平成27年09月24日中野区議会決算特別委員会
平成27年09月24日中野区議会決算特別委員会の会議録

.平成27年(2015年)9月24日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  内  野  大三郎

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  北  原  ともあき

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  細  野  かよこ        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番  い  さ  哲  郎

 21番  佐  野  れいじ        22番  いでい   良  輔

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  石  坂  わたる

 29番  いながき  じゅん子       30番  小  杉  一  男

 31番  浦  野  さとみ        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  大  内  しんご

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中野区長    田中 大輔

 副区長     川崎 亨

 副区長     本田 武志

 教育長     田辺 裕子

 政策室長    髙橋 信一

 政策室副参事(企画担当)        海老沢 憲一

 政策室副参事(予算担当)        黒田 玲子

 政策室副参事(広報担当)        酒井 直人

 政策室副参事(業務改善担当)      中谷 博

 経営室長    篠原 文彦

 危機管理担当部長小田原 弦

 経営室副参事(経営担当)        朝井 めぐみ

 経営室副参事(人事担当)        伊藤 政子

 経営室副参事(行政監理担当)      田中 謙一

 経営室副参事(経理担当)        伊藤 廣昭

 都市政策推進室長長田 久雄

 西武新宿線沿線まちづくり担当部長    角 秀行

 都市政策推進室副参事(産業振興担当)  青山 敬一郎

 都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当、中野駅周辺計画担当) 石井 大輔

 都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当、沼袋駅周辺まちづくり担当)山本 健一

 都市政策推進室副参事(新井薬師前駅周辺まちづくり担当) 近江 淳一

 地域支えあい推進室長          野村 建樹

 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦

 地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当)、

 中部すこやか福祉センター所長      横山 俊

 中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 波多江 貴代美

 北部すこやか福祉センター所長、

 北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 田中 政之

 区民サービス管理部長          白土 純

 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治

 区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 平田 祐子

 区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 伊藤 正秀

 区民サービス管理部副参事(税務担当)  杉本 兼太郎

 区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 古本 正士

 区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 小山 真実

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  奈良 浩二

 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、

 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀

 子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、

 教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 永田 純一

 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、

 教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 古川 康司

 子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、

 教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当) 濵口 求

 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 石濱 良行

 教育委員会事務局指導室長        杉山 勇

 健康福祉部長  瀬田 敏幸

 保健所長    寺西 新

 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    藤井 康弘

 健康福祉部副参事(保健予防担当)    水口 都季

 健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 石濱 照子

 健康福祉部副参事(生活援護担当)    鈴木 宣広

 健康福祉部副参事(生活保護担当)    小堺 充

 環境部長    戸辺 眞

 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   鳥井 文哉

 環境部副参事(ごみゼロ推進担当)    高橋 均

 環境部清掃事務所長           滝瀬 裕之

 環境部副参事(生活環境担当)      浅川 靖

 都市基盤部長  尾﨑 孝

 都市基盤部参事(都市計画担当)     豊川 士朗

 都市基盤部副参事(地域まちづくり担当、大和町まちづくり担当) 荒井 弘巳

 都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 志賀 聡

 都市基盤部副参事(建築担当)      小山内 秀樹

 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鈴木 崇

 会計室長    古屋 勉

 監査事務局長  小谷松 弘市

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     小田 史子

 事務局次長    堀越 恵美子

 議事調査担当係長 佐藤 肇

 書  記     関村 英希

 書  記     東 利司雄

 書  記     大野 貴子

 書  記     細川 道明

 書  記     江口 誠人

 書  記     井田 裕之

 書  記     田中 寛

 書  記     福島 ルミ

 書  記     遠藤 良太

 書  記     香月 俊介

 書  記     亀井 久徳

1.委員長署名

 


午前1000開議

○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。

 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。

 9月18日(金曜日)の理事会の報告を行います。

 初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑は、1番、羽鳥だいすけ委員、2番、中村延子委員、3番、伊東しんじ委員、4番、平山英明委員、5番、篠国昭委員、6番、大内しんご委員の順に6名の質疑を行うことを確認しました。

 次に、9月17日総括質疑において来住委員からの発言の一部を取り消したい旨の申し出がありましたので、取り扱いについて協議した結果、これを了承し、委員会で発言の取り消しについてお諮りすることを確認いたしました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。

 初めに、先ほどの理事会の報告のとおり、来住委員の総括質疑における発言の一部の取り消しの申し出についてお諮りします。

 この取り消しの申し出を許可することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願い申し上げます。

 それでは、質疑に入ります。羽鳥だいすけ委員、どうぞ。

○羽鳥委員 おはようございます。先週に引き続いて質問を行います。

 先週は、通告番号の3番、4番、6番をやりましたので、今週は、残りの1番、2番、5番をやらせていただきます。残った順番をちょっとかえまして、5番からやらせていただきます。

 保育施策の充実について伺います。

 首都圏の都市部では、保育サービスを利用する子どもの数が増加傾向にあって、今、保育所が増加をしています。それに伴い、保育所で働く保育士の不足が大きな課題となっています。建物はできたのに働く人がいないために、保育園が開けないということもあるようです。

 初めに、中野区に保育士が不足しているという認識はあるか、お伺いいたします。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育士の問題ですけれども、保育士の採用に関しましては、保育事業者によってさまざまと認識しているところでございます。また、保育事業者と連携を図り、実態把握に努めているところでございます。

○羽鳥委員 待機児童の解消を行うために、今中野区では、保育園の誘致をいろいろと行っていると思います。来年度には500人分の保育園を誘致するとのことでしたが、この規模で児童を受け入れるためには、一体どれだけの保育士が必要であるとお考えでしょうか。お答えください。

○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(幼児施策整備担当) 平成28年4月開設予定の保育施設は、認可保育所6園、認可小規模保育事業所2施設でございます。各施設とも、現在、開設に向け準備を進めているところでございまして、職員体制につきましては、各施設それぞれ工夫を凝らしまして、配置基準を上回る場合もあることから、現時点で保育士人数を想定することは難しいと考えております。

○羽鳥委員 正確な人数はなかなか把握できないというふうには思うんですけれども、やはりそれなりの人数が要ると思います。昨年から、区では、保育士の就職説明会のパンフレットを発行して、私立保育園とともに保育士の就職説明会を行っているというふうに思います。この説明会には、昨年度、そして、今年度、それぞれ何園の保育園が参加をし、また、何名の方が説明会に来られたのでしょうか。それぞれお答えください。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 中野区私立保育園合同就職説明会の参加施設数でございます。昨年度は23施設、今年度は29施設でございます。また、来場者でございますが、昨年度は29人、今年度は25人ということでございます。

○羽鳥委員 ありがとうございます。就職説明会は行ったけれども、29園が園として参加しつつも、来場者は25人ということで、1園につき1人以下という状況だというふうに思います。これではなかなか保育士不足が解消できないのではないかなというふうに思います。今、全国各地では、保育士不足に対して、さまざまな自治体が対策に乗り出しています。愛媛県では、1年間保育園に勤めたら、養成学校の学費を上限30万円、2分の1まで助成する事業を行っているそうです。また、横浜市も、市のホームページに保育士の求人情報を載せたり、就職説明会を、山梨県や長野県、新潟県など保育士が足りていると思われるところまで行き、説明会を行っているそうです。まさに保育士の争奪競争といった状況にあると思います。中野区では、先ほどお答えいただいた就職説明会以外にも保育士確保に取り組んでいることがあるでしょうか。お答えください。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 中野区の就労求人支援サイト「ぐっJOB なかの」の活用を進めているほか、昨年度は、区と私立保育園が一緒に保育士養成校を回りまして、区の保育施設のアピールに努めたところでございます。

○羽鳥委員 保育士の置かれた状況を見てみますと、保育士の免許を持っているにもかかわらず、それを活用するに至っていない、いわゆる潜在保育士と言われる人がかなりの数いらっしゃいます。なぜそうしたことがあるのかといえば、やはり労働環境や賃金が条件と合わないということが多いと思います。23区内では、保育士の待遇改善の一環として、世田谷区と大田区が家賃補助の事業を行うことにしたそうです。中野区内の保育園で働く保育士のための家賃補助制度を整え、保育士や保育士を目指す人の処遇改善を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 現在、各保育施設にアンケートを行い、保育士確保の実態を調査しているところでございます。各区の実施状況や課題の把握などの調査もあわせて行い、その政策効果について検討を進めているところでございます。

○羽鳥委員 ぜひ実施にも足を踏み出していただきたいと思います。

 最後に、保育所運営充実費について、1点、お尋ねをいたします。

 2012年度から保育所運営充実費が引き下げられ、児童1人当たり1,300円から1,000円になってしまいました。園長の方からは、杉並区では、例えばごみ処理費や遠足代、アレルギー食代の補助などもやっている、子どもたちの健康管理と保育環境の充実が図られるように配慮してほしいと要望が出されています。なぜ保育所運営充実費を引き下げてしまったのでしょうか。また、単価を引き上げるべきではないでしょうか。お答えください。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育所運営充実費のお話でございますが、区の財政状況を踏まえて、平成23年度の事業見直しにより、私立保育園長会で説明を重ね、理解を求めながら見直しを行ったものでございます。子ども・子育て支援新制度における私立保育園は、これまで以上に職員の処遇改善が図られることや職員の配置を充実した場合に加算を行うなど、これまでより充実した保育園運営ができる状況となっていることから、保育所運営充実費を拡充することは考えてございません。

○羽鳥委員 実際に引き下げてみたら本当に大変だったという声があるわけですから、ぜひそういった声もきっちりと受けとめてほしいなというふうに思います。

 以上でこの項の質問を終わりにさせていただきます。

 続きまして、家庭ごみの有料化の方針についてお尋ねをいたします。

 私自身、ごみ問題の解決というものは非常に重要だというふうに思っています。一言でごみ問題と言ってもさまざまな分野にまたがっていますが、きょうは、ごみ減量の観点からお尋ねをいろいろしていきたいと思います。23区では、ごみの最終処分場、新海面処分場があと50年ということで、減らすことは、まさに今からやらなければいけない課題だというふうに思います。その認識は共有をしていると思います。

 そこでまずお伺いいたしますが、現在、中野区では、どのような計画で、どのような目標を立てているのでしょうか。お答えください。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)に基づきまして、区民1人1日当たりのごみ量や資源化率について、平成31年度の目標値として、区民1人1日当たりのごみ量を371グラムに、資源化率を44.8%となるよう目標を設定しております。また、一般廃棄物処理基本計画におきましても、ごみ半減を目指すこととしております。

○羽鳥委員 資源化率40%という目標もなかなか大事なことだというふうに、驚かされるものですけれども、ごみ量半減という目標も本当に大変、高い目標であると思います。目標は大事だというふうには思うんですが、現在の達成状況はいかがでしょうか。お答えください。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 平成26年度の区民1人1日当たりのごみ量は523グラム、資源化率は28.3%でございます。

○羽鳥委員 今の中野区の水準は、確かに23区平均よりは1人当たりのごみ量はわずかに少ないものの、そこまで抜きん出たという状況ではありませんし、目標と比べてもまだ差があるなというふうに感じます。今はこのような達成状況ではありますが、中野区は、この間、目標を達成するためにどのような施策を実行してきたのでしょうか。お答えください。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 従来から行っておりますびん、缶、ペットボトル等の資源回収に加えまして、昨年度から、粗大ごみに含まれております金属の資源化や使用済みの蛍光管、食用油、小型家電などの回収を開始いたしました。また、ごみ減量、適正排出の促進のため、出前講座や環境学習、3R推進月間の展示などの普及啓発や清掃事務所職員による排出指導に加え、昨年度から、監視カメラの設置や有料集積所認定制度などの導入にも取り組んでおります。

○羽鳥委員 普及啓発に非常に力を入れているということでしたが、逆に言えば、資源化は普通に、ふやしてきてはいるけれども、なかなかまだそれぐらい、普及啓発ぐらいしか実施していないんじゃないかなという印象も受けました。先ほどお答えされた中野区の現状、1人当たり523グラム、資源化率は28.3%は達成を今してきたけれども、私は、やっぱりさらなる資源化の努力が必要なのではないかなというふうに思います。ごみゼロプランの中では、誰もが参加しやすく効率的な資源回収を進めるために、行動への働きかけという項目があります。しっかりと分別されたごみは、まさに資源として宝で引き取ってもらえます。たくさんしっかり分別をされることが大事だと思いますが、今、中野区でごみ資源の分別はどのくらいの種別で行われているのですか。お答えください。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 区が現在関与し、実施しております分別としては、ごみは3種類、資源は17種類になります。

○羽鳥委員 この間、今おっしゃられたように、小型家電の問題、食用油の問題など、いろいろと資源化に努めているというふうに思います。しかし、例えば資源化率74.9%で、全国の市の中でトップをしている鹿児島県の志布志市では資源だけで27品目、その隣町で、自治体の中でトップの資源化率79.2%の大崎町では、28品目の分類をしているそうです。しかし、こんなに多くの品目で回収をしながら、1人当たりのごみ処理コストは8,120円というふうになっているように、中野区もこういった例に学びながら、さらなる資源化推進に努めていってほしいと思います。

 資源化とともに大事なのが、生ごみの減量であるというふうに思います。生ごみは家庭から出るごみの中でもかなりの割合を占めるものであり、生ごみの減量のための施策を行うことは重要であると思います。まず、区が生ごみ減量のために現在行っている施策は何か、伺います。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 区民の集まりに出向きまして、生ごみの減量等、テーマを設定し、区民へ啓発を行う出前講座の実施や生ごみ処理機やコンポスト化容器のあっせん、水切り器をイベント時に配布するなど、さまざまな方法で普及啓発に取り組んでおります。

○羽鳥委員 生ごみの処理機あっせんなどいろいろされているということなんですけど、問題は、それがどれだけ区民に浸透し、どれだけ効果があらわれているかだと思います。この何年間かのあっせん件数や、それによって減ったと見込まれるごみの量はどれくらいでしょうか。お答えください。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 平成26年度のあっせん件数でございますが、生ごみ処理機が1台、コンポスト化容器が1台でございました。仮にこの2世帯が毎日生ごみを処理することを前提にした場合、減らせる生ごみの量は、年間で144キログラムと推計いたします。ここで減らせたごみの量は、それぞれの世帯のごみ量の35%程度となります。

○羽鳥委員 それぞれ1台ということで、この実績を見ると、事業メニューとしてはあるけれども、実際にはほとんど活用されていないというのが現状だと思います。やっぱりあっせんにとどまらず、生ごみコンポスト化容器、処理機への助成をすべきではないかというふうに私は考えますが、いかがでしょうか。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 生ごみ処理機については、ごみの減量効果が高く、また、衛生的にもすぐれていることから、区としても、区民にあっせんをしているところでございます。ごみ減量をさらに推進していくため、生ごみ処理機の購入費助成を行うにしても、購入が一部の区民にとどまることなく、広く区民に普及させることが必要であり、ごみ減量についての区民の理解や協力が相当程度高まっていることが必要になるというふうに考えております。

○羽鳥委員 また、住宅地が多い中野区では、生ごみの処理を行ってできた堆肥を果たしてどこに持っていけばよいのだろうかという疑問もあるかと思います。生ごみ処理機でできた堆肥の活用に協力してくださる学校とか保育園のリストをつくって、ホームページで公開できるようにしたらいかがでしょうか。お答えください。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 中野区でこれまでコンポスト化容器を購入された方は、御自身で堆肥として使用できることが購入の前提であるというふうに考えます。堆肥を第三者が使用する際には、重金属等の有害物が含まれていないかなどの安全性の確認が必要になります。したがいまして、御質問のように、リストを区が御紹介するというようなことは困難であるというふうに存じます。

○羽鳥委員 第3期中野区廃棄物減量等推進審議会は、中野区が出しているごみ量半減を達成するためとして、区の諮問に基づいて答申を出しています。諮問事項は、家庭ごみと事業系ごみの発生抑制と減量化、資源の再利用を進めるための具体的な仕組みの考え方についてということになっています。有料化は決して既定事項ではないはずですが、この審議会の議事録を読んでみましたが、有料化を行えばごみが減るという認識が委員の間では前提となっていて、だから、有料化をしなければならない、その上でどんな制度設計を行うか、そして、資源の再利用を進めるか、事業系ごみの行政回収をやめるかという話になっており、有料化ありきじゃないかという印象を強く受けました。中野区は、なかのごみゼロプラン06では、ごみ量半減と資源化率50%を目標に掲げました。その中には、家庭ごみを有料化することが検討事項に入っています。そもそもなぜ家庭ごみの有料化を行おうとしているのでしょうか。お答えください。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) まずは、限りある最終処分場を延命化する必要に迫られております。ごみの発生を抑制し、資源化を推進することで環境への負荷を減らしていくためには、ごみを大幅に減量していく必要があると認識しております。また、ごみの排出量に応じ、費用を負担していただくことで、ごみ減量に取り組んでいる区民の皆さんとの公平性を確保することが可能になると認識しております。

○羽鳥委員 そもそも区が言っているごみ有料化でごみが減るという根拠は何なのでしょうか。お答えください。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 全国の6割を超える自治体で、家庭ごみに費用負担を導入しております。導入した自治体では、導入と同時に実施した資源化施策の有無等によりごみの減量効果に差はございますが、公表された資料によりますと、ごみの減量率が約1割から4割というふうに減るなど、大幅なごみの減量を実現しているというところでございます。

○羽鳥委員 有料化をごみ減量の切り札のように考えているのかもしれませんが、有料化によってごみが減るとは必ずしも言えません。これまで多くの自治体が有料化に乗り出して、導入直後こそごみは減りますが、その後、リバウンドというふうに言って、ごみが増加傾向に向かったり、中には有料化以前よりごみ総量がふえてしまったところさえあります。

 また、審議会で話し合われて、多くの委員からごみ減量に有効という意見が出されていた戸別収集について、中野区で実施する考えはないのでしょうか。他区では、ごみ有料化とともに戸別収集を実施してごみ減量を図ったところもあると聞きます。戸別収集は、区民の意識向上を行わせ、ごみ減量を図りたいなら実施すべきだと考えます。いかがでしょうか。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 現在、区では、集積所方式を基本としつつ、やむを得ない事情がある場合等は戸別収集も実施しているところでございます。戸別収集の拡大につきましては、適正排出の推進に資するというメリットもございますが、効率的な収集作業を実施する上では、課題がございます。収集方式につきましては、今後、費用対効果等も踏まえて、さらに検討を重ねていきたいと考えております。

○羽鳥委員 区にとって欲しかった有料化は必要という答申は受け取っておいて、ごみ減量のために多くの委員が必要と言ってきた戸別収集はやらない、これでは、いいとこどりのつまみ食いではないかというふうに思います。

 ごみ減量のために区民への啓発が大事だというのは私も同感であり、区も、最新の区報などでは1面トップにごみのことが載っているなど、いろいろ努力もされていると思います。私は、その中でも、子どもにしっかりとごみ分別やごみ減量の大切さを教えることが重要であり、環境学習の積極的な展開が必要だと思います。環境学習の現在の実施状況はどうでしょうか。学校では、やっているときはどのようなカリキュラムの中で実施しているのでしょうか。お答えください。

○滝瀬環境部清掃事務所長 小学校4年生を対象に、総合的な学習の時間の中で、ごみの量や流れ、分別の仕方、清掃車両の構造などの学習をする機会といたしまして、清掃事務所職員を派遣して実施しているところでございます。昨年度の件数でございますが、17回でございます。

○羽鳥委員 多くの小学校では実施されていると思いますが、やはり全小学校で取り組むようにしていくことが求められているのではないかと思います。お隣の練馬区では、区内の全小学4年生を対象に実施し、昨年度の参加児童数は1万1,500人にもなっているそうです。また、学校開放の日とあわせて保護者の参加に努力されている学校もあるとのことです。清掃労働者からもお話を伺いましたが、環境学習をした日には、多くの子どもたちがその環境学習の楽しさを保護者に語るとともに、子どもが清掃労働者を見る目も変わり、良好な関係を築くきっかけになっているそうです。中野区でも、全小学校で環境学習を行われるように校長会等で積極的に実施を求めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

○滝瀬環境部清掃事務所長 現在、各小学校長向けの環境学習の案内等、そういったものを行っているようでございますけれども、カリキュラムの内容の充実を図りながら、周知強化も行ってまいりたいと考えております。

○羽鳥委員 ぜひ実施校をふやしていっていただきたいというふうに思います。

 また、環境学習の中では、ごみ回収車の横の部分を透明なアクリルなどで覆って中身をよく見えるようにしたスケルトン車が好評だというふうに言います。23区では、千代田区と中野区だけが導入していないそうです。環境学習のためのスケルトン車の導入を求めますが、いかがでしょうか。

○滝瀬環境部清掃事務所長 環境学習へのスケルトン車の活用でございますけれども、各区で実績があるところもございますが、車両構造を視覚的に理解しやすいというふうに聞いてございます。実際の導入につきましては、以前、同様の御要望などもございまして、スケルトン車の啓発効果だけでなく、ごみ減量、それから、資源化の推進といった効果的な啓発のあり方の全体を考える中で、費用対効果を含めまして、現在検討をしているところでございます。

○羽鳥委員 ぜひとも導入をしていただきたいというふうに思います。

 ごみ減量の根本的解決のためには、やはり拡大生産者責任による生産段階からの対策がどうしても必要です。厚労省もこう言ってきたのに、出てきた政策は、むしろ有料化一本やりと言ってもいいような状況です。中野区も、ごみ減量のためと言い、効果が必ずしも定かではない有料化を、ほかの自治体がやっているからと安易に導入しようとしているのではないかという印象を受けます。しかも、戸別収集については、費用対効果などから実施しないようです。結局は、環境のためというふうに言いながら、区が責任を負うべきごみ行政の費用を専ら区民に押しつけるためにする有料化であるというふうに考えます。家庭ごみの有料化方針には反対であることを述べ、この項の質問を終わりにします。

 最後に、地球温暖化対策について伺います。

 IPCC、気候変動に関する政府間パネルが提出をした第5次評価報告書では、人間活動による現在の気温上昇を産業革命以降2度以内に抑えることが必要と指摘しています。温暖化対策については、各自治体に計画策定なども義務付けられています。

 そこで伺いますが、中野区は、地球温暖化を抑止するに当たってどのような数値目標を掲げているのでしょうか。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 現在の区のCO削減目標でございますが、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)におきまして、目標といたしましては、平成31年度の目標値、これは、実際には平成28年度の実績値になりますが、78万6,000トンとしてございます。これは、具体的には、平成17年度の実績値92万5,000トンと比較をいたしまして、約15%、13万9,000トンを削減するとしているものでございます。

○羽鳥委員 それに対して、現在の達成状況はどれほどになっているでしょうか。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 中野区のCO排出量の推計でございます。直近の数字は3年前の平成24年度のものになりますが、106万2,000トンでございます。

○羽鳥委員 現状では、二酸化炭素排出量の減少を目指していたのに、こうやって増加というふうになっています。中野区ではどんな施策を行って、どれほどの二酸化炭素排出量を削減しようとお考えでしたか。区が示したプロジェクトごとにお答えください。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 区では、地球温暖化対策を推進するために、中野区の環境基本計画で定めました四つのプロジェクトに取り組んでまいりました。一つ目が環境エネルギープロジェクトでございます。環境負荷の少ないエネルギーの効率的な利用が進んだまち、これを目指しまして、排出削減目標は、約8万3,100トンでございます。太陽光発電設備や太陽熱利用設備設置などを進めたところでございます。二つ目が、緑を守り、自然を生かすプロジェクトでございまして、緑豊かで自然を生かす取り組みが進んだまちを目指してございます。COの削減目標は約73トンでございます。主に、小・中学校全校に緑のカーテン設置、あるいはみなかみ町での植林等を進めたところでございます。三つ目の環境に配慮した快適なまちづくりプロジェクトでは、環境に配慮した快適な暮らしが営まれているまち、これを目指しました。CO排出につきましては、約4,900トンの削減を目指してございます。主にプラスチック製容器包装回収の展開などを進めたところでございます。四つ目が、区役所の二酸化炭素排出ゼロプロジェクトでございます。率先して二酸化炭素排出ゼロを目指す区役所、これでございまして、削減目標は、CO約3,000トンでございます。具体的には、清掃工場廃熱利用電力の購入あるいは太陽光発電設備・太陽熱利用設備設置などを進めたところでございます。

○羽鳥委員 いろいろとプロジェクトごとに目標をお示しいただきました。これらの施策の達成状況は今どうなっているのでしょうか。お答えください。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 具体的には、第1次と第2次のアクションプログラムを定めまして進めてございました。CO削減効果につきましては、今回、資料要求で、区民38ということで御提出申し上げたところでございます。まず、20年度から3年間の第1次アクションプログラム、これにおきましては、新たにこの3年間で取り組んだ事業実績によりまして推計できます22年度単年度のCO削減効果は8,908.4トンでございます。次に、第2次アクションプログラムでございます。これは25年度から3年間のものでございますが、うち25年度と26年度のもので申し上げますと、この事業実績によりまして推計できる26年度時点での単年度のCO削減効果は、4,191.4トンでございます。

○羽鳥委員 目標に対して、特に第1次アクションプログラムで言えば、10%の削減量にしか至っていないということになります。これ自体、区にやる気があったのかということが問われる問題だと思います。また、私がさらに大問題だというふうに思いますのが、そもそも検証のできない項目を入れていることです。提出いただいた特別委員会区民委員会38番で削減効果が出されていますが、第1次アクションプログラム1の環境エネルギープロジェクトでは、もともと省エネ機器への買いかえ40%で3万8,300トン、エコドライブの普及率80%で3万5,500トンもの削減効果を見込んでいました。しかし、削減効果は、この達成状況を見ても、検証できないというふうになっています。一体どうやって検証するつもりだったのでしょうか。しかも、この第1次アクションプログラムにおいては、これら二つの項目で全体の83%もの削減量を見込んでいます。数合わせと言われても仕方のないものだと思います。

 また、中野区10か年計画(第2次)に載せている中野区がCO削減に取り組むまちづくりという箇所の施策のところをお尋ねします。

 環境リサイクルプラザの機能転換が載っています。民間活力を活用して、幅広い区民や事業者等によるCO削減の取り組みを実際に推し進める拠点としての機能へ転換しますとなっていますが、機能転換をしてどうなっているのでしょうか。また、当初の予定がどのような経過でそのようなことになっているのでしょうか。お答えください。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 温暖化対策推進オフィスでございますが、当初、区内の地球温暖化対策を推進するため、事業活動を通じまして区民等が行うCO排出量の削減に貢献することができる民間事業所に施設を貸し付けることとしてございました。しかしながら、平成23年度、24年度の2回の公募におきまして事業者が決まらなかったということを踏まえまして、条件等を見直しまして、一般競争入札によりまして落札した現在の民間事業者と契約を締結してございます。現在、このオフィスにつきましては、区が実施いたしますCO排出量の削減に係る取り組みを促進するため、平成25年4月から5年間の定期建物賃貸借契約によりまして貸し付けを行ってございまして、その得られた賃料でございますが、オフィスの保守など経常的な経費を除きまして、中野区環境基金の財源として積み立ててございまして、これによりまして、地球温暖化対策を推進してございます。なかのエコポイントや緑化推進などの特定財源として活用しているという状況でございます。

○羽鳥委員 温暖化対策推進オフィスというふうに、いろいろと大変なことはあったと思いますが、銘打っているわけですから、募集要項などには何か特色があるのでしょうか。お答えください。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 契約につきましては、まず、5年間の定期建物賃貸借という点が条件としてございます。それから、借り主の条件といたしまして、地球温暖化防止の必要性に対する理解が深く、その事業活動に関し、地球温暖化防止対策を自主的かつ積極的に実施するように努めている事業者というふうにしてございまして、具体的には、節電、節水、紙の減量、ごみの減量、省エネ機器の導入、エコ活動、自動車対策の七つの取り組みのうち複数を行っている事業者というふうな条件にしております。

○羽鳥委員 今は結局どのような団体に貸しているのでしょうか。お答えください。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 借り主は、株式会社千雅というところでございまして、事業内容としましては、有料老人ホームの運営、グループホームの運営、居宅介護支援事業、訪問介護、通所介護などをしてございます。

○羽鳥委員 借りている団体も、結局は、地球温暖化の対策推進などとは関係のないところとなっています。先ほど説明いただいた項目も、例えば紙の減量のところでは、両面印刷をしているかや、蛇口に節水こまを設置しているかなど、誰でもやっているようなものばかりです。到底温暖化対策推進オフィスなどと胸を張れる状況ではありません。本当に区民の温暖化対策のための拠点として活用するよう転換することを求めたいと思います。

 中野区の排出の45%が家庭部門です。家庭部門からの排出削減を図るのは大事なことだと思います。ただ、発電における二酸化炭素の排出係数が悪化してしまえば、幾ら区民が節電やエネルギー消費量の節減に努めても、努力はかき消されてしまうこともあります。それならば、発電における排出係数が悪化しても、それに影響されないよう、再生可能エネルギーの大幅普及に中野区として取り組むことが目標達成には必要なのではないでしょうか。現在、23区中21区では、何らかの形で太陽光発電機器や太陽熱利用機器への補助金や助成金を導入しています。中野区も実施すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 太陽光のような再生可能エネルギーの利用や省エネの取り組みにつきましては、こうした機器の設置によるものだけではございませんで、多様な形で普及をしてきてございます。また、助成につきましては、一定の条件があり、持ち家しか対象にはしにくいという面がございますので、太陽光発電機器の設置そのものへの助成は考えてございません。区といたしましては、国や東京都の助成制度がある場合には、それを区のホームページ等で十分周知を図るとともに、なかのエコポイント制度を通じまして、太陽光発電機器も含む省エネルギー機器や再生可能エネルギー機器等の普及につながるインセンティブづくりに努めてまいりたいと思ってございます。

○羽鳥委員 23区のほとんどの区では、そういった持ち家に条件が限られているんだからというような意見を乗り越えて助成や補助金などを行っているわけですから、ぜひ実施してほしいというふうに思います。また、いわゆる再生可能エネルギーというものは、太陽光発電だけではありません。最近では、地中熱などにも注目が集まっています。そして、このようなみずからエネルギーをつくり出す創エネとともに節エネも非常に大事な視点です。例えば冬は窓からたくさんのエネルギーが逃げ出し、エネルギー消費量を引き上げる大きな要因となっています。断熱サッシや断熱窓の普及がどうしても必要です。これにも省エネリフォーム助成などの事業を行い、中野区のエネルギー消費量を減らしていく取り組みが必要だと考えます。

 そして、家庭部門とともに、民間業務部門の排出削減も大きな課題です。東京は、ヒートアイランド現象によって、温暖化が周辺地域よりも顕著です。これを防いでいくには、都市計画などで厳しい省エネ基準や温室効果ガスを排出しないまちづくりが必要です。区は、中野駅周辺ではエネルギー利用の効率化が方針ではあるようですが、幾ら効率化しても、COの総排出量が増加してしまっては、温暖化抑止には意味がありません。現行の都市の排出量を上回らない都市計画を行うことが必要だと考えます。これには、総排出量の削減のために、例えばビルの大きさの制限にまで踏み込むことも私としては含まれると考えていますが、いかがでしょうか。お答えください。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 中野駅周辺のまちづくりに当たりましては、都市機能の集約化、あるいはエネルギーの面的利用、建築物の低炭素化を誘導するなどして、低炭素のまちづくりを進めていく考えでございます。

○羽鳥委員 ちょっともう一度。総排出量の削減の点でどうだったのか、ちょっとよく聞こえなかったんですけど。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) さまざま都市機能の集約化、エネルギーの面的利用、そういった取り組みに基づきまして、低炭素のまちづくりを進めていって、総排出量を削減していく方向で考えております。

○羽鳥委員 また、中野駅周辺でなく、今後、各地の都市計画策定の際も、このような総排出量削減を視野に入れたものにするべきであるというふうに思います。

 ここまでは、中野区の目標に対する達成率がどうであったかとか、中野区が実施してきた施策がどうだったのかということだったんですけれども、私は、そもそもこの中野区が立てている目標そのものが適切なものなのかどうかが問われなければいけないと思っています。そもそも10か年計画でなぜこの目標を立てたのでしょうか。根拠は何でしょうか。お答えください。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 現在の目標でございますけれども、10か年計画(第2次)の策定作業を行っていた際、平成21年6月のことでございますが、国のほうから新たな数値目標の発表がございました。これは、平成32年におきまして、平成17年度比で温室効果ガス排出量を15%削減するというものでございました。これを受けまして、区としても、目標についての再検討を行ったということでございます。その時点では、平成20年5月の中野区環境基本計画において定めたCO削減目標がございました。これは、16年度のCO削減量と比較して9.6%、9.1万トンを10年後に減らしていくというものでございましたが、これを上方修正するというふうにいたしまして、10か年計画では、先ほど申し上げました15%、13.9万トン削減という目標に変更したというものでございます。

○羽鳥委員 上方修正したというふうにおっしゃいますが、しかし、その目標そのものが、多くの環境のNGOから先進国としての責任を放棄した目標だというふうに非難をされているものです。世界は今温暖化抑止のためにどういう到達点に立っているかといえば、それは、気温上昇を産業革命以後2度以内に抑えなければ地球環境に対してはかり知れない悪影響があり、何としてもそれを防がなければいけないという到達点に立っています。

 2009年に行われたラクイラサミットでは、気温上昇2度を超えないようにするべきとし、先進国全体では2050年までに1900年比で80%削減をすると宣言をしました。2013年から2014年にかけて発表された、先ほども紹介をしましたIPCC、第5次評価報告書では、温暖化が人間活動によって引き起こされていること、それによって世界にさまざまな影響が出ており、今後もその影響はどんどんと大きくなっていくことが述べられています。そのためには、温室効果ガスの総排出量の削減が決定的な鍵であり、気温上昇を2度以内に抑えるためには、CO、二酸化炭素の世界の歴史上の排出量を7,900億トン以内にしなければならず、現状の排出量からいけば、その枠をあと30年で使い切ってしまいます。これを超えたら、気温上昇を2度以内におさめることは不可能になると言ってもいい状況です。IPCCのこのような2度以内に抑えなければいけないという知見についてどのように認識をしているのでしょうか。また、この科学の知見に基づいて削減目標を立てるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 委員御紹介のIPCCの第5次評価報告書でございますが、私どもといたしましては、これは、気候変動の現状及び今後の見通しについての最新の知見が参加国のコンセンサスでまとめられたものでございまして、今後、国連気候変動枠組条約をはじめとする地球温暖化対策のためのさまざまな議論に科学的根拠を与える重要な資料であるという受けとめでございます。こうした評価報告書の内容も踏まえまして、COの削減に関する国際的な枠組みが今後協議をされ、また、国の削減目標も決められてきたというふうに認識をしているところでございます。区といたしましては、こうした国などの動きも踏まえまして、区の削減目標を確定していくこととなるというふうに考えてございます。

○羽鳥委員 IPCCは、今後、温暖化対策をとらないで受ける損害額のほうが対策をとる費用よりも大きくなることを指摘しています。重要なのは、この報告書が、世界が決断し、しっかりとした温室効果ガス削減の政策をとれば、この目標達成は実現可能だというふうにしていることです。しかし、先日政府が提出をした2030年に2013年比26%、1999年比では18%にしかならない温室効果ガス排出削減という目標では、とても科学の要請に応えたものとは言えません。中野区だけが取り組めば物事が解決するわけではありませんが、しかし、真剣に対策をとらなければいけない課題だと思います。

 総排出量をマイナスにしていくというのは、本当に尋常ならざることです。例えば、マイナスにするためには、バイオガスで発電をして、その発電で出たCOをCCS、炭素貯留技術などで地下に埋めるだとか、そういった対策が必要になってくるわけです。中野区でそういった対策がとれるかといえば、私は、とれないと思うんです。また、今後、世界中がCOの削減、二酸化炭素の削減というものに向かっていくときに、炭素の値段、カーボンオフセットなどでいろいろとやるとは言っていますが、炭素の値段だってやっぱり上がっていくと。そのときに、その排出枠を買えるのかという問題だって出てくるわけです。今対策をとらなければ、今まさに選挙権もない子どもや生まれてもいない世代に対して、どうしようも、防ぎようもない、こうした課題を押しつけてしまうことになると私は考えます。

 なので、中野区がこの分野でほかの自治体の模範となってリードする積極的な目標と施策展開をやっぱり行っていかなければいけないと思います。そのことを求めまして、この項とともに、私の全ての質問を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。

○若林委員長 以上で羽鳥だいすけ委員の質疑を終了します。

 次に、中村延子委員、質疑をどうぞ。

○中村委員 おはようございます。

 平成27年第3回定例会決算特別委員会に当たりまして、民主党議員団の立場から総括質疑を行わせていただきます。

 質問は通告のとおりです。その他はございません。

 まず、行政評価について伺います。

 平成26年度中野区一般会計の歳入歳出決算額は、前年度と比較すると、歳入で7.8%の増、歳出で6.2%の増となりました。歳出決算総額を性質別に見ると、義務的経費は前年度と比較して1.2%の増となり、今後も社会保障費の伸びは続くことが予想されることから、PDCAサイクルによる歳出削減や事業見直しを不断に行ってきている現状ではありますが、区の一層の事業の見直しと歳入確保に向けた取り組みが必要な状況と分析をされております。

 そんな状況下、実効性のある行政評価制度が必要不可欠であります。中野区の行政評価は、平成25年度に大きく変更がありました。外部評価に先立ち、内部評価が行われております。内部評価においては、まず、主管部が自己評価を行い、その評価に基づき、他部による部間相互評価を実施、さらに、各部長で構成する内部評価委員会による評価を行うことで、評価結果の精度向上に努めているとのことです。また、外部評価では、それまでは全ての分野に対して行っていた外部評価を、3年で全てを見ていくという形に変更されております。そしてまた、決算値を含めたものにするために、以前は6月から7月に行われた外部評価委員会を決算認定後に行っております。

 平成26年度外部評価は、平成26年10月から平成27年1月まで、約4カ月をかけ、5部18分野を対象に行われました。内部評価結果に基づき事前に作成した質問票に対する文書回答をもとに担当係長による事業説明会が行われ、その後、部長及び副参事による公開ヒアリングを実施するなど、4回にわたる聞き取りが行われたとのことです。その上で、外部評価委員会で評価を確定されたという手順で行われました。毎回、「外部評価結果の講評」や「今後の課題等」として外部評価委員会からのコメントがあるのですが、何点か気になる点がありましたので、そこについて質問をさせていただきます。

 今後の課題のところで、目標の適正化が指摘をされています。これまでもほぼ毎年のように指摘をされているところかと思います。「目標や目標値の設定方法やレベルにばらつきがないよう、政策部門が全体を統括する必要がある」とコメントをされておりますが、各分野の目標の適正化はどのように行っていくのか、目標設定は分野ごとに行ってきていますが、その目標設定が適正かどうかはどのように判断しているのでしょうか。お聞きをいたします。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 目標適正化についての御質問でございますが、これまでの外部評価の指摘も踏まえまして、平成26年度の目標から、区政目標、指標の標準化を目指した整理を行ってございます。区政目標につきましては、当該年度に重点的に行う事項をわかりやすく目標に記載するということにしておりまして、予算編成過程において、目標の適正化につきまして適宜検討をし、判断しているというところでございます。また、指標につきましても、他都市とも比較可能な、例えば統計調査をしている基幹統計のデータですとか、そういったベンチマークにもなり得る指標を政策室とも協議の上、定める形としておりまして、事業の成果が適切に説明できるというようにしたところでございます。

○中村委員 今回、内部評価では、指標の妥当性を含む指標の目標達成度から、ア、指標の目標達成度、イ、目標値の妥当性、ウ、指標の妥当性と三つに分け、よりわかりやすく変更をされております。これにより、指標や目標値の妥当性がより見やすくなりましたが、見やすくなったからこそ、妥当性がゼロなのに達成度が6というような目標達成値の矛盾点もわかりやすくなりました。長年行ってきている行政評価ですが、こうも毎年目標設定を指摘されているということは、改めて考えていかなければいけない課題だと認識しなければいけません。

 9月号の月刊ガバナンス、「実効性の伴う自治体計画にするためのヒント」という記事の中で、一般社団法人地域開発研究所上席主任研究員の牧瀬稔氏は、設定した指標こそ外部有識者を活用していく意義があるふうにおっしゃっております。中野区でも、その妥当性を外部有識者や公募区民などに見ていただいておりますが、指摘をされても改善されないのでは、意味がないと思います。現在は指標や目標設定は各分野で行われていますが、設定段階から外部評価委員や他部署の方など外部の目を入れるという方法もあると思いますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 区政目標と指標につきましては、区が進める方向性に沿って各担当が責任を持って適切に設定するということが必要でございまして、前年度の行政評価の結果を踏まえまして、毎年度、予算編成過程で適宜担当が見直しを行い、その後、行政評価において外部のチェックを受けるというPDCAサイクルによって改善を行うということが最も成果を高める手順であるというふうに考えてございます。

○中村委員 指標の目標値の中には、行政組織の目線で設定されていて、区民目線ではないものも含まれているというふうな指摘も受けております。組織内部の論理ではなく、区民の目線で目標値を設定するよう私からも要望をさせていただきます。

 また、外部評価結果の活用と検証のところでは、「外部評価結果には内部評価を含めて多大な時間とエネルギーが費やされている。単なる形式にとどめず、実効性のある評価にするには、評価結果を実際の事業の見直しや改善につなげていくことが重要である。外部評価委員会の意見が事業の改善にどうつながったのか、また、意見が反映されなかった場合その理由は何かなど、各年度の外部評価の結果を長いスパンで追跡して、検証していくしくみや区民に説明しつづけるためのしくみが必要ではないか」とのコメントがあります。平成25年度の外部評価委員会にも、「一方的な業務説明ないしは業務正当化を図るばかりではなく」というような指摘をされたというふうに思いますが、「単なる形式にとどめず」というふうに言われてしまうということは、外部評価を行っている意味が区政に反映されていないと外部評価委員会が感じてしまっている、形式ばかりで実効性が伴っていないと指摘されているのも当然だと思います。単なる形式であれば、時間とエネルギー、そして、経費の無駄だと思います。指摘をされているように、実効性のあるものにしていっていただきたいと思いますが、御担当は、この御指摘についてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

○田中経営室副参事(行政監理担当) 外部評価における指摘も踏まえまして、平成26年度の行政評価結果につきましては、行政監理担当から業務改善担当、また、企画担当に随時情報等の提供を行うとともに、意見交換会も行ってございます。平成27年度の事業改善の検討におきましては、政策室において、政策室から各部に対しまして、平成26年度の外部評価結果を踏まえた検討を行うよう具体的な指示があり、それに基づき、全庁を通じて改善の検討を行っているところでございます。事業改善の検討結果や施策等への反映状況につきましては、業務改善担当と連携して適時把握に努め、事業の見直しや改善についても、翌年度の予算で検討中の主な取り組みの中で、12月に意見交換会等を通じて区民に対して説明していきたいというふうに考えているところでございます。

○中村委員 わかりました。最後のところで、「また、分野や職員によっては良く準備し積極的に取り組む姿勢も見られたが、外部評価全体を通じて、職員のプレゼン力と外部評価委員の意見を積極的に取り入れる姿勢に物足りなさを感じることがあった。職員の外部評価への意欲を高めるとともに、プレゼン力を向上するために、一層の工夫を求めるものである」とコメントをされております。こういった行政評価の大きな目的の一つとしては、職員の意識改革があると思います。中野区でも、五つの目的の一つとして掲げております。外部評価はもう既にスタートしてから12年を経過しておりますが、それでもなお外部評価に対する職員の意識が向上しないのは、形式的になってしまっているからではないかというふうに考えます。

 ただ意識を改革しろというふうに言われても改善はされないのも現状だと思います。また、外部評価は、外部の目を入れるという重要な役割を持っており、公開でヒアリングも行われておりますが、傍聴者はほとんどおらず、その目的がきちんと果たされているかは疑問に思う部分もあります。やはり多くの人たちに見られて、評価されているということで改善をしていく気概も生まれると感じます。土・日開催は時間的にというふうに以前御答弁をされていた経緯もありますが、平成25年度から大きく施策転換されたわけですから、6月から7月の限られた日程で行われなければならなかった以前と比べ、時間的制約はなくなったように感じます。土、日もしくは平日の夜のような、もっと多くの区民が傍聴に来られる、訪れることができる日程も含めて外部評価委員会を開催してみるべきだと考えますが、御見解をお聞かせください。

○田中経営室副参事(行政監理担当) 公開ヒアリングにおきましては、活発な議論等が行われ、適切な評価が行われることはもちろん、より多くの区民の方に傍聴してもらえることが望ましいと考えてございます。これまで区報やホームページをはじめJCNでの報道や区役所1階エレベーター横のインフォメーションディスプレーでの案内、区民ホールにおける展示など、広報に努めてきたところではございます。今後も今回ヒアリングの広報を一層工夫するとともに、外部評価委員の有識者や公募区民の参加のしやすさなども考慮しながら、土、日や平日の夜に公開ヒアリングを開催することがよいかどうか検討してまいりたいと考えてございます。

○中村委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。

 昨年の決算特別委員会の総括質疑で外部評価について質疑をさせていただいた際、平成25年度は外部評価委員会の開催が1月であったのに対し、平成26年度は10月から開催ができるため、外部評価を参考にし、次々年度ではなく、次年度予算への反映ができると答弁をされていましたが、実際に外部評価委員会の結果を踏まえ、平成27年度予算もしくは施策に反映をすることができたのでしょうか。伺います。

○田中経営室副参事(行政監理担当) 外部評価結果が平成27年度予算や施策に直接反映されたもの、これはございませんでしたが、指摘の中から事業改善が必要な項目を抽出し、現在、それぞれの項目について見直し、改善の具体的な検討が進められている状況でございます。今後も一層評価結果が事業の見直し、改善につながるよう、政策室との連携を強め、全庁的に事業改善がされるように工夫をしてまいりたいと考えてございます。

○中村委員 行政評価とのかかわりの中で、関連して質問をいたします。

 中野区では、職員が主体となって業務の改善を行っていくおもてなし運動があります。業務の改善を行っていくのであれば、行政評価の中で言えば、自己評価を踏まえ、事業効率など改善を行っていくものと同等に感じられますが、おもてなし運動は政策室の業務改善分野、行政評価は経営室の行政監理分野に含まれています。業務を改善していくという意味では、業務改善分野も行政監理分野と隣り合った関係であると感じます。そこの部分での組織のあり方についても、ぜひ今後検討課題としていただきたいと思います。また、おもてなし運動という業務改善を職員主導で行い、おもてなし運動発表会も行われ、また、優勝者は全国の改善サミットにも出場するなど、大きな位置付けになっているように感じます。それであれば、どの分野もおもてなし運動で行った改善を行政評価の中に含めるべきだと感じますが、いかがでしょうか。

○田中経営室副参事(行政監理担当) 行政評価につきましては、基本的に分野の目標をどの程度達成することができたかを評価するものでございます。前年度に重点的に取り組んだ事項を中心に、目標の達成度や事業実績などの評価を行っているところでございます。分野の目標やおもてなし運動の改善内容にもよりますけれども、事業実績や効率性を評価するに当たって対象にするべき事項もあると思われますので、次年度の行政評価の検討に当たっては考えていきたいと思ってございます。

○中村委員 ありがとうございます。さまざまな見直しを行ってきている行政評価ですが、ぜひ実効性のあるものにしていっていただきたいと思いますし、そのようにお願いをさせていただきまして、この項の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 次に、国際交流について伺います。

 まずは、国際交流についてのうち、友好都市・姉妹都市交流について伺います。

 全ての区の事業を実施する意義は、その事業がきちんと区民に還元をされていることだと思います。これまでの一般質問や総括質疑でたびたび申し上げてきましたが、国際交流を実施する意義の一つに、グローバル人材を育てる教育に役立てるという観点があると思います。文部科学省でも、平成24年から、グローバル人材育成事業を始めております。これは、若い世代の内向き志向を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国のきずなの強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し、活躍できる人材の育成を図るため、大学教育のグローバル化のための体制整備を推進するものです。もちろん高等教育でこのように推進することもとても大切だと思いますけれども、その基盤をつくるのはもっと小さいころの環境ですし、実際に、平成23年度からは、小学校での外国語活動も必修化をされました。区長も、ここ最近は、グローバル人材を育てるための教育についてさまざまな機会に重要性を御発言されているかと思います。人口減少社会の中、また、国際競争が激しくなるグローバル化社会の中、グローバル人材を育てるという観点は、国力のためには非常に重要だと考えています。

 また、グローバルな人材を育てる上で大切なことは、言語だけではありません。日本について客観的な目を持つことに加え、自分とは違うものの見方や考え方をする人がいるという多様性を理解し、また、それを尊重できるということも大切ではないかと考えます。その意味でも、違う文化を持つ国の方々と交流できる機会を捉え、推進していくことが、これから世界へ羽ばたいていく子どもたちの力を育てると思っています。

 現在、中野区は、北京市西城区と友好都市を、ソウル特別市陽川区と姉妹都市を締結しております。西城区とは、国際交流協会の事業で、少年野球チームの交流が夏に行われておりました。一昨年、昨年と、2年連続で、国家間の情勢不安やPM2.5の影響などにより、中止になってしまいました。これまでは、中野区の少年野球チームが西城区へ出向き、野球交流をしていましたが、ことしは、西城区の子どもたちが中野区へ来ての交流という形で再開をされました。これは大変喜ばしいことですし、子どもたちにはとてもいい経験になったのではないかと思います。もちろん中野区国際交流協会や軟式少年野球連盟との協議も必要があるかと思いますが、今後の西城区との少年野球交流は、今年度と同等な形で継続していくのでしょうか。お聞きをいたします。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 西城区との少年野球交流につきましては、平成2年に第1回を開催して以来、途中、中断がありましたが、ことし3年ぶりに再会をいたしまして、第20回大会といたしまして、3試合の親善試合を行って、交流を深めたというところでございます。現時点でございますが、開催につきましては未定でございますけれども、中野区国際交流協会、中野区軟式野球連盟、中野区少年野球連盟と開催について協議をしていく予定でございます。

○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 そして、もう一つの都市である陽川区とは、2010年11月に姉妹都市を締結してから、いまだ交流の事業が決まっておりません。協議を続けてきていると毎回御答弁されているのですが、その後、何か進展はあるのでしょうか。お聞きをいたします。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 陽川区との交流につきましては、姉妹都市協定後これまで、訪問団の相互交流や職員研修の受け入れ等を行ってきたところでございます。一方、市民レベルの交流につきましては、スポーツ交流等の協議を行ってきたところでございますが、実現までには至っていないというところでございます。連絡は継続して行っておりまして、どういった形の交流の機会をつくればいいのかということを今現状でも模索中というところでございます。

○中村委員 それは、ぜひ前向きにやっていっていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 一方、友好都市、姉妹都市ではありませんけれども、ニュージーランドのウェリントンとは、区内中学校に通う子どもたちとウェリントンの中学生が毎年行き来をする交流事業が長年にわたり続けられております。私自身も、中野区国際交流協会の評議員として、中野区の子どもたちがウェリントンに行く際は送迎会と帰国報告会、ウェリントンの子どもたちが中野区に来られるときはお別れ会に出席をさせていただいております。交流を通して多くのことを経験してくる子どもたちの姿を見ることができ、本当に充実したプログラムとなっていることを実感しています。本来は、このようなプログラムがふえていくことが大変望ましいのですが、ウェリントンとの交流は長い経緯の中で続いてきたこともあり、新たに同じような交流事業を始めることはなかなか難しいという現状も理解はしております。

 区は、友好都市・姉妹都市交流の中には子ども交流という観点も含まれると以前御答弁をされておりますが、陽川区と具体的に交流事業を詰めていく上で、ぜひ子どもの交流という観点を念頭に置いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 陽川区と取り交わした議定書の中でございますが、青少年の交流という事項も含まれているというところでございます。北京市西城区と実施している少年野球大会の交流やニュージーランドとの子ども交流の事例のように、可能な交流でどのようなものがあるのか、今後検討していきたいというふうに考えております。

○中村委員 ありがとうございます。いずれにしても、自治体間の国際交流は、一昔前の議員や行政の特権と言われるような区民に還元されない交流になっては絶対にいけないと思っております。そう言われないためにも、戦略を持って行わなければいけないと思います。周年行事での区の職員や議会、関係団体などの行き来も関係を築いていく上で必要だと思っておりますけれども、それだけではなく、きちんと区民へ還元されるよう、今後の御努力に期待をしておりますが、区のお考えはいかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 姉妹都市交流につきましては、締結後しばらく行政間による交流ということが主になるというふうに考えておりますが、行政間での交流を基礎づくりとして行った後に、文化、経済、教育などの分野におきまして、市民レベルの交流に結びつけていくということが目的であるというふうに考えてございます。将来的には、西城区との少年野球交流やウェリントンの子ども交流のような市民レベルの交流にやはり陽川区としてもつなげて、結びつけていきたいというふうに考えております。

○中村委員 友好都市、姉妹都市の締結をしても、具体的な事業が決まらなければ、締結をした意味もなくなってしまうと思うんですね。ましてや周年行事だけ行っているのは、全く区民へ還元されず、無駄と言われかねないと思います。陽川区側の事情があったことも理解はしておりますが、それを踏まえても、そろそろ具体的に示していただきたいなというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 陽川区との交流につきましては、両区で取り交わした議定書で、文化、芸術、スポーツ、経済、教育、青少年、議会、行政、その他の分野で相互に協力しながら積極的に交流を行うという形になってございます。国際交流は、相互の機運が高まるタイミングを踏まえまして進めるという面がありますため、継続的に連絡をとり合いながら、機を捉えて行政間の交流から市民レベルの交流へ発展させていくというための検討を今後も進めていきたいというふうに考えております。

○中村委員 ぜひ早急に具体化をしていただきたいなというふうに思います。

 次に、国際区流の中で、中野区内での多文化共生について伺います。

 その中で、まずは、外国人市民について伺います。

 中野区四季のまちのオープンに伴い、明治大学や早稲田大学の留学生など、昼夜問わず中野区の外国人人口は増加傾向にあります。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、東京都内の外国人人口は増加することが見込まれ、中野区も例外ではないと思います。平成27年度からは窓口での多言語対応が可能になるなど、中野区においても、外国人住民の方々への対応も一定程度されてきたことはたしかだと思います。これからの5年間は多くの来街者が予想されますが、多言語化というものがおくれていることは否めません。主要駅や施設の表示、また、そこへの案内表示など、日本語を読み書きすることができない外国人にとっては、非常に不都合な現状かと思います。

 東京都では、オリンピック・パラリンピックに向け、多言語対応協議会を立ち上げ、官民一体となり、交通機関や道路等における案内標示の標準化に取り組むとしており、平成27年2月19日、東京都産業労働局は、国内外旅行者のためのわかりやすい案内サイン標準化指針を改定しました。これは、観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン等を踏まえ、内容をより充実させた東京都版ガイドラインとして指針を改定したものです。これにより、中野区にはどのような影響があるのか、教えてください。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 区といたしましては、本年6月に、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組み方針を取りまとめたというところでございます。この取り組み方針の中では、外国人観光客の誘致等による経済活性化を図ることを取り組み領域の一つとして掲げてございまして、多言語対応の観光案内標示等の整備を検討していくというふうにしております。検討に当たりましては、外国人観光客の利便性の観点から、区外の近隣地域との連続性や一体性を踏まえるということが必要であると考えてございます。このため、東京都の指針等も参考にいたしまして、今後取り組みを検討していく必要があるというふうに考えております。

○中村委員 2020年に向けて、来街者、観光客への対応というのはとても重要になってくる一つですが、留学や海外からの赴任により中野区で暮らす外国人の方々の支援も、多文化共生という観点からは重要なところだと思います。以前、住み続ける基盤として、外国人の方々も同じ区民として連携、協力をしながら、中野区という地域社会の中で安心して暮らし続けていけるということが必要であるというふうに考えてございます、基盤と申しましても、具体的に申しますと、例えば日本語の習得や情報リテラシーの向上であるとか、交流の機会の提供であるというふうに考えてございますと御答弁をされております。

 日本語習得に関しては、中野区国際交流協会での多くの日本語ボランティアさんたちがいらっしゃいます。一方で、中野区国際交流協会の知名度がまだまだ足りないという部分もあります。ANICも、日本語ボランティアだけにとどまらず、夕涼み会やお料理教室など文化的な交流事業も行っていますが、参加されるのが一定の方々で、1万3,000人を超す中野区に住まれている外国人にこういった情報が届いているとは思えないところもあります。総合防災訓練も、いつも参加者が少人数にとどまります。せっかくやっている事業ですし、ANICの方々も一生懸命取り組んでいただいております。ぜひ区としても中野区国際交流協会に関しての広報を徹底していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 中野区国際交流協会でございますが、4月にホームページをリニューアルいたしまして、イベント情報がトップページに掲載されるなど改善を行ったところでございます。今後、中野区国際交流協会のホームページと区のホームページの連携による掲載や、区内大学等を通じた留学生に向けての参加の呼びかけなど、広報活動に対して支援を行っていきたいというふうに考えております。

○中村委員 どうぞよろしくお願いいたします。

 そして、最近よく耳にすることが、オリンピック・パラリンピックに向け、さまざまな中小企業やレストランなどの飲食店が多言語化するために外国人留学生などを雇いたいというニーズがあるにもかかわらず、どこで見つけてきていいかわからないというような相談を受けることがあります。一方で、以前参加をさせていただいた明治大学国際日本学部の多文化共生フォーラムでは、外国人留学生は仕事をする場所を見つけることが難しいとの提言もありました。需要と供給が存在するはずなのに、マッチングがうまくできていない現状があるように思います。

 八王子市では、東京都外国人雇用サービスセンターやNPO法人留学協会、また、市内企業の協力を得て、留学生向けに就職支援セミナーを実施しています。日本で就職活動をするに当たっての基本的な知識や日本の企業で働く先輩外国人留学生のアドバイスのほか、個別相談にも対応しているそうです。8月18日の都政新報に、東京都産業労働局が外国人留学生の中小企業への就職につなげる採用支援に着手すると報じられました。中小企業でも外国人留学生の採用意欲が高まっているものの、卒業後に国内で就職する留学生は25%程度にとどまっており、採用の促進が課題となっている現状から、国内での就職を望む留学生と都内中小企業双方に採用に向けたノウハウを提供することで、お互いの理解を深めることが狙いとのことです。

 一般社団法人学生支援機構の調査によれば、日本で学ぶ外国人留学生の65%が賃金の高い日本国内での就職を希望しているものの、結果として25%にとどまっているのが現状です。四季のまちのオープンにより、中野区には多くの留学生がいらっしゃいます。また、来街者がふえることを見越し、外国人留学生を採用したい企業も存在します。ぜひこういったところに情報提供を行うとともに、中野区が運営するぐっJOB なかのにも東京外国人雇用サービスセンターのリンクを張るなど、対応をとるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○青山都市政策室副参事(産業振興担当) 区内の外国人留学生の就労と区内企業の外国人人材の確保のために情報提供などを行うことは必要であると考えております。区の就労求人支援サイト「ぐっJOB なかの」に外国人の就労を支援する国の機関であります東京外国人雇用サービスセンターのリンクを張ることについては、今後対応を検討してまいりたいと考えております。

○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、学校施設の中でのグローバル人材を育てるための教育について伺います。

 中野区の小・中学校では、四季のまちに来た大学と連携をし、外国人留学生との交流授業を行っている学校があります。平成26年度及び27年度、塔山小学校の5年生で年3回、緑野小学校の6年生が年1回、それぞれ明治大学の留学生と交流授業を行っています。小学校での授業は、児童が留学生の出身国について調べ、プレゼンテーションを行い、そのプレゼンテーションについて意見交換を行うことで相互理解につなげるという授業内容と伺っております。また、中野中学校では、中学3年生の1こま、早稲田大学の留学生と交流授業を行っており、世界情勢全般についての意見交換を行っていると伺っております。

 移民が多いわけでもなく、また、島国の日本で、以前よりはグローバル化が進み、外国人人口もふえてきているとはいえ、なかなかこのように外国人の方々と交流する機会が乏しい中、非常に有効活用を推進すべき交流事業ではないかと考えております。協力をしていただける留学生も限られている中、全ての学校でこういった授業を行うことは難しいかと考えます。一方で、現在は、大学の教授と学校長のやりとりでこのように連携をして授業が行われているというふうに伺っておりますが、学校長はずっと一緒ではなく、別の、それも、中野区外の学校への転勤もあり得るわけで、継続性を非常に懸念しています。広げていくのは難しいにしても、特色ある学校づくりの一環として、今現在行っている学校では継続して行っていけるよう、区としても取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 大学との連携による外国人留学生との交流事業につきましては、これまでも教育委員会が校長会などで連携大学を紹介し、実施についての呼びかけを行ってまいりました。実施については、各校の校長が自校の課題や地域の特色などを踏まえて工夫して行っている取り組みでありますので、今後も、大学との連携については、各校の意向を踏まえながら支援してまいりたいと考えております。

○中村委員 ぜひ継続性を持ってほしいなというふうには思っております。

 多文化共生の観点の中に、諸外国で育ち、中野へ帰国した帰国子女の子どもたちへの対応も含まれていると考えます。いでい議員の一般質問でも取り上げられており、重なる部分もありますが、私の観点からも質問をさせていただきます。

 第三中学校は、現在、中野区の帰国生徒重点受け入れ校として、平成13年から指定をされております。歴史をたどれば、昭和49年に文部省が指定をした帰国子女教育研究協力校となり、平成12年にその指定から外れてからも、それまでのノウハウから、中野区で重点校として指定をされているという経緯があります。日本語の補充教室を行っており、日本語支援として2名の人的配置が行われております。現在、18名の帰国子女生徒が第三中学校に通っているとのことです。帰国子女に特化している学校としては、中野区だけにとどまらず、全国でも有名だというふうに伺っております。こういう学校教育施設は、中野区にとっても財産です。一方で、第三中学校は、学校再編の対象校であり、第十中学校との統合が決まっております。統合校ができた際には、今の第三中学校の帰国生徒受け入れ重点校としてのノウハウを引き継ぎ、その機能を備えていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 今後も中野区として帰国子女の就学には一定の配慮をする必要があるというふうに考えております。引き続き推進する体制については検討してまいります。今後、英語教育が重点化される中で、第三中学校の実績を踏まえながら、中野区の英語教育や国際理解教育の充実を図ってまいりたいと考えております。

○中村委員 外国から帰国した生徒がきちんと支援を受け、日本語を学び、日本社会に順応するということ自体がグローバル人材の育成だというふうに考えております。多文化を知っている貴重な人材となり得ます。中野区の未来のためにもこういった学校機能を失うべきではないと改めて申し上げまして、この項の質問を終わります。ありがとうございました。

 次に、平和を継承する取り組みについて伺います。

 戦後70年を迎えたこの8月、私は、長崎県長崎市と広島県広島市、ともに70年前、アメリカにより原子力爆弾が落とされた両市に訪れる機会をいただきました。長崎市、広島市ともに、原爆資料館や平和祈念館を視察させていただき、改めて原爆の恐ろしさを学び、感じ、また、改めて核廃絶を目指していかなければいけないというふうに感じておりました。原爆が落とされたことに対する検証もいまだ全てが解明されたわけではありませんが、さきの戦争を忘れることなく、次の世代へと継承していくことがとても大切です。

 一方で、戦争を経験した世代の高齢化が進んでいることも事実です。私たちの世代では祖父母が戦争を経験している世代ですが、今の子どもたちは、おじいちゃん、おばあちゃんでも戦後生まれという家庭が多く、戦争を自分事として捉える機会はなかなかないのも事実です。NHKの20代への調査では、8月6日や9日がどういう日か答えられた方が30%にとどまっているという結果が出ています。平和を継承していくためには、教育の場ももちろんですが、それだけではなく、取り組んでいかなければいけないというふうに感じております。

 本年度は、平和の語り部派遣事業として、中野区内の全中学校にて、戦争経験や広島での被爆体験などについての講演が行われました。子どもたちにとっては、非常に貴重な体験となったと考えます。一方で、高齢化が進む中、語り部を担ってくださる方々を探すのにもなかなか御苦労されているというふうに聞いております。8月8日、長妻昭衆議院議員が中野サンプラザにおいて戦争体験を聞く会という会を開き、6名の区内にお住まいの戦争体験者からお話を伺う機会がありました。戦地だけではなく、さまざまなお立場で経験された戦争体験をお話しくださり、非常に貴重な時間となりました。また、会場にいらした方々の中にも多くの方が戦争を体験されており、焼夷弾を実際に持ってこられた方もいらっしゃいました。中野区内でも、東京大空襲など、当時壮絶な体験をされた方が多くいらっしゃいます。こういった語り部事業に貢献していただける人材はまだまだいらっしゃると思いますが、掘り起しをしていき、ぜひ御協力いただけるよう区としても働きかけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 平和の語り部を派遣する事業につきましては、戦争の歴史を次の世代に語り継ぎ、区民に平和について考えてもらうための貴重な機会になっているというふうに考えてございます。一方で、戦後70年を経過いたしまして、語り部の高齢化によって、派遣することがなかなか難しいという状況にもございます。新たな語り部の発掘についてでございますが、どういった方法がよいかなどについて今後検討してまいりたいというふうに考えております。

○中村委員 ありがとうございます。今もおっしゃられましたけれども、さきの戦争は70年前に終戦を迎え、戦争を知っている世代がどんどん少なくなっていることも現状です。長崎市では、被爆体験の次世代への継承が急務となっている中、被爆2世、3世などの家族が被爆継承に重要な役割を果たしていると考え、家族証言者として活動していく方々を募集し、必要な支援を行っていく語り継ぐ家族の被爆体験推進事業を平成26年度から開始しました。広島市では、被爆体験証言者の被爆体験を受け継ぎ、伝える伝承者を育成する事業、同じような事業なんですが、平成24年度から始めておりまして、3年間の研修を受け、本年度4月から1期生50名が実際に活動を開始されています。広島市では、実際に伝承者のお話を聞く機会もいただきました。長崎市や広島市などの被爆地では、こういった伝承事業が進められることにより、平和を次の世代にも伝えていくという強い姿勢で取り組まれております。

 先々週末、9月12日土曜日の学校公開授業では、第三中学校で道徳授業地区公開講座が開催され、授業公開では、生命尊重や国際理解についての公開授業を、講演会では、ゲスト講師にシンガーソングライターの佐々木祐滋さんをお招きし、子どもたちが未来に向かって安心して生きていけるように、生の希望にあふれ、命の大切さを実感できる社会の実現を目指したお話をしていただいたとのことです。佐々木さんは、広島平和記念公園にある原爆の子の像のモデルとなった少女、佐々木禎子さんの甥っ子に当たる被爆2世で、現在は、中野区に住まわれております。公開講座は地域でも非常に評判がよかったと漏れ聞いておりますが、御担当は、公開授業の成果、例えば子どもたちの反応をどのように把握されているのでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 道徳授業地区公開講座につきましては、参加人数や実施状況等を学校より報告を受けることとなっております。その中で、参加者の反応等についても把握しているところでございます。

○中村委員 その反応というのはどういったものだったかというのは把握されていますか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 生徒の反応ですが、講師の方の被爆の体験を受けて、平和について考えるとともに、命の大切さについて考える機会となったと報告を受けております。

○中村委員 すごく反応がよかったというふうに聞いております。佐々木さんは、日本各地で御講演されているだけではなく、最近では、ハワイやブラジルなど諸外国でも御講演をされております。今回、佐々木祐滋さん御本人のつながりで、第三中学校、また、実践学園中学でも御講演をされることになったというふうに聞いております。こういった人材が中野区にいらしたということを区は把握されていたのでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 佐々木さんの活動につきましては、区としても把握しているところでございまして、平成24年度第2回平和企画展示、広島、長崎の原爆記録写真の一部のスペースで、副代表を務めるNPO法人SADAKO LEGACYの活動内容の資料を展示したというところでございます。また、区報8月5日号の平和特集号におきまして佐々木さんの活動を紹介しており、区の活動に貢献していただいているところでございます。

○中村委員 今回、第三中学校では、道徳の時間を使い、平和に関する公開講座を行ったというふうに聞いておりますが、区内のほかの学校で戦後70年という節目に同じように平和継承の授業を行った学校はあったのでしょうか。お聞きをいたします。

○杉山教育委員会事務局指導室長 本年度、全中学校で実施した平和の語り部派遣事業以外に、各学校で、例えば戦時中の体験等をお話ししていただくなど、ゲストティーチャー等を招いての授業を実施した学校は、予定も含めて8校でございます。

○中村委員 平和を継承していく大きなかなめは、教育現場だと思います。先ほども申し上げましたが、今の子どもたちは、おじいちゃん・おばあちゃん世代も戦後生まれがほとんどの中、さきの戦争を自分事として捉える機会がほとんどありません。ほかの学校でも、さまざまな機会を捉えてこういった講演会をしてみてはと考えますが、いかがでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 講演会については、平和の語り部派遣事業も含め、各校の教育活動に合わせ、必要に応じて情報提供してまいりたいと考えております。

○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 また、長崎市は、被爆伝承の取り組みの一つとして、青少年ピースフォーラムという事業を行っております。これは、平和祈念式典にあわせ、全国の自治体が派遣する平和使節団の青少年と長崎の青少年とが一緒に被爆の実相や平和のとうとさを学習し、交流を深めることで、平和意識の高揚を図ることを目的として実施をしています。ピースフォーラムは、各自治体の手挙げで参加されているというお話でした。東京都内からも、港区、新宿区、品川区、板橋区の子どもたちが参加をされております。広島市でも同様の事業が行われており、こちらにも、東京都内から、新宿区や多摩市などが参加をされているそうです。参加費用は各自治体負担とのことではありますが、子どもたちが主体的に学ぶ機会を得られる非常に有効な機会かと思います。派遣する子どもの選考基準を設ける際に、例えば学校で作文発表をして全員が選考過程に参加をするなど、また、学んだ子どもたちが帰京後にほかの子どもたちに発信していくなど、アクティブラーニングにもつながると思います。このようなことからも、平和のとうとさを自分事として捉える、学べる非常に貴重な体験となり得ると思います。ぜひ中野区も参加を検討してみてはと考えますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 青少年ピースフォーラムにつきましては、全国の平和使節団の青少年と長崎の青少年とが交流をし、被爆の実態や平和のとうとさについて学ぶという事業であるというふうに認識をしてございます。体験交流事業につきましては、参加者が限定されるというところでございまして、経費の課題もあることから、他の自治体での取り組みも参考にしながら、どのような取り組みがよいかについて、今後検討していきたいというふうに考えております。

○中村委員 ぜひ前向きに検討していただきたいなというふうに思います。繰り返しになりますが、戦後70年が経過し、中野区としても平和を継承していく取り組みをきちんと進めていくことを期待し、次の質問に移ります。ありがとうございました。

 次に、動物愛護について質問をいたします。

 平成25年9月に改正された動物愛護管理法が施行されました。この内容は、三つの柱から成ります。一つ目は、終生飼養について明文化をされました。まず、法の前提として、動物愛護管理法は、動物を取り扱う業界側と飼育する飼い主側の両方を対象にしております。ペットの飼い主に対して、終生飼養をする責任が明文化されました。また、動物取扱業者の責務にも、販売が困難になった動物の終生飼養の確保が明記されています。そして、自治体や保護センター等に持ち込まれた犬猫が終生飼養の原則に反する場合、引き取りを拒否できる旨が明記をされました。また、自治体が保護したり引き取った犬猫は、飼い主に返還あるいは新しい飼い主に譲渡する努力が義務付けられました。

 二つ目は、動物取扱業のさらなる適正化です。犬猫を取り扱う業者の方々は、犬猫等健康安全計画の提出をしなければならないと義務付けられました。また、ペットを販売するに当たり、現物確認及び対面説明を義務付けというふうになりました。これまでは、インターネット販売でペットを販売し、空輸されるという例がありましたが、動物を販売する場合には、一度は必ず対面をして、きちんとペットについて説明をすることが法律に明記されました。

 三つ目は、災害時における動物の適正な飼養及び保管に関する施策を都道府県が策定する動物愛護管理推進計画に定める事項に追加されました。また、幼齢動物の引き渡し日齢に関して、法改正前までは特に動物が販売される具体的な日齢は規定されていませんでしたが、今回の法改正では、経過措置として、法施行後3年は生後45日以内の犬猫繁殖業者からの引き渡し等が禁止をされております。その後、生後49日以降に変更となり、その後、生後56日以内は禁止というふうになります。

 このように、法改正により、生後間もない犬猫の販売禁止や殺処分がなくなることを目指すなどの内容が新たに加えられ、動物を扱う業者であっても、飼い主であっても、ペットを一生大切に飼育するという理念が加わりました。ペットを愛する方々であれば当たり前のことだと思われがちですが、法改正により、その理念が法により守られるようになりました。

 今週9月20日から26日は、動物愛護週間です。中野区では、この動物愛護週間にペット相談会を開催したり、中野駅ガード下ギャラリーでの展示をされたりしていると伺っております。まず、動物の保護に関して、殺処分ゼロを明確に目指していこうと宣言をしている自治体がふえていっている中、中野区も明確に殺処分ゼロを目指していくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 東京都動物愛護相談センターでは、飼い主が不明である、あるいはどうしても飼い続けられない特別の理由があるなど、改正された動物愛護管理法に基づきまして、理由を限定して動物を受け入れております。なおかつボランティア団体等と連携し、新たな飼い主を探す努力を行いつつ、最終的に、治療が困難な負傷を追っている場合や問題行動を持った場合、どうしても飼い主が見つからないなど、やむを得ない場合のみ、同センターで殺処分を行っているものでございます。区といたしましても、飼い主が責任を持ってペットが命を全うするまで終生飼養すること、それから、不妊・去勢手術を行うことなどを普及啓発し、区民に御理解いただくことによりまして、結果として殺処分となる動物がいなくなることを目指しているものでございます。

○中村委員 ありがとうございます。動物の殺処分ゼロを目指していく目標の中で、基礎自治体が取り組める施策も中には存在するかと思います。先ほど例として地域猫の対応ですとか、具体的に申し上げると、去勢手術助成の制度などもありますが、犬に対してもできることがあるかなというふうに思います。

 殺処分ゼロを目指していくためには、保護犬の譲渡に対する普及啓発があると思います。東京都動物愛護管理センターでは、平成24年度で計3,604頭の動物が捨てられ、2,404頭の動物が殺処分されています。平成25年度は、計2,346頭の動物が引き取られ、1,312頭の動物が処分をされています。一方、犬は、殺処分数も、平成24年度の200頭弱から平成25年度76頭と、ここ数年でかなり減少をしております。これは、多くのボランティア団体への譲渡が殺処分を減らす効果が出てきているというふうに思います。

 こういった登録団体が引き取った保護動物は、ボランティア団体を通じ、最終的な譲渡先へと引き渡されております。保護犬の譲渡制度を少しでも広めていくという観点から、譲渡犬の登録手数料、今中野区は3,000円というふうになっておりますが、免除していく、もしくは減免するという政策を打ち出してみてはいかがかと思いますが、御見解をお聞かせください。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) これは、犬に限らずでございますけれども、動物を飼養するためには、飼い主は、動物のとうとい命を預かっているという責任を十分自覚して飼い続けていただく必要がございまして、もろもろの継続した経費負担が発生することも含めて飼う判断をしてもらうべきと考えてございます。区の手数料条例で規定してございます3,000円の畜犬登録料を免除すること、そのことによって譲渡のハードルが下がるとは考えておりませんで、一度命を失いかけた動物たちを責任のある飼い主に譲渡するという目的にかなうとは思ってございません。

○中村委員 非常に後ろ向きな御答弁で、残念ですが、わかりました。

 捨て犬や捨て猫の保護及び管理等の、そういった業務なんですが、一部は基礎自治体が保健所にて対応しているところですが、中野区は東京都が行っておりまして、東京都動物愛護センターにて行われております。

 東京都では、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を目指して、平成26年4月に、動物愛護管理推進計画を策定しました。この計画の中では、区市町村の役割が明記されております。都と連携した動物愛護管理の普及啓発や地域住民に対する直接的な指導等の役割が期待されており、狂犬病対策、飼い主のいない猫対策、災害時のペット同行避難などについて触れられております。また、動物愛護管理法の中でも、地方公共団体の事務として、動物の愛護と適正な飼養に関し、法の基本原則により、相互に連携を図りつつ、学校、地域、家庭における教育活動や広報活動等を通じて普及啓発を図るように努めなければならないというふうにしております。小・中学校等、教育現場での動物愛護に関する普及啓発を中野区ではどのように取り組んでいるのか、教えてください。

○杉山教育委員会事務局指導室長 各学校では、生活科、理科、道徳、特別活動などで、動植物を愛護する態度を育成しているところでございます。

○中村委員 東京都の動物愛護相談センターでは、小学校における動物教育を実施しているそうです。中野区内の小学校で実施しているところはあるんでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 動物愛護相談センターの出張授業を行っている小学校は、中野区ではございません。

○中村委員 わかりました。この東京都の動物教室は、動物愛護推進員さんの御協力のもと連携をして進めていると伺っております。現在、中野区には何名の動物愛護推進員さんがいらっしゃるんでしょうか。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 動物愛護推進員は、動物愛護管理法及び都条例に基づきまして、地域における動物の愛護と適正飼養の普及啓発のため、都から委嘱を受けたボランティアでございます。このうち中野区内では、14名の方が委嘱を受けてございます。

○中村委員 中野区では14名の動物愛護推進員さんがいらっしゃるということですけれども、それでは、中野区では、動物愛護推進員さんと何か連携して行っている事業はあるんでしょうか。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 動物愛護推進員には、犬や猫の飼い方、しつけ方教室の講師や町会を対象といたします飼い主のいない猫対策事業助成に伴う説明会の講師や飼い主のいない猫の不妊・去勢手術のための現地での猫の捕獲指導等をお願いしているところでございます。

○中村委員 ぜひこれからも連携をしていていただければと思います。

 また中野区では、愛犬手帳や愛猫手帳などを独自に作成し、配布しております。こういうものになります。東京都で作成したものを保健所に置くだけにとどまる自治体が多い中、独自で作成していることは、動物愛護に対する意識が高いというふうに感じております。その愛犬・愛猫手帳ですが、平成21年に初めて作成をされました。どのようなところで配布をされているのか、また、中身に関して、その改定はどのようなタイミングで行われているのか、教えてください。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 愛犬手帳、愛猫手帳は、保健所、それから、区役所戸籍住民分野窓口、すこやか福祉センター、地域事務所、動物病院等に置いてございます。また、狂犬病予防集合注射、ペットの相談会、飼い方・しつけ方教室、総合防災訓練におけますペットの同行避難訓練等の事業でも配布しているところでございます。内容の改定につきましては2年に1度行ってございまして、次期の改定は、平成28年度の予定でございます。

○中村委員 改定は2年に1回とのことでしたが、平成26年度は、発行部数と配布部数は、愛犬・愛猫手帳それぞれ幾つになっているのか、教えてください。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 平成26年度までに、愛犬手帳は5,000部、愛猫手帳は1,000部印刷いたしまして、現在時点でそれぞれ約半数を配布したところでございます。

○中村委員 第2回定例会の一般質問の際に、現在中野区では9,719頭の犬が登録されているとの答弁がありました。ぜひ全ての飼育されている御家庭にわたるように啓発をしていただきたいと思います。また、獣医師会の方々の御協力も得て、きちっと皆さんにわたるようにぜひお願いをしたいと思います。

 また、愛犬・愛猫手帳には、災害時の備えについての記述もあります。備えるべき防災用品などが記載されており、とてもわかりやすいつくりになっております。一方で、中野区地域防災計画(第3次)9次修正の中で、ペットの同行避難が明記されました。この愛犬・愛猫手帳には、同行避難に関しての記述はありません。前回の一般質問でも取り上げさせていただきましたが、避難所へのペットの同行避難は、原則自宅が倒壊してしまった場合や焼失してしまった場合に限られることや、もし自宅が倒壊、焼失してしまった場合には避難所にて受け入れることができるなど、ペットの同行避難については、防災の分野にはなるかと思いますけれども、防災分野とも連携をして、愛犬・愛猫手帳にも記載すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 災害時のペットの同行避難につきましては、防災担当と連携しつつ、次の改定時に詳しく記載する予定でございます。

○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 愛犬の登録に関する記述についてお聞きをいたします。

 改正された動物愛護管理法では、法施行後3年間は、生後45日以内の犬猫の繁殖業者からの引き渡しが禁止されています。その後、生後49日以内になって、次に56日以内に禁止というふうになるんですが、一方で、狂犬病予防法により、犬を飼い始めた30日以内──これは(生後91日以上)というふうになっておりますが──に登録をしなければいけないというふうな記載があります。それは、この愛犬手帳の中にも書いてあります。犬を飼い始めた30日以内に登録をしようとしますと、現在は45日以降で犬の販売ができるわけですが、例えば生後50日の犬を飼った方がいるとします。犬を飼い始めた30日以内に登録をしようとしますが、その子犬は、生後80日になるわけですよね。ですが、狂犬病予防法だと、生後91日以上に登録をしなければいけないというふうになっているので、登録をすべきなのかどうか戸惑いが生じます。これは、国の法律の記述をそのまま愛犬手帳に記載しているのかと思いますが、区が作成したものに書いてある以上、きちんと説明ができるようにしなければいけないと思うのですが、いかがでしょうか。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 次回の改定時には、さらに表現の工夫を図るとともに、ホームページの掲載や窓口での区民からの対応において、わかりやすく説明していきたいと思っております。

○中村委員 すごく細かいことですが、ぜひ混乱を招かないように、きちんと登録もしていただけるように、働きかけをしていっていただきたいなというふうに思います。

 以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

○若林委員長 以上で中村延子委員の質疑を終了します。

 次に、伊東しんじ委員、質疑をどうぞ。

○伊東委員 自由民主党議員団の立場で総括質疑をさせていただきます。

 質問の最初は、平成26年度中野区各会計歳入歳出についてということでございます。

 最初に、普通会計決算歳入について、平成26年度は過去最高の歳入総額1,327億7,700万円余、そして、歳出総額は1,274億2,900万円余となりました。歳入増の主な要因は、財政白書の3ページに記載されておりますが、まず、特別区税323億円のうち特別区民税が歳入額300億3,600万円で、対前年比19億円増となっております。増加の要因は、納税義務者数の増並びに譲渡分離課税分、さらに、所得の増加に伴うということですが、それぞれの寄与分についてまずは御説明をお願いします。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 特別区民税収入額増加分19億円の主な内訳でございますが、納税義務者数の増によるものが約5億1,000万円で、影響度がおよそ3割、1人当たりの所得額の増によるものが約2億4,000万円で、影響度がおよそ1割、譲渡分離課税分の所得割額の増によるものが約8億7,000万円で、影響度がおよそ5割でございます。それぞれの要因といたしましては、納税義務者数につきましては区の人口増などによるもの、1人当たり所得額につきましては景気の回復基調を受けたもの、譲渡分離課税分につきましては、特に株式譲渡等分離課税分につきまして、株価が好調に推移したことを受けたものでございます。

○伊東委員 ありがとうございます。税は、正しい申告と正確な所得の把握、また、それに基づきます徴収が重要でありまして、これにより、負担の公平性が保たれることになっております。

 そこで、所得の把握について伺ってまいりたいと思います。

 平成26年度は、消費税増税の影響緩和策に、暫定・臨時的措置として、臨時福祉給付金、そして、子育て世帯臨時特例給付金が給付されました。対象要件は、臨時特例給付金が住民税均等割の非課税者、そして、子育て世帯臨時特例給付金は、所得が児童手当の所得制限限度額未満でした。そこで、臨時福祉給付金の支給対象要件である住民税均等割非課税限度額と区内の対象者数について御説明をお願いします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 住民税が課税されない所得水準の目安といたしましては、給与所得者の場合、単身で約100万円、夫婦と子ども2人の世帯では約255万円ほどであり、年金等の受給者の場合には、65歳以上の単身で約155万円、65歳以上の夫婦世帯では約211万円ということになります。支給対象に該当する可能性のある対象者数は、約6万5,000人でございました。

○伊東委員 次に、子育て世帯臨時特例給付金の支給対象目安であります児童手当所得制限限度額未満と、それから、区内対象者数と、子育て世帯全体に占める割合について御説明をお願いします。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 児童手当の平成26年度実績でお答えをいたします。

 児童手当所得制限限度額は扶養人数ごとに定められておりまして、例えば扶養がない場合は622万円、扶養人数が3人の場合は736万円などでございます。子育て世帯全体に相当します全体の受給者数は、年間延べ人数30万9,146人で、そのうち所得制限額以上の受給者を除いた子育て世帯臨時特例給付金の対象者数に相当します児童手当受給者数は、年間延べ人数23万7,903人で、子育て世帯全体に占める割合といたしましては、77%でございます。

○伊東委員 給付手続は、給付対象に該当する可能性のある全ての世帯に申請書を郵送し、申請後の審査を受け、所得要件を満たす者に給付が行われたとのことですが、ここで言う給付対象に該当する可能性について、具体的な説明をお願いします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 支給対象に該当する可能性のある方といたしましては、該当することがあり得ない、住民税が課税されている方と、課税されている方に扶養されていることを区が把握している方及び生活保護受給者を対象外として、それ以外の方を対象の可能性があるというふうに捉えました。

○伊東委員 ありがとうございます。先ほど臨時福祉給付金のほうの対象者数6万5,000人というお話、それから、児童手当のほうも約2万人弱になろうかと思うんですけれども、そういう御報告をいただきましたが、実際には、申請書発送というのは5万3,000人、これは臨時福祉給付金ですね。そして、子育て世帯臨時特例給付金のほうは1万5,000人というような御報告を委員会で受けております。また、実際の給付は、臨時福祉給付金が4万人、そして、子育て世帯臨時特例給付金が1万7,000人と。数字の変動がございます。こうした変動で、所得把握が正確に担保されているのか、そうした疑問が生じてまいります。申請書の発送者数と実際の給付者数の乖離について、改めて説明をお願いします。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 予算積算時の想定人数と申請書発送数の差につきましては、申請書を世帯単位に送付するという工夫をいたしまして、世帯単位の数を発送したという形になっておりまして、その差になっております。また、予算の想定人数と支給人数の差につきましては、申請書発送前に区が対象外として把握できない方々がいらっしゃいます。区外に住む親や子どもに扶養されている方ですとか、後から税の申告や修正が入る方、こういう方たちについては事前には把握できないということがございまして、実際に支給をした方については減少しているというものでございます。

○伊東委員 実際、所得を十分に把握できない部分も多少はあろうかと思います。不動産所得あるいは株式の譲渡所得等も、申告に基づかなければならないという部分もございますので、そうした御答弁を踏まえまして、確定申告や給与の支払い報告並びに公的年金支払い報告等に基づく正確な課税と徴税を期待して、次の質問に移ります。

 続いて、マイナンバーについて伺ってまいりたいと思います。

 続いて、社会保障手続、給付や税の申告等に用いられることになるマイナンバーについて伺うわけですけれど、この10月からマイナンバーの通知が始まり、来年1月からは社会保障、税等の徴税手続にマイナンバーの記載が必要となります。これにより、行政サービスの申請並びに事務の簡素化、効率化や所得や行政サービスの受給把握につながるとされますが、実際の税、保険料の徴収はどのように変わるのか、説明をお願い申し上げます。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 税の分野では、平成28年所得分から申告書や給与支払い報告書をはじめとする税務関係書類に個人番号が記載されることとなり、税情報の名寄せや突合がより正確かつ効率的に行えるようになります。これによりまして、所得把握の正確性が向上し、適正、公平な課税につながるものと考えてございます。したがいまして、納税義務者が申告書にマイナンバーを記載するとともに、事業者につきましても、従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得しまして、給与所得の源泉徴収票などに記載して提出する必要がございます。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険の手続についてお答え申し上げます。

 国民健康保険では、平成28年1月以降、個人番号により、資格や給付の管理を行うようになります。また、情報の自治体間連携が始まれば、転入者の前住所地での所得の照会など、これまでは郵送等により行っていた事務を効率化することが可能となるものでございます。

○伊東委員 そうした制度が新しく始まるわけですけれど、制度周知についてなかなか具体的な説明が見えてこない、インターネットで検索をかけましても、なかなか制度の内容というのがこれといったものが見当たらないという部分が、見当たらないというのは不適切な表現かもしれませんけど、十分とは言えないと思うところであります。10月からの通知で、通知カード、そして、個人番号カード申請書、説明書が世帯単位に簡易書留で送られるとのことですが、その同封の説明書の内容について御説明をお願いします。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) マイナンバーの通知の際に同封される説明書では、マイナンバー制度の説明、マイナンバーや通知カードの保管等の注意事項のほか、個人番号カードの申請方法や利活用を説明した内容となってございます。

○伊東委員 その説明書の現物があるのかと思ってお尋ねしたんですけど、こんなコピーしかないような状況でございました。説明書の同封がありましても、判断力が低下している方はさらなる説明が必要になるかと思いますし、また、住民票の異動なく施設に入所していらっしゃる方もいらっしゃるのではないかと思います。そうした方々への対応についてはどのような方策を講じられていますか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) マイナンバーが記載された通知カードが各世帯に送付されて、同封される説明書の内容等が不明な場合は、区役所の戸籍住民分野専用窓口や各地域事務所窓口で丁寧な説明を行い、電話等のお問い合わせにも十分に対応していくこととしております。なお、国のコールセンターのほか、中野区でもマイナンバー専用のコールセンターを設置して、マイナンバー制度通知カードの送付や個人番号カードの申請手続等の問い合わせについて丁寧に説明を行っていきます。また、施設に入所している方は、施設に住民票を移していないと、住民登録地に通知カードが送付されてしまいます。このため、関係所管の協力を得て、指定期間内に居所情報の登録を本人に促して、通知カードが届くようにしてございます。通知カードが区に返戻された場合、住所等を再確認した上で、本人に通知を転送可能として送付し、できる限り本人に通知カードの交付を行っていきます。それでも通知カードが本人に届かなかった場合や通知カードが届いても通知カードや説明書などの説明を要する場合には、関係所管の協力を得ながら対応に努めていきたいと考えてございます。

○伊東委員 不明事項が生じたときに、電話での問い合わせというのは、お年寄りには大変困難だと思います。ぜひ区民活動センターのほうにもすこやかの職員がお二人いらっしゃることですし、そういう方にも出向いていって説明が受けられるという体制も今後考えていただけたらと思います。よろしくお願いします。

 それで、今月の25・26日に制度概要についての説明会が区役所において行われるとのことですが、その周知方法と説明内容について御説明をお願いします。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) マイナンバー制度の区民向け説明会につきましては、9月5日号と20日号の区報や区のホームページで周知を行ってございます。また、9月8日に開催されました町会連合会の常任理事会で情報提供を行ったところでございます。当日、御説明する内容としましては、マイナンバー制度のメリットやマイナンバーの利用場面、個人番号カード、セキュリティー対策などにつきまして概要を御説明し、不明な点などにつきまして質疑応答を行う予定でございます。

○伊東委員 最後に、事業者に対する説明、周知についてお伺いします。お願いします。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) 区内の事業者に対しましては、マイナンバーの適正な取り扱いなどにつきまして、区報や区のホームページで周知を行ってございますほか、商工団体を通じて国のパンフレットを配布したところでございます。事業者が従業員の個人番号の収集や税務署などへの提出を行うに当たって注意すべき事項につきましては、事業者向けの説明会を10月の中旬に税務署などと連携をして開催する方向で準備を進めてございます。また、レンタルショップなどがお客様の身分証明書として個人番号カードを取り扱う場合の注意事項につきましても、あわせて事業者向けの説明会の中などで周知をしてまいります。

○若林委員長 伊東しんじ委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。1時まで委員会を休憩します。

午後0時01分休憩

 

午後1時00分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。伊東しんじ委員、質疑をどうぞ。

○伊東委員 午前中に引き続きまして、マイナンバーに続いて特別区交付金について伺います。

 財政白書では、特別区交付金の原資である調整三税が景気の影響を受けまして、対前年比、普通交付金28億円増の343億2,200万円ですが、このうち財産費相当分が幾ら含まれているのか、財産費相当分を除いた普通交付金の増減額について御説明をお願いします。

○黒田政策室副参事(予算担当) 財産費相当分でございますが、25億5,272万5,000円となっております。また、財産費相当分を除いた普通交付金でございますけれども、25年度は297億1,778万7,000円、26年度は317億6,767万円となっておりまして、20億4,988万3,000円の増額というふうになっております。

○伊東委員 ここにつきましても、景気の影響が色濃く出ていると思います。それで、財産費相当分の都市計画事業、この推移はどうなりますか、今後。

○黒田政策室副参事(予算担当) 都市計画事業の推移ということでございますが、平成24年度から26年度の交付額で見ますと、24年度が9億8,000万円、25年度は18億1,000万円、26年度が25億5,000万円余という形で、年々増額するという形で推移しているところでございます。

○伊東委員 わかりました。区は、これまで財産費相当額を減債基金に積み立てるとしてきております。平成26年度の減債基金積立額並びに銀行等引き受け債の満期一括償還分の額について御説明をお願いします。

○黒田政策室副参事(予算担当) 減債基金につきましては、平成26年度は32億3,456万3,000円の積み立てを行ったところでございます。銀行等引き受け債の満期一括償還分の額は、そのうち5億6,350万円でございます。

○伊東委員 財産費相当分以上の積み立てが行われたということで理解させていただきたいと思います。

 続いて、地方消費税交付金が対前年比8億7,000万円増の総額41億1,200万円とのことですが、これは、消費税引き上げに伴い、地方消費税率が1.0から1.7に引き上げられた影響分で、申告、納付の時期から、当初予算では8億円の歳入増を見込んだと記憶しております。まず、地方消費税交付金の賦課徴収の仕組みと交付時期について御説明をお願いいたします。

○黒田政策室副参事(予算担当) まず、地方消費税の賦課の仕組みでございますが、地方消費税交付金は、国から都道府県への払い込みの額から国の徴収取扱費を減額した額を都道府県間で清算しまして、その2分の1が区市町村に交付されることになっております。平成26年度は、区市町村交付分のうち12分の7は人口で、12分の5は事業者数で案分しまして、区市町村に交付されたところでございます。交付の時期でございますが、6月、9月、12月、3月の年4回になっておりまして、平成26年度分は、税額8%の分の半年分の影響があったということになっております。

○伊東委員 導入の時期からして、半年分の納入ということになったということで理解いたしました。

 続いて、増収分の8億7,000万円、税率引き上げ分並びに消費拡大分の内訳というのは分析されておりますか。

○田中経営室副参事(行政監理担当) 平成26年度地方消費税交付金の決算額につきましては、前年度と比較をいたしまして、8億7,300万円余、27%増の41億1,200万円でございました。この内訳でございますけれども、これまでのいわゆる一般財源分、こちらにつきましては、32億6,600万円余、それから、社会保障の財源分、こちらにつきましては、8億4,500万円余となってございます。この社会保障財源分が消費税率引き上げ相当分でございまして、平成26年度決算の地方消費税交付金の増収分につきましては、ほぼ消費税率引き上げ分による影響であるというふうに考えてございます。

○伊東委員 伺ってまいりました歳入ですが、構成費比率が比較的高いものでございます。構成費比率が低く、着目されにくい配当割交付金ですとか、株式譲渡所得交付金も、景気の影響を受けると考えております。この二つの歳入については、ここ数年の動向はどうなっていますか。

○田中経営室副参事(行政監理担当) まず、配当割交付金でございますけれども、こちらは、平成25年度、それから、平成26年度につきましては、大幅に伸びてございます。平成26年度決算におきましては、6億2,900万円余となりまして、平成24年度決算と比較いたしますと、4億3,300万円余、220.9%の増となってございます。続きまして、株式等譲渡取得割交付金についてでございますけれども、こちらは、平成18年度から平成23年度の決算までは減少傾向にございました。しかしながら、平成24年度より増加の傾向となってございます。平成26年度の決算額につきましては5億2,900万円余となりまして、平成24年度の決算と比較しますと、4億7,800万円余、950.4%の増となってございます。いずれの交付金につきましても、国の経済政策による相当な企業業績等の景気回復の影響を反映しまして、ここ数年は大幅に伸びているというふうに認識してございます。

○伊東委員 ありがとうございます。さまざまな御説明をいただきまして、景気好況の局面において、税収が伸び、そして、歳入が伸びる、そういったことをいろいろ説明いただきましたけれど、ただ、一方で、これによって、いいことばかりではないと思っております。国、地方間で限られた財源の配分議論があったり、国の政策的予算の年度間の変更あるいは必ずしもこうしたものが予算編成上気を緩められないことになっていると思います。基礎的自治体として、区民福祉や活力増進のために予算編成方針の新規・拡充事業の政策的位置付け、そして、見解、財源確保や国や都の政策動向、情報収集、制度変更の的確な対応が必要と強く感じております。そこで、平成26年度予算編成時に特に留意した点について説明を求めます。

○黒田政策室副参事(予算担当) 平成26年度の予算編成の留意点ということでございますが、その当時、政府の経済政策の効果により、デフレ脱却に向けた回復基調とされるまでになっておりましたが、消費税の増税が決まれば、区民税や財政調整交付金などの歳入にどのような影響をもたらすのか不透明な中での予算編成となっておりました。そのため、消費税増税に伴う国庫補助制度等の変更に関する的確な情報収集と影響への対応、制度変更等による的確な需要予測、長年にわたり見直しを行っていない事業について再度検証を行うなどといったようなことを念頭に置き、編成を行ったところでございます。より安全な中野のまちを実現していくための防災対策や区有施設、道路、公園などのインフラ資産の維持、更新といった将来に対する備えをおろそかにすることなく、区民の暮らしを守り、地域社会の未来を開くための施策の展開をする予算としたところでございます。

○伊東委員 そうしたら、留意点を踏まえた上で、改めて国庫並びに東京都の補助金について目を移してみますと、国庫補助金収入の決算額は当初予算比で18億円近く減少し、そして、都の補助金歳入決算額が、こちらは当初予算比8億円近く増加しております。要因について説明を求めます。

○黒田政策室副参事(予算担当) 国庫補助金が減少している主な内容でございますが、都市基盤費補助金が約17億円減少してございます。要因としましては、公園整備に係る社会資本整備総合交付金などが割り戻しされまして、収入金額が減少したことなどによるものと認識しております。一方で、都の補助金が増加した主な要因としましては、都市基盤整備費の補助金が8億円増加しておりまして、こちらは、公園整備に係る補助金について、先ほどの国の補助金が現額になった場合、その部分を東京都の補助金になります都市計画交付金でカバーするケースがあったことなどによる要因というふうに考えております。

○伊東委員 さまざまな部分で、そうした国の補助金を都道府県が肩がわりして補うという部分が見られたと思っております。

 補助金について具体的にお聞きしますが、平成26年度は、待機児童対策として、民間保育施設新規開設を目指し、補正予算が組まれました。これは、記憶に新しいところですが、事業内容、事業費について、当初、補正後、決算、それぞれについての説明をお願いします。

○濵口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(幼児施策整備担当) 平成26年度当初、認可保育所3園、180人の保育定員増を計画いたしまして、幼児施設整備費に約8億6,000万円を予算化してございます。このうち特定財源は約5億4,000万円でございます。その後、認可保育所5園、認可小規模保育事業所6施設、414人の定員増を追加いたしまして、第2次補正で特定財源約4億3,000万円を含みます6億1,000万円を増額いたしました。当初予算と合わせました合計額は、約14億7,000万円でございます。結果といたしまして、想定した保育所定員増約6割、473人の定員拡大を図ってございます。平成26年度決算といたしましては、約8億1,000万円、特定財源5億4,000万円でございました。また、翌年度への繰越明許費として約2億5,000万円がございます。

○伊東委員 さまざまな変動はありましたけれど、政策目標に向かってしっかり取り組まれたということだと理解しておきます。

 また、子ども教育費では、国庫支出金、国庫補助金の保育緊急確保事業補助金、並びに都支出金、都補助金の保育緊急確保事業補助金、これ同名でございますけれど、合わせて1億3,000万円ほどが皆増しております。当初予算されてこなかったこの補助事業、制度が明らかになった時期はいつでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 平成26年4月ごろに情報が入りました。

○伊東委員 歳入では、この補助金について、事業メニューが九つほど記載され、事業費総額では2億1,000万円ほどになっております。これは一財も含めてですけどね。補正対応されていないことから、当初から予定されていた事業の一財にこの補助金が充てられたということで理解してよろしいでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 本件につきましては、当初予算におきましては、主に安心こども基金の活用を見込んでいたところでございます。そこで、先ほど申しましたように、26年4月ごろに国からの情報が入りまして、保育緊急確保事業の制度が創設されたということでございます。そういったこともありまして、子ども・子育て支援新制度への円滑な移行を図るためとしても、こういった補助金を活用することとしたものでございます。

○伊東委員 こうした事業のメニューが示されたのが年度が始まってからということで、その点は理解できるんですけれど、会計処理上、こうした財源の移動について、もう少し予算を議決させていただいた議会に対して丁寧な説明があってしかるべきだと考えております。今後の改善を求めておきます。

 続いて、生活援護についてお伺いしたいと思います。

 セーフティーネット支援対策等事業費補助金についてでございますけれど、この補助金は、26年度当初予算で1億1,000万円、決算値は2,000万円で、9,000万円減少しております。一方で、都の補助金、緊急雇用創出事業臨時特例補助金(住まい対策拡充等支援分)は、26年度当初予算1億4,000万円から決算では2億1,000万円で、7,000万円増額されております。これらはいずれも生活援護費ということですが、予算編成時と事業実施時では何がどう変わったのでしょうか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 補助金の変更についてでございますが、予算の編成時におきましては、高齢者居宅介護支援事業等につきましては、セーフティーネット支援対策等事業費補助金を活用して実施する予定でございました。しかしながら、同補助金について国の予算を上回る申請があったため、緊急的な対応として、高齢者居宅介護支援事業等につきましては、東京都緊急雇用創出事業臨時特例補助金により実施することになったものでございます。

○伊東委員 そうですね。これは、国のほうでたしか152億円ほど予算化しておりましたけれど、申請が相次いで、結局のところは、総数で520億円、都道府県のほうの基金に積み増して、そちらのほうに事業を肩がわりしていただいたという経緯があるようです。先ほどの補助金について、同じようなことがここでも起こっていると考えております。両補助金は、引き続き制度を補完しつつ、同基金の従前からの住まい対策拡充等支援事業に加えて、27年度は生活困窮者自立支援制度実施に向けた新たな基金事業が追加されました。その事業メニューについて説明をお願いします。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 事業メニューについてでございますが、このような基金事業メニューとしましては、平成27年4月から実施をされました生活困窮者自立支援制度を適切に実施するために、事務処理体制等の整備などを行う生活困窮者自立支援制度施行円滑化特別対策事業がございます。

○伊東委員 こうして国、都道府県との間でいろいろなやりとりがあった上で、事業としてとりあえず続いていくということなんですけれど、実際、都の基金が廃止の方向に向かっているというような情報もあるんですけど、その辺はいかがですか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 基金に関しましては、今御指摘のように、いろいろ変容している部分もございますので、情報収集に努めていきたいと考えております。

○伊東委員 続いて、予定しておりました国庫補助金、都補助金の比較で、都市基盤費の部分については、先ほど御説明いただきましたので、省略させていただきます。

 続いて、財源不足分を都道府県が肩がわりするなど緊急対応のほか、政策による頻繁な制度の改正や予算編成後の国からの通達あるいは情報提供など、予算編成上御苦労は絶えないと思いますが、予算編成方針にうたわれている事項は守っていかなければならないと考えております。特に予算編成後の制度改正等により得るべき補助金が確保できない場合については、速やかに事業の見直しを検討するとともに、予算を議決した議会に対して報告がなされるべきと考えております。御所見をお伺いして、歳出への質問に移りたいと思います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 補助金が減額等になった場合ということでございますが、国庫補助等が大幅に減額した場合などは、財源充当の変動がございますので、補正予算の対応を行っているケースもございます。事業の見直しも含めまして、区民の生活に直結する事業等については、早い段階で議会や区民への報告を行いまして、その旨の理解を求めるなどをしていきたいというふうに考えております。

○伊東委員 ありがとうございます。平成26年度決算の基準となる一般財源規模は、平成8年以来約20年ぶりに700億円を超えたかと思われます。しかし、当時と歳出構造は大きく変わっております。そこで、26年度普通会計決算の歳出について伺ってまいりたいと思います。

 歳出総額は、1,274億2,900万円余、対前年度比150億円増でした。主な増要因も、臨時給付金等の政策による臨時的歳出増要因や、あるいは生活保護、障害者自立支援給付等の扶助費の需要の増加や児童保育委託費などの物件費等、政策として歳出が膨らむ経常経費に大別されるかと思います。先ほど基準となる一般財源規模で、平成8年と比較させていただきましたが、歳出内容の扶助費を見させていただきますと、当時139億円、一方、平成26年度は322億円で、その差は183億円、2.3倍に達しております。社会保障費の自然増が続き、歳出規模が毎年拡大する傾向にあり、基準となる一般財源充当事業費の増加に対し、これまでは人件費や事業の見直しにより社会保障の伸びを吸収してまいりましたが、こうした対応が難しい状況に至り、税や国保の保険料の収納率の向上、まちづくりの歳入の確保策、あるいは生活保護などの制度運用の改善、医療費や介護給付費の抑制、職員数のさらなる見直しが求められておりますし、区長も再三このことについて触れられております。

 そして、生活保護について伺ってまいりたいと思いますが、景気が好転し、失業率も改善している今、注視し、集中的に対策を講じなければならないものに生活保護費があると思っております。26年度生活保護法改正により、就労自立支援給付が始まり、27年度からは、生活困窮者自立支援法が施行されました。

 そこで、26年度決算歳出の生活援護費について伺います。

 まず、平成26年度生活保護費の給付総額と対前年度増加額についてお伺いします。

○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 平成26年度の生活保護費の給付額についての執行額は、各扶助費のほか、法外援護等も含め、執行額は約158億9,000万円で、平成25年度の執行額約152億5,000万円と比して、4億4,000万円の増加です。

○伊東委員 26年度自立者数並びに新規受給者数と、それぞれによる増加分の対象者の内訳について御説明をお願いします。

○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 平成26年度における就労等の収入増による自立と親族の引き取りなど就労以外の要因による自立を合わせた自立世帯数は、218世帯でございました。また、新規受給者数は853世帯でした。前年度比較では、自立世帯数については、平成25年度と比して14世帯増でした。その内訳といたしましては、年金等の社会保障給付等の増加による就労以外の自立が20世帯増及び就労等の収入増による自立が6世帯減でした。新規受給世帯数については、平成25年度と比して79世帯減でした。その内訳といたしましては、世帯主や世帯員の傷病理由等が94世帯減で、収入、手持ち金の減少は15世帯増でした。

○伊東委員 国を挙げての自立支援という形で取り組まれているのはよく存じ上げているんですけれど、なかなか、自立も成果としては伸びている一方で、新規受給者数も、新たにそれを超えて伸びてしまっているという現状の中、今後ですが、就労自立支援給付についてですが、区は法外でこうした自立支援や生活相談という形で取り組んできておりますが、それらの総額というものがどうなっているのか、あるいは取り組み内容の詳細と今後どういうことを目指していくのか、効果等についても御説明をお願いいたします。

○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) まず、就労による自立を実現するために、生活保護から自立した世帯数を270世帯で目標設定いたしました。かつ高齢者世帯や母子世帯を含め、全世帯の就労率を19%としております。平成26年度の実績といたしましては、自立廃止した218世帯のうち97世帯が就労などの収入増により、自立廃止となりました。自立へ向けた就労指導については、原則として、一般就労を目指して実施していきますが、実態といたしましては、対象者の病状や生活状況を踏まえた上での稼働能力に応じて短時間就労から開始するなど、就労自立への計画的な対応を図っております。

○伊東委員 ありがとうございます。本来でしたら、最後のセーフティーネットでなければならない生活保護制度ですけれど、老齢基礎年金だけでは最低生活費に達しない年金制度の代替になるなど、構造的な課題を抱え、高齢化率の上昇や若年世代の年金不信から、今後ますます支給総額が膨らむことが懸念されます。年金制度と生活保護が相まっての制度改革を、これは区ではなく、国のほうに期待してまいりたいと思っております。ありがとうございました。

 この項の最後に、国民健康保険事業特別会計についてお伺いしたいと思います。

 御努力により収納率が向上し、23区中10位ということですが、いまだ不納欠損額が9億円に達しております。引き続き御努力をお願いしたいと思っております。

 ところで、国民健康保険事業は、財政基盤の強化と運営の都道府県化が進む中、26年度予算並びに決算、27年度予算を見ると、共同事業交付金が大きく膨らんできております。その分拠出金もまたふえているわけですが、これは、国民健康保険事業の広域化の影響と思われます。この制度改正の流れと区財政に与える影響について説明をお願いいたします。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) まず、共同事業と申しますのは、区市町村間での財政負担の安定化を図ることを目的として、都道府県単位で実施しているものでございます。これまでは1件30万円を超える医療費が調整の対象でございましたが、広域化のための制度改正が行われ、平成27年度からは全ての医療費が対象となったことによりまして、事業の規模が拡大しているものでございます。また、平成30年度以降には国民健康保険の運営が都道府県単位で行われるようになりますが、制度改正の細かい内容はまだ明らかでない部分もございます。現状で示されている国の資料等によりますと、都道府県が定める保険料の算定方法に従い、各自治体は、保険料を計算し、収納を行い、都道府県へ納付するという仕組みになります。また、先ほど申し上げました共同事業の事務につきましては、都道府県に引き継がれるというふうに聞いております。

○伊東委員 かつて国民健康保険事業特別会計について質問させていただきました。普通会計から特別会計のほうに26年度も58億円ほど繰り入れがなされております。そのうち38億円については、その他ということで法外繰り入れ、繰り出しというのかな、になっております。そうしたものが制度改正によってどう変わっていくのかというのは大変注目されるところであります。収納のほうは区が引き続きやるとなると、やっぱり収納率の向上という部分が大きく課題になってくるかと思います。26年度につきましては、8,800万円ほど収納率向上にかかわる取り組み効果分ですか、そういったもの、要するに御褒美が入ってきたのと同時に、やはり欠損額の繰り入れもしなければならないということですので、引き続き鋭意御努力をお願い申し上げて、この項の質問は終わります。

 続きまして、中野区の将来分析とその対応について伺ってまいりたいと思います。

 平成27年第2回定例会の区長の行政報告では、全国市長会少子対策検討チームの検討結果に触れ、少子化対策のため、自治体の個々の取り組みと国、都道府県、自治体の役割や位置付けの重要性に触れ、報告全体を通じ、人口減少社会をにらんだ対策の必要性が随所に織り込まれたものになっておりました。人口減少社会では、税収減、財政状況の悪化による行政サービスの低下や人口構造の変化による社会保障費や医療費の増大に至るとさきの全国市長会の研究会も指摘しております。また、22期中野区議会では、人口減少社会を視野に入れた少子高齢化対策調査特別委員会を設置し、調査研究に取り組んでいるところであります。

 そこで、自治体の将来人口推計とその影響を分析し、そこに至らないための早急な対策を講じる必要があると強く感じ、質問を続けさせていただいますが、先日の少子高齢化対策調査特別委員会に中野区の将来人口推計の報告がありました。その内容について説明願います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 平成22年の国勢調査をもとに行った長期推計でございますが、平成62年の人口は、平成22年に比べまして19%減の25万5,928人となりまして、このうち年少人口は40%減、生産年齢人口は34%減、これに対しまして、老年人口は44%増加するというような推計をしてございました。しかしながら、平成24年を境にいたしまして、年少人口、生産年齢人口ともに増加に転じているというところから、改めて推計を行う必要があるというふうに考えているところでございます。

○伊東委員 将来人口推計の御報告はありがたいと思うんですけれど、その結果、中野の将来像がどのように変容し、自治体運営や区民生活にどのような影響が及ぶかが残念ながら示されておりません。他の自治体では、人口推計に基づく財政分析を行い、将来想定し得る財政規模やその結果もたらされるであろう組織、サービスの変容を現実問題として捉え、そこに至らないための対策を講じる基礎資料とする取り組みが始まっております。その一例として、鎌倉市が行った財政シミュレーションがありますが、御担当には先日情報提供させていただいております。

 そこで伺います。

 中野区基本構想並びに新しい中野をつくる10か年計画の改定に向け取り組まれている今、人口減少社会の財政分析を中野区でも行うべきではないでしょうか。御所見を伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 人口推計がもたらす区財政への影響についてということでございますが、歳入においては特別区税など納税義務者の推移、また、歳出におきましては社会保障経費などに大きく影響しまして、そういった意味で、重要な指標だというふうに認識しております。さまざまな角度から統計資料を活用し、財政状況の分析等を行いまして、施策の検討に生かしていきたいというふうに考えております。

○伊東委員 鎌倉市では、そうしたプロジェクトチームを編成しまして、財政推計を行っております。ぜひ取り組んでいただきたいとお願いを申し上げます。

 日本政策投資銀行の人口問題研究会の最終報告、「地域社会の活力維持・成長に向けての取組と連携プラットフォームの形成」では、人口減少、高齢化で自治体は広域連携の強化、住民、民間の主体的参画の促進、公有資産マネジメントの推進、組織体制等について総合的かつ戦略的な施策を早急に講じる必要があるとしています。これらは改定中の10か年計画に盛り込まなければならない取り組みでもあり、また、26年度に策定されました施設白書の施策でもあります。人口減少、高齢化率の上昇に至ったときに備える力強い裏付けにこれらはなるかと思っております。私は決して人口減少の進んだ中野の将来を望んだり、認めたりするものではございません。逆に、人口減少社会に至らないために今こそ何をすべきなのか、区民、事業者、議会、区、共通の認識に立ち、考えるべきと訴えさせていただきます。御所見を伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 人口減少社会の対策につきましては、安心して子どもを産み、育てられる、子育て、教育の充実、ファミリー世帯も住みやすい住宅、多様な世帯が住みたいと思えるようなにぎわいづくりとともに、これを支える財政基盤の確保など、少子化対策で取り組むべき課題、施策は多岐にわたっているというところでございます。今後策定する区の人口ビジョンも踏まえまして、将来的な対策を進めていかなければならないというふうに考えているところでございます。そのためには、区民、事業者、区議会及び区がこの課題に対して一体となって取り組んでいける、進めていけるように、適切な情報提供を行うなど、理解を深める努力をしてまいりたいというふうに考えてございます。

○伊東委員 ありがとうございます。この課題につきましては、特別委員会も設置されていることですので、これからも委員会で鋭意審議、調査がされていくことを期待しております。

 この項の最後に、人口減少社会において暮らしを支える社会貢献活動について伺わせていただきます。

 日本政策投資銀行の最終報告でも、住民、民間の主体的参画の促進や、区長の行政報告にある地域支えあいが示すように、人口減少社会への対応のためには、職員削減や事業のアウトソーシング、自助、共助がさらに求められてくると思います。しかし、現実の地域社会においてその共助を支える柱であります町会・自治会活動が疲弊し、弱体化していることは歴然とした事実です。町会、自治会は、近隣同士が互いに助け合う互助組織で、その活動は、一部の役員の献身的奉仕と会員が寄せてくれる浄財、会費によって支えられております。活動範囲は、子育て支援、青少年の健全育成、地域の防災、防犯、環境美化、活性化、交通安全活動、在宅高齢者の見守り、支えあい、そして、行政機関への協力など極めて広いものです。

 その組織が疲弊している原因は、組織率の低下と人材の枯渇にあります。かつて地域には、個店や事業所が数多くあり、昼間も人であふれていましたが、やがて人々は勤めに出、さらに、女性の社会進出で昼日中、地域によっては限られた人しかいなくなってしまいました。それでも、多くの労働人口があり、60歳で定年を迎えれば人々は地域に戻ってまいりましたけれど、年金受給年齢の引き上げにより、今では65歳以上にならないと地域に戻らなくなってきつつあります。そして、今、労働力・生産性維持のために生涯現役社会を目指していけば、さらに地域人材は枯渇することとなります。区長が言う社会貢献活動も、老後の安定した生活資金があってこそ可能であり、課題を抱える現状の年金制度ではそれも十分とは言えないと思っております。

 だからこそ、今からすぐにでも既存の互助組織である町会・自治会活動へ人的・財政的支援を厚くし、地域の活性化に努めていくことが行政に求められていると思います。ひとたび組織が失われたとき、その役割を補完する人材を自治体は確保できますか。町会、自治会への個別具体の支援について、これについては我が会派内川総務会長が行いましたので、省略し、御所見をお伺いさせていただきます。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 町会、自治会は、これまでも地域住民の福祉の向上や地域コミュニティの醸成に大きく寄与するとともに、行政と地域住民を結ぶ基礎的な組織としてさまざまな公共サービスを協働で担うなど、重要な役割を果たしてきています。今後地域ニーズがさらに多様化し、より多くの担い手が求められる時代においては、地域活動へのより多くの方々の参加促進と町会・自治会活動の担い手の確保が喫緊の課題であり、町会、自治会と行政とが互いの立場と役割を尊重した新しい協働、支援のあり方が求められているものと認識しております。町会・自治会活動に対する人的・財政的支援を含め、地域の活性化に資する方策について強化を図り、区町会連合会とともに、その充実に努めてまいりたいと考えております。

○伊東委員 この短い時間の中では、具体策については御答弁いただけないかもしれません。我が会派、今後ともずっとこの件につきましては御担当といろいろ打ち合わせ、やりとりさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げて、この質問を終わらせていただきます。

 最後になります。西武新宿線沿線まちづくりと都市計画について伺います。

 さきの第2回定例会の一般質問で詳細な御答弁をいただきましたことを、まずもって御礼申し上げます。今回の質問は、さきの質問に続き、今後のまちづくりの進展に寄せる区民の皆様の声、疑問を投げさせていただきたいと思っております。

 最初に、補助220号線と他の都市計画の整合性について伺います。

 補助220号線は、北部において妙正寺川と交差しております。妙正寺川流域の当該地域には、中野区立の3公園と新宿区立の1公園が近接して存在し、平成7年には、東京都は、これら4公園とそれらを結ぶ妙正寺川流域一帯の10.64ヘクタールを総合公園として都市計画決定しております。先日、当該地域にお住まいの方から、補助220号線は公園用地として取得後に道路整備がなされる旨不動産業者から説明があった、近隣はそうした話で持ちきりになっていると相談を受けました。両計画は、決定年度も事業主体も違い、財源についても別と考えております。事業化について、不動産業者の説明のようなことはあり得るのか、御答弁を求めます。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今委員御指摘の公園でございますが、都市計画公園、野方という総合公園でございます。この野方公園と、それから、都市計画道路補助220号線の重複指定箇所付近、これは、この都市計画公園が整備未着手となっておりますが、現在のところ、この公園について、事業化の予定はありません。したがいまして、用地取得、道路整備の関係も未定ということでございます。

○伊東委員 さきの一般質問では、補助220号線の整備、事業化につきましては、平成37年に事業化をやりたいとたしか御答弁いただいたと思っているんですけど、それは間違いないですか。

○近江都市政策推進室副参事(新井薬師前駅周辺まちづくり担当) 西武新宿線沿線まちづくり整備方針(案)におきましては、補助220号線の北部地域、第3期と呼んでおりますけれども、こちらにつきましては、平成37年度の着手を見込んでございます。

○伊東委員 すみませんね。通告はしておりませんでしたけれど、再確認の意味で聞かせていただきました。

 それで、今度は、鉄道の立体化に伴う質問に移らせていただきます。

 鉄道上部空間の活用について、西武新宿線の連続立体交差事業により、北側の鉄道上部空間の活用に多くの区民の方が関心を寄せております。一般的には、貸付可能面積のうち15%を公租公課として土地側が利用できる形になっておりますが、区では、本年6月、西武新宿線沿線まちづくり整備方針(案)で、鉄道上部空間の活用について、その検討項目を示してはおりますが、具体的検討についてはどのように進めていかれるのか、御答弁をお願いします。

○山本都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 西武新宿線沿線まちづくり整備方針(案)では、鉄道上部空間の活用につきまして、防災まちづくりの推進、交通環境の改善、にぎわい空間の創出、緑化の推進、この4項目について検討していくこととしております。鉄道上部の空間につきましては、連続立体交差事業で生み出される貴重な空間であることから、今後、この四つの項目についてエリアごとに整理を行い、地域の方々の意見も伺いながら基本的な方針を作成し、連続立体交差事業の事業者である東京都や西武鉄道と協議しながら、具体的な検討を進めてまいりたいと思っております。

○伊東委員 同じく上部利用ですが、これは、一方で、鉄道事業者側も利用権を持っていらっしゃるということでございます。他地区における鉄道事業者による上部空間の利用方法について、具体的にはどんな例があるか御説明願います。

○山本都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 近年、連続立体交差事業により地下化された地区として、京王電鉄の調布駅付近や小田急電鉄の下北沢駅付近などがございます。鉄道事業者による鉄道上部空間の活用の事例としましては、京王電鉄では地上部に商業施設を計画した事例が、また、小田急電鉄では自転車駐車場の整備を計画しているといった事例がございます。区としましては、こういった事例も参考にしながら、区民の利便性の向上につながるような施設整備を鉄道事業者に働きかけるなど、鉄道上部の有効な活用を目指していきたいと考えております。

○伊東委員 さらに上部空間の活用についてですが、区の学校再編計画にあわせまして、通学路の一部に上部空間を活用してはいかがかという質問、これは、新井小学校、上高田小学校の統合再編ですけれど、これについて質問させていただこうと思いましたけれど、省略させていただいて、最後の質問に移らせていただきます。

 鉄道上部空間の活用は、駅直近とその他の場所では利用が異なることが想定されます。特に駅直近は人が集まることから、歩車分離を図り、歩行者動線の円滑性、安全性を担保し、同時に、歩行者動線に沿うエリアのにぎわいや活性化が期待されます。特に新井薬師前駅周辺では、整備方針(案)で示されている駅前拠点の整備に当たって、鉄道上部空間の利用も含め、土地の有効活用を図り、歩行者の快適性と権利者の資産活用を図る上で重要な方策になろうかと思います。区の見解をお聞きして、私の質問を終わります。

○近江都市政策推進室副参事(新井薬師前駅周辺まちづくり担当) 西武新宿線沿線まちづくり整備方針(案)では、新井薬師前駅の駅前について、新たな顔となる拠点空間の創出を図ることにしております。拠点空間の創出に当たりましては、鉄道の上部空間や既存の都市計画の取り扱いも含めて検討し、より魅力的な駅前空間の実現を目指してまいります。また、交通広場にあわせまして駅前拠点を整備することで、周辺街路も含め、良好な交通環境を実現し、特に駅周辺につきましては、歩行者が安全に歩けるような快適な歩行者空間を創出してまいりたいと考えております。駅前拠点の整備に当たりましては、関係機関との協議はもとより、関係権利者とも十分に調整を行いながら進めてまいります。

○伊東委員 ありがとうございました。以上で私の質問を終了させていただきます。

○若林委員長 以上で伊東しんじ委員の質疑を終了します。

 次に、平山英明委員、質疑をどうぞ。

○平山委員 平成27年第3回定例会決算特別委員会において、公明党議員団の立場から総括質疑を行います。

 通告の区のマイナンバーについては、1の平成26年度決算の中で伺います。7のその他で1問お伺いをいたしますので、よろしくお願いをいたします。

 資料を作成いただいた理事者の皆様には、心から感謝を申し上げます。また、初めて決算議会に臨む我が会派の新人議員もいるので、わかりやすい質問をと政策部長から釘を刺されましたので、改選後の初めての決算議会ですから、私も新人議員に戻ったつもりで、少し丁寧にお伺いをしていきますので、答弁をされる理事者の皆様も、簡潔明瞭にお願いいたします。

 平成26年度決算は、さまざまな財政指標が示すとおり、特に歳入面において、近年類を見ない良好な結果となりました。既にこれまで他の委員からさまざまな角度による決算分析が行われてきたところですが、私なりの視点で平成26年度決算についてお伺いをしていきます。

 決算は決算カードから見ていくものだと、新人議員のころ、当時の先輩議員から教えていただきました。まずは、全体を俯瞰して詳細を見ていくべきだという意味かと思いますが、教えにならって、最初の質問は、決算カードから伺っていきます。

 財政指標についてはこれまで数々の質問がありましたので、割愛して、ここでは、入りの部分について伺っていきます。

 財政白書の28ページ、決算状況一覧表を見ると、平成25年度と比較し、基準財政需要額が大幅に伸びています。平成24年度605億1,252万円余から平成25年度は615億840万円余と約10億円の伸びだったのに比べ、平成26年度は、658億7,431万円余と、50億円近い伸びとなっています。基準財政収入額については、同じ3年間で比べても、これほどの大きな伸びは見られません。平成26年度の基準財政需要額が大きく伸びた要因は何でしょうか。お伺いをいたします。

○田中経営室副参事(行政監理担当) 平成26年度の基準財政需要額でございますけれども、658億7,400万円余、対前年度比で43億6,500万円余の7.1%の大幅な増となってございますけれども、この主な要因でございます。財産費を除きました経常経費、こちらにつきましては、前年度と比較して5%程度の伸びをしているとともに、都市計画事業による財産費の需要額、こちらにつきましては40.8%の増、こういうものが影響して大幅な増になったものというふうに認識してございます。

○平山委員 財産費の部分が多く算定をされたと。その分基準財政需要額が伸びたという御答弁でしたけれども、ちなみにその算定に当たった用地というのかな、それは具体的にはどういうところになるんですかね。予算担当かな、お答えいただけますか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 財産費の伸びた要因ということでございますが、例えば本町五丁目の用地の部分でございますけれども、26年度につきましては、4億3,200万円等が、4年間分が入った、全体が入りまして、24年度、25年度に比べまして4億3,200万円増額をしております。また、四季の森公園も同じような理由で1億9,000万円、南部防災公園も同様の理由で1億2,500万円等が増加をしているものでございます。

○平山委員 ありがとうございました。平成26年度の特別区税決算額は、322億7,458万円余、平成25年度と比した増減率は5.9%となっています。財政調整交付金、いわゆる特別区交付金の決算額はさらに好調で、359億6,122万円余、内訳は、普通交付金が343億2,239万円余、特別交付金が16億3,883万円余との結果でした。特別交付金は前年度比6%の減であったものの、普通交付金が前年度比8.8%の伸びを見せ、結果として、平成25年度に対し、8.1%の増となっています。基準財政需要額の伸びは、特別区交付金の増加につながっています。

 そこで、予算との比較を見ていきたいと思います。特別区税について、予算現額と収入済み額との差は幾らでしょうか。お伺いをいたします。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 特別区税でございますが、予算現額約319億3,900万円に対しまして、収入済み額がおよそ322億7,400万円でございましたので、収入済み額が予算現額をおよそ3億3,500万円上回ってございます。

○平山委員 それでは、当初予算額と収入済み額との差は幾らだったのでしょうか。伺います。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 当初予算額との比較でございますが、当初予算額およそ305億200万円に対しまして、収入済み額が約322億7,400万円でございましたので、収入済み額が当初予算額を約17億7,200万円上回ってございます。これは、特別区税の大部分を占めます特別区民税につきまして、景気の回復基調を受けまして、納税義務者数が増加したほか、株価が好調に推移したことによりまして、特に株式譲渡等分離課税分の税額が大幅に増となったためでございます。

○平山委員 丁寧な御答弁をありがとうございます。いろんな委員もこの伸びについては御質問されていましたので、同様の答弁があったかと思いますが、当初の想定よりは随分とよかったという結果だったと思います。

 特別区交付金についても同様にお伺いをいたします。

○黒田政策室副参事(予算担当) 特別区交付金でございますが、予算現額と収入済み額との差は6億6,122万7,000円でございます。また、当初予算額と収入済み額になりますと、22億6,122万7,000円の差ということになります。

○平山委員 こちらも当初の予算段階での見込みよりは随分と高い額が入ってきたということになっております。

 資料総務70、徴収確保に要したコストという資料がありますが、これによると、特別区税徴収の人件費はこの3年間減少しているものの、賦課徴収関係費は、平成25年度に比べ、26年度は1億円余増額をされています。この増とは具体的に何を行ったのか、お伺いをいたします。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 賦課徴収関係費の主なものでございますが、申告書や納税通知書など課税関係文書の発送経費、督促状や催告書など徴収関係文書の発送経費、そして、システム関連経費でございます。平成26年度は、課税処理や滞納整理事務の効率化を図るため、課税業務支援システムを導入しましたほか、滞納整理支援システムの機器リプレースを行いましたので、システム関係経費が一時的に増加したということ、また、定例・反復的な業務処理につきましては、業務の効率化を図るため、課税資料整理及びデータ入力等業務、軽自動車税対象車両の登録・廃車業務及び所得照会回答業務について、委託を開始したためでございます。

○平山委員 先ほどこの特別区民税の伸びがあった、その際にいろいろ理由を、景気の浮揚だとか、いろんなことをおっしゃっていただきましたが、こういう形で見ると、所管としても大変頑張られたと。1億円かけてさまざまな取り組みを行ったけれども、それを上回るような徴収ができたということかなと思っていますけど、改めてどのように分析しますか。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 今委員から御指摘をいただきましたように、人件費を削減するのとあわせまして、効率的、効果的な事務処理ということでさまざまな取り組みを行った成果だというふうに考えてございます。

○平山委員 今後も一層引き続きさまざまな工夫を凝らしながら御努力をしていただきたいと思います。

 決算カードからは外れるんですけれども、せっかくですので、国保と介保の歳入についても確認をしておきたいと思います。

 国民健康保険料の収納率について、どのように分析をされているでしょうか。お伺いをいたします。

○古本区民サービス部副参事(保険医療担当) 国民健康保険料についてお答えします。

 平成26年度における国民健康保険料の収入率は、現年度分が85.63%、滞納繰り越し分が23.28%となりまして、前年度と比較して、現年度分が0.07ポイント、滞納繰り越し分が0.35ポイント上昇してございます。23区における収納率の順位は、前年度と引き続き10位でございました。

○平山委員 順位としては変わらなかったけれども、国保も健闘された、そういう結果だったかと思います。

 じゃあ、介護保険についてはいかがでしょうか。お伺いをいたします。

○小山区民サービス部副参事(介護保険担当) 介護保険の保険料の収入率につきましては、平成26年度におけます介護保険料現年分の収入率は98.15%でございました。前年度と比較いたしまして0.14ポイント上昇いたしました。23区における順位は5位でございました。一方、滞納繰り越し分は13.47%となり、前年度と比較をいたしましてマイナス0.63ポイントとなりました。23区における順位は16位でございました。現年度分と滞納繰り越し分を合わせた全体の収入率は94.7%で7位と、滞納繰り越し分が全体の順位を引き下げる結果となりました。滞納繰り越し分の収納状況でございますけれども、平成26年度は、滞納繰り越し分の対象となります介護保険料が平成23年・24年度分となりますけれども、平成24年度につきましては、介護保険料が急激に30%上昇した年度でございました。このことが特に滞納繰り越し分の収入率に影響したと見られております。この傾向は今後2年間続くため、高額所得者の滞納者に対する財産の差し押さえ、所得の低い方に対しては福祉的な配慮を行いながら、収納率向上に尽力したいと考えております。

○平山委員 ありがとうございました。介護保険は滞繰りのほうが少し振るわなかったということでございましたけれども、別に介護保険が頑張らなかったと言っているわけでは決してなくて、介護保険というのは、前も質問で申し上げたことがあるんですけど、非常に23区の中では優秀な収納率の成績をこれまでおさめられてきていて、介護保険の収納に学んだほうがいいのではないかということを質問でも言わせていただいたことがあります。もちろん特別徴収の割合が多いから徴収しやすいんだとか、いろんな御意見もありますけれども、それでも、同じ条件の中で23区で上位にいらっしゃる。だから、特別区民税と国保と介保と見たときに、4番バッターはやっぱり介護保険なのかなというふうに思っていたんですが、相変わらず4番バッターという位置は変わらないと思うんですけれども、少し打率が下がっちゃったので、また打率を戻していただくように、引き続き御検討いただきたいなというふうに思って、あえて伺いました。

 基幹収入の歳入決算は極めて良好であったことがうかがえました。しかしながら、その要因の一つには、用地の取得による財産費相当分があったということもわかりました。

 次に、財政運営の基準となる一般財源規模から伺っていきます。

 平成26年度は、地方消費税増額等の影響を踏まえ、基準額を657億円に変更をいたしました。当初予算では歳入見込みが基準となる一般財源規模を14億円超過する見込みであったため、財政運営の考え方にのっとり、義務教育基金に10億円、まちづくり基金に4億円積み立てることとされていました。一方、歳出見込みは671億円と、基準額を14億円上回っていたため、財政調整基金から14億円を繰り入れることとなっていました。一般会計歳入決算から見た場合、基準となる一般財源規模との差はどうだったのでしょうか。伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 基準となる一般財源に照らし合わせた歳入決算額でございますが、721億円となっております。26年度の基準となる一般財源は657億円、先ほど委員がおっしゃったとおりでございますので、64億円の差というふうになっております。

○平山委員 歳出決算ではどこまでの抑制が図れたのでしょうか。伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 抑制ということでございますが、予算の執行に当たりまして、予算執行方針に基づきまして、財政執行管理会議における事業の進行管理や、また、施設開設における初度調弁などの状況に応じた経費の精査などを執行段階での工夫でやっております。また、契約落差の確保などを行いまして、適切な執行を図りながら、経費の節減に努めたところでございます。

○平山委員 ありがとうございました。平成26年度は、堅実な財政運営を行われたということを評価いたします。これだけの好決算の結果であれば、一般質問でも別な委員がおっしゃっておりましたけれども、財政非常事態は脱したのかなというふうな見方をすることもできると思いますけども、まだ単年度の結果ですので、もう少し今後の推移を見守らせていただきたいと思います。

 その上で、先ほど出ましたけれども、予算執行方針で行っています5%の配当保留を行うようになったのは、これはいつからでしょうか。伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 配当保留の開始時期ということでございますが、経費の削減につきましては、過去、執行段階の工夫による予算額の10%程度の自主的な削減を予算執行方針でうたってきたことがございます。平成23年度に、東日本大震災の影響によりまして、国庫支出金の未配分など区の歳入の大幅な減少が予想されたこともありまして、徹底した歳出削減を行う必要があるということで、5%の配当保留を実施しました。その後も歳出の抑制を担保するために配当保留を引き続き行っているものでございます。

○平山委員 26年度の予算執行方針も確認させていただきましたけども、まだ配当保留が行われていると。執行にあっての制限、各事業部の自覚を重んじて、改めて検討してはいかがかと思いますが、伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 配当保留ということでございますが、歳入につきましては、景気の好転により、特別区民税などが増加傾向にあります。しかしながら、法人住民税の一部国税化や中国経済の減速懸念などもございますので、今後の財政運営については、決して楽観視できる状況ではないというふうに考えております。各事業部の執行段階での工夫と自覚を促すためにも、引き続き配当の保留を行っていきたいというふうに考えております。

○平山委員 先々がなかなか見通せないというのは、この後でも質問をいたしますし、そういうことだろうというふうには思うんです。ただ、予算編成の段階でシーリングをかけられているわけですよね。予算編成の段階で、前年度から10%ですか、それぐらい絞り込んでいくということをやっていきながら、今度、お金を渡すときにまた5%抜いてお金を渡しますよということになると、ちょっと絞り過ぎなのかなという気もしなくもありません。景気が良好なときは蛇口を締めて、悪いときこそ蛇口をあけるというのが行政の正しい財政運営のあり方だと思いますけれども、苦しかったときにかたく締め過ぎた蛇口をそのままにしておくというのもいかがかなというふうに思いますので、伺わせていただきました。これについては、改めて検討をお願いしたいなと思います。

 その上で、各事業部、各分野が議決した予算に基づいて適切に事業の執行を行われるよう、平成26年度歳出決算で気になった事業について、3点、お伺いをいたします。

 まず、共通基盤システム構築が第2次補正で3,381万6,000円減額をされまして、さらに第5次補正で1,619万4,000円減額されています。改めてこの経緯を伺います。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) ただいまの委員の御質問に対してお答えさせていただきます。

 まず、共通基盤システムでございますが、ただいま委員御紹介のありましたとおり、第3回定例会、そして、平成27年第1回定例会で補正を行ってございます。2回の補正を行った理由でございますが、1回目は、国の中間サーバーと呼ばれます番号制度に伴いますシステムの使用の開始がおくれたことに対応するためでございます。それで、2回目の補正につきましては、国庫補助金の確保のためでございます。

 それでは、改めまして、経緯の御説明をさせていただきます。

 1回目の補正でございますが、中間サーバーの使用につきまして、平成26年度当初予算を積算していた当時でございますが、平成26年3月に開示されるという予定でございました。それがおくれまして、平成26年8月末以降から順次開示ということになりました。また、主務省令につきましても、当初の予定でございます平成25年12月からおくれまして、公布されたのが平成26年9月となってございます。そのために、共通基盤システムにつきまして、11月に契約する予定でございましたが、平成27年2月に変更するための減額補正を第3回定例会で行いました。その後、平成27年2月に構築委託契約を行うために提案競争を行ってございまして、平成27年1月に第1順位の事業者を決めてございます。それで、平成26年度中に契約まで完了する予定で事務処理を進めてございました。しかし、平成27年1月、国が補正予算で平成26年度分の補助金の増額を行ってございます。それまで、人口30万から50万人の自治体に対する補助金でございますが、想定額が300万円から3,220万円になるという通知がことしの2月に入ってから来てございます。その補助要件としまして年度内での事業終了が必須であるとされていたことから、平成26年度中の契約では3,220万円の執行が見込めないという判断がございまして、平成27年度の4月に契約を行うことにしました。このために、平成26年度の予算を減額補正する2回目の補正を行ったものでございます。

○平山委員 冒頭に申し上げたように、簡潔明瞭に御答弁をいただければなというふうに思います。あまり答弁が長いと何かあるのかなというふうにかえって思っちゃいますので、そこはそれでお願いしたいと思いますが、理由はわかりました。補正予算の際にも提案理由の説明で聞いておりましたし、委員会の審議の議事録も読ませていただきましたので、そういうことなんだろうなと。共通基盤の構築をしていくのに、初回は国の内容についての開示がおくれちゃった、2回目は補助金の申請をするときに、とても間に合わないようなスケジュールを出されちゃったので、これは翌年度に回したほうが賢明であろうということで、これは、そういう説明を受けて議会も議決をしたわけでございますけれども、一方で、主要施策の内部評価では、住民情報の施策の指標に共通基盤システムの構築の申告率というのが挙げられていまして、平成26年度の目標は、第1次開発というのが、これは第3次までやるんですかね、第1次開発というのが100%という目標に対して、結果は95%になっているんですね。共通システム基盤の構築をやりますという予算を全額減額しておきながら、何で95%達成ということになったんでしょうか。お伺いをいたします。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) ただいまの委員の御質問でございます。先ほど御説明申し上げました補正予算につきましては、共通基盤システムの委託につきましての減額補正でございます。それで、行政評価でありました目標につきましては、職員が対応するものにつきましてもこの第1次開発の中に含まれてございますので、そちらの部分は全て終了していることから、95%とさせていただきました。

○平山委員 もちろん共通基盤のシステム構築で委託される部分があった、減額されたのはそこだけだったけれども、職員の皆さんが、中身を読んだら、ほかにもこんなこと、こんなこともやられる予定だったんだろうなというのはわかったんです。だけど、肝心の予算をつけてやるべきところが、所管の、担当部署の責任ではなかったとはいえ、結果として内部評価の目標の達成度合いということが95%、それだったら、職員が行われる部分がやろうとしていた第1次開発の95%に当たることなんですかというふうに思っちゃうわけなんですよ。そうじゃないですよね。だから、内部評価をきちんとしていきましょう、だから、丁寧に時間をかけていきましょうというのは、私、議会の中で、決算の中で質疑をさせていただいて、そういうふうに変わったので、大変うれしく思っているんですけども、これはやっぱりきちんと、ほかの皆さんにも同じことを申し上げるんですけれども、やっぱり内部評価もきちんとやっていただかないと。PDCAが回っていくための大切な内部評価ですから、これはお願いしたいなと思います。結構です。

 次に、洪水ハザードマップの配布、これも補正予算でありました。新規事業という形になるんですかね、補正での。第2次補正で367万7,000円計上されましたが、決算額は、1,600万8,000円、206万9,000円が不用額として残っています。予算の執行について、どのような形だったのでしょうか。伺います。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 洪水ハザードマップの印刷につきましては、補正予算を御承認いただいた後、配布対象地域を何町何丁目何番地まで絞り込んだ結果、印刷予定部数を8万部から6万部に削減いたしました。そのほか印刷の見積もりをかけたところ、印刷単価が予想よりも低かったため、印刷・製本費が約130万円削減となっております。続きまして、作成した洪水ハザードマップの配布につきまして、配布委託の入札をかけましたところ、入札結果が約76万円、予測額より低くなりました。したがいまして、130万円と76万円を合わせまして、206万9,000円、不用額が発生しております。

○平山委員 当初は8万件が対象だと思ったけれども、よく調べてみたら6万件だったと。印刷も、思ったよりも安くできた、でも、当初見積もりとかかけるわけですよね、議会に提案するわけですから。そのときの積算とこれほどかけ離れている、要は、我々が補正予算というものを議決する段階で、そちら側からの提案の理由を聞いた上で、この予算が適切かどうかという議決を行うわけなんです。ですけども、結果として、あんまりお金を使いませんでしたと。その理由がもうちょっと絞り込んだら2万件減りました、印刷も安くなりましたというのだと、少しちょっといかがなのかなというふうに思ってしまいます。この後で予備費の対応とかもできたんじゃないのかなというようなことを伺おうと思ったんですが、それについては、割愛をさせていただきますので、次の質問に移ります。

 都市基盤費、建築費、建築安全・安心費中、耐震化促進について、緊急輸送道路等沿道建築物耐震化促進事業助成の不用額が3億5,884万円余となっています。理由を伺います。

○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 御説明申し上げます。

 この不用額は、特定及び一般の緊急輸送道路沿道建築物に対する耐震診断・補強設計・改修助成の総額でございます。特に特定道路沿道建築物に対しては、時限的な制度であることから、補強設計と耐震改修を同時に行いたいと考える申請者や事業者の要望に応えるべく、これまで予算を確保してきたところでございます。しかし、当初した工事計画が第三者機関の評定により計画変更が求められたため、合意形成のやり直しに時間が生じたり、実施設計をした結果、想定外に耐震改修工事費以外の費用負担が大きくなったため、計画を一時中断した申請等もございました。さらに、一部の申請者などは、確実に合意形成を図るため、26年度は設計で終了し、改修工事については次年度へ事業の延期を図ったものもございました。今後は、診断、設計及び評定の進捗状況を見きわめ、予算規模の見直しなどを行い、適正な規模の事業運営を心がけるとともに、申請の増加に対しては補正で対応するなど柔軟な事業執行を目指していきたいというふうに考えております。

○平山委員 次に質問しようと思ったことまでお答えいただいて、大変ありがたいんですが、御丁寧な答弁ありがとうございます。事業の難しさは理解をいたします。大切な事業ですから、どうしても進めなきゃいけない、一方で、都の補助枠を確保するため、国の補助枠を確保するために、ある一定の予算措置も行っておかなきゃいけないとか、いろんな理由はあるかと思うんです。だけど、3年連続なんです、億単位の不用額が出たというのは。ここは重々しっかりと中でまた御検討いただいて、今おっしゃられていましたけども、改めてこれまでの実績を見た上での予算編成としていただいて、その後については補正も御検討いただくというような形にしていただければよろしいのかなというふうに思っておりますので、結構です。

 二つの補正予算と、一つは、毎年度生じる多額の不用額についてお伺いをいたしました。平成26年度は、歳出抑制の努力があったものの、57億円余りの不用額が生じています。つくっていただいた資料に載っておりますけれども、この額は、平成25年度に監査から指摘された額を超えています。また、補正予算については、当初予算と同じく法にのっとった手続によって提案されて、議会もそれを議決するものです。緊急な対応が迫られるものがあるとはいえ、執行の見通しをしっかりと立てた上で提案すべきものであるというふうに考えます。今定例会でも議決に日数を要した補正予算がありましたので、あえてお伺いをさせていただきました。

 この項の最後に、消費税増税の影響について伺っていきます。

 平成26年度から消費税率が5%から8%へと変更になりました。消費税率変更による歳出における影響額についてはどのように見込んでいたのでしょうか。伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 消費税率の変更におきましての区の歳出への影響ということでございますが、7億円増というふうに見込んでおります。

○平山委員 消費税10%導入時の影響額についてはどのように予測されていますでしょうか。伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 27年度の予算ベースでの計算でございますが、およそ13億円というふうに予測をしております。

○平山委員 平成26年度の地方消費税交付金の決算額のうち社会保障費充当分というものについては、資料を作成していただきました。ありがとうございました。地方消費税交付金と社会保障費充当額にばらつきがあるのは、社会保障充当分は、これは、人口割のみだからという理解でよろしいでしょうか。伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) そのとおりでございます。

○平山委員 10%導入時の地方消費税交付額についての予測を伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当)特別区長会の事務局が試算している数字でございますが、特別区全体の影響額をもとに中野区の収入額を予測しますと、平成30年度でおよそ79億円程度というふうに考えております。10%の交付額でよろしいですよね。

○平山委員 はい。

○黒田政策室副参事(予算担当) 79億円でございます。

○平山委員 そのうち社会保障財源充当額は幾らになるのでしょうか。伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) およそ47億円と想定しております。

○平山委員 平成26年度の財政改正は、消費税増税だけではなくて、社会保障と税の一体改革の一環です。今後の影響を地方消費税交付金の収入と区の消費税増額に伴う歳出増だけで図ることはできません。国は、消費税率の改正にあわせ、法人住民税の一部国税化を進めていますが、都と区における影響をどのように試算しているのでしょうか。伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) これから申しますのは、いずれも特別区長会での試算でございますが、東京都の影響としましては、消費税が8%の段階では、平年度ベースの影響があらわれる平成28年度で1,300億円の減、消費税10%の段階で、平年度ベースでございますと、2,200億円の減というふうに試算をしております。特別区全体の影響でございますが、こちらは、消費税8%の段階で600億円の減、消費税10%の段階で、平成31年度で1,000億円の減で、そちらも平年度で出した数字でございます。中野区の影響でございますが、財政調整交付金への影響となります。消費税8%の段階では、平成28年度で平年度化しまして20億円の減、消費税10%の段階では、31年度を予測しておりますけれども、33億円の減というふうに試算しております。

○平山委員 都・区間の財調財源が減少した場合、今後の財産費の見込みは減額されることはないんでしょうか。伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 現在のルールをもってしては、財産費はあらかじめ普通交付金の中で特別交付金の財源に影響されることなく確保されているというふうに考えております。

○平山委員 そう伺っていて安心をしたんですけど、しかしながら、法人住民税の国税化による影響額が今後さらにふえていくようなことがあったとした場合、財調財源の全体のパイも縮小いたしますので、現在は財産費算定には影響しない決まりがあるということですけども、開発を進める区とそうでない区とのアンバランスが生じるような議論がなされた場合、新規の財産区としての算定が今後も変わりなく続くか懸念をされるところです。そのようなことがないように推移を注意深く見守り、今後も財産費の確保を変わりなく進めていきたいと思います。我が区にとっては非常に大事なことですので、いかがでしょうか。伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) この法人住民税の一部国税化の影響につきましては、23区全体で見ると1,000億円に達するということで、景気の動向にかかわらず、大きく普通交付金が減少するというようなことになってまいると思います。そういった場合に、毎年、東京都と区で財調協議をしておりますけれども、その中でルールの変更等があった場合には、注視をするということとともに、こういった一部国税化の影響について、大きいということを都、区一体となって要望してまいりたいというふうに考えております。

○平山委員 消費税増税に伴う今後の影響についてお伺いをしてきましたけれども、話を聞いていくと、実質的に歳入がふえるのは国や一部の地方であって、都市部、特に23区は入りがふえる分と減少する分と、また、出がふえる分とで差し引くと、ほとんどその差はなくなってしまうのではないかなというふうに心配をいたします。しかも、地方消費税交付金の増額分は使途が社会保障費に限定をされるわけですから、使い道も制限されちゃうわけですよね。となると、形としては交付金が減るようなことになりますし、社会保障に充てられる国の補助割合も減額されてしまうというようなお話がこの議会でも出ておりますけども、そういうことになってしまうと、日本で一番早く高齢化が進み、社会保障の充実が求められる23区は一層厳しい状況に追い込まれかねないなというふうに懸念をしております。我々もそうですけども、改めて国に、これから地方でさまざまなサービスを行っていくということに対しての財源確保を行わなきゃいけないということを前提にした上でのこの国税化を進めることをやめていただくように強く求めていただきたいということを申し上げて、この項の質問を終わらせていただきます。

 2項目目として、防災対策と感染症の対策について、初めに、防災対策について伺います。

 先日、台風18号の影響による大雨は、全国的に被害を及ぼし、特に関東・東北地方においては、特別警報が発令されるほどの豪雨となりました。河川の決壊により甚大なる被害が発生したことは皆様御存じのとおりですし、一刻も早い復旧、復興を祈るばかりです。気候変動による風水害の対策について、これまでも何度も質問を行ってきたところですが、改めて区内における風水害対策について、今回は特に災害弱者に対する情報のあり方について何点か伺います。

 先般、中野区地域防災計画平成27年度修正(第40次修正)が完成し、第2章、計画の運用、第2節、他の法令に基づく計画等との関係の中で、「中野区内の地域住民等から当該地域内における地区防災計画が提出された場合には、防災会議において内容の審議及びこの計画への反映の是非を決定する」と、かねて提案しておりました地区防災計画について触れていただきましたことに感謝をいたします。昨年の質問でも取り上げたとおり、この地区防災計画というのが中野区版のタイムライン策定のベースとなるというふうに考えておりますので、次は、区側から、風水害被害が想定される地域への計画策定に向けた働きかけを行っていただきたいことを要望しておきます。

 さて、1項目目の中で質問をいたしましたけども、区は、平成26年度に補正予算を組んで、危険エリアに対して、洪水ハザードマップの配布を行いました。昨年の第2回定例会で区が提供している中野区防災情報メールについて、河川の被害が想定されるエリアの住民に対し、個別に登録勧奨を行うべきと求めました。その際に、「ハザードマップに示す浸水予想地域の居住者をはじめ、広く市民の方に登録していただけるよう広報を行っていく考えでおります」とお答えをいただいております。

 そこで伺います。

 昨年行われた洪水ハザードマップの配布の際、あわせて防災メールへの登録勧奨は行っていただけたのでしょうか。伺います。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 洪水ハザードマップ配布の際に一緒に配布したチラシの中に、防災情報メールの会員登録の促進を行っております。

○平山委員 ありがとうございます。その結果はどうだったんでしょうか。登録数はふえたんでしょうか。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 洪水ハザードマップの配布は昨年の10月17日から11月14日の間に行いました。その間、防災情報メールマガジンの登録件数は、9月末の3,612件から11月の末で2カ月間で139件ふえ、通常の増加率よりも約100件増加しております。

○平山委員 ありがとうございます。大雨の際、防災行政無線が聞き取りにくい場合が多々あります。また、注意報、警報の段階から大雨による被害の心構えをしておいていただくことは大変重要なことです。そのためにも、引き続きの機会を捉えての登録勧奨をお願いいたします。

 さて、台風18号による豪雨被害を受け、9月11日に、一般財団法人全日本ろうあ連盟が、NHK、内閣府、総務省、厚生労働省へ、「北関東豪雨災害に関する聴覚障害者への情報保障について」という緊急要望を提出いたしました。その主な内容は、「特別警報をはじめとした緊急災害放送には、ローカル番組も含むテレビ番組に、「手話通訳と字幕」を必ず付与してください」というものでした。区は、J:COM中野との災害協定を結んでいます。特別警報発令の際はどのような対応となっているのでしょうか。伺います。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) J:COM中野との災害協定では、放送要請を行う場合、原則として書面で行いますが、緊急時は口頭で要請が可能となっております。その後、J:COM中野と区との調整により、災害対応時は、区の災害対策本部からJ:COM中野のほうに、データ放送を直接入力できるようになっております。したがいまして、特別警報が発令された場合は、必要により、区の災害対策本部からJ:COM中野に災害情報を直接データ放送で入力させていただきます。

○平山委員 基本はファクスだけれども、緊急時は電話でやりとりをすることもあって、その上で、区側で入力した文章を向こうの画面にも出せる、そういうふうになっているということでしたけども、手話というのは、これは活用されるのでしょうか。伺います。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) これまでのところ、J:COM中野との災害対応の放送において手話は活用しておりません。

○平山委員 緊急時に急に手話通訳の方に来ていただくというのもなかなか難しい話だと思いますので、この要望を受けた事項についてはかなりハードルが高いのかなと思っておりますが、一方で、字幕等については進めていただいているということです。

 それで、同社との災害協定には平時の協力というのがありまして、過去3年間、この平時の協力に示された情報交換の回数と防災訓練の参加実績について伺います。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区からの災害情報の範囲、発信方法につきまして、これまで前身のJCN中野時代に3回ほど打ち合わせを行っております。訓練参加につきましては、昨年度から中野区職員震災図上訓練において、コントローラー役としてJ:COM中野に参加していただいております。

○平山委員 打ち合わせは3回やりましたと。3年間での実績なので、年1回ぐらいですかね。コントロール役として出ていたただいている、どういう役割ですか。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 昨年度の震災図上訓練におきましては、J:COM中野に各種マスコミ役としてコントローラーをやっていただきました。

○平山委員 ごめんなさい。各種マスコミ役というのがわからない。J:COM中野はどういう立場で、どういうふうに訓練に参加したんですか。改めて伺います。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 訓練におけます各種マスコミは、仮想報道ですとか、あるいは取材等、そういったマスコミの役をやっていただいております。

○平山委員 ということは、要は、J:COM中野が自分たちが災害時に行うための訓練というよりは、区側が行う訓練に対して架空のマスコミ役に扮して参加をされたということですかね。そうでなかったら次の答弁でお答えいただきたいんですが、要するに、図上訓練にきちんとJ:COM中野も訓練の参加者という形で、何かの役割ではなくて、参加をするような訓練を持たれたほうがいいのかなというふうに思っているんです。要は、特別警報が発せられた場合、どういうふうなことをやっていくのかとか、災害が発生した場合、例えば区側が図上訓練を行っていく中で、そのときに、情報伝達についても訓練があるわけですよね。その場面でJ:COMもしっかりと訓練の中で対応していくというような、そういう訓練のあり方が望ましいと思うんですが、いかがでしょうか。伺います。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 風水害対応訓練につきましては、これまでのところ、コントローラーとして警察、消防には参画していただいております。風水害に伴う災害対策本部設置時には、これは訓練ではございませんで、実際の災害対策本部設置時には、J:COM中野から職員がいつも派遣されております。ですので、今後につきましては、J:COM中野と訓練参加について検討していきたいと考えております。

○平山委員 ぜひやっていただきたいなと思いますし、現在の協定書が、これはJ:COM中野じゃなくて、古い名称になっていますよね。名称も、ちゃんとJ:COM中野との協定書という形に変えられたほうがいいと思うんですよ。それを改定される際で構わないので、一度きちんと話し合いの場を持っていただいて、ぜひ風水害、震災の対応の訓練にはいろんな協力団体の参加があるんですけれども、風水害というのは、どちらかというと区が自分たちで行われて、完結をされているという場合が非常に多いように見受けられますので、ここの部分で、協力団体の一つとして、これから先、もっともっと広げていってほしいとは思っているんです。しかしながら、協力団体の一つとして、ぜひ訓練の参加へ働きかけを行っていただきたいと思います。

 次に、広島市は、聴覚障害者用災害避難情報ファクス送信事業という形で、災害時において避難情報を音声で伝達することが困難な聴覚障害者で、あらかじめ登録していた人に対し、避難に関する緊急情報をファクスで提供しているそうです。情報弱者に対しては、さまざまなチャンネルでの緊急情報の提供が必要と考えます。区も、聴覚障害者に対し、ファクス送信事業を行ってはいかがでしょうか。伺います。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 文字を使いました災害情報の提供につきましては、現時点で、区は、ホームページ、ツイッター、エリアメール、Lアラート、あと、J:COM中野のデータ放送の活用を考えてございます。それ以外の文字を使った情報伝達手段につきましては、対象者のニーズを含めて研究してまいりたいと考えております。

○平山委員 いわゆるデジタルが苦手な方っていらっしゃるわけですよ。パソコンとかスマホとか、そういったものがあまりお使いになれないという方もいらっしゃる、そういったことを考えると、ファクスって割とそういう方ってお使いになられたりしていますので、ぜひとも検討の一つにしていただきたいと思います。

 台風18号に伴う特別警報発令の際、エリアメールを活用した自治体がありましたけれども、メールには、詳細情報について、ホームページにアクセスを促す内容となっていたそうです。大量のアクセスに対応できない自治体のホームページがあったというふうにも聞きます。我が会派の小林ぜんいち議員が以前提案をいたしまして、それを受けて、区は、災害時用のホームページを作成したというふうに聞いておりますけれども、どのような場合、どのようなタイミングで災害時用のホームページに切りかえるかなどを定めた運用に対するガイドラインのようなものというのはあるんでしょうか。伺います。

○酒井政策室副参事(広報担当) 災害時用のホームページについては、中野区で甚大な被害が発生するような事態での使用を想定しております。その運用のためのガイドラインは、現在は策定しておりません。

○平山委員 ぜひガイドラインを。ガイドラインというと、何か縛りを設けるようなイメージがありますけれども、緊急事態ですから、やらなきゃいけないというのはわかっていても、ついつい漏れてしまうというようなことがないように、さまざまな場合を想定したガイドラインというものの作成を行っていただきたいと思いますけど、いかがですか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 災害等の緊急時には、被災状況に応じて臨機応変に対応する必要がありますが、一定の想定をするとともに、ホームページの切りかえ方法等のマニュアルを整備していきたいと考えております。

○平山委員 ありがとうございます。臨機応変な対応が一番必要なんですけれども、ただ、結果として何も伝えられなかったというようなことが起きないように、今回の特別警報発令後のさまざまな自治体の対応を見ていますと、少し心配になるような事例も見受けられましたので、ぜひともお願いしたいと思います。東日本大震災発生後の定例会で、被災地となった仙台市の奥山市長が、災害対策備品について、「「ある」ことと「動く」ことの間には雲泥の差があることを今回学びました」というふうに語ったことを紹介いたしました。今回、特別警報が発令された地域の中には、準備していた住民に対する災害時の情報提供が残念ながら適切に活用されなかった事例も見受けられました。誰もが公平に防災に対する情報を受け取ることができるということ、いざというときに確実に住民に対して適切な情報提供を行うことは、区民の生命、財産を守る上で極めて重要なことです。改めて防災情報のあり方、方法、ルール等の再点検を行っていただきたいというふうに思います。

 次に、この項の2番目で、感染症の対策についてお伺いをいたします。少し前置きが長くなりますので、御了承ください。

 1970年代以降、今日までのわずか40年程度の間に、40以上の新しい感染症が出現しているというふうに言われます。そして、その間の進歩した交通システムにより、世界的に高速大量輸送網ができ上がり、経済活動の領域の拡大や環境等によって、世界中を多くの人々が往来する時代となっています。また、気候変動の影響により、動植物や病原体を媒介する昆虫などの生息地域、生体分布も変化が起こっています。このことから、感染症の流行のスピードや地域にも変化が起こっています。

 昨年は、中部アフリカの風土病であったエボラ出血熱が西アフリカで流行を拡大しました。その感染者数はこれまでのエボラ出血熱の発生総数をはるかに凌駕し、現地政府では流行の拡大を制御できず、遺体が路上に放置され、医療は崩壊し、パニックにおびえる現地の人々の様子が全世界に伝えられました。

 2013年12月に最初の感染が確認されて以降、すさまじいスピードで感染は広がり、2014年8月4日、WHOは、西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態であると宣言をし、9月18日には、国連安全保障理事会が緊急の会合を開き、エボラ出血熱の流行に対する安保理決議を採択しました。安保理が保健関連で緊急会合を開き、決議を採択したのは史上初めてのことだそうです。

 10月にはスペイン、アメリカでの感染者が確認され、エボラ出血熱はついにアフリカ大陸を越えたこととなり、事態はさらに深刻化しました。日本でも空港等で政府による水際対策が行われ、リベリアに渡航し、帰国した男性に感染の疑いが持たれるなど、もはや遠いアフリカ大陸の流行病とは言えない状況が日本でも生まれました。本年5月9日には、WHOが最も被害が大きかったリベリアでの流行が終息したと宣言し、ギニアとシエラレオネ両国でも新たな感染者は減少傾向で、終息のきざしを見せてはいます。

 WHOの発表によると、2013年12月ごろから2015年、ことしの6月12日までの約1年半の間に、感染疑い例も含めて2万7,550名が感染し、1万1,235名が死亡したとされ、世界を震撼させたエボラ出血熱流行の脅威を物語っています。

 一方、日本では、昨年8月、東京都内で海外渡航歴のないデング熱の感染者が発見され、70年ぶりの国内感染者の発症となりました。国立感染症研究所のホームページでは、デング熱について、ネッタイシマカなど蚊によって媒介されるデングウイルスの感染症である、デングウイルスは、フラビウイルス科に属し、4種の血清型が存在する、比較的軽症のデング熱と重症型のデング出血熱があるとしています。デング熱を起こすウイルスには4種類あり、同じ型のウイルスに再び感染しても免疫によって軽症で済みますが、異なる型に感染すると、免疫が過剰に働き、デング出血熱として重症化することがあるというふうに言われております。

 今回は、感染症対策として、デング熱やチクングニア熱などの蚊媒介の感染症対策についてお伺いをいたします。

 「デング熱は、蚊が媒介するウイルス性の感染症で、アジア、中南米、アフリカなど、世界の広範な地域で流行しています。日本では1940年代前半に流行しましたが、その後、発生は確認されていませんでした。ただし、海外の流行地で感染し、帰国後に発生する例(輸入症例)は、毎年200例前後報告されています。平成26年8月、海外渡航歴がないにもかかわらず、主に都立代々木公園周辺を訪れた方から、デング熱の患者が発生しました(重症者はなし)。日本国内でデング熱に感染する経路としては、輸入症例の患者から、蚊を介して感染することが考えられます」これは、ことし8月15日が最終更新となっている区のホームページの「デング熱について」というページの記載内容です。他に「予防のポイント」と「症状」についての記載があり、次に、「ご相談・お問い合わせ」として、デング熱については保健予防分野保健予防担当、蚊の防除については生活環境分野衛生環境担当が案内されていますので、そういうことだろうというふうに思っております。

 そこで伺います。

 決算説明書の事業実績に、発生動向調査週報52回、調査日数365日とありますが、これについて、事業の詳細を伺います。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 感染症発生動向調査というものは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に感染症対策の一つとして位置付けられており、感染症の発生状況を把握、分析し、情報提供することにより、感染症の発生及び蔓延を防止することを目的に行われております。全ての発生が報告される全数把握対象疾患と、定点の医療機関から報告される定点報告対象疾患の患者数がそれぞれ保健所に報告される体制となっております。例えば中野区内ですと、インフルエンザの定点は11、小児科は7といったような定点の医療機関からの報告というものが定点医療機関についてはあります。それぞれを国や都に数の報告を上げるようになっております。分析された結果を医師会などに還元するとともに、保育や教育など関係部署に提供し、感染症の拡大防止に努めております。

○平山委員 昨年のデング熱発生以降、これまで区が行った蚊媒介感染症の対策について伺います。先ほど紹介したホームページの数値以外に何か行われていたのでしょうか。伺います。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 昨年度、70年ぶりにデング熱の国内感染例が出た際には、急遽保健所長等を対象とする厚生労働大臣参集会議が9月6日に開催されまして、これに基づき、区では、即日、区長を本部長とする健康危機管理対策本部会議を開催いたしました。ここで区の組織としての役割分担や対策方針を決めるとともに、国と協力いたしまして、区立杉山公園での蚊の調査を行いました。また、医師会等関係機関にも情報提供を行いまして、今後の協力を呼びかけたものでございます。区における役割分担といたしましては、各所管が連携をとりつつも、主にヒトへの感染については保健予防担当、蚊の防除に対する普及啓発指導は生活環境担当、また、区立施設における蚊の防除は各施設所管で行うことといたしました。なお、杉山公園における蚊の検査の結果、デングウイルスを保有する蚊は皆無でありまして、また、区内におけるデング熱の発症者は4名いたものの、区内感染例は1件もございませんでした。

 こうした状況を見きわめまして、デング熱ウイルスを媒介するヒトスジシマカの発生の特徴は、その後の国や都の指針等にもございますとおり、大きな池や貯水槽というよりは、雨上がりにわずかにできる水たまりでボウフラが発生するということであることから、家庭や事業所等、施設の管理者において、植木鉢の受け皿でありますとか、捨てられた空き缶、ビニール袋などちょっとした水たまりを小まめになくすなど適切な発生抑制の取り組みを行っていただくようホームページ等で普及をしているところでございます。

○平山委員 国は、蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針というのを策定し、デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症の対応・対策の手引きを配布しています。同指針の手引きを受けての区の対応はこれまで何かあったのでしょうか。伺います。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 今年度になりましてから、国のほうで指針を発しましたが、都のほうで昨年12月に既に東京都蚊媒介感染症対策会議報告書を出しておりまして、それに従った対応を続けておりました。デング熱疑いの患者の検査については都が行い、区は、患者調査や検体搬入等を行っております。12月の都の会議のほうで、都のほうから国に患者の迅速検査キットの保険収載と承認を要望しておりましたが、今年度になりましてから、国のほうでは、ごく限定的なケース、集中治療に対応できる医療機関での入院を要する重症事例にのみ健康保険を認めるという患者に対する対応を発表したところでありまして、したがって、患者対応についてはあまり対応として変わらないまま、都のほうで検査を続けるという体制が続いております。

○平山委員 ちょっとよくわかりにくかったんですが、要は、国の指針は出たけども、その前に東京都が会議等で定めたものがあったと。だけども、国の指針って、保健所を有する地方公共団体宛てに送られているわけなんですよ。だから、当然当区もこの指針の対応先になってくると思いますので、厚生労働省からの指針ですので、きちんと対応を図るべきではないかと思います。

 その上で、その中に、ホームページ等による周知のほかに、住民に対してのセミナーの開催等を求める内容もあったと思いますけども、区民に対してのセミナー等は実施されたのでしょうか。伺います。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 区独自でのセミナー等は特にしておりませんが、都のほうでやっているセミナーの周知等は図っております。

○平山委員 都は、国の指針を受けて、本年6月に、東京都蚊媒介感染症対策行動計画を策定しました。この計画に対する区の今後の対応をお伺いいたします。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 都の行動計画では、広域の対応が必要なため、区のほうにも協力を求めております。国の指針で、先ほど申し上げましたように、患者の検査について、健康保険での対応が限られるため、患者の迅速な診断を図るためには、都で検査をしていただけることになりましたので、区のほうでの患者調査や検体搬入を迅速に行うように努めております。今年度、当区でも海外感染事例が既に発生しており、感染防止のために、患者の調査や指導を行っております。国内感染については、症状からデング熱が疑われる事例の届け出があり、都に検体搬入を行いましたが、検査の結果、デング熱ではないと診断されております。

○平山委員 「蚊の発生リスク評価に対する対策」として、「蚊媒介感染症に関するヒト・蚊について総合的なリスク管理を行う」とありますけれども、どのような対応となるんでしょうか。伺います。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 東京都がことし6月に策定いたしました蚊媒介感染症対策行動計画では、国の指針を踏まえまして、都の基本的な方針や、都や保健所、区市町村、都民等の役割、デング熱発生の各段階における対策等を定めたものでございます。

 まず、国の指針には、自治体において、蚊の媒介感染症のリスク地点を選定するとしてございます。選定されたリスク地点では定点観測を行うことが望ましいとするほか、長期間滞在者等に定期的な健康観察の機会を設けることを検討するとしております。リスク地点の選定には、まず、デング熱流行地から多くの人々が訪れる観光施設、公園等、それから、長期間滞在するもの、頻回訪問する人が多い、大勢の人が集まるイベントが開催される等の二つの項目ともに合致し、しかも、蚊の生息好適地かどうかも加味して決定するとしてございます。

 都の行動計画では、リスクの高い場所には重点的に蚊の対策を行うとしてございますけれども、実施に当たっては、施設利用者や周辺住民への健康への影響、自然環境への影響、都民の社会生活への影響を総合的に考慮した上で対応しているとしてございます。

 現在のところ、区内ではリスク地点の条件に直ちに該当する場所はございませんけれども、デング熱流行地が近隣に発生する可能性もあるため、適切に対処していきたいと思っております。

○平山委員 直ちに該当する場所がないって。ということを、都の計画の中では、それぞれの自治体がしっかり検討していきなさいということになっているんじゃないかと思うんですけど、今そういうお答えが出てくるというのは、ちょっとどうなのかなというふうに思わざるを得ません。

 その上で、このデング熱媒介蚊のサーベイランスについてどのように行うのかということと、中にあります防除計画の策定というのは行われるのか、行われるのであればいつを目途にされるのか、お伺いをいたします。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 蚊のサーベイランスについてですが、東京都のほうで、昨年の事態が起きる前から、都内16カ所で蚊のサーベイランスを実施しておりました。さらに、昨年の状況を受けまして、今年度からは、9公園について、より重点的に監視体制を強化しているということです。都のサーベイランスに区として必要な協力をしてまいりたいと考えております。防除計画につきましては、海外感染事例の発生や都のサーベイランスの状況を見て、今後検討してまいりたいと考えております。

○平山委員 いろいろ取材をさせていただいて、なかなか、都が行うことに対して協力をしていきますというような姿勢が多々見受けられたんですけども、後ほど申し上げますけれども、ちょっとそれではいけないのかなと。区として都の行動計画を受けて行動計画を策定される必要があるんじゃないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 都の行動計画の中でも、広域で統一的な対応が必要であるということがうたわれておりまして、引き続き都や関係自治体と連携して対応していく必要があると考えております。区としての独自の計画につきましては、他区の状況等を見て研究してまいりたいと考えております。

○平山委員 特別区には保健所が設置をされているということをしっかりと自覚していただきたいと思うんですよね。何でこういう質問をしたのかというと、例えば新宿区とか足立区というのは、独自に計画を策定したんです。みずからの区としてどう動いていくのかということを計画に定めている。先ほど昨年のデング熱が発生したときに、緊急に会合を持ってというふうにおっしゃいましたけれども、今、じゃあ今後発生した場合に何に基づいてどういう会議を持つのかというような決まりもないわけですよね。組織体制も、非常に多岐にわたるような対策になっていく、公園、道路の担当にも蚊の予防に関しては動いてもらわなきゃいけないわけですし、さまざまな広範囲な形での対応となっていくということを考えると、区としての体制の構築と連携を図って取り組んでいただくためには、私は、この行動計画というのは、作成が欠かせないのかなというふうに思っています。

 で、殊さら区民の危機意識をあおるということを望むものではないですし、区のリスクコミュニケーションについても同時に考えていかなきゃいけないというふうには思うんですが、国の予防指針には、こう書いてあるんです。「近年、国内感染症例が発生した蚊媒介感染症は、予防接種の普及により年間数件の発生にとどまる日本脳炎に限られており、感染症対策の一環として、平常時における媒介蚊の対策だけでなく、国内に常在しない蚊媒介感染症が国内で発生した際の媒介蚊の対策が十分に実施されていないという現状がある。そのため、近年、各地方公共団体における媒介蚊の対策に関する知識や経験が失われつつあるとともに、国民の媒介蚊に対する知識や危機感が希薄になっている」というようなことが書かれているんです。要は、日本脳炎以来こういったことというのがなかったので、地方公共団体も、そういった経験を有する人、人材というのがもう今やいなくなっていると。だから、こういう対策を地方公共団体がみずから行うことによって、人材の育成も図っていくべきだというふうに国の指針には書いてあるというふうに私は思っているんです。

 そういったことを考えたときにも、これから環境の変化によって、デング熱だけじゃない、こういった感染症の危機というのは当然広まっていくわけですから、中野はグローバルを目指していくわけですから。だから、ぜひこの蚊媒介の感染症について、区として前向きな取り組みをしていただきたいということを申し上げて、この項の質問を終わらせていただきます。

○若林委員長 平山英明委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。15時20分まで、委員会を休憩します。

午後2時58分休憩

 

午後3時20分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 平山英明委員、質疑をどうぞ。

○平山委員 休憩を挟みまして、質疑を続行させていただきます。

 残り時間が、ちょっと時間配分が狂ってまいりましたので、簡潔明瞭な御答弁をお願いできましたらというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 3項目目として、今後の区有施設整備に伴う諸課題について伺います。

 初めに、児童館等、今後の子ども施設の考え方について伺います。

 近年、子どもが巻き込まれる犯罪も多発し、また、地球温暖化の影響により子どもたちの屋外での遊びが制限されるほどの猛暑が続くなど、子どもを取り巻く遊び場環境は変化を求められています。区は、これまで新しい中野をつくる10か年計画に基づき、放課後の児童の遊び場の確保として、学校内にキッズ・プラザを設置し、より多くの児童の遊び場を確保するための整備を進めてきました。また、キッズ・プラザの整備に伴い、児童館をU18プラザへ転換するとともに、U18プラザへの転換を行わない児童館については廃止、売却の方針を示しています。さらに、これまでの児童館を利用している児童以外の乳幼児親子や未就学児については、新たな居場所の確保策を図ってまいりましたが、十分な状況には至っておりません。

 この間、後期の学校再編計画が示され、現在の10か年計画では用途変更が示されていない児童館についての今後の計画についても検討が行われることと思います。そのような中で、区は、平成24年8月に策定された子ども・子育て関連3法を踏まえ、平成27年度から31年度までの5年間を計画期間とする中野区子ども・子育て支援事業計画を策定いたしました。これに基づいて伺います。

 計画の中には、地域子育て支援拠点事業実施場所としてすこやか福祉センター管内の複数箇所とありますが、どのような機能の施設を想定されているのでしょうか。お伺いいたします。

○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 国の子ども・子育て支援新制度に位置付けられております、乳幼児親子が交流し、相談などの援助を行う地域子育て支援拠点事業を適切に実施するとともに、育成活動のネットワークづくりのかなめとなるにふさわしい施設を想定しておりまして、地域の子育て支援の拠点としていきたいと考えてございます。

○平山委員 利便性、施設の機能等を考慮すると、現在の児童館施設での実施が望ましいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) すこやか福祉センター圏域におきまして必要な拠点数を適正に配置するために、区有施設を含めて検討してまいります。

○平山委員 今後用途が廃止される児童館施設のあり方も含め、子ども施設の配置について改めて再検討が必要ではないでしょうか。お考えを伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 用途廃止となる施設につきましては、今後必要な区民サービス実現のために有効活用が可能かどうか検討いたしまして、維持、活用するのか、売却等、資産活用を図るのかについて判断をしてまいりたいと考えてございまして、児童館施設についても同様の考え方で進めたいというふうに考えてございます。

○平山委員 いま一度御検討いただけるということで、大変心強い答弁をいただきましたが、さきにも述べたとおり、子どもを取り巻く環境は、10年前、また、5年前の計画策定、改定時からも変化をしています。そして、現在の児童館にある施設機能は、子ども・子育て支援事業計画に照らしてみると、新たにほかに求めるのが難しい貴重な区の資産だというふうに思います。そもそも時代ごとの環境の変化への対応が必要だからこそ、10年間の基本計画を立て、さらに、5年ごとの見直しを行うようにしているのですから、子育て環境の変化にも柔軟に対応しての10か年計画の改定を求めます。

 次に、施設の複合化について伺います。

 全国の地方自治体では、老朽化する公共施設の改修、改築、再配置の検討の中で、施設の集約化や複合化について検討を進めています。一方、中野区は、昨年9月に改定された中野区施設白書では、今後の課題の中に、平成19年度改定版で触れられていた建てかえ事業への対応と効率の面からの複合施設化等などの複合化施設についての表記が見受けられません。にもかかわらず、今定例会で、区立第三中学校及び第十中学校の統合新校の校舎について、複合施設の可能性を検討したいとの理由で実施設計についての補正予算が提出され、これを可決いたしました。いささか急な検討の感も否めませんでした。今後の区有施設の再配置、特に学校施設については複合施設の可能性の検討は欠かせないものと考えますので、今回の補正予算についても、内容は必要と判断しましたが、進め方は望ましかったとは思えません。区は、今後の施設再配置に当たり、複合施設の可能性についても検討されるのか、されるのであれば、施設の複合化についての方針は、今後策定される10か年計画か、施設管理計画の中で考え方が示されるのでしょうか。伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 資産を有効活用いたしまして、効率的に施設の更新を進めるに当たりましては、施設ごとに活用できる建築容積を最大限活用いたしまして、区有施設の集約化、複合化を進める必要があるというふうに考えてございます。この考え方につきましては、現在策定を進めている公共施設総合管理計画の中で示すことを考えてございます。

○平山委員 総合管理計画の中で示されるということで伺いました。

 この項の最後に、来年度行われるなかのZERO大・小ホールの大規模改修について伺います。

 今年度会派で行った区内の各種団体との懇談会の席で、毎年行っている催しなどが、来年度、ZEROホールの改修期間に当たり、開催をどのようにすべきか悩んでいるとの声が寄せられました。区や教育委員会が主催する、例えば区立小・中学校の連合競技などは、既に近隣区の会場を手配しているとも聞きます。これらについては、詳細は分科会に譲りたいと思いますが、区や教育委員会がこれまで後援してきた事業や、それ以外の区内団体の催し等について、会場の手配について心配がありますので、何点か伺います。

 来年度、なかのZERO大・小ホールの改修に当たり、利用者、利用団体に対して、一定期間利用ができなくなることに伴う案内はどのように行ったのでしょうか。お伺いをいたします。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) もみじ山文化センターの大規模改修に伴う本館、西館の休館につきましては、なかの区報、「ないせす」や「ないせすネット」を活用し、お知らせしたところでございます。また、区立小・中学校をはじめ主要団体に文書等により昨年度から周知を行い、ホールでの行事実施日を、短い期間ではございますが、来年度の開館期間中に実施するなどの提案を行いました。庁内各部には、施設の休館予定を通知するとともに、関係団体等への配慮をいただくよう依頼したところでございます。

○平山委員 庁内の各部局には依頼をしたということですが、区内で行われる各種行事や催し物などに対しての区の後援を受けるにはどのような手続となるのでしょうか。伺います。

○朝井経営室副参事(経営担当) 中野区の後援名義の使用につきましては、中野区後援等名義使用基準によりまして、行事や催しなどの事業の領域に関連する各分野に申請書、必要書類をお出しいただきまして、その受け付けた分野によりまして使用承認が適当か否かを審査した上で、使用承認の通知を行っているところでございます。

○平山委員 区が後援を行う行事や催し物などについて、情報の一元化というのを行われているのでしょうか。全体を把握している部署はあるのでしょうか。お伺いをいたします。

○朝井経営室副参事(経営担当) 後援名義の使用承認につきましては、申請団体の状況や活動内容、申請対象事業の内容を適切かつ速やかに審査する必要があるということから、団体や活動内容にかかわりのある分野を申請受け付けの窓口としております。現在、各分野の後援名義の使用承認状況を一元的に把握するということは行っていない状況でございます。

○平山委員 仮にも中野区の名前が出るわけですから、どこかで一元管理をされた方がよろしいのではないかということ、きちんとわかっている部署が中野区に一つあったほうがいいのではないかということと、先ほど各部局になかのZEROの改修に当たっての案内をお願いされたというふうに伺いましたけども、なかなか大変なようなんです。要は、この情報を一元化しているところがないので。そういったことを踏まえても、改めて、これは教育委員会もそうですけれども、お願いをしたいなというふうに思っております。

 そこで、次は具体的な内容で、これまで共催、後援を行ってきた催しについて、来年度会場変更などにより会場の借り上げ費用がなかのZEROホール利用時よりも高額となる場合、例えば私立幼稚園連合会の楽しい園児の集いなど、補助金の増額を検討すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。伺います。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 私立幼稚園連合会が主催いたします楽しい園児の集いに対しましては、これまで施設使用料や出演料等について補助を行っているものでございます。なかのZEROホールの改修に伴いまして、楽しい園児の集いが継続できるよう、支援のあり方を検討していきたいと考えてございます。

○平山委員 よろしくお願いします。会場費が高くなって実施ができないということになると困ってしまいますので。もう一つ。友愛クラブが行っている老人大学に対しての区のかかわりはどのようになっているのでしょうか。伺います。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 中野区友愛クラブ連合会の活動が地域の輪を広げていき、区全体のさまざまな活動へと発展していくことは、高齢期の区民の皆様の豊かな長寿社会の実現につながることと区としても大いに期待するところでございます。区としては、連合会の運営や諸行事開催に当たって、財政面を含め、支援をしているところでございまして、老人大学の開催についても同様でございます。

○平山委員 来年度、老人大学の開催について、会場についても、近隣施設の交渉をお手伝いするなど特段の配慮を行ってほしいと思っておりますけれども、いかがでしょうか。伺います。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 老人大学につきましては、例年の開催場所としてなかのZERO小ホールを使用しておりまして、全5回のうち最終回が改修工事の影響を受けることとなります。現在、友愛クラブ連合会では、その対応について検討しているところと承知してございます。区としても、その開催に向けまして、御相談をしながら支援をしてまいりたいと考えてございます。

○平山委員 四季の森の整備によって大学を誘致したいということがあって、新たな、区の資産ではないですけれども、中野区全体として見たら、そういう資産が生まれているわけなんですけども、私も当たってみたら、とある大学は、お話によっては検討しても構わないというようなお答えもいただいたりしていまして、幅広く利用の状況に合わせた開催ができるようなお手伝いをぜひ行っていただければと思っています。区とともに行政が行うべき役割の一端を担っていただいているような団体については、区の主催する事業と同じぐらい区民にとって大切な事業を行っていただいていることというふうに考えます。そう考えると、会場が使えないことで来年度実施ができなくなるようなことがないよう、重ねて御配慮をお願いいたしまして、この項の質問を終わります。

 次に、大和町のまちづくりについて伺います。

 決算説明書436ページ、都市基盤費、地域まちづくり費、大和町まちづくり費中、不燃化特区助成は、執行額が314万円、不用額が1,554万円、執行率は約17%になっています。実績は1件とのことですが、予算の際の目標と実績について伺います。

○荒井都市基盤部副参事(大和町まちづくり担当) 予算上につきましては、不燃建物に建てかえる際の戸建て建てかえの助成が5件という形で予算を組んでございました。また、老朽建築物の除去、この助成が1件という形で予算を組んでございましたけれども、実績といたしましては、今委員がおっしゃったように、戸建て建てかえの助成が1件のみという形でございました。

○平山委員 補助制度の活用が進まなかった理由をどのように分析されていますか。簡潔にお答えください。

○荒井都市基盤部副参事(大和町まちづくり担当) 戸建て建てかえの助成につきましては、個人が、同一権利者で、戸建てから戸建てへの建てかえであるというような用途制限がございました。また、老朽建築物につきましては、1年間除却後更地にしておくというような、そういった条件がつくというようなこともございました。こういったことが地域の需要と必ずしも一致しなかったというところが助成実績が伸びなかった原因というふうに考えてございまして、これにつきましては、今年度改正をいたしまして、用途についても、どういうふうな形でも構わないというふうなこととか、除却した後の更地についても活用を図れるというふうなところで、活用促進を図れるような形の改正をしてございます。

○平山委員 今年度は、27年度はさらに増額をして、1,907万円が計上されていますが、今のお話を伺った限り、今年度は課題の解決が図れるということなので、これはこれで期待をしたいと思います。

 防災対策や今後のまちづくりのあり方を考えたとき、共同化の推進は欠かせないと思います。しかしながら、まちの声を聞くと、初期費用や返済等のコストを含めた具体的なイメージができない方が多いようにも思えます。共同化のメリット、デメリット、具体的な実例を踏まえ、皆さんがイメージしやすい説明会の機会が必要かと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○荒井都市基盤部副参事(大和町まちづくり担当) 共同化につきましては、権利者等の意向が大変重要になってまいるというふうに考えております。大和町まちづくり方針の中でもお示ししていますとおり、建物の不燃建てかえを進めるとともに、オープンスペースの確保、また、それによりまして、防災性の高い良好な市街地の形成、これらを図るためには、共同化の誘導は必要であるというふうに考えております。昨年度、住まいづくりや資金プランをテーマとしたセミナーといったものも開催してございます。その中では資金計画に関する相談会も実施しているところでございますが、今後、都市計画の変更などを行う中で勉強会などを開催させていただいて、具体的なイメージのできるような機会の提供を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

○平山委員 共同化の場合、みずからの周辺に住む方々と一緒に説明を受ける機会が重要かと考えます。地域をエリアごとに区切っての説明会の機会を設けるというのはいかがでしょうか。伺います。

○荒井都市基盤部副参事(大和町まちづくり担当) 昨年もやってございますが、やっぱり当初は、どのように住まいづくりを考えていくかでありますとか、共同化につきましては、やはりメリット、デメリットもございます。こういったところを理解していただくことがまず最初かなというふうに考えているところでございます。そのような観点から、勉強会などの開催につきましては、範囲を検討してまいりたいというふうに考えてございます。なお、一定のまとまりを持ちまして権利者様のほうから共同化に対する要望も挙げられる地区、こういったところにつきましては、さらに具体的な話し合いを進めていくことも必要であるというふうに考えてございます。

○平山委員 より具体的なイメージを持っていただくためには、やっぱり実際に実例を見ていただくのが一番かというふうに思います。希望を募り、先進事例の視察を行ってはいかがでしょうか。伺います。

○荒井都市基盤部副参事(大和町まちづくり担当) 今申し上げました勉強会等を今後開催させていただく、進めていく中で、参加者の意向も踏まえまして、モデルとなるような事例の視察なども検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○平山委員 ありがとうございます。高齢者の中には、建てかえよりもむしろ安心して老後を過ごせる環境を望む声が多く聞かれます。今後の大和町のまちづくりに当たって、高齢者の方にとって快適に大和町内に住み続けていただくことができるように、サービスつきの高齢者専用住宅の誘致を行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

○荒井都市基盤部副参事(大和町まちづくり担当) 大和町まちづくり方針の中でも示してございますが、誰もが安心して住み続けられるまちの実現を図るためには、多様な世代が暮らせる住環境の創出が必要でございます。地域にお住いの高齢者の方をはじめ子育て世代に対する施設の誘導も重要な課題であるというふうに考えてございます。

○平山委員 今申し上げた高専賃の誘導にあたっては、用途が廃止をされた都有地や今後の施設再編の中で生じる区有地の活用を行ってはいかがでしょうか。お伺いをいたします。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 今後の超高齢化に対応いたしまして、高齢者の住まいをどう確保していくかという観点から、サービスつき高齢者住宅の誘致も一つの選択肢であるというふうに考えてございます。区有地の活用については、区全体、地域の区民サービスの確保など、さまざまな観点から検討してまいりたいというふうに考えております。

○平山委員 まずは、都の特定整備路線の拡張を住民のニーズに応えながら進められるよう都にも協力を強く求めるべきだというふうに思います。計画がおくれるようなことがあれば、防災面のみならず、かえってこれまでの大和町のにぎわいを低下させることにつながりかねませんので、しっかりと努力をお願いいたしまして、この項の質問を終わります。

 順番を変えまして、その他の7番のところで、一つ、中野四季の森公園の芝生整備について伺います。中野四季の森公園の芝生整備については、何名かの議員の方から質問がありました。その中で誤解を与えかねないような答弁があったように思えましたので、確認のために伺います。

 中野四季の森公園は、開園以来、区民や訪れる多くの来園者によって、にぎわいを見せています。私も通るたびに噴水や芝生広場で遊ぶ家族連れや若者たちの姿を目にいたします。同公園の大部分を占める芝生広場には、芝の養生等により使用できない期間があるため、敷地を分割して整備を行っていると聞きます。具体的に、年間を通しての養生の進め方はどのように工夫をして行われているのでしょうか。伺います。

○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 年間を通じまして青々とした芝生が周りの樹木や建物と一体となり、質の高い景観が形成され、維持され、より多くの皆様に御利用いただくために、芝生への負担、ダメージが集中しないよう、芝の状態を確認しながら、半面ずつ開放しているところでございます。イベントの開催時には、大勢の方々が集まりますことから、全面的に開放し、芝生地を憩いの場として提供しております。ただし、春や秋に、夏芝、冬芝への切りかえを行う時期には、種まきを行いますので、1週間から、状況によりましては1カ月程度、芝生が根付くまでの養生期間が必要となりますので、この時期だけは全面閉鎖を行うこともございます。芝生の管理は難しいことから専門家に管理を委託しておりまして、種まき、散水、肥料の散布、草刈りを小まめに行っているところでございます。

○平山委員 おおよそ半分は利用できるとした場合の年間利用可能日数は何日なのでしょうか。日数だけお答えください。

○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 年間では、おおむね330日程度でございます。

○平山委員 本委員会で高額な芝生管理費用に比して利用日数が少ないとのやりとりが目立ちましたので、状況の確認のために質問をいたしました。その上で、現状の開放状況が十分か否かの議論は、今年度、基本設計が行われる拡張用地の整備の内容も含めて、分科会やその後の議論に譲りたいと思います。

 残り1分となりまして、あと1問、フリーWi‐Fiの質問が残っていたんですが、取材もいただいて大変申しわけなく思いますが、分科会に譲らせていただきたいと思います。

 以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

○若林委員長 以上で平山英明委員の質疑を終了します。

 次に、篠国昭委員、質疑をどうぞ。

○篠委員 自民党の立場で、通告のとおり質問させていただきます。

 最初に、指定管理者制度について、1番目として、監査結果の公表について質問させていただきます。

 例年、指定管理者による公の施設の管理については、監査委員におかれては、財政援助団体等監査の中で行われています。昨年度の同監査の結果報告を見ると、「指定管理者による公の施設の管理は、その目的に沿って概ね適正に行われており、文書による指摘が必要と認められる事項はなかった」とされています。しかしながら、「公認会計士の調査では…(中略)…人件費の算定方法の考え方に関する提案もあった」という一文があります。これだけではなかなか理解できませんので、お伺いしますが、指定管理者への委託料は大きな金額であり、その内訳も、人件費が相当部分を占めているのではないかと思います。この一文が示す内容はどのようなものであったのか、監査委員協議会への報告文であり、個別事業者への調査なので、答えられる範囲でお示しください。

○小谷松監査事務局長 指定管理者への監査につきましては、特に大手事業者の場合につきましては、企業会計、これが対象となりますことから、専門知識を有する公認会計士の支援を受け、実施しているところでございます。今委員のほうからお話がございましたものにつきましては、人件費の実態として、監査対象となりました、これは一事業者の一例ということでございますけれども、事業者側にとりましては本社部分の人件費も必要であるということ、それから、中野区以外の同種の施設を受託している事業者につきましては、繁忙な特定事業を行う際については、事業社内で人材を、これを共用いたしまして、適宜派遣し合い、短期的に集中して投入し、効率的な人事運用をしているという実態、また、受託に当たりましては、事前の人材調達費や研修費などもかかっていること、これらにつきましては管理委託料には盛り込まれていないということ、このようなこともございますけれども、ただ、事業者側でも、さまざまな事業執行の工夫、改善を行っているということがうかがわれます。それらを業務報告などで確認するだけでは、業務実態を把握することは困難でございます。業務の報告や集計のありようにつきましては点検が必要ではないかというものでございます。こういった事業者の事業実態の把握を通じまして、次の指定管理者との契約の機会等に向け、検証をしていく必要があるのではないか、そういう考えでございます。

○篠委員 どう生かしていくかということはなかなか難しい面がありますが、忙しいときには本社から人を呼んででも集中的に区民のためのサービスアップに努めるといったような行動は、中野区民にとっては大変すばらしいことなんですが、最後にお聞きしたところをどう生かすかということは、今後ともその先を見守りたい、このように思っております。

 次に、指定管理者制度についての2番目として、第三者への業務委託についての項目でお伺いします。

 かなり古いんですが、平成18年7月31日に、埼玉県ふじみ野市の流れるプールで、吸水口に幼児が吸い込まれ、とうとい命が失われるという悲惨な事故がありました。事故が起きた原因は、吸水口の構造について、安全基準に違反した状態のまま3年以上放置されていたという施設の構造上の問題もありましたが、一方では、管理業務の一部を民間業者に委託したということに伴う問題もありました。具体的には、管理業務の受託業者が市に無断で下請業者に再委託していたことや、仕様書で定められた人数の監視員を受託業者が配置せず、配置した監視員さえも、その多くが仕様書で求められた資格や経験のない者であったなど、契約内容に違反したずさんな状況でありました。また、そうした状況にもかかわらず、市の職員がそのことに気づいていなかったという問題がありました。指定管理者が行う業務の再委託については、原則としてその業務の全部や主な部分を第三者に委託することが禁止されています。例外として、清掃や警備といった個々の具体的な業務については、あらかじめ理事会の了承を受ければ再委託することができるようです。指定管理者がその業務を再委託した場合に、その部分が適正に履行されているかどうかはどのようにしてチェックしているのでしょうか。お伺いします。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) 指定管理者の再委託につきましては、あらかじめ区が承認した場合に限って行うことができるものでございます。指定管理者が再委託を行おうとする場合には、事前に区に申請をして、区は、その業務が清掃や警備、各種保守点検など補助的な業務であることを確認の上、再委託先の能力から、履行の遅延や品質低下などが生じるおそれがないということが認められるときに、再委託の承認を行ってございます。指定管理者による施設の管理運営状況につきましては、指定管理者が第三者に再委託した部分も含めて、事業報告書や施設の現場確認、指定管理者へのヒアリングなどを通じまして、業務が適正に履行されているか、確認を行ってございます。

○篠委員 それでは、3番目として、労働環境のモニタリングについて。自民党は前回もこの質問をさせていただきましたが、指定管理者の中には、コスト削減を重視するあまり、低賃金、長時間労働、社会保険未加入など労働法令違反や適正な労働条件が確保されていないおそれもあります。こうした状況で働く労働者は、仕事に対する意欲や満足度が低下し、結果として、区民サービスの質の低下につながってしまうことが危惧されます。そうしたことを未然に防ぐためには、区の責任として、指定管理者における労働環境をモニタリングし、改善提案を行う仕組みを導入する必要があると考えます。

 具体的には、社会保険労務士が就業規則や賃金台帳などの書類を審査し、法令上の問題がないか審査するとともに、現地の従業員から現場環境や区民サービスに関するヒアリングを行い、労働環境をモニタリングして、改善や是正すべき事項を取りまとめて区に報告するような仕組みが考えられます。

 そうした取り組みを行う自治体がふえており、特別区の中でも、昨年度は11区で運用されていましたが、現在は23区中20区まで広がっており、実施していないのは、中野区、江東区、中央区の3区だけと聞いています。中野区でも、指定管理者制度を導入した施設において、社会保険労務士による労働環境のモニタリングを実施し、適正な労働環境を確保することにより、区民サービスのさらなる向上につなげていくべきと考えます。

 工夫によっては、区みずからができるのであれば──一遍に全部とは言いませんが、そういった部分にも触れてお答えいただいても結構です──指定管理者制度ガイドラインでは、制度の運用実態を踏まえて既に検証を行い、適宜見直しを行っていくとしていますが、社会保険労務士を用いた労働環境モニタリングの導入について、他自治体の導入状況も踏まえ、改めて検討を行い、コスト面での課題があるならば、やり方を工夫してでも具体的な行動を起こすべきと考えますが、いかがですか。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) 指定管理者制度を導入した施設におきまして、安定した管理運営や安全なサービスを確保するとともに、さらにサービスを向上させていくためには、指定管理者による労働法令の遵守や適正な労働条件の確保が必要であるというふうに考えてございます。そうしたことが確実に行われるように、指定管理者の募集要項や協定書の中で配慮をしてまいります。さらに、各施設の所管におきまして、指定管理者へのヒアリングや現地の確認、また、事業報告書の審査などを通じて改善すべき点がある場合には、区が指定管理者に指示をすることで、業務の適正な履行を確保して、サービスの向上を図っているところでございます。そうした運用につきましては、ガイドラインの中でも明記をしているところでございまして、今後も徹底してまいります。

○篠委員 具体的な答えには遠いんですけど、ですけど、中野区のやり方でぶれがないということであれば、我々も、何しろ金がかかりますのでね。他の区、23区中20区がつぎ込んでいっても、我々は、契約の時点でかたい約束をしているんだ、3年間なら3年間の間に1カ所だけはどこか切り込むぞということだけでも状況は大いに変わりますので、ぜひ工夫を含めて誠心誠意していただきたい、このように思っております。

 次に、施設の適正な管理運営の確保についてお伺いします。

 指定管理者には、多額の指定管理料が支払われています。平成26年度に区が指定管理者に支払った指定管理料のうち一番金額が多かったのはどの施設で、その金額は幾らだったですか。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) 平成26年度の指定管理料の金額が一番大きかったのは、中央図書館と地域図書館7館の合計8館の管理を行っている指定管理者で、その金額は6億9,489万円でございます。

○篠委員 昨年度に区が指定管理料を支払った施設の総数と指定管理料の総額は幾らだったですか。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) 昨年度に区が指定管理料を支払った施設といたしましては、福祉施設、スポーツ施設、文化施設などが35施設、区営住宅や福祉住宅などが30棟でございます。それらの施設における平成26年度の指定管理料の総額といたしましては、28億6,307万円余りでございます。

○篠委員 これだけ大きな金額でございますので、その適正な執行を確保するためには、監査委員による監査だけでは限界があると考えています。指定管理者による施設の適正な管理運用を区がどのようにして確保し、利用者に対するサービスを向上させていくのか、区としての見解をお伺いします。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) 指定管理者による適正な施設の管理や利用者へのサービスを向上させていくために施設所管職員による指定管理者へのヒアリングや現地における業務の実施状況の確認、また、事業報告書の審査、利用者アンケートの分析、苦情、要望への対応状況等の確認を行っているところでございます。その中で改善すべき点がある場合には、区が指定管理者に指示をしていくことによりまして、サービスの向上を図ってまいります。

○篠委員 指定管理者による施設の管理状況を区がきちっと確認し、当初目標としていたサービス水準を達成しているかということを利用者や議員がチェックできるように、施設の管理運営状況を公表すべきと考えますが、いかがですか。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) 施設運営の透明性の確保やサービスのさらなる向上を図るとともに、区民や利用者に対する説明責任を果たしていくために、指定管理者の事業報告書を区のホームページで公表するということをガイドラインに定めたところでございます。今年度が実施初年度になりますので、現在、公表に向けて準備を進めているところでございます。

○篠委員 今年度が実施初年度になりますということでございますが、もっと早くやれ、もっと早くやれと言い続けてまいりましたので、今後とも、これだけ大きな金額については、区民も議会も注視するところでございますので、しっかりと対応していただきたいと思います。

 次に、防災問題についてお伺いいたします。

 災害時個別避難支援計画書について、区は、今年度から、災害時の避難が1人では難しい方への避難支援の取り組みを進めているところでございますが、実際には、避難所の立ち上げや運営を担っている町会長や防災会の会長さんのところまでこの話が十分伝わってきていないように思います。自民党でも、北原議長、私、伊藤正信議員、佐野れいじ議員は町会長ですし、高橋ちあき議員も事実上の町会長でございます。大内幹事長も、事実上町会の中心で頑張っております。これが十分に伝わってきていないように思います。

 新しく、避難所運営本部の中に、五つ目の部署として(仮称)避難所支援部を立ち上げてほしいということのようですが、それを実際にやるのは町会や防災会です。五つ目というのは、我々訓練を続けているのは、庶務部、情報連絡部、物資調達部、救護衛生部とに分かれて何回も訓練を重ねているんですが、この五つ目の避難所支援部、改めてこの区の取り組みについてお尋ねしたいと思います。

 まず初めに、災害時避難行動要支援者とはどのような方々のことをおっしゃっていらっしゃるのか、対象者はどういう方々なのかをお伺いします。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 要支援者についてでございます。まず、この取り組みの根拠となってございますのが、いわゆる災害対策基本法でございます。この法におきまして要支援者の対象として想定されておりますのが、何らか避難時の支援が必要な高齢者、障害者等でございました。これを受けまして、中野区といたしましては、要介護認定や障害者支援区分認定のある方々をはじめとしまして、70歳以上のひとり暮らしの高齢者などを要支援者の範囲としているところでございます。

 より具体的に申し上げますと、便宜上要支援者を四つの区分に分けてございますけれども、避難の困難性、支援の必要性の高い方から順に区分の1、2、3、4としてございます。この区分1、2の方につきましては、要介護認定で要介護度1以上の方々、それから、障害者支援区分で1以上の方々、それから、障害者手帳の重度等に相当する方々でございまして、合わせましておよそ1万人となってございます。それから、区分の3と4でございますが、介護認定の要支援の1と2の方、それから、70歳以上のおひとり暮らしの方、それと、75歳以上のみの世帯の方々で、こちらは約2万2,000人となってございます。

○篠委員 1万人と2万2,000人、相当な人数でございますが、今年度は、この方々を全部訪問するんですか。具体的にはどのように訪問するのか、一遍に訪問するのか、いつから始めて、どのぐらいの期間を定めているのかという部分に触れてお答えください。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 今年度訪問を予定しております対象は、先ほどの区分の1と2、約1万人でございます。ことしの6月から訪問を開始したところでございまして、今年度末までに全ての訪問を行い、避難支援計画の策定を進めたいと考えているところでございます。職員は100人ほどの従事体制をとってございまして、一部は事業者に委託をして進めているところでございます。8月の途中での時点集計でございますけれども、現在、約1,700人に訪問を行ったところでございます。

○篠委員 8月の途中での集計で1,700人ほどということですね。大変なことなんですが、訪問調査の際のポイントといったものがあるとしたらお教えください。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 訪問の際の一番のポイントとして考えてございますのは、できるだけ御近所の方から1人でも多くの支援者、安否確認等を行っていただく支援者、これを見つけることと考えてございます。したがいまして、そのお手伝いを訪問する職員が、相手への説明ですとか、依頼を一緒に行っていくということを考えているところでございます。

○篠委員 大変なことですよね。比較的支援の必要度が高くないというのでしょうか、そういう残りの方々、区分の3と4ということになっておりますが、この方々については、訪問する予定、びっくりするような人数ですよね、2万2,000人。全部回られるんですか、これ。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 区分の3と4の方々は、名簿上2万2,000人というふうになってございます。ですが、この方々につきましては、毎年度民生・児童委員さんに訪問いただいております高齢者実態把握調査の対象の方々約1万5,000人と重なっている部分もございます。これとの協力連携をうまく行いまして、適切な訪問ができるようにしたいと思ってございます。

○篠委員 毎年、高齢者実態把握調査の対象者1万5,000人を民生・児童委員さんはしっかりやり切っていらっしゃるということで、ちょっと想像ができないような数字なんですが、この災害時避難行動要支援者の名簿が、既に地域本部には、これがすなわち15の区民活動センターということですが、ここに配備されているということですが、この名簿と今やっているという訪問調査とはどういう関係なんでしょうか。訪問の結果は反映されるんですか。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 訪問調査をいたしまして把握できました対象者の方々の状況等あるいは支援者の有無等々につきまして、名簿に反映をしていくというものでございます。

○篠委員 小・中学校など区内の49の避難所が立ち上がったときには、災害時避難行動要支援者の名簿をどう活用することになるんでしょうか。新しく追加するという避難支援部の動き方はどうなるのか、私たちは何をすればいいのか、わかりやすくお答えください。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 災害が発生し、避難所が立ち上がって場合におきましては、15の地域本部から各避難所のほうへ要支援者の名簿を渡すこととしております。そうしまして、あらかじめお願いしてございました個々の支援者が行いました安否結果の確認につきましては、対象の方の指定の避難場所に報告をしていただくことと想定してございます。避難所の運営本部、(仮称)避難支援部を中心といたしまして、そうした個々の支援者の活動の結果報告を要支援者の名簿でチェックしていただくということを考えてございます。避難所が開設いたしまして一定の期間が経過した時点で、この名簿にチェックがついていない、すなわち安否が確認できていない方々ですとか、あるいはもともと支援者が見つかっていない方々につきましては、この(仮称)避難支援部が安否確認に出向いていただくという、そういう活動を想定しているところでございます。

○篠委員 大変ですけどね。ふだんは、平常時は、この名簿の扱いはどういうふうになっておりますか。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 平常時におきましては、15カ所の区民活動センター、すなわち災害時の地域本部、それと、本庁舎の防災センターに配備、保管してございます。

○篠委員 ということは、災害が起きてから避難所運営本部や(仮称)避難支援部あるいは防災会などに渡されるということですが、それだと十分に活用することは難しいように思いますが、いかがですか。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 現在行っております訪問調査の際に、個々の要支援者の方から、御自身の状況等につきましてあらかじめ平常時から町会、自治会や防災会などへ提供してよいか逐一同意をとっているところでございます。同意を得られた方々につきましては、事前に希望する町会、自治会等へ提供することとしたというふうに考えているところでございます。また、同意が得られなかった方あるいはどうしても支援者が見つからない方についての対応などにつきましては、今後とも町会、自治会や防災会の方々と相談をしながら、今後詰めていきたいというふうに考えているところでございますけれども、一覧の名簿の形だけではなく、例えば地図に落とし込んで災害時に使いやすくするなど、そういった実務的な準備等のほうもしておきたいというふうに考えているところでございます。

○篠委員 1,700人訪問されたということですが、短い期間によく頑張ったんですが、状況はどうですか。名前はぎりぎりまで教えてないでおいてくれというような人が圧倒的なのか、現在わかっている部分があるようでしたらお答えください。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 1,700強の方に訪問を行いまして、避難支援計画書の提出を見た方々が、8月途中の時点ですけれども、578人となってございます。うち平常時から外部に情報を提供してもいいという同意がとれた方は、約57%という状況でございました。

○篠委員 そうしますと、半分ぐらいは同意がいただけない、膨大な人数の方に同意がいただけない状況だと、とても地域本部等で対応し切れる状況には想定できないんですが、どうでしょうか。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 今後の同意の取りつけ等の状況を踏まえまして、改めてその対応については検討してまいりたいというふうに思っております。

○篠委員 いずれにしましても、以上お聞きしましたことの中で、それぞれの町会や防災会のリーダーに十分伝わっていない状況下です。区はどのように周知し、浸透させていこうと考えていらっしゃるか、お聞かせください。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害時避難行動要支援者の安否確認及び避難支援の流れにつきましては、町会役員会、防災会連絡会、避難所運営会議でこれまで説明してきたところでございます。委員御指摘のとおり、説明を聞いてもよくわからんという御意見もございましたので、今後さらにわかりやすい説明に配慮いたしまして、繰り返し説明していくことで、町会、防災会のリーダーに引き続き理解を求めてまいります。

○篠委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 次に、防災訓練についてお伺いします。

 区内では、各地域で熱心に防災訓練を実施していますが、震災を想定し、実践的な訓練を実施してこそ生きた防災訓練になると思います。そのためには、町会や防災会が単独で行う訓練などでなく、避難所となる学校と連携した訓練も行っていくことが必要だと考えます。また、防災の知識は、大人だけが必要なものではありません。子どもも、自分の身を守る知識が必要でございます。子どもに防災の知識を身につけさせるためには、子どもも防災訓練に参加させていくことが必要なことだと考えます。

 そこで伺いますが、地域と学校が連携した訓練はどのくらい実施されているのでしょうか。また、区内の小・中学校では、生徒が参加する防災訓練をどれくらい実施しているのでしょうか。お聞かせください。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 地域と学校が連携した防災訓練につきまして、平成26年度は、避難所開設訓練が4件、地域で行う防災訓練に学校が参加したものが3件、都立高校の宿泊防災訓練に地域が参加し、協力したものが1件の合計8件でございます。学校が単独で実施しました防災訓練は88件で、全て生徒が参加しております。

○篠委員 避難所は49カ所もあるわけですので、もっと多くの地域で学校と連携した訓練を実施してもらう必要があると思います。そして、災害から自分の身を守れる子どもをふやすためにも、これからも防災訓練にしっかり取り組んでいっていただきたいと思います。

 教育問題について幾つかお伺いします。

 地域協働について。私の地元の鷺宮小学校では、音読の会や夏寺や鷺寺、寺というのは寺子屋のこと、鷺宮小学校自体が寺子屋から始まっていますので、90人ぐらいの。その寺なんだと思うんですが、地域住民が学校を応援する流れができています。地域で一生懸命協力して、つくり上げて、盛り上げていくわけですが、どんな活動をしているのか、ちょっと御説明ください。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 白鷺音読の会、それから、鷺寺についての御質問にお答えいたします。

 白鷺音読の会なんですけれども、毎週金曜日の中休みに、鷺宮小の児童が百人一首などの音読とか暗唱を行っております。その際に地域の団体である白鷺音読の会がそれを聞く活動で、児童の言語力を向上する取り組みというふうになっております。それから、鷺寺のほうなんですけれども、こちらは、夏休みのプールの指導期間ですとか水曜日の放課後に鷺宮小の図書室におきまして実施している自主学習会で、こちらも地域の団体ですとか保護者の方が子どもたちの学習の様子を見守る活動になっております。

○篠委員 このように、地域住民が協力して学校を盛り上げている例は、他の地域でもあります。伊藤正信議員も、音読というんでしょうか、読み聞かせというのでしょうか、いろいろあるようでございますが、地域住民が協力して学校を盛り上げている例は他の地域でどんなものがありますか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) それぞれの学校におきまして、さまざまな地域の人材によります学校教育への支援活動が行われております。多くの学校では、朝の時間帯に地域団体の方ですとか保護者によります読み聞かせですとか、それから、総合的な学習の時間での昔遊び、それから、伝統芸能などの授業補助などのボランティア、そういったことに御協力をいただいております。それから、校舎内に花を飾ったり、芝生の手入れをしたりするなど環境整備活動などをしていただいている学校もございます。

○篠委員 教育委員会として地域の人材が学校を応援する流れを区の大きな特色として伸ばしていくことが望ましいと考えておりますが、いかがですか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 教育委員会では、学校支援ボランティアとしまして、地域の方が学校支援活動に参加できる制度を設けております。そうしまして、地域と連携した活動を学校ごとの特色に合わせ、実施しているところでございます。現在行われているさまざまな学校支援活動をより一層充実することは、子どもの生きる力を育て、学力や体力の向上につなげていく上で重要なことであるというふうに考えております。このため、多くの地域の方々が学校支援活動に参加して、学校と地域とが連携した取り組みを充実させていきたいというふうに考えております。

○篠委員 教育委員会も主導的な流れをつくる大きな役割を果たしていただいているのはよくわかるんですが、もう学校がそこにあるだけで応援したいというようなお気持ちの地域の方々がいっぱいいるわけですよね。人材を掘り起こしてでも、みんなが参加しやすいようなシステムづくり等でさらに工夫して、中野区全体で大きな流れをつくっていただきたいと思います。

 次に、教育問題についてのその他で、以前、中野区が独自に実施している学力テストの結果についてお聞きいたしたことがあります。中学校の学年が進むにつれて、実際、成績が下がっていく傾向の科目もある。中1の時点ではあまり心配するような状況ではないんですが、中3に近づくにつれて、科目によっては差が出てしまっている、これが中野区は中野区独自のテストというのをやっていますよね。ですから、データとして、誰が見ても、文教の方は一覧を目にしているらしいですが、チェックしやすい状況下にあるんですが、去年、ことし等、データではどのような状況となりますか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 本年度実施した中野区独自の学力調査の結果についてでございますが、委員御指摘のように、教科によって少し特性があります。その中で、目標値に達する生徒の割合が上昇している教科というか、内容がふえている項目が出てきてございます。これらは、学校の取り組みの成果として教育委員会としては受けとめております。

○篠委員 具体的にすばらしい結果が出ているんですか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 劇的な学力の回復、定着が行われているというわけではございませんが、例えば教科で言いますと、国語や英語などは中学3年生で70%の区の目標としている達成している項目に達成している割合が多くございます。また、数学や理科などは、達成はしていないんですが、昨年度に比べますと、達成率が上昇している状況がございます。

○篠委員 小学校、私は特に中学校のほうを、地域で盛り上げようとする運動はかなりしっかり定着していますよね。ですけど、どうしても区立の中学への応援というか、自分の子どもを行かせようというところまで頑張る行動を求められているわけですよ、教育委員会としてはね。ですから、今はもう決めたものでやっているからよくわかるんですが、小学校の6年生の3割以上の方が私立なり国立なりを目指すという流れをとめられるぐらいの努力をするための工夫というのはそう簡単にはつくれないと思うんです。我々も文教委員会等でしっかり議論させていただいていると思うんですが、これは、やはり見過ごせない問題として私は捉えなければいけないと思っています。公立は、やはり費用は安いですよね。公立、公立、公立で行けば一番親孝行という流れが、ある歴史の時点で変えられてしまっていると。どこかの公立で信用を失ったという事実をつくり上げてしまったということが原因であるに決まっているわけですから、一番お金をかけないで、公立小学校、公立中学校、公立の高校と行けばしっかり対応すれば道が開けるという努力は今後とも教育委員会に求められているので、ぜひしっかり対応していただきたいと思います。

 教育問題のその他の2、もう一つ、相当の時間をかけてお伺いをしようと思いましたが、資料が整わないので、私は、どんな膨大な資料でも、それをもとに議会として議論すべきだということを室長には申し上げたんですが、ことしはどういうわけか資料がそろわないということです。残念でございますが、教科書問題については、またの機会に譲りたいと思います。譲りたいと思いますと申し上げましたが、要するに、神聖な行動を延々と続けるわけですね、教科書選びについては。あれだけのことをやってのけられるかというような仕事を教育委員さんにしていただいて、要するに、法律にのっとって、どれが一番学習指導要領に迫っているかという作業を、それだけの時間でできるのかというだけの行動をとるんです。やはり資料にしますとこのぐらいありましょうかね、資料も。その資料なしに推測で申し上げることはなかなか難しい。ただ、最後のだけは公開されるとお聞きしていますが、いずれにしましても、いいかげんな行動はとっていないという、中野の教育委員会の真骨頂を見せる場面でもあるわけです。我々も1年にわたってプロジェクトチームをつくったぐらいですので、そのことについて議論をこの場でしたかったんでございますが、資料なしの議論は大変失礼でございますので、9月の半ばにはできるということでございますから、もう半ばは過ぎて、もうそろそろ終わりでございますが、いつまでが半ばなんですか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 教育委員会の場で御説明差し上げましたが、中旬以降ということで御説明差し上げまして、現在資料がそろっていないということで、大変申しわけなく思っておりますが、そのような形で準備は進めておりますので、よろしくお願いいたします。

○篠委員 どのぐらいになりますか。これは、読むだけでもやっぱり、私も読むのは早いんですけど、膨大な資料ですよね。だから、指導室長も当然します、教育長はもちろんでございますが、何も発言しない教育委員がいたら、我々としては許せない限りでございまして、まだいつになるかわからないという状況下でございますか。それについて。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) ただいま会議録につきましては調整中ということでございまして、鋭意、準備ができ次第公表等をいたす準備をしているところでございます。

○篠委員 分科会には間に合うんですか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 現在鋭意努力をしているところでございまして、現在のところちょっとまだ見通しが立っていないところでございます。

○篠委員 資料自体は、全員が見せていただくことはできないような資料ですよね、たしか。議事録というのは。私が申し上げている議事録というのは、要求すれば全員見ることはできるんですか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) できましたら、一般区民の皆様にも公表していく内容でございます。ホームページ等で公表している内容でございます。

○篠委員 要するに、ホームページであれだけのものが全部載るという理解でよろしいんですか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 委員御指摘のとおりでございます。

○篠委員 その作業がおくれているんですか。それとも、冊子にする作業がおくれているんですか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 会議録等につきましては、業者委託を行ってございまして、それを、テープ起こしということがございまして、そういったところの作業がまだ済んでいないということであります。

○篠委員 やはり決算議会の前にそろわないというのは、我々にとっても、本当に真剣勝負で臨んでいる、臨んでいない方もちょっといるのかもしれないですけど、私としては少なくとも命にかえるぐらいの取り組みをしていましたので、この問題からは目を離さないで今後とも対応したい、このように思っています。

 これで私の質疑は終了します。

○若林委員長 以上で篠国昭委員の質疑を終了します。

 次に、大内しんご委員、質疑をどうぞ。

○大内委員 自民党の立場で質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

 最初に、通告どおり、まず、旧六中跡地のことについてお聞きをいたします。

 昨年度末、東京都に売却したと思うんですけども、お幾らで売却したんでしょうか。

○若林委員長 どなたが答えるんですか。都市計画担当じゃないですか。

 休憩します。

午後4時33分休憩

 

午後4時33分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

○伊藤経営室副参事(経理担当) 金額にして22億6,000万円でございます。

○大内委員 それで、その22億6,000万円は、一般財源とかに入ったんですか。それとも、どこか基金に積んだんですか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 義務教育施設整備基金に積み立てております。

○大内委員 わかりました。それで、六中の敷地、東側と南側に、地域の防災力アップも含めたまちづくりということで、たしか道路をつくるとか、設置をするというふうに聞いておるんですけども、どうなっているんでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 旧第六中跡地の街区道路等につきましては、東京都による跡地の整備や利用開始の時期と関係なく、区として整備をするというものでございます。

○大内委員 だから、いつ整備をするんですか。今まだ何もしていないんですか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 現在、各方面の調整をしておりまして、おおむね二、三年程度で整備を終えたいと考えております。

○大内委員 だから、第六中学校を東京都へ売却するという話は当初から、もう二、三年前からこの方針で、いつ東京都が購入するかということがネックだったわけですよね。それと同時に、道路の予定線は引かれていたはずなんだけど、何でそんなまだ時間がかかるんですか。手前側の公園とかはすぐつくったじゃないですか、防災公園と道路。何で奥ができないの。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 周辺道路の状況が非常に狭隘であると。加えて、旧六中跡地、それから、中野工業の間の通路、この辺の境界線等を直線状に改善したい、そういった調整等もありまして、時間を要しているということでございます。

○大内委員 だから、要は、もうだって中野区の土地は決まっているわけでしょう。そこをいじくるわけじゃないわけでしょう。あとは中野工業高校が道路を、どこか道を拡幅するのか知らないけども、そういったことがあるからできないという、それはちょっと全然違う話であって、もう中野区の土地は決まっているわけでしょう。ただ、杭を打っていないから見えないけども、あとはそこを舗装して何なりすればいいだけの話で、そんなに二、三年もかかるんですか。今までずっと何をやっていたんですかとなりませんか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 道路は、接続する部分と調整をしませんと、最終的には通行できません。そういうこともあって、現在調整をしているところですが、早期に着手できるように準備をしているところでございます。

○大内委員 接続する部分は、だって、区道が接続しているわけでしょう。当初から道路をそこに設置するというときに、こういう問題が起きるってあったんですか。当初からそういった懸案事項ってあったんですか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) なかなか実際に細かなところを詰めていく段階では、先ほど言いましたように、周辺道路が狭い、そういった状況もあって、なかなかすぐにはできなかったという結果でございます。

○大内委員 だから、周辺道路が狭いんだったら、よけい早くやらなきゃだめでしょう。周辺道路が狭いって自分で言っているんだったら、早く道路を設置しないと、せっかくそういった条件で売却したのに、地域としては、道路がいつまでたってもできない。説明の中では、ここに道路が設置されますよ、地域のまちづくり、防災力もアップしますよという説明をしているのに、いつ災害が、大きな地震が来るかわからないのに、2年、3年先にならないとわからないというんじゃなくて、もっとスピーディーに、精力的にやってください。もうこれは結構です。

 あと、中野工業高校が多分敷地として購入したわけですけれども、いまだ更地のままで、全然整備もされていないんですけども、そういった今後あのところがどういうふうになっていくのかという情報はありますか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) まず、現在の跡地の状況でございますが、東京都からは、跡地の本格的な工事としての整備の間、何らかの目途で活用することは未定であるというふうに聞いております。

○大内委員 本格的整備じゃなくて、今は、今後あのままずっと囲いをしたままなんですかと。暫定なら暫定、将来的には校舎をつくるということの考えがあるけれども、当面はグラウンドとして使用していくとか、何かそういうことも何も情報は入ってきていないんですか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今のところは未定というふうに聞いております。

○大内委員 じゃあそれはもう東京都のですから、でも、中野区としては、地域の防災力アップとして、やはり早急に何らかの整備をして、地域にまた開放できるようなことを強く要望してください。お願いしておきます。それで結構です。

 次に、東中野小学校跡地について、これは、2番の区民活動センターとかぶってしまうので、一緒にやらせていただきます。

 まず、東中野区民活動センターの利用率というのは、今現在どのぐらいでしょうか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 平成26年度東中野区民活動センターの利用率でございますが、およそ33%でございます。

○大内委員 その利用率というのは、ほかの区民活動センターと比べてどうなんでしょうか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区全体で区民活動センター平均利用率が約51%でございますので、低い利用率となってございます。

○大内委員 そこで、新しく東中野小学校に区民活動センターを建設するということで今着々と進んでいるので、それは結構なことだと思うんですけれども、やはり場所が若干、住民サービス圏を考えた場合、今のところよりも少しずれるといったことが、中心からずれていくということになると、さらに利用率が低くなったりということも考えられますけれども、その点はどういうふうに考えていますか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 東中野小学校跡地でございますけれども、位置としては新宿区との区境ということでございますが、所管エリアと考えますと、東中野四丁目と五丁目でございますけれども、その全体から見た場合は、徒歩でおよそ15分程度で到達できる位置ということで認識してございます。現在の東中野区民活動センターでございますけれども、利用者が約1万1,000人というところでございますが、東中野小学校跡施設においても利用いただいておりまして、そちらにつきましては、同センターを上回る1万7,000人の利用がございます。新たな東中野区民活動センターの利用につきましては、両施設が合わさる形になりますので、50%程度になるということで見込んでございます。

○大内委員 新しく建て替えれば、設備もきれいだし、利用率は上がるんじゃないかなと思いますけども、その中で、この場所で、新しくできるセンターの整備費、また、年間の維持費、そういったものはどの程度。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 建築費につきましては、今後精査していくことになりますが、おおむね5億円、年間の維持費につきましては700から800万円程度と想定をしているところでございます。

○大内委員 それで、たしかエレベーターが奥に、川のほうから、高低差11メートルあるということで、エレベーターを設置するということになっていますけれども、このエレベーターの設置費用ってこの中に入っているんですか。また、維持費もあわせて。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 今申し上げた数字には、エレベーターの費用は含まれてございません。エレベーターにつきましては、擁壁部分と合わせまして建設費がおよそ1億円、年間管理費150万円程度と見込んでございます。

○大内委員 例えば、エレベーターを設置する根拠は今回、高低差が11メートルあるからただ単につくったということなんですか。多分区内でこういった施設、要するに、建物の中のエレベーターは当然あるとしても、外から、通りから段差があるからエレベーターを設置するという例はあまりないように思うんですけれども、今回、その設置する根拠となるものはあるんですか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 根拠と申しますか、設置の理由としては、今回、敷地に高低差がございます。具体的には、南西側崖下からのアクセスというところがかなり高低差がありますので、そのバリアフリー化を図るためということで整備を考えているものでございます。区民活動センターにつきましては、乳幼児、親子、高齢者、障害のある方など、さまざまな条件の方が御利用されますので、その全ての方が利用しやすい施設ということで整備を考えたものでございます。

○大内委員 今の見解が多分区全体の見解だということであれば、これからそういった大きな高低差ができるところに大きな建物ができる場合は設置をする、当然そうなってくるわけですよね。例えば平和の森公園に体育館ができるとかなり高低差があるから、あそこにエレベーターを設置しなきゃいけない、当然声が上がってくると思う。弥生町にできる清掃車庫が、あそこは公園ですから、あそこは高低差があってもちょっと意味が違いますけれども、ほかのところでも、やはりそういった高低差がある場合、建物に直接つけなくても、違う場所というのかな、動線のところに設置をしていく、そういったことになるんですか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 高齢化が進む中で、多くの区民が利用する区有施設のバリアフリー化につきましては、区の課題であるというふうに認識してございます。平和の森公園につきましても、今後、整備構想をつくっていく中で、位置や内容について検討していくということになりますが、施設のバリアフリー化についても検討していくというふうに考えております。

○大内委員 検討するというのは、考えていくということですね。わかりました。

 あと、もう一つ、東中野区民活動センターで、以前の地域センターのときに比べて現在働いている運営委員の事務局あるいは区の職員も入れて、それぞれ前と現在を教えてください。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 職員数ということでございますが、地域センター時代には、東中野地域センターには6名の職員がおりました。現在、区民活動センターとなり、体制は変わってございますが、関連する人員としては、区の職員が2名、区民活動センター運営委員会の事務局が2名、集会室の受け付け業務等の受託事業者の職員が2名ということで、6名となってございます。

○大内委員 これは、後ほどの区民活動センターのほうの質問でも絡みまして、一応勤務体系は違うにしても、以前6名、現在窓口、住民票等の発行業務はないけども、6名いるということですね。確認しておきます。

 次に、中部すこやか福祉センターの集会室、これについて、関連してお聞きしたいと思います。これは、いでい議員も昨年この中部すこやか福祉センターについてお聞きをしておりますけれども、現在、多目的室、会議室の利用率はどのぐらいですか。

○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 26年度の中部すこやか福祉センター会議室全体では、利用率は20.4%でございます。多目的室の利用率は26.2%でございます。小会議室が18.3%、それから、2階部分の第1会議室が20.2%、第2会議室が10%、第3会議室が15.1%、和室が10.6%でございます。

○大内委員 要は、ここは区民活動センターじゃないからあれですけども、もし区民活動センターの会議室等も全部勘案しても、ここが一番低いということでいいんですか。

○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) おっしゃるとおり、地域センター時代、それから、区民活動センター時代の利用率からすれば、低いと言わざるを得ないと考えております。

○大内委員 昨年のいでい議員の質疑の中で、これは、副参事がいろいろ地域スポーツクラブについて話をされていました。準備を進めて、これから活動していくと。当然そういうことがしっかり進んでいれば、こういった会議室も使われていくのかなと思うんですけれども、実際そういったことはうまくいっているんですか。

○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 今まで働きかけといたしましては、地区長連の会議であるとか、それから、近隣の老人クラブさん、また、近隣の町会さんに向けていろいろと働きかけをしてきております。ただ、団体登録をしていただいて、利用していただくという実績にはなかなかつながりにくい面があったと思います。ただ、近隣町会の老人クラブさん等の利用等はふえてきているものと考えております。

○大内委員 高齢者会館じゃないんだから、それも目的にはかなっているかもしれない、高齢者の方も元気にスポーツしていただいて、医療費の削減とかということになっていけば、当然合っているけど、ただ、それにしても、それだけだとあまりにも利用率が低過ぎないのかなと。これは以前からも指摘されていることで、いまだに改善がされていない、新しい手を打たれていない、地域会議室も含めて、2階の会議室も含めて、いろいろ部屋もあって、稼働率が非常に悪いと。あそこを建てるのに結構お金がかかったのを覚えています。エアコンの最後の設置の直しでまたお金がかかったのも覚えています。体育館にはトレーニングマシーンもたしかありました。せっかくそういったものがあるのに稼働率が上がらない、それは、やはり少し考え方を変えないとだめなのかなと。別にあなたたちを責めているわけじゃないから、あんなものをつくってとか言っても今さら仕方がないわけで、予算を私たちも通したわけだから。ただ、つくった中で、あれだけ稼働率が悪いんだったら、もう少し何か工夫をしなきゃいけないと思いますけど、そういった議論はされていないんですか。

○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 検討と申しましても、なかなか具体的なことはまだ検討の途上にあるというふうに言わざるを得ません。アイデアを出しながら、今後、しっかりと検討していくべきと考えてございます。

○大内委員 地元の内川委員も、いろんな活用方法を考えた方がいいんじゃないかと。インキュベーションオフィスのということもあるし、ただ、僕は場所的にあそこはそういうふうに変えられるのかなと思いますけど、さまざまそういった活用を考えていかないと、いつまでたっても変わらないんじゃないの。維持費だけかかっちゃっていて、やっぱりそれはずっと前から指摘されていることがいまだに変わっていないということなんですよ、今の時点で何も言えないということは。やはりそれは早急に、来年度の予算編成に入る前に、あそこの施設の使用について考えていかなければいけない、要は、役所の場合は、4月でかわるわけでしょう。なかなか年度の途中から始めますというよりも、やっぱり4月からスタートさせたら一番物事はいいわけだから、それは早急に改善策を出していただけるということで、あなたが出すのかな。あなたが出すんだったらいいけども。ちゃんと出せるんですね。

○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 今後早急に改善策を考えまして、提案できるように、一生懸命努力をしていきたいと考えております。

○大内委員 いや、努力はいつでもしているんだよ。努力は前からしているの。ただ、出てこないでしょう、何も。変わっていないでしょう、相変わらず。それがよくないんじゃないですかということを申し上げているので、今の発言はそれなりに、参事も、あるいは上の方も、同じ気持ちだと思いますので、ぜひ答え、どうせこれ以上利用率は下がらないんだから、新しいことをやっても、多分。新しいこと、何かやらないとやはりよくないと思いますので、お願いをいたします。

○若林委員長 大内委員の質疑の途中ですが、5時になりますので、今後の運営について協議するため、理事会を開会します。

 委員会を休憩します。

午後4時53分休憩

 

午後4時56分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

 理事会の報告をします。大内委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、大内委員から始めることを確認いたしました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 御異議ありませんのでそのように決定し、本日の総括質疑を終了します。

 次回の委員会は、あす9月25日(金曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の決算特別委員会を散会します。

午後4時57分散会