平成27年02月26日中野区議会予算特別委員会の会議録 1.平成27年(2015年)2月26日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(41名) 1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか 3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子 5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子 7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之 9番 石 川 直 行 10番 伊 東 しんじ 11番 内 川 和 久 12番 ひぐち 和 正 13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明 15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき 17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ 19番 小宮山 たかし 20番 浦 野 さとみ 21番 佐 野 れいじ 22番 北 原 ともあき 23番 吉 原 宏 24番 いでい 良 輔 25番 小 林 秀 明 26番 久 保 り か 27番 酒 井 たくや 28番 奥 田 けんじ 29番 近 藤 さえ子 30番 欠 員 31番 長 沢 和 彦 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭 37番 やながわ 妙 子 38番 佐 伯 利 昭 39番 むとう 有 子 40番 か せ 次 郎 41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子 1.欠席委員 な し 1.出席説明員 中野区長 田中 大輔 副区長 川崎 亨 副区長 英 直彦 教育長 田辺 裕子 政策室長 髙橋 信一 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲一 政策室副参事(基本計画担当) 森 克久 政策室副参事(予算担当) 黒田 玲子 政策室副参事(広報担当) 酒井 直人 政策室副参事(業務改善担当) 中谷 博 経営室長 竹内 沖司 危機管理担当部長 小田原 弦 経営室副参事(経営担当) 戸辺 眞 経営室副参事(人事担当) 角 秀行 経営室副参事(施設担当) 石井 正行 経営室副参事(行政監理担当、債権管理担当) 田中 謙一 都市政策推進室長 長田 久雄 都市政策推進室副参事(産業振興担当) 青山 敬一郎 都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 松前 友香子 都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 石井 大輔 都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 宇佐美 吉久 都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当)、 都市基盤部副参事(都市基盤整備推進担当) 立原 英里雄 都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 池田 中 地域支えあい推進室長 瀬田 敏幸 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 朝井 めぐみ 地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当)、 中部すこやか福祉センター所長 横山 俊 中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松原 弘宜 北部すこやか福祉センター所長 田中 政之 北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 吉沢 健一 北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 天野 秀幸 南部すこやか福祉センター所長、 南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 相澤 明郎 南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 宇田川 直子 区民サービス管理部長 白土 純 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当、戸籍住民担当) 上村 晃一 区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 平田 祐子 区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 古本 正士 区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 小山 真実 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈良 浩二 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀 子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、 教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 永田 純一 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長、 教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 古川 康司 子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、 教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当) 濵口 求 子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、 教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 伊藤 正秀 教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 石濱 良行 教育委員会事務局指導室長 川島 隆宏 健康福祉部長 野村 建樹 保健所長 寺西 新 健康福祉部副参事(福祉推進担当) 藤井 康弘 健康福祉部副参事(保健予防担当) 坂野 晶司 健康福祉部副参事(生活援護担当) 伊藤 政子 環境部長 小谷松 弘市 環境部副参事(地球温暖化対策担当) 鳥井 文哉 都市基盤部長 尾﨑 孝 都市基盤部参事(都市計画担当) 豊川 士朗 都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 高橋 昭彦 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 大木島 実 都市基盤部副参事(生活安全担当、交通対策担当) 中井 豊 会計室長 浅野 昭 選挙管理委員会事務局長 吉村 恒治 監査事務局長 古屋 勉 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 篠原 文彦 事務局次長 堀越 恵美子 議事調査担当係長 佐藤 肇 書 記 関村 英希 書 記 東 利司雄 書 記 土屋 佳代子 書 記 細川 道明 書 記 江口 誠人 書 記 大野 貴子 書 記 鈴木 均 書 記 井田 裕之 書 記 田中 寛 書 記 遠藤 良太 書 記 香月 俊介 午前10時00分開議 ○内川委員長 おはようございます。定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。 第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。 お手元に総括質疑一覧を配付しておりますので、参考にごらんください。
平成27年(2015年)2月26日 予算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
○内川委員長 本日は総括質疑の1日目となります。1番目に北原ともあき委員、2番目に久保りか委員、3番目に長沢和彦委員、4番目に森たかゆき委員、5番目に石川直行委員、6番目に市川みのる委員の順で6名の総括質疑を行います。 次に、要求資料の配付についてですが、前回の委員会で要求した資料201件、全ての資料が提出されておりますので、御確認ください。 資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。 それでは、質疑に入ります。 北原ともあき委員、質疑をどうぞ。 ○北原委員 おはようございます。時間が60分ということでございますので、早速、質問に入らせていただきます。 平成27年第1回定例会予算特別委員会に当たりまして、自由民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。 まず初めに、平成27年度予算についてであります。 区長は、施政方針説明の中で、27年度の予算に触れ、子育てや介護の新制度対応などで歳出増が先行する中、避けて通れない新規の事業を展開しつつ、中長期の財政需要に的確に対応していくため、財務規律の遵守が重要だと述べておられます。また、先日、政策室長の当初予算の概要の説明においても同様の考え方が示されました。我が国の経済は、消費税率の引き上げに伴う影響が収束して、個人消費が底がたく推移し、政府が進めるアベノミクス効果がより鮮明にあらわれ、景気が緩やかな回復基調を維持しております。こうしたことは、区の歳入面においても大変よい影響を及ぼしていると考えています。中野区では、これまで好不況といった大幅な景気変動があっても、それに耐え得る持続可能な財政運営を行うため、中野区独自の基準として、基準となる一般財源規模や公債費負担比率を10%程度と設定してきました。こうした財政運営の考え方を複数年の財政フレームと起債計画、基金計画とともに、毎年度の予算編成に合わせて公表し、財務規律として厳格に運用してきたと考えています。私はここ数年、この財務規律の遵守という視点から、一貫して一般質問や予算並びに決算の総括質疑を行ってまいりました。一般的には、景気の動向により歳入が増加すると、それに伴い歳出も増加する傾向があります。我が国の経済環境が好転し始め、区の歳入も増加傾向にある今、27年度予算編成に当たって、これまで保持してきた財務規律がしっかりと守られているのかどうか、この総括質疑を通じて確認をしていきたいと思います。 まず、27年度予算の評価についてお尋ねいたします。 今回の予算編成において、政策室は予算編成を統括する立場として初めての予算編成であったと思います。そこでまず、財務規律の遵守という観点から27年度予算編成を終えた評価をお聞かせください。 ○髙橋政策室長 平成27年度の予算編成におきましては、中野駅周辺まちづくりや子ども・子育て支援新制度などに的確に対応する一方、経常経費につきましては前年度比5%の削減目標をもって行い、基準となる一般財源規模を設定するなどして、基準を超過した財源につきましては基金に積み立てるなど、持続可能な財政運営に向けた対応を図ってきたところでございまして、私としては評価できる内容だというふうに考えてございます。今後も、中野をより魅力あるまちにするための整備、少子化、高齢化の対策に応じた社会保障経費の充実などの施策を実施していくためにも、将来のベースにつながります施策の推進、特定財源の確保、基金・起債のバランスのとれた予算編成などを進めてまいりたいと考えてございます。 ○北原委員 自信を持って評価されたようでありますので、ぜひ好結果につなげていただきたいと思います。 それでは、基準となる一般財源の規模、これの変更についてお尋ねいたします。この財務規律の遵守という点では、27年度予算では大きな変更がありました。それは、これまで財政運営上最も重要な基準として設定されてきた基準となる一般財源規模が見直されたという点であります。昨年26年度予算のときに示された財政運営の考え方を見ますと、27年度の見通しとして示された基準となる一般財源規模は、664億円でした。この664億円という規模は、断定的なものとしながらも、消費税率の引き上げに伴う影響を加味して設定しているとの説明があったと思います。25年度までは650億円と設定していた基準が、26年度には消費税率の引き上げに伴い7億円をプラスし657億円、そして、昨年度の時点では、27年度の見込みとしてさらに7億円プラスして664億円としておりました。しかし、今回示された27年度予算では、当時の見込みを8億円上回る672億円となり、一気にその基準を15億円引き上げております。そこでお伺いいたします。27年度予算において、基準となる一般財源規模を26年度予算と比較して、一気に15億円引き上げたのはどのような理由であったのかお答えください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 平成26年度に入りまして消費税10%への移行が先送りされましたが、一方で、子ども・子育て支援新制度などについては、そのまま実施する方針が国から示され、中野区においても対応を行うことにしました。このことを背景としまして、平成27年度の基準となる一般財源規模を検証するに当たり、税制改正や社会保障の制度変更の姿を基準とすることが、新たな社会保障制度に見合った財政運営であると考え、基準となる一般財源の規模の見直しを行い、15億円の増額をしたものでございます。 ○北原委員 わかりました。ところで、この基準となる一般財源規模が、これは合理的な理由もなくというか根拠がなくて、毎年度予算編成のたびに見直されていたのでは、これはもはや基準とは言えなくなるのではないかとも考えられますが、27年度の基準を672億円とした根拠をお答えください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 具体的には、平成27年度、28年度の当初予定しました消費税8%の影響額と、平成29年度の消費税10%の影響額、また、10%の影響額が平準化される平成30年度までの税制改正による増額分を均等化しまして、平成26年度の基準となる一般財源規模に、先ほど説明しました15億円を上乗せし、672億円としたところでございます。 ○北原委員 それでは、28年度以降の、来年度以降の基準となる一般財源規模も示されておりますけれども、この基準も来年度また変更になってしまうのではないでしょうか、お答えください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 税制改正といった外的要因による歳入増や地域活力の創造によります税収増、新たな財源の確保などによる増収によりまして、基準となる一般財源を高め、さまざまな制度改正に伴う支出増にも十分対応できるようにしていくことが、私たち、持続可能な区政運営を行う者の位置付けと考えております。基本的には、計画した基準となる一般財源は守っていくものと考えておりますが、状況の変化に対しては柔軟に対応することも必要と考えております。 いずれにしましても、持続可能な財政運営を図ることが重要であり、現在の区を取り巻く状況から判断した場合、財政運営の考えで、お示しをしましたとおり、672億円の基準の考え方は持っております。 ○北原委員 基準となるこの一般財源規模が最初に示されたのは平成21年、670億円でありました。翌年、リーマンショック後の景気変動がありまして、650億円に変更したというふうに記憶しております。当時と比べれば、特に昨今の政府による経済対策により、景気は確実に回復しております。その後の制度改正を考えれば、672億円という数字よりも大きくなっていくということは、十分考えられる。それに対しての妥当性も、我々自民党としては経済成長戦略ということをうたっておりますので、可能性はあるのかなというふうにも思っているところであります。 それでは、次に、過去最高の予算規模についてお尋ねいたします。27年度予算は、予算規模が過去最高と言われた26年度をさらに120億円余上回ります。1,327億円余となっております。景気の回復に伴い、歳入における一般財源も大幅に伸びていますが、これは歳入が伸びたから歳出も同じように伸ばしたために予算規模が大きくなったというような単純な話ではないと考えております。区は、これまでさまざまな財務規律を定め、それを遵守することで景気変動にとらわれない計画的な財政運営を行ってきたと思っております。27年度の予算規模が大きくなった要因をここで改めて確認しておきたいと思います。具体的、かつ明確にお答えください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 今年度の特徴としましては、子ども・子育て支援新制度への取り組みや大規模公園用地の取得、中野駅周辺の整備など、中野区の将来へ向けた投資的経費の増加によるものでございます。 ○北原委員 次に、この持続可能な区政運営についてでありますけれども、中野区はPDCAサイクルよる区政運営を進めてまいりました。予算規模が膨らむ傾向が出ている今後こそ、持続可能な財政運営を行うため、予算編成におけるPDCAサイクルは極めて重要なことだと思います。予算編成においてPDCAを特に注意して行うべき観点は、どういったものと考えているのか、御見解をお尋ねいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) PDCAは、基本的には予算の歳出の編成において編成の核となるものでございます。平成27年度予算編成方針におきましても、事業の見直しについては、事業の廃止、縮小、執行方法の変更等について具体化を図ること、経常的な事業については例年同様の内容で積算することなく、事業方法の工夫に努めることを実施し、27年度予算においては、例えば「わたしの便利帳」の作成などは、作成費を大幅に削減している例がございます。 また、歳入におきましては、国や都の政策動向を注視しまして、情報収集に努め、制度変更などについても変更内容を正確に把握し、的確な需要の予測を図るよう徹底するなど、PDCAを有効機能させているところでございます。 ○北原委員 ぜひ、有効に機能させていただきたいと思います。 それでは、次に、消費増税に伴う増収分と社会保障施策の充実についてお尋ねいたします。区長が施政方針説明で述べているように、27年度予算においては、子育てや介護の新制度対応などで歳出増が先行している状況であると思います。こうした子育てや介護の新制度対応など、社会保障施策の充実に伴う歳出増に対しては、消費税率の引き上げに伴う増収分を充てることとなっております。予算説明書の3ページの欄外には、「地方消費税交付金のうち、地方消費税引き上げ分の増収については――注を略しますけれども――社会保障施策(医療、介護、子ども・子育て等)に要する経費の一般財源分に充てています」と書かれております。そこで、お尋ねいたします。区の財政にとって、消費税の引き上げに伴う影響としてどの程度の収入増になり、それが医療、介護、子ども・子育てなどの社会保障経費の充実にどのようにつながっているのか、感覚的なものではなく、数字で具体的に示す必要があると考えますが、いかがでしょうか。納税者である区民の皆さんには、最も関心のあることだと思います。お考えをお聞かせください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 平成27年度、消費税の増収として見込みましたのは29億円でございます。国からの通知では、基本的に、消費税増税分の交付金については、区に関するものとして、生活保護、児童福祉、母子福祉、高齢者福祉、障害福祉、また、国民健康保険、介護保険、感染症、その他疾病の予防や健康増進対策などに至って、社会保障全般に充当する経費として考えられているところでございます。区としましても、子ども・子育て支援新制度や生活困窮者の自立支援や学習支援などの新制度、また、国民健康保険の低所得者への保険料の軽減対策などにつきまして、さまざまな事業に対応しまして予算化を図っているところでございます。 ○北原委員 よくわかりました。 次に、地方法人課税の見直しについてお尋ねをいたします。消費税の改正による歳入の増加の一方で、歳入予算において見過ごすことのできない課題があります。それは、平成26年度の税制改正において、地方法人課税の見直しが実施された影響であります。この改正には、さきの決算特別委員会でもお尋ねしたところですが、いよいよ改正の影響が27年度予算に出てきていると考えられます。地方法人住民税の国税化による平成27年度予算への影響はどういったものとなったか、具体的にお答えください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 法人住民税の影響額でございますが、財政調整交付金に影響するものでありまして、平成27年度は特別区全体で289億円の減収と言われているところでございます。これをもとに中野区の影響額を試算した場合、平成27年度、およそ10億円になると推定しているところでございます。法人住民税の一部国税化が平年度化します平成28年度は、中野区の影響額は20億円以上になるというふうに推測をしております。法人住民税の一部国税化は明らかに地方分権の進展に逆行し、地方自治の本旨に反するものであると考えているところでございます。 ○北原委員 この問題は大変大きな問題でありますので、中野区、そして議会が一緒になって行動していかなければならないというふうに思っておりますので、約束違反は約束違反ですから、しっかりもとに戻してもらうとか、取り組んでいきたいというふうに思っております。 それから、歳出における一般財源を充当する事業費の見直しについてお尋ねをいたします。昨年26年度予算の規模も、その時点で過去最高の予算規模となっておりましたが、その中で歳出における一般財源を充当する事業費は、前年度と比較して5億円余り減少していました。そこで、伺います。27年度予算では、歳出における一般財源を充当する事業は、26年度と比較して少なくなっているのでしょうか、お答えください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 平成26年度の一般財源を充当する事業費は671億円でありましたが、平成27年度は子ども・子育て支援新制度への取り組みや生活困窮者支援関連、難病患者福祉手当など社会保障制度の対策、また、マイナンバー制度の対応におきましての増要因が生じまして、差し引きで11億円の増となっているところでございます。 ○北原委員 いろいろな事業が新たにおりてきますので、なかなか削減するというのは難しいところだと思いますけれども、制度改正以外の部分では、しっかりチェックをしていかなければならないと思っております。 それで、26年度時点の見通しでは、歳出における一般財源を充当する事業費について、5年間で6億円を減少させ、31年度までに基準となる一般財源に近づいていくとしておりましたけれども、今後どのように基準に近づけていくおつもりか、その見通しと取り組みの考え方をお聞かせください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 財政運営の考え方の一般財源充当事業費の推計でお示ししましたように、31年度までには、歳出額は672億円を超えている状況でございます。基準となる一般財源規模による財政運営は、持続可能な区政運営には欠かすことができません。一般財源充当事業費については、通常の事業の見直しに加えまして、積極的な特定財源の導入を図るなど、一般財源規模に近づける努力を行っていきたいというふうに考えております。 ○北原委員 最後になりますけれども、学校再編と財政的な裏づけについてお尋ねいたします。27年度予算では、いよいよ小中学校再編計画(第2次)が動き出し、それに関連して基本設計等の予算が計上されております。労務単価や資材価格の上昇などが続き、校舎の大規模改修や改築の経費も計画策定時の見込みから大幅に増加していると考えられます。区は、これまで小中学校再編に伴う校舎の大規模改修や改築を見込んだ財政フレームを明らかにしておりませんが、計画的な財政運営を行うためにも、また、基金計画や起債計画にも大きく影響することから、10か年計画の改定を待つことなく、現時点での財政フレームを示し、小中学校再編計画の財政的裏づけを示す時期ではないでしょうか、考えをお聞かせください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 小中学校の再編に伴う整備経費を考える場合、ほかの区の施設の長期保全計画などのピークもあわせ、改修・改築全体としての経費の計画が必要だというふうに考えております。施設更新に係る公共施設総合管理計画の策定もございますので、その中でお示しをしていきたいというふうに考えております。 ○北原委員 経済動向や子ども・子育て支援新制度、あるいは地域包括ケア体制の確立に向けた介護保険制度の見直し、小中学校再編に伴う校舎の大規模な改修や改築など、いずれをとっても先を見通すことが難しい時代にあると思います。しかし、こうした時代であればこそ、財政運営は基準となる一般財源をベースに財務規律をしっかりと保持していくことが最も重要なことだと考えております。今後も、こうした基本的な方針を堅持し、区が目指す目標とする姿、区民のための区政の実現に向けしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 以上申し上げまして、この項の質問は終わります。ありがとうございました。 残り時間が35分となりまして、実は、2番目に地域包括ケア体制についてお尋ねをする予定でありました。自民党議員団で、つい先日、武見敬三参議院議員から、この問題について2時間ほどの研修を受けました。非常に関心のあることでありまして、武見先生のお話を聞いて、これは何としても取り組まなければならないということで質問をさせていただく予定でありましたけれども、実は、久保委員が私の次ですけれども、地域包括ケアシステムについて質問をされるというふうにここに載っておりますので、私のほうは時間の都合上、3番目の西武新宿線沿線まちづくり及び西武新宿線と地下鉄東西線との相互直通運転についてお尋ねをしたいと思います。よろしくお願いいたします。 すみません、いきなりの変更で申しわけございません。西武新宿線の中井駅から野方駅間の連続立体交差事業は、御承知のとおり、平成23年8月に都市計画決定して以来、平成25年4月には東京都が都市計画事業認可を取得し、平成25年7月には用地補償説明会、平成25年12月には工事説明会を開催し、平成32年度の事業完成を目指し、平成26年1月から西武鉄道が工事に着工しております。このまま用地取得や工事が順調に進めば、平成32年度までには、現在、地上を走っている鉄道が地下に切りかわることになります。鉄道が地下に切りかわると、中野通りをはじめ七つの踏切が除却されることになります。開かずの踏切による交通渋滞あるいは人身事故等が解消され、また、鉄道により分断されている沿線の地域の一体化も図られることになります。しかし、この連続立体交差事業は、鉄道の立体化とあわせて、沿線のまちづくりを一体的に推進することで、地域の発展に極めて高い効果が得られる事業であります。鉄道だけ立体化されても沿線のまちづくりがついてこなければ、鉄道立体化による事業効果が十分に発揮されないままになってしまいます。そのためにも、まずは今後のまちづくりの整備方針を示し、沿線住民に、踏切がなくなれば、まちづくりはこれで終わりと思わせないように、まちづくりの灯をともし続けることが必要だと思います。 また、今年度中には、新井薬師前駅及び沼袋駅周辺まちづくり検討会から、まちづくり構想が区に提出されるとも聞いております。そこで、新井薬師前駅及び沼袋駅周辺地域のまちづくりの灯をともし続けるためにも、区は早急にまちづくり整備方針を示し、同地域のまちづくりの青写真を沿線住民に説明していくことが必要だと思いますが、見解をお聞きいたします。 ○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) まちづくり整備方針につきましては、新井薬師前駅及び沼袋駅周辺まちづくり検討会などからの御提案を受けまして作成したいと考えておりまして、今後、この整備方針に基づきまして、両地区のまちづくりを推進していきたいと考えております。 また、まちづくり整備方針の策定に当たりましては、地域住民等からの意見交換する機会等を設けていきたいと考えているところでございます。 ○北原委員 このまちづくり整備方針は、両地域ごとに作成する予定なのか、また、作成までのスケジュールについて、現時点でどうお考えなのか、お尋ねをいたします。 ○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 整備方針の内容とスケジュールについてでございます。 まず、まちづくりの整備方針につきましては、一つの形の中で、新井薬師前駅及び沼袋駅周辺地区ごとに課題と方針をまとめていきたいと考えているところでございます。 また、スケジュールにつきましては、今後、区といたしましては、まちづくりの整備方針の素案を今定例会期間中の常任委員会に報告いたしまして、その後、地域住民等からの御意見等いただきながら、早ければ第3回定例会までにまちづくりの整備方針として作成していきたいと考えているところでございます。 ○北原委員 今後のまちづくりを着実に推進するためには、関係住民の協力が不可欠となります。関係住民の協力を得るためには、将来のまちづくり方針を示し、御理解をいただいた上で、事業に協力していただく関係住民には、事業者である区が、例えば商売をされている方への補償など、生活再建をする上でしっかりとケアをすべき、そういう説明をし、実施していく必要があります。そこで、都市計画道路の整備に際し、道路用地取得のために御協力をいただく関係住民に対して、どのようなケアがあるのかについてお尋ねをいたします。 ○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 用地取得に伴いますケアにつきましてお答えいたします。 一般的に、都市計画道路事業で用地取得を行う場合には、対象となります関係権利者に対しまして土地を適正な価格で買収させていただくとともに、建物や立ち木の移転の補償ですとか、御商売されている方に対しましては営業の補償ですとか、家賃の減収補償などがあるほか、税金面での優遇措置などがございます。 いずれにいたしましても、今後、事業化の段階で用地補償等の説明会を開催いたしまして、関係権利者の方にはきめ細かい対応を図っていきたいと考えているところでございます。 ○北原委員 ありがとうございました。ぜひしっかりと対応をしていただきたいと思います。 ところで、沼袋地区で今後整備を予定している都市計画道路としては、区画街路4号線があります。この道路は、平成23年8月に、中井駅から野方駅間の連続立体交差事業と一緒に新青梅街道から沼袋駅をつなぐアクセス道路として、道路幅員を6メートルから14メートルに拡幅する都市計画道路として計画決定されました。また、この道路は、現況の幅員が6メートルしかないため、一方通行となっております。バスも中野駅方面しかないため、不便な状況となっているわけです。また、沿道が商店街となっているため、歩行者や自転車交通が一日中往来し、自転車と歩行者あるいは自動車と歩行者・自転車が錯綜して、大変危険な状況となっております。区民の意識調査の中でも、沼袋地域の人がこの危険につきましてかなりの人たちが危険を感じているという調査結果も、意識調査も出ているわけでありますけれども、このため地域住民の人たちは一日も早い事業化を望んでいますが、一方で、道路の拡幅事業により沿線の商店が全て用地取得の対象となるため、道路事業が何十年も長引いた場合には、商店街が機能しなくなるのではないかという心配の声もあります。そこで、区画街路4号線の拡幅整備の今後の進め方についてお尋ねいたします。 ○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 区画街路第4号線の拡幅整備の進め方についての御質問だと思います。 区画街路第4号線の拡幅整備に当たりましては、にぎわいの感じられる商店街としての再生や沿道のまちづくりを一体的に推進するため、事業の段階で沿道の商店街に十分配慮した事業計画を検討していきたいと考えているところでございます。 ○北原委員 沿線の地域住民は、今、地下化の工事が着々と進んでおりますけれども、この地下化の工事が始まって、今ではこの連続立体交差事業の早期完成とともに、この地下化後の鉄道の上部空間の活用について大変高い関心を示しているわけであります。かつて私は沼袋地区のまちづくり検討会の前進であります沼袋地区まちづくり勉強会の皆さんと一緒に、地下式の連続立体交差事業を視察をしたことがあります。先行事例の、まず東急の目蒲線の武蔵小山駅周辺、それから京王線の調布駅周辺を視察しました。そこで、鉄道が地下化されることはこういうことになるのかと、大変驚いた記憶があります。特に東急目蒲線は、地下化された後の上部空間の一部を緑道や駐輪場として整備し、地域に開かれた空間にしております。沼袋駅周辺や新井薬師前駅周辺地域は、木造住宅が密集している市街地であるため、地下化により新たに生み出される鉄道上部空間は、地域に貢献する貴重な都市空間として、少しでも多く活用していく必要があると思います。そこで、鉄道上部空間の整備について今後どのように進めようとしているのかお尋ねいたします。 ○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 鉄道の上部空間の利用につきましてでございます。連続立体交差事業で生み出される貴重な空間でありまして、地域の特性を生かしながら区民が最大限利活用できますよう、今後まちづくり整備方針の内容を踏まえた案を作成いたしまして、東京都及び西武鉄道と調整していきたいと考えているところでございます。 ○北原委員 完成が平成32年度中ということになっておりますので、これもできるだけ早く要望していただかないと、おくれてしまうということになりますので、よろしくお願いいたします。 この項の質問の最後に、西武新宿線と地下鉄東西線との相互直通運転についてお尋ねいたします。区長が、今定例会での施政方針説明の中で、西武新宿線沿線地域の利便性や価値の向上という意味から、西武新宿線の都心方面への地下鉄との相互直通運転の可能性についても追求していきたいと述べております。西武新宿線と都心方面への地下鉄である東西線との相互直通運転化については、実現されれば、これは現在、高田馬場駅で地下鉄東西線との乗りかえがなくなります。西武線沿線から大手町や日本橋方面にシームレス、速やかに行くことができるようになり、利用者の利便性はもちろん、沿線の付加価値が向上することは間違いありません。しかし、実現する上で、鉄道事業者の意向や、あるいは鉄道の運行計画、また、事業の採算性等についての確認も必要だと思います。そこで、相互直通運転化を実現する上で、今後どのように進めていく予定なのかについてお尋ねいたします。 ○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 西武新宿線と地下鉄東西線の相互直通運転化につきましては、中野区だけでなく、西武新宿線沿線の広範囲の自治体の住民の利便性向上にも資することから、今後、沿線の自治体や関係する鉄道事業者と連携いたしまして、運行計画や事業の採算性などの検討をしていくとともに、都施設等の新線や増設等に関します国の上位計画に位置付けられますよう努力していきたいと考えているところでございます。 ○北原委員 西武新宿線の野方以西につきましても、期成同盟などを立ち上げて行動を起こしているわけでありますけれども、その後になるかもしれませんけれども、実現可能性が十分なった場合は、しっかりと期成同盟をつくって、沿線各市や区市町村と連携して、これもしっかりと将来に向かって行動すべきことであると思いますので、よろしくお願いいたします。 いずれにしましても、西武新宿線沿線のまちづくりを着実に推進していく上では、中野区役所の部署間の枠を超えた取り組みや、あるいは連携が今後ますます必要となってくると思います。区長には、オール中野の体制でしっかりと取り組まれることを強く要望して、この項の質問は終わります。区長、何か答弁がありましたら、決意がありましたら。 ○田中区長 中井-野方間の連続立体交差の事業が進んでいるということで、地域の皆様のまちづくりの検討もかなり情熱的にまちづくりを進めていただいているというところであります。これに対して、区としてしっかりお応えをしていくということ、そしてまた、その以西の連続立体交差事業の実現ということについても、全力を挙げていきたいというふうに思っておりますし、議会の皆様、また地域の皆様としっかり心を一つにして立ち向かっていきたいと、このように思っております。 ○北原委員 区長、ありがとうございました。これは、区民、区が一体となって進めるべき重要な事業だと思いますので、皆さん方にも御協力のほうをよろしくお願いいたします。 時間がありますので、2番目の地域包括ケアセンターについて、質問を二つさせていただきます。 この地域包括ケア体制については、平成26年第3回定例会一般質問で、我が会派、市川みのる議員が、地域包括ケアシステムの構築についてお尋ねをしております。高齢者が住みなれた地域で生活が継続できるようにするために介護、医療、生活支援、介護予防を充実させる、いわゆる地域包括ケア体制は、平成23年6月に成立した介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律によって、法律上の位置付けがなされたところであります。 さらに、昨年6月には地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律が成立し、平成18年度から介護保険料の介護保険の給付の一部として行われてきた介護予防事業や地域ケアに関する包括支援事業などを含む地域支援事業についても、地域包括ケア体制のさらなる推進のために大幅に見直されました。この地域支援事業の見直しについては、各自治体が地域の実情を踏まえて、来年度から3年間の間に実施することとされているようであります。その目的とする地域包括ケア体制の構築は、高齢化が進む我が国において、そして、我が中野区においてもその取り組みが急がれている課題であると感じております。また、区長は今回の施政方針説明で、医師会をはじめとする医療関係団体が中心となって、介護関係の専門職種も含めた幅広い医療、介護、福祉の連携体制と、地域支えあい活動、さらに行政の協力関係をより強固なものとして、区民の誰もが、支援が必要となっても地域で安心して暮らし続けられる地域包括ケア体制をつくり上げることが、これからの区政の最重要課題の一つであると述べられております。そこで、お伺いいたします。地域包括ケア体制の推進として触れられている内容は、介護だけではなく、医療に関する取り組みも重要な要素と思われます。根拠となっている法律自体、介護保険法だけの改正ではなく、さまざまな法律の整備についても規定した、ちょっと長くなりますけれども、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」という法律でありますけれども、この法律はどのような目的でつくられ、地域包括ケアとはどのような関係があるのか、説明をお願いいたします。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) この長い名前の法律につきましては、地域において効率的、かつ質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することを通じ、地域における医療及び介護の総合的な確保を促進するということを目的としまして、医療法、介護保険法のほか、保健師、助産師、看護師などの資格についての9法律並びに国民健康保険法などのその他保険に関する法律7法律についても整備しているものです。地域包括ケアにつきましては、主に介護保険制度の改正により充実を図っています。具体的には、在宅医療と介護の連携推進、認知症施策の推進並びに介護予防生活支援サービスの体制整備、この三つの事業を新たに平成30年度までに全区市町村が実施する包括的支援事業として位置付けるとともに、区市町村は、適切な支援の検討等を行うために、保健医療や福祉に関する専門的知識を有する者、その他の関係者等により構成された会、これを一般に地域ケア会議というふうに呼んでおりますが、この会議を置くように求めるというものとされています。 また、全国一律の予防給付のうち、訪問介護と通所介護を平成29年度までに全区市町村が取り組む地域支援事業の介護予防日常生活支援総合事業に移行しまして、日常的な介護予防と多様な日常生活を一体的にケアマネジメントすることで、要支援者への効果的な支援を目指しているものです。 ○北原委員 この在宅療養者に対して、医療・介護は連携して必要なケアを提供することが地域包括ケアの重要な取り組みの一つとされているようであります。医療というと、症状によりさまざまな専門医療機関への受診が必要となってきます。中野区内にも多くの診療所あるいは医療機関がありますが、全ての医療が区内の医療機関だけで賄われているわけではないと思います。今年度開始された認知症早期発見・早期対応の事業でも、二次医療圏の病院のチームを活用しての事業だったと思います。医療計画については、都道府県レベルの圏域で調整されているように聞いたことがあります。 一方、地域包括ケア体制を整備するために、日常生活圏域ごとに体制を整備することが検討されていると聞いておりますけれども、介護保険の事業計画では、すこやか福祉センターの圏域を日常生活圏域として基盤整備されてきたと記憶しております。地域包括ケアを進める日常生活圏域について、中野区ではどのように設定し、どのように医療と介護を総合的に確保しようとしているのかお尋ねいたします。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 日常生活圏域につきましては、高齢者が住みなれた地域で適切なサービスを受けながら生活を継続できるように、地理的条件、人口、交通事情、その他の社会的条件、介護給付等対象サービスを提供するための施設の整備状況等を総合的に勘案して設定することとされています。中野区では、認知症グループホーム等、介護保険の地域密着型サービスの整備につきましては、すこやか福祉センター圏域を日常生活圏域として整備を進めてきております。一方、医療をはじめとして、広域で利用するサービスにつきましては、都と連携して広域の計画と整合性を持たしてきております。 また、医療と介護の連携を促進するために、医療と介護の多職種、多機関の参加による協議会を設置することを予定しております。 ○北原委員 今お答えいただきましたこの日常生活圏域というものの捉え方だと思うんですけれども、これは結構個人差が、特に高齢者の方だとあると思うんです。その辺、個々のニーズというのはまた違ってくるかと思いますけれども、かといって、全てのサービスを提供できるわけではないので、一定のところでのこの圏域の線引きということは必要となってまいりますけれども、ぜひその辺も十分考慮して、この圏域の範囲を決めて、設定していただきたいなと思っております。 それから、この地域包括ケア体制を整備していくに当たっては、支援の対象となる高齢者が、地域でどの程度の人数になるのかをしっかりと把握しておくことが必要であります。今後、日本全体で高齢化が一層進むと言われておりますが、日本全体では、2005年の段階から、出生数よりも死亡数のほうが多い人口減少時代に入っていると言われており、地域によっては、地域人口の減少により、この分母、母数が減るために、高齢者の比率が大きくなっているだけで、既に高齢者人口自体も減少に転じている、そんな地域もあると伺っております。高齢者の比率が上昇することばかりに目を奪われて、対象者数を考えずにさまざまなサービスの基盤設備を行いますと、しばらくすると使われない施設をふやすことにもなりかねません。中野区は、今後、高齢者人口の推移についてどのように予測しているか、支援を必要とする高齢者の人口の推移についてもお答えください。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 中野区の65歳以上の高齢者人口につきましては、今後5年ほどで一旦微減に転じますが、その後、2050年までの長期にはふえ続けるというふうに推計しております。また、支援を必要とする高齢者につきましては、75歳以上高齢者が継続的に増加するということを予想しておりますので、支援を必要とする高齢者についてもふえ続けるというふうに考えております。 ○北原委員 ありがとうございました。しっかり、このデータをもとにこの仕組みをつくっていくということは大変重要だと思いますので。ありがとうございました。 次に、中野区では、区内に4カ所整備しているすこやか福祉センターを地域の核として、高齢者のみではなくて障害のある方や子育て家庭への支援をトータルに行い、そして、支援を必要とする全ての区民が地域で暮らし続けていける地域包括ケア体制の構築を目指すと計画で示されております。しかし、今後の10年、20年は、何らかの支援が必要となる方の割合が高まる、後期高齢者、さらには80歳、90歳以上の高齢者が増加するということを考えますと、支援の必要な高齢者を地域でトータルに支える地域包括ケア体制の構築が最も急がれる課題であると思います。地域の関係者が共同して全ての区民を対象にした取り組みがなされる中野方式は、確かに理想でありますけれども、理想に固執して、高齢者へのケア体制の整備におくれをとるようでは問題であると思いますが、いかがでしょうか。 ○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区では、すこやか福祉センターを拠点に高齢者や障害のある方、子育て家庭などの支援を必要とする全ての方を対象に、地域包括ケア体制を構築したいと考えていますが、高齢化の進展の中、地域におきましても高齢者への対応の課題が多くなってきている、そういった実態もございます。区としましては、必要なサービスの整備を進めるとともに、来年度から、まずは高齢者を対象とした地域ケア会議を開催をいたしまして、地域のさまざまな職種、機関が共同して課題の解決を図っていく、そういった仕組みをスタートさせたいというふうに考えているところでございます。 ○北原委員 ぜひ進めていただきたいと思います。 最後になりますけれども、この予算案をざっと見ただけでは、施政方針説明で強調されております地域包括ケアの取り組みがよくわかりませんでした。区は、平成27年度予算案において、地域包括ケア体制の構築についてどのような経費を計上しているのでしょうか、お尋ねいたします。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 27年度予算案における地域包括ケア体制関係の経費につきましては、制度改正により見直しが行われた介護保険特別会計の地域支援事業費では総額3億9,000万円強を計上しまして、一般会計の地域包括ケア推進費では340万円強を計上しております。地域における包括ケアの取り組みで重要な役割を果たすすこやか福祉センターや、認知症早期発見・早期対応事業などを行っている区職員の経費につきましては、事業予算としては出てきておりませんが、地域包括支援センター運営委託につきましては、今回、専門職員の充実などを図っております。また、新たな包括的支援事業としては、認知症施策の推進として、専門ケース検討会の開催などの経費、また、在宅医療・介護連携の推進に関しましては、協議会の設置などの経費、そして、地域ケア会議の開催の経費などを計上しております。一般会計では、医療・介護連携の取り組みの一つといたしまして、スマイル歯科診療所内の摂食・嚥下機能に関する相談や機能評価、人材育成などを行うセンターの設置運営に関する経費を計上しております。 ○北原委員 この地域包括ケア体制というのは、これは本当に重要なことだと思います。在宅に移るといっても、住宅の問題もあるでしょうし、受け入れる側の家族構成の問題とか、たくさんいろいろなことがあると思います。しかしながら、今回の区長の所信表明の中で、子ども・子育て支援新制度のこと、それからこの地域包括ケア体制のことについて強く述べられておりますので、ぜひ、今の予算はこれからの政策の立案のためのプロセスだと思いますけれども、これはもう来年度に向けて中野区は実際にやっていくんだという取り組みをしっかり示していただかないと困ると思います。 時間は1分でありますけれども、この間、武見先生がこういうことを申しておりました。新しいこの地域包括ケアシステムについては、まさに自治体、地域の力が求められていると。中野区がすばらしいプランを出せば、それによって国のほうの予算は出ますよということをおっしゃっていました。恐らく、他の自治体もなかなか手探り状態だと思うんです。ぜひ中野区は、先進的な立場をとる自治体と言われておりますので、地域包括ケアシステムを、中野方式みたいなものもあるわけですから、ただ、これは絵に描いた餅ではなくて、実際に機能していく、そして、それによって区民の皆さんが安心して暮らせる、しかも老後も暮らせるような、そんなことが大変重要であると思います。 以上で地域包括ケア体制について、具体的な取り組みがこれからしっかりと進むことを願って、この項の質問、全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○内川委員長 以上で北原ともあき委員の質疑を終了します。 次に、久保りか委員、質疑をどうぞ。 ○久保委員 おはようございます。平成27年予算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場で質問をさせていただきます。短縮議会でございますので、詳細な説明を省かせていただく部分もありますけれども、どうぞ御理解をください。 それでは、初めに平成27年度予算についてお伺いいたします。 施政方針で区長は、「平成27年度予算は、将来の生産年齢人口の激減や超高齢化などに備えて、まちづくり・産業振興など地域経済の活性化、地域包括ケア体制の構築、子育て環境の充実、スポーツ・健康づくりなど、持続可能な区政に向けて中長期的な区政の方向の基礎を固める予算としました」と述べられています。27年度は、基本構想10か年計画の改定など、区政のこれからの方向性が示される重要な年度と認識をしております。基本構想や10か年計画に関する質疑は、総務分科会に送ります。ここでは2点お伺いをいたします。 初めに、社会資本整備交付金について伺います。 27年度予算で示された社会資本整備交付金の対象となる交付金総額を伺います。事業総額についてもお伺いをしたいと思っておりましたけれども、これにつきましては分科会で伺いたいと思っております。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 社会資本整備交付金の総額でございますが、44億6,667万9,000円というふうになっております。 ○久保委員 きょうは事業総額をお伺いいたしませんけれども、交付金自体がそれであるということは、歳出のほうのこの事業総額というのもかなりの額になってきているのだと思っております。 次に、25年度の当初予算額、決算額、あわせて26年度当初予算、決算見込額をお伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 平成25年度でございますが、当初予算は36億4,602万5,000円でございました。決算額は31億7,397万7,000円でございます。平成26年度の当初予算は47億8,192万円、決算見込みというふうに26年度はなりますが、35億8,573万2,000円となってございます。 ○久保委員 交付金が交付されなくても対象となる事業は実施をされております。交付金が交付されなかった場合、財源更正を行い、一般財源や起債で補?をされるのか、お伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 社会資本整備総合交付金の交付金が減額された場合でございますが、都市計画交付金につきまして、通常、国庫支援対象経費を除いた対象経費の25%相当になりますので、自動的に都市計画交付金が増額することになります。それ以外を除いた経費については、用地費などにつきましては、都区財政調整制度の普通交付金の財産区により交付されておりまして、財産区については翌年度より4分の1ずつ交付になることになっております。 ○久保委員 交付対象となる事業に対し、1事業ごとに交付をされるわけではございませんので、入ってきた交付金をどの事業に活用するかというのは、これは自治体裁量なのか、お伺いいたします。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 社会資本整備総合交付金等は、地方自治体の政策目標を実現するために、道路や公園といった基幹的な社会資本整備事業のほか、基幹事業の効果を促進させるソフト事業を組み合わせ、総合的、一体的に整備するということで、地方自治体の計画に対して国の交付金の対象となるというものでございまして、幾つかの対象事業がございます。このうち、都市再生整備計画という項目でございますが、それにつきましては区域を設定して面的なまちづくりを行うために、道路や公園といった基幹事業と、事業経費の20%枠内におきまして基幹事業の効果を促進する事業を区の裁量で、独自事業として計画に組み入れるということができるものでございます。 ○久保委員 例えば交付される事業、交付されやすい事業というものがあるのでしょうか。他の自治体からも申請が多ければ交付額が減少してしまう場合もございます。交付されない場合も視野に入れた予算の裏づけが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 補助対象につきましては、事業メニューに示されたものとなっております。交付については、その年の国の予算と各自治体の申請の状況によるものでございますが、交付されなかった予算の裏づけは、都市計画公園につきましては財産費で、財産費が足らない事業については起債や基金を充当するということになるかと考えております。 ○久保委員 例えば27年度予算で、社会資本整備交付金の対象事業として、財調の財産費の対象となる事業があるのか、伺います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 27年度予算におきましては、南部防災公園の用地費や整備費、(仮称)本町五丁目公園、(仮称)本町二丁目公園の整備などが対象となっております。 ○久保委員 大変、この社会資本整備交付金は使い勝手がいい交付金であると同時に、今、御説明がありましたように、事業は行われていてもその交付金自体が入ってこないというような場合もございます。また、財産費というようなお話がございましたけれども、こちらのほうも当然、これは限度があるものだと思います。ですので、必ずしも交付されると決まっているわけではないものでございますので、慎重にこの予算の組み立てが必要であると思っております。 次に、学校再編の財源についてお伺いをいたします。 先ほど北原委員からも、再編にかかわる財政フレームに関する御質問がございました。基金について、積み立ての基本方針として、施設の移転などにより売却が可能となった用地の収入などは、今後必要となる施設の整備財源として、その目的に合った基金に積み立てるとの方針にのっとって、平成26年度より、第六中学校跡地、早稲田通り拡幅のために中野中の一部を売却いたしました。この売却益は基金に積まれております。現時点の義務教育に関しますこの整備基金の残高をお伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 義務教育施設整備基金の残高となりますが、26年度末見込みで133億5,257万7,000円となっております。 ○久保委員 耐力度調査も済みまして、改築には公立学校施設整備費負担金、改修には学校施設環境改善交付金の国庫補助の対象ともなっていると思いますが、学校再編計画による学校施設の改修・改築の事業の資金計画はどのようになっているのか、伺います。 また、再編計画を実施する上で、義務教育基金の目標額はあるのか、お伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 改修・改築の事業について、年次計画を作成し、それに基づいて基金を積み立てることについて、現在のところ、具体的な基金の目標について検討中でございます。 義務教育基金については、今年度のように財源の超過額が生じた際には、積極的に積み立てを行うことは必要と考えております。 ○久保委員 改築・改修についてのこの事業の資金計画というのはどうなっているんでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 改築等につきましても、それを含めて、同じように考えております。 ○久保委員 今後、この再編後に改修・改築というものが続いていくわけですから、そこのところをきちっと、先ほど北原委員のほうからも財政フレームというお話がありましたけれども、お示しをいただきたいと思っております。 学校再編計画に含まれない平和の森小学校の移転地と予定をされております法務省矯正管区の土地購入、また、その後ここに建設予定でございます平和の森小学校の建設費、また、この購入予定時期についてはどうなっているのか、お伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 土地の購入や建設費等につきましては、義務教育施設整備基金の繰り入れや一般財源を充当するというふうになると考えております。 ○伊藤子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 平和の森小学校の新校舎についてでございますけれども、法務省矯正研修所東京支所等の移転先でございます(仮称)国際法務総合センターの竣工時期に変更はないと聞いていることから、小中学校施設整備計画に沿って建設できるよう、法務省と財務省などと調整を図っているところでございます。 ○久保委員 研修所自体の移転スケジュールというのは決定をしているんでしょうか。 ○伊藤子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 小中学校施設整備計画に沿って、現在のところ進めているというところでございます。 ○久保委員 そうではなくて、今、センターを建設をしていて、そちらのほうに研修所が移転するわけです。その移転のスケジュールというのは、これはもう決定をしているんですか。 ○伊藤子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 法務省矯正研修所東京支所等の移転時期でございますけれども、国のほうから移転時期等はまだ示されていないところでございます。 ○久保委員 移転の時期は示されていない、見えていないということでございますので、場合によっては、この計画がおくれを生じる可能性もあるのではないかなということを懸念をしております。そういたしますと、この建設時期が後ろに行ってしまうようなことになりますと、例えば、今、東京オリンピックを目指しましてさまざまなまちづくり等を進めておりますけれども、平成32年あたりにこの建設時期がぶつかってしまうような、そういった可能性がないのかなということを懸念をしているわけでございます。 先ほど副参事のほうからは、なるべくこのスケジュールに合わせた形で進めていきたいということをお伺いいたしましたので、そういった形で区としては進めていただくということかと思いますので、そこは、御答弁は結構でございます。 桃丘小の跡地活用は、URが土地を一括購入いたしまして区画整理事業を進めることで、その後の事業が地域のまちづくりにも役立ち、売却益も義務教育費に積まれるということでございます。今回、中野三丁目の駅前をURが一体的に整備できることになったことは、これは大きな成果であると考えております。いわゆるこの交付金がこの事業に充当されるということになりました、その経緯をお話しください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 都市計画交付金についての対象となりましたが、当初、都市計画交付金の対象は――土地区画整理事業ですね――都市計画交付金の土地区画整理事業には区が実施するもののみが対象というふうになっておりました。中野区は東京都と交渉を重ねまして、対象となる事業実施方法を変更してもらい、URでも交付対象という形にしたものでございます。 ○久保委員 ここに至るまでの区の努力があったという、その一つの成果であるというふうに受けとめてございます。 一方、25年度決算で、この議論が集中をいたしました中野中学校の建設でございます。中野中の建設費用は基金を活用せず一般財源と起債を財源といたしました。国債の20年償還ということでございましたけれども、これは特例なんでしょうか。今後、起債も計画的に組み入れての改築・改修計画も考えているということでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 中野中学校につきましては、今後の学校の改築や改修について多額の経費がかかることを予測しまして、また、25年度の予算の収支の状況を見て、基金を使わずに起債と一般財源を充当するということを判断したところでございます。 基本的には、学校の改築・改修は、義務教育施設整備基金の活用を考えておりますが、なるべく起債をしない方法は、また理想とも考えますけれども、状況によっては起債を行うこともあるというふうに考えているところでございます。 ○久保委員 事業費がかなり大きなものですから、そういった場合もあるのかと思います。 今定例会の一般質問で、前中野中、元第九中学校跡地の活用に対しまして、中野総合病院の建て替え案について、我が会派の白井議員から質問がありました。この計画が順調に進むことを願っております。どの学校であっても、学校跡地は地域にとって真に求められる計画を持つべきであります。建設費用のためだけに安易に売却を進めるべきではないと考えます。今後、10か年計画策定の中で跡地計画については十分な検討をすべきと考えますが、お考えを伺います。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 学校跡地施設の活用につきましては、学校施設の更新には膨大な経費がかかるというところでございまして、売却の選択肢として外せないところでございますが、全区的な需要や地域の需要を勘案いたしまして、地域の価値がさらに高まるような活用方法を検討してまいりたいというふうに考えてございます。10か年計画を検討する過程で議論を進めていきたいというふうに考えてございます。 ○久保委員 よろしくお願いいたします。 今回取り上げました社会資本整備交付金の対象となる事業、また、学校再編におけます改修や改築の費用、これはいずれも、今後、中長期的な取り組みをしなければいけないような事業でございまして、大変事業費も莫大にかかってくるということでございますので、しっかりとした事業スキームを持ちまして、取り組んでいただきたいと思っております。 それでは、次に子育て支援についてお伺いいたします。 ここでは、保育園の待機児童、乳幼児親子の居場所についての2点をお伺いいたします。保育園の待機児童解消のために、区として積極的に取り組まれていることを評価しております。26年度も補正予算を組み、認可保育園などの開設を計画いたしました。しかし、実際には計画どおりには進まず、27年度入園でも待機児童が出ることが予測をされております。補正での計画が進まぬ原因は何であったのか、伺います。 ○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 認可保育所の整備についてでございますが、保育所に適した建物、土地の確保や地主等との調整に時間を要したといった要因がございました。しかしながら、認可保育所、小規模養育事業の誘致等によりまして、全体として473人、想定した約6割の定員拡大を図ったところでございます。 ○久保委員 これは以前にも、一般質問等でも質問をさせていただきましたが、やはりなかなか物件とのマッチングというのが難しいのではないかなと思っております。補正で開設予定でございました上鷺宮地域などでは、27年度4月に認可保育園を開設することができませんでした。待機児童が多く、保育施設が不足をしているエリアが現状では改善をされないままでございます。どう対応していくのか、今後開設の見込みがあるのか、伺います。 ○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 保育需要の高い地域といたしまして、鷺宮・上鷺宮地域、それから東中野地域等を想定してございます。認可保育所の事業者の募集におきましては、この地域に加えまして中野駅周辺を重点地域として公募を行ってきたところでございます。今後の見通しといたしましては、27年4月の入所状況を見きわめながら、保育所の誘致に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○久保委員 ぜひとも、今不足をしているこのエリアについては、保育園の開設を目指して頑張っていただきたいと思っております。 近い将来、保育園利用のピーク期間が過ぎた場合に創設をし続けている保育園などの存続について、これは危ぶまれるのではないかと思っておりますが、それについてはどう考えていらっしゃるんでしょうか、伺います。 ○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 現在策定中の子ども・子育て支援事業計画の中で、今後5年間の見通しといたしまして、保育需要が高まっていくものと考えております。保育施設の増設を進めていく予定でございます。その先につきましては、計画の見直しの中で、区立保育園の定員の調整等を含めまして適切な対応を図っていくことと考えているところでございます。 ○久保委員 5年間は高まるけれども、その先の予測というのが、現状ではまだ立っていないのではないかなということだと思います。 中野区立保育園については、人員体制や園舎の老朽化も視野に入れまして、存続についても計画を持つべきではないかと考えております。今後の区立園の存続についてはどう考えていらっしゃるのか、伺います。 ○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 区立保育園の民営化を含めた今後のあり方につきましては、将来的な保育需要を勘案いたしまして、検討を進めてまいりたいと考えてございます。 ○久保委員 全ての区立保育園の民営化を目指すというようなことは、私はそのことには反対をしております。ということで、この存続についても計画を持つべきではないかということで今お伺いをいたしましたので、その点も含めて、ぜひとも計画的に進めていただきたいと思っております。 区では、小中連携教育を推進していますが、保育園・幼稚園から小学校への接続も非常に重要な課題であると考えております。就学前の園児の小学校の見学会などを行い、幼児が学校に親しむ機会を意識的に設けていくべきではないでしょうか。保幼小連携のための具体的な取り組みを進めるべきと考えますがいかがでしょうか、伺います。 ○古川教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 現在、幼稚園児や保育園児が小学校のイメージを広げ、円滑に小学校生活を送れる取り組みといたしまして、多くの幼稚園や保育園で5歳児の小学校の見学や体験入学を行っているところでございます。今後も未就学児が入学前に小学校体験ができるよう、保育園・幼稚園・小学校教職員の相互理解を図りながら、一層の取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。 ○久保委員 今、全園で行われているわけではないかと思います。全園で取り組みができるように、これは進めていただきたいと思っております。 次に、乳幼児親子の居場所について伺います。 中野区子ども・子育て支援事業計画(案)によれば、乳幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての相談、情報の提供、助言、その他の援助を行う事業として、地域子育て支援拠点事業を進めることになっています。現在、地域子育て支援拠点事業の実施状況はどうなっているんでしょうか。また、すこやか福祉センター管内に1カ所当たり40人から70人が利用できる場所を複数箇所確保するということですが、地域子育て支援拠点事業の担当は、各すこやか福祉センターとなるのか、お伺いいたします。 ○吉沢北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 現在は、中部すこやか福祉センター、13の児童館、3カ所のU18プラザ、また、国と都の子ども・子育て支援交付金を受けて、区民団体や私立乳児園が開設しております子育てひろば2カ所に補助を行っており、合計で19カ所実施しております。 また、各すこやか福祉センターにつきましては、事業の実施や管内のひろば運営の支援を行っております。 今後の拠点整備につきましては、地域活動推進分野と各すこやか福祉センター地域ケア分野で行ってまいります。 ○久保委員 各すこやか管内に何カ所ずつ開設をする予定なんでしょうか。 また、地域人材や場所の確保というのは予定をされているのか、伺います。 ○吉沢北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 現在、19カ所の子育てひろばを設置しているところでございますが、平成28年度には南部すこやか福祉センターに開設する予定でございます。キッズ・プラザへの移行に伴いまして、児童館の廃止を計画していますが、その地域で、地域子育て支援拠点を開設し、乳幼児親子が利用できる施設を確保していきたいと考えております。拠点事業の実施に当たりましては、地域人材の活用と育成も大切にしながら進めてまいります。 ○久保委員 一方、地域の求めに応じまして、キッズ・プラザでも乳幼児親子を受け入れられています。施設が学校内にあることから制約があり、全てのキッズ・プラザでは実施をすることが難しいようです。利用者からは、時間延長や受け入れ曜日を拡充してほしいとの声もありますが、今後、開設するキッズ・プラザでは、乳幼児親子の受け入れを可能な限り行うべきと考えますが、お考えを伺います。 ○吉沢北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) キッズ・プラザにおけます乳幼児親子への場所の提供は、小学校の教育活動を妨げることがないように、授業時間中のキッズ・プラザ活動室の使用に配慮をしております。現状は、小学生の気が散らないように入退室から利用時間中も子どもたちの視界に入らないような工夫をしております。校舎のつくりやキッズ・プラザ活動室の位置によりましても、乳幼児親子の受け入れの可否は異なりますので、関係部署とも調整を重ねながら取り組んでまいります。 ○久保委員 すみません。気が散らないように、視界に入らないようにって、大変、キッズ・プラザを乳幼児親子が利用するというのは、ものすごく気を使って、大変なことなんだなというふうに今思いましたけれども、そういったことを利用する方がそこまで考えないでも利用できるように、一節には、自転車で行っても自転車の置き場がないというふうなお話もありましたので、そういったところは改善を図っていただきたいなと思います。 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)では、新たに実現する施設として、区立保育園の民営化に合わせ地域の乳幼児親子を対象とした事業も行うことが明記をされております。この事業の新制度の中での位置付けはどうなっているのか、伺います。 ○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) これまでも保育園では、各園で工夫を重ねながら育児のノウハウを在宅乳児の保護者に提供していただいているところでございます。新制度における地域子育て支援拠点事業そのものではございませんけれども、在宅乳幼児親子を支える仕組みの一つとして、今後も保育園での取り組みを進めていきたいというふうに考えてございます。 ○久保委員 新制度の位置付けがなくとも、これは区としては必要があるという事業だと思います。支援策も検討すべきだと思いますので、よろしくお願いいたします。 10か年計画(第2次)では、キッズ・プラザの整備に伴い廃止となる児童館跡地は売却とされております。昨今の子育ての実態に即し、跡地の活用が必要とされる場合もあるのではないかと思います。今後、10か年計画策定の中で再検討すべき課題ではないかと考えますがいかがでしょうか、伺います。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 廃止された施設の跡地活用につきましては、学校跡施設同様でございますけれども、売却など資産としての有効活用も選択肢として外せないところでございますが、全区的な需要や地域の需要を勘案して、地域の価値がさらに高まるような活用方法を検討してまいりたいということになると考えてございます。 現在の計画で売却と方向づけされている施設につきましても、その方向性を踏まえながらも、施設の展開の中で必要があれば、その都度、判断をしているところでございまして、今後もそのように検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○久保委員 ぜひよろしくお願いいたします。 次に、少子化対策について伺います。 初めに、不妊治療費用の助成について伺います。施政方針説明で区長は、「国が人口減少対策について、数値目標を示して取り組みを明示するようになりました。区としても、子育てしやすいまちから、ひいては出生率の向上を視野に入れながら、来年度から実施される子ども・子育て支援新制度に基づくさまざまな取り組みを着実に進めてまいりたいと考えています」と述べられています。子育て支援に取り組むことで、産み育てやすい環境を整備することが出生率を向上させることにつながると、私も思います。しかし、子育てしたくても妊娠の機会になかなか恵まれない方も多いのが現実です。晩産化が著しく、第1子出産時の母の平均年齢が32歳と全国で一番高いのが東京都です。不妊治療を受ける人も晩産化の中でふえてきております。経済的にも精神的にも負担が大きいこの不妊治療でございます。私は、少子化対策として一番力を入れるべき施策は不妊治療であると考えています。担当では、少子化対策としての不妊治療の効果についてどう認識をしているのか、伺います。 ○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 近年、結婚年齢や妊娠・出産年齢の上昇、医療技術の進歩などに伴いまして、不妊治療を受ける方は年々増加しているところでございますが、不妊治療の効果は個人によって異なり、少子化対策としての効果につきましては、さまざまな見方がされているところであるというふうに承知してございます。 ○久保委員 さまざまな見方がされていて、効果が薄いというふうにお考えになっていらっしゃるという意味ですか。 ○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 出生率の向上ということが明確に確認できるということであれば、一定の効果があるというふうに考えているところでございます。 ○久保委員 今、御答弁をいただいていらっしゃる永田副参事が、この不妊治療に対しても、子育て支援担当がここの担当ということでよろしいですね。 ○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) はい、この不妊治療の施策につきましては、子育て支援担当のほうで担当いたしております。 ○久保委員 不妊治療の助成に関する相談、これは中野区ではどこが担当しているのでしょうか、伺います。 ○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 不妊治療等に関する相談につきましては、保健福祉相談の一環といたしまして、各すこやか福祉センターで対応いたしておりまして、必要に応じて都の専門相談センターなどを案内してございます。 ○久保委員 ここではすこやかが受けとめているということですね。区の子育てナビには、不妊治療で検索しても、「該当する記事なし」となっておりました。また、区のホームページでも、東京都特定不妊治療費助成制度についての申請方法が掲載をされているだけでございます。実際に、東京都の助成制度に申請をしている区民がどれだけいるのか区は把握しているのか、伺います。 ○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 東京都特定不妊治療費助成制度の中野区民の利用実績につきましては、平成24年度が332件、平成25年度が415件でございます。 ○久保委員 2年間だけを見ても、数字が伸びてきているなということを感じております。東京都では、27年度予算で不妊治療費助成を拡充しております。中野区では、区独自の不妊治療助成や東京都の制度への上乗せなどをこれまで検討されてきたことがあるのか、伺います。 ○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 区におきましては、不妊治療についての国の研究報告や支援のあり方等に関する検討結果などについて精査をいたしますとともに、他の自治体の取り組み事例の情報収集などを行ってきてございます。 ○久保委員 ということは、検討はしてきた、調査はしてきたということですね。平成27年度から、東京都では特定不妊治療のために行われる男性分の治療費を助成するとしております。中野区でも、区独自の不妊治療助成を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 不妊治療の助成につきましては、他の子ども施策とのバランス等を踏まえまして、検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○久保委員 不妊治療の助成の単独として、その効果があるかどうかということではなくて、他の施策と並べて、それによって検討するということですか。この不妊治療の助成の効果というものは、これはあらわれていると思いますし、先ほど副参事がおっしゃったように、中野区民でも332件、415件というふうに利用数も伸びてきている。この状況の中で、こういった条件がそろっていると思うんですが、そこで検討されるという考えはないんでしょうか。 ○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 区では、子育て支援のために切れ目のない一貫した支援を行うということでさまざまな施策の充実を図っているところでございますが、そうした中で、この不妊治療の施策効果等も踏まえまして、検討をしてまいりたいということでございます。 ○久保委員 切れ目のないというよりも、スタート地点が非常に重要でございますので、そこのところはしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。 次に、卵子の老化の現実について伺います。 2012年6月に放映をされたNHKスペシャル「産みたいのに産めない~卵子老化の衝撃~」は、急増する不妊の背景に卵子の老化があり、そこには女性の社会進出が進む一方で、妊娠、出産を考慮してこなかった社会の姿があることを位置付けました。私もこの番組には衝撃を受けました。そして、晩婚・晩産化が進む現代社会で、年齢とともに妊娠しづらくなる原因として、卵子の老化というものがあることを多くの方に知っていただきたいとの思いに至りました。東京都では、妊娠適齢期などに関する普及啓発として、男女ともが妊娠、出産についての正しい知識を持った上で自分のライフプランを考えることができるよう、不妊症や卵子の老化などについての客観的な情報を適切な時期に伝えることとしています。今年度も、大学生向け小冊子の配布や社会人向けにフリーペーパーに記事を掲載しております。中野区でも、東京都作成の小冊子などを成人のつどいなどの機会に配布するなど、若い方たちに普及啓発をすべきと考えますがいかがでしょうか、お考えを伺います。 ○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 若年世代に向けて、妊娠、出産についての正しい知識を普及啓発していくことは重要なことであるというふうに考えており、成人のつどいの機会を活用するなどの工夫ができないか、検討してまいります。 ○久保委員 ぜひともよろしくお願いいたします。 次に、地域包括ケアシステムについて伺います。 先ほど北原委員からも御質問がありまして、北原委員が御質問されましたが、私も御質問させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 この地域包括ケアシステムにつきましては、また、ケア会議などにつきましては、一般質問でも行ってまいりました。地域ケア会議について、区単位、すこやか単位でケア会議を持つこととしております。地域包括支援センターとの連携、区民活動センターとの連携がそれぞれどうなっているのか、伺います。 ○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区では、来年度から事例検討などによりまして課題の解決に必要なネットワークの構築、地域資源の開発を行うために、多職種、多機関の連携を図るための地域ケア会議を行っていく予定としております。区全体の会議とすこやか福祉センター単位の会議の設置を予定しておりますが、すこやか福祉センターごとの地域ケア会議におきましては、地域包括支援センターは検討事例を作成するなど、すこやか福祉センターと連携し、地域ケア会議の運営にかかわっていきます。区民活動センターは、地域支えあいネットワークの活動拠点でございまして、地域ケア会議では、必要に応じてネットワーク会議で提議された課題を取り上げるなど、十分に連携を図ってまいりたいと考えております。 ○久保委員 国では、地域包括支援センター単位でケア会議をということを推進しておりますけれども、中野区はすこやか単位ということになっておりますので、運営にもかかわるというお話が先ほどございましたが、十分にここは連携を図っていくべきだと思います。また、中野では、この支えあいについて、いち早く取り組みをしていたところでございますので、区民活動センターは、そこでは本当に重要な役割を示してくださると思っておりますので、この連携も十分に行っていただきたいと思います。 地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの構築について伺います。 地域包括ケアシステムは、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される、日常生活圏域を単位と想定をしております。中野区ではすこやか福祉センター圏域というふうになってございますが、この圏域内に住まい、医療、介護、生活支援、介護予防などの必要なサービスが現在整備をされているのか、地域格差がないのか、伺います。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 30分以内の提供エリアが想定されておりますのは、何らかの支援や介護が必要になっても在宅で暮らし続けるために必要となるサービスでございます。医療や介護サービスの中には、必ずしも日常生活圏域単位ではなく、区単位あるいはもっと広域の圏域単位で利用することが前提となっているものもございます。日常生活圏域ごとに整備すべき地域密着型サービスにつきましては、介護保険事業計画として、高齢者人口等に基づき整備計画を作成し、バランスを保ちながら誘導整備しており、医療、介護が連携して在宅生活を支える地域包括ケアの体制といたしましては、地域格差はないというふうに考えております。 ○久保委員 地域格差はないということでございますが、これからの取り組みの部分もあるかと思いますので、そこのところはきちっと充足していただきたいと思っております。 東京都では、第6期高齢者保健福祉整備計画を平成27年度から29年度で策定をし、3月下旬に公布をすることとしております。中野区での状況はどうなっているのか。先ごろ、保健福祉総合計画(案)が示されましたけれども、これがそれを兼ねるものになるのか、伺います。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 東京都の第6期高齢者保健福祉計画は、老人福祉法に基づく老人福祉計画と介護保険法に基づく介護保険事業支援計画とを一体的に策定するものとされております。中野区では、健康福祉総合推進計画、介護保険事業計画、障害福祉計画を一体的に策定しておりまして、老人福祉計画と介護保険事業計画を含み、東京都でいうところの高齢者保健福祉計画を含むというふうに考えております。 ○久保委員 これにつきましても、一般質問でも行いましたけれども、やはりこの内容がきちっと明確にわかるように、この地域包括ケアシステムの構築に合わせまして、ここもやはり再検討すべきではないかと思っております。 介護保険制度の改正について伺います。 地域支援事業の拡充は、平成30年4月までに全区市町村が実施をすることになっております。同じく予防給付の見直しも平成29年4月までに全区市町村が移行することになっています。中野区では、28年をスタートとしていくことになったようですが、それはなぜなのでしょうか。 また、予防給付の見直しでは、給付のうち訪問介護、通所介護を地域支援事業へ移行することとしております。移行期間での要支援1・2との関係性はどうなるのか、伺います。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 介護予防・日常生活支援総合事業関係を28年度スタートにしたということの理由につきまして、私のほうからお答えいたします。 これにつきましては、生活支援のサービスの提供主体となるいろいろな関係者との調整等も行いまして、円滑に実施するために、1年間の猶予期間を持たせたというものでございます。 ○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 平成27年度の要支援1の方の訪問介護、通所介護についてでございますけれども、移行を予定しております平成28年度までの間は、引き続き同様のサービスを御利用いただくことになります。 ○久保委員 わかりました。先ほどサービス主体となる事業者との調整がということがございましたけれども、やはりスタートしてから調整がうまくいっていなかったということになりますと、これは利用する方たちに大変迷惑をかけてしまうことになりますので、1年間かけるということでございますから、しっかりとこの調整を行っていただきまして、28年度に速やかに移行していただきたいと思います。 すこやか福祉センター圏域、また、中野区内全域の高齢者の移動円滑も重要な課題であると思います。介護予防のためのお出かけ支援、お買い物支援を円滑に行うために、交通手段を整備することも検討すべきと考えておりますが、現在どのような検討がなされているのか、伺います。 ○中井都市基盤部副参事(交通対策担当) 高齢者を含みます交通弱者の方たちの移動につきましては、コミュニティバス、乗り合いタクシーなど、さまざまな交通手段が考えられます。それぞれの交通手段につきまして、利用者のニーズや運行方法、それに伴います経費面などの解決すべき問題はありますが、区内各地の回遊性を高めるような交通環境の整備については、今後も幅広く検討していきたいと思ってございます。現在、私どもでは、国主催の研修会などに参加をさせていただき、他市町村の導入事例等の情報を参考に検討しているところでもございます。 ○久保委員 何回かこの御答弁を、ほかの場面でも聞いたような記憶があります。幅広い検討ということでございますけれども、そろそろ幅を狭めていただきまして、実行可能な検討をしていただきたいと思います。 2025年を見据え、団塊世代を中心にニーズ調査を行ってはどうでしょうか。団塊世代の意見を聞き、現状を把握するための、例えば年金や住宅、健康などに関するアンケートを行ってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) ニーズ調査につきましては、現在、区では20歳以上の区民を対象とした保健福祉に関する意識調査を毎年、また、65歳以上の区民を対象といたしました高齢福祉、介護保険サービスの意向調査を3年ごとに行っております。今まで団塊世代に絞った分析は行っておりませんが、設問により、前期高齢者、後期高齢者別ですとか、年齢階層別ごとの傾向把握は行っているところでございます。データのさらなる分析、活用方法につきましては、継続して検討してまいりたいと考えております。 ○久保委員 今の内容について、私も細かく見ておりませんので、今、私が2025年を見据えた形で、その取り組みに必要とされるデータ収集という意味で、今、副参事がおっしゃられていたところがそこに該当するものなのかどうか、しっかりと分析をしていただきまして、また、結果を御報告いただきたいと思っております。 次に、中野区産業振興の目玉でございますライフサポートビジネスについて伺います。 このライフサポートビジネスとの連携を地域包括ケアシステムの中で図っていくべきではないかと考えております。いわゆるこのシニア世代の就労や就業、また地域参加の仕組み、これらのこともライフサポートビジネスの中で十分に検討していくことができるのではないかと思いますが、その活用についてお考えを伺います。 ○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 地域の高齢者のニーズに応えるさまざまなサービスの供給主体としまして、ライフサポート関連事業者も大きな役割を担っております。ライフサポート関連産業につきましては、区の産業振興における重点分野と位置付けておりまして、今後も特例融資などの支援を行って、さらに振興を図っていきたいと考えております。 また、今年度実施いたしました「なかのライフサポートビジネス創造塾」におきましては、テーマを高齢者向けサービスと子育て・教育サービスに絞りまして、高齢者の起業についての講座も実施しております。全員参加型社会の構築に向け、ライフサポートサービスの受け手としてだけではなく、サービスの担い手としての高齢者の地域での活躍を今後も支援していきたいと考えております。 ○久保委員 受け手、担い手、どちらの可能性も十分に秘めている世代の方たちでございまして、また、本当に活躍の場面をふやしていくことが重要ではないかと思います。その大事な機会も、このライフサポートビジネスに焦点を当てていただきまして、今後も取り組んでいただきたいと思います。 次に、学習支援についてお伺いいたします。 先日、仙台市にNPOキッズドアが行っております学習支援を視察してまいりました。そのことを踏まえまして質問いたします。 初めに、27年度の新規事業、生活困窮者の自立支援の学習支援事業の内容についてお伺いいたします。 ○伊藤健康福祉部副参事(生活援護担当) 平成27年度の4月に施行されます生活困窮者自立支援法に基づきまして、生活援護分野で学習支援事業に取り組みます。対象は、中野区就学援助認定世帯の小学校5、6年生と中学生が対象で、事業委託により行う予定でございます。小学生は区内4カ所で、毎月土曜日3回、年間30回程度、中学生は区内1カ所で、毎週2回、年間85回程度実施する予定でございます。 ○久保委員 個別の学習支援を行い、受験のみならずこの学習のおくれにも対応していくということが大変重要なことだと思っております。小学生も対象としておりますので、そういったことを十分に行うという、そういった事業なのかと思っております。また、学校や家庭との連携も、状況に応じては行う必要があると考えますが、その点についてはいかがでしょうか。 ○伊藤健康福祉部副参事(生活援護担当) まず、小学生につきましては、学習習慣の定着や学習の仕方を身につけることを目標に行います。また、中学生は学力の向上と都立高校の全日制合格を目標に実施したいと考えております。 また、学習のおくれなど、一人ひとりの学力に合わせた支援を行うとともに、保護者からの相談にも対応してまいります。 さらに、本事業は教育委員会との共同で取り組みますので、学校とも十分な連携が果たせるというふうに考えております。 ○久保委員 十分にその連携を、来年度から行う事業でございますので、しっかりとこの効果についても見守ってまいりたいと思っております。 次に、南部フリーステップ廃止に伴い拡充推進される不登校対策の充実、教育センターの改修について伺います。 不登校児童・生徒への早期対応及び多角的な相談支援の充実を図るとのことですが、これからの不登校対策のあり方について、新たな仕組みをつくっていくべきであると考えております。現在のフリーステップのあり方を継承しつつ、より多くの不登校児に対して対応していくべきであると考えますが、どのように充実をされるのか、伺います。 ○川島教育委員会事務局指導室長 不登校対策のあり方についてですが、現在、不登校傾向にございます児童・生徒は、適応指導教室、いわゆるフリーステップルームに通級をしまして、相談活動ですとか、指導を受けたりしております。来年度、このほかに臨床心理士、それから教員経験者、スクールソーシャルワーカーでチームをつくりまして、学校を巡回して、登校渋りや別室登校している、そういう児童・生徒の相談、それから指導を行うとともに、家庭へも支援することで、不登校の未然防止、それから学校復帰につなげるなど、対策を強化していく考えでございます。 ○久保委員 フリーステップに来ているお子さん、また、別室登校をしているお子さん以外にも、なかなか手の届かない不登校のお子さんというのがいらっしゃるんだと思うんです。そこに対して、これからどのようにアプローチをかけていくかということで、こういった体制を組まれることになったのかと思います。アウトリーチの仕組みの中で、スクールソーシャルワーカーの役割が非常に重要になります。27年度は1名増員のようですが、中野区の目指す不登校対策が家庭と教育機関をつなぎ、不登校や引きこもりの状態の子どもたちに教育の機会を与えるために、きめ細やかな対応をするためには、次年度からの人員体制で本当に十分なのか心配でございます。その点についてはいかがお考えでしょうか、伺います。 ○川島教育委員会事務局指導室長 次年度からの人員体制ですが、現在、適応指導教室で行われている体制を一部見直しまして、先ほど申し上げましたが、新たに巡回するチームをつくりまして、各校を巡回して、児童・生徒の観察ですとか、それから不登校傾向にある児童・生徒への支援、それから加えて、家庭と連携した対応を進めていきたいと、そちらも力を入れていきたいというふうに考えてございます。 ○久保委員 何名ぐらいのお子さんを対象として行うのでしょうか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 現在まで、全体で不登校のお子さんは、小中学生合わせて140から150ぐらいいますので、適応指導教室に通っているお子さんは、そのうちの40人弱ということですので、その間の数が対象となってくるかというふうに思いますが、お子さんによって、その不登校の状況ですとか、家庭環境とか、非常に千差万別という形になりますので、効果がなるべく発揮できるようなところから、アプローチをしていきたいなというふうに思ってございます。 ○久保委員 大変対象となる児童・生徒数も多いですし、大変きめ細やかなことを行うということで、先ほど私が伺いましたのは、その人員体制で本当にやっていけるのかなと、そこで大丈夫なのかなというところでございまして、その点についてはいかがお考えですか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 先ほどと少し繰り返しになりますが、かなり状況が違いますので、新しい体制をつくったから全てのお子さんがケアできるかというところでは、なかなか難しいかと思いますので、そのアプローチによって、その成果ですとか効果を見ながら、今後のあり方については考えていきたいなというふうに思っております。 ○久保委員 これも次年度からスタートする事業でございますので、その効果をきちっと見定めながら、また、場合によっては人員体制を強化していく必要もあるのかと思っております。 教育センターの機能強化に合わせまして、施設の改修も行われるということです。中学生などが気軽に訪れる場所に、これをリニューアルすべきではないかと考えます。例えば土曜日などに、空きスペースを学習室として提供するなど検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 教育センターを活用した学習室などということですが、現在、中野区では各学校単位といたしまして、地域人材や大学生などを活用して、そういう形で放課後学習教室などを実施しているところです。教育センターの土曜日の活用につきましては、中学生の生活実態ですとか、それから管理体制を考えますと、課題もあるかなというふうに思っておりまして、各学校での取り組みの中でそういったことを考えていきたいというふうに思っております。 ○久保委員 せっかくリニューアルをされるので、また新たな取り組みということで、こういったことも行ったらどうかなというふうに御提案をさせていただきました。今の御答弁ですと、学校でそれぞれ行っているので、教育センターにそういった場を設ける必要はないというようなことだと思いますけれども、これにつきましても、また検討していただければなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、西武新宿線沿線まちづくりについてお伺いをいたします。 27年度は、野方-井荻間の基盤計画の予算が示されております。これまでたびたび野方以西の連立事業を推進するため、沿線地域の機運を高めるためのまちづくり勉強会を開催することを求めてまいりました。事業主体者である東京都へのアプローチとして、野方以西の勉強会のあり方が非常に重要になってきます。まちづくりの機運を高めるために、区としてどう取り組むのか伺います。 ○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 野方駅以西のまちづくりの機運につきましてお答えいたします。 野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業の早期実現を目指す上では、御指摘のように野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅周辺地区のまちづくりの機運を醸成し、まちづくりの熟度を高めていく必要がございます。このため、区といたしましては、今後も野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の各駅の駅前広場などの交通基盤やまちづくりについて調査検討を進めますとともに、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅のまちづくりの検討組織において、具体的に検討を進めてまいりたいと考えております。 ○久保委員 区政方針で事業化の決定していない野方以西の区間についても、現在の事業区間に引き続いて事業化されるように、関係各方面への働きかけを強力に進めてまいりますと、区長から大変力強いお話を伺いました。これには大いに期待をしております。中井-野方間の完成が平成32年であり、切れ目ない連立事業を推進することが望ましいと考えます。野方以西の切れ目ない連立事業を進めるために最大限の努力をすべきではないかと考えますがいかがでしょうか、お考えを伺います。 ○池田都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 事業候補区間に位置付けられております野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業の事業化につきましては、区といたしましても、先行着手した中井駅から野方駅間の事業化の終了までに事業化のめどがつけられますように努力してまいりたいと考えております。このためには、現事業認可区間のまちづくりを着実に推進していくとともに、野方以西のまちづくりの熟度を高めていく必要があることから、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅のまちづくりの検討を早期に進めてまいりたいと考えているところでございます。 ○久保委員 やはりこのまちづくりがどのような形を示していくのかということと、あと、それを求める住民の方たちのお声というのが後押しになってくることだと思います。その辺について、本当に十分に取り組んでいただきたいと思っております。 野方以西の西武新宿線の連立事業では、中杉通り、補助133号線の整備も課題でございます。現在、用地測量などが東京都によって進められておりますが、中野区として地域とどうかかわっているのか、伺います。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今、委員、御指摘の中杉通りの整備事業、これは東京都の事業でございまして、都市計画道路事業補助第133号線白鷺地区という事業名称でございます。これにつきまして、中野区は事業に伴います地域の方々の疑問や不安などを解消するために、東京都と連携して対応しているところでございます。必要があれば、地域の要望などを都に伝えていきたいと考えるところでございます。 ○久保委員 必要があれば、地域の要望に応えていくということでございまして、積極的に出ていただきたいと思っております。 都市計画道路が拡幅をされれば、用途地域が見直されることとなります。しかし、現実には建て替えなどを行う段階では用途地域が変更されてはおりません。狭小な敷地で共同化や高層化を進めていくことは大変困難な状況でございます。区としてこれらの課題についてどう取り組むか、伺います。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 用途地域の変更につきましては、変更権限のある東京都の方式によりまして、地区計画の策定が前提条件となっております。しかしながら、地区計画の策定につきましては、まとまった区域での合意形成などに時間を要することから、都市計画道路事業の進捗との時間的整合性を図ることは容易ではないと考えております。 したがいまして、用途地域の変更を目指した地区計画の策定のみならず、個別の敷地の利活用などにつきまして、区として支援できることがあれば、取り組んでいく必要があると考えてございます。 ○久保委員 東京都に対しても、この用途地域変更に関することについて、積極的に要請をすべきではないかなというふうに考えております。計画の内容を正しく理解した上で用地買収には賛同できないという方もいるかもしれません。また、さまざまな課題を抱え、計画に賛同できない方もいると思います。しかし、誤った情報により不安をあおられ、測量拒否をするお宅も出てきております。計画の内容を理解した上で、正しい情報提供を行い、積極的に区としても沿道関係者に説明の機会を設けていくべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 昨年の12月に東京都が事業の広報紙を発行しまして、広く沿道に情報提供を行っているところでございます。区といたしましても、東京都と連携しながら、積極的に情報提供などを支援していきたいと考えてございます。 ○久保委員 この沿道沿いにお住まいの方の中には、早く事業化をしてもらいたいということを望んでいらっしゃる方たちもおりますし、協力的な方たちも大変多くいらっしゃるかと思います。また、そうではなく、大変不安に感じている方もおいでになられます。丁寧で誠意ある個別の相談を繰り返していく必要があると思いますけれども、繰り返しになるかもしれませんが、区としての御見解を伺います。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 区としても、この中杉通りはぜひ必要な事業と考えております。そういった意味からも、区としてできることは最大限行いたいと考えております。 ○内川委員長 久保委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 1時まで委員会を休憩します。 午前11時59分休憩
午後1時01分開議 ○内川委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。久保委員、質疑をどうぞ。 ○久保委員 それでは、質疑を続けさせていただきます。安全安心な公園づくりについてお伺いいたします。 平成17年の請願より10年、この間、鷺の宮調節池が完成をし、本年6月、地域の待望久しい鷺の宮調節池上部多目的広場が開設をされます。先日地域説明会の中で、地域住民の方から要望や質問が数多く寄せられたと聞いています。特に、都営住宅の敷地内にある草地広場は24時間の開放型であることから、夜間使用における利用者のマナーのあり方が心配をされています。利用者のマナーに関する普及啓発をどう考えているのか伺います。 ○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 利用マナーの啓発ということでございますけれども、一つには他の公園と同様に、公園の利用方法を表示した案内板を設置いたしまして利用マナーの向上、また周知を図っていきたいと考えております。 また、地域の方々の理解を得まして、地域と協働して利用マナー向上に働きかけをしていきたい、そのように考えてございます。 ○久保委員 現在、同都営住宅敷地に隣接をする区立ネムノキ公園には、かつて外周道路のオートバイの暴走行為やごみの違法投棄などが相次いだことで自治会からの要望もあり、防犯カメラが設置をされています。公園は地域にとって憩いや健康増進、遊び場など大変重要な都市施設であるとともに、マナーの悪い利用者や犯罪者により、地域の迷惑施設になることも懸念をされております。近隣住民の不安を取り除くための対策が必要であると考えますが、いかがお考えでしょうか、伺います。 ○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 一つは利用マナーの向上ということでございますけれども、さらに不審者や不法定住者、そういったことの指導を行うため、毎日夜間に巡回警備を行うことで対応を考えてございます。 ○久保委員 一方、他の地域では町会の防犯カメラを公園前に設置することを検討しているとのお話を聞きました。区立公園の管理は区の責任であり、公園自体の防犯対策として町会が防犯カメラを設置しなければならないというのはどうなのかと思います。区の管理責任が問われるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 公園内の防犯対策として防犯カメラを設置ということであれば、区が設置し、管理すべきものというふうに考えます。事例によって様子を聞き、相談に乗りながら考えていきたいというふうに思っているところでございます。 ○久保委員 ぜひどういった状況でそのようなお話になっているのかということ、相談が来たときにはお話を聞いていただきたいと思います。現在、区内の公園には防犯カメラが何カ所設置をされているのか、また、防犯カメラを設置するのに基準を設けているのか伺います。 ○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 現在、区内の公園には6公園に12台の防犯カメラを設置しているところでございます。基準という明らかな形にはしてございませんが、地域や警察からの御要望があった場合に状況を確認し、必要性を判断して設置しているところでございます。 ○久保委員 今後大規模公園の整備が続いてまいります。防犯カメラの設置を検討すべきと考えます。まずは6月に開設をされます鷺の宮調整池上部多目的広場に防犯カメラを設置すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。 ○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 現在のところ、鷺の宮調節池の上部にできます多目的広場のほうですが、防犯カメラの設置は予定をしていないところでございますが、設置の必要性については検討してまいりたいと考えております。 ○久保委員 地域住民からの声もございますし、これは先ほど夜間の巡回というようなこともおっしゃっていて、大変区としても防犯体制の強化をしなければならないという意思はお持ちなわけですから、当然防犯カメラを設置するのに該当する公園であるかと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、公園トイレの安全対策について伺います。 中野区では、計画的に老朽化したトイレの改築がされ、衛生的なバリアフリートイレへと改善をされていることで地域住民からも大変喜ばれています。ところが先日、公園近隣の方から、公園トイレの安全性について、箱型の広目のトイレであることから、閉じ込められたりしたらどうやって助けを求めるのかなどの御質問をいただきました。トイレの中には緊急ブザーがあり、トイレ内でぐあいの悪くなった人などに対応していますよと答え、一緒にトイレに入ってみましたが、実際に押して試すわけにもいかず、位置の確認のみとなりました。この緊急ブザーの役割と機能について御説明ください。 ○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 非常押しボタンがトイレ内に設置されているわけでございますけれども、このボタンにつきましては、トイレ内で急に体調が悪くなったり、また動けなくなった場合、その他緊急事態になった場合にトイレの外にいる人、また管理者に緊急事態を知らせる目的で設置をしているところでございます。その非常押しボタンを押すことによりまして、(基本)トイレの外壁に取りつけております回転灯が点灯いたしまして、外の人に知らせるという仕組みになってございます。 ○久保委員 押しボタンを押すと、扉の上の回転灯がつくということですね。そして回転をする。音がするというようなわけではないのかと思います。公園の中、公園に面しているところからは異変に気づくことがなかなか、公園の中以外のところでできないのではないかと考えます。夜間などで1人で利用していた場合に、近隣に知らせるというすべは、なかなかこれでは難しいように思います。また、公園管理者にも知らせるというところからすると、これでは不十分ではないかと思っておりますけれども、この公園の管理者、また近隣住民に知らせる、そういった仕組みをつくるべきではないかと考えますが、いかがお考えでしょう。 ○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 誰でもトイレを設置した当初、回転灯とブザー両方併用する形のものを導入しておりました。2カ所導入したわけなんですけれども、実際には緊急時のみではなく、いたずらによりボタンが押されるということで、近隣からの苦情を招いた経緯がございました。そのため、現在は回転灯のみの設置として整備をしているところでございます。そうしたこともありまして、今後の工夫ということで改善をしていきたいと考えておりますが、回転灯の点灯に気づいた方がいち早く連絡をとれるようにということで、回転灯の近くに連絡先を書いた表示プレートを設置するなど、そのようなことで対応を考えていきたいと考えてございます。 ○久保委員 今であると、例えば日中ですと明るいので、なかなか回転灯がついていることも認識ができない場合もあるのではないかなと思います。また、回転灯がついていたとしても、どう対応したらいいかということも利用者の方に知らせるすべがないわけですね。今、きちんと掲示をしていただくということでございますので、連絡先などを明記した掲示物をつけていただくことはもちろんのことといたしまして、やはりこれも地域住民の方たちの御意見を伺いながら、この地域でより安全性を高めるために、ブザー音が鳴ってもいいというような声がありましたら、ぜひともそのように改良すべきと考えますが、その点いかがでしょうか。 ○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 過去の経緯で、近隣の方で苦情というような事態を招いたこともあります。また、何かあった場合にいち早く気づき、その後の対応ができるようにすることも踏まえまして、今後の課題ということで検討してまいりたいと思います。 ○久保委員 次に、歩きたばこの禁止について伺います。 これは、鷺宮駅周辺で喫煙者のマナーが大変悪く、お子さん連れの方が危険な目に遭ったという御相談を保護者の方数名から受けました。これに対しまして、昨年末からさまざまな対応をしていただいているところでございます。なかなか対応していただいていることが効果を見ないというようなこともございまして、今回この質問をさせていただくことになりました。 中野区吸い殻、空き缶などの散乱及び歩行規制の防止などに関する条例には、未施行の部分がございます。この条例が依然として未施行であるのはなぜなのか伺います。 ○中井都市基盤部副参事(生活安全担当) 過料徴収と違反者に対する命令について未施行としているところでございますが、直ちに罰則規定によって指導命令し、過料を徴収するのではなく、啓発活動の継続的な実施、それから区民のマナーアップと環境美化に対する意識向上を図ることが効果的であると考えているため、現在未施行としているところでございます。 ○久保委員 啓発活動、マナーアップとか意識向上というところが、まだこれがなかなか取り組みが効果を見せていないのかなと思うんです。そちらとこの条例をきちっと施行していくということが果たして同じなのかといいますと、そこは比較をするのはなかなか難しいところであるなと思っております。また、その条例を施行したからといって、本当に効果がどうであるのか。また、区の大きな負担になるのかというふうなところも考えなければいけないことだとは思っております。一方で、喫煙禁止エリアというものがございます。現状はどうなっているでしょうか。 ○中井都市基盤部副参事(生活安全担当) 禁止エリアにつきましては、ただいま現状では中野駅周辺だけになってございます。 ○久保委員 喫煙禁止エリアをさらに拡大していく必要があるのではないかと思っております。喫煙禁止エリアを定めるには、必ずしもこの未施行条例を連動させるという必要はないのではないかと思いますが、その辺はいかがですか。 ○中井都市基盤部副参事(生活安全担当) 路上喫煙禁止区域の指定につきましては、中野区吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例施行規則により指定することとなっています。そういったことで、条例の改正までは必要ないといったところでございます。 ○久保委員 私は区内の全駅周辺の道路を喫煙禁止エリアにすべきではないかと考えております。歩きたばこ禁止というタイトルでございましたので、要は、歩きたばこはだめだけれども、立ちどまって吸ったらいいのかとか、そういうことをおっしゃる方がいらっしゃいますが、そういう意味ではなくて、先ほどの条例でございますとか、また規則の名称にのっとって今回のタイトルとなってございます。やはり中野駅周辺のときにも、ここを喫煙禁止エリアに定めるときに、喫煙禁止エリアを定めていても、そこから一歩踏み出したところでたくさんの方がたばこをお吸いになったりするようなことのないようにということで、ここの中で適切な位置に喫煙スペースを確保することということも提案させていただいたところでございます。そういったことも視野に入れまして、今後区内の全駅周辺の道路を喫煙禁止エリアというふうに定めていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○中井都市基盤部副参事(生活安全担当) 現在、年間を通しまして路上喫煙禁止区域であります中野駅周辺をはじめまして、区内各駅で実施をしておりますマナーアップキャンペーンや環境美化活動によりまして区民への周知は図られているというふうに私ども認識をしておりますが、ただ一方、歩きたばこやポイ捨てなど、喫煙マナーに反する方々も多くいらっしゃるといったこと、また、区内全面禁止を求める声だとか、喫煙を注意した際の区民間によるトラブルといった苦情も寄せられております。そういったことから、駅の乗降客数や通行量、それから地元町会や商店街等々からの要望などを総合的に判断させていただき、区内各駅周辺での路上喫煙禁止区域指定については検討させていただければと思ってございます。 ○久保委員 ぜひとも早期にこれが設けられていきますように検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、最後にその他でございまして、このその他では、学校体育館のAEDについて伺います。 この件につきましては私も、また南議員も過去に質問をしております。これまで学校体育館へのAEDの設置を求めてまいりましたけれども、先日第八中学校に伺い、副校長先生より体育館にAEDを設置していただきましたとのうれしい報告をいただきました。今回、第八中学校と緑野中、四中体育館にAEDが設置されたとのことですが、この時期に設置をされた理由について伺います。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) このたびの措置につきましては、昨年度八中体育館におきまして、ぐあいの悪くなった生徒への対応状況を踏まえまして、体育館、あるいは運動場が校舎から離れて設置されている学校につきまして配置をしたものでございます。 なお、この配置につきましては、全体のAEDの配置の中で対応したところでございます。 ○久保委員 校舎と体育館とが離れている学校から設置をしたということと、また、AEDの計画の中で検討してきたということでございます。全ての学校体育館にAEDを設置すべきではないかと考えておりますけれども、計画的にこの点も進めていくべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。伺います。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) そのほかの学校の配置につきましては、その必要性について今後十分検討してまいりたいと考えてございます。 ○久保委員 必要性については、学校やPTAのほうからも要望が上がってきているかと思います。ですので、しっかり前向きに、計画的に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上で今期最後の私の総括質疑を終了とさせていただきます。大変駆け足でお聞き苦しい点もあったかと思いますけれども、時間短縮のためと思いまして努力をいたしましたことを御了承いただきたいと思っております。大変に御清聴賜りましてありがとうございました。 ○内川委員長 以上で久保りか委員の質疑を終了します。 次に、長沢和彦委員、質疑をどうぞ。 ○長沢委員 2015年第1回定例会予算特別委員会におきまして、日本共産党議員団の立場から総括質疑を行わせていただきます。 初めに1番として、国民健康保険料の改定についてお伺いいたします。 2月16日の特別区区長会総会で、来年度の23区の国保料について確認がされたと伺っております。相変わらず区長会での議論の経過や保険料については確認された後も情報を区民や議会に提供しない。これは区民の健康と暮らしにかかわる大きな問題であります。積極的に情報提供することを改めて求めておきたい、このように思います。 質疑でありますけれども、来年度の国保料算定に当たり、区長会で確認された概要について御説明をいただきたい。また併せて、国の改正による決定事項についても御説明を願いたいと思いますが、いかがですか。 ○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 来年度におけます特別区の国民健康保険料につきましては、平成27年2月16日の区長会総会で算定の基礎となる考え方が了承をされました。内容は、住民税非課税措置者への軽減措置を平成26年度までとすること、保険料計算に高額療養費等の4分の2を算入すること、そして所得割と均等割との賦課割合を前年度と同様に58対42とするものでございます。 次に、国における制度改正でございますけれども、こちらは均等割保険料の5割軽減と2割軽減の判定基準の改正、そして賦課限度額の引き上げでございます。 ○長沢委員 その結果として、1人当たりの医療分と支援分の平均保険料は幾らとなるのか。また、今年度の保険料との差額についても示していただきたいと思いますが、いかがですか。 ○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 1人当たりの平均保険料は、医療費などの給付に充てられます基礎分と後期高齢者医療制度への支援金分との合計で、年間10万6,545円となりまして、前年度と比較して3,442円の増加となる見込みでございます。 ○長沢委員 シミュレーションでは、単身世帯で年収600万円以上の所得の層で保険料は多少下がるところがありますけれども、平均の保険料はまたもや値上げとなるわけであります。これで13年連続の値上げとなります。均等割が引き上がることで低所得者の値上げはとても厳しいものになります。今回、国の改正もあって5割軽減、2割軽減世帯の基準額の引き上げがありましたけれども、区内の被保険者ではそれぞれどれくらいの人が対象となるのか、これについてお答えいただけますか。 ○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 5割軽減の対象者が約7、700人、2割軽減の対象者が約6,800人で、平成26年度の補正予算時点と比較をいたしまして、5割軽減は約530人の増加、2割軽減は約140人の減少と見込んでございます。2割軽減の対象者が減少する理由といたしましては、それまで2割軽減の対象であった方が5割軽減のほうへ移行するためでございます。 ○長沢委員 5割、2割ということで、そういう拡充が図られたことはよいとするものでありますけれども、それでも2割軽減の対象である年収200万円以下の夫婦、子1人の給与所得者収入の場合、国の低所得者対策が行われても16万216円から18万2,307円と、2万2,091円の値上げとなります。中野区でも取り立てが厳しくなり、差し押さえもふえています。資格証明書や短期証の発行も減らない。毎年引き上げられている保険料があまりにも高過ぎるからではないですか。御認識についていかがでしょうか。 ○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険料は、世帯構成や所得に応じて計算をされまして、低所得者に対しては軽減も行われてございます。負担能力に応じて適正に算定されているものと考えております。 ○長沢委員 適正にということでありますけれども、一方で国庫の負担率が下がっています。私たちはこれまでも区長に対し、国庫負担を引き上げていくことを国に求めるように要求をしてまいりました。また、私たち自身も国、厚生労働省に対しても申し入れも行ってきたところであります。同時に、都政に対するここでの財政の負担を行っていくこと、このこと自身も東京都に対しても求めてまいりました。先般、今定例会におきまして、また我が党の都議団が国保料の引き下げを求める条例案の改正を求める、これを提出しているところでございますが、その実現にも努力をしていきたいと思っています。 やはりこうした国や東京都自身の財政支援が欠かせないわけでありますが、同時に保険者であります中野区の一般会計からの繰入金をもっとふやして保険料を抑える、こういう努力も一層求めているところでございますが、これについてはいかがでしょうか。 ○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 保険料の上昇を抑えるために一般会計からの繰り入れを行うことは、国民健康保険以外の医療保険制度に加入をされております区民の方との公平性の観点から、適切ではないと考えております。 ○長沢委員 日本は国民皆保険制度であります。その中核を担っているというのが国民健康保険のこの制度だと思っていまして、つまり入っている方々が、じゃあほかの保険に入る、そんなことは選択できないわけですね。そういう中で、税金を支出するということは何ら、公平性の問題とおっしゃいますけれども、問題はないし、やはり本当に国民健康保険制度そのものをきちんと水準を守っていくというところでは、一層の自治体としての支援、そしてもともと大もとにある国自身にきちんと要求を改めてしていただきたい、このことを求めておきたいと思います。 二つ目に、介護保険料の改定について伺います。 第6期介護保険事業計画案が示されております。制度発足以来、値上げがやはりここでも繰り返されております。本会議の質問でも取り上げてまいりましたが、保険料を区は抑えたと言いますけれども、値上げをしないために一層の努力を求めておきたいと思います。 そこで伺いますが、第6期事業計画案においては、上昇を抑えるために介護給付費準備基金の活用をどのように図ったのか、初めに伺います。 ○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護給付費準備基金は、平成26年度末の残額が約13億円となる見込みでございます。第6期は介護保険料の上昇を抑えるため、8億円を取り崩す予定でございます。その結果、基金残額は約5億円となる見込みでございます。 ○長沢委員 初めに、現在の第5期事業計画を振り返ることで第6期事業計画案における保険料が適正か否かを見ていきたいと思います。同じように、現在の第5期事業計画の策定の際には、保険料の上昇を抑えるために介護給付費準備基金の活用をどのように図ったのか伺います。 ○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 第4期になると思いますけれども、約5億円を取り崩した結果、基金残額は約11億円でした。 ○長沢委員 11億円残ったということですね。そのため、65歳以上の第1号被保険者1人あたりの残額は、2万935円となりました。23区中2万円以上残したのは、品川区と中野区だけであります。介護給付費の準備基金をこのときに残し過ぎたのではありませんか。いかがですか。 ○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護給付費準備基金は、計画期間における財政の均衡を保つため、後年度の介護費用の増額等に備える機能を持っておりますので、一定額は残す必要があるというふうに考えております。区では、これまで計画期間の1年目で余剰保険料を積み立て、2年、3年目に取り崩して介護給付費等の不足財源に充当する運用を行ってまいりました。介護給付費準備基金条例に従い、適正に運用をしてきているところでございます。 ○長沢委員 もう1点、実質収支額で見てみたいと思います。第5期の事業計画では、2012年(平成24年度)で1億6,700万円、2013年(平成25年度)は1億5,700万円と、その前の第4期事業計画と比較して桁違いの金額が残っています。これが残ったのは、どうしてこういう残り方をしたのかということ。また同時に、本年度末の実質収支額もこのように億単位の金額が残るのか否か。この辺についての見込みとしてどうかということを伺いたいと思いますが、いかがですか。 ○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 平成24、25年度は、国や都への返還金の増や介護保険料の余剰により実質収支が増加したことが原因でございます。また、平成26年度は事業計画期間の3年目に当たります。介護給付費準備基金を取り崩し保険料に充当することから、実質収支は平成25年度を下回る予定でございます。 ○長沢委員 この実質収支額は、翌年度の繰越金として計上されることになります。つまり、3年間の事業計画の中で、歳入増の要素にもなります。今、御答弁ありますけれども、こうしたこと自身もまさに見込み違いだけでは済まないというふうに思っております。基準となる保険料の設定のあり方を含めて、第6期介護保険事業計画における保険料抑制のための介護給付費準備金の取り崩しについては、改めて適正と言えるのか。これについて伺いたいと思いますが、いかがですか。 ○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 第6期の介護保険料の算定に当たっては、第5期介護保険料からの大幅な上昇をなるべく抑え、特に所得の低い方の保険料負担を抑えるような段階及び料率を設定いたしました。さらに第6期につきましては、第5期までに積み立てた分を取り崩し、保険料の上昇を抑制した結果、中野区の介護保険料は今のところ23区中、中位になる見込みでございます。したがって、今回の取り崩し額は適正であると考えております。 ○長沢委員 保険料の値上げ、これを抑えるために一般財源からの繰入金について、今定例会の本会議におきましても質問で求めました。答弁では、一般財源を投入するのは適当でない、このように答弁されたわけであります。しかし一方、国のほうでも2002年の際に厚生労働大臣が国が不適切とするとする3原則、保険料の全額免除、収入のみに着目した一律の減免、保険料減免に対する一般財源の繰り入れ、これは助言に過ぎず、自治体はそれに従うべき義務はないと、こういうふうに答弁しております。つまり、制度をゆがめることにはならない。一般財源からの繰り入れ、これを改めて求めたいと思いますが、いかがですか。 ○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 区や都では、各保険者において国が示す公費による保険料軽減の強化の幅を超えて独自に一般財源を充て、保険料軽減を行うことは適当でない旨の見解を示しております。中野区といたしましても、介護保険制度は保険料と法律で定められた公費負担により賄われるべきものと考えておりますので、介護保険制度の枠外で一般財源を充当することは適当でないというふうに考えております。 ○長沢委員 これについても国保と同様に、国に対してはきちんとした財政の国庫負担をふやしていく、こういう方向に、これは23区の区長会としても一方で求めていることでありますので、その点については改めて努力をしていただきたいと思っておりますし、同時に2000年から介護保険が始まって、その改定のたびに値上げとなっているというところにおきまして、これについては大変な区民の負担が増大しているというふうにも考えます。その点については、一般財源からの繰り入れについてもさまざまな工夫をいただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。 次に3番、一般会計予算案について伺います。 初めに、基金の積み立てと繰り入れについてであります。平成27年度当初予算案の概要、財政運営の考え方を見ると、本年度末の基金残高が全体で511億円、来年度末には523億円に積み上がる見込みとなっております。また、財政調整基金の今年度末の残高と来年度末の残高はそれぞれ幾らとなるのか、これをまず伺いたいと思います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 財政調整基金の残高でございますが、平成26年度末は227億2,676万6,000円を見込んでおります。平成27年度末の見込みとしましては、190億4,694万3,000円を見込んでおります。 ○長沢委員 23区で比較してみますと、どこでも基金の積み立て残高をふやしているのが今伝統的な、特に23区の中での傾向であります。中野区も今や基金残高を区民1人当たりで見れば、13位に位置をします。しかも、財政調整基金の基金積み立て残高は区民1人当たり約7万2,000円と、これも11番目に位置をする。こうした認識ございますか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 基金残高の順位については認識しておりますが、順位については各区の区政運営の違いがございます。一概に順位ではかれるものではないというふうに考えております。 ○長沢委員 各区の姿勢ということでありますが、中野区は財政非常事態であるとか、財政難であるとか、そういうふうに議会に対しても区民に対してもおっしゃっていた。それが今やこういうことになっているという、この御認識として伺ったということでございます。 それで、一つ具体的に、来年度予算案では財政調整基金からの繰り入れ、施設改修分として42億5,600万円を計上しています。新区役所整備用地の土地開発公社からの引き取りに約35億6,000万円が使われる。10か年計画第2次ではもっと前に買い戻すはずであったのが来年度になったわけですけれども、実施している事業見直しによって暮らし、福祉、教育にかかる予算が削減をされ、財政調整基金の積み立てが盛んに行われてまいりました。新区役所整備用地の買い戻しのためにこれら区民サービスを削ったと思われかねないと思いますが、この点についての御認識はいかがですか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 区は、これまでの予算におきましても保育施設の充実や小・中学校の耐震改修、高齢者会館の開設など、区民に必要とされているサービスは十分に取り組んできたというふうに考えております。 ○長沢委員 来年度予算案では、さらに積立金全体で123億5,000万円、財調基金で16億円も年度当初から積み立てることになります。一般会計予算が区政史上最大規模になっていますが、今年度当初予算比の増額分120億5,000万円をしのぐ、こういう積立額であります。区は、基準となる一般財源規模を決めて積み立てと繰り入れによる財政運営を行うとし、来年度は基準となる一般財源規模を672億円としています。歳入がふえたことで年度当初からこれだけの積み立てを行うと、こういうことでよろしいですか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 区の財政運営の基本方針としまして、基準となる一般財源規模を上回った歳入については基金へ積み立て、財政の安定的な運営を目指すこととしており、その結果、平成27年度予算においては基準となる一般財源と比較し、33億円の財源超過が生じたことから、用地の売却などの財産収入もございましたために、それぞれの基金の目的に沿って積み立てを行ったところでございます。 ○長沢委員 一つは、基準となる一般財源規模、これが適切かどうかの検討も必要であると考えております。同時に、今おっしゃられた積立額についても、これも問題であるというふうに私どもは思っております。再三述べてきておりますけれども、決算時にはまたもや基金に積み増しとなるのが積立金です。だから、財政運営の考え方でも毎年数字をいじくることになっています。基準となる一般財源規模は固めておいて、オーバーフローした金額は計画もなくためるだけためる、これが区の言うところの財務規律ということなんですか。伺います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 基準となる一般財源を超えた歳入については基金へ積み立てをしておりますが、一方で、歳出については一般財源の充当事業費は基準を10億円上回ったために、財政調整基金から繰り入れを行っているところでございます。 なお、基金につきましては、学校再編や中野駅周辺をはじめとしたまちづくり、大規模公園の整備などを計画的に行うため、目的に沿った積み立てを行っているところであり、持続可能な財政運営に向けたものでございます。 ○長沢委員 一つ、まちづくり基金についても伺います。 このまちづくり基金には、今おっしゃったような中野駅の周辺だけじゃなくて西武新宿線の連続立体事業にかかわる、あるいは大規模公園の整備にかかわる、こうしたものもまちづくり基金に入れることになっております。来年度予算案で約20億円をまちづくり基金に積み立てることにしていますけれども、うち一般財源の7億3,000万円、これが入っております。都区財じゃなくて、一般財源の7億3,000万円、これはどこから入ることになるんですか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) まちづくり基金の積み立て財源のうち、一般財源は財産費と財源超過分の一部を充ててございます。 ○長沢委員 財産費については、これはまちづくり基金に入れる、あるいは一括償還する際の減債基金に入れるということはこの間も伺って、そういう御答弁をいただいてきました。まちづくり基金は、そういう意味ではさまざまなところ、大規模な事業に対しての基金という、そういう性格なのかもしれませんが、公園のそういったところの整備についてもここから入れるというふうになっています。つまり、この中で私たちが問題にしたいのは、中野駅周辺のまちづくりについては、グランドデザインVer.3で示された範囲にかかわる、そういう総額の費用、幾らになるのかということも再三伺ってきましたけれども、それについては示せないということで、具体的に金額は何ら示されていません。でも、基金はためるだけためて、整備のたびに繰り入れを繰り返す、こういうやり方をとってきたわけでありますけれども、やはり基金をどこに入れているというところでは、まさに区の裁量としてやっているに過ぎないで、入れたらそれはそこからのものとしてしか使えないという、こういう関係であります。こういう基金のため込み優先でありますとか、あるいは開発優先のこうしたあり方については改めて転換を図る必要があると、このように思っております。 二つ目に区民施策について伺いますけれども、一方、区民に直接かかわる施策の予算はどうかということで2点お伺いをしたいと思います。 1点目は、教育費の予算についてです。23区の中でも、教育費に占める金額とその構成比は大変低いというふうに思っております。これは一般会計ではなく、普通会計でしか比較ができないので、そういう資料を活用させていただいておりますけれども、決算値が発表されている2012年(平成24年度)で、教育費の構成比は10.2%と23区では最低ランクであります。区民1人当たりの教育費も3万7,000円と、やはり最低ランクに位置をしています。今年度の当初予算では、構成比は8.5%、1人当たりは3万4,000円と最下位にもなっています。近年だけでなく、2000年代当初から23区の中で構成比率も、区民1人当たりの金額もよくて23区では17位、21位、22位という最低ランクで推移しているのが教育費であります。ここ何年間は中野区の財政規模が年々大きくなっております。それでも教育費の総額も、区民1人当たりの金額もふえていないことは問題だというふうに思います。 さて、来年度の一般会計予算案を見ると、子ども教育費中、子ども・子育て支援新制度の取り組みによる13億円の増額があっても、子ども教育費は259億円と今年度よりわずか5億円がふえただけであります。教育費の予算をふやすべきではなかったでしょうか。伺います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 普通会計の教育費をふやすべきではないかということですので、現段階では明快なお答えはできませんが、来年度の子ども教育費につきましては、委員の御説明にもありましたように子ども・子育て支援新制度への対応が増額となった一方、また、耐震改修の経費などが6億円余り、また、子育て臨時給付金が2億4,000万円余り減額となったところでございます。したがって、子ども教育部の必要な経費につきましては、予算計上を行っているというふうに考えております。 ○長沢委員 23区比較をする上では、どうしても普通会計でいかなければならないんですね。それで伺った。来年度の一般会計では、今おっしゃられたようなこと、これ、ふえていないということでは、新制度自身が13億円ふえています。でも、これは民生費ですから、教育費そのものをふやしていただきたいということで伺いました。 具体的に伺います。学校施設設備の改修、修繕を繰り返し我が議員団は求めてまいりました。今定例会本会議の質問でもトイレの洋式化と特別教室の冷房化、これを取り上げましたけれども、教育費の予算規模を拡大して、テンポも上げて行うべきではないか、このことを改めて伺いたいと思いますが、いかがですか。 ○伊藤子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) トイレの洋式化については、毎年実施校数を確保して順次整備している状況でございます。現在、トイレ便器の洋式の割合は約42%でございますが、引き続き実施していくこととともに、今後学校再編計画(第2次)に伴う大規模改修や校舎改築に際しても実施していくこととしてございます。 特別教室の冷房化についてでございますけれども、授業での使用頻度の高い冷房化未実施の小学校図工室や中学校理科室で平成25年度より順次実施してきており、平成27年度で完了する予定でございます。それ以外の冷房化未実施の特別教室は引き続き冷房化に取り組んでいきたいと考えてございます。 ○長沢委員 ぜひともこれ、テンポも上げていただきたいということを改めて要望しておきたいと思います。 もう1点伺います。商工費についてです。 こちらも2012年(平成24年度)決算値では、構成比0.6%で21位、2013年、2014年度の予算で見ても、0.6%、22位という大変お寒い状況であります。2000年代初めには10億円を超えていた商工費総額も、2003年度は10億円に届かないで推移しております。これも財政規模が膨らんでいるにもかかわらず、こういう金額でございます。来年度は新・元気を出せ!商店街事業の拡充推進が計上されておりますけれども、商工費総額の規模から見て、十分とは言えません。区内産業の核とも言える商店街や商店の抜本的な支援を求めたいというふうに思います。商工費の予算もふやすべきではなかったのか、この点についても伺いたいと思いますが、いかがですか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) こちらにつきましても、先ほどと同様、普通会計における商工費ということでございますので、明確な回答はできませんが、商店街連合会の補助金をはじめ、商店街のLED化促進や電灯料の助成、にぎわいフェスタの実行委員会の補助など、さまざまな経費について計上を行っているところでございます。必要な経費については予算計上を行っております。 ○長沢委員 この商工費についても2000年代からということで、普通会計でありましたけれども、要するに商工費という形でこれを切り出したときに、こういう実態であるということを御紹介させていただきました。やはりこの点についても区民生活にかかわる、区民の暮らし、営業にかかわる大事なところでありますので、改めて予算を増額する、暮らし、福祉を支えていく、こういうものを予算の中心に置くよう改めて求めていきたい、そのように思っております。 最後に4番目に、教育行政の制度「改革」についてお伺いします。 来年度の予算では、総合教育会議経費として15万6,000円が計上されております。地方教育行政の法律の改定によるものでありますけれども、そこで区長のもとで開かれる総合教育会議と教育施策の大綱について国会の質疑でただされ、また確認をされた点を中心にお伺いしたいと思います。 区長と教育委員会との関係で、それぞれの職務権限は法改正前と変わらないということでよろしいでしょうか。まず1点目、伺います。 ○戸辺経営室副参事(経営担当) 区長、教育委員会、それぞれの職務権限に変更はございません。加えて、今回の法改正によりまして区長が教育行政に果たす責任、役割がより明確になるとともに、区長と教育委員会が協議、調整することによりまして教育施策の方向性を共有し、一致して執行に当たることが可能となるものでございます。 ○長沢委員 次に、区長は教育委員会の専権事項についても大綱に書き込まれることになっておりますが、教育委員会は調整がついていない、つまり同意をしていない事項については尊重する義務はないとされておりますけれども、このような理解でいいですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 法の内容といたしましては、教育委員会が管理し、執行する権限を有する事務について、地方公共団体の長と教育委員会と調整がついていない事項につきましては、大綱に記載したとしても、教育委員会は当該事項を尊重する義務は負わないということであるというふうに認識をしております。区が大綱を作成するに当たりましては、区長と教育委員会とが総合教育会議におきまして十分協議、調整を尽くしまして策定をしたいというふうに考えてございます。 ○長沢委員 もう1点伺います。大綱は地域の実情に応じ作成するものであるというふうに理解しますけれども、この点では国の方針どおりに定めなければならないというものではない、このように認識しておりますが、そういうことでよろしいですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 大綱策定の趣旨といたしましては、教育に関して地域住民により一層反映することや自治体の教育、学術及び文化の振興に関して総合的な施策を推進するために、教育基本法に規定される基本的な方針を斟酌いたしまして、目標や施策の基本となる方針を定めるものでありまして、内容については自治体に委ねられているというところでございます。中野区における大綱につきましても、実情に応じて区と区の教育全体の指針として定めたものになるというふうに考えてございます。 ○長沢委員 それでは、国のほうで実施通知が出されております。この実施通知では、教育委員会における審議の活性化が期待をされております。そこで2点お伺いしたいと思います。一つは、教育委員会議の開催時期や場所を工夫し、より多くの住民が傍聴できるようにすること、このことがここで触れられておりますけれども、この点についてはいかがか。もう1点、住民から寄せられた意見を教育委員会議後に紹介し、アンケート、公聴会、意見交換会などの機会を積極的に設けることということが挙げられております。この点についてはいかがかお答えいただけますか。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 教育委員会の開催時期につきましては、昼間の傍聴が難しい方にも傍聴していただけるよう、午後7時から夜の教育委員会を開催しているところでございます。また、開催場所につきましても、身近な地域で会議が傍聴できるよう、小・中学校を会場といたしまして地域での教育委員会を開催することによりまして、多くの区民の方に傍聴いただいているところでございます。 また、夜の教育委員会、地域での教育委員会、いずれの会議におきましても、中野の教育に関するテーマを設定いたしまして協議を行うことで審議の活性化にも取り組んでいるところでございます。さらに、区民の意見についてでございますけれども、傍聴者アンケートを実施いたしまして、伝えられた御意見につきましては教育委員全員で確認することで教育委員会として内容の把握を行っているほか、教育委員と小・中学校PTA連合会との意見交換、あるいは児童・生徒との対話集会を行うなど、区民の意向の把握に努めているところでございます。今後ともこれらの取り組みを継続していく考えでございます。 ○長沢委員 より開かれた教育委員会になるよう求めて、私の全ての質疑を終わります。 ○内川委員長 以上で長沢和彦委員の質疑を終了します。 次に、森たかゆき委員、質疑をどうぞ。 ○森委員 平成27年第1回定例会予算特別委員会におきまして、民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。 本日は、私の32歳の誕生日でございます。昨年、実はこの場で31歳になりましたという話をさせていただきました。まさかの2年連続バースデー質疑でございます。バースデープレゼントのようにすばらしい答弁がたくさん返ってくるといいなと期待して質疑に入りたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 それでは、質疑に入ります。 まず、27年度予算についてお伺いをいたします。まずは(1)予算編成の考え方についてお伺いをいたします。 予算編成の考え方と申しますと、予算編成方針がございます。来年度予算に向けた予算編成方針を読ませていただきますと、さまざまなことが書いてあるわけですが、これを読んでもよくわからないという部分もございますので、その点についてお伺いをしていきたいというふうに思います。 平成23年10月に平成24年度の予算編成に向けて、区長名で「区財政の直面する課題について」という文章が出されました。その中で、財政非常事態宣言ということがなされておりました。それから3年がたちましたが、この非常事態宣言が今どうなっているのか、特にアナウンスはされていないところであります。3年前と今を比べますと、例えば一般財源の歳入で見ますと、24年度予算626億円に対して、27年度予算案では705億円と大幅に伸びております。その一方で、高齢化の一層の進展や物価の上昇、または法人住民税市町村分の一部国有化など、財政にプラスの面とマイナスの面と両方の要素が出てきているのかと思います。こうした面がある中で、3年前の財政非常事態宣言、これは今どうなっているのでしょうか。27年度予算もこの認識の上に立って編成をされているのでしょうか。お伺いをいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 平成24年度の予算編成に当たりまして、国内外の厳しい経済状況により、区の歳入の見通しが大幅に悪化したことを受け、区は事業の抜本的な見直しを行うこととしました。この見直しに当たり、区民の御理解と御協力を得るため、区長が財政運営上の非常事態とのメッセージを発したものでございます。歳入確保や基準となる一般財源規模を目指した歳出抑制、また、事業見直しの継続につきましては、予算編成方針や財政運営の考え方の中で毎年度言及しているところであり、基準となる一般財源規模をベースとした財務規律の遵守に努める姿勢に変わりはございません。 ○森委員 基本的な考え方は変わっていないんだろうというふうに思うんですが、財政を取り巻く状況というのがいろいろ変わっているわけであります。今、副参事からも御答弁あったように、区長名で出た区財政の直面する課題についてというのは庁内だけの話ではなくて、区民の方に御協力をお願いする、こういう性質も含んだ文章なんだろうというふうに思います。そういった意味で、こういうものの扱い、どうなっているのかというのは、区民の方にわかりやすい取り扱いをしていっていただきたいというふうにお願いをしておきます。 いずれにしても、自治体の予算というのは当然効率的に使われていかなければいけないものであります。ただ、一方では自治体の事業っていろいろなものがありまして、物によっては、今支出をすることによって将来の収入増につながるような予算ですとか、今支出をすることによって将来の支出が削減できる予算、こういったものもあるんだろうというふうに思います。この後に取り上げる若者の就労支援とか子育て支援とかというのは、私はまさにそういう性質の予算だろうというふうに思っているんですが、それ以外でも例えば予防医療の分野ですとか、収納率の向上の取り組みとか、こういったところもそういった予算に当たるのかなと思います。自治体の予算というのは、地方自治法の規定で単年度主義を採用しているわけでありますが、そうすると、その時々の財政状況によってこういう施策の優先順位が下げられてしまうのではないかというような懸念もしているところであります。そこでお伺いしますが、この予算編成の際に、こうした将来の収入増につながる予算や、将来の支出を減らすような予算、こういったものはどのような取り扱いをされているのか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) そういった事業でございますが、事業の目標をそれぞれ定めているところでございます。その成果を中長期的に把握しまして、効率的、効果的な事業として構築していくことは区政運営の基本方針となっておりますので、極めて重要であるというふうに認識をしているところでございます。本年度の予算案におきましても、在宅療養を推進するための摂食・嚥下機能支援センターの設置ですとか窓口業務の委託など将来的に歳出の抑制となるもの、あるいはまちの活性化に係る事業など、歳入の確保につながる取り組みに予算を計上しているところでございます。 ○森委員 予算編成方針の中には、今おっしゃっていただいたようなことってばらばらに散っているような感じがするんですね。こういった性質の予算をどう取り扱いするのかというのは、今後この予算編成の中でわかりやすく位置付けをしていくというようなことも必要なのかなというふうに思っております。さまざま先ほども議論がありましたけれども、しかし、長期的に財政が厳しいというのは間違いのないところだろうというふうに思っています。じゃあ、具体的にいつまで厳しいんだという話があります。日本全体で見ると、2025年問題というようなことが言われております。団塊の世代が75歳になる、高齢化率4人に1人が高齢者になられるということで、今よりもさらに社会保障費が膨らんでいくというような時期がこの2025年ごろというふうに言われております。 さらに先を見ますと、2042年にはいわゆる団塊ジュニアの世代が高齢化していきます。高齢者人口が2042年には3,878万人となる反面、20歳から64歳の人口は5,214万人と、2025年と比べても1,300万人以上減少する、高齢化率で見てもピークを迎えるということが言われております。これは当然全国の推計ではありますが、中野区で見たとしても大きな傾向は変わらないのかなというふうに思います。さらに、ここに来て国のほうでは地方創生という話で、東京の一極集中の是正というような話が出てきております。2020年までに地方から東京圏への流入を6万人減らす、逆に東京圏から地方への転出を4万人ふやすといったような目標が掲げられているところであります。中野区は御承知のとおり流動人口が多い地域特性がございます。こうした国の施策の展開というのは、将来の中野の人口構成にも長期的に大きく影響してくるのではないかと思われます。こうした点も含めて長期的な財政の見通し、どのようになっているのかお聞かせください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 今、将来の生産年齢人口の激減や超高齢化などの御説明ございましたが、そういったことに備えまして、今後も基準となる一般財源規模をベースに、厳格な財政規律を保持しながら持続可能な財政運営を行っていくことが重要であるというふうに考えております。そのためには、まちづくりや産業振興など税収等の増加につながる施策展開についても取り組んでいくことや、区政運営のPDCAサイクルをしっかりと機能させ、事業内容や経費の徹底した見直しのほか、財源の確保や負担の公平化、職員数など、引き続き全ての事業について検証、見直しを行い、歳出について基準となる財政規模に近づけるように取り組みを進めていきたいというふうに考えております。 ○森委員 考え方としてはそれでいいのかもしれないんですが、具体的になかなか国の地方創生の政策の展開がどうなっていくのかというのもあります。東京一極集中に弊害があるというのは多分そうなんですけれども、でも、それでもニーズがあるから人は入ってきているわけで、そこを国が政策でどうこうしてどれだけ影響があるのかというのは疑問に思う部分もあるんですが、いずれにしてもかなり踏み込んだ政策を国はとっていくようなので、影響は出てくるんだろうと思います。なかなか影響の予測も難しいかとは思うんですが、しかし、いつまでにどのくらいの備えが必要なのかと。ここが具体的に見えないと、先ほどのように財政危機ではないみたいな話が説得力を持ってしまうわけなので、その辺をしっかりと取り組んでいっていただきたいなというふうに思います。 今取り上げた2042年問題というのは、単純に高齢化率が高くなるというような話だけではありません。そのころに高齢者になられる団塊ジュニアの世代の方々というのは、いわゆる就職氷河期世代でもあります。いまだに不安定雇用の状況に身を置かれている方が多くいらっしゃる世代です。日本全体の失業率というのは大体4%前後でずっと推移をしてきているわけでありますが、若者という点で見ると、大体6%から10%、大変高くなっているわけであります。特に、24歳から35歳ぐらいの方が今、非希望型、要するに正社員になりたいんだけれども、職がないから非正規雇用に甘んじているという方の割合が大変多いのも、この団塊ジュニアから少し下の世代というようなことになっております。このままでいきますと、彼らは将来的に大変な財政の負担になるんじゃないかというふうな予測がされております。今のうちから彼らに対する適切な支援というのが求められるのではないかと、このように考えまして(2)の若者の就労支援についてお伺いをいたします。 まず、若者の就労支援について、今、中野区ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。また、それらの事業の実績、どうなっているのでしょうか。昨年度1年間分プラス、今年度わかっている範囲があれば、お答えください。 ○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 産業振興担当といたしましては、若者の就労支援といたしまして、ハローワーク新宿及び杉並区との共催による合同就職面接会を年2回実施しております。昨年度の実績は、2回合計で参加事業者39社に対しまして122名の求職者が参加し、16名の就職が決定しております。今年度につきましては、昨年11月に初めて保育士を対象とした面接会を実施し、参加事業者20社に対して115名の求職者が参加し、34名の就職が決定しております。 また、本年2月には、従来と同様に業種を限定しない面接会も実施しております。就職者数は未確定でございますが、参加事業者20社に対して120名の求職者が参加しております。このほか、年齢に限定はございませんが、就労求人支援サイト「ぐっJOBなかの」を運営しておりまして、昨年度末の求人登録事業者数は349社、アクセス件数は12万5,792件でございました。 また、今年度1月末時点での求人登録事業者数は379社でございまして、アクセス件数は10万5,969件でございます。 ○伊藤健康福祉部副参事(生活援護担当) 若者の就労支援でございますが、生活援護分野におきましては被保護者、また生活困窮者に対しましてハローワークとの連携による中野就職サポートや区の就労支援による就労支援を行っているところでございます。また、今年度から被保護者の就労意欲の形成に向けた支援の取り組みを開始しておりまして、稼働能力のある若年層の支援を行っております。実績でございますが、平成25年度におきましては、若年層を含む総支援者404人中58人の若年層が就職決定いたしました。同じく平成26年度1月末現在で総支援者412人のうち、38人の若年層が就職決定しております。 ○森委員 それぞれ産業振興の立場と生活援護の立場でそれぞれの事業が行われているということであります。この合同就職面接会にしても、生活保護受給者対象の就職サポート事業にしても、ハローワークの連携ということでやっているわけでありますが、連携というと聞こえがいいんですけれども、二重行政的になっている面もあるのかなと思います。また、東京都のほうでも若者正社員チャレンジ事業というものが行われていたりもします。国と都道府県の間の役割分担というのもなかなか難しい部分があるというふうにも聞いております。本来ならば、それぞれの役割の分担、そして権限と責任の明確化というのが必要なのかなと思うんですが、差し当たっては区としてやるべきことというのを明確に把握していただきたいと思います。そこでお伺いをしますが、このさまざまな主体がかかわっている若者の就労支援という課題について、区として果たすべき役割というのはどのあたりにあるとお考えでしょうか。お聞かせください。 ○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 産業振興担当といたしましては、合同就職面接会の実施や「ぐっJOBなかの」の運営によりまして中野区民の就労を支援することと併せて、中野区内の企業の求人ニーズに応え、人材確保を支援することで区内経済を活性化することが大きな役割であると考えております。 ○伊藤健康福祉部副参事(生活援護担当) 生活援護分野におきましては、生活相談窓口に来庁される区民の生活状況やニーズを把握した上で、区の実施する就労支援事業に限らず、国や都、民間などの専門機関を活用してニーズに適した支援を提供することが役割であると考えてございます。 また、来年度から実施いたします生活困窮者に対する支援事業におきましては、生活困窮のある方に寄り添いまして、包括的な支援を継続的に行っていくことが区の役割というふうに考えてございます。 ○森委員 産業振興としては経済活性化というところも見据えて、そして生活援護としては自分たちのところじゃなくて各相談機関につなぐというような役割もあるという話でありました。今の組織体制で、それぞれの立場でというとそういう御答弁になるのかなというふうに思います。 この就労支援といったときに、先ほどの御答弁もそうなんですけれども、どうしても何人就労したというようなところで事業の効果というのがとまってしまう。少し踏み込んでも、定着率はどのくらいなのか、そのくらいなのかなというふうに思うんですが、実際の就労支援を必要としている若者のニーズというのは、その手前にも大きなものがあるのではないかというふうに思っております。 ある若者支援の活動をしているNPOの調査を見てみますと、支援機関に来る若者の2人に1人が働く自信をつけたいという理由で来所をしており、これが来所目的として最も多くなっているということであります。こうした若者たちのニーズというのは、これまで中野区を含めて公的機関ではなかなかすくい取れてこなかったものなのかなというふうに思っております。来年度は生活援護分野では生活困窮者自立支援法によって予算にも就労準備支援事業というのが入っておりまして、対象や事業が拡充していく予定となっているというふうに認識をしております。これまでなかなか対象にならなかった層というのもつながりが出てくる、そういったポイントになるのかなというふうに想定をしております。まずはこれまで見えなかった層の若者たちとの接触、こういったところを通じて、そうした若者がどういう困難を抱えているのか、まずそこを的確に把握するということが必要なのかと思いますが、いかがでしょうか。 ○伊藤健康福祉部副参事(生活援護担当) 4月から取り組みます生活困窮者の方に対する相談や支援を行います自立相談支援事業におきましては、面接時に国の示すインテーク・アセスメントシートに沿いまして50項目ほどの聞き取りを行う予定でございますので、実態が把握できるものというふうに考えております。 ○森委員 この若者支援という分野は、むしろ民間のほうが先を走っているんじゃないかなというふうに思っております。先日はマイクロソフトと若者支援のNPOが共同してやっている若者UPプロジェクトというのがあって、そこが政策提案みたいな提言書を出しております。それを見ると、やっぱりこういう若者って、どこかで単発で何かをしてもあんまり効果がなくて、働く自信をつけたいというようなところから始まって、生活習慣を直して、場合によっては資格を取ったりして、面接の練習をして就職につなげていくと。就職した後も相談、ニーズがあれば対応していく、こういった長期的な取り組みによってこそ効果が出るんだと、このようなことも言われているわけでありまして、これを全部直営でやるというのは相当に困難なんだろうというふうに思います。せっかく民間のほうにはノウハウが回り始めているようであります。こういったところとも連携をして進めていっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○伊藤健康福祉部副参事(生活援護担当) 先ほど御質疑にございましたように、新たな困窮者への就労支援事業の中におきまして、すぐには一般就労が難しい方には就労準備支援事業と申しまして、生活訓練、日常生活のスタイルを働けるような形に支援していくというような、ビジネスマナーの獲得というようなところから丁寧に御支援する事業を実施いたしますが、それと併せまして、必要に応じまして国と民間などの取り組みと十分連携して、個別のニーズに適した支援を行っていきたいというふうに考えてございます。 ○森委員 この事業、来年度からどういう展開をしていくのかというのをしっかり見ていかないといけないと思うんですが、施策の重要性、それから対象となっている若者の現状というのを見たときに、将来的には若者対策の部署みたいなところが、専門的な組織みたいなものが必要になってくるんじゃないかなというふうに私自身は見ております。そういったところまで見据えて取り組んでいっていただきたいというふうにお願いを申し上げて、この項は終わります。 続いて、3番の子育て支援についてに移ります。 先ほど地方創生の話もしました。地方からの流入が減るというのは、中野の人口構成にとっても大きな影響があるんだろうと思います。先日の酒井議員の一般質問では、この流出理由の2番目に、子育て、教育環境がよくないから、こういった数字が出ている。また、合計特殊出生率が非常に低い状況が続いている、こういったところを触れさせていただきました。こういった数字を真摯に受けとめますというような御答弁もあったんですが、具体的に何をどうやっていくのかというところが重要なのかなというふうに思っております。引っ越しされる方の理由、子育て、教育環境がよくないからと全く同じ数字、同率2位で居住環境がよくないからというのも来ているんですね。子育てしやすい環境って、単純に子育て支援だけしていればいいという話でもなくて、こういう居住環境含めていろいろあるんだろうなというふうに思います。当然子育て環境の改善には全課を挙げて取り組む必要があるんじゃないかというふうに思っております。そこで、区長の施政方針でも少し話が出ていたんですが、私はこれを進めるに当たっては、思い切って出生率の具体的な数値目標を掲げる、こうしたことも検討するべきではないかというふうに思っております。当然、戦前の産めよふやせよになってはいけない。それは当然でありますし、強制になってはいけない。産む、産まないは個人の自由という大原則は外してはいけないわけでありますが、しかし、今の少子化の進展というのは、産みたくない人がふえているわけではなくて、産みたいけれども、いろいろな理由によって産めないという人がふえている、こういった状況なんだろうと思います。国立社会保障・人口問題研究所の基本調査によると、夫婦の理想の子どもの数というのは2.4人、これに対して実際に生まれる数は1.4となっております。全国の数字ではありますが、中野でもここにギャップがあることは容易に想像がつくところであります。産みたいと思った人が安心して産める環境づくり、ここに全庁挙げて取り組んでいっていただきたい。ちょうど今、基本構想、10か年計画の改定の作業をされているところだと思います。こういった区の長期計画の中に出生率向上という目標を掲げることを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○森政策室副参事(基本計画担当) 中野区におきまして、合計特殊出生率についてはここ2年ほどは若干微増というところではございますが、23区や東京都全体と比べても依然低い数字になるということでございます。子育てしやすいまちというような取り組みはもちろんでございますけれども、合計特殊出生率の向上に向けて、そういったことも視野に入れながら基本構想、10か年計画の改定に取り組んでいきたいと、そういうふうに考えています。 ○森委員 ぜひ前向きに御検討いただければなというふうに思っております。 個別の子育て支援の話に入っていきます。これ、幾らでも質問が出てきちゃうので、基本は分科会に回しますが、待機児童の問題、どうしてもここで聞いておきたいということで取り上げます。 これも先日の酒井議員の一般質問で触れました。今年度の当初予算と補正予算、合わせて766人分の保育定数増を計画していたところですが、実際には473人分の増にとどまった。293人分の差がここで出ております。一次調整の結果を見ても、700人以上が不調だという状況であります。これまで区が目標としてきた27年度待機児ゼロ、実現はもう非常に難しい状況ではないかと思いますが、まずそこを確認させてください。 ○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 待機児童の解消についてでございます。認可保育所や小規模保育事業の誘致、区立保育園の民営化等、多様な保育施設を整備して定員拡大を図ってきてございます。現在、平成27年4月の保育所等の入所につきまして、二次選考の利用調整を行っているところでございます。また、認証保育所の入所者の確認も必要なことから、最終的な保育所等の入所状況が確定するのは5月以降となる予定となってございます。 ○森委員 確定するのが5月なのはわかっているんですけれども、今出ている数字だけ見れば、どう考えても27年度無理なんじゃないかなというふうに思います。まずはそこを直視していただかないといけないのかなというふうに思います。そこが直視できないというところがいろいろな問題を生んでいるのかなというふうに思っております。来年度予算見てみても、保育定数増の計画というのは小規模の誘致、認証の認可化、認可保育園の誘致合わせて9施設、394人分の予算、5.8億円余りということです。本年度整備できなかったのが先ほど申し上げました293人ですから、本年度4月に予定どおり整備ができてきたら、来年度1年で101人分の増というところにとどまるわけであります。本当にこれで足りるのか、大変心もとない数字だというふうに思うんですが、いかがですか。 ○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 今後につきまして、現在策定中の子ども・子育て支援事業計画におきまして、今後の5年間の見通し、こういった需要が増加していくというふうに想定してございます。その確保方策といたしまして、平成27年度以降もこういった施設を計画的に増設するということで、待機児童の解消が図れるものと見込んでいるものでございます。 ○森委員 今の御答弁でよくわからなかったんですけれども、解消できるというのはいつ時点ということなんですか。5年の間でということなんですか。 ○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 計画的に保育施設を整備するということで、28年度につきましても解消ができるというふうに見込んでございます。 ○森委員 本当にそうなのかなと思わざるを得ない。本年度解消するということ、現実的には大変厳しい状況になっているわけで、なかなかそうですかとは受けとめられない御答弁かなというふうに思います。今後の目標についてもお伺いをしたいと思います。27年度ゼロということを掲げてやってきたわけですから、いずれにしても新しい目標というのが必要になるかと思います。そのときに考えていただきたいのは、単年度の待機児童ゼロというのが実現することにどれだけ意味があるのかということなんです。当然単年度でゼロになれば、その年新しく入りたいという人たちは全員入れる、それ自体はいいんですけれども、ただ、今の状況で単年度ゼロが実現したとしても、その次の年はどうなのか。こういう不安は保護者の方からすると消えないわけであります。子育てしやすい環境の実現ということを考えるのであれば、この単年度のゼロという目標ではなくて、待機児童ゼロ状態の継続的な実現ということが区政目標になってしかるべきなのかなと思うんですが、いかがでしょうか。 ○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 子ども・子育て支援事業計画におきまして、平成27年度から5年間の確保策を策定しております。その中で見込まれる保育需要に対しまして保育所を整備するということで計画を策定しておりますので、単年度にかかわらず継続的に待機児童の解消を実現するという目標で策定したものでございます。 ○森委員 続きは分科会でやります。 続いて、妊娠、出産、子育てトータルケア事業についてお伺いをいたします。 来年度予算を見ますと、母子健康保険相談事業、産前産後サポート事業、産後ケア事業が新規で始まるなど、この分野の大幅な拡充がされる予定となっております。東京都の子ども・子育て会議の議事録などを見ますと、フィンランドの子育て支援サービス、ネウボラというものですけれども、これが大変な話題になっておりまして、この事業を見てみますと、ネウボラの東京都版みたいなことを意識されているのかなというふうに思います。それぞれ具体的にどういったことをやられる予定なのか、お聞かせください。 ○松原中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) まず、新規事業といたしましては三つございまして、第1に母子保健相談支援事業といたしまして、妊婦の状況を把握した上で、必要な方に面接をして支援プランを作成するというものでございます。二つ目に、産前産後サポート事業といたしまして、助産師や子育て経験者による出産・育児不安や健康管理に関する講座、あるいはグループワークを行うものでございます。3番目には、産後ケア事業といたしまして助産院等へのショートステイ、あるいはヘルパー派遣ということによりまして母子への心身のケアと育児サポートを行うものでございます。さらに、これまでも実施をしてまいりましたけれども、赤ちゃん学級、こちらのほうも回数を拡充するなど、きめ細かい支援を実施してまいります。 ○森委員 今御答弁いただいた内容はわかりました。実際にやるのは、各すこやかが中心となるという理解でよろしいでしょうか。 ○松原中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) はい、そのとおりでございます。 ○森委員 内容としては大変期待したいと思っているんですが、先日いただいた26年度の外部評価結果を見てみても、ここにすこやかの知名度を高めないといけないというような指摘もされています。本当にそのとおりだと思いますし、分野の指標のところのすこやか福祉センターの相談窓口を身近に感じる人の割合というのが、25年度目標15%、実績13%、31年の目標が16%ということで、実績も目標も大変低い状況になっております。母集団をどうやってとるかという問題もあるんだと思うんですね。区民全体とするとこうなるのかもしれないですけれども、例えばこの事業の対象者、対象になる方々に限っては、7割、8割、9割の方に認知いただいて、親しみを感じてもらえる、そういうすこやかになってもらわないといけないのかなというふうに思います。せっかく予算つけていいことやろうとしても、知られていない事業はやっていない事業と一緒ですので、そこに取り組んでいただきたいというふうに思います。 母子手帳の交付というのは、本庁とすこやかでもやられているんですが、4カ所のすこやかでの数よりも本庁での交付のほうが多いというような状況であります。区民の方の利便性を考えたら、本庁で配るなとは言えないし、それもやるべきではないとは思いますが、まずは母子手帳はすこやかで配っています(本庁でももらえます)みたいな見せ方にするとか、そういったところからすこやかと対象者の人たちのつながりをつくっていって、その際に何かあったらすぐ相談してくださいねと一言お声かけをする、こういったところから始めるべきなのかなと思うんですが、いかがでしょうか。 ○松原中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) いわゆるすこやか福祉センター、こちら自体につきましても区報やホームページ、あるいはさまざまの広報媒体、それからさまざまの機会を通じまして積極的に周知、PRを強化してまいりたい、このように考えております。 ○森委員 ぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。特に妊娠、出産って本当に社会的なケアが必要というのは当然なんだと思うんですが、自立しているような若い方って、自分たちが社会的なケアの対象になるという意識すらあんまりないというようなこともあるのかなと思います。そういった人たちに、公的機関に何かあったら頼っていいんだよと思ってもらうというのが、こういった事業で一つ大事なのかなと思います。 続いて、本年度から始めている大人の風疹抗体検査、ワクチン接種についてお伺いをいたします。 実績をお伺いしようかと思ったら、中野区はシステムが入っていないということで、まだ出ないということで、システムの経費も来年度予算には入っていますが、今のところは出ないということで、ホームページに墨田区が細かい数字を出していたので、ちょっと見てみました。26年度の4月から12月の間に810人の方が抗体検査を受け、399人が予防接種を受けたということです。抗体検査の結果を見ますと、例えば30代男性は約3割、20代後半の女性では4割以上が抗体が弱い、不足しているということで、かなり多い数字になっているということがわかります。墨田区と中野区でそんなに大きな差があるということも考えられませんので、引き続きこの大人の風疹抗体検査、予防接種事業、対象者に情報が届くように取り組んでいっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○坂野健康福祉部副参事(保健予防担当) 大人の風疹抗体検査及び風疹ワクチン接種費用助成事業でございます。今年度やらせていただいておりますが、区民等の周知を積極的にしなければならないのではないかという御指摘、全くそのとおりと思います。現在、区役所1階の戸籍の窓口、あるいは3階の子どもの総合相談窓口、あるいはすこやか福祉センター等にチラシ、あるいはポスターの掲示、区報の掲示、区のホームページの掲示、いろいろやっておりますが、今後も引き続きまして対象とする方に情報が届きますよう、積極的な周知に努めてまいりたいと考えています。 ○森委員 25年度、それからもうちょっと前からの流行のピーク化で、全国45人の赤ちゃんに先天性風疹症候群が出たというような数字も出ております。中野区では絶対に出さないという心構えで取り組んでいっていただきたいと思います。この2年ぐらいの流行というのも、その前に対応していればこういう状況にはならなかったんじゃないかというような話もされているところでございます。そういう意味では、質問では触れませんけれども、小・中学生対象のMRワクチン2期未接種者への費用助成、こういったところも重要な事業になってくるかなと思いますので、併せて取り組んでいっていただきたいと思います。 続いて、災害時の妊産婦への対応というところでお伺いをしたいと思います。 地域防災計画の中、震災対策計画基本理念というところを見ますと、災害時要支援者等に妊婦が入っているなど、区としても災害時の妊産婦への配慮が必要であると、こういった認識は持っていただいているところかと思いますが、しかし、具体的に中身を見ていくと、なかなか具体的にどうするのというところが見えてきません。どのような方策を考えていらっしゃるのでしょうか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害時におきまして、あらゆる取り組みについて妊婦の方、また産婦の方々へのきめ細かい配慮を行うことをしております。周囲の方々が妊産婦の方ということを理解していただいて、ストレスを軽減できるように気遣っていただくことを基本に考えてございます。具体的には、避難者の対応で避難所での男女別々のスペースの確保、乳児の粉乳やおむつの備蓄、二次避難所での対応などがございますが、個々の要望につきましては、十分な配慮がなされるように取り組んでまいりたいと、このように考えてございます。 ○森委員 今、言っていただいたストレスの軽減というのが一つ重要なポイントなのかなと思います。東北大学が被災地で調査した結果なんかを見ると、産後鬱の女性がやはり通常より非常に多い、21%を超えるぐらいの方が産後鬱が強く疑われる状況になっている、こういったような状況も被災地では見られたようです。この場で何か困ったという話よりも、継続的なストレスがかかる状況が続いている、こういった影響も大きかったのではないかというふうに思われます。 例えば、障害者の方というのはずっと障害者、子どもというのも一定期間子どもの状態でいるわけですけれども、数年の間。妊婦って数カ月、10カ月ぐらいなんですね。初めの3カ月ぐらいは自分でも気づかない状態にあるというところを考えると、私もいろいろ人に話を聞いてみたんですが、実際に妊娠を経験された方でも、何が必要だったと思いますかと聞いてもなかなかぴんと来ないような状況で、ニーズがつかみにくい部分なのかなと思いますが、例えば被災地でも実際に被災されたお母さん方が防災・減災ノートというものをつくったり、こういった取り組みも始まっております。そういったところからも情報をとりながら、具体的な対応、対応の具体化というところを進めていっていただきたいというふうに要望しておきます。 それでは、続いて4番のマイナンバー制度についてお伺いをいたします。 来年度の予算を見ますと、さまざまなところにマイナンバーの対応の予算というのが入っております。先日配付いただいた当初予算案の概要を見ますと、総額で5億4,000万円弱にもなるということです。国が進める制度ですから、当然補助金も入っているものと思いますが、補助率というのはどうなっているのか。そして一般財源の負担というのは総額でどのくらいになっているのかお聞かせください。 ○中谷政策室副参事(業務改善担当) マイナンバー制度のシステム整備費につきましては、総務省と厚生労働省の補助金がございます。その補助率につきましては、住民基本台帳システムや中間サーバーなどの部分につきましては補助対象経費の10分の10、また、地方税務システムや社会保障関係システムにつきましては3分の2というふうになってございます。ただし、交付額につきましては、国の予算の範囲内で決定されるということから、あらかじめ国から示された想定事業費に基づきまして、当初予算では7,911万8,000円の補助金を見込んでいるところでございます。また、区の事業費から特定財源を除いた一般財源の額としましては、当初予算で4億5,917万7,000円を計上しているところでございます。 ○森委員 国が進めている事業なのに、4.5億円ぐらい一般財源から持ち出しがあるって相当な金額で、本当にこんな制度でいいのというのは私たちも国会議員とかと議論していかないといけないのかなというふうに思います。ちょっとこれだけ持ち出しがあるというのは想像以上でした。 いずれにしても、これだけお金かかるんであれば、その分よくなってもらわないといけないわけでありますが、具体的にどういったところがマイナンバー制度で期待されるのでしょうか。 ○中谷政策室副参事(業務改善担当) マイナンバー制度の導入による効果といたしましては、まず第1に、平成29年7月から地方公共団体間の情報連携が開始することによりまして、各種申請等に必要な所得証明書などの添付書類が省略できるようになり、窓口手続が簡略されるということがございます。また、国が調達する情報提供等記録開示システムの機能を活用いたしまして、各種サービスの対象者にサービスの内容や御案内などをインターネットを通じてお知らせするプッシュ型のサービスの導入が進んでいくということがございます。また、将来的にはワンストップ窓口の整備やアウトリーチによる対面サービスの充実までつなげられるように進めていく必要があるというふうに考えてございます。 ○森委員 今、プッシュ型のお知らせもできるようになるというような話がありました。役所というのはずっと申請主義で来て、使えるサービスがあったとしても、その方に申請をしていただかないと制度の利用というのができないというのがこれまでのやり方だったわけですが、そこが変わる大きなチャンスになる、必要な区の事業のサービスがしっかりと対象者に届く、こういったような状況をつくっていくことができるようになるのかなと思います。その点しっかり取り組んでいっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○中谷政策室副参事(業務改善担当) プッシュ型サービスにつきましては、マイナンバー制度の中で国が導入するマイポータルの機能、これを活用することによりまして各種行政サービスの対象者をあらかじめ抽出いたしまして、利用できるサービスをインターネット経由で直接御本人にお知らせすることができるようになるというものでございます。さまざまなサービスで活用を進めていくことで、これまで以上に積極的なサービスの提供が可能になり、行政サービスのあり方に大きな変革がもたらされるというふうに考えてございます。 ○森委員 そういったところは期待ができる部分ではあるかと思うんですが、そうは言っても認知度が非常に低いというような報道がありました。内閣府の調査で、今手元にあるんですが、マイナンバー、内容まで知っていたという人が28.3%しかいない。7割以上は、マイナンバーって聞いたことはあるけれども、何だかわからないという人が43%、言葉も聞いたことがない、知らなかったという人が28.6%、こういう状況であります。秋ごろにはもう通知がされるわけで、いきなり来て「これ何」というような状況にこのままだとなってしまうのかなということが懸念されます。広報が重要になってくるかと思いますが、どのように取り組んでいくおつもりでしょうか。 ○中谷政策室副参事(業務改善担当) マイナンバーの利用開始に向けまして、国においても周知広報活動が本格化されていくというところでございます。区といたしましても、区報やホームページ、ポスターの掲示やチラシの配布など、さまざまな方法によりまして区民の方々に対して幅広く周知を行っていきたいというふうに考えてございます。 ○森委員 大きな事業ですが、混乱がないよう進めていっていただきたいというふうに思います。 次に、選挙の執行について、大きな2番のほうに移ります。 まず、選挙公報についてお伺いをいたします。 今任期中の前半、私が総務委員会にいたころに、選挙公報のウエブ掲載をしてくださいというお願いをいたしました。昨年の区長選挙で実現をしていただきまして、大変よかったかなと思うんですが、これ、見てみると、終わった次の日には削除されているわけであります。ほかの自治体を見ても、そういう対応になっているところがほとんどなんですね。終わったら削除するようにということが総務省から言われているというようなこともあるんですが、当然区長も区議会議員も基本は任期が4年ありまして、その間継続掲載するというのはできないものかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。 ○吉村選挙管理委員会事務局長 選挙公報の区ホームページへの掲載につきましては、有権者に対する啓発、周知活動の一環といたしまして、中野区長選挙では平成26年から、中野区議会議員選挙については今回、4月の選挙より区ホームページに掲載いたしまして、国及び東京都の選挙については平成24年より東京都選挙管理委員会が管理する選挙公報のウェブサイトにリンク設定しているところでございます。ホームページへの選挙公報の掲載に当たりましては、総務省及び都選管より、ホームページへの掲載期間は投票日当日までといたしまして、投票日の翌日には必ず削除するよう見解及び通知が出されていることから、区をはじめ、各選挙管理委員会においても削除の処理を行っているところでございます。 また、中野区においては各種選挙の記録といたしまして、過去にさかのぼって投票、開票に関するデータを掲載しておりまして、現時点では選挙公報の掲載する考えはないというところでございます。 ○森委員 今の御答弁ですと、できなくはないんですよね。松戸市の選管なんかはずっと載っけることにしたようです。サーバーのスペースをとると言ったってそんな分量でもないですし、言いっ放しにしないというか、4年間これをやりますと私たちは公報掲載をして投票をいただいているわけですから、どこかで確認できる体制というのをとっておくことも大事なのかなというふうに思います。すぐにどうこうということは申し上げませんけれども、今後の検討材料にしていただきたいというふうに思います。 選挙公報のそのものについてもお伺いをいたします。 選挙公報はそれぞれ枠が決められておりまして、私たちもその大きさに合わせて原稿を作成して提出する、それを合わせて印刷して配布していただいている、こういったところだと思うんですが、配られているものを見ますと、区長選挙と区議会議員選挙でも大きさが違う。それぞれの選挙でそれぞれの大きさで配られているわけですが、この枠の大きさというのはどういったように決められているんでしょうか。 ○吉村選挙管理委員会事務局長 中野区議会議員選挙及び区長選挙の選挙公報の様式につきましては、中野区選挙管理委員会が管理いたします中野区選挙管理執行規定で定められてございます。 また、国政選挙あるいは東京都議会議員選挙、都知事選挙の選挙公報につきましては、東京都選挙管理委員会が管理する東京都選挙執行規定で定められているところでございます。具体的には、一候補者の掲載文の面積については、中野区議会議員選挙の選挙公報の場合、これまでの立候補者数、平成23年度でいきますと、60名の場合ですとブランケット版である新聞紙大で作成いたしまして、1ページに10人分という形になります。そこに各候補者の掲載文が印刷されるということになります。23区では、半数の11区におきまして15人、6区が12人分を1ページに掲載しているといった状況でございます。 ○森委員 これ、全国一律で決まっているのかと思ったら、そうじゃないんですね。中野区選挙執行規定の中に入っているということで、わかりました。私が気づいたのは、和光市の選挙管理委員会が1人分の枠を倍にするというような取り組みを始めるという話を聞いて、それで気づいたわけであります。単純に大きくするというのがいいのかどうかという議論があるところで、特に我々の場合だと60人とか立候補するので、逆に読まなくなっちゃうんじゃないかという懸念もあるので、単純に大きくするというのがいいのかどうかというのは置いておいて、地方議会の役割というのも区の仕事において分権の進展等々、文脈からも地方議会の役割ってこれまで以上に重要になっていく。そういった中で、情報提供はどうあるべきか、そういった観点から選挙公報のありようというのも一つ長期的には考えていかなければいけない課題なのかなというふうに思いました。 次にまいります。選挙権の18歳への引き下げというのが今国会に法案提出をされる予定のようです。3年ぐらい前にも1回あったんですが、そのときは立ち消えになりました。今回はそのときよりも随分と実現の可能性が高いのかなというふうに見ています。2年早く投票ができるようになるということでありますと、これまで投票率が大変低い状況が続いてきた若年層への啓発、働きかけというのがますます重要になるのかなと思います。 お伺いをいたしますが、現在、区立の小・中学校において政治教育というのはどのような取り組みがされているのでしょうか。また、今後予定されていることがあれば教えてください。 ○川島教育委員会事務局指導室長 学校における政治に関する教育についてですが、社会科の学習の中で平和で民主的な国家、社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養うことを目的として、小学校においては第6学年で暮らしと政治のかかわりの中で、政治の働きや国民主権、選挙制度について学習をしています。また中学校では、第3学年の公民的分野の中で、国民の権利としての参政権、選挙権や民主主義の仕組みについて学習をすることになっております。今後についてですが、社会科の学習指導要領の中に、国民の政治参加について選挙の意味や意義を含めて子どもたちに考えさせることの重要性や、選挙権を正しく行使することの大切さについて十分に考えさせていくなど、児童・生徒の関心を高めるとともに、指導法の工夫を図っていきたいというふうに考えております。 ○森委員 今出た「考えさせる」というのが一つキーワードなのかなというふうに思います。「選挙に行きましょう」と言うだけならすごく簡単なんですけれども、それよりもやっぱり、みんなで議論して考えていく、そういう機会があったほうが効果が出るのかなというふうに思っております。こうやって実際に投票してみるという模擬投票と言われるような取り組みが重要かと思います。これ、かなり広がってきて、昨年の総選挙では8,300人以上の未来の有権者が投票を行ったということがあるみたいです。 一方、アメリカの大統領選挙を見ると、毎回全米で700万人ぐらいが模擬投票というのに参加をしているということで、まさしく桁が違うわけであります。これは高校生の例ではありますが、この模擬投票を経験した1,000人以上からアンケートをとると、投票前と投票後で政治への関心、44.3%から80%以上に上がった、こんな結果も出ているようです。ぜひ学校教育の中でもこうした模擬投票のような体験型の取り組みというのを進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○吉村選挙管理委員会事務局長 これまでも若年層啓発の一環といたしまして各学校へポスターコンクールの参加依頼、あるいは生徒会役員選挙での投票箱等の貸し出しなどを行ってきているところでございますけれども、選挙権18歳以上の状況にかかわらず、学校教育における選挙啓発の取り組みについては、選挙管理委員会としても大変重要であるというふうに認識してございます。また、平成24年度からは毎年数校の中学校に伺いましてミニ出前講座等を開催しておりまして、今年度は都立中野工業高校におきまして、野方地区の明るい選挙推進員の方々の協力を得まして、模擬投票を実施してきたところでございます。27年度についても、教育委員会をはじめ、明るい選挙推進委員会や地域との連携、協力によりまして区内の小・中学校及び高校の多くの児童・生徒に選挙体験と政治へかかわることの意味と大切さを働きかける機会といたしまして、模擬投票などの取り組みをさらに進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ○森委員 今、18歳選挙権の実現がどうなるかにかかわらずというお話があって、それはある意味では当然なんですが、しかしこの2年早まるというところのギャップというのもぜひ認識をしていただきたいところかなと思います。これまで成人式というのが大きくありました。若者の投票率低い、低いと言われているんですけれども、この二十歳の1年というのは突出して高いんですね。やっぱり選挙権を得たときに選挙があると、行こうかなと思う方が一定数おられるということなんだと思います。これまで成人式の段階で初めて選挙を経験しているか、していないかというのは、その時々の状況によったわけですけれども、2年早くなるということは、成人式の段階でもう選挙を経験したことがあるという方がこれからほとんどになっていくんだろうと思いまして、この最初の選挙に行くかどうかというのが今後の投票行動に大きく影響してくる、こういったデータもあるわけでありますので、ぜひとも積極的に取り組んでいっていただきたいというふうにお願いをいたします。 以上で私の総括質疑、全て終了といたします。 ○内川委員長 以上で森たかゆき委員の質疑を終了します。 ここで休憩にしたいと思います。3時15分まで休憩にしたいと思います。 午後2時52分休憩
午後3時16分開議 ○内川委員長 休憩前に引き続き総括質疑を行います。石川直行委員、質疑をどうぞ。 ○石川委員 第1回定例会予算特別委員会総括質疑をさせていただきます。 この4年間で一般質問、決算総括、予算総括、また、委員会における発言、要望等を踏まえ、できたこと、できなかったことを検討するなど、防災の観点を中心に改めて検証させていただきますので、よろしくお願いをいたします。 まず、議員になって最初の一般質問、平成23年第2回定例会では、避難所の備蓄物資について質問しています。内容は、各避難所備蓄物資の備蓄する量は中野区避難所一律であり、一見公平に見えるが、避難予定者数に違いがあるのであれば、それに見合った備蓄数量などの検討も必要ではないか。区の説明では、区備蓄倉庫から補充するとのことだが、初期活動として避難者への備蓄配備がスピーディーに行われないことは明白であるとの問いに、避難所ごとの調整が必要になった場合には、速やかに備蓄物資を輸送することになっているが、今後収容想定者数を考慮した備蓄物資の配分を行うことを検討していきたいとの答弁をされております。現在の状況はどうなっているのでしょうか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現在、避難所ごとに避難者数を想定しているところでございますが、教室を活用している備蓄倉庫などの広さの関係から、各避難所におおむね同様の備蓄を行っているところです。スペースの確保ができたところでは、想定される避難者数に応じた備蓄を行っているところもあり、今後とも検討してまいりたいと、このように考えてございます。 ○石川委員 避難所に指定されている桃園第二小学校と明治大学附属中野中・高等学校は距離にして300メートルしか離れておりません。それぞれの予定避難者数を教えてください。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 桃園第二小学校の想定避難者数は約1,000名です。明治大学附属中野中学・高等学校の想定避難者数は約600名でございます。 ○石川委員 それでは、中野区内での避難所における予定避難者数の一番多いところと少ないところの避難所の人数を教えてください。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 想定避難者が一番多い避難所は宝仙学園及び武蔵台小学校で、約1,800名でございます。想定避難者が一番少ないのは鷺宮体育館で、約200名でございます。 ○石川委員 これだけ差があるわけです。特に宝仙学園は、高根町会、上ノ原町会が避難所となっています。通学区域である谷戸小学校を通り越して宝仙学園が指定をされており、町会の防災会の役員ならわかると思いますが、そうでない一般の区民の皆さんが、なれ親しんだ小学校である谷戸小学校が避難所になっているのを通り越して、土地勘のない坂の上の避難所に行くことになります。そういった避難所に行くことを実際の災害時には想定しにくいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所となります区立学校などの施設につきまして、区内に均一に配置されているわけではございません。想定避難者数に対します施設の収容能力ですとか、中央線や環状七号線の分断等を考慮しまして現在の指定になってございます。防災会単位で指定されている避難所につきましては、街灯、消火器への表示ですとか配布物等によって周知を図っているところでございますが、引き続き広報を行ってまいりたいと考えております。 ○石川委員 地域にはそれぞれの実情があると思います。地域の意見や防災会の意見、要望を聞きながら今後とも検討する課題だと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所の指定につきましては、今後行われます学校再編等に伴って検討が必要になってまいります。あと、こういった機会に合わせまして、可能な限り近い避難所が指定できるように配置することを考えてございます。 また、各避難所での備蓄についてでございますが、スペースの確保ができたところから想定される避難者数に応じた備蓄を行っているところもありますので、備蓄のあり方については今後とも検討してまいりたいと考えております。 ○石川委員 次に、平成24年第2回定例会では、各区民活動センターに5人分程度のヘルメット等の防災用具を配置するのは施設管理者の責務ではないかとの問いに、災害時に区民活動センターにおいて勤務している運営委員会事務局及び受付窓口などに従事している受託事業者のスタッフの果たすべき役割を明確にし、必要な備品や装備について確保していきたいと答弁されております。どうなっているのか、また、どういったものがいつから配備されているんでしょうか。 ○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 区民活動センター従事者への防災用具の確保ということでございますけれども、まず、区民活動センターの施設管理等を委託している事業者、こちらとの契約におきまして、災害時に適切な処置をとるよう定めておるほか、区民活動センターの運営委員会事務局と併せましてセンターの自衛消防組織に属して災害時等に活動いただくことになってございます。こうした区民活動センターの従事者用といたしまして、また、状況によっては利用者などへ貸し出すことも含めて、平成25年3月に各センターのほうへ災害用のヘルメットを4個ずつ配備してあります。 ○石川委員 同様の質問で、平成24年10月に震災対策特別委員会で中野区内における区が管理・保有している施設等での防災グッズを装備している事業所等はあるのかとの問いに、小学校、中学校等は独自にヘルメット、軍手等が多分あろうかと思います。それ以外の事業所については把握をしていないと答弁をされております。中野区が管理している指定管理者も含め、区の施設などで働く方々に対して率先して応急対応していただかなければならないと思うが、そのためには初期の応急活動に必要な最低の防災グッズを区として配備するか、もしくは指定管理者側のほうにある程度要望してお願いするとか、そういったことが必要だと思うがどうかとの問いに、区の施設で何らかの職務に従事している、そういった方に対して、いざとなったときの対応、その備えは必要かと思います。今御提案のあった内容につきましてもう1回確認をさせていただき、適切な対応をとりたいというふうに思っていますと答弁をされております。現在どのような措置をされておりますか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所に指定されております区立小・中学校の校長、副校長は、施設管理者として防災会を中心といたしました避難所の運営に積極的にかかわっていただく必要があることから、区立小・中学校の校長及び副校長にヘルメット等の配備を行うことにいたしました。指定管理の施設でも、利用者保護や応急対策につきましては基本的に事業者の責務と考えられますので、消防計画等に定められました行動がとれるようにしていただきますが、区が行うべき活動への関与などを考慮して検討してまいりたいと考えてございます。 ○石川委員 帰宅困難者対策では、事業者は従業員の施設内待機の努力義務を課しており、なおかつ3日分の備蓄も併せて努力義務としています。当然指定管理者も含め、区が関与している施設で働く従業員に対して施設内にとどまるよう指導し、率先して遂行していかなければならないのが区としての立場であると思いますが、いかがでしょうか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 指定管理の施設での災害時の利用者保護や応急対策につきましては、基本的に事業者の責務と考えられますので、適切な行動をとっていただけるよう東京都の条例ですとか、中野区帰宅困難者対策協議会での協議内容等の周知を図ってまいりたいと考えております。 ○石川委員 また、この施設内にとどまるばかりではなく、避難所、二次避難所で働いている指定管理者も含めた従事者、または応援部隊として活躍していただく場合もあると考えます。そのためには必要最低限の防災グッズの配備は大変重要だと、そういった認識はお持ちでしょうか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害時に自衛のためですとか利用者の保護についての資機材を保有したり、これを活用するということは重要なことであるという認識を持ってございます。区職員以外の従事者は、当然区の災害対策体制には位置付けていないところですが、区が行うべき活動を実施する場合には、必要な資機材の提供については検討してみたいと考えてございます。 ○石川委員 続いて、平成24年第2回定例会での防災関連の質問では、発災時に開設される地域本部、避難所、また地域で進めている支えあい活動などを活用し、実践的かつ有効的な安否確認がとれる中野区独自の方法を検討するべきとの質問に対し、必要に応じて隣近所の方の協力を得ながら平常時の見守り、支えあい活動を災害時の対応にどのように生かしていくことができるか今後検討し、その中で安否確認の支援を行って、安否確認の支援といったことができるかどうか視野に入れて研究をしていきたいと答弁されております。進捗状況を教えてください。 ○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 安否確認について、中野区の独自の方法についての検討状況でございますが、現在、町会、自治会の方々に取り組んでいただいております見守り、支えあい活動、この活動が進むに従いまして、支援者が必要な方とも日ごろからの接点が広がってきているというふうに承知してございます。こういったことが災害時の対応に生きてくる重要な効果というふうに考えているところでございます。さらにまた、見守り対象者名簿を使って町会の防災訓練に活用いただく取り組みも生まれてきているところでございます。 一方、区におきましては、災害時避難行動要支援者、これの支援に係る取り組みにおきまして、職員が訪問調査等を通じまして、支援が必要な方の状況を把握していくことを想定してございます。このように、こうした地域の取り組みを支援していくこと、これとともに、行政の取り組みも関連づけていくことによりまして、安否確認など見守り、支えあい活動の効果をより上げていくということをしていきたいというふうに考えているところでございます。 ○石川委員 現在区が取りかかっている災害時避難行動要支援者の取り組みの概要の中では、避難所運営本部体制の再編の中で、避難支援部の新設が盛り込まれております。地域防災住民組織と区の役割分担を整理して、実効性のある災害対策、協力体制を整えるとしております。大変よいことだと評価しております。そこでお伺いいたしますが、災害時に避難支援部の部員が分担して地域を回り、取り残された高齢者や障害者、けがをされた方を現地で見つけた場合の連絡体制等、どのようなイメージを持って共助、公助を確立していくのか、お聞かせください。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 仮称でございますが、避難支援部の連絡体制等のイメージということで、避難支援を行っていただく中で、対応が難しい状況があれば周囲の方々に声をかける等して、近所の方々によります共助、また、区や公安機関によります公助に結びつけていただけるような取り組みにしていきたいというふうに考えています。 また、避難所への連絡手段といったところですけれども、携帯電話などを活用していたことが想定されますが、つながらない場合は避難所単位で考えているところもありますので、避難所に直接来ていただいて情報を共有するということを想定しております。また、これら取り組みを進める上で検討していきたいというふうに考えております。 ○石川委員 常に現場で仕事している立場で想定しますと、避難支援部が実際に災害時に地域を回って安否確認を行い、けがをされて避難ができない方がいたりすると、どうやってその避難所本部へ連絡をするのか、そしてどう救助するのか、こういった疑問が湧いてきます。避難支援部と避難所本部とを結びつけるためのトランシーバーを携行させるだとか、また、機材を使わなければ救出できない場合、せんだって東京土建中野支部が立ち上げたチームレスキュー中野、こういったところとの連携を避難所単位でどう構築していくのか、課題はたくさんあると思います。どうお考えでしょうか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所運営本部に仮称の避難支援部を設置する計画でございます。連絡手段ですとか救助が必要な場合の協力団体との連携の仕方についても、これに併せて検討してまいりたいと考えております。 ○石川委員 また、避難所が開設されたときに発生するであろう問題点を、3.11東日本大震災の桃園第二小学校避難所開設時の経験をもとに質問させていただきます。 避難所が開設された場合、そこには基本的に区が指定している防災会が中心となって避難所を運営することになり、当然避難されてこられる方は防災会の会員が中心となってきます。各防災会は会計部を持っていると思いますが、避難所の中である防災会が独自に自分のところの防災会の会員だけに避難物資を購入して、独自に自分のところだけに配付をするということは道義上できないと考えております。そうすると、やはり危機管理としてあらかじめ避難所に会計部を設けて、必要であれば各防災会が持ち寄りで資金を出し、購入した物資を公平に配付するとしなければ、混乱が生じるだけだと考えます。避難所運営本部体制の再編を提案するのであれば、この際会計部、または物資調達部の中に会計係をつくるとか提案するべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所におけます物資の支給は、区ですとか都の備蓄物資、あと、協定団体からの食料品、燃料、また生活用品等の調達を基本とすることになるため、避難所運営本部に会計部をつくるということは現状では考えてございません。 ○石川委員 3.11のときは夕方でしたけれども、大変寒くて、避難された方々が何が必要かというと、やはり暖房といった観点で、町会で独自にホカロンを購入しようにしても、どういう配付をしていいのかということがよくわからなくて大変混乱した記憶があります。今後考えていただきたい課題だと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、平成26年第1回定例会では、災害時には中野区内15カ所に拠点医療救護所を開設するが、避難所運営管理マニュアルにトリアージ等をする場所を指定している避難所は何カ所あるのか。また、避難所運営本部に医師会をはじめとする4師会から役員として入っている避難所は何カ所あるのかとの問いに、拠点医療救護所でトリアージを行う場所等につきましては明確に定めていない。今後整備をしていきたい。また、避難所運営本部に医師会、薬剤師等4師会から役員として参画する体制になっていない。4師会とは避難所運営会議等で意見交換を行うなど、連携を深める機会を設けていきたいと答弁されております。どうなっていますでしょうか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) トリアージは、救護所で行うということとしております。また、具体的なトリアージを行う場所というのは記載しておりませんが、一般的に一時的なトリアージは救護所の入り口で行うことになります。避難所運営本部の組織に4師会を位置付ける体制には現在なっておりません。避難所運営本部への参加などにつきまして、特に医師会、薬剤師会からは前向きな発言が得られておりますので、今後災害医療連携会議などでも話をしていくなど、さらに機会を設けていきたいと考えてございます。 ○石川委員 この質問をさせていただいてから1年間経過しております。この間、避難所運営会議が開催されていると思いますが、4師会のいずれかでも参加した実績はあるのでしょうか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害医療救護訓練ですとか、総合防災訓練の運営委員会ですとか避難所委員会には参加をいただいているところですが、避難所ごとの避難所運営会議に4師会として参加をしていただいているという実績は、現在のところございません。 ○石川委員 防災対策として幾つか質問させていただきました。今質問させていただいた中で、少し明らかになった課題が見つかったと思っています。 まず、区が関与している施設等における従事者に対する防災グッズの配備、2点目に、避難所運営本部に新たに設置されるであろう避難支援部の見回り組みと本部との連絡体制、3点目には、今、区のほうは否定をされましたが、避難所運営本部に会計部を設置すること、この3点についての解決策をどうするかということが課題だと思いますが、しかし、もう既に取りかかっている防災会があるかもしれません。また、独自に防災の機材、資材、グッズのいずれかを配備している施設があるかもしれません。行政が公平性を重んじるばかりにスピード感が足りない分、民間や地域は行動力、実行力がある場合があります。今指摘した3点の課題を解決する方法の一例として、避難所運営本部に会計部を設置し、呼び水として区が会計部に助成を行い、その使途については自由裁量として区民活動センターの委託料と同様に繰り越しも認めていく。こういうことをすれば、その各地域での課題に沿った防災意識の向上が図られ、提起した問題の八割方は解決されると思います。各避難所単位での新たな助成の制度をつくっていくことが必要であると思いますが、いかがでしょうか。 ○大木島都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現在、地域防災力向上のために、防災会に対しましての活動助成を行っているところでございます。避難所で必要な資機材や備蓄物資などにつきましては区が購入して各避難所に配備しているところでありまして、避難所への助成というのは考えていないところです。必要な資機材などが避難所の運営会議等で要望を出していただければ、配備については検討してみたいと考えています。 ○石川委員 先ほど指摘したとおり、もう防災会や施設では独自に配備をしているところもあると思います。来年度から小学校、中学校の避難所に指定されている学校の校長、副校長に配備をするということですが、もう既に配備が終わっている学校もあると思います。その辺も考えながら、一律のサービス、一律の配備がいいのかどうか、改めて検討を要望しておきます。 次に、平成26年第2回定例会で、区が進めるべき目標に対し、区民に対する助成のメニューをふやすなど、動機付けとなる支援を行い、さまざまな行動を導き出していかなければならないと考えますが、いかがでしょうか。 また、区民が区にはない自由な発想で自立的な事業を行おうとする際、例えば行政手続の手助けやアドバイスなど、できるだけ実現できるよう支援をする必要があると考えるとの質問に区長は、区民活動への動機付けとなる支援について、区の政策目標の中には区民みずから公益活動などの取り組みによって、より効果的に達成されるものも数多くあると考えております。また、活動の実現への支援ということです。区民を主体とした公益団体の活動が広がり、活発化することによって自治の仕組みが効果的に機能し、さまざまな担い手によって多様なサービスが展開するまちが実現できると考えております。この視点を持って、団体が公益的な活動を行うに当たっては、さまざまな助成制度の紹介をはじめ、手続の支援や関係機関との調整にもしっかりと取り組んでいきたいと考えておりますと御答弁されております。この答えを一歩、二歩前進させて、今申し上げた避難所対応や防災、防犯に対するものだけではなく、さまざまな助成の制度を充実させ、地域で全員参加型、自己決定ができ、多様なサービスが展開するまちの実現を図るべきと考えますが、区長の御見解、よろしいでしょうか。 ○田中区長 基本的に今、私が答弁したことを引用していただいたことのとおりなんですけれども、政策目標にとった公益活動について、政策助成を基本に助成をして区と公益団体との協働を進めてきているということでありまして、これについてできる限り積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。それに比べて、きょうの質疑なんかを聞いていますと、やはり行政のほうは反応も鈍いし、スピード感もない。本当にそういうようなところを感じるところでもあります。その一方で、民間の活動に対して一定の支援をするということについての公平性とか、一旦始めたことをなかなかやめられなくなってしまうとかというようなことなどもあって、ある程度慎重さはやむを得ないところもあるということもあると思っておりますけれども、基本的な考え方としては、私はやはり石川委員がおっしゃったように区民による公益活動、こうしたことへの積極的なかかわりというものをこれからももっと追求していくべきであろうなというふうに思っております。 ○石川委員 次に、区立中学校における武道の必修化について質問させていただきます。 2012年より中学校における武道の必修化が実施されていますが、区立中学校11校でどのような選択になっているのでしょうか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 武道の選択の状況でありますが、現在柔道を選択している中学校が10校、剣道を選択している中学校が1校となっております。 ○石川委員 この間、各中学校で種目が変更された学校はあるのでしょうか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 武道の必修化以降、選択している種目を変更した学校はございません。 ○石川委員 まだ始まって4年目ですから、変更した学校がないということはよく理解ができます。平成24年第2回定例会の一般質問で、武道の授業の実施に当たっては、指導教員や施設、備品等の状況が大きくかかわっており、それらを踏まえ、学校が教育課程を編成し、内容を決定していると答弁をされております。柔道、剣道のそれぞれ必要な備品等を教えていただけますか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 柔道におきましては畳、それから畳のストッパー、畳を運搬する台車などがございます。剣道におきましては主に防具、面、胴、小手、垂でございます。 ○石川委員 そうすると、柔道の場合には胴着、剣道の場合は竹刀、こういったものは自己負担というか、生徒負担というか、そのようになっているのでしょうか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 肌に触るもの等になりますので、個人でお願いをしております。 ○石川委員 選択をするに当たっての、当初の教育委員会として武道の必修化に向けて行った支援はどのようなものがあるのでしょうか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 必修化に当たりまして、各学校に希望をお聞きしております。その希望に応じて、先ほどお話ししたような備品を各学校へ配備してございます。 ○石川委員 現在、剣道を選択しているのが1校ということで、緑野中が選択をしたというふうに理解をしておりますが、その経緯について教えていただけますか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 緑野中学校でありますが、武道が必修化になる前から体育の先生が剣道の専門家ということで、その前に選択種目というのがその時代ありまして、その中で剣道を選択して指導していた経緯がありまして、必修化になった以降も学校として剣道を選択したものでございます。 ○石川委員 指導教員がいたということなんですけれども、学校が選択していた種目、例えば剣道であれば、指導できる教員が異動等でいなくなった場合、指導体制が整わなくなる場合もあると思いますが、どのような対応が考えられますか。 ○川島教育委員会事務局指導室長 中野区内には武道にかかわるさまざまな団体が活動されていらっしゃいます。その中に指導力のある有能な方たちもたくさんいらっしゃると認識をしておりますので、そういった方々に外部の指導者として学校での武道の指導に際して協力をお願いしたいというふうに考えております。 ○石川委員 この平成24年第2回定例会の中で、現在の学校の判断で選択する方法から、子どもたちが選択できる方法を視野に入れ、例えば中学校入学前に子どもたちにアンケート調査を行い、子どもたちの意見を取り入れることにより、押しつけられた必修科目ではない責任感も生まれてくるのではないかとの質問をさせていただきました。今後中学校が武道として選択をする種目を変更したいとの申し出があった場合、教育委員会としてどのような対応をするのか、お伺いいたします。 ○川島教育委員会事務局指導室長 武道に限らず、校長は学校の諸課題、それから付設設備、指導者の諸条件を踏まえて、みずからの学校の生徒にとって必要な教育課程を編成し、実施していくものであります。種目変更をもし考えた学校があった場合には、予算にも係ることもありますので、学校と教育委員会で相談をしながら対応していきたいというふうに考えております。 ○石川委員 実際現場で、生徒たちが一番いい教育の現場を得られるよう、今後とも頑張っていただきたいと思います。 質問は以上でございます。ありがとうございました。 ○内川委員長 以上で石川直行委員の質疑を終了します。 次に、市川みのる委員、質疑をどうぞ。 ○市川委員 拠点まちづくりの継続性についてという項目をつくりました。中野駅周辺のまちづくりが脚光を浴びて、ややもすると中野駅周辺まちづくりのひとり勝ちというような傾向が見受けられる、そういう声も聞こえてくる。そういった中にあって、区内には拠点まちづくりとして従前、再開発事業で取り組んだまちがあるわけですね。例えば中野坂上地区しかり、また、野方WIZのあるあそこの街区もしかりです。また、サンプラザの北側にある中野四丁目東地区の再開発事業もしかりでありますが、そういった拠点のまちづくりをするに際しては、その拠点に当たる街区については光が当たるんですね。ところが、この隣接する地域といいますか、その後背地といいますか、そういったところはどうしても光が当たっている部分の影の部分になってしまうということがままあるわけです。そういったことについて、一つの拠点のまちづくりが完結した際、そこからさらにまちづくりが緩衝地帯的な形で連続していくことの必要性をきょうはお尋ねしたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。 1月の半ばに都市計画審議会が開かれました。中野駅南口のそばにある公社住宅、駅前住宅のあの敷地を中心にした市街地再開発事業、これについては関連する都市計画原案が中野区長から諮問されました。審議の結果、原案どおりこれは了承されました。今後東京都が決定権限を持っている用途地域の変更と併せて、間もなくですが、3月上旬には東京都の都市計画決定を見ることになっています。そういう予定だと私も聞いています。これで長年の懸案であった中野二丁目の市街地再開発事業がいよいよ準備組合の段階から組合の段階に移っていくというところに入ります。ここから事業認可を受け、権利返還行為が行われ、着工、そして竣工ということをスケジュールで追いますと、東京オリンピックの年には完成をする予定でもあるわけですね。大きく南口のまちづくりがこれで動き出すわけです。さらに、このことによって中野区内全体の活性化、経済の活性化にもつながるということを私は願ってやまない者の1人であります。 ところで、この再開発事業の二丁目の街区、再開発事業の街区の東側に隣接する区域、ちょうど中野駅南口の駅前広場、交番からZEROホールに向かって坂を上る、あの坂を上って公社住宅の用地を過ぎた次の街区、二丁目23番あたりからこの区域について、用途地域の見直しが今回行われないわけですね。このあたりの地域の容積率の指定、これは今現在どうなっているのかをちょっと伺いたいんですが、まずお答えください。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今、委員御指摘の中野二丁目23番付近の用途地域及び容積率の指定状況でございます。まず、この北側の千光前通りから20メートルまでの範囲は近隣商業地域でございまして、容積率は300%の指定となっております。それから南側の区域になりますと、第一種中高層住居専用地域でございまして、容積率は200%の指定となってございます。 ○市川委員 千光前通りから近隣商業地域が300%、それから、その後背地の南側、第一種中高層住居専用地域が200%、これは承知をしておりますけれども、かつて今の23番街区から東側にある一角の、その一帯の沿道の建物を建てた当時、今から50年ほど前になるのか、その当時には容積率等建築制限が今現在の数字とは違っていた。ということは、この容積率の見直しがあった。それでダウンゾーニングがあった。この指定替えをされたという経緯があるようなんですが、その経緯、状況を詳しく教えてください。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) この二丁目23番付近ですが、昭和45年までは商業地域に指定をされておりました。ただ、この当時は都市計画法による用途地域の指定区分が現在とは異なっておりまして、現在のように商業地域と近隣商業地域の区別がなく、商業地域のみの指定でございまして、現在の商業地域よりも相当に広い範囲でこの当時の商業地域は指定をされておりました。 また、この当時は、容積率に関しましては用途地域の指定とは別に容積地区との名称での都市計画指定がされておりまして、この区域は第5種容積地区という指定でございまして、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合は10分の50以下、すなわち、現在の指定容積の言い方でいいますと、500%となっておりました。その後、都市計画法や建築基準法の改正によりまして用途地域指定の区分の細分化が2回ほど行われまして、その都度新しい枠組みでの用途地域指定替えがされたわけでございます。 また、容積地区という従来の都市計画が廃止をされまして、用途地域に連動して新たな容積率が指定されることとなりまして、現在に至っております。したがいまして、単に用途地域が厳しいものに指定替えされたということではなくて、法律の改正によりまして用途地域の容積率の指定の仕組みが変わりまして、その中で結果的に現在の用途地域及び容積率になったといった経緯でございます。 ○市川委員 要するに、法改正による一斉見直しが行われたということなんですよね。そうすると、そういった経緯はともかくとして、結果的には現在指定されている用途地域とか容積率というものは、今ある建物に見合ったものにはなっていないわけだ。もし建て替えをするとなると、今の建物は既存不適格の建物になってしまう。現状そういうことであるというような認識でよろしいですね。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) はい、そのとおりでございます。 ○市川委員 ということは、同じ大きさの建物を今建て替えたいというその建物のオーナーさんの御希望があったときに、建て替えることはできる、できない。同じ規模のもの。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) その当時の規制いっぱいにつくっていた場合には、現在では同じ大きさは不可能ということになります。 ○市川委員 今回、冒頭で紹介したように、二丁目23番街区から東側あたりの一帯の、要するに二丁目再開発事業の敷地を中心とした二丁目再開発事業を行う敷地、この中の都市計画の案が都市計画審議会で了承されましたよね。その都市計画の案の中で、この市街地再開発事業の区域の容積率、二丁目の市街地再開発事業のエリアの中の容積率はどのように数字が変わったのか。ちょっとその点を教えてください。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) この市街地再開発事業が予定されている区域の現在の容積率につきましては、600%、300%及び200%という三つの区域に分かれて指定がされておりますが、今回の用途地域の変更案ですと、この600%の区域については変更がございませんが、300%と200%の区域を一律に500%にするということになっております。さらに、この市街地再開発事業に伴う高度利用地区の指定によりまして、700%及び800%になる見込みでございます。 なお、容積率は用途地域に連動して定められることとなっておりまして、用途地域は東京都に決定権限があるため、東京都から中野区に用途地域の変更案についての意見照会がございまして、区としてこれに回答するために都市計画審議会のほうへお諮りしているという位置づけではありますが、都市計画審議会では特段の意見なしという判断でございました。 ○市川委員 つまり、この二丁目再開発の市街地、再開発の予定区域だね、ここの容積率というのは大幅に上がるという認識でよろしいですか。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) はい、そのとおりでございます。 ○市川委員 ならば、その東側に隣接する、先ほど紹介をした例えば二丁目23番の街区のような今回大幅な土地利用、いわゆる土地の高度利用を前提とした再開発事業に隣接している地区の容積と比較して、土地利用のバランスとかまちのにぎわいの創出とか連続性とか、そういった意味からも、現状の規模の建物さえ建てられないわけだ。そういう次元の話だけではなくて、むしろ現状よりさらに土地の高度利用が必要になると思うんだけれども、隣接する街区だよ、それはいかが思いますか。 ○宇佐美都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 土地の高度利用を含めまして、この地域のまちづくりのあり方につきまして、上位計画との整合性を図りながら検討する必要があると考えております。 ○市川委員 上位計画と整合性を図りながら検討する必要があるというお答えなんだけれども、これまでも中野区内で幾つかの、先ほども紹介したような市街地の再開発事業が行われています。土地の有効利用、それから防災性の向上、こういったことで一定の成果をもう挙げています。先ほど言った野方WIZがありますけれども、これは市街地法定再開発事業として建てられました。この野方WIZを建てたときの再開発事業といったものは、この野方WIZの建物を建てるだけの再開発事業だったのか、どうなんでしょうか。たしかそうではなかったはずなんですが、いかがでしょうか。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 野方WIZと呼ばれております野方五丁目地区市街地再開発事業でございますが、これもそもそもは、今委員御指摘のように、野方WIZの区域をはじめまして、周辺の商店街ですとか野方駅等を含んだ広い区域につきまして市街地の整備や商業地の育成を図り、交通結節点にふさわしい総合的なまちづくりを目指した野方駅周辺地区再開発基本構想における先行地区として事業化が図られたという経緯がございました。 ○市川委員 これまで野方WIZの周辺で、まちづくりに関する動きがありましたでしょうか。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 特筆する動きはございませんでした。 ○市川委員 野方WIZの周辺では、その完成後、大分年月が経過をしておりますけれども、平成7年か6年ごろの建物だと思うんですよ。そこからもう20年近くの年月が経過しておりますけれども、これまではそのまちづくりの動きというのは特段なかったとのことで、これは残念に思います。今後ちょうど西武新宿線の野方以西の連続立体交差化の進展によって、野方駅周辺のまちづくりの一環としてぜひ取り組んでほしいと思うんです。 この20年前やった再開発事業の続きと言っては何なんだけれども、そもそもあった野方駅の周辺のまちづくりの計画、それをぜひ今後継続性を持って続けてほしいと思うんですね。区内で既に再開発が完了している坂上地区、さっきも言ったでしょう。それから中野四丁目東地区、これもさっき言ったけれども、これも同様な状況があるようなんですね。例えば中野四丁目東の再開発、今、中野サンクォーレになっているけれども、あの西側の街区、ちょうど区役所の駐車場の北側の街区がありますね。あそこはたしか第一種中高層住居専用地域だから、容積率は200%のままですよね。あのまま用途容積を置いておくと、サンプラザの建て替えをするときに日陰の制限ができて、サンプラザの建て替えができなくなってしまうおそれがありますね。したがって、あの街区のいわゆる都市計画の見直しは早急にきちんとしておかないと、サンプラザ、区役所のこの地区の一帯開発という名のもとに行われる今後の事業の妨げになるおそれもあるということもありますね。 こういったところで、坂上地区においても、例えば本町二丁目側の再開発、あの事業は、あの後背地を今は公園用地として取得するんだけれども、本町二丁目にある郵政宿舎の跡地を種地にして、まだ後背地のまちづくりを進めていくんだということがあの当時は、あの坂上地区のまちづくりが、再開発事業が完成した当時は、その続きの話がまだ残されていたわけです。そういった連続性というものが途中で途切れてしまう、これはいけない。ぜひ継続して取り組んでほしいといった趣旨の質問なんですね。そこのところはどうか意を酌んでいただきたいと思います。 例えば、四季の都市だってそうなんですよ。まだここはセントラルパークイースト、サウス、それから、明治、帝京平成、早稲田、警察病院、これから後できるであろう新庁舎、これだけで完結するんじゃないですよ。例えばここにある税務署をどうするかという問題もまだ残っている。それから、囲町地区のまちづくり、これも残っている。これら全てが完成した結果、四季の都市ができ上がると僕は思っているんです。だから、まだ四季の都市は完成形ではないと思っているんですね。そういった中に連続性というものがあると思うんですけれども、ぜひ四季の都市というものが都市の本来の機能を発揮するまちとして完結するように、今後なお一層の努力を払われたいと思います。 もう1回、二丁目の住宅供給公社の敷地を中心とした再開発事業の効果を一層実りあるものにするために、先ほども述べたように東側の街区ですね。その区域をはじめ、中野ZEROに至るまでの千光前通り、この沿道の高度利用を図りながら、にぎわいのあるまちづくりを進める必要があると僕は思うんだけれども、区の見解を伺いたいと思います。いかがでしょうか。 ○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 継続的なまちづくりによってにぎわいを拡充すること、この重要性は認識をしております。中野二丁目につきましても、千光前通り及びもみじ山地区を含めて一体の都市機能の改善、あるいは防災性、にぎわいの向上、これを図っていきたいというふうに考えております。中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3でも、この地区の整備方針として、JR電車区を活用しながら道路の整備、新たな都市機能の立地などの考え方を示しております。今後の土地活用の動き等に合わせて具体的な取り組みを検討してまいりたいと考えております。 ○市川委員 これまで容積率のアップ、すなわち土地の高度利用の必要性について質問をしましたが、それではなぜ土地の高度利用が必要なのかについても、ここは十分に理解をしておく必要があると思っています。一般的には地価が高ければ高いほど、その土地の値段に見合うだけの容積率、すなわち土地の高度利用が行われないと、いわゆる不動産事業である場合、これは事業としては成立しないわけね。したがって、駅前とか幹線道路の沿道といったところは地価が高い。こういった地価が高い場所というのは、相対的に高い容積率を指定することが求められてくるわけですね。しかし、これはあくまでも不動産を供給する側の論理であって、不動産を使う、使用する側の論理ではないわけですね。これが使う側の論理になってくると、その場所の地価が高いからその場所を使用するのではなくて、使用する価値があるから使用するわけなんですね。高い容積率を指定して土地の高度利用を可能にしたとしても、その地区、地域が価値を持たなければ、他の地区に比べて優位性を持たせなければ、土地の高度利用がされることはないと思うんですよ。逆に、その地区が高い価値を有する地区であれば、多くの需要が生まれるはずです。 また、不動産を供給する側ではなくて、利用する側からも土地の高度利用は求められることになってくると思うんですね。先ほど言いましたが、ここでも継続性というものが重要になってくると思うんです。この地区の価値、これを一過性のものではなく、いかに継続してさらに高めていくのかといったことをよく考えていく必要があると僕は思います。その点、今言った拠点のまちづくりの継続性といったものを考えていく必要が僕はあると思うんですよ。この定例会の一般質問で、自民党の幹事長のいでい良輔議員が質問したでしょう、国家戦略特区の。国家戦略特区のこの質問した内容は、まさにこれが急所なんですよ。僕はこの点だと思っているんです。これが中野のまちの価値をいかに高めるか。また、その価値を継続させて発展させていくか。そのことによって、中野のまちがより高度利用を求められる、使う側から求められるまちになっていくかということが肝要なところだと僕は思うんです。 昨年、第3回定例会で私も一般質問において国家戦略特区で中野区をどのようなまちにするのか質問をしました。区長の見解を伺いました。区長はそのときに、次の世代にわたるグローバル都市のモデルとして、東京や日本の国際競争力の強化を牽引していく職住近接型の拠点形成を目指したいと答弁しています。さらに、この拠点というものが中野駅の周辺地区だけではなくて、区長が言っているのは、区内の交流拠点として位置付けられている東中野駅周辺、中野坂上駅周辺、野方駅周辺、鷺ノ宮駅周辺などについて、各地区ごとに特徴を踏まえながら、区内全域を視野に入れて地域経済の活性化を図っていきたい。こういうふうにも述べられているわけです。ここで伺いますけれども、中野区都市計画マスタープランにおいて、これらの交流拠点は中野区として今後どのようにまちづくりに取り組んでいくのか、それがどのように述べられているのか、その点を伺います。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 中野区都市計画マスタープランにおきましては、今委員御指摘の交流拠点、この各地区については、商業業務施設や交流などの集いの場、それから地域に根差した文化活動の場などの集積を図り、生活、仕事、交流、文化活動が栄える拠点として育成・整備をすることを述べてございます。 ○市川委員 そうすると、そういった機能、すなわち商業とか交流施設、それから交流などの集いの場、そういったものは、今のところはそれぞれの交流拠点に必ずしも現状十分にそろっていないわけだ。今見る限り、そろっていない。今後それをそれぞれの交流拠点につくっていくということで今の答弁を受けとめておいていいんですか。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今申し上げた機能を新たにつくっていくことと、建物をつくることは必ずしも一致はしませんが、受け皿として一定のスペースを確保する必要はあるというふうに考えております。 ○市川委員 このような、先ほど来おっしゃっているような機能を集積するには、一定のスペースが必要なことはわかります。そのためには、その地区とか地域による程度の差はあるにしても、一定の土地の高度利用が必要となるという理解でよろしいですよね。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) どのような程度の高度利用か、それは地区によって異なると思われますが、一定の高度利用は必要であろうと考えております。 ○市川委員 それから、このような機能の集積を図る、そのためにはほかに何が必要ですか。それをお答えください。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 交流拠点に機能集積を図るために必要なものとしては、例えば道路や駅前広場など、都市活動の円滑化に必要な都市基盤の整備が必要かと考えております。 ○市川委員 それでは、これまで中野区において拠点における機能の集積を図るために、どのような都市基盤の整備をしてきたのかお答えください。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) このたび完成いたします東中野駅西口の駅前広場ですとか、あるいは中野坂上の山手通りを横断する地下通路、それから、西武新宿線野方駅の駅舎と自由通路の整備などをはじめ、中野駅周辺におきましては、例えば中野駅北口の東西連絡通路ですとか中野四季の都市の中の都市計画道路など、多くの事例がありまして、いずれも各拠点における機能集積に一定の役割を果たしているものと考えてございます。 ○市川委員 さきの一般質問でも何名かの議員から出ていた東中野駅の東口の整備についても、これは都市基盤の整備の一環であって、東中野のまちが拠点として今後機能の集積を促進していくために不可欠なものであると僕は思うんですけれども、ぜひとも積極的な取り組みをお願いします。 これまで述べてきたように、いろいろな拠点のまちづくり、今まで取り組んできました。中野駅の周辺地区だけではないんですね。区内の交流拠点というのか、交通結節点というのか、そういうふうに称される地区においては、今後国家戦略特区によってもたらされる地域経済の活性化を十分に受けとめるという観点からも、まちづくりの核となる市街地再開発事業など、これを一つの契機にして、その再開発事業の周辺地区を含む一定の区域でのまちづくりを一層進める必要があると僕は思うんです。土地の高度利用とか基盤整備を進めながら中野区内の全体の経済の活性化、区民生活の向上などを目指すべきであると僕は思うんです。 中野坂上地区、東中野駅地区という地区を、もし今後も将来のあるべき姿を見るならば、現に3月7日、首都高速道路、中央環状線の品川線が開通するでしょう。そうすると、中野の長者橋、入り口は初台。初台から羽田まで20分で行っちゃうんだよ。そうすると、中野駅から浜松町へ行って、モノレール乗って羽田へ行くという、こういうルートで羽田空港へ行くのにおよそ1時間かかるでしょう。これが高速バス使えば20分で行っちゃう。そんな便利なバスなら、また中野駅の周辺でこのまちにバスターミナルをつくって持ってくればいいじゃないかといったら、これはあまりよくないことなの。これは東中野駅にあって初めて東中野駅から中野坂上方向、いわゆる環状六号線山手通りの方向の人の流れとか、いわゆる床の集積だとかというものがより図られるようになっていくんじゃないかと僕は思うんですね。そういった意味での交通の利便性というものも、また、中野区全般を見渡したときに、中野駅を軸にした一つのあり方とか、あの山手通りを軸にした一つのあり方と二つ生まれてくると思うんですよ。そういったことを考えたときに、中野区全体の底上げというものを考えたときに、やはりそこにしっかりと目を向けて、今後のまちづくりを継続して行っていく必要があると僕は思います。 それから、最後に一つだけ触れておきますが、中野の区内、地下鉄大江戸線の駅が3駅あります。一番北に新江古田駅、東中野駅があります。それから、中野坂上駅がありますね。当初、あの地下鉄12号線のいわゆる計画の段階、その当初の段階では、たしか練馬から新宿都庁の斜めに線を持ってくるという計画であったはずなんです。それが平成19年のころをちょうど境にして、あの環状六号線の下をずっと通って、清水橋から新宿都庁のほうに向かう路線に変わっているんですね。これは、その当時、真っすぐ斜めに、そちらから見ると斜めに新宿まで向かっていった路線が、たしか平成19年のころだったか、環状六号線の下を通って清水橋から西新宿に向かう線に変わったと思うんだけれども、この点間違いないですか。 ○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 年数はもう少し昔かもしれません。たしか平成4、5年ですが、当時は都市高速鉄道第12号線という名称でございまして、今委員おっしゃるとおり、当初は山手通りの下を通ってはいましたが、東中野から中野坂上交差点はスルーをして、いきなり青梅街道を通ると。したがって、中野坂上の駅はできないわけです。ところが、それが平成の初期に都市計画の変更をしまして、今委員がおっしゃったように中野坂上の駅をつくって、清水橋を通って都庁にと、そんなルートに変更したと、そういった経緯がございます。 ○市川委員 そうすると、中野坂上に駅を持ってきて、清水橋に行って、清水橋から都庁に向かう。こういうふうにして変えたその裏側には、あの中野坂上地区の再開発事業がきっとあったから、そこに駅を持ってきて丸ノ内線とのターミナル駅をつくったという経緯があると思うんですね。それは先人の、私たちの先輩の皆さんのきっと努力もあったんだと思うんです。そういったことを考えると、やはりまちづくりというのはずっと私たちよりも先輩の代から今日、それから次の世代へとずっと続けて連続性のあるもので継続して発展していくんだと思うんですね。急に全てのものができるわけでない。そういったことを念頭に置いて、拠点のまちづくりの継続性、今後も大事にしていただきたいと思います。 私があえてきょうこの質問をしたのは、やはりどうしてもまちづくりが完成した、市街地再開発事業が完成した、その隣の街区が置いてきぼりになってしまうということがままある、多々あるから、この質問をあえてさせてもらいました。私、中野駅周辺整備の特別委員長も務めさせていただいておりますし、常任委員会は建設委員会にも入れていただいているから、このような質問をこのような場でするのは本来いけないのかもしれないけれども、あえてきょうはこれをさせていただきました。今後ぜひお願いいたします。 最後に区長に一言だけ聞いておきたいのは、今私がるる質問申し上げました拠点再開発事業の隣接地区、それから後背地区におけるまちづくりに対する区長の見解、今の段階でお聞かせ願いたいと思います。 ○田中区長 まちというのは一定の広がりを持って、その中にさまざまな人々の暮らしのステージがあるというものでありますので、拠点の開発があれば、その周辺の開発の展望というものを常に持ちながら進めていくというものだと思っておりますので、きょうの委員の御質問については私も同感ということでございます。 ○市川委員 私、このことだけきょうは質問したかったので、これで私の質問は全部おしまいです。今後もぜひこのまちづくりについては特段の配慮をいただきたいと思います。どうもありがとうございました。 ○内川委員長 以上で市川みのる委員の質疑を終了します。 本日の総括質疑を終了します。 次回の委員会は、明日2月27日(金曜日)午前10時から、当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の予算特別委員会を散会します。 午後4時22分散会
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