平成26年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成26年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
25.12.05 中野区議会第4回定例会(第4号)

.平成26年(2014年)11月28日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原      宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番     欠  員

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  英   直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  竹 内 沖 司

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

 区民サービス管理部長 白 土   純    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二

 健康福祉部長   野 村 建 樹      保 健 所 長  寺 西   新

 環 境 部 長  小谷松 弘 市      都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一  経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  大 野 貴 子      書     記  鈴 木   均

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成26年(2014年)11月28日午後1時開議)

日程第1 第62号議案 中野区区政情報の公開に関する条例の一部を改正する条例

     第63号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例

     第64号議案 仮称本町二丁目公園用地の買入れについて

     第65号議案 南部すこやか福祉センター等新築に伴う機械設備工事請負契約

     第66号議案 南部すこやか福祉センター等新築に伴う電気設備工事請負契約

     第74号議案 平成26年度中野区一般会計補正予算

     第75号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

     第76号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

日程第2 第67号議案 中野区すこやか福祉センター条例の一部を改正する条例

     第68号議案 指定管理者の指定について

日程第3 第69号議案 中野区民住宅条例の一部を改正する条例

     第70号議案 中野区立公園条例の一部を改正する条例

     第71号議案 指定管理者の指定について

日程第4 第72号議案 中野区保育所における保育等に関する条例の一部を改正する条例

     第73号議案 指定管理者の指定について

日程第5 議会の委任に基づく専決処分について

追加議事日程

日程第6 第74号議案 平成26年度中野区一般会計補正予算

日程第7 第75号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

     第76号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 

午後1時00分開議

○議長(伊東しんじ) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 内 川 和 久

 1 既存不適格の建築物への対応について

 2 都市計画道路上の建築計画について

 3 施設白書について

 4 中野駅周辺のまちづくりについて

 5 その他

 

○議長(伊東しんじ) 初めに、内川和久議員。

[1]内川和久議員登壇

○11番(内川和久) 平成26年第4回定例会にあたり、自民党の立場で一般質問をさせていただきます。

 質問は通告のとおりでございます。5番、その他はございません。

 それでは、1番、既存不適格の建築物への対応についてお聞きします。

 建築時には適法に建てられた建築物であって、その後、法令等の改正や都市計画の変更等によって現行法に対して不適格な部分が生じた、いわゆる既存不適格建築物への対応についてお聞きします。ここでは、主に昭和48年の用途地域の変更により建物の用途が不適格となった建築物について取り上げます。例えば、新築した当時の用途地域の制限に適合して新築がされ稼働していた工場などで、後から用途地域が用途制限の厳しい住居専用地域に変更されたため既存不適格になったものについてお聞きしたいと思います。

 中野区の事業者の中には、既存不適格の建築物で事業を行っており、建築物の老朽の際には建て替えができないという事業者が多いと聞いております。建て替えや増改築ができないため、区外へ事業所を移転せざるを得なかったり、または移転を検討している事業者も少なくないと聞いております。これは中野区のこれからのまちづくりにおいて避けて通れない問題であると同時に、区内産業の振興という観点にも関係することから、幾つか質問をさせていただきます。

 まず、区内にいわゆる工場はどのぐらいあるのでしょうか。そのうち用途地域が変更され、現在でも用途地域による用途制限に適合しない建築物のまま事業を続けている工場などについては、規模の大小の違いはあるとしても、現在、区内にどのぐらいの数があるのか、現状をお聞かせください。

 次に、用途地域の変更により、用途制限に適合しなくなった建築物は、建て替えや増改築ができないものなのでしょうか。用途制限にかかわる既存不適格建築物の法令上の制限についてお聞かせください。また、制約がある以上、一定の範囲を超える事業展開を考えている事業者にとっては、いずれは移転等をせざるを得ないことになります。このことは、区内事業者が減少することとなり、区内産業振興上、区にとっても損失であると考えます。そこで、事業者の移転防止という観点から、現在とり得る対策はないのか、区のお考えをお聞かせください。

 次に、このたび中野区として名乗りを上げた国家戦略特区において、環境基準等厳しいハードルを満たすことは大前提として、このように用途地域等の変更によって既存不適格となった建築物を救済できるような規制緩和について区として何かお考えはないのかお聞きして、この項の質問を終わります。

 2番、計画道路上の建築計画についてお伺いいたします。

 1番の質問に引き続き、中野のまちづくりに関する質問を続けさせていただきます。中野区内では、幅員等の拡幅を予定している都市計画道路等が14カ所あります。都市計画決定を経て工事が実施される工程ですが、実際の工事までにはまだ時間がかかるということで、都市計画道路上に建築物の一部を建築することが可能であると聞いております。例えば、東京都が一部事業を実施している大久保通り沿いでは、平成24年度以降ここ数年間は都市計画道路上に建築物の一部が計画されたものはありませんでした。これは、近い将来、都市計画道路の工事が実施された場合、都市計画道路内の建築物は自ら撤去しなければならないため、あらかじめセットバックしていると考えられます。また、近隣住民からの理解も得られないという理由もあると聞いております。

 そこで、幾つか質問させていただきます。

 初めに、区内の都市計画道路に接する敷地において、都市計画道路上に建築物の一部が計画される計画はこの10年の間にどのくらいあったのか、お答えください。

 次に、建築物の一部が都市計画道路上に建築された場合、都市計画道路の事業実施時に工事の円滑な進捗の妨げにもなり、都市計画道路の計画に影響を及ぼすと考えられます。このことから都市計画道路内の建築が制限されており、許可が必要であると聞いておりますが、建築を制限する理由をお聞かせください。また、建築を許可する際の基準はどのようになっているのでしょうか。お伺いします。

 次に、中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例によれば、建築物の階数が3階以上であり、総戸数12戸以上の集合住宅の場合は、一定の戸数のファミリータイプの住戸を設置するよう定められております。都市計画道路上にこのファミリータイプの住戸が設置されている建築物の場合、都市計画道路の事業施行時にその建築物の一部を撤去することになり、ファミリータイプの住戸数が減少するため条例違反となる可能性が考えられますが、区の御見解をお聞きして、この項の質問を終わります。

 3番、施設白書についてお伺いいたします。

 我が会派の伊藤正信議員も取り上げておりました。中野区はこのたび「中野区施設白書」を改定、作成いたしました。2007年に策定された前回の施設白書から6年が経過し、人口減少社会への突入や急速な高齢者数増加、これに伴う区民のニーズが変化している中で、改めて区有施設の現状及び将来の見通しについて取りまとめ、新しい中野をつくる10か年計画の改定を検討するにあたり、資料とするために作成されたものであります。この点において、前回、10か年計画の改定前に作成された施設白書と目的を同じにするものであります。この施設白書によりますと、中野区における区有の建物の大半が1960年代から1970年代に建設されており、更新対象となる建物は270施設、延べ床面積約50万平方メートルのうち、築40年以上が経過し、近い将来に更新が必要な施設は約50%を占めているということです。

 公共施設の老朽化問題は全国自治体の大きな問題になっておりますが、今後集中して建て替え時期を迎えることとなり、自治体経営において財政を圧迫する大きな要因となっていることは明らかであります。区が試算したところによりますと、今後40年間の更新経費の見込みは約2,588億円余、年平均に換算すると約64億円余であり、現在直近で年間に費やしている経費を上回る経費が今後必要ということになります。区としては全庁的な視点で施設の維持管理のさらなる効率化や、施設保全の最適化を行い、長期的にメンテナンスコストを削減していくとともに、限られた財源の中で効率的・効果的な施設の更新を進めていくために、区民ニーズを精査して施設機能の絞り込みを行い、経費を圧縮するとともに、計画的な更新によって年度間の経費を平準化させていくことが必要と考えます。

 そこで、幾つか質問させていただきます。

 区は、中野駅周辺の大規模開発などを契機として産業の振興やにぎわいを創出し、税収増や人口の増加につなげていくことを課題として力を注いでいるところですが、全国的な少子・高齢化、人口減少社会の進行による税収の減少や利用者の減少は避けて通れないことであります。また、利用者の年齢層の変化などによって、施設の利用ニーズが変わってきていることも事実であります。一つひとつの施設を保全し、長く大切に使うことも重要ではありますが、区民のニーズを把握し、機能が重複している施設や利用者が少ない施設について改めて検証し、大胆に見直すなど、聖域なく施設の保有量を最適化していくことも必要になると考えます。区の見解をお聞きします。

 国は同様の課題認識から、全国の自治体に対して公共施設等の総合的な計画の策定を定めているところであります。この策定にあたって総務省が示している指針によれば、この計画に施設の延べ床面積の削減目標を設定することが求められています。先にこの計画を策定しているさいたま市では、実際に施設の削減目標を設定していると聞いておりますが、区は施設計画を策定することにあたって、このような数値目標を設定する予定はあるのか、お伺いします。

 次に、施設の更新経費の圧縮に向けた区の取り組みについてお聞きします。区は、施設白書の「今後の検討の方向性」の中で、各公共施設における今後のサービス提供のあり方を検討するとともに、長期的な視点で効率的な公共資産の管理を行う手法の整理を行い、中野区におけるファシリティーマネジメントを構築していく必要があると述べ、施設資産の有効活用を今後の検討課題として挙げておりますが、施設更新経費の圧縮を進めるために具体的にどのような方策をとられるのか、お聞きします。また、今後さまざまな施設全庁横断的な調整が必要になってくると考えます。組織横断的な会議体の設置や、専門的な知識を持った人材の活用も必要であると思いますが、区のお考えをお聞かせください。

 施設を適切に管理するとともに、老朽化した施設を区民のニーズに合わせて更新していくことは区の大きな課題であります。しかしながら、区有施設の保有量を圧縮していくことになれば、区民や既存の利用者の理解を得ることが必要となります。計画を進めるにあたっては、区民に十分な説明を行い、十分理解を深めながら進めていくことを要望し、この項の質問を終わります。

 4番、中野駅周辺のまちづくりについてお伺いいたします。

 今年度は、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等の中野駅地区第2期整備にかかわる都市基盤施設や中野三丁目土地区画整理事業、中野二丁目市街地再開発事業等の都市計画決定を行い、まちづくりを次のステップに進める重要な1年であります。また、これら都市計画決定だけではなく、JR東日本との基本協定・基本設計協定締結や、UR都市機構への中野三丁目土地区画整理事業にかかわる施行要請など、まちづくりを着実に進めるために必要なさまざまな協議、取り決めが行われております。この大事な節目に当たり、確認の意味も含めて幾つか質問させていただきます。

 まず、中野三丁目のまちづくりについてお聞きします。中野三丁目駅直近地区での土地区画整理事業を推進するにあたり、UR都市機構に施行要請を行ったことは、先般、議会に報告されたところです。当該事業により、西側南北通路の南の受け口となる中野三丁目駅前広場も創出されるとのことです。まちづくり事業経験の豊富なURが施行者となることは、事業を着実に進める上で安心感がある一方、地域の方々にとっては、これまで協議を重ねてきた中野区とのかかわりはどうなってしまうのか、不安に思われるところもあるのではないでしょうか。

 そこでお聞きします。UR施行の土地区画整理事業の場合、中野区の役割はどうなるのか、また、今後のスケジュールはどのように進められていくのか、お答えください。まちづくりを進めるにはお互いの信頼関係が欠かせません。これまで中野区の御担当が築いてきた地域との信頼関係を損なうことなく、また、西側南北通路の開設と時期を逸することなく事業が推進されることを大いに期待しております。

 次に、中野四季の森公園拡張用地の整備についてお聞きします。当該事項は、今年度第1回定例会の一般質問でも取り上げさせていただきました。また、第3回定例会におきましても、我が会派の大内議員が取り上げております。平成24年度に取得したこの用地は、事業認可期間が平成26年度まででありますが、いまだ閉鎖されたままであります。今年度第1回定例会の一般質問において、拡張用地に関しましては、「事業認可期間の変更手続の関係から、暫定整備をして一時開放するといったようなことも今後検討していきたい」との区長からの御答弁をいただいておりますが、その後の進捗状況はどのようになっているのか、お聞きします。

 中野四季の森公園拡張用地整備に影響を与えている新区役所・新体育館の配置については、いまだその方針が示されておりません。新しい中野をつくる10か年計画(第2次)で新体育館の移転先とされている中野中学校跡地に関しましては、現在、堀越学園に2年間の予定で貸し付けされておりますが、その後の跡地活用がいまだ定まらないことに多くの地域住民が不安を抱いております。跡地となった学校施設のあり方については、10か年計画との整合性、区にとって最適な活用方法を検討するとのことですが、このたび要望書が提出されたとおり、地域の強い願いとして、地域の避難所機能を確保しつつ、地域住民の声を反映し、より一層、地域の価値が高まるような計画を望みます。区のお考えをお聞かせください。

 最後に、中野二丁目のまちづくりについてお聞きします。

 今年度第2回定例会において質問させていただきました「中野二丁目のまちづくりについて」の中で、区立桃園公園と堀江敬老館の機能確保・移転先の確保について触れさせていただきました。区としては「何らかの形で区立桃園公園と堀江敬老館の機能を近隣に確保していきたい」との御答弁でしたが、中野二丁目のまちづくりについては、今年度中の都市計画決定が予定され、計画は主要区画道路の整備から始められるとのことで、区画道路に隣接する区立桃園公園と堀江敬老館へは早期に影響が予測されます。その後の進捗状況と移転のタイムスケジュールをお聞きして、全ての質問を終了させていただきます。

 御清聴まことにありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 内川議員の御質問にお答えいたします。

 既存不適格の建築物への対応についてという御質問であります。区内の工場の実態について、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例、これに基づきます中野区内の工場の認可件数は、平成26年3月31日現在で441件であります。この工場に限らず、用途制限に適合しない建築物、これについては把握ができておりません。今後、実態の把握に努めていきたい、こう考えております。

 それから、用途制限にかかわる法令上の制限についてであります。用途地域の変更によって、建築基準法第48条の用途制限に適合しなくなった建築物、いわゆる既存不適格建築物については、同法施行令第137条の7で示す範囲内であれば許可は不要で、建築確認のみで増築、改築が可能となっております。これを具体的に申し上げますと、現行の建ぺい率及び容積率の範囲内で基準時の床面積の1.2倍、用途地域に適合しない原動機の出力、台数及び容量は基準時の1.2倍を超えないこととなっております。

 移転防止対策の有無についてということです。用途地域による建築物の用途制限については、法48条各項のただし書きにより、特定行政庁の特例許可を得た場合、例外的に建築が可能となります。既存不適格建築物である工場で建築基準法施行令第137条の7が示す範囲を超える増改築については、規模、騒音源となる機械に対する騒音対策、臭気防止の脱臭装置の設置等によって、安全性の確保、また周辺環境に配慮された計画、これが提出されて、特定行政庁が公聴会を開催し、さらに建築審査会の同意を得た場合に特例許可が受けられることとなります。区内の産業振興の観点から、工事認可を行う所管と建築担当が十分連携を図りながら、特例許可には対応していきたいというふうに考えております。

 続きまして、国家戦略特区、これを活用できないかというようなお話であります。国家戦略特区では規制改革の提案を募集しております。国際競争力の強化に資する提案を投げかけることができるものと、このように考えております。そうした形の中でこの既存不適格問題についての提案ができるかどうか、今後、産学公の協働で設立を予定しております(仮称)中野区グローバル戦略推進協議会において議論していくことを考えております。

 それから、都市計画道路上の建築計画についての御質問がありました。都市計画道路内の建築実態についてであります。都市計画道路上に建築物の一部が建築される計画に対して、都市計画法第53条に基づく手続が必要であり、平成17年度から現在までの許可件数は165件となっております。

 都市計画道路内で建築を制限する理由についてであります。都市計画道路内の建築物の建築制限は、都市計画として決定される計画について、将来の事業の円滑な施行を確保するため許可制度が導入されているものであります。具体的には、都市計画道路内に建築する建築物の階数や構造に関して制限されており、工事着手前に特定行政庁の許可を受けることになっているものであります。

 この許可の基準であります。都市計画法第54条でこの許可の基準が規定されています。都市計画道路の区部における整備方針で指定された第3次事業化計画優先整備路線内にある場合には、建築物の階数2階以下で、かつ地階を有しないこと。それから、主要構造部、これは壁、柱、床等となっていますが、木造、鉄骨造等で容易に移転し、もしくは除却できることが条件となっております。都市計画道路が優先整備路線外にある場合には、都市計画法第54条の許可基準を準用し、階数3階建て以下で、かつ地階を有しないことに緩和しているところであります。

 それから、集合住宅条例との整合性についてということです。将来、都市計画道路事業が施行され、建築物の一部が除却された後も条例に適合するように、あらかじめ建築の事前相談の段階で指導してきているところであります。

 それから、施設白書に関連しての御質問もありました。施設保有量の最適化ということについてであります。区有施設におけるサービス提供につきましては、人口構成の変化や区民ニーズの変化などに対応し、一層のサービス向上を図っていく必要があるわけであります。今後策定する公共施設等総合管理計画においては、人口や区民ニーズの動向を踏まえて、区有施設におけるそれぞれのサービスのあり方について検討し、その結果として、施設の統合や廃止も含めた適正規模や適正配置の検討につなげていくこととしているところであります。

 施設の削減目標を設定するべきではないのか、あるいは設定する予定はあるのかと、こういった御質問でありました。公共施設等総合管理計画の策定にあたって、国の指針では、計画の実効性を確保するため、施設の数や床面積、トータルコストの縮減、平準化に関する数値目標の設定など、目標の定量化に努めることとされております。区として、この目標の適正な水準ということについてはさまざまよく考えなければならない要素がありますが、財政の持続可能性ということを考えて将来を見ていった場合には、一定の削減目標の設定、これについても検討していく必要があるのかと、このように考えております。

 それから、更新経費の圧縮策であります。施設資産の有効活用につきましては、人口減少や人口構成を踏まえた施設の適正規模の検討、施設のライフサイクルコストの低減を図る更新手法の検討などを進めていきたいと、こう考えております。具体的には施設更新や運営にあたり、民営化のほか、新たな民間活力の活用ができる手法を研究し、導入検討などを行ってまいりたいと考えております。

 それから、施設の検討体制についてであります。施設の検討を行うにあたっては、事業を所管する各部と十分な連携を図り、適宜、部門横断的な会議を企画担当が主催して全体の取りまとめを行い、進めているところであります。今後ともこの体制で進めてまいりたいと考えております。また、各自治体の担当者を対象とした国主催の講習会や自治体間の情報交換の場の機会などを利用し、知識を拡充していくほか、民間事業者とのパートナーシップによってさまざまな施設更新や運営のモデルについての知見を得るなど、検討してまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 中野駅周辺のまちづくりの御質問のうち、中野三丁目のまちづくりと中野二丁目のまちづくりについてお答えをさせていただきます。

 まず、中野三丁目のまちづくりに関して、UR施行の土地区画整理事業の場合の区の役割等について御質問がありました。中野駅周辺のまちづくりについては区が主体的に取り組んでおり、中野三丁目についても地権者や商店街との個別ヒアリングや意見交換を通じてまちづくりを推進してきたところでございます。土地区画整理事業の実施にあたっては、UR都市機構施行とし、11月4日に施行要請を行ったところでございます。区は桃丘小学校跡地の活用については、区として当該地域にどういう機能が必要か、一定の考えを示して協議をしてまいる考えでございます。引き続き地区計画の策定で都市計画行政を進めるとともに、国や都に対して補助申請をする主体は区であるため、事業の進行に適切に関与してまいります。

 今後のスケジュールでございますが、平成26年度末に土地区画整理事業の都市計画決定、平成27年度に事業認可、引き続き平成32年の西側南北通路と中野駅西側広場の同時完成を目指して事業を進めていく考えでございます。

 続きまして、中野二丁目のまちづくりについて、区立桃園公園や堀江敬老館の機能確保等についての御質問がございました。現在、中野二丁目のまちづくりについては都市計画決定を進めているところでございます。都市計画案では、区立桃園公園については中野二丁目土地区画整理事業の施行区域内にあり、その機能については土地区画整理事業の施行区域内に確保していく計画となっているところでございます。堀江敬老館の機能については、地域にとって必要であると認識しているところでございます。最終的な立地は現時点では未定ではございますが、何らかの形で確保していきたいと考えているところでございます。

 区立桃園公園と堀江敬老館の現時点の移転のタイムスケジュールについては、再開発事業の進捗にあわせて、除却や施設を確保していくこととなっているところでございます。

 私からは以上でございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、中野四季の森公園拡張用地整備の進捗状況についてお答えいたします。

 拡張用地の整備にあたっては、今後、事業認可期間を基本設計、実施設計で1年、整備工事で1年、合わせて2年延伸することとしております。現在、中野中学校への暫定通学路として一部使用しておりますが、今後も整備が完了するまでの期間は定期的な草刈りや清掃などの維持管理を行いながら、臨時的な利用につきましては対応していきたいと考えているところでございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、今後の旧中野中跡地の活用についてお答えいたします。

 旧中野中を含め、学校再編により跡地になった学校のあり方については、地域の価値を高めることも含めて、区全体として最適な活用方法を検討することにしてございます。避難場所については、区の施設あるいは民間の施設等、既存の施設で活用可能なものを使って条件整備をしていくものであり、区全体の中で必要な規模を確保していくところでございます。当該地の場合も、施設等の整備の結果として、避難所としての活用をするか否かを検討するものでございます。避難所の確保のための施設整備については、区としては考えてございません。

[2]内川和久議員登壇

○11番(内川和久) 中野三丁目のまちづくりについて、1点だけお聞きします。

 桃丘小学校跡地はURのほうに譲渡されるということで、区の手を離れてしまうこととなります。そうなりますと、地域の声ですとか、議会の要望ですとか、そういったものが届きにくくなるのではないのかといったふうな不安要素が出てきますけれども、そこら辺をどう区としては担保していくのか、もう一度お答えいただきたいと思います。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 内川議員の再質問にお答えいたします。

 中野三丁目のまちづくり事業、UR施行の土地区画整理事業についての再質問をいただきました。URによる土地区画整理事業を実施していくにあたっての区の役割、それから、地域及び区議会からの意見の反映ということでございました。先ほども御答弁の中で、区は桃丘小学校跡地の活用については、区として当該地域にどういう機能が必要か、一定の考えを示して協議していくというお答えをさせていただきました。この協議の前提としては、もちろん区議会からの御意見、それから、地域からの御意見といったものを反映するように努めていきたいと考えております。

 それから、今後、土地区画整理事業をUR施行としてするにあたりましては、区とUR都市機構との協定を結んでまいります。その後、順次事業の進捗に合わせまして協議をしていくということになりますので、その都度、区の考えをURに伝えていくということができるというふうに考えております。

○議長(伊東しんじ) 以上で内川和久議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 吉 原   

 1 障害者の防災対策について

 2 危険ドラッグ撲滅推進について

 3 商店街の活性化について

 4 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、吉原宏議員。

〔吉原宏議員登壇〕

○23番(吉原宏) 平成26年第4回定例会にあたりまして、自由民主党の立場から一般質問をいたします。

 最初に、1番目、障害者の防災対策について伺います。

 先週の11月22日(土曜日)午後10時8分ごろ、長野県北部で震度6弱を観測する地震が発生しました。幸いにも、亡くなった方は発生しなかったようですけれども、倒壊した建物の状況など、被害の状況がテレビなどのマスコミ報道で明らかになり、あのような地震が中野区を襲った場合を考えますと、しっかりとした防災対策をとっておく必要があると改めて感じたところであります。

 平成25年6月、災害対策基本法が改正されまして、「災害時要援護者」と言われてきた方々は「要配慮者」という呼び方に変わりました。また、この要配慮者の方々のうち、災害時に自ら避難することが困難で特に支援を要する方は「避難行動要支援者」という名称が定められました。名称だけでなく、これらの方々の名簿の作成、名簿情報の提供の方法についても定められ、障害者の方々への防災対策はますます重要度を増しているところであります。

 このような中、障害者や障害者を支援する方々も自らの備蓄を行ったり、家具の転倒、落下防止を行うなど、自助の取り組みによって、災害後も自宅で生活できるように準備を進めることは重要なことであり、区でもしっかりと啓発に努めていきたいところでありますが、それでも避難生活を送らなければならない状況は考えておく必要があります。

 自宅で生活が送れなくなった場合、一時的には防災会単位で指定されている小学校や中学校など区内49カ所の避難所に避難することになりますが、過去の災害では、避難所では段差があって、車椅子では移動するたびに誰かの手を借りなければならず、非常に心苦しかったといった意見や、日常の生活の介助の際にプライバシーが守られず、恥ずかしかったといった声があったと聞いております。場合によっては避難してきた障害者の方のほうが気を使ってしまい、避難所に避難できず、不自由な思いをした事例もあったそうです。避難所における障害者の方々への配慮については、機会あるごとに対策を求めてきたところですが、現状ではどのような対策が図られているのでしょうか。お伺いいたします。

 また、食事や排せつなどの日常生活に専門的な介護が必要な方ですとか、日ごろ、ベッド上に寝たきりで生活している方、さらにベッドでないと、立つ、座るといった動作ができないといった方など、避難所に避難しても、避難所の環境では生活ができないといった方もいらっしゃいます。障害者の方々などを受け入れる避難所、いわゆる福祉避難所として二次避難所を準備しているとのことですが、どういったところが避難所として指定されていて、どういった方が対象になるのでしょうか、お伺いします。

 また、小学校や中学校などの避難所については、地震により震度5強という揺れが発生したときが開設の目安になっていて、運営については地域の防災会の方が中心になると認識しています。東日本大震災のときもこの基準に基づいて17カ所の避難所が開設され、700人ほどの帰宅困難者を含めた方々を収容して機能したとのことですが、二次避難所についてはどういったタイミングで開設されるのでしょうか。運営についても、専門的な知識や経験がある方がいたほうが、より安心して避難生活が送れると思いますが、どのような方々が運営にあたることになるのでしょうか。お伺いします。

 さらに、災害は障害者の方にとって健常者の方以上に大きな負担がかかります。視覚障害の方や車椅子を使用する方などは、通常であれば容易にたどり着ける場所でも、塀や家屋の倒壊により行く手を阻まれて身動きがとれなくなってしまった例もあったと聞いております。二次避難所の準備ができていたとしても、ちょっとした物の散乱や段差ができただけでも避難の障害になることが懸念され、なるべく近くにさらに多くの二次避難所の指定をするべきではないのでしょうか。また、できるだけ早く、可能であれば災害発生とともに開設される二次避難所の指定についても要望があります。この点について、今後、区はどのように取り組んでいくのでしょうか。お伺いします。

 この間、「災害時避難行動要支援者への支援」に関する取り組みについての報告が議会にされているところであります。災害対策基本法の改正を受けてのことと承知しておりますが、法で区市町村に義務化されたのは「対象者名簿の整備」だけであったかと思います。中野区としても、取り組むことはそれだけなのでしょうか。名簿を配備しただけで本当に避難支援が進むとお考えになっているのでしょうか。私としては、それだけでは支援を必要としている方々の安全で確実な避難という目的が実現できるとは思えません。区はどういう取り組みを考えていらっしゃるのかをお伺いします。

 避難の支援が必要な方に対して、災害が起きたらどういう事態になってしまうのか。例えば、家具が倒れたら御自身一人で乗り越えられるかどうか、あるいは木造密集地域ならば、近くの火事が延焼してくる可能性も高いわけでしょうが、その状態で逃げ遅れないのかといったようなことなどを具体的に思い描いていただいて、避難に備えておくことの必要性についてもしっかり理解していただくよう啓発に努めるべきではないでしょうか。単にパンフを配る程度では、もともと関心が高くない方に対しては大きな効果は望めないと思います。行政の役割だと考えますが、この避難支援の取り組みにおいてどう進めていくのでしょうかをお伺いいたします。

 また、報告によりますと、避難支援が必要な方へ職員が中心になって訪問調査するお考えのようです。聴覚障害や認知症など、コミュニケーション等について配慮しなければならない方もいらっしゃると思いますが、訪問する職員のスキルといったものは大丈夫なのでしょうか。専門的な知識やノウハウはどう担保するのでしょうか。場合によっては、職員だけでなく、そうした専門的な対応ができる事業者や団体に対しても、訪問調査や避難支援計画の作成について、訪問の同行や計画作成の代行などの協力を求めるべきではないかとも思われますが、いかがでしょうか。御見解を伺います。

 以上の取り組みを進めるにあたりまして、対象となる方はもちろんのこと、町会・自治会や防災会をはじめ、地域の方々への周知も十分に行う必要があると考えます。その点につきましてはどのようなお考えでいらっしゃるのか、重ねて伺います。

 この取り組みを進めるにあたっては、避難支援を必要とする方々だけを対象と考えるのではなく、障害あるいは障害者等に対する周囲の方々の理解も深めていくことが大切になると思われます。その両面があって地域の支えあいも進むのではないでしょうか。「安心・安全な地域づくり」、「地域で支えあう風土の確立」に向けて、単に呼びかけだけで済ますのではなく、地域の方々の共通理解や支えあいが現実に進むよう取り組む姿勢が問われていると思います。

 最後に、この取り組みに関する区長の決意を伺って、この項の質問を終わります。

 次に、危険ドラッグ撲滅対策について伺います。初めに今までの経過及び事例を申し上げ、その後で数点、質問をさせていただきます。

 今年6月、池袋で危険ドラッグを吸った者が運転する車が暴走し、8人が死傷するという痛ましい事件が発生したことは記憶に新しいところです。ほかにも全国で危険ドラッグを使ったことによると見られる事件や事故が相次いでおります。この中野区内でも11月3日朝、ワゴン車が信号待ちをしていたタクシーに追突し、タクシー運転手の男性とワゴン車の助手席に乗っていた男性がけがをするという事件があったばかりです。運転席の下からは、危険ドラッグと見られる植物片が入った袋が見つかり、ワゴン車の運転手は、薬物により正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転することを禁じた道路交通法違反などの疑いで逮捕されました。

 危険ドラッグは、乾燥させた植物の葉っぱに人工的に合成させた薬物をまぶしてつくられたもので、ハーブと称して売られています。そのほか、使用目的を偽装して、お香、バスソルト、アロマ、ビデオクリーナーなどと称し、液体や粉末の形で販売されているものもあります。これまで脱法ドラッグ、合法ハーブと称し、雑貨店の店頭やインターネットを通じて、あたかも体に影響がなく安全であるかのように見せかけて販売されたことから、若者を中心に罪の意識を持たずに気軽に手を出す人も多く、使用が急速に広がってしまいました。

 これらドラッグは脳に作用し、一時的に気分の高揚感、爽快感、不安の解消などをもたらしますが、効果が切れたときには不安や疲労感などの症状が起こる。知覚の異常、幻覚、妄想、興奮作用、意識障害などの症状が起こり、呼吸困難で死亡する人もいます。しかし、一度使用すると何度でも使用したくなる依存性ができます。それまでの量では効かなくなる耐性ができると言われています。覚醒剤や大麻に似た成分を含む大変恐ろしいものであります。

 取り締まりにあたる国や都も、これまで手をこまねいていたわけではありません。相次いで薬事法を改正し、昨年3月、危険とみなす「指定薬物」を1,400種類以上に増やしたのに加え、「包括指定」という制度を導入、規制されている成分と似ている構造物質を一括で指定薬物として規制できるようにしました。さらに4月の改正では、指定薬物については覚醒剤や大麻と同様に単純所持が禁止されました。しかし、指定薬物の指定自体に約半年かかることもあり、規制したときには新たなものが登場しているといういたちごっこが続いていました。

 このような状況を踏まえ、安倍総理は、今年7月に開かれた薬物乱用対策の関係閣僚会議で、危険ドラッグ問題を「深刻な社会問題」と捉え、その撲滅を図る観点から、これらの規制の見直しの検討や取り締まりの徹底を指示しました。その一環として、厚生労働省と警察庁が脱法ドラッグ、合法ハーブ等の名称を、一般公募を経て「危険ドラッグ」に統一したことは記憶に新しいところであります。

 つい先日、11月19日にも薬事法がさらに改正され、販売停止の命令が出された商品と同じような危険性があると見られる商品について、国が全国一律に販売を禁止できるようにしました。東京都においても、危険な薬物を法に先駆けて知事が指定する「東京都薬物の濫用防止に関する条例」によって規制しており、これに倣い、都道府県レベルで規制しようとする動きも全国に広がりつつあります。また、本年7月、厚生労働省の麻薬取締部、東京都薬務課、警視庁が連携し、一斉に都内の危険ドラッグ販売店への合同立ち入りを行いました。

 しかし、法律などの規制強化や取り締まりの強化だけで危険ドラッグの撲滅ができるわけではありません。中野区議会でも第3回定例会において、政府に向け、危険ドラッグの根絶に向けた総合的な対策の強化を強く求める意見書を提出するべく決議したところでありますが、制度や体制の整備だけではなく、こうした薬物に手を出さない、手を出させないために、地域の一人ひとりが薬物乱用問題を自分たちの問題として捉え、危険ドラッグを許さない風潮、地域社会をつくることが大切であると思います。

 そこで、幾つか質問いたします。

 まず、現在、中野区内で危険ドラッグを販売している店舗等はあるのでしょうか。

 次に、もし販売していた場合、区には危険ドラッグを販売している店舗への立入捜査などの権限は与えられているのでしょうか。ないとしたら、こうした店舗等への取り締まり権限はどこが持っているのでしょうか。

 さらに、直接的な取り締まり権限がないとしたら、危険ドラッグ撲滅に向け区ができることは何だとお考えでしょうか。

 4番目に、これまで危険ドラッグの封じ込め、撲滅に向けて区はどのような努力をしてきたかを教えてください。

 そして最後に、危険ドラッグ撲滅に向けた今後の区としての対策の方向性を伺いまして、この項の質問を終わります。

 次に、商店街の活性化について伺います。

 2014年7月から9月期の実質GDPの対前期比率成長率はマイナス0.4%となるなど、商業環境にとっては大変厳しい状況になったと言えます。また、区内でも地域格差や消費者動向の変化、大規模店の進出などにより、既存の商店を取り巻く環境は大変厳しいものであります。商店街が活性化していくには、こうした厳しい環境の中、あらゆる方策を考えていく必要があります。そこで、区における商店街の位置付けと支援と今後の方向性について考えをお聞かせください。

 次に、商店街の組織強化について伺います。

 商店街連合会に聞いたところでは、年々減る一方であった区商連加盟の商店街数が昨年3つ増えるなど、これまでのさまざまな取り組みが実を結び始めたと聞いております。商店街の組織強化については、まず個店で商店街への加入が重要であり、さまざまな取り組みが関係者の御努力によりなされているところであります。実際には、他区の商店街連合会や商工会との情報交換や交流、既存商店街への情報提供などの支援はもとより、加入促進のためのマニュアルの作成や実際の勧誘活動など、多岐にわたる取り組みがなされているところであります。

 区においても、区商連の組織強化に向けた継続的な財政や人的支援が大変重要と思いますが、商店街の加入状況について現状を、また、こうした状況を踏まえた組織強化に向けた今後の支援の方策についてもあわせて伺います。

 次に、空き店舗対策について伺います。

 全国的に商店街の空き店舗の問題が指摘されているところであります。区の商店街では、お休みどころの開設・運営やアンテナショップなど、コミュニティスペースの活用に取り組んでいるところであります。しかしながら、区の助成を活用した場合、収益事業が行えないなど、なかなか維持が困難な状況でもあります。そこで、区内全域の空き店舗の状況と、それに対する御認識、支援の方向性についてお聞かせ願います。

 次に、商店街のイベントについて伺います。

 商店街イベントは、単に商店街の集客に資するだけではなく、地域コミュニティの形成・向上にも大きく役立っています。そこで、このイベント事業への支援についてお伺いいたします。

 平成25年度より中小企業庁が、地域商店街活性化事業「にぎわい補助金」として商店街のイベント事業を対象とした補助率10分の10の補助制度を設けました。これは今年度までの臨時的なものと聞いていますが、この補助金に対する区内商店街の申請数や採択の実績についてお伺いします。

 このにぎわい補助金を活用して、区内ではさまざまなイベントが活発に行われました。この補助金が終了してしまった現在、商店街や地域の活性化に向けた取り組みを継続的なものとしていくための商店街支援が重要となってきます。商店街イベントについて、「新・元気を出せ!商店街事業」を活用して区の支援制度をさらに充実したものとすべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 この項の最後に、区内全域の商店街の振興について伺います。

 中野駅周辺の再開発により、中野駅周辺では昼間人口も増え、さまざまなイベントが多く行われるなど、商業環境にも好影響を及ぼしています。しかしながら、他の地域ではこうしたにぎわいの波及が目に見えるものになっていないとの指摘が寄せられているところであります。こうした中、区では、なかのまちめぐり博覧会といった区内全域の活性化に目を向けた施策にも着手したところであります。博覧会には、中野駅周辺以外でも中野の逸品グランプリや西武線沿線商店街の合同によるスタンプラリーイベントをはじめ、多数の商店街イベントが参加しています。これまで単一の商店街イベントではなかなか周知が行き届きにくかった状況でしたが、この博覧会により周知が行き届き、参加者も増えたとの声を聞いております。

 また、商店街イベント以外でも、音楽イベントや映画祭など新たなジャンルのイベントも増え、イベントに参加した若者が中野で買い物をしたり、打ち上げをするなどにより地域消費も増えるといった期待が持てるなど、商業環境にもいい影響を及ぼす取り組みも進められるようになりましたことは積極的に評価したいと思います。

 今後もこうした区全体の活性化に向けた取り組みの推進が重要だと考えますが、御見解を伺いまして、私の全ての質問を終了いたします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 吉原議員の御質問にお答えいたします。

 まず、障害者の防災対策についてであります。避難所における障害者への配慮ということです。避難所における障害者への配慮について、プライバシーが守られるスペースを割り当てたり、十分なスペースがとれない場合は、目隠しのつい立てを設置するようにしているところです。備蓄につきましては、流動食などの食料、おむつなどの生活用品、段差解消のための移動式のスロープなどの機材を配備しているところであります。

 二次避難所の指定、対象者についてであります。二次避難所は、災害時に避難所生活の継続が困難になった高齢者や障害者、被災孤児、児童、乳幼児親子などの方々の支援を円滑に行うため、高齢者施設、障害者施設、児童施設等を指定しているところです。特に障害者、障害児の対象としては、重度・重複障害、重度肢体不自由者、知的・精神・発達障害等に対応するため、東京総合保健福祉センター、都立中野特別支援学校等5カ所を指定しているところであります。

 二次避難所の開設、運営についてであります。二次避難所は、避難所の運営状況や避難所生活が困難な方の状況が把握された後に、対象施設、受け入れ対象者、移送手段等の方針を定め、開設することとしております。障害者の方を対象とした施設も含め、二次避難所の運営は施設の職員、区から派遣される職員、ボランティア、家族等が協力して運営することになり、専門的な知識、経験を有する方々に携わっていただくことになります。

 この二次避難所の増設や早期開設にも配慮するべきではないかということであります。二次避難所の指定については、現在も候補となる施設を検討しているところであり、障害者の方へのより一層の円滑な支援が実施されるように努めていきたい、こう考えております。被災当初から避難所では支援が困難な方を想定し、重度の要援護者を支援している一部の社会福祉施設について、早期に二次避難所として開設できる体制の整備を進めていきたいと、こう考えております。

 それから、災害時避難行動要支援者名簿の配備に関連して、名簿以外の取り組みについての御質問がありました。災害対策基本法に基づいて、障害や要介護状態などで一人では避難が難しい方、約3万2,000人を抽出し、これを災害時避難行動要支援者名簿として配備したところであります。中野区としては、さらにこの名簿を使って実態把握を兼ねた訪問調査を区の職員を中心に行うことを考えております。この訪問を通じて、確実な避難に向けた備えや必要な支援などについて、個別の避難支援計画として作成していく予定であります。特に、実際に避難支援をしてくださる支援者の確保に重点を置いて取り組んでいく考えであります。

 支援が必要な方に対する防災に関連する啓発についてであります。そうした訪問時において、取り組みの目的や必要性などを記載したわかりやすい案内パンフレットをもとに御説明し、具体的な避難場面を想定しながら、事前の備えの必要性など理解を深めていただくよう努めていく考えであります。

 訪問調査における障害者等への配慮についてであります。専門的な知識等を必要とするのではないかといったことです。訪問にあたっては、職員に対し研修を行うほか、対応事例についても共有・検証するなど、積極的に活用しながら進めてまいります。障害のある方への訪問調査については、主に障害福祉分野のケースワーカーを中心に進めてまいります。特に配慮が必要な方につきましては、関係する団体や事業者等に協力を求めつつ、丁寧な対応に心がけて取り組む予定であります。

 町会・自治会や防災会など地域の方々への周知も必要であるということでありました。現在、要支援者への支援の進め方について、防災会、町会・自治会、各地区の民生児童委員協議会の場で説明し、意見交換を進めているところであります。また、福祉関係の団体やサービス事業者などに対しても説明や協力依頼を行ってきているところであります。今後、折を見て区報などでも幅広く周知を図っていく考えであります。

 こうした取り組みを通じて安心・安全な地域づくり、地域で支えあう風土を確立していく、このことについて決意をということでありました。安心して住み続けられるまち、災害に強いまちづくりというのは、ハード面の整備はもちろん欠かせないわけでありますが、実際に起こったときには、地域や近隣の方々の御尽力を抜きにしては成り立つものではないと、こんなふうに考えております。

 先日の大きな地震でも死者が出なかった。その背景には、やはり被災直後に近隣の方々が被災したお宅を一軒一軒訪ねて支援をし、救出して歩くといったような行動があったようにお聞きしております。こうした視点からも、町会・自治会をはじめとする地域の皆様の御理解を十分にいただきながら、しっかりと進めていきたいと考えております。

 次に、危険ドラッグ撲滅推進についてであります。区内における危険ドラッグの販売店舗についてであります。都内での危険ドラッグの販売が疑われる店舗への立ち入り、取り締まりについては、国、都、警視庁が連携して行っているところであります。今年7月以降4回、計161店舗にこの国、都、警視庁での合同立ち入りが行われたということです。これまでのところ、その中には中野区内の店舗等は含まれていなかったと、こういうふうに聞いております。少なくともそういった店舗があることは明らかではないというか、今のところ見つかっていないということだと考えます。

 取り締まり権限はどうなっているのかということですが、危険ドラッグと呼ばれる指定薬物の販売店に対する立ち入り権限は、国の麻薬取締官、都道府県の麻薬取締員に与えられているものであり、区にはこうした権限はありません。また、危険ドラッグの疑いのある薬物に対する販売禁止措置などは、国の麻薬取締官のみがその権限を持っているところであります。区の役割としては、危険ドラッグだけにとどまらず、麻薬、覚醒剤といった薬物に区民が手を出さない、出させない、そのような地域をつくることだと考えております。そのためには、区民の薬物乱用問題についての理解を促進することが大切であり、危険ドラッグを許さない風潮を地域に浸透させるために、粘り強い啓発が重要であると考えております。

 危険ドラッグ撲滅に向けて区が行ってきた努力についてであります。区は、東京都薬物乱用防止推進中野地区協議会の事務局として、区民による薬物乱用防止啓発活動を側面から支援してまいりました。具体的にはイベントや街頭でのティッシュ配布等を通じた啓発、中学生に対する啓発ポスター、標語の募集と優秀作品の表彰、薬物乱用防止中野区民大会の開催、講演を通じた区民への学習機会の提供などにより、こうした区民の活動を支えてまいりました。また、帝京平成大学の進出に伴い、協議会との連携を大学側に働きかけ、昨年度から協議会と大学が協働し、学生ボランティアも参加した薬物乱用防止キャンペーンを大学の学園祭、これは「四季祭」というそうですけれども、ここにおいて実施しております。区自らとしても、区報やホームページにおきまして薬物乱用防止を訴え、PRを行っているところであります。

 今後の対策の方向性として、であります。今後は子どもや若年者に対し、危険ドラッグの有害性を周知するために、区として新たな啓発資材の作成を検討しております。また、薬物乱用防止中野区民大会への講師派遣などを通じて、警察との連携強化をさらに図ることも視野に入れていきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 商店街の活性化についての御質問にお答えをさせていただきます。

 まず、商店街の位置付けと支援の方向性についてでございます。商店街は、安心して楽しく買い物ができる場として区民の消費生活の向上を支えるとともに、防犯・防災機能を持ち、地域交流の場として、地域住民の結びつきを強める地域コミュニティの核としての役割を果たしていると認識しているところでございます。それぞれの商店街が立地特性も踏まえた有効な活性化策を講じていけるよう、今後も行政として適切な支援に努めていきたいと考えております。

 商店街の加入状況についてでございますが、商店街の区商連への加入状況は、区内にある77の商店街のうち62商店街が加入しており、未加入は15商店街となっております。一方、個々の商店の商店会への加入率は、平成25年度に区商連が行った中野区商店街実態調査によれば、全区平均で80.2%となっているところでございます。

 組織強化に向けた支援についてでございます。区では、平成24年度から3カ年にわたり、商店街加入促進について区商連と協定を結び、区商連が行う入会案内パンフレットや加入促進マニュアル等の作成、配布、区内商店会の実態調査などの事業の実施を支援してきたところでございます。平成26年度から開始した商店街街路灯のLED化補助事業につきましては、区商連への加入を条件としており、加入促進の効果が上がっているものでございます。今後はこうした成果をもとに、区商連の組織強化に係る補助金やイベント助成等、全体の支援の中で加入促進への支援も行っていきたいと考えてございます。

 空き店舗対策についてでございます。平成25年度に区商連が行った実態調査によれば、加入商店街全体による空き店舗率は5.3%であり、全国平均の14.6%に比べ低い数値となっているところでございます。また、中野駅周辺の商店街の空き店舗率は1.7%である一方、それ以外の地域では6.9%となっているところでございます。商店街イベントや環境整備により商店街の魅力を高めることが空き店舗への出店を促すことにもつながると考えており、区の支援はもとより、国や都の制度活用も図りつつ、適切な支援を行っていきたいと考えております。なお、空き店舗を活用したコミュニティスペースの開設などに活用できる区の助成は今後も継続していく予定であり、商店街の活用に資するよう情報提供をしてまいります。

 中小企業庁のにぎわい補助金についてでございますが、平成25年度から26年度にわたり、区内商店街及びその連合会より43事業の申請があり、38事業が採択され、5事業が不採択となったものでございます。

 組織強化に向けた支援についてでございます。商店街イベントへの支援メニューとしては、都と区が協働で補助する「新・元気を出せ!商店街事業」が中心となります。今後もこの制度を中心とし、イベントの規模や内容に合った適切な支援を行ってまいります。

 区全体の活性化に向けた取り組みについてでございます。まちめぐり博覧会によって、商店街も含めた地域や企業などさまざまな団体の主催による区の地域資源を活用したイベントが多数行われている状況でございます。イベントの内容も商店街と企業など多様な主体間の連携も進み、ダンスミュージックやコスプレパレード、映画祭といった新たな形態のものも開催されるなど、区の新たな魅力の創出に向けた基盤の形成にもつながったと認識しております。今後も発信力あるイベントの誘導など開催の工夫を図り、区のイメージ向上による来街者の拡大や観光消費額の増など地域商業への波及、さらにイベント開催を契機とした関連コンテンツ産業の振興や企業集積といった産業の連関も目線に入れつつ、区全体の活性化に向けて推進してまいります。

○議長(伊東しんじ) 以上で吉原宏議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 大 内 しんご

 1 特別区民税の収納向上に向けた取り組みについて

 2 「東北復興大祭典なかの」の今後について

 3 「中野ランニングフェスタ2015」開催に向けた支援について

 4 しらさぎ訪問看護ステーションについて

 5 中学校の宿泊事業について

 6 中野サンプラザ・株式会社まちづくり中野21と中野区のかかわりについて

 7 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、大内しんご議員。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 平成26年第4回定例会におきまして、自由民主党の立場から質問いたします。

 それでは、最初に特別区民税の収納率向上に向けた取り組みについてお伺いいたします。

 私は、昨年の第4回定例会において、区民委員会の地方都市行政視察についてお話を伺いました。繰り返しになりますが、堺市では歳入確保への取り組み、滞納者に対する電話による自主納付の呼びかけ業務である市税コールセンターを民間委託し、効率を上げています。地方税の徴収に関する業務のうち、差し押さえ等の公権力の行使にあたらない補助的な業務として、滞納者に対し電話による自主的な納付の呼びかけを行う委託を早い段階から開始したことが成果となってあらわれているということでした。

 また、同じく堺市では、電話催告業務に関し、送付する督促状や催告書の封筒を目立つ色に変えて送るなど、さまざまな工夫を凝らした取り組みも実施しております。封筒を目立つ色にすることで、確実に開封してもらえるようなインパクトを与えるとともに、催告書に記載する文面についても、段階を追って厳しい内容にするなど、斬新なアイデアにより催告効果を高めているとのことでした。

 中野区においても、昨年度、23区の収納率上位区を視察し、その取り組み内容を参考にしながら対策を講じているとのことですが、やはりこうした堺市のように、これまで実施してこなかったさまざまな施策を実践することこそが、今の中野区の収納率向上には欠かせないことだと思います。

 そうした中、さきの9月第3回定例会で平成25年度の特別区民税の決算状況が示されました。これによると、予算書に掲げた数値自体は達成がなされたことでした。しかしながら、その一方、特別区民税(現年課税分)の23区平均との比較においては依然1%の開きがあり、これは平成22年から変わっていません。また、23区中の収納率の順位についても、昨年の結果は22位と低迷している状況です。平成25年度の収納率は上がったというものの、厳しい言い方をすれば、実は昨今の景気状況の影響による効果が大きかったのではないかと思います。

 23区中の順位の低迷から抜け出すため、先ほど提案した堺市の例を筆頭に、収納率で好成績を上げている他自治体の取り組みを踏まえながら、さらなる滞納対策の強化を目指した収納体制の確立が急務であると考えます。こういった戦略的な滞納対策が今こそ必要と考えたが、今年度、この提案を受け、税務担当では平成26年度、滞納者に対し封筒を目立つ色に変えたり、催告書の開封を促すはがきを出したりなど新たな対策を講じながら、その成果も徐々にあらわれていると聞いています。

 そこで伺います。平成26年度の収納率向上に向け、これまで行った新たな対策の評価と、その成果はどのような結果になっているのか伺います。

 加えて、中野区においても滞納対策の強化策として、電話催告等の業務を民間委託し、抜本的な収納率向上対策を実現すべきではないかと昨年提案いたしました。その後の検討状況はどのようになっているのでしょうか。税務分野におけるさらなる歳入確保に向けた区の御見解をお聞きします。

 2、「東北復興大祭典 なかの」の今後についてお聞きします。

 本年10月25、26日に行われた2014「東北復興大祭典 なかの」について、中野区が主催する「東北復興祈念展」と東京青森県人会が主催する「青森人の祭典」が、東日本大震災で被災された人々への継続的な復興支援のために合同で祭典を開催し、東北復興の歩みを継続させ、理解を深め、あわせて東北各県の観光、文化、芸能などを発信し、東北地方の地域振興に寄与したわけであります。

 こうした中、今年は好天にも恵まれ、来街者も2日で24万人と多くありました。また、ねぶたの運行時には多くの来訪者が四季の森公園に集まり、とりわけ土曜日の夜はねぶたに灯が入り、絶賛と歓声の中、事故もなく運行し、大盛況のうちに大祭典が開催され、東北復興への熱い思いと取り組みを継続して実施していかなければならないと思いました。

 そこで伺います。来年度も東北復興大祭典を実施する予定であると思います。開催の日は既に決まっていると思います。大祭典の開催の予定会場についてどのようになっているのか、お聞きします。

 この項に関連して、「東北復興大祭典 なかの」の開催にあたり、1点提案させていただきます。

 昭和の初めに青森市が生んだ偉大な芸術家、棟方志功画伯がその最盛期に中野区の現在の大和町にアトリエを設けて、創作活動をしてまいりました。画伯は、1903年、青森市に生まれました。生誕110周年を迎え、青森市では来年度「棟方志功生誕110周年」の記念式典を開催し、その功績を広く国民に示したいとのことです。

 中野区大和町時代に「大和し美し版画巻」を出品し、大きな反響を生んだことは有名でございます。これにあわせて、提案ですが、来年度の東北復興大祭典の際に、中野区で「棟方志功生誕110周年記念」の展示会を共催し、青森が生んだ偉大な芸術家と中野区のかかわりを広く区民に紹介するとともに、今年4月に連携都市の締結をした青森市との文化芸術や観光の交流を一層深める機会だと思います。来年度に中野区で「棟方志功生誕110周年記念展」を実施してみてはいかがでしょうか。

 3番、「中野ランニングフェスタ2015」開催に向けた支援についてお伺いします。

 今回の「中野ランニングフェスタ2015」は、さまざまな団体が実行委員会となり、昨年に引き続き四季の森公園を中心としたランニングコースを設定し、中野ランニングフェスタ2015を開催する運びとなっています。区議会も後援という形で応援しています。このフェスタの目的は、健全なスポーツ活動の場を広く区民に提供し、健康の維持と体力の向上を図るとともに、地域住民相互の親睦を深め、青少年の健全育成、外国人留学生との交流に寄与することを目的としています。また、昨年は全国から多くの市民ランナーがこの中野に集客した一大イベントであります。区は、このような意義のある「中野ランニングフェスタ2015」開催に向けて積極的に支援するべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、しらさぎ訪問看護ステーションについてお聞きします。

 これは第3回定例会でも、摂食・嚥下機能の支援の観点から質問いたしました。今年の9月、自民党区議団として、しらさぎ訪問看護ステーションの活動の様子を視察してまいりました。建物自体は廃園後に転用したもので、古いながらも地域に根差した訪問看護を展開しておられることがわかる活気のあるステーションでした。

 ところで、帰り際に外からもう一度このステーションを見たところ、門扉があまりにもさびだらけで、廃墟と勘違いしそうだと気づきました。地域の保健室として活躍を期待する以前に、まず、現在使われていることがわかり、人が訪れてもおかしくない状態にする必要があると感じ、所管の健康福祉部に伝えたところ、担当部署では早速現地を確認し、先日、さびを落としてペンキを塗りかえてくれたそうです。迅速な対応がされ、よかったと思いますが、外見の問題が解消したところで、次に中身を充実させる番だと思います。

 そこで質問します。地域の保健室として展開するため、現在ステーションとして利用しているスペースだけでは足りず、部屋の拡張が必要だということです。防災用品や文書などが保管されていることです。何とか工夫して、しらさぎ訪問看護ステーションがスペースを拡張し、地域の保健室などの活動を展開できるように対処すべきだと思いますが、いかがお考えでしょう。

 次、5、中学校の宿泊行事についてお聞きします。

 教育委員会は平成24年1月に取りまとめた「今後の郊外施設のあり方」の中で、新たな体験学習の体系を示し、その結果、中学2年生について宿泊行事が行われなくなりました。しかし、中学生時代において年1回の宿泊行事は良好な人間関係を構築する場であり、生涯、記憶に残る大切な思い出の場であると考え、大変に意義のある機会だと述べてきました。

 中学2年生における貴重な体験をする機会が失われた状況となり、これまで私は中学2年生の宿泊行事の復活を強く求めてきました。その結果、来年度からの復活に向けた検討を行うための予算が今年ついたところでありますが、教育委員会の復活に向けての取り組みについて大いに期待し、応援もしてきました。が、残念ながら、さきの第3回定例会において、その検討状況や実施の見込みについて質問したところ、「来年度の実施に向けてはさまざまな検討を行っている」と、具体的な方針が一切なく、検討状況が示されませんでした。

 このままではタイムリミットを過ぎてしまい、来年度の実施は難しい状況にあるかと危惧しています。今の時期、来年度の学校の事業計画も示さなければ間に合わない時期に来ています。中学校の宿泊行事について、改めて今後の方針について具体的な内容を確認したいと思います。また、中学校生活における宿泊行事の意義や目的について、あわせてお聞きいたします。

 6番目、中野サンプラザ・株式会社まちづくり中野21と中野区のかかわりについて質問いたします。

 確認のため、少し振り返ってお話をしたいと思います。中野サンプラザは、平成16年、当時の独立行政法人雇用・能力開発機構が所有していたものを、中野区と将来のまちづくりを担うパートナー会社で設立したまちづくり中野21が買い取ったものです。ただし、実際の運営については、パートナー会社で設立した運営会社が、中野サンプラザの所有会社であるまちづくり中野21から中野サンプラザを賃借するというスキームであったと認識しております。

 その後、平成20年に、運営会社の内紛によって、その会社が所有するまちづくり中野21の普通株式及びC種優先株を区が取得することになり、運営会社と所有会社の資本関係が解消されました。そして、まちづくり中野21が100%出資する運営会社が新たに設立されることになり、その会社が中野サンプラザを運営するという現在の形になりました。平成23年には、リファイナンスによりA種優先株、B種優先株も整理され、区が全株式を所有する所有会社として現在に至っております。中野区がこの体制になるまで投資した金額は、現在まで15億7,500万円に上ります。また、現在の株式会社まちづくり中野21の借入残高は46億7,000万円余あります。

 区議会としては、平成16年、中野サンプラザの譲渡の際に、今後の中野駅周辺のまちづくりに大きく影響するまちづくり中野21の経営に関し、区とまちづくり中野21のかかわりを問いただしました。中野区民の財産である中野サンプラザを将来にわたって適正に運営していくこと。さらに将来の中野区の玄関口であり、中野の顔となる中野区役所・中野サンプラザ地区一体整備が適正、円滑に実施できるようにすること。区民の財産としてサンプラザを守るため、税金の投入をする以上は、区議会として意見を述べる場を必ず担保する。区民の代表である区議会がきちんと監視し、チェックし、時宜を逸することなく、必要な意見を言うことが必要であると考えたからであります。

 当時は、当然、株式会社まちづくり中野21の株主として監査を入れることができ、ある程度、中野区の関与はできる余地がありました。また、平成20年にスキーム変更した際にも、当然中野区として、また区議会があらゆる局面に十分に関与し、意見を述べることができると考えていました。しかしながら、新たな運営会社は区が直接出資していない新運営会社のため、区議会から監査請求ができない。つまり、中野区議会が関与できる余地がなくなりました。現実には、中野サンプラザは完全に民間の会社であり、現在、中野区及び区議会は、運営その他、直接関与することができないという形態となっています。この点について、このままでよいのか、まず見解をお聞きします。

 今年の12月に、中野サンプラザ取得から10年が経過し、「取得後10年間は公共性のある運営を継続すること」という当初売却の条件であった指定用途も失効します。また、中野サンプラザ地区一体整備着手まで、あと5年程度です。中野のシンボルとして存在する中野サンプラザを、中野サンプラザがなくなるまでの間、どのような機能や役割を担っていくのか、明確にすることが必要な時期に来ていると思います。どのような施設、店舗が必要で、どのようなものが必要でないのか。ただ単にテナントを貸し付ければよい、空き店舗を出さなければよいというものではありません。取得当時の雇用に対する条件、契約も当然見直さなければなりません。現在、完全な民間の企業というなら、第10期の売り上げと同程度の企業の役員報酬と比較して是正すること、また、社員の適正配置を考えるなども考えられます。

 今年11月30日をもって10年が経過し、当初の売却条件が失効となった今こそ、サンプラザが残っている間の新たなスキームづくりに着手しなければなりません。平成20年のスキーム変更の際は、旧運営会社に負の資産があることが予想され、新会社をつくり運営にあたりましたが、今は全てクリアになっている現状です。改めて運用をまちづくり中野21に取り戻し、中野区が関与できる体制をつくるべきだと思います。将来の再整備にあたって区が主導的に関与し、区民の意思を生かしたまちづくりに結びつけていくためには、中野サンプラザの存在意義、そして経営方針などにもっと積極的にかかわるべきと思います。区の見解をお聞きいたします。

 さらにお尋ねします。まちづくり中野21と中野サンプラザは企業グループを構成し、副区長が無償で経営をしていた第6期の売上高は約31億500万円。従業員129名で割ると、1人当たりの売上高は2,406万円余、当期純利益は1億3,630万円余でした。現在、副区長が社長を兼務していたときと違い、民間会社なので当然それなりの報酬を支払う民間から招き入れた方が新社長になり、大きな期待をしたところです。しかし、第10期の売上高約29億7,000万円。従業員125人で割ったときの1人当たりの売上高は2,374万円余です。当期純利益は1億5,965万円余と、2,335万円余の増ですが、100%民間会社として生まれ変わったにもかかわらず、とても効率のよい経営になったとは思えません。民間の活力を入れたにもかかわらず、以前の副区長兼務の時代と比べ、本当に民間活力が機能しているのか、甚だ疑問です。

 この際、区民の財産と思うならば、どんなものが必要で、どんなものが必要でないのか、精査すべきときが来たのだと思います。一つの提案ですが、例えば、今スキームを変更するには一定の時間が必要です。その間の対策の一つとして、以前のようにお二人の副区長が取締役として経営に携わることも一つの方法だと思います。区の見解をお聞かせください。

 また、区が申請した国際戦略特区構想についても、中野サンプラザという全国的なネームバリューがあるコンテンツを生かし、今までの中野区をスクラップ・アンド・ビルドし、これからの中野区が目指すべき姿を描き、時代の移り変わりを示す必要があります。区は隣接区とともに、これから地域間競争に勝ち抜かなければならないという大きな使命を持っていると思います。

 豊島区では区の強力なサポートにより、パルコを中心として、ドワンゴなど映像コンテンツ産業の誘致に成功しました。中野区は強力なコンテンツを持っていながら、生かし切れていない現実があります。中野サンプラザのあと5年間を中野の情報、流行、文化の発信地、聖地として位置付け、変わりゆく中野区のブランド化を進めていくことが必要でありませんか。

 15億7,500万円の税金を投入している以上、区議会が適切に判断していく機会も必要であります。経営に関する必要な情報を適宜、区議会に提供していくことが必要と考えます。現在の仕組みだと、区議会に対しまちづくり中野21、中野サンプラザの経営情報はどのように提供することができるのか、またできないものがあるのか、区の見解をお聞きして質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えいたします。

 特別区民税収納率の向上に向けた取り組みについて。平成26年度は7月に初めての試みとして催告書を目立つ色の封筒で発送し、その直後に催告書の開封を促すはがき、後追いはがきを送付しました。これに加えて9月には催告書をさらに厳しい文面にして発送したほか、10月には全庁挙げての臨戸訪問を実施したところであります。こうした対策によって10月末の収納率は現年度分がプラス0.7ポイント、滞納繰越分がプラス6.4ポイントと、昨年度との比較において大幅な伸びを見せております。今後は全庁挙げた管理職等の臨戸徴収の実施など、切れ目のない滞納整理によって特別区中の順位の上昇を目指していきたいと考えております。

 電話催告などの委託化は、滞納処分に専念できる組織体制をつくるためにも重要であると考えております。このため27年度の新たな対策として、電話催告及び戸別訪問による納付勧奨業務の委託化を導入したいと考えております。

 東北復興大祭典の際に棟方志功展を開催してはという御提案であります。中野区に深くかかわりのある棟方志功画伯について、中野区での生誕110周年記念の展示会、これを開催することは有意義なことと考えます。青森市とは交流連携協定を結んでおり、芸術文化や観光の交流を一層深めるためにもよい機会となり得ると考えております。記念展開催については、開催日が2日間しかない東北復興大祭典の中で実施するのがよいか、または別のイベントとして、ある程度長い期間実施するのがよいかなども含め、今後検討してまいります。

 しらさぎ訪問看護ステーションについてであります。しらさぎ訪問看護ステーションは、地域包括ケアシステムで重要となる在宅医療・介護連携を鷺宮地域を中心に広く推進してまいりました。幅広く難病や障害へも対応しており、健康相談などの新たな取り組みも意義があるものと考えております。

 旧西中野保育園の建物は長期的に使用できるものではありませんが、スペースの拡張による機能充実の意向については、可能な範囲で協力できるよう検討してまいります。

 中野サンプラザへの中野区及び区議会の直接関与についてであります。現在の株式会社まちづくり中野21及び株式会社中野サンプラザの運営スキームは、旧運営会社から事業を引き継ぐ際にリスク回避のために選択したもので、当時の区議会でもさまざまな角度から議論され、御同意いただいたと認識しております。

 自治体は当然にして営利活動を目的とした団体ではなく、運営会社の業務は民間の営利業務であることから、直接区が関与することは適当ではないと考えておりますが、引き続き中野サンプラザ運営会社が健全かつ堅実に経営されるよう、株式会社まちづくり中野21を通じて区として適切に関与をしてまいります。現在、副区長が株式会社まちづくり中野21及び株式会社中野サンプラザの取締役に就任しております。また、区は株式会社まちづくり中野21の株主として経営に適切に関与していると考えております。当時の独立行政法人雇用・能力開発機構から中野サンプラザを取得する際、譲渡の条件であった指定用途も本年12月には失効すること、また、再整備に数年を要することから、今後の中野サンプラザ経営は大変重要であると認識しており、この観点からも適切に関与をしてまいります。

 2人の副区長が取締役として経営に携わることについてであります。株式会社まちづくり中野21及び株式会社中野サンプラザの取締役には副区長が就任しております。現時点では、この体制で両株式会社に適切に関与していると考えております。

 区議会への経営情報の提供についてであります。区議会への報告は重要であると認識しており、毎年、株式会社まちづくり中野21の決算及び株式会社まちづくり中野21と株式会社中野サンプラザから成る企業グループの連結決算を区議会へ報告しているほか、会社経営に係る重要事項についても適宜報告をしているところであります。

 区は、株式会社まちづくり中野21の株主として、株式会社まちづくり中野21を介して、株式会社中野サンプラザの企業コンプライアンスの観点から適切に監視をしており、区としてただすべき内容が明らかになれば、区議会にも報告をすることとしているところであります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 中学生の宿泊行事についての御質問です。

 これにつきましては、今年3月から中学校長と教育委員会事務局で中学校宿泊行事検討委員会を設置し、各学年毎の行事の狙いや教育的効果を踏まえ、そのあり方について検討を行ってきました。1年生につきましては、小学校から中学校への接続の時期に当たるため、集団でのマナーやルールを実際に学ぶことができること、また、生徒同士、生徒と教員との人間関係づくりに大きな効果があり、学校生活に対する不安の解消にもつながることなどを考慮し、入学当初に1泊2日の宿泊を伴う行事を行うことを考えていく。また、宿泊先の候補地は、その目的に鑑み、野外運動場や体育館、ホールなどの施設が充実しており、かつ複数の学校が同時に宿泊できるようなことを視野に入れて候補地を検討し、8月には山中湖周辺での実地踏査を行ったところでございます。

 また、2年生につきましては、都会にはない豊かな自然環境の中でさまざまな体験や集団による宿泊生活によって人間関係づくりができるような2泊3日の宿泊行事を検討し、現在1年生で実施している軽井沢少年自然の家を利用した移動教室、スキー教室を行うことを考えていく。以上のような検討を行っているところでございます。

 なお、3年生の修学旅行は、日本の歴史、文化、経済、産業、政治などの重要な土地を直接見学し、広い知見と豊かな情操並びに集団生活を通して生徒相互の人間関係を含め、健全な心身の育成を図ることを目的として現在実施しております。こうしたことから、中学校1年生、2年生、3年生全ての学年で宿泊行事を来年度から実施できるよう、準備等着実に進めていきたいと考えてございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 「東北復興大祭典 なかの」の来年度の日程と会場についての御質問にお答えいたします。

 来年度の「東北復興大祭典 なかの」は、平成27年10月24日(土曜日)及び25日(日曜日)の2日間で行うことが東北復興大祭典実行委員会で確認されているところでございます。会場につきましては、区役所、サンプラザ、四季の森公園及びパークアベニュー等を予定しております。詳細につきましては、今後実行委員会の中で検討し、関係機関や関係団体との調整を行い、開催に向けて進めていく予定でございます。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、中野ランニングフェスタ2015に関する御質問にお答えいたします。

 区は昨年に引き続き、団体が行う公益事業に対して後援を行っているところでございます。健康・スポーツ分野を窓口といたしまして、公園の占用許可申請をはじめ庁内関係での手続、これがスムーズに進むような配慮、あるいは広く周知を図るというためのPR、これらの支援を行うとともに、オブザーバーとしても実行委員会に出席をしているところでございます。今後も後援事業としてイベントの成功に向け、できる限り支援をしていきたいというふうに思ってございます。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 再質問いたします。中野サンプラザのことについてですけれども、ちょっと答弁がいまひとつわかりづらかったので、もう一度お聞きします。

 現在中野サンプラザの運営等に中野区、あるいは中野区議会というものが全く今は関与できていない状況だということが問題かと思いますけれども、実際、関与できるんでしょうか。健全に運営していると区長はおっしゃっていましたけれども、中野区が関与している状態でそういった認識なのか、関与できないけども、健全に運営しているという認識なのか、その辺のところをもう一度、お願いいたします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 株式会社まちづくり中野21の株主、中野区が100%の株主ということになっております。したがいまして、株主として役員の人事構成等々について、また会社の基本的な方針等について、しっかりと中野区が関与して、主導して決めているということであります。区が関与しているということである以上、区議会も当然そうした形で、区への監視または関与という形で区議会も関与をしていただけると、このように考えております。

 運営会社のほうの株式会社中野サンプラザについては、まちづくり中野21、これが全ての株を持っているわけでありますから、それを通じて、また区の関与が明確であると、このように考えております。

○議長(伊東しんじ) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後2時43分休憩

 

午後3時08分開議

○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 外形標準課税について

 2 特別支援教育について

 3 学校給食について

 4 その他

 

○議長(伊東しんじ) むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○39番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。

 外形標準課税についてお尋ねいたします。

 アベノミクスで経済は「好循環」どころか、実質賃金は14カ月連続でマイナス、円安で輸入原材料は高騰し、国民生活は悪化の一途をたどっています。そんな中で安倍内閣は6月、「経済財政運営と改革の基本方針2014について」と題する文書を閣議決定しました。ここには「数年で法人税の実効税率を20%台まで引き下げることを目指す。引き下げは来年度から開始する」と明記されています。しかし、日本の法人税は本当に高いのでしょうか。中央大学名誉教授の富岡幸雄税理士は、9月に刊行した「税金を払わない巨大企業」(文春新書)で、「そもそも大企業は法定税率どおり法人税を払っていない」と指摘しています。2013年度における法定正味税率は38.01%ですが、課税ベースを下げる数々の優遇税制によって、巨大企業の実際の税負担率は、一番低い三井住友ファイナンシャルグループで0.002%、10位がキリンホールディングスで12.5%などと大幅に低くなっている実態を示し、「大企業は法定税率どおり法人税を支払うべきであり、さらなる法人税率の引き下げは全く不必要である」と主張されています。大企業のこのような法人税納税実態について、区は認識しているのでしょうか。お答えください。

 安倍内閣はこのような優遇税制には手をつけず、財界の要求どおり2015年度の税制改正案に法人税率引き下げを盛り込もうとしています。この税収減の穴埋めとして浮上したのが「法人事業税の外形標準課税の適用拡大」です。2004年から実施された外形標準課税は、現在、資本金1億円を超える大企業2万4,000社にのみ適用されていますが、これを1億円以下の企業に拡大しようとするのが今回の政府税制調査会のもくろみであり、大企業にはさらなる減税、中小企業には大きな増税ということになります。

 とりあえず、去る11月11日、「中小企業に新たな負担となり、地域経済に悪影響を及ぼしかねない」として、「来年度の導入は見送る」と報道されましたが、消費税と同じで、「来年度の実施」は見送られたものの、法人税の実効税率引き下げを先行させる方針であることから、その財源としての外形標準課税拡大の議論が消えたわけではありません。

 外形標準課税の適用拡大を実施すれば、赤字の中小企業にも課税されることになり、中小企業の体力を消耗させます。区内の中小企業にとっても大きな打撃となり、区の産業振興と地域経済活性化に逆行します。また、この税は賃金にも課税するため、雇用にも影響が及びます。区内の中小企業だけではなく、区外の中小企業に勤める中野区民の生活にも大きな影響を与えることを忘れてはなりません。

 地方自治体は「安定的な地方財源の必要性」という立場をとりますが、地域の中小企業がつぶれて、何の安定財源でしょうか。区民が営業を続け、潤って初めて地方財政の健全化となるのではないでしょうか。今後、外形標準課税の適用拡大が実施された場合、区内の中小事業者及び区外の中小企業に勤める中野区民に及ぼす影響をどのように試算し、考えているのか、見解をお聞かせください。

 区内の産業振興に逆行する施策である法人事業税の外形標準課税適用拡大の廃止を国に進言するべきであることを申し添えて、次の質問に移ります。

 次に、特別支援教育についてお尋ねいたします。

 中野区には、情緒障害等通級指導学級が小学校に3校、中学校に1校あります。現在行われている「通級による指導」は国とは違う東京都独自の制度であり、通級児童・生徒が10名で1学級を編制し、学級数プラス1名の担任を配置しています。児童・生徒が増え、学級数が増えれば教員も増えるという非常にすぐれた制度です。この制度のもとで情緒障害等通級指導学級では、個別指導と小集団指導を適切に組み合わせて大きな成果を上げています。

 しかし、都がこの制度を廃止して、小学校全校に特別支援教室を設置し、先生が児童の在籍校に出向いて指導を行うという巡回指導を2016年に開始するとしたことは、残念です。通級学級への通学の負担はなくなるものの、特別支援教室の設置にあたっては、これまでの通級指導学級のように必ずしも専用の教室を設ける必要はないとされている点や、巡回指導の職員配置基準が明らかにされていない点などから、指導の質の低下を懸念する声が保護者や教師から上がっています。長年にわたり培ってきた通級指導学級の大きな変更ですから、慎重な検証と納得できる説明が必要です。

 2012年度より今年度まで「特別支援教室モデル事業」が北区、目黒区、狛江市、羽村市で、中野区でも先月10月から3月末まで、上高田小学校で実施されています。モデル事業実施終了後、他区、他市の結果については東京都に求め、それも含めて中野区での結果を公表し、区民との意見交換会を開催するべきと考えますが、区の見解をお答えください。

 11月11日付朝日新聞に、「特別支援教育、足りぬ先生。自閉症・情緒障害で通学急増。指導法知らず困惑」という記事が載りました。支援学級で教えるには教員免許に加え、特別支援学校の教員免許が必要ですが、教育職員免許法で「当分の間、なくてもよい」と60年以上放置されているため、特別支援学級での支援学校免許保有者は30.5%だそうです。中野区における特別支援学級での免許保有者は何%でしょうか、お答えください。

 免許がなくても、研鑽を積まれ、立派な教師がいらっしゃることも、教師は東京都採用ということも承知していますが、中野区の児童・生徒のために、区としても免許取得に向けた何らかの取り組みをするべきではないでしょうか、お答えください。

 最後に、学校給食についてお尋ねいたします。

 長期休暇を終え、やせ細って登校する児童・生徒や、偏った食事による子どもの味覚障害などが近年問題視されています。その点からも学校給食の意義が高まっています。中野区の学校給食は、国産の旬の食材、食品添加物や残留農薬、放射性物質検査の数値を考慮し、遺伝子組み換え食品を避ける努力をし、天然素材でだしをとり、カレールーも手づくりするなど、食の安全と栄養バランスの整った食事のお手本と言えます。

 先日、新聞記事にもなりましたが、全国から視察が絶えない足立区の給食人気は学校だけにとどまらず、給食レシピ本を税込み1,296円で販売し、既に7万7,000冊発行しました。さらに区役所のレストランで給食メニューを提供したりと、その取り組みは学校給食の枠を超え、一般社会への食育の一助となっています。給食の質の点では、中野区も足立区に引けをとりません。2年に一度、中野区学校栄養士研究会が区役所1階で学校給食展示会を行っていますが、足立区を参考にしつつ、任意団体に任せているだけではなく、区の取り組みとしても、もっと学校給食を活用した区民への食育を進めてはいかがでしょうか。お答えください。

 現在、小学校25校中17校にランチルームが設置されていますが、給食を食べるという設置目的でのランチルームの使用は、年間で1クラスたったの3回から5回と利用率は低く、食育の観点からも残念です。さらに残念なことは、今年新設された中野中学校に、中学校では初めて中庭もあるすばらしいランチルームが設置されましたが、給食を食べるという本来の目的での使用はいまだに一度もないと伺い、驚きました。小学校のランチルームの利用率が低い原因は何なのか、中学校唯一の中野中学校のランチルームが半年間使用されなかった原因は何なのか。さまざまな原因を改善し、ランチルームを積極的に活用し、食育を進めるべきではないでしょうか。区の見解をお答えください。

 足立区のように「給食で一生を通じた健康な体と精神の基礎を養う」との気概を持った学校給食への取り組みを期待し、誠実な答弁を求め、質問を終わります。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) むとう議員の質問にお答えいたします。

 初めに、特別支援教育について、現在行っておりますモデル事業実施後の対応についてです。平成28年度から全ての区立小学校に特別支援教室を設置し、拠点となる小学校から教員が児童の在籍する学校へ巡回して指導を開始する予定でございます。それに先立ち、10月からモデル事業を実施しているところでございます。モデル事業で明らかになった課題等につきましては、平成28年度からの本格実施に向け、来年度以降も引き続き検討を行っていく予定でございます。事業を開始する前には保護者等への周知や説明を丁寧に行っていきたいと考えております。

 続きまして、特別支援学校教諭の免許状保有率と取得のための取り組みについての御質問です。区立小・中学校の特別支援学級における特別支援学校教諭の免許状保有率は27%でございます。特別支援学級の教員の当該免許取得に向けて、教育委員会としては、東京都が行う認定講習や大学等が行う講習会の周知を行うとともに、学校を通じて受講を勧めているところでございます。区といたしましては、毎年、夏季休業中に中野特別支援学校と連携して3日間連続の7講座に及ぶ特別支援教育に関する研修会を開催し、区内の教員の特別支援教育の専門性を向上させてございます。なお、今年度は延べ280人の教員が受講したところでございます。

 続きまして、学校給食について、区民への食育の推進ということでした。中野区の学校給食では日本型食生活の実践や、日本の伝統的な食文化の継承について配慮した献立を作成してございます。各学校では、献立表や給食だよりを各家庭に配付しており、献立内容のほかにも、地産地消や食習慣、食文化といった食に関する豆知識等のコラムを掲載するなど、家庭における食事のモデルとしての役割も持ってございます。また、区のホームページにおきましても、各小・中学校で提供している給食等について、写真とともに栄養や食育に関する情報を掲載して紹介しているところでございます。

 次に、ランチルームについての御質問です。ランチルームが設置されている小学校での利用回数は、区内の学校を平均いたしますと年間60回程度でございまして、3回に1回は活用が図られていることになります。学校行事その他の状況を総合的に勘案いたしますと、十分に活用されていると考えています。

 中野中学校は今年度、新校舎に移転いたしました。新しい教育環境に合った教育活動を展開するため、教育計画の見直しのための時間が必要でございました。今後、活用を図っていく予定でございます。

 ランチルームを活用した異学年との交流給食や地域の方とのふれあい給食などは教育的にも有意義な取り組みであり、教育委員会としても積極的な活用を促していきたいと考えてございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは外形標準課税のうちの企業の納税額についてお答えいたします。

 個別企業の税額につきましては、各企業がそれぞれの企業活動の実態を反映したものと言えます。法人税は国税と地方税に分かれてございますが、いずれも区が直接徴収する税ではございませんので、個々の納税額の実態については把握できる立場にはございません。

 続きまして、外形標準課税における、改正における影響についてでございます。外形標準課税は、東京都が徴収いたします法人事業税の一部となってございます。そのため、拡大に伴います区民への影響については区が直接把握できるものではございません。したがいまして、見解については差し控えさせていただきます。

○議長(伊東しんじ) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 中野区地域スポーツクラブについて

 2 いじめ問題について

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、近藤さえ子議員。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○29番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。

 中野区地域スポーツクラブについて伺います。

 平成20年3月閉校になった仲町小学校跡地は、福祉や子育て支援、健康づくり等の多岐にわたる機能を持つ地域密着型の複合施設として整備されました。施設の内容は、中部すこやか福祉センター、地域包括支援センター、仲町就労支援事業所、相談支援事業所、そして(仮称)地域スポーツ施設です。当時、築39年の校舎は8億円かけてスーパーリフォームされました。

 (仮称)地域スポーツ施設は、平成24年3月から事業が始まりました。(仮称)すこやか福祉センターの開設及び仲町小学校跡施設活用整備に関する基本方針が出されてから6年が経過し、地域スポーツクラブにはこれまで計1億円余りの事業費を予算計上し、事業を推進してきましたが、その半分以上は未執行という計画性のない事業状態が続いてきました。

 今年度からは区民によるクラブマネジャーを置き、事業の利用率も上がってきていると伺いましたので、新しい体制になった(仮称)地域スポーツ施設がどのような状態なのか、私も先月、視察しました。

 団体参加型モデル事業、健康・スポーツ教室型事業、トレーニング型モデル事業の3つの事業が行われ、今年の10月からは区民の団体に委託した健康・スポーツ教室型事業も始まりました。クラブマネジャーとなる区民がプログラムづくりから直接の運動指導まで行っています。当日は2つのプログラムを見せていただきました。乳幼児対象のプログラムは満員でしたが、別のプログラムの利用は極めて少ない状態でした。

 また、TACが運営しているトレーニング型モデル事業、1カ月9万円でレンタルしている新しい運動マシンが並ぶトレーニングルームも、視察した時間の利用者は1人でした。平成23年度からモデル事業に取り組んできましたが、地域スポーツ施設の利用状況についてはまだまだ少ないと思いますが、その理由は何なのでしょうか。

 併設する中部すこやか福祉センターも見学しましたが、どこにも、(仮称)中部スポーツ施設の講座等を案内する張り紙等はありません。開設の平成22年当初からこれまで、すこやか福祉センターには多くの地域の方が足を運んでいます。なぜ併設するスポーツ施設の案内がないのかと伺うと、「別々の部署が所管しているので、スポーツ施設は所管外であり、今まで宣伝はしてきていない」ということがわかりました。地域密着型の複合施設でありながら、施設の中が連携、管理されていないのです。すこやか福祉センターまで来ていても、ほとんどの区民はスポーツ施設の存在を知らないで帰る状態です。区が整備する複合施設の問題点も見えてきました。

 (仮称)地域スポーツ施設の入り口には、かつて小学校の名前が書かれていた門柱に、すこやか福祉センターと並んで(仮称)地域スポーツ施設の名前が小さく書かれています。その隣に大きな文字で「すこやか福祉センター」の目立つ看板を掲げているので、その存在はわかりますが、(仮称)地域スポーツ施設は、施設の前の道を通っても、よほど注意していなければ気がつきません。地域密着型の施設としてつくりながら、地域区民も気がつかないで通り過ぎているのではないでしょうか。民間のスポーツ施設であれば、遠くからでもわかるように大きく宣伝しています。

 本気で地域スポーツクラブの目標と施設の利用を推進していくのであれば、なぜ地域住民にもっとアピールしていかないのでしょうか。また、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)では、ステップ4で、沼袋小跡地も地域スポーツクラブ拠点施設、鷺宮圏域にも地域スポーツクラブ拠点施設の開設となっていますが、進捗状況はどのようになっているのでしょうか。

 平成23年に制定されたスポーツ基本法には、国及び地方公共団体に対して地域スポーツクラブへの支援がうたわれ、同時に地方公共団体は地域の特性に応じた施策を策定、実施するように求め、国民がその興味または関心に応じて身近にスポーツに親しむことができるようにと書かれています。地域スポーツクラブの目的は、地域住民が自発的に集い、身近な場所を拠点としてスポーツを楽しむことで地域のコミュニティづくりを推進し、健康、生きがいづくり、活力ある長寿社会を目標とするものです。

 地域区民のスポーツ環境を充実させることについては、私は大変大事な事業であると考えますが、箱物だけ出来上がり、管理・運営に試行錯誤し、いざ区民に立ち上がってもらいプロジェクト開始となった段階で、何年も地域区民への周知も広がらず、利用者が少ないのでは、スポーツ基本法の目標とするところにも至りません。また、そのような施設管理を続けていく余裕は、今の中野区の財政を考えると厳しいものがあります。「箱物をつくって区民の魂入らず」では、本来の目的は達成されません。

 この中野区第1号の(仮称)中部地域スポーツ施設のこれまでの経過、区民の関心度、区民の利用度を見ても、今後、区内に四つの地域スポーツクラブを整備し、区民主体で運営していくことは財政的にも人材的にも厳しく、また、複合施設を管理・運営する体制も整っていない行政の指導下で運営していくのは課題が多過ぎると思います。区内に4つの地域スポーツクラブを整備する必要性について、見直すべきではないでしょうか。

 区が掲げる健康づくりやスポーツムーブメントを推進するには、既存の公共施設を活用する、また民間のスポーツ施設を有効活用する方法もあるはずです。新しく策定される10か年計画では、まだ計画の進まない北部圏域の地域スポーツクラブのあり方を再考していただくことを求めて、私の質問を終わります。

 次に、いじめ問題について伺います。

 昨年9月に施行された「いじめ防止対策推進法」では、当該児童・生徒と一定の人間関係にある他の児童・生徒が行う心理的または物理的な影響を与える行為で当該行為の対象となった児童・生徒が心身の苦痛を感じているものを「いじめ」と定義されました。

 中野区でも、今年3月、「いじめ防止に向けて(改訂版)」の発行を行い、いじめ問題の未然防止・解消に向けて、積極的かつ組織的な取り組みを推進していくとしています。教育委員会では、いじめ問題に対して、学校の教員だけではなく、地域の方たちと一緒になって取り組んでいくとしていますが、地域の方たちとは、具体的にはどのような人たちのことで、どのようにいじめ問題とかかわっていくのでしょうか。

 早期発見、早期対応で解決に進めばよいですが、いじめが長引いてしまい、保護者が御自分のお子さんを守るために、やむを得ず中野区内の他校へ転校を考えるケースがあります。しかし、中野区では住所の変更を伴わない転校は認められていません。個別の事情によって転校が認められる場合もありますが、一般的には、いじめで転校したいと申し出ても認められないと伺います。新宿区、江戸川区など、住所の変更を伴わなくても転校を認めている区もある中、中野区では、いじめが理由でも児童・生徒に転校が認められていません。いじめを受けている児童・生徒には大変厳しい現実に感じますが、今までにいじめで転校を認めたことはないのでしょうか。

 住所の変更を伴わない転校は個別の事情によるとなっていますが、いじめを受けて苦しんでいても、それは認められませんと言われた当事者は納得ができません。住所変更を伴わない転校に対して基準を設けている区もありますが、保護者が納得できる基準、あるいは、せめて丁寧な説明が必要であると思いますが、それさえもされていないとの声を聞きます。なぜ保護者が納得できる丁寧な説明もないのでしょうか。

 親子で、いじめから離れる最後の手段として転校まで考えたのに、転校は認められないとなった場合、耐えられないいじめを受けていると感じている児童・生徒は学校には行けず、家にこもりがちとなってしまうことが多々あります。これは子どもの学校へ行く権利を教育委員会が自ら阻害したような結果となってしまいます。転校がかなわないのであれば、一刻も早くいじめから解放し、他の子どもたちと同じように楽しい学校生活を続けさせてあげるように取り組まなければなりません。このような当該児童・生徒に対してどのような取り組みをしているのでしょうか。

 2011年小中連携・学校と地域との連携等についてのアンケート調査結果によれば、「通学している学校をどんな学校にしたいですか」というアンケートに対して、児童・生徒、保護者、教職員の全ての回答者が「いじめや荒れのない学校」という回答が、他の回答を大きく引き離して、回答者の希望の第1番目です。

 いじめによる転校を認められなかった場合の児童・生徒への対応には相当な配慮、努力を要すると考えられますが、教育委員会の御見解をお願いいたします。

 その他はありません。御清聴ありがとうございます。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 近藤議員の御質問にお答えいたします。

 いじめ問題についてです。初めに、学校と地域のかかわりについての御質問がありました。中野区いじめ防止基本方針では、いじめに対する基本的考え方として、家庭、地域社会及び関係機関との連携の強化を挙げています。これは保護者をはじめとして民生児童委員や次世代育成委員、また、必要に応じては警察などの関係諸機関等、学校にかかわるさまざまな地域人材を想定しておりまして、学校とともに児童・生徒の見守りや挨拶などの声かけをするなど、地域が子どもたちのことを常に見守っているというメッセージを伝えることによって、子どもたちの健やかな人間関係をつくっていくことを目指してございます。

 続きまして、いじめを理由とする転校についての御質問がございました。転校の理由についてはさまざまございますが、複数の要素が重なっていることが多いというふうに認識しております。その中の一つとして、いじめが含まれている事案もあるということを認識しております。

 続きまして、いじめを理由にした転校についての見解ということです。いじめにつきましては、学校で対応することが原則であると考えてございます。そのため、学校はいじめの原因となる事象や交友関係について調査し、事実確認とともに学校と家庭が一体となって改善に努めていくことが求められていると考えています。したがって、いじめという理由で転校は直ちに認めないという現状でございます。

 次に、いじめを理由に転校を希望する子どもに対する配慮やケアという御質問でした。いじめの相談があった場合、学校が中心となってスクールカウンセラーや心の相談員等を活用して、当該児童・生徒の心のケアやスクールソーシャルワーカーを活用しての家庭も含めた支援を行っています。また、学校との信頼関係をより深めるため、担任等が必要に応じて個人面談や家庭訪問を行ってございます。転校を考えるまでに至った事案につきましても、児童・生徒の立場に立って適切に対応しているところでございます。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 中部地域スポーツクラブについての御質問です。

 まず、施設のPRということでございましたが、(仮称)中部地域スポーツ施設につきましては、モデル事業を開始以降、教室参加者、団体による施設利用も確実に増加してきてございます。しかしながら、近隣地域での理解や周知をさらに深めていく取り組み、これが必要だというふうに認識してございます。現在、中野区地域スポーツクラブの理事会では、施設近隣での施設案内表示の場所の選定ですとか、町会掲示板へのポスターの掲示など、PR手法についてさまざま検討を行っているところでございます。既に町会連合会等への協力要請も行ってきてございます。

 それから、拠点施設の整備の考え方ということの御質問でございました。沼袋小学校跡地と鷺宮圏域の地域スポーツ施設の整備計画につきましては、現在検討中でございます。今後、具体の整備手法や設置場所などについて、検討の進捗にあわせてお示しをしていきたいというふうに思ってございます。

 地域スポーツクラブは、地域に根差した取り組みでございます。その活動拠点としての施設は必要というふうに考えてございます。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○29番(近藤さえ子) すみません。1点だけ再質問させていただきます。

 いじめ問題で地域の方たちは具体的に、どんな方たちで、どのように――ほかの問題はいいんですけど、いじめ問題とはどのようにかかわっているかを教えてください。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) いじめについて、個別具体的なケースに地域の方がかかわるということは想定しておりませんが、先ほども御質問にお答えいたしましたように、地域全体で子どもたちを見守るという機運をつくっていくことが、より学校生活を健全にし、子どもたちが健やかに育つ環境をつくっていくこと、ひいてはいじめをなくすことにつながっていくというようなことで御協力をいただいているところでございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 いながき じゅん子

 1 生活困窮者自立支援法施行後の区の体制・事業について

 2 生活保護受給者の健康管理等支援について

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、いながきじゅん子議員。

〔いながきじゅん子議員登壇〕

○17番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子です。

 通告どおり、1、生活困窮者自立支援法施行後の区の体制・事業について、2、生活保護受給者の健康管理等支援について、3、その他として、中野区の目指す職住近接について伺います。

 先日、内閣府が発表した2014年7月から9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.4%減、年率換算では1.6%減でした。今年4月の消費税増税前の駆け込み消費の反動により、年率で7.3%減と大幅に落ち込んだ4月~6月期の後も回復することなく、2四半期連続のマイナスとなりました。消費税10%への引き上げが1年半先送りにされましたが、今後の景気の先行きは楽観視できない状況が続くと考えます。

 さて、日本の生活保護受給者数は平成23年に過去最高を記録し、それ以降も増加を続けています。中野区でも被保護者数は増え続け、10年前は年間100億円だった生活保護費が、今では1.5倍の150億円を大きく超え、今後も景気の動向以前の問題として、人口の高齢化による増加が予測されています。そのような状況の中、今年に入り生活保護法が改正・施行され、来年4月からは生活困窮者自立支援法がスタートすることになりました。

 まず、生活困窮者自立支援法関連について伺います。来年4月から、生活保護一歩手前の生活困窮者に対し、国と自治体が支援を行うということですが、支援希望者に対する区の受け入れ体制はどのようになる予定なのでしょうか。所管は生活援護分野だということですが、現在、生活保護受給希望者の対応を行っている「生活相談窓口」と一本化して受け付けるのか、看板を別にして担当も分けるのか、どちらになるのでしょうか。

 また、法律にのっとった必須事業として「自立相談支援」と「住宅確保給付金の支給」があり、前者については相談に乗るだけではなく、事業利用のためのプラン作成もしなければなりません。さきに述べましたとおり、生活保護受給者、被保護世帯も今後増え続けると思われる中、この生活困窮者自立支援法施行後、現在の生活援護分野の人員とスペースで賄えるのでしょうか。今後それらが拡充されたり、事業が外部委託されたりする予定はあるのか、伺います。

 さらに、自治体の任意事業として、家計相談支援事業や学習支援事業がありますが、区として何か取り組んでいくものはあるのでしょうか。いわゆる貧困の連鎖は、低所得者層の子どもが、そうでない家庭の子どもに比べて十分な教育を受けられる環境にないことが原因の一つと言われており、その傾向は高校進学率の低さや中退率の高さなどにあらわれています。先日、自民党の北原議員の御質問にもありましたが、任意事業となっているとはいえ、区はこの学習支援事業を積極的に進めていくべきだと考えますが、御見解を伺います。

 また、来庁した相談者にアンケート調査を行って、そのデータを集計・分析し、それをもとに区内の経済状況、生活困窮者の実態を把握し、今後の区の福祉政策に生かしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、生活保護受給者の健康管理等支援について伺います。

 全国的にも、また中野区でも生活保護世帯数と生活保護費は増え続けていますが、保護費の中でも一番多い割合を占めているのが医療扶助です。保険医療の範囲内なら、何度診察を受けても、薬をもらっても、入院・手術を繰り返しても自己負担金がゼロという現行制度においては、被保護者は保護を受けていない人と比べ、どうしても自らの健康を維持管理する意欲が湧きづらくなりがちです。お金のことを気にせず安心して医療が受けられるのはよいですが、健康を害したり、症状が長期化したりすることは、医療扶助増大の問題のみならず、御本人の日常生活においても大きな負担となるわけで、被保護者の健康づくりは重要な課題と考えます。

 ことし改正・施行された生活保護法では「みずから健康の保持及び増進に努める」ことが被保護者の責務と位置付けられ、さらに、今年7月からは「福祉事務所の調査権限を強化して健康診査結果等を入手可能にし、それに基づいて、健康面の支援をより効果的に行えるようにする」となりました。それを踏まえた区の今後の取り組みについて、まず健診について伺います。

 現在、区では40歳以上の生活保護受給者が無料で受けられる「健康づくり健診」が行われていますが、その受診率はどのくらいでしょうか。また受診後は、その結果に応じた適切なケアにきちんとつながっているのでしょうか。また、健康づくりは若年時からの積み重ねが大切だと考えますが、近年増えている40歳未満の被保護者の健康維持管理支援はどのように行われているのでしょうか。

 国や区のデータによりますと、被保護者の疾病としては、精神疾患のほか、高血圧や糖尿病、がんなどのいわゆる生活習慣病が高い割合となっています。区は昨年3月に「中野区健康づくり行動プラン」を制定し、生活習慣病予防やがん対策に力を入れ、区民が身近な地域で健康づくり活動を行うための環境整備や各種事業を展開していきますとうたっています。被保護者も同じ区民であるわけですし、このプランにのっとって情報提供等を積極的に行い、支援していくべきだと考えます。例えば、地域スポーツクラブなど、そのために区が提供している施設やサービスは被保護者の方々に積極的に利用されているのでしょうか。

 また、生活保護受給者は孤独で自宅に引きこもりがち、生活も乱れがちな人も多いという話を聞いております。そのような問題の改善策として、また、心身の健康維持のためにボランティア活動への参加という方法もあるのではないでしょうか。なかなか自立・就労へ踏み出せないという方にとっては、ウオーミングアップの場として有意義かと思いますし、年齢等の理由でなかなか就労までには至らないけれども、機会があれば社会と何らかの接点を持ちたい、貢献したいと思っている方もいるのではないでしょうか。思いはあっても、単独でどこかの団体に入り、活動するというのはハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんので、区がグループワークのような形でコーディネートしてみてはと思います。区の見解を伺います。

 次に、「中野区の目指す職住近接」について伺います。

 現在の中野区基本構想にも、この「職住近接」が明記されており、今年8月に東京都に提出した国家戦略特区の提案書の中でも、次世代グローバル都市のモデルとなる職住近接型拠点にするとうたっておりますが、今後、具体的にはどのように実現していくのでしょうか。中野駅周辺の再開発が進み、北口にはさまざまな企業や大学が移転してきました。今後も区役所・サンプラザ地区や南口を含めた駅周辺の再整備を進め、オフィスビルや集合住宅を増やす計画があるようですが、職住近接をさらに推し進めるためにはハードを整備するだけではなく、そこで働くより多くの人に「住むのも中野がいい」と選んでいただく必要があり、そのためにはソフト面を含めたもう一押しの取り組みが必要なのではないでしょうか。

 区役所職員をはじめ、オフィスが中野にあっても、杉並、渋谷、新宿、豊島、練馬といった近隣区から通ってくる方々も少なくありません。これも職住近接と言えるのかもしれませんが、税収等のことを考えますと、やはり近隣ではなく、中野区内に住んでいただくことが重要です。特に区職員について、管理職の区内居住者数は5年前と比較して増加しているものの、全体的な割合は緩やかに減り続け、現在はおよそ21%です。災害対策など危機管理の点からも、区職員の区内在住率はもう少し増やすべきではないでしょうか。区内に住む職員が増えれば、通勤手当削減にもつながります。区の見解を伺います。

 以上で私の質問を終了いたします。ありがとうございました。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) まず、生活困窮者自立支援法に関連して幾つかの御質問がございました。

 その相談体制ということでございますが、要保護者であるか困窮者かという、この見きわめについてはかなり難しいということもございまして、現行の生活援護分野の相談業務の中で的確に判断していきたい。その中で自立相談支援事業の対象となる方については専門的な支援を開始していくということを考えてございます。

 その専門相談と支援のための体制ということでございますが、生活困窮者への自立相談支援が的確に行えるよう、人員体制や事務スペースの確保について、事業の民間委託も含めまして検討しているところでございます。

 また、自立支援法の任意事業についての御質問もございました。これにつきましては、低所得世帯の子どもへの学習支援事業等について検討しているところでございます。

 さらに、実態把握のためにアンケート調査はどうかという御提案がございました。生活困窮者自立支援法は3年後の見直しが予定されてございます。今後、生活困窮に至るさまざまな要因を分析し、効果的な支援策や活用可能な社会資源を把握し、または開拓していく必要があるというふうに認識してございます。生活困窮者相談におけるインテーク面接に当たりましては、困窮に至った要因や背景、家計の収支バランス、住環境など、詳細な項目を含めますと50項目程度のデータを収集してまいります。このため、これ以外のアンケート調査というものを行う予定はございません。

 次に、生活保護の受給者の健康管理に関する御質問がございました。被保護者の健康づくり健診の受診率でございますが、平成24年度は13.5%、平成25年度は13.8%でございました。

 被保護者の健康管理についてでございます。生活保護法の改正を踏まえまして、今年度から健康管理支援事業として保健師を配置いたしました。ジェネリック医薬品の使用促進の取り組みと、これにあわせまして、被保護者の健康管理支援を行っているところでございます。健診結果のデータを分析し、必要に応じて医療機関への受診誘導ですとか、糖尿病予防対策事業の利用勧奨、生活習慣改善指導等を行ってございます。また、40歳未満の被保護者の健康管理でございますが、この40歳未満の方々につきましては、健診機会というものは設けてございません。ただ、多くの方々は障害や傷病など、既にかかりつけ医に受診してございまして、必要な医療、検査については受けているというものでございます。これらの年齢層の被保護者につきましても、糖尿病予防対策が必要と思われる場合は、先ほどの健康管理支援事業の中で対応してございます。

 さらに、地域スポーツクラブ等の区のサービスの利用ということでございましたが、健康づくり健診受診結果で糖尿病予備群と判定された被保護者につきましては、糖尿病予防対策事業の利用を勧奨いたしまして、一般区民と同様に区内スポーツクラブ等での運動指導、栄養指導を受けてございます。

 それから、ボランティア活動ということの御質問でございました。今年度から始めました就労意欲喚起事業におきましては、ボランティア活動も就労のための基本的な生活習慣や社会性の獲得のための手段の一つというふうに位置付けておりまして、取り組んでいるところでございます。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 職住近接に向けた取り組みについて御質問がございました。

 中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3で掲げる最先端の業務拠点、個性豊かな文化発信拠点、最高レベルの生活空間といった多彩な魅力を持ったまちの実現に向けた取り組みを進め、職住近接を促進していく考えでございます。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 職員の区内居住についての御質問にお答えいたします。

 区内居住率は常勤職員1,995名中421名であり、21%でございます。近接する杉並、練馬、新宿、豊島、渋谷の5区には535名の職員が在住しており、区内と合わせますと956名、率として47.9%となります。地価が高く、住居費がかさむ交通至便の大都市におきましては、区内居住者の割合が少ないのもいたし方ないところでございます。

 近接区に在住の職員は、大震災等で交通機関が使えなくても徒歩または自転車等で参集可能であり、区内居住率のみをもって直ちに危機管理の面で問題があるというふうには認識しておりません。

○議長(伊東しんじ) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 林   まさみ

 1 収納率向上対策の現状と課題等について

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、林まさみ議員。

〔林まさみ議員登壇〕

○18番(林まさみ) 平成20年、中野区では区債権の収納率向上対策を策定し、取り組んできましたが、平成23年度の目標数値は達成されず、その後、「収納率向上対策」は改定され、平成26年度は新たな目標数値達成の最終年度となっています。そこで、今回はその成果と課題について検証したいと思います。

 まず、新たな取り組みで大きな成果を出した国民健康保険料について伺います。平成25年度、国民健康保険料の収納率は現年度課税分85.6%、23区の順位も23年度の15位から10位と目標数値を達成しました。国民健康保険の収納率向上には、レセプト点検の発注方法の工夫をはじめ、電話催告に加えて窓口業務を外部委託することで、滞納処分業務に特化した体制へのシフトと適正な職員配置を行うことが必要であると、今まで一般質問や総括質疑等で指摘してきました。そして、その提案どおりに平成24年7月より国保の窓口業務の委託が始まり、徴収チームの体制が整ったことで早期対応が可能となり、平成23年466件だった差し押さえ件数は、25年度742件と6割増となりました。また、窓口業務を委託したことにより、丁寧な対応が行われたため、口座振替の比率は37.4%から39.8%と、平成26年度の目標数値40%達成が可能な状況となっています。

 その結果、平成23年度と25年度とを比較すると、収納額は86億8,900万円余から90億8,900万円余と約4億円増加した上、国と都からそれぞれ調整交付金経営努力分として1億5,200万円、調整交付金収納率向上に係る成績良好分として8,057万円の計2億3,200万円が収入されたことで、6億3,200万円の激増となりました。ひとえに保険医療分野の職員の努力と効果的な体制を実現した前任者を含めて、徴収率向上に向けてのチームとして結果を出したものと思われます。特に、今までであれば業務委託をすると委託業者の人数分職員を削減していたところ、24年度からは事業部として2人残し、徴収チームを強化したことが収納額増につながったと考えられます。費用対効果の面からも、職員2人分の人件費1,800万円の支出で6億3,200万円の収入増となったことは、有意義な職員配置であったと考えます。

 国民健康保険料の収納額が大幅に増加した主な要因は、委託による「分業化」と事業部として職員を「形式的に削減しなかったこと」によると考えますが、区の認識を伺います。

 次に、特別区民税について伺います。

 25年度決算において、現年度課税分の収納率は8年ぶりに97%台となり、26年度の目標値97.5%の背中が見えてきたところです。区は収納率向上のため、色つき封筒による催告書などで滞納者への注意喚起を行っています。その結果、好景気を追い風に平成25年度の特別区民税は前年度と比べて6億円増の281億円余となり、収入未済額も29億2,000万円余と5年ぶりに30億円を割り込みました。

 また、中野区の徴収職員1人当たりの収入額の比較を24年度決算の数値で見ると、現年度課税分収納額は23区中11位、滞納繰越分収入額は6位となっており、25年度はそれを上回ると考えられます。しかしながら、現年度課税分収納率の23区平均は97.9%と中野区より約1%高く、そのため25年度の収納率は23区中22位であり、26年度に10位以内という目標達成は困難と考えられます。

 そこで伺います。徴収職員1人当たりの収入額は23区で上位にありながら、収納率が平成20年の18位から22位と年々順位を下げている理由についてどう考えるか、区の認識を伺います。

 平成24年に改定された収納率向上対策の取り組みを見ると、国民健康保険料では「窓口業務の外部委託を行い、滞納処分に職員の力をシフトする」とありましたが、特別区民税には外部委託による取り組みがありませんでした。歳入確保を区の最重要課題としながら、国民健康保険料の収納で効果を上げた電話催告など、以前より指摘している外部委託を行い、滞納処分の体制強化を特別区民税で今まで行わなかった理由について伺います。

 また、特別区民税収納率向上のために、大内議員も指摘している電話催告のほかに、携帯電話の普及に対応するため、豊島区等で行われている訪問による納付勧奨催告などの外部委託を行うとのことですが、その上で徴収業務のさらなる強化対策を早急に立てるべきです。

 以上の2点について区の見解を伺います。

 多くの自治体で特別区民税収納率向上のために適正な職員配置が行われています。豊島区などは平成20年から担当職員の削減は行わず、電話催告などの業務委託により職員を5人増やしています。一方で、中野区は適正な職員配置が行われているとは言えません。中野区の平成25年度の滞納繰越分の調定額は34億円余、滞納者数は2万8,600人です。上位区の品川区の倍以上、文京区の3倍、墨田区の4倍ですが、職員数は墨田区、品川区より10人以上少ない状況です。景気の良い今こそ、早急に適正な人的配置を行い、収納率向上のために他区のような徴収体制の強化を行うべきです。

 次に、その他として、職員の適正な配置に関連して、職員2000人体制について伺います。

 平成26年3月、今年度中に定数条例上で2,000人が達成される見通しとなり、次の長期計画の策定作業にあわせて、各部の事業内容、事業規模、業務量、年次計画などから行政需要を明らかにし、区全体の行政需要に応える職員を確保するなどの新たな人事戦略を策定すると総務委員会で報告がありました。その根拠となるのは、平成20年に策定された「職員2,000人体制に向けての方策」によるもので、具体的には、区立保育園の民営化などの民間活用や少数精鋭の職員体制の確立などが挙げられていますが、区全体の行政需要に応える職員の確保について、全く触れられていません。

 そのため、さきに述べたとおり、税務分野の職員1人当たりの滞納者の対応件数は、墨田区400件、文京区450件、品川区640件のところ、中野区は1,680件と品川区の2.5倍、墨田区の4倍と、他区より多い状況です。また、ケースワーカー1人当たりの生活保護世帯数も、社会福祉法で定める標準数80を大きく超える105.1世帯であり、東京都の福祉保健局からケースワーカー職員数の増の指摘を受けているなど、適正な職員配置が行われているとは言えません。

 そこで伺います。平成20年から2,000人体制を根拠に、定数条例上2,000人とはなりましたが、現時点において、区全体の行政需要に応える職員数の確保はできているのか、区の認識を伺います。

 また、民間事業者を活用するとした地域スポーツクラブ事業の大幅な遅れや、区内のCO削減の推進を期待された民間の環境事業者の誘致ができなかった地球温暖化オフィスなど、民間活力の活用の課題も見受けられます。これらの民間活用の課題についての区の認識もあわせて伺います。

 近い将来、超高齢化社会が到来すると、高齢化により生活保護受給者の増が進行するだけではなく、単身の高齢世帯の増に対応するため、地域の見守り、災害時の見守りのための職員の確保、介護者等に対応するため、さまざまな関連体制強化のための職員配置は必須であり、その上、マイナンバー制導入のためのシステム構築には数年間職員を手厚くするなど、まちづくり事業以外でも計画的な職員の確保が必要となります。しかし、区は新たな職員定数の考え方として、「常勤職員1,800人、再任用短時間勤務職員90人程度」と、職員数削減を既に掲げています。現時点において、各部の行政需要に応える職員が確保されているとは言えない状況下、少子・高齢化社会に向けて将来的にも区民サービスの質を保ち、事業執行できる職員数であるとは考えられません。

 以上のことからも、職員数削減ありきではなく、社会状況に見合った職員体制の検証を十分に行った上で、次の長期計画の策定作業にあわせて職員定数を見直すべきです。区の見解を伺います。

 事業部の現状と職員定数の考え方に整合性がない状況で、人件費削減のためだけに職員の削減計画を進めることは、区民サービスの低下につながり、将来的に中野区政にとって大きな懸念材料になると考えられます。

 以上で質問を終わります。

〔区民サービス管理部長白土純登壇〕

○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、収納率向上対策の現状と課題等についての御質問にお答えいたします。

 まず、国民健康保険料の収納率向上の要因についてでございます。平成24年7月から国民健康保険の窓口業務の一部を委託するとともに、保険料滞納者への財産調査や納付相談などを強化してまいりました。これによりまして、口座振替の加入の促進や財産の差し押さえなどを推進する体制が整い、保険料の収納率を向上させることができたのではないかというふうに考えてございます。

 次に、特別区民税収納率の特別区中の順位と業務委託化についてでございます。住民税の収納率向上に向けてさまざまな対策を実施した結果、滞納繰越分の調定額も減少してまいりましたが、区民税の調定額全体に占める滞納繰越分の割合が依然として高いことが、特別区中の順位が低迷している主な要因と考えてございます。このため、今年度も滞納繰越分の圧縮を図るためさまざまな対策を講じており、その効果があらわれてきたところであるというふうに考えてございます。また、委託化につきましては、職員が滞納処分に専念できる組織体制をつくるためにも重要であることから、平成27年度の新たな対策として、電話催告や戸別訪問による納付勧奨業務を委託したいと考えております。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 私からは、その他の項の御質問にお答えいたします。

 まず、区全体の行政需要に応える職員数についてという御質問がございました。職員数につきましては、将来需要を見通した上で、委託化や事業見直しによる職員の削減と各部の事業計画等を踏まえ、定年退職者の再任用数や任意退職者数を把握しながら算出しており、必要な人数を確保しているところでございます。

 それから、民間活力の活用に課題があるというような御質問がございました。民間活用の個別具体的な事例においては課題が発生することもございますが、いずれもしっかりと対応してきているところでございます。民間でのサービス水準や適正な制度が確立できるものにつきましては、民間に任せているところでございまして、これからもこの方針は変わりのないところでございます。

 それから、新たな職員定数の考え方についての御質問がございました。職員2,000人体制実現後も、業務改善により民営化などをさらに進めていくことから、常勤職員数の減員を見込んでいるところでございます。全体の職員数は削減いたしましても、将来需要を見通した上で、需要の増加が見込まれます技術職や事務職、それから地域ケア体制構築に必要な福祉職、医療職など、今後とも必要とされる職員についてはしっかりと確保していく考えでございます。

〔林まさみ議員登壇〕

○18番(林まさみ) 収納率向上対策改定をしたときに、外部委託を行うというようなことをなぜしなかったのかということについてのお答えがなかったので、答弁を求めます。

〔区民サービス管理部長白土純登壇〕

○区民サービス管理部長(白土純) 区民税収納率向上のための業務委託につきましては、これは決して委託化しないという方針をとったわけではございません。区民税の収納率向上のために国民健康保険窓口の委託化や、あるいは他の自治体の事例を参考に、効果的な委託の時期、方法などについて検討を進めてきたところでございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 防災について

  (1)発災時の区役所の行政機能や職員の動きについて

  (2)高齢者、障がい者、負傷者への対応について

  (3)その他

 2 発達障がい及び不登校・引きこもりなどを含む情緒障がいについて

 3 貧困対策・貧困予防について

 4 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○7番(石坂わたる) 質問いたします。

 1、防災について伺います。

 地震等の発生時に区役所に停電が起こると、サーバー上の電子情報は、災害時に必要なものも含めて取り出せなくなります。まず住民情報について、停電に備えて区役所庁舎内にある緊急用の発電機で賄える少ない電気で動かせる簡易なサーバーとパソコン、プリンターで最低限の機能を果たせる備えをすべきと思いますが、いかがでしょうか。また、災害時業務継続計画であるBCPや、それに付随する職員のマニュアルも、必要な情報は紙で用意して備えつけるか、停電時にもすぐに見られる状況にすべきです。いかがでしょうか。

 なお、各分野に災害時の対応について話を聞くと、改めてこの業務がBCP上重要だと考えても、自分の部署だけで解決できる問題ではないので、勝手にマニュアルをつくるわけにもいかない。次のBCPの改定の際には盛り込みたいが、改定がいつになるのかわからない、との話を聞きます。BCPについて、各分野で日々行っている業務を改めて見直し、災害時も継続が必要な業務を洗い出し、必要箇所の修正を毎年必ず行い、改定を重ねることが必要ではないでしょうか。

 (2)高齢者、障がい者、負傷者への対応について伺います。

 先日、医療救護訓練での弥生福祉作業所での二次避難所開設訓練と桃園第二小学校体育館での総合防災訓練を見学いたしました。両施設は2階にあり、車椅子利用者の昇降に課題があると感じました。弥生福祉作業所にはエレベーターがありますが、例えば東日本大震災では区内でも社会福祉会館でエレベーターが停止し、エレベーターの復旧は翌朝までかかったそうです。車椅子の利用者が数名いるだけでも人力での階段の昇降は困難を来します。災害時に何十人もの車椅子利用者に職員が力で対応することは難しいと思われます。本来は1階に避難スペースを設けるべきですが、弥生福祉作業所の1階は児童館で、幼児のための災害時二次避難所となっています。

 また、1人の介助者の力で階段の昇降が可能となる福祉機器、「可搬型階段昇降機」などを用意する方法もありますが、これも充電が切れると、発電機や自動車のシガーライトソケットなどからの再充電が必要です。学校等の災害時の避難所や二次避難所での対応について、障害や高齢、けがなどで車椅子を利用される方の対応を考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 また、災害時に区民活動センターやすこやか福祉センターの貸し出し用の車椅子について、地域住民の避難先への移動、災害時の避難所から二次避難所や医療機関等への移動、あるいは避難所内の移動に車椅子が必要となる場合があるかと思います。災害時に区が保有している車椅子をどのように使うのかをあらかじめ考えておくことが必要と思われますが、いかがでしょうか。

 2、発達障がい及び不登校・引きこもりなどを含む情緒障がいについて伺います。

 学齢期の発達障害のお子さんや不登校のお子さんは学校単位で把握が行われています。しかし、義務教育終了後は十分な補足ができていない、あるいは適切な支援に結びついていないケースが相当数あると思われます。特に発達障害については、障害者地域自立生活支援センター「つむぎ」において専門相談が行われていますが、まだまだ利用者数が少ないようです。発達障害や不登校・引きこもりについて義務教育を終えたハイティーンの子どもについて引き継ぎ、成人として受けられる支援や就労の支援につなぐために、すこやか福祉センターが拠点となり、情報を一元的に集約することが期待されますが、そうした対応や仕組みづくりについて、子ども家庭支援センターではどのように考えていますでしょうか。

 次に、学齢期について伺います。現在、区では発達障害に焦点を当てた情緒障害の通級の特別支援学級と不登校のお子さんの対応を行う適応指導教室「フリーステップ」の両方をあわせて利用できない仕組みとなっています。しかし、国立特別支援教育総合研究所の研究によると、「発達障害と不登校などの心因性の問題をあわせている児童・生徒の割合は、小学校が1.5%で中学校は5.0%であった」、「発達障害が理解されずに学校生活に適応できないケースでは、二次障害として不登校状態を示し、問題が複雑になっている場合が想定される」と述べています。また、2009年度段階で豊島区の教育センターでは、不登校のお子さんを受け入れる適応指導教室にローテーションで連日、臨床心理士資格を持つ職員が適応指導教室の先生と一緒に子どもの指導にあたっていました。それぞれ異なる専門性を持つ以上、通級とフリーステップの併用を認めるか、フリーステップの中で発達障害の専門家による指導を受けられる機会を設けるなどの必要があるかと考えますが、いかがでしょうか。

 3、貧困対策・貧困予防について伺います。

 ホームレス、生活保護受給者、そして生活困窮者自立支援法における生活困窮者の中には、相当数、発達障害、精神障害、知的障害の方が含まれると言われています。こうした層に早期に予防的な相談支援を行うことや、職業訓練や中間的就労につなぐこと、外部の協力を得て中間的就労の機会をつくること、場合により福祉的就労につなぐことが必要だと思われます。いかがお考えでしょうか。

 また、生活困窮者の自立支援での留意すべき点の第1が対象者の幅の広さです。北海道総合研究調査会の「生活困窮者自立相談支援機関の設置・運営の手引き」では、ハイリスクグループである「ホームレス、DV被害者、在住外国人やセクシュアルマイノリティーなどの課題に対応してきた市民活動やNPOなどとの連携を図る必要がある」としています。区では、部署間の連携や市民活動・NPOとの連携をどのように考えていますか。

 第2に、窓口について。貧困世帯の中には、働きづめで平日の日中だと相談に行けない方もいます。これまでも区長は「365日24時間いつでも区民の暮らしを支えられるような区役所の体制」と言及し、区役所本庁舎における一部の窓口や2カ所のすこやか福祉センターの週末の開庁や平日の夜間延長窓口対応、すこやか福祉センター内の一部事業の24時間365日の電話対応などが進んできました。生活困窮者の自立支援でも窓口時間の延長が望まれます。また、窓口時間が長く、福祉のワンストップの窓口であるすこやか福祉センターにも駆け込むことができ、生活援護に引き継ぐことができるよう、生活困窮の相談先の周知の際、すこやか福祉センターを含めることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 なお、国分寺市など、民間団体がアドバイザー的に連携し、成果を上げている例もあると聞きます。本事業には、本来業務と家計の指導・支援などを行うような任意事業等がありますけれども、他の先進自治体の取り組みや、実際に自治体と連携している民間団体の動きについても調査し、仕組みの検討を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 4、その他で伺います。平和の取り組みについてです。

 平和学では、「単に戦争のない状態」を平和と捉える「消極的平和」に対して、貧困、抑圧、差別など構造的暴力がない状態を「積極的平和」と位置付けています。

 「中野区における平和行政の基本に関する条例」では、第2条の中で、「区民が平和で安全な環境のもとに、人間としての基本的な権利と豊かな生活を追求できるよう、平和行政を推進する」とのくだりがあります。この規定で示す「平和」は、単に「区民が外国との戦争に巻き込まれない」ことに加え、「貧困、抑圧、差別など構造的な暴力がない状態」を指していると理解してよいでしょうか。

 区役所ロビーでは「アンネの日記」に関する展示が行われ、これは平和や差別を考える上で意義深いことであると思われます。来年、戦後70年、また、「中野区における平和行政の基本に関する条例」制定25年を迎えるにあたり、過去を振り返るとともに、現在の日本、とりわけ中野区においても、人種、民族、国籍、障害、性などによる抑圧や威嚇、暴力がない地域を目指すことが重要だと思います。区長の考えをお示しください。

 私の質問は以上です。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えいたします。

 防災について、発災時の住民情報システムのBCPについてであります。区のBCPでは、住民情報システム及び庁内情報システムは、できるだけ早期に再稼働させるため、電力供給が復旧次第、再稼働に必要な電源、空調の確認を優先して行う業務になっています。電力供給が復旧するまでの間、区庁舎の非常用電源を使ってノートパソコンや小型プリンターを活用して、住民基本台帳の情報を閲覧する方法について、今後十分検討してまいりたいと思っております。

 新区役所においては、住民情報システムのサービスが途切れることのないようなシステム環境を構築してまいります。

 それから、BCPマニュアルのプリントアウトについて、区役所停電時においても、BCPやそれに付随する必要なマニュアルについては、紙での保管等により、すぐに見られる状態にしておくことが必要であります。必要最小限のマニュアル類を各分野において保管していくなどの取り組みを徹底させていきたいと思います。

 BCPの改定を毎年行うべきだということです。平成22年2月に策定した中野区政のBCPは、「中野区地域防災計画」の修正等を踏まえ、非常時優先業務の基準を見直すとともに、各部とのヒアリングを実施し、継続すべき優先業務を決定し、平成25年3月に改定いたしました。各分野における業務の見直しや、必要なBCPマニュアルの変更は毎年度実施する必要があり、定期的な見直しを行っております。中野区政のBCPについては、毎年度、各分野に対して修正が必要かどうかの調査を実施の上、必要がある場合は修正を行っていくことといたします。

 それから、車椅子の避難所での対策についてであります。車椅子を利用される方の避難所での対策について、避難所での段差解消用の移動式スロープを今年度配備する等の充実を図っているところであります。二次避難所での対応など、個々の施設の対応については、個別のマニュアル作成や訓練の実施等をさらに推進していきたいと考えております。

 災害時における区有車椅子の利用方法であります。区有施設にある車椅子は、それぞれの施設により使用状況はさまざまであり、災害時に貸し出している車椅子については、そのまま避難用に利用していただき、貸し出していない車椅子について、避難支援等に使用することを想定しているものであります。なお、防災会に配置している車椅子は、避難を支援する場合に活用することを想定しております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 発達障がいで不登校・引きこもりの児童・生徒への対応についての御質問です。

 適応指導教室、フリーステップスクールですが、心因的な理由から不登校状態にある児童・生徒に対して、学習指導や教育相談を行い、再び登校できるように援助することを目的としています。発達障害が原因で不登校状態にある児童・生徒は、現在のところ通級指導学級において集団への適応に向けた指導を行うことで対応しているところでございます。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、一貫した発達支援の仕組みづくりの御質問にお答えいたします。

 発達障害など支援の必要な児童に対して、成長過程に応じた療育や地域支援を一貫して行うため、すこやか福祉センターにおいて、就園や就学に際して支援内容などの情報につきまして申し送りを行うとともに、在学期間中におきましても、定期的に個別支援計画会議を実施しているところでございます。子ども家庭支援センターでは、支援にかかわる機関の調整を行っておりまして、こうした取り組みにより、情報の共有化と統一的な方針のもとでの連携した支援が進められてきているというふうに考えてございます。今後もすこやか福祉センターを拠点といたしまして、子どもの成長過程に応じた支援が長期的かつ効果的に行えるような仕組みづくりをしてまいる考えでございます。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 貧困対策・貧困予防についての質問にお答えいたします。

 まず、生活困窮者への支援では、相当数の障害者が含まれると思われるが、これへの対応はということでございました。さまざまな課題をあわせ持つ生活困窮者、特に顕在化していなかった障害者などへの支援は早期に包括的に行うことが極めて重要であるというふうに考えてございます。自立支援を行う上で障害者総合支援法等を活用することが有効な相談者へは、関係部署とも十分に連携し、早期の対応を行っていきたいというふうに思ってございます。また、すぐに一般就労が困難な方に対しましては、その準備や訓練ができるよう就労継続支援などの福祉的就労も利用しながら支援を行っていく考えでございます。

 また、関係部署、民間団体との連携という関係の御質問でございました。生活困窮者の支援にあたりましては、個々に支援計画を作成し、その後のアセスメントも実施することが求められてございます。その際、必要に応じまして、すこやか福祉センターなど関係機関等との調整会議を行い、情報の共有や支援方針の確認など連携を行う予定でございます。

 また、仕事のかけ持ち等の事情で通常の時間内での相談が難しい方、この方々への対応につきましてですが、民間との連携による24時間専用電話相談など、これらを含めまして今後の実施状況を検証し、検討してまいりたいというふうに思ってございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、平和の範囲と、また平和の取り組みについてお答えします。

 平和とは、戦争や紛争がなく、穏やかな状態にあることを示しており、区民が外国との戦争に巻き込まれないことと考えます。また一方で、貧困、抑圧、差別などの構造的暴力がない状態は、人権施策の領域であると考えます。来年は戦後70年を迎える節目の年にあたるため、改めて平和について考え、人権が尊重される社会を目指し、普及啓発、教育、相談等に取り組んでまいりたいと考えています。

○議長(伊東しんじ) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 子ども・子育て政策の見直しについて

 2 待機児童対策について

 3 学童保育の拡充について

 4 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

○19番(小宮山たかし) 第4回定例会にあたり、小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。

 今年の3月、第4回子ども・子育て会議に提出された中野区の将来人口推計によりますと、中野区のゼロから4歳児の人口は来年27年度がピークであり、その後は1年に100人前後のペースで減っていく見込みであると予測されていました。

 各種の計画を策定するにあたって、正しい統計資料をベースに将来のまちの姿を予測していくことは、決して欠かせない手順であります。ここ中野区は、御存じのように人口の流出入の激しい区であります。そして今、田中区政のもと、まちの姿も大きな変貌を遂げている最中であります。これから予定されている基本構想及び10か年計画の改定にあたっては、今までとは違う新しい中野の短期的なトレンドをしっかりと織り込んだ改定をしていかなくてはならない、と私は考えております。

 前回、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)が改定された当時、平成11年から平成21年にかけて、中野区のゼロから4歳児の乳幼児人口は、下げトレンドの流れの中にありました。平成16年には合計特殊出生率が0.75と全国ワースト3位を記録し、平成11年に9,349人いた乳幼児数は平成16年に8,823人と底を打ち、その後も微増と微減を繰り返していました。

 そうした長期にわたる少子化のトレンドの中で、現在の新しい中野をつくる10か年計画(第2次)は策定され、小学校の数は減らす、中学校の数も減らす、児童館の数も減らすといういわば少子化バージョンの、子どもにはあまり優しくない10か年計画ができ上がりました。しかし、この5年間、平成20年から平成24年に限って見てみますと、合計特殊出生率は0.88から0.93に増えています。また、平成20年からの乳幼児人口も8,975人から、今年11月には1万326人と、7年連続で計1,351人も増え、1年あたり約200人換算のペースで増え続けています。にもかかわらず、そうした乳幼児人口の上げトレンドは、まだ中野区の各種計画策定の際には反映されておらず、冒頭に私が申し上げたように、中野区の乳幼児人口は来年をピークに減っていくという推計を中野区は用いています。

 また、先日まとめられた子ども・子育て事業計画(素案)においても、4年前の国勢調査のデータをもとに、「子どものいる世帯の減少傾向は大きい」という分析がされており、ここ何年かの短期的な傾向については、わずかな言及はあるものの、あまり細かい分析はされていません。このような人口統計や推計は、その道のプロでも読み解くことは難しい。まして、私のような統計の素人があれこれ言えるようなことではないのかもしれません。しかし、今、中野区が新しく生まれ変わりつつあることは事実です。乳幼児人口が過去7年間一度も減ることなく、年間約200人換算のペースで増え続けていることも事実であり、出生率が上がっていることも事実です。そして、子どものいないまちに未来はないということも、また事実なのであります。

 こうした状況の中、平成25年に行われた区民意識実態調査においては、今後、中野区が力を入れてほしい施策のトップ5の中に、これまで入ることのなかった子育て支援がランクインするようになりました。こうした区民の声に応え、これから中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画の改定にあたっては、中野のまちが生まれ変わりつつあり、区内の子どもが過去7年連続で増え続けているという短期的なトレンドを決して見落とすことなく、子どもに優しい、子育てしやすい中野区を目指していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、保育園の待機児童対策について質問します。

 中野区では今年度、8施設の認可保育園の事業者を募集していましたが、これまでに事業者が決定したのはわずか1施設のみであり、悲しいかな、笛吹けど踊らず、来春からの保育園の新規開設を目指すのであれば、そろそろタイムリミットを迎えてしまう時期であります。事業者が応募してくるにあたって最もネックになっているのは、保育園に適した不動産物件が見つかるかどうかであるそうです。不動産物件の数には限りがありますから、今まで探して見つからなかったのであれば、この先も適当な物件が見つかる可能性は高くありません。新たな空き物件ができるとか、新築物件ができるとか、そういった数少ない可能性にかけていくしか方法はないのです。既に同様の質問もされておりますが、このままあてもなく漫然と待ち続けるよりは、廃止・売却予定の児童館や、統合により未利用となる学校など、今後の利用を検討できる区有施設を保育園の用地として検討、活用していくべきではないでしょうか。

 次に、学童クラブについてお伺いします。

 来春からの子ども・子育て支援新制度の施行にあたり、中野区の学童クラブもその対象を6年生に拡大する条例改正をさきの区議会で行いました。しかし、11月20日付で保護者に配布された文書を見てみますと、「学童クラブの利用対象は1年生から6年生。ただし、4年生から6年生は、障害等により特別な対応を必要とする児童とする」となっております。要するに、実態としては今までどおり何も変わらない。原則としては、1年生から3年生までしか使えないのが、新制度下における中野区の学童クラブであります。

 確かに、これまでと同じようなキャパシティーで対象学年だけを一気に3学年も引き上げたら、多くの待機が発生し、いたずらに混乱を招くことは想像にかたくありません。しかし、子ども・子育て支援事業計画策定に向けての需要調査によりますと、1,000人以上の高学年児童の保護者が学童クラブの利用を希望しているなど、一定の需要があることも明らかとなっております。また、中野区の子ども人口は、私が先ほど申し上げたように着実に増えており、これまでほとんどなかった学童クラブの待機児童もこの2年間で急増しています。

 今回、中野区は学童クラブの高学年の利用対象を事実上制限しましたが、今後、民間学童クラブの誘致など、受け入れ施設や受け入れ体制が整った場合には、学童を必要とする全ての学年の小学生を受け入れるつもりはあるのでしょうか。中野区の方針を伺います。

 先ほどから何度も申し上げているように、中野区の子ども人口は予想外に増えており、保育園の需要や待機児童数の増加とは数年遅れで比例して、学童の需要も増えていくはずです。今後、学童クラブの待機児童対策にも力を入れていくべきでありますが、いかがでしょうか。

 学童の利用対象の拡大が絵に描いた餅となってしまった今、改めて気になるのが放課後の子どもたちの居場所です。今、中野区内25小学校区のうち、キッズ・プラザが整備されていない小学校区は17校区あります。キッズ・プラザもなく、学童にも入れず、自宅に帰っても親がいないという子どもたちは、放課後、大人の目の届かないところで遊んだり、児童館やU18プラザで時を過ごしたりします。しかし、中野区の児童館は定休日に月曜日が含まれています。月曜日の放課後、大人の目の届く安心・安全な公共の居場所がどこにもない子どもたちが中野区にはたくさんいるんです。中野区の児童館の年間休日は100日以上と23区で最も多く、年間のうちの3分の1弱を休んでいる。児童館に3回行けば、うち1回はお休みという今どきあり得ない公共サービスがまかり通っていることは、これまでに私が繰り返し指摘してきたことであります。

 学童の利用対象が、大山鳴動してネズミ一匹、すったもんだしたあげくに従来とほとんど何も変わらないのであれば、せめて子どもたちの放課後の居場所として、月曜日の児童館の開館をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 以上で私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、子ども・子育て政策の見直しについてということで、次期10か年計画における子育て施策の充実についてお答えいたします。

 最近の乳幼児を含めた15歳未満の年少人口につきましては微増傾向にございますが、10か年計画改定の検討の際に参考にしてございます長期人口推計においては、年少人口は減少していくという想定をしてございます。今後、10か年計画の改定に当たっては、こうした人口推計を踏まえ、子育て施策の検討を進めていきたいと考えます。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、待機児童対策につきまして、区有地の活用についてといった御質問にお答えいたします。

 区有地の活用につきましては、さまざまな角度から検討しているところでございます。今後とも確保に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、学童クラブに関連いたしました御質問にお答えいたします。

 まず、学童クラブの利用対象児についての御質問がございました。学童クラブは1年生から3年生の低学年、また、4年生から6年生のうち特に配慮を要する児童など、保護の必要度が高い児童に御利用いただくことを考えてございます。4年生から6年生の高学年につきましては、低学年より生活全般の自立度が高まっていくことから、キッズ・プラザなどで行ってございます放課後子ども教室の利用なども含めまして、放課後の居場所を自ら選択し、過ごすことができるものと考えてございます。

 また、学童クラブの待機児童対策の充実についての御質問がございました。区内におきまして、学童クラブの利用希望が多い地域を中心にいたしまして、計画的に今後、民設民営の学童クラブを誘致していくことで、待機児対策に取り組んでまいります。

 最後に、児童館の月曜開館についての御質問がございました。児童館は火曜日から土曜日の週5日間の運営により、適切な対応ができていると考えてございます。月曜日の児童館の開館については、考えてございません。

○議長(伊東しんじ) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 この際、御紹介申し上げます。平成26年11月27日付で本区教育委員会委員に就任されました田中英一さんを御紹介申し上げます。

〔教育委員会委員田中英一登壇〕

○教育委員会委員(田中英一) このたび教育委員を拝命しました田中英一です。議会の先生方におかれましては、任命の同意をいただき心より感謝申し上げます。昨日、区長より任命通知書をいただき、改めて責任の重さを痛感しているところです。

 私は子どもたちの口と歯の健康づくりを通じて、今まで子どもたちの育ちとかかわってきました。その中で強く感じていることは、次世代を担う子どもたちがこれからの社会で必要となる生きる力をしっかり身につけてほしいということです。私のこれまでの経験も生かしながら、中野区の子どもたちの笑顔のために誠心誠意努めていきたいと思っています。どうぞこれからも御指導のほどよろしくお願いいたします。

○議長(伊東しんじ) 以上で紹介を終わります。

 これより日程に入ります。

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 第62号議案 中野区区政情報の公開に関する条例の一部を改正する条例

 第63号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例

 第64号議案 仮称本町二丁目公園用地の買入れについて

 第65号議案 南部すこやか福祉センター等新築に伴う機械設備工事請負契約

 第66号議案 南部すこやか福祉センター等新築に伴う電気設備工事請負契約

 第74号議案 平成26年度中野区一般会計補正予算

 第75号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第76号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(伊東しんじ) 日程第1、第62号議案から第66号議案まで及び第74号議案から第76号議案までの計8件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第62号議案から第66号議案まで及び第74号議案から第76号議案までの8議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第62号議案、中野区区政情報の公開に関する条例の一部を改正する条例は、独立行政法人通則法の改正に伴い、条例で引用している条項の整備等を行うものです。

 この条例の施行時期は平成27年4月1日です。

 第63号議案、中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例は、鷺宮すこやか福祉センターの施設の目的外使用に係る使用料を定めるものです。

 この条例の施行時期は平成27年4月1日です。

 第64号議案、仮称本町二丁目公園用地の買入れについては、仮称本町二丁目公園用地を買い入れるに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 買い入れる土地の所在は中野区本町二丁目34番1及び34番2で、面積は6,238.61平方メートルです。

 取得価格の限度額は45億5,200万円です。

 第65号議案、南部すこやか福祉センター等新築に伴う機械設備工事請負契約は、南部すこやか福祉センター等の新築に伴う機械設備工事を行うため契約を締結するにあたり、議会の議決をお願いするものです。

 契約の方法は一般競争入札、契約の金額は4億8,600万円、契約の相手方は富士熱・さかえ・渡邊建設共同企業体です。

 この工事の完了予定は平成28年3月です。

 第66号議案、南部すこやか福祉センター等新築に伴う電気設備工事請負契約は、南部すこやか福祉センター等の新築に伴う電気設備工事を行うため契約を締結するにあたり、議会の議決をお願いするものです。

 契約の方法は一般競争入札、契約の金額は3億2,836万5,200円、契約の相手方は加藤・宮崎・サンエイサービス建設共同企業体です。

 この工事の完了予定は平成28年3月です。

 第74号議案、平成26年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ9,447万6,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は1,222億6,230万1,000円となります。

 この補正は、衆議院の解散に伴う衆議院議員選挙及び最高裁判所裁判官国民審査の経費を補正するもので、歳出予算の内容は、選挙執行費9,447万6,000円を追加計上するものです。歳入予算といたしましては、都支出金9,447万6,000円を追加計上するものです。

 第75号議案、中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、次の5点につきまして、特別区人事委員会の勧告等に基づき、規定を改めるものです。

 第1点目は、各給料表を改定するものです。

 第2点目は、勤勉手当の支給総額の算出に係る上限を引き上げるものです。

 第3点目は、給料と地域手当との配分変更を行うため、第1点目において改定した各給料表を再度改定するとともに、同手当の支給割合の上限を引き上げるものです。

 第4点目は、単身赴任手当の支給額を引き上げるとともに、同手当の支給対象者に再任用職員及び任期付短時間勤務職員を加えるものです。

 第5点目は、管理職員特別勤務手当の支給事由を追加するものです。

 この条例の施行時期は公布の日ですが、第2点目の一部及び第3点目から第5点目までにつきましては、平成27年4月1日です。

 第76号議案、中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、次の4点につきまして、特別区人事委員会の勧告等に基づき、規定を改めるものです。

 第1点目は、各給料表を改定するものです。

 第2点目は、勤勉手当の支給総額の算出に係る上限を引き上げるものです。

 第3点目は、給料と地域手当との配分変更を行うため、第1点目において改定した各給料表を再度改定するとともに、同手当の支給割合の上限を引き上げるものです。

 第4点目は、管理職員特別勤務手当の支給事由を追加するものです。

 この条例の施行時期は公布の日ですが、第2点目の一部、第3点目及び第4点目につきましては、平成27年4月1日です。

 以上8議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊東しんじ) この際申し上げます。第75号議案及び第76号議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元に配付の文書のとおり特別区人事委員会の意見を徴取いたしましたので、さよう御了承願います。

 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

 

26特人委給第315号

平成26年11月27日

 

 中野区議会議長

   伊東 しんじ 様

 

    特別区人事委員会

      委員長 西野 善雄

 

「職員に関する条例」に対する特別区人事委員会の意見徴取について(回答)

 

 平成26年11月26日付26中議第1340号で意見徴取のあった下記条例案については、異議ありません。

1 第75号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

2 第76号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 

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 第67号議案 中野区すこやか福祉センター条例の一部を改正する条例

 第68号議案 指定管理者の指定について

 

○議長(伊東しんじ) 日程第2、第67号議案及び第68号議案の計2件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第67号議案及び第68号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第67号議案、中野区すこやか福祉センター条例の一部を改正する条例は、鷺宮すこやか福祉センターを旧鷺宮高齢者福祉センターの跡施設に移転することに伴い、その位置を変更するものです。

 この条例の施行時期は平成27年2月23日です。

 第68号議案、指定管理者の指定については、かみさぎこぶし園の指定管理者を指定するにあたり、議会の議決をお願いするものです。

 指定管理者として選定した団体は社会福祉法人東京都知的障害者育成会で、指定の期間は平成27年4月1日から平成37年3月31日までの10年間としております。

 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。

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 第69号議案 中野区民住宅条例の一部を改正する条例

 第70号議案 中野区立公園条例の一部を改正する条例

 第71号議案 指定管理者の指定について

 

○議長(伊東しんじ) 日程第3、第69号議案から第71号議案までの計3件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第69号議案から第71号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第69号議案、中野区民住宅条例の一部を改正する条例は、ハイムローゼ、ハルミハイツ及びカーサみずの塔の借り上げ期間の満了に伴い、これを廃止するものです。

 この条例の施行時期は、平成26年12月23日及び平成27年4月1日ですが、一部は公布の日です。

 第70号議案、中野区立公園条例の一部を改正する条例は、公募の方法により公園施設を設置する場合の土地の使用料について規定するものです。

 この条例の施行時期は公布の日です。

 第71号議案、指定管理者の指定については、区営住宅、区民住宅、福祉住宅及びまちづくり事業住宅の指定管理者を指定するにあたり、議会の議決をお願いするものです。

 指定管理者として選定した団体は株式会社東急コミュニティーで、指定の期間は、平成27年4月1日から平成32年3月31日までの5年間としております。

 以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。

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 第72号議案 中野区保育所における保育等に関する条例の一部を改正する条例

 第73号議案 指定管理者の指定について

 

○議長(伊東しんじ) 日程第4、第72号議案及び第73号議案の計2件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第72号議案及び第73号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第72号議案、中野区保育所における保育等に関する条例の一部を改正する条例は、子ども・子育て支援法及び同法施行規則の施行に伴い、保育所における保育を行う基準に係る規定を削除するとともに、規定整備を行うものです。

 この条例の施行時期は、子ども・子育て支援法の施行の日です。

 第73号議案、指定管理者の指定については、さつき寮の指定管理者を指定するにあたり、議会の議決をお願いするものです。

 指定管理者として選定した団体は社会福祉法人共生会で、指定の期間は、平成27年4月1日から平成32年3月31日までの5年間としております。

 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後4時57分休憩

 

午後6時15分開議

○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第6、第74号議案、平成26年度中野区一般会計補正予算を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 第74号議案 平成26年度中野区一般会計補正予算

(委員会報告)

 

○議長(伊東しんじ) 日程第6、第74号議案、平成26年度中野区一般会計補正予算を議題に供します。

 

平成26年(2014年)11月28日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 内川 和久

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

74

平成26年度中野区一般会計補正予算

11月28日

 

○議長(伊東しんじ) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案は委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第7、第75号議案及び第76号議案の計2件を一括先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 第75号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第76号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

(委員長報告)

 

○議長(伊東しんじ) 日程第7、第75号議案及び第76号議案の計2件を一括議題に供します。

 

平成26年(2014年)11月28日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 内川 和久

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

75

中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

11月28日

76

中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

11月28日

 

○議長(伊東しんじ) 総務委員会の審査の報告を求めます。内川和久総務委員長。

[3]内川和久議員登壇

○11番(内川和久) ただいま議題に供されました第75号議案、中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例及び第76号議案、中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例に関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。

 第75号議案、中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、次の5点につきまして、特別区人事委員会の勧告等に基づき、規定を改めるものです。

 第1点目は、各給料表を改定するものです。

 第2点目は、勤勉手当の支給総額の算出に係る上限を引き上げるものです。

 第3点目は、給料と地域手当との配分変更を行うため、第1点目において改定した各給料表を再度改定するとともに、同手当の支給割合の上限を引き上げるものです。

 第4点目は、単身赴任手当の支給額を引き上げるとともに、同手当の支給対象者に再任用職員及び任期付短時間勤務職員を加えるものです。

 第5点目は、管理職員特別勤務手当の支給事由を追加するものです。

 この条例の施行時期は公布の日ですが、第2点目の一部及び第3点目から第5点目までにつきましては、平成27年4月1日です。

 次に、第76号議案、中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、次の4点につきまして、特別区人事委員会の勧告等に基づき、規定を改めるものです。

 第1点目は、各給料表を改定するものです。

 第2点目は、勤勉手当の支給総額の算出に係る上限を引き上げるものです。

 第3点目は、給料と地域手当との配分変更を行うため、第1点目において改定した各給料表を再度改定するとともに、同手当の支給割合の上限を引き上げるものです。

 第4点目は、管理職員特別勤務手当の支給事由を追加するものです。

 この条例の施行時期は公布の日ですが、第2点目の一部、第3点目及び第4点目につきましては、平成27年4月1日です。

 第75号議案及び第76号議案は、本日の本会議において当委員会に付託され、審査を行いました。

 まず、審査の進め方として、2議案を一括して議題に供した後、一旦保留し、関連する所管事項の報告を受けて質疑を行い、その後、改めて本議案を議題に供し、理事者から補足説明を受けて質疑を行いました。

 その主な質疑の内容を紹介します。

 はじめに、給与引き上げに伴う影響額についての質疑がありました。さらに、給与総額の昨年度との比較についての質疑がありました。

 以上が主な質疑の内容です。

 その後、委員会を休憩して取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。

 次に、意見の開陳を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結しました。

 次に、討論を求めたところ、1人の委員が第75号議案及び第76号議案に反対の立場から、人事委員会勧告は民間給与の実態を把握し、格差があれば是正するという考え方は理解できるが、数値の元になっている民間事業者の規模について、実態を把握するには十分でない。従業員50名以上の事業者と単純に比較すべきではないという立場であり、また、本当に必要な業務の見直し、さらに業務に特化していく取り組みが必要である。以上のことから本議案に反対であるとの討論を行いました。

 さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。

 そして、初めに第75号議案について挙手により採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決しました。

 次に、第76号議案について挙手により採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決しました。

 以上で第75号議案及び第76号議案に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了します。

○議長(伊東しんじ) ただいまの報告について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、これより議案ごとに採決いたします。

 初めに、第75号議案について採決いたします。

 上程中の第75号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(伊東しんじ) 起立多数。よって、上程中の第75号議案は可決するに決しました。

 次に、第76号議案について採決いたします。

 上程中の第76号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(伊東しんじ) 起立多数。よって、上程中の第76号議案は可決するに決しました。

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 議会の委任に基づく専決処分について

 

○議長(伊東しんじ) 日程第5、議会の委任に基づく専決処分について報告いたします。

 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、11月26日付をもって区長からお手元に配付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 

     26中経経第2373号

     平成26年(2014年)11月26日

 中野区議会議長 伊 東 し ん じ 殿

        中野区長 田 中 大 輔

議会の委任に基づく専決処分について(報告)

 区を当事者とする和解及び損害賠償額の決定について、議会の委任に基づき次のとおり専決処分したので、地方自治法第180条第2項により報告します。

1 和解(示談)当事者

 甲 長浜市民

 乙 中野区

2 事故の表示

 (1)事故発生日時 平成25年(2013年)5月24日午後9時20分頃

 (2)事故発生場所 東京都中野区大和町四丁目52番5号水路上

 (3)事故発生状況 甲が、乙の管理する水路(現況は道路として利用されている。)を自転   車で走行中、路面上の舗装の継ぎ目にはまり転倒し、それにより甲は、頭部打撲、頸椎捻   挫及び右肘擦過傷等の傷害を負うとともに、同自転車が破損した。

3 和解(示談)条項

 (1)甲は、本件事故により、自転車修理代、通院慰謝料等の合計331,603円の損害を被   った。

 (2)乙は、過失割合(甲3割、乙7割)に従い、上記損害額のうち232,122円を甲に対   して賠償する義務があることを認め、上記損害額から甲が国民健康保険による保険給付を   受けたことにより長浜市が乙に対して請求権を取得した23,123円を除く208,99   9円を、甲の指定する方法で支払う。

 (3)乙は、上記損害賠償額を、甲に対して、本件示談成立後30日以内に甲が指定する預金   口座に振込送金する方法で支払う。尚、振込手数料は、乙の負担とする。

 (4)以上のほか、本件事故に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。   ただし、後日甲に、本件事故に起因する後遺障害が発生した場合には、甲乙間で別途協議する   ものとする。

4 和解(示談)成立の日 平成26年(2014年)10月27日

 

○議長(伊東しんじ) この際、陳情の取り下げについてお諮りいたします。

 お手元に配付の文書のとおり、陳情の取り下げの申し出がありますので、これを承認いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう承認するに決しました。

 

陳情取下願

平成26年11月26日

中野区議会議長 殿

              陳情者  住所 中野区

                   氏名 中野区民

 

 平成26年9月1日付をもって提出した次の陳情を取下げいたしますから、よろしくお取り計らい願います。

 第11号陳情 労働者保護のルールの見直しについて

(取下げ理由)

  委員会審査の状況を考慮して

 

○議長(伊東しんじ) 次に、陳情の常任委員会への付託について申し上げます。

 お手元に配付の陳情付託件名表(Ⅰ)に記載の陳情につきましては、記載のとおりそれぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。

 

平成26年第4回定例会

平成26年11月28日付託

陳情付託件名表(Ⅰ)

《総務委員会付託》

 第13号陳情 2020年東京五輪のチケットを避難者に優先配布を求めるための意見書提出を求        める陳情

 第14号陳情 「川内原発をはじめとする原発再稼働に反対し廃炉とし、原発ゼロ政策への転換に        向けた意見書の提出」について

 

○議長(伊東しんじ) 本日はこれをもって散会いたします。

午後6時24分散会