平成15年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成15年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録

1.平成15年(2003年)11月28日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  高  橋  ちあき        14番  高  倉  良  生
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  若  林  ふくぞう       25番  岡  本  いさお
 26番  こしみず  敏  明       27番  飯  島  きんいち
 28番  佐  伯  利  昭       29番  佐  藤  ひろ子
 30番  来  住  和  行       31番  岩  永  しほ子
 32番  篠     国  昭       33番  柿  沼  秀  光
 34番  伊  藤  岩  男       35番  斉  藤  金  造
 36番  大  泉  正  勝       37番  斉  藤  高  輝
 38番  江  口  済三郎        39番  藤  本  やすたみ
 40番  昆     まさ子        41番  江  田  とおる
 42番  池  田  一  雄
1.欠席議員(1名)
 24番  市  川  みのる
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  金 野   晃      政策担当課長   鈴 木 由美子
 総 務 部 長  石 神 正 義      総 務 課 長  田 辺 裕 子
 区 民 部 長  本 橋 一 夫      地域センター部長 柳 澤 一 平
 環 境 部 長  寺 部 守 芳      保健福祉部長   菅 野 泰 一
 保 健 所 長  清 水 裕 幸      都市整備部長   石 井 正 行
 まちづくり調整担当部長 那須井 幸 一   教育委員会事務局次長 山 下 清 超
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  正 木 洋 介      事務局次長    飯 塚 太 郎
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  巣 山 和 孝      書     記  永 田 純 一
 書     記  長 崎 武 史      書     記  荒 井   勉
 書     記  西 田   健      書     記  岩 浅 英 樹
 書     記  鳥 居   誠      書     記  佐 藤 雅 俊
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成15年(2003年)11月28日午後1時開議)
日程第1
 第58号議案 中野区組織条例の一部を改正する条例
 第59号議案 中野区における平和行政の基本に関する条例の一部を改正する条例
 第60号議案 中野区用品調達基金条例を廃止する条例
 第61号議案 中野区公共料金支払基金条例を廃止する条例
 第62号議案 選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
 第68号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 第69号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 第70号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
日程第2
 第63号議案 中野区印鑑条例の一部を改正する条例
 第64号議案 中野区保育所条例の一部を改正する条例
日程第3
 第65号議案 中野区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
日程第4
 第66号議案 中野区特別工業地区建築条例
 第67号議案 中野区自転車等放置防止条例の一部を改正する条例
日程第5
 議会の委任に基づく専決処分について

      午後1時31分開議
議長(山崎芳夫) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 来 住 和 行
 1 中野駅周辺まちづくりの問題について
 2 学校教育の充実について
  (1)30人学級の実現を求めることについて
  (2)障害学級の増設について
 3 福祉施策の充実、拡大について
  (1)乳幼児医療費無料化の年齢引き上げと入院時の食事療養費自己負担補助について
  (2)インフルエンザ予防接種について
 4 建築紛争を予防するために条例を改正することについて
 5 山手通りの環境対策について
 6 その他
  (1)東中野駅周辺の整備について
  (2)その他

議長(山崎芳夫) 最初に、来住和行議員。

     〔来住和行議員登壇〕
30番(来住和行) 2003年第4回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。
 まず、中野駅周辺まちづくりの問題についてお聞きします。
 中野駅を中心としたまちづくりの検討は、2回開催された中野駅周辺まちづくり調査検討委員会に提出された資料によって、都市再生の名による六本木ヒルズ、恵比寿ガーデンプレイス、汐留、品川駅東口などで行われているような大規模都市再開発への誘導であることが、いよいよ明らかになりました。都市再生は、言うまでもなく、政府・財界の構想する経済戦略の一環として進められているものです。バブル崩壊以降、大企業、スーパーゼネコンが、長期にわたって打ち続く不況から自らが脱出するための策にあります。政府も、大規模公共事業が不況打開につながらないことを知りながら、財界言いなりに、都市再生の名による財政破綻の道へ再び地方自治体を引きずり込もうとしているものです。
 検討委員会の資料に示された、新しい都市づくりビジョン「センター・コア再生ゾーン」こそ、石原知事が打ち出した「首都圏メガロポリス構想」で位置付けられたものです。すなわち、首都高速中央環状線の内側地域で現在開発中、もしくは計画中のものだけで63地区、開発面積は東京ドーム308個分に相当する296ヘクタールの巨大なものです。構造改革の流れで推し進める国と東京都のこの巨大開発の流れに中野区も乗りおくれまいと、調査検討委員会の議論もそこそこに、結論をがむしゃらに出そうとしているのではありませんか。
 そもそも、都市のまちづくりは、地域における住民の暮らしの視点に立って、住民の参加のもと、長期的課題として取り組まれるべきものです。ところが、都市再開発が経済競争手段という極めて一面的でゆがんだ目的のために、しかも、差し迫った不況対策に強引に特定の企業にまちづくりを利用させようとしているのではありませんか。都議会で都市再生によるビルがあり余る2003年問題とその危険を指摘された石原知事は、「新規のビルを建てている当事者に聞いてほしい」などと開き直りました。
 そこで、お聞きします。検討委員会事務局を担う東京都新都市建設公社と中野区が示した2回の検討委員会資料からは、跡地と駅周辺に描いているまちづくりは、品川、汐留、恵比寿、新宿などの超高層ビル群への仲間入りをお考えなのでしょうか。答弁を求めます。
 私は、都市再生の代表、六本木ヒルズを2回訪ねました。広さは、東京ドームのグラウンド9面分、全体で210の小売店や飲食店が並びますが、高価なものばかりで、生活のにおいを感じることができません。日本を代表する文化都心、世界に通用する21世紀の新しい都市モデルを森ビルは誇ってみせますが、再開発で住民を追い出し、暮らしの文化を抹殺した後に、コンクリートで固めたオープンスペース、公共空間を文化だというなら、地域住民の暮らしの中から生まれ育つ文化は、こうした再開発が進めば進むほど、都市から失われていくことになります。
 警大跡地に区民が共通して望んでいるものは、中野区にとって貴重な緑と樹木の保存ではないでしょうか。樹木は、警大跡地に約800本、警視庁跡地に高さ1メートル以上が900本。樹木の保存については、昨年6月の解体に際し、警視庁に、区長名で「敷地内にある樹木は中野区内に残された貴重な緑であり、区民からその保全・育成に関する要望が寄せられていますが、区としても、中野区みどりの基本計画に基づき、事業者等と協働して、緑の保全や創出等を推進していくこととしています。このため、建物等の除去及び跡地の管理に支障とならない範囲内で、中央部防災公園予定地など、跡地における既存樹木の保存や活用等につきまして、格段の御配慮を」と要望書を提出し、保存を訴えてきました。これまで、区民からの議会への陳情でも、「豊かな緑と水辺の公園のまち」ではありませんか。関東直下型がいつ起きても不思議でないと言われる今日、都民にとってもあすの命を託せる緑と広場の避難場所です。目先の開発に目がくらみ、どうして大切な緑の財産を残す努力さえしないのですか。調査検討委員会に樹木に関する資料をどうして出さなかったのか、意図的に出してこなかったのか、3回目の調査検討委員会には提出すべきでありませんか。答弁を求めます。
 中野区は、これまで、中野駅周辺整備のために、調査費として4億6,000万円の税金を導入してきました。さらに、ことしの9月9日に都市計画決定した区画街路1、2号の調査費に1,800万円をさらに投入し、また、サンプラザの調査委託に1,400万円、駅周辺調査検討委託に1,400万円をつぎ込むなど、これまでに合計5億1,600万円の調査費が中野駅周辺だけに注がれています。これまで、日本共産党区議団は、行政が先走り、見通しのない計画づくりのための調査を先行させたり、区として独自の検証・検討のないままコンサル会社に丸投げしてきた区の責任と総括を求めてきました。11月10日の警特委で、まちづくり調整担当部長からは、「都市計画マスタープランだけでなく、当然御指摘のような都市計画道路だとか、公園だとか、用途・容積も計画決定がされています。私どもは、もちろん当然それに拘束されずに、そういうものを十分踏まえていますけれども、検討では当然そういうものに拘束されずにまちづくりを考えているわけでございます」と答弁がありました。このような従来の計画を無視したまちづくり案は、だれが考えているのか。今回の中野駅周辺まちづくり調査委託の目的には、中野駅周辺地区整備構想や警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案、中野二丁目地区市街地整備計画案等を踏まえ、まちの活性化や産業振興も視野に入れながら、都市計画マスタープランにある「賑わいの心」としてのまちづくりや土地利用の方向性について、実施可能なまちづくりの事業手法を含めた調査・検討を行い、中野駅周辺まちづくりの計画素案を作成することとなっています。議会での議決を経ての調査委託の目的を外れる計画づくりは、進めるべきではありません。御答弁を求めます。
 中野区は、周辺まちづくりの財政負担については、開発者負担の考え方の中で、「新たな開発者が必要な道路や公園等の公共施設について用地取得と整備の費用を負担するもの」と説明しています。さらに、中野区は、開発の方法として、開発許可による開発行為を挙げています。東京駅・有楽町駅周辺、新橋・赤坂・六本木地域などが都市再生緊急整備地域に指定され、巨大な再開発が行われました。ここでは、建築制限等の規制緩和、税制優遇、金融支援などの異常とも言えるほどの特別措置が行われ、都市計画マスタープランも無視できる強引な手法です。
 そこで伺います。開発許可による開発の場合は、中野区の財政負担はどんな形でも発生しないのか、するのか。具体的にお答えください。
 二つ目の開発手法として示しているのが、汐留サイト同様の土地区画整理事業です。汐留も本来、区画整理事業でやる必要がなかったものを、スーパーゼネコンに八つに区画するために、この手法で開発しました。警大跡地は、国が面として所有しているものを、どうして区画整理事業で開発しなければならないのか。区画整理事業での開発の場合、中野区の財政負担はいかなる形にせよ発生しないのか。負担があるとすれば、どのような負担が生まれるのか。具体的な答弁を求めます。
 土地区画整理事業で事業化された汐留サイトの基盤整備に、東京都が1,463億円を支出、同じくみなとみらい21事業には、基盤整備で横浜市が5,200億円を超えて支出、都市再生法に基づく六本木六丁目の再開発では、港区の66億円を含め173億円もの血税を注ぎ込みました。そして、中野区が委託した東京都新都市建設公社が宅地造成などにかかわった東小金井駅北口区画整理事業には、小金井市が55億円を導入し、大問題になっています。
 次に、第2回調査検討委員会で出された資料に対して、委員からは、「ほかのまちの再開発された駅周辺の調査はされているが、中野のまちはどういった需要があるのか示されていない」、駅周辺の町会長からは「恵比寿・大崎・品川など、中野とは背景が全く違う。警大がある中で参考にならない。企業が営利を求めつくったもので、開発の原点が違う。誘導しないでほしい」などの意見は、事務局としてどのように生かしていくのか。警察大学校跡地に夢を託す連絡会の「跡地への活用提案コンクール」への提案、100人を超える小学生の願いを込めた夢をどのように受けとめ、事務局として検討に生かしていくのか、お答えください。
 まちづくりの計画案の姿が区民の前にあらわれるのが、1月中旬に取りまとめを予定している「中間のまとめ」です。
 そこでお聞きします。「中間のまとめ」は、検討委員会の委員の合意をどのようにして、どの段階で得るのか。事務局としてどうするのか、お答えください。
 これまで指摘してきたように、わずか半年間の検討委員会で警大跡地を初めとした駅周辺のまちづくりに寄せる区民の思いと要求とを酌み取ることができるとお考えなのでしょうか。区民参加で取りまとめた「警大跡地土地利用転換計画案」のときは、議論も、検討する時間も、十分尽くされました。そのときの参加の区政とは、余りにも大きな違いです。拙速過ぎるスケジュールは、区民には納得できるものではありません。検討委員会が十分な調査・検討できる期間と、区民の参加が最大限担保できるように、計画案の決定を急がず、区民の声が生かされるようにスケジュールを変更すべきではありませんか。お答えください。
 次に、30人以下学級の実現を求めることについて伺います。
 21世紀の主役となる子どもたちの教育は、自治体にとって待ったなしの大事な仕事です。毎日、元気に楽しく登校し、健やかに成長してほしいとすべての親は願っています。ところが、子どもたちは、差別や選別、詰め込み教育の押しつけや大学を頂点とする受験競争のもとで、伸び伸びと学校生活を楽しむ、わかったと喜び合えるような学習を送るゆとりを奪われています。教育のゆがみは、学力不振や心のケアを必要とする子どもたちをふやしています。区内の小学校、中学校で合わせて02年度不登校の児童・生徒数154人、全都の都立高校での中途退学は生徒の2割近くにも達しています。私たちは、一人ひとりに行き届いた教育の前提にまず30人以下学級の実現の必要性を繰り返し求めてきました。秋田県、新潟県では、小学校1、2年生を30人程度の学級とし、山形県は県内の公立小・中学校で、来年度以降、1学級を30人程度とする方針を明らかにしました。一クラス30人以下学級の取り組みは、全国の市町村に広がり、財政負担はふえるが、次代を担う子どもの育成は最優先の施策として、全国の自治体があらゆる努力をして、少人数学級実現を目指しています。
 ところが、東京都教育委員会は、これまで習熟度別少人数授業を推進し、少人数学級を拒んできました。その理由として、「学習は少人数がよいが、生活集団としては切磋琢磨する場として一定の規模が必要」といい、一貫して消極的な立場です。長野県教育委員会でまとめた「30人規模学級編制の成果と課題」と題する報告書では、学習内容の定着、効率的な指導を評価した担任の先生の反応や保護者の声として、「少人数で、先生の手がよく入り、ありがたい」、「兄や姉のときよりはるかに落ちついて取り組んでいる」、「学校における集団生活とのかかわりでも、仲よく遊んだり、学級の問題をみんなで話し合うなど、学級のまとまりがよくなった」、「一人ひとりの存在感が強くなり、お互いに関心を持つようになった」などと成果が報告されています。国立教育政策研究所が公表した調査によっても、「20人以下の学級が他より好成績」という結果も出ています。さらに、中央教育審議会答申までが、「1学級40人は欧米に比べて異様に多く、きめ細かな指導は難しい。少人数化は子ども一人ひとりの個性と能力を引き出し、開花させる教育への転換を図るための有力な手段だ」と評価しています。
 今回の本質問の準備に際し、区立小学校を視察しました。学校の話では、入学式から半年過ぎた1年生のクラスでは落ちついてきたとのことですが、33人の1学年のクラスでは、地域の教育ボランティアの方が補助員として1日ついておられました。このクラスは、教頭先生が入るなど、必ず複数体制を心がけているとのことです。39人の4年生クラスでは、机と机の間を先生が通って個別の指導ができないほどの詰め込み状態です。一方、21人の5年生クラスでは、先生と児童が対面し、一人ひとりの児童が先生の手のひらに乗っかっており、「先生、わかりません」と手を挙げる児童に他の児童が教え合う。教室全体に余裕と落ちつきをつくり出していることが強く感じられます。
 そこで伺います。中野区は、全国的に広がる公立小・中学校の学級定員の少人数化に向けた動きについて、また区内の学校における児童・生徒の生の声、先生方の現場の実態をどう聞いているのか。どのような検討と検証を行ってきたのか。答弁を求めます。
 少人数学級制度に踏み出した各地方自治体では、さきに紹介したように、各地でその成果と検証のさまざまな報告やレポートが提出されています。どっちが本当に子どもたちが落ちついて勉強でき、クラスとしてまとまり、いじめや不登校がなくなっていくのだろうか。どこでも少人数学級制度が学校の先生方や、もちろん子どもたちからも大歓迎を受けています。
 文部科学省は、04年度より、これまで1クラス複数の教員が指導に当たるチームティーチングなどに限定されていたものを少人数学級編制にも適用できると、運用基準を見直すこととしています。少人数学級も国庫負担として増員教員の給与が対象となります。文部科学省も、少人数学級の効果を認めるところまで来ている今こそ、東京都に対し、少人数学級の実現を中野区も要求すべきではありませんか。責任ある答弁を求めます。
 2003年5月1日の区の資料によると、1年生で1クラス30人以上が小学校で15校、中学校で8校となっています。区内の小・中学校の教育条件を緊急に整備する責任が教育委員会には負わされています。せめて、小・中学校1年生について30人以下学級を実現していくべきと考えます。特に、35人以上のクラスとなっている1年生の9校、中学校で5校については、中野区単独でも実現のための具体的な手だてを尽くすべきではありませんか。また、3年から4年になるときの学級編制は、学級維持制度の適用外とされているため、東中野小などの5校は厳しいクラス運営を余儀なくされています。都に対し、制度適用を引き続き要求しつつ、単独実施も検討すべきです。あわせてお答えください。すべての子どもたちに少しでもゆとりを持って勉強できる環境を整えるために、真剣で積極的な答弁を求めます。
 次に、障害学級の増設について伺います。
 中野区教育委員会は、昨年秋に「障害学級のあり方について」を発表し、その中で「児童・生徒数の減少にもかかわらず、障害教育の対象となる児童・生徒数は横ばい、もしくは漸増の傾向にある。最近、注意欠陥多動性障害(ADHD)への新たな対応が必要」との基本的な考え方を示しています。中野区の取り組みは、来年4月、知的障害学級の西中野小学校、情緒障害学級の沼袋小学校を開設しても、まだまだ23区内では極めて立ちおくれている状況には変わりありません。29校ある小学校で、知的障害学級、情緒障害学級はわずか4校だけで、中学校は2校のみです。小学校の場合は、ほとんどが親の送迎が必要で、1日2往復の送迎のために、仕事をやめざるを得ない状況も生まれています。地域の学校で学ばせたい、一人で通学することを目指したいと願うのは、親子の共通した切実な思いです。23区内で、中野区は、障害学級の設置校、学級数においても、最も遅れをとっています。この取り組みの立ち遅れについて、教育委員会はどう認識されているのか、お聞きします。
 「基本的な考え方」の中で、障害学級は、できることならば、各学校に設置していくことが望ましいと考えられるが、集団活動の難しさ、財政状況の厳しさから、より現実的な対応策として、増設校を考慮し、北西、北東、南部地域にそれぞれ2校ずつの計6校の必要性を認めています。教育委員会自らが必要性を認めているこの地域について、教育委員会は、父母の願いにどう答えていくのか。予測される障害教育の対象者の増加、新たな障害への対応、これまでの立ち遅れを取り戻す新たな取り組みを、教育委員会として小学校、中学校について、今後の設置校を含め、具体的にお答えください。
 次に、乳幼児医療費助成の年齢引き上げと、入院時の食事療養費自己負担の補助についてお聞きします。
 乳幼児医療費助成の充実・拡大は、安心して子どもを産み育てるための重要な施策となっています。1972年に23区初のゼロ歳児への助成を始めた中野区では、順次年齢の引き上げと所得制限の撤廃を行い、93年には新日本婦人の会などを中心とした就学前までの年齢引き上げを求める議会陳情が採択される中で、現在、所得制限なしで就学前までの助成へと前進させてきました。国会においても、ことし4月に再び党国会議員団は「乳幼児医療費の支給に関する法律案」を参議院に提出しました。01年6月には、少子化対策推進決議案の中に「乳幼児医療費に対する国の助成」を明記させ、子育て支援のために乳幼児医療費無料化の必要性と国の責務を決定したことによって、この決議の実行に政府は責任を負わなければならなくなりました。助成制度の創設を求める要望が多くの地方議会から採択されるなど、世論と運動が高齢者、労働者本人の3割負担引き上げが行われた今年4月の医療改悪の中でも、乳幼児3歳未満の医療費については2割負担へと引き下げをせざるを得ませんでした。
 今こそ、国会決議の実行を迫るとともに、国に対し、自治体から制度化の実現をこれまで以上に強く求めるときです。中野区の取り組みについて、答弁を求めます。
 中野からスタートした助成制度は、今や全国の3,241のすべての市町村で対象年齢、所得制限の違いはあっても、独自に制度を実施するまでになりました。既に全国の自治体では、小学校、中学校、高校卒業までへと助成対象を拡大し、充実し、101の自治体が小学校卒業までの通院・入院のいずれかに制度を拡充してきています。少子化の背景の一つには、子育てにお金がかかることがあります。特に、不況の中で、子育て世代の生活は大変です。現に、中野区の税務概要からも、30代、40代の年間給与収入は、10年前との比較で、年間平均で10万円も減収となっています。就学するころには病気も少なくなりますが、教育・生活費は負担も大きくなります。子育て世代を支援する施策の継続は重要です。
 そこで、中野区も、小学生も対象とする年齢の引き上げをすることを検討すべきです。安心して子どもを産み育てることのできる条件を大きく拡充・拡大し、少子化対策の力となるよう、積極的な答弁を求めます。
 乳幼児医療費助成に関連し、乳幼児の入院時の食事療養費自己負担への助成を実施することについて伺います。
 01年3回定例会において、岩永議員が「既に13区が乳幼児医療費の入院給食代について助成を実施しており、中野区も実施すべき」と求めてきました。入院時の食事は、治療としての大きな意味があります。子育て世代が療養費負担を気にせず、安心して子育てができるよう、子育て支援の側面から助成を検討していくべきです。02年度から試算するなら、件数で1,400件、助成額で約770万円とわずかな予算で可能となります。実施の方向で積極的に検討することを求めます。お答えください。
 次に、インフルエンザの予防接種について伺います。
 中野区内のインフルエンザ患者の発生状況は、年末から2月にかけてピークを迎えます。高齢者にとっては肺炎の併発などによって、命にもかかわる危険なものです。4年前には、インフルエンザが全国で大流行し、1,000人近くも死者が出、そのうち8割が高齢者でした。01年から高齢者インフルエンザ予防接種が始まり、当初は区報等でのPRにとどまっていましたが、次年度より区報等でPRするとともに、65歳以上の全員にはがきで通知されることになりました。PRと接種の効果が実績となり、02年度は2万848人が接種し、対象比で37%を超えるまでになっています。今年はさらにSARS対策とも重なり、増えることが予測されます。接種の自己負担額は2,200円、区負担は2,300円で、02年度決算額は5,733万円となっています。
 国は、障害者や住民税非課税等の対象者に対しては助成措置を地方交付税として算定していますが、東京都は除かれています。政令指定都市のほとんどが自己負担が1,000円で実施しています。自己負担に対する免除は、中野区は生活保護受給者のみであり、障害のある方は対象外とされています。02年の65歳以上で障害者手帳所持者は931人です。内部障害1級の60歳から64歳の障害者137人には、特別に予診表が送付されています。137人の対象者で接種された方は、わずか27人でしかありません。高齢でかつ障害がある場合には、合併症や重症化の危険度がより高くなるのではないでしょうか。
 渋谷区、台東区などでは、住民税非課税の方への免除を既に実施しています。この免除は、「逐条解説予防接種法」の中で、負担免除する対象として住民税の均等割以下の人、住民税非課税の人、生活保護世帯の人の負担の免除することができるものです。中野区も免除対象を拡大するとともに、せめて65歳以上の障害者手帳の所持者と60歳から64歳の内部障害者手帳所持者、合計で約3,000人への自己負担の免除を検討すべきと考えます。答弁を求めます。
 次に、建築紛争を予防するために条例を改正することについて伺います。
 中野区は、25年前の1978年に地域における健全な生活環境の継続及び向上に資することを目的として、「中高層建築物の建設に係わる紛争の予防と調整に関する条例」を選定し、建築紛争の予防に生かしてきました。
 近年、中高層のマンション建設による紛争がふえています。長引く不況、規制緩和等の状況変化によって、建主側の強引さが目立っています。1999年から建築確認が民間の指定確認検査機関で出せるようになり、確認段階での区の関与が及びにくくなっています。区議会への住民側からの建築紛争に関する陳情も、この5年間で11件出され、条例に基づくあっせんは32件、調停が11件にも及んでいます。また、建築や解体などに関して、区民からの相談、問い合わせ、苦情が区の窓口に日常的に寄せられています。
 紛争となる主なその要因は、建主が容積率、建ぺい率ぎりぎりの建築物を計画するため、著しく日照や眺望が失われ、地域の住環境と景観が奪われてしまうことにあります。中には、ワンルームが中心であるがために、生活環境への不安から紛争へと至るケースにも発展しています。このワンルームを中心とした共同住宅については、「中野区共同住宅等建築指導要綱」の改正を、条例化も含む検討を区として行うとのことです。この間のあっせん・調停で、取り下げを含めても、合意は5割にも満たない状況です。
 そこで伺います。中野区は、ここ数年の建築紛争の建主側、住民側の特徴をどのようにとらえておられるのか、お聞きします。
 区議会への陳情や条例に基づくあっせん・調停に持ち込まれるケースの場合は、ほとんどが住民と建主間での説明会が既に決裂、もしくは紛争状態に突入しているのがほとんどです。そこで、現条例を紛争予防のために実効ある条例となるよう改正すべき点について提案をさせていただきます。
 第1に、第2条の定義については、現条例は建築物の高さ、また日照、通風及び採光の阻害など、周辺の生活環境に及ぼす影響に関することを紛争と定めています。今日、地域においての紛争の出発は、既存建物の解体除去工事に起因していることが多く見られるのが現状ではないでしょうか。このことから、条例の定義に、建築だけでなく、既存建物の除去工事に関する問題を追加し、解体工事に関する説明会など充実させる必要があるのではないでしょうか。
 第2に、標識の設置期間についてであります。現条例の規則では、建築確認申請等予定日の遅くとも30日前からと定めています。近隣住民が標識に気がついて説明会を求めるまでに、半月既に過ぎてしまうのは普通で、建主が住民に対し、計画内容を解き明かすほどの十分な説明会にするには、余りにも期間が短過ぎます。説明会の時間を十分に確保できるよう、標識の設置期間の改正が求められます。
 説明会の問題の一つに、説明会に建主本人が出席せず、建主が住民対策専門会社に代理出席させるケースが多くなっていることです。住民側の説明の求めに対し、代理では責任ある説明や回答がその場でできないことから、建主への不信といら立ちから説明会そのものへの信頼性を失う結果となっています。したがって、説明会及び協議の場には、当然建築主が出席することを明確にすべきと考えます。
 第3に、現条例には工事協定の協議と締結の定めがありません。住民との合意のないまま工事が着工され、紛争が最悪の事態になったケースもふえてきています。工事の着工前に、既存建物の解体と建築工事協定を結ぶことを条例に盛り込み、紛争の予防に生かすべきと考えます。
 第4に、住民と建主の双方から、条例に基づいて区があっせんを行っているにもかかわらず、建主側が住民側の主張に歩み寄れないことを理由に一方的にあっせんを欠席し、あっせんの打ち切りの宣言すらできないばかりか、調停への勧告もできないまま、終結する事例も生まれています。一度住民と建主があっせん・調停に合意した場合においては、双方の責任で、たとえ合意に至らない場合においても、きちんと区の打ち切り宣言ができる場に出席することに責任を負うものとすること。正当な理由もない欠席についてはペナルティーを負わせるなどの基準を定めることを検討するとともに、あっせん・調停においては、区としての権限と役割、機能が十分高められるよう、条例を改正すべきと考えます。
 既に、墨田区は4月1日から標識の設置期間や解体工事の説明会等の充実の改正が行われ、板橋区でも条例改正の準備がされています。中野区が、地域の現状に即し、建築紛争を未然に防止するために、住民の立場で条例の改正について具体的に検討することを求めます。お答えください。
 次に、山手通りの環境対策について伺います。
 首都高速道路公団は、2006年度までに完成を予定している中央環状新宿線の換気所の6か所すべてに低濃度脱硝設備を設置することを前提とした予算要求に踏み切りました。この設備は、地下高速道路からの自動車排ガスに含まれる二酸化窒素(NO2)を除去するもので、浮遊粒子状物質(SPM)の除去装置とあわせて、環境対策の一歩となるものです。日本共産党区議団も当初より繰り返し議会で要望するとともに、これまで山手通りの環境をよくする住民の会、山手通り問題本町・弥生町の会などと協力し、東京都首都高速道路公団に直接交渉するなど、粘り強く運動に取り組んできました。
 一方、この設備の設置を決定した背景には、大規模幹線道路行政に対する批判や環境基準が未達成であること、全国の道路公害裁判における国・自治体の責任、とりわけ政府や川崎市、東京都の責任が問われた川崎公害裁判、東京公害裁判の審判の結果が影響していることも見逃すわけにはいきません。
 これまで、首都高速道路公団は、「地下高速道路の排気ガスは100メートル上空に吹き上げ、拡散・希釈されることから、問題ない」と説明してきました。この予測の前提条件には、中野坂上の高層ビルや換気所周辺の諸条件が含まれず、建築物などが何もない中で予測されているものです。本年8月4日、国土交通省は、低濃度脱硝設備に関する記者クラブでの資料に、「大都市圏においては、換気塔周辺の構想建築物や換気塔自身による風の乱れ等により、複雑な拡散状況が生じる場合があり、自動車排出ガスが排出される道路、トンネルの換気所周辺においては、NO2濃度の高い状況が発現する場合があります」と発表しているのです。田中区長は、10月17日に、「環境対策に伴う換気所への低濃度脱硝設備の導入及び換気等の規模の見直しについて」という要望書を首都公団の理事長に提出されました。その内容は、設備の導入と換気塔の規模についての見直し・検討を求めるものとなっています。
 そこで伺います。設備の設置の効果についての評価、また換気塔に関係する大気浄化環境対策の今後の課題について、お答えください。
 中落合換気所を中心に活動する住民の会が独自に行ったシミュレーションによると、北風風速4.6メートルの場合は換気塔から50メートルの地点で地上に落下をし、100メートルの地点で地表面に排気ガスが達し、強く影響が出始めるとしています。設備設置を前提として、換気所周辺の建物などの地理的条件を考慮したシミュレーションを9か所の換気所ごとに実施することが、換気塔の規模の見直しを求める前提条件とすべきです。換気塔の高さ・規模の見直しをできる情報と確かな根拠を、国交省と公団は示すべきです。今回予定されている設備の除去率は、NO290%、SPM80%の到達です。除去率を限りなく100%とすることを中野区として求めることが先決ではありませんか。お聞きします。
 党区議団は、9月4日、公団から「換気塔の高さの見直しは、地域住民の要望に基づいて換気所ごとに行う」との答弁をもらっていますが、低濃度脱硝設備の設置方向の決定をしておきながら、住民への説明会をいまだに開催していない公団に対し、速やかに住民への説明会を開くことを区としても強く求めるべきです。お答えください。
 毎年、山手通りの沿道住民が取り組んでいる山手通りのカプセル調査でも、環境基準をはるかに超える高い濃度も測定されているだけに、低濃度脱硝設備導入で満足する環境の状況とはなり得ません。それは、国交省自身が低濃度脱硝設備を、環境負荷を軽減する局所対象技術の一つと位置付けているに過ぎないからです。環境対策として、住民も、中野区も、低濃度脱硝設備と土壌による大気浄化システムの併用も繰り返し要求してきました。低濃度脱硝設備の導入によって確保すべき土壌の面積規模も、小さくても効果が発揮できます。山手通りの中央分離帯「広がる歩道の緑地帯」を生かして、地下高速道路と山手通りの両道路の微粒子を除去してこそ、環境負荷の軽減となるのではありませんか。
 可能な限り環境悪化を食いとめるために、土壌による大気浄化システムを本気になって具体化するよう、国交省、首都高速道路公団に対し、強く要求すべきと考えます。お答えください。
 最後に、その他について伺います。
 東中野駅周辺の整備について伺います。
 東中野駅周辺は、駅前広場の整備や日本閣の建てかえ計画等によって、大きく変わりつつあります。日本閣側の東口には、現在、自転車駐車場がないため、9月に地元商店会を中心に「東中野駅東口に自転車駐車場を実現させる会」が結成されました。会は、これまで光が丘駅周辺自転車駐車場視察や日本閣周辺の放置自転車台数調査などを実施するとともに、日本閣に対して設置場所の協力依頼を行ってきたところです。同時に、会としては、当面、西武信用金庫の裏の一角に設置場所を特定し、西武信用金庫一部所有の土地について、無償で貸与していただくことも確認しています。地域の自主的な努力によって、設置の条件は整っています。中野区としての判断が待たれています。中野区の状況認識と設置することについての検討状況をお聞かせください。
 駅前広場整備については、地域に中野区から検討委員会発足の案内が出されました。この間、山手通り街路整備先行区間の歩行形態、街路樹等について検討する「整備についての地域連絡会」が昨年7月発足するとともに、その後、意見交換会へと発展し、これまで28回に及ぶ調査、検討、意見交換を積み重ね、街路整備に地域住民の意見が反映された、実り多い成果を生み出しつつあります。この住民参加の手法について、中野区はどのように評価されているのか、お答えください。
 駅前広場の整備については、既にこの9月に東中野駅西南口の商店連名で要望書が区に出されております。これらの要望を反映させるために、どのような手法で住民参加を求めていかれるのか。私は、広場について、興味や関心のある方が自由に参加できる場が保証されることが大切だと考えます。さきに紹介した山手通りの街路整備意見交換会を教訓に生かすこと。また、明大中野通りの桜と菜の花をJRの計画から守ることができたように、住民を信頼し、住民とともに検討していくべきと考えますが、答弁を求めます。
 以上で私の質問すべてを終わります。(拍手)
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 来住議員の御質問にお答えをいたします。
 私の方からは、建築紛争を予防するために条例を改正することについての項目の御質問にお答えをいたします。
 この「中高層建築物の建築に係わる紛争の予防と調整に関する条例」、これは市民相互の考え方、あるいはまちづくりに対する思いといったようなことが衝突をするという中での自主的な話し合いによる解決、これを仕組みとして持ってきている条例ということであります。そうした条例の趣旨から、これを区としてどう変えていくのかというようなことについては、かなり難しい検討もしていかなければならないというふうに思っています。
 解体時点からのあっせん、あるいは標識、建築主の説明会への出席、工事協定の義務付け、あるいはあっせん欠席へのペナルティーといったような御提案があったところでありますが、御意見として承っておきたいというふうに思っております。
 そもそも建築紛争は、建築基準法など関係法令に適合した建築計画であるにもかかわらず、建築物の形態や用途等が必ずしも地域住民が描いている地域の住環境と合わないといったようなことから生じているものだと考えています。したがって、建築紛争そのものを予防するためには、地域住民みずからが主体となってまちづくりが行われていると。地域のまちづくりのルール、まちのあり方といったようなことに、地域の住民の合意が形成をされているといったまちづくりが重要だと考えております。紛争にかかわる条例の改正という方法によっては、建築紛争の予防ということについては難しいのではないかというふうに考えているわけであります。
 私からは以上でございます。
〔まちづくり調整担当部長那須井幸一登壇〕
まちづくり調整担当部長(那須井幸一) 私からは、中野駅周辺まちづくりについての幾つかの御質問について、お答えをさせていただきます。
 まず、品川等の仲間入りをするのかということで、まちづくりの将来像という御質問でございます。先行的な事例のよいところを参考にいたしまして、中野の特質も十分踏まえながら、計画づくりを行っていきたいと考えているところでございます。
 また、都市計画マスタープランを踏まえ、「賑わいの心」の整備育成ということを考慮しつつ、公園やオープンスペースも創出いたしまして、都市景観や環境に配慮しながら、魅力ある都市の形成を目指していきたいと考えております。
 次に、跡地の樹木の保存ということで、調査検討委員会に樹木の関連資料を提出していないのかということでございますけれども、調査検討委員会におきましては、警察大学校跡地等に残る緑を写した航空写真が提供されております。また、跡地の視察を実施し、既存樹木を含む跡地の現状について理解を深めていただいていると、このように考えているところでございます。
 次に、調査目的から外れる計画づくりを進めるべきではないということで、いかがかという御質問でございますけれども、現行の都市計画や都市計画マスタープランにつきましては、新たな計画づくりを行う際の前提として、十分踏まえた対応をしているところでございます。しかしながら、まちづくりを取り巻く情勢の変化などに対応し、計画設定に当たり、既定の都市計画などの変更が必要になることもあるものと考えております。
 次に、警大跡地の開発手法、区の負担というようなことでの御質問でございましたが、警察大学校跡地の整備手法や事業内容は、現在、検討中でございます。現時点で具体的なことを言える状況にはないわけでございますけれども、開発者負担の原則を追求し、区が大きな投資をしない整備手法を追求していく考えでございます。
 次に、調査検討委員会における委員の発言、それから夢を託す連絡会のコンクールでの提案等どう生かしていくのか。また、中間のまとめに当たっての合意形成という御質問でございました。基本的には、調査検討委員会における委員の意見も含めた多様な議論を踏まえて、委員会として中間のまとめを行っていくものと考えているところでございます。また、跡地に夢を託す連絡会のコンクールの提案について、でございますが、区に寄せられた区民の意見として、計画素案づくりの参考にしていきたいと考えております。
 次に、調査検討委員会の検討が拙速ではないかというようなこと。それから、スケジュールを変更すべきだということでございます。中間のまとめに当たりましては、シンポジウムを開催するとともに、区報やホームページに掲載をいたしまして、広く区民の意見を募集する予定でございます。さらに、対話集会、地域の説明会、パブリックコメントの手続などを重ねまして、区の計画案として固めていきたいと考えているところでございます。検討が拙速であるというふうには考えていないところでございます。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
教育長(沼口昌弘) 30人以下学級の実現を求めることにつきまして、多人数学級の実態把握、あるいは区としての検討や対応策等についての御質問でございます。
 私ども教育委員会といたしましては、常日ごろといいますか、随時学校を訪問いたしまして、授業の様子を見たり、聞いたりしているわけでございますが、40人近い学級につきましては、30人以下の学級と比較しますと、学年によって、あるいは教科、教師の指導方法によっては余裕がないように感じる場合がございます。現在、何らかの形で少人数学級の取り組みをしている自治体の情報収集にも努めているわけでございますけれども、教育委員会といたしましては、望ましい学級の規模の考え方、これはさまざまございまして、教科によっても異なると認識しておりますので、学習効果が期待できる教科について、少人数学習集団による指導体制を充実していくことで対応しているところでございます。
 なお、学級維持制度の弾力的運用、あるいは少人数指導の過配につきましては、教育長会といたしましても、東京都に要望しているところでございます。
 次に、障害学級の充実について、中野区の現状の認識と今後の取り組みということでございますが、知的障害学級につきましては、これまで在籍児童数の予測に基づきまして適切に対応してきたということでございます。設置校数が少ないために、一つの学校の学級数が多くなった、あるいは通学距離の問題があるということは認識してございます。こうしたことで、そういう多学級化や通学距離の問題を解消するために、地域バランスを考慮いたしまして、知的障害学級の設置校の数、これを3校から6校とする方針を策定いたしまして、来年度、緊急的に1校は増設することにしたものでございます。残りの2校につきましては、対象児童の年次別、地域別の需要予測、あるいは区立小・中学校の再編計画、東京都の施策動向、これらを考慮いたしまして検討してまいりたいと思います。
   〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 福祉施策の充実・拡大につきましての幾つかの質問にお答えいたします。
 まず、乳幼児医療費無料化の年齢引き上げと入院時の食事療養費自己負担補助につきまして、でございます。区といたしましては、乳幼児の医療費無料化の年齢引き上げにつきましては、昨年度、就学前までの乳幼児医療費助成の所得制限を撤廃したところでございます。まずこの制度の周知と定着を図ることが重要だと考えておりまして、現在のところ、対象年齢の拡大は考えてございません。
 それから、食事代でございますが、入院か否かにかかわらず必要なものでございます。このため、個人負担が原則と考えておりまして、入院時の助成を行うつもりはございません。
 それから、インフルエンザ予防接種につきましての御質問でございました。自己負担の免除の拡大ということでございますが、インフルエンザ予防接種につきましては、個人の重症化予防という事業の趣旨から、現在の半額の自己負担が妥当と考えてございまして、免除対象を生活保護受給者以外に拡大するということは、現在のところ考えてございません。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私から、山手通りの環境対策、それから東中野駅周辺の整備につきまして、御質問にお答えをいたします。
 初めに、首都高速道路公団が中央環状新宿線にSPM除去装置や低濃度脱硝装置の設置に向け準備を進めていると。この評価はどうか。それから、今後の大気汚染対策の課題として、区はどのように考えているかという御質問でございました。
 低濃度脱硝設備の導入によりまして、窒素酸化物やいわゆる浮遊粒子状物質(SPM)が高率に除去され、区がこれまで要請をしてきた山手通り沿道の環境改善が期待できるというふうに考えてございます。
 しかしながら、自動車排気ガスによる大気汚染対策は、低濃度脱硝設備導入のほかにディーゼル車の排ガス規制、それから環境負荷軽減のための低公害車の普及、幹線道路ネットワークの整備、また渋滞ボトルネック対策と、こういったことにつきまして関係機関が連携して、総合的に実施していくべきものというふうに考えてございます。
 次に、換気塔の規模につきまして、この見直しと、それからSPM、NOxの除去率を100%に近づけることが求められるのではないか。区の考え方はどうかということでございました。
 首都高速環状新宿線及び山手通りの環境影響評価に当たりましては、公団としてシミュレーションも含め、環境アセスメントに定められた手法によって行われているということでございます。低濃度脱硝設備を導入した場合の環境影響につきましては、換気塔規模の見直しも考慮しながら、周辺建物への影響、トンネル内の火災時におけます排煙の影響及び景観への影響、これらなどについて検討中であるというふうに聞いてございます。
 次に、公団がSPM除去装置や低濃度脱硝装置の準備を行っているということなどについて、住民説明会を開いて説明すべきではないかという御質問でございました。
 公団は、低濃度脱硝設備の導入の検討にあわせまして、換気塔の規模、景観も含めて、総合的に検討をしているところでございまして、その検討が終わり次第、住民説明会を開催するというふうに聞いてございます。
 次に、大気汚染対策のための装置導入が進もうとしている中で、土壌による大気汚染浄化装置の設置について、改めて国や公団に申し入れてはどうかということでございました。
 区といたしましては、公団等に対し、土壌による大気汚染浄化装置導入に向けた検討をこれまで要請をしてまいりました。しかしながら、土壌による浄化装置につきましては、国土交通省のフィールド実験、この結果においても、沿道における大気汚染の改善効果について確認ができなかったという結果でございます。また、それに加えまして、処理能力の問題、それから装置の導入に当たり広大な面積が必要ということなどから、区といたしましては、現時点では導入が難しいというふうに認識をしてございまして、そういう意味から、改めて国や公団への申し入れにつきましては、現在のところ考えていないということでございます。
 それから、東中野駅周辺の整備でございます。東中野駅東口に駐輪場の設置に向けて、その用地を確保すべきであると。そのことについて、区の認識と検討状況ということでございました。
 東中野駅東口には、日本閣側でございますが、自転車駐車場がなく、自転車利用者や地元商店街などから自転車駐車場設置の要望が強いということは承知をしてございます。西武信用金庫東中野支店裏の用地でございますが、ここは区道部分も含まれてございます。駐輪スペースとして暫定的な利用ができないかどうかということで、現在、検討をしている状況でございます。
 それから、環状6号線の先行整備につきましては、意見交換会を設けまして進めているわけですが、それにつきましての区の認識を伺いたいと、こういうことでございました。それから、さらに東中野駅前広場整備、この検討に当たっても同様な、区民が参加した形で進めたらどうかというようなことでございました。
 区といたしましては、意見交換会を通じまして、先行整備区間の歩道舗装や植栽、こういったことに区民の多様な意見が取り入れられてございます。住民に親しまれる道づくりが一層推進するものと認識をしてございます。
 東中野駅前広場の検討に当たりましては、仮称でございますが、東中野駅前広場整備検討委員会といったようなものを設置したところでございます。その検討委員会の中で御意見を受けとめてまいりたいというふうに考えてございます。
議長(山崎芳夫) 以上で来住和行議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 奥 田 けんじ
 1 基本構想改定までになすべきことについて
 2 区政運営のパートナーシップについて
 3 その他

議長(山崎芳夫) 次に、奥田けんじ議員。
     〔奥田けんじ議員登壇〕
7番(奥田けんじ) 平成15年第4回定例議会に当たりまして、一般質問をさせていただきます。
 今回は、区政運営の道筋を示します重要なテーマ二つを取り上げます。それから、その他の項目につきまして、地域の問題、これを取り上げまして、三つの質問をさせていただきます。
 ここ最近の日本の経済状況を見てまいりますと、主要の大手銀行、これが黒字決算の発表をいたしております。それから、上場企業の利益構造、これがリストラ型から収益改善型、こういった収益の改善、構造の転換が図られております。それから、実質ベースではありますが、GDPの2%超の成長、こういった背景もございます。デパートの売り上げの昨年比の改善、こういったマクロベースでの指標というのはさまざま改善してきているわけですが、この理由といいますと、日銀の長期的な金融緩和が、結果的にではありますが、インフレターゲティングをしたことと同じような効果を及ぼしている、これが原因と考えられます。そのほかにも、循環的な要因であるとか、さまざまな原因が考えられるわけですが、こういったマクロベースでの改善が少しずつ進んでいる中で、足元を見てまいりますと、地元の商店街や地域の中小企業の皆さんのお声を聞かせていただきますと、大変悲痛なものがございます。区の財政状況が大変厳しい中で、予断を許しません。
 こういった状況の中で、区の区政運営は現状をしっかりと踏まえ、そして持てるものをすべて使って、大胆に実行していくことが必要であります。
 そこで、まず1点目、基本構想の改定までになすべきことは何なのか。これについて、幾つかの視点からお伺いいたします。
 一つ目、現在、サンプラザの三セクを用いての購入、それから保育園の民営化、そして非常勤職員の廃止、図書館や栄養士といった問題が出ております。それから、今、文教委員会で審議が始められようとしておりますが、学校選択制の導入、それから組織の大幅な変更が突然されようとしております。ここに来て、このような重要な政策決定が次々と行われようとしているわけですが、これまで区としては、重要な政策方針に対する同僚議員のさまざまな質問に対し、「重要政策決定は基本構想の改定を待つ」、こういった回答を続けられてきたわけであります。例えば、2定の例をとってまいりますと、保健福祉総合推進計画、これは飯島議員が指摘された問題ですが、これもそうです。そして、都市基盤整備とまちづくりの問題、これは北原議員が指摘された問題です。そして私も、財政の健全化の計画に関して、同じように質問させていただきました。いずれも、基本構想や10か年計画の改定を待って、もしくは目標をこういった計画に定めてというような御回答をいただいております。
 ところが、先ほど申しましたように、重要な項目がここに来てどんどんと決定されようとしている。これでは非常に混乱するわけです。区民の方も混乱しますし、議会も混乱いたします。今定例会でも、佐藤議員が指摘されていましたように、一体これは、基準はどこに置かれているのか。基本構想や10か年計画を果たして待つものはどういった基準で待たなければならないのか。そして、待たないで、緊急的に行わなければいけないのは何なのか、全く見えてまいりません。ぜひ金額ベースでどういったものなのか、それから政策分野なのか、必要年数からなのか、合意形成のプロセスなのか、一体何が今可及的にやらなければいけないこと、それとも10か年計画を待たなければならないもの、どこで峻別しているのか、具体的にお答えください。
 それから、この問題で、財政に関して、区の見解として、新たな基本構想は実現可能性を踏まえた将来の中野の姿が具体的に描けるものにするということで考えており、限られた資源の中で何を維持し、何を縮小するのか。また、新たに取り組むのは何かということを考えるためには、財政の見通しを持つことが不可欠だと、このようにおっしゃっているわけです。ところが、財政の状況、全く見えていない。これは私が総括質疑でもさせていただきました。第2回の定例議会でもさせていただきました。なかなか明解な答えは返ってまいりません。
 そういった折、先日、横浜市では、これは日経のニュースですが、10月23日、横浜市の隠れ借金の状況を明らかにする、こういった報道がありました。つまり、中野区が今現状見えないままで、なかなかこれは難しいんだ、こういった報告をしていたんですが、やろうと思えば、実際できるわけですね。例えば、私は土地開発公社の評議員をさせていただいております。その際に、評議員として、この今持っている土地開発公社の土地の時価はどうなっているんですかと、これをお伺いしたことがあるんですね。とてもできないという御回答だったんです。どうしてか。お金がかかる。時間がない。本当にそうなんでしょうか。実際、横浜市はいとも簡単にやってのけたわけです。具体的に不動産鑑定士に依頼する。これだけのアクションです。これがどうしてできないのか。私は非常に疑問です。ですから、全体的な隠れ借金をすべて洗い出す、この作業をすぐにやってください、こう言っているわけではないんですが、まずできることから、せめて先ほど言いましたような土地開発公社の評価損が一体どれだけ出ているのか。少なくともそれぐらいはやっていただいてもいいんじゃないのかな、このように考えておりますので、これに関しての御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
 当然、特別会計も含めた、本来であれば特別会計も含めた隠れ借金の状況が区民の皆さんに、我々だけではなくて、区民の皆さんにわかるような状況にしていただくのが望ましいわけですが、まずはできるところからやっていただきたいと思います。
 それから、システムに関する問題でお伺いいたします。
 基本構想や10か年計画の改定を受け、新しい中野をつくってまいります。そういった作業が今後予想されております。中野駅の周辺のまちづくりであるとか、さまざまな大きな作業が迫っているわけです。こうした中で、これまでに速やかで適正なシステムが準備されている、こういった土壌が必要になってくるわけです。
 例えば一つ、入札の制度を見てまいりましょう。まちづくりには当然、こういった入札というものが出てまいります。最近は大変厳しい財政を反映して、億単位の入札というのはここ半年行われておりません。
 ことし6月12日、経済調査会、それから建設物価調査会が公正取引委員会から価格調査業務で談合しているということで、排除勧告を受けた。このことに関しては皆さんも御承知のことと思います。この二つの財団の問題、国ベース、公正取引委員会で公になっているにもかかわらず、現在、中野区は入札をこの二つの財団が基準に算定しております「工事積算標準・同解説」、それからこれらの関連します資料を基に入札を行っているわけです。しかし、この入札の基にしているデータ自体、どういった価格帯になっているのか、これを調べてまいりますと、驚いたことに、市場価格から、2000年度ベースですが、7割も高い水準で高止っているんですね。こういった状況のままで今後まちづくりをしていくと、高コスト体質は一向に変わっていくことができないわけです。ですから、少なくともそういったものを少しでも前もってできることはやっておいていただきたい。そういった考えのもとで、この入札制度の積算について御認識をどのようにお持ちでいらっしゃるか。それから、今後の対策はどのように打たれていくのか、お考えをお示しください。
 それから、その他、こういった財政面にインパクトを与えます、これら財政運営のシステム改善、その他お気づきの点がありましたら、お示しいただきたいと思います。
 それから、二つ目のテーマ、区政運営のパートナーシップ、この問題について取り上げさせていただきたいと思います。
 先日、私たち無所属の会は、子どもたちの問題を何とかしたい、この思いを同じくする者として、ファミリーフレンドリー企業表彰、こちらの表彰式に参加してまいりました。第2回の定例議会で区の取り組みを提案させていただいたわけですが、「取り組みが可能かどうか検討していきたい」、こういった答弁をいただいたと思います。今、現状はどのようになっているでしょうか。お答えいただきたいと思います。
 これまで、ファミリーフレンド企業といえば、大企業の広報活動の一環ではないか、このように考えられる節もありました。確かにそういった側面も、今もあると思います。ところが、今回、ファミリーフレンドリー企業表彰厚生労働大臣努力賞、こちらの受賞をしたのが、何と山形県の金型プレス業の小さな中小企業、株式会社カミテというところです。従業員数は100人にも満ちません。非常に小さな会社ですが、なぜここが表彰を受けることになったのか。それは、小さな工場の中に、施設内に託児所を持っている。それから、女性が働きやすい環境づくりのために、育児休暇をしっかりととれる制度。男性も含めてです。男性はまだ実績がないんですが、男性も十分とれるような、そういった制度を整えつつあるからです。これは、中小企業だからとてもできないという常識を大きく覆すものだったわけです。私は、こういった企業はきっと中野区にもある。そういった思いを強くしたわけです。
 今回の定例議会でも、「協働」という言葉が何度となく出ております。NPO、そして地域の町会や自治会といったさまざまなところとの協力を進めていかなければならない。こういった認識は、理事者の皆さんも、そして同僚議員の皆さんも、同じような認識を持たれていると思います。ところが、現状はどうでしょうか。NPOは、ようやく育ってきたとは言うものの、中野区内にわずかに100ちょっとですね。しかも、その中には、まだ生まれたばかりの、本当にまだまだ力不足のところも少なくないと聞いております。そんな中で、じゃあ一体、全員参加でどうやって区をよくしていくのかと考えたときに、すべてのプレーを探さなければいけないわけです。
 そのうちの一つとして、私は、営利企業、区内の民間企業に注目しているわけです。2定でも申し上げましたが、区内にたくさんの中小企業がある中で、こういった社会的な企業責任を果たしていこうという企業が必ず中野区にあります。それを発掘する作業をぜひ行っていただきたい、このように思っているわけです。この中野区内に、区のために頑張ってもらえる方。それは、今見えている、そういった人だけではもう回っていきません。4割近く、サラリーマン世帯と言われる方々、ほとんど区政には関心をお持ちではありません。これは、昨今の低投票率を見ていただければ明らかだと思います。こういった方たちの関心をどうやったら取り戻せるのか。今、必ずしも出勤する、その場に行く、そういったことをしなくても、インターネット、さまざまな媒体を使って、どんな時間でも、24時間、区のために協力するということは可能なわけです。さまざまな工夫をして、こういった区政運営のパートナーシップを図れるところが、私が指摘させていただきました、社会的企業責任を果たそうとしている民間企業、それからサラリーマン世帯の大変忙しい方々、彼らとの協働。それ以外にもあると思います。そういった方との協働をどのようにしていくのか。ぜひ探していただきたいと思います。このことに関して、ぜひ御見解をお答えください。
 それでは、その他の項に移ります。
 その他の項は、地域の問題についてお伺いさせていただきます。
 私は、弥生町に住んでおりますので、南中野の地域、この問題を数多くちょうだいするわけですが、中野区の安全対策について、最近特に多く耳にするようになりましたので、この問題、どのように取り組まれているのか、お伺いさせていただきます。
 警視庁が公表しております犯罪発生マップ、これを見てまいりますと、住居対象の侵入が南中野で大変多い。こういったものが目で見てわかる。こういった状況になっております。ほかに、事務所に対する侵入、それから粗暴犯は、中野のエリアで大変多いんですね。そして、ひったくりに関しては、中野、それから野方と都立家政の間のあたり、ここが非常に多い。車上荒らしに関しては、東中野、そして中野坂上の間のあたり、ここが多くなっております。それぞれの特徴を持った、こういった犯罪の状況を見て、私は区政の安全を考えたときに、地域特性を十分把握して、それぞれの対策を行っていかなければならないんだろう、こういった考えを持っております。
 まずは、この私の漏れ聞かせていただいております南中野の地域の問題。この多くは、やはり家屋に対する、住居に対する侵入の問題。それから、ひとり暮らし、もしくは女性の方も多く住んでいらっしゃいます。実際に不在でなくても入られている、もしくはその未遂に遭っているという話も多く聞いているわけです。これに対しての対策、中野区としてどのように考えられているのか。ぜひお答えいただきたいと思います。
 そして、この地域差が非常にある問題。ひと括りにできません。さまざまな地域の問題を統合的にどのように取り組んでいくのか。その御見解もお答えいただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わりますが、端的で明解にお答えいただきますよう、お願いいたします。
 また、不明解な点に関しましては、再質問させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。(拍手)
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 奥田議員の質問にお答えをいたします。
 まず、基本構想改定までになすべきことについてということで、10か年の計画、あるいは基本構想がないと、一方では何も決められないと言い、またこの議会ではさまざまに重要な決定をしようとしているといったような御指摘でありました。
 基本構想がなければ何も決められないとか、10か年の計画がなければ何も決められないとかいうことでは、区政は一歩も前に進まないというのは当然のことであります。御質問の中などで、10か年の計画に基づいた考え方、あるいは基本構想が描く10年後の中野の姿から導き出すべき考え方、そうしたことについてお尋ねを受けた際に、「基本構想の策定を待って」といったようなお答えが出てくるといったようなことについては、当然だろうというふうに思っております。
 一方、区の重要な選択というのは常に、基本構想があってもなくても、策定途中であっても、常に一歩も休むことなく進めていかなければならないわけであります。区民のサービスを向上していく、あるいは財政再建、組織の活性化、そうしたことのために打っていかなければいけない手は、着実に打っていきたいというふうに考えているわけであります。
 そうした考え方、判断をしていく上での考え方、理念、政策のあり方等については、例えば今ある計画ということになると行財政5か年計画、あるいは中野区経営改革指針といったところでの示している内容もあれば、あるいは基本的な考え方等につきまして所信表明や予算編成方針など、さまざまな形で明らかにしているというふうに考えているところでございます。
 それから、区政運営のパートナーシップについてということで、企業の中にも社会的な責任を果たしている、企業市民として非常にいい、社会貢献度の高い企業はたくさんあるという御意見でありました。私もそのとおりだろうというふうに思っています。他の議員の方の御議論の中には、営利企業に任せると何をし出すかわからない。営利で何か区民を食いものにしてしまうといったような御議論があるわけでありますが、そうした御議論に比べて、奥田議員の今回の御指摘は、私は大変共感のできる御指摘であったというふうに思っています。
 公共の役割の担い手として、区と協力・連携する相手方として、区民の、区民全体の中の働き手として、NPO、自主団体、社会福祉法人、そしてさまざまな企業、数多くいるだろうということで、幅広く連携をしていきたい。そのように考えているわけであります。
 私からは以上であります。
    〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、土地開発公社の評価損についての御質問、また入札制度等に関する問題、質問、それから治安対策、これについてお答えさせていただきます。
 まず、土地開発公社の評価損について、でございますが、現在、区が土地開発公社から保有地を買い取る場合、これについては帳簿価格ということでしてございますので、公社に損失は生じないという形になってございます。横浜市のように、公社自身が直接保有地を売却するという事業を行っているわけですが、現在区では、そういった事業については考えてございません。そのために、土地開発公社の保有地についての時価評価はしていないということでございますが、土地開発公社を含む中野区の連結バランスシートなどで区全体としての負債状況を公表しておりますが、公社のバランスシートを改善していくということでは、この時価評価も検討していかなければならないというふうに考えてございます。
 次に、入札制度等についての御質問でございました。現在、工事契約につきましては、透明性の確保、また競争性の促進、不適格業者の排除、こういった観点から、今後の契約方法のあり方について、また積算方法について、現在検討を行っているところでございます。
 また、この一環といたしまして、入札契約のIT化の推進ということで、現在、都区市町村共同運営に参加いたしまして、電子入札、電子申請の導入について検討を進めているところでございます。
 次に、地域特性を踏まえた治安対策ということでございます。現在、区では、「安全で安心なまちづくり条例」というものを制定していこうということで、取り組みを行ってございます。その中で、地域特性を踏まえた地域ごとの防犯の取り組みへの支援などを検討しているところでございます。
 また、これから行うパブリックコメントによりましても、区民の意見も聞いていきたいというふうに考えてございます。
  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕
地域センター部長(柳澤一平) ファミリーフレンド企業、これについての御質問がございました。6月の定例会の御質問にお答えをいたしまして、その後、どうなっているかという話でございました。
 国が普及を図ってございますファミリーフレンド企業の制度は、企業みずから従業員の育児や介護を可能とするものに対しまして表彰等をしようということでございますが、私どもは、今、議員に御紹介いただいたようないろいろな例もあるわけですが、これから企業の具体的な取り組みについての調査の準備をしようとしているところでございます。
     〔奥田けんじ議員登壇〕
7番(奥田けんじ) 幾つか前向きな御回答もいただけたので、ある程度の満足をしているんですが、幾つかの点でまだお答えいただけていないかなと思う部分がありますので、再質問させていただきます。
 まず一つ目の、基本構想改定までになすべきことについての中で、区長のお答えで、10年後の姿から導き出せるもの、これについては策定を、もしくは改定を待たなければならない、こういった御意見だったと思うんですが、例えばなんですが、中野サンプラザ、この買い取りの問題。第三セクターだというふうには言っていますが、いずれにしましても、中野サンプラザに関わります問題。これは、10年後の姿を導き出す、そういった重要な内容だろうなというふうな議論、これまでもされてきたと思うんですが、これに関してはどのように考えたらよろしいんでしょうか。ぜひ、わかりやすく、お答えいただければと思います。
 それから、土地開発公社に関して、潜在的なリスクを洗い出すという、そういった観点から考えますと、売却の目的であるかどうかにかかわらず、これは潜在リスクがどれだけあるかということ、これを把握するために申し上げているわけですので、ぜひ速やかにやっていただきたい。このように考えますが、いかがでしょうか。
 以上、2点についてお願いします。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再質問にお答えします。
 サンプラザは、10年後の姿を描かずに決断をできるのかということでありますが、今求められているのは、サンプラザの購入と、それからおよそ10年以上の継続的な運営といったようなことに基づいて、区として取得をしてくれないかといったようなことであります。
 今、判断をするために考えていることは、10年、20年、いや、もっと先の中野区の賑わい、活性化といったことのために、中野サンプラザ、そしてあの立地、その存在というものが重要だという、その判断だと私は思っています。この判断については、基本構想、あるいは10年間、そうした検討を待つまでもなく、自明のことだというふうな判断であります。
    〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 公共用地の取得、いわゆる公社の保有地の評価について、時価評価についてお答えさせていただきます。
 先ほど言いましたように、公社自身が事業をいろいろな形で行えるわけですが、中野区の場合には、公共用地の先行取得という形での事業を行ってございます。そういう中では、先ほど言いましたように、帳簿価格で買うということでやっているわけですが、公社のバランスシートを改善していくと。現在の財力、こういったものを見ていくということの中では、先ほど言いましたように、時価評価、こういうことは必要だというふうに認識してございます。ただ、連結バランスシートという形になりますと、公社だけではできないので、全体の中でどうしていくのかということをしていきたい。その必要性については十分認識しておりまして、そういう検討を現在しているところでございます。
     〔奥田けんじ議員登壇〕
7番(奥田けんじ) 区長答弁がちょっとよくわからなかったので、再々質問させていただきます。
 先ほどの1回目の答弁では、10年後の姿から導き出せるものに関してはというようなお答えだったと思うんですが、今の回答は、それとは別に、自明か、自明でないかという判断基準もあるかのように聞こえておりますが、自明、自明でないという基準というのは区長の頭の中にだけあって、外には出てこないようなものですか。基準というのが自明か、自明でないかで決められてしまうと非常に困るなという印象を持っているんですが、どのようにお考えでしょうか。お答えください。
 それから、公社に関しましては、やはり連結ベースで考えていくという考え方になったときに、区の資産は簿価ベース、公社に関しては時価ベースでは、連結するのが非常に難しくなってまいりますので、それに関しても前向きにぜひ検討していただきたいと思います。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再々質問にお答えをいたします。
 自明だというようなことについての御質問であります。
 最初の答弁の中でも申し上げましたように、その時々で重要な判断というのは常にあるわけであります。その時々判断していかなければ、区政が動いていかないという判断があるわけであります。中野区がサンプラザの購入といった判断をするのは、国との判断で、時期が迫られている。その時、その時、今の重要な判断というわけであります。今なすべき重要な判断、その判断を下すに当たって、どのような考え方で判断をしているかということでありまして、その判断の理由として、私は、中野区のまちづくり、そして将来の活性化、そして区民の要望、そうしたようなことから自明だと判断をしたわけであります。
    〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 再々質問にお答えします。
 私がお答えしましたのは、公社だけではできない。連結バランスシートにするときには、全体の時価評価というのが必要なのではないか。また、全体の時価評価をするためには、道路等をどういうふうに扱うとかそういったことが必要なので、早急に検討して、その方向をとっていきたいということでお答えしたところでございます。
議長(山崎芳夫) 以上で奥田けんじ議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後3時08分休憩

      午後3時28分開議
議長(山崎芳夫) 会議を再開いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 飯 島 きんいち
 1 財政問題について
  (1)発生主義会計の導入について
  (2)基金運用政策について
  (3)江古田の森用地をめぐる起債について
 2 長期計画廃止に関連する問題について
 3 都市型水害と下水水位情報提供システムについて
 4 その他

議長(山崎芳夫) 飯島きんいち議員。
    〔飯島きんいち議員登壇〕
27番(飯島きんいち) 公明党議員団の飯島きんいちでございます。平成15年第4回定例会に当たり、一般質問いたします。
 「継続は力なり」、こういう言葉がございますが、一人の人間でも問題点をずっと指摘し続けることで、例えば議会の開会時間を厳守する、そういう状況へと現状を変えることができるのだなと、こういう思いを深くいたしつつ、質問に入らせていただきます。
 初めに、平成16年度予算の編成が今行われているところと承知していますのが、一向に好転し切れないように見えます中野区の財政問題について伺います。
 その1として、これまでも私はもとより佐野議員初め何人かの皆さんが取り上げていらっしゃいます区民サービス提供を持続することを目指す中野区の行財政運営に不可欠なマネジメントのための仕組みづくりについて伺います。
 経営改革指針では、企業会計的手法による財政分析の導入が目指されています。本年5月、東京都は、「東京都の会計制度改革の基本的考え方と今後の方向」を取りまとめ、その中で平成18年度からの発生主義会計の公会計への本格導入を表明しています。
 公会計に発生主義会計を導入する目的は、ストック情報、コスト情報の認識により、マネジメントへの活用と説明責任の向上を図ることにあるとされています。もちろん、企業会計原則をそのまま導入しても十分機能しないということも、つとに指摘されているところであり、導入に当たってはそれなりの工夫が必要であることは論をまちません。
 そこで伺います。中野区として、発生主義会計の導入についてはどのようにお考えでしょうか。私は、田中区長が16年度から本格的に構造改革に取り組むのであれば、発生主義会計の導入の取り組みを強化すべきと考えます。目標による管理とその到達度を図る行政評価、そして財務会計に加えて、経営管理のための事業別コストや、サービス単位当たりのコスト等の情報を提供する管理会計、これらの財務、非財務情報の信頼性を保証するアシュアランス業務を担う監査制度の組み合わせが説明責任を果たし、区民とともに改革を進めるためには不可欠のものだと考えられます。これらの点について、特に会計制度の改革について、区長のお考えを伺います。
 さらに、14年度のバランスシートなどによる財政分析の発表はいつになるのか。これは、理事者に伺います。
 また、バランスシートの活用による財政分析では、債務償還能力の見通しによる起債コントロールなど、中野区独自の工夫等についての見解をお持ちであれば、お答えください。
 2番目として、基金運用方針について、その体系の整理も踏まえて質問いたします。
 「平成16年度の中野区予算編成方針について」という文書の中で、田中区長は、年度間の財源の安定化のための財政環境整備として、当面の基金運営方針とでもいうべきものを示しています。財政調整基金と減債基金についてであります。それぞれの基金への積み立てと取り崩しという、財源対策の基本とも言えるもので、今後の財政運営上、極めて重要なものと考えられます。
 財政調整基金では、使途について、施設修繕費、退職手当、年度間財源調整の3点を挙げて明確化を図っています。また、減債基金については、銀行等引受債の10年満期一括償還にターゲットを絞る本来機能の明確化を図っているようです。
 そこで伺います。これは、16年度の予算編成に当たって示された区長の見解ではありますが、今後の基金運用の基本方針と考えられるものではないでしょうか。その意味で、オーソライズされた基金運営方針であるとすれば、改めて明確な位置付けを示すべきと考えますが、いかがでしょうか。事の性格上、区長がお答えいただきたいと思います。
 重要な方針であるがゆえに気になる部分もありますので、この際、明らかにしていただきたい点について伺います。
 初めに、財政調整基金の運用について、3点に絞った意図はどのようなものだったのでしょうか。
 退職手当の引き当てについては一定のガイドラインを設けて、一般会計からの積み立てと繰り入れを図るやに聞いていますが、この金額の数値と根拠はいかなるものなのでしょうか。所要額の平均ということなのでしょうか。他の経費との関係を踏まえたものなのでしょうか。根拠を伺います。
 区民サービスの水準を維持するということでは、施設改修も重要課題です。現在示されているガイドラインは退職手当だけと伺っていますが、区民が利用する施設改修も同じようにガイドラインを示して、財源確保のプライオリティー(優先度)の平衡をとるべきと考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。
 次に、減債基金ですが、10年満期を初め償還予定に合わせた積み立てを図ることは当然のことです。しかし、予定していると見られる16年度の財源対策では、14年9月に定めた積み立て方針に反する運用が予定されているようです。北部防災公園財調措置積立の全額減額というようなことは、積み立て方針、またはこの16年度の予算編成方針で示されたお考え、基金運用の基本方針の趣旨からはいかがなものでありましょうか。財政規律と財源対策のバランスをどうつけるのか。はたまた、これ以外にとり得る策がないのかについて、財政状況を踏まえた見解を伺います。
 この点に関連して、16年度見込まれる財源対策として、都市整備部事業経費の削減が検討されているようですが、これと一般財源ベースで示された部門別のフレームの都市整備部の分についてはどのような関係にあるのか、伺います。
 財政問題の最後に、起債について伺います。
 15年度当初予算には、総務費として土地開発公社の健全化にかかわる起債が58億2,000万円余計上されています。この中には、江古田の森の施設整備用地の引き取り分39億円余が含まれています。確かに、この用地は、土地開発公社の所有にかかるものですが、仄聞するところでは、最近、この起債に関して、東京都から指導があったようです。内容は、一般会計での起債は、対象事業面積が確定していないことなどから起債額が確定できないため、用地特別会計での先行取得債の発行でということのようですが、この間の経緯について御説明をいただきたいと思います。
 しかし、東京都の指導によって用地特別会計での起債ということになれば、改めて用地特別会計から一般会計に事業開始で引き取る際には、起債対象面積以外の用地の分については、一般財源が必要になるのではないでしょうか。この点についての見通しをお答えください。
 この際、この用地の関係する江古田の森のPFI事業の事業用地の貸与の問題についても伺っておきます。
 江古田の森のPFI事業についての考え方は、二転三転してきたとの印象です。これまでに2003年3月の実施方針の概要版、5月の実施方針、9月の募集要項案、10月の募集要項と、4段階の考え方が示されてきました。事業方式は、9月の募集要項案ではBOTでありましたが、募集要項ではBOO方式になり、当初は定期借地権により有償で貸し付けるとされた事業用地は、PFI法12条2項の貸し付けになり、同法同条同項により無償で貸し付け、そして最後は12条2項と中野区の財産の交換、譲与無償貸し付けに関する条例第4条での無償の貸し付けになっています。
 また、区の補助については、当初は地代との見合いで検討されていたようですが、無償とすることで、これはなくなったようであります。この間の特別委員会の質疑からは、事態が明らかになったとはなかなか思えません。地代収入は、特別区債償還の際の利子の一部になることも期待されていたのではないかとも考えられることから、募集要項に示される考え方に変化してきた、その間の事情について、明確な御説明をお願いします。
 この項の質問の最後に、地方債の格付とミニ公募債について伺います。
 最近の動向として、国債だけでなく、地方債についても格付の動きが出てきているようです。自治体の財源がもはや税だけで完結する構造にないことは既に指摘されているところですが、この格付を目線に置いておくことが必要となってきたと思いますが、いかがでしょうか。見解を伺います。
 また、財源の問題では、ミニ公募債についての本格的な研究を開始すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 11月20日に文教委員会で、杉並区の芝生の校庭を視察してまいりましたが、新鮮な思いがいたしました。これについては藤本議員の提案が有名ですが、かつて我が会派の同僚の岡山議員が提案していたことを思い出しながら、財源問題で手がつけられない有力な施策の実施のためには、ミニ公募債についての研究を本格化しておくことが必要と感じました。学校施設だけでなく、今後の例えば大規模公園整備の手法としても有力と考えられますが、財政当局はどのような見解をお持ちでしょうか、伺います。
 次に、長期計画の廃止と関連する問題について伺います。
 先般、中警特の特別委員会が開かれた際の理事者の答弁で、都市計画マスタープランの解釈、あるいはよく言えば補足ともとれる変更、それから現在清掃車の車庫として利用されている防災センター・区民斎場用地が、使途の特定されない用地になっていることを知りました。なるほど、長期計画の廃止により、中野区としては現在のところ、行財政5か年計画と区政改革指針以外の計画を持ってはいません。この二つの計画と、指針で示されていない施設整備の計画は、当面存在しないわけでしょう。しかし、整備計画が白紙になっても、例えば区民斎場の場合、平成4年3月に中野区区民斎場あり方懇談会の報告書で示された自宅で葬儀を行うことの困難性や、区民斎場の必要性と確保の考え方をもとにまとめられた「葬儀の場の確保についての基本的考え方」という中野区の方針については、変更ないし、あるいは廃止されたとは聞いていません。また、都市計画マスタープランには、時代に合わせて計画を見直す際の考え方が示されています。したがって、そうした手続を経た上での変更はあり得るでしょうが、その以前の変更云々はいささか行き過ぎかなと、こういう感がいたします。
 そこで伺います。長期計画とその実施計画の廃止で、整備計画の根拠となる考え方や方針はどうなるのでしょうか。特に、区民参加で、全区的な課題として認識されたような事案についてはどうなのか。まず、全般的な問題について、見解を伺います。
 私は、まずこうした方針や課題があって、それらへの取り組みが反映されたものが長期計画であって、長期計画からそうした考え方が出てきたわけではない。順番は逆だろうと、こう思います。現に、公有財産表の行政財産のうち、未整備公共施設用地の中に防災センター・区民斎場用地が残されています。用地特別会計での起債については、15年3月時点で償還済みであり、特別委員会での理事者の答弁を考慮すれば、使用目的の変更等の手続が行われていないのはなぜでしょうか。そうした手続なしに、前提条件をつけず、行政財産の使途目的並びに区の方針の変更を軽々に語ることはいかがなものでしょうか。この際、区民斎場については、予定地での整備を含め、どのように考えているのか、明確にしていただきたいと思います。
 さらに、区の方針では、地域補完としての葬儀の場の確保について、区の施設の使用について可能性を検討するとしています。私は、予定地での施設整備を白紙とするのであれば、地域補完の施設確保について、規定整備を含めて、利用に向けた検討を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。23区の中には、葬儀の場としての区施設の開放を進めているところがあります。区民サービスの向上、区民の満足の増大を掲げる田中区政としては、この検討に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。この点については、区長の見解を伺います。
 次に、防災を中心に、危機管理能力の問題について伺います。
 最近、「地方公共団体の地域防災力・危機管理能力評価指針」調査報告書が総務省、消防庁の指針作成検討会によってまとめられました。防災については、特に、震災対策への関心が急速に区民の中で高まりつつあります。中野区としても、こうした状況を受けて、民間建築物の耐震診断と改修助成制度を創設する取り組みを開始したことを評価するものですが、中野区の防災力や危機管理能力についてはどうでありましょうか。この際、能力評価をきちんと行ってはいかがでしょうか。
 また、地域防災力という観点と、危機管理能力という観点と、二つの視点があることを考えると、組織的には一元化することには少々無理があるのではないでしょうか。地域防災力は、それに適当な事業として独立させるなど、組織整備の中で検討する必要があるのではないでしょうか。お考えを伺います。
 次に、本年も発生してしまった都市型の集中豪雨による水害について伺います。
 本年5月20日、6月25日、10月13日と三度にわたり、大久保通り宮下交差点付近で道路冠水、床下・床上の浸水被害が発生しています。10月13日は、江古田・沼袋方面でも被害が発生しました。特に、下水道桃園川幹線については水位計の設置を行ったところですが、この水位情報の活用が急務になっています。
 不幸なことではありますが、これまでの水害で蓄積したデータもあります。降水量と下水水位情報、各所に設置された雨水貯留施設への貯留データなどが蓄積されてきています。これらを活用するとともに、携帯電話などからアクセスできる、リアルタイムの下水水位情報を提供するとともに、被害発生場所の周辺住民の方々に災害リスクの段階を示せるような情報提供のシステムを検討・実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、その他について伺います。
 私は、今後の中野区の目指すべき都市のあり方の一つとして、エコシティーの形成があると考えております。都市生活環境の改善の上からは、中野区でヒートアイランド対策として民間の住宅の屋上緑化に助成制度を導入する取り組みが進んでいることに、この観点から期待しているところです。
 公共施設の緑化として、学校等の取り組みも始まるようであります。都市環境の向上からも、学校、公園を初めとする区内の各地域にビオトープが形成されることの有効性については、既に会派の同僚やながわ議員からも、かつて本議場で質問があったところです。平和の森公園の蛍の生息できる環境形成を目指す岡本議員の提案は、平和の内実として、生命の尊さを感じさせる究極のビオトープ形成と言えるでしょう。
 都市環境を人間的なものにしていくために今後大事なことは、形成されたビオトープを結ぶ緑の回廊をつくり出していくことです。区内幹線道路の緑の形成は、環境だけでなく、防災の観点からの都市再生の手法としても注目されています。
 そこで伺います。国土交通省では、平成15年度から緑陰道路プロジェクトに取り組んでいますが、その中でモデル地区を指定しており、中野区も特例都道鮫洲大山線、いわゆる中野通り、桜が指定されています。モデル指定された地域では、緑陰道路管理計画が策定されることになっているようですが、これについて、中野区はどのように関与しているのでしょうか。特例都道だから、関与なしなのでしょうか。緑陰道路管理計画の概要についてもどのようになっているのか、あわせて伺います。
 また、区内に残された大規模スペース、しかも、中心市街地に当たる警察大学校等跡地は、緑の回廊構想で重要な位置を占めるものと考えられます。緑陰道路のモデル指定は既に終了しているようですが、この土地の緑の形成と中心市街地における緑の回廊の重要ポイントという位置付けを考慮すると、都市計画道路については、中野区として、緑陰を整備コンセプトとする道路整備の計画を策定して取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。
 また、公共施設の緑化として、区営住宅の屋上あるいは壁面の緑化を検討してはいかがでしょうか。入居者の方々から、クーラーもきかないほどの暑さだとの訴えもあります。エコシティーへの取り組みの一つとして、エネルギー消費の節約からも、共同住宅屋上緑化に先鞭をつける意味でも、区営住宅の屋上・壁面の緑化を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 以上で私の質問を終わります。
 的確なお答えを期待しておりますので、よろしくお願いします。(拍手)
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 飯島議員の御質問にお答えをいたします。私の方からは、財政問題について、それから長期計画の廃止に関連する問題についてということでお答えをいたします。
 発生主義会計の導入についてどのように考えているか。本格的に構造改革に取り組むのであれば、導入の取り組みを強めるべきだという御意見でありました。複式簿記発生主義会計の導入は、長期的・経営的視点に立った財政運営への活用、また職員のコスト意識の醸成、また区民に対する説明責任の向上などを目指すものであるというふうに認識をしているところです。発生主義会計の導入に向けては、具体的な会計基準の確立や会計処理の方法、財務会計システムの再構築など、困難な課題、あるいは問題点の整理・検討が必要でありますが、積極的に取り組んでいきたい、そう考えております。
 それから、基金の運用政策についてということで、16年度予算編成方針の中で、基金の運営方針といったようなものについて触れているけれども、これはこの見解なのか、この方針の位置付けはどうなっているのかといったような御質問でありました。区財政の健全化を進めて、安定した財政運営を確立するために、財政調整基金及び減債基金について、平成14年9月に基金の積み立て方針を決定しているところです。この積み立て方針に基づいて、今後の財政運営を踏まえて、所要財源の確保を図るために財政調整基金や減債基金の具体的な運用の考え方を今回の予算編成方針の中でも区長の方針として示したところであります。財調基金の積み立て、実質収支の2分の1、これが可能となる余剰を生み出す、そういった財政運営が必要ということでありまして、そのための努力をしていかなければならないことだというふうに認識をしております。
 それから、地方債についても、格付の動きが出てきているようだということで、こういったことを目線に置いていくことが必要だと思うという御指摘でありました。平成18年度から、地方債は、現行の許可制度から協議制度に移行するわけであります。また、資金調達の多様化も進むものと考えています。こうした状況変化を踏まえますと、近い将来、特別区債を通じて金融市場が各区の財政状況を評価する、そういう時代が到来するということも予測できるところであります。
 このように、自治体における財政の健全性が注目を集めているという重要な動きを踏まえ、地方債を受け入れる市場からの評価に耐えられるような、そうした格付になるよう、財政の健全化を図っていくということが一層重要になっていくだろうというふうに考えております。
 それから、長期計画廃止に関連する問題についてということで、区民斎場あり方懇談会の報告で示された方針についてはどう考えているのか。あるいは、これらの施設についてどう考えているのかということであります。区民斎場の整備については、既にゼロベースで施設の見直しをするという基本構想、あるいは10か年計画の検討の中でゼロベースでの検討というふうに位置付けをしているところであります。斎場のあり方懇談会等で示された、そうした考え方は考え方として受け継いでいかなければならないわけでありますが、今後、10年後の中野の姿を描いて、どういった施設をどういう形で確保することができるのか。そのことを全体的に見直すゼロベースの検討であるというふうに思っておりますので、区民斎場についてもゼロベースの立場というふうに考えております。
 また、地域補完としての葬儀の場の確保といったようなことについても、同様にゼロベースの施設見直しという中で考えていかなければならないというふうに考えているところであります。
 なお、この使用目的の変更手続についてでありますが、この用地の本来の使用目的が、今申し上げたような状況で確定をしていない現在でありますため、変更は行っていないということであります。
 私からは以上であります。
    〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、基金運用政策についての何点か、またミニ公募債、危機管理能力、地域防災力についての御質問にお答えさせていただきます。
 まず、バランスシートについての御質問でございました。現在行っている総務省方式によるバランスシートについて、区独自によるものは現在ありませんが、最近、債務残高管理が自治体の財政運営にとって重要になるという格付機関の指摘も出てきております。こういうことから、御指摘の内容も含めて研究していきたいというふうに考えてございます。
 次に、財政調整基金の運用ということでの御質問でございました。長年放置されてきました施設の計画的なメンテナンス、また近々に迫った多額の出資を要する職員の退職者増への対応、また一時的に多額の財源を必要とする要因に備えて、今から財政調整基金に所要額を積み立て、必要に応じて取り崩す財政運営を通じて、長期的かつ安定的な区政運営を可能にする環境をつくる必要があるということから、予算編成方針の中でそのような考え方を示したところでございます。
 次に、退職手当、また施設改修への考え方についての御質問でございます。退職手当に充当します一般財源を各年度標準化、平準化しますと、各年の退職手当に充当する一般財源額を25億7,000万円に設定いたしました。16年度以降、退職手当が25億7,000万円に満たないときはその差額を積み立てまして、25億7,000万円以上になった場合にはその差額を取り崩すという対応で、この10年間は退職手当にかかる一般財源を平準化したということでございます。
 また、施設改修費につきましては、区長部局の施設改修といたしまして、毎年2億を枠として配分することにしてございます。緊急度の高いものから計画的に対応しているわけですが、この2億円の枠以上に改修経費が必要と認められる場合には、その超える額につきましては、現在持っております財政調整基金、これから取り崩して対応していく考え方でございます。施設の改修経費の積み立てにつきましては、現在のところ積み立てを行っていくような財政状況ではございませんが、施設配置の見直し結果をもちまして、必要な施設についての改修が計画的に実施できるように、財源確保にはできる限りの努力をしていきたいというふうに考えてございます。
 次に、減債基金の積み立てでございます。16年度予算を編成するに当たりまして、約40億円近くの規模の財源不足が見込まれるということでございます。このため、30億円余の臨時の財源対策を行う必要があるというふうに考えてございます。その一環といたしまして、当初計画しておりました減債基金への積み立ての一部を見送るということになるのではないかというふうに考えてございます。御指摘のとおり、こうした措置をとるということにつきましては、基金運用の考え方の趣旨からは外れるものであるというふうに考えてございますが、緊急避難的にはやむを得ないというふうに思っております。
 また、減債基金への積み立てを見送るということになった場合には、早期にこれに対応するための積み立てを行えるように計画化しなければいけないというふうに考えてございます。
 次に、部門別のフレームについての御質問がございました。都市整備部に示しました一般財源フレームには、指摘されました2億5,000万円を含んでおります。しかし、この厳しい財政状況を踏まえまして、財源対策として、都市整備部の予算編成をする中で、そのフレームの中から2億5,000万円の削減努力をするよう、調整をしたものでございます。
 起債についての御質問でございました。土地開発公社健全化対策では、平成17年度までに健全化計画で掲げた数値目標を達成するために、公社保有地の引き取りに取り組んでいくこととしております。その対象用地につきましては、公社保有地のすべてでございます。今回の江古田の森の用地についても該当しているものでございます。土地開発公社の保有しております江古田の森の保健福祉施設用地につきましては、事業化のめどがついたということから、公社健全化貸借対象用地として区が引き取るということといたしまして、15年度予算の一般会計当初予算で特別区債、事業債の発行を予定しておりました。そのことから、事業の進捗状況との見合いで、事業実施者も決まっていないという段階では、公共用地の先行取得等の事業債で、これは起債充当率100%ですが、起債申請するようにという指導がございました。こうした指導を受けますと、この15年度予算につきましては、16年度第1回定例会には補正予算という形で提出をせざるを得ないというふうに考えてございます。
 一般会計での、これは公共用地先行取得債ということで言いますと、用地特別会計という格好での取得になるわけですが、用地取得特別会計で取得したものにつきましては、一般会計での再取得をすることになります。この再取得につきましては、PFI事業者が事業に着手する年度に行う予定でございます。その場合には、事業債を発行することになりますが、起債充当率、または起債対象とならない用地部分が見込まれます。この起債対象外になる部分につきましては、一般財源が必要になると考えてございます。
 次に、ミニ公募債についての御質問でございました。中野区といたしましては、住民参加型のミニ市場公募債の発行については、対象事業が、地域住民が当該事業を実施するための資金の供給者となることにより、事業の参加意識が高まるようなものが好ましいというふうに考えてございます。また、発行額も5億円以下のものが適しているのではないかと考えているところでございます。今後、具体化につきましては研究をしていきたいと思っております。
 次に、危機管理能力ということで、都市型水害と下水水位情報システムに関連しての御質問でございました。総務省、消防庁により「地方公共団体の地域防災力・危機管理能力評価指針」が作成されたことは承知してございます。調査報告書が各自治体に送付されるというのはこれからでございます。また、指針に基づきまして、各自治体の地域防災力の調査結果の集計、評価方法について、現在消防庁で検討しているというふうに聞いてございます。区みずからが防災危機管理能力の実態を的確に把握しまして、施策の見直しを行うということにつなげていくことについては非常に大事だというふうに思ってございます。今後とも客観的な評価には積極的に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
 次に、危機管理能力についての2点目でございますが、災害対策というものには、地域としての取り組みと防災関係機関の取り組みがそれぞれ連携により体系的・計画的に推進されることが必要だというふうに考えてございます。したがいまして、一体的に危機管理体制の構築、危機管理能力の向上を図るということが効果的であるというふうに考えてございます。
   〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 江古田の森保健福祉施設の整備手法につきまして、変更した理由は何かという御質問にお答えいたします。
 まず、事業方式につきまして、BOTをBOOに改めたということでございますが、BOOの事業方式は、区にとって有為なものでございますけれども、過去に余り例もなく、当初難しいと考えておりました。しかし、BOTも所有権移転時の買い取りにつきまして、その後の運営などに課題がございまして、関係機関と協議しました結果、BOOによりましても補助金、それから起債が認められるということが確認されましたので、BOO方式に改めたものでございます。
 それから、土地につきまして、当初、有償で考えていたが無償にした理由でございます。当初、土地につきましては有償で貸し付け、そのかわり補助金を出すということを考えておりました。しかし、事業者からの質問要望の内容でございますとか、あるいは関係機関との協議状況を見まして、PFI事業者の参入意欲や区の財政負担を考えますと、確実に起債が認められるPFI法第12条2項を適用いたしまして、補助はやめて、土地を無償貸し付けすることが最も適切であると判断したものでございます。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私から、下水道桃園川幹線についての水位計、これが設置されておるわけですが、その情報提供についての御質問がございました。浸水被害などの災害リスク、この段階を示すには、桃園川幹線の水位と道路冠水、これとのかかわりなどにつきまして解明する必要があるであろうというふうに考えてございます。現在、このためのデータの整理を行っているところでございます。今後、桃園川幹線水位を含めました河川情報の提供について、下水道のデータ提供者でございます東京都などと協議をしながら検討をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、中野通りの緑陰道路管理計画につきましての御質問がございました。中野通りの緑陰道路管理計画につきましては、街路樹の育成、それから地域との連携による管理、桜並木の継承を掲げまして、維持管理などに関する具体的な計画をつくっているということを聞いてございます。
 なお、この計画は、東京都の第三建設事務所の所管ではございますが、地元のことでもございますので、関連する区民団体への活動への支援などを通じて、区としてもかかわってまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、区営住宅の屋上・壁面の緑化につきましての御質問がございました。現在の区営住宅は、屋上が使用できない構造となっている住宅が数多くあるということで、そういう点から緑化、屋上については難しい状況でございます。しかしながら、壁面につきましては、可能な場所の選定など、実施方法を検討してみたいと考えてございます。
 また、今後、新築や改築に当たりましては、いろいろな実践例を参考にして、実施を検討してまいりたいということでございます。
〔まちづくり調整担当部長那須井幸一登壇〕
まちづくり調整担当部長(那須井幸一) 私からは、警察大学校跡地の道路の整備についての御質問にお答えをさせていただきます。
 今後、警察大学校跡地の都市計画道路の具体化に際しましては、緑豊かで、親しみの持てる、美しい町並みとなりますよう、考えていく所存でございます。
    〔飯島きんいち議員登壇〕
27番(飯島きんいち) 最後の質問者ですので、簡単にしたいと思います。
 初めに、用特会計のこととかPFIの変更の問題については、しかるべき場所で、しかるべき方がまた詳細に質問されるということですから、そのときに機会を譲ります。
 区長にお答えいただいた基金の運用方針の問題ですが、14年9月の方針は、財調基金は剰余金が生じたときの積み立ての方針なんです。この16年度に示しているのは、そうではなくて、当面する一般財源に充当しなければならない、当初からいわば引き当て的に外さなければならない、そういうものについて財調基金の積み立てましょう、こういうことであって、この14年9月の方針でどうだという話ではない。だとすれば、その14年9月の基金の運用方針、積み立て方針は積み立て方針として、じゃあ、剰余金が発生しなかったら積み立てをする時期に積み立てをしないのか。こういうどっちを優先するのかという問題が生じてくるので、この際、当面の間はこの16年度の予算編成方針の方向でいくというふうに決めない限り、これは積み立ては現実にはできないだろうと、こういうおそれもあるので、改めて位置付けを明確にされた方がよろしい。こう申し上げたところでございます。
 それから、減債基金も既に積むべきものが積まない。5億7,000万円余だと思いましたが、その分はなぜ財調基金から年度間財源の調整で、これは繰り入れて、そして減債基金はきちんと運営方針どおり、積み立て方針どおり積むことをしないのか。どちらでも可能なわけですから、基金の積み立て方針を前提とするなら、そういう方針をとらない限り、現在中野区が抱えているこの財政状況を、その場、その場のオポチュニックな対応だけで処理していったんではもうだめなんだと。そういうことはもう区長は、ゼロベースでといろいろなことを言うんですが、都合のいいことはゼロベースで、ほかのことは違うんだということではなくて、最も今取り組まなければならない財政をどう建て直していくのか。このことをやろうとするならば、この基金の運用方針は、16年度予算編成方針で示されたことがどうしても必要ならば、これをまず特例的に優先してやるよと、当分。このことを明確にされること、これが必要だというつもりで質問をしたつもりでございます。意が伝わらなかったのは、私の質問が未熟だからだろうと思いますが、改めて、区長、その辺の剰余金の積み立ての方針とこの16年度の方針とは違うんだということ。このことも含めて、方針として位置付けを明確にこの際されたらいかがか、再度質問をしておきます。
 それから、葬祭場の件ですけれども、区民斎場の件ですが、ゼロベースで見直される。それはそれで、区長のお考えでしょう。それから、いわゆる地域補完というのは、地域センター等でこの葬祭ができるか、できないかという問題であります。ゼロベースで見直すのは配置の見直しなのであって、地域センターの機能を今からゼロベースで見直せるかどうか。現に機能しているわけですから。この辺はちょっと違うのかな。しかも、地域センター条例の4条の第3項には、わざわざこれは地域センター条例を改正して、いわば葬祭等に使える特例条項を入れたはずなんです。問題は、その特例条項が生かせないのは、いわゆる規則の面が整備をされていない。どう使うかということについての規定がないんです。だから、その辺を私は規定整備も含めて検討されたらと、こう申し上げたわけでありまして、区長は当然その辺はおわかりのことですから、ゼロベースですから知りませんよ、検討が終わるまではやりませんよと。そうじゃないんです。条例自体は、もう使用を想定している状態になっているんですから。だとすれば、規則を整備される。こういうことをされて、当面、そういう方向に踏み出すことを検討された方がずっと区民のためになると、私はこう思いますので、改めて御答弁をお願いいたします。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 まず、基金の運用についての考え方の御質問でございました。私の方の答弁、至らなかったというふうにちょっと反省をいたしております。
 今回の編成方針の中で示しております財政調整基金、あるいは減債基金の具体的な運用の考え方というものは、再質問の中で御指摘をされましたように、財政規律としての考え方でありますので、当面そうした考え方で進んでまいりたいということであります。
 それから、地域センター等の施設の斎場利用についての考え方とゼロベースとの関係でございますが、施設のあり方という中では、地域センター、あるいは他のさまざまな地域施設の施設としての性格、施設としてのありようといったことまで含めて検討しなければならないというふうに考えているところであります。そうした地域センターのあり方が今後どう変わっていくのかといったようなことも見定めなければ、現在行っていないことについて新たに踏み出すという検討はなかなか難しいというふうに認識をしているところであります。
    〔飯島きんいち議員登壇〕
27番(飯島きんいち) 前半の方は、区長しっかり予算編成に当たっても、財政規律というよりも、今いわゆる財政運営上、必要なことはきちんとされる。正しいといいますか、今やらなければならないことをきちんとやっていただきたい。その都度、その都度の数字合わせはしないという決意のあらわれだと思います。
 それから、後半の部分ですけれども、今、現に使っていないといいますが、条例はその使用を想定して改正したんです。問題は、規則の部分を整備しなかった。それは、条例改正をしているんですから、現に使われている、使われていないではなくて、使用を想定して条例改正したということなんですから、それに合わせた規定整備をされるのが当然のことであって、今使われている、使われていないではないんです。使うことを想定する中野区として地域センターの使われ方に現になっている。ただ、問題は、行政のサイドが使うときの規則を定めてないという、いわばそちらサイドの問題なんだということ。このことはやはり、何とおっしゃってもそれは承知されているはずですから。じゃあ、その間、想定されている機能が、見直しが終わるまでこの機能が発揮できない。これは持っている資源、資産を有効に使っていないということじゃありませんか。それは、自治法の精神に反しますよ。ですから、そういう点で、きちんとお考えはもうわかっているはずなんだから、それはもう強力に可能性に向かって規定整備をされたらよろしいじゃありませんか。そういうふうに言うことは、ゼロベースで見直すことと相入れないことではないはずなんですよ。現に、既にそうなっているんですから。ぜひもう一度、区長の明解なお答えをお願いいたします。
     〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 規定整備が行われず、現にそういった利用ができない状況にあるという事実もまたあるわけでありまして、そうした利用環境が整備をされていくのか。あるいは、運用状況についてどうした、どういった変更を加えることが必要なのかといったことの検討の一つの到達点として現在の状況があるというふうに考えているわけであります。
議長(山崎芳夫) 以上で飯島きんいち議員の質問は終わります。
 以上をもって質問は終了いたしました。
 これより日程に入ります。
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議長(山崎芳夫) 日程第1、第58号議案から第62号議案まで及び第68号議案から第70号議案までの計8件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
     〔助役内田司郎登壇〕
助役(内田司郎) ただいま上程されました第58号議案から第62号議案まで及び第68号議案から第70号議案までの8議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
 第58号議案、中野区組織条例の一部を改正する条例は、目標と成果による管理に基づく行政運営を実現するとともに、より価値の高い区民サービスを提供することを目的として、事業部制の導入を柱に組織の再編を行うもので、区民部、地域センター部及び環境部を廃止し、区民生活部及び子ども家庭部を設置するほか、部の編成の変更に伴い事務分掌の変更を行うものです。
 この条例の施行時期は、平成16年4月1日です。
 第59号議案、中野区における平和行政の基本に関する条例の一部を改正する条例は、近年の金融情勢の変化に伴い、平和基金の運用益が低下し、その運用益金を平和事業に要する経費に充てるという、基金本来の設置目的を達成できない状況となっていることから、平和基金の基本額については現行の2億円から1億円に減額し、区民サービスへの財源として有効な活用を図るものです。
 この条例の施行時期は、平成16年4月1日です。
 第60号議案、中野区用品調達基金条例を廃止する条例は、各課で共通して使用される需要量の多い消耗品を集中的に購入する用品集中購買制度を廃止することに伴い、基金を廃止するものです。
 この条例の施行時期は、平成16年4月1日です。
 第61号議案、中野区公共料金支払基金条例を廃止する条例は、公共料金の支払いを基金の支払い専用口座から口座自動引き落としにより行う公共料金口座振替制度を廃止することに伴い、基金を廃止するものです。
 この条例の施行時期は、平成16年5月1日です。
 第62号議案、選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例は、公職選挙法の改正により、平成15年12月1日から期日前投票制度が創設されることに伴い、期日前投票所における投票管理者及び投票立会人の報酬の額を定めるもので、投票管理者の報酬額は1万7,000円、投票立会人の報酬額は1万3,500円としております。
 この条例の施行時期は、公布の日です。
 第68号議案、中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、特別区人事委員会の勧告に基づき、職員の給与を平均で3,485円、率にして0.79%引き下げるとともに、平成16年3月期の期末手当で本年4月1日から12月31日までの期間にかかる給与改定の差額相当額の調整を行うものです。
 改正の主な内容は、給料月額を定める各給料表を改定するとともに、扶養手当額の改定、期末手当の支給月数の削減、医師等の初任給調整手当の最高限度額の引き上げを行うほか、通勤手当の支払い方法等の変更を行うものです。
 この条例の施行時期は、平成16年1月1日ですが、通勤手当の支給方法等の変更にかかる改正部分につきましては、同年4月1日です。
 第69号議案、中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、特別区人事委員会の勧告に基づき、幼稚園教育職員の給与を平均で3,485円、率にして0.79%引き下げるとともに、平成16年3月期の期末手当で本年4月1日から12月31日までの期間にかかる給与改定の差額相当額の調整を行うものです。
 改正の主な内容は、給料月額を定める給料表を改定するとともに、扶養手当額の改定、期末手当の支給月数の削減を行うほか、通勤手当の支払い方法等の変更及び教育公務員特例法の改正に伴う規定整備を行うものです。
 この条例の施行時期は、平成16年1月1日ですが、通勤手当の支払い方法等の変更にかかる改正部分及び教育公務員特例法の改正に伴う改正部分につきましては、同年4月1日です。
 第70号議案、中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例は、社会経済状況の変化と民間の退職金水準の動向や国等との均衡を踏まえ、退職手当の最高支給率の引き下げ及び勤続期間ごとの支給割合の変更を行うほか、教育公務員特例法の改正に伴う規定整備を行うものです。
 この条例の施行時期は、平成16年4月1日です。
 以上8議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
議長(山崎芳夫) この際、申し上げます。
 第68号議案から第70号議案までの計3件については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元に配付の文書のとおり、特別区人事委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。
 本件について、御質疑ありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
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議長(山崎芳夫) 日程第2、第63号議案及び第64号議案の計2件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
     〔助役内田司郎登壇〕
助役(内田司郎) ただいま上程されました第63号議案及び第64号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
 第63号議案、中野区印鑑条例の一部を改正する条例は、印鑑登録原票の登録事項及びその証明事項として、性別の記載については不要であることから、印鑑登録原票の登録事項のうち「男女の別」を削除するものです。
 この条例の施行時期は、平成16年4月1日です。
 第64号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例は、区立保育所について、指定管理者制度を導入するに当たり、指定管理者の指定の手続、管理の基準、業務の範囲等を規定するものです。
 なお、指定管理者が管理する保育所における延長保育料については、指定管理者に利用料金として収受させることから、この条例の附則で「中野区保育の実施に関する条例」の一部を改正し、区立保育所の延長保育料の徴収の規定を整備するものです。
 この条例の施行時期は、公布の日ですが、附則で「中野区保育の実施に関する条例」を改正する部分につきましては、平成16年4月1日です。
 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、よろしくお願いいたします。
議長(山崎芳夫) 本件について、御質疑ありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。
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議長(山崎芳夫) 日程第3、第65号議案、中野区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例を上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
     〔助役内田司郎登壇〕
助役(内田司郎) ただいま上程されました第65号議案、中野区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例につきまして、提案理由の説明をいたします。
 第65号議案、中野区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例は、所得制限の適用に当たり、父または母の監護する児童が、児童を監護していない母または父から、児童の養育に必要な費用の支払いを受けたときは、児童を監護する父または母がその費用の支払いを受けたものとみなして所得の額を計算することを規定するものです。
 この条例の施行時期は、平成16年1月1日です。
 本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
議長(山崎芳夫) 本件について、御質疑ありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。
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議長(山崎芳夫) 日程第4、第66号議案及び第67号議案の計2件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
     〔助役内田司郎登壇〕
助役(内田司郎) ただいま上程されました第66号議案及び第67号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
 第66号議案、中野区特別工業地区建築条例は、東京都特別工業地区建築条例が平成16年3月31日をもって廃止されることに伴い、同年4月1日以後も、区として区内の特別工業地区内における建築物の建築制限を行うことを定めるとともに、その違反者に対する罰則等を規定するものです。
 この条例の施行時期は、平成16年4月1日です。
 第67号議案、中野区自転車等放置防止条例の一部を改正する条例は、自転車等の放置を防止する措置として、自転車等の駐車及び整理のための「自転車等駐車整理区画」を設定するに当たり、その利用対象者、利用手続、利用手数料等を規定するものです。
 この条例の施行時期は、公布の日です。
 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
議長(山崎芳夫) 本件について、御質疑ありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。
 この際、申し上げます。
 議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後4時31分休憩

      午後5時26分開議
議長(山崎芳夫) 会議を再開いたします。
 お諮りいたします。
 この際、本日の日程を追加し、日程第6、第68号議案及び第69号議案の計2件を一括先議するに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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議長(山崎芳夫) 日程第6、第68号議案及び第69号議案の計2件を一括議題に供します。

平成15年(2003年)11月28日

中野区議会議長 殿

総務委員長 平島 好人
(公印省略)

議案の審査結果について

 本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

議案番号

件    名

決定月日

68

中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

1128

69

中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

1128


議長(山崎芳夫) お諮りいたします。
 上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。
 本件については、討論の通告がありませんので直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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議長(山崎芳夫) 日程第5、議会の委任に基づく専決処分について、報告いたします。
 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、11月26日付をもって区長からお手元に配付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。
 この際、陳情の訂正についてお諮りいたします。
 お手元に配付の文書のとおり、陳情の訂正の申し出がありますので、これを承認いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう承認することに決しました。
 次に、陳情の常任委員会への付託について申し上げます。
 お手元に配付の「陳情付託件名表(I)」に記載の陳情につきましては、記載のとおりそれぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
      午後5時29分散会