平成27年09月10日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録 1.平成27年(2015年)9月10日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(42名) 1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお 3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一 5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし 7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき 11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久 13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち 15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子 17番 細 野 かよこ 18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり 20番 い さ 哲 郎 21番 佐 野 れいじ 22番 いでい 良 輔 23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明 27番 森 たかゆき 28番 石 坂 わたる 29番 いながき じゅん子 30番 小 杉 一 男 31番 浦 野 さとみ 32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき 34番 大 内 しんご 35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭 37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員 な し 1.出席説明員 中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 川 崎 亨 副 区 長 本 田 武 志 教 育 長 田 辺 裕 子 政 策 室 長 髙 橋 信 一 経 営 室 長 篠 原 文 彦 都市政策推進室長 長 田 久 雄 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀 行 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹 区民サービス管理部長 白 土 純 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二 健康福祉部長 瀬 田 敏 幸 保 健 所 長 寺 西 新 環 境 部 長 戸 辺 眞 都市基盤部長 尾 﨑 孝 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一 経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 小 田 史 子 事務局次長 堀 越 恵美子 議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希 書 記 東 利司雄 書 記 大 野 貴 子 書 記 細 川 道 明 書 記 江 口 誠 人 書 記 井 田 裕 之 書 記 田 中 寛 書 記 福 島 ル ミ 書 記 遠 藤 良 太 書 記 香 月 俊 介 書 記 亀 井 久 徳
議事日程(平成27年(2015年)9月10日午後1時開議) 日程第1 第68号議案 平成27年度中野区一般会計補正予算 日程第2 認定第1号 平成26年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
午後1時00分開会 ○議長(北原ともあき) ただいまから平成27年第3回中野区議会定例会を開会いたします。 本日の会議を開きます。 会議録署名員は会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。 3番日野たかし議員、40番むとう有子議員にお願いいたします。 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から10月16日までの37日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 この際、御紹介申し上げます。7月13日付をもちまして、本区副区長を退任されました英直彦さんを御紹介申し上げます。 〔前副区長英直彦登壇〕 ○前副区長(英直彦) ただいま御紹介いただきました前副区長の英でございます。本日は、このような御挨拶の機会を設けていただきまして、まことにありがとうございます。 中野区には、平成25年4月1日から本年7月13日までの2年3カ月間、勤務させていただきました。この間、微力ではございましたが、区役所・サンプラザ地区の再整備等の中野駅周辺まちづくり、西武新宿線の連続立体交差事業及び沿線のまちづくり、木造密集市街地での防災まちづくりなどの業務を中心に担当させていただきました。田中区長、議員各位をはじめ皆様の御指導、御支援をいただき、これらの業務を遂行させていただくことができましたことに心より感謝を申し上げます。 中野区のまちづくりは、計画の段階から事業の実施段階へと進展が図られ、いよいよ本格的に事業が動こうとしております。こうした中で異動することになりましたことは、まさに後ろ髪を引かれる思いでございました。現在は、国土交通省で土地区画整理事業、再開発事業をはじめとする市街地の整備を担当いたしておりますが、中野区を新たなふるさととして、引き続き、できる限り中野区のまちづくりに貢献させていただきたいと考えております。 中野区及び中野区議会のますますの御隆盛と皆様の御健勝を心から祈念して、退任の御挨拶といたします。短い間でしたけれども、本当にお世話になり、まことにありがとうございました。 ○議長(北原ともあき) 以上で紹介を終わります。 さらに、御紹介申し上げます。7月14日付で、本区副区長に就任されました本田武志さんを御紹介申し上げます。 〔副区長本田武志登壇〕 ○副区長(本田武志) ただいま御紹介いただきました本田でございます。 7月14日付をもって副区長に就任させていただきました。田中区長のもと、区民、関係者の皆様方、職員とともに、誠心誠意区政の発展に努めていきたいと思います。御指導のほどよろしくお願いいたします。 ○議長(北原ともあき) 以上で紹介を終わります。 この際、申し上げます。平成27年7月10日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり本会議参与に人事異動がありましたので、御報告いたします。
本会議参与の人事異動
平成27年(2015年)7月10日
○議長(北原ともあき) それでは、新たに本会議参与に就任されました篠原文彦経営室長を御紹介申し上げます。 〔経営室長篠原文彦登壇〕 ○経営室長(篠原文彦) ただいま御紹介いただきました経営室長の篠原でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 ○議長(北原ともあき) 以上で紹介を終わります。 次に、平成27年7月10日付、7月16日付及び8月27日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
○議長(北原ともあき) 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。 これより日程に入ります。 ――――――――――――――――――――――――――――――
○議長(北原ともあき) 日程第1、第68号議案、平成27年度中野区一般会計補正予算を上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長川崎亨登壇〕 ○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第68号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。 第68号議案、平成27年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ41億5,028万8,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は、1,382億8,809万8,000円となります。 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。 まず、地域ケア費ですが、東京都が今年度から新たに実施しているゆりかご・とうきょう事業を活用して、全妊婦を対象とした面接、相談の実施や支援プランの作成など、妊娠、出産、子育てのトータルケア事業を拡充するための経費3,025万5,000円を追加計上するとともに、財源の変更に伴い、国庫支出金及び都支出金の財源更正を行うものです。また、学童クラブの待機児童対策として、児童館と併設する学童クラブの待機児童について、当該児童館を活用して、その待機児童を受け入れるための経費558万9,000円を計上するものです。 次に、戸籍住民費ですが、社会保障・税番号制度の導入にあわせて、通知カード及び個人番号カード関連事務の一部を地方公共団体情報システム機構に委任することに伴い、同機構に対する平成27年度の負担額が確定したため、1億823万3,000円を追加計上するとともに、財源の変更に伴い、国庫支出金の財源更正を行うものです。 最後に、諸支出金ですが、平成26年度からの繰越金を原資として、財政調整基金積立金40億621万1,000円を追加計上するものです。この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金1億1,872万6,000円、都支出金3,679万5,000円及び繰越金40億621万1,000円を追加計上する一方、繰入金1,144万4,000円を減額するものです。 次に、繰越明許費について説明いたします。 これは、今年度内にその支出が終わらない見込みである第三中学校・第十中学校統合新校の校舎新築に係る基本構想及び基本計画の策定に係る経費972万5,000円について、翌年度に繰り越しを行うため、計上するものです。 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(北原ともあき) 本件について、御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第3、第75号議案、中野区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例を先議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 第75号議案 中野区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
○議長(北原ともあき) 日程第3、第75号議案、中野区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例を上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長川崎亨登壇〕 ○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第75号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。 第75号議案、中野区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例は、地方公務員等共済組合法の改正に伴い、引用する法律の条項について規定の整備を行うものです。この条例の施行時期は、平成27年10月1日です。 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(北原ともあき) 本件について、御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第4、議員提出議案第12号、前副区長英直彦さんに対する感謝状贈呈に関する決議を先議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 議員提出議案第12号 前副区長英直彦さんに対する感謝状贈呈に関する決議
○議長(北原ともあき) 日程第4、議員提出議案第12号、前副区長英直彦さんに対する感謝状贈呈に関する決議を上程いたします。 提案者代表の説明を求めます。 〔[1]内川和久議員登壇 〕 ○12番(内川和久) ただいま上程されました議員提出議案第12号、前副区長英直彦さんに対する感謝状贈呈に関する決議につきまして、提案者を代表して提案理由の説明を申し上げます。 前副区長英直彦さんは、昭和59年に当時の建設省に入省され、関東地方建設局を皮切りに、大臣官房、建設経済局、都市局、都市・地域整備局などにおいて主要ポストを歴任されました。また、その間、岡谷市都市開発部長、岐阜市副市長などにも派遣され、活躍されました。このように、広範な分野において活躍をされた後に、平成25年4月1日に、中野区の副区長に就任されました。 英さんが中野区に在籍されたのは2年3カ月あまりでございましたが、その間、田中区長を支えるとともに、その豊富な知識と経験に基づく幅広い識見、卓越した行政手腕を発揮され、中野区政に多大な貢献をされました。とりわけまちづくりに係る事案については知識と経験をいかんなく発揮され、幾つもの困難な課題を克服されてまいりました。 中野駅周辺まちづくりでは、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業に関する基本協定の締結や中野駅周辺各地区の事業化に向け、関連都市計画の決定などに御尽力されました。また、西武新宿線連続立体交差事業についても、関連の都市計画事業や沿線まちづくりの取り組みなどに顕著な功績を残されました。さらに、哲学堂公園、旧野方配水塔周辺地区においては、これら近代財産の有する風致と調和する良好な周辺環境の形成や、これらを核とする歴史、文化を生かした都市観光拠点の形成の道筋をつけていただきました。一方、情報の分野においても、最高情報統括責任者として中野区情報システム調達ガイドラインの適切な運営に当たられるなど、中野区におけるITガバナンスの推進にも顕著な功績を残されました。 このように、卓越した行政手腕と指導力を発揮され、また、職員の育成にも力を注がれるなど、区政のさまざまな面での発展に寄与し、副区長としての職務を全うされました。このたび副区長を退任されることになりましたが、ここに改めて英さんの労苦をねぎらい、その功績に敬意を表するために本議案を提出した次第でございます。 同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願いを申し上げて、提案理由の説明といたします。 ○議長(北原ともあき) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。 上程中の議案は、原案どおり可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、内川和久議員、久保りか議員、長沢和彦議員、酒井たくや議員、いでい良輔議員、小林秀明議員、小杉一男議員、ひやま隆議員、市川みのる議員、甲田ゆり子議員、伊藤正信議員、若林しげお議員、加藤たくま議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、渡辺たけし議員、内野大三郎議員、細野かよこ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 内 川 和 久 1 基本構想・10か年計画改定について 2 区役所・体育館整備について 3 中野駅周辺のまちづくりについて 4 その他
○議長(北原ともあき) 最初に、内川和久議員。 〔[2]内川和久議員登壇 〕 ○12番(内川和久) 平成27年第3回定例会におきまして、自民党の立場で一般質問をさせていただきます。 質問は、通告どおりであります。4番、その他の部分で、(1)旧中野中学校跡地の利活用について、(2)職員研修について、お聞きしたいと思います。 それでは、1番、基本構想・10か年計画の改定についてお聞きします。 中野区基本構想は、区民の共通目標となるものと同時に、区が区民の信託に基づき行政を進めるという区政の「基本のき」であります。そして、それを実施していくのが10か年計画であると認識しております。基本構想は、10年で改定、中間の5年で小規模な見直しとされており、ことしは10年目の改定、節目の年であります。その改定に当たっては、少子高齢化、人口減少といった社会全体の抱える根本的な問題を踏まえながら、持続可能な地域社会を築いていくために、地域経済の活性化や子育て支援、高齢者、障害者の支援、社会インフラ更新など山積みとなっている区の課題に責任と柔軟な発想で取り組んでいかなければなりません。 昨年9月に発足した基本構想審議会では、現状把握、今後の課題等の整理を行い、新たな中野のまちの姿を描く上での視点や方向性について討議、議論を進めてきたとのことですが、このたび中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画の改定に係る検討骨子について報告がありましたので、幾つか質問をさせていただきます。 まず、10か年計画の中で、ステップを進めていく上で途中中止を余儀なくされたものや大きく変更となったものについては、当然目指すべきまちの将来像について影響が生じると思われます。例えば支えあいポイント制度や商店街ポイント制度では、商店街活性化やCO2削減、高齢者の就労、社会貢献の支援において連携がうたわれておりましたし、おくれている地域スポーツクラブについては、区民の健康づくりにおいて、また、学習・スポーツ活動の推進など多くのメニューとの連携がうたわれておりました。また、中野駅南口地区のまちづくり推進では、中野二丁目にもみじ山文化センターや新体育館など公共施設を集積することにより、生活を豊かに彩る文化活動拠点としてまちの魅力を高めるとありましたが、新体育館は他の場所への整備へと変更をされました。 こうした全ての施策は、PDCAサイクルにより見直し、改善が行われ、新たな施策へと展開されますが、これら途中中止を余儀なくされたものやおくれが生じているもの、また、大きく軌道修正された施策について、どのように評価、検証され、どのように改善、見直しが行われてきたのでしょうか。基本構想、10か年計画改定作業を進める上で、まずはしっかりと総括をしておく必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。 次に、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、区役所・体育館整備や中野駅周辺再開発など最終年次を定めているプロジェクトが多くありますが、これらについては、確実な進行管理が必要と考えます。お考えをお聞かせください。 また、オリンピック・パラリンピックは区政全般にかかわる横断的な事業であるため、どのような目標を掲げ、施策全体に取り組んでいくのか、区のお考えをお聞かせください。 次に、今回示された検討骨子では、「小さな区役所」という表現が消えております。区民にとってわかりやすい文言だったと思いますが、消えた理由をお聞かせください。 この項の最後に、10か年計画の検討に当たっては、財政面についてもしっかり意識しておく必要があります。少子高齢化、人口減少社会が進むことによる社会保障費の増が想定され、子育て支援、地域包括ケア体制の構築、中野駅周辺まちづくり、区役所・体育館整備、西武新宿線沿線まちづくり、区立小・中学校再編をはじめとした公共施設整備など、さまざまな施策に取り組んでいかなければなりません。10か年計画改定作業の中で、10年間の財政見通しは、一体いつ、どのような形で示されるのでしょうか。お考えをお聞かせください。 2番、区役所・体育館整備についてお聞きいたします。 区役所は、中野区施設白書によりますと、大規模改修を行った上で、60年で更新することとしています。時代のニーズに合った区民サービスを提供するには、ワンストップ型の総合相談窓口の設置や夜間・休日窓口の充実などが必須でありますが、現区役所では構造上の問題があり、限界とのことです。区は、来年第1回定例会には整備基本構想策定の報告と区役所位置の変更に関する条例を提案する予定であり、30年工事着手、32年の竣工を目指すとしています。また、区は、現区役所とサンプラザ地区は一体の再整備を目指しており、新区役所整備に当たっては、民間の力も活用しながら、区役所敷地の資産価値を最大限活用することとしています。 さきの定例会では、我が会派の大内議員による区役所・サンプラザ地区再整備における事業構築パートナーの活用に関する一般質問に対しまして、区長から、区役所・サンプラザ地区再整備事業は「民間の開発によって実現したい」、「そのためには、区が求める公共・公益的機能を取り込んだ上でさらに成り立つ民間の事業スキームを構築していかなければならない」との答弁がありました。 まず、これに関連して、区役所・サンプラザ地区再整備について幾つか質問します。 民間の事業スキームを構築するということで、事業構築パートナーとして二つのグループを選定し、主要検討事項を軸に意見交換を進めていると聞いています。現時点ではどのような内容をテーマとして意見交換を行っているのか、お聞かせください。 次に、区が求める公共・公益的機能とは具体的にどのような機能を示しているのか、お聞きします。 また、新区役所整備の財源を確保することも重要な条件としておりますが、区役所敷地の資産価値を利用しての現時点で考えられる財源スキームをお答えください。 次に、新区役所予定地は現在のところ区域3区有地とのことですが、この地区の現在の都市計画は第1種中高層住居専用地域で、容積率は200%であります。このままでは、建築基準法上の用途で事務所とされる新区役所は建てられません。また、容積率200%では、十分な規模が確保できないのではないでしょうか。新区役所整備においては、用途地域を緩和したり、容積率を最大限に引き上げていくことが必要と考えます。区のお考えをお聞かせください。 次に、体育館整備についてお聞きします。 中野体育館は昭和45年に建設され、建設後45年が経過しようとしております。施設の老朽化が進んでいます。また、現在の施設は、構造上アリーナへの空調設備の設置が難しいことやバリアフリー対策が進んでいないこと、サブアリーナが設置されていないため、競技によっては大会を消化し切れない場合があるなど、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機としてスポーツに取り組む区民をふやし、これからの高齢社会に対応していくことが課題となっています。区の中央体育館としては、満足な機能を持っているとは言えない状況であります。区民の健康づくりの推進は将来的な医療費の削減などにもつながることから、区としても早急に進めていかなければならない取り組みであり、これからの区民ニーズに対応できるスポーツ施設として早急に建てかえを行うことが必要であると考えております。 体育館の建てかえ先としては、旧中野中学校から四季の都市(まち)区域3区有地と変遷をたどり、現在、平和の森公園内で計画していくこととなっており、区は、今年度中に整備構想、整備基本計画を策定し、来年度から設計、東京オリンピック前の平成31年度の完成を目指すとしています。体育館建設には、多額の経費が必要であります。区は、公園施設として位置付けることによって国庫補助の獲得などできる限りの財源確保を行うとしていますが、計画段階においてコスト抑制策を十分に検討し、一般財源に大きな負担を及ぼさない整備を進めるべきであると考えております。 一方で、区が示した想定スケジュールを見ますと、現体育館閉鎖と新体育館の開設との間に1年間のタイムラグがあり、その間は、体育館が使えないことになります。東京オリンピック・パラリンピックを控え、スポーツ機運が盛り上がりを見せているであろう時期に体育館が使えなくなることは、これを契機としてスポーツ人口をふやしていこうとする区にとってもマイナスになることが懸念されます。また、現在利用されている区民の方からも不安の声が寄せられていると聞いています。今後詳細なスケジュールを検討していくことになるとは思いますが、その中でできる限り体育館の閉鎖時期を短くする工夫をする必要があると考えますが、区のお考えをお聞かせください。 次に、6月の第2回定例会中に報告された平和の森公園再整備の方針によりますと、区は、現在未開園である約1ヘクタールの場所も含め、6.5ヘクタール全体の改修を計画するとしています。未開園部分は、東京都下水道局の施設設置工事が中断してから久しく、早期に工事等が再開され、公園全面開園を実現することが必要です。1ヘクタールが利用可能になることによって、より充実した公園として機能することが可能になると考えます。 区は、屋外スポーツ施設等の整備は東京都下水道局の工事の進捗を見据えて段階的に進めるという考えを示しておりますが、2020年東京オリンピック・パラリンピックまでの整備が望まれる中で、東京都に対して、早期の施設全面完成を求めていることと思います。現在の状況をお聞かせください。 3、中野駅周辺のまちづくりについてお聞きします。 初めに、中野駅西側南北通路及び橋上駅舎整備についてお聞きします。 これらの整備は、中野駅周辺地区の歩行者の回遊性と利便性を高め、中野駅地区北側のにぎわいを南側へも波及させるために必要不可欠なものです。また、現北口広場の混雑解消のためはもとより、中野三丁目土地区画整理事業と拠点施設整備、囲町東地区市街地再開発事業、区役所・サンプラザ地区再整備など、今後の駅周辺地区の中野通りの西側におけるさらなる開発、再整備のためにも、着実な整備が望まれます。さらには、災害時における鉄道南側から中野区役所一体の広域避難場所への円滑な移動経路としても重要なプロジェクトであると考えます。 さて、区とJRは昨年9月に基本設計の実施に関する協定書を締結しましたが、このたび設計の工程延伸についての報告がありました。設計工程は、当初昨年9月から本年9月末とのことでしたが、延伸後は、来年3月末までとのことです。その理由としては、前例のない道路一体建物による自由通路整備であり、建築与条件の整理に予想以上の時間を要したためとありますが、あまりにも直前のこの設計工程延伸に非常に不安を感じます。区としては2020年東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせるべく工程管理を行っているものと考えますが、目標年次を定めたプロジェクトに関しての着実な推進を求めます。区のお考えをお聞かせください。 次に、中野三丁目地区のまちづくりについてお聞きします。 中野三丁目土地区画整理事業に関しては、ことしの7月に、URが国土交通省の事業認可を受けたとのことです。これにより、いよいよURによる土地区画整理事業が本格化します。一方、この地区のまちづくりに関しては、これまで長年、区が地域住民とかかわり、信頼関係を構築して、進めてきたものと考えております。このたびURが区画整理事業によりこの地域のまちづくりを主導していくことになりましたが、桃丘小学校にあった避難所機能が桃花小学校へ移ることに関して、不安の声が上がっています。また、桃丘小学校跡地拠点施設についても、さまざまな要望が出されていると聞いております。地域としては、これからのまちづくりについて、引き続き区の主体的な関与を求めております。中野三丁目まちづくりについて、また、桃丘小学校跡地拠点施設について、区はどのようにかかわっていくのか、お考えをお聞かせください。 次に、囲町地区のまちづくりについてお聞きします。 中野四季の都市南側に位置するこの地区は、市街地再開発事業による面的整備と補助221号線の一部区間の整備が現在検討されております。このうち囲町東地区では、再開発準備組合が設立され、市街地再開発事業の検討が先行的に進められており、中野駅や中野四季の都市との近接性を生かした業務、商業や都市型住宅などの多様な都市機能を集積し、にぎわい活動拠点の形成を図るとのことです。さきに述べたとおり、中野駅西口改札南北自由通路が整備されると、囲町東地区はより中野駅に近くなり、その近接性を最大限生かすことが重要と考えます。将来的な中野駅との歩行者動線について、区のお考えをお聞かせください。 次に、中野二丁目地区のまちづくりについてお聞きします。 初めに、過去にも質問をさせていただきましたが、堀江敬老館の移転計画はどのようになっているのでしょうか。お答えください。 次に、中野二丁目再開発は土地区画整理事業と市街地再開発事業の一体的施行ですが、事業の施行順序として、まず、工事のための道路整備、次に、公社住宅の建てかえを先行的に進める必要があると考えられます。これらの計画の予定についてお答えください。 次に、産業振興センター敷地に設置予定の中野消防団第5分団庫に関しては、現在係争中とのことですが、地域防災上必要不可欠なものであり、早期の設置が求められます。今後の見通しについてお答えください。 4、その他、(1)旧中野中学校跡地の利活用についてお伺いいたします。 中野中跡地については、現在、堀越学園高等学校が、建てかえのため、平成28年9月まで仮校舎として使用しておりますが、その後の跡地活用については、いまだ決まっていない状況です。一方、中野総合病院が発行している広報紙である東京医療8月号によりますと、現在の中野総合病院は築50年が経過して老朽化が著しく、継続して使用するためには大規模改修が必要であり、現在の施設を継続使用して、利用ニーズに十分に応えて地域医療の中核を目指す病院であることは難しいため、新病院の建設は不可欠であるとのことです。 このような中、本年3月に中野区との間で病院建てかえに関しての話し合いが行われ、地域医療等に関する意見交換が行われた中で、病院側が、現病院からも近い旧中野中学校跡地を建てかえ予定地候補として取り組むこと、中野区、中野区医師会、中野総合病院が協力して中野の医療の向上を図っていくことが確認されたとのことで、中野総合病院としては、新たな整備理念と機能を持った新病院を建設する旨を区に伝えたとのことです。10月からは病院名を中野総合病院から新渡戸記念中野総合病院へと変更することも新たに決定し、病院内で、新病院建設の基本構想を早期に中野区に示すため、新病院建設院内委員会と新病院建設委員会とが設置され、具体的な検討に入ったとのことであります。 第2回定例会の一般質問において、区は、中野中跡地については、地域医療施設等の誘致についても検討したいと答弁しており、昨年度、同じく地域医療の中核的病院である佼成病院が中野区外に建てかえ移転したことにより地域医療体制に影響を与えたような事態を繰り返さないためにも、十分に応援していく必要があると思います。 そこで、お聞きします。 現在、中野総合病院について、新病院の建設に向けての進捗状況はどのようになっているのでしょうか。 また、地域医療の中核病院として、さらに区民の健康を支えていくためには、新病院に期待する機能もあるかと思います。新病院に対する区側の要望として付加される機能としてはどのようなものがあるのでしょうか。お聞かせください。 また、仮に中野中跡地への新病院建設が決定した場合であっても、堀越学園の仮校舎として使用が終了した後、新病院建設着工までの間、一定の間、未利用の期間が生じるのではないかと想像されます。その間、旧中野中学校跡地の有効活用を行っていく必要があると考えますが、区のお考えをお聞かせください。 4、その他の2番、職員研修についてお伺いいたします。 区は、新しい中野をつくる10か年計画に掲げた小さな区役所を実現するため、少数精鋭の組織づくりに取り組んできました。積極的な民間活力の活用や徹底した事業見直し等の行政改革によって人員の削減と区民サービスの向上に取り組み、多くの成果を上げてきました。区の目指す少数精鋭の組織においては、当然のことながら、職員一人ひとりが高い能力を持っていることが必要です。そして、持てる力を十分に発揮し、最少の経費で最大限の効果を上げることが求められます。そのためには、職員研修、能力の開発、そして、何よりも区政を担う志を共有していくことが重要ではないでしょうか。 主要施策の成果によると、人事分野の目標では、効率的な職員研修によって少数精鋭の職員体制のもと、高い能力と専門性を持った職員が働いているという目標を持ち、具体的な取り組みとしては、各部のOJT、実務研修、能力開発型研修、職層研修、特別区専門研修など多様な研修を実施し、財務会計と文書事務についてはeラーニングも導入し、成果を上げているとのことです。 しかしながら、団塊の世代の退職や、文書事務や財務会計が電子化されて10年以上たつことから、業務の基礎や根拠等を確実に習得する機会が減っていることもまた事実であります。 お隣の新宿区では、平成24年に、職員が知っておくべき仕事の基礎知識をまとめたテキストとして、「区職員の基本のき」というものを発行し、職員に配付したとのことです。発行の目的は、職員が区の目指すまちの姿と目標であるビジョンとその担い手としての志を共有し、区政運営を進めること、また、職員が文書の作成や契約事務、予算の執行などの基礎知識を習得することであるとされています。そして、仕事が複雑化、多様化する状況において、必要とされる基礎知識が一層ふえているため、「基本のき」を常に手元に置いて活用することを求めています。 平成25年の総括質疑において、我が会派の市川議員が、この「基本のき」というテキストを取り上げて、中野区でも職員全体の基礎力を向上させるため、同じようなものを発行する考えはないか質問した際、能力開発のテキストの開発について研究してみたいとの答弁でありましたが、現在どのように検討されているのでしょうか。基本構想改定の機会に、中野区の目指すビジョンと志を共有し、職員の基礎知識の獲得、能力向上のために、「基本のき」のようなテキストを策定してみてはいかがでしょうか。区のお考えをお聞かせください。 これで全ての質問を終わります。 ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 内川議員の御質問にお答えをいたします。 10か年計画での総括ということです。 現行の10か年計画の施策の実施に当たっては、毎年のPDCAサイクルの中で実施経過を評価、分析し、区民にとっての価値を最大限に考慮し、必要な見直し、改善に努めてきたところであります。昨年度、こうした制定当初からの10か年計画の実施状況について、成果指標の状況、ステップの進捗状況及び今後の課題を取りまとめたところであります。こうした取りまとめを踏まえ、個々の状況を分析し、改定に向けた検討を進めているところであります。 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて幾つか続く年次を定めたプロジェクト、これらの進行管理についてであります。 区役所・体育館整備や中野駅周辺まちづくりなどは、それぞれのプロジェクトが密接に関連をしておりまして、進行管理が大変重要となってまいります。プロジェクトの中心となる部と関係する部を明確にし、個々のプロジェクトの進行管理はもとより、全体の進行管理をしっかりと行い、庁内が連携して目標の実現に向けて事業を確実に進めてまいります。 オリンピック・パラリンピックに向けた目標、そうした取り組みについてであります。 区のさまざまな施策において、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、着実に取り組みを進めていく必要があります。このことから、本年6月に、オリンピック・パラリンピックにかかわる機運醸成や、健康づくり、スポーツ活動の推進などを目標とした区の取り組み方針を策定し、所管を含めた施策をまとめたところであります。今後は、この方針に基づき、区全体の施策として着実に進めていきたい、こう考えております。 今回の基本構想、10か年計画の検討骨子で消えている「小さな区役所」という表現、考え方についての御質問です。 「小さな区役所」という現行の基本構想、10か年計画における柱の表現ですけれども、区民に必要な行政サービスを民間活用やさまざまな団体との連携を図りながら適切に提供し、最少の経費で最大の価値を地域社会にもたらすという効率性の観点からの考え方を示したものであります。現段階においては、効率性はもとより、将来に向けたよりよい区民サービスの提供という観点から、区民生活の将来を見据えた行政運営が行われるまちとして柱立てをしたものであります。「小さな区役所」といった表現のわかりやすさなども十分踏まえながら、今後、議会や区民の皆様の御意見などを踏まえ、表現について整理をしてまいりたいと考えております。 基本構想、10か年計画に関連して、10年間の財政見通しについて、いつ、どのような形で示すのか、こういったことであります。 基本構想で描く中野のまちの将来像を実現するためには、10か年計画のさまざまな取り組みを確実なものとする必要があり、将来を見据え、安定的な財政運営を行っていく必要があります。10か年計画における財政計画については、将来の財政需要とベースとなる税収の動向や基金や起債の活用計画も含めた歳入の予測を捉えて示す必要があると考えております。新年度予算編成の作業と並行して10年間の財政見通しを定めた上で、お示しをさせていただきたいと考えております。 区役所・体育館整備に関連して、区役所・サンプラザ地区再整備の事業構築パートナーとの意見交換、どのような内容をテーマとして行っているかということであります。 区役所・サンプラザ地区再整備にかかわる事業構築パートナーとの意見交換では、区の再整備基本構想を踏まえ、国際ビジネス拠点を形成するための業務集積やホール・コンベンション施設のあり方など再整備実施方針の策定に向けた主要検討事項を設定し、意見交換を行っているところであります。先日行われた意見交換では、ホール・コンベンション機能を中心とした交流拠点のあり方をテーマとし、パートナーからは、音楽やスポーツなどのイベント市場の動向を踏まえ、多目的に使えるアリーナの可能性や課題が提起をされたところであります。 区役所・サンプラザ地区再整備事業において区が求める公共・公益的な機能についての御質問であります。 区役所・サンプラザ地区再整備においては、集客力と発信力のある大規模な交流空間を設け、来街者をふやすことによって、地域経済への波及効果を狙っているものであります。再整備事業は民間の事業として実施することを想定しており、そうした整備の中で、幅広く区内の産業振興や文化発信、さまざまな交流など公共・公益的機能をいかに盛り込んでいくかが区にとって大きな課題だと認識をしているところであります。 新区役所整備の財源スキームについての御質問です。 現区役所敷地については、土地活用により、新庁舎整備の財源としていく考えであります。土地活用のスキームとしては、売却や貸し付け、土地信託などの方法がありますが、全体の整備手法によっても変わるものと考えており、最適なスキームを検討してまいります。 それから、新区役所整備において、区域3区有地の用途地域に関する御質問がありました。 新区役所整備を予定している区有地及び隣接する民間敷地は、中野四丁目地区地区計画が定められております。その中で、土地利用方針として、さまざまな都市機能を備えた複合市街地を形成することとされているところであります。そうした位置付けを踏まえ、新区役所用地となる区域3区有地についても、適切な高度利用のあり方を定めることが必要となります。そうした内容を示す地区整備計画として、今後定められていくものとなります。このような地区の位置付けを踏まえ、区役所整備についての検討を進めていきたい、こう考えております。 体育館の閉鎖の時期であります。1年間の閉鎖の時期が生じるということに関連してであります。 体育館の建設スケジュールによると、現体育館撤去と新体育館開設との間に約1年間の閉鎖期間が生じることとなっております。新区役所につきましては、地域の防災機能や区民サービスの機能の向上を図るため早急に整備する必要があり、新区役所の着工を急いでいるものであります。一方で、体育館につきましては、現在進めている整備基本構想の中で、技術的検討を踏まえ、工期について検討をしていきたいと考えております。なお、閉鎖期間中にあっては、他施設の活用など、利用者の理解促進に努めてまいりたいと考えております。 平和の森公園1ヘクタールの未整備部分の早期の完成についてであります。 区といたしましても、1ヘクタールの未整備部分については、早期の全面開園に向けて、これまでも東京都下水道局に対し、施設全面完成に向けた取り組みを進めるよう要望をしてきているところであります。今後とも引き続き強く働きかけをしてまいりたいと考えております。 旧中野中跡地の進捗状況についてということであります。 中野総合病院の建てかえについては、病院側が新病院建設の基本構想を作成していると聞いているところであります。区といたしましては、地域医療に貢献していただいている中野総合病院の建てかえに対しては、協力をしていくという考えであります。病院側から具体的な計画の提案があった場合、区としてどのように支援できるか、総合的に判断してまいりたいと考えております。 新病院に対する区としての要望についてであります。 現時点は、総合病院側としての出発点での検討を進めている段階と認識をしております。区としては、地域包括ケアや子育て支援など区としての課題認識もお伝えしながら、総合病院側からの具体的なお話を待っているところであります。 旧中野中跡地の着工までの活用についてであります。 旧中野中跡地の活用については、堀越学園高校の暫定利用が終了する来年の10月以降、具体的な活用の計画がない、そういう状況です。区としては、中野総合病院の建設計画が示されれば、計画内容やそれに基づく要請の中身を検討した上で協力の可否を判断し、それによって工事着手までの期間が明らかになった時点で、他の利用の要望があった場合には検討してまいりたい、このように考えております。 私からは以上です。 〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕 ○都市政策推進室長(長田久雄) 中野駅周辺のまちづくりについての御質問にお答えをいたします。 まず、中野駅地区プロジェクトの着実な推進についてでございます。 中野駅西側南北通路と橋上駅舎整備は、今後の中野駅周辺地区の開発や再整備にとって不可欠な事業であると認識しているところでございます。区は、2020年東京オリンピック・パラリンピック前の西口改札と南北通路の開設を目指しており、JRにはその旨を強く申し入れしているところでございます。実際の工事工程と開設時期につきましては、今後設計作業が進むことにより明らかになってまいります。区といたしましては、西口改札と南北通路については、2020年までの開設を最優先課題として取り組んでいるところでございます。 次に、中野三丁目のまちづくりに関する御質問で、今後のまちづくりの進め方、それから、桃丘小跡地の拠点整備についての御質問にお答えをいたします。 中野駅周辺のまちづくりにつきましては、区が主体的に取り組んでおりまして、中野三丁目地区につきましても、地権者や商店街との個別ヒアリングや意見交換を通じてまちづくりを推進してきたところでございます。引き続き地区計画の策定で都市計画行政を進めるとともに、国や都に対して、補助申請をする主体は区でありますので、事業の進行についても適切に関与していくものでございます。桃丘小学校跡地は、UR都市機構による土地区画整理事業と土地有効利用事業によって活用することになってございます。そのため、本年4月にUR都市機構へ譲渡をしているところでございます。区画整理によって土地の形状等は大きく変更をいたします。面積の一定部分は、広場や道路に置きかわるものでございます。残余の面積につきましては、UR都市機構が、よりよいまちづくりに向け、拠点施設整備のため活用することとなっております。その際、区として当該地域にどういう機能が必要か、一定の考えを示して、協議することとなっているものでございます。 次に、囲町地区のまちづくりに関しての御質問にお答えをいたします。 中野駅新北口駅前広場と囲町東地区とを連絡する部分の都市計画道路補助221号線は、幅員20メートルとなっており、ゆとりのある歩行者動線を整備する予定でございます。歩行者動線の具体的な計画につきましては、市街地再開発の建物計画等を見据えて、今後、検討していきたいと考えているところでございます。 次に、中野二丁目地区のまちづくりに関して、道路整備、公社住宅の建てかえ計画の予定についての御質問にお答えをいたします。 今後の予定でございますが、土地区画整理事業につきましては、本年度中の組合設立、認可を目指しておりまして、現在、準備組合で手続を進めているところでございます。平成28年度より道路整備に着手する予定でございます。公社中野駅前住宅につきましては、棟数1棟、戸数188戸として、平成30年度竣工の建てかえ計画となっているものでございます。 私からは以上でございます。 〔政策室長髙橋信一登壇〕 ○政策室長(髙橋信一) 私からは、堀江敬老館の移転計画についてお答えいたします。 堀江敬老館で区として確保すべきとしています高齢者会館機能につきましては、何らかの形で地域に確保していきたいと考えてございますが、場所につきましては、現在、検討中でございます。 〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕 ○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、中野消防団第5分団本部についての御質問にお答えをいたします。 区は、中野消防署長に対して、中野消防団第5分団本部設置のため、平成25年5月14日に、現在の産業振興センターの敷地の一部の使用許可を出しております。この使用許可について、地域住民から取り消しを求めて提訴され、一審は原告の訴えが棄却されましたが、原告が控訴し、本日、控訴棄却の判決があったところです。区といたしましては、産業振興センターの敷地の一部を中野消防団第5分団本部として使用許可する方針に変更はなく、今後とも中野消防署と密接に連携しながら、適切に対処していく考えでございます。 〔経営室長篠原文彦登壇〕 ○経営室長(篠原文彦) 職員研修に関連いたしまして、「基本のき」の作成についてお答えを申し上げます。 今後10年間でおよそ1,000人の職員の退職が見込まれていることとあわせまして、多数の新人職員を採用する状況となります。そのため、公務員として、また、中野区の職員としての基礎的知識、いわゆるノウハウの確実な継承につきましては、非常に重要な課題であると認識しているところでございます。また、来年度が初年度となります新たな基本構想と10か年計画に基づいて、常にコスト意識を持ち、日々課題解決に取り組んでいく職員が気持ちを一つにして着実な業務遂行を行っていくことが求められております。このため、そのよりどころとなるような冊子があれば有効に活用できるものと考えておりますので、今後、作成に向けて取り組んでまいります。 ○議長(北原ともあき) 以上で内川和久議員の質問は終わります。
中野区議会議員 久 保 り か 1 区役所・体育館建替え計画について 2 新しい中野をつくる10か年計画の改定について 3 区長のイクボス宣言について 4 障がい児教育・保育の課題について 5 中杉通りと補助133号線について 6 その他
○議長(北原ともあき) 次に、久保りか議員。 〔久保りか議員登壇〕 ○37番(久保りか) 平成27年第3回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問を行います。区長並びに理事者の皆様には、前向きでわかりやすい御答弁をお願いいたします。 質問は、通告どおりで、その他で指定管理者制度の効果、検証についてを伺います。 初めに、区役所・体育館建替え計画について伺います。 7月16日、定例の区長記者会見において、「平和の森公園の再整備及び新体育館の建設について」を発表されました。平和の森公園の全面開園に向けた再整備を計画し、体育館等を新たに設置することにより、公園全体の機能の向上を図るものとします、とかねてから議会でも報告されていましたが、体育館等を新たに平和の森公園に設置し、平和の森公園を再整備することを区内外に対し明確にしました。 新体育館の整備の基本内容としては、「全区的なスポーツ大会を行える体育館として、既存の中野体育館の規模、機能を基本とします。メインアリーナにおいては、多様な競技が実施可能な広さを備えたものとし、延床面積は1万平米弱程度とします」となっています。この基本内容を踏まえ、何点か伺います。 既存の体育館の規模、機能を基本とするとのことですが、現在の中野体育館の延べ床面積は5,781平米ですので、規模的には2倍近くなります。メインアリーナ、剣道場、柔道場、卓球場、トレーニングルーム、会議室などの機能が基本であるとのことでしょうか。確認のために伺います。 現在、どの自治体の体育館でも、個人利用のスポーツクラブや教室が盛んに行われています。現中野体育館でも、指定管理者の運営により、深夜まで多くの利用者でにぎわい、利用率も伸びていると聞きます。区民の健康維持と収益を確保するためにも、スポーツクラブ利用のためのトレーニングルームの拡充は必要ではないかと考えます。トレーニングルームなど体育館の機能拡充についてはいかがお考えでしょうか。伺います。 整備の基本内容には、1、新体育館、2、屋外スポーツ機能、3、防災機能、4、憩いの公園機能、5、平和啓発機能が示されていますが、そのほかにも、地域住民が憩える場の提供が必要と考えます。スポーツをする人やお子さん連れだけではなく、誰もがふらりと訪れたくなるような居心地のよい空間の創出、オープンカフェやレストラン、また、ギャラリーなどを体育館に併設することも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 特別委員会で視察した杉並区の大宮前体育館、また、会派で視察をした大田総合体育館も、住宅街に建設されたことから、高さを抑え、景観に配慮し、地下を有効的に活用した構造となっていました。平和の森公園の傾斜地を生かし、公園の中の体育館として、圧迫感のない、高さを抑え、景観に配慮をした構造も検討すべきではないでしょうか。伺います。 体育館整備の事業手法について伺います。 現在、多くの自治体が、体育館建設については、公共施設を民間が整備、運営するPFI制度を活用しています。都内でも、墨田総合体育館、八王子総合体育館などは、PFI手法を用いて建設、運営しています。また、従来型PFIだけではなく、公共施設等運営権制度を活用したコンセッションの可能性も検討の価値はあるのではないかと考えます。新体育館の整備手法については、PFIなど民間活力の導入も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。現在どのような検討をされているのか、伺います。 平和の森公園整備構想となっていることから、新体育館と屋外スポーツ施設が一体的に整備されるような印象がありますが、実際には、下水道施設の未着手部分の工事の進捗を見据えて、屋外スポーツ機能の整備、未開園区域の修景整備を段階的に実施するとのことです。東京都と協議をしながら、一日も早い未開園区域の開設を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 さらに、現段階での屋外スポーツ施設の段階的整備の手順についてはいかがお考えでしょうか。伺います。 次に、区役所建設基本構想について伺います。 体育館が平和の森公園に移転し、現在の体育館跡地と区役所用地として取得していた敷地を活用し、区役所建設がされる予定です。区役所建設には活用できる助成制度はほとんどなく、基金と起債による庁舎建設が一般的で、庁舎建設のため、特定目的基金の積み立てを行っている自治体は多く見受けられます。現在中野区には区役所庁舎建設のための基金は準備されておりませんが、建設のための財源の確保はどのような検討がされているのか、伺います。 今回の体育館、区役所新庁舎の建てかえは、初めに、中野体育館の平和の森公園への移転、建設、体育館を取り壊し、区役所用地とあわせ、区役所建設、その後、区役所跡地とサンプラザ敷地を一体的に再整備と、段階的に進める計画になっています。一つひとつの整備計画、事業手法、スケジュールなどを明確にしながら進めていかなくては、全てを成功させることは難しくなります。 一方で、体育館建設においては、新体育館の竣工前に現体育館を取り壊し、区役所建設が行われることから、1年間の体育館が使用できない状況をつくることに、関係団体から不安の声も上がっております。東京オリンピックを前に区民の健康スポーツへの関心が一番高まるであろう時期に体育館を閉鎖することが果たして正しい判断かは慎重に検討すべきと考えますし、なぜこのようなスケジュールになっているのか理解できない点もありますので、十分な説明が必要であると考えます。お考えを伺います。 一方で、施設建設コストの上昇を受け、平成32年の東京オリンピック前後を目途に複合施設計画を凍結した豊島区、工事費の高騰などにより建設工事契約締結ができず、生涯学習交流館の着工を数年間見送ることとした中央区など、公共施設の整備を延期、凍結する自治体も相次いでいます。現時点での想定されるスケジュールでは、体育館は平成31年度竣工、区役所本庁舎は平成32年竣工の予定です。今後、オリンピックを目前に控え、建設ラッシュが予想されます。体育館、区役所、区役所・サンプラザ跡地一体整備の連動した計画は、整備手法や建設費の十分な検討を積み重ね、堅実な計画を持つ必要があると考えます。区長の御見解を伺います。 次に、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の改定について伺います。 閉会中の全常任委員会で基本構想と10か年計画の検討状況が報告され、課題、領域、施策等が示され、一定の方向性が見えてきたところです。今回の10か年計画は全面改定とのことでしたが、総合計画としての体系、構成などについては、過去の10か年計画を踏襲されているようにも見えます。今後10月には素案が示されるということですが、現在報告されていない4つの戦略や重点プロジェクトについては改定されるのか、また、新しい戦略や重点プロジェクトはどのような検討がされているのか、伺います。 10年後の中野のまちの姿を描き、構築する上での戦略、重点プロジェクトについての区長のお考えをお聞かせください。 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)には、第4章に、「持続可能な行財政運営のために」で、10年間の財政フレームや、起債、基金を活用する主な事業が示されています。基本構想を実現するための10か年計画には財源の裏づけが担保されることが計画の特徴でもありますが、10か年計画(第3次)ではどのように示されるのか、伺います。 また、10か年計画改定にあわせ、公共施設総合管理計画が策定されることになっています。第2次では参考資料として10年後の施設配置等が示されていますが、これらは参考資料として10か年計画(第3次)に添付されるのか、または、公共施設総合管理計画に施設配置などの計画の詳細が示されることになるのか、伺います。 以上を伺って、この項の質問を終わります。 次に、区長のイクボス宣言について伺います。 これからの時代、働き方も変われば、おのずと役職の条件まで変わってくるのではないだろうか、今後の管理職や経営者としての必須条件とはどうあるべきか、それを表現したのがイクボスでもあります。 「イクボスって一言で言うとどんなものですか」、NPO法人ファザーリング・ジャパンにて理事も務めている三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社代表の川島高之氏は、インタビューで、「一言で言うと、これからの時代に管理職として必須条件です。具体的には、三つの要件を満たしている上司。一つ目は、部下の私生活に配慮をする。その部下の中には、子育てだけでなく、介護をしている人もいれば、婚活をしている人、MBAの勉強をしている人、地域活動をやっている人もいる。子育て支援ではないので、子育てをやっている人だけではなく、いろいろなことを含めないと、全ての部下は何かしらの私生活を持っているはず、その何かは個別論なので問わず、そういう時間がとれるように配慮ができる上司でいないといけない。二つ目は、上司みずからが何かしらワーク・ライフ・バランスを実現していること。上司自身も多様性が身につくと同時に、私生活に時間を使っている部下への配慮も本気になる。上司自身も生活にしっかりメリハリをつけ、自分自身もワーク・ライフ・バランスを保つ。三つ目は、管理職として、当然ながら、業績目標の達成。まず、この三つを実現している上司」と答えています。 本年4月に策定された中野区特定事業主行動計画(第3期)、職員のための仕事と子育ての両立支援プログラムでは、「管理職をはじめ全職員がこの計画に掲げた取組みを主体的に実施し、職員一人ひとりが仕事も家庭生活も充実していると実感できるよう、ワーク・ライフ・バランスを実現するために職場環境の整備に努めます」と示されています。 イクメンとイクボスの大きな違いは、みずからの子育てだけではなく、会社であれば社員、役所であれば職員の子育てや介護や看護、さまざまな環境への配慮がされているかが問われます。首長であれば、区民の暮らしがどうであるかを真剣に考え、施策を推進するかが問われます。 まずは、庁内の意識改革のための管理職へのイクボス研修や、子育て、介護に頑張る人に優しい中野区のイメージアップともなる区民向け講座を開催してはいかがでしょうか。伺います。 特定事業主行動計画の実行も非常にハードルは高いものですが、家庭生活の充実が仕事の成果にも反映されるということが現代社会の常識になりつつあります。子育て、介護など家庭で大変な環境を抱えつつも仕事に真剣に取り組む職員の状況を理解し、働きやすい環境を整備し、応援しているよとの思いやりも、職員を支えることにつながるのではないかと考えます。そして、結果的には、区民に対しサービスの向上につながり、相乗効果のあるものと考えます。 大きな改革を進めてきたゆえに、部下に対し厳しいイメージのある区長でありますが、職員の働きやすい環境を考えているよというメッセージを時には形にあらわすことも大事なのではないでしょうか。ぜひとも田中区長にイクボス宣言をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。区長の前向きな回答を望みます。 次に、障害児教育、保育の課題について伺います。 東京都教育委員会は、平成22年11月に作成した東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づき、教員が巡回して発達障害教育を実施する特別支援教室の全公立小学校への導入を目指し、平成24年度から3カ年かけてモデル事業を実施してきました。このモデル事業の成果を踏まえ、平成28年度からの順次導入に向けて準備が進められ、中野区でも、28年度から全区立小学校での特別支援教室が始まります。 特別支援教室導入の目的として、これまでの通級指導学級による指導を全ての小学校で展開し、1人でも多くの児童・生徒が支援を受けられるようにする、拠点校において小集団指導を通して発達障害児の学力や在籍学級における集団適応能力の伸長を図る、巡回指導員による在籍学級担任への助言などにより、学級運営の安定化を図ることを掲げています。今までの通級指導学級設置校に児童が通級し指導を受ける授業から、全ての公立小学校に特別支援教室を設置し、教員が巡回指導を行います。子どもが動くから教師が動き、在籍する学校で授業を受けることができるようになることは、インクルーシブ教育への第一歩であります。 特別支援教室は、知的におくれのない発達障害児が対象となります。一度入級すると卒業するまで在籍することが目的ではなく、一定の効果が検証されれば退級するものです。指導開始から終了までの取り組みを明確にした個別指導計画が重要になってきます。特別支援教室における個別指導計画についてはどのように検討されているのか、伺います。 特別支援教室での教員の配置は児童10名に対し1名が原則で、現在の135名の児童数では教員配置は14名になりますが、来年度は、現在の通級の教員数の16名が確保される見込みとのことです。しかし、年度によって児童数の変動も考えられますし、学校によって利用者数の違いがあり、ブロックごとの教員配置が困難な場合も考えられます。モデル実施を行っていた目黒区では、区費で非常勤の教員をつけているとのことですが、状況に応じた教員配置のあり方も検討しておく必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。 また、現在拠点校の整備を行っていますが、巡回指導担当教員の職員室を拠点校の職員室内に設けることや、兼務発令とし、教員の負担を軽減することも重要であると考えますが、いかがでしょうか。伺います。 インクルーシブ教育システム構築のためにも、全ての教員に特別支援教育に関する一定の知識、技能を有していることが求められます。特に発達障害に関する一定の知識、技能は、発達障害の可能性のある児童・生徒の多くが通常の学級に在籍していることからも必須であります。これについては、本来教員養成段階で身につけることが望ましいとは思いますが、現職教員について、研修の受講などにより、基礎的な知識、技能の向上を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。 従来の通級とは異なり、在籍する学校での特別支援教室となることについて、他の児童や保護者への普及啓発の取り組みも課題となります。東京都では普及啓発のためのリーフレットを作成していますが、全ての家庭にリーフレットを渡すことは当然として、学校単位で説明会を開くなど、丁寧な対応が望まれます。今回の特別支援教室の大きな役割の一つは、生徒、児童、保護者が発達障害を理解する機会になることだとも思います。発達障害に対して疑問に思っていることが理解できれば、地域の中でともに暮らしやすくなっていくことができると思います。今回の特別支援教室の導入を理解促進の機会と捉え、積極的な説明会などの取り組みを進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 中学校の特別支援教室及び情緒障害教室の実施スケジュールについて伺います。 今後、中学校の情緒障害教室を開設する予定になっていますが、現段階では、学校名は確定していません。小学校の特別支援教室の拠点校が通級学級の設置されている学校であることを考えると、今後、情緒障害教室が拠点校となる可能性もあります。小中連携教育を推進する中野区の教育に即した特別支援教室のあり方を中学校でも十分に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、障害児保育の充実について伺います。 アポロ園に通園されているお子さんをお持ちの保護者の方からは、障害を理由に保育園の入園が困難であるとの声が相変わらず根強くあります。新制度の中でこの点は解消されたのか、障害児の保育園入園の現状について伺います。 杉並区では、全ての子どもが保育を受けられ、保護者が働くことを選択できる社会を目指し、障害のある子の長時間保育を実現する日本で初めての保育園「ヘレン」が開設されています。実際の位置付けは法的根拠に基づいた児童発達支援事業でありますが、杉並区独自の制度により、障害児専門保育園となっています。 重症心身障害児や医療的ケアの児童の保育も可能としている施設を先日会派で視察いたしました。本来は、障害児のみの保育園ではなく、認可保育園に心配なく通園できることが大事ではありますが、医療的なケアや専門の知識を持った保育士や看護師のいる園で保育を受けたいという保護者の思いも理解できます。現在は、新生児医療が発達し、都市部を中心にNICUが増設された結果、超未熟児や先天的な疾病を持つ子どもなど、以前なら出産直後に亡くなっていたケースでも助かることができるようになりました。一方で、医療的ケアが必要な重度の障害児が増加し、地域生活インフラの確保が課題となっています。子ども向け訪問看護や障害児保育、保護者のレスパイトケアなどのインフラは、圧倒的に足りていない状況です。 中野区でも、長時間保育、医療的ケア、療育を可能とする障害児の保育施設を開設すべきでないかと考えますが、御見解を伺います。 この項の最後に、障害のある児童・生徒のための切れ目ない障害児の相談支援について伺います。 未就学児童には療育センター「アポロ園」がありますが、小学校に入学した時点で児童発達支援事業の対象ではなくなってしまいます。保護者からは、教育機関ではない、障害も持つ小・中学生を対象とした相談機能の充実が求められています。すこやか福祉センターに相談に行ったが、地域ケア地域子ども支援担当が担うのか、障害児相談支援事業所が担うのかわからないという声もあります。切れ目ない障害児支援のために、障害児の相談機能について区の取り組みを強化すべきと考えますがいかがでしょうか。 伺って、この項の質問を終わります。 次に、中杉通りと補助133号線についてお伺いいたします。 ここでは、補助133号線整備と白鷺地域のまちづくりについて伺います。 初めに、今後整備される道路と現道とに囲まれたエリアについての用途地域の変更やまちづくりの課題を地区計画などによって区が誘導し、解決することができるのか、伺います。 現道中杉通りは都道ですが、補助133号線の完了時には区道に移管されるのでしょうか。中杉通りは、歩道幅も狭く、現状のままでは車椅子やベビーカーの利用も困難です。補助133号線整備により、バスは中杉通りを利用することはなくなりますし、一般車両も減少する予定です。歩行者優先時間を設けるなど誰もが安心して歩いて暮らせるまちづくりを推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 6月28日には、第四建設事務所主催による補助第133号線中野区上鷺宮一丁目から練馬区中村北三丁目の道路整備計画の説明会が開催されました。白鷺側の整備時期との調整を図らなくては、あかずの踏切の南北で工事が行われることによる鷺ノ宮駅周辺への影響が懸念されます。工事期間など整備計画については東京都とどのような協議がされているのか、伺います。 いずれにしても、中杉通り、補助133号線、白鷺の整備は、西武線の鷺宮第1号踏切とも大きな関連があります。8月には期成同盟の大会も開催され、区民の願いが国や東京都、西武鉄道へと届けられることになりました。経過報告も含め、西武新宿線野方以西の連続立体交差事業の進捗状況をお聞かせください。 伺って、この項の質問を終わります。 その他で、指定管理者制度の効果検証について伺います。 中野区では、平成16年4月に保育園2園に指定管理者制度を導入したのを最初に、平成27年4月現在、福祉施設、スポーツ施設、文化施設などが35施設、区営住宅や福祉住宅などが32棟、指定管理者制度により、運営をされています。このたび平成28年3月をもって指定管理期間が満了となる打越保育園、西鷺宮保育園については、2年後に民設民営化することを前提として、平成28年4月からの指定管理者候補者の選定を行うことに決定いたしました。指定管理園について、民設民営化することで、利用者の保育の安定性を確保するとともに、保育内容の充実を目指していくとのことですが、指定管理者制度から民営化への変更は初めてのことであり、大きな方針転換とも見てとれます。 指定管理者制度導入から10年以上を経過し、指定管理者制度も含め、民営化、公設民営など、それぞれに最適な事業を選択する上で一定の方向性が見えてきたのではないでしょうか。今回の保育園の民営化を一つの契機とし、指定管理者制度の効果検証、また、今後新たな事業の民営化の可能性などの方向性を示すべきと考えます。御見解を伺います。 以上で私の全ての質問を終了いたします。 御清聴ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 久保議員の御質問にお答えいたします。 新中野体育館の想定規模と想定機能などについてであります。 第2回定例会においてお示しをしましたとおり、新しい体育館の延べ床面積は1万平方メートル弱程度と想定して検討を行っているところであります。現在の中野体育館の機能を基本として想定をしていますが、サブアリーナの設置を検討しているほか、スムーズな移動経路の確保、バリアフリー対策等によりまして、一定程度の規模の拡充が必要であると考えているものであります。具体的な規模、機能につきましては、整備構想、整備基本計画の中でお示しをしていきたいと考えております。 新体育館におけるトレーニングルーム等の機能拡充について。 現在の中野体育館においてトレーニングルームの利用者は増加傾向にあり、運動に対するニーズや区民の健康維持においても大切な機能であると認識をしております。平和の森公園に整備を予定している屋外スポーツ機能の利用者によるニーズも見込まれ、相乗的な利用による運動効果も期待できることから、より快適にトレーニングに取り組める環境が必要であると考えております。トレーニングルームについての具体的な規模、機能については、整備構想、整備基本計画の中でお示しをさせていただきたいと思います。 それから、併設施設についてであります。 平和の森公園の整備につきましては、公園全体の価値を高める計画にしていくことを考えております。スポーツ機能のほか、防災機能の向上、区民の憩いの場としての機能の充実を図ることも重要な要素であると考えております。今後、具体的に整備構想、整備基本計画を策定する中で、体育館への併設機能についても検討してまいりたいと考えております。 公園の中の体育館として圧迫感のない景観に配慮した構造も検討するべきではないか、こういったことであります。 具体的な施設配置、公園全体の再整備内容について技術的な検討を進め、公園の中の体育館として景観に配慮した整備を目指していきたいと考えております。 新体育館の整備手法についての御質問であります。 他自治体の体育館においてPFI等の導入事例があることは、認識をしているところです。平和の森公園の新体育館については、公園施設として整備を行うことを想定しております。公園としての補助金を財源にしていくといったことから、現在は、区が直接整備する手法を考えております。 それから、一日も早い未開園区域の開設についてであります。 区としても、1ヘクタールの未整備部分については、早期の全面開園に向けて、これまでも東京都下水道局に対して施設の全面完成に向けた取り組みを進めるよう要望をしてきているところであります。今後とも引き続き強く働きかけをしてまいります。 未開園部分の整備に当たっては、下水道施設工事の進捗に合わせて行う必要があるため、仮に未開園部分を活用して屋外スポーツ施設を整備する計画とした場合には、整備時期は現在未定となりますが、東京都の工事の進捗と合わせ、段階的な整備をしていくことになると考えております。 それから、区役所整備の財源についてであります。 現区役所敷地などを最大限有効活用することにより、財源を生み出していく考えであります。 それから、体育館の閉鎖の期間に関連する御質問です。 体育館の建設スケジュールによりますと、現体育館を撤去する時期と新体育館開設との間に約1年間の閉鎖期間が生じることとなります。新区役所につきましては、地域の防災機能や区民サービスの機能の向上を図るため早急に整備する必要があることから、新区役所の着工を急いでいるものであります。体育館の工期につきましては、現在進めている整備基本構想の中で、技術的検討を踏まえ、検討していくことになりますが、閉鎖期間については、他施設の活用など利用者の一定の活動が行えるよう工夫をして、理解促進に努めてまいりたいと考えております。 整備手法や建設費に関する御質問であります。 体育館、区役所、区役所・サンプラザ跡の開発につきましては、今後の中野駅周辺のまちづくりにおいて必要不可欠であり、これらについては、着実に、時機を逸することなく進めていく必要があります。実施に当たりましては、財源の確保など条件の整理を十分に検討して、民間のノウハウを十分に生かした整備手法など、コスト削減に努めながら進めてまいりたいと考えております。 それから、新しい中野をつくる10か年計画の改定に関する幾つかの御質問がありました。 戦略、重点プロジェクトについてどう考えているのかということです。 今回の改定では、10か年計画全体の見直しを図ることとしておりまして、戦略や重点プロジェクトとして現在までお示ししてきていることについても、位置付け等を含めて改める方向で検討を進めているところであります。戦略につきましては、領域ごとにあらわし、さまざまな課題に対して各領域を担う各部の責任を明確にして、10年後のまちの姿の実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。重点プロジェクトにつきましては、位置付けや表現などを含め、さまざまな角度から検討をしているところであります。 改定後の10か年計画における財政フレームについてであります。 基本構想で描く中野のまちの将来像の実現に向けて、10か年計画のさまざまな取り組みを確実なものとするため、改定後の10か年計画においても、財政運営の基本方針や財政見通し、財政フレーム、起債、基金の活用等の具体的な財政計画についてお示しをしたいと考えております。 施設配置等の計画についてであります。 現在の10か年計画では、計画の中に含まれる施設等の動きについてまとめて表現をしてお示ししております。今回改定する10か年計画においても、施設等の配置にかかわるものについて、まとめてわかりやすくお示しをしたいと考えております。また、公共施設総合管理計画では、施設全体のライフサイクルにわたる期間について、財政的な見通し等を踏まえた上で、区有施設の管理面から、更新、保全、長寿命化などを進めていくための基本的な考え方、目標数値等を定めることを考えております。これは、施設そのものに着目した計画であります。今後の行政サービスのあり方や政策の動きなどによっても変化が生じる個々の施設サービスのあり方につきましては、長期間の詳細な施設再編計画をつくることは難しいと考えており、10カ年程度のスパンの中でまとめていくべきと考えているところであります。 それから、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた管理職の意識改革とイクボス宣言についてということであります。 イクボスとは、御質問の中にもありましたが、職場でともに働く部下、スタッフのワーク・ライフ・バランスを考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、みずからも仕事と私生活を楽しむことができる経営者や管理職のことと理解をしているところであります。区として進めている施策の方向に合致をしている、このように考えているところであります。このイクボス宣言について、宣言の定義や宣言をした場合に実施するべき事項の整理等が必要でありますので、今後具体的に検討してまいりたいというふうに思っております。 それから、ワーク・ライフ・バランスを推進するための講座等の実施等についてであります。 これまでも、ワーク・ライフ・バランスの考え方を区民に理解していただくため、さまざまな切り口からワーク・ライフ・バランス推進区民講座や男女共同参画に関する区民講座を実施して啓発に努めてきたところであります。今後は、区民だけではなく、幅広く企業にも呼びかけるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、中杉通りと補助133号線についてであります。 鷺ノ宮駅周辺では、都市計画道路補助133号線の整備だけではなく、西武新宿線野方以西の連続立体交差事業や妙正寺川の河川改修、そして、東京都住宅供給公社の公社鷺宮西住宅の建てかえなどまちづくりを大きく動かす要因が重なっております。これらの要因の複合する要素を適切に処理しながら、まちづくりをよりよい方向に進めていくことが必要となっております。こうしたことを障害と捉えるのではなく、鷺ノ宮駅周辺地区のまちづくりを大きく進展させていく重要な要素として捉えて、区と地域の皆様が一体となって新しいまちづくりを進めていきたいと考えております。この白鷺地区におきます補助133号線の整備事業では、現在の中杉通りよりも東寄りのところに道路整備が行われるということになります。御質問のように、現在の中杉通りと補助133号線、新たに拡幅整備される通りとに囲まれることになる地域につきましては、現在、低層住宅地の土地利用となっております。こうした土地利用の調和に配慮をしながら、快適な歩行者空間やにぎわいのある沿道町並みの創出を図っていく必要があると考えております。大きく鷺ノ宮駅周辺一帯のまちづくりの中で、こうした課題についてもしっかりと位置付けて動かしてまいりたいと考えております。 中杉通りの移管とまちづくりの推進についてであります。 都市計画道路133号線整備後におきます現中杉通り、これを区道に移管していただく、このことについては、今後、東京都と協議をしてまいります。現中杉通りを生かしたまちづくりとなる、このことが大変重要な要素となってまいりますので、周辺環境と整合させながらまちづくりを進めていきたいと考えております。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 障害児教育について、特別支援教室における個別指導計画についての御質問です。 中野区では、平成28年度より、従来の通級指導学級を拠点校として、拠点校における通級指導と児童の在籍する学校に設置する特別支援教室における巡回指導により、発達障害のある児童への指導を行うこととしてございます。これまでは、通級指導学級と在籍学級の担任がそれぞれの視点から個別指導計画を作成しておりましたが、今後は、対象児童の実態をより的確に捉え、巡回指導教員と在籍学級担任が共同して、より対象児童の状況に応じた連携型の個別指導計画を作成することとしてございます。 次に、特別支援教室における区費で非常勤の教諭の採用の配置についてです。 巡回指導の拠点校となる現在の四つの通級指導学級には16名の教員が配置されており、来年度も同数の教員が確保できることが見込まれてございます。これらの教員により来年度の特別支援教室における巡回指導については対応可能であると考えているところでございますが、対象者数や巡回指導における個々の指導内容等により実際に巡回指導に当たる教員の必要数が変動するため、状況を確認しながら、必要な対応を検討してまいります。 次に、巡回指導担当教員の職員室の配置や兼務発令についてです。 現在、特別支援学級や通級指導学級の職員室の配置は、学校の実情等により、専用の職員室を配置している例もございますが、今後は、原則として巡回指導担当教員の職員室については、拠点校の職員室内に設けることとしてございます。また、巡回先の学校における管理職の指揮監督のもと指導ができる体制を整えるため、兼務発令による対応を検討してございます。 現職の教職員への研修についてです。 特別支援教育に関する教員研修につきましては、現在も中野特別支援学校等と連携を図りながら行ってきており、特に夏期休業中には集中的に研修を実施してございます。また、昨年度は、学校教育向上事業において特別支援教育をテーマに研究発表会を開催しており、その成果を区内全校に周知したところでございます。今後も必要な研修会等により教員の資質の向上を図っていく考えでございます。 児童や保護者への理解啓発の促進についてです。 これまでも、小学校PTA連合会での説明やさまざまな機会を通じて、周知を図ってきたところでございます。今後、さらに他の児童や保護者への理解促進を図るため、拠点校を単位とする説明会等を検討してございまして、区報等で周知を図ってまいりたいと考えてございます。 中学校における特別支援教室についてです。 中学校における特別支援教室については、小学校での実施状況や小中連携教育の効果を踏まえつつ、今後の東京都の動向を見据えて検討してまいります。 以上です。 〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕 ○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、障害児の保育園の入園状況につきましてお答えをいたします。 子ども・子育て支援新制度では、保育園等の入所の利用調整に当たって、子どもが障害を有する場合は優先利用の対象とするという考え方がございます。区といたしましても、平成27年4月の入園の利用調整から、調整指数により加算をいたしまして、保育園を利用しやすくなるよう調整しているところでございます。また、保育園の利用調整に当たりましては、保護者の就労要件等を中心に保育園の必要度を判断しており、特別な支援が想定される児童の利用調整に当たっては、面接を行い、各児童の状況に応じた保育の受け入れが可能となるよう、きめ細かな対応を図っているところでございます。 次に、障害児保育を担う施設を開設してはどうかといった御質問でございます。 御紹介のあった杉並区の施設では、児童発達支援事業所としまして、障害児に対する日常生活の基本的動作指導や、知識、技能の付与、集団生活への適応訓練などを行うとともに、保護者の就労を支えるための保育を実施していると聞いてございます。このような発達支援事業と保育事業をあわせて行う施設の開設につきましては、事業の実施方法や施設運営のあり方、ニーズなどを見きわめながら研究をしていきたいと考えてございます。 〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕 ○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、切れ目のない障害児支援についてのお答えをいたします。 子どもに関する相談につきましては、すこやか福祉センターの地域ケア分野が一義的に受けとめ、放課後デイサービスなど具体的なサービス給付が必要になった場合は、障害児相談支援事業所と連携し、サービスの利用支援を行っているところでございます。区としては、これまでも就学前、就学後の継続、一貫した支援体制づくりに努めてまいりました。今後も、保護者に不安や混乱を与えることがないよう、丁寧で切れ目のない対応を徹底してまいりたいというふうに思ってございます。 〔西武新宿線沿線まちづくり担当部長角秀行登壇〕 ○西武新宿線沿線まちづくり担当部長(角秀行) 私からは、補助133号線道路整備時期に関する都との協議についてお答えさせていただきます。 都市計画道路補助133号線の新青梅街道から北側の整備事業と妙正寺川から南側の整備事業について、双方の事業の進捗状況を把握しながら、鷺ノ宮駅周辺に影響が生じることがあれば、区として迅速に東京都と協議し、対応していきます。 次に、野方以西の連続立体交差事業の進捗についてでございます。 西武新宿線の野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業については、平成20年6月に東京都が事業候補区間の7区間のうちの一つとして選定してございます。今後、中野区としましては、野方、都立家政、鷺ノ宮各駅周辺のまちづくりに関する地元の検討組織を立ち上げるなどまちづくりを進めていくことで、野方以西の連続立体交差事業を早期に実現させていきたいと考えてございます。 私からは以上です。 〔政策室長髙橋信一登壇〕 ○政策室長(髙橋信一) 私からは、指定管理者制度の効果検証と民営化の方向性についてお答えいたします。 区といたしましては、民間が担うことのできるものは民間に委ねることを基本として民間開放を進めてきたところでございます。どういった手法を選択するかについては、サービスの供給量や安定性などから区が施設を設置する必要がある場合には指定管理者制度を選択し、市場に委ねても質、量ともに十分なサービスの供給が見込まれる場合は民営化を選択してきたところでございます。今後は、指定管理者制度を導入した施設についても、民営化に移行することでさらに安定したサービスやより充実したサービスを提供できる場合には、移行を検討していきたいと考えているところでございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で久保りか議員の質問は終わります。 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後2時47分休憩
午後3時11分開議 ○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 長 沢 和 彦 1 区長の政治姿勢と区政の基本について (1)安保法制について (2)中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画の改定について (3)その他 2 平和の森公園の再整備と区役所・サンプラザの一体再開発について 3 2014(平成26)年度決算と区政運営について 4 子ども・子育て新制度における保育行政について 5 地域の防災について 6 その他
○議長(北原ともあき) 長沢和彦議員。 〔長沢和彦議員登壇〕 ○41番(長沢和彦) 2015年第3回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。 初めに、区長の政治姿勢と区政の基本について。 最初に、1番、安保法制について伺います。 安保法制、いわゆる戦争法案を阻止する闘いが日本列島全体に広がり、空前の取り組みが生まれています。8月30日には、戦争法案の廃案を求めて12万人もの人々が国会を包囲し、全国1,000カ所で抗議行動が取り組まれました。国会では、参議院での審議を通じて、政府が戦争法案の根幹部分についてまともな答弁ができなくなっています。集団的自衛権行使の具体例としていた邦人輸送中の米艦防護やホルムズ海峡の機雷掃海という説明がことごとく崩れ去り、何のための集団的自衛権なのか、立法事実を国民に説明できなくなっています。さらに、戦争法案が自衛隊の軍事行動について歯どめを持たないものであること、クラスター弾や劣化ウラン弾、毒ガス兵器や核兵器まで法文上は運べることが明らかになりました。その上、自衛隊の内部文書で、米軍の指揮下での自衛隊の暴走が明らかになっています。 第2回定例会での我が党の質問に、区長は、「政府と国会において責任を持って立法し、その執行を行うというもの」として、法案に対する御自身の見解を述べられませんでした。これまで、「集団的自衛権のあり方について議論することは大変重要なこと」、「今後の動向にも注目していきたい」と御自身の考えを示していました。法案について、特に集団的自衛権の行使について、改めて見解を伺います。 4月に改定された新ガイドライン、日米防衛協力の指針では、地方自治体にかかわって二つの点で重大な改悪が行われており、戦争法案を他人事のように扱うことは許されません。一つ、重要影響事態を地理的に定めることはできないと想定し、地理的に無限定なエリアの出来事のために自衛隊を動員できる仕組みとなりました。二つ目に、新たに日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動が加えられ、この場合でも、後方支援、兵站活動として、日米両政府は中央政府及び地方公共団体が有する機能並びに民間が有する能力を適切に活用するとされ、アメリカが自国の戦闘のために直接地方自治体を利用できる文言にされました。新ガイドラインを実行する法律が戦争法案です。区民の命を守るためのものではありません。反対すべきではないですか。伺います。 二つ目に、中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画の改定について伺います。 閉会中の各常任委員会において、基本構想と10か年計画改定に係る検討骨子が報告されました。国の地方創生基本方針及び地方版総合戦略との関係で伺います。 現在策定中の地方版総合戦略である中野区まち・ひと・しごと創生総合戦略は、基本構想及び10か年計画と整合を図ると言います。地方版総合戦略の策定、検証に当たっては、幅広い年齢層から成る住民をはじめ産業界、市町村や国の関係行政機関、教育機関、金融機関、労働団体、メディア等で構成する推進組織でその方向性や具体案について審議、検討するなど、広く関係者の意見が反映されるようにすることが重要とされています。政府は、地方創生の本格的な推進に向けて、PDCAサイクルの確立とその稼働を位置付け、地方版総合戦略の施策効果を客観的に検証する、住民、産官学金労言が参画する外部の第三者機関の設置を重視しています。 さて、中野区においては、この推進組織、第三者機関を置いていません。どのように計画を策定し、実施し、その効果を検証し、改善へとつなげていくのか、伺います。 また、この際、区長が経営改革の根幹に据えているというPDCAサイクルについてもお聞きします。 現行の基本構想の第4章、「10年後に実現するまちの姿」、「「区民が発想し、区民が選択する新しい自治」の10年後」の中で、「政策等の「計画‐実施‐評価‐改善」の段階ごとに区民が参加するしくみが整い、区民に開かれた区政運営が進められています」と記しています。計画については、意見交換会やパブリックコメントなどの区民参加の手続はあります。しかし、評価、改善などの段階ごとに区民の参加はどのような形で保障されているのでしょうか。伺います。 基本構想と10か年計画の改定に係る検討骨子では、「将来を見据え地域社会として対応すべき社会状況、課題」、「少子高齢化・人口減少社会への対応」とし、「社会保障の行政負担の対応」とか、「生産年齢人口の減少に伴う、地域経済・財政への影響、地域活動の担い手の縮小等への対応が必要」と記述しています。骨子であるために区の真意は定かではありませんが、国が人口減少や生産年齢減少を迎えていることから、消費税増税をはじめさらなる自己負担増と社会保障給付の削減を意図していることから、中野区も同様の認識、対応なのかと懸念するものです。 そもそも人口推計とは、最近の少子化、長寿化の傾向が50年間続くと仮定して、それらの数値をそのまま将来へ投影したらどうなるかを示したものと説明されています。これから50年後に約8,600万人に減少するという将来人口推計が報じられました。最近の日本の出生率の急激な低下をそのまま50年後にまで投影したものです。出生率の低下は、若い人の低賃金、不安定雇用、保育条件の悪化、教育費の負担高騰など、まさに経済、社会、政治の条件の悪化が原因と言えます。出生率などの数値が変われば、50年後の人口投影は大きく変動する可能性があります。 人口減少傾向は決して宿命ではないと思います。また、現在の人口が当面すぐにはふえなくても、労働の生産性が増加すれば、社会的な生産や富は大きく発展していきます。将来の人口減少を宿命として、それを根拠にして年金を削減したり、将来世代との負担の公平などを口実にさらなる消費税増税や医療、介護の削減、自己負担増を行うのは誤りです。見解を伺います。 少子化にかかわってお聞きいたします。 区長は、第2回定例会の行政報告の中で、「真正面から出生率の向上に取り組む」とし、具体的な取り組みの実行及び出生率の目標の明確化について言及されました。そのこと自体は大変結構なことだと思います。しかしながら、一方で、児童館の廃止や小・中学校の統廃合など子育て世代の不安を増幅しかねない、安心な出産、子育てに逆行する区政運営が進められています。国も、多くの自治体も、少子化対応には取り組んでいましたが、少子化の解決、克服に向けては、政策的にも消極的でした。少子化打開に向けて計画を持たれることは歓迎すべきことです。であるなら、子どもたちの将来のためにも、区民施設は廃止、売却及び転換を図るのではなく、維持、充実、そして、活用を進めることが必要ではないですか。伺います。 2番目に、平和の森公園の再整備と区役所・サンプラザの解体、一体再開発についてお伺いをいたします。 初めに、平和の森公園の再整備と新体育館建設についてお尋ねします。 区の説明では、新体育館は、延べ床面積を1万平方メートル程度と現行体育館6,000平方メートルより大規模な建設を予定しています。具体的な設計は示されていませんが、メインアリーナにおいては多様な競技が実施可能な広さを備えたものとし、あわせて駐車場の確保と団体バスの駐停車も確保するならば、現在の少年スポーツ広場の面積、約4,200平方メートルを超える敷地面積となることは明らかです。 広場周辺の樹木の伐採は避けられず、水辺の広場も維持できなくなり、夏の避暑機能と防火機能の低下を招きます。区は、平和の森公園の再整備による効果として、新体育館を設置することによって防災機能向上を図ることができるとし、体育館の大規模空間を生かし、帰宅困難者の一時滞在場所や大規模災害時の物資の荷さばき場、各種支援団体の活動場所として活用するとしています。しかし、これでは、貴重な避難面積が潰され、公園外周の防火樹林の伐採によって、広域避難場所である公園の防災機能は大きく喪失することになります。区民の貴重な緑と広場が奪われることは認められません。 平和の森公園の周辺は、平和の森小、旧沼袋小跡地、第七中学校、哲学堂公園など、他の地域に比べても恵まれた施設とオープンスペースがあります。これらの恵まれた条件を生かし、防災・救護施設の整備や備蓄物資の保管、帰宅困難者の受け入れなどを総合的に検討することこそ必要なことではないでしょうか。見解を伺います。 現在の平和の森公園は、区民、区議会、区の3者による長年にわたる中野刑務所廃止・跡地解放の運動によって整備されたものです。1976年に発行された中野刑務所跡地利用を考える区民協議会の報告書、「中野刑務所跡地の利用計画について」によれば、1954年を起点に、刑務所の移転を求める区民運動が広範に、しかも粘り強く展開されてきたとし、1975年9月の法務大臣の廃止声明によって、全区民一致の長く苦しい区民運動の成果を見たと記されています。廃止声明をめぐって区民の間に多様な区民福祉施設の要求が広がりましたが、区民協議会においても再三の討議を重ね、今後二度と出現し得ないであろう貴重な公共空間であるとの認識から、20余年の区民運動が求めるみどりの広場と避難場所の目的と過密な中野区の現況に照らし、跡地は可能な限り空間として確保し、分割的な利用はせずに、一体的な活用を図るべきであると結論付けられています。 1981年2月には、前年に設置された中野刑務所跡地利用計画区民協議会が丸1年を費やして中野刑務所跡地にみどりの防災公園をつくるためにと題する基本計画案をまとめ、区長に提出しています。緑の広場を中心に、樹林帯と水辺をできるだけ多く配置して防災に備える、平常時には子どもたちが自由に遊びをつくり出せるような広場や家族でレクリエーションを楽しめる多目的な空間とする、さらに、障害のある人、お年寄り、子どもなどあらゆる区民が日常、非日常とも気軽に利用できるよう、十分配慮するとしています。1997年から98年に至る平和の森公園第2期整備地域検討会における検討の成果においても、この公園の基本的な位置付けは、刑務所跡地利用区民協議会報告、昭和56年が示すみどりの防災公園と家族を中心としたレクリエーションの場であることを確認しています。 長い区民運動とその成果を無視して、行政都合だけで平和の森公園の利用計画を変更することは、思慮に欠けています。改めるべきです。御答弁ください。 長い年月をかけて区民の合意で勝ち取られた平和の森公園を、まともな情報提供もなく、区民合意を得る努力もないままに進めるのは大問題です。このたびの方針はあまりにも拙速であり、年度内に計画を決めることは乱暴きわまりないものです。しかも、構想している新体育館や陸上競技トラックなどの整備配置図を区民に示さず、庁内での検討にとどめていることも問題です。区民協議会での結論はもとより、刑務所跡地取得のための都市計画決定や当時の建設省からの補助金決定等の法的拘束をほごにすることも認められません。大体、現在の公園整備の際に補助金を受け取りながら、再度補助金を受け取ることができるのでしょうか。伺います。 なお、10か年計画で新体育館の建設予定地であった旧九中跡地については、中野総合病院の建てかえ地に活用することを検討しているようです。ことし3月に中野区と中野総合病院、中野区医師会が話し合いの場を持ったようでもあります。適正な手続を踏まえることなく区民財産を一民間事業者に払い下げるような言動は、行政の公正、公平にもとる行為であり、利益誘導ではないかとのそしりは免れません。改めるべきではないですか。伺います。 平和の森公園内への新体育館の建築方針は、区役所とサンプラザの解体・一体再開発と新区役所の移転建設による玉突きの影響によるものだと考えます。ここに区が急ぐ理由もあり、方針で示されたスケジュールにおいても、体育館を利用できない期間が1年あまり生じてしまうというものです。我が党は、これまで、区役所と中野サンプラザについては、耐震化を施している区役所と中野サンプラザを急いで建てかえる必要はなく、中野サンプラザの所有については、公共性に乏しく、区は撤退することも検討せよと主張してきました。何より区民合意がありません。 現在、三菱地所、東京建物、NTT都市開発、三菱地所レジデンス、鹿島建設によるパートナーと野村不動産、清水建設、住友商事、第一生命保険、東急不動産によるグループパートナーが提案をして、議会に提案概要書も出されました。建造物等の配置こそ違いがあっても、オフィス、商業、ホテル、住宅などの提案内容に大差は見当たりません。どちらも高層タワービルにすることや、申しわけ程度に広場をつくることまで酷似しています。しかし、これも社会経済情勢を見てディベロッパーが決めることになり、入居する業態がどういったものか、また、撤退するなどはお構いなしというものでしょう。 2008年の第3回定例会で議決をされた議案、「サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針について」では、中野区は、株式会社まちづくり中野21に将来にわたって同社の所有地を保有させ、中野駅周辺のまちづくりを牽引させるものとするとされていました。中野区とまちづくり21は、再整備計画が定まった後にはどうしていくのか、また、再整備費用についてはどうするのか、さらに、再整備終了後においてはどのようにかかわるのか、伺います。 中野区が中野サンプラザを出資、増資してまで取得したのは一体何のためだったのでしょう。区が主導的に関与することで区民の意思を生かしたまちづくりに結びつけることができると言ってきましたが、区民がそのように感じているのでしょうか。パートナーらの提案を見ても、区の言うところの関与は、この地区の乱開発を防ぐためではないことははっきりしています。大企業の利益確保のために取得したということではないですか。区役所は、現在の体育館と自転車駐車場の場に移転する計画です。区役所跡地は売却か定期借地権を用いることを予定しているようですが、そこでの収益の一部で区役所の整備をするようでもあります。区役所整備については、PFI等の活用も検討していることも報告されています。民間主導の事業をふやすために用地を提供してまでしてもうけを生み出してあげる、民間活力の活用とか言われてきましたが、実際には、官が世話する民間主導と言えるのではありませんか。これで区民の理解が得られると思われるのか、伺います。 3番目に、2014、平成26年度決算と区政運営についてお伺いいたします。 2014年度の一般会計決算は、区政史上最大の実質収支額は約44億円となりました。単年度収支も26億円の黒字、実質単年度収支は50億円もの黒字となっています。歳入で特別区交付金と特別区税、地方消費税交付金の一般財源が大幅な増となり、歳出では約57億円もの不用額を生んだことで、積立金は122億円、財政調整基金だけで24億円の積み立てを行っています。積立基金の年度末現在高は、約527億円にもなりました。この年度、財政調整基金からの繰入金はゼロ円となっています。一般会計では第5次まで補正予算が組まれましたが、財政調整基金からの繰り入れは減額が多く、歳入歳出の調整によって、当初予算で計上していた19億5,000万円は取り崩す必要がなかったばかりか、剰余金まで多額に生んでしまったということでしょう。それだけ財政は余裕があったことが見てとれます。 問題は、この年度を含めて、財政非常事態だと区民と議会に喧伝し、事業見直しと称して、福祉、教育など区民サービスを削減してきたことです。そのことが厳しく問われます。我が党は再三、予算で財政難を強調し、決算では基金に積み増しを行う虚構の財政難であることを指摘してきました。そのことがいよいよはっきりとしてきたと言えます。区政史上最大の剰余金を生み出し、基金に積み増し、基金残高も最高額を更新するという区民犠牲の上に成り立たせてきた財政運営の実態です。これが区の標榜する財務規律なのですか。伺います。 平成23年度事業見直し内容についてを振り返ると、平成26年度財政効果としておよそ5億5,000万円の財政効果を期待していました。一般財源、経常経費の削減が目的であったことから、初年度の平成24年度から見ると、3年間で約17億6,600万円の削減が計画されていました。もっぱら高齢者、障害者、子育て世代にかかわる事業の廃止、削減と新たな負担増です。暮らし応援に背を向け続けたばかりか、新たな負担増と区民サービス削減を行ったことについて伺います。 教育費についてです。 今年度の予算の審査の際にも触れましたが、中野区は、普通会計で見た教育費は、23区でも最低クラスです。2015年度決算値での23区比較は現時点ではできませんが、当初予算額から考えても、区の普通会計決算値で見たとき、117億4,366万4,000円、前年度比マイナス10.1%となると、23区での位置は変わらないと思われます。中P連、小P連をはじめ関係者、保護者からは、学校施設、設備の改修と改善の要望は数多く寄せられています。その声にきちんと答えるべきではありませんか。 また、就学援助の認定基準の見直しによる削減が2012年度より行われています。決算で示された財政状況から見れば、削減する必要は全くなかったことは明らかです。低所得者世帯がふえ、子どもの貧困の克服が喫緊の課題になっている昨今、認定基準の引き上げをすべきです。答弁を求めます。 この年度は、認証保育園等の保護者補助金が上限2万円から6万2,000円に拡大されました。このことは喜ばしいことです。しかし、財源は認可保育所の保育料の値上げによるもの、同じ子育て世代の負担で賄おうというものでした。決算値を見ると、認証保育所等保護者補助には2013年度比で9,266万8,000円の増額、一方、保育料の値上げ負担はおよそ2億円の増額となっています。一般財源を出し渋って子育て世代間で負担を担わせるやり方も問題ですが、この機に補助金支出以上に保育料負担を徴収するとは、あまりにもひどいのではないですか。伺います。 事業見直しが実施されてから、中野区福祉団体連合会からは、毎年、障害者福祉手当第2種を以前の金額に戻してほしい、福祉タクシー券給付については見直し、増額をとの要望が出されています。障害者の方が病院に行くことや社会参加を行う、日常生活を送る上で、障害者福祉手当や福祉タクシーは欠かせない事業です。増税などによる生活必需品の値上げが生活苦に追い打ちをかけ、それだけに事業の充実が求められています。 区は、介護保険があるからと、65歳以上の障害者福祉手当第2種の減額を合理化していますが、誰もが代替できるわけではなく、しかも、1割、2割の負担が生じることも指摘してきたところです。福祉タクシー券に所得制限を設けたことについても、多くの障害者が悲痛を訴えています。障害があるゆえに必要な事業です。 区は、事業見直しによって、障害者福祉手当第2種では決算年度で975万2,000円を削減、福祉タクシーに所得制限を導入することで年額865万円の財政効果を期待しました。合わせても1,840万円の一般財源が工面できなかったわけではないでしょう。65歳以上の障害者福祉手当第2種の復活と福祉タクシー券支給の所得制限の廃止を求めます。御答弁ください。 特別会計について、初めに、国民健康保険事業の保険料について伺います。 2014年度から法定減免の拡充が行われています。今年度になってからは、1,700億円の公付金による低所得者対策強化が図られました。それでも高過ぎる国保料によって、厳しい生活実態があります。生活保護基準をぎりぎり上回っている低所得の世帯が、国保料を払うことによって、生活保護基準以下に落ち込む実態があります。 区では、保険料の申請減免を設けて、生活保護基準の生活費の115%を基準としています。この10年あまりの国保料の値上げは、全世帯に影響を及ぼしたばかりか、低所得世帯には打撃となっています。しかし、その間もこの基準は変えられていません。制度があっても、活用しづらい、活用できないというものです。その理由は、あまりにも115%の基準が低過ぎて、対象から外れてしまうからです。引き上げが必要です。23区で検討していただきたいと考えますが、いかがですか。伺います。 国民健康保険では、均等割りがあるために、子どもが多いほど保険料がふえる仕組みになっています。少子化を克服する上でも、子育てへの逆行になりかねません。軽減措置を設けることが必要です。国に軽減措置を要望すべきではないですか。また、多子減免制度を実施している北九州市のような地方自治体もあります。23区においても検討すべきだと考えます。答弁を求めます。 介護保険料についてもお聞きします。 今年度が初年度に当たる第6期中野区介護保険事業計画では、保険料基準額が年額6万7,900円と、第5期計画と比べて年額4,100円の値上げとなりました。第5期計画の最終年度であった2014年度の介護保険事業特別会計の決算を見ると、介護保険給付準備基金繰入金が1億9,000万円余と少額で済み、実質収支額は2億2,438万7,000円もの高額になりました。ことしの第1回定例会の総括質疑の際に、2014年度の実質収支は2013年度の実質収支額1億5,722万円を下回ると述べられていましたが、実際には大きく上回ることになりました。 第5期計画からの準備基金と第5期計画最終の当該決算年度での実質収支は、第6期計画の保険料算定に少なくない影響をもたらします。その点で問題はなかったのでしょうか。第6期計画においては制度の改定があったことから、介護保険サービスの抑制も起こり得ます。サービス量から保険料算定をする仕組みから見ても、保険料設定は妥当とは言えないのではないですか。平成26年度決算値から見て、第6期計画における保険料設定についての見解を伺います。 また、介護保険料軽減のために一般財源の投入は適当でないとするのは誤りであることも指摘しておきます。介護保険法令上は、法定分を超える一般財源からの繰り入れを禁じる規定や制裁措置は一切ありません。厚生労働省の指導なるものも、保険料減免に伴う一般財源投入について述べたものであって、介護保険事業計画に基づく保険料設定に際しての一般財源投入について述べたものではありません。厚生労働省の言う単独減免三原則なるものも介護保険法令上の規定はどこにもなく、単なる事務連絡にすぎないものです。しかも、国自身が、法定分の負担以外に、これまで、介護従事者処遇改善特例交付金、介護職員処遇改善交付金を一般財源から投入し、さらに、今回の改定で、低所得者の保険料軽減に一般会計からの繰り入れを法制化しました。区として一般財源の投入を検討すべきではないですか。伺います。 4番目に、子ども・子育て新制度における保育行政について伺います。 区では、新制度のもとで小規模保育、家庭的保育等の地域型保育事業を進めています。小規模保育は、今年度になって、4月の8カ所に加え2カ所がオープンして、10カ所となりました。中野区子ども・子育て支援事業計画によれば、2019年度までに27事業を予定しています。家庭福祉員やグループ型を含め、新制度実施前から無認可の保育は、認可保育園に入れない子どもを預かるなど、補完的な役割を果たしてきました。それが新制度のもと、区の条例によって認可の位置付けがされたというものです。しかし、3歳児になったら新たに保育園を探さざるを得ず、第2回定例会の質問で指摘したように、ここでの待機児童が危惧されます。区は、認可保育園と連携をとると近隣認可保育園に移ることを想定しているようですが、あくまでもクラスに空きがあっての話で、保証はありません。 地域型保育事業では、施設基準と職員配置基準、保育士資格の職員が配置されているこれまでの認可保育園とは保育サービスの質に差が生じることになります。区は多様性を強調しますが、保育実践などの多様性はあっても、保育の質に、制度としての保育水準に多様性は求められていません。どの子どもも等しく同水準の保育サービスが受けられることが必要ではないですか。認可保育園の増設が保護者の願いでもあります。見解を伺います。 区は、この間、民間事業者による認可保育園の誘致整備を図ってきました。ただし、ほとんどが園庭のない認可保育園となっています。厚生労働省の児童福祉施設最低基準及び東京都の児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例によれば、「屋外遊技場(保育所の付近にある屋外遊技場に代わるべき場所を含む)」と定めています。区は、これらを根拠に、屋外遊技場、つまり、園庭のない保育園の整備を進めています。しかし、保育園内に屋外で遊ぶ場所がない、プールもないといった状況は、極力避けるべきではないでしょうか。子どもの健やかな育ちや保育実践にも影響を及ぼします。園庭のない認可保育園の誘致整備は、子どもの最善の利益に努めているとは言えません。認可保育園の整備は、原則園庭を保証したものにすべきではありませんか。伺います。 5番目に、地域の防災について伺います。 住宅の耐震化について伺います。 「住宅等の耐震化促進事業の実施状況について」を見ると、住宅の耐震化の現状は、平成26年度末で、木造住宅では75.5%、非木造住宅で89%となっています。東日本大震災後、建てかえをはじめ住宅の耐震化が進んでいることは結構なことだと思います。それでも、建てかえはできないが、耐震工事をしたいと考えている区民もいます。東京都に問い合わせたところ、中野区では助成を行っていないので、制度の活用はできないと言われ、がっかりした方もいらっしゃいました。改めて、木造住宅耐震補強助成の実施検討を求めておきます。 区では、耐震の無料診断を実施しています。しかし、1981年の新耐震基準施行で区切り、それ以降は機械的に耐震性が担保されていると見るやり方は、実態を反映したものとは言えません。実際、阪神・淡路大震災の全壊家屋のうち20%強は1982年以降に建設された住宅でした。耐震性を左右する偏心率、壁の配置が新たに設計要件とされたのは2000年です。さらに、木造住宅の品質は、経年劣化や維持管理のよしあしに大きく左右されると言われています。こうしたことからも、耐震診断は全ての住宅を対象にすべきと考えますが、いかがですか。御答弁ください。 防災マップについて伺います。 現在、地震に備える上であるのは、中野の防災マップと中野区地域防災地図です。ところが、作成、配布されたマップが住民に周知されていない、保存されていないなどの声があります。全国的に各市のハザードマップが作成されるようになったのは、法的な位置付けが行われて以降、10数年前からです。このため、作成方法や活用方法、周知方法などに課題が少なくなく、広く社会に受け入れられているとは言えないとの指摘もあります。 災害種ごとのハザードマップは、その主目的が災害時における住民の円滑な避難行動に置かれています。そのため、災害危険区域の表示とともに、避難場所、避難経路、警報の伝達方法といった避難にかかわる情報が記されているのが一般的です。一方、住民に身近な災害危険情報が記載された地域レベルの防災診断地図の作成は、調査や表示方法の点から、行政の手には余ると言われています。こうした私的財産等を含む生活圏の場合、危険性の共有や地域点検の必要性についての合意を背景とした住民組織が手づくりの防災マップに取り組むほうが適しているというものです。この場合、むろん専門家の協力など、自治体行政の支援が必要となります。 中野区においては、一部の地域防災会で防災マップづくりが行われていると聞きます。防災マップづくりは、身近な災害危険箇所を再認識させて、地域の防災力を高めるだけでなく、防災マップを踏まえた防災上の課題検討などを通じて地域コミュニティを活性化させる効果も期待できます。区は、防災マップづくりが全区的に実施をされるよう援助すべきだと考えますが、いかがですか。 最後に伺って、全ての質問を終わります。 〔区長田中大輔登壇〕 〇区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えをいたします。 まず、安全保障法制に関連する御質問でありました。 言うまでもなく、国、自治体には、それぞれの役割があるわけであります。外交や安全保障といった問題はすぐれて国の役割であり、国民によって選ばれた正しい代表である国会議員と、そして、国会で選ばれた政府が責任を持って立案をし、運営をしていくもの、このように考えております。戦争法案という大変激しい言葉を使っての御質問でありましたが、戦争法案という言葉の意味が私にはわかりませんし、この場で私が議論するべき問題とも思えません。安全保障関連法案につきましては、審議中の法案のため、国会の審議を見守っていきたいと考えております。先ほど言いましたとおり、安全保障政策は国の大変重要な責務であり、法案が成立した場合、その法の執行に当たっては、立法の趣旨を踏まえながら政府が適切に執行していくもの、こう考えているところであります。 新ガイドラインに関連する御質問がありました。 安全保障法制が有効に機能するという上で、さまざまな今日の状況を踏まえて、切れ目のない対応をといった趣旨で改定を行われたガイドラインというふうに認識をしております。こうしたことについての対応は、先ほどお話を申し上げましたとおり、国の役割として、政府と国会において責任を持って行われるものというふうに考えております。 総合戦略の策定、検証に当たっての外部機関の設置についてであります。 区における地方版総合戦略については、現在改定作業を進めている基本構想及び10か年計画と整合を保つものでなければなりません。したがって、昨年度設置した中野区基本構想審議会における議論に基づいて検討をしているところであります。また、今後、区民や関係団体との意見交換会やパブリックコメント手続など広く関係者の意見を踏まえた内容としていきたいと考えております。区は、行政評価に当たって外部評価委員の評価を受けており、地方版総合戦略についても、外部評価委員の評価によって効果を検証していく考えであります。 基本構想で言っております計画、実施、評価、改善についての御質問です。 区民参加の仕組み、保障については、中野区自治基本条例に基づいて、区の基本構想や基本計画、個別計画の策定または改廃においては、区民意見交換会やパブリックコメント手続を経ることにより保障されているところです。また、計画策定や改廃に至るまでの評価、改善などの段階ごとの区民参加については、行政評価について、公募区民による外部評価を公開で実施していること、また、事業の見直しや改善についても、翌年度の予算で検討中の主な取り組みの中で12月に意見交換会を実施することなどによって、区民参加を保障しているというものであります。 それから、年金削減、消費増税への見解というようなことでありました。 将来にわたって、安心、安全、豊かな人々の暮らしを実現するためには、少子高齢化、人口減少社会へ対応し、社会保障の効率的な維持、財源の確保が急務である、このように考えております。そのためには、経済の成長、議員も指摘をしておられました。それに加えて、一定の負担の増加、そして、給付の抑制、これらの三つが必要な要素であると考えており、区政もそれに基づいて対応をしているところであります。 それから、区民施設の維持、活用ということについてであります。 区有施設は、政策目標を達成するために有効利用し、効率的に運営していくことが基本であります。社会状況や施設需要の変化等を踏まえつつ、その時々の政策目標に合わせて、個々の施設ごとに、より効果的、効率的な施設サービス提供のあり方を検討していくこととしております。施設については、より適切なサービス利用につながるよう、新設、転用、統合、売却等、適切な利活用を進めてまいりたいと考えております。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 2014、平成26年度決算と区政運営についてのうち、学校施設・設備の改修、改善要望への対応についての御質問にお答えいたします。 教育費の決算が対前年度10.1%の減になったのは、その前年度、学校施設に係る投資的経費が一時的に増加したことによるものでございます。学校施設・設備の改修、改善に当たりましては、PTA連合会や学校、保護者からの要望、意見を踏まえ、計画的に取り組んでいるところでございまして、引き続き教育環境の向上を進めてまいりたいと考えてございます。 また、就学援助認定基準についての御質問がございました。 就学援助は、制度趣旨から考え、生活保護基準額の1.15倍としたものでございまして、基準の引き上げについては考えてございません。 〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕 ○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず、平和の森公園の防災機能についての御質問にお答えをいたします。 平和の森公園に体育館を設置しても、避難計画人口に対して広域避難場所として有効な面積を確保することは可能でございます。また、平和の森公園に体育館を設置することにより、広域避難場所だけでなく、帰宅困難者の一時滞在施設、警察、消防、災害ボランティアなどの活動拠点、救援物資の中継拠点など防災機能を向上させることができると考えております。 次に、地域防災についての御質問でございます。 住宅の耐震診断の対象拡大についてでございます。 現在無料耐震診断の対象となるのは、東京都耐震改修促進計画に定められた対象建築物で、昭和56年以前に建築された住宅となっております。また、区では、不燃化促進事業や木造住宅密集地域整備事業を実施している地域等では、地域の安全性を向上させるという公共的な目的で、耐震性能の低い木造住宅を建てかえる際の費用助成を行っているところでございます。一方で、新耐震基準以降の建築でも、築30年を超える建築物が見受けられるようになってきていることから、経年劣化による耐震性能の低下を招かない維持管理等の普及・啓発について取り組んでまいりたいと考えております。 次に、防災マップの作成支援でございます。 区では、地域防災会に対して、防災訓練のメニューの一つとして防災マップづくりを奨励するとともに、地域の防災設備の設置場所の情報提供を行っております。防災マップづくりは、地域住民の防災意識の高揚と地域防災力の向上が図られるため、今後とも積極的に支援してまいりたいと考えております。 〔政策室長髙橋信一登壇〕 ○政策室長(髙橋信一) 私からは、平和の森公園の再整備と財務規律についてお答えいたします。 初めに、平和の森公園の利用計画についてでございます。 平和の森公園の再整備は、スポーツニーズの高まりを踏まえてスポーツ機能の充実を図るとともに、全体を再整備することによって、既存機能でございます防災機能、区民の憩いの場の機能、平和継承等を向上させることを考えてございます。新たな機能も付加しながら、これまでの利用計画を充実させていくことを考えてございまして、刑務所解放に係る長い区民運動の歴史を継承したものと考えてございます。平和の森公園は区内屈指の大規模公園でございまして、31万区民の共有財産にふさわしい公園として再整備の検討を進めていきたいと考えます。 次に、体育館の補助金についてでございます。 体育館については、公園施設であり、公園機能を拡充する整備について、相当の公園の補助金があると考えてございます。 次に、旧中野中跡地の活用についてでございます。 中野総合病院の建てかえについては、病院側が新病院建設の基本構想を作成していると聞いているところでございます。区といたしましては、地域医療に貢献している中野総合病院の建てかえに対しては協力する考えでございまして、病院側から具体的な計画の提案があった場合、区としてどのように支援できるか総合的に判断してまいりたいと考えてございます。旧中野中跡地を活用することについても、当然視野に入れて検討することとなります。 次に、財務規律についてでございます。 平成26年度決算の実質収支額は、特別区民税や特別区交付金、財産収入などが増加して、さまざまな要因によるものでございます。一方、保育所整備など子育て支援サービスや南部すこやか福祉センター整備、白鷺せせらぎ公園整備といった区民に必要である事業については、着実に実施しているところでございます。今後も扶助費などの増加傾向が続く中、子ども・子育て支援新制度や介護サービス費などに係る歳出増は変わらないものでございまして、また、多くの区の建物において老朽化や経年劣化が進んでございまして、計画的な財政支出が必要と考えてございます。歳入を取り巻く状況としては、世界経済の不透明感など景気動向には注視が必要でございまして、また、特別区交付金の財源であります市町村民税法人分のさらなる一部国税化による減収も予測されるということから、一般財源、特定財源についても予断を許さない状況にあると考えてございます。そのためにも、予算編成におけます基準となる一般財源の考え方を財務規律とし、区政を安定、持続させるための財政運営を行うものでございます。 〔経営室長篠原文彦登壇〕 ○経営室長(篠原文彦) 区役所・サンプラザ地区再整備におけます区とまちづくり中野21の関与についてお答えを申し上げます。 区と株式会社まちづくり中野21の所有地につきましては、中野のまちのにぎわいの中心となる新たな整備を誘導する中で、その土地を最大限に活用することとともに、事業の中で新区役所整備の財源を確保していくこととしております。株式会社まちづくり中野21の土地のあり方につきましては、既に議決された整備方針を踏まえ、今後検討してまいります。再整備については、区の整備目的も踏まえ、公募により民間事業者を募集していき、費用の資金調達についても民間事業者が行うことになると考えております。こうしたことから、再整備終了後につきましても、そのまま民間事業者による運営となるというようなものでございます。 〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕 ○都市政策推進室長(長田久雄) 区役所・サンプラザ地区再整備に係る民間活力の活用についてお答えをいたします。 区役所・サンプラザ地区再整備は、民間活力の活用によって地域経済に厚みを持たせ、産業振興や文化の発信、交流やにぎわいの創出、生活環境の向上などにつながる地域経済活性化の起爆剤となるものであるというふうに考えているところでございます。 〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕 ○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、まず、認証保育所等保護者補助金と保育料についての御質問にお答えをいたします。 平成26年度から実施した認可保育所保育料の見直しにつきましては、平成19年の税制改正の影響などを考慮し、適切な保育料負担をいただくために見直しを行ったものでございます。一方、認証保育所等保護者補助金の見直しにつきましては、認可保育所を利用した場合と同等の負担となるよう補助金の拡充を行ったものであり、負担の公平化が図られたと考えてございます。 次に、子ども・子育て支援新制度における保育行政についての御質問のうち、まず、認可保育所の増設についての御質問がございました。 地域型保育事業の認可小規模保育事業や認可家庭的保育事業は、子ども・子育て支援新制度における認可基準を満たした施設でありまして、保育士または保育に必要な一定の研修を修了した職員が配置されていることから、保育の質は確保されているというふうに考えてございます。それぞれの保育施設の形態に特徴がある中で、今後も、認可保育所に限らず、保護者の生活環境などのニーズに合わせて多様な保育施設を整備していく考えでございます。 次に、認可保育所の園庭に関する御質問がございました。 これまで開設した認可保育所につきましては、園庭の有無にかかわらず、さまざまな屋外活動を行うとともに、子どもの発達段階に応じた多様な保育活動が展開できているというふうに認識してございます。平成28年4月開設予定の認可保育所6園のうち4園につきましては、屋上などに園庭スペースを設置する予定でありまして、園内で一定程度屋外活動が可能になるというふうにも考えてございます。 〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕 ○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、障害者福祉手当、福祉タクシー券の御質問にお答えをいたします。 障害者福祉手当2種手当の見直しにつきましては、手当の開始時と比べ障害福祉サービス等が充実してきたことを踏まえ、実施したものでございます。また、福祉タクシー券の所得制限は、交付対象者が増加する中、事業を継続するために実施したものでございます。この状況につきましては現在も変わっておりませんために、現時点で見直しは考えておりません。 〔区民サービス管理部長白土純登壇〕 ○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、国民健康保険と介護保険についての御質問にお答えをいたします。 まず、国民健康保険料の減免基準の引き上げについてでございます。 特別区では、国民健康保険料の減免基準を生活保護基準の115%と定めているほか、保険料に占める均等割りの賦課割合を低く設定しております。さらに、保険料の算定方式を住民税方式から旧ただし書き方式へ変更したことに伴う軽減措置を平成23年度から4年間実施するなど、これまでも、低所得者に配慮した措置は行ってきているところでございます。 以上のことから、保険料減免基準の引き上げは必要ないと考えております。 次に、子どもが多い世帯の国民健康保険料の減免についてでございます。 国では、子どもに係る国民健康保険料の均等割りの軽減措置の導入が議論されているところでございます。区といたしましては、検討の動向を注視し、適切に対応したいと考えております。 次に、第6期介護保険事業計画における保険料設定についての見解でございます。 平成26年度の実質収支が見込みを上回ったのは、第5期の介護保険料算定時より介護給付費の上昇が緩やかであったことなどによるものでございます。第6期の介護保険料の算定に当たっては、第5期まで積み立てた介護給付費準備基金を活用いたしまして、介護保険料の大幅な上昇をなるべく抑えるとともに、特に所得の低い方の保険料負担を抑えるよう、保険料の段階及び料率を設定したところでございます。その結果、第6期の中野区介護保険料額は23区中10位となり、上昇幅も下位となったものでございます。第6期介護保険料につきましても、適正に算定できていると認識しております。 次に、介護保険料軽減に一般財源を投入することについてでございます。 国や都では、各保険者において国が示す公費による保険料軽減の強化の幅を超えて独自に一般財源を充てて保険料軽減を行うことは適当でない旨の見解を示しており、区といたしましても、介護保険制度の枠外で一般財源を投入することは適当でないと考えております。今回の低所得者に対する保険料軽減措置は新たに法制化されたものでございまして、介護保険制度の枠内の措置であると考えております。 ○議長(北原ともあき) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。
中野区議会議員 酒 井 たくや 1 学校跡地の考え方について 2 学校教育について (1)学力・体力の増進について (2)学校施設の改善について (3)子供たちをインターネットの危険から守る取り組みについて (4)その他 3 ダブルケア(育児と介護の同時進行)について 4 区民活動センターについて 5 その他
○議長(北原ともあき) 次に、酒井たくや議員。 〔酒井たくや議員登壇〕 ○38番(酒井たくや) 平成27年第3回定例会におきまして、民主党議員団の立場から一般質問いたします。 質問は、2の学校教育についての(2)学校施設の改善については取り下げ、またの機会にさせていただきます。 それでは、質疑に入ります。 まず、1点目、学校跡地についてお尋ねいたします。 学校は、児童や生徒の学び舎であるとともに、災害時の避難所やスポーツ活動、さまざまな地域行事の拠点として、地域コミュニティの形成にも重要な役割を担っております。学校の校庭や校舎、体育館などの跡地は、区内では限られた大規模な用地であります。区民の財産である学校跡地の活用に当たっては、売却という選択肢ではなく、貴重な資源の有効活用を最大限に図る必要があるのは言うまでもありません。 中野区では、平成17年度に小・中学校再編前期計画が策定され、平成24年度の中野中学校の開校により前期計画は完了し、7校の小・中学校が閉校となりました。そこで、前期計画で閉校となった学校跡地の活用を振り返ると、跡地整備の考え方が二転三転されているところも幾つか見受けられます。 例えば第九中学校は、当初は中野体育館移転用地とされておりましたが、見直しとなり、堀越学園の校舎建てかえのための仮校舎として活用され、今後は、中野総合病院の移転地の候補としても検討されておりますが、いまだ白紙状態であります。 東中野小学校は、当初は、小規模多機能居宅介護施設の整備をするものでありましたが、その後、障害者自立支援の施設と東中野区民活動センターの整備に変更され、現在は、東中野区民活動センターと区立公園の整備とあわせて、跡地の6割を売却することが進められております。小学校跡地に関しては売却を行わないとの過去の議会答弁、地域説明会の約束もほごにされており、この件に関しては、私は遺憾であります。 沼袋小学校は、北部すこやか福祉センターと地域スポーツクラブを整備する考えでした。考え方は基本的に変更されておりませんが、沼袋保育園分園として緊急的な待機児に対応するため、校舎の部分を使用し、校庭、体育館は、大妻中野中学校・高等学校、明治大学付属中野中学・高等学校に貸し付けを行っております。今年度で終了しますが、北部すこやか福祉センターと地域スポーツクラブの整備はおくれが出そうなところです。 また、仲町小学校跡施設を活用した中部すこやか福祉センターでは、学校の跡施設をそのまま活用ありきだったため、床面積が前身の施設である中部保健福祉センターと比べて大幅にアップしました。他施設より廊下も広いことにより光熱水費も高く、また、会議室の利用率も、立地の面やニーズの面からも、数字が非常に低い状況であります。 このように、当初考えていた学校跡地の活用の考えが何度も変更されているところもあります。また、学校跡地の規模感の大きさに、区としても手を焼いている面もあるように感じます。もちろんその時々の状況、急を要する政治課題への対応など柔軟に判断することも必要であるのも理解しておりますが、まず、区としてこれまでの学校跡地の整備の取り組みをどのように捉えているのか、お聞かせください。 平成25年3月には、中野区立小・中学校再編計画(第2次)が策定され、現在四つの統合委員会も立ち上げられ、統合への準備が進められております。この計画により、新たに7校の学校跡地が将来現れます。学校は、子どもたちの学び舎の機能を終えても、災害時の避難所であるとともに、地域コミュニティの大きな核であります。また、地域住民の学校への思いは非常に強いものがあります。この長年地域のシンボルとして存在してきた学校の跡地を、これからの行政課題、地域ニーズに的確に対応でき、そして、地域コミュニティの拠点として生まれ変わるよう再整備していかなければなりません。 例えば、多くの自治体では、学校跡地利用基本方針や活用指針などを策定しております。中野区にはありません。このような学校跡地基本方針や活用指針には、学校跡地活用の基本的な理念があって、基本姿勢があり、それを踏まえた基本方針の中には、行政需要への対応、地域ニーズを踏まえた活用方法、民間活力の活用、中長期的な視点、有効的な暫定活用など、そしてまた、配慮する点として、地域防災や地域住民へということが盛り込まれております。私は、そのような指針、方針があってこそ、よりよい学校跡地整備計画も定めることができ、また、急を要する政治課題への対応の判断基準ともなるはずです。再編2次計画により新たに7校生まれる学校跡地の整備について、区民も、議会も共有できる区の基本的な方針、指針を取りまとめるべきです。お聞かせください。 中野区施設白書では、公園、道路、橋梁を除いた現在の建物を全て維持すると仮定した場合、今後40年間の更新経費の試算額は2,221億円となり、年平均55億円もの更新経費が必要になります。間近の5年間の投資的経費は年平均35億円となっており、これを上回る莫大な経費が必要です。今後ファシリティーマネジメントにおいて総施設量の削減をしていかなければならないのは私も重々理解しております。しかし、学校跡地は貴重なまとまった土地であり、売却すると元には戻らない貴重な区民の財産です。売却ありきではなく、小さな他施設のあり方を再検証し、学校跡地を拠点として集約していく、求められる機能の複合化を図る、避難所機能と広場を地域にできるだけ残していく考えを持たなければならないと思います。区の見解をお聞きします。 最後に、間近に統合が予定され、跡地となる第三中学校や新山小学校などは、改定される10か年計画に具体的に活用内容が示されるのか、また、跡地整備に当たっては、地域の声を十分に聞く取り組みを要望します。見解をお聞きし、この項の質疑を終わります。 次に、2点目、学校教育についてお尋ねします。 まず、1番目に、学力、体力の増進について。 まず、学力からお尋ねします。 先日、文部科学省は、小学校6年と中学校3年の全員を対象に実施した全国学力学習状況調査の結果を公表しました。全体の結果では、下位層の成績が全国平均に近づく傾向が続いており、文科省は、全体の底上げが進んでいると見ています。3年ぶりに実施された理科のテストでは、中学生の理科離れが顕著にあらわれました。また、国語、算数、数学の応用力を見るB問題の平均正答率が低く、2007年度の1回目のテストから続く応用力が苦手という傾向は今回も同様でありました。 都道府県別では、秋田県が小学校の5教科のうち4教科で、福井県が中学校の5教科のうち3教科でそれぞれ1位になり、2007年度のテスト開始以来、両県が毎年トップを独占状態であります。私立学校の少なさや地域性などの特性があるのも理解しますが、両県の取り組みは注目に値します。特に福井県においては、昭和40年代の全国テストから常に上位をキープしております。 教育委員会は、公教育において常に学力テストのトップにランクインしている秋田、福井をどのように分析しているのか、また、中野区において参考にし、取り組むべき点、改善できる点はあるのか、お聞かせください。 両県においては、家庭学習の充実や学習規律の高さ、教員同士の授業力の向上への取り組み、特色ある授業などさまざまな取り組みをしております。そして、県独自予算による少人数教育を推進し、きめ細かに子どもたちの習熟度に応じての学習指導も効果を上げております。中野区でも、少人数指導、習熟度に応じた指導の充実を図るため、区独自に学力向上アシスタントを配置しております。小学校では全ての学校に算数の指導で配置し、中学校においては、数学、理科、英語等を各学校により選択できるようになっております。次代を担う子どもたち一人ひとりに基礎的学力を確実に、着実に身につけさせ、そして、つまずきを抱えたまま進級させないため、そのためにも、複数の教科できめ細かに対応できるよう、学力向上アシスタントの増員を図れないでしょうか。お聞きします。 この学力向上アシスタントの任用は、臨時職員です。臨時職員の雇用期間は、延長を含めて最長1年間です。学校現場になれ、一人ひとりの子どもたちの課題なども理解でき、そこにきめ細かに指導できるようになっても、最長1年で学力向上アシスタントさんはやめなければなりません。非常勤職員であれば、1年ごとの任用であり、よい人材であれば更新することもできます。実際に非常勤で雇用している自治体もあります。学力向上アシスタントが継続して安定的に子どもたちに指導できるよう、任用の見直しは行えないでしょうか。お聞きします。 この学力向上アシスタントのような存在は、他区でも取り組んでおります。実際は、人材の奪い合いのような状況にもあります。より能力の高い人材を確保できるような取り組みもあわせて行っていただきたいと考えます。お聞かせください。 最後に、今回の学力テストでも、中学生からの理科離れと国語、算数、数学においての応用力の低下が顕著で、この2点が課題であります。先ほども申し上げましたが。これまでの全国結果と中野区の結果を見比べても、同じような傾向にあります。 1点目、理科離れに関しては、小学校から中学生に上がり、理科に対する関心、意欲が著しく低下しております。そうであるならば、小中連携をより強化する、そして、子どもたちが自分の考えを実験で確かめながら探求する理科本来の知的な楽しさを感じられるような取り組みを進めるべきです。 2点目、応用力の向上に関しては、解き方の決まった問題を効率的に解くのではなく、みずから問いかけをし、解決を目指し、協働しながら新たな価値を生み出す能力の向上が求められます。これは、次期学習指導要領で導入の検討をしているアクティブラーニングと呼ばれる学習手法ですが、今回の学力テストと同時に行った学校への調査でも、このアクティブラーニングは一定の効果も出ております。社会の変化に対応できる生きる力を育む教育という観点からも、私は必要だと思います。 以上のような全国的に共通する教育課題において中野区教育委員会としてどのように取り組んでいくのかお尋ねし、学力の向上について質疑を終わります。 次に、体力について。 子どもたちの体力の低下は深刻な状況です。中野区も同様で、昨年度に行われた体力テストの結果、東京都平均を上回る項目の割合は、25年度が49%、26年度が29%と大きく下降しております。東京全体の体力が向上する中、中野区としては変化はなく、東京都との差が大きくなっており、危機的状況であります。児童・生徒に身につけさせたい体力、運動能力の到達目標である中野スタンダードでは、子どもたちのボール投げ、握力の数値の低さが毎年顕著で、課題となっております。 26年度外部評価でも、学校教育分野の特に指摘すべきとした事項において、体力の指標は特に重要だが、ここ数年の低下傾向の原因、分析と、それを踏まえた改善に向けて、危機感を持った具体的な取り組みが強く求められるとの厳しい指摘もあり、教育委員会としても、抜本的な見直しが求められております。 26年度体力テストの結果を受け、体力向上プログラムの改定をすることとしましたが、改定のポイントは、全体では、フラッグフットボールを年間計画に取り入れ、発達段階に応じてパスを取り入れるなど工夫をすること、そして、個別の課題である握力向上のためには、児童・生徒がほうきを持ってはく、雑巾を絞る、物を持って運ぶなどの場面を意図的に取り入れるというものでありました。ボール投げに対応する投力の向上のためには、幼児期や小学校低学年において、紙鉄砲やめんこなどを投げる動作につながる動きを持つ伝承遊びを取り入れるというものです。 教育委員会として、体力向上検討委員会を年間1回から5回にふやすこともされておりますが、事件は会議室で起きているのではなく、現場で起きているというドラマの名言を思い出しますが、もちろん教育委員会としてさまざまな努力をされているのは理解しますが、しかし、この改定のポイントを見ると、教育委員会だけの取り組みでは限界があり、学校現場だけにこれ以上子どもたちの体力の向上を求めるのは厳しい面もあるのではないかと考えます。 教育委員会は、体力向上の今後の方策として運動の日常化を掲げております。子どもたちがふだんから体を動かすことが楽しいと感じられるような、スポーツに、いつでも、どこでも接することができる取り組みがオール中野で求められます。 しかし、そのような環境は中野区にあるのか、中野区の公園のほとんどは、キャッチボールもできません。地域スポーツクラブ構想もなかなか進んでいないように考えます。公園行政は、都市基盤部道路・公園分野が所管しております。また、日ごろからスポーツに誰もが接する取り組みは、健康福祉部の健康・スポーツ分野が所管しております。この縦割り行政を解消し、教育委員会と都市基盤部、健康福祉部が子どもたちの体力の低下の問題に同じ課題認識を持つことが必要です。公園でキャッチボールができるような、身近に地域で体を動かすことが楽しいと感じられるよう、危機的状況である子どもたちの体力の問題を解消する所管を越えた会議体や横断的なプロジェクトチームをつくれないでしょうか。このような取り組みを進めなければ、抜本的な改善は見られないと考えます。見解をお聞きし、この項の質疑を終わります。 次に、子どもたちをインターネットの危険、犯罪から守る取り組みについてお尋ねします。 携帯電話やスマートフォンなど携帯型端末は子どもたちの必須アイテムの一つであり、それに伴い、今、子どもたちに広く普及し、インターネット利用率は急激に高まっています。スマートフォンや携帯電話等は、便利な反面、誤った使い方をして、いじめなどのトラブルやさまざまな犯罪に巻き込まれたりする可能性があります。子どもたちをインターネット犯罪の被害者にも、加害者にもしてはならないと、情報モラル教育の推進については、昨年の第2回定例会本会議一般質問でも取り上げました。 教育委員会でも、小学校高学年と中学生を対象に利用状況等の調査を行い、昨年10月に結果報告がされました。自分専用の携帯電話、スマートフォン、通信機能つき携帯ゲームを持っていますかとの問いに、小学生では75%、中学生では81%が「はい」と答えており、所持率の高さがうかがえます。 注目すべきは、フィルタリングやパレンタルロックについての回答結果です。フィルタリングやパレンタルロックは、御存じかと思いますが、インターネット上にある青少年に有害なサイトを閲覧できないようにするものです。フィルタリングやパレンタルロックはかけられていますか、小学生は「はい」が41%、中学生は「はい」が45%、ともに50%に満たず、「わからない」と答えている児童・生徒の割合が、小学生で43%、中学生で33%という数字です。インターネットの犯罪や危険に遭遇しないための入り口の方策、基本が理解されていない状況とも言えます。保護者が理解をしていればいいのかもしれませんが、実際に東京都が行った調査では、保護者の3割はフィルタリングやパレンタルロックを行っていないという結果も出ており、保護者への意識啓発は急を要すると考えます。教育委員会としての考え、取り組みについて、まずはお尋ねします。 また、携帯電話の使い方に関しての家族でのルールはありますかとの問いに「はい」と答えたのは、小学生が67%、中学生が60%という状況です。各学年とも、「わからない」が10%でありました。携帯電話の使用の決まりごとは、家庭で決まりごとを設け、守らせることが必要であると考えますが、この状況を区としてどのように捉え、改善されるのかもお聞きします。 例えば熊本市立江南中学校では、中学生がみずからネットルールづくりをしたそうです。無料通話アプリ「LINE」での悪口の書き込みにより生徒たちの様子がおかしくなり、居眠りする子や頭痛で保健室を訪ねる子が増加したのをきっかけに、このままでは自分も友達も守れないと、生徒が主体となってルールづくりをしました。健康を守ろう、友情を守ろう、プライバシーを守ろうの三つの分野に分け、10時以降は情報通信をしない、悪意のあるグループをつくらない、入らないなどの8項目にわたります。夜遅くに連絡してきたり、中傷的な書き込みをされたりといった迷惑行為の約7割がルール策定で改善されたそうです。10時以降は使わない、返信は行わないなどのルールを共有することにより、返信を行わないことによるいじめなどの可能性もなくなります。大人が頭ごなしにルールを決めるのではなく、生徒がまず自分たちで考えることにも意義があると考えます。子どもたち、家庭、学校が共同で取り組む情報モラル教育の推進が重要であります。教育委員会として今後の取り組みをお聞きし、この項の質問を終わります。 次に、ダブルケア、子育てと介護の同時進行についてお尋ねいたします。 ダブルケアとは、晩婚化により出産年齢が高齢化するとともに、親の生活習慣病の増加や若年認知症、長寿命化による介護期間の長期化、その結果、介護サービスと育児サービスをやりくりしながら子育てと親の介護サービスを同時にしなければならない世帯のことを指します。従来なら子どもに手がかからなくなったころに親の介護に直面していたのが、晩婚化、高齢出産により、子育て、介護、仕事を同時進行で行わなければならないダブルケアが我が国において今後大きな社会問題、政策課題となるとも言われております。男女共同参画が大きく進んできた今、これまでは、仕事と子育ての両立、仕事と介護の両立だけでも大変であったのが、ダブルケアと仕事の両立の負担が精神的、体力的、経済的、そして、家族的に複合的な課題になることも予想されます。 これまで区は、誰もが安心して住めるまちをつくるために、地域支えあいネットワークの推進や高齢者、障害者、子育て世代の総合相談支援体制の充実や子育て支援などに取り組んでまいりました。そして、現在、医療・介護連携、認知症施策、生活支援、介護予防、切れ目のない出産・育児支援などの取り組みを進め、地域で生活する一人ひとりのニーズに的確に対応できる地域包括ケア体制の構築を目指しております。この地域包括ケアの体制づくりの対象が、高齢者、障害者、子どもまで含まれているところが中野において特筆すべきところでもあります。 そこでお尋ねしますが、区は、現状、ダブルケアのような介護と育児支援の同時進行の世帯を把握されているのでしょうか。ダブルケアには、両立のための情報や支援体制はまだまだ不足していると言われております。現状を把握し、このダブルケアに対応する相談窓口などの仕組みも考えていく必要があるのではないでしょうか。行政サービスにおいて、実際には、介護サービスと子育て支援は、メニューも違います。例えば配食サービスを合わせたり、子どもの送り迎えと親の送迎などの時間の統合など、子どもと高齢者の縦割り行政を見直し、世代を横断する視点を持った新しい家族政策の形成をすこやか福祉センターを軸に考えていくべきです。そして、このような観点を地域包括ケアシステムに位置付けるべきではないでしょうか。お考えをお聞きします。 例えば、ケアマネジャーと、子育て支援の職員が双方の理解を深め、連携することは、非常に意義があります。しかし、現在、そのような体制はまだまだ弱い面もあると聞きます。介護だけのケアマネジャーではなく、介護、子育てに横断的にかかわるダブルケアマネジャーのような専門家の養成ができれば理想ですが、難しいのも現状です。そうであるならば、まずは、お互いが連携する、理解を深め合う、このような体制づくりから取り組むべきではないでしょうか。お聞かせください。 以上でこの項の質問を終わります。 次に、区民活動センターについてお尋ねします。 区民活動センターは、平成27年7月に地域センターから転換されました。内容は、地域事業に関しては町会を主体とした区民活動センター運営委員会に委託し、集会室の貸し出し事業は民間事業者に、そして、見守り、支えあいの区職員と、3者が現在区民活動センターで業務をしている状況です。 運営委員会の委託費用についてお尋ねします。 転換時は、委託費の中に、初度調弁費用として、パソコンなどの電子機器の購入費用も計上されておりました。来年度は、転換から6年目となります。電子機器のアフターケアも切れ、そろそろ買いかえ、更新の時期でありますが、これまでパソコンなどの電子機器の更新費用に関しては検討されておりませんでした。現在の委託費では、ほとんどが事務局員の人件費であり、電子機器の更新経費を捻出するのが難しい状況です。対応できるような予算措置も考えていくべきではないでしょうか。お聞きします。 次に、事務局員についてお尋ねします。 各運営委員会では、事務局員を2名雇用し、地域事業に励んでいただいております。この事務局員の多忙さをよく聞きます。休暇をとりづらい、とれない状況であるそうです。区内15の区民活動センターではさまざまな新しい地域事業の取り組みが推進されており、当初想定していたものより事務局員の業務が増加しているようにも思えます。事務局員の業務のうち内部管理的な庶務事務に時間をとられているのも原因だそうです。これでは、本来区の狙いとする地域の課題解決のための地域事業の推進に少なからず支障が出るかもしれません。多忙な事務局員の業務の交通整理を行い、負担軽減もすることができないでしょうか。お聞きします。 最後に、区民活動センターは、転換がされ、はや5年目となりました。それぞれの地域でさまざまな取り組みがなされ、区長の考えていた以上の効果も出ているように私は感じております。転換して5年、区はどのように評価しているのか、また、今後の課題をどう捉えているのかお聞きし、私の全ての質疑を終わります。 御清聴ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 酒井議員の御質問にお答えをいたします。 学校跡地の利用に関する考え方についての御質問でありました。 学校跡地の活用については、地域における区民サービスの必要性、あるいは全区的な施策展開における施設サービスの必要性、また、学校改築などへの財源確保といったさまざまな用途あるいは方向が考えられるというところであります。そうしたことについて、個々の地域、状況においてもさまざまな状況があるということから、個別に検討してきておりまして、この考え方は、今後もそのようなものであるべきと考えております。 基本計画や活用指針などを策定する必要があるのではないかといったようなことでありました。 明確に計画や指針といった形で考え方をまとめて示しているということではありませんけれども、先ほど申し上げましたような一定の区としての定まった考え方に基づいて活用を考えているところであります。跡地として活用可能となる時期、また、地域課題が異なるというようなこともあります。跡地ごとに適切な時期を捉え、区全体として必要とされる機能や地域の価値向上につながる活用方法などを検討して、活用方針をそれぞれに定めているというところであります。学校跡地のみを捉えた方針というのは、策定をしていないということになります。 それから、施設マネジメントについての御質問がありました。 今後、老朽化した区有施設を更新していく必要があるという中で、全ての区有施設を維持していくことは困難である、一定の床面積の削減が必要になるということを考えているところであります。そのためには、施設のサービス需要の変化等を踏まえて、更新を行う際の施設規模の適正化あるいは施設の廃止や集約化、複合化なども進めていくことを検討していかなければならない、こう考えております。学校跡地に公共施設を集約していく方法も一つの選択肢と考えておりますけれども、学校等の施設整備のための財源確保ということも大きな要素でもあろうかと思っております。 それから、跡地の活用に当たっては10か年計画の中で活用内容が示されるのか、また、十分に住民の声を聞くべきである、こういった御質問でありました。 10か年計画におきましては、10年間に生じる学校跡地について、区民サービスの確保などさまざまな観点から、それぞれの学校施設跡地について検討をしているところでございます。今後、跡地活用について、住民等の声も受けとめながら具体的に検討をしていきたい、こう考えております。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 学校教育についての御質問がございました。 初めに、学力、体力の増進について、秋田県や福井県の学力向上に向けた取り組みについてです。 秋田県や福井県では、少人数指導の推進や県独自の学力・学習状況調査の実施、理数教育の充実など、さまざまな学力向上に向けての取り組みを行ってございます。研究者の説には地域や家庭環境などの背景となる要因等にも言及しているものもございまして、一概に学力の向上の要因を示すことは難しいと考えております。中野区では、改善の視点を参考にしながら、授業改善、少人数指導、指導形態の工夫、家庭学習の推進や啓発など、中野区の実態に合わせて取り組んでいるところでございます。中野区学力調査をはじめ全国学力・学習状況調査や東京都学力調査等のさまざまな取り組みを今後も調査分析しながら改善してまいりたいと考えてございます。 それから、学力向上アシスタントの増員及び任用形態の見直しについてです。 全小・中学校に配置されている学力向上アシスタントについては、それぞれの学校において、実態に応じて活用してございます。よりきめ細やかな指導となるよう、各学校における効果的な活用方法等についての情報提供や学校間での情報交換できる機会などを設け、指導の質そのものの向上を目指していきたいと考えてございます。また、任用のあり方については、学校に配置している人材全体の状況を踏まえながら現在検討しているところでございます。 理科及び応用力、活用力の課題解決に向けての取り組みについてです。 理科教育の充実及び応用力を身につけさせることは喫緊の課題であると認識をしてございます。問題解決型の学習を展開し、観察や実験結果等の事象を根拠に説明したり、話し合ったりする活動を通して、活用力や応用力を身につけるなどの授業改善に取り組んでいるところでございます。また、小中連携教育において、小・中学校の教員が相互に乗り入れ指導を行い、授業の質の向上を図ってございます。特に理科では、授業だけではなく、理科研究発表会や中学生科学コンテストなどに取り組み、優秀な成績をおさめているところでもあります。今後も児童・生徒が理科について興味関心を高める取り組みを進め、充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、体力向上のための所管を越えた会議体やプロジェクトチームという御質問でした。 体力向上については、オリンピック・パラリンピック教育の推進等、区の教育課題としての認識に立って取り組んでいるところでございます。また、各部署がそれぞれの施策目標を踏まえて取り組みを進めており、現在も必要に応じて連携や協働の取り組みを進めてございます。 次に、子どもたちをインターネットの危機から守る取り組みについて、3点御質問がございました。 情報モラル教育につきましては、教育課程に位置付けながら、道徳や社会、中学校における技術家庭などにおいて、学習指導要領に基づいて指導をしております。区の携帯電話等の調査結果を踏まえ、携帯電話やスマートフォンの利用については、家庭内でのルールづくりが求められていることもございまして、学校公開日等において、保護者も参加しての授業を展開したり、都の情報モラルの出前講座等を利用したりするなどして取り組んでおります。今後も、PTAとも連携を図りながら、情報モラル教育について推進していく考えでございます。 〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕 ○地域支えあい推進室市長(野村建樹) 私からは、ダブルケアの御質問、それから、区民活動センターに関する御質問にお答えをいたします。 まず、ダブルケアの実態把握ということでございましたが、子育てと親の介護を同時にしなければならない世帯、いわゆるダブルケアに関する相談事例につきまして、これまでそうした統計をとってございませんでした。そのため、数値的に把握をしているというところには至ってございません。個々の相談につきましては、現場で適切に対応を行っているというふうに考えてございます。 それから、ダブルケアと地域包括ケアシステムという御質問です。 中野区における地域包括ケアシステムは、乳幼児から高齢者までの全ての区民が安心して暮らし続けていくことができる地域を目指しているものでございます。子育てと親の介護を同時にしなければならない世帯に対する支援についても、地域包括ケアシステムの中で、必要な支援をトータルに提供できる体制を構築してまいりたいというふうに考えてございます。 そのための専門職、区職員の連携あるいは人材育成という御質問でございました。 地域包括ケアを推進していく上では、それぞれの専門領域にとどまらず、家族支援といった幅広い視点に立って関係機関連携などのマネジメントを行える人材を必要としてございます。今後、事例検討や地域ケア会議、研修などさまざまな機会を捉えまして、こういった人材の育成に取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。 次に、区民活動センターのパソコン等の買いかえ経費についての御質問です。 これまでも、区からの委託内容に応じた必要かつ適切な経費を委託料としてきたというふうに考えてございます。今後も業務の遂行に必要となる経費を適正に見積もっていく考えでございます。 事務局員の負担軽減についての御質問です。 各運営委員会の行事などの数が地域センターの時代に比べますと増加してございます。事務局員が多忙な状況にあることについては承知してございます。こうした現状から、区としては、今年度の委託で、臨時職員の経費などの増額も図ったところでございます。今後も、区民活動センターの目的実現に向けて、必要な業務を着実に行っていただけるよう、運営委員会の声も踏まえて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 それから、最後に、運営委員会、この5年間の評価というような御質問でございました。 例えば地域事業の実施回数あるいはそこへの参加人員、これにつきましては、地域センターの時代に比べて2倍以上の伸びを示してございます。また、運営委員会の中で地域の課題や状況について活発に話し合われるようになってきたこと、あるいは地域事業との積極的な協力者もあらわれてきてございます。こういったところが成果というふうに考えてございます。今後の区の課題といたしましては、区民活動センターの目的である地域の自主的かつ主体的な取り組みが大きく進展し、さらに多くの地域の方々の手によって地域の特色を生かした活発な活動が取り組まれるということにございます。このため、区といたしましての支援のあり方を工夫していくことが肝要かというふうに考えてございます。 〔酒井たくや議員登壇〕 ○38番(酒井たくや) 再質問いたします。 学校教育のところで、少人数指導の学力向上アシスタントについて、任用を臨時職員から非常勤職員に変更することにより、子どもたちに、1年間だけじゃなく、もう1年続けてだとか、安定的に子どもたちを見ることができる仕組みに私はなると思っているんですね。それで、教育長の御答弁では、学校全体の中で考えていくというふうな御答弁だったかと思うんですが、ちょっとわかりづらいんですね。例えば別の学校現場にいる人で、こういった方が臨時職員で、非常勤職員であって、その中で考えているのかもわからないんですけれども、この学力向上アシスタントは非常勤であってもいいんじゃないのかなと私は思っているんですけど、そのあたりも含めてちょっとお答えください。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 酒井議員の再質問にお答えをいたします。 学力向上アシスタントだけでなく、学校にはさまざまな人材が子どもたちの学力の向上のために配置をしたり、御協力をいただいているという状況がございます。こうした中で、今御質問にありましたように、学力向上アシスタントの任用のあり方を含めて、そうした配置している人材と効果的な活用について、現在検討しているというところでございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。
中野区議会議員 いでい 良 輔 1 中野駅周辺再開発事業の明確な目標設定の必要性について (1)区役所・サンプラザ地区について 2 基本構想・10か年計画改定について (1)子どもを産み、育て、住みつづけたいまち実現に向けて (2)区立公園利用促進について (3)その他 3 学校再編計画と施設再配置について (1)三中と十中の統合新校について 4 その他
○議長(北原ともあき) 次に、いでい良輔議員。 〔いでい良輔議員登壇〕 ○22番(いでい良輔) 平成27年第3回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場から一般質問をいたします。 私の質問は、通告のとおり、1、中野駅周辺再開発事業の明確な目標設定の必要性について、2、基本構想・10か年計画改定については、(1)子どもを産み、育て、住みつづけたいまち実現に向けて、(2)区立公園利用促進について、3、学校再編計画と施設再配置については、三中と十中の統合新校に関して伺います。その他はありません。 限られた時間の中で質問いたしますので、区長はじめ理事者の皆様におかれましては、誠意ある御答弁をお願いいたします。 まず、中野駅周辺再開発事業の明確な目標設定の必要について伺います。 中野四季の都市(まち)の開発によって、昼間人口が2万人ふえたと言われています。これから行われる国勢調査によってその状況は明らかになると思われますが、JR東日本各駅の乗車人員ランキングによりますと、中野駅は、まち開き前の2010年度では約12万4,000人で、25位だったのに対し、2014年度には約14万人で、19位と、約1万6,000人増加し、順位も上げています。昼間人口の増加がまちの活力活性化につながったことは実感しているところであり、これからの中野駅周辺の再開発においても、就業人口や来街者の増加を望むところであります。 現在検討が進められております中野区におけるグローバル戦略の中でも、2040年の都市像として、業務・商業空間等の拡大によって昼間人口を5万人増加、毎週1万人規模の催事によって来街者を50万人増加、また、高質な生活空間の整備によって夜間人口30万人を維持と大変意欲的な目標が掲げられていると聞いています。昼間人口5万人というのは、単純に言ってセントラルパーク5個分ですから、さすがに目標値としては高過ぎる印象を持たざるを得ませんが、それだけ企業誘致などによって地域経済に厚みを持たせることが重要であるというメッセージと捉えています。 現在計画が進められている中野二丁目地区や囲町地区の再開発においては、業務や商業、住宅などの機能が盛り込まれることとなっています。また、区役所・サンプラザ地区では、国際的なビジネス拠点や文化発信拠点としての再整備が行われようとしています。 そこで伺いますが、これらの再開発が終わったところで就業人口はどのくらいふえると見込んでいるのでしょうか。さらに高い目標値に近づけるにはどのようにまちづくりを進めようと考えているのか、お聞かせください。 目標が定まれば、それに従ってインフラを整備し、用途地域や容積率を変更するなど民間の開発を促すための行政の取り組みにつながるものと思います。数値としての目標や状態としての目標を明確に示していない、PDCAサイクルと言いながらも、始まりのPを示していない、これが中野駅周辺まちづくり進展の制約になっているのではないかと指摘しておきたいと思います。 就業人口がふえ、それに伴って中野に住む人もふえる、そんな職住近接の生活スタイルを進めていくことも求められているのだと思います。これも、ただやみくもに職住近接と言っているばかりではなく、夜間人口についても明確な目標を掲げるとともに、高品質な住宅誘導や無電柱化による町並み改善など行政として取り組むべき施策を打ち出すべきではないでしょうか。お考えを伺います。 中野駅周辺の重要な役割は、中野が持ち得るポテンシャルを最大限に引き出し、経済効果を波及させていくことにあります。そのためには、コアとなる区役所・サンプラザ地区再整備において、集客力と発信力を持つ大規模な交流空間が必要であると考えています。シンガポールが発祥とされるMICEは、国際会議の開催からイベント、ツアーといったこれまでの観光の枠ではくくれない波及効果の高い複合型産業として注目をされています。区役所・サンプラザ地区でも、このMICEのような機能を盛り込むことが成功の鍵となるのではないでしょうか。 中野サンプラザは、音楽、文化の発信拠点として、そのブランドをつくり上げてきました。これからもその継承とともに、新たな機能を持つ施設として生まれ変わることが求められています。コンサートはもちろん、ビジネスユースの展示会や大規模会議、国際級のプロスポーツの試合など多目的に利活用できるアリーナ型の施設として再整備してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 また、その際明確にすべきは目標であり、民間が注目し、参画を促すような規模や機能などを示すべきではないでしょうか。伺います。 こうしたアリーナを整備することは、まちにも大変大きなインパクトを与えることにもなると思います。来街者の大幅な増加が見込まれ、まちが活気づくことは容易に想像できます。一方で、コンサート会場と駅の行き来だけでまちには回遊しない、お金を落とさないのでは意味がありません。また、周辺の道路交通環境への影響なども懸念されるところであります。アリーナの整備に当たっては、まち全体への波及効果や経済効果、安全性や快適性の確保など十分に配慮して計画すべきと考えますが、区や事業構築パートナーは、そうした観点を持ち合わせているのでしょうか。伺います。 明確な目標の設定が必要であると述べてまいりましたが、戦略的に物事を進めるためには不可欠な要素であります。これからのまちづくりに当たって戦略的に取り組まれることを望みまして、この項の質問を終わります。 次に、基本構想・10か年計画改定について。 初めに、子どもを産み、育て、住みつづけたいまち実現に向けての質問をいたします。 区では、このたび、妊娠・出産・子育てトータルケア事業を開始することを発表しました。妊娠から出産、子育てにかけての支援体制は、これまでは、それぞれの事業ごとに、あるいは担当の所管ごとに途切れてしまうという問題がありました。こうした事業の体系を一つにまとめ、全ての妊婦や子どもの状況把握とその後の必要な対応を一貫してすこやか福祉センターが担っていくことで、誰もが安心して出産や子育てに臨むことができる体制の構築が期待されます。これを契機として、妊娠届の提出など、妊娠、出産に係る最初の窓口はすこやか福祉センターであることを改めて広く区民に周知する必要があると思いますが、区ではどのように取り組むおつもりでしょうか。伺います。 中野区子ども・子育て支援事業計画では、妊娠期からの切れ目のない支援を行うとしています。一方、国では、さらに妊娠期の手前からの支援が必要と認識に立ち、妊娠や不妊に関する知識の普及啓発や相談支援、そして、特定不妊治療への支援などを行ってきています。特定不妊治療の助成については、平成16年度から、国と東京都において、不妊に悩む方の経済的負担の軽減を図ることを目的として取り組まれてきました。特別区においても、既に10区で独自に上乗せの助成が実施されています。 結婚年齢や妊娠・出産年齢の上昇と医療技術の進歩も相まって、特定不妊治療を受ける方は年々増加しており、平成26年度は、東京都では約1万7,000件、そのうち430人の中野区民の方が助成制度を利用されています。この助成制度については、特定不妊治療の効果やリスクなどに関する医学的な知見を踏まえ、助成の対象範囲や助成回数などの見直しが進められてきており、平成28年4月にも制度改正が予定をされています。 区長は、さきの第2回定例会において、「人口の流動性が高く、合計特殊出生率も全国で最も低いグループに属する中野区として、出生率向上のための具体的な取り組みも実行していかなければなりません」と述べられております。子どもを産み、育て、住み続けることができるまちを実現するためには、さまざまな施策を組み合わせ、総合的に事業を展開する必要があると考えています。23区で最も出生率の低い中野区としては、このことについて危機感と問題意識を持ち、考えられるあらゆる手だてを講じていかなければなりません。 妊娠や出産に向き合っている夫婦は、身体的にも、精神的にも、そして、経済的にも負担を強いられており、そうした負担を少しでも軽減する支援が求められています。区として独自に特定不妊治療助成を実施し、子どもを産み、育てたいと願う夫婦を後押しすることが出生率の向上に真正面から取り組む一つの施策となり、区としてさらに子育てを支援していくという強いメッセージとなるのではないでしょうか。10か年計画に位置付け、取り組むべきと考えますが、区長の御見解を伺います。 次に、公園の利用促進について伺います。 中野区の区民1人当たりの公園面積は、豊島区に次いで下から2番目、1.31平方メートルとなっています。ここ数年、大規模な防災公園を整備してきたことから、区民1人当たりの公園面積も増加傾向にあります。しかし、区内の公園の多くは、小規模な公園となっています。遊具などの設備面も老朽化が進み、一度撤去された遊具が新たに設置されず、そのまま放置されているなど、子どもたちが遊びたくなる公園とは言えない状況になっているところもあります。また、現行では、キャッチボールやサッカーなど球技をやってはいけない、大きな声を出さないようになど、公園利用のルールが利用者の視点に立ったものとなっておらず、大変使い勝手が悪いものになっています。この結果、あまり利用されていない公園が目立っているのではないでしょうか。公園を利用したい子どもたちや乳幼児親子、地域で活動している大人など、地域で活動する高齢者など、さまざまな人たちが利用したくても利用できていないとすれば、それは大変残念なことであります。 公園は、一定のルールのもとで誰もが自由に利用できることが前提ですが、そのことを強調するあまり、誰にとっても使い勝手が悪く、利用したくても利用しにくい公園になっていると感じています。大規模公園が順次整備され、新たに公園の利用をする区民の方々がふえていく現状と、新たに既存の小規模・中規模公園を利用して区民の皆さんが行うさまざまな活動を活発化していきたいという思いから、私は、ここで、公園利用、使用のルールを大幅に見直し、地域の資源である小規模・中規模公園に対して、大幅なルールの見直しをさまざまな視点から改革する必要があると考えています。区の御見解を伺います。 区内の大規模公園がそうであるように、優先時間帯制度を設け、例えば1週間の中で、平日の午前中、公立の小・中学校が授業を行っているときについては、乳幼児親子、認可小規模保育事業所の園児、認証保育所、無認可保育施設などの園児たちが利用しやすくなるように、または、地域の町会、自治会、老人会、サークルや高齢者のコミュニティづくりや健康づくりなど、区の支え合い活動にも効果のある時間帯として、午後の時間帯、特に放課後の時間帯は子どもたちだけで伸び伸びと遊べる時間帯とすることが考えられます。また、土曜日、日曜日、祝日なども、さまざまな活動に使える時間帯を設定して、団体同士で利用調整しながら、地域住民の子どもから高齢者までが触れ合いながら活動できる公園利用のルールをつくる必要があると思います。特定の人に占用をさせるべきと言っているのではなく、区として時間帯別の緩やかな利用ルールを設定することで、公園という区民の貴重な資産を有効に活用し、誰もが気持ちよく公園を利用できるよう、積極的な利用調整に乗り出すべきと考えます。区の御見解をお伺いします。 現在、子どもたちだけで公園で遊ぶのは不安だという保護者もふえてきております。公園で遊ぶ子どもの声がうるさいと苦情が寄せられることもあると聞きます。子どもたちが楽しく、そして、伸び伸びと遊んでいれば、多少の声が出るのは当たり前のことと考えています。子どもの声は騒音ではありません。子どもたちの楽しげな声が響かないまちなど、健全なまちの姿と言えるのでしょうか。子どもたちをはじめ誰もが安心して公園を利用できるよう、安全管理のための管理員を配置すべきと考えます。その際は、シルバー人材センターに管理業務を委託するなど、区内における高齢者雇用の視点も欠かせないと思います。区のお考えをお聞かせください。 基本構想並びに10か年計画を改定するこの機会に、このような考え方を盛り込むべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解をお聞かせいただき、この項の質問を終わります。 次に、学校再編計画と施設再配置について伺います。 まず、第三中学校と第十中学校の統合新校について質問します。 現在、教育委員会は、区立小・中学校再編計画(第2次)に基づき小・中学校の再編を進めており、7月には、第三中学校と第十中学校の統合に向け、統合委員会が設置されました。学校再編は、単に学校の施設が統合され、児童や生徒の人数がふえるというだけではなく、学校の伝統や文化、特色がその時代に合った形で継承され、再編した統合新校の教育活動がより充実し、児童・生徒にとってよりよい学び舎となることが重要であると考えます。 文部科学省は、平成27年1月の公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引の作成についての通知において、「公立小学校・中学校の設置者である各市町村においては、それぞれの地域の実情に応じて、教育的な視点から少子化に対応した活力ある学校づくりのための方策を継続的に検討・実施していくことが求められ」、「学校統合により魅力ある学校づくりを行う」と示されています。 中野区は、国の動きに先駆けて学校再編を進めてきました。再編に当たっては、教育環境の整備と学区域の整合性を図ることを基盤としながら小中連携教育を進めることとしており、このことは、単に学校施設の問題ではなく、学校の教育内容を踏まえ、よりよい教育の実現、中野の子どもたちの未来を切り開く教育の実現に資する取り組みであると認識しています。 また、現在の社会情勢に目を向けると、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックは、日本における2回目のオリンピックであり、日本のスポーツ振興だけでなく、日本の文化や国民性のすばらしさを示す機会として示していくことが重要であると考えています。そして、教育においては、世界で活躍できる人材の育成を視野に入れ、コミュニケーション能力等の資質、能力の育成が必要です。グローバル社会で生き抜く国際感覚豊かな日本人をこの中野から多く育てていくことが今の時代に求められているのではないでしょうか。 このような中、第三中学校と第十中学校が統合を迎えようとしています。新校がそれぞれの学校の伝統を引き継ぎながらすばらしい学校となることを期待しています。特に第三中学校は、開校68年を迎える伝統校です。また、文部科学省の帰国子女教育研究協力校になり、現在も中野区で唯一帰国子女の受け入れ校として日々そのノウハウを積み重ねており、今でも他の地区の帰国子女家庭からの問い合わせがあると聞いております。 そこで伺います。 第三中学校は、海外から帰国した生徒や外国籍の生徒を多数受け入れ、特色ある教育活動を行ってきました。統合新校では、こうした実績を受け継ぎ、さらに充実、発展させ、英語などの外国語教育や国際理解教育に力を入れていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。 統合新校が設置される現在の第十中学校の位置は、新宿と至近距離にあるとともに、都営大江戸線、東京メトロ丸ノ内線、JR中央総武線などにより都心と直結し、さらには、中野坂上交差点と羽田空港は山手通り地下を走る首都高速中央環状線により20分余りで結ばれているなど、大変恵まれた立地条件であります。一方では、地域全体に目を向けると、周辺に本町図書館や東中野図書館などの公共図書館があります。両施設は、いずれも老朽化が進み、また、規模も小さく、区民にとって利用しやすく、時代に合った施設となっていないのが現状です。統合新校の改築に当たっては、地域の老朽化した図書館などの施設をあわせて整備することも考えられますが、いかがでしょうか。 その際は、中野坂上周辺の立地条件を生かし、ビジネス支援、国際化推進などの視点から、デジタル図書など最先端の技術を取り入れた、この地域にふさわしい個性ある図書館づくりを目指すべきと考えています。御見解をお伺いします。 また、現在の区立図書館において洋書に触れることができるのは、中央図書館だけです。この地域に個性ある図書館として多くの洋書を収集、提供できる環境を整え、第三中学校の伝統を引き継ぐ統合新校の教育活動と連携することで、国際感覚を持ち、世界で活躍する人材を育てていくことにつながると考えています。御見解をお伺いします。 区立小・中学校の再編計画が進展していく中で、当初の計画と区を取り巻く環境は、日々刻々と変化を続けています。区は、施設の再配置など他の計画と連動し、この計画を進めていかなくてはなりません。財政計画をもとにした資金計画との連携についてどのようなお考えかもお聞きして、全ての質問を終わります。 〔区長田中大輔登壇〕 〇区長(田中大輔) いでい議員の御質問にお答えをいたします。 区役所・サンプラザ地区の整備の関係です。 中野駅周辺のさまざまなプロジェクト、再開発後の就業人口の見込みについてという御質問です。 グローバル戦略は、中野区グローバル戦略推進協議会の中で、将来の都市像を見据えて、グローバルな都市活動の活性化をどのような形で進めていくか検討を行っているところであります。区としては、将来の都市像の数値目標の例として、昼間人口5万人増加、年間来街者50万人増加、そして、夜間人口の30万人維持を掲げて議論をさせていただいているというところであります。区役所・サンプラザ地区再整備をはじめ中野二丁目地区市街地再開発事業や囲町地区市街地再開発事業、中野三丁目土地区画整理事業など、こうした開発に誘導されて業務床の立地が進んでいくことを期待しているところであります。また、東中野、中野坂上、野方など交流拠点でのまちづくりや活性化も含め、区内全体で昼間人口の増加を期待しているところであります。グローバル戦略で検討している数値目標は、例として掲げたまちづくりが活発な経済活動を誘引し、さらなる波及効果によって実現するものと考えているところであります。 夜間人口の目標と施策についてということであります。 東京都の人口推計では2020年を境に昼夜間とも人口が減少するとされており、持続可能性を高めていくためにも、夜間人口の目標値を示し、施策に取り組むべきと認識をしているところであります。中野区におけるグローバル戦略の検討に当たって、夜間人口30万人維持というのを打ち出したところであります。中野駅周辺のまちづくりでは、最先端の業務拠点、個性豊かな文化発信拠点、そして、最高レベルの生活空間を創出することとしているところであります。また、誰もが安心して住み続けられる防災まちづくり──無電柱化なども含んでいると考えます──や、地域包括ケア体制、また、住宅対策など総合的に推進をしていきながら、夜間人口の維持、増進を図っていくべきものと考えております。 アリーナ型の施設についての御質問です。 区役所・サンプラザ地区再整備においてホール・コンベンション機能のあり方を検討しているところですが、御指摘のように、多様な都市活動が展開される大規模なアリーナが有効であると考えております。アリーナは、単なる体育館ではなく、さまざまな用途に応じて設備を変化させることができる集客施設であり、交通利便性や多彩な文化集積など中野の強みを生かして地域経済の活性化に寄与できると見込んでいるところであります。そうしたアリーナは、地域社会への波及効果があり、公益性も高いと考えられますが、一般的に、その収益性においては一致が難しいと言われております。施設機能を十分に生かし、かつ収益性も確保するためには、発信力のあるコンテンツを持ってくることが重要であります。そのためには、ある程度ある一定規模のイベントができる大きな空間が必要であるというふうに言われております。そうした事業の成り立つスキームのあり方などアリーナの実現可能性について、さらに検討を進めていきたいと考えております。 このアリーナ型施設を考えていく場合の課題といったようなことにも触れていただきました。 アリーナの検討に当たっては、都市計画や建築上の条件整備、また、観客の誘導動線や機材搬入方法など交通面での課題、また、来街者の滞在時間を延ばすためのまち全体としての仕掛けづくりなど、さまざまな観点からの検討が必要であると認識をしております。こうした検討に当たっては、事業構築パートナーのノウハウや知見を得るとともに、アリーナ運営事業者等のヒアリングを行うなど、検証作業を積極的に進めてまいります。 妊娠、出産の最初の窓口について。 妊娠、出産、子育てのトータルケアは、妊娠を知った早い時期からすこやか福祉センターとの関係づくりを行うことで、切れ目のない安心した出産、育児を支援するものであります。仕事を持つ妊婦も多いことから、夜間や土曜日の窓口を実施するすこやか福祉センターの利点を積極的にPRし、妊婦にとっての最初の窓口となるよう周知をしていきたいと考えております。 特定不妊治療助成の実施についての御質問がありました。 不妊治療を受ける方が年々ふえている状況であるということは認識をしております。この特定不妊治療についてですが、大変難度の高い治療というふうに認識をしております。リスクや、あるいは経済的な負担などさまざまな課題もあるといったようなことから、他自治体での政策効果や事業の実施状況、これを勘案しながら、不妊治療へのかかわりについて研究をしていきたいと考えております。 それから、公園利用のルールについてであります。 区内の多くの公園は、面積が小さく、また、住宅地の中に位置をしているため、禁止行為やマナーについてルールを定めて、その中での御利用をお願いしている状況であります。この利用ルールは多くの方に気持ちよく公園を利用してもらう上で必要なものではありますが、御質問にもあったように、利用ルールのためにお使いになる方が少なくなってしまっている、というようなことも指摘をされているということでありまして、状況によって柔軟な対応を考えていくことが必要だという認識を私どもも持っているところであります。現在の公園利用は、午前中は、乳幼児親子、保育園、高齢者の利用が多く、午後は、学校から帰った子どもたちの利用が多いということであります。自然発生的に時間帯別に利用されているケースがありますが、利用の調整や利用者間でのお互いの調整なども含めて、ルールの柔軟化ということも加味しながら、今後検討していきたいというふうに考えております。 公園の安全管理についてであります。 公園利用の促進のためには、さまざまな方策が必要だと考えております。安心、安全に公園利用ができるよう、管理員の配置や巡回などについても、利用のあり方とあわせて調査研究をしていきたい、こう思っております。こうした新しい健康づくり、スポーツの推進など、また、子育て支援などさまざまな観点を踏まえた公園利用の促進について、中野区基本構想及び10か年計画への反映について、これから議論の中で調整をしていきたい、このように考えております。 学校再編計画と区の施設配置計画の連携についてであります。 学校再編も含め、区の施設配置、施設更新の検討に当たっては、持続可能な財政運営を前提として進めていく必要があります。現在策定を進めている公共施設総合管理計画においては、学校施設も含めた区の施設全体に係る今後の更新経費を踏まえた上で、持続可能な財政運営が可能となるような考え方を示すことを検討しております。このようなことから、学校再編を進めていくに当たっても、近隣の公共施設を改築する学校に集約、複合化するなど、施設を最大限に有効活用するとともに、区が活用しない資産については売却などの有効活用も図るなど、財政的な均衡が図られるよう検討を行っていく必要があると考えているところであります。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 第三中学校と第十中学校の統合新校につきまして、初めに、統合新校での中野区帰国生徒受け入れ重点校の機能についてです。 現在第三中学校では帰国生徒を積極的に受け入れており、学校の特色となってございます。今後も中野区として帰国生徒の就学には一定の配慮をする必要があるというふうに考えてございまして、引き続き推進する体制について検討してまいります。また、今後英語教育が重点化される中で、第三中学校の実績を踏まえながら、中野区の英語教育や国際理解教育の充実を図っていく、このように考えてございます。 次に、三中と十中の統合新校の併設施設の検討です。 第三中学校と第十中学校の統合新校の改築に当たりましては、生徒の学習や活動の場、生活の場として、常に安全、安心で快適な教育環境とするとともに、多様な教育活動に対応した施設整備を行いたいと考えてございます。また、公共施設の併設など地域に開かれた学校とすることで、学校教育に寄与する施設としたいとも考えており、図書館の併設も候補の一つと考えてございます。改築に当たりましては、御提案の趣旨を含め、検討してまいりたいと考えております。 〔いでい良輔議員登壇〕 ○22番(いでい良輔) 何点かについて再質問をさせていただきます。 私の質問では、中野駅周辺の再開発が終了した後にどのようなまちの形になっているのかという質問でしたけれども、昼間人口5万人をふやしていく、それについては、今現在2万人が増加しました。2万人と一口に言っても、セントラルパーク二つの建物を延べ床面積で言うと20万平米、20万平米で約1万人、あと、明治大学、帝京平成大学、早稲田大学、それらを合わせると同じぐらいの規模になるので2万人、こういった計算になるんですけれども、今、中野駅の西地区ですよね、そこですとか、あとは、中野駅南側の三丁目、また、二丁目の再開発、そういったところを再開発したときに、延べ床面積で約60万平米のものが必要になってくると。これが中野駅周辺に、今現在の2万人をカウントしなくても、残り3万人と考えても、それだけの延べ床面積が必要な建物が必要だと。中野区は15平方キロメートルしかありませんから、そういったことを含めて考えていきますと、用途地域など、容積率などを変更して、上に伸びていくか、また、地下に潜っていくか、それぐらい床面積を広げていくしかないわけですよ。 中野区に対しては、近隣の新宿区や渋谷区と隣接しているにもかかわらず、目に見えない区境というところで建物の高さが変わってきています。私は、やっぱりここで、基本構想、10か年計画を改定していく中で、中野区がどのように、そういった限りある資源の中で、今目指しているような新しい中野区のまちの姿を実現するためにはどのようなことをしなくちゃいけないのか、そういったことに尽きると思っています。それには、やっぱり用途地域、そういったものを積極的に変えていくことが必要なんだろう、それについては、明確な目標設定があって、戦略的にその物事を逆算していけば、今私たちが何に取り組まなければならないのか、そういったことが明確になってくるのかなと思っています。それについて、一つ、区長には答弁をいただきたいということと、あと、2040年、今の人口推計でいけば、おかげさまで中野区は31万人から32万人を超える多くの区民の方々で自治体を形成していただいていますけれども、人口減少時代にもう既に突入しているわけですよ。私たち23区の中で、今行っている一般財源規模で行っている行政運営が、2040年、同じような規模でできるのかと。それは、人口30万人を維持していかなければできない規模であろうと。23区の中で自治体間競争が激しくなってきて、どこに住むのかは区民の方々は自由ですから、やっぱり自治体間競争で中野区に住み続けたいと思ってくれる人たちを囲い込んでいく、そういった作業が必要になってくると思っています。昼間人口を5万人ふやしていきましょう、来街者50万人にしましょう、また、夜間人口30万人にしていきましょうという目標はいいと思っています。しかし、そこに向かうまでのスキーム、また、中野区が考えている考え方について、教育という観点もそうなんですけれども、中野区にどれだけのコンテンツを持ってこられるかということが今中野区に求められていることなんじゃないかなと思っています。御見解を伺います。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。 昼間人口5万人の増加ということについては、業務床の増床、ふえていかなければ実現しないだろうと。おっしゃるとおりだと思います。中野駅周辺で現在名前が挙がっている開発、これができたとしても、議員が今御指摘になったように、やはり面積ではまだまだ5万人という数字には全く遠く及ばないというのが実態であります。そういう中で、やはり必要なのは、中野区の区全体としての容積率のもっと活用ということなのではないかというふうに思っております。業務床がふえることによって地域が活性化するということもあると思いますし、また、住宅の質が向上するということもあると思っております。また、容積を有効に活用するという中で、オープンスペースをつくり出したり、公共空間をつくり出していく、こういったようなこともしていくことが必要だというふうに思っておりまして、より安全で、住みやすい、また、暮らしやすい、そうしたまちづくりをしていく上で、容積率の活用ということについては、目標を持って進めていくべきだ、このように考えております。実は、現在も、区全体の有効容積率、実際の容積率、これを高めていくというのは、区として目標としては定めているところですけれども、具体的に目に見えるような成果につながらないといったようなこともあろうかと思っております。用途地域、地区の問題なども含めて、さまざまな取り組みが必要かと考えます。 それから、人口減少ですね。この人口減少、ただでさえ減少ぎみの時代の中で、中野区がこの人口を維持するということになれば、やはり足の投票とも言われているような自治体間の競争、こうしたものに勝ち抜いていける要素がなければならない、このように考えております。中野区は、現在でも便利で住みやすい、都心に近い住宅、あるいは都心に近いまちとしての魅力は備えておりますが、これから競争に勝ち抜いていくためには、さらに中野駅周辺のまちづくりで目指しているような最先端の業務拠点、個性豊かな文化発信拠点、最高レベルの生活空間といった魅力のある土地としていくということ、あわせて、防災のまちづくりや地域包括ケア体制の構築などを通じて、安心して住めるまちにしていくということ、そして、良好な住宅ストック、そうしたものをニーズに応じて用意していけるようなまちとなっていく、こうしたことが重要ではないか、このように考えているところであります。 ○議長(北原ともあき) 以上でいでい良輔議員の質問は終わります。 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。 本日はこれをもって延会いたします。 午後5時26分延会 |