平成28年02月22日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成28年02月22日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録

.平成28年(2016年)2月22日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  内  野  大三郎

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  北  原  ともあき

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  細  野  かよこ        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番  い  さ  哲  郎

 21番  佐  野  れいじ        22番  いでい   良  輔

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  石  坂  わたる

 29番  いながき  じゅん子       30番  小  杉  一  男

 31番  浦  野  さとみ        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  大  内  しんご

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  本 田 武 志      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  篠 原 文 彦

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角   秀 行

 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹    区民サービス管理部長 白 土   純

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二     健康福祉部長   瀬 田 敏 幸

 保 健 所 長  寺 西   新      環 境 部 長  戸 辺   眞

 都市基盤部長   尾 﨑   孝      政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一

 経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長           事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  大 野 貴 子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  福 島 ル ミ      書     記  遠 藤 良 太

 書     記  香 月 俊 介      書     記  亀 井 久 徳

 

 議事日程(平成28年(2016年)2月22日午後1時開議)

日程第1 第号議案 平成28年度中野区一般会計予算

 

午後1時00分開議

○副議長(白井ひでふみ) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 2月19日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 小 林 ぜんいち

 1 中野のまちづくりについて

 2 空き家の対策について

 3 防災対策・安否確認について

 4 国家戦略特区を活用した「民泊」について

 5 国際友好交流について

 6 その他

 

○副議長(白井ひでふみ) 最初に、小林ぜんいち議員。

〔小林ぜんいち議員登壇〕

○14番(小林ぜんいち) 平成28年第1回定例会に当たりまして、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 質問項目は通告のとおりで、6番、その他で1問、シルバー人材センターについてお伺いをいたします。

 1番目、中野のまちづくりについてお伺いをいたします。

 私は、まちづくりとは、このまちでどう暮らしたいのか、子や孫の世代、そして、これから先の私たちのまちをこうしたいとの強い愛情と突き抜けた思いが一番大切と考えます。地域に根差した文化がまちをつくっていくとは文化庁長官、青柳正規氏の言葉であります。また、観光の地方創生は観光の社会的意義を理解し、人々の観光への期待や、観光が提供できる物と事の大きさを考えて、住んでよし、訪れてよしの地域づくりを進められればできる。これは、東京農業大学名誉教授、進士五十八氏の言葉であります。中野のまちをさまざまな角度から子どもたちに誇れるまち、思い出をつくれるまちをつくっていくことがこれからのまちには重要と考えます。

 区長の施政方針、まちの活性化には、今後の都市再生の取り組みを見据え、グローバルな都市活動拠点の形成に向けた持続可能な都市の成長モデルを描くことが求められるとあります。これは、地域に根差した産業、文化と、中野が地方創生の東京の新たなエネルギーとして、中野らしい多彩な魅力を発信することがグローバルな都市、中野のまちの活性化に寄与することと考えます。

 初めに、中野駅南口のまちづくりについてお伺いをいたします。

 さきの建設委員会では、中野二丁目土地区画整理事業の事業計画の概要が報告され、土地区画整理事業と市街地再開発事業の一体的施行の事業が進むことが確認されました。そこで、私は、昨年第4回定例会でも取り上げました中野駅南口地区まちづくり方針でB地区とされているファミリーロードなど、駅前商店街を中心とした地区のまちづくりの促進を中野二丁目再開発のA地区のまちづくりと並行して推進すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 中野駅周辺では、中野二丁目、南口をはじめ、中野三丁目や囲町でもまちづくりが始まってきます。そこで、中央区や練馬区、そして、目黒区などにも活用された街並み誘導地区計画、すなわち「建物を道路境界から一定の後退を行えば、車線や容積の緩和による有効活用された、効果的なきれいな街並みをつくることができる」まちづくりを今こそ導入すべきと考えます。昨年第4回定例会で区長からの答弁は、中野でも街並み誘導地区計画なども含め地区計画を検討するとのことでしたが、B地区では、防火地域で容積率が600%に見合う効果的な地区計画を行うべきと考えます。また、特にファミリーロードでは、さらなるにぎわいを創出する街並みの工夫も検討していくべきと考えます。中野駅南口は区にとって貴重な地域となるため、今後区はこうした効果的な街並み誘導地区計画を具体的にどのように進めていくのでしょうか、お伺いをいたします。

 中野駅南口のまちづくり、特に中野二丁目土地区画整理事業が進むと、この地域一帯を取り囲む中野通り、千光前通り、もみじ山通り、そして、大久保通りの交通の流れが大きく変わり、それに伴い人の流れなど、まちの様相が大きく変わっていくと考えられます。また、新たな10か年計画改定素案には、中野中跡地へは地域医療機関の誘致とあり、地域でもより広い範囲でのまちづくりに関心が高まっています。周辺の今後10年20年、いや50年先のまちづくりの具体的な計画も検討していく必要があると考えます。

 特に中野二丁目土地区画整理事業の事業計画では、今回新たに設けられている大久保通りから千光前通りに直行する南北道路、主要区画道路が相互通行であることに対して、駅前交番から中野ZEROホール、もみじ山通りに至る千光前通りは現在の一方通行のままであります。中野二丁目土地区画整理事業が実施されると、計画地に隣接する東側地域は、良好な住環境ではありますが、土地の有効利用という観点から考えますと決してそうではない状況にあります。

 将来、この地域全体のまちづくりを考えるならば、まちの皆さんの御意見や御要望も聞きながら、変わっていくまちに合わせ、まちの安全性、防災性の強化、相互通行のできる道路幅員への拡張、回遊性を考慮した交通網の整備、あわせて用途地域の変更など、大胆な検討を50年先を見据えて大所高所からの視点で行うべきと考えます。一方、中野二丁目の再開発が事業化しようとする現在、千光前通り沿道のまちづくりにおいて、地区計画等で行えるまちづくりの手法の検討は喫緊の課題と考えます。千光前通りの沿道のまちづくりについて、スケジュール感も含め具体的に検討し示すべきと考えますが、区はいかがお考えでしょうか、お伺いいたします。

 次に、南口医師会館の前の現駐輪場に建設予定の公社住宅1階に予定されている子育て支援施設等のスペースですが、今後も大事な駅前スペースとして活用されるよう、区として公社へ事業者の選定において着実に実行されるよう強く要望を行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 次に、区役所・サンプラザ地区再整備のまちづくりについてお伺いいたします。

 区役所・サンプラザ地区再整備については、これまで一般質問で述べてきましたが、中野の中心、さらに東京の西と東をつなぎ、あらゆるものが交差してにぎわいと活力を生み出し、さらに新たな発信をする場として、私は「中野クロス」を提唱してきました。ここに集客、回遊、交流の拠点を構築していくべきと考えます。以前、私は、「中野版マジソン・スクエア・ガーデン」のような集客力と発信力のある複合型の施設の立地をと提案させていただき、区長からは、コア施設として大規模なアリーナの立地可能性を検討していると答弁をいただきました。中野サンプラザのホールは、長年区民に親しまれてきました。そして、都内でも有数の集客力を誇るホール機能については、多くの方々からこの機能を残してほしいとの声もいただいております。

 そこで、単なるアリーナかホールかと、どちらかに結論付けるのではなく、東京の中心拠点を目指す中野区として、どちらの機能も有する施設となることが理想と考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

 また、アリーナの施設計画においては、早い段階から専門家集団の導入を図り、コストの抑制と利益の出る施設検討、リスクの少ない計画を検討すべきと考えます。事業が成功するかどうかは企画や運営のプロをどう巻き込みながら進めていくかが鍵になる点と考えます。いかがでしょうか、お伺いいたします。

 これらの施設全体の整備を進めていくには、相当のノウハウや力量が要求されると考えます。私自身の経験から、業務や商業などさまざまな機能が入った複合ビル計画における高度な専門技術に加え、市場のトレンドなどをどう読み、最適な床配分や収支計画をつくり、リスクの少ない資金調達の事業を推進していくかが求められると思います。中野駅周辺のまちづくりでは、事業構築パートナーを選定し意見交換を行っていると聞きますが、どこまで煮詰まっているか不明瞭です。また、この事業パートナーとの意見交換は今年度で終了することになっています。与条件が定まらない中では、これ以上のよい計画が出てこないのではないかと危惧もいたします。

 再整備が行われる場合、建築物など企画、設計、建設、運営に関するノウハウを持つ民間事業者に施行者と権利者の事業協力者として参画していただくことが一般的となっています。事業の初期段階から民間業者の活用が、ノウハウの提供や運営資金面の協力など合意形成が図られます。また、今まで以上の企画の提案により、計画の付加価値を高めていくことが求められると考えます。今後の区役所・サンプラザ地区再整備を進める上で、土地と建物床をうまく活用し、事業を成立させることがポイントであると考えます。

 そこで、どんな手法で進めていくのでしょうか。例えば今までにも提案をしてきましたPFIや定期借地活用、土地の売却、市街地再開発事業などがあると考えます。今後は具体的なさまざまな提案のできる事業者を絞って進めるため、民間のノウハウを活用する事業協力者の仕組みを導入してはいかがでしょうか、お伺いをいたします。

 次に、中野区内のまちづくりについてお伺いいたします。

 中野区内では、弥生町三丁目周辺地区及び大和町中央通り沿道地区が東京都の木密不燃化10年プロジェクトに基づく不燃化特区の指定を受け、2から3年が経過します。この2年から3年でそれぞれの地区における不燃化の促進など、まちづくりの進捗状況はどのような状況にあるのでしょうか、お伺いいたします。

 大和町中央通り沿道地区においては、中央通りの拡幅整備に伴い、東京都と住民との生活再建にかかわる話し合いや交渉が進んでいるとお聞きします。しかし、地区全体を見ますと、建てかえに資金面などの課題があり、建てかえが大きく進んでいないように思います。区はどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

 また、大和町中央通り沿道地区においては、不燃化建てかえを促進するため、都市計画の見直しや助成制度の導入が図られると聞いています。このことは沿道の整備に寄与するものとして大いに評価したいと思います。しかし、より効果的なまちづくりを促進するためにこれらの誘導策や支援策とともに地区計画などの手法から前進させて新たな共同化の誘導も大きな要素となると考えますが、区はいかがお考えでしょうか、お伺いいたします。

 さらに、これまで何度か質問させていただいていますが、不燃化特区を含め中野区内のまちづくりを推進するため、離れた地域でも容積率の移転を行い、建てかえ資金の一部にも役立てることができる大胆な空中権の制度を導入するなど、今こそ新たな都市計画の制度の活用も役立つと考えます。いかがでしょうか、お伺いして、この項の質問を終わります。

 2番目、空き家の対策についてお伺いいたします。

 中野区内でも住み手のいなくなった家屋が約2万9,000戸あると言われています。昨年には、空き家対策の推進に関する特別措置法も施行され、国により基本指針の策定や区市町村による計画の策定も示されています。区は、昨年12月、空き家等の対応及び活用にかかわる基本的な考えを示しましたが、積極的な活用には至っていません。現在空き家になっているお宅や、将来空き家になってしまうおそれのある建物の相談、また管理者が区外に住んでいる場合の継続的に見守り支援を行うことも、防犯、災害対策上必要と考えます。また、建物、空き家等にかかるコーディネートのできる窓口を区内の資源である専門家集団によって行う住まいの総合相談窓口として設置、充実を図ることで解決へ向かう物件も多いと考えます。

 そこで、基本的な考えにも示されている住宅相談アドバイザーをさまざまな意向確認のできるワンストップで建築展開のできる専門家に依頼してはいかがでしょうか、お伺いいたします。

 私たちの住むまちの文化や歴史、レガシーに新たな機能を加えること、リノベーションを加え、まちの中へリノベーションの新たな潮流をつくっていくことが今後のまちづくりでは何よりも大事と考えます。

 そこで、例えば駅前や商店街などの空き店舗、空き家の利活用を積極的に行い、子育て施設、高齢者施設、健康や入浴専門の介護に寄与できる施設、また、地域のサロンなどといった乳幼児から高齢者、障害者等への施設へリノベーションし、住環境向上のため中野らしい新たなまちづくりを行うべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いをして、この項の質問を終わります。

 3番目、防災対策・安否確認についてお伺いをいたします。

 間もなく3.11東日本大震災から5年を迎えます。大震災とはいえ、その記憶は忘却との戦いであります。あの日、ほぼ全ての国民が体験したことのない大震災に遭遇し、都内でも夕方から深夜にかけてまち中が大混乱を来していました。道路は家路へ向かう人、人、人であふれていたことは今でも鮮明に蘇ってきます。また、警察署、消防署をはじめ、コンビニなどが帰宅困難者へのトイレや飲食物などの対応を行っていました。こうした大災害の中で、避難者にとって区内でも行った避難所開設は安心につながるところでもありました。

 大震災を経験し、中野区でも地域防災計画に女性の視点を取り入れるなど、今までにない大幅な見直し、変更を行いました。そして、町会、自治会防災会を中心に、実践に即した避難所運営会議を設け、避難所運営を行える体制をつくり、HUGによる避難所開設訓練や、新たに初期消火に役立つスタンドパイプの導入など、身近に災害への対応が行えるようになったことを高く評価します。

 そこで、避難所開設と、そこへ集った方々の掌握を素早く行い、しかも、スムーズに行う必要があると考えます。町会、自治会、防災会が中心となり行う避難所運営会議が避難所運営を行っていくことになっています。そこで、いつ大規模の災害が発生しても確実に避難所が開設できるよう区民に周知と理解を促進していく必要があると考えます。また、現在そのために避難所運営会議を年間1回行っています。その回数をふやし、具体的な運営体制の取り組みを図ってはいかがでしょうか、お伺いいたします。

 避難所に集った方々は地域の方々とは限らず、近隣地域や帰宅困難者も含まれます。区は避難者の情報を的確に確認掌握し、具体的に情報や物資の対応をしていかなければならないと考えます。区では、安否確認の避難者名簿の作成を現在は手書きで作成しているため、時間と労力がかかっています。災害対策本部が区民の避難状況を確認する場合や、各避難所で災害時避難行動要援護者名簿と突き合わせて安否確認が必要な人を抽出する場合、時間がかかると予想されます。

 そこで、昨年発行されたマイナンバーとスマホやタブレット端末機の活用を検討してはいかがでしょうか。国は現在東京大学生産技術研究所が石巻市で実証実験を行ったマイナンバーとタブレット端末を活用した安否確認を短時間で重複なくできるシステムを開発しています。このタブレット端末を使った避難所管理システム、COCOAを導入し、避難所の避難者の情報や安否確認を行ってはいかがでしょうか、お伺いして、この項の質問を終わります。

 4番目、国家戦略特区を活用した「民泊」についてお伺いいたします。

 区は、国家戦略特区の指定をきっかけに、グローバルな都市づくりに向けた動きが始まったと言えます。「Think globally,Act locally」、これは地球規模で考え、足元から行動せよという意味で、今こそグローバルな視野で中野のまちづくりに取り組むべきと考えます。その取り組みの一つとして、新しい中野をつくる10か年計画改定素案や、グローバル都市戦略案に示されている民泊の誘導については、これまでも定例会で提案させていただいてきました。インバウンドの増加により、その来外者が今年は2,000万人を大きく超えるとも言われています。都内では、大田区が国家戦略特区を活用した民泊にかかる条例を制定し、事業認定の申請を受け付け始めたと聞いています。また、国では、旅館業法そのものの規制緩和により民泊を認めていく方向も議論されています。

 この民泊は、シェアリングビジネスの1形態として注目され、宿泊施設の少ない中野にとっては、国内外からの旅行客を呼び寄せるものと期待します。一方、民泊の利用者にとっても、近隣住民にとっても、安全性や衛生的な住環境が確保されていなければ到底受け入れられるものとはなりません。区内において、商業地と住宅地のどの範囲まで対象とするか検討しているとも聞いております。大半を住宅地が占める中野においては、どちらの地域においても安全、安心の確保が求められると考えます。

 民泊の誘導に当たっては、中野の地域の状況を踏まえて、対象地域や条例を定めるとともに、良好な住環境を維持することを最優先に考え、事業のガイドラインなどを整備すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 また、都市観光や産業振興の観点からの取り組みも重要であります。大田区では、地元の銭湯と連携して、クーポンや入浴セットの配布も行うと聞いています。民泊のおもしろさは、地元の生活体験であり、生活に密着したサービスとの相性、つまり、中野の庶民性との相性もよいということであります。民泊と地域をつなぐ、宿泊する外国人をはじめとする旅行者と地域住民をつなぐ、そのための連携を都市観光や産業振興の観点から取り込むことが必要と考えますが、いかがでしょうか、お伺いをして、この項の質問を終わります。

 5番目、国際友好交流についてお伺いいたします。

 1986年(昭和61年)9月に友好協力関係の締結を行い、ことしで30周年を迎える中国北京市西城区から交流団が明日2月23日に中野区を表敬訪問します。一方、中野区は、ソウル特別市陽川区とも、2010年(平成22年)11月に都市間姉妹締結を行い、友好交流を行ってきました。しかし、この2年間は交流事業が行われておりません。陽川区は区庁長がかわり体制も新たに整い、今後は交流を進めていきたいとの声もあると聞いています。また、故・粕谷茂元国務大臣とともに姉妹締結のかけ橋になってくださり、韓国の官僚、政治家でもあったチェ・ジョンソン先生が亡くなられてこの2月25日で2年がたちます。キム・スヨン区庁長になった今、両区の発展と福祉の推進を図るとともに、日韓両国の友好親善と交流を深める新たな時が来ていると考えます。

 そこで、改めて中野区と陽川区との間で交流団の招聘や派遣など、田中区長みずからが先頭に交流してはいかがでしょうか。田中区長は陽川区との自治体間交流をどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

 6番目、その他で1問、シルバー人材センターについてお伺いいたします。

 団塊の世代の方々に地域の中でお会いする機会が多くなりました。今後はこうした方々がシルバー人材センターを活用し、地域の中で仕事をしていくことがふえると考えられます。先日も中野区報や回覧板で、シルバー人材センターの行っている事業や教室内容を拝見しましたが、ここ数年会員数は横ばいから減少傾向にあると聞いています。会員募集については、昨年第1回定例会でも質疑をしましたが、区は地域社会に貢献し役割を果たすシルバー人材センターの会員確保に向けて積極的にPRすべきと考えます。

 そこで、もっと区報やホームページ、SNS、フェイスブックなどを活用してはいかがでしょうか、お伺いいたします。

 シルバー人材センターについて地域の皆さんにお話を聞くと、シルバー人材センターの名前は知っているが、活動や事業内容を知らないという声が多く見受けられます。地域の皆さんによりよく知っていただく必要を感じます。そこで、法的名称もありますが、イメージアップやPRのため、中野区独自で親しみやすい名称を区民の皆さんに提案していただくなど、一緒に考えてはいかがでしょうか、お伺いいたします。

 親しみやすさとあわせ、今後は所在のわかりやすさや機能充実を備えていくよう検討もすべきと考えます。現在中央二丁目にある本部は老朽化した事務所で、耐震補強は行われているようですが、機能性には劣ると考えます。

 そこで、今後は中野駅周辺のまちづくりが進み交通の利便性が高まり、区内各地の会員や区民に利用されやすく、区や関係機関との調整がとれやすい中野駅周辺へ移転を検討してはいかがでしょうか、お伺いして、私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小林議員の御質問にお答えをいたします。

 中野のまちづくりについて、中野駅南口、二丁目と並行して進める街区のまちづくりについてであります。

 中野駅南口地区まちづくり方針では、中野二丁目市街地再開発地区とともに、隣接する周辺街区を含めた計画づくりを進めるとしているところであります。ファミリーロードなど駅前商店街を中心としたB地区を含め、この周辺街区のまちづくりを中野二丁目再開発の事業と並行して進めてまいりたいと考えております。

 このB地区の特性に合わせた地区計画等の検討をと、こういった御質問であります。御指摘のとおり、街並み誘導型地区計画等の地区計画制度は他区でも活用されており、地域の特性に合わせて活用できるまちづくり手法と考えております。B地区は、駅からの連続したにぎわいと魅力的な商店街の形成を図るため、協調建てかえ等により商業、業務機能を誘導するとともに、安全で快適な歩行者空間を図るとしており、特にファミリーロードはにぎわいと魅力ある商店街の形成を考慮した工夫が必要であると考えております。今後御提案のような街並み誘導型地区計画なども含め、地域の意向を踏まえつつB地区の特性に合わせた地区計画等を検討していきたいと考えております。

 千光前通りのまちづくりの検討についてであります。中野二丁目地区再開発の事業化とともに、再開発地区と接続する千光前通り沿道についても、地区計画等のまちづくり検討を進めるべきと考えております。地域のまちづくり勉強会や意向調査を通じて地域の意向を踏まえるとともに、周辺の状況変化を適切に捉えた上で、具体的なまちづくり手法やスケジュールを検討し、地域にお示しをしていきたいと考えております。

 東京都住宅供給公社への要望などについてであります。南口現自転車駐車場に建設予定の公社住宅1階に予定をされている子育て支援施設等につきましては、子育て支援の充実を図る上でどのような内容が適切かを検討し、公社に対し適切な要望を行ってまいります。

 区役所・サンプラザ地区再整備のまちづくりについてであります。当該地区におけるホール機能に関連しての御質問がありました。御指摘のように、中野サンプラザのホールにつきましては、その機能の継承を望む声を聞いているところであります。区民をはじめ多くの人々に親しまれ、中野の文化性や日本の音楽、芸能を育んできたホールでもあると認識をしているところであります。再整備に当たっては、このように積み重ねてきたブランド性を生かしながら、より多目的に使える大規模な集客交流施設として整備をし、集客力と発信力の強化を図りたいと考えております。

 区役所・サンプラザ地区再整備における民間の活用についてであります。区役所・サンプラザ地区再整備については、事業構築パートナーからの提案を参考にしながら、再整備実施方針の検討を進めてきたところであります。事業手法としては、公共基盤の整備とともに、公的財産の確実な運用を行うため、区画整理事業や市街地再開発事業など、法定の面整備事業の適用を検討しているところであります。今後は、さらに大規模な集客交流施設をはじめ、全体の開発計画を練り上げ、市場動向や採算性なども踏まえた事業可能性の検証を行っていく必要があると考えております。こうした検証に当たっては、民間事業者の技術やノウハウを活用することが欠かせないわけであります。面整備事業の事業構築段階で、経験やノウハウを蓄積している民間の事業者に事業の協力者として検討に参画を求めていくことを検討しているところであります。

 なお、現時点でどのような枠組みの事業になるかは明確でないことから、実際の事業実施の段階では改めて公開、公正に事業施行のパートナーを募集、選定することを想定しているところであります。

 不燃化特区のまちづくりの進捗状況についての御質問がありました。弥生町三丁目周辺地区におきましては、道路、公園用地としての都営川島町アパート跡地の取得、道路法に基づく三つの避難道路の用地取得や事業推進、さらにまちづくり協議会における地区計画策定に向けた検討など、防災まちづくり事業を積極的に推進しているところであります。

 大和町中央通り沿道地区におきましては、地区中心の区民活動センター内に相談ステーションを設置し、気軽に建てかえ相談等を行える体制をつくるとともに、あわせて地区内の老朽家屋の個別訪問などを行ってきたところであります。こうした取り組みにより特区の助成制度を活用した不燃化建てかえ等の件数が増加している状況であると認識をしております。

 大和町中央通り沿道地区における建てかえの状況について、大和町中央通り沿道においては、拡幅を踏まえた建てかえや拡幅線にかかる建物の除却が散見される状態でありますが、来年度以降、補償交渉の進捗にあわせ建てかえ等もさらに増加していくものと思われます。また、沿道における都市計画の変更や不燃化促進事業の導入などにより、拡幅整備事業と相まって、沿道地区の建物更新は進捗していくものと考えております。

 共同化の誘導についてであります。共同化は、権利者等が主体的に話し合い実施するものでありますが、建物の不燃建てかえを進め、オープンスペースの確保など、防災性が高く、かつにぎわいのある良好な市街地形成を図るためには、共同化の誘導が必要である、このように考えております。今後共同化に向けた合意形成のための勉強会などの開催をはじめ、一定のまとまりを持って権利者等から共同化に対する要望が挙げられる地区については、さらに具体的に話し合いを進めていく考えであります。

 新たな都市計画制度の活用についてであります。離れている敷地同士で容積率の移転を行うことができる都市計画制度については、東京都が指定する都心部の一部地区のみで適用となっております。現在のところ、そのままの形での適用は中野区内ではなかなか難しいだろう、こんなふうに考えております。まちづくりに資する総合設計制度などの土地開発諸制度につきましては、今後ともまちづくりの進捗や制度の適用条件等を考慮しながら、柔軟に活用に取り組んでいきたいと考えております。

 次に、空き家対策についての御質問であります。

 空き家の利活用に向けた支援についてであります。空き家の利活用や、将来空き家化が予測される建物への対応などについては、区内の建築や不動産などの関係者、団体の協力を得ながら、相談窓口の設置や専門家の活用など、御提案の内容も含めてさまざまに取り組んでまいりたいと考えております。

 また、空き家の利活用による住環境の向上について、空き家の利活用につきましては、住宅のみにとどまらず、地域の特性に応じたさまざまな利活用の方法を検討する必要があり、そのためにはどのような支援が有効か検討していきたいと考えております。

 陽川区との交流についてであります。

 2010年11月の姉妹都市関係の締結以降、訪問団の派遣、議員団職員研修団の受け入れ等を行ってまいりました。中野区と陽川区の双方の状況等を十分に踏まえながら、今後の交流について考えていきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、防災対策・安否確認についての御質問にお答えをいたします。

 まず、具体的な避難所運営体制の取り組みについてでございます。区は、避難所運営会議の開催だけでなく、避難所運営訓練も毎年実施するよう働きかけを行っているところでございます。災害発生時に確実な避難所の開設、運営が行われるように、避難所運営会議及び訓練の内容についても今後検討してまいりたいと考えております。

 次に、避難所での安否確認等へのICTの活用についてでございます。避難所における避難者の把握や安否確認を要する人の特定を早期に実施するためには、避難者名簿作成の迅速化が必要と認識しております。ICTの活用につきましては、御提案の趣旨も含め研究してまいりたいと考えております。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 国家戦略特区を活用した民泊についての御質問にお答えをいたします。

 まず、良好な環境維持のための民泊ルール、整備についてでございます。民泊は、訪日外国人の増加に伴う宿泊事業に応えるものである一方、旅館業法に抵触するおそれのあるサービスが無秩序に広がりを見せており、安全性や衛生面を確保した適正な民泊のルールを確立し、周辺住民の不安を解消していくことが重要であると認識しているところでございます。先行して実施している大田区の状況や、国の旅館業法関係法令改正の動きを注視しながら、安心、安全かつ実効性のある民泊制度を構築していきたいと考えているところでございます。

 次に、民泊を活用した都市観光、産業振興についてでございます。民泊を利用する旅行客に中野のまちを楽しんでもらえるよう周辺商店街や地域イベントに誘導できるような地域情報の提供など、消費拡大につながる都市観光施策との連携を検討してまいります。また、民泊事業への新規参入に当たって必要となる情報の提供や、民泊の周辺関連産業における新事業創出につながる支援など、産業振興施策との連携を検討してまいります。

 次に、シルバー人材センターの御質問についてお答えをいたします。

 まず、シルバー人材センターのPRについてでございます。健康で働く意欲のある高齢者の就業を促進し、能力に合った生きがいの実現を支援するシルバー人材センターが果たす役割は非常に重要であるというふうに考えているところでございます。今後も区報にシルバー人材センターの活動内容や会員募集の記事を掲載するとともに、区のホームページやフェイスブックを活用するなど、区民に向けて幅広くPRを行い、会員の確保を支援していきたいと考えているところでございます。

 次に、シルバー人材センターの愛称についてでございます。シルバー人材センターの活動を広く区民に知っていただくためには、親しみやすい愛称をつけることも一つの方策であると考えております。シルバー人材センターのさらなる活性化を図っていく上で、同センターと協議をする中で御提案を紹介していきたいと考えております。

 次に、シルバー人材センターの移転についてでございます。シルバー人材センター本部の建物については、耐震改修は完了しており、必要に応じて維持補修を行って利用しているところでございます。将来のシルバー人材センター本部の配置については、今後検討をしていきたいと考えているところでございます。

○副議長(白井ひでふみ) 以上で、小林ぜんいち議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 広 川 まさのり

 1 子ども支援・学校教育について

  (1)学校再編について

  (2)教科書採択について

  (3)U18プラザ・児童館の廃止について

 2 災害対策について

  (1)感震ブレーカーについて

  (2)コミュニティFMについて

 3 商店リニューアル事業について

 4 その他

 

○副議長(白井ひでふみ) 次に、広川まさのり議員。

〔広川まさのり議員登壇〕

○19番(広川まさのり) 2016年第1回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。

 初めに、子ども支援・学校教育について質問します。

 まず、学校再編について伺います。

 昨年11月、統合新校の施設整備方法の変更があり、大規模改修としていた全ての統合新校を改築とすることが明らかになりました。変更の理由として、計画を策定した時点より児童・生徒数の増加が見込まれるとしています。中野区立小中学校再編計画(第2次)が策定された2012年度に見込んでいた今年度の区立小・中学校の生徒数は、中学生がほぼ推計どおりである一方、小学生は推計よりも400人増となっています。

 この間、若年層を中心とする転入超過や出生率の上昇が続いており、ゼロ歳から5歳児の人口は、2010年1月の1万869人から、2015年12月には1万2,967人となり、6年間で約2,100人増加しています。さらに、区は、少子化対策に合わせてさらなる子育て支援を講ずることとしていることから、今後6歳から14歳の人口が増加していくことが想定されると述べています。また、区内各所でマンション建設や計画が進んでいることからも、若年層の転入傾向は一定続くことが考えられます。

 そこで、現在ゼロ歳の子どもたちが小学校に入学する時点で区内の小学校の児童数はどの程度増加すると想定しているのでしょうか、伺います。

 大規模改修から改築へと変更する理由について、児童・生徒数の増加に加え、新たな教育活動への対応と、地域との連携に必要な施設などの確保としています。当初の中野区立小中学校再編計画(第2次)では示されていなかったこの新たな教育活動への対応とは、具体的に何を意味しているのでしょうか。また、地域との連携に必要な施設とはどういった施設なのでしょうか、伺います。

 学校規模について、今国際的に小さな学校が子どもの教育や成長にとって望ましいとされています。WHOもさまざまな調査研究を集約した上で、学校は小さくなくてはいけないと各国に報告しています。大規模学校であるほど教育の困難は増大するとされ、小さな学校は、子どもの人格形成、連帯、学力、地域の支援といった点においてすぐれているというのが今や世界の常識となっています。一定以上の規模を確保したほうが教育効果が高いという政府の考え方に正当な根拠はなく、適正規模については改めて議論の必要があります。

 現在、中野区には区立小学校25校に合計302学級が配置されています。今後の学校再編により、小学校は25校から20校に統合されますが、区がこれまで示してきた18学級が区立小学校の望ましい規模という考え方に変わりはないのでしょうか、伺います。

 学級の規模を小さくすることによって、子どもたちに質の高い教育を行える点や、教員と子どもたちの触れ合いが密になりきめ細かい指導が実践できるなど、少人数学級を求める声が広がっています。2010年、文部科学省が行った今後の学級編制及び教職員定数のあり方に関する国民からの意見募集において、小・中学校の学級規模に関する意見のうち、望ましい学級規模として26人から30人を挙げる意見は61%に上りました。少人数学級を推進している秋田県では、全国学力・学習状況調査において好成績を上げていることが注目されています。さらなる拡充を求める声を受け、来年度からは小・中全学年で少人数学級が実施されます。

 中野区では、学力の向上に向けた習熟度別授業などを行っていますが、少人数学級は、いじめの早期発見や非行の抑止、不登校や欠席率の低下という生活面での実績も評価されています。こういった少人数学級の効果について、区はどのように認識しているのでしょうか。また、自治体独自の努力で少人数学級を進める動きが広がっています。中野区としても、東京都の学級編制基準に委ねるのではなく、ニーズを反映し、少人数学級の拡充を検討してみてはいかがでしょうか、伺います。

 前期の中野区立小・中学校再編計画において統廃合が行われた平和の森小学校では、いまだ新校舎建設のめどが立っておらず、児童は休み時間の活動範囲が制限されるなど、キャパシティを超えた学校での生活を余儀なくされており、教室不足も深刻な状況にあります。区内学童クラブの待機児童も深刻な問題です。昨年11月から、児童館併設の学童クラブにおいて待機となった児童に対し、学童クラブに準じたサービスの提供を児童館が行うという状況も生み出しています。

 2008年、学校再編計画に基づいて最初に新設された桃花小学校では、今月1日現在、12人の学童クラブ待機児童が出ています。こういった状況を踏まえて、前期の再編計画に対する区としての評価を伺います。

 学校再編については、拙速に過ぎるということがないよう慎重の上にも慎重を期し、今後の少人数学級の拡充や人口推計を踏まえ、計画の見直しも含め再度検討すべきではないでしょうか、見解を伺います。

 次に、教科書採択について伺います。

 中野区教育委員会では、2016年度より、区立中学校で使用する教科書について、昨年臨時会で6回にわたり協議を行い、8月7日開催の教育委員会定例会で採択が行われました。そこで、まず中野区における教科書採択の透明性について伺います。

 文科省は、昨年4月、各教育委員会に対して、採択においては地域住民への説明責任を果たすために積極的な公表を行うこと、さらに開かれた採択を推進する観点から、有用と思われる情報の公表についても積極的に検討することとして、透明性を求める通知を出しています。中野区教育委員会は非公開の臨時会で協議を行い、公開して行われる定例会において教科書が採択され、後日臨時会の議事録を公開しています。他の自治体では、透明性を確保するため、臨時会の冒頭に行われる選定調査委員会の報告から、区民に公開された場で協議がされているところもあります。中野区の教科書採択においても、より一層透明性を高めるために、教科書採択の臨時会を公開で行うべきではないでしょうか。見解を求めます。

 文科省の通知では、調査研究に基づく採択が義務付けられています。また、調査員等が作成する資料において十分な審議を行うことが必要であることも示されています。しかし、6回開かれた臨時会の議事録を見ても、教科用図書選定調査委員会の報告書及び調査研究会、学校、保護者、区民の意見を踏まえた、または参考にした旨の発言がほとんど見当たりません。教育委員会の中で、調査報告の内容について、いつ、どのように議論されたのでしょうか、伺います。

 そもそも教科書を採択するに当たり最も的確な判断ができるのは、子どもと日常的に接し、子どもの状況を一番理解し、実際に教科書を使って子どもの学習を指導する現場の教員です。国際的に見ても、教科書を採択する権限は教師や学校にあるという認識が主流となっています。国際労働機関(ILO)、教育科学文化機関(ユネスコ)が採択した教員の地位に関する勧告においても、教員は生徒に最も適した教材及び方法を判断するための格別の資格を認められた者であるとし、教科書の採択については不可欠な役割を与えるべきであると述べています。

 中野区における教科書採択においても、調査研究が形骸化しないよう意見や報告について十分な議論を行うとともに、子どもの学習権保障の観点から、教員の意見がより尊重される形で教科書採択の判断がなされなければならないと考えますが、認識を伺います。

 昨今、教科書採択をめぐって出版社のルール違反が相次いで判明しています。文科省は、教科書を発行している出版社が外部への流出が禁止されている検定対象の教科書を教員に見せ、意見を聞いた謝礼として現金などを渡していた問題を受け、ことし1月22日、各出版社による自己点検、検証の報告結果を公表しました。調査を行った22社のうち、12社で不正があったことが明らかとなっています。東京都でも435人への検討教科書の閲覧があり、うち339人が謝礼を受け取っていたということが判明しています。

 選定にかかわる人物に対し、図書カードや中元、歳暮を贈っていたという事例も確認されています。こういった不正は教科書採択の公平性、透明性を根本から揺るがしかねない不適切な行為です。文科省は、教育委員会に対し、学校とも情報提供をはじめ密に連携し、採択の公正確保を一層徹底することが重要であると通知しています。さらに公正の確保に関し問題があると考えられる場合には、教育委員会等において適切な措置を講ずると示されています。

 区では、公正確保を徹底するためにどのような取り組みを行っているのでしょうか。また、問題を把握した場合、どのような措置を想定しているのでしょうか、伺います。

 次に、U18プラザ・児童館の廃止について伺います。

 このたび示された10か年計画(第3次)改定素案において、U18プラザの廃止が明記されています。これまで中野区は小学校内のキッズ・プラザ開設に伴い児童館を順次廃止するとしながら、おおむね中学校区に一つのU18プラザ9館を整備していくこととし、既に3館が開設しています。

 そこで、まず伺います。U18プラザの廃止とともに、今後U18プラザに移行するとしてきた児童館をはじめ区内17カ所の児童館は全て廃止していくということでしょうか、伺います。

 児童館は乳幼児親子が集う場としても積極的な活動を展開してきました。今後区は乳幼児親子の居場所として、商店街の空き店舗などを活用し、区内20カ所に子育てひろばをふやしていくとしています。10か年計画(第3次)改定素案によれば、子育てひろばについて、保護者の孤立感や不安解消のため、乳幼児親子が交流し相談を受けることができる場としており、乳幼児自身にとっての機能については何ら示されていません。U18プラザや児童館は、乳幼児にとって広々としたスペースでのびのびと体を動かせたり、読み聞かせ会や人形劇をはじめ、趣向を凝らしたイベントを楽しむことができる場所です。恵まれた職員、施設のもとで、健やかに成長できる環境が整った児童館の機能が空き店舗といった限られたスペースでは保障できないことは明らかです。

 子どもの育ちを支える地域づくりとして、子育てひろばの設置やすこやか福祉センターを地域の子育て支援の拠点として整備していくことは重要だと考えます。しかし、それと引きかえに児童館の持つ空間やノウハウ、地域のコミュニティやネットワークを潰すことがなぜ必要なのでしょうか、伺います。

 昨年度、U18プラザ、城山ふれあいの家の利用状況を見ると、乳幼児の利用が5,224人、中高生が3,205人に対し、小学生は1万3,048人となっています。放課後、キッズ・プラザが設置されている小学校からも多くの児童が集まっています。キッズ・プラザを利用する児童は低学年が中心です。高学年になると、低学年利用者数の5分の1程度の利用となっております。ふれあいの家に集まる児童からは、放課後は学校から出たいという声が多く、キッズ・プラザを利用しない理由として、ゲームやカードで遊べない、お菓子やジュースが禁止されているなどの声があります。U18プラザや児童館は多くの小学生にとって放課後の貴重な居場所であり、交流の場となっています。

 児童館が廃止された自治体では、子どもの非行の増加や、事件、事故に巻き込まれるケースがふえたと指摘する専門家もいます。中野区において、児童館は子どもの成長を地域で見守るコミュニティの核としてかけがえのない役割を担ってきました。児童館を廃止して異なる施設に転換する自治体がある一方、子ども支援の柱として児童館機能の充実を目指している自治体もあります。区は小学校内にキッズ・プラザを配置することで児童館を廃止していくとしていますが、そもそもキッズ・プラザ事業は放課後子ども教室推進事業として始まったものであり、児童福祉法40条に基づき行われる児童館事業を廃止する理由にはならないと考えます。見解を伺います。

 このたびの改定素案では、U18プラザを廃止し、中高生の社会参加の支援については、地域とのつながりや社会参加に向けた事業を民間等を活用しながら実施していくとあります。具体的にどういった事業をどのような民間を活用し、いつから実施するのでしょうか、伺います。

 中野区には中高生が集中して勉強に取り組むための自習室が少なく、区内の図書館も試験勉強などに利用することはできないという状況です。U18プラザや児童館では、中高生の利用に対し学習支援や自習室のような取り組みが積極的に行われています。中高生限定の自習室を用意したり、定期試験前に学習専門室をつくり勉強に専念できる環境を提供する施設も多く、学習室で大学生や地域のボランティアによる無料塾を行っているというところもあります。南中野児童館では、夏休みにシルバー人材センターから元教師を派遣してもらい、英語と数学の個別指導を行うなど、各施設が限られた職員のもと勉強したいという中高生の声に応えるため努力し、生徒からも保護者からも高い評価を受けています。学習に取り組める身近な場所として、地域の児童館やU18プラザが中高生の居場所としての役割を発揮しています。このような取り組みに対し、区としての評価を伺います。

 このように児童館やU18プラザは、乳幼児親子、小学生、中高生、地域住民にとってかけがえのない地域福祉活動の拠点施設となっています。さらに区内で開園が進む園庭のない認可保育園をはじめ、認証保育園や家庭的保育事業で過ごす子どもたちに、安全な遊び場として日常的に施設を提供しています。U18プラザに転換した児童館では、区から具体的な方針が示されない状況のもとで、現場職員が週6日、午後7時まで開館するなど、地域の子どもたちと真摯に向き合い、多くの来館者を得て事業も拡大し、利用実績も上げ、幅広い地域活動支援に邁進してきました。そういった努力を一方的な方針転換で踏みにじるようなこのたびの決定は到底認めるわけにはいきません。

 子どもの最善の利益を保障する責任は自治体にあります。区は子ども・子育て支援に対ししっかりと公的責任を保持し、健やかな成長を保障しなければなりません。今回示されたU18プラザの廃止やこれ以上の児童館の廃止は、児童福祉法の理念や児童の最善の利益の必要性をうたう子どもの権利条約に照らしても正当性がありません。改定素案で示された重大な方針転換において、事前に地域や職員、利用者を交えた議論も説明もなく、突然示されたU18プラザの廃止及びこれ以上の児童館の廃止は見直すべきだと考えます。見解を伺いまして、この項の質問を終わります。

 次に、災害対策として、感震ブレーカーについてお聞きします。

 地震火災の出火原因は時代とともに変化してきました。関東大震災では、かまどや七輪からの出火が中心でしたが、その後、ガスや石油機器からの出火がふえ、近年の大規模地震においては、主に電気が火災の原因となっています。東日本大震災や阪神・淡路大震災では、地震に関連して発生した火災のうち、出火原因が特定できるものの約6割が電気を原因とする通電火災とされています。地震の揺れにより落下、転倒した電気機器が原因の火災や、停電から電気が復旧した際に発生した火災が多く、これらの火災対策には感震ブレーカーの有効性が確認されています。東京都では、木密地域不燃化10年プロジェクトとして、都内の木造住宅密集市街地のうち、大地震が発生した際特に大きな被害が想定される地域を対象として、平成32年度までに重点的、集中的な取り組みを実施するとしています。木造住宅が密集する地域を中心に、燃えない、燃え広がらないまちとするための計画です。

 中野区地域防災計画によれば、首都直下型地震の被害想定として、区内の出火件数が24件に対し、焼失棟数は7,222棟を想定しています。一つの火災が多くの住宅を巻き込む大火災につながることが懸念されています。区では、老朽戸建住宅の建てかえ費用の一部や、老朽建築物の除却費用等を助成することにより不燃化建てかえを促進するとしています。これらの取り組みによって火災の延焼を最小限に食いとめることは重要ですが、まず火災の発生を防ぐために、感震ブレーカーの設置は有効だと考えます。

 2014年3月、内閣府に設置された中央防災会議が取りまとめた南海トラフ地震防災対策推進基本計画においても、地震防災対策の推進に関する基本的方針の中で、火災が多数発生した場合消火活動の困難さを考慮し、火災を発生させないことを目的とする事前の対策を推進すると示されています。さらに感震ブレーカー等の普及について、重点的に普及を推進すべき地域の選定や、目的を設定して推進することが盛り込まれています。今後中野区においても広く感震ブレーカーを普及させることが喫緊の課題だと考えますが、どのような取り組みを検討されているのでしょうか、伺います。

 感震ブレーカーには、数万円の規格品から数千円の補助器具までさまざまな種類があります。分電盤に内蔵されたセンサーにより揺れを感知しブレーカーを落として電力供給を遮断する分電盤タイプ、センサーが揺れを感知して疑似漏電を発生し漏電ブレーカーを作動させる感震リレータイプ、コンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知しコンセントからの電力供給のみを遮断するコンセントタイプ、地震の揺れによる重りの落下や感震センサーによって作動するばねの力によってブレーカーのノブを操作し電力供給の遮断を補助する簡易タイプなどがあります。

 足立区では、昨年11月1日から、分電盤タイプと感震リレータイプの機器購入と工事にかかった費用の補助申請を受け付けています。区が定める約1,400ヘクタールの特定地域内において、旧耐震基準の木造住宅に住む人を対象に上限5万円を助成、70歳以上の単身者家庭や要介護者が住む世帯などには上限8万円の助成を行うというものです。開始から約1カ月で予定していた50件の申し込みがあり、来年度はさらに枠を広げる予定となっています。また、杉並区では、ことし3月下旬から、大きな被害が想定される地域に限定し、3,000世帯に簡易タイプの感震ブレーカーの設置補助を行います。機器代約6,000円を区が負担し、本人負担は設置費用2,000円となります。感震ブレーカーの設置補助は、目黒区が来年度当初予算に盛り込むなど、23区内の自治体でも進んでいます。

 これまで党議員団としても感震ブレーカーの普及及び設置に対する補助を求めてきましたが、区は国や都、他自治体の取り組みを調査しながら検討するということでした。いつ発生するかわからない首都直下型地震に対して早急な対応が求められている今、中野区においても感震ブレーカーを普及させる上で、その広告塔ともなる設置補助を始めるべきではないでしょうか。見解を伺います。

 次に、コミュニティFMについて伺います。

 未曾有の都市型震災であった阪神・淡路大震災からことしで21年目となります。当時中学生だった私も兵庫県西宮市でこの震災を経験しました。まちのインフラは壊滅的な被害を受け、たび重なる余震の中、連日自転車で給水や炊き出しを行っている場所を探しました。そういった経験を通じて、災害時の情報の大切さを身にしみて感じています。

 中野区では、防災情報や行政情報を伝えるシステムとして、屋外に防災行政無線が113カ所整備され、災害情報や行政告知情報、夕方のチャイムなどが流されています。災害時に防災行政無線が果たす役割は重要です。しかし、過去の震災において、倒壊や破損により防災行政無線が十分機能しなかった事例が報告されています。そして、無線設備の運用に障害が生じる場合の原因として、その多くが電力の供給停止によるものであることも明らかとなっています。首都直下型地震においては、発電所や市街地の送電線の破損などによる長期停電が懸念されています。

 そこで、伺います。震災による停電が発生した場合、防災行政無線は非常用電源により何日間稼働できるのでしょうか。

 昨年12月1日、中野区は防災行政無線を室内で聞くことができる防災情報サービスの協定をJCOM中野と締結しました。このサービスは、気象庁が発信する緊急地震速報と自治体が配信する防災行政無線の放送内容を専用端末により提供するサービスです。この端末にはFMラジオが搭載されており、災害時には持ち出してFMラジオを受信することも可能です。JCOM加入者は月額300円、未加入者は月額500円となっています。今後、設置費や初年度を無料にするキャンペーンなどを行って普及の促進を図るようですが、来年度、この防災情報サービスに加入する家庭は何世帯を見込んでいるのでしょうか、伺います。

 みずからの経験に基づいても、災害時混乱する被災地において住民が求める情報を効率よく伝達することが求められています。そこで、昨今、コミュニティFMが注目されています。半径10から20キロ程度を受信エリアとする地域限定の放送で、平時は地元の身近な話題や広報、音楽やニュースなどを流し、災害時には地域に根差した災害放送を発信します。東日本大震災でも、コミュニティFMが運用された地域において、安否情報や給水、食料の供給情報、避難所や診療所、銭湯の開設状況を発信し、地域に特化したきめ細やかな放送で被災者を支えてきました。東日本大震災で開局した臨時災害放送局は29局と、これまで類を見ない数となり、コミュニティFMにおける情報伝達の必要性が強く認識されました。

 日本民間放送連盟・研究所が行った調査でも、被災状況の情報源としてラジオがほかのどの情報源よりも役立ったということが明らかとなっています。防災行政無線と比較しても、設置費用や維持費は10分の1程度だと言われているFM局が一つあれば、災害時も区内の情報を幅広く区民に届けることができ、費用対効果という点からもすぐれています。長期停電となれば、携帯やパソコンを充電することはできず、インターネットなどから情報を得ることは困難ですが、ラジオなら電池1本で長期間使用できるものがあります。また、防災行政無線は、屋内にいる場合や悪天候時に聞き取りづらい状況がありますが、ラジオがあり、電波が届けば、どんな環境でも放送を聞くことができます。高齢者をはじめ視力にハンディキャップがある方などへもスムーズに情報伝達ができ、いわゆる災害弱者へのケアという観点からも有効だとされています。こういった効果が着目され、防災行政無線の設置の有無にかかわらず開設の動きが広まっています。

 そこで伺います。中野区においても災害対策としてコミュニティFMの活用を研究、検討してみてはいかがでしょうか。

 23区でも独自のコミュニティFMによりバラエティ豊かなプログラムを展開し、好評を得ている自治体があります。また、渋谷区では、この春から、渋谷のラジオというコミュニティFMの放送が開始予定であり、東京オリンピックに向けさらなる地域の活性化、そして、防災、防犯のために活用できるメディアを目指すとしています。中野区でも、コミュニティFMを活用し、災害対策とともに、魅力の発信、地域の活性化という観点から、中野区らしい特色のある情報の発信ができるのではないかと考えます。ぜひ前向きな検討をお願いいたしまして、この項の質問を終わります。

 次に、商店リニューアル事業について伺います。

 区内の商店を取り巻く環境は、大型店やコンビニエンスストアとの競争、消費者ニーズの多様化や個性化などにより苦しい経営を余儀なくされています。区のにぎわいを発展させるために、魅力ある店舗づくりは重要です。2014年6月、小規模企業振興基本法が成立しました。小規模企業が地域経済と雇用の担い手として大きな役割を発揮していることに着目し、従業員5人以下の企業を小企業として定義し、個人事業主や法人化されていない家族経営の零細企業を地域経済の主体と位置付けています。この基本法の第7条では、地域の特性に応じた施策を策定し実施することを地方自治体の責務としています。これを受け、全国の自治体で中小企業振興基本条例などの制定が進んでいます。23区でも、17の自治体が条例を制定し、地域経済の活性化や小規模企業の持続的発展に取り組んでいます。

 中野区は、産業振興ビジョンの中で中小企業の振興を示していますが、より個々の小規模企業の振興に実効性のある施策が求められています。区においても小規模企業の振興を区の重要施策として位置付けるとともに、中小企業振興基本条例の制定を検討すべきだと考えます。見解を伺います。

 この間、自治体レベルで小規模企業振興を目指す積極的な動きがさまざまな形で広がっています。昨年、党議員団は、群馬県高崎市で行われている「まちなか商店リニューアル助成事業」を視察いたしました。この事業は2013年から始まり、商業の活性化を目的に、商売を営んでいる人、または営もうとする人が、店舗等の改装や、店舗等で専ら使用する備品の購入を行うことに対し、その費用の2分の1を補助するもので、100万円を上限とし、全て市内業者に発注させる仕組みです。市内の個店を支援するために広く周知を行うとともに、高齢者でも手軽に申請できるよう手続きを簡素化し、幅広く募集を受け付けたことが成功につながっています。今年度までの3年間で1,703件、11億7,470万円の助成を行い、経済波及効果はおよそ27億円を超えるとされています。

 もちろん、中野区と高崎市では地域特性などの相違があります。しかし、リフォーム工事も物品購入も地元の業者に限定することで、地域でお金が循環するという域内循環は中野区でも見込めるのではないでしょうか。見解を伺います。

 制度を創設するに当たり、高崎市の富岡市長は、2012年度に、商店振興のために何が必要なのか調査を行うよう指示し、直接職員が商店に足を運び要望を聞き取るという形で280件の店舗を訪問した結果、店の改装、修理などをしたいという意向の商店は2割程度ありました。さらに市がお金を補助するとしたらどうですかと聞くと、半数の方が、それならやりたいと答えたそうです。これらの結果を踏まえこの制度が始まりました。市長は、地元の小さな業者を支援する制度をつくることは自治体の役割とし、議会では、全会派が一致して制度を後押ししています。

 小規模企業振興基本法が自治体の責務としている地域の特性に応じた施策を策定するためにも、実態調査は欠かせません。中野区でも、まず区内の商店がどういった支援を求めているのか調査を行ってみてはいかがでしょうか、伺います。

 今、全国のさまざまな自治体で高崎市の「まちなか商店リニューアル助成事業」をモデルにした商店への支援が広がっています。江東区でも、商店街の中核をなす鮮魚、精肉、青果の生鮮3種を対象に、増改築費や設備費の2分の1、200万円までを補助する事業を今年度から始めています。実際に制度を利用した精肉店では、もう店を閉じようかと悩んでいたが、今後は息子の世代に後を継いでもらう決心ができたという声もあり、やる気の創出や後継者問題においても早速効果を発揮しています。

 中野区でも、国や都の支援メニューに任せるだけでなく、他の自治体でも効果を発揮している商店リニューアル助成事業の導入を検討してみてはいかがでしょうか。伺いまして、全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 広川議員の御質問にお答えをいたします。

 子ども支援・学校教育に関連して、U18プラザ・児童館の廃止についてという質問でありました。

 児童館につきましては、キッズ・プラザへの移行により現在U18プラザとしているものも含め、全て廃止することとしているところであります。

 子育てひろば、キッズ・プラザ展開と児童館の廃止に関連してという御質問でした。地域子育て支援拠点としての子育てひろばは、児童館の子育て支援機能を特化して充実を図るもので、乳幼児親子が気軽に利用できる身近な場所に整備することを考えております。商店街の空き店舗だけではなく、保育所や区有施設などを活用して展開をしていく考えであります。キッズ・プラザにつきましては、小学生の安全、安心な活動場所として、全ての小学校施設に展開をしていくものであります。また、地域のネットワークづくりや子育てに関する切れ目のない相談支援は、すこやか福祉センターの医療・福祉の専門職が担ってまいります。

 民間活用による中高生支援についてということです。中高生や若者を取り巻く社会環境は大きく変化し複雑化する中、次の時代を担う若者が多様な交流や体験活動、ボランティア活動などを通して、社会性や人間性を育むとともに、地域社会の一員としての意識を醸成し、社会参加や社会貢献活動にかかわっていくことは重要なことと考えております。区内中高生が参加するハイティーン会議などがそうした事業の一例と言えるわけですが、U18プラザでは、児童館としての活動が引き続き行われたことから、そうした事業の展開はできておりませんでした。若者の多様なニーズや興味、関心に応え、魅力ある事業とするためには、地域の多様な資源や人材を活用するとともに、若者支援のノウハウを持つNPOなど、民間団体の活用が有効と考えており、今後はさまざまな施設等を活用しながら、多様な事業の展開を図っていきたいと考えております。

 中高生の自習室のような居場所としての評価についてであります。U18プラザは、中高生が占用するための場の提供ではなく、子どもの年齢に応じた多様な活動機会の提供や支援を目指してきましたが、そうした機能については必ずしも十分に果たせていないと考えているところであります。

 U18プラザの廃止、また児童館の廃止を見直すべきだと、こういうことであります。区では、子ども・子育て支援事業計画を策定し、全ての子どもたちが健やかに成長し安心して子育てができるまちを目指した取り組みを推進しているところであります。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の策定に当たって、U18プラザの廃止についての考え方や今後の展開などについて、地域や関係団体などと意見交換を行い、その結果を踏まえて案としてまとめていきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校再編計画についての御質問がございました。

 初めに、6年後に、区立小学校の児童数はどの程度増加するのかということです。今年度のゼロ歳児が就学する平成33年度には、区立小学校の児童数は1万人を超え、この人数を今年度と比較すると1,400人程度増加すると推計をしています。

 次に、改築する学校施設について、どのような施設が必要かという御質問です。学校施設の改築に際しては、生きる力を育むという理念のもと、知識や技能の習得とともに、思考力、判断力、表現力などを重視し、一人ひとりに応じたきめ細かな学習指導や確かな学力の定着を図るため、ICTを活用した授業や少人数指導など、多様な学習形態に対応できる環境整備や、地域開放型学校図書館の設置などを考えているところです。

 次に、小学校の適正な学級数についてです。第2次再編計画では、小学校においては少なくとも12学級から18学級を目指すということとしておりまして、この考えは現在も変わっておりません。

 次に、少人数学級についてです。授業においては、教科によっては一定規模の学習集団による指導が効果的なものもあり、少人数学級より少人数指導の充実に取り組むことが重要であると考えてございます。中野区としては、学級の編制については東京都の学級編制基準にのっとり進めていく考えでございます。

 次に、前期再編計画の評価についてです。現行の第2次再編計画を策定するに当たりまして、既に再編した学校の児童・生徒、保護者等にアンケートを行っています。調査内容からは、統合することで交遊関係が広がった、運動会や合唱コンクールなどは人数がふえて楽しくなった、部活動が活発になったなど、高い評価を得ていることから、評価されたものと受けとめています。また、区としても、学級再編を進めることで一定規模の学級数が確保され、部活動の充実や専科の教員の確保、学校施設が整備できたと考えており、より充実した教育環境を整えていくことができたと評価しているところでございます。

 第2次学校再編計画の見直しについてです。今後も第2次再編計画に基づいて再編を進めるとともに、小学校と中学校の通学区域の整合化を図ることで小・中連携教育を推進するなど、中野区の教育環境の整備、向上に努めてまいります。したがいまして、第2次再編計画の見直しは考えてございません。

 次に、教科書採択についてです。

 まず、採択の透明性を高めるための臨時会の公開についてです。臨時会につきましては、非公開ではございますが、採択後、その議事録を公開することにより採択手続きについての透明性は保たれていると認識しています。今後臨時会を公開で行うことについては考えてございません。

 次に、選定委員会や調査研究会の調査報告の内容についてです。教育委員会では、調査研究会の調査結果や教科用図書選定調査委員会の報告などを参考に、教育委員それぞれが調査研究した内容をもって協議をしてまいりました。教育委員も、教育委員会が教科書の採択権者であるという責任の重さを深く認識して採択を行ってきたところでございます。

 次に、教員の意見が一層尊重される教科書採択についてという御質問でした。教員の意見については、教科用図書選定調査委員会や調査研究会の委員として聴取をしています。教育委員会としては、これまでの方法で十分に教員の意見が反映されていると認識しています。

 次に、教科書採択の公正確保の徹底の取り組みと、問題を把握した場合の措置についてです。これまでも教員の服務に関しては、校長会や教員の研修会等を通して指導してきているところでございます。教員の服務の厳正について、これからも徹底してまいります。また、教科書会社と教員の不適切な接触については、東京都教育委員会を通して調査の依頼が来ており、現在調査中でございます。教員に服務上法令等に違反する行為があった場合は、東京都教育委員会に報告し、厳正に対処する考えでございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、災害対策についての御質問にお答えをいたします。

 まず、感震ブレーカーの普及についてでございます。感震ブレーカーにつきましては、区報で周知するとともに、起震車に感震ブレーカーを設置し、起震車訓練や防災体験デーの機会を活用して、作動体験や作動実演などの展示を行っております。

 次に、感震ブレーカーの設置補助についての御質問でございます。国や都の動向を見ながら、防災用品のあっせん品目に加えるなど、設置促進策について検討を行っていきたいと考えております。

 次に、防災行政無線の停電時の稼働時間についてでございます。固定系の防災行政無線の機器のうち、屋外拡声子局が内蔵バッテリーで約2日間、防災センターにある統制卓につきましては庁舎の非常用発電機で作動するため、備蓄燃料で約16時間の稼働となりますが、災害協定により燃料が供給されるので連続稼働が可能であると考えております。また、移動系の無線機は半固定型が内蔵バッテリーで約1日間、その後は避難所などに配備してある発電機で充電し使用することになると考えております。

 次に、JCOM中野の防災情報サービス加入世帯の見込みでございます。JCOM中野は、昨年12月より、緊急地震速報のサービスに付随して区の災害情報の提供を開始しており、この2月からは、加入促進キャンペーンを行っていると聞いております。区としても、加入の動向につきましては注目していきたいと考えております。

 最後に、コミュニティFMの活用についてでございます。区は、区民への情報提供手段として、防災行政無線、ホームページ、ツイッター、Lアラート、エリアメールなどを構築しているほか、JCOM中野と防災情報の放送に関する協定も締結しております。情報提供手段につきましては、今後も検討してまいりたいと考えております。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 商店リニューアル事業についての御質問にお答えをいたします。

 まず、中小企業振興基本条例の制定に関してでございます。区では、平成24年10月に、中野区産業振興ビジョンを策定し、目指すべき将来像を実現するための戦略の一つとして、中小企業の振興を位置付けているものでございます。この産業振興ビジョンに基づき、産業経済融資や経営相談、経営者や従業員向けのセミナー、人材確保のための合同面接会など、中小企業振興のために実効性のあるさまざまな施策を実施しており、御提案のような条例を制定する必要はないと考えているところでございます。

 次に、商店リニューアル事業と経済の域内循環についてでございます。群馬県高崎市と中野区では状況が違うため、同じような助成制度導入は考えておりません。

 次に、商店街の住民ニーズ把握にかかる支援についてでございます。個店に対する助成事業を実施する予定がないため、その事前調査を実施する必要はないと考えております。

 最後に、商店リニューアル事業の実施についてでございます。江東区では、地域住民にとって魅力ある商店街にしていくため、魅力ある商店街創出事業の一つとして、特に消費者の商店街離れを防ぐ効果のある生鮮3品小売店への支援を行っているところでございます。中野区では、地域生活を支えるコミュニティ拠点としては、医療・介護、子育てサービスなど、ライフサポートサービスへの支援を行っていく考えでございます。中野区においては、商店街全体の機能を高めるために、にぎわいを創出するような事業については商店街向けに助成を行っているところでございます。

○副議長(白井ひでふみ) 以上で、広川まさのり議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 ひやま 隆

 1 健康保険について

 2 生活困窮者自立支援事業について

 3 危機管理について

  (1)中野区国民保護計画について

  (2)その他

 4 その他

 

○副議長(白井ひでふみ) 次に、ひやま隆議員。

〔ひやま隆議員登壇〕

○5番(ひやま隆) 平成28年第1回定例会に当たりまして、民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。質問は通告のとおりです。その他はございません。

 初めに、社会保険についてお尋ねをいたします。

 厚生労働省が昨年12月に公表した平成26年国民年金被保険者実態調査結果の概要によれば、国民年金第1号被保険者のうち、厚生年金適用の可能性があるにもかかわらず国民年金に加入している方がその1割に当たる約200万人に上ることが明らかになりました。国民年金に入っている方のうち約200万人もの方が法律的には厚生年金に加入できるのにもかかわらず、事業主が何らかの考えをもって入れていないということであり、これは大きな問題であると思います。現在、中野区のみならず他の地方自治体においても、老後の年金が無年金、低年金になるという方が増加し、60歳以上の方の生活保護受給者も急増していますが、この厚生年金違法未加入の問題はそれに連なる問題でもあります。

 そこで、まずお尋ねをいたします。中野区において、この厚生年金違法未加入問題の実態に関して、これまで調査等を実施したことはございますでしょうか。この問題に関する区としての見解をお示しください。

 さらに、もう一つの大きな問題は、厚生年金に加入せず、これに連動して医療のほうも、本来は社会保険に加入できるにもかかわらず国民健康保険に入らざるを得ないという問題であります。これにより保険料の支払いの重みも相当重くなってしまう、こういったケースもあります。

言うまでもなく、健康保険とは、労働者やその家族が病気やけがなどをしたときに必要な医療給付や手当金等の支給をすることにより、生活を安定させることを目的とした社会保険制度であります。健康保険法では、健康保険は、国、地方公共団体、または法人の事業所、あるいは製造業や土木建築業など一定の業種で常時5人以上を雇用する個人事業所では強制適用となっており、適用事業所で働く労働者は加入者となり、保険料は事業主と労働者が折半で負担をします。ところが、厚生年金と同様に、本来社会保険に加入すべき会社等が保険料負担を逃れるため違法に社会保険に加入していない事例が国会でも問題となっております。

 実際にこうした会社などは建設業に多いと言われ、若者世代や技能労働者の建設業離れを助長する一要因になっているという指摘もあります。平成26年9月19日に行われた中野区議会決算特別委員会において、佐伯利昭前区議会議員がこの問題を取り上げ区の見解をただしたところ、担当の理事者より、「本来他の健康保険に入るべき方が国民健康保険に加入することは問題であると考えております」との答弁をいただきました。

 そこでお尋ねをいたします。本来他の健康保険に加入できるにもかかわらず国民健康保険に加入している方に対しては、しかるべき健康保険に加入していただく、そのための調査、指導といった取り組みを中野区が率先して実施していくべきものであると考えますが、いかがでしょうか。区の御見解をお示しください。

 中野区では、国民健康保険料の収納率向上に向けて、口座振替の推進、催促、勧告の工夫、滞納処分の強化など、所管分野によるさまざまな取り組みや、全庁を挙げての臨戸徴収強化対策等を実施してまいりました。収納率向上は区にとって取り組むべき重要な課題であり、今後ともさらなる収納率の向上を目指していくべきであると考えます。全国的に見ますと、国民健康保険の保険料を滞納し差し押さえをされている方が2000年から6倍も増加し、年間25万件にも上っています。中野区においても同様に差し押さえ数、差し押さえ金額ともに増加傾向にあります。しかし、これらの滞納者の方の中には、本来は会社の社会保険に加入できるにもかかわらず加入できていない、そういった方がいらっしゃる可能性は否定できないと思います。

 そこでお尋ねをいたします。昨年度の国民健康保険の滞納者のうち、給与等支払い実績が確認できている方の人数をお示しください。また、その中で給与等支払い実績が確認できているにもかかわらず、会社の社会保険に加入せず国民健康保険に加入している方の人数をお示しください。

 国民健康保険は被扶養者がふえればふえるほど保険料は高くなることは言うまでもありません。一方、会社の社会保険に入っていれば、被扶養者の人数に関係なく保険料は一定であり、負担額が大きく変わってまいります。また、中野区の国保財政が厳しくなる中、本来会社が半分負担をして社会保険に加入すべき方が、会社の都合で国民健康保険に入らされているという状況は区の財政面から見ても大きなマイナスであると考えます。

 さきに国民健康保険の保険料が払えず差し押さえをされている件数が全国で約25万人にも上ると申し上げましたが、この中には、本来は会社の社会保険に加入できるにもかかわらず国民健康保険に加入し、負担額の重みに耐えられず差し押さえをされているケースもあることは否定できないと考えます。ある自治体に聞いても、実感としてそういったケースはあるというようなお話も伺いました。この問題に関しては、ことし1月の衆議院予算委員会においても質疑があり、総理からも、「国保の保険料未納により差し押さえを行う者のうち、どの程度が健康保険未加入の者であるかの調査についても、あわせて厚生労働大臣において検討させます」との答弁がありました。

 そこでお尋ねをいたします。昨年度の国保滞納者の中で、給与等支払い実績が確認できているにもかかわらず、社会保険に加入せず国民健康保険に加入している方のうち、差し押さえになった方の人数をお示しください。さらに、その中で本来他の健康保険に加入すべき方、あるいはその可能性のある方の人数をお示しください。把握していないということであれば、今後その実態について、至急区として調査をすべきであると考えますが、これに関して区の御見解をお示しください。

 本来は社会保険に加入できるにもかかわらず、実際は国民健康保険に加入していらっしゃる方が国保料を滞納して差し押さえになってしまったケースに関しては、その差し押さえが適切かどうかという議論があります。この点に関しては、さきの佐伯前区議の質疑の中で、担当の理事者から、「本来他の健康保険に入るべき方が国民健康保険に加入している場合であっても、その期間の国民健康保険の保険料の滞納に対して差し押さえを行うことは法的には問題はない」との答弁がありました。確かに法的には問題はありませんが、本来のルールに基づいて社会保険に入っていれば負担額も少なく、滞納や差し押さえにならなかった可能性が高いわけであります。言うまでもなく、差し押さえとは大変厳しい措置でありますので、差し押さえを実施する前の段階で、他の健康保険に入れる可能性のある方に対しては区としても適用促進を積極的にバックアップしていくことは極めて重要であると考えます。

 そこでお尋ねをいたします。さきの佐伯前区議の質疑の中で、担当の理事者から、「保険料の滞納者に対する財産の差し押さえを行う段階で、本人からの聞き取りや相談等に基づきまして、例えば会社の健康保険に加入できるかどうかを勤務先のほうに相談してみるよう提案することもございます」との答弁がありましたが、しかし、これでは消極的な印象が否めません。むしろ、例えば国保滞納者への臨戸徴収の際に、会社で働いている方に対しては会社の規模や働き方などの聞き取り調査を行い、社会保険に加入できる可能性がある場合は会社の福利厚生事務に相談するよう助言するなど、差し押さえをする前の段階で区が聞き取りや相談を積極的に実施していくことを要望いたしますが、区の御見解をお示しください。

 ことし2月に開会された中野区議会総務委員会において、「平成28年度の工事請負契約の発注について」の所管事項の説明がありました。この中の工事発注における適正化の推進の項目に、社会保険未加入対策の推進が盛り込まれました。その内容としては、「平成28年4月以降、競争に参加する資格を有する者の定期の参加資格申請において、社会保険等の加入を必須とする」というものですが、こうした取り組みは大変重要であると思います。

 そこでお尋ねします。これまで区が実施してきた社会保険未加入対策の内容とその成果をお示しください。また、今後新たに実施を予定している事業などあれば、あわせてお示しください。お尋ねをして、この項の質問を終えます。

 次に、生活困窮者自立支援事業についてお伺いします。

 平成27年4月1日より、新たな支援制度である生活困窮者自立支援制度が全国で一斉にスタートしました。これは、平成25年12月に成立した生活困窮者自立支援法に基づく新しい制度であり、生活保護受給者や生活困窮のリスクの高い層の増加を踏まえ、生活保護に至る前の自立支援策の強化を図るとともに、生活保護から脱却した人が再び生活保護に頼ることのないようにすることを目的に策定されました。今日、非正規雇用の増大や所得格差などを背景に、多様で複合的な課題を抱える世帯が急増する中、個別の生活支援や貧困の連鎖を断ち切るための学習支援などは極めて重要な施策であり、その効果も実証されています。現在中野区においても、自立支援相談支援事業、住居確保給付金事業、就労準備支援事業、学習支援事業、以上の四つの事業を実施しています。

 そこでお尋ねをいたします。中野区が実施している生活困窮者自立支援制度のこれまでの成果をお示しください。また、当初の見込みと比較した場合の達成率についてもお示しください。

 生活困窮者自立支援法は、必須事業として自立相談支援事業の実施及び住居確保給付金の支給を定めています。また、任意事業としては就労準備支援事業、一時生活支援事業及び家計相談支援事業等が実施できるとしています。この任意事業は同法の第6条に定められており、同条の5には、「その他生活困窮者の自立の促進を図るために必要な事業」が実施できるとの記載があるため、同法に基づく事業は、学習支援事業も含め多くが任意事業の枠内に含まれます。

 他の地方自治体の実施状況を見てみますと、この任意事業の枠組みの中で特色のある取り組みを実施している事例が幾つもあります。例えば愛知県では、名古屋市の相談窓口とNPOが連携し、余っている食料を企業や個人から譲り受け、食費のやりくりに悩む生活困窮者に配るフードバンクと呼ばれる試みが実施されています。この取り組みは、生活困窮者への自立支援のみならず、企業の廃棄処分費の削減や環境対策にもつながる活動として期待されています。また、岡山県総社市では、市民にシャツや家電製品といった就職や日々の暮らしに必要な物品の寄付を呼びかけ、集まったものを生活困窮者に無料でレンタルする取り組みを実施しています。

 これらの取り組みをはじめ、特色のある事業の多くは、各自治体における庁内での各部局の連携、そして、市民や地域のNPOや企業との協力も得ながら実施している点から、縦割り行政の克服など、これまでの自治体行政のあり方の転換を迫るところがあると考えます。滋賀県野洲市では、生活困窮者だけではなく、ひきこもりや社会的孤立状況にある人を含む幅広い市民の生活再建を支援する「市くらし支えあい条例」案をまとめ、生活困窮者を条例により支援する取り組みを行っています。

 そこでお尋ねをいたします。生活保護受給世帯の増加は中野区にとっても大きな課題であり、生活保護に至る前の自立支援策の強化は区としても今後さらに積極的に取り組むべきものであると考えますが、いかがでしょうか。また、今後区として新たに実施する事業などがあればお示しください。

 中野区は、地域での見守り活動を推進するため、全国で初めて条例により見守り対象者の情報を名簿形式で町会、自治会に提供するという画期的な取り組みを行っております。これは、中野区が全国に誇るべき施策であると思います。こうした地域での見守り、支えあいをさらに手厚くするという観点からも、中野区においても生活困窮者支援に関して独自に条例を制定し、区として生活困窮者の支援に関する方針、実施計画を立てていくことを御提案いたしますが、区の御見解をお示しください。お尋ねして、この項の質問を終えます。

 次に、中野区の危機管理についてお伺いをいたします。

 昨年11月、フランスのパリで同時多発テロ事件が発生し、多くの尊い命が奪われました。区長の施政方針説明の冒頭でも言及がありましたが、過激派組織ISILに関連すると見られるテロ組織は、グローバルな広がりを見せており、今やテロ行為が世界のどこで起きても不思議ではない、そういった状況になりつつあることを冷静に受けとめなくてはならないと考えます。とりわけ我が国は、ことし5月に開催される伊勢志摩サミット、2019年のラグビーワールドカップ、そして、2020年の東京オリンピック・パラリンピックなど、大規模で国際的なイベントが続々と開催されます。こうした状況に鑑み、日本国内においても適切な治安対策の強化を速やかに行う必要があります。

 中野区では、万が一外国からの攻撃や大規模テロなどの事態が発生した場合、中野区国民保護計画に基づき国や都などと連携、協力して、中野区民の避難誘導や救助、被害を少なくするための国民保護措置を実施します。この中野区国民保護計画は、平成16年6月に成立した国民保護法に基づいて作成され、平成21年2月に改定がなされ、今日まで至っています。現在改定作業が行われているとのことですが、これまでの経緯と今後のあり方について幾つかお尋ねをいたします。

 中野区国民保護計画では、「区は近隣区、都、国等関係機関と共同するなどして、住民、地域の団体及び事業者の自発的な参加を得て、国民保護措置についての訓練を実施し、武力攻撃事態等における対処能力の向上を図る」として、防災訓練における実施項目を参考にしつつ、避難誘導訓練及び救援訓練を実施するとありますが、中野区としてこれまで一度も実施していないとのことですが、これは事実でしょうか。事実ということであれば、これまで実施してこなかった理由をお示しください。

 中野区国民保護計画では、区対策本部が被災した場合など、区対策本部を区庁舎内に設置できない場合に備え、区対策本部の予備施設を指定しています。それによりますと、第1順位として区立体育館、第2順位として桃園地域センター、新井地域センターとあります。しかし、現体育館は新庁舎、新体育館の整備に伴い、平成30年度の終わりから平成31年度当初の間に解体工事の着手に入り、さらに区の計画では1年間体育館が存在しないブランク期間が生じる可能性が高いとされています。さらに桃園区民活動センターは、平成30年度から平成31年度の間に改修工事により利用を一時休止する予定があるとお聞きしています。さらに新井区民活動センターも平成31年度から32年度の間に改修工事に入り、利用を一時休止する予定があるとお聞きしています。

 このように東京オリンピック・パラリンピックを控えたほぼ同じ時期に全ての予備施設が解体・改修工事に入る可能性が高い中で、区対策本部の代替機能をどのように確保していく予定なのか、また、今回の中野区国民保護計画の改定作業の中で「区対策本部の代替機能の確保」は、そうした計画を反映した形になっているのかお示しください。

 お尋ねをいたしまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) ひやま議員の御質問にお答えをいたします。

 社会保険の未加入の問題についてであります。

 厚生年金に加入できる人は、企業の健康保険に加入することになっております。したがいまして、厚生年金に加入できる人は、本来国民健康保険に加入するべきではないということであります。中野区の国民健康保険の加入者の中にそのような人がどのぐらいいるかについて、区として実態調査等を行ったことはありません。

 なお、この問題につきましては、国が全国の事業所への調査を実施する予定として聞いております。

 他の健康保険に加入できる可能性のある人に対しましては、国民健康保険への加入の手続きの際や、保険料の納付相談などの機会に、勤務先と相談してみるよう助言等を行っているところであります。

 それから、国保料の滞納者の方で給与支払い実績がある人、その人に対する対応についてということであります。平成26年度の国民健康保険料の滞納者のうち、給与の支払い実績を確認できた方、こういう人たちが約6,000人いました。資格の適正化を目的としまして、そのうちの400人について、勤め先に対して社会保険の加入の有無の調査を行った結果、既にそのうちの約300人は社会保険に加入をしておりました。残りの約100人については、社会保険への加入は確認できませんでした。

 平成26年度中に滞納者の財産の差し押さえを行ったのは約900件ありました。滞納処分を行うに当たりましては、給与等の支払い実績の有無については調べていないところであります。ただし、国民健康保険と他の健康保険との二重加入によって滞納処分が取り消されるような事態を避けるために、勤務先が判明している場合などには、差し押さえの前に国保の加入期間中に他の健康保険にも加入していないかどうかといった調査は行っているところであります。

 それから、財産の差し押さえを行う前の相談等についてであります。他の社会保険に加入できる可能性のあるケースにつきましては、国民健康保険の加入や納付相談の段階でも、詳細に聞き取りを行い、助言等を行っているところであります。ただし、国保への加入期間中の保険料の滞納に対しては、今後も法令に従い厳正に対応してまいります。社会保険への未加入問題に対しまして、これまで国民健康保険の窓口での相談や助言に加えて、区のホームページ等での社会保険への加入条件等の案内を行ってきましたが、今後は社会保険労務士による無料相談事業の周知などにも努めていきたいと考えているところであります。

 私からは以上です。

〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕

○健康福祉部長(瀬田敏幸) 生活困窮者自立支援事業につきましての御質問にお答えをいたします。

 まず、生活困窮者自立支援制度の成果、達成率についての御質問でございます。今年度より自立支援相談事業の窓口として、中野くらしサポートを設置しておりまして、生活困窮者の個々の状態に合ったプランを作成し、必要なサービスにつなげているところでございます。27年度の実績でございますが、28年1月時点で、当初想定していた相談件数400件を上回る462件の相談実績がございました。住居確保給付金事業利用者を含む就労支援においても、昨年の実績42件を超えまして53件という実績になっております。また、学習支援事業では、小学生、中学生ともに出席率は約8割と高い出席率を維持してきております。これらのことから、生活困窮者自立支援制度に伴い実施している事業につきましては、一定の成果があったものと認識しております。

 次に、生活困窮者自立支援制度における任意事業の新たな実施予定についてでございます。区では、任意事業である一時生活支援事業、家計相談支援事業につきましては、現時点においては新たに実施する予定はございません。

 なお、現在一時生活支援につきましては、都区共同事業の自立支援センターにおきまして、対象者に対し支援を行ってきております。また、家計相談支援につきまして、支援が必要な区民に対しまして広域実施している東京都の生活再生相談窓口へつなげるなど支援を行っているところでございます。

 最後に、生活困窮者支援に関する独自の条例制定についての御質問がございました。生活困窮者への自立支援につきましては、平成27年4月より施行されました生活困窮者自立支援法に基づき取り組みに着手した事業でございます。今後、今年度の事業実績や成果を十分に検証しつつ、ニーズに対応した事業展開が図れますよう実施計画を検討していく考えでございます。現在のところ、生活困窮者支援に関しまして区が独自に条例を制定する考えはございません。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、危機管理についての御質問にお答えをいたします。

 国民保護措置に関する訓練についてでございます。区といたしましては、国民保護措置に関する避難誘導訓練、救援訓練を実施しておりませんが、これまで中野区国民保護計画に基づく区職員向け危機管理研修や、安否情報システム操作訓練を実施したほか、区内警察署による核兵器、生物兵器、化学兵器等を想定したNBC対処訓練に参加してきております。国民保護計画にかかる訓練につきましては、警察、消防などの関係機関と連携して、実施について検討していきたいと考えております。

 区対策本部の予備施設について御質問がございました。現在改定作業を進めている中野区国民保護計画案では、区対策本部の予備施設として、建てかえ予定のある中野体育館にかえて、もみじ山文化センター本館を指定し、新井区民活動センターとあわせて2施設とする予定でございます。もみじ山文化センター本館も平成28年度に改築工事が予定されておりますが、どちらの予備施設に改築工事があっても、もう一方の使用は確保できるものと考えているところでございます。

○副議長(白井ひでふみ) 以上で、ひやま隆議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時54分休憩

 

午後3時15分開議

○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 伊藤 正信

 1 平成28年度予算編成について

 2 地域包括ケアシステムの取り組みについて

 3 小・中学校の再編と改築について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 伊藤正信議員。

〔伊藤正信議員登壇〕

○32番(伊藤正信) 平成28年第1回定例会におきまして一般質問をいたします。自由民主党議員団の立場で一般質問をいたします。

 最初に、平成28年度予算編成について伺います。

 アベノミクスの効果によって、平成24年度から2年間で日本企業の経常利益は約16兆円ふえ、内部留保も約50兆円増加しています。しかし、設備投資の伸びは約5兆円どまりとなっており、日本経済のさらなる好循環を実現するためには企業収益をさらに高め、積極的に国内投資や賃金引き上げにより一層取り組む必要があります。また、区長の施政方針説明でも申し上げているように、アベノミクス第2ステージは始まったばかりで、平成28年が勝負の年と言われております。

 28年度は新たに策定中の中野区基本構想と新しい中野をつくる10か年計画のスタートの年であり、将来の生産人口の推移や超高齢化などの社会状況を捉えながら、10か年計画の柱となる全員参加型社会の実現、まちづくり、産業振興など、地域経済の活性化、地域包括ケア体制の構築、子育て環境の充実、スポーツ・健康づくり、中野駅周辺整備の進展、区役所・サンプラザ再生整備計画を具体化することを踏まえて編成したものとなっていることであります。

 予算規模は、昨年度の1,327億円の予算規模に次ぐ1,283億円と大きなものとなっております。歳入予算の資料を見ますと、特別区税や特別区交付金は多少伸びがあるものの、大きく伸びているのは地方消費税交付金となっています。特別区民税や特別区交付金、財調制度の交付金は区の歳入の根幹をなすものであります。この伸びが弱いということは最近の景気動向を反映したものなのか、28年度の景気動向を予測し税制の影響などのさまざまな要件を見積もったものなのか、疑問に感じます。どのように見積もった結果なのか伺います。

 一方、歳出予算の性質別の傾向であるが、扶助費の伸びが4.8%と相変わらず増加傾向にあります。扶助費は26年度から27年度にかけては5.6%、25年度から26年度にかけては3.3%と一貫した伸びを保っています。子ども・子育て支援新制度などが始まり、扶助費の内容にも変化があったと考えています。扶助費は必要な社会保障経費とは考えますが、扶助費の伸びは区の財政運営にも大きく影響を与えるものであり、心配するところでもあります。今年度の扶助費の伸びについてどのような実態を把握され推計を行ったのか伺います。

 次に、人件費について伺います。人件費は平成27年度に比較すると2億円程度予算額が減少しています。2,000人体制を基本としつつ区の業務を進めていくと考えますが、28年度の人件費の減少は、団塊の世代の退職などによる職員の構成に変更があったことが要因と考えてよいのでしょうか。人件費についても義務的経費の大きな配分を占めており、区の予算に大きく影響すると考えます。区は、こういった職員の新陳代謝によりある程度の人件費の減少が今後もあると見込んでいるのか伺います。

 最後に、基金の繰入額について伺います。一般財源における財政調整基金の繰り入れは4億円余り減少しているものの、特定財源による繰入金は27億円余り増加しています。特定財源の繰入金については各事業に充当する目的基金の繰り入れと考えるが、28年度はどういった事業に基金繰り入れを充てたのか。また、財政調整基金は27年度の予算額からは減少したものの、48億円もの繰入額となっています。新区役所用地の購入のために27年度の繰入金は増加をしましたが、今年度の財調基金の繰り入れの要因について伺います。

 28年度予算の特徴の一つとして、未来を担う子どもを支えるさまざまな施策について広く対応したとあります。超高齢化社会を乗り切るためにも、希望のある大切な視点と考えます。区はこういった施策を基本に、今後も未来を担う子どもたちのため、財政規律を持った財政運営を行うものと考えております。

 次に、地域包括ケアシステムの取り組みについて伺います。

 我が国では、高齢化の進行により、世界でも類を見ない超高齢化社会を迎えようとしており、中野区でも、今後急速に高齢化が進んでいきます。このままでは医療や介護などの社会保障制度の維持にかかる区民の負担が大幅にふえ、また、支えが必要になった高齢者に対するサービスの供給量も不足するなど、区民の生活に大きな影響を及ぼすのではないかと危惧しています。このような状況の中、国は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目標に、重度の要介護状態となっても住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していくという方針を打ち出し、中野区においてもその実現に向けた取り組みが進められようとしております。改めて来るべき2025年の超高齢化社会に向け、区としてどのように現状を捉え、具体的に包括ケアシステムの構築を進めようとしているのか、何点かお尋ねをいたします。

 地域包括ケアの構築のためには、まず現状を知らなければなりません。その上でしなければいけないこと、その優先順位や、今すぐできることなども勘案し準備を進める必要があります。現状を知るということでは、現状を踏まえ将来的な地域の状況予測を立てるということも重要な要素になると思います。2025年に、中野区の高齢者はどれぐらいふえるのかと題して、町丁別高齢化率、要介護3以上、人口の推移にかかるシミュレーションなどが示されています。

 私は、これまで町会活動、さまざまな形で地域活動に取り組み、地域の高齢者にもかかわっておりますが、ひとり暮らしの方の割合が増加してきていると感じております。中野区の地域特性として、ひとり暮らしの高齢者世帯、高齢者のみで暮らす世帯が多いということが挙げられると思います。区全体の高齢者のひとり暮らし世帯、高齢者のみ世帯の状況の実態、他地域と比較した場合の傾向などについて確認したいと思います。いかがでしょうか、伺います。

 国が示す地域包括ケアシステムのイメージでは、図の中心に生活の拠点である住まいが位置付けられ、自宅とサービス付き高齢者向け住宅が描かれています。住みなれた地域で暮らし続けられる地域を実現する上では、まず生活の基盤である住まいの場の確保が基本となります。とりわけ区の地域特性であるひとり暮らしの高齢者世帯、高齢者のみで暮らす世帯の状況を踏まえれば、単身の世帯、また夫婦世帯が安心して居住できる賃貸等の住まいであるサービス付き高齢者向け住宅の確保は重要な課題と考えます。単身の世帯、また夫婦世帯で配偶者が亡くなり単身となり、年を重ねたとき、ひとり暮らしが困難になったときの安心できる住まいの場の確保について、区ではどのように現状を捉え、サービス付き高齢者向け住宅の確保を含め今後の対応策をどのように展望しているのか伺います。

 国のイメージ図では、住まいの下には、いつまでも元気に暮らすためにとして、生活支援・介護予防が描かれています。その担い手としては、老人クラブ、自治会、ボランティア、NPO等が代表例として記述されており、軽度者が介護保険本体から外れることに伴い、地域の住民等による積極的な取り組みによりこれらのサービスが提供されることへの期待が推し量られます。ひとり暮らしの高齢者、高齢者のみで暮らす世帯が増加する中で、高齢者が病気やけがで自由に動けなくなってしまったときに、住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるようにするためには、日常からの見守りやごみ出しなど、隣近所による支え合い、助け合いが行われる地域をつくっていくことが重要になりますが、一方では、地域の方々からは、具体的にどのような取り組みをすればよいのかわからないという声を聞きます。

 生活支援・介護予防には、地域支援事業の再構築のイメージも含んでいると思われますが、区は平成29年4月に制度移行することとし、28年度についてはそのための準備や体制整備を進めると言っています。区としてどのように区民のニーズを捉え、具体的にどの部分に重点を置いて準備を進め、平成29年度に制度移行していこうと考えているのか伺います。

 また、国の図では、地域包括ケアシステムを直接的に支える担い手として、ケアマネジャーや地域包括支援センターが描かれています。保険者でもある区は中心となりシステム全体を構築していくこととなりますが、その仕組みの担い手として、地域包括支援センターやケアマネジャーの役割が重要であり、そのスキルアップが求められていると思います。区としても相談支援、地域のコーディネート、ケアマネジメントの質の向上については、地域包括ケアシステムの充実に向けた取り組みの柱の一つとして考えているようですが、平成28年度中にどのように取り組みを進め、29年度の制度移行、その先の展開につなげていこうとしているのか伺います。

 地域包括ケアシステムの構成要素について、国の図では、他に医療の絵が描かれています。医療機関の機能分化も描かれており、急性期病院、亜急性期・回復期リハビリ病院群があり、その次のステップとしての日常の医療、かかりつけ医、地域の連携病院があります。また、急性期病院等から地域の病院、在宅診療への移行があります。介護の領域では、介護が必要になったらとして、施設・移住系サービス群と、在宅系サービス群が示され、医療等と連携しながら活用し生活を継続するイメージが描かれており、医療、介護の連携の仕組みの充実が求められていることが読み取れます。

 このように地域での医療、介護、予防、住まい、生活支援の一体的な提供を実現していくための推進のための仕組みとして、地域ケア会議が構成され、中野区でも昨年から実施されています。全区レベルの地域ケア推進会議、すこやか福祉センター単位のすこやか地域ケア会議の2層のケア会議が設定され、回を重ねていると聞いております。これまでの開催を通じて、問題点の洗い出し、課題の共有も行われてきていると思いますので、今後の会議の進展に期待をしております。

 地域ケア会議での課題の一つとして、地域包括ケアシステムを進める上での地域の単位、エリア設定について意見があったと聞いております。区では、現在区内を四つに分けた生活圏域、すこやか福祉センターの圏域を単位としておりますが、そのエリアでは大き過ぎるのではないかという指摘があったようであります。当面は現状の形で進めると思いますが、長期的にはより最適なエリア設定という観点で見直すこともあると考えてよいのでしょうか、伺います。

 地域包括ケアシステムの構築に際しましては、地域において支援が必要な人を支えるための取り組みがどのように行われていくかどうかで、将来それぞれの地域での生活に大きな差が出てくると言われております。中野区では、町会、自治会による地域での見守り、支えあい活動の取り組みが既にあり、区医師会をはじめとして、医療、介護の連携による取り組みも他の地域に比較して活発に行われております。

 こうした土壌をうまく生かしながら、今後の地域包括ケアシステムの実現に向けて区としてしっかりリーダーシップをとり、取り組みを進めていただきたいと思います。この地域包括ケアシステムの構築を進めていくためには、区として強力に推進していくための体制も欠かせないものと考えますが、現在は地域支えあい推進室、区民サービス管理部、健康福祉部の複数部署が関係し、なかなか難しいところもあるような感じがします。最後に、今後の区の推進体制強化についての考えを伺います。

 次に、小・中学校の再編と改築について伺います。

 現在、教育委員会は区立小中学校再編計画(第2次)に基づき、小・中学校の再編を進めております。学校再編は、単に学校の施設が統合され、児童や生徒の人数がふえるというものではありません。学校は地域の伝統や文化が継承されていく場であり、再編を進めるに際しましては、地域、保護者の理解や協力が不可欠なことは言うまでもありません。そこで、各学校統合の組み合わせごとに統合委員会が設置され、統合に向けたさまざまな話し合いが行われております。現在は四つの統合委員会が設置されており、そこで話し合いの様子は各統合委員会が発行する統合委員会ニュースを通じて地域の方々や保護者が知ることができます。

 さて、この再編校の統合新校の校舎についてですが、平成27年12月に、区立小中学校の施設整備方法についてという考えが示されましたが、区立小中学校再編計画(第2次)及び小中学校施設整備計画において、大規模改修と位置付けていた学校は原則改築することになったというものです。また、大規模改修から改築に変更したことで、統合時の校舎から統合新校の校舎へ移転する時期が変更になった学校や、統合時の校舎の位置が変更となった学校もあります。

 こうした変更の対象となる学校では、保護者に対して説明会などを行ったということですが、通う学校の位置の変更や通う時期など、スケジュールについては、特にこれから学校へ入学するお子さんをお持ちの保護者の方にとっては大変に重要な情報だと思います。通う学校の位置を変更して住む家を決めるという話もよく聞きます。そこで伺いますが、こうした学校の再編のスケジュールや再編に伴う情報はどのように周知していくとお考えですか、伺います。

 また、学校を統合することで通学区域は広くなります。そして、統合新校を改築する期間、統合時の校舎へ数年間通うことになります。例えば中野神明小学校と新山小学校は平成29年度に統合しますが、中野神明小学校の区域のお子さんは、中野神明小学校を改築する3年半の期間、新山小学校の位置まで通うことになります。大勢の子どもが方南通りと中野通りを渡って学校へ通うことになります。最近、町田市でも小学校1年生の子どもが亡くなるという悲惨な事故もありました。そういった小学生の交通事故のニュースをよく聞きます。中野の子どもたちが交通事故に遭うことのないように、子どもたちの通学路の安全対策についてどのような対策を考えているのか伺います。

 質問は以上ですけれども、一言申し上げたいと思います。

 いよいよ南部地域に2カ所の大規模公園が開園をいたします。今週27日の土曜日には南台いちょう公園が開園し、3月19日の土曜日には本五ふれあい公園が相次いで開園をいたします。この本五ふれあい公園、当時のNTT社宅跡地を取得するに当たって、平成19年第3回定例会で私は一般質問をいたしております。まだ建物が残されており、売却するか、自社活用するか、まだ決まっておりませんでした。

 一時は民間開発業者に売却する話もありましたが、中野区が取得をし、暫定広場として開放され、2年間かけて整備し、多目的運動場と草地広場としての公園として開園になります。地域の方々が待ち望んでいたことでもあります。中野区としても、この公園は貴重な財産であり、これからも地域の宝として、子どもから高齢者のみんなが触れ合える公園、みんなに愛される公園に、地域といたしましても、すばらしい公園にしていきたいと思っております。

 以上を述べまして、私の質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊藤正信議員の御質問にお答えをいたします。

 平成28年度予算編成について、歳入予算の見積もりについてであります。特別区民税は、所得割納税義務者や平均所得の増等によりまして、約4億円の所得割額の増を見込みました。その一方で、ふるさと納税の影響等によりまして、約3億円の減少を見込んで、1億円の増としたところであります。都区財政調整協議会では、特別区交付金は基礎となる調整3税において、法人住民税は平成27年度全般は企業収益が堅調に推移しておりますが、法人住民税の一部国税化による影響が出ること、また、固定資産税については増額を予測した結果、平成27年度に比較して0.6%の伸びとなると推計をしたところであります。区では、こういった推計をもとに特別区交付金の中野区の配分割合であるとか、財産費、法人住民税一部国税化による影響額20億円の減額についての推計を行い、27年度と同様に平成28年度については350億円としたところであります。

 扶助費の実態と推計についてということです。区の扶助費の主なものは、生活保護、子ども医療費などですが、これらは毎年度連続して増加傾向にあります。生活保護の扶助費の増加につきましては、雇用の改善などによって増加率が減少した傾向となっております。平成28年度は障害児の給付費や保育の充実を推進するための保育施設給付費などの扶助費が増加をして、前年度比4.8%の増加と見込んでおります。

 それから、人件費についてですが、人件費が減少している要因、これは職員構成の変化によるものでありまして、新規採用職員数では、平成27年度は82名、28年度については100名を予定しているところであります。そのため、常勤職員の平均年齢が平成27年度は約47歳だったものが、28年度は約46歳となる見込みとなっております。また、今後10年間で定年等の退職者が1,000人を超える見込みのため、毎年90人前後の新規採用を行うことになり、こうしたことから、人件費の減少傾向につながるものと、このように考えております。

 それから、目的基金の繰り入れの増額と財政調整基金の繰り入れ要因についての御質問もありました。特定財源の繰入金につきましては、目的基金の減債基金の繰り入れが一番多く、前年度比で27億円余り増加をしております。この減債基金は、都市計画決定による大規模公園の用地購入や整備費についての財源が特別区交付金で財産費によって交付されるため、これを毎年度積み立てて償還に備えるものとして、当該の公園などにかかる起債の償還財源としているものであります。平成28年度予算につきましては、江古田の森の用地費が満期一括償還となりますため、繰入額が増額したものであります。他の目的基金としましては、義務教育施設整備基金は学校再編に伴う施設整備、まちづくり基金については都市再生区画整理事業、道路・公園整備基金は道路舗装改良補修工事などに繰り入れを行ったところであります。

 次に、財政調整基金の繰り入れですが、財政調整基金には、大規模な施設改修経費の積み立ても行っているところであります。もみじ山文化センターの大規模改修や、東中野、また南中野区民活動センター等の整備費、それから、区有施設の大規模改修などに充当を行っているところであります。

 次に、地域包括ケアシステムの取り組みについての御質問がありました。

 中野区の地域特性に関連して、ひとり暮らし高齢者世帯等の状況及び傾向についてであります。平成27年度に実施をした民生・児童委員による高齢者実態把握調査の結果によりますと、70歳以上のひとり暮らし高齢者が7,382人、75歳以上の高齢者のみの世帯が2,415世帯となっております。同調査によりますと、ひとり暮らし高齢者では、男女比では女性が男性の1.6倍となっております。また、5年前の調査結果と比較をしますと、ひとり暮らし高齢者数は10.5%の増、高齢者のみの世帯数は5.3%の増となっております。中野区は、高齢化率は23区平均よりも若干低いものの、後期高齢者の割合が高いこと、また、65歳以上のひとり暮らし高齢者の割合が23区中5位であることなどが特徴であると、こんなふうに捉えているところであります。

 高齢者の単身世帯等の住まいの確保についてであります。サービス付き高齢者向け住宅の確保について、ひとり暮らし高齢者の方は、年齢が上がるほどふえる傾向にあります。安心して暮らし続けられるように、民間住宅の住みかえ等の支援とあわせて、見守り機能のあるサービス付き高齢者向け住宅を誘導することとしているところであります。

 それから、生活支援・介護予防の充実に向けた取り組み内容についてということであります。生活支援・介護予防の充実と生活相談・ケアマネジメントの質の向上ということについて、生活支援・介護予防にかかる区民ニーズを把握するため、平成27年度に要支援者のケアプラン調査を実施しました。調査結果によりますと、今後必要になると思われるサービスとしては、送迎や外出援助、入浴中の見守りなどの生活支援でありますとか、まちなかサロンのような集いの場などが挙げられる、そうしたこととなっております。平成28年度には、こうした傾向についてさらに検証して、必要なサービスを確保していくために、買い物や集いの場への同行など、訪問型サービスの試行実施や、継続、安定的に事業活動を行う住民主体活動の育成などを行っていくこととしているところであります。

 また、相談支援とケアマネジメントの質的向上を図るため、本庁舎に新たにリハビリ専門職を配置し、介護予防プラン等の点検や助言を行うことといたしました。また、各すこやか福祉センターに生活支援コーディネーターを配置し、地域での介護予防の推進方策の把握に努め、円滑な制度移行を図ってまいりたいと考えております。

 それから、地域包括ケアシステムの圏域設定についてであります。エリアが少し大き過ぎるのではないかという御意見もあるがどうかということです。日常生活圏域は介護サービスの基盤を整備する単位としておおむね30分以内に必要な介護サービスが提供されるエリアを想定し、地理、人口、交通事情等を勘案して設定することとされております。面積的には、すこやか福祉センター圏域でも、中野の場合には全国的に比較すると狭いと言える状況であります。

 しかし、中野区の場合には、人口密度が高くて多くの方が居住をしております。そういう中で医療機関や介護の事業所、地域のコミュニティ団体などの活動範囲や、あるいは行われております一定の連携、それから、それらの活動のまとまりの状況、こういったものを勘案して、すこやか福祉センターの圏域を日常生活圏域と設定をしているところであります。現在の状況では、この圏域については一定妥当であると考えておりますが、今後の状況が推移していく中では、必要に応じて見直すこともあり得るかと、こんなふうに考えております。

 それから、区の推進体制の強化ということについてであります。平成28年度については、地域支えあい推進室に地域包括ケア推進を担当する分野を新設し、地域包括支援センターの運営や介護予防・生活支援サービスの強化、それから、医療、介護の連携推進、認知症対策などを一括して担当し、総合事業の準備と円滑な移行に向けた体制を強化してまいります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 小・中学校の再編と改築について、まず改築に変更したことの周知についてです。小中学校施設整備計画では、校舎の主要部分が建築後50年を経過する時期に耐力度調査を行い、原則として大規模改修により30年程度の長寿命化を図る、その後30年を経過した時点で改築することとしていました。今年度に入りまして具体的な検討を進めていく中で、学校再編計画を策定した時点より児童・生徒数の増加が見込まれることなどから、その増加に対応できる学校施設を確保しつつ、安全で安心な教育環境を早期に整えていくためにも、大規模改修を改築に変更したものでございます。

 こうした変更内容につきましては、小・中学校のPTA連合会や私立幼稚園長会、民間保育施設等の関係団体に対して説明をするとともに、ホームページ等において周知をしてきました。また、再編に関する学校の保護者については、統合新校の改築年次が変更になるため個別に通知をするなど周知を図ってまいりました。今後学校施設の改築の考え方について、さらに丁寧に周知を図ってまいります。

 次に、通学路の安全対策についてです。これまでも学校統合における通学路の安全対策については、通学安全指導員の増配置やガードパイプの増設、カラー舗装、歩行者用信号機の改善などを行ったところでございます。今後統合する学校の通学路につきましても、学校の状況に応じて必要な対策を講じてまいりたいと考えています。

○議長(北原ともあき) 以上で、伊藤正信議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 甲 田 ゆり子

 1 平和の森公園の再整備構想について

 2 子育て支援について

  (1)親子の育ちを支える子育て支援資源の連携について

  (2)多子世帯の支援について

  (3)発達に課題のある子どもへの一貫した支援について

  (4)子育てコンシェルジュについて

  (5)その他

 3 商店街の活性化支援について

 4 食品ロス削減と食育について

 5 復興支援と震災対策について

 6 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、甲田ゆり子議員。

〔甲田ゆり子議員登壇〕

○13番(甲田ゆり子) 平成28年第1回定例会に当たり、公明党の立場で一般質問を行わせていただきます。

 通告していました4番、食品ロス削減と食育については、時間の関係で、申しわけありませんが、今回は見送らせていただき、別の機会にさせていただきます。それ以外は通告どおり行います。その他はありません。

 初めに、1番、平和の森公園の再整備構想について伺います。

 今回、平和の森公園の再整備構想(案)が示されました。まだイメージの段階ではありますが、私は、この構想についておおむね高く評価したいと思います。未開園部分の開園について、東京都と一貫して交渉を重ね、国有地を活用しての公園用地拡張とあわせて、ついにベストな方法を見出せたのは区の努力の結果と考えます。公園内に体育館を建てることについて反対の声もある中で、私は、未開園部分が開園できることで大きな不安を解消できると考え、地域の中で、さらによい場所にしていくと語って、公園再整備をすることを応援してまいりました。一番の懸念であった草地広場については、新たに3,500平米も拡充されることになりました。拡充された広場では、乳幼児などがいつでも自由に楽しむことができ、安心して遊べるスペースになると考えますが、いかがでしょうか。確認のため伺います。

 防災林として大切な樹木でも、密集し過ぎると暗くなり、時には治安悪化の温床となっていると不安の声もありました。延焼遮断帯となるための樹木は残した上で、防災公園にふさわしいソーラー式の園内灯をふやすなどして、明るく安全なプロムナードが整備された公園にしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

 あわせて環境保全の意味においては、専門家に相談をしながら整備をし、都会の中の小さな森として地域に広く愛されるよう愛称もつけ、子どもたちが自然の生物や植物を観察して楽しみ、ふるさとの思い出をつくれる公園として整備していただきたいと思いますが、区の見解を伺います。

 また、公園再整備の具体的な方向性についても、これまでの公園の機能を全て拡充する形で示されています。特に交流の拠点として、地域のコミュニティの場となることが示されたことは地元住民にとって大きな喜びです。さらに歴史文化と平和啓発機能を体育館の中に併設するということになりました。ぜひこの地の歴史を後世にとどめ、平和を発信する拠点となることを期待します。

 体育館竣工のオープニングの際には、歴史文化の展示会を企画してはどうかと考えます。開館の時期は、ちょうど東京オリンピック・パラリンピックと重なる時期です。今や、まさに海外からも絶賛され、中野区の個性豊かな文化となってきた主に障害のある方の生の芸術であるアール・ブリュット等の展示をしてはいかがでしょうか。アートのみならず、平和交流のシンボルとしては自治体間交流の歴史も大切です。ねぶた等の文化交流をしている青森市や、里・まち連携都市との交流の足跡、国際友好都市との交流の足跡なども展示してはいかがでしょうか。スポーツ、平和、文化の取り組みについて、イベントを同時開催することで、区内外に中野の歴史文化を発信し、青少年の交流を促進できると考えますかいかがでしょうか、伺います。

 最後に、今回区が示した構想案における体育館は、現在の延べ床面積5,700平米から1万平米となり、体育館機能の充実や、懸案であった約1ヘクタールの未開園部分の開園も実現、公園と体育館の相乗効果による防災拠点の機能充実など、さまざまな課題解決につながりました。これが一部の方々の主張した建設の位置を振り出しに戻して別の場所へ設置にしたならばどうだったのでしょうか。現状のままがいいということは、公園面積の拡充はもちろん、未開園部分の開園もされることなく、屋内外の貴重な防災拠点は生み出されなかったと考えます。さらには代替地の選択、用地確保の費用や時間的ロスなど、利用者を含めた区民に対しての不利益な状況が生まれたと考えますが、いかがでしょうか。

 今後、地元でも誤解を招くことのないよう、町会等地域に出向くなどして丁寧に説明をすべきではないでしょうか、伺います。

 そして、将来、50年後の区民にも、本当によい公園になったと言っていただけるよう広く区民の御意見をさらに伺いながら、よりよい再整備計画となることを期待して、この項の質問を終わります。

 次に、2番、子育て支援について。

 (1)親子の育ちを支える子育て支援資源の連携について伺います。

 今回子ども家庭支援センターと教育センターを一つにする計画、さらには子どもの施設の統廃合と見られる計画が出されました。課題については、我が会派の幹事長が指摘させていただいたとおりでありますが、その上で、それらの計画がどのような考えに基づくものであるのか、区民にわかりやすく示していくことが重要であると考えます。幼・保、小・中の縦の連携、学校と教育委員会、子ども家庭支援センター、関係機関、そして、地域や家庭という横の連携がさらに強くなっていくことが求められており、そのことについては、基本構想、10か年計画素案にも、地域と連携した学校教育、地域の子育て活動の推進と盛り込まれています。

 しかし、現代は共働き家庭がふえる中、物理的に家庭の子育て力が十分でない場合があります。多様なニーズに応え、親の選択の幅が広がることも大切ですが、それとともに重要なことは、保護者の選択や支援の観点だけでなく、子ども自身に焦点を当て、どのような家庭で育ったとしても、さらには親が育てられない状況になったとしても、子どもの権利、すなわち教育を受ける権利、愛情のある家庭で育つ権利などのために、保護者、家庭、地域、学校、行政の各組織が思いを共有してその権利を守らなければなりません。

 子どもの権利、幸せを真ん中に置き、教育、就労へと1人の子ども、若者に対する一貫した切れ目ない支援をしていくために、これからの子育てはさらに多くの人がかかわれるまちづくりをすべきと考えます。そのために、中野区の子育て支援、教育に対する考え方、方針、ビジョンを改めて示してもよいのではないでしょうか。その上で、その方針がどのように今後の施策に生かされていくのかという具体的なロードマップが示されれば、区民、そして子育て支援にかかわる方たちへの理解や協力が得られるのではないでしょうか。御見解を伺います。

 また、これまで私は親子の交流スペースの拡充、異世代交流の場の重要性を訴えてまいりました。親子が楽しんで集う中に、専門家の目があり、相談機能があり、情報提供が存分にできる場があることは、安心して子どもを生み育てられる環境整備となります。その意味から、縦横の連携の中心拠点となる子どもの総合施設が必要であると考えます。このたびの教育センターと子ども家庭支援センターの統合施設がそのような場所になるのであれば、気軽に寄れる雰囲気と親子が交流できるスペースも確保してはいかがでしょうか。さらに中野区の子育て支援と教育についてのビジョンや資源を発信、啓発し、地域の子育て支援を担う人材確保の場にもしていくべきと考えますが、御見解を伺います。

 今後の人材確保という点においては、東京都養育家庭として登録されている里親も担い手の1人となると考えます。里親さんは、自分の子も他人の子も分け隔てなく愛情を注ぎ、親子の関係、健全な子育て等をきわめ尽くした子育てのプロフェッショナルだと実感しています。中野区にも何人かいらっしゃるこのような人材を地域で生かすためにも、例えば里親さんに、要保護児童対策地域協議会の構成員となっていただき、児童福祉、教育、警察機関との連携を強めていただくとよいと考えますが、いかがでしょうか。御見解を伺います。

 さらに地域のリソースの一つとして、最近全国各地に急速にふえてきた子ども食堂というものがあります。子どもたちのために役に立ちたいと思っている人たちは子育てを経験していない若い世代の層にまで広がりを見せています。先日、ある研修会に参加し、厚労大臣官房長が1億総活躍社会について講演をされました。その中で、地域包括ケアシステムと地域活動に触れ、障害者や高齢者、がん、難病患者、若年性認知症の方などのケアを考えたときに、働きながら地域で生活ができる支援をしていくことが大事であり、そういった仕組みをつくることで、福祉で支えられている人も社会を支えていくことができる。このことがこれからの時代に求められていると強調されていました。まさに中野区においては時代先取りで、区長も全員参加型社会を目指してこられました。

 私は、人間の体、心の健康にとって一番の根幹である食を通じた支え合いをしていくことが今後ますます重要であると考えています。地域には間違いなく支える活動をしたいと願っている人、支えられながらも、なおかつ地域や人々に貢献したいと望んでいる人がたくさんいます。国は、お金、場所の確保を課題として、自由度をもって運営できる居場所を展開していくためにもコーディネーター養成や立ち上げの経費を補助していく方向を持っています。17日の都議会での舛添都知事の所信表明で、都は子ども食堂などの区市町村の取り組みを補助していくという考えを明確に示しています。

 新しい時代の子育て支援の資源をつなげる仕組みについて本格的に取り組む時代が来ていると思います。地域で、場所、資源、労働などを少しずつ提供してくれる方を掘り起こしていく、地域を耕していく作業は自治体の中で行っていくしかありません。子ども食堂を切り口に、子どもを支える地域社会の実現に向けて、地域の資源をつなぎ合わせる仕組みをつくるべきと考えますが、区の見解を伺います。

 次に、多子世帯の支援について伺います。

 区は、これまで公明党の提案、要請に応えて、産後ケア、認可外保育所の補助金など、他の自治体にはなかった先駆的な子育て支援に取り組んできました。今後中野区に子育て世帯をふやしていくために、多子世帯が抱えている困難な状況を支援する政策が重要と考えます。また、自公政権の推進によって、このたび、ひとり親世帯の第2子以降の児童扶養手当の加算を実現するなど、少しずつ前進をしています。当然経済的な支援も大切ですが、現在年子、双子を含め、乳幼児が複数いる家庭においては、育児の人手不足が深刻であります。複数のお子さんを育てていただける家庭に対する、かゆいところに手が届く支援は今後の課題です。例えば保育園の送り迎えをサポートする支援など、多子世帯のサービスを拡充する必要があると考えますが、いかがでしょうか。御見解を伺います。

 次に、発達に課題のある子どもへの一貫した支援について伺います。

 区長は、今回の所信の中で、障害や発達に課題のある子どもに一貫した支援を行うため、南部地域に障害児通所支援施設を整備すると述べられました。我が会派がこれまで一貫して提案し続けてきた施設であり、待ち望んできた区民の方も多くいらっしゃいます。昨今、困り感を持つお子さんたちが非常にふえております。発達障害については、早期にその特徴がわかり、家庭や学校でしっかりとした支援がなされれば、その人らしく地域社会に貢献できる人材に成長していくことができます。それゆえ、発達障害は早期に発見されることが一番と言われてきましたが、それだけではないことがわかってきたそうです。早期に診断をされても、親御さんにとっては、障害があると言われることで一生我が子が差別されるような気持ちになる場合があります。診断よりも、今後どういう支援ができるのか、そのことを考えずして前へは進めません。

 ことしは、障害者差別解消法が施行され、中野区もこの法律に沿った形で条例化も念頭に置いていることと思います。障害があっても、合理的配慮がなされないことは差別となるということがこの法律の趣旨の一つであります。全ての人が権利を行使するために、障害があってもなくても、1人のお子さんに対して就学、就労まで、切れ目なく支援していける流れ、システムをつくっていくことが重要であると考えます。

 そういう意味で、入り口で迷っている親御さんに対しどのような相談支援と実際のサービスにつなげるのか。また、学校生活においてはどう支援していくのか。そして、これらのサービスをつなげていく区職員、公務員への理解、啓発はどのようにしていくのか。これらの課題を見据えて、今後この施設は発達障害に対する各機関連携と区民への理解促進、啓発の中心的な拠点になっていくべきと考えますが、区の見解を伺います。

 この項の最後に、(4)子育てコンシェルジュについて伺います。

 今回区では子ども総合相談窓口に子育てコンシェルジュの配置をすることになりました。必要性を訴えてきた1人として、今回の体制強化によってニーズを的確につかみ、困っていることに寄り添った対応ができることを期待しています。これまでも窓口では関連する機関への取り次ぎ対応、連携を含め、ワンストップで行われてきたことは承知しております。しかし、コンシェルジュというからには、ニーズをつかむだけでなく、区民がより安心できる方向へ御案内、または代案を提案できる人が配置されるべきと考えます。コンシェルジュ自身は何か資格を持った方が配置されるのでしょうか。また、どのような体制になっていくのでしょうか、伺います。

 また、切れ目のない支援をしていくために、提案漏れや誤解を招く回答を防ぎ、改善できるようにしていくことが大切です。そのため、今は行っていない受付票の記入を促すべきと考えます。個人情報の壁はあるものの、同意書の欄をつくり、拒否をしない限り全ての人に受付票を記入していただくべきと考えますが、いかがでしょうか。そうすれば、区民の意向データを蓄積し、今後の政策の参考にもなると考えます。ぜひきめ細かい丁寧な対応で安心して相談できる中野区になっていただきたいことをお願いして、この項の質問を終わります。

 次に、3番、商店街活性化支援について伺います。

 商店街が維持され活気づくことは地域で暮らす住民の願いですが、個々の商店にはそれぞれの課題があります。以前視察に行き質問に取り上げた佐久市の岩村田本町商店街のように、一過性のイベントではなく、住民のニーズを徹底的につかみ、日常的に利用していただける商店街へと蘇生していったことはすばらしい取り組みと感じています。

 また、最近NHKのある番組にて、地方創生の各地の取り組みをまとめた「“招き人"大集合」という特集がありました。この中で、昔ながらの地域の特産品である和菓子を若い女性たちの目線でプロデュースし直し、渋谷で販路の拡大に成功したという小布施町の招き人、また、茨城県では、観光に行きたい県ランキング最下位の汚名返上のため、県庁の女性職員が努力して新たな観光資源の掘り起こしに成功、今や外国人観光客が続々と訪れているという取り組みが紹介されていました。さらにはシャッター商店街で空き店舗を活用して若手起業家を支援したことでにぎわいを取り戻したという事例も紹介されていました。いずれも現場に足をつけ斬新な発想を持った招き人、いわゆるコーディネーター的な役割の方がいたことで、シャッター商店街の再生や観光客の増加に成功した事例が紹介されていました。

 また、昨年12月に、私は品川区の空き店舗対策事業を視察してきました。商店街の空き店舗でNPO法人が子育て支援事業を行っている施設にも行かせていただきました。親子が行き来することが商店街活性化につながるという商店会長の熱い思いで、店舗のオーナーにも交渉したことで誘致が実現しました。一時預かり保育など、行政のすき間のサービスを担う活動をしている事業者の活躍により、商店街が活性化してきたという事例でした。このように住民ニーズの把握、コーディネーターの活躍、空き店舗対策などが商店街活性化の鍵となっているのではないでしょうか。

 そこで何点か伺います。中野区では、区商連が実施した調査などを参考として、課題についてある程度はつかんでいると思います。これからの商店街活性化には、住民が利用しやすい、利用したくなるという利用者のニーズをそれぞれの商店街自身がきちんと把握する必要があると考えます。そして、住民に望まれる商店街づくりに対する支援策を講ずるべきと考えますが、区の御見解を伺います。

 それには住民ニーズや商店街の事情、行政の各種支援策を調整し、打開策を提案できるコーディネーターの存在が重要と考えます。特に区民生活に直結する商店街の政策をつくる業務には、主婦や女性の目線、感性が生かされる分野でもあると思います。地域商業活性化担当には、まさに招き人となり得るような女性の担当者を配置してはいかがでしょうか。

 また、商店街の方たちがさまざまな事例を研究する機会、研修、視察等の支援もさらに後押しすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 さらに住民ニーズの高いサービスを誘導し、商店街活性化を促進する具体的な政策として、まずは空き店舗を有効に使ってはいかがでしょうか。品川区の事例にあるとおり、相乗効果もある地域の子育て支援の場がふやせるような中野区版の空き店舗対策事業を行ってはいかがでしょうか。御見解を伺って、この項の質問を終わります。

 最後に、復興支援と震災対策について伺います。

 2011年3.11東日本大震災から5年がたちました。1000年に1度と言われ、あれほどまでに日本全国が心を痛め復興の決意に奮い立った震災ですが、まだ復興は道半ばという中で、私たちは震災の記憶を風化させないことを改めて誓い合いたいと思います。中野区では、今も被災自治体に11名もの職員を派遣しており、3.11には毎年区長、議長が被災地を訪れています。都内でも、ここまで手厚く支援している自治体はないと聞いており、中野区の取り組みを誇りに思います。

 中でも、区民とこの心を共有できる「東北復興大祭典なかの」は、震災の翌年から毎年行われ、東京青森県人会の皆様の御尽力と、青森市の御協力によりねぶたがお祭りに華を添え、2日間で25万人を超える人出を数えるすばらしい行事に成長してまいりました。私は、この復興の祭典が末長く続いてほしいと願っております。復興をなし遂げ、復興の文字がとれるときまで定着をしていただきたいと思います。改めてその目的をさらに区民へ周知し、理解と共感を得られることが重要であると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。この思いがぶれることなく続いていくことが、復興するまで風化させないこと、そして、祭典が末長く継続することにつながると考えます。

 そこで、第5回目となることしの復興大祭典は、チャリティの要素を多く加味したものなど、参加者の皆様が復興支援の思いを深め続けられるような新たな内容を実施してみてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 また、区の震災対策についても、震災の記憶が遠のき、防災の意識が薄らいでいる区民も多いのではないでしょうか。平成28年度予算案では、女性に配慮した備蓄物資の拡充や、防災リーダーの養成の復活など、我が会派が提案してきたことが盛り込まれております。女性ならではの食の防災など、生活の工夫により避難所生活を少しでも豊かにしていく取り組みを学ぶことは、いざというときに多くの人にとって有益です。今後防災リーダーが地域の防災訓練の指導者として機能するようフォローアップすることが大切であると考えます。地域防災計画で防災リーダーの学習会という形での研修を行っていますが、その中でより高い防災知識を持った女性防災リーダーを育成できる研修内容を行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

 あわせて特に配慮が必要な要支援者の中で、高齢者や障害者とともに、見た目にわかりにくい妊婦さんへの配慮という点においても、そのような研修の中で学び、いざというときの対策を検討すべきであると考えますが、いかがでしょうか。伺いまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 甲田議員の御質問にお答えいたします。

 平和の森公園の再整備構想、草地広場の拡充についてであります。新たに拡充される草地広場も含め、乳幼児が安心して遊べる公園整備に配慮してまいりたいと思っております。また、明るく安全で思い出をつくれる公園整備についてということです。公園の再整備に当たりましては、ソーラー式の園内灯の設置も検討するなどして、明るく安全な公園となるよう施設整備をしてまいります。また、草地広場や池、流れや既存の森などが広く利用され、区民、公園利用者から愛称で呼ばれるような、そんな整備に努めていきたいと考えております。

 体育館竣工時のイベントの企画開催であります。平和の森公園に建設する新体育館は全区的なスポーツ大会が行えるスポーツの中心的な場所と位置付けており、広く区民に周知するための手段の一つとしてオープニングイベントを実施することが効果的だと考えております。オープニングの際の内容としては、東京オリンピック・パラリンピックの気運醸成という視点からも、スポーツにとどまらず、平和、文化に関するイベントを開催することも視野に入れて検討してまいりたいと考えております。

 体育館を平和の森公園に合築することについての利点の説明ということです。未開園区域に公園施設として体育館を整備することは、平和の森公園以外の場所に比べ、約20年間にわたり開園できなかった公園未開園部分を含む全面開園が実現すること、また、新規の公園整備を対象とした社会資本整備総合交付金や都市計画交付金の活用が想定できること、また、体育館予定地は現在のところ未利用の土地であり、既設施設の解体等の必要はなく、時間のロスが少なく済むことなど、大きな利点があるわけであります。今後の計画を進めていく中で、こういった利点も含めて説明をしていきたい、こう考えております。

 次に、子育て支援についてであります。

 親子の育ちを支える子育て支援の区の考え方、取り組みについて、具体的なロードマップを示していくべきではないかということです。現在基本構想、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の策定を進めており、子育てや教育を含む区政全般について、目標とする将来のまちの姿と具体的な取り組みをまとめているところであります。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)を策定した後、その取り組みや個別の事業の実施に当たって、事業内容や詳細なスケジュールを個別に示し、区民の理解と協力を得ながら、着実に総合的に推進をしていきたいと考えております。

 子育て支援の情報発信や連携の強化についてであります。子どもの育ちや教育の課題が多様化、複雑化する中、子どもの養育や教育についての相談や支援を一体的に行える専門性の高い相談支援拠点を整備すると同時に、他機関の連携による支援やアウトリーチ対応の充実を図っていく考えであります。こうした取り組みを展開していく中で、区民への情報発信や啓発、人材育成などについても進めていきたい、こう思っております。

 それから、要保護児童対策地域協議会の構成員についての御意見であります。里親の方についても何らかの役割を考えられないかといったようなことです。要保護児童対策地域協議会は、児童福祉法に基づき要保護児童の適切な保護などを行うために必要な情報交換や協議を行うことを目的として、関係機関等によって構成されるものであります。一方、里親については、さまざまな事情により家庭で生活することができない子どもを家族の一員として一緒に生活し養育するという社会的養護の一つとして重要な役割を果たしていただいております。それぞれ目的が異なると同時に、一定の責任や負担等も生じるところであります。しかしながら、この里親という中でさまざまな見識あるいはさまざまな経験の中からさまざまな意見を持っておられる、そうした方についての要保護児童対策地域協議会等へのかかわり方について、今後検討していきたいと考えております。

 それから、食を通じた親子の育ちを支える地域づくりについてであります。食を通じた子育て支援などのように、地域の活動や公益活動に参加する方々の関心や動機は多様であります。全員参加型社会をつくり出す上では、こうした関心や動機を的確に捉え、地域の課題やニーズに向けて機能発揮できるようコーディネートしていくことが重要だと考えます。すこやか福祉センターが十分にコーディネート機能を果たせるよう、人材教育を含め体制を整備してまいりたいと考えております。

 多子世帯支援についてであります。現在多子世帯への支援については、例えば認可保育施設の保育料では、認可保育所、認定こども園、幼稚園等に複数の子どもが通園している場合は、2人目の保育料は3割から5割の減額、3人目以降は無料としております。このほかファミリーサポート事業では、保育園への送迎など、一般援助活動の利用料金について、2人目は半額とするなど、多子世帯軽減を図っており、さらなる支援の拡充については、国の動向も見ながら必要性や対象事業等について精査をしていきたいと考えております。

 発達障害に関する理解の促進であります。ことしの9月に開設を予定している南部障害児通所支援施設においては、指定管理者の持つ専門的なノウハウを十分に活用し、障害や発達に課題のある子どもの計画相談支援や、児童発達支援事業、放課後等デイサービスなどを実施する予定であります。アポロ園とともに二つの施設を拠点として、すこやか福祉センターや専門機関などとの連携により、一貫した支援体制を強化し、サービスの拡充を図ってまいります。また、一般区民を対象とした発達障害の特性や支援の仕方などについての講座や講演会など、理解促進事業についても充実を図ってまいります。

 子育てコンシェルジュの体制についてであります。子ども総合相談窓口の子育てコンシェルジュについては、保育や子育てサービスなどに精通した職員を配置し、丁寧にお話を伺い、ニーズや課題を把握した上で、必要な支援やサービスに結びつける対応を行ってまいります。業務の繁忙期には体制を強化するなどの工夫も行い、適切に対応してまいります。相談窓口の改善について検討していく中で、受付票を活用する、こういったことについても十分研究をしてまいります。

 私からは以上です。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 商店街の活性化支援についての御質問にお答えをいたします。

 商店街の住民ニーズ把握にかかる支援についてでございます。区や区商連は、区内商店街全体の調査を行っておりますが、個別商店街の利用者ニーズ調査は実施をしておりません。「新・元気をだせ商店街事業」の活性化事業においては、各商店街の実施する来街者調査、購買動向調査といった調査も補助対象事業でございます。各商店街の事業調査の活用について広く周知し、活用を促進させていきたいと考えてございます。

 次に、コーディネーター的女性職員の配置についてでございます。区の地域商業担当では、職員は生活者感覚を基礎にしつつ、それぞれの業務知識や職務経験を発揮し、商店街の方々とともに、にぎわいづくりや活性化に取り組んでいるところでございます。今後も引き続き女性の感性の発揮を含めて、商店街活性化に意欲的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。

 商店街の研修、視察の支援についてでございます。区は区商連に対し、中野区商店街連合会事業補助金を交付し、商店街の組織力強化を支援しているところでございます。この補助金をもとに、区商連はこれまでも他地域の商店街視察を行っているところであり、区としてはこのような先進的な取り組みを行う商店街の情報提供などを通じて、商店街の視察等の機会の提供に取り組んでいきたいと考えているところでございます。

 最後に、空き店舗を活用した地域の子育て支援についてでございます。「新・元気をだせ商店街事業」における空き店舗活用事業として、施設改修費や空き店舗の借り上げ賃料も用意しているところでございます。これの実際の活用事例もございます。商店街については、今後コミュニティの核としての機能、とりわけ少子高齢化社会への対応として、ライフサポートサービスの振興、展開も求められているところでございます。商店街への子育てサービスの誘致については、コミュニティの振興、少子高齢化社会への対応に寄与するものであると考えられ、これを推進するため空き店舗対策事業の周知を図るとともに、事業者と商店街とのマッチングを行うような取り組みを検討してまいります。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、復興支援と震災対策についての御質問にお答えをいたします。

 まず、東北復興大祭典についてでございます。震災から5年目を迎える現在、被災地の復興はまだ道半ばであり、区としては引き続き支援を行っていく考えでございます。東北復興大祭典開催の目的は、東日本大震災で被災された地域への継続的な復興支援や、区が職員派遣により行っている被災自治体における復旧、復興活動に対して、区民に理解を深めてもらうことであり、このような区の姿勢や具体的な支援内容、そして、被災地の復興状況について、より多くの区民に発信していきたいと考えております。また、ことしの開催に当たっては、来場者が被災地について改めて関心を持ち、復興への思いをさらに深めてもらえるような内容となるよう検討してまいりたいと考えております。

 次に、女性防災リーダーの育成についてでございます。防災リーダーへの学習会は、区の実施した防災士養成講座の修了者を対象に、防災訓練の進め方や避難所運営など、防災知識の充実、及び防災資機材等操作技術の向上のため定期的に実施しております。避難所の安心、安全を高めていくためには女性の視点を十分に生かす必要があり、そういう視点を持った防災リーダーを養成する研修についても検討してまいりたいと考えております。

 防災リーダーへの災害時要配慮者の研修についてでございます。防災リーダーには災害時要配慮者に対する知識が必要と考えております。防災リーダー学習会において、妊婦を含めた高齢者や障害者、乳幼児等の災害時要配慮者への対応に関する研修についても検討してまいります。

○議長(北原ともあき) 以上で甲田ゆり子議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。

 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後4時29分延会

会議録署名員 議 長 北原 ともあき

       副議長 白井 ひでふみ

       議 員 ひやま 隆

       議 員 酒井 たくや