平成27年09月25日中野区議会決算特別委員会
平成27年09月25日中野区議会決算特別委員会の会議録
25.09.13 中野区議会決算特別委員会(第2日)

.平成27年(2015年)9月25日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  内  野  大三郎

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  北  原  ともあき

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  細  野  かよこ        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番  い  さ  哲  郎

 21番  佐  野  れいじ        22番  いでい   良  輔

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  石  坂  わたる

 29番  いながき  じゅん子       30番  小  杉  一  男

 31番  浦  野  さとみ        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  大  内  しんご

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中野区長    田中 大輔

 副区長     川崎 亨

 副区長     本田 武志

 教育長     田辺 裕子

 政策室長    髙橋 信一

 政策室副参事(企画担当)        海老沢 憲一

 政策室副参事(予算担当)        黒田 玲子

 政策室副参事(広報担当)        酒井 直人

 政策室副参事(業務改善担当)      中谷  博

 経営室長    篠原 文彦

 危機管理担当部長            小田原 弦

 経営室副参事(経営担当)        朝井 めぐみ

 経営室副参事(人事担当)        伊藤 政子

 経営室副参事(行政監理担当)      田中 謙一

 都市政策推進室長長田 久雄

 西武新宿線沿線まちづくり担当部長    角 秀行

 都市政策推進室副参事(産業振興担当)  青山 敬一郎

 都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当、都市観光推進担当、都市魅力創出担当) 藤永 益次

 地域支えあい推進室長          野村 建樹

 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦

 地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当)、

 中部すこやか福祉センター所長      横山 俊

 中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 只野 孝子

 北部すこやか福祉センター所長、

 北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 田中 政之

 南部すこやか福祉センター所長、

 南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 相澤 明郎

 鷺宮すこやか福祉センター所長      上村 晃一

 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 石崎 公一

 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 麻子

 区民サービス管理部長          白土 純

 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治

 区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 平田 祐子

 区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 古本 正士

 区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 小山 真実

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  奈良 浩二

 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、

 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀

 子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、

 教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 永田 純一

 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、

 教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 古川 康司

 子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、

 教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当) 濵口 求

 教育委員会事務局副参事(学校教育担当)   石濱 良行

 教育委員会事務局指導室長        杉山 勇

 健康福祉部長  瀬田 敏幸

 保健所長    寺西 新

 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    藤井 康弘

 健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 石濱 照子

 健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 永見 英光

 健康福祉部副参事(生活援護担当)    鈴木 宣広

 環境部長    戸辺 眞

 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   鳥井 文哉

 環境部副参事(ごみゼロ推進担当)    高橋 均

 環境部副参事(生活環境担当)      浅川 靖

 都市基盤部長  尾﨑 孝

 都市基盤部参事(都市計画担当)     豊川 士朗

 都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 志賀 聡

 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鈴木 崇

 会計室長    古屋 勉

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     小田 史子

 事務局次長    堀越 恵美子

 議事調査担当係長 佐藤 肇

 書  記     関村 英希

 書  記     東 利司雄

 書  記     大野 貴子

 書  記     細川 道明

 書  記     江口 誠人

 書  記     井田 裕之

 書  記     田中 寛

 書  記     福島 ルミ

 書  記     遠藤 良太

 書  記     香月 俊介

 書  記     亀井 久徳

1.委員長署名


午前10時00分開議

○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。

 認定第1号から認定第5号まで計5件を一括して議題に供します。

 9月24日(木曜日)の理事会の報告を行います。

 初めに、本日の委員会運営についてですが、総括質疑は、1番、大内しんご委員、2番、高橋ちあき委員、3番、いでい良輔委員、4番、むとう有子委員、5番、近藤さえ子委員、6番、石坂わたる委員、7番、小宮山たかし委員、8番、渡辺たけし委員、9番、細野かよこ委員の順に9名の質疑を行うことを確認しました。

 また、本日は総括質疑最終日であり、5時を過ぎる場合でも質疑を続行し、委員長判断で休憩を入れることを確認しました。

 次に、平成26年度中野区各会計歳入歳出決算説明書、平成26年度主要施策の成果(別冊)、要求資料の総務34、建設10、建設11について、内容の誤りがあったため訂正したい旨、理事者から申し出があり、これを了承しました。お手元に配付しましたので、御確認ください。

 なお、タブレット型携帯端末の試行を行っている委員は、差しかえ分の要求資料についてデータの更新をしておりますので、そちらを御確認ください。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 ただいまの報告のとおり委員会運営をすることに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。

 ただいまから総括質疑を行います。答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願い申し上げます。

 それでは、質疑に入ります。大内しんご委員、質疑をどうぞ。

○大内委員 おはようございます。きょうは最終日、きょうが終わればまた2日間のお休みが待っていますので、頑張ってください。

 では、2番目、区民活動センターの今後についてお聞きいたします。

 昨年の第3回定例会の一般質問で、運営委員会の事務局員の充実についてお尋ねいたしました。区長の御答弁は、活動実績やその検証なども踏まえてさらなる充実策について検討してまいりますとのことでした。また、区民活動センターの受付業務と運営委員会への委託の一本化についてお尋ねしたところ、同じく区長は、運営委員会の実績や費用対効果、地域人材の育成といった視点なども踏まえて、二つの業務を一本化して委託することの可能性について今後検討してまいりたいというものでした。区民活動センターに転換してから、この7月で4年が過ぎました。運営委員会が取り組む事業の数を見ても、地域センターのころに比べて全体で2倍以上にふえ、参加者数は4倍にもなったとのことです。これに比例して、運営委員会の役員もそうですけれども、事務局員の業務量もふえております。一方で区民活動センターの集会室受付は別の事業者に委託し、これはすこやか四つのところそれぞれ委託をし、二つの会社が委託されているということでありますけれども、これと別には、区の職員も区民活動センターに配置されています。近ごろ、この三者の協力の関係も改善されてきたと感じておりますが、来所した区民の方から、相変わらず三者のこの区別について非常にわかりづらい。暇そうにしているのに、対応もしてくれないといった声も寄せられております。仕切りを立てたり、あるいはコピー機、電話機、それぞれ設置しているなど、事務スペースの合理的な使い方といった視点からも疑問に感じるところであります。

 ここでお尋ねいたします。例えば、野方の地域センターにおいて、昨日は東中野をお聞きしましたけれども、野方の昔の地域センターのときの職員数、そして、現在のこの活動センターに移った窓口業務を含めた人数についてお聞きいたします。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 野方の地域センター時代の職員数は8人でございました。現在、野方区民活動センターになりましては、区の職員が2名、運営委員会の事務局員が2名、それから、集会室の受付業者の社員が、日によって変わりますが、2名または3名、合わせまして六、七人の配置となってございます。また、野方につきましては、地域事務所の区職員が5人の配置、合わせまして11人から12人の配置でございます。

○大内委員 ということで、働いているというかな、あそこの今まで、8人といっても実質7人のときもあったのかな。それに比べて11人ということで、非常に手狭になっているといったことを、地域事務所があるところに関しては感じております。そういったことも少し解消していかなければいけないのかなと思いますので、それを踏まえて質問させていただきます。

 そこで、まず、運営委員会の委託とこの受付業務、集会室ですね。これを委託しているわけですけれども、それぞれ平成26年度決算額について、総額と各センターの平均値をお聞きいたします。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 昨年度の委託料でございます。運営委員会につきましては、全体で約9,100万円、集会室の受付業務、同じく全体で9,050万円ほどでございました。平均にいたしますと、運営委員会のほうが607万円弱、受付業務のほうが603万円余りでございました。

○大内委員 運営委員会の委託と受付業務の委託とはほぼ同額ということでありますけれども、この委託業務の性格からして、どちらも人件費相当額が大半を占めていると思いますが、どうですか。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) そのとおりでございます。

○大内委員 当然、仕事の内容が違いますから、それはわかっていて質問させていただきますけれども、この二つを一本化することによって、それぞれスケールメリットが生まれる余地も十分にあると思います。受付業務を運営委員会の委託に一本化して、幾らかでも区民活動センターの事務体制をすっきりさせてはいかがでしょうか。現在の運営委員会の事務局員2人と受付員の2人ないし3人合わせて四、五人程度の体制となれば、この地域の活動を支えるに当たって、効率性や人材の有効活用の範囲もより広がるのではないかと思います。

 区民活動センターへの転換の際に、運営委員会の負担に配慮して、受付業務と分割して別々に委託した経緯は承知しております。運営委員会の活動もある程度軌道に乗ってきたように思われます。スタート当初とは状況も違ってきていると思います。ここで、やはりこの時期に新しいそういった地域のシステムというんですかね、形を考えていかなければいけない時期なのかなと思いますので、この15センターを同時に受付業務と運営委員会事務局員を一緒にするべきとは言いませんけれども、それぞれ地域で各地域の特性を生かす、あるいは運営委員会の裁量、自主性を尊重すると今までも言ってきておりますので、受付業務も一体的に運営委員会に統合して受託をしてもらいたい、そういった運営委員会が出た場合、こういったことをこれから選択の一つとして考えてはどうかと思いますが、いかがですか。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) これまでも運営委員会の自主性、主体性が発揮しやすいように配慮してきたところでございます。今後もこうした運営委員会の意向を尊重しながら工夫改善を図っていくこととしているところでございます。つきましては、御質問にございました、受付業務も一体的に受託したいというような御希望などがあるのかどうかといったことにつきましても、改めて確認を進めまして、さまざまな御意向に沿えるよう、必要な対応について検討してまいりたいというふうに思ってございます。

○大内委員 さらに、まだこれからそういったことを運営委員会にお諮りしていかなければいけないわけですけれども、それにあわせて、そうした受付業務、運営委員会を統合することによった事務費の削減等は、今後そういった運営委員会を統括する方、職員でなくてもいいと思います。民間に委託する。民間の人ですかね、そういった方を採用する経費に充てて、町会担当の支援と一緒に兼ねて、1人、物件費として、職員をふやすとまたいろいろありますから、委託費ということで計上するということも十分可能だと思いますけれども、いかがですか。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 運営委員会の活動が円滑になるように、さまざまな対応について今後の検討課題として捉えていきたいというふうに思っております。

○大内委員 これは今すぐ答えが出るわけではないんですけれども、早急にそういった方針というものも考えていただきたいな。というのは、また来年の7月にそういった業務委託が一応切れるわけですよね。それまでに考え、あるいは4月の時点である程度方針を出さないと、7月以降の新しい受付業務を委託する会社、そういったものの募集もできないわけですから、早急に今のことを含めて考えていただきたいと思います。

 受付業務委託、この受付業務は平成28年7月までの長期継続契約でして、これが満了する機会がいいときだと思います。当然、今まで15カ所一括して委託しているというわけではなくて、すこやかそれぞれ委託をしているといったことで、4カ所を委託しているということになるんでしょうけれども、スケールメリットは当然なくなると。まとめて運営、これから運営委員会によって、手を挙げる、挙げないと。全く手を挙げないということも当然想定できますけれども、もし手を挙げるところが何個かあれば、やはり今まですこやか単位ごとに委託していた、そういったことの考え方も変えていかなければいけない。すこやかというよりも、中野区全体で委託をするといった方針も考えていかなければいけない。そうした場合に、これから4月を一応、開始時期は来年の7月以降になりますけれども、4月までに答えを出す。それまでにそういった形をつくるということで、これからかなり年内、年度末には方針を出していくわけですから、各運営委員会にもそういった相談、あるいは方針というものを投げかけていくということですから、年内かけてそういったことを検討していただきたいと思いますけど、もう一度、すみませんけど、やっていただけますか。

○横山地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当) 繰り返しの御答弁になってしまいますけれども、運営委員会のほうの御意向等十分踏まえながら、相談して進めてまいりたいというふうに思ってございます。

○大内委員 さらに、最近では事務量が今お話のとおりだと思いますけれども、非常に増加しているということで、今後さらに区が運営委員会を通じて地域の活性化につながる取り組みを充実していこうと考える場合、事務体制の拡充が迫られてきますが、効率性にも配慮しながら、しっかりと検討を進めていただきたいと思います。それは受付業務を仮に今後も委託という形をとる活動センターについても、事務量等をしっかり換算して人的配置、その手当てをお願いしたいと思います。

 そこで、仮に一本化を希望しない運営委員会について、事務局員が非常に忙しい状態にある。区民活動センターをスタートさせる際の委託料の積算は、恐らくそれまでの地域センターの事業などをベースにしたものではないかと思います。先ほど触れたとおり、転換前と後では主催事業の数も大幅に伸びてきているところがあります。野方の区民活動センターでは、現在、運営委員会が主催する地域事業だけでも、野方映画村や野方生活塾、保護者と考える交通安全大会など10本を超えています。地域センターのころの主催事業は3本ほどだったと聞いておりますから、3倍以上の伸びになっております。こうした自主的な努力で地域に必要な取り組みを積み上げている運営委員会、ほかにもあるだろうと思います。

 ここで、今まで区が転換準備のときには想定していなかった事態が起きているわけです。現在、その地域の団体数や人口数によって何段階かのランクに分けて事務局員の経費を若干加算して委託料としてふやしている、加算している根拠になっているわけでありますけれども、転換前後の事業の増加率といったような考え方はないように思われます。仮に大幅に何倍にも事務量が増加している運営委員会があるとすれば、ある程度の運営委員会の増強といったものもやはりしっかりと考えていかなければいけないと思いますので、これは重なりますので要望としておきますので、短い、年内まで、12月までにはある程度の方針を出していただきたいと思います。そして、この28年度の予算にしっかりと反映していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上で終わって、次に教育問題についてお聞きいたします。

 まず、図書館についてお聞きいたします。

 中央図書館にかかわる設備改修及び工事期間、こういったものが当然来年度あるわけですけれども、もみじ山文化センター及び中央図書館、両施設は平成27年度から28年度にかけて空調設備更新工事を実施する予定であります。これに伴い、中央図書館ではおおむね平成28年11月から平成29年3月までの期間、臨時休館として窓口サービスを休止すると聞いております。この期間中、指定管理業務にかかわる経費も縮小すると思いますが、指定管理者とどのような協定を結ぶお考えなんでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 中央図書館を臨時休館とする期間中につきましては、野方図書館会議室を活用いたしまして、中央図書館の機能を一部移転するほか、中央図書館に必要最小限の職員を配置いたしまして、図書の引き抜き・戻し作業、あるいはレファレンスの対応などを行う考えでございます。これらの業務内容、経費の上限額につきましては、来年度の指定管理者の募集に当たりまして、募集要項でそれを示しておりまして、効率的な運営につきまして企画提案を求めているところでございます。指定管理者が決定しました後、指定管理者において策定いたしました利用計画を区といたしまして十分精査をした上、適正な指定管理料を決定いたしまして協定を締結する予定でございます。

○大内委員 そういうふうに適正な契約を結んでいただきたいと思います。

 次に、図書館のロッカーの導入についてお聞きいたします。隣接区の図書館では、図書館資料の不正持ち出しや切り抜き等の被害を防止するため、かばん等の館内持ち込みを禁止し、かばん等は無料の利用者用ロッカーに保管する取り扱いを行っている施設もあります。また、かばん等の持ち込み制限をしなくても、置き引き被害の防止など利用者サービスの一環として利用者用ロッカーを設置している施設もあります。近隣の練馬区、杉並区の中央図書館にはロッカーが設置されております。いずれの場合にも利用者サービスに資するものと考えます。中野区の図書館、現在このロッカーが設置されておりません。10年前に廃止になったと聞いておりますけれども、改めて、その当時の状況とは変わってきております。この中央図書館も含め、他の図書館もそうですけれども、特に中央図書館は設備改修等の期間がありますので、これに合わせてロッカーを再配置してはいかがでしょう。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 中央図書館におきましては、かばん等の持ち込みを制限していないといった運用をしてございます。開館当時につきましては、ただいま委員御指摘のとおり、無料の利用者用ロッカーを設置してございました。しかしながら、この間、危険物や生もの等を入れまして放置するといった不適切な利用、さらには盗難事件等が後を絶たなかったということで、平成16年に施設の安全管理の観点から撤去した経緯がございます。ロッカーにつきましては、これらの経緯を十分踏まえた上で再検討いたしまして、利用者サービス向上の観点から設置の取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。

○大内委員 その際に、例えば数の問題もあります。ただ設置すればいいということではありませんので、大きさもあるだろうし、ロッカーのですね。あと、当然無料にはなると思うんですけれども、ぜひとも設置をしていただきたいと思いますけれども、区議会のほうにも報告をしていただきながら、10個じゃ無理だ、少ないんじゃないかとか、あるいは20個必要じゃないかとか、いろんな考え方があると思います。中央図書館とそうじゃない他の図書館とは来館者数も全然違いますので、その辺もよく配慮していただいて、議会にしっかり報告しながら、設置したけども、ちょっと使い勝手が悪いよなんてことにならないように、ぜひともやっていただきたいと思いますので、それは要望として出しておきます。じゃあ、よろしくお願いいたします、そういうことで。

 次に、岩井の臨海学園復活についてお聞きいたします。

 これまで我が会派の多くの議員が岩井の臨海学園の復活について御指摘をし、また要望してまいりました。臨海学園を通じて子どもの体力向上、日常生活では得られない集団的生活、そして自然体験ができるという有意義な事業であると思っておりました。この臨海学園の復活について教育委員会として改めてどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。

○杉山教育委員会事務局指導室長 臨海学園の意義につきましては十分理解しているところであり、議会の要望も十分認識しているところでございます。これまで御説明してきましたように、若手教員の増加による学校の指導体制の課題もあり、学校主体で事業を再開することは困難だというふうに考えてございますが、何らかの形で実施できないか、引き続き検討していきたいというふうに考えてございます。

○大内委員 引き続き検討しているのは、ずっと検討してきているということで、早いところ結論を出してほしいなと思いますので。

 そこで、平成24年度から実施している海での体験事業は参加人数も少ないものの、参加者あるいは保護者からそれなりの評価は得ていると聞いております。この事業の経験を踏まえて、教育委員会が直接民間事業者等を活用し、それぞれの学校単位で事業を実施する臨海学園は実施できないのか、どうでしょう。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 海での体験事業ですが、ことしで4年目となりまして、一定の効果は上がっているというふうに考えております。しかしながら、学校単位で学校との連携を強化した形で実施することによりまして臨海学園を実施することも考えられることから、今後十分に検討していきたいというふうに考えております。

○大内委員 まあ、引き続き検討したり、今後十分検討したりということばっかりで、なかなか具体的な答えが出ていないので、もうちょっと具体的に答えていただければなと思います。

 教育委員会主催の事業の実施が仮に可能ということになれば、今後の検討スケジュール、引き続き検討したり、あるいは今後十分検討していくということですけれども、検討のスケジュール、具体的にどのようになっていますか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 今後、学校と教育委員会で検討会等設置するなどしまして、具体的な実施方法等の検討を行ってまいりたいというふうに考えております。保護者への説明、委託事業者の選定等ございますので、来年度中に検討を行いまして、平成29年度には実施を目指していきたいというふうに考えております。

○大内委員 平成29年の実施を目指すというのは、私が聞いているのは、各校それぞれで実施するということでいいんですか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) この事業、各校単位に行っていきたいというふうに考えておりますけれども、条件の整ったところからスタートをさせていきたいというふうに考えております。

○大内委員 じゃあ、その準備ができているというところからは順次スタートをさせていきたいということなんでしょうけれども、そういったことを言っているとまたどんどん延びてしまうのでね。もうやるときは、自分たちがやるときは早いんだから。自分たちがやめるときも早いけども、やるときも早いんだから、ぜひとも来年度から実施できるところ、そういった学校で、うちはそういった先生たちが十分にいて対応できますよ。当然、民間事業者等もお手伝いということも必要になってまいりますけれども、学校によっては、うちはいつでももうそういったことができます。今まで遠泳ということに非常にこだわっているようなニュアンスもありました。遠泳ということも一つの大切な事業と思いますけれども、そのほか、やはり海での体験ということも大きな課題だと思います。必ずしも大遠泳にこだわるつもりはありません。遠泳をやる学校もあればやらない学校もある。朝、マラソンをする学校もあるかもしれない。そういったことも含めて、さまざまなことを想定して、民間事業者等を探していただいて、来年でも実施できるところ、早急にそういったことを考えていただきたいと思いますので、それはぜひお願いします。答えをもらっちゃうと、なかなか、十分検討するとしか言わないから、答えはいいです。ぜひとも、やると。決めた以上、29年度ということもありますけれども、その前に実施できるところはどんどん実施していく、そういったことを考えていただきたいなと思います。

 そこで、こういった新たな提案をきょう行っているわけですけれども、長年、臨海学園の実施を要望してきた経緯もあります。今後、事業の実施を細かく決めてしまう前に、しっかりと随時検討状況など、教育委員会の方のほうから区議会のほうに報告をしていただきたいと思いますが、大丈夫でしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 検討の進捗状況等につきましては、適宜区議会のほうに報告していきたいというふうに考えております。

○大内委員 この項、最後。ですから、29年度一応目標ということはありますけれども、28年度に実施できる体制があるところにはなるべく実施をしていただけるよう予算の配分もしっかりしていただく。昨日話をしました、第六中学校を売却して22億余の基金が義務教育基金に積まれております。その義務教育基金は別に建物に建て替えるためだけの基金ではないと思います。しっかりと子どものそういった教育のために使っていただきたいなと思います。九中も貸しているし、いろいろ貸しているので、ぜひともそういったお金を、ただため込むんではなくて、ぜひとも有効に子どもたちに使っていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。じゃあ、それを強く要望するということで。

 次に、その他で質問させていただきます。

 これ、棟方志功・なかの特別展ということで今度の東北復興大祭典に向けてコングレでやるわけですけれども、そのポスターです。これについてちょっとお聞きをさせていただきたいと思います。この棟方志功という方、昔、大和町に住んでいたわけですけれども、ゴッホの油絵「ひまわり」に大きな衝撃を受け、私はゴッホになると言った方であります。そこでお聞きいたします。「ひまわり」という絵は、担当者は御存じですか。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 実物は拝見しておりませんが、インターネット等を通じて存じております。

○大内委員 何種類もありますよね。まあ、それはいいです。ただ、このポスター、これをつくった方が、将来はゴッホになると言ってなられた棟方志功さん、大和町に住んでおられた、そういったことでありますけれども、今回この特別展、いまいちPRがちょっと少ないのかなと思いますので、しっかりとお答えをしてください。今回この展示される作品、青森県外にふだん出ない、出すことがないような作品も多く含まれておると聞いております。世界的にも有名な作品が展示されると聞いておりますけれども、具体的にどういったものが展示されるんでしょう。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 棟方志功の世界的評価を受けた多くの作品は、中野区大和町在住時代に制作されております。今回の特別展では、棟方志功記念館でしか見られないと言われている出世作であります「大和し美(うるわ)し」、これはおおよそ7メートルに及ぶ漢詩、巻物でございますが、これをはじめといたしまして、サンパウロやベニスの国際コンクールで最高賞を受けた「二菩薩釈迦十大弟子」、これは高さがおおよそ150センチ、長さがおおよそ6メートルから7メートルに及びます六曲一双、六曲と申しますのは、屏風が六曲に屈曲しているということから来ておりますが、これを一対、こういった作品を中心といたしまして、青森市から借用する著名な諸作品、さらに今回の特別展では、区民から借用した作品や写真など、区民との交流を示す交流コーナーも設けておりまして、青森市、中野区、そして中野区民でつくり上げる中野区ならではの特別展を目指しております。

○大内委員 そして、今回、棟方志功の開催する展示の日時また入場料等、改めてお聞きいたします。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 開催日は10月22日から28日まで、開催時間は午前10時から午後7時30分、午後7時までが入場となってございます。会場は、中野四季の都市(まち)セントラルパークのコングレスクエアの1階ルーム1でございます。入場料は500円となっておりまして、中学生以下は無料とさせていただいております。

○大内委員 中学生以下は無料ということで、これは中野区の中学生とか関係なく、中学生以下は無料ということでいいんですね。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) はい、委員のおっしゃるとおりでございます。

○大内委員 そこで、中学生と見分けのつかない方もいらっしゃるのかな。あまりそういうことにこだわらないで、中学生ですよと言っている方は無料になると。そういうところではトラブルが起きないように、一応確認しておきたいので。小さい人が、まだ中学生だと言ったら、とめるなと。まあ、そんなことはないと思うけども、その辺は大丈夫なんですか。中学生は、学生さんねとかじゃなくて、中学生と言われた時点で無料と、そういうことでいいんですか。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 特に証明書とかは求めておりません。受付は区の職員がおりまして、疑義がある場合には、どこの中学校ですかとお尋ねする場合もあるかとは思いますが、あくまでも中野区としては文化芸術に向けて、こういった中野区から輩出した棟方志功をしっかりと中野区以外の小・中学生にも見ていただくということで考えてございますので、そういうことで開催をさせていただくということです。

○大内委員 入場料を今回取るわけなんですけれども、当然、予算書を見ると歳入も計上されていると。何人ぐらい入場する。まあ、予定どおりなのかな。来館者数はどのぐらい予定されていましたっけ。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 8,000人を予定しておりました。

○大内委員 予定していましたって、予定していますでしょう。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) そのとおりでございます。

○大内委員 まあ、していますだね。ただ、なかなか8,000人というと、しっかりPRをしていただかなければいけない。ここにいる区議会の人、あるいは理事者の方全員、もう1人誰かお友達を連れていけば、300人、400人、すぐなります。そうでもしないと、なかなか8,000人という数はクリアしないし、恐らく今後10年の間はもう展示されることはないだろうと、中野区において。あるいは、青森以外でそういった展示は恐らく見ることはできないだろうということがありますので、しっかりとPRをしていただきたいと思いますけれども、そのPR、どうですか。大丈夫ですか。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) PRにつきましては、区報、「ないせす」、フェイスブックをはじめ、「東北復興大祭典 なかの」、まちめぐり博覧会等におきましてもPRをさせていただき、さらに小・中学校校長会、小・中学校PTA、町会連合会、友愛クラブ連合会、その他、区内の団体、また関東近県の博物館、美術館にも順次PRをさせていただいておりまして、今後も積極的に進めてまいりたいと考えております。

○大内委員 関東近県ぐらいですからね。そういったところ、いろいろなところにPRをしていただきたいと思います。結構です。ありがとうございました。

 以上で終わりますけれども、今回は第六中学校の道路の件、また東中野小学校を含めた区民活動センター、そういったもののあり方、あと中部すこやかの新しい使い方、さらには図書館のロッカーについて、あるいは岩井の臨海学園等の復活について質問させていただきました。ぜひとも、きょう言ったお言葉を信じますので、とにかく努力していただきたいな、頑張っていただきたいなと思います。

 以上で総括を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○若林委員長 以上で大内しんご委員の質疑を終了します。

 次に、[1]高橋ちあき委員、質疑をどうぞ。

○高橋(ち)委員 おはようございます。自民党議員団の6番目、きょうは最初に大内幹事長が質問されまして、私の後、いでい政調会長がいらっしゃるということで、心臓ばくばくしながら質疑をさせていただきたいと思いますが、まず、26年のこの決算議会に当たって、すごい感じたことがありました。私たちがまだ1年生議員のときは、決算議会とか予算議会に質疑もできずに、新人は聞いていなさいという勉強の期間であったわけでありますけれども、最近は優秀な議員の方々が多いようでありまして、すごい立派な御質問をされていらっしゃるんだなというのをまず感心しながらも、まあまあ、もうちょっと頑張ってほしいかななんて思ったりするところもありますけれども、新人さんに負けないように、きょう、この総括をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 そして、質問は項目どおりなんですけれども、その他のところでどなたも取材にいらっしゃらなかったので、その他をやりたかったんですけど、取材していないのに質問しちゃ悪いかなと思いますので、通告どおりで、その他はございません。

 それでは、通告どおりですので、まず、平成26年度の決算についてお伺いいたします。

 これは我が会派でも決算についてはいろいろ伺っておりますので、私は端的に、この監査委員の意見書の中から3点ほどと言ったら変ですけど、気がついたところだけお伺いいたします。

 5ページにあります現金管理についてというところでありますけれども、区民の信頼を損なう不明金事故というのが載っておりました。これは再三、私が監査委員のときもありましたけれども、こういうことが毎年あってはならないんではないかということで質問させていただくわけでございますけれども、再三、指摘されている現金管理の徹底についてはどのような対応をされているんでしょうか。また、全職員に対してのマニュアルづくりや研修などを行ってきているとは思いますけれども、またこのようなことがあったということで、ほかの方から指摘を受ける前に私が言っておいたほうがいいかなと思いまして、質問をさせていただきます。一度研修したから、指導したからといって済むものではないと思います。大切な区民の税金を扱うことの大事さは各職員が認識していなくてはならないと思いますが、どのように対応していらっしゃいますか。

○古屋会計室長 適正な現金管理の取り組みについてお答えいたします。区が保管する現金は区民からお預かりした大切な公金です。金銭出納員をはじめ、公金を取り扱う職員は現金の保管について、その重要性を常に認識していなければならないと考えております。現金の取り扱いにつきましては、会計事務の手引きなどマニュアルを作成し、適正な会計事務の執行に努めるよう、全職員に対しその周知を図っているところです。また、研修につきましては、毎年度、会計実務担当者及び決裁者向けにそれぞれ実施しているところでございます。さらに、毎年11月には会計事務調査を実施しておりますけども、その際、現金の保管状況につきましては職場に直接出向き、点検や必要な指導を行っております。なお、昨年度から現金事故を未然に防止する対策として、資金前渡金につきましては、原則として資金前渡受者の口座に直接振り込む方法に変更し、現金をできるだけ保管しない取り組みを行っております。

○高橋(ち)委員 丁寧な説明、ありがとうございます。本当に大切な税金ですから、今後もこのような事故のないように努めていっていただきたいと思います。これは要望にしておきます。

 次に、持続可能な財政運営を期待してという意見の中では、用地買収の収入を基金に充てたりとか、積極的に積み立てを行い、将来負担に備える取り組みを行ったというふうに評価をされております。しかし、今後、税制改正や社会保障制度の変更などでさまざまな要因を考慮した上で云々と、こういうふうに監査委員会の意見が書かれているわけでありますけれども、区の身の丈に合う財政規模というのはどういうものを考えているんですか。これは毎回みんなが質問していることだと思いますけれども。また、基準となる一般財源の規模との関係をどう受けとめているのか。さらに高齢化が進んでいけば、基準となる一般財源の規模に膨大な圧力がかかってくるのは避けられないというふうに思っているんですけれども、どのようにお考えなのでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 現在の財政状況や基準となる一般財源、社会保障を含めた今の状況をどういうふうに考えているかということであったかと思います。平成27年度の予算につきましては、現在、消費税が10%に変更された時点で実施予定であった子ども・子育て支援新制度についての対応ですとか、また、議員も御指摘のありましたように法人住民税などの一部国税化の影響、社会保障費の増額分を考慮しつつ、基準となる一般財源を672億円としたところでございます。これは現在の区の現状を捉えた一般財源の基準というふうに考えてございます。また、こういった考え方を基本としまして、財政規律に基づき歳入確保と歳出の精査、また法令遵守、的確な補助金の情報収集など周知徹底を図りまして、効率的に予算を執行していきたいというふうに考えております。

○高橋(ち)委員 確かにそういうふうに執行してもらいたいんですけれども、さまざまな要因が積み重なってくるわけですよね。ですので、思っているように進まないときだってあるわけですよ。ですから、しっかりと取り組んでいってもらいたいと思います。これは要望にしておきます。

 また、9月11日の都政新報に、豊島区は独自の会計白書というのを決算議会に出したそうです。現金収入や支出負担行為に基づく支出命令など、会計管理者の事務の視点でまとめられた白書は、23区で初めてというふうに書いてございました。白書では、過去30年の決算収支や過去3年間の月別収支とか、単年度ごとの起債が中心の、決算書にはあらわれないデータを多く盛り込んでいるそうです。豊島区は2017年度までに国が自治体に導入を求める新公会計制度を視野にいれまして、区の財務状況を示す新たな資料として年度ごとの作成をするとのことです。豊島区が取り入れた会計白書を中野区も検討すべきと考えます。また、課別の超過勤務手当、2万円以上の備品の保有額、区民税の普通徴収における納付方法別の収入金額なども盛り込んであるそうです。会計管理室では、区民への説明責任を果たすためのさらなる取り組みとして、これまでの決算資料や財政白書で明らかになっていない数字を白書に盛り込んだもので、持続可能な自治体運営に向け、一層透明性を高めていきたいというふうにおっしゃっているそうですけれども、我が区としてはどのようにお考えでしょうか。

○田中経営室副参事(行政監理担当) 中野区では、これまでも財政白書、それから行政評価に基づく主要施策の成果、こういうもので、いわゆる財政状況よりはわかりやすく説明することに努めるとともに、その透明性を確保し、区民に対する説明責任を果たしてきたというふうに考えているところでございます。今後、豊島区の会計白書など他区で発行しているもの、こういうものも研究しつつ、財政状況をよりわかりやすく説明することに努めていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 ぜひそのようにしていただきたいと思います。私たちはいただいた資料しか見られないわけでありまして、後半にお願いした細部にわたっての資料はなかなか私たちの手元に来るものではありませんので、次回の決算議会からは何とかそのような資料を出していただけるとありがたいかなというふうに思います。これは要望としておきます。よろしくお願いします。

 次に、2番目で、地域支えあいを推進する組織についてという題でございますが、先ほど幹事長が活動センターのことを質問されておりましたけれども、関連するかどうか、多分にあると思いますけれど、お答えいただきたいと思います。

 すこやか福祉センターは、住みなれた地域において子どもたちが健やかに成長して、高齢者や障害のある人たちが安心して生活できるよう、保健・福祉及び子育てに関して総合的な支援を行うための地域の拠点として、平成22年7月に中部圏域に中部すこやか福祉センターを開設、平成23年4月からは北部、南部、鷺宮を開設、現在、この四つの日常生活圏域ごとに運営をされていると思います。最初の年度から約5年がたっていると思いますけれども、区長の肝いりの目玉、組織だったはずなのに、行政評価の指標を見ますと、いまだに、すこやか福祉センターの相談窓口を身近に感じる区民は9%と低迷しています。その理由の一つに、何をしているところなのか、区民にとって相変わらずわかりにくいことがあるように私は感じます。それは組織にもあらわれているように思うのですけれども、目標に合わせて組織をつくるという現行のやり方では、極論を言うと、毎年組織を変えるということになり、区民にとってわかりにくく、その仕事も地域からも見えにくくなっているのではないかと、私は心配しています。地域の支えあい推進をしていこうというのであれば、地域にとって、区の顔となるすこやか福祉センターが区民にとってもわかりやすくなっていなければならないと思います。区民の方も、どこの、誰と、何をやっていくのか戸惑うはず、これがこのままずっと続いてしまうような気がします。

 そこで、事業概要をいただきまして、事業概要に沿って、わからないところ、または、これは何だろうというところを質問させていただきます。

 まず、地域活動推進分野の35ページに、地域施設担当係長とありますが、この名称や組織があること自体、私はよく把握していませんでした。その担当事務は地域活動施設の整備等に関することとなっており、すこやか福祉センターの整備に関することと区民活動センターの整備に関することと、二つの事務内容が書かれております。具体的にはどういうことをしているんでしょうかね。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 地域施設担当でございますが、主に地域支えあい推進室所管の施設の新築工事、営繕工事等を担当してございます。すこやか福祉センターの整備に関すること、また、区民活動センターの整備に関することの具体的内容でございますが、新築工事につきましては、南部すこやか福祉センター等施設の整備、南中野、東中野区民活動センター等整備を担当してございます。施設営繕工事等については、各施設の自動ドア改修や空調設備の更新などの工事を行ってございます。

○高橋(ち)委員 そうすると、高齢者会館とか児童館なども含むんですか、これは。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高齢者会館、児童館等の施設営繕工事も担当事務に含んでございます。

○高橋(ち)委員 では、37ページの地域ケア分野の中にある地域子ども施設調整担当係長との関連はどういうことなのか。児童館、キッズ・プラザ、学童クラブ運営に関する調整と施設管理と書かれていますが、これはどういう内容なんですか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 地域子ども施設調整担当でございますが、すこやか4圏域ごとに配置されております地域子ども施設、具体的には児童館、キッズ・プラザ、学童クラブでございますが、その全区的に調整する必要がある業務について担当してございます。例を挙げますと、学童クラブの在籍児童の管理、保育料、おやつ代の収納に関する業務、また、児童館長会の開催、館長、所長への助言、清掃や光熱水費の支払いなどの施設管理業務などを行ってございます。

○高橋(ち)委員 運営に関するという点では、そのすぐ上には、地域子ども施設運営担当係長という組織もあって、児童館、キッズ・プラザ、学童クラブ運営に関する連絡調整って、今おっしゃっていたようなことなのかなと思いますけれども、こことの違いは何なんですか。同じなんですか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 地域子ども施設運営担当でございますが、すこやか福祉センターごとに設置しておりまして、地域子ども施設調整担当と連携いたしまして、所管する子ども施設の運営に関する調整や取りまとめを行ってございます。具体的には、予算・決算管理、職員出退勤管理、運営に関する指導などを行ってございます。

○高橋(ち)委員 たくさんいろんな同じようなのがあるんですけれども、では、小さな壊れちゃったときの修理をするときの予算というのはどこについているんですか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 直営施設の小破修理費につきましては、それぞれの施設ごとに予算配分をしてございます。また、委託施設の小破修理費につきましては、地域子ども施設調整担当で管理をしてございます。

○高橋(ち)委員 今まで聞いていても、何か全てが似たような感じで、修理とか修繕といったことも二つの部署にまたがっていることもあるように感じますし、分担も合理的な理由があってしているのかもしれないでしょうが、すっきりしているというふうには私は感じないんですね。もっとすっきりさせるように考えてみたらどうかなと思うんですけども、見ただけ、聞いただけでもよくわからないという感じなんですけど、いかがですか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 担当名につきましては似ている部分もございますが、施設の性質によって、また、修理や修繕の規模によって整理、役割分担をしてございまして、機能的には大きな問題なく業務が行えているものというふうに認識してございます。

○高橋(ち)委員 業務に支障がないということであればしようがないかなとは思いますけれども、もうちょっとわかりやすくしてもらえたらいいかなというふうに、これは要望しておきます。

 次に、児童館や学童クラブも担当している地域ケアについて伺います。36、37ページに列挙されていることを読めば、そのようなものかとも思いますが、実際のところ何をしているのか、ぴんときません。ケア分野という言葉から児童館までを連想しなさいというのは無理があるような気がしますけど、どう感じていますか。

○相澤南部すこやか福祉センター所長 御指摘のとおり、地域ケア分野という名称から直ちに児童館運営を担当しているイメージというのはしづらいというふうに思いますが、小・中学校等の連携、地区懇談会の開催、地域ケア分野のさまざまな事業展開を通じて、徐々にその担当事務については浸透してきていると、そのように考えてございます。

○高橋(ち)委員 ケアが小・中との連携とかって、そういうイメージにつながるかどうかはちょっと心配なんですけれども、高齢者から障害者、そして、子どもやその家庭までの個々の方々の対応、さらに児童館や学童クラブまでの担当範囲になっているということが、実に、もう本当に幅広い分野だと思うんですけれども、実際に担当副参事の手はちゃんと回っているんでしょうか、心配です。一部のところかもしれませんけど、児童館長に任せてしまっているというようなこともなきにしもあらずみたいなんですけれども、現実、大丈夫なんですか。

○相澤南部すこやか福祉センター所長 地域ケア分野、これは妊婦から高齢者、障害のある方への相談支援の対応、児童館の運営など、保健・福祉・子育て支援の地域のワンストップの拠点というふうに考えてございます。取り扱う担当業務、これは広いと思いますが、各すこやか福祉センターの副参事は常に現場を意識しまして、その職務を行っているところでございます。児童館長に任せ切りというようなことはないと思いますが、そのような声もあるということも真摯に受けとめ、今後とも適切に現場をサポートするよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 そうですね。館長さんは地域の事情とか人材に詳しい人が多いように伺っておりますから、上手に館長さんたちと連携してもらいたいと思います。しかし、南部は、相澤所長を目の前にして申しわけないんですけど、すこやか福祉センターの所長と地域ケア担当の副参事が兼務になっちゃっているわけですね。ごめんね。相澤所長に向かって言っているわけじゃないんですけれど。それで、ほかの地域に比べて業務量が少ないというわけでもないでしょうけれども、このような状況で、お一人で両方兼務されているということで、第一線の業務が十分に果たせるのかなというふうに心配になるんですよ。担当されている、まあ、目の前にして非常に心苦しいんですけれども、もう本当に地域を駆けめぐっていて、毎日お忙しい思いをしているので、すごい心配なんですね。だから、本人から答弁をもらうわけにもいかないかな。申しわけないですけど。大丈夫ですかという感じなんですけど。

○相澤南部すこやか福祉センター所長 与えられた職責、これを十分に果たせますように、私は優先度、困難度を勘案しまして、常に現場を意識しまして、所長、地域ケア担当副参事のそれぞれの役割を果たしているところでございます。所長と地域ケア担当副参事を兼務している利点も生かしまして、御心配おかけすることのないよう、その職責を果たしていきたいというふうに考えております。

○高橋(ち)委員 本当に、区長も安心ですよね。このようにすばらしい所長がいらっしゃるということで。まあ、とにかく頑張っていただいている姿は地域の人たちも知っておりますから。相澤所長が――目の前で御答弁いただいちゃうというのは本当に失礼な話だったと思いますけれども、兼務じゃないような状況で、所長としては所長、それで、ケア担当はケア担当というように職員を配置されるように、私は希望したいなというふうに思っております。

 今の質問は一旦置いておきまして、今度は地域支援分野について伺います。39ページにある区民活動センターの所長は誰ですか。

○上村鷺宮すこやか福祉センター所長 各すこやか福祉センター地域支援分野の地域活動担当係長が兼務しております。

○高橋(ち)委員 そうですね。でも、これもびっくりしたんですけど、地域の方々は、地域支援の副参事とか、所長と思っている。すこやかの所長が活動センターの所長かなというふうに思っている人が大半だと思います。この活動センターも所長がいらっしゃるにもかかわらず、この人を見たことないという人がたくさんいらっしゃいます。この方は一体何をしているんですか。

○上村鷺宮すこやか福祉センター所長 区民活動センターは基本的な業務を委託してございまして、区民活動センター所長、いわゆる地域活動担当係長はすこやか福祉センターにいることが多いわけでありますけども、業務の履行状況の確認等のため、定期的に区民活動センターには行ってございます。

○高橋(ち)委員 今、定期的に行っておりますということでありますけれども、所長が、さっき大内委員が質問しましたけれども、活動センターの運営委員さんも日々努力して活動しているわけですよ。ですので、所長も、たびあるごとにやっぱり区民と接することが大事だと思います。そのような説明を聞きますと、所長の指示のもとに活動センターの職員、2人といいましょうか、正確には1.8人なんですけれども、仕事をしているんですか。

○上村鷺宮すこやか福祉センター所長 まず、地域活動担当係長は庶務係長としての役割も果たしてございまして、各事務の取りまとめや調整を行うほか、すこやか福祉センターはじめ区民活動センター、高齢者会館等の維持管理も行ってございます。あと、区民活動センターの職員の2人の仕事内容でございますけども、支えあい推進担当職員として配属しており、支えあい推進担当係長のもと、戸別訪問活動など支えあい推進に関する業務を行っております。一方、区民活動センターの管理運営については運営委員会等に委託してございまして、直接窓口対応はすることは少ないわけでありますけども、集会室の貸し出し承認をはじめ困難事例の対応や区政に関する相談等、委託になじまない事務について担当してございます。

○高橋(ち)委員 そうなると、この両方の担当係長も部下というふうに思っちゃっていいんでしょうかね。確認だけしておきます。

○上村鷺宮すこやか福祉センター所長 両方にかかわる部分でございますけども、組織上は支えあい推進担当係長の部下として位置付けておりますけども、必要に応じて地域担当係長にも相談しながら業務を進めているところでございます。

○高橋(ち)委員 そうやって聞きますと、すごいやっぱりここの組織が複雑な感じがしてなりません。このままでいいのかなって思いますけれども、私は総合的に仕事ができていくのか、とても疑問に感じております。答弁があれば聞いておきますけど、なければいいですけど、お答えありますか。

○上村鷺宮すこやか福祉センター所長 現体制でも支障なく業務は遂行されていると認識してございますが、委員の御指摘を踏まえながら、区民から複雑な感じを受けるという御指摘もございました。よりわかりやすい組織づくりについて研究していきたいと考えております。

○高橋(ち)委員 ぜひお願いしたいと思います。

 では、地域支援分野と地域ケア分野の二つからすこやか福祉センターは成り立っていると思います。いま一度確認しますが、両分野の連携はできているのかどうか、どのように連携を図っているのか、すこやかの所長はどういう役割を果たしているのか。とっても――いろいろお答えは聞いていますけども、疑問に感じます。どのようなお考えですか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 連携はとれているというふうに捉えてございます。地域支援分野と地域ケア分野との連携につきましては、所内会議等により情報の交換・共有を図るとともに、必要に応じて専門職を兼務させるなどの体制確保により、一体的な事業執行を確保しているところでございます。すこやか福祉センターの所長につきましては、センター全体を統括する立場の役割でございます。

○高橋(ち)委員 まあ、そのような答えが出てくると思ったんですけど、連携しているのであれば、その成果が目に見えるように、区民に目に見えるようにしてもらいたいというふうに思います。これは要望としておきます。

 今後、地域包括ケアシステムの構築という大きな課題がある中、区が懸命に取り組んでいることは疑いませんけれども、区だけでできるものではないと思います。医療や介護などの各種専門機関との協力、地域の方々の理解や協力、また取り組みがなくては成立しない構想だと思います。その推進の最前線を担うのもすこやか福祉センターだということですよね。ですので、十分地域の方々や関係者の理解を図って進めていくためにも、すこやかが目に見えてわかるような組織になってほしいと思います。また、地域ケア会議をすこやかにそれぞれ設置するとも聞いています。それを一つとっても、二つの分野が一致協力してその運営や事務に当たることで有益な会議になっていくと思います。そのような体制になるよう十分検証・検討を重ねて取り組んでいってほしいです。そして何より、区民にとってわかりやすい組織にしていただきたいと思うんです。区全体の組織がそうなんですが、サービスを利用する区民の都合を考えないで、サービスを供給する執行機関の都合で組織を決めている感じがしてなりません。誰でもわかりやすい組織となるように十分な配慮をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 今後、地域包括ケアシステムを構築していくためには、住民主体の活動、専門家、専門職などの地域の担い手が一丸となることが必要であり、そのための推進役としてすこやか福祉センターが気づき、機能することが求められているというふうに認識してございます。すこやか福祉センターが一体的に機能を発揮でき、区民の目から見てもその役割が明確に理解されるよう、すこやか福祉センター所長を中心として、また地域支援、地域ケア両担当副参事が一丸となり、すこやか福祉センターの組織が機能発揮できるように、その強化を目指していきたいと考えてございます。現在、基本構想及び10か年計画の改定作業を行っているところでございます。その改定内容も含めまして、区政目標体系について改めて整理・検討する予定もございますので、すこやか福祉センターの目標体系、組織についても十分に検証・検討していきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 丁寧な御答弁ありがとうございます。本当に、そちらの都合ではなくて、区民がわかりやすいものを検討していってもらいたいと思います。これは要望しておきます。

 次に、3番目ですね。子ども教育についてですけれども、まずは2学期制についてお尋ねいたします。

 教育委員会では、固定的に捉えていた教育課程の改善を図り、きめ細やかな指導と評価を行うなど、子どもたちにとってより充実した教育活動を目指して2学期制の導入を推進してきました。あわせて、夏季休業日の短縮等により授業日数をふやすことによって、特色ある学校づくりを推進し、よりよく生きるための「生きる力」を定着させることを目指してきたようです。平成20年度に全小・中学校が2学期制になってから丸6年がたっていると思いますけれども、2学期制についての検証が必要な時期に来ていると私は思いますけれども、認識がありますか。特色ある学校づくりや「生きる力」を定着させることを目標として推進してきたわけですから、その成果もきちんと把握していると思いますが、あわせてお答えください。

○杉山教育委員会事務局指導室長 2学期制についてでございますが、2学期制につきましては、ただいま委員がお話しありましたような趣旨に沿って各学校で教育活動を工夫しているところです。2学期制になりましたことで学期末の時間等に余裕ができたことで、学校行事が柔軟に組むことができたり、補習等の学習を進めることができるなど、2学期制のメリットを生かした教育活動が展開できているというふうに認識しております。

○高橋(ち)委員 認識されているということですけれども、私が感じるのは、これからまた質問していくんですけれども、8月の初めに会派の若林議員と公明党の久保議員と一緒に埼玉の久喜市の教育委員会に行ってきました。こちらも平成16年度に久喜市内の全小・中学校14校で2学期制を導入したそうです。久喜市は平成22年に1市3町が合併して新しい久喜市となったわけですけれども、3町の学校は2学期制ではなく3学期制のままの体制で進めてきたそうであります。市内に2学期制と3学期制が混在しての教育活動をしてきていたわけですけれども、統一されていないことはさまざまな支障が生じ、合併後に統一するように調整したほうがよいのではということになって、学期制の検討委員会を立ち上げ、3年間という時間をかけて、新3学期制という制度に平成26年度から移行したそうです。市の立場と区の立場では内容も違うかもしれませんけれども、現状、教育委員会としてどのように考えているのか、何点か伺います。

 まず、2学期制を行っていたこれまでの期間、教育委員会の中で学期制のあり方について課題として取り上げたことがありますか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 2学期制をテーマとして協議を行ったということはございませんが、学力向上等の関連の中で議論にはなったという経緯はございます。

○高橋(ち)委員 学力向上等の経緯ということですけれども、それはそれで終わっちゃったんですか。学期制じゃなくて、向上だけで終わっちゃったんですか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 学力向上という話題の中で、中学校の定期テストの回数という関連の中で話題に上ったということでございます。

○高橋(ち)委員 体力と学力の件ではいろいろと質問もあったとは思いますけれども、私はこの2学期制になってから、何かちょっと危なくなってきているんじゃないかなって、これは個人的な思いですけれども、学力低下、体力低下も2学期制に変わってきてからじゃないかなというふうには感じ取っているんですよ。小・中学校の保護者の皆さんなどにアンケートや意見などを聞くことは行ってきていますか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 保護者につきましては、平成24年度まで、学校教育に関する保護者アンケートの中でアンケート調査を行っており、平成24年度には小・中学校の保護者のそれぞれ70%から肯定的な回答を得ているところでございます。しかしながら、今年度、2学期制についての検討材料とするために、改めて調査をする考えでございます。

○高橋(ち)委員 ぜひ調査してもらいたいと思いますね。久喜市のように学期制検討委員会というものをこれから考えていく考えがあるのか。また、私は昨年の予算特別委員会でもつくってくださいよというふうにお願いしてあります。私の自分の考えを申し上げれば、3学期制は学期ごとの評価ができて、その評価をもとに学習指導が行えて、また日本人的に言うと季節感に合っているというふうに感じます。生活リズムがよくて、学習に対する目的意識が持てて、学習の意欲向上にも役立つと考えるんですけれども、3学期制に戻すということではなくて、新しい3学期制を導入するという考え方で検討委員会を立ち上げてもらいたいと思いますが、どのようにお考えですか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 本年度改めて実施する調査結果等を踏まえて対応を考えていきたいというふうに考えております。検討委員会の設置についても検討してまいりたいというふうに考えてございます。今後の学期のあり方については、さまざまな視点から議論していく必要があると認識しておりまして、他の自治体の例も参考にしていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 先ほど大内幹事長の質問の中に岩井の件もありましたけれども、検討委員会が、これだけの検討委員会でなくても別にいいんですよ。さまざまな学習に対する、学校に対する、子どもたちに対する検討委員会を設けてもらえれば、多くの課題が取り上げられると思います。これは要望ですけれども、ぜひアンケート結果をいただいた後すぐに検討委員会をつくり上げていただきたい。これは要望しておきます。

 次に、土曜日の学校公開授業についてお伺いいたします。確認のために、現状の学校公開の開催日はどのようになっているんですか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 原則、各月の第2土曜日に学校公開を行っております。

○高橋(ち)委員 そうすると、小・中両方で第2土曜日は公開日となっているようですけれども、何でそうなっているのか。小中連携をうたっている今、同じ日程で行うことに対して不都合が生じていないのかどうかを疑問に思いますが、いかがですか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 土曜授業につきましては、実施に当たって検討委員会を立ち上げまして検討いたしました。学校からの意見を踏まえた上で、第2土曜日に一斉に実施することと決定いたしました。現在も小中連携教育にかかわる学校行事や教育活動等との関係の中で、第2土曜日以外にも土曜授業日を変更することについては柔軟に対応しているところでございます。

○高橋(ち)委員 今、御答弁で学校からというお話でした。いつも思うんですけれども、何か行事を取りやめるときも学校の意見でとか、何か学校の意見というか、教育委員会が主体として行うということが最近あまりにもないように感じてなりません。それぞれの学校で考え、公開日を実施するというやり方に変えていったほうがいいんじゃないかなと思いますけど、柔軟に対応しているということですけれども、この先どういうふうにお考えになっていくんですか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 現在、第2土曜日以外に土曜授業を実施する場合には、さきに述べた小中連携教育にかかわる教育活動、地域の祭礼等、地域の大きな行事に児童・生徒の多くの参加が望まれている場合など、事務局と協議した上で変更することとしてございます。学校がそれぞれに実施日を決定することとなりますと、近隣の学校や地域とのさまざまな調整をする必要が生じるというふうに考えてございまして、教育委員会として一定の判断をしているところでございまして、今後もこの方向で対応していきたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 指導室長のお話もよくわかりますけれども、まず、学校側から統一した第2ということが出てきて、それで今度はそれぞれの臨機応変に対応しているという話でありますけれども、本来であれば、教育委員会が主体性を持って進めていくことじゃないかなというふうに私は感じます。ですので、今後とも柔軟な検討をしていってもらいたいと思います。ありがとうございます。

 さまざま今伺ってきましたけれども、今度、子育て支援について何点か伺います。

 平成26年度に子ども教育部の目標体系の中に、子ども・子育てを支える幼児教育・保育環境整備を担う組織として、幼児施策整備担当が新たに設置されました。この担当はどのような目的で設置されたのか、改めて確認します。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 保育施設等の新制度への円滑な移行を進めるほか、待機児童対策といたしまして、保育施設の計画的な整備等に取り組むため設置したものでございます。

○高橋(ち)委員 そうでしたよね。ことしの4月に子ども・子育て支援新制度は施行されましたけれども、平成26年度はその準備をする年度であったわけだと思います。そして、その新制度を活用した待機児童対策を行うということで、昨年度に比べて待機児童を減少させることができたんだと思います。しかしながら、子ども・子育て支援新制度が求めているのは、単に待機児童をなくすことだけではないと私は思っているんですけど、いかがですか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 新制度につきましては、保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識のもとに、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進することを目的としているものと認識してございます。これを踏まえまして、区といたしまして教育・保育の質の向上に取り組むこととしているものでございます。

○高橋(ち)委員 教育・保育といって、保育のほうは向上しているかもしれませんけれども、全国的にも待機児童の解決が求められている中ですから、確かに保育施設の整備は必要です。しかし、子どもや子育て世帯を支援するには、制度の趣旨にも当たるように、保育施設だけではなくて、幼児教育とか、地域の子ども・子育て支援を含めて総合的に推進していく必要があると私は思いますけど。また先日、ある懇談会で、区の子ども・子育て会議が話題になりまして、保育園の制度のことばかりが話し合われて、子どもの成長をどのように支えていくかという議論があまりにも少ないように感じられましたという話を伺いました。子どもの成長を支えているのは保育園だけではないというふうに私は思います。幼稚園で行われている幼児教育を通じて子どもの成長を支えていくことはとても大切なことです。

 そこで伺いますが、幼小連携などの取り組みをされているのは承知していますけれども、区は幼児教育を全体的にどのように考えて、どう進めていこうとしているのか、お知らせください。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 幼児教育に関してでございますが、3歳以上の就学前人口の半数以上は幼稚園に通園している現状でございまして、幼稚園の役割は重要であると考えてございます。幼稚園に対する必要な支援を行うとともに、研修や合同研究により幼児教育の一層の充実を進めていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 幼児教育って本当に大事なんですよね。保育園でも、今、制度が変わってきていますから、幼児教育を中心的にという話になっておりますけれども、やはり中野区の歴史を考えると、保育園と、または私立幼稚園との深い連携があるわけですよ。ですので、幼児教育に対してはしっかりと取り組んでもらいたいと思います。「三つ子の魂百までも」と申します。幼稚園における幼児教育の充実はもとより、どの施設を利用してもきちんとした幼児教育が受けられるようにしてほしいと思いますが、どうですか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 幼稚園に限らず、保育施設全体で必要な幼児教育が受けられるように進めてまいりたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 ぜひ考えて進めていってもらいたいと思います。

 一人ひとりの子どもの状況に応じたきめ細やかな支援、例えば、医療的ケアを必要とする子どもとその保護者への支援も、これも大事なことだと思います。新聞報道では、生まれてから1年以上NICUに滞在している子どもは、毎年、新規で200人以上もいるというふうに聞いています。人工呼吸器をつけたまま退院する子どもは、10年前は年間30人程度だったのが、この5年間は毎年約150人にも上るそうです。また、医療的ケアというと最重度の印象を受けますけれども、最近は、歩くことも話すこともできて、なおかつ常時医療的ケアが必要なお子さんも珍しくないそうであります。中野区では、アポロ園と、昨年10月に開設した子ども発達センターたんぽぽにおいて医療的ケアの対応をしていると聞いていますけれども、現状では親の就労支援というところまでは至っていないように思います。また、現在の保育施設では看護師がいるところもありますけれども、医療的ケアについては安全に受け入れができる体制は十分でないように見受けられております。また、施設までの通所さえ難しいという子どももいるのではないでしょうか。こうした課題についても真剣に取り組んでいくべきと考えますが、具体的な方策として何か検討していることがあるんでしょうか。伺います。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 中野区子ども・子育て支援事業計画におきまして、障害・疾病等の理由で集団保育が困難な乳児のお子さんに対しまして、居宅訪問型保育事業により保育サービスを提供する予定でございます。現在、居宅訪問型保育事業の開始に向けまして準備を進めているところでございます。

○高橋(ち)委員 この居宅訪問型保育事業ってすごい大変だと思うんですね。準備を進めているということですけれども、随時、わかり次第、議会のほうにも報告をしていってもらいたいと思います。これを必要とする方はかなり大勢いらっしゃるかと思います。幼稚園や保育園といった施設だけではなくて、子どもや子育て世帯をどう支援していくのかが今問われてきていると思います。自宅で一生懸命子育てをしているお母さんたちにもきちんと支援が届くように、子育て世帯全体に対する施策を充実させていくことをちゃんとやってもらいたいと思います。これは要望としておきます。

 次に、子育てに関する相談窓口についてお伺いいたします。

 このたび、各すこやか福祉センターにおいて、全ての妊婦さんに対して面接を行い、必要な支援につなげていくという取り組みを開始することとなったようです。早い段階から身近なところで相談できる体制がつくられることは、安心して子育てができるまちへの一歩として期待されるところではありますが、せっかく新しく始める取り組みですから、またすこやか福祉センターまでわざわざ足を運んでいただかなくてはならないわけです。対象となる区民の皆さんにわかりやすく説明し、自分はいつどこでどうしたらいいのかを十分に理解していただくことが大事だと思います。その際、4カ所のすこやか福祉センターでそれぞれの説明や対応が違ってしまうということがないように、どこでも同じように統一した対応が必要となると思いますけれども、このようなことについてどのようにお考えなんでしょうか。お答えください。

○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 全妊婦の面接を実施するに当たり、基本的な対応マニュアルは整備してございます。面接の実施に際しましては、マニュアルに沿いながらも、個別的な相談に柔軟に対応してまいります。各すこやか福祉センターには母子保健コーディネーターを配置いたしまして、必要に応じて連絡調整を行いながら取り組みを進めてまいります。

○高橋(ち)委員 妊婦さんに対して、マニュアルをつくってあるということですけれども、人はマニュアルどおりではいかないことがたくさんありますね。ですので、マニュアルから外れたことを聞かれて対応できないということのないようにしてもらいたいと思いますね。ぜひこれからいろんな部分で四つのすこやかが活躍する、また汚名挽回と言ったら失礼ですけれども、9%の認知度からアップできるチャンスなわけですよ。ですので、頑張っていただきたいと思います。これは要望にしておきます。

 それで、このことは、私、すごい勘違いしていたんですけど、総合窓口でやるのかと思ったら、すこやかだったんですね。ですので、これ、しっかり皆さんも覚えておいてもらいたいと思いますけれども、すこやかに妊婦さんが行くということだけは頭に入れておいていただきたいと思います。

 また、区役所の3階の子ども相談窓口でも、同じようにすこやか福祉センターとの連携が重要になってくると思います。部が違うことで縦割りやたらい回しとならないように、これまで以上に丁寧な対応が必要となると思います。特に子ども相談窓口には多くの方がいらっしゃいます。毎日私も通りますけれども、お子さん連れの保護者の方が本当に連日おいでになっていらっしゃいます。いらっしゃった方のニーズを的確に把握し、その方に合った対応を行うことがますます重要になってくると思いますが、どのように考えていらっしゃいますか。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 子ども総合相談窓口におきましては、一人ひとりのニーズを丁寧に聞き取り、必要とされるサービスの御案内や情報提供などをこれまで以上に、よりきめ細かく行うことが大切であると考えてございます。今後ともすこやか福祉センターとの連携を緊密にとりながら、対応の充実を図ってまいります。

○高橋(ち)委員 ぜひお願いします。母子手帳をもらいに来た妊婦さんがわざわざすこやかに行かなくてはならない、または保育園、幼稚園、どうしたらいいんだろうという保護者の方々がいらっしゃるわけですので、ぜひとも中野区の子育て支援は本当にすごいんだよというふうに言われるように、今後私たちもずっと見届けていきたいと思いますから、何かちょっと不満があったらすぐ言いますので、そのようなことのないようにお願いしたいと思います。これは要望としておきます。

 ここまで、子どもに関することをいろいろ聞いてまいりましたけれども、教育委員会や子ども教育部にとっての主人公はまさしく子どもたちだと思います。子どもたちにとってよりよい環境、よりよい保育環境をつくることが、教育委員会や子ども教育部の役割となります。そんな中、状況は日々変化しています。また、子どもの成長は待ってくれません。現在の取り組みに対する評価や新しい施策課題など、全ての子どもの教育・保育環境を漏れなくきめ細やかに、待ったなしで施策を推進していかなければならないと思います。改めて教育委員会事務局次長でもあり、そして子ども教育部長でもある奈良部長に、今後の取り組みに対する決意を伺っておきます。

○奈良子ども教育部長 今、委員の御質問にもございましたように、子どもたちにとってよりよい教育、よりよい保育環境をつくることが、教育委員会、そして子ども教育部の重要な役割だと思ってございます。子どもたち一人ひとりの成長や家庭の状況に応じた切れ目のない支援を行いまして、全ての子育て家庭が安心して子育てができる環境を整えていく、こうしたことが大変重要であると考えてございます。多様で質の高い子育て・幼児教育・保育の環境の整備に努めまして、また、地域や保護者との連携を図りながら、子育てしやすいまち中野の実現を目指していきたいというふうに考えております。

○高橋(ち)委員 ぜひお願いしたいと思います。部長も所長も中でだけではなくて、外に出ていろんな体験をしていただきたいと思います。要望しておきます。

 では、最後になりますけれども、健康・スポーツ分野について、何点かお伺いいたします。

 平成26年度の主要施策の成果の41ページに中部スポーツ・コミュニティプラザ開設準備ということで、健康づくり・スポーツを通じた地域住民の交流のための施設、中部スポーツ・コミュニティプラザの平成27年4月開設に向けて、同施設の運営方法等の検討をするため各種モデル事業を実施したということが記載されておりました。平成26年度の実績は前年度までと比べると多くはなっていますけれども、どのような教室や講座を行ったのかを確認しておきたいと思います。トレーニング事業も26年度からのモデル事業だと思いますが、どのような事業になっているのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 平成26年度の健康・スポーツ教室型モデル事業につきましては、4月から7月までは民間事業者への委託により実施をいたしまして、8月から9月につきましては、区と中野区地域スポーツクラブとの共催による実施、10月から3月にかけましては、中野区地域スポーツクラブへの委託により実施をしたものでございます。4月から7月にかけましては、ストレッチ体操、サッカー、バスケットボールなど9教室を実施したものでございます。8月から9月にかけましては、中野区地域スポーツクラブのネットワーク等を活用した講師により、フットサル教室、母と子のフィットネス、キッズダンスなどの13教室を実施したものでございます。10月から3月にかけましては教室の種類をさらに拡大いたしまして、ハワイアンフラダンス、バレエレッスン、エアロサーキットトレーニング、そういった教室を加えまして、66教室を実施したものでございます。

 また、トレーニング事業でございますけれども、施設に設置されているトレーニングルームにおきまして、ルームランナーやエアロバイク、筋力トレーニング機器など5種類のトレーニング機器を利用していただく、そういった事業でございます。

○高橋(ち)委員 たくさんの事業をされているようでありますけれども、この事業の運営形態はどうなっているんですか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) モデル事業につきましては、健康・スポーツ教室型、団体参加型、トレーニング型の三つの事業により構成されていたものでございます。いずれの事業につきましても、受託事業者が事業の内容を企画決定をいたしまして、チラシ等を通じて区民への周知を行い、参加を希望する方が施設に来所して事業に参加してもらうという形態で運営をしていたものでございます。

○高橋(ち)委員 この受託事業者がいろいろ周知をしていたということでありますけれども、私もあまり知らなかったんですけど、失礼な質問だったらごめんなさい。4月に正式開設をしたんですけど、現在、半年ぐらいたっていると思いますけれど、現在はどのような感じになっていますか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 平成27年、ことしの4月に中部スポーツ・コミュニティプラザということで正式に開設したものでございます。中部スポーツ・コミュニティプラザにおきましては、教室・講座型事業、団体参加型事業、トレーニング事業の全事業を中野区地域スポーツクラブに委託をしているものでございます。団体の持つネットワーク等により、地域の人材を活用して事業が運営され、いずれの事業につきましても、モデル事業実施時よりも利用率が上昇してきている状況でございます。

○高橋(ち)委員 それは上昇しているということでいいことだと思いますけれども、そうすると、この事業は平成28年7月に南部すこやか福祉センターが開設されると同時に、南部でも実施するというふうに考えているんですか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 平成28年7月に南部スポーツ・コミュニティプラザの開設を予定しているところでございます。南部スポーツ・コミュニティプラザにおきましても、現在行われている事業内容の改善等も検討しながら事業を実施していきたいと考えているところでございます。

○高橋(ち)委員 そうすると、南部ができます。次には、残り二つがあるわけですけれども、四つのすこやかに開設するという理解でいいんですか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 区といたしまして、身近な生活圏域において区民が健康づくり、スポーツ活動に取り組むことができる環境が必要であると考えているところでございます。今後、区内の日常生活圏域である4圏域においてスポーツ・コミュニティプラザを整備していく、そういった方向で検討しているところでございます。

○高橋(ち)委員 そうすると、四つにできるということですけど、残り二つはまだ施設的には難しいかなというふうに感じますけど、スケジュール的にはいつまでということを持っているんですか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 具体的な整備のスケジュール方針等につきましては、検討の過程で順次お示しをしていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 わかりました。でも、そうだとしますと、四つ頑張ってやっていくんだというお話の中で、今の中部で行っている現状を見ても、スポーツ・コミュニティ事業というものに対して、ちょっと私は心配かなというふうに感じました。私自身が知らなかっただけかもしれませんけれども、区民にどこまで浸透しているのかなというふうに感じます。この間、中部すこやかで会議がありまして、そのときにこのスポーツ・コミュニティプラザというものを目の当たりにしまして、こういうことをやっているんですよということを伺いました。プラザができたことはわかっていたんですけど、いつ何が行われているんだろうということが私はあまり知らなかったと言ったらそうなんですけど、そういう意味で、区民にあまり知られていないような気がするんですけど、どう思いますか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 区民への周知というところでございますけれども、チラシの配布、また、区ホームページの掲載など、一定の情報提供は行っており、徐々に利用率が上昇してきている状況であると認識してございます。一方で、区民に十分に浸透していない、そういった声があることにつきましては、重く受けとめなければいけないと考えているところでございます。今後、現在のPR方法のほかにもさまざまなメディアの活用、利用者間のネットワークの拡大等を図りながら、認知度の向上を図っていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 私たち議会のこの42人の中でどれだけ知っているかって、すごい私、不安なんですけど、やっぱり区民に知らせる前に議会に知らせてくれないと、区民の皆さんからお問い合わせが来たときに、え、何、それとかになっちゃうと、何やっているの、あんたになっちゃうわけですよ、私たちも。なので、私だけが知らなかったのかなというふうに今思っているんですけど、そうじゃないようにも思いますので、もっと周知徹底をするべきだと思います。そして、四つ行っていくのであれば、今後さらにスケジュールもしっかりと立てて、しっかりと報告をしながら、区民にはこのように進めていくんですよ、ぜひ中部、南部、来てくださいよというふうに言わないと、また私がここで、すこやか福祉センターは何ぞや、9%から上がっていないじゃないのという質問になっちゃうと思うんです。ただし、このスポーツ・コミュニティは部が違うから、所管外だと思いますからあれなんですけど。そこで、ここでも組織としての不都合ができているように思います。すこやか福祉センターは支えあい、スポーツ・コミュニティプラザは健康福祉ということで、同じ建物の中にあっても担当する分野が違っているんだから、区民にとってもここでもわかりづらい組織として受けとめられてしまうんじゃないかなというふうに私は思います。

 初めに質問した中でもお伺いしましたけど、区の仕事は区民にとってわかりやすいものでなくてはだめだというふうに私は思います。今後この事業を大きく推進していくに当たってどのように取り組んでいくのか、教えてください。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 現在、中部スポーツ・コミュニティプラザにつきましては、同居している中部すこやか福祉センターや包括支援センター等と月に一度の定例会でさまざまな情報交換を行っているところでございます。中部すこやか福祉センターにも中部スポーツ・コミュニティプラザの事業のチラシを設置しているほか、両施設の案内がまとまった形でのリーフレット等も作成しているところでございます。今後、さらなる情報交換、協働の事業の実施等を通じまして連携を深め、施設の利用者にとってわかりやすい形で事業展開をしていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 本当に連携しながら、区民にとってわかりやすくしてもらいたいと思います。要望しておきます。

 最後になりますけれども、何度もしつこく私は言っているつもりなんですけれども、目標と成果による運営を基本とすることは区にとってはよいかもしれません。でも、区民にとって現実は全くわかりません。区民にとって中野区の組織とその組織が何を行っているのかがすぐわかるようでなくてはならないと思うんです。毎回、質問を最後にしていますけれども、今回もさせていただきますが、分野とか何々担当とか、そのような組織で区民がずっと理解できていると思いますか。今後どのように考えているか、最後にお伺いいたします。

○伊藤経営室副参事(人事担当) ただいま委員の御質疑がございましたように、組織のあり方、担当名、担当の業務内容等、区民の皆様にとってわかりやすいということは、区が行政運営を行っていく上で大変重要なことというふうに認識してございます。現在検討中の基本構想、また10か年計画を実現していくための組織のあり方につきましては、今後改めて整理・検討する事項でございますが、本日御質疑いただきましたような点を十分踏まえまして検討を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 これ以上は言いませんけれども、本当にわかりやすい、区民にとってわかりやすい組織体系をとっていただきたいと思います。これはもうお願いです。答えを下さいと言っても無理でしょうから、お願いをしておきますので、よろしいですね。よろしいですね。お願いいたします。

 それでは、以上で私の総括質疑は全て終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

○若林委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了します。

 次に、いでい良輔委員、質疑をどうぞ。

○いでい委員 こんにちは。あともうちょっとで休憩ですから、しばらくおつき合いをいただきたいと思います。

 まず、平成26年度の決算について、自由民主党議員団の立場で総括質疑をさせていただきます。

 議会選出の監査委員であります我が会派の市川みのる委員、また公明党の久保りか委員におまとめをいただきましたこちらの監査の意見書をもとにして質疑をさせていただきたいと思っています。知らない人もいるかと思いますけど、議会選出の監査の仕事ってすごく大変なんですよね。いや、僕はいつもそばで見ているんですけど、毎週水曜日、どんなことがあっても、はってでも出てこなくちゃいけないという、本当に頭が下がる思いです。私たち自由民主党議員団は、数年前から決算の監査委員の仕事についてすごく重きを置いています。そしてまたこの決算議会において、行政が言うのはPDCAサイクルと言いますけれども、僕たちはCAPDサイクルだと。私たちはこの監査の第3回定例会を基準と考えて、来年度予算に向けて物事を進めていきたいなとすごく重要視をしているところでありますので、そういった観点から幾つか質問をさせていただきたいと思っています。よろしくお願いします。いや、本当に監査委員の仕事って大変なんですよ。いやいや、本当にそうなんですよ。数年前から本当に監査の意見といいますか、そういったものが的確にまた行政に反映されてきているなと。それについて議会も本当に動いているなということで感じています。

 まず、その監査委員がまとめていただきました意見の6ページ、持続可能な財政運営を期待してというところであります。平成21年度以来5年ぶりに基準となる一般財源規模を上回るものとなった。これは区の財政にとって転換点を意味するものであり、こうした時期に基準を超過した歳入については基金に着実に積み立てることができなければならないのであると、こうされています。すごい言葉なんですよね、これって。区の財政にとっての転換点。まあ、大きな転換点って今まで何回かあったと思うんですよ。平成9年だったり、平成13年であったり、また平成23年、近年で言えば平成23年の財政非常事態宣言ということが10月にありました。それについては平成22年度決算をもとにして、平成23年の10月に区長が財政非常事態宣言を発令といいますか、出されたわけでありますけれども、その根拠についてお答えください。

○黒田政策室副参事(予算担当) 非常事態宣言の根拠ということでございますが、リーマンショック以降、区民税、特別区交付金などの収入の見通しが悪く、また、平成23年は東日本大震災の影響によりまして、新たな経済不況につながっているというような状況がございました。回復の見通しが明らかでないことから、こういった状況を捉えて、財政運営上の非常事態としたものでございます。

○いでい委員 当時は本当に東日本大震災のことがあったり、またリーマンショックに続く世界的な不景気、日本ではデフレスパイラルと言われていた真っ最中のときでありましたから、そういった判断を下されたのも当然かな、こう思っていますし、それについて、私たちも事業の見直しですとか、いろんな行政サービスについて見直しを進めてきた。それについては多くの区民の方からも御理解もいただきましたし、御批判もいただいてきたところであるなと、こう思っています。では、現在、平成26年度の財政状況が悪化していたからこその財政的な非常事態宣言が発令されていた。平成26年度決算については実質単年度収支、黒字となっておりますけれども、それについて、私は非常事態宣言を出した根拠が崩れているのではないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 財政の非常事態といった状況ではないというふうに考えております。今後さまざまな制度改正や、また、景気の下押し感があることから考えますと、経済状況等は注視が必要な状況というふうにも考えております。

○いでい委員 今、最後のほうはよくわからなかったんですけど、例えば新宿区、平成14年に財政非常事態宣言を以前出されていたものを解除されています。その新宿区が財政非常事態宣言を解除した要因は何だったのか御存じですか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 新宿区におきましては、単年度の実質収支がおおむね4年連続で黒字に転換したというようなことをもって解除となったというふうに聞いております。

○いでい委員 中野区は実質単年度収支、ことしは黒字というふうになっていますので、新宿が財政非常事態宣言を解除したということについて、私たちも、中野区でもそのことについてやっぱり考えていかなくちゃいけないなと思っています。中野区は今、基本構想の見直しだったり、また、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の策定中でありますし、施設の再配置だとか、小・中学校の再編のことも含めて、新体育館、新庁舎、さまざまな計画がめじろ押しなんですよ。その中で、財政非常事態という宣言を打っていく中でこれを進めていこうとすると、私はやっぱり無理が生じてくるのかな、また、計画自体が萎縮したり、縮小していく可能性というのもあるのかなと思っています。これを進めていくには安定的な財政基盤がなければ前に進めていくことはできないと、こう思っていますけれども、その点について、もう一度答弁をしていただきたいと思います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 新宿区の例によりますと、単年度収支が黒字でございますので、財政状況が非常事態だという状況とは言えないというふうに再度考えているということを申し上げます。また、財政非常事態宣言を解除しないままでは、計画等は縮小されるのではないかという御懸念でございますが、それに向けた数値目標等になりますと、現在、基準となる一般財源を672億円としておりまして、当面はこれを堅持することで、財務規律を持った財政運営を行っていきたいというふうに考えております。計画につきましては、必要な整備経費などについてはしっかりと計上しまして、計画的な対応を図るとともに、委員御指摘ございましたけれども、区政運営が安定持続できる財政運営を行いたいというふうに考えております。

○いでい委員 僕が尊敬してやまない公明党の平山英明委員が、きのう総括質疑の中で同様な質問に触れられていました。そういった平山委員の質疑もあって、今、私の質疑もあって、今、行政から財政非常事態宣言を解除する、こういった答弁をいただきました。そのように受け取っていいんですよね。

○黒田政策室副参事(予算担当) 財政運営上の非常事態ではないという状況であるというふうに認識をしておりまして、解除というようなことをはっきり求められるということでありましたら、今後、庁内の中で議論をしつつ、来年度の予算等についてお示ししたいというふうに考えております。

○いでい委員 まあ、今ここですぐに区長に答弁してくださいというのもかわいそうな話でもありますから、私たちは一応、財政の非常事態ではない、財政上の非常事態ではないという認識の上でこれから物事を前に進めていかなくちゃいけないなと思っています。

 今、財政が非常事態ではないというお話がありましたけれども、以前、平成23年に財政非常事態宣言を行った後、それぞれ事業の見直しを行っていきました。近年で言いますと、10%の予算編成におけるシーリングをかけたり、平成26年度予算については5%のカットということが起きていましたけれども、私は、必要な政策については予算はやっぱりつけていくべきだし、刻々と変わっていく区民の皆さんのライフスタイル、こういったものもすごく重要視しています。ですけど、不要になったものについては、勇気を持ってノーと言ってやめていくのも必要だと思いますけれども、今ここで中野区が勇気を持って財政非常事態宣言について、不要な、区民の皆さんの不安をあおるようなことはやめましょう、そういった答弁がありましたので、改めて事業の見直しについて、もう一度見直しをしていくのか、また、そういった視点を持ちながら来年度の予算編成をしていくんだろうと思いますけど、その点、いかがですか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 個別の事業につきまして、それぞれの対応を図っているところでございまして、予算シーリングにつきましては、現在、基準となる一般財源をもって、またそれに対応する一般財源の充当事業、そちらがその枠の中に入っていないという中では、投資的な経費を予算で計上していくという中でシーリングは必要だ、一定程度のシーリングはまた必要だというふうに今のところは考えております。また、執行管理方法の配当保留のことについてもおっしゃっていたと思いますが、それにつきましては、委託料等は契約時におきましてその金額を担保しておかないと契約できませんので、今現在行っているのは一般需用費ですとか役務費、いわゆるコピー代とか小破修繕、電信通信費等でございます。こちらにつきましては、それぞれの所管におきまして執行の工夫を図るということは可能な事業だというふうに考えておりますので、5%の配当保留についても続けてまいりたいというふうに考えております。(「契約落差もあるでしょう」と呼ぶ者あり)

○いでい委員 そうなんですよね。契約落差にもいろいろあって、例えば、工事だとかそういったことについては、契約落差を予算担当としてももともと織り込み済みじゃないか、見込んでいるんじゃないかという考え方もあったり、また、システムの調達のことにすると、こんなに契約落差が出ちゃうのみたいな、そんなのもあったりとかして、なかなか見込めない部分があると思います。そういったものについても、予算編成上どんどん、契約落差も何でもかんでも、中野区の財政をよくするためにこうするんだ、こうするんだというのがちょっと見え隠れし過ぎているのかなと思っていますので、まあ、見え過ぎじゃないかということもありますし、そこら辺、もうちょっとわかりやすくやっていただきたいなと思っています。

 この監査委員の意見の中でも、今一番大切なのは、どうしてこんなことが起きたのかというと、やっぱり一般財源が8.1%ふえたこと、これが今まで、近年経験したことのない伸び率であると、こういうふうにしています。この一般財源の増が平成26年度決算の財政指標に大きく影響しており、実質収支比率、経常収支比率及び公債費負担比率の改善の要因となっている、こういった形になっています。一般財源をどうやってふやしていくのか。やっぱりそれは多くの担税力のある区民の皆さんが中野区に一度住んだら、このままずっと住み続けたい、こういったまちであり続けなければならない。今後、人口減少時代がやってくる中で、私はやっぱり自治体間競争、どれだけいいコンテンツを自治体が抱えているのか、そしてまた未来に対するビジョン、先見性を持っていたり、そのポテンシャルを引き出す能力が自治体になければ、私は今のこの行政サービスを行っている一般財源規模、また崩していかなければならないし、そうすると、多くの区民の皆さんに今まで続けてきた行政サービスがまたさらになくなっていく可能性も多く含んでいると思っているんですよ。ですから、今、中野区が区長を先頭に職員全員の皆さんが当たっている不断の努力で、今、財政状況が好転していきました。そのことについては私たちも賛成もしていますし、最大限の評価をしています。ですけど、じゃあ、この後どうしていくのか、このお金をどういうふうに使っていくのかというのはこれから求められていくと思います。その点について、いかがでしょう。

○黒田政策室副参事(予算担当) 安心・安全なまちづくりを含めまして、社会保障等の課題も今後出てまいりますので、区民の方が中野区に安心して住める。また中野区に住み、中野区に住んでみたいといったような方が出てくるような魅力ある施策を打ち出していくための予算編成を、支えるための予算編成を行っていきたいというふうに考えております。

○いでい委員 予算担当のほうからそういった力強い言葉が出たということは大変にありがたい話なので、これで一旦休憩を挟むことができるかなと思っています。ありがとうございます。

○若林委員長 いでい委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。

午前11時58分休憩

 

午後1時00分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。いでい委員、質疑をどうぞ。

○いでい委員 午後も引き続きよろしくお願いいたします。

 先ほど午前中の質疑の中で、財政が好転してきました、こういった話がありました。それには区長を中心に区役所全体の不断の努力があったと私も申し上げましたけれども、それには大きく2,000人体制というところもその一因ではないかと、私たちはそのように考えております。2,000人体制、今まで3,000人以上いたときもあった。しかし、そのときは行政の仕事等、民間にできる仕事は民間に、そういった考え方がなかったので、まあ、あったんでしょうけど、なかなか進んでいなかった。その理解があまり世間にもなかった。それをどんどん取り入れていった結果、こういった事業の効率化、また職員の合理的な配置、こういったことが行われたのかなと思っています。同時に、今まで区が職員の皆さんが行っていたこと、それを地域の、強いて言うならば町会にお願いしていることは多々あるんじゃないかなと思います。そのことについて質問をさせていただきたいと思うんですけれども、私たちが考えているのは、中野区の、行政のやる仕事を今、区民の皆さんとの地域との協働という形で町会連合会並びに各単位町会にお願いしていることが多々あるんですね。そのことについて、仮に、もしそれを今までどおり区の職員の方が行っていたとしたら何人なのか、また、それを時間で換算すると何時間になって、それをコストということで考えていけば、一体、区の財政における財政効果、それはどれぐらいのものになるのかという認識についてお伺いしたいと思います。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 適切な役割分担のもと、地域の主体的な動きの中で地域の課題を解決していくということで、その姿が理想の状態かというふうに認識しているところでございますが、区が担っていた仕事について、それがどれだけの仕事量で、時間換算、また金銭換算というところにつきましては、現在のところ算出困難であり、把握ができてございません。

○いでい委員 その、今言われてもわかりませんとか、困難であるとか、換算できません、お金に換算できません、どれぐらい価値の高いものである。そういうところはわかりますけれども、区民の皆さんに行政の仕事をやってもらっている。特に町会、今なくしては、区が行っている区政運営について、前に進まないことがたくさんあると思うんですよ。そういった認識がやっぱり御担当の髙橋副参事、私は欠けているんじゃないかなと思っています。もちろん地域の単位町会の皆さんも、このまちのために私たちができることは何でもやりますよ。生きがいとかプライドを持ってそのことについて取り組んでいただいている。それは非常にありがたいことではあるんですけど、今、これから少子高齢化の時代がやってきている。だけど、これだけ高齢者の方々が多くなっていても、友愛クラブ連合会、中野区の高齢者、老人会連合会の皆さんからは、老人会のメンバーが少なくなっている、こういった声が聞こえてくるんですよ。それはやっぱり地域としての担い手、60歳、また65歳になったら、働きに出ている方も地域に戻ってきてくれて、町会の活動に、地域のコミュニティの運動に参加してくれるだろうという考えが今まであったと思うんですけど、実際それはもう機能していかなくなると私たちは考えています。それと同時に、行政が行っていることについて、それぞれの町会の皆さんに、これお願いしますよ、これもやってください、あれもやってください、これもやってください。これ、続けば続くほど、町会としてももう担い手がいなくなってくるんじゃないか。そういった懸念があるから伺っているんですよ。

 私は行政の皆さんが、今、お金に換算することはできませんよ、時間に換算することはできません、そういったことですけど、私たちからすると、単位町会に助成金は出していますよ。町会連合会に区役所の中に部屋をつくっていますよ。それだけやっていたらいいんじゃないか、そんなふうにも感じるんですけど、この点どうなの。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) コスト意識というところでは、残念ながらそこまでの検討はできていないところ、足らないところと認識してございますが、状況としては、金銭に置きかえがたい熱意、使命感を持って町会にかかわる方々が仕事をしてくださっていることは十分に認識しているところでございます。持続可能な町会・自治会活動、これを維持していくためにどういった支援をしていくか。それが従来型の助成というところで、その延長でいいのか、あるいは、その能力の部分をうまく補う形がいいのか、そこについては、お声を聞きながら真剣に考えて向き合っていきたいというふうに認識してございます。

○いでい委員 じゃあ、その真剣に向き合っていく、具体的なお考えを聞かせてください。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) まず、先日の伊東委員のお話にもありましたが、社会状況的には就労という期間が長くなってきます。地域の中で、これまで期待していた年齢層での参加というのは難しくなる中で、一方で年金なども今後生活するに足らない方々も多くなる。そういった方々も含めて地域に参加しやすい環境づくり、これをいかに進めていくかというところがかなめになってくるのかなというふうに認識してございます。そういったことも含めて、総合的に検討し、対策を立てていく必要があると考えてございます。

○いでい委員 今の答弁の中でも、具体的にということで今私は申し上げましたけれど、例えば、ことしから町会連合会の方々はそれぞれの町会の活性化について特別な委員会を設置して、それについて検討を始めました。私、町会と一口に言っても、100を超えるそれぞれの地縁の町会・自治会があるわけで、その構成人数も違えば面積も違えば、世帯の数も全然変わって、規模までも全然違うんですよ。ですから、一律に活性化のことについて、そういった助成をすれば数がふえるんじゃないか。数がふえたから、こんな地域のコミュニティの活動がもっと活発になるんじゃないか、そういったことを一概にやってくださいとは申し上げません。ですけど、それぞれの地域地域によって抱えている課題ってすごく違うんですよ。見てもらうとわかるとおり、うちの議員団でも町会長をやりながら区議会議員を――どっちかな。区議会議員をやりながら町会長をやっている方もいますけど。地元に帰れば、これだけまちのために汗をかいたり、これだけ区政のことについて力を尽くしていても、区議会議員が町会長をやるなんてとんでもないと言う人もいるんですよ、実際に。やっぱりいろんな人たちが見る目があれば、私たちも、区としても、それぞれの単位町会をそれぞれ応援していかなきゃいけないし、それをすべからく統合して、みんなで前へ進めていく町会連合会の皆さんの理解を得ることがまず一番なのかなと思っています。

 今、町会連合会の皆さんが懸念されていることの一つとして、新庁舎のことが、この間、政策懇談会の中で挙げられていましたけれども、新しい庁舎になったときに、私たちが活動するスペースというか、そういった部屋みたいなものがもらえたら、さらにいろんな活動が前に進められるんだけど、どうなのかな、そんなことを言っていましたけど、そのことについてどのようなお考えですか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 町会を束ねる、また、さまざまな活動をしていらっしゃる町会連合会が活動しやすい環境の確保というのは区としても必要だというふうに認識してございますし、新区役所の中でもそういったスペースを十分に確保し、活動がしやすくなるように検討してまいりたいと考えてございます。

○いでい委員 そうなると、結構先の話にもなるんですけれども、スペースがあっても、今まで23区の中で中野区だけらしいんですよ。職員の方が町会連合会の担当者みたいな形でいないのは中野区だけらしいんですよね。それぞれ庁舎の中でちゃんとした人的配置がされているんですって。そのことについて、今やっぱり私たちは必要性という形で求めていきたいと思っていますけども、それについてはどのようなお考えですか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 現在、町会連合会さんは事務員さんを雇われて事務的なことをやっていらっしゃいます。我々職員の側も実際に担当者を設けておりまして、そのお手伝いをしているところでございますが、その関係がより町会連合会が活動しやすい形、そういった具体的な御提案があれば検討してまいりたいと思いますし、基本的には町会連合会の自主的な活動ということが基本になるかと思いますので、区は適切に関与しながらお手伝いするのが適切なのかなというふうに思ってございます。

○いでい委員 わかりました。期待しながら推移を見届けていきたいと思いますし、私たちも事あるごとに発言をし続けていかなくちゃいけないかなと思っています。うちの議員団は大内幹事長の方針として、町会のことについてはこの身のことと思って取り組んでいく、こういった方針を打ち出していますので、髙橋さんもそれをよくわかっていると思いますけど、ぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。結構です。

 通告にはありませんけど、先ほどの我が会派の中からも、また同僚議員の中からもさまざま質疑がありました、マイナンバー制度について少し触れさせていただきたいと思います。マイナンバー制度、それぞれ通知カードが10月初旬から送られてきて、来年の1月からそれを引きかえといいますか、正式なカードを交付していくことが始まっていくみたいな形で進んでいくと思うんですけれども、今いろんなところで懸念されている情報の中では、1億3,000万人弱いる国民の中で、いろんな状況によって、通知カードをまず受け取ることができないんじゃないか、または付番されていることについて、どうやってそれをとっていったらいいのか。それについて、約3,000万人の方がこの通知カードが届かないんじゃないかというふうに言われていますけれども、そのことについて、どなたかお答えいただけますか。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) 通知カードは、住民票の住所に送付がされるんですけれども、返戻された場合には個々に連絡、例えば返戻された中には、転送ができないものですから、転送の届けを出している場合などに返戻されるようなことが考えられます。そうした場合には、個別に、転送が可能なはがきで連絡をとるなどして、個々にちゃんと届くような対応を図ってまいります。

○いでい委員 それは役所が持っている正規な手続の仕方というわけですけれども、やっぱり100人いれば100人の生活があって、それぞれ中野区民の皆さんもそうでしょう。中野区内に住民票をお持ちでも、いろんな事情もあって違う施設に入っていたりとか、または中野区に住んでいるけれども、住民票はまだ移していないよという学生さんたちがいたり、また、いろんな事情によってその通知のカードを受け取れない場合があると思いますよ。それについては、もちろん国がやるからいいんだという話になるかとは思いますけど、結局それを行っていくのは、窓口業務でやらなきゃいけないのは中野区役所であるわけで、そこら辺について、その体制についてどのように準備をされているのかな。いかがですか。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) 特に施設入所の方の場合などが問題になるかと思うんですけれども、関係する福祉の所管などと連携をとりながら施設入所者の把握をして、そこに可能な限り病院や施設などを通じて受け取れるような体制がとれないかということを、庁内で連携して進めていきたいというふうに考えてございます。

○いでい委員 そうなると、後ろのほうでざわざわしていますけど、マイナンバー制度のことについては、私たちも、10月から通知カードが送られてきました。区民の皆さんの中に、これはどうしたらいいんですか、これはどうしたらいいんでしょうか、これはどうすればいいのか、私のところに来ていますよ、来ていませんよ、いろんな話が来ると思うんですよ。やっぱり私たちも区民の皆さんに対して説明は果たしていきたいし、行政が行っていることにも協力もしていきたいし、うまくやっていきたいという思いがありますので、新たな情報だとか対応だとか、そういったいきさつがあれば、ぜひ議会には御報告をいただきたいと思っています。これは要望です。

 マイナンバー制度が交付されていきますと、国民の皆さん、例えば社会保障費ですとか、税金のことですとか、またはそれぞれがお持ちの個人情報、そういったことがお薬の情報なんかもそうなんですけど、いろいろ統合されていく。それが税の公平・不公平の是正にもつながっていくんじゃないか、または無駄に行政が出しているお金があるんじゃないか、さまざまなことで利点があると思いますけれども、その中での一番の私たちが望むものというのは、中野区独自、自治体それぞれ独自が持つ情報をそのカードの中に入れられるというふうに聞いているんですけれども、その中で中野区はどのようなことを行っていこうと思っているんですか。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) カードの空き活用としましては、印鑑登録証ですとか図書カード、国民健康保険証などの機能をICチップの中に入れるといったことが可能性として考えられるものでございます。国民健康保険証を中に入れることについて、国のほうで検討中という状況でして、図書カードや印鑑登録証については、ちょうどその入れかえる時期等もございますので、費用対効果等考えながら、今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○いでい委員 住基カードは、これから来年1月にマイナンバーカードが交付されると、あと3年で中野区の住民基本カードは効力を失うということですか。

○白土区民サービス管理部長 住基カードは10年間有効でございますけれども、個人番号カードの交付、これを行った場合には引きかえということで、住民基本台帳カードと個人番号カード、両方を持つことはできないということでございます。個人番号カードの交付を受けた場合には、それと引きかえになりますので、住民基本台帳カードはそのときに回収するということでございます。

○いでい委員 それは有料か無料かということなんですけど、どうなんですか。

○白土区民サービス管理部長 個人番号カードの発行につきまして、初回の発行、これについては無料でございますけれども、再度の発行、紛失等で再発行といった場合には有料ということでございます。

○いでい委員 どうもありがとうございました。以上で私の総括質疑を終わります。ありがとうございました。

○若林委員長 以上でいでい良輔委員の質疑を終了します。

委員会を休憩します。

午後1時20分休憩

 

午後1時20分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

 ただいま傍聴者の希望が15人を超えましたが、これを許可することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。

 傍聴者の方へのお願いですが、本日、多数の方が傍聴にお見えになっておりますので、席を譲り合って傍聴していただくようお願い申し上げます。

 次に、むとう有子委員、質疑をどうぞ。

○むとう委員 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。持ち時間は30分です。機敏な行動と1分以内での簡潔明瞭な御答弁に御協力をぜひお願いいたします。

 2014年度一般会計歳入総額は過去最高額の約1,324億円でした。特別区民税は納税義務者数3,692人の増加により、約19億円の増額となりました。納税者1人当たりの所得額は3万8,000円上がったとはいえ、23区平均416万9,000円より40万8,000円も低い376万1,000円です。この年収額を見ても、区民の暮らしに景気回復の実感は得られません。消費税も増税となり、苦しい生活の中から納められている税金ですから、区は一円たりとも無駄にはできないとの強い意思を持っていただきたいと願っています。

 では、補償補填及び賠償金についてお尋ねいたします。

 2011年度決算の会計管理費の補償補填及び賠償金1万円の支出について質問した際、出納管理窓口で1万円の不明金が生じ、調査したが、事実確認ができなかった。不明金を生じさせたことは反省しているが、その後の処理は適正に行ったと、当時の会計室長が胸を張って答弁されました。翌2012年度決算において、地域活動費の補償補?及び賠償金1万円の支出について質問した際、つり銭が1万円不足し、探したが発見できなかった。再発防止策として複数の職員で二重チェックをすることにしたと当時の北部すこやか福祉センター副参事がすまなそうに答弁されました。幸い、2013年度の決算においては、このような不明金は発生せず、再発防止策が全庁的に行われているものと思っていました。2014年度は監査意見書の中に、区民の信頼を損なう不明金事故として意見が明記されました。この不明金は決算書の137ページ、生活保護費の補償補填及び賠償金2万円の支出のことでした。ほかの議員の質疑により、再発防止策がとられたということですので、しっかり取り組んでいただくということで、この件の質問は割愛いたします。

 決算書146ページ、道路管理費で補償補?及び賠償金45万3,420円が支出されています。賠償金を支払わなければならなくなった原因は、区管理の水路上に植えられていた樹木を所有者に無断で移植し、樹木が枯れてしまったことへの損害賠償と理解しておりますが、間違いないでしょうか。そして、この事件にかかわった職員2人が一月10分の1の減給処分を受けたということで間違いないでしょうか。端的にお答えください。

○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 本件につきましては、職員の誤認により生じました損害賠償でございます。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 本件につきましては、ただいま委員の御質疑もございましたように、懲戒分限審査委員会の審査の結果を受けまして処分をいたしました。

○むとう委員 無断で移植せず、所有者と話し合いをしていれば賠償金の支出をせずに解決できたかもしれません。おもてなしどころか、常識的な対応をしていれば防げた支出だったということを指摘させていただきます。

 さらに皆さんの記憶に新しいところでは、2015年度の決算の補償補?及び賠償金に出てくる支出ですが、ことし6月、担当職員の異動に伴い、後任職員への引き継ぎが不十分で、本来は地方公務員災害補償基金から支払われるべき公務災害にかかわるお金が、請求期間に間に合わず基金から支払われず、区が239万7,900円を損害賠償金として支払う事件が発生しました。あきれることに、職員の管理育成を担当する人事分野での不適正な事務処理による事件でした。職員懲戒分限審査委員会に付す案件と思われますが、この事件にかかわった職員の責任は問われたのでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 本件は、和解、賠償金の支払いが終了いたしまして解決ができましたので、対応について検討しているところでございます。

○むとう委員 職員の懲戒分限審査委員会に付すべきことと思いますが、それはどうなるんでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) そのことも含めまして、現在検討しているところでございます。

○むとう委員 きちんと適正に処理されていれば、239万7,900円の損害賠償金を支払う必要がなかったお金ですから、しっかり責任をとっていただきたいというふうに思っています。適正に処理し、無駄な支出が発生しないよう、事務能力の向上に向けた新たな取り組みは行われているのでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 本件につきましては、事故発覚時より事務処理方法を見直しまして、統括管理者による定期的な進捗状況の確認及び決裁を導入したところでございます。また、マニュアルを整備徹底いたしまして、引き継ぎが適正に行われるような仕組みとしてございます。

○むとう委員 現金の不明金事故を契機に、現金を取り扱う部署だけではなく、事務処理の不適正による賠償金の支出も発生しないよう、事務処理能力の向上についても全庁的に取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。

 14日の一般質問において、私の質問の範囲を超えて、区長が十分過ぎる御答弁をしてくださったことで時間切れとなり、御答弁いただけなかったお泊まりデイサービスについて再度お尋ねいたします。

 3月17日現在、中野区内19カ所のデイサービス事業所が介護保険の対象外の自主事業として宿泊サービスを実施しています。あくまでもデイサービスの事業所ですから、宿泊専用の部屋もなく、夜間の職員数や防火設備が不十分な中で、火災の際に自力で避難が困難な高齢者が多く利用している実態が依然課題となっています。劣悪な状況改善に向け、東京都は独自の基準及び届け出公表制度を2011年5月から施行していましたが、ことし4月に国が指針を定めたことを受け、6月、東京都の基準が改正されました。しかし、依然介護保険外の基準にすぎず、罰則規定がなく、抜き打ち調査もないため、基準を遵守しない事業所が存在しています。中野区内の事業所の中にも、男女の別もなく、パーティションもなく雑魚寝状態、基準を超える宿泊者数などの実態があると聞き及んでいます。介護保険外の民民契約とはいえ、放置してよいはずはありません。2011年第1回定例会での私の質疑に対して、都と消防庁が調査する際に区も立ち会い、実態把握に努めるとの御答弁でしたが、お泊まりデイの立入調査の実績はあるのでしょうか。簡潔にお答えください。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) お泊まりデイサービスを含め、施設開設後のサービス提供の実態を把握するために東京都の立入調査に区が同行する形で行っております。立入調査件数は9件でございます。

○むとう委員 それは、お泊まりデイのところにきちんとその時間帯に調査したんでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) お泊まりデイを実施している通所介護施設に日中行きました。確認の内容につきましては、実際にサービスを提供していたときの記録等を確認いたしまして、基準に沿った形で運営をしているかどうかという確認を行っております。

○むとう委員 実際にお泊まりデイを行っている時間帯のその場所に行ってみないと、実態というのはなかなか把握できないということを指摘しておきます。必要な介護を把握して、生活全体を支えるケアプランにはお泊まりデイが記載されているはずですので、利用人数の把握は可能かと思います。2014年度の利用人数は把握しているのでしょうか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) ケアプランは介護保険サービスに限定せず、フォーマル、インフォーマルのプランニングということでございますので、お泊まりデイサービスを利用する場合についてもケアプランに記載されるべき性質のものでございます。区としても今後、ケアマネジメントの向上のため、ケアプランの点検に取り組んでいく考えでございますが、現時点ではお泊まりデイの利用状況は把握してございません。

○むとう委員 そういたしますと、今後はしっかり把握することに努力していただけるということでよろしいですか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) ケアマネジメントの向上という観点で取り組んでまいりますが、お泊まりデイということに特化した取り組みではございません。

○むとう委員 特化しなくてもしっかり把握するよう努力していただきたいと思います。区の責務である物言えぬ高齢者の人権と尊厳を守るため、高齢者虐待防止の観点、ケアプランのチェック、地域包括支援センターの協力を得るなど、あらゆる角度からの実態把握と改善策を強く求めます。区の見解をお答えください。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) お泊まりデイサービスにつきましては、ケアマネジャー等の事業者からも情報提供を受けて実態把握に努めているところでございます。都が6月に改定いたしました指定通所介護事業所等で提供する宿泊サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準に従って対応することで、区といたしましても実態を把握してサービスの適正化に努めたいと考えております。

○むとう委員 実態を把握してという御答弁が引き出せたので、よかったと思っています。高齢者施設での死亡事故や虐待が報道されています。未然に防ぐ努力をしていただきたいと願って、次の質問に移ります。

 小・中学校の施設開放について。とりわけ小学校の校庭の遊び場開放についてお尋ねいたします。

 主要施策の成果(別冊)151ページ、小・中学生の学力調査も体力テストも目標値を達成できず、停滞、むしろ下降しています。健康な体があってこその学力ですので、まずは体力をつけていくことが重要です。体育の授業だけではなく、楽しく遊びを通しての体力づくりも大切にしていただきたいと願っています。ボール投げができる公園をふやすこととあわせて、小学校の校庭の遊び場開放の有効活用を図るべきと考えます。

 子ども文教資料58によれば、2014年度は延べ9万3,630人もの児童が利用しています。遊び場として校庭を開放する以上、遊び道具の購入や修理に取り組んでいただきたいものです。遊び道具としては、一輪車、竹馬、ボールなどが用意されています。遊び場開放は平日は校務主事が管理し、学校休業日は委託会社から派遣されている管理員の方が管理していますが、遊び道具の点検管理や買いかえ、あるいは修理の手配は誰の責務で行われているのでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 遊び場開放の遊具の点検管理についてですけれども、遊び場開放の遊具につきましては、各学校で点検を行っております。遊具に修理等必要な場合につきましては、随時教育委員会事務局のほうに連絡をいただきまして、教育委員会事務局の経費により修理を行っております。また、年に一度、遊具や救急用の薬品、それから、遊び場用の砂の購入希望等の調査を各学校で行っております。

○むとう委員 決算説明書の253ページに記載されている遊び場開放運営事業消耗品等82万5,308円の内訳を御説明ください。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 年に1回購入します遊具、薬品、砂場用の砂、この購入が54万9,994円です。遊具の故障、遊び場開放時に起きたガラス破損等の修理、こういったものが27万5,314円になっております。

○むとう委員 年に1回の購入ということで、ちょっとそれでは足りないのではないかと思うんですけれども、25校で割ると遊び道具の購入費は1校当たり幾らになるんでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 遊具と緊急用の薬品、砂場用の砂の購入合計額で1校当たり2万400円となっております。

○むとう委員 延べ9万人もの児童が利用することを考えれば、1校当たり2万円の予算では少な過ぎるのではないでしょうか。3月、武蔵台小学校の遊び場開放に立ち寄りました。その日は晴天で、お父さん、お母さんの姿もあり、子どもたちが元気に遊んでいました。しかし、まともに弾むボールはなく、空気入れも壊れて使い物にならない状況でした。少しでも弾むボールを子どもたちが探す姿に情けなさを感じました。4月に一部ボールの買いかえはできたようですが、ボール用の空気入れは9月になっても壊れたままだったようです。遊び道具は消耗品ですから、1年に1回の購入ではなく、壊れたらその都度修理し、修理できない道具は購入できるよう、さらに言えば、児童の要望も加味できるよう、次年度に向けて予算額の増額を図るよう強く要望しておきます。

 キッズ・プラザ設置校8校は、キッズ・プラザ運営費で遊び道具が購入されていますが、日曜日は遊び場開放となります。同じ学校でありながら、遊び道具を共有使用できない学校もあると聞き及んでいます。利用する児童にとっては不便なことです。全ての学校において遊び道具の共有使用ができるようにするべきではないでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) キッズ・プラザとは融通しまして遊具を使用できるようにしておりますが、遊具の保管場所が異なる等の理由で、一部融通していない学校もあるようでございます。遊具の使用につきましては、子どもたちの利用の便、これを考えまして、融通できるように調整していきたいというふうに考えております。

○むとう委員 では、お願いいたします。遠く離れた場所に木を植えることも大事なことではありますが、常に弾むボールで子どもたちが楽しく遊べる遊び場開放となることを要望して、次の質問に移ります。

 飼い主のいない猫対策助成についてお尋ねいたします。

 2014年度に地域における愛護動物との共生及び飼い主のいない猫の管理事業助成制度が新設されました。ただし、この助成の対象は町会・自治会のみで、他の団体は対象外です。そもそもこの制度は2007年8月に、やさしさに手をつなごう会から議会に提出された、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術代を助成してくださいとの陳情を受け、1年以上の審査を経て2008年12月に全会一致で採択された陳情がベースとなっています。5年以上予算化されず、やっと2014年度に60万円が計上されました。しかし、助成の対象を町会・自治会に限定したため、陳情を出された自腹で不妊・去勢手術を行っていたボランティア団体は助成を受けられません。助成金申請の手続やガイドラインの中にも飼い主のいない猫の捕獲は大変難しく、捕獲経験のあるボランティアの協力を得ながら不妊・去勢手術を行いますと記載されています。捕獲経験のあるボランティアの方が町会ごとにいらっしゃればよいのですが、そうとは限りません。町会・自治会の方からは、区から防犯パトロールや高齢者の見守り・支えあい等、もう十分に手伝っていて、先ほど来その御説明もありましたけれども、手いっぱいの状況で、さらに猫の問題まで手が回らないとの御意見も聞こえてきています。助成の対象を町会・自治会だけに限定せず、ボランティア団体などにも拡大するべきではないでしょうか。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 飼い主のいない猫につきましては、単なる不妊・去勢手術だけでなく、地域全体の理解と協力のもと、餌やりやふん尿管理、また周辺美化など地域ルールを決め、管理をしていく段階に来ております。このため、地域活動の核となってございます町会・自治会の皆さんに総合的に取り組んでいただく必要がございまして、助成対象としたものでございます。この趣旨から、助成制度では普及啓発資料印刷代であるとか、講演会講師や協力者の謝礼、猫のトイレ等、地域猫として飼養するための備品購入等も助成対象としているところでございます。この活動が効果的なものとなるよう、ボランティア団体の方々もぜひ豊富な経験を生かし町会等と協働していただきたいと思っております。

○むとう委員 町会・自治会を否定しているわけではなくて、そこでやれる町会・自治会はやっていただけたらいいと思うんですけれども、ボランティア団体も割と面的に広がっている団体もありますので、そういったところにも拡大するべきではないかということを再度要求したいと思いますので、再検討していただけたらと思います。

 決算説明書の417ページに、飼い主のいない猫対策助成団体数4団体とありますが、町会名と不妊・去勢手術の実績数をお答えください。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 26年度の助成金により手術した猫の全対数は75匹でございます。交付団体名とそれぞれの手術数の内訳につきましては、申請順に、弥生町五丁目町会、20匹、丸山町会、21匹、江古田一丁目町会、30匹、上ノ原町会、4匹でございました。

○むとう委員 実績を上げられた町会は、運よくボランティアの力を得られたところと伺っております。不妊・去勢手術の助成金の対象となるのは、原則、獣医師会中野支部に加入している協力動物病院19件ですが、2014年度はそれ以外の病院でも可能でした。獣医師会中野支部協力動物病院19件と、それ以外の病院での実施実績数をお答えください。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 当事業におけます協力動物病院は、助成事業開始に伴い制定いたしました衛生的で確実な手術のための実施基準を満たしていることを、あらかじめ公益社団法人東京都獣医師会中野支部に依頼し確認している動物病院でございまして、原則的にはこの協力動物病院に依頼し、手術を行うことになってございました。26年度は実際に協力動物病院で行われた手術は6匹、それ以外で行われた手術は、区外の施設を含め69匹でございました。

○むとう委員 獣医師会中野支部の協力病院ももちろんしっかりしているわけですけれども、それ以外の病院であっても衛生的に――病院ですからね。衛生管理が悪いなんていうところは私の耳には一件も入っておりません。6匹と圧倒的に実績の少ない獣医師会中野支部協力動物病院は、区との取り決めで雄が1万円、雌が2万円ですが、それ以外の病院69匹中51匹の手術を行ってくださったM動物病院は、雄が4,000円、雌が5,000円です。その料金の中に、手術前夜から手術翌日までの預かり料、麻酔、ノミ・ダニ駆除薬塗布、耳先カット、術前の抗生剤注射、三種混合ワクチンの接種も含まれています。M動物病院の院長は、東京都の動物愛護推進員をなさっており、犬猫の殺処分ゼロを目指し、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術に積極的に協力してくださっています。圧倒的にM動物病院が選ばれている理由は、値段がお安いだけではなく、飼い主のいない猫、つまり野良猫の習性を理解されており、術後1日で野外での暮らしに帰れるよう切り口を小さくするなど、技術力が高く評価されているからです。野良猫をふやさないために、雌であれば同じ2万円で1匹より4匹の不妊手術ができることのほうが有効であり、助成金の使い方においても有効です。ところが、今年度からは実質獣医師会中野支部に加入している――件数が減っているんですけれども、15カ所の協力動物病院だけを助成金の対象とし、これまで不妊・去勢手術に一番貢献されていた病院が対象外になってしまいました。納得できないと、ボランティア団体から不満の声が上がっています。獣医師会中野支部協力動物病院を原則としつつも、他の病院も助成の対象となるよう病院選択の自由度を広げるべきではないでしょうか。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 先ほど申し上げましたとおり、この助成制度は、地域における動物愛護精神の普及や適正飼養を今後区内全域において広めていこうとするものでございまして、そのためには安全・衛生的な手術の確保はもちろん、町会・自治会の行う地域の動物愛護精神普及活動推進に対して、適宜適切な支援、アドバイスを受けられる環境整備を行っていく必要がございます。東京都獣医師会中野支部は、これまでも区内における動物愛護精神普及事業を区とともに推進している公益社団法人でございまして、この助成制度においても区と十分協議し、地域と一体となった地域猫の取り組みに合意したものでございます。動物愛護精神を区内全域に広めていく助成事業のスキームとして、協力動物病院の考え方を変えるつもりはございません。

○むとう委員 先ほど実績を聞きましたけれども、弥生町、20匹、丸山、21匹、江古田一丁目、30匹、上ノ原、4匹ということで、これは町会がやっているわけですけれども、この中の6匹だけが協力動物病院なわけです。ですから、助成をもらっている町会も、ここ以外の病院を選んでいるということになるわけですよね。ですから、それ以外の病院であっても、衛生的に不備があるとか、技術力が劣っているとか、そういうことではないわけでして、猫って1回でたくさん産みますよね。ですから、本当に早くボランティアの力をかりて不妊・去勢手術をしていかないと、どんどん飼い主のいない不幸な猫が生み出されていってしまうわけです。これはある意味、時間との戦いでもあるわけなんですけれども、そういった意味からも、今年度の実績の数字はまだ出ていないわけですけれども、前年度の実績を見ても、町会・自治会さんでも協力病院以外のところで手術を受けているという現実があるわけですから、その実績をしっかり考慮せず、病院選択の自由度を広げる考えはないというのは、もういかがなものかと思うんですけれども、この実績を踏まえて、再度、端的にもう一度聞きたいんですけれども、どうでしょうか。

○浅川環境部副参事(生活環境担当) 区では、動物愛護精神の区内全面的な普及を推進していくものでございまして、これについて獣医師会等、町会等とも協力してやっていくということでスキームをつくって取り組んでいるところでございます。

○むとう委員 それはわかったんですけど、それを否定しているわけじゃなくて、町会・自治会、獣医師会の協力というのも必要ですから、それはそれでやっていただくとして、それ以外の部分だって、中野にはいろんな区民がいらっしゃいますし、町会・自治会さんもなかなか加入してくれる会員が少ないということがお悩みの種ですし、お仕事もいっぱい区から請け負ってとても大変だという声も聞こえてきているわけですから、動物愛護精神で飼い主のいない猫を何とか減らしていきたいと思って自発的に活動している団体をボイコットする必要はないのではないかと思うんですね。そういった団体も面的な広がりを持ってきております。そして、この不妊・去勢手術の実績を見ましても、自治体の協力病院ではないところを選ばれているわけです。先ほどのお金の有効利用という点からも、例えば雌が、割り算しやすいので、先ほども言いましたけれども、同じ2万円で1匹というよりも、同じ2万円で4匹できるということは、税金の使い方からしてもこれは有効な手だてだと思うので、そこの病院をあえて排除するようなことがあってはならないと思うんですね。

 今回、区がつくっている今年度の説明には、どうしても協力動物病院で手術ができない特別な理由がある場合は、必ず事前に町会から保健所へ御連絡くださいというこのただし書きが2015年度には入っていて、2014年度と違うんですね。結局、どうしてもできないという特別な理由というのは一体何なのかわかりませんけれども、こういうことで、実際今年度は協力動物病院のみという原則、そうなってしまっているわけです。これでは、2014年度の実績を見ても、なかなか不妊・去勢手術が進んでいかないということになってしまうということを十分区は考えていくべきではないでしょうか。決して町会・自治会の協力を得るなということではなくて、もちろん得ていきたい。いろんな方の協力を得て、本当に殺処分ゼロを目指していきたいというふうに思っておりますし、飼い主のいない猫をこれ以上、本当に不幸な猫を生み出してはいけない。そしてまた、猫嫌いな人にとっても、ふん尿の問題とか、中野区の至るところで問題化しております。そういったことを早く解決していくためには、助成の対象を限定せずに広げていく必要もありますし。実際問題、野良猫に本当にたけている病院は、野良猫の習性をしっかり把握して、きちんと手術ができていて、先ほど例に挙げました、2014年度に51匹も手術を行ってくれたM病院は本当に評判も高く、技術力もあって、実は、保健所にどこかお安くやってくれるところを紹介してくれませんかと電話をすると、M病院を紹介しているということも聞いております。長い年月を経て、やっと実施された助成金制度が町会・自治会のみ、手術も獣医師会中野支部協力動物病院のみと限定する使い勝手の悪い窮屈な制度となっていることは大変に問題です。改善を強く求めます。これは要望です。

 以上で全ての質問を終わります。ありがとうございました。

○若林委員長 傍聴の方、静粛にお願いします。

 以上でむとう委員の質疑を終了します。

 次に、近藤さえ子委員、質疑をどうぞ。

○近藤委員 無所属の近藤さえ子です。区民の皆様のために日々御尽力いただいている皆様、ありがとうございます。質問を1番と2番を入れかえてさせていただきます。

 まず、中野区スポーツ・コミュニティプラザについて。

 中部スポーツ・コミュニティプラザは、当時、(仮称)中部地域スポーツクラブという名前で仲町小学校跡地に中部すこやか福祉センター、地域包括支援センター、仲町就労支援事業所、相談支援事業所とともに、築39年の校舎を8億円かけてスーパーリフォームした地域密着型複合施設の中に整備されました。仲町小学校が閉校になったのが平成20年3月、中部すこやか福祉センターが開設されたのが平成20年7月です。(仮称)中部地域スポーツ施設が3年間のモデル事業を終えて、中部スポーツ・コミュニティプラザとして正式に開設の運びとなったのは、ことしの3月です。この質問は午前中の高橋委員の質問とちょっと重なりますので、御了承ください。

 なぜ中部スポーツ・コミュニティプラザは仲町小学校閉校から7年、他の施設から5年もおくれて開設されたのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 平成20年3月の仲町小学校の閉校後、同年4月に中野区の地域スポーツクラブ構想を策定いたしまして、その構想に基づいて、翌21年12月に中野区地域スポーツクラブ設立基本計画を策定したものでございます。同計画に基づきました運営主体の設立に当たって、平成22年5月に設立準備委員会を設置いたしまして、さまざまな検討を行い、平成23年3月に中野区地域スポーツクラブが設立されたものでございます。その後、中野区地域スポーツクラブが施設を運営していくための検討を重ねていく中で、本格実施に先立ってモデル事業を実施し、事業の効果検証を行うこととし、平成24年度から26年度にかけてモデル事業を実施してきたものでございます。モデル事業の実施による効果検証を経まして、本年4月から中部スポーツ・コミュニティプラザとして正式に開設したものでございます。

○近藤委員 (仮称)中部地域スポーツ施設から、中部スポーツ・コミュニティプラザと名前が変わりました。この変化はどのようなことを意味するのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 中野区スポーツ・コミュニティプラザという名称が示しますとおり、施設の貸し出しを主たる目的とする運動施設とは異なり、健康づくり・スポーツを通じた地域住民のコミュニティ形成の場、また交流拠点として位置付けたものでございます。

○近藤委員 現在はどのような方が利用しているのでしょうか。年齢、地域等について教えてください。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 平成25年度のモデル事業時の実績になりますけれども、子ども向け事業と大人向け事業に分けて集計いたしました。大人向け事業の参加者の年齢層といたしましては、20代から30代が32.4%、40代から50代が35.1%、60代が29.7%、70代以上が2.7%となってございました。

 地域といたしましては、中部圏域の住民が71.9%、南部圏域が17.6%、その他の地域が10.6%ということでございました。

○近藤委員 6月30日の厚生委員会へ報告がありましたが、平成24年度、体育館の稼働率は14.6%、屋外運動場稼働率15.3%という低い稼働率から、平成26年度は体育館59.8%、屋外運動場稼働率51.2%と稼働率も上がりました。教育・講座事業も24年度、教室数33、利用率48.3%から、26年度は88教室、利用率73%と、利用率は上がりました。今年度の教室の利用率は84%と、体育館も70%と、年々利用率が上がってきています。その要因は何なのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 利用率、稼働率の上昇の理由ということですけれども、モデル事業の実施を通じました施設や事業の認知度の向上、また、チラシや区ホームページ等を通じた周知、中野区地域スポーツクラブのネットワーク、また、事業に参加していただいた方の口コミ等を通じて利用率、稼働率等が上がってきているものと認識をしているところでございます。

○近藤委員 反対に、多目的ルームが今年度もまだ12.4%と低い理由は何なのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 多目的ルームの稼働率でございますけれども、この多目的ルームにつきましても徐々に稼働率が上昇してきている状況ではございますが、体育館や屋外運動広場と比較いたしまして面積が狭く、部屋の構造の面からも用途が限られてしまうことが、他の施設と比較して稼働率が低い原因ではないかと考えてございます。今後、多目的ルームを使用した教室・講座の充実等により、多目的ルームのPRをしていきたいと考えてございます。

○近藤委員 そして、トレーニングルームは26年度、1日平均10人、27年度も1日平均14人と、利用されていない原因は何なのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) トレーニング参加事業でございますけれども、トレーニングルームに設置したルームランナーやエアロバイク、筋力トレーニング機器など5種類のトレーニング機器を利用いただく事業でございます。このトレーニング参加事業の参加者につきましても、徐々に増加してきてはございますが、教室・講座型事業や団体参加型事業と比較いたしまして、認知度が低い状況にあると考えてございます。今後、トレーニング参加事業の内容や周知方法等を検討しながら、認知度の向上を図っていきたいと考えてございます。

○近藤委員 私は、昨年モデル事業を行っていた(仮称)中部地域スポーツ施設を見学させていただきました。そして数々の問題点を議会で指摘させていただきました。区民の多額の税金を費やしてせっかくつくった施設ですから、区民が利用しなければもったいなさ過ぎます。しかし、この施設がやっと区民に使われる施設になったのは、クラブマネジャーさんたちの大変な御尽力があったと伺っております。教室・講座の講師の手配から、3部制で約17人の受付スタッフを探してくるところから始まって、スタッフのローテーションづくり、古い設備を使っていることから来る利用者からのクレーム処理など、運営管理、ほぼ全て彼女たちが担っているように聞いております。今日、中部スポーツ・コミュニティプラザが存在するのは、クラブマネジャーさんたちのおかげと言っても過言ではないと耳にしておりますが、どのような状況なのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) クラブマネジャーでございますけれども、文部科学省が構想しております総合型地域スポーツクラブにおきまして、事業体としてのクラブ全体のマネジメントを担う人のことでございます。中野区地域スポーツクラブにもクラブマネジャーが配置されておりまして、地域の人材を活用した教室・講座の講師の手配、また事業の内容、対象者、時間帯の管理のほか、窓口受付員の体制整備等につきましても、クラブマネジャーが中心となって運営している状況でございます。現在の中部スポーツ・コミュニティプラザの運営に当たって、クラブマネジャーの果たしている役割は大きなものであると考えてございます。

○近藤委員 来年度、平成28年7月には南部スポーツ・コミュニティプラザが開設される予定となっています。南部スポーツ・コミュニティプラザはプールもあるので、管理運営は大変だと思いますけれど、どのような体制で運営するのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 平成28年7月に南部スポーツ・コミュニティプラザの開設を予定しておりまして、同施設にはプールも設置される予定でございます。南部スポーツ・コミュニティプラザにつきましても、健康づくり・スポーツを通じた地域住民の交流拠点としての事業を展開していきたいと考えてございます。円滑に運営していくために、中野区地域スポーツクラブ等と協議を重ねながら、よりよい運営体制を検討していきたいと考えてございます。

○近藤委員 そもそも地域スポーツクラブの目的は、中野区はスポーツ・コミュニティプラザという名前にしましたけれど、地域住民が自発的に集い、身近な場所を拠点としてスポーツに親しむことで地域のコミュニティを推進し、健康・生きがいづくり・活気ある長寿社会を目標とするものです。中部スポーツ・コミュニティプラザは、小学校跡地をスーパーリフォームしたところから始まって、地域の方がスポーツ施設をつくってほしいという要望があったわけでも、スポーツを行っている団体が自発的に組織をつくって運営しているわけでもありません。まずは施設をつくるところから始まってしまっているので、当初利用する人がいなかったのは当然のことだったと思います。今でも中部スポーツ・コミュニティプラザを盛り上げようと、町会の方など地元の方が動いている様子は感じられませんが、地域に密着した人材で運営されているといってよろしいのでしょうか。お答えください。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 中部スポーツ・コミュニティプラザですけれども、中野区地域スポーツクラブのネットワーク等の活用により、教室・講座型事業の講師、参加者、運営者いずれも区民が中心となっておりまして、地域の人材により運営されている施設であると認識してございます。

○近藤委員 南部スポーツ・コミュニティプラザも同じことは言えると思います。新しく建設している南部すこやか福祉センター等の今までかかった建築費等を面積比で割っていただきました。(仮称)南部スポーツ・コミュニティプラザにかかった金額は、工事費だけで10億円です。区民の血税10億円を投資してつくられる(仮称)南部スポーツ・コミュニティプラザを維持管理するだけでも大変な金額と手間だと思います。この施設を地域に密着した形で運営できる運営者はいるのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 南部スポーツ・コミュニティプラザの運営につきましては、中野区地域スポーツクラブ等と協議を重ねながら円滑に運営をしていくことができる体制を検討し、構築してまいりたいと考えてございます。

○近藤委員 建設に巨額の税金が投入されて、これからも少なくない管理費が私たちの税金から払われていくスポーツ施設が地域住民に有効的に使われることを祈るばかりですが、地域スポーツクラブの趣旨に沿った地域密着の人材で運営するというのは大変なことだと思いますけれど、どのように考えていらっしゃるのですか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 区といたしまして、幅広い区民が健康づくり・スポーツを通じて交流する地域の拠点としていくためには、施設の運営や事業等に対しまして地域の人材がかかわっていくことが大切であると考えてございます。南部施設の運営や事業等が円滑に行われる体制について、区として十分に検討してまいりたいと考えてございます。

○近藤委員 南部もつくったからには有効的に区民に使っていただきたい。中部のように何年も利用率が低いまま区民の機運の高まりをのんびり待ってはいられないと思います。区民の機運が高まるまでは、区の職員が運営管理に積極的にかかわっていくべきだと思いますけれど、いかがですか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 健康づくり・スポーツを通じた地域交流の拠点とすることを目指し、区として中野区スポーツ・コミュニティプラザとして開設したものでございます。施設の管理運営が円滑に行われていくよう、区といたしまして適切な形で関与をしていく考えでございます。

○近藤委員 小金井市、石神井市などの他の自治体は多額の税金を使って箱物をつくらず、地域住民の意思でスポーツクラブの組織を設立し、運営してきましたが、設立から10年がたち、後継者の問題に頭を悩ませていると伺っています。同じ10年、中野区ではまず箱物はつくったけれど、地域の機運はなかなか高まらず、優秀な人材のクラブマネジャーが起用されたことで何とか運営しているのが、中部スポーツ・コミュニティプラザの現状だと思います。

 そして、二つ目の(仮称)南部スポーツ・コミュニティプラザも箱物をつくることからスタートしましたが、南部の施設は中部の施設と連携した仕組みなどを構築するなど、今までの中部施設の成果を生かして多くの区民に使える施設にしていただくしかないと思っていますけれど、いかがですか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 他の自治体の地域スポーツクラブでは、既存の体育館の一定のスペースを借りるなど、クラブによってさまざまな形態で運営されているというふうに聞いてございます。南部スポーツ・コミュニティプラザの開設に当たりましては、中部施設とも事業面や運営面等における連携を視野に入れながら、幅広い区民の皆様に親しまれる施設としていきたいと考えてございます。

○近藤委員 最後に、既につくってしまったスポーツ施設は有効的に使っていただくしか仕方がないですけれど、10か年計画であと2つ、中野区の北部につくる予定となっていましたが、現在どのような予定になっているのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 区といたしまして、身近な生活圏域において区民が健康づくり・スポーツ活動に取り組むことができる環境が必要であると考えているところでございます。今後、区内の日常生活圏域である4圏域において、スポーツ・コミュニティプラザを整備していく方向で検討しているところでございます。

○近藤委員 北部には中野体育館、鷺宮体育館があり、上高田運動場、哲学堂公園など大きな運動施設があります。また、西武新宿線沿線には中野区からも多くの方が通う高田馬場の民間スポーツクラブは4,000人の会員を持つスポーツクラブです。新井薬師前、都立家政など、女性専用の体操教室があり、鷺宮にも会員1,600人のスポーツクラブがあります。多くの区民が利用しています。鷺宮のクラブにお話を聞いたら、うちは地域密着型のスポーツクラブですとおっしゃっていました。区は、まずは箱物をつくってしまうのではなくて、地域のスポーツクラブの必要性を区民に問うべきだと思います。どうしても区内に4カ所のスポーツクラブをつくるというのでしたら、北部においては、もうこれ以上施設建設、管理費に税金を投入することなく、他の自治体のように、今ある中野体育館や鷺宮体育館等を活用していく方法を考えていただきたいと思いますが、いかがですか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 繰り返しの答弁になりますけれども、区といたしまして、身近な生活圏域において健康づくり・スポーツに取り組むことができる、そういった環境が必要であると考えてございます。具体的な整備の方針につきましては、検討の進捗にあわせてお示しをしていきたいと考えてございます。

○近藤委員 先日、3日間の間に入っていた、スポーツクラブの新聞の折り込みに入っていたものですが、本当にスポーツに今民間は力を入れているので、私の周りの方もスポーツジムに行っている方がとても多いです。そういうことも配慮していただいて、事業の目的、区民のニーズ、費用対効果を十分に勘案してスポーツの施策を進めていただきたいと思いますけれど、御見解をお願いいたします。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 超高齢社会を迎え、健康寿命の延伸による社会的コスト、そういった削減の必要性からも、身近な地域で健康づくり・スポーツに取り組むことができる、そういった環境が必要である、そのように考えているところでございます。

 また、中野区は他区と比較いたしまして、スポーツ環境が充実しているとは言えず、区民の意識調査からもスポーツ施設の充実が求められているところでございます。そのようなニーズを踏まえまして、費用面も勘案しながら、より効果の高い事業、また施策を展開していきたいと考えてございます。

○近藤委員 ぜひ事業の目的、区民のニーズ、費用対効果をしっかり検証していただきたいと思います。ありがとうございます。

 次に、職員2,000人体制について伺います。

 平成26年度、戸籍住民窓口業務、軽自動車税窓口業務、後期高齢者医療制度窓口業務、介護保険窓口業務が民間に委託されました。その一つ、後期高齢者医療制度窓口業務は民間委託されてどのように変わったのでしょうか。委託内容を教えてください。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成26年7月より後期高齢者医療の窓口業務のうち、制度の案内、各種申請の受け付け、そして保険料の収納業務等を委託してございます。事業者と区とは役割分担を明確にしながら、効率的な業務の運営に努めております。

○近藤委員 私も後期高齢者の医療制度窓口に何度も足を運んでいるんですけれど、窓口に行くと何人もの女性の方がいらしてすぐに対応してくださいます。対応も早く、わかりよく説明してくださいました。本当に、きのうですか、この連休のところでお引っ越しをされて、2階の窓口がすごくきれいになって驚いたところです。主要施策の成果(別冊)各分野の行政評価結果の後期高齢者の医療のところを見ますと、前年度から100万円人件費が減り、施策の常勤職員が2人減っています。民間に委託したことでどのような効果があったのでしょうか。

○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 昨年度より後期高齢者医療と介護保険の業務を同一の事業者に委託しておりますが、委員紹介がありましたように、今週から区役所2階にそれぞれの業務を一体的に受け付ける高齢者総合窓口を開設いたしました。今後は高齢者やその家族の利便性が向上していくものというふうに考えております。

○近藤委員 主要施策の成果(別冊)後期高齢者医療の概要には、平成26年から窓口業務を委託することにより、区の職員が収納対策を重点的に行うことができる体制を整えたと書かれています。今週から場所も2階に移り、とても明るくきれいになり、介護保険窓口業務と同じ場所になり、高齢者やその家族にとってかなり便利になったと思われます。このような定型的な内部事務業務はしっかりとした守秘義務を課した管理体制のもと行われれば、財政効果も大きく、サービスも向上し、少数精鋭の区の職員はより高度な仕事につけるわけです。このような定例的な内部事務の民間活力の活用を今後どのように進めていくのでしょうか。

○中谷政策室副参事(業務改善担当) 今後も民間が担うことのできる業務は民間へ委託することを基本として、個々の業務ごとに業務フローや業務量、また財政効果などを分析して民間活用を進めていきたいというふうに考えてございます。また、業務委託に当たりましては、個人情報の保護の徹底など適切な管理を行ってまいります。

○近藤委員 保育園などの庁舎外の民間委託は職員削減の初期の段階で始まりましたが、庁舎内の民営化はおくれて始まり、本庁にいる職員の数はそれほど削減されてきていませんでした。定型的な内部事務の民間委託がやっと進み、これで本当の少数精鋭の職員による小さな区役所が名実ともに進められていくということでよろしいのでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 区は、これまでも少数精鋭による職員体制の実現に努めてまいりました。今後さらに複雑・高度化するさまざまな行政課題に的確に対応するため、職員の能力向上、専門的な知識を有する経験者や任期付職員の計画的な採用、適材適所の職員配置などに取り組んでまいります。

○近藤委員 区は小さな区役所を目指して2,000人体制に向けて方策を策定し、職員削減に取り組んできました。平成26年度に2,000人体制は達成されましたが、私が危惧しているのは、正規職員を減らしてきた地域の現場です。例えば児童館、既に8館が廃止され、今後も11館が廃止されていく予定です。随時キッズ・プラザに移行していく予定ですが、キッズ・プラザは学校内の施設です。異世代の交流が日常的に行われていた児童館のように地域のさまざまな人間との交流は望めません。区は、それならU18

プラザやすこやか福祉センターに集まればよいと言われるかもしれませんが、地域にU18プラザがない地域もあります。年齢にかかわらず、子どもも親も自由に参加でき、保育を手伝う自治体職員が相談に乗り、子育て全般を支援するスウェーデンのオープン保育園制度、現在、子育て支援で世界的に注目されていますが、この制度のようなものが自然にでき上がり、子育て支援を先取りして取り組んでいた中野区の児童館は廃止され、地域の子育て親子を支えてくれた職員は次々と子育ての現場から消えていきます。これまで地域の児童館が担っていた異世代の交流、子育てネットワークを今後区民はどうやって構築していけばよいとお考えなのでしょうか。

○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 児童館につきましては、全ての小学校内に整備するキッズ・プラザに移行いたしまして、安全・安心な活動場所としていく計画でございますが、新しく地域活動支援の場として子育て支援のための拠点を配置していく考えでございます。この拠点につきましては、乳幼児親子が集い、交流する場を用意するとともに、相談や助言などの援助を行う地域子育て支援拠点事業の実施、あるいは育成活動のネットワークづくりのかなめとしての機能を果たしていきたいと考えているところでございます。

○近藤委員 地域の児童館の存在は、子育て期間だけには限らない大きなものでした。乳幼児を抱えたお母さんたちが児童館を利用して職員や地域の異世代の方々に支えられ、子育てをして、やがてPTA活動や地区委員会の活動など地域の活動へと広がっていきました。子育ての過程で人に支えてもらった感謝の気持ちと、仲間と一緒に悩み、考え、活動した体験が次の地域の担い手を育成してきたのだと私は思います。中野区が子育て支援が充実した自治体として認知され、多くの若い子育て世代が入ってきて、新しいにぎわいのまちができる未来像を描きたいのですけれど、以前の中野区よりも地域で子どもたちとかかわる人も場所もなくなってきているように感じます。今後はすこやか福祉センターが子育て支援の役目も担っていくということですけれど、福祉にかかわる職員はますます重要な存在になっていくと思います。しかし、総務27の資料を見ますと、平成17年度に1,130人だった事務系職員は平成27年度に998人で、10年間で132人しか減っていないのに対して、福祉系職員は、平成17年に727人だった職員は平成27年度には477人となっています。福祉系職員はその絶対数が少ないにもかかわらず、250人も減っているのです。

 先日の一般質問でも申し上げましたけれど、認知症コーディネーターや認知症地域支援推進員の増員も必要です。行政、事業者、地域を結ぶ福祉職の育成と増員が必要と思いますけれど、いかがでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 今後ますます複雑・高度化するさまざまな行政課題に対応するため、事務職、福祉職などを問わず、必要な専門知識やノウハウなどを確実に獲得するよう育成し、行政需要に応じた職員体制を構築してまいりたいと考えております。

○近藤委員 ぜひ福祉職の育成と増員、お願いしたいと思います。定型的な内部事務や窓口業務のアウトソーシング等を進める一方で、区民と接する福祉の現場等には福祉職など専門職を拡充することなど、区民の満足度の高い区役所となるようにお願いして、私の質問は終わります。ありがとうございます。

○若林委員長 以上で近藤さえ子委員の質疑を終了します。

 次に、石坂わたる委員、質疑をどうぞ。

○石坂委員 総括質疑をいたします。

 1、中野区における映画文化や映画を通した情報発信について伺います。

 昨年度、26年11月28日から30日にかけて中野区で行われた新人監督映画祭ですが、ことしも10月31日から11月3日にかけて区内で民間の力で新人監督映画祭が行われます。また、この映画祭にあわせて、誰でも参加ができるワークショップも行われ、中野区民の参加もあるようです。

 この映画祭のホームページを参照しますと、産業としての映画の底上げが必要です。一つはクリエーター、観客双方の意識を高め、文化としての日本映画を盛り上げること、もう一つは、その文化を国内だけにとどめず、広く海外にも売り出すということです。その一手として、日本映画監督新人協会は新しく映画祭を立ち上げました。開催地はサブカルチャーの発信源として世界にも知られる中野。その映画祭は中野を拠点として日本映画を見る楽しさ、つくる楽しさを全国に、世界に伝え、新たな文化の発信源となること、また、産業としての映画のマーケットに通用する作品と人材を育てることを目標としていますという旨、明記されています。

 映像コンテンツとしての産業という捉え方のほかに、こうした映画の振興にはシティプロモーションとしての意義もあるかと思われます。中野区としては、こうした文化の発信や映像、映画の都市観光、地域活性における効果についてはどのように捉えていますでしょうか。

○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 昨年度のまちめぐり博覧会期間中の個別イベントといたしまして実施された第1回新人映画祭につきましては、約3,000人の観客の動員をしたイベントでございます。新人映画祭を通じて、映画のまちという地域イメージの向上や知名度アップ、また、若手クリエーターの育成支援などという効果が期待できるというふうに思っています。今後、区としては、主催者側に対して後援名義等の必要な支援を継続して行っていきたいと考えております。

○石坂委員 そのような形で進めていただければと思います。

 また、中規模な映画のほかに大規模な映画として、ことしの5月14日、中野経済新聞のオンライン記事に、映画「チョコレートドーナツ」の監督・脚本・製作を手がけたトラヴィス・ファイン監督が、5月13日、次回作のための視察を中野でしたと。そして、田中大輔中野区長を表敬訪問したとの記事掲載がありました。この「チョコレートドーナツ」ですけども、委員長の許可を得ているので掲示いたしますけれども、こちらの男性同士のカップルと、こちらのダウン症の男の子がいますけども、まだ男性同士、女性同士の婚姻が認められていなかった当時のアメリカで、とあることがきっかけで、ゲイの男性カップルがダウン症の男の子を我が子同然に育てるという実話に基づく映画で、2人の手によって男の子はめきめきと成長していくものの、周囲の偏見と差別によって、ゲイカップルとダウン症の男の子は関係を引き裂かれ、心の居場所を失ったダウン症の男の子が命を落として結末を迎えるというストーリーの映画です。

 このトラヴィス・ファイン監督の映画「チョコレートドーナツ」は、シアトル映画祭、シカゴ国際映画祭、トライベッカ映画祭など10以上の映画祭で観客賞や最優秀作品賞などを受けた2012年公開のアメリカ・ハリウッド映画です。日本国内では全国の映画館130カ所以上で上映され、人気を博した映画でもあります。国内での興行収入としても、平成26年4月19日に銀座の映画館1館での単館上映での公開ながら、1週間で興行収入1,000万円を突破。その驚異的なヒットに伴い、日本各地での上映が行われ、「チョコレートドーナツ」が公開6週目の40日間で全国興行収入1億円を突破したとされています。

 中野経済新聞の記事によると、ファイン監督は、中野はニューヨークなどと比べると非常に小さな都市だが、その分、いろいろなことが凝縮されている。ふとしたささいな出来事など、中野の日常をポストカードのように切り取る感覚で映画をつくりたいと意気込む。渋谷のスクランブル交差点や築地市場などはアメリカでもよく取り上げられているが、中野の小さな路地裏や子どもが遊んでいる光景など、何でもない日常でも大きな映画と同じようなドラマがある。人間の共感や成長するさまを映画として具現化していきたいとし、中野区長も、中野という小さな部分をよく見つめてもらうことで、日本文化や日本人が持っていたり思っていたりする意識がわかってくるはず。その意味でも監督の考えに共感すると話したそうです。

 他の自治体の例ですと、長野県上田市では、フィルムコミッションによって、山岳がきれいな景色は上田市というイメージができたという事例があります。こうした「チョコレートドーナツ」の監督であるトラヴィス・ファイン監督が次回作を中野で撮影するということは、産業としての映画に加え、映画を通して中野をより幅広く知ってもらうためにもよい機会であると思われます。

 国内では、先日の大雨で被害に遭ってしまった常総市が2003年に商工観光課にロケ推進係、フィルム・コミッション推進室を設置、市役所をはじめ公共施設について撮影用の使用料も定めているとのことで、フィルム・コミッションをきっかけとしたまちおこしを進めてきたそうです。中野区でファイン監督の映画、あるいは今後中野を舞台とするような映画を誘致することで、中野のイメージの発信や地域のにぎわい・活性化につなげていくことができると考えます。映画撮影に関する区の支援や仕組みの整備を含め、今後の中野区の取り組みについてどのような方向をお考えでしょうか。

○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 映画のロケ地として求められる場所、選ばれる場所というのは名所旧跡だけではなく、都市のまち並みや商店街などがむしろ好んで撮影されることも多うございます。中野区を舞台にするロケの誘致は、区民の区に対する愛着を醸成したり、映画を見た人たちの区へ訪れるきっかけにもなるというふうに考えてございます。現在、区では映画やテレビの撮影の問い合わせにつきまして、撮影場所の情報提供や個別の相談を行っているところでございます。現在の取り組みから一歩進んだ区の支援、仕組みづくりにつきましては、他自治体の先行事例を参考にしつつ、今後検討していきたいというふうに考えています。

○石坂委員 ぜひそのような形で中野のシティプロモーションを進めていただければと思います。

 映画という切り口でコンテンツ産業、都市観光、中野のことを区外の人にも広く知ってもらう、区民の文化活動の新たな取り組みを広げるなどということにつながると思われますので、今後の区の取り組みと、また、トラヴィス・ファイン監督の次回作の映画の中野での撮影の成功を期待して、次の質問に移ります。

 2点目として、東日本大震災に係る区内の避難者への対応について伺います。

 東京都都市整備局がことし7月8日に出した応急仮設住宅の供与期間の延長についてでは、福島県からの避難者の方については住戸の供与期間を入居日から平成29年3月末日まで延長する一方で、宮城県や岩手県からの被災者については、被災前の居住地域によって、延長される場合も延長されない場合もあるようです。また、復興がスムーズに進んだ地域では、復興しました、ぜひ観光にいらしてくださいといった打ち出し方をすることで経済的振興に向けた取り組みに進んでいますが、一方で、復興が進んでいない地域については、復興はもう済んだと思われてしまい、十分な支援が得られないまま、忘れられてしまっているのではないかと現地の方が感じているという地域もあるようです。現在も中野区には都営住宅やその他の民間住宅に東日本大震災の被災者の方が数多く避難をしていらっしゃいます。現状での中野区に避難をされている被災者の人数をもとの居住県別に教えてください。

○朝井経営室副参事(経営担当) 中野区に避難をされている方の人数でございますが、ことし7月1日現在、福島県の方が238人、宮城県の方が78人、岩手県の方が25人、茨城県の方が5人、千葉県の方が2人、合計348人でございます。

○石坂委員 かなりの方がまだ避難されていらっしゃる状況です。今回は避難期間が延長できたという方も含めまして、今後、都や国の支援は縮小していくだろうという中で、住宅の賃借や住宅扶助、就労支援などを必要とされる方が出てくる可能性があります。被災者の受け入れ全体把握をしている経営分野に伺いますが、東京都や被災者の出身地方自治体からの情報を収集し、被災者支援の打ち切り等について、被災者支援やその後の中野区での生活に関係する各部署や、当事者である被災者に適時適切な情報提供を行っていますでしょうか。

○朝井経営室副参事(経営担当) 東京都から提供された情報などにつきましては、総合窓口である区民サービス管理部区民サービス担当のほか、防災・都市安全担当、地域支えあい推進室との情報共有を図っているところでございます。また、区内に避難されている方には、月1回のペースで経営担当からさまざまな情報をまとめて郵送しているところでございます。

○石坂委員 そうした形で東京都の情報、あるいは被災県等の情報等も含めて把握を進めていただければと思います。ありがとうございます。

 では、具体的な支援について伺います。まず、支援が終了した後も中野区で生活を続けることを希望する方が一定数いることが想像できます。中には生活費や住宅費の困窮を抱えていたり、あるいは東京近郊で仕事を探す人も出てくるかと思います。こうした方々に対する生活保護や就職サポートについての情報提供や相談機会の提供、今後の制度利用者の増加に対応できる体制等が必要になるかと思われますが、生活援護分野ではどのようにお考えでしょうか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 東日本大震災の区内の避難者の方に対しましては、関連部署等と連携をとりながら、生活や就労の支援に関して必要な情報提供を行っていきたいと考えております。また、生活保護や就労等に関する相談があった場合は、区内避難者の生活状況を的確に把握した上で、生活保護や中野くらしサポート等の制度を活用することで適切に支援を行っていきたいと考えております。

○石坂委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、住宅についてです。現在の仮住まいから退去しなければならなくなった際、区内の民間賃貸住宅等に転居を希望される方もいるかと思われます。こうした方々に対して、住み替え支援事業に準じた形での支援、制度の説明についての情報提供は、相談機会の提供、今後の相談者の増加に対応できる体制づくり等が必要になると思われますけども、その中で都市計画分野ではどのように考えていますでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 現在、区では、高齢の方や障害をお持ちの方等で民間の賃貸住宅の物件をみずから探すことが困難な場合には、住み替え支援事業におきまして、不動産関係団体加盟の住み替え支援登録不動産店の協力のもと、情報を提供しているところでございます。東日本大震災で避難されている区内避難者につきましても、これらと同様に、登録不動産店の紹介や公営住宅等の情報提供をするとともに、みずから物件を探すことが困難な場合には、必要な支援をしていく考えでございます。

○石坂委員 そうした形でしっかりと住宅のサポートをお願いいたします。

 そして、支えあい推進室についてですけども、支援が打ち切られることに対して、待ちの姿勢ではなく、プッシュ型のサービスを提供していくくらいの心構えで、社会福祉協議会などとも連携をしながらアウトリーチを行い、都営住宅などの現居住地から退去しなければならなくなる方が何に困っているのかを聞いて把握を行い、区の職員の責任で、区役所の各窓口など適切な相談先や支援先につなぐこと、また、新たな場所に転居した後も、新たな居住地で困ったことがないかどうか、状況を把握し、新たな困り事に対応していくことが必要です。支えあい推進室では、被災者に対してどのようなアプローチを今後行ってまいりますでしょうか。

○石崎鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 支えあい推進室では、これまで東京都をはじめ中野区社会福祉協議会や町会・自治会、民生委員などと連携し、区職員による訪問活動、高齢者会館や避難者のための地域タウン等の活動を通して被災者の方の状況を把握し、必要な支援を行ってまいりました。今後も引き続き関係機関や町会・自治会とも連携を図りながら、状況を的確に把握し、中野区で安心して過ごしていただけるよう、必要な支援を適切に行ってまいりたいと考えております。

○石坂委員 ありがとうございます。

 また、メンタルヘルスに関して伺います。被災の直後から継続的な、あるいは被災直後にはなかったPTSDによる心身の不調を訴えている方もいるようです。日本精神保健福祉士協会等が行った被災地へのメンタルの支援、これはメンタルという言葉、あるいは精神保健という言葉にひっかかってしまい、なかなか困り事を口に出しづらいという方が多かったと言われています。必要な方のサインを見逃さずに必要な支援につなげること、気持ちのサポートを行うことが今後も欠かせません。保健師の訪問、その他の区内の医療機関につなぐことによるメンタルヘルスについてのアプローチはどのように行っていきますでしょうか。

○松本鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 震災の直後に避難された全員の方に対して、健康に関する調査及び健康相談を実施いたしました。それとともに、全戸訪問を行って、メンタルヘルスを含む健康相談を実施し、現在も、その後、担当保健師が継続して相談に乗らせていただいております。その上で、必要な方には医療機関につないだり、訪問看護やヘルパー派遣といった居宅サービスなど必要な社会資源を紹介、調整し、支援を行っております。

○石坂委員 ぜひしっかり進めていただければと思います。特に東北の方、先ほども言いましたが、メンタル的な相談がしづらかったり、特に震災後、孤独死等とが今後ふえていくことも予想されますので、しっかりと進めていただければと思います。

 以上、さまざまな担当に伺いましたけども、被災自治体や東京都の支援が終了しても、被災地から避難をされてきた方の中には、少なからぬ方が今後も中野区で生活をしていきます。東北出身の方々は我慢をしてしまいがちだとも言われますが、こうした方々が安定した生活が送れるようになるまで、居住者にとって最も身近な基礎自治体である中野区が引き続き必要な支援を切れ目なく行うことが必要です。最後に確認いたしますが、今後の引き続きの支援について、区全体の体制は大丈夫でしょうか。

○朝井経営室副参事(経営担当) 被災自治体から避難されている方が中野区で健康で安心して暮らしながら生活の再建を目指していくことができるように、必要なサービスの提供、きめ細かな相談、また、中野の地域と触れ合うことができるような、そういった支援が必要であると認識をしております。こういったことを踏まえつつ、国や都の状況を見ながら、区といたしましては、毎年度、東日本大震災復興広域協働推進本部会議におきまして支援の方針を決定し、体制を整えていきたいというふうに考えております。

○石坂委員 いつまで震災復興ですとか被災者支援をやっているんだという声を伺うこともありますけど、現実問題としてなかなか復興が進まない地域もあったり、なかなか帰れない、もうこちらのほうで生活を再スタートせざるを得ない方も今後出てきますので、しっかりと引き続きの支援をお願いいたします。

 次の項目に移ります。その他で1点、医療的ケアの必要なお子さんの支援について伺います。

 先ほど高橋ちあき委員の質問があり、また、一般質問では久保委員からも医療的ケアの必要なお子さんについての質問がありました。たんの吸引や経管栄養などを必要とする医療的ケアが必要なお子さんについて、これまで私も過去の質問で取り上げましたが、医療的ケアが必要なお子さんは、子どもとして当然の教育や保育を受ける上でのさまざまなバリアを抱えています。ようやく年度当初の特別支援学校への通学の支援や、たんぽぽの開園当初からの通園のバスでのたんの吸引の対応も始まっていますが、まだまだ課題は山積いたしています。中には仕事を持たれているお母さんの中で、医療的ケアが必要なお子さんの日中あるいは放課後の居場所や親の勤務時間中の預け先に苦労している方が少なくありません。なお、この医療的ケアが必要なお子さんには、重度の知的な障害を重複しているお子さんもいれば、そうでないお子さんもいることを申し添えておきます。

 まず初めに、学齢期のお子さんについて伺います。昨年度より緑野小と同敷地にて、重度の重複障害児のためのたんぽぽと、知的・発達障害児のためのみずいろができました。みずいろについては、もともとが知的障害児のための学童保育を行っていたわかみやクラブが指定管理者として受託をしていることもあり、学童保育と同様に、保護者が働いている時間に子どもが安心・安全に過ごせる場所として利用できるという認識を職員も利用者も持っているようです。たんぽぽの放課後デイについても、みずいろと同様に自立訓練と、あわせて安心な居場所としての利用ができるという理解でよろしいでしょうか。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) たんぽぽ、みずいろ両施設において実施されております放課後等デイサービスは、児童福祉法の規定に基づきまして、学校に就学している障害児を対象としまして、授業の終了後や休業日において生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進、その他の便宜を供することにより、本人への支援や家族への支援などを行うものとされております。したがいまして、いずれの施設におきましても、指定管理者にかかわりなくそのような御利用をしていただけるものと考えてございます。

○石坂委員 ありがとうございます。ぜひ働くお母さんの支えになるようにしていただければと思います。

 次に、幼児に関しまして伺います。現状では、認可保育園について医療的なケアが必要なお子さんの受け入れの可否はどのようになっていますでしょうか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 認可保育園における医療的ケアが必要なお子さんの受け入れにつきましては、面接や入園時健康診断などの実施により児童の状況を適切に把握し、集団保育は可能か判断するといったことになってございます。

○石坂委員 新宿区では、主に中・重度の肢体不自由児、知的障害児、重症心身障害児等、また、経管栄養、経鼻栄養、胃ろう、腸ろうを必要とする障害児について、面談において預かりが可能と判断されれば、居宅型訪問保育事業を行っています。先ほど高橋委員も触れましたが、居宅型訪問事業とは、特別な医療ニーズ等を持つお子さんに対して、住みなれた居宅において1対1を基本とするきめ細やかな保育を実施するもので、豊島区などでも行われています。しかし、医療的ケアが必要なお子さんについても、集団保育が可能であれば最も望ましいのは、他の健常児と一緒の認可保育所での集団保育だと思われますが、現状ではどのようになっており、また、入園の可能性についてはいかがでしょうか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 認可保育園に関しまして、いわゆる医療的ケアが常時必要なお子様は、現在。区内では利用してございません。通常、保育園におけます医療的ケアの実施に関しましては、そのお子さんに合わせた特別な体制の準備等がございまして、容易ではないと考えているところでございますけれども、医療的ケアの内容や程度によりましては、対応が可能な場合もあるというふうに考えてございます。

○石坂委員 ありがとうございます。お子さんに応じて多様な状況がありますので、1人でも多くのお子さんが認可保育所を選択することができればと思います。しかし、あくまでも集団での統合保育が望ましいということは言うまでもないことですが、次善の策として、特別支援教育に訪問教育という形が――東京都の特別支援学校レベルですけれども――あるように、中野区においても医療的ケアが必要なお子さんを含めて利用が可能な居宅訪問保育事業をはじめ、親子のニーズを満たす保育的支援を展開していくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 障害、疾病等の理由で集団保育が困難な乳幼児のお子様に対しましては、委員御紹介がありました居宅訪問型保育事業によりまして保育サービスの提供をしていく予定でございます。現在、居宅訪問型保育事業の開始に向けまして準備を進めているところでございます。

○石坂委員 今後どのような形でやっていくのか、模索をされていくかと思いますけども、やはり1人でも多くの障害を持つお子さんが可能な限り通常の保育所での統合保育が行われ、また、それが難しいお子さんも可能な限り1人でも多くのお子さんが個別の保育を満たしていただける、そうした形で、極力切り捨てられてしまうお子さんが出ないような進め方をしていただければと思います。今後もしっかりと安心ができる、どのようなお子さんも、また親御さんも安心できる仕組みづくり、働くお母さんのサポートを期待して、私の今回の全ての質問を終わります。どうもありがとうございました。

○若林委員長 以上で石坂わたる委員の質疑を終了します。

 次に、小宮山たかし委員、質疑をどうぞ。

○小宮山委員 少々お待たせをいたしました。ただいまより小宮山たかしの総括質疑をさせていただきます。きょうの朝、桃園小学校に行きまして、読み聞かせを行ってまいりました。子どもたちがきらきらと目を輝かせて私の話を聞いてくれて、心洗われる思いで、ふだん殺伐とした中で発言することが多いものですから、心洗われてまいりまして、清らかな心を持って総括質疑に臨みたいと思います。よろしくお願いします。

 まずは、先日の甲田議員の一般質問に対しまして、「おひるね」のリニューアルを考えている旨の区長答弁があった件について質問をさせていただきたいと思います。

 現在の「おひるね」は、微に入り細をうがった、かゆくないところにまで手が届くような情報満載の冊子だという認識は私もあるのですが、一体なぜ、どのようにリニューアルを検討していらっしゃるんでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 「おひるね」につきましては、来年度、民間のノウハウを活用いたしまして、より利用しやすいものとなるよう内容の充実を図ることを検討しているものでございます。具体的な編集の内容につきましては、事業者と協議をしているところでございます。

○小宮山委員 現在の「おひるね」は、情報は満載されているけれども、情報の羅列ばかりでいまひとつ味気ない。お役所ならではの公平・公正な視点でつくられているため、結局何がお勧めなのかよくわからない。そもそも、おもしろいとかおもしろくないとか、そういったことは考えずに編集していらっしゃるんでしょうけれども、おもしろくないものは手にとられないということもまた事実であります。まして、今の子育て世代はデジタルネイティブがほとんどですから、デジタルネイティブ世代にあえて紙の冊子を手にとっていただくためには、見せるための工夫が必要であり、ネットでは手に入らない、この冊子でしか手に入らないような情報を盛り込むことが大切であると私は考えています。そのために民間ならではの柔軟な視点を持って編集していただくということは、私も大賛成であります。現在、区内には育マップ作成委員会というママさんたちのグループがあり、手づくりの子育てマップをほぼ手弁当で発行している方々がいるんですが、この活動については御存じでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) ただいま委員御紹介いただきましたボランティア団体が作成したマップにつきましては承知しているところでございます。

○小宮山委員 御存じということですけれども、やはりネットではなかなか手に入らないような地域情報が載っていまして、中野区で子育てをする当事者でなければつくれないような紙面となっております。この育マップ作成委員会というのは一つの例ですけれども、例えば、男女共同参画センターの情報誌「アンサンブル」を公募による区民ボランティアの編集委員が作成しているような例もございます。「おひるね」の編集の全てとは言いませんけれども、ほんの一部でも、数ページでもいいので、中野区で子育てをする当事者にお任せしてみてはいかがでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 今回検討しております内容につきましては、民間事業者のノウハウを活用いたしまして、区として責任を持って作成するものでございます。したがいまして、ボランティア団体の参画につきましては想定してございません。

○小宮山委員 ボランティア団体だからといって責任が持てないとか、そういう話ではないとは思うんですが、ぜひ御検討をお願いしておきます。

 では、次の質問に参ります。ことし3月に発表されました中野区子ども・子育て支援事業計画によりますと、すこやか福祉センターをはじめ、商店街などの子育て家庭の親子が集える身近な場所において地域子育て支援事業(子育てひろば事業)を実施すると書いてありますが、この進捗状況はどうなっているでしょうか。

○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) すこやか福祉センター圏域ごとに地域子育て支援拠点の適切な配置を行うために検討を行っているところでございまして、乳幼児親子が利用しやすい場所や運営方法をこれから考えていきたいと考えております。

○小宮山委員 確認ですけれども、その中に書いてありますように、子ども・子育て支援事業計画に書いてありますように、商店街なども含まれるということですよね。

○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) そういったことも含めて、全体から考えていきたいと思っています。

○小宮山委員 一般質問で申し上げましたけれども、今後、児童館を減らすのであれば、それにかわる施設の整備をお願いしたいと思います。また、商店街を子育て支援の場所として使うことは、私も商店街の役員として歓迎いたしますので、どんどん積極的に子育て支援事業を展開していただきたいと思います。

 ただいまの質問と同じく、子ども・子育て支援事業計画によりますと、地域で子育てひろば事業や乳幼児親子の居場所づくり事業を実施する団体の情報の収集及び共有などにより事業間の連携を図り、子育て支援ネットワークを強化すると書いてありますが、この進捗状況について教えてください。

○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 現在、区内の子育てひろばの活動状況を調査中でございます。状況を把握した上で連携の方法、ネットワークの構築について検討してまいります。

○小宮山委員 まだこれからのようなんですけれども、私、個人的に中野区内で行われている子育て支援イベントですとか、その主催者について非常に幅広い情報やネットワークを持っておりますので、その際にはぜひお気軽に御相談をいただければと思いまして。

 次に、中野区の子育てホームページであります子育てナビについて伺います。これはどのような経費をかけて、もしくはどんな手法で運営されているのでしょうか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 子育てナビについては、区の負担については一切かかっておりません。民間の事業者との官民協働事業で行っております。

○小宮山委員 民間の事業者というのは広告収益で運営していると考えていいんでしょうか。

○酒井政策室副参事(広報担当) はい、そのとおりでございます。

○小宮山委員 広告収益で運営しているそうなんですけれども、現在、子育てナビのトップページの一番下、そこには広告は一つもなくて、広告掲載の御案内だけが置かれています。中野区の負担はないといっても、広告が集まらなかったからやっぱりやめますと言われても、区民の中野区に対する信頼を損なうものになってしまいます。この契約の期限とか、または更新の方法について教えてください。

○酒井政策室副参事(広報担当) 契約期限については平成28年3月までとなっておりまして、その後は、双方の拒否の意思表示がない限り自動更新となっております。

○小宮山委員 わかりました。本当はあの内容についてもいろいろと言いたいことはあるんですけれども、もともとただで運営していただいているものですから、内容に関してはまた別の機会にさせていただきたいと思います。

 ○若林委員長 小宮山委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。

午後2時53分休憩

 

午後3時15分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。小宮山委員、質疑をどうぞ。

○小宮山委員 先日の台風18号による鬼怒川における水害では、防災無線放送が雨音でかき消され、何を言っているのかわからなかったという声がありました。中野区でもこのところ、振り込め詐欺予防の啓発のため、頻繁な防災無線放送をしていますが、室内にいると何を言っているのかわからないことがよくあります。まして大雨のときにこの防災無線放送が本当に機能するのかどうか、大きな不安を感じています。こうした防災無線放送機材の見直し変更は随時行っているのでしょうが、防災無線放送に頼らない災害情報の伝達手段が最近では幾つもあります。中野区の地域防災計画にもその記載がありますが、例えば、ツイッター、フェイスブック、Jアラート、J:COM中野、緊急速報メール(エリアメール)などであります。

 先日、震度4の地震が都内で発生しました。各自治体が即時にツイッターで情報を流していたのに対し、中野区のツイッターは相変わらず沈黙したままでありました。3・11の際にツイッターはサーバーダウンすることもなく、マスコミでも報じられないようなさまざまな地域情報の発信拠点となりました。中には悪質なデマやいたずらの情報もあり、かつて関東大震災の際には、そうした流言飛語がきっかけで朝鮮人の虐殺にまで発展してしまったのですが、震災後の混乱時に玉石混交の情報が飛び交う中で、区が公式の正しい情報を流し続けることには大きな意味があると私は考えております。ふだんから役立つ地域情報の発信をして登録者数をふやし、区民から愛され、認知されるように努めておかないと、いざというときの情報発信力も落ちてしまいます。これまでも何度かお願いしてきたことでありますが、改めてツイッターの柔軟な運用を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○酒井政策室副参事(広報担当) 区がツイッターを使って発信する情報は、現在のところ防災に関する情報や光化学スモック注意報、区内停電が発生したときなど緊急情報についてツイートしているところでございます。いざというときの効果的な情報発信の工夫については、今後検討していきたいと考えております。

○小宮山委員 ぜひ検討をよろしくお願いいたします。

 中野区ではエリアメールも採用しているようです。そもそもエリアメールについて御存じない方もいらっしゃると思うのですが、エリアメールとは、自治体等が配信する災害避難情報を対象地域にいる携帯ユーザーに対して一斉に、ある意味強制的に配信するシステムです。エリアメールというのは厳密にはNTTドコモのサービス名であるそうですが、ドコモ以外でもこのようなサービスは行っていて、中野区でも採用はしていらっしゃるんでしょうか。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) NTTドコモが行っておりますエリアメールと同様なサービスは、au、ソフトバンクでも実施されております。中野区は携帯会社3社とは利用登録しておりまして、災害時に応じて必要に応じて3社からエリアメールを発信することはできます。

○小宮山委員 例えば八王子市はエリアメールを使って配信訓練を行ったり、また、先日の震度4の地震の際もエリアメール配信をしたそうです。中野区ではこれまでエリアメールを訓練も含めて実際に配信したことはあるでしょうか。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) これまでのところ、風水害などの災害対応や防災訓練等でエリアメールを配信したことはございません。

○小宮山委員 配信訓練を何事もない平時に行うのはリスクを伴いますけれども、例えば八王子市のように大きな被害は出ないであろう震度4レベルで配信をすることで、それが配信訓練と同じ役割を果たすことも考えられます。こちらも柔軟にフットワークの軽い活用を御検討いただければと要望しておきます。

 フェイスブック社は2015年3月9日、フェイスブックを活用した災害対策と対応ガイドを発表いたしました。それによると、救援物資の入手や支援を得るための方法の周知ですとか、ボランティアの組織化と作業のまとめですとか、災害時において非常に大きな可能性がフェイスブックにあるということです。そして、無料ですぐに始められるという機動力も大きな魅力であります。例えば、災害後に復興ボランティアに関する情報だけを取りまとめたフェイスブックページを中野区が公式につくるということなども可能です。このように、防災無線には限らない情報伝達手段が昨今では出てきております。区としても最新の情報をきちんと入手して、そして今後の防災に役立てていただきたいと要望をして、この項の質問を終わりにします。

 次に、待機児童対策について質問させていただきます。

 ここ数年、今にして思えば安倍内閣になってからというもの、中野区の待機児童対策も目覚ましく進み、毎年数百という単位で保育園の定員数がふえ続けています。このままの勢いでいくと、待機児童ゼロも決して夢ではないのではないかと、担当者の御努力もさることながら、私が区議会議員になったかいがあったものだと、そう感じております。他の議員の質問にありましたが、中野区のこれまでの待機児童対策を見てみますと、年齢上限のある園の新設というケースが目立ちます。ゼロ歳から2歳までの受け皿は充実してきた。しかし、3歳児以降の整備がおくれており、3歳になったらどこにも行き場がなくなってしまうといういわゆる3歳児の壁について、中野区としてどう考え、対策をとっているのか、お聞かせください。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 認可小規模保育事業所等を利用する子どもの3歳以下の保育施設に関しましては、現在、区が連携施設の確保に向け調整を進めているところでございます。3歳の転園に当たっては、保育の継続ができるよう利用調整を行っていく考えでございます。

○小宮山委員 転園に当たっては大幅な加点もするという話を伺っていますけれども、幾ら大幅な加点をして幾ら点数を持っていても、空きがなければ入れません。また、そういった場合の受け皿ともなるべき認証保育園においても、年齢の高い子どもはあまり積極的には受け入れていない園も中にはあると聞いております。中野区の子ども人口はこのところ増加傾向にあり、子育て世帯の流出も以前よりは減っているようです。そうした人口動態の変化にも目を光らせつつ、3歳児の壁に苦しむ保護者や子どもたちが出ないよう引き続き保育行政の改善に動いていただきたいという要望をしておきます。

 中野区は現在、保育園の民営化を進めております。民営化そのものには私は反対はしませんけれども、少なくとも以前の園よりはましな園になっていることが、民営化に当たって絶対必要な最低条件であると私は考えております。しかし、民営化直後は環境の変化についていけない保護者や子どもたちがいたり、どうしても前の園と比較をしてしまいますので、悪いところが先に目についてしまったりするものです。比較対象を持たなければ、保育園とはこういうところなんだと受けとめるようなことでも、比較対象があることによって、前はこうしてくれたのに、今はしてくれないなどと、どうしても不満は出やすいものです。そうした不満を園に訴えても、区に電話をしても、なかなか改善には至らないという方から私のところに相談が来たこともございます。話を伺ってみると、保育の目が行き届かず、ヒヤリハットする場面があり、一歩間違うと重大な事故にもつながりかねないようなお話も含んでおりました。こうしたヒヤリハットは民営化直後の園のみならず、公設公営の園やどこの園でも起こり得ることですが、特に民営化園の場合、経験の浅い職員も多く、区の管理がどこまで行き届いているのか、また、保護者や子どもたちの声にどこまできちんと耳を傾けているかということに不安を感じます。保護者が保育園の運営に関して不満や不安を感じたとき、どこにその声を届ければいいのでしょうか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 区立保育園の民営化に当たりましては、児童に関する引き継ぎを適切に行うほか、保育内容について当面変更しないことで、児童への影響が最小限となるよう配慮しているところでございます。民営化した保育園に限らず、保育施設の運営に関して保護者からの御意見がある場合は、直接保育事業者と保護者の緊密なコミュニケーションにより解決していただくことが第一と考えているところでございます。ただ、区に御意見が寄せられた場合は、保育施設と情報を共有いたしまして、解決に向け、保育施設に対応を求めていくといったものでございます。

○小宮山委員 小学校の場合は、PTAがあったり小P連があったりしますし、学童の場合は学童連絡協議会があったり、保護者の声を組織的に学校や行政、教育委員会に伝えるための組織が発達しております。しかし、保育園の場合はそこまでの組織は発達していませんから、保護者や子どもの声にきちんと耳を傾けて、問題があれば区が責任を持って解決できるような、そういった体制をつくっていただきたいと要望をしておきます。

 次の項の質問に移ります。

 これまで中野区の児童館では、日・月の定休日と国民の祝日が重なる場合はその翌日も休みという、ちょっと一般社会では見られないような、わけのわからない休日があったはずなんですが、この春からその休日がなくなりました。どういう御努力をされたことによってなくすことが可能になったのか、お聞かせください。

○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 日曜日、月曜日が国民の休日と重なった場合の休館日につきましては、児童館職員の休日として条例等で規定された日を休館日としてきたところでございますけども、利用者にとって、よりわかりやすく、また、開館日をふやすことで区民サービスの向上を図るということで改定を行ったものでございます。実施に当たりましては、児童館職員の勤務日を振りかえる必要がございますので、臨時職員を配置するための予算措置を行っているところでございます。

○小宮山委員 人員をうまいこと配置すれば、児童館の休日は減らせるわけですね。中野区の児童館の年間休日は、今回の休日見直しにより、ことしの場合、年間で7日間減りました。しかし、23区全体で見ると、依然としてトップクラスの年間休日数であります。中野区の10か年計画では、現在20館ある児童館は将来的に9館のU18プラザに再編されていくそうです。本当は私が先日一般質問で申し上げたように、児童館の数を減らしてほしくはないのですけれども、もし20館あるものが9館のU18プラザに集約されるというのであれば、その分いろんな分でクオリティーは上がり、年間休日数も減ると理解してよろしいのでしょうか。

○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 現在、キッズ・プラザ、U18プラザは月曜日から土曜日まで開館しているところでございます。今後、児童館は順次キッズ・プラザに移行されますので、より充実を果たしていきたいと考えております。

○小宮山委員 日曜日が開館されていないというのにも私は常々疑問を持っているんですけれども、23区の中では民間活力を導入することによって、児童館の年間休日を減らしている区も複数あると聞いております。中野区でも子育て支援団体に対して日曜日の児童館を開放していますが、使える部屋や設備が大幅に制限されているとか、実際に日曜日の児童館を借りようとした人が二つの児童館に問い合わせたところ、何とも嫌そうに対応されたという声も聞いております。今後も児童館の年間休日の減少に向けて、より一層の努力をしていただきたいとお願いをしまして、私の全ての総括質疑とさせていただきます。ありがとうございました。

○若林委員長 以上で小宮山たかし委員の質疑を終了します。

 次に、渡辺たけし委員、質疑をどうぞ。

○渡辺委員 維新の党の渡辺たけしです。通告では、1番目に中野区内の各施設を結ぶ回線インフラについて、2番目に少子化対策についてという順番でお伝えいたしましたが、質問の順番を入れかえて伺います。

 まず、少子化対策について伺います。

 今回の一般質問で、超高齢化社会を迎えるに当たって、健康寿命を延ばすことを目的とした中野区版CCRC構築について提案いたしましたが、超高齢化社会を迎えるとともに超少子化の時代をあわせて迎えることが、増田寛也氏著書の「地方消滅」に数値データの裏付けとともに書かれております。

 そこで伺います。現在、中野区で特に力を入れて取り組まれている主な少子化対策をお示しください。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 少子化対策は全庁的な課題でございますが、取り組みの一つとして、今年度は妊娠・出産・子育てトータルケア事業を実施いたします。全妊婦に対する個別支援プランの提供や産後ケア事業等により、産前産後・育児期における切れ目ないサポートを行ってまいります。少子化を突破するために、子どもを産み育てやすい環境を整備し、子どもが健やかに育つことができる地域社会の実現に取り組んでまいります。

○渡辺委員 結婚した後の少子化対策というものが中心ということでよろしいでしょうか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) この事業につきましては、出産後の事業でございます。

○渡辺委員 2010年の国勢調査によりますと、25歳から39歳の未婚率は男女ともに引き続き上昇しているというデータが出ております。未婚率は男性では25から29歳まで71.8%、30歳から34歳までで47.3%、35歳から39歳で35.6%となっており、女性ですと25歳から29歳で60.3%、30歳から34歳で34.5%、35歳から39歳で23.1%となっております。このデータを見る限り、これからの時代は婚活など結婚前の段階からの少子化対策を行う必要があると考えるのですが、区としてはどのように考えているでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 結婚は個人の考え方にかかわる問題でございまして、個人の自由な選択が最優先されるというものの、少子化問題は社会的に大きな課題であるというところから、未婚率の上昇という状況を踏まえると、区としても少子化対策のために20代、30代への何らかの取り組みが必要だというふうに考えておるところでございます。

○渡辺委員 今、国では地域少子化対策強化交付金というものを出しております。特別区ですと2,500万円を出しているということですが、中野区ではこちらの補助金を使った少子化対策を何か行っているでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 地域少子化対策強化交付金につきましてですが、25年度、国の補正予算で創設されたものでございまして、平成27年度、都の交付要綱によりますと、特別区については上限額2,500万円としての募集を行ったものでございます。本交付金につきましては、結婚から育児までの切れ目ない支援を行うために、不足している事業に対して補助を行うというものでございまして、さらに新規事業であるということが交付の要件となっているというものでございます。この補助金につきましては、現在のところ区としては活用を行っていないということでございます。

○渡辺委員 例えば、こちらの交付金を活用すれば、区の予算を使うことなく婚活支援を行うことができます。結婚・出産・育児の切れ目のない支援から、未婚率の改善を目的とした自治体独自の施策で出会いから交際までの支援を行い、出会いから育児までの切れ目のない支援を行うべきと考えますが、区の見解を求めます。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 平成27年度の都の交付要綱によりますと、結婚に向けた啓発や情報提供事業等を対象としているということでございます。結婚支援につきましては、何らかの対策が必要であるというふうに考えてございますけれども、この交付金を活用するとなると、啓発や情報提供事業等、事業内容が限定されるということから、必要性については検討したいというふうに考えております。

○渡辺委員 地域少子化対策強化交付金の活用条件としては、税金を飲食に費やすことはできないという理由で、いわゆる街コンのようなものは交付金の対象外になっております。先進事例を調べてみると、こちらの交付金を使ってセミナーやフォーラムを行っているケースが多いようです。例えば広島県では、ひろしま出会いサポートセンターというものを県庁内に設置し、登録会員に県内に散在する結婚、婚活に関する情報、いわゆる婚活イベントや街コン、結婚セミナーなどの情報を集約して提供しており、未婚者の意識やニーズを調査し、市やNPO事業者等と情報共有を行うなど婚活サポートを、交付金を活用して行っております。

 そこで伺います。中野区でも交付金を活用して同様の事業を行うことは可能でしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 結婚に向けた啓発や情報提供を目的とした講座等につきましては、複数の自治体が実施しているということは承知しているところでございます。中野区における結婚の課題といたしましては、出会いの機会ということもありますが、育児環境や就労や収入の状況など多岐にわたっているということは考えられるということから、同様の事業の有効性も含めまして、区の実情に合った支援について検討することは必要であるというふうに考えております。

○渡辺委員 例えば、秋田県とかでも似たような事業を行っているんですけど、区内全ての大学において卒業後の結婚や家庭との生活など、将来を見据えたキャリアデザインセミナーを各校の特徴に合わせて開催する。中野区での結婚・妊娠・出産・子育て等をテーマにした連続講座を開催し、中野区のPRもあわせて行う。講座が一つの出会いの場となるように、例えば男女3人ずつのグループに分けて、お互いの趣味や考え方、価値観がわかるようなグループワークを行うような仕掛けを入れるなど、名目はセミナーですけど、中身は出会いの場を演出する内容というようなイベントを企画した場合、この地域少子化対策強化交付金の交付金を利用することは可能でしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 委員おっしゃいましたとおり、単に結婚希望者の出会いの機会づくりを目的としたパーティー等のイベントに関連する事業については交付金の対象外ということでございますが、啓発や情報提供事業との位置付けが明確にセミナーであれば、交付金の対象になり得る、なる可能性はあるだろうというふうに考えております。

○渡辺委員 最後に要望になりますけど、もし中野区が補助金を使って、中野区の予算を使わず婚活支援を行うということを考えた場合、自治体であるということを一つのアドバンテージとして考えた上で、例えば交通アクセスのよい公共のスペースを安価にイベント会場として利用できる、民間会社が主催するイベントより信頼性がある、区の別のイベントと連動して、セミナーではあるけれど、出会いの場ともなるような企画立案を立てて補助金を確保していただきたいと思います。

 続きまして、中野区内の各施設を結ぶ回線インフラについて伺います。

 平成26年度の決算説明書を見ますと、211ページに記載されている庁内情報光回線使用料として5,349万8,880円発生しております。まず伺いたいのですが、こちらの回線部分の利用年数、回線種別、ネットワーク構成はどのようになっているのでしょうか。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) ただいまの委員の御質問にお答えいたします。各拠点間の回線整備は平成14年度に国の補助金を活用して行ってございます。回線は専用の光回線を使用してございます。回線速度は地域拠点の地域事務所までは1ギガ、その他の末端施設までは100メガの回線を引いてございます。

○渡辺委員 1拠点当たりの回線費用を教えてください。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 地域拠点の地域事務所でございますが、税別で月額10万円、その他の末端施設につきましては、税別で月額3万6,000円でございます。

○渡辺委員 ちなみに、民間企業で100メガの専用線を引いている企業というのが、銀行や証券会社ですとか、あと、ソフトウエアの開発会社など、いわゆる高速で安定した均質で大量のデータを送らなくては成り立たないような企業というのが専用線を利用しているんですが、ちょっと伺いたいんですけど、現在中野区で管理している施設で、高速かつ安定した状態で大量のデータを送らなくては成り立たない施設がありましたら教えてください。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) まず、地域拠点でございます地域事務所につきましては、住民情報の窓口業務を行っておりますので、安定性が求められております。その他の施設につきましても、最近はデジタルカメラの高性能化に伴いまして、一つのファイル容量が大きくなってございます。また、区の研修もeラーニングがふえてきているということもございますので、区の出先機関におきましても、庁内のサーバーと一時的に大量の通信が発生することもございます。

○渡辺委員 例えば、野方区民ホールですとか、中野体育館ですとか、なかの芸能小劇場ですとか、そういったところにも100メガの専用線を引いているんでしょうか。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) まず、回線を整備した当時は区の職員がおりましたので、そういった場所には100メガの線を引いてございます。ただ、民営化などで区の職員がいなくなった時点で撤去してございます。

○渡辺委員 今、全拠点で何拠点ぐらいありますでしょうか。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) およそ100拠点でございます。

○渡辺委員 これ、私個人の見解なんですけど、区内の主な施設というのは、いわゆるBフレッツや光ネクストみたいな公衆回線で問題ないと思っているんですよ。専用線ですと1拠点3万6,000円の月額費用が発生するということなんですけど、公衆回線で接続すれば、1拠点1万円以下で構築ができるので、ランニングコストで換算すれば現在の4分の1、7割から8割引きのコストで運用が可能ではないかと思うんですけども、その点はどのように考えていらっしゃるでしょうか。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 回線設備につきましては、来年度、設備の見直しを考えてございまして、その中では必要なセキュリティーを担保した上で公衆回線の活用も検討したいと考えております。

○渡辺委員 現在のネットワーク構成のままで10年程度利用しているというふうに伺ったんですけども、構築時のときは公共機関ということもあって、専用線の利用というのは選択肢の中に入ってもいいのかと思うんですが、何度か回線を見直すタイミングがあったはずなんですが、なぜ今回の見直し時期まで高額な専用線を利用し続けたのか、理由がありましたら教えてください。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) これまでは情報セキュリティーという点を重視いたしまして、専用線の検討をしてまいりました。専用線の場合は引き直しの経費が膨大になるということから、これまで光の専用線を使用し続けてまいりました。

○渡辺委員 改めて伺いますけど、今回の見直し要件で、Bフレッツや光ネクストのような公衆回線を利用するということも仕様条件に入っているということでよろしいでしょうか。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 回線設備につきましても、仮想技術が成熟してまいりまして、専用線以外でもセキュリティーの確保ができるようになりました。そのために、機器のリプレースのタイミングに合わせまして回線の見直しを行うことにしてございます。今回の見直しにおきまして、公衆回線も検討対象の仕様からは除外してございません。

○渡辺委員 では、いわゆる高品質な回線を引く拠点と、そうじゃない普通の公衆回線を引く拠点の判断基準はどこになるのでしょうか。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 使用回線の基準につきましては、これから検討したいと考えております。セキュリティーの高い広域イーサネット等と、それから公衆回線の使い分けなどにつきましても、今後の検討対象としていきたいと考えております。

○渡辺委員 コスト削減の観点からも、ぜひ多くの拠点に低価格の公衆回線を引くことを強く要望しまして、次の質問に移りたいと思います。

 続いて、データセンターの運用、利用状況についてお伺いします。

 BCP対策や防災の観点からも、最近ではサーバーを地震や災害に強いデータセンターへ置いているケースがふえております。中野区でもデータセンターを活用しているようですが、そちらの月額利用料金と借りているラック数を教えてください。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 現在、中野区が利用しておりますデータセンターにつきましては、インターネットとの接続部分を担うインターネットデータセンターでございます。そちらにございます中野区の機器でございますが、1ラックでございます。平成26年度の利用料金は、税別で月額66万9,850円でございます。

○渡辺委員 通常、1ラックの利用料金というのは、相場ですと月額15万円から20万円程度なんですけども、データセンター利用料金の内訳についてお聞かせください。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 利用料金の内訳でございます。まず、ラック代が1ラック分で8万5,000円、それから、ファイアウォールを含むホスティング等の機器は35万8,100円、監視サービスが2万7,750円、その他運用設備費が19万9,000円でございます。

○渡辺委員 通常、ホスティングにする場合、データセンターの利用料金は発生しないはずなので、内訳を聞いている限り二重に利用料金を取られているように感じるんですが、データセンター、この辺、見直しの予定とかはないのでしょうか。

○平田区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 中野区の場合、通常のホスティングとはやや異なりまして、中野区の指定する機器をデータセンターに送る形での利用でございます。データセンターにつきましては、来年度、機器のリプレースのタイミングとなるということもございまして、そのタイミングで見直しをかけたいと考えております。

○渡辺委員 前回の見直しの時期のタイミングですとか、使用条件に合わせた提案内容が今回のような構成になったというふうに考えておきます。

 続きは分科会で行いますけども、最後に要望として、次の見直しではぜひ今よりも品質が向上して、ランニングコストも下がるようなサービス導入をお願いします。

 ITインフラの世界ですと、日進月歩でどんどん新しいサービスが出てきておりまして、通常、減価償却を考えると5年ごとに見直しをかけていくと思うんですけども、ITの世界は5年たてば、5年前に構築したサービスは全部古いサービスになっていると言っても過言ではないと思うんですね。例えば、今はタブレット端末とかiPhoneがすごい主流ですけども、5年前にそんなものが主流になるとは多分誰も考えていなかったと思うんですけど、とにかくどんどん速いスピードで新しいサービスというのが出てきているというのがITの世界だと思うんですよ。自治体の慣習で、民間よりも一回りおくれてサービスが導入されているという事情というのもわかるんですけれども、見直し時期には常に最新のITトレンドというものを把握して、RFPの仕様にも新しいサービスが提案できるような中身にしたほうがいいと思いますし、今回、来年の4月に見直しを行うということなので、回線のランニングコストを削減できる絶好のチャンスだと思っておりますし、今回、公衆回線を提案に入れるということではあったんですけれども、検討して、それでやめましたというと全然今と変わらない利用料金になると思いますので、ここはずっと見ていきたいと思いますので、そんな高品質な回線が必要ない拠点は公衆回線などを使ってコスト削減をしていっていただければということを強く要望して、私の総括質疑を終了したいと思います。ありがとうございました。

○若林委員長 以上で渡辺たけし委員の質疑を終了します。

 次に、細野かよこ委員、質疑をどうぞ。

○細野委員 市民自治を広げる中野・生活者ネットワークの立場から総括質疑を行います。質問は通告どおりで、その他はありません。

 まず、子ども110番について伺います。

 子ども110番といいますと、こども110番の家と混同されやすいのですが、私がお聞きするのは、子どもを対象に、いじめなどの悩みの相談に応じている電話相談についてです。まず、この事業がスタートした背景と、事業に期待するものは何か、お示しください。

○杉山教育委員会事務局指導室長 この事業がスタートした背景でございますが、全国的にいじめ相談の一層の充実が求められているという背景がございます。いじめ等に悩んでいる子どもたちや保護者が自由に相談できることを期待して、平成6年に開設いたしました。

○細野委員 電話の受け手はどういう人が担当しているのでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 臨床心理士等、教育相談を専門としている者が担当してございます。

○細野委員 最近、子ども110番にかかってきた電話の件数を伺います。

○杉山教育委員会事務局指導室長 平成25年度は15件、平成26年度は8件でございます。

○細野委員 25年度が15件、昨年度が8件ということで、昨年は相談が一桁になっています。中野区では、いじめや悩みのある子どもが少ないからという理由でこの相談件数ということであればいいのですが、相談したい子どもが潜在的に大勢いるのに、子ども110番を知らないために利用が少ないのであれば、事業の取り組み方の工夫を求めるところで、この分析は重要だと思います。区として、この数字の推移をどう捉えておられるのか、伺います。

○杉山教育委員会事務局指導室長 各学校では、学校いじめ防止基本方針を定め、いじめの未然予防や早期発見、早期対応に取り組んできているところでありまして、担任やスクールカウンセラーなどが児童や生徒の相談の相手、相談の窓口となっていることや、区のいじめアンケート等がいじめを訴える場の一つとなっていることというふうに捉えてございます。

○細野委員 確かに、子どもたちにとってセーフティーネットがたくさんあるということは、選択肢が限られているよりはいいことだとは思います。しかし、そうしたセーフティーネットの一つひとつが絵に描いた餅でないためには、子どもたちに日常からこうしたものが、対策が意識され、いざ必要となったときに容易にアクセスできることが前提条件として必要だと思います。子どもたちや保護者の方々には、この事業をどのように周知しておられるのでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 毎年、子ども110番のカードを全児童・生徒へ配布しております。また、ポスターを校内や関係施設へ掲示することにより周知してございます。さらに、いじめに関する指導の際にはこのような窓口を紹介することとしています。

○細野委員 確かに、決算説明書にも、子ども110番のカード1万3,000枚、ポスター300枚とあります。区立小・中学校の児童・生徒全員にカードを配布しているということですが、カードは届いていたとしても、このカードの持つ意味が子どもたちの気持ちに届いていないのではないでしょうか。区のホームページで、子どもたちに配られているカードを見ましたけれども、そこにある文言が、いじめ、学校での嫌なこと、困っていること、そのほかの悩みの相談に応じますというふうに書かれていました。この文言は大人向けの言葉で、果たして子どもの心に届いているのでしょうか。疑問に感じます。例えば、「何でも相談していいんだよ。悲しいこと、つらいこと、苦しいことがあったら電話してね。相談員があなたを助けますよ」というような、子どもの心に寄り添った言葉をカードに込めることが必要ではないでしょうか。

 区内の小学校、中学校での不登校の実態調査を見ますと、小学校、中学校合わせて11年度が129人、12年度が109人、13年度が143人、14年度が150人となっています。不登校にまでは至らず、不登校になる前に問題が解決したものもあるでしょうから、いじめや悩みの実態は、今申し上げました不登校児童・生徒の件数より実際には多いと思われます。相談を必要とする子どもたちが簡単に今ある相談窓口にたどり着けるようにすることが必要だと思います。どうぞ御検討ください。

 電話をかけようとする子どもにとっては、電話のかけやすさという点も実際の相談につながる要因になると思います。子ども110番は現在、電話をかける子どもが電話料金を負担する方式ですが、料金のことを気にしないでかけられるフリーダイヤルにするなど、工夫が欲しいと思いますが、いかがでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 子どもたちの電話の利用状況から、電話料金がかかるからかけないということは考えにくいため、フリーダイヤルについては十分な検討が必要であるというふうに考えてございます。

○細野委員 どうしたら、悩んでいる子どもたちを救えるのかという視点で、フリーダイヤルも含めてですけれども、いろいろな角度からぜひ御検討いただきたいと思います。

 また、子ども110番の相談時間なんですが、現在、月曜から金曜の午前9時から午後5時までとなっています。この時間帯以外に相談しようと思った場合には、留守番電話での対応ということです。一方、東京都教育相談センターのいじめ相談ホットライン、文部科学省の24時間いじめ相談ダイヤルなど、24時間対応のものもあり、この相談窓口は中野区教育委員会発行の「いじめ防止に向けて」という冊子にも記載されているものです。せっかくこうした窓口、24時間の窓口が利用できるのですから、例えば、子ども110番のカードにこの番号も載せるなど、いろいろと改善の余地があるかと思いますが、いかがでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 本区の子ども110番も含め、国や都のいじめ相談窓口等についての案内を年2回、児童・生徒に配布しているところでございます。現在の周知方法の充実を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

○細野委員 子ども110番は、子どもたちからの最初の小さなSOSだと思います。こうした小さなSOSをしっかりと受けとめる、そんな子ども110番であるよう、子ども目線に立って、今以上に利用しやすい相談窓口になるよう考えていただきたいと要望しまして、この項の質問を終わります。ありがとうございました。

 次の質問、障害児・障害者とスポーツについてに移ります。

 当区におきましては、昨年度、区民の健康づくりとスポーツ推進を一体的に進める健康づくり・スポーツムーブメントの推進をテーマに掲げました。今年度からは、(仮称)中野区健康づくり・スポーツ推進計画の策定に着手し、超高齢社会を迎え、区民の健康づくり・スポーツの活発化に向けた全区的な取り組みが進んでいます。こうした取り組みが障害のある方々にとってもスポーツ参加機会の拡充になることを期待して、中野区スポーツ推進委員を中心に、障害児・障害者のスポーツについて伺います。

 まず、確認のために幾つか伺います。スポーツ推進委員の身分と役割、人数をお答えください。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) スポーツ推進委員の身分と役割、人数についてでございます。スポーツ基本法におきまして、スポーツ推進委員の身分は非常勤公務員で、その役割ですが、スポーツ推進のための事業の実施に係る連絡調整、住民に対するスポーツの実技の指導、その他スポーツに関する指導及び助言と規定されております。また、これに加えまして中野区では、中野区スポーツ推進委員に関する規則で、学校等の教育機関その他の行政機関、スポーツ団体その他の団体の行うスポーツに関する行事または事業に関し、その求めに応じ協力すること、スポーツに対する区民一般の理解を深めることとしております。

 また、人数についてでございますが、同規則で定数は32人以内と定めておりまして、現在、現委員数は30名でございます。

○細野委員 スポーツ推進委員にはどういう人がなれるのか、伺います。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) スポーツ基本法では、社会的信望があり、スポーツに関する深い関心と理解を有し、職務を行うのに必要な熱意と能力を有する者としております。区としては、これに準じた要件ということでしているところでございます。

○細野委員 ありがとうございます。ここから障害のある人とスポーツについてお尋ねします。

 東京都は2012年に東京都障害者スポーツ振興計画を策定し、障害のある人もない人も誰もがスポーツに親しめるよう、現状の課題である情報の不足、場の不足、指導者の不足、競技力強化策の不足に対応するため、取り組みの具体化を目指しています。まず、この計画を区としてどう受けとめ、取り組んでこられたのか、伺います。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 障害者のスポーツにつきましては、障害者の社会参画、健康づくりにつながるものでありまして、区として重要なものと考えてございます。現在は、都の計画策定を受けて開設されました障害者スポーツポータルサイトに区立施設の施設情報やスポーツ教室の情報を掲載しております。今後、障害児・障害者のスポーツ振興につきましては、新たに策定する10か年計画や健康づくりスポーツ推進計画の中でお示しできればと考えてございます。

○細野委員 ありがとうございます。期待しております。

 障害者のスポーツ指導に当たる資格にはどのようなものがあるのか、教えてください。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 一般的に普及しているものといたしまして、日本障がい者スポーツ協会制定の資格には6種類ございます。地域で活動する指導者は、障がい者スポーツ指導員ということで3段階、初級、中級、上級とございます。そのほか、障がい者スポーツコーチ、障がい者スポーツ医、障がい者スポーツトレーナーということで6種類ございます。

○細野委員 ありがとうございます。現在、スポーツ推進委員の方、中野区には30名いらっしゃるということですが、この30名の方々の中に障害者へのスポーツ指導ができる、今教えていただきました資格ですとかスキルを持った方はいるのでしょうか。何人いるかもお示しください。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 区で現在把握しているものといたしまして、スポーツ推進委員が初級障がい者スポーツ指導員養成講習会を平成26年度までで4名が受講しております。それ以外の資格につきましては、区といたしましては現在把握していないというところでございます。

○細野委員 4名ということでした。こうしたスキルを持った推進委員の方々の活動実績、どのようなものがありますか。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 年に一度、障害のある人とない人がともにスポーツを楽しむとともに交流し、相互理解を深め合う目的で実施しております中野区民ふれあい運動会の企画運営にスポーツ推進委員が従事しております。そのほか資格取得者には所属の団体等におきまして、障害者指導にかかわっている者もいると聞いております。

○細野委員 先ほど申し上げました東京都障害者スポーツ振興計画なんですが、そこには、東京都における障害者スポーツをめぐる現状と課題として、障害のある人の人数は増加傾向にありながら、スポーツ、運動に取り組む割合が障害のある人全体では都民全体に比べて少ないという実態調査の結果が出ています。また、障害者の方がスポーツをしない理由として、1、障害が重いから、2、体力がないから、3、運動が嫌いだからに続き、4番目に、指導者がいないからが挙げられています。

 先日9月21日の東京新聞には、障害者がスポーツを楽しむための指導員の数が頭打ちとなっていて、ここ10年近く全国で約2万2,000人の横ばいが続いている。障害者スポーツの裾野を広げるために、東京都や国が指導者の養成支援に乗り出したという記事がありました。障害者がスポーツに参加できる環境づくりのために、まずは多くのスポーツ推進委員の方が障害者対応の資格やスキルを持つことが必要だと考えますが、区の見解を伺います。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 区といたしましては、今後もスポーツ推進委員の障害者対応のスキルアップに向けまして、積極的に推奨していきたいと考えてございます。

○細野委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 現在、区には障害者のスポーツ参加の機会として、中野区民ふれあい運動会やわくわくスポーツクラブ、体育館などでの水泳やスポーツ教室などが開催されています。しかし、障害のある人とない人が一緒にスポーツをする機会が非常に限られていたり、参加状況を見ますと、定員割れの教室があったりなど、課題もあるように感じます。せっかく用意されている水泳やスポーツ教室ですが、なぜ定員割れになるのか。障害児の保護者の方からは、以前はこうした教室があるだけでよかったかもしれませんが、今はニーズに合っている中身かどうか、その質も求められていると思いますという御意見をいただきました。こうしたお声もあることから、当事者やその御家族からの聞き取りや、広報の方法など含め、区としての分析をして障害者のスポーツ参加の活発化を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 今後、利用者や障害者の指導に携わっている方々の声を聞くなど、オリンピック・パラリンピックに向けた機運醸成も含めまして、障害者に寄与するスポーツプログラムを提供する企画事業を展開していきたいというふうに考えてございます。

○細野委員 障害のある人に、どうしたらいいかわからないという声を聞くこともあります。スポーツなどを通じて一緒の時間を共有することで、障害への理解も深まります。障害のある人とない人が日常的に触れ合い、交流するスポーツ教室などの開催などもぜひ進めていただきたいと思います。こうした機会をふやしていきながら、障害があってもなくても、全ての区民が生活の中にスポーツを取り入れ、健康づくりに取り組める環境整備を進めていただきたいと思います。ありがとうございました。

 最後に、食用油の回収について伺います。

 区では昨年7月から、揚げ物などに使った使用済みの油など、家庭から排出される食用油の回収事業を始められました。まず、この事業開始のきっかけについて伺います。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 食用油の回収については、区議会で廃食用油回収のモデル事業についての陳情が採択されたことを契機に事業化について検討を行った結果、平成26年7月から回収を開始いたしました。

○細野委員 区民の方からの陳情を議会が採択して始まった事業ということですので、まさに区民と議会、区が一体となって進める事業だと思います。確認のために、この事業の目的について伺います。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 使用済みの食用油については、廃棄するに当たり、これまでは紙で吸い取る、あるいは凝固剤を使用する等により、燃やすごみとして排出いただきましたが、ごみの減量と資源としてのリサイクルを目的に、食用油の回収を事業化しました。

○細野委員 この油の回収ですが、どこがどのように行っているのでしょうか。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 区民からの廃食用油の受け取りは、ごみゼロ推進分野の窓口では区の職員が、清掃事務所リサイクル展示室では、施設の管理を委託しておりますシルバー人材センターの職員が受け取りを行っております。また、第4火曜日の午前中には各区民活動センターでも回収を行っており、回収の立ち会い業務を委託しておりますシルバー人材センターの職員が受け取りを行っております。こうして区民から受け取りました食用油は月に1回、第4火曜日の午後に回収・運搬及び処理業務を委託しております事業者が各施設を巡回して回収しております。

○細野委員 初年度の昨年度はモデル事業として7月からスタートされたということですので、実績としては9カ月分になります。決算説明書には、昨年度資源化された廃食油の処理量は477キログラムとあります。今年度、月ごとの回収量の実績を教えてください。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 本年4月は158キログラム、5月、340キログラム、6月、170キログラム、7月、170キログラム、8月は200キログラムを回収しております。回収量の合計は1,038キログラムとなります。

○細野委員 そうしますと、昨年9カ月分の実績を、今年度は4月、5月の2カ月で既に上回ったということになります。回収量増加の要因は何でしょうか。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 昨年度はごみゼロ推進分野の窓口でモデル事業として回収を実施しましたが、今年度はごみゼロ推進分野の窓口に加え、清掃事務所リサイクル展示室、各区民活動センターの計17カ所で回収を実施しております。この回収拠点の拡大が回収量の増加につながったというふうに存じます。

○細野委員 ありがとうございます。回収された油なんですけれども、この後、月1回、事業者の方に引き渡しをして、その後はどのように資源化なり行われて、処理されているのでしょうか。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 回収拠点で区民から回収した食用油は、現在、区が委託しております事業者のほうで、石けん等の材料となる工業用油脂に再生しております。これを別の事業者が脂肪酸への精製を行い、最終的には石けんにリサイクルされております。

○細野委員 そうしますと、区が回収事業で関与しているのは、回収拠点から油を回収して、回収事業者に回すところまでということになるかと思います。この事業なんですが、回収した油が再び社会で役に立つものにリサイクルされて、社会に戻ってきて利用される、この循環によって完結します。私も回収拠点に行ったことがありますが、現状では、油を回収していますというインフォメーションしかなかったように記憶しています。せっかくの資源化促進のためのこの取り組みが、今のままでは、回収後のその先が区民に示されておらず、循環の輪が途中で終わっているようにも思います。そこで、回収された油の最終の姿、ことしは主に石けんにリサイクルされているということですので、例えば、リサイクルされた石けんを回収拠点に展示、提示するなどして、この事業の循環を目に見えるようにしてはいかがでしょうか。自分が出した使用済みの油がこんなものに生まれ変わっている、こうした循環を実際に目にすることで、区民の方々にこの事業の必要性に対する理解を深めてもらえるのではないかと思います。いかがでしょうか。伺います。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 回収拠点において食用油のリサイクルの成果をPRすることにつきましては、御提案の方法も含め、今後検討していきたいと考えます。

○細野委員 ぜひ前向きに御検討をお願いいたします。

 中野区では、1981年に公共施設での石けん使用を求める陳情が採択されていますが、第2回定例会でのほかの議員の方の一般質問で、現在では区有施設の何カ所かで合成洗剤が使用されていることがわかりました。石けん使用と食用油の回収、いずれも区民の方からの陳情が生かされた取り組みです。回収された廃食油が石けんにリサイクルされ、その石けんが区有施設で使用されるなど、この事業をより意義のあるものにしていただくことを要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○若林委員長 以上で細野かよこ委員の質疑を終了いたします。

 以上で総括質疑の全てを終了いたします。

 9月28日(月曜日)からは各分科会が予定されています。本日の委員会の終了後、会場設営を行いますので、持参された資料等につきましては、机の中のものを含め、全てお持ち帰りいただくようお願いを申し上げます。

 次回の委員会は、10月2日(金曜日)午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。

 以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。

午後4時13分散会