケジュールについてお伺いいたします。第2期の整備は平成32年ころ完了予定で、第3期整備は平成36年以降完了予定とのことですが、中野三丁目駅前広場はいつ完了の予定でしょうか、スケジュールはどうなっていますでしょうか、お伺いいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) まず、西側南北通路、平成32年、東京オリンピックまでの完成を目指して、綿密な工程管理を行うこととしています。したがいまして、西側南北通路の南の受け入れ口となります中野三丁目駅前広場についても、同時完成を目指しています。

○小林(秀)委員 あと、桃丘小学校跡地を含む約1ヘクタールが土地区画整理事業施行予定区域とのことですが、なぜまちづくりの手法として土地区画整理事業を選択されたのか、お伺いいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 平成26年に策定されました中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3におきまして、駅直近から線路沿い、桃丘小学校跡地にかけて、街区再編や道路を整備する面的まちづくりを行い、防災性や利便性を高め、後背の住宅地を含め、地区全体の生活環境の向上を図るという整備方針が示されております。また、地権者とのヒアリング等によって、地区内での生活再建を望む声が多くあります。こうしたことから、街区再編や道路の整備、あわせて、地権者の生活再建が行える土地区画整理事業を選択いたしました。

○小林(秀)委員 土地区画の整理事業の施行予定区域の1ヘクタールの街並みをどう形成するのか、お伺いいたします。また、このスケジュールはどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) まず、土地区画整理の事業は土地に着目した事業です。したがいまして、土地利用を誘導することは想定していません。このために、一般的には地区計画を定めて土地利用を誘導しています。本地区においても、土地利用を誘導するために、仮換地の時期に地区計画を定めることを考えております。

 それから、スケジュールですけども、今年度末の土地区画整理事業の都市計画決定を予定しています。その後、一般的にですけども、1年後に事業認可、さらに、1年後に仮換地指定、さらには工事、移転というような形で進んでいくことになります。

○小林(秀)委員 誘導型まちづくりの検討範囲の住民、また、中野三丁目の住民の声を聞き、必要とする都市の施設を土地区画整理事業区域に整備すべきと考えますけども、地域の要望を聞く機会はあるのでしょうか、お伺いいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 中野三丁目につきましては、これまでも商店街と意見交換ですとか、あるいは地権者に個別にヒアリング等を行っています。また、三丁目以外の駅周辺の関係へ意見交換等もします。今後、機会を捉えて、意見を聞いていきたいと思っております。

○小林(秀)委員 グランドデザインVer.3では、中野三丁目のテーマは、文化的なにぎわいと暮らしの調和となっております。線路側に面する街並みに文化的なにぎわいをどう表現してくのか。例えばテーマにふさわしい店舗や商業施設などをどのように誘導していくのか、お伺いをいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 現在、中野三丁目の駅前広場から桃丘小学校跡地にかけ約1ヘクタールの範囲につきましては、区画整理の検討を行っています。この区域の東側と南の区域ですが、地区計画により歩行者空間を創出する誘導型のまちづくりを考えており、商店街等に適宜情報提供を行っているところです。これら全体のまちづくりスケジュールとしましては、第1段階としましては、地区全体に対しまして地区計画の目標と方針を定め、将来像を明らかにする。次に、具体的な計画がまとまった地区から地区計画の地区整備計画、それをかけまして具体的な内容を明らかにしていきたいと考えています。

○小林(秀)委員 例えば誘導型のまちづくりの検討範囲内にある店舗や商業施設、また、土地区画整理事業予定区域に移転することはできるんでしょうか、お伺いいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) もう一度質問をお願いします。

○小林(秀)委員 誘導型まちづくりの検討の範囲の中で、店舗とか商業施設、それが土地の区画整理事業予定区域、そこに移転することはできるかどうかというお伺いでございますけど、よろしくお願いいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 土地区画整理事業は施行区域の中での所有者の土地の入れかえになりますので、その外の所有者の土地の入れかえはできません。

○小林(秀)委員 また、誘導型のまちづくりの検討の範囲内にある老朽化している町会の会館があります。同じように、土地区画整理事業予定区域に移転して、検討することも、町会との意見を受けて、検討すべきではないかと考えますが、これはやっぱりだめなんでしょうかね、今の話だと。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 土地区画整理事業の土地というのは、権利者の土地、場合によっては、保留地と言って、土地を売って、事業の費用に充てる土地があります。したがいまして、地区外の方は、その土地を購入して、しかるべき施設をつくるという、そういうことになります。

○小林(秀)委員 計画が決まって、町会の会館が、今言ったような形の予定の区域、例えば桃丘小学校のところの地域の中に交換すると、そういう形は民間でやる形になるんでしょうかね。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 区画整理の中の地権者は、土地交換ということはあり得るかと思いますけども、いわゆる区画整理同士の換地という形はできません。

○小林(秀)委員 あと、桃丘小学校の南側と隣接する区域との道路ネットワークはどうなっていくんでしょうか。桃丘小学校の周辺道路や、また、土地区画整理事業区域についての道路は整備されるのか、お伺いいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 土地区画整理の目的というのは、公共施設の整備改善と宅地の利用増進になります。中野三丁目土地区画整理事業、都市施設である中野三丁目駅前広場の整備に加え、区域内の区画道路の整備についても検討しているところです。

○小林(秀)委員 あと、西口の改札及び三丁目駅前広場を整備する際に、自転車駐車場の整備は欠かせません。自転車駐車場についてはどこに設置するつもりでしょうか。区画整理事業の範囲内で整備されるべきと考えますが、お伺いいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 本年3月に改定しました中野駅地区整備基本計画に示したように、中野三丁目地区でも、中心部の歩行者優先エリアの外周に自転車駐車場を分散配置する方針であります。本区では、土地区画整理事業区域内に、桃丘小学校跡地などを活用して、中野三丁目方面からの自転車の利用に、駐輪需要に合った台数の自転車駐車場を設置する方針で検討しております。

○小林(秀)委員 駅の周りで自転車の置き場がないのがこの三丁目でございます。ぜひ検討して、設置をしてもらいたいというふうに思っております。

 次に、まちづくりの検討範囲全体で街並みを形成していく必要があります。中野駅前の新たな顔をつくっていくために、ふさわしいテーマを持って、三丁目の特質を生かしたまちづくりを進めていくべきだと思います。全体のまちづくりをどう進めていくつもりなのか、お考えをお伺いいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 先ほども答弁させていただきましたけども、この地区は土地区画整理事業で整備する区域と誘導型のまちづくりで整備する区域と二つに分かれております。したがいまして、最初には地区計画で整備の目標と方針を定め、まちの将来像を明らかにしていく。具体的な内容が決まってきましたらば、地区整備計画を定めて、具体化していく、そういう方向で考えています。

○小林(秀)委員 あと、土地区画整理事業を区が直接進めていくのは困難であると考えております。区は4月に、中野駅直近の地区の事業化推進等に関する覚書を既に独立行政法人都市再生機構と取り交わしております。この都市計画変更後、URに面的な整備を継続的に進めてもらうべきではないかと考えますが、お伺いをいたします。

○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 現在、UR都市機構は、覚書に基づきまして、中野三丁目駅前広場の土地区画整理事業の事業化、桃丘小学校跡地の活用などについて、区の委託によって検討を行っております。中野三丁目土地区画整理事業は公共施行を予定しております。本地区で施行者となり得る者は、土地区画整理法の規定から、中野区かUR都市機構のいずれかであります。それについても検討しているところです。

○小林(秀)委員 次に、中野駅の駅舎にJRの施行で予定されている駅ビルについて伺います。この駅ビルについては、整備スケジュールが明確になっておりません。区民の説明会では、保育園の開設を望む声もありました。中野区として利用できるスペースを確保すべきではないかと考えますが、お伺いいたします。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 駅ビルにどのような施設や業態が入るかにつきましては、駅ビル開業が近づくころまでに検討するとJRからは聞いております。したがって、それらが決まるのはまだ当面先になると思われます。その間、説明会や意見交換会でいただいた地元の御意見、御要望につきましては、しっかりとJRに伝えていきたいと考えております。

○小林(秀)委員 ぜひ、地元の保育園の開設を望む声がありますので、忘れないようにしてもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、(仮称)中野三丁目駅前広場の正式名称について伺います。委員会資料等で、中野三丁目駅前広場は、都市計画上では「西口広場」という名称だと思っております。例えば地域の代表的な名称である桃園の名称をつけて、「桃園広場」と名前をつけてはいかがでしょうか、お伺いいたします。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) これまでの計画段階では、行政的な名称として、「中野三丁目広場」という形で呼ばせていただいておりまして、今度、都市計画を決定するに当たっては、都市計画名としては「西口広場」というような名称を使いたいというふうに考えております。完成後に改めて地域に愛される名称をつけるということは十分に考えられると考えておりまして、命名の方法や手続等も含めて今後検討していきたいと考えてございます。

○小林(秀)委員 地域の人たちも、「桃園広場」と言われるとありがたいと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。

 以上で私の総括質疑を終了いたします。ありがとうございました。

○内川委員長 以上で小林秀明委員の質疑を終了します。

 次に、佐野れいじ委員、質疑をどうぞ。

○佐野委員 それでは、本日、自由民主党として、午前中には市川みのる委員、そして私、そして、その後、ひぐち和正委員が質疑に移りますので、自民党3人、今日はよろしくお願いしたいと思います。

 まず、総括質疑、自由民主党の立場から行わせていただきます。

 まず1番目、中野区の空き家対策とその活用についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 この問題につきましては、私は前回もパネルを使いながら、この総括質疑でたしか質問をさせていただいた覚えがございます。過去2回にわたって質問をさせていただいております。平成26年の2月21日第1回定例会、そして、平成25年の第3回定例会総括質疑で質問させていただき、また、他の同僚議員からも今回質問という形でも出ておりますし、今までにも経緯として、この空き家対策についてどうなっているんだろうかということの質問が出されているように伺っております。また、それが事実だと思います。そして、最近この問題につきましては、防犯上や火災上、美観上等、空き家に対する危険度を含めて、社会的問題になりつつあることも事実だと思います。

 そうしたことから、まず、区として、その原因と理由としましては、いろいろさまざまな理由がありますけど、まず、高齢化と人口減少の増大、これは前回の質疑のときに出させていただきました。それから、家族の核家族化の問題。それから、税の軽減措置の問題、これは固定資産税の軽減措置等が挙げられます。こういったことを前回お答えの中で出されております。こういったことからこういう問題が生じているんだということのお答えが出ております。ただ、既に急増しているこの空き家問題に対して、国会では既に議員連盟が発足して、そして、与野党を問わずに解決に向けて検討に入っているのが現状だと思います。

 まず、そこでお伺いしますが、現在の国会での法律はどうなっているでしょうか、その後の動きについてお答えをいただきたいと思います。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 空き家対策特別措置法案の動向については、9月29日から開催される秋の臨時国会において、与党である自公により提出する方針が固まったと聞いております。内容としましては、倒壊の危険があり、防犯・衛生上非常に有害で、景観や環境を損なっている家屋を特定空き家に指定し、市区町村長には、危険と判断すれば、所有者に対し取り壊しを命じることができるものとし、猶予期間を過ぎても応じない場合は、代執行も定めております。ほかには、立入調査や納税者情報も利用できる内容となっております。さらに、来年の通常国会では、放置の一因となっている固定資産税の軽減措置を見直す方向で検討しているというようなことを聞いております。○佐野委員 今御回答いただきましたように、既に国会では、そういった諸問題について取り組もうという姿勢が見られているわけですね。中野区としては現状どうなっているのかということを後でお尋ねしますけども、現在、これは基本的なことかもしれませんが、全国で820万戸空き家があると言われております。そして、空き家率にして13.5%、7戸に1戸が空き家に将来的になっていくのではないかというふうに言われています。それはTV等々によって日々報道されていることで書いております。そういうことを考えますと、一地方自治体として、まずこの問題をどう考えるかということ、これは重要な問題になってくると思いますので、お答えをいただきたいと思います。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) さまざまな理由で空き家及び空き室が増えているというふうに思われますが、建築行政の立場から言えば、現在のところ、自己責任において維持管理をお願いしていくしかありません。これまで区に対応を求められた83件の空き家については、その後も所有者によって解体、売却、建て替えが進み、改善の兆しが見受けられている状況でもあります。ただ、表面化していない空き家もあることは十分承知しているが、その実態については把握ができておりません。

○佐野委員 実態については把握ができていないと今おっしゃいましたけども、そんなことでよろしいんでしょうか、中野区として。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) どのような形で空き家の定義をしていくかということも課題の一つになっているというふうに私どもは理解しております。特に、倒壊の危険のおそれのある、また、道路や周辺家屋、住民の方々に迷惑をかけるような家屋については、老朽空き家として今後も厳しく対応していきたいというふうに考えております。

○佐野委員 実態について今いろいろ御報告がありましたけども、中野区の実態は、私は、そうした対策を立てる前に、こうした問題についての実態がどうなっているかを知る必要があると思います。そうした実態を知った上で対策を立てる。これがやっぱり今、中野区がやろうとしているPDCAサイクルですか、これにつながってくるというふうに考えますけども、これが一番重要なことではないかと思います。そういう意味で、そのことについてはどう考えているんでしょうかということと、あわせて、専門家に相談したり、実態をしっかりと調査し、予算をしっかりととって費用を確保していくべきだと思いますけども、その辺については今後に向けてどうでしょうか。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 国会で特別措置法案が成立すれば、いろんな実態、方法のやり方についても変わると思われますが、現状を見渡した場合、老朽空き家の一因として、無接道敷地があるというのも実態の一つであります。一般質問でもお答えしたとおり、今年度につきましては、一部モデル地域・地区を指定して、中野区内の実態について調査を行う予定であります。ただ、次年度以降、どのような方法でどこまで調査範囲を拡大していくかについては、今後検討していきたいというふうに考えております。

○佐野委員 今、調査を行うとおっしゃいましたけど、調査を行うときにはお金がかかりますよね。お金がかかるということは、予算をとらないとお金ができないということにはなりませんでしょうか。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 今年度につきましては、私ども職員の人海戦術によって調査をモデル地区に指定したところについて、その傾向を調べた上で、実際どのような問題がそこに潜んでいるのか、また、どれだけの費用がかかるのか、例えば登記簿の調査等では、当然無料ではございませんので、件数によっては莫大な費用がかかります。その辺のところの調査を見きわめるためにも、サンプル調査が必要だというふうに考えております。

○佐野委員 実態調査、調査とおっしゃいますけど、調査をする場合には、組織的にも人数的にも職員では限りがありますよね。その場合に、委託という方法をとられる考え方もあるんでしょうか。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) その辺につきましては、ですから、調査方法を踏まえた上で、どういった委託の仕方があるのか、委託したほうがいいのか、そういったことも含めて検討していきたいというふうに考えております。

○佐野委員 わかりました。いずれにしても、中野区として実態が把握できていないという事実、今おっしゃったとおり。それに向けて今後努力をしていくと。そのやり方としては、委託だとか、職員を使ってとか、いろいろなことをやりながらやっていきたいということだと思います。これは簡単にできる問題じゃないし、いろんな要因が入ってくると思います。それから、私自身は、国会で法案が通ろうが通るまいが、これは中野区の問題として一つ捉えていかなければならない。なぜならば、少なくともこういった問題が起きている事実があるということですね。そして、苦情が寄せられている、と。前回のときに、たしか83件中野区では苦情が寄せられているとおっしゃいましたけども、そういった本当に困っている人たちを救うためにも、やはり私は、早期に中野区独自で調査をし、実態を把握し、その上で対応を考えていくことが必要ではないかと思っております。まず、そういったことで、早い段階で実態把握を行えるよう、予算検討を早急に進めていただきたいというふうに思います。

 この問題に対しては、市町村自治体においても、既に334の都市で条例化が進んでおります。東京23区の中でも、既に足立区、大田区、新宿区、墨田区、台東区、豊島区、6区で制定されております。そして、最近では世田谷区でも条例化が図られたと聞いておりますが、それは事実でしょうか。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 委員御指摘の世田谷区の条例につきましては、(仮称)世田谷区空家等の対策の推進等に関する条例骨子(案)と呼ばれるものでございます。内容につきましては、維持管理、措置、有効活用について必要な事項を定めたものと聞いております。

○佐野委員 大田区では、最近の報道によれば、行政代執行が行われたと、実施したというふうに書かれておりますけども、この辺についてはどういうふうにお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) また、大田区では行政代執行を実施したところでございますが、費用請求についてはこれから実施していくというふうに聞いております。ただ、中野区としては、行政代執行による費用回収の難しさはこれまで経験しておりますので、ちょっと考えにくいという状況がございます。

○佐野委員 中野区では非常に費用回収が難しいということですけど、それもわからないではないです。確かに、中野区は税金で皆さんで賄っていらっしゃるわけですから、それをやっぱり行政代執行のお金に出したって、それは補?できない、こういった難しさがあることは事実です。しかし、現状として、安全・安心、防災、美化、こういった問題点が出ているということも一方では事実であります。こういったことを考えた場合に、どちらをどういうふうに優先していくかということが非常に大切なことだと思いますけども、条例化ができないということはどうなんでしょうかね。一番難しい問題は、やっぱり国会でのバックボーンがないとなかなかできにくいと、そういうこともあるのかなというふうに思っておりますけども、その辺についてはどのように所管としてお考えでしょうか。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 私ども建築行政の立場では、建築基準法という法律がバックボーンになっております。その中に、8条及び10条のところで、建物に関する維持管理を求めていくという条文がございます。それを盾に、私どもはこれまでも指導を行ってきたところでございますが、また中野区にも、防災上必要な建物の維持管理をするために必要な条例等もございますが、それだけではやはり不十分な側面もあるというところでございます。ただ、条例をつくるにあたって、やはり法律的なバックボーンがあるということが一番心強いというところで、今、特別措置法案に期待するところが私どもとしては大きいというところでございます。

○佐野委員 今、大体わかってまいりましたけども、非常にこれ、デリケートで、非常に奥が深いし、非常に難しい問題だということをさらに再認識した次第でございます。要するに、条例化を進めるのは簡単かもしれませんけど、今のバックボーンの話をどういうふうにしていくか、そしてまた、そういった条例化を推し進めていく上で、諸税、税金の話、お金の話、こういった問題も非常に難しい問題があるなということを再認識させていただきました。

 そこで、改めてお伺いをさせていただきますけども、私は、空き家対策を行う場合は、その活用まで含んで行うべきであるというふうに最近思ってまいりました。昔というか、2回の質問までは、対策、対策ということを一本立てでやっておりました。しかし、この対策を立てるためには、活用も含めて考えていかなければならないのではないかなというふうに思った次第でございます。例えば9月17日夜のBSTVによると、「深層NEWS」ですか、でもこの問題を取り上げておりました。たまたま私は見させていただきました。平成26年7月30日の読売新聞によれば、既に374の市で、問題の解決に向けてこの制度を導入しているということです。この制度というのは、要するに、活用という制度ですね。このTVの報道では、富士通総研の上席研究員の米山先生というんですか、それから、自由民主党議員の議員連盟の会長である宮路議員が御出席をいただいて、対話方式で進めておりました。その中で、活用について、現在、世田谷でも進めている空き家バンクの話を出しておりまして、その必要性を言っておりました。自治体自体が購入希望者に対して空き家の情報提供をし、空き家所有者に対して情報を登録してもらい、双方を契約に結びつけるという役割をしているということでございます。いわば空き家を改修して、地域資源としての有効活用を考えている。まさにそうしたことで対策に結びつける必要があるのではないかというふうに、一つの事例として思いました。この辺についてはいかがでございましょうか。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 世田谷区の例では、公社に公的な活用を希望するオーナーを対象とした地域貢献活用相談窓口というものを設置したというふうに聞いております。これまでも自治体によっては、活用希望者と空き家所有者のマッチングを行っているところもあるというふうに聞いておりますが、実際不動産業者が扱う物件と自治体が扱う空き家物件の違いが見えてこないところに課題が潜んでいるように私どもは考えております。

○佐野委員 課題はいっぱいあると思います。しかし、何か方法論を見つけて、何か前に進まない限りは、この問題は解決しないというふうに私自身も思っております。そういう意味で、たまたまこれは一例ですから、いろんな課題があると思います。問題点もあると思います。したがって、こういうものも調査し、そして、中野区としてどういう方法がベストなのか、ベターなのか、こういった問題を今後所管として御検討していただく、このことが、この姿勢が私は必要ではないかと思っております。

 長くなりますが、今朝、私は、市川みのる議員の質問に対して非常に感動しました。なぜかといいますと、それは、市川みのる議員は、この総括質疑の大切さを訴えました、一番最初に。お聞きになっていると思います。これは、来年度の予算のほうに反映していくためにみんなが真剣になって総括をしているんだ、とお話しになっています。そういう意味で、党派を超えて、いろんな問題点がある、それを皆さんが、それぞれの区民の立場からとか、いろんな立場から言っていると思います。これを真摯に受けとめて検討する、こういった姿勢が私は必要ではないかと。私は何も市川みのる議員が自由民主党だから褒めているわけじゃありません。感動したから言っているわけです。――――(発言取り消し )―――― 決して仲間だから褒めているわけじゃありません。そういう意味で、党派を超えてこういった質疑をすることが私は大切だというふうに思っています。そういう意味で、私は私なりの考え方、自由民主党としての考え方も述べさせていただいております。こういったものを真摯に受けとめて、来年の予算に反映し、そして、問題の解決をしていくと、こういう姿勢をぜひ理事者の方、そして、行政のほうでも検討していただきたいというのが一つの願いでございます。ちょっと長くなりました。そういうことを希望したいと思います。

 それから、これまでの質疑とあわせて、この項の最後に、区長にお伺いをしたいと思います。区長はたしか、この区長選、3人の候補者が出ました。その中で、この問題について、中野区学生会議のメンバーが空き家対策とその活用についてという公開討論を行いました。それに私も出席させていただいて、見させていただきました。そのときに、他の候補について言っちゃいけませんけども、他の候補者よりも田中区長は、少なくともこの問題について真剣に取り組んでいるなという印象を受けました。そして、田中区長がこの問題に何らかのヒントがあるようにも思いました。中野区の空き家対策とその活用についての項の最後に、田中区長がどのような考え方を持っているか、これがやっぱり大切だと思いますので、お聞きしたいと思います。いかがでしょうか。

○田中区長 空き家問題、今後のことも考えますと、本当に大変大きな問題だというふうに思っております。先ほど来いろいろ御議論がありますけれども、行政代執行のような、仮に個人の財産権にかかわるような、そういった強制的な措置を考えていくとすれば、全国共通の課題でもあり、所有権とか、そういったようなことにもかかわるものですので、やはり基本は法律をきちんとつくっていただきたいというのがまず一番最初のことかなというふうには思っております。ただ、法律ができたからといって、そのままで問題が解決するわけでも全然ないということだと思いますので、区として、空き家が生み出されないような方法とか、あるいは空き家になったとしても、老朽化して迷惑がかかるような状態になる前に流通を図る方法であるとか、あるいは実際に老朽化して他に迷惑を及ぼすような空き家の状態になったものをどう解決していくかと、いろんな段階で対策を講じていくというのは、やはり区の仕事になってくるのかなというふうに思っております。

 今、建築関係の担当の者が専門にお答えしておりましたけれども、やはり都市計画とか、あるいは区の政策全般にかかわる企画担当の者とか、区の中でも組織横断的な検討体制をつくって、空き家の問題に対する対応の仕方というのを考えていくべきだというふうに思っております。

 公開討論会に出ていただいた学生さんについては、その後も、実際に選挙後も提案の内容をお聞きする機会を設けました。その学生さんたちの内容も、区としてそういった関連部署が一緒に受けとめながら、またさらに深めた御提案をお聞きしたいというようなことを考えたところです。あそこでやはりヒントになるなと思っているのは、既に老朽化して迷惑な状態になっているものを、何らかの方法で使いたい人たちが使えるような仕組みをつくっていくべきではないかといったようなところだったのですけれども、管理する責任ある方の費用負担の問題とか、さまざま課題はあるなと思っておりますので、やはり区としての立場からしっかり検討していくものであるなというふうに思ったところです。

○佐野委員 非常に心強いお気持ちで、この問題に真剣に、真摯に取り組んでいくという姿勢がうかがわれました。特に、組織横断的な方法論も今後について考えていかなければいけないと思っているということについて、私は非常に、感銘か感動かわかりませんけども、そういう感じを受けました。できれば、現状の組織では限界があると思います。人数にも限りがあります。そして、お金もかかります、この問題解決に。そういったことを考えた場合に、組織を横断した方法も今後考えていきたいということをおっしゃっていただいたので、私は非常によかったなというふうに思っております。ぜひそういった取り組みを今後もこの問題については進めていっていただきたいというふうに思う次第でございます。ありがとうございました。

 それでは、次に、中野区の基本構想と10か年計画に移らせていただきます。

 この問題は非常に幅広くて、奥が深くて、自民党の質問項目の中にも、それぞれの議員が今回設けさせていただいております。この後、明日には大内しんご議員、そして、高橋ちあき議員も続いてこの問題について取り組んでまいり、そしてまた、前に出ましたことにつきましては、できるだけフォローしていくようにというような自民党の中の会話もございますので、私はこの問題につきまして、子育ての支援活動と地域活動が保育を必要としているために、保育に関しての質問をさせていただきたいと思います。非常に基本構想というのは幅広いものですから、保育についての質問をさせていただきたいと思っております。

 まず、いろいろなことがございますけども、今回、区長も報道の中でも言っておりましたが、待機児ゼロを目指していくと、中野区は、そういった姿勢を今後やっていきたいんだということをおっしゃっていました。そしてまた、そういったことについて今後真剣に取り組んでいくともおっしゃっていました。そうした中で、橋場保育園が、これは、施設建設の進捗状況というのは何かわかりませんけども、まず、進捗状況について、橋場保育園についてお答えをいただきたいと思います。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 橋場保育園の新園舎建設工事についてでございますが、今月中旬に新園の事業者から竣工の遅れの可能性が示唆されまして、さまざま検討、打ち合わせを行っているところでございます。新園の事業者の工期の短縮に向け、工事の詳細について建設業者と調整を行っているところでございますが、4月開園が厳しい状況となってございます。

○佐野委員 4月開園が非常に難しい状況になっているというお話ですけども、これは大きな問題だと思っています。例えば区長のほうは、待機児ゼロにするんだということを報道で言っております。その一方で、こういった、所管のほうで進めておったんでしょうけども、それが4月開園は無理だというお話。6カ月ありますよね。この6カ月間にも、何回か交渉した結果がそういうことなんでしょうけども、これは大きな問題だと思います。そしてまた、自民党としましては、この問題につきまして何回も質問していると思います。例えば自民党の幹事長のいでい委員が、この問題について、橋場の保育園の問題ではありませんけど、南台五丁目の保育園の期間の遅れについて、前のときに質問しております。再びそのような事態を招くことがないようにということで質問しておりますけども、今回またこれが起きてしまったということについて、工事の遅れの原因は一体何だと思っておりますでしょうか。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 工事の遅れた要因でございますけども、7月下旬に新園の事業者が建設工事の入札を行いましたが、不調となりました。その後、各建設業者と再入札について協議をいたしましたが、1社以外参加の意向が見られなかったという結果がございます。これを受けまして、1社と8月上旬に仮契約を締結し、直ちに近隣説明会の準備や工事従事者及び資材の確保に入ったところでございます。この段階で事業者から示された工程表では、27年4月の新園園舎完成に遅れる見込みはございませんでしたが、その後、工事従事者の確保、それと、搬入ルートの確定等に時間を要しまして、再度工期の調整を行った結果、工事の遅れが見込まれるという報告を受けたものでございます。

○佐野委員 今のをお聞きしますと、工事の遅れている原因というのは、まず、入札の不調があったということですね。それからもう一つは、そういった職員の確保といいますか、作業員の確保ができにくかった。その結果、だめだということになってしまった。それから、搬入ルートの確保が非常にできなくなってきたということで、近隣ともいろいろあったんでしょうけども、そういったことでの、大きな要因としてはその三つを今挙げられたと思いますけども。私は、それはそれとして、要因としてあったと思いますけども、日程的な問題として、4月ということは、少なくともお母さん、お子さん、そして、中野区としてうたっているはずですよね。募集をしているはずですよね。募集します。これからかもしれませんけど。そういった責任というか、その見通しの甘さに私は大きな原因があるのではないかと思っています。そういう意味で、契約を立てるときに、当然この三つの要因、今言っていた入札の不調やなんかも想定の中に入れながら日程を組んで、4月開園に向けての努力をすべきではなかったかと思います。過去のことを言っても仕方ありませんけども、そういうふうに思っておりますけど、この見通しの甘さ、これについては、あるいは区民の方、利用者に影響が及ぶ。4月の募集定員を変更することの予定があるのかどうかも含めて、お答えをいただきたいと思います。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 工事の進捗状況につきましては、その都度事業者等と調整を図ってまいりましたが、このような状況に陥ったことにつきましては、重い認識を持ってございます。今後、利用者の方への影響でございますけども、新園につきましては、4月時点で1階部分の使用が可能であるという状況でございます。ただ、2階部分の内装工事につきましては、4月の中旬まで継続する必要があるということになってございます。そのため、現在設置しております仮設の園舎と新園の使用可能な1階部分を活用いたしまして、対応を図っていきたいというふうに考えてございます。

 また、平成27年4月の橋場保育園の募集につきましては、保護者の皆様に対しまして施設の状況を明らかにすることをいたしまして、募集の人数につきましては、当初の人数を確保できるよう調整してまいりたいと考えてございます。

○佐野委員 まず、大分ちょっと私も熱が入ってきちゃったので、申しわけない状態で・・・。やっぱりこういう、素直な質問というか、今後どういうふうに対応していくかということが必要だと思うんですよ。もう起きちゃったことはしようがないと思うんです。ですから、今後、起きちゃったことに対すると同時に、今後どうしていくかということの道筋をつけるべきだと思うんですけれども、今のお話ですと、1階は使用できます。しかし、2階は中旬までできません。そして、仮設の園舎をその間使用してまいります。こういったことを告知していかなきゃいけないと思うんですけど、お母さんや家族の方、あるいはお子さんに対して、お父さんも含めて家族の方に対して、どのように告知をしていくんでしょうか。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 区民の皆様、利用者、保護者の皆様につきましては、この後、できるだけ早い時期に周知をさせていただきたいと思います。工事で御迷惑をおかけいたします近隣の皆様のほうへは、個別に通知を用意しながら訪問させていただいて、お話をさせていただく予定でございます。また、現在、橋場保育園の利用の保護者の方につきましては、保護者会を開催いたしまして、そちらで御報告申し上げる予定でございます。

○佐野委員 これ、お読みになっていますか。中野区の基本構想、15ページ。何と書いてありますか。15ページの一番下には、保育を必要とする子どものために、柔軟に利用できる良質なサービスが整えられていくと思いますと書いてある、中野区は今後、これ、柔軟な良質なサービスというふうに言えますでしょうか、遅れをとって。これはやっぱり言えないと思うんですよ、お母さんなどに。だから、そういう意味で、やっぱりこういったことを公に出す、基本構想の中に出していく、こういったことも踏まえて、所管としてしっかりとこれから認識をしてやっていかなければいけない、大きな大きな問題であるというふうに捉えていただきたいと思いますけども、いかがでしょうか。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 所管といたしまして、区民、利用者の皆様への影響をできる限り抑えるよう、対応をきちっととって、御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えてございます。

○佐野委員 今後の施設についての見通しは、そうすると、4月には1階しかできない。2階は無理だということは、業者さんとの打ち合わせとか、いろんなところの打ち合わせで、それはほとんど無理だということでの方向で、御家族の方等々に御説明をするということですか。もう一回確認します。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 工程につきましては、短縮化を図るよう事業者とも調整をいたしまして、4月に開園できるよう検討を進めたところでございますが、どうしても2階部分につきましては、4月の開園が難しいということで報告を受けてございまして、こちらといたしましても、工程を確認する中で、やむを得ない、という今状況に至ってございます。

○佐野委員 これ、会議録に全部記載されていますからね。二度とこういうことが起きないようにしてもらいたいという意味で、私はあえて言わせてもらう。私は、少なくとも自分の1期生のときですかね、こういった問題についてすごく自分で興奮して言ったことがあります。それで、そのときに、終わった後、先輩議員に呼ばれまして、「佐野」「何ですか」。「惻隠の情」という言葉を言われたことがあります。「惻隠の情」って何だか意味がわかりませんでした。そうしたらば、その先輩議員は私に言いました。「佐野、惻隠の情というのはな、武士の情けだ」ということを言いました。「武士の情けってどういう意味ですか」と言ったらば、要するに、責めるばっかりが能じゃないんだと。責めた上で、相手がどのように今後それを生かしていくか、これが一番大切なことではないかということで言われました。

 そういう意味で、私はあえてここで言わせていただきます。惻隠の情を持って私は今後質問しなきゃいけないなと思っておりましたけども、少なくとも今の段階では、4月には開園できない。それはもう公にうたっちゃっていて、基本構想の中ではっきりとこういうふうに出ちゃっているわけですね。中野基本構想の中には、柔軟に利用できる良質なサービスが整えられると書いてあるわけですね。そういう意味からすると、やはり区としての責任、要するに、見通しの甘さが大きな問題になってくるんじゃないかと思っております。そういう意味で、やはり今後こういうことを起こさないということを強く訴えたいと思いますけども、いかがでしょうか。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 今回のような工事の遅れということは、大変区民の皆様にも影響が及ぶということで認識をしてございますので、今後きちっとした対応策、それから、工事の進捗状況につきましては、進行管理に努めてまいりたいと考えてございます。

○佐野委員 この項の最後、ちょっと時間も早まって、私が早口で言っていたものだからあれですけども、この項の最後になりますけども、今までの経緯も踏まえて、区長として、基本構想と今の橋場保育園との関係も含めて、どのようにお考えになっているかをお聞かせいただきたいと思います。

○田中区長 橋場について、やはりきちんと4月の時点から、必要なお子さんが必要な保育を受けられるように、柔軟に対応していかなければならないと、こんなふうに思っております。

 待機児童、こういった影響がとにかくなくなるようにというようなことについては、区として大変切迫した重要な課題だというふうに認識をしております。子ども・子育て新支援制度に向けて実施したニーズ調査等に基づいて、最近の就学前人口や保育需要の増加も加味して、保育需要を算出いたしました。今回募集をした保育所等の施設を開設することで、待機児童の問題、これについて解決をしていきたいと、このように考えているところであります。今回、補正予算でお願いをいたしまして、追加募集をしているわけですけれども、さまざまな事業者に施設の開設に向けた条件等についてヒアリングを行って、その結果、募集期間を設けず、応募のあった事業者から選定をしていくという公募方法にも改めました。また、家賃補助の充実を図るとともに、これまで行っていなかった株式会社等に対する施設建設費補助制度も設けたところであります。区といたしましては、区民、利用者の期待に応えるために、現在進めている保育施設の整備、これを着実に整備して、27年4月での待機児童、これがゼロになるということをぜひ実現するために、これからも全力を尽くしてまいります。

○佐野委員 ありがとうございました。今、自由民主党の中から、記者会見で言ったことが区長として守れるのか、今後頼むということ、それからもう一つは、補正を組んだ意味がないではないかと。毎年度末に減額補正なんていうのは、かなりきついぞという話が出ておりますけども、この辺についてはどうでしょう。記者会見で言ったことが今後守っていけるのかということにつきまして、もう一回、再度お願い。それからもう一つは、補正を組んだ意味がないと。それから、年度末に減額補正なんていうのは大分厳しいぞということを言ってきておりますけども、私自身、自由民主党として、やっぱり聞かなきゃいけない問題だったと反省しておりますので、ぜひお答えいただきたいと思います。

○田中区長 記者会見のお話もありましたけれども、補正予算というものを区として議会に案を提出させていただいて、議会として議決をしていただいた、このことが私は本当に重いことだというふうに思っております。予算として組みました事業、これについて、きちんと執行できるように全力を傾けてまいります。

○佐野委員 今、「そうだよ、ちゃんとやらないと」という声がありましたけども、そのとおりだと思います。私もぜひ、言ったことは有言実行、私もあまり言えませんけども、惻隠の情を持ってやるのも大切ですけども、やはり言ったことは守るということの姿勢を今後も持っていっていただきたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、時間もちょっと中途半端になりましたけど、3時の休憩まで時間がありますので、ちょっと次に移らせていただきたいと思います。

 次に、中野区の自転車駐輪場対策について移らせていただきます。

 また、この問題につきましても、非常に奥が深いし、いろんな角度から質問がつくれると思っておりますけども、まず、私自身は、この総合計画の利用ですか、これについていろいろ読ませていただきました。これについて質問をさせていただきたいと思います。この本を見ますと、自転車のマナーについていろんなことが書かれております。非常に大変だと思います、つくる側としましても。しかし、課題や問題点が多くて、それをどのように解決していくのかということについてあまり書かれておりません。それが非常に気になった点でございます。

 例えば例を挙げますっておかしいですけども、1ページ目、三つの課題が挙げられています。長期的な対応を要する課題が認められます。それから2番目として、効率的な運用をどういうふうに行っていくか必要がありますということ。それから3番目として、社会変動による大きな課題の中で、施策の中で考慮する必要がありますということで、課題だとか疑問点がいっぱい出ております。これを具体的にどうやっていくのかということが書かれておりません。そういう意味で、できればこの次のときには、こういった問題も含んでやっていただきたいなということを思いました。

 それで、その中で、改定版をお出しになっていただいていると思いますけど、自転車駐輪場収容台数における利用台数がこの中に書かれておりました。そして、地域によってその利用率に大きな差があることも事実でした。例えば利用率が50%を下回る駐輪場を調べてみますと、7カ所ございます。鷺宮南の31.9%、鷺宮東の41.5%、東中野南の31%、都立家政南の28.9%、中野坂上が35.6%、鍋横が47.2%、杉山公園が23.2%。50%、半分を切る利用率が7カ所もあったということでございます。こうした中で、より良好な道路環境を充実していくために、いかに利用率が低いか、こういったことを十分認識しておられるからこそここに書かれたんだと思いますけど、まさに放置自転車を減少させていくのが大きな今後も課題になって、つながっていくのではないかと思いますけども。

 そこでまず伺いたいんですけど、地域内での放置自転車の推移というものはまずどうなっているんでしょう。それからあわせて、放置自転車の現状と、その見解をお伺いしたいと思います。利用率についてもあわせてお話を伺えたらありがたいなと思います。

○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) 区内駅周辺への放置自転車台数につきましては、午前中は減少にあります。午後は増加傾向にあるといったところでございます。これにつきましては、午前について、駅周辺への自転車駐車場の設置、また、放置規制区域化によりまして、主に通勤・通学者の放置する自転車を撤去した結果、放置が減少したものと考えているところでございます。しかし、近年、午後、夕方以降の買い物や駅利用者などによる放置が増加していると考えており、このため、平成25年度から放置防止指導及び放置自転車の撤去時間の繰り下げなどを行いまして、放置の抑制に努めたところでございます。

○佐野委員 その結果、放置自転車が少なくなったというふうに御判断なさっているんでしょうか。

○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) 全体の推移といたしましては、ある程度横ばいかと思いますが、今申し上げたとおり、以前は午前中を中心に通勤・通学者の自転車を撤去してまいりました。今はその数が減ったといったところで、じゃあ、どこが多くなったかといいますと、午後、それから、夕方の時間帯に非常に自転車が多く放置が見られたといったところで、そこに視点を当てまして、今、撤去をしているところでございます。

○佐野委員 わかりました。そういう努力を今現在しつつある、しているということだと思いますけども、放置の規制に努めているということだと思います。それで、あわせてお願いしました、利用率が低い自転車駐輪場について、区はどのように認識しているんでしょうかということについてはいかがでしょうか。

○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) 駅周辺への自転車駐車場につきましては、駅周辺地区内の放置自転車の台数を参考にいたしまして、地域の要望を勘案し、必要台数を設定し、整備を計画しているところでございます。しかし、駅周辺に確保できる自転車駐車場予定地は、区の希望どおりの広さや場所とは限らず、また、自転車の乗り入れ方向から駐車場までの動線の利用のしやすさなどによりまして、当初の想定より利用率が低くなったというふうにも考えてございます。また、規制区域化による放置防止指導、それから、放置自転車の撤去などを実施いたしました結果、徒歩圏内の方の自転車利用の自粛などによりまして、自転車乗り入れ台数が減少したとも考えているところでございます。またさらに、地域の傾向としまして、西武新宿線の南側、それから、東京メトロ丸ノ内線沿線は、中央線の利用者が多いなどの要因も影響しているとも考えてございます。

○佐野委員 大切なことは、今後こういった現実を踏まえて、どういうふうなことで解決をしていくかということではないかと思います。利用しやすい自転車駐輪場の整備と自転車利用者への駐車場の周知の工夫を行い、利用率を向上させていくということが大切ではないかなと思いますけども、それについてはいかがでしょうか。

○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) 今後につきましては、自転車駐車ラックの撤去やバリアフリーにすることによりまして、現在増えつつあります親子車や高齢者にも利用しやすい自転車駐車場の整備と、自転車利用者への駐車場利用の周知も工夫を行いまして、効率的な運営を行っていきたいと考えているところでございます。

○佐野委員 今言った基本的な原則とあわせて、私が思うには、少なくとも組織上の問題もあるのではないかなというふうに思っております。例えば予算、駅周辺の駐輪場をつくる場合に、今の鷺宮、それから中野坂上、東中野、杉山、駅周辺に全部つくられたわけですよね。これをつくる場合には、予算は、要するに、都市基盤部で工事を行って、予算をとって、予算に基づいて行う。それから、交通対策担当、今、中井副参事がおっしゃっていたようなことについての意見を当然その場でお出しになっていると思いますけども、そういった総合的な組織プロジェクトといいますか、そういったものを組んで、こういった問題にあたっていかないと、なかなか解決し得ない問題だ、と。地域地域に特性があります。これは一番中井副参事のところの所管が御存じだと思います。しかし、つくる側は、少なくともそういった意見を入れてつくらなければならないと思っております。使い勝手が悪いとか、いろんな問題が出てくると思います。交通対策担当で、でき上がった駐輪場を開設・運営していくというのが現状だと思います。しかし、開設・運営の前からこれに関与して、やっぱりいろいろやっていくべきだと思いますけども、いかがでしょうか。

○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) これまでも私ども、こういった場面では連携をし、整備を進めてきているところでもございます。

○佐野委員 これはやっぱり大切な問題だ、と。組織上の問題もありますし、いろんな問題があると思いますけども、やはり私自身が思うには、そういったことも考えながらやっていかないと、なかなか現場の意見、地域性の意見というのは出にくいし、都市基盤部だけではなかなか物をつくるということについては、得意かもしれませんけども、できにくい問題ではないかなというふうに思っております。そこで、やっぱり一体感というものが必要だというふうに思っているわけですけども、わかりました。じゃあ、一応そういうことで、今の中井副参事に関しての質問はここで終わらせていただきます。

 続いて、駅の北口の駐輪場について移らせていただきます。この中野駅周辺地区の駐輪場については、自民党として、1日目に既に幹事長も質問しておりましたけど、最近、私もちょっと耳が遠くなってきたせいか、なかなか聞き取りづらかったんですね。もう一回、再度御質問をさせていただきますけども、中野駅西口の南北通路や駅上の整備工事を平成28年に着工するために、平成27年中に現在の北口の駐輪場の一部を閉鎖して、工事ヤードの準備工事を行うという、いでい幹事長の質問にありましたけども、その駐輪場はどこへ移設するんでしょうか、それをお聞きしたいと思います。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 工事ヤード整備の際は、現在の中野駅北口中央自転車駐車場と中野駅北口西自転車駐車場につきましては、その一部を囲町付近に仮移転するという方向で検討しているところでございます。

○佐野委員 囲町付近と今お答えでしたが、はっきり聞こえました。囲町付近ということですけども、付近といっても、100メートル、50メートル、いろいろ人によって違うと思うんですけども、付近だけではなかなか自民党としてお答えがわからないということでありますので、できましたらその場所を特定が今現在あるんだったら、お聞かせいただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) もう少し具体的にという御質問でございました。これにつきましては、あくまで現在検討段階であるということをお断りした上でお答えいたしたいと思います。現在、清掃車庫の西側、鉄道に面した場所に中野駅自転車保管場所というものがございます。これは撤去した放置自転車を一時保管する施設ということでございます。この場所と、さらに、西側に隣接している材木倉庫、これらを含めて、仮設の自転車駐車場として使えないだろうかということについて、まさに先ほど御質問にあったとおり、関連部署とも連携をとりつつ、その活用の可能性について現在協議・検討を進めているところでございます。

○佐野委員 そうしますと、今あるJRのそばの違法駐輪自転車の保管をしているところの隣にある木材置き場というんですか、あそこ。そこを今、検討しているということでよろしいんでしょうか。もう一回確認します。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 放置自転車を一時保管する場所は中野自転車保管場所という言い方をしてございます。

○佐野委員 言い方はいろいろあるにしても、その保管場所の隣を今考えているということですか。そこも含めて一緒に考えているということですか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) その可能性も含めて、候補地として現在、協議・検討させていただいております。

○内川委員長 佐野れいじ委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。

午後258休憩

 

午後3時20分開議

○内川委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 佐野れいじ委員、質疑をどうぞ。

○佐野委員 休憩前に引き続いて質疑を行わせていただきたいと思います。

 先ほど御回答の中に、新東京木材の中野市場というお話がございました。検討中であるというお話でしたけども、この辺に駐輪場を持っていくということでよろしいんでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 先ほど答弁の冒頭にもお答えしたとおり、今、これにつきましては、内部で検討といいますか、研究段階でございます。その土地が使えるかどうかについての検討を内部でしているというところでございますので、まだここに移転するということが決まったわけではございません。

○佐野委員 研究段階、検討段階。これは研究にしても検討にしても、この委員会で出されるということは、委員会で、所管の委員会、例えば中野駅周辺の、それから、建設委員会ですか、こういった問題の委員会には報告をしているんでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) この具体的な位置については、まだ報告してございません。

○佐野委員 ということは、あれですか、今、検討中であるということで所管のほうからお話があった、そういうふうに理解してよろしいわけでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) はい。委員おっしゃるとおりでございます。

○佐野委員 検討中にしても、この委員会で出されるということは、そういう地名を挙げて正式に出されるということは、議事録に残るということですから、そうすると、区民の皆さんは、そういった観点での検討を今しているんだなとお思いになるし、もう一つ聞きたいのは、ここの町会、囲町町会かどこの町会か知りませんけども、この町会長、町会の役員のほうにはお話は行っているんでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) あくまで内部での研究段階でございますので、町会長さん等にはまだそのようなことは申してございません。

○佐野委員 内部での検討段階だから、今の段階では、そういった公のところにはお話ししていないということでしょうけども、少なくともここで公ですよね。そういうことは、もうある程度広まっていってしまう可能性があるので。検討中であるということは十分理解しますので、その辺は、だから、建設委員会なり、所管の委員会について、いつごろどういう形で発表されるんでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 検討の結果、その可能性について、使える可能性があるという判断がつきましたら、そのような計画で検討しているという報告をさせていただきたいと思います。

○佐野委員 わかりました。いずれにしても、検討段階であるということを踏まえて、今後、その検討に向かって努力をしていただくということが大切ではないかなと思います。

 それからもう一つ、最終的な完成はずっと以後になると思いますけども、その間、要するに、待ったなしで駐輪場というのは必要になると思いますけども、その辺の最終的な完成は、たしか委員会のほうで平成36年と私お聞きしていますけども、36年までの間、結局これから10年間以上たつわけですけども、最後、整備まで終わって完成。それまでの間はどのように考えているんでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 将来的にも中野駅周辺地区全体では、現在と変わらない駐車台数を確保していくという考え方でございます。その位置は、先ほども別の答弁でありましたように、駅から一定の距離離れたところに分散配置していくという方針でございます。最終的な完成は平成38年以降と考えておりますけども、可能な箇所から早期に本設の整備を実施していきたいというように考えてございます。完成までの途中の期間につきましては、事業中の地区との公民連携といいますか、事業中の地区において仮設の自転車駐車場を確保するなど、整備期間中におきましても、地区全体の駐輪台数は変動しないような移転計画を立てていきたいというように考えてございます

○佐野委員 可能な限り今期の配置は早期に考えていきたいというお話でしたけども、待ったなしですよね。要するに、36年まではとても待てないわけですし。そうすると、今あたっているというところは幾つかおありになると思うんですけど、検討されているの、その辺のことの準備というのは進めておられるんでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 例えば候補地区としましては、囲町の再開発地区、中野二丁目、中野三丁目など、そういった事業所の地区におきましても、仮設で自転車が置けるような場所があれば、今後協議しつつ、そこに置けるような形で検討していきたいというふうに考えてございます。

○佐野委員 ありがとうございました。この問題については、非常に皆さんも関心が高いし、また、駐輪という問題については非常に大きな問題でもありますので、ぜひいろいろな解決策を見つけていっていただきたいと思います。検討中だということでございますけども、その検討の夢に向かって、ぜひ実現を図っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 次に、質問項目が1点ありまして、外国人の生活保護についてお伺いをさせていただきます。

 この問題につきましては、実質収支比率が91%というふうに非常に高くなってきている。そしてまた、義務的経費は56.7%と高くなってきている現状を踏まえると、その要因の一つとして、扶助費の増加ということが挙げられると思うんです。しかし、地方自治体、この4分の1の金額でありますので、大したことはないとお思いになるかもしれませんけども、年々これが上がっていっているというところに大きな問題があると思います。

 そういう意味で、その中で今、人口が31万6,315人ということで、登録されている人口、中野区ですね。基本台帳に登録されているのが、9月1日現在でそういうことだということです。外国人の人数は、とお聞きしましたら、1万1,755人が登録されていると。これだけ多くの方が区内で生活されていると、当然、生活保護を受けられたり、生活に困窮する外国人も多いと思われますけども、日本人だけでなく外国人も生活に困窮している場合に、生活保護を受けることができるんでしょうか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 外国人の生活保護受給についてですが、生活に困窮する外国人に対しましては、一般国民に対する生活保護の決定・実施の取り扱いに準じまして、必要な保護を措置として行うことができるものでございます。

○佐野委員 今、措置として受けることができるというふうにおっしゃいましたけど、その措置ということについて御説明をしていただけますか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 外国人に対して生活保護の措置を行う根拠でございますが、これは昭和29年5月8日付の「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」という厚生省社会局長の通知の中におきまして、特別永住者等に対して当分の間必要な保護を行うとされているものでございます。

○佐野委員 金額的にはどういう金額になっておりますでしょうか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 外国人の方に対する生活保護費ですが、こちら、平成23年度におきましては約3億2,000万円、平成24年度におきましては約2億9,000万円、平成25年度におきましては約4億4,000万円でございます。

○佐野委員 24年と25年度になると急に増えておりますけども、何か要因というのはあるんでしょうか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 外国人の方に対する生活保護の措置ですけれども、基本的には日本人の方と同じ仕組みの中で保護の必要性を判断しておりますので、その必要性があると判断された方がいたということであると考えております。

○佐野委員 そうしますと、この措置ということの表現がなされた日にち、それから、どこで国としてお出しになっているか、ちょっとお聞きしたいと思いますけど。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 措置についての通知が出された日付ですけれども、昭和29年5月8日であります。この通知を出しましたのは当時の厚生省でございます。

○佐野委員 29年の措置という表現に従って、地方自治体は今でもこういうことをお出しになっている。別に出すことが悪いとかいいとか言っているわけじゃなくて、実態としてどういうことか知りたいものですから。29年に、措置について、厚生省の局長通知で出されたと。要するに、生活保護法ではないということなんでしょうか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 生活保護法ではなく、厚生省の出した局長通知でございます。

○佐野委員 そうすると、29年から今、60年近くたっていると思うんですけども、これは29年の戦後の混乱のときに出されたものがそのまま守られてきていると。これに従って地方自治体がお出しになっていると、そういうことでしょうか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 省庁の通知につきましては、それが廃止されない限り、効力を失うことはございませんので、この通知に基づいて行っているものでございます。

○佐野委員 内容的には今、日本人が生活保護を受けているものと同じだと言いますけど、チェックとか、あるいはそういう提出用紙だとか、そういうものも全く生活保護法と同じものの内容でございましょうか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 生活に困窮する外国人の方が保護を受けようとする場合は、在留カード等に記載されている住所地を管轄する実施機関に対しまして、在留カード等と一緒に必要な書類を提出していただくことになっております。チェック体制につきましては、書類の審査、訪問等、日本人と同じように行っております。

○佐野委員 在留カードに証明をされていれば、その外国人は生活保護で受けられるという基本原則がまずあるということですね。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 在留カードに該当の外国人の方の居住地、住所地が記載されていますので、そこを管轄する実施機関に対して申請をしていただく、そういう取り扱いになっております。

○佐野委員 わかりました。非常にこれ、大切なことだと思います。居住地が中野区内であって、外国人の在留カードというんですか、それに登録されていれば、あるいは条件を満たしていれば、生活保護を受けられる、そういうことでよろしいんでしょうか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 御指摘のとおりでございます。

○佐野委員 わかりました。

 それから、もう一つ伺いたいんですけども、この永住外国人が生活保護の対象であるかどうかということが争われた訴訟がこの7月か何かに最高裁で判決が下されたと聞きますけど、どのような内容だったのか、お答えをいただきたいと思います。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 外国人に対する生活保護法の適用に関する裁判でございますが、ことしの7月の判例がありまして、その中で、最高裁判所は、生活保護法は、その適用の対象を国民と規定しており、外国人は行政措置による保護の対象となり得るにとどまり、生活保護法に基づく受給権を有しないとの判断を示したものでございます。

○佐野委員 そうすると、もう一回確認しますけども、外国人の在留カードをお持ちの方は、生活保護法ではなくて、29年に出された措置によって今支給をされている。生活保護法ではないということですね。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 外国人の方に対しましては、生活保護法に基づく法的な受給権というものは普通ございません。行政措置によって保護の対象となっているものでございます。

○佐野委員 わかりました。いずれにしても、こういった問題というのは非常にまたデリケートでありますし、非常に皆さんわかりづらい問題だと思うんです。それで、私が驚いたのは、昭和29年に出てきた厚生省の指示に基づき、これは一地方自治体の問題ではないと思いますけども、そこでやられているということ自体が、生まれていない方もかなりいらっしゃると思うので、非常にびっくりした次第なんですけども、そういったことの根拠に従って、中野区としてお出しになっているということも初めてわかりました。いずれにしても、外国人に関して、その必要性に鑑み、今後も適切に支給していかなければならないというふうに思っております。ぜひ十分な、今後検討を行いながら対応を図っていっていただきたいと思いますけども、――――(発言取り消し)―――― ちょっとそれにもお答えいただきたいと思いますけども。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 外国人の方に対する生活保護については、裁判でも争われているところでございますが、生活保護制度自体が、憲法25条の生存権を根拠に認められている制度でございます。この制度を所管しているのが厚生労働省でございますので、厚生労働省の通知に従って今後も行っていくということが適切だろうと考えております。

○佐野委員 適切だろうということは非常に難しいと思うんですけれども、いろんな今問題点があるかと思います。その問題点について、ちょっとすみません、御答弁いただければと思います。

○鈴木健康福祉部副参事(生活保護担当) 外国人の方に対する生活保護にとどまらず、社会保障制度もどういったものにするのかということに対する御意見はさまざまあると思います。ただ、今、御質問の中でもありましたように、生活保護制度自体が国の制度でございますので、一自治体としてやれることはなかなか限りがあるのかなと考えております。

○佐野委員 ありがとうございました。非常にわかりやすい御答弁をいただいたと思います。自分としても今後、この問題につきましては注意を払いながら、生活保護費についての検討の一つの素材として考えていかなければならないなというふうに思っております。そういう意味で、非常に勉強になりましたので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

 以上で私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○内川委員長 以上で佐野れいじ委員の質疑を終了します。

 次に、ひぐち和正委員、質疑をどうぞ。

○ひぐち委員 本日の最後の自民党3番バッターとして質疑のほうをさせていただきます。

 中野区内の商工業経済政策について伺います。

 初めに、中野区産業振興の融資あっせんについてです。

 中野区内の商工業事業者は、日本の経済指標が上がったとはいえ、商店あるいは中小企業事業者には、まだ経済状況は厳しい状況と思います。もしも商店街の経済状況がよくなれば、そこに人が集まり、まちに元気が出て、人が集まることでみんなの目、商店の目となり、いろいろの人の目がまちの安全を助けると思います。例えば子どもを犯罪から守る、お年寄りの見守りや救済、火災などの事故の早期発見などがあります。そして、商店街に街路灯の設置や防犯カメラの設置で、さらに充実した安全を確保することができると思います。何よりも人と人との触れ合いの場となって、地域の心豊かなコミュニティができて、誰もが安心して暮らせるまちづくりが保たれると思います。

 そこで、まちの安心・安全をつかさどる事業者が維持継続するために、予期できなかった突然の出費や、新しく事業を展開して事業を立ち上げるための資金、あるいは時代に沿った創造の世界を広めるなどの事業者の融資には、国や都の融資の窓口があります。そこで質問ですが、中野区でも、中野区産業経済融資の資金支援がありますが、どんな種類と、それぞれどんな特徴があるか、お答えください。

○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 区の産業経済融資の主なものとしましては、大きく分けて、一般融資、特別融資、創業融資の三つがございます。一般融資には、中小企業が区から年利0.6%分の利子補給を受けまして、設備資金や運転資金を借り入れる事業資金と、小規模企業者が区から年利1.1%分の利子補給を受けて、より有利に資金を借り入れる小規模企業特例資金がございます。特別融資には、ICTコンテンツ関連事業者及びライフサポート関連事業を実施する事業者が区から年利1.5%分の利子補給を受けて、さらに有利に資金を借り入れるICTコンテンツ事業者支援資金とライフサポート事業支援資金がございます。創業融資には、中野区内でこれから創業する事業者、または創業して1年未満の事業者が区から年利1.5%分の利子補給を受けて、さらに有利に資金を借り入れる創業支援資金がございます。

○ひぐち委員 それで、現在、どのくらいの数の事業者がその融資を申し込んでいるのか、お聞かせください。

○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 平成25年度に申し込みを受け、区が金融機関に融資あっせんした件数は723件でございます。

○ひぐち委員 それから、各貸付限度額は、創業支援資金の1,000万、小規模企業特例資金の1,250万、事業資金の3,000万とありますが、どのくらいの融資をしているのか、それぞれの額をお聞かせください。

○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 平成25年度の創業支援資金、これは限度額1,000万円でございますが、これの貸付総額は約9,500万円でございます。小規模企業特例資金、これは限度額1,250万円でございますが、貸付総額が約8億1,700万円でございます。事業資金、これは限度額3,000万円のものでございますが、貸付総額が約22億6,800万円でございます。

○ひぐち委員 それから、それぞれの資金の融資の割合はどのぐらいになりますか。

○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 先ほど御説明した順番で申し上げますと、創業支援資金は全体の約2.6%でございます。小規模企業特例資金は全体の約22.8%、事業資金につきましては全体の約63.2%でございます。

○ひぐち委員 それから、借入金額なんですが、どこまで借り入れているのか、それぞれの金額を教えてください。

○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 創業支援資金につきましては、最少で20万円程度から最高では限度額いっぱいの1,000万円までございます。それから、小規模企業特例資金につきましては、やはり最少で20万円程度から、限度額いっぱいの1,250万円。それから、事業資金につきましても、最少で20万円程度から、限度額いっぱいの3,000万円までの借り入れがございます。

○ひぐち委員 今お聞きした割合から推測できることは、一般資金の借り入れが多いことは、既存の事業者が多分、人件費や原材料の上昇、自然消耗の修繕など、突然の出費で融資を必要として、これらの事業者が存続を求め、会社の従業員やその家族を守るために融資を受けているんだと思いますし、特別融資が多ければ、インターネット、芸術などの産業に寄与していくと思いますし、創業融資であれば、中野区内で新たな事業を展開するための支援になるというふうに考えております。

 それで、私が思うには、今の割合をお聞きしまして、ICTコンテンツ、ライフサポートや創業支援の融資が非常に少ないのはどうしてなのか、それと、大学との連携ができているのか、非常に心配です。事業者への窓口が狭いのではないか、それから、宣伝が行き渡っていないんじゃないか、あるいはほかの融資に今回の融資がちょっと差をつけられているんじゃないかというふうに思うんですが、この辺はどういうふうにお考えでしょうか。

○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) まず、今お話にありました特別融資でございます。特別融資のうち、ICTコンテンツ事業者支援資金につきましては、対象となる事業者を特定しておりますため、一般の融資と比較すると件数は少ない状況でございますが、例年30件前後と一定の利用がされている状況でございます。創業支援資金の実行件数につきましても、平成24年度の19件が25年度は22件と増加している状況でございます。特別融資のうち、ライフサポート事業支援資金につきましては、25年度が初年度でございまして、対象となる事業と業種を細かく特定して募集しておりましたが、利用者にとって対象となるかどうかがわかりにくかったと思われるため、見直しを行いまして、今年度からは業種の特定を廃止しまして、個別に判断することとしております。いずれの融資につきましても、必要とする事業者にとって利用しやすくなるように、今後とも周知を図ってまいりたいと考えております。

○ひぐち委員 ぜひ、借り入れの上昇が見受けられるということで、これからも中小企業事業者に対して宣伝、広告、そして、融資しやすい環境にしていただきたいと思います。

 それから、金利の件で御質問したいんですが、今の融資の件で、元金均等返済、証書貸し付けで取り扱い金融機関契約利率は1.9%となっています。そこで、この融資を利用すると、事業資金では、先ほど説明いただきましたけれども、本人負担は1.3%、区の負担率は0.6%、創業支援では、本人負担は0.4%で、区の負担は年利1.5%となっています。区内で企業を賄う業者にとって、この金利で利用することは大いに助かっております。しかし、問題がありまして、中野区の融資あっせんを申し込み、そのあっせん状を融資先の銀行に持ち込むと、信用保証協会の保証をとる必要があると言われるんですね。その信用保証協会は、融資銀行以外に保証をとるのに手数料がかかります。せっかく低利の金利でありながら、その手数料を払うと、一般の銀行金利より高い金利になる場合があって、10年返済の場合は保証料が5%ぐらいになるのではないか、この手数料の部分の説明をお願いします。

○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) ただいまお話のありました信用保証の関係でございますが、この制度は、中小企業が金融機関に融資を申し込む際に、信用保証協会が公的な保証人となって融資を受けやすくする制度でございます。この制度は、万一借り主が倒産しても、信用保証協会が借り主にかわって金融機関に立て替え払いをするものでございまして、この保証を受けるための料金が信用保証料でございます。信用保証料の料率は、借入額や担保の有無、借り主の信用力などによって区分が異なってまいります。このため、区の融資あっせんを利用せずに、金融機関に融資を申し込んだ場合でも、借り主の信用力によっては、信用保証協会の保証が必要となり、利子とは別に信用保証料の支払いが必要となる場合がございます。

○ひぐち委員 今の説明のとおりでしょうけれども、中野区は、円滑な資金の調達を低利な融資利用ができるとうたっています。場合によっては一般の銀行や信金のほうが低利の場合があり、それでは低利とは言えないんじゃないかなというふうに思います。そこで、他区を見ますと、既に23区中17区が、信用保証協会の手数料を負担している区があります。中野区ではどういうふうに考えているでしょうか、お答えください。

○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 中野区におきましても、かつて一部の融資におきまして、信用保証料の補助を行っておりましたが、利用者による申請など手続の簡素化を図るため、これを廃止し、かわって利子の本人負担利率を引き下げたという状況でございます。一般的に、金融機関で資金を借り入れる場合は、事業者の信用力によって適用される利率が異なってまいります。したがって、会社の信用力が高い場合には、区の融資あっせんよりも低利の資金を金融機関から調達できる事業者もあると思われます。しかし、中野区内には比較的小規模な事業者が多く、信用力が高くない事業者が区の融資あっせんを利用せずに一般の金融機関の融資を受ける場合、結果として区の融資あっせんよりも利子の自己負担が多く、信用保証協会の保証料も必要となる場合もあることが考えられます。今後も区内事業者の状況などを勘案し、支援のあり方などを総合的に研究してまいりたいと考えております。

○ひぐち委員 ぜひ、中野区の商工業の経済に手厚い融資の方法を考慮していただきたいと思います。

 続きまして、商店街の活性化についてお聞きします。

 以前、中野区は緊急経済対策としてプレミアム商品券の発行がありました。この商品券によって、買い物を控えていた人も、このチャンスに欲しかったものを購入しよう、売る側の店舗も、これを機会に独自のサービスを考えられるきっかけになるというふうに思っております。そして、子育て中の世代や高齢者の方には、そのプレミアム商品券を優先的に取得してもらい、その用途に必要なものを購入してもらえれば、子育てにも高齢者にも手厚い助成になると確信しています。日本の経済そのものは、一部には明るい兆しが見えてきたと言われますが、まだまだ中小零細商業事業者まで届いているとは言えません。低迷している中野区の商店が、これを起爆剤として相乗効果となり、回りめぐって商店街全体の活性化になると思います。

 そこで質問ですが、プレミアム商品券の発行に前向きに取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) プレミアム商品券でございますが、平成21年度の発行でございますけれども、商品の額面を超えました消費行動といったものでございますとか、そういった即効性ある経済効果、一方で、商店街のPRといったような一定の事業効果があったものと認識してございます。その一方で、利用可能な店舗数でございますとか、販売契約の手法、それから、販売場所の拡大といったような課題も指摘があったところでございます。商業活性化の取り組みの今後の展開を全体的に考えていく中で、研究をしていきたいと考えてございます。

○ひぐち委員 それから、中野区内共通のなかのハート商品券が発行開始から25年以上経過しているそうです。しかし、この商品券は信用金庫の処理方法が悪く、商店には不評ですが、換金方法はどのようになっているのでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 換金方法等でございます。加盟店でございますが、受け取った商品券を開設口座のある区内信用金庫に換金申込書を添えて提出いたしますと、入金されることとなってございます。信用金庫では、発行主体である区振連、中野区商店街振興組合連合会の口座より各加盟店の口座へ振り込みすることで、換金手続きを行ってございます。なお、信用金庫では、この業務に伴います手数料は取っていないところでございます。また、区振連では、一定期間ごとに各信用金庫の店舗を巡回いたしまして、信用金庫が換金した共通商品券を回収しているといったような仕組みになってございます。

○ひぐち委員 今のお話で、換金方法の簡素化がもっとできないものなのか、この辺の考え方というのはありませんでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 個店におきましては、1枚、2枚といった少量でもみずから信用金庫に出向かなくてはならないといったような、換金の手間が煩雑と聞いているところでございます。事務処理の合理化でございますとか、商品券全体の流通量の増加といったような、事業主体である区振連や区商連の取り組みにつきまして、情報提供でございますとか、区商連への事業補助などを通じて、適切に支援をしていると考えてございます。

○ひぐち委員 使う人の話だと、もらっても使えるところが少ない、商店街によっては商品券が使えないところがある。これについては、中野区商店連合会に加入すれば、商品券が中野区全体に行き渡るように、加入促進事業の支援も必要だと思いますが、いかがお考えですか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 中野区商店街連合会におきましては、商店向けの手引書の作成・配布などによります加入促進活動のほか、毎年度、中元・歳末の売り出しイベントの景品として、希望する商店会へ共通商品券を配布するなど、区内全域にわたりまして取り扱い店舗や流通量をふやす取り組みも行っていると聞いてございます。区としても、そのような取り組みを支援するために、商店会加入促進事業でございますとか、区商連への事業補助、さらに、イベントに対する補助金などを通じまして、適切に支援をしていると考えてございます。

○ひぐち委員 それから、中野駅周辺だけがにぎわっていると思われないように、地域格差が生じないように、政策として取り組むべき大切な支援と考えますが、どんなふうに考えておりますか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 中野駅周辺の再開発を一つの牽引役としながらも、それぞれの商店街の立地特性を踏まえました支援策、こういったものを東京都や国の制度の活用も図りつつ講じていくといったところで、さらに都市観光事業との連携、こういったものを図りながら、区内全域が活性化するように図っていきたいと考えてございます。

○ひぐち委員 2020年のオリンピック・パラリンピックが東京に来ます。まちの活性化は欠かせない事業だと思いますが、この辺のオリンピックの絡みではどういうふうに考えているでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) まちの活性化といった観点で、地域コミュニティの核となっております商店街の役割は大きいものと考えているところでございます。オリンピック・パラリンピックに向けまして、良好な地域商業環境の形成に向けました支援を図っていきたいと考えてございます。

○ひぐち委員 それから、商店街などが行うイベント事業や販売促進事業について質問します。「新・元気を出せ!商店街事業」は、地域の交流拠点としてのにぎわいと活力ある商店街づくりを支援するために、区内の商店街が行うイベント事業、また、街路灯設置、ホームページ作成、ポイントカード導入などの活性化事業に対して支援を行いますとしています。その内容を説明してください。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) まず、イベント事業でございます。商店会等が行います、七夕、盆踊り、クリスマス等の季節のイベントでございますとか、交通安全キャンペーンと、さまざまなイベントが対象になる補助金でございまして、東京都と区の合計補助率は事業の経費の3分の2でございまして、限度額が300万。それから、1商店会につきまして、年度内で2事業まで、それから、複数商店街によります共同といったようなイベントにつきましては、さらに1事業の追加が認められるところでございます。一方で、活性化事業でございますけれども、商店会等が行います街路灯、アーチ、アーケード等の施設を整備する事業、それから、ホームページの作成といったような事業に対する補助でございます。こちらにつきましては、都と区の合計補助率は3分の2、補助限度額は5,000万円、事業数の制限はないものとなってございます。

○ひぐち委員 商店街の方に話を聞くと、イベントの助成を申請すると、手続に時間がかかり、お中元や年末のイベントに間に合わない、手続を簡素化してほしいと、また、一般質問で木村議員のほうからも質問がありました。さらに考慮して、申し込みをしてからの時間がかかる分だけ早く申し込みができるように指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 「新・元気を出せ!商店街事業」のイベント助成でございますが、特に事業実施後の補助対象経費等の審査、こういったところにおきまして、対象額の決定に東京都の判断が必要になる場合もございます。こうした場合においては、さらに商店街に追加書類の提出を求めるケースもありまして、期間が長くなる案件も一部生じてございます。今後は、商店会等の事前協議、こういったものを強化いたしますとともに、スムーズな審査が図れるように、東京都の連絡調整をさらに緊密にいたしまして、事務処理の迅速化を図っていきたいと考えてございます。

○ひぐち委員 それから、助成が東京都とつながっていて、中野区だけは、今お話があったんでしょうけれども、助成ができないと聞いたことがあるんですが、東京都の資金支援を当てにして支援をしたものの、達成ができないまま途中で助成が受けられないという話がありました。東京都との連動がなくても、中野区の独自として助成はできないものなのか、お答えください。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 商店街の街路灯の電灯料助成といったような、区単独で補助を行っている事業もございます。一方で、「新・元気を出せ!商店街事業」でございますが、都としての補助制度、融資でございまして、限られた財源の中で、より多くの商店街の皆様に御活用いただきますよう、都との共同事業として進めていく必要があるものと考えてございます。

○ひぐち委員 最後に、中野区内の中小企業事業者が活性化できれば、やがては中野区にその資金が還元して戻ってくると思います。さらなる支援をしていただくよう思います。

 以上で中野区内の商工業の経済政策についての質問を終わります。

 続いて、南中野地域における区の施設について伺います。

 南中野に多くの施設計画があることは、地域の区民も私自身も期待し、感謝しております。ただ、これから建設される施設は、今まで南部地域にあった南部公会堂の集会施設や、青年の集う南部青年館、子どもたちが遊園地のように遊べた南部児童館があったり、また、地域生涯学習館の廃止などもありました。公園も、今まで大きな公園がありませんでしたし、野球場もサッカー場もなかった地域です。そこで、期待と切実な思いから、これから新設される区の施設について、確認のためにお聞きいたします。

 まず、南部すこやか福祉センターについてです。現在、埋蔵文化財の調査があり、私も9月6日に開催した中野富士見台遺跡見学会に参加させていただきました。富士見中学校の場所に縄文土器や矢じり、茶碗のかけら、井戸などが発掘されて、約400年前、この場所は人の生活の跡とのことでした。歴史をさかのぼって地域の様子をうかがうことができて、地域にとても大切な発掘だと思います。そこで、南部すこやか福祉センターは、その後の計画はどのようになるのでしょうか。予定どおり28年度に完成できるのでしょうか、お答えください。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 南部すこやか福祉センターは、地域スポーツ施設、地域事務所と併設の施設となりますが、この整備状況ですが、現在、埋蔵文化財調査の現地調査が終了しておりまして、来月、10月には建設工事に着手することとしております。予定どおり、平成28年度に開設する予定でございます。

○ひぐち委員 続いて、特別養護老人ホームについて質問します。すこやか福祉センターに併設する特別養護老人ホームについて、平成23年10月の富士見中学校跡地施設整備に関する基本方針以来、その後どのような工程になっているのか、お尋ねします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 南部すこやか福祉センター予定地の隣に整備する特別養護老人ホームにつきましては、用地を事業者に貸し付け、事業者が整備する方向で進めております。平成25年8月、整備運営事業者に社会福祉法人武蔵野療園を選定いたしました。平成25年10月3日には区と事業者の合同により周辺住民説明会を開催し、区からは事業者選定の経緯を説明し、事業者からは、定員が68名、施設の名称としては「ハピネスホーム・ひなぎくの丘」を予定しているなど、施設の概要について説明されました。今後の予定は、平成27年2月に、工事について周辺住民説明会を開催し、3月に着工、平成28年6月に開設の予定でございます。

○ひぐち委員 続いて、南中野区民活動センターについてです。完成は27年度から、開設予定は計画どおりですか。28年度におくれているようですが、予定はどうなっているでしょうか。

○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 南中野区民活動センターにつきましては、障害児支援施設と併設となる施設でございますが、ここの整備につきましては、南台五丁目に建設中の民間保育園の整備がおくれたため、建設工事の着工時期が変更となりました。そのため、当初の開設予定でありました平成28年6月から3カ月おくれ、28年9月の開設予定に変更しています。現在、民間保育園の建設工事は順調に進められておりまして、南中野区民活動センターにつきましては、平成28年9月の開設を予定しているところでございます。

○ひぐち委員 また、(仮称)南台五丁目保育園についてですが、完成は来年、27年4月開園となっていますが、少しおくれぎみと聞いているんですが、予定どおりの開園になるんでしょうか。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) (仮称)南台五丁目保育園の建設工事でございますが、順調に進んでおりまして、計画どおり、平成27年4月に完成する予定となってございます。

○ひぐち委員 そこでいろいろと質問させてもらいましたのは、南中野地域における区の施設建設におくれが出てくると、懸念されることがありまして、地域の防災まちづくりを見たりすると、南台一、二丁目の防災まちづくりは、スタートしてから既に15年が経過しています。若林委員の一般質問の答弁があったように、避難路である地区施設道路の整備は、いまだ開通しない道路など約6割にとどまっているという現実もあります。そして、市川委員からも質問がありましたが、弥生町三丁目の不燃化10年プロジェクトとしてもスタートして、平成32年度までに目標の不燃化率70%の達成ができるか、心配になってきます。このようなことから、施設建設や防災まちづくりの状況は、地域の方々の生活にも影響を及ぼすと考えられますが、特に施設建設については、これから28年度に神明小学校、新山小学校、多田小学校の小・中学校統合による学校編成も重複していることが、工事の完成予定のおくれが危惧されて、心配しています。そこら辺はしっかりと考えて、工事は予定どおり進めていただきたいのですが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 施設計画のスケジュールにつきましては、全庁で調整を進めて実施しているところでございまして、おくれることのないように進めてまいるというふうに考えてございます。

○ひぐち委員 ただ、ぜひとも予定どおり計画をしていただかないと、先ほど私が質問したとおり、神明小、新山小、多田小の編成計画がまた重複して、ドタバタ劇になっちゃうんじゃないかなって、そういうふうな感じになります。

 それから、地域の方々が今後施設を利用するにも、どんなものができて、どんなふうに利用していいのか、使い方の組み立てができないのかなというふうに話を伺います。例えば今まで富士見中学校の体育館を利用していた子どもたちの育成者の方々、あるいは卓球や剣道、また、開所したときには野外スポーツのテニスの場所を使わせていただけないか、柔道は使えないのか、生涯学習館の廃止でいろいろなサークル活動の場所はどうなっちゃったのか。それから、南部防災公園は、公式なサッカーができないんじゃないか、フットボールだけしかできないんじゃないか。それから、本町五丁目防災公園についても、野球場というよりもティーボールのような簡易な野球場しかできないんじゃないかとか、それから、いつか特養ホームが利用できるのかと期待を持っているお年寄りもいます。計画のおくれによって、さまざまな臆測や不信感が起こり得る可能性を秘めていることは否めないと思いますし、南中野の実情を考えると、待ったなしのことだと思います。

 そこで、この計画を成功させるために、持続可能な計画はもとより、スピード感を持ってお願いしたいと思いますし、このような臆測や不信感を払拭するために、何か講ずる手だてはないものかと思いますが、お聞かせください。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 計画の実施に当たりましては、それぞれの所管等でございますが、調整を十分に行いまして、スケジュール的に行える、実現可能なスケジュールとして、全庁で調整をしていくということが大切だろうというふうに考えております。

○ひぐち委員 ぜひとも今後の開設に向かって、計画どおり進むことをお願いいたします。

 続いて、中野区の外国人支援について伺います。

 日本は世界一安全な国と言われます。それは国民の持っている誠実さと優しさ、国の防犯力が備わっているからだと思います。だからこそ、日本に人種を問わず訪れる外国人が多いのではないかと思います。中野区の外国人人数は平成26年9月1日現在で1万1,678名で、東京都の外国人比率番付で14位であり、中野区民の約3%を占めています。ちなみに、1位は新宿、2位は江戸川区です。外国人の登録人口は前年度から994名の増加で、これからオリンピック・パラリンピックの開催に近づくにつれて、ますます増加の傾向になると思われます。

 このような中、中野区役所で行政書士会が行った無料相談会では、日本の手続が外国の手続と異なるため、理解しにくく、外国人に対して手厚い指導をしなければわからないということでありました。そこで質問ですが、外国人が中野で暮らすために、区の窓口で外国人に対してさまざまな相談が受けられるよう、体制をつくっていくことが必要であると思いますが、いかがでしょうか、お尋ねします。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 外国人を対象にした専門窓口を新たに設置するということは、経費的には難しいところでございますが、今後、区の窓口における外国人対応を向上させていくということは大変必要であるというふうに考えてございます。

○ひぐち委員 わかりました。また、中野に暮らす外国人だけでなく、来街者から、会議や視察などで海外から来日して、どんな書類を用意したらよいのか、ビザさえあれば来日する上で支障はないのかといった質問があるそうです。ビジネスや観光で来街する外国人への支援を区としてどのように考えているのか、お伺いします。

○酒井政策室副参事(広報担当) 外国人がビジネスや観光で中野に来街する前に、必要な情報を得られるようにすることは必要であると考えています。英語版ホームページの開設やガイドマップなどの外国人観光客に役立つ情報、その他の英語版サイトのリンク集の作成などを検討したいと思います。

○ひぐち委員 そして、外国人観光客が訪れる人気の場所の第1位は新宿、2位が大阪、3位が京都、4位が銀座、5位が渋谷です。中野のランキングはわかりません。中野ブロードウェイやサンプラザ、四季の森公園があって、多くの旅行者には人気のスポットのところもあります。新宿の繁華街の店舗では、外国のガイドブックに載っておりまして、7割から8割が外国人のお店もあるそうです。そして、東京都では、海外からの旅行者の皆様に東京の魅力をより一層伝えるため、東京都観光ボランティアによるガイドサービスを行っています。英語、ハングル語、中国語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語のガイドが、東京の魅力あるスポットへ、都庁の観光情報センターを拠点に案内し、観光スポットは10ルートあるそうです。オリンピック・パラリンピックは世界の平和の祭典であり、世界に貢献できる歴史的な時を刻むことでもあります。

 そこで質問ですが、中野区もオリンピック・パラリンピックに合わせて国際化を図るために、ガイドブックを作成し、中野の観光スポットの紹介をしたり、東京都のように、観光スポットのルートを作成し、外国人のためのガイドサービスを計画してはいかがと思いますが、御見解をお聞かせください。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 都市観光ビジョン推進に係ります観光受け入れ体制の整備の一環といたしまして、今般、中野区都市観光ガイドマップ「びじっと中野」の英語、中国語簡体字、中国語繁体字、韓国語版を作成いたしまして、観光スポットの紹介を始めたところでございます。

 一方、御案内のガイドブックの作成や観光スポットの外国人観光客向けのルート化といったこと、それから、ガイドサービスといったようなことに関しましては、東京都や他の自治体の事例など、そういったものを勘案しつつ、オリンピック・パラリンピックの開催を契機といたしました外国人観光の振興に向けたさまざまな取り組みの中で検討していきたいと考えてございます。

○ひぐち委員 ぜひよろしくお願いします。先に進みます。

 また、中野区が大学を誘致し、国際理解関連の学部や留学生の学生寮が開設され、今後さらに留学生がふえることから、大学と連携し、外国人の支援を考えなければならないと思います。中野区の観光スポットを外国人にわかりやすくするように、外国人に優しく住みやすい環境をつくらなければならないと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 四季の都市(まち)3大学の誘致によりまして、外国人の留学生が増加しておりまして、春の早稲田大学の国際学生寮の開設時におきましては、大学と連携をいたしまして、留学生のオリエンテーションのときに、戸籍事務担当が転入手続の説明会を行ったというところでございます。今後、留学生がさらに増加をしていくと、こういうことが予想されておりますことから、さらに大学と連携をいたしまして、観光スポットの多言語による紹介や、総合防災訓練参加への声かけなど、地域生活を円滑に行えるための支援を行ってまいりたいというふうに考えております。

○ひぐち委員 それで、お願いになるんでしょうけれど、区役所の窓口、体育館やすこやか福祉センターなど、区の施設の案内表示や、JR、西武線、丸ノ内線の駅や周辺の案内板の表示を外国語の表示にできないかと思いますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けまして、外国人観光客、さらに増加をするということから、都は2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会を立ち上げておりまして、官民一体となって、交通機関や道路等におけます案内サインの標準化に取り組むとしておりまして、本年12月ごろには東京都版のガイドラインを策定するというふうに聞いているところでございます。今後、このガイドラインの内容を踏まえまして、区としての取り組みを検討してまいりたいというふうに考えております。

○ひぐち委員 それから、外国人に納税の方法、災害時の避難方法、予防接種、介護保険、福祉、日本語学習、就学ガイドブックの作成など、外国人の権利でなく、義務についてもしっかり案内する必要があると思います。災害時にも区民と同じ避難ができ、健康や福祉でも同じサービスが受けられるようにしていくことも必要であるし、必要に応じて健康のカウンセリングや受け入れ企業の紹介などもサービスが受けられるようにしなければならないと思います。このような相談の窓口や健康のカウンセリングや受け入れ企業の紹介などのことにしても、必要に応じてサービスが受けられるようにしなければならないと思いますが、いかがお考えでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 今後、区がグローバル東京を目指していくというためにも、外国人に対してさまざまな行政対応や相談支援等について充実させていくということが必要であるというふうに考えてございます。東京オリンピック・パラリンピックの開催もございます。それに合わせまして、対応を今後考えていきたいというふうに考えてございます。

○ひぐち委員 さらに、日本に観光や仕事で訪れる外国人でも、ビザなしの国が62カ国にふえ、簡単な審査で日本に訪れることができるようになりました。世界から日本の文化や歴史をもっと知っていただくように、外国人と日本人が活発に交流できる国際交流の場をもっと広げ、サロンなどの場所づくりをしてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 現在、外国人が直接訪れる場といたしましては、中野区国際交流協会がその役割を担っているというところでございます。これまでも外国人の情報交換や各種相談の一時的な窓口として機能しているところでございまして、また、交流イベントなどを実施しているところでございます。国際交流協会のボランティアなど人材や豊富な情報を活用しながら、外国人と日本人の交流の充実を図っていきたいというふうに考えてございます。

○ひぐち委員 最後の質問になると思います。また、新しい中野をつくる10か年計画において、国際交流について、地域社会における国際化の進展での対応を行うとともに、外国人住民が地域の一員として豊かに暮らすことができるよう、生活情報の提供を充実するとともに、国際理解教育などを通じて、互いの文化や生活習慣の違いを理解し、ともに生活していく地域社会づくりを推進するとしています。この実現へのステップとしては、これまでにどのような内容に取り組み、どの程度進捗しているのか、お伺いいたします。いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 外国人の日本語習得につきましては、国際交流協会が日本語ボランティアを毎年育成しておりまして、その活用による日本語学習講座を充実させてきているところでございます。情報の多言語化につきましては、区のホームページの改善で、英語、中国語、韓国語の自動翻訳機能の導入を図ったところでございます。海外の自治体との交流につきましては、2010年11月、新たに大韓民国ソウル特別市陽川区との姉妹都市締結を行いまして、新たな国際交流のチャンスを築いたところでございます。今後、オリンピックの開催等ございます中で、外国人の増加が見込まれるところでございますので、地域での外国人との共生ですとか、あるいは区のグローバル化に向けたハード・ソフトの対応などを進めていく必要があるというふうに考えてございます。

○ひぐち委員 ぜひとも10か年計画のステップを着実に実行されて、推進されるようお願いし、2020年のオリンピック・パラリンピックを契機に、日本の文化や歴史、そして、中野区を知っていただいて、世界との交流を深められるように御尽力をいただければと思います。

 これで私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

○内川委員長 以上で本日の総括質疑を終了します。

 次回の委員会は、9月25日(木曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の決算特別委員会を散会します。

午後4時22分散会