平成27年09月17日中野区議会決算特別委員会の会議録 1.平成27年(2015年)9月17日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席議員(42名) 1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお 3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一 5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし 7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき 11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久 13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち 15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子 17番 細 野 かよこ 18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり 20番 い さ 哲 郎 21番 佐 野 れいじ 22番 いでい 良 輔 23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明 27番 森 たかゆき 28番 石 坂 わたる 29番 いながき じゅん子 30番 小 杉 一 男 31番 浦 野 さとみ 32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき 34番 大 内 しんご 35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭 37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員 な し 1.出席説明員 中野区長 田中 大輔 副区長 川崎 亨 副区長 本田 武志 教育長 田辺 裕子 政策室長 髙橋 信一 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲一 政策室副参事(予算担当) 黒田 玲子 政策室副参事(広報担当) 酒井 直人 政策室副参事(業務改善担当) 中谷 博 経営室長 篠原 文彦 危機管理担当部長小田原 弦 経営室副参事(経営担当) 朝井 めぐみ 経営室副参事(人事担当) 伊藤 政子 経営室副参事(施設担当) 宮﨑 勇一郎 経営室副参事(行政監理担当) 田中 謙一 都市政策推進室長長田 久雄 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀行 都市政策推進室副参事(産業振興担当) 青山 敬一郎 都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当、中野駅周辺計画担当) 石井 大輔 都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 吉田 陽市 都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 立原 英里雄 地域支えあい推進室長 野村 建樹 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦 区民サービス管理部長 白土 純 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治 区民サービス管理部副参事(税務担当) 杉本 兼太郎 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈良 浩二 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、 教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 古川 康司 子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、 教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 浅野 昭 教育委員会事務局指導室長 杉山 勇 健康福祉部長 瀬田 敏幸 保健所長 寺西 新 健康福祉部副参事(福祉推進担当) 藤井 康弘 健康福祉部副参事(生活保護担当) 小堺 充 環境部長 戸辺 眞 環境部副参事(地球温暖化対策担当) 鳥井 文哉 環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 高橋 均 環境部清掃事務所長 滝瀬 裕之 環境部副参事(生活環境担当) 浅川 靖 都市基盤部長 尾﨑 孝 都市基盤部参事(都市計画担当) 豊川 士朗 都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 志賀 聡 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鈴木 崇 都市基盤部副参事(生活安全担当、交通対策担当) 伊東 知秀 会計室長 古屋 勉 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 小田 史子 事務局次長 堀越 恵美子 議事調査担当係長 佐藤 肇 書 記 関村 英希 書 記 東 利司雄 書 記 大野 貴子 書 記 細川 道明 書 記 江口 誠人 書 記 井田 裕之 書 記 田中 寛 書 記 福島 ルミ 書 記 遠藤 良太 書 記 香月 俊介 書 記 亀井 久徳 1.委員長署名
午前10時00分開議 ○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。 認定第1号から認定第5号まで、計5件を一括して議題に供します。 お手元に総括質疑一覧を配付しておりますので、参考にごらんください。
平成27年(2015年)9月17日 決算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
○若林委員長 本日は総括質疑の1日目となります。1番目に内川和久委員、2番目に小林ぜんいち委員、3番目に来住和行委員、4番目に森たかゆき委員の順に4名の質疑を行います。 次に、要求資料の配付についてですが、前回の委員会で要求した資料296件、全て提出されておりますので御確認ください。資料作成に当たられた職員の皆様、ありがとうございました。 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べられるようお願い申し上げます。 それでは、質疑に入ります。[1]内川和久委員、質疑をどうぞ。 ○内川委員 おはようございます。実に2年ぶりの総括質疑でありますので、よろしくお願いいたします。答弁される理事者の皆様方には、前向きで誠実な御答弁をお願いいたします。 質問は通告どおりでありますけれども、1番のその他はございません。そして、6番のその他で、中野二丁目再開発事業についてお伺いしたいと思います。それと、質問の順序をちょっと変えまして、1番の次は3番の子育て支援についてお聞きします。2番の見守り支えあい活動支援については一番最後に行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、早速質問に入ります。 平成26年度決算についてお聞きいたします。財政白書によりますと、平成26年度決算は、歳入で1,324億円、歳出で1,274億円と、ともに大きく伸び、過去最高額となりました。形式収支は50億円の黒字であり、実質収支、単年度収支も黒字となりました。一般財源において特別区税及び財政調整交付金は、対前年度に比べ44億円余増の682億円と、これも過去最高額とのことです。まず、これら数字が非常によくなった要因について御担当はどのように考えておるでしょうか。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) 国の経済政策、いわゆるアベノミクスによる景気回復の影響、こういうものによりまして個人及び法人の所得の増、また、納税義務者数の増などが反映された結果、平成26年度決算における特別区税及び財政調整交付金等の一般財源が大幅に伸びたものであると考えてございます。さらには、収納率向上対策の取り組みの結果、特別区民税の収納率が向上したこと、これも増要因の一つというふうに考えているところでございます。 ○内川委員 収納率向上に関してはまた後で聞きますけれども、いわゆる今の政府の経済対策が功を奏して着実に景気回復できた、そのおかげだと、そういうことでよろしいですね。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) そのように認識しているところでございます。 ○内川委員 それで、この一般財源がふえたことでさまざまな影響が出てくると考えております。財政指標がございますけれども、この財政指標にどのような影響があったんでしょうか。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) 一般財源が増加したことによりまして、経常収支比率でございますけれども、こちらは対前年度比5.9ポイント減の85.1%、それから、実質収支比率につきましては3.5ポイント増の6.2%、また、実質公債費比率につきましては0.8ポイント減の5%となるなど、さまざまな財政指標の改善が図られたというふうに考えてございます。 ○内川委員 ただいま説明があったとおり、各指標で大変いい数字が出ているということですね。それから、一般財源は景気動向にかなり左右されるものです。最近の株価の急激な変動ですとか、中国をはじめとした世界経済の不透明さ、そういったことを考えると今後の歳入状況は決して楽観できるものでもないと考えています。一方、国内に目を向けますと、社会保障費はどんどんこれからも伸びていきますし、区内におきましてはこれから子ども・子育て支援新制度の施行もありますし、老朽化した施設の再整備、学校再編、また、中野区全体のまちづくりなど、これから歳入歳出構造が大きく変わっていく可能性もあるのかなと、そのように思っています。さらなる強固な財政基盤をつくっていくとともに、健全な財政運営を行っていく必要があると考えております。一方、収入ですよね。歳入確保に向けた取り組みもこれからますます重要となってくるのかなと考えております。そこで幾つか聞きたいと思っております。 まず、先ほどの収納率向上の件がありましたけれども、まず特別区税等の収納率の向上についてお聞きいたします。収納率の向上に向けて、これまでどのような取り組みをしてきたのかお伺いします。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成24年10月に区債権の収納率向上対策を改正しまして、平成26年度までの中期的な目標を掲げ、特別区民税等の主要3債権を中心とした収納率向上に取り組んでまいりました。 ○内川委員 今御担当からお話がありましたのは、24年から26年度までの取り組みということでした。特別区民税における平成26年度までの取り組みの結果については、担当はどのようにお考えでしょうか。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 収納率上位の区を視察しまして、それを参考にしまして督促状や催告書の送付後に納付確認を促す後追いはがきを送付するなど催告の工夫を図ったほか、給与照会や給与差し押さえを中心とした滞納処分の強化を行ってまいりました。また、全庁職員を挙げて実施した臨戸徴収など、区が一体となって収納率向上対策に取り組んでまいりました。その結果でございますが、収納率向上対策で掲げました平成26年度目標を上回る、現年度分収納率97.6%、滞納繰越分収納率30.8%を達成いたしました。 ○内川委員 今御担当のほうから収納率は向上したんだと、そういった御説明がありましたけれども、当初区として目標に掲げたのは23区中10位の収納率を目指すということでしたよね。ただ、結果22位。下から2番目になりましたけれども、目標に届いていない。その原因は何ですか。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 特別区民税収納率は、景気回復基調を反映しましてこの3カ年で23区の平均収納率は3.1%上昇しておりますが、中野区の収納率は3.8%上昇しておりまして、平均を上回る伸びを見せました。しかしながら、区民税全体の調定額に占める滞納繰越分の割合が高く、これが全体の収納率を押し下げる要因となっているため、23区における総合順位では22位にとどまったというものでございます。 ○内川委員 やっぱりほかの区も底上げすることは想定されておりますよね。そういったことも想定済みで最初23区中10位という数字をお出しになったのかと思いますけれども、結果22位。引き続き取り組みの強化をしていただきたいなと思っております。 それから、平成29年度より原則全ての事業主に従業員の給与所得にかかわる個人住民税を特別徴収で納入してもらうとのことです。これは収納率の向上にはつながると考えますが、まだ2年ほどありますけれども、それまでの間、区としても今後新たな収納率の向上に向けた取り組みをしていくことが必要だと思いますけども、いかがですか。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 中野区ではオール東京の取り組みのほか、給与差し押さえをした際に特別徴収の勧奨を行ってございます。平成27年度当初の調定では、普通徴収が約8億円減りまして、特別徴収が約9億円増加してございます。景気の回復に加えてこれらの取り組みが一定の効果を上げたと考えてございます。 ○内川委員 次に、新たな歳入に取り組むところで、不納欠損額についてちょっとお聞きしたいと思っております。まず、不納欠損額について、簡単で結構ですので説明をお願いいたします。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 不納欠損とは、地方税につきましては、地方税法の規定によりまして5年間経過の時効消滅、執行停止後3年間経過の時効消滅のほか、地方税を徴収することができないことが明らかな場合の即時消滅によりまして徴収できなくなったものについて、会計上調定額から消滅させる処理をいうものでございます。 ○内川委員 今御説明があったとおり、未収額を放っておくとこの不納欠損額まで進んでしまうと。性質によっても違いますけれども、大体5年ぐらいで時効になってしまう。もう取れない。そういうことであります。この不納欠損額のうち特別区税は、24年度から25年度では11.5%減っていたのに対して、今度25年度から26年度では逆に27.2%も上がってしまっているんです。この要因は何ですか。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 滞納案件につきましては、詳細な概算調査を行いまして担税力に応じた差し押さえを実施し、滞納処分を徹底してまいりました。この結果、平成26年度の滞納繰越分の徴収額は、平成になって以降最高額の約8億9,500万円でございました。一方で、預金や不動産等の財産調査を行っても処分可能な財産がないとき、滞納者が生活保護を受けたとき、滞納者が死亡し、相続人全員が相続放棄したとき、滞納者が破産手続開始決定を受け、当該滞納税の納付が困難なときなどにつきましては、滞納処分の執行停止というものを行ってございます。こうした取り組みによりまして不納欠損額がふえたものでございます。 ○内川委員 先ほども言いましたけれども、収入未済額、これを不納欠損にしないために、現在区ではどのような対策をとっていて、また、今後の対応ですが、どのような新しい取り組みを行っていくのかお聞かせください。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 昨年度効果を上げました後追いはがきや給与照会・給与差し押さえを中心にした滞納処分の強化、電話催告や訪問送達の委託によりまして滞納案件に早期に着手し、現年度分の滞納繰り越しをできる限り抑制してまいります。また、滞納繰越分につきましても、さらに適正に滞納整理を進めることによりまして圧縮しまして、滞納に対して早期に滞納処分に着手できる体制を整えてまいりたいと思います。 ○内川委員 ぜひとも新たな取り組みを行っていただきたいと、そのように思っております。ありがとうございました。 次に、やはり歳入確保に向けた取り組みについて、事業系のごみについてお聞きしたいと思います。事業系のごみの処理手数料ですけれども、平成24年度にはごみ処理券による歳入は1億2,000万円あったそうです。しかしながら、当初想定された事業系ごみの処理手数料は4億円とのことで、実に2億8,000万も差があったわけですね。2億8,000万取れなかったということになります。現在、26年度の状況についてはいかがでしょうか、お聞きします。 ○滝瀬環境部清掃事務所長 26年度に区が収集いたしました年間のごみ量、これが約5万8,700トンでございます。このうちほぼ3割に当たります約1万7,000トンが事業系のごみであると推計してございます。また、そのうち実際にごみ処理券が添付されまして適切に排出されているというものにつきましては、全体の約2割程度と推計してございます。また、これをさらに26年度歳入ベースの具体的な金額で申し上げますと、本来想定されます事業系の収入額、こちらが約6億3,600万円、うち有料ごみ処理券によります実際の区の収入額は約1億3,800万円でございます。したがいまして、ごみ処理券未添付によります区歳入への影響額といたしましては、約4,980万円と試算しているところでございます。 ○内川委員 今4,900とおっしゃいましたか。単位が違います。4億。 ○滝瀬環境部清掃事務所長 失礼いたしました。4億9,800万円でございます。 ○内川委員 危うくごまかされるところでしたけれども、4億って本当に大きな数字だと思っています。現在どんな対策をとっていますか。 ○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 現在の対策として、まずは清掃事務所の職員が事業者に対し、区の収集を利用する場合には有料ごみ処理券を添付するよう、また、正しく分別して排出するよう適正排出に向けた指導を日々行っております。さらに、今月9日から来月8日までの1カ月間、事業系ごみのルール徹底キャンペーンとして区内全事業者へ啓発チラシの配布や、個別に事業者を訪問し、ルールの説明や有料ごみ処理券を張っていただくようPRするなど、改めて事業者へ周知啓発の取り組みを実施しているところです。 ○内川委員 御担当としても何か、そうすると新たなキャンペーンを今やっているのかな、これからやるのかな、聞いておりますし、何せ4億円以上という大きな額ですので、しっかり取り組んでもらいたいなと思っています。今後新たな制度ですとか、そういったものの導入も予定されていると聞いておりますけれども。それと、やっぱり数値目標を出してほしいんですよね。それの御説明をお願いいたします。 ○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) まず、今後の新たな対応としましては、区の収集を利用する事業者に廃棄物の処理状況について届け出を義務化する、届け出制度の導入に向けて取り組んでいるところでございます。これにより区の収集を利用する事業者の廃棄物処理状況を的確に把握することで、事業者への効果的な排出指導につなげていきたいと考えております。また、有料ごみ処理券の未添付に対する罰則の導入についても検討しております。有料ごみ処理券を張っていただくよう区が丁寧に指導を行っても、これに従わない悪質な事業者については過料を適用する。さらに、場合によっては氏名公表も行うなどルールの徹底に向け取り組んでいく考えです。 次に、数値目標についてお答えいたします。現状では、事業者から排出されたごみのうち、有料ごみ処理券が適正に添付されておりますのは約2割程度にとどまると推計しております。今後届け出制度を導入し新たな取り組みを進めていくことで、最終的には当然100%を目指しますが、当面の目標としてはできるだけ早い時期に5割以上の添付率を達成できるよう取り組みを進めることとしております。また、年度単位の目標も別途計画的に定めながら、添付率の向上に取り組んでいきたいと考えております。 ○内川委員 近いうちに5割を目指すと。いずれは100%を目指すということで、いつその結果が出るかわかりませんけれども、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。 それでは、3番の子育て支援についてお伺いいたします。後ほど我が会派の高橋ちあき議員からも詳しくお聞きすると思いますけれども、まず私のほうから質問させていただきます。 中野区の就学前の子どもの数は、平成20年以降一貫してふえています。2,000人近く増加していると聞いております。それに対しまして、認可保育所に限らず認証保育所や子ども・子育て支援新制度における認可小規模保育事業所など多様な保育施設の増設によって、過去10年間で1,600人を超える保育定員を増加させたという事実に関しましては大変評価いたします。さらに、今年度より子ども・子育て支援新制度が始まって、中野区の子育て環境を一層充実したものにするためさまざまな子育て支援制度の充実を図っていかなければいけないと私も思っております。 まず、区内の私立幼稚園の中で子ども・子育て支援新制度に移行している幼稚園はあるんでしょうか。また、今後の見通しについてもお聞かせください。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) この4月に区内の私立幼稚園で子ども・子育て支援新制度に移行した幼稚園はございませんでした。今後につきましては、来年4月をめどに1園が新制度に基づく幼稚園に移行する予定で準備を進めているところでございます。 ○内川委員 大変少ない状況で、制度に何らかの、受け入れ側の問題もあるのかなと。他の自治体の状況はいかがですか。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 他自治体の様子といたしましては、この4月に幼稚園のまま、もしくは、認定こども園となって移行したものを合わせますと、都内私立幼稚園の14%が新制度に移行したというふうに把握してございます。 ○内川委員 都内でも14%と。微妙な数字でありますけれども、ちなみに中野区で来年度移行する園というのはどちらですか。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 上ノ原幼稚園が移行する予定で準備を進めております。 ○内川委員 上ノ原が来年から移行するということですね。中野区でも他の自治体同様、私立幼稚園は新制度に移行する園が少ないということですね。移行しない理由はさまざまあると思いますけれども、新制度への移行に関係なく幼稚園に通う子どもたちが充実した園生活を送れるようにすることが大切だと、そのように思っております。 また、今年度から私立幼稚園の入園補助金が、3万円から1.5倍の4万5,000円に増額していただいたことは大変評価します。しかしながら、区内の私立幼稚園の入園料は平均9万円――約倍ですよね――であります。近隣区の補助金と比べてどういった状況でしょうか。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 私立幼稚園の入園料補助に関しましては、負担の公平化の観点から、私立保育園の運営における区の補助と同等の補助となるように補助金額を見直したものでございます。それで、入園料補助の金額につきましては、近隣区では3万円から8万円の間ということになってございまして、中程度といったような状況かというふうに捉えてございます。 ○内川委員 中程度。中野区の大きな施策の一つとして、ファミリー世帯を多く区に呼び込みたいのかなと。そうなると、区としては、考えていると思いますけれども、今のような補助制度だといまひとつ迫力に欠けるのかなと。さらなるファミリー世帯を中野区に呼び込めるような環境整備をしていただきたいなと思っております。 次に、中野区内の私立幼稚園では、全園で幼稚園の教育時間の前後で預かり保育を行っています。その中においても預かり保育のニーズは高まっていて、早朝や長期の休業中など預かり保育サービスが求められているようです。そこで、私立幼稚園が充実した預かり保育を行うための中野区の預かり保育推進補助金は、他区と比べどのような状況でしょうか。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 預かり保育推進補助金につきましては、各区で制度がかなり異なってございまして、単純比較がちょっと困難な状況でございます。区といたしましては、夏季休業中などに預かる時間の拡大ができるよう本年4月より補助の充実といったものを行ったところでございます。 ○内川委員 今共働きの家庭も非常に多いですから、ここら辺の環境整備もしっかりとお願いします。 保育施設についてお聞きします。子ども・子育て支援新制度によって、私立保育園にはどのような影響があったのでしょうか。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 子ども・子育て支援新制度における私立保育園でございますけれども、これまで以上に職員の処遇改善が図られたことですとか、あと、職員の配置を充実した場合に加算を行うなど、これまでより充実した保育園運営ができるような状態になってきているというふうに捉えてございます。 ○内川委員 また、子ども・子育て支援新制度においては、待機児童の解消のために中野区において認可小規模保育事業所も重要な施設となってきています。認可小規模保育事業所には園庭がないんですね。近隣の公園を園庭のかわりとして使っています。また、認可保育園においても園庭のない保育園がふえてきています。保育施設によっては、公園よりも、例えば近くの公立の小・中学校が近い場所にあるということもあります。例えば、そういった区立の小・中学校の校庭の一角をお借りして、園庭のない保育施設の代替園庭として利用することはできないでしょうか。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 現在保育施設では、運動会など大きな行事で学校施設を使用させていただいているということでございます。園庭のない保育園の学校施設の利用につきましては、個々の保育施設の状況に合わせ、幼児の安全管理などに十分配慮しながらその実現について学校等と調整を行っているところでございます。 ○内川委員 この項の最後の質問ですけれども、東京都のほうでは、子どもたちの遊び声や、例えば楽器の音ですとか子どもたちと一緒にいる保護者の声なんかも、騒音規制条例から除外するということが行われたようです。しかしながら、実際その現場では近隣の方からクレームが来るとか、大変そういった苦情に園の人たちも頭を悩ませているということでありました。こういった苦情に対する区の対応はどのようになっているでしょうか。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 保育施設における子どもの声につきましては、各保育施設できめ細やかな、日ごろからの近隣住民の方とのコミュニケーションを図るといったようなことを進めてございまして、おおむね近隣の方からは御理解いただいているというふうに考えているところでございます。ただ、区に苦情が寄せられた場合等につきましては、保育施設とまず情報を共有いたしまして、保育活動に御理解いただけるよう保育施設とともに区としても協力を求めていくといったようなところでございます。 ○内川委員 私も近くの保育園の園長さんから、公園で子どもを遊ばせていたら、近隣の方から保育園の子どもたちが公園の遊具を独占していると。また、ジャブジャブ池を独占していると。こんなクレームがあって、区のほうとしても一応対応をとらなきゃいけないので、区のほうからそういった指導が入ったということも聞いております。これからも、子どもたちのことですから、そういった環境整備をきっちりとやっていただきたいと思います。 それでは、次、4番の中野駅周辺のまちづくりについてお伺いいたします。ここでは(1)の西側南北通路、そして、(2)の橋上駅舎を含めてお聞きしていきたいと思っています。 この件は私も一般質問で取り上げさせていただきました。これらの整備は中野駅地区北側のにぎわいを南側へも波及させるために、本当に必要不可欠なものと私は考えています。区とJRは、昨年の9月にこの基本設計の実施に関する協定書を締結しました。ところが、この8月26日の区内駅周辺等まちづくり調査特別委員会に設計工程延伸の報告があったばかりであります。そこで幾つかお聞きします。延伸の理由としては、JRによりますと、前例のない道路一体建物による自由通路整備のため建築確認など条件整備に想定を超える時間を要したとのことですけれども、昨年の9月に協定を結んだんですから1年近くたっているわけですね。こういったことがいつの時点でわかって、いつの時点で区のほうに報告があったのかお答えください。 ○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 条件整備に時間を要する状況の中で、当初の期間では厳しいということがわかってきたというものでございまして、実際に延伸の必要性が確定的になったのは7月上旬ごろのことでございます。 ○内川委員 あまりにも突然委員会に報告されると、JRと区との連絡調整は一体どうなっているのか心配になってしまいますが、これはいかがですか。 ○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 現在、定期的な調整会議に加えまして、不定期な打ち合わせ、これも頻繁に行っておりまして、適正な進行管理を行っているところでございます。 ○内川委員 相手がJRですから、区とは大分組織も違って詰めづらいのかなと思いますけれども、そこのところ、イニシアチブをきちんととって進めていただければなと思っています。この設計工程延伸が、来年の3月末ですから今年度末まで延びたということですね。あと約半年ありますけれども、大事をとってあと半年間とったのかなと思っておりますけれども、今後それが工期に与える影響は一体どのようなものがあるんでしょうか、お答えください。 ○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 今後のスケジュールにつきましては、切れ目なく、また、圧縮するように努めてまいりたいと思っております。具体的には、基本設計後の実施設計に早期に着手、それから、実施設計期間自体の短縮、できるところから前倒しでの工事着手など、早期着工の努力をすることで今回のおくれを少しでも取り戻し、目指す開設時期に影響が及ばないように工程管理をしっかり行っていきたいと考えてございます。 ○内川委員 この基本設計関連経費で1億7,000万出しているんですよね。3月末であれば年度内ということで影響はないんでしょうけれども、追加の予算措置とか、そういったことは本当にないんですか。 ○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 基本設計に着手する前の与条件の整理、これについて想定以上の時間がかかったということが今回の延伸の大きな理由となっております。今回設計内容ということには変更はございませんので、調整協議の結果、金額は変更なしということで、延伸だけの変更をしてございます。 ○内川委員 これ、ただでさえもう5年ぐらいおくれているプロジェクトなんですよね。本来であれば2015年あたりにもう完成していたはずなんですけれども、またまたどんどん延びていってしまう。これ、3月末までの工程にしているとしても、3月を過ぎちゃった場合、年度をまたいじゃったらどうなるんですか。 ○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 先ほども申したことでございますが、さらに密に調整の場を設けさせていただいて工程管理を徹底するなどし、今年度中には基本設計を確実に完了させるように最大限の努力をしてまいりたいと考えてございます。 ○内川委員 それでは、この項の最後に区長にお聞きしたいんですけれども、区長としてもやっぱり2020年までには何としてもこれ、完成させたいと、そのように思っていらっしゃると思います。区長のそこら辺の意気込みをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。 ○田中区長 中野駅西側南北通路と橋上駅舎の整備、これは中野駅周辺地区全体の構想でありますグランドデザインVer.3を策定する中で、まちづくりの展開として段階的に整備をしていく中で、2020年までに完成させるということを想定してまいりました。この件につきましては、今後の中野駅周辺地区の開発や再整備にとって本当に不可欠、大変重要な案件であるというふうに考えているところでありまして、最優先の課題として取り組んでいるところでもあります。実際の工事工程につきましては、今後設計作業が進むことによって明らかになっていくと思っておりますが、2020年までの開設、南北通路の完成というのを目指してJRに対して強く申し入れをしていきたいと思っております。 ○内川委員 ありがとうございました。本当に中野駅南側の人たちにとっては大きな課題でありますので、よろしくお願いいたします。 それでは、続いて5番目の質問に移らせていただきます。公衆浴場への支援についてお聞きいたします。公衆浴場は、公衆衛生の向上や高齢者の外出を促して、健康促進への寄与、そして、町会や自治会、高齢者センターなどと並ぶ地域コミュニティの中核機能もあわせ持つ大切な場所だと考えています。そして、菖蒲湯ですとか柚子湯など、日本の伝統文化としての継承などの存在意義は大変大きいと思っております。しかしながら、昨今利用者の減少など、その経営は大変厳しいものになっていると聞いております。10年前には40件ほどもあった浴場も、現在では半減してしまったとのことです。浴場は、毎日利用することはないにしても、地域から公衆浴場がなくなると遠方まで行かなくてはならず、特に足腰の悪い方は浴場に行く機会をなくしてしまいます。浴場の存在意義を考えると、どうしても手厚い保護策をとっていく必要があるのではないでしょうか。特別開放やいきいき定期開放など、はつらつ事業を区も支援していますけれども、支援額は平成16年度以降、昨年度の消費税対応で変更した以外では、平成19年度に微調整があっただけで実質的には変わっていないです。また、特別湯の自己負担額が低いこともあって、一般客にとっては混雑する日があるなど使い勝手も悪いようです。一般客の迷惑にならないよう浴場開放を継続するため、支援の強化と開放実施方法もこの際見直していくべきと考えますけれども、区のお考えをお聞かせください。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 公衆浴場の特別開放等の支援についてお答えいたします。はつらつ・いきいき特別開放等につきましては、その日入浴者数がふえるということで通常より混雑するということについては認識しております。浴場開放の継続を支援するために、支援額の算定方法ですとか実施日などについて見直しを検討していきたいというふうに考えております。 ○内川委員 毎年毎年本当に件数が減ってきまして、本当に差し迫った問題だなと思っています。もし公衆浴場が中野区から1件もなくなってしまったら、区としてはどういった対応をとるんでしょうか。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 1件もなくなるということはちょっと想定しておりませんけれども、1件もなくならないように制度ももう既に整備されておりますので、何らかの方法で一定数の確保を検討していきたいというふうに考えております。 ○内川委員 多分あまり現場の生の声を御担当も聞いていないのかなと思うんですけれども、区としても、例えば公衆浴場の設備資金への費用助成や燃料費等の支援を行ってくれてはいますけれども、設備はやっぱりお金がかかるんですね、公衆浴場というのは。必要な改修があってもそういった制度が毎年は使えないなど、使い勝手が悪いという声もあります。さらに、額も十分ではないです。公衆浴場の事業の継続を支援するためにはやはり力不足だなと、そのように考えています。さらなる助成をすべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 公衆浴場に対する支援といたしましては、設備資金、改修助成のほか、活性化支援ですとか燃料費助成など必要な支援を行っているところではございますが、設備資金、改修助成について毎年使えないということの問題等、改善の余地があるというふうには認識しております。今後さらに使い勝手のよい支援となるよう検討していきたいというふうに考えております。 ○内川委員 今、毎年使えないという部分で、やっぱり区としてももう少し検討するとおっしゃいましたよね。ちょっとその具体的な検討内容を教えてください。 ○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) まだ検討中ではありますけれども、現在の連続して毎年は使えないということについて、設備が壊れた等で緊急的に必要なものについて、使えるようなことは考えられないかということも含めて検討していきたいと考えております。 ○内川委員 そういった緊急の場合のことも含めて来年度予算に反映させていければいいのかなと思っています。ありがとうございました。 それでは、6番、その他のところで、中野二丁目の再開発事業についてお聞きしたいと思っております。先ほどの西側駅舎南北通路につながってくる問題でありますけれども、こちらも一般質問で取り上げさせていただきました。二丁目の再開発を進めていくためには、今の公社住宅の速やかな建てかえが欠かせないです。現在この公社住宅の整備計画はどのようになっているのかお聞かせください。 ○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 中野二丁目再開発関係についてお答えいたします。中野二丁目は、土地区画整理事業と市街地再開発事業の一体的施行として、組合施行により事業を進めることとしており、既に平成27年3月に都市計画決定され、それぞれの事業について既に準備組合が設立されております。土地区画整理事業について平成27年度末までに土地区画整理組合設立の認可を得て事業化する予定でございまして、事業化後、東京都住宅供給公社の建てかえ工事に着手して、棟数1棟、戸数188戸で平成30年度竣工予定でございます。 ○内川委員 平成30年度竣工予定ということですけれども、あそこは計画道路もまず整備していかないと公社住宅の建てかえもできないですよね。区としてはあの中野二丁目全体の再開発事業、目標年次をたしか示されていたと思いますけれども、その見込みについてお聞きしたいと思います。 ○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 市街地再開発事業は、平成28年度に市街地再開発組合設立の認可を受けて事業化する予定となってございます。事業化後、東京都住宅供給公社の建てかえ完了後に今度は再開発ビルの建設に着手する予定で、事業としては平成33年度の完成を予定してございます。 ○内川委員 これは先ほどの区とJRとの関係と似ていますけれども、公社住宅から区のほうに逐一情報がおりてきているんでしょうか。 ○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 公社住宅の建てかえは、土地区画整理事業と市街地再開発事業の一体的施行による事業の一環でございまして、準備組合とともに情報共有及び調整を進めてございます。 ○内川委員 御担当も都から来られているということで、そこら辺の内部事情をよく御存じだと思うんですけれども、公社住宅に今住んでいる方々も情報がなくて不安を持っています。しかも、皆さん高齢になっていますから、どういった建物でどういった間取りで、家賃がどのぐらい上がるのかなと本当に不安を持っているんですね。そこら辺の27年度の事業実施、今年度の具体的な事業説明会のようなものの日程はどのようになっているんでしょうか。 ○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 現在、東京都住宅供給公社において整備計画の検討を進めておりまして、年度内をめどに公社住宅に居住している皆さんに説明会を行う予定と聞いてございます。 ○内川委員 行う予定。年度内ですから、あと半年。まあ、なるべく早く実施してもらいたいですし、ぜひとも区の御担当も同席してほしいと、そのように思っています。何といっても公社住宅の方は、区民であることは間違いないので、区としても相談ですとか支援、しっかりと取り組んでもらいたいと思っていますけれども、御担当の所見をお聞きします。 ○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 公社住宅の建てかえ事業は、東京都住宅供給公社の事業でございますので、同公社が居住者への対応を行うこととなってございますが、しかしながら、土地区画整理事業と市街地再開発事業の一体的施行による事業の区域内の区民の方からの相談等については、準備組合とも連携して適切に対応していきたいと考えております。したがって、公社住宅の居住者の方からの相談等についても適切に対応していきたいと考えております。 ○内川委員 ぜひお願いいたします。先ほどの188戸というのは、今現在住まわれている全員の方の分よりも多い数になるのかな。 ○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 細かい数字は今持っていないんですけど、現在居住されている方の世帯数よりも188戸は多い数でございます。 ○内川委員 わかりました。ありがとうございました。 それでは、最後に、2番でやる予定の見守り・支えあい活動の支援についてお聞きします。これに関しましても後ほど伊東しんじ議員から詳しい質問があると思います。見守り・支えあい活動の支援については、主に町会・自治会への支援についてお聞きいたします。 名実ともに中野区の先進的施策である地域での見守り・支えあい活動に関しましては、その町会・自治会さんたちの存在なしには実行できない事業なのかなと考えております。また、区の言うところの小さな区役所、職員2,000人体制を進める際にも区民活動センターの業務の一部を地域にお願いしたり、また、町会・自治会は中野区の自治を律するための重要な団体であると私は考えています。また、区役所、警察などは地域に大きな組織と機能を持つ町会・自治会を頼りとして、掲示板へのポスター掲示、回覧など、さまざまなお願いを町会連合会の事務局を通して依頼しております。年々増加するこれらの作業に対応するためにも、基本ボランティアを中心とした今の町会連合会ではもう限界に近い状況だということを聞いております。そこでまず、こういった状況を区はどのように捉えているのでしょうか、お聞きします。 ○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 町会連合会におかれましては、連合会に加盟する区内107の町会・自治会に係るさまざまな連絡調整、また、事業を行っていらっしゃるほか、区の関係する各種会議、検討会にも御参画いただくなど、その活動については多岐にわたってございます。さらには今年度、町会・自治会地域活性化委員会など二つの委員会を新たに立ち上げるなど、積極的に取り組まれておりまして、会長をはじめ役員の皆様方、また、取りまとめの実務を行う事務局の負担もふえているものと捉えてございます ○内川委員 何か負担があるものと捉えておりますと、まるで他人事のように聞こえてしまうんですけれども、ここにいらっしゃる議員の中にも町会の役員、中には町会長をやられている方も多いと思います。本当になり手が今いないんですよね、町会組織って。その中でも皆さん仕事をやりながらそういった町会の仕事も兼任している、本当に大変な状況であります。実は他区では、町会連合会の事務局を区の職員さんが務めているところもあると聞いています。町会連合会の機能の維持・強化をするためにこういった、例えば人件費などの分も含めてできる限りの支援をすべきと私は考えますけれども、お考えをお聞かせください。 ○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 町会連合会の機能強化に必要な環境の整備につきましては、区も積極的に取り組み、進めてまいりたいと考えてございます。町会連合会のお声をお聞きしながら、必要な措置について検討してまいりたい、そのように考えてございます。 ○内川委員 本当にさまざまな部分で地域に、町会・自治会に委託している事業がいっぱいあると思うんですね。それがどのくらい中野区の財政に影響を及ぼしているのか。まあ、今すぐ答えられないのかなと思いますけれども、区の職員がそれをやったとして換算すると、大体幾らぐらいの仕事量だと思いますか。 ○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 町会の方々の公益的な活動の部分、それを金額に置きかえるということについては試算は行っておりませんが、かなりの労力、時間を割いていただいてお役目、お仕事をしていただいているというふうに考えてございます。 ○内川委員 区の目指している2,000人体制は、たしか予定よりも早目に実行できたということで、今地域の仕事は区の職員数にすると大体何人分ぐらいになっていると思いますか。 ○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 具体的な人数につきましては今すぐに述べることが難しいところでございますけれども、社会の課題が少子高齢化とともに多様化する中、必要とされる地域での取り組みというのは増大しております。ですので、区の職員が過去担っていたときよりも全体量としても人的な部分というのはふえてきているところかと思います。数字につきましては難しいところでございますが、担っていただいている部分につきましては大きいものと思います。 ○内川委員 一度そこら辺のこともきちんと、どれだけの労力を地域に落としているのか換算しておくのも必要なのかなと思っています。 この項の最後に、現在区役所には5階に町会連合会の方々も使える地域団体活動室が設置されておりますけれども、それの使い勝手をよくするとともに、現在検討中の新区役所の中にもこういった機能を持つスペースを確保すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。 ○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 活動場所の確保につきましては、区としても重要性を認識しているところでございます。現在、町会連合会の活動場所として御活用いただいている地域団体活動室、こちらについても手狭であるというお声を受け、今月の末にスペースの拡大を行う予定でございます。新区役所におきましても活動しやすさに配慮しながら、必要なスペースの確保につきまして検討を進めてまいりたい、そのように考えてございます。 ○内川委員 本当に町会・自治会、地域の方々は無償で区のために汗をかいていただいております。しっかりとこれからも支援していただきたいと思っております。 以上で私の全ての質問を終了します。ありがとうございました。 ○若林委員長 以上で内川和久委員の質疑を終了します。 次に、小林ぜんいち委員、質疑をどうぞ。 ○小林(ぜ)委員 おはようございます。平成27年度第3回定例会、決算特別委員会におきまして公明党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。質疑は通告のとおりでありますけれども、その他で2問予定しておりますので、よろしくお願いいたします。 最初に、平成26年度決算についてお伺いいたします。平成26年度の財政白書をもとに中野の財政について何点か質疑をさせていただきます。 初めに、歳入歳出などについてお伺いいたします。中野区の財政白書の2ページには、平成26年度決算の概要が記してあります。この中の表1で、普通会計の財政指標等が記してありますが、これは中野区の財政状況の把握で、財政全体の分析に用いる表となっていると考えます。まずこの財政指標ですけれども、単純に見ていくと、歳入総額は、平成26年度は1,323億7,712万円余、平成25年度からは14.7%増額の169億9,360万円の増と。歳出総額は、平成26年度は1,274億2,957万円余、平成25年度からは13.3%の増額となっています。また、経常収支比率や実質公債費比率などの財政指標も改善されており、地方債残高は増加していますが、それ以上に積立基金残高が増加しており、財政の健全性が進んでいるとも読み取れます。そこで、平成26年度決算をどのように総括して、どのように評価しているんでしょうか、お聞きいたします。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) 平成26年度の決算につきましては、国の経済政策による景気の回復の影響を受けまして、特別区税及び特別区交付金、これらの一般財源が大幅にふえた。また、一般財源の伸びを反映しまして経常収支比率は前年度比5.9ポイント減の85.1%、実質公債費比率につきましても0.8ポイント減の5%となるなど、財政指標も改善されてございまして、財政の健全化が進んだ決算であったというふうに評価をしているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 次に、平成25年度決算の財政白書によると、普通会計による分析として、平成25年度においても財政調整基金の取り崩しなどを行っており、厳しい財政状況が続いていますと分析していました。平成26年度は、数字から読み取る限り、歳入総額については25年度決算から高くなっています。しかし、平成26年度の普通会計による分析においては、26年度の概要へのコメントが記載されていません。どのように分析を行っているのでしょうか、お伺いいたします。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) 地方公共団体の財政の健全化に関する法律、これに基づく指標につきましてもいずれも健全性を確保していること、また、平成26年度につきましては、結果として財政調整基金の取り崩しを行うことなく事業遂行をすることができたこと、こういうことからより健全性は高まったというふうに認識してございます。一方で、特別区税や特別区交付金につきましては景気の影響を受けやすく、また、不合理な税制改正による法人住民税の一部国税化など、今後の歳入状況は楽観できるものではない、そのようにも考えているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 次に、歳入の主要財源であります特別区税と特別区交付金について幾つかお伺いいたします。 まず特別区税について、前年度比17億9,000万円、率にして5.9%の増になっていますが、この要因についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 特別区税の増加要因は、特別区たばこ税が約1億円減少したものの、特別区民税が約19億円増加したことによります。特別区民税の増加要因でございますが、景気の回復基調を受けまして区民の平均課税額、納税義務者数、土地や株式などの譲渡分離所得の増などによりまして、現年課税分の調定額が16億円余増加したことが挙げられます。また、催告書の送付後に確認を促す後追いはがきの送付、給与照会・給与差し押さえを中心とした滞納処分の強化を図ったほか、全庁職員を挙げて実施した臨戸徴収など、区が一体となって収納率向上に取り組んだことによりまして、特別区民税の収入率が向上したという2点でございます。 ○小林(ぜ)委員 さまざまな努力をされて徴収率が向上したことは大変評価されます。本当に寒い日もあれば暑い日もある。そして、いろんな中でしていただいたというふうに思います。しかしながら、23区平均と比較しますと、差は縮まったとは言えずに、まだ下回っている状況にあります。そこで、まずその23区平均まで、または、23区平均を上回る努力が必要だと思います。そこで、下回っている要因と今後どのような取り組みをしていくのか、また、どのような効果をどの程度見込んでいるのかお伺いいたします。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 現在、東京都及び都内62区市町村では、平成29年度からの個人住民税の特別徴収の徹底に向けた取り組みを推進しておりまして、中野区でも給与差し押さえを行った際に特別徴収への切りかえ勧奨を行ってございます。平成27年度当初の調定では、普通徴収が約8億円減りまして、特別徴収が約9億円増加いたしました。景気の回復に加えまして、こうした取り組みが一定の効果を上げたと考えてございます。今年度は、昨年度効果を上げました収納率向上対策を引き続き実施することに加えまして、本年7月から開始いたしました現年度分の住民税滞納者への早期対応と自主納付の呼びかけを行うため、電話及び戸別訪問による納付勧奨業務委託を開始いたしました。こうした取り組みをあわせまして、今年度は23区中15位以内を目指してまいりたいと思います。 ○小林(ぜ)委員 収納率からすると何%になるかですけれども、高い収納率を目指していただきたいというふうに思います。 次に、特別区交付金についてお伺いします。財政白書8ページ、図8、調整三税等と特別区交付金の推移で、平成22年度以降は特別区交付金が増加し、平成26年度は前年度比27億円増の360億円になっています。そこで、この特別区交付金が前年度比27億増となった要因についてどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 特別区交付金の伸びの要因ということでございますが、特別区交付金は、都が徴収しております調整三税をもとに都・区の配分割合に基づき交付されているところでございます。調整三税の影響は特別区交付金にも出ているところでございます。平成25年度から26年度につきましては、調整三税は、固定資産税が2.5%の増、市町村民税法人分は17.4%の増、特別土地保有税は25年度と同規模で、調整三税としましては7.4%の伸びをしております。また、特別区交付金総額としましては7.7%の増となっております。全体の交付額の影響が、中野区の特別交付金の増額にもつながっているというふうに考えております。 ○小林(ぜ)委員 経済成長を反映した法人住民税などの伸びは今後も期待したいところですけども、どのように認識しているのでしょうか、お伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 法人住民税の伸びの認識ということでございますが、法人住民税の伸びは平成27年度におきましても、東京都は7月末の段階で収入ベースで13%余りの伸びを示しております。経済政策の影響などにより景気の改善への影響が出ているというふうに考えております。しかしながら、法人住民税の一部の国税化が税制改正の影響で今後あらわれるというふうに思いますので、東京都においても平成27年度最終の予算額ベースでは、前年度比、減少を見込んでいるところでございます。また、8月以降の景気の下押し傾向も現在ございますので、引き続き注意は必要だというふうに考えております。 ○小林(ぜ)委員 法人住民税は、先ほどもありましたけれども、国のほうの一部国税化の動きについては地方自治の本旨に反するというふうに考えています。私も非常に問題があるのではないかというふうに思っております。区としてはそのことについてどのように認識しているでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 法人住民税の一部国税化につきましては、地方財政の衰退を都市と地方の財政力格差とし、平成26年度の税制改正におきまして自治体間の財源調整の手段として地方税である法人住民税の一部を国税化し、その全額を地方交付税の原資とする見直しを国はしてございます。国は消費税10%への変更段階におきまして、さらに税源の偏在を是正する方策を講じるとしているところでございます。この影響につきましては、特別区にとっては1,000億円にも上ります減額が予想されておりまして、深刻な課題として受けとめております。このことは地方税の根本原則をゆがめ、地方分権、地方自治の趣旨から大きく外れるものと考えておりまして、特別区各区議会、東京都が一丸となって税制改正に反論していかなくてはならないというふうに考えております。 ○小林(ぜ)委員 大きな減になってくるわけで、本当にこれは課題があるのかなというふうに思います。 次は、財政白書8ページ、図9におきまして、一般財源の推移では特別区交付金と同様に相関関係があると読み取れます。景気の動向によって当然のことながら一般財源も増減の関係があると思います。この一般財源の推移から安定的な財政運営を行っていくために何が重要であると認識しているのでしょうか、お伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 安定的な財政運営の認識でございますが、一般財源が減少した際にも財政調整基金を繰り入れることによりまして、生活保護や介護給付などの社会保障に係るサービスや新たな行政ニーズについて着実に対応できたというふうに考えております。今後も基準となる一般財源規模を財務比率の根幹としまして、計画的に財政運営を行っていくことが肝要というふうに考えております。 ○小林(ぜ)委員 消費税のこともありますので、消費税の増税分については社会保障費に充てることになっていたはずだと思います。その充当先についてはどのようになっているのかお伺いいたします。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) 地方消費税交付金のうち引き上げ分地方消費税収につきましては、事務費等を除いた医療、介護、子ども・子育て等の社会保障施策に要する経費に充てるものとされてございます。区が消費税増税分として社会保障費に充当すべき額、こちらにつきましては主要施策の成果の4ページにも記載してございますけれども、8億4,500万円余でございました。この金額つきましては、民間保育所等の運営助成事業、それから、国民健康保険事業などの一般財源に充当しているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 消費税増税分は平成26年度決算の中で社会保障費に十分に充当されていると言えるのか、また、消費税の今後の影響額と社会保障費に充てるべき大まかな見込みについてお伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 消費税増額分が社会保障経費に十分に充当されているかということでございますが、26年度の消費税増額分はおよそ8億円でございます。先ほども主要施策でお示ししたとおり、子ども施策等につきまして一般財源の追加分に重ねるというふうになっております。それと、社会保障費に充てるべき額の大まかな今後の見込みということでございますが、平成27年度は、地方消費税交付金は約61億円を見込んでおりまして、そのうち社会保障の財源とされる部分は30億円というふうに見込んでいます。また、平成29年度から消費税が10%に変更した場合でございますが、平成29年度につきましては半年分の影響というふうになりますので、社会保障費の財源に充てるものは約32億円というふうに考えております。なお、子ども・子育て新制度や国民健康保険、介護保険、生活保護費など社会保障関連に係る経費の一般財源は、地方消費税の社会保障に充てられるべき経費を上回っておりまして、また、サービスによっては国庫補助率が下がった事業が出てきているために、国の一般財源への充当は依然として生じてくるというふうに考えております。 ○小林(ぜ)委員 影響は大きいかと思います。 次に、実質収支、平成25年度は18億2,323万円余でありました。平成26年度は44億611万円余となっています。実質収支が増加した要因についてどのように分析しているのでしょうか、お伺いいたします。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) 普通会計決算におきます歳入総額から歳出総額を差し引きました形式収支でございますけれども、平成25年度は28億9,100万円余、平成26年度は49億4,700万円余と、約20億5,500万の増となってございます。これにつきましては、歳出総額が13.3%の増であったのに対しまして、歳入総額の増は14.7%と、歳入の増加率が歳出の増加率を上回ったためでございます。また、翌年度へ繰り越す財源につきましては、対前年度比で5億2,700万円余、49.3%の減となったことも実質収支が増加した要因であるというふうに分析してございます。歳入が増加した要因につきましては、国の経済成長による景気回復の影響を受けまして、特別区税、特別区交付金の一般財源が増となっているためというふうに考えてございます。 ○小林(ぜ)委員 実質収支による余剰金で44億円余りは、今定例会の補正予算の中でも財政調整基金に積み立てることとして計上されています。財政調整基金は景気等の変動に伴い、一般財源が著しく不足する場合などに財政調整基金を取り崩すということになっていたと思うんですけども、年度間の財源を調整することの目的として積み立てていると思います。そこで、年度間調整以外の用途に積み立てることはなぜ必要じゃないのかお伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 財政調整基金を年度間調整以外になぜしていないのかという御質問でございますが、まず財政調整基金につきましては、年度間調整の役割のほかに施設の老朽化などにつきましても積み立てを行っているところでございます。財政調整基金を基本的には年度間調整として積み立てていくということにしておりまして、他の特定目的基金については、剰余金につきましては今のところやってございません。 ○小林(ぜ)委員 財政調整基金については、年度間調整のほかに施設の老朽化対策の財源としても積み立てていると私は認識しているんですけれども、施設老朽化による基金の積み立てはどのくらいの額を想定しているんでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 財政調整基金の施設改修分の活用等が考えられる大規模改修等の経費につきましては、27年度当初予算においても区有施設の保全工事など約8億円相当の予算を計上しているところでございます。今後につきましても、もみじ山文化センターの大規模改修や区有施設の老朽化など多数の改修計画もあることから、現在の積立金を上回る積み立てが必要だというふうに考えております。 ○小林(ぜ)委員 財政白書5ページの図3の歳入決算の一般財源の推移や、図9、一般財源の推移を見ると、かつてのリーマンショックなどで特別区交付金や特別区民税が減少したときから、平成26年度決算あたりでやっと平成16年、20年あたりの数字に戻ったのかなという感想を持ちます。しかし、最近でも中国の経済の不安定さ、先行きの不透明感があると思います。財政白書20ページの表にある財政調整基金残高230億円について、今後どれくらい必要と考えているのでしょうか、お伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 先ほども委員も御指摘ございましたが、リーマンショック前の平成20年度、また、その後の21年度は、一般財源が単年度で38億円減少しているところでございます。極端に一般財源が減額したときの対応を考慮しますと、複数年度の年度間調整としても財政調整基金の残高は必要だというふうに考えております。施設改修分も含め、他の基金などのバランスも考慮しますと、230億円を上回る積み立てが必要だというふうに考えております。 ○小林(ぜ)委員 財政調整基金について、年度間調整をどれくらいに見積もっていくかを考えるときに、中野区では予算編成のときに基準となる一般財源、平成27年度予算では672億円と定めて、歳出をその範囲に合わせるということをしていました。歳入が多いときには超過額としてその基金を積み立てることはあるのでしょうか。その超過額について、財政調整基金を他の基金に積み立てることはあるのでしょうか、伺います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 予算編成時におけます一般財源の超過額につきましては、義務教育施設整備基金、まちづくり基金など、目的、計画に応じて積み立てるものを優先しまして、その上で財政調整基金の施設改修分などに必要に応じて積み立てを行っているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 今お聞きしました義務教育基金の積み立てですけども、それについてお伺いしたいと思います。区政運営の根幹として基準となる一般財源の考え方については、堅持しながらいかなければいけないと思いますし、また、着実な財政運営を行っていることも理解できます。 次に、目的基金の義務教育基金についてお伺いいたします。義務教育基金の平成26年度の決算額は幾らでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 義務教育施設整備基金でございますが、平成26年度は32億8,203万6,000円の積み立てを行っているところでございまして、最終的には140億8,857万7,000円の残高となっております。 ○小林(ぜ)委員 昨年度の決算議会でもお聞きしておりますけれども、昨年中野区立小・中学校施設再編計画が出され、区立小・中学校の施設整備スケジュールも発表されました。今年度は新山小学校の改修などがありますけれども、補正予算の提案にもあったとおり、三中や十中の基本構想、基本計画は併設施設の可能性も含めて検討時期を延ばすことになりました。そこで、新校舎に新たな施設を併設するということは、学校の編成による新校舎の建設とか大規模改修など、予定した経費に変更が生じるのではないかというふうに考えます。併設などを行う施設によって特定財源を充当できるものもあれば、一般財源で賄わなければならない状況もあるのではないかと私は考えます。先ほどお聞きしましたけど、140億円といった現在の義務教育基金で学校再編計画に伴う整備費を賄うことはできるのかな、ある意味不安、無理ではないのかなというふうにも考えます。また、この間の物価上昇による原材料の値上がりですとか設計労務単価の上昇、消費税10%の想定を行った場合、現在積み立てている義務教育基金で改修、改築、新築の建設経費をどのように計画していく考えなのかお伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 義務教育基金の積み立ての計画ということでございますが、学校の改築、大規模改修計画等に伴う整備費につきましては、物価上昇などの外的な要因も含め長期計画を立て、それに合わせた基金の積み立てを行い、対応を図っていきたいというふうに考えております。 ○小林(ぜ)委員 私は以前から未来を担う一番大切なお子さんたち、生徒さんたち、小学校・中学校の新築、改築などに起債をかけ、負担を後年に送るというのは、中野区の財政計画の上ではあまりいいことではないというふうに思っています。公債費負担率からいっても、財政白書14ページにもあるように25年度から8.2%の横ばいです。公債費は126億から120億に下がっていますけれども、21ページの特別区債残高は、平成26年度では320億から352億と増加しています。23区平均よりも大きな残高となっています。このようなことを考慮しても公債費に頼ることのない学校改修、新築計画を実現するためにも、今年度の決算のように実質収支がある程度まとまって出る際には、ぜひ義務教育基金に積み立てを行ってほしいと考えます。この点いかがでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 実質収支の義務教育施設整備基金への積み立てということでございますが、先ほども御紹介いたしましたが、義務教育施設整備基金は当初予算において一定確保するとともに、教育施設の用地の売却等があった場合は、その収入を財源として基金への積み立てを行っているところでございます。学校の新築・改修経費などの経費につきましては、状況を把握しながら、必要がある場合などは決算の状況を踏まえた上で剰余金の義務教育施設整備基金への積み立ても考えているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 この項の最後ですけれども、8月中旬以降、景気の下押し感はあるものの、財政白書の特別区民税の推移、調整三税の動向、平成25年度・26年度、じりじりと国の経済対策の好影響があらわれてきていると感じています。好景気だから予算額を膨らませればよいというものではないと思いますし、私が心配しているのは、学校の改築・改修、今後提案される新たな10か年計画の年次予定では、平成30年、31年、32年あたりに一番小・中学校の改修、大規模改修が集中する時期と見えます。こういった状況をどのような考え方で財政フレームをつくっていこうとしているのか、また、基準となる一般財源672億円については堅持できるのでしょうか、伺います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 基準となる一般財源は、経済動向による歳入規模だけでなく、さまざまな施策の制度改正等についても反映していくなど、外的要因を勘案することも必要であるというふうに考えております。672億円の基準は、消費税10%を考慮した子ども・子育て支援新制度の事業展開を考慮して設定したところでございまして、そのほか著しく状況が変わる要因がなければ変更することはないというふうに現在は考えております。今後、区においてはまちづくりや大規模改修・改築経費など、基金の積み立てや起債による計画的な対応が必要となる事項がめじろ押しであり、基準となる一般財源規模は、財務比率として今後も安定的な区政運営の維持を図るものとして維持していきたいというふうに考えております。 ○小林(ぜ)委員 健全な財政運営というのは大前提だと思うんですけれども、これから必ずしも、先ほども述べましたけれども、景気が安定していくとも限りませんし、そして、消費税10%になったときのこともさまざま考えますと、まだまだ工夫していかなければならない点もたくさんあるのではないかというふうに思っております。決算をもとに来年度についての動向などをよく見きわめて、新たな予算編成をお願いしたいと思います。 2番目に、学校・子育て・図書館行政についてお伺いいたします。 初めに、いじめ防止への取り組みと今後の対策についてお伺いいたします。 最初に、いじめの現状と取り組みについてお伺いします。今年上半期も全国の小・中学校で児童・生徒のいじめが原因の自殺者の報道がなされています。私の身近なところでもいじめが起きて、しかも、なかなかなくならない。私の知り合いでも、いじめを受けて本人がひきこもり、友人とも会えず深刻な、悲痛な状態になったお子さんもいらっしゃいます。また、御両親や兄弟、御家族もいじめにより心理的にも不安になり、進路にも先が見えず、いら立ちが大きく、本人だけでなく家族も悩み、家庭内にもさまざまな影響が出ています。非常に重大な事態だというふうに思っています。決してテレビですとか新聞報道の他人事とは思えません。今日いじめには、日々学校生活で嫌なことは、物を隠す、壊す、そういった嫌がらせによるものやネット上のものなども、さまざまな形であると思います。国では、中学生がいじめで自殺した問題で、いじめを教員が知っていたにもかかわらず、学校全体では解決に向けた手だてがとられなかったことを機に、いじめの防止対策推進法が2年前に施行されました。いじめの定義やいじめ防止に向けた国や自治体、そして、学校などの責任を明確にしました。学校には、保護者などと連携し、いじめ防止と早期発見、いじめ防止基本方針の策定、具体的に機能するよういじめ防止の組織設置を求め、いじめがあったときには教育委員会に報告することなどを義務付けました。また、重大な事態が起こった場合は、教育委員会が事実関係を明らかにすることとしています。 そこで、初めに、中野区のいじめの現状と取り組みについて何点かお伺いいたします。区は、小・中学校のいじめの現状について実態調査をするために毎年アンケートをとっています。各学校から教育委員会へのいじめの報告は直近でいつ行い、その件数は何件と報告されているのでしょうか。また、このアンケート調査は児童・生徒の全員にとっているのでしょうか。当日学校を休んでいた児童・生徒へはどのようにとったのでしょうか、お伺いいたします。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 平成26年度間に発生したいじめの件数は、小学校で141件、中学校71件でございます。直近では、平成27年6月に調査を行い、その結果、いじめの疑いも含めて小学校では25件、中学校では40件でございました。アンケートは原則として全員に行っておりますが、欠席者には別途登校した日、家庭訪問や別室での指導の際などにアンケートを配布して行ってございます。ほとんど出席できていない児童・生徒については、何らかの形でアンケートを渡しているところでございますが、回収できていないという例もございます。 ○小林(ぜ)委員 今、回収できていない例もあるということでしたけども、回収できた結果、過去に報告があったと思いますけれども、比較してどのように分析しているのでしょうか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 各学校がアンケートをもとに聞き取り調査を行い、状況を把握した内容については、いじめの内容や学年の状況を比較しながら分析しているところでございます。これらの内容は、校長会や生活指導主任会などで報告してございます。 ○小林(ぜ)委員 いじめ対策は、子ども文教委員会でも報告があったようですけれども、そのときには対応は学校に任せているとのことでした。各学校でどのように対応しているのか、行っているのかお伺いいたします。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 各学校では、いじめ防止基本方針を策定して、未然防止、早期発見、早期対応に努めているところでございます。いじめ防止のための授業や校内組織の設置、関係機関等々の連携を図っているところでございます。教育委員会としては、こうした各学校の取り組み状況について報告を受けて把握しているところでございます。いじめ防止のための取り組みとしては、例えば小学校では児童によるいじめ防止の標語をつくったり、中学校では生徒会によるいじめ防止ビデオの作成と放映などを行ったりしております。 ○小林(ぜ)委員 次に、いじめ防止へ向けた今後の対策について伺います。中野区には、いじめに対処するとして中野区いじめ防止基本方針があります。また、「いじめ防止に向けて」の改訂版も発行されています。いじめは許される行為ではないとしていますけれども、現実的には区内の身近な小・中学校でもいじめを受け深刻な状況の児童・生徒がいます。2013年、いじめ防止対策推進法が施行されたことにより、いじめに遭っていると思われる人数や、明らかにけがや病気で休んでいる児童・生徒を除き、いじめが原因で長期に休んでいる児童・生徒の実数は把握されているのでしょうか。いじめに対して学校での対応はどのように変化してきているのでしょうか。具体的にお伺いいたします。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 長期欠席の児童・生徒は、2013年には小学校0名、中学校2名、2014年には小学校1名、中学校2名でございます。いじめ防止対策推進法により、学校はこれまで以上に校内で職員と管理職が組織的に対応できるよう力を入れるようになってまいりました。疑いがあるときの報告や複数の教員で対応するなど取り組んでございます。また、いじめの未然防止の指導の工夫に取り組んでいるところでございます。 ○小林(ぜ)委員 この夏、岩手県の中学生の自殺事案を受けて、文科省は8月4日、夏休みに各学校の取り組みを点検するように求めました。中野区教育委員会は各学校へどのように点検を求めたのでしょうか、伺います。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 既に7月の校長会で、いじめも含めまして不登校児童等に対する配慮、それから、連絡等の徹底を依頼しているところでございます。8月には文部科学省の通知を受けて各学校に再度、長期休業日の終わりや授業再開の前後における指導の徹底を依頼いたしました。また、各教員に取り組み状況のアンケート調査を行い、学校からその報告を受けているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 学校での先生の気づきの実態は、内閣府による「子ども・若者白書」によりますと、学校がいじめを認知するきっかけは、アンケート調査など学校の取り組みにより発見、これが53.2%と最も多く、定期的に子どもから直接状況を聞く機会を実現するためにアンケート調査の一層の充実を図るとともに、個別面談や日記の活用などさらに必要な取り組みを充実させることが必要であるとして、いじめは常に起こっているものと考えられる、いじめは被害者も加害者も入れかわりながら進行している、このようにあります。担任は、授業や学務のほかに事務作業も多く非常に忙しい現状で、その中で大事な気づきまで十分に気が回っていないのではないかというふうに思います。先ほど話しました私の知り合いの方でも、生徒の一番近くで、本来は安心して何でも話せる、わかってもらえる担任の気づきが遅かったと思われるケースがありました。場合によって、いじめの現場を見ぬふりをする担任というか教師もいる。生徒にこんなことを言われていることは非常に悲しいことであります。担任は、授業や学務のほかに事務作業も多く非常に忙しい。そういったことはわかりますけれども、気づき、これについては十分に配慮していっていただきたい、見ていただきたいと思います。そこで、担任と管理職との垣根のない懇談などは気兼ねなく行われているのでしょうか、伺います。 中野区いじめ防止基本方針、「いじめ防止に向けて(改訂版)」にはその対処方法が細かく記載され、早期対応の取り組みが大事ともあります。しかし、身近で起こったいじめへの取り組みが人ごとのように感じられます。いじめ防止会議の開催内容、いじめ等対策支援会議など、学校では具体的にどのような防止策や改善策をとっているのでしょうか、お伺いいたします。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 まず、教育委員会におけるいじめ対策会議では、中野区におけるいじめの認知状況の報告や学校の対応等について報告し、それぞれの立場から御意見をいただいているところでございます。また、いじめ防止研修会を年2回開催し、各学校の取り組みの紹介や意見交換を行ったりしております。教員の児童・生徒に対するかかわりの大切さ等について確認を行っているところでございます。各学校では、学校独自のアンケート調査を行ったり、管理職、学級担任と連携してスクールカウンセラー等による面接を実施したりするなど、未然防止、早期発見に努めているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 いじめは中学校に入学してから起こることもありますけれども、小学校でその芽が起こっていることもあります。小学校から中学校へのいじめに関する連携はどのように行われているのでしょうか。また、日ごろから児童、生徒、保護者と担任との面談や家庭訪問などが大事と考えています。現場での担任、カウンセラー、管理職の具体的な役割、かかわり方はどのようにしているのでしょうか、伺います。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 必要に応じて、小学校で起こったいじめの状況については、その対応状況について小学校6年生の担任と中学校の教員とが年度末に引き継ぎを行い、継続して見守りや指導ができるように情報の共有化を図っているところでございます。また、担任やスクールカウンセラーなどがいじめに気づいたり、いじめの相談を受けたりした場合には、直ちに管理職とともに組織的な対応をするように努めているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 いじめに遭ったお子さんの中にはフリースクールなどへ通う児童・生徒さんがいます。長期不登校の児童・生徒さんへの学習支援などはどのように行っているのでしょうか。また、いじめなどが原因で不登校になってしまった児童・生徒は、いじめのあった学校へは勉強したくても精神的に足が向かず、学習面で著しくおくれています。そこで、授業として使える学校、単位がとれる学校を設けるべきではないでしょうか。あわせて伺います。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 学習支援につきましては、その児童・生徒の状況によりましてプリント学習などで対応できるよう連絡をとり合っているところでございます。また、不登校によりまして適応指導教室に通級している児童・生徒につきましては、通級した日数は出席日数としてカウントしてございます。新たな学校の設置につきましては、法的根拠も含めまして現在の状況では難しいというふうに考えてございます。 ○小林(ぜ)委員 東京都では、先ごろ高校生にあるチャレンジスクールのような学校を小・中学校にもつくるという方針が打ち出されていますけれども、それを待つことなく先んじてぜひ中野区で進めていただきたいと思います。いじめによる不登校で塾へ通ったり、家庭教師をつけている家庭もあり、その費用負担が大きいと聞きます。費用を賄う補助はあるのでしょうか。明らかにいじめが原因の場合、学校へ登校したと同じような充実した学習支援を行うべきと考えますけども、いかがでしょうか、伺います。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 いじめの場合も含めまして、不登校の児童・生徒が通う塾等の費用につきましては、補助は行っておりません。適応指導教室の対応を充実させて対応していきたいというふうに考えております。 ○小林(ぜ)委員 今、どちらかというと形式的なことをさまざま聞いてきましたけれども、仕組みですとか法ですとか、そういったことは整備されている。それにのっとって対応しているということでありますけれども、いじめは、いじめる側が100%悪いと考えています。また、今日ではさまざまな環境で育ったお子さんもいらっしゃる。そうした中には感情を抑えることができないお子さんもいらっしゃると思います。教師も大変な役割を担っていると思います。しかし、児童・生徒が楽しくて安心して通える場所である学校、しかも、本来傍らで寄り添ってくれると信じている担任が、あまりにも他人事の対応になっていることに愕然としています。書面でまとめているとか、対応しているとか、そうしたことを強調するあまり、本来の根本的な解決になっていない。言われたとおりにやっていますよ、そういった答えしか返ってこない学校の対応には憤りを感じています。中野区は、過去にいじめで自殺者を出してしまったといったことを考えると、いじめの原点の場所でもあると思います。そのときに御家族やかかわった方々、そして、教育委員会をはじめ行政がそのときの経験を中心に大きく据えて、中野区が全国の模範となる、心のこもった、気づきのある、寄り添いができる教育現場であってほしいな、学校であってほしいな、教室であってほしいなと思います。もっともっと現場に飛び込んで、心のこもった、面と向かっての寄り添いを深くお願いして、強く要望して、この項の質問を終わります。 次に、子育てについてお伺いいたします。 初めに、保育士の確保についてお伺いいたします。中野区においても待機児童対策を精力的に行っていることは評価でき、一層の充実を図ってもらいたいと考えております。その中で待機児対策を支える要素として保育士の確保が重要と考えます。第2回定例会でも我が会派の木村議員が質問しましたが、既存保育園において保育士の確保が困難になってきていると聞いています。そのため保育士確保に向けた支援策が必要と考えますが、そこで伺います。保育士確保の入り口となる就職説明会は、今年度どのように実施しているのでしょうか。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 保育士の就職説明会のことでございます。今年度、この間の日曜日でございますが、9月13日に中野区独自でございます中野区私立保育園保育士合同就職説明会2015を開催したところでございます。今後、中野区とハローワーク、杉並区との共催で今月下旬と11月に2回、また説明会を実施する予定でございます。また、東京都のほうで主催する就職説明会、これも11月でございますが、協力区として今かかわってございまして、中野区からも私立保育園が参画する予定で準備を進めているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 次に、最近の報道ですけれども、保育士の家賃を補助する事業の取り組みが23区内でも広がっていると思われます。他区における状況をつかんでいるのでしょうか、お伺いいたします。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 今年度、平成27年4月でこの保育士等の家賃の助成を実施している区は5区ほどというふうに把握しているところでございます。その後、検討等を行って、今年度途中に制度化している区もあるということを把握してございます。 ○小林(ぜ)委員 今、他区の検討状況が進んでいるということでありまして、保育士を確保するに当たって中野区の私立保育園が見劣りすることのないよう、保育士の家賃補助をする制度については中野区も取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 現在、各保育施設にアンケート等を行ってございまして、保育士の確保の実態といったことを調査しているところでございます。また、各区の実施状況や課題の把握などの調査もあわせて行ってございまして、その政策効果などについて検討を進めているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 ぜひ実施を早めていただきたいというふうに思います。 次に、園庭のない保育施設への対応について伺います。昨年開所した区認可の小規模保育園施設からプール遊びについて苦慮しているとの声を聞きました。賃貸物件型保育園など園庭のない保育施設については、我が会派としてもこれまで近隣公園との連携等、遊び場の確保について質問を行ってまいりましたが、中でもプール遊びについては、衛生管理上の問題点や浄水場の問題、また、炎天下での移動など課題が多くあります。そこで伺います。夏休みの区立小・中学校の校庭の一部を利用することはできないでしょうか。学校などの事情も異なるため、最終的には園と学校の調整を図る必要があると思いますが、区として誘致を進めてきた保育施設の課題解決のため、各学校への協力を求めるべきではないでしょうか、伺います。 ○古川子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 園庭のない保育施設による学校施設の利用に関しましては、個々の保育施設の状況に合わせまして園児の安全などに十分配慮しながら、その実現について学校等と調整を行っているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 中にはこの夏、暑い炎天下の中を、大人の足ですと10分もかからないようなところを、園児の足で30分近くもかかって歩いていって公園で遊ぶ。そういったケースがあったことも聞いております。ぜひこの辺の対応をお願いしたいと思います。 次に、図書館利用についてお伺いいたします。中野区内8図書館には、現在約97万冊に上る蔵書があると聞いていますが、平成26年度主要施策の成果(別冊)によると、平成26年度の貸出数は190万3,278冊と伺っています。1年間の貸出数に対して最終的に未返却となっている図書はどのくらいあるのでしょうか。また、期限までに返却されない図書の催促はどのように行っているのでしょうか、お伺いいたします。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 昨年度最終的に返却されなかった図書につきましては、977冊ほどございました。また、催促の件でございますが、返却予定日から数えまして3日返却がおくれた場合に、電子メール、電話、はがき等による督促を行っておりますほか、こういった連絡がとれない場合などには訪問督促を行っているということでございます。 ○小林(ぜ)委員 催促に要する主な経費についてお伺いします。最終的に未返却の図書の冊数と被害額はどれくらいになるのでしょうか、伺います。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) まず、督促に要する主な経費ということでございますが、先ほど申しましたはがき等を送る切手代ということで約16万円弱かかってございます。このほか電話代等の通信費などにつきましても支出しているところでございます。返却の図書に相当する図書の購入額でございますが、約175万円ほどでございます。 ○小林(ぜ)委員 返却要領を守らないことにより図書の貸し出しが円滑に行われなかったり、今もお聞きしましたけども、175万ほどの新たな図書を買ったと。まあ、同じものを買うのではなくて新たな図書ということになるとは思うんですけれども、多額の公費が支出されている現状があると思います。円滑な図書運営を図り、誰もが気持ちよく図書館を利用していただくためにも、窓口対応を含めて貸し出しの対応策を見直すなど、この際抜本的な改善の取り組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) ただいま申し上げました延滞者に対する督促につきまして、さらなる工夫を図るほか、返却期限の遵守を含む利用マナーの向上につきましても呼びかけに努めてまいりたいと考えてございます。また、現在当区におきましては、返却期限の翌日からその資料が返却されるまでの間、新規の貸し出しを停止するといった措置を講じているところでございます。今後、他自治体の取り組みなども参考にいたしまして、延滞の抑止につながるような効果的な対策につきましても検討してまいりたいと考えてございます。 ○小林(ぜ)委員 多くの区民の皆さんが期日を守ってしっかりやれていると思います。しかしながら、そういった方々が借りたくても借りられない。少人数かもしれませんけれども返却期限を守らない。中には相当な長期にわたって返却されない図書もあるとも聞きます。しっかりとした対応をとっていただきたい。そして、こういったところで無駄な経費を支出しなくてもいいような取り組みをお願いしたいと思います。 この項の最後に、国立国会図書館の資料、デジタル資料化と一般的には言われているかもしれませんけれども、その閲覧についてお伺いいたします。国立国会図書館では、そこ以外では入手困難な137万点に及ぶ明治以降の貴重な資料や絶版になった書籍など、国立国会図書館の承認を受けた公立図書館で利用できるサービスを提供しています。そこで、この国立国会図書館デジタル資料送信サービスの閲覧等についてお伺いいたします。中野区では、昨年5月から中央図書館でこのサービスの運用が始まったとのことですけれども、利用状況はどのようになっているでしょうか、お伺いいたします。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 昨年度の利用件数でございますが、98件でございました。 ○小林(ぜ)委員 非常に少ない。1週間に1件ぐらいでしょうか。本当に少ないなというふうに感じます。このサービスの存在を知らない方が非常に多いのではないかというふうに思います。貴重な資料もあるので、利用度もさらに上がるようPRを強化してはいかがでしょうか。また、区民が気軽に利用できる地域図書館、中央図書館以外の7館でもこのサービスが受けられるようにしてはいかがでしょうか、お伺いいたします。 ○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 現在、図書館ホームページや利用案内等のパンフレットによりましてPRを行っているところでございます。ポスター・チラシなどによります周知など、さらに工夫してまいりたいと考えてございます。また、地域図書館8館でのサービス提供についてでございますが、区民ニーズや運営体制等、費用対効果も含めまして研究してまいりたいと考えてございます。 ○小林(ぜ)委員 貴重な資料を手にとれる非常に大事な機会だと思いますので、ぜひ活用できるように中野区でも配慮をお願いしたい、実施をお願いしたいというふうに思います。 ○若林委員長 小林ぜんいち委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。1時まで委員会を休憩いたします。 午前11時53分休憩
午後1時00分開議 ○若林委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。小林ぜんいち委員、質疑をどうぞ。 ○小林(ぜ)委員 午前中に引き続き質疑をさせていただきます。 午後はまず、中野のまちづくりについてから質問させていただきます。 初めに、国家戦略特区制度についてお伺いいたします。国家戦略特区につきましては、昨年第3回定例会で質疑をしました。そのとき中野区と豊島区、台東区が名乗りを上げていたようでしたが、その後各市からも提案があり、結果的に国や都の意向から東京都全域が指定されることとなったと聞いています。そこで、現在どのような状況になっているのかお伺いいたします。 ○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 本年8月28日付で国家戦略特別区域を定める政令が公布・施行され、東京都全域が東京圏国家戦略特別区域となったところであります。 ○小林(ぜ)委員 東京都全域が指定されたということでありますけども、他の地域との競争関係が薄れたのは否めないと感じています。昨年この場で提案しました、特区の指定をきっかけに多くのまちづくりの可能性は高まったのではないかと思います。この制度をうまく活用し、経済の活性化やグローバル化の推進に取り組んでほしいと思います。そこで、現在取り組んでいる中野区グローバル戦略推進協議会ですが、これは国家戦略特区をきっかけに発足したと聞いていますが、概要についてお伺いいたします。 ○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 中野区グローバル戦略推進協議会は、産学公が一体となった産業、文化等の振興に関する連携のプラットホームを構築し、グローバルな視野で展開するビジネスの活性化や活動基盤の整備を図ることを目的としまして、本年2月に設立いたしました。区と区内経済団体による基幹団体に加えまして、企業、団体、大学等の3団体で構成して、現在は全体で54団体が名を連ねております。協議事項は、中野区におけるグローバルビジネス環境の整備拡充や国家戦略特別区域を活用した規制改革等に関することとしておりまして、現在は中野区グローバル都市戦略を検討しているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 今、グローバル戦略推進協議会の中でグローバル戦略を検討しているということでしたけれども、どのようなことを議論しているのでしょうか、お伺いいたします。 ○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) グローバル戦略につきましては、グローバルな都市づくりの方向性ということで三つに整理して検討しております。一つは、都市再生を軸としたグローバルビジネス拠点の形成といったことでございまして、グローバルビジネス拠点として選ばれる都市づくりのあり方、これを議論しております。二つ目として、集客力と発信力のあるグローバルな都市活動基盤の構築といたしまして、中野区の活力の原点となるコンテンツや活動基盤の推進体制を議論しているところでございます。また、三つ目として、外国人にも暮らしやすい生活環境の整備ということで、職住近接の視点を持ちながら、区民にとっても外国人にとっても安全で快適な生活空間をどう整備していくか、このようなことが議論されております。 ○小林(ぜ)委員 大きく挙げて三つの観点で議論されてございますけれども、それらの展開の中で国家戦略特区における規制緩和の活用についてはどのように捉えているんでしょうか、伺います。 ○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 戦略の展開で必要に応じまして国家戦略特区で指定されている規制緩和のメニューの活用や、新たな提案を積極的に行っていきたいと考えております。 ○小林(ぜ)委員 先日大田区蒲田のさかさ川地区で行われている「おいしい道計画」の視察に伺いました。これは特区の規制緩和メニューである国家戦略道路占用事業を活用して、歩行者天国のような形で飲食のイベントを行っているものでした。これは昨年申しましたエリアマネジメントの民間開放そのものであったと思います。こうした取り組みを特区になった中野区でも今こそ取り組むべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。 ○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) エリアマネジメントの民間開放と言われております国家戦略道路占用事業の活用につきましては、その実施の可能性について検討しているところでございます。通常のイベントなどで行われます道路占用とは違いまして、この特区の事業ではエリアマネジメント組織による収益事業と公益への還元、こうしたことが求められるもので、そうした仕組みづくりが必要となっております。中野のまちの状況を踏まえてエリアマネジメントのあり方ですとか仕組みの構築などについて、区としての考え方をまとめた上で取り組むこととしたいと考えております。 ○小林(ぜ)委員 中野でも取り組める場所がまず必要だと思うので、早目の検討をお願いしたいと思います。まちの魅力や環境を向上させるエリマネの手法は、もっともっと検討が必要かというふうに思います。 昨年質問しましたもう一つの国家戦略特区の規制緩和の中に、滞在施設の旅館業法の適用除外も挙げましたが、具体的にはどのような展開、状況にあるのでしょうか。中野の資源の一つにバックパッカー宿がありますが、展開の可能性があるのでしょうか、お伺いいたします。 ○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 一般の空き部屋などを旅館業法の適用を除外して滞在施設とするには、事業者の認定、また、利用手続に関する条例化、こういったものが必要とされております。先行して特区に指定された区においてもさまざまな観点から検討がなされていると聞いております。2020年に向けてインバウンドが増加するというふうに言われておりまして、そうした社会情勢、また、周辺状況を捉えながら調査検討を行っていきたいと思っております。 ○小林(ぜ)委員 非常にニーズがあるようですし、また、外国の方も注目している中野であるということですので、ぜひ展開ができたらというふうに思います。 グローバル戦略では昼間人口を目標にしているとのことですけれども、私は昼間人口をふやすことは大変大事だと思うんですけれども、さすがに難しいことであるのかなというふうに思います。そこで、中野らしさを出していく、中野に住むという固定的な人口よりも流動的な人口、通勤・通学の途中でおりてみたくなるまち・中野、休日にぜひ足を運ぶ、言ってみれば朝人口、夕方人口、休日人口といった来街者をふやしていくことに力を入れてはどうかと考えます。区役所・サンプラザ地区整備の構築パートナーの提案概要書が公表されましたが、見る限り建物の構成も、計画内容も、デザインも平坦で、中野らしさを生かした計画になっているとは見られず、品川や大崎などにも見られる駅前計画のようにも見えてしまいます。今定例会の一般質問の中でも大規模なアリーナが話題になっていましたけれども、朝人口、夕方人口、休日人口をふやし、中野らしさを打ち出していくにはアリーナなどについては有効かと思います。グローバル戦略の中で来街者をふやすこと、アリーナのような大規模な施設を整備することについてどのように議論されているのでしょうか、お伺いいたします。 ○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 中野区グローバル戦略推進協議会におきまして、先ほど御答弁いたしましたとおり、集客力と発信力のあるグローバルな都市活動基盤の構築、こうしたことが意見として交わされております。中野のポテンシャルを引き出すには、コアとなる集客力のある施設やコンテンツが必要であって、それによって来街者が増加し、地域経済の活性化につながるストーリー、こうしたものを描いてはどうかといったことが議論されているところであります。このコアとなる集客施設として多目的に使えるアリーナの可能性、これが提示されているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 特区が東京全体になったことを前提にしますと、中野らしさ、中野のアイデンティティー、個性で差別化を図ることが重要と考えます。高さだけ日本一を争うような超高層、土台、ビルは必要ないと思います。駅前に、言ってみれば中野版スカイガーデンのような機能の集客会場、アリーナの可能性を検討してみるべきではないかというふうにも思います。 この項の最後に区長にお伺いいたします。少し大げさかもしれませんけれども、中野を地政学的に捉えてみたいと思います。今、東京における政治や経済の中心、重心は、山の手線を中心にした東部側の地域にあります。新宿より西側の地域は重心から大きく外れた位置にある印象を持ちます。しかし、そこに広がる生活圏は非常に大きなものがあります。ポテンシャルがふえていると思います。中野はその西部地域に伸びる影響力、発信力を持つべき場所と考えています。中央線沿線を軸とした経済や文化活動を繰り広げる東京西部中央線ゾーン、それから、東京オレンジラインプラン、中央線が通っていますので、そうしたプランとして新たな顔を中野区がリードして形成していく。こんな壮大な構想をしてもいいのかなと思っています。区長のお考えをお伺いいたします。 ○田中区長 基本的に私も委員の御意見と同感の考えであります。今、羽田の国際化であるとか、リニア新幹線であるとか、湾岸、東側のほうに大変注目が集まりがちなのですが、そこだけに集中していくということでは東京全体のポテンシャルを引き出していくことはできないと思っております。中央線沿線から多摩にかけて、これは大変大きなポテンシャルを持った東京都の区域ということであります。その中心であります中央線を中心に、中野から中央線沿線にかけて一つの経済圏というようなものを発展させていくということが、東京全体の発展にとっても私は重要なのではないかというふうに思っております。東京の人口重心はおおよそ中野とか杉並とか、そういったところにあるわけでありまして、職住近接型のまちづくりというようなことを中野でも進めながら、さらに、中野と近接した文化圏にある、また、中央線という利便性の高い交通機関で結ばれている、そういった地域間の連携というものを今後模索していく必要があるのではないかと、こんなふうに思っております。 ○小林(ぜ)委員 ありがとうございます。新たな中野をつくっていくときに、中野は全国各地、また、外国の方々も、中野といえばサンプラザだったり、ブロードウェイということをすぐ発想しますけれども、新たなまちをつくっていく、新たな顔をつくっていくときの考え方の一つに、区長もおっしゃったように、西側の地域ということについては大きな課題になってくるのではないかなというふうに私も考えます。新たな議論になってくるのではないかというふうに思っています。ぜひ新たな議論をお願いしたいと思います。 この項の最後に、ごみ屋敷の対策についてお伺いいたします。質問ががらっと、大きなところから小さなところへ移るんですけれども、住宅などからごみがあふれ、お隣のお宅や道路にまでちらかり、悪臭や害虫などに近隣の方々が悩まされているケースがあります。また、建物だけでなく、工事用仮設のパイプ、配管などを組み上げ、そこへごみを運ぶケースもあります。周辺では環境的にも影響の出る、いわゆるごみ屋敷があります。現在、ごみ屋敷は空き家とともに大きな生活環境の課題になっています。私の住む地域でもこうしたいわゆるごみ屋敷で火災が発生し、隣接した住宅やアパートに延焼した事案がありました。近隣住民の方々は、防火・防犯、環境の面に対して対応に日々苦慮しております。そこで、ごみ屋敷にかかわる苦情等を区として掌握した件数は何件あるのか、また、区へのごみ屋敷への苦情はどこの部署で受けているんでしょうか、お伺いいたします。 ○浅川環境部副参事(生活環境担当) いわゆるごみ屋敷の問題でございますけれども、そのケースによりまして原因者の事情とか近隣へ与えている影響が異なっているということから、それぞれの内容によりましてさまざまな部署が関与しているところでございます。臭気等生活環境上の問題が発端となりまして、生活環境分野環境公害担当が対応しているものは現在4件ほどでございます。 ○小林(ぜ)委員 区でもさまざまな部署で対応しているということですけれども、各部署での連携はあるのでしょうか、お伺いいたします。 ○浅川環境部副参事(生活環境担当) これまでの例でございますと、建築担当や道路監察担当、それから、区民活動センター等と連携した案件がございます。場合によりましては、警察や消防とも連携をとっております。 ○小林(ぜ)委員 連携をとりながらも撤去命令ですとか強制的な排除は、現状では困難なのかなという気がします。ごみ屋敷の対策の難しさはどこにあるのでしょうか、お伺いいたします。 ○浅川環境部副参事(生活環境担当) 空き家等対策の推進に関する特別措置法が施行されたことから、居住または使用されていない空き家等につきましては一定の対策が可能となったわけでございます。しかし、現に居住、使用されている建築物等については法律の対象外でございまして、法的根拠に基づいた対応ができないというところが難しさの根本にあると思っております。また、第三者からはごみに見えるものでも、御本人の財産権にかかわるものでございまして、私有地に入り込み強制排除する等は難しい状況にございます。さらに、御本人の障害や疾病等によりごみをため込む場合が多いことから、単にごみの除去だけでは解決に至らない場合があり、こうしたことも困難さの一つであると認識しております。 ○小林(ぜ)委員 他区ではごみ屋敷対策の条例をつくっているところもあります。先週も世田谷区が条例のもととなる案を提案したというふうにも聞いております。各区はどのような内容で条例をつくっているのでしょうか、お伺いいたします。 ○浅川環境部副参事(生活環境担当) 現在のところ23区中7区において、いわゆるごみ屋敷対策を含む条例があると把握してございます。他区の条例におきますごみ屋敷に関する部分を見ますと、区による立入調査を行い、学識経験者による審議会等を設置し、意見を聞いた上で改善勧告、命令といった手続を踏み、どうしても当事者本人によって改善がなされない場合は、行政代執行を行うというものが代表的な内容であると認識しております。 ○小林(ぜ)委員 他区では代執行のようなこともありましたけれども、中野区でもごみ屋敷問題を、最終的に強制力を持って解決できるような方策をつくるべきではないでしょうか、お伺いいたします。 ○浅川環境部副参事(生活環境担当) いわゆるごみ屋敷の問題は、今後も事象としては一定数発生すると思われます。強制力を持って排除するに当たっては、所有権と財産権、それから、公共の福祉等をどのように整合させるのかなど、クリアすべき課題も幾つかあると考えてございます。条例化による規制という方法も視野に入れつつ、慎重に検討してまいりたいと考えております。 ○小林(ぜ)委員 空き家問題とともにごみ屋敷の問題も、近隣にとっては大きな大きな課題になっております。住まわれている方々、また、ごみを集められている方々の環境や精神的な部分、また、健康面もあると思いますけれども、さまざまな連携をとりながらこの解決に向けて当たっていくよう、今条例化というお話もありましたけれども、努力をしていただきたいと思います。 4番目に防災対策についてお伺いいたします。 初めに、避難所運営についてお伺いいたします。大地震が発生した折には、早期に避難所を開設するために避難所用資機材などを避難所敷地内に備蓄していることが大切と思われます。そこで、現在避難所の敷地内に避難所用資機材、備蓄品などを備蓄していない避難所はあるのでしょうか、お伺いいたします。 ○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現在、区内49カ所ある避難所の中で食料や生活用品など備蓄物資について敷地内に備蓄できていない避難所につきましては、明治大学附属中野中・高等学校、新渡戸学園、都立中野工業高校の3校でございます。 ○小林(ぜ)委員 3校あるということで、大きな災害が起こっている中で敷地内に避難所用資機材を備蓄していない避難所には、誰がどのようにその運搬をするのでしょうか、お伺いいたします。 ○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 大地震発生時は、区の災害対策本部の輸送班が災害時の協定を結んでいます東京都トラック協会中野支部から車両と運転手の提供を受けまして、近くの区の備蓄倉庫から必要な資機材を搬送するとしております。 ○小林(ぜ)委員 避難所ではないところに備蓄品が置いてあって、そこから遠いところでは1キロ以上も離れているというところもあるようですので、その点クリアできるようにお願いしたいんですけれども、東日本大震災以降、学校再編に伴う避難所の数の変化をお伺いいたします。 ○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所の数の変化につきましては、東日本大震災以降50カ所から49カ所に減少してございます。内訳につきましては、旧中央中学校及び旧富士見中学校の校舎解体に伴いまして2カ所減っております。また、中野中学校の開設に伴いまして1増となりまして、現在合計49カ所でございます。 ○小林(ぜ)委員 結果的にはマイナス1ということですけれども、中央二丁目にあります堀越学園が今現在耐震化のために改築工事を行っています。工事完了後、旧第九中学校跡地施設からもとの場所に戻る際、あそこは堀越学園と避難所として活用するための締結を検討していると聞きます。堀越学園と避難所締結にあわせた避難所の割り当ての見直しを行ってはいかがでしょうか、お伺いします。 ○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 堀越学園につきましては、新校舎完成後、避難所の利用に関しまして協定を結ぶ予定でございます。新校舎の学校施設の避難所として利用範囲を確認して、その中で近隣の避難所も含めて割り当ての見直しを行う予定としております。 ○小林(ぜ)委員 近隣もあわせて見直しを行うというお話もありましたけれども、極端に遠いところもありますし、また、近いところに別の避難所があるにもかかわらず、遠いところに行かなければならないという箇所もあるので、そういったことも含めての避難所の見直しを検討していただきたいと思います。そこで、避難所までの距離が遠くなりますと、高齢者や障害者をお持ちの御家庭の方々から、避難ができない、そういった声を私も聞いております。私は、以前からなるべく近くに避難所を確保すべきと提案してまいりました。避難所まで最も遠い地域は避難所からどれくらい離れているのでしょうか、お伺いします。 ○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区の避難所につきましては、区立の小・中学校及び区内の都立高校、私立高校などを指定してございます。避難所の指定につきましては、防災会単位で指定しておりますが、現在の指定ですと最も遠い避難所は直線距離でおよそ1キロとなっております。 ○小林(ぜ)委員 先ほどのエリアの見直しにも通じるところですけれども、1キロ歩いていく、相当な距離、時間になると思います。健常者であっても1キロ、10分、15分かかるところを、災害が起こったときに行く時間、まして高齢者であったり、障害を持たれる方々はそれ以上の時間がかかってしまうと、こんなふうに思いますので、エリアの見直しを再度お願いします。 私は、平成23年と24年に定例会で、民間マンションを地域の避難所や備蓄倉庫として活用することを提案してきました。避難所に限らず区の防災資機材の備蓄倉庫など、防災施設として協力が得られるように取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所の備蓄倉庫につきましては、協定先の状況、学校再編など環境の変化がございます。また、区として備蓄物資の充実を図っておりますので、今後他区の取り組みも含めましてそういった確保について検討してまいりたいと考えております。 ○小林(ぜ)委員 さまざまな時代の変化、そして、さまざまな住宅環境の変化、そして、避難所の変化があります。そうした中で常に一つのあり方ではなく、状況に応じて変化について対応していく。そして、避難所のあり方、備蓄倉庫のあり方についても検討していただきたいと思います。 次に、豪雨等による水害対策についてお伺いいたします。昨年も台風、ゲリラ豪雨のことについてお伺いしましたけれども、ことしも台風、ゲリラ豪雨の季節となりました。きょうも強い雨が降っております。先週まで毎日のように雨の降り続く日もあり、警戒の出た日には豪雨対策として職員の皆さんが泊まりがけで、厳戒態勢で当たっていただいたことも伺っております。そこで、平成26年第3回定例会決算特別委員会で質疑しました、東京都が設置している神田川の水位監視ライブカメラ映像の運用は今どのようになっているのかお伺いいたします。その後の状況についてお伺いします。 ○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 東京都の神田川・妙正寺川水位監視カメラの映像が今年度から公開されました。区におきましても本年の6月15日から、区のホームページで監視カメラの映像のリンクを張って区民の方も閲覧できるようにしてございます。閲覧できる場所は、神田川と妙正寺川の橋の付近の映像でございます。 ○小林(ぜ)委員 これがなかなか見にくくて、区のホームページで「くらし・手続き」、そして、「交通・道路・公園」、それから「河川」、「監視カメラ映像」と選んでいかないとたどり着けないんですよね。ほとんどどこにあるかわからなくて、私もやり方がわからなくなるたびに副参事にお聞きしているんですけれども、非常に見にくい、わかりにくいということで、東京都配信のためかと思いますけれども、当該ページのリンクをトップページや中野区防災・気象情報からすぐわかるようにと考えます。また、単にリンクを張るだけではなく、どの映像を閲覧できるかわかりやすい工夫も必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。 ○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区のホームページ、あと、中野区防災・気象情報のリンクの張りつけにつきましては、見づらい、わかりづらいという御意見が確かにございます。この点につきましては区の広報担当と、あと、ホームページの作成委託先と調整し、リンク場所、表現を含めまして区民の方にわかりやすい配置、表現について検討してまいります。 ○小林(ぜ)委員 せっかく活用できる映像でもありますし、また、区民の方々がそれによって少しでも注意喚起であったり、安心ができる、そういったことへの対応を素早くしていっていただきたいというふうに思います。 次に、小型無人機ドローンの運用についてお伺いいたします。各地で小型無人機、いわゆるドローンによる事件・事故が報道されています。国では改正航空法が先日、9月4日に成立しました。そこで、中野区内でのイベント等の際、ドローンが使用されたり、事件や事故に至ったケースはあったのでしょうか、お伺いいたします。 ○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 区が主催しますイベント等での、実際ドローンが使用されたとかということにつきましては把握してございませんが、これまで事故ですとか事件が発生したという報告は受けてございません。 ○小林(ぜ)委員 区としては今のところ報告がないようでありますけれども、区としてドローンによる危険回避のため今後は使用制限を行うとともに、一般社団法人日本ドローン協会が実施していますドローン操縦者の技術講習への参加を促す努力をすべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 小型無人機の飛行可能空域や飛行方法等を盛り込んだ改正航空法につきましては、年内にも施行されるという情報を受けてございます。その内容でございますが、国が許可した場合を除きまして、人や住宅の密集している地域の上空は飛行禁止区域となってございます。また、飛行させる場合につきましては、これも国の承認を受けた場合を除きまして、人が多く集まるお祭り、イベント、そういった場所の上空以外の空域において飛行させるということとなってございます。したがいまして、区としまして使用制限を設けるべきかどうかにつきましては、この法律の趣旨ですとか規制の内容を踏まえて研究していきたいというふうに考えてございます。また、講習への参加でございますが、委員御紹介の一般社団法人日本ドローン協会、こちらでセミナーですとか講習を実施してございますが、定期的に開催しているというふうに聞いてございますので、問い合わせ等があった場合につきましては御案内をしていきたいというふうに考えてございます。 ○小林(ぜ)委員 これから特に10月、11月、中野区でも毎週のように中野駅周辺、区役所周辺で各種イベントが行われてまいりますので、そういったときに、今日までは使用がなかったということのようでありますけれども、注意喚起をしていっていただきたいと思います。 ドローンは、カメラを搭載して上空から撮影できるため、高所カメラがない地域でも災害の状況を把握することが可能です。先日、茨城県の常総地域を中心に発生しました東日本大豪雨でも、国土交通省が河川の決壊やまちの被害状況を確認するために使用したというふうに聞いています。警察や消防でも防災訓練でドローンを使用して状況把握する訓練をしています。こうした大災害において早期に被害状況を把握するためにも、区はドローンを配備すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか、伺います。 ○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 今月航空法改正案が成立いたしまして、ドローンの飛行ルールが定められました。具体的には、住宅密集地や夜間の飛行は原則禁止されましたが、災害時におきましては住宅密集地でも夜間でも飛行を認められております。今後、これを踏まえまして国のほうで災害時におけるドローンの運用指針について何かしら示されると思いますので、これを確認し、区としてドローンの活用について検討してまいりたいと考えております。 ○小林(ぜ)委員 想定しない災害、いつ起こるかわからない災害、最初に聞きました避難所もそうでありますけれども、かといって過剰にお金をかけるということではありませんけれども、対応策を事前につくっておく。そうした災害に対する危機管理という意味でも、中野区でもドローンの装備を要望して、この項の質問を終わります。 その他で2点お伺いします。 まず1点目が、中野区産業振興推進機構についてお伺いいたします。区は、中野四季の都市エリアにおいて、中野セントラルパークの一部を借り受け、そのスペースの活用を担う事業共同体の参加事業者を公募しました。選定された事業者は一般社団法人中野区産業振興推進機構を設立し、中野区の産業振興拠点、愛称「ICTCO」を開設しました。ICTCOには、現在会員として個別に部屋を持ったプレミア会員が3社、それから、専用のデスクを持ったプラチナ会員が22社、月極めで共用デスクを持つゴールド会員が3社、スペースを使用せずサポートのみ受けるシルバー会員が10社、共用デスクを1日単位で利用できるブロンズ会員が22社活動しています。そこで伺います。この機構の設立当初の目的及び設立意義はどのようなものであったのでしょうか、伺います。 ○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 中野区産業振興推進機構は、区内におけるICTコンテンツ関連産業の集積、創出等を促進し、区内の産業振興を図ることを目的として設立されたものでございます。 ○小林(ぜ)委員 中野区産業振興推進機構は、その設立の目的を達成するためにどのような事業を行っているのでしょうか。また、企業と大学の研究者及び行政との協働による産学公の連携についても取り組んでいると聞いていますが、その成果はどのようなものかお伺いいたします。 ○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 中野区産業振興推進機構の事業といたしましては、ICTコンテンツ事業者の活動拠点となり、事業者及び大学研究者などの相互連携により新たな事業を生み出すこと、また、新規事業の立ち上げや経営などに関するコンサルティングや専門的サポートなどを行うこと、それから、ICTコンテンツの活用に関する事業者や区民向けのセミナーなどを実施することなどが主な活動内容でございます。このうち産学公連携につきましては、新規事業を立ち上げようとする事業者のニーズに合った大学研究者を紹介するとともに、関係行政機関との調整を行い、これら産学公の連携による協働プロジェクトの事業化や公的資金の獲得などを支援してございます。 ○小林(ぜ)委員 さまざまな活動を行っているといったお話がありましたけれども、それらの活動について事業開始及び今日まで年度別の実績についてお伺いいたします。 ○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 中野区産業振興推進機構の事業実績でございますが、設立年次の平成25年度につきましては、年度末時点の会員数が36社、会員間のマッチングによる事業協力が2件成約してございます。それから、支援を行ったことによる起業が2社でございます。それから、事業者や区民向けのセミナー・イベントの実施回数は5回でございました。昨年度、平成26年度でございますが、年度末時点の会員数は56社でございます。会員間マッチングによる事業協力が2件成約、支援による起業が2社でございます。それから、新たに協働プロジェクトを昨年度から開始してございます。この件数が6件でございまして、うち2件は公的資金の獲得を支援してございます。また、事業者や区民向けのセミナー・イベントの実施回数は24回でございました。今年度、平成27年度でございますが、8月1日時点の会員数が64社でございまして、会員の支援、それから、協働プロジェクト、各種セミナー・イベント等も引き続き推進しているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 ことしの11月でICTCOが開設されてから2年を迎えるところであります。会員事業者は順調に増加し、ここの事業活動だけでなく連携による相乗効果も生まれている。今のお話を聞くとそういうふうにも見えるんですけれども、これまでの活動に対する評価と今後の事業の見通しについてどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 ○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) ICTCO内の事業スペースを占用する会員企業につきましては、既に定員がいっぱいになっている状況でございます。事業者相互及び大学研究者との連携により新たなプロジェクトが創出されてございます。また、区内経済団体や大学研究者及び区などとの協働により、区民や区内事業者にも有益なセミナーやイベントなども実施してございまして、民間のノウハウとネットワークにより区内の産業振興に一定の効果をもたらしていると考えております。平成27年度からは機構の活動に賛同する個人または団体のための賛助会員制度を創設いたしました。また、新規プロジェクトの創出をより促進するために、ビジネスのアイデアを公募して起業までを支援する起業支援プログラムを開始いたしまして、新たに4件のプロジェクトの事業化を支援しているところでございます。今後とも新たなプロジェクトの創出と事業化を推進し、その中から中野区における成功モデルとなるような新規事業が生み出され、区内経済の活性化にますます寄与することを期待しているものでございます。 ○小林(ぜ)委員 中野区の予算が充てられていて、なかなか見えない事業であり、そして、結果としてもなかなか具体的な反応が見えてこない事業であります。この夏に伺ったときには多くのブースで、スペースで多くの方々が活動されておりましたけれども、1年で効果が出るということはないのかもわかりませんけれども、新たな事業展開に区としてもう少し厳しく目を向けていければいいのではないかなというふうに思います。以上でこの質問を終わります。 最後に、中野ZEROホール西館の昇降機設備についてお伺いいたします。中野ZERO西館小ホール部分には専用の昇降機がないため、高齢者や障害をお持ちの方から利用しにくいとの声をいただきます。中野ZERO西館では、来年度、平成28年度には大規模改修が行われる予定になっております。区は、今回の改修後はしばらくこのような大きな改修は行わないと思っております。今回の改修にあわせて高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進、バリアフリー、ユニバーサルデザインの観点からも小ホールの施設内に昇降機の設置を行うべきと提案してまいりました。そこで伺います。設置可能性がないか調査検討をするということでしたけれども、現在どのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。 ○宮﨑経営室副参事(施設担当) 今年度中野ZERO西館の大規模改修工事の設計業務委託にあわせて、昇降機の設置の可能性について検討を進めているところでございます。 ○小林(ぜ)委員 検討を進めているということでありますけれども、昇降機設備の設置の可能性はあるんでしょうか。ある場合、どのような形で設置が可能になるんでしょうか、伺います。最後にします。 ○宮﨑経営室副参事(施設担当) 現在検討中でございます。屋外の設置につきましては、日影の規制で既存不適格となり、設置できないことがわかっております。そこで、その他の部分で確認してみましたところ、北側の玄関を入り、左手の1階玄関ホールから2階ロビーに至るエレベーターであれば設置の可能性があると考えております。 ○小林(ぜ)委員 エレベーターであれば設置ができるということでありまして、高齢者の方々、そして、中野区では、例えば友愛クラブの皆さんですとか町会の皆さんが利用する折にも、高齢者の多い中で階段を何段も何段も上がりながらホールに行くのではなく、少なくとも今ありましたロビーまではエレベーターでぜひ行けるように設置を検討していただきたいと思います。設置に当たっては、多分ピットについては地下にも影響することでしょうし、オーバーヘッドについては小ホールの階段、施設の部分にも影響があるのかなというふうには考えますけれども、さまざまなタイプのエレベーターもありますし、そして、手法もあると思いますので、ぜひその辺の検討をしっかりしながら設置に向けて具体的に進んでいっていただきたいと思います。 以上要望しまして、私の全ての質問を終了いたします。 ○若林委員長 以上で小林ぜんいち委員の質疑を終了します。 次に、来住和行委員、質疑をどうぞ。 ○来住委員 日本共産党の議員団を代表して総括質疑を行います。 まず、2014年度決算と区長の政治姿勢について伺います。 決算ですけども、特別区交付金と特別区税、地方消費税交付金が大幅増となり、一般会計決算は区政史上最大の、実質収支額は約44億円となり、前年度収支も26億円の黒字、実質単年度収支は50億円もの黒字となりました。歳出では不用額を57億円とし、積立額は約22億円、財政調整基金を24億円積み立て230億円とする一方、基金積立年度末現在高を527億円としました。この年度、区民にとっては消費税の再値上げ、国保料や後期高齢者保険料、また、認可保育園の保育料の値上げの年でもありました。区民にとっては財政異常事態のかけ声のもとで負担と犠牲が区民に負わされ、格差は一層拡大した年だというふうに思います。納税義務者がふえる一方で、生活保護受給者もふえてまいりました。まず伺いますが、生活保護受給者の、中でも高齢者を中心とした受給状況、その理由の特徴について伺います。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 生活保護受給者のうち高齢者世帯の受給率は増加傾向にあります。平成25年度実績に対する平成26年度実績との比較では、全受給者が約2.3%増であるのに対して、高齢者世帯は5.6%増であり、とりわけ高い増加傾向にあります。また、受給開始に至った理由としましては、収入、手持ち金銭の減少が約6割で最も多く、次いで、世帯主・世帯員の傷病が約3割となっております。 ○来住委員 受給理由も、特に今ありましたように、手持ち金、貯金の減少というのは、特に平成26年度については約10%という上がり方をしました。また、27年度の厚生38の資料をいただいておりますので、それを見ても失業・定年というところが比率的には上がって、手持ち金・貯金の減少というところがさらに上がるという状態が生まれているということだと思います。 生活保護に関連しましてもう1点伺いますが、この間、生活保護の制度改正、改悪が行われてきましたけども、この間のこれによる受給者への制度上の問題は何だったでしょうか。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 生活保護基準の見直しに伴いまして、その適用があったものということで、まず一つは、全世帯に対して見直しの適用があったというものがございます。こちらが、いわゆる家賃相当になります住宅扶助費が全世帯に見直しの適用があったものであります。あともう一つは冬季加算、いわゆる冬季の暖房費の扶助としての燃料代というものですが、こちらも全世帯に対して見直しの適用になったものになります。そのほか一部の世帯に見直しの適用があったものといたしましては、障害等級1級、2級または3級をお持ちの方に対して適用される加算である障害者加算、母子家庭の方に適用される母子加算、そして、妊婦の方、6カ月未満・以上という部分で適用される妊婦加算というものがございます。 ○来住委員 生活保護の世帯増と生活苦の実態というのは、これは中野に限らず広がっております。生活保護に関していうならば、政府が生活保護費のうち日常生活費分に相当する生活扶助、この支出を、後で述べますが、この中野区が進めてきた事業見直しのこの期間、さかのぼって3年前から約740億円削減してきました。これがもととなって今回、この決算年度も含めて、特に子育て世代に影響も出たというふうに言われております。そういう点では生活保護の実態と、そして、生活苦の状況というのが区民の中にもかなりの負担となっているということが言えます。一方、今回の決算では年齢別の総所得金額を見ますと、各年代で上昇しているのが見てとれます。しかし、前年度と比較すると、60から64歳代、それから、若年層に減少が見られるのも一つの見方だと思います。こういう状況が進んでいる中で、中野区は平成23年度から事業見直しを進めてきました。ことしは4年目となりますけども、その中で幾つかについて伺います。 まず、就学援助の引き下げが行われてきましたけども、26年度、決算年度ではどれだけの財政的な効果を見ておられるのか、まず就学援助についてお聞きします。 ○中谷政策室副参事(業務改善担当) 平成27年度の事業見直しの中で見込みました平成26年度分の財政効果の中で、就学援助の見直しにつきましては1,508万9,000円を見込んでございます。 ○来住委員 この就学援助については4人に1人の割合での受給がありますし、生活保護の基準の切り下げによって中野区もさらに基準を引き下げてきたということで、子育て世代にとっては大変な負担になっているのが実態だと思います。 次に、社会科見学・遠足代公費負担の廃止も行いましたが、これについては財政効果についてどれだけ見ていらっしゃるんですか。 ○中谷政策室副参事(業務改善担当) 2,792万1,000円を計上してございます。 ○来住委員 社会科見学・遠足代公費負担については、この年度に小学校PTA連合会から要望書もいただいております。その中に交通費の負担ということで、社会科見学などの交通費、貸し切りバス代を自己負担から区の負担に戻していただきたいという要望もいただいておりますので、やはりこの復活を求めておられるんだということをこの要望からも酌み取ることができます。 次に、同じく事業見直しで、高齢者福祉センターを廃止してきました。決算年度の前年の弥生・松が丘に続いて、今年度は堀江・鷺宮センターの廃止ということになりました。高齢者福祉センターについては、入浴やいろいろな趣味を生かした高齢者の活躍、活動の場、交流の場ということで高い利用も得てまいりましたが、廃止し、今日に至っております。この高齢者福祉センターの廃止による財政効果というのはいかがだったんでしょうか。 ○中谷政策室副参事(業務改善担当) 高齢者福祉センターの廃止につきましては、平成26年度分の財政効果として1億4,359万8,000円を見込んでございました。 ○来住委員 この廃止の前には高齢者会館の独自の事業なども廃止されておりました。こういうことの中で、さらに高齢者福祉センターの廃止ということでありました。入浴困難者入浴事業というのを高齢者会館でやっておりましたけども、この廃止をする際に区のほうでは、介護予防の日常生活支援総合事業への移行によって入浴機会を確保すると、機能の改善を図るという説明をされてきましたが、しかし、この介護予防の日常生活支援総合事業については、この入浴事業を廃止する理由の一つとされましたけども、これについて改めてどういう事業を起こそうとされたのか、担当分野で説明いただけますか。 ○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 入浴困難者の事業につきましては、日常生活支援総合事業の中で組み立てを想定していたわけでございますが、営業ベースで成立しがたいということで断念したところでございます。その時点でニーズを確認したところ、そのニーズの絶対数が少ないということでの判断でございました。その後の推移によりましては検討もしていく必要がございますが、現在のところそれにかわる事業については想定してございません。 ○来住委員 今、私のほうでは事業見直しの中の子育てや高齢者、福祉に関係するところを紹介しました。さらにもう1点、福祉の関係では福祉タクシーの所得制限というのが同時に行われております。この額についてお答えください。財政効果についてお答えください。 ○中谷政策室副参事(業務改善担当) 福祉タクシーの所得制限につきましては、約865万円の財政効果を見込んでございます。 ○来住委員 福祉タクシー券の所得制限によって865万、社会科見学・遠足代公費負担、就学援助の引き下げ、さらに高齢者福祉センターの廃止、それらの財政効果の総額としては今年度が1億9,000万円余ということですから、必ずしもこの事業の廃止または縮小をすべきではなかったということを繰り返し私たちは議会でも求めてきているところです。といいますのは、今回の財政調整基金への積み立てを含む、また、不用額そのものを57億円という額にするということを見ても、区民の暮らしにしっかりと目線を当てて実態を踏まえていけば、高齢者や障害者、子育ての世代に少なくともそういう支援ができたのではないかということを、この決算の額を見て痛感させられます。この間の区民の暮らしの実態からこの事業見直しを検証して、区民を支える福祉や子育ての施策へ返還すべきだということです。そして、少なくとも新年度の予算には反映した、区民の暮らしを支える予算にしていただきたいということをお願いしておきます。 こういう区民生活の一分野を紹介いたしました。しかし一方で、この決算年度も中野駅周辺まちづくりに熱心でした。中野駅一極集中ということを批判してまいりました。区内全体に及んではいないということも指摘してまいりました。区役所・サンプラザ地区整備、中野駅地区整備、中野南口地区整備でこの年度、予算額としては3億2,000万余ということであります。そこで、予算の集中もあると同時に、職員の体制がどう変わってきているのかということをお聞きしたいと思います。平成25年から27年にかけては、職員体制も全体としては削減を続けておられます。特にこの間の弥生福祉作業所の廃止、また、保育園や学童クラブの民営化も進められました。障害者・子育て分野には大変大きなものでありました。 まず、平成25年度から27年の全職員数、常勤、再任用、フル・短時間の合計、その削減数について伺います。 ○伊藤経営室副参事(人事担当) 常勤・再任用を合わせた全職員数でございますが、平成25年4月1日現在では2,244名、平成27年4月1日現在では2,168名でございまして、76名の減となっております。 ○来住委員 さきに駅周辺の開発について伺いましたが、もう一つ職員の推移について伺います。中野地区周辺、区役所・サンプラザ地区の開発、これらを主に進めることも都市政策推進室が行っているわけですけども、この都市政策推進室の、先ほどの25年、そして、27年で、4月1日で結構ですが、職員の数についてはどのような変化があるでしょうか。 ○伊藤経営室副参事(人事担当) 都市政策推進室の職員数は、平成25年4月1日現在では51名、平成27年4月1日現在では63名となっておりまして、12名の増でございます。 ○来住委員 今数字をお聞きしたように、全体で25年から27年にかけては76人の職員が削減されながら、中野駅地区を中心とした――私たちは「開発」といいます――これに集中していく職員は12名もふやしている。こういう職員の体制も、予算の上でも、中野区はこういう形ができ上がりつつある。そして、先ほど紹介した事業見直しという形で何年にもわたって福祉や教育、子育てを痛めつけてきた。そして、予算的には残しながら、さらに基金に積み上げていくという。こういう構図がこの何年かの中でいよいよはっきりしてきたということを指摘しておきます。 決算に関連いたしまして、教育費と学校施設整備について伺いたいと思います。教育費については、本会議でも幹事長が23区の中でも最低クラスだということを指摘いたしました。この間も私は決算年度で学校の校割予算についても指摘させていただいて、小学校・中学校ともにこの6年、7年と毎年校割予算を減らしてきました。この点は前回指摘しました。こういう予算の削減については、教育分野では許されないと思います。今年度も小学校PTA連合会、また、中学校連合会からも議会に要望書をいただいております。そこで、学校施設について伺いますけども、中学校の要望書ではこういう指摘をしています。老朽化、経年劣化により授業に支障が出ると思われるもの、命にかかわる事項、けがのおそれがあるもの、健康被害が懸念されるもの、当初の目的を果たさなくなっているもの、立地環境によるもの、計画的な維持補修をなされていないために機能不全になったものなど多数という指摘がされているんです。学校現場で非常階段にこういうさびが、もう取れないと。非常時には危ないと。要望書の中を見ますと、各学校から出されているんです。 二、三紹介しますけども、例えば第二中学校ではガスをとめる栓がなくガス漏れの危険がある。また、地震のときすぐに元栓を閉めることができず2次災害の危険があると。これは第一理科室、家庭科室のことを指摘されております。そして、さらにほかを紹介しますが、第十中学校の中に幾つかありまして、学校生活上雨漏りを何とか早期に改善してほしいと。雨漏りですよ、東京の学校で。こんなことを放置しているという。毎年いただいている。改善されない。昨年の要望と比べてもほとんど同じことを要求されています。緑野中は、激しい雨や風雨のときは雨が通路まで入ってきて滑りやすくなり、けがをするおそれがありますと。けがをされたらどうするんですか。学校が言っているんですよ。第二中、防球ネットが破れており、穴から校舎の窓にボールが当たり破損していると。こういうことですね。(「誰が言っているんですか」と呼ぶ者あり)PTA連合会です。私が言っているんじゃないですよ。毎年いただいているじゃないですか。もちろん教育長にも行っていると思いますよ。こういう事態が放置されているということに、やはり税、予算の使い方を私は指摘したいわけです。まずもって教育予算をしっかりととって改善を図っていただきたいと。具体的にどこと言いませんが、もう各学校から、小学校は紹介しませんでしたけども――時間がありません――小学校からも出ておりますので確認してください。 それでは、まずお聞きしますが、夏の暑さに教室を冷房化してほしいと。特別教室の冷房化が求められております。そこで、今年度で小学校の図工室、中学校の理科室については全て、1学校に1教室ですけども完了することになりました。特別教室の冷房化未実施の学校、小学校の理科室と家庭科室、中学校の家庭科室、技術室、さらに美術室と、それぞれの数、これは答弁できる整理の仕方で結構ですので、まず未実施についてお聞きします。 ○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 特別教室の冷房化未実施の学校数でございますが、小学校の理科室が18校、家庭科室が13校、中学校の家庭科室が7校、技術室が7校、美術室が5校でございます。 ○来住委員 冷房化についても各学校から切実に出されております。そこで、東京都から公立学校施設冷房化支援特別事業実施要綱というのが改正されました。これはそれぞれの冷房化に活用できるというふうに思いますが、この実施要綱の改正によって支援となる対象はどのように変わったのか。また、それについて未実施の教室全てが補助対象となっていくのか。そして、さらにその費用について、補助と区負担についてわかれば御答弁ください。 ○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 今御指摘がありました東京都の支援制度でございますが、平成26年度までは補助の対象が音楽室、視聴覚室、図書室、パソコン用教室でございました。今年度からはさらに理科室、家庭科室、調理室、被服室、図工室、美術室、技術室となりまして、先ほどお答えいたしました冷房化未実施の特別教室全てが対象となってございます。また、冷房化に伴う経費でございますが、1室当たりでございますが、おおむね500万から700万程度でございまして、先ほどの都の支援制度、それぞれについては若干計算の仕方がございますが、おおむね30%程度が補助の対象になってございます。 ○来住委員 東京都の補助対象が、区内でいえばほとんどの特別教室に適用されるということになったわけですから、スピードを持って冷房化をしていただきたいと思います。そこで、これまでたびたびこのことについては要求してまいりましたけども、計画的に進めるという答弁だったと思います。計画的にとおっしゃいながら今年度も2教室ですね。先ほど学校数の紹介がありましたけども、1校、2校の程度では10年かかるような感じですよね。何年までに特別教室については冷房化の完了を目標にしているんですか。 ○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 現在、学校統合も来年度以降行われますので、そのような実施時期とあわせて計画を策定しているところでございます。 ○来住委員 これまでそういう統合の計画を見ながらということでもありましたが、しかし、中学校は3年しかないですね。そういうこともきちっと含めて生徒に応えていただきたいと。まずこの点では、補助と区負担で全校について早急にやっていただきたいということを求めて、結構です。 次に、トイレの改修について。本当に各学校から出されております。第三中、老朽化によりバリアフリー化の設置もあわせてやってほしいと。さらには第七中、廊下から中が丸見えだと。においが外に漏れ出すようなトイレが放置されているんですよ。対策をとれないんですか。各学校からとにかく出ています。そして、第四中も紹介しましょう。プールの時間を生徒たちに楽しんでもらえる環境づくりのため、せめてトイレは使用可能な状態にしていただきたい。プールの時間にトイレが使えないんだと。使用不能になっている。こういう出されている実態は、まず現場を含めて確認されているんですか。 ○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 小P連、中P連からの要望に対しましては、現場を確認いたしまして緊急を要するものにつきましては直ちに対応してございます。中にはどうしても工事に時間がかかるようなものもございますので、そういったものにつきましては年次計画を立て整備をしているところでございます。良好な教育環境の改善に向けて努力をしてまいりたいと考えております。 ○来住委員 担当も現場を当然見ていただいているということです。今年度は塔山小学校、第十中学校が改修ですね。PTA連合会から出されております毎年の要望、また、中P連、小P連から出されている学校トイレの洋式化。今の子どもたち、洋式じゃないと、もう家庭がそうですからなかなか難しいと思います。トイレの改修が必要な学校というのはどれだけ捉えていらっしゃいますか。 ○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 全ての小・中学校には洋式トイレが設置されてございますが、ほぼ全部という学校で申しますと、江原小学校と中野中学校というような状況でございます。学校によってかなりその洋式化の割合は差がございます。 ○来住委員 ほとんどの学校で改修が必要な状況があるということはわかりました。小学校、中学校のそれぞれの洋式化率ではどういう率になりますか。 ○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 今年度改修した結果で申しますと、小学校が41.6%、中学校は49.6%でございます。 ○来住委員 まだまだですね。半数までいかないということですので、これもスピードアップしていただきたいんですが、トイレ改修には抜本的な改修もあると思います。しかし、洋式化という点だけでいうならば、例えばことしやられた新山小学校のような手法などもあるのではないかと思いますが、学校やPTAとも相談されてぜひ具体的に、そこの現場で洋式化の方法も含めてやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) トイレの改修につきましては、今、委員も申されましたようにさまざまな方法がございますので、そういった方法を用いまして早急な対応が可能となるよう工夫してまいりたいと思っております。 ○来住委員 ありがとうございました。よろしくお願いします。 次に、四季の森公園管理について、決算に関連して伺います。四季の森公園管理については、公園と公共空地の一体的な安全確保を図るということで、東京建物と中野区が協定を締結して公園の管理委託を行っています。まず、四季の森公園と公共空地の整備にかかわる協定書、この期間は1年間となっていますが、もちろん更新ができるということでもありますけれども、これは決算年度も前年度と同じようなことで協定を結ばれたということでよろしいんでしょうか。 ○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 協定締結時におきまして、協定の期間につきましては、甲乙いずれかの異議の申し出がないときは1年間協定の延長をすることとしております。その後においても期間満了時には同様の取り扱いとしておりますことから、前年度と同様の協定となってございます。 ○来住委員 建設の31の資料をいただきました。中野四季の森公園及び平和の森公園維持管理経費の4年間の推移となっています。まず伺いたいのは、警備委託についてですけれども、公園と公共空地の一体管理ということですが、今年度予算で約900万ですかね、引き上がりました。これは何が理由でしょうか。 ○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 公園内の自転車駐輪対策といたしまして、昨年度は防災・都市安全分野におきまして自転車放置防止の警備予算を計上しておりましたけれども、今年度から道路・公園管理分野におきまして公園管理の一環として対応することとなりましたことから、経費が増となったものでございます。 ○来住委員 公園と公共空地の一体的な管理ということであれば、駐輪の対策、これも公園だけでなく公共空地にも影響が当然及ぶ管理だと考えられます。したがって、公園管理を行う中野区だけがこの駐輪対策を負うということでは、これは違うんじゃないかと。少なくとも応分で、それぞれで管理を公平に行うということだって……。あの公共空地と公園は一体のものですから、そこの駐輪対策を行うということであれば、この駐輪管理の中の駐輪費用についてはお互いに出し合うということがあっていいんじゃないでしょうか。 ○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 警察大学校跡地のまちづくりに関する覚書、これによりまして駐輪・駐車対策の実施についても取り決めを行っているところでございます。内容といたしましては、適切な中野駅周辺の駐車・駐輪の対策を協力して行うこととしております。四季の都市のエリアについても同様の取り扱いとなっておりまして、それぞれの役割、管理区分によりまして現在対応しているところでございます。 ○来住委員 またそれは後ほど聞きます。予算の総額が前年度に比べると約1,400万円高く、四季の森全体の管理費用として7,466万2,000円ですよ、1年間で。その中の管理委託のことを聞きましたが、次に植栽管理の委託についても、2,000万円余ということで700万円余も高くなっていますけども、この内容は。どうしてですか。 ○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 植栽管理経費の平成26年度の当初予算額が、今年度と同規模で2,100万円余でございました。その額をもとに単価契約を行ったところ、平成26年度の決算では1,300万円となったものでございます。平成27年度の植栽管理経費の当初予算額も2,000万円余でありまして、その差が平成26年度決算との差というものでございます。 ○来住委員 この植栽管理の委託は、この間毎年はね上がっていますね。25年が1,000万、26年は1,300万、そして、27年は2,000万ということですけども、植栽の管理ということでいえば、例えばその下の表の平和の森公園の植栽管理委託は369万円です。しかも、平和の森公園の植栽の本数は、当初植えられたと言われている1,000本ということでありますけども、四季の森公園は127本だというふうに聞いております。この数の管理、もちろん芝の管理もあるでしょうから一概に言えませんが、公園の広さ、平和の森公園のほうが三倍近いですかね、広さからいってもあります。この管理の仕方なのか、植栽の数からいったらあまりにも桁が違い過ぎると思いますが、いかがですか。 ○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 平和の森公園との違いにつきましては、植栽の本数はかなり違うわけですけども、大きな違いといたしましては、芝生の管理が大きな要因となっているものでございます。全体的な経費の26年度決算値の1,380万円余のうち、1,000万円が芝生の管理となっているものでございます。 ○来住委員 驚きですね。芝の管理に1,000万もかける公園。それで、さらに聞きますけども、水施設の管理というのがあります。これは、26年度は890万で、27年度は、これも930万に大きくはね上がっておりますけども、この水施設の管理というのはどういう中身でしょうか。 ○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 平成24年にオープンいたしまして、あそこにあります水景施設として水流れ、噴水等がございますけれども、そのところがこの夏の間に限りましては小さなお子様から小学生まで、多くの方々に御利用いただいているところでございます。そこの安全管理ということも含めて消毒、清掃の回数をふやしたほか、水質検査ですね、そういったものを徐々にふやしていった、清掃回数も大幅にふやしたといったことからこのような経費となっているものでございます。 ○来住委員 この水施設の管理は競争入札ですか、それとも随意ですか。 ○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 水景施設の清掃につきましては、清掃管理委託ということで入札でやっているものでございます。 ○来住委員 毎年毎年それぞれの、植栽もそうですが、水施設管理もそうですが、警備も含めて上がり続けて、平成27年度の合計は7,460万、平和の森公園は2,600万ということで、この表で見ますと四季の森と平和の森公園の差は、2014年度の決算でいうと3,700万の差がある。差が拡大しているということが言えると思います。 この項の最後にしますが、東京建物、民間事業者の負担も当然求めていくべきだと思いますし、入札のあり方、そして、公共空地の警備、特に自転車対策ですね、それらも含めてやはり見直しをする必要があると思います。これについては、今後の問題ではありますが、どのようにお考えでしょうか。 ○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 四季の森公園と民間事業者の管理区域は明確に区分けされてございまして、一体的に共同管理することによりまして経費の節減につながっているものと考えております。そのことから協定の見直しをするつもりはございません。仮に協定の見直しを行いまして新たに単独で警備委託を行った場合につきましては、さらに委託管理経費が増大することになります。 ○来住委員 しっかり見直しをしてほしいということを申し上げておきます。 この項の最後になりますが、区長の政治姿勢、特に平和事業、平和問題についてお聞きしたいと思います。戦後70年に関連しまして、この夏は戦争と平和、そして、憲法について考える機会が特別だったなというふうに思います。区長は、8月の区報で「平和の歩みを着実に」と題して、「中野区は「憲法擁護・非核都市の宣言」や、「中野区における平和行政の基本に関する条例」に基づき、平和に向けた取り組みを継続して行ってきました。戦後70年に当たり、これからも平和の歩みを力強く進めていくことを区民の皆さんとともに誓いたいと思います」と語っておられます。同じ8月に長崎の田上市長は、平和宣言で「今、戦後に生まれた世代が国民の多くを占めるようになり、戦争の記憶が私たちの社会から急速に失われつつあります。長崎や広島の被爆体験だけでなく、東京をはじめ多くのまちを破壊した空襲、沖縄戦、そして、アジアの多くの人々を苦しめた悲惨な戦争の記憶を忘れてはなりません」と宣言されました。また、同時に安保法制の問題にも疑問を呈しておられました。 区長は、この区報の中の最後のほうで、国同士の関係づくりでも、北京市西城区やソウル特別市陽川区との自治体・民間レベルの交流を進めるというふうにおっしゃっています。これはアジアにおける戦争の被害、そういうことを想起させながら、国と国との関係はそれとして、しかし、自治体間のレベル、民間のレベルでの交流は必要だということをおっしゃっているのかなというふうに私は読みました。それで、戦後70年の節目として平和利用の今後について伺います。北京市西城区との交流は来年30周年を迎えます。それに見合う取り組みをお考えなのか伺いたいと思います。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 北京市西城区とは1986年9月に友好都市関係を締結したということでございまして、来年度で30周年ということになります。現時点で30周年の記念行事を行うかということにつきましては未定でございまして、この間の交流の経緯も踏まえて今後検討していきたいというふうに考えております。 ○来住委員 この夏には西城区との軟式野球の、少年野球の交流も行われました。ぜひ国際交流協会への支援も強めていただきながら、来年の30周年に区としても一定の取り組みをしていただきたいということを申し上げておきます。 もう1点ですが、区長はこの決算年度に日本非核宣言自治体協議会を脱会されたと思います。自治体協議会は、この夏未加入の自治体に加入案内を送付しているということを聞きました。中野区も未加入という状況になっていると思いますが、その加入の案内については届いたのでしょうか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 担当が確認しましたが、現在のところ届いていないようだということでございます。 ○来住委員 届いていないと。届かないんじゃないですか。それはなぜか。中野区のホームページに、中野区は日本非核自治体協議会に参加していると、今も。いいですか。だって、こうあるんですよ。日本非核宣言自治体協議会という柱がありまして、この協議会は非人道的な核兵器の使用が人類と地球の破滅の危機をもたらすことに鑑み、生命の尊厳を保ち、人間らしく生活できる真の平和実現に寄与するため、全国の自治体、さらには、全世界の全ての自治体に核兵器廃絶、平和宣言を呼びかけるとともに、非核都市宣言を実施した自治体間の協力体制を確立することを目的として、1984年の結成から毎年総会全体会を開催していると。中野区は1989年、平成元年から協議会に参加していますというふうになっています。参加しているんですから、再加盟の案内は届かないと思いますけど。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 加盟の案内が届かない理由については、ちょっとはかりかねるところがありますけれども、ホームページ上でそういった不適切な部分があるとすれば、現在確認してございませんけれども、すぐに修正したいというふうに考えております。 ○来住委員 昨年の予算委員会ですかね、むとう議員からも指摘がありました。じゃあ、脱会の手続をされていないということですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 脱会については昨年末に脱会届を提出いたしました。 ○来住委員 せっかくのことですから、会費を納めて再加入して役割を果たしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 それでは、次に平和の森公園の再整備と新体育館の建設について伺います。中野刑務所が平和の森公園となるまでの歴史については、昭和29年、それまで連合軍に接収されていた刑務所が復帰するとの話が伝わると、刑務所の復帰に反対してこの敷地を地域生活のために役立てることはできないかという意見が区民の間から起こったと。その区民の声に押され、区議会では同年12月、連合軍接収解除後その跡地を区民福祉のために開放するよう法務大臣に要請することを決議し、要請書を提出しました。これが運動の発端だと。区民の団体として豊多摩刑務所復帰反対期成同盟が設立されます。しかし、残念ながら中野刑務所が刑務所として再スタートを決定するということになります。そこから約12年間後の41年に区民運動が再燃するということが、中野区企画部企画課が発行した冊子に示されております。そこで伺いますが、高度成長の劇的な変化が生まれていたんだろうと思いますが、住宅が立て込んで、中野区にとって緑の公園や運動広場が必要だという求めが起きたのではないかというふうに思われますけども、当時の社会状況について御答弁ください。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 当時の中野刑務所跡地の利用に当たっては、周辺に公園が少なく、密集地域であるという状況を踏まえまして、災害に強いまちづくりの観点から防災公園としての機能を確保することが優先課題だったというふうに認識しているところでございます。 ○来住委員 そういうことですね。41年には中野刑務所跡地等国有地開放特別委員会が設置されております。さらに、中野刑務所跡地開放促進期成同盟が結成され、署名運動が取り組まれて期成同盟と一緒に進められて、中野区全世帯の半数を超える数を2日間で集めたというふうに記されております。開放促進同盟を中心とした運動は、47年5月には都議会に11万5,000余の署名を提出し、中野刑務所移転促進に関する請願書が全会一致で都議会で採択されています。そして、50年9月5日に、ついに法務大臣によって中野刑務所廃止の声明が発せられます。これは、区民の願いが大きな運動となって、区議会、中野区、そして、区民と一体となって勝ち取った成果だというふうに確認したいと思いますが、いかがですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 中野刑務所の廃止と跡地の開放につきましては、当時の粘り強い区民運動の成果であったというふうに聞いてございます。 ○来住委員 区議会、区と区民が一体となった運動によって勝ち得たものだという確認ができたと思います。そして、法務大臣の声明の2カ月後には、中野区が中野刑務所跡地対策本部を発足させていますけども、その本部の体制はどのような構成だったんでしょうか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 刑務所跡地対策本部につきましては、昭和50年11月に設置されたもので、本部長、副本部長、本部員、幹事によって組織されたということでございました。構成メンバーといたしましては、区長を本部長といたしまして、副本部長には助役――当時の助役でございますが、副収入役、教育長、本部員には企画広報室主幹ほか部長級5人、また、幹事としては企画広報室副主幹ほか課長級6人で構成されていたというふうに記録されてございます。 ○来住委員 まさに中野区を挙げての本格的な組織を立ち上げたということだと思います。さらに、翌年の5月には中野刑務所跡地利用を考える区民協議会が設置されております。区民大会が中野公会堂で開催され、そのときに跡地は大震災などの災害時に区民の命の安全を確保するためにみどりの防災公園にすることを決議し、これを確認し、発表しております。そして、50年6月には野方地区の各町会長さん、8月には沼袋地区の各町会長さんからそれぞれ公園計画について区長に陳情・請願が提出されております。さらに翌年の2月には、中野刑務所跡地利用計画区民協議会が中野区の要綱で設置されておりますけども、この中野刑務所跡地利用を考える区民協議会の委員の構成、また、協議の事項は何を要綱で定めたんでしょうか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 中野刑務所跡地利用を考える区民協議会につきましては、委員34人をもって構成されておりまして、その内訳といたしましては、学識経験者8人、中野区議会議員9人、中野刑務所跡地開放促進同盟が推薦する者ということで、団体関係の方が6人、周辺の住民の方々、町会の関係者の方々が4人、中野区に勤務する職員7人で構成されていたということでございます。区民協議会の協議事項といたしましては、要綱で二つの事項が定められておりまして、一つ目といたしまして、中野刑務所跡地に設置予定の公園及び下水道施設の基本的な配置及び構造に関すること、2点目といたしまして、防災公園としての整備計画、その他、中野刑務所跡地の利用に関し必要と認められることを協議したということになっております。 ○来住委員 しかも、この区民協議会は1年の間に26回も開催されています。各町会長の主な方々、当時石川誠一さんも入っていらっしゃいます。そして、学識経験者の皆さん、スポーツ評論家ですかね、川本さん、有名な方でしたけども、この方も入っておられるようです。幅広い構成で、しかも、これで数えますと1カ月に2回ほど開催しながら、区民協議会は56年2月に、協議を踏まえて「中野刑務所跡地にみどりの防災公園をつくるために」と題する基本計画案をまとめ、区長に提出されております。さきに紹介した51年に設置された中野刑務所跡地利用を考える区民協議会の結論や、東京都、そして、中野区で締結された基本協定を踏まえながら計画案としてまとめられたものです。そこでお聞きしますが、計画案は区民協議会などの本格的な区民参加で得られた成果であったというふうにこの経緯から確信しますけども、その点も確認できるでしょうか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 当時の区民協議会による計画案でございますが、区民、区議会、区が、本協議会としては11回、その他小委員会が行われたということでございますが、そういった多くの協議を重ねて得た結果として作成されたものというふうに認識しているものでございます。 ○来住委員 確認できるというふうに思います。それで、そのまとめられた公園の基本計画案というのが出されているわけですけども、この基本計画案の位置付けというのがあると思います。四つほど挙げていたかと思いますが、1と2についてどのような位置付けをしていたのかお答えください。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 計画案の位置付けでございますが、一つに公園の基本計画案策定に当たっては、まず第1に防災公園としての機能を確保しなければならない。そのため基本配置と構造を踏まえつつ、みどりの広場を中心に樹林帯と水辺をできるだけ多く配置すべきであると。もう1点が、この防災公園は、平常時においては子どもが自由に遊べ、遊びをつくり出して楽しめ、大人の健康づくりのため軽い運動ができるなど、家族を中心としたレクリエーションも楽しめ、多目的な空間を創出すべきであるというふうに書かれております。 ○来住委員 ここでは、第1に防災公園としての機能を確保しなければならないということだと思います。さらに、これから非常時と平常時の公園の持つ役割を踏まえて、その公園に濃い緑と豊かな水と明るい広場を計画のメーンテーマとし、これをできるだけ広域的な空間の中で実現していけるよう、妙正寺川や下水道施設、法務省施設、さらには周辺市街地にも考察の目を向け、周辺への広がりを持った計画を行うべきであると。そして、最後に、この公園が身体障害者、老人、子どもなどあらゆる区民に気軽に利用されるよう、基本計画案の策定に当たっては非常時の避難と日常の利用について特に十分な配慮をすると。こういう位置付けを持って防災公園、広場の活用を具体的に示しております。 もう1点、これに関連し、芝生の位置付けというのは、そして、多目的広場の位置付けについてはどのようにしていたでしょうか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 多目的広場でございますけれども、区民協議会による計画案では、多目的広場につきまして区民の誰もが健康づくりや子どもの自由な遊びなど、気軽にレクリエーションを楽しめ、また、災害時には多人数を収容できるように、覆蓋部には特定の競技施設を設けず、芝生の多目的広場を設けるとの方針が示されています。 ○来住委員 覆蓋部の活用については明確にそこでうたっております。さらに、植林帯についてはどのような位置付けだったでしょうか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 同様に、植林帯につきましては、公園の周辺部には高木の常緑樹を中心に多様な樹種の樹林帯を設け、自然的景観が四季を通じて楽しめるようにする。樹林帯の中にはジョギングコース、簡単なトリムコース、小川などを設けるとの方針が示されております。 ○来住委員 まさにこの計画の中身に沿った公園が今ここに実現している、活用されているということが言えると思います。これに関連して55年の8月に受理された区議会への陳情というのがあります。それは野方小学校のPTAから出されたものですが、中身的には「刑務所跡地に公式準トラック設置について」という陳情が出されております。しかし、これらの区民の議論や全体を通して、みずからこれについては翌年の3月に陳情は取り下げとなっております。こういう経過の中で伺いますが、ところが、今回中野区がこの8月に委託契約をした支援業務委託の目的は、平和の森公園に求められるスポーツ機能と防災機能の拡充ということになっていますけども、これは、これまで確認してきましたように、区民の皆さんと議会、中野区が一体となって準備をしながらこの案がつくられ、そして、議論の末に今日の公園が生まれているということからすると、当初の計画、示されてきた方向、これを大転換するということになりませんか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 平和の森公園の再整備についての方針でも示させていただいたところでございますが、平和の森公園の再整備はスポーツニーズの高まりを踏まえまして、スポーツ機能の充実を図るとともに、既存機能であります防災機能や区民の憩いの場の機能、平和の継承等、こういった機能も向上させるということを考えているところでございます。新たな機能を付加しながらこれまでの利用計画を充実させていくということを考えておりまして、刑務所開放に係る長い区民活動の歴史や区民協議会の計画案を継承したものであるというふうに考えているところでございます。 ○来住委員 全く継承に反すると思います。みどりの防災公園の実現の道というのは、刑務所跡地の開放のための区民や区議会の一致した協力、これが推進力となったということもこの中で言われております。これらの経過を踏まえて区長を本部長とする中野刑務所跡地対策本部が、56年4月に区民協議会報告書、基本計画案を公園の基本計画とするということを決定したわけです。このプロセスを踏まえてつくられた公園、これに対して、今継承するとおっしゃいましたけども、中野区と区議会、そして、中野区民が一つになって30年に及ぶ歩みの中で目的を実現した。この貴重な体験、そして、その体験はその後も中野の自治のあり方、自治の運動に受け継がれてきたというふうに、私はこの中野区が出した冊子を読んで思いました。今やろうとしている区のやり方、そして、その手法も、私は自治の精神を無視し踏みにじるというふうに思いますが、いかがですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) この整備の検討に当たりましては、適時適切な情報提供を行いまして区民の方々の理解を得ながら進めていく必要があると考えてございまして、今後整備構想、整備基本計画の検討を進める中で区民の方々の御意見を伺う場を設けるなど、適切な手続を踏まえて進めていきたいというふうに考えていることから、中野区の自治のあり方に沿ったものであるというふうに考えているところでございます。 ○来住委員 今回の、特に最初の情報を議会として得たのは第1回定例会です。本会議での区長の答弁で知ることとなりました。建設委員会でこのことについて私は質疑を若干しました。この計画は既に昨年の秋から庁内では議論されてきたと思いますが、間違いないですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) この体育館をどこに建設するかという検討をしていく中にありまして、平和の森公園が適切であるというような考えに至った経過といたしましては、そういったスポーツニーズは今後の中野区にとって非常に重要な要素であるということで、それを踏まえていかなきゃいけないということを検討して、その結果、平和の森公園が適切だという結論に至ったと。平和の森公園で建設を検討していくという考えに至ったということでございます。 ○来住委員 議論の経過も示さないで、情報の開示もしないで、議会にも示さないで、突如として出してくるという手法。この公園をつくる過程のあり方、この手法と、今理事者がやろうとしているこの公園の大転換については、これまでの継承をしているとおっしゃいますけども、全く逆のことをやっていらっしゃると思うんですよ。そして、2月20日の本会議で表明され、5日後の経営本部会議で決定されたというふうに委員会で聞きましたけど、間違いないですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 決定につきましては経営本部会議での議論を踏まえて、区として決定したということでございます。 ○来住委員 2月20日の本会議で初めて聞かされ、5日後の経営本部会議ではもう決定。20年、30年かかって区民の皆さんが、町会の皆さんが、学識経験者、区を挙げてこの公園をつくり上げた。それを5日間ですよ。それでもう決定ですと。こんな議会を、区民をないがしろにしたような手法は絶対認められない。直ちに白紙にすべきですよ。いいですか。情報として示されているものは、秋からの議論が全く区民にはない中で5日間で決定するという。もう本当に驚くべき、民主主義も何もないという感じです。そこで、今回TBSのテレビを見ておりましたら、この平和の森公園に体育館を新設予定と、この絵が示されました。これがテレビの中で議論されていました。これは去年の秋からの庁内の議論のテーマの一つといいますか、案の一つ。ほかにもこれ以外にあるんですか。 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 区といたしましては第1回定例会におきまして報告したとおりでございますが、現在のところ平和の森公園の再整備及び体育館の建設については基本的な方針を決定したところであるということでございます。テレビで放映された検討図面につきましては、区としては全く関与しているものではございませんで、承知していないということでございます。 ○来住委員 ○海老沢政策室副参事(企画担当) 下水道局との事前の――これは担当者レベルの話でございますが――話の中では、下水道施設の上部には荷重制限というものがございまして、その荷重制限の範囲内で利用するということは可能であるというようなことでございます。 ○来住委員 覆蓋部の上は2トン以上の車も入れないというふうに所管分野から聞いております。重量制限が当然されているということですから、この絵でいきますとこれはまず無理だというふうに思います。そこで、これまで本会議でも下水道局に対して再三要望してきたという答弁をされていますけども、どういう形で下水道局に要望されてきたんですか。 ○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 東京都に対しましては、直接下水道局の担当へ要望を行うとともに現状の確認も行ってきたところでございます。また、毎年文書によります要望も行っているところであり、都からも回答されているといったものでございます。 ○若林委員長 来住和行委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 午後3時00分休憩
午後3時23分開議 ○若林委員長 委員会を再開いたします。 来住委員の質疑の途中ですが、緊急な案件の御相談のため理事会を開かせていただきます。関係者は第3委員会室にお集まり願います。理事会を開会しますのでお集まりください。 委員会を休憩いたします。 午後3時24分休憩
午後4時57分開議 ○若林委員長 委員会を再開いたします。 理事会の報告をします。来住議員の質疑においてチラシを掲示したことについて疑義が示され、理事会を行ってまいりました。チラシの引用については、該当部分の削除の申し出がありました。申し出については了承することとし、削除の内容については後日の理事会で確認することとしました。また、本日の総括質疑は、来住議員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、来住議員から質疑を始めることを確認いたしました。 以上が理事会の報告ですが、質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○若林委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○若林委員長 御異議ありませんのでそのように決定します。 本日の総括質疑を終了します。 次回の委員会は、9月18日(金曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の決算特別委員会を散会します。 午後4時58分散会 |