平成26年11月26日中野区議会本会議(第4回定例会) 25.09.10 中野区議会第3回定例会(第1日)

.平成26年(2014年)11月26日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原      宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番     欠  員

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  英   直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  竹 内 沖 司

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

 区民サービス管理部長 白 土   純    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二

 健康福祉部長   野 村 建 樹      保 健 所 長  寺 西   新

 環 境 部 長  小谷松 弘 市      都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一  経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  大 野 貴 子      書     記  鈴 木   均

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成2年(2014年)1126日午後1時開議)

日程第1 第62号議案 中野区区政情報の公開に関する条例の一部を改正する条例

 

午後1時00分開会

○議長(伊東しんじ) ただいまから平成26年第4回中野区議会定例会を開会いたします。

 本日の会議を開きます。

 会議録署名員は会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。

 17番いながきじゅん子議員、26番久保りか議員にお願いいたします。

 次に、会期についてお諮りいたします。

 本定例会の会期は、本日から12月5日までの10日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。

 一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。

 これより日程に入ります。

 お諮りいたします。

 この際、本日の日程を追加し、日程第2、同意第2号、中野区教育委員会委員任命の同意についてを、先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

――――――――――――――――――――――――――――――

 同意第2号 中野区教育委員会委員任命の同意について

 

○議長(伊東しんじ) 日程第2、同意第2号、中野区教育委員会委員任命の同意について、を上程いたします。

 区長の説明を求めます。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) ただいま上程されました同意第2号、中野区教育委員会委員任命の同意につきまして御説明申し上げます。

 この同意案は、高木明郎委員が本日26日をもって任期満了となりますので、その後任者として田中英一さんを任命いたしたく、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定に基づき、議会の同意をお願いするものです。

 田中さんは、昭和53年に岩手医科大学を卒業後、鶴見大学歯学部小児歯科学講座助手を経て、現在、同大学歯学部及び昭和大学歯学部の非常勤講師として御活躍されています。本区においては、平成元年に江古田四丁目で田中歯科クリニックを開業されて以来、同クリニックの院長として地域の歯科医療に貢献され、平成5年から平成25年までの間は中野区歯科医師会理事、同歯科医師会会長などを歴任し、歯科医師会の活動にも尽力してこられました。また、平成5年からは中野区立第十一中学校、同緑野中学校の歯科校医を務められ、学校現場において長年にわたり歯科校医として児童生徒の健全な育成のために力を注がれています。このように地域の歯科医療における豊富な経験と本区の学校教育に対するすぐれた識見を備えている田中さんは、教育委員としてふさわしい方であり、この際、教育委員として本区における教育行政の進展に御尽力いただきたいと考えた次第です。

 本件につきまして、何とぞ御同意くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊東しんじ) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の同意第2号に同意するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、同意第2号は、これに同意するに決しました。

 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、北原ともあき議員、南かつひこ議員、岩永しほ子議員、佐伯利昭議員、後藤英之議員、佐野れいじ議員、小林秀明議員、かせ次郎議員、石川直行議員、伊藤正信議員、小林ぜんいち議員、内川和久議員、吉原宏議員、大内しんご議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、林まさみ議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 北 原 ともあき

 1 消費税と法人住民税の国税化について

 2 低所得世帯の子どもへの学習支援について

 3 通学路への防犯カメラの設置について

 4 臨時福祉給付金・子育て世帯臨時特例給付金について

 5 西武新宿線の沿線まちづくりについて

 6 その他

 

○議長(伊東しんじ) 最初に、北原ともあき議員。

〔北原ともあき議員登壇〕

○22番(北原ともあき) 平成26年第4回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場から一般質問を行います。

 初めに、消費税と法人住民税の国税化についてお尋ねいたします。

 安倍首相は18日の記者会見で、「税制こそ議会制民主主義と言ってもよい。その税制において大きな変更を行う以上、国民に信を問うべきであると考えた」と述べました。消費増税法には、景気が想定以上に悪くなれば増税を先送りしたり取りやめたりできる景気条項がある。首相はこの条項に基づいて先送りを決めたとし、「7月から9月のGDP、国内総生産が速報によれば、個人消費は1年前に比べ2%以上減少した。来年10月から引き上げることは、個人消費を再び押し下げ、デフレ脱却も危うくなると判断した」と述べ、「再び延期することはない。そう断言する」と強調しました。

 新聞各社の報道によりますと、日本経済全体としては、多くの企業が、景気はなお回復基調を維持しているが、消費の伸び悩みで足踏み状態にあると判断しており、景気の踊り場状態といった見方が大勢を占めております。

 景気の回復が着実に進むことは、国民誰もが期待するところであります。また一方で、将来の日本を確かなものとするためにも、少子高齢化が進展する中で、社会保障の安定財源を確保し、社会保障と税の一体改革を継続的に進めていかなくては、日本の未来は不安定となり、世界的な信用も失いかねないといったことも、また誰もが感じているところでもあります。

 国は、消費税を5%から8%にするに当たり、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する法律を成立させました。これは引き上げ分の消費税の増収分については、全て社会保障の充実、安定化に向けることとしたものであります。基礎年金の国庫負担の割合を恒久的に引き上げる社会保障の安定化のほかに、子ども・子育て支援の充実、医療、介護サービスの提供体制の改革などを進めていくことになっております。

 そもそも私たちが支払う消費税は、国税と地方消費税により構成されております。消費税8%は、国税となる消費税6.3%分と残りの都道府県や区市町村に交付される地方消費税1.7%に分けられています。消費税8%になったことで、地方自治体については、地方消費税が1%から1.7%に引き上げられ、引き上げ分の0.7%の税率を社会保障費に充てることとなっているのであります。したがって、中野区に交付されている地方消費税交付額は、消費税の引き上げにより、歳入について増額の影響が出てくることになります。中野区においても、増収分は社会保障に係る経費に充てることとなるはずです。例えば今年度中野区では、子ども・子育ての支援を量と質の両面から効果的に行うため、民間学童クラブの開設や保育園の待機児解消に向けて保育施設を新たに誘致するための補正予算を組みました。今後は、こういった子育て支援などの事業に消費税増分の財源が投入されていくのではないでしょうか。

 そこで、お伺いいたします。

 消費税が8%に引き上げられた際の中野区での歳入、歳出の影響額、消費税増額分を充てるとされている社会保障事業とはどういったものなのか。また、消費税10%は先送りとなりましたが、その間事業は継続できるのか。財源はどのように確保するのか、お尋ねいたします。

 次に、法人住民税の一部国税化に関することについてお尋ねいたします。

 11月12日に東京都知事、特別区長会会長、東京都市長会会長、東京都町村会会長の名前で地方財源の拡充に関する要請書というものが総務大臣宛てに要請されました。また、特別区議会議長会においても、平成27年度、国の施策及び予算に関する要望の中で、総務大臣並びに財務大臣に地方税の原則を踏まえた地方税財源の確保に関する要望を提出したところであります。

 平成26年度の地方税制改正によって、法人住民税の一部を国税化し、その全額を地方交付税の原資とする見直しが行われ、地方法人税を創設いたしました。都市と地方との間に生じている税収入の隔たりについて、国税化された税を分配し、この差を是正するというものであります。しかし、法人住民税は、そもそも法人の地域での活動や地域で働く方々の生活を支えるための行政サービスの財源となっています。さらに、法人住民税は特別区23区では、財政調整交付金の基礎となる調整3税、すなわち固定資産税、特別土地保有税、法人市町村民税の一つに当たります。

 このような性質を持つ法人住民税を地方自治体間の財源の調整に使うことは、地方税の基本原則はもちろん、地方分権の流れにも逆行することとなります。特別区や中野区は首都直下地震に備えるための防災対策、少子高齢化社会における待機児童解消などの子育て支援策といった大都市特有の課題に加え、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるための施策、さらに老朽化する公共施設等インフラの更新など、急務の課題が数多くあります。このような現状は、地方税の基本原則を踏まえ、地方税財源の確保を図る中で解決できるものであります。

 法人住民税の一部国税化は、中野区にどのように影響すると分析をしているのか、お伺いして、この項の質問は終わります。

 次に、低所得者世帯の子どもへの学習支援についてお尋ねいたします。

 資源の乏しい我が国にとって、次代の人材を育成する教育は極めて重要であります。自由民主党は、

教育再生を経済再生と並ぶ重要な課題と位置付け、世界トップレベルの学力と規範意識を養成し、日本文化を理解し、継承・発展させることができる人材の育成を目指しております。そのためには、全ての子供たちに等しく教育の機会や環境が与えられるべきと考えますが、一方で、家庭の経済状況が子どもの教育の機会や環境に大きな影響を与え、学力の格差ともなっている状況が懸念されています。

 そこで、中野区の小中学生の学力の状況、また学力と家庭の経済環境との関連について、どのようにとらえているのか、伺います。

 文部科学省の調査では、学校での学習以外に塾などに通う補助学習費は、公立の小学校高学年で子ども1人年間8万から15万円、中学生は15万から32万円とのことであります。また、私立では、小学校高学年で30万から50万円と、公立の約3倍以上の経費をかけています。このような面からも、家庭の経済状況が子どもの教育環境に与える影響は大きいと言わざるを得ません。

 当然のことながら、お金さえあれば子どもの学力が上がるわけではありません。保護者が学校の勉強に関心を持って、適切な指導や励ましを行うことで、子どもはやる気が起き、勉強が楽しくなり、もっと勉強がしたいという気持ちになるものだと思います。しかし一方で、子どもにやる気があっても、家庭の経済環境が整わないために、その子に合った学習環境を与えられないという状況が起きていることは非常に残念であります。

 そこで、中野区は、未来を担う子どもたちが、その意欲によって平等に学習環境を与えられるような支援策を充実するべきだと考えますが、区の御見解をお聞きして、この項の質問は終わります。

 次に、通学路への防犯カメラの設置について伺います。

 近年、登下校中の児童の列に車が突っ込み、児童が多数死傷するといった交通事故をはじめ、児童がさまざまな犯罪被害に巻き込まれるなどの事件が全国で相次いでいます。児童への安全対策は、常に行政、地域が取り組むべき重要な課題であります。中野区は、平成24年度に教育委員会、学校、保護者、道路管理者及び警察との連携によって通学路の緊急安全点検を行い、危険箇所等の改善が必要な場所については対策を講じたと聞いております。また、各学校の通学路については、PTAや町会・自治会、商店会等による防犯パトロールや登下校時の見守り活動、さらに青色灯防犯パトロールカーによる地域防犯活動が行われていることは承知しております。

 そこで、お聞きいたします。

 通学路における児童の安全確保について、それ以外に何か取り組みが行われているのか、お尋ねをいたします。

 また、東京都は、今年度、自治体が通学路に設置する防犯カメラの設置費用の一部を補助する制度を設けましたが、それはどのような目的なのか。また、中野区はこの制度を活用して、児童の安全対策の向上に向けた取り組みを行うべきだと考えますが、見解をお尋ねいたします。

 通学路へ防犯カメラを設置することは、現在、学校・PTA・地域が連携して行っている登下校時の見守り活動を補完し、児童の安全対策の向上に資するものと考えています。通学路への防犯カメラの設置については、対象となる地域の合意が求められます。地域の合意を得るためには、町会・自治会やPTAなどの理解や協力が欠かせないと思います。その点について、区はどのように考えているのか、お尋ねして、この項の質問は終わります。

 次に、臨時福祉給付金並びに子育て世帯臨時特例給付金についてお尋ねいたします。

 国は、平成26年4月に消費税を5%から8%へ増税しました。この消費税率の引き上げによる反動減を緩和して、景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済成長力の底上げと好循環の実現を図り、持続的な経済成長につなげるため、社会保障と税の一体改革に位置付けられる経済政策パッケージを決定しました。その一環として、低所得者や子育て世帯への影響を緩和する給付措置を講じ、臨時福祉給付金並びに子育て世帯臨時特例給付金の二つの給付金を支給することとしました。中野区では、臨時福祉給付金並びに子育て世帯臨時特例給付金については、本年7月16日から来年の1月16日までの6カ月間申請を受け付け、来年3月までに事務を完了すると聞いております。平成26年度住民税非課税の方が対象となる臨時福祉給付金と児童手当受給者が対象の子育て世帯臨時特例給付金で、合わせて約6万8,000世帯が申請対象で、9月末での申請状況は、両給付金を合わせて約3万9,000世帯、対象世帯に対し、申請率は約57%とのことであります。

 そこで、現在の両給付金の申請や処理についてはどのような状況でしょうか、伺います。

 また、近隣区と比較して事務処理の進捗はいかがでしょうか。

 また、効果的に処理するために工夫や考慮した点はあるのかもあわせてお伺いいたします。

 両給付金の対象世帯数に対する申請率は、9月末現在、約57%ということでありますが、申請を促すためにどのような対応をしているのか、お伺いして、この項の質問は終わります。

 最後に、西武新宿線沿線のまちづくりについてお伺いいたします。

 西武新宿線の中井駅から野方駅区間の連続立体交差事業については、平成20年に新規着工準備箇所として採択され、また野方駅から井荻駅間については、東京都の連続立体交差事業の事業候補区間に位置付けられました。これを受け、平成21年11月に、区は西武新宿線の連続立体交差事業を契機とした沿線まちづくりについて、今後の西武新宿線沿線の都市基盤整備や新井薬師前、沼袋、野方、都立家政、鷺ノ宮駅周辺のまちづくり計画を作成しました。平成23年8月には、中井駅から野方駅間の連続立体交差事業が都市計画決定され、あわせて関連街路として新井薬師前駅と沼袋駅の駅前広場やアクセス道路が都市計画決定されました。平成25年4月からは、東京都が西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業の事業認可を取得し、平成32年度の完成を目指して、ことし1月から工事が着工しております。

 こうした流れの中で、沿線まちづくりについては、平成24年9月に沼袋駅周辺のまちづくり検討会、そして平成25年2月に新井薬師前駅まちづくり検討会がそれぞれ設立され、地域住民が主体となって、新たなまちづくりの目標や方針の検討が進められております。今年度中にまちづくり構想をまとめ、区に提出すると聞いております。

 そこで、今後、両検討会からまちづくり構想が提出された後、区は両地域のまちづくりをどのように進めていくのか、お尋ねをいたします。

 また、中井駅から野方駅の現認可区間の事業化の推進とともに、沿線区民は事業候補区間に位置付けられている野方駅から井荻駅間までの区間の連続立体交差化の早期実現も切に願っています。しかし、当区間については、いまだに事業化の見通しがたっていない状況です。野方駅から井荻駅間までの区間についても、先行着手した中井駅から野方駅間の事業進捗に合わせて切れ目なく、一日も早く連続立体交差事業が実現できるよう、これまでも中野区民、そして区議会、区が三位一体となった期成同盟の活動の中で国や東京都、西武鉄道への要請活動を行ってきたことは評価しているところであります。

 そこで、野方駅から井荻駅間までの区間の連続立体交差事業の早期実現に向けて、今後どのように進めていくのかについてお伺いをいたします。

 連続立体交差事業とあわせて、西武新宿線自体の路線としての魅力を高めていくことも不可欠です。西武新宿線のような郊外と都心を結んでいる都市鉄道は、都内には数多くありますが、その多くの路線が地下鉄と直結し、乗りかえなくスピーディーに大手町や日本橋等の都心に直接行くことができます。隣の西武池袋線については、平成10年に地下鉄有楽町線と相互直通運転し、また平成20年には地下鉄副都心線と相互直通運転が開始され、連続立体交差事業と相まって、路線としての利便性が増し、沿線の魅力が向上しています。

 一方、西武新宿線は、地下鉄と相互直通運転をしていないため、例えば大手町や日本橋に行く場合には、高田馬場駅で地下鉄の東西線との乗りかえが必要となることから、利用者の利便性を欠いており、西武新宿線沿線の区民も西武新宿線を利用せず、JR中野駅等を利用している人も多く見られます。

 そこで、西武新宿線と地下鉄東西線との相互直通運転化について、区はどのように認識しているのか、お伺いをして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 北原議員の御質問にお答えをいたします。

 消費税引き上げの影響についてであります。

 消費税が5%から8%へ増加した際の区への地方消費税交付金の影響は、平成26年度はおよそ8億円が増額し、区の消費税支払い分――出ていく分ですね――これはおよそ7億円となり、差し引き1億円の収入増と見込んでいるところです。平成26年度の消費税増額分は、地方消費税の交付が半年分おくれて交付されるため、影響額が小さくなっているものであります。

 平成27年度については、地方消費税交付金への影響額について、1年分の影響が見込まれることから、平成26年度に比べ増加するものと予測をしております。

 一方で、子育て支援や地域包括ケアなど、歳出の増も必要となっているところであり、対応できるか、またこうした形で増額したものが将来にわたって持続できるのか、予算編成の中で慎重に見きわめていかなければならない、こう考えております。

 なお、消費税の増税分を財源として充てる事業については、国からの通知によって社会保障全般を指しているところとなっています。社会福祉に係る生活保護、児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉などのほか、国民健康保険、介護保険や感染症疾病予防対策等まで対象となっております。消費税10%で国がどういった歳出増を想定しているかについては、具体的には明らかにはなっていないところであります。こうした10%の消費税増額の延期によります影響について、新聞報道によりますと、国では、平成27年度の予算編成の中で検討して財源の確保を行っていくとしているところでありまして、区としてもこの状況をよく見定めていく必要があると考えております。

 法人住民税の国税化についてであります。

 法人住民税の一部国税化は、自主財源である地方税を縮小することにほかならず、地方分権の流れに逆行するものと考えており、中野区も地方財源の拡充に関する要請を東京都や特別区と一体となって行ってきたところであります。法人住民税の影響額は、財政調整交付金に影響するものであり、平成24年度の決算額から試算すると、特別区全体で578億円と言われております。これをもとに中野区への影響額を試算した結果、平成27年度については、およそ13億円の減額となるのではないかといった予測をしているところであります。

 法人住民税の一部国税化は、区の歳入確保に大きな影響を与えております。税源偏在への対応としては、国から地方への権限移譲や税源移譲の中で根本的に解決を図っていくことが本来的な姿と考えております。今後とも東京都、特別区、そして区議会と一体となって、地方の財源拡充という本質的な問題に取り組むよう、強く働きかけていきたいと考えております。

 低所得世帯のお子さんへの学習支援についてであります。

 現行行っている支援と今後の取り組みについて。低所得世帯の子どもへの教育に関する支援としては、就学援助制度のほか、東京都の受験生チャレンジ支援貸付事業における中学3年生と高校3年生に対する塾と受験費用の貸し付けや東京都母子及び父子福祉資金での奨学金制度など実施をしているところであります。今後は、来年度4月に施行される生活困窮者自立支援法に基づく学習支援事業なども視野に入れ、低所得世帯の子どもへの学習支援事業に取り組むことを検討しております。

 沼袋、新井薬師前駅周辺まちづくりの進め方についてであります。

 新井薬師前駅及び沼袋駅周辺まちづくり検討会につきましては、設立当初から地元住民が主体となって、また区も支援をしながら、まちづくりの目標や方針について検討を進めてきていただいております。今年度中には検討結果を取りまとめて、区に提出をしていただく予定ということで、現在準備を進めている状況にあります。区といたしましては、両検討会からの提案を受けて、まちづくり整備方針を作成したいと考えております。今後、この整備方針に基づいて両地域のまちづくりを促進してまいります。

 野方―井荻間の連立事業の早期実現についてであります。鉄道の連続立体交差事業は、交差する道路交通を円滑化するだけでなく、鉄道により分断されていた沿線地域の一体化が図られ、新たに魅力あるまちづくりが推進されるなど、沿線地域の発展に極めて高い効果が期待できる事業であります。野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業の早期実現を目指す上では、中野区民、中野区議会、そして中野区が三位一体となった期成同盟による活動を引き続き実施していくことが重要であると考えております。また、隣接する杉並区や沿線の下井草駅、井荻駅等のまちづくり協議会の方々とも連携をしながら、早期実現化を推進してまいります。

 あわせて、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりの熟度を高めるため、各駅の地域住民主体のまちづくりを引き続き支援をしてまいります。

 西武新宿線と地下鉄東西線の相互直通運転化についてであります。

 西武新宿線と地下鉄東西線との相互直通運転化につきましては、高田馬場駅での乗りかえがなくなり、都心への所要時間の短縮が図れることなど期待できるところであります。また、連続立体交差事業と相まって、こうした相互直通運転が行われるということになれば、西武新宿線沿線地域の価値や魅力が高まることも期待されます。相互直通運転化は、中野区だけではなく、西武新宿線沿線の広範囲の自治体の住民の利便性向上に資することから、今後沿線自治体との連携した各方面への働きかけ方などについて検討をしてまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 低所得世帯の子どもへの学習支援につきまして、中野区の小中学校の学力の状況についての御質問がございました。東京都や文部科学省の実施する学力調査におきましては、中野区の児童生徒の平均正答率は、都や国の平均正答率と同程度、もしくは若干上回っているという状況でございます。

 また、学力と家庭の経済環境との関連についての御質問もございました。平成25年度全国学力・学習状況調査に関連して、文部科学省が設けました研究班による調査研究によりますと、家庭の社会経済的背景が高い児童生徒のほうが各教科の平均正答率が高い傾向が見られるという報告がなされているところでございます。

 次に、通学路の防犯カメラの設置についての御質問がありました。通学路における児童の安全確保につきまして、現在、通学路については、学校やPTA、そして道路管理者及び警察との連携により安全点検を実施し、必要な改善に取り組んでいるところでございます。

 また、学校や地域における取り組みといたしましては、安全マップ等の作成を通じて、地域との情報共有や安全教育の実施等により、登下校時の児童の安全を確保しているところでございます。

 都補助事業を活用した防犯カメラの設置についての御質問です。東京都が設けました東京都通学路防犯設備整備事業は、通学路に防犯カメラを設置することにより、学校と地域等が連携して行う登下校時の見守り活動を補完し、自治体が実施する通学路の安全対策に資することを目的としてございます。通学路の安全確保につきましては、都の補助事業を活用した防犯カメラの設置について現在検討しているところでございます。

 また、防犯カメラ設置に係る地域の理解につきまして、町会・自治会及びPTAに対しては、防犯カメラの設置の趣旨を丁寧に説明し、設置する地域の理解が得られるよう取り組んでいく考えでございます。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、臨時福祉給付金、それから子育て世帯臨時特例給付金についての御質問にお答えをいたします。

 まず、給付金の処理状況、それから近隣他区との進捗状況の比較という御質問でございました。10月末現在で、両給付金の申請数は約4万5,000件、当初想定をいたしました対象世帯に対する割合は65%でございます。また、支給決定処理を終えた件数は約4万件、約6割という状況になってございます。

 近隣区との進捗の比較でございますが、同じ日程で取り組んでおります区と比べましても、受け付け率、それから処理率ともに10ポイントから20ポイント上回る状況でございます。また、中野区よりも1カ月ほど早く、この申請受け付けを開始しました区と比較いたしましても、その進捗状況に遜色はない程度まで進んできてございます。

 この事務処理上の工夫とそれから申請勧奨ということの御質問でございます。当区におきましては、臨時福祉給付金の支給事務につきまして、区の判断で、税務事務の一環として位置付けました。税務上の非課税のお知らせに合わせる形で給付金申請書を対象となる世帯に御送付してございます。このことによりまして、相当に事務負担が軽減され、事務の正確さも向上していると考えてございます。また、申請書につきましては、本人の自筆部分を極力減らしまして、またわかりやすさにも配慮をしたところでございます。

 申請手続の漏れを防ぐ取り組みといたしましては、10月に臨時福祉給付金、11月には子育て世帯臨時特例給付金の未申請の方へ勧奨の通知を行ったところでございます。このほか、南中野、あるいは上鷺宮など6カ所を巡回し、この申請の御相談、あるいは受け付けということを行ってまいりました。

○議長(伊東しんじ) 以上で北原ともあき議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 南   かつひこ

 1 安全・安心のまちづくりについて

  (1)小児救急診療体制について

  (2)補助第26号線(江古田)の事業に伴うまちづくりについて

  (3)沼袋駅周辺地区のまちづくりについて

 2 高齢者施策等について

  (1)成年後見制度の充実について

  (2)認知症対策について

 3 障がい児施策について

  (1)中野区子ども発達センターたんぽぽについて

  (2)障がい児の在宅療養支援について

  (3)その他

 4 学校再編に伴う施設整備について

 5 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、南かつひこ議員。

〔南かつひこ議員登壇〕

○15番(南かつひこ) 平成26年第4回定例会において、公明党議員団の立場から一般質問を行います。区長並びに理事者におかれましては、明快で前向きな御答弁をお願いいたします。質問は通告のとおり進めてまいります。

 1番目に、安全・安心のまちづくりについて伺います。

 初めに、小児救急診療体制について伺います。

 現在、UR都市機構が基盤整備を行っている江古田三丁目の合同住宅跡地に病児・病後児保育機能を備えた小児初期救急病院の誘致が決定しました。これまでは中野総合病院で小児の準夜間診療を行っていますが、さらなる小児救急診療体制の充実が大きな課題でありました。また、病後児保育では、区立仲町保育園と聖オデリアホーム乳児院で委託事業を行っていますが、区内には院内感染を防ぐ隔離型の病室を備えた病児保育施設がないことも課題の一つでありました。そこで、中野区として、UR都市機構に対し、小児初期救急診療と病児・病後児保育の機能を持たせた病院施設の開設を要望したことから、実現に至った経緯があります。

 これまで私は、平成20年の第1回定例会の一般質問や平成23年の第3回定例会の決算特別委員会での総括質疑で、当該地区に医療モールの誘致を訴えるとともに、公明党としても、小児救急診療体制や病児・病後児保育の充実の必要性を推進してきました。それだけに小児初期救急診療と病児・病後児保育の機能を備えた病院施設を当該地区に誘致できたことを高く評価するとともに、大変うれしく思っております。

 11月17日には、中野区と病院事業者である医療法人財団健貢会と小児初期救急診療と病児・病後児保育の機能を備えた病院の開設と長期に安定した診療、運営体制を図るための協定を締結したことが一部の新聞に掲載されました。この協定では、小児初期救急診療や病児・病後児保育の事業を推進するにあたって、小児科の医師の確保や病児・病後児保育の事業の内容などが盛り込まれていると思いますが、協定の具体的な内容はどのようになっているのかを伺います。

 区民からすれば一番知りたいことは、この病院施設がいつ開設できるのかということだと思います。開設へ向けた今後のスケジュールはどのようになっているのかを伺います。

 また、新聞報道によると、小児初期救急診療の診療時間は、午後7時から午前0時までを確保することになっているとありますが、子どもの夜間の急な発熱や発病に対応するためには24時間体制にする必要があります。中野区としても、24時間での小児初期救急診療体制を病院事業者に要望していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 さらには、小児救急診療体制の充実を図るためにも、入院治療が必要な2次救急や重篤な患者を受け入れる3次救急体制を推し進め、小児の療養病床の機能を備えた子ども総合医療拠点への展開も重要と考えますが、区の見解を伺います。

 次に、補助第26号線江古田の事業に伴うまちづくりについて伺います。

 補助第26号線は、品川区東大井一丁目から板橋区氷川町に至る延長22.4kmの都市計画道路です。このうち中野区江古田一丁目と新宿区西落合四丁目地内の延長490mの区間について、今年の8月に国土交通省から都市計画事業の認可が取得され、事業が着手されることになったものです。中野通りが新青梅街道と交差する地点をそのまま北上させて、みずのとう公園を一部通過して再び中野通りに接道させる計画になっており、道路の幅員は20mで、事業期間は平成26年度から平成32年度までで、事業費は60億円で、東京都が事業主体となって行われます。

 この事業を実施するにあたっては、中野区としても周辺のまちづくりを考慮して、さまざまな角度から事業を推進する必要があると考えます。この事業は、区間が490mでありますが、南側には中野区有形文化財であり、平成21年には東京都の名所に指定された哲学堂公園があります。また、西側には妙正寺川、江古田川の妙江合流地点にある江古田公園があり、事業区間内にはみずのとう公園もあります。この事業を推進するにあたっては、みずのとう公園と哲学堂公園、さらには江古田公園の三つの公園を一体的に整備して、遊歩道など回遊性を確保していく整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、事業区間内にあるみずのとう公園について伺います。

 みずのとう公園は、これまで盆踊りの会場など、地域での催し物の開催で利用されたり、子どもたちの遊び場として利用されたりしてきました。しかしながら、公園内にはごつごつとした砂利が多く、歩行に危険を感じるとの声や事業が完成したときには、中野通りと接することになり、安全対策を考慮した公園整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 この事業を実施するにあたって、補助第26号線を通すことでみずのとう公園の一部が削られてしまうことになっていますが、地域での行事などに支障を起こさないようにするためにも、従来の公園面積を確保する必要があります。隣接地には、水道局野方公社の都有地がありますが、公園面積との用地交換をするためにも、東京都への働きかけが必要です。都有地を活用することがみずのとう公園の再整備には必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 また、みずのとう公園内にある野方配水塔は2010年の2月に国の登録有形文化財に指定されている江古田のシンボル的建築物です。事業完成後には、中野通りに接することから、今後中野区としてのランドマーク的な観光資源になっていくと考えます。事業完成後には、野方配水塔の記念式典などを開催して、観光資源の充実を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、沼袋駅周辺地区のまちづくりについて伺います。

 沼袋の商店街通りである区画街路第4号線を整備するにあたっては、沼袋駅の南側に約2,800㎡の駅前広場が整備されることになり、バスやタクシー、一般車両の乗降場が確保されることになります。それに伴い、沼袋駅の南側では、駅前広場の整備に合わせて駅ビルや駅前広場周辺などではさまざまな整備が進んでいくことで、沼袋駅北側とのにぎわいに大きな格差が生じることになると考えます。駅前の整備には、南北の格差は解消しなくてはなりません。沼袋駅の南北の格差解消について、区としての見解を伺います。

 西武新宿線連続立体交差事業が地下化することで、鉄道の上部活用をどのようにしていくのかが重要となります。現在、沼袋駅では自転車の違法駐輪が問題となっています。沼袋駅周辺には3カ所の自転車駐輪場がありますが、駅前に違法駐輪する自転車が絶えません。違法駐輪することで歩行者の安全が損なわれたり、緊急車両が通行できなくなったりなどの支障を解消するためにも、鉄道の上部活用として自転車の駐車場を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 また、沼袋駅周辺地区では、東西を結ぶ道路が整備されておらず、緊急車両の動線の確保が必要と考えます。特に、環状7号線へ向かう道路整備を鉄道の上部活用で行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 さらに、広域避難場所となっている平和の森公園が近接されており、避難誘導における安全対策などを踏まえて、平和の森公園との一体的な整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 沼袋駅周辺地区まちづくり検討会では、当該地区の防災面での課題もさまざまに挙がっています。特に低層の木造住宅が密集しており、避難場所や避難所へ安全に避難できる道路が不足していることや緊急車両が通行できない狭隘道路が多いことが指摘されています。区として、防災上の課題の一つである狭隘道路の解消についてどのような見解をお持ちなのかを伺います。

 また、区画街路第4号線が拡幅することで商店街のにぎわいを低下させてはならないと考えます。そのためには、商店街を利用する区民が安心して買い物ができる環境をつくることが必要です。商店街の方々の経営努力があることが基本ですが、商店街を通行する際に人の流れを滞留させる仕組みや商店街内を車両が通行する際には道路を湾曲させてスピードを軽減させる工夫などが必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 西武新宿線連続立体交差事業が事業着手となり、中井―野方間が地下化となることから、東京メトロの東西線と西武新宿線の相互乗り入れが今後現実的な話題となってくると思われます。これが実現すれば、西武新宿線沿線では、交通の結節点としての機能が充実し、さらなる発展が期待できます。この相互乗り入れについて区はどのような見解を持たれているのかを伺って、この項の質問を終わります。

 2番目に、高齢者施策について伺います。

 初めに、成年後見制度の充実について伺います。

 現在、区では来年度予算編成に向けて、成年後見制度を利用するにあたって必要となる申し立て費用の助成や成年後見における後見報酬の助成を検討しています。私は、これまでに申し立て費用の助成や成年後見の報酬助成を何度も議会で訴えてきただけに、一歩前進することは成年後見制度の充実を図る上で大変すばらしいことだと考えております。

 しかしながら、重要なのはその中身であります。まずは、申し立て費用については、区長申し立てに限らず助成すべきであります。さらには、申し立て時の経費である収入印紙、登記印紙、切手代はもとより、診断書作成費用や鑑定費用も含めるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、後見人の報酬助成について伺います。

 現在のところ、区では、区長申し立て時に限定して後見人の報酬助成を実施していますが、その拡充については、区長申し立て以外の本人、または親族等による申し立て時においても後見人への報酬助成を実施すべきであります。しかしながら、成年後見制度においては、後見人を含め、3類型が存在しており、報酬助成を実施するにあたっては、保佐人及び補助人についても報酬助成を認めるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 さらには、これまでの区長申し立て時の報酬助成では、高齢者に対する実績しかなく、費用も介護保険特別会計の地域支援事業費で予算立てされている状況で、障害者に対しては別枠の予算立てが必要となってきます。後見人等の報酬助成では高齢者だけでなく、障害者へもしっかりと対応できるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、市民後見人の養成について伺います。

 東京都で開催していた社会貢献型後見人の養成講座は、平成25年度で廃止となり、その後は各自治体に対応を委ねる形となりましたが、今年度は各自治体では市民後見人の養成が整わないことから平成26年度の単年度に限って、東京都社会福祉協議会が受け皿となって市民後見人の養成講座を実施していますが、次年度も継続するかは不透明であります。今後ますます市民後見人の養成の必要性が高まってくる状況においては、中野区として市民後見人の養成を実質上牽引しなくてはなりません。区独自では予算面など難しい状況を考えれば、市民後見人の養成講座を隣接区との合同での開催を積極的に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で暮らし続けられるように医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供されるように地域包括ケアシステムの構築が重要となってきますが、その際には、成年後見制度の位置付けが必要であると考えます。そのためには、権利擁護事業を手がけている成年後見支援センターと介護福祉サービスを支援している、地域包括支援センターとの役割分担をどのようにするのか。また、成年後見支援センターと地域包括支援センターとの連携が必要と考えますが、地域包括ケアシステム構築における成年後見制度の位置付けについて、区の見解を伺います。

 次に、成年後見制度の広報の充実について伺います。

 これまで区報では成年後見制度についての特集記事として、2009年9月5日号に1ページ掲載されたことがありますが、それ以来1度も掲載されておりません。今後、ますます成年後見制度の必要性が高まってくる中、あらゆる方面に向けて成年後見制度の広報の発信をしていくことはもとより、区報での特集記事にも力を注ぐべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、認知症対策について伺います。

 認知症対策については、これまで我が会派からさまざまな提案をしており、木村議員からの、認知症チェックシートの導入についての質問を受けて、区は、東京都が実施している「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」をもとにして簡易チェックシートによる啓発活動を行っています。

 国分寺市では、公益社団法人「認知症の人と家族の会」が作成した「これって認知症?」の簡易診断をホームページ上にアップしています。簡易診断の内容は東京都のチェックリストを活用するなどさまざまな方法があると思いますが、認知症を相談するきっかけづくりが必要であります。まずはホームページ上での認知症の簡易診断ができるような工夫をすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 認知症の相談をするにあたっては、区民からするとどこへ行けばよいのか、相談窓口が定まっておらずわかりにくいとの声があります。現在、地域包括支援センターでは、認知症による介護や福祉サービスの実質的な相談を行っており、また各すこやか福祉センターでは、虐待などを含む認知症の困難事例の場合に相談の対応を行っています。

 区民の方が初めて認知症について行政に相談しようと考える際には、ワンストップサービスの窓口が必要であると考えます。認知症の総合相談窓口を明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問は終わります。

 3番目に、障がい児施策について伺います。

 初めに、中野区子ども発達センターたんぽぽについて伺います。中野区子ども発達センターたんぽぽは重度・重複障害児支援施設として、放課後デイサービスセンターみずいろと併設して、緑野小学校内で今年の10月1日に開設しました。

 開設して約2カ月がたったところですが、先日、療育センターアポロ園から移行するにあたっての課題をアポロ園親の会の方々から御意見を伺いました。療育センターアポロ園では、児童発達支援事業といって、発達支援が必要な子どもの兄弟に対して行っている保育人事業があります。これは発達支援の通園児の日常生活における基本動作や集団生活への適応指導など、保護者を含めて実施している事業で、通園児と一緒に兄弟が来園したときに、有料で保育人に対応してもらう事業です。この事業が中野区子ども発達センターたんぽぽでは想定されておらず、移行を考えるにあたっては、当事業を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 また、この事業では、保育人にお願いする際には、実費負担として1人1回2時間程度で1,500円かかることになっていますが、人によっては毎日利用することになり、大きな負担となってきます。区として、保護者への負担軽減のためにも、当事業の実費負担について補助すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 障害を持つ子どもの保護者にとって次へのステップを踏むために幼稚園や保育園を希望されたとしても、現実的にはなかなかうまくいかないことが多いと聞きます。新年度より子ども・子育て支援新制度の中で、保育施設の利用について新たな加点制度を求める声もあります。今後、引き続き中野区における保育施設の利用調整が行われますが、障害を持つ子どもが保育施設に入所しやすくなるようにすべきと考えますが、区としてどのような対応を図る考えなのかを伺います。

 次に、障がい児の在宅療養支援について伺います。

 東京都は、新規事業として在宅重症心身障害児(者)レスパイト訪問看護事業を包括補助事業のメニューに挙げました。これは在宅の心身障害児(者)を介護している家族等の休養を図ることなどを目的に、自治体が契約した訪問看護ステーションの看護師が自宅に出向いてケアを行うものです。目黒区や杉並区でも当事業を開始しており、杉並区では、今年度477万8,000円の予算を計上しており、利用時間も月2回まで、1回当たり2時間以上4時間までの1時間単位での利用となっています。中野区医師会や訪問看護ステーションとの協議が必要ですが、在宅重症心身障害児(者)レスパイト訪問看護事業を区としても積極的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問は終わります。

 4番目に、学校再編に伴う施設整備について伺います。

 現在、学校再編に向けて、中野神明小学校、新山小学校と多田小学校の統合委員会が設置され、また大和小学校と若宮小学校の統合委員会も設置されました。これらは平成29年度に仮校舎で統合新校として開校することになっています。さらには、数年後には、それぞれ中野神明小学校の位置、多田小学校の位置、大和小学校の位置で改築され移転することになっています。

 今後、学校の統合に伴って、子どもたちは学校施設の整備に合わせて仮校舎や新校舎に通学することになりますが、通学する学校に応じて通学路が変更することになってきます。その際、信号機、横断歩道やカーブミラーの設置やスクールゾーン区域の制定などを検討するためにも、通学路の安全点検や安全対策を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 中野中学校の新校舎の建設においては、第3回定例会での一般質問や総括質疑で、学校施設についてのさまざまな指摘がありました。また、今年の8月29日での子ども文教委員会では、延べ床面積が8,000㎡を超えたためにビル管理法により年間の施設維持費がかかるなど課題も多く、しっかりと検証していくべきであるとの私の質疑に対し、区は検討していくとの答弁をされました。検証していくことはもちろんのこと、議会に対して、その検証結果を示すべきであると考えますが、いかがでしょうか。また、その検証結果をもとに改善策も提示すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 今後の学校再編において、改築工事や改修工事が計画されていますが、基本設計や実施設計、さらには建築工事のそれぞれの段階で教育委員会でのチェック機能を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問は終わります。

 5番目に、その他で地域商品券について伺います。

 政府は、今月18日に安倍首相の指示を受けて、個人消費を刺激する目玉策として、地方自治体が配る地域商品券の財源を手だてする検討を始めました。中野区では、平成21年の4月にプレミアム付き商品券を販売して、区内商店街の活性化策として実施した経緯があります。

 その際、当初計画と違って、急遽大型店舗の加入を開始したり、商店街によっては利用の格差があったりなど、課題も多々ありましたが、販売実績を見ると、500円券22枚つづりにして5万セットを用意したうち、4万6,724セットを約3週間足らずの期間で売り上げ、販売率も93.44%に上りました。

 また、商品券の回収率を見てみますと、有効期間約3カ月足らずで回収金額が5億662万7,500円となり、回収率も98.57%と高く、事業の効果としても評価できると考えます。

 今回、政府が検討している地域商品券では、財源を2割程度国が補助する方向であり、消費喚起策として期待できるものです。商品券の発行事業については、毎年中野区商店街連合会からも要望を受けております。前回のプレミアム商品券の実施時の課題を踏まえて、政府が検討している商品券の取り組みを実施すべきと考えますが、区の見解を伺って、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 南議員の御質問にお答えをいたします。

 小児救急診療体制についてであります。江古田の国家公務員宿舎跡に病院の設置を予定している法人との協定であります。協定につきましては、医師等の資格条件や配置人数などの診療体制、診療日を年間全日とすること及び診療時間、それから開設後10年以上継続運営をすること、また地域医療連携を確保することなどを定めているところであります。整備の時期は、遅くとも平成31年度末までに整備をすることとしているところです。具体的な整備スケジュールにつきましては、今後協議をしてまいります。深夜0時以降の診療や2次、3次の救急医療につきましては、今後の課題として検討をしていきたいと考えております。

 都市計画道路補助第26号線、中野通りの江古田部分の事業に伴うまちづくりについてであります。回遊性の確保ということです。今回、東京都により整備事業が開始されましたこの都市計画道路補助第26号線、中野通りの新青梅街道から北側の区間の周辺には、哲学堂公園や野方配水塔をはじめさまざまな地域の資産が存在し、極めてすぐれた景観を有する地区が形成をされております。それらの地域の資源を有機的に結びつけて整備し、回遊性を確保する取り組み、これが今後必要であると考えております。

 みずのとう公園の再整備であります。野方配水塔のあるみずのとう公園は、公園敷地の一部が今回の都市計画道路整備事業による道路用地の一部となります。したがいまして、面積が狭くなるとともに、中野通りに公園が直接面することとなります。したがって、みずのとう公園の再整備にあたりましては、利用者の安全性確保が重要な課題となってまいります。対応を十分に検討したいと思っております。

 都有地の活用について。みずのとう公園の再整備にあたっては、地域資源としての活用や利用者の安全確保なども考慮し、南側の都有地の活用も含め、どのような整備が必要か検討していきたいと考えております。

 記念式典などについてであります。野方配水塔の価値をさらに周知できるように、再整備完成時の式典等を含めた情報発信について取り組んでまいります。

 次に、沼袋駅周辺地区のまちづくりについてであります。沼袋駅北口付近は、歩行者や自動車が錯綜していることや、狭隘道路が多く道路空間が不足していること、古い低層の建築物が多いことなど、駅前でありながら土地の高度利用が進んでいない地域であります。このため、西武新宿線の地下化を契機に、新しい駅舎や南口の交通広場の整備、鉄道上部空間の活用等とあわせて、現在の北口周辺について、沼袋の新たな顔となるまちづくりを進めていく必要がある、こう考えております。

 また、鉄道の上部利用についてであります。鉄道上部空間の利用については、連続立体交差事業で生み出される貴重な空間であり、地域の特性を生かしながら、区民が最大限利活用できるよう、御提案の内容等も参考に、今後具体的な活用案を作成し、その案をもとに東京都や西武鉄道と調整していきたいと考えております。

 沼袋地域の防災に関連する課題についてであります。沼袋駅周辺地域は、木造住宅が密集していることや消防活動が困難な細街路が多いことなどから、防災上の課題を抱えていると認識をしております。このため、延焼遮断機能や避難路としての効果も期待される、区画街路第4号線の整備に向けた準備を進めるとともに、地域全体の防災性を高める方策などについて検討してまいります。

 区画街路第4号線の拡幅整備について。区画街路第4号線の整備により、2車線の車道と両側に広い歩道が整備されることで、バス等の車両の走行環境や歩行環境が今よりも格段に改善され、交通の安全性が高まると考えております。また、交通の安全性を確保しつつ、沿道の商店街にも十分配慮した道路づくりを進めていく必要があると考えており、関係機関との調整を進めながら具体的な案を検討し、今後地域にも示していきたいと考えております。

 西武新宿線と東京メトロ東西線との相互直通運転化についてであります。西武新宿線と地下鉄東西線との相互直通運転化につきましては、髙田馬場駅での乗り換えがなくなり、都心への所要時間の短縮が図れることなどが期待をされます。また、連続立体交差事業と相まって、西武新宿線沿線地域の価値や魅力が高まるといったことも期待をされております。相互直通運転化は中野区だけでなく、西武新宿線沿線の広範囲の自治体の住民の利便性向上に資することから、今後沿線自治体と連携した関係各方面への働きかけ方などについて検討してまいります。

 成年後見人への費用等の助成についてであります。費用の助成につきましては、申し立てに必要となる手数料、郵便切手代、登記手数料に加え、鑑定費も助成対象とする方向で検討を行っています。また、報酬助成については、後見人だけでなく、保佐人や補助人についても対象としていきたいと考えております。後見人報酬助成事業の財源につきましては、拡充部分も含め、介護保険財源のほか、都の補助金等の活用も見込んでいるところであります。

 成年後見制度の充実に向けて、市民後見人の養成につきましては、引き続き東京都社会福祉協議会に実施を要請しております。今後は、必要に応じて隣接区との共同実施の方法なども検討してまいります。今後は、法定後見のほか、任意後見など、幅広い制度活用が必要となってくる、そのように認識をしております。地域包括支援センターと成年後見支援センターの連携協力関係が強化をされていく、このことが重要と考えており、地域包括ケアシステムづくりの中でさらに取り組みを強めてまいりたいと考えております。

 制度の周知ですが、認知症に関するサポーターの養成や講演会など、さまざまな機会をとらえて取り組んでいるところでありますが、さらに区報やホームページ等を有効に活用して、広く制度の内容や活用を呼びかけていきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校再編に伴う施設整備の質問にお答えをいたします。

 まず、通学路の安全点検、安全対策についてです。通学の安全を確保するためには、通学路の安全を点検し、それぞれの学校の実情に合わせた安全対策を図っていく必要があると考えてございます。これまでの統合校におきましては、通学安全指導員の拡充、必要に応じた交通安全施設の設置、地域住民やPTAの協力による見守り等により安全対策を行ってまいりました。これからも、これまでと同様に安全対策を図っていきたいと考えてございます。

 また、学校再編に伴う施設整備により、仮校舎へ通学する場合にも、通学路の安全点検、安全対策を講じていく考えでございます。

 続きまして、中野中学校の新校舎へのさまざまな指摘への対応、学校施設整備の進め方についての御質問がございました。

 中野中学校新校舎の施設について、現在利用しにくい点等につきましては、学校や関係部署などと協議して改善に取り組んでいるところでございます。今後、学校施設の改築や大規模改修にあたりましては、基本設計や実施設計の段階で費用対効果や施設、設備の配置などを検証することが必要と考えてございまして、こうした点を踏まえまして進めてまいりたいと考えてございます。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、高齢者施策のうち、認知症について、チェックシートをホームページに掲載してはどうかという御質問について、でございます。

 現在のところ、区では、都が作成をいたしましたチェックシート付パンフレット「知って安心認知症」、これにつきまして区のホームページから都のサイトにリンクをさせて紹介をしてございます。

 今後でございますが、ホームページ利用者にとってのわかりやすさ、あるいは利便性の向上というところで、チェックシートを直接区のホームページに掲載し、認知症の啓発や認知症への気づきを促し、早期の対応につなげてまいりたいというふうに考えてございます。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、認知症相談窓口の設置についての御質問にお答えをいたします。

 すこやか福祉センターや地域包括支援センターの相談支援におきましては、介護や保健、生活支援など幅広く総合的な対応が必要でございます。このことは、認知症に係る御相談の場合でも同様でございまして、日常的にあらゆる相談に応じている現体制が基本となると考えております。その上で、認知症につきまして、保健師や社会福祉士などが専門的な相談に対応するほか、必要に応じて訪問などによる相談も実施してございます。今後も庁内の認知症専門相談窓口とすこやか福祉センター、地域包括支援センターなどとの連携を強化する中で、適切に対応してまいります。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、障害児施策につきましてお答えをいたします。

 まず、現在アポロ園で実施をしております事業と同様の事業を、子ども発達センターたんぽぽで実施をすべきではないかといった御質問でございます。

 現在アポロ園では、児童発達支援事業の利用に際しては、より効果的に療育を行うため、兄弟の同行につきましては極力控えていただくよう御協力をお願いしておりまして、やむを得ず同行される場合については、登録保育者による一時的な保育対応を実施しているところでございます。

 同様の事業を子ども発達センターたんぽぽにおいて実施することにつきましては、職員体制などの課題があることから、指定管理者と協議をしながら検討していきたいと考えてございます。

 また、利用にかかる負担につきましては、一時保育に係る保育者への謝礼相当額として適切な負担をいただいているというふうに考えてございます。

 次に、障害児の保育施設の利用調整についての御質問がございました。

 子ども・子育て支援新制度の充実にあたり、保育施設の利用調整について検討をし、障害を有する児童については適切な発達を支援するなどの観点から、保育施設の優先利用の対象としたところでございます。具体的には、利用調整時において、保育施設を利用する優先度を高める対応を図っていくこととしてございます。

 次に、在宅重症心身障害児(者)に関するレスパイト訪問看護事業についての御質問がございました。在宅の重症心身障害児(者)に対し、訪問看護師が自宅に出向いて、一定時間家族にかわってケアを行うことにより、当該家族の休養を図るという事業につきましては、対象と見込まれる方ですとか、そのニーズの状況、またサービスを提供していただく事業者の体制などについての状況の把握に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) プレミアム商品券の導入についての御質問にお答えをいたします。

 プレミアム商品券につきましては、前回実施時に一定の事業効果があったと認識をしておりますが、さまざまな問題点も指摘をされており、国の動向等を踏まえつつ、地域商業活性化の取り組み全体を考えていく中で研究してみたいと考えているところでございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で南かつひこ議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時28分休憩

 

午後2時50分開議

○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 岩 永 しほ子

 1 区長の政治姿勢について

  (1)安倍政権の国民への影響について

  (2)真に女性が活躍できる社会について

  (3)区民施策について

  (4)その他

 2 国保問題について

 3 介護保険と高齢者サービスの拡充について

 4 教育行政について

 5 木密地域の不燃化について

 6 その他

 

○議長(伊東しんじ) 岩永しほ子議員。

〔岩永しほ子議員登壇〕

○42番(岩永しほ子) 2014年第4回定例会本会議におきまして、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。

 最初に、区長の政治姿勢についてお聞きをします。

 まず、安倍政権の国民への影響についてお尋ねをします。

 衆議院が解散しました。安倍首相は消費税増税実施を18カ月延期、集団的自衛権行使の法制化や原発再稼働を公約に書き込み、政権を継続させようとしています。しかし、国民は、消費税増税で生活が圧迫され、集団的自衛権行使容認や秘密保護法の強行で日本が戦争できる国への道を進むことに危険を感じ、国民の命より原発再稼働ありきの姿勢を強く批判しています。加えて、安倍政権を足元からすくった政治と金問題では、閣僚の資質が問われました。こうした国民の世論と運動が、増税と格差拡大、憲法そっちのけで暴走する安倍内閣が政権を維持できなくなるほどに追い詰めた結果の解散・総選挙です。

 先般の沖縄の基地問題が問われた沖縄県知事選挙は、投票した県民の6割以上が「普天間返還・移設問題を重視した」と回答し、普天間基地の県外移設、辺野古に新たな基地はつくらせないなどの建白書の立場に立った翁長さんが現職知事に10万以上の大差で勝利しました。ところが、安倍政権は、「辺野古移設を粛々と進める」と説明し、工事を再開する暴挙に出ました。民主主義国家として、地方自治として許されません。

 区長は、沖縄県民が示した新基地建設ストップ、普天間基地の閉鎖・撤去を選択した選挙結果は、民主主義と地方自治の立場から尊重されるべきだとは思われませんか。お聞きします。

 今、平和協力の枠組みでは、東南アジア諸国57カ国、世界人口の72%が参加する東南アジア友好協力条約があります。主権尊重、紛争の平和解決、武力行使の放棄を明記しています。北東アジアなど平和な世界の構築に、日本政府の歴史認識を逆行する態度が問題になっています。安倍政権は、過去の侵略戦争や日本軍慰安婦問題など歴史の事実を認めようとしないばかりか、捏造すらしようとしていることは日本をアジアで孤立させようとするものです。これでは外交戦略を持っていないと同じです。

 中野区は、中国の西城区、韓国の陽川区などの友好姉妹都市と交流しています。外交の影響を受け、交流事業が実施されないこともありました。政府が歴史の事実をとらえた外交が求められているのではないでしょうか。見解をお聞きします。

 また、来年は終戦70年を迎えます。区の平和事業は特段の取り組みにすべきです。いかがですか。お尋ねいたします。

 安倍政権は、金融緩和や財政出動などのアベノミクス戦略を推進し、景気が回復していると4月に消費税8%へと増税しました。ところが、アベノミクス効果はなく、実質賃金は15カ月連続マイナスとなってしまいました。雇用でふえたのは非正規労働者です。中小企業も経営を直撃され、倒産は円安の影響も受け、前年に比べ2.8倍も増加しています。期待していた人たちからも、アベノミクスで景気がよくなることはなく、国民所得も消費も拡大せず、労働者の賃上げや雇用の改善が図られていないとの声が大きくなっています。さきの国会での廃案になった雇用破壊の労働者派遣法や労働法制の改悪が引き続き狙われています。労働組合はその違いを超えて、「廃案・撤回しかない」と共闘しています。東京新聞社説では、「この道を続けるのか」、毎日新聞風知草では、「この道は貧困を救うか」とアベノミクスを問うています。

 区民はアベノミクス効果を実感できず、雇用破壊が深刻で、賃金が上がらず、こんなに苦しくなっているのですから、アベノミクスは破たんしたと言わざるを得ません。それでもまだアベノミクス効果が期待できるでしょうか。見解をお聞きします。

 消費税増税は、消費税を価格に転嫁できない上に材料費は上がり、6割も売り上げが落ち込んだ商店や中小零細事業者が廃業を考えざるを得ないところまで追い込まれています。たとえ実施を18カ月先延ばしたとて、税率が10%になれば深刻な影響が出るのは必至です。8%になって、国内総生産は2期続いて悪化、消費税増税の影響で実質消費支出マイナス5.6%と落ち込み、6カ月連続マイナスです。首相は、8%への増税が個人消費を押し下げる重石となったと認めざるを得ません。また、テレビなどを活用して社会保障がよくなったと宣伝がされていますが、3%のうち1%しか社会保障に回っていません。それどころか、年金保険料納付期間と受給年齢引き上げによる新たな負担増など、さらなる社会保障改悪が狙われています。

 日本共産党は、富裕層への増税、大企業の内部留保活用で中小企業を応援し、賃金を上げ税収を確保するなど、消費税に頼らなくても財源が確保でき、雇用の安定に取り組める道を提案しています。区内経済を疲弊させず、区民の暮らしを守るには消費税増税は先送りではなく、中止しかありません。

 区長は、消費税増税は必要との見解を示されてきましたが、4月からの消費税増税が予想を超えた深刻な景気悪化を引き起こしているとの認識はお持ちでしょうか。お聞きします。

 アベノミクスが破たんし、消費税増税と円安、失業などによる生活苦で年を越せるのかとの不安を抱えている区民や事業者に対し、暮らしと生業が成り立つ支援が必要です。区は、リーマンショック後に区民の暮らしを支援するためにプレミアム商品券、緊急経営応援資金などの施策を補正予算で事業化しました。このたびも区としての緊急対策を実施し、国へも要望することを求めます。お答えください。

 次に、区民施策についてお尋ねします。

 党議員団は、10月、11月と区政アンケートに取り組んでいます。現在1,800を超える回答を寄せていただいています。アンケートには、障害者施策としてバリアフリーのまちづくり、区がアンケートで把握して家庭の要望をまとめてほしい、グループホームをふやしてほしいなど、切実な声が寄せられています。その中で、これまでも弥生福祉作業所の保護者と区の担当に要望してきたグループホーム増設、地域生活支援整備についてお聞きします。

 区は、来年度から2017年度を期間とした、第4期障害福祉計画の素案を発表しました。3カ年の成果目標に盛り込まれているグループホームの整備は、身体・知的が5施設、精神が1施設となっています。ことし9月末現在、区内の身体・知的の利用者数は108人となり、年々増加しています。5カ所の増設で足りるとは思えません。また、地域生活支援拠点の整備は、3カ年の中で1カ所の計画です。今後、関係団体や民間などの取り組みにだけ任せることなく、区として積極的に誘致すること、開設場所も北部に偏ることなく整備されるようにすることが肝要です。いかがですか。お答えください。

 区は、施設白書をまとめ、これを踏まえて区有施設全体の中長期的で財政的な視点に立った公共施設等総合管理計画の策定を予定しています。それによって、区有施設の更新・保全・長寿命化を図ることにしていますが、その際、施設利用需要の変化、民間サービス等の動向などを踏まえた総合管理計画にするとしています。財政見通しでは更新経費がかかり、全ての施設での対応は困難と判断して、公共施設の機能見直し、統廃合などによる圧縮、削減が必要とし、今後見直される10か年計画で具体的に示す予定です。

 財政効果ばかりに着目した見直しが図られることは問題です。機能の見直しや統廃合で思い起こすのは、児童館の統廃合と学校内への移行、環境リサイクルプラザや高齢者福祉センターの廃止です。いずれも区民が追い出されました。小中学校の統廃合は、児童生徒にとって最もよい教育環境が整えられたとは言えません。区民から施設を奪う機能見直し、統廃合ありきの統合管理計画と10か年計画にすべきではありません。見解をお聞きします。

 保育園、児童館、学校の関係者から、アルバイトやパート、学校夏休みプール指導員などの賃金が近隣自治体よりも低く、確保が大変との声を聞きます。実際に働いているアルバイトからも、「中野の時給が低い」と苦情が寄せられます。現場では人が必要ですから、何とか確保する努力がされています。区の人事も努力され、この10月から20円引き上げています。例えば保育士のアルバイト時給を近隣4区と比較した場合、中野区よりも低い時給がありますが、資格あり、なしでも1,100円の区があります。区は職員を減らしてきていますから、アルバイト、パートなしでは区民施策が滞ります。本気で近隣区並みに賃金を引き上げることを求めます。お答えください。

 次に、真に女性が活躍できる社会についてお尋ねします。

 政府や経団連は、女性が輝く社会をと喧伝しますが、ジェンダーギャップ指数は142カ国中104位と、先進国として恥ずべき状況にあります。実際に働く女性の2人に1人が非正規雇用、4割以上が年収200万円以下という状態です。また、仕事と家庭の両立では、子育て世代の30代男性は、5人に1人が週60時間以上の長時間労働という状態のため、専ら女性が家事・育児を担うことになります。働こうにも保育園が不足、成果主義が横行する中、マタハラと言われる妊婦いじめのような職場環境も問題になっています。女性の活躍をというのであれば、雇用は正規雇用に、男女ともに子育てなどにかかわれる働き方ができるような労働環境にすることではありませんか。見解をお聞きします。

 女性の老後を考えた場合も深刻です。NHKスペシャル「老人漂流社会“老後破産"の現実」は、憲法25条の生存権保障にもかかわらず、人間の尊厳が守られていないと指摘していました。もともと低い年金をさらに2.5%も引き下げているため、全国で12万人以上の年金受給者が自分の年金引き下げ決定に異議ありの審査請求を提出しています。2012年度における公的年金の平均受給額は、男性179万4,000円、女性は約94万3,000円となり、男性の39%、女性の59%が月10万円未満の年金です。男性に比べても自立した生活が厳しい状況がわかります。女性が輝く社会というならば、安心できる最低保障年金額にすることも欠かせません。見解をお聞きします。

 中野区では、副参事級以上における女性の割合が低くなっています。私はこれまでに、区の幹部に女性の比率を高めるため、区の特段の配慮と対策を求めました。区は、試験を受ける人が少ないことが女性の比率が低い理由として挙げられました。大事なことは、受験しないことを個人の理由にしてしまわず、なぜ少ないのか分析し、区として必要な手だてを立てることではないでしょうか。見解をお聞きします。

 次に、国保問題についてお尋ねします。

 区長会では、来年度の国保料の検討に入っている時期です。保険料は、加入者の収入が下がっていても、賦課率などが上げられるために12年間連続して引き上げられてきました。1990年度と2010年度を比較した厚労省の国保世帯主職業構成によれば、自営業の28%が16%弱に、非正規雇用の23%が35%に、年金などの無職36%弱から41%になっています。加入者の所得水準が下がっていることは明らかです。ところが、保険料は毎年引き上がりますから、払いたくても払えない状況が生み出され、徴収強化が進められています。

 高額療養費については、23区独自の保険料負担の抑制策として、保険制度の枠外措置としてきました。2017年度には廃止するとして、今回も保険算入で対応する検討をされているようですが、一般財源での措置を縮小・廃止すべきではありません。国保の広域化に向け、来年度から都が財政共同安定化事業を1円のレセプトから対象になることで区への影響は拠出金、医療費給付とも概算で3倍になることが見込まれているようです。

 今月21日、日本共産党都議団と都内自治体議員団は、保険料の算定、財政共同安定化事業に伴う制度の変更や検討事項などの情報公開などを区長会に申し入れました。そこで、2点お聞きします。

 住民税非課税者が対象の軽減策の対象範囲を広くし、減額率も引き上げられるべきです。また、保険料も払える保険料に引き下げることも検討すべきです。区長会における田中区長の御奮闘を期待し、見解をお聞きします。

 区長会は、検討内容の情報提供を各区長に任せています。区民とともに考える制度にするには、国保運営協議会からの答申を待つだけでなく、議会で議論するための情報提供を求めます。お答えください。

 次に、介護保険と高齢者サービスの拡充について、まず最初に保険料についてお尋ねをいたします。

 第6期事業計画素案では、保険料を国の動向に合わせることにしています。また、給付費が増加することが予測されるため、今期5,260円の基準額を増額することを想定されています。2025年を見越した保険料に設定するのでは、今の制度を変えるつもりも、国や都に財政負担を求める考えもないことになります。

 区の1号、2号合わせた要介護認定者のサービス利用率は80%程度と、決して高い状況ではありません。また、居宅介護、施設介護、介護予防を合わせた利用者1人当たりの給付費を見ても、2009年度64万9,000円が13年度には61万5,000円と下がっています。国は低所得者対策を行うとしていますが、それは保険料を引き上げる理由にはなりません。

 また、区の介護保険会計決算では、2012年度1億6,700万円、13年度1億5,700万円と実質収支額を出しています。また、介護給付費準備基金は、今期は取り崩しがなく、その残高は14億7,800万円にもふえています。23区比較では、昨年3月末の高齢者1人当たり2万円の基金残高は、23区で上から3番目です。介護保険利用状況を見ても、基金残高を見ても、第6期の保険料を引き上げる根拠はなく、準備基金を活用し、保険料を据え置くべきです。また、保険料段階のさらなる細分化を求めます。お答えください。

 次に、地域包括ケアシステムについてお尋ねします。

 国の介護保険制度改定に合わせた重点化・効率化のため、特養ホーム新規入所者は、要介護3以上にすると報告されています。要介護2までの人は予防訪問介護など総合事業で地域の多様な事業主体を活用して対応することを想定しています。基盤整備の特養ホームは、2025年を見据えてもたったの2カ所、定員170人。介護老人保健施設は、1カ所100人というものです。都の福祉保健局の資料で、23区特養ホームと老健施設の定員状況は、ことし7月現在で中野区の高齢者1人当たりの定員順位は、特養ホームは13位、老健が21位、合計では22位と低過ぎます。国に合わせ要介護3以上にする考えは改めること、特養ホーム、老健とも目標値をふやすべきです。お答えください。

 区は、健康福祉総合推進計画2015と介護保険事業計画を一体的にし、来年度から5年間を期間とした高齢福祉に関する計画の素案を報告しました。個別計画では、認知症対策が重視されています。ことし1月現在、区内の介護保険要支援・要介護認定者の半数以上が認知症高齢者とのことです。また、65歳未満の若年認知症も増加傾向にあると指摘されています。認知症相談体制の強化など、七つの取り組みが上げられています。必要に応じて直接高齢者宅の訪問もすることが計画されているようです。

 認知症ケアの原点は、本人の声を聞き、その生活の流れに沿った対応が重要と指摘されています。そうした対応を可能にするには、人的体制の充実が必要です。また、本人や身内からの相談でなくても、様子を心配する近所の人からの相談を受け、直接訪問し、対処することも視野に入れていくことが必要です。いかがですか。お答えください。

 介護事業者からは、認知症の人が地域で暮らせるようになるには、中野区の計画が具体的に見えないとの声が寄せられています。例えば、デイサービスの利用者さんが突然夜、高熱を出したとき、病院は応急処置をしますが、肺炎の発症はなく、認知症ということもあり、病院では急な対応がとれず入院できない場合があります。入院できず、ひとり暮らしや老老介護で自宅には心配で帰せない人の行き場は、現状では事業者の善意と負担で面倒を見ることになります。こうした緊急事態に民間事業者任せで対応するだけでは限界です。区としての計画の具体化を示すべきです。お答えください。

 中野区は、今後、地域全ての人に対する総合的、包括的な地域ケアの仕組みを構築していきます。高齢者に対する地域包括ケアシステムの一翼を担うのは、8カ所の地域包括支援センターですが、全てを六つの民間事業者に委託しています。区の介護保険サービスの充実を図り、介護施策のスキルが同じような質で区民に提供されるかどうかは事業者の努力任せになりかねません。

 また、設置場所も担当地域のはずれにあります。上高田の方が指定されている中野地域包括支援センターよりも自宅に近い中野北地域包括支援センターに行くと、管轄が違うので指定の地域包括支援センターに行くよう指示されます。委託事業者が違っていることで起きる問題とも言えます。遠過ぎるとの声は無視できません。

 都の地域包括支援センター設置数の資料では、ことし5月現在、中野区は23区中18位です。中野より低いところでは、多くの在介支援センターがあり補完する体制がとれています。すると、中野が最低ということになりかねません。質の確保や委託事業者へのバックアップも不十分です。すこやか福祉センターが地域包括支援センターにかわるものではありません。これまでも地域包括支援センターをふやすことと直営設置を求めてきました。決断を求めます。お答えください。

 また、地域包括支援センターの役割と存在が区民に知られていないことも改善する必要があります。「介護認定相談はどこにしたらよいのか」と聞かれることが多々あります。いざというときの相談先が知られていないのでは、その役割を果たせません。それなりに周知する努力はされておられますが、全区民を視野に入れた工夫もして、一層の周知を求めます。お答えください。

 住居系サービスの充実として高齢者向け民間住宅の整備計画が示されています。最近、病気になったときなど賃貸住宅に関する高齢者世帯の深刻な相談が寄せられます。医療費と家賃の支払いが重なり、月の年金では賄えなくなるとか、長期化すれば蓄えでも持ちこたえられなくなるのです。都営や区民、福祉住宅入居も簡単ではありません。自分たちで何とかするというには低家賃の高齢者向け住宅が少な過ぎます。私が区議になったのはバブルの始まりのころで、区の高齢者アパートがあっても住宅を確保するのに苦労していました。いつのときでも、高齢者は住宅の心配から解放されません。区の計画は、有料老人ホーム、ケアハウス、サービスつき高齢者向け住宅の整備を進める具体的数値を示していますが、年金暮らしの人も入れる住宅の確保を視野に入れた取り組みを求めます。いかがですか。お答えください。

 また、ケアハウスもサービスつき高齢者向け住宅は、建物全体を高齢者住宅対応にすることにとどまらず、複数の建物で部屋を連携する確保の仕方も視野に、住宅とケアを提供できるシステムの整備も検討することを求めます。お答えください。

 教育行政についてお尋ねします。

 さきに紹介しました党議員団実施アンケートには、35人学級の充実を望む多くの回答があります。現在中野区では、国、都の学級編制基準による増学級をしています。クラス数をふやすかどうかの判断は校長が行いますが、いずれの対象校もクラス数をふやしています。教育効果があるからです。35人学級が教育効果を上げ、区民や教師の実施要望になっていることをどのように受けとめていますか。また、継続するために国に働きかけることを求めます。お答えください。

 維持補修費の決算値に対する不用額割合は、2009年度から2013年度の5年間を平均すると、小学校4.1%、中学校7%となります。また、車いすトイレや階段手すりなど、移動円滑化対応がおくれている小中学校があります。アンケート回答では、トイレの改善が求められています。トイレが薄暗いことや擬音がないことなども影響していると考えられます。移動円滑化対応やトイレの改善を求めます。お答えください。

 学校再編計画の影響と思えますが、新年度の上高田小学校の新入学児童50人予定のところ、就学児検診受診は20人であったと聞きます。2学級予定が単学級となり、教師も減ります。一方、平和の森小は、教室数や校庭などの教育施設が不十分にもかかわらず、新1年生は4学級になりそうだと聞きます。さらに問題は新校整備時期が計画どおりにならず、一層おくれる可能性があります。

 学級整備計画では、校舎改築、大規模改修に当たり、向台小学校跡に行く本郷小、上高田小学校跡に行く桃二小、北中野中跡に行く西中野小など、仮校舎の使い回しの中で幾つもの問題点が浮かんでいます。上高田小と新井小の計画説明会では、「中野通りを渡り、新井薬師前駅の踏切を渡る。車の往来も激しく、通学路が心配」との声が出されています。教育委員会は、仮校舎への通学や安全対策、負担軽減の方策を検討するとしていますが、今のところ何も示されず、工事説明会に合わせて行うという姿勢です。

 また、小学校が仮校舎になる中学校は、中学生活3年間のうち2年間も狭い仮校舎で過ごすことになります。延べ床面積では、二中は1万920平米ですが、仮校舎になる向台小は5,865平米と半分ほどです。北中野中でも、七中でも現状より狭くなります。

 以前から再編計画の問題として、校庭面積の不足を指摘してきました。中学校では新しく改築されても、設置基準を満たさない学校があります。教育委員会は、「特別の事情があり」云々の条文を用いて正当化しますが、児童生徒の教育環境が第一にして考えられたのか疑問です。この仮校舎活用に伴って心配される小学生の通学路の問題、中学校の施設、校庭の狭さはどのように改善されるのか、お聞きします。お答えください。

 学校図書館指導員の安定的・継続的配置についてお尋ねします。

 決算総括において、専任の学校図書館司書配置などを進める学校図書館法改正に関してお聞きしたところ、法律改正の趣旨などを踏まえて充実を図っていきたいとの答弁でした。ところが、継続的・安定的な常勤化の必要性は考えていないと、法の趣旨に沿わない答弁でした。中野区の学校図書館指導員の方々は、非常勤でありながら職務への意欲や取り組みは高く評価されています。その取り組みをさらに高め、学校司書が継続的・安定的に職務に従事できるようにすることが、さらに学校図書館の活動の充実を図ることになります。教育委員会が今のままでよいというのでは困ります。国会の学校図書館議員連盟は、財政措置のあり方の検討、継続的・安定的に従事できる環境の整備などを含む提案をしています。区も積極的な対応が必要です。また、現在の指導員が研修を受けながら努力をされておられますが、教育委員会内にその職務をバックアップできる体制を検討することが必要です。お答えください。

 最後、木密地域の不燃化についてお尋ねします。

 都は、震災時に大きな被害を想定される木造住宅密集地域を対象に、2020年度までに延焼による焼失ゼロを実現する目標を設定しています。その具体策の重点が不燃化特区制度です。弥生町三丁目と大和町中央通り沿道の特区に指定された地域では、老朽化した住宅の解体費全額助成、建てかえの補助金制度と建てかえ後の固定資産税を5年間免除されます。

 木密事業のその他の地域は南台、平和の森公園周辺で実施されています。区には老朽化した木造住宅の不燃化や耐震化の助成制度がなく、個人の努力を待っているのでは、区内全面に不燃化や耐震化を実現するのは困難です。首都直下型地震などの危険性が高まっていることが指摘されている中、木密地域などの安全性を確保するための対策をとることは喫緊の課題です。都は、防災都市づくり推進計画における整備地域を、国では、地震時等に著しく危険な密集市街地の見直しが行われているとも聞いています。

 区内においては、南台や平和の森公園周辺、特区指定地域以外にも木密地域が多くあり、区内全域にも老朽化した木造住宅があります。防災まちづくりを進めるためには、区内の不燃化や耐震化の具体的な対策を立てるべきです。いかがですか。お答えください。

 その際、不燃化特区との格差を生じないためにも、木造住宅不燃化、耐震化の助成制度を区としても実施することを求めます。お答えください。

 以上で私の質問は終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 岩永議員の御質問にお答えをいたします。

 政治姿勢について。沖縄県知事選の結果についてであります。知事選における今回の沖縄県民の選択は、沖縄の持つ歴史、経済等、さまざまな事柄を背景とした中での一つの結果であり、このことに関して感想を述べる立場にはないと考えております。

 一方で、一国民として考えたとき、国土防衛や安全保障の問題は国政の重要な課題であります。基地負担の軽減を進める一方で、日本国として基地が必要という判断には理解をお願いしたいと考えているところです。

 外交に対する見解についてであります。政府の外交においては、過去の国の姿勢を継承しており、捏造云々という質問は、まことに不見識と言うべきだと思います。この2年間、戦略的な視点に立った多様な外交努力が実を結んでおり、多くのアジア諸国との連携も密になってきています。したがって、日本はアジアの中で孤立しているとは考えておりません。国際社会全体では良好な状況であると考えております。

 中国との関係においても、つい先日、首脳同士の間で戦略的互恵関係に基づく外交を進めることで合意を見たところであります。また、西城区や陽川区との交流については、両区との間で、さまざまな形で一貫して友好交流の意思を確認し合っているところであります。国政の影響を受けたといった指摘が区議会の場でなされること自体が、自治体間交流への政治の持ち込みとなるのではないでしょうか。ベテランの岩永議員としては、私は残念な御発言だと思います。

 終戦70周年の平和事業についてということです。来年は、終戦70年という節目の年であることを踏まえながら、戦争体験を語り継いでいく事業等を検討していきたいと思っております。

 いわゆるアベノミクスの効果についてであります。7月から9月期の国内総生産の速報は、予想以上の落ち込みでしたが、アベノミクス3本の矢のうち、大胆な金融緩和や財政政策によって固定化したデフレ状態が改善し、円安・株高で企業の景況感が改善されており、雇用者数の増加や有効求人倍率の上昇など、雇用統計では改善の傾向が見られています。また、大手企業を中心ではありますが、賃金上昇の動きも出てきているところであります。しかしながら、区民の大半がその効果を実感するまでにはもう少し時間が必要であるとの印象を持っているところです。

 消費税の増税についてであります。消費税の増税につきましては、国の財政構造の改革や将来の社会保障負担の増加への対応などのため不可避のことであると考えております。11月25日の政府の月例経済報告では、「景気はこのところ弱さが見られるが、緩やかな回復基調が続いている」とし、先行きについては、「当面弱さが残るものの、雇用、所得環境の改善が続く中で各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されている」とされております。こうしたさまざまな状況を勘案した上で、当面の経済状況を踏まえた増税の延期については妥当な判断であると考えているところであります。

 年越しの緊急対策についてであります。有効求人倍率の上昇には一服感が見られるものの、一部企業での賃金の上昇など、現在は景気回復の途上にあると考えられ、リーマンショックによって一気に景気の悪化をもたらした当時の状況とは明らかに異なっております。区としては、当面の状況を踏まえて、景気、経済対策について、必要があれば機動的に行う考えは持っておりますが、年越しの緊急対策といったことについては、特に考えておりません。

 女性の働き方改革についてであります。お示しされました指数については、一定の考え方に基づくものだと思います。私どもとして論じるべき立場ではない、このように思っております。

 生産年齢人口減少社会において日本が発展し続けるためには、女性が活躍できる社会の実現が必要であると考えております。さまざまな状況に応じた働き方のスタイルが用意され、一人でも多くの方が参加できるよう、雇用機会を増加させる基盤整備が大切であると考えております。

 女性の年金の引き上げについてであります。全体的な年金額を増加させることについては、年金制度の持続可能性を勘案して議論されるべきではないか、このように考えております。

 区の女性管理職についてであります。中野区の女性管理職員の割合は、現在17.6%であり、特別区平均の14.8%を上回っております。管理職選考を受験しない理由は、男女を問わず、「管理職の職責への不安」が最も多く、次いで、「仕事に拘束され、プライベート面への影響が大きいから」などとなっております。特別区人事委員会においても、より多くの職員が挑戦しやすい昇任制度等の見直しを検討中であり、区としてもより一層実態の把握に努めながら、具体的な対応策を講じていきたいと考えております。

 なお、平成26年度管理職選考の結果については、Ⅰ類、Ⅱ類を合わせて5名合格をしております。そのうち女性は3名であり、区の管理職に占める女性の割合が向上する見込みとなっております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教育行政につきまして。まず、35人学級の拡大及び意義につきましての御質問です。学級編制基準は国により定められているところでございまして、中野区としては、定められた基準の中で対応していく考えでございます。

 次に、学校施設の整備についてです。バリアフリーのための段差スロープ、階段手すりについては、ほとんどの学校で設置を行っており、今後も整備に努めてまいります。また、トイレの改修は計画的に行っておりまして、その際、バリアフリーへの対応も行っているところです。

 次に、中学生が小学校を仮校舎として使う場合と、仮校舎への施設整備についての課題についての御質問がありました。中学生が小学校を仮校舎として使う場合は、必要な改修を行い、学校生活に支障がないようにしてまいります。また、施設整備計画の標準仕様は、校舎や体育館などの規模や施設構成の考え方でございまして、校庭面積については対象にしてございません。校庭面積につきましては、学校設置基準第8条のただし書きで、地域実態、その他特別の事情があり、教育上支障がない場合、校庭面積が設置基準を満たさなくても認められてございます。

 なお、新校舎建設に当たりましては、校舎の配置や施設配置などを工夫することにより、できる限り校庭の面積を確保していく考えでございます。

 次に、仮校舎へ通学する際の安全対策についてです。通学路の安全対策については、これまでも地域住民やPTAの協力による見守り、そして必要に応じて交通安全施設の設置等を行ってきたところでございます。再編やそれ以外、大規模改修、改築の際の仮校舎への通学につきましても、こうした安全対策を講じたいと考えてございます。

 次に、学校図書館指導員の常勤化についての御質問です。学校図書館指導員の職務は、図書等の分類、整理に関すること、貸し出し、返却に関すること、購入及び廃棄の計画に関すること、図書等のPR及び図書館内の環境整備に関すること等でございまして、現在の配置時間数の中で対応できてございます。したがいまして、常勤化する考えはございません。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、まず区民施策のうち、障害者グループホームの整備についての御質問です。障害のある方が安心して地域で生活ができるよう、区内に25カ所のグループホームを整備してまいりました。今後も、南部地域を含め、計画的にグループホームを誘導、整備してまいりたいというように思ってございます。

 次に、介護保険と高齢者サービスということで、特別養護老人ホームの整備についての御質問です。今後の計画の重点は、24時間に対応したサービスや訪問看護等の医療系サービスを充実するなど、地域で医療と介護が連携した地域包括ケアシステムを構築することでございます。住みなれた家や地域で暮らし続けられるようにしていくこと、これとあわせて、認知症高齢者グループホームや介護保険事業と連携した高齢者の住まいを充実すること、その上でさまざまなサービスを組み合わせても在宅での生活が難しい方のために、計画素案では、二つの特別養護老人ホームなどの整備をお示ししているところでございます。

 それから、認知症高齢者につきまして、まず訪問を視野に入れた支援体制についてという御質問でございます。10月から始めました早期発見の取り組みでは、地域包括支援センター、すこやか福祉センターに寄せられた案件について、区の認知症コーディネーターが都の認知症アウトリーチチームと調整を行い、必要に応じて直接高齢者宅を訪問し、認知症の診断や対応方法について助言を行うこととしてございます。

 次に、老老介護などで、入院するほどではないが、応急対応が必要な事例という御質問がございました。家族の介護力が弱い世帯でも、一時的な病気などの際にも安心して在宅で暮らせるよう、定期巡回、随時訪問介護・看護サービスなど、医療と介護が連携して必要な支援を行える体制を整備していくことでございます。

 次に、年金でも負担できる低料金のサービスつき高齢者向け住宅の取り組みという御質問でございます。有料老人ホームでは、入居一時金の負担をなくした賃貸型のものに加え、一般的な厚生年金受給者の利用を想定したサービスつき高齢者住宅も増加してきてございます。今後、高齢者の住まいのあり方とその確保策につきましては、多様な方法を検討してまいりたいというふうに思ってございます。

 また、空き室等を利用したケア体制とも言えるサービスつき住宅の取り組みについての検討はということでございますが、空き家や空き室を活用したサービスつき高齢者住宅の取り組みにつきましては、国も検討を始め、実態調査等を行っているところと聞いております。今後、情報収集を継続しながら研究してまいりたいというふうに思ってございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、区民施策のうち施設白書と10か年計画のかかわりの中での既存施設の存続についてお答えいたします。

 限られた財源の中で必要な施設の更新等を行い、区民サービスを向上させていく必要があると考えており、区有施設を区の資産として有効に活用するために、複合化や余剰施設の売却による財源の確保といった手法も検討すべき課題であると認識してございます。現在、施設で提供してございますサービスについて、今後の人口の変化や区民ニーズの変化を踏まえた、効率的かつ効果的な提供方法について検討してまいりたいと考えます。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 私からは、保育園等のアルバイト賃金についての御質問にお答えをいたします。

 アルバイト賃金は、毎年職員の給与及び他の自治体の賃金を考慮して決めておりまして、特に低いとの認識はしていないところでございます。

 臨時職員については、区報を始めホームページでの募集を行っております。また、人事担当と各所属との連携を密にとり、採用情報を交換しながら確保に努めているところでございます。

〔区民サービス管理部長白土純登壇〕

○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、国民健康保険と介護保険に関する御質問にお答えをいたします。

 まず、国民健康保険料についてでございます。国民健康保険制度を持続的に運営していくためには、低所得者に配慮しつつも応分の負担を求めていく必要があると考えており、減額措置の拡大は考えてございません。また、保険料率は、23区全体で積算しており、27年度についても適正に算定されるものと考えてございます。

 次に、保険料算定の検討状況の情報提供についてでございます。国民健康保険料については、特別区長会の協議により、23区同一の保険料率等を定めており、協議が整う前に検討内容を明らかにすることはできないと考えております。

 次に、介護保険等高齢者サービスの拡充についての御質問のうち、まず介護保険料段階区分の細分化について、でございます。第6期の介護保険料算定に当たっては、今後、保健福祉審議会の答申などを踏まえ、準備基金の活用や保険料段階区分、料率について検討を行う予定でございます。

 次に、特別養護老人ホームの入所基準の変更について、でございます。特別養護老人ホームにつきましては、限られた資源の中で、より入所の必要性の高い方々が入所しやすくなるよう、入所基準を原則要介護3以上に変更することになりますが、要介護1、2の方であっても、やむを得ない事情により生活が著しく困難であると認められる場合には入所が可能とされております。中野区では、見直しの趣旨に基づき、入所の必要性の高い方々が入所できるよう適切に対応してまいります。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは地域包括支援センターについてお答えをいたします。

 地域包括支援センターの1カ所当たりの担当地域面積は、23区で10番目に狭く設置数は少ないとは考えておりません。このため、設置箇所数の増は考えておりません。

 また、すこやか福祉センターが高齢者への支援機能を果たしていることから、区直営の地域包括支援センターを設置することは考えておりません。

 地域包括支援センターの案内につきましては、今年度介護認定されていない65歳以上の区民に、二次予防事業対象者把握のために郵送しました基本チェックリストに同封したところでございます。今後とも区報やホームページなどによりPRに努めてまいります。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 木密地域の不燃化についての御質問にお答えをします。

 まず、区内木密地域の防災まちづくりについてでございます。区は既に木密事業を導入し、防災まちづくりに取り組んでいる地区以外にも、木造住宅密集地域の解消を図り、防災まちづくりに取り組むべき地区があることは十分に認識しているところでございます。今後、区全体の防災性を高めていく観点から、国や都が示した地域危険度等を十分勘案しつつ、優先度を見きわめ、順次計画的な防災まちづくりを進めていくよう検討を行っていく考えでございます。

 次に、木造住宅の不燃化助成についての御質問でございます。不燃化につきましては、区として不燃化促進事業や木造住宅密集地域整備事業等を実施している地域では、地区の防災性を向上させるという公共的な目的で、耐震性能の低い木造住宅や耐火建築物等への建てかえ促進を図るための助成を行っているところでございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で岩永しほ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 佐 伯 利 昭

 1 沖縄県知事選挙に見られる沖縄県民の意識について

 2 子どもをとりまく課題について

  (1)体力の低下について

  (2)「荒れ」の低学年化について

  (3)遊びの場について

  (4)青少年のスポーツの場について

  (5)児童相談所の区移管について

 3 中野区施設白書と公共施設等総合管理計画について

 4 アスリートの育成について

 5 人口減少社会への対応について

 6 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、佐伯利昭議員。

〔佐伯利昭議員登壇〕

○38番(佐伯利昭) 2014年(平成26年)第4回定例会に当たり、中野区議会民主党議員団の立場から一般質問を行います。

 11月16日に行われた沖縄県知事選挙では、普天間飛行場の名護移設に反対の立場の新人翁長雄志氏が現職に10万票近い差をつけて当選をしました。翁長氏の得票数は、次点の現職と他の2人の候補者の得票数を合わせた票をも上回り、その訴えは沖縄県民の声を代表したものだったと言えます。さらに注目すべきことは、普天間飛行場を抱える宜野湾市でも、翁長候補の得票が移転を推進する現職を上回っていることです。現職は、政府からのさまざまな沖縄振興策を引き出し、昨年の暮れには2021年まで毎年3,000億円台の沖縄振興予算の約束を取りつけていましたが、県民は経済よりも基地のない沖縄を選んだことが明らかになったと言えます。

 そこで、まず、とかく経済が優先される昨今、今回の沖縄県知事選挙における沖縄県民の意思表示に対する区長の率直な御感想をお聞かせください。

 今回の選挙で、基地問題はイデオロギーではなくアイデンティティーとする翁長候補の主張は、沖縄県知事選挙において初めて保守対革新という構図をも崩し、そこから生まれた結果は、日本国土のわずか0.6%の沖縄に在日米軍施設の74%が集中している現状に対し、これまで多大な負担を押しつけながら無理解、無関心な本土住民に対しても大きな課題を突きつけたものと言えます。国の安全保障や日米安保の重要性は理解しつつも、これからの基地問題は国民全体がしっかり理解し、議論していかなくてはならない問題だと考えます。区長の所見を求め、この項の質問を終わります。

 次に、子どもをとりまく課題について、まず子どもの体力の低下について伺います。

 先月、文部科学省が発表した「体力・運動量調査」によると、子どもの体力のピークは30年前であることが明らかにされました。先般、ことしも同僚の酒井議員とともに中学校の総体陸上を視察してきました。ことしは、国立競技場が2020年のオリンピックに向け工事が行われるため、駒沢競技場での開催でしたが、そこでの記録を見て、昭和の時代の記録がいまだ破られていない種目があることに驚きました。ユニフォームや靴が改良され、軽量化することによって条件がよくなっているにもかかわらず、この状況は文部科学省の調査結果を改めて裏付けるものでした。この調査は、前回東京オリンピックがあった1964年度から続けられており、今回はこの50年間を分析、その結果、72年の札幌、98年の長野オリンピックが開催された後に向上する傾向があることがわかりました。

 個別の種目を見ると、例えば13歳の1,000メートル持久走などでは、タイムが上がり下がりしているものの、一貫して低下傾向にあるのがソフトボール投げだとしています。こうした体力の低下、その原因について、中野区の教育委員会はどのように分析しているのでしょうか。また、このような体力の低下がふだんの生活に与える影響、また区としての対策についてもお聞かせください。

 こうした状況に対して、文部科学省や学者からは、子どもに人気のスポーツが野球中心から多様化したことを挙げていますが、私はそうは思いません。そもそも学校における基礎体力づくりができていないのではないかと思います。以前は当然行われていた体力づくりで、今は行われていない運動などがあるのではないでしょうか、お聞きします。

 さて、同じく先月、文部科学省は、2013年度に起きた児童の暴力行為は1万896件で、調査開始以降初めて1万件を超えたことを公表しました。また、同日、東京都教育委員会が文部科学省に報告した児童の暴力行為のうち、小学生が3年連続で増加し、荒れの低年齢化が浮かび上がりました。中野区においても同様の事例があるのか、またあるとすれば、その考えられる原因についてお答えください。

 こうした状況について、都内の区立小学校の校長からは、「注意するとかみついたり、いすを投げたりする。過度な指導は体罰になりかねず、先生も遠慮がち。それが暴力行為を助長させている面がある」との指摘もありました。もちろん私たちは体罰を容認する立場ではありませんが、一方で現在、小学校では団塊の世代の教員の大量退職後、若い教員がふえる中、まさにこうしたことへの対応に苦慮している教員がいるのではないでしょうか。教員の研修も重要ですが、日々の指導の中でベテラン教員と若い教員の連携が求められるところです。これについて、現在中野区ではどのような取り組みが行われているのか、お聞きします。

 子どもの体力の低下、荒れの低学年化、共通する原因として、子どもが体を動かす場、ストレス発散の場がないことに原因の一つがあるのではないかと考えます。朝日新聞の天声人語が、千代田区の「子どもの遊びに関する基本条例」を紹介しました。大変ユニークな条例のその前文では、「お父さんやお母さんが子どものころはもっと外で遊んでいたって聞くけど、今はあんまり外で遊ばないね」、「塾や習い事で時間もないけれど、たまには外で遊びたいよね」、「うん。みんなで集まってキャッチボールとかサッカーとか、いろんな遊びができる場所があったらいいよね」など、子どもたちから直接聞いた話から始まり、子どもが外遊びをするためには、時間、空間、仲間という三つの「間」――「間」という字です――三つの「間」が必要と言われている。しかし、今の子どもたちは塾や習い事などで忙しく、また室内でゲームなどをして過ごすことが多いことから、昔に比べて外で遊ぶ時間が少なくなっているという認識を条文の中で示した上で、条例の目的を、区並びに区民及び区内事業者等が、子どもの成長過程における外遊びの必要性及び重要性を認識し、子どもが外で伸び伸びと遊ぶことができる環境づくりに協力し、もって子どもの体力及び運動能力の向上並びに健やかな育成を図ることとしました。そして、その具体的施策として、区内の公園や広場4カ所をボール遊びのために日時限定で開放をしました。さらに、それを実現するために、条例の中で区民の責務として、「子どもが外遊びをすることの必要性及び重要性を理解し、区が実施する施策に協力するよう努めるもの」と定めました。これまでも自民党の若林議員からも提案がありましたが、中野区においても、千代田区の取り組みをぜひ参考にして、子どもの体力の低下や非行の防止という観点から、子どもたちがキャッチボールやサッカーなどのできる公園をふやす、そうした努力をすべきと思いますが、いかがでしょうか。

 こうした千代田区の取り組みがある一方で、保育園や小学校、公園などで子どもの遊ぶ声に対して、都内の7割の区市町村が「うるさい」などの苦情を受け、子どもの声に対しても、騒音防止を定めた都環境確保条例に基づく厳格な規制を求める一部住民の声があると言われています。これに対しては、健全育成の観点から、その6割の自治体は、同条例の対象から子どもの声を外すなど規制緩和を求め、都は現在見直しの検討に入っているとのことですが、その内容及び見直しに対しての中野区の考えについてお伺いします。

 次に、青少年のスポーツの場について伺います。

 (仮称)本町五丁目公園、(仮称)鷺の宮調節池上部多目的広場がいよいよ来年度開設されます。既に青少年のスポーツ団体とも来年度の活動計画の作成に入っており、両スポーツ広場の利用形態等がどのようになるのか、大変気になるところです。区内には、現在学校開放以外の屋外のスポーツの場として、平和の森公園スポーツ広場、妙正寺川公園運動広場、鷺宮運動広場がありますが、それぞれ団体での利用時間等の枠組みが違うため、混乱する場合もあります。また、上高田グラウンドや哲学堂グラウンドの有料施設は、各団体の会費等の状況から、青少年には手の出しにくいものになっていることは事実です。

 そこで、まずお聞きしますが、(仮称)本町五丁目公園、(仮称)鷺の宮調節池上部運動広場の利用形態については、いつ決定されるのでしょうか。もともとスポーツができる場の少ない中野区では、これら施設は青少年のスポーツの試合会場として貴重なものです。円滑な活動を進めるためには、土曜、日曜、祝日の青少年の優先利用などを含め、平和の森公園少年スポーツ広場の利用時間、利用区分に順ずることが適切かと思いますが、いかがでしょうか。

 児童相談所の23区への移管について伺います。

 特別区の懸案である児童相談所の区への移管に関し、ことし4月に出された特別区児童相談所移管モデルの中間報告について、さらに具体的な検討が行われています。児童虐待問題が深刻さを増す中、その対応については義務教育や地域保健、生活保護、家庭内暴力対策など、区の業務にかかわりの深いものが多く、一日も早い移管が望まれるところです。2010年、江戸川区で小学1年生の児童が両親から暴行を受けた虐待死事件では、区の子ども家庭支援センター、都の児童相談所の区と都の二元体制が連携の不足を浮き彫りにしました。

 そこで、まずお聞きしますが、区移管が行われた場合、区の体制として、児童相談所と子ども家庭支援センターを統合するのか、それとも子ども家庭支援センターを存続し、その機能の分担をするのか、現在のお考えをお聞かせください。また、その施設整備についても、現有の区有施設の活用や新規施設の建設などが考えられますが、現状での区のお考えをお聞きします。

 次に、一時保護所について伺います。

 被虐待児や非行児童などのための一時保護所が慢性的な不足に陥っています。そのため、一定の場合、医療機関や児童養護施設への委託一時保護が行われていますが、通常の一時保護所とは違い、学齢期の児童に対する学習指導などは行われません。移管後に委託一時保護が生じた場合、こうした子どもへの対応は考えられているのでしょうか。

 また、一時保護所の設置については、区単独のものと数区による共同設置と23区の中でも考えが分かれているようです。私は、児童相談所と一時保護所は一体のものであり、職員間の意思の疎通を十分に図るためには区単独施設設置が好ましいと考えます。

 そこでお聞きしますが、もし一時保護所を共同設置した場合、入所者の定員枠はどのようになるのでしょうか。また、定員を超えた場合の委託一時保護は各区の対応になるのか、また、職員の身分についてはどのようになるかもお聞かせください。

 以上で子どもをとりまく課題については終わります。

 次に、中野区施設白書と公共施設等総合管理計画について伺います。

 6年ぶりに中野区施設白書が発行されました。今回の白書では、建物のみならず道路や橋梁などのインフラ施設も加え、それぞれ区有施設の現況や今後の課題などを明確に示していることに対し、前回の白書同様、先駆的な取り組みととらえ、高く評価するとともに、作成にかかわった職員の皆さんの努力に経緯を表するものであります。

 さて、白書の中で述べられているように、国は自治体に対し、公共施設等総合管理計画を策定することを求めています。これは公共施設等の老朽化対策が大きな課題となる中、厳しい財政状況が続く自治体において、今後人口減少等により公共施設の利用需要が変化していくことを踏まえ、全体の状況を把握し、長期的視点を持って更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減、平準化するとともに、公共施設の最適な配置を実現することを目的としています。そのために、総務省は策定に当たっての指針を示すとともに、国が平成25年11月29日に決定したインフラ長寿命化基本計画を参考にすることも提言しています。

 最初に、指針では、計画管理の視点について、更新、統廃合、長寿命化としているのに対し、中野区施設白書では、更新、保全、長寿命化としました。国が統廃合としたものを保全と置きかえたのには何か理由があるのでしょうか。

 指針では、計画期間について、できる限り長期間であることが望ましいとしていますが、区はどの程度の期間を想定して計画が作成される予定か、お答えください。

 さらに、指針では、公共施設等の管理については、現状、施設類型ごとに各部局で管理され、必ずしも情報が全庁的に共有されていないことから、情報の洗い出しの段階から全庁的な体制を構築し、情報を管理・集約することを求めています。区では、施設白書の作成に当たっては、政策室企画分野がその取りまとめを担当しましたが、今後この計画作成に当たっては、各部や分野、さらには地域との調整なども行わなくてはいけないことから、専任の部署も必要になるかと思いますが、区の考えをお聞かせください。

 施設の統合や廃止の推進方針では、その検討に当たっては、他目的の公共施設等や民間施設の利用、合築等への検討が求められます。そこで考えられるのが、学校施設の改築の際、他の施設を併設することです。学校施設は、もともと区内にバランスよく配置されているので、地域間の施設配置のアンバランスも解消されていきます。例えば、学校図書館と地域図書館の併用なども視野に入れていくことが必要かと思いますが、いかがでしょうか。

 さらに、都立高校や私立学校に対しても、区施設との合築、併用を呼びかけてはいかがでしょうか。

 計画作成の留意事項として、行政サービスの水準等の検討として、当該サービスが公共施設等を維持しなければ提供不可能なものであるか、民間代替可能性がないかなど、公共施設等とサービスの関係について十分留意することも求められています。区はこれまで事業の民営化、民間委託には積極的に取り組んできましたが、現行のサービスの中で公共施設等を利用しなくても、民間でもサービス提供可能と考えられるものについて事例を挙げてください。

 さらに留意すべきこととして、議会や住民との情報共有を掲げ、最適な配置を検討するに当たっては、まちづくりのあり方にかかわるものであることから、個別施設の老朽化対策を行う事業実施のみならず、計画の策定段階において、議会や住民への十分な情報提供を行いつつ策定することが望ましいとしています。

 そこでお聞きしますが、この膨大な計画策定の中で、議会への情報提供はどのタイミングで行われるのか、また、住民との意見交換会、パブリックコメントは行われるのか、お聞きします。

 厳しい財政状況、さらに技術系職員の減少を考えると、今後PFI、PPP等民間の技術、ノウハウ、資金の活用は不可欠です。財政白書でも、財政の見通しから、歳入、歳出等の状況を踏まえると、現在同様の手法のみにより、施設の更新や整備を進めることは困難としていますが、今後、PFI、PPPなどの活用についての区としてのお考えをお聞かせください。

 最後に、指針では、市区町村を超えた広域的な検討として、自自治体のみならず、隣接する市区町村を含む広域的視野を持って計画を検討することが望ましいとしていますが、広域連携が可能な施設について考える具体的なものがあれば、挙げてください。

 スポーツ競技力の向上について伺います。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まってから1年以上が経過しました。この間、区長をはじめ他の理事者からも、オリンピックの成功には、外国人観光客を受け入れる観光の振興、都市交通の整備、まちの安心・安全、生活の利便性向上、グローバルな都市活動拠点の形成など、経済にかかわる提言はあるものの、オリンピック憲章にも定められたオリンピックのモットーである「より早く、より高く、より強く」、いわゆる競技力の向上、アスリートの育成ということへの言及はほとんどなかったように思います。

 私は、平成23年の予算特別委員会で、前年、中国の広州で行われたアジア競技大会で日本のメダル獲得数が中国には遠く及ばず、韓国にも水をあけられている実態を紹介しました。そして、それから4年後のことし、韓国の仁川で行われたアジア競技大会では、さらに韓国に水をあけられました。1964年の東京オリンピックでは、日本の金メダル獲得数は、米ソに続く第3位だったことを考えれば、今日の現実は想像もできなかったことであり、私たちの世代にとっては大変屈辱です。

 区長は、6月の施政方針説明で、「オリンピックが生み出す貴重な資産をレガシーとして、将来のまちの発展に生かし」と述べられましたが、このままでいけば、前回、東京オリンピック時代を知る我々にとって、2020年のオリンピックは世界の第3位からアジアの第3位という屈辱感だけが残り、また若い世代にとっては、中国、韓国に勝てないのが当たり前と考えてしまうようになることは極めて残念なことです。

 そうした中、このたび報告された中野区健康福祉総合推進計画(素案)では、改めてスポーツ競技力の向上が記されました。なぜそれが必要だと考えるのか、またそれを実現していくために区としてどのような支援をしていくおつもりなのか、お答えください。

 また、アスリートづくりには、若い世代からの育成は欠かせないことから、学校運動部活動の活性化を掲げ、中野区地域スポーツクラブが中心となって地域の人材、ネットワークを最大限活用し、有資格者や指導者の派遣を行うとしています。こうした考えは、地域スポーツクラブ設立の基本計画にもあったわけですが、この開設が大幅におくれた今、中学校部活動の支援として外部指導の体制はどのようにしてきたのか、外部指導員の年間指導回数はどのようになっているのか、また、それは従前に比べてふえているのか、お聞きします。

 さらに、この地域スポーツクラブの開設が大幅におくれた理由についてもお示しください。

 そして、こうしたおくれは、今後予定されている三つのスポーツクラブ計画に影響を与えるのかどうかもお答えください。

 私は、平成14年から、スポーツ施設の整備にはtotoサッカーくじからの助成金の活用を訴え、一昨年は哲学堂公園テニスコートの改修、昨年は上鷺宮区民活動センターのテニスコートの改修に活用されました。この助成金を活用しての御感想をまずお聞かせください。

 また、このtotoを運営する日本スポーツ振興センターのホームページから助成金の活用実績を見ると、地域スポーツクラブへの助成が多く見られます。今後の地域スポーツクラブの整備、運営については、さらにこの助成金の活用を考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 最後に、人口減少社会に対する対応について伺います。

 2008年に始まった我が国の人口減少は、今後加速度的に進むことが予想され、2060年には8,674万人まで落ち込み、2110年には5,000万人を切ると予測されています。人口減少社会が経済社会に与える影響は大きく、人口減少以上に、経済規模が縮小し、一人当たりの国民所得が低下するおそれがあります。将来にわたって活力ある社会を維持するためには、人口減少に歯止めをかけることが必要です。

 そこで、一度出生率が下がりながらも、子育て支援やワークライフバランスの実現により出生率を上げたフランスやスウェーデン、さらには他の自治体の事例などを参考に、中野区においても人口減少に少しでも歯止めをかける施策に取り組んでいくべきです。そのためには、何より子どもを産み育てやすいまちという区民の機運を高めていくことが重要だと考えます。

 文京区は、現在の成沢廣修区長就任以降、6年間で出生者数が18.1%上昇しました。成沢区長と言えば、みずから、条例を制定し、区長自身が育児休暇を取得したり、男性職員の育児休業等取得促進実施要綱を策定、職員に積極的に育児休暇を取得するよう促しました。また、東日本大震災直後に、区内の女子大を利用して、全国初の妊産婦、乳児専用の救護所を設置するなど、積極的に女性支援、子育て支援をアピールしました。その結果、平成27年に文京シビックセンターへの国連機関UNWemenの日本事務所の設置も決まっています。

 中野区においても、まずは男性職員の育児休暇取得促進などを積極的に役所が取り組み、子育てのしやすいまちをアピールすることで、少しでも人口減少社会の歯止めになるかと思います。区としてのお考えをお聞きし、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 佐伯議員の御質問にお答えいたします。

 沖縄県知事選挙に見られる沖縄県民の意識についてであります。知事選挙における今回の沖縄県民の選択は、沖縄の持つ歴史、経済等、さまざまな事柄を背景とした中での一つの結果であり、このことに関して感想を述べる立場にはないと考えております。

 一方で、一国民として考えたとき、国土防衛や安全保障の問題は国政の重要な課題であります。基地負担の軽減を進める一方で、日本国として基地が必要という判断には理解をお願いしたいと考えているところであります。

 児童相談所の区移管についてであります。児童相談所と子ども家庭支援センターの統合と施設整備についてです。子ども家庭支援センターでは、個別ケースへの対応を行うとともに、専門的な知識や法的な対応を要するケースについては、東京都が所管する児童相談所と連携して対応しているところであります。

 児童相談所を移管した暁には、児童相談所と子ども家庭支援センターの機能を統合し、区民に最も身近な特別区が児童相談行政を一元的かつ総合的に担うことによって、保育園、幼稚園、学校、すこやか福祉センターをはじめ、民生・児童委員など、地域の関係機関との緊密な連携による見守り体制を充実させ、子どもの成長段階に応じた一貫した取り組みを可能にしていきたいと考えているところであります。また、施設のあり方につきましては、児童相談所の機能や役割が十分に果たしていけるように今後検討してまいります。

 一時保護所の設置についてであります。一時保護所の設置につきましては、区の主体的な運営という点では単独設置が望ましいと言えますが、共同設置においては、スケールメリットを生かした入所調整や職員配置が可能となるといったメリットが考えられるところです。共同設置するとした場合の定員枠の考え方などについては、今後の検討となると考えております。

 また、委託一時保護のあり方につきましては、一時保護所についての考え方を整理する中で検討をしていく予定としております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 子どもをとりまく課題につきまして、まず体力低下の原因についての御質問です。

 ソフトボール投げの記録などの低下傾向は、放課後の子どもを取り巻く生活環境やスタイルが変化し、日常の遊びの中で子どもがボールを投げて遊ぶなどの経験が減少していることが主な原因であると考えてございます。

 また、体力低下が生活に与える影響についてですが、学校生活の中では、例えば全校朝会で立っていられずに倒れたり、授業中に背筋を伸ばした姿勢で座っていられなかったりする子どもが昔に比べふえてきているという報告を受けており、子どもの状況に変化が見られるというふうに考えてございます。

 区では、体力向上施策として、体力調査を毎年実施し、その結果を踏まえて、各学校で具体的な体力向上のための取り組みを指導してございます。例えば、体力向上月間における「1校1取り組み」と称する学校全体で取り組む体育的な活動の推進やフラッグフットボール大会の開催などを行っております。さらには、「おやこ元気アップ!事業」を開催し、保護者に対する運動への意識啓発も図っているところでございます。

 また、以前は当然のように行われていた運動で、現在行われていない運動はないかという御質問でした。体育の授業においては、取り扱う運動内容について大きな変化はございません。生活環境や生活習慣など、子どもの生活や動きが変わってきていることの影響が大きいということが考えられるというふうに思います。

 続きまして、荒れの低年齢化という御質問でした。暴力行為等、荒れの低年齢化の原因についてです。文部科学省の問題行動等に関する調査におきましては、中野区立小学校では、ここ数年暴力の件数はふえてございませんが、生活指導上のさまざまな課題を挙げられており、児童の状況に応じた指導を行っているところでございます。

 また、ベテラン教員と若手教員との連携についての御質問でした。これまで学校を支えてきた経験豊かな教員の実践的な知識や指導技術を引き継ぐことは、学校組織を支える一因として、若手教員を確実に育成することと考えております。各学校におけるOJTを推進するとともに、学校の組織的な対応力を高めるため、生活指導主任や副校長等を対象とした研修会を行っているところでございます。

 最後に、アスリートの育成についての中で、中学校部活動の外部指導員の体制についての御質問がございました。中学校における部活動の外部指導員につきましては、校長が地域人材等を活用して配置してございます。平成25年度は、外部指導員を配置した61部活動中43部活動が運動部であり、回数は延べ3,107回で、学校統合に伴って全体の配置件数は減少傾向にございますが、各部活動での配置件数はほとんど変わっていない状況でございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、子どもを取り巻く課題についてのうち、まず子どもがボール遊びなどのできる公園の整備についての御質問にお答えをいたします。

 バットや硬球の使用禁止、試合の制限などの制約はございますが、ボール遊びの利用を想定している公園は区内に13カ所ございます。また、今後開園する(仮称)鷺の宮調節池上部多目的広場、(仮称)本町五丁目公園、(仮称)南部防災公園では、高いフェンスのある運動広場も利用できるようになります。地域の身近にある公園でのボールの使用については、音の発生やボールの飛び出しなど近隣への影響、他の利用者の安全確保などを考慮しなければならないため、今以上に公園数をふやすことは難しいと考えております。近隣住民の了解を踏まえた地域からの具体的な提案があった場合は、検討してまいります。

 次に、今後の開園する公園の運動広場の利用形態についてでございます。(仮称)鷺の宮調節池上部多目的広場の利用時間枠など運用方法については、本定例会中に考え方をお示しし、1月に区民説明会等で説明した上で決定する予定でございます。使用料につきましても、同様に考え方を示した上で、平成27年第1回定例会において条例改正の提案をしたいと考えているところでございます。(仮称)本町五丁目公園及び(仮称)南部防災公園につきましては、来年度の前半に考え方をお示しする予定でございます。

 新設公園の利用時間及び利用区分につきましては、他の運動施設の利用方法を参考として検討しているところでございます。

〔環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) 私からは、子どもを取り巻く課題についての御質問のうち、子どもの声に関する東京都環境確保条例改正に対する区の姿勢につきましてお答えをいたします。

 今回、東京都が検討しております環境確保条例改正の方向性につきましては、これは未就学の子どもが活動する際に発生する声や音、また保育に伴って生じる音や大人の声につきまして、数値による騒音規制基準を当てはめないというものであると聞いてございます。

 区といたしましては、こうした声や音を産業用の機械、あるいは営業活動などから発生する騒音と同じ基準で判断するのを見直すということにつきましては、子どもの健全な発達や保育環境を保障していく観点からも、今回の東京都の方向性につきましては、これは適切であると考えてございます。

 その一方、東京都では、人の健康、または生活環境に支障を及ぼす程度を超えてはならないという規定につきましては、これは引き続き適用するとしてございます。中野区では、これまで子どもの声等を基準数値のみから騒音と判断し、規制に至ったという例はございませんが、今後とも子どもの健全な発達と良好な生活環境保持のバランスのとれた環境行政を進めてまいりたいと、そのように考えてございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、中野区施設白書と公共施設等総合管理計画についてお答えします。

 初めに、国の指針の統廃合が保全となっている理由でございます。施設白書は、施設の更新や保全、長寿命化を図る上で必要な資料として作成したものでございます。今後策定いたします公共施設等総合管理計画においては、施設の統合や廃止を含め検討するものでございます。

 続きまして、総合管理計画の期間についてでございます。公共施設等総合管理計画の策定に当たり、国の指針では、できるだけ長期の将来見通しを踏まえて、計画は少なくとも10年以上の期間とすることが望ましいとしてございます。この指針を踏まえ、計画のスパンについては、施設のライフサイクルコストを踏まえたものとしていきたいと思っております。

 なお、施設白書においては、約40年間にわたる財政的な試算を行ったところでございますが、長寿命化の観点から、これを上回る期間についても視野に入れながら検討していきたいと考えてございます。

 次に、専門部署の設置についてでございます。公共施設等の総合管理計画の策定に当たっては、サービスの提供やインフラ施設を所管します各部との十分な連携を図り、企画担当が計画全体の取りまとめを行って策定を進めているところでございます。今後の調整に当たっても、企画担当を中心として進めてまいりたいと思います。

 都立、私立学校と区の施設との合築等についてでございます。国の骨太の方針「経済財政運営と改革の基本方針2014」においても、地域における公的施設について、国と地方公共団体が連携し、国公有財産の最適利用を図ると記載されているところでございます。施設の複合化や他機関との合築、併用については、資産の有効活用の観点からさまざまな可能性について検討することは必要であると考えてございます。

 民間で提供可能なサービスについてでございます。区は、民間でのサービス水準や適正な制度が確立できるものにつきましては、民間に任せているところでございます。これからも同様の方針で定めていきたいと思っております。したがいまして、事例については、全てのサービスが対象となるというふうに考えてございます。

 次に、適切な議会等への報告についてでございます。議論の過程の中で、議会や区民への情報提供を十分に行ってまいりたいというふうに考えてございます。

 最後に、PFI、PPPの活用についてでございます。民間活力の導入によります施設更新や運営の手法は、区民サービスの向上、施設更新経費の圧縮、ランニングコストの削減など有効な手法であるために、活用について検討してまいりたいと思っております。

 最後に、広域連携が可能な施設についてでございます。今後、区有施設のあり方を検討していく中で、施設の有効活用の観点から広域連携について、国や他自治体等の動向を注視し、研究してまいりたいと考えてございます。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、アスリートの育成関係で、スポーツ競技力の向上という御質問でございます。

 スポーツ競技力の向上は、多様なスポーツの機会を確保することとともに、スポーツ基本法の柱でもございます。区としましても、競技種目の認知度の向上や競技人口の拡大、地域の活性化に寄与するものと考えてございます。具体的な支援の方法につきましては、今後策定を予定してございます健康づくりスポーツ推進計画とあわせて検討をしてまいりたいというふうに思ってございます。

 それから、地域スポーツクラブ開設のおくれということの御質問でございます。地域スポーツ施設の運営主体として、中野区地域スポーツクラブが平成22年度末に設立されましたが、施設の運営方法等の検討に時間を要したこともございまして、区と団体との間で意思統一がおくれたことがおくれの要因というふうに認識してございます。

 現在、団体では、本格的な運営を目指しまして、毎月理事会を開催し、モデル事業を実施するなど、積極的に取り組む体制となってございます。今後予定しております地域スポーツ施設の展開には影響がないものというふうに考えてございます。

 最後に、スポーツ振興くじ助成金の活用の御質問でございます。テニスコート等の施設につきましては、安全で快適に利用できるよう、維持管理を行うことが極めて重要でございます。その財源として、スポーツ振興くじ助成金も活用をさせていただいております。

 総合型地域スポーツクラブの活動につきましても、東京都の補助金のほか、スポーツ振興くじ助成金などを積極的に活用してまいりたいというふうに思ってございます。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 私からは、人口減少社会への対応についての御質問にお答えをさせていただきます。

 男性職員の育児支援については、男性職員のための子育て休暇の手引きを発行するなど、制度の周知に努めているところでございます。男性職員の育児休業の取得は進んでおりませんが、出産支援休暇と育児参加休暇につきましては、子が生まれた男性職員の約8割が取得をしてございます。引き続き制度の周知を始め、出産、子育てに係る休暇を取得しやすい職場の環境整備に努めてまいりたいと考えております。これらの取り組みを通じまして、職員が子育てへの認識を高めながら、区の子育て施策の企画立案等に生かし、子育てしやすいまちを実現していくことが肝要と考えております。

〔佐伯利昭議員登壇〕

○38番(佐伯利昭) すみません、区長に1点だけ再質問させていただきます。

 沖縄県知事選挙の結果の質問の中で、御答弁は、先ほどの岩永議員に対しての御答弁とほぼ同じだったのかなと思うんですけども、質問している角度は違います。区長も基地の重要性を理解する、こういうようなお話がありました。その中で、私は、国の安全保障や日米安保の重要性は理解して、その上で、この問題については国民全体でしっかり話をしていかなくてはいけないんじゃないかなという観点で質問したんですけども、その部分について全く触れられませんので、そこについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。

 今、佐伯議員が言われた範囲の内容ということについて、私も共感をしている、そういう立場からの答えとして、一国民として考えたとき、国土防衛、安全保障の問題は、国政の重要な課題であって、基地負担の軽減を進める一方で、国として基地が必要だと、あの位置に基地が――沖縄に基地が必要だという判断に対して理解をお願いしたいという、私なりの考え方の立場を申し上げました。こういったさまざまな議論を国民がしっかりと進める中から、国としての一つの判断、そして一つの行動というものにつなげていくべきだと、このように考えております。

○議長(伊東しんじ) 以上で佐伯利昭議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 後 藤 英 之

 1 持続可能な経済成長のための取り組みについて

 2 区有施設における省エネルギー化の取り組みについて

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、後藤英之議員。

〔後藤英之議員登壇〕

○8番(後藤英之) 平成26年第4回定例会に当たり、一般質問をさせていただきます。

 まずは、持続可能な経済成長のための取り組みについて、次に、区有施設における省エネルギー化の取り組みについてお尋ねいたします。

 先日、11月17日に、2014年7月から9月期におけるGDPの速報値が発表されました。その結果は、2期連続マイナス成長となり、想定外に残念な結果であったと言えます。しかし、一方、株高傾向は持続しており、そこで改めて景気の先行き感が強く問われています。

 私は、今現在必要なのは金融緩和政策や財政出動で、トリクルダウンを期待するよりも、持続可能な経済政策として、さらに重要なのは、経済構造改革を柱とし、経済をボトムアップする成長戦略だと考えています。実感できる景気回復は、詰まるところ個々の事業者による生産性の向上と結果としての業績の上昇によってもたらされ、その上で雇用の安定、実質賃金の上昇が伴い、初めて景況感が実感されてくると考えています。景気回復をさらに確かなものにしていくためには、実際の事業者ときめ細かく向かい合うことのできる地方自治体の経済施策が特に重要と考えています。

 そこで、実際に中野区事業者が行政の経済施策によってどう変わってきているのか、また本当に経済構造改革は推進されてきているのか、区にとっての経済成長戦略とは何かということが、区にとっても国にとっても重要なのだろうと考えます。今こそ区としても、再度経済政策の成果と実効性について振り返りを行う必要があります。区において、経済成長戦略とは何か、その現状と見通しはどうか、その認識について改めてお尋ねいたします。

 また、区長も本年第1回定例会での所信表明などで述べられているように、産業の生産性を高めていくことは、今後継続的なテーマになると考えています。国の成長戦略にも同様な趣旨が盛り込まれ、私も先日一般質問をいたしました産業競争力強化法に基づく支援措置などは、成長戦略のかなめの一つとも言える、創業支援や事業再編などをまさに目に見えるミクロな経済や経営のレベルで促進し、産業生産性を向上しようとする取り組みと考えています。国にとっても区にとっても、成長戦略は町場の中小企業や個人事業主の業績を目に見える形で向上させるものでなければならず、区は国の趣旨にのっとり、実際の創業支援や事業再編をこれまで以上に促進支援すべきだと繰り返し主張させていただきます。

 区でも、認定特定創業支援事業として、なかのライフサポートビジネス創造塾をこの事業に位置付け、産業競争力強化法に基づいて認定された区市町村の創業支援事業計画における創業支援事業のうち、経営、財務、人材育成、販路拡大に関する知識の全ての習得が見込まれる継続的な支援を創業希望者等に対して行うとしており、創業関連保証の信用保証枠の拡大や登録免許税の軽減措置などの特例を適用しています。

 そこでまず、改めて疑問なのが、ライフサポートビジネスにはどのような理由で、どのような可能性があり、全体的に区内産業、経済にどう寄与していくと計画しているのか、改めてお尋ねいたします。

 例えば、板橋区や八王子市、神戸市など、他の自治体のように、民間のノウハウも活用し、創業そのものに焦点を当てた支援のあり方や事業拡大、事業再編そのものに焦点を当てた支援のあり方が重点産業を支援することに加えて、より重要となっていると考えますが、いかがですか。御所見をお尋ねいたします。

 同時に、信用保証枠の拡大や税の軽減措置などを特例として産業を後押しすることには一定の意味があると考えますが、より重要なのは、経営、財務、人材育成、販路拡大に関する知識の全ての取得が見込まれるような継続的な支援だと考えます。

 そこで、現在、創業支援事業計画中で、こうした知識やノウハウの取得はどのように計画され、また実施されているのか。その成果はどうか。あるいは産業振興拠点や産業振興センター等の事業も含め、どう実績と成果があると分析され、その分析を今後の中野区全域における地域経済の成長にどう結びつけていかれるのか、御所見を伺います。

 また、政府や区をはじめ、多くの経済政策には、起業家の輩出をはじめとした供給サイドの充実がたびたび掲げられ、確かにそれは経済全体における生産性向上に欠かせない重要事項であると考えます。ただ、起業家へのセーフティネットが社会的に整備されておらず、起業マインドを押し下げる要因となっていると考えています。もちろん事業経営は自助の最たるものですが、チャレンジを促進することが社会的に必要とされている今、チャレンジや再チャレンジをしたくなるための社会的な仕組みが必要であると実感しています。とはいえ、経営者に対する失業保険のようなものではなく、事業の売り手と買い手を仲介するM&Aの斡旋やマッチング等の仕組みを用意すべきと考えます。経営者のセーフティネットとなるだけではなく、従業員の雇用も継続して守られ、事業継続、事業継承にも有効であり、社会的費用対効果が高く、職員の専門性に比較的依存しない支援策と考えます。区の運営でなくても、東京商工会議所が国の産業競争力強化法を受けて、そうした事業を既に運営していますが、こうした事業を広く周知、活用していくことでも効果はあると考えます。見解をお尋ねいたします。

 また、中野の産業にもさまざまな産業がありますが、多くの産業を活性化させる都市観光の取り組みには、中野の魅力の創造や再構築が欠かせません。現在行われている中野のまちめぐり博覧会をはじめとして、にわかに都市観光にまつわる媒体やイベントがふえており、評価しております。こうした取り組みを進めるとともに、中野のブランドをさまざまな切り口から浸透させ、同時にわかりやすくまとめていく作業が今後必要になると感じます。そうした意味で、今は中野の魅力を洗い出して発信していく段階と考えてもいいと考えます。

 そこで、中野には、アールブリュット、サブカルチャー等の芸術活動、集積の実績が既にありますが、中野由来の著名な芸術家も多く、こうした人たちの作品や現在展開されている芸術活動の成果を区役所1階ロビーの空きスペースなどを活用し、常時展示するということも有益と考えます。また、新庁舎については、こうしたスペースをあらかじめ確保しておくことも考えられますが、いかがですか。御所見をお尋ねいたします。

 また、中野には、有名アニメーションを取り扱う制作会社が多数存在しています。こうした企業の中で、世界的に有名なコンテンツのライセンスを管理しているケースもあり、区が連携できれば、非常にわかりやすく中野ブランドが確立し、経済波及ができる可能性があります。例えば、鳥取県境港市のように、まち全体をゲゲゲの鬼太郎シリーズのブロンズ像でブランディングしてしまうといった事例も参考になると考えます。さまざまにコンテンツを活用することで、中野のブランディングや全域回遊観光の可能性、来街者へのインセンティブが生まれるなど、複合的な効果が考えられますが、区内有名コンテンツホルダー企業との連携について、いかがお考えでしょうか。御所見をお尋ねし、この項の質問を終わります。

 次に、区の施設の老朽化に際し、設備の省エネルギー化を進める上で、ESCO事業の導入についてどうお考えか、お尋ねいたします。

 ESCO事業者とは、省エネルギーに関する包括的なサービス事業者のことですが、こうした事業者を活用することにより、初期費用を払うことなく設備の改修が可能となります。また、光熱水費、すなわちCO2の削減量を保証するパフォーマンス契約を行うことが可能で、なおかつ現在、国からのエネルギー使用合理化事業者支援補助金を活用することができます。板橋区の本庁舎などで既に導入されており、中野区でも、例えば新庁舎の建てかえの際や現有施設で老朽化している設備も多くあると承知しておりますので、改修の際に検討の対象とすべきと考えます。御所見を伺います。

 以上で私の全ての質問を終了します。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 後藤議員の御質問にお答えいたします。

 中野区の経済成長戦略であります。国の経済政策においては、国際的な経済活動の拠点の形成を促進する観点から、国家戦略特別区域を指定し、規制改革等の施策を総合的かつ集中的に推進するとしております。区は、既にこの区域指定に向けた提案を行っており、今後、特区の規制改革等を活用して、ハード、ソフトの両面から国際競争力の強いまちづくりを行ってまいります。

 また、区は、産業振興ビジョンにおいて、ICTコンテンツ及びライフサポート関連産業を重点分野と位置付け、産業振興のためのさまざまな施策を行っております。産業振興センターでは、中小企業支援をワンストップで行っており、中野区産業振興推進機構では、ICTコンテンツ関連産業の集積振興などの事業を行っているところであります。

 ライフサポートビジネスの位置付けですが、少子高齢化の進展に伴い、地域での生活をさまざまに支えるライフサポート関連サービスに対するニーズは、質量ともに高まると考えております。また、こうしたサービスの受け手としてだけでなく、供給側としての人材も豊富といったようなことから、ライフサポート関連産業における区内での雇用機会やビジネスチャンスが拡大すると見込んでおります。

 創業や事業拡大に焦点を当てた支援ということであります。区内経済の活性化には、創業や事業拡大への支援も非常に重要であると考えております。このため、産業振興センターにおいては、創業相談や経営相談、融資斡旋などの支援を行っております。特に、創業融資については、一般の融資よりも区の利子補給率を優位に設定しているところであります。

 創業希望者へのノウハウ習得の支援としては、中小企業診断士が創業相談を行っており、好評をいただいております。また、産業振興センターにおいては、創業や経営に関するセミナーを実施しておりまして、今後さらに充実をさせてまいります。区内での創業促進によって、地域経済の成長につなげてまいりたいと考えております。

 事業継承の支援について。東京商工会議所が国からの委託を受けている東京都事業引き継ぎ支援センター事業について、これらについても、同事業の案内パンフレットなどを窓口に配備して、事業者に案内しているところでもあります。今後とも周知に努めていきたいと考えております。

 区役所1階ロビーでの常設展示についてであります。区役所1階ロビーは、現在、多様な主体の企画展示により一時的な利用が図られており、常設展示スペースの確保はなかなか難しいといったようなことがあります。計画的な展示の実施によって効果を上げるよう検討していきたいと考えております。新しい区役所整備基本方針では、区民交流スペースの配置の考え方として、文化芸術活動の支援に資する絵画展示ギャラリーなども想定しており、今後の整備計画の中で検討してまいります。

 アニメコンテンツ管理企業との連携について。区内に世界的なアニメコンテンツを管理する企業があることは承知をしております。そうした企業との連携をしながら、中野区の魅力創出や来街者の増加に取り組んでいきたいと考えております。

 省エネルギー化への取り組み、区は現在、公共施設総合管理計画の策定を進めており、その中で、区有施設のライフサイクルコストの削減方法についても検討することとしております。さまざまな施設マネジメントの手法を検討していきたいと考えているところであり、ESCO事業もその一つとして研究を進めてまいりたいと考えております。

 以上です。

○議長(伊東しんじ) 以上で後藤英之議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。

 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より、本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会とします。

午後4時43分延会