平成27年02月23日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成27年02月23日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
25.09.12 中野区議会第3回定例会(第3号)

.平成27年(2015年)2月23日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原      宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番     欠  員

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  英   直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  竹 内 沖 司

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

 区民サービス管理部長 白 土   純    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二

 健康福祉部長   野 村 建 樹      保 健 所 長  寺 西   新

 環 境 部 長  小谷松 弘 市      都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一  経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  大 野 貴 子      書     記  鈴 木   均

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成27年(2015年)2月23日午後1時開議)

日程第1 第1号議案 平成26年度中野区一般会計補正予算

     第2号議案 平成26年度中野区用地特別会計補正予算

     第3号議案 平成26年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算

     第4号議案 平成26年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算

     第5号議案 平成26年度中野区介護保険特別会計補正予算

     第22号議案 教師用指導書の買入れについて

日程第2 第11号議案 中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する

条例

     第12号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例

     第15号議案 中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例

日程第3 第6号議案 平成27年度中野区一般会計予算

     第7号議案 平成27年度中野区用地特別会計予算

     第8号議案 平成27年度中野区国民健康保険事業特別会計予算

     第9号議案 平成27年度中野区後期高齢者医療特別会計予算

     第10号議案 平成27年度中野区介護保険特別会計予算

 

午後1時00分開会

○副議長(やながわ妙子) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 2月20日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 平 山 英 明

 1 区長の施政方針説明について

  (1)区におけるグローバル戦略と産業振興について

  (2)4つの戦略について

  (3)安全・安心のまちづくりについて

  (4)その他

 2 空き家対策について

 3 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 最初に、平山英明議員。

〔平山英明議員登壇〕

○14番(平山英明) 平成27年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。

 質問は通告どおり、1、区長の施政方針説明について、2、空き家対策についての順で行います。区長、理事者におかれましては、誠意ある御答弁をお願いいたします。

 初めに、区長の施政方針説明について伺います。

 今回の施政方針説明では、区として国家戦略特区へ名乗りを上げたことから、これまでになく「グローバル」との表現が多用され、国際社会の中において国や都の進める政策を活用しながら、区も新しい時代にふさわしい都市の成長モデルをつくり出すと、中野の都市としての価値を高めようとされる強い御決意を感じました。この国家戦略特区に向けた取り組みが、現在区が進めるさまざまな施策とリンクし、中野で暮らし、中野で働き、中野で学ぶ、一人ひとりの区民生活の向上へとつながることを期待いたします。

 そこでまず、区におけるグローバル戦略と産業振興について伺います。

 区は、一昨年、中野区産業振興ビジョンと中野区都市観光ビジョンを策定し、区内産業と地域の活性化の推進、ひいては区民の所得や区民生活の利便性の向上という、両ビジョンの掲げる目標の達成に向け、それぞれの施策を推進されています。施政方針説明で示された区の新たなグローバル戦略と現行の産業振興ビジョン、観光ビジョンとはどのような関係となるのでしょうか。施政方針説明を聞くと、両ビジョンとも改定が必要になると考えますが、いかがでしょうか。改定を考えられている場合、スケジュールも含め、伺います。

 中野駅周辺のまちづくりにおいては、グローバルな都市活動の集積を高めていくと述べられました。同様に区内への集積を目指すとされるICTコンテンツ関連産業やライフサポート関連産業についてはそのエリアをどのようにお考えでしょうか。ICTコンテンツ関連産業は立地よりもむしろ通信等のインフラ整備の環境が重要であり、ライフサポート産業も地域に密着した事業が求められると考えます。これらの産業集積には、大和町や沼袋、新井薬師等の道路拡張に伴う新たなまちづくりの機会の活用や商店街の空き店舗の活用などを誘導策も含め検討してはいかがでしょうか。伺います。

 都市観光の取り組みも本格化していくことが必要と述べられました。そのために、来年度、我が会派が長年にわたり求めてきた中野FreeWi-Fi化に取り組まれることは大いに評価をいたします。このFreeWi-Fiサービスの整備方法は、1、みずからアクセスポイントを設置・運営する、2、アクセスポイントを新設しながらマネージドサービスを利用する、3、既存アクセスポイントを活用してマネージドサービスを利用する、4、既存のWi-Fiサービスをバルクで購入して活用する、の四つに大別でき、予算と目的に考慮して選択できるとされています。観光に力を入れている京都市や福岡市などは2の方法で行っているようです。区はどのような方法での導入を検討されているのでしょうか。伺います。

 区内各地での外国人を含む観光客が回遊し、地域経済の活性化に結びつく条件を整えていきたいとも述べられました。そのためには、中野FreeWi-Fi化は、中野駅周辺のみならず、交流拠点各駅や周辺など全区的な整備が必要と考えます。区長も、記者会見の際の質問に対し、全域へのサービスを目指すとされたと聞き、大変心強く思います。

 中野FreeWi-Fi化の全区展開には、地方創生交付金のうち地方創生先行型の活用が考えられるのではないでしょうか。先日の我が会派の白井議員の地方創生先行型の活用についての質問に対し、区長は、人口の確保やグローバルな視点からの経済の活性化及び地方との連携強化による相互発展に資する事業を中心に検討すると答弁されました。FreeWi-Fiの全区展開はまさしくグローバルな視点からの経済の活性化につながり、さらには防災や防犯、また超高齢化社会への対応など、今後区が抱えるさまざまな課題の解決への活用の可能性も秘めています。区長が描く事業モデルの早期展開からも財政負担の軽減からも、同補助金を活用して全区展開を図ってはいかがでしょうか。伺います。

 区内各地での交流をさらに促進するためには新交通システムについての再検討が必要と考えます。お考えを伺います。

 次に、4つの戦略について、1、まち活性化戦略について、から伺っていきます。

 今月4日、JR東日本は、中央線に2階建てグリーン車を導入することを発表しました。計画では、中央線快速電車を現在の10両編成から12両編成にした上で、東京寄りから4両目と5両目に2階建てグリーン車を連結するとあり、対象区間にある全44駅と車両基地などでは駅改良工事を行う予定としています。本年度から基本設計に着手し、2020年のサービス開始を目指す計画ですが、懸念されるのは中野駅地区第2期整備を含む周辺まちづくりへの影響です。区は、中野駅ホームの改良工事についてJRからどのような情報を得ているのでしょうか。伺います。

 また、このことにより、南北通路及び新北口駅前広場整備等、今後の中野駅周辺のまちづくりのスケジュールに影響は出ないのでしょうか。伺います。

 次に、2、地球温暖化防止戦略について伺います。

 東京都では、水素エネルギーの普及に向けた戦略の共有及び機運の醸成を図ることを目的として、水素社会の実現に向けた東京戦略会議を設置しています。11月に中間のまとめを行い、数値目標や具体的な取り組みを示しました。長期ビジョンでの将来像として、水素社会の実現に向けて水素活用の技術革新が進み、燃料電池車や水素ステーション、家庭用燃料電池などの普及が拡大していることを掲げ、2020年オリンピック・パリンピック競技大会を契機にインフラ整備などの支援を通じて普及拡大を図り、水素社会の早期実現を推進していく方向性が示されています。

 2020年までの政策目標としては、燃料電池車普及台数6,000台、燃料電池バス普及台数100台以上、水素ステーション整備箇所数35カ所、家庭用燃料電池普及台数15万台としています。26年度補正予算でも水素ステーションの設備等導入促進事業として21億円が組まれています。

 将来的に化石燃料が枯渇する危険性、近年の地球温暖化等のエネルギーをめぐる問題が深刻化する中で将来的なエネルギーとして水素の利活用が注目されています。国内に資源が乏しく、エネルギーの大部分を海外の化石燃料に依存している日本にとって、水素はエネルギーの有効活用やエネルギー効率の向上を通じてエネルギー供給源の多様化や環境負荷の低減に資すると考えられます。また、利用用途によっては非常時対応の観点からも有益であるとされています。

 中野区でも、地球温暖化防止戦略に水素エネルギーの利活用を加えるべきと考えます。まずは、水素ステーション整備について前向きに取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。

 次に、3、元気いっぱい子育て戦略について伺います。

 中学進学による児童の不安解消や児童・生徒の学力向上を目指し、小中連携教育がいよいよスタートいたします。まずは小・中学校教員の相互乗り入れや中学生への学習支援等が来年度から本格的に行われていくことは、これまで強く推進してきた我が会派としても高く評価するところです。その上で、小中連携教育のひとまずのゴールはカリキュラムの完成です。どのようなスケジュールでカリキュラムの完成を目指されているのか、伺います。

 グローバル教育推進についても伺います。

 去る2月12日、緑野小学校で明治大学の留学生と交流行事が行われました。6年生の全2クラスと明治大学中野キャンパスに拠点を置く国際日本学部の留学生との交流であり、参加した留学生は、アメリカ、オーストリア、韓国、台湾、中国、フランス、ベトナム、香港からの12名。この交流は、明治大学側からの要請で実現したと聞きます。かねてよりグローバル人材育成のため、区立小・中学校と四季の都市に進出した大学の力を活用することを求めてまいりましたが、その後どのような進展があったのでしょうか。語学のみならず、多様な国籍の学生との文化交流が区立小・中学校で盛んに行われるべきと考えます。協定締結後の区の対応について伺います。

 4つの戦略の最後に、健康・生きがい戦略について、区民のスポーツ促進の観点から伺います。

 各区のスポーツ施設で行われている健康・スポーツ事業について、自区内の区民を優先的に受け付ける制度等を設けている区がある一方、中野区では中野体育館、鷺宮体育館等での申し込みに当たって区民を優先する制度がありません。区民優先の制度を設けるべきではないでしょうか。伺います。

 今後開園予定の大規模公園では、少年野球やフットサル等、これまで区内に少ないと言われてきた屋外でのスポーツが行える施設整備がなされます。一方、中野の中心である四季の都市では、ランニング、ゲートボール以外に区民が屋外でのスポーツに親しめる場所がありません。来年度、四季の森公園拡張用地の活用について基本設計、実施設計が行われますが、バスケットゴールの設置等、若い世代を中心とした区民が気軽にスポーツを楽しめる設備の配置を検討してはいかがでしょうか。伺います。

 次に、安全・安心のまちづくりについて伺います。

 施政方針説明では、安全・安心なまちづくりに向けた取り組みとして、避難路の整備や安全確保を挙げられました。今年度実施の道路ストック総点検が終了し、結果の詳細は今後建設委員会で報告されることと聞きますが、特に舗装路面下陥没調査の結果は芳しいものではなかったと聞きます。今回の調査で発見された陥没の危険性がある箇所は何箇所で、うち再調査を行ったのは何箇所だったのでしょうか。伺います。

 原因の多くは老朽化した下水道管に起因するとも言われますが、原因究明と状況把握のため、サンプルとして必要な一定数の箇所の再調査が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 今回の調査は主要幹線道のみで行われましたが、調査結果と区の下水道整備は23区の中でも早く行われたことを鑑みると、残りの区道全体の舗装路面下陥没調査を実施すべきではないでしょうか。また、仮にその結果が下水道の老朽化に起因するものだとすれば、調査結果を踏まえ、都に区内の老朽化した下水道管の整備計画策定を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 2項目めとして、空き家対策について伺います。

 昨年11月9日、臨時国会において空き家対策特別措置法が可決され成立いたしました。法の施行と施策を実行するための基本事項を定められるのは本年5月ごろとなる予定です。空き家対策については、これまでも我が会派の小林ぜんいち議員や自民党の佐野議員などからも質問があったところですが、いよいよ国の定める空き家対策が具体化するのを目前に、平成27年度予算案には区としての対応が見受けられないため、確認のため2点お伺いをいたします。

 同法の狙いは二つあり、一つは、防災、防犯、衛生上等、問題のある空き家を「特定空家等」と定義し、基礎自治体が空き家へ立入調査を行ったり、指導、勧告、命令、行政代執行の措置をとれるように定め、所有者が命令に従わない場合は過料の罰則を設けていること。また、所有者の特定のため、固定資産税等の課税のための個人情報を必要な範囲において利用できるようにも定めていることであり、もう一つは活用できる空き家の有効活用です。区市町村は、今後策定される基本方針にあわせ独自の計画作成及び空き家データベースの構築が求められることとなります。法の施行時期を考えると、来年度には区として空き家対策に取り組む体制を含めた準備が急がれます。現在、老朽危険家屋については建築分野が担っていますが、今後の計画策定に当たり、課税情報の活用や空き家の利活用等、所管を超える仕事が求められます。早急な組織体制の構築が必要ではないでしょうか。伺います。

 国の動向を待つ前に必要なことは、データベースの早期構築です。今年度から建築分野の職員が行っている危険家屋調査はその対象が約8万件と言われます。しかし、この1年間で調査が完了したものは2万件程度と聞きます。このペースではデータベース作成だけで今後3年以上を要することとなります。予算と人員配置の措置が必要ではないでしょうか。伺って、私の全ての質問を終わります。

 

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 平山議員の御質問にお答えをいたします。

 グローバル戦略と産業振興ビジョン、都市観光ビジョンの関係についてということであります。先日、中野区と区内経済3団体及び中野区産業振興推進機構が発起人となり、中野区グローバル戦略推進協議会が発足をいたしました。この協議会では、国家戦略特区への追加指定を前提として、グローバルなビジネス活動の集積や都市観光振興、文化発信などに向けて民間主導の規制改革に向けての提言や連携事業の構築を進めていきたいと考えております。こうした活動の成果としての規制改革などを活用して、産業振興ビジョンや都市観光ビジョンの実現をより一層促進したいと考えているわけであります。両ビジョンとも直ちに改定するということまでは考えておりませんが、今後の状況の変化や、また基本構想や10か年計画改定の状況なども踏まえて必要に応じた改正は行っていきたいと、このように考えております。

 重点産業、ICTコンテンツ関連やライフサポート関連の産業の区内各地での立地促進についてであります。ICTコンテンツ関連につきましてもライフサポート関連につきましても、区内各地域でのまちづくりを契機とした魅力ある企業立地環境の整備や、地域の商店街と進出企業との連携によって双方の顧客の増加を図るなど、さまざまな手法によってさらに集積を促進していきたいと考えております。まちづくりなどを契機とした、そうした産業集積についても計画的に進めてまいるよう努めてまいります。

 中野FreeWi-Fiの整備方法についてであります。中野FreeWi-Fiは、誰でも無料で利用可能なWi-Fiというふうに考えておりまして、例えば、東京・中野FreeWi-Fiといった共通名称を設定しているアクセスポイントであれば、一度の登録で誰もが利用できるサービスを考えております。携帯電話の契約者のみが使えるWi-Fiサービスと違って、外国人など誰でも使えることから、海外からの観光客も視野に入れた集客効果が見込めるものと考えております。

 また、アクセスポイント名称の共通化によりまして、利用者にとりましてはログインしやすくなることに加えて、ログインした際の初期画面、これが共通化されるということから区内の観光や防災などの情報を効果的に発信することができる、これがメリットと考えております。

 駅前広場など公共空間におけるWi-Fiのルーターというのでしょうか、これにつきましては、区が通信事業者への委託により設置・運営を行い、民間店舗が設置しているWi-Fiにつきましてはアクセスポイント名称共通化の協力を得てサービス展開を図る、こうした考えであります。

 中野FreeWi-Fiの交流拠点での整備についてであります。区が設置をいたします公共空間のWi-Fi、このルーター設備につきましては、中野駅周辺アクセスポイントの利用状況や今後の動向を見極め、順次拡大することを検討したいと考えております。一方、民間アクセスポイントとの連携につきましては区全域を対象とするものであり、東中野、中野坂上、新中野、新井薬師前、野方、鷺ノ宮など、交流拠点となる駅周辺での民間店舗における設置や、アクセスポイントの名称共通化の協力を得て中野FreeWi-Fiの面的な整備を行っていきたいと、こう考えております。こうした事業を進める上では、地方創生先行型の交付金、この活用についても十分視野に入れて検討していきたい、こう考えております。

 区内各地の回遊性を高める交通手段について、新交通システムについても再検討が必要ではないかと、こういったような御質問でありました。産業や観光の振興のため、区内各地の回遊性を高める、このことについて幅広く交通環境の整備のあり方等について今後検討していきたいと、このように考えております。

 JR中央線のグリーン車導入と中野駅地区の整備についてであります。JRからどのような情報を得ているかということですが、JR東日本からは、中野駅もグリーン車を導入することにより12両化する列車の運行に必要な駅改良工事の対象となっているとのことを聞いているところであります。

 今後のまちづくりや南北自由通路等の整備に影響が出ないのかと、こういうことですが、中野区といたしましては、駅改良工事が行われたとしても中野駅地区整備の計画やスケジュールに影響することがないよう、JR東日本にしっかりと申し入れを行ってまいります。

 それから、区における水素ステーション等の整備についてであります。区では、現在、中野区基本構想の改定作業を進めているところであります。27年度には、新しい中野をつくる10か年計画、及び地球温暖化防止に向けた個別計画である中野区環境基本計画の改定作業を行うこととしております。区におきます水素社会実現に向けた取り組みについて、国や東京都の動向を見極めながら、これらの計画の改定作業の中で具体的な検討を進めてまいりたいと、このように考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 小中連携教育の今後のスケジュールについての御質問がございました。平成25年度から取り組み始めた小中連携教育では、中学校生活の理解のためのオープンキャンパスや授業や部活動の体験、教員の授業交流などを通して一定の成果を見ているところでございます。平成27年度からは、これに加えまして、全区的な取り組みとして小・中学校の教員による相互の乗り入れ授業の実施、合同研究会の開催などを予定してございます。このほか、小学校における一部教科担任制の実施、中学校区を単位とした合同行事、9年間を見通したカリキュラムの作成等を段階的に進めていく予定でございます。

 次に、グローバル人材の育成のための大学との連携についての御質問です。グローバル社会で活躍する人材を育成するためには、学校においてコミュニケーション能力や協調性、課題解決能力や異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティーなどを身につけることが重要であります。平成26年度は、総合的な学習の時間などを活用し、区との協定を生かして、留学生が複数の小学校で児童と交流し、相互の文化を理解し合う学習活動を行いました。緑野小学校での取り組みもその一環でございます。こうした直接的な体験はグローバル人材として必要な資質を養うには有効であり、教育委員会としても、今後こうした大学との連携も含めた取り組みなどを各学校に示していきたいと考えてございます。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、健康・生きがい戦略の中での体育館における区民優先枠についての御質問にお答えをいたします。

 体育館の団体利用につきましては、現在でも利用受付の開始時期等で区民優先の取り扱いを行ってございます。今後、体育館の個人利用につきましても、利用実態を見ながら優先策を検討してまいりたいというふうに考えてございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、初めに、四季の森公園拡張の際の気軽にスポーツを楽しめる施設整備についての御質問にお答えいたします。既に開園している部分と同じコンセプトで整備していく予定でございますが、来年度に行う設計の中で必要な施設整備について具体的に検討してまいりたいと考えております。

 次に、舗装路面下陥没調査についての御質問でございます。今回の舗装路面下陥没調査で発見された空洞の可能性がある箇所は69カ所ございました。早急な対応が必要と判断した4カ所について対策を講じているところでございます。また、今後、残りのそれ以外の箇所について経過観察を行い、適宜対応していく予定でございます。

 次に、区道全体の舗装路面下陥没調査と下水道局へ整備計画策定を求めることについての御質問がございました。今年度の舗装路面下陥没調査は、バス通りなどの大型車両の通行の多い主要幹線道路約21キロメートルの路線を優先して調査を行いました。生活道路の調査につきましては今後検討してまいりたいと考えております。今回、対策をとった4カ所につきましては、下水道施設の割れや接続箇所のずれによるものが2カ所、区の雨水ますの接続箇所のずれによるものが2カ所でございます。

 東京都下水道局では、近年の陥没発生数が多くなっている現状から、平成25年に23区内で50カ所の陥没対策重点地区の指定を行い、このうち中野区内では13地区を指定し、対策を行っております。このような状況から、今後下水道局には耐震化を含めた陥没対策を計画的に進めていくよう要請していきたいと考えております。

 続きまして、空き家対策について、データベースの構築についての御質問でございます。最近の情報によれば、空き家対策特別措置法の施行日が、条項の利用等は2月26日、立入調査や指導・勧告及び罰則に関しては5月26日になったとのことでございます。これにより、これまで所有者の判明が難しかった案件につきましては所定の手続を踏むことで所有者を特定できるものと確信しております。今後は実態の把握とともに、指導・勧告等の手続に伴う費用や人員の負担がどのようになるのか、検証を進めていく考えでおります。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、空き家対策に係る組織体制の構築についてお答えいたします。

 空き家対策につきましては、空き家等対策の推進に関する特別措置法、これが本年の2月26日に施行されることになってございます。今後、国が示すガイドライン等を踏まえまして、空き家等対策計画の策定も含めまして区の体制や取り組みについてお示ししていきたいと考えてございます。

○副議長(やながわ妙子) 以上で平山英明議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 篠   国 昭

 1 教科書採択について

 2 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律のねらいについて

 3 防災の日常化について

 4 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 次に、篠国昭議員。

〔篠国昭議員登壇〕

○36番(篠国昭) 平成27年第1回定例会に当たり、自民党議員団の立場より質問をさせていただきます。

 質問通告のとおりで、まず、教科書採択について、2番目に地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律のねらいについて、3番目が防災の日常化について、そして、その他で平成27年4月から介護保険制度が大きく変わる点について、一部お聞きしたいと思います。また、その他の2番で、白鷺一丁目の妙正寺川鷺の宮調節池及び上部の多目的広場の整備について、そしてその他の3番目で、補助133号、いわゆる中杉通りについて、一部御質問させていただきます。

 1番目の教科書採択について。

 まず、教科書採択について伺う前に、我が国の教育を考える上でその根本となる教育基本法についてお伺いいたします。

 昭和31年、第三次鳩山一郎内閣の清瀬一郎文部大臣が、教育基本法に国や家族への思いがどこにも入っていないのは問題であるとの考えを表明しています。現在の教育基本法は平成18年12月に約60年ぶりに改正されたもので、これからの教育のあるべき姿、目指すべき理念が明らかにされたものです。その特色にはどのようなものがあるのか、まずお伺いいたします。

 2番目に、昨年の夏には小学校の教科書採択が行われました。そして、ことしの夏には中学校で使用する教科書を採択することが予定されています。今述べた改正教育基本法や改訂された学習指導要領の趣旨について、教育委員会として採択にかかわる教育委員や調査委員会にかかわる教員に対しどのように周知したのか、お伺いします。この点に関しては、平成23年7月5日に、23区中唯一、中野区議会が教育基本法、学習指導要領の目標を達成するため、最も適した教科書採択を求める決議を上げていることに対する強い思いがあるわけであります。

 3番目として、どの教育委員会においても教科書を採択する基準を定めていると思います。その根底をなすものは教育基本法であり、学習指導要領であると思います。学習指導要領には教科ごとに目標を定めており、検定を通ってきた教科書の中でどの会社の教科書が最も学習指導要領の目標に迫るかが一番重視すべき点なわけでございます。教科書の見やすさや使いやすさもさることながら、採択の規則や要綱にこのことこそ明記すべきであると考えます。特に現在の学習指導要領は約50年ぶりに改正された教育基本法に基づいて定められたものであり、その趣旨が反映されたものです。ぜひこのことがわかるように何らかの形で、できれば文章で位置付けるべきだと考えます。御見解をお伺いします。

 教科書採択についての4番目として、最後に、教科書採択の最終決定方法についてお伺いします。

 教育委員会の採択に関する膨大な議事録を読みますと、採択教科書決定は、さまざまな議論の後、委員長がこれまでの各委員の意見から○○社を採択したいが異議はないかという形で決定しているようです。これでは各委員の意見が曖昧になり、反対意見を述べにくくなると考えます。合議ではなく、無記名でも構わないが、投票で決めるべきと考えます。教育委員会の御見解をお伺いします。

 2番目の大きな項目の質問に入ります。地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律のねらいについてです。

 現行の教育委員会制度には、教育委員長と教育長のどちらが責任者かわかりにくい、いじめなどの問題に対して必ずしも迅速に対応できていない、地域住民の意思が十分に反映されていないなどの問題が指摘され、これらの課題を解決することをねらいとして、昨年、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正されたと理解しています。今年4月から教育委員会の新制度が始まるに当たり、議会として共通認識を図る意味から、4点お伺いします。

 1番として、今回の法改正の主な趣旨と概要は何かをお伺いします。

 2番、議会との関係について、新制度の教育長の選任については従来とどのように変わるのか、お伺いします。

 3番目に、新制度の教育長の職務内容はどのようになっているのか、お伺いします。

 4番目、地方公共団体において教育振興基本計画を定める場合には、その中の施策の目標や施策の根本となる方針の部分が大綱に該当すると位置付けることができるとし、首長──中野区でいいますと区長が、総合教育会議において教育委員会と協議し、当該計画をもって大綱にかえると判断した場合には別途大綱を策定する必要はないとされています。この点に関して区はどのようにするお考えか、お伺いします。

 3番目に、防災の日常化についてお伺いします。

 過去多くの災害を経験した私たちは、同時多発する火災や救助、寸断される道路による通行障害等から、公助には限界があることを知り、また、阪神・淡路大震災ではがれきの中から助けられた人の8割の方は家族や近所の方によるものであったということから、自助・共助の備えの重要性について身を持って知りました。そうしたことから災害の備えについては怠らずに取り組んでいるところですが、阪神・淡路大震災から20年が過ぎ、東日本大震災からも4年が過ぎようとしていることから、若干風化しているところがあるのではないでしょうか。日常生活を送る中で風化させないために災害に備え続けることは容易ではないことでしょう。ならば、わざわざ災害、防災と叫ばなくても、ふだんの生活の活動の中に防災を組み入れてはどうでしょうか。餅つきをしたときには餅を配りながら見守りの対象者、避難に支援が必要な人を見て回るとか、地域でのイベントと防災を結びつける取り組み、こういったものも有効でしょう。そうした取り組みを進める上で核になる施設は区民活動センターや学校などの区の保有する施設ということができるのですが、区民活動センターは災害時に地域本部になることや、その規模から考えると学校の役割は非常に大きいと考えられます。

 1番目に、小・中学校の防災の取り組みについてです。

 まず、学校における防災教育についてお尋ねいたします。

 東日本大震災から我が国は多くの教訓を得ました。その一つが「釜石の奇跡」と呼ばれるものです。大津波に襲われた釜石市の小・中学生は率先して高台に逃げ、約3,000人のほとんどが助かった。被害想定を過信しないという事前学習の大きな成果であるとされています。地震が多発する我が国において、小さいころから災害についての教育を適切に行うことで、みずからの生命を守ること、家族や友達と助け合うことなど、災害時に適切な行動がとれるように教育を行うことは3.11の大きな教訓であると考えます。

 そこでお伺いします。現在、子どもたちは学校で防災についてどのような学習をしているのか。あわせて、3.11以降を踏まえ、新たに取り組みを始めたことはあるのかをお伺いします。

 2番目に、学校を拠点とした地域防災への取り組みについてお伺いします。

 学校は、子どもに対する教育や防災への取り組みだけでなく、ふだんから近隣で生活する方々の地域の防災拠点として機能させることが必要でしょう。ふだんから学校に集い、地域防災力の向上について取り組みを少しでも進めることが重要であると考えますが、学校を中心とした防災への取り組みはどのように進めているのでしょうか。お伺いします。

 3番目に、トイレに対する区の対応についてお伺いします。

 これからの地域防災力の向上のための取り組みは、人と人との協力、または災害対応能力を向上させる等、ソフト対策によるところが大きいと思いますが、物資がないとどうにもならないこともあります。その一つはトイレの問題です。阪神・淡路大震災では断水のためトイレが使えなくなりました。人は食べることと同様に排泄しなければ生きていけません。現在策定中の23区の統一ガイドラインでは、し尿の処理については下水道への直接投下を優先することを基本としていますが、この方法だけでは十分とは言えないのではないでしょうか。区はどのような対策を講じているのか、お伺いします。

 4番目に、水に対する区の対応状況についてお伺いします。

 トイレの話でも断水から水洗トイレが使えなくなったということです。水のことについても備えが重要と言えます。飲料水は1人1日3リットルが必要で3日間の備蓄が必要とされていますが、飲料水だけでなく、生活用水も非常に重要です。汚れた手を洗えなければ感染症の蔓延が考えられるでしょうし、避難所の清掃や食器の洗浄にも必要でしょう。区は飲料水や生活用水の備蓄や調達についてどのような対策をとっているのか、お伺いします。

 その他の1番目で、平成27年4月から介護保険制度が大きく変わるわけです。特に要支援1・2の高齢者については介護サービスの内容が変わると聞いております。介護予防や自立を支援するという観点からどのようなサービスを提供するかが重要になってくると思います。具体例にはどのようなものがあるのでしょうか。

 二つ目に、要支援1・2の新しいサービスの移行は平成27年度から平成29年度の期間中で行うこととなっていますが、中野区の準備状況はどのようになっているのか、お伺いします。

 その他の2番目で、大事業であった白鷺一丁目の妙正寺川鷺の宮調節池及び上部の多目的広場の整備がいよいよ完成します。調節池、多目的広場ともに地域の大きな財産となる施設であり、地域の期待も大きいものと感じているところです。このたび多目的広場の名称が決定したそうですが、施設の完成を前に、改めて調節池、多目的広場の機能、果たす役割について確認をしたいと思います。

 最初に、調節池施設の概要と整備によって実現できる機能、役割についてお伺いします。

 2番目に、多目的広場の概要と整備によって実現できる機能、役割についてお伺いします。

 その他の最後に、都市計画道路事業補助133号線、中杉通りについては、現在、測量作業を実施中とのことですが、どの範囲の測量を行っているのか。また、この事業の進捗状況はどのようになっているのかをお伺いします。

 以上で私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 篠議員の御質問にお答えをいたします。

 地教行法の改正の趣旨と概要についてであります。このたびの地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正は、教育行政における責任体制を明確にするとともに、教育委員会における審議の活性化、速やかな危機管理体制の構築、首長との一層の連携の強化などをねらいとして行われたものであります。

 主な概要といたしましては、委員長と教育長の職を一本化した新教育長を設置し、第一義的な責任者を教育長とし、また緊急時にも教育長による迅速な会議の招集を行えることとなりました。教育長へのチェック機能の強化のため、教育委員による会議の招集請求や教育長に委任された事務の管理状況等の報告を義務付けたものであります。また、会議の透明化のため、原則として議事録を作成、公表することとなりました。全ての地方公共団体に総合教育会議を設置し、首長と教育委員会とが連携の強化を図り、より一層の民意を反映した教育行政の推進を目指すこととされたものであります。地方公共団体として教育施策に関する方向性を明確にするため、首長が教育に関する施策の大綱を策定することとした、このことも含まれております。

 新制度における教育長の選任についてであります。これまで教育長につきましては、首長が議会の同意を得て任命した教育委員のうちから教育委員会が任命をしていましたが、新制度では首長が議会の同意を得て直接任命することとされたわけであります。

 新制度の教育長の職務内容であります。新制度の教育長は、教育委員会の会務を総理し、教育委員会を代表することとされており、会議の主宰や教育委員会の権限に属する全ての事務をつかさどることなどが職務となります。

 教育大綱について区としてはどう考えているのか、こういうことであります。今回、首長──区長ですね、区では。首長に大綱策定が義務付けられた趣旨は、教育に対して地域住民の意向をより一層反映することや、地方公共団体における教育・学術及び文化の振興に関して総合的に施策を推進する、このことにあると考えております。こうした法律改正の趣旨を受けて、区といたしましては、区の教育全体の指針を定めた大綱を策定してまいりたい、このように考えております。

 次に、鷺の宮調節池及び広場の概要、機能、役割等についてであります。

 鷺の宮調節池です。鷺の宮調節池は、貯留量約3万5,000立方メートルとなっております。この整備によりまして、環状7号線からこの鷺の宮調節池までの区間につきましては時間当たり50ミリの降雨に対応できる、時間50ミリ対策が講じられることになるわけであります。

 広場、上部多目的広場についてであります。この広場の面積は9,070平方メートルでありまして、憩い広場と多目的運動場、大きくこの二つのゾーンに分けられております。憩い広場にはベンチや遊具を置き、多目的運動場は人工芝、それから15から20メートルの防球ネットを設置し、少年野球や少年サッカー等のできる施設としております。また、防災機能を図るため、災害時用マンホールトイレ等を設置しております。

 それから、都市計画道路133号線、中杉通りの事業進捗についてであります。都市計画道路補助133号線、中杉通りの測量作業につきましては、現在、東京都が都市計画線に係る土地とこれに隣接する土地の境界について確認を行っているところであります。なお、平成27年を目途に事業化の準備を進めていると聞いているところであります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教科書採択について幾つかの御質問がございました。

 初めに、改正された教育基本法の特色についての御質問です。改正教育基本法には第2条に新たに教育の目標が明示をされたほか、伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛する態度を養うことなどが明記されております。さらに、第17条では、学校の設置者として教育振興基本計画を定めるよう努めることが示されており、これらが特色として挙げられます。

 続きまして、改正教育基本法や改訂された学習指導要領の趣旨の周知についての御質問でした。教育基本法が改正された際には定例校長会等で改正の趣旨及び改正点について周知を行ってございます。また、学習指導要領の改訂の際には改訂の趣旨及び改訂点について教育委員会主催の教員への説明会を開催し、周知を行ってございます。本年度の小学校の教科書採択では、第1回の選定委員会の冒頭におきまして、私、教育長から直接委員に対しまして学習指導要領に基づく教科書の選定や現行の指導要領の充実、発展に向けた選定をお願いしているところでございます。

 続きまして、目標達成のための教科書を採択する旨の規則等への明記についての御質問がございました。中野区立学校教科用図書の採択に関する規則の第2条(1)に学習指導要領の目標達成に適した教科用図書を選定し、教育委員会が定める教育目標の実現を図るものを採択するように定めているところでございますが、学習指導要領を含めまして関係法令等が改正された際には採択基準に明記し、その趣旨を周知徹底していきたいと考えてございます。

 続きまして、採択教科書の決定の方法です。教育委員会での議決の方法は、規則により、挙手により採決、簡易採決、記名・無記名による投票など、議案によって委員長が定めることができるとされてございます。教科書採択は教育にとって大変重要な案件であり、最終決定する教育委員により十分に議論を尽くした上で採択することが望ましいと考え、丁寧に協議し、意見の一致を見ているところでございます。意見が一致しなければ採択するということになりますが、議決の方法につきましては、今後議論をしたいと考えてございます。

 次に、防災の日常化について。学校における防災についての学習状況の御質問がございました。東日本大震災以降、教科の学習といたしましては、社会科では災害発生時の関係機関の役割、理科では地震の原因、体育では応急手当等、防災教育の基礎となる基本的な知識に関する学習を行ってございます。また、各学校では防災計画や緊急地震速報対応マニュアルを踏まえ、教育課程に安全指導、避難訓練年間計画、防災教育計画を位置付け、避難訓練のほか、3.11集会による児童・生徒への意識づけや地域防災マップ作成による地域学習等に取り組んでいるところでございます。

 平成25年8月に全小・中学校に東京都教育委員会から配布された防災教育補助教材「3.11を忘れない」を活用し、自助や共助の精神、救急救命や消火の技能など具体的な行動等について計画的に学習を進めております。また、中学校におきましては、中野区町会連合会主催の中野区軽可搬ポンプ操法大会へ全中学校が出場し、中学生による共助の力を育成しているところでございます。そのほか、平成25年度からは学校教育向上事業で学校における防災教育のあり方を研究していただき、その研究成果を各学校で共有しているところでございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、防災の日常化についての幾つかの御質問にお答えをいたします。

 初めに、学校を拠点とした地域防災の取り組みについてでございます。全ての区立学校が避難所として指定しており、避難生活を送る地域における防災上の拠点として位置付けております。総合防災訓練はもちろん、地域の防災訓練や地域の方々へ防災講話や救命講習などは学校で実施されることも多く、普及啓発の拠点でもございます。最近では防災訓練に生徒が参加している事例や中学生の防災隊の結成なども行われており、学校を拠点として地域防災力の向上について努めているところでございます。

 次に、災害時のトイレに対する区の対応状況についての御質問でございます。区は、災害時のし尿の処理について、下水道への直接投入のため、大規模公園へのマンホールトイレの設置、避難所へのマンホールトイレ設置資器材の配備を行っております。また、下水道の被害等にも備え、ため置き型の非常用トイレの配備に加え、便器にかぶせて使用するし尿処理用の袋も備蓄しているところでございます。今後とも災害時のし尿処理につきましては、処理方法、資器材等について情報収集に努め、不足なく準備を進めてまいります。

 次に、飲料水や生活用水に対する区の対応状況についての御質問でございます。区では、飲料水について、備蓄、避難所の受水槽の活用、スタンドパイプによる消火栓からの取水、協定に基づく公衆浴場からの提供、応急給水槽からの給水等により調達することとしており、水を車両で運搬する水槽の整備も行っております。生活用水につきましては、避難所のプール、井戸、または区民の方の自宅にある井戸を使用する協定を締結する等により確保に努めております。今後も複数の方法での給水ができるようにさらに努めていく考えでございます。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 要支援に係る介護保険制度の改正についての御質問にお答えをいたします。

 本年4月から制度改正によりまして、区市町村は平成29年度までに、要支援1あるいは2の方を対象といたしました現行の介護予防給付のうち、訪問介護、通所介護を新規事業である介護予防・日常生活支援総合事業に移行することとされてございます。介護予防・日常生活支援総合事業は現行の予防給付の訪問介護、通所介護サービスに相当するサービスに加えまして、多様な生活支援サービスについてもプランに組み込むようにケアマネジメントすることで要支援者の総合的な生活の支援を目指すものでございます。

 中野区におきましては、介護予防・日常生活支援総合事業につきまして円滑な事業実施を図るため、生活支援サービスの提供主体となり得る関係各団体との調整を含めまして準備期間に1年を当て、平成28年度実施を予定しているところでございます。

○副議長(やながわ妙子) 以上で篠国昭議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 木 村 広 一

 1 放課後子ども総合プランについて

 2 仕事と子育て・介護の両立支援について

 3 防犯対策について

 4 中野区のグローバル化について

 5 神田川の護岸整備について

 6 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 次に、木村広一議員。

〔木村広一議員登壇〕

○3番(木村広一) 平成27年第1回定例会におきまして、公明党の議員団の立場から一般質問を行います。

 質問は通告のとおりで、1、放課後子ども総合プランについて、2、仕事と子育て・介護の両立支援について、3、防犯対策について、4、中野区のグローバル化について、5、神田川の護岸整備についてで、その他はありません。

 初めに、放課後子ども総合プランについて伺います。

 近年、子どもが小学校に入学すると、放課後の預け先が見つからず、母親が仕事を辞めざるを得なくなる「小1の壁」と呼ばれる問題が深刻化しています。厚生労働省によると、平成25年に放課後児童クラブ、区でいう学童クラブですが、希望しても利用できなかった待機児童は8,689人となっています。保育所に比べて開所時間も短い放課後児童クラブは、共働き世帯の増加などを背景に高まるニーズに対し、受け皿の不備が指摘をされています。この打開策として、厚生労働省と文部科学省は、「日本再興戦略」改訂2014を踏まえ、放課後に校内などで子どもを預かる放課後児童クラブの拡充などを盛り込んだ「放課後子ども総合プラン」をまとめ、昨年7月31日に全国の自治体に通知しました。同プランでは、受け皿の整備を加速させるため、現在の定員数を平成31年度末までに約30万人分ふやすことを目標に掲げ、放課後児童クラブと放課後子ども教室を計画的に整備していくこととしています。区では、この放課後子ども総合プランの実施についてどのように考えているのか、伺います。

 区としては、放課後の子どもの居場所づくりとして、今後の学校再編に伴い、児童館にかわり全小学校にキッズ・プラザを開設する予定ですが、学校再編の対象外の小学校での計画は明らかになっていません。全区的な年次計画をいつ作成するのか、伺います。

 放課後子ども総合プランでは、全ての児童に安心・安全な居場所の確保とともに、次代を担う人材を育成する観点から、多様な体験・活動の機会を拡大するため、放課後子ども教室による学習支援などのプログラムの充実を目指しています。区では、8カ所のキッズ・プラザに加え、10の委託団体による放課後子ども教室推進事業を行っています。しかし、委託団体による推進にはどうしても地域的な偏りや内容のばらつきが生じます。区では、今後、放課後子ども教室推進事業をどのように拡充していくのか、地域や分野のバランスをとるために区が積極的にコーディネートすべきではないかを伺い、この項の質問を終わります。

 2番目として、仕事と子育て・介護の両立支援、ワークライフバランスについて伺います。

 ワークライフバランスとは、誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や家庭、地域、自己啓発などに係る個人の時間を持てる、健康で豊かな生活ができるよう、社会全体で仕事と生活の双方の調和の実現を目指していくことです。

 区では、区内事業者に対しワークライフバランス推進事業を実施していますが、取り組みの企業の紹介などの情報提供だけであり、啓発にはなりますが、具体的な支援活動は行われていません。企業としても両立支援を推進するためにはさまざまな努力が必要であり、啓発だけでは大きな進展は望めません。

 東京都では、ワークライフバランスの取り組みを広く公表することとともに、取り組み企業に対して助成金や融資制度の活用、専門家の派遣など、具体的な都内中小企業の雇用整備を推進しています。また、他区においても、23区中9区でワークライフバランスの推進企業認定制度などにより、入札の際の加点、区内施設利用料の一部割引や社内研修の講師派遣など具体的な支援を行い、大きなインセンティブを与えています。中野区においても、ワークライフバランス推進企業認定制度などを導入し、具体的な支援をしてはどうか、伺います。

 また、その推進のため、認定制度までアドバイスをするアドバイザー派遣制度を実施してはどうかを伺い、この項の質問を終わります。

 3番目に、防犯対策について伺います。

 区は、平成16年から区内で自主的な防犯パトロールを実践する団体に防犯資機材等の支給を行い、活動支援を行ってきました。私も町会や地域団体など複数の防犯パトロールに毎月参加させていただいておりますが、警察や区による防犯パトロール活動などだけでなく、防犯パトロール団体によるこれまでの地道な活動が地域の防犯対策に大きく貢献していると実感しています。防災パトロール活動は10年を経過しましたが、どのような効果があったのか。その結果、区内の犯罪は減少しているのか、伺います。

 また、このような地道な防犯活動をしたパトロール団体に対して、区はどのような評価をしているのか、伺います。

 また、中野区の安全・安心への活動に尽力をされている防犯パトロール団体に対し、例えば、10年以上活動している団体を感謝状などで表彰し、敬意を表すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 区の事業以外で、地域団体が自前で運行している青色灯防犯パトロールカーによる防犯活動は、区内で1団体、1車両のみです。品川区では、青色灯の防犯パトロールカーを使用して活動している地域団体に対し、運用開始時に青色灯自体の購入やマグネットシートなどの作成の補助をし、そのほかに燃料代などの運営費用として年間に2万円の補助を行っているそうです。中野区においても、品川区のような補助を行うことにより、こうした防犯活動を行う地域団体がふえてくると考えますが、こうした青色灯の防犯パトロールへの支援を検討してはいかがでしょうか。伺い、この項の質問を終わります。

 4番目に、中野区のグローバル化について伺います。

 施政方針説明では、グローバル化した世界情勢を受け、地域社会でも多様な価値観や利害がこうした地球規模の動きと同調しながら混在するようになっています。それらが作用する不確実性といかに向き合うかが個人にとっても国や自治体にとっても問われることになりますとの認識を示し、さらに、グローバルな都市活動の集積を高めていくためにハード・ソフト両面での基盤整備を進めていくと述べられていました。施政方針説明では都市観光の取り組みの必要性も挙げていますが、外国人の観光客が回遊しやすいように、区として外国語による観光案内サービスを導入してはどうか、伺います。

 また、中野区の魅力を積極的に発信する広報の充実も重要です。昨年の総務委員会の視察で盛岡市を訪問した際、盛岡市のプロモーション映像を拝見しました。自然、文化遺産、温泉やホテルの紹介など、つい訪れてみたくなるすばらしい映像でした。それが多言語で作成されており、地方での観光誘致の積極性を感じました。今は映像もネット上で世界中どこでも見られる状況であり、映像の内容で観光地を決めることも十分あり得ます。区として、クオリティーの高い多言語対応の区プロモーション映像を作成してはどうか、伺います。

 また、行政と同様に、民間でもさまざまな形で中野区を紹介し、発信をする機会があります。区で作成した映像は、部分的にも利用できる素材として民間でも活用できるライセンスフリーにしてはどうか、伺います。

 昨年の12月、東京の地下鉄では、東京オリンピックに向けた外国人観光サービスとして143の駅に無料の公衆無線LANサービスが開始されました。しかし、東京メトロ丸の内線では西新宿駅より都心側まで、都営地下鉄大江戸線では都庁前駅より都心側までと、中野区内では無線LANサービスが実施されたのは東西線中野駅のみとなっています。この無料の公衆無線LANサービスは、観光以外でも日常的に使えるサービスであり、ある意味では通信格差であり、観光誘致の障害にもなると考えます。南部地域、中野坂上、東中野の活性化にもつながる、この区内の丸の内線や大江戸線の駅への無料の公衆無線LANサービス拡充を都や東京メトロに働きかけてはいかがでしょうか。伺います。

 2月6日に開催された中野区グローバル戦略推進協議会設立記念フォーラムでの、区長も参加したパネルディスカッションでは、中野の特徴、また強みとして、アナログでヒューマンなものが挙げられていました。自治体としての基盤整備は重要でありますが、それと同様にアナログでヒューマンなもの、つまり区民の意識がそのグローバルな多様性にどのように向き合うかが中野区においても特に重要と考えます。多様性に対応した区民意識のグローバル化をどのように取り組むのか、伺い、この項の質問を終わります。

 最後に、神田川の護岸整備について伺います。

 現在、神田川の護岸改修が進んでいますが、橋梁については、昨年3月に氷川橋が完成し、その上流にある千代田橋は来月3月に完成する予定です。今後、平成30年度までに柳橋、本郷橋、寿橋の下流まで護岸整備が実施される予定になっています。氷川橋は、かけかえにより橋桁の位置が高くなったため、以前よりも接続道路へのすり付け部分の勾配がかなりきつくなりました。そのため近隣住民からは、坂が急で上りにくい、自転車でおりるときにスピードが出て危険などの声が上がっています。氷川橋が完成して1年たっていませんが、氷川橋周辺の事故は通報されたもので8件発生し、2年間の年間4件を大きく上回っています。通報されない危険な事故はその数倍はあると地域住民から伺っています。区ではその現状を踏まえ、路面の滑りどめ、カーブミラー、注意喚起の掲示板を設置しましたが、今後の橋梁のかけかえの際に同様の危険性が危ぶまれています。今後、柳橋、本郷橋とかけかえが続きますが、その危険性を避けるために橋桁を上げずに改修することはできないのか、伺います。また、仮に橋桁が高くなることが避けられない場合、安全確保のために、区では橋桁が高くなることの緩和策、安全対策についてどのように考えているかを伺い、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 木村議員の御質問にお答えをいたします。

 放課後子ども総合プランについての御質問であります。国の放課後子ども総合プランでは、学校施設を活用するなどして、学童クラブに当たります放課後児童クラブ及び全ての児童を対象とする放課後子ども教室を整備して、共働き家庭などの児童の生活の場の確保とまた全ての児童の放課後の多様な活動の場の確保を、一体的にあるいは連携して実施していくこととしているところであります。

 区では、この放課後子ども総合プランで示しております放課後子ども教室につきましては、小学校内にキッズ・プラザの整備を進めることによって実施をすることとしているところであります。そして、地域のボランティアの方々の協力を得ながら、学校・地域・行政の連携によって学習やスポーツ、交流などの活動を行っているところであります。また、キッズ・プラザを整備していくまでの期間につきましても、児童館などにおいてキッズ・プラザに相当する事業を進めてまいります。今後のキッズ・プラザの整備につきましては、学校再編計画(第2次)を踏まえるとともに、その他の小学校についても平成27年度に計画を策定していきたいと考えております。

 放課後子ども教室の拡充についてであります。国のいう放課後子ども教室につきまして、区では、区で設置しているキッズ・プラザのほか、放課後子ども教室推進事業として区民の育成団体への委託によって実施している事業があります。平成26年度においては、10の団体がそれぞれの強みを生かして、スポーツや文化活動などさまざまな取り組みを各地域において展開をしていただいております。こうした取り組みをさらに充実させていくためには、地域で育成活動にかかわっている個人や団体等に情報提供を積極的に行い、周知を図っていくとともに、キッズ・プラザへの事業の協力でありますとか、キッズ・プラザとこのような団体との連携についても積極的に働きかけ、キッズ・プラザを中心とした事業の充実を図っていきたいと考えているところであります。

 区民のワークライフバランス支援の制度についての御質問がありました。ワークライフバランス推進企業認定制度は、男女共同参画を推進する企業を増加させる上で有効な手段と考えているところでありますが、既に実施している他の自治体ではあまり実績が上がっていないと、このように聞いているところであります。アドバイザーの派遣制度も含めて、他の自治体の制度内容を参考にして、中野に合った取り組み、この取り組みのあり方について検討してまいりたいと、このように考えております。

 私からは以上です。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、初めに、防犯対策について、犯罪の減少と防犯パトロール活動団体への評価についての御質問にお答えいたします。

 防犯活動の支援を行ってきた10年間において、自主的な防犯パトロール活動が継続的に実施されたことにより、区民の防犯に対する意識が高まっていると認識しております。また、区内の犯罪発生件数は、警視庁の統計によれば、平成16年の6,242件から平成26年の3,410件と、約45%、2,832件もの犯罪が減少しております。警察や区による防犯パトロール活動に加え、自主的に活動されている地域団体の防犯パトロール活動の成果が犯罪の発生を抑え、安全で安心なまちづくりに多大に寄与していると認識しているところでございます。

 次に、防犯パトロール団体への表彰と青色灯防犯パトロールカー活動への支援についての御質問がございました。これまで防犯パトロール団体に着目して表彰することはしておりませんが、今後、中野区表彰条例及び中野区表彰基準に基づき、表彰を行っていくよう検討してまいります。

 また、活動の支援につきましては、青色灯防犯パトロールカーの活動によって区内の犯罪抑止力を高めるとともに、青色灯という目立つ活動は区民への安心感を提供することができると認識しているところでございます。青色灯防犯パトロールカーに対する支援のあり方についても検討してまいりたいと考えております。

 次に、中野区のグローバル化についての御質問のうち、地下鉄駅への公衆無線LANの設置についての御質問でございます。地下鉄駅の海外仕様の端末に対応する公衆無線LANの設置につきましては、中野区のグローバル化を推進するため、東京都及び東京メトロに要望を行っていく考えでございます。

 最後に、神田川の橋桁の改修と安全対策についての御質問にお答えをいたします。橋梁のかけかえに伴う橋桁の設置につきましては、河川管理施設等構造令において定められた高さにしなければならず、橋桁の厚さを薄くするなどの工夫はしておりますが、現在の橋桁よりは高くなってしまうこととなります。区といたしましても、接続道路とのすり付け区間を長くとることなど、勾配の緩和措置について東京都と調整していきたいと考えております。また、かけかえ後につきましても状況に応じて必要な安全確保のための方策を講じていきたいと考えております。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 中野区のグローバル化についてのうち、外国語による観光案内サービスの導入についての御質問にお答えをいたします。御質問のサービスにつきましては、ボランティアガイドサービスの展開など、都や他の自治体の事例を勘案しつつ、外国人観光の振興に向けたさまざまな取り組みの中で検討していきたいと考えているところでございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、中野区のグローバル化について、多言語対応の区のプロモーション動画の撮影についてお答えいたします。区の魅力や価値をさまざまな国々に紹介するような映像の効果につきましては、どのような媒体にどのような効果があるか、研究してまいりたいと考えてございます。

 次に、区民の意識のグローバル化についてお答えいたします。2014年中野区区民意識実態調査では、45.5%の区民が外国人と何らかの交流を持っているとお答えしてございます。グローバル化が進む状況下にありまして、外国人区民も含め、地域の中で多様性を認め合うコミュニティーづくりが必要であると考えており、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機として区民の国際理解がさらに進むよう、今後外国人と交流する機会を積極的につくり、体験を通じた国際理解が深まるよう進めてまいりたいと考えてございます。

○副議長(やながわ妙子) 以上で木村広一議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時28分休憩

 

午後2時50分開議

○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 高 橋 ちあき

 1 基本構想改定の進捗について

 2 教育相談環境の整備について

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 高橋ちあき議員。

[1]高橋ちあき議員登壇

○34番(高橋ちあき) 平成27年第1回定例会におきまして、自由民主党議員団の一員として質問をさせていただきます。

 質問は通告のとおりで、その他におきまして一つ、ひとり親家庭の支援について、を伺います。

 それでは、まず初めに、基本構想改定の進捗について、をお伺いいたします。

 区では、平成28年3月を目指し、基本構想の改定作業を進めていると承知しておりますが、御案内のとおり、基本構想は区が施策を進める上で必要な政策大綱であり、総合的で計画的な行政を進める指針であり、議会の議決を受けて決定されるものであります。既に基本構想審議会を立ち上げ、審議を進めているほか、折に触れて区民や各種団体からも意見・要望を聞き、検討を重ねているということは聞いています。さらには、先ごろ、区長が職員との懇談の機会を持って、基本構想改定に係る意見交換を行ったとも聞いております。

 そこでお伺いいたしますが、まず、これまで審議会は何回開かれ、どのような議論が行われているのかをお示しください。

 さらにまた、今後、どのような時期までに議論を整理し、答申をいただく予定なのか、その答申にはどのような事項が盛り込まれることになるのか、現時点で明らかにできる範囲でよろしいのでお示しください。

 職員との懇談はどのような狙いで、どのような立場の職員が参加して行われたのか。また、そこで出された意見などはどのようなものなのかもお示しください。

 審議会の答申は、区が進める改定作業の指針となるもので、しっかり受けとめなければならないものと考えますが、区民や団体、さらには職員からの提起される意見や要望というものを区ではどのように受けとめ、どのように対応するお考えなのかもお聞かせください。

 既に御承知のとおり、この4月には統一地方選挙があり、中野区でも区議会議員選挙が行われます。御勇退をされる議員の方もおいでになりますし、新しい候補者も多数いらっしゃることでしょうし、選挙後の議会が今日の顔ぶれと変わることは間違いないと思います。もちろん我が自由民主党は全員勝利を掲げておりますので、我が党が変わることはあり得ません。

 先にも述べたとおり、基本構想は区政の最も根幹をなす政策大綱であります。そうした大事なものの改定作業の様子などを、どのような時期に、どのような方法で改選後の議会に示すお考えなのかをお伺いいたします。

 基本構想の改定を進めるには、何度も言いますが、議会の議決が必要なわけでありますので、おそらく来年の第1回定例会の議題として提案されるのではないかと考えられます。改選後の議会がこの議題に向き合うことのできる時間はそれほど多くはないと思います。二元代表制という現在の仕組みの中で、議会にも政策に係る立案や調整という大事な役割が期待されております。当然、議会みずからがそうした役割・機能を発揮するための努力や働きをしなければなりませんが、区長にも議会がそうした役割を効果的に果たせるように環境を整えたり、タイミングをとらえて議会の力を引き出す役割があるのではないかと考えますが、区長の御所見をお伺いいたします。

 基本構想には、まちの将来像を描き出す役割もあると考えます。そうした認識のもとお伺いいたしますが、先日、総務省が住民基本台帳の登録データをもとに26年度の人口移動の状況を公表したとの報道がありました。それによると、東京は転入者が転出者を上回る転入超過の状態にあり、しかも中央区や港区という都心区への流入が多いということでした。

 そこでお伺いいたしますが、中野区も転入者の方が多いと思われますが、その状況はどうなのかをお示しください。

 中野区は、ある調査で、住んでよかったまちランキングで1位になったことがあったと承知しておりますが、今後の自治体間競争に勝ち残るためには、移り住みたいと思わせるようなまちの魅力がなければだめなのではないでしょうか。単にマンションの増加とか、公園とかのハード面だけでなく、育てやすいまち、地域がともに支え合うまちなど、ソフト面も含めた温かみのあるまちの魅力を高めることが必要ではないでしょうか。これらの点を踏まえて、基本構想で描くまちの将来像をどのようにお考えなのかをお示しください。

 次に、2番目、教育相談環境の整備についてをお伺いいたします。

 現代は、子どもたちを取り巻く環境が大変厳しくなっていると感じます。私たちが小・中学生だったころと比べても、大分はるか昔でございますが、非常に強いレベルのストレスにさらされていると言わざるを得ません。

 学校におけるいじめの問題は喫緊の課題です。いじめは、その対象になった子どもに深刻な苦痛を与え、時には不登校や自殺などに追い込むこともあるなど決して許されない行為であり、いじめ問題への対応は学校における最重要課題の一つであると言えます。この問題に対して教育委員会や学校は未然防止や早期発見・早期対応のための基本方針を策定し、真剣に取り組んでいますが、いじめを受けた子どもたちへのケアが大変重要であると考えます。いわゆるネットいじめというインターネット上での仲間外れや悪口などが行われていることも事実です。この種のいじめは表面化しにくいだけに陰湿化、深刻化しやすい傾向にあり、子どもたちは自分がそのようないじめの対象にならないようにするため、携帯電話・スマートフォンを手放せなくなり、食事中もそれらから目を離せなくなっている中・高生がいるという報道もあるほどです。こうした生徒へのカウンセリングも学校として重要な役割となってきていると思います。

 さらに近年では、発達に課題がある児童・生徒がその特性から集団生活になじめず、孤立して不登校になったり問題行動を起こしたりすることも少なくありません。こうした児童・生徒への対応については、その子どもの特性をいち早く理解し、それに合った適切な対応をとることが求められてきています。

 こうした中、児童・生徒の心理的なケアの専門家であるスクールカウンセラーが平成25年度から全ての小・中学校に配置されました。これに加えて、中野区では心の教室相談員を小学校には週2日、中学校には週3日配置しています。これら、子どもたちの心のケアを専門的に行うことができる人材が各学校に配置されていることは大変重要なことです。しかしながら、人的な措置もさることながら、子どもや保護者が相談しやすい環境を整備していくことも重要であると考えます。

 学校には、相談員のための部屋が置かれていますが、電話が設置されているところが少ないようです。現在の状況では学校の職員に知られてしまうという心配から積極的に相談をできずにいる人もいるようです。子どもや保護者が安心して相談室に電話をし、相談をしたり面談の予約をしたりすることができるようにするためには相談室への電話の設置をすぐにでも進めることが必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。この課題は以前から出ていることであり、早急な対応が必要と考えます。

 また、カウンセラーや心の相談員も大切な役割でありますが、総合的に対応できるスクールソーシャルワーカーの役割もさらに大きなものになります。スクールソーシャルワーカーの対応は今後どのようにお考えなのか、もお示しください。

 その他の一つ、最後になりますが、ひとり親家庭への支援についてお伺いをいたします。

 近年、社会状況の変化やライフスタイルの多様化などに伴い、結婚や出産、子育てに関する意識も変化してきております。こうした中、中野区では子ども・子育て支援事業計画を策定し、子どもたちがのびのびと健やかに成長するための施策を推し進めていこうとしております。全ての子どもが健やかに成長するためには子どもや子育てを地域社会全体で支えていくことが必要です。中でも、ひとり親家庭については生活の安定と向上のための支援が求められます。こうしたひとり親家庭に対して、税法上、寡婦(夫)控除の制度が設けられ、寡婦(夫)控除を受けている方は区の保育料など、一部の使用料について負担が軽減されておりますが、この対象となるのは一度結婚をした後に配偶者と死別または離婚した世帯に限られているため、結婚をしないままひとり親となった世帯は対象となっておりません。このため、ひとり親家庭であっても経済的負担の軽減を受けられない世帯があるというのが実情であります。

 子育て支援を推進していこうとする中野区として、いわゆる寡婦(夫)控除のみなし適用についてできるところから始めていくことが大切であると思いますが、どのようにお考えでしょうか。見解をお伺いいたします。

 以上で私の質問は全て終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 高橋ちあき議員の御質問にお答えをいたします。

 基本構想審議会の議論の状況についてであります。基本構想審議会は、昨年9月に発足をいたしました。これまでに7回開催をしてきております。現状把握でありますとか、今後の課題等の整理を順次行ってきております。新たなまちの姿を描く上での視点や方向性について、グループに分かれての討議も取り入れ、議論を進めてきていただいております。現在は答申に向けた検討をされているところでありまして、3月には議論を取りまとめていただく予定となっております。

 答申の内容につきましては、少子高齢化、人口減少社会への対応など、将来を見据えた社会状況等を踏まえ、新たなまちの姿を描く上での視点や方向性等について盛り込まれるものと考えているところであります。

 基本構想改定にかかわる職員との懇談についてということであります。職員との懇談については、幅広く一般職員を対象として、基本構想改定に向けた職員の意識共有あるいは職員の視点を把握することといったようなことを目的に実施をいたしました。所属を離れた横断的な立場で自由に意見交換を行ったところであります。特に勤務経験の浅い若手職員などからは、居住者としての見方あるいは

一般的な生活者としての見方などから、中野のまちの魅力をつくり出すこと、子育てに優しいまちづくりをすることなどについての意見が出されてきたところであります。これからも、職員の自由な発想、職員として考える中野の将来像といったようなことについて意見を聞き取りながら、中野区の職員として中野区への思いを強くさせていきたい、このように考えております。

 それから、区民意見等の受けとめについてであります。これまでに聴取をした区民や団体の意見につきましては基本構想審議会にも報告をし、答申に向けた検討の参考にしていただいているところであります。今後とも区民や関係団体との意見交換会またはパブリック・コメント手続等の区民の皆様の参加の機会を確保して、審議会の答申や聴取した意見、区民等の意見をしっかりと受けとめ、区民が共有できる基本構想に向けて検討を進めていきたいと考えております。

 改定にかかわる議会での議論についてということであります。基本構想審議会の答申を踏まえた改定に向けた区の考え方について、改定の視点、素案たたき台、素案、案と節目節目で議会に報告をし、御意見や御提案を受けとめながら検討を進めていきたいと考えているところであります。

 基本構想改定に当たって、中野区における人口移動の状況をどう見ているかということです。中野区におきましても、平成23年度以降、転入超過の状況が続いているところでありまして、人口全体としても平成25年以降増加をしている、そういった状況にあります。

 自治体間競争に勝ち残るためには移り住みたいと思わせるようなまちの魅力が必要である、ハード面だけでなく、ソフト面を含めた温かみのあるまちの魅力をという、こういう御質問でありました。まちのあちらこちらで子どもたちの声が聞こえ、また次の時代を担う子どもたちが健やかに育っていく、安心して子どもを産み、育てられるまち、また、あらゆる人がそれぞれの立場で働き、あるいは社会に参加して、ともに支えあい、生きがいを感じられる、地域がともに支え合うまちといったような視点で、基本構想審議会の答申や区民の皆様の御意見、また議会での御議論を踏まえながら、温かみのある魅力あふれるまちの将来像、こうした観点からもまちの将来像を描いていきたいと考えております。

 その他のひとり親家庭の支援についてであります。婚姻歴のないひとり親については、寡婦(夫)控除の対象とならないことから、婚姻歴のあるひとり親に比べて課税対象所得が高くなり、各種サービスの利用において不利益が生じる場合が出てきております。こうした課題を解消するための手だてとして、婚姻歴のないひとり親家庭に対しての寡婦(夫)控除のみなし適用、これを行うことが考えられるわけであります。このことについて区として検討を行い、できるだけ早期に実施をしていきたいと考えているところであります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教育相談環境の整備につきまして、初めに、相談室への電話の設置についてです。スクールカウンセラーへの相談予約については、現在は匿名でも取り次ぐこととして対応してございますが、昨今、児童・生徒に関する教育相談のニーズが高まっていると認識しております。現在、電話交換機の設備更新を計画的に進めているところでございますが、それにあわせて相談室の内線電話を今年度と来年度の2カ年で全小・中学校に設置する予定でございます。

 次に、今後のソーシャルワーカーへの対応についてです。スクールソーシャルワーカーは、現在、児童・生徒のさまざまな問題について保護者や家庭、福祉サービス等と連携して対応に当たっており、学校や保護者からも高い評価を得ており、ニーズも高まってきております。今後は不登校も含めたさまざまな児童・生徒の課題に対し、家庭支援を含め幅広く対応していくため、来年度、スクールソーシャルワーカーの拡充を図っていく考えでございます。

○議長(伊東しんじ) 高橋ちあき議員。

○34番(高橋ちあき) 大変丁寧な区長からの御答弁をいただきまして、区民・団体の意見は審議会に持っていって審議会でも参考にしていただくという御答弁をいただきました。

 それで、職員のみなさんたちとの懇談も、その職員の方たちに意識を、区の職員である中野を思ってもらう、強く思ってもらうための意識を持ってもらいたいということで懇談をしたというふうに私は受け取ったんですけど、職員の方たちが出してきてくださっている、いろいろな基本構想に対する思いは審議会にどのような形で持っていっていらっしゃるのかというところを教えていただければありがたいと思います。

 さらに、職員の方々が、これから中野の基本構想のもとに中野区をより一層新しい発展した区にしてくださるわけですので、さらに強い思いを持っていただければと思いますので、そこのところもよろしくお願いいたします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 職員の懇談における意見を審議会にどのように反映させるかということですけれども、区民の皆様からいただく御意見などとともに、職員の意見という形でもお知らせしていきたいと、こういうふうに思っております。

 また、職員としては、それぞれの部署、仕事の持ち場で基本構想の案を固めていく、その作業にこれからかかわっていくわけですので、その面でも参加はできるかというふうに思っております。

 また、引き続きこれからも自由な意見を聞き取る場というものをつくっていきながら、職員が中野区に対して自分の思いをしっかりと固めていく、高めていくということができるようにしていきたいと、このように考えております。

○議長(伊東しんじ) 以上で高橋ちあき議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 ひぐち 和 正

 1 南部地域のまちづくりについて

 2 子ども・子育て支援新制度について

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、ひぐち和正議員。

〔ひぐち和正議員登壇〕

○12番(ひぐち和正) 平成27年第1回定例会に当たり、自由民主党の立場から質問させていただきます。質問は通告どおり、1番目、南部地域のまちづくりについて、2番目に子ども・子育て支援新制度について、3番目、その他はございません。

 まず初めに、南部地域のまちづくりについてお聞きします。

 区の南部地域は、この数年間で大きく変貌を遂げてきました。また、今後もさらに変貌を遂げていくと思われます。公園でいえば、(仮称)本町五丁目公園や(仮称)南部防災公園、さらに(仮称)本町二丁目公園、清掃事務所車庫とともにつくられる(仮称)弥生町六丁目公園など、防災公園としての機能などを持った大規模な4カ所の公園の整備が進められています。これらの公園は防災公園の機能だけではなく、今まで南中野になかった待望の少年サッカー場や少年野球場が整備されるようになり、子どもたちが身近で安心してスポーツのできる場所ができるもので、地域でもこの完成に大きな期待が寄せられています。

 さらに、待機児童解消のため、南台にできる保育園の新築や、富士見中学校跡地にすこやか福祉センター及びプールつき体育館と特別養護老人ホームが着工し、平成28年度には完成します。また、同じ平成28年度の開設を目指して、南中野区民活動センターも障害児支援施設とともに方南通りに面して建設される予定です。今まで地域が待望していた施設がこの数年の間に南部地域に出来上がってきます。

 また、南台一・二丁目地区の防災まちづくりを進めるため、不燃化促進事業と地区施設道路整備の一層の推進が図られるとともに、弥生町三丁目周辺地区においても東京都の不燃化特区の指定を受け、今までにないスピード感を持って防災まちづくりに向けた取り組みが進んでいます。南部地域に目を向けた、このような施設の整備や事業の展開は今後の南部地域のまちづくりに寄与するものであり、我が党としても大いに歓迎するものであります。このような施設整備に、先ほども申し上げましたが、地域の方々は大変期待を寄せております。しかしながら、この施設も地域の方々に有効に使っていただいてこそ生きてくるものと思われます。

 そこで、この項では、今後整備される施設の利用方法などについてお聞きします。

 まず、新設される公園内に整備される野球場やサッカー場、(仮称)南部地域スポーツ施設内に整備されている体育館やプールなど、これらのすばらしいスポーツ施設を有効利用するために、地域のスポーツ団体や子どもたちの育成団体などの利用者となる方々の声を聞いていく必要があると思われます。使い勝手のよい設備の設置を含め、適切な運営がなされれば、施設の充実だけでなく、地域に合った使いやすい場所になると考えます。そこで、区は、どのように利用者となる方々の意見を吸い上げ、使い勝手のよい施設運営に結びつけていく考えなのか、お聞きいたします。

 次に、すこやか福祉センターや区民活動センターについても、今までの施設運営から、こうしたらもっと使い勝手がよいのではといった地域の声は聞いていると思います。施設上の制約からこのような地域の声にこたえられなかった部分もあると思いますが、新たに整備される施設であることを踏まえ、南部地域の活性化に寄与するといった観点からどのような工夫や改善をしていくのか。また、スポーツ施設と同様に利用者の意見をどのように反映させたのか、区の考えをお聞きします。お答えください。

 さらに、新たに整備されるすばらしい施設を利用して、さまざまなスポーツ、文化活動が展開され、青少年の健全育成活動の活性化も期待されるところです。これには、さまざまな活動に対応して子どもたちの指導が行える地域の人材の確保も不可欠であると考えます。しかしながら、現状ではそのような人材が不足していることが育成活動を進める上での大きな課題になっています。すばらしい施設を整備するとともに、子どもの健全育成を支える人材の確保が急務です。人材育成の担い手確保の観点から今後どのような取り組みを考えられるのか、区の考え方をお聞きします。

 さて、阪神・淡路大震災から20年が経過しました。現在も御嶽山の突然の噴火や富士山付近の水温の上昇などの異変が起こり、いつ突然、災害が起きてもおかしくない状況が続いています。私たちも今後30年以内に70%の確率で発生すると指摘されている首都直下地震などの災害時にも備えておかなければならないと思います。

 そこで、以前私が質問した内容についてですが、平成23年第1回予算特別委員会において、中野富士見中学校の跡地利用についての質問に対し、区は、江戸川区の小学校の例を挙げ、「災害時にはプールの水を活用し、シャワーやトイレに利用することを研究したい」と答弁をいただいています。また、平成25年第2回定例会においては、すこやか福祉センターについての質問に対し、区は、中部地域スポーツクラブの施設は学校施設の転用による規格面での制約もあるが、今後整備する施設については検証結果を踏まえてよりよい施設整備を行っていきたいと答弁しています。

 そこで、確認の意味でお聞きしますが、これらについてどのように研究し、どのような設備になるのか、お聞かせください。

 次に、これから建てられる建物の建築環境性能について対応しているのかをお聞きします。

 中野駅北口の四季の森公園にそびえる建物は、キャスビーでいう5段階中、Sランクとなっています。すこやか福祉センター、体育館、プール、特養ホーム、区民活動センターなどに環境に配慮したLED照明を使用しているのでしょうか。例えば、体育館の照明器具をLEDにすると、価格は割高になりますが、電気代が安く、2年半で償却できるとのことです。その後も電力量は63%の格安で運営できます。また、体育館の競技によって照度を変えることができるのも特徴です。一般的なメタルハイランドタイプの器具と比べるとおおよそ5倍の寿命がありますので、電球の取りかえが少なくなり、メンテナンスの手間も省けます。これからの新しい施設にはエコにも対応しなければならないし、地球に優しい建築物のクオリティーを上げて、健康な生活や省エネで地球環境の負荷を少なくすることは大切なことだと思います。

 そこでお聞きしますが、今回の施設整備において、LEDの設置など、環境やランニングコストにも配慮した施設となるよう整備を進めるべきと考えますが、区の見解をお伺いします。

 次に、区全体に目を向けたいと思います。中央部では、警察大学校跡地の四季の森公園周辺の開発を皮切りに、中野駅周辺の大規模な再開発が始まります。また、区の北部では、西武線の連続立体交差事業とともに、西武新宿線沿線の各駅周辺のまちづくりが始まろうとしていますし、大和町では災害に強いまちづくりの検討が進んでいます。一方、南部地域では、今までなかった公園や体育館などが整い始めました。このように区の各地でさまざまなまちづくりが展開されていますが、今まで公園などの公共施設の整備状況をとらえ、区の南北で格差があるとの指摘があったのも事実です。

 そこで伺いますが、今後予定されている大規模公園を含めた公共施設が整備された段階で、区南北の施設の格差は解消されると考えてよろしいのでしょうか。中野区全体の均衡あるまちづくりという観点からお聞きいたします。

 この項の最後になりますが、南部地域には、今回の施設整備や小・中学校の再編に伴い、今後利活用の検討が必要となる施設が存在します。具体的には、南部すこやか福祉センター等整備に伴い、現在の南部すこやか福祉センターや学校再編により、学校としての利用がなくなる新山小学校についてはどのように活用していくのかが今後の課題となります。

 そこでお伺いします。さらに南部地域のよりよい環境をつくっていくためにはこれらの施設の土地・建物の有効活用は欠かせないと考えますが、この活用方法についてなるべく早期に検討を行い、今回改定する10か年計画に明記するべきと考えますが、いかがでしょうか。

 今回の一般質問において、質問を通して幾つかの指摘をさせていただきましたが、これらのことを念頭に置きまちづくりを進めていただき、人と人とのつながりを大切にする中で、誰もが安心して住み続けられるまち、誰もが住みやすいと思うまちづくりを目指して邁進していただきたいことをお願いし、この項の質問を終わりたいと思います。

 次に、2番目の子ども・子育て支援新制度について御質問いたします。

 平成24年8月に制定された子ども・子育て関連3法に基づき、平成27年4月に子ども・子育て支援新制度が本格的にスタートをします。子ども・子育て支援新制度では、区が実施主体となり、乳幼児期の教育・保育や地域の子育て支援の量の拡充と質の向上を図るとしています。

 現在、区では、中野区子ども・子育て会議の論議やパブリックコメントで出された区民、地域、関係団体等の意見を踏まえながら中野区子ども・子育て支援事業計画の策定を進めているところかと思います。子ども・子育て支援事業計画が策定され、全ての子どもや子育て家庭に必要な支援、サービスが提供されるようになることで子育てに関するさまざまな課題が解決していくのではないでしょうか。子ども・子育て支援新制度施行で中野区の子育て環境が豊かになり、子どもを産み育てやすいまちとなることを期待しています。

 冒頭にも述べたとおり、子ども・子育て支援新制度の目的には教育・保育の量の拡充と質の向上があります。中野区では就学前人口や保育需要が年々増加しており、今後も保育所等の利用者希望はふえると予想されます。区は待機児童解消に向け、平成26年度予算で認可保育所等の整備を計画しました。増加する保育需要に対応するため、施設整備はスピード感を持って進めていくことが必要です。

 そこでお聞きします。今後も保育需要を見極め、保育施設を整備していく必要があると考えますが、平成27年度の見通しは具体的にどのようになっているのでしょうか。

 量の拡充とともに、質の向上も大変重要と考えます。次世代を担う子どもたちの教育、保育に携わる教諭,保育士の質が向上することにより、子どもたちの未来が豊かになり、保護者にとっても安心して子育てできる環境が整うと思います。

 そこで伺いますが、特に保育所等については、量の拡充に当たり新規施設の整備や定員拡大が進められていますが、質の向上についてはどのように取り組むのでしょうか。お尋ねします。

 最後に、私立幼稚園について伺います。

 私立幼稚園については、子ども・子育て支援新制度への移行を運営する事業者が選択できることになっていますが、中野区内の私立幼稚園はこの春新制度へ移行する園はないと聞いています。新制度への移行の有無にかかわらず、幼児教育を充実させるためには私立幼稚園の存在が不可欠で、子育て支援は急務です。国や都の制度に沿った考え方だけでなく、区としての独自性のある子育ての支援も必要だと考えます。

 そこで伺います。新制度への移行をしなかった私立幼稚園に対しても安定的な運営に向けた支援が必要であると考えますが、支援についての区の見解を伺い、全ての質問を終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) ひぐち議員の御質問にお答えをいたします。

 新たに整備されますスポーツ施設の運営における利用者の御意見の受けとめ、また使い勝手のよい運営に結びつけていく、その方法等についてであります。(仮称)本町五丁目公園など、新たに整備する公園の運動施設については、関係団体や利用者の声を伺いながら運営をしてまいります。また、(仮称)中部地域スポーツ施設や整備中の(仮称)南部地域スポーツ施設については、中野区地域スポーツクラブが町会・自治会や子ども育成団体あるいは地域の商店会など、それぞれの地域の御意見や御要望を教室事業等に取り入れることで地域に根差した施設としていくことを考えております。

 それから、利用者の意見を反映させた設計についてであります。南部すこやか福祉センターにおきましては、地域の御要望を反映して、地域の日常的な交流の場や地域の祭りや防災訓練、あるいはゲートボールなどにも利用できる多目的広場を整備する予定であります。また、災害時の避難所にもなることから、防災倉庫を整備するとともに太陽光蓄電池を設けるなどの工夫を行いました。

 また、南中野区民活動センター整備においては、地域活動室に加えて地域活動交流スペースを設け、地域の課題解決のための話し合いや情報交換の場などにも活用できるようにいたしました。

 地域の人材育成についてであります。子どもたちは地域と交わりながらかかわりながら世代間の交流や豊かな体験を通じて成長し、次代の担い手として育っていく、そのように考えております。区といたしましては、中野区子ども・子育て支援事業計画において、地域の活動の中で新たな地域人材がふえ、地域の育成活動が広がっていることを目指す姿として描いております。その実現に向け、地域の人材育成の視点を持ってさまざまな子育て支援事業を進めるなど、1人でも多くの子どもたちや保護者の方々などに参加していただき、さらに地域の担い手としての意識や関心を高めていただけるような、そうした働きかけを行うことなどに努め、地域の人材育成を進めてまいりたいと考えております。

 (仮称)南部地域スポーツ施設における検討の成果、災害時等の利用あるいは施設の検討についての御質問であります。プールの水につきましては、災害時の生活用水として活用することを予定しているところであります。使い方によってはろ過などが必要になる場合もありますし、その利用の方法等について現在検討を行っているというところであります。

 また、(仮称)南部スポーツ施設の設備といたしましては、障害者の方も利用できるような、6コースある25メートルプールを設置するほか、観覧席を敷設したバスケットボールやテニスができる屋内運動場、多目的ホール、トレーニングルームなどを整備する予定であります。

 新しく整備をする施設における環境への配慮についてであります。南部すこやか福祉センター及び南中野区民活動センターともに、LED照明、また省エネルギーに呼応した換気装置の導入や太陽光発電設備を設置する予定であります。また、全ての窓には複層ガラスを使用し、環境負荷の低減を図れるように設計をしているところであります。

 区南北の施設の格差解消についてということであります。区が行う施設サービスの提供につきましては、大規模公園など全区的に検討していくことが必要な施設と、子育て支援施設など地域のサービス需要にこたえるような地域に密着した施設の展開を行っているところであります。現在、特に配置に大きな偏りがあるという認識は持っていないところでありまして、御理解いただきたいと思います。

 それから、南部地域の施設の有効活用についてということであります。学校跡地の活用につきましては、全区的な需要や地域ごとのニーズを勘案して、住民にとって一層地域の価値が高まる活用方法を検討していきたいと考えております。現南部すこやか福祉センターにつきましても同様の考え方で検討を進めていきたいと考えております。

 それから、子ども・子育て支援新制度に関連する御質問がありました。

 その中での今後の保育施設の整備についてであります。平成27年度につきましては、認可保育所5施設と小規模保育事業2施設を新たに誘致する予定でありますが、認可保育所開設に向けた事業提案を引き続き検討している事業者があることから、今後の施設整備についても着実に進めることが可能であると考えております。

 量の拡充とともに、質の向上も大変重要である。保育の質の向上についてという御質問でありました。保育所等につきましては、運営に関する指導・監督を適切に行っていくこと、またさまざまな研修等を通じて保育所間の連携を図るなど、区としてもさまざまに支援をしながら保育所等の質の維持・向上に努めてまいります。

 それから、私立幼稚園への支援についてであります。区内の私立幼稚園には2,300人を超える中野区の幼児が通園をしています。子ども・子育て支援新制度への移行の有無にかかわらず、その役割は大変大きいと考えております。私立幼稚園を希望する保護者に対する入園料補助の充実や、特別な配慮が必要な児童の受け入れに対する私立幼稚園への補助、預かり保育の充実を図ることなどで、幼稚園に対する支援を強化することとしたところであります。

○議長(伊東しんじ) 以上でひぐち和正議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 子どもの貧困対策について

 2 区立公園内トイレ及び公衆トイレにトイレットペーパーを設置することについて

 3 消費者教育の推進について

 4 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○39番(むとう有子) 任期中最後の一般質問となりました。これまで質疑いたしました課題の再考を求め、質疑いたします。

 1、子どもの貧困対策についてお尋ねいたします。

 平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす17歳以下の子どもの割合を示す日本の子どもの貧困率は、悲しいことに上がり続けています。厚生労働省の調査では、2012年度は16.3%で、6人に1人です。ひとり親世帯に限ると2人に1人となり、さらに深刻です。中野区でも就学援助を受けている小学生は4人に1人、中学生は3人に1人となっています。

 2014年1月に、子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、第4条には、地方公共団体は、当該地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務を有すると規定されています。基本的施策として、第10条から第14条には、教育支援、生活支援、保護者に対する就労支援、経済的支援、貧困対策を適正に策定し実施するための調査研究が規定され、地方公共団体がこのような施策を講ずることになっています。足立区では、23区で初めて、新年度から子どもの貧困の実態把握を目的に健康・生活調査を行うそうです。既に取り組んでいるものも多少ありますが、次年度、この法律に基づく新たな取り組みがあればお答えください。

 婚姻歴のないひとり親家庭に対する寡婦(夫)控除のみなし適用の実施を求め、2013年第2回、第3回定例会にて2度お尋ねいたしました。最初は「考えていない」との答弁でしたが、2度目は「動向を見極めて考える」との答弁に変化いたしました。そこで、23区の動向を区議会事務局に調査していただきました。その結果、23区中既に10区が、4月から新たに1区で、保育料や学童クラブ利用料、母子生活支援施設や区営住宅の使用料などに寡婦(夫)控除のみなし適用を実施していることがわかりました。先ほど高橋ちあき議員の質疑に対して、実施していきたいとの御答弁でしたが、私からも念のために通告どおり伺います。中野区においても寡婦(夫)控除のみなし適用の実施を再度求めます。区の見解をお答えください。

 次に、区立公園内トイレ及び公衆トイレにトイレットペーパーを設置することについてお尋ねいたします。

 公衆トイレにトイレットペーパーを設置していないのは23区の中で中野区だけとわかり、設置を求める質問を2011年と2013年の第3回定例会で質疑いたしました。今後新設するトイレや多数の人の利用が見込まれるトイレで可能な場所では設置するとの御答弁でした。3年が経過し、現在、105カ所ある公衆トイレのうち13カ所、個数でいえば183個のうち50個に設置されました。大きな前進ではありますが、国際的ビジネスの拠点形成を目指す中野区としては全てのトイレに設置するべきではないでしょうか。

 これまで、ペーパーの盗難防止鍵つきホルダーが2万円で、設置料金1万3,000円とで、1ホルダー設置に3万3,000円かかっていました。小出しに設置していたため大変割高な料金となっています。私が調べた範囲では、ホルダーそのものの値段は1万2,800円からありました。さらに、そのメーカーのペーパーを購入することでホルダーが無料でついてくるシステムもありました。私の見積もりによれば約300万円で残る全ての既存のトイレにペーパーの設置が可能です。多くの区民がペーパー設置を望んでいます。この際、残る全ての公衆トイレにトイレットペーパーの設置を求めます。見解をお答えください。

 次に、消費者教育の推進についてお尋ねいたします。

 2010年12月、消費者センター条例を改正し、名称も「消費生活センター」に変更し、2011年3月より区役所1階に移りました。その条例改正に伴い、国の方向性と逆行し、条例から消費者団体等の指導育成事業が削除され、もっぱら相談事業に特化した機能へと変貌しました。

 2012年施行の消費者教育推進法の第3条の2項には、消費者が主体的に消費者市民社会の形成に参画し、その発展に寄与することができるよう、その育成を積極的に支援するとあり、さらに第8条では、地方公共団体は、消費者教育の推進に関する施策を実施するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めなければならないとし、第10条では、市町村は、区域における消費者教育の推進に関する消費者教育推進計画を定めるよう努めなければならない、第20条では、市町村は、区域内における消費者教育を推進するため、消費者、消費者団体、事業団体、教育関係者、消費生活センターその他をもって構成する消費者教育推進地域協議会を組織するよう努めなければならないと規定されております。しかし、中野区においては、努力義務規定であるためか、消費者への育成支援も、財政上の措置も、消費者教育推進計画も、消費者教育推進地域協議会の設置もなされていません。消費者教育推進法に基づく積極的な取り組みを求めます。区の見解をお答えください。

 区長は、施政方針説明の中で、国や都の施策を待つのではなく、国や都の先に立って時代を切り開いていく気概を持つことが重要だとおっしゃいました。ぜひそのような気概のある誠実な答弁を求め、質問を終わります。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、子どもの貧困対策につきましての御質問にお答えをいたします。

 一つ目といたしまして、子どもの貧困対策法に基づく事業の御質問がございました。区では、これまでにも経済的な支援の必要性という観点から、就学援助やひとり親支援、入院助成などの支援を行ってきたところでございます。また、平成27年4月に施行される生活困窮者自立支援法に基づき、低所得世帯の小・中学生に対する学習支援事業の実施を予定しているところでございます。

 次に、寡婦(夫)控除のみなし適用といった御質問もございました。寡婦(夫)控除のみなし適用につきましては、できるだけ早期に実施をしていきたいと考えてございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 公園内トイレ等、トイレットペーパーの設置についてお答えいたします。

 トイレットペーパーにつきましては、利用頻度の高い公園トイレや公衆トイレに設置を拡大してきました。今年度も新たに8公園に設置し、区全体では12公園、1公衆トイレ、個室便器の割合で見ますと約4割の設置状況となっております。区としては一定の設置ができたものと考えており、来年度以降に既設公園へ追加設置することは考えておりません。新設公園につきましては、利用想定を勘案し、個々に判断をしてまいりたいと考えております。

〔区民サービス管理部長白土純登壇〕

○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、消費者教育の推進についての御質問についてお答えいたします。

 区としては、消費者教育推進法の施行後、区内の中学校、高校及び大学における出前講座を開催するなど、啓発に積極的に取り組んできたところでございます。また、人材育成という観点では、消費者生活相談員の資質向上のための研修の充実や民生児童委員へ積極的に情報提供を行ってきたところでございます。今後とも教育委員会をはじめ、関係機関、各種団体との連携を図りながら消費者教育を進めていく考えでございます。

○議長(伊東しんじ) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 認知症施策推進事業について

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、近藤さえ子議員。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○29番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。

 認知症施策推進事業について。

 10年後、65歳以上の5人に1人が認知症になると推定される中、政府は、ことし1月認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を決定しました。その中で、医療・介護・予防・生活支援・住まいが一体的に提供され、たとえ認知症になってもその人の意思が尊重され、住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すとしています。若年患者を中心とした認知症当事者の会もでき、まさしくことし、平成27年は認知症施策の構築にとって重要な節目の年なのです。

 平成25年第3回定例会において、私は認知症対策の質問をしましたが、ここで再度認知症施策推進事業の組み立てについて伺います。

 昨年11月、12月の中野区健康福祉総合推進計画2015(案)等の3計画素案説明会の中で、地域支えあいについて、地域包括支援センターはよくやっているが、すこやか福祉センターの動きは見えてこない、連携させればよいのではないかという意見が出されました。これに対して区は、地域包括支援センターはすこやか福祉センターの一部であり、区の保健師等と地域包括支援センターとの連携により相談支援体制をつくっていると答えました。しかし、高齢者の問題として重要な部分を占めていく認知症の早期発見・早期治療等についてのすこやか福祉センターの職員の仕事内容は区民にはよく知らされていません。すこやか福祉センターの職員は認知症対策についてどのような役割を果たしているのでしょうか。すこやか福祉センターから地域包括支援センターに相談をつなげる以外の役割を教えてください。

 1年半前にも、私は認知症コーディネーター、認知症地域支援推進員の配置などを伺い、認知症対策は喫緊の課題にもかかわらず職員配置が少ないことを危惧していることを申し上げました。そのときの答弁では、現在、中野区では認知症についても地域包括支援センターが医療・介護の連携、あるいは地域のネットワークづくりといったような役割を担っている。介護・医療の連携や地域での支援体制構築のための専門人材の活用や配置のあり方についても今後検討をしてまいりたいとのことでした。専門人材の活用や配置のあり方を検討された結果、どのような専門員が活用され、どのような配置になったのでしょうか。

 認知症コーディネーターは、認知症の疑いのある人の早期把握、地域包括支援センター、介護事業者等から認知症に関する相談の受け付け、認知症の疑いのある人を訪問して認知症の状況を把握、かかりつけ医や介護事業者と連携しながら医療機関の受診を促進、認知症アウトリーチチームに訪問依頼をして同行訪問、個別ケース会議などの開催など、認知症の早期発見・早期治療には欠かせない役割を担っています。中野区では認知症コーディネーターは他の業務と兼任職員が1人本庁にいるだけです。23区の他区では、江東区10人、品川区3人、中野区と同じく浴風会を認知症疾患医療センターチームとしてアウトリーチチーム体制を築く杉並区は4人、新宿区は2人、認知症コーディネーターを配置しています。認知症コーディネーターが0.5人体制は3区中1区だけです。この体制で実際に認知症の早期発見・早期治療が可能なのでしょうか。

 また、中野区では、区民に認知症を周知していく認知症サポーター講座も認知症コーディネーターと同じ職員が担っています。自治体が取り組まなくてはならない喫緊の課題に対してあまりにも手薄な体制ではないでしょうか。すこやか福祉センターが相談の窓口であり、地域ケア会議の主催者であるのでしたら、せめて北部・南部圏内に1人ずつ認知症コーディネーターを置くべきではないでしょうか。あるいは、本庁に1人だけ配置の体制であるのであれば、医療機関、介護サービス等、地域の支援機関をつなぐコーディネーターとしての役割を果たす認知症地域支援推進員を地域包括支援センターやすこやか福祉センターのような住民に近い場所に配置するなど、複数の専門員が認知症の早期発見・早期治療に向けて取り組まなければならないと思います。例えば、江東区では、認知症コーディネーターを10人配置し、さらに本庁に1人、地域包括支援センターに19人、各センター2人ずつの認知症地域支援推進員配置の体制をとっています。

 前回の質問の中で紹介した、中野区に認知症カフェを開きたいと話されていた医師は、市内7カ所に認知症相談窓口を持ち、認知症施策に力を入れている三鷹市に、ことし1月、認知症カフェ兼クリニックをオープンされました。このように真摯に取り組む医師も待つことができないほど認知症対策は放っておくことができない喫緊の課題なのです。専門人材の活用や配置について考えている時間はなく、中野区もすぐに体制を整えるときが来ていると私は思います。行政と地域、各機関を結ぶコーディネーター、認知症対策に専門的にかかわる職員をすこやか福祉センターや地域包括支援センターに配置すること、早急の体制構築を求めますが、いかがでしょうか。

 これまで元気でたくましく、地域を支えるかなめとなって活躍されていた方々が支える側から引退され、支えられる側になっていきます。その区民がいつまでも住み続けられる、高齢者に優しい中野区、そして認知症対応施策も整った中野区を目指すために早急な対応をお願いしまして、私の質問といたします。御清聴ありがとうございます。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、認知症施策推進事業についての御質問のうち、すこやか福祉センターの認知症高齢者の現在の対応についてお答えをいたします。

 すこやか福祉センターでは、介護や保険、生活支援など、日常的にあらゆる相談に応じてございます。認知症につきましては、御家族からの相談をお受けしたり、医療機関への紹介をしているほかに、個別の状況によってはアウトリーチによる訪問活動なども実施しております。また、認知症が疑われる高齢者の方につきましては、地域住民から御相談があった場合には現状を十分に把握した上で必要な支援等を行っております。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 認知症に関する専門人材の活用についての御質問でございます。認知症対策を推進する上では区民への相談対応に当たる地域包括支援センターあるいはすこやか福祉センターをバックアップし、また認知症疾患医療センター等の専門機関との連絡調整に当たる人材が必要でございます。また、中野区の実情に応じた医療・介護の連携体制を構築するための人材も必要でございます。このような視点から、健康福祉部福祉推進担当に保健師を配置いたしまして、これらのコーディネートの役割を担わせているところでございます。

 続きまして、早期対応というところの御質問でございます。軽度認知障害、いわゆるMCIなどの気づきや発見は介護予防や自己チェックリストなどによる認知症についての普及啓発事業の推進によって早期発見につなげていきたいというふうに思ってございます。現時点のところ、区の認知症コーディネーターはすこやか福祉センター等が苦慮する困難事例への初期集中支援を中心に活動してございますので、現状で十分対応できているというふうに認識してございます。

 さらに、コーディネーターの地域配置あるいは増員ということでの御質問でございます。今後、中野区におきましても後期高齢者人口が拡大してまいります。これに伴いまして、認知症コーディネーター等の専門人員の体制あるいは配置につきましては適宜適切に対応してまいりたいというふうに思ってございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 林   まさみ

 1 「新しい中野をつくる10か年計画」の改定について

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、林まさみ議員。

〔林まさみ議員登壇〕

○18番(林まさみ) 平成27年第1回定例会において一般質問いたします。

 中野区では、今年度、中野区基本構想とあわせて、新しい中野をつくる10か年計画を改定します。そこで、今回は10か年計画に反映させるべき課題について伺います。

 超高齢化社会や人口減少に対応するため、公共施設のあり方に対し長期的な視点を持ち、更新、統廃合、長寿命化を計画的に行い、財政負担を軽減、平準化しながら適正な施設の配置計画を実現するため、公共施設等総合管理計画を策定するよう総務省から要請があり、中野区でもようやく将来を見据えた施設のあり方を検討することになりました。そして、そのための基礎資料として、平成26年9月、6年ぶりに改定された中野区施設白書には、全ての施設等を維持した場合、更新経費は2,641億円に上り、40年間にわたって年平均66億円もの更新費用が必要とありました。中野区の直近5年間の区の投資的経費は年平均46億2,000万円であり、これを20億円も上回ります。その上、生産年齢人口の減少により国の歳入の減収が予想されるとあり、さらに法人住民税の一部国税化により平成28年度からは財政調整交付金が20億円程度減少することも想定されています。

 一方で、歳出は、長期的な高齢化に伴い扶助費の増加が加速することは避けられず、歳入歳出等の状況を踏まえると、現在と同様の手法のみにより施設の更新や整備を進めることは困難であり、さらに、区民ニーズをとらえた施設サービスの最適化など、施設のあり方を考える適期であると示されています。

 そこで伺います。

 公共施設対策について所信表明では全く触れられていませんでしたが、今後40年にわたって年66億円もの施設の更新費用がかかることについて、区の認識を伺います。

 年66億円もの更新費用を圧縮するため、区は公共施設等総合管理計画を早急に策定しなければなりません。策定に当たり、公共施設の数や延べ床面積の数量に関する数値目標を立てること、それとあわせて各公共施設におけるサービス提供のあり方を全庁的に検討すること、これら2点について特に重点を置くべきと考えますが、区の見解を伺います。

 平成24年第4回定例会のとき、10か年計画(第2次)に施設のあり方、いわゆる保全計画を反映させるべきと質問したところ、当然10か年計画の改定には反映させていくとの答弁でした。

 そこで伺います。

 施設の更新費用圧縮の道筋を示した総合管理計画と10か年計画改定内容との整合性を図るためには、まず総合管理計画を全庁的に取り組み、その後10か年計画を改定するべきです。しかし、基本構想及び10か年計画改定時期を見ると、公共施設等総合管理計画が反映されるスケジュールとはなっていません。その点について区の認識を伺います。

 また、公共施設等総合管理計画の方針を10か年計画改定に反映させるとの考えであれば、重点プロジェクトに位置付け、全庁的に共有するべきです。その点についての区の見解も伺います。

 総務省も施設類型ごとに各部局において施設が管理されている現状を問題と考えています。実際、中野区でも、10か年計画(第2次)において総合的施設のあり方の共通認識がないため、すこやか福祉センター事業や地域スポーツクラブ事業など将来的見通しもないまま施設拡大へと推進していきました。また、43億円超の中野中学校建設後に、学校施設建設費用は30億円程度とするとした中野区立小中学校施設整備計画を策定していることから、公共施設に対する総合的管理が全くされておらず、将来の区の財政運営に大きな負担を残す結果となりました。次の10か年計画改定においてこのようなことが起こらないよう、公共施設等総合管理計画を10か年計画にしっかりと位置付けるべきです。

 次に、必要最小限の職員体制実現について伺います。

 平成26年3月、新たな職員体制についての報告があり、10か年計画改定作業にあわせ各部の事業規模・年次計画等を勘案するとともに、特にまちづくり事業が今後増大することから、各事業が滞ることなく推進するよう職員確保に努めるとありました。そこで、10か年計画(第2次)のまちづくり事業推進時期を見ると、中野駅地区整備事業、中野駅南口地区まちづくり事業、本町二丁目公園整備、西武線沿線まちづくり事業など、全て28年から31年の短期間に事業化するとあり、事業の平準化の考えが見受けられません。そのため技能系職員などを短期的に大量に採用しなければならず、行政需要に対応した職員確保を行いながら必要最小限の職員体制とすることは困難と考えられます。さらに、区は平成35年までに職員1,800人体制を目指すとしています。

 そこで伺います。今後予定されている多くの大規模事業に対応する職員を確保することと、必要最小限の職員体制を推進しながら平成35年までに職員1,800人体制とすることの整合性は図られるのか。図られるのであれば、10か年計画改定とあわせて職員配置計画を明らかにするべきです。区の見解を伺います。

 区民サービスの質を落とさず施設をダウンサイジングすることや必要最小限職員による事業執行を推進することは持続可能な行財政運営には必要であり、10か年計画との整合性をしっかり図るべきであると申し上げて、質問を終わります。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、施設白書におけます更新費用の対応、また公共施設等の管理計画の策定、また10か年計画重点プロジェクトについてお答えいたします。

 初めに、更新費用への対応についてでございます。今後多くの施設が更新時期を迎えようとしており、全ての施設を現状のまま維持することと仮定した場合におけます経費について国が示した単価を用いて試算した結果でございます。施設の長寿命化とライフサイクルコストの低減を図り、区民サービスの一層の向上が図れるよう施設の更新等を進めるとともに、施設の見直しを進め、資産としての有効活用を図ってまいりたいと考えてございます。

 次に、公共施設等の管理計画の策定についてでございます。公共施設等総合管理計画の策定に当たりましては、国の指針では、計画の実効性を確保するため、施設の数や延べ床面積等に関する数値目標の設定など目標の定量化に努めることとされてございます。全庁的に施設サービスのあり方とよりよい区民サービスの実現について、基本構想、10か年計画とあわせて議論を進めていきたいと考えてございます。

 次に、総合管理計画と基本構想、10か年の改定についてのことでございます。公共施設等総合管理計画は、新しい中野をつくる10か年計画との整合性をとりながら策定を進めることとしてございます。検討内容につきましては、10か年計画に生かされるものと考えてございます。公共施設等総合管理計画と10か年計画でございますが、相互に関連はいたしますが、10か年計画の重点プロジェクトを構成するものとは考えてございません。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 私からは、職員体制についての御質問にお答えをいたします。

 さきに御報告をいたしました新たな職員定数の考え方についてでは、業務の委託化や民営化を進めることができる分野では職員数は緩やかに削減させていきますが、今後新たな需要が見込まれる事業等には必要な職員を確保することとしているところでございます。10か年計画など区の事業の進展を勘案しながら、将来に向けた職員の配置計画については定めていきたいというふうに考えてございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 施政方針説明について

  (1)区民のニーズに応える保育について

  (2)多様な価値観と多様性の尊重について

     (ア)グローバル化とグローカル化について

     (イ)LGBTに対する取り組みについて

  (3)その他

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○7番(石坂わたる) 質問いたします。

 1、施政方針説明について。

 (1)区民のニーズに応える保育について質問いたします。

 施政方針では、幼児教育や保育などの量と質の確保を掲げています。その方策の一つとして認可保育所をふやすことが必要です。今後、認可保育所や小規模保育事業の整備予算がつきましたが、認可保育所については開設が思うように進まず、合計480人の定員増の見込みが半分に満たない数しか確保できていない状況と聞いております。今後の保育施設の開設や施設転換でその反省がきちんと生かされるよう原因を分析し、今後の保育施設の開設に生かすことを期待しております。

 その上で、今後始まる子ども・子育て支援新制度の対象外となる認証保育所について伺います。

 区では、認証保育所に通う家庭への保育費用の補助もふやし、保育料の公平化を図っています。しかし、新制度では認可化を期待する保護者も多く、長時間保育などの認証保育所の利点も残した認可化が望まれます。その認可化を考える際には、認可保育所の開設が進まない原因究明や検証をし、その反省を踏まえた認可化を進めることも必要かと思われます。

 まず、認証保育所の認可化についてどうお考えですか。特にその際、予算やその他の支援や働きかけをしていく必要があると思われますので、それも含めてお答えください。

 それから、アポロ園の巡回訪問についてです。今後の認可保育所の定員増に伴い、発達障害児等の巡回訪問の需要もふえていくと思われます。これにこたえるためには、アポロ園の巡回訪問のスタッフの人員を確保しつつ、南部にできる障害児通所支援施設でも巡回訪問を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 (2)で多様な価値観と多様性の尊重について伺います。

 施政方針説明では、グローバル化による多様性を受け入れた持続的な繁栄に触れています。

 そこでまず、ア、グローバル化とグローカル化について伺います。

 グローカルとは、全世界を巻き込むグローバリゼーションと、地域の特色や特性を考慮していくローカリゼーションの混成語から来ています。

 区は、先日、国家戦略特区の区域指定を見据え、中野区グローバル戦略推進協議会を設置しました。今後ハード面、ソフト面ともにグローバル化を進めていくかと思われますが、切り取ったような目新しいものを持ってくるだけでなく、中野区の歴史や分野、そして地域や住民の特性といったものと融合するグローカルな視点が一層必要と思われますが、いかがお考えでしょうか。

 次に、施政方針のグローバル戦略では2020年のオリンピック・パラリンピックにも触れられています。2014年のソチオリンピックでは、LGBT・性的マイノリティーへの差別的な法制度や社会状況が問題視され、アメリカ、フランス、ドイツなどの各国首脳が開会式をボイコットする事態となりました。これを踏まえ、東京オリンピックでの海外からのLGBTの選手や観客へのおもてなしに関し、1月19日の東京新聞などで報道がされました。こうした対応は、海外からの来街者だけでなく、LGBTの住民に対する取り組みも当然求められます。

 その上で、イでLGBTに対する取り組みについて伺います。

 平成23年第2回定例会での私の一般質問に対し、「性的マイノリティーについて人権擁護相談などで対応している。相談の窓口のPRにより一層努める」との趣旨の答弁があり、昨年、第2回定例会では、区長より、人権をテーマとした啓発事業や区の職員研修などを通して広くマイノリティーについて区民や職員が理解する機会をふやし、偏見を排して多様性を認め合える社会をつくる努力を行っていきたいとの趣旨の答弁がありました。相談窓口のPRや利用状況はその後いかがでしょうか。

 また、広くマイノリティーについて区民や職員が理解する機会をふやすことは今後具体的にどのように進めますでしょうか。

 次に、2月12日に、「渋谷区で同性パートナーに証明書、全国初の条例案提出」という報道があり、これに関して舛添東京都知事も支持を表明しています。また、既に名古屋市が性的マイノリティーに対する相談先の紹介を実施、四国中央市が全職員への性的マイノリティーについての悉皆研修を実施、那覇市が電話相談や講座を実施、東京都では世田谷区で性的少数者の相談窓口の明確化と広報、文京区や多摩市がそれぞれ男女平等参画に関する条例で性的指向と性的自認による差別の禁止を盛り込みました。また、行政区では、大阪市淀川区がLGBT当事者と区職員の毎月の意見交換会、区民・区内企業・官公職員向けの講演、研修会といった啓発活動、専用電話相談の実施、コミュニティースペースの開放を行っています。

 こうした他の自治体の動きを踏まえ、LGBTの生活における困難さや不安感、孤立感の解消のための取り組みやさまざまな生活上の不便さを解消する方法の一つであるパートナーシップの保障について、中野区においても検討や今後の実施を考えていくことが必要と思われます。少なくとも今後、他の自治体の動きをきちんと把握し、中野区でも必要な取り組みについて研究・検証を重ねていくことが望ましいと思われますが、いかがお考えでしょうか。

 また、渋谷区の例では、登録の前提に公正証書の作成を義務付けています。同じ仕組みを中野区でつくるかどうかはともかく、公証役場の公証人や公正証書の作成にかかわる行政書士や弁護士等の専門家へのLGBTに関する啓発等も行っていくべきではないでしょうか。

 私の質問は以上です。御答弁のほどよろしくお願いいたします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えをいたします。

 認証保育所の認可化についてであります。認可保育所への移行を希望する認証保育所については、認可基準を満たすために必要な施設整備の補助や認可化に向けた手続等、情報提供を行って円滑に移行できるよう、区としても支援をしてまいります。

 それから、アポロ園の保育園等の巡回訪問についてであります。アポロ園の保育園等の巡回訪問事業につきましては、体制を強化しておおむね2カ月に1回程度の巡回をしているところであります。今後、南部地域に整備する障害児通所支援施設におきましても同様の事業を実施していく考えであります。

 それから、グローバル化における地域の融合ということであります。グローバルな都市活動の基盤づくりにあっては外国人の受け入れ環境を整備するとともに、中野に入ってこられた外国人が中野の歴史や文化など、地域特性をよく理解して地域に溶け込めるということが大事だと考えております。そうした情報発信等をしっかりと行っていくことが必要だと考えているところであります。

 それから、LGBTに対する取り組みについてであります。区は、女性の悩み相談窓口の中でLGBTの方も含め相談を受けるということについて周知をしているところでありますが、これまでLGBTに関する相談は現在のところないわけであります。相談名称のつけ方の見直しなども含めて、誰もが相談できる窓口としてのPRを進めていきたいと考えております。また、これまでも人権研修を通じて区民や職員への人権啓発を行ってきたところであります。しかしながら、LGBTといった人たちの抱えている課題、その対応について必ずしも十分に把握ができていたというわけではない、このように考えております。そうした意味で、十分な把握とその解決に向けた取り組みのあり方について研究を深めてまいりたいと考えております。

 また、同性カップルの証明の取り組み、これについて法律的な効果ということについてなかなか現時点では確認できないというふうに私どもでは考えております。したがいまして、今後の議論に注目をしていきたいと考えております。

○議長(伊東しんじ) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 一時保育について

 2 保育園および待機児童対策について

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

○19番(小宮山たかし) ただいまより小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。

 今回の一般質問が任期最後の一般質問となりました。私は7票差落選の後、繰り上げ当選という形で議会に加わり、これまで、子どもたちのこと、商店街のこと、そして地域のことに取り組んでまいりました。最後の質問を迎えるに当たって、やはりですね、この中野区の未来のこと、その未来を背負う子どもたちのことを訴えまして、私の最後の、最後の一般質問にさせていただきたいと思います。

 今、中野区では、小・中学校の数を減らす、児童館の数を減らす、公園面積率は23区で下から2番目、人口密度は日本で2番目。公園の数はやっとふえてきましたけれども、子どもたちのための遊具はほとんど設置されない。既存の公園にも個性はなく、遊具もいま一つ。じゃぶじゃぶ池は年間のうち、たったの1カ月しか開かない。児童館の年間休日は23区で一番多い。病児保育施設もこれまではなかった。待機児童も頑張ってはいるけれど、なかなか減らない。保育園の待機児童が減ってきたとしても、今度は学童の待機児童がふえてきそうな気配がしております。中野区では子育てをしづらい。中野で産んで、区外で育てるという人たちも大勢いる。区民意識実態調査の区の施策への要望として、これまでトップファイブ圏外であった子育て支援が2期連続でトップファイブにランクインもしています。何で中野区はこんなに子育てしにくいんだろうということをいろいろ考えていろいろ調べてみますと、ある一つの大きな間違いに私は気づきました。

 話は、とりあえず平成18年ぐらいにさかのぼります。平成18年当時に中野区が作成した将来人口推計によりますと、平成26年の中野区のゼロから4歳の乳幼児人口は8,435人と予測をされていました。中野区では、その推計に基づいて当時の各種計画を策定していたわけでありますが、時は流れて、平成26年、中野区の乳幼児人口は、ふたをあけてみると1万361人。8,435人という予測が1万361人になってしまったわけでありますから、そりゃ待機児童もふえます。どうも中野区は少子化、少子化と言っている割には子どもの数が全然減らない。子どものいないまちに未来はありません。中野区の15歳以下の年少人口比率は8.54%、全国813の主要市区自治体の中で803番目。同じく800番目の豊島区が消滅危機にあると言われて躍起になって対策をつくっていますけれども、この中野区だって消滅してもおかしくはありません。だって、子どもがいないんですから。一時期本当に子どもの数が減りつつあったこの中野区で、今再び子どもたちの数がふえている。しかも、実は過去8年連続して中野区の子どもの数は右肩上がりでふえ続けているんです。これはですね、田中区政の成果の一つであると評価する向きもないわけではないと考えることも不可能ではありません。しかし、その一方で、これまで長年にわたり子ども人口の減少、少子化の到来を見越して各種計画の策定をし、そこにひずみが生じていることもまた事実なのであります。

 その一つの例が一時保育事業であります。今は核家族化が進んでいますし、人間関係も希薄な時代であり、身近なところで子どもを預けられる人がいないという家庭はたくさんあります。24時間子どもと接してストレスを抱えた母親が虐待に走るというケースも中にはあり、いざというときの保護者のケアのためにも一時保育はなくてはならない施設であります。しかし、中野区の一時保育は、幼稚園の長期休暇と重なる時期などになると、なかなか予約がとれないという声も上がっております。立地や施設によって稼働率の多寡はあるものの、適切な施設の配置や新たな施設の増設によって一時保育の拡充を図ってはいかがでしょうか。

 次に、待機児童対策について伺います。

 中野保健所の裏にある中野二丁目保育室は、平成23年に3から5年の緊急事業として開設されました。長くて5年ということだったんですけれども、その5年目を来年に迎えようとしております。今、待機児童がなかなかゼロにはならない。ことしの1次選考でも不承諾の児童が多数出ているそうです。そして、今月25日には、中野区の待機児童を減らす会という団体によって区に対する署名の提出や異議申し立てが行われると伝え聞いております。中野二丁目保育室を開設した当初は、まぁ3から5年もすれば子どもたちの数は減るでしょう、待機児童の数も減るでしょうと、誤った推計に基づいて甘い見通しを持っていた。しかし、現実としてそんなことを言っている場合ではない。中野区の最新の人口推計によりますと、まぁ中野区の人口推計はよく外れるんですけれども、子どもの数はこれからもふえていくと中野区の今の人口推計はなっています。時限事業として開設された中野二丁目保育室の存続を求めますが、いかがでしょうか。

 田中区長は、とある会議において、子育てしやすい中野をつくるためには、まずは区内の経済の活性化が大切だとおっしゃいました。区内経済の活性化を図るなら、まずは男女を問わず働きたい人が安心して働ける環境をつくること、そしてこの中野区を住み続けたいと思えるまちにすること、そのための子育て支援をもっともっと充実させていってほしいと、まぁこれまで口をすっぱくして訴えてきたことではありますが、改めて訴えまして、私の最後の、最後の一般質問とさせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 一時保育の拡充についての御質問にお答えをいたします。

 区では、中野区子ども・子育て支援事業計画におきまして、ライフスタイルに応じた多様なニーズに対応していくため、一時保育などの子育てサービスの推進を図ることとしてございます。この計画の需要見込みと確保方策の考え方に基づき、27年度に拡充を予定しているところでございます。

 それから次に、中野二丁目保育室についての御質問がございました。区は、さまざまな保育ニーズに対応するため、区有施設を活用した保育所整備や小規模事業の誘致など、多様な対策を講じているところでございます。中野二丁目保育室はこうした対策の一つとして期間を限って開設したものでございます。この中野二丁目保育室につきましては、今後の施設整備の状況を見極めながら検討していきたいと考えてございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 以上をもって一般質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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第1号議案 平成26年度中野区一般会計補正予算

第2号議案 平成26年度中野区用地特別会計補正予算

第3号議案 平成26年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算

第4号議案 平成26年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算

第5号議案 平成26年度中野区介護保険特別会計補正予算

第22号議案 教師用指導書の買入れについて

  (委員会報告)

 

○議長(伊東しんじ) 日程第1、第1号議案から第5号議案まで及び第22号議案の計6件を一括議題に供します。

 

平成27年(2015年)2月19日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 内川 和久

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

1

平成26年度中野区一般会計補正予算

219

2

平成26年度中野区用地特別会計補正予算

219

3

平成26年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算

219

4

平成26年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算

219

5

平成26年度中野区介護保険特別会計補正予算

219

22

教師用指導書の買入れについて

219

 

○議長(伊東しんじ) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 これより討論に入ります。

 石川直行議員から討論の通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。石川直行議員。

〔石川直行議員登壇〕

○9番(石川直行) ただいま議題に供されました第1号議案平成26年度補正予算案につきまして、改新中野の立場から賛成の討論を行います。

 この補正予算案のうち、議会費、議員報酬等を除いては、区民生活に直結する課題であり、円滑な区政運営を支える立場として必要不可欠な財政措置との認識を持っております。一方、指摘しました議会費、議員報酬等では、期末手当改定に伴う不足額として348万3,000円を計上しております。

 デフレスパイラルからの脱却にようやく光明が差し、春闘では基本給を一律に引き上げるベースアップについて、大手自動車、主要鉄鋼各社と産別労組との労使協議が始まりましたが、中小零細企業や非正規雇用労働者にはいまだ実感が伴っていないと認識しております。

 平成25年度の財政白書によれば、納税者1人当たりの所得額の推移は、平成16年度400万3,000円から平成22年度375万7,000円まで落ち込み、その後、平成25年度まで370万円前半を底値打ちで推移しております。

 こうした状況での議員報酬の期末手当増額は、区民感情を鑑み、時期尚早であると考えます。しかしながら、冒頭で述べたように、平成26年度補正予算案は全体として区民生活に直結し、区政運営を円滑、さらに発展させていくための補正予算案であることを確認し、賛成の討論とさせていただきます。

○議長(伊東しんじ) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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第11号議案 中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例

第12号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例

第15号議案 中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例

  (委員長報告)

 

○議長(伊東しんじ) 日程第2、第11号議案、第12号議案及び第15号議案の計3件を一括議題に供します。

 

平成27年(2015年)2月19日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 内川 和久

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

11

中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例

219

12

中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例

219

15

中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例

219

 

○議長(伊東しんじ) 総務委員会の審査の報告を求めます。内川和久総務委員長。

〔内川和久議員登壇〕

○11番(内川和久) ただいま議題に供されました第11号議案、中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例、第12号議案、中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例、第15号議案、中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例に関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。

 第11号議案、中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例は、議員報酬月額及び期末手当額の引き上げを行うとともに、平成27年3月に支給する期末手当について特例措置を定めるものです。この条例の施行時期は、平成27年3月1日です。

 第12号議案、中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例は、区長及び副区長の給与月額の引き上げ、区長、副区長及び常勤の監査委員の期末手当の額の引き上げを行うとともに、平成27年3月に支給する期末手当について特例措置を定めるものです。この条例の施行時期は、平成27年3月1日です。

 なお、区議会議員の議員報酬の額並びに区長、副区長及び常勤の監査委員の給料の額につきましては、平成26年10月8日に特別職報酬等審議会に諮問し、同年12月15日に答申を受け、答申どおりの措置を講ずることが適当であると判断し、提案されたものです。この答申の内容は、区議会議員の議員報酬並びに区長及び副区長の給料については一般職員と同様に増額するべきであり、常勤の監査委員の給料については据え置きとするべきであるというものでした。

 第15号議案、中野区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例は、一般職である教育長の給与について、区長等の特別職の給与と同様に給料月額の引き上げを行うとともに、平成27年3月に支給する期末手当について特例措置を定めるものです。この条例の施行時期は、平成27年3月1日です。

 第11号議案、第12号議案及び第15号議案は、2月19日の本会議において当委員会に付託され、同日委員会を開会し、審査を行いました。審査の進め方としては、3議案を一括して議題に供した後、理事者から補足説明を受け、その後質疑を行いました。その主な質疑応答の内容を紹介します。

 初めに、今回の改正で、常勤の監査委員だけ給料の引き上げがない理由はとの質疑があり、常勤の監査委員については、区長等と同様に、社会情勢、職員への特別区人事委員会勧告の内容などにより審議されたものであるが、他区と比較した場合依然上位となっているため、今回は据え置くべきとの答申内容であったとの答弁がありました。

 次に、特別区人事委員会勧告による職員給与の引き上げは何年ぶりかとの質疑があり、平成26年度人事委員会勧告による月例給の引き上げは平成11年以来15年ぶり、勤勉手当等の特別給は平成19年以来7年ぶりであるとの答弁がありました。

 次に、答申によれば、議員報酬は23区中最下位に位置することを考慮し、一般職員と同様に増額すべきとされた。また、常勤の監査委員は上位にあることから据え置くこととしている。区長についてはどうかとの質疑があり、区長については、本則によれば23区中21位、特例条例による減額を加味すると18位であるが、区政運営の状況について一定の成果が見えてきており、これらの成果に対する評価の結果と認識しているとの答弁がありました。

 次に、報酬審への諮問内容に期末手当に関する部分は含まれていないが、答申には含まれている。そのようなことは通常あるのかとの質疑があり、基本的には諮問されたことに対して答申することになっているが、諮問内容に関連した事項として付帯意見がつく場合もある。今回はその意見を尊重したものであるとの答弁がありました。

 以上が主な質疑応答及び要望の内容です。

 その後、委員会を休憩して3議案の取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが質疑はなく、質疑を終結しました。

 次に、意見の開陳を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結しました。

 次に、討論を求めたところ、1名の委員が第11号議案に反対する立場から、本議案は、15年ぶりの職員賃金引き上げに準ずる内容となっているが、民間では実質賃金が依然下がり続けている。区民生活においては格差の拡大が深刻な生活圧迫となる中、消費税増税が生活苦に追い打ちをかけている。繰り返される増税、負担増で生活に回せる賃金も年金も目減りをしている。こうした社会環境の中で議員報酬を引き上げることには賛成できない。よって、本議案に反対するとの討論を行いました。

 さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。

 そして、初めに第11号議案について挙手により採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決しました。

 次に、第12号議案について挙手により採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決しました。

 次に、第15号議案について挙手により採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決しました。

 以上で第11号議案、第12号議案及び第15号議案に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了します。

○議長(伊東しんじ) ただいまの報告について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑がなければ質疑を終結いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、これより議案ごとに起立により採決いたします。

 初めに、第11号議案について採決いたします。

 上程中の第11号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(伊東しんじ) 起立多数。よって、上程中の第11号議案は可決するに決しました。

 次に、第12号議案について採決いたします。

 上程中の第12号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(伊東しんじ) 起立多数。よって、上程中の第12号議案は可決するに決しました。

 次に、第15号議案について採決いたします。

 上程中の第15号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(伊東しんじ) 起立多数。よって、上程中の第15号議案は可決するに決しました。

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第6号議案 平成27年度中野区一般会計予算

第7号議案 平成27年度中野区用地特別会計予算

第8号議案 平成27年度中野区国民健康保険事業特別会計予算

第9号議案 平成27年度中野区後期高齢者医療特別会計予算

第10号議案 平成27年度中野区介護保険特別会計予算

 

○議長(伊東しんじ) 日程第3、第6号議案から第10号議案までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました平成27年度各会計予算に係る第6号議案から第10号議案までの5議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 初めに、第6号議案、平成27年度中野区一般会計予算について説明いたします。

 第1条は歳入歳出予算です。歳入歳出予算の総額は1,327億3,800万円で、前年度に比べて120億5,100万円、10.0%の増となりました。

 平成27年度は、中野区基本構想と新しい中野をつくる10か年計画の改定を行う年です。このため、将来の生産年齢人口の激減や超高齢化などに備えて、まちづくり、産業振興など地域経済の活性化、子育て環境の充実、スポーツ・健康づくりなど、持続可能な区政に向けて中長期的な区政の方向の基礎を固める予算といたしました。

 また、こうした施策の展開を支えるために、基金の確実な積み立てと適切な繰り入れなど、中野区の財政運営の基本方針にのっとり、将来を見据えた財政運営にも努めています。

 それでは、まず、歳入予算から説明いたします。

 特別区税は、納税義務者数や課税対象所得の伸びを見込み、前年度に比べ、金額で11億4,000万円余の増、率で3.7%増の316億4,300万円余を計上いたしました。

 特別区交付金は、その財源である固定資産税が伸びる一方、市町村民税法人分については税制改正による地方税の一部国税化のため減収となり、23区全体の交付金の総額は減少すると見込まれていますが、中野区においては都市計画事業に係る交付金算定額が増加することから、金額で13億円、率で3.9%増の350億円を計上しました。

 地方消費税交付金や利子割交付金、その他の交付金は、国や都の予算及び今年度の実績、税制改正などを勘案し、総額で77億9,500万円を計上しました。前年度に比べ、金額で21億7,500万円、率で38.7%増となっています。このうち、地方消費税交付金は、税率の引き上げの影響が平年度化にするため、21億円の増を見込みました。この増収分は、一般財源として医療、介護、子ども・子育て等の社会保障施策に要する経費に充てています。

 分担金及び負担金は、認可保育園の入園者数が増加することなどから、18.4%増の12億1,900万円余を計上しました。

 使用料及び手数料は、道路占用料や廃棄物処理手数料など20億3,300万円余を計上しました。区民借り上げ住宅の戸数減により使用料も減ることなどから、3.6%の減を見込みました。

 国庫支出金は、子ども・子育て支援給付の負担金などは増加しますが、大規模な公園用地の取得件数が減ることなどから、3.6%減の230億5,100万円余を計上しました。

 都支出金は、国勢調査の委託金や子ども・子育て支援給付の負担金が皆増となるものの、国庫支出金と同様に、公園用地の取得に対する補助金が減少することから、1.0%減の82億9,400万円余を計上しました。

 財産収入は、区有地の売却や貸付収入など、前年度比較で26億9,400万円余増の29億円余を計上しました。売却収入などは基金の積み立て財源として活用しています。

 寄付金は、中野駅周辺地区都市基盤施設等整備に係る開発協力金等が減少することから、90.7%減の7,600万円余を計上しました。

 繰入金は、投資的事業に対するまちづくり基金や社会福祉施設整備基金、道路・公園整備基金からの繰り入れをふやしました。また、財政調整基金は、新区役所用地などの取得のため繰入額が増加しています。繰入金総額では、81.0%増の112億8,600万円余を計上しました。

 繰越金は、前年度と同額の4億円を計上しました。

 諸収入は、土地開発公社が保有する中野駅新北口広場用地の一部引き取りに伴い、同公社からの貸付金返還金が大幅にふえることから、63.7%増の25億4,900万円余を計上しました。

 特別区債は、(仮称)弥生町六丁目公園用地の取得や南部すこやか福祉センター等整備など合計9件、4.3%増の64億8,900万円余を計上しました。

 続いて、歳出予算の説明をいたします。

 まず、議会費ですが、地方議会議員共済会給付費負担金の負担割合が変更になったことなどから、5.7%増の9億3,700万円余となりました。

 経営費は、新区役所用地の取得や国勢調査及び区議会議会選挙の実施などにより、49.5%増の103億1,400万円余となりました。

 都市政策推進費は、商店街支援や中野駅周辺のまちづくり事業、西武新宿線連続立体交差事業などのまちの活力を高める取り組みの進展に加え、歴史・文化を生かした都市観光拠点の形成や中野FreeWi-Fi整備、グローバル戦略の推進など新たな取り組みを始めることから、95.0%増の35億6,100万円余となりました。

 地域支えあい推進費は、地域での支えあい活動の拠点となる南部すこやか福祉センターなどの整備を進めているほか、妊娠・出産・子育てのトータルケアの充実、災害時の要支援者に対する避難支援計画の策定などにより、26.5%増の65億5,300万円余となりました。

 区民サービス管理費は、国民健康保険事業特別会計等への繰出金が伸びたほか、社会保障・税番号制度への対応、来庁者の利便性を高める取り組みや税の収納率向上に向けた対策を充実させたことなどにより、8.2%増の163億2,400万円余となりました。

 子ども教育費は、子ども・子育て支援新制度への取り組みを充実させたほか、小中連携教育の推進、体験学習や不登校対策の充実、さらに区立学校再編に伴う校舎改修工事や通学路防犯設備の整備など教育環境の向上を図ったことにより、2.0%増の258億7,500万円余となりました。

 健康福祉費は、臨時福祉給付金などは減少したものの、難病患者福祉手当や定期予防接種などの制度改正に適切に対応したほか、障害者通所施設整備に伴う用地の取得に係る経費、障害者への給付費、文化・スポーツ関連経費も増となったことから、1.1%増の300億2,200万円余となりました。

 環境費は、東京二十三区清掃一部事務組合への分担金などが減少したものの、清掃事務所車庫の移転用地の購入のほか、カーボン・オフセット事業やごみの適正排出の推進、資源回収の充実を図ったことから、26.8%増の66億2,600万円余となりました。

 都市基盤費は、地域の防災まちづくりや道路・橋梁・公園などのインフラ更新の推進のほか、東中野駅周辺や哲学堂公園周辺地区のまちづくりに向けた調査・検討に着手するなどの新たな取り組みがあるものの、東中野駅西口駅前広場整備工事の完了や公園用地取得費が減少したことから、20.9%減の140億2,600万円余となりました。

 公債費は、起債の発行抑制に伴う区債残高の減少により、5.0%減の57億8,600万円余となりました。

 諸支出金は、財政運営の基本方針にのっとり、財政調整基金や義務教育施設整備基金、まちづくり基金に計画的な積み立てを行ったほか、新たに道路・公園整備基金の充実を図り、財政基盤の強化に努めたことから、126億800万円余、91.7%の大幅な増となりました。

 予備費は、前年度と同額の1億円を計上しました。

 以上の歳出予算を性質別に見ますと、義務的経費は619億4,000万円余となり、前年度より12億8,300万円余、2.1%の増となりました。これは、義務的経費のうち、公債費が7.6%の減、人件費が国勢調査員の報酬を計上したことから0.1%の微増となったものの、扶助費が保育経費や障害者への給付費などが増加したことにより5.6%の増となったためです。

 投資的経費は、新区役所用地や清掃事務所車庫の移転用地の取得経費などを計上したことから、26.8%増の220億3,500万円余となりました。このほか、公園用地の取得、弥生町・大和町の防災まちづくり、南部すこやか福祉センターなどの区民施設の整備事業等、計画的に進めている事業に係る経費を計上しています。

 その他の経費につきましては、社会保障・税番号制度への対応や定期予防接種に係る経費、業務委託の拡充など、民間活力の利用拡大、積立金の拡充などにより、14.3%増の487億6,100万円余となりました。

 以上が、第1条、歳入歳出予算の説明となります。

 次に、第2条は、債務負担行為について定めるものです。これは、中野区土地開発公社の借入金に対する債務保証や南中野区民活動センター等整備工事など、翌年度以降にわたる債務の負担について、その限度額及び期間を定めたものです。23件の事業について新規に債務負担行為を設定しました。

 第3条の特別区債は、起債の目的、発行限度額などを定めるもので、総額64億8,900万円を計上しました。

 第4条の一時借入金は、その最高額を100億円としました。

 第5条の歳出予算の流用は、職員の人件費に過不足が生じた場合、同一款内の各項間で流用することを御承認いただくものです。

 以上が第6号議案、平成27年度中野区一般会計予算の概要です。

 続きまして、第7号議案、平成27年度中野区用地特別会計予算について説明いたします。

 第1条の歳入歳出予算の総額は73億8,800万円で、前年度に比べ、金額で59億9,400万円減、率で44.8%の減となりました。これまで先行取得してきた公園用地などを計画に沿って、順次一般会計へ引き渡していきます。平成27年度は、弥生町六丁目用地及び中野五丁目用地、分割取得中の(仮称)南部防災公園用地を一般会計に引き渡します。歳出は、公共用地先行取得債の元利償還金として、公債費72億500万円余を計上するとともに、一般会計への繰出金として諸支出金1億8,200万円余を計上しました。歳入につきましては、用地の一般会計での引き取りに伴う財産収入71億3,300万円余、一般会計からの繰入金2億5,400万円余を計上しました。

 次に、第8号議案、平成27年度中野区国民健康保険事業特別会計予算について説明いたします。

 第1条の歳入歳出予算の総額は401億3,800万円で、前年度に比べ、金額で64億3,700万円増、率で19.1%の増となりました。歳出のうち、国保運営費は被保険者証の一斉更新のため、9.8%増の7億8,900万円余、国庫給付費は療養諸費の増を見込み、2.0%増の218億1,200万円余、後期高齢者医療制度の財源の一部として拠出する後期高齢者支援金は1.2%増の49億2,700万円余、介護納付金は4.8%減の20億900万円余を計上しました。また、共同事業拠出金は、都内の各区市町村間の財政調整機能を担う保険財政共同安定化事業の制度改正に伴い、145.4%増の100億9,100万円余となりました。歳入のうち、国民健康保険料は0.1%増の91億4,900万円余を見込みました。国庫支出金、前期高齢者交付金及び都支出金はいずれも歳出との見合いで額が増減していますが、共同事業交付金は保険財政共同安定化事業の制度改正により133.2%増の100億9,100万円余を計上しました。一般会計からの繰入金は11.3%増の61億8,800万円余となりました。

 第2条は、債務負担行為について定めるものです。国民健康保険料督促状・催告書等の作成・発送委託など3件について、その限度額及び期間を定めるものです。

 第3条の一時借入金は、その最高額を10億円としました。

 次に、第9号議案、平成27年度中野区後期高齢者医療特別会計予算について説明いたします。

 第1条の歳入歳出予算の総額は65億5,300万円で、前年度に比べ、金額で1億200万円増、率で1.6%の増となりました。歳出のうち、広域連合納付金は1.7%増の64億5,500万円余、保険給付費は4.7%減の8,500万円余を計上しました。いずれも東京都後期高齢者医療広域連合の推計に基づくものです。歳入のうち、後期高齢者医療保険料は0.6%増の35億3,200万円余、一般会計からの繰入金は3.0%増の29億2,200万円余を計上しました。

 次に、第10号議案、平成27年度中野区介護保険特別会計予算について説明いたします。

 平成27年度は、第6期中野区介護保険事業計画の初年度となります。第1条の歳入歳出予算の総額は221億1,000万円で、前年度に比べ、金額で10億4,500万円増、率で5.0%の増となりました。歳出のうち、制度運営費は、社会保障・税番号制度に対応するためのシステム改修経費などがふえることから、8.0%増の7億1,500万円余、保険給付費は介護サービス利用者の伸びを見込み、前年度と比べ9億1,100万円余増、率で4.6%増の209億1,200万円余、地域支援事業費は1.9%増の3億9,100万円余を計上しました。また、基金積立金は、介護保険料剰余金などの積み立てを見込み、7,200万円余を計上しました。歳入のうち、介護保険料は保険料の改定や被保険者数の伸びを見込み、15.1%増の47億700万円余、国庫支出金及び支払基金交付金並びに都支出金は、それぞれ歳出見合いで増額を見込みました。また、繰入金は介護給付費準備基金からの繰入金1億9,000万円余が皆減となったものの、一般会計からの繰入金は6.5%の増となり、総額では0.6%増の34億5,600万円余を計上しました。

 以上、5議案につきましてよろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の第6号議案から第10号議案までの計5件は、議員全員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決します。

 本日はこれをもって散会いたします。

午後4時54分散会