平成26年11月27日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成26年11月27日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
25.09.12 中野区議会第3回定例会(第3号)

.平成26年(2014年)11月27日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原      宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        31番  長  沢  和  彦

 32番  大  内  しんご        33番  伊  藤  正  信

 34番  高  橋  ちあき        35番  市  川  みのる

 36番  篠     国  昭       37番  やながわ  妙  子

 38番  佐  伯  利  昭       39番  むとう   有  子

 40番  か  せ  次  郎       41番  来  住  和  行

 42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  英   直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一       経 営 室 長  竹 内 沖 司

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

 区民サービス管理部長 白 土   純    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二

 健康福祉部長   野 村 建 樹      保 健 所 長  寺 西   新

 環 境 部 長  小谷松 弘 市      都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一  経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  大 野 貴 子      書     記  鈴 木   均

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成26年(2014年)11月27日午後1時開議)

日程第1 第62号議案 中野区区政情報の公開に関する条例の一部を改正する条例

 

午後1時00分開議

○副議長(やながわ妙子) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 佐 野 れいじ

 1 空き家対策について

 2 工事請負契約における総合評価方式について

 3 待機児童解消に向けた定員の確保について

 4 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 最初に、佐野れいじ議員。

〔佐野れいじ議員登壇〕

○21番(佐野れいじ) 第4回定例会にあたりまして、自由民主党の立場から一般質問をさせていただきます。

 まず、1番目としまして空き家対策につきまして、2番目としまして工事請負契約における総合評価方式につきまして、3番目としまして待機児童解消に向けた定員の確保につきまして、以上3点について御質問をさせていただきます。

 まず1番目に、空き家対策について御質問をさせていただきます。

 先日、平成26年11月19日、念願でありました空き家対策特別措置法、いわゆる空き家法が国会で成立し、ようやく国の支援策も動き出す運びとなりました。

 総務省の統計によれば、全国の2013年の空き家の数は820万戸とも言われ、そのうち放置された空き家は318万戸で、5年前より約50万戸、18.7%も増えていると言われており、さらにその数は年々増加しております。これは読売新聞の11月19日の夕刊にも記載されております。

 今回の空き家法では、所有者特定のために固定資産税の納付者情報の利用を認めたり、倒壊のおそれや周辺への防犯上、美観上、またはごみの不法投棄が深刻な場合などについて市区町村の立ち入り調査を可能としたものであり、さらに修繕や取り壊しの命令に従わなかったり、所有者が不明だったりするケースは段階を追って代執行もできる法令となっております。

 中野区でもこれまで、所有者に助言や指導を重ねても従わなかったり、そもそも所有者が誰なのかわからなかったりといった問題が指摘されてきました。この法は、行政代執行を認めたほか、税金納税者リストの調査利用も可能となり、これまでの討議でも明らかになったように東京23区中7区でこの対策のための条例が既にできておりますが、これまで条例がなかった自治体でもそれらの対策が行えるようになってきたという現実を踏まえて、今回質問をさせていただきます。

 まず1番目、現在の中野区内における空き家は一体何軒ぐらいあると把握・認識しているのでしょうか。まず、お伺いをさせていただきます。

 2番目、今回の国会での空き家対策特別措置法成立を踏まえて、中野区としてどのように今後この問題について対応をしていくのか、お答えをいただきたいと思います。

 3番目、また今後の対策も含めて、中野区でもこの問題に対しての条例化を図り、積極的に解決すべきだと思いますが、御意見をお伺いいたしたいと思います。

 4番目、第3回定例会においての私の総括質疑の中で、区は「表面化していない空き家もあることは十分承知していますが、その実態については把握できておりません」とお答えをいただいております。まず、区内の空き家の全ての実態をつかむことが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 5番目、またさらにその質疑の中で最後に田中区長がお答えになりました「組織横断的な検討体制をつくって今後検討していく」ということについて、組織体制はいつごろまでに行い、内容的にも具体的にどういう意味なのかをお答えいただきたいと思います。

 いずれにしましても、この問題につきましては国会で法令が通った以上、近隣住民が不安を感じ、また防犯・防災・防火上からも中野区内でも問題になっている空き家問題について区としてさらに積極的に取り組み、一日も早い解決を図っていただくことを願いつつ、この項の質問を終わらせていただきます。

 2番目、工事請負契約における総合評価方式についてお尋ねをさせていただきます。

 まず初めに、地方自治体の契約についてでありますが、地方自治体の契約は、地方自治法第234条第1項で、「一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結する」、第2項で、「指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に限る」と規定されております。つまり、地方自治体の契約は、原則は一般競争入札によるということが法で規定されており、地方自治体である中野区は地方自治法をはじめとする関係法令を順守し、契約事務規則や要項などを制定し、契約を行っているわけでございます。

 さて、中野区が発注する工事請負契約においては区内制限付総合評価方式の一般競争入札を実施しておりますが、この総合評価方式は、平成17年に制定された「公共工事の品質確保の促進に関する法律」、いわゆる品確法に基づき、これまでの価格だけで決定していた従来の落札方式から、価格とあわせて品質を高めるための新しい技術やノウハウ、また地域・社会貢献度などの価格以外の要素を含めて評価する方式として国が推進しているものでもあります。国は総合評価方式の導入により、1番目として、価格面だけではなく品質面でも競争させることで公共工事自体の品質を向上させる、2番目として、施工計画の審査により工事周辺の住民や利用者にできるだけ迷惑をかからないようにする、3番目として、技術的能力や技術提案の審査により建設業者の育成と技術力の向上が図られる、という3点の効果をもたらすと言っております。そこで、中野区の工事請負契約における区内制限付一般競争入札と総合評価方式についてお伺いをさせていただきます。

 まず1番目、初めにお尋ねいたします。工事請負契約における総合評価方式制限付一般競争入札については、第3回定例会において我が会派からも、「工事請負契約における制限付一般競争入札については、区内事業者の育成と区産業の発展に資することを目的に、来年度以降の継続実施は当然と考え、さらに上限額の拡大を検討いただきたい」との質問をしておりますが、その後の検討結果についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 2番目。次に、工事請負契約のうち、総合評価方式で発注する案件にするかしないかについてはどういう基準で、例えば1,000万円以上とかですね、どういう基準でどの時期にどのように決定するのでしょうか。お伺いをさせていただきます。

 3番目としまして、総合評価方式の工事契約案件の類型であります特別簡易型と簡易型について、「特別簡易型は、さほど技術的な工夫の余地が少ない一般的で小規模な工事において、その企業の技術力及び信頼性・社会性を評価項目とした評価点及び入札価格から算出した価格点により評価し落札者を決定するもの」としております。その一方で、「簡易型は、技術的な工夫の余地が少ない一般的な工事において、特別簡易型と同じ評価項目のほかに、図面、仕様書等に示した施工方式に基づき、入札に参加する者が作成した施工計画をもって評価し、落札する者を決定するもの」と中野区の総合評価方式実施要綱には書かれております。また、類型は、職員をメンバーとする評価選定委員会で選定するとし、政令第167条10の2第5項で学識経験者の意見を聴くと定めております。

 そこで伺います。施工計画は、誰がどのように評価し、また評価基準点は何をもって算出されるのでしょうか。さらに、学識経験者は何名で、どのような識者で構成されているのでしょうか。お伺いをさせていただきます。

 さらに、翌年度の工事発注は、前年度の年度末にほとんど決定されていると聞いておりますが、年度途中に簡易型、特別簡易型に該当する工事が必要となった場合はどのような手続になるのでしょうか。それもあわせてお答えをいただきたいと思います。

 さらに、現行の総合評価方式では区内事業者に関してさまざまな評価面で加点されていることは十分承知していますが、現在のシステムでは規模が小さな工事、例えば、特別簡易型において評点全体に対する価格のウェイトが高くなっている点について、どのようにお考えなのかもお聞かせいただきたいと思います。

 最後に、今年の6月に、インフラ等の品質の確保とその担い手確保を実現するため、公共工事の基本となる品確法が改正、施行されましたが、総合評価方式の適切な運用を図るとともに、発注者及び競争参加者双方の事務量の軽減を図ることも総合評価方式の円滑な実施に必要であると考えますが、その点についてどのような見解をお持ちでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

 以上でこの項の質問を終わらせていただきます。

 続きまして、3番目、待機児童解消に向けた定員の確保について伺わせていただきます。

 核家族や共働き家庭の増加、雇用形態の多様化などにより保育ニーズは年々増加しており、中野区でもその傾向は続くものと予想されております。これまでも中野区は、増え続ける保育所待機児童対策として、区立保育園の民営化や新規施設の整備を進め、定員拡大を図ってまいりました。しかし、待機児童は解消できず、平成26年度4月の待機児童数は前年より96人も増加しております。保育需要に施設の整備が追いついていないのが現状ではないでしょうか。このような状況から区は今年度補正予算を組み、緊急的な対応策として認可保育所と小規模保育事業の事業者募集を開始しております。施設整備に向けた状況が気になるところでございます。

 私は、第3回定例会の総括質疑の中で、仮称ではありますが、橋場保育園の建設工事について質問をさせていただきました。民営化する認可保育園の施工が遅れるとのことでしたが、新園開設の遅延は待機児童対策にも大きく影響をもたらすものと感じます。また、保育需要の増加は小学生を利用対象とする学童クラブの需要とも深くかかわってまいります。学童クラブについても、現在民間学童クラブの誘致を進めていますが、保育所などとあわせて区民が安心して利用できる環境を整えていただくことを期待していきたいと思っております。そこで、待機児童解消に向けた定員の確保対策についてお伺いをさせていただきます。

 1番目。平成27年4月の待機児童解消に向け、区は認可保育園や小規模保育事業者募集を行っております。また、利用対象が拡大された学童クラブについても民間学童クラブの事業者募集を行っておりますが、現在それぞれの応募状況はどうなっているのでしょうか。事業者の選定があまり進んでいないように聞いておりますが、選定に時間がかかっている理由は一体何なのでしょうか。御意見を伺いたいと思います。

 2番目。また、保育園や学童クラブなどの施設整備を進めるためには、現在公募で求めている事業者の実績要件などを見直し、事業者が参入しやすい条件に変更すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 3番目。保育園については、待機児童が多いために、今後新たな認可保育園、小規模保育事業が開設されることを大いに期待しておりますが、一方で保育士の確保が懸念されております。保育園の整備により定員拡大を図るとともに、保育の質を担保することも重要であると考えております。参入意欲のある事業者は保育士確保ができる見通しが本当にあるのでしょうか。区のお考えをお伺いさせていただきます。

 4番目。また、新たな保育園等を開設する場合、近隣住民の理解が不可欠であります。マスコミ報道によれば、他の自治体で保育園開設に反対する住民の影響を受けながら運営している保育園もあるようですが、次世代の子どもたちによりよい環境を整え、中野区が子育てに優しいまちであるためにも、保育園開設にあたっては近隣住民へ丁重な説明を行い、理解を得ることが必要であると考えますが、いかがでしょうか。

 5番目。区は、保育園整備の緊急対策として旧宮園土木詰所を活用した認可保育園の事業者募集を開始しておりますが、新たな保育園等の整備を加速させるためには、これ以外にも区の施設や区有地等を積極的に活用していくべきだと考えます。御意見を伺いたいと思います。

 6番目。また、平成27年4月までに既に6カ月を切っております。時間も限られております。今後の状況次第では、4月1日の新園開設は大変に難しいと考えますが、しかし、保育園へ入園できず待機となっている子どもたちや、生後57日に達していないため4月の入園ができない子どもたちのために、27年度の年度途中の開設に向け努力を継続すべきと考えますが、最後に区長の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。

 以上で私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 佐野議員の御質問にお答えいたします。

 空き家対策に関連して、であります。区内の空き家数について、総務省の平成20年度土地建物調査によれば、空き家として扱われる戸建て住宅で約1,700棟、そのうち腐朽・破損している建物が約700棟というふうに理解をしているところであります。

 特別措置法成立後の対応についてであります。これまで他の区の取り組み状況などを参考にしながら区としての取り組みをしてきたところでありますが、今回、法が成立いたしましたことから、今後、国が示すガイドライン等を踏まえ、空き家等対策計画の策定も視野に入れた取り組みを検討していくことになります。

 条例の必要性についてであります。空き家対策につきましては、今後、新たな今回の法に基づいて適切な取り組みを検討していくものであります。また、法律だけでは対応し切れないといったようなことで条例による対応が適切となる、そういったものが生じてきた場合には条例化を検討していきたい、このように考えております。基本的には法の趣旨にのっとって対応が可能なのではないかといったような考え方であります。

 それから、実態把握についてであります。空き家の実態把握については、これまで無接道敷地に存在する建物や危険家屋につきましては全戸調査をしているところです。それ以外の建物についても状況の把握に努めていきたいと考えております。

 対策をしていくための組織横断的な検討体制についての御質問がありました。政策の方向性を区として固めていかなければなりません。所管が多数の分野にまたがっているということでもあります。こうしたことから、まず関連する分野として、企画、建築行政あるいは住宅施策、それから福祉、地域支えあい等、組織横断的な検討体制を早急に動かしていきたいと、このように考えております。

 保育園の待機の問題についての定員確保の問題が御質問でありました。

 事業者募集の状況についてであります。認可保育所につきましては、参入意欲のある保育事業者や土地建物の所有者、仲介業者からの問い合わせが募集数を上回っているところですが、現時点で設置が確定しているのは1施設ということであります。小規模保育事業につきましては、現在、予定する6施設のうち5施設の応募意向が示されているところであります。他の事業者からの相談も受けているところで、予定どおりの誘致が可能ではないか、可能であると見込んでいるところです。

 それから、旧宮園土木詰所の事業者募集に対しては2法人から応募があり、今月中に事業者を選定する予定であります。旧宮園土木詰所を保育所に転用することで、現在募集している賃貸型の認可保育所3カ所程度に相当する150人以上の定員を確保することが可能である、このように考えております。

 保育所、学童クラブともに土地または建物所有者の最終的な意向や、建物の用途変更手続に課題がある等の理由で断念せざるを得ない状況が多いことが、事業者決定に至らない理由でもあります。これまで不動産事業者や業界団体への協力依頼もしてきたところでありますが、さらに情報収集を進めて新規誘致ができるよう努めてまいりたい、こう考えております。

 事業者募集の条件を緩和したほうがよいのではないかと、こういうことであります。保育所、学童クラブの公募にあたっては、運営に関する一定の質を担保する目的で実績要件を設定してきたところでありますが、現在、多様な事業者から質の高い事業提案がなされております。保育の質については、選定段階における運営状況の確認やヒアリングで評価することも可能であると考えております。また、参入意欲の高い新規事業者もあり、事業者参入の公平性を確保する、そういった必要からも条件を見直すことも必要であると考えているところであります。

 それから、保育士確保の見込みについてであります。参入意欲のある事業者は事業規模の拡大を見込んだ採用計画を立てており、保育士養成学校との連携など、それぞれ独自の手段によって保育士の確保を行っていると聞いております。また、事業者選定の中で人材育成の考え方や具体的方法を確認することで保育の質を確保できる事業者を選定することとしております。

 それから、近隣住民への対応ということについてであります。保育所運営において近隣住民の方々の理解が大切であることは認識しているところであります。これまでも区は計画段階から住民説明会を行ってまいりました。また、事業者選定後は、事業者とともに施設の概要や運営方法について説明を行い、近隣住民の理解をいただきながら保育所の設置を進めてきているところであります。今後とも近隣の方への丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。

 区有施設の活用などについての御質問もありました。旧宮園土木詰所の保育施設への転用は、区有地や区の施設全体を対象として検討した中で適していると判断して計画をしたものであります。今後も公有地を含む土地の活用について幅広く検討をしてまいりたいと考えております。

 それから、今後の施設整備についてであります。これまで御質問にお答えしてきましたとおり、27年4月の待機の問題を解決する、このことに向けて最大限の努力をしているところであります。一方、2、3月生まれの児童につきましては月齢が基準に満たず、保育園の募集定員が一番多い4月の入園対象から外れていることから、新規施設等の開設を4月にこだわることなく多様な待機児童対策を進めていることで、当該時期における対象児童が入所しやすくなるよう引き続き努力をしていきたい、こう考えているところであります。

 私からは以上です。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 私からは、工事請負契約におけます総合評価方式についての御質問にお答えをいたします。

 まず、制限付一般競争入札の限度額の拡大についてでございますが、これについては現在業種ごとに実現できるかどうかについて検討中でございます。今後、入札監視委員会の意見を聴いた上で判断をしたいと考えております。

 それから、総合評価方式の決定方法について御質問がございました。翌年度にどのような工事請負契約の入札で総合評価方式を実施するのかの基準につきましては、地方自治法施行令の規定に従い、学識経験者の意見を聞いた上で毎年12月に定めているところでございます。この基準に基づき、総合評価方式で行う具体的な案件については3月に評価選定委員会が選定をしているところでございます。

 それから、施工計画書の審査、学識経験者の構成といった御質問でございます。施工計画書は、総合評価方式実施要綱に基づき、工事所管が評価を行い、評価選定委員会で審査した上で、他の評価項目も含めて落札者を決定しております。意見聴取をいたします学識経験者には入札監視委員会の各委員をお願いしており、その内訳は、大学教授、弁護士、行政経験者のお三方でございます。なお、落札者を決める際の個別案件ごとの意見聴取につきましては、既に基準作成段階で意見を聞いているということから、これら学識経験者から必要ないとの意見をいただいているので実施をしておりません。

 それから、年度途中に簡易型、特別簡易型に該当する工事が必要となった場合の手続でございますが、その都度、年度当初の発注と同様に評価選定委員会で選定し、学識経験を有する方々から意見を聞くことになります。

 それから、評価点全体における価格のウェイトといった御質問がございました。簡易型の工事は、施工計画が必要な比較的大規模な工事が多いため、技術力等の評価のウェイトを高くし、価格のウェイトを低くしております。特別簡易型の工事は、一般的な工事で創意工夫の余地が小さいことなどから、簡易型に比べ、技術力等の評価のウェイトを低くし、価格のウェイトを高くしているものでございます。

 それから、事務量の軽減についてでございます。改正品確法の趣旨を踏まえ、例えば、区内制限で行う工事については、営業拠点の所在地など一部の評価項目について事前登録を行い、申請書の確認を簡素化するなど、入札時に発注者及び競争参加者、双方の事務量の軽減を図るなどの工夫をしてまいりたいと考えております。

〔佐野れいじ議員登壇〕

○21番(佐野れいじ) 再質問をさせていただきます。

 まず、空き家対策について再質問をさせていただきます。空き家対策につきまして、先ほど区長のほうからの御答弁の中で、組織横断的なものをつくってということで、関係分野が非常に多いから、いろんな分野と総合的に判断してということで、「早急に」という表現がございましたけれども、いつどういう時点でという御質問をさせていただいた次第ですので、「早急に」とは非常に表現が難しい面があろうかと思いますけれども、組織をつくる場合にすぐにはできないことは十分承知しております。しかし、関連しているそういう組織をつくっていく上でもう否応なしに、待ったなしに法ができた以上は対応していくというふうにおっしゃっていますので、できれば、早急にという、その表現の「早急に」はいつごろを目安というふうに具体的にお示しをいただきたいと思っております。それがまず第1点目です。

 2番目としまして、工事請負契約について御質問をさせていただきます。工事請負契約の中で、まず1番目に、前回の総合評価方式制限付一般競争入札について、第3回定例会で我が会派から質問を行っております。そのことについて、その後の検討についてどのように検討してきたのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。確かに数か月しかたっておりませんので非常に難しいかもしれませんけれども、どのような検討をしているのかということを具体的にお示しいただきたいと思います。

 以上2点でございます。よろしくお願いいたします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 空き家対策の取り組みについてであります。早急とはいつなのか、いつまでを目指しているのかということであります。

 法が成立する前から区としても一定の検討は行っておりますけれども、法によって対応の枠組み等が定まってくる、そういったような状況でありますことから、どういった施策の体系をつくり出していくのかといったことについて、まず庁内の組織横断的な検討体制において検討をしてまいります。その中で一定の取り組みの方向性を定めた後、実際にその事業を行う幾つかの所管ないしは一つの所管を定めていくということになってまいります。したがいまして、これからその検討体制を動かしていくということになりますと、やはり今年度いっぱいぐらいは、少なくともそういった施策の方向性を固めていくための検討を行っていく必要があるのかと、このように考えております。そうしたことを定めていった上で、来年度以降、具体的な取り組みについて順次定めていきたいと、このように考えております。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 再質問にお答えをいたします。

 制限付競争入札についての検討状況でございますけれども、現在、契約所管内部でどのような限度額にすることが適当であるかという検討をいたしております。いずれにいたしましても、今後入札監視委員会が開かれますので、そこでの御意見を伺った上で具体的な限度額についても決めていくということになろうと思います。

○副議長(やながわ妙子) 以上で佐野れいじ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小 林 秀 明

 1 区立学校の教育と安全対策について

  (1)小学校の英語教育について

  (2)学校の防犯カメラについて

  (3)中学生のAED操作の研修会について

 2 アレルギー疾患対策基本法について

  (1)アレルギー疾患対策基本法について

  (2)仮称「食物アレルギー防災カード」について

 3 タブレット端末の活用について

  (1)障害者に活かすタブレット端末について

  (2)避難所に活かすタブレット端末について

 4 中野駅構内と駅周辺のバリアフリーについて

  (1)中野駅ホームのエレベーターとホームドアの整備について

  (2)中野駅周辺の歩道・通路の段差解消について

 5 学校の跡地について

  (1)旧第六中学校跡地と野方二、三丁目の防災について

  (2)平和の森小学校の移転について

 6 その他

  (1)保育園の待機児童対策について

  (2)その他

 

○副議長(やながわ妙子) 次に、小林秀明議員。

〔小林秀明議員登壇〕

○25番(小林秀明) 平成26年第4回定例会にあたり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。

 質問は、通告の5番は別の機会に譲り、4番の中野駅構内と駅周辺のバリアフリーについてを最初に伺います。取材に御協力いただいた理事者の皆様には感謝申し上げます。

 それでは初めに、中野駅構内と駅周辺のバリアフリーについて、まず、中野駅ホームのエレベーターとホームドアの整備について伺います。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた政府と東京都の連絡協議会の幹事会が開かれ、東京都は鉄道のバリアフリー化などの施策について国の財政支援も受けて推進する予定でございます。報道では、国土交通省の有識者会議が11月17日に交通政策基本計画案をまとめ、鉄道や航空分野などの目標を56項目つくりました。計画は閣議決定される予定です。国交省は、目標達成に向け補助金を出すなど鉄道会社や航空会社に働きかけるとしています。計画案では、全国約9,500駅のうち約3,500駅をエレベーターやスロープなどでバリアフリーにすることを目標とし、ホームドアについては、設置には数億円以上かかり、複数の鉄道会社が乗り入れていると車両のドアの位置が違うなどの課題もあるため、全国の駅の1割弱を目標にしています。転落を防ぐホームドアを設置する駅も今の583駅から800駅に増やすことになります。国交省は、国が3分の1を補助するなどして鉄道会社や自治体に設置を促すとしています。中野駅も2020年の東京オリンピックまでに西口改札が設置され、駅舎のバリアフリー化も進められる予定です。国の基本計画ともちょうどよいタイミングであると思います。この機会にホームドアの設置を推進すべきと考えます。

 平成25年第1回定例会の平山議員の質問に対して、「中野駅につきましては、乗降客数の多さから特にホームドア等の設置が必要である駅という認識を持っております。今後JRに働きかけを行ってまいりたい」と答弁されております。ホームドアの設置はされるのか、お伺いいたします。

 中野駅の西側連絡路及び西口改札の整備に伴い駅構内ホームにエレベーターを設置することになっております。最近では、大型で、救急隊のストレッチャーにも対応できるエレベーターを設置している駅もあります。中野駅にも大型のエレベーターを設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。また、エスカレーターの設置も必要ではないかと考えますが、設置は予定されているのか、お伺いいたします。

 次に、中野駅周辺の歩道・通路の段差解消について伺います。

 中野駅周辺は、近年目覚ましい発展をしてきています。駅周辺の整備にあわせて北口改札の段差の解消、北口から東西連絡路に接続されたエレベーターやエスカレーターの設置など、バリアフリー化を進められています。しかし、一方で、昼間人口の増加により駅周辺の利用者で人があふれ、障害のある方々には危険が高まっているように感じられます。

 現在、区では、中野区交通バリアフリー基本構想の制定に向けて整備構想改定協議会が設置されています。先日も、利用者の視点でバリアフリーに関する問題点や課題の把握のため、高齢者、障害者等の区民を中心としたメンバーで重点整備地区内の「まち歩き」が行われました。中野地区の重点整備地区の「まち歩き」では歩行者等の人の多さにより調査が困難であったと聞いております。

 また、平成14年作成の「なかのバリアフリーレポート」には車椅子ですれ違いが困難な歩道幅2メートル未満、車椅子での通行が困難な傾斜角度5%以上などが記されていますが、これらの駅周辺の課題は12年前からあまり改善がされていません。特に中野通り沿いの歩道幅などを広げることは非常に困難であると考えます。交通バリアフリー法に基づいた道路の移動円滑化整備ガイドラインの規定では、歩車道境界部の段差は標準2センチとするが、視覚障害者の識別性を確保すること等の条件が満たされれば2センチ未満の段差を整備することも可能とするとあります。他の自治体ではこの規定を活用し、2センチメートルの段差を解消している事例が多数あります。区内にはこの事例を活用して段差を解消した事例はあるのでしょうか。お伺いいたします。

 バリアフリー整備構想を改定される中で、段差の解消や歩道の拡幅などについては具体的な改善策を示されるのか、お伺いいたします。

 また、実際には歩道の拡幅や急な勾配の改良は時間を有するものであり、整備されるまでの間、今回のまち歩き調査結果をもとに、中野を訪れる車椅子の方が円滑に移動できるコースをマップ上に記し、ホームページに公開すべきではないでしょうか。お伺いいたします。

 また、駅前から区役所や早稲田通り、四季の都市等、行き先別の安全なコースをわかりやすく示し、駅前に掲示する、また、路面に車椅子マークなどをつけ、マークによって行きたい場所へ誘導するなど安全で円滑なユニバーサルデザインのまちづくりを推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、学校の教育と安全について。

 まず、小学校の英語教育について伺います。

 人口減少社会に突入した日本にあって、高齢化対策はもちろんとして、現在または近い未来の子どもたちが大人へと成長したときに求められる能力の一つは、自国以外の人とのコミュニケーションの力であり、そのためには異文化理解と語学力の習得が求められます。私は、中野の子どもたちの誰もが将来国際的な舞台で活躍する、あるいは日本にあっても国際感覚を持ち合わせた人材へと育つ基礎を身につけてほしいと思います。そして、その第一歩は早い時期からの英語教育にあると考えます。小学校3、4年生からでも遊びながら、聞く・発音・挨拶程度だけでも英語に触れていくことが大切と考えます。保育園等でも英語の発音を遊びながら身につけている園も多くありますが、子どもは成長に応じて環境に対応していき、ノンネイティブがネイティブの発する音を完全に聞き分け、発することのできる限界は11歳ごろまでとの説もあります。教育委員会も小学校3、4年生の児童に対し早期の英語教育を実施する環境をつくってはいかがでしょうか。例えば、四季の都市にある早稲田大学と提携し、学校支援ボランティアによる希望制の土曜英語教室を開催できるようバックアップするなどの取り組みを行っていってはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 文部科学省が平成26年度から開始している小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業の中に英語教育強化地域拠点事業があります。その内容は、小学校における英語教育実施学年の早期化、教科化、指導体制のあり方や中学校における英語による英語授業実施等、初等中等教育を通じた系統的な英語教育の検討にあたり先進的な取り組みを支援するものであり、その成果を今後の英語教育のあり方検討に生かすための事業としています。対象は都道府県の事業であり、今年度の拠点事業公募にあたり小・中学校での実施の検討について都教委から情報提供等はあったと聞きますが、残念ながら中野区は申し込みをしていないようです。文部科学省に確認したところ、来年度予算の概算要求の中に同事業費を増額して対象を拡充することを盛り込んだと聞きます。来年度については区内の小学校の実施を都に求め、国の公募に申し込むことを要請してはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 改定予定の中野区教育ビジョンの中で小学校での英語教育についてはどのような検討がなされているのでしょうか。国の動向を踏まえ、区としての小学校での英語教育の具体的な方針を改定される、そうしたビジョンに示すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 次に、学校の防犯カメラについて伺います。

 中野区では、平成18年より全ての小・中学校に防犯カメラが設置されました。当時、学校への侵入者による痛ましい事件が発生し、東京都では全公立小・中学校防犯カメラ普及率100%を目指しました。中野区では主に正門や通用門等を中心に学校来訪者も含め防犯カメラに映し出され、職員室や事務室にモニターを2台、また録画装置を1台設置しています。また、防犯カメラ以外にも、「さすまた」による不審者対策などが進められ、学校の安全・安心対策への関心が非常に高まった時期でもありました。

 今月、区内小学校で学校飼育の小動物を狙う悪質な事件が起きました。事件後、警察によるパトロールや24時間体制での警戒や学校での集団下校など安全対策が素早く行われました。今回は不審者の侵入経路が防犯カメラからは映る位置ではなく防犯カメラが役に立たなかったこと、また夜間警備も校舎内への侵入ではなかったので作動はしませんでした。

 ここで、防犯カメラ設置より8年が経過し、現在の区立小・中学校での安全対策をいま一度見直す時期が来ているのではないでしょうか。防犯カメラの設置数を含めた安全対策の検証を行うべきと考えますが、お伺いいたします。また、塀の低い学校に対する乗り越えなどの対策が必要と考えますが、お伺いいたします。

 練馬区では、昨年の下校時に起きた事件を機に、子どもの防犯体制の支援を充実させるために警察官OBによる学校防犯指導員を教育委員会事務局に配置、また見守りが必要な学校に民間警備員を機動的かつ効果的に派遣できる体制を今年度から実施しております。中野区もこのような安全対策を推進すべきと考えますが、お伺いいたします。

 また、通学路の防犯カメラについては、第3回定例会で我が会派からも質問させていただき、町会等の協力で設置された町なかの防犯カメラではカバーできていない学校区域があることも指摘させていただきました。通学路の防犯カメラの設置をはじめ、民間警備員の派遣制度など、安全・安心対策を強化すべきと考えますが、お伺いいたします。

 次に、中学生のAED操作の研修会について伺います。

 9月1日は防災の日、9月9日は救急の日です。9月9日の救急の日を前に東京都内で啓発イベントが7日に開かれ、医療関係者らが電気ショックを与えて心臓の動きを正常に戻すAEDの積極的な活用などを呼びかけました。このイベントは、救急や災害救助について理解を深めてもらおうと、毎年厚生労働省や東京消防庁などが開いているものです。今年のイベントでは、AEDの使用が一般の人にも認められてから10年目にあたります。会場にAEDの活用を訴えるステージが設けられました。こうした活動で今までに全国で50万台以上が設置されています。

 さいたま市の教育委員会は、昨年度から実施している市の独自の防災教育カリキュラムをまとめました。災害時には中学生に主体的に人を助ける側に回るよう指導することなど、発達段階に応じた的確な行動をとれるようにすることが狙いです。この教育長は、「震災から何も学ばず、子どもたちに教えなかったら亡くなった人に申し訳ない。特に中学生にはAEDを使えるようになってもらい、災害時には人を助ける側に回ってほしい」と話しています。教育現場で救命救急を学ぶ上で大変重要な視点であると思います。まずは生徒・児童の生命を守る責任ある立場である教職員が応急手当を身に付けていることが肝心であると考えます。教職員は普通救命講習等によりAEDが扱えるようになっていますか。お伺いいたします。

 また、現在、緑野中学校、また第七中学校等では毎年3学年全員に普通救命講習を実施しているとのことです。中野区の全中学校で主体的に応急手当やAEDでの心肺蘇生法を身に付ける講習会を推進していくべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。

 関連して、区有施設におけるAED等の訓練についてお伺いいたします。区の職員は救命講習を受けていますが、区有施設における指定管理者の職員の講習も施設単位で普通救命講習を推進していくべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、アレルギー疾患対策基本法について伺います。

 平成25年度に文部科学省が実施した実態調査の結果では、児童・生徒の食物アレルギーは4.5%の45万3,962人、またアナフィラキシーの既往は0.5%の4万9,855人、「エピペン」保持者は0.3%と、前回の調査に比して非常に増加していることがわかります。この状況を受けて、アレルギー疾患への対策指針を国に義務付けるアレルギー疾患対策基本法が本年の6月、可決成立しました。同基本法では、国、地方公共団体、医療保険者、医療関係者及び学校に対してもアレルギー疾患対策の推進に関する計画の策定を進めるとともに、アレルギー疾患対策を総合的に推進することを求めています。アレルギー対策といっても広範囲であるため、今回は防災対策、備蓄食料に絞って伺います。

 食物アレルギーのある人が被災すると、食物アレルギーのない人に比べ圧倒的に食料に困ることになります。阪神・淡路大震災時にある避難者の方が避難後の1週間に提供された食料を全てメモとして残された記録を拝見しました。お菓子のパンやコンビニのおにぎり、いなりずし、カップラーメンなどが主であり、量もわずかなものでしたが、食物アレルギーを有する方はどれも食べることができませんでした。食物アレルギーを有する方には日ごろよりの「自助の備え」として十分な食料を備蓄する旨のお知らせをする必要があると考えますが、区としても公的な対策が必要であると考えます。

 中野区の地域防災計画には、「区は、災害により平常時のライフラインや市場流通機能が被害を受けた場合でも、避難者の生命を守り、安心・安全を確保するため、水、食料、毛布等の生活必需品を確保し、避難者へ供給する。確保にあたっては、避難者の多様なニーズに応えるため、高齢者、障害者・児、乳幼児などの災害時要援護者、また男女のニーズの違いについて一定の配慮を行う」とあります。備蓄食料については、食物アレルギーがある人、また離乳期の乳幼児、高齢者など、「食の要援護者」も含めて、誰もが安全に食べることができるものを基本に備蓄することが肝要と言えます。そこで、地域防災計画の中の避難者の多様なニーズに「食の要援護者」であるアレルギー疾患を有する方への対策を盛り込むべきと考えますが、お伺いいたします。

 現在、区の備蓄食料については、アルファ化米やおかゆ、粉ミルク等の備蓄がありますが、アレルギー対応のアルファ化米、おかゆ、粉ミルク等の条件を付していません。災害時におけるアレルギー対応のための食料を備蓄するため、備蓄食料の条件にアレルギー対応を明記すべきと考えますが、お伺いいたします。

 さらに、備蓄食料の一覧を現在区はホームページで公表していますが、アレルギー対応食であるのか否か、また食品の食材表示がなされていません。我が子が食べられる食料であるか否かを事前にお知らせすれば、安心を与えるとともに事前の自助の備えにつながります。ホームページ等でのアレルギー対応食の有無、食材の公表をすべきと考えますが、お伺いいたします。その際、食材の表示が義務付けされている7品目に加え、表示の推奨されている20品目についても表示すべきであることも添えておきます。

 愛知県西尾市では、防災訓練時にアレルギー対応食の炊き出しを行っています。豚汁やアルファ化米の試食とともに、原材料の表示や食材の選択によってアレルギーのある人でも食べられることを説明し、防災会や地域の皆様に理解を求めるとともに本人や御家族の安心となっています。災害訓練時にアレルギー対応の「食の訓練」を盛り込むべきと考えますが、お伺いいたします。

 次に、(仮称)食物アレルギー防災カードについて伺います。

 (仮称)食物アレルギー防災カードとは、アレルギー疾患を有する方が食べられない食材情報やアレルギー反応が起きた場合の症状や服用の薬を書き込んだカードを携帯することにより、緊急時、また災害時に周囲の方に助けをお願いするものです。災害時に保護者と離れ離れになり、ひとりぼっちになってしまったアレルギー疾患を持つ子どもであっても、周囲の人に気づいてもらえるようにと考えられたものです。保護者用のカードは子どもに食物アレルギーがあることを周囲にきちんと伝えるなど、避難所生活のポイントを書き入れられ、アピールしなければ助けてもらえないというメッセージもあり、災害時の被災経験から生まれています。中野区においても(仮称)食物アレルギー防災カードを推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、障害者に活かすタブレット端末について伺います。

 タブレット端末の普及は目覚ましいものがあり、その可能性は年々広がりを見せています。国もIT戦略本部の新たな情報通信技術戦略の教育分野の中で、児童・生徒1人1台の各種情報端末・デジタル機器等を活用したわかりやすい授業を目指すとしています。教育現場の中で特に成果が見られ始めているのが障害児の学習に対する活用です。現在、中野区立小学校ではICT機器を使用した教育が進められていますが、特別支援学級や通級指導学級でその活用は遅れているように感じます。文部科学省の「障害のある児童生徒の教材の充実に関する検討会」では、「タブレットパソコンは場所を選ばないという点でインクルーシブ教育を進めていく上で障害のある児童・生徒にとって効果的な教具となりえる。」「ことばの教育の通級指導教室で個人用タブレット端末は効果が出るので整備をお願いしたい」との意見があります。中野区においても通級指導学級でタブレット端末を活用した教育を実施すべきと考えますが、お伺いいたします。

 また、ICT教育には教員の対応能力が欠かせませんので、あわせてICT教育の研修も行うべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 次に、避難所で活かすタブレット端末について伺います。

 JCN中野により区内小・中学校全校に無線アクセスポイントが設置され、Wi-Fi機能が搭載された機器であれば、災害時に通信キャリアに関係なくインターネットを利用できる環境整備が整いました。しかしながら、せっかくの通信インフラ整備に対して区として災害時における活用の方策は定まっておりません。

 そこで、特に区立小・中学校における避難所でのタブレット活用について伺います。

 去る11月8日、東北大学病院が開発している「宮城モバイル・アセスメントシステム」の実証実験が行われました。このシステムは、東日本大震災での経験を生かし、水やトイレ等の衛生環境、食料、妊婦や小児科ニーズ等、医療に必要な項目について、スマートフォンやタブレット等のモバイル端末で入力可能なアプリケーションとなっています。これにより災害時に発生した多くの人員による膨大な事務量の軽減も図られることになります。

 区は、現在、災害時要支援者名簿に基づく個別支援計画の作成を行おうとしております。要支援者の安否確認はもとより、避難所への避難が行われた際に、専用アプリの開発とタブレット端末の活用により避難してきた要支援者の情報を避難所で一瞬にして知ることが可能となります。大規模災害時の混乱を避け、要支援者に安心して避難していただくために、現在、小学校に配置されている教育用のタブレット端末の活用を図ってはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 また、タブレット端末を活用した災害対策では、災害対策本部と避難所の連携として事例も多くあります。避難所内や周辺について写真や現場の状況が把握されるようにフォーマット化された様式を災害対策本部に送信し、情報共有を図る仕組みについても導入を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 大規模な自然災害を想定した佐賀県の総合防災訓練が今年の5月18日に行われました。その際、聴覚障害者への対応としてタブレット端末を使った遠隔手話通訳訓練が行われたと聞きます。区も聴覚障害者がタブレット端末を利用して、福祉施設等と相互通信により連携がとれるようにしてはいかがでしょうか。障害のある方が少しでも安心できる体制づくりを図るべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いして、この項の質問を終わります。

 最後に、その他として、保育園の待機児童対策について伺います。

 区は、平成27年4月の待機児童解消を目指して、平成26年第3回定例会において補正予算を組み、認可保育所と小規模保育事業の事業者募集を行っていますが、他の自治体でも同様に事業者を募集していることや、建物などの所有者と保育事業者との調整に時間がかかることから予定どおりに計画が進んでいないと考えます。しかし、待機児童の解消は区の重要な課題であります。区はこうした状況から、旧宮園土木詰所を活用して新たな認可保育所を整備することにしました。その迅速な対応を高く評価いたします。

 しかし、平成27年4月入園の申し込み受け付けが既に始まっております。旧宮園土木詰所を活用した保育園が平成27年4月に開設するのであれば、申し込みを済ませた方々が旧宮園詰所を活用した保育園の入園を希望する場合は変更が可能なのでしょうか。伺って、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小林秀明議員の御質問にお答えをいたします。

 私のほうからは、中学生のAED操作の研修会に関連して、指定管理者の質問に対する救命講習の御質問からお答えをさせていただきます。指定管理者においても定期的に職員に対する救命講習を実施しているところであります。今後とも区職員と同様に指定管理者においても職員に対する救命講習を定期的に実施し、施設利用者の安全を確保できるよう指定管理者に対して働きかけてまいります。

 次に、アレルギー疾患対策基本法に関連する御質問であります。

 アレルギー疾患対策の地域防災計画への反映についてであります。アレルギー疾患対策基本法に定められた地方自治体の責務として、アレルギー疾患を有する方への対策についても地域防災計画の中に反映してまいりたいと考えております。

 それから、備蓄食料のアレルギー対策の条件づけについてであります。備蓄食料については、一部アレルギー物質である27の原材料を含まないものを備蓄しておりますが、これまでアルファ化米や粉ミルクの購入に際しアレルギー対応の条件を付しておりません。今後は備蓄品目ごとにアレルギー対応の条件に沿った備蓄食料の更新も行ってまいりたいと考えております。

 それから、備蓄食料一覧へのアレルギー対応食等の表示、公表についてであります。アレルギー物質を含む原材料は多数あります。どのようにしたらこれらの原材料の使用の有無等を、備蓄している食料全てにわかりやすく表示して公表することができるのか検討していきたいと考えます。

 それから、防災訓練の際にアレルギー対応食の炊き出しを行ってはどうかと、こういうことであります。現在も訓練時に備蓄品を試食して体験していただいているところですが、今後、使用されている原材料もあわせて周知を図ってまいりたいと考えております。

 アレルギー防災カードといった御提案でありました。アレルギーのある方々は自分がアレルギー反応を起こす食物を理解している場合も多く、既にアレルギーがあることを示すカード等を携行している方もいると聞いております。食物アレルギーを知らせるカードの内容、様式等を確認して普及について検討してみたいと考えております。

 それから、タブレット端末の活用についてのうち、避難所におけるタブレット端末の活用による情報整理についてであります。避難所における情報整理にタブレット端末等パソコン類が活用できれば災害時避難行動要支援者の名簿整理等、避難所における情報整理に有効活用できる可能性があるわけであります。現在は電力や通信が途絶えた状況を想定し、アナログによる集計や無線による通信を整備しているところですが、タブレット端末等は電力や通信が可能な環境であれば有効な手段となり得ると考えられますので、他の用途で学校に配備されているものの活用等も含めて今後検討してまいります。

 それから、避難所と災対本部のタブレット端末による情報共有についてであります。タブレット端末等で通信ができるように回線が使用できるような場合、現状で行う無線ファクスを用いた報告用紙の送受信の代替や写真の送受信等、避難所と災害対策本部の間の有効な情報伝達手段になるものと考えております。本部側の受信態勢も整備することが必要であり、導入の可能性について検討してみたいと考えております。

 それから、避難所における聴覚障害者のタブレット端末の活用についてであります。避難所には聴覚障害者の方との意思疎通のためにコミュニケーションボードを配備しているので、短期間の避難生活であればこれを活用していただくこととしております。避難所の備品や福祉施設等に避難所との通信を目的としたタブレット端末等について、現状ではなかなか配備し切れないわけでありますが、アプリケーションがあれば非常に使いやすいものであると考えられるものであります。ただし、一定のシステム開発から始めなくてはならないため、今後十分に検討をしていきたいと考えております。

 それから、旧宮園詰所を活用した保育所への入園希望についての御質問であります。既に利用の申し込みを済ませた方に対しては個別に御案内の通知を送付して、変更希望ができる旨、対応させていただきたいと、このように考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 区立学校の教育と安全対策についての御質問です。

 まず、小学校3、4年生の英語教育事業の推進についてです。現在も小学校におきましては、5、6年生における外国語活動や大学と連携した形での国際理解教育に取り組んでいるところでございます。3、4年生の外国語活動のあり方につきましては、区内の大学生や留学生の活用を含め研究していきたいと考えております。

 次に、文部科学省英語教育強化地域拠点事業への申し込みについてです。本事業につきましては、小学校、中学校、高等学校とその設置者を越えての実施であること、必ず都立高等学校と連携すること、学習指導要領の教育課程の基準によらない特例を認める小学校であること、小・中・高等学校への教育課程の円滑な移行を通して教育内容の高度化を目指すこと、小学校3、4年生においては年間35時間以上の実施が求められており、時数確保等が困難になることから、中野区の現状としては実施は難しいと考えております。

 次に、改定予定の中野区教育ビジョンにおける英語教育についてです。社会のグローバル化への対応として英語教育については中野区としても一層充実していく必要があると考えております。今後は教員研修の内容を見直し・改善することにより、英語教育に携わる教員一人ひとりの指導力の向上を図り、英語の授業を充実させていきたいと考えております。なお、小学校での英語教育の具体的な方針につきましては、現在も文部科学大臣が中央教育審議会に3、4年段階から指導を諮問するなど、さまざまな動きがございます。国の動向を踏まえながら研究し対応していきたいと考えております。

 学校の防犯カメラについてです。

 まず、カメラの効果の検証と安全対策です。学校の防犯カメラは、不審者が学校に侵入しないよう通用門に基本的には設置をしております。これまで、防犯カメラは学校への訪問者の確認などに活用され、また「防犯カメラ作動中」の表示により侵入者の抑止力となり、子どもたちの安全対策が図られてきたと考えております。また、防犯カメラの設置数につきましては、学校施設の状況により増設している学校もございます。今後も学校施設の状況やさまざまな意見を踏まえ、安全対策について検討していきたいと考えております。

 警察官OBの配置や民間警備員の派遣についての御質問でした。登下校時の通学路における児童の安全確保につきましては、現在、安全管理員を配置するとともに、PTAや町会・自治会、商店会等による防犯パトロールや登下校時の見守り活動、そして警察OBが配置されている青色灯――青パトです――青色灯防犯パトロールカーにより対応しているところでございます。また、必要に応じて警察OBの危機管理担当部長の助言や警察との連携を密にしており、こうした取り組みにより児童・生徒の安全確保に努めてございます。

 通学路への防犯カメラの設置です。東京都が設けました東京都通学路防犯設備整備事業は、通学路に防犯カメラを設置することにより学校と地域等が連携して行う登下校時の見守り活動を補完し、自治体が実施する通学路の安全対策に資することを目的としてございます。通学路の安全の確保につきましては、都の補助事業を活用した防犯カメラの設置について現在検討しているところでございます。

 続きまして、中学校のAED操作の研修会についてです。

 教員の操作技能についての御質問です。区では毎年、区内の教員を対象に安全研修会、普通救命講習を実施し、全教員がAEDを操作できることを目指してございます。また、各小学校におきましては、独自に、プール指導前に、校内研修会として消防署の協力を得てAEDの操作を含めた心肺蘇生法講習を実施しておりまして、全教員が操作できるようにしています。なお、昨年度、第八中学校におきまして、本講習会を受講した教員がAEDを適切に使用することにより1人の生徒の命を守ることができました。当該教員は消防庁から表彰を受けるとともに、区内教員及び児童・生徒はその効果を実感したところでございます。

 また、中学校におけるAEDを扱った授業、講習会の実施です。本年度は、緑野中学校、第七中学校のほか、中学校全11校において主に3年生を対象として、区内の消防署と連携した普通救命講習を実施しております。今後もその充実に努めてまいりたいと考えております。

 最後に、タブレット端末の活用につきまして、通級指導学級におけるタブレット端末の活用についての御質問です。学校の授業におけるタブレット端末の有効活用につきましてはさまざまな実践研究がなされてございますが、通級指導学級における活用につきましてはまだ研究段階であると認識をしております。今後、情報収集に努めながら研究をしてまいりたいと考えています。授業でICTを活用するためには教員のICT活用能力の向上も重要であると考えておりまして、研修については引き続き計画的に実施する考えでございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、中野駅構内と駅周辺のバリアフリーについての御質問にお答えをいたします。

 まず、中野駅のホームドアの設置についての御質問でございます。今後、中野駅の整備の進捗にあわせまして、鉄道事業者としてホームドアを早期に設置するよう、より一層JRに強く働きかけてまいりたいと考えております。

 続きまして、歩道と車道のフラット化の事例についての御質問がございました。歩車道境界部の段差について標準2センチであり、2センチ未満の段差でも整備を行った事例につきましての御質問でございます。中野区ではそのような事例はございませんでした。

 続きまして、中野区交通バリアフリー整備構想改定にあたっての御質問でございます。現行の交通バリアフリー整備構想では、重点整備地区においてバリアフリー化に取り組むべき経路を示し、経路ごとに具体的な整備事例を示しており、改定後も同様に示す予定でございます。

 次に、車椅子利用者への情報提供について御質問がございました。車椅子で円滑に移動できるルートのホームページでの公開や駅前での車椅子利用者への情報提供など、効果的な情報提供のあり方について検討してまいりたいと考えております。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 中野駅ホームのエレベーター等整備についてお答えをいたします。

 ホームエレベーターの設置はバリアフリー動線の整備であるため、鉄道事業者が主体となり国や都の基準に従って実施されるものでございます。中野区ではストレッチャー対応のエレベーターの設置がより望ましいと考えており、協議をしていきたいと考えております。

 また、エスカレーターの設置につきましてはバリアフリー動線の整備には該当しないものでありますが、同様に協議をしていく考えでございます。

○副議長(やながわ妙子) 以上で小林秀明議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時20分休憩

 

午後2時40分開議

○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 か せ 次 郎

 1 保育行政の充実について

  (1)待機児ゼロ対策について

  (2)子ども・子育て支援新制度について

  (3)その他

 2 公園の設備・管理について

 3 中野駅周辺整備について

  (1)中野駅地区整備について

  (2)中野三丁目地区まちづくりについて

  (3)中野駅南口地区まちづくりについて

  (4)その他

 4 その他

 

○議長(伊東しんじ) かせ次郎議員。

〔かせ次郎議員登壇〕

○40番(かせ次郎) 2014年第4回区議会定例会にあたりまして、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。

 まず初めに、保育行政の充実について伺います。

 「このままでは退職しかない。何とかしてほしい」という、子どもを認可保育園に預けることを認められなかった父母が異議申し立てに役所に押しかける、こういった事態が今年の3月に都内各地で起こりました。中野区でも父母の代表が区長に対し、希望者が全員入れるよう改善を求める申し入れが行われました。中野区の4月1日現在の待機者数は旧定義で635人であり、待機児童の解消は喫緊の課題となっております。

 まず、待機児ゼロ対策について伺います。

 日本共産党議員団は、待機児解消は認可保育園の増設を基本にすべきであると、区に求めてまいりました。区が待機児解消のために認可保育園の増設に踏み出したことは評価します。しかし、マンションの一角や店舗の2階などに開設する賃貸物件が大半なので、近くに公園があればよいとされ、園庭の有無は条件になっていません。子どもの育ちには情緒や基礎体力をつけるために広い場所が必要で、園庭はその役割を担うものであり、幼児保育の実践には園庭が必要との専門家の指摘もあります。

 日本共産党東京都議団は、今年の7月、舛添知事に対し、認可保育園の増設に向けた都有地の活用を抜本的に促進すること、都有地の払い下げには現行の5割減額からさらに大幅に引き下げることなど、拡充することなどを内容とする申し入れを行いました。この申し入れを受け、都は遊休都有地の公表を行い、区町村の要望に応えようとしています。

 国有地についても、施設の移転や廃止の情報に気を配り、用地確保にあたること。また、廃校になった跡施設の活用など、区有地についても検討すべきです。区は、今後の対応も含め、国有地や都有地、区有地空き情報などを活用して園庭のある認可保育園の増設を進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、子ども・子育て支援新制度について伺います。

 まず、保育料問題について伺います。子ども・子育て支援新制度における保育料については、世帯の所得状況等を勘案し、国が定める水準を限度として実施主体である区が定めるものとしています。中野区では、中野区子ども・子育て会議の意見を受けて新制度における保育料を検討し、第1回区議会定例会に条例案を提出する予定となっております。子ども・子育て会議の中間のまとめでは、認可保育所保育料について現行の保育料水準の利用者負担の総運営費に占める割合が低いとして、国の基準額まで引き上げる見直しが必要だとする意見もありました。しかし、平成26年度の中野区の認可保育所の一人あたりの月額保育料は4歳児の児童の最高額で2万4,800円、国基準の保育料は月額3万4,270円で、その差額9,470円が引き上げとなります。消費税の引き上げや公共料金の引き上げ、実質賃金の目減りなど、子育て世代の生活実態は厳しいものがあり、保育料の引き上げは耐えがたい負担となっております。区は、保育料の負担を軽減するために区の負担を維持し、国基準の保育料に合わせることなく現行の料金水準を維持すべきです。答弁を求めます。

 次に、小規模保育事業について伺います。

 ゼロ歳から2歳児対象の小規模保育事業は、利用定員が6人から19人以下の保育所はA型とB型に、10人以下はC型に区分されています。A型は保育者全員が有資格者の保育士ですが、B型は保育士が2分の1以上であればよいとされています。同じ規模の保育所であるのに保育士の比率が違えば保育の質の低下や保育の格差が懸念されます。現在、都制度の認証保育所の保育士は6割以上とされており、せめてこの水準まで引き上げるべきではないでしょうか。認可保育にあたってはA型施設を基本とし、B型施設についても保育士資格5割にとどめることなく、有資格者の確保に努められるよう支援すべきです。答弁を求めます。

 次に、家庭的保育事業について伺います。

 これまで家庭福祉員が行ってきた家庭的保育事業は弁当持参でした。新制度では給食の提供が基本となっております。5年間の猶予期間が設けられたものの、自園調理を行うためには調理設備の整備、調理員の配置が必要となります。家庭的保育事業については、施設内調理が行えるよう物的・人的支援を行うべきです。また、連携施設からの搬入が考えられていますが、具体的な支援策を明示すべきです。あわせて答弁を求めます。

 次の項に移ります。公園の設備・管理についてです。

 中野区は160カ所の公園があります。地域の公園は憩いの場であり、遊びの場所である公共の空間です。こういった場所だからこそ安全性や快適性が求められ、そのための設備が整えられています。中野区では、老朽化した公園トイレについて順次改修工事を行い、遊具やベンチなどの公園設備についても随時点検しているとのことですが、トイレが汚い、臭いといった苦情が聞かれます。

 せんだって、私は近所の公園を見て回りました。中央四丁目のいちょう公園や中央五丁目の中央西公園は保育園児のお散歩でよく使われている公園です。ところが、ペンキがはがれ、さびや凸凹ができている滑り台や、軸受けの油分がなくなりすり減ったブランコなどが目につきます。遊具の点検・管理は子どもたちの安全にかかわるものです。また、ベンチも薄汚れ、一部だけがプラスチックの板で補修したもの、既に朽ちかけてささくれ立っているものもありました。座るのも敬遠したくなるようなものもありました。この際、区内の公園を一斉点検し、危険と思われる設備について修繕すべきです。答弁を求めます。

 子どもを遊ばせる公園でトイレがないのは不便といった声もあります。現在、トイレのない公園は約60カ所であります。せっかく砂場や滑り台などの遊具がある公園でもトイレがないためにあまり使われていないというのでは困ります。公園トイレは臭い、汚いといったイメージから近隣からの合意が得られにくい施設ですが、子どもに限らず、誰にでも必要な設備です。公園にトイレを設置するためには場所の選定にとどまらず、地域住民の皆さんの理解を得ながらつくっていくといった努力が必要です。区は誰もが利用しやすい公園とするため、トイレのある公園を増やす努力をすべきです。答弁を求めます。

 次の項に移ります。中野駅周辺整備についてです。

 党議員団は、身の丈を超えた計画が福祉や教育、暮らしに係る施策に影響を及ぼすこと、超高層のまちづくりが風害やヒートアイランド現象の誘発など環境破壊につながること、駅周辺に偏重した再開発は中野区全体の経済効果に及ばず、地域格差を拡大することなどを懸念しています。中野駅周辺地区に係る中野駅地区、中野駅南口地区、中野三丁目地区の都市計画案が来年の1月中旬には都市計画審議会に諮問され、3月には都市計画決定がされようとしていますが、区民からは不安や疑問の声が聞かれています。その中から何点か伺います。

 まず、中野駅地区整備について伺います。10月10日の中野駅周辺地区等整備特別委員会では、9月30日には中野駅西側南北通路・橋上駅舎に係る基本設計の協定が締結された旨、報告されました。設計費用の概算は2億5,000万円、うち区負担は1億6,000万円で約64%、JR負担は9,200万円で36%に過ぎません。今後は実施設計、施工、管理の協定が図られていきますが、それぞれの負担割合はどうなるのでしょうか。また、総額は幾らになるのでしょうか。区民への説明会では区の財政負担を心配する意見が多数出されましたので、お答えください。

 次に、中野三丁目地区まちづくりについて伺います。

 この計画は、新たに整備する中野駅西側南北通路における南口の受け口となる中野三丁目広場の整備とそこから桃丘小学校跡地に係る地域を整備するものです。小学校跡地は円滑な事業執行に資するとしていますが、土地区画整理事業の換地の分を除いても広い土地が残されます。計画では土地の有効活用を図るとしています。

 まず、旧桃丘小学校跡地施設について伺います。旧桃丘小学校跡地施設は、中野三丁目にコミュニティーづくりのための公的拠点を確保してほしいとする議会の陳情採択を受けて、2011年に学校法人タイケン学園との間で締結された協定に基づき、中野マンガ・アートコートとして使用されてきました。この間、施設の一部が地域交流センターとして活用され、防災拠点としても位置付けられてきました。ところが、2016年には期限を迎え、跡地は土地区画整理事業の種地とされます。地域からは、依然として地域の子育て、支えあい、情報提供の場であった桃丘小、桃が丘児童館が廃止されたため、新たな地域コミュニティーの拠点が必要との声もあります。計画の策定に当たっては地域の声を反映するために地域との十分な調整、協議を行うべきです。答弁を求めます。

 また、契約期限が過ぎても可能な限り地域に開放してほしいとの声があります。この声に応えるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、中野駅南口地区まちづくりについて伺います。

 中野駅南口再開発では、駅南口のにぎわいや活力を創設するため、土地の高度利用により業務・商業施設、都市型住宅等の多様な都市機能の集積を図るとして、現公社駅前住宅敷地を中心に、南側に高度制限150メートル、北側に120メートルの超高層ビルを建設する予定です。これは、北口のNTTドコモビルや中野サンプラザを超える、中野区では最も高い建物になります。それだけに環境への影響ははかりしれません。現在、駅前住宅の居住者は120世帯ほどですが、そのほとんどが高齢者世帯です。長い間ここで暮らしてきたが、家賃が安く助かっている。従前居住者用の住宅が建てられても今より何倍もの高い家賃は払えない。立ち退きを迫るなら行政が責任をとってほしいといった声が聞かれています。こういった声にどう応えるのか、伺います。

 計画では、堀江敬老館、旧堀江高齢者福祉センターの敷地は公園用地となっています。この施設はこの地に居住してきた堀江家から寄贈されたものです。その際に、地域の高齢者福祉に役立てること、「堀江」という姓を冠した施設として活用してほしいなどの条件が付されていたと聞いています。故人の遺志は守られるべきです。そのためには計画用地内での施設移転を検討すべきです。あわせてお答えください。

 以上で私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) かせ議員の御質問にお答えいたします。

 待機児対策の問題についてであります。保育園の誘致のために国有地や都有地、区有地を活用していくべきだということであります。区有地の活用についてさまざまな角度から検討しているところであり、今後とも確保に努めていきたいと、このように考えております。園庭を持たない保育施設につきまして、公園利用等、便宜を図るよう検討しているところであります。

 それから、認可保育所の保育料の見直しについてという項目がありました。子ども・子育て会議から、認可保育所保育料水準は総運営経費に占める利用者負担割合が低いことから、国の基準額までの見直しが必要であるとの意見をいただいているところであります。その趣旨を踏まえ、現状の認可保育所保育料に対する区負担による軽減措置を継続することが適切とは考えておりません。現在の保育料の経過措置が終了する平成28年度以降に、負担能力に応じた負担額のあり方や負担の公平化の観点から保育料の見直しを行っていきたいと考えております。

 小規模保育事業の保育士資格についてであります。小規模保育事業は、ゼロ歳から2歳の低年齢児を対象に、利用する子どもと保育者が密接にかかわりながら家庭的な環境での保育が可能であり、保護者にかわる安心感が得やすいというよさ、特徴があると考えています。現在認可外として運営されている施設についても、保育の質を担保しつつ、多様な保護者のニーズに合ったサービスを提供し、かつ全体としてサービスの量を拡充する目的で制度化されたものが小規模保育事業B型であると考えております。小規模保育事業B型については、保育士と区が定める研修を修了した保育従事者とが一体となって保育を行うことで、家庭的で質の高い保育が可能であると考えているところです。区としても、A型と比べてサービスの質に格差が生じるようなことのないよう、必要に応じて適切な指導等を行っていきたいと考えております。

 家庭的保育事業の給食提供に向けた支援についてであります。家庭的保育事業の給食提供については、給食用の食材を分けて保管することや軽食の保存など衛生管理を適切に行うことが必要でありますが、特別な調理設備は求められておりません。家庭的保育事業を行う事業者に対しては5年間の経過措置が認められております。この期間に献立作成や調理員の確保策など支援を行っていきたいと考えております。また、自園調理が困難な場合には近隣の認可保育園などの連携施設からの給食搬入の仕組みを検討し、給食が適切に提供できるようにしていきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、公園の設備・管理についての御質問にお答えをいたします。

 公園遊具等の点検、トイレの設置についてでございます。公園遊具の点検につきましては、区内の公園につきましては職員及び委託業者が定期的に巡回し、遊具など設備の点検を行っております。不具合のあった箇所は適宜補修を行い、老朽化にも対応しているところでございます。また、危険が認められる場合は危険が取り除かれるまで使用させないなど、安全の確保をしているところでございます。

 次に、公園トイレにつきましては、既存の公共施設のトイレとの位置関係など、地域での必要性を考慮しながら今後も配置について考えていくこととしております。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 中野駅周辺整備の御質問についてお答えをいたします。

 まず、中野駅の整備に関して区とJRとの負担割合と費用総額についての御質問がございました。費用は、駅ビルはJR負担であり、南北通路と駅舎は中野区負担となるものでございます。共通部分は適切に按分するということとしているものでございます。費用総額につきましては、現在のところまだ設計が完了しておりませんので、現時点ではお答えすることができません。

 次に、中野三丁目のまちづくりについての御質問にお答えをいたします。

 旧桃丘小学校施設への地域の声の反映についてということでございます。桃丘小学校跡地はUR都市機構による土地区画整理事業と土地有効利用事業によって活用するものでございます。そのため、まずUR都市機構に譲渡するものでございます。区画整理によって土地の形状等は大きく変更をいたします。面積の一部分は広場や道路に置き換わるものでございます。残余の面積につきましては、UR都市機構がよりよいまちづくりに向け活用することとなっております。その際、区として当該地域にどういう機能が必要か、一定の考えを示して協議することとなっております。UR都市機構は事業採算性なども踏まえて用途を判断することになります。事業実施にあたっては、区としては議会や区民の意見なども踏まえてUR都市機構と協議をしていく考えでございます。

 次に、中野駅南口地区まちづくりについての御質問の中で、公社住宅の居住者の声についての御質問がございました。東京都住宅供給公社では都市計画決定後の平成27年度に全居住者を対象にして事業説明会を開催し、建設する公社賃貸住宅の間取り、移転制度、今後のスケジュール等について説明していくこと、また公社住宅の居住者の移転に伴う補償については、公社住宅建替事業の制度を適用する旨の説明を行う、というふうに聞いているところでございます。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、中野駅南口地区まちづくりに関連して、堀江敬老館の御質問にお答えをいたします。

 寄贈者からの寄附目的といたしまして、老人福祉のために使用し、また当該場所の表示中に「堀江」なる文字を冠することを希望するとありますことから、その遺志を尊重すべきとの認識は持ってございます。堀江敬老館の機能につきましては地域に必要である、との認識をしているところでございまして、移転先につきましては、現時点では未定でございますが、何らかの形で近隣に確保していきたいと考えてございます。

○議長(伊東しんじ) 以上でかせ次郎議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 川 直 行

 1 防災対策について

 2 区民活動センター運営委員会事務局員について

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、石川直行議員。

〔石川直行議員登壇〕

○9番(石川直行) 平成26年第4回定例会にあたり一般質問をさせていただきます。

 質問は通告のとおりで、その他はございません。

 まず、11月22日に発生した長野北部地震に際し、被災地、被災された方々及び関係各位に対し改めてお見舞いを申し上げます。

 この地震災害の中では奇跡的に1人の犠牲者も出ず、また火災も発生しませんでした。消防士、消防団、地域住民が一丸となっての救出と、何より火災発生を抑制できたことが大きな原因として地域防災力の大切さを改めて実感させていただく結果となりました。

 そこで、改めて中野区における防災対策についてお伺いいたします。

 過日、11月9日、中野区総合防災訓練が桃園第二小学校で開催されました。あいにくの天気のため内容を大幅に変更いたしましたが、延焼シミュレーションの実演や医師会による災害時の医療解説、障害者防災委員会のお話を伺い、有意義な訓練であったとともに、災害時の初期段階での各防災会の役割の重要性を実感するとともに、避難所が開設された場合の避難所運営を円滑にすることが何より大切であり、救出・救護、その後の復興へとつなげていかなくてはならないと考えます。現在、避難所運営本部には、地域の要望を反映し、避難所運営本部長及び施設管理者、各担当部長の腕章を配備し、徐々にではありますが、円滑な避難所運営ができる体制になってきております。

 そこで、お伺いいたします。避難所、二次避難所施設管理者への防災用具の配備が必要であると認識しております。厳しい財政状況の中、優先順位を明確にして、新しい中野をつくる10か年計画の中に盛り込むべき課題であると考えますが、区の御見解をお伺いいたします。

 次に、区民活動センター運営委員会事務局員の採用方法についてお伺いいたします。

 区民活動センターが本格開設され4年目を迎え、事務局員のいわゆる雇い止めの問題もあり、多くの区民活動センター運営委員会で事務局員の雇用について議論がなされているところかと思います。先月には、区から「区民活動センターの運営委員会事務局員について」と題したペーパーが配られ、各運営委員会において説明があり、その後、区民活動センター運営委員会会長連絡会が開催され、そこでも活発な議論が展開されるところと承知しております。運営委員会として非常に有能な事務局員の雇用を断ち切らなければならないもどかしさや、日本人の情も相まって何とか雇用の継続を願う運営委員会と、多くの方に地域活動に携わってほしい区の方針とのそれぞれの落としどころとして、法の規定に従って6カ月間の空白を設けるならば、同じ事務局員を再び雇用することは各運営委員会の判断に委ねるとの見解が示されたものと考えます。連続雇用は4年までという、これまでの原則は変えないが、6カ月間の空白をあけた後に再び雇用することは労働者と雇用主のバランスをとった法の規定と解釈され、違法・脱法ではなく、かつまた区の方針とも接触しないことから両立するということのようです。この判断は各運営委員会の自主性に委ねるとはしていますが、区からこのような説明がなされれば区の方針または指針と受けとめることになると思われます。この説明を受けて、6カ月の空白の仕組みを利用することとして、一部の運営委員会同士で事務局員をトレードすることが検討されているようで、区としても承知しているかと思います。区は、このトレードも運営委員会の自主性の尊重だと言うのでしょうが、大きな問題が内在していることを指摘させていただきます。

 仮に6カ月の空白を利用した場合、現事務局員が6カ月後に復帰できることを条件にトレードの話をすることになります。もしくは、6カ月後には再び雇用するので、その間は就職をせず、せめてアルバイトにとどめてもらうなどといった方法も考えられるでしょう。1年限りの有期の雇用契約に変更がない以上、公募をしなくてはならないわけですが、そうすると、地域コーディネーター養成講座を修了し、地域の中で本当に働きたいと考えて応募される方にとっては初めから就労の場がない、あるいは狭められることになってしまいます。なおかつ、地域コーディネーター養成講座を修了した方に対してこのようなトレードの方法もあり得る、ということが周知されないとなれば、地域コーディネーター養成講座自体を受ける方がいなくなってしまうおそれすら危惧されます。これでは、多くの方に地域活動に携わってほしいとの、当初からの区の方針にも反することになってしまうのではないでしょうか。

 仮に、公募をするもしないも運営委員会の自主判断でよいとした場合、ただでさえ日本人の情からして、4年までは事務局員が自ら退職の意思を示さなければ雇用継続を断りにくくなるという状況はさらに追い打ちをかけることになるのではないかと思われます。そうなると、連続雇用を4年までとすることによって確保したはずの雇用関係が、1年単位で確実に解消される仕組みを運営委員会側に担保し、その主導性を確保しておくためのルールの瓦解にも至ってしまうと思われます。このように、公募という公正で公平であるための仕組みがないがしろになってしまうのではないでしょうか。

 さらに、6カ月の空白の仕組みとは別のこととなりますが、4年未満の事務局員に対し、運営委員会が事前に意向を把握し、翌年も引き続き事務局員を雇用することを想定の一つとしつつ、公募の準備を進めている場合も実際のところあるかと思われます。こうした事情が結果的に現事務局員の雇用を優先することとなっており、6カ月の空白の仕組みによる現職の事務局員のトレードはこれに拍車をかけるものであり、新規採用者にとってはあまりにも理不尽な仕組みであり、公募が形骸化するものと言わざるを得ません。一般に日本社会においては、官も民も就職活動では求人数がわかっていて、その中で自身が選択をして競争の中から就職先を決めています。しかしながら、現在の運営委員会の採用手続では、どこの運営委員会が具体的にどういう求人をしているのか、わからない状況の中で求職者は応募をしてきます。運営委員会として現在の事務局員がやめることはわかっていても、そのことを登録している方たちに情報として提供することができません。需要側と供給側とで雇用に関する情報量の不均衡な事態が起きております。

 以上のような事柄も踏まえ、事務局員の雇用、公募、採用方法については抜本的な見直しが必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、雇用条件についてお伺いいたします。

 区から配られたペーパーには、雇用条件の改善として、有給休暇の取得制限の緩和や経験者の優遇の提案が盛り込まれています。これまで区民活動センター運営委員会会長連絡会や町会連合会理事会などの公式な場、あるいは町会連合会理事と区長との懇談会でも雇用の改善について協議されたことはないと認識をしております。どのような経緯や要望があり、このような案を示したのでしょうか。お伺いいたします。

 これについても各運営委員会の判断であり、総会議決を経て、就業規則の改正が必要であるとのただし書きがついています。しかしながら、有給休暇の付与日数の上乗せは実質的に賃金単価に差がつく結果になると言えます。就業規則の子細な部分は各運営委員会によって多少表現の違いなどがあるとは思いますが、賃金については15運営委員会原則一律であり、現時点ではそのように運営されていると承知をしております。この前提が崩れることもよしとするという理解でよろしいのでしょうか。ということであれば、就業規則を改定すれば、賃金の改定も各区民活動センター運営委員会の考え方によって粛々とできると認識してよろしいのでしょうか。区の御所見をお伺いし、質問を終了させていただきます。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石川議員の御質問にお答えいたします。

 防災対策について。避難所の施設管理者への防災用具の配付についての御質問であります。避難所等に配備をする装備につきまして、それぞれの施設の状況を把握し検討してまいりたい、このように思っております。御意見も踏まえ、適切な対応を図ってまいります。

 それから、区民活動センター運営委員会事務局職員に関連する質問でございます。

 事務局員の雇用等の見直しについてです。区としては、区民活動センターの運営の委託にあたって公的な業務とし開かれた運営がされるよう、委託先等についての一定の条件を定めて区民活動センター運営指針として示させていただいています。その中では、区民活動センターの運営が公正性、公開性を保たれる必要があるといった観点から、事務局員の雇用について公募の仕組みを取り入れているところです。このことを前提として全て考えていただきたいと、このように考えております。公募については、コーディネーター養成講座の修了という資格条件を持つ方が公平に参加できる仕組みとしておりますが、誰を雇用するかにつきましては運営委員会の主体的な選考によるものであります。

 それから、養成講座修了者への情報提供ということですが、これについては、今後、運営委員会の皆様などの御意見も聞きながら、適切な情報提供のあり方、よりよい方法があるかどうか検討していきたいと考えております。

 それから、雇用条件の改善についてであります。他の運営委員会の事務局を経験した方が別の運営委員会で働く場合の雇用条件を改善して、雇う側、雇われる側の双方にとって採用における選択の幅が広がると、こういう趣旨から区から各運営委員会へ提案を行っているものであります。

 有給休暇の付与日数と賃金単価、これは労働関係法令に照らしても直接関係はありません。有給休暇が多いから単価が高くなるといったような考え方では有給休暇というものはない、こういうふうに考えております。運営委員会の主体性を尊重する立場から、運営委託にあたっての考え方についても随時見直しを図ってまいりました。今後とも賃金単価につきましても、そのあり方も含めて運営委員会の意見を聞きながら検討をしていきたいと、このように考えております。

〔石川直行議員登壇〕

○9番(石川直行) 再質問をさせていただきます。

 雇用条件の改善についてどのようなところから要望があったのか、という質問についてお答えをいただきたいということと、それから有給休暇の付与日数と賃金にはあまり関係性がないのではないか、というようなお答えだったと思いますが、労働日数の変更を運営委員会でした場合、労働日数を区が示している日数よりも上乗せをした場合、そして有給休暇の付与日数を上乗せした場合、有給休暇を使うことによっても労働の賃金は有給休暇を増やすことによって賃金は変わらないわけですから、結果的に月例の賃金は差がつくというふうに理解をしておりますがいかがでしょうか。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 雇用条件の改善についてどこから御要望があったかということですが、私自身が具体的に詳しく承知しているわけではありませんが、実際に働いている事務局職員の方などからの御意見があったというふうに聞いております。

 それから、有給休暇は、賃金の一種、労働の対価として与えられるものではなくて、その労働者の方の健康保持とか、そういったような観点から義務付けられているものということでございまして、賃金との関係で捉えられるといったものではありません。例えば、有給休暇が残ったからお金で買うなんてことはできない、そうしちゃだめよ、というようなきまりがあると思いますけれども、そういったことだと理解していただきたいと思います。

○議長(伊東しんじ) 以上で石川直行議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 伊 藤 正 信

 1 公共施設総合管理計画について

 2 学校・教育行政について

  (1)小中連携について

  (2)3学期制について

  (3)学校事務について

 3 自転車交通対策について

 4 資源回収について

 5 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、伊藤正信議員。

〔伊藤正信議員登壇〕

○33番(伊藤正信) 平成26年第4回定例会にあたり、自由民主党議員団の一員として一般質問をさせていただきます。

 初めに、公共施設総合管理計画について伺います。

 区は、今年度、基本構想と10か年計画の改定に取り組んでおります。人口減少や高齢化の進展など、この10年間の区を取り巻く環境の変化を捉えて、新しい10年後の中野のまちの姿を構想し、持続可能な道筋を描いていくものであります。この基本構想や10か年計画の改定において、今後の区のサービスの内容を検討・構築していくにあたり、重要な課題となるのが区有施設の機能・配置についての再検討であります。既に御承知の事実でありますが、我が国において公共施設の老朽化が大きな課題となっております。厳しい財政状況が続く中にあって、今後の人口減少等によって公共施設のニーズが変化していくことを踏まえて、長期的な視点を持って更新、統廃合、長寿命化を計画的に行い、財政負担を軽減・標準化するとともに最適な配置を実現することが求められており、国は各地方公共団体に対して公共施設等総合管理計画の策定を求めているところであります。中野区においても例外ではなくこの策定に取り組むとしており、今後、施設の更新や長寿命化についての方針が示され、それに基づいた具体的な施設更新の計画等が行われるものと考えています。公共施設総合管理計画の策定にあたってはその前提として区有施設の現況及び将来の見通しを十分に把握することが必要であることから、区は9月に中野区施設白書を作成いたしました。前回の施設白書は平成20年3月に作成されたものでした。6年ぶりの改定ということになります。今回の施設白書の内容における大きな特徴として、区有の建物施設の内容に加えて、前回の施設白書にはなかった道路や橋梁、公園施設を含んだ区有施設総合的なものとなっている点があります。

 そこで伺いますが、なぜ今回は前回には含まれなかった道路、橋梁、公園施設を含めた施設白書としたのかについてお伺いいたします。

 この施設白書によれば、現在区が保有している建物施設数は270施設あり、前回の施設白書の時点よりも37施設減少しており、延べ床面積も50万㎡と前回の施設白書よりも2万6,000㎡ほど減少しています。これは保育園の民営化や学校再編の結果によるものと考えられます。また、前回の施設白書では、築40年以上の施設が269施設中40施設、約15%でありましたが、今回の施設白書では約50%と大幅に増加しており、そのうち約67%を学校が占めているということです。また、建物施設以外については、橋梁が110あり、うち約48%が高度経済成長期の1954年から1973年に集中して建設され、道路の総面積は約169万㎡、公園は160カ所ということです。全体としてこの6年間で老朽化がさらに進んでいる状況が見てとれ、このまま放置すれば施設更新やメンテナンス費用によって財政を圧迫することが明らかな状況です。区は、今回の施設白書で、今後40年間、現在の施設を維持すると仮定した場合の施設更新経費の見込み額を試算していますが、その額は総経費約2,641億円であり、年平均約66億円は直近5年間の施設の更新等に費やされた経費を約20億円あまりも上回る試算結果となっています。

 私は、平成20年の第3回定例会において、前回発行された施設白書について質問をさせていただきました。その中では、区有施設の運営は持続可能な地域社会づくりを実現するために避けて通れない問題であり、老朽化した区有施設を現状のまま維持することは、経常収支比率に影響する区政運営の基礎的な課題であると指摘いたしました。その上で、施設の機能を見直し、施設規模や配置の適正化に区を挙げて検討していくことが必要であるとの指摘を行いました。しかしながら、今回の施設白書を見ると、施設の老朽化状況は前回よりもさらに進んでいることが示されています。早急に公共施設等総合管理計画を策定し、計画的に対応を図る必要があります。

 そこで、伺います。区はこれまでの間どのような検討をされてきたのか。区長は、今後、公共施設等総合管理計画の策定に向けどのように取り組んでいくのか、お考えをお伺いいたします。

 次に、施設の更新について計画的に対応を図るためにはその経費をどのように確保していくのかが財政的に大きな課題となっております。今回の施設更新経費の試算結果を踏まえると、今後の区民ニーズを十分に検討し、施設の機能の見直しや再配置、施設の統合・廃止についても検討を行い、更新経費の圧縮を進める一方で、前回の施設白書においても記載されているように、不要となった建物や用地の売却や貸し付けといった手法も排除せずに検討し、財源の確保策について取り組む必要があると考えます。区は、今後の検討の視点として、区民ニーズの動向を踏まえた適正規模、適正配置の検討のほか、民間サービスの提供手法、さらなる民間活力の導入、施設資産の有効活用を挙げていますが、区はこの施設更新に係る財源を今後どのようにして確保していくことを考えているのか、お答えください。

 老朽化した施設の更新対策には今後膨大な経費が必要であり、早急な対応が必要な今後10年間の重要課題であります。今後、改定の議論が行われる新しい10か年計画においても重要なテーマの一つになってくると思われます。10か年計画の見直しにあたって、この施設更新の課題をどのように反映させていこうと考えているのか、区長のお考えをお伺いいたします。

 次に、学校・教育行政について伺います。

 まず初めに、小中連携について伺います。学校再編計画(第2次)を踏まえ、中学校区を単位としたグループでの小中連携の取り組みを昨年度から実施しております。小学校とは違って教科の担任制、部活、テスト、自主性を求められる活動など、新たな学校生活の中で子どものさまざまな問題が生じる、不安感、不登校、いじめ等、いわゆる中1ギャップを解消させることで、中学校への憧れを持たせて小・中学校の接続をなだらかにする考えであります。また、小中連携教育の柱として、学力を向上させること、学びの連続性を保ち、子どもたちの学力を9年間かけて伸ばす。合同の運動会や合同の体育的事業などの取り組みを工夫して、子どもたちの体力を伸ばす。継続性のある生活指導を通して、地域や家庭と協力して基本的生活習慣の形成や学習習慣の確立を目指して豊かな心を育てることを三つの柱としています。25年度の取り組みとして、教職員の意識改革を図り、各校に連携体制の基盤をつくるとともに、児童・生徒が相互に小・中学校の学習を知る機会を設けるオープンキャンパスを年3回実施することとしておりますが、各学校の取り組みはどのようにされたのか、伺います。

 また、モデル校による先行実施として第七中学校、江原小学校、江古田小学校の3校を学校教育向上事業研究指定校に指定し、小中連携教育をテーマに先行して研究に取り組むこととしておりますが、どのような内容で行われたのか、伺います。

 また、小中連携教育検討委員会を設けて検討されると聞いておりますが、具体的にどのようなことを検討されているのか、伺います。

 小学校教員が中学生向けのTTや補習学習や、中学校の教員が小学校で乗り入れ指導することも大切ですが、小学生が中学校の見学や体験をできること、また中学生が小学校で職場体験をする、子どもたちがそれぞれに乗り入れ体験することが重要なことと思いますが、学校再編計画(第2次)との関係から今後の小中連携教育を教育委員会としてはどのように取り組んでいるのか、お伺いをいたします。

 次に、3学期制について伺います。

 これからの学校は、主体的・自律的に各学校の実態に合った教育課程の充実を図り、子どもたち一人ひとりの可能性を伸ばした、豊かな人間性・社会性や確かな学力、健康・体力などの生きる力を育み、自ら考え、判断し、行動できる人を育てることが求められているとのことで、平成18年までに小学校5校、中学校全校において2学期制を実施し、教育課程の改善やよりきめ細かな指導と評価を行うなど、子どもたちにとってより充実した教育活動の展開を目指すことで、平成20年度から全校で実施いたしました。

 2学期制は、学びのゆとりと心のゆとりを生み出すことで、これまで以上に先生が子どもたちとじっくり向き合い、きめ細かな学習指導や生徒指導を充実させ、学習状況や生活の様子を子どもや保護者の方々にわかりやすくお知らせすることで、子どもたちの確かな学力の向上と豊かな心の育成です。2学期制に移行することで一つの学期が100日前後で長くなり、各学校ではこれまで以上に教育効果の高まりを期して、柔軟で実効力のある教育課程、指導計画等を編成することが可能になるなど、新しい計画に基づいて各教科の単元やまとまりごとに適切な評価を行ったり、きめ細かな指導を実践したりして、子どもたちの学力向上を目指し、また年間授業時数を増加させることによって道徳教育や体験活動などをより一層充実させ、子どもたちに豊かな心を育んでいきます。これまで2学期制を導入して教育委員会としてはどのように検証されてきたのか、どのようなメリットがあり、またどのような課題があったのか、お伺いをいたします。

 最近、一旦2学期制を導入したものの、再び元の3学期制に戻す公立小・中学校が徐々に増えていると新聞報道がありました。東京都狛江市の狛江第三中学校の平岡校長は、8月27日、2学期の始業式で、「夏休みはしっかり過ごせましたか。今日から2学期です。気を引き締めて頑張りましょう。」と約240人の生徒に呼びかけました。この時期に始業式を行うのは9年ぶりです。狛江市は、2006年度、全中学校で2学期制を導入しましたが、今年度から3学期制にし、第三中学校でも7月の下旬に1学期を終え、通知表を渡しました。夏休み中に行う三者面談では通知表を見ながら学習の改善点を話し合うことができ、保護者からは好評だったとのことでした。

 文部科学省によると、2学期制を採用する中学校は、2003年度に3%だったものが2009年度には23%まで上昇いたしましたが、その後は減少に転じ、2013年度は20%、小学校でも2011年度の22%から2013年度は21%に減りました。2学期制は学力低下への懸念などから10年ほど前から各地で導入が進み、3学期制に比べ、始業式と終業式、中間と期末テストを1回ずつ減らせるため、年に20時間程度の授業時間が確保でき、学力の向上に生かせるとの期待が広がりました。通知表作成や定期テストに伴う教員の負担を減らす狙いもありましたが、採用した学校からは学期途中に来る長期休みの位置付けが難しいとの意見も浮上し、2008年度の学習指導要領の改定で授業時間が増えたこともあり、3学期制に戻しても必要な授業時数が確保できる認識が広がりました。保護者からもなじみ深い3学期制を希望する声も目立ってきています。

 来年度から小・中学校を3学期制に戻す神奈川県大和市が昨年行ったアンケートでは、保護者の45%の方が3学期制がよいとし、2学期制のままの19%を上回りました。そして、夏休み前に通知表を出してほしい、3学期制のほうがメリハリがつくなどの理由が目立ったようであります。

 学校制度に詳しい教育行政学の金沢大学の田辺俊治教授は、学期のスパンが長い2学期制では、子どもの指導や評価をする際に、単純にできた・できないだけでなく、どう成長するかを意識する利点があった。3学期制に戻してもこうした利点が残るようにするべきだ、とお話しされております。来年度から夏休みを8月いっぱいにするという動きもありますし、学期制との関係はどのようになっているのでしょうか。お伺いいたします。

 以上述べたように、2学期制にしてからの問題点もあり、またメリットもあったかと思いますが、2学期制を導入してから6年がたっています。3学期制に戻す検討をしてみてはいかがでしょうか。お伺いをいたします。

 次に、学校事務についてお伺いいたします。

 区立小・中学校における経営支援体制の基本的な考えとして、副校長に集中する業務の負担軽減を図り、各学校でより効率的かつ円滑に学校運営・学校経営が行えるよう、学校長の経営を支援する組織づくりの一環として、学校用務業務の委託にあわせて区の係長級職員を各学校に配置する。教育委員会事務局や区の関係部署とより密に連携を図りながら事務執行にあたり、学校と地域連携を進め、地域に根差したより質の高い教育活動を目指すこととしております。新たに配置する区職の係長職員、中学校11校においては11名の学務担当主査になっておりますが、それぞれの役割と位置付けはどのようになっているのか、伺います。

 また、学務担当主査が配置されたことにより、副校長、都職事務職員、校務主事とのそれぞれの事務分掌はどのようになっているのか、伺います。

 学務担当主査が担う業務は多くあると思いますが、いずれも各担当と密に情報交換をし、連携をとりながら効率的かつ適正に事務処理を行うことが期待されておりますが、主査配置によってどのような効果があり、また問題や課題などもあったのではないかと思います。どのように検証されたのか、お伺いいたします。検証結果においては今後見直しや改善を図らなければならないと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。

 今現在、学校用務業務委託と区職事務職員の配置については中学校だけ実施されておりますが、今後、各小学校への導入計画はどのような計画をされているのか、お伺いをいたします。

 以上で学校については終わります。

 次に、自転車交通対策について伺います。

 自転車は、子どもから高齢者まで幅広い年齢層で利用されている最も身近な交通手段であり、二酸化炭素を排出せず、地球環境にも健康的な乗り物として省エネルギーの観点から、また災害時の手段としても注目され幅広く利用されております。しかし一方で、駅周辺や道路等への放置、近年大きな社会問題となっている交通ルールを守らない利用者の増加、自転車がかかわる事故の多発など、解決していかなければならない課題も多くあります。

 そこで、中野区の自転車交通対策について、何点かお伺いいたします。

 区内でも、近年自転車販売店が増加されていると思いますが、区内の自転車保有台数は何台あるのか、把握されている台数をお伺いいたします。

 通勤・通学や買い物など、あるいは健康づくりの一助としてさまざまな目的や場所で利用されておりますが、同時に放置自転車の台数も増えていると思いますが、現状はどのようになっているのでしょうか。伺います。

 また、放置自転車規制区域外の住宅、店舗等の敷地内、私道などの私有地などにも最近多く迷惑放置されているのが実情であります。区はどのようにして対応されているのか、伺います。

 次に、自転車駐車場の整備と運営について伺います。

 現在、区内13駅周辺に29カ所、収容台数1万5,700台の自転車駐車場を設置しておりますが、地域によっては利用率が低いところもあると思います。利用率についてどのように分析されているのか、伺います。

 また、今後は中野駅周辺のまちづくり整備計画の進展に伴う駅周辺の開発により、まちとしてのあらゆる面で需要や形態が大きく変わっていきます。企業や大学への通勤・通学者、中野四季の森公園への来園者に伴い中野駅周辺の自転車の乗り入れ台数も増加しておりますが、今後の中野駅周辺の自転車駐車場計画はどのようになっていくのでしょうか。伺います。

 また、西武新宿線の連続立体交差事業では、中井駅から野方駅区間が都市計画決定されたことにより、区としても新井薬師前駅及び沼袋駅周辺を都市計画決定され、今後は駅周辺のまちづくりの進展にあわせて、適正な自転車駐車場の整備や配置について考えていかなければならないと思いますが、これらの自転車駐車場計画をどのようにしていくのか、伺います。

 次に、自転車利用の交通安全について伺います。

 交通事故発生件数の約4割が自転車関連事故となっております。中には高額な損害賠償等の民事責任を負う事例が近年特に増加しております。昨年、小学生の自転車が歩行者の女性と衝突し、被害者の女性は寝たきりの状態になり、神戸地裁では9,500万円の賠償命令が出た判決があり、東京でも2008年に男子高校生の自転車が車道を斜め横断し、対向車線の自転車と衝突し、被害者は後遺症が残り、東京地裁は9,300万円の賠償命令を出されました。

 東京都の自転車条例では、自転車の安全な利用と損害賠償責任保険への加入等の努力義務が規定されています。自転車事故が最近多いことから、先般、鍋横地区町会連合会が東京都の地域の底力再生事業の助成金を活用して、区立第二中学校の校庭でスタントマンによるスケアードストレート式自転車交通安全講習会を開催いたしました。走行中の車と自転車が接触する事故の様子や、自転車に乗りながらスマホ、傘差し、イヤホン、2人乗りなどのマナー違反の様子や、内輪差や死角になる場所での事故など、臨場感あふれる演技を見学していただき、参加してくれた生徒や地域の方々に交通安全に対する意識の向上が図られたと思います。こうして自転車利用者への交通安全ルール・マナーの普及・啓発活動は区が警察署、交通安全協会と連携しながら取り組んでいくことが重要だと考えますが、スケアードストレート式交通安全教室を実施していく考えはありませんか。近隣の他の区では予算を計上して年に数回から数十回開催されているところもあります。区の考えをお聞きいたします。

 また、自転車利用の多い武蔵野市では、交通事故全体に占める自転車関連事故の割合が高く、昨年に市内で発生した交通事故の50%が関係していました。市では、自転車事故に遭わない、起こさない「自転車安全利用先進都市」を目指して、平成20年10月より武蔵野市内で自転車を運転する中学生以上の方を対象に自転車安全利用講習会を武蔵野警察署と共催しております。現在、受講者が1万8,000人を超え、好評いただいているとのことです。講習会に参加され、認定を受けた方々には認定証(新規講習の場合には3年間、更新受講は5年間)を交付し、TSマーク附帯保険の助成金1,000円や、今後新設される有料駐輪場をお申し込みの際の抽選における優先的な取り扱いを行っております。講習会受講者の声として、わかりやすく、勉強になり、有意義な講習であった。自転車に乗る全ての人がこの講習を受ける必要があると思った。実際の事故事例を話してもらい、一時停止不注意、信号無視が大事故につながると実感できて大変参考になったなどがありました。中野区としても適切な自転車利用を促すため、利用者の責務を明確にするために、もこうした自転車交通安全利用講習会などをどのように実施しているのか、区内の交通事故を1件でも減らすことにつながる自転車交通安全利用講習会を開催することが大切だと思いますが、お考えをお伺いいたします。

 最後に、資源回収について伺います。

 近年、日本各地でこれまで経験したことのないような集中豪雨、夏には猛暑による最高気温の更新、冬には記録的な大雪による交通機関の途絶など、さまざまな異常気象により私たちの生活に大きな影響を及ぼすような災害が多発しております。こうした異常気象の原因の一つとされる地球温暖化の進行を食いとめ、私たちが暮らす環境を大切に保全していくため、さまざまな取り組みを重ねていくことが必要です。

 中野区では、こうした取り組みの一つとしてごみの減量や資源化の推進に取り組んできました。特に資源回収に関しては、平成19年度に古紙の回収について行政回収を廃止し、区内全域で集団回収に一本化しました。これは、地域の皆様の御尽力、回収業者など関係者の皆様の御協力により他区に先駆けて実現し、誇るべき施策と言えるでしょう。

 さて、現在、区内で資源回収を行っております品目のうち、古紙、びん、缶、ペットボトルの昨年度の回収量を御紹介しますと、古紙は約1万5,000トン、びん・缶は約4,300トン、ペットボトルは約1,200トンとなっております。このうち、古紙については回収量が年々減少していく傾向にあると伺っております。この5年間で古紙の回収量は約1,500トン、率にして約1割も減少していると聞いています。近年のインターネットの急速な普及に伴い活字離れが進行する中、新聞や雑誌の購読が減り、回収量も減っていることが大きな要因と思われます。しかし、ここで指摘したいのは、地域の皆さんが努力して集めた貴重な資源を不当に持ち去る事例が多いことです。古紙をトラックに積み込み持ち去る者や空き缶を袋に詰め込み持ち去る者など、目撃された方も多いのではないでしょうか。最近、私の町内でも空き缶を常習的に持ち去る事例が発生し、警察や区の職員にも応援や協力を求め、持ち去る者へ厳重な注意を行うことで再発しないよう対応したところであります。

 こうした悪質な持ち去りを防ぐため、中野区では条例に持ち去りの禁止規定を設けております。しかし、その禁止規定を有効たらしめ、抑止効果を持ったものとしての罰則規定はありません。そこで、こうした悪質な持ち去り行為を排除するため、条例に罰則規定を設け、毅然とした姿勢を示すことが何より必要ではないでしょうか。これまで日々の努力により積み上げてきた中野区の資源回収の大切な仕組みを不当な持ち去り行為により壊されることがないよう、条例に罰則規定を設けることについて区としての御見解をお伺いいたしまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊藤正信議員の御質問にお答えいたします。

 公共施設総合管理計画に関する御質問であります。

 まず、施設白書の対象施設についてであります。公共施設等総合管理計画における国の策定方針においても、建物施設のほか、道路、橋梁といったインフラ施設の状況も含めて公共施設の全体の状況について把握し、計画を策定することとしているわけであります。今回の施設白書は、公共施設等総合管理計画の一部として区有の施設全体の状況について整理し、経費の総額等を把握した上で、施設の見直しや施設更新や長寿命化といった検討につなげていく必要があることから、区有施設全体を網羅したところであります。

 計画策定に向けた取り組みについてです。前回の施設白書策定時からこれまでの間、保育園の建て替え、民営化や区立小・中学校の再編の機会を捉えて施設の更新等を進めてきました。経常的な随時の維持補修等も行っているところです。さらに、橋梁については、平成25年度に長寿命化計画を策定し、計画的に維持補修を行っているところであります。今後、この間の人口の変動や区民ニーズの変化などの見通しを踏まえ施設サービスのあり方から再度検討し、今後必要な区有施設の機能を見きわめ、適正規模や適正配置の方向性を定めるよう公共施設等総合管理計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。

 施設更新の財源の確保についてであります。計画修繕や施設のライフサイクルコストを見越した更新経費の圧縮を進めるとともに、新たにつくる施設については多様に考えられる民間活力導入の手法なども活用してまいりたいと考えております。また、施設サービスのあり方を再検討し、施設の適正規模や適正配置などの検討にもつなげてまいりたいと考えております。施設の複合化や統合・廃止することにより生み出された跡地等については、売却・貸付も含めた資産の有効活用により施設更新の財源確保に努めていきたいと考えております。財政運営の中で適切に、義務教育基金など基金の積み立てなども実施をしてまいる考え方となっております。

 それから、施設更新の課題の反映についてであります。施設の建て替え・改修にあたっては多くの財源が必要となるため、年度間で平準化させ、計画的に進める必要があります。こういった施設の更新については、今後策定する公共施設等総合管理計画の議論を踏まえ、新しい中野をつくる10か年計画に反映させてまいりたいと考えております。

 自転車交通対策についての御質問がありました。

 まず、保有台数の把握であります。中野区内の自転車防犯登録台数で把握をしているところです。平成25年12月末日現在で、中野署管内では16万8,675台、野方署管内では16万9,277台、合計をしますと中野区内で33万7,952台の自転車があるということになります。東日本大震災の後、大きく増加をしましたが、この2、3年は漸増傾向といった状況であります。

 これまでは放置自転車の大半と思われる通勤・通学者による放置を対象として撤去等の対応をしてきた効果もあって、平日の午前中の放置は減少してきております。しかし、近年は利用目的等の多様化に伴い平日の午後から夜間及び土日祝日に放置が増加傾向にあり、その対策として撤去時間をずらして行うとともに、土日の撤去回数の増加などの対応を行っております。住宅・店舗の敷地や私道などの私有地については、原則として土地の所有者が自らの責任において撤去等の対応を行っているところです。しかし、不特定の方が自由に通行できる開放された私道については、その土地の地権者全員が承諾をしている場合に限り、区が公道と同様の基準により撤去を行っているところであります。

 自転車駐車場の利用率についてであります。中野駅北口中央自転車駐車場などのように利用率が100%を上回る駐車場がある一方で、鷺宮南自転車駐車場や東中野南自転車駐車場のように利用率が低い駐車場もあります。これは、駅周辺の自転車放置規制区域化により近距離の自転車利用が減少したこと、それから地域の特性として、西武線の南側や東京メトロ丸の内線周辺など、最寄り駅よりもJR中央線の駅を利用する利用者が多いことなどの要因も影響していると考えております。

 中野駅周辺の自転車駐車場の計画であります。中野区自転車利用総合計画においては、中野駅周辺では、今後は自転車駐車場の新設や増設を行うのではなく適正利用と効果的な放置対策を検討するとしております。自転車駐車場は、自転車ネットワークに配慮しつつ、中心部の歩行者優先エリアの外周に分散して配置し、その出入り口は歩行者動線との交差を避けるなど適切な位置に設けていきたいと考えております。

 新井薬師前、また沼袋駅の自転車駐車場の整備・配置であります。新井薬師前駅及び沼袋駅周辺地域の自転車駐車場計画につきましては、西武新宿線の連続立体交差事業を契機とした新たなまちづくりとの整合が図れるよう、今後関係機関と調整をし、適正な収容台数と配置について具体的に検討をしてまいります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校・教育行政につきまして、まず、小中連携教育についての御質問でした。

 昨年度における各校のオープンキャンパスの取り組みにつきまして御質問がありました。中野区では小中連携を推進する具体的な取り組みとして、小学校6年生が中学校の学習や部活などを体験するオープンキャンパスを実施しております。その第1回目は、小学生の中学校訪問による授業及び部活動の見学や生徒会による学校紹介を実施いたしました。2回目では、実際に中学校において授業及び部活動の体験を行いました。3回目は、土曜日の学校公開日に小学生が保護者とともに進学先となる中学校に行き、学習や生活についての説明を受けるなど、4月に向けての心構えを確認したところです。

 次に、第七中学校、江原小学校、江古田小学校の取り組みについてです。この3校につきましては、小中連携教育の研究指定校として、今月21日、研究発表会を行ったところです。3校はそれぞれの研究をもとに、学習指導、生活指導、キャリア教育についての研究を進めました。学習指導におきましては、目的を明確にした計画的な乗り入れ指導の実施や、系統性を持たせた家庭学習の実施、生活指導においては生活規律一覧表や安全教育年間指導計画例の作成や合同挨拶等を行いました。キャリア教育では、特別活動における話し合い活動に関する研究を進めました。この研究発表会において講師からは、3校の研究は学習指導だけではなく学習習慣や生活規律も視点としている。これらは学力向上と密接に関係していることから、3校が進めた研究は大変有効であったとの高い評価を得たところでございます。

 次に、小中連携教育検討委員会についてです。現在、この委員会におきましては、9年間の系統性を持った教育課程の作成や小中の円滑な接続を目指して、中野区における小中連携教育が今後進める5年間の具体的な取り組みについて検討しています。具体的には、小学校の教員が中学校で、中学校の教員が小学校でそれぞれ授業を行う乗り入れ指導の充実や、中学校卒業までに区内の全ての小中学生に読んでほしい図書としての中野の100冊の選定、小・中学校の教員による教育研究会の合同開催等についての検討を進めてございます。

 今後の小中連携教育についてです。今後の小中連携教育につきましては、小学校6年生における教科担任制や各教科領域における小中連携年間指導計画等、9年間の系統的なカリキュラム作成を目指しております。これらの取り組みによりまして各中学校において小中学校の連携教育をさらに推進し、質の高い教育活動を目指していきたいと考えてございます。

 続きまして、3学期制についてです。

 まず、2学期制のメリットと課題です。2学期制の検証は毎年行っている学校教育に関する保護者アンケートの中で行っておりまして、これまでおおむね良好な評価をいただいているところでございます。2学期制のメリットといたしましては、学期が長くなることにより夏期休業日や冬期休業日の直前に学校行事を行うことができるなど、ゆとりある教育課程が編成できることなどがございます。課題といたしましては、児童・生徒、保護者から通知表などの成績を受け取る機会が3回から2回に減るなどが挙げられておりますが、これにつきましては学校が個人面談の実施や補助的に中間の成績を出すことで対応しているところでございます。

 夏期休業日の延長と学期制との関係についてです。教育委員会では、平成27年度、来年度から夏期休業日の終了日を8月31日とする予定でございます。これにつきましては、2学期制のもとで中学生の部活動への配慮や教員研修の充実、児童・生徒への補充的な学習の機会を保障することによる学力向上等を狙いとしているものでございます。

 3学期制に戻す検討を行ってはということです。現在のところ、2学期制は一定の成果を挙げていると考えてございますが、今後さまざまな教育施策を検証していく中で2学期制についても引き続き検証していく考えでございます。

 続きまして、学校事務についてです。各中学校では、学校と地域との連携を進めるとともに、学校経営を円滑に行い、あわせて学校が地域に根差した質の高い教育活動を行うことができるよう、昨年度から係長級職員、学校連携担当主査と称しておりますが、これを配置したところでございます。学校における事務につきましては、予算や文書管理のほか、地域との対応などの教育活動を支援する事務について、副校長の指揮・命令のもと、都事務職員及び学校連携担当主査が連携しながら事務処理を執行しており、校務主事は施設の維持管理等の職務を担っているところでございます。

 この主査配置の効果及び課題等です。この主査の職務につきましては、学校長とのヒアリングや毎月実施している学校連携主査連絡会等におきまして状況の把握を行っているところでございます。配置の効果といたしましては、学校事務や施設設備の維持管理、そして地域との連絡・調整などの事務がより円滑に行われ、今後も学校経営を効率的かつ円滑に進められるよう、主査の役割が十分に機能するよう推進していきたいと考えております。

 最後に、区立小学校への導入についてです。小学校への配置につきましては、中学校での定着を見ながら配置の時期を検討しておりまして、具体的な学校数等につきましては現在検討中でございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、自転車利用の交通安全についての御質問にお答えをいたします。

 まず、スケアードストレート式交通安全教室についての御質問でございます。スケアードストレート式交通安全教室は、交通安全意識の醸成のため、現在、区内では所管警察署や町会などが自ら主催し実施しております。今後は、区としても所管警察、交通安全協会と協力して実施していきたいと考えております。

 次に、自転車安全利用講習会につきましては、中野区でも平成25年度から実施し、ルール、マナーの周知に努めているところでございます。交通事故の減少に向け、受講修了者への何らかのインセンティブなど、より一層受講の動機づけになる方策について検討してまいりたいと考えております。

〔環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) 私からは、資源回収について、具体的には資源持ち去り行為への罰則規定の導入が必要ではないかというお尋ねでございます。この資源の持ち去り行為に対する条例への罰則規定の導入につきましては、現在、その導入に向けた検討を行ってございます。また、条例への罰則規定の導入以外にも、GPS端末機を活用した追跡調査の実施につきましても現在導入に向けた準備を進めているところでございます。今後も地域の皆様の御協力をいただきながら、資源回収の推進に向け必要な対応を図ってまいりたいと考えてございます。

〔伊藤正信議員登壇〕

○33番(伊藤正信) 自分の持ち時間を過ぎておりますけども、同僚議員に御理解をいただいて、再質問をさせていただきます。

 1点だけ、3学期制について。保護者のアンケートでは評価をいただいているということと、通知表が3回から2回になってもいろいろと個別面談ですか、いろんなところで評価しているということなんですけども、私も区立小・中学校に子どもを預けている保護者としては、やっぱり夏休みに通知表をいただく、それによって夏休みはどういうところを気をつけようかということで頑張るんですね。それで、面談に行くというとやっぱり大半が母親だと思うんですよ。父親だとかおじいちゃん、おばあちゃんというのはそういう状況を知らないわけですよね。一定の通知表を見て評価するんですから、やっぱり3学期制にして通知表を出していただきたいなと思っております。

 これ、我々自民党の会派としましては、教育行政に詳しい篠国昭議員やまた子ども文教委員長の高橋ちあき議員なんかも大変3学期制を希望しておりますので、また今後の検討を、先ほど何か曖昧な、2学期制を検証しながら3学期制というのは本当に真剣に取り組んでいただきたいなと思っておりますが、もう一度御答弁願いたいと思います。よろしくお願いします。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 先ほども御答弁させていただきましたが、2学期制はそれなりにメリットがあるということもお話をさせていただいておりますし、御質問の中でもお話があったと思いますが、2学期制、3学期制についてさまざま意見があることも承知をしておりますし、御質問にもありました保護者の意見も承知をしております。さまざまそうしたことを勘案しながら検討させていただきたいと思っております。

○議長(伊東しんじ) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小 林 ぜんいち

 1 中野区の地域活性化について

 2 職員の人材育成について

 3 健康寿命・活動寿命延伸による地域包括ケアシステムについて

 4 防災施策について

 5 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、小林ぜんいち議員。

〔小林ぜんいち議員登壇〕

○5番(小林ぜんいち) 平成26年第4回定例会にあたりまして、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。

 質問項目は通告のとおりで、5番、その他に2問、質問をさせていただきます。

 初めに、先週22日土曜日夜に起こりました長野県北部地震で被害に遭われました皆様に心からお見舞い申し上げます。これから寒く、そして雪の降る季節になります。早い復興を心から望みます。

 1、中野区の地域活性化について。フィルムコミッションによる地域活性化についてお伺いをいたします。

 中野区役所周辺では警察大学校跡地が大きく様変わりをし、企業や大学が誘致されるなど新しい中野のまちができ、中野駅周辺を中心に中野へ人が集まって来始め、中野四季の都市(まち)の昼間人口は約2万人増えました。一方で、中野の代名詞でもあるオタクの聖地として文化資産のブロードウェイがあります。こうした新たなまちと既存のまちが一体となって魅力を形成し、中野は今まで以上に降りてみたくなるまちに変わりつつあります。現在開催中のまちめぐり博覧会の中でも、リアニメーション、マグフェスタなどサブカルチャーに関するイベントも開かれています。また、第1回新人監督映画祭が、明日28日金曜日からは、中野コングレスクエアで「中野から世界へ」が開催されます。日本のサブカルチャー文化の二大聖地の一つである‘NAKANO'から世界に向けて発信する新人監督にとっての開かれた映画祭として地域とともに継続事業として実施され、多くの人が中野を訪れると思います。こうしたまちの変化や注目性の高まりを捉え、フィルムコミッションを地域活性化の新たな取り組みの切り口で行ってはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 この機会に、中野の魅力を発信するための協議会等を行政と民間が協働で設けることを検討してはいかがでしょうか。お伺いをいたします。

 その際、区に集積された情報をもとに行政主導で民間スタッフによる運営などをお願いしてはいかがでしょうか。また、学生も多く集まってきているので、中野にとって学生の知恵も大きな財産と考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 フィルムコミッションを行う上で、例えば、区立の公園や施設などの占有許可や目的外使用許可など、それらをロケ地として使用する側にとっては大変不便で手続が煩雑です。そのような手続を簡素化するためにフィルムコミッションとして窓口を一元化し、許可手続なども当該部署が行うような仕組みが必要であると考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 あわせて、教育委員会の所管する小・中学校の教室や校庭などの学校教育施設の調整についても当該窓口で一元化し、担当部署と連携を図ることが効果的と考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。

 こうしたフィルムコミッションの運営を民間に委託する方法も考えられますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 隣の窪田理美容専門学校をモデルに、生徒が悩み成長していく姿を素材に描いた映画作品「はさみ」は中野区内が撮影地として多く描かれていました。一方で、現在、中野のお宝発掘総選挙が行われており、まちの風景・彩りをなす観光資源のPRに向けた取り組みも進んでいます。また、ドラマやコマーシャルにもロケ地として登場している私たちの中野のまちを、映像を通じて見ることにより新たな中野のまちが見えてくると思います。南部防災公園のロケーションは最高です。区長、ぜひ見に行っていただきたいと思います。夜、見に行ったことがありますでしょうか。新宿方面の夜景はすばらしく最高です。ぜひ行って見ていただきたいと思います。中野らしいまち並み、坂道や階段、銭湯、学校跡地施設、公園、神田川などと多くの提案のできる中野のまちを中野の独自版としてつくり提供してはいかがでしょうか。こうした中野らしい風景を取りそろえ、フィルムコミッションとして中野の認定観光資源集や中野の風景集、中野の風景500選などとして売り込んではいかがでしょうか。お伺いをし、この項の質問を終わります。

 2、職員の人材育成について。職員の人材確保と育成についてお伺いをいたします。

 中野区は、平成14年度3,082人いた常勤職員を平成26年度には2,000人へと減らしてきています。これは、職員2,000人体制に向けての方策により、主に区立保育園や学童クラブなど施設運営の民営化や給食調理業務、学校用務業務の委託化などを進めてきたことによるものです。職員を2,000人体制としたことにより、人件費の削減など財政面での一定の改善効果がありました。私は、全ては人から始まると考えています。行政サービスの提供においては従来どおりのやり方ではなく、職員一人ひとりが仕事に対する意識の転換をし、全員でその能力の向上をしていくときと考えています。そこで、職員の能力向上には管理職の働きかけが重要と思いますが、その管理職の人材育成力を高める取り組みはどのように行われているのでしょうか。お伺いをいたします。

 また、職員の基本的な仕事のスキル向上策として今年度から実施している、内部の検定制度やeラーニングについての取り組みは現在どのような状況でしょうか。お伺いをいたします。

 中野区は、今、新しい時代に向かい、大きく変わらなければならないときだと思っています。例えば、新たな子育て・保育事業の展開、地域包括ケアシステムの構築とその実施、学校の再編による新たな教育環境の整備、中野駅周辺や木造密集地域解消へ向けた新たなまちづくりなどが展開されるときになっています。これらの中野区政が大きく変わるためには原動力となる人材が欠かせません。私は、特に30代から40代の若い世代に活躍をしてほしいと思います。そのためには人材育成とともに新たな採用も大事であると考えています。例えば、保育行政での専門職による職能を生かした保育指導、地域包括ケアシステムの構築とその運用には欠かせない健康・福祉の専門職、これからのまちづくり、木密対策、防災・減災対策などに欠かせない建築や土木の専門職などが考えられます。

 そこで、お聞きしますが、経験豊かな仕事のできる人材の確保、技術職、専門職の増員が必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。お伺いし、この項の質問を終わります。

 3、健康寿命・活動寿命延伸による地域包括ケアシステムについて。

 初めに、地域での健康・介護サポート事業についてお伺いをいたします。

 子どもから高齢者まで利用のできる地域スポーツクラブの実施に向けて取り組みの検討が進んでいます。中部すこやか圏域では旧仲町小学校跡地での展開が来年度から本格化実施される予定です。また、今後、南部すこやか圏域でも南部地域スポーツ施設が計画され、平成28年にはその事業が始まる予定です。一方、区全域の高齢者会館ではさまざまな介護予防の取り組みが積極的に行われています。

 先日、区内にある「あらいエンジョイ広場」を視察させていただき、誰もが気軽に足を運んで、音楽と体操と映像で楽しみながらできる介護予防と機能訓練の取り組みは目を見張るものがありました。区長も足を運んだと聞きますが、どのような感想を持たれたでしょうか。お伺いをいたします。

 機材や人材の派遣もあるそうですし、カラオケを使った健康体操はただのカラオケ練習プログラムではなく、まさに介護予防に役立つ目や頭、指先から体全体、そして発声による呼吸筋の運動など、まさに身体全体の介護予防の取り組みだと思います。しかも、虚弱な体力の方でも気楽に実施できるため、幅広いレベルの高齢者に有効な取り組みです。こうした区内の民間資源を活用し、介護予防に音楽機材を用いて生活機能を改善するプログラムは有効と考えますが、導入についていかがお考えでしょうか。お伺いをいたします。

 楽しく集える場所がない、場を提供することも介護予防には欠かせません。歌と健康体操、そして娯楽のできる高齢者事業をすこやか圏域ごとに実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。

 視察で伺った埼玉県和光市では介護予防に楽しむカジノがあります。また、麻雀や将棋などにより頭や手を使い、楽しく声を出して体を動かし健康への足がかりにしている自治体・地域もあります。また、先日子ども文教委員会で視察した新潟市こども創造センターには足湯があり、高齢者が集い、憩いの場になっていたと聞きます。また、福島へ除染活動に行った同僚によると、とてもリラックスのできる気持ちのよい手湯があったと聞きます。お湯の利用の可能な既存の高齢者会館などの入浴施設を活用したり、簡易に設置できる足湯等があります。足湯や手湯を試みてはいかがでしょうか。また、待ち時間に楽しめるカフェなど、休息する場の機能を兼ね備えてはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 元気な高齢者づくりは健康寿命・活動寿命を延ばし、地域包括ケアの最大の味方になると考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 これからの高齢者のために、カラオケと体操、足湯と手湯、銭湯などを活用する中野らしい個性あふれる取り組みを行う事業など高齢者の健康づくりの視点から助成をしてはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 健康寿命・活動寿命の延伸を目指した子どもから高齢者までを対象とした地域スポーツクラブの展開、介護予防の展開の方針は今後どのような形で示されるでしょうか。お伺いをいたします。

 2番目に、健康寿命・活動寿命を延ばす食育推進についてお伺いをいたします。

 健康のために、健康寿命や活動寿命を延ばす最大のポイントは食生活にあると考えます。厚生委員会で視察をしました兵庫県尼崎市では、小学校5年生、中学校2年生から健康診断を行い、保健指導を行っています。生活習慣病を防ぐには切れ目のない保健指導が必要になってきています。

 中野区では、今年、かるた遊びを通じて毎日の食生活を考え、食育の必要性について学習をしてもらうために、食育川柳と絵手紙で「なかの食育かるた」が作られました。これがとても好評です。これが食育かるたです。この中にセットが入っています。保育園、高齢者会館等に配布され、区役所1階の福祉売店でも販売されていますが、全国から240近い注文や買い求めがあり、地方に発送もされていると聞きます。このかるた作成には多くの方々が携わっています。こうしたことが実は中野区の財産になると思います。例えば、子どもたちや高齢者から集めた食育川柳を中野区医師会、町会、大学等で組織された中野区民の健康づくりを推進する会等で選出し、中野区絵手紙の友連絡会が絵を担当しました。また、裏面を活用し、保育園の人気レシピ19品目が入っているのも大きな特徴の一つです。表面は絵手紙の友連絡会が書いてくださった絵が描いてあり、裏側にはレシピの写真が載ったものがあります。この「なかの食育かるた」を使って、子どもへの対策に、母親の妊娠時から産後の乳児、そして乳幼児期での食育かるたなどによる健康学習を行ってはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 また、学校では、給食時や家庭科など、食と健康にかかわる中で「なかの食育かるた」を取り入れた学習や小学生、中学生がつくる食育かるた第2弾の作成なども検討してはいかがでしょうか。食育の必要性の啓発は大変大事なことと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。

 成人の対策では、生活習慣病予防や保健指導が地域で身近に受けられる体制づくりも必要と考えます。健康寿命・活動寿命を延ばすには、子育て・医療・福祉・教育など分野を超えた連携が大事と考えます。牽引する分野を明確にし、全庁で横断的な仕組みが必要ではないでしょうか。お伺いし、この項の質問を終わります。

 4、防災施策について。

 初めに、スタンドパイプの普及啓発についてお伺いをいたします。

 道路にあるスタンドパイプの接続できる消火栓は、現在、都内に約13万カ所、23区内に約9万カ所、そして中野区内には約2,900カ所あります。スタンドパイプの設置された町会・自治会・防災会は、昨年は11、今年は39で、現在までに50台が設置されました。また、応急給水型のスタンドパイプも平成27年までの3年間で63基が避難所等に設置される予定です。数年前から見ると急激な普及により価格が安くなってきています。そこで、3年で町会・防災会へのスタンドパイプを配置することになっている計画を前倒しして、2年間で全ての防災会に設置をしてはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 スタンドパイプの設置された町会・自治会・防災会にスタンドパイプの使い方に慣れ親しんでいただくために日ごろの操作訓練も重要になってきています。そこで、スタンドパイプの実際の使用も含め、より一層訓練の啓発・促進をしてはいかがでしょうか。操作が手軽なので中学生の方々にも操作訓練の機会を設けることが重要と考えますが、行ってはいかがでしょうか。お伺いをいたします。

 せっかく初期消火のために配備されたスタンドパイプ、軽可搬ポンプの格納場所がわかりにくく、いざというときに使用できないのではないかとの声を聞きます。そこで、スタンドパイプ、軽可搬ポンプの格納は誰が見てもわかる表示が必要と考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。

 自主的に町会単位でもスタンドパイプの訓練を実施されています。こうした訓練の成果を発表する機会として、スタンドパイプ操法の大会を行ってはいかがでしょうか。毎年、町会連合会主催の軽可搬消火ポンプ操法大会とバケツリレー競技が行われていますが、そこにスタンドパイプ操法も加えていただけるよう、区としても働きかけてはいかがでしょうか。お伺いをいたします。

 私が以前操法大会などへ区内公立中学生の防災隊が参加することを提案したことに対し、区内公立中学校全ての生徒の皆さんがつくる防災隊が出場し、堂々と活動されていた姿はとても頼もしく思えました。そこで、こうした大活躍している中学生防災隊の皆さんへ、大事な頭を守るヘルメットの支給を行ってはいかがでしょうか。その際、火や炎よけのついた折り畳み式ヘルメットが中学生には有効と考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 2番目に、防災用品あっせんについてお伺いをいたします。

 中野区では防災用品のあっせんを行っています。3.11東日本大震災や先日の長野北部地震を経験し、家庭でも防災用品の買いそろえをされている方が多くなってきています。そこで、あっせんしている防災用品の見直し、充実・拡充を図ってはいかがでしょうか。例えば、停電の後の電気回復で通電による火災を危惧した分電盤にあるブレーカーに設置できる通電火災防止感震ブレーカー、水でぬらすと連続で約1週間の発光が可能なライト。避難所訓練でかたくておいしくない乾パンを食べて、本当に今どき食べるのでしょうか、との声もあります。もっとおいしい甘い乾パンなどをあっせん品目の拡充対象として考えてはいかがでしょうか。お伺いをいたします。

 高齢者が増えてきている中、握力など力が弱く、高齢者が自動販売機で購入したペットボトルのふたを開けられないとの声も聞いています。ふた開けに対応する器具、ペットボトルオープナーなどの設置も考えてはいかがでしょうか。一番簡単なものがこれなんです。ペットボトルをここに刺す。それでキャップを開けるというものです。まず、公共施設の自動販売機に機具設置などを行ってはいかがでしょうか。また、自販機業者などに改良を依頼してはいかがでしょうか。お伺いいたします。あわせて、ペットボトルを備蓄している避難所や備蓄倉庫にオープナーの備蓄を行ってはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 暑い夏の高齢者の熱中症対策に高齢者会館などで、ペットボトルの飲料水の配布やそのPRグッズとして簡易な開閉器を配布してはいかがでしょうか。既にペットボトル附属品として販売している事業者もいますので、事業者に依頼してはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 3番目に、身を守る身近な防災対策についてお伺いをいたします。

 身を守る防災対策として、防災・震災について区報に掲載され発行しています。その中でも、私が平成23年第4回定例会で提案した折り畳み式のサバイバルカードが防災情報ポケットマニュアルとして掲載された平成24年3月20日号の区報は、東京都内市区町村の広報紙大会で1位に輝きました。防災分野と広報分野のすばらしい取り組みに感謝します。こうした情報マニュアルを繰り返し広報していくことが大事と考えます。また、区民の方から、毎年定期的に掲載することが意識向上に役立つとの声もあります。こうした取り組みは今後も継続していくべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 4番目に、防災に役立つLCP(居住継続性能)住宅の普及促進についてお伺いをいたします。

 3.11東日本大震災を経験し、この数年は特に住宅を中心に建物の耐震化に目が向いています。東日本大震災の際には、建物自体が損傷を受けなくても停電のあった集合住宅・マンションでは水の供給やエレベーターの運転が停止し、結果として自宅での生活が継続できないなどの影響がありました。経済的な負担などを考慮しつつ、停電時でもエレベーターや給水ポンプの運転に必要な最小限の電源を確保することで、区民がそれぞれの集合住宅・マンションの住宅内にとどまり、生活の継続を可能とする電気・機械設備性能を備えた住宅の普及促進を図ることが必要と考えます。東京都では、こうした災害時において、住宅内にとどまり生活の継続を可能とする性能を備えた住宅、居住継続性能住宅、通称LCP住宅について登録し閲覧のできる制度を設け、普及・啓発を行っています。区はこうした住宅内にとどまり、生活の継続を可能とする設備性能を備えた住宅、LCP住宅の普及・促進を図ってはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 また、この制度はエレベーターと給水ポンプが設置されている高層住宅等を対象としていますが、中野区内では中野駅周辺や幹線道路沿いなどで高層住宅の建設が進んでいますので、エレベーターや給水ポンプを設置している中高層住宅等についても対象として進めてはいかがでしょうか。お伺いをいたします。

 また、中野区の集合住宅条例に組み込んではいかがでしょうか。その際、インセンティブのある緩和事項をあわせて盛り込んではいかがでしょうか。お伺いをいたし、この項の質問を終わります。

 5、その他。

 初めに、中野ZERO西館小ホールへ昇降機設備設置についてお伺いをいたします。

 中野ZERO西館の小ホール部分には現在専用の昇降機設備がないため、高齢者や障害をお持ちの方から利用しにくいとの声をいただきます。小ホールの玄関ではない西館の1階エレベーター、東側の入り口の入ったエレベーター手前には階段があり、昇降補助装置が設備されています。しかし、小ホールから直接入ることは管理区分上できず、玄関を入り直し、遠回りになり、エレベーターから動線も閉鎖的で、主催者側からは敬遠されています。一方、西館南側、蒸気機関車のある側にスロープがあり、西館へ入ることができますが、西館ホールに行くためには西館諸室前を通り、エレベーターに乗ることになります。これも小ホール入り口からは遠回りになり、ほぼ使われていません。どちらにしても西館と小ホールは利用区画上閉鎖されているため、西館で高齢者など利用者が昇降するには非常に不便な現状です。中野ZERO西館では平成28年度に大規模改修が行われる予定になっています。私は、今回の改修が西館最後の大規模改修で、今後しばらくこのような大規模改修は行われないと思います。そこで、改修にあわせて、高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進、バリアフリー、ユニバーサルデザインの観点からも、小ホールの施設内に昇降機設備の設置を行うべきと考えていますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 建物の外部、内部を問わず、昇降機設備を設けることをまず計画し、設備は後からついてくるものなので、よく構造的計画の検討を行い、昇降対応のできるエスカレーターかエレベーターの設置を行うべきであると考えていますが、いかがお考えでしょうか。お伺いいたします。

 最後に、見守り支えあいについてお伺いいたします。

 現在、中野区では、町会・自治会で区より名簿の提供を受けて地域見守り支えあい活動が行われています。見守り支えあいを希望することに手を挙げた方の名簿を、町会・自治会の役員の方が中心に見守り支えあいを行っています。区内の110町会・自治会のうち74町会・自治会で行われていますが、まだ残りの地域でこの方法では行われていません。職員もひとり暮らし等の高齢者宅を一軒一軒訪問しています。これはとても画期的ですばらしい取り組みと思います。中野区内では亡くなってから8日以上発見されなかった方が平成25年には年間56人おります。孤独で亡くなられています。地域での見守りにはたくさんの選択肢があっていいのではないかと考えます。

 区では、平成16年に事業者の登録制度による高齢者見守り支援ネットワーク事業、元気でネットを開始しましたが、活用が不十分と考えます。事業者の一つに新聞販売店があります。新聞配達員さんがひとり暮らしの方の新聞が数日たまっていたことを不審に思い、訪問し声かけを行いましたが反応がないため、機転を利かし役所の担当者へ連絡し、職員が警察と一緒に室内を確認したところ、発見が遅れれば危険な状態だったと一命を取りとめた事例がありました。世界に例がない毎日2回の新聞配達は最大の見守りになります。このように新聞配達の方は、配達途中で新聞がたまっている場合には、旅行に行っているのかな、体調を崩したのかな、入院でもしたのかな、など気づいても、一般的に連絡・通報などの行動に至らないのが現状です。こうした事業者の活動を活用しない手はないと思います。ここを最大限に活用し、見守りの広がるネットワークをつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。

 区は、民間事業所と協定締結や登録制度によっていますが、実際に実働している現場の方々にはきちんと伝わっていないと思います。民間に依頼するためには行政の責務や互いの役割分担などを明確にし、行動のとれる現実的な連携、ルールをつくるべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。お伺いをいたします。

 合わせて、異変に気づいたら、すぐ行政・すこやか福祉センター等の窓口に電話等で通報できる仕組みをつくってはいかがでしょうか。お伺いをいたします。

 また、新聞配達事業者さん等へ積極的に情報の提供をいただけるよう、各新聞店に個別に依頼してはいかがでしょうか。お伺いをいたします。

 こうした重層的な取り組みが地域の見守り支えあいの強化につながります。町会・自治会の地域支えあいで掌握されていない方々の情報把握を行ってはいかがでしょうか。お伺いをして、私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小林ぜんいち議員の御質問にお答えをいたします。

 中野区の地域活性化について、フィルムコミッションによる地域活性化についての御質問であります。ロケ撮影の誘致によってさまざまな地域資源の国内外への情報発信や話題づくり、さらにロケ地訪問者などの来街者の増加といった効果も期待できる、このように考えておりまして、このフィルムコミッションによる地域活性化について研究を進めているところであります。

 それから、魅力発信に向けた公民協働による協議会等の設置についてということです。中野区の都市観光ビジョン、これの中では、産学公連携による都市観光にかかわる事業者が集った協議体制の構築というものを掲げているところで、具体的な構築について現在検討を行っているところであります。そうした中で事業を行う場合、学生を含めた民間スタッフの活用をしてはどうか、ということでありました。都市観光にかかわる協議体制構築の検討の中で事業を行うという場合には、当然民間スタッフや学生の活用などを検討していくというふうに考えているところです。

 それから、フィルムコミッション窓口を一元化するなど、さまざまな取り組みについてのご提案もありました。撮影場所の問い合わせ等に対しては、施設や道路の管理者などが個々に御相談に応じてロケ撮影のニーズへの対応を図っているところであります。それに比べてフィルムコミッションとしての機能は、撮影場所の紹介や撮影の可否の確認、日程の調整、また関係機関との調整、許可手続の代行、また近隣住民への説明・理解、それから撮影の立ち会いなど多岐にわたるものでありまして、警察、消防等、さまざまな機関との調整も必要となって行う場合もあります。こうした業務について、民間の活用も含めてこれらの業務を適切に遂行できるフィルムコミッションのあり方について、今後課題を整理していきたいというふうに考えております。

 それから、職員の人材育成についてであります。管理職の人材育成力を高める取り組みについてということです。管理職は、部下である職員の目標を相互に相談をして目標を設定し、その目標の達成度合いについて面接を行って、評価をして、指導を行うといったような活動を行っております。そうした日常の活動がきちんと区の中で同じように全ての管理職が適切に行えるような取り組み、というのが最も基本になるというふうに考えているところであります。毎年、管理職を対象にして職員の評価育成研修というものを実施しているところです。日常業務を通じた部下の指導が適切に行えるように、こうしたことを通じて働きかけを行っております。

 それから、eラーニング、内部検定の取り組みの状況についてということであります。多くの職員に対して同じ時期に基礎的な職務知識を身につけさせるといった場合や、意識啓発を行う際、従来の通所型の研修に比べて職員各自の都合に合わせて受講のできる、eラーニングの研修というものの効果があるということで実施をしているところであります。今年度につきましては、採用2年目から主任主事までの職員約900名を対象として、区の基本的な仕事のスキルである文書事務と財務会計の2コースを実施しました。約90%の職員が修了をしているところであります。eラーニングで実務を学び直したということによりまして基本的なスキルが向上できたものと、このように考えているところであります。今後は、受講内容についてのアンケート調査の結果や検定試験の結果の分析を行うなど、検証を行い、eラーニングと検定試験の充実に努めていきたいと、このように考えております。

 それから、経験豊かな人材、技術職・専門職等の採用についてであります。民間で培った技術的・専門的知識や経験を直ちに区政の中で活用するために経験者採用というものを行っております。一時期採用がほとんどなかったという時代があることから、年齢構成に多少の偏りが見られるという中野区においては、こういった民間の方の経験者採用というものが大変有効な手段であると、このように考えております。今後の行政需要、さまざまな業務の需要を見越した上で新規職員や再任用職員の採用、これとあわせて経験者採用、民間登用なども含め全体的な職員配置計画をつくり、計画的に経験豊かな人材についても採用を行っていきたい、このように考えております。

 それから、健康寿命・活動寿命延伸による地域包括ケアシステムについての御質問で、あらいエンジョイ広場に対する見解をという御質問がありました。私も一番最初のときに説明を受けるという形で多少体験もさせてもらったところです。カラオケのシステムを利用して誰もが楽しみながら気軽に参加できる、それが介護予防や健康づくりにも役立つということで大変効果があると考えております。誰でも知っている、誰でもそれぞれ経験のあるカラオケ、その歌を使いながら、また体力や活動能力に応じた運動がダンスなどの形でできるということで、大変楽しみながら参加できるという意味で効果があるだろうと。高齢者の運動機能の向上やあるいは交流促進、そうしたことを通じて介護予防等に役立つものという認識をしたところであります。

 音楽機器を活用した生活機能改善プログラムの導入ということで、こうした、一つはこの新井のエンジョイ広場のような例だと思いますし、そうした音楽機器を用いたプログラムの導入について、効果の検証、費用やまた場所の問題などもありますので、総合的に勘案をしながら検討していきたいというふうに考えております。

 それから、高齢者会館等で足湯、手湯などを実施してはいかがかというようなことでしたけれども、維持管理のコスト等々、人の問題等々を勘案して、高齢者会館の入浴設備の廃止をしてきたところですので、高齢者会館の入浴設備を使用するということは考えておりません。それで、健康づくりの一環としての足湯、手湯といった場の整備について、他の自治体や各地域での活用実態などを把握しながら今後研究していきたいと、このように考えております。

 それから、カフェの事業ですけれども、現在、宮園、上高田、沼袋、東山、若宮、白鷺、鷺宮などの高齢者会館において何らかの形でカフェの事業を実施されているということであります。

 それから、元気な高齢者づくりということで、これからの超高齢化社会に向けて高齢者が健康で生涯現役との気概を持って生活している社会をつくること、このことは大変重要なことと考えております。支えられる側になるのではなく、支える側で持ちこたえる、このことが大変大きな社会貢献につながるというふうに思っているところでございます。

 それから、高齢者の健康づくり事業に関する事業者への助成についてということであります。事業者が高齢化社会に対応したさまざまな取り組みを行うことによって、高齢者が生きがいを持って生き生きと暮らしていくことのできる地域社会がつくられると、このことは望ましい状況だと考えております。区といたしましては、産業振興ビジョンの中で多様なライフサポートビジネスの展開を想定して、現在既に融資あっせんの利子補給利率の優遇などを行っております。また、さまざまにライフサポートビジネスの振興について取り組みを行っているところでありまして、御提案のような事業についてもライフサポートビジネスの一分野としての事業が立ち上がってくれば支援が可能であると、このように考えております。

 それから、地域スポーツクラブ、健康づくりの展開についてであります。運動やスポーツ習慣を身につけることは子どものときからの取り組みが必要でありまして、生活習慣予防にも効果があるというふうに言われております。年代や身体状況に応じた健康づくりや介護予防、また多世代交流の中での健康づくりといったことは健康づくり、スポーツムーブメントの重要な取り組みと考えておりまして、地域スポーツクラブの展開の中でさまざまなプログラムを企画していきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 健康寿命・活動寿命を延ばす食育推進についての御質問の中で、教育や小・中学生による「なかの食育かるた」の作成についての御質問にお答えをいたします。

 食に関する指導は、家庭科や特別活動の時間に行うこととなってございます。授業で使用する教材につきましては狙いや展開に則したものを指導者が選択いたしますが、食育かるたは各小学校に一つずつ配布をされておりまして、内容の紹介や周知などの活用に向けて教員への啓発に努めてまいりたいと考えてございます。

 また、小・中学校の児童・生徒による「なかの食育かるた」の作成につきましては、各学校それぞれの事情もありますことから情報提供などを行っていきたいと考えてございます。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 食育かるたの妊娠期等での活用ということの御質問でございます。御質問の中にございましたように、なかの食育かるたでございますが、多くの区民、団体の御協力をいただきまして昨年の末に作成をいたしました。保育園、幼稚園、小学校のほかに、学童クラブですとか児童館などにも配布をしてございます。保育園での活用例ではございますが、これから、この正月に向けましたかるた遊びの中で、食育かるたの給食の写真などを見せながら子どもたちの食育に取り組むことを考えてございます。今後はすこやか福祉センターとも連携をいたしまして、妊娠期あるいは育児期などでの活用についても工夫してまいりたいというふうに思ってございます。

 それから、健康寿命対策での関係所管連携についての御質問でございます。健康寿命や活動寿命を延ばすためにはデータヘルスの取り組みですとか、歩いて出かけたくなるまちづくりですとか、所管を超えた全庁的な幅広い取り組みが重要となるものというふうに考えてございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 防災施策についての御質問にお答えをいたします。

 まず、スタンドパイプの配置計画についてでございます。スタンドパイプの価格は普及とともに安価になる傾向ではありますが、ホースや搬送するためのカート等を含めたセットではそれほど安価になっておらず、当初の計画どおり3年間で配置する予定でございます。

 次に、スタンドパイプ配置防災会等の操作訓練についての御質問でございます。スタンドパイプを配置した防災会には訓練を促進するきっかけにするとともに、取り扱い操作を取り入れた訓練を推進してまいります。防災青年リーダー養成講習として区が中学生に実施している、いわゆる防災隊の活動ではスタンドパイプの訓練を取り入れており、防災訓練、避難所運営訓練への中学生の参加をさらに促進し、スタンドパイプの操作を習得させていきたいと考えております。

 次に、スタンドパイプ配備防災倉庫の表示についてでございます。防災会に貸与している防災倉庫の資機材について、一般の方への周知方法や外からわかるような表示方法について今後検討してまいります。

 それから次に、町会連合会主催の軽可搬消火ポンプ操法大会におけるスタンドパイプ操法発表会の実施についての御質問でございます。スタンドパイプは区でも導入を進めている資機材であり、訓練の成果発表会は操作要領の習熟を図るための一つの目標となります。主催者である町会連合会にはこのような御意見があったことをお伝えしたいと思います。

 次に、中学生防災隊へのヘルメットの配付でございます。中学生防災隊が災害対応要員としての力を十分に発揮していただくためにヘルメットの配付について今後検討してまいります。

 続きまして、防災用品のあっせんの見直しについての御質問でございます。区があっせんしている防災用品の品目につきましては、現物を確認しながら区民の方にとって役立つと思われるものを、1年に1回見直しを図ってパンフレットを作成しております。御指摘の防災用品につきましては、他の品目を含め効果の度合いや必要性を検討していきたいと考えております。

 次に、ペットボトルオープナーの避難所等への備蓄についての御質問でございます。備蓄物資は備蓄倉庫のスペースや限られた生活で必要とされるものから厳選して配備しております。ペットボトルのふたを開けるための器具につきましては、現在さまざまな製品ができており、そうしたものの中から適当なものを配備するよう検討していきたいと考えております。

 続きまして、防災情報ポケットマニュアルの継続方法についてでございます。区報における防災関連情報は定期的に掲載して啓発を図っているところでございます。ポケットマニュアルの掲載も内容を検討して継続していきたいと考えております。

 最後に、災害後の居住継続機能を持つ住宅、LCP住宅の普及促進についての御質問でございます。震災後の集合住宅の居住機能継続により、近隣の避難所の負担軽減につながるLCP住宅に関する必要な情報提供につきましては今後取り組んでまいります。さらに、高層のみならず中低層の集合住宅における災害後の居住機能継続に向けてどのような施策が必要か、集合住宅条例での対応を含め、検討していきたいと考えております。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) まず、ペットボトルオープナーつきの自販機の設置についての御質問にお答えをいたします。先行事例や設置事業者の意見なども踏まえ、契約の際の仕様書に加えることができるかどうかについて検討してみたいと考えております。

 それから、ZEROホール西館に昇降機設備を設置することについてでございますが、これについてはこれまで建築基準法等の規制や構造的に難しい面があると認識してきたところでございますが、大規模改修の際を捉えて設置の可能性がないか、調査検討したいと考えております。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、まず、高齢者の熱中症対策に関連いたしまして、高齢者会館などでのペットボトルオープナーの御質問にお答えをいたします。

 ペットボトルオープナーなど高齢者の生活を手助けするさまざまなグッズが開発されてきていると認識してございます。それらのグッズにつきまして、高齢者会館などでもパンフレットや見本を備えるなど、必要な情報提供をしてまいりたいと考えてございます。

 次に、見守り支えあいについてのお尋ねでございます。新聞配達事業者を含めた民間事業者との連携についてということでございます。平成16年度より中野区高齢者見守り支援ネットワーク事業によりまして民間協力機関の登録制度をつくり、異変通報等に御協力をいただいているところでございます。これまでも民間協力機関を対象に定期的に連絡会議を開催いたしまして、参加者同士が実例の紹介や課題の共有化を行ってきております。また、区は、民間協力機関に対しまして日常的に異変を発見した場合などに、すこやか福祉センターへの通報依頼を行ってきております。こうした取り組み内容が協力機関へも十分浸透周知を図っていくために、支えあい活動の手引きを再度製作いたしまして、登録している民間協力機関の役割やすこやか福祉センターへの連絡方法、またルールなどについて改めて明確にしていきたいと考えております。

○議長(伊東しんじ) 以上で小林ぜんいち議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。

 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時09分延会