1.平成15年(2003年)12月9日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 いでい 良 輔 2番 伊 東 しんじ
3番 佐 野 れいじ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 たくや
7番 奥 田 けんじ 8番 近 藤 さえ子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 しんご
11番 伊 藤 正 信 12番 きたごう 秀 文
13番 高 橋 ちあき 14番 高 倉 良 生
15番 やながわ 妙 子 16番 平 島 好 人
17番 むとう 有 子 18番 はっとり 幸 子
19番 長 沢 和 彦 20番 か せ 次 郎
21番 山 崎 芳 夫 22番 小 串 まさのり
23番 若 林 ふくぞう 25番 岡 本 いさお
26番 こしみず 敏 明 27番 飯 島 きんいち
28番 佐 伯 利 昭 29番 佐 藤 ひろ子
30番 来 住 和 行 31番 岩 永 しほ子
32番 篠 国 昭 33番 柿 沼 秀 光
34番 伊 藤 岩 男 35番 斉 藤 金 造
36番 大 泉 正 勝 37番 斉 藤 高 輝
38番 江 口 済三郎 39番 藤 本 やすたみ
40番 昆 まさ子 41番 江 田 とおる
42番 池 田 一 雄
1.欠席議員(1名)
24番 市 川 みのる
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 助 役 内 田 司 郎
収 入 役 山 岸 隆 一 教 育 長 沼 口 昌 弘
区 長 室 長 金 野 晃 政策担当課長 鈴 木 由美子
総 務 部 長 石 神 正 義 総 務 課 長 田 辺 裕 子
区 民 部 長 本 橋 一 夫 地域センター部長 柳 澤 一 平
環 境 部 長 寺 部 守 芳 保健福祉部長 菅 野 泰 一
保 健 所 長 清 水 裕 幸 都市整備部長 石 井 正 行
まちづくり調整担当部長 那須井 幸一 教育委員会事務局次長 山 下 清 超
本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 正 木 洋 介 事務局次長 飯 塚 太 郎
議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 黒 田 佳代子
書 記 巣 山 和 孝 書 記 永 田 純 一
書 記 長 崎 武 史 書 記 荒 井 勉
書 記 西 田 健 書 記 岩 浅 英 樹
書 記 鳥 居 誠 書 記 佐 藤 雅 俊
書 記 松 本 桂 治 書 記 吉 田 哲 郎
議事日程(平成15年(2003年)12月9日午後1時開議)
日程第1
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第59号議案
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中野区における平和行政の基本に関する条例の一部を改正する条例
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第60号議案
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中野区用品調達基金条例を廃止する条例
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第61号議案
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中野区公共料金支払基金条例を廃止する条例
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第62号議案
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選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
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第63号議案
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中野区印鑑条例の一部を改正する条例
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第66号議案
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中野区特別工業地区建築条例
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第67号議案
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中野区自転車等放置防止条例の一部を改正する条例
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第70号議案
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中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
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日程第2
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第58号議案
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中野区組織条例の一部を改正する条例
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日程第3
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第64号議案
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中野区保育所条例の一部を改正する条例
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日程第4
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第65号議案
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中野区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
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日程第5
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第71号議案
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中野区議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例
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第72号議案
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中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
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第73号議案
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中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
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日程第6
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議員提出議案第18号
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国立国会図書館に恒久平和調査局の設置を求める意見書
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日程第7
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議員提出議案第19号
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容器包装リサイクル法の改正を求める意見書
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日程第8
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第24号陳情
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中野区女性会館情報コーナーの情報提供機能を充実させることについて
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第41号陳情
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区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(1項)
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第43号陳情
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防災上の観点から区内事業所及び学校等の現状を把握して、地域防災計画に反映させることについて
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第44号陳情
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宮園保育園運営委託について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(1項)
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第45号陳情
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区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(1項)
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日程第9
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第35号陳情
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国民医療の拡充を求める意見書を国に提出することについて
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日程第10
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第41号陳情
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区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(2項)
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第44号陳情
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宮園保育園運営委託について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(2項)
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第45号陳情
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区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(2項)
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日程第11
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第46号陳情
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平成16年4月からの宮園保育園の運営委託の延期と延期期間中における同保育園での産休明け保育の実施について
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追加日程
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第71号議案
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中野区議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例
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第72号議案
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中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
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第73号議案
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中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
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午後1時01分開議
○議長(山崎芳夫) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
これより日程に入ります。
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第59号議案 中野区における平和行政の基本に関する条例の一部を改正する条例
第60号議案 中野区用品調達基金条例を廃止する条例
第61号議案 中野区公共料金支払基金条例を廃止する条例
第62号議案 選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第63号議案 中野区印鑑条例の一部を改正する条例
第66号議案 中野区特別工業地区建築条例
第67号議案 中野区自転車等放置防止条例の一部を改正する条例
第70号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
(委員会報告)
○議長(山崎芳夫) 日程第1、第59号議案から第63号議案まで、第66号議案、第67号議案及び第70号議案の計8件を一括議題に供します。
平成15年(2003年)12月3日
中野区議会議長 殿
総務委員長 平島 好人
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号
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件 名
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決定月日
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第59号
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中野区における平和行政の基本に関する条例の一部を改正する条例
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12月3日
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第60号
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中野区用品調達基金条例を廃止する条例
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12月3日
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第61号
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中野区公共料金支払基金条例を廃止する条例
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12月3日
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第62号
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選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
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12月3日
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第70号
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中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
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12月3日
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平成15年(2003年)12月2日
中野区議会議長 殿
区民委員長 高倉 良生
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号
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件 名
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決定月日
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第63号
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中野区印鑑条例の一部を改正する条例
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12月2日
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平成15年(2003年)12月2日
中野区議会議長 殿
建設委員長 伊東 しんじ
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号
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件 名
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決定月日
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第66号
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中野区特別工業地区建築条例
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12月2日
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第67号
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中野区自転車等放置防止条例の一部を改正する条例
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12月2日
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○議長(山崎芳夫) お諮りいたします。
上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
上程中の議案は委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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第58号議案 中野区組織条例の一部を改正する条例
(委員長報告)
○議長(山崎芳夫) 日程第2、第58号議案、中野区組織条例の一部を改正する条例を議題に供します。
平成15年(2003年)12月3日
中野区議会議長 殿
総務委員長 平島 好人
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号
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件 名
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決定月日
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第58号
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中野区組織条例の一部を改正する条例
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12月3日
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(付帯意見)
○ 当該条例は現行組織を改正することにより、中野区の体制を一変させようとするものである。
よって区民への説明責任を果たすとともに、区民に分かりやすい組織づくり、区民サービスの充実と向上に資するものとなるよう万全を期し、職員においては意識改革を徹底されたい。
○議長(山崎芳夫) 総務委員会の審査の報告を求めます。平島好人総務委員長。
〔平島好人議員登壇〕
○16番(平島好人) ただいま議題に供されました第58号議案、中野区組織条例の一部を改正する条例に関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本議案は、目標と成果による管理に基づく行政運営を実現するとともに、より価値の高い区民サービスを提供することを目的として、事業部制の導入を柱に、組織の再編を行うもので、区民部、地域センター部及び環境部を廃止し、区民生活部及び子ども家庭部を設置するほか、部の編成の変更に伴い、事務分掌の変更を行うものです。
この条例の施行時期は、平成16年4月1日です。
本議案は、11月28日の本会議において当委員会に付託され、当委員会では12月2日、3日の両日にわたり審査を行いました。
まず、審査の進め方として、本議案を議題に供し、理事者から補足説明を受け、一たん保留した後、平成16年度組織編成についての報告を受け、その後、本議案について質疑を行いました。
本議案の質疑に関連して、組織規則の改正案及び権限配分案についての資料の提出を求め、補足説明を受け、質疑を行いました。
その後、本議案についての質疑を続行いたしました。
その主な質疑応答の内容を紹介いたします。
初めに、今回の組織改正は区民にとってどのような意味を持つのか。事業部制を導入することで、現行の組織ではできなかったことができるようになるのか。その際、部長の権限はどのように変わるのかとの質疑があり、今回の組織改正は、区民サービスの向上を目指して組織運営を効率的かつ効果的なものに変えていくために行うものである。事業部制の導入により、予算や人員の効率的な活用と区民に近い現場の考えを反映した迅速な決定が実現できる。部長は、予算・人事・組織編成などの権限が強化されるとの答弁がありました。
さらに、事業部制のもとで予算が各部に枠配分された場合、予算執行上、過不足が生じた場合はどのような対応をするのかとの質疑があり、剰余金が出た場合は、基金積立方針に基づき、実質収支の2分の1を財政調整基金に積み立てることとなっている。各部の努力により実質収支が生じた場合には、その一定額を翌々年度に一般財源フレームの中で当該部に配分することを考えている。予算が不足するような場合は、補正で対応することになるとの答弁がありました。
さらに、職員定数についての考え方が問われ、定数についても、各部に枠配分し、部内の職員配置については、各部の創意工夫で決めることができるようにするとの答弁がありました。
次に、改正案では、男女平等の推進に関することは、子ども家庭部が所管することになっているが、より幅広く、重点的に取り組むべき課題である。所管を別の部に移すか、部の名称を変えるべきではないかとの質疑があり、男女平等の推進は、区政全体の目標として位置付けている。男女平等基本条例の趣旨を実現するため、組織全体の体制の中で、子ども家庭部が調整機能を果たしていくことが適当であると判断した。部の名称については、基本構想の検討の中で改めて見直すことも考えるとの答弁がありました。
次に、各事業部の事務分掌には、「部の予算、人事及び組織に関すること」と明記されているが、区長室と総務部にはそのような表記がされていない。区長室と総務部では、部内の予算や人事の事務は行わないのかとの質疑があり、組織条例は、各部のおおむねの事務分掌を定めるものであるが、事業部制の導入を明らかにするため、各部の事務分掌として明記した。区長室と総務部は、管理部門として他の事業部とは異なる機能を持っているが、予算、人事などの事務は他の部と同様に行っていくとの答弁がありました。
次に、地方公務員法第23条は、地方公共団体に職階制の採用を義務付けており、同一内容の雇用条件の同一職級は、同一資格を必要とし、同一の幅の給料が支給されるように、職員の職の分類整理がなされなければならないと規定している。中野区ではどのように考えているかとの質疑があり、国は職階法を制定しているが、いまだ実施しておらず、地方公共団体においても、地方公務員法第23条に基づく条例は定められていない。しかし、特別区人事委員会において任用に関する基準が定められており、その中で職階制の趣旨、考え方に沿った職員の職の分類がなされている。今回の組織改正においても、その基準に従い、職員の職の分類整理を行う考えであるとの答弁がありました。
次に、目標と成果による管理及びそれに基づく行政運営を目指すのであれば、それにふさわしい人事制度を確立すべきである。そうした新たな人事評価や人事異動の仕組みは職員自身が納得できるものでなければならないが、これについて区はどのように考えているかとの質疑があり、目標と成果に基づく人事評価や異動などの新たな仕組みについては、客観的に数値化するなど、職員自身が納得できるような仕組みづくりを行っていくとの答弁がありました。
次に、組織改正に伴い、庁舎のレイアウト変更などが必要になるが、その経費はどのくらいと見込んでいるかとの質疑があり、事務室改修のほか、OA機器類の配線工事や案内表示の書きかえなどの経費が必要になるが、区民に迷惑がかからないように、必要最小限の経費で対応したいとの答弁がありました。
以上が主な質疑応答の内容です。
そしさらに質疑を求めましたが、質疑はなく、委員会を休憩して取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結いたしました。
次に、意見の開陳を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結いたしました。
次に、討論を求めたところ、1名の委員が本議案に反対する立場から、第1に、現在、基本構想や10か年計画の策定に向け検討しているさなかであり、今回の組織改正によってつくられた組織そのものが、これらの計画を規定してしまうのではないかと危惧される。
第2に、地域センターが区民生活部、男女平等施策が子ども家庭部の所管とされるなど、事務分掌に問題がある。
第3に、目先の効率やコストだけでははかれないものがあるはずなのに、短期的な視点だけで進められている。
第4に、職員自身の民主的な討議を経て決めるべきであるにもかかわらず、庁内の意思統一がされていないのではないか。
第5に、予算について事業部間で競い合うことになれば、必要な人件費さえも削減してしまうのではないかと危惧する。言われている経営的感覚が、自治体が持つべき公共性を損なう危険すら感じられる。簡素で効率的な組織運営により区民サービスの向上を図るとともに、区民の暮らしの実態とそこからの要求を酌み取れるような組織にしなければならない。よって、本議案に反対であるとの討論を行いました。
さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結いたしました。
そして、挙手による採決を行ったところ、賛成多数で、本議案を可決すべきものと決した次第です。
最後に、本議案に付された意見を申し上げます。
当該条例は現行組織を改正することにより、中野区の体制を一変させようとするものである。よって、区民への説明責任を果たすとともに、区民にわかりやすい組織づくり、区民サービスの充実と向上に資するものとなるよう万全を期し、職員においては意識改革を徹底されたい。
意見は以上でございます。
以上で、第58号議案に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。
○議長(山崎芳夫) ただいまの報告について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
岩永しほ子議員、伊藤正信議員、奥田けんじ議員、佐野れいじ議員から討論の通告書が提出されていますので、順次通告議員の討論を許します。
最初に、岩永しほ子議員。
〔岩永しほ子議員登壇〕
○31番(岩永しほ子) ただいま上程されました第58号議案、中野区組織条例の一部を改正する条例に、日本共産党議員団を代表して反対の討論を行います。
昨年の7月に実施された区政世論調査によると、施策への要望第1位は高齢者福祉です。93年から10年間、トップになっています。年代別に見ても、男性は20代から70代で、女性は40代以上でトップです。また、社会・経済状態を反映して生活保護受給は年々ふえ続けています。このことは、区民の生活が厳しく、将来への不安が大きいことを示しています。今、区がなすべきことは住民サービスを向上させるなど、区民の将来への不安を取り除く努力をすることです。
自治体はそのためにあり、組織はそのことを実現させるためのものです。したがって、民主的で公正かつ効率的な運営が求められています。
そうした視点から、提案されている組織改正の内容を検討してみますと、今後の区政運営や区民生活にとって大きな問題を持っていることが指摘できます。その中から、特に2点を指摘いたします。
1点目は、進め方に計画性も一貫性もないということです。
現在、05年度から実施予定の基本構想が区民ワークショップなどによって検討されています。ところが、この組織改正はその策定を待たず、実施できるものから取り組むものとしています。つまり、基本になる考えが示されないまま進もうとしているのです。
もともと経営改革指針には組織改革が盛り込まれていました。しかし、その内容は途中からどんどん変わり始めました。もともと経営改革指針は、行財政5か年計画を補うために内部努力をするといってつくられたものでありながら、保育園や図書館など、すべての区民施設をゼロベースにして「配置・運営の見直し」を進めることまで盛り込んでいます。その経営改革指針に基づいた組織が先にできて、基本構想の策定が後になるのです。したがって、この組織の導入によって基本構想の方向が規定されることを危惧します。
また、条例を上程するまでの過程において、現在の組織のどこにどんな問題があるのかを明らかにして、どんな改善が必要かといった視点と検証がないために、職員の中に混乱と不満が起きています。職員参加で進めていないためではないでしょうか。事業部制にして所掌事務を大くくりにするだけでなく、組織のフラット化にまで踏み込むというのです。区民に接する職員の納得と理解がなければ、区民に責任ある対応ができず、責任のたらい回しになりかねません。
さらに、議会への情報提供や説明では、行政の都合を押し通し、納得できるものではありませんでした。
このような進め方は後先がばらばらで、乱暴です。そのために区民にわかりにくいものになりかねません。
2点目は、事業部間を競い合わせて予算執行を抑制させようとしていることです。
事業部制は、事業部間を競い合わせ、互いに予算執行を抑制させようとしていることにねらいがあります。そして、予算執行抑制のために行政責任まで投げ捨てようとしています。行政は、「コスト・効率」だけでははかれない住民サービスを進める責任があります。このような事業部間の競い合いは、目先の効率だけを目標にしたものになり、区民の立場に立ったサービスの向上や、新たなサービスをつくり出そうとする意欲をなくしてしまいます。それでは区民サービスが低下することにつながるのは明白です。
部枠予算については、剰余金が生じた場合には2分の1を基金に積み立てた後に、一定割合を翌々年度に部へ加配するとしています。しかし、部枠予算の上限を決め、限度額を超えるものは認めないというのですから、生活保護や高齢者施策など、財源不足が生じても部内で確保しなければなりません。それでは、サービス抑制に拍車がかかることになります。
一方、事業部の目標と競い合いに「行政評価」を利用しようとしていることも問題です。評価基準が定まっていない上に、数値化できない事業まで数値化しようとしたり、区民が望む新たなサービスをどのようにとらえるのかという問題があるにもかかわらず、無理に04年度予算に活用し、事業部間が競い合わせられます。
行財政5か年計画では、05年度から剰余金が生じる見込みとしていました。ところが、実際には初年度の01年度分から財調基金に29億円を積み立てました。部枠予算は基金の積み立てには役に立ちますが、区民の願いには背を向けた組織になりかねないことを指摘して、本条例に反対の討論とします。
○議長(山崎芳夫) 次に、伊藤正信議員。
〔伊藤正信議員登壇〕
○11番(伊藤正信) ただいま上程されました第58号議案、中野区組織条例の一部を改正する条例に賛成の立場で討論いたします。
今回の組織の再編は、今までの役所の弊害と言われてきた縦割り行政を思い切って廃止する大胆かつ大幅な見直しです。お役所仕事と言われてきた仕事を変えるため、従来の組織の限界を打破し、停滞と閉塞を一掃して、21世紀における新しい中野区の姿を示したものと言えます。
職員それぞれの権限や責任をできる限り現場へと委譲していく。職員がより効率的に仕事をし、各自の能力を最大限発揮できる体制の準備だと考えます。これからのさらなる職員の削減にも、区民サービスの低下を招かないよう対応していく組織づくりだと思います。
ただ、最も大切なことは職員一人ひとりの意識改革だと考えます。経営改革が本当の成果を上げるためには、単なる部の再編や制度の改正だけでは本来の目的を達成することはできません。「仏つくって魂を入れず」では、全く意味がありません。しっかりと職員の意識改革を進めていかなければなりません。
そして、区民の立場に立った区の内部改革ですから、区民の十分な理解を得るために、区民への新しい組織の説明もしっかりとなさっていただくのは当然であります。
区民サービスの向上のため、より早く、よりわかりやすく、より的確に区民の要望にこたえることのできる組織づくりをしていただき、「スリムで簡素な中野区」の実現を期待いたしまして、賛成の討論といたします。
○議長(山崎芳夫) 次に、奥田けんじ議員。
〔奥田けんじ議員登壇〕
○7番(奥田けんじ) ただいま上程されました第58号議案、中野区組織条例の一部を改正する条例に反対の立場から、無所属の会を代表させていただきまして討論させていただきます。
今定例会中にも意思決定の話題を私は取り上げさせていただきました。意思決定は行政がするべきものではなく、そして自明かどうかで判断するものではございません。意思決定はあくまで区民がするのが前提であります。手ごたえのある区民参加が必要だというのなら、まずはこの基本をしっかりと守っていただきたい、このように考えております。
スピードが求められる時代、このように言われております。しかし、スピードが必要なのは区民への説明責任が十分に時間をかけて行われた後に、迅速な対応として求められるものであります。スピードの力点がずれてしまっている、このように考えております。
今条例案にいたしましても、岩永議員が指摘されましたように大幅な組織改正、これは基本構想、10か年計画に大きな影響力を持っている、そういった内容であります。したがいまして、これに関しましても区長及び行政の立場で、自明という判断で行うべき内容ではなく、十分な説明責任を果たし、もしそれができないというのならば、プロセスとしては当然基本構想の決定を待つべきものと考えております。
以上の理由から、この第58号議案に対しまして反対の討論とさせていただきます。ありがとうございます。
○議長(山崎芳夫) 次に、佐野れいじ議員。
〔佐野れいじ議員登壇〕
○3番(佐野れいじ) 第58号議案、中野区組織条例の一部を改正する条例に、TOKYO自民党中野区議団として賛成の立場から討論を行います。
区は、来年4月よりこれまでの職階制を中心としたピラミッド型の組織から、フラットな組織とし、人事、予算等の権限委譲による事業部制の導入を図り、目標と成果による区政運営を新たに目指すこととしました。この新しい組織編成による最大の目的は、区民サービスの充実、顧客満足度の向上とあわせて各部、室の目標に対しての達成度、いわゆる、より大きな成果を求めることにあります。したがって、今回の新しい組織は単なる部の再編や単純な組織の変更では決してありません。この新しい組織を通して、その目的とするもの、すなわち成果主義、そして「成果の意義」、「成果とは何なのか」ということを職員全員が理解し、納得しなければこの目的を達成することはできません。10%にも満たない役職者がいかに目的に向けて指示をし、旗を振ろうと、残りの90%以上の職員の方が結集されなければ、せっかく新しい組織をつくることによって中野区が目指そうとしている成果主義は「机上の空論」となってしまうことは自明の理であります。
これまでの総務委員会では、冒頭、平島委員長から報告がありましたとおり、総務委員会の中で、従来の組織と新しい組織とどう違うのか、また、わかりやすい組織とは何なのか、新しい組織の各部の予算と職掌の問題、説明責任の問題、そしてまた権限の委譲、人材資源の活用と育成、成果の指標となる評価と能力、成果に対する報酬、職員の意識改革などに対して、徹底して幾度となく論議をしてまいりました。
その結果、総務委員会では「当該条例は現行組織を改正することにより、中野区の体制を一変させようとするものである。よって区民への説明責任を果たすとともに、区民にわかりやすい組織づくり、区民サービスの充実と向上に資するものとなるよう万全を期し、職員においては意識改革を徹底されたい」との附帯意見をつけたわけであります。
現状の新組織に対する区側の説明では非常にわかりづらく、理解できない。もう1年先送りしてはどうかという意見を述べた会派もございました。我々は、この条例を1年先に送っても同じだと考えております。今大切なことは、1年も先送りする余裕は今の中野区にはないということでございます。したがって、これまでの経緯を区は十分に理解し、「新しい袋には新しい酒を」のことわざのとおり、4月1日の実施に向けて、これまで出された意見・提言を真摯に受けとめ、早急に見直すべきことは見直し、補うものは補い、その上で実施を図っていくべきと考えます。
今、中野区が目指そうとしている組織をフラットにし、「目標と成果による運営を目指す」ことは、民間でも現在多くの企業が既に取り入れている手法でございます。もう立ちおくれは一歩も許されません。民のよい点は取り入れるという区の姿勢面からも、また新しい時代の流れからも、こうした新しい組織の構築とあわせ、成果を求める考えに取り組むことこそが、現在の中野区政の再生・活性化にとって必要不可欠なことであると考えます。
我々は、新しい組織を通して職員全員が一体となって、一日も早く元気な中野を取り戻し、目指すことを切に願うものでございます。
以上の視点を立ち、TOKYO自民党中野区議団を代表しまして賛成討論といたします。ありがとうございました。
○議長(山崎芳夫) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
これより起立により採決いたします。
上程中の議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(山崎芳夫) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。
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第64号議案 中野区保育所条例の一部を改正する条例
(委員長報告)
○議長(山崎芳夫) 日程第3、第64号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例を議題に供します。
平成15年(2003年)12月4日
中野区議会議長 殿
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号
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件 名
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決定月日
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第64号
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中野区保育所条例の一部を改正する条例
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12月4日
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(付帯意見)
○本条例は、中野区が実施している保育サービスの飛躍的な向上を目指そうとするものであるが、区民への説明責任を果たすとともに保護者などの不安を解消するための最大限の努力をされたい。
○議長(山崎芳夫) 区民委員会の審査の報告を求めます。高倉良生区民委員長。
〔高倉良生議員登壇〕
○14番(高倉良生) ただいま議題に供されました第64号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例に関しまして、区民委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
本議案は、区立保育所について指定管理者制度を導入するに当たり、指定管理者の指定の手続、管理の基準、業務の範囲等を定めるものです。
本議案は、11月28日の本会議において当委員会に付託され、12月2日から12月4日まで、計3日間にわたり審査を行いました。
まず、審査の進め方として、本議案を議題に供した後、理事者から補足説明を受け、その後、質疑を行いました。
その主な質疑応答の内容を紹介します。
初めに、保育のあり方を示す基本計画は、まだ策定されていない。そうした中で、区民のニーズに早急にこたえるためとはいえ、ことし6月に成立したばかりの指定管理者制度に飛びつくのは拙速ではないかとの質疑があり、これまでも、保育園の運営手法についてはさまざまに研究を重ねてきている。産休明け保育や延長保育へのニーズは非常に差し迫っており、早急にサービスを拡充する必要がある。6月の地方自治法の改正により、多様な運営主体が参入できる指定管理者制度の導入によって、運営委託が可能となった。この制度を活用し、平成16年度より運営委託を行い、サービス拡充を図ることとしたとの答弁がありました。
また、平成16年4月に運営委託を開始するというのは、スケジュールとしては無理があるのではないかとの質疑に対し、本議案が議決されれば、続いて事業者募集の説明会を開催し、年内に申請書類の受け付けを終了したい。その後、1月上旬には視察やヒアリングを行い、1月下旬に事業者の内定を行う予定であるとの答弁がありました。
これに関連して、園長やバックアップ体制がしっかりしている、すぐれた事業者が中野に参入するよう努力してほしいとの要望がありました。
次に、保護者にとっては、移行期間がどのくらいあるのかが一番の関心事ではないか。条例や規則の中に移行の期間についても明記すべきである。期間は、業者に合わせるのではなく、子どものペースに合わせるべきだとの質疑があり、条例には、基本的な事項を定めることとしている。具体的なことは要項や協定の中で定めていきたい。移行期間については保護者からいろいろと要望を受けている。子どもの様子や保護者の声などを受けとめ、柔軟に対応したいとの答弁がありました。
これに関連して、ぜひ規則に移行期間を明記してほしいとの要望がありました。
さらに、条例改正案第3条には、「指定管理者が特に必要と認める場合は、開所時間を延長または短縮ができる」とあるが、このような重要事項の判断に区がかかわらなくてよいのか。事業者が勝手に決めてしまうことにはならないかとの質疑に対し、この部分は、天災や事故が起きた場合を想定している。詳しいことは規則に盛り込むことなどを検討したいとの答弁がありました。
また、条例改正案第8条で秘密保持の義務を定めているが、罰則規定は設けないのか。非常に基本的な事項であり、条例、規則で明確に定めるべきではないかとの質疑があり、秘密の保持は当然のことである。協定の中でも明確にする予定だが、万一そのような事態が起きた場合は、業務停止、改善命令などの措置について、改正地方自治法に既に規定されているとの答弁がありました。
次に、指定管理者募集要項の応募条件には、「最低10年間にわたり、安定的に運営する」とある。しかし、まだ区の保育に対する基本計画がない中で、当初から同一の事業者に10年間も任せることを前提とするのは乱暴ではないかとの質疑があり、制度導入当初に運営が安定的に行われていく期間を示す必要がある。ゼロ歳から5歳までの6年間を超える年月という観点から、10年間が適当と考え設定したとの答弁がありました。
また、仮に平成16年度に指定管理者制度の導入ができない場合は、どのような影響があるのかとの質疑に対し、保育サービスの縮小、中止などの影響が出ると考えられる。制度の導入によって実施を予定していた産休明け保育や延長保育ができなくなる。また、今回の運営委託の実施により、常勤保育士を障害児への対応強化などに充てる予定であったが、これへの対応ができなくなる。また、これまで土曜日は主に非常勤保育士が勤務を担当していたが、平成16年3月からは常勤保育士を充てる予定であった。それができなくなる。さらに、委託を予定していた園から他園への配置転換による看護師などの欠員補充ができなくなる。導入による経費負担の軽減も見込めなくなるなどの影響があるとの答弁がありました。
次に、指定管理者制度は待機児解消の一助となるのか。また、待機児対応のため、定数を弾力的に運用できる園が6園あるとのことだが、合計で何人程度ふやせるのかとの質疑に対し、30人程度の児童定員をふやせるものと考えているとの答弁がありました。
また、延長保育や産休明け保育はどの程度の増加が可能かとの質疑に対し、延長保育は120人程度、産休明け保育については5人程度であるとの答弁がありました。
これに関連して、今後とも待機児の解消に努力してほしいとの要望がありました。
さらに、区は今後の保育園の運営手法として、民設民営と公設民営を打ち出している。これは今後の中野の保育の方向性を決める重要な問題である。区と区民、保護者が互いに方向性を確認し、共有していかねばならない。しかし、今回の運営委託に関しては区民に十分な時間が確保されていない。今年度中に、保育のあり方について区と区民が共有できるよう、幅広く議論する場をつくれないかとの質疑に対し、趣旨は十分に理解している。そのような方向で努力するとの答弁がありました。
このほか、非常勤保育士と常勤保育士との職の違いに関しての質疑などがありました。
以上が主な質疑応答の内容です。
さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。
その後、意見の開陳を求めたところ、1名の委員から、指定管理者制度の導入に際しては、区の行政としての説明責任が十分に果たされておらず、保護者の心情をおもんぱかって余りあるものがある。しかし、この制度の導入によって、迅速な区民サービスの提供が図られるなどの評価ができる。指定事業者の選定や対象保育園の引き継ぎに当たっては、十分に配慮し、より真剣に取り組んでほしいとの意見の開陳がありました。
他に意見の開陳を求めたところ、意見はなく、意見の開陳を終結しました。
次に、討論を求めたところ、1名の委員から本議案に反対の立場から、指定管理者制度が本来対象とするところは、公社などの外郭団体などである。対象を保育園に求めるものではない。全国に先駆けての指定管理者制度の保育園への導入は、保育園の非常勤職員の解雇が伏線にあることは明らかである。十分な検討もないままの拙速な進め方であり、条例文や導入の裏付けとなるコスト計算も含めて、不備であると指摘せざるを得ない。
本当に保護者の立場に立っての制度の導入なのか。区民参加を標榜する区政のあり方とは到底考えられない。今後、これを契機にした保育園への指定管理者制度の導入や独立行政法人化への移行は明らかで、全保育園を民営化するための一つの突破口である。
中野の保育を考え、子どもたちの保育環境を第一義に重視するならば、また、財政上、正規保育士を新たに採用することができないならば、非常勤保育士や短時間保育士の採用によって対応すべきである。中野の保育にとって憂慮する事態であることを主張するとの討論がありました。
さらに討論を求めたところ、1名の委員から本議案に賛成の立場から、中野の子どもたちが置かれている状況の中では、保育サービスの拡大が区の責務である。これを充実する手だてとして、区が責任を持った形での指定管理者制度の導入は必要不可欠である。保護者へ十分な説明をするとともに、いい保育士とのめぐり合いに責任を持てるような選定基準、選定方法の検討に努力してほしい。
また、職を失う非常勤保育士への心配りもぜひしてほしい。さらに、基本的な必要な保育サービスをどう用意していくのか示すとともに、さまざまな事業者の力を活用しながら、サービスの充実に努力してほしい。保護者が安心できる保育施策の実施が必要であるとの討論がありました。
さらに討論を求めたところ、1名の委員から本議案に反対の立場で、指定管理者制度の導入は、極めて短時間のスケジュールの中で行われている。また、この制度がどのようなものか十分に検討されないままに行われようとしており、認めることはできない。区民ニーズにこたえるためというのであれば、急激な手法を使うのではなく、短時間勤務の保育士の導入や公務員が区民ニーズに対応できるよう、勤務シフトを変えるべきである。
今後の保育のあり方について明確に示せないままでの指定管理者制度の導入には問題がある。また、十分に考える時間も必要であり、議論を尽くして区民の納得を得るべきである。この条例案自体も不安な箇所が多々あり、指定管理者制度を活用しての保育サービスのあり方には反対であるとの討論がありました。
次に討論を求めたところ、討論はなく、討論を終結しました。
そして、挙手による採決を行ったところ、賛成多数で本議案を可決すべきものと決した次第です。
最後に、本議案に付された意見を申し上げます。
本条例は、中野区が実施している保育サービスの飛躍的な向上を目指そうとするものであるが、区民への説明責任を果たすとともに、保護者などの不安を解消するための最大限の努力をされたい。
意見は以上でございます。
以上で、第64号議案に関する区民委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了します。
○議長(山崎芳夫) ただいまの報告について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
池田一雄議員、斉藤高輝議員、近藤さえ子議員、きたごう秀文議員、佐伯利昭議員、佐藤ひろ子議員から討論の通告書が提出されていますので、順次通告議員の討論を許します。
最初に、池田一雄議員。
〔池田一雄議員登壇〕
○42番(池田一雄) ただいま上程されました第64号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例に日本共産党区議団を代表し、反対討論を行います。
この条例で行おうとしている保育園への指定管理者制度の導入は、直接かかわる保護者の区民はもちろんのこと、保育士の皆さんなど関係するすべての職員を驚かせるものでした。
抜き打ち的に提起され、問答無用で強行していること。03年度からの2か年の区の方針であるとしている経営改革指針では、03年度中に保育基本計画をつくり、それに基づいて今後の具体的計画を提起するとしていながら、いつの間にかその方針を捨て去り、改正されたばかりの自治法に飛びついて条例案を出してきたこと。長年、中野の保育事業に携わって保護者の信頼を得てきた28名の非常勤保育士を、説明のつく理由もなく解雇する理不尽なやり方を、区長から課長に至るまで、大した責任も感ぜずに進めていることなどなどの強権的な進め方に区民は驚いています。
このたびの法改正では、3年間をめどに、現在、自治体の公の仕事を担っている財団法人や第三セクターなどを指定管理者へ移行するための検討と、それに基づく条例設置が求められています。ところが、保育所の場合は指定管理者への移行を義務付けられてはいません。したがって、保育園の今後については、基本計画などでの十分な検討が求められるものであって、慌てて指定管理者制度を導入し、実態としての民間委託化を進めていくことについては、もっと慎重でなければならないはずです。
そもそも保育園は児童福祉法で地方自治体に設置が義務付けられ、自治体の公的責任として保育所運営をしなければならなかったものでした。改正された現行の児童福祉法でも、「市町村は~児童を保育所で保育しなければならない」としているところです。
厚生省は--これは旧厚生省です--かつて、さまざまな事情から、成り立ちとして個人的な運営で開始されていた私立保育所の社会福祉法人化を行政指導で進めていた時期がありました。当時の厚生省は、「私人の行う保育所の設置運営は社会福祉法人の行うものであることとし、保育事業の公共性、純粋性及び永続性を確保し、事業の健全なる進展を図る」ため、保育所運営を社会福祉法人に限定していたのです。ここで述べられている保育所の公共性、純粋性及び永続性は今でも変わらぬ特徴であるからこそ、保育所の整備に行政の責任があることも変わらないのです。
97年の児童福祉法第24条改正を契機に、その後、数次に及ぶ通達・通知政策によって保育所の民営化、企業委託化が進められてきました。02年3月の厚労省通達では、受託企業への保育所運営費が企業本体の株式配当、役員報酬、他の事業費に充ててもよいとまで規制緩和が行われました。
中野区の保育所運営の民営化・民間委託化が国の施策の延長線上にあるとはいえ、具体的な自治体としての施策化は、専ら中野の独自策として行われるものです。ところが、株式会社等に委託ができる自治法改正が行われたということだけで、区民にも議会にも職員にも相談のないまま、一気に実施に向けて突っ走っていくのでは、区民参加や職員参加はどこにも存在しないではありませんか。
株式会社の認可保育所運営は、ベネッセコーポレーション、ピジョン、ポピンズコーポレーションなど全国展開している大企業でも、その数は、合計してやっと2けたになったという程度です。これほどまでに規制緩和がされたとはいえ、企業とすれば、現状ではまだ企業収益が十分上がらないため、企業のステータスを上げる程度の参入にとどめているから、増加していないのです。
ところが、今回の指定管理者制度の導入によって、基本の保育料本体の設定では自由にはならないとはいえ、利用料については企業の裁量がある程度きくことになり、将来は認証保育園のように保育料の自由設定にも道が開けるとの認識を企業は持っているようです。また、公の施設の管理を引き受けるというやり方のため、当初の施設建設に伴う巨額な初期投資が必要なくなったことは、企業にとって大きなメリットです。
東京都は、利用者が多様な選択肢の中から自分に最も適した質の高いサービスを選択できることを目指すとして、まず認証保育園制度を新設しましたが、すべての保育所が民営化・民託化されて市場原理が導入されるような状況になれば、それは現在のアメリカの保育所状況に似通ったものになると考えられています。その実態は、利用者は多様な選択肢の中から自分の購買力に応じた質のサービスを選択できる自由が保障されるといったものでしかありません。貧富の差によって受けられる保育の質に差がつけられるということが、アメリカでは日常のこととされているのです。指定管理者制度がこのような方向への一里塚にならない保証はありません。
さて、保護者の皆さんが心配しているのは、一体今後どのような保育運営がされるのか、今より保育の質が後退するのではないか、どんな事業者が決まるのだろうか、その決定に保護者としてどうかかわっていけるのか、指定管理者への移行過程では子どもたちにどんな負担がかかるのだろうか、保育園の運営状況のチェックは保護者としてできるのだろうか、保育の質を問題とした意見を提起し、運営に反映させることができるのかなどなど、どれももっともな心配ばかりですが、2回、3回と繰り返された保護者への説明会でも、納得のいく回答がもらえない。それよりも、なぜこんなに急ぐのかという原点の問題に結局は立ち戻ってしまったと、説明会に参加した保護者の皆さんから話を聞いています。
これらの問題の唯一の回答は、十分時間をとって保護者や職員と話し合うことではないでしょうか。
給食の民間委託の際の教育委員会のやり方もかなり強引なものでしたが、それでも説明の資料として、直営で新規採用職員の体制で実施したときと、民間に委託した場合とのシミュレーションチャートなどを示すなど、一定の資料提供と説明がありました。しかし、今回はそのような作業をした形跡もなく、区民のニーズにこたえるためには民間委託しかないと決めてかかって、すべてのやらなければいけない検討を無視してしまったのではないかと思われます。
しかも、今回2か所だけの指定にしたのは、28名の非常勤保育士を解雇することに合わせたとしか考えようがありません。区民委員会でも収支バランスがとれるのは10年以上先であるような答弁がありましたが、そうであるならば、なおさらのこと区民のニーズにこたえるための当面の措置を、多くの人たちから指摘されている非常勤保育士や臨時職員を充てて実施することこそ、まず最初に検討すべきだったのではないでしょうか。委員会での答弁は、これにまともに答える姿勢を持ってはいませんでした。
そして、あわててつくったためか、条例は整合性に欠けたところが多々あります。
例えば、条例案第5条での延長保育料の設定は別表の範囲内としながら、その別表は現行のものではなく、来年改めて条例提案する別表であることを、質問されて初めて答えるというありさまでした。
また、第3条では、国から条例事項として必ず規定しなければならないとされている開所時間にかかわる特例事項についての取り決めを、従来の直営保育園と同じ考え方で規定したため、区のチェックが届かないといった問題が指摘されました。
さらに、第8条の個人情報の秘密保持に違反した場合、罰則はないが指定業者を取り消すことになるとの答弁など、やっつけ仕事の結果ではないかと思われる状況です。
区は、かつて保育園再配置計画をつくり、7か所もの保育園を廃止しました。そして経済状況が大きく変化するもとで、新たな保育需要がふえているにもかかわらず、必要な保育需要調査も行わず、区民ニーズにこたえるための事業提案もしてきませんでした。みずからやるべきことをやらないで、ただ「民営化すれば保護者のニーズにこたえられる」と繰り返すことは、行き届いた保育を実現するための人員配置など諸条件を整備する必要性を否定し、中野の児童に豊かな保育を保障する自治体としての責任を全うせず、保育園運営をただお荷物として、一日でも早く厄介払いしてしまいたいという区長初め理事者の姿勢を見事に示していることになりませんか。
以上を指摘して反対討論とします。
○議長(山崎芳夫) 次に、斉藤高輝議員。
〔斉藤高輝議員登壇〕
○37番(斉藤高輝) ただいま上程されました第64号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例について、公明党議員団として賛成の立場から討論します。
今回の条例改正は、区民から要望の強い「産休明け保育」や「延長保育」など、保育サービスの拡充を効果的・効率的に実施するため、地方自治法の改正で新たに創設された「指定管理者制度」を活用することにより、民間の事業者に区立保育園の管理・運営を行わせるというものであります。
保育園の民営化については、既に行財政5か年計画に沿って、五つの区立園の私立園化が進められており、ことし4月から、とちの木保育園、野方さくら保育園の2園が私立園として新たなスタートを切っています。
私たち公明党議員団は、ことし6月、私立園化された両園を訪れ、3か月間設定した移行期間の効果のほか、区立園では実施されていない2時間の延長保育など、民営化園としての運営状況を視察しました。その結果、新たなサービスも含めて良好に運営されていることを確認しました。
民営化前、保護者の方々に大きな不安がありましたが、この2園によって、民営に移行した保育園の運営状況が一つの実例として示されていると考えます。
中野区が進めようとしている今回の民営化は、私立園にするものではなく、区が設置者である区立園のまま管理・運営を委託するというものであります。具体的に名前の挙がった二つの保育園のうち、宮園保育園については、運営委託によって、これまで「ゼロ歳児保育」は6か月からで、時間も8時間であったものが、新たに産休明けからの保育となり、時間も11時間までと拡充されます。加えて、午後8時15分まで2時間の延長保育が新たに実施されます。
また、宮の台保育園については、「ゼロ歳児保育」として、これまで実施していた8時間の産休明け保育が、11時間まで拡充されます。さらに宮園保育園と同じように、2時間の延長保育が実施され、両園とも保育サービスが大きく前進します。特に2時間の延長保育は区立園としては初めての実施となります。
このほか、急な残業に備えての柔軟なスポット利用のような延長保育も実施されます。
中野区では延長保育の提供について区内格差があり、特に区の中央部付近には空白があります。区が実施したアンケート調査の単純集計では、この両保育園の地域に延長保育の需要が高いことがわかっています。新たな保育サービスの実施を待ち望んでいる保護者の要望にこたえる必要があります。
保育園のうち、区立が大半を占める中野区にあって、今回2園で実施されるような柔軟な保育サービス、例えば2時間の延長保育が、なぜこれまでの区立園では実施されてこなかったのか、むしろ不思議にさえ感じます。
保育にかかわる区職員や保育士がこれまで頑張ってこられたことは承知しております。しかし、限界があります。構造的なものです。現在の運営形態では、ますます多様化する保育ニーズに的確に対応していくことに難しさがあるのも事実であります。
また、運営経費についても、現在、宮園や宮の台のような保育園で1園当たり2億円程度の経費が必要とされているのに対し、区立園のままの運営委託によって1億5,000万円程度になるとされています。
保育を必要としている家庭の中には、同じ税金を払っていながら、入所できずに待っている区民が大勢います。税金の効率的・効果的な使い方について、さまざまな手法を検討し、待機児をゼロにするのは区の責務です。
私は、区民委員会において、運営委託への移行に当たって、新たに「休日保育」を実施することや、「年末保育」の拡充、区全体の保育定数をさらにふやすべきだと提案をさせていただきました。
特に、保育定数の拡充については、現在も100名を超える待機児がいる中で、真っ先に取り組まねばならない緊急の課題です。
区からは、「休日保育」に関して前向きの答弁がありました。保育定数についても、「30名以上ふやしていく」との具体的な考えが新たに示されました。延長保育についても全体で120名増を予定しているようであります。
さらに「年末保育」の拡充についても答弁があり、在園児以外の乳幼児の保育も考えていくことが明らかにされました。
今回、中野区が保育園の運営委託の2園を提示したのに対し、保護者の皆さんから、「唐突過ぎる」、「もっと情報提供や説明をしてほしい」との強い意見が出されました。
私たち公明党は、かねてより、区として「新保育計画」をきちんと策定して今後の保育園のあり方を区民に示し、多様な保育の実施や待機児ゼロに向けた必要な取り組みを進めていくべきだと強く提案してきました。
その点から言えば、保護者の皆さんの「唐突だ」との思いは十分理解できます。そこで、委員会審議では、仮に実施を1年延期した場合にどういう影響が想定されるのかについても質疑をいたしました。
これに対して区側からは、運営委託される2園での産休明け保育や2時間延長保育の実施ができなくなり、その2園以外で予定している延長保育の追加実施もできなくなるとの答弁がありました。
このほかにも、増加が見込まれる障害児入所への職員配置の対応や、保育士の欠員への対応が難しいなどの課題があります。
私たち公明党議員団は、そうした委員会での議論などをもとに、慎重な検討をしました。
その結果、一つ、区立園の私立園化によって民営化のメリットは既に示されていること。二つ、宮園・宮の台の2園の運営委託によって産休明けや延長などの保育サービスが実施され、あわせて休日保育の実施や年末保育が拡充されること。三つ、区全体として、30名以上の保育定数が増加し、待機児ゼロに向けた取り組みが前進することや、延長保育120名の拡充が見込まれること。四つ、運営委託される二つの園で実施される新たな保育サービスを待ち望んでいる保護者がいること。これらを踏まえ、条例改正は必要だと判断しました。
なお、条例に賛成するに当たって、保護者の皆さんからの強い要望を踏まえ、区として「区民への説明責任を果たすとともに、保護者などの不安を解消するための最大限の努力をされたい」旨の意見を付しました。
区は今後、保護者との話し合いや説明の機会をさらに積極的に持ち、運営委託への移行期間などの課題を初め、保護者の皆さんの不安の解消に努め、運営委託に対する具体的な要望については、しっかりと反映させるよう強く求め、本議案に賛成の討論といたします。
○議長(山崎芳夫) 次に、近藤さえ子議員。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○8番(近藤さえ子) ただいま上程されました第64号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例に、無所属の会を代表しまして反対の討論をいたします。
中野区の保育行政には、保育サービスの立ちおくれ、高比率の人件費など、見直さなければならない課題があることは事実です。そして、新しいニーズに合った保育サービスの提供を考えることはとても必要なことです。
しかし、この条例の一部改正は「指定管理制度」を導入するための改正です。区からは11月11日、宮園、宮の台保育園あてに「運営委託します」との手紙、11月30日に区民への説明会、そこで「指定管理制度」の説明がなされました。そして、きょうの保育所条例改正の議会での議決、これでは余りにも急な進め方であると思います。
この条例には、延長保育の料金は、1時間目までは別表3に定めてありますが、2時間目からは業者が決めることなどはきちんと盛り込まれていなく、わかりにくくなっています。指定管理者の選定も申請の内容が「安定した質の高い保育サービスを行うことができると認められるものであること」など、とてもあいまいです。
区が行政の仕事として担っていた保育の仕事を、経営者は変わらなくとも運営者が変わることで、子どもも、親たちも動揺します。その動揺の大きさは1万2,200人もの署名となって陳情が出されています。
また、中野の未来を真剣に考えている区民が現在、「基本構想」を策定中です。中野の子どもたちをどのように育てていったらいいのか。そこで行政はどうかかわり、区民は何をして、民間、NPOはどのようにかかわっていけばいいのか、連日真剣に話し合っています。先日、中間発表があったばかりです。
指定管理者制度による運営業者募集要項(案)には、最低10年間にわたり安定的に運営するという要件を満たす事業者と書かれています。なぜ基本構想の策定を待たないのでしょう。基本構想とはどのように折り合うのでしょうか。
財政難は区民もよくわかっています。区立の保育所に入れない子どもたちの問題の解決も急務です。延長保育の問題、産明け保育の問題、多々あります。しかし、まず区としては、「中野の保育園」をどのように変えていくのかという全体像を示すことが大事なのではないでしょうか。
急に言い渡された指定管理制度に対して、余りにも多くのお母さんたちが安心して子どもを預ける気持ちになれず、子どもたちを親の動揺、先生の動揺の中に置いてしまっています。この多くの意見を抑え込み、条例を可決し、この制度が始まっても、4月から現場を任される指定管理制度の業者の保母さん、園児、お母さん、やめさせられる非常勤職員、皆がつらい状況であると思います。この状況で中途半端に今、指定管理制度に飛びつくのではなく、基本構想の策定を待ち、区民の不信が少しでも取り除けてから、指定管理制度を取り入れるか判断されるべきではないかと思います。
板橋区などが取り入れている短時間勤務の保育士導入など、今子どもたちと接している非常勤の先生に取り入れることなども検討してはいかがかと提案し、多くの区民の動揺の中、今この時点でこの条例を改正することに反対し、反対の討論とさせていただきます。
○議長(山崎芳夫) 次に、きたごう秀文議員。
〔きたごう秀文議員登壇〕
○12番(きたごう秀文) ただいま上程されました第64号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例に賛成の立場から、自由民主党・民社クラブの立場で賛成の討論をさせていただきます。
さて、国の構造改革が進められておりますが、一方で、産業経済界の内部構造の改革も急速に進んでおり、日本全体が新しい時代への変革の時期を迎えつつあるというのは、国民の皆さんの多くの方が感じていらっしゃることだと思います。これに伴い、いろいろな働き方が生まれ、特に小さなお子さんを抱えた御家庭の子育て支援は急務の課題であります。
ところが、国のかけ声や期待にもかかわらず、全国自治体の特に公立保育園の保育サービスの拡充は遅々として進まず、働く人たちのニーズに対する腰の重さが指摘されているのは御承知のとおりであります。
産休明け保育、延長保育、休日保育、年末保育、病後児保育など、さまざまな保育サービスが待ち望まれております。中野区は、言うまでもなく23区の中では公立保育園の多い方に属すると思います。しかし、現在中野の公立保育園では、保育サービスの中でも中心となる産休明けはもちろん、ゼロ歳のお子さんは、朝の8時半から午後5時までしか保育が受けられておりません。他区ではほとんどの区が11時間、保育園があいているその時間帯の中で、家庭の事情や通勤時間が考慮されて保育が受けられるようになっております。また、中野区では1歳以上のお子さんを対象として行っている延長保育についても、公立保育園で実施している園数は32園中9園で、これも23区の平均6割に比べると、大変不足していると思います。
このような状況に対応しようと、このたび当区では、地方自治法の改正により創設された「指定管理者制度」を導入して、民間活力の活用により、区立園のまま宮園保育園と宮の台保育園について、産休明けからの11時間保育と2時間の延長保育を実施することを、来年度の重点事項として掲げました。
冒頭述べたような経済情勢の変化の中で、額に汗して働いていらっしゃる区民の方のことを思うと、私としては、このたびの迅速なサービス拡充策を打ち出した区の姿勢について、大変評価するものであります。
公立と民間のどちらがすぐれているか、比較論が展開されていますが、重要なのは、区民の生活実態にどれだけ共感しているかという行政の感性の問題であると私は考えております。このたびの区民委員会の審議の中では、柔軟に「休日保育」や「年末保育」なども特別保育事業として行うとの区の考えが明らかにされました。また、2園の保育士を他の区立保育園に配置して、さらなる延長保育の実施園をふやすことに活用するとのことであります。
大きなおなかを抱え、早く実施してほしいというお母さんの切実な声も聞いております。これによって、保育サービス面で他区に少しでも早く追いついてほしいと願うのは、同じ税金を負担している区民なら当然のことではないでしょうか。
こうした、このたびの取り組みによって、現在、乳幼児をお持ちの御家庭はもちろんのこと、将来に向け、産み育てやすい子育て環境の整った中野のまちを築いていくきっかけになることを強く期待申し上げまして、私の賛成討論といたします。
○議長(山崎芳夫) 次に、佐伯利昭議員。
〔佐伯利昭議員登壇〕
○28番(佐伯利昭) 上程中の第64号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例に民主クラブの立場で、賛成の立場で討論します。
この条例は、地方自治法の改正により創設された指定管理者制度を活用し、区立保育園の管理・運営を民間事業者に委託することにより、区民ニーズの高い産休明け保育、延長保育などの保育サービスの充実を早期に実現すると同時に、待機児の解消を図っていこうとするものです。
中野区では、本年4月から野方さくら、とちの木の2園の民営化を実施しました。これにより当初懸念されていた混乱もなく、サービスが充実されたことで地域からの評判もよいようです。限られた財源を有効に生かすこと、最小の経費で最大の効果を上げるという自治法の精神、そして区長の言う「民間でできることは民間に任せる」ということを考えれば、保育の民営化、民間委託は進めていくべきことであると思います。
実際に、他の自治体において定員100人程度の保育園を公設民営化した場合、年間5,000万円程度の経費の削減が生じていることが委員会の中で明らかにされました。こうしたことから、ことし8月の厚生労働省の次世代育成支援施策研究会の報告書でも「官民の役割分担の観点を踏まえ、公設民営形式の推進や公営保育所の民営化を進める」とされています。
今回の条例改正、事業実施に当たっては、行財政5か年計画にも経営改革指針にもなかったこととの批判があるようです。しかし、どちらもその策定の時点では、今回の指定管理者による公営施設の管理・運営という規定はなく、もし計画にないことはやってはいけないということであれば、今後長期計画の策定などはできなくなってしまいます。むしろ国が定めた規制緩和策をより有効、より早期に活用しようとする姿勢は評価すべきものであると思います。
区はこれまでも計画を立てながら、野方北保育園の民営化の1年延期、あるいは学校給食の民間委託では、年度途中からの実施、さらに2年目には「検証期間」と称し、実施校を拡大しないなどという妥協策を図ってきました。しかし、こうしたことがさらに財政状況を悪化させ、改革のスピードを上げなくてはいけない状況になっていることをしっかりと認識すべきです。
時間がないということで、保護者の間からは不安の声も上がっているようですが、区として実施に当たって保護者などの不安を解消する最大限の努力をすることを求め、賛成の討論といたします。
○議長(山崎芳夫) 次に、佐藤ひろ子議員。
〔佐藤ひろ子議員登壇〕
○29番(佐藤ひろ子) 第64号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例に賛成の立場から討論いたします。
3日間の区民委員会が終わりまして、この条例に賛成の立場をとったときから、翌日からまちを歩くと、「佐藤さん、どうしたの」って声がかかります。お店に行っても、「どうしたんですか」。そこで議論が始まります。本当にそれから数日、毎日毎晩、いろいろな場所に出かけても、保育園のことをきっかけに、これからの中野区政のあり方を語る。それが今行われている。私にとってはすごく厳しい状況ですけれども、ああ、これが一緒に議論し、一緒につくっていくことなんだ。その一歩を改めて踏み出したんだという気持ちに今立っております。
中野を変えるということはこういうことなんですねっておっしゃった方もいらっしゃいました。今までの状態で成り立たなくなったから、やはり変えようということを私たちはさまざま、従来どおりのやり方じゃなくて考えていかなければいけないということを考えてくださる方たち、そういう意識に立ってくださる方たちもふえてきた。
きのうは、ずっとこの保育園のことを心配されて、いろいろなことでメールをくださっていた方から、「ありがとう」というメールをいただきました。本当にうれしかったです。
この条例によって、区立保育園の保育サービスの拡大が図れることが私の賛成の大きな理由です。宮園保育園では産休明け保育と2時間の延長保育、宮の台保育園では2時間の延長保育が新たなサービスとして加わり、一時保育や今まで実績がなかった緊急一時保育に対応でき、保育園の預かり時間を利用者が決めることもできるようになります。また、この2園の拡大だけではなく、保育士の他の園への移動によって、新たに4か所で120人増の延長保育が実施可能となり、さらに新たに6園で30人定員をふやすことができ、待機児を減らすこともできるようになります。産休明けや延長保育、一時保育、待機児への対応など、ずっと区民から求められていた保育サービスの拡充という緊急の課題に対応することができます。求められている課題に早急に対応するためには、運営の主体を従来と変えることに積極的に取り組まなければいけないと思います。行政に求められていることも、私たち議員の仕事の目標も、求められている保育サービスの拡充の方法を考えることではないでしょうか。
今後も、毎年10人から20人ぐらい、保育園1園分ぐらいの保育士が退職されます。公務員の数を減らすために、新規採用はできない。公務員保育士を新たに雇用すればいいという御意見もありますが、公務員をふやし、人件費をふやすやり方は、総論としては区民の方々に合意を得られない状態ではないでしょうか。また、短時間公務員制度もまだ確立されておらず、常勤職員が身分が保障された上での柔軟な時間で働くことがまだできない状態。現在、土曜保育や特例保育などの多様な保育サービスを担っているのは、身分が不安定な臨時職員や非常勤職員の方々です。非常勤職員や臨時職員の方々をかわりにふやしていけばいいのではないかという御意見もありますが、不安定雇用の方々を拡大することが、そこで雇用される方にとっても、子どもを預ける側にとっても、これから安定した保育サービスを進めるいい方法だとは私は思えません。このまま何も手を打たないでいると、保育園自体が維持できない事態が進行します。公務員の数には頼れない。しかし、保育園を維持し、さらに時代に合った多様なニーズを拡大するためにはどうすればいいのか。今私たちは真剣に考えなければならないのではないでしょうか。
中野区は、既に運営の担い手を転換し、5園の民営化が決まっております。今回は民間法人に保育園を渡す民営化ではなくて、指定管理者制度、あくまでも区立保育園のまま、運営を民間に委託する方法で、区の福祉オンブズマンや行政評価の対象などにもなり、民営化よりも区の責任が重くなるやり方です。
指定管理者制度は、今までの業務委託の方法よりも透明度が高い制度だと思います。委託先を決定するとき議会の議決が必要で、議決するためには事業者の内容がしっかり議員の私たちにも、そして区民にも公開されていることが前提になります。また、事業者をプロポーザルで募集するので、事業者のサービスの質を判断基準として確かめることができます。事業者の募集要項や選定基準などに保護者の意見を入れてつくること、選定基準や選定理由を公表することなど、区民委員会でも質疑をし確認いたしました。株式会社やNPOも事業者として参入できるように、事業主体を緩和する法改正です。ですから、事業者選定におけるチェックの仕組みも、従来の委託方式よりも厳しくなっております。事業者選定における議会の責任も大変重くなります。
株式会社委託もあり得ることから、子どもを営利の対象にするのかと反対する御意見もあります。既に三鷹市など株式会社に委託している保育園を見学に行きましたが、子どもたちのことをしっかり考えて、いい保育をされております。保育士は親の指導者ではなく、親子の援助者であるというベテラン園長さんのお話、ちょうどお散歩から帰ってきた子どもたちは、それぞれ手づくりのお散歩バッグをぶら下げ、落ち葉や木の実でいっぱいになっていました。子どもたちが持ち帰った木の実などを使った保育士手づくりのリースなどで、子どもたちが過ごす部屋が家庭的に温かくコーディネートされていました。特別な配慮が必要なお子さんには保育士が一人つきながら、他の子どもたちとの遊びもつないでいました。保育士の保育に対する熱意と温かさは官民変わるものではないことを改めて実感いたしました。
これからは、行政や社会福祉法人だけが福祉の仕事を担うのではなくて、企業やNPOに働く市民も取り組むことにより、本当のノーマライゼーションの社会をつくる時代です。株式会社も営利目的だけでは市民から共感を得られない時代です。情報公開はもちろんのこと、利用者や市民の声を聞く仕組みが整えられていること、利用者のニーズに合わせて適切にサービスが実施されているかどうか、常に評価している内部評価、そして、外から評価する外部評価ができているかどうか、利用者からの利用料、税金が正しく使われているかどうか監査する仕組み、さらにそれを第三者が監査する仕組み、そういう仕組みを通して、市民が官民問わず公共サービスが適切に実施できているかどうかアクセスし、チェックできることが大切です。その仕組みをつくり、行政も議会もそういう仕組みを整えることが責務。そして公共サービスをチェックすることが責務だと思います。
福祉を切り捨てるのか、サービスを低下させるのかという御意見もあります。福祉の切り捨てではありません。保育サービスを、これからふえることはない歳入の中で維持し、さらに拡大するための一つの方法だと思います。認可保育園の枠に入らない子どもたちは、認可保育園よりもお金のかかる認証保育園に通っています。認証保育園の枠に入らない子どもたちが未認可の保育園に通っています。それを運営しているのはほとんど個人の方、小さな会社です。未認可の保育園は保育料も高く、狭いスペースで、保育士さんも低い賃金で、十分とは言えない状態で保育がされています。だから民間の運営が安心できないんだという理由は違うと思います。1円の補助金も出されていないなど、保育の質を支えるための税金の配分が十分されていないからです。
保育料も高く、十分な環境とは言えなくても、そこを選ばざるを得ない親子がいるのはどうしてなのか。私たちはそこにも目を向けるべきです。行政のサービスの枠外にいる親子をほっておいていいのでしょうか。認可保育園のサービスを少しでも早急に広げるべきです。保育サービスの切り捨てではなく、保育サービスをふやすための担い手の転換をするのが指定管理者制度です。これからも見通しが決して明るくならない財政状況の中で、保育サービスをふやすために考えた工夫策だと思います。
この条例を否定してしまうと、では、どのような方法で保育サービスの拡充のニーズに今後こたえるのでしょうか。公務員による保育サービスの拡充の見通しが困難である現在、あとは民営化の手法しか残されなくなってしまいます。民営化の手法だけで保育サービスの転換が図れるのでしょうか。公立保育園をそのままにしておくだけでいいのでしょうか。保育サービスの拡充のためには、民間委託の制度も現在必要だと思います。
民間委託には反対しないけれども、議論の時間が短い、急過ぎるという御意見もあります。確かに期間は十分だとは言えません。3日間の区民委員会の審査の中で陳情者の方々のたくさんの声を受け、条例の施行を先に延ばすべきかどうか、大変悩みました。しかし、指定管理者制度を導入すれば4月からサービスが確かに拡大できるということが委員会の議論の中でも確認できた今、一刻も早くサービスを求めている人がいることもわかっていながら、サービスの中身が理解できないなどの理由で先延ばしにしていていいのでしょうか。理解できないのであれば、理解するための努力を最大限図るべきです。不十分なところがあるならば、不十分なところを補うための議論を最大限行うべきです。産休明けや延長保育などを待っている人たちからは、早急にサービスを始めてほしいとの意見も届いております。サービスの拡大を望んでいる人はずっと待たされていました。小さな声かもしれません。少数の声かもしれません。しかし、サービスを必要としている人の声にこたえていくのが行政、私たちの責務ではないでしょうか。
経営改革指針では、今年度は民間委託、民営化の「検討」となっています。実施とはなっておりません。ですから、実施に踏み切るのはそういった指針とは違うんじゃないか、計画もできていないんじゃないかという御意見もあります。しかし、できるという方法が見つかったときに、計画ができていない、指針にも示されていないという理由だけでそれを先延ばしにすることが、区民に対してサービスを充実させていく私たちの責務を果たせるのでしょうか。私は4月から実施すべきだと考えました。先延ばしにすべきではないと判断いたしました。
4月からサービスを必要としている親と子どもたちに対して、いい保育を提供できるように、私たちがしっかり全力を挙げて頑張るべきです。いろいろな理由をつけてサービスの提供をとめることは、私たち議員の仕事ではないと思います。保育サービスが用意されていないために、サービス外に置かれている親子にとって、早過ぎるという判断は言えないと思います。
保護者の方々の不安を解消するために、保護者の方々への説明や運営に対する意見の反映などに全力を挙げて取り組んでください。そして、子どもたちの心を考え、移行期間、人の配置に十分配慮してください。そして、何よりも、よい事業者をしっかり選んでください。
今回の運営方法の転換により職をなくす非常勤保育士の方々の経験と専門性が地域で生かせるような職場を考えてください。待機の子どもたちや認可外保育所に通う子どもたちを含む、保育を必要とするすべての子どもたちに適切な保育が実施できるよう、全力で取り組むことを改めて決意し、賛成討論といたします。
○議長(山崎芳夫) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
これより起立により採決いたします。
上程中の議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(山崎芳夫) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。
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第65号議案 中野区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
(委員長報告)
○議長(山崎芳夫) 日程第4、第65号議案、中野区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例を議題に供します。
平成15年(2002年)12月2日
中野区議会議長 殿
厚生委員長 かせ 次郎
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号
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件 名
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決定月日
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第65号
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中野区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
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12月2日
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○議長(山崎芳夫) 厚生委員会の審査の報告を求めます。かせ次郎厚生委員長。
〔かせ次郎議員登壇〕
○20番(かせ次郎) ただいま議題に供されました第65号議案、中野区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例に関しまして、厚生委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
本議案は、所得制限の適用に当たり、父または母の監護する児童が、児童を監護していない母または父から、児童の養育に必要な費用の支払いを受けたとき、児童を監護する父または母がその費用の支払いを受けたものとみなして、所得の額を計算するよう規定を改めるものです。
この条例の施行時期は、平成16年1月1日です。
本議案は、11月28日の本会議において当委員会に付託され、当委員会では12月2日に委員会を開会し審査を行いました。
まず、審査の進め方として、本議案を議題に供した後、理事者から補足説明を受け、その後、質疑を行いました。
その主な質疑応答の内容を紹介いたします。
初めに、今回の条例改正により、助成対象外となる世帯を少数だと見込んだ理由はとの質疑に対し、ひとり親家庭等の医療費の助成は、平成14年度の実績で助成世帯が1,086世帯、受給者数は2,261人となっている。その助成世帯は児童扶養手当の受給者であり、既に父または母が受け取る養育費を所得にみなしている当該手当の平成14年度の更新時の現況届によれば、養育費を受け取っていた受給者数は156人で、所得制限により支給停止となった者はそのうち6人であった。その6人についても、養育費が算入されたことだけではなく、所得がふえたなどの他の理由とあわせて支給停止となったものである。こうしたことから、条例改正により、ひとり親家庭等の医療費の助成対象外となる世帯はほとんどないと見込んだとの答弁がありました。
また、所得制限額はどのようになっているかとの質疑があり、扶養親族等の人数によって違ってくるが、父または母で扶養親族等がない場合は192万円になっており、扶養親族等がふえれば所得制限額も上がるとの答弁があり、さらに、所得制限額が父または母で扶養親族等がない場合192万円、5人でも382万円というのは、ひとり親家庭等の生活実態から見ても高いとは言えないのではないかとの質疑に対し、この所得は、その家庭の状況により、寡婦控除、社会保険料控除、医療費控除など控除した額であり、所得制限額についての判断はさまざま出てくると思うとの答弁がありました。
次に、この条例改正は児童扶養手当法の改正に伴うものであるが、法改正時に、母子家庭で年収230万円程度の世帯の7割程度が手当を受給しており、生活実態も厳しい状況下で、児童が支払いを受ける養育費を母の所得にみなすことは妥当なのかという議論もあった。また、非課税世帯のひとり親家庭等が年々ふえている中で、法改正に伴い、必ず条例改正をしなければならないのかとの質疑に対し、ひとり親家庭等の医療費の助成制度は、児童扶養手当法に準拠して進めている以上、同様の取り扱いをしなければならないと考えている。この助成制度は都の補助事業であり、条例改正をしなかった場合には、助成基準との整合性の問題が生じる。また、児童扶養手当の認定が、この助成制度の所得のとらえ方の基礎となっていることから、この助成制度そのものの問題にもなると思うとの答弁がありました。
また、児童扶養手当法の改正にあわせ、母子家庭の母親の自立を促す目的の母子家庭自立支援給付金という制度が創設されたが、その事業が進められない状況の中で、児童が受領した養育費を所得制限の所得とみなすのは、その目的からもおかしいのではないかとの質疑に対し、現在、母子家庭自立支援給付金については、事業開始に向け国等で準備を進めている。また、児童扶養手当の目的は母子家庭の生活の安定と自立の促進に寄与し、もって児童の福祉の増進を図るとなっている。養育費も目的として重なる部分があり、手当と養育費の整合性を図ることから法改正が行われたと聞いているとの答弁がありました。
次に、いつの所得に基づき、どのように助成対象を決定するのかとの質疑に対し、前々年の所得に基づき医療証を発行している。更新時期は毎年1月で、更新時には現況届を提出してもらうが、児童扶養手当の受給者は、その証書の提示により大部分の添付書類を省略できるようになっているとの答弁がありました。
以上が、主な質疑応答の内容です。
その後、委員会を休憩して取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。
次に、意見の開陳を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結しました。
次に、討論を求めたところ、1名の委員が、本議案に反対する立場から、この条例改正は、児童扶養手当法の改正に伴うものであり、児童が支払いを受けた養育費をその監護する父または母の所得とみなすもので、結果的に所得制限額を超え、助成対象外となる世帯も出てくる。母子家庭の約9割の母親は就労しているが、年収は230万円程度であり、子どもの教育費などで、生活実態はかなり厳しい状況である。また、法改正にあわせて創設された母子家庭自立支援給付金事業は実施されておらず、養育費の支払い義務が履行されない場合の国の救済制度も確立されていない。このような状況の中では、ひとり親家庭等の生活を支援することは重要であり、本議案には反対であるとの討論がありました。
さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。
そして、挙手による採決を行ったところ、賛成多数で本議案を可決すべきものと決した次第であります。
以上で、第65号議案に関する厚生委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。
○議長(山崎芳夫) ただいまの報告について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。
上程中の議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(山崎芳夫) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。
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第71号議案 中野区議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例
第72号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第73号議案 中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
○議長(山崎芳夫) 日程第5、第71号議案から第73号議案までの計3件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔助役内田司郎登壇〕
○助役(内田司郎) ただいま上程されました第71号議案から第73号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第71号議案、中野区議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例、第72号議案、中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例、及び第73号議案、中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例は、職員の給与条例の改正により、基準となる職員の給料の額が改定されることに伴い、議員の報酬並びに区長等及び教育長の給料等が改定されることになるため、給与条例の適用を受ける職員の例により、平成16年3月期の期末手当で報酬等の改定差額相当額を調整する措置をとることを定めるものです。
これらの条例の施行時期は、平成16年1月1日です。
なお、議員及び区長等の特別職の報酬等につきましては、職員の給与条例の改正に伴い、基準額の改定がありましたので、条例の規定に従い、報酬等の額の適否及び適用時期について、12月1日に特別職報酬等審議会に諮問し、翌2日に答申をいただきました。
この答申の内容は、議員の報酬及び区長等の給料の額は基準額の引き下げを反映した額に改定すること、改定の適用時期は平成16年1月1日とすること、及び改定差額分については、一般職員と同様の調整措置をとることが適当であるというものでした。
この際、答申どおりの措置を講ずることが適当であり、また、一般職である教育長についても同様の措置を講ずるべきであると判断し、以上3件の条例改正を御提案した次第です。
以上3議案につきましてよろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(山崎芳夫) この際、申し上げます。
第73号議案、中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元に配付の文書のとおり特別区人事委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。
本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案はします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後2時45分休憩
午後3時37分開議
○議長(山崎芳夫) 会議を再開いたします。
お諮りいたします。
この際、本日の日程を追加し、日程第13、第71号議案から第73号議案までの計3件を一括先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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第71号議案 中野区議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例
第72号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第73号議案 中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
(委員会報告)
○議長(山崎芳夫) 日程第13、第71号議案から第73号議案までの計3件を一括議題に供します。
平成15年(2003年)12月9日
中野区議会議長 殿
総務委員長 平島 好人
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号
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件 名
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決定月日
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第71号
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中野区議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例
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12月9日
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第72号
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中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
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12月9日
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第73号
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中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
|
12月9日
|
○議長(山崎芳夫) お諮りいたします。
上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
上程中の議案は委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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議員提出議案第18号 国立国会図書館に恒久平和調査局の設置を求める意見書
○議長(山崎芳夫) 日程第6、議員提出議案第18号、国立国会図書館に恒久平和調査局の設置を求める意見書を上程いたします。
提案者代表の説明を求めます。平島好人議員。
〔平島好人議員登壇〕
○16番(平島好人) ただいま議題に供されました議員提出議案第18号、国立国会図書館に恒久平和調査局の設置を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。
なお、提案説明は案文の朗読をもってかえさせていただきたいと存じますので、御了承願います。
国立国会図書館に恒久平和調査局の設置を求める意見書
国立国会図書館に恒久平和調査局を設置することを定めた「国立国会図書館法の一部を改正する法律案」(衆法18号)は第150回国会に提出され、第157回国会で審議未了となりました。
恒久平和調査局の設置目的は、「今次の大戦及びこれに先立つ一定の時期における惨禍の実態を明らかにすることにより、その実態について我が国民の理解を深め、これを次代に伝えるとともに、アジア地域の諸国民をはじめとする世界の諸国民と我が国民との信頼関係の醸成を図り、もって我が国の国際社会における名誉ある地位の保持及び恒久平和の実現に資する」ことにあります。
戦争中の歴史的な事実を公正中立な立場から調査し、各国で共有化することは、国際社会において必要不可欠な課題であり、国会が率先して歴史認識の基礎となる歴史事実を検証することは、大きな意義を持つものと考えます。
よって、中野区議会は、国会に対し、国立国会図書館に恒久平和調査局を設置することを求めます。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出いたします。
年 月 日
衆議院議長
あて
参議院議長
中野区議会議長名
以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
○議長(山崎芳夫) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
本件は委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
上程中の議案は原案どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
ただいまの議決により、総務委員会に付託した第19号陳情、国立国会図書館に恒久平和調査局の設置を求める意見書の提出については、みなす採択となりますので、さよう御了承願います。
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議員提出議案第19号 容器包装リサイクル法の改正を求める意見書
○議長(山崎芳夫) 日程第7、議員提出議案第19号、容器包装リサイクル法の改正を求める意見書を上程いたします。
提案者代表の説明を求めます。伊東しんじ議員。
〔伊東しんじ議員登壇〕
○2番(伊東しんじ) ただいま議題に供されました議員提出議案第19号、容器包装リサイクル法の改正を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。
なお、提案説明は案文の朗読をもってかえさせていただきたいと存じますので、御了承願います。
容器包装リサイクル法の改正を求める意見書
廃棄物をめぐる社会問題が深刻化していく中で、国は平成12年(2000年)4月に容器包装廃棄物のリサイクルシステムの確立を目的とした「容器包装リサイクル法」を完全施行しました。「容器包装リサイクル法」では自治体が分別回収、運搬、選別、保管を行い、事業者が再商品化することになっています。回収、運搬、選別、保管は、税金で行われるため、厳しい自治体財政をさらに逼迫させています。一方、事業者による再商品化の費用は、再生利用全体の費用の中で軽い負担になっているため、再生利用ができるワンウエイ容器が大量生産、大量使用され続けており、発生抑制に結びついていません。
平成12年(2000年)6月に「循環型社会形成推進基本法」が施行され、発生抑制、再使用、再生利用の優先順位および製品廃棄後も再生利用について事業者が一定の責任を負う拡大生産者責任が規定されました。「容器包装リサイクル法」においても、拡大生産者責任をより強化し、再生利用のみでなく発生抑制がされるように改正することが必要です。
よって中野区議会は、発生抑制、再使用、再生利用を推進し、真の循環型社会の形成を目指すため、以下の内容を含む「容器包装リサイクル法」の改正を求めます。
1 回収、運搬、選別、保管にかかる費用について、製造・販売事業者に負担を課すこと。
2 発生抑制、再使用、再生利用の優先順位で推進する、さまざまな手法を盛り込むこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出いたします。
年 月 日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
あて
厚生労働大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
環境大臣
中野区議会議長名
以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
○議長(山崎芳夫) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
本件は委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。
これより討論に入ります。
はっとり幸子議員から討論の通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。はっとり幸子議員。
〔はっとり幸子議員登壇〕
○18番(はっとり幸子) 議員提出議案第19号、容器包装リサイクル法の改正を求める国への意見書について、賛成の立場から討論をいたします。
循環基本法を初め各種リサイクル法が制定された2000年は循環型社会元年と言われ、それ以降、ごみ処理及びリサイクルを中心とする循環型社会形成の動きが速度を速めてはきましたが、現状は循環型社会に向けて大きく踏み出しているとは言えません。本当の意味で循環型社会を実現させるためには、適切な規制と税・課徴金などの経済的手法との組み合わせが必要であり、これは法の制定過程から議論されてきたことでもあります。
自治体が資源ごみ収集を始めた理由は資源の有効利用と環境保全にねらいがありましたが、一番解決しなければならなかった緊急の課題は埋め立て処分場逼迫の問題でした。埋め立てされていた缶やびんをリサイクルすることで埋立量を減らし、処分場の延命を図ってきました。しかし、資源ごみ収集は多くの手間がかかります。最も手間のかかる分別収集、選別、圧縮、保管までは自治体の仕事で、これらの費用はすべて税金で賄われています。その負担率は平均7割と言われていますが、現在、中野区においては8割を超え、容器包装リサイクル法にのっとってリサイクルを実施すればするほど、負担は大きくなっています。
ごみゼロ社会をつくることは私たちみんなの願いです。要らないごみは可能な限り減らし、排出せざるを得ないものは、できるだけ資源にしていくことが必要です。そのためには今の大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会構造を見直すことが不可欠です。リサイクルだけを進めても、大量廃棄が大量リサイクルに置きかわるにすぎません。社会構造の転換を図るためには、発生抑制、再使用、再生利用の順位が守られるようにする仕組みが必要であり、その仕組みが「生産過程から廃棄過程に至るまで、環境影響に対して生産者に責任がある」とする拡大生産者責任という考え方です。
1994年にOECD(経済協力開発機構)の中にプロジェクトが発足してから、新しい環境政策としてこの考えが世界に広がっていきました。この考え方の本質は、だれが処理システムの費用を負担するかにあり、だれが処理に当たるかではないとされています。この拡大生産者責任という考え方を徹底すると、現在、自治体負担となっている収集・分別・圧縮・保管の費用が生産者の負担に移り、製品価格に含まれることになります。自治体と納税者との負担の関係から、生産者と消費者の負担の関係への転換です。その結果、生産者はそのコストを最小限にとどめようと懸命に努力することになるでしょう。こうした生産者の真剣な努力を促すことにより、ごみゼロ社会への道が開けてくると考えます。
ことし7月、全国の自治体が受けている財政的な圧迫に対し、全国知事会は家電リサイクル法とともに、容器包装リサイクル法を見直し、拡大生産者責任を徹底しようという決議を行いました。都内でも都議会を初め、30の区議会、市議会から意見書が出されているところです。法の見直し時期が迫っている今、以上の観点から、中野区議会からの意見書の提出に賛成し、討論といたします。
○議長(山崎芳夫) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
これより採決いたします。
上程中の議案は原案どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
ただいまの議決により、建設委員会に付託した第48号陳情、容器包装リサイクル法の見直しを求める意見書を提出することについては、みなす採択となりますので、さよう御了承願います。
お諮りいたします。
この際、本日の日程をさらに追加し、日程第12、議員提出議案第20号、安心できる年金の改革を求める意見書を先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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議員提出議案第20号 安心できる年金の改革を求める意見書
○議長(山崎芳夫) 日程第12、議員提出議案第20号、安心できる年金の改革を求める意見書を上程いたします。
提案者代表の説明を求めます。岩永しほ子議員。
〔岩永しほ子議員登壇〕
○31番(岩永しほ子) ただいま議題に供されました議員提出議案第20号、安心できる年金の改革を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。
なお、提案説明は案文の朗読をもってかえさせていただきたいと存じますので、御了承願います。
安心できる年金の改革を求める意見書
いま、年金をめぐって、国民のなかには大きな不安と不信が広がっています。この国民の不安を取り除くことこそ、政治が最も知恵と力を発揮すべき課題です。
しかし、年金「改革」の議論は、保険料負担増と年金給付減の話ばかりです。
例えば、厚生労働省が11月17日に発表した2004年「年金改革」案です。この案は、いまの厚生年金保険料(年収の13.58%、労使折半)を来年から毎年引き上げ、2022年度には1.5倍の20%にする。国民年金の保険料も、いま月13,300円を毎年引き上げ、2011年度には月17,300円に値上げするというものです。
その一方で、給付は大幅減です。厚生年金は現在、40年加入の夫婦のモデル年金で月額236,000円です。これは現役世代の所得の59.4%にあたります。これを、2013年度には54.7%に下げる計画です。予想より少子化がすすみ、経済が悪化した場合は50.8%まで下がるとしています。この場合、モデル給付で月額約4万3千円、年額約50万円以上もの削減です。しかも、モデルとなっているのは、受給者のごく一部の23.5%にすぎず、それ以外は給付水準は50%を切るものとなっています。
これでは、安心した老後を過ごすことはできません。とりわけ、この「案」には、すべての公的年金の共通の土台である基礎年金への国庫負担引き上げの実施について「将来に向けた道筋を明らかに(する)」と述べているだけで、具体的な明示がありません。国庫負担の引き上げは、年金財源を安定させる上で欠かせないものです。
よって、中野区議会は、国民誰もが安心して老後を過ごせるよう、政府が、法律の附則どおり、基礎年金への国庫負担割合を3分の1から2分の1へ引き上げることを求めます。
以上、地方自治法第99条の規定にもとづき、意見書を提出いたします。
年 月 日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
あて
財務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
中野区議会議長名
以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
○議長(山崎芳夫) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
本件は委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。
これより討論に入ります。
小堤勇議員から討論の通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。小堤勇議員。
〔小堤勇議員登壇〕
○9番(小堤勇) ただいま上程されました安心できる年金の改革を求める意見書について、日本共産党議員団の立場から賛成討論を行います。
お年寄りが受ける年金額がことし4月に、2002年度の物価下落分の0.9%、総額で3,700億円がカットされました。現在給付されている年金が引き下げられるのは、制度始まって以来、初めてのことです。
「医療費や介護保険料の負担が上がっているのに、年金が減るのは困る。来年も下げられるのか」との声や、不安が広がっています。こうした背景には、高齢者世帯の6割は公的年金以外に収入がなく、また、貯金のない世帯も2割を超えているからです。
読売新聞の調査では、「公的年金を信頼していない」という国民が57%と半数以上になっています。また、制度への不信、高い保険料負担などから国民年金保険料の未納、未加入者が年々増加し、昨年度、国民年金保険料の納付率が62.8%まで低下しました。
こうした中、政府は12月5日、来年度予算編成の「基本方針」を決めました。「基本方針」が年金で明記しているのは、物価下落に合わせての給付を切り下げる、物価スライドの引き続きの実施、「給付と負担の見直し」の名による給付削減と保険料値上げです。
消費者物価は1999年から下がり続け、2001年度までの3年間に1.7%下落しました。政府は、この分と2003年度の物価下落分、政府見通しで0.4%を合わせ、2.1%の削減を実施しようとしています。これを一気に実施するか、分割実施するかは、年末までに結論を出す予定です。この2.1%の削減は、夫婦二人のモデル給付月額23万6,000円の方で月約5,000円、1年間で6万円もの減額となり、お年寄りの生活を直撃します。
11月17日に公表された厚生労働省の「年金改革」案では、今の厚生年金保険料13.58%を毎年上げ、2022年には1.5倍の20%にするものです。現在、約10兆円の年間保険料ですから、1.5倍で5兆円の負担増です。また、国民年金保険料も、月1万3,300円を毎年上げて、2011年には1万7,300円になります。
その一方で、給付は大幅削減です。現役世代の所得の59.4%を10年かけて54.7%へ引き下げるだけでも、モデル給付で年間22万6,000円の減で、全体では1兆5,000億円の給付削減です。また、予想より少子化が進み経済が悪化した場合は50.8%まで下がるし、減額はさらに大きくなります。しかも、このモデルは受給者の23.5%で、それ以外の給付水準は50%を切るものになっています。こうしたことは、庶民にとっては本当に耐えがたいものです。
今、早急に求められているのは、安心できる年金制度にするための改革です。
そのかなめとなるのは、年金財源を安定させる上で欠かせない国庫負担の引き上げです。しかも、基礎年金への国庫負担を2分の1に引き上げることは、国が国民に約束していることです。国民の暮らしを支え、政治への信頼を回復する上でも、政府にその実施を促すことが中野区議会に求められています。
よって、本意見書の主旨にこそ区民の願いがあることをもって、本意見書に対する賛成討論といたします。
○議長(山崎芳夫) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
これより起立により採決いたします。
上程中の議案を原案どおり可決するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(山崎芳夫) 起立少数。よって、上程中の議案は否決するに決しました。
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第24号陳情 中野区女性会館情報コーナーの情報提供機能を充実させることについて
第41号陳情 区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(1項)
第43号陳情 防災上の観点から区内事業所及び学校等の現状を把握して、地域防災計画に反映させることについて
第44号陳情 宮園保育園運営委託について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(1項)
第45号陳情 区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(1項)
(委員会報告)
○議長(山崎芳夫) 日程第8、議事日程記載の陳情、計5件を一括議題に供します。
平成15年(2003年)12月3日
中野区議会議長 殿
総務委員長 平島 好人
(公印省略)
陳情の審査結果について
本委員会に付託された陳情を審査の結果、下記のとおり決定したので、中野区議会会議規則第94条の規定により報告します。
記
受理番号
|
件 名
|
審査結果
|
決定月日
|
意見
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措置
|
第43号陳情
|
防災上の観点から区内事業所及び学校等の現状を把握して、
地域防災計画に反映させることについて
|
採択すべきもの
|
12月3日
|
願意を了とし、趣旨に添うよう検討されたい。
|
|
平成15年(2003年)12月4日
中野区議会議長 殿
区民委員長 高倉 良生
(公印省略)
陳情の審査結果について
本委員会に付託された陳情を審査の結果、下記のとおり決定したので、中野区議会会議規則第94条の規定により報告します。
記
受理番号
|
件 名
|
審査結果
|
決定月日
|
意見
|
措置
|
第24号陳情
|
中野区女性会館情報コーナーの情報提供機能を充実させることについて
|
採択すべきもの
|
12月4日
|
|
|
第41号陳情
|
区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、
平成16年度の区立保育園運営委託を、重点事項からはずすよう求めること
について(1項)
|
採択すべきもの
|
12月4日
|
|
|
第44号陳情
|
宮園保育園運営委託について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16
年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについ
て(1項)
|
採択すべきもの
|
12月4日
|
|
|
第45号陳情
|
区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、
平成16年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めるこ
とについて(1項)
|
採択すべきもの
|
12月4日
|
|
|
○議長(山崎芳夫) お諮りいたします。
上程中の陳情に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
上程中の陳情は委員会報告どおり採択するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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第35号陳情 国民医療の拡充を求める意見書を国に提出することについて
(委員長報告)
○議長(山崎芳夫) 日程第9、第35号陳情、国民医療の拡充を求める意見書を国に提出することについてを議題に供します。
平成15年(2003年)12月2日
中野区議会議長 殿
厚生委員長 かせ 次郎
(公印省略)
陳情の審査結果について
本委員会に付託された陳情を審査の結果、下記のとおり決定したので、中野区議会会議規則第94条の規定により報告します。
記
受理番号
|
件 名
|
審査結果
|
決定月日
|
意見
|
措置
|
第35号陳情
|
国民医療の拡充を求める意見書を国に提出することについて
|
不採択とすべきもの
|
12月2日
|
|
|
○議長(山崎芳夫) 厚生委員会の審査の報告を求めます。かせ次郎厚生委員長。
〔かせ次郎議員登壇〕
○20番(かせ次郎) ただいま議題に供されました第35号陳情、国民医療の拡充を求める意見書を国に提出することについてに関しまして、厚生委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本陳情の主旨は、健保の3割負担を2割に戻し、国保の患者負担を2割に改善するなど、国民医療の基盤である医療保険制度の拡充を求める意見書を国に対し提出することを求めるものです。
本陳情は、平成15年10月6日に受理され、10月10日の本会議において当委員会に付託された後、当委員会では、10月15日と12月2日の計2回にわたり審査を行いました。
まず、審査の進め方として、本陳情を議題に供した後、委員会を休憩して陳情者から補足資料の提出と補足説明を受け、その後、委員会を再開して質疑を行いました。
その主な質疑応答の内容を御紹介申し上げます。
初めに、健保の自己負担がことし4月、2割から3割になり、昨年10月には老人保健法の改正により高齢者の負担もふえている。この厳しい経済状況の中で、家計に占める医療費の割合は増大していると思う。このような区民の実態を把握することが区政運営を進めていく上で重要であると考えるが、そうした区民の実態をどうとらえているのかとの質疑に対し、高齢化に伴う医療費の増大が大きな課題であることから、医療制度の見直しが行われたと認識している。区民の医療費だけを取り上げて、その生活実態を把握することは困難ではあるが、区民の暮らしを総合的にとらえる中で、医療費の問題についても把握していきたいとの答弁がありました。
また、国の医療制度改革により、国民は負担増を押しつけられていると思う。改革ということであれば、むしろ高額医療機器による医療費押し上げの抑制、高額な薬価の見直し、医療費に占める国庫負担の割合を上げるなどの手だてをとるべきだと考えるが、区としてはどのように考えるかとの質疑があり、国の医療制度改革は、高齢化などによる医療費の増大に対応できる安定的な医療制度をどう構築していくかということで行われているもので、改革は進めなくてはならないものと考えている。その中で基礎的自治体として問題点等があれば指摘していく。また、国庫負担の割合をふやしたとしても原資は税金であり、根本的な解決にはならないと考えているとの答弁がありました。
さらに、世界一高いと言われる薬価についてはどう考えるのかとの質疑に対し、薬価については国の薬事審議会で決められており、随時、見直しが図られている。基礎的自治体としては、よほどの問題等が生じない限りは、制度的にも意見を言うような状況にはないとの答弁がありました。
次に、例えば国保の患者負担を2割に改善した場合の給付と保険料とのバランスというのは、おおむねどうなるのかとの質疑に対し、国が用いている試算方式によると、保険給付率を7割から8割に引き上げた場合、保険給付費は23.9%増加し、医療費全体では8.4%増加すると言われている。仮に平成15年度の区の予算ベースで試算すると、保険給付費が30億円を大きく超えて増加すると推計される。これを国の制度として実施した場合は、保険料が4分の1、一般会計からの繰り入れが4分の1、国庫負担が2分の1であるため、保険料そのものは1万円を超える引き上げになり、区の負担も8から9億円増加するという試算になるとの答弁がありました。
以上が主な質疑応答の内容です。
その後、委員会を休憩して本陳情の取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結いたしました。
次に、意見の開陳を求めたところ、意見はなく、意見の開陳を終結いたしました。
次に、討論を求めたところ、1名の委員から、本陳情に賛成する立場から、長引く不況のもと、失業者の増加、商店街では、廃業や店の運営ができないといった状況もある。サラリーマン家庭では、本人の保険負担が2割から3割になり、また、子どもにかかる医療費など、家計に占める医療費の割合が大きくなっている。国は、今最も重要な課題である国民の命と健康を守るという政策を責任を持って行うべきだと考え、本陳情は採択すべきであるとの討論を行いました。
他に討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結いたしました。
そして、挙手による採決を行ったところ、賛成少数で本陳情を不採択とすべきものと決した次第です。
以上で、第35号陳情に関する厚生委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。
○議長(山崎芳夫) ただいまの報告について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。
上程中の陳情を採択するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(山崎芳夫) 起立少数。よって、上程中の陳情は不採択とするに決しました。
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第41号陳情 区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(2項)
第44号陳情 宮園保育園運営委託について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(2項)
第45号陳情 区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて(2項)
(委員長報告)
○議長(山崎芳夫) 日程第10、議事日程記載の陳情、計3件を議題に供します。
平成15年(2003年)12月4日
中野区議会議長 殿
区民委員長 高倉 良生
(公印省略)
陳情の審査結果について
本委員会に付託された陳情を審査の結果、下記のとおり決定したので、中野区議会会議規則第94条の規定により報告します。
記
受理番号
|
件 名
|
審査結果
|
決定月日
|
意見
|
措置
|
第41号陳情
|
区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、
平成16年度の区立保育園運営委託を、重点事項からはずすよう求めること
について(2項)
|
不採択とすべきもの
|
12月4日
|
|
|
第44号陳情
|
宮園保育園運営委託について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16
年度の区立保育園運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについて
(2項)
|
不採択とすべきもの
|
12月4日
|
|
|
第45号陳情
|
区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、
平成16年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めるこ
とについて(2項)
|
不採択とすべきもの
|
12月4日
|
|
|
○議長(山崎芳夫) 区民委員会の審査の報告を求めます。高倉良生区民委員長。
〔高倉良生議員登壇〕
○14番(高倉良生) ただいま議題に供されました平成15年第41号陳情、区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについての2項、及び平成15年第44号陳情、宮園保育園運営委託について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについての2項、及び平成15年第45号陳情、区立保育園運営委託・民営化について、行政の情報提供と説明責任を求め、平成16年度の区立保育園の運営委託を、重点事項からはずすよう求めることについての2項に関しまして、区民委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
以上3件の陳情の2項の主旨は、平成16年度の重点事項から、区立保育園の運営委託をはずすよう求めるものであります。
第41号陳情は平成15年11月17日に、第44号陳情及び第45号陳情は平成15年11月21日にそれぞれ受理され、11月28日の本会議において当委員会に付託されました。
それぞれ12月2日及び12月4日の計2回にわたり審査を行いました。
これらの陳情については、件名、主旨及び理由がほぼ同一であることから、一括して議題に供した後、委員会を休憩して陳情者から補足説明を受け、その後、委員会を再開して質疑を行いました。
その主な質疑応答の内容を紹介します。
初めに、運営委託によって、今の保育園がどうなっていくのかなど、保護者の皆さんの混乱ぶりを考えるならば、区は十分な時間をかけ、行政としての説明責任を果たすべきではないかとの質疑に対し、区民説明会や対象保育園ごとの説明会を適宜実施している。今後も保護者の不安を解消するため、説明の機会を設け、最善を尽くしたいとの答弁がありました。
また、保護者とは、父母連絡会などを通じて定期的に情報交換する機会があったはずだ。その中では一切この件に触れていない。なぜかとの質疑に対し、区として最終決定をしていない時点での指定管理者制度の導入による運営委託を説明することはできないとの答弁がありました。
また、区長は「民で行えることは、官では行わない」旨、一般質問での答弁を行っている。これからの「中野の保育」のありようをどう考えているのかとの質疑に対し、民間でできるものは民間で行ってもらうことを考えている。民間の力を活用しながら、産休明け保育や延長保育、休日保育、一時保育など、多様なニーズに的確に対応していきたいとの答弁がありました。
次に、説明会に参加できない保護者への情報提供や意見の収集はどのようにしているのかとの質疑に対し、区から園を通じて情報提供を行っている。意見は電話、ファクシミリ、メールなどでも受け付けているとの答弁がありました。
これに関連して、いろいろな形で意見を述べられるよう、提出方法や提出場所などの周知を積極的に行ってほしいとの要望がありました。
また、委託先が本当に質の高い業者かどうか、どう判断するのかとの質疑に対し、事業者の既存保育園の視察や、保育理念、運営状況などによって確認する。また、保護者に対しては、選定した業者の提案内容の公開を行う予定だとの答弁がありました。
これに関連して、ぜひ、徹底した情報公開を積極的に行ってほしいとの要望がありました。
さらに、指定管理者制度により、4月からは保育士が一気に変わる。保護者は、どんな事業者が引き受けるのか非常に心配している。業者決定の議決は来年の第1回定例会であり、それまで決まらないのであれば、業者の側も十分な準備ができないのではないかとの質疑に対し、優良企業の業者なら、準備は可能だと考える。既に問い合わせも何件かある。議決により決定されるということで、事業者自身も責任を持って応募に臨んでくると考えているとの答弁がありました。
次に、認可外保育園に通う子どもたちは、行政サービスの外に置かれている。認可外保育所についても、設置基準や保育内容の情報公開、サービスチェック、苦情処理への対応など、支援できる仕組みをつくるべきではないかとの質疑に対し、認可保育所であろうと認可外保育所であろうと、これを利用するのは中野の子どもたちであり、保護者である。どの子も安心できる環境で育てられることが大切である。認可外保育所に対する区のかかわり方については、今後の検討課題としているとの答弁がありました。
さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。
次に、意見を求めたところ、意見はなく、意見の開陳を終結しました。
次に、討論を求めたところ、1名の委員から本陳情に賛成の立場で、保護者の心配は、指定管理者制度の性急な導入にある。混乱の根底には、指定管理者制度では保育に対する自治体としての公的な責任が担保できない点にある。性急に進めることは論外であるとの立場から、この陳情の主旨を真摯に受けとめ、対処すべきであるとの討論がありました。
さらに討論を求めたところ、討論はなく、討論を終結しました。
そして、挙手による採決を行ったところ、賛成少数で、本陳情を不採択とすべきものと決した次第です。
以上で、第41号陳情、第44号陳情及び第45号陳情の2項に関する区民委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了します。
○議長(山崎芳夫) ただいまの報告について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
長沢和彦議員から討論の通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。長沢和彦議員。
〔長沢和彦議員登壇〕
○19番(長沢和彦) ただいま上程されました第41号と第44号及び第45号陳情の2項に対して、日本共産党議員団の立場から賛成の討論を行います。
賛成する理由の第1は、陳情にも述べられているように、区の進め方が余りにも乱暴過ぎるという点です。
短期間の中で子どもごと運営委託業者に移行するなど、園に通う子どもや保護者のことを考えれば、とても受け入れられるものではありません。
今回、当該園である宮園・宮の台保育園の保護者は、指定管理者制度の内容や、民間業者、しかも株式会社での運営、職員体制や引き継ぎ期間のことなどなど、どうなるのかと不安な毎日を送り、今日に至ってもそれは解消されていません。よいのか悪いのかの判断もつかず、およそ考える時間も与えないようなやり方はやめるべきです。
しかも、こうした進め方は、行財政5か年計画での区立保育園の民営化のときに、再三議会からも保護者・区民からも指摘され、「十分な情報提供と説明を行う」としていたにもかかわらず、それをほごにしたことで一層不信を募らせているのです。
第2に、区立保育園の運営委託と民営化が何の計画や方針もなくひとり歩きしていること、しかも保護者・区民が求める説明をきちんと行っていない問題です。
区は、区民の合意がないのに勝手に「民でできることは民で」と言って、指定管理者制度による運営委託だけでなく、地方独立行政法人なども視野に入れながら、区立保育園すべてを民営化するとした考えを示しました。そのことがますます保護者・関係者の不安を増幅させています。
大体、「民でできることは」と言いますが、問題はどうできるかであって、保育について言えば、子守のように見ていてくれればよいといったものではないはずです。しかも、子どもへの影響は短い期間の中であらわれてくるとは限りません。
委託業者には「都基準を守ってもらう」としていますが、産休明け保育にプラス1名を配置している現行の区の基準とは明らかに違います。宮園保育園を例に見ても、区の基準より1名から2名少ないのが都の基準です。しかも、都基準配置とはあくまで人員数を定めたもので、若い保育士、中堅、ベテランといった経験年数は基準の対象とされていません。したがって、区が当然バランスのとれた配置を考えた上で、募集要項で委託業者に求めるのかと思いましたが、何も記されていません。さらに、園長・主任を除いて常勤職員は5名以上の配置を求めてはいますが、常勤としているだけで、正規の職員とはしていません。つまり、契約社員でもいいですよと、安定性に欠くことをよしとさえしています。こんな不安定な雇用で子どもの心に安心感をもたらすことができるでしょうか。
こんなにも委託業者、つまり株式会社が受けやすいように条件を整えてあげて、一方で保護者・区民には、「区立保育園のまま」で、「今までと変わりはない」としているのでは、なぜなのか全く説明がつかないではないですか。さらに言うならば、こうしたことを一番御存じなのは、ほかならぬ中野区当局御自身であって、それに対する説明は全く行おうとせず口をつぐんでいることに至っては、余りにも不誠実で、保護者・区民に対して全く無責任きわまると言わざるを得ません。
運営委託を「区民ニーズの高い産休明け保育や延長保育を行う」ためといった理由も、納得のいくものではありません。なぜなら、区はこれまで保育需要が高まっていたにもかかわらず廃園を進め、しかも産休明け保育・延長保育などの要求にもこたえてきませんでした。ここに一番の原因があります。その検証もなく、まして反省のかけらもないまま、このように強行することは許されません。
また、宮園保育園父母有志から出されている陳情で触れられているように、区の都合で宮園乳児室を廃園にすることから産休明け保育の受け皿が必要となるのであれば、非常勤の保育士の活用を行えばよいはずです。緊急的な対応ならば、それが一番理にかなったやり方です。しかし、区は逆に非常勤保育士に対しては首切り宣言をして、今後進めていく運営委託・民営化のための布石にさえしています。
方針も計画もないもとで、区の都合だけで「重点事項」に掲げ強行するなどは、およそ自治体のとるべき姿勢ではありません。
第3に、区の保育行政の根幹にかかわる公的責任を放棄しようとしている問題についても触れておきます。
手法の乱暴さに加えて、説明のつく論拠もなく事を進めようとしている大もとには、区が公的責任を投げ出すといった全く道理のない、乱暴きわまる点から生じていると言えるでしょう。
そもそも保育とは、保育士を初めとした園の職員と保護者との共同の営みであり、地域の協力も得ながら子どもの豊かな成長をはぐくむところです。公立園、社会福祉法人などの私立園を問わず、そのことを大切にしながら、子どもにとってよい保育を進めてきたのです。公立園は、そうした取り組みの中で制度を確立してきました。私立園においても、献身的な保育士等によってすばらしい保育の実践を行っています。区はしばしば、こうした私立園を引き合いに出しますが、私立園の努力に甘えているだけで、区が公立園並みのバックアップをすれば、もっと安定した質の高い保育を継続できるのです。しかし、区のやることといえば、これまで築いてきた園と保護者との関係を壊し、サービスの担い手と受け手、つまり保護者・区民を消費者としてとらえ、その範疇でサービスメニューをそろえるといったものに変えようとしています。しかも今日では、認可保育園と認可外保育園との差を取り上げて、「公平性に欠ける」としていることも、認可と認可外の園並びに保護者を分断し、区みずからの責任を棚上げにする極めて意図的・恣意的な論まで展開するありさまです。
こうしたことでは、区が本来行うべき公的保育の充実といった当たり前のことさえ行おうとはならないでしょう。ですから、子どもの最善の利益を守るといった最も大事な視点を持つことが縁遠いものになっているのです。
区が保育行政への公的責任を決して放り出してはならないことを申し添えて、第41号、第44号、第45号陳情の2項への賛成討論とします。
○議長(山崎芳夫) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
これより起立により採決いたします。
上程中の陳情を採択するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(山崎芳夫) 起立少数。よって、上程中の陳情は不採択とするに決しました。
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第46号陳情 平成16年4月からの宮園保育園の運営委託の延期と延期期間中における同保育園での産休明け保育の実施について
(委員長報告)
○議長(山崎芳夫) 日程第11、第46号陳情、平成16年4月からの宮園保育園の運営委託の延期と延期期間中における同保育園での産休明け保育の実施についてを議題に供します。
平成15年(2003年)12月4日
中野区議会議長 殿
区民委員長 高倉 良生
(公印省略)
陳情の審査結果について
本委員会に付託された陳情を審査の結果、下記のとおり決定したので、中野区議会会議規則第94条の規定により報告します。
記
受理番号
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件 名
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審査結果
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決定月日
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意見
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措置
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第46号陳情
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平成16年4月からの宮園保育園の運営委託の延期と延期期間中における同
保育園での産休明け保育の実施について
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不採択とすべきもの
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12月4日
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○議長(山崎芳夫) 区民委員会の審査の報告を求めます。高倉良生区民委員長。
〔高倉良生議員登壇〕
○14番(高倉良生) ただいま議題に供されました平成15年第46号陳情、平成16年4月からの宮園保育園の運営委託の延期と延期期間中における同保育園での産休明け保育の実施についてに関しまして、区民委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本陳情の主旨は、父母の理解が十分に得られるまで、平成16年4月からの宮園保育園の運営委託を延期するとともに、延期期間中、同保育園で産休明け保育を実施するよう求めるものです。
本陳情は平成15年11月25日に受理され、11月28日の本会議において当委員会に付託されました。
その後、12月2日及び12月4日の計2回にわたり審査を行いました。
その主な質疑応答の内容を紹介します。
初めに、まだ保育に関する基本的な指針が示されていない中で、指定管理者制度の導入を一方的に進めており、父母会などでは区に対しての不信感をあらわにしている。このことをどう受けとめているのかとの質疑に対し、今回の指定管理者制度の導入は、産休明け保育や延長保育などの区民ニーズに早急に対応するため行うものである。また、保護者の主な不安は、事業者の選定や引き継ぎに関することにあると考えている。これについては、説明会を重ね、保護者の意見を十分に聞くとともに、具体的な選定基準などについて情報提供を行っていきたいとの答弁がありました。
また、宮園乳児室を廃止するとのことだが、どういうことかとの質疑に対し、開設当初は保育園の補完的な役割を果たしていたが、現在の利用率は5割を下回っている。年度初めは数人ということもある。また、この宮園乳児室のような団体方式による家庭福祉員制度については、来年度から都の補助金が廃止されることとなったためであるとの答弁がありました。
さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。
次に、意見を求めたところ、意見はなく、意見の開陳を終結しました。
次に、討論を求めたところ、1名の委員から本陳情に賛成の立場で、指定管理者制度の性急な移行の前に、直営で安いコストで実施するという経営努力の方途があったはずである。非常勤保育士の活用を初めとして、他の手法があったにもかかわらず、一気呵成に指定管理者に当たらせることは、今後に大きな禍根を残すと考える。このことから、区は、陳情の主旨に述べられていることについて、努力すべきであると考える。よって本陳情に賛成するとの討論がありました。
さらに討論を求めたところ、討論はなく、討論を終結しました。
そして、挙手による採決を行ったところ、賛成少数で、本陳情を不採択とすべきものと決した次第です。
以上で、第46号陳情に関する区民委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了します。
○議長(山崎芳夫) ただいまの報告について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。
上程中の陳情を採択するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(山崎芳夫) 起立少数。よって、上程中の陳情は不採択とするに決しました。
平成15年第4回定例会
平成15年12月9日付託
陳情付託件名表(Ⅱ)
《総務委員会付託》
第50号陳情 臨時職員などの公正な賃金等を確保することについて
第51号陳情 パート・派遣労働者などの適正な労働条件の整備及び均等待遇を求める意見書を政府・関係省庁へ提出することについて
《区民委員会付託》
第53号陳情 区立保育園運営委託実施計画の撤回、ならびに非常勤保育士の全員解雇撤回を求めることについて
《議会運営委員会付託》
第52号陳情 本会議等における議員の一般質問等について
○議長(山崎芳夫) 次に、陳情の常任委員会及び議会運営委員会への付託について申し上げます。
お手元に配付の陳情付託件名表(II)に記載の陳情につきましては、記載のとおり所管の常任委員会及び議会運営委員会に審査を付託いたします。
平成15年(2003年)12月3日
中野区議会議長殿
総務委員長 平島 好人
(公印省略)
議案の継続審査について
本委員会は、下記議案について、閉会中もなお継続審査を要するものと決定したので、中野区議会会議規則第76条の規定により申し出ます。
記
第49号議案 中野区外部監査契約に基づく監査に関する条例
継続審査を要する理由
本定例会の会期中に審査を終了し得ないため。
○議長(山崎芳夫) 次に、議案の継続審査についてお諮りいたします。
お手元に配付の議案継続審査申出書のとおり、第49号議案については総務委員会から継続審査の申し出がありますので、これより継続審査の可否について、起立により採決いたします。
第49号議案、中野区外部監査契約に基づく監査に関する条例については、総務委員会の申し出どおり継続審査に付したいと思いますが、これに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(山崎芳夫) 起立多数。よって、第49号議案は総務委員会の申し出どおり、継続審査に付すことに決しました。
平成15年第4回定例会
陳情継続審査件名表(I)
《議会運営委員会付託》
第15号陳情 政務調査費の収支報告書に領収書を添付することについて
第21号陳情 中野区議会議員の政務調査費収支報皆書について
○議長(山崎芳夫) 次に、陳情の継続審査についてお諮りいたします。
お手元に配付の陳情継続審査件名表(I)に記載の陳情については、議会運営委員会から継続審査の申し出がありますので、継続審査の可否について、これより一括して起立により採決いたします。
第15号陳情及び第21号陳情については、議会運営委員会の申し出どおり継続審査に付したいと思いますが、これに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(山崎芳夫) 起立多数。よって、第15号陳情及び第21号陳情は継続審査に付すことに決しました。
平成15年第4回定例会
陳情継続審査件名表(II)
《厚生委員会付託》
第34号陳情 成人健診の現行制度継続を求めることについて
第40号陳情 区の成人健診の現行制度継続を求めることについて
《建設委員会付託》
第38号陳情 川中湯跡地に計画されている高層分譲マンションの建設について
第49号陳情 西武新宿線野方駅のバリアフリー化を実現することについて
《文教委員会付託》
第36号陳情 これからの中野区立図書館の運営について
第42号陳情 「難聴・言語障害児等のための中学校通級学校の早期開設を望むこと」について
第47号陳情 中野区在住の私立小中学校就学者への教育費助成実現について
《交通対策特別委員会》
第16号陳情 首都高速中央環状新宿線について、「工事の一部中断・見直し」を求める住民活動を支援することについて
○議長(山崎芳夫) さらに陳情の継続審査についてお諮りいたします。
お手元に配付の陳情継続審査件名表(II)に記載の陳情については、それぞれ付託委員会から継続審査の申し出がありますので、これを申し出どおり継続審査に付したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
なお、本日付をもちまして委員会に付託いたしました陳情も、付託委員会における閉会中の継続審査に付したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
平成15年第4回定例会
常任委員会所管事務継続調査件名表
総務委員会
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1 基本構想・区政基本計画について
1 広報・広聴及び住民参加について
1 組織・人事及び各種事務事業の改善について
1 財政計画、資金及び財産管理について
1 災害対策について
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区民委員会
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1 総合窓口の事務処理について
1 区税について
1 国民健康保険及び国民年金事業について
1 産業振興及び勤労者福祉について
1 地域センター等の管理及び運営について
1 児童青少年及び女性問題について
1 保育について
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厚生委員会
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1 健康づくり、疾病予防及び環境衛生について
1 生活困窮者に対する援助について
1 高齢者・障害者及び児童の福祉について
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建設委員会
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1 安全で快適に住めるまちづくりについて
1 交通安全及び放置自転車問題について
1 河川の溢水防止及び親水化について
1 道路・公園等の整備及び緑化について
1 環境・公害問題及び消費生活について
1 資源循環及び清掃事業について
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文教委員会
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1 学校教育の充実について
1 区民の生涯学習について
1 スポーツ環境の整備について
1 文化財保護等について
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○議長(山崎芳夫) 次に、常任委員会の所管事務継続調査についてお諮りいたします。
お手元に配付の常任委員会所管事務継続調査件名表に記載の調査事件については、それぞれ所管委員会から継続調査の申し出がありますので、これを申し出どおり継続調査に付したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
平成15年第4回定例会
議会運営委員会所管事項継続調査件名表
1 議会の運営について
1 議会の会議規則、委員会に関する条例等について
○議長(山崎芳夫) 次に、議会運営委員会の所管事項継続調査についてお諮りいたします。
お手元に配付の議会運営委員会所管事項継続調査件名表に記載の調査事件については、議会運営委員会から継続調査の申し出がありますので、これを申し出どおり継続調査に付したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
以上で本日の日程を全部終了いたしましたので、散会いたします。
平成15年第4回中野区議会定例会を閉じます。
午後4時32分閉会
会議録署名員
議 長 山崎 芳夫
副議長 やながわ 妙子
議 員 北原 奉昭
議 員 藤本 やすたみ