平成27年02月20日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成27年02月20日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
26.02.19 中野区議会第1回定例会(第2号)

.平成27年(2015年)2月20日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原     宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番     欠  員

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  英   直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  竹 内 沖 司

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

 区民サービス管理部長 白 土   純    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二

 健康福祉部長   野 村 建 樹      保 健 所 長  寺 西   新

 環 境 部 長  小谷松 弘 市      都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一  経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  大 野 貴 子      書     記  鈴 木   均

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成2年(2015年)月2日午後1時開議)

日程第1 第6号議案 平成27年度中野区一般会計予算

 

午後1時00分開議

○議長(伊東しんじ) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承ください。

 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、いでい良輔議員、白井ひでふみ議員、来住和行議員、酒井たくや議員、後藤英之議員、大内しんご議員、平山英明議員、篠国昭議員、木村広一議員、高橋ちあき議員、ひぐち和正議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、林まさみ議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 いでい 良 輔

 1 区長の施政方針説明について

  (1)区の目指す中野の方向性について

  (2)グローバル戦略の推進について

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 最初に、いでい良輔議員。

〔いでい良輔議員登壇〕

○24番(いでい良輔) 平成27年第1回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場から一般質問を行います。私の質問は通告のとおり、1、区長の施政方針説明について、(1)として、区の目指す中野の方向性について、(2)グローバル戦略の推進について、大きい項目2のその他の項で、国の緊急経済対策、地域消費喚起型・生活支援型事業について伺います。限られた時間の中で質問いたしますので、区長はじめ理事者の皆様におかれましては誠意ある御答弁をお願いいたします。

 まず、区が目指すべき方向性についてお伺いします。

 ことしの2月12日に出された政府の平成27年度の経済見通しによると、我が国の経済状況は、消費税8%への改定以降、個人消費などに弱さが見られ、年度前半には実質GDP成長率がマイナスとなったものの、アベノミクス「3本の矢」の一体的推進により雇用・所得環境が改善する中、景気は緩やかに回復していくことが見込まれているとされています。今後も経済政策を一体的に推進することにより、経済の好循環を確かなものとすることが必要です。

 一方で、超高齢化、生産年齢人口減少社会に対応し、持続可能な区政運営を確実なものにしていくため、行政サービスを拡充するための財政基盤の確保が早急に求められており、そのためには、税収の源泉たる地域経済の活性化が必要になります。

 国は、昨年12月27日に、まち・ひと・しごと創生長期ビジョンを閣議決定しました。その中では、日本が急速に進む人口減少を克服し、再び成長の軌道を描くため、出生率を1.8に引き上げること、GDP成長率を1.5%から2%確保することなど、具体的な数値目標を設定し、正面からこの構造的な課題に取り組むこととしています。新たな仕事を創出して経済の循環をつくり出し、職住近接のまちづくりを進めるなど、区にとっても課題に正面から向き合い、目標を定めて取り組みを進めていくことが喫緊の課題であります。

 区長は、施政方針説明の中で、世界に先駆けて少子高齢化と人口減少が進む我が国は、グローバル時代に即した明確な国家戦略を持たなければ衰退の道をたどると述べ、こうした課題に正面から立ち向かい、持続可能な展望をつくり出していくためには、基礎的自治体の取り組みが極めて重要であるとの考えを示しています。

 我々自由民主党議員団は、住んでよかったまち中野から、住み続けたいまち中野を目指して、実現に向けた中長期的なビジョンを持って政策をぶつけ合い、今日の反省をあすの成果へつなげていこうと必死の努力を続けています。特に、少子高齢化と言われる時代から人口減少時代と言われる中で、中野区が特別区23区間での自治体間競争に勝ち抜かなければならないと強く感じています。

 区は現在31万人を超える区民の方々で自治体を形成していますが、その中でも4年間で約12万人の方々が転出転入を繰り返すという入れかわりの激しい自治体でもあります。住んでよかったまちと評価されることは、それだけ中野を離れていかれた方が多いということにもつながります。区は、区民の皆さんなくしては成り立たないのは当たり前です。もともと中野区にお住まいの方々、また23区の中でも中野区を選んで居住される方々をどのようにつなぎとめていくのか、今まさに試されているのではないでしょうか。

 我々は、安定的な財政運営のもと、区民の皆さんのライフスタイルの変化に伴い、多岐にわたる区民ニーズに対してさまざまな政策を動員して行政サービスを展開し続け、良好な住環境を整備する、国、都と連携を密にして安心・安全なまちづくりを進めていく、中野区の魅力を発掘し、それぞれに付加価値をつけていくことこそがこれからの中野に求められていることだと考えています。

 そこで、質問させていただきます。区は、直面する課題を乗り越え、みずから国や都の先に立って持続可能なまちをつくっていくために、今後どのようなまちの姿を描こうとしているのでしょうか、区の目指す中野の方向性についてお答えください。

 次に、(2)東京オリンピック・パラリンピックを契機とした区のグローバル戦略について伺います。

 2020年、東京オリンピック・パラリンピック開催の効果は多岐にわたります。一つには、世界から注目が集まるこの機をとらえて、国際的なビジネスが今まで以上に展開される都市への発展の機会とすることであり、またスポーツ振興を区民の健康増進に継続的につなげていくことであり、さらには観光資源の掘り起こしを行い、新たなまち活性化の材料として育てていくことであると思います。こうしたオリンピックの効果は、決して一過性のものであってはなりません。必ず次世代につながる新たな発展のスタートとするべきと考えています。

 1964年の東京大会では、戦後復興、高度成長の象徴として、発展する我が国の存在を国際社会にアピールする場となりました。東海道新幹線、首都高速道路に代表される社会基盤整備、新ビジネスの誕生、国民の自信回復、戦後復興、平和国家のアピールなど、高度経済成長と国民の豊かさを実感するさまざまなレガシーをつくり出しました。2020年東京大会では、東日本大震災の被災地の復興も含めて、積年の課題解決を図り、そのレガシーを未来に引き継いでいかなければなりません。

 区長は、施政方針説明の中で、区も新しい時代にふさわしい都市の成長モデルをつくり出し、具体化していくと述べています。私は、東京オリンピック・パラリンピック開催の機会を持続可能なまちづくりのために活用していく必要があると考えています。

 先般行われた中野区グローバル戦略推進協議会設立記念フォーラムでは、国家戦略特区担当の石破茂大臣から中野区に贈られたビデオメッセージが放映されましたが、その中で、「国家戦略特区は日本経済を再生させる重要な位置付けである」とし、「東京都全域を指定したい」との考え方が示されました。さらに、中野区に対しては、「民間も一緒になって新しい知恵を出し、どのような規制を緩和し、どのようなまちをつくっていくのか、よいプランをつくってほしい」という力強いお言葉をいただきました。中野区におけるグローバル戦略のかぎを握るのは、大臣のメッセージにもあるとおり、民間との連携による規制緩和ではないかと考えます。東京オリンピック・パラリンピック開催が成果の高いものとするためにも、あらゆる障壁を取り払い、官民挙げた取り組みが必要であると考えています。

 そこでお伺いします。東京オリンピック・パラリンピック大会開催を視野に入れたグローバル都市の実現に向けた官民連携の取り組みをどのように進めていくのでしょうか、お考えをお聞かせください。

 オリンピックの開催に伴って進む社会基盤の整備は、中野区にとっても多くの好機をもたらすことになります。ことし3月7日に予定されている首都高速中央環状新宿線の全線開通によって、中野区は羽田空港から約20分という利便性の高いエリアとなります。一気に東京の玄関口とのアクセスが円滑になることの付加価値は、中野坂上や東中野はもとより、中野全体の利益となることが容易に想像されます。中野駅周辺は新たなにぎわいの拠点として、区の内外からの認知度も高くなっていますが、このような社会基盤の整備の進展による環境の変化をいち早くとらえるなど、区内全域にそのにぎわいを広げていくことが求められていると思います。

 そこで伺います。区は、中野駅周辺のにぎわいをどのようにして区内全域に展開していこうとお考えなのか、お伺いします。

 次に、オリンピック・パラリンピック開催を契機としたスポーツ振興についてですが、超高齢化社会を迎えるに当たって、区民の健康を守っていくためには、今まで以上に区民の皆さんがスポーツに関心を持ち、主体的に健康づくりに取り組むことが必要です。オリンピックというスポーツの世界最大イベントを通して、区民の皆さんのスポーツ意欲を高め、これまであまり関心が少ない方にも取り組むきっかけとすることが求められると思います。そのためには、本格的な競技が行える場所や、オリンピックに区民が主体的に参加できるような取り組みが必要ではないかと考えます。

 そこで伺います。現在、区のスポーツ施設は本格的な競技会などに対応できるような規格、そして規模を持っているのか、現状についてお聞かせください。

 現在の構想では、新しい体育館は新しい区役所とあわせて、中野四季の都市区域3区有地を最優先候補地として検討を進めているとのことですが、いまだ配置について、区からの検討結果の説明がない状態であります。オリンピック・パラリンピック開催に向け、区民の皆さんの期待にこたえられる十分な規模、機能を持った体育館が必要という考えに立ったとき、果たしてこの区域3区有地に設置可能なのでしょうか。確認として、新しい区役所の配置検討の現在の経過についてもあわせてお聞かせください。

 現在、区内には公式の陸上トラックがとれるグラウンドはおろか、100メートル直線で走れる場所も限られている状況です。他の自治体では、体育館と屋外運動施設がセットとなった運動拠点を持っている例がありますが、中野区にはありません。オリンピックという機会をとらえ、区民の主体的なスポーツ活動を促していくためには、中野区にもぜひともスポーツの拠点施設をつくり、あわせて各国のオリンピック・パラリンピックチームの事前練習場所として活用されることとなれば、区民がオリンピックを肌で感じ、大会に主体的に参加する機運が醸成され、大会後のスポーツ振興に大きく寄与することと思います。また、そのような施設を持つことによって、オリンピック開催の後もさまざまな大会などで有効に活用され、継続的なスポーツの振興が図られると考えています。

 そこで伺います。区は、このようなスポーツの拠点施設の設置について、どのような見解を持っているのでしょうか。また、スポーツの拠点施設には相応の敷地面積が必要です。例えば平和の森公園のような大規模公園を活用するなどの大胆な視点から、本格的な施設の整備を検討し、オリンピック・パラリンピックの国際チームの練習場所の誘致を検討してみてはいかがかと思いますが、区の御見解をお伺いします。

 一方で、区が当初、新しい体育館の設置を考えていた旧中野中学校跡地の活用については、地域の価値が向上するような活用方法という視点から考えると、地域医療施設などの公共性の高い施設の誘致を考えるべきと思いますが、区の御見解をお伺いします。

 次に、その他の項で、国の緊急経済対策、地域消費喚起型・生活支援型事業についてお伺いします。

 国は、平成26年12月27日に、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を発表しました。本経済対策は、経済の脆弱な部分に的を絞り、かつスピード感を持って対応を行うことで、経済の好循環を確かなものとするとともに、地方にアベノミクスの成果を広く行き渡らせることを目指すものとしています。国からは、各地方自治体へ地域消費喚起型や生活支援の事業、まち・ひと・しごとの創生に向けた総合戦略の先行的実施の指示があり、例えばプレミアム商品券の発行なども事業に入っていると伺っています。

 このたび、東京都は、地域消費喚起型事業として、プレミアム商品券の発行、活用に取り組む区には上乗せ補助を実施するとのことで、こういったことから23区、ほとんどの区がプレミアム商品券について実施予定と聞いています。この状況を考慮した場合、中野区としてもプレミアム商品券発行を実施すべきではないかと考えています。

 かつて中野区は、平成21年にプレミアムつき中野ハート商品券の事業を行いました。その際に、当初は区役所1カ所の販売で行ったため、高齢者の方や働いている方などには購入に不便で、後半の時期に各商店街などに販売路を広げた経緯があります。区民の生活への効果については、当時、さまざまな声があり、一概に成功した事業とは言えなかったのではないかと感じています。区は、前回の検証を十分に踏まえた上で、例えば商品券のプレミアム率を前回よりも上乗せし、使用できる対象店についても、区民の皆さんが日ごろ食料品や衣類を買い求める商店街に加えて、スーパーなどに使用の範囲を広げるなど、また高齢者世帯、子育て世帯、町会・自治会などの方々には、優先的に予約ができて活用の場を広げるなど、便利で魅力のある事業として創出すべきではないでしょうか。こういった方法を工夫することで、強力な地域消費を喚起し、地域の商店街振興や区民の生活に大きく寄与する施策としてほしいと考えています。区の御見解を求めます。

 以上で私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) いでい議員の御質問にお答えいたします。

 区の目指す今後のまちの姿についてであります。今後、さまざまな区民ニーズに対応するためにも、財政基盤の確立に必要な産業の付加価値生産性の向上や都市と地方との連携、グローバルな都市活動の集積を高めるための基盤整備、また豊かな地域社会実現のために全員参加型社会の構築、出生率の向上など、持続可能な都市の成長モデルを描き、それに向けて取り組みを進めていきたいと考えているところであります。

 グローバル都市の実現に向けての官民連携についての御質問です。2020年、東京オリンピック・パラリンピックをきっかけとして、さらに将来のまちの発展を実現していくためには、外国人を受け入れる観光の振興、都市交通の整備、まちの安全・安心、生活の利便性向上、多様な文化への対応など、さまざまな対応が必要だと考えております。こうした区政課題を乗り越えていくためには、産学公が一体となってビジネス活動の集積や、来街者が安全・安心に楽しめる環境整備を図っていくことが重要となってまいります。そのための土地利用のあり方などについても、一定の条件を整えることとあわせて規制の緩和が必要になると考えております。

 先般発足した中野区グローバル戦略推進協議会は、区内の経済団体をはじめ、区内外からさまざまな分野の企業、団体、大学等の参画を得て、グローバルなビジネス環境の整備拡充を図るための提言を行うとともに、さまざまな連携の基盤を形成するものと考えているところであります。

 中野駅周辺のにぎわいの区内全域への展開についてであります。中央環状線の全線開通は、羽田空港とのアクセスが円滑になることで、中野の強みである交通利便性がさらに強まり、地方や海外の人との交流や新たなビジネスチャンスにも貢献するものと考えられ、大変期待を寄せているところであります。中野駅周辺にグローバルな拠点を形成するとともに、都市計画マスタープランにおいて交流拠点とされている中野坂上駅周辺や東中野駅周辺などをはじめ、西武新宿線連続立体交差化に伴うまちづくりなどによって新たな都市活動の基盤を形成していきたいと考えております。また、区内各地の観光資源について、環境整備や紹介手段の充実によって磨きをかけながら、各種のイベントなど、商店街や民間団体の取り組みと相乗効果を生み出して、中野のまちの魅力を体感できる回遊ルートを形成することを目指していきたいと考えております。

 次に、区内のスポーツ施設の現状についてであります。単にスポーツを楽しむだけではなく、本格的な競技会に対応する施設の条件としては、競技コート等の規格が基準を満たしていること、また相応の施設設備も求められてくるところであります。中野体育館、鷺宮体育館、上高田や哲学堂の運動施設では、バレーボール、軟式野球、テニス、柔道や弓道等が行われておりますが、公式な競技会などの本格的なスポーツイベントの開催は難しい状況であります。また、公式な陸上競技のための場所もない現状であります。

 新体育館設置の可能性と新区役所の検討についてであります。新体育館及び新区役所の配置につきましては、これまで区域3区有地に加え、中野四季の森公園拡張用地を含めて検討をしてきたところであります。都市計画法や都市公園法等の法令上の制約や敷地形状から新体育館を公園施設として半地下構造とするなどの工夫により、現状と同等規模で建設することは可能であります。しかしながら、建設コストや新しい体育館に望まれる機能等を配慮して、他の場所での立地可能性について検討をしているところであります。

 スポーツの拠点施設の必要性についてであります。区民の自立的な健康づくりの意欲を高めることや区民のスポーツ振興をさらに進めていくためには、今まで参加していなかった人も含めて参加を促進していく取り組みとともに、これにこたえる場所づくりが必要という認識を持っております。東京オリンピック・パラリンピックの開催を踏まえると、公式競技に対応できる体育館とするとともに、屋外運動施設がセットになった総合的なスポーツ拠点を区として持つことによって、区民の参加意欲にこたえることにつながるという認識をしているところであります。諸外国のオリンピックチームが事前の練習場所として中野区の施設を活用することが可能になれば、スポーツに取り組む機運がさらに向上するものと考えております。

 平和の森公園へのスポーツ施設の配置についてであります。スポーツ総合拠点施設の整備となりますと、大規模な敷地が必要となってまいります。平和の森公園につきましては、現にスポーツにも活用されていることから、拠点施設としての条件は備えていると考えております。このことから、活用について検討をしているところであります。こうした検討の経過については、本議会の委員会での報告を予定しているところでありまして、現在、その準備を進めているところであります。また、拠点となる施設がある場合には、事前キャンプの誘致についても積極的に検討してまいりたい、このように考えております。

 旧中野中学校跡地の活用のあり方についてであります。旧中野中学校跡地の活用については、周辺環境や安全に配慮するとともに、住民にとって一層地域の価値が高まる活用方法を検討していきたいと考えておりまして、御指摘のような地域医療施設等の誘致についても検討をしてまいりたいと考えているところであります。

 国のまち・ひと・しごと創生に向けた総合戦略の先行的実施を含む国の経済対策についての質問であります。東京都が予定をしております地域消費喚起型事業、これらも活用しながら、区としての取り組みをしてはいかがかと、こういった御質問でありました。国の経済対策にスピード感を持って対応するためにも、プレミアム商品券は重要な事業と考えております。前回のプレミアム商品券の実施の経過、これらも検証を行いながら、さまざま御提案のあったところを踏まえ、区の政策、実効性のある政策につながる、そうした方向での検討を行いたいと考えております。

○議長(伊東しんじ) 以上でいでい良輔議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 白 井 ひでふみ

 1 施政方針について

  (1)平和事業について

  (2)国の平成26年度補正予算への対応について

  (3)安心・安全なまちづくりについて

  (4)その他

 2 平成27年度の区政の方向について

  (1)まち活性化戦略における東中野駅東口まちづくりについて

  (2)元気いっぱい子育て戦略における防犯カメラの設置について

  (3)その他

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、白井ひでふみ議員。

〔白井ひでふみ議員登壇〕

○13番(白井ひでふみ) 平成27年第1回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。質問項目は通告のとおりですが、1の(4)その他として、区の施設配置計画について、また3のその他として、災害用備蓄医薬品の流通備蓄についてお伺いいたします。

 初めに、1、施政方針について、(1)平和事業についてお伺いいたします。

 施政方針において、「終戦の日を記念するさまざまな催しや山手大空襲をはじめとする戦災記録の収集・展示、非核平和の取り組み、さらには西城区や陽川区など、友好都市を中心とする自治体との交流など、幅広く平和と国際理解につながる取り組みを行ってきました。戦後70年という節目を踏まえ、今年も未来を担う若い区民に向けて平和の取り組みを発信していきたいと思います」と述べられましたが、節目である本年は、特段に戦争の記憶を風化させず、平和の尊さを後世に引き継いでいくため、平和祈念事業を例年以上に拡充すべきと考えます。

 戦争の記憶を次世代へと継承するための企画を、さまざま趣向を凝らし準備を進めている自治体が多く見受けられます。例えば新潟県長岡市は、ハワイ真珠湾での長岡花火の打ち上げを行う予定です。太平洋戦争開戦の舞台となったアメリカ・ハワイの真珠湾で、終戦から70年となる本年8月15日に、日本三大花火の一つである長岡市の花火が初めて打ち上げられる見通しです。長岡市は、真珠湾攻撃を指揮した旧日本海軍の山本五十六連合艦隊司令長官の出身地であり、1945年8月1日にはアメリカ軍の空襲を受けました。いわゆる長岡空襲です。双方が戦没者の鎮魂と平和を願い、大輪の花を夏の夜空に咲かせる歴史的な出来事になると思われます。放浪の天才画家、裸の大将こと山下清画伯が描いた「長岡の花火」は大変有名な作品ですが、その際、「みんなが爆弾なんかつくらないできれいな花火ばかりつくっていたら、きっと戦争なんか起きなかったんだな」との言葉を残されています。また、その山下清画伯の書いた「長岡の花火」を今でも家宝として大切に所蔵しているのが、長岡花火に欠かせない花火師である嘉瀬誠次氏です。嘉瀬誠次氏も、また次の言葉を残されています。「全ての爆弾を花火にかえたいね。二度と爆弾が空から落っこちてこない平和な世の中であってほしいんだよ。破壊のための火薬を楽しみに使うんさ」と大変心にしみ入る言葉を残されています。

 中野区においても、歴史的背景や地域特色を生かし、次代を担う子どもたちが、また戦争を知らない世代の人たちが一人でも多く参加できるように、直接お話をお伺いすることが難しくなりつつある戦争体験の語り部の方を招いての講演や、また演劇や芝居、朗読、発表会などさまざまな形で戦争に迫り、その悲惨さや平和の大切さを後世へ伝えようとの平和祈念事業を一層の拡充に取り組むべきと考えますが、区の取り組みをお伺いいたします。

 次に、(2)国の平成26年度補正予算への対応についてお伺いいたします。

 施政方針の中で、「個人消費や中小企業対策など、きめ細かい配慮を含めた、柔軟で機動的な政策も必要であり、政府の対応に区としても適切に呼応していきたいと考えています」と述べられ、また「中野区も新しい時代にふさわしい都市の成長モデルをつくり出していく取り組みを具体化していかなければなりません」とも述べられました。国において、経済対策を柱とする総額3兆1,180億円の平成26年度補正予算が3日、可決、成立いたしました。昨年の4月の消費税率引き上げで落ち込んだ個人消費の回復や地域活性化に重点を置いた内容となっています。26年度補正予算の狙いは、景気回復の実感を家計や中小企業、地方へ届けることであり、我が党の主張した項目も数多く盛り込まれています。その一つが、地域の消費喚起や地方創生のため、地方自治体が各地の実情に応じて使い道を決められる総額4,200億円の交付金です。内訳として、2,500億円の「地域消費喚起・生活支援型交付金」は、地域の商店街に活気をもたらすプレミアム商品券やふるさと名物商品券などの発行を支援するものと、また1,700億円の「地方創生先行型交付金」は、事業や地方における安定した雇用創出など、地方活性化を促す狙いの2本柱となっています。

 補正予算の交付金などの配分は、地方自治体の地方版総合戦略や事業実施計画などに基づいて行われ、ちなみに補正予算案の財源は、企業実績の改善に伴う25年度税収の上振れ分、1兆7,250億円のほか、24年度一般会計剰余金から1兆622億円、復興財源剰余金から9,731億円などを計上し、財源として新たな国債発行、いわゆる借金は行わないものです。交付金を活用する際の申請の締め切りが近づいているため、今定例会中にも区としての活用方策の結論を導くとともに、活用の場合は補正予算の対応が必要となります。先日、公明党議員団として、国のこの26年度補正予算を区としても活用すべきとの申し入れを区長に行ったところですが、ぜひとも実施すべきと考えます。

 現段階における東京23区においての国の補正予算の活用予定状況をお伺いするとともに、区としての地域消費喚起・生活支援型交付金と地方創生先行型交付金の活用計画案についての検討状況、そして今後のスケジュールをあわせてお伺いいたします。

 次に、(3)安心・安全なまちづくりについてお伺いいたします。

 施政方針において、「持続可能なまちづくりを進めていくに当たって、安全・安心なまちづくりに向けた取り組みも欠かせません。建築物の耐火・耐震性の向上や避難路の整備や安全確保、大規模防災公園の整備を中心とする広域避難場所の安全性の向上など、ハード面での施策やまちづくりなどもこの間進めてきた重要な取り組みです。これを一層前進させるとともに、長期を見越した防災まちづくりの体制づくりを行う必要があります」と述べられました。木造住宅密集地域における防災性の向上のための耐震化や不燃化、特定緊急輸送道路の機能確保と沿道の耐震化や不燃化とともに、面的な防災まちづくりの取り組みを進めることは大切な課題です。特に、広域避難場所の役割となる大規模防災公園の配置については、これまでも一定地域、一定圏域ごとの将来ビジョンを描くべきであると訴えてきましたが、改めて区の見解をお伺いいたします。

 次に、(4)その他として、区の施設配置計画についてお伺いいたします。

 区役所とサンプラザ地区を一体的に再整備するに当たり、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)と昨年の12月17日付で覚書を取り交わし、再整備事業の事業化検討を行うこととなりました。新聞報道等でも取り上げられ、サンプラザが今すぐなくなるとのイメージが先行しています。まず、新しい中野体育館を建築して、新しい区役所を今の中野体育館の場所に建てかえ、その後、区役所とサンプラザとの一体開発をするとした連続した玉突きのような計画が検討されているため、時間を要するものです。施政方針において、「中野体育館の建てかえ構想についても、方向性を明確にしていきたい」と述べられましたが、中野体育館の配置場所についての具体的な方向性をお伺いいたします。

 新しい中野体育館の建築に当たり、配置場所をこれまで中野中学校跡地、元第九中学校跡地としてきたところを再検討の課題としてきました。一方、中野総合病院の建てかえの事業が持ち上がっています。病院の現地での建てかえは、相当の困難を伴いますし、一定規模の用地の確保もまた困難です。中野総合病院は、中野区の地域医療を担う大事な中核病院であり、現在中野方式と呼ばれる小児救急診療体制を実施していただいている病院でもあります。中核病院の一つである佼成病院は、建てかえを機に杉並区へと移転となってしまいました。中野総合病院が区外へ移転するような事態になっては、中野区の地域医療の大きな損失となります。現在の中野総合病院からも近く、拡幅予定の都市計画道路に面しているなど、区民の利便性の観点からも、立地条件の整った中野体育館の当初の移転建築計画の予定地であった中野中学校跡地、元第九中学校跡地の活用について、中野総合病院の移転先とする方向で協議を進めてはと考えますが、伺って、この項の質問を終わります。

 次に、2、平成27年度の区政の方向について、(1)まち活性化戦略における東中野駅東口まちづくりについてお伺いいたします。

 この3月1日に待望の東中野駅西口広場の開所式典が行われる予定となりました。環状6号線山手通りの拡幅工事、線路上空部を活用した、ふたをする形での東中野駅西口連絡通路工事、そして西口駅前広場、西口駐輪場工事と長い工事期間を経ての完成です。駅前広場が目に見える形となってきた今、広場の地域活用についての問い合わせや御相談が増えています。

 そこで、これまでも西口広場の計画段階から地域活用の提案を行ってきたところですが、いよいよ西口広場の開所に当たり、改めて地域活用のあり方を示すべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。

 一方、東中野駅東口周辺は、線路による分断された東中野一丁目、四丁目、迂回道路による線路高架下の東中野一丁目と五丁目から成る、3面にわたる地域の高低差が著しくあり、バリアフリーに問題を抱えていること、また、これまで民間主導のまちづくりとしてきた区の関与について見直し、積極的関与が必要であると訴えてきました。東口周辺のまちづくりについて、まずは調査のための予算確保を要望してまいりましたが、平成27年度予算案に新規事業として、東口周辺の現況調査の事業が盛り込まれたことを大いに歓迎いたします。

 そこで、東中野駅東口周辺の現況調査について、どのような方法で現況調査を行う予定であるのか。また、まちづくり団体とのかかわりについてもお伺いいたします。

 次に、(2)元気いっぱい子育て戦略における防犯カメラの設置についてお伺いいたします。

 区の防犯カメラの設置に関する助成制度が始まってから6年が経過します。現在、区内にはこの制度を活用した防犯カメラが、平成26年度で204台の防犯カメラの設置が行われることとなり、27年度は40台の設置が予定されています。防犯カメラによる犯罪抑止力に期待を込める意味からも、今後も増設を望む声が高まることが予想されます。

 また、平成27年度からは、都の助成制度を活用して、新しく区内の通学路への防犯カメラの設置が始まり、平成27年度は65台、平成28年度は60台、2年間で合計125台の設置を行う予定と聞きます。商店街と町会・自治会、PTAが申請団体となって設置された防犯カメラは、申請者は設置費用の6分の1の負担分と電気代等の維持管理費の経費負担分が発生します。一方、都の助成制度を活用した通学路への防犯カメラの設置は、区が2分の1の設置費用と維持管理費を負担するものです。通学路への防犯カメラの設置場所は、先行して設置された防犯カメラ以外の場所を選び、警察の了承のもと設置することとなると聞きます。先行して設置された防犯カメラは自己負担分が発生するため、通学路への防犯カメラの設置制度との整合性を図る必要があるのではないかと考えますが、お伺いいたします。

 また、東京都の27年度予算案には、新規事業として、公立学校の防犯カメラシステム整備支援が盛り込まれています。公立幼稚園及び小・中学校の校門等への防犯カメラの設置2分の1助成、更新3分の1助成となり、学校内への不審者侵入の抑止、初期対応など、学校内の安全確保の取り組みを推進するとなっています。この事業を活用して、区の学校内の防犯カメラの更新計画を進めるべきと考えますが、お伺いいたします。

 また、この事業の補助金は、区の歳入として補正予算で対応すべきと考えますが、あわせてお伺いをいたします。

 次に、3、その他として、災害用備蓄医薬品の流通備蓄についてお伺いいたします。

 東日本大震災時、避難所での医薬品の不足が問題となりました。不足した医薬品とは、救急医薬品ではなく、日常的に処方されている慢性疾患である糖尿病や高血圧などの医薬品であり、薬の不足から体調を崩される方が続出し、不安を抱える状況でした。中野区を含む多くの自治体が、災害用備蓄医薬品としての常用薬品が不足しており、区として災害時の備蓄医薬品の見直しと、コストを抑えながらも必要な医薬品を多く確保できる新たな備蓄方法として流通備蓄の活用を提案してきたところです。今年度、区では、中野区災害医療連携会議を開催し、災害時に本当に必要な医薬品の内容、量についての協議がなされ、そして新たな備蓄方法である流通備蓄についても協議が進められてきました。平成27年度の新規事業案である災害用備蓄医薬品の流通備蓄について、制度の概要について伺い、私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 白井議員の御質問にお答えをいたします。

 平和の継承事業についてであります。戦後70年を節目として、戦争の悲惨さと平和の尊さを若い世代に継承するため、戦争経験者が体験談を中学校で語るなど、若い層の事業を考えています。また、通常行っている平和の集いに加え、若い層向けの平和の集いなども実施をすることとしております。戦後70年の節目に、そうした平和祈念事業を充実して取り組んでいきたい、このように考えているところであります。

 地方創生の緊急支援交付金についてであります。23区での活用状況についてどうかということであります。この制度の活用状況については、現時点で活用を検討している区が多い、これは当然あるわけでありますが、その詳細についてまでは、まだ多くの区が明らかにできていないという状況であります。

 中野区といたしましては、その活用につきまして、地域消費喚起・生活支援型にありましては、東京都の事業活用なども含めながら、区として適切な、明確な政策的意図、これをもってその意図が実現できるような事業を検討していきたい、こう考えているところであります。

 また、地方創生先行型にありましては、交付金の趣旨と合致をするように、人口の確保やグローバルな視点からの経済の活性化、また地方との連携強化による相互発展に資する事業、こうしたことを中心に検討していきたいと考えております。

 大規模公園の配置についてであります。当面は、規定の大規模公園の整備を進めているところでありますが、中長期的な見通しというものが必要とも考えております。こうした大規模公園の配置のあり方につきましては、やはり全区的なスケールでの計画性というものが必要というふうに考えております。中野区都市計画マスタープランや中野区みどりの基本計画など、全区的な計画の中で公園の配置についても配慮をしていきたいと考えているところであります。

 それから、中野体育館の設置場所についてであります。区民の自律的な健康づくりの意欲を高めることや、区民のスポーツ振興をさらに進めていくことが必要とされていく中、東京オリンピック・パラリンピックの開催を踏まえると、公式競技に対応できる体育館とともに、屋外運動施設がセットになった総合的なスポーツ拠点を区として持つことを検討したいと考えているところであります。スポーツ総合拠点施設の整備をするに当たっては、大規模な敷地が必要でありまして、現にスポーツにも活用されている平和の森公園を候補として検討をしているところであります。

 それから、旧中野中跡地の活用についてであります。旧中野中学校跡地の活用につきましては、周辺環境や安全に配慮するとともに、住民にとって一層地域の価値が高まる活用方法を検討していく、このような考えを持っているところです。

 中野総合病院につきましては、中核病院として地域医療に大きく貢献をしていただいていることは御質問にあったとおりであります。区としても、必要な医療機関であると考えておりまして、この建てかえに当たってはできるだけの協力をしていかなければならない、こう考えているところであります。その改築を行うに当たっては、一定規模の敷地面積が必要と考えられるところでありまして、現病院に近く、また区民にとっても利用しやすい位置といったようなことから、旧中野中学校跡地の活用を視野に入れて検討してまいりたい、こう考えているところであります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 区立小・中学校等の防犯カメラについての御質問にお答えをいたします。

 防犯カメラの更新は、今年度から年次計画を立てて進めておりまして、平成28年度には更新が完了する予定でございます。東京都が来年度から開始する補助事業につきましては、区に対する情報提供が予算編成後であったため、歳入として見込んではございませんが、この事業について詳細を確認し、有効に活用していけるよう検討してまいりたいと考えております。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、平成27年度の区政の方向についての御質問のうち、まず東中野駅西口駅前広場の地域活用についてお答えを申し上げます。

 東中野駅西口の駅前広場は、道路法及び道路交通法上の道路となることから、道路を活用して祭り等の地域活動を実施する際には、それぞれの法に基づく許可が必要となります。公益上、または社会の慣習上やむを得ないと認められる場合には、危険の防止等の必要な条件を付して許可をすることができることとなっております。

 なお、実際に駅前広場を使用する場合の申請窓口は、道路管理者である中野区及び交通管理者である警視庁中野警察署となります。

 次に、東中野駅東口のまちづくりについての御質問でございます。東中野駅東口及び周辺のバリアフリー化に向けた現況調査を行うとともに、東口周辺のにぎわい創出、また回遊性の確保に資する広場空間の確保など、東中野駅東口のまちづくりについて検討を行うこととしております。この検討に当たりましては、平成23年3月に取りまとめた東中野地域まちづくり検討素案や近年のまちづくり団体によるまちづくりの検討結果を踏まえまして行うこととしております。

 次に、防犯カメラの設置についての御質問でございます。通学路防犯カメラと町会等が設置している防犯カメラとの整合性についての御質問がございました。通学路への防犯カメラ設置事業である通学路防犯設備整備事業と、町会・自治会、商店会、PTA等が設置する防犯カメラ等に対する助成をする中野区防犯設備の整備に関する補助金交付事業とは、都の補助を受け実施することとなりますが、地域団体の費用負担において異なった制度となっております。区といたしましては、通学路防犯設備整備事業が今後2カ年で実施されることを念頭に、防犯カメラの設置箇所について、地域との調整や学校との連携が必要であると考えているところですが、維持管理費等の費用負担の問題につきましては、制度が異なる点について関係者に十分に理解を得られるように努めてまいりたいと、そのように考えております。

 最後に、災害時の薬剤の流通備蓄についての御質問でございます。災害時に使用する薬剤につきましては、主に緊急に使用するものを拠点医療救護所に配備してきたところでございますが、都が示した災害用医薬品備蓄リストを区災害医療連携会議で検討し、抗生物質や総合感冒薬などの内科的治療薬を加えた薬剤を備蓄することにいたしました。新たな薬剤の備蓄及び管理は薬局で行うこととして、区の備蓄量は確保しながら、日常の調剤業務の中で使用して補充する方式といたします。これによりまして、廃棄する薬剤を極力少なくすることができるようになるものでございます。備蓄箇所につきましては、区内4カ所の薬局で行うこととしております。

○議長(伊東しんじ) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 来 住 和 行

 1 施政方針説明と2015年度予算案について

 2 保育、子育て支援について

 3 介護保険サービスの改善について

 4 防災対策について

 5 戦後70年の平和事業について

 6 東中野地域の問題について

 7 その他

  (1)性的少数者「LGBT」の権利保障について

  (2)その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、来住和行議員。

〔来住和行議員登壇〕

○41番(来住和行) 2015年第1回定例区議会に当たり、日本共産党議員団を代表し、一般質問を行います。

 施政方針説明と、2015年度予算案について。区長の施政方針説明についてお聞きします。

 施政方針説明の冒頭で、テロ組織、ISILによる脅迫と人質殺害という痛ましい事件について所見を述べられました。党議員団は、過激武装組織ISの行為は、いかなる口実をもってしても許されない残虐非道な蛮行であり、断固として糾弾します。今求められるのは、一連の国連安保理決議に基づき、国際社会が結束して、外国人戦闘員の参加を阻止し、資金源を断つなど孤立させ、追い詰め、武装解除と解体に追い込んでいくこと、日本政府の外交もこうした方向に徹していくべきです。今後、こうした悲劇を繰り返さないためにも、冷静な検証が必要だと考えます。

 第1に、2人の日本人が拘束されてからの政府の対応について、国民に納得いく説明と、検証に必要な情報を公開すること。第2に、米軍が行っているISへの空爆への支援について、「政策的にはやらない」としながら、「憲法上は可能だ」との政府の態度は、憲法違反の武力行使に当たることは明らかであり、許されるものではありません。第3に、ISのような過激武装組織がどうして生まれたのか。テロへの対抗を名目にした2001年のアフガニスタン報復戦争、2003年のイラク侵略戦争であり、戦争の混乱の中からテロ組織が組織を拡大していきました。戦争ではテロはなくせない、法と理性に基づく結束した行動こそテロを根絶できる、これが歴史の教訓ではないでしょうか。アフガン・イラク戦争に、日本政府は自衛隊を派遣しました。このことについて、真摯な歴史的検証を行うべきだと考えます。

 区長は、ことしは戦後70年を迎えることに関連して、日本が世界平和に対して一層貢献できる国になること、そして中野区は、中野区における平和行政の基本に関する条例に基づいて施策を進めてきたこと、今後も平和の取り組みを発信していくと語っておられます。そのことに共感します。本条例の精神は、憲法擁護・非核都市宣言です。区長が述べられた、「70年間一貫して平和国家の道を歩み、世界に貢献してきた」との考えには、日本国憲法9条があったからこそとの認識であると理解します。答弁を求めます。

 次に、経済の問題についてお聞きします。

 安倍政権が売り物にしているアベノミクスも実質賃金が18カ月連続減少し、日本経済の悪化はいよいよ深刻となっています。区長も、消費税率8%への改定以降、GDPが2・四半期連続のマイナスとなるなど、決して楽観できるほどではないこと、個人消費や中小企業対策などきめ細かい配慮について言及されながら、一方、経済成長戦略の力強い推進が不可欠な条件とアベノミクスへの期待の考えを変えておられません。結局、社会保障の切り捨て、大企業減税・大軍拡の消費税増税への路線であり、大企業応援の道ではありませんか。日本経済と財政再建には、個人消費、中小企業応援で、暮らし第一に転換する以外にありません。見解をお聞きします。

 2015年度予算案について伺います。

 一般会計は、前年度比で10%増の1,327億円余で過去最大規模となっています。その要因の一つは、新区役所整備と中野駅地区周辺整備、まちづくりに本格的に乗り出すものとなっていることです。党議員団に寄せられた昨年12月の区民アンケート、約2,000人の結果によれば、区役所の移転、建てかえ計画、「賛成」は13%、「反対・わからない」は78%、サンプラザ再整備計画でも、「賛成」11%、「反対・わからない」は81%となっています。区役所移転先も、体育館建てかえ場所も確定せず、総事業費も示さない中で、用地を土地開発公社から買い戻すやり方は、区民無視、関係者、議会軽視の暴走との批判は避けられません。

 予算案で示された新規事業の中には、規制緩和と大企業呼び込みの国家戦略特区への追加指定をもくろみ、グローバル戦略検討委託費などが盛り込まれています。新区役所移転整備、中野駅地区周辺整備などの大規模開発は区民合意が得られておらず、見直すべきです。答弁を求めます。

 一方、党議員団が要望してきた福祉タクシー券の改善、社会科見学バス代補助などが予算化されたことには評価します。

 以下、繰り返し提案し、求めてきた3点に限りお聞きします。

 第1に、命と財産を守ることについて。阪神大震災から20年、6,434人の死因の9割近くは家屋倒壊などによる圧死、震災翌年の民間調査による阪神大震災では、死者が出た住宅の95%が一戸建てや長屋など、旧耐震基準の家屋であったと言います。中野区は、新築、建てかえによる個人の責任に委ねる立場を取り続けています。首都直下地震が迫る中、区民の命を守る区政の役割が求められます。実施している中野区以外の22区の木造住宅耐震工事助成は、2012年度実績で約1,600件となっています。中野区も木造住宅を地震の一撃から守るために、助成制度に一歩踏み出すべきではありませんか。答弁を求めます。

 第2に、商店振興助成について伺います。

 中野区の主な産業の中心は、地域商店街を構成する小売業です。個人消費の落ち込み、大型店の進出などで後継ぎ問題もあり、閉店の危機が年々増しています。この間の中野区統計によると、卸売、小売業は、この10年間で1,000件減少しています。各自治体で制度として広がっているリニューアル助成は、商店街を活気づけ、新たな個店を呼び込み、地域の新たな仕事を起こすなど、二重、三重の効果を上げています。イベント事業への支援と同時に、リニューアル助成制度や個店への支援メニューを検討してはいかがでしょうか。答弁を求めます。

 第3に、区立学校の施設改善、改修について伺います。

 区立中学校PTA連合会から毎年、教育環境及び施設整備の改善要望書が提出されています。これまでもトイレの改修について要望がされてきました。区立学校の現在の洋式トイレの割合は、女子で3割から4割、男子で5割から6割です。新しくなった中野中学校は、洋式化率は95%、トイレの数も67個。北中野中は、トイレ数は半分以下の30個です。生徒数は、両学校ともほぼ同数であるにもかかわらず、格差が拡大しています。PTA関係者の要望にこたえ、早急に対応すべきではありませんか。教育委員会は、トイレの洋式化と生徒数に見合った個数確保にもっと真剣に取り組むべきです。見解を伺います。

 さらに、特別教室の冷房化については、家庭科室、図工室、美術室等の未実施についても、教育環境を整えるため、早期に特別教室の全面冷房化を実施すべきです。答弁を求めます。

 次に、保育、子育て支援について伺います。

 まず、待機児ゼロの達成について。認可保育所の増設で、待機児をゼロにすることを一貫して求めてきました。中野区が認可保育所中心での待機児解消に努力していることについては評価します。ことし4月に認可保育所を希望しながら、承諾となった人は何人で、不承諾となった児童は、第1次で何人となったのか、答弁を求めます。

 民間マンションや民間住宅などの賃貸物件での増設や民間事業者任せの待機児解消では、計画の達成はできないということではありませんか。区の責任で園庭つきの保育所を確保するため、国・都有地の活用の情報を求めるとともに、廃校になった学校施設跡地や区有地での増設をすべきではありませんか。お答えください。

 次に、学童クラブの待機児問題についてお聞きします。

 2015年4月に学童クラブに入所を申請しながら待機が見込まれる児童は、2月現在、昨年並みの待機児が出ることが見込まれると聞きます。この間、中野区は、学童クラブの待機児は増える傾向にあることを認識しながら、民間事業者による新規開設に委ねてきました。民間任せでは、保育園と同様に待機児解消の抜本的解決にはなりません。区は、昨年新たに6年生まで受け入れる条例まで制定しました。

 そこでお聞きします。4月の学童クラブの待機児を出さないために、区の責任で、学校施設及び区有施設を活用するなど早急の対応をすべきではありませんか。答弁を求めます。

 次に、保育園保育料について伺います。

 保育料の改定が新制度によって、所得税方式から住民税方式に変更されることにより、値上げとなる世帯が出てきます。加えて、年少扶養控除の廃止に伴い、負担増となる家庭も出てきます。国の子ども・子育て会議では、現在入所している人は、卒園するまでの間は市町村の判断で経過措置を設けたほうがよいとしています。厚労省も、負担の影響が生じることから、保育料などの算定に当たり、扶養控除を見直し前の旧税額を計算するなどにより、影響を可能な限り生じさせない対応を求めています。中野区も、新制度のもとで、在園児はもちろん、新入園児についても保育料の値上げにならないようにすべきです。答弁を求めます。

 次に、サービス推進費について伺います。

 東京都の私立保育所への社会福祉施設サービス推進費補助金として支給されている地域子育て事業の補助金が4月から新制度の実施により一部が支給されなくなります。推進費による事業は、保育園や幼稚園に入っていない親子が通うサークル活動や出前保育など、地域に密着したものです。東京都は、保育サービス推進事業補助で補うと言いますが、事業の低下は避けられません。これまで同様に地域の子育て中の親子がサービスを受けられるよう、中野区として独自に補助を考えるべきです。答弁を求めます。

 次に、介護保険サービスの改善について伺います。

 まず、基盤整備について。介護の社会化、利用者本位の介護保険制度がスタートして15年になります。昨年末の党区議団が実施したアンケートでの医療、介護の複数回答では、特別養護老人ホームの増設が突出しており、2年連続同じ結果となっています。区内特養ホームの待機者は、1,200人を超えています。在宅での生活が難しい方に限定した特養ホーム整備計画となっているため、待機者が解消できずにきました。中野区は、保険者としての責任を果たせていません。特養ホームの整備計画を前倒しし、統合後の学校跡地、都や国有地、民間用地への働きかけなど、特養ホームの増設を進めるべきです。答弁を求めます。

 この4月から、介護保険サービスごとに事業者の受け取る報酬が改定されます。特養ホームは、各種加算を加えても、1施設当たり年額1,500万円程度の収入減となり、4人分の人件費の相当額と試算されています。運営団体では、「5割近くの施設が赤字になり、介護難民が増える」と悲鳴が上がっています。既に施設によってはサービス内容や職員へのしわ寄せとなっています。心配なのは、今後の特養ホーム増設に影響が出ることです。国に対し、介護サービス事業者に対する介護保険報酬の引き下げを行わず、国庫負担割合の引き上げ、介護職員のさらなる処遇改善を図ることを求めるべきです。さらに、東京都には、整備補助を引き上げること、都有地の積極的な提供、賃貸料の減額制の拡充、借地料への補助の5年期限をなくすことなどを求めるべきではありませんか。答弁を求めます。

 介護サービスについて。要支援1、2の介護サービスについては、新統合事業によって、通所、訪問介護サービスが介護保険から外され、地域支援事業へ移行されます。中野区第6期介護保険計画案では、「専門的サービスに加え、元気高齢者を含む地域の人たちやNPO法人など多様な担い手の参画によって支援していく」として、ことさらボランティアによる互助を強調されています。これまで党区議団は、要支援者が介護給付から外されることがあってはならないとの立場から、ヘルパー派遣やデイサービスの現行水準を後退させないことなどを求めてきました。中野区は、地域支援事業移行実施目標を平成28年4月と予定していますが、サービスの担い手も仕組みも見通せない中で、実施目標年月だけを決めるのでは、サービスの低下は避けられません。地域支援事業への実施移行年月を再検討すべきです。答弁を求めます。

 次に、保険料について伺います。

 さきに紹介した党区議団のアンケートにも、保険料、利用料の負担軽減への要望は強いものです。予算案によると、保険料の改定は、基準月額を5,660円とし、年間4,800円の値上げとなっています。準備基金を投入して値上げを抑えたと説明されていますが、前期は第1号被保険者1人当たりの準備基金残高は23区でトップクラスの中野区です。保険料を値上げせず据え置くために、準備基金と一般財源を繰り入れて軽減すべきです。答弁を求めます。

 次に、防災対策について。まず、備蓄物資の確保についてお聞きします。

 当初予算案で、災害用備蓄薬品の配備が予算化されたことは評価します。党区議団のアンケートで、自宅に防災用備蓄物資を用意している人は約6割です。中野区が備蓄している食料は、1日分の確保となっています。2日目以降については、東京都からの支援に頼るというものです。1日分としているのは、1977年の合意によって、東京都と23区が備蓄等分担の量を決めたものです。38年前であり、実態に合わなくなっています。合意そのものを見直すべきではありませんか。

 東京都も、さらなる備蓄物資確保を推進しており、中野区も都に働きかけ、備蓄の絶対量と備蓄場所の確保をあわせて東京都に求めるべきではありませんか。答弁を求めます。

 次に、感震ブレーカーの普及と補助について伺います。

 国の中央防災会議は、地震火災を引き起こす主な要因として、電気を要因とする火災等が考えられると、感震ブレーカーの100%配備の方策等の検討を進め、早急に実施すべきことを求めています。党議員団は、設置の必要性と効果は高いとの立場から検討を提案してきました。東京都でも、有効性を確認していると聞いています。感震ブレーカーの設置補助制度とあわせ、啓発についての区の見解をお聞きします。答弁を求めます。

 次に、中野区内には公衆浴場が少なくなったものの、21カ所あります。中野区は、井戸水の提供について協定を締結しており、被災時の地域にとって心強いものです。浴場の井戸は手動式でなく、停電となると水を汲み上げることができません。必要なときに協定の機能は停止してしまいます。浴場との協定井戸については、非常用の発電機を設置しておくべきではありませんか。区からの配備が望まれております。答弁を求めます。

 次に、避難所における弱者対策について、3点伺います。

 避難所となる学校体育館での間仕切り段ボールは用意されていますが、隣との間隔がない中での避難生活は大変困難です。現在用意されているのは、高さ90センチメートルと低いため、特に要介護者や女性にとってストレスとなります。他区においても、高さの確保と素材についても、質の高い間仕切り段ボールへと変更が実施されております。中野区としても、再配備を検討すべきではありませんか。答弁を求めます。

 同じく、段ボールを活用したベッドについて。段ボール事業者によって製造されている段ボールベッドの活用が実用化されています。段ボール業者と協定を締結し、必要なときに提供してもらえることから、協定を結ぶ自治体もあります。中野区でも活用できるよう準備、検討してはいかがでしょうか。答弁を求めます。

 次に、リフトつきトイレカーについて伺います。

 避難所でのトイレ問題は、深刻となります。東日本大震災の被災地でも、ボランティアとして活躍したリフトつきトイレカーがあります。海老名市を本拠地として活動するNPOで運営されています。先日、党区議団は、リフトつきバイオトイレカーに試乗させてもらいました。トラックを改造した移動トイレカーは、においもなく、車いすでも利用できることから、日常的には各地のイベントで活用が行われています。ことしは、東京都の防災訓練に参加が要請されているとのことです。災害時のトイレ問題は重要な課題です。特に障害者、高齢者にとって、死活にかかわる切実な問題となります。中野区も防災訓練等で協力を依頼し、活用を検討してみてはいかがでしょうか。答弁を求めます。

 次に、戦後70年の平和事業について伺います。

 新年度予算案で「平和のつどい」など、終戦70年の平和事業が拡充されたことについては評価します。苦しい戦争を体験され、戦後の困難を乗り越えてきた方々も高齢となり、亡くなる方も少なくありません。この悲劇を再び繰り返さないとの思いから、体験を語り継ぎ、記録を残していくことは私たちの責任です。これまでの記録を保存するには、デジタル化も大切なことです。同時に、戦後70年の今だから語れる、書けるという人たちもいます。

 お聞きします。新たな記録を発掘していくことや、次の世代に引き継ぐ企画として、広島、長崎の惨状を伝えるため、親子で被爆地を訪ねてもらうなども考えられます。さらに、戦後70年を節目とした事業企画を区民参加で提案していただく場づくりも含めて検討してみてはいかがでしょうか。答弁を求めます。

 国際交流の強化について。北京市西城区との友好都市提携から来年は30年、韓国の陽川区との姉妹都市提携から5年を迎えます。昨年秋に市民友好団体の一員として西城区を訪問する機会を得、西城区との交流が実現。その席で、昨年11月30日に西城区の代表団が中野区を訪問した際に、区長、区議会議長から受けた歓迎に感謝されていることが伝えられました。西城区側から少年野球チームがことしの7月に中野区を訪ね交流すること、市民レベルの交流をことしは積極的に実施したいとの強い思いが語られました。中野区としても、西城区、陽川区との市民間の交流に具体的支援をしていただくとともに、あわせて区長自身も友好訪問をされてはいかがでしょうか。答弁を求めます。

 東中野地域の問題について伺います。

 まず第1に、東中野駅東口のバリアフリー化について。東中野駅東口は、区道からの階段を加えて、34段上って改札口となり、ホームにはさらに階段をおりることになります。地元では、友愛クラブや商店会からJR東日本に対し、陳情、要望活動が行われてきました。中野区も都市計画マスタープランで、「駅東口及び駅周辺のバリアフリー化を進め、高齢者、障害者などが不自由なく駅を利用できるよう、鉄道事業者に駅舎の改善を要請する」、このマスタープラン制定から5年になります。中野区は、1度もJRに東口のバリアフリーについて要請をしてきませんでした。昨年8月には、特別議長会から、東京都と国に対し、「23区内の1日5,000人を超える改札出口については、2ルート目のエレベーター設置に助成を」と要望が出されました。東中野駅東口駅利用者は、1日1万7,000人と聞きます。

 東口利用者の中には、北新宿二、三、四丁目に居住されている方も多いと思われます。昨年9月の新宿区議会決算特別委員会での日本共産党佐藤議員の質疑に、「中野区のほうの状況も逐次確認しながら、新宿区のほうとしても何ができるか、今後も継続して検討していく」との答弁でした。中野区は、新年度に東口のまちづくり、バリアフリー調査を実施するとのことです。まちづくりの合意には時間がかかります。東口のバリアフリーの実現は緊急の課題です。まちづくりとは別に、新宿区とも調整をし、早急に東中野駅東口のエスカレーター、エレベーターの設置をすべきです。答弁を求めます。

 次に、東中野小学校跡地活用問題について伺います。

 東中野小学校跡地及び中野区教職員寮跡地の売却と活用に関する問題は、小学校跡地に東中野地域の避難場所が確保されること、子どもたちのスポーツ、遊びができる広場であり、地域区民が活用できる場所として確保すること、これが地域と区民の一致した多くの意見です。跡地の活用で最大の問題となっているのは、中野区と教育委員会が学校統廃合の説明会で、東中野小学校の廃校後は、跡地を売却せず、地域の避難場所、子どもの広場として活用をすると約束してきたことにあります。今回示された基本計画案では、跡地全体の5分の3を売却するものです。当時、廃校に反対の声を上げる保護者、地域住民、学校統合に疑問を持った広範な区民と議会を欺いてきたことになります。加えて、区政への信頼を失うものです。跡地売却計画案は撤回し、住民参加で跡地の活用を再検討すべきです。答弁を求めます。

 その他として、性的少数者「LGBT」の権利保障についてお聞きします。

 日本では、同性愛者やトランスジェンダーなどの性的マイノリティの方は、法律や制度に十分守られていないことから、生きづらくなっているのが現実です。そして、同性カップルはアパートへの入居を拒否されたり、病院での面会を断られるケースも問題になっています。渋谷区では、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認め、証明書を発行する条例案を3月議会に提出するという報道がありました。世田谷区も検討するとのことです。同性同士をパートナーとして証明するのは、全国の自治体でも初めてとのことです。

 最近の特徴として、国際的に権利の保障が段階的に進んでいること、当事者やその支援者の情報発信もあり、日本でも若年層を中心に世論の変化が起きています。中野区議会においても、この間、石坂わたる議員の質問や問題提起もあり、議論の醸成が徐々に高まっていることを感じます。中野区としても、渋谷区の条例案を参考にするなど、性的少数者の権利保障を深くとらえ、具体的に支援できる区としての施策を一歩進めるべきではありませんか。答弁を求めます。

 以上で全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 来住議員の御質問にお答えをいたします。

 日本が70年間一貫して平和国家の道を歩んできた、このことについて、憲法第9条と平和についてといった形での御質問がありました。日本が平和でいてこられた、このことの背景には、日米安全保障条約やあるいは専守防衛を基本とする防衛政策があり、また経済や科学技術などの面での世界に対する貢献、そして国際協力などの平和外交、そうしたさまざまな取り組みを時の政府や国民が営々として重ねてきた、このことがあったとこのように考えております。そうした国の成り立ちをつくり出していく上で、日本国憲法、このことが基本となって大事な役割を果たしている、これは当然のことであります。国民主権、平和主義、基本的人権、この考え方が日本国憲法の理念に基づいて普遍的価値として定着をしてきている、このことを私は認識をしているところであります。

 9条について言いますと、国際紛争の解決手段としての戦争を一切放棄する、このことについて、これからも変わるべきでないという考え方だと思っております。しかしながら、防衛力ということについての位置付け、そうしたことについてのさまざまな議論があるという認識は持っているところであり、国民的に議論をしていく、そうした課題であるだろう、このように考えております。

 アベノミクスについてであります。政府による金融政策や財政政策によって、着実に雇用の改善や所得の上昇傾向につながっており、内閣府の10月から12月の速報値において、実質で0.6%の成長となり、3期ぶりの成長となったこと、このことも示しているとおり、景気回復は緩やかに進んでいると認識をしているところであります。

 今後の持続的な経済成長を達成するためには、経済成長戦略の力強い推進が不可欠であり、区による個人消費や中小企業対策も含めた、柔軟で機動的な対策とあわせて、確かな経済成長への道筋をつけていく必要がある、このように考えているところであります。

 中野駅周辺整備の見直しについてであります。中野駅周辺の開発は、平成24年に区民の皆様などの意見を伺いながら改定をいたしました中野駅周辺グランドデザインVer.3に基づいて、区と民間がともにまちづくりに取り組んでいるところであります。活力ある持続可能な社会の実現に向け、今後も着実にまちづくりを進めていきたいと考えております。

 それから、木造住宅耐震補強工事の助成についてであります。これまでどおり、個人の財産形成につながることとなる耐震改修には、直接これを補助していないという、このことは原則として続けていきたい、このように考えております。しかしながら、無料の耐震診断等によっての一定の成果が上げられている、このことも見逃してはならないことだと思います。

 不燃化促進事業や木造住宅の密集地域整備事業を実施している地域等では、地域の安全性を向上させるという公共的な目的で、耐震性能の低い木造住宅を建てかえる際の費用助成を行っているところであります。さらに、緊急輸送道路に指定されている沿道では、耐震化促進事業を推し進めているところでありまして、今後、耐震補強工事助成の拡充も図ることとしているところであります。

 それから、商店街のリニューアル助成や個店への支援メニューについてであります。商店リニューアル助成については、区として、制度の導入の必要性はないと考えております。個店への支援につきましては、国や都の支援メニューの周知、情報提供を図ってまいります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校施設の改修についての御質問にお答えをいたします。

 トイレの洋式化につきましては、学校施設整備計画や耐震補強工事などの施設改修と調整を図り、計画的に進めているところでございます。また、特別教室の冷房化につきましては、昨年度より小学校では図工室、中学校では理科室で計画的に整備を進めており、引き続き他の特別教室についても計画的に取り組んでいく考えでございます。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、保育、子育て支援の御質問にお答えをいたします。

 まず、認可保育園の1次調整の申し込み状況についての御質問がございました。平成27年4月入所に向けた利用調整における途中経過の数字ではございますが、昨年12月10日時点での認可保育園等の申し込み数は、昨年より210人多い1,842人でありました。利用調整の結果、1月末に通知した入所承諾数は昨年より250人多い1,096人、入所不承諾数は昨年より40人少ない746人ということでございます。

 それから次に、保育施設の整備についての御質問がございました。区は、さまざまな保育ニーズに対応するため、区有施設を活用した保育所整備や小規模事業の誘致など、多様な対策を講じているところでございます。今後もこうした対策を継続し、さらに新たな保育施設等を誘致するに当たっては、事業者や土地・建物所有者との連絡調整を密にしながら、施設を着実に整備してまいりたいと考えてございます。

 区有地の活用につきましては、さまざまな角度から検討をしておりまして、今後とも確保に努めていきたいと考えております。

 それから次に、保育料の算定の年少扶養控除の取り扱いについての御質問がございました。旧年少扶養控除だけではなく、個々の世帯の状況に応じて保育料が若干増減する場合はあると考えてございますが、新制度における保育料の算定基準の変更に当たりましては、区民の負担が同程度となるよう、所得税額から区民税額をもとにした基準に変更する予定でございます。旧年少扶養控除の再算定につきましては、区としては同控除の廃止後、一定期間が経過していることや、所得に応じた適正な負担を求める必要から廃止するものであり、在園児につきましても、新入園児についても再算定する考えはございません。

 それから次に、地域支援に関する私立保育園への支援についての御質問がございました。子ども・子育て支援新制度のもとにおきまして、保育園等においては、子育て相談や子育て教室など育児のノウハウを在宅乳幼児の保護者に提供し、育児不安の解消等の子育て支援を行うことを進めていきたいと考えてございます。

 東京都の補助制度の見直しにつきましては、区に対する情報提供も遅く、見直しの考え方の説明もないことから、早急な対応は困難であると考えてございます。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、保育、子育て支援についてのうち、学童クラブの待機児解消と東中野小跡地活用に関する2点の御質問にお答えをいたします。

 まず、学童クラブの待機児解消についてでございますが、この4月からの学童クラブの利用につきましては、現在、各クラブの申し込み状況等を踏まえて利用調整を行っているところでございます。学童クラブの利用需要に対する確保方策といたしましては、民間学童クラブの誘致を進めているところでございまして、今後も需要を見きわめながら対応していきたいと考えております。

 次に、東中野小跡地活用問題についてでございます。昨年3月に策定いたしました整備基本方針におきまして、東中野小学校跡地及び中野区教職員寮跡地につきまして、東中野区民活動センターと公園を整備いたしまして、区が使用しない部分につきましては、財源確保の観点から売却することを決定しております。

 昨年11月、この整備基本方針に基づきまして、東中野区民活動センター及び(仮称)東中野五丁目公園整備基本計画(案)を作成いたしまして、12月に区民説明会を開催したところでございます。本年3月には、売却を含む整備基本計画を決定したいと考えております。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 介護保険サービスについての御質問の項目の中で、特別養護老人ホームの整備についてお答えをいたします。

 区では、介護保険事業計画に盛り込んでおります施設整備目標を達成するため、公有地、民間用地の活用を図りながら、特別養護老人ホームの整備が着実に進むよう取り組んでまいります。

 また、特養整備に係る国、都への要望についてという御質問でございますが、特別区区長会としましては、これまでも国、都に対して公有地の優先的な活用や貸付料の軽減等を要望してまいりました。国や都におきましては、消費税率の引き上げや建設費高騰に対応した特別養護老人ホーム整備補助単価の一定の見直しが行われてございます。また、都の新規事業として借地料への補助が始まっているところでもございます。新たな要望につきましては、これらの動向を見て判断をしてまいりたいというふうに思ってございます。

 それから、日常生活支援総合事業の実施時期ということについての御質問でございます。介護予防、日常生活支援総合事業は、現行の予防給付の訪問看護、通所介護サービスに相当するサービスに加えまして、多様な生活支援サービスについてもプランに組み込むようケアマネジメントすることで、要支援者の総合的な支援を目指すものでございます。円滑な事業実施を図るため、生活支援サービスの提供主体となり得る関係団体等との調整を含め、準備期間に1年を当て、平成28年の実施を予定しているところでございます。

〔区民サービス管理部長白土純登壇〕

○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、介護保険サービスの改善についての御質問のうち、2点についてお答えをいたします。

 まず、介護報酬の引き下げに伴う国や都への要望についてでございます。今後も介護費用が増加し続けることが想定される中で、国庫負担率の引き上げは極めて厳しいのが現状であると認識しております。また、介護従事者の処遇改善策につきましては、介護保険制度の中でさまざまな対策を講じてきており、第6期においても、介護報酬における介護職員処遇改善のための加算を拡大する予定でございます。したがって、介護報酬等について、区として国や都へ要望することは考えてございません。

 次に、介護保険料額の据え置きについてでございます。第6期介護保険事業計画期間中の介護保険料額につきましては、可能な範囲で介護給付費準備基金の繰り入れを行い、負担額の変化を緩和することを考えてございます。また、介護保険制度の仕組み上、保険料軽減に要する費用に一般財源を充てることは適当ではないと考えております。したがって、区として介護保険料額を据え置くために一般財源を投入する予定はございません。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、防災対策についての御質問にお答えいたします。

 まず、災害時の食料供給における都区役割分担の見直しと備蓄物資についての御質問がございました。都、区の役割分担を定めた昭和52年の合意については、都と23区の合意でありまして、当区の判断だけで見直しについて言及することはできません。備蓄物資につきましては、被害想定に基づき、区として都区合意による備蓄量は確保しているところでございますが、区内における備蓄物資や備蓄場所の確保につきましては、都に働きかけ、さらに充実させていきたいと考えております。

 次に、感震ブレーカーの設置促進についてでございます。都は、平成26年12月に示した東京の防災プランに、出火防止対策の一つとして、感震機能つき分電盤等の設置を自助の取り組みとして位置付けているところでございます。区といたしましては、電力事業者の取り組みなどを確認しながら、その効果の把握などにまずは努めてまいりたいと考えております。

 次に、公衆浴場に対する非常発電機の設置についてでございます。初期消火、応急給水ともに期待されている公衆浴場でございますが、電源については、東京都の被害想定によれば、17.7%が停電により電力を失うという想定から、一定の電源確保ができるものと考えており、使用可能な場合は活用する協定を締結しているところでございます。給水につきましては、スタンドパイプの配備も進めており、備蓄等も組み合わせて考えておりますが、区が予備の発電機を備蓄しておくといったことについても検討してまいりたいと考えております。

 次に、避難所における間仕切りの変更についての御質問がございました。間仕切りや目隠しはさまざまなものが商品化されており、プライバシーの保持、扱いやすさ、収納性、値段等を総合的に勘案して配備しております。今後ともプライバシー等に配慮した、避難所にふさわしい間仕切りについて検討してまいりたいと考えております。

 それから、段ボールベッドの活用についての御質問でございます。民間事業者との災害協定において、段ボールベッドの提供を受ける自治体があることは承知しているところでございます。区としては、段ボールベッドを想定していない体制で備蓄品を確保しているところでございますが、今後、その必要性については検討していきたいと考えております。

 次に、リフトつきトイレカーの活用についての御質問でございます。トイレを車に搭載したトイレカーで、リフトつきのものは台数は少ないと聞いているところでございます。手配できる台数、使い勝手、防災訓練の会場の制約等から、訓練等への参加や活用については慎重に検討していきたいと考えております。

 次に、東中野駅東口のバリアフリー化についての御質問でございます。早急に取り組むべきだという御質問でございました。バリアフリー化の取り組みは重要でございますが、単なるバリアフリー化だけでは地域の活性化に資するものではないことから、東口周辺のにぎわいの創出や回遊性の確保に資する歩行者中心の広場空間の確保などを含め、東中野駅東口のまちづくりについて検討を予定しているところでございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、戦後70周年の平和事業についてと、性的少数者「LGBT」の権利保護についてお答えいたします。

 初めに、平和事業についてでございます。戦後70年を節目として、区内中学校での戦争経験者が体験談を語る事業を予定しており、この取り組みを通じて新たな記録を発掘してまいりたいと考えてございます。また、親子で被爆地を訪問する事業についてでございますが、参加者が限定されてしまうため、考えてございません。広く戦争の悲惨さと平和の尊さを若い世代に継承していくことも含めまして、広く区民に向けて平和の集いを実施したいと考えてございます。

 次に、国際交流についてでございます。市民交流としては、来年度は中国西城区の少年野球団が来日し、親善試合を行うこととなってございます。今後も中野区国際交流協会を通じた支援を行ってまいりたいと思います。区長の公式訪問については、現在のところ考えてございません。

 次に、LGBTの権利保障についてでございます。少数者の人権を尊重し、男女平等参画など多様性を認め合う社会の実現に向けた取り組みについては、講座や研修の実施等を通じて区民の意識啓発を行っているところでございます。同性カップルの証明の取り組みにつきましては、法的な効果について現時点では確認できないため、今後の議論に注目していきたいと考えてございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で来住和行議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時43分休憩

 

午後3時05分開議

○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 酒 井 たくや

 1 区長の施政方針説明について

 2 スポーツ推進について

 3 自転車施策について

 4 臨時福祉給付金と子育て世帯臨時特例給付金について

 5 その他

 

○議長(伊東しんじ) 酒井たくや議員。

〔酒井たくや議員登壇〕

○27番(酒井たくや) 平成27年第1回定例会におきまして、民主党議員団を代表し、一般質問いたします。質問は通告のとおり、区長の施政方針説明について、2点目はスポーツの推進について、3点目は自転車施策について、そして4点目の臨時福祉給付金と子育て世帯臨時特例給付金については、今回は取り下げさせていただきます。その他はございません。

 それでは質疑に入ります。

 まず、1点目の区長の施政方針説明について。まち活性化戦略についてお尋ねします。

 施政方針説明の中では、中野駅周辺を東京の新たなエネルギーを生み出す活動拠点とするための整備を進展させていくことや、区役所・サンプラザ地区の再整備実施方針の策定について触れられております。区長は、2月5日の当初予算案の概要の記者会見において、区役所の移転先を区庁舎北側にある中野体育館と体育館の南の駐車場、駐輪場の敷地に2020年度をめどに整備を進めることに言及されました。新区役所予定地の用途地域は、第一種中高層住居専用地域であり、都市計画上の制限があります。あわせて、今後の東日本大震災からの復興整備とオリンピックにおけるインフラ整備とも相まって、より公共事業におくれが出ることも予想され、スケジューリングも厳しいのかなと感じます。これまでも当該地を最優先で整備するとしていましたが、改めてどのような理由で建設地と建設年度を示されたのか、お尋ねします。

 現在の中野区役所本庁舎の建物は、昭和43年9月の竣工から46年が経過し、老朽化が進み、毎年修繕工事を行いながら使用している状況にあります。また、建設以降の行政サービス機能の拡大などによる執務スペースの狭隘化、ワンストップサービス構築に当たっての構造上の制約、防犯、安全性を高めるためのセキュリティ確保、また災害時に機動的に対応できる機能の整備など、さまざまな課題を抱えています。

 しかし、新庁舎建設となると莫大な予算が必要であります。豊島区では、財政負担なしに全国初のマンション併設の新庁舎を建設しており、間もなく竣工されます。渋谷区でも、定期借地の権利を充てて、区の財政負担なしで庁舎などの建てかえを発表しました。他区でもさまざまに知恵を絞り、工夫をし、区民負担を抑えて新庁舎建設に取り組んでおります。区民負担を最小にして、最大価値を持った新庁舎建設でなければ区民の理解は到底得られません。お考えをお聞きします。

 次に、新中野体育館に関してですが、新区役所の位置は決まりましたが、新中野体育館の位置は未定であります。当初、中野体育館は元第九中学校跡地に整備する予定でありましたが、現在はその考えが撤回され、白紙の状態であります。そうした中で、庁舎の移転先が現中野体育館の場所となり、その体育館の行き先が示されていないのは、スポーツの愛好者にとって大きな不安を感じるものであります。早急に考えを示すべきです。また、体育館の新築に当たっては、利用者にとって切れ目のない転換を図るべきです。見解をお聞きします。

 また、まち活性化戦略では、JR東中野駅東口に関しても触れられております。3月1日にはJR東中野駅西口広場開設記念式典も開かれますが、東中野地域では、駅の東西においてにぎわいの格差が開いている状況です。JR東中野駅東口は、階段を2度昇降しなければホームまでたどりつけず、近隣の駅を見渡してもない特異な構造となっており、高齢者、体の不自由な方、子ども連れの親御さんにとっては非常に不便であり、バスに乗り、エレベーターやエスカレーターのある駅西口を利用されている方もいらっしゃいます。東口バリアフリーは、地元住民にとっての悲願であります。来年度予算では、東中野駅周辺まちづくり調査が300万円余計上されておりますが、この調査からいかに具体的なものにつなげていくのか。中野の玄関口でもある東中野駅東口のバリアフリーの必要性について、区長はどのようにお考えか、お聞かせください。

 また、この東中野駅東口は、区境で新宿区民も多数利用しております。現在、新宿区は、JR新宿駅の開発の件でJRとさまざまな交渉をしているとも聞きます。新宿区とも連携し協議することが、東口バリアフリーをより前へと進めるはずです。お考えをお聞きします。

 東中野駅は、かつて東口側が非常ににぎわっており、週末には歩行者天国も行っていたとも聞きます。現在は、駅前広場も間もなく開設される西口、山手通り側がにぎわっており、東口側は少し寂しい感もあります。今後、東中野駅東口バリアフリーを進めるに当たり、駅のバリアフリー化だけではなく、東口のまちの活性化につなげていく必要があります。見解をお聞かせください。

 次に、元気いっぱい子育て戦略についてお尋ねします。

 元気いっぱい子育て戦略では、来年度からスタートする子ども・子育て支援新制度の取り組みとして、多様な保育の充実を図ること、また妊娠から出産、子育てまで、個々のニーズに即した継続的な支援や小学校の通学路の安全対策などが触れられております。昨年は消滅自治体という物騒な言葉も飛び交いましたが、超少子高齢化の時代に、中野で子どもを生み育てたいと思える環境づくりが急務で、子育て世代を呼び込む施策を展開する必要があります。昨年末に示された平成25年東京都人口動態統計年報による合計特殊出生率では、前年より数値は改善されているものの、諸島部を除けば、中野区の0.93が都内最低の数字でありました。また、1月22日の総務委員会で報告された中野区区民意識調査・実態調査報告書の定住意向についての区民アンケートでは、中野区から転出する理由では、「子育て・教育環境が悪いから」と答えた方が19.2%と、昨年と比べ4ポイント上がっているような状況であります。区としてのさまざまな子育て支援の取り組み、御努力は重々理解しておりますし、この数値は、区の取り組みだけでなく、外部要因も大きく影響します。しかし、この数字を真摯に受けとめる必要があります。区長の見解と、数字を改善していくための方策をお聞かせください。

 子育て世代にとっては、子育て・教育環境が自治体を選択するに当たっては、当たり前ですが、一番の目安となります。区として、区民ニーズに迅速に対応する子育て支援の施策も必要であると考えますが、それとあわせ、私は広報・イメージ戦略も重要だと考えます。「子育てするなら中野区」と感じていただけるような施策の展開と、広報・イメージ戦略をあわせて発信していくべきです。いかがでしょうか。お聞かせください。

 都市部においては、待機児童の状況は深刻で、中野もそうであります。今年度4月は、認可保育所の待機児童は635名、認証・認可等合わせても、待機児童になった子どもたちは241名もいました。他区でも、今年度は待機児童対策には大規模で機動的な取り組みがなされました。中野区においても、26年第3回定例会で、400人規模の待機児童解消の補正予算が提案され、可決されました。内容は、60人規模の認可保育所5カ所の整備と、20名規模の小規模保育事業を6カ所整備するものでありました。この保育所誘致に関しましては、我が会派の森議員も、第3回定例会で質疑も行いました。事業者の応募を待つだけではなく、応募がしやすくなる環境整備等、積極的な取り組みが必要であるというものでしたが、その懸念どおり、予定した認可保育所が整備することはできませんでした。

 まず、この現状をどのようにとらえ、今後の施設整備に向けた取り組みを行うのか、お聞きします。

 また、待機児童の解消は、保育所の整備とあわせ、保育士不足も解消しなければなりません。この保育士不足の解消については、第2回定例会で私も指摘いたしましたが、来年度、子ども・子育て支援新制度がスタートすることにより、一層の保育士不足の問題が生じると考えます。保育士は、待遇面が悪く、離職率も高いと言われております。厚生労働省の調べによると、平成29年度末には、需要に対して保育士不足が7万人を超えるそうであります。世田谷区では、新年度予算に保育士の宿舎の借り上げを行う事業者に対し、その一部を補助を計上しております。懸念される人材不足を解消するために先手を打った形であります。これは国と都の補助が4分の3出るものです。区の予算編成方針の3の情報収集では、国や都の政策動向を注視し情報収集に努めること、予算編成方針の6の歳入の確保では、全ての事業について適用可能な国や都の補助金を再度調査し、最大限の活用を図ることとありますが、今回、国、都の制度を活用はされませんでした。中野区として保育士不足をどのようにとらえ、解消していこうとお考えか、お聞かせください。

 以上で区長の施政方針説明についての質疑を終わります。

 次に、スポーツの推進について。スポーツ活動は健康の保持・増進、体力づくりや地域社会の連帯感をはぐくむなどの大きな役割を担っています。区民がスポーツを通して世代を超えてふれあいを深めていくことは、コミュニケーション能力や思いやりの心、多様な価値観を認め合う気持ちなどをはぐくみ、青少年の健全育成にもつながり、区が進めるさまざまな施策の推進にも大きく寄与するもので、スポーツの推進は大変重要であると我々は考えております。我が会派の佐伯議員も、これまでにさまざまな提案をしてまいりました。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定したことで、スポーツ推進の機運はより高まっております。それぞれの自治体でも、2020年、オリンピック・パラリンピックに向けた機運醸成の取り組みも進められております。特に子どもたちが夢や希望を持てるよう、教育現場ではさまざまな取り組みをされることを強く要望します。

 オリンピックには、開催を契機として、各種の施設やインフラの整備、スポーツ振興等が図られ、社会に生み出される持続的なさまざまな効果があります。これをオリンピックレガシーと呼びますが、IOCはオリンピックレガシーの分野として、スポーツ、社会、環境、都市、経済の5分野を上げております。2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に当たり、中野区としては公式競技の会場がありません。しかし、そのような中でも、中野区として有形無形のオリンピックレガシーを生み出していく必要があると考えます。中野区にとっての東京オリンピック・パラリンピックとのかかわり方、そして意義について見解をお聞きします。

 さて、公式競技は行われませんが、例えば現在、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会では、各国、各地域の国内オリンピック・パラリンピック委員会に対して、日本国内の事前キャンプ候補地の紹介リストを作成しようとしており、事前キャンプ候補地の情報を募集しております。中野区を見渡しても、なかなか候補地があるのかというと難しい面もあると思います。しかし、事前キャンプは、各国のオリンピック・パラリンピック委員会が任意に実施するものであることから、施設の所有者や自治体が独自に選手団との直接交渉などを行い、事前キャンプの誘致活動に取り組むことも可能であります。また、各国、各地域のオリンピック・パラリンピック委員会が、大会期間前のトレーニングを行うのに十分な施設であると判断すれば、応募要項の要件を満たす施設以外であっても事前キャンプ地に決定される可能性もあります。2020年東京オリンピック・パラリンピックの公式競技の会場は区内にないからこそ、区として事前キャンプ地を誘致することにより、子どもたちや地域がより身近にオリンピック・パラリンピックを感じることができるはずです。見解をお聞きします。

 次に、話はがらりと変わりますが、球技開放について、スポーツの推進の中でお尋ねします。

 小学校の校庭の球技開放については、「学校教育に支障のない限り、当該学校のスポーツ施設を一般のスポーツのための利用に供するよう努めなければならない」とするスポーツ基本法の精神に基づき、運動会や学芸会、学校公開日などの学校利用を除き、原則土曜、日曜、祝祭日はコンピュータ抽せんにより利用団体が決められ、開放されております。これまでも球技開放により、区内の多くの野球やサッカーチームが地元地域で活動し、スポーツを通して子どもたちの健全育成や地域コミュニティの形成などを行ってきました。今後、オリンピック・パラリンピックの機運醸成や区民が気軽にスポーツに親しめる環境づくりなども含め、さらなる場所の確保が重要だと考えます。

 中野区の小学校は、学校再編前には29校ありました。1次の学校再編計画により、29校が25校になり、そして現在策定されている学校再編2次計画が完了すると区内小学校は20校となります。学校再編により学校の全体数が大幅に減少していく中で、区民の球技開放の場が失われていくことも懸念されます。

 そこで伺います。区は今後の区民のスポーツの振興について、学校施設の有効利用と場の確保についてはどのようにお考えか、お伺いします。

 以上でこの項の質問について終わります。

 次に、3番、自転車施策についてお尋ねします。

 自転車は子どもからお年寄りまで、幅広い年齢層で利用されている最も身近な交通手段であります。しかし、駅前や道路等への放置自転車、また近年大きな問題になっている交通ルール、マナーを守らない利用者の増加と自転車が関与する事故の多発など、解決すべき課題は多くあります。中野区内では、平成22年以降、交通事故全体に占める自転車の事故関与率が毎年40%台と高い割合で推移もしており、また全国的にも高額な賠償責任を負う事故事例も多く、この自転車利用の問題に関しては、これまでも多くの同僚議員が取り上げられました。自治体の自転車施策を考えると、走行空間の整備、明確化ということで、いわゆる「走る」ということ、ルール、マナーの効果的な啓発周知で「守る」というもの、総合的な駐輪対策の推進で「とめる」というもの、この「走る」、「守る」、「とめる」の三つに分けられると考えます。

 まずは、「とめる」こと、駐輪対策についてお尋ねします。

 平成4年から平成13年まで、中野区では、中野駅の放置自転車台数が約2,500台と、東京都調査で毎年ワースト10に名を連ねているような状況でありました。区長も、過去には交通対策課長としてもこの問題に取り組まれました。放置防止指導や撤去の徹底により、放置自転車は減少し、効果は大きくあらわれていると考えます。現在、区内全ての鉄道駅周辺には自転車駐車場の設置が行われ、整備されており、自転車等放置規制区域の指定も完了しております。この規制区域であれば即時撤去を行うことが可能であり、放置自転車に対する効果も大きいものであります。この規制区域は、地元町会や商店会との現場調査により定められます。昭和63年に中野駅周辺が規制区域に指定されてから、順次指定され、平成22年の新中野駅周辺の放置規制区域が指定されたことにより、区内鉄道駅周辺が全て指定されたわけでありますが、規制区域が狭小で、その境界部分に放置される自転車も幾つかあろうかと思います。この規制区域は、これまで新江古田駅と中野駅周辺は見直しがなされました。自転車利用者も大幅に増加している状況下、地域や自転車放置防止指導員の声を聞き、この放置規制区域の現状調査も行う必要もあるのではないでしょうか、お聞きします。

 「とめる」部分の2点目で、放置自転車対策における駐車場、また撤去自転車の保管場所についてお尋ねします。

 駐車場、保管場所の運営にも多額の税が投入されております。まずは、保管場所に関してですが、現在、上鷺、中野駅前、中野五丁目、沼袋と4カ所の保管場所があります。全体をならしてみると、稼働率は46.1%という状況であります。撤去自転車を返還するための保管場所のあり方や区民の利便性も考慮しなければなりませんが、撤去自転車台数は落ち着いており、今後も大きく変動することはないと予想される中、将来的には、この保管場所のあり方も考える必要があるのではないでしょうか、お聞かせください。

 それから、自転車駐車場に関しては、自転車法第5条第2項に基づき、自転車が多数駐車されるであろう鉄道事業者の自転車駐車場整備への積極的な協力を求めなければなりません。これまでは、自転車駐車場の用地を捻出することが難しく、鉄道事業者としての自転車駐車場の努力義務はなされておりませんでしたが、西武新宿線において、今後地下化による上部利用が行えます。都市における道路と鉄道との連続立体交差に関する細目要綱において、地下化による上部利用の中野区の鉄道受益割合は15%であり、そして残り85%は鉄道事業者の用地になるわけですから、十分に駐車場が整備できる用地が捻出されます。今後、西武新宿線の連続立体交差事業完了後の旧線路跡地の活用などについて、自転車駐車場の件も西武鉄道に対し附置義務を強く求めていくことが必要であります。考えをお聞きします。

 次に、「守る」、「走る」ことについて、こちらは区職員の自転車利用に絞ってお尋ねします。

 通勤に自転車を利用されている職員は、25年6月の数値になりますが、常勤、再任用、合わせて2,256名のうち565名で、全体の25%です。中野区自転車利用総合計画では、「全国的に自転車利用者が加害者となり、高額な賠償責任を負う事故事例が発生していることを受け、賠償保険加入の重要性を周知、啓発していくことが必要である」とあります。通勤時に25%の職員が自転車を利用する中野区役所の現状はどうなのでしょうか。

 現在、通勤時に事故を起こした場合、自身が負傷した場合は、地方公務員災害補償基金により保険がおりますが、加害者となった場合の相手への補償はなく、基本的には職員が自己責任でその責任を負うことになります。しかし、それが果たせない場合には雇用主である区が責任を追及されることもあるのではないでしょうか。区への賠償責任は、これまでの裁判事例を見ても問われることはなかなかないようですが、リスク管理として、万が一の事故に備え、職員に民間保険への加入を促していくことも必要ではないでしょうか。お尋ねします。

 現在、勤務中に自転車を利用されている職員も多数おります。区職員が現場へ出向きアウトリーチする業務は、今後もふえていくとも考えられ、自転車利用の職員は増加するはずです。区は、区民には自転車利用の交通安全教育や安全指導、ルール、マナーの普及啓発など、さまざま形で行っておりますが、職員に対してこのような指導は何も行っておりません。今後、ふえるであろう自転車利用の職員へのマナーアップの徹底や指導なども必要ではないかと考えます。見解をお聞きし、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 酒井議員の御質問にお答えいたします。

 新区役所の建築地と建設年度等についての御質問です。新区役所の位置につきましては、中野四季の都市区域3に建設することを決めておりまして、用地も取得をしているところであります。当該地での建設に向け、さまざま検討しているところでありますが、現行の都市計画の条件のままでは十分な規模が得られない、このことは当初よりわかっているところであります。この当該区域につきましては、再開発等促進区に指定されているところでありまして、その具体的内容を定めていくものとしているところであります。近接する地権者や関係機関と都市計画の見直しについて協議をしていく中で、最終的な計画内容を定めていきたいと考えております。

 施設計画や建設スケジュールは、今後の関係者協議等の進捗にもよりますが、順調に進めば、おおむね2020年度が一つの目安であると、このように考えているところであります。

 それから、新区役所の整備手法についてであります。新区役所整備に当たりましては、当然のことでありますが、財政負担を少しでも軽減するということが至上命題と言ってよいと思います。そうした意味で、整備の費用につきましては、民間の力も活用しながら、現在の区役所敷地の持っている潜在的な資産価値を最大限に活用していくこととしているところであります。

 新中野体育館についてであります。新体育館の整備につきましては、建設コストや新しい体育館に望まれる機能などを考慮しながら、立地場所の確定に向けて検討を進めているところであります。体育館は区民の大切な健康づくり、レクリエーションの拠点施設であることは十分に承知をしているところであります。整備に当たっては、利用できない期間ができるだけ短くなるように検討していかなければならない、このように考えております。

 スポーツの推進についての御質問の中での、オリンピック・パラリンピックとのかかわり方についてであります。今後の超高齢化に対応して社会保障費を減らしていくためには、これまで以上に区民がスポーツに関心を持ち、主体的な健康づくりに取り組んでいく必要があると考えております。東京オリンピック・パラリンピックに区民が主体的にかかわり、区民の健康づくりへの意欲をさらに向上させるような取り組みを検討していきたいと考えております。

 オリンピック・パラリンピックについての事前キャンプの誘致といった御質問がありました。オリンピック選手団の事前キャンプの誘致は、区民にとりまして、東京オリンピック・パラリンピックに身近に触れる機会となり、区民のスポーツ振興に大きく寄与するものと考えております。区といたしましても、そうした事前キャンプの受け入れにつきましては、そのための施設整備も含めて積極的に考えていきたいと考えております。

 それから、スポーツ振興における学校の有効利用と場の確保についてであります。今後、(仮称)鷺の宮調節池上部多目的広場などのスポーツ施設の整備を進めるとともに、学校再編に当たりましては、校庭や体育館を中心とした学校開放の視点を取り入れながら施設整備の検討を進めていきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず東中野駅東口まちづくりについての御質問にお答えをいたします。

 バリアフリー化の御質問でございます。東中野駅東口につきましては、現在、バリアフリー化が行われていないことから、駅舎につきましては、JRにバリアフリー化を求めるとともに、東口周辺につきましても、区内の他の駅周辺におけるバリアフリー化の状況等を考慮しながら、一定のバリアフリー化に取り組む必要があると考えております。

 次に、東口整備における新宿区との連携についての御質問がございました。新宿区とは必要に応じて情報交換などを行ってまいりますが、整備は所在地としての区の責任で行っていくものと考えております。

 また、まちの活性化につきましては、バリアフリー化だけでなく、東口周辺のにぎわいの創出や回遊性の確保に資する歩行者中心の広場空間の整備などについても検討する予定でございます。

 次に、自転車施策についての幾つかの御質問にお答えをいたします。

 自転車放置規制区域の現状調査についての御質問でございました。規制区域指定後の駅周辺の放置状況は、職員の巡回、放置防止指導員、撤去作業員の業務時の報告及び地域からの要望などに基づいて把握し、区域の拡大などの対応を行ってきました。今後も状況を把握し、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。

 それから、自転車保管場所のあり方についての御質問でございます。自転車保管場所は、撤去した自転車が収容できない状況にならないよう、ある程度の余裕が必要であると考えておりますが、これまでも効率的な運用を行うため、撤去台数や稼働率等を考慮し、施設の縮減を行ってまいりました。今後も中野駅周辺のまちづくりに伴い、中野自転車保管場所を廃止し、また、障害者通所施設の整備に伴い、中野五丁目自転車保管場所を廃止し、鷺宮南自転車駐車場、東中野南自転車駐車場を新たな保管場所として規模の適正化を図るなど、効率的な運営を心がけることとしております。

 それから、自転車駐車場整備への鉄道事業者の協力についての御質問でございます。西武新宿線の地下化による自転車駐車場の整備につきましては、西武新宿線連続立体交差事業の進展に合わせ、鉄道事業者の協力を得られるよう、東京都及び鉄道事業者との協議を進めていく所存でございます。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、元気いっぱい子育て戦略につきましての御質問にお答えいたします。

 まず、区民意識調査と合計特殊出生率について、また広報のイメージ戦略といった御質問がございました。平成17年度から子どもの出生数、合計特殊出生率とも微増が続いておりますが、今後、中長期的には合計特殊出生率の対象となる人口が減少することに伴いまして、出生数も減少すると予測をしてございます。また、区民意識実態調査の結果につきましても、子育て、教育環境の向上につきまして、真摯に受けとめていかなければならないと考えてございます。

 安心して子どもを産み、育て、暮らし続けることができるよう、良質な居住空間の確保、教育、子育て支援、福祉・医療の充実、仕事と生活の調和の促進など、さまざまな施策の展開によりまして少子化に歯どめをかけ、まちの人口構造の変化を誘導していきたいと考えてございます。今後、子育てしやすいまちを実現するために、妊娠期から切れ目のない多様な施策を展開いたしまして、またさまざまな機会をとらえて情報発信をしていきたいと考えてございます。

 次に、保育施設の整備についての御質問がございました。平成26年度当初予算で認可保育所の整備と区立保育園の民営化によりまして、352人の定員を拡大し、さらに補正予算で認可保育所と小規模保育事業を誘致して414人を追加し、合計766人の定員の確保をする予定でございました。全体といたしましては473人、想定した約6割の定員の拡大を図ったところでございます。年度内に整備し切れなかった事例で、平成27年4月以降に開設できるところもありまして、補正予算による取り組みは一定の成果があったと考えてございます。認可保育所の整備につきましては、保育所に適した建物、土地の確保や土地所有者との調整に時間を要することから、現在、事業者選定を随時選定に切りかえまして、また開設時期につきましても柔軟に対応するなど、事業者が参入しやすい条件を整えているところでございます。今後もこうした対応を継続するとともに、事業者や土地・建物所有者との連絡調整をより密に図ってまいりたいと考えてございます。

 次に、保育士の確保についての御質問がございました。事業開始に向けた状況によっては、保育士の確保に苦労している事業者もありますが、全体としまして、保育所の開設に当たっては保育士の確保が困難とは聞いていないところでございます。保育士の確保の対策としまして、これまで東京都主催の就職説明会の協力ですとか、ハローワークと区共催の就職説明会を開催してまいりました。また、区内の保育事業者とも協力をして就職説明会を行ったところでございます。今後も保育事業者と協力した就職説明会などを行う予定でございます。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 自転車施策についての御質問のうち、まず職員の保険加入の促進についてということでございます。自転車を利用する職員の民間自転車保険への加入率については把握してございません。しかし、特別区職員互助組合が募集をしております賠償責任補償つきの障害保険がございまして、これには平成27年2月現在、6割を超える職員が加入をしている状況でございます。障害保険の募集の際に、自転車を利用する職員への周知等について工夫していきたいと考えてございます。

 それから、職員の自転車ルールの遵守等についての御質問についてです。最近の通勤途上災害で、区職員が自転車による交通事故の被害者になる事例が発生しており、また職員が加害者となる可能性もあることから、全職場に自転車事故防止に関する冊子を配布し、注意喚起等、意識啓発を図っているところでございます。自転車利用のルール遵守の徹底とマナー向上については、今後も庁内情報システムを活用するなど、さまざまな機会をとらえて取り組んでまいります。

○議長(伊東しんじ) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 後 藤 英 之

 1 区長の所信表明について

  (1)「行政改革」の今後の取り組みについて

  (2)「中野の経済活性化」に向けた今後の取り組みについて

  (3)その他

 2 「行政関与型クラウドファンディング」の活用について

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、後藤英之議員。

〔後藤英之議員登壇〕

○8番(後藤英之) 平成27年第1回定例会に当たり、改新中野の立場から一般質問をさせていただきます。まず1として、区長の所信表明について質問いたします。(1)として、行政改革の今後の取り組みについて。(2)として、中野の経済活性化に向けた今後の取り組みについて。次に、2として、行政関与型クラウドファンディングの活用についてお尋ねいたします。

 現在、基本構想改定に際して、新しい中野の10か年を構想していく途上にあると思います。そこで、現在の10か年計画領域4の、区民が発想し、区民が選択する新しい自治についての考え方と今後のビジョンについて、行政運営の着地点やポイントはどこなのかを明確にすべきという視点から、まず行政改革の今後の取り組みについて質問をいたします。

 まず、前提となっている区の行政組織に対する考え方は、小さな政府を志向する、小さな区役所という言葉に集約されると考えています。本来、小さな政府の特徴は、民間主導の社会を前提に、政府、行政の規模、権限を可能な限り小さくし、より少ない歳出と低い課税、低福祉低負担、自己責任を志向することにあります。もちろん理想は高福祉低負担の状況であり、小さな政府の主張の側に立ちながら高福祉を実現していくことは、区の行政に課せられた命題と考えます。

 そこで区は、職員数の大幅削減による職員2,000人体制を実現し、区民活力の活用を積極的に行っています。理にかなった運営で、小さな区役所ながらも行政サービスの質は担保し続けたいという意思を感じます。そこで課題は、少ない職員でいかに民間の活力を活用していくのかということ、つまり民間活力をどういった手法や契約をもって活用していくのかということだと思います。同時に、小さな政府にあって、区民の負担は減少していくのか。もしくはサービスの質が向上していくのかということも、潜在的かつ根本的に問われてしかるべきものです。

 そこで、まず私は基本的に小さな政府を区が志向している姿勢には賛成ですが、今後もこの小さな区役所への方針を変えず、区政運営は計画され実施されていくのか、御所見についてお尋ねいたします。

 また、少ない職員でいかに民間活力を活用していくのかという課題については、採用、評価、報酬、福利厚生、人材開発と人事のあらゆる機能の上から今後ますます抜本的な改革が求められると考えています。職員に求められる能力が、自前のサービス提供型から民間活力の活用を適正に遂行していくべき能力へと大きくシフトしていると考えられるからです。まずは、区長も所信表明で述べられている「目標と成果による管理の強化」を実現すべき成果の数値化とPDCAサイクルの徹底によってなしていくという方針を評価いたします。

 そこで、目標管理にとってふさわしいのは、人事評価を報酬に結びつけていくことだと考えますが、成果によって給与に差をつけることが可能とされる勤勉手当が、目標と成果ではかる評価制度とどう結びつけられているのか。例えば管理職の場合どの程度の弾力性があるのか、質問をいたします。

 次に、人材開発の面についてですが、中野区のN'mapにもありますように、職員が民間に影響を与え、巻き込む形になっていくことが非常に重要になると考えています。同様に、今後さらなる増加も見込まれる物件費の積算や契約などにおいて、特に適正価格での契約を行うなどの上で、市場相場観や交渉技術といったことも重要な獲得能力となると考えています。代表的なものとして、IT調達について、以前に質問をいたしましたが、業務委託や指定管理などの際に、特に適正価格がわかりづらい分野の人材育成を強化していく必要があります。区は、エキスパート職員認定制度により、専門性に特化した人材へのキャリアパスを用意していることは評価いたしますが、さらにマネジメントスキルなどのコンセプチャルなスキルや、少なくとも交渉に必要な程度の技術系スキルなど、管理職だけではなく、担当所管の職員は基本的に身につけている必要があると考えています。

 そこで質問ですが、例えば民間業者を活用していくのに必要なスキルにはどのようなものがあるという認識か。そのスキルの獲得にどのような手段があるのか。また、これまでに人材開発メニューにどういった改革がなされ、実際の利用と振り返りの状況はどうかなどについて、職員数削減に伴った変化についてお尋ねいたします。

 また、この項の最後に、小さな区役所の成果は、区民にいかに反映され、成果をどう区民が受容できているのかについても質問をいたします。

 次に、中野の経済活性化に向けた今後の取り組みについてお尋ねいたします。

 小さな区役所においては、民間活力の活性化が前提として、より強く求められます。本来、経済の活性化は、市場の原理に任せられるべきものと考えますが、いまだ本格的な経済成長の途上という現状もあり、行政は経済活性化をむしろ強力に支援していくべきと考えます。民間活力、特に経済活性化には、区長も述べられた付加価値生産性の向上の促進が欠かせません。付加価値生産性の向上を経済全体、業界、個別事業者、個別事業、または個人事業一人ひとりにもたらすためには、絶え間ないイノベーションを可能とする経済環境整備をあらゆる段階で行う必要があると考えています。そして、地方行政にできる支援策としては、大きく産業振興、雇用促進、個人所得の増加の支援といったことが段階的な大きな柱になると考えます。

 2014中野区区民意識実態調査報告書の中でも、区の施策への要望事項として、2006年以降で今回初めて産業振興が10位に入り、年代別でも、60代を除く全ての世代で10位以内とあり、産業振興に対する期待感の変化も見られます。調査期間が直近9月11日から10月2日ということを考えますと、国の経済政策と区の産業振興施策や駅周辺などにおける重点的なまちづくりとの相乗効果による期待のあらわれとも考えられます。ただ、産業振興施策は、2013年の調査に比べ、11.2%から9.7%と評価が大幅に下落しており、再度、施策全体の効果や満足度について問い直す必要があると考えますが、いかがでしょうか。御所見をお尋ねいたします。

 また、そこで、先日2月6日に中野区グローバル戦略推進協議会が設立されました。時代を先取りしたビジネスの創造を活発に支援していこうとする姿勢や、所信表明でも述べられました民間主導の規制改革に向けての提言や連携事業の構築を進めていくという戦略については時流をつかんでおり、評価をいたします。今後の課題は、その具体的な戦略体系の中身ですが、これはまだこれからだと思います。

 現在見える課題は、所信表明では言及のなかった、従来の重点産業であるICT・コンテンツ産業やライフサポートビジネスがいかに成長し、区内産業や雇用や所得の向上を現在牽引しているのか、あるいはしつつあるのかということの成果の検証です。特に、ライフサポートビジネスの分野は、平成26年度の認定特定創業支援事業にも位置付けられているなかのライフサポートビジネス創造塾を継続的に開催するなど、重点的な取り組みが継続しています。

 そこで、創業を含め、重点産業の成長自体はどういう状況か。「ぐっJOBなかの」等での求人の状況が向上するなど、重点産業分野での雇用環境にはプラスの影響がもたらされつつあるのか。これまで進めてきた重点産業の成果についての振り返りと次へのアクションが必要だと考えますが、現状認識と見通しについてお尋ねいたします。

 また、所得向上の支援として、区民の市場価値、つまり生産付加価値を高める支援を行うことが考えられます。経営者や起業家のみならず、個人の市場価値や生産性を高めるための実務実戦的で即戦力を身につけるための研修やセミナー等を区でも積極的に提供してはどうかと考えます。御所見をお尋ねいたします。

 次に、産業振興や区内のイベント、行政プロジェクトなど、さまざまな分野での資金調達に利用できる行政関与型クラウドファンディングの活用について見解をお尋ねいたします。

 クラウドファンディングとは、主にインターネットを利用した群衆に対する幅広い資金調達法のことで、2014年の金融商品取引法改正で、さらに可能性が広まり注目されています。既に自治体の中にも活用例とその成果が出てきています。例えば、行政プロジェクトに対する資金調達例として、鎌倉市では、観光板設置のために活用され、1口1万円で寄附をすると観光板に名前が刻まれるという仕掛けにより、短期間で100万円の資金調達に成功しています。

 クラウドファンディングのプラットフォームは、既に民間の提供するものが複数存在し、それらを利用しながらプロジェクト審査などに自治体がかかわり、例えば区内の産業やイベントを支援するということも可能です。また、民間のプラットフォームをカスタマイズし、福井県鯖江市が運営する「FAAVO(ファーボ)さばえ」では、市民協働プロジェクトにおけるメンバー活動費などのさまざまな費用の調達を官民協働で試みているようです。

 2013年11月にNTTレゾナントが20代から60代の男女1,050人を対象に実施した意識調査によると、「インターネット上で行える社会貢献活動に参加したい人」は58%であり、最も関心のある社会貢献活動は、「簡単なアクションで参加ができる」ものが1位(34.1%)で、「インターネットを利用することで寄附ができる」(22.9%)、「インターネット上での社会貢献活動の見える化」(16.2%)が続いたという調査結果もあり、クラウドファンディングはそのような社会貢献ニーズを満たす有力な方法とみなすことが考えられます。

 今後、中野区でも、行政プロジェクトへの活用やイベントの振興、あるいは産業振興施策などにおける道具の一つとして十分活用ができると考えます。御所見をお尋ねいたします。

 以上で私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 後藤議員の御質問にお答えいたします。

 小さな区役所の方針についてであります。より効率的で柔軟な事業展開を進めることを目的に、区民サービスの提供に当たっては、民間でできることは民間を活用するということを基本にしているところであります。また、安心して暮らし続けられる地域社会の実現や地域の活性化に向けて、さまざまな団体と連携して区の施策を進めているところであります。今後とも、区民満足度の向上に向けて、最小の経費で最大の価値を生み出すよう、区政運営を進めていきたいと考えているところであります。

 それから、目標と成果による管理の中で、人事評価を処遇にどう反映できているかという御質問であります。管理職員の勤勉手当の支給において、勤勉手当額を調整する成績率というのがあります。最上位の者は1.229ポイント、最下位の者は0.9ポイント、その差は0.329ポイントとなっております。平成25年度の副参事級の平均給料月額をもとに算出をいたしますと、成績率が最上位であった場合と最下位であった場合の12月期における勤勉手当支給額の差額は約23万8,000円となるものであります。

 それから、民間事業者を活用していく際に必要な区側の職員側のスキルについてということであります。内部管理業務や窓口委託などの導入時には、民間活用による区民サービスの向上や費用対効果の測定、また事業者と対等に折衝する能力、民間や他自治体での動向や市場価格などについての知識が必要となってまいります。民間事業者の活用に当たって、先行自治体の事例研究を十分に行うほか、専門研修や民間派遣研修などでも知識やスキルを獲得しているところであります。

 また、経験者採用の活用も有効と考えております。民間で培った知識や感覚を素早く区政の現場で発揮させることが可能である、このように考えており、経験者採用についても活用を行っているところであります。

 また、人材開発のメニューについてであります。職員の人材開発を強化するため、職員個々のキャリアやN'mapによる職務上の行動特性を一元管理し、1枚のシートに見える化した職員人材育成シートを今年度から導入をいたしました。これによって、年度初めの面接で上司と職員が共通認識を持ち、年間を通じた職員の人材開発やOJTに活用をしているところであります。平成24年度からN'mapの行動要素や行動段階に応じてスキルを伸ばすことのできる研修体系を導入し、今年度は計14の研修を実施して、延べ409人の職員が受講をしたところであります。

 小さな区役所の成果が区民にどのように反映させることができているか、区民に反映することができているかということであります。質の高い行政を実現するためには、民間でできることは民間を活用するという小さな区役所の成果として、例えば指定管理者制度の導入や区立施設の民営化、業務委託など、民間活力の活用を推進することによって、図書館や保育園の利用時間の延長やさまざまなサービスの提供など、直営ではできていなかったサービスの向上を受けられるようになったものであります。今後とも、区民ニーズに対するサービスの向上に向けて推進をしてまいりたいと考えております。

 行政関与型クラウドファンディングの活用についてであります。クラウドファンディングは、区民の社会貢献に対する意識を寄附や出資という形で、自治体の事業の財源や地域団体、民間企業等の活動資金として生かすことができる資金調達の手法の一つであると認識をしております。他自治体での事例などを参考にしながら、こういった手法にどのような事業が適切であるか、そういったことを研究していきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 中野の経済活性化に向けた今後の取り組みについての御質問にお答えをいたします。

 まず、産業振興施策の満足度の検証についての御質問でございます。2014年の中野区区民意識実態調査では、産業振興の項目は、区が特に力を入れていると区民が評価する施策において、23項目中の7位となっているところでございます。前年度に比べ減少してはおりますが、引き続き一定の評価をいただいていると考えているところでございます。区といたしましても、ライフサポートビジネス創造塾や経営相談、各種セミナーなど、さまざまな産業振興施策を実施しており、区民への周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。

 次に、重点分野振興策の成果と見直しについてでございます。ICT・コンテンツ関連産業については、同産業の振興のために開設をいたしました中野区産業振興拠点の会員となって事業活動を行っている企業が現在55社となっているところでございます。また、同産業を対象とした優遇融資については、昨年度から今年度の1月末までにあっせんをした企業の累計が96社に上っているという状況でございます。ライフサポート関連産業については、優遇融資をあっせんした企業の累計は32社となっているところでございます。また、なかのライフサポート創造塾におけるビジネスプランコンテストのプラン創出数は、昨年度の5件から今年度は20件と大幅に増加したところでございます。いずれも重点分野産業振興において一定の成果が上がったと考えており、今後もさらに取り組みを進めることで、新たな事業の創出、集積につながっていくと考えているところでございます。

 最後に、就労や業務遂行において求められる能力を向上させる研修実施についての御質問がございました。中野区が杉並区及び新宿ハローワークと合同で実施している就職面接会においては、面接実施の前に、採用につなげるための対策講座を実施しているところでございます。また、平成26年度から民間の運営とした産業振興センターにおいては、区内企業の新入社員を対象として、年度初めに基本的なビジネススキルやマナーの合同研修を行い、3月にはフォローアップとして、さらなるスキルアップのための研修を予定しているところでございます。さらに、同センターにおいては、区民の就労支援を目的として自己分析とキャリアデザイン及び面接対策の講座を3月に実施する予定でございます。産業振興センターでは、今後もこうした研修などをさらに充実させて実施し、区民の就労やスキルアップ支援を支援していく考えでございます。

 以上でございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で後藤英之議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 大 内 しんご

 1 地域子育て支援拠点事業について

 2 大和町地域のまちづくりについて

 3 西武新宿線 野方駅以西のまちづくりと沼袋第4号踏切の廃止に伴う影響について

 4 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、大内しんご議員。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 平成27年2月20日、中野区議会第1回定例会におきまして、自由民主党の立場から質問いたします。

 最初に、地域子育て支援拠点事業についてお伺いします。

 国は、全ての子供が健やかに成長することができる社会の実現を目指して、平成24年8月に子ども・子育て支援法をはじめとする関連3法を制定し、これに基づき、子どもと子育てをする保護者などに対して必要な支援を行うこととしました。この子ども・子育て支援新制度が平成27年4月に本格スタートとなります。一人ひとりの子どもたちがより豊かに育まれることはもとより、地域の事情やライフスタイルに応じた全ての女性が輝く社会の実現へとつながるものと考えます。区では、この新制度に基づき、中野区子ども・子育て支援事業計画の策定を進めているところであり、この計画の中で新たな取り組みも示されています。その一つとして、「すこやか福祉センターを中心とした子育て・子育ち支援のネットワークの強化」がうたわれています。地域の身近な相談窓口であるすこやか福祉センターにおいて、利用者支援事業と地域子育て支援拠点事業の拡充を一体的に行い、子育て相談や個別の利用プラン作成など、各家庭の状況に応じた情報提供や子育て支援サービスをコーディネートする、としています。すこやか福祉センターでは、これまでにも地域における子育て相談の窓口としての役割を果たしてきていると思いますが、その内容について、具体的にどのように変わるのか、お伺いをいたします。

 子育て支援拠点事業、子育てひろば事業については、すこやか福祉センターをはじめ、商店街などの身近な場所において実施し、子育て家庭が交流や子育ての相談を気軽に行える環境を整えるとしています。さらには、すこやか福祉センターを中心とし、地域で子育てひろば事業や乳幼児親子の居場所づくり事業を実施する団体との連携のネットワークを強化するとしています。地域の商店街に子育てひろばを設けることで、高齢者など地域の方々との交流の機会も新たに生まれることが期待されております。子育て支援の取り組みは、区の事業と区民団体の自主事業とをばらばらに行うのではなく、地域で育成にかかわる方々と区が一体となって、まちを挙げて子育て支援に取り組むという機運を醸成することが大切です。この際、子ども・子育て支援新制度の趣旨を踏まえ、すこやか福祉センターが中心となり、地域の支援者を育成する視点を持って取り組むことが必要と思いますが、区ではどのようにお考えか、見解をお伺いします。

 さて、この地域の子育て支援に関して、さきに他会派の質問で、私立保育園の地域支援に関する質疑がありました。我が会派としても、この件を含め、私立保育園に関して区の考え方をお聞きします。

 現在、区内の保育園では、在園する保育園児の保育の充実だけではなく、地域の子育て家庭に対して、子育て相談や体験保育をはじめとしたさまざまな支援を行っている現状があります。このような地域に密着して保育園が子育て家庭に対する支援を行っていることは、地域の子育て家庭にとって大変意義のある活動と考えます。子ども・子育て支援新制度を契機にして、このような地域支援を含めた東京都の私立保育園に対する補助金が再構築されるわけですが、都の補助金の再構築後も私立保育園が安定して運営される必要があると考えます。

 そこで伺います。子ども・子育て支援新制度施行後であっても、私立保育園が安定して運営され、在園児の保育の充実はもちろん、地域支援も着実に行っていくために、東京都の補助制度の見直しを勘案し、区として何らかの支援を行う必要があるのではないでしょうか。区の見解をお伺いします。

 次に、大和町のまちづくりについて質問します。

 大和町においては、平成24年12月に東京都が木密地域不燃化10年プロジェクトに基づく特定整備路線として、大和町中央通りの拡幅整備を進めるための説明会を開催したことを皮切りに、災害に強いまちづくりがスタートしました。この大和町中央通りの拡幅整備は、平成32年3月までを事業期間とし、東京都が進めているものであり、くしくも平成32年、2020年に開催される東京オリンピックまでには完成される予定となっています。

 一方、区は、この拡幅整備後の沿道を含む大和町全体のまちづくりに取り組んでおり、平成25年8月には、区と地域住民が協働で災害に強いまちづくりの検討を進めるため、地域の町会・自治会商店会から推薦された方や公募の方で構成される「大和町まちづくりの会」が立ち上がりました。平成26年4月には、東京都の木密地域不燃化10年プロジェクトに基づく不燃化特区の指定を受け、老朽建築物の建てかえへの支援などを展開するとともに、木造密集地域内における電線類の地中化、松本代議士が進めているいわゆる無電柱化への検討も進めていると聞いています。さらに、昨年6月には、「まちづくりの会」での検討を踏まえた大和町全体のまちづくりの基本的な考え方である「大和町まちづくり方針素案」が作成されるなど、着々と災害に強いまちづくりに向けての歩みが進められています。

 また、私も参加したことがありますが、「大和町まちづくりの会」は、平成27年1月の開催をもって11回を数えるまでに回数を重ねました。現在は、まちづくりのルール、いわゆる地区計画の中身などについて議論がなされており、まちづくりの本格的な着手から、わずか1年半あまりの間に3カ月に2回のペースという、今までにないスピード感をもってさまざまな検討を進めていただいており、「大和町まちづくりの会」の方々には、この場を借りて改めて敬意をあらわしたいと思います。

 このような動きに対して、地域にお住まいの方々は、区の本気度に期待を寄せるとともに、具体的なまちづくりの中身について聞きたいという声も聞こえてきます。これまでの議会報告では、区は「まちづくりの会」での検討の内容を受け、「まちづくり方針素案」にさらに具体的な内容を盛り込んだ「まちづくり方針案」を取りまとめ、地域へ説明していくと聞いています。

 そこで、この項では、方針案の内容や避難経路の整備など、具体的なまちづくりをどのように進めているのか。まず、まちづくりの基本的な考え方である「まちづくり方針素案」では、まちの将来像とともに、まちづくりの基本方針を上げていましたが、「まちづくり方針案」では具体的にどのような内容が盛り込まれるのか、区の見解をお聞きします。

 次に、まちづくりのルール、地区計画の中身にもなりますが、火災などの際に消防車等の活動を容易にするとともに、災害時に避難場所へ安全に避難するために、避難経路の整備は、災害に強い大和町をつくるためには欠かせないものであります。この避難経路の整備は4メートル、またはそれに満たない道路が点在する大和町において、住民の理解なしでは進められませんが、どのように合意形成を図っていく考えなのか、お伺いします。

 三つ目に、避難路の整備に関連しますが、まちづくりのための用地、いわゆる代替地の確保も住民に協力をいただき、早期にまちづくりを進めるために必ず必要になります。建て詰まった木造密集地域である大和町では、この代替地の確保はなかなか難しいと思いますが、学校再編による、将来学校として活用がなくなる第四中学校の土地の一部や、その隣地にある都営大和町母子アパートの跡地などについては、まちづくりのための用地として活用を検討していくべきではないかと考えますが、いかがでしょう。見解をお伺いします。

 三つ目に、西武新宿線野方駅以西のまちづくりと沼袋第4号踏切の廃止に伴う影響についてお伺いします。

 西武新宿線の中井駅から野方駅区間の連続立体交差事業については、平成25年4月に東京都が事業認可を取得し、昨年1月からは工事に着手し、現在、仮囲いなどの準備工事が終了し、杭打ち工事が本格的に進められており、平成32年度の事業完了に向け、着々と事業が進められています。一方で、この中井駅から野方駅の事業認可区間の事業化の推進とともに、沿線区民は、事業候補区間に位置付けられている野方駅から井荻駅までの区間の連続立体交差化の早期実現も切に願っています。しかし、当区間については、いまだ事業化の見通しが立っていない状況です。野方駅から井荻駅までの区間についても、先行着手した中井駅から野方駅間の事業進捗にあわせて、切れ目なく、一日も早く連続立体交差事業が実現できるよう、中野区民、区議会、区が三位一体となった期成同盟による取り組みを今後も継続的に実施していくことは重要ですが、これとあわせて各駅周辺のまちづくりの機運を高めていくことも必要です。

 沿線のまちづくりの機運を高めていく上では、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅周辺でのまちづくりを検討していくことが必要です。お隣の下井草駅や井荻駅周辺においては、沿線住民が主体となって、昨年3月と4月にまちづくり構想を作成し、杉並区に提出したと聞いています。

 中野区でも早急に下井草駅や井荻駅のまちづくり検討会と同じように、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅周辺のまちづくり検討会を早期に立ち上げ、沿線5駅が一体となって、野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業の早期実現に向けて地元の機運を高めていくことが必要であると思いますが、区の見解をお伺いします。

 次に、沼袋第4号踏切についてお伺いいたします。

 現在の中井駅から野方駅間の連続立体交差事業が完成した場合、野方三丁目、四丁目に位置する野方駅に一番近い沼袋第4号踏切は、鉄道が掘割区間となるため、廃止されることになり、自動車や歩行者、自転車は平面で横断ができなくなる可能性があります。しかし、この踏切は、鉄道で分断されている当該地域の南北方向の交通を処理する大変重要な役割を担っています。昨年第1回定例会の一般質疑においても、この点について指摘をさせていただいているところであります。

 区は、鉄道の地下化後は、歩行者、自転車については、横断施設の整備を予定しており、自動車交通については、都と西武鉄道等と対策を協議していくとしています。しかし、鉄道が地下に切り替わる時点から何の対策も講じなければ、現在、沼袋第4号踏切を利用している、12時間あたり650人の歩行者や、約2,000台の自転車、660台の自動車の多くが、手前の清谷寺近くの沼袋第3号踏切等に迂回を余儀なくされることになります。

 また、沼袋第3号踏切につながる道路は、幅員が4メートルから6メートル程度しかなく、大型車通行規制や通勤時間帯、あるいは通学時間帯の許可車両以外の通行を禁止している区間が多いため、こうした道路に沼袋第4号踏切から迂回した交通が集中した場合は、通行阻害や交通安全上の問題が発生する可能性があります。区は、鉄道が地下に切り替わる時点から問題が生じないようにしっかりとした対策を立てていくべきだと考えますが、区の見解をお伺いします。

 以上で質問は終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えをいたします。

 地域子育て支援拠点事業について。利用者支援事業の拡充についてということであります。これまでもすこやか福祉センターでは、子育てに関する相談、助言や、地域の子育てサービスの情報提供等を行ってきたところであります。今後は、乳幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての相談、情報提供、助言などを行う地域子育て支援拠点事業と子ども及びその保護者の身近な場所で教育保育施設等の情報提供や必要に応じ相談、助言などを行う利用者支援事業、これらを一体的に行うことによって、子育て家庭の個々の状況に応じて必要なサービスを利用できるよう支援をしていきたいと考えております。

 それから、地域子育て支援拠点事業について。すこやか福祉センターをはじめ、子育て家庭の親子が商店街など、身近に集える場において展開する地域子育て支援拠点事業を実施していきたいと考えております。実施に当たりましては、支援者育成の視点といったことも大切にしながら、より効果的な方法を検討してまいります。

 それから、地域支援を含む私立保育園への補助についてという御質問であります。子ども・子育て支援新制度のもとにおいても、保育園等において子育て相談や子育て教室など、育児のノウハウを在宅乳幼児の保護者に提供し、育児不安の解消等の子育て支援を行うことを進めていきたいと考えております。

 私立保育園の運営に関して、子ども・子育て支援新制度では、公定価格により区からの給付費が増額になることや、今回の東京都の制度の見直しについては、各園の取り組みによっては、東京都の補助金が増額になる園も想定をされているところであります。今回の見直しにつきまして、区に対する情報提供も予算編成後でありまして、また見直しの考え方についても十分な説明がないといったようなことから、区といたしましては、影響の把握に努めているところであります。委員の御質問でありましたけれども、今後必要があれば対応を検討していきたいと考えております。

 それから、大和町まちづくり方針案の内容についてであります。大和町まちづくりの会での検討を踏まえて、大和町全体及び大和町中央通り沿道の土地利用の方針を明らかにするとともに、導入を予定しておりますまちづくりのルールなどを定めた地区計画につながるまちづくりの取り組み方針、これを盛り込んでいく予定であります。

 それから、避難経路の整備についてであります。木密地域における防災性の向上を図るため、消防活動や災害時の避難を容易にするための避難経路の整備は極めて重要であります。避難経路の整備、これに当たりましては、避難経路となる沿道の関係権利者などを対象とした説明会の開催や各戸訪問を行うなど、整備の必要性について丁寧に御説明を行う中で合意形成を図っていきたい、このように考えております。

 それから、まちづくり用地の確保について、必要ではないかということであります。学校跡地の活用につきましては、今後、住民にとって地域の価値が高まる活用方法となるよう、その地域にとって必要な機能について検討していく考えであります。こうした検討の中で考えられる用途として、まちづくりへの対応も一つの可能性であると考えております。

 それから、野方以西のまちづくりについてであります。野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業の早期実現を目指す上では、御指摘のように、中野区民、区議会、そして区が三位一体となった期成同盟による活動を引き続き実施していくことが肝要であると考えております。野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅周辺地域のまちづくりの機運を醸成しながら、まちづくりの熟度を高め、期成同盟の活動とあわせて機運を、連続立体交差事業の早期実現を目指していきたいと考えております。このため、今後とも、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の各駅の駅前広場の交通基盤やまちづくりについて調査検討を進めるとともに、区が支援をして地域住民が主体的にまちづくりについて検討してきた、その実績を踏まえて、早々に地元町会や商店会を中心とする検討組織を立ち上げ、具体的に検討を進めていきたいと考えております。あわせて、隣接する杉並区や沿線の下井草駅や井荻駅のまちづくり検討会等の方々とも連携をしながら、早期実現を推進してまいります。

 それから、沼袋4号踏切の廃止に伴う影響についてであります。連続立体交差事業の掘割区間に当たります沼袋第4号踏切につきましては、鉄道が地下に切り替わる時点で、平面での横断ができなくなるという影響が生じてまいります。このため、歩行者や自転車の横断につきましては、立体横断施設を新たに整備する方向で調整をしているところであります。また、自動車につきましては、今年度、区で沼袋第4号踏切を利用する交通の利用実態の調査を行い、自動車が迂回した場合の周辺道路等に与える影響について調査をしてまいりました。この結果、鉄道が地下に切り替わってから、横断施設完成までの間、歩行者や自転車についても迂回が必要となることや、自動車につきましては、時間規制や大型車規制などの関係から、直近で横断できる道路への迂回が現状のままでは困難なことがわかってまいりました。今後、こうした状況を踏まえて、交通上の問題が生じないよう、検証を行いながら、東京都や西武鉄道、交通管理者等と調整をし、適切な対応策を実施していきたいと考えております。

○議長(伊東しんじ) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、2月23日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後4時24分延会