平成27年06月26日中野区議会本会議(第2回定例会)
平成27年06月26日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録
25.12.05 中野区議会第4回定例会(第4号)

.平成27年(2015年)6月26日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  内  野  大三郎

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  北  原  ともあき

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  細  野  かよこ        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番  い  さ  哲  郎

 21番  佐  野  れいじ        22番  いでい   良  輔

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  石  坂  わたる

 29番  いながき  じゅん子       30番  小  杉  一  男

 31番  浦  野  さとみ        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  大  内  しんご

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  英   直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  竹 内 沖 司

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角   秀 行

 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹    区民サービス管理部長 白 土   純

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二     健康福祉部長   瀬 田 敏 幸

 保 健 所 長  寺 西   新      環 境 部 長  戸 辺   眞

 都市基盤部長   尾 﨑   孝      政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一

 経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  大 野 貴 子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  福 島 ル ミ      書     記  遠 藤 良 太

 書     記  香 月 俊 介      書     記  亀 井 久 徳

 

 議事日程(平成27年(2015年)6月26日午後1時開議)

日程第1 第46号議案 平成27年度中野区一般会計補正予算

日程第2 第47号議案 中野区基本構想審議会条例を廃止する条例

     第48号議案 中野区事務手数料条例の一部を改正する条例

     第49号議案 南中野区民活動センター等新築工事請負契約に係る契約金額の変更につい

     第50号議案 仮称南部防災公園整備工事請負契約

     第51号議案 仮称本町五丁目公園整備工事請負契約

     第52号議案 南中野区民活動センター等新築に伴う機械設備工事請負契約

     第53号議案 南中野区民活動センター等新築に伴う電気設備工事請負契約

     第54号議案 清掃車の買入れについて

     第63号議案 和解及び損害賠償額の決定について

日程第3 第55号議案 中野区住民基本台帳ネットワークシステムに係る本人確認情報等の保護に

関する条例の一部を改正する条例

     第56号議案 中野区特別区税条例等の一部を改正する条例

     第57号議案 中野区プールの衛生管理に関する条例の一部を改正する条例

日程第4 第58号議案 中野区中野駅南口地区における建築物の制限に関する条例

     第59号議案 特別区道路線の認定について

     第60号議案 特別区道路線の認定について

日程第5 第61号議案 中野区子どもの医療費の助成に関する条例及び中野区ひとり親家庭等の医

療費の助成に関する条例の一部を改正する条例

     第62号議案 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災

害補償に関する条例の一部を改正する条例

追加議事日程

日程第6 同意第5号 中野区監査委員選任の同意について

 

午後1時00分開議

○議長(北原ともあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 篠   国 昭

 1 平成27年度教科書採択について

 2 子宮頸がん予防ワクチン推奨中止から2年について

 3 鷺ノ宮駅周辺まちづくり検討組織について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 最初に、篠国昭議員。

〔篠国昭議員登壇〕

○36番(篠国昭) 第2回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場から質問させていただきます。

 平成27年第2回定例会に当たり、次の3項目について質問させていただきます。1番目は、平成27年度教科書採択について、2番目は、子宮頸がん予防ワクチン推奨中止から2年について、3番目に、鷺ノ宮駅周辺まちづくり検討組織についてであります。

 まず、1番目の平成27年度教科書採択について質問いたします。

 4月6日、来春から使われる中学校教科書の検定結果が公表されました。教育委員会が教科書の見本を読み比べ、どの教科書を使うかを決める採決を8月末までに行うことになるわけです。自由民主党議員団も、歴史教科書と公民の教科書についてプロジェクトチームをつくり、鋭意検討を進めています。

 戦後教育は、ともすると日本の歴史を否定的に、国際政治に関しては過度の国連至上主義や、「地球市民として生きる」などと理想主義志向の強いものでした。教育の世界では理想を教えることは重要ですが、現実の国際政治の力学もあわせて教えていくことが大事です。また歴史に関しても、その民族の事実に基づく光と影の歴史をバランスよく記述していくことが大事だと考えます。歴史や公民の授業で、何を、どんな価値観を教えるのかは重要なポイントです。日本人が幾十世紀も大切にしてきた価値観や、掛け値なくユニークで穏やかな文明を育んできた日本の国柄を教えていくことが大切です。

 公民の教科書で我が自民党会派が注目した点は、まず憲法観です。憲法は国家の統治の仕組みと同時に、自国の基本的価値を定めた根本規範です。権力を制約する制限規範としての役割がありますが、同時に、国会に立法権を授けたり、内閣に行政権を授けるなどの授権規範もあるわけです。このことをわかりやすく説いていることが大切であるという点です。制限規範だけしか強調しない等は問題外です。国家権力の制限という側面のみを強調する憲法観は、絶対王制からの解放を目指した初期立憲主義型の古い考え方であり、現代国家における憲法の意義を見落としています。

 我が会派が注目したもう一つの大きなポイントは、バランスを欠いた権利と義務の関係になっていないかという視点です。基本的人権に関する記述では、学習指導要領には「自由・権利と責任・義務の関係を広い視野から正しく認識させる」とありますが、バランスを厳しくチェックする必要があるものがありました。平成18年12月、教育基本法が改正され、第2条で「公共の精神」と「我が国と郷土を愛する」ということが教育目標として設定されました。それゆえ、公共の精神や愛国心のない教科書は教育基本法違反であり、本来、検定合格させてはならない教科書ではないでしょうか。

 平成27年第1回定例会の一般質問で、採択の根幹をなすものは教育基本法であり、学習指導要領であることについて確認の質問をし、採択基準への明記を求めました。その際、田辺教育長より「学習指導要領を含めた関係法令が改定された際には、採択基準に明記する」と答弁がありました。今回の教科書の採択基準には明記されたのでしょうか。お答えください。

 教科書採択の2番目として、教科書採択の留意事項について何点かお伺いします。

 1番目に、文部科学省は、教科書採択の留意事項を示した資料の中で採択の権限について触れており、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正に伴い設置された総合教育会議において、教育委員会制度を設けた趣旨に鑑み、教科書採択を協議題とすべきではないが、教科書採択の方針について協議することは考えられる」と示してあります。総合教育会議は個別の教科書を選ぶことはできないが、どういう教科書を採択するかという方針は決められるという趣旨であると思います。実際、日本の伝統、文化をしっかり学べる教科書が必要という考えを入れたいとの声も上がっています。中野区では、総合教育会議で教科書採択の方針について協議されたのでしょうか。お伺いします。

 このように、総合教育会議によって採択に首長の意向が反映できる可能性があることについて、区長の考えをお聞かせください。

 最後に、3番目として、文部科学省は採択の留意事項には、教科書の採択に広い視野から意見を反映させるため、保護者の意見を踏まえた調査研究の充実が示されております。中野区ではどのようになっているかをお伺いします。今回の文科省の通知を受けて、従来より示されている中野区の「教科書採択の流れ」の図に工夫がなされたのかについてもお伺いします。

 大きな2番目として、子宮頸がん予防ワクチン推奨中止から2年について質問させていただきます。

 最初に、子宮頸がん予防ワクチンは平成23年度から任意接種の費用助成が始まり、平成25年から予防接種法の定期接種となりましたが、副反応のため、積極的推奨が平成25年6月に中止されて2年になります。この間、個別通知はされていませんが、接種はできる状態になっているわけです。しかし、この積極的推奨の中止で、接種を受ける人の数に大幅な変化があったと思います。厚労省によると、今も毎月全国で約2,000人が希望して接種を受けているということです。中野区での接種の状況の経過についてお伺いします。

 この項の二つ目に、接種した10代を中心にあらわれた全身の痛みやけいれんといった副反応の原因は今もってはっきりしません。積極的勧奨が中止されているのは重篤な副反応が見られたためですが、中野区での副反応の状況についてお伺いします。

 この項の3番目に、積極的勧奨の中止が長く続いていますが、そのために、がんを予防する機会を奪われるとの指摘も出ています。重篤な副反応が見られているので、積極的勧奨の再開は難しいと思いますが、再開される見込みがあるのかについて御見解をお伺いします。

 大きな項目の3番目で、鷺ノ宮駅周辺まちづくり検討組織についてお伺いします。

 1番目に、野方駅以西については、沿線まちづくり勉強会として「鷺宮・都立家政駅周辺まちづくり検討会」、それと「野方のまちの未来を描こう会」が平成17年5月に発足した経緯があります。今後の鷺ノ宮駅周辺地区のまちづくりを進めていく上で、新井薬師前駅や沼袋駅と類似したまちづくり検討組織を立ち上げるのか。立ち上げる場合、どのような手順で決定していくのか、御見解をお伺いします。

 この項の2番目として、鷺ノ宮駅周辺のエリアの定義をどの地域までと捉えているのかについても御見解をお伺いします。

 三つ目として、平成21年11月に西武新宿線沿線まちづくり計画が作成された経緯があります。このまちづくり計画は、中野区基本構想と中野区都市計画マスタープランを上位計画として、「連続立体交差事業の効果を最大限活かしたまちづくりの方向性と都市基盤の設置計画」と位置付けられています。今後、野方駅以西のまちづくりを進めていく上で、このまちづくり計画の位置付けについての御見解をお伺いします。

 この項の最後に、鷺ノ宮駅周辺において、近年動き始めた基盤施設の整備はどのようなものがあるのか、お伺いします。また、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりを進めていく上での課題をどのように認識しているのか、区の御見解をお伺いします。

 以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございます。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 篠議員の御質問にお答えいたします。

 まず、教科書採択についてのうち、総合教育会議での協議についてであります。総合教育会議においては、教科書採択に関する協議を行っておりません。

 総合教育会議によって採決に首長の意向が反映できる可能性があるということについての御質疑もありました。文部科学省の通知にあるとおり、教科書採択は教育委員会の権限であり、採択そのものは総合教育会議の協議題とすべきではないと認識しているところであります。区として目指す教育のあり方などについて、区長として積極的に意見を述べているつもりであります。教育委員会にも私の意見が伝わっているものと考えております。これからも必要に応じて意見を申し述べていきたいと、このように考えております。

 次に、子宮頸がん予防ワクチンについてであります。子宮頸がん予防ワクチンは、1人3回接種が基本であります。延べ接種件数は、平成23年度は5,868件、同24年度は2,712件、同25年度につきましては358件、同26年度、昨年度は46件ということであります。

 予防接種の副反応を診察した医師は、国に届け出ることになっております。都を通じ、区にもその情報が伝えられることとなっております。中野区では、子宮頸がん予防ワクチンの副反応の報告は、23年度から現在まで一例もないという実情であります。国は、接種後の全身の痛みやけいれんなどの重篤な副反応についての新たな調査を昨年から実施しております。予防接種と副反応の因果関係の評価・分析に時間がかかっているということでありますので、このワクチンの積極的勧奨の再開のめどは立っていないという状況であります。

 鷺ノ宮駅周辺のまちづくりに関連しての御質問であります。検討組織についてですが、鷺ノ宮駅周辺地区のまちづくりを進めるにあたり、地域住民主体のまちづくり検討組織が設立され、まちづくりの合意形成の場となるよう、区が支援していきたいと考えております。まちづくり検討組織の設立に向けて、先行している地区の取り組みを参考に、まず地元町会や自治会、商店会などの代表を構成員とする準備会の結成を働きかけていきたいと思っております。準備会において、まちづくり検討組織の理念や目的、活動内容、構成員などについて検討していくことになると考えております。

 それから、この鷺ノ宮駅周辺まちづくりに関連して、鷺ノ宮駅周辺のエリアをどのように定義づけているかという御質問でありました。鷺ノ宮駅周辺地区の定義については、平成21年11月に策定した西武新宿線沿線まちづくり計画の対象地域が基本となります。したがいまして、東側については鷺ノ宮駅と都立家政駅の中間を基本とし、西側及び南側については杉並区の行政境界、北側については新青梅街道まで、これを基本と考えていくこととなります。

 それから、21年11月の西武新宿線沿線まちづくり計画の取り扱いについてであります。野方駅以西のまちづくりの検討においては、この計画が基本的な計画となります。ただし、この西武新宿線沿線まちづくり計画策定以降に整備されてきた基盤施設でありますとか、新しい中野をつくる10か年計画の記述等々の状況がありますので、こうしたものも反映させながらまちづくりを検討していくこととなります。

 鷺ノ宮駅周辺のまちづくりの課題について、どのような認識かというところであります。鷺ノ宮駅周辺にはさまざまな課題があるという状況であります。事業中の基盤施設としては、河川改修の問題ですが、河川改修として、平成26年に着手した妙正寺川の下鷺橋下流側から八幡橋下流側までの区間、それから、都市計画道路の整備ですけれども、これについては27年3月、ことしの3月に着手した補助第133号線、中杉通りですね。この杉並区境から妙正寺川までの区間があります。また、同じく都市計画道路補助133号線の新青梅街道から千川通りまでの区間につきましては、平成27年6月末に事業実施に向けての事業及び測量の説明会が開催される予定と聞いているところであります。

 鷺ノ宮駅周辺には、都市計画道路として中杉通り、補助第133号線の妙正寺川から新青梅街道までの未着手区間、また河川としては妙正寺川の八幡橋下流側から上流部の未改修部分、また、一団地の住宅施設として建築後50年以上経過している東京都住宅供給公社鷺宮西住宅などがあります。したがいまして、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりを考える上では、こうした数々の課題、これらと区の考え方、地域の考え方、しっかりと整合を図りながら進めていく必要があるわけであります。したがいまして、東京都や東京都住宅供給公社との連携も図りながら進めていく必要があると認識しているところであります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教科書採択につきまして、今回の教科書採択の基準についてでございます。平成28年度使用の中野区立中学校教科用図書の採択基準につきましては、「教科用図書の採択基準は、中学校学習指導要領(平成20年3月文部科学省告示)を踏まえ」と明記し、4月開催の教育委員会で確認したところでございます。

 続きまして、保護者等の意見を踏まえた調査研究についてです。文部科学省の「教科書採択の留意事項について」におきまして、保護者等の意見を踏まえた調査研究の充実が示されたことは承知してございます。区では、教科書の調査研究を行う選定調査委員会は、保護者や区民もその委員として構成しており、広く意見を求めているところでございます。また、教育センターのほか、区内4カ所で開催する教科書展示会について、その開催を区報等で区民、保護者に周知し、意見をいただいているところでございます。文部科学省の教科書採択の留意事項についての内容につきましては、「教科書採択の流れ」の中の図で示しており、基本的に変更は行ってございませんが、教科書採択の留意事項についての趣旨を踏まえ、適切に対応していく考えでございます。

○議長(北原ともあき) 以上で篠国昭議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 佐 野 れいじ

 1 中野区の空き家対策とその活用について

 2 中野区の人口について

 3 東京メトロ中野新橋駅舎の最終完成時期について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、佐野れいじ議員。

〔佐野れいじ議員登壇〕

○21番(佐野れいじ) 平成27年第2回定例会におきまして、一般質問で自民党の立場から質問をさせていただきます。

 質問は三つございます。その他はございません。

 まず第1番目、中野区の空き家対策とその活用についてお尋ねを申し上げさせていただきます。

 放置された空き家の撤去やその活用を進める空き家対策特別措置法は、この5月26日に全面施行されました。そして、新聞、テレビなどでも連日この問題を取り上げております。高齢化や人口減の影響で全国の空き家は増加を続け、今や全国の住宅の約14%に当たる820万戸に上っているとも言われております。そして、その数は年々ふえ続けております。高齢化や相続などで管理が行き届かずに老朽化した住宅は、地震や積雪で倒壊する危険もあります。また、不審者の立ち入りによる治安の悪化の問題も生じており、近隣住民から苦情も出ているのが現状であります。これまで空き家対策はほぼ各自治体に任されてきましたが、法的な強制力に乏しく、十分な成果が出ておりませんでした。住民が安心・安全に住めるためにも、一日も早くこうした諸問題を解決すべく、立入調査権も含めたこの法案がつくられたわけでございます。中野区議会でも、この法案ができる以前から、私も含めて多くの同僚議員からもこの問題の解決に向けて、どう区は考えているのかなどの質問が寄せられておりました。

 平成26年中野区第1回定例会の一般質問で、田中区長は「法律ができたなら、その法律を踏まえて、それぞれの自治体が空き家対策の充実について対応していくことになると考えております」。さらに、今後の区の取り組みについてはどうかとの質問に対しましては、「法律や条例の有無にかかわらず、区民からの問い合わせや相談に対しては誠意を持って対応し、・・・今後、法案の進捗状況をにらみ、また他区の条例等の運用状況を把握しながら、中野区としても独自の踏み込んだ取り組みが必要になるかどうか検討してまいりたい、このように思っております」と答えております。また、これまでの質問に対して、「中野区には空き家なるものが約1,700戸あり、そのうち、腐朽・破損している建物は約700棟あるというふうに理解しているところであります。また、そのうちの83件が区に相談を持ちかけています」とお答えをいただいております。

 平成26年3月の定例会の一般質問では、空き家の実態調査については、「無接道や危険な家について全戸調査を現在しているところです。それ以外の建物についても状況の把握に今後努めていきたい」と答弁し、その対策については、「政策の方向性を区として固めていかなければなりません。所管が多数の分野にまたがっていることでもあり、関連する分野として企画、建築行政あるいは住宅施策、それから福祉、地域支えあいなど、組織横断的な検討体制を早急に動かしていきたいと考えています」とお答えになっております。特別措置法が施行された今、以上のような経緯を踏まえて、改めて幾つかの質問をさせていただきたいと思っております。

 1番目、この5月26日に施行された特定空き家法では、特定空き家とは、「不使用状態であり、放置すれば著しく保安上危険、著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われないことにより、著しく景観を損なっている状態」と書かれております。まずそこで、中野区につきましては、空き家とはどのような状態をいうのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

 2番目、現在までの中野区における空き家調査はどのように進んでいるのでしょうか。数字とあわせてお答えをいただきたいと思います。

 3番目、また、この問題は所管が多数の分野にまたがっているので、組織横断的な検討を早急に動かしていきたいと答えておりますが、今後、法にあるような計画作成も含めて、専門家として動かして進めていくべきであるというふうに考えますが、それについてはいかがでしょうか。

 4番目、あるべき条項ではありますが、新法の中で、第7条につきましては「市町村は、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関する協議を行うための協議会を組織することができる」というふうになっております。例えば、新宿区条例ではこれに当たるものとして、委員10人から成る新宿区空き家等適正管理審査会を設置しており、また足立区でも委員15人から成る老朽家屋等審議会、墨田区でも老朽建物等審議会を設置し、名称はそれぞれ異なってはおりますが、新法による協議会に当たるものを既に設置しております。

 そして、いろいろな専門家、区民の声がこの問題の解決には必要となっております。そこで、7条2項ではそのメンバーにも触れております。「市町村長、地域住民、市町村の議会の議員、法務、不動産、建築、福祉、文化等に関する学識経験者その他の市町村長が必要と認める者をもって構成する」ともなっております。私としては、こうした協議会を中野区にも一日も早く設置し、住民が安心・安全に住めるように、この協議会の中で調査に入るべきであると思いますが、いかがでしょうか。

 5番目、次に、条例についてお尋ねいたします。私は、自治体として法政策対応を図るとき、法規定についてはそれを使いますが、しかし、必要に応じて、規定し切れない部分は補完的にその自治体独自の条例で規定すべきであると考えております。そういう意味でも、空き家特別措置法を中野区として細部にわたって条例をもって補完すべきであります。例えば、建築基準法では、敷地が道路に2メートル以上接していなければ新築はできないとなっておりますが、本当に困っている人たちについては、特例みたいなものを考えて解決を図ってみてはどうかとも思いますが、いかがでしょうか。また、財政的に許されるのであれば、更地にする場合、固定資産税が6倍にもなってしまうとも言われておりますので、このことに対して既に補助金などを出している区もあるように、中野区でも、補助金制度などを視野に入れながら条例を考えていったらどうかと思いますが、いかがでしょうか。現在、この問題の早期解決のために既に条例を作成した9区についても、法と条例との整合性や内容の検討をしていると聞いております。中野区においても早急に措置法を補完するための条例を作成すべきだと思います。中野区としてどのような見解をこれについてお持ちでしょうか。

 6番目、この項の最後に、空き家の活用についてお尋ねをさせていただきます。空き家対策は、私は、その活用も含めて考えていかなければ解決しないと以前から述べさせていただいております。各自治体においても独自の方策を打ち出しております。例えば、秋田県では廃校となった学校の再利用、これはハム工場にしているそうでございますが、高齢化に対応するために、新築ができない空き家を買い取り、高齢者のための対話サロンとしているところもある。改修したり、世田谷区のように情報集約として不動産バンクの設定など、いろいろと時代の先を見越した方策を打ち出しております。中野区としてその活用をどのように考えていったらいいのか、お答えをいただきたいと思います。安心・安全なまちづくりを目指すためには、いずれにしても、この5月26日に空き家特別措置法が施行されたことによって、一自治体として中野区も早期にこの問題の解決に取り組むべきだと考えますので、誠意ある御回答をお願いして、この項の質問を終わらせていただきます。

 次に、中野区の人口についてお尋ねをさせていただきます。

 国及び地方自治体にとって、人口、特に生産年齢人口(15歳から64歳)や老年人口(65歳以上)が将来どう推移していくのかが大きな問題となってくると思います。人口は、税収面、出生率、その自治体の環境やまちづくり、歴史、魅力にも大きく影響してまいります。田中区長の行政報告にもあったように、子育て支援の追求から、さらに踏み込んでの出生率の向上へと目標を明確化して取り組みを進めるためには、これまでにない創意工夫がこの問題には必要であります。中野区の人口増に向けて、真っ正面から出生率の向上に取り組んでいく必要を表明しております。

 ここ中野区の人口の推移を見てみますと、約30万から31.5万と、この10年間に微増ではありますが、あまり大きく変わっておりません。しかし、企画分野の資料によれば、近い将来、年少人口、生産年齢人口が減少する一方、逆に老年人口は増加してまいります。また、今後約10年後には中野区にも人口減少の傾向があらわれてまいります。2018年から老年人口も減り始め、特に2024年からは年少人口の減少、いわゆる少子化現象が顕著に中野区にもあらわれてまいります。ことし10月に行われるであろう国勢調査で、全国及び各自治体の人口増減傾向は判明してくるのでしょうが、間違いなく増加の方向でなく減少の方向になるだろうと言われております。この生産年齢人口減少は、単に中野区だけの問題では決してありません。私としては生産年齢人口を少しでもふやし得る方策、例えば家賃の補助などを考えながらまちづくりをすべきだと思います。いかがでしょうか。

 そこで御質問をさせていただきます。

 中野区は20代、30代の人口割合が突出して高いと言われております。全国比でも中野区は高くなっております。また、これまでの統計によれば、1世帯当たりの人数は減っておりますが、単身者が他区に比べて増加傾向にあります。しかし、若者の移動率が大変激しいなどにつきましては、将来も含め、どう変わっていくと中野区はお考えなのでしょうか。例えば、ワンルームマンション建設だけではなく、2DKなど、結婚したときのための安い家賃の部屋をより多くつくるなど、若者にとって魅力のある部屋や家賃も考えていったらいいと思いますが、いかがでしょうか。

 そしてまた、若者にとって魅力のあるまちづくりとあわせて、結婚し、さらに中野区に住み続けたいまちとなるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。統計によりますと、中野区のひとり暮らしは60.2%、東京都の平均が45.8%と、中野区は断トツに高いのが現状であります。

 次に、3番目として、メトロ中野新橋駅舎の最終完成時期についてお尋ねをさせていただきます。

 昨年8月には、地域住民の長年の念願でありましたメトロ中野新橋駅のバリアフリー化、エレベーター化及びこれまでの男女共通トイレから近代的な多目的トイレができ上がりました。また、昨年の12月には仮の駅舎から中新通りに面した3階建てのモダンな新駅舎が完成し、改札口前には時計も設置され、利用客もふえて多くの人たちが喜んでおります。しかし、いまだに1階階段や天井部分の配線が見えたり、外構も含めて完成しておりません。着工から完成まで長い年月を要しております。交通結節点のイメージからも、早期の整備完成を急ぐように東京メトロに働きかけるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。一体いつになったら外構も含めて最終完成となるのでしょうか。お尋ねいたします。

 その他の項の質問はありません。

 以上で私の質問の全てを終わらせていただきます。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 佐野議員の御質問にお答えいたします。

 空き家対策の関連の御質問です。空き家の定義、法によれば、空き家とは、居住その他の使用がなされていないことが常態であるものとなっているということであります。区としては、まず空き家というのは全体としてこういった定義で捉えているわけであります。その中に特定空き家等の問題が出てくるということだと思っております。

 空き家調査についてであります。区内には、戸建て住宅と集合住宅、住宅の建物が合わせて約6万棟あります。これらについて、無接道敷地や老朽危険家屋の現状を把握するために調査を行っております。この約6万棟中、26年度末で約2万棟、調査を終了したところであります。そのうち、おおむね10%程度が空き家であったという状況でありました。空き家全体及び特定空き家、これらを対象としては、これまで調査は行ってきてはいないという状況であります。

 組織横断的な検討体制について。老朽空き家対策については、建築基準法に基づく老朽空き家への指導を行ってきたところであります。所有者が特定できない空き家や、活用されないままの状態の空き家など課題があり、抜本的な対応が求められているところであります。そのため、区の総合的な空き家対策を検討する必要があり、これまでの間、政策室を中心として総合的な取り組みについて関係課長会を組織させ、検討を行ってきたところであります。今般、空き家対策特別措置法の制定に伴いまして、区としても空き家対策については、特定空き家についての適切な管理の指導を進めるとともに、資産として活用できるものは流通の促進を図るなど、特定空き家化を防止するための総合的な取り組みとしていくことを考えております。国の基本方針を踏まえ、計画策定を早急に進め、取り組みの所管を明確にするなど、より実効性のある空き家対策の取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 特別措置法第7条でいう協議会についてであります。空き家対策特別措置法第7条において、市町村は、空き家等対策計画の作成及び変更、実施に関する協議を行うため協議会を組織することができると規定されております。空き家情報の収集や活用の促進など、区の総合的な空き家対策を進めていくに当たっては、地域住民や建築、不動産関係者の協力が不可欠なことであると考えており、対策を進めていくに当たっては、具体的な調査や計画の策定を検討する協議会の設置、これについて検討してまいりたいと考えております。

 建築基準法の特例許可の基準についての御質問がありました。問題化する空き家の中には、接道不良で建てかえが困難という事例も多く見られるところであります。建築基準法の接道要件である2メートル接道を満たさない敷地の建てかえは、原則できないわけでありますが、1.8メートル以上2メートル未満の接道がある場合には、特例許可を受ければ建築可能となっております。この特例許可の基準の緩和ができれば、空き家対策の効果は一定得られることになると考えます。なお、この空き家の一部に見られる1.8メートル未満の敷地では、緩和の対象とならないことから、再建築は現状では難しいということになると考えております。この建築基準法の基準の緩和につきましては、空き家問題として考えたときの基準緩和の問題と、建築物がもたらす地域への影響というところからの地域の安全性との関係でどのように均衡を図るかというところが課題であり、慎重に検討していきたいと考えております。

 それから、取り壊し等への補助、助成金などについての御質問がありました。建物の解体に対して助成制度を導入している自治体もあることは承知しておりますが、公費の投入に当たっては、公平性の観点から慎重に検討することが必要であると考えております。

 条例の制定についてであります。特定空き家に対する指導・勧告等については、当面は法令や国のガイドラインにより対応することになりますが、区としてさらに踏み込んだ対応が必要となる場合、区の空き家条例が必要になると考えているところであります。

 空き家の利活用についてであります。高齢化、人口減少が進む中で、今後さらに空き家が増加していくことが想定されており、空き家を新たな地域の交流の場、住まいなどとして再生させていくことは、地域活性化につなげるための方策となり得るところであります。また、必要なケアが届けられる仕組みを構築すれば、見守りが必要な高齢者などが安心して生活できる場としていく可能性もあると考えております。現在は資産として活用可能な状態の空き家であっても、時間の経過とともに特定空き家化してしまうということが想定されております。空き家の既存ストックは貴重な資源であり、空き家の適切な管理を指導するだけではなく、リノベーションを行うことなどによって活用できるものについては有効な活用が促進されるよう、空き家の総合相談体制の構築や、民間を活用した空き家情報の共有化、それから公共的な利活用の促進など、活用の仕組みづくりを検討していきたいと考えているところであります。

 次に、人口に関連して、若年層の人口移動等についての御質問であります。中野区は、都心への交通利便性が高いとともに、若年単身者向けの賃貸住宅が多いため、20代、30代の人口割合が突出している、このように考えております。また、晩婚化とともに、独居高齢者の増加が1世帯当たりの人数減としてあらわれていると考えております。今後、生産年齢人口の減少が進むと、地方から区への若者の人口の流入も少なくなることが想定し得ると考えます。

 ファミリー層向け住宅の誘導について。区の条例では、基準を超える規模の集合住宅は、その規模に応じて居室が複数ある住戸を設けることとなっております。ファミリー層が住める住戸の供給誘導を図っているところであります。また、都営住宅等の公共住宅の建てかえの際は、さまざまな世帯が居住できるようファミリー向け住宅の建設を事業主体に対して要望しているところであります。なお、家賃の低廉化ということについて、行政としてどのようなことができるのか、検討する必要があるものと考えているところであります。

 若者の定住についてであります。中野区に居住した若者が結婚後も引き続き中野区に住み続けてもらい、さらにファミリー層も含め、多様な世代から住みたいまち、住んでよかったまちとして評価されるような魅力的なまちづくりを進めていかなければならないと考えております。そのためには、安心して子どもを産み、子どもたちが健やかに育っていく子育て環境、充実した教育環境、住みやすい住宅環境、幅広い医療・介護・福祉の連携による地域包括ケア体制が整えられたまちにすべきであると考えているところであります。

 東京メトロ中野新橋駅の駅舎の工事についてであります。駅舎の工事は、鉄道営業時間外の限られた時間内で行われるため、多少の日程の狂いが工事期間の延長につながりやすいということがあって、一定の工事期間を要していたということでありますが、6月末をもちまして、外構も含めて全ての工事が終了するということを東京メトロのほうから連絡を受けているところであります。

 以上です。

○議長(北原ともあき) 以上で佐野れいじ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 高 橋 かずちか

 1 江古田合同住宅跡地整備について

  (1)計画概要と今後のスケジュールについて

  (2)地域との関係について

  (3)その他

 2 哲学堂公園とみずのとう公園周辺地区を活かしたまちづくりについて

 3 中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画について

  (1)都市観光・賑わい活性化策とまちづくりについて

  (2)駅を起点とした都市観光施策について

  (3)その他

 4 AEDについて

 5 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、高橋かずちか議員。

[1]高橋かずちか議員登壇

○11番(高橋かずちか) 平成27年第2回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から一般質問をさせていただきます。質問内容は事前通告のとおり、その他の項目はございません。

 まず初めに、江古田合同住宅跡地整備について伺います。

 総敷地面積約4.4ヘクタールに及ぶいわゆる江古田三丁目地区まちづくりは、私ども自民党が強く主張し、具体的展開も見られました小児初期救急医療や病児・病後児保育等、子育てに資する施設整備をはじめとして、ファミリー世帯・多世代向けの住環境や防災機能、緑地の確保、道路・歩道などのインフラ整備など多くの特色が挙げられます。この計画概要と今後のスケジュールについて伺ってまいります。

 まず、計画概要、スケジュールについて。南側の約6,000平米に及ぶ敷地B街区に設置が予定されています小児初期救急医療及び病児・病後児保育施設について、以前、私の質問に対し、区は、進出事業者と協定を結ぶとの答弁がありましたが、その後、協定はどのようになっているのでしょうか。また、その具体的な内容についてお示しください。

 また、施設計画概要及び今後のスケジュールはどのようになっているのか、お教えください。

 さらに、A街区、C街区に建設が予定されている建物について、その用途と施設機能について、また、今後の整備スケジュールについて、区が現在把握しているところをお示しいただきたいと思います。

 次に、地域との関係について伺います。およそ3,000人もの新たな住民が生まれると言われるこの開発は、民間主導の最新の住宅ニーズを取り込んだ大規模開発であると考えます。

 そこでお聞きします。このような民間主導による大規模な面的整備に対し、区は、まちの将来像や施策目標に照らし、積極的なかかわりを持つことが必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。

 当該地は、歴史伝統文化が根付いた地域コミュニティ、広域避難場所に指定された江古田の森公園の一帯に位置し、江古田小学校や幼稚園などの教育施設、また、多くの区民が集う神社仏閣などに近接しております。こうした地域事情を考えますと、来年4月を目途に建設工事着工ということですが、当該街区で子育てに資する施設整備を進める区の施策から考えてみても、一民間の開発として静観しておくわけにはいかないと考えております。

 そこでお聞きします。今後、例えば工事中における周辺地域とのトラブル防止や、新たな住民を含めた地域コミュニティの形成、防災・災害対応に資する地域との協働、あるいは区の施策に関連する施設機能の設置など、将来のまちの完成に向け、区としても今の段階から事業者との適切な連携を図っていくべきと考えますが、区のお考えをお示しいただきたいと思います。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に、2番目としまして、哲学堂公園とみずのとう公園周辺地区を活かしたまちづくりについてお聞きいたします。

 中野通りの哲学堂公園から新青梅街道以北の延長として、事業区間約490メートルの都市計画道路補助26号線の整備につきましては、私もこれまで一般質問や総括質疑にて再三質問してまいりました。現在は、東京都第三建設事務所によって用地取得に向けた事業区間内の各地権者の物件調査を順次行い、事業が進められていると認識しておりますが、ここでお伺いいたします。

 関係地域住民にとりましては、立ち退き・転居、事業継続といった、生活の中でも衣食住の「住」に直結する内容であり、大きな影響を及ぼすことと考えますが、まず、区としてこの事業の進捗状況や関係住民の影響についてどのように把握し、認識され、関係者に対しての情報提供はどうなっているのか、教えていただきたいと思います。

 道路計画線に係る影響としましては、地域住民とともに、みずのとう公園があります。たびたび申し上げているとおり、この公園は年間を通して地元町会の数々の行事を行う重要拠点でもあります。このみずのとう公園の再整備については、私が平成26年第3回定例会の一般質問でも取り上げ、中野区もその方向で関係機関に働きかけていると認識していますが、南側隣地の都有地を拡張用地として確保することを視野に進めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。具体的には現状どのような進捗状況になっているのでしょうか。スケジュールはどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

 また、仮に用地確保への手続が進み、公園の再整備が具体的に進んでいく場合は、中野区の歴史的・文化的遺産を生かした特色ある公園として整備する必要があると考えますが、同時に、活動拠点・防災拠点として利用してきた地域・町会や、隣接地として活用してきたやはたみずのとう幼稚園など、そうした関係者の意見も十分参考にして、利用しやすい、理解の得られる公園として再整備すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 哲学堂公園の整備については、整備検討、あるいは四聖堂の修復関係などの関連予算、また、雑誌等刊行物への掲載による観光情報の発信関連の予算が本年度ついております。しかし、さらにもっと広く、多くの世代の区民に触れてもらう必要があると考えます。例えば、成長しても「ふるさと中野」に愛着を持ち、中野のよさを将来発信し続けてくれる次世代を担う子どもたち、区内の小・中学校の生徒さんに来てもらう。そして、地域の方々はもとより、より多くの外国人を含めた来街者の体験学習の場にすることはできないのでしょうか。お答えください。

 次に、都市観光ポイントの連続性について伺います。

 中野区認定観光資源として129施設が認定されており、こうした当該地区の歴史的・文化的価値を持つ資源の活用については、中野区内における貴重な資源として捉えることが必要です。一帯は中野区を代表する歴史・文化ゾーンが既に形成されており、このことを十分に生かしたまちづくりを進め、さらには、中野区が進める中野駅周辺のまちづくりや都市観光とも連動させ、中野駅から北側の都市観光ポイントへつなげる北部都市観光ルート構築へ展開していくべきと考えます。

 そこでお聞きします。区民、来街者が中野駅から北口、サンモール、ブロードウェイ、新井薬師、沼袋、江古田地区、さらには野方以西の西武新宿線沿線地区と、地域の観光資源を対象とした回遊性、ストーリー性のある観光ルートの構築を進め、区民や来街者を北部へ引き込む取り組みが必要ではないでしょうか。それには回遊性、ストーリー性のある観光ポイントの整理・発掘も必要ですし、それを案内するボランティアガイドなど、人材育成といった運営やソフト面での仕組みづくりも必要だと考えます。こうした新しい都市観光戦略についての区の考えをお聞かせください。

 こうした連続性のある都市観光戦略を構築するとなると、当該地の良好な周辺環境形成、つまりまち並みや景観の保全、スカイライン等への配慮も必要になってきます。来訪者向けの商業展開も必要になってくることを考えますと、土地利用計画を含めた建築物・景観整備計画の策定も進めていかなくてはならないと考えます。都市計画をリンクさせる必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に、3番目、中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画について。

 現在、中野区基本構想と10か年計画の改定作業が進んでおります。この項では、にぎわい活性化につながる都市観光に関連して幾つか質問いたします。

 初めに、都市観光・賑わい活性化策とまちづくりについてお聞きします。

 2012年に中野区が策定した中野区都市観光ビジョンは、現在の中野区基本構想とそれに基づく新しい中野をつくる10か年計画(第2次)に示された持続可能な活力あるまちづくりというメインテーマのもとに、メインテーマ実現のために取り組む指針ということになっています。今般の中野区基本構想改定に当たっての審議会答申を見ますと、将来を見据え、対応すべき社会状況等に、区の産業や都市観光の魅力を国外へアピールする機会の拡大するグローバル社会に向けて、中野の魅力を積極的に発信することや、多くの来訪者を受け入れることによるさらなるにぎわい創出など、中野の新たな機能づくりが求められているとあります。同時に目指すべき将来像には、活力とにぎわいある安全・安心都市基盤として、中野らしいまちの魅力創出など、まちの持続的な活性化を目指すことが重要であるとしています。

 基本構想と10か年計画のメインテーマ実現のために取り組む指針として策定されました都市観光ビジョンにおける都市観光と、これから改定作業が進む基本構想と10か年計画に盛り込む都市観光とでは、意味合いが違ってくるのではないかと思います。

 そこでお伺いします。都市観光について、新たな視点や中野区の将来を見据えての区の見解、いわば区が目指すゴールをお聞かせいただきたい。

 また、今後改定作業が進む基本構想と10か年計画には、「都市観光」という文言・項目を明確にうたい、2020年を契機として変わる社会情勢に対応し、将来に向けて発展を目指す区の姿勢を内外に広く発信すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 2020年に向けた中野区のインバウンド観光の戦略は、来街者を呼び込むまち、にぎわいを創出するまちを目指すのであれば不可欠であると考えます。中野の持つ地域文化・歴史など日本古来の文化と、一方で漫画・アニメなど現代のカルチャーで外国人に人気のあるコンテンツの発信も必要と考えます。

 外国人対応の観光施策は、2020年に向けて必須のものと考えますが、区は現状と将来予測をどのように考えているのでしょうか。また、具体的にどのように進めていくのでしょうか。サイン計画や広報についても、先ほどのストーリー性のある観光ルートの構築にあわせた整備や観光紙媒体、ITも含めた外国人向けの多言語による戦略的な全体としての情報発信や周知が必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。こうした新たな観光戦略は、若者を呼び込むことにつながると考えます。吉祥寺や下北沢、原宿などではサブカルチャー文化を上手に発信し、若者が住みたいまちとして憧れを集めていることは御存じのことと思います。

 超少子高齢化社会を迎える今、若者に魅力的な観光戦略によって来街者をふやし、中野の魅力、ブランド力を高め、定住につなげ、生産年齢人口をふやすことも視野に入れる施策も重要と考えますが、区はどうお考えでしょうか。

 このように観光戦略を考えていきますと、中野の将来のあるべき姿、まちづくり、インフラ整備、広報戦略などなど、中野区の基本構想や10か年計画などの上位計画や都市計画、土地利用計画などに直結していく事項ではないでしょうか。昨年、国からは国家戦略特区の方針が示され、中野区もその指定に向けて取り組んでいるところであります。

 そこでお聞きします。中野区が持続可能な自治体として、また将来に向かって発展していくために、都市観光施策の戦略的取り組みが不可欠であると考えますが、自治体単独では改定が困難な建築制限の緩和といった都市計画に係る課題を特区の規制改革事項として提案するなど、都市観光事業を具体化する視点を持って中野全体の都市計画、まちづくりを進める必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 次に、駅を起点とした都市観光施策について伺います。

 駅同士を結んでの駅連動型の観光施策も重要であると考えます。JR中野駅とつながる東中野駅、中野駅南口をさらに南下すれば東京メトロ新中野駅、その先には中野坂上駅もあります。こうした地域にはエンターテインメント企業や施設も存在し、民間企業との連動も期待できると考えます。例えば、メトロ沿線の駅同士を連動させたまち歩きイベントの開催を誘導したり、その際には、イベント主催者が展示場やホールといった貸しスペースの情報が入手できる環境を整備したりなどして、企業イベント誘致に取り組むことも有効であると考えます。

 そこで伺います。こうした駅連動型の観光戦略を進めることで中野全体の回遊施策につながると考えますが、いかがお考えでしょうか。

 中野駅周辺では、まちづくりの進展とともににぎわい活性化が進み、北口、南口、それぞれの地域ですばらしいイベントが繰り広げられております。現時点では、主な南北の動線はガード下の中野通りしかありません。しかし、残念ながら現状は暗く、治安の面からも工夫が必要ではないでしょうか。高田馬場などでは壁面が手塚プロの絵となっており、そこ自体が観光の名所になっているという事例も参考にすべきだと思います。

 そこでお聞きします。中野駅の南北動線である高架下については、高架下自体を観光スポットとして捉え、壁面を都市観光の広報スペースとして位置付けた上で、今後、駅を中心に具体的展開が見込まれるであろうタウンマネジメントやエリアマネジメントの収益源として、中野駅の魅力づくりの一環としてLED照明への切りかえや、さらに壁面の活用などを工夫し、明るく快適な空間にすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 また、都市観光戦略を進めていくことになれば、観光客の増加が当然見込まれることになります。住宅街へ観光客が迷い込み、迷惑をかけないような施策をとるべきだと考えます。同時に、新しい都市観光事業と既存の伝統行事を含めた地域のイベントが共存していくことも大切だと考えます。

 そこでお聞きいたします。観光客が集中する地区、施設などには正確な地理情報が入手できる誘導・案内板の設置が不可欠だと思いますし、また、観光案内所の設置によって、地理的な案内に加えて、祭礼など伝統行事の情報をワンストップで入手できる環境をつくることも重要であろうと思いますが、区はどのようにお考えでしょうか。お示しください。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に、4番目、AEDについてお聞きします。昨日の質疑もございましたので、重複部分は割愛させていただきます。

 厚生労働省の資料によりますと、突然の心肺停止事例において、公共のスペース等にあらかじめ設置しておいたAEDが救命や社会復帰の点で効果を発揮すると知られているとある一方で、課題として、設置場所が地域住民に周知されていないということが挙げられております。中野区では、区内に設置されたAEDの案内地図を、区以外の事業所等が設置したものも含めてなかの便利地図に掲載し、区民に公開しております。この6月8日現在、244カ所が登録されており、その内容は、住所、施設名、施設内のAED設置場所、利用可能日時であります。施設内のAEDの場所は文字で表記されております。私が懸念するのは、施設関係者や、そこをよく利用する人であれば問題ないと思いますが、初めてその施設を利用した人、また、たまたまその施設周辺を通りかかった人が緊急に使おうとした場合、非常事態下では、具体的にその施設の中のどこにあるのかが部外者にはわかりづらいということであります。

 そこで、緊急時に、施設を知らない人でも、敷地の外からでも一刻も早くAEDに到達できるように、施設の入り口にAEDマークとセットで、誰でも見てわかるようなAED設置場所を具体的に明示した案内板を掲示すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 このように考えてみますと、AEDの実効性のポイントとしては、単に設置を進めるだけではなく、設置されたAEDが維持管理され、いつでも使えるようにしておくこと、また、施設管理者はもちろんですが、住民等にそのAEDの設置場所を周知するという方法を工夫しなければいけないこと、さらには、AEDの使用の教育、訓練というものが不可欠であるということであります。

 そこでお聞きします。こうしたAEDの普及と実効性のポイントを解決するために、町会・自治会が活動拠点としている町会会館へのAED設置についての支援策を検討してみてはいかがでしょうか。町会会館は、地域住民が多く集まる場所として稼働率も高く、また、御高齢の方も多くの行事で参加利用しております。こうしたところに設置が進めば、万が一の緊急時に即応できますし、地域の活動として訓練も進む、そしてAEDの実効性がより上がると考えますが、いかがお考えでしょうか。

 以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 高橋議員の御質問にお答えいたします。

 江古田合同住宅跡の整備についてであります。B街区をめぐる協定の内容についてです。平成26年11月17日、区は医療法人財団健貢会及び一般財団法人脳神経疾患研究所との間で、当該地における協定書を締結いたしました。内容としては、小児初期救急診療及び病児・病後児保育の機能を備えた病院開設と、長期に安定した診療及び運営体制の実現に関する事項で、医師等の資格条件や配置人数などの診療体制、診療日を年間全日とすること及び診療時間、開設後10年以上の継続運営、それから、地域医療連携の確保などを定めたところであります。なお、小児初期救急診療及び病児・病後児保育の機能の導入については、平成26年6月に区が独立行政法人都市再生機構に要望した、その結果、実現したものでもあります。スケジュールにつきましては、協定書で遅くとも平成31年度末までに開設することとしておりまして、現在、施設の設計段階であるとの報告を受けております。

 A・C街区の施設機能等についてであります。敷地面積約1.8ヘクタールのA街区には、地下1階地上14階建て、総戸数532戸の分譲マンションの建設が予定されております。建設敷地面積約1.6ヘクタールのC街区には、地上14階建て、総戸数260戸の賃貸マンションのほか、サービス付き高齢者向け住宅、介護付き有料老人ホームなど、多世代が居住できる建物の建設が予定されております。また、C街区には、保育所や学童クラブのほか、周辺住民を含めた多様な世代が集う住民活動の拠点となる施設の設置も予定されております。

 A街区及びC街区の整備についてのスケジュールです。おおむね平成28年度当初には建設工事に着手し、平成30年度中には竣工して入居が開始される予定と聞いているところであります。

 こうした民間主導の面的整備に対する区としての積極的なかかわりについてであります。区は、平成19年にUR都市機構からあった当地区のまちづくりに関する意見照会に対して、周辺環境への十分な配慮のもと、良質なファミリー向け住宅の供給や広域避難場所としての防災機能の確保など、区の考えるまちづくりの方向に沿った要望を行っているところであります。これらの要望は整備事業者選定の募集要件に盛り込まれ、選定された整備事業者においては、区の要望に沿ったまちづくりに向け準備を進めていると聞いております。また、都市計画法の規定による開発行為の許可が必要となるため、区は許可にかかわる協議に当たっては、敷地内道路の位置や構造、法的に整備が義務付けられた公園以外にも公共的緑地を確保すること等を要請し、実現したところです。区は、今後とも整備事業者との情報交換を通じ、必要が生じた場合には適切な要請を行っていく考えであります。

 また、工事中における対応、あるいは地域コミュニティの形成や防災・災害対応などについての地域での協働など、事業者との連携についても必要ではないかということであります。工事の進捗状況や、新住民を含めた地域コミュニティの形成などについて、整備事業者に対し、地域に対する十分な情報提供や的確な対応を行うよう要請してまいりたいと考えております。また、区の施策と関連する保育所や学童クラブ等の設置も計画されていることから、UR都市機構や整備事業者と区の関連部署との十分な連携を図ってまいります。

 次に、哲学堂公園とみずのとう公園周辺地区を活かしたまちづくりについての御質問であります。

 都市計画道路補助第26号線の整備事業についてであります。都市計画道路補助第26号線、いわゆる中野通りであります。この整備事業につきましては、中野通りが新青梅街道に突き当たって途切れてしまうミッシングリンクが解消され、北側に通じていくということで、南北交通の円滑化につながることや、哲学堂公園を中心とした歴史的景観まちづくりに大きく寄与することなど、大変重要な事業であると認識しており、事業主体の東京都との情報の共有に努めるとともに、事業に対する協力や支援を行っているところであります。この事業の進捗により、事業区間内の地権者は大きな影響を受ける場合も生じることから、区としても東京都と緊密に連携しながら、地権者等への情報提供や関係方面との調整等により事業推進に取り組んでまいります。

 水道局野方公社の用地についてであります。みずのとう公園の再整備については、補助第26号線の整備主体である東京都との調整を図り、道路整備のスケジュールに合わせて進めていくところであります。また、公園と隣接している水道局野方公社の用地については、区としての活用に向け、東京都に申し入れを行ってまいります。現在は、所管である東京都水道局と、野方公社の現状と今後の活用について確認をとっているところであります。

 再整備の内容について。みずのとう公園には国の登録有形文化財である旧野方配水塔が存在し、近くには東京都指定の名勝である哲学堂公園もあります。中野区の中でも歴史的・文化的な遺産が集中している地区であるため、これらの資産を生かす方向で公園の再整備を検討してまいります。近隣の方々や地元町会などの意見を取り入れながら、再整備の内容を詰めていきたいと考えております。

 歴史・文化の発信について。哲学堂公園は、東洋大学の創設者でもある井上円了氏が創設し、社会に還元された公園であります。しかし、井上円了氏の人物像、思想、あるいは哲学堂公園に込められた思いなどについては、あまり知られているとは言えない現状があります。旧野方配水塔についても同様であります。区では、このようにあまり知られていない中野の歴史・文化を紹介するために、今年度、都市観光の事業として、民間出版物による情報発信を行ってまいります。さらに、ワグナー・ナンドールの「哲学の庭」の彫刻作品など、哲学堂公園、みずのとう公園周辺の観光資源を通じて、中野の歴史や文化を幅広く児童・生徒をはじめ、国内外の方にも体験・学習できる場の整備を進めてまいりたいと考えております。

 都市観光戦略についてであります。区民や中野を訪れる来街者が、主要駅などの交通拠点から区の重要な観光資源である哲学堂公園など区の歴史・文化に触れつつ、食や商店街などを含めた面的な回遊を動かすようなストーリー性、連続性を持つ観光ルートの整備は、大変重要な課題だと考えております。また、観光ルートをめぐる際には、観光資源の由来などについて知見を持つガイド、案内も有効だと考えており、こうしたルート整備とあわせて、地域の人材を活用した観光ボランティアの育成の具体的な手法などについても検討してまいりたいと考えております。

 連続性のある都市観光戦略を構築する上で、景観の保全やスカイライン等への配慮も必要だといった御質問であります。旧野方配水塔周辺の景観の保全や、補助26号線沿道の土地の適切な利用等を誘導するための手法として、地区計画や、あるいは都市計画公園の拡張などの都市計画による手法も検討する必要があると考えております。景観行政としての取り組みについても検討が必要と考えております。

 2020年を契機とした都市観光の区の目指すゴールについてという御質問であります。都市観光ビジョンは、グローバル都市中野の発展を牽引する重要な取り組みだと考えております。東京オリンピック・パラリンピックを契機として中野を訪れる外国人観光客、区内で展開されるグローバルな活動、そうしたことについての内外の来街者など多くの人々に中野を訪ねてもらい、中野で有意義で楽しい時間を過ごしてもらうことを目指しているところであります。検討しているグローバル戦略の展開を考える上で、グローバルな発信力を持つ観光資源の開発は極めて重要だと考えているところであります。

 基本構想と10か年計画について。平成22年3月に改定した基本構想と10か年計画策定後に、新たな取り組みに向けた視点として都市観光ビジョンを平成24年6月に策定いたしました。都市観光の振興は区において重要な課題であり、今後の基本構想と10か年計画の改定の中で盛り込んでいくことを検討していきたいと考えております。

 外国人対応の観光施策について。ことし5月の訪日外国人客数は前年同月を54万5,000人上回る164万2,000人となって、過去2番目を記録する高い伸びが続いているところであります。一方で、航空路線の拡大やビザ免除や要件緩和、さらに本年3月の首都高中央環状線開通による羽田空港から副都心へのアクセス利便向上などにより、周辺区を含む区への外国人来街者数は今後も増加するものと考えております。こうした状況を好機として、今後グローバル都市として多言語表示案内といった都市機能の拡充や、あるいはサブカルチャーや歴史など、区の特徴の周知・PRはもとより、将来を見据えた資源の開発、受け入れ体制の整備、情報発信の取り組みを加速してまいりたいと考えております。

 若者向けの魅力的な観光戦略について。若年層世代に訴求効果があるアニメ、漫画、ゲーム、ダンス、コスプレなどのコンテンツの活用による集客に加え、制作、商品化や販促といった関連産業にかかわる人材育成や、創業、起業、集積の促進を図る中で、区の魅力をさらに高めつつ、住んでみたいまちというイメージも高めていきたいと考えております。

 都市観光のまちづくりについて。都市観光の振興に当たっては、観光資源の整備とともに回遊性や安全性、景観等を配慮したまちづくりの観点からの取り組みが必要であると認識しております。現在検討中のグローバル戦略の中でも、都市観光の視点は重要な要素となっているところです。これまでにない発想で検討を重ね、国家戦略特区における規制緩和策も積極的に活用しながら、海外からの誘客につながるまちづくりを進めていきたいと考えております。

 私からは以上です。その他はそれぞれ担当のほうからお答えいたします。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 駅を起点とした都市観光施策についての3点の御質問にお答えいたします。

 まず、駅連動型の観光戦略についてでございます。駅を拠点とした観光、回遊を広域かつ面的に促進し、全体回遊を高める取り組みは重要であるというふうに認識しているところでございます。これまで、なかのまちめぐり博覧会で西武新宿線沿線5駅にまたがる商店街が連携・協働した駅連携型のスタンプラリーが実施されているところでございます。こうした取り組みの支援はもとより、鉄道沿線の商店街や交通事業者、さらに施設所有者や企業、団体の連携により、イベントの合同、協働などが図れるよう、事業者交流会の開催等により主体間の連携や情報共有を促進していく考えでございます。

 次に、中野駅高架下の壁面活用についてでございます。JR中野駅の高架下壁面は、現在、中野駅ガード下ギャラリー「夢通り」として、絵画、書、写真の展示など、区民の方々の文化芸術活動の発表の場、出会いの場として活用されているところでございます。整備してから30年近くの年月が経過し、利用者に定着している一方で、施設的に陳腐化している状況にあると指摘されているところでございます。魅力や発信力ある観光資源の開発の観点から、今後、活用の方策を検討していきたいと考えているところでございます。

 最後に、観光客が集中する地区、施設等への案内板等の設置についてでございます。区民や観光客に対して、道や施設などの地理情報や行事などの情報を正確に発信することなどによって、安全で快適に観光を楽しんでもらうことは重要なことと考えているところでございます。今後、区民や来街者に対して周辺の地理や行事情報を提供するに当たり、FreeWi-Fiや多様なアプリの活用による携帯端末によって自由に区内を回遊できるICT環境づくりや案内板、案内所の設置なども検討していきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕

○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、AEDの施設の入り口などへの案内表示掲示の御質問にお答えいたします。AEDが緊急時に有効に活用されるために、より利用しやすい環境の整備に向けまして、案内表示の掲示を含めました設置に関するルールづくりについて検討してまいります。

〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) AEDに関連いたしまして、町会会館への設置支援という御質問でございました。民間施設のAEDにつきましては、施設の設置者がみずから設置していただくべきものというふうに考えてございますが、町会会館につきましては、防火・防犯等の活動拠点となっており、今後、防災活動への支援策として検討してまいりたいというふうに思ってございます。

○議長(北原ともあき) 以上で高橋かずちか議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 清掃事業について

 2 区有施設における合成洗剤の使用禁止について

 3 寡婦(夫)控除のみなし適用実施について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○40番(むとう有子) 5期目も、区民の皆様からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。

 清掃事業についてお尋ねいたします。

 2000年4月に清掃事業が東京都から23区に移管され、16年目を迎えました。「身近な自治体できめ細やかな清掃事業」をスローガンとし、区移管は進められましたが、最終処分は東京都、中間処理は東京23区清掃一部事務組合、収集運搬のみが各区となり、責任の所在が不明確になったと思っています。中野区には身近な自治体できめ細やかな収集運搬事業となるよう、さらなる取り組みを願っています。

 現在、中野区では、65歳以上ひとり暮らしの世帯や身体障害者手帳の交付を受けている方など、ごみや資源を集積所まで持ち出すことが困難な方に対し、その負担を軽減し、在宅での生活を支援することを目的として、職員が玄関先などに伺ってごみを収集する訪問収集を行っています。現在、約500件と伺っています。お隣の杉並区でも、名称はふれあい収集ですが、同じ事業を行っています。

 核家族化が進み、高齢者のみの世帯が増加する中、杉並区は日々の地域の最前線で区民との信頼のきずなを結んでいる清掃職員は区の営業マンであり、ごみの収集に特化した仕事だけではもったいないと考えたそうです。そこで、清掃職員が少しだけ手助けをすることで区民の暮らしに役立てるのではないかとの発想から、2013年7月よりふれあい収集対象者に「ふれあい連絡帳」というペーパーを年4回、ごみ収集日に職員が手渡し、または投函し、利用者から清掃職員へごみのことや身近なことでのお困り事を連絡欄に記入してもらい、回収しています。ふれあい連絡帳に記載されたさまざまな要望の中で、清掃職員では対処できないものは区のそれぞれの担当部署に伝え、要望に応えているそうです。

 ふれあい連絡帳は季節ごとに配布され、職員からのメッセージ欄には、「暑い日が続き、ヒマワリが咲く季節となりました。水分をこまめにとって、熱中症にはくれぐれも御注意ください」など季節ごとの言葉とともに、「お困り事はありませんか。清掃職員ができることをお手伝いさせていただきます」と書かれています。この事業を開始し、およそ2年間で約1,000件の返信があり、そのうち400件の要望と600件のお礼が届いたそうです。お手伝いの内容は、ごみの分別方法の相談と実施、電球交換、掃除機の紙パック交換、家具の移動、草刈りなどです。もちろん無料です。

 どこの区も人件費削減で職員数を減らし、清掃職員の新規採用をしない中、少し無理してでも高齢者や障害者のために労力を惜しまない姿勢に感銘を受けた取り組みです。見なれたブルーの作業服が公務員であるあかしとなり、区民に安心感を与えているようです。

 中野区においても清掃職員との合意形成を丁寧に図り、杉並区のふれあい連絡帳のような取り組みを訪問収集に付加してはいかがでしょうか。実施に向けた検討を求めます。お答えください。

 中野区では、同じく65歳以上の高齢者や障害のある方の世帯を対象に、粗大ごみを運び出すサービスを清掃職員が無料で行っています。中野区清掃事務所に問い合わせたところ、「運び出しは3点まで、たんすのような大きなものは2点まで、それ以上はシルバー人材センターへ依頼してください」と言われ、シルバーに問い合わせたところ、2階から玄関までの運び出しは、たんす1竿2人で5,280円だそうです。それに粗大ごみ処理費2,500円を加えると7,780円かかります。これでは経費が高く、なかなか処分できません。御高齢の方からは、人生の終わり支度をしたいのに1人ではできないし、処分経費が高過ぎるとの御意見をいただいています。ところが、杉並区では高齢者や障害者のニーズに応え、事前に下見をし、運び出しの個数を制限せず、回数を分けるなどの工夫をし、要望に応えているそうです。もちろん無料で行っています。

 中野区においても、高齢者や障害者のニーズに応え、運び出しの数量制限の見直しを求めます。お答えください。

 次に、区有施設における合成洗剤の使用禁止についてお尋ねいたします。

 34年前の1981年、区民の健康と環境を守る消費者団体の大先輩の女性たちが提出した「公共施設から合成洗剤を追放し、石けんを使用することを求める陳情」が全会一致で採択されました。この採択を受けて、区有施設から合成洗剤がなくなりました。その後、1992年、総務部長名で各部長、副収入役宛てに「合成洗剤使用禁止の周知から10年余りが経過しており、職員の意識が希薄になっていることから、改めて周知を行うとともに、合成洗剤使用禁止を明記したビラを各施設の給湯室等に添付するなど、一層の徹底を図ること」を求める通知が文章で出されています。それからはや23年が経過した現在に至るまで、中野区の方針に変更はないものの、さらに職員の意識が希薄になっていると感じ、区議会事務局に区有施設における合成洗剤の使用状況を調査していただきました。その結果、197施設中、石けんのみを使用している施設が124、合成洗剤を使用している施設が73ありました。約6割の施設で合成洗剤使用禁止が守られていることは評価いたします。しかし、気になるのは、指定管理者運営の保育園4園が、また、小・中学校36校中3校を除く33校が合成洗剤を使用していることです。

 合成洗剤の主成分である合成界面活性剤は強い浸透力があり、皮膚から血液に入り、肝臓、脾臓、肺、脳などに蓄積され、ほとんど排泄されません。特に傷口や粘膜からの吸収は普通の皮膚からの吸収の13倍になると言われています。血液中に入った合成洗剤は血球を壊し、貧血の原因になります。さらに肝臓に移行し、肝細胞を破壊し、蓄積され、肝臓障害を起こします。食器に残留する合成洗剤と食品に含まれる保存料、甘味料などの添加物との相乗作用も大変危険です。近年、人間の精子を破壊する作用もあることが判明しました。人体への影響だけではなく、河川や地下水、海を汚染し、水生生物への毒性が強いことも証明されています。子どもたちへの特段の配慮が必要です。

 中野区が区有施設から合成洗剤の使用禁止をいち早く打ち出したことは、当時全国の自治体から注目され、評価され、学校給食の調理室への視察もありました。合成洗剤は進化したとはいえ、その毒性に変わりはありません。今や、歯磨きから洗濯、食器洗い、シャンプーなど、石けん製品が身近なお店で売られていますし、健康や環境に配慮し、石けん製品を選ぶ消費者がふえています。

 いま一度、先進的な中野区の方針を踏まえ、区有施設における合成洗剤使用禁止の徹底に向けた取り組みを求めます。お答えください。

 最後に、寡婦(夫)控除のみなし適用の実施についてお尋ねいたします。

 ひとり親家庭の子どもの2人に1人が貧困家庭で育っています。そこで、婚姻歴のないひとり親家庭に対する子どもの貧困対策の一つとして、寡婦(夫)控除のみなし適用の実施を求め、これまで私は一般質問で3度取り上げ、3度目のさきの第1回定例会で、やっと「できるだけ早期に実施していきたい」との御答弁をいただきました。既に23区中11区が保育料や学童クラブ利用料、区営住宅の使用料などに適用しています。昨日の広川議員の質疑に対し、今年度中に実施するとの御答弁でしたが、私からも再度お尋ねいたします。

 対象となる世帯数やその経費、適用項目など、実施に向けてどのような検討状況なのか、お答えください。

 高齢者や障害者、子どもたちに、そして環境に優しい区政の実現を目指し、誠意ある答弁を求めて質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) むとう議員の御質問にお答えいたします。

 杉並区で実施しているというふれあい連絡帳についての御質問であります。区では、連絡帳を利用しての区民対応は行っておりませんが、高齢者世帯等の粗大ごみ収集時の家具の移動などについては、できる範囲で対応しているところであります。今議会の中で報告する予定でありますが、訪問収集の充実策を考えているところであります。訪問収集時に御本人から直接ごみの収集等についての御相談、御要望も受けていく予定であります。そうした中から受けとめた情報について、必要な部署につなげていくといった対応も当然行っていくことになると考えております。

 それから、粗大ごみの運び出しについてであります。粗大ごみの運び出しについては、収集に当たる車両人員確保に一定の限度があり、区内偏りなく効率的に粗大ごみを収集する必要があることから、一度に排出する粗大ごみの数量については、区民に御協力をお願いしております。粗大ごみの排出に当たっての当該世帯の事情もあることから、状況に応じて臨機応変に対応しているところではあります。しかしながら、転居や施設入所などで一度に多くの粗大ごみが出る場合などには、一般世帯と同様に通常の排出手続をお願いしているところであります。

 私からは以上です。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 私からは、区有施設における合成洗剤の使用禁止についての御質問にお答えいたします。区では、昭和56年11月から合成洗剤使用を原則禁止しているところであり、現在もこの方針は変えていないところでございますが、トイレの洗浄、手指の消毒・殺菌など、特定の用途で必要がある場合には合成洗剤を使用しているという実態がございます。今後も引き続き石けんの使用に努めてまいります。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、寡婦(夫)控除のみなし適用の御質問にお答えいたします。いわゆる寡婦(夫)控除のみなし適用の実施につきましては、関係部署において検討・調整を行っているところでございまして、今年度中の実施を目途として準備を進めているところでございます。

○議長(北原ともあき) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 家庭ごみの有料化について

 2 犯罪被害者等相談支援窓口の役割について

 3 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、近藤さえ子議員。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○39番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。4期目、議会に送っていただきました。一生懸命働きます。どうぞよろしくお願いいたします。

 家庭ごみの有料化について。

 家庭ごみの有料化については、先日、森議員からも質問がありましたが、私も、これまで家庭ごみの減量化について、また、不適切なごみの排出を防ぐことについて等、何度も質問してまいりました。ごみの有料化問題は、区民の毎日の生活に直接かかわる切実な問題です。改めてもう一度質問させていただきます。

 私は、平成24年度、平成25年度と二度にわたって江東区のごみの減量の取り組みを紹介しました。改めて紹介いたしますが、江東区のごみ減量対策は、1、腐葉土を利用した生ごみの堆肥化、2、木箱に黒土と生ごみを入れて消滅させる方法、3、EMぼかし(発酵促進剤)を使った生ごみのリサイクル、4、段ボールコンポストを使った取り組み、以上の四つです。区民モニターを募集し、器材・資材は江東区が支給、毎年100人を定員に3年間取り組む事業を続けた結果、1家庭で1カ月に平均7キロのごみ削減の実績データが出ました。1,000家庭で行われれば70トンのごみの削減となり、財政効果も410万円の削減となるそうです。現在は区民モニターから自治会などにその活動を広げているそうですが、区がごみ減量の問題を考える機会を積極的に与え、家庭ごみの問題を区民みずからに考えてもらい、住民の環境意識を高めることを提起しています。

 どこの自治体にとっても家庭ごみの減量は大きな課題です。積極的に取り組まなくてはならない案件です。江東区のような取り組みを紹介して、中野区ではどのように取り組んでいるのでしょうかと私は再三お尋ねしてきましたが、区からのお答えは、生ごみの80%を占める生ごみの水分を切って出すことの薦めや、高額なコンポスト器を紹介する、区報やイベントで広報するという、区民にはほとんど響かない提案でした。

 このように、区民が生ごみ減量を意識するきっかけも、区民自身が環境問題に取り組む喚起もないまま、昨年3月の区民委員会で、「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)において、平成31年度までに平成16年度比でごみを半減させるという目標が達せないという理由から、家庭ごみを有料化に向けて考えている」という報告がありました。

 中野区では、生ごみの約8割が水分であることから、区民へ水切りを推進していると言いますが、具体的にどのように取り組んでいるのでしょうか。その効果はどうだったのでしょうか。

 区は、家庭ごみを1人1日100グラム減量目標としているそうですが、さきに申し上げた江東区の実施している取り組みでは、1家庭1カ月7キロの減少ですから、1家庭が3人家族としても、中野区の目標を上回ります。なぜ、まず先に生ごみの減量と資源化を区民に意識づける取り組みを行わないのでしょうか。

 先日、自宅の玄関横がごみの集積所になっている区民の方から相談を受けました。「自宅玄関前のごみ集積所には、曜日も日時も関係なく勝手にごみを捨てられてしまい、何回掃除をしても常にごみが出ているんですよ。家にいてもノイローゼになりそうです。この状態で万が一有料化されたら、この苦しみにさらにお金を払えと言うのですか。有料化するなら、集積所の掃除も区でお願いしたい」という趣旨でした。

 区では、集積所へ監視カメラの設置等を行っていると言いますが、区内2万6,000カ所の集積所に対して6台のカメラでは、ほとんど意味をなしません。もし有料化すれば、さらに現状が悪化することが想定されます。この点について対策はどのようにお考えでしょうか。

 さらに、中野区は渋谷区、杉並区、練馬区、新宿区に囲まれています。23区初のごみの有料化は、中野区民が他区にごみを捨てることになる可能性もあり、近隣自治体に迷惑をかけるおそれもあります。区は区民に対して、ごみ減量意識を育てる努力もせず、不適切なごみの排出問題の解決策も見出せない現状で、掲げた目標に達せないからといって、いきなりごみ対策を金銭負担として区民に丸投げをする家庭ごみの有料化はあまりにも怠慢な方法であり、とても区民の理解は得られないと思います。

 現状での家庭ごみの有料化は思いとどまるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、犯罪被害者等相談支援窓口の役割について。

 6月12日、政府は、ことしの犯罪被害者白書を閣議決定しました。政府が地方自治体に求める犯罪被害者やその遺族などからの問い合わせや相談など、支援に当たる総合窓口は、ことし4月1日現在で全ての政令指定都市で設置されたほか、政令指定都市以外の市区町村でも、およそ90%に当たる1,549の自治体に設けられました。内閣府は今後、各市町村の担当職員を集めた研修会を開くなどして、設置がおくれている自治体に対しても速やかに総合窓口を設置するように働きかけを強めていくということを言っております。

 このように、国が犯罪被害者施策を進める中、実際には多くの現場で被害者ケアが進んでいるとは思えません。5月26日の日経新聞は、「犯罪被害者進まぬケア 相談窓口、当事者意識薄く」として、犯罪被害者等基本法施行10年の記事を大きく載せました。「自治体の相談窓口に犯罪被害者支援に精通している職員がいないため、設置はしていてもほとんど機能しないところも多く、9割が自治体に支援を受けられない」という残念な記事ですが、その記事の初めに、成功代表例として、中野区の窓口の取り組みの成果が大きく取り上げられていました。自治体の犯罪被害者等窓口のお手本のような扱いになっています。中野区の取り組みが大いに評価され、他の自治体の参考にされるということは大変すばらしいことで、今後も内閣府や他の市町村から講演依頼などが次々に来ることが想定されます。

 政府の強い意向を受けて、中野区の担当者が講演依頼を受けることで、他の自治体に対して指導的な手伝いができることは中野区にとっても大変名誉なことだと思います。内閣府主催の講演等へは積極的対応をお願いしたいと思いますが、御見解をお聞かせください。

 また、来年度からは、ことしの1月に閣議決定された内閣官房・内閣府のスリム化に伴い、国の犯罪被害者等支援の所管が内閣府から国家公安委員会に変わります。現在でも警察の支援員と区の窓口は良好な関係で連携していますが、今後ますます警察とのつながりが強くなっていくことが想定されます。

 そこでお聞きします。ここ近年で一番多くの被害者が出ているのは、高齢者を狙った振り込め詐欺、母さん助けて詐欺のような特殊詐欺です。中野区だけでも先月だけで5件以上の母さん助けて詐欺があり、100万円以上の被害に遭った方が5人以上います。これらの詐欺の相談は、区ではどこの部署が受けているのでしょうか。犯罪被害者等窓口において、これらの相談の実績はあるのでしょうか。

 このような詐欺の被害者は、今まで真面目に働いて蓄えた財産を瞬時にだまし取られ、自分が情けなく、家族にも申しわけなく、大きな精神的ダメージを受け、詐欺被害後、病院通いや刑事裁判のための弁護士探しを強いられる方も多いと伺います。特に被害者になりやすい高齢者にとっては、金銭的な被害にとどまらず、つらい状況が長く続きます。

 各種詐欺被害がふえる中で、日々、警察、弁護士、病院、被害者支援団体とつながりが深く、支援のノウハウに精通している犯罪被害者等支援相談窓口が中心となり、詐欺被害に遭った高齢被害者の支援をしていただきたいと思いますが、御見解をお聞かせください。

 「これまで、世界中が防犯や犯罪加害者の処遇に力を入れてきたが、最近になって、被害者支援、被害者教育こそが確実な防犯対策であるという認識が広まってきている」。常磐大学被害者学、諸澤英道教授の言葉です。一見遠回りのように見えますが、被害者支援は確実に防犯につながることが明らかになりつつあります。中野区民が安全で安心して暮らせるために、犯罪被害者等支援窓口のさらなる活躍、活用を願いまして、私の質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 近藤議員の御質問にお答えいたします。

 犯罪被害者等相談支援窓口の役割についてであります。先進自治体として、本区の取り組みが他自治体から一定の評価を受けているといったことで認識しているところであります。今後も本区の支援相談窓口の業務に支障のないようにしながら、他自治体等への協力を積極的に行っていきたいと考えております。

 特殊詐欺への対応についてであります。特殊詐欺や悪質商法に関する相談に関しましては、警察や中野区消費生活センター等で対応しているところですが、実際に被害に遭われた方に対する対応は、犯罪被害者等相談支援窓口において対応しているところであります。犯罪被害者相談支援窓口では、特殊詐欺に関連するものとして、昨年度、振り込め詐欺、いわゆるオレオレ詐欺ですね――の事案を1件対応した実績があります。支援相談窓口では、十分に犯罪被害者等のお話をお聞きすることを心がけて、医療機関や行政機関等、適切な窓口の御案内や、必要があれば付き添い等の支援も行っているところであります。今後とも、気軽に相談のできる関係づくりに努めてまいります。

 私からは以上です。

〔環境部長戸辺眞登壇〕

○環境部長(戸辺眞) 私からは、ごみの有料化につきまして、まず、生ごみ減量の取り組みについてお答えいたします。

 区では、「資源ごみの分け方、出し方」それから、資源回収のニュースによるPRのほか、環境学習や出前講座、3R推進月間、エコフェア等、さまざまな講座やイベントを活用いたしまして、生ごみの水切りの啓発や水切り器の配布を行っているところでございます。生ごみ水切りの啓発活動の効果だけではございませんが、さまざまな資源の分別回収の取り組みにより、燃えるごみは減少傾向にございます。今後もさまざまな機会を捉え、より多くの区民に生ごみの減量、資源化の意識が浸透するよう働きかけを行うとともに、生ごみの減量、資源化の方策についても、さらに研究してまいりたいと考えてございます。

 続きまして、不適正排出の対策についての御質問でございます。集積所におけます不適正排出の内容といたしましては、不法投棄のほか、排出曜日や時間が守られていない、分別ルールの不徹底などがございます。現在、こうした不適正排出を抑制するための監視カメラの設置や優良集積所認定制度の実施、小規模集合住宅の集積所設置指導などの取り組みにより、集積所の適正化に努めているところでございます。今後も集積所の排出指導の徹底も含め、集積所の適正化に取り組んでまいりますが、より一層のごみの減量、分別の徹底、リサイクルの促進などが集積所の適正化につながると考えてございます。

 最後に、有料化について、思いとどまるべきではないかという御質問でございます。家庭ごみ費用負担制度につきましては、ごみ減量の最も効果的な取り組みであるという考えでございます。また、負担の公平化を図ることにもつながると考えているところでございます。

○議長(北原ともあき) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後2時56分休憩

 

午後3時20分開議

○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 いながき じゅん子

 1 空き家対策について

 2 家庭ごみの有料化について

 3 その他

 

○議長(北原ともあき) いながきじゅん子議員。

〔いながきじゅん子議員登壇〕

○29番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。さきに行われた御質問内容と一部重なる点もございますが、改めて御質問させていただきます。

 まず、空き家対策について伺います。

 私は、これまで空き家の所有者の特定を速やかに行うべく、当該物件の固定資産税の納税者情報の開示を東京都に働きかけることなど質問してまいりました。先月、国の空き家対策特別措置法が全面施行となり、区が都に要求すれば、この納税者情報が提供され、内部利用ができるようになりました。

 そこで伺いますが、区は現状の空き家対策において、この固定資産税情報を既に活用していますでしょうか。している場合、所有者が特定され、連絡がとれたことで空き家の状態の改善もしくは除却につながったケースはありましたでしょうか。あれば件数も教えてください。

 次に、法律全面施行に伴い、今後、区が空き家対策をどのように行っていくのかについて伺います。まず、特措法第6条で、区は国の基本方針に即した空き家等に関する対策計画を定めることができるとありますが、計画は策定するのでしょうか。するとすれば、その時期はいつになるのか、お答えください。

 次に、関連する区の組織体制について伺います。現在の区の体制では、区民が空き家について相談したくとも、どの部署に連絡すればよいのか、非常にわかりにくい状況です。また、今後は管理不行き届きの空き家の改善についての周辺住民からの相談のほかに、空き家を資産として活用していく方法についての相談もふえることが予想されます。これまでのように担当部署が明確でなく、とりあえず建築分野が対応しているという状況を続けていて問題ないのでしょうか。高齢化が進む中、空き家を含む住宅の問題がこれからの区政運営においてますます重要な課題となってくるのは明らかであり、さまざまな角度からの総合的な住宅施策が必要となると考えます。よって、空き家対策計画の策定とは別に、住宅施策全般を取り扱う部署を新設し、空き家の利活用等もあわせて区民の住宅問題に総合的に取り組んでいくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 今回の特措法施行に伴い、空き家を所有しているだけで住宅特例措置から除外され、固定資産税や都市計画税がはね上がるといった論調の報道がなされています。しかし、実際は、空き家を所有していても、適切な管理を行っていれば特例措置から外されて税金が上がるということはありません。問題は、危険かつ衛生上も有害で、周辺の生活環境の保全を脅かし、景観も損ねている状況なのにもかかわらず放置されている空き家ですが、これらについても、まずは区がその空き家を国のガイドラインに従って特定空き家と判断した上で勧告や命令を行い、その年の翌年1月1日までに改善がなされない場合に初めて特例措置から外されることになります。改善されない場合は、区が行政代執行できることも今回の法律に明記されましたが、その場合も、事前に区によって当該物件が特定空き家であると判断される必要があります。つまり、管理不十分で周辺住民に迷惑をかけている空き家の所有者に、法律にのっとって適正管理を促すにしても、まずは区がその空き家を特定空き家と認定しなければ始まらないということです。

 そこで伺いますが、特定空き家か否かの判断はどのようなプロセスでどのくらいの時間をかけて行われることになるのでしょうか。放置期間が長引けば長引くほど、事件・事故が起こってしまう可能性も高まりますし、周辺住民の方々のことを考えましても、できるだけ速やかな判断が望まれます。区の見解を伺います。

 また、冒頭申し上げましたように、今回の法律施行で東京都の固定資産税情報を区が利用できるようになったわけですが、同じように庁内の各部署にまたがる個人情報、例えば福祉関連分野や税務分野の情報を空き家問題の解決という目的に限り、担当部署が利用できるようにすべきではないでしょうか。例えば、所有者の資産状況を担当部署が把握できるようになれば、速やかな代執行や、より効果的な指導を行うことが可能になると考えます。区の見解を求めます。

 続いて、家庭ごみの有料化について伺います。

 昨年の区民委員会で、ことしの6月、つまり今月をめどに「家庭ごみにおける費用負担の導入に係る素案」を作成するとの報告がありましたが、これまで議会で申し上げてきましたとおり、この素案作成については見送るべきだと考えます。区民1人当たりのごみ量が減り続けている中、また不適切排出の問題もまだまだ解決されていない中、これまでの区の説明では、区民が有料化やむなしと納得できる内容とは思えません。

 同じ都内でも、多摩地域のほうでは多くの市が有料化を実施しております。これは日の出最終処分場の延命措置として、また住民1人当たりのごみ事業費が全国平均のおよそ1.8倍もかかっているということで、平成13年に市長会が発表した「多摩地域におけるごみゼロ社会をめざして」という報告書の中で、「平成15年までに多摩全市で家庭ごみの有料化を実施する」と明記されていることも大きいと思われます。特別区では御存じのとおり、焼却場や埋立地は23区共同で運営されております。もちろん特別区の一員として、また清掃工場がなく、他区にごみ処理をお願いしている立場の区として、焼却場や埋立地の延命のため、また環境保護のために中野区がごみ減量を率先してやっていくのは当然のことであります。しかし、区境も複雑で小規模な集合住宅も多く、人の入れかわりも激しい特別区こそ、有料化するなら全区で導入すべきだと考えます。中野区が単独で有料化をスタートさせれば、必ず隣接区にも影響が及びます。どうしても有料化が必要だということであれば、まだまだ問題山積の中で区単独で有料化をスタートさせることより、他区に働きかけ、全区で行うことに力を注ぐほうが、大きな視点でごみ減量や環境保護を捉えたときにもより効果的かつ効率的と考えますが、いかがでしょうか。

 また、通常はこのような重要事項については審議会に諮問をし、答申を受けて決定することが多いわけですが、このごみ減量問題について設置された中野区廃棄物減量等推進審議会は、第1期から第3期まではおよそ3年間隔で開催されていましたが、第3期が平成19年1月に発足し、翌平成20年8月に答申が出されて以降は開催されておりません。最後の審議会では、家庭ごみ有料化推進の急先鋒として御活躍の大学教授が会長となり、有料化は必要という答申を受けたわけですが、それからもう7年近くもたっております。その間、一貫して区民1人当たりのごみ量が右肩下がりで今日まで減り続けている中、改めて審議会を開くことなく、7年前の答申をもとにそのまま有料化素案を作成してよいのでしょうか。お答えください。

 また、家庭ごみの4割を占めていると言われるほど非常に多くの割合を生ごみが占める中で、有料化を実施している自治体の多くが生ごみ処理器の購入代金の補助をしており、最近では、土の中の微生物を利用した非電動型で虫やにおいがほとんど出ないこれまでとは違うタイプの生ごみ処理器を役所内に導入したり、区民にあっせんしたりするところも出てきています。土を利用する生ごみ処理器は、災害時のトイレがわりとしての効果も期待できます。ごみ量を減らすためには、この生ごみをどう減らしていくのかが重要となるわけですが、区の現在の生ごみ減量策としては生ごみ処理器のあっせんをしているのみで、補助金も出していない状況です。有料化を求める前に、区は生ごみ減量についてもっと真剣に取り組むべきではないでしょうか。お答えください。

 以上で私の質問を終了いたします。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えいたします。

 空き家対策についてであります。固定資産税情報の活用について。平成27年2月26日の特措法施行に伴い基本的な指針が示され、所有者情報を把握する手段の一つに固定資産税台帳の活用があることから、中野都税事務所と情報開示の手続について協議をし、これまで7件の情報開示を請求し、回答があったものは現在のところ5件でありました。このうち除却に至ったケースは1件、改善に至ったケースは2件でありました。

 空き家等対策計画についてであります。特措法第6条において、空き家等の調査の実施、空き家等の適切な管理の促進、空き家等の利用の促進、老朽化等の空き家である特定空き家への対応、住民への相談支援を内容とする空き家等対策計画について定めることができると規定しております。区といたしましても、特定空き家についての適切な管理の指導を進めるとともに、資産として活用できるものは流通の促進を図るなど、特定空き家化を防止するための総合的な取り組みとしていくことを考えており、国の基本指針を踏まえ、計画策定を早急に進めてまいりたいと考えております。

 住宅施策全般を取り扱う部署の新設というところであります。いながき議員の言われた住宅施策のスパンがどのような範囲かについてはわかっておりませんが、区の住宅施策については、区としては都市計画担当が所管しているのが現在であります。区の総合的な空き家対策の検討については、これまでの間、政策室が中心となり、特定空き家の指導から空き家相談体制、利活用の促進までの総合的な取り組みとしていくため関係課長会を組織させ、区の進め方について協議してきた、検討してきたところであります。今般、空き家対策特措法の制定に伴い、早急により実効性のある空き家対策の取り組み所管を明確にしながら、庁内連携によって対応してまいりたいと考えております。

 特定空き家の認定についてであります。実態調査や近隣住民からの相談・通報等により空き家として把握した場合、まず当該空き家の状態やその周辺の生活環境への悪影響の程度を、保安上・衛生上・景観の観点から総合的に判断を行うわけであります。また、維持管理状況により関係する所管と連携し、判断することにはなりますが、認定にそれほど時間を要するものではないと考えているところであります。

 庁内情報の利用について。固定資産税等の情報の利用は、空き家等の実態把握のための所有者等の特定のためのみに限られております。空き家に係る対応を速やかに効果的に行うための庁内の各部署間の情報連携のあり方について検討してまいります。

 私からは以上です。

〔環境部長戸辺眞登壇〕

○環境部長(戸辺眞) 私からは、家庭ごみの有料化につきまして回答いたします。

 最初に、特別区全体への働きかけという御質問でございます。現在の最終処分場でございます新海面処分場は、東京湾内に確保できる最後の処分場でございます。残余量はあと50年余でございます。全ての区が処分場の延命化に向けてごみの減量に取り組んでいると認識してございます。ごみの減量化におけます各区の取り組み内容はさまざまでございますが、家庭ごみの費用負担はごみ減量の最も効果的な取り組みであると認識してございます。家庭ごみの費用負担につきましては、現在、基本となる考え方をまとめるため検討を行っているところでございまして、考え方がまとまった段階で各区に対しましても説明し、協力が得られるよう働きかけを行ってまいりたいと考えてございます。

 続きまして、改めて審議会を開かない理由の御質問でございます。平成19年1月に設置いたしました第3期中野区廃棄物減量等推進審議会では、学識経験者のほか町会連合会、PTA連合会等区民代表、商店街連合会や商工会議所中野支部等の事業者代表に委員を諮問し、審議してきたところでございます。平成20年8月、家庭ごみ費用負担を導入すべきという答申をいただきました。審議会で答申された内容につきましては、さまざまな視点から慎重に時間をかけ検討されたものでございまして、改めて審議会を開く必要性は今のところないと判断してございます。

 最後に、生ごみの減量化への取り組みでございます。生ごみの減量化・資源化につきましては、今後もあらゆる機会を捉え、より多くの区民に生ごみの減量・資源化の意識が浸透するような働きかけを行っていく考えでございます。これまで区ではリサイクル品目の拡大、粗大ごみの金属資源化などの資源化の取り組みを進めているところでございますが、家庭ごみ全体の減量化・資源化の方策について、さらにさまざまな角度から検討し、効果的な方策を実施していく考えでございます。

○議長(北原ともあき) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 災害時における高齢者、障がい児・者、乳幼児などの二次避難所と防災マップについて

 2 学校などにおける性同一性障がいや、その他の性的マイノリティ(LGBT)の支援について

 3 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○28番(石坂わたる) 質問いたします。

 1、災害時における高齢者、障がい児・者、乳幼児などが利用する二次避難所と防災マップについて伺います。

 私は、過去にも一般質問やその他の機会に二次避難所のマップ化について質問してきました。そして、その都度前向きな答弁をいただきましたが、実際にはなかなか進展してきていませんでした。しかし、ことしの「大震災に備えるフォーラム」では、ようやく会場内に二次避難所の場所が記載された手づくり風の地図が掲示されていました。今後の防災マップについては二次避難所の場所を掲載するとともに、災害時要援護者、いわゆる災害弱者特有の資材・機材等の配備状況等も掲載する形で作成し、二次避難所の対象となる区民やその支援者にしっかりと伝わる形で配布を行うべきではないでしょうか。また、今後、水害用の洪水ハザードマップをつくる際には、インターネットなどの扱いになれていない高齢者等に向けて、視覚的にわかりやすい形で土のうの保管場所を記載すべきかと思いますが、いかがでしょうか。

 なお、二次避難所については、障がい者、高齢者等についてそれぞれ特有のニーズがあり、通常の備蓄物資だけでは対応できないものも少なくありません。障がい児・者の中には、たんの吸引や人工呼吸器の利用などに電源の確保が必要な方がいます。現状では地域支えあい推進室の取り組みで区内4カ所の各すこやか福祉センターに発電機が入っています。また障害福祉分野の取り組みで、二次避難所としても指定されている施設の一部には発電機が置かれています。しかし、二次避難所で発電機が置かれているのは全て西武線よりも北の地域の施設となっております。区全体で見るとアンバランスな配置状況になっております。

 日本赤十字社の作成している福祉避難所設置・運営に関するガイドラインでも、「在宅酸素療法を必要とする呼吸器機能障害者などを受け入れる場合は、電源の確保が必要である」と記載されています。なお、北部に開設された「たんぽぽ」や、今後、南部区民活動センターへの併設でつくられる予定の障害児施設でも、災害に限らず停電時には電源確保に困る子どもが出ることが予測されます。これらの施設でも、今後の二次避難所の指定も視野に入れて、発電機をはじめとする災害対策に必要な資材を置くことも検討すべきと考えます。

 しかし、現状では、こうした二次避難所の特性上必要な資材・機材について、地域支えあい推進室、子ども教育部、健康福祉部がそれぞれの判断で動いている状況であり、区全体での医療的ケアが必要な障がい児・者の二次避難所への受け入れや、その他の災害時要援護者のための二次避難所の運営をどう実効性のあるものにしていくのかということが十分に検討されていないように思われます。

 責任の所在を明確にし、区全体の二次避難所のあり方や、二次避難所特有の資材や機材等の配置や二次避難所の運営のあり方を考えて取り組みを進めるべきと考えます。また、二次避難所に避難してくる方の対応について、利用者の対応に関する専門性が求められるため、部署間の垣根を越えた協力体制を強化することが必要と思います。いかがお考えでしょうか。

 2番目としまして、性同一性障がいやその他の性的マイノリティの支援について伺います。

 文部科学省は、平成22年4月に性同一性障がいの児童・生徒への教育相談を徹底するよう求める「児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について」という通知、ことしの4月30日に「性同一性障がいに係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知を都道府県の教育委員会に対して出しています。これらの通知は都の教育委員会を通じて区にも届き、そして区は各学校に伝えるという理解でよろしいでしょうか。特に4月30日の通知については、ことしの通知につきましては、性同一性障がい以外の性的マイノリティ、すなわち同性愛者・両性愛者・性同一性障がい以外のトランスジェンダーについてもきちんと伝えられたという認識でよろしいでしょうか。

 なお、23区内での例として、世田谷区では教育センターにおける教育相談において、性に対する違和感や性的指向の話が出たケースは24年度に4件あったとのことです。また、岡山大学病院の調査では、性同一性障がいで自殺を考える子どもは中学生でピークを迎え、実際に自殺未遂や自傷行為をしたり、不登校になったりすることもあるとされています。これは中野も例外ではなく、私も、性同一性障がいに関連する悩みから鬱になり、成人後に自殺をされた区民の御遺族の話を聞く機会がありました。

 また、当事者の声として、早稲田大学教育学部金井景子研究室が教員向けに作成したDVD「先生にできること~LGBTの教え子たちと向き合うために」では、「学校の先生に相談したくても相談ができない状況にある」との声が、また、昨年6月14日の産経新聞の記事では、大学生になって男性から性別変更した女性が、小学校3年生のころに自分の性別に違和感を覚えたが、長い間、「ばれたらいけないことだと思い、誰にも相談できずに悩みを抱えてきた」という声が取り上げられています。また、産経新聞の同記事では、性同一性障がいに関する教員向けの講習において、「もしかしたら自分たちも教室で見落としている子がいるかも」という教員の反応があったそうです。

 なお、さきに述べた文部科学省の通知では、医療機関でまだ性同一性障がいの診断がなされていない子どもでも支援が行えること、性同一性障がいの児童・生徒の支援は学校内外にサポートチームをつくることや医療機関と連携することが重要であること、全国での制服、更衣室やトイレ、授業、修学旅行などについて工夫をした事例を参考に対応を行うこと、保護者が子どもの性同一性障がいというセクシュアリティを受容していない、そうした場合にも保護者と話し合いながら可能な支援を行っていくことが明記されています。

 また、性同一性障がいやその他の性的マイノリティの児童・生徒全般について、みずからの性のあり方について秘匿、隠しておきたいという傾向も踏まえつつ、相談しやすい環境を整えていくこと、教職員自身が、性同一性障がいや性的マイノリティ全般について心ない言動を慎むこと、児童・生徒が戸籍上の性別にのっとった服装等をしていない場合にも、否定したり、揶揄したりしないことなどが文部科学省のこの通知には書かれています。

 さらに、この通知では、こうした支援を行うために、人権教育担当者や生活指導担当者、養護教諭を対象とした研修、学校の管理職を対象とした研修、学校医やスクールカウンセラーの研修等で、性同一性障がいやその他の性的マイノリティについて取り上げることとされています。

 2013年、日本教育医学会発行の「教育医学58巻3号」に掲載の堀希好氏の研究、養護教諭、いわゆる保健室の先生に対する調査によると、「自校に同性への性的指向を持つ生徒がいると思う」と回答した方は、養護教諭になってからの学習経験がある場合では約62%に上り、一方、学習経験が全くない場合では44.7%にとどまっております。また、学習経験がない場合は、こうした生徒の対応へも消極的な特徴が見られたとのことです。保健室の先生の意識について、学習経験の差による開きが出てきているそうです。

 そこで伺います。性同一性障がいやその他の性的マイノリティの児童・生徒への配慮、性的マイノリティに対する他の児童・生徒の偏見の助長を防ぐとともに、人権意識を育てることにつながることとして、性的マイノリティ全般について心ない言動を教員自身が慎むことや、児童・生徒間で性的マイノリティを揶揄する発言などを目にした際にはきちんと注意・指導することを早急に全ての教員に徹底すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、教員や学校関係者に対するきちんとした対応ができるようにする、性的マイノリティ全般に関する研修の必要性についていかがお考えでしょうか。そして、今後の実施に向けた考えをお聞かせください。

 私からの質問は以上です。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えいたします。

 二次避難所の場所を記載した防災マップの作成と配布をという御質問でありました。避難所に避難した高齢者、障害者、被災孤児、児童、乳幼児親子等が避難所では十分な救援・救護活動を受けられない場合に、二次避難所を開設することとしているところであります。二次避難所の開設は、必要とする避難者の状況や対応可能な体制によって順次行うこととなりますため、あらかじめ防災マップに記載しておくということについてはかなり工夫が必要になるということではありますが、そうしたことを踏まえた上で、今後検討していきたいと考えております。

 それから、土のう配備地図の作成と配布についてであります。洪水ハザードマップはホームページで公表するとともに、区役所と区民活動センターで希望する区民に配布しておりますが、土のう配備箇所一覧はホームページのみで、紙媒体の配布は行っていないところであります。土のう配備箇所一覧についても紙媒体を用意し、希望される区民に配布できるようにしていきたいと考えております。また、洪水ハザードマップに土のう配備箇所を掲載することについて、今後検討してまいります。

 それから、二次避難所の取りまとめ部署を定めた検討体制をという御質問であります。二次避難所の資機材や運営については、防災・都市安全分野が中心となって必要な調整や検討を行うこととしているところであります。

 それから、専門的な対応ができる二次避難所運営体制の構築ということであります。二次避難所は、高齢者、障害者、乳幼児等、対象者別に指定をしているところであります。専門的に対応ができる体制となっていると考えております。対象外の要配慮者が避難した場合の対応について、これについては今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 性同一性障がい等に関する通知についての御質問です。国や都から発出されている性同一性障がいや性的マイノリティの児童・生徒への対応にかかわる通知等につきましては、区としても認識しており、既に各学校へ通知し、校長会等で周知に努めているところでございます。

 次に、性的マイノリティ全般に対して教員の配慮への徹底ということです。各学校におきましては、性的マイノリティを含め、幼児、児童・生徒への対応について、当該児童・生徒の人権が損なわれることがないよう慎重な対応に努めてございます。教育委員会といたしましては、これまでも教員の人権感覚を養うために、東京都人権施策推進指針に示された人権課題等を取り上げ、教員に対する人権教育の研修を行ってきてございます。今後も性的マイノリティも含めた人権課題に対応すべく研修を進めていく考えでございます。

〔石坂わたる議員登壇〕

○28番(石坂わたる) 再質問いたします。

 二次避難所の運営体制について、防災・都市安全分野のほうで進めていくということでございますけれども、今回質問を準備するにあたりましても、ふだん、特に高齢者、乳幼児、障害を扱う施設、その所管が異なるというところの中でそれぞれ取材をしていきますと、その運営のあり方について認識の違いが感じられたり、あるいは質問したことに対して自分のところの所管かどうかがすぐにわからないので調べさせてほしい、あるいは1日以上待たされるですとか、そうしたことが実際に今回取材をしていてありましたし、また他の部署の動きについて、こういう動きがありましたよというお話をすると、初めて聞きましたというようなことなどもありました。こうしたことが、平常時ですからそれで済みますけども、災害時、それでは済まないことと思いますので、やはりそうしたことについて日ごろからしっかりと情報共有をしていただき、情報が1カ所で集約されているとともに、それぞれの部署が実際に自分たちが何をすべきか、きちんと徹底した認識ができるような体制を組んでいただくように、さらに徹底を進めていくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。

 御指摘の点も踏まえて、各担当がみずからの責任、所管している仕事ということについて、十分に認識して連携をとるようにしていきたいというふうに思っております。いずれにいたしましても、中心となって所管をする専管分野というものがしっかりしているということが大事なことだというふうに認識をしているところであります。

○議長(北原ともあき) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 人口増による影響について

 2 魅力的・個性的な公園づくりについて

 3 妊婦支援について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

○18番(小宮山たかし) また再びこの場に戻ってくることができました。これまでに引き続き、よりよい区政の実現のため尽力してまいりたいと思います。

 さて、ことしの3月に出されました基本構想審議会の答申によりますと、「中野区では少子化は進み、人口減少も進んでいく見込みである」との現状分析がされていました。同じくことし3月に発行された最新版の中野区統計資料によりますと、ことし1月の住民基本台帳のデータをもとに、中野区の人口は微増を続け、2020年には32万人に達するであろうという推計がされておりました。しかし、実際の人口動態を調べてみますと、ことし1月から5月までのわずか4カ月で3,500人というハイペースで中野区の人口は激増し、5月1日の住基台帳によりますと、中野区の人口はついに32万人を突破したそうであります。こうした将来人口の推計は、その道のプロをもってしても正確に読み解けるようなものではなかなかありませんから、予測と現実がずれてしまったこと、これはもう誰が悪いわけでもない、仕方のないことであるとは思うんです。

 そうは言っても、いろいろ調べてみますと、このような統計のずれ、推計のずれは、特に乳幼児や年少人口において顕著に出ています。わずか2年前の子ども・子育て会議においては、中野区の4歳以下の乳幼児人口は、ことしからは減っていくであろうと推計されていました。しかし実際は、ことしに入ってから、これまでにないペースで乳幼児人口は激増しています。

 また、今から5年前の国勢調査においては、ことし2015年の14歳以下の年少人口は2万2,000人と予測されていました。しかし実際には、ことし6月には2万7,650人を数えており、20%以上の誤差が出ています。

 このような人口推計というものは、全てのプランの基本中の基本です。その基本中の基本が結果として間違っていたとき、予測と現実にずれが生じているときは、これを速やかにチェックして、直ちにアクションに結びつけていく。そのPDCAサイクルがこれまであまり機能していなかったのではないかという気がしてなりません。

 これまで中野区は、少子化を前提に学校再編計画や児童館の縮小計画など各種計画を策定してきました。しかし、この5年間で15歳以下人口の推計に20%以上の誤差が出ていること、この5カ月で乳幼児がかつてない勢いで増加していることなどを見ると、このまま既存の各種計画を実行していっていいものかどうか、大きな疑問を禁じ得ません。

 ことしは国勢調査の年であり、また、区においては基本構想や10か年計画の全面改定を控えている、中野区のいわばマイルストーンともなるべき重要な年であります。これまでの人口推計に誤りが生じていることの反省や分析をいま一度きちんとして、例えば児童館の縮小計画や乳幼児人口が増加する中でじゃぶじゃぶ池の期間を本当に延長しなくていいのかなど、見直すべきところは勇気を持って見直していくべきでありますが、いかがお考えでしょうか。

 次に、中野区の公園について質問させていただきます。公園については、本議会でも幾つか質問がありましたし、また、私自身もこれまで幾度となく取り上げてきたことでありますが、改めて質問させていただきます。

 先日、白鷺せせらぎ公園が開園いたしまして、子ども用には複合遊具が一つ設置されました。今年度開園予定の南部防災公園にも複合遊具が一つ設置予定とされております。本町五丁目と四季の森には遊具は一つも設置されず、以前の決算特別委員会で私は、当時設計段階にあった四季の森公園の水景施設を水遊び場にしたらどうかという提案をさせていただきましたが、それは施策としては実現されませんでした。さらに平和の森公園も、今後中野体育館が移転すれば、今までどおりには使えなくなる可能性が高くあります。

 中野区は人口密度が日本で一、二を争うまちであり、1人当たり公園面積も23区で下から2番目のまちです。さらに中野区の子どもの運動能力は非常に低く、小・中学生を対象とした体力テストで、都の平均を上回った項目の割合はたった29%しかありませんでした。今後、南中野に複数の公園が新設され、公園の量がふえることは評価しますが、その質を詳しく見てみますと、まだまだ区民のニーズを満たすものとは言えません。

 その昔、新井薬師公園には交通公園がありました。今、区内に交通公園はなく、自転車の練習のために杉並の交通公園を利用する区民も多くいます。その昔、宮前公園には水の流れる遊び場がありました。今、区内で公式に水遊びをできるのは、年にたった1カ月開設されるじゃぶじゃぶ池はあるものの、それ以外の時期に気温30度を超える日が何日続こうと、公式に水遊びができる公園は区内には一つもありません。その昔、丸太公園にはアスレチックがありました。遠くから遊びに行ったというかつての子どもたちの声を今でもたまに耳にします。

 今、それらの個性的な公園たちは全てごくありふれた凡庸な公園となり、遠くからでも行きたくなるような個性的な公園は、哲学堂という特殊な例外を除き、区内にはほとんどありません。中野区の公園は凡庸な公園ばかりです。

 区内の公園は、クレームへの対応や危険遊具の撤去にはとても熱心ですが、危険遊具を撤去しても、その後、新たな遊具はなかなか設置されません。区内のとある公園で壊れかけの遊具があるのだけれど、区にそれを伝えれば撤去されてしまうかもしれないので、それは言えないという区民の声を聞いたこともあります。これから本町二丁目や弥生町六丁目の公園整備を控えていますが、このところの公園整備の状況を見ていると、このままでは、また複合遊具が一つ設置されて終わるんじゃないかと、そう思えてなりません。

 例えば、渋谷区や世田谷区にはプレーパークという公園が常設されており、子どもたちが火や土や水や木を使って思い思いの遊び方をしています。渋谷も世田谷もプレーパーク自体の面積は決して広くないので、中野区でもその気になればできるんじゃないかと私は考えています。

 また、例えば最近豊島区にできた南長崎スポーツ公園を見てみますと、公園そのものの面積は広くないものの、子どもから老人まで使える健康遊具が複数と、子ども用の複合遊具が複数と、その上に噴水広場があって、非常にバランスよくつくられており、中野区からも多くの親子連れが遊びに行っているそうです。

 現在ある公園、そして今後つくられる公園において、複合遊具を一つ置いておけばいいだろうみたいな考え方で公園を整備するのではなく、公園利用者や区民の声をよく聞いて、例え小さくてもキラリと光るような魅力的で個性的な公園をつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 これまで中野区では、妊婦やその配偶者向けの講座やイベントは、主にすこやか福祉センターをその開催会場とするのが通例でありました。そんな中で、平成25年の決算特別委員会におきまして、私は板橋区の例を引き、児童館における妊婦支援イベントの開催を訴えました。児童館やU18プラザを妊婦支援イベントの開催会場とすることで、児童館デビューの敷居を下げ、産前から産後へとスムーズにつながる支援の実現を目指したのです。そして今、私の提言が実現し、これまでになかった児童館における妊婦支援イベントが時々ではありますが、見られるようになってきました。ことしの春に、区内のごく一部の児童館で開催された「おなかの赤ちゃんといっしょに児童館に行ってみよう」というイベントなどはその好例であります。

 妊婦が出産後も気軽に児童館やU18を利用し、児童館事業等を通じて子育てを支えるために、引き続き児童館における妊婦支援事業をより積極的に行い、産前から産後につながる支援の強化をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 そしてもう一つ、現在、中野区が主体となって開催される子育て支援イベントや妊婦支援イベントのうち、少なからぬ数が事前予約制をとっております。中でも、ひどいイベントになると、7月11日に開催される妊婦支援イベントの締め切り日が5月22日に設定されていたということもありました。私は区内における子育て支援イベントにいろいろとかかわっておりますが、民間で行われるイベントの場合、事前予約制を設けているイベントはあまり多くありません。事前予約制にすることで参加のハードルが上がり、参加者が減ってしまうからです。会場のキャパが限られているとか、書類やお土産を人数分用意しなければならないとか、どうしても事前予約が必要なイベントがあることも承知していますが、もう少し柔軟に対応されてはいかがでしょうか。

 以上で一般質問を終了とします。御清聴ありがとうございます。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小宮山議員の御質問にお答えいたします。

 人口推計についての御質問であります。人口推計については、国勢調査を基礎人口として、平均的な転出入の傾向、それから将来生命、死亡率ですね。それから出生傾向、これが将来も継続するということを前提に推計しております。誤ったとかそういうことじゃないんですね。推計と事実が違ったということなんですね。この推計のもとになっている社会移動や、それから自然の増減、こういうもののうち、社会移動というのは当然社会的な傾向によって、社会の状況によって変化するわけですので、社会の傾向の変化を読むことができなければ正しい人口推計というのはできないということになって、ほとんどそういう人口推計は難しいということになると思います。したがいまして、その変数というものをどういうふうに見ていくかという社会移動についての一定の傾向を反映させる変数の見方ということを何通りか加えてみながら、人口推計をしていくというようなことで、将来の計画の精度を高めていくというか、計画をつくっていく上での基礎資料をより複合化して精緻なものにしていくというようなことになっていくんだというふうに思っております。

 それから、公園の整備についてであります。これまで整備してきた公園についても、いろいろ御指摘はありましたけれども、やはり整備する際にはそれなりの地域特性に配慮し、また地域の要望も聞きながら――あまりいろんな方の要望を聞き過ぎると、結局個性のない公園になるということもありますけれども、地域の方の御要望を聞きながら整備を進めてきたところであります。これからも地域の御要望も聞きながら、また、区全体としての公園整備の方針といったようなことにも勘案しながら整備を進めてまいります。

 私からは以上です。

〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私から二つお答えいたします。

 まず、児童館における妊婦支援事業についてでございます。区ではこれまでも両親学級ですとか、地域育児相談などの妊婦を支援する事業実施に当たりまして、すこやか福祉センターのほか、身近な児童館やU18プラザ等の公共施設を活用して区民への利便を図ってまいりました。今後も妊産婦支援事業の実施会場につきましては、地域での仲間づくりの観点から、地域施設の活用を進めてまいりたいというふうに思ってございます。

 それから、事業参加のための事前予約についての御質問でございました。こんにちは赤ちゃん学級や妊婦栄養講座などは、使用教材やグループ分けの準備の必要があるために予約制とさせていただいております。妊婦の参加のしやすさ、あるいは参加者の増加策、これについては今後もさらに工夫してまいりたいというふうに思ってございます。

○議長(北原ともあき) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 渡 辺 たけし

 1 「生活保護不正受給者」への取り締まり強化について

 2 貧困世帯の子育て支援について

 3 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、渡辺たけし議員。

〔渡辺たけし議員登壇〕

○7番(渡辺たけし) 維新の党の渡辺たけしです。質問内容は通告のとおりです。その他の項目はございません。

 初めに、「生活保護不正受給者」への取り締まりについてお尋ねいたします。

 去る5月18日、維新の党の看板政策である「大阪都構想」の是非を問う住民投票が大阪市で行われました。田中大輔区長におかれましては、賛成派の集会へ都構想実現のためわざわざ大阪市まで足を運んでいただき、中野区政の現状、特別区と政令指定都市の違い、そして東京都と区のあり方についての現状の不満や憤りを随所に巧みに織りまぜながら、都構想実現のメリットについて御講義いただきましたが、結果は、賛成69万4,844票、反対70万5,585票と僅差で反対が上回るという残念な結果となりました。ただ、両者の差はわずか1万741票で全体の0.8%、都構想実現はなりませんでしたが、地方自治体のあり方を全国に問う大変意義のある住民投票だったと考えております。

 この大阪市を擁する大阪府ですが、生活保護受給者が全国で一番多い地域でもあり、生活保護受給者への不正取り締まりについても大変意識の高い取り組みを行っております。既に大阪市内の各福祉事務所へは警察OBの嘱託職員を配置して不正受給者の調査部隊を設置し、不正受給の根絶を目指して、日々厳しく対応しております。

 また、新たな取り組みとして、プリペイドカードによる生活保護費の支給を行っています。これは全国初の取り組みであり、収入、支出の状況をカード決済でデータ化し、受給者へ購入物品の内容を適切に把握させ、パチンコや競馬などのギャンブルや過度な飲酒などに生活費を費やすことのないよう、自立に向けた生活設計を立てるための支援を目的とするものです。

 また、大阪府内の大東市、東大阪市、寝屋川市、枚方市などは生活保護ホットラインを設置して、一般市民からの通報をもとに不正受給者の取り締まりを強化する一方、本来生活保護を受けるべき人の情報もあわせて取得しており、生活保護費の適正化への取り組みを自治体レベルができる範囲で取り組んでおります。

 また、生活保護費の中でも大きな割合を占める医療扶助の適正化についても、大阪市は積極的に取り組んでおります。生活保護者にかかる医療費は、国及び自治体が全て負担しているわけですが、治療費を稼ごうとする病院が生活保護者へ不必要な高額治療を行ったり、意味のない長期入院を勧めたり、医療費の水増し請求を国へ行っているなど、病院側が生活保護制度を悪質に利用しているケースが社会問題となっております。大阪市は、受給者への不必要な診療や、診療報酬の水増し請求があるのではないかという一般市民や関係機関などからの情報提供がなされた場合、行政側は該当医療機関に対する個別指導の実施を行い、何らかの疑義があった場合、生活保護法に基づく検査を経て、行政上の措置、すなわち保険医療機関の指定取り消し、戒告、注意などを行って不正治療の防止を図っております。

 また、不正受給者に対する実質的な罰則の強化、生活保護受給者に対する医療費の一部自己負担の導入などを国への制度改革・要望として申請しており、今後もあらゆる機会を通じて、国に対して生活保護制度の改革提案・要望を行う姿勢を貫いております。

 翻って、中野区の生活保護受給者への対応状況を見ますと、生活保護受給者、特に不正受給の取り締まりを強化・改善する余地がまだまだあるのではないかと考えます。中野区における不正受給の調査方法は、訪問調査、課税調査、資産調査と、全国の自治体が通常とり行っている基本動作のみにとどまっており、さらなる取り組みが必要であると思われます。また、中野区は、生活保護受給者に対する医療費の一部自己負担の導入を国への制度改革・要望として申請しておりますが、国からは毎年却下されており、そろそろ中野区独自での取り組みを考える時期に来ているのではないでしょうか。

 現在、中野区の生活保護世帯数は約6,600世帯、支給総額は年間で約160億から170億円程度となっており、予算全体の1割以上を占めている状況です。また、65歳以上の高齢者世帯が全体の50%近くを占めており、高齢者への支給額は年々増加傾向にあり、それに伴って医療費への負担も右肩上がりでふえております。

 これから始まる超高齢化社会において、福祉予算の増大は行政にとって大きな課題であります。限られた予算を有効活用することは大いに意義のあることであり、不正受給を厳しく取り締まることは、真面目に努力した人が報われる社会を実現させることにもつながる取り組みであると私は確信しております。

 大阪と中野区とでは生活保護を取り巻く環境が異なるため、大阪の取り組みがそのまま中野区に当てはまるわけではないということは重々承知しております。しかし、中野区は生活保護問題に対して真っ正面から取り組んでいる、特に不正受給者へは厳しい対応で臨んでいくという姿勢を納税者へは明確に示す必要があると考えます。

 そのための提案として、まず、中野区独自で生活保護ホットラインを設置し、一般区民からの情報を広く取得して、生活保護制度の適正化を図ってみてはいかがでしょうか。区の御見解を伺います。

 続きまして、貧困世帯の子育て支援について御質問いたします。

 現在、子どもの受ける教育や進学率が親の所得によって影響され、「教育格差」につながっているということが大きな社会問題となっております。さきの大阪都構想における住民投票でも、西成区を代表とする南エリアは比較的貧困世帯が多く、大阪の「南北格差問題」として大きな問題となっております。

 「貧困の連鎖」は大変深刻な問題です。私も、さきの住民投票の運動員として、4人に1人が生活保護を受けていると言われている西成近辺を「大阪都構想の賛成をお願いします」と呼びかけをしながら歩いていたことがあったのですが、あちらこちらから、「反対じゃ」という声が飛んできておりました。まだ午前中にもかかわらず、お酒を片手に空き地でたむろしている人たちを数多く見かけたのですが、「何で大阪都構想に反対なんですか」と、その中の1人に聞いたところ、「大阪市をばくちの上に乗せられるか」という回答をいただきました。ところが、その方の小脇には競馬新聞が挟まれており、思わず、「競馬が好きだったら、別にいいじゃないですか」と言いかけたのですが、何らかのトラブルに巻き込まれそうな予感がしましたので、「あ、おっしゃるとおりですね」と、頭を下げて撤退した次第でございます。

 そんな思い出深い西成地区ですが、橋下徹市長の肝いりで、日本で初めての教育バウチャー制度を導入した地域としても大変話題になりました。中学生の通塾率が半数以上あるという状況を背景に、公立の中学校に通う就学援助、生活保護を受けている世帯の生徒のみを対象に、月額1万円を上限とした教育費のみに利用できる「期限つきの塾代助成カード」を子育て世帯に配布して、塾代やスポーツ教室、文化教室などの月謝として使われております。平成26年度には約17億円の予算をつけ、約9,000世帯でバウチャー制度の利用があり、学校の成績が上がって勉強が楽しくなった、経済的負担が少なくなった、家庭での学習時間がふえたなどの声も多数上がっており、既にバウチャー制度を利用している世帯から一定の評価をいただいております。

 中野区は、公立における教育の質の向上に力を入れていると思われますが、公立に通う生徒たちへの教育支援の一環として、このような教育バウチャー制度を取り入れた学習支援を行ってみてはいかがでしょうか。区の御見解を伺います。

 以上で質問の全てを終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 渡辺議員の御質問にお答えいたします。

 生活保護ホットラインの設置についてということであります。生活保護、これの不正受給の防止というのは、中野区にとっても大変重要な課題だというふうに思います。そこのところ、公正な社会の実現という意味では、大阪の持っている緊急、大変切迫した問題意識というものは、私どもにとっても決して対岸の火事ではない、このように考えているところであります。これまで区といたしましては、定期的な訪問による信頼関係を基礎として、課税調査のほか、さまざまな不正受給の未然防止の実効ある取り組みを実施してきたところであります。また、不正受給に関する区民からの情報については、メールや電話などにより個別に対応しているところであります。生活保護ホットラインといった特別の施策につきましては、まだ例もないという、中野でも、また東京都内でもなかなか例のないというところもあります。そういう意味で、他の自治体での実施状況の把握など調査に努めていきたい、このように思います。

 それから、大阪市で実施された塾代助成事業の導入についてということであります。子どもの教育支援は学校教育が基本であり、小学校高学年では学習意欲の向上や学習習慣の定着、中学生では学力の向上による高校進学を目指した取り組みなどが課題でありますことから、区ではことし4月、平成27年4月から低所得世帯の小学校5・6年生及び中学生を対象に、学習支援事業を開始したところであります。この学習支援事業を通して、参加した児童・生徒の学習状況の把握や効果の検証を行うとともに、各学校とも情報を共有し、必要に応じて教育と福祉が連携した対応を行っていきたいと考えております。当面はこの事業を実施していくこととしておりますが、大阪市で教育バウチャー制度により実施している塾代助成事業といった事業の取り組み方についても、今後、参考として検討していきたいと考えております。

○議長(北原ともあき) 以上で渡辺たけし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 内 野 大三郎

 1 災害時の各士業との連携について

 2 区内公立学校で使用する教科書選定について

 3 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、内野大三郎議員。

〔内野大三郎議員登壇〕

○8番(内野大三郎) 平成27年第2回定例会に当たり、保守系無所属議員の立場として一般質問をさせていただきます。質問通告でお示ししたとおり、本日は、災害時の各士業との連携について、区内公立学校で使用する教科書選定についての二つの質問をさせていただきます。その他の項目はございません。

 本年4月の初当選から2カ月が経過いたしました。この間、本日に至るまで政治家として初めてのことばかりで、先輩議員の皆様方や議会事務局、また区役所理事者の方々に心温まる御指導をいただきましたこと、ここに深く御礼申し上げます。

 さて、東日本大震災から4年が経過し、首都直下型地震が現実味を帯びるほど、近年の自然環境は目まぐるしく変化しています。災害時には人命救助が最優先です。3日以内に区民全ての生存確認が済ませられるよう、そんな必要があると考えています。まずは、自分の身を自分で守る自助から始まり、御近所同士で助け合う共助、そして民間の力では対処し切れない場合に、自衛隊、警察、消防といった公共の力を得ることが肝要であることは、近年の大規模災害の例を見るまでもありません。

 私は、法律職の仕事をしてまいりました。さまざまな依頼者からの相談の中で、相続にかかわる問題については専門職の士業がそれぞれの分野で必要になり、その橋渡し役をすることが多くありました。その経験から、非常時である災害後の法的整理は、法律問題についてのワンストップサービスを行政が提供し、速やかな復興・復旧を支援していく必要があると考えています。

 国家作用の一部を委託された専門職士業はどれも全国組織であり、中野にもその支部が多くそろっています。先行して、東京都が「復興まちづくりの支援に関する協定書」を弁護士会、司法書士会、税理士会、行政書士会、土地家屋調査士会、社会保険労務士会、中小企業診断協会、不動産鑑定士協会、建築家協会、建築士事務所協会、再開発コーディネーター協会、そして日本技術士会などと締結し、いざというときには、要請があれば各専門職を自治体へ派遣することができるようになっています。中野区もこれらの専門職の人的ネットワークを独自に構築して、災害時に備える必要があると考えます。

 区は、平成12年5月に中野区法曹会と災害時の法律相談に関する協定を結ばれております。災害時の復興支援のため、区は他の士業とどのように取り組んでいただけるのでしょうか。また、区と各士業とが個別に協定を結ぶだけでなく、士業同士の横のつながりである協議会のようなものが必要だとも考えておりますが、この点についても御見解をお伺いいたします。

 既に台東区では先行事例として、台東区災害ネットワーク専門職会議というものを形成し、街頭無料相談会などを実施しております。こうした活動を中野で行う場合について、区としての費用面でのバックアップをいただけるのでしょうか。お尋ねいたします。

 次に、区内公立学校で使用する教科書選定についてお尋ねします。先ほどの篠国昭議員の御質問と重複する部分もあろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。

 平成18年に改正された教育基本法は、新たに前文に「個人の尊厳」を重んずることを宣言するとともに、「公共の精神」の尊重、「豊かな人間性と創造性」や「伝統の承継」を規定しています。また、新学習指導要領においては、教育内容の改善事項として、言語活動の充実、理数教育の充実、伝統や文化に関する教育の充実、道徳教育の充実、そして体験活動の充実などを挙げています。

 2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて、子どもたちが正しい知識を得ることによって、自分に自信を持ち、自国の歴史や文化について、自分の言葉で伝えることができるようにすることは大切なことだと考えます。

 平成28年度に使用する区立中学校の教科書を選定する作業が着々と進んでいるかと思います。この区内での学校教科書の選定は、改正教育基本法や新学習指導要領の趣旨にのっとった教科書が採択されることを望んでいます。教科書採択に当たり、教育委員会はどのような姿勢で臨まれるのか、お答えいただけますでしょうか。

 以上で私の質問を終了します。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 内野議員の御質問にお答えいたします。

 被災者の災害時の各士業との連携について。被災者の連携相談に伴う各士業との協定締結についていかがかと、こういった御質問であります。中野区地域防災計画において、被災者の生活相談に関する専門相談所を中野区役所に設置することとしておりまして、法律相談については、中野区法曹会から相談員を派遣していただいて、法律問題解決の指導・助言などを受けることとしているところであります。この専門相談所は、法律以外にも不動産、税務などの相談に応じることとしておりますため、過去の災害事例を参考にしつつ、どういった形で専門家の御協力をいただくかというようなことについて検討していかなければならない、そういう段階だと考えております。

 各士業が連携して被災者相談に対応するといったことに当たっての連絡協議会の設置についての御質問もありました。御質問の中にもありましたけれども、東京都は大規模災害後の復興施策に関する協力を得るため、東京弁護士会、東京司法書士会、東京都行政書士会など19団体と復興まちづくりの支援に関する協定を締結し、協定締結団体は災害復興まちづくり支援機構を構成しているという状況であります。この取り組みが被災者の相談対応において効果的に連携し機能するのか調査をした上で、中野区での取り組みの中においても参考としていきたいと、このように考えております。

 それから、被災者の生活相談で発生する経費についてであります。中野区法曹会との協定では、弁護士派遣経費等を区は負担するが、金額は別途協議して定めることとしているところであります。被災状況や相談の件数、内容などによっても経費が変わるということだと思いますので、現時点では予測は困難だと考えているところであります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教科書採択に当たりまして、教育委員会の姿勢についての御質問でした。平成28年度使用の中野区立中学校教科用図書の採択に当たりましては、教育基本法、学校教育法、中学校学習指導要領等、関係法令に従いまして適切に行う考えでございます。

○議長(北原ともあき) 以上で内野大三郎議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 細 野 かよこ

 1 地域の課題を解決するための空き家活用について

 2 災害時における要援護者のトイレ対策について

 3 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、細野かよこ議員。

〔細野かよこ議員登壇〕

○17番(細野かよこ) 市民自治を広げる中野・生活者ネットワークの立場から一般質問いたします。質問は通告どおりで、その他はありません。

 初めに、地域の課題を解決するための空き家活用について伺います。

 空き家問題につきましては、佐野議員、いながき議員も御質問されておられますが、空き家対策特別措置法が全面施行になった時期でもあり、今後重要であると考えますので、私からも質問させていただきます。

 全国的な空き家の増加に伴い、適正管理を促す条例を制定した自治体が400を超える中、空き家の有効活用まで定めた自治体はまだ少なく、都内では条例を制定した11市区のうち、品川区1区しかありません。しかし、文京区や世田谷区など、区独自の事業として空き家の有効活用を実践している事例もあります。

 文京区では、所有者の同意のもと、区の負担で除却を行い、その土地に消火栓と大型消火器を設置し、地域防災に活用した事例や、町会の協力を得ながら「憩いの広場」としてコミュニティ活用している事例があります。また、世田谷区では、空き家の地域貢献を考えるオーナーや活用する団体に助成金の支援を行う「世田谷らしい空き家等の地域貢献活用モデル事業」の取り組みで、デイサービスや交流スペース、障害を持つ子どもたちの放課後の居場所などに活用されている事例もあります。空き家は、視点を変えれば、地域住民のコミュニケーションの拠点として、また地域包括ケアシステムを構築するための社会資源として、発想次第でその利活用の可能性は大きく広がります。

 そこでお尋ねします。5月26日、空き家対策特別措置法が全面施行されました。「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針」には、空き家等対策計画や、この計画を策定するための協議会の設置などが盛り込まれています。区として、今回のこの法律をどう捉え、今後どのように取り組んでいかれるおつもりでしょうか。伺います。

 また、昨年、空き家対策特別措置法が制定されて以降、当区において、これまで空き家対策としてどことどこの分野がかかわり、どのような検討を進めてこられたのでしょうか。空き家は利活用まで考えますと、専門で担当する所管を置いて、ほかの関連所管と連携を図りながら、さまざまな検討がされるのが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。あわせて伺います。

 次に、空き家対策に対する区の考え方についてお尋ねします。私どもの仲間に、実際に空き家を活用して、高齢者や子育て中のお母さんなど誰もが立ち寄れる居場所づくりをしている人たちがいます。当区におきましても、今後、学童保育の待機児童対策として、密集地域でのポケットパークや防災施設として、グループホームや子育て支援の拠点、シェアハウス、NPOの共同事務所など、有効な活用ができるのではないかと考えます。区が基本構想に掲げる「支えあい安心して暮らせるまち」実現のための支えあいの地域づくりの拠点や居場所として、空き家を積極的に活用できるようにするべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 また、区はこれまで、ほかの自治体の条例や空き家対策について調査や情報収集などを行ってこられたと伺っておりますが、どのようなことがわかったのでしょうか。お示しください。

 次に、空き家の所有者意向調査実施について伺います。空き家を地域の財産として活用するためには、所有者の意識が重要です。空き家の実態調査の際には、所有者に対し活用事例の紹介や、地域貢献に対するイメージを引き出せるような意向調査を取り入れていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。お答えをお願いします。

 この項、最後の質問です。これまでるる述べてまいりましたが、空き家問題を区としてしっかり取り組むために住宅マスタープランについて伺います。現在の第3次住宅マスタープランは、対象期間が2009年度から2018年度であること、来年3月に中野区基本構想が改定予定であることから、見直しの時期が迫っています。現行の第3次住宅マスタープランには、空き家対策に該当する項目がありません。第4次住宅マスタープランにはぜひ地域貢献の利活用まで含めた空き家対策を位置付けるべきと考えますが、区の見解を伺います。空き家は所有権、税金、転用時の法の壁など、利活用には困難も多いとは思いますが、地域の課題を解決する視点での空き家活用に対する区の前向きな御答弁を期待します。

 次に、災害時における要配慮者へのトイレ対策について、3点伺います。なお、通告では、第39次中野区地域防災計画にある「要援護者」と表記しましたが、本質問では、現在統一されております「要配慮者」として質問させていただきます。

 いつ起きても不思議ではないと言われる首都直下地震、火災危険度が高い中野区では、場合によっては多くの避難者が出る可能性があります。2012年に復興庁が発表した「東日本大震災における震災関連死に関する報告」では、関連死の原因の1位が避難所生活などにおける肉体的・精神的疲労という結果が出ており、避難所生活などでのストレスの軽減を図ることが重要であることがわかります。中でも、女性や、要配慮者とされる高齢者、障害者、障害児、難病患者、妊産婦、外国人の方々にはより適切な対応が必要と考えます。区は、東日本大震災の教訓を踏まえ、2012年4月に「来たるべき大地震に備えた中野区の具体的な取り組み」を取りまとめ、この内容を地域防災計画に反映させています。その基本理念の一つに、「あらゆる取り組みについて、女性や要配慮者に対するきめ細かい配慮を行う」を掲げています。

 そこでお尋ねします。要配慮者へのきめ細かい配慮を行うためには、当事者のニーズをくみ取ることが重要だと考えます。地域防災計画の策定や避難所運営マニュアルの作成において、要配慮者の方たち、例えば障害者団体や小さいお子さんがいる御家庭、在宅介護サービス事業者や女性団体、日本語がまだ上手ではない留学生などの声を区としてどのように把握され、反映されたのでしょうか。伺います。

 避難生活でのストレスにはさまざまありますが、トイレ問題は、発災直後から全ての人に訪れる切実で切迫した問題であり、健康、衛生の面からも非常に重大な問題です。高齢者や、洋式便座になれた子どもにとっては、和式よりも洋式便座のほうが使いやすいと言われ、当区においても災害用トイレとしての仮設トイレや簡易トイレには洋式便座が用意されていると伺って、この点は安心しています。しかし、災害時にはすぐにトイレが必要となることから、防災訓練のときだけでなく、区のイベント時での実演や、小さな集団単位で簡易トイレの組み立ての練習ができる機会を設けることが必要だと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。

 最後に、避難所、広域避難場所での男女用のトイレの比率についてお尋ねします。平常時においても、駅や空港、劇場などの女性トイレは長蛇の列ができます。災害時においては特に男女のトイレの比率についての配慮が必要だと考えます。被災者支援はどうあるべきかの参考になる基準として、災害時や紛争時の人道的対応に関する最低基準をまとめた「スフィア基準」があります。これは人道支援の向上を目的とする国際基準で、トイレの男女の比率は、男性1に対して女性3が望ましいとされています。避難所において、災害用トイレの男女の比率はどのように配備されているのか伺いまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 細野議員の御質問にお答えいたします。

 空き家等対策特別措置法の取り扱いについて。空き家等対策特別措置法の制定に伴い、より実効性のある空き家対策の取り組みを早急に整理し、区の空き家対策計画の策定を進めてまいりたいと考えております。また、区の総合的な空き家対策を進めていくに当たり、地域住民や建築・不動産関係者の協力が不可欠であり、具体的な調査や計画の策定を検討する協議会の設置について検討してまいります。

 空き家対策事業の庁内検討体制について。区の総合的な空き家対策の検討については、これまで政策室が中心となり、特定空き家の指導から空き家相談体制、利活用の促進までの総合的な取り組みとしていくため関係課長会を組織させ、区の進め方について検討してきたところであります。今般、空き家対策特別措置法の制定に伴い、早急により実効性のある空き家対策を、取り組み所管を明確にしながら庁内連携によって対応してまいりたいと考えております。

 空き家の積極的な活用であります。空き家を新たな地域の交流の場、住まいなどとして再生させていくことは、地域活性化につながるための方策ともなり得ます。また、必要なケアが届けられる仕組みを構築すれば、見守りが必要な高齢者などが安心して生活できる可能性もあると考えております。空き家の既存ストックは貴重な資源であり、空き家の適切な管理を指導するのみではなく、リノベーションを行うことなどにより、活用できるものについては有効に活用する総合的な空き家対策として検討を進めてまいりたいと考えております。

 他の自治体の条例や対策についてであります。空き家対策については、危険な家屋への勧告の措置、子育て世帯等の住みかえ用、コミュニティ施設、跡地のポケットパーク的な利活用などが見られたところであります。特に地方におきましては、移住前提の整備や空き家バンクの設置などによって利活用の促進を実施しているといった事例も承知しているところであります。

 今後対策をするに当たって、空き家所有者の意向調査を行うべきだという御指摘もありました。今後の対策の中で留意をしてまいりたいと考えます。

 住宅マスタープランの改定について。住宅マスタープランの前倒し改定については考えておりませんが、改定に当たっては区としての空き家対策を検討する中で、住宅マスタープランにおける位置付けについてもあわせて検討していきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず災害時要配慮者の声の把握についての御質問にお答えいたします。障害者や高齢者などの要配慮者につきましては、障害者団体との意見交換の場や地域団体との連絡会などで直接意見を伺っております。また、外国人の方から直接意見を聞く機会を持っておりませんが、災害協定を結んでいる中野区国際交流協会から意見を伺っているところでございます。

 次に、災害用トイレの組み立て訓練でございます。災害用トイレの組み立て訓練につきましては、配備先の避難所における総合防災訓練や避難所開設訓練、区立中学校での中学生の防災訓練など、既にさまざまな場面で実施しているところでございます。

 次に、災害用トイレの男女比についてでございます。避難所に配備している災害用トイレは、避難所運営に当たり男女の区別に配慮して設置することとしております。避難所の男女比を事前に予測することは困難であるため、比率はその場の状況で判断することにしております。「スフィア・ハンドブック」、これにつきましては、避難所運営における参考資料の一つとしていきたいと考えております。

○議長(北原ともあき) 以上で細野かよこ議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第6、同意第5号、中野区監査委員選任の同意についてを先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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同意第5号 中野区監査委員選任の同意について

 

○議長(北原ともあき) 日程第6、同意第5号、中野区監査委員選任の同意についてを上程いたします。

 区長の説明を求めます。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) ただいま上程されました同意第5号、中野区監査委員選任の同意につきまして御説明申し上げます。

 この同意案は、監査委員の山下清超さんが本月30日をもって任期満了となりますので、その後任者として竹内沖司さんを選任いたしたく、議会の同意をお願いするものであります。

 なお、同意を得ましたときは、竹内さんを常勤の監査委員に任命する予定であります。

 竹内さんは、昭和53年に中野区に入区し、37年間にわたって勤務されています。この間に、南中野地域センター所長、地域センター部女性・青少年課長、子ども家庭部経営担当課長、子ども家庭部保育園・幼稚園担当課長、教育委員会事務局次長、子ども家庭部長、政策室長などを歴任し、平成26年7月から経営室長を務めております。

 このように、竹内さんは清廉な人柄と豊富な行政経験を通じて培われたすぐれた識見を備えておられることから、監査委員として適任であると考えた次第です。

 本件につきまして、何とぞ御同意くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の同意第5号に同意するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、同意第5号は、これに同意するに決しました。

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第46号議案 平成27年度中野区一般会計補正予算

(委員会報告)

 

○議長(北原ともあき) 日程第1、第46号議案、平成27年度中野区一般会計補正予算を議題に供します。

 

平成27年(2015年)6月22日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 若林 しげお

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

46

平成27年度中野区一般会計補正予算

622

 

 お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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第47号議案 中野区基本構想審議会条例を廃止する条例

第48号議案 中野区事務手数料条例の一部を改正する条例

第49号議案 南中野区民活動センター等新築工事請負契約に係る契約金額の変更について

第50号議案 仮称南部防災公園整備工事請負契約

第51号議案 仮称本町五丁目公園整備工事請負契約

第52号議案 南中野区民活動センター等新築に伴う機械設備工事請負契約

第53号議案 南中野区民活動センター等新築に伴う電気設備工事請負契約

第54号議案 清掃車の買入れについて

第63号議案 和解及び損害賠償額の決定について

 

○議長(北原ともあき) 日程第2、第47号議案から第54号議案まで及び第63号議案の計9件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

〇副区長(川崎亨) ただいま上程されました第47号議案から第54号議案まで及び第63号議案の9議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第47号議案、中野区基本構想審議会条例を廃止する条例は、中野区基本構想の改定に当たり必要な事項を調査審議するため、区長の附属機関として設置しました中野区基本構想審議会につきまして、平成27年3月6日に同審議会から答申を得ましたので、これを廃止するものです。

 この条例の施行時期は公布の日です。

 第48号議案、中野区事務手数料条例の一部を改正する条例は、弁当等人力販売業者の許可の申請に対する審査並びに許可済証の交付及び再交付に関し手数料を定めるものです。

 この条例の施行時期は平成27年10月1日です。

 第49号議案、南中野区民活動センター等新築工事請負契約に係る契約金額の変更については、平成27年第1回中野区議会定例会において議決をいただき締結いたしました南中野区民活動センター等新築工事に係る請負契約について、公共工事設計労務単価の引き上げに伴い工事金額を増額する必要が生じたため、契約金額を7億764万1,600円から7億895万560円に変更するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 第50号議案、仮称南部防災公園整備工事請負契約は、仮称南部防災公園の整備工事に係る請負契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 工事の概要は、給水設備、防災倉庫の建築設備及び植栽の整備等です。

 契約の方法は一般競争入札、契約の金額は2億5,056万円、契約の相手方は、飛鳥・創研ガーデン建設共同企業体です。

 なお、この工事の完了予定は平成28年2月です。

 第51号議案、仮称本町五丁目公園整備工事請負契約は、仮称本町五丁目公園の整備工事に係る請負契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 工事の概要は、敷地造成の基盤整備、給水設備の施設整備及び植栽の整備等です。

 契約の方法は一般競争入札、契約の金額は3億2,367万6,000円、契約の相手方は、住友・大澤建設共同企業体です。

 なお、この工事の完了予定は平成28年2月です。

 第52号議案、南中野区民活動センター等新築に伴う機械設備工事請負契約は、南中野区民活動センター等の新築に伴う機械設備工事に係る請負契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 契約の方法は一般競争入札、契約の金額は2億2,140万円、契約の相手方は、さかえ・富士熱建設共同企業体です。

 なお、この工事の完了予定は平成28年6月です。

 第53号議案、南中野区民活動センター等新築に伴う電気設備工事請負契約は、南中野区民活動センター等の新築に伴う電気設備工事に係る請負契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 契約の方法は一般競争入札、契約の金額は1億4,688万円、契約の相手方は、サンエツ・丸電建設共同企業体です。

 なお、この工事の完了予定は平成28年6月です。

 第54号議案、清掃車の買入れについては、財産を取得するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 取得する財産は、一般廃棄物の収集・運搬に使用する清掃車3台で、取得に要する金額は2,641万4,610円です。

 第63号議案、和解及び損害賠償額の決定については、公務上の災害に対する補償を受ける権利の時効による消滅に伴う損害賠償について、和解を成立させ、損害賠償額を決定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 これは、職員の事務処理の誤りにより、相手方の地方公務員災害補償法に基づく公務上の災害に係る補償を受ける権利が時効により消滅したことで、当該補償を受けられず、損害を与えたものです。

 相手方と交渉を重ねた結果、議案の和解条件により、議会の議決を条件とする仮和解を本年6月16日に締結しております。

 和解条件の要旨は、相手方に生じた損害額を239万7,900円と定め、その全額について区が負担するものです。

 以上9議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

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第55号議案 中野区住民基本台帳ネットワークシステムに係る本人確認情報等の保護に関する条例

       の一部を改正する条例

第56号議案 中野区特別区税条例等の一部を改正する条例

第57号議案 中野区プールの衛生管理に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(北原ともあき) 日程第3、第55号議案から第57号議案までの計3件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

〇副区長(川崎亨) ただいま上程されました第55号議案から第57号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第55号議案、中野区住民基本台帳ネットワークシステムに係る本人確認情報等の保護に関する条例の一部を改正する条例は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行等に伴い、規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は平成27年10月5日で、一部は公布の日です。

 第56号議案、中野区特別区税条例等の一部を改正する条例は、主に次の4点について規定を改めるものです。

 第1点目は、区民税の寄附金税額控除に係る申告の特例を規定するものです。

 第2点目は、軽自動車税の税率を改定するものです。

 第3点目は、たばこ税の税率を改定するものです。

 第4点目は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行等に伴い、規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は、第1点目及び第2点目は公布の日、第3点目は平成28年4月1日、第4点目は平成28年1月1日で、一部は公布の日です。

 第57号議案、中野区プールの衛生管理に関する条例の一部を改正する条例は、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の改正に伴い、規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は公布の日です。

 以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。

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第58号議案 中野区中野駅南口地区における建築物の制限に関する条例

第59号議案 特別区道路線の認定について

第60号議案 特別区道路線の認定について

 

○議長(北原ともあき) 日程第4、第58号議案から第60号議案までの計3件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

〇副区長(川崎亨) ただいま上程されました第58号議案から第60号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第58号議案、中野区中野駅南口地区における建築物の制限に関する条例は、建築基準法第68条の2第1項の規定に基づき、中野駅南口地区における建築物の制限を定めるものです。

 その主な内容は、建築物の用途の制限、敷地面積の最低限度、壁面の位置の制限等のほか、この条例に違反した者に対する罰則を定めるものです。

 この条例の施行時期は公布の日です。

 第59号議案及び第60号議案は、いずれも特別区道の路線を認定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 第59号議案の路線は、区有通路を特別区道の路線として認定するもので、区間は中野区江古田三丁目1101番33から同地番まで、延長は255.61メートルです。

 第60号議案の路線は、開発行為により区に帰属した私道を特別区道の路線として認定するもので、区間は中野区上鷺宮四丁目674番11から同地番まで、延長は51.14メートルです。

 以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。

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第61号議案 中野区子どもの医療費の助成に関する条例及び中野区ひとり親家庭等の医療費の助成

       に関する条例の一部を改正する条例

第62号議案 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関

       する条例の一部を改正する条例

 

○議長(北原ともあき) 日程第5、第61号議案及び第62号議案の計2件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第61号議案及び第62号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第61号議案、中野区子どもの医療費の助成に関する条例及び中野区ひとり親家庭等の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例は、第三者の行為によって生じた疾病又は負傷に係る損害賠償の請求権の譲渡等について規定するものです。

 この条例の施行時期は公布の日です。

 第62号議案、中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例は、休業補償等に係る補償基礎額を改定するものです。

 この条例の施行時期は公布の日です。

 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。

 次に、陳情の常任委員会及び議会運営委員会への付託について申し上げます。

 お手元に配付の陳情付託件名表(Ⅰ)に記載の陳情につきましては、記載のとおり所管の常任委員会及び議会運営委員会に審査を付託いたします。

 

平成27年第2回定例会

平成27年6月26日付託

陳情付託件名表(Ⅰ)

《総務委員会付託》

 第5号陳情 平和の森公園に中野体育館が移転することについて

 第6号陳情 平和の森公園に中野体育館を建設することについて

 第7号陳情 「河野・村山談話」の無効を宣言し、自虐史観を一掃する「戦後70年談話」を日本

       政府に求めることについて

 第8号陳情 平和の森公園に中野体育館を建設することについて

 第9号陳情 平和の森公園に中野体育館を建設することについて

 第10号陳情 平和の森公園に中野体育館を建設することについて

 第11号陳情 中野平和の森公園の保全について

 第12号陳情 平和の森公園のあり方について

《厚生委員会付託》

 第4号陳情 区民斎場設置について

《建設委員会付託》

 第13号陳情 東京都住宅供給公社に「従前居住者が自己負担している風呂釜購入費を公社負担さ

        せる」に関する件

《議会運営委員会付託》

 第14号陳情 中野区議会議員の費用弁償の廃止について

 

○議長(北原ともあき) 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時00分散会