平成27年09月14日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録 1.平成27年(2015年)9月14日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(42名) 1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお 3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一 5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし 7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき 11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久 13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち 15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子 17番 細 野 かよこ 18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり 20番 い さ 哲 郎 21番 佐 野 れいじ 22番 いでい 良 輔 23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明 27番 森 たかゆき 28番 石 坂 わたる 29番 いながき じゅん子 30番 小 杉 一 男 31番 浦 野 さとみ 32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき 34番 大 内 しんご 35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭 37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員 な し 1.出席説明員 中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 川 崎 亨 副 区 長 本 田 武 志 教 育 長 田 辺 裕 子 政 策 室 長 髙 橋 信 一 経 営 室 長 篠 原 文 彦 都市政策推進室長 長 田 久 雄 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀 行 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹 区民サービス管理部長 白 土 純 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二 健康福祉部長 瀬 田 敏 幸 保 健 所 長 寺 西 新 環 境 部 長 戸 辺 眞 都市基盤部長 尾 﨑 孝 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一 経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 小 田 史 子 事務局次長 堀 越 恵美子 議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希 書 記 東 利司雄 書 記 大 野 貴 子 書 記 細 川 道 明 書 記 江 口 誠 人 書 記 井 田 裕 之 書 記 田 中 寛 書 記 福 島 ル ミ 書 記 遠 藤 良 太 書 記 香 月 俊 介 書 記 亀 井 久 徳
議事日程(平成27年(2015年)9月14日午後1時開議) 日程第1 第75号議案 中野区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 日程第2 認定第1号 平成26年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について 認定第2号 平成26年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第3号 平成26年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第4号 平成26年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第5号 平成26年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について 日程第3 中野区の財政の健全化判断比率について 追加議事日程 日程第4 第68号議案 平成27年度中野区一般会計補正予算
午後1時00分開議 ○議長(北原ともあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 9月11日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 伊 藤 正 信 1 平成26年度決算について 2 空家対策について 3 区の防犯対策の取組みについて (1)青色パトロールカーの運行について (2)学校通学路の防犯カメラについて 4 小・中学校における読書活動の推進について 5 その他
○議長(北原ともあき) 初めに、伊藤正信議員。 〔伊藤正信議員登壇〕 ○32番(伊藤正信) 平成27年第3回定例会に当たりまして、自由民主党の立場で質問をいたします。 まず、このたびの東日本豪雨の被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く復旧されますよう心からお祈りを申し上げます。また、今回、自衛隊の皆様の救出活動が大変高く評価をされております。改めて自衛隊の方々に敬意を表したいと思います。 まず最初に、平成26年度決算について伺います。 平成26年度決算については、国の経済政策、いわゆるアベノミクスによる景気回復の影響を受け、歳入面でさらなる改善が図られるなど、より一層健全な決算であったと評価をしております。 平成26年度の普通決算における歳入総額は1,324億円、歳出総額は1,274億円となり、歳入総額及び歳出総額ともに、これまで最高であった平成21年度決算額を超えた過去最高額となりました。また、実質収支額は44億円、経常収支比率は前年度比5.9ポイント減の85.1%、実質公債費比率も0.8ポイント減の5%となり、さらに「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく指標についても、いずれも健全性を確保しています。 中でも特徴的なこととしては、一般財源について近年なかった8.1%増となったことです。一般財源に大きな割合を占める特別区民税及び特別区交付金は、前年度に比べ45億円増の682億円となりました。これについても過去最高額となりました。このように一般財源が大幅に伸びたことについて、どのようにとらえているのか伺います。 次に、収納率向上対策について伺います。 区の一般財源を大きく伸ばすためには、特別区民税の調定額をいかに向上させるかも重要ですが、収納率をいかに向上させていくのかも非常に重要であると思います。区では、平成24年度に収納率向上対策を改定し、平成26年度の収納目標を定めるとともに、目標を実現するため、さまざまな取り組みを行っていると思いますが、その結果をどう評価し、分析しているのか伺います。 また、今年度以降の新たな収納率向上対策について、どのように取り組んでいくのか、あわせて伺います。 次に、歳出について伺います。 歳出の状況を性質別に見ると、義務的経費については退職手当の減などによる人件費の減や公債費の減を反映し、1.6%減の628億円となりました。しかしながら、義務的経費のうち扶助費については、臨時福祉給付金の臨時的な増の影響もありますが、引き続き生活保護費は増加しており、扶助費全体で6.5%の増となっております。また、投資的経費については、弥生町六丁目用地や(仮称)本町二丁目公園用地の取得などによって113.1%増の202億円となりました。その他の経費については、貸付金は減少する一方、物件費が9億円の増となっています。 このような性質別による歳出決算の状況について、どのようにとらえているのか伺います。また、物件費のうち委託料については、100億円となり、10年間で37億円増加しています。今後も運営委託や指定管理者制度を導入していくと思いますが、どのように考えているのか伺います。 次に、財政指標のうち、経常収支比率について伺います。 財政の弾力性を見る経常収支比率については、昨年度より5.9ポイント減の85.1%となり、改善が図られました。しかしながら、23区平均の80.7%と比べると依然高い水準にあります。この点について、どのように認識しているのか伺います。 最後に、基金について伺います。 平成26年度末の普通会計における基金残高は、義務教育施設整備基金や財政調整基金などの積み立てにより、前年度より96億円増加しました。しかしながら、今後のまちづくりや学校再編、区役所、体育館整備などの大規模プロジェクトに備えた財政需要を考えると、より計画的な積み立てと繰り入れなど健全な財政運営を行う必要があります。今後の健全な財政運営に資する基金計画について、どのように考えているのか伺います。 引き続き、中長期の財政需要に的確に対応するとともに、10か年計画においても計画的かつ健全な財政運営となることをお願いして、この項の質問は終わります。 次に、空き家対策について伺います。 昨年成立した空き家対策特別措置法が5月26日より施行となりました。総務省によると、平成25年の空き家は820万戸であり、総住宅数の約13.5%を占めております。中野区でも約1,700戸あり、そのうち管理が行き届かずに老朽化で破損している建物が約700戸あるようであります。特別措置法では、各市町村が、倒壊のおそれが高い、ネズミの大量発生など衛生環境上著しく有害、景観を損ねる、生活環境が守れない、のいずれかに該当する空き家を「特定空き家」と認定し、立ち入り調査をしたり、所有者に撤去修繕の指導、勧告、命令ができる、勧告に従わない場合は固定資産税の優遇措置を解除できる住宅地を対象とした固定資産税の軽減措置が打ち切られると、税の負担は最大6倍にはね上がる、さらに命令に従わなければ、各市町村が強制的に解体することもできるようになりました。 そこで伺います。現在、中野区として空き家の実態調査はどのようにされているのか。 私が住んでいる地域で、ことしの3月に空き家の火災が発生いたしました。ひとり暮らしの高齢者が施設に入り、10年間空き家であり、原因は配電の老朽化による漏電火災でありました。所有者から聞いたところ、空き家でありながら電気が通っているのは、防犯上玄関のセンサーによるライトの設置のためブレーカーをそのままにされていたようです。 この火災を受けて、近隣の住民の皆様が空き家に対しての不安が募り、町会として町会役員さんからの空き家の情報交換をしましたら、18件の空き家の情報が寄せられました。空き家の情報を都市基盤部の建築分野に情報提供したところ、早速現況調査をしていただき、御報告の一覧表をいただいたところであります。地域のことは町会の方々が一番詳しく知っております。町会に協力していただき情報をいただくように、区としても取り組んでみてはいかがでしょうか。伺います。 今や町会の活動は、高齢者の見守りと空き家の見守りを並行して行わなければならない時代になりました。特別措置法の第6条には、「市町村は、その区域内で空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、基本指針に即して、空家等に関する対策についての計画を定めることができる」となっております。また、特別措置法第7条には、協議会の設置を組織することができます。以前の質問でも答えておりましたけども、空き家情報の収集や区の総合的な空き家対策を進めていくに当たっては、地域住民や建築、不動産関係の協力が不可欠であり、具体的な調査や計画の策定を検討する協議会の設置については検討していくとの答弁でありました。その後、計画の策定と協議会の設置の進捗状況はどうなっているのでしょうか。現在の検討状況を伺います。協議会の設置に当たっては、ぜひ町会連合会もメンバーに取り入れてはいかがでしょうか。伺います。 特別措置法の第14条には、特定空き家に対しては除去、修繕、立木竹の伐採等の措置をとるよう助言又は指導、勧告、命令が可能になり、さらに要件が明確された行政代執行の方法により強制執行が可能になりましたが、区としてはどこまで踏み込んでできるのか伺います。 また、特別措置法では空き家等の活用を促進することも目的としており、第13条において、「市町村は、空家及び空家等の跡地に関する情報の提供その他これらの活用のために必要な対策を講ずるよう努めるもの」とされております。また、努力規定ではありますが、市町村が策定する空き家等対策計画の中に、「空家等及び除去した空家等の跡地の活用の促進に関する事項」を定めることとされています。 区は、改定中の基本構想の中で、人口減少社会に対応し、子育て世帯をふやしていくことを課題として挙げております。子育て支援の充実に取り組んでいくこととしておりますが、ファミリー世帯が住み続けられる住宅の供給も一つの柱として取り組むべき課題であると考えます。一方で、高齢化により独居高齢者が増加しており、広い戸建て住宅に一人住まいといった世帯もふえていると思われます。現在のところ活用可能な住宅であっても、やがては空き家化が見込まれる住宅が多く存在すると思います。このような現在活用な住宅も含めて、ファミリー世帯が活用できるような仕組みが考えられれば、将来的な空き家の増加の抑制と子育て世帯の増加につながるものと思います。 既に武蔵野市では、民間事業者とタイアップして持ち家を借り上げて子育て世帯への賃貸を仲介する仕組みを行っているようです。また、空き家化防止に対しては、現行の規定上建てかえが困難な住宅について、建てかえの促進を図る制度の構築についても必要であると考えます。このような実効性があり、かつ住宅の流動性を高めることで、区の課題解決につながるような具体的な取り組みを空き家等対策計画に盛り込み、実施していく必要があると思いますが、区のお考えをお伺いいたします。 次に、区の防犯対策について伺います。 青色灯防犯パトロールカーの運行について伺います。 昨今、中野区内でも殺人事件が起き、また住宅への侵入盗や自転車の盗難などの事案が多く発生しております。犯罪の抑止効果として、青色灯防犯パトロールカーの運行は効果が発揮されております。改めて、運行に携わっている関係者に敬意を表するものであります。 平成18年度から導入し、もう10年近くになりますが、この間における犯罪発生状況はどのように推移されているのか伺います。さらに、青色灯防犯パトロールカーの運行による犯罪抑止の効果は区としてどう評価されているのか伺います。 次に、青色灯防犯パトロールカーの運行体制の充実について伺います。 現在、10時から18時の間を運行時間として、区内を巡回していると聞いておりますが、通勤通学時間の早朝や、毎日ではなくとも週の2日ぐらい、杉並区のように夜間にも運行時間を拡大するなど、さらに運行体制の充実を図っていく考えはないのでしょうか、伺います。 また、現在は中野区内の南北に分けて2台運行しているようですが、中野四丁目の再開発により中野駅周辺の人々がふえてきております。人が集まる環境にあっては、さまざまな犯罪の発生も懸念されることから、青色防犯パトロールカーをふやす考えはないのか伺います。 次に、学校通学路の防犯カメラの設置について伺います。 中野区教育委員会では、平成27年度及び平成28年度に区立小学校の通学路への防犯カメラの設置を進めております。平成27年度は13校、平成28年度に12校、各校当たり5台を設置するとのことですが、もちろん登下校時の児童・生徒の安全を守るためとは思いますが、改めて設置の目的を伺います。防犯カメラの設置場所については、教育委員会として、学校・地域との間でどのように進めているのか伺います。 事件、事故、犯罪が起きたときに、映像等の開示を求められた場合は、どのような手続きで取り扱いをしていくのか伺います。 設置の時期が平成28年1月から3月の間となっておりますが、なぜこの時期なのか、当初予算にも記載されているにもかかわらず、年度末になるということはどうなのか伺います。一日でも早く設置されて、運用されることを希望いたします。 大阪府寝屋川市では、中学校1年生の殺害事件を受けて、殺害された二人の姿が最後に確認された市内4駅の周辺に防犯カメラを40台増設し、不審者がいないかを監視することで駅の乗降客や周辺住民らの安全を確保するためとしております。 この項の最後に、区内には町会や商店街、主要幹線道路など、さまざまなところに防犯カメラが設置されていると思います。防犯カメラは不審者の確認、証拠の撮影、そして設置を見せることでの威嚇であります。事件事故の解決には防犯カメラが発揮されております。先ほど述べたように、青色灯防犯パトロールカーの取り組みと防犯カメラの設置などを含めて、中野区として防犯対策をどのように進めていくのか伺います。犯罪のない、安全で安心して暮らせる中野区を目指していくことが大切であります。 最後に、小・中学校における読書活動の推進について伺います。 ゲームやインターネットなどによって、子どもの本離れが課題となっております。読書を通じて子どもの知識や想像の世界が広がり、豊かな心が育まれるなど、読書にはさまざまな効果があります。また、平成22年には、お茶の水大学の耳塚教授グループが行った調査によると、学力の高い層の子どもほど家でよく本を読む結果も出ております。小・中学校においてさまざまな機会を通じて、子どもたちが読書に親しむ機会を設けていくことが重要であります。現在、区内の小・中学校で読書活動はどのように行われているのか伺います。 子どもたちに、単に「本を読みなさい」と言っても、簡単に読書に親しめるものではありません。私は、中野本郷小学校でここ数年、読み聞かせのボランティアを行っておりますが、毎回子どもたちが楽しみにしていて真剣に聞いてくれています。読書を通じて子どもと保護者・地域が交流できる機会ともなっております。この保護者や地域の方々による読み聞かせの活動をもっと広げて、子どもたちが読書に親しむ機会をふやしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか、伺います。 8月20日号の区報に紹介されておりましたが、6月に区内の中学校による書評合戦、いわゆるビブリオバトルが初めて実施されたと掲載されておりました。ビブリオバトルは、自分で気に入った本のおもしろさなどをお互いにプレゼンテーションして、それによって読みたくなった本を投票するというもので、読書活動の活性化や表現力の育成を目指しています。こうした取り組みを中学生だけでなく小学生にも広げるなど、充実を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか、伺います。 現在、いじめや不登校の問題が深刻化していますが、こうした中で読書によって子どもたちの心が癒され、生きる力になる場合もあります。本にはそうした魅力があると考えます。学校図書館が決められた時間だけしか児童・生徒に開放されていない現状であります。放課後や夏休みなどの長期休業中などに、子どもたちが学校図書館を自由に利用できるようにすべきと考えます。これには管理上の問題もあると思いますが、ボランティアなどの地域の協力なども得ながら実施してはいかがでしょうか、伺います。 学校図書館には現在、学校図書館指導員が全校に配置されております。勤務は週16時間以内とされ、おおむね4日4時間勤務の人が大半と聞いております。図書館指導員は、学校図書館の環境整備だけではなく、子どもたちが本に親しみ、読書の魅力を感じられるよう、さまざまな工夫を凝らしています。学校図書館指導員の存在は非常に大きなものがあると思います。中野区は、この学校図書館指導員を平成5年から順次配置し、平成10年からは全校配置しております。 本年度から施行された改正学校図書館法では、「児童又は生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校図書館の職務に従事する職員「学校司書」を置くよう努めなければならない」とされています。中野区は、国に先駆けてこの制度を実施し、子どもたちの読書活動の充実に努めてきたわけでありますが、週16時間では十分な対応が難しいのではないかと思います。学校図書館指導員の配置の時間数などを拡充する考えはないのか伺いまして、私の全ての質問を終わります。御静聴ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 伊藤正信議員の御質問にお答えいたします。 平成26年度決算について、一般財源がふえた主な要因についてであります。国の経済政策による景気回復の影響で、個人及び法人所得の増や納税義務者数の増などが反映された結果、平成26年度決算における特別区税や特別区交付金等の一般財源が大幅に伸びたものであります。 さらに、収納率向上対策の取り組みの結果、特別区民税等の収納率が向上したことも増要因の一つと考えております。 ただし、特別区税や特別区交付金は景気の影響を受けやすく、また、不合理な税制改正による法人住民税の一部国税化など、今後の歳入状況は楽観できるものではないと考えております。 収納率向上対策の評価、今後の収納率向上対策についてであります。平成24年度に改定した収納率向上対策などに基づき、ペイジー口座振替受付サービスの導入や、給与照会、給与差し押さえ、納付確認はがきの送付等さまざまな取り組みを行いました。その結果、特別区民税の収入率は、収納率向上対策改定前の平成23年度と比べ、現年度分で1.1ポイント、滞納繰り越し分で12.4ポイント、いずれも向上いたしました。他の主要3債権である国民健康保険料や介護保険料についても収入率は向上いたしました。 平成26年度の収納率が平成23年度の収納率と同じであると仮定した場合、特別区民税では約7億円の財政効果があったと言えると考えております。現在、さらなる収納率の向上を目指して、これまでの取り組みの検証をし、平成29年度の目標を定めた収納率向上対策の改定作業を行っております。 性質別の決算状況と物件費の委託料について。義務的経費のうち人件費については、計画的な定数管理のもと、年々減少してまいりました。一方、扶助費は年々増加しており、この傾向は今後も続くと考えております。公債費については、中野区方式による公債費負担比率である一般財源に占める実質的な公債費の割合は昨年度8.2%と、10%以内を維持しております。 投資的経費につきましては、区民の安全、快適かつ災害に強い都市基盤整備やまちづくりを計画的に進めております。今後も着実かつ計画的に取り組んでまいりたいと考えております。 物件費のうち委託料につきましては、さまざまな業務委託や指定管理者制度の導入に加え、まちづくり等の業務支援委託やシステム改修委託経費等も増加傾向にあります。今後も区民サービス向上とコスト削減を目指した民間活用は、費用対効果を十分検証の上、進めてまいります。 経常収支比率についてであります。区の経常収支比率が高い水準にあるのは、用地特別会計で用地先行取得等事業債を使って取得した(仮称)本町五丁目公園用地などを一般会計に分割で引き取る際に支払った公債費の影響によるものであります。通常、用地先行取得等事業債は一括繰り上げ償還することが多く、統計上臨時的経費とされるため、経常収支比率には反映されません。しかし、区では国や都の補助金を活用し、一般財源の負担を抑えた整備を進めるため、用地を分割取得し用地先行取得等事業債の償還を分割しております。これが経常的経費とみなされるため、経常収支比率が高くなっている、そうした傾向にあります。この用地先行取得等事業債分の公債費を除いた経常収支比率を算定すると、23区平均を下回る78.7%となり、健全な財政運営を行っていると考えております。 基金計画についてであります。健全な財政運営を行うために、小・中学校の改築や大規模改修、中野駅周辺まちづくり等に係る経費について、それぞれの目的基金に必要な計画額を積み立てることとしているところであります。 次に、空き家対策について。空き家の実態調査に関連してであります。現在のところ、空き家のみを対象として行った実態調査はしておりません。今後、空き家対策計画策定に当たり、実態把握などの調査が必要であるため、この調査のあり方について現在検討しているところであります。 特定空き家の調査における町会の協力について。今後、特定空き家等への対応や空き家の利活用を進めるに当たっては、地域における空き家情報の収集が欠かせないことから、町会・自治会の方々の協力が必要であると考えております。 空き家対策計画と協議会設置の検討状況について。現在、国の基本方針や特定空き家等に対する措置に関するガイドラインを踏まえ、空き家等の活用の考え方も含めた区の取り組み方針を取りまとめているところであり、空き家対策計画の策定についても進めてまいりたいと考えております。 協議会の設置については、その構成や設置内容について、空き家対策計画策定に向けての準備の中で検討いたしております。区の総合的な空き家対策を進めていくに当たり、地域住民や建築、不動産関係者の協力が欠かせないことから、町会連合会にも参加していただくことと考えております。 空き家の利活用と建てかえ困難住宅への対応。高齢化、人口減少が進む中で、今後さらに空き家が増加することが想定されております。老朽化した空き家等の問題解消を図ることはもとより、特定空き家にまで至らない住宅についても住宅ストックとしての多様な活用が促進されるよう、住宅ストックの量と質の転換を図る必要があると考えております。このため、特定空き家への指導等を進めるとともに、リノベーションを行うことなどにより、活用できるものについては有効な活用が促進されるよう、空き家の総合相談体制の構築や民間を活用した空き家情報の共有化、住みかえや公共的な利活用の促進などの仕組みづくりを検討してまいりたいと考えております。 また、接道不良で建てかえ困難な住宅に対しては、共同化の誘導の促進など適切な資産活用の方策を検討したいと考えております。いずれにいたしましても、今後策定を進めていく空き家等対策計画の中で検討してまいります。 次に、防犯対策の取り組みについて。青色灯防犯パトロールカー運行による防犯上の効果についてであります。警視庁が発表した資料によりますと、区が青色灯防犯パトロールカーの運行を開始した平成18年における刑法犯の認知件数は5,465件でありましたが、昨年は3,410件まで減少しており、件数で2,055件、率で38%減少しております。 青色灯防犯パトロールカーによるパトロールがどれだけ貢献したかということについては、難しくて不明となりますが、地域で事故や事件があったときにパトロールコースを変更するなど柔軟な対応をしていることや、パトロールの必要な箇所には重点的に対応していることなど、地域の住民からは安心度が高まったとの声が寄せられております。 青色灯防犯パトロールカーの運行拡大及び台数増についてであります。現在、青色灯防犯パトロールカーの運行時間については、子どもたちをはじめ多くの地域住民の皆様が屋外で活動している時間帯にパトロールを実施することが効果的であると考え、昼間から夕方の時間帯、午前10時から午後6時としております。早朝や夜間のパトロールなど運行時間の拡大については、今後その効果なども含め検討してまいります。 青色灯防犯パトロールカーの台数をふやすことについて。来街者の増加や犯罪発生状況の推移を考慮するとともに、他自治体での実施状況やその効果なども見きわめることが必要だと考えており、研究課題とさせていただきたいと思います。 中野区の防犯対策について。安全で安心なまちを実現するためには、警察署等の関係機関や地域の防犯団体、そして行政などがそれぞれの役割を踏まえ、連携してさまざまな取り組みを行うことが重要であります。区といたしましては、警察署と連携した青色灯防犯パトロールカーの運行や、地域や関係機関等と連携した振り込め詐欺防止キャンペーンなどを実施するとともに、町会・自治会等への防犯カメラ設置費用の助成による推進、そして自主的な防犯パトロールを行う団体への資機材の支給や保険料の助成、また小学校PTA連合会が行っている子ども110番の家事業の支援なども引き続き行い、区民の防犯意識の向上や犯罪に強い地域づくりを目指していきたいと考えております。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 学校通学路の防犯カメラについて。まず、通学路の防犯カメラ設置の目的です。登下校時における通学路の安全については、学校、PTA、地域とで見守り活動、声かけ運動等さまざまな取り組みを行っていただいておりますが、大事に至らないものの心配な事案も起きてございます。また、児童・生徒が被害に遭う事件や事故が全国で起きています。このため、学校と地域等が連携し、実施している活動を補完し、通学路の安全対策を充実させることを目的に設置することといたしました。 設置場所の調整です。設置に当たりましては、設置基準を設け、学校とPTAと協議の上、設置場所の調整を行いました。 なお、中野区町会連合会や地区町会連合会での事業説明を行うとともに、周知チラシを配布し、警察にも設置場所について助言を受けているところでございます。 防犯カメラの映像開示の手続きです。中野区教育委員会の設置する防犯カメラの運用に関する要綱にのっとり運用し、捜査機関から法令に基づく照会があった場合には開示の手続きをとり、提供していく考えでございます。 設置の時期です。設置につきましては、東京都の補助金を活用するため、設置工事に先立ち都の交付決定を受けることが必要となります。また、電柱使用許可申請などの設置に係る手続きの期間を含めまして、実際の施工は1月から3月となってございます。工事の時期につきましては、極力早めるよう努めたいと考えております。 続きまして、小・中学校における読書活動の推進についてです。読書活動の状況です。各学校におきましては、読書の習慣が身につくよう朝読書や読書月間等を設定したり、読書の幅が広がるよう教員や学校図書館指導員等による読み聞かせやブックトークを行ったりするなど、さまざまな活動に取り組んでいるところでございます。 保護者や地域の方々による読み聞かせ活動の推進です。区内の多くの学校において、保護者や地域の方々による読み聞かせ等の活動がボランティアとして行われ、児童の本への興味、関心がより高まっている実態がございます。今後も保護者や地域の方々と連携して、これらの活動を推進していく考えでございます。 小学生へのビブリオバトルの導入です。ビブリオバトルは、子どもたちの本への関心を高めるとともに、考える力や表現する力を伸ばすのに有効な活動でございます。小学校でもこのような活動を取り入れていくことは重要であると考えています。現在、本の紹介や読書会、ブックトークなど、さまざまな読書活動が授業の中で行われておりますが、中学校におけるビブリオバトルにつながるよう、発達段階に応じて段階的に取り組んでいけるよう進めてまいります。 放課後や長期休業中の学校図書館の開放についてです。学校図書館については、主として学期中に利用されておりますが、それぞれの学校ごとにPTAや地域のボランティア等を活用して長期休業中にも開放しているところでございます。今後も学校図書館が有効に機能するよう、PTAなどと連携して取り組んでまいります。 最後に、学校図書館指導員の勤務時間の拡充です。現在、学校図書館指導員と教員との連携を密にすることで子どもたちの豊かな読書活動が十分展開されるように取り組んでおりまして、現状の時間内で対応できているというふうに考えております。今後も学校図書館指導員の校内での活用のあり方や学校図書館の活用方法等を工夫し、充実した取り組みができるようにしてまいります。 ○議長(北原ともあき) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。
中野区議会議員 若 林 しげお 1 区立小・中学校再編にともなう統合後の跡地利活用について 2 中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画の改定について (1)子どもの体力向上について (2)公園のあり方について (3)海での体験事業について (4)その他 3 その他
○議長(北原ともあき) 次に、若林しげお議員。 〔[1]若林しげお議員登壇 〕 ○2番(若林しげお) 平成27年第3回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。 質問は通告のとおり、1番、区立小・中学校再編に伴う統合後の跡地利活用について、2番、中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画の改定について、子どもの体力向上について伺う予定でしたが、時間の都合上割愛させていただきます。御協力いただいた理事者の皆様、ありがとうございます。そのほか、公園のあり方について、海での体験授業についてをお伺いさせていただきます。よろしくお願いいたします。 中野区立小・中学校再編計画(第2次)における区立小・中学校の再編も、各地で統合委員会が設置され、前期の学校再編の経緯を経験とし、適切な手順を踏み、着実に進んでいます。一方で、ここで伺いたいのは、学校再編によって生み出される学校跡地の利活用についてです。 再編の過程で仮校舎として利用された後、跡地となる学校は、学校再編計画等によりますと予定では32年に第三中学校、33年の新山小学校、第四中学校、35年に鷺宮小学校など、これから跡地になる学校が出てきます。また、前期の学校再編計画によって生み出された跡地のうち、旧第九中学校については当初体育館として活用されることが計画されていたわけですが、現在のところ活用方法は未定となっております。 これらの学校跡地の利活用については、地域では大きな関心事です。特に第九中学校跡地、第三中学校跡地、新山小学校跡地、第四中学校跡地については早い段階で跡地となるため、跡地をどのようにまちづくりに活用していくかについて、近隣の多くの方々が心配しております。統合委員会においても、統合による子どもたちの教育環境の変化が一番の関心事であることはもちろんですが、次に地元の関心事として学校再編後の跡地をどのようにまちづくりに活用させていくかについてであり、統合委員会でも質問が多く寄せられているようです。本来であれば、統合の話と跡地の活用の話はセットにして、統合委員会が始まる際に活用方法も示しながら理解を求めるべきであると考えます。これからの統合を進める際には、跡地の利活用の内容もセットにして説明していただく必要があると思いますが、いかがでしょうか。お聞かせください。 ところで、中野区立小・中学校敷地の中には、借地が含まれている学校が小学校9校、中学校1校あり、借地料の平成27年度予算額は2,799万4,000円になります。その中で、統合によって跡地になる予定のある学校は、鷺宮小学校、新山小学校、西中野小学校の3校が含まれています。鷺宮小学校の跡地は約6割が国等からの借地であり、また、新山小学校では約9割が国有地です。西中野小学校も一部借地となります。 これらの借地については、学校施設を理由に主に国から借りているものであり、再編によって学校でなくなると同時に、今までの借用要件では借り続けることができなくなります。地元の方々にとっては、長年にわたって活用してきた愛着のある場所であり、また災害時の避難場所としても活用されている、地域にとっては貴重な財産です。たとえ国からの借地であっても、地域の大切な財産として多くの方々に認知されてきた場所であり、跡地になった際に手放すようなことにならないようにするためにも、さまざまな方法を国と協議し、新たな契約を結び継続的に借用するか、また購入するか、方法を検討する必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。 借地が含まれている学校で、再編後、一番早く跡地になることが予定されている学校が新山小学校です。新山小学校は6年後、再編のための仮校舎としての使用を終え、学校としては廃止されることになります。第40次、平成27年修正の中野区地域防災計画の別冊資料、第7回地震に関する地域危険度調査による丁目別ランキングによれば、新山小学校のある南台四丁目地区は建物倒壊危険度がランク3、火災危険度がランク3、総合危険度が全てでランク3となっており、中野区の中でも危険度の高い地域になります。地元の方々にとっては、避難所として新山小学校はまさに命の綱となっておるものでございます。もし、ここが避難できる環境でなくなった場合、地元の方々の逃げる場所がなくなり、大変な不安を地域に与えることになります。 新山小学校の土地のうち、国からの借用部分は7,610平方メートル、一方で中野区の土地は764平方メートルしかありませんが、跡地になった後、国から土地を継続的に借用できない場合、何とかして中野区の財産として取得できないものか検討していくことが、南中野地区の大きな課題になっていると思います。 国有地を取得するに当たっては財源が必要ですが、広大な土地であり、十分な特定財源が見込めなければ区が購入するのは難しいことになります。従前は不可能であった1ヘクタール未満の公園用地の購入へ、国庫補助金の活用の制度が緩和されることによって本町二丁目用地の公園整備が可能になったことを聞いております。このスキームを新山小学校に活用して、国庫補助金、都市計画交付金を財源とし、防災公園用地として区が取得することも可能ではないかと思います。 さらには、新山小学校だけに限らず、今後学校跡地の利活用においては、その用地が教育財産であるからには、教育にかかわる機能として継続的に活用されることが理想的であると考えます。ほかの自治体においては、育児不安、児童虐待、不登校、引きこもりなど、子どもや親、家庭の問題は複雑化、多様化してきています。こうした状況に的確に対応するため、児童相談所、青少年総合センター、育児110番とともに、教育相談機能を統合して教育・子育て相談窓口の一元化を図り、利用者の利便性の向上、専門性の強化、関係機関とともに適切な連携をとりながら、総合的、専門的な相談支援を行っています。 中野区においても、27年、教育センターを強化し、教育相談、就学相談、適応指導を一体的に実施、不登校児童・生徒へ早期対応、多角的な相談支援を進めております。今後、こうした事業展開をさらにステップアップし、新たな教育センター機能と子ども家庭支援センター機能を統合して、ワンストップで提供できる施設整備を行い、必要とする区民にとって切れ目のない、より専門性の高い相談体制を確立することも必要であると考えます。学校跡地をそのような複合施設に利活用することも可能であると考えます。このような学校跡地は、限りある区の大切な資産であるとともに、政策を組み合わせれば無限の可能性を秘めてもいます。最小経費で最大の価値を求め、さまざまな角度から可能性を検討していただき、特に早い段階で未利用となる学校については早期に利活用を検討し、検討中の新しい中野をつくる10か年計画に盛り込み、地域に具体的に活用方法を示していく必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。 次に、中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画の改定についてお伺いをいたします。まずは、公園のあり方について伺います。 キャッチボールができる公園整備については、以前、同僚議員も何人か質問しておりますし、私も平成24年第2回定例会の一般質問において、キャッチボールやサッカーのできる公園をと質問させていただきました。その際の答弁で、新たに防球フェンスの設置が可能な公園があるかなど、それらについて検討するとの回答をいただいたところですが、その後どのような検討がなされましたか、お伺いいたします。 現在、防球ネットがあり、キャッチボールやソフトボール、バスケットボールなど球技ができる公園は、桜山公園、南台公園など9カ所、野球とサッカーのできる運動公園は、今年度オープンした白鷺せせらぎ公園や谷戸運動公園、そして今後オープンする(仮称)南部防災公園、(仮称)本町五丁目公園であります。 さらに、平成27年3月10日の建設委員会で、(仮称)弥生町六丁目公園基本計画(案)についての報告の中に、神田川に面する小広場として600平方メートルのスリーオンスリーのバスケットボールやキャッチボール、サッカーなどができる空間整備を計画されているということは、喜ばしいことだと思います。 このように、以前からすれば子どもたちが伸び伸び球技ができる公園が年々ふえていることは大変評価いたします。しかしながら、相変わらず身近にある中小規模公園でのキャッチボールができない状況は続いております。中野区内には160の公園があると聞いております。その利用の実態を見てみますと、私の住んでいる南中野地区でも、乳幼児からお年寄りまで多くの区民が毎日のように利用され、にぎわっている公園もありますが、一方ではあまり利用されず年間を通じてとても静かな公園が存在するのも事実です。 御存じのとおり、子どもたちの体力低下が著しく見られる項目の中には、握力とボールを投げる距離が年々下がっていることがあります。私は、日ごろから子どもたちが外遊びをすることが体力の向上につながるものと考えております。そこで、年間を通じて静かな公園を、このまま利用されない状態にしておくのではなく、子どもたちにとって魅力ある公園として再生すべきではないでしょうか。その際に、軽いキャッチボールやサッカーのパス回し程度ができる公園も整備すべきだと考えます。 多くの公園には、「公園での野球・サッカーは禁止です」との禁止札がフェンスに張りつけてあったり、ベニヤ板でつくられた大がかりな禁止看板も見かけますが、これはほかの公園利用者への迷惑であったり、近隣の住居へボールが飛び込むことや、壁あてなどの被害からの対応だと思います。利用者の中には、周りの利用者や近隣への迷惑を考えず、早朝、夜間、深夜に及び迷惑行為を繰り返す方や、公園の防球ネットフェンスを切り裂き、近隣の民家の塀を乗り越えるなどという話も聞き及んでおります。これはごく一部の利用者の方ですが、多くの区民の皆様は新たな利用のルール設定を望んでおります。利用のルールについてはさまざまな視点から検討し、それを広報、周知徹底と啓発につなげていくことが大切ではないでしょうか。 以前、私の質問で取り上げさせていただいたもので、港区の公園では、公園の禁止事項を記載した看板内容を「他人に迷惑をかけないように遊びましょう」と改め、ボール遊びや自転車乗り、子どもたちが自由な発想で伸び伸びと動き回れる場所を提供した例や、他区のキャッチボールができる公園整備をした事例を参考に、中野区においてもぜひ進めてもらいたいと思います。 大規模公園だけではなく、中小規模公園の活発な利用を通じて、区民の皆様の活動が活性化すると考えます。このような考え方も、現在改定作業に入っている中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画に位置付け、親子のふれあい、子どもたちの体力向上並びに地域のコミュニティづくりを前進させていくべきと考えます。区の見解をお聞かせください。 次に、海での体験授業について伺います。これについても、我が会派から何度も質問させていただいております。このことについては、一人でも多くの子どもたちに思い出をつくらせる環境を整備したいという思いで取り組んでいることを御理解ください。 岩井学園も廃止され、もう4年もたってしまいました。そのかわり、海での体験授業が開始されましたが、今年度も参加人数が94名ということで、募集人数に満たない結果となっています。海での体験授業に参加した子どもたちのアンケートでは、26年、大変よかったが68%、よかったが29%と、大変いい思い出づくりになったと思います。5年生にアンケートをとると、79.2%が来年も参加したいということです。我が会派でも視察に行きましたが、とてもいい事業だと感じております。しかし、昨年に比べふえたことはわかりますが、参加人数がいまだ募集人数を満たしていないことに関しては疑問に感じます。毎年、PR努力をしますというお答えですが、大きな進歩が見られません。 平成26年度版教育要覧にうたっている、海での体験事業、「子どもたちが自分の可能性を伸ばし、豊かな人間性や社会性、健康・体力などの「生きる力」を育むことを目的とし実施する」は、5、6年の一部にしか実施されていないというのが現状だと思います。 しかし、臨海学園がない現在において、海での体験事業は必要であると思いますが、大きな改善がやっぱり必要だと思います。例えば、バス代を補助し金額を抑えることや、沼津市大瀬海水浴場だけでなく千葉などの海水浴場も加え、また回数もふやし、選択しやすくするなど工夫が必要だと考えますが、区の見解をお聞かせください。 どちらにせよ、中野区全体の5、6年の子どもたちに比べ、あまりにも体験できる人数が少な過ぎます。この4年間で臨海学園を経験できなかった人数は7,100人余りで、この中で海での体験授業を行った延べ人数は339人、これを引くと約6,800人余りの児童が海に団体で行ったことがないことになります。やはり、臨海学園でなければ多くの子どもたちにより思い出づくり、体力向上はできないと考えます。自民党の総括質疑において、平成23年新学習指導要領の全面実施において変更したという教育委員会の説明は、全く見当違いの説明であったことははっきりしています。その際にも申し上げましたが、教育委員会、校長会が指導要領全面実施を理由に独自の判断で決めたとあれば問題です。改めてお伺いします。岩井の臨海学園が中止、廃止になった理由は何だったのでしょうか。現状の岩井はどうなっていますか。 教育委員会は、子どもたちから、保護者から意見を聞いたことがあるのでしょうか。臨海学園や遠泳を経験した区民に意見を聞いたことがあるのでしょうか。お聞かせください。 臨海学園の復活に関しては、平成26年、決算特別委員会で大内議員の質問の答弁の際、校長会等に伝えるといただいておりますが、伝えていただけましたか。そこでどんな検討をされましたか、お聞かせください。 年々、臨海学園の復活が遅れれば遅れるほど、海での思い出づくりができない子どもたちがふえていくことを十分お考えいただき、「臨海学園復活」を、中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画に盛り込んでいただけるよう強く要望し、私の全ての質問を終わります。御静聴ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 若林議員の御質問にお答えいたします。 区立小・中学校再編に伴う統合後の跡地利活用についてであります。跡地活用について、統合の説明の際に説明に加えるべきではないかということでした。学校跡地の活用については、学校再編の説明とは別に、跡地ごとに適切な時期をとらえ、活用の方針について区民への説明を行っていきたいと考えております。 借地の購入であります。借地を含む学校跡地においても、他の跡地と同様に区全体として必要とされる機能や地域にとって有効な活用方法を検討していきたいと考えております。その検討においては、借地部分の取得の必要性や、その場合の財源確保の見通しを含め、総合的に判断する必要があると考えております。 新山小学校跡地について、区が取得をするべきであるといったようなことを含め御質問がありました。新山小学校などの跡地活用を10か年計画に明記することといったことであります。学校跡地につきましては、地域における区民サービスの必要性、全区的な施設展開における必要性、学校改築への財源確保など個別に検討していく考えであります。10年間に生じる学校跡地については、10か年計画において可能な限り活用方法を示していきたいと考えております。 公園のあり方について、防球フェンスの設置が可能な公園についてであります。防球ネット、フェンスなどが設置できる公園については、一定程度公園の広さなどが必要であります。そうした条件がありますことから、新たに防球ネット、フェンスが設置可能な公園について、現在数カ所の候補地を選定しているところであります。 キャッチボール、サッカー等が可能な公園整備についてであります。既存の中小規模公園におけるキャッチボールやサッカーの利用は、他の利用者への事故や、隣地、道路への飛び出しによる人的、物的な被害を及ぼす危険があり、難しい状況にあるというのが一般的でありますが、しかし、引き続き公園でのキャッチボールやサッカー利用のあり方や、そのための仕組みづくりを検討してまいりたいと思っております。また、利用のルールについても改めて今後検討してまいります。中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画への反映につきましては、これからの議論の中で調整をしてまいります。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 海での体験事業についての御質問です。初めに、海での体験事業の工夫についてです。海での体験事業については、参加した児童とその保護者へのアンケートでは好評であり、有意義な事業であると認識をしています。しかしながら、定員に満たない状況であり、参加者をふやす工夫が課題であるとも認識をしております。 今年度は、新たなPRの取り組みとして、小学校PTA連合会の協力によりPTAのメールを活用して保護者への情報提供を行いました。また、学校により参加者に差があることから、参加者の少ない学校については働きかけをしていくなど、まずは定員を満たすよう、参加者をふやしていきたいと考えております。 参加費につきましては、保護者からおおむね妥当な額であるとの評価を受けておりますが、負担のあり方については今後も検討していきたいと考えています。 次に、岩井の臨海学園が中止になった理由、また岩井の現状ということです。海での活動における安全性の確保、若手教員の増加による海における教員の指導力の課題等の理由を踏まえ、総合的に判断したものでございます。なお、現在の岩井において臨海学園を実施している区は4区あることは承知をしてございます。 次に、保護者、区民に意見を聞いたことがあるかという御質問でした。廃止に当たって小学校PTA連合会、中学校PTA連合会に説明を行うとともに、一般の保護者を対象に説明会を行いました。廃止の経緯などの説明を行い、廃止はやむを得ないが、プール指導等の充実をしっかりやってほしいなどの意見があり、一定の理解を得ているものというふうに認識をしています。 次に、昨年度の決算特別委員会での総括質疑に対しての対応です。臨海学園の復活に関する質疑があったことについては、校長会には説明を行いました。その際、臨海学園の復活について特段の意見はありませんでした。このような質問の趣旨や子どもたちの体力の現状を踏まえ、教育委員会として新たに今年度、体力向上検討委員会を発足させるなど、体力向上全般について検討を進めているところでございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。
中野区議会議員 加 藤 たくま 1 中野の防災体制について (1)豪雨予測技術を用いた警報システムの構築について (2)大規模水災害に備えたタイムライン(防災行動計画)の策定について (3)大和町・弥生町の不燃化特区について (4)通学路のブロック塀について 2 中野が誇る歴史の検証について 3 中野の地球温暖化の実態について 4 その他
○議長(北原ともあき) 次に、加藤たくま議員。 〔加藤たくま議員登壇〕 ○1番(加藤たくま) 平成27年第3回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の立場から一般質問させていただきます。 先週の台風18号に伴う大水害がありました。私個人としましては常総市が一時期生活圏にあり、第二の故郷とも言える、特に思い入れがある場所であり、いたたまれない気持ちです。自衛隊、消防関係者などによる救助活動に敬意を表するとともに、被災された方々にはお見舞い申し上げます。 それでは、通告させていただきました項目に従いまして質問をさせていただきます。4、その他はございません。 4月の中野区議会議員選挙では、皆様から御支援、御声援を賜り、当選させていただきました。本当にありがとうございました。おくればせながら、この場をかりまして感謝の意を示します。 私、加藤たくまは、公約として、大学・国土交通省で防災の専門家として研究に携わってきた経験・ノウハウを生かし、災害に強いまち・中野をつくり出すことを訴えてまいりました。 そこで、まず、1、中野の防災体制について伺います。 日本は、豪雨・地震などの自然災害が多発する国で、地球温暖化・ヒートアイランド現象による気象現象の極端化は豪雨を多発させる可能性を高めており、また、30年以内に70%の確率で首都直下地震が発生すると予測されています。それに加え、中野はそれに伴う洪水・火災の被害が発生しやすい区であります。 また、先週の台風、きのう調布で起きた震度5の地震など、大規模災害がたまたま中野で発生しないだけで、いつ中野を襲うかもわからない蓋然性を持っております。中野の防災力を向上させる必要があります。 それでは、初めに(1)豪雨予測技術を用いた警報システムの構築について伺います。 昨年度、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために、戦略的イノベーション創造プログラム(通称SIP)が創設されました。そのSIPの10個のプロジェクトの一つに、「レジリエントな防災・減災機能の強化(サブタイトル:リアルタイムな災害情報の共有と利活用)」というプロジェクトが立ち上がりました。 このプロジェクトの中で、「豪雨・竜巻予測技術の研究」があり、ゲリラ豪雨に対応するために高性能の気象レーダーで得られた降雨データを分析した水災害予測結果を用いて災害からの避難を促すものです。ちなみに、このゲリラ豪雨のプロジェクトは5年間行いまして、2014年度予算が5.1億円、今年度、15年が予算4.1億円程度で、これまで9億円を投じて避難システムを開発しています。 このプロジェクトでは、その避難システム、防災無線、SNSなどを用いて、住民に事前避難をしていただくという社会実験を行うものです。そして、現在、社会実験を行えるパートナー自治体を探しています。自治体からの予算の持ち出しはなく、水災害の予測情報を区民にお知らせできます。 そこで伺います。中野においては、環七地下調節池が完成し、水災害のリスクは著しく低下してきたものの、豪雨に弱い状況は変わっておりません。そこで、ぜひこのプロジェクトに中野区が参画し、防災力を向上させるというのはいかがでしょうか。中野区は、全国でも先進的な防災能力を持つことになると思われます。答弁を求めます。 続きまして、(2)大規模水災害に備えたタイムライン(防災行動計画)の策定についてです。 2012年10月末に、ハリケーン・サンディがアメリカ・ニューヨーク大都市圏を襲い、高潮災害は「都市機能が高度に集積した先進国の大都市を襲った初めての大規模な災害」であり、アメリカの災害史上2番目に大きな経済損失を与えました。しかし、ハリケーン・サンディへの対応は、アメリカの関係機関が互いに協力し、総力を挙げて実行した結果、大きな減災効果を上げました。その理由として、国土交通省・防災関連学会合同調査団が注目したのは、タイムラインという概念です。タイムラインとは、時間軸に沿った防災行動計画であり、関係機関であらかじめ策定し、緊急時に被害を最小限にとどめる工夫をします。 例えば、先日の台風18号を事例に挙げますと、堤防が決壊する72時間前から関係機関とどのような対応をするかを事前に計画しておきます。48時間前、24時間前、12時間前など、それまで何をしなければならないかと関係機関とあらかじめ決まりごとをつくることで、緊急時に慌てることなく防災・減災活動に専念できます。 国土交通省では、「タイムラインに関心の高い自治体と企業等とともに、課題解決型のタイムラインの策定に向けてリーディング・プロジェクトを首都圏、中部圏で推進する」としています。23区では、千代田区が既にタイムラインを策定しています。 そこでお伺いいたします。アメリカで考案され、防災・減災に大きな効果を与えるタイムラインを中野区の防災計画にも取り入れ、防災力を向上させるというのはいかがでしょうか。答弁を求めます。 続きまして、(3)大和町・弥生町の不燃化特区についてです。 東京都が定めた木密地域不燃化10年プロジェクトで、区内では大和町中央通り沿道地区及び弥生町三丁目周辺地区が不燃化特区の指定を受けております。 避難道路沿道で住宅が建てかえると、その後背地は木造住宅が密集したまま残ってしまう街区も存在します。後背地の家屋が古いまま残れば、建てかえは数十年困難となりまして、火事の発生源・空き家にもなるなど、このプロジェクトの意味も大きく減退し、問題を悪化、長期化させたまま放置されます。 また、大和町・弥生町では現在、地域住民のプロジェクトへの理解が深まり、弥生町では避難道路3路線についてほとんどの権利者から道路拡幅の同意が得られ、用地測量や物件調査に着手していると聞きます。しかし、売買価格や建物補償算定を含む権利者折衝に時間を要しており、遅いところでは補償額等が示されるのは来年度以降になってしまうということです。これでは、売買価格や建物補償額が提示されても、権利者が自分の家の設計、建てかえ、生活再建など、人生の一大決心をするのに残り時間がわずかしかなく、不燃化特区制度の期限があまりにも短かすぎと考えます。 そこで伺います。せっかく地域住民のプロジェクトに対する機運が高まっているにもかからず、後背地との権利調整などが困難となることが想定されます。そうした地区の改善に向け、例えば建物の敷地の共同化に向け、区はそうした補助を行う、また、専門家による相談体制を用意するなど具体的な対策をしていただけないでしょうか。 また、共同化による権利調整などには長い時間が必要となることが想定されますが、東京都が進める木密地域不燃化10年プロジェクトの期間は2013年から2020年と実質8年間であり、10年間ではありません。高まっている機運を消さないためにも、調整が困難となる事情がある場所に関しては特例で事業の延伸を積極的に図っていくべきと考えます。区としても、都に対して積極的に働きかけていただきたいと思います。東京都のパイロット事業であり、今後の防災関連事業の行く末を担う重要なものであり、失敗は許されません。 続きまして、(4)通学路のブロック塀についてです。 来年度より、(仮称)南部防災公園、(仮称)本町五丁目公園が開設され、中野区内における避難施設は確実にふえております。しかし、自宅、勤務先、買い物先などから避難施設までの導線である道路の安全に関しては考慮が不足しています。大きな拠点ができましたが、それをつなぐ線が細いということです。 古い事例になりますが、昭和53年に発生した宮城県沖地震では、ブロック塀の倒壊によって11人の方が亡くなりました。阪神・淡路、東日本大震災においてもブロック塀によるけが人が報告されております。地震の揺れに耐えようとブロック塀につかまったところ、倒壊する例などもあるようです。 各地区の町会・防災会・PTAなど、さまざまな団体が協力し合い、安全対策に努められており、倒壊危険性があるブロック塀等をチェックし、防災マップにブロック塀、頭上トランスなどが掲載されておりますが、ソフト対策に終わっております。震度5以下の地震でブロック塀が倒壊し、けがをさせた場合などは、損害賠償を請求されることもあるそうです。 2005年の建築士による耐震強度構造計算書偽装事件では、「殺人マンション」と揶揄されていました。危険だとわかっていながらそのままブロック塀が残っているのは、これまた「殺人ブロック」であり、この殺人ブロックの放置は区政として不作為と言われかねません。 三鷹市では、緑豊かなうるおいとやすらぎのあるまちづくりのため、生け垣助成の制度を設けており、ブロック塀の高さを下げ、危険性を下げるとともに、四季折々に道行く人たちの目を楽しませる制度をつくっております。 そこで伺います。避難場所は小・中学校を指定している地域が多いこと、また登下校の小・中学生の安全性を高めるため、避難路にもなる小・中学校の通学路に関しては、倒壊危険性が高いブロックを調査して、区として管理者に安全対策を促し、危険なブロック塀の撤去には補助金を出すなどの対応は考えられないでしょうか。答弁をお願いします。 以上でこの項の質問を終わります。 続きまして、2、中野が誇る歴史の検証について入らせていただきます。 ことしの新人議員の中で唯一、中野区立の小・中学校を卒業した私が、社会に出て大好きな中野のまちのことを説明するとき、人情があり温かい、主要駅へのアクセスが便利など、さまざまな点を挙げます。しかし、中野の歴史について問われると、徳川5代将軍、犬公方綱吉公がつくられたお犬屋敷が中野駅北口にあったということを恥ずかしげに説明してきました。私は、この中野の過去を中野の黒歴史、中野の自虐史観と言ってきました。これは生類憐れみの令が悪法であるという国民全体の共通認識に起因します。 しかし、近年、生類憐れみの令は綱吉公の後に江戸幕府で実権を握った新井白石が自分の評価を高くするために悪いうわさを流したという説などもあり、決して悪法ではなかったという解釈も出てきています。平成24年度、扶桑社の中学校の歴史教科書では、「5代将軍綱吉は、武士たちが殺伐とした行動に出ないように、生類憐れみの令を発して、子どもや病人を捨てることを禁じ、犬から虫にいたるまでいっさいの生き物の殺傷を禁じた」、平成28年度の育鵬社では、「綱吉の出した生類憐れみの令は、人々の生活を圧迫しましたが、捨て子の禁止や動物愛護など、生命や自然を尊重するという道徳の定着をもたらすという意義がありました。」とあり、戦国時代から是正されない武士たちのモラルの悪さを直すために、人間を含めた生き物に対する擁護策として生類憐れみの令ができたということです。人権擁護、動物愛護の法律と言ってもいいものでした。その中で、中野にあった犬屋敷というのは、生類憐れみの令にとってシンボリックな施設であると言えます。そして、その事実を強く言える、また言っていかなければならないのは中野区だと思っています。 また、その犬屋敷がなくなった後、8代将軍吉宗が桃の木を植樹し、桃園をつくりました。小学校名にもなっている桃園です。私の出身中学校の九中の校章は桃の花でした。中野と桃には深い関係があります。そして、その桃園は吉宗によって一般開放されました。これは、当時、高い壁に囲まれたプライベートな庭園しかなかった時代に、日本初の一般人も入れるパブリックな庭園を開設したということです。中野区役所、サンプラザ、セントラルパークを含むこのエリアは、犬屋敷、桃園、陸軍中野学校、警察大学校と、その時代とともに変遷しており、中野にはすばらしい歴史があり、これらは中野区民が中野を好きになれる歴史事実であると思います。 そこでお伺いしたいのですが、これら囲町周辺の歴史事実は中野にとって大きな誇り、また観光資源となり得るものでありますので、改めて歴史の検証をしていただき、それら情報の広報や、新しい解釈を加えた看板設置などをしていただけないでしょうか。また、小学校、中学校の授業、例えば小学校3年生で用いられている副読本「わたしたちの中野区」などでその事実を学ぶような授業を取り入れてはいただけないでしょうか。ほかの自治体では、ゆるキャラ、B級グルメなどをつくり、みずからのまちの魅力を引き出すために躍起になっておりますが、中野区は全国的に見て裕福であるためか、積極的ではなく見受けられます。本件に関しては無理やりひねり出すものではなく、中野が本来持つ魅力を素直に引き出すものです。ぜひ御検討していただきたいと思います。以上、答弁を求め、この項目の質問を終わります。 続きまして、3、中野の地球温暖化の実態についてお伺いさせていただきます。 平成27年5月26日、特別区長会などから報告された、オール東京62市区町村共同事業「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」温室効果ガス排出量(推計)算定結果において、市区町村別CO2排出量の報告によりますと、中野区のCO2排出量は荒川区に次いで23区中2番目の少なさとなっております。これは農業水産業、建設業、製造業、一般家庭、自動車・鉄道による運輸による消費エネルギーが少ないことが理由に挙げられます。1世帯当たりの自動車の所有台数が日本トップクラスで少ないということも、その数値を後押ししていると思われます。私が試算したところ、一般家庭の1世帯当たりの排出量は23区内で一番少なく、中野区は地球温暖化抑制に対して大きく貢献している区であると言えます。 国土交通省で提案する環境共生型の社会としてエコシティの概念があり、中野区としても中野区環境基本計画で“エコシティなかの"をうたっておりますが、東京というメガシティの中で低炭素を実現している中野区のCO2排出の実態から、「メガエコシティ中野」など、そういったキャッチフレーズで、人口過密都市において先進的な地球温暖化対策をしている中野区の活動をさらに推し進めるべきかと思いますが、いかがでしょうか。 地球温暖化抑止の政策として、現在、中野区ではCO2排出量の削減目標を持っていますが、平成23年度以降、東日本大震災以降、電力のCO2排出係数が大幅に上昇していることから、エネルギー消費量を削減してもCO2排出量はふえ続けることになっています。 私は、CO2排出量ではなく、区民にわかりやすいエネルギー消費量で区全体の削減目標を設定するとともに、各家庭にも、例えば「家庭の電力使用量を1割減らそう」といった形で具体的な目標を設定するなど、区民が参加しやすくすることで、区民を含めたオール中野で地球温暖化と戦っていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。 また、その地球温暖化防止に関する区の目標実現に向かって、さまざまな施策を行っていくことになります。区は、その効果が高いものを見きわめるとともに、その費用対効果も十分検証した上で、各施策の目標をしっかりと定め、施策展開を図っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、今後、中野のシンボルとなる中野駅周辺の再開発において、新たなエネルギーの活用方法について検討を進めてはいかがでしょうか。我が会派として同様の質問を平成25年第3回定例会で高橋かずちか議員がしておりますが、具体的な方針について言及されておりませんので、再開発事業に関しての具体的な答弁をお願いいたします。 以上でこの項の質問を終わり、私からの一般質問を終了させていただきます。御声援ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 加藤議員の御質問にお答えいたします。 防災体制に関連して、ゲリラ豪雨発生予測研究への参画についてであります。いわゆるゲリラ豪雨は、事前の予測が難しく、短時間で水害が発生することから、ゲリラ豪雨の発生及び水災害の予測に関する研究は中野区にとって有益なことと考えております。御提案のあった研究について、参画を視野に入れて手続や研究内容の詳細などについて検討を行ってまいりたいと思います。 それから、台風などの風水害に対するタイムラインの導入についてであります。タイムラインは、国、地方公共団体、防災関係団体、地域住民などが時間軸に沿って連携して行動することで、水災害の被害を軽減する方策であると理解をしております。現在の災害対応を振り返りながら、タイムラインの作成に向けて検討してみたいと考えております。 それから、大和町・弥生町の不燃化特区に関連しての御質問です。避難道路後背地における木密地域の改善について、避難道路の後背地において建てかえが進まず、改善が必要な街区等の解消は防災まちづくりを進める上で重要な課題として認識をしております。区では、不燃化特区内の支援策として相談ステーションの設置や専門家の派遣を行うとともに、弥生町ではUR都市機構と共同による代替地の活用や地区の改善に向けた勉強会を行うこととしております。大和町では、大和町中央通り沿道だけでなく、今後、地域全体の面的なまちづくりを予定しており、その中で御指摘のような取り組みを進めてまいりたいと考えております。 不燃化特区事業の延伸についてであります。不燃化特区制度は、首都直下型地震の切迫性に伴い、期限を定め、集中的に災害に強いまちづくりを推進しようとするものであり、現段階ではあくまでも定めた目標に向け、事業の推進を図る考えであります。しかしながら、今後、事業の進捗状況において必要が生じた場合には、防災まちづくりが着実に継続できるよう東京都に対してこの事業の延伸等を要望していくことも必要となる場合があると考えております。 通学路のブロック塀対策についてであります。区は、建築指導や道路管理の一環として、危険なブロック塀等については調査を行い、所有者等に対して安全対策を講じるよう指導を行っているところであります。危険な塀の除却等につきましては、本来所有者等の責任において対応すべきことであり、特に安全基準外のブロック塀の指導をより強化していく考えであります。 それから、中野の歴史の検証について、中野が誇る歴史の検証と発信についてであります。観光振興は、地域の個性や持ち味を伸ばし、魅力づくりを行うプロセスが重要であります。歴史文化の地域資源を活用し、魅力の発掘や創造、情報発信を行うことを目的として、本年度、区は哲学堂公園及び野方配水塔周辺の刊行物編集を行っているところでもあります。このような取り組みを通じて、区内外に地域資源をPRすることで、中野区民の区に対する誇りへとつながることにもなると考えております。 中野の地域資源の発掘、発信事業である中野区認定観光資源の中には、中野の犬屋敷をはじめ、歴史の由来を持つものも多く、所有者の承諾を得られたものについては表示を掲げ、PRに努めているところであります。綱吉と犬屋敷や、吉宗と桃園といった歴史については、中野の貴重な地域資源であると認識をしております。今後、これらの歴史を検証し、都市観光ホームページでのPRなどでの情報発信の強化について検討していきたいと考えております。 中野の地球温暖化の実態について、中野区のCO2排出と地球温暖化対策の推進についてであります。中野区のCO2排出量は、23区中、荒川区に次いで2番目に少なく、また、家庭からのCO2排出量を1世帯当たりで見ますと23区中一番少ない、こういう結果になります。こうした結果は、区の実施する地球温暖化対策による区民の省エネ、節電意識の向上も一因になっていると考えておりますが、中野区は人口に比較して世帯数が多いため、世帯当たりの排出量が低くなる傾向があること等、さまざまな要因が考えられるところだと考えております。 今後、区民の電力不足への切迫感が薄まることも予測をされます。区民、事業者の地球温暖化防止に関する意識をさらに向上させていく必要があり、地球温暖化対策をさらに推進していくとともに、キャッチフレーズ等による意識啓発についても検討してまいりたいと考えております。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 中野が誇る歴史の検証につきまして、小・中学校で中野の持つ歴史を学ぶような授業をという御質問でした。地域の歴史的事象に関する学習については、小学校、中学校の社会科で扱うこととなってございますが、総合的な学習の時間で扱うことも考えられます。中野区に関連する歴史的事象や伝統文化などについての学習についても、これらの授業を活用して行っていく考えです。指導する教員が活用できる資料などを整備していきたいと考えてございます。 〔環境部長戸辺眞登壇〕 ○環境部長(戸辺眞) 私からは、地球温暖化の実態について、エネルギー消費量を削減目標に設定してはどうかという御質問に対してお答えします。御質問でもございました、区では温暖化防止のためにCO2の排出削減の目標を掲げ、施策を進めてきたところでございます。 しかしながら、平成23年3月の東日本大震災、原子力発電所の事故以来、電気のCO2排出量係数が大きく増大するということで、区民や事業者が節電を行っても結果としてCO2排出量がかえってふえてしまうなど、その努力が見えにくい状況となっているものでございます。 こうしたことから、今後の区全体の削減目標については、CO2排出量に加え、区民にとってわかりやすいエネルギー消費量による目標設定を検討しているところでございます。また、区民がより参加しやすい行動目標などについても検討してまいりたいと考えてございます。 次に、効果的な地球温暖化施策の展開についてでございます。区では現在、中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画の改定作業と並行いたしまして、個別計画でございます中野区環境基本計画の改定作業も行っているところでございます。その改定作業の中で、それぞれの施策の実績を十分検証し、より効果的な施策を効率的に推進していく考えでございます。 〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕 ○都市政策推進室長(長田久雄) 中野の地球温暖化の実態に関する御質問のうち、中野駅周辺の再開発におけるエネルギーの活用方法についてお答え申し上げます。区役所・サンプラザ地区再整備基本構想では、エネルギー利用の効率化を整備方針の一つに掲げており、再生可能エネルギー利用やエネルギーの面的利用などの取り組みについて検討を進めているところでございます。 また、新しい区役所整備基本方針では、環境に配慮した区役所として再生可能エネルギーの有効利用、高効率な設備機器の積極的な採用などを盛り込み、こちらについても検討を進めているところでございます。将来的に、新区役所や区役所・サンプラザ地区を中心としたエネルギーのネットワークを構築し、低酸素まちづくりの推進とともに、災害時にもエネルギーが供給され、業務継続を可能とする災害時業務継続地区の形成を検討していく考えでございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。
中野区議会議員 むとう 有 子 1 教育委員会のあり方について 2 お泊りデイサービスについて 3 その他
○議長(北原ともあき) 次に、むとう有子議員。 〔むとう有子議員登壇〕 ○40番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。 教育委員会のあり方についてお尋ねいたします。 中野区の教育委員会といえば、かつては区民が教育委員選びにかかわれる準公選制が実施され、全国から注目を集めました。残念ながら、準公選制は1995年に廃止されましたが、働く区民が傍聴できるよう夜の教育委員会の開催や、月最後の定例会閉会後に行われていた傍聴者発言などは当時の成果として継承されていました。区民が直接教育委員に自由な意見を伝える場として、この傍聴者発言は傍聴に来られる教育熱心な区民の意見を聞くことができ、教育委員にとっても貴重な場であったと言えます。ところが、4月より傍聴者発言は廃止され、用紙への記載のみとなり、貴重な機会が失われてしまいました。傍聴者発言の廃止は納得できないと、区民の方から意見が届いております。 3月27日の議事録によれば、廃止の理由を「区の行政運営への区民参加の手続、あるいは行政評価制度の整備等を踏まえて」と説明していますが、理解できません。テーマに絞られず、自由な意見を区民が教育委員に直接言える場がほかにあるとは思えません。定着している4週目の傍聴者発言を復活させるべきと考え、再考を求めます。お答えください。 次に、教科書採択についてお尋ねいたします。「中野区立学校教科用図書の採択に関する規則」、公正の確保第10条「教科書採択の過程にあっては教科書採択が行われる日の前日まで、選定調査委員会及び調査研究会の委員を特定できる事項にあっては教科書採択が行われる日まで、それぞれ非公開とする。」と規定されているため、7月23日、教科用図書選定調査委員会の報告を非公開の臨時会で受け、その後5回の非公開の臨時会を経て、8月7日、公開の定例会で2016年度使用教科用図書の採択が行われました。 名称は、23各区で異なりますが、選定調査委員会を設置し、その傘下に調査研究会を置き、教育委員会に報告するという流れはほとんど同じですし、選定調査委員会や調査研究会は23区全て非公開です。ここまでは同じですが、ここからが大きく違っています。私の調査では、選定調査委員会が教育委員会に報告する段階から公開している区が5区あります。 中でも新宿区は、公開の臨時会で中野区の選定調査委員会に当たる審議委員会の委員長から答申を受けて、さらに、中野区の調査研究会に当たる調査委員会の委員長からの報告も受け、それに関する質疑を行った上で公開の臨時会で協議し、公開の定例会で採択されます。つまり、中野区における選定調査委員会の報告から公開の場で、区民が傍聴できる場で協議がなされているということです。 中野区においても、教科書採択の透明性を高めるために、新宿区のように選定調査委員会の報告を受ける段階から区民が傍聴できる公開の場で採択協議を行うよう検討することを求めます。お答えください。 8月7日の教育委員会定例会を傍聴いたしました。この定例会に、「2016年度使用教科用図書の採択について」という第46号議案が教育長のお名前で提出されました。議会での議員提出議案と同様の性格のものかと思われます。通常、議案提出者は、その議案が議決されるよう意見を述べるものかと認識しておりました。しかし、驚いたことに議案提出者である教育長は、特定の教科について議案書に記載されている教科書について一言も意見を述べず、議案に記載されていない教科書を絶賛する意見をとうとうと述べられたように記憶しています。 つまり、議案提出者である教育長は、御自身が提出している議案に反対であることが明らかになりました。採択されなかった教科書に対する教育長のお考えが鮮明となったことは、意味のあることだとは思いますが、議案提出者として責任のある立場の教育長としては理解しがたい発言との疑問の声が、傍聴した多くの区民の方から上がっています。この点について、議案提出者としての責任ある立場についての教育長の御認識を簡潔にお答えください。 3月18日より、元オリンピックマラソン選手の増田明美さんが教育委員に就任されました。これまでも教育委員は、本業を持ちながら担っておられる方が大多数でしたが、定例会や臨時会への出席率はほぼ100%だったと記憶しています。傍聴している区民の方から、定例会に増田委員がほとんど出席されていないと聞き及んでいます。 教育委員会会議規則によれば、「第2条 教育委員会の会議の種類は、定例会及び臨時会とする。」「第5条 委員は、招集された会議の期日の開催時刻までに指定された場所に参集しなければならない。」と規定されており、教育委員が定例会と臨時会に出席することは重要な任務と責務だと言えます。教育委員は4人だけですので、1人の欠席は大きな損失です。 増田委員の公式ページに書かれている現在の主な活動、その他の活動の中にも「中野区教育委員」という記載は一切ありません。スポーツジャーナリストなど多方面で御活躍中の増田委員にとって、「中野区教育委員」は記載の必要すらない活動なのかもしれません。 すばらしい経歴をお持ちの方ですので、教育委員をお引き受けいただくに当たり、特段の配慮や条件でもあったのでしょうか。お答えください。増田委員が就任してからの定例会及び臨時会の開催回数、増田委員の出席回数、出席率をお答えください。 ぜひ、増田委員には、中野区の教育委員としての自覚をお持ちいただき、定例会及び臨時会への出席率を高め、教育委員会のホームページに載っている御自身のコメントどおり、中野の子どもたちの体力向上に御尽力いただくことを願っています。 次に、2011年第1回定例会で質疑いたしました、お泊まりデイサービスについて、再度お尋ねいたします。 当時、東京都の調査により、都内194カ所、中野区内9カ所の通所介護事業所、いわゆるデイサービス事業所が、介護保険の対象外の自主事業として高齢者を施設内に寝泊まりさせる宿泊サービスを実施していることが判明しました。あくまでもデイサービスの事業所ですから、宿泊用の部屋もなく、雑魚寝状態で寝泊まりさせ、夜間の職員数や防火設備が不十分な中で、火災の際に自力で避難が困難な高齢者が多く利用している実態が課題となりました。特別養護老人ホームなど介護保険が適用される施設数が足りず、入所できない高齢者、また経済的な理由から入所困難な高齢者の受け皿として、「お泊まりデイ」はその後も広がりを見せています。3月17日現在、都内では407事業所、中野区では19事業所と倍増しています。 このような劣悪な状況改善に向け、東京都は独自の基準及び届出・公表制度を2011年5月に施行しました。おくればせながら、ことし2015年4月に国が指針を定めたことを受け、6月、東京都の基準が改正されました。依然、介護保険外の基準に過ぎず、罰則規定がなく、抜き打ち調査もないため、基準を遵守しない事業者が存在しています。中野区内の事業所の中にも、男女の別もなく、パーテーションもなく、雑魚寝状態、基準を超える宿泊者数などの実態があると聞き及んでいます。介護保険外の民民契約とはいえ、放置してよいはずはありません。 区の責務である、物言えぬ高齢者の人権と尊厳を守るため、高齢者虐待防止の観点、ケアプランのチェック、地域包括支援センターの協力を得るなど、あらゆる角度からの実態把握と改善策を強く求めます。区の見解をお答えください。 以上、誠実な答弁を求め、質問を終わります。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) むとう議員の御質問にお答えいたします。 増田教育委員の任命の際に、配慮、条件等が何かあったのではないかと、こういう御質問です。増田委員の任命に当たって、委員会への出席等について特段の配慮や約束などはありません。委員会への出席状況ということですが、そもそも教育委員会は独立した行政委員会であり、合議制で運営されています。私が何か約束したり、配慮できることなど一切ありません。会議をいつ開くか、出席をどう確保するか、傍聴人の発言を認めるか否かなど、全て委員会の理事にゆだねられているところであります。 私と増田委員のやりとりの経過について言えば、同委員と任命に向けて話し合いをしている中で、当面のスケジュールが立て込んでいるため、定例の会議には出席できないことがあるという懸念が示されたため、私のほうから、会議に欠かさず出席することも望ましいが、それだけが教育委員の役割とは思っていない。トップアスリートとして活躍し、中教審委員などで教育関係での実績も豊富な増田さんでしかできない形で中野区の教育に新風を送り込んでいただければうれしいという、私の考えをお話ししたところであります。 増田委員は、重要な議決の会議には出席していますし、会議の議題や進捗状況なども事務局と連携して把握してくれていると聞いております。会議出席以外に、学校を訪問して中野の教育の実情を把握したり、子どもたちに話をしたり、会合に出席して保護者等とも交流しながら積極的に活動してくれており、任命した立場として私は十分に満足しております。 リーマンコントロールと言われる教育委員会制度は、さまざまな見識を持った一般の市民が政治的な影響を受けずに教育行政を運営するもので、独立した行政委員会として設置されております。委員の身分も、限られた欠格事由などによらなければ解任されない、民主的な統制を保つ方法としては有権者に選ばれている首長が、同じく有権者の代表である議会の同意を得て指名するという任命のプロセスで定められております。 また、区長部局との教育行政に関する調整、連携という意味では、これまでの予算編成等に加えて、今年度から首長が主催する総合教育会議が設置され、そこでの議論を踏まえて首長が教育大綱を策定することとなっております。議会には、区政調査権や条例制定権、予算の議決権の行使の中で関与していただいております。 中野区では、かつて存在した教育委員候補者選び区民投票の制度を廃止した経緯があります。教育委員会制度の本旨を守るということが重要という認識が、こうした到達点となっていると理解をしており、そうした歴史的経緯や教育委員会制度のあり方について十分理解していただきたいと思っております。 議会において、教育についての議論をしていただいていることは大変重要でありますし、これからも大いに議論していただきたいと思っております。しかし、いたずらに委員会運営に口出ししたり、個々の委員の活動状況をあげつらったり、委員会での発言をあげつらったりということがあるとすれば、疑問を禁じ得ないわけであります。教育委員会制度の成り立ちということを理解していただきたいと私は考えております。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 教育委員会のあり方について、傍聴者発言の復活についてです。傍聴者発言を始めた当時は、区民の意見聴取の取り組みは制度として確立していませんでしたが、現在では意見交換会、パブリックコメント手続や行政評価などの仕組みが整えられていることから、定例会終了後の傍聴者発言は行わないことといたしました。 また、学校訪問やPTAとの懇談などの機会に、児童・生徒や保護者、区民などから幅広く御意見をいただいてございます。さらに、協議テーマを設けて開催する地域での教育委員会、夜の教育委員会では、傍聴者発言の機会を確保してございます。傍聴者からの御意見は、教育委員会の開催ごとに御意見を用紙に記入して提出していただくことで意見聴取を行ってございますので、教育委員会定例会終了後の傍聴者発言の機会を復活することは考えてございません。 教科書採択に係る審議の公開です。教科書採択の審議の過程にありましては、公正を期するため、教科書採択が行われる日の前日まで非公開としております。引き続き、現在の運用に努めてまいります。 教育長の認識です。地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、教育長は教育委員会の会務を総理するとされ、代表者として議案を提出することになってございます。私の発言につきましては、審議の過程で各委員と同様に教育委員会の構成員の一人として意見を述べたものでございます。これらのことにつきましては、法律にのっとり、適切に行っているものでございます。 増田委員の活動についてです。増田委員の任命後の教育委員会は、平成27年9月14日現在、22回開催されており……。 ○議長(北原ともあき) 質問時間は終了しております。答弁は結構です。 以上でむとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 近 藤 さえ子 1 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けての取り組みについて 2 認知症対策について 3 その他
○議長(北原ともあき) 次に、近藤さえ子議員。 〔近藤さえ子議員登壇〕 ○39番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けての取り組みについて。 2020年東京オリンピック・パラリンピックをめぐっては、新国立競技場に続き五輪エンブレムも白紙撤回となり、相次ぐ税金の無駄遣いという事態に多くの国民が落胆、憤りを覚えました。開催まで5年を切った現在、オリンピック・パラリンピックに対してあまりよくないイメージが先行してしまいましたが、せっかく私たちの住む東京で行われることが決定した祭典ですので、この機会をより有効的に活用していきたいと思っております。 8月、東京都の舛添知事は、「『オリンピック憲章』は、憲章の定める権利及び自由はいかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならないとうたっており、2020年に開催されるオリンピック・パラリンピックは、社会の隅々まで人権尊重をより一層浸透させるまたとない機会ですと述べています。東京都では人権施策推進指針の見直しも15年ぶりに行いました。その新たな指針のもと、さまざまな施策を展開し、人権が尊重される『世界一の都市、東京』の実現に向けて、都民の皆様と力を合わせて取り組んでまいります」と語られました。 10月31日には、東京国際フォーラムにおいて、公益財団法人東京都人権啓発センター主催の大きな人権啓発を目的としたイベントも開かれます。人間としての存在や尊厳が尊重され、思いやりに満ちた東京を基本理念のトップに掲げた東京都の人権への取り組みがこれからスタートしていきます。子どもや高齢者に対する虐待、いじめの問題、職場でのさまざまなハラスメント、人種差別的な人権問題、インターネット上での誹謗中傷、ヘイトスピーチの問題など、複雑多様化している人権問題は、私たちの生活の中にたくさん存在しています。中野区としても、東京都の方針に従って人権施策を推進していくべきと思いますが、今後どのような取り組みをしていくのか、お答えください。 「人権啓発・教育のために東京都が特に力を入れていること」という東京都のアンケートにおいて、「学校で現代の社会における人権問題を教える」など、「人権教育を進める」項目が64.06%とトップでした。中野区でも積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 区のホームページの2020年東京オリンピック・パラリンピック競技会に向けた取り組み方針を見ると、目標とする姿には、機運醸成、健康づくり・スポーツ活動の推進、国際理解の推進、外国人観光客の受け入れ環境の整備の4点が掲げられていますが、東京都の指針に基づき、人権を尊重し、「誰もが住みたいまち中野区」を目指すことも目標に考えてみてはいかがでしょうか。 次に、認知症対策について伺います。 認知症対策について、平成25年第3回定例会、27年第1回定例会、二度の一般質問で私は認知症に関して伺いました。10年後、65歳以上の5人に1人が認知症になると推定される中、ことし2015年は認知症施策の構築にとって重要な節目の年であることを申し上げました。その中で、中野区のすこやか福祉センターの認知症に対する役割がわかりにくいこと、他区と比較して認知症コーディネーターや認知症地域支援推進員が少な過ぎることを申し上げ、すこやか福祉センターや地域包括支援センターに認知症コーディネーターを配置することを求めました。 前回の区の答弁では、本庁に他の業務と兼任の認知症コーディネーター職員を配置し、すこやか福祉センターが苦慮する困難事例への初期集中支援を中心に活動しているので、現状で十分対応できるとの見解でした。 私は、この答弁について、認知症の専門医と話しました。医師は、「中野区では、いつも一人の職員が対応しているけれど、本当に一人しか認知症コーディネーター役を担う職員はいないの」と驚いていました。「一人しかいないのであるとしたら、中野区は認知症コーディネーターという役割を誤解しているのかもしれませんね」と話されました。すこやか福祉センターで苦慮する困難な事例になる前に、早期発見・早期治療に結びつけることが認知症コーディネーターの大きな役割で、認知症本人も、家族にも、そして周囲の見守る人にも、少しでも困難な事例にならないようにするための認知症コーディネーターや認知症地域支援推進員が必要なのです。 別の認知症専門医は、前回の区の答弁を見て、「最悪だな」と言われました。「本人も家族も周囲も対応できない状態になってから、コーディネーターが入っても意味がない。これは昔のままの発想で、困ったらどこかに収容できる施設を紹介するということになってしまわないのか。今は早期発見、早期対応で病気の進行をおくらせることができることがわかっているので、医師は早期発見を、と言っているのに」。認知症は、だれでもかかる可能性のある病気であり、今の段階で完治は望めませんが、進行をおくらせることができ、本人が生きたい場所でありのままに生きることが望めるのです。だからこそ、専門医は「早期発見が大事である」と声を上げているのです。この病気の早期発見にかかわる大切な専門家として、認知症コーディネーターや認知症地域支援推進員は必要とされるはずなのです。 区は、認知症コーディネーターや認知症地域支援推進員の役割をどのように理解しているのでしょうか。現在、本庁に他の業務と兼任の職員だけの配置で、医療と介護、住民を結ぶシステムがうまくいくと考えていらっしゃるのでしょうか。 また、健康福祉審議会でも、委員から次のような意見が提示されています。認知症コーディネーターが兼任体制では、あまりにもハードワークで負担が大き過ぎるのではないか。二つの地域包括支援センターに一人の認知症コーディネーターを置き、区役所に一人、処遇困難対応をする人がいれば、認知症コーディネーターが動きやすいのではないか。認知症の早期発見とその診断が重要なので、そこに重点を置いて、シンプルな仕組みにしたほうがよい。 9月5日、区報には、認知症チェックリストを載せて、「認知症は早期の対応が大切です」と区民に呼びかけています。そこには、「かかりつけ医と地域包括支援センターに相談を」と書かれていましたが、かかりつけ医の中には、それまでの医療とは違う個別の相談に対して、関心をあまり示さない医者もいるようです。また、区報では、「支え合いを呼びかけ、皆で今後の高齢社会を支えていきましょう」と区民に呼びかけていますが、その旗振り役の行政は、早期発見・早期治療が重要である認知症対策の要となる認知症コーディネーターや認知症地域支援推進員が本庁にそれぞれ兼業で一人という、あまりにも手薄い体制で、本当に相談したい区民にはその取り組みはわかりにくいものになっています。 現在の中野区で、認知症についても地域包括支援センターが個別の相談、医療と介護の連携、地域のネットワークづくりのような役割を担っているのであれば、今後認知症疾患医療センターと区民をつなぐ役割、地域ケア会議での事例検討、地域での支援体制構築のために動ける、認知症地域支援推進員を各地域包括支援センターに配置していくべきであると考えますが、いかがでしょうか。 今後、チェックリストが区民に普及していけば、認知症の疑いのある人の医師の受診へとつながる可能性はあるでしょうが、病気の本人も家族もなかなか現状を認めたがらない、認めない、そこが認知症早期発見、早期治療の難しさがあるように思います。そこにこそ、認知症コーディネーターや認知症地域支援推進員が必要となります。今後ますます必要となる専門家、認知症コーディネーターや認知症地域支援推進員が正しく活躍できる素地を整え、認知症予防に取り組むことが自治体の役目と考えます。 最後に、チェックリスト普及後、まだ治療の必要はないとわかった区民が認知症予防の次の対策に進みたいと思っても、認知症予防の講座は用意されていません。認知症予防の講座等も開く必要もあると思いますが、いかがでしょうか。 今月、中野区のあすかクリニックが認知症疾患医療センターに認定されたと伺いました。認知症専門医は、専門医同士が連携し、対策に力を入れているとも伺っています。中野区でも医療現場は認知症対策にしっかりと動き始めています。認知症コーディネーターや認知症地域支援推進員を増員し、認知症に対する正しい理解と対応組織を持つ中野区をお願いして、私の質問は終わります。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 近藤議員の御質問にお答えいたします。 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けての取り組みについて、人権に関する取り組みであります。平成27年8月に策定された都の指針では、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会の開催を控えて、人権都市東京を内外に発信するとともに、都民の人権意識向上のための啓発を進めていくこととしているわけであります。区は、これまでも人権の尊重の理念を広く区民に定着させるため、人権擁護委員の活動をはじめ、区民への暴力防止講座の実施など啓発事業を行ってきたところであります。今後、オリンピック・パラリンピック開催を契機として、グローバルな視点から、多文化共生社会の形成が進むよう人権施策を見直してまいりたいと考えております。 オリンピック・パラリンピックの取り組み方針について、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みの中で、人権に関する領域として、健康づくり・スポーツの推進や、国際理解の推進を挙げており、その具体的な取り組みとして障害者スポーツの認知度の向上やオリンピック・パラリンピック教育推進校制度を活用した、学校での国際理解教育の充実、国際交流協会との連携による国際理解、異文化理解に対する講座の充実など、区民の人権感覚をはぐくむ取り組みが盛り込まれております。人権を尊重する目標としては、その中で対応してまいりたいと考えております。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 学校教育におけます人権教育についてです。学校におきましては、今までも人権教育の全体計画と年間計画を作成し、人権教育に取り組んできたところでございまして、今後、東京都人権施策推進指針の改定を踏まえて、引き続きさまざまな人権課題について取り組んでいく考えでございます。 〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕 ○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、認知症対策について2点の御質問にお答えをいたします。 まず、認知症コーディネーター等専門人材の配置についてでございます。現状では、区役所内に認知症支援コーディネーター、それから認知症の地域支援推進員を各1名配置をしているところでございます。 また、専門人員の配置などを含めました体制整備につきましては、認知症高齢者の増加を踏まえまして、今後、適宜適切に対応する方針に変わりはございません。 次に、認知症チェックリスト後の介護予防へのつなぎについてでございます。御指摘のとおり、予防活動につなぐことが大変重要であると考えてございます。既に介護予防事業等の中で、認知症予防に資する内容の事業も実施してきているところでございます。今後も、幅広い介護予防事業の拡充とあわせまして、区民への周知を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(北原ともあき) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後2時57分休憩
午後3時20分開議 ○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 いながき じゅん子 1 平和の森公園の再整備、新区役所・新体育館建設について 2 職員の再任用について 3 その他
○議長(北原ともあき) いながきじゅん子議員。 〔いながきじゅん子議員登壇〕 ○29番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。 初めに、新区役所建設について伺います。 ことしの5月、豊島区の新庁舎がオープンしました。同区は、厳しい財政状況の中で、新庁舎建設のための積み立て基金がゼロだったこともあり、できるだけ区財政に影響が出ないよう、現地建て替えを含めた複数の案を検討した結果、市街地再開発としての補助金の活用や、旧庁舎と公会堂の跡地を定期借地として一括でその費用を受け取るなどなど、さまざまな手法を駆使して、起債や一般財源からの持ち出しなしで新庁舎移転開設を実現したということです。 この事業内容そのものについては、さまざまな意見があるようですが、区民の財政的負担を極力抑えようという姿勢と、それを反映させた事業スキームをつくり上げ実現したことについて、中野区も大いに見習うべきだと思います。これまで複数の議員の方々からの御質問に対し、区は区役所新庁舎建設の財源は現区役所の跡地を活用して生み出すとおっしゃっていますが、それで賄い切れない場合はどうするのか、いずれにせよ、今の計画では新庁舎建設と跡地活用による収入が入るまでの間にタイムラグが生じると思いますが、その間の資金繰りはどのようにするのか、起債で賄うことになるのか、伺います。 豊島区と同様に新庁舎建設のための積み立て基金もなく、今後も駅周辺の再開発事業や区有施設の更新、高齢化に伴う社会保障費の増加等でゆとりのない財政状況が続くと予想される中、大手ディベロッパーでも非常に難しいとなかなか手を出さない玉突き連鎖型開発となる新区役所、新体育館建設については、オリンピックに合わせて最短で完成させることにこだわらず、区民の負担を少しでも減らし、他の事業に影響が出ないような資金計画をつくり、それをもとに進めていっていただきたいと考えております。 新体育館については、オリンピックに向けて区民の健康意識やスポーツ意欲を高めるという理由で、もともと単体での移転建て替え予定だったものが、体育館建設に合わせて平和の森公園全体を再整備するという大きな話に変わり、少年向けのスポーツ広場を大人用に拡充することや、陸上競技トラックを新たに整備すること、さらにはウォーキング、ジョギングロードの整備、既存の公園機能のバージョンアップ等が方針として発表されました。それぞれの整備費用や維持管理費用のほか、再整備に伴って下水道処理施設へ何らかの影響が及ぶ場合は、その分の費用も区が負担しなければならなくなる可能性もあり、国からの補助金が活用できたとしても区の持ち出し費用がどこまでふくらむのか、区の今後の財政運営にどのような影響が及ぶのか、全く不明です。 もともと多くの区民が待ち望んでおり、今後区のスポーツ施設のシンボル的な存在になることであろう新体育館の増床や設備・機能の充実は必要ですし、せっかく建て替えるのであれば中途半端なものにならないように予算をしっかり確保して事業を進めるべきだと考えております。しかし、少年向けのスポーツ広場を大人の軟式野球ができる広さに拡充すること、また、利用者が限られる可能性がある400メートルに満たない陸上用トラックを整備することについては、利用予測を見きわめた上で慎重に検討すべきではないでしょうか。今後、資材費や労務費の上昇リスクや社会情勢の変化による経済リスクもないとは言えない中、想定以上の整備費が必要となりそうな場合、もしくは緑地を大きく削らなくてはならなくなるほど公園全体のバランスに与える影響が予想以上に大きくなると判断される場合は、体育館以外のものの整備については計画規模を縮小あるいは計画そのものを見直すことも必要だと考えます。区の見解を求めます。 次に、職員の再任用について伺います。 田中区長は、これまで人事行政において職員数の削減を最重要課題として取り組まれ、当初目標としていた2,000人体制をも上回る人員削減をなさいました。今後、マイナンバー制導入や事業の委託化によってさらなる削減も見込めるとのことですが、現場の声をさまざま聞きましても、現時点ではこれ以上の削減に力を注ぐべきではなく、一つの区切りがついた今こそ、今度はその中身について改めて検証し、最小限の人員による、より効果的な区政運営、そして区民の満足度の向上へとつなげていかなければならないと考えます。 さて、公的年金の支給開始年齢が平成25年度以降、段階的に60歳から65歳へと引き上げられる中で、希望する職員は定年退職後、全員再任用するという制度が始まりました。この年金制度改正は、民間企業にももちろん適用されているわけですが、民間の場合は厳しい競争の中で社員たちは関連企業に移ったり、早期退職募集に応じたりと、60歳を迎える前に社内にいなくなるというケースが少なくありません。区役所の場合も、希望する職員に対しての早期退職制度はあるものの、ほとんどの方が正規職員として定年まで勤められるため、この再任用制度によって60歳以上の職員の方が以前より確実にふえることになると思われます。 その流れの中で、今後は現場の活力を維持しながら、ベテラン職員のこれまでの知識や経験、技術が確実に後進に継承され、その力が組織で最大限に発揮されるような配置や任用の制度を整えることが重要になってくると考えます。そのような観点から、本日は区政運営への影響力が大きいと思われる管理職の再任用について伺います。 まず、管理職の再任用の配置ルールについて伺います。 従来は、管理職の再任用においては、元管理職の方々が退職前のポストよりも低い職層で任用されていたようですが、ここ数年は退職時と同じ職層で再任用されるケースが部長級で多く見られるようになり、統一されていないようです。区では、管理職の再任用時の職層を毎回どのように決定しているのか、任用に関するルールのようなものはあるのかお示しください。 調べてみたところ、ことし4月1日現在の数字で、中野区の管理職に占める再任用職員の割合は、部長級で35.7%、統括副参事級で11.1%となっております。他区では、部長級はもちろん、中野区でいうところの統括副参事級、副参事級合わせて再任用職員の割合がゼロのところ、いる場合でも一人、二人というところもあり、この制度運用において区によってかなり幅があるのがわかりました。中野区では、今後数年間で退職年齢を迎える管理職の方が10名を超えるとのことですが、来年度以降、この割合はさらに高くなっていくのでしょうか。また、その場合は組織の活性化を阻み、硬直化を招くことにつながっていくことにはならないのでしょうか。この点について、区の見解を伺います。 総務省からの通知によりますと、この再任用制度において希望者は原則フルタイムで年金支給開始年齢に達するまで再任用するとなっていますが、同通知の中では、職員の年齢別構成の適正化を図る観点から、フルタイム職に再任用することが困難であると認められる場合、あるいは職員個別の事情を踏まえてその必要があると認められる場合には、短時間勤務での再任用ができるともしています。 中野区では、管理職以外は短時間勤務での再任用が可能となっており、そちらを選ぶ職員のほうがかなり多いのが現状です。その一方で、区では管理職以上の職層で再任用する場合は、議会対応が必須の、いわゆるライン職と言われる部下がいる立場でのフルタイム勤務しか認めておりません。しかし、体力的なものや、それぞれの立場や考え方もさまざまな中で、今後は管理職の再任用においても短時間勤務を認める、あるいはこれまでの知識や経験を今までとは別の形で生かせるようなポストでの勤務も可能とするなど、選択の幅を広げることで、個々人の意欲や能力をより引き出していくような柔軟性のある新しい制度の構築に取り組む必要があるのではないでしょうか。 管理職の方が退職前と全く同じ職層で再任用された場合、給与は以前の3分の2から4分の3に引き下げられます。その待遇で以前と同レベルのモチベーションを維持しながら管理職の重責を果たし続けることを区として求めるのも、なかなか厳しいものがあるのではないでしょうか。例えば、23区の中では、短時間勤務希望の元管理職を政務官として、フルタイムではないスタッフ職として再任用しているところがあります。具体的な手法はどのようなものであれ、再任用されたベテラン職員の方々の配置や処遇の最適化を目指し、区は改めて制度の見直しや改善に取り組んでいく必要があると考えます。 以上で私の質問を終了いたします。ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えいたします。 職員の再任用に関連する御質問です。管理職の再任用のルールについてであります。現在、中野区においては、部長級の職員が再任用する場合は、部長もしくは統括課長級の職として任用し、統括課長級及び課長級の職員が再任用する場合には、課長級での任用を行っているところであります。 管理職退職者の長年培われた知識、経験は区の財産であり、さまざまな行政課題への対応のために生かしていきたいというふうに考えております。全員参加型社会の形成あるいは定年延長といった議論も聞こえてくる、そういった中でこうした知識、経験を有する職員を区の資源として最大の効果をあらわすというための配置を行っているわけでありまして、硬直化につながるものとなってはいけないというふうに考えているところです。現在でも、再任用を希望する職員の意向を聞き取った上で、適材適所の配置を行っているところです。 今後、さらに複雑で困難な行政課題を解決していくために、再任用管理職員が知識と経験を生かして十分に力を発揮できるような、そうした任用を行いたいと考えております。 私からは以上です。 〔経営室長篠原文彦登壇〕 ○経営室長(篠原文彦) 新区役所の財源の御質問にお答えをいたします。新区役所の財源につきましては、今後の区役所・サンプラザ地区の再整備の中で、現区役所の敷地などを最大限有効活用することにより生み出してまいりたいと考えております。 また、財源の収入時期に応じまして一時的な起債なども必要な場合もあるというふうに考えているところであります。 〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕 ○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、新体育館への導入施設の精査についての御質問にお答えをいたします。新体育館につきましては、現在の機能を基本といたしまして想定しておりますが、サブアリーナの設置を検討しているほか、スムーズな移動経路の確保、バリアフリー対策等により区民がより快適にスポーツに取り組める施設として整備してまいりたいと考えております。 今後、整備構想の検討を進める中で、施設の規模や概算費用等を検討し、整備内容を定めてまいりたいと考えております。 ○議長(北原ともあき) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 石 坂 わたる 1 中野区が所有する図書の整理とレファレンス機能の向上について 2 発達障がいや高次脳機能障がいについて 3 その他 (1)改定中の新しい中野をつくる10か年計画と中野の弱み・強みの洗い出しについて (2)その他
○議長(北原ともあき) 次に、石坂わたる議員。 〔石坂わたる議員登壇〕 ○28番(石坂わたる) 質問いたします。 1、中野区が所有する図書の整理とレファレンス機能の向上について伺います。 中野区が財産として所有をしている書籍・雑誌・文献資料・公文書・歴史的価値のある史料等については、子ども教育経営分野の中央図書館・地域図書館、広報担当の区政資料センター、学校教育分野の小・中学校の学校図書館、健康・スポーツ分野の歴史民俗資料館等の資料があります。 現行の10か年計画に挙げられている小学校の図書館の地域開放型図書館化。そして、21年に区役所内で移転した区政資料センターの再拡充。さらに、区民が利用する区立図書館のレファレンス利用や小・中学生の調べ学習に対応できる、各機関の書籍や雑誌等の書誌情報の共有を考えることが必要と思われます。 歴史民俗資料館では、現在は独自に資料情報のデータ化をワードファイル形式で行っているようですが、かつてはオンラインで他機関と端末をつなげていたそうです。また、学校では、現状の図書室は図書館指導員の方などが蔵書管理をしています。 しかし、昨年2月に国立国会図書館が開始をした「書誌データ取り込み機能」は、「公共図書館、学校図書館など非営利であれば、無償で利用可能」としていて、このシステムを利用すればほぼ全ての一般書籍に付されているISBNコードの読み取り装置により蔵書データの入力の手間が大幅に省け、管理用に各書籍に貼るバーコードの作成も簡単に行い、蔵書管理ができます。 そこで伺います。まず、区の直営、業務委託、指定管理など異なる方法で、異なる部署や委託先が運営する施設間での書籍・資料に関する情報システムをつなぎ、書誌等の情報を一元管理することは技術的・制度的に可能でしょうか。 また、歴史民俗資料館にしかない史資料のデータについて、オンラインでのシステムあるいはCD-ROM等の電子媒体や冊子を用いて、区立図書館や地域開放型図書館を含む学校の図書室に情報提供することをすべきではないでしょうか。 さらに、今後の区政資料センターの拡充と、区立図書館や今後の地域開放型図書館について伺います。区政資料センターについて、将来的に現在の区政資料センターや議会の図書室の機能を合わせた以上の一定の広さとレファレンス的な機能を置くこと、そして区政資料センターにはなく、区立図書館にある資料は、区立図書館からの資料の取り寄せや、貸し出し返却ができるようにする考えはありませんでしょうか。 そして、今後の学校再編にあわせて、地域開放型学校図書館の設置や機能の拡充を進めるとともに、各図書館の書誌情報を電子化し、学校図書館や区立図書館における相互の情報共有を図ってはどうでしょうか。それから、歴史民俗資料館や区政資料センターとも連携することで、学校図書館指導員や司書によるレファレンスの機能を拡充し、区民の利用に供すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。 次に、発達障がいや高次脳機能障がいについて伺います。 学校卒業以降の年齢の発達障害者について、すこやか福祉センターが継続的にかかわっているケース数は、北部すこやか福祉センターが3件、南部すこやか福祉センターが3件、鷺宮すこやか福祉センターが2件、中部すこやか福祉センターについては0件と伺っています。学齢期に保護者の了解のもと、発達障害児として通級の情緒障害特別支援学級あるいは個別支援計画を作成して通常の学級での支援を受けているお子さんの数と比べると、その数は少ないと思われます。 障害者地域自立生活支援センター「つむぎ」で成人後の発達障害者の専門相談が始まるなど、状況は一歩一歩改善されている点はよい取り組みとして評価いたします。しかし、次の課題として、相談から先の発達障害者の居場所や就労支援の整備や状況の改善が求められます。 また、高次脳機能障害についても、「つむぎ」での専門相談が始まりましたが、やはり相談後の受け入れ先に課題があります。高次脳機能障害で身体にも障害があり、身体障害者手帳を取得した場合には、障害者会館で生活介護や自立訓練を受けられます。しかし、高次脳機能障害で身体には障害がなく、精神の障害のみの場合や、成人で知的能力の低下があった場合は精神障害者の扱いになり、区内では専門的な受け入れ可能場所がありません。都では4カ月間の「高次脳機能障害者のための社会生活評価プログラム」を行い、必要な場合には利用の更新もできますが、最終的には利用者や地域機関である区に対し評価結果を報告し、区と一緒にその後の行き先は考えることとなります。 現状の制度では、発達障害者も身体障害のない高次脳機能障害者も精神障害として、精神障害者の相談機能と日中活動の場を備えた地域生活支援センター「せせらぎ」の利用対象とはなります。しかし、現状でも区内の当事者の方や支援者の方々からは、「区内に1カ所しかなく、交通面で利用を諦めている人がいる」「施設の構造上、スペース上、全ての利用者が多くの時間を一緒に過ごすことになる。しかし、一口に精神障害と言っても、統合失調、発達障害、高次脳機能障害では必要な支援が異なり、また個々のさまざまなニーズに対応していくことも難しい」という声を聞いております。発達障害者や高次脳機能障害者への居場所の提供、必要な訓練場所、日中活動場所の確保について今後どのように取り組んでいくのか、考えをお示しください。 そして、3番のその他の中で1点伺います。現在策定中の新たな中野をつくる10か年計画と中野の弱み、強みの洗い出しについて伺います。 新・10か年計画の検討と「RESAS-地域経済分析システム-」の活用について伺います。 本年4月21日に、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局及び経済産業省は、「地域経済分析システム(RESAS(リーサス))」の提供を開始しました。このシステムは、地方自治体が作成する地方版総合戦略の策定を情報面から支援するものとされ、中野区の10か年計画作成にも資するものと思われます。このリーサスの分析からわかる自治体の弱みや強みは、基礎自治体の目で細かく見ると「本当にそうなのだろうか?」というものもあるようですので、その他の区独自の統計資料等との整合性も見ながら考えることが必要ですが、リーサスは今後の計画策定の上で重要なツールとなることが考えられます。 もちろん、国の統計も区の統計も、データをながめているだけではわからないわけですから、どうやって見て、どうやって活用していくのかが重要かと思われます。 そこで伺います。10か年計画の策定に当たり、リーサスを用いて他区との比較を含めた中野区の現状分析をしましたでしょうか。また、今後の中野区の計画作成の上で中野の弱みや強みを考慮したリーサスでのデータ分析や、その他の統計資料をどのように生かし、取り組みを進めていくのか伺います。 以上で私の全ての質問を終わります。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えいたします。 中野区が所有する図書の整理とレファレンス機能の向上についてであります。書誌や資料に関する情報システムの一元化について、運営方法や所管部署、委託先が異なる施設間においても情報システムを一元化し、共同利用することは、技術的、制度的には可能でありますが、費用対効果の検証あるいは関係者間の調整を十分行う必要があり、研究してまいりたいと思います。 それから、歴史民俗資料館所蔵資料の情報提供方法についてであります。歴史民俗資料館が所蔵する資料につきましては、区立図書館等への情報提供は可能であります。ただし、区政資料のうち、歴史民俗資料館固有の資料については整理が必要となるということであります。情報提供のスキームについては、今後の課題としてまいります。 区政資料センターのレファレンス機能についてであります。現在、区政資料センターでは、区議会資料、基本構想、基本計画、予算・決算資料、パブリックコメント資料、中野区史や区報など、基本的な区政に関する資料の閲覧ができるようになっております。それ以外の区政資料についてのお尋ねがあれば、資料を所有している分野へ御案内をしているところであります。 現状よりレファレンス機能を高めるためには、一定の広さが必要となるわけでありますので、これのほうは新区役所整備の中で検討していきたいと考えております。 なお、図書館資料の返却はブックポストで対応しているところであります。区政資料センターが図書館資料の取り寄せ業務を担う、このことについては現在は考えておりません。 それから、地域開放型学校図書館とレファレンス機能の拡充についてであります。地域開放型学校図書館を整備するに当たり、区立図書館とのシステム連携を図ることによって図書の貸し出し返却を行うほか、レファレンスの強化を図る考えであります。今後、区政資料センター及び歴史民俗資料館と相互の連携を図りながら、レファレンス機能の向上を図ってまいりたいと考えております。 それから、発達障害や高次脳機能障害についての御質問であります。発達障害や高次脳機能障害の専門相談を実施しているところであります。都の支援機関を紹介するなど、関係機関とも連携しながら、個人の状況に応じた支援を行っております。 高次脳機能障害当事者や家族の活動支援を開始したところでありまして、その活動状況も踏まえ、今後の支援のあり方についてさらに検討してまいります。 その他のところで、計画策定に当たってのリーサスなどを活用したデータ分析、強み、弱みの洗い出しについてといった御質問です。10か年計画の改定に当たりましては、人口世帯の動向や施策に係るさまざまなデータを用いて中野区の現状の把握、分析を行ってきたところであり、人口構成や人口増減、人口推計などについてはリーサスを活用して他自治体との比較も行ったところであります。政策立案をするに当たっては、地域の現状を客観的なデータにより把握することはもちろん、強み、弱みを洗い出すことも必要なことであります。今後ともリーサスを含め、さまざまな統計資料を区の政策立案、計画作成に活用していきたいと考えております。 ○議長(北原ともあき) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。
中野区議会議員 小宮山 たかし 1 児童館(U18プラザ)の適正配置について 2 防犯カメラの普及促進について 3 スポーツ公園の整備について 4 弥生町三丁目のまちづくりについて 5 その他
○議長(北原ともあき) 次に、小宮山たかし議員。 〔小宮山たかし議員登壇〕 ○18番(小宮山たかし) ただいまより小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。 これまで、中野区では1小学校区につき一つの児童館が設置され、小学生のみならず乳幼児親子の居場所、仲間づくりの場所、中高生の居場所、地域活動支援や地縁ネットワークの拠点として大きな役割を果たしてきました。現在の新しい中野をつくる10か年計画(第2次)によりますと、現在28館ある児童館は、U18プラザ9館と、そして全ての小学校に併設されるキッズプラザに再編されていくそうです。 U18の将来の配置予定を地図に落としてみますと、新井や沼袋を中心とした広い範囲においてU18の空白地帯が生まれてしまいます。また、鷺宮や白鷺を中心とする広い範囲や、区の東、西、南の端においてもU18の空白地帯が生まれてしまいます。U18は、乳幼児の親子連れが、たとえ雨の日であったとしても、ベビーカーや徒歩で気軽に通えるような立地にあることが重要です。 児童館の廃止に当たっては、これまでの児童館機能を保持し、補えるようなスペースを新たに確保していくべきではないでしょうか。とりわけ、中野駅の周辺は南北に分断されがちな区の要であります。例えば、中野区の南北のママさんたちが集まって子育て支援イベントの打ち合わせをしたいとき、無料で予約なしに使えて、子どもたちも飽きず、そしてほかの利用者の迷惑にもならない、そういった空間は児童館やU18を置いてほかにはありません。 にもかからず、現在、中野駅から気軽に歩ける範囲には児童館やU18はなく、また、それにかわる機能を果たす場所も施設もありません。新区役所の整備や区役所跡地の再開発をもにらみつつ、これまでの児童館機能を保持し、補えるようなスペースを、中でも乳幼児親子の居場所を新たに確保していくべきではないでしょうか。 先月、弥生町三丁目において、若い女性の殺人事件が発生しました。夢を抱えて上京し、縁あって中野区に住み、その夢半ばで亡くなられた女性に対し、哀悼の意を示すとともに、犯人の一刻も早い逮捕を願うものであります。 犯行現場近隣の商店街では、警察やマスコミ各社から、「防犯カメラの設置はしていないのか」という問い合わせが多数寄せられたそうです。また、近くの商業施設に設けられた民間の防犯カメラに生前の被害者の姿が記録されており、その映像はテレビでも繰り返し放送されました。 防犯カメラには、プライバシー侵害の問題があるものの、犯罪の抑止、犯人の逮捕に大きく役立つものであるということは、社会全般の共通認識となりつつあります。中野区内での防犯カメラの導入は、現在の補助制度によりある程度の普及は進んでいるものの、補助率の低い商店街単独での導入例は近年なく、区民や商店街の中には本来行政の全負担で行うべきものをどうして我々の負担で行わなければならないのかといった不満の声もあるようです。 中野区において、弥生町の事件を検証し、さらなる防犯カメラの設置促進を目指し、商店街に対する補助率の引き上げや、一部自治体で行っている維持管理コストに対する補助など、現在の補助制度のさらなる拡充を図ってはいかがでしょうか。 また、現在、北区・港区・中央区・豊島区など複数の自治体において、共同住宅への防犯カメラ設置に一部補助を出している例もあります。公道への設置と比べて優先順位や補助割合は下がるでしょうが、公道に向けたカメラのみに補助を出すなどの手法も考えられます。中野区でも参考にされてはいかがでしょうか。 次に、スポーツ公園について、他の議員の質問にもありましたので、簡潔に伺います。 区内の子どもの運動能力は、近年、東京都平均を大きく下回っております。中野区は、全国でも有数の住宅密集地帯であり、住宅事情の悪い家も多く、児童館や公園など、自宅とは別の広いスペースで体を動かせる環境を整備するべきであると私は考えております。ボール遊びが自由にできる公園をもっとふやしたり、バスケットゴールを設置したり、ボルダリング設備をつけたり、老人から子どもまでが楽しめるような各種の運動遊具をふやしたり、じゃぶじゃぶ池の開設期間延長をも含めて、区民、とりわけ子どもたちの運動能力向上に資するようなスポーツ公園を整備してはいかがでしょうか。 弥生町三丁目周辺地区の防災まちづくり、不燃化特区について伺います。 同地区においては、平成32年度を期限とする10年プロジェクトを進めております。木密地域不燃化10年プロジェクトも残り5年半。そろそろ折り返し地点を迎えるわけでありますが、まち並みの変化はほとんど見受けられません。家や建物というものは、一朝一夕に建つものではありませんから、そろそろ何らかの変化が目に見えてきてもいい時期なのではないかと私は考えています。この10年プロジェクトは、本当にスケジュールどおり進行しているのでしょうか。また、地区の防災性をより高めるために、10年プロジェクトの完了後もさらに防災まちづくりを進めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。 以上で私の一般質問を終わりにします。御静聴ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 小宮山議員の御質問にお答えいたします。 児童館、U18プラザの適正配置についての御質問です。地域における子育て支援拠点の整備についてであります。U18プラザについてでありますが、必ずしも各中学校区に一つずつといった考え方ではなく、全区的な施設としての配置をこれまで考えておりました。今後のU18プラザのあり方について、現在検討を行っているところであります。 小学生の放課後の活動拠点については、キッズプラザとして全ての小学校内に整備をすることとしております。 乳幼児や保護者の交流、子育て支援のための地域子育て支援拠点については、すこやか福祉センターの圏域ごとに適正な配置を行っていく考えであります。 防犯カメラの普及促進について、補助拡充についてであります。防犯カメラ等の防犯設備の設置については、地域団体が行う防犯のための見守り活動を支援するための補助制度と、商店街等が防犯設備を整備して当該地域の防犯対策の向上を図ることを支援するための補助制度の二つの制度があり、それぞれ目的に応じて補助率を定めており、現行の補助率を変更する考えはありません。 また、この事業は防犯カメラ等の防犯設備を整備するための補助制度と考えております。維持経費までを補助するということは考えておりません。 それから、共同住宅の防犯カメラ設置に対する補助についてであります。ここ数年、幾つかの区で共同住宅における防犯カメラ設置等に係る補助制度を始めたということは承知をしておりますが、共同住宅などの私有地内については、それぞれの管理者において設置するべきであり、現段階ではそうした補助について行う考えは持っておりません。 私からは以上です。 〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕 ○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、スポーツ公園の整備についての御質問にまずお答えします。 ボール遊びが自由にできる公園やバスケットゴールの設置などにつきましては、その利用のあり方や仕組みづくりなど、スポーツ健康増進機能を持たせた公園の整備を検討してまいります。 続きまして、弥生町三丁目のまちづくりについてでございます。弥生町三丁目周辺地区の防災まちづくりにつきましては、区はURと共同して都営川島町アパート跡地を取得し、周辺避難道路の用地買収や代替地整備等に着手しております。また、不燃化特区による老朽住宅の建てかえ支援も行っており、目標達成に向け事業を着実に推進しているところでございます。 今後、地区計画を定めていきたいと考えており、これに基づき、不燃化特区の期限後も防災まちづくりを継続的に進めていく予定でございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 渡 辺 たけし 1 生活保護ホットラインについて 2 地方創生に伴う高齢者移住施策について 3 その他
○議長(北原ともあき) 次に、渡辺たけし議員。 〔渡辺たけし議員登壇〕 ○7番(渡辺たけし) 維新の党の渡辺たけしです。質問内容は通告のとおりでございます。その他の項目はございません。 質問に先立ちまして、今回の台風18号により被害に遭われ、犠牲になられた方々へ謹んで哀悼の意を表します。また、現在行方不明になられている方々の一刻も早い救助を祈念するとともに、床上・床下浸水など、家屋等に損壊などの被害を受けられた多くの皆様に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。 また、今回の災害に当たり、命をかけて救助活動を行った災害救助隊、自衛隊の皆様におかれましては、この場をおかりして改めて感謝と敬意の念を表したいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。前回の一般質問の際に、生活保護不正受給者の取り締まりを目的とした「生活保護ホットライン」の導入を提案したところ、田中大輔区長から「なかなか例のないというところもあり、まずは他の自治体での実施状況の把握など、調査に努めていきたい、このように思います」と、導入に向けて前向きな御答弁をいただきました。 このたび、私のほうで先進事例を調査し、改めて中野区へ導入した際の効果について検証、考察を行いました。その結果を踏まえ、導入可否について区の見解を伺いたいと思います。 現在、「生活保護ホットライン」を導入している自治体は、全国で12カ所あり、これら全ての自治体で不正受給者摘発の効果が上がっております。同時に、本当に生活保護を必要としている生活困窮者の情報も取得できており、生活保護制度の適正化への貢献が数値の裏付けとともに実証されております。最近の報道で、生活保護受給者数が過去最多を更新したと発表されましたが、私が調査した範囲では、「生活保護ホットライン」を導入している自治体の幾つかは生活保護受給率や受給相談数が減少しております。 その中の一つである、大阪府門真市では、「受給率が減ったのは、ホットライン設置だけが理由ではなく、就業支援事業も含め、複合的な取り組みが受給率低下の要因になっているのではないか」との回答を市担当者よりいただいています。つまり、自治体独自の制度適正化に対する真摯な取り組みが、受給率低下という成果につながり、中野区においても同様の可能性を秘めている、このように考えることができるのではないでしょうか。 また、大阪府守口市では、ホットライン導入前は年間で30件程度の生活保護に関する問い合わせがあったものの、不正受給につながった情報はほぼゼロであったとのことでした。ところが、ホットライン導入後は年間で139件の情報が寄せられ、そこから不正受給が発覚し、廃止となったケースが12件出ております。 大阪府枚方市でも、平成25年には年間で227件の情報が寄せられ、そのうち78条適用による返還が18件、廃止が22件という成果を上げております。 そのほか、ホットライン設置時に警察OBの人員配置を行った各自治体の担当者からは、「警察OBの力をかりることでケースワーカーの負担が減る、役割分担をすることで業務効率がよくなった、チームで受給者を支援するという形ができて、精神的負担も減り、働きやすい職場づくりにもつながった」との話を伺うことができました。 前回の一般質問で申し上げたとおり、生活保護ホットラインの最大の目的は不正受給を抑止することであります。中野区は、生活保護制度を適正に運用するための努力を惜しまない、不正をただして、生活保護制度を必要としている方のみへ制度を有効に活用してもらう、そのための施策として「生活保護ホットライン」を区独自で設置することが制度への信頼を取り戻す第一歩である、私はそのように確信をしております。 ホットラインの設置は、電話回線1本引くだけで予算は特に必要ありません。先進事例を見ると、京都市では「適正給付推進ダイヤル」という名前でホットラインを導入しておりますが、平成24年度の導入時から現在に至るまで、入電された取得情報のうち約2割が不正受給改善の情報につながっております。この実績を中野区に単純に当てはめることはできませんが、電話1本引くだけで支払う必要のない税金の流出を阻止することができるのかもしれません。 そこで、さきの一般質問の区長答弁にもありましたが、中野区として他の自治体における先進事例を調査した結果、現在、生活保護ホットラインの導入をどのように考えているのか、見解を伺いたいと思います。実施を前提とした前向きな御答弁をお願いいたします。 次に、地方創生に伴う高齢者移住施策について御質問します。 総務大臣、岩手県知事などを歴任された増田寛也氏が書かれた「地方消滅」という本が大変話題になっております。これは、将来的に日本の人口が地方で大幅に減少し、東京などの大都市へ一極集中するという日本の未来予想図を人口データをもとに導き出したものであり、ことし行われた地方創生会議でも同様の議論が行われております。 中野区では、深刻な人口減少は当面考えられませんが、現役世代の減少による地域経済の地盤沈下や税収減、高齢者の増加による医療費や社会保障費の増大など、超高齢社会への対応が大きな行政課題となっております。 現在、中野区では、地域支えあいネットワークなどを通してひとり暮らしの高齢者の安否確認を行っておりますが、地域社会の担い手が減る一方で高齢者が増え、町会、自治会への負担がますます大きくなっており、今後、見守り件数がふえていくことが予測され、制度自体が立ち行かなくなることも懸念されています。 このような現状への解決策の一つとして、豊島区や杉並区では地方都市へ特別養護老人ホームをつくる計画が既に発表されています。これらは、区にとっては特養ホームへの入居待ちの解消、地方にとってはベッド数100床以上の大規模特養の建設、雇用の確保、医療機関の誘致など、双方にとって大きなメリットのある施策として注目を集めております。一方で「現代の姥捨山ではないか」との批判もあり、慎重な議論は必要ですが、行政としては今後検討すべき課題になるのではないでしょうか。 昨年の内閣官房による意向調査によると、東京都在住者のうち、地方へ移住する予定または移住を検討したいと考えている人は、60代では男性36.7%、女性28.3%、50代になりますと男性50.8%、女性34.2%に上っています。こうした高齢者においては、高齢期を「第二の人生」と位置付け、都会から地方へ移住し、これまでと同様、あるいはこれまで以上に健康でアクティブな生活を送りたいという希望を強く持たれています。 そこで伺います。日本版CCRC構想有識者会議では、こうした大都市の高齢者の希望を実現する取り組みとして「日本版CCRC」を提言していますが、私は中野区でも将来を見据えた中野区版CCRCを検討すべき時期に来ているのではないかと考えております。区の見解を伺います。 現在、日本の平均寿命は80歳を超えており、一昔前の人生60年から、今後は人生90年のライフプランを立てる時代になっております。その中で、天寿を全うするまで五体満足で健康を維持している方の割合は全体の1割であり、社会保障費を軽減させるためにも、この健康寿命を維持する人の割合をどれだけふやしていくかが今後の課題となるのではないでしょうか。 石川県にある「シェア金沢」は、高齢者が多様な世代と交流できる仕組みをつくり、明るいシニアライフを具現化している優良事例として国から紹介されています。健康なお年寄りとともに障害児を預かっており、金沢大学の学生も下宿生として同居し、そのほか、学童保育の運営や産前産後のマタニティケアを行うなど、老若男女を問わず多くの世代の方々が施設を訪れ、入居されているお年寄りと日々交流を深めております。 コンパクトシティのようなコミュニティ施設を中野区が地方へつくり、高齢者が自立して生活できるうちに入居して、社会活動に参加し、介護が必要になった場合も医療を受けながら暮らし続ける場所を提供することで、多様な選択肢が与えられ、明るいシニアライフを喚起させる。地方との連携強化が、これから迎える超高齢社会を乗り越えていく一つの突破口になるのではないでしょうか。 また、今までの介護施設は、要介護度が高ければ高いほど、薬の量が多ければ多いほど、利益が生まれる経営状況となっております。誤解を恐れず言わせてもらうならば、施設利用者の方の体調が悪くなければなるほど、経営状況がよくなっていくという仕組みになっており、このような状況が社会保障費の増大を招いている一因と言われております。 これからは、健康寿命をいかに延ばすかをテーマに、緑と温泉に囲まれた自然の中で多くの世代との交流ができる施設をつくり、日中は認知症予防や体力づくりのため、生涯学習などの勉強や農業などの仕事に勤しみ、夜は日々温泉に入って一日の疲れを癒す、こうした健康寿命を延ばすことを目的とした運営、そして利用者の方たちが健康であればあるほど、経営状況がよくなるという施設を中野区でもつくり、これから訪れる超高齢社会に立ち向かってみてはいかがでしょうか。区の見解をお伺いしまして、私の全ての質問を終わります。御静聴ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 渡辺議員の御質問にお答えいたします。 生活保護ホットラインについて、この生活保護ホットラインの導入自治体の調査を区でも行いました。一部で生活保護の停止や廃止に至るなど、取り組みの効果が認められる自治体があったところです。今後は、区としてもそうしたそれぞれの自治体の違いであるとか地域事情なども含め、効果のあり方、こういったことをさまざまな要素を勘案しながら検討していきたいというふうに考えております。 それから、高齢者移住施策についてであります。希望する高齢者が健康時から移住し、自立した社会生活を継続的に営める地域共同体である、いわゆるCCRC、日本版のCCRC構想といったことも提唱されています。これは、地方と都市の住民双方にとってよりよい暮らしの実現につながる可能性があると考えておりますが、幅広い住民同士の具体的な交流や、あるいは生活文化的な親和性が基盤にならないと実現できないというふうに考えております。現在行っている連携都市との交流を基礎に、可能性を見出していけるか検討してまいりたいと考えております。 ○議長(北原ともあき) 以上で渡辺たけし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 内 野 大三郎 1 中野二丁目・三丁目地区再開発の進捗とその展望について 2 中野駅南口周辺のネズミ対策について 3 区内駅周辺のバリアフリーについて 4 その他
○議長(北原ともあき) 次に、内野大三郎議員。 〔内野大三郎議員登壇〕 ○8番(内野大三郎) 平成27年第3回定例会に当たり、日本の文化と伝統を守る無所属議員の立場として一般質問をさせていただきます。質問通告でお示ししたとおり、三つの質問をさせていただきます。その他の項目はございません。 初めに、今月11日で東日本大震災から4年半が経過をいたしました。改めて震災で亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、今なお被災地において震災前の生活に戻れない被災者の方々にお見舞いを申し上げます。 また、台風18号とその後の豪雨被害により鬼怒川が決壊し、浸水被害に遭われ、お亡くなりになった方と多くの被災者の方々に重ねてお見舞い申し上げます。 初めに、1、中野二丁目・三丁目地区再開発の進捗とその展望についてです。 この中野区においては、再開発の話題に事欠かず、さまざまな事業が同時並行して進められ、新たな開発のうわさが飛び交う毎日であります。そんな中、中野二丁目地区再開発の都市計画決定が本年3月になされ、計画概要が徐々に明らかになってまいりました。北口のセントラルパークには、世界的に名のある企業が入居し、中野のブランドイメージを大きく高めてくれたものと思っています。南口にも同様の、地元の企業価値を争うようなテナントが入居することを願ってやみません。 中野二丁目地区再開発は、区も組合員になっている準備組合が組合認可を受け施行することとなっています。そこで、この事業の進捗状況と今後の予定について伺います。既に本定例会中に多くの先輩議員の皆様から御指摘がありましたが、重ねてお伺いいたします。 また、西側南北通路は、平成32年の完成を目指すと発表されていますが、その受け口となる南側の駅前広場は、中野三丁目土地区画整理事業で整備することとなっています。この駅前広場ができないと、南北通路ができても南側には行けないということにもなりかねません。駅前広場の完成はいつか、お尋ねいたします。 さらに、中野三丁目土地区画整理事業は、独立行政法人都市再生機構が施行することとなっています。こうした中、まちづくりが独立行政法人都市再生機構任せになっていてはまずいと思います。南北通路も含め、中野三丁目エリアのまちづくりにおける区の役割に期待するとともに、このまちづくりの方針を区としてお示しいただければ幸いです。 次に、中野駅南口周辺のネズミ対策についてです。 私は、中野駅南口からZEROホールに向かう途中の坂道で、ことしの春先に何度もネズミの轢死処理の通報をいたしました。周囲をよく見ますと、坂道の線路側の街路樹あたりに多数のネズミ穴があります。また、先日惜しまれつつ閉店した、1階におそば屋さん、地下に喫茶店の入ったビルの交番側の基礎部分にもネズミ穴を見ることができました。京王バスの定期券売り場あたりに駅のごみを仮置きするフェンスがあり、その中の生ごみを目指してでしょうか、15センチから20センチ級の大型のネズミが毎日走り回っていました。夜中に車にひかれたネズミの亡骸が道路に残ったままになっていることが多々ありました。 この通りは、区有施設であるZEROホールに向けての一本道で、区内外から老若男女の偏りなく大変多くの方が歩かれる道です。中野ZEROホールは、かつて中野公会堂のあった場所で、サンプラザに並び称される中野のシンボル的な存在であった場所でもあり、区の顔とも言われるこの一本道の入口がこのような状態では、イメージダウンにつながりかねません。 また、先ほども触れましたが、中野二丁目再開発において老朽化した旧都営住宅を取り壊すとなると、ますますネズミの行き場が失われ、千光前通りの裏側に位置する閑静な住宅街にも移動して生息する可能性も高くなります。 そこで、保健所としてどの程度このような苦情通報が届いているのか、また、それに対してどのような対策を行っているのかお尋ねします。さらに、今後衛生的なまちを目指して、どのようにネズミ対策を行っていただけるのか、あわせてお答えいただきたくお願いします。 最後に、区内駅周辺のバリアフリーについてです。 中野区は、本年4月に中野区バリアフリー基本構想を改定しました。この改定は、平成18年に成立した国の高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、通称バリアフリー法の基本構想として、平成17年に区で策定した中野区交通バリアフリー整備構想を発展的に見直し、改定したものであると認識しています。この中には、昨年6月、7月にまち歩き点検を実施し、区民の意見を取り入れる工夫もあり、かなり時間と手間ひまをかけて策定されたものと思います。 しかし、こうした専門的な視点や現場の視点では気づかない点が二つありました。一つは、区役所本庁舎が車椅子利用者にとって非常に不便であることです。本年7月3日の区役所及び体育館整備調査特別委員会でも説明があったようですが、車椅子での来庁者にとって対応トイレが極めて少ないのが現状であります。職員の中にも車椅子利用者が何人もおり、1、2階にある誰でもトイレは来庁者が利用することが多いため、職員はもっぱら7階のトイレを利用しているようです。ただ、エレベーターでの移動となりますので時間がかかる上に、既に利用者がいればさらに待つ時間も加わります。健常な職員も、いつどのようなきっかけで障害を持ち、車椅子利用者になるかわかりません。新庁舎になれば、これらはかなり改善されるのは当然ですが、新庁舎の完成までには時間がかかることから、その間、区ではどのような対応を考えているのか、お尋ねします。 もう一つは、私が日々実感しているところでありますが、駅頭などで街頭演説をしていると、お年寄りや子ども連れの親御さんが車椅子やベビーカーのタイヤを歩道と車道とのわずか三、四センチの段差にぶつけて、横断歩道を渡り切ろうとする最後の瞬間に突然立ちどまることがあります。歩行者が渡り切るだろうという予測のもと、運転手がアクセルを踏み込んでしまえば、当然事故につながります。この横断歩道と車道とのわずかな段差を、中野区内の全ての道で解消することは難しいとしても、交通量の多く、また人の集まる駅周辺だけでも試験的に実施をしていただきたくお願い申し上げます。 中野区交通バリアフリー整備構想には、特定事業の設定として歩道の段差、勾配の改善を地区ごとに設定していますが、まずは区内、駅出口周辺の半径100メートル程度の道路段差を特定し、試験実施に踏み込んでいただき、また整備の実施予定時期も場所によって32年度を目標にしていたり、機会をとらえて実施としていたりしていますが、この段差勾配の改善は場所を絞って集中的に実施をしていただきたくお願いいたします。数カ所の試験的実施の可否と、その結果によって区内の駅周辺を順次拡大していただけるかどうか、お尋ねします。 以上で私の質問を終了します。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 内野議員の御質問にお答えいたします。 中野二丁目、三丁目地区再開発の進捗とその展望についてであります。まず、中野二丁目再開発について、中野二丁目は土地区画整理事業と市街地再開発事業の一体的施行として事業を進めることとしており、既に平成27年3月に都市計画決定されました。土地区画整理組合及び市街地再開発組合による施行として、それぞれ既に準備組合が設立されております。土地区画整理事業については、平成27年度、今年度末までに土地区画整理組合設立の認可を得て事業化する予定であり、市街地再開発事業は平成28年度に市街地再開発組合設立の認可を受けて事業化する予定となっております。事業化後、東京都住宅供給公社の住宅の建てかえや再開発ビルの建設に着手をする予定となっております。 中野駅西口駅前広場の完成予定であります。三丁目側の西側、南北通路の南側受け口となる中野駅西口駅前広場は、中野三丁目土地区画整理事業で整備することとなっております。この土地区画整理事業は、本年7月に国土交通省から事業認可を受け、既に事業化しております。中野駅西口広場については、西側南北通路にあわせて平成32年までに完成する予定となっております。 中野三丁目エリアのまちづくり方針であります。都市再生機構任せになってしまってはいけない、適切な区としての管理を行ってまいります。グランドデザインバージョン3では、中野三丁目地区は文化的なにぎわいと暮らしの調和を掲げております。具体的な整備方針として、中野駅西側橋上駅舎南北通路につながる駅前広場と住宅地とを結びつける文化的なにぎわいのまち並みを整備、誘導することとしているところであります。 それから、中野駅南口周辺のネズミ対策についてであります。平成26年度に保健所に寄せられたネズミの相談は180件でありました。ネズミは、カラスやハクビシンと異なり、鳥獣保護法の適用除外であります。捕獲処分を、許可を要せずに、各家庭、事業者の自主防除が可能であります。このため、区では通常ネズミの習性に基づいた効果的な防除方法の説明や殺鼠剤等のサンプルを提供しております。さらに、要望があればネズミの駆除や、ネズミが侵入する穴をふさぐ工事を行う専門事業者を案内しているところであります。 千光前通りのネズミの巣と見られる穴については、区道の管理範囲内の問題であるので、現場を早急に調査し、区として防除策を講じてまいります。 ネズミの害から区民の生活衛生環境を守るためには、それぞれの家庭や事業者等における自主防除が何より大切であります。区民等の生活衛生環境を確保していくため、ネズミの害や防除の必要性、また具体的な防除の方法について広く普及、啓発に努めてまいりたいと考えております。 私からは以上です。 〔経営室長篠原文彦登壇〕 ○経営室長(篠原文彦) 車椅子対応トイレの御質問にお答えをいたします。本庁舎内での車椅子対応トイレにつきましては、給配水管の関係で設置できる場所が限られておりまして、現在1階、2階、7階の3カ所に設置している状況であります。 新庁舎整備までの間につきましては、これ以上現庁舎内での対応は困難であると考えているところでございます。 〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕 ○都市基盤部長(尾﨑孝) 歩道、車道の段差解消についての御質問にお答えをいたします。横断歩道に接続する歩道等の端部の段差につきましては、視覚障害者が歩車道境界を識別するために必要なものとして、2センチメートルを基準とすることが国から示されております。区内各駅周辺の歩行者空間の整備に当たりましては、この基準を基本としながら、関係者の意見や要望等を踏まえ、対応策も含めて検討していきたいと考えております。 ○議長(北原ともあき) 以上で内野大三郎議員の質問は終わります。
中野区議会議員 細 野 かよこ 1 中野区の「介護予防・日常生活支援総合事業」について 2 その他
○議長(北原ともあき) 次に、細野かよこ議員。 〔細野かよこ議員登壇〕 ○17番(細野かよこ) 市民自治を広げる中野・生活者ネットワークの立場から、「中野区における、介護予防・日常生活支援総合事業」について一般質問いたします。 介護保険制度は、介護の社会化と、地域で尊厳を持ってその人らしく暮らすための仕組みとして、2000年にスタートしました。2005年には地域支援事業が創設され、予防重視型システムへと転換、2006年に介護予防制度が導入されたことが今回の介護予防事業の流れにつながっています。 その後、2014年6月に成立した「地域医療・介護総合確保推進法」により、地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化が目指され、全国一律の給付事業であった「予防訪問介護」と「予防通所介護」が、区市町村が取り組む地域支援事業に移行、また、一定以上所得者の負担割合の引き上げ、小規模の通所介護事業所等の指定権限を区市町村に移行するなど、介護保険制度は大きく変わることになります。 中でも、基礎自治体にとって大きく変わるのは、予防訪問介護と予防通所介護です。これまで給付事業であったものが、自治体の裁量でサービスや料金が決められることになり、地域の実情に応じたサービスが期待される一方で、地域によっては社会資源に差があることから、自治体格差を危惧する声が上がっています。早いところでは、ことしの4月から取り組みが始まっていますが、当区においては来年4月から開始する予定で準備が進められています。 そこで、中野区が新しい総合事業の姿をどのように描き、どのように取り組んでいかれるのか、介護の現場で働く方たちからの訴えも含めて伺ってまいります。 まず、本年3月に策定された「第6期中野区介護保険事業計画」についてお尋ねします。 この事業計画は、ことし4月から2017年度までの事業計画ですが、今期の事業計画の特徴は何か、伺います。 次に、来年4月から始まる新しい総合事業に向けた進捗状況について、3点伺います。 田中区長は、第2回定例会行政報告の中で、「地域で誰もが安心して暮らし続けられる支えあいの地域社会づくりを進めることも極めて重要な課題」であり、「健康づくりや地域活動への参加など地域ごとの仕組みを強化し、中野区ならではの地域包括ケアシステムを構築していかなければなりません」と、中野の実情に合った地域包括ケアの仕組みの実現を述べておられます。 幅広い世代の参加で支え合いの仕組みをつくる地域包括ケアシステムは、言いかえるなら「地域づくり」でもあり、地域の範囲をどう設定するかは構想の根幹をなすものだと考えます。国は、その範囲を「中学校区」としています。私どもも高齢者が歩いていける範囲は「中学校区」が妥当と考えるところですが、地域包括ケアシステム構築における「地域」の大きさ、範囲についての区の考え方をお示しください。 また、介護の現場を担っている方たちからは、給付事業外になることで予算が削られていき、事業の継続が難しくなるのではないかという不安の声が上がっています。私どもが聞き取った事業者の中に、来年度から新規の要支援1、2の受け入れ中止を検討しているというところがありました。来年4月の新しい総合事業スタート後も現在のサービス量が確保されるのかどうかを把握することが重要です。事業者に「要支援1、2」の受け入れについて聞き取るなどの調査が必要と考えますが、どのようにお考えでしょうか。区の見解を伺います。 この項の最後です。さまざまな課題の発見と解決、地域ネットワークの強化の役割を担う「地域ケア会議」が開催されたと伺いました。現時点で区がとらえている課題があればお示しください。 次に、新しい総合事業のサービスと担い手について、3点お尋ねします。 区は、第6期介護保険事業計画の中で、「新しい総合事業」の基本的な考え方として、現行のサービスに加え「緩和した基準によるサービスの整備」を挙げていますが、サービス基準の緩和によって在宅継続や重度化の予防といった利用者へのサービスの質を低下させてはならないと思います。 そこで伺います。緩和されるサービスについて区の考え方をお示しください。 新しい総合事業では、生活支援サービスの充実や介護予防の体制を整えるために、元気な高齢者も含めた地域のボランティアなど、多様な担い手による多様なサービスが目指されています。給付抑制のための安易なボランティア論は問題外ですが、私どももNPOやボランティア団体、市民グループなどが開催している居場所づくりなどは重要な社会資源であるととらえています。 事業のスタートまであと半年。こうした地域の資源を事業開始と同時に活用していけるよう、どのような団体が区内にどれくらいあり、どんな活動を行っているのか実態を把握し、新しい総合事業を円滑に導入していくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。伺います。 現在「要支援1」の認定を受け、訪問介護サービスを受けている方から、最近こんなお話をお聞きしました。ヘルパーさんから、「サービスの提供を12月いっぱいまでしかできない」と言われたというのです。これまで受けていたサービスが来年度からも同じように受けられるのか、料金はどうなるのかととても心配されておられます。こうした疑問や不安を抱える利用者や事業者をはじめ、広く区民の方々に対し、制度改正の概要と区が描いている支え合いの地域包括ケアシステムの構想を見える形で発信することが必要だと考えます。周知についての考え方と予定をお示しください。 最後の項目、「生活支援コーディネーター」と「協議体」について伺います。 新しい総合事業では、地域支え合い推進員である「生活支援コーディネーター」の配置と「協議体」の設置が求められています。 まず、「生活支援コーディネーター」についてです。私どもはこの役割を、地域資源を活用して担い手づくり、地域づくりにつなげていくものだととらえ、この視点から、杓子定規な「資格」ではなく、地域に根差した非営利の市民事業や新たな人材発掘の視点を持った人材が求められると考えています。まず、区として、生活支援コーディネーターの役割と資格をどのように考えていらっしゃるのか伺います。 次に、ガイドラインでは、生活支援コーディネーターの配置について、区市町村地域を第1層とし、第2層の中学校区域で具体的な活動を展開すると提示されています。当区における生活支援コーディネーター配置についての考え方と予定をお尋ねします。 最後に、「協議体」について伺います。「協議体」は、多様な関係主体間の定期的な情報共有及び連携・協働による取り組みを推進するために設置されるもので、設置主体としては既存の枠組みを活用することも可能とされています。「協議体」の設置についての考え方と設置の時期を伺います。 以上、介護予防・日常生活支援総合事業の取り組みについて伺ってまいりました。介護保険制度の創設から15年。この制度は、その時々において見直しがなされ、改正されてきましたが、本来の見直しの視点は「サービスを必要とする人にきちんとサービスが届いているか」であるべきで、財源による見直しが中心になっている現状は問題だと考えるところです。 新しい総合事業において、全国一律の予防給付を区市町村が取り組む地域支援事業へ移行するためには、地域のフォーマル、インフォーマルの活動をどう組み合わせるのか、まさに地域福祉の「自治」が問われることになります。来年4月にスタートする「新しい総合事業」。中野区らしい支え合いの仕組みになるよう、私どもも一緒に汗をかく覚悟であることを申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 細野議員の御質問にお答えいたします。 中野区の「介護予防・日常生活支援総合事業」についてであります。第6期中野区介護保険事業計画について、新しい総合事業の準備状況について、個別施策全体にまたがる計画の理念、基本目標として、中野区が目指す包括的な地域ケアの将来像を描き、全ての区民を対象とする地域包括ケアシステムの推進を目指しているところです。中野区では、従来からすこやか福祉センターを日常生活圏域と設定をいたしまして、包括ケアに取り組んでいるところであります。 新しい総合事業開始後のサービス量の確保について。区では、新しい介護予防・日常生活支援総合事業の実施に向けて、中野区内の介護保険事業者に対する説明会の開催を予定しており、その中で事業者の意向等についても把握をしていきたいと考えております。 総合事業開始に当たっての課題であります。さまざまなサービス提供主体の活動と地域の見守り活動との連携が前提となる地域包括ケアでは、あるべき姿や目標を関係団体や機関が共有し、それぞれの役割に従って行動することが必要となってまいります。そのため、地域ケア会議では地域包括ケア推進プラン、これを策定し、目標等の共有化をしていくこととしたところであります。 私からは以上です。 〔区民サービス管理部長白土純登壇〕 ○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、新しい総合事業のサービスの担い手についての御質問のうち、緩和したサービスの基準等の考え方についてお答えをいたします。緩和した基準によるサービスについては、要支援1、2の方の介護サービスの利用実態を踏まえ、介護事業者にもヒアリングをしながら、介護サービスに従事する職員の資格要件の緩和の基準やサービス内容の変更、利用定員の拡大などについて検討しているところでございます。 今後、サービスの水準を維持しながら、多様な主体による柔軟な取り組みにより効率的、効果的なサービスが提供できるよう検討してまいります。 〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕 ○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは2点、まず、多様な担い手の実態の把握という御質問です。区内のボランティア活動、あるいはNPO等の公益活動につきましては、中野区と中野区社会福祉協議会が団体等の立ち上げ支援、あるいは相互交流会を実施するといったような中で、必要な情報の把握に努めているところでございます。 それから、生活支援コーディネーターと協議体という御質問でございました。国がガイドラインで示している生活支援コーディネーターの役割は、地域の福祉課題の解決のために地域資源を開発し、その活動を支援するものでございます。地域包括ケア体制の構築に当たりましては、さまざまな社会資源の開発や育成が不可欠でございます。区としましても、生活支援コーディネーターの配置や協議体のあり方について検討しているところでございます。 〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕 ○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、制度改正の概要と区が描く地域包括ケアシステムの区民への周知についての御質問にお答えをいたします。地域包括ケアシステムに関する個々の取り組みにつきましては、既に区民に対する周知を行ってきておりますが、新しい総合事業については具体的な取り組みを決定次第、区報、ホームページ、介護保険だよりなど多様な方法により広報していく考えでございます。 全ての世代が支え合う中野区が描く地域包括ケアシステムの構想につきましては、幅広い区民の参加する地域活動の場など、さまざまな機会をとらえて理解を広げてまいりたいと考えております。 なお、制度改正でサービス移行の対象となる区民の方へは、個別にお知らせを送付したり、事業者へは意見交換会や説明会を開催するなど、きめ細やかに情報を提供して周知を進めていく考えでございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で細野かよこ議員の質問は終わります。 以上をもって質問は終了いたしました。 これより日程に入ります。 ───────────────────────────── 第75号議案 中野区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
○議長(北原ともあき) 日程第1、第75号議案、中野区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例を議題に供します。 平成27年(2015年)9月10日
中野区議会議長 殿
総務委員長 若林 しげお (公印省略) 議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後4時43分休憩
午後6時00分開議 ○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第4、第68号議案、平成27年度中野区一般会計補正予算を先議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ───────────────────────────── 第68号議案 平成27年度中野区一般会計補正予算 (委員長報告)
○議長(北原ともあき) 日程第4、第68号議案、平成27年度中野区一般会計補正予算を議題に供します。
平成27年(2015年)9月14日
中野区議会議長 殿
総務委員長 若林 しげお (公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
(第68号議案についての付帯意見) ○ 妊娠・出産・子育てトータルケア事業の趣旨は理解するところではあるが、相談・支援の動機付けのためのギフト券については、利用者の視点に立ち、内容の充実に努めること。
○議長(北原ともあき) 総務委員会の審査の報告を求めます。若林しげお総務委員長。 〔[2]若林しげお議員登壇 〕 ○2番(若林しげお) ただいま議題に供されました第68号議案、平成27年度中野区一般会計補正予算に関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本議案は、歳入歳出にそれぞれ41億5,028万8,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計金額は、1,382億8,809万8,000円となります。 この補正の歳出予算の内容としましては、地域ケア費では、妊娠・出産・子育てのトータルケア事業を拡充するための経費及び学童クラブ待機児童対策としての経費、戸籍住民費では、通知カード及び個人番号カード関連事務の一部を地方公共団体情報システム機構に委任することに伴う負担額、諸支出金では、財政調整基金積立金を追加計上するものです。 歳入予算としましては、国庫支出金、都支出金及び繰越金を追加計上する一方、繰入金を減額するものです。このほか、繰越明許費の補正を行うものです。 本議案は、9月10日の本会議において当委員会に付託され、9月10日及び14日に審査を行いました。まず、審査の進め方として、本議案を議題に供した後、理事者からの補足説明を受け、その後、質疑を行いました。その主な質疑内容を紹介します。 初めに、地域支えあい推進費中、妊娠・出産・子育てトータルケア事業につきましては、対象者の受け付け方法やこの事業内容に対する予算担当の対応について、学童クラブの待機児童対策につきましては、来年度の対応についてなどの質疑がありました。 次に、区民サービス管理費中、社会保障・税番号制度の導入に伴う通知カード及び個人番号カードの交付事務につきましては、交付方法、職員体制についてなどの質疑がありました。 次に、繰越明許費につきましては、第三中学校・第十中学校統合新校校舎の検討経過についてなどの質疑がありました。 以上が主な質疑内容です。 その後、委員会を休憩し取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。 次に、意見の開陳を求めましたが、意見がなく、意見の開陳を終結しました。 次に、討論を求めたところ、1名の委員が、本議案に反対する立場から、個人番号通知・カードの交付に係るマイナンバー制度について、重大な問題の一つはプライバシーの侵害にある。既に情報連携が予定されている行政が保有する個人情報は膨大であるが、さらなるマイナンバーの利用拡大や官民利用が進めば、不正利用や情報漏洩の危険が高まることになる。一度個人情報が漏れたら取り返しがつかない。不正取得やカード偽造、なりすまし犯罪等の危険も避けられない。さらに、維持管理も多額で、中野区も費用負担が生じることは明らかである。現時点でも巨額な費用に対応する番号制度の便益分析を明確に示していない。実施を中止しても住民生活に何ら支障はない。また、財政調整基金への積み立てについてはあまりにも多額である。財政運営上問題を指摘すると同時に、区民生活を直視するなら、補正とはいえ、区民施策の充実を図るべきである。よって、本議案に反対するとの討論を行いました。 さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。 そして、本議案について、挙手による採択を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決した次第です。 最後に、本議案に付された意見を申し上げます。 妊娠・出産・子育てトータルケア事業の趣旨は理解するところではあるが、相談・支援の動機付けのためのギフト券については、利用者の視点に立ち内容の充実に努めること、意見については以上です。 以上で第68号議案に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了します。 ○議長(北原ともあき) ただいまの報告について御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。 上程中の議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。 〔賛成者起立〕 ○議長(北原ともあき) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。 ───────────────────────────── 認定第1号 平成26年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について 認定第2号 平成26年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第3号 平成26年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第4号 平成26年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第5号 平成26年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
○議長(北原ともあき) 日程第2、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長川崎亨登壇〕 〇副区長(川崎亨) ただいま上程されました認定第1号、平成26年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号、平成26年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、平成26年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、平成26年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第5号、平成26年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、以上5件につきまして一括して説明いたします。 初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。 平成26年度一般会計の歳入総額は1,259億6,594万3,999円、歳出総額は1,210億1,839万1,979円で、前年度と比較しますと、歳入で7.8%の増、歳出で6.2%の増となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支は、49億4,755万2,020円となり、翌年度へ繰り越すべき財源5億4,134万1,000円を差し引いた実質収支は、44億621万1,020円となりました。 それでは、歳入につきまして、主な款について説明いたします。 第1款特別区税は、総額322億7,400万円余で、前年度と比較して17億9,000万円余、5.9%の増となりました。これは、主に特別区民税の納税義務者数の増などによるものです。 第2款特別区交付金は、総額359億6,100万円余で、前年度と比較して26億8,500万円余、8.1%の増となりました。 第7款地方消費税交付金は、総額41億1,200万円で、前年度と比較して8億7,300万円余、27.0%の増となりました。 第13款国庫支出金は、(仮称)本町二丁目公園用地取得による社会資本整備総合交付金の増などにより、前年度と比較して14億5,500万円余、7.2%の増の総額218億100万円余となりました。 第14款都支出金は、(仮称)本町二丁目公園用地取得による都市計画交付金の増などにより、前年度と比較して15億7,600万円余、20.3%増の総額93億5,200万円余となりました。 第15款財産収入は、旧第六中学校用地の不動産売払収入などにより、前年度と比較して22億2,700万円余、282.6%増の総額30億1,500万円余となりました。 第16款寄付金は、中野駅周辺地区都市基盤施設等整備に係る開発協力金の増により、前年度と比較して7億800万円余、561.8%増の総額8億3,400万円余となりました。 第17款繰入金は、まちづくり基金繰入金の減などにより、前年度と比較して41億9,000万円余、55.1%減の総額34億1,200万円余となりました。 これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は98.7%となり、前年度より2.1ポイント上がりました。 次に、歳出につきまして、主な款について説明いたします。 第2款経営費は、土地開発公社への貸付金や退職手当の減により、前年度と比較して23億6,200万円余、27.0%減の総額64億300万円余となりました。 第4款地域支えあい推進費は、南部すこやか福祉センターや南中野区民活動センター等の整備費により、前年度と比較して16億3,700万円余、51.6%増の総額48億1,100万円余となりました。 第5款区民サービス管理費は、国民健康保険事業等の特別会計繰出金の増により、前年度と比較して12億4,000万円余、9.5%増の総額142億5,900万円余となりました。 第9款都市基盤費は、(仮称)本町二丁目公園用地取得費や東中野駅前広場整備費、(仮称)本町五丁目公園整備費などにより、前年度と比較して28億2,900万円余、20.1%増の総額168億8,700万円余となりました。 第11款諸支出金は、義務教育施設整備基金やまちづくり基金等の積立金の増により、前年度と比較して50億5,800万円余、67.5%増の総額125億4,600万円余となりました。 これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は94.8%となり、前年度より0.6ポイント上がりました。 この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は594億2,500万円余で、前年度と比較して1.2%の増となりました。また、投資的経費は170億7,300万円余で、前年度と比較して7.5%の増となりました。 なお、平成26年度決算では、実質収支が44億600万円余となり、前年度決算に比べ、25億8,200万円余の増となりました。 また、財政指標から区の財政状況を見ますと、前年度と比較して実質収支比率が3.5ポイント上がり6.2%、経常収支比率が5.9ポイント下がり85.1%、実質公債費比率が0.8ポイント下がり5.0%となっています。 景気回復の影響などによって、歳入面では改善傾向にありますが、最近は中国発の世界同時株安の状況となるなど、経済の不透明感がぬぐえない状況にあります。そういった中、今後も社会保障費の伸びは続き、消費税率の引き上げなどの税制改正や、子ども・子育て支援新制度の施行、地域包括ケア体制の構築など、歳入構造と歳出構造が大きく変化することが想定されることから、一層の事業の見直しと歳入確保に向けた取り組みが必要な状況にあります。 一方、区は、「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」に基づいた取り組みを着実に実行している中で、地域防災まちづくりや大規模公園の整備等のプロジェクトを進めるとともに、待機児童対策や介護基盤整備の充実、区有施設の耐震補強工事等も実施しました。今後も新たな行政需要に的確に対応していくために、区としては財政健全化をさらに進め、強固な財政基盤を確立していくことが重要であると考えています。 以上が一般会計決算の説明です。 続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。 歳入歳出の決算額は同額で、129億5,491万9,768円、前年度と比較しますと、歳入歳出ともに97.2%の増となりました。 歳入の主なものは、第1款財産収入が47億4,900万円余で、前年度より16億6,800万円余、26.0%の減、第3款特別区債は78億6,000万円の皆増となりました。 歳出は、第1款公債費が50億9,400万円余で、前年度より14億7,400万円余、22.4%の減、第2款用地費が78億6,000万円の皆増となりました。 歳入、歳出総額が増となった主な要因は、弥生町六丁目用地の取得による特別区債と用地費の増によるものです。 次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。 歳入総額は336億3,391万835円、歳出総額は332億61万7,693円で、前年度と比較しますと、歳入で0.5%の増、歳出で0.4%の増となりました。 歳入の主なものは、第3款国庫支出金が77億9,900万円余で、前年度より6,600万円余、0.9%の増、第4款療養給付費等交付金が7億5,500万円余で、前年度より1億3,100万円余、14.8%の減、第8款繰入金が51億1,800万円余で、前年度より2億7,000万円余、5.6%の増となりました。 歳出の主なものは、第2款国保給付費が209億3,900万円余で、前年度より1億6,000万円余、0.8%の増、第7款共同事業拠出金が39億3,500万円余で、前年度より1億5,500万円余、4.1%の増、第9款諸支出金が3億2,500万円余で、前年度より1億4,200万円余、30.4%の減となりました。 次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。 歳入総額は63億5,510万3,483円、歳出総額は63億1,854万7,183円で、前年度と比較しますと、歳入で6.6%の増、歳出で6.8%の増となりました。 歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が34億7,300万円余で、前年度より2億2,500万円余、6.9%の増、第2款繰入金が27億3,000万円余で、前年度より1億6,200万円余、6.3%の増となりました。 歳出の主なものは、第1款広域連合納付金が62億2,400万円余で、前年度より4億100万円余、6.9%の増となりました。 最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。 歳入総額は208億903万1,369円、歳出総額は205億8,464万3,668円で、前年度と比較しますと、歳入で4.2%の増、歳出で3.9%の増となりました。 歳入の主なものは、第1款介護保険料が42億2,000万円余で、前年度より1億2,700万円余、3.1%の増、第3款国庫支出金が47億2,600万円余で、前年度より2億4,000万円余、5.4%の増、第4款支払基金交付金が56億6,800万円余で、前年度より2億5,700万円余、4.8%の増、第7款繰入金が31億1,300万円余で、前年度より1億2,000万円余、4.0%の増となりました。 歳出の主なものは、第2款保険給付費が194億2,500万円余で、前年度より6億9,300万円余、3.7%の増となりました。 以上、平成26年度の各会計決算について説明をいたしました。 なお、詳細につきましては、あらかじめ送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書・各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして御確認いただきたいと思います。 また、監査委員におかれましては、本決算につきまして、7月21日から8月5日までの間、慎重に審査をいただき、別冊のとおり「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点については十分に対処していく所存です。 最後になりましたが、ここに平成26年度の決算につきまして議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第です。 以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、平成26年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。 ○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託することに決しました。 ───────────────────────────── 中野区の財政の健全化判断比率について
○議長(北原ともあき) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について報告いたします。 本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月10日付の配付文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。
27中経経第1886号 平成27年(2015年)9月10日 中野区議会議長 北 原 と も あ き 殿 中野区長 田 中 大 輔 中野区の財政の健全化判断比率の報告について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、別添のとおり報告します。
○議長(北原ともあき) 本日はこれをもって散会いたします。 午後6時23分散会 |