平成27年11月30日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成27年11月30日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録

.平成27年(2015年)11月30日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  内  野  大三郎

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  北  原  ともあき

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  細  野  かよこ        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番  い  さ  哲  郎

 21番  佐  野  れいじ        22番  いでい   良  輔

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  石  坂  わたる

 29番  いながき  じゅん子       30番  小  杉  一  男

 31番  浦  野  さとみ        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  大  内  しんご

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  本 田 武 志      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  篠 原 文 彦

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角   秀 行

 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹    区民サービス管理部長 白 土   純

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二     健康福祉部長   瀬 田 敏 幸

 保 健 所 長  寺 西   新      環 境 部 長  戸 辺   眞

 都市基盤部長   尾 﨑   孝      政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一

 経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長           事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  大 野 貴 子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  福 島 ル ミ      書     記  遠 藤 良 太

 書     記  香 月 俊 介      書     記  亀 井 久 徳

 

 議事日程(平成27年(2015年)1130日午後1時開議)

日程第1 第78号議案 平成27年度中野区一般会計補正予算

     79号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例

     80号議案 清掃事務所車庫及び仮称弥生町六丁目公園の整備に伴う旧国家公務員宿舎

解体工事請負契約

     第92号議案 中野区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例

     第93号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

     第94号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

日程第2 第81号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例

     第82号議案 中野区介護保険条例の一部を改正する条例

     第83号議案 中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例

日程第3 第84号議案 指定管理者の指定について

     第85号議案 指定管理者の指定について

     第86号議案 指定管理者の指定について

     第87号議案 指定管理者の指定について

     第88号議案 指定管理者の指定について

日程第4 第89号議案 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災

害補償に関する条例の一部を改正する条例

     第90号議案 指定管理者の指定について

     第91号議案 指定管理者の指定について

日程第5 議会の委任に基づく専決処分について

 

午後1時00分開議

○議長(北原ともあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 11月27日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 加 藤 たくま

 1 中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画(第3次)について

 2 防犯カメラの設置について

 3 区内のインターネット環境について

 4 にぎわいフェスタのあり方について

 5 都営川島町アパート跡地の活用について

 6 新しい区役所整備基本構想について

 7 その他

 

○議長(北原ともあき) 初めに、加藤たくま議員。

〔加藤たくま議員登壇〕

○1番(加藤たくま) よろしくお願いいたします。平成27年第4回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。

 なお、質問項目に示してあります1.中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画(第3次)について及び7番のその他は省かせていただきます。取材に応じていただいた理事者の方々は大変申しわけございません。また別の機会にお伺いさせていただきたいと思います。

 それでは、2.防犯カメラの設置について。

 ことし8月中旬に大阪で発生したいわゆる大阪寝屋川中1殺人事件では、防犯カメラによる映像により早期の犯人逮捕となりました。警察庁、平成23年3月の「警察が設置する街頭防犯カメラシステムに関する研究会(最終とりまとめ)」では、「防犯カメラによる公園や路上など屋外の公共の場所に防犯カメラを設置して安全・安心を確保することと、個人のプライバシーを尊重するために防犯カメラを設置しないことを比べた場合、どちらの方針を支持しますか」という設問に対して、9割の方が「防犯カメラを設置して安全・安心を確保する」との回答であり、防犯カメラ設置への理解も広がっています。

 11月13日のフランス・パリにおける同時多発テロをはじめとして、昨今世界ではテロリズムによる被害が増加しております。このテロにおける被害者の御冥福をお祈り申し上げます。

 このテロにおきまして、繁華街でも警備が薄いソフトターゲットと呼ばれる場所を狙ったテロとの報道があり、防犯カメラ映像からさまざまな分析が行われ、犯人逮捕、また確保に向けて、そのカメラの有効性が認められます。オリンピック・パラリンピックを控えた東京においても防犯カメラ増設の必要性が高まっています。警察庁の平成23年3月の「街頭防犯カメラ整備・運用の手引き(案)」が推奨する防犯カメラの設置台数は、中野区の土地利用、また面積から600台から3,000台程度が目安となります。つまり、中野区が目標とすべき防犯カメラの設置台数は600台とすべきだと私は考えます。現在、区所管の防犯カメラの設置台数は、今年度末で248台となり、目標となる600台まで350台程度が不足している状況にあります。

 現在、中野区における防犯カメラの整備は、東京都地域における見守り活動支援事業により、町会・商店街に対して実施している事業と、また各小・中学校の通学路を中心に設置する事業があります。町会・商店街用、通学路用の防犯カメラの設置事業の始まった経緯が異なりますが、最終目標は地域全体の防犯体制を強固なものにすることは変わりありません。さきに挙げた警察庁の防犯カメラの手引きなどにのっとり、これら二つの事業を総合的に管理していくべきだと考えます。

 そこでお伺いしますが、区としては今後地域の防犯力を高めるため、防犯カメラの配置についてどのようにしていくべきかとお考えでしょうか。

 また、地域では、ランニングコスト、メンテナンス費がボトルネックとなり、整備を見送っている町会・商店街があります。そこで区には、設置台数増加のため、町会・商店街に対してランニングコストの補助をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 そして、防犯カメラの事業は8年くらい経過しておりまして、更新時期を迎えている防犯カメラが幾つかありますが、これらはどのようにしていくかもあわせてお伺いします。

 以上でこの項の質問を終わります。

 それでは、3.区内のインターネット環境において、いわゆるNakano Free Wi-Fiについて質問をさせていただきます。

 中野区において10月29日よりNakano Free Wi-Fiが開始されました。官公庁の調査によると、外国人旅行者が旅行中に困ったことの1位は36.7%で、無線公衆LANの環境がないということ。それで2位が24.0%で、コミュニケーションがとりづらいということでした。また近年、新興国が経済的に成長している原因としてはICT、つまり情報通信技術の導入があります。通信ネットワーク整備を有線で行うのはこれまで困難でありましたが、無線で構築できるようになったことから、そういった新興国でも爆発的に発展したということになります。つまり、通信インフラはあらゆるインフラの中で整備がしやすいものの代表と言えます。また、外国人によるインバウンド観光・消費を促すためにも重要な整備だと考えます。今後もフリーWi-Fi利用者の増加が見込まれ、店舗への導入はさらなる優位性も見込めます。区がNakano Free Wi-Fiを整備したことは、今後の通信インフラの拡大とそれに伴うサービスの拡充が期待されるところではありますが、中野駅周辺では5カ所、そのほかは東中野、中野坂上、野方、鷺ノ宮の各駅周辺1カ所ずつとなっており、まだ十分とは言えません。区内の駅で鉄道事業者がWi-Fiを設置しているのは、東京メトロの東西線の中野駅だけだと聞いております。丸ノ内線沿線では西新宿まで設置されていますが、中野坂上駅から西側の駅については設置されておらず、Nakano Free Wi-Fiも中野坂上駅周辺のみとなっており、地域の格差を感じずにはいられません。今後は、商店街など民間アクセスポイントも加えていくということですが、理解と協力が必要だと思います。Nakano Free Wi-Fiに入るメリットを、それら民間商店街などに説明をしてメリットを打ち出していくべきだと考えます。

 アメリカではありますが、調査会社IHLグループ社が行った店内ネットワークとWi-Fi導入が顧客体験に与える影響という調査結果によりますと、店内Wi-Fiを導入した28%の企業が顧客ロイヤリティーを高め、顧客の店内滞在時間を伸ばし、そして売り上げが2%増加したことが報告されています。商店街の活性化が見込めるNakano Free Wi-Fi、まだ検証には至っておりませんが、現在の交通結節点のみだけではなく、さらなる設置を推進してはいかがでしょうか。今後どのようにしてNakano Free Wi-Fiの拡大と普及を図ろうとしているのか伺い、この項の質問を終わります。

 続きまして4.にぎわいフェスタのあり方について。

 10月に行われました中野にぎわいフェスタにて、四季の森公園で私加藤が、知人が出店している店の手伝いとして参加しました。そこで感じたこととしましては、にぎわいフェスタには多くの方々が参加しておりましたが、出店側としてはもう少し集客力が欲しいという印象を得ました。そのためには、区内外に四季の森公園の存在をアピールしてブランド化していく必要があると考えます。中野区外の事業者が多く参加しており、四季の森公園は防災公園の機能に加え、今後イベントパークとしての能力がさらに高まっていくものと考えられます。四季の森公園及び四季の森公園北側の道路、また拡張用地を含めて代々木公園のようなイベントパークへと位置付けることなどを検討されたことはあるのでしょうか。また、B1グランプリ、つけ麺博のような食べ物の大イベントを開催誘致することで、大きなイベントが中野から発信できると考えます。また、オリンピック・パラリンピック関連においてはパブリックビューイングの設置、またセントラルパークサウスのビルを使ったプロジェクションマッピングをするなど、集客数が見込めるイベントができる能力を持っているすばらしい広場だとも言えます。数年後には拡張用地をイベント運営に資する設備を整備することも可能とは思いますが、一部は自転車駐輪場になるとお伺いしております。そのため、現在イベントをする際に、本部となる機能の追加、民間イベントへの区の関与をさらに強くすることはできないでしょうか。四季の森公園は中野駅から5分以内にある非常に利便性の高い広場で、実際、興味を示しているそういったイベント団体もあるということです。

 私は、この四季の都市(まち)に初めて足を踏み入れたとき、本当にすごいことになっているなと感動しました。友人が久しぶりに中野に来た際に、四季の都市を紹介すると、やはり「中野ってすごいまちになったね」と感動してくれております。このすばらしさを多くの方々に知ってもらうには、まずその目で見てもらう必要があります。大イベント参加をきっかけとして、今後、目まぐるしく整備され変貌する中野、成長する中野を多くの方々に知っていただき、周知していただくことが大切だと考えます。まちのにぎわいをつくり出す機能としての公園の利活用をさらに積極的に行っていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。区の今後の方針についてお伺いして、この項の質問を終わります。

 5.都営川島町アパート跡地の活用について。

 東京都の防災関連における先進事業である不燃化特区事業、弥生町三丁目周辺地区の防災まちづくりは、都営川島町アパート跡地を東京都から取得し、跡地周辺の用地買収を積極的に行い、また避難道路1号についても、道路計画を全権利者に対して個別説明を実施するなど、事業を着実に進めていると伺っております。しかし、都営川島町アパートの跡地は、今後具体的にどのように整備されるか、多くの地域の住民は知らないことが多いです。東京都のパイロット事業であります本プロジェクトは、今後の防災施策の方向性を問う試金石となり得ると考えます。ハード整備のみならず、地域住民が活発的に防災・減災活動に関われるソフト整備をして、地域全体の防災力を高める必要があると考えます。そのためにも、跡地に計画しているという防災公園を備えた公園では、地区の中でも貴重な公園となりますので先進的な整備を期待します。地域住民と十分協議し、防災会のみならず、商店街や親子グループが積極的に防災訓練等に活用できるよう、不燃化特区にふさわしい、防災において先進性ある公園を整備していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 例えば、先日、平山議員の一般質問にありましたシティチャージ、つまり携帯電話の非常用充電が可能なソーラー照明設備や、地下タンク内の水が循環し続けて常に新鮮な水が確保される災害時の給水ステーション、また防災井戸、防火水槽、防災備蓄倉庫、かまどベンチなどあらゆるメニューを検討していただきたいと考えます。

 また、災害時に拠点となるようハード・ソフトの両輪がうまくかみ合う理想的な防災地域を創造するのはいかがでしょうか。区のこの防災公園の今後の整備方針についてお伺いし、この項の質問を終わります。

 6.新しい区役所整備基本構想について。

 先日の我が会派の大内議員の一般質問と一部重複する部分もあろうかと思いますが、改めまして質問させていただきます。

 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」。これは平家物語の冒頭の一文ですが、祇園精舎の鐘の音には、全てのものは常に変化し、同じところにとどまることはないという響きがあり、沙羅双樹の花の色は、血気盛んな者も必ず衰えるという道理をあらわしています。また、都市計画学の観点から言うと、まちができるといずれ老朽化し、何も施策を打たなければスラム化するという都市計画上での常識があります。香港にありました九龍城砦は、スラム化して違法行為が横行する非常に危険なまちとなりまして、英国から中国に返還される1992年には、その九龍城砦は取り潰すということになりました。

 18世紀前半、江戸の人口は100万人を超えて世界一の人口になったと言われておりますが、それは49回あった大火事がスラムを焼き尽くし、復興によりまちの新陳代謝が繰り返されたことが要因と言われております。先日、我が会派の佐野議員が一般質問した空き家、また学校のトイレも老朽化すると、コミュニティが荒れるというのは人間社会学として理解されている事実です。

 本題に入りますが、今の区役所は建てられて既に47年が経過し、施設の老朽化、床面積の不足、災害対策など問題が山積しており、新しい区役所の建設は諸行無常の一つといえ、一定期間での施設の更新というのは必要なものであると考えられます。といいましても、新しい区役所の建設には多額の費用が必要となりますので、費用を抑え込むためにも、特に入念にさまざまな検討をしていただきたいと思います。

 まずはPFIですが、PFIによる庁舎整備は九段第3合同庁舎と千代田区役所本庁舎の合同庁舎、また気象庁虎ノ門庁舎と港区立教育センターの合同庁舎、東京国税局などがあり、事例がふえております。新しい区役所整備基本構想では、直営方式が好ましいとの御判断が入っておりましたが、過去の事例をしっかりと研究していただきたいと考えます。資金調達は民間事業が実施し、維持管理は10年から15年となり、ある程度のコスト削減が望めます。また、豊島区役所では、全国初の民間高層マンションとの一体型再開発事業となる新庁舎を今年の5月7日にオープンし、区の負担をゼロにしました。保健所機能は新区役所に入る予定と伺っておりますが、税務署、法務局などさまざまな行政機関を集約することにより、区民からの利便性を高めるとともに、賃貸料を得るなどの試みの検討もできるかと思います。中野区の財政、地域性などは総合的に検討すべき事項がありますが、さまざまな手法の良し悪しをしっかりと分析し、区民が納得・理解できる最高の新しい区役所整備基本構想が策定されることが大切です。今後の整備の基本構想策定に関する方針に関して答弁を求めて、この項及び全ての質問を終わります。

 御清聴というより、御声援ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 加藤議員の御質問にお答えいたします。

 防犯カメラの配置についてであります。平成20年度に補助制度を開始し、既に多くの防犯カメラが町会・自治会、商店街等によって設置され、中野区内の刑法犯認知件数は年々減少していることもあり、犯罪の抑止や安全・安心のまちづくりに寄与していると認識しております。今後も地域の実情に応じて必要な場所に配置が行われるよう、東京都や警察署等の関係機関とも連携しながら、防犯カメラの設置について対応をしてまいります。

 防犯カメラの補助を拡充して維持経費についても対象にするべきではないかと、こういった御質問でありました。防犯カメラ等の整備補助制度は地域における防犯対策の向上を図ることを支援するために、防犯カメラ等の設置に対して補助をするものであります。現段階において維持経費の補助については検討をしておりません。

 それから、防犯カメラの更新についてであります。設置から7年を経過し、かつ通常の修理では防犯設備としての機能を維持することができない状況となった場合には、更新にかかる経費の補助を行うことができるため、そのような防犯カメラには対応しているところであります。

 Nakano Free Wi-Fiの今後の展開についてであります。先日行いましたNakano Free Wi-Fiを活用したスタンプラリー、これには400人近くの参加がありました。こうしたイベントを通じてNakano Free Wi-Fiが始まったということのPRと利用促進、これにはつながったと考えております。外国人観光客のWi-Fi利用も含め、今後は区民や来街者の利用もふえていくと見ており、区内における情報通信環境の整備が求められているところであります。今年度設置しました9カ所のアクセスポイントの利用状況や市場動向をとらえながら拡充に向けて検討してまいります。

 また、民間店舗におけるNakano Free Wi-Fiの参画については、地域や観光情報の発信媒体となることに加え、誘客効果やサービス向上につながることを利点として働きかけるなど、商店街の協力を得ながら普及促進に努めてまいります。

 にぎわいフェスタの経験を通じての中野四季の森公園拡張部の整備についての御質問でした。中野四季の森公園拡張部につきましては、さまざまなイベントに活用できる設備を設けた多目的広場として平成28年度に整備工事を行い、供用開始をする予定であります。なお、6,000平米ある拡張部分のうち、東側地下に1,500台収容の自転車駐車場を設置する予定となっております。

 それから、民間イベントの誘導開催につきましては、区としてイベントを実施する際の各種補助金の活用方法や近隣に対する対応の情報提供等を通じて支援を行っているところであり、今後とも継続的に行っていく予定となっております。

 次に、新しい区役所整備基本構想についてであります。税務署など他の行政機関との合築については、新しい区役所に必要な面積と想定される建築可能な規模、これを比較検討した結果、難しいと考えております。現在、新しい区役所整備基本構想(素案)を作成し、区民の御意見を伺ったところでありますが、今後区民サービスの向上や区民活動推進のための具体的な導入機能や建築計画などについてさらに検討を深め、基本計画の案を作成し区民の御意見を伺う予定であります。なお、その際には、建設の手法や導入機能のあり方についても、十分御理解いただけるよう工夫をしてお示しをしていきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 都営川島町アパート跡地の活用についての御質問にお答えをいたします。

 防災訓練に活用できる先進性のある公園の整備についての御質問です。区民の防災行動力を高めていくためには、町会や防災会だけでなく、さまざまな団体が防災訓練を実施していくことが望ましいところでございます。区は消防署と連携し、誰でも防災訓練を体験できる防災体験デーを毎月実施しております。跡地にできる公園を防災体験デーの会場として活用するなど、防災訓練に活用できる公園の整備について検討してまいりたいと考えております。

 次に、防災機能を備えた公園についての御質問でございます。跡地に整備する公園は、100トンの防火水槽、ソーラー式園内灯など防災機能のある公園整備を予定しているところでございます。そのほか、具体的にどのような機能を付加できるか、地域への説明会や関係部署との協議等を行う中で検討してまいりたいと考えているところでございます。

〔加藤たくま議員登壇〕

○1番(加藤たくま) 再質問させていただきます。防犯カメラについてなんですが、防犯カメラ、先ほど設置台数、それ自体は目的ではありませんし、配置自体もそうではありますが、各町会が求めたから入れるということでは、中野区全体の防犯力を向上させるということにはならないということで、ニーズがあるから入れましたということではなくて、総合的に中野区全体の防犯力を高めるためにはどうすればいいかということで、その全体的な運営というものについて何かお考えがあるのか伺いたいたいと思います。よろしくお願いします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 設置される方がいらっしゃるから補助をするという待ちの姿勢ということでは地域の安全は確実には担保されないのではないかと、こういったことだと思います。通学路につきましては、安全点検の成果なども踏まえて、通学路に防犯カメラを設置していくといったようなことも行い始めております。このほか、地域の安全を確保していく上で防犯カメラの適正な配置のあり方といったようなことについても今後とも検討してまいりたい、このように思っております。

○議長(北原ともあき) 以上で、加藤たくま議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 予算編成過程の公表について

 2 障害者差別解消法について

 3 図書館における子育て支援について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○40番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑をいたします。

 1番目、予算編成過程の公表についてお尋ねいたします。

 住民自治の基本は、自治体のお金の集め方・使い方を住民意思に基づいて決定するという財政民主主義にあると言われています。納税した方が納得できる予算をつくるためには、誰もが予算案の内容とその理由を知ることができるように、今まさに行っている予算編成過程をわかりやすく公開することが必要です。全国市民オンブズマン連絡会議は、予算案をいかにわかりやすく市民に伝えるか、予算編成過程に市民の意見をいかに反映させるかという観点から、予算編成の透明度ランキング都道府県調査を実施しました。2012年度の結果では、1位が鳥取県、2位は岐阜県、3位は長野県と大阪府、最下位は和歌山県でした。1位の鳥取県の予算編成過程の公表を参考にして、透明度を高める努力をしている自治体が年々ふえています。

 23区の中では、とりわけ文京区が積極的な予算編成過程の公開をしています。文京区は8月に予算編成方針を決定し、11月に予算編成において優先度の高い重点施策を選定して事業概要を公開し、追っかけ、それをもとにした各部の全ての事業の予算要求額を公開しています。その後、1月には企画政策部査定額とその理由を公開し、2月には区長査定額とその理由を公開しています。予算編成がどのように行われて、来年度予算がどのように決まっていくのかが一目でわかり、区民の理解が進む公開内容となっています。

 中野区では、例年12月に次年度予算で検討中の主な取り組み案を公表し、区民に意見を求め、区民と区長の対話集会でも区民の意見を伺っています。そのことは評価しますが、残念ながらその時点で事業予算要求額は示されていません。すばらしい事業内容であっても、およそ幾らかかるのかが不明なままでは判断の下しようがありません。12月に次年度予算で検討中の主な取り組み案を公表する際に、その事業の予算要求額を公表するよう求めます。区の見解をお答えください。

 中野区では、次年度に取り組む主な事業の公表のみにとどまっていますが、予算編成の透明度ランキング1位の鳥取県や文京区などを参考にし、各室各部の予算要求額、政策室査定額とその理由、区長査定額とその理由など、予算編成過程の公表を進めるよう検討を求めます。区の見解をお聞かせください。

 財政が厳しい中、区民の皆様が納得できるよう、予算編成過程の透明性確保と民意の反映を強く求めて次の質問に移ります。

 障害者差別解消法についてお尋ねいたします。

 障害者差別解消法は、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として2013年6月に制定され、施行は来年4月です。障害を理由にサービスの提供を拒否したり制限したり、条件をつけたりすることなどが禁止され、障害のある人から何らかの配慮を求められた場合は配慮しなければなりません。地方公共団体にも不当差別の禁止と合理的配慮の提供が義務付けられました。第5条には、「行政機関等は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備に努めなければならない」と規定されています。区有施設の中で合理的配慮の提供がなされていない最たるものが、構造上エレベーターの設置が不可能とのことではありますが、この本会議場への傍聴席までの動線や、同じくエレベーター設置がないまま避難場所となる2階にある学校体育館などではないかと気になっています。既に取り組んでいる部分もありますが、合理的配慮の提供が法的に義務付けられた今こそ、物理的社会的障壁の除去という視点で区有施設の総点検をし、計画的に構造の改善及び設備の整備をするべきと考えます。区の見解をお答えください。

 さらに、努力規定ではありますが、地方公共団体等職員対応要領を定めることや、相談及び紛争の防止等のための体制整備、普及啓発活動、障害者差別解消支援地域協議会を組織することなどが定められています。解消法の施行に向けて、これらを含め中野区の取り組み内容をお答えください。

 障害を理由とする差別が少しでも解消されるよう、全庁的な取り組みに期待をしています。

 最後に、図書館における子育て支援についてお尋ねをいたします。

 図書館は知識の宝庫であり、図書館機能を生かした子育て支援を実施する図書館が全国的にふえています。どこの図書館でも児童図書コーナーが設けられ、お話し会や読み聞かせ会、親子で参加の講座などが行われています。中野区でも子どもの年齢にふさわしい事業が開催され、乳幼児親子の利用促進が図られています。さらに近ごろは、意識的に図書館の機能を生かした子育て支援を行う図書館が注目を集めています。例えば、児童図書コーナーを訪れる子どもだけではなく、親に着眼し、保護者の利便性を高めるために児童図書コーナーに子育て支援コーナーを併設し、妊娠、出産、育児、しつけ、家庭教育、子どもの病気、食生活など、子育てに関する図書や雑誌を集約し、子育て関係機関や団体等が作成した各種のパンフレットやイベントチラシを置いたり、子育てについての最近の新聞記事を掲示したり、子育てサークルの活動状況を写真で紹介するなど、情報提供の充実を図っている図書館が人気となっています。残念ながら中野区には児童図書コーナーに子育て支援コーナーを併設している図書館はありません。スペースの問題もあるとは思いますが、工夫次第でできることはあるはずです。まずは児童図書コーナーに子育て支援コーナーを併設してはいかがでしょうか。区の見解をお答えください。

 また、育児中の保護者は自分自身のための読書の時間がなかなかとれません。ゆっくり本を読みたいとの要望に応え、ことし7月にオープンした千葉県八千代市中央図書館では、生後6カ月から未就学児を対象に定員30人まで週3回10時から14時までの間で、延長可能ですが、原則1時間の無料の一時保育を保育士3人で実施しています。ゆっくり読書ができるとのことで、瞬く間に口コミなどで広がり大変に好評だそうです。文京区目白台図書館でも先月10月から、月1回ですが、無料一時保育サービスが始まり、テレビのニュースでも取り上げられました。中野区でも、親が読書する間、子どもを一時保育する事業をまずは中央図書館で行ってはいかがでしょうか。区の見解をお答えください。

 遊び半分で2歳の我が子にたばこを吸わせるような親が存在する中、正確な知識のもとで心豊かな状況で子どもを育てることができるよう環境を整えることは自治体の役割だと言えます。

 以上ですが、時間内での簡潔明瞭、なおかつ誠意ある答弁を求め、質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) むとう議員の御質問にお答えいたします。

 予算編成過程の公表についてというところであります。区といたしましては、予算編成過程の公表として、検討中の主な取り組みを公表しており、それを踏まえて区民、議会からも御意見をいただいているところであります。主な取り組みの要求額の公表についてですが、公表する時点は概算要求の段階であることから、その後の検討によっては大きく経費が変動することもあり、誤解が生じないためにも予算要求額についての公表は行っておりません。予算編成の過程では、議会などでも部を超えた課題、あるいは全区的な連携を求める課題、そうした課題についてもさまざまにお求めをいただくところであります。区は、地域、区民に密着した身近な自治体として、予算編成においても各部各室が要求、政策室が査定、また区長査定で終わるという型通りの一方通行の編成を行っているわけではありません。要求段階、あるいはその編成をしていく段階でもやりとりをしながら、さまざまに予算、政策の検討を行った上で予算編成を行っているというところですので、御指摘のあったような文京区のような形での公表というのは中野区としてはする考えはありません。

 それから、区有施設の総点検と計画的整備。日ごろから社会的障壁の除去のための施設の改善や設備の整備に努めてきているところであります。今後とも整備を進めてまいりたいと思っております。

 それから、障害者差別解消法の施行に伴うさまざまな取り組みについて。障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の施行を踏まえ、職員の窓口対応マニュアルの作成や障害者理解促進に向けた職員研修の充実を図るなど、行政事務における障害者差別解消に取り組むとともに、相談窓口の設置や区民対象の講演会など啓発活動も行っていくところであります。また、高齢化やグローバル化の進展、多文化共生といった時代の趨勢を踏まえ、障害者のみでなく全ての区民を対象としたユニバーサルデザインの考え方を区政運営の基本に据えるための検討を進めているところであります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 図書館における子育て支援について。

 初めに、子育て支援コーナーの設置についてです。子どもたちの読書活動の推進を目的に、全図書館に設置している児童図書コーナーは、発達段階に応じて子どもたちが本に親しむことができるよう、さまざまな工夫を凝らし取り組みを進めているところでございます。子ども・子育てにかかわる相談窓口については、区の子ども総合相談窓口、各すこやか福祉センターなどにおいて適切に対応しており、図書館においても相談窓口の案内パンフレット等を配置するなど紹介に努めているところです。これらのことから、図書館内に新たに子育て支援コーナーを設置する考えはございません。

 中央図書館における一時保育です。中央図書館では児童図書コーナーを設置しており、親子が落ちついて本が読めるよう工夫しています。また、図書館で実施している子ども読書記念事業、おはなし・読み聞かせボランティア講座、児童書講座において一時保育を行うなど、子育て中の親の図書館利用を促しております。図書館ではこれらの取り組みを充実していきたいと考えており、親の読書のみを目的とした一時保育を実施する考えはございません。

○議長(北原ともあき) 以上で、むとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(素案)戦略Ⅵスポーツ・健康都市戦略について

 2 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、近藤さえ子議員。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○39番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。

 現在中野区では、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)を策定しています。各地域で素案の区民説明会も開かれました。私は今回その中のスポーツ・健康都市戦略(健康アクティブなかの)の部分について質問させていただきます。

 「スポーツ・健康づくりで活気のみなぎるまち」、「健康的な暮らしを実現するまち」等の項には、「健康寿命の延伸による社会的コストの軽減が喫緊の課題である」、「高齢化が進むとともに、医療費及び要介護認定者数・介護サービス利用量が今後も増えると見込まれており、抑制を図ることが急務です」等、課題は認知されていますが、今後どのようなアプローチをし、医療費や介護費用の抑制を図っていくのか具体的な計画が見えてきません。説明会に出席した区民からも「具体的な内容がない」という声がありました。

 区では、他の先進的な取り組みやまちづくり事例を学び、新たな知識や視野を取り入れ、今後の戦略策定や少子高齢化、超高齢社会における施策事業づくりに資するという目的で、プラチナ構想スクール中野を実施してきました。プラチナ構想ネットワークに講師の派遣依頼をし、これまで4回、管理職を含む職員に呼びかけ、研修を行ったと伺っています。11月5日に行われた4回目の研修のテーマは「上越市における健康づくり活動」でした。私は参加された方から説明を聞き、当日配付の資料を拝見させていただき、上越市のすばらしい取り組みについて調べてみました。この上越市の取り組みをもとに何点か質問いたします。

 配付資料の題名は、「健康づくり活動を市民運動に 健診から始まる健康づくり~上越市の実践報告~」となっていて、大まかに以下3点のアプローチが紹介されています。1.介護給付費や医療費の実態の把握と分析からのアプローチ、2.これまでの保健活動の振り返りからのアプローチ、3.保健・福祉分野の組織のあり方からのアプローチです。まずは、健診を推進し、市民の実態を把握し、それらのデータやかかった医療費等を集約し、分析し、その結果を市民に説明し、保健師が具体的な解決策に動く方法です。

 新潟県上越市は、市民が主体的に健康づくりを実践できるよう、具体的な計画「健康シティ上越・2010計画」を策定し、徹底した課題の把握と改善への取り組みを始めました。市民のデータを分析した結果、2011年人口20万人、高齢化率26.55%、介護給付率は年間7~9%増で推移、保険料は全国で3位の高さでした。要介護者の重症化傾向と認知症の増加、1人当たりの医療費も県内高水準の状況であったそうです。この状況を踏まえて、例えば、健診と保健指導を受けた人と健診を受けなかった人では、高血圧や糖尿病で1カ月に1人当たり1万4,000円から1万6,000円も医療負担に差が出ているというデータをもとに、保健師が具体的な指導をするなど対策を講じました。また、生活保護受給者の入院費の割合も著しく高いことも分析、検証し、生活保護受給者へのアプローチも行いました。結果、国民健康保険料の伸び率の減少、医療費の減、介護保険給付費の伸び率の減少等、社会的コスト減の成果をもたらしました。上越市では、これらの取り組みを「健康づくりの責任を市民に返すための活動」と呼んでいます。数値化された各自の情報をもとに、保健師から細かい指導を受けている住民は、各自が次にどのような健康づくりに進めばよいかを理解しています。

 中野区も10か年計画(第3次)の素案の中で、「区民一人ひとりが、健診結果などの情報や身近な医療、地域の取組などを活用しながら、健康の自己管理に努め、健康の維持向上を図っています」と健康づくりの責任を区民に求めてはいるのですが、そのための政策は見えてきません。箱物をつくって、場所は提供しましたので、皆さんそれぞれ勝手に運動や活動をされて健康になってくださいという現状に思えます。

 中野区でも、健診、医療費、介護保険等を一元化した分析が必要であると考えますが、中野区での取り組みの現状はどのようになっているのでしょうか。

 すこやか福祉センターやスポーツ・コミュニティプラザなどでは、さまざまな健康教室が行われていますが、区民の健康アップ、健康維持という観点から、それぞれの事業効果をどのように高めようと考えているのでしょうか。

 上越市の市民の健康と社会的コストの削減への目標達成への方針は、まず市民の現状把握、次に改善へ向けての根拠ある施策を作成したことです。例えば、生活習慣病予防を通じて医療費と介護給付費を削減すると具体的な政策目標を掲げ、その実現のためにプロジェクトチームを組織し、関係所管の連携ではなく役割分担を明確化しました。中野区でも、今後、健康アクティブなかのを実現しようとしているのですから、新たな推進体制を検討する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 現在の中野区では、介護給付が区民サービス管理部の担当、介護予防や地域包括ケア推進等の運用は健康福祉部と部署が分かれていたり、健康づくりを行う部署は地域支えあい推進室と健康福祉部の両部がそれぞれ行っています。もちろん各部署はそれぞれ個別の目標を立てて業務を行ってはいますが、それらの事業の成果をはかることはできず、部署ごとにしっかりやっていますといった事業になってしまい、上越市のような、生涯を通じて住民の健康への支援体制を築いていくという意気込みは感じられません。保健師たちは、健診後の指導はしても、翌年の成果を見るシステムにはなっていないのですから、区民のその後が気になりながらも、本来の力を発揮し切れない状態なのではないでしょうか。上越市では、乳幼児から子どもたち、青年、中年、高齢者と市民の現状を調査し、生涯を通じた住民の健康と社会的コストの削減に取り組んでいます。住民の健康と社会的コストの削減は、中野区が取り組まなくてはならない喫緊の課題なのですから、その目標に向かって、保健・福祉分野の組織のあり方を見直し、横断的なアプローチができるような体制を築き、喫緊の課題に立ち向かっていただきたいと思います。

 最後に、この日の講師、上越市教育委員会事務局教育部長の野澤朗氏(前健康部長)が強調されたのは専門職の配置です。私は、認知症の問題などで専門職員の手薄さを何度も質問してきましたが、野澤氏曰く、「プロを生かした組織の検討が必要」とのことでした。氏は、「保健師、栄養士などの専門職が事務、雑用に追われているようではもったいない」と話されました。中野区が目指している少数精鋭の2,000人体制を今後どのように築いていくかという課題に対しての大変参考になるお言葉だったのではないでしょうか。

 住民への個別支援には専門職の活用が欠かせませんが、すこやか福祉センター等の保健師は、半端ではない量の一般事務もこなさなくてはならず、専門性が十分に生かせていないように思えます。保健師などの専門職がプロとして知識を十分生かして、区民のための仕事ができる環境の整備体制が必要であると思われます。中野区も10か年計画で喫緊の課題としている高齢社会と区民の健康のために計画した事業が最大の効果を生むような職場環境の整備や人材の加配に取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 第3次の10か年計画の今後28年から平成37年の10年間は、上越市が健康づくり活動を市民運動に返すことに取り組んだように、バトンを渡された個々の区民がみずからの健康を考え、歩めるための計画にならなくてはなりません。区民の実態をしっかりと把握し、目標への根拠のある施策に取り組んでいただくことが何より必要になってきます。

 このような先進自治体の取り組みを勉強された区の見解をお聞かせください。区の有効的な取り組みによって、少しでも中野区民の健康寿命が長くなることを願いまして、私の質問は終わります。その他はございません。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 近藤議員の御質問にお答えいたします。

 健診医療費等のデータの一元化分析と区の取り組みについてであります。平成26年10月に、全国健康保険協会、協会けんぽですね。この協会けんぽ東京支部と区との間で協定を結び、それを踏まえて両者による連携会議の開催やそのもとに設置をいたしました実務レベルのワーキンググループにおきまして、健診結果や医療費データなど各種データの分析などをもとに意見交換を重ねているところであります。今後は、介護保険関連のデータなどとも連動させ、区民の受診率向上、効果的な生活習慣病予防などの改善に結びつけて活用できるように取り組んでいきたいと考えております。

 すこやか福祉センター等の健康事業の効果の向上についてであります。すこやか福祉センター、スポーツ・コミュニティプラザでは、区民の健康づくりを目的としたさまざまな事業や教室を実施しているところであります。今後、事業効果をより高めるために、診療や健診等のデータを活用した新たな健康づくりの政策立案等を進める中で、実施体制や手法について検討していきたいと考えております。

 健康アクティブなかのを実現するための新たな推進体制についてという御質問もありました。健康アクティブなかのを実現するために10か年計画素案でお示ししている「スポーツ・健康づくりで活気のみなぎるまち」など四つの施策展開から体系的な取り組みを検討しております。全体の取り組みが効果的に遂行できるよう、各担当が役割分担をしながら協働して推進してまいります。

 すこやか福祉センターの保健師の専門性を生かせる体制づくりということであります。当区におきましては、保健師等の医療職をすこやか福祉センター等に分散配置をしております。本庁へ集中させた上越市とは違う組織運営を行っていますが、保健師はその専門性を発揮して子育て支援や障害者、高齢者対応のほか、感染症予防、健康づくり、介護予防などに取り組んでおります。今後も専門職がその専門性を高めながら十分にその能力が発揮できるよう、人材育成と計画的な人材配置など、その職務環境の整備を行ってまいります。

 上越市の方の研修を聞いてどうだったかということであります。区においても、上越市をはじめとする他自治体での先進事例などを参考にしながら、区民の健康づくりに向けた取り組みをより一層進めていきたいと考えております。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○39番(近藤さえ子) 再質問させていただきます。

 本当に今喫緊の課題で区民の健康づくり、そして医療費の削減ということが問題になっております。今でもやっていらっしゃることはよく理解しているんですけれど、やはりきちっとした明確な目標を立てて、実現するためのプロジェクトチームをつくり、そして連携してやっていく。みんなで協力してやっていくということではなくて、役割分担をしっかりと明確にして、そして推進体制をつくっていかなければ、これからの本当に徹底的なやり方をしなければ、医療費の削減ですとか、そういったものは可能になっていかないと思いますので、ぜひもう一度役割分担の明確のところをお答えください。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 健康づくりも大変重要な課題であります。そのほかにも重要な課題が区政はたくさんありまして、一つひとつに正式の組織のほかにプロジェクトチームをつくっていたら、組織が複雑で何が何だかわけがわからないことになってしまいます。中野区では、目標を明確にして10か年計画、そしてまた年度ごとの区政目標というものを定めて、その目標に向かって役割分担をして、機能的にそれぞれが力を合わせて活動するということを行っております。

○議長(北原ともあき) 以上で、近藤さえ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 いながき じゅん子

 1 観光施策について

 2 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、いながきじゅん子議員。

〔いながきじゅん子議員登壇〕

○29番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子です。

 本日は、外国人旅行者に対する観光施策について伺います。

 先月、区が発表しました新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の素案、この中で主な取り組みとして、「都市観光活性化のための国際化対応と体制整備」が挙げられています。また、最近の区報でも、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、外国人観光客の受け入れ環境の整備を推進すると明記されています。その一つとして、区は先月末から公衆無線LANサービスNakano Free Wi-Fiをスタートさせました。ただ、それ以外は目立った動きがなく、環境整備はあまり進んでいないという印象です。

 日本政府観光局が今月発表したことし1月から10月の訪日外国人旅行客数は1,630万人を超えました。10月の時点で既に昨年1年間の旅行客数を上回り、過去最多を記録したということです。また、観光庁の調査によりますと、昨年の訪日外国人の旅行消費額は1人当たり15万1,374円で、こちらも過去最高ということです。

 この流れを受け、中野区への外国人旅行客数も増加していると思われますが、その数や回遊ルート、区への経済効果など、中野区を訪れる旅行者の実態や区への影響は、わかっているようで何もわかっていない状況です。区は今後オリンピックに向けて、限られた予算と時間の中で効率的に受け入れ体制を整えていかなければなりません。そのためには、外国人観光客が数ある観光地の中で何をきっかけに中野区を選んだのか。実際に訪れてみてよかったこと、逆に残念に感じたことは何だったのか。滞在中に何に幾らお金を使ったのか。どこに宿泊したのか等々、外国人旅行者の実態やニーズを一度区としてしっかり把握することが必要ではないでしょうか。数年前に観光庁が外国人旅行者にアンケート調査を行っており、それを見れば、フリーWi-Fiや公共交通情報に対する需要が高いなど一般的なことはわかります。ただ、今後、中野区の実情に合わせたよりきめ細やかな観光施策を効果的に行っていくためには、区も、区を訪れた外国人旅行者に対し、一度独自の調査を行い、施策に生かしていくべきだと考えます。このような調査は、次に質問いたします民泊について議論を深める際にも有効だと考えます。区の見解を求めます。

 さて、東京都全体が国家戦略特区の指定を受けたことにより、中野区でも旅館業法に基づいて許可を受けたホテルや旅館以外の施設を旅行者に貸し出すことができるいわゆる民泊が可能となりました。都内では大田区が先行して第4回定例会に関連条例案を提出し、今まさに区議会で議案審査中です。中野区では、今回の10か年計画(第3次)の素案のステップ1で、「外国人向け民泊の仕組み構築」と明記されており、それについての研究や検討をスタートされていることと思います。

 そこで、先週の小林議員の質問とも重なりますが、私からも改めて民泊についての区のお考えや今後の取り組みについて確認させていただきます。

 中野区内で旅館業法にのっとって許可を受けている宿泊施設は現時点で9カ所。その中で一般的な旅行者が宿泊できる現在稼働中の施設は6カ所。収容可能人数はトータルで400名弱という状況です。このうちカプセルホテルが116名分を占めています。また、中野サンプラザの115名分も含まれていますので、今後サンプラザが閉鎖することになれば、区内の宿泊可能人数はさらに少なくなります。旅行者は宿泊施設の近隣で飲食したり買い物をしたりする傾向がありますので、経済効果を考えますと、まちに宿泊施設があるということは大きな強みと言えます。よって、そのような施設が少ない中野区にとって、民泊で区内に宿泊する旅行者がふえることは、経済面ではプラスの効果があると思われますが、当然それに伴うマイナス面やリスクも考えなくてはなりません。民泊仲介業者が運営しているインターネットサイトには、既に中野区内の宿泊可能物件が数百件掲載されています。民泊がメディアでも取り上げられて世間の認知度も高まるにつれ、空き室を貸して収入を得ましょう、手続や掃除はお任せくださいとうたう代行業者もあらわれてきています。このまま放置していても、オリンピックに向けさらに件数がふえ続けるのは確実であり、区への問い合わせも今後ふえてくると思われます。法的にはグレーゾーンとはいえ、このように事実上民泊が区内でスタートしてしまっている状況の中で、区が民泊を自治体として推進するということであれば、今後安全・安心な住環境の維持と宿泊者数の増加によって期待されるまちの経済活性化とのバランスをうまくとっていくことが重要です。

 一般家庭がホームステイの延長のような形で外国人を自宅に泊める場合はさほど大きな問題は生じないかもしれません。しかし、オーナーが居住していないマンションやアパートの空き部屋が貸し出される場合、同じ集合住宅内にもともと暮らしている他の居住者の安全・安心をどのように確保していくのか。近隣住民が不安を感じることがないように、そして事件事故などのトラブルを未然に防げるように、できるだけ早く区が条例などで一定のルールづくりをすることが必要と考えます。しかし、区が自治体として介入し、施設の認定業務を行うようになるということは、区の責任もそれだけ重くなるということでもあります。事件事故が起きた場合の責任の所在はどうなるのか。ルールに従わない場合の罰則規定はどうするのかなどを含め、慎重な議論が必要です。

 大田区が条例提案にあわせて行ったパブリックコメントでは、60件もの意見が寄せられており、区民の関心の高さがうかがえます。中野区もこの事業を進めるに当たっては、まずは区民の声をしっかり聞くべきだと考えます。

 大田区の区域計画では、民泊の事業範囲を建築基準法でホテルや旅館が建てられる地域に限定しています。ただ、中野区でそれと同じ条件で行おうとすると、区全体の2割ほどの面積に限られてしまうことになります。では、それ以外の住居地域もオーケーとするのか否か。指定区域のどのように定めるのかについては、民泊を議論するに当たって非常に重要なポイントになると考えます。この点を踏まえた民泊に対する区の基本的な考え方、そして今後の庁内体制やスケジュールなど、現時点での取り組み状況についてお示しください。

 最後に、観光施策の一環として、路上喫煙禁止区域を拡大することについて伺います。常日ごろから安全で美しいまちを保ち、海外からのお客様を迎え入れることは、立派なおもてなし活動の一つと言えるのではないでしょうか。区のイメージアップの観点からも、自治体として力を入れて取り組むべき課題だと考えます。

 そこで伺います。その一つの方策として、来街者がふえるオリンピックに向けて、現在中野駅周辺に限定されている区内の路上喫煙禁止地区の拡大を図るべきではないでしょうか。他会派の皆様からもこれまで再三御提案がありましたが、少なくとも区内の駅周辺については、喫煙所以外全て禁止地区にすることをいま一度検討すべきだと考えます。特に東中野駅については、西口駅前広場及び自由通路を、JRではなく区が維持管理しています。しかし、そこが喫煙禁止エリアではないため、自由通路に設置されたベンチや広場の歩道で喫煙したり、吸い殻をポイ捨てしたりする方々がいます。全駅すぐには難しくとも、東中野駅西口の区の管理区域については早急に喫煙禁止とすべきではないでしょうか。区の見解を求めます。

 以上で私の全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えいたします。

 外国人観光客へのアンケートについての御質問でした。観光庁の訪日外国人消費動向調査や東京都産業労働局の国別外国人旅行者行動特性調査等の調査を参考にして、区では観光マップの多言語化や都市観光サイトの多言語対応などの外国人向け観光政策を実施してきているところであります。しかしながら、中野区に限定した外国人観光客のニーズといったようなことについて、きめ細かく幅広くとらえていくということも必要なことだと考えております。今後の訪日外国人観光客の増加を見据え、区独自の外国人観光客向け調査とはどのような形での調査が有効なのか、これについて研究をしているところであります。

 民泊の取り組み方針についてであります。近年訪日外国人旅行客が増加し、受け皿となる滞在施設の不足が見込まれる中、住宅等の空き部屋を活用して滞在施設を確保しようとする動きが見られております。国家戦略特区の外国人滞在施設経営事業、いわゆる民泊の制度活用によって良好な滞在施設を誘導することは、外国人受け入れ環境の整備とともに、海外からの誘客や滞在時間、滞在期間の延伸、それに伴う地域での消費拡大が期待されることから、その活用について検討を行っているところであります。一方で、不特定多数の旅行客が利用することに伴う近隣住民の不安解消や、ごみ出し、騒音等に係る衛生環境の確保などの課題があるとも認識をしております。導入の検討に当たっては、条例によって滞在日数や立ち入り権限を規定することに加え、運営事業者の責務の明確化や警察、消防等関係機関との連絡を密にするなど、治安面・衛生面の確保を図る対応策が必要であると考えているところであります。

 東中野駅西口の路上喫煙禁止地区の指定についてであります。区は、たばこの吸い殻などのポイ捨てのないきれいなまちの実現を目指し、年間を通じて区内各駅の周辺等において警察署や町会・自治会、そして関係団体等と連携しながら、喫煙マナーアップキャンペーンや環境美化活動を行い、喫煙者の意識向上を図っているところであります。一方、いまだルールを守らない喫煙者がいることや喫煙による区民同士のトラブルなども発生しているところでもあり、また区内全域における路上喫煙禁止を求める声などもあるところであります。東中野駅西口につきましては、駅の乗降客数や周辺における歩行者の通行量、そして地域や商店街からの要望なども総合的に判断をして検討していきたいと考えております。

〔いながきじゅん子議員登壇〕

○29番(いながきじゅん子) 民泊についての質問の中で、指定区域についてのお考えについてお答えがありませんでしたので、答弁を求めます。よろしくお願いいたします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 指定区域につきまして、どのような考え方で整理していくか。全体の環境対策等々との関連の中で指定区域も考えていくべきものということで、現在検討を進めているところであります。

○議長(北原ともあき) 以上で、いながきじゅん子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 特別支援学級の教育について

 2 障がい者・高齢者のすまいについて

 3 区職員の人的資源管理について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○28番(石坂わたる) 質問いたします。

 1.特別支援学級の教育について伺います。

 学校教育法施行規則第138条では、「特別支援学級に係る教育課程については、特別の教育課程によることができる」とされ、同139条では、学校の設置者である区の判断で検定教科書以外の教科書の採用を認めております。区内の何校かの知的障害特別支援学級の指導場面を見たところ、国語や算数・数学の教科の指導は必ずしも学年単位ではなく、柔軟に障害の程度や学習能力・学習進度を勘案した小グループの指導が行われているのを目にしました。東京都教育委員会の「平成26年~28年度使用 教科書調査研究資料(特別支援教育)について」では、「話し言葉がない段階」、「話し言葉を持つ段階」、「簡単な読み書きが可能で検定済み教科書や文部科学省著作教科書では対応が難しい段階」の3段階で子どもの障害程度や能力をとらえて教科書の選考をすべきとしています。

 なお、知的障害特別支援学級について、東京23区中15区では、発達段階や学習能力、進度に応じた教科書を個別に選んでいるものの、中野区では同一学級の同学年の児童・生徒の教科書は能力によらずに一律で同じものを採用しています。もちろん特別支援学級では、教員がさまざまな工夫をして子どもに合わせた教材も用意しています。しかし、特別支援学級に在籍をした卒業生やその保護者、現役在籍児の保護者の方からは、能力に合っていない教科書が使われているようだとの声を複数耳にしております。

 そこで2点伺います。特別支援学級の在籍児で、能力の差が大きく、統一購入の教科書が合わないお子さん、特に国語や算数・数学について、他学年の子と同じグループで指導を受けているような子については、能力に応じた適切な程度の教科書を採用すべきではないでしょうか。また、学年で原則統一の教科書を採用する場合にも、実際の教科指導に利用できる教科書を、子どもたちの障害の程度や状況に応じ、じっくり検討し、より適切に選定し、授業で活用できるものを購入すべきではないでしょうか、伺います。

 2.障がい者、高齢者のすまいについて伺います。

 28年4月からは障害者差別解消法がスタートします。内閣府作成の障害者差別解消法リーフレット(わかりやすい版)では、不当な差別的取り扱いだけでなく、合理的配慮をしないことも差別とされ、「車椅子を利用しているためにお店への入店を断られた」「アパートの契約で障害を理由に貸してくれなかった」というようなことがあってはならないとしています。しかし、賃貸住宅市場で割安な古い住宅はバリアフリー住宅や改修可能な住宅が少ない状況です。また、不動産店の店舗がバリアフリー化されていない場合もあります。さらに、ハード面のバリアフリー化がされていても、屋内でも車椅子やつえを使う人は床を傷つけるので貸したくない。火災に気づかない可能性のある聴覚障害者や耳が聞こえにくい高齢者、視覚障害者には貸したくないという対応をされたという声も耳にしています。入居後の段差解消や手すりの取りつけで大家さんの理解が得られにくい場合もあるようです。

 不動産店のバリアフリー化を促すことや住みかえ支援等で区が紹介する不動産店についてバリアフリー化の状況を確認し、協力不動産店リストに反映すること、不動産店や大家さんに安心して賃貸住宅を貸し出してもらえるように、さまざまな障害についての理解を促すこと、住宅改修によるバリアフリー化を行った際には物件の価値向上が認められる場合があることについて大家さんに理解を促すなどの対応も必要です。大家さんや不動産店の啓発を今後どのように行うのかお答えください。

 また、バリアフリー化や差別解消は、区の住まいの供給にも当てはまります。高齢による中途障害者が古くてエレベーターのない区営住宅の上層階に住んでいる場合、1階の空室が出た際に、優先的に転居ができるようにすることや階段に昇降機をつけるなどの方法が考えられます。また、重度から軽度のさまざまな障害者が親元から離れて自立した生活を送る、あるいは介助等ができる親族が亡くなった後の生活を送るための住まいの確保も必要です。民間住宅では賄えない部分について区が公営住宅や施設入所支援、グループホームなどの選択の幅を広げることが必要です。特に重度重複障害者や医療的ケアが必要な障害者の場合、見守ってくれる職員や医療的機器、災害や停電に備えた電源の確保、障害に合わせた食料やエンシュア等の経管栄養、医療消耗品などの備蓄などが必要になります。区営の住宅ではどのような対応を行うのか。また介護者を必要とする障害者のための住まいについて、グループホームなどの整備をどのように行い、施設整備等の際にはどのような配慮を考えていくのかお示しください。

 3.区職員の人的資源管理について伺います。

 職員の1人当たりの時間外勤務は分野ごとに大きな差があり、中野区職員の昨年4月の平均給与月額約46万円と比べると数人の給与が賄える時間外手当が発生している部署もあります。労働省告示「時間外労働の限度に関する基準」では、労働時間の延長の限度に関する基準として、月45時間、年360時間と定め、基本的に月平均30時間、多い月でも45時間を超えないことを求めています。一方、区では、月60時間以上の超過勤務をしている職員には人事分野から注意をし、それが3カ月以上続くようなときには人事分野へ改善書を提出することとなっています。一部の出先機関を除き、公務員にはこの労働省告示の基準は適用されませんが、業務の偏りや働き過ぎは心身の健康の悪化や疲労による業務の非効率化を生む原因となります。毎年の繁忙期を含めた平常時の時間外労働時間の格差を減らすべきです。また、超過勤務の命令時間とタイムカードの勤務時間もその乖離がある場合には改善すべき問題です。

 区は水曜日と金曜日のノー残業デーの廃止の後、毎日がノー残業デーとの建前ですが、5時まで窓口をあけているために定時退勤が不可能な部署や、超過勤務が前提の部署もあるようです。職員2,000人体制の実現による人件費の削減効果の評価だけでなく、時間外労働の状況やストレスチェックテストを生かした職員の心身の健康評価、2,000人体制に合わせた人の配置や業務の見直しの評価、業務の委託が進んでも行政が担うべき役割や業務量を見きわめた業務整理や委託で減らせた職員定数を改めてどこの部署に回すのかの計画作成、国の頻繁な制度変更に対応できる余力を残す人員配置、そして時間外労働や過剰なストレスを減らしていく目標を持つということが必要であると思われます。特に、現状をいかに把握し、今後の取り組みや目標をどうするのか。年360時間、月45時間を超えないよう超過勤務を減らすなどの必要性の観点でお考えをお答えください。

 なお、時間だけでなく、一人の職員が抱える業務範囲やなれない業務の多さの問題もあり、例えば、バックである役所の内部とフロントであるすこやか福祉センターなどの出先機関の現場の職員との間での意思疎通や意見の反映を踏まえた改善が必要です。新たな制度変更やレアケースの手続に関するマニュアルづくりや庁内研修を庁舎内の担当で主導しつつ、一方通行にならない形で出先機関の区職員や委託先の窓口の職員とも話し合い、意見を反映し、マニュアルや研修プログラムの作成、見直しを図ることも必要ではないでしょうか。また、それに加えてバックとフロントの間の人事異動を含めた人材育成、人材確保が必要ではないでしょうか、所見を伺います。

 また、フロントとバックをつなぐため、出先で多くの区民とかかわる経験をした職員や専門性を持つ職員からの核となれる管理職登用も必要です。例えば、保健師の管理職は副参事が1名のみですが、今後地域包括ケアの取り組みや制度設計も進める中、保健に関する部署以外の福祉や社会保険、教育に関する部署や時には区政経営全体にかかわる部署なども計画的に経験し、より幅広い知識や経験を身につけ、管理職試験を受けるまでの計画的な人材育成も必要ではないでしょうか。

 私の質問は以上です。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えいたします。

 障がい者・高齢者のすまいについて。不動産店等への啓発についてであります。住みかえ支援事業における住みかえ住宅の情報提供対象者には障害者も該当しているため、協定を結んでいる不動産団体には店舗のバリアフリー化を含め、今後さらなる理解を求めていきたいと考えております。

 障害者グループホームの整備についてであります。区営住宅ではスロープの設置やエレベーターの設置などのバリアフリー化に取り組んできました。なお、階段の昇降が困難な方の1階への転居については、空き住居が申込数に対して極めて少ないところから難しい状況となっています。障害者グループホームについては、これまで都や区の補助金活用をしながら民間で整備をしてきました。合わせて27カ所のグループホームが整備される見込みとなっています。医療的ケアの必要な方を含む重度の障害者が利用可能なグループホーム整備に向けては、区有地の活用などさらなる支援の実施を考えております。区営住宅やグループホームで生活する方が安心して暮らし続けられるよう、災害時にも対応できる施設設備のあり方を今後検討する必要があると考えております。

 時間外勤務の現状認識と上限の見直しであります。平成26年度に1カ月60時間を超える時間外勤務をした職員は延べ167人で、前年度より15人減少しています。一方、100時間を超える時間外勤務が毎年一定程度発生している状況が見られる、このことは確かであります。厚生労働省の示す年360時間、月平均45時間を超える事例も、少数でありますが、見られることは確かで、改善に努めていかなければならないと認識をしております。

 この時間外勤務の管理につきましては、四半期ごとに行っております、私、それから副区長、教育長、そして部長が出席をする財政執行管理会議において各分野単位での状況を確認し、個人の最多時間、分野の平均時間、執行に当たっての管理の状況などを検証し、職員のワークライフバランス、職務能率の改善等に努めているところであります。今後ともこうした取り組みをより強めてまいります。

 出先機関と区役所内部の人事異動と人材育成。区民に身近な場所で幅広いサービスを提供するすこやか福祉センターや地域事務所、区民活動センターなどでは、関連部署とのきめ細かい情報共有、意思疎通、迅速なマニュアル整備等に取り組んでいるところであります。また、計画や企画、組織の運営、調整等の業務に精通した人材と区民対応や窓口業務に精通した人材の交流は、それぞれの質の向上に役立つものと考えており、より効果的な人員配置を行っていきたいと考えております。

 専門性のある職員の管理職登用について。区においては、これまでも福祉職、保健師、衛生監視、検査技術など専門性が高い職員が管理職となっている事例があります。管理職には、政策形成能力、判断力、危機管理能力、マネジメント能力等、さまざまな能力が求められますが、現場を知り、区民のニーズを把握している、このことが重要であります。このため、現場経験が豊富である職員や専門性が高い福祉職や保健師などがその経験や専門性を生かして管理職として活躍することも望ましいと考えておりますので、今後とも育成に取り組んでまいります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 特別支援学級で使用する教科書についての御質問です。特別支援学級で使用する教科書の採択については、1教科につき1学年1種類の教科書を採択することを原則としておりますが、児童・生徒の障害の程度に著しい差があり、個別指導等を行う場合は、教育委員会の責任で判断することとされております。現在も児童・生徒の実情を把握している学校からの具申に基づいて教科書を採択しているところです。また、教科書とともに副教材等を活用し、児童・生徒の障害の程度に応じた指導の充実にも努めております。今後とも児童・生徒の状況に合わせた教科書等の選定に努めてまいります。

○議長(北原ともあき) 以上で、石坂わたる議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時26分休憩

 

午後2時50分開議

○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 待機児童対策について

 2 学習支援事業について

 3 奨学金について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

○18番(小宮山たかし) ただいまより小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。質問を1件省略したほか、その他の質問を1件追加させていただきます。

 ことし1月から11月1日まで、中野区の5歳以下の乳幼児人口がどれだけふえたのか調べてみました。1月には1万2,503人だった乳幼児人口は、11月には1万2,951人と、わずか10カ月の間に約450人も増加していました。こうした急激な人口増とともに、保育需要そのものも近年増加傾向にあり、待機児童の解消が急務であることを私はこれまで幾度となく訴えてまいりました。

 今、来春の保育園入園申し込み受け付けが始まっていますが、昨年の待機児童数が172人であったのに対し、来春新たに増加される予定の定員数は約500人分と、単純計算をすれば来春の待機児童数がゼロになってもおかしくはありません。いろいろと細かい部分に不平や不満がないこともありませんが、総じて言えば、区の待機児童解消にかける意気込みは非常に頼もしく、私が議員になったかいがあったものだとそう感じております。

 さて、来住議員の質問にもありましたが、今回若宮に新設される民設民営の保育園に関して、近隣住民への周知が足りなかったのではないかということが東京新聞に取り上げられておりました。区が保育園新設を発表したのが6月末、それ以降、複数の近隣住民が区や事業者に対して情報提供を求めたそうですが、その対応は鈍く、業を煮やした近隣住民が近隣住民の総意として説明会の開催を要望し、第1回目の説明会が開催されたのは、保育園新設の発表から4カ月も経過し、基礎工事が始まった11月になってからのことであったそうです。民有地に建てられる民設民営の保育園ですから、説明会をするかしないかということは事業者に任せているというのが区の判断なのでしょうが、その保育園を誘致したのは誰ですか。中野区です。その保育園新設に補助金、区民の税金を出しているのは誰ですか。中野区です。その保育園の入園審査をするのは中野区です。その保育園の運営に関して何か問題があれば、指導監督をするのも中野区です。そして、その保育園に子どもを預けるのは中野区民であり、保育園というのは区民の命を預かる施設でもあるわけです。民設民営の、例えばマンションと民設民営の認可保育園を同列に考えて、民設民営だから区はタッチしません。説明会は事業者の責任で行いますというのも、区民にはなかなか理解されにくいお話です。

 近隣住民には住民ならではの言い分もあります。例えば、保育園の前の道路は近隣の抜け道として活用されており、朝夕の交通量は意外と多いとか、その地域に住む住民でなければわからないような地域の特性や特殊事情もあり、今回の若宮のケースに限らず、保育園の新設に当たっては、近隣住民の要望を取り入れた設計や運営をされることが望ましく、地域に愛される保育園として今後半永久的に保育園と住民が共存共栄をしていくためには、近隣住民の理解を得るための事前調整が非常に重要であります。区が説明会を主催しろとまでは言いませんけれども、地域住民と事業者の間に立ってしっかりと調整を行い、区外から来た事業者ではなかなか把握できないような地域事情も踏まえた適切なアドバイスや助言をより積極的に行うべきでありますが、いかがでしょうか。

 次に、学習支援事業の拡充についての質問項目を挙げ、しいの木塾の拡充について質問しようと思いましたが、今回は割愛をさせていただき、その次、奨学金について質問をさせていただきます。

 長野の山奥で生まれ、新聞配達少年であった私が、今、ここ中野区で区議会議員をしていられる。私はその原動力は教育、教育の力によって私は貧しさの中から抜け出すことができた。自分自身の経験を通して私は教育の力を信じています。今、アベノミクスによって経済の格差が開き、貧しい者はますます貧しくなっていく貧困の連鎖がとまらなくなっていると言われています。本来、子どもたちには無限の可能性があります。夢を目指して頑張れば報われる。そういった社会をつくっていくことが我々大人、そして政治家の責任であると、私はそう考えております。しかし、生まれ育った環境によって、夢を見ることができない。たとえどんなに頑張っても夢をかなえることができない。そんな環境で生きている子どもたちを何とかしてあげたい。たとえ貧しい家庭に生まれても、頑張れば区議会議員  (発言取り消し)    (発言取り消し)  なれますよと、そういう、そういう社会を私はつくりたいんです。

 かつて中野区には、高校の進学に当たり、独自の奨学金制度がありましたが、平成20年に廃止されてしまったそうであります。かつて廃止された理由をひもといてみますと、ほかの奨学金制度と比べて見劣りがするため、中野区独自の奨学金をやる意味があまりないという理由でした。中野区から借りるよりは、ほかのところで借りたほうがいいですよと。それはそれでもっともなことなのですが、例えば、大田区では無利子貸付奨学金や返還不要の給付型奨学金など、他の奨学金に引けをとらない魅力的な奨学金制度を区独自で持っており、その利用者は1,000人を超えるそうです。また、大田区以外にも杉並、荒川、足立、世田谷、江戸川、品川など23区でも独自の奨学金制度を持っている区は少なくありません。子どもの貧困やその貧困の連鎖が問題となっている今、改めて中野区独自の奨学金制度の復活、もしくは創設をされてはいかがでしょうか。

 次に、その他の質問として、業務委託の提案制度について質問をさせていただきます。区が区民団体からの提案を受け、必要に応じてその業務を提案してきた民間団体に委託するという業務委託の提案制度が始まって10年が経過しました。しかし、過去10年で採択されたものは計3件のみ。そのうち、現在も事業継続しているのはたった1件のみであります。初年度は7件、次年度は6件あった応募の数は年々減り続け、昨年に至っては、応募そのものが0件でありました。区民の間にもこの制度のハードルの高さ、ネガティブな認識や評価が広まってしまったのではないかと私は考えています。

 業務委託の提案制度そのものは新しい公共の理念とも合致していますし、民間にできることは民間へという区の姿勢とも合致しています。さらには、民間ならではの柔軟な発想で、これまでになかった新しい事業を起こしてくれるものと私も大いに期待したいところであります。しかし、現在の制度が悪いのか、審査が悪いのか、応募者が悪いのか。とにかく今のままでは仏つくって魂入れず、有名無実で形骸化した制度になり、  (発言取り消し)  区民からのクレームなどがあった際に、そういう提案は業務委託の提案制度にしてくださいと区民からのクレームをかわすための単なるガス抜き、逃げ道に使われたりしてしまうのではないかと危惧しています。これまでの10年を振り返って、この制度に対するチェック、検証と何らかのアクション、改善策が必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 以上で私の一般質問を終了します。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小宮山議員の御質問にお答えいたします。

 若宮に新設予定の保育園に関連しての施設建設の周知についての御質問であります。保育所開所に当たり、近隣住民の理解・協力は重要であると認識をしております。民間事業者に対しましては、補助事業である趣旨を踏まえ、近隣との良好な関係づくりや丁寧な説明をお願いしているところであります。保育施設整備の計画や入所希望者の利用調整につきましては区の役割でありますが、民間事業者が民有地を確保し、民設民営の保育所を整備することに関して、その整備の内容や進め方については事業者みずからが行うべきものであり、これまでもそのように行われてまいりました。保育の必要性や運営の基準など保育行政にかかわることについて、区としては必要があれば説明も行ってきているところであります。

 区独自の奨学金制度の創設復活についてであります。区の奨学金につきましては、貸し付け額や償還期間等が比較的有利な他の類似制度が充実してきたことや生活保護制度の生業扶助における就学補助費支給の仕組みが新設されたことなどから、平成20年に奨学金貸付制度を廃止したところです。現時点においても、東京都育英資金や社会福祉協議会の生活福祉資金等、他の奨学金制度が整備されているものと認識をしております。したがって、区として新たな奨学金制度の創設や復活をさせる考えはありません。

 業務委託提案制度の改善についてであります。業務委託提案制度による委託実績が少ない原因は、制度周知など区からの情報発信が必ずしも十分ではなかったといったことなどにあろうかと考えております。公共サービスへの公益活動団体の参入機会の拡大という事業の趣旨を考えてみていくと、高齢者会館運営への地域の団体の参入に見られるように、区内では多くの団体が活動してきている、そうした実態もあるところです。今後は、こうした地域の公益活動団体に対して直接応募を呼びかけるなど、制度周知に努めるとともに、企画内容についての事前相談に力を入れるなど取り組みを強化してまいります。

○議長(北原ともあき) 以上で、小宮山たかし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 渡 辺 たけし

 1 東日本大震災の被災地に対する職員派遣について

 2 中野区地域防災計画について

 3 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、渡辺たけし議員。

〔渡辺たけし議員登壇〕

○7番(渡辺たけし) 維新の党の渡辺たけしです。

 質問に先立ちまして、11月14日にパリで起きたISによる無差別テロにより犠牲となられた方々に、平和を願う一日本人として心からのお悔やみと哀悼の意を表します。

 今回の無差別テロは、私たちにさまざまな問題提起を示しております。平和な日常生活は、テロ行為により一瞬にして戦争状態に陥りました。この事態は私たちにとって決して他人事ではなく、現に中東での人道支援を行う我が国をテロの標的にするとISは宣言しております。テロにおびえて人道支援から撤退するか、テロの標的になることを覚悟して人道支援を続けていくか。日本人一人ひとりが真剣に考えた上で大きな決断をする時期に来ているのではないでしょうか。このたびの無差別テロは決して対岸の火事ではありません。来年の伊勢志摩サミットを控えた中で、首都東京がテロのターゲットになることは十分にあり得るでしょうし、場合によっては、ここ中野区においても危機管理が必要となることも考えられます。

 それでは、初めに、東日本大震災の被災地に対する職員派遣について質問します。

 パリ無差別テロが起こる2週間前、私は東日本大震災の被災地で現在復興まちづくりを進めている宮城県東松島市へ行政視察に行ってきました。人口約4万3,000人いた東松島市では、地震による津波で1,110人の方々が犠牲となっております。あの震災から5年近くが経過しましたが、現在でも公共施設が未整備の地域があり、依然として仮設住宅にお住まいの方がいらっしゃるなど、復興は道半ばの状況でした。その中で、東松島市においては、中野区から4名の職員が派遣され、彼らは日夜活躍をしております。東松島市の阿部秀保市長からは、中野区からの職員には助けられており、大変ありがたいという言葉をいただきました。

 この復興支援の一環である職員派遣について、阿部市長より直接の要請を受けましたので、この場で報告と確認をしたいと思います。東松島市を含め、復興地域ではようやくまちづくりの土台ができつつあり、これから本格的に復興に向けた歩みが行われようとしております。その中で重要なのは人材の確保です。これまで全国の自治体から被災地に職員が派遣されていましたが、自治体によっては震災から5年近くたっていることや、財政的な理由等で職員派遣を取りやめているところが出てきております。ところが、震災復興計画は10年単位でつくられており、阿部市長からは、何とかあと5年は職員派遣を継続していただきたいとの要請を受けました。また、現地で被災地支援を行っている中野区職員と面会しましたが、日々多忙な状況が続いているとの話を伺いました。

 そこで、中野区の見解を伺います。私は被災地を視察した結果、職員派遣については阿部市長の要望どおり5年継続すべきと考えますし、職員の業務量の膨大さをかんがみると、可能であれば増員も検討すべきと考えます。区の見解を伺います。

 続きまして、中野区の防災マニュアルについて伺います。東松島市での視察では、震災時の初動対応について復興におけるまちづくりの進捗状況を報告いただき、災害に備えて取り組んできたノウハウを紹介していただきました。彼らが震災の経験を経て実感したことは、有事の際の初動対応の必要性と首長の決断と確保、行政組織のチームワークとのことでした。当時の首長であった阿部市長は、市役所に設置した災害対策本部から1カ月間、基本的に離れることなく、毎日分刻みで刻々と入ってくる情報の整理、瞬時の決断と指示を行ったとのことです。震災経験を乗り越えた方々の言葉には説得力と重みがあります。例えば、行方不明者の捜索は、土地勘を持っていない人が行っても意味がない。地元の消防団や建設業協会の人間、広域の消防署の方たちが連携して捜索をする必要がある。分刻みで入ってくる情報に対して、首長の決断後、スピード感を持って対応するためには、対応する行政側の所管部署、組織、管轄がどこになるのかを事前に把握しておく必要があるため、各行政組織の役割分担表を作成すると情報伝達がスムーズに行えるなどという、実際に行って効果の出た実例を挙げながら説明をしていただきました。また、震災後の防犯については、治安悪化を避けることはできない。倒壊した家屋などへ入って貴重品を盗んだり、ATMを壊して現金を盗んだり、倒壊した電柱から銅線を盗む窃盗団がいるなどという犯罪報告が上がっているなどという実際に起こった犯罪内容を教えていただきました。また、復興時期になると、安く建物をリフォームすると言いながら、高額な請求を出す悪徳業者が出てくる。人の心の弱い部分につけ込んで、甘い言葉をささやいてくる業者も一定数存在するという話も伺いました。

 このように、震災後に実際に起きている事例を見ていくと、震災直後の人命救助についてのノウハウや震災後の治安悪化という現実を現地の被災地から学びとることができます。警察白書によりますと、被災に便乗した犯罪を取り締まるために、被災を受けた岩手、宮城、福島の警察は、特別機動捜査派遣部隊とともに活動し、強盗、窃盗等235件、278人を検挙しております。

 また、被災地では瓦れき処理やごみ対策が大きな問題となっております。東松島市においては、瓦れきの97%をリサイクルした東松島方式という処理の仕方が国の優良事例として紹介されています。瓦れきを14種類に細かく徹底的に分別する方式で、300万トンの瓦れきを資源化し、当初概算で730億円かかると見られていた瓦れき処理費用を580億円に抑え、なおかつ、瓦れき処理に当たっては被災者が全部手作業で処理し、被災地の現場で被災者の中から雇用を生み出しました。

 中野区で今一番に懸念される災害は首都直下型地震でありますが、災害発生後に起こる事象というのは共通する部分があるかと思われます。特に東京都内は東北の地方都市よりも地域社会のつながりが薄く、平時から外国人犯罪が多いため、震災後の治安悪化が懸念される大きな問題です。

 そこで伺います。首都直下型地震を想定した中野地域防災計画において、瓦れき処理に対する取り組み部分について、この東松島方式を参考にした処理方法を導入することは可能でしょうか。激甚災害法、災害救助法の適用がされなかった場合、瓦れき処理費用は全て区の負担になることを考えると、平時の際の備えは必要であると思われます。また、震災後の治安悪化は避けることのできない事象であることが容易に推測できます。警察、消防に頼る部分が多いところではありますが、区としても対応できる部分を防災マニュアルに示すことで区民の安心・安全につながると考えます。区の見解を伺います。

 被災地の方たちは、全国からさまざまな支援をいただいたことに大変感謝をしておりました。鎮魂と感謝を合い言葉に震災を通して学んだことを復興支援に協力いただいた全国の自治体に伝えて少しでも恩返しをしたいという気持ちを強く持っておりました。今後も東松島市をはじめ、各被災地へ中野区の職員を派遣していく中で、被災地の現場でしか学ぶことのできないノウハウを多数共有し、中野区の防災マニュアルに生かしていくことを期待して私の一般質問を終了します。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 渡辺議員の御質問にお答えいたします。

 被災地への職員派遣の継続についてであります。区では、平成24年度から東松島市を含め4自治体に11人の職員派遣を継続して行っております。現在の職員数2,000人からすれば5%の職員派遣ということで、決して少なくない数を派遣していると、こう考えております。今後とも被災自治体の復興事業の進捗状況や要望を伺いながら、必要に応じた職員派遣は継続をしていきたいと、このように考えております。

 災害における瓦れき処理に関連しての御質問がありました。瓦れきを現在の中野区地域防災計画では4種類に分別することとしております。災害時の瓦れきは、特別区清掃一部事務組合、東京都、処理業者が密接な関係を図りながら処理することとなっており、瓦れき処理費用の縮減のみならず、埋め立て処分量の削減を図るため、資源物についてはできる限り再資源化することが必要と認識をしております。瓦れきの中から資源物を分別するに当たっては、分別の作業場所や買い取り業者へ引き渡すまでの一時保管場所等の確保が必要であること。また、早期の災害復旧に向けて瓦れきを迅速に処理する必要があることから、まず、瓦れきを廃木材、コンクリート殻、金属片、その他に分別し、廃木材、コンクリート殻、金属片を再資源化する計画としたものであります。こうした再資源化の拡大に向けて、より効率的な分別回収の工夫や分別作業、一時保管のためのスペースの確保が図れるか研究していきたいと考えております。

 震災後の治安維持についてであります。区は、地域防災住民組織活動の手引きで、無人となった地域における要救助者や通電火災への対応と防犯の観点から、地域内パトロールが重要であることを示しております。避難所運営会議などの機会に地域内パトロールについて周知に努めてまいります。

 先ほど11人と言って、2,000人の5%と言ってしまいました。0.5%だというメモが入りましたので、おわびして訂正をいたします。

〔渡辺たけし議員登壇〕

○7番(渡辺たけし) 再質問いたします。

 今回の一般質問で私が言いたかったことというのが、被災地に現場で働いている職員さんが中野区から4名派遣している、その他にもいろいろいらっしゃるわけですから、現地で学んだことをやはり中野区で生かしていけたらいいんじゃないかということだったんです。23区の中で、大田区と中野区だけなんですよ。だから、23区の中で中野区というのは防災意識というのは高いというふうな、そういったものもつくれるんじゃないかと。中野区は、被災地の現場から学んだことを中野区の防災マニュアルに生かしています。だから、防災に非常に強いまちですというようなことも言えると思うんですね。ですので、そういったところをこれから意識して共有していけたらというところだったんですけど、その辺の見解をお聞かせください。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 被災地へ派遣した職員はさまざまな業務についておりますが、その中で大変大きな学びを得ているというふうに実感をしております。土地柄も違えば、被災の状況も違うだろうということはあると思いますが、やはり大きな災害を受けたとき、自治体の活動がどのようになっていくのか、住民の暮らしがどうなっていくのか、そうしたことに実際に寄り添って活動した経験というのは、中野区の中でも大きく生かしていくことができるだろうと、このように考えております。また、中野区の派遣職員と一緒に活動している、その現地の職員の方からも、もし中野区が被災があったら、自分が真っ先に駆けつけるつもりだというようなことを言ってくれるというような場面もあったりして、そういう意味では自治体間の連帯というものも涵養しているのかなというふうに思っております。

○議長(北原ともあき) 以上で、渡辺たけし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 内 野 大三郎

 1 中野駅北口周辺の放置自転車対策について

 2 区有施設の指定管理者モニタリングについて

 3 プール利用によるオリンピック・パラリンピックの機運醸成について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、内野大三郎議員。

〔内野大三郎議員登壇〕

○8番(内野大三郎) 平成27年第4回定例会に当たり、日本の文化と伝統を守る無所属議員の立場として一般質問をさせていただきます。

 質問通告でお示ししたとおり、本日は、1.中野駅北口周辺の放置自転車対策について、2.区有施設の指定管理者モニタリングについて、3.プール利用によるオリンピック・パラリンピックの機運醸成についての三つの質問をさせていただきます。その他の項目はございません。

 初めに、中野駅北口周辺の放置自転車対策についてです。

 中野の四季の都市(まち)開業に伴い、中野駅北口周辺には、夜間や週末に放置自転車がふえ続けています。便利で手軽な乗り物である自転車については、近年歩行者との事故が急増し、今年6月の道交法改正により、安全運転については、自転車運転者講習制度が確立したばかりです。これは法改正であるため全国一斉に施行され、各都道府県警の取り締まりもこれから実効性が確保されることと思います。しかし、一方で、保管場所については、家庭や事業所ごとに、また各自治体の整備、規制に委ねられているところがあり、中野区でもその運用について条例等が存在をしています。しかし、駅周辺など公共性の高いエリアについて、規制区域の指定をしてありながら、その強制力や実効性が確保できておらず、平日に行う区の自転車撤去の時間以外の祝日及び夜間に関しては行き届いていないのが現状であると思います。実際にその時間帯に中野駅北口周辺を歩いてみると、大手銀行横の中野通りの歩道は、車椅子やベビーカーが行き違うことができないほど放置自転車であふれてしまっています。一時的に銀行を利用しているにしては台数が多過ぎます。区の自転車撤去の手薄な時間帯に対策を絞る、引っ越しシーズンなどに集中的に自転車撤去を行うなどをして撤去の強化をしていただくことはできないでしょうか。ルールを守る人が多いまちほど犯罪が減少します。ルール違反の放置によって、犯罪行為の黙認と受けとめられないような対策を講じていただきたく、重ねてお願い申し上げます。

 次に、区有施設の指定管理者モニタリングについてです。

 中野区では、現在、指定管理者制度を利用して管理運営を委託している施設が36施設あります。区が独自に運営するよりも、民間でできることを民間に任せるという指定管理者制度の趣旨を活用しての財政負担の軽減と区民サービスの向上が目的かと存じます。指定管理者に業務を委託するに当たっては、候補事業者に対しての事前チェックが二重三重に行われています。また、区は、指定管理者ガイドラインを独自に制定し、事業者との意思疎通を迅速に図っているようです。

 一方、平成22年総務省通知には、「指定管理者が労働法令を遵守することは当然であり、指定管理者の選定にあたっても、指定管理者において労働法令の遵守や雇用・労働条件への適切な配慮がなされるよう、留意すること」とあります。あす12月1日から始まるメンタルヘルスケアのストレスチェックに対する各企業の対応やマイナンバー制度などの例を挙げるまでもなく、法令や制度改正などが頻繁に生ずる場合に備えて、区からの確認のみならず外部の専門家による確認も必要になるのではないでしょうか。

 昨今の企業不祥事は、企業規模の大小にかかわらず、頻繁に生じているのも現状です。指定に当たってのチェックは、区との信頼関係を基礎にしているとはいえ、区独自のチェック機能に加え、法律の専門職からの視点でダブルチェックをすることによって、ひいては区民に対する指定管理者制度の説明責任を十分に果たし、施設利用の区民に安心を与えることができると考えていますが、いかがでしょうか。

 最後に、プール利用によるオリンピック・パラリンピックの機運醸成についてです。

 この週末に行われた東京都と東京都議会が主催の地方議員対象のシンポジウムに出席してきました。テーマは、「全国におけるオリンピック・パラリンピックの気運醸成について~地方議会の果たす役割~」でした。中野区議会からも私のほかに数名の先輩議員も参加し、また全国から200名以上の地方議員が駆けつけ、オリンピアン・パラリンピアンを交えてのパネルディスカッションも活発な議論で盛り上がりました。オリンピック憲章にあるオリンピズムには、「オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意思と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。スポーツを文化と教育と融合させることで、オリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、よい手本となる教育的価値、社会的責任、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重に基づいた生き方の創造である」とあります。スポーツを文化と教育と融合させることで、さまざまな生き方を創造するということは、区民にとっても生涯スポーツやその目標を持ち得るいい機会になると思います。中野区には、さまざまな運動の競技団体があります。オリンピック・パラリンピックの競技種目もあれば、そうでないものもたくさんあろうかと思います。しかし、1964年東京大会以来、悲願であった二度目のオリンピック・パラリンピックの東京開催に向けての機運醸成を図るには、やはり競技種目、とりわけ当時から日本がフジヤマのトビウオとして世界に名をはせるようになってから、水泳日本の復活を期する機運を中野から醸成したいと思います。

 そこで、区内プール施設を使ってのオリンピック・パラリンピックの機運を醸成する事業を展開してはいかがでしょうか。具体的には、既に他区では実施したことがある事業ではありますが、競泳史上、また日本人全種目の金メダリストの中でも最年少記録を保持している岩崎恭子さんを招聘しての水泳教室を行ったり、区長の大学の後輩である田中雅美さんや中村真衣さんをお呼びしてはいかがでしょうか。

 以上で、私の全ての質問を終了いたします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 内野議員の御質問にお答えをいたします。

 中野駅北口周辺の放置自転車対策についてであります。自転車利用の多様化により放置自転車がふえる時間に変化が生じてきた、そうした傾向を受けまして、平成25年度からは土・日の撤去回数をふやすとともに、撤去する時間帯を夕方の時間帯に移行するなど、放置の抑制に努めているところであります。今後も放置自転車が多くなる時間帯や曜日、そして時期なども見きわめながら、より効果的な放置自転車対策を実施していきたいと考えております。

 区有施設の指定管理者のモニタリングについて、外部の専門家によるチェックをするべきではないかといったようなことであります。指定管理者においても労働安全衛生法の改正によるストレスチェックの義務化や番号法による従業員のマイナンバーの取り扱いなど、指定管理業務に関するさまざまな法制度に適正に対応し、法令を遵守することが必要であると考えております。指定管理者による法令の遵守や業務の適正な履行を担保するために、指定管理者へのヒアリングや現地における業務の実施状況の確認、事業報告の内容審査等を行い、利用者アンケートの分析結果や苦情、要望への対応状況等の確認を徹底して、改善すべき点がある場合には区が指定管理者に指示を行っているところであります。外部の専門家を活用した指定管理者に対するチェックの仕組みについて、他の自治体での事例なども研究し、必要性や、あるいは費用対効果といったことについて分析をしてみたいと考えます。

 オリンピック・パラリンピックの機運醸成に関連して、プールを使ったイベントの実施という御質問でした。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の機運醸成やスポーツの普及啓発のためにさまざまなスポーツイベントを行うこと、これについては区として積極的に推進をしていきたいと認識をしております。今年10月には、オリンピアンを招聘した普及啓発事業を行ったところであります。来年度にはパラリンピック関連イベントの実施についても検討をしております。そうした中で、プール施設を活用したイベントについても今後検討してまいります。

○議長(北原ともあき) 以上で、内野大三郎議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 細 野 かよこ

 1 平和の森公園の再整備について

 2 介護保険制度の地域支援事業について

 3 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、細野かよこ議員。

〔細野かよこ議員登壇〕

○17番(細野かよこ) 市民自治を広げる中野・生活者ネットワークの一員として質問をいたします。

 初めに、平和の森公園の再整備について、防災公園、都市緑地の観点から2点伺います。

 平和の森公園は、区のホームページで、「下水処理場と公園との兼用として計画された防災公園です」と紹介されているとおり、中野区初の広域避難場所として、防災公園という目的を持って1985年から整備が始まった公園です。災害時用のトイレや非常用照明などの防災施設がありますが、平和の森公園を防災公園たらしめているもの、それは何といっても公園の北西部に広がる幅約20メートルのシイ、カシノキなどの常緑広葉樹、ケヤキなどの落葉広葉樹からなる防火樹林帯ではないでしょうか。中野区の木でもあるシイ、カシノキなどは火防木の効果があり、阪神淡路大震災、東日本大震災で災害に強いことが証明されています。こうした常緑広葉樹は20年から30年で防火・防災機能が望めると言われており、まさに平和の森公園の樹林帯がその効果を発揮できる樹齢に達しています。

 一つ目の質問です。区はこれまで30年間、この公園の防火樹林帯をどのような目標を持って育ててこられたのか。また、この防火樹林帯の意義をどのように考えておられるのでしょうか、伺います。

 東京都の水害対策事業として妙正寺川沿いに雨水貯留施設が整備されていますが、都市緑地としての平和の森公園自体が自然の雨水貯留施設として浸透機能を有しており、内水氾濫の低減に重要な役割を果たしています。また、さまざまな生物が生息する生物多様性保全の拠点となり、COを削減し、都市の気温を下げ、大気を浄化するなど、公園緑地から私たちが得ている恩恵ははかり知れません。今、東京都は31ある都立公園の生物多様性整備計画の策定を進めています。それが当区では30年も前に平和の森公園の整備が開始されたことを考えたとき、先人たちの先見の明に感謝せずにはいられません。ここに建物をつくることは景観を劣化させ、地面を覆い、生態系を衰退させてしまうなどこれまで育まれてきた自然の循環を壊すことにつながります。

 そこで二つ目の質問です。平和の森公園の都市緑地としての役割と価値を区はどのように認識されているのでしょうか、伺います。

 続きまして、平和の森公園への体育館建設計画について3点伺います。

 1点目の質問です。平和の森公園への体育館建設は、既存のどういった方針、計画に基づいて計画されたのでしょうか。確認のために伺います。新体育館については、配置や建築面積などの詳細はまだ示されていませんが、配置については公園南側の草地広場は人工地盤上であることから、重量物を載せたりできないため、公園北側への体育館建設が考えられます。建築面積については、中野区立公園条例、公園施設の設置基準で100分の12を限度とすると定められています。平和の森公園全体の面積約6.5ヘクタールの100分の12は約7,800平米となり、仮にこれだけのものを公園北側に建設するとなると、既存樹木への影響が出てくることは必至です。新体育館の建設に当たり、防火樹林帯や公園の樹木の伐採によって平和の森公園の防火、地震に対する地盤強化や治水などの防災機能の低下を心配する声が区民の方々から上がっています。

 そこで二つ目の質問です。区は体育館の建設と公園の再整備によって、防災機能を向上させるとしていますが、樹木の伐採による防火・防災機能の低下をどのように補完しようとしているのでしょうか、お答えください。

 次に、本計画の進め方についてお尋ねします。平和の森公園の再整備計画は、ことしの第1回定例会での報告の後、7月16日には平和の森公園の再整備及び新体育館の建設についての区長の記者発表があり、区報11月20日号では、平和の森公園の再整備でスポーツの場づくりとしてほぼ1ページが費やされていますが、これまで区民向けの説明会や意見交換会などは開催されていません。現在のスケジュールでは、15年度中に整備基本構想と整備基本計画を策定する予定ですが、そうだとすると、これから区民の方々との意見交換会を開催するにしても、残りわずか3カ月もなく、これでは住民意見を十分に反映する時間があるのか大いに疑問です。

 この項、最後の質問です。区はどの時点で意見交換会、あるいは説明会を開催するのでしょうか、御予定を伺います。また、本計画への区民合意を図る十分な時間がない場合には、拙速に計画決定しないよう求めますが、いかがでしょうか。

 新しい体育館と陸上トラックの必要性を否定するものではありません。しかし、その場所が平和の森公園でいいのかについては再考すべきと考えるところです。時がたつにつれ、まちは変わっていきますが、公園は変わらない、変えないことが地域の文化を育むものとして存在価値があるのではないでしょうか。平和の森公園は、当時の区民と区と議会が一体となってつくり上げた理想の姿をした公園です。平和の森公園の姿とあり方を変えるこの計画については、開園から30年後の今を生きる区民と区がともに考える場をつくることが必要であることを申し添え、次の質問に移ります。

 続きまして、介護保険制度における地域支援事業について2点伺います。

 介護の社会化を目指して2000年に導入された介護保険制度は3年ごとに制度の見直しがなされてきましたが、ことし2015年の制度改正では、介護予防給付が新総合事業に再編され、新しい地域づくりの推進という視点が盛り込まれました。当区においては、来年度からの新総合事業のスタートに向けて準備が進められています。今回の制度改正で示された新しい介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業の3本の柱からなる地域支援事業の意義は、介護保険制度の一部改正という意味合いを超えた新しい地域づくりの一大改革と言われています。

 一つ目の質問です。新しい地域づくりが目指すところは何だと区はとらえておいででしょうか。また、当区においてはどのように地域づくりを行っていくのでしょうか、伺います。

 今回の改正で大きな変更となる要支援1・2の利用者を対象にした生活援助では、これまで訪問介護職員は、介護福祉士、介護職員初任者研修などの修了者でした。しかし、新総合事業の緩和型サービスでは、区がその内容を確認した事業者による研修を受講した者も従事できるようになります。介護の現場からは、介護度が軽い利用者への生活援助も、介護予防の観点から利用者の自立を支援するという視点を持ってサービスを行うことが重要だとの指摘があり、緩和型サービスの生活援助が単価の安い家事代行になってはならないと考えます。

 二つ目の質問です。緩和型サービスにおける利用者への自立支援の視点を持ったサービスについての考え方とその担保について区の見解を伺います。地域支援事業、自立支援について伺いましたが、今回の介護保険制度の改正に盛り込まれた新しい地域づくりは、高齢者だけでなく障害者や子どもなど、誰もが集える居場所が地域に点在することが成功の鍵だと考えます。こうした地域での居場所づくりを推進していただくとともに、区民の活動や事業への支援と情報提供を要望しまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 細野議員の御質問にお答えをいたします。

 介護保険制度の地域支援事業についてであります。地域支援事業が目指すところと地域づくり、今回の介護保険制度による新しい地域支援事業が目指すものは、医療や介護のみならず、福祉サービスを含めたさまざまな生活支援サービスが提供され、必要な支援を届けていくことのできる地域包括ケアシステム構築の実現であります。その実現には住民の主体的な参加が前提となり、行政は民間とのパートナーシップの中で全体をマネジメントしながら、地域に多様な主体による活動を生み出していくためのコーディネートを行い、地域づくりを進めていきたいと考えております。

 基準緩和サービスの自立支援の考え方についてであります。現行の予防訪問介護、通所介護の運営基準を緩和した形で実施する緩和基準サービスは、他の介護予防・日常生活支援総合事業(新総合事業)と同様に、介護予防や自立支援を目的としております。このため、利用者の心身の状態が改善され、介護予防や自立支援という事業目的が効果的に達成されているかどうかを分析・評価する方法や事業所に対する研修のあり方など、サービス水準を確保するための方策について現在検討をしているところであります。また、事業目的を効果的に達成するため、通所型サービスについては、利用者の改善の度合いに応じて事業者に対する報酬を加算するなど、事業者にインセンティブが働く仕組みについても今後検討していきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 平和の森公園の再整備について、3点についてお答えを申し上げます。

 平和の森公園の樹木帯の意義についてでございます。平和の森公園を緑の広場と避難場所として計画した際に、公園外周に樹林帯を設けることとしたもので、災害時には市街地における延焼火災から広域避難場所の安全性の確保を図るための一つの対策であると考えております。また、この間この樹林は順調に成長しており、区は適正に管理、剪定を行ってきたものでございます。

 次に、公園の緑地が持っている役割などについてでございます。平和の森公園に限らず、都市公園の役割は保水機能の確保やCO削減の効果をもたらすことはもとより、多様なレクリエーションや自然との触れ合いの場、潤いのある生活環境の形成、地域の防災性の向上、豊かな地域づくりに資する交流の場の提供など、多様な機能や効用を有する都市と緑の根幹的な施設であると認識しております。

 次に、樹林伐採による防火・防災機能の補完についてでございます。体育館を含めた公園の再整備内容が定まっていないため、どの程度樹木の伐採を必要とするかわからないところでございますが、そのような場合においても新植や移植などにより防火・防災機能が低下しないように計画していきたいと考えております。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、体育館の方針、または意見交換会について説明をいたします。

 中野体育館の移転整備につきましては、現10か年計画におきましての第3章の中で、「子どもから大人まで、地域の中で自分の力をのばせるまち」の主な取り組み、スポーツ施設の整備で位置付けているところでございます。区民の健康づくり、スポーツの場の整備は、以前に増して区の課題となっており、区民のスポーツへの参加を高めていくためにもさまざまな屋内・屋外スポーツ機能をあわせ持ったスポーツの中心的な場所が必要であると考えており、大規模な敷地を持つ平和の森公園がふさわしいとしたものでございます。

 次に、意見交換会についてでございます。現在、具体的な公園内における施設配置、公園全体の再整備内容について整備構想及び整備基本計画の検討を進めているところでございます。この案ができ次第、議会や区民の皆様方の御意見を伺う場を設けたいと考えてございます。

○議長(北原ともあき) 以上で、細野かよこ議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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 78号議案 平成27年度中野区一般会計補正予算

 79号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例

 80号議案 清掃事務所車庫及び仮称弥生町六丁目公園の整備に伴う旧国家公務員宿舎解体工事

        請負契約

 92号議案 中野区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例

 93号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 94号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(北原ともあき) 日程第1、第78号議案から第80号議案まで及び第92号議案から第94号議案までの計6件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第78号議案から第80号議案まで及び第92号議案から第94号議案までの6議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第78号議案、平成27年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ7億7,553万7,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は、1,390億6,363万5,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、選挙費ですが、本年6月の公職選挙法の改正により、選挙権の年齢が18歳以上に引き下げられ、平成28年7月に任期満了を迎える参議院議員の選挙から適用されるため、これに対応する選挙人名簿システムの改修経費217万7,000円を計上するものです。

 次に、中野駅周辺まちづくり費ですが、中野駅新北口駅前広場用地取得におきまして、国庫補助金の活用により平成28年度以降に取得を予定している用地の一部につきまして、今年度前倒しして取得する経費6億3,154万円を追加計上するものです。

 次に、保育園・幼稚園費ですが、平成26年度に超過交付された小規模保育整備促進事業にかかる都支出金の返還金1,575万円を計上するものです。

 次に、子ども教育施設費ですが、小・中学校非構造部材耐震対策工事につきまして、今年度行った実施設計の結果、工事期間が予定よりかかることとなったため、学校運営に支障を来さないよう、今年度に前倒しして着手する経費、1億2,390万6,000円を追加計上するものです。

 最後に生活援護費ですが、生活困窮者自立支援制度における中学生学習支援事業に申し込んだ中学3年生のうち、抽選により利用できなかった生徒に対し冬期講習を行う経費216万4,000円を追加計上するものです。

 この補正の歳入予算としましては、国庫支出金2億3,428万3,000円、都支出金1億4,437万2,000円、繰入金1億7,956万円及び諸収入3億3,820万2,000円を追加計上する一方、財産収入1億2,088万円を減額するものです。

 次に、繰越明許費について説明いたします。これは中野駅地区第2期整備先行工事のうち、今年度内にその支出が終わらない見込みである一部の工事にかかる経費1億2,000万円について翌年度に繰り越しを行うため追加計上するものです。

 次に、債務負担行為について説明いたします。これは先ほど補正の歳出予算の中で説明いたしました子ども教育施設費の小・中学校非構造部材耐震対策工事の期間が2年度にわたるため、平成28年度分経費1億8,615万1,000円を追加計上するものです。

 第79号議案、中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例は、教育センターの目的外使用に係る施設及び使用料を改正するものです。

 この条例の施行時期は平成28年1月1日です。

 第80号議案、清掃事務所車庫及び仮称弥生町六丁目公園の整備に伴う旧国家公務員宿舎解体工事請負契約は、清掃事務所車庫及び仮称弥生町六丁目公園の整備に伴う旧国家公務員宿舎の解体工事を行うため契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。契約の方法は一般競争入札、契約の金額は2億1,362万4,000円、契約の相手方は株式会社内村工業です。

 この工事の完了予定は平成28年8月です。

 第92号議案、中野区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例は、地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律第4条の規定による職員の任期を定めた採用について規定するものです。

 この条例の施行時期は公布の日です。

 第93号議案、中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、次の4点につきまして、特別区人事委員会の勧告に基づき規定を改めるものです。第1点目は、各給料表を改定するものです。第2点目は、扶養手当を引き上げるものです。第3点目は、初任給調整手当の上限を引き上げるものです。第4点目は、勤勉手当の支給総額の算出に係る上限を引き上げるものです。この条例の施行時期は公布の日で、第3点目及び第4点目の一部は平成28年4月1日です。

 第94号議案、中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、次の3点につきまして、特別区人事委員会の勧告に基づき規定を改めるものです。第1点目は、各給料表を改定するものです。第2点目は扶養手当を引き上げるものです。第3点目は勤勉手当の支給総額の算出に係る上限を引き上げるものです。

 この条例の施行時期は公布の日で、第3点目の一部は平成28年4月1日です。

 以上、6議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) この際、申し上げます。

 第92号議案から第94議案までの計3件については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元に配付の文書のとおり特別区人事委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。

 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

 

特人委給第217

平成2年11月27日

 中野区議会議長

   北原 ともあき 様

 

    特別区人事委員会

      委員長 西野 善雄

 

「職員に関する条例」に対する特別区人事委員会の意見聴取について(回答)

 

 平成27年11月26日付27中議第1271号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。

1 92号議案 中野区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例

2 93号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

3 94号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 

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 第81号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例

 第82号議案 中野区介護保険条例の一部を改正する条例

 第83号議案 中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(北原ともあき) 日程第2、第81号議案から第83号議案までの計3件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第81号議案から第83号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第81号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴い保険料の減免に係る申請書等の記載事項を改めるものです。

 この条例の施行時期は、平成28年1月1日です。

 第82号議案、中野区介護保険条例の一部を改正する条例は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴い、保険料の減免に係る申請書等の記載事項を改めるものです。

 この条例の施行時期は、平成28年1月1日です。

 第83号議案、中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例は、次の4点につきまして規定を改めるものです。第1点目は、事業系廃棄物の排出に係る届け出について規定するものです。第2点目は、有料ごみ処理券を添付せずに事業系廃棄物を排出した事業者に対する有料ごみ処理券の添付命令について規定するものです。第3点目は、命令に従わない事業者等に対する措置等について規定するものです。第4点目は、その他規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は、第1点目は平成28年2月1日、第2点目は平成28年4月1日、第3点目は平成28年10月1日、第4点目は公布の日です。

 以上、3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。

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 第84号議案 指定管理者の指定について

 第85号議案 指定管理者の指定について

 第86号議案 指定管理者の指定について

 第87号議案 指定管理者の指定について

 第88号議案 指定管理者の指定について

 

○議長(北原ともあき) 日程第3、第84号議案から第88号議案までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第84号議案から第88号議案までの5議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第84号議案、指定管理者の指定については、社会福祉会館の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 指定管理者として選定した団体は、社会福祉法人中野区社会福祉協議会で、指定の期間は平成28年4月1日から平成33年3月31日までの5年間としております。

 第85号議案、指定管理者の指定については、中野区上高田公園、哲学堂公園及び妙正寺川公園の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 指定管理者として選定した団体は、日本体育施設グループで、指定の期間は平成28年4月1日から平成33年3月31日までの5年間としております。

 第86号議案、指定管理者の指定については、中野体育館、鷺宮体育館及び鷺宮運動広場の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 指定管理者として選定した団体は、TACグループで、指定の期間は平成28年4月1日から平成33年3月31日までの5年間としております。

 第87号議案、指定管理者の指定については、もみじ山文化センター、野方区民ホール及びなかの芸能小劇場の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 指定管理者として選定した団体は、JN指定管理者共同事業体で、指定の期間は平成28年4月1日から平成33年3月31日までの5年間としております。

 第88号議案、指定管理者の指定については、仲町就労支援事業所の指定管理者を指定するに当たり、議決の議決をお願いするものです。

 指定管理者として選定した団体は、社会福祉法人東京コロニーで、指定の期間は平成28年4月1日から平成33年3月31日までの5年間としております。

 以上、5議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。

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 第89号議案 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に

        関する条例の一部を改正する条例

 第90号議案 指定管理者の指定について

 第91号議案 指定管理者の指定について

 

○議長(北原ともあき) 日程第4、第89号議案から第91号議案までの計3件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第89号議案から第91号議案までの3議案につきまして一括して提案理由の説明をいたします。

 第89号議案、中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例は、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の改正等に伴い規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 第90号議案、指定管理者の指定については、図書館の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 指定管理者として選定した団体は、ヴィアックス・紀伊國屋書店共同事業体で、指定の期間は平成28年4月1日から平成33年3月31日までの5年間としております。

 第91号議案、指定管理者の指定については、軽井沢少年自然の家の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。

 指定管理者として選定した団体は、株式会社旺栄で、指定の期間は平成28年4月1日から平成33年3月31日までの5年間としております。

 以上、3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後3時59分休憩

 

午後5時10分開議

○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第6、第92号議案から第94号議案までの計3件を一括先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 第92号議案 中野区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例

 第93号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第94号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

(委員会報告)

 

○議長(北原ともあき) 日程第6、第92号議案から第94号議案までの計3件を一括議題に供します。

 

平成27年(2015年)11月30日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 若林 しげお

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

92

中野区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例

11月30日

93

中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

11月30日

94

中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

11月30日

 

○議長(北原ともあき) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案は委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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 議会の委任に基づく専決処分について

 

○議長(北原ともあき) 日程第5、議会の委任に基づく専決処分について報告いたします。

 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、11月26日付をもって区長からお手元に配付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 

27中経経第2607号

平成27年(2015年)11月26日

 中野区議会議長 北 原 と も あ き 殿

        中野区長 田 中 大 輔

議会の委任に基づく専決処分について(報告)

 区を当事者とする和解及び損害賠償額の決定について、議会の委任に基づき下記のとおり専決処分したので、地方自治法第180条第2項により報告します。

【報告案件1】

1 和解(示談)当事者

 甲 株式会社アースシステム(東京都中野区上高田二丁目19番11号)

 乙 中野区

2 事故の表示

 (1)事故発生日時 平成2年(201年)16

 (2)事故発生場所 東京都中野区

 (3)事故発生状況 甲は、平成26年12月25日付け福祉用具貸与(レンタル)サービス契約に基づき、上記事故発生場所の住宅に居住していた生活保護受給者に対し福祉用具を貸与していたところ、当該生活保護受給者は入院中の病院において死亡した。そのため、乙の職員は甲との間で、当該福祉用具を回収するための日程調整を行い、平成27年6月17日に回収することを確認した。

    他方、当該乙の職員は、上記事故発生場所の住宅の家主に対し当該生活保護受給者の家財処分については家主側で対応するよう依頼したが、その際、当該家主に対し当該福祉用具については回収するため家財処分の対象としないよう合わせて依頼すべきだったところ、これを怠ったため、当該家主は平成27年6月16日に当該福祉用具を含め、当該生活保護受給者の家財を処分した。

3 和解(示談)条件

 (1)甲は、本件事故により、金169,154円の損害を被った。

 (2)乙は、上記損害額の全額について、甲に対して賠償する義務があることを認める。

 (3)乙は、上記損害賠償額を、甲に対して本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。

 (4)以上のほか、本件事故に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成27年(2015年)9月30日

 

【報告案件2】

1 和解(示談)当事者

 甲 中野区民

 乙 中野区

2 事故の表示

 (1)事故発生日時 平成27年(2015年)月6日午後3時10分頃

 (2)事故発生場所 東京都中野区

 (3)事故発生状況 中野区立南中野中学校野球部の打撃練習中に、打球が同校敷地の外に飛球し、当該飛球が上記2(2)の事故発生場所に駐車してあった甲所有の自動車の右後部窓柱に当たり、甲所有の自動車が破損した。

3 和解(示談)条件

 (1)甲は、本件事故により、甲所有の自動車の修理費用金54,000円の損害を被った。

 (2)乙は、上記損害額について、甲に対し、賠償する義務があることを認め、本示談成立後、甲の指定する方法で支払う。

 (3)以上のほか、本件事故に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成27年(2015年)10月27日

 

【報告案件3】

1 和解(示談)当事者

 甲 中野区民

 乙 中野区

2 事件の表示

  甲は、乙が甲の平成21年度分特別区民税・都民税に係る寄附金税額控除額の算定を誤り、

 同年度分特別区民税・都民税を過大に賦課決定したことにより、同年度分特別区民税・都民税について700円を過納したが、同年度分特別区民税・都民税について乙は地方税法の規定により当該税額を減少させる賦課決定ができなくなったため、甲は、乙から当該過納金の還付を受けることができず、当該過納金相当額について損害を被った。

3 和解(示談)条件

 (1)甲は、本事件により、上記過納金相当額金700円の損害を被った。

 (2)乙は、上記損害額及び当該損害額に平成22年2月1日から本件示談の日までの日数に応じ年5分の割合を乗じて計算した額の遅延損害金について、甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後2週間以内に甲の指定する方法で支払う。

 (3)以上のほか、本件に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成27年(2015年)10月19日

 

【報告案件4】

1 和解(示談)当事者

 甲 中野区民

 乙 中野区

2 事件の表示

  甲は、乙が甲の平成21年度分特別区民税・都民税に係る寄附金税額控除額の算定を誤り、

 同年度分特別区民税・都民税を過大に賦課決定したことにより、同年度分特別区民税・都民税について800円を過納したが、同年度分特別区民税・都民税について乙は地方税法の規定により当該税額を減少させる賦課決定ができなくなったため、甲は、乙から当該過納金の還付を受けることができず、当該過納金相当額について損害を被った。

3 和解(示談)条件

 (1)甲は、本事件により、上記過納金相当額金800円の損害を被った。

 (2)乙は、上記損害額及び当該損害額に平成22年2月1日から本件示談の日までの日数に応じ年5分の割合を乗じて計算した額の遅延損害金について、甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後2週間以内に甲の指定する方法で支払う。

 (3)以上のほか、本件に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成27年(2015年)10月19日

 

【報告案件5】

1 和解(示談)当事者

 甲 中野区民

 乙 中野区

2 事件の表示

  甲は、乙が甲の平成21年度分特別区民税・都民税に係る寄附金税額控除額の算定を誤り、

 同年度分特別区民税・都民税を過大に賦課決定したことにより、同年度分特別区民税・都民税について1,500円を過納したが、同年度分特別区民税・都民税について乙は地方税法の規定により当該税額を減少させる賦課決定ができなくなったため、甲は、乙から当該過納金の還付を受けることができず、当該過納金相当額について損害を被った。

3 和解(示談)条件

 (1)甲は、本事件により、上記過納金相当額金1,500円の損害を被った。

 (2)乙は、上記損害額及び当該損害額に平成22年2月1日から本件示談の日までの日数に応じ年5分の割合を乗じて計算した額の遅延損害金について、甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後2週間以内に甲の指定する方法で支払う。

 (3)以上のほか、本件に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成27年(2015年)10月19日

 

【報告案件6】

1 和解(示談)当事者

 甲 中野区民

 乙 中野区

2 事件の表示

  甲は、乙が甲の平成22年度分特別区民税・都民税に係る寄附金税額控除額の算定を誤り、

 同年度分特別区民税・都民税を過大に賦課決定したことにより、同年度分特別区民税・都民税について100円及び同年度分特別区民税・都民税額を基に算定した同年度分国民健康保険料について121円を過納したが、同年度分特別区民税・都民税について乙は地方税法の規定により当該税額を減少させる賦課決定ができなくなったため、甲は、乙から当該過納金の還付を受けることができず、当該過納金相当額について損害を被った。

3 和解(示談)条件

 (1)甲は、本事件により、上記過納金相当額金221円の損害を被った。

 (2)乙は、上記損害額並びに平成22年度分特別区民税・都民税に係る損害額金100円に平成23年3月10日から本件示談の日までの日数に応じ年5分の割合を乗じて計算した額及び平成22年度分国民健康保険料に係る損害額金121円に同月31日から本件示談の日までの日数に応じ年5分の割合を乗じて計算した額の遅延損害金について、甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後2週間以内に甲の指定する方法で支払う。

 (3)以上のほか、本件に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成27年(2015年)10月19日

 

【報告案件7】

1 和解(示談)当事者

 甲 中野区民

 乙 中野区

2 事件の表示

  甲は、乙が甲の平成22年度分特別区民税・都民税に係る寄附金税額控除額の算定を誤り、

 同年度分特別区民税・都民税を過大に賦課決定したことにより、同年度分特別区民税・都民税について700円を過納したが、同年度分特別区民税・都民税について乙は地方税法の規定により当該税額を減少させる賦課決定ができなくなったため、甲は、乙から当該過納金の還付を受けることができず、当該過納金相当額について損害を被った。

3 和解(示談)条件

 (1)甲は、本事件により、上記過納金相当額金700円の損害を被った。

 (2)乙は、上記損害額及び当該損害額に平成23年1月31日から本件示談の日までの日数に応じ年5分の割合を乗じて計算した額の遅延損害金について、甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後2週間以内に甲の指定する方法で支払う。

 (3)以上のほか、本件に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成27年(2015年)10月19日

 

【報告案件8】

1 和解(示談)当事者

 甲 中野区民

 乙 中野区

2 事件の表示

  甲は、乙が甲の平成22年度分特別区民税・都民税に係る寄附金税額控除額の算定を誤り、

 同年度分特別区民税・都民税を過大に賦課決定したことにより、同年度分特別区民税・都民税について2,900円を過納したが、同年度分特別区民税・都民税について乙は地方税法の規定により当該税額を減少させる賦課決定ができなくなったため、甲は、乙から当該過納金の還付を受けることができず、当該過納金相当額について損害を被った。

3 和解(示談)条件

 (1)甲は、本事件により、上記過納金相当額金2,900円の損害を被った。

 (2)乙は、上記損害額及び当該損害額に平成23年6月10日から本件示談の日までの日数に応じ年5分の割合を乗じて計算した額の遅延損害金について、甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後2週間以内に甲の指定する方法で支払う。

 (3)以上のほか、本件に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成27年(2015年)10月21日

 

【報告案件9】

1 和解(示談)当事者

 甲 渋谷区民

 乙 中野区

2 事件の表示

  甲は、乙が甲の平成22年度分特別区民税・都民税に係る寄附金税額控除額の算定を誤り、

 同年度分特別区民税・都民税を過大に賦課決定したことにより、同年度分特別区民税・都民税について56,200円を過納したが、同年度分特別区民税・都民税について乙は地方税法の規定により当該税額を減少させる賦課決定ができなくなったため、甲は、乙から当該過納金の還付を受けることができず、当該過納金相当額について損害を被った。

3 和解(示談)条件

 (1)甲は、本事件により、上記過納金相当額金56,200円の損害を被った。

 (2)乙は、上記損害額及び当該損害額に平成23年6月10日から本件示談の日までの日数に応じ年5分の割合を乗じて計算した額の遅延損害金について、甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後2週間以内に甲の指定する方法で支払う。

 (3)以上のほか、本件に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成27年(2015年)11月5日

 

【報告案件10】

1 和解(示談)当事者

 甲 中野区民

 乙 中野区

2 事件の表示

  甲は、乙が甲の平成22年度分特別区民税・都民税に係る寄附金税額控除額の算定を誤り、

 同年度分特別区民税・都民税を過大に賦課決定したことにより、同年度分特別区民税・都民税 について4,000円を過納したが、同年度分特別区民税・都民税について乙は地方税法の規定により当該税額を減少させる賦課決定ができなくなったため、甲は、乙から当該過納金の還付を受けることができず、当該過納金相当額について損害を被った。

3 和解(示談)条件

 (1)甲は、本事件により、上記過納金相当額金4,000円の損害を被った。

 (2)乙は、上記損害額及び当該損害額に平成23年6月10日から本件示談の日までの日数に応じ年5分の割合を乗じて計算した額の遅延損害金について、甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後2週間以内に甲の指定する方法で支払う。

 (3)以上のほか、本件に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成27年(2015年)11月7日

 

【報告案件11】

1 和解(示談)当事者

 甲 中野区民

 乙 中野区民

 丙 武蔵野市民

 丁 渋谷区民

 戊 船橋市民

 己 中野区

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  甲、乙、丙、丁及び戊(以下「甲等」という。)の被相続人は、己が当該被相続人の平成21年度分特別区民税・都民税に係る寄附金税額控除額の算定を誤り、同年度分特別区民税・都民税を過大に賦課決定したことにより、同年度分特別区民税・都民税について4,200円及び 同年度分特別区民税・都民税額を基に算定した同年度分国民健康保険料について3,948円を過納したが、同年度分特別区民税・都民税について己は地方税法の規定により当該税額を減少させる賦課決定ができなくなったため、当該被相続人は己から当該過納金の還付を受けることができず、当該被相続人の法定相続人である甲等は当該過納金相当額について損害を被った。

3 和解(示談)条件

 (1)甲等は、本事件により、上記過納金相当額金8,148円の損害を被った。

 (2)己は、上記損害額並びに平成21年度分特別区民税・都民税に係る損害額金4,200円に平成22年3月4日から本件示談の日までの日数に応じ年5分の割合を乗じて計算した額及び平成21年度分国民健康保険料に係る損害額金3,948円に同月31日から本件示談の日までの日数に応じ年5分の割合を乗じて計算した額の遅延損害金について、甲等に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後2週間以内に甲の指定する方法で支払う。

 (3)以上のほか、本件に関し、甲等と己との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成27年(2015年)11月9日

 

○議長(北原ともあき) 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時12分散会

 

 

会議録署名員 議 長 北原 ともあき

       議 員 木村 広一

       議 員 近藤 さえ子