平成28年02月23日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成28年02月23日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
28.02.23 中野区議会第1回定例会(第4号)

.平成28年(2016年)2月23日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま     隆         6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  内  野  大三郎

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  北  原  ともあき

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  細  野  かよ子        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番  い  さ  哲  郎

 21番  佐  野  れいじ        22番  いでい   良  輔

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  石  坂  わたる

 29番  いながき  じゅん子       30番  小  杉  一  男

 31番  浦  野  さとみ        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  大  内  しんご

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう  有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  本 田 武 志      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  篠 原 文 彦

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角   秀 行

 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹    区民サービス管理部長 白 土   純

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二     健康福祉部長   瀬 田 敏 幸

 保 健 所 長  寺 西   新      環 境 部 長  戸 辺   眞

 都市基盤部長   尾 﨑   孝      政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一

 経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  小 田 史 子      事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  大 野 貴 子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  福 島 ル ミ      書     記  遠 藤 良 太

 書     記  香 月 俊 介      書     記  亀 井 久 徳

 

 議事日程(平成28年(2016年)2月23日午後1時開議)

日程第1 第1号議案 平成27年度中野区一般会計補正予算

     第2号議案 平成27年度中野区用地特別会計補正予算

     第3号議案 平成27年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算

     第4号議案 平成27年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算

     第5号議案 平成27年度中野区介護保険特別会計補正予算

     第23号議案 教師用指導書及び指導用教材の買入れについて

日程第2 第11号議案 中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例

     第13号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例

日程第3 第6号議案 平成28年度中野区一般会計予算

     第7号議案 平成28年度中野区用地特別会計予算

     第8号議案 平成28年度中野区国民健康保険事業特別会計予算

     第9号議案 平成28年度中野区後期高齢者医療特別会計予算

     第10号議案 平成28年度中野区介護保険特別会計予算

 

午後1時00分開議

○議長(北原ともあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 高 橋 かずちか

 1 中野区のあるべき都市施策・まちづくりについて

 2 中野区基本構想検討案及び10か年計画の改定と都市施策・まちづくりについて

 3 にぎわい・活性化につながるユニバーサルデザインの推進について

 4 災害対応能力の充実について

 5 地域の防犯力向上のための防犯カメラ設置拡充について

 6 その他

 

○議長(北原ともあき) 最初に、高橋かずちか議員。

[1]高橋かずちか議員登壇

○11番(高橋かずちか) 平成28年第1回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から質問をさせていただきます。質問内容は事前通告のとおり、その他の項目はございません。

 まず初めに、中野区のあるべき都市施策・まちづくりについてお聞きします。

 これまでは、行政側により進められてきた建てかえ促進施策の主な目的として、木造住宅密集地区における防災性の向上に向けた建築物の非木造化や共同化がありました。加えて、狭隘道路が建てかえに合わせて広げられることも、道路が狭い中野区にとっては重要な要素であります。しかし、これからは少子高齢化の進展、人口減少による活力の低下などの要因により、これまでの理由だけでは建てかえの促進を進めるのは難しいことと考えます。新たな視点が必要ではないでしょうか。

 例えば、地域包括ケアシステムの充実についても、区はその基本的な考え方が「全ての人が地域で支えあい、安心して暮らせるまちづくりを目指す」としています。その取り組み策の前提として、本人が住みなれている現在の居住地に引き続き安心して住み続けなければならないということに、都市施策の観点でもっと着目する必要があるのではないでしょうか。

 少子高齢化社会に当たっては、そもそも都市構造そのものを変えていく必要があり、その中で都市の構成要素の大きな割合を占める民間建築物の建てかえを促進することは必須になると思います。このような観点から、今後は一層建物の建てかえ促進を進めるべきであると考えますが、それには中野のまちの今後のあり方、区民の暮らし方といったものの将来像を明確に持つ必要があります。時代に即した新しい発想でのまちづくりを進める中で、それが結果的に建てかえ促進につながっていくということではないでしょうか。

 そこでお聞きします。少子高齢化社会の時代を迎え、今後中野区内においても多くの住宅を高齢者向けに改修する必要がありますが、耐震性や避難規定等の現行法令への適合が困難であったり、住宅のしつらえそのものが高齢者が快適に住むには不向きであったりして、改修ではなく、建てかえのほうが望ましい場合があります。そこで、中野区における区民の将来の生活像を明確にし、それを踏まえてあるべき住宅の姿やまちの姿の実現に向け、必要に応じて建てかえを促進するような手法が求められるのではないかと思います。これまでのように、単に耐震性の向上や不燃化の促進といった観点だけでなく、こうした考え方から建てかえを促進することについて区の見解をお聞きします。

 また、今後改正が必要となる中野区住宅マスタープランにおいても、単に古い住宅は建てかえるべきといった次元ではなく、建てかえ促進についての区の考え方を明確に示すべきであると考えます。例えば、老朽化した単身者用の集合住宅を家族向けの集合住宅に建てかえる、あるいは、高齢者が1人で暮らす大きな住宅を高齢者向けのサービス付き集合住宅等に建てかえるといったことが想定されます。そして、これらを実現するための具体的な制度の構築等も早急に検討に着手する必要があります。この点について区の見解をお聞かせください。

 2番目の項目としまして、中野区基本構想検討案及び10か年計画の改定と都市施策・まちづくりについてお聞きします。

 東京都では現在、2040年の東京のあるべき都市像を示す「東京のグランドデザイン」策定に向けて検討委員会を設置し、2040年代の東京の都市の姿、都民の暮らしや産業、文化などについてあらゆる分野の専門家や関係者との意見交換を行っています。また、これとは別に、東京都都市計画審議会においては、2040年代の東京の都市像とその実現に向けた道筋について調査審議する「都市づくり調査特別委員会」が設置され、主に都市づくりの観点から専門家等による調査審議がなされています。こうした東京の動きを見てみますと、中野区においても今後の都市施策の構想やとりまとめに当たっては、ハード面とソフト面の両面からアプローチをして、区民にとってもわかりやすい、よりリアリティのあるものにしていく必要があると思います。

 中野区も現在策定中の上位計画を踏まえ、都市計画マスタープランの改定など、さらに具体的に都市としての中野のまちの姿をより具体的に描いていく必要があります。

 そこでお聞きします。都市づくりの観点からの中野の将来像を今後検討するに当たっては、都市計画マスタープランの改定を都市計画所管が行うといったこれまでのやり方にとどまらず、例えば東京都のように都市計画審議会の中で都市づくりの専門家が調査検討したり、さまざまな分野の知見を結集して検討する新たな検討委員会も同時並行で立ち上げる必要が出てくるのではないかと考えます。こうした新しい都市施策立案の仕組みについていかがお考えでしょうか。区の見解をお聞かせください。

 今まで申し上げた都市施策と同時に、住まいのあり方も再検討すべき時期に来ていると考えます。区長の施政方針説明では、急速に進む少子高齢化対応と、安心して住み続けられるためには、多様で質の高い住宅供給が必要とあります。

 そこでお聞きします。まず、現在中野区が所有して管理している区営住宅については、何カ所で合計何戸あるのでしょうか。これらはほとんどが小規模な都営住宅を区営住宅に移管したものであり、区が直接建設にかかわっていないという経緯もあり、必要な維持管理は行われているとは思いますが、老朽化しているものも多く見られます。区はこの区営住宅の現状をどのように把握し、分析しているのでしょうか。

 現に、老朽化した5階建てのエレベーターが設置されていない区営住宅も見受けられます。そして、高齢化の進展とともに、こうした住宅に住む住民も高齢化が進んでいます。病気やけがで入院し、リハビリ後、住居に戻ろうとしても、エレベーターなどの昇降設備のない上層居住者は戻れませんし、介助で何とか一旦は戻っても、外に自由に出かけることができなければ住居内にとどまることとなり、リハビリどころか体力保持も難しくなってまいります。こうした老朽化した区営住宅は、いずれも比較的広い敷地に建築されており、敷地を有効に活用し切れていない現状もあると思います。老朽化した区営住宅の建てかえに当たっては、例えば敷地内に公開空地を確保して緑化し、容積割り増しを受けるなどの手法によって敷地を最大限に有効活用すれば、周辺環境への貢献、居住環境の整備とともに住戸数の増加も見込めることから、何カ所かの区営住宅を統合して建てかえすることも可能となります。不要となった区営住宅の敷地をほかの用途へ転用したり、売却したりすることが可能となります。これらの点について区の見解をお聞きします。

 また、再整備後の区営住宅の低層階を地域の活動の場として提供したり、地域住民・区民・区外・事業者など、対象者によって賃料設定を変えるなどして区営住宅の一部を貸し出すことで区営住宅の維持管理や改善に必要な財源の一部を確保することもできるのではないでしょうか。さらには、土地と建物は区所有としたままで、住宅の経営権を民間事業者に売却するなど、ほかの分野では既に実施に向けて取り組まれている先駆的手法を検討し、区営住宅としての住環境の維持向上を第一義としつつも、収益貢献や管理コストの削減など、新たな検討をすべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞きします。

 3番目の項目としまして、にぎわい・活性化につながるユニバーサルデザインの推進について伺います。

 この推進に関しては、前定例会において区長はその考え方を区政運営の基本に据え、全区民対象のユニバーサルデザインのまちづくりに係る条例の検討に言及されました。まさしくユニバーサルデザインは行政運営の基本理念であり、コンセプトであります。そこで、区行政全般にかかわるユニバーサルデザインのうち、まちづくりにおける取り組みについてお聞きします。

 国際的にも標準となっているユニバーサルデザインの7原則は、「誰にでも」「いつでも自由に」「簡単に=介助なしに・ひとりで」「安全に」「快適に」「アクセスしやすい」「わかりやすい」ということであります。ハード面の意味合いが強い「バリアフリー」に対して、「ユニバーサルデザイン」は全ての人を対象に利用しやすい環境をつくる。結果として、健常者にとっても有益なものとなるコンセプトであります。まちづくりにこのコンセプトが生かされれば、高齢者や障害をお持ちの方も気兼ねなく自由にそこに出かけ、にぎわいをみずからつくり出し、消費者となり、地域の活性化や本人の健康維持・介護予防軽減につながります。全ての区民、来街者にとって住みやすいまち、生活をしやすいまちとなります。

 欧米がなぜ障害者先進国か。それは、政策の方向性が「助成」ではなく、平等なチャンスと自立を目指しているからで、行政も企業もチャリティーとしてではなく、消費者・納税者として捉えている。それゆえインフラも整備され、障害者向け製品の開発や雇用の促進にもつながる、こういうことでございます。

 ではまず、区が制定を目指しているユニバーサルデザイン条例に関してお聞きします。

 今後議会への提案など、どのようなスケジュールでの条例制定を目指しているのか教えてください。

 次に、区が昨年4月に策定した中野区バリアフリー基本構想とこのユニバーサルデザイン条例制定とはどのような関係になるか伺います。

 また、中野区バリアフリー基本構想をとりまとめる際に、障害者団体や交通事業者など外部の関係する団体にヒアリングをしたと思いますが、今回の検討ではどのようなメンバーで検討を行い、外部のどのような団体と意見調整をする考えかお聞きします。

 障害者の団体の中には、「日本身体障害者社会人協会」という勤労者を中心とする障害者団体があります。保護や支援を求めるのではなく、社会の一員として、また納税者として活躍するために、適切な設備や制度による機会均等を求め、ユニバーサルデザインへの具体的提言を行うなど、新たな視点を持つ団体であります。

 そこでお聞きをします。ユニバーサルデザイン条例の制定に際し、その検討過程においてこうした新たな考え方、新たな関係団体の提言・意見を取り入れるお考えはあるのでしょうか。また、具体的まちづくりの企画設計段階でのバイブルとも言うべき東京都の「東京都福祉のまちづくり条例」に基づく「施設整備マニュアル」について、少子高齢化の進展や2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、ユニバーサルデザインやバリアフリーに関する考え方や設計基準に何か変化はあるのでしょうか。また、区が進めるユニバーサルデザイン条例の制定に際しては、まちづくりへの展開に区独自の理念が生かされるハード面でのバイブル、いわば中野区版施設整備マニュアルを策定するお考えがあるのか伺います。

 ユニバーサルデザインの中野駅周辺まちづくりへの展開に関してお聞きします。

 中野駅の交通利便性を考えてみますと、駅との接続と環境整備が最重要課題であります。しかし、現在の計画ではユニバーサルデザインの配慮に不安があります。例えば、中野二丁目地区や囲町地区、さらには現構想での区役所・サンプラザ地区の整備においても駅から一旦広場に出て、そこから開発区域へのアクセスとなっています。駅利用者や他地区から駅を介して車椅子を使ってアクセスしようとした場合、雨のとき、あるいは雪のとき、どうするのでしょうか。誰かに介助をしてもらうのでは、先ほどの基本原則に反し、ユニバーサルデザインではありません。さらに言えば、中野駅を起点とした東西南北各ブロックの開発後の施設への接続動線についても、このユニバーサルデザインの基本理念を具体的に展開し、区民やインバウンドを含めた来街者に向けて発信すべきであります。

 新たな知見を取り入れたユニバーサルデザインへの積極的な取り組みは、福祉施策ではなく、消費につながる優良顧客対応の営業戦略であり、まちの活性化、税収アップに寄与し、区のブランドイメージ向上にもつながります。

 そこでお聞きします。区は、東京のまちづくりに全世界が注目する2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、中野区の都市戦略とその理念において、このユニバーサルデザインを、特に中野駅周辺のまちづくりにおいてどう具体的にわかりやすく見える形で展開をするのか、次世代につなごうとしているのか、区の見解をお示しください。

 4番目としまして、災害対応能力の充実についてお聞きします。

 昨年10月に公表されました「新しい区役所整備基本構想(素案)」によりますと、新区役所は安心安全の拠点として、災害対応能力の向上を目指しております。新庁舎完成により、防災を含めた災害対応能力は格段に向上することは疑う余地はないと考えます。しかし、同素案によると、新区役所の竣工時期は平成33年度ごろ、この機能が具体化するのは平成34年度からということになります。それまでの6年間は、現体制で臨むしかないわけであります。現状の区庁舎における中野区の災害対応機能のうち、配備態勢について、設置される災害対策本部とその組織図を見ますと、本部長室には本部長である区長、副本部長である副区長・教育長・常勤監査役、そのほか本部員の名が挙げられておりますけれども、同時に本部長室に直結した形で経営室長をヘッドとした災対司令部、政策室長をヘッドとした災対総務部といったように、各部署長をヘッドとして災害対策部が設けられ、中野区行政の各現場に直結する態勢が描かれています。

 一方、本庁舎2階の中野区防災センターの配置図を見ますと、本部長室には会議用テーブル、ホワイトボード、プロジェクターなど会議を行う機能はありますが、災害対策本部としてメンバーが十分活動できる、また公共機関を含め、区の関係機関と連携をとるための災対関係部署が機能する陣容にはなっていません。

 そこでお聞きします。今の区役所防災センターに防災・災対関係部署用のスペースはありません。防災関係機関と連携して災害対応をするためには、今の本庁舎に防災・災対関係部署間、あるいは外部防災関係機関と連絡調整を行うスペースを確保し、意思疎通を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。地域防災計画には、災害対策組織における訓練等のことも記述されております。現在の本庁舎においてどのようなレイアウトと具体的陣容で災害対策本部を開設するのか、区の防災マニュアル(震災編)に明記し、災害対応がより迅速に効果的に機能するために、実際に訓練して習熟を図ると同時に課題を洗い出し、改善につなげるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、平和の森公園再整備構想(案)における災害対応能力の充実についてお聞きします。

 構想(案)の整備の基本的な考え方を見ますと、新体育館などスポーツ機能の充実のほかに、地域防災拠点となる場所として防災機能の向上がうたわれております。平和の森公園再整備構想(案)において、防災機能の向上として帰宅困難者の一時滞在施設、警察・消防・各支援団体、ボランティアの活動拠点、支援物資保管スペース、備蓄倉庫などが挙げられておりますけれども、平和の森公園でこれらの防災機能を向上させる理由は何かお示しください。

 また、BCPでは本庁舎の代替施設として、もみじ山文化センターと社会福祉会館が指定されておりますけれども、非常用発電機に8時間分の燃料しか貯蔵できないなど、災害対策本部の代替施設として十分とは言えないと考えます。災害対策本部の代替施設として何が必要かを明らかにし、新体育館を代替施設の一つとして整備することを考えてはいかがでしょうか。

 地域の防災力向上のための防犯カメラの設置拡充についてお聞きします。

 現在、区内で設置されている防犯カメラについては、区立小中学校の学校施設関連で78台、小学校通学路で来年度末で125台、補助金交付事業による設置で48団体248台と聞いています。このほかには、若干趣旨が異なりますけれども、ごみ集積場、資源回収場所への不法投棄、不適切、不適正排出抑止のために6台が設置されていると聞いています。現行の補助制度を普及啓発させることによる防犯カメラのさらなる増設について、区はどのようにお考えか、見解をお示しください。

 町会や自治会や商店街による設置のほか、区では小学校やその他の区施設に防犯カメラを既に設置していますけれども、これら所管の異なる防犯カメラの設置状況について、一元的に把握、管理をしているのかお聞きします。

 区内に設置された防犯カメラのうち、区の助成により設置した防犯カメラには地域によるばらつきがあるのではないか、非常に気がかりであります。例えば、商店街の設置といっても、中野駅周辺に集中しているのではないか。あるいは、住宅においては全く設置のされていない空白ゾーンがあるのではないか。

 そこでお聞きします。既に多くの町会・自治会や商店街等が補助を活用して防犯カメラを設置していますが、地域によっては空白ゾーンが生じているものと思います。区は、この現状をどう把握しているのでしょうか。また、この状況をどう対処していくのかお示しください。また、23区の中には地域への防犯カメラの設置を区が実施しているところもあります。これをどう考えるのでしょうか。

 防犯カメラを設置した後の維持管理について調べてみますと、その維持経費としては電気料金、電柱の使用料、メンテナンス費用などが挙げられると思いますが、現在はこうした維持経費にかかる費用は補助対象ではありません。区内全域において安全確保のために、犯罪抑止のために一番効果的な防犯カメラの増設につなげるためにお聞きします。現行の補助制度では、防犯カメラの本体や設置工事費といった設置にかかるイニシャルコストのみが対象となっていますが、電気料金や設置する電柱の使用料などの維持管理にかかるランニングコストを補助対象としなければ、さらなる普及、増設にはつながらないと思いますが、区の見解をお示しください。

 以上で私の全ての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 高橋かずちか議員の御質問にお答えをいたします。

 中野区のあるべき都市施策・まちづくりについて。その中の住宅の建てかえ促進についてであります。住宅の建てかえ促進によって、防災性の向上などのまちづくりの観点での課題の解決のみならず、今後の高齢化社会や地域の中で高齢者が安心して住み続けられる住まいに転換するといったようなことが非常に重要な課題になっていくと、このように認識をしているところであります。住宅は民間の個人の資産であるということでありますので、民間の活動をどのようにうまく結びつけて住宅の建てかえを進めていくのか、方策を考えていくことが必要であるというふうに考えているところであります。

 建てかえ促進のための有効な制度構築についてということであります。今、申し上げましたように、建てかえを促進していく、そうした一般の住民の方が住宅の建てかえに取り組む、そういう状況を支援していくためのさまざまな仕組み、取り組みということを考えていく必要があるだろうと、このように考えております。

 子育て世帯向け住宅の供給や高齢者向け住宅の供給促進に資する建てかえ促進策といったようなことについて、住宅マスタープランの改定を待たず、区の基本的な考えをお示ししながら、有効な制度の構築について検討してまいりたい、こう考えております。

 それから、幅広い都市施策・立案の仕組みづくりということで、都市計画マスタープランの改定の際に、新たな検討委員会などの立ち上げも視野に入れてはどうかと、こういったような御質問でありました。今後都市計画マスタープランの改定について検討する際には、幅広い新たな知見等が反映できるような、そうした改定プロセスとなるよう検討を行いたい、このように考えております。

 区営住宅の現状と今後の対応についてであります。現在、区営住宅は13カ所に合計432戸があります。古いものの中には建築後50年近く経過したものがありますが、居住者の安全性の確保、向上を基本に、日常的な保守点検や法令に基づく定期点検を着実に実施し、その結果に基づく計画的な修繕や改善に努めて長期にわたる良好な建物維持管理の実現を図るように留意をしているところであります。

 こうした区営住宅の有効活用についてということで、幾つかの御提案も含めて御質問がありました。区営住宅の建てかえを計画していく際には、御指摘のような敷地の有効活用による集約化など、さまざまな手法を検討して区民の住宅の充実、あるいはまちづくりにも配慮をしていきたいと、このように考えております。

 区営住宅の管理方法についてということであります。区営住宅の一部を他に転用することや経営権を売却するということについては法的にもなかなか難しいということはありますが、今後新たに整備をしていく、あるいは建てかえをしていくといったことも含めて考えていきますと、民間の活力を区営住宅の運営にどのように生かすか検討していく必要があるのではないか、このように考えております。

 それから、ユニバーサルデザインの条例制定についての御質問が幾つかありました。条例制定の手順についてであります。ユニバーサルデザインの推進に当たりましては、ユニバーサルデザインにかかわる審議会を設置し、条例の制定や推進計画の策定に向けた検討を進めていくことを考えております。その審議会からの答申や議会からの御意見なども踏まえてユニバーサルデザイン推進にかかわる条例制定等を進めていくことを想定しております。なお、ユニバーサルデザインにかかわる審議会につきましては、第2回定例会で設置条例を提案することを想定しているところであります。

 バリアフリー基本構想とユニバーサルデザイン条例制定との関係についてということであります。昨年4月に策定をした中野区バリアフリー基本構想は、区内の総合的なバリアフリー化に取り組むため、バリアフリー法に基づき、これまでの中野区交通バリアフリー整備構想を大幅に見直したものであります。一方、ユニバーサルデザイン条例は、このバリアフリー基本構想も含んだ区政全般にわたるユニバーサルデザインについて定めるものであります。障害者差別解消法が本年4月に施行されることがきっかけとなっているところであります。

この条例を検討する際の意見をどのような形で取り入れていくかということです。ユニバーサルデザインにかかわる審議会につきましては、現在のところメンバーは決まっておりませんが、バリアフリー基本構想よりも幅広い観点からの検討メンバーとなり、関係団体からの推薦や学識経験者を含めた委員の構成を想定しているところであります。また、審議会における議論に資するため、外部のさまざまな団体や当事者の方など、さまざまな方々との意見交換等も考えているわけであります。

こうしたユニバーサルデザインの推進について、新たな考え方も取り入れていく必要があるのではないかと、こういった御質問であります。ユニバーサルデザインのまちづくり推進においては、行政、区民、事業者等、多様な主体の取り組みによって全ての区民が同様にサービスを受けられ、いきいきと活動できる環境を整備していることを目標としております。この考えを踏まえて、さまざまな方々との意見交換を検討し、視点の取り入れを行ってまいりたいと、このように考えております。御質問にあったようなまちの活性化といった観点からのさまざまな御意見についても十分配慮していきたい、こう思っております。

 それから、施設整備マニュアルの策定についてということであります。現在の施設整備マニュアルは、平成26年に改定をされております。現在の区内の道路、公園や施設などはこのマニュアルに沿って整備が進められております。今後制定を目指しているユニバーサルデザイン条例の中に、ハード、ソフト両面に関する整備の考え方を盛り込み、ハード面についてはその考え方に基づいて課題の洗い出しや必要な見直しを行っていくことが必要だと考えているわけでありまして、中野区版の施設整備マニュアル策定についても検討してまいります。

 それから、中野駅周辺におけるユニバーサルデザインの展開についてであります。ユニバーサルデザインのまちづくりは、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3における空間整備の考え方として明確に位置付け、ハード、ソフト両面でのユニバーサルデザイン化を進めていくこととして、中野駅周辺各地区のまちづくりに反映させていきたいと考えているところです。中野駅地区や中野駅周辺各地区のまちづくりにおきましても、駅前広場から各地への回遊性を高め、子どもや高齢者、障害者、外国人など誰もが安全で快適に移動できるよう、ユニバーサルデザインに配慮した歩行者動線や利用しやすい施設の整備を念頭に、今後目指すべきグローバルな都市活動拠点にふさわしいまちづくりを推進していきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 初めに、災害対応能力の充実についての御質問にお答えをいたします。

 災対各部や関係機関との連絡調整スペースの確保についてでございます。区の防災センターは、本部長室、情報処理室、無線室、宿直室で構成されており、災対各部及び防災関係機関と連絡調整についてもこのセンターを中心に行っております。また、災対各部の所管事項は、通常業務を踏まえて定めていることから、災対各部は部長室のある階に設置することとしているところでございます。今後、新区役所整備に向けて発災時の大規模な動きを想定して、災対各部及び関係機関がより緊密かつ迅速に連絡調整できる防災センターのあり方を検討してまいりたいと考えております。

 次に、災害対策本部の開設についてでございます。災対各部の所管事項及び編成は防災マニュアルに記載済みでございます。また、災対各部の指揮班は部長室の周囲に設置することを想定し、防災無線など必要な機材を配備しております。なお、災害対策本部の体制や開設につきましては、訓練の実施などを通じて習熟を図るとともに、機能強化に向けて検討してまいりたいと考えております。

 平和の森公園に防災機能を整備する理由についてでございます。新井薬師前駅及び沼袋駅周辺には帰宅困難者の一時滞在施設として活用可能な建物がないため、これらの駅周辺の混乱を回避するためには、一時滞在施設を確保する必要がございます。また、警察、消防、各種支援団体などの応援を早期に受けるためには、これらの団体を中野区内に呼び込むための活動拠点を整備する必要があります。平和の森公園は区役所からも近く、活動拠点等のスペースを確保でき、防災関係機関が応援に来た団体と連絡調整を行う場所としても適していると考えております。さらに、中野区役所は災害対策本部だけでなく、救援物資の輸送拠点の一つに位置付けられております。中野区役所一帯は広域避難場所、災害拠点病院、帰宅困難者一時滞在施設など、防災機能が過密化しているため、分散可能な機能は分散させる必要があると考えたものでございます。

 本庁舎の代替施設についてでございます。もみじ山文化センター及び社会福祉会館は耐震性があり、非常用発電機を整備していることから、災害時、本庁舎の安全性が確保できない場合の代替施設にしております。どちらの施設も防災行政無線を整備しておりますが、他の災害対策用の整備はないため、代替施設では災害対策本部の機能低下が予想されます。今後、災害対策本部の代替施設の必要な機能について整理し、整備する必要があると考えているところです。代替施設機能の整理結果を踏まえ、新体育館も含めて代替施設に適している施設を選定し、必要な整備をしてまいりたいと考えております。

 次に、地域の防犯力向上のための防犯カメラ設置拡充についての御質問でございます。補助制度の普及による防犯カメラの増設でございます。

 防犯カメラの設置は、犯罪の未然防止や犯罪解決の決め手となることから、地域の安全安心を向上させる上で非常に重要であると認識しております。町会・自治会等においては防犯カメラ設置に向けた気運が高まっており、補助金の申請も増加傾向にあることから、現行の補助制度をさらに周知することにより、設置の促進を図ってまいりたいと考えております。

 防犯カメラ設置状況の一元的な把握についてでございます。区が設置している防犯カメラ設置状況につきましては、随時それぞれの所管に確認しており、補助制度を活用して町会・自治会等により設置されている防犯カメラも含め、区内全域の設置状況については把握しております。

 防犯カメラ未設置地域に対する対応についてでございます。防犯カメラについては、各所管から情報収集をしているため、設置箇所の状況については把握しております。また、区は通学路の安全対策の一環として、今年度と来年度の2年間で全ての区立小学校の通学路において防犯カメラを設置することとしております。通学路は安全確保の必要性が高い場所であり、これにより区内のかなりの範囲をカバーして防犯カメラが設置される状況になると理解しております。このような防犯カメラの増設が図られてきておりますが、区内で空白ゾーンが全て解消されるというところまでは至っておりません。地域の防犯カメラについては引き続きその有用性や補助制度の周知を行い、町会・自治会等による設置の促進をさらに図ってまいりたいと考えております。

 区による防犯カメラの設置についてです。23区では杉並区が防犯カメラを直接設置していることを把握しております。防犯カメラ設置の補助制度は、地域の主体的な防犯活動に対する支援の一つとして実施しており、地域がみずから防犯カメラを設置することにより、地域住民の安全に対する意識が向上するものと考えておりますので、現段階においては区が直接設置することは考えておりません。

 防犯カメラ維持管理費の助成でございます。区の補助制度を活用した町会・自治会、商店街等による防犯カメラの設置が進んできており、補助の申請も増加傾向にあります。そのため、現在は防犯カメラの整備、設置に関する補助を優先して実施している状況であることから、維持管理経費を補助の対象にすることについては、今後の申請状況を踏まえて研究させていただきたいと考えております。

○議長(北原ともあき) 以上で高橋かずちか議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 若 林 しげお

 1 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の財政フレームについて

 2 今後のスポーツ施策の展開について

 3 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、若林しげお議員。

〔若林しげお議員登壇〕

○2番(若林しげお) 平成28年第1回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。質問は通告のとおり、1番、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)の財政フレームについて、2番、今後のスポーツ施策の展開について、3番、その他はありません。よろしくお願いいたします。

 まず、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)の財政フレームについてお伺いいたします。

 平成28年度の国の予算が昨年12月24日に閣議決定され、予算編成の基本的な考え方が示されました。この中では、平成28年度予算にとどまらず、2020年度の財政健全化の目標の達成に向けた今後5年間の基本方針でもある「経済財政運営と改革の基本方針2015」を着実に推進するとしています。「経済財政運営と改革の基本方針2015」では、我が国の経済再生に向けてデフレ脱却を確実なものとしつつ、経済の好循環の拡大を図ることにより民間の経済活動をより活性化し、中長期的に持続する成長メカニズムを構築することが必要としています。中長期的には、実質GDP成長率の2%程度、名目GDP成長率の3%程度を上回る経済成長を目指しています。

 また、こうした経済成長をさらに上回るものとして、アベノミクスの第2ステージで掲げた新三本の矢は、強い経済を実現し、その上で日本の構造的な課題でもある少子高齢化に正面から取り組むものとなっています。中野区においては、平成28年度予算案とともに、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の改定素案により、国の経済対策と呼応しながら、さまざまな施策に取り組もうとしているとしています。新しい中野をつくる10か年計画の改定素案の財政フレームの作成に当たっては、先ほど述べた「経済財政運営と改革の基本方針2015」に基づき、今後の10か年の財政フレームを策定されたと聞いています。歳入フレームの一般財源には、特別区民税や財調制度の交付金などがあり、平成25年第1回定例会の私の質問に対し、交付金においては、都の積算ベースに都区で合意した都区財政調整フレーム、または基準財政需要額の算定ルールに基づいて需要額を算定していると伺っております。10か年計画の財政フレームの推計は区の経済対策をどのように生かし、中野区の財政フレームとしたか、具体的にお聞かせください。

 区有施設の老朽化対策への不安から、平成25年第1回定例会の一般質問で、中長期的な考え方のもととなる施設長期保全計画と併せて基金の積み立ての計画を進めるべきと質問させていただきました。2012年に発生した中央自動車道笹子トンネルの大きな事故がきっかけとなり、高度経済成長の1960年代から1980年代に整備された多くの公共施設が一斉に老朽化問題を抱えていることに対する対策から、政府は2013年に「インフラ長寿命化基本計画」を決定し、各地方自治体はみずから保有する全ての公共施設を対象として「公共施設総合管理計画」策定することが要請されました。

 中野区においても、区有施設の現状及び将来の見通しについてとりまとめ、改定素案で出された新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の改定に当たり、今後の更新・保全・長寿命化やサービスの適正化を検討するための資料として、平成26年9月に「中野区施設白書」を策定しています。この施設白書は、区有施設全体を総合的にマネジメントするために、前回の白書と異なり、建物だけでなく道路や橋梁などのインフラ施設を加え、総合的に現状を整理したものとなっています。施設白書に記載された総合管理計画の構成イメージにおいては、建物編、橋梁編、道路編、公園施設編として構成されていますが、これらの総合管理計画の検討がどのように10か年計画(第3次)(改定素案)の検討内容として生かされているのかお聞かせください。

 次に、この総合管理計画の方向性として、区有施設の更新・保全・長寿命化などは、持続可能な区政運営実現する上で重要な課題となっており、また、区有施設を取り巻くさまざまな環境を踏まえた上で、区民サービスのより一層の拡充を図っていく必要があると考えます。これらの課題を踏まえて、国から地方自治体に対してその策定が求められていると思います。

 橋梁編においては、平成25年5月「中野区橋梁長寿命化修繕計画」が策定され、道路編においては昨年、平成27年5月「中野区道路付属物等維持管理計画」が策定されています。公園施設編においてはまだこれからということで、建物編については「中野区公共施設総合管理計画」についての考え方が報告されています。この建物編においては、区が保有している全ての建物、270施設を維持すると仮定した場合の、60年間サイクルでかかる経費を試算した考え方であり、10か年計画の改定素案とはリンクしていないと区は説明しています。しかし、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)は28年度スタートする間近に迫った計画であり、そこで必要な施設にかかわる経費と整合性が図られないことは、区民にとってわかりづらいことではないでしょうか。

 施設白書の中でうたっていた、例えば今後の中野区の人口規模等を踏まえ、区民サービスをより一層拡充するための区有施設を取り巻くさまざまな環境を踏まえた上で、公共施設総合管理計画を提案するとなれば、経費の側面からだけでなく、新たな需要への対応についても考えなくてはならないと思います。財政フレームでは、今後の10か年の施設に関する主な建築・改修費用についても想定しているのですから、公共施設総合管理計画の中で考え方に照らし合わせ、例えば財源確保は既存の施設の集約化や機能再編や複合化を図ったりして生み出すことなど、公共施設総合管理計画の基準といった区の標準的な考え方の指針や視点が10か年計画改定素案から案へ変更する際の提案の中に反映すべきと考えます。区の見解をお聞かせください。

 次に、区有施設などにかかる財源対策についてお聞きします。公共施設総合管理計画の中では、標準的な考え方を持ってしても、平成28年度から40年間は更新経費が2,656億円かかるとしています。更新経費の財源は、基金充当を391億円としています。10か年計画(第3次)改定素案の財政フレームでは、起債・基金を活用する主な事業が出ています。この事業の中で、新区役所整備や区民活動センター整備、文化・スポーツ施設改修、清掃事務所車庫整備、施設保全など、今後区が一般財源を使って建築や改修に取り組まなければならない整備が多く予定されています。施設整備について国庫補助金などが活用できるものは財源がある程度確保できますが、国庫補助金などがない区有施設の整備については、着実にこの財源を確保していくことが大切だと考えます。

 区は、学校施設の大規模改修や改築に活用できる義務教育施設整備基金、道路・公園の維持は道路・公園整備基金など、特定目的の基金を活用することになっていますが、広く区民の福祉に供する区有施設の整備などに使用できる特定目的基金はありません。区は、これまでの説明にも財政調整基金には年度間調整に活用する基金のほかにも区の庁舎などの施設改修にかかる経費も積み立てていると説明しています。しかし、予算書などでは財政調整基金の積み立て額がわかるだけで、年度間調整や施設整備についてどのくらいの予定で積み立てているのかがわかりません。「公共施設総合管理計画」を進めていく上で、財源確保が重要となります。成果が見え、計画を立てやすくするためにも特定目的基金をつくるなど工夫をしてほしいと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 次に、今後のスポーツ施策の展開についてお伺いします。ことしは4年に一度のオリンピック・パラリンピックイヤーです。今大会の開催都市はブラジルのリオデジャネイロであり、南米大陸初めての開催となります。そして、言うまでもなく次の大会は東京で開催されます。東京での開催は56年ぶりであり、「スポーツには世界と未来を変える力がある」という今大会の大会ビジョンからも、スポーツの持つ無限の可能性により、未来に向けて大きく前進する大会としなければなりません。日本では、平成23年にスポーツ基本法が設立し、昨年10月には文部科学省にスポーツ庁が設立されました。我が国におけるスポーツの意義、必要性はますます高まっています。東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、区としても本定例会において「(仮称)中野区スポーツ推進条例」を上程するとのことですが、単にスポーツ推進の理念を定めるだけにとどまらず、全力でスポーツの振興に取り組むべきと考えます。

 国のスポーツ基本計画では、生涯スポーツ社会の実現に向けて、成人の週1回以上スポーツ実施率を3人に2人、約65%とすることを目標としています。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)では、1日30分以上連続した運動を週に1回から2回以上行っている人の割合を平成32年度の目標値が63%、37年度の目標値が75%とされており、区としてオリンピック・パラリンピックの開催を契機としたスポーツ人口の拡大に対する意欲が感じられるものであり、一定の評価をしたいと思います。平成21年に策定した中野区地域スポーツクラブ設立基本計画は、区民主導の運営法人を設立するという理想を掲げたものでありましたが、その後の状況を見ると、現実的な計画ではなかったのではないでしょうか。

 昨年第4回定例会で、我が会派のいでい議員が今後の地域スポーツクラブの運営について質問させていただきました。その質問に対する区長の答弁は、「一般社団法人によって自立的、安定的、継続的に運営していくことは難しいものがあると判断した」というものでした。ことしは中野富士見中学校跡地に南中野の人々が待ちに待った(仮称)南部スポーツ・コミュニティプラザが整備される予定です。中部のように、施設ができてからしばらく稼働しないということはあってはなりません。1月29日の厚生委員会では、今後のスポーツ・コミュニティプラザの展開について報告がありました。その報告では、中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例を改正し、地域スポーツクラブを設置することとなっています。

 そこでお伺いします。スポーツ・コミュニティプラザの運営は、事業者を公募して委託により行うとのことです。地域スポーツクラブの法人化は難しいと判断したとのことですが、新たな地域スポーツクラブには活動に対する責任や負担は発生しないのでしょうか。これまでの地域スポーツクラブと何が違うのか、お答えください。

 また、地域スポーツクラブに期待したいことは、地域の学校部活動やクラブ活動の支援、地域スポーツの指導者育成、学校部活動の外部指導員の育成、また、一定レベルの選手やチームを対象としたスキルアップ、競技力向上など、さまざまな形で地域スポーツの推進が考えられます。新たな地域スポーツクラブは、各スポーツ・コミュニティプラザに運営委員会を設置するとのことですが、区として全体をとりまとめ、地域スポーツクラブの活動にばらつきがないようにしなくてはならないと考えます。区の見解をお聞かせください。

 また、「中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例」の改正では、使用料方式を適用するとのことです。条例で設置した区の施設として、使用料を適用することは一定の理解ができますが、同時に地域スポーツクラブの会員料金を設定し、会員が施設を使用する場合、使用料の50%を減免するとのことです。使用料を減免する分だけ区の財政負担が大きくなることを心配されますが、その分はどのように回収するつもりなのでしょうか。地域スポーツクラブの会員に対する使用料減免分を回収するための方法として、スポーツ・コミュニティプラザにおいて運動に取り組む人がふえることによって、国民健康保険料の軽減や医療費抑制など、財政効果を生むためにポイント制度やICTコンテンツなど新しいシステムを導入することも考えられると思いますが、区の見解をお聞かせください。

 また、地域スポーツクラブの会員とならない人は、使用料を払って施設を使うことになります。新たな使用料は、現在の中部スポーツ・コミュニティプラザの料金と比べると割高であり、地域スポーツクラブの会員とならない人は、区の運動施設を使わなくなってしまうのではないかと懸念されます。例えば、新しいスポーツ・コミュニティプラザに使用料を適用する一方で、学校開放の料金を値下げするというようなことも考えられるのではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。

 また、小中学校の統廃合により、区民がスポーツに取り組むことができる施設が減ってきています。今後計画されている統廃合においても区民の皆様からは、今まで使っていた体育館や運動場が使えなくなり、どこへ行けばいいのかと不安の声も伺います。「(仮称)中野区スポーツ推進条例の制定に関する考え方」の中でも「スポーツ環境の整備」が示されていますが、やはりスポーツを推進していくために、環境面の充実は欠かせないことであると思います。スポーツの環境が充実することでスポーツ人口、スポーツ・コミュニティの拡大も図れるのではないでしょうか。区としてスポーツのできる場所の確保についてどのように考えているかお聞かせください。

 以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 若林議員の御質問にお答えいたします。

 新しい中野をつくる10か年計画改定素案の財政フレームについてであります。

 10か年計画の財政フレームの検討に当たり、最新の経済政策として「経済財政運営と改革の基本方針2015」が発表となり、参考にしたところであります。経済再生の成長率をもとに、区民税については中野区の今後の人口推計、東京都就業率、特別区交付金については東京都の経済成長率、法人住民税の一部国税化の影響について反映をさせ、また、現在把握できる歳入・歳出における制度変更の影響などを見込んで作成したところであります。さまざまな要因を検討した結果、計画期間における経済成長率は0.6%から3.7%と想定をして推計しました。この結果、歳入一般財源規模においては、特別区税は毎年度1から2億円の増加を見込み、特別区交付金は経済対策の影響の伸びが法人住民税の一部国税化の影響により、平成28年度は20億円、平成31年度からはおよそ40億円の減少が出るため、ほぼ横ばいで推移していくものと推計し、地方消費税交付金は平成25年度の消費税5%のときに比較して平成28年度31億円、平成30年度からは52億円の歳入増を見込み、歳入総額は平成29年度は717億円とし、10年後には730億円と緩やかな伸びを見込んだところであります。

 施設白書と10か年計画についてであります。

 橋梁、道路、公園施設については、計画的に経費の縮減・平準化を図りながら長寿命化を行うなど、適切に維持・管理を進めていくことを前提として改定素案を策定しております。現在策定中の建物編については、財政負担の軽減を図りつつ、施設の保全・更新を適切に進めるため、施設の複合化や集約化、複合利用、運営の効率化などの視点に立った施設管理の基本方針を示すこととしており、改定素案においてもこの考え方に基づいて区民サービスの向上を目指した施設サービスの方向性を示しているところであります。

 総合管理計画と財政フレームとの関係ということについてです。総合管理計画(建物編)で示す更新経費の削減目標は、今後個別の施設更新計画を進めるに当たり、10か年計画の財政フレームを踏まえつつ、財政負担軽減を図るための目安とするものであります。今後10か年計画での事業の展開を図る中で整合性を図っていくこととしております。

 基金の創設についての御質問です。施設整備については、国庫補助金や起債、また、義務教育施設整備基金や社会福祉施設整備基金など、各特定目的基金の利用できる施設には基金の繰り入れを行いながら財源の確保を行ってきたところであります。財政調整基金については、一般財源が不足する場合の年度間調整の役割とともに、学校や社会福祉といった特定目的基金としての明確な区分ができない、施設改修区分としての一定の積み立てを行っているところであります。この中から必要に応じて財政調整基金からの繰り入れを行って財源の確保を行ってきたところであります。基本的にこのような考え方を今後も踏襲していきたいと考えておりますが、この施設改修分についてどういった金額が確保できているのかといったような内訳について、どのような形で公表していくか検討していきたいと、こういうふうに考えております。

 それから、今後のスポーツ施策の展開についての御質問がありました。地域スポーツクラブの今後の責任と負担についてということです。

 当初の計画においては、地域スポーツクラブが一般社団法人となって施設の管理や事業の運営を行うといったようなことを想定しておりましたが、法人化に伴う責任や負担等を勘案して法人化は困難であると、このように判断をしたところです。条例の改正によって新たに設置したいと考えている地域スポーツクラブは、会員制度を導入して、会員によって構成される運営委員会が地域のニーズに合ったさまざまな事業を企画・実施することを考えているところであります。地域スポーツクラブが活動するに当たって、スポーツ・コミュニティプラザの運営を受託する事業者が地域スポーツクラブの事務局を務めることを想定しており、事業の実施・運営については事業者が責任を持って行うものと考えております。地域スポーツクラブは、地域のスポーツを推進するための活動に過度な責任や負担が生じることなく取り組める運営をしていきたいと考えております。

 地域スポーツクラブの区全体としての活動についてであります。地域スポーツクラブには、御質問にあったように学校部活動の支援、スポーツ指導者の育成、競技力の向上など、総合的に区のスポーツを推進するためのさまざまな事業を実施してもらいたいと考えております。各スポーツ・コミュニティプラザに設置する運営委員会は、地域におけるスポーツ推進のために地域ニーズの把握や地域人材の活用など、地域に密着した活動を展開してもらうことを想定しております。

 一方、全区的にスポーツを推進する地域スポーツクラブとして地域ごとのばらつきが生まれないように運営委員会を統括する機能として理事会を設置し、区及び事業者と定期的に調整をしながら活動してもらうことを考えております。

 健康管理プログラムの導入ということについてであります。地域でスポーツに取り組み区民をふやしていくため、地域スポーツクラブの会員がスポーツ・コミュニティプラザを使用する際には使用料の50%程度を減免することで利用しやすい料金の設定をしたいと考えております。会員料金の設定により稼働率の向上が見込まれますが、一方では減免によって区の歳入が減るということも想定が必要と思っております。定期的な運動をすることによる医療費等の抑制の効果につきまして、全国の自治体で実証研究が行われていることでもあります。スポーツ・コミュニティプラザにおいても地域スポーツクラブの会員を対象に身体測定や体力測定に基づいた定期的なアドバイスを行うことで健康状態の向上を目指す健康管理プログラムを導入していきたいと考えております。健康管理プログラムを運用していく中で、ポイント制度やICTコンテンツ技術の活用を含め、より効果的なプログラムとするための検証を行って、医療費の抑制など使用料の減免に見合った財政効果を生んでいくよう努力していきたいと考えております。

 それから、学校開放に関連しての使用料の減免についての御質問がありました。スポーツ・健康づくり活動を推進していくために、地域スポーツクラブをはじめとして区内スポーツ団体などさまざまな主体による取り組みを一層推進し、区全体で機運の醸成を図っていきたいと考えております。学校開放使用料の負担軽減は、区民が気軽にスポーツに親しめる機会の拡充や在校生を含む団体の利用促進による小中学生の体力向上などが図れるものであると考えております。東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた機運醸成を視野に入れ、区民が身近な場所で気軽にスポーツや健康づくり活動ができる環境整備の一環として学校での体育館活動について使用料を免除すること、このことを検討しているところであります。

 地域におけるスポーツの場の確保についてであります。中野区は他区に比べてスポーツができる環境が少ない状況であり、小学校の再編により学校開放施設が減少していることも認識をしているところであります。超高齢社会の到来による区民の健康づくりの必要性、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機としたスポーツ・ムーブメント推進のためにもスポーツ環境の充実が必要と考えております。現在、平和の森公園に整備を計画している新体育館やスポーツ・コミュニティプラザ、それから白鷺せせらぎ公園、本五ふれあい公園など、スポーツ環境の整備に取り組んでいるところであり、こうした取り組みを着実に推進をしていきたいと考えております。

○議長(北原ともあき) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 子ども食堂の支援策について

 2 ひきこもり対策について

 3 区民意思と合意に基づく政策決定のあり方について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○40番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑をいたします。

 子ども食堂の支援策についてお尋ねいたします。

 貧困状況で暮らし、質素な夕食を1人で食べざるを得ない家庭の子どもに、団らんの場と温かい食事を提供する「子ども食堂」の活動が近年注目を集めています。1月、豊島区で昨年に続き、第2回「子ども食堂サミット」が開催されました。新聞報道によれば、子ども食堂の運営者と新たに食堂を始めたい人たちが200人以上参加され、その中に4月本格オープンを目指す中野区民の方もいらしたようです。

 飽食の時代と言われながら、ワンコインを渡され、コンビニ弁当を買って1人で食事をする子ども、さらにはお菓子を夕食がわりにしている子どもが少なくないと言われています。6人に1人が貧困状態という子どもの貧困は、目に見えにくい中で深刻さを増しています。家族がそろって手づくりの食卓を囲む風景が当たり前ではなくなっています。核家族化が進む中、子どもから高齢者まで広がる孤独な孤食は、人の心がすさむ原因の一つになっており、人が生きていく上で「食事」の持つ意味は単に生命を維持するための「餌」とは違い、心の成長に大きな役割を担っています。自発的な市民の取り組みを待つだけではなく、心身ともにすこやかな成長に欠かせない食事の支援に中野区は取り組むべきではないでしょうか。

 昨年11月、ある区民の方が子ども食堂を実施するに当たり、調理のための調理室と食事をするための部屋を借りたい旨を区民活動センターに相談したところ、調理室は調理することが目的であり、食事をつくる目的では調理室は貸せないし、調理したものを調理室以外の部屋で食べることはできない。つまり、食事目的で貸し出すことはできないと断られたそうです。子どもの貧困対策が待ったなしの課題となっている中、区民活動のための区民活動センターが、営利目的ではなく、貧困状況にある子どもたちへ食事を提供するという自発的な支えあい活動を支援するどころか、拒否するというのはあるまじき姿勢です。15の区民活動センターのホームページを見てみると、調理室と隣にある部屋を合わせて使用できますと備考欄に記載しているセンターが3カ所あり、子ども食堂のような活動には貸し出し可能となっているようです。使用基準を確認し、支えあい活動などは調理室を食事のための部屋と併用ができるよう、統一的な徹底を求めます。お答えください。

 子ども食堂事業に公共施設の提供、区内事業者への食材提供の呼びかけや事業費補助など区独自の「子ども食堂支援制度」を創設し、自発的な子ども食堂事業の後押しをしてはいかがでしょうか。区の見解をお答えください。

 東京都は、2016年度予算に子どもの貧困対策を重点施策の一つと位置付け、貧困家庭の子どもに食事を提供したり、勉強を手伝ったりする「子どもの居場所創設事業」を新規に打ち出し、既に補助体系が示されており、自治体からの問い合わせが多数寄せられているようです。けさの新聞記事にもなっていたように、中野区は国の補助金を活用し、生活困窮世帯の子どもたちへの学習支援事業を行っています。勉学に励むためにも、脳の活性化のためにも、栄養豊富な食事が必要です。国の学習支援事業補助にプラスして行う都加算補助である食事提供事業などを活用し、学習支援事業に加えて食事提供事業実施に向けた検討を求めます。区の見解をお答えください。

 次に、ひきこもり対策についてお尋ねいたします。

 2010年、厚生労働省の調査では、ひきこもり問題を抱えている世帯は26万世帯、内閣府の調査では69万人となっています。さらに、東京都、山形県、島根県、町田市などでもひきこもり調査を行っています。それらを総合すると、人口に対する出現率は0.5%と推測できます。これをもとにすると、中野区では1,600人くらいの方がひきこもっているのではないかと推測されます。全国ひきこもり家族会連合会の調査では、ひきこもりの方の平均年齢は31歳です。ひきこもりが長期化することで親亡き後の生活が深刻化を増しています。早期の相談支援が重要です。

 中野区では、18歳までは教育センターの教育相談、子ども家庭支援センターの子ども家庭相談があり、すこやか福祉センターでは全ての方を対象とするこころの悩み相談を行っています。必要と判断すれば、すこやか福祉センターが東京都ひきこもりサポートネットの訪問相談につなげています。つまり、中野区には継続的な支援体制はありません。区のホームページや「私の便利帳」を見ても、ひきこもり相談という言葉はなく、どこに相談したらよいのかわかりにくい状況のため、2014年度の実績でひきこもり相談件数は33件、そのうち東京都の訪問相談につなげた件数はたったの3件と、推定数1,600人とに大きな開きがあります。この際、支援体制を構築するために、ひきこもりの実態調査を実施してはいかがでしょうか。お答えください。

 先日、2015年4月に開設した静岡市ひきこもり地域支援センターを視察しました。そこは市立図書館の2階に設置されており、実績のあるNPOが委託を受けて運営をしています。臨床心理士などの専門職がひきこもり支援相談コーディネーターとして5人配置されており、全般的な相談窓口、電話相談、面接相談、訪問支援、当事者の居場所づくり、家族教室、各種講座の開催、通信の発行など、地域におけるひきこもり支援拠点としての役割を担っています。

 静岡市のようなひきこもり地域支援センターは、厚生労働省が各都道府県や政令指定都市に設置を進めていて、2月1日現在65カ所あります。東京都はお茶の水女子大学に委託し、ひきこもりサポートネットを開設していますが、メール、電話、訪問など相談業務のみで、拠点施設はありません。東京都は「区市町村における若者の自立と支援体制整備事業」を推進し、身近な自治体にひきこもりの相談窓口と居場所づくりを含め、継続的に支援する体制整備を促しています。東京都のこの事業の補助金を使い、23区内では2014年4月に文京区が、STEPひきこもり等自立支援事業を公益社団法人所有の茗荷谷クラブで始めています。同じく2014年9月に世田谷区が、ひきこもり等生きづらさを抱えた若者の全般的な相談支援機関「メルクマールせたがや」を廃校となった中学校に開設しました。いずれの区もひきこもり問題を専門に取り組んでいた公益社団法人青少年健康センターに委託し、ひきこもりから社会的自立に向けた総合的支援事業を行っています。区長がおっしゃる全員参加型社会の実現のために、中野区においても都の補助金などを活用し、文京区や世田谷区のようにひきこもりから社会的自立に向けた総合的支援事業に着手するべきと考えます。区の見解をお答えください。

 次に、区民意思と合意に基づく政策決定のあり方についてお尋ねいたします。

 中野区では、計画策定時に区民との意見交換会やパブリックコメント手続を行いますが、そこで出された区民意見が計画に反映されることはほとんどなく、区民は意見を述べても無駄であると思っています。これでは区民の意思は区政から遠のくばかりです。

 さて、基本構想検討案には「区民意思と合意に基づく政策決定」を掲げていますが、それを実現するための10か年計画の第3次改定素案には、「行政データのオープン化とマイナポータルの活用による情報受発信」が具体的手段として挙げられているだけです。これで情報提供はある程度進むとはいえ、それをもってして「政策決定過程への参加の仕組み」とはなり得ないと考えます。再考を求めます。お答えください。

 以上、あらゆる人にとって公平・公正で開かれた区政運営の基盤となる誠意ある答弁を求め、質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) むとう議員の御質問にお答えいたします。

 子ども食堂に関連して、子どもに食事提供する活動への支援ということであります。低所得世帯の子どもに食事を提供する団体の活動については、政策助成や基金助成などの活用が考えられ、その際、区民活動センター集会室が無料で利用できるなどの措置も講じられていることから、新たな制度として設ける考えはありません。

 それから、学習支援の事業に対して都の補助金を活用して食事の提供をしてはどうかと、こういうことであります。都は、小学生を含む全ての児童を対象とした子どもの居場所創設事業として、学習支援に加え、居場所や食事の提供を実施する場合の加算補助を行うとしております。区の学習支援は、今年度、中学生は高校受験のための進学支援、小学生は学習習慣の定着を主な狙いとして実施していることから、学習支援に加えて食事の提供支援を行っていく考えはありません。

 それから、区民意思と合意に基づく政策決定という御質問についてであります。区は、これまでも自治基本条例に基づいて区民の自治の営みを基本に据え、区民との情報共有をもとに区民に区政への参加の機会を保証しながら区政運営に当たってきたところであります。基本構想、10か年の検討についても、さまざまな場面で区民の皆様の意向、意見といったものを踏まえながら検討を進めてきたというふうに考えております。

 また、区民参加のプロセスで区民の意見が反映されることがあまりないといったような御意見ですけれども、それぞれ区民にはさまざまな御見解があるわけで、一定の見解が通らないということが区民参加がないということとは全く違うというふうに私は思っております。今後も同様に区民意思と合意に基づきながら区政運営に当たっていく考えです。オープンデータの取り組み、あるいはマイナポータルの取り組み、情報共有のさまざまな仕組みの進歩としては大変大きくて重要なものがあると、こういうふうに考えております。こうしたことを踏まえ、さらに手段の拡充や双方向性を実現する基盤が整うことが予定されているということでありますので、こうしたことを活用しながら区民の区政への参加について充実を図っていきたいと思っております。

 私からは以上です。

〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、子ども食堂に関連しまして区民活動センターの会議室の貸し出しに関する御質問がございました。

 受付事業者の貸し出し基準等の理解に不十分な点がございまして、誤った対応をしたものと思われます。受付事業者がマニュアル等に基づき適切に対応できるよう、指導を徹底してまいりたいというふうに思ってございます。

 次に、ひきこもりに関しまして実態調査をという御質問でございました。

 区内の実態傾向につきましては、先行して行われた国や都の調査結果により一定の推定はできるものというふうに考えてございます。ひきこもりは家庭で抱え込みがちな問題でございます。就学や就労、生活困窮、精神保健など、各相談窓口で捉えることができるというふうに考えてございます。区といたしましては、こうした相談窓口間の情報交換や連携による支援の強化を図る考えでございまして、改めて調査を行う予定はございません。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、ひきこもりの総合的な相談支援事業についてお答えいたします。

 区は、ひきこもり対策としての担当は設けてございませんが、心理相談を行っているすこやか福祉センターで一次的な相談対応を行うとともに、東京都のひきこもりサポートネットで実施している相談事業の受付を行っているところでございます。相談から得られた必要な取り組みはニーズに合わせた対応を行っており、引き続き庁内連携を密に行い、対応を図っていきたいと考えているところから、総合的な支援事業を行うことについては考えてございません。

○議長(北原ともあき) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 U18プラザの廃止について

 2 不適切なごみの投棄について

 3 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、近藤さえ子議員。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○39番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。

 U18プラザの廃止について。

 1月に議会に示された新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)に記載されたU18プラザの廃止の文字に、私は大変驚きました。素案から改定素案までわずか3カ月でU18プラザ廃止が決定されたのです。私は10年間にわたり、児童館機能を見直し、U18プラザを9館つくる構想には無理があり、納得できないこと、具体的にどのような計画になるのかを何度も質問してまいりました。ここでスタートから振り返ってみます。

 2005年「中野区次世代育成支援行動計画(前期計画)」において、「児童館の機能の転換」、2006年「新しい中野をつくる10か年計画(平成17年度から平成26年度)」の小学生の居場所を、小学校を起点として中高生館を整備する。2007年「子どもと家庭を支える地域づくり方針」(仮称)地域子ども家庭支援センター等整備で具体的に示された(仮称)キッズ・プラザ事業と(仮称)U18プラザ及び城山ふれあいの家の構想。このような計画は提示されましたが、結局U18プラザについてのしっかりした基本方針も持たないまま、9館の児童館を中高生までの居場所と決め、予算をつけてきました。

 そもそも児童館は、小学生までの子どもたちのための仕様で、中高生の施設としてはつくられていないにもかかわらず、無理をおしてU18プラザ計画を実行しなくてはならなくなった9館のU18プラザ館への移行指定館では職員たちは大変苦労し、地域の方々、さらには高校生や大学生にも声をかけ、知恵を絞り、中高生のための事業を行ってきました。区の計画に違和感を持ちながらも、保護者や地域の方はU18プラザが成功することに今まで尽力してきました。しかし、地元の児童館では、児童館で行うU18プラザ事業に中高生はほとんど集まりませんでした。多くの区民が最初から懸念していたようにU18プラザの計画は失敗してしまいましたが、区はその原因をどのようにとらえているのでしょうか。

 中野区は、かつて多くの中高生や若者が利用してきた南部青年館、野方青年館を区民の反対の声があるにもかかわらず廃止しました。近年、平日の夕方は誰もが入れる区民活動センター等の自由スペースはゲームをする中学生、ふざけ合う中学生等で混み合い、うるさいほどのにぎわいです。やはり学校と家以外の居場所が欲しい中学生は大勢いることがわかります。特になにをするのでもなく、立ち寄れる場所が欲しいのは大人も同じです。中高生がお金を使わずに放課後を自由に過ごせる場所は必要です。私は10年前から中高生にも居場所をつくるという考え方には共感しながらも、その機能を児童館につくることに無理があると申し上げてきました。

 2007年、杉並区の児童青少年センターと男女平等推進センターとの複合的施設「ゆう杉並」を視察し、体育館、音楽スタジオ、演劇ホール、工芸・調理・ゲーム室、学習室の充実を目の当たりにして、子育てに力を注ぐことに真剣に取り組む杉並区を高く評価しました。「ゆう杉並」は開設から20年近くになりますが、毎日200人もの利用者でにぎわっています。その内訳は、高校生が110人、中学生が50人でした。

 この視察体験からも、U18プラザと名づけたスペースだけをつくっても、中高生は関心を示さないこと、朝から乳幼児を迎え、午後は小学生を受け入れる児童館では、さらに夕方から中高生に対応するには広さやシステム、職員の対応等、あまりにも無理があることを何度も申し上げてまいりました。「児童館に場所をつくれば中高生が集まる」という安易な発想、しっかりとした基本計画案も持たずに、U18の名前だけが走り続けた施策が今回のU18プラザの廃止になったのではないでしょうか。

 U18プラザは廃止だからといって、中高生の居場所が不要となるわけではありません。前回、2015年10月、「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(素案)(平成28年から平成37年度)」では、小学校内にキッズ・プラザを整備するということで、中高生のU18プラザの記載はありませんでした。今回、2016年1月、「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)」で小学校内へキッズ・プラザの整備、そして唐突にU18プラザの廃止が掲げられました。「次世代育成支援行動計画(前期計画)」から始まり、「子どもと家庭を支える地域づくり方針」、「(仮称)地域子ども家庭支援センター等の整備に関する基本的な考え方」の中で、「これまで小学生中心に健全育成の取り組みを主に地域の児童館でやってきた。今後は一人ひとりの個別課題への対応や妊娠期及び乳幼児から18歳までの全年齢の子どもたちを対象とした事業展開等を通して、既存の施設を地域の子どもの施設として活用しながら、家庭、地域、学校が連携した子どもたちの成長に合った自立の支援のための環境づくりが必要であり、中高生の居場所を9館の(仮称)U18プラザとする」と2007年に具体的計画が示されたことを受けて、次世代委員たち、保護者たち等は必死にその環境づくりに取り組んできたのです。「児童館で中高生も過ごすの」と違和感を持ちながらも、区の政策を応援してきたのです。この10年間は何だったのでしょうか。

 平成17年度からの新しい中野をつくる10か年計画、1次から2次計画、3次計画素案までの間、つくります、つくりますと言ってきた中高生が使える施設は、今後はつくらないということなのでしょうか。

 U18プラザが廃止され、小学校内へキッズ・プラザの整備を進めることで既存の児童館はなくなっていくと考えられます。これまで中野区の児童館では、職員一人ひとりが乳幼児から小学生までの子どもと向き合い、また、保護者とも親しくつき合ってきました。毎日子ども同士が遊ぶ様子を見ている職員は、子どもたちの生活の様子も把握していて、子どものことで悩む保護者に的確なアドバイスもしてきました。さらに、子どもたちにとっては小学校を卒業して中学生になっても、ふと立ち寄り、自分の話を聞いてもらえる場所であり、顔見知りの職員はかけがえのない兄貴や姉貴でした。まさに児童館は学校、地域、家庭を結んでくれる存在であり、そこの職員たちは長年にわたり青少年の健全育成に大きく寄与してきました。また、保護者たちも児童館で子育てを共有した職員や仲間とともに悩み、子育てにより自分たちも成長し、かかわった周囲の人たちに感謝し、やがて地域の子育てに積極的にかかわるようになっていきました。まさに子どもと家庭を支える地域づくりを長年にわたって実践してきた児童館、私はこの中野区が誇れる施設がなくなっていくことは残念でなりません。

 かつて中野区は、放課後家に帰れない小学生を学校内の学童クラブという1カ所に長時間とどめておくことは成長過程に問題が生じるおそれがあるとの観点をも考慮して、学校の地域に子どもたちの放課後の居場所である児童館を整備してきたと聞いています。U18プラザの廃止に伴い児童館がなくなれば、小学生が雨の日でも遊べる居場所は学校だけとなってしまいます。子どもたちの成長過程や健全育成についても考慮していらっしゃるのでしょうか。お考えをお聞かせください。

 2007年、区が打ち出した「子どもと家庭を支える地域づくり」の方針どおり、「妊娠期及び乳幼児から18歳までの全年齢の子どもたちを対象とした事業展開を通し、家庭、地域、学校が連携した子供たちの成長に合った自立の支援のための環境づくり」の必要性は今も変わっておりません。

 名前は変わっても、現在の児童館のように異世代が交流でき、継続的に子どもたちを見守り支える人がいて、子どもたちがのびのび遊べる施設をなくさないでいただきたい。私立学校に通い、地元の友達がいない子どもや保護者、また、不登校になり、なかなか学校に通えない子どもでも足を運べる、皆が行くことができる施設を学校以外に残していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 2つ目の質問として、不適切なごみの投棄について通告していたのですけれども、別の機会にさせていただきます。取材に足を運んでくださった理事者の方は申しわけございませんでした。その他はございません。

 これで私の質問は終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 近藤議員の御質問にお答えいたします。

 U18プラザの廃止ということで、さまざまな御見解が示されたところです。U18プラザでは、乳幼児親子の交流促進や相談支援、子どもの年代に応じたさまざまな活動機会の提供や支援、また、地域における活動団体の連携促進や支援などを目指してきましたが、そうした機能について必ずしも十分に果たしていない実情であると、このように考えております。中高生や若者の活動支援については、多様なニーズや興味、関心に応え、魅力ある事業とするため、地域の多様な資源や人材を活用するとともに、若者支援のノウハウを持つNPOなど民間団体の活用が有効と考えており、今後はさまざまな施設等を活用しながら多様な事業の展開を図っていきたいと考えております。

 児童館に関連して、小学生の居場所、あるいは学校外の施設ということでの御質問であります。キッズ・プラザ事業は、学校教育の延長として実施するものではなく、すこやか福祉センターが地域や学校と連携して運営する児童健全育成事業であります。放課後の校庭や体育館を利用することで子どもたちの活動の幅を広げていきたい、このように考えております。キッズ・プラザでは、児童館と同様に、引き続き地域の力、支え手の協力を得ながら世代間の交流や子供の成長に合わせたさまざまなプログラムの工夫など、さらに充実を図ってまいりたいと考えております。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○39番(近藤さえ子) 再質問させていただきます。

 私が長々と申し上げてきて、中高生の居場所をつくると計画でおっしゃってきたけれども、今後はもう中高生の居場所はつくらないということなのでしょうか。それと、小学生の学校の中だけにしてしまうというのは健全育成の観点からどういうふうにお考えかということを、お答えがなかったようですので、もう一度お願いいたします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 具体的に中高生の専用施設といったようなものについて、構想してきたということはないと私は思っております。中学生や若者の活動支援については、多様なニーズや興味、関心に応え、魅力ある事業とするため、さまざまな施設等を活用しながら多様な事業の展開を図っていきたいと、このように思っております。

 キッズ・プラザ事業について、学校教育の延長として実施するものではなく、放課後の校庭や体育館を活用しながら児童館と同様に地域の力、皆様の協力を得ながら世代間の交流や子どもの成長に合わせたさまざまなプログラムの工夫など、さらに充実を図ってまいりたい、このようにお答えをしたところであります。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○39番(近藤さえ子) 再々質問させていただきます。

 9館中高生館をつくるということはずっと計画で言ってきたと思うのですけれども、今、区長はつくらないというようなことをおっしゃっていたんですけれども、そこら辺をもう一度教えてください。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) U18プラザを9館つくるというような構想になっていたということだと思っています。U18プラザを中高生の専用館というふうにはお話をしたことはありません。U18プラザでは乳幼児親子の交流促進や相談支援、子どもの年代に応じた多様な活動機会の提供や支援、地域における活動団体の連携促進支援などを目指してきたということであります。そうした機能について、必ずしも十分に果たせていないような認識から、今回の考え方になりました。

○議長(北原ともあき) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

      午後2時35分休憩

 

      午後3時01分開議

○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 いながき じゅん子

 1 終活支援について

 2 その他

 

○議長(北原ともあき) いながきじゅん子議員。

〔いながきじゅん子議員登壇〕

○29番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。

 日本は現在、世界一の高齢国です。高齢社会の指標として用いられるのは、高齢化率と平均寿命、そして高齢化のスピードですが、日本はどの数字においても世界一となっています。厚生労働省の発表によりますと、老人福祉法が制定された1963年には、100歳以上の高齢者数は日本全国で153人でした。それが2012年には5万人を超え、2035年には34万人まで増加すると推計されています。さらに、2060年には100歳以上の人口は64万人まで増加し、65歳以上の高齢化率も人口の40%まで高まると予測されています。

 超高齢社会は、多くの方が亡くなる多死社会でもあります。戦後の経済発展により私たちの生活は豊かになり、寿命も大幅に伸びてきました。しかし今、誰もが望む形で安らかに最期を迎えられる社会になっているかというと、必ずしもそうとは言えません。そのような時代を反映してか、誰にも必ずやって来る人生の終わりに向けて、身辺の整理や準備を行う「終活」という言葉が知られてくるようになりました。

 近年は、ひとり暮らしで身寄りのない、あるいは親族がいてもさまざまな事情で頼れない、交流がないという高齢世帯が少なくありません。昨年6月から中野区社会福祉協議会の「あんしんサポート事業」が始まりました。これは、ひとり暮らしや身寄りがない高齢者のまさかのときに備えて、ふだんからの見守りも含めてトータルに生活を支える事業とのことで、まさにこれからの時代に求められるサービスであり、今後も充実させていくべきだと考えます。年間1万5,000円の基本サービスのほかに、有料のオプションサービスを組み合わせて利用するというシステムですが、民間の同様のサービスよりも低料金ということで好評を得ているようです。ただ、今のところ利用者は過去に社協のサービスを使ったことがあるという方々ばかりだそうで、社協とあまり御縁のない区民の方にはこの事業があまり知られていない可能性があります。区は、事業の周知等、「あんしんサポート事業」の活用拡大に向けて連携を進めるべきではないでしょうか。

 また、サービスを知っていても、そこまでの金銭的余裕がなく、利用できない方もいるようです。そのような身寄りのない高齢者でも、生活保護受給者の場合はケースワーカーが定期的に面会しており、まさかのときの手続きその他、全て区が責任を持って対応するため、ある意味安心して最期を迎えられます。しかし、生活保護を受けていなくても、区内のひとり暮らしの方誰もが安心して最期を迎えられるようなサポート体制が必要なのではないでしょうか。

 実際、単身者が急死した場合は、区が戸籍をたどって親族を探したり、管財人を立てたりするなど、ケースによってその事務量は膨大なものになると聞いております。また、自宅に現金がない場合、御本人の銀行預金には手をつけられないため、区が諸経費を一時立てかえるか、そのまま支出することになります。超高齢社会において、単身世帯への終活支援の充実は区の負担を抑えることにもつながります。金銭的ゆとりがなく、身寄りがない単身世帯への支援については、横須賀市が昨年開始したエンディングプランサポート事業が参考になると考えますが、いかがでしょうか。

 昔は8割の方が自宅で亡くなっていたのが、今では8割の方が病院で亡くなる時代となりました。しかし政府は昨年、2025年までに最大20万床の病床数を減らし、手厚い医療を必要としていない30万人程度を自宅や介護施設での治療に切りかえるという計画を発表しました。東京の病床数は若干ふえるようですが、急増する高齢者数には到底追いつかず、今後終末期における在宅療養、介護体制の充実が大きな課題となってきます。今年度の診療報酬改定でもかかりつけ医を一層推進し、地域在宅医療を重視する内容となりました。

 近年では、病院ではなく自宅で最期を迎えたいという方も増加傾向にあります。しかし、核家族化や共働き世帯の増加等で、在宅でのみとりは家族の負担が大きいというイメージから、御本人が遠慮して病院や施設での最期を希望することが多いのが現状です。そのような方々の意思を尊重し、家族や近親者が仕事と介護を両立させ、不安なく自宅でのみとりを行うには、家事支援等で在宅介護の負担を軽減する取り組みが必要ではないでしょうか。地域包括ケアシステムの構築にも関係する話だと思いますが、介護保険以外の自治体独自のサービスで在宅療養する患者を支える家族の支援が必要だと考えます。区の見解を求めます。

 冒頭で日本は世界一の高齢国と申し上げましたが、医療については人口当たりの病床数と1人当たりの入院期間、そしてCT、MRTの保有数などが世界一です。病床数や入院日数、CT、MRTによる検査回数が多ければ多いほど医療費は増加します。また、受診回数の多さ、世界的に見て非常に高額な薬剤と、その使用量の多さも日本の特徴であり、それらも医療費を押し上げる要因となっています。高齢化と日本ならではのさまざまな医療事情が組み合わさって医療費は年々増加し、今や50兆円の税収に対して40兆円が医療費という状況です。1965年には現役世代9人に1人で65歳以上の高齢者を支える「胴上げ型」の社会が、2012年には2.4人で1人を支える「騎馬戦型」の社会となりました。今後は現役世代がほぼ1人で1人の高齢者を支える「肩車」社会になると言われています。若年層を中心に非正規雇用がふえて現役世代の所得が伸び悩む中、このまま医療費がふえ続けるとどうなるのか。現在の医療制度を維持し、誰もが本当に必要な医療を安心して受け続けるためには、医療を受ける側もこれまでの意識を変え、みんなでこの問題を考えていく必要があると考えます。

 終活と医療の関係で言えば、回復の見込みがなく、死期が迫ったときのいわゆる終末期医療をどうするかという課題があります。福祉大国として名前が挙がるデンマークやスウェーデンを含む欧米社会では、日本のように高齢で食べられない患者さんに胃ろう等の経管栄養や点滴、人工呼吸器の装着や血液透析をして延命治療を行うことはほとんどないとのことです。また、これらの延命治療には御本人が苦痛を伴うケースも多く、当然のことながらそれなりの公的負担も発生します。

 例えば、そのような延命措置をすることを望まず、緩和ケアのみ行いたいと考えた場合、どのようにすればよいのでしょうか。法的効力はないものの、リビングウィルや事前指示書で意思を表明しておくことは有効です。御本人のかわりに家族が決断を下す際の大きな判断材料にもなります。今後は1人でも多くの区民の方に延命治療の現実やリビングウィルについて知っていただき、御自分はどうしたいのか考えていただくきっかけづくりに自治体として取り組んでいくことが必要なのではないでしょうか。そのツールとして、エンディングノートの配布が有効だと考えます。自分にもしものことがあったときのために伝えておきたいことをまとめるためのエンディングノートについては、まだまだ御存じない方もいらっしゃいますし、知っていても自分でわざわざ購入してまではという方も少なくないと思われます。関係機関の協力を得ながら、内容を絞ったコンパクトなエンディングノートを作成し、高齢者世帯の訪問調査の際に配布したり、活用に関する講座を実施したりするなどして区民の終活に対する意識を高め、行動を起こしていただけるよう働きかけていくことが必要だと考えます。

 以上、区の見解を伺いまして質問を終了いたします。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えをいたします。

 いわゆる終活支援についてということであります。あんしんサポート事業の活用拡大を支援すべきだと、こういった御意見でありました。ひとり暮らしで身寄りのない高齢者にとって、入院時の対応や葬儀、納骨、死亡届け出人といった死後の手続きなどについて、あらかじめ準備をしておくということは、住みなれた地域で暮らし続けていくために大きな意味を持つものと考えております。安心サポート事業は、日常的な見守りから入院時の対応、死後の心配事までセットにした事業で、65歳以上の単身高齢者で頼れる親族が近隣にいない方に対して、中野区社会福祉協議会が平成27年6月から権利擁護事業のメニューの一つとして、基本利用料年1万5,000円で実施をしているわけであります。この事業の重要性、意味の大きさということについては、御質問の中にあったとおりというふうに考えております。中野区社会福祉協議会のこのあんしんサポート事業について、区としても相談の際や、あるいは訪問活動の中などで活用を促していきたい、このように考えております。

 また、本人の意思能力や所得状況など、現行のあんしんサポート事業の枠組みでは利用が困難な対象者も存在をすること、これもあるわけであります。在宅で安心して人生の終末を迎えるための必要なサポート制度について、今後研究し、実現を図ってまいりたいと考えております。

 それから、在宅医療を推進するための御本人、家族への支援ということについてであります。

 在宅療養者の支援につきましては、介護保険の制度内でも介護と看護が連携して24時間定期巡回随時対応のサービスを提供する新しい地域密着型サービスが24年度より始まっており、今後さらに事業所の整備を計画しております。区独自の事業として、在宅で療養している方の状態が悪化した場合に、一時的に入院を受け入れる病床を区内の病院に確保する緊急一時病床確保事業を平成11年から実施してきているところであります。今後さらに病床数の増加を予定しております。

 こうした施策に加え、在宅での療養を支援する医療と介護の多職種が情報を共有し、共同して支援に当たるために、平成24年度から在宅療養にかかわる協議会を立ち上げ、多職種連携のための研修や区民向けの啓発を行ってきました。今後も中野区在宅医療介護連携推進協議会や中野区地域ケア推進会議での検討を踏まえ、在宅療養者とその家族が地域で安心するために必要な施策を検討してまいりたいと考えております。

 エンディングノートの配布についてであります。エンディングノートについては、一般に市販されているものも多くあり、区が直接配布するということは考えておりませんが、終末期や死後の準備を進めるためには、介護や治療に関する意向、葬儀の希望、財産の処分や相続などについて考え方をまとめ、示しておくということが必要であります。こうした準備の大切さについて、またその内容についてわかりやすく機会を捉え、区民に周知、普及を図る取り組みを進めてまいりたい、このように考えております。

○議長(北原ともあき) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 多様な人が参画をしやすく、ものやサービスを利用しやすい環境づくりについて

   (1)ユニバーサルデザイン及びダイバーシティについて

   (2)LGBT・性的マイノリティについて

   (3)障がい者について

   (4)高齢者・認知症対策について

   (5)その他

 2 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○28番(石坂わたる) 質問いたします。

 1、多様な人が参画をするものやサービスを利用しやすい環境づくりについて伺います。

 (1)として、ユニバーサルデザイン及びダイバーシティについて伺います。

 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の(素案)及び(改定素案)において、「グローバル化の進展を踏まえた家庭、学校・職場、地域社会など人権課題(女性、高齢者、外国人、障害者、LGBTほか)に対する理解を深め、共生社会を実現するための啓発活動、事業を推進します」とし、「誰もが生活しやすいまちづくりの推進」を実現するための「ユニバーサルデザインのまちづくり」を挙げています。多くの場合、ユニバーサルデザインとは「障害の有無にかかわらず」という文脈で使われますが、本計画では詳細は後で触れますが、対象とする範囲がより幅広いものとなっています。

 近年、企業ではダイバーシティ経営が進んでいます。このダイバーシティとは、東洋経済オンラインによると「女性、障害者、外国人、そしてLGBT(性的マイノリティ)」などの「多様な人材を活用して企業の競争力を高めようという動き」とされています。

 まさに先日、新聞各社から報道がありましたが、パナソニックが社内ルールを変更し、4月から同性カップルを結婚に相当する関係と認める方針を固め、社員の行動指針も見直し、LGBT=性的少数者を差別しない姿勢を明確化することとなったそうです。

 経済産業省によると、ダイバーシティ経営には、さきに述べた視点に加え、イノベーションの創出効果なども期待されています。同様に中野区のユニバーサルデザインの取り組みは、単なる差別解消や参加の機会の平等ということにとどまらず、中野区の新たな活力の発掘や魅力の発信にもつながると思われます。

 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の改定素案を見ますと、「(仮称)ユニバーサルデザイン推進条例の制定」、「(仮称)ユニバーサルデザイン推進計画の策定」とあります。また、この10か年計画の用語説明では、ユニバーサルデザインの説明として「障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず、多様な人々が利用しやすい都市や生活環境を初めからデザインし、物やサービス提供などに配慮するという考え方をいうとされています。

 まずここで確認いたしますが、ユニバーサルデザイン推進条例や推進計画では障害者、高齢者、女性、人種・外国人、LGBT・性的マイノリティに関する取り組みが含まれているということでよろしいでしょうか。特に、障害者には難病者、高齢者には介護保険の第2号被保険者で加齢に伴う特定の病気を抱えている人、「LGBTほか」にはそれ以外の性的マイノリティが全て包含されていると思ってよろしいでしょうか。さらに、外国人には仕事や観光で訪れる人、留学生や就労ビザを持つ人として一定年数日本に定住する方、そして、特別永住者を含めた日本に生まれ育った外国人や、外国人と日本人との間に生まれたお子さんも含まれると考えてよろしいでしょうか。

 なお、新しい中野をつくる10か年計画(改定素案)にある「多様な人々が利用しやすい都市や生活環境を初めからデザインし、物やサービス提供などに配慮する」ということを実現するために、この条例や計画では行政が一定の責務を果たすとともに、区民や事業者に差別の禁止や合理的配慮を求めることを想定していると考えてよろしいでしょうか。また、所信表明では「ユニバーサルデザインに係る審議会」とありましたが、当事者の声を反映するためにどのようなメンバーを想定されておりますでしょうか。

 その上で、幾つか具体的な対象層について質問をいたします。

 (2)のLGBT・性的マイノリティについて伺います。

 性同一性障害や同性愛者など、性的少数者への差別をなくすための超党派による国会議員連盟、いわゆるLGBT議連は、去る1月、立法検討ワーキングチームを設置しました。具体的には、LGBTの差別解消に関する法整備が進もうとしています。中野区でもSOGI(Sexual Orientation &  Gender Identity)つまり、性的指向及び性自認によるマイノリティである性的マイノリティ・LGBTについて、今年度、区内当事者団体との連携による中野区共催での区民向けのシンポジウムや係長6年目研修が行われました。シンポジウムに参加をされた区民の反応や、シンポジウムや係長6年目研修に参加をされた区の職員の啓発における成果はいかがでしたでしょうか。特に、区の職員に関しては、単なる知識を得るだけでなく、日々の仕事の中で得たものを生かしていくことが必要になると思われます。今後どのような効果を期待されていますでしょうか。

 また、こうした知る機会をふやしていくためにも、啓発の機会や職員研修は継続的に行う必要があると考えますが、いかがお考えでしょうか。今後レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの人やその他の性的マイノリティへの取り組みをしっかりと引き続き進めていただけますよう要望しつつ、次の質問に移ります。

 次に、(3)として障がい者について伺います。

 障害者に関する取り組みについて、この10か年計画の改定素案では障害者の人権についての記載のほか、障害者の日中活動の場の整備が求められていますとの記載があります。公設民営の「たんぽぽ」や「みずいろ」の「放課後デイ」が始まって1年少々が立ちました。また、このほかにも区内に民間の放課後デイサービスができています。放課後デイによって平日から土曜日までを含めた居場所の提供ができるようになり、放課後の余暇活動や集団生活への適応に向けた指導を子どもに対してできるようになりました。それと同時に、共働きの家庭にとっても安心して子供を預けて働く場を得ることができるようになりました。

 なお、障害を持つ場合に、18歳を過ぎれば1人で家で留守番ができるようになる人ばかりではありません。また、就労している人、さらに就労支援施設や生活介護施設へ通所をしている人であっても、両親が働いている時間や通所先が休みとなる土日に居場所が必要となる人も少なくありません。「特別支援学校の高等部を卒業した後、生活介護の施設が15時までで退所時間となってしまうために、母親が働くことができない」、「今は子どもが放課後デイに通えているが、成人後は共働きでいることが難しくなってしまうのではないか」、「現在は月に1~2回のいずみ教室に通っているが、日曜日に居場所としていられる場所が必要」という方もいます。こうした状態に対して、他区の取り組みとしましては、江戸川区では、「障害者支援ハウス」が15時45分から19時のトワイライト事業や土日の受け入れもしているそうです。中野区でも平日の夕方や土日について、成人した障害者の居場所となる場をしっかりと確保していくことが必要と思いますが、いかがお考えでしょうか。

 続きまして、(4)として高齢者・認知症について伺います。

 新しい10か年計画(改定素案)では、「介護や支援が必要な高齢者が自立した生活を続けていくことができるように」との趣旨で、「日中活動系施設の拡充」も進めていくとされています。

 また、桃山学院大学社会学論集に記載された杉原久仁子氏の研究によると、若年性認知症の方は「①介護施設は高齢者ばかりだから、自分たちの世代が行くようなところではない。②介護施設のプログラムが活動的でないので退屈してしまうし自分の居場所がない」などの理由で、介護保険のデイサービスを受ける方向に進みにくい傾向があるとされています。

 また、認知症は精神障害者として精神障害者保健福祉手帳の取得も可能ですが、障害者としての就労継続支援施設の利用についても本人の「障害者と一緒は無理」、家族の「本人は障害者ではない」という意識が大きな壁となります。

 なお、65歳以上の認知症の方の場合でも、長年働いてきた習慣が足かせとなり、リハビリテーション、レクリエーション、趣味、居場所といった内容が中心のデイサービスの利用を嫌がる方もいます。若年性認知症の方や高齢者への支援として、介護予防、生活支援サービス支援事業の通所型サービスの仕組み、こうしたものが今後展開されていくこととなりますけれども、こうした事業の中で、残存能力に合わせて働きたいという思いを満たせつつ、過ごせる居場所を保障していくことも検討してはいかがでしょうか。

 私の質問は以上です。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えいたします。

 ユニバーサルデザインで考えている対象についてであります。誰もが活動しやすいユニバーサルデザインのまちづくりは、超高齢社会、グローバル化の進展等を踏まえ、高齢者、障害者、外国人、LGBTなど、多様な区民や来街者を想定したものであります。今後ユニバーサルデザインに係る審議会を設置し、条例の制定や推進計画の策定を検討する中で、取り組みの内容を具体化していきたいと考えております。

 その中で、区民や事業者に一定の責務を想定しているかというようなことであります。高齢社会やグローバル化の進展を踏まえると、区民のさまざまな特性を理解し、誰もが同様にサービスを受けられるユニバーサルデザインのまちづくりが重要となってきていると考えております。そのためには、行政だけでなく、区民、事業者らの多様な主体による取り組みが必要であると考えております。このような考えを踏まえて、推進計画の策定や条例等を検討してまいりたいと考えております。

 審議会の構成についてであります。ユニバーサルデザインに係る審議会については、関係団体からの推薦や学識経験者を含めた委員構成を想定しております。審議会を進めていくに当たっては、さまざまな方々との意見交換等も検討したいと考えております。

 区民向けのシンポジウム、あるいは係長6年目研修を受けた区の職員の啓発効果などについてであります。区民向けシンポジウムに参加した方は120人、また、その際のアンケート回収率はほぼ100%でありまして、これについては区民の関心度が高く、啓発効果があったと考えております。人権研修を受講した職員、これにつきましては、LGBTなどに関する知識を得ることの必要性、また、多様性に対する共感力の重要性等を認識することができたとの感想が多かったところから、各職場の中でこうしたことが生かされていくものと考えております。今後とも区内のNPO団体との連携を図りながら、LGBT・性的マイノリティに対する区民、職員の理解を深める取り組みを継続的に行っていきたいと考えております。

 成人した障害者の居場所についてという内容の質問であります。平日夕方の居場所として、通所施設で引き続き午後6時まで見守り等を行う障害者通所施設利用者時間外タイムケア事業を、1人につき1カ月4回を限度に、障害者福祉会館など区内4カ所の生活介護施設で実施しております。このほか、必要に応じて移動支援や居宅介護サービスなどを利用することも可能であります。通所終了後の施設における支援につきましては、タイムケア事業の拡充など効果的な事業のあり方を検討してまいります。また、土曜日、日曜日は「精神障害者地域生活支援センターせせらぎ」で精神障害の方を対象に居場所を提供しております。身体、知的障害の方には「障害者自立生活支援センターつむぎ」がその機能を担っておりますが、スペースが必ずしも十分とは言えない状況にあるため、今後の課題として検討してまいりたいと考えております。

 若年性認知症の方の居場所の確保という内容の質問であります。若年性認知症につきましては、就労の継続など、高齢者とは異なる特有の課題があり、本人や家族を支援するための体制が必要であります。若年性認知症や軽度認知症、また、高次脳機能障害の人がみずからの能力を生かしながら活動できる場所を確保することは、全員参加型社会の実現の観点とともに、普通に暮らすことのできる地域づくりとして地域包括ケア体制の構築の中で具体策を検討していきたいと考えております。

〔石坂わたる議員登壇〕

○28番(石坂わたる) 1点だけ再質問いたします。

 区長のほうから全員参加型という形でお答えいただきましたけれども、私の質問の中で例示列挙しました高齢者で介護保険第2号被保険者の方であるとか、障害者の枠に難病患者の方が入るかとか、LGBTほかのところにLGBT以外の性的マイノリティの方も含まれているという理解でいいかどうか、念のため再質問させていただきます。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) ただいま再質問でお話をされたとおりの御理解をいただければと考えております。

○議長(北原ともあき) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 U18プラザの廃止について

 2 子育て支援活動の活性化について

 3 児童養護施設について

 4 学校再編後の跡地・跡施設利用について

 5 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

○18番(小宮山たかし) ただいまから、小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。通告した質問のうち、子育て支援についてはまた別の機会にさせていただきます。

 まず、U18の廃止について、他の議員の質問にもありましたので、簡潔に伺います。

 U18の廃止は、乳幼児・小学生・中高生を分断するものであり、区の掲げる切れ目のない子育て支援に逆行するものであります。中野区は、児童館やU18をスクラップして新たに地域の子育て支援活動を支援していくスクラップ・アンド・ビルドの考え方を公表しました。けれども、今、区内で誰がどんな子育て支援活動をしているのかという基本情報でさえ中野区はまともに把握をしておりません。また、子育て支援活動をサポートする制度もまだまだ不十分であります。今の計画のままでは、単なるスクラップだけが残ってしまうのではないかということを私は危惧しております。児童館及びU18の廃止計画の撤回と見直しを求めますが、いかがでしょうか。

 つい先日のことですが、世田谷区で児童養護施設を退所後のいわゆる18の春の自立支援策として、進学児童に対する給付型の奨学金制度の創設が発表されました。中野区としても世田谷区を参考にして、児童養護施設を退所して進学する児童に対する給付型の奨学金制度を創設されてはいかがでしょうか。

 次に、学校跡地利用について伺います。今後の学校再編に伴い、区内各地で廃校となる小中学校が出てきます。学校は商店街や町会や児童館、U18と並ぶ地域コミュニティの核であり、その跡地利用については地域住民の誰もが関心を寄せております。区内における学校跡地利用の先行事例として、タイケン学園が経営するマンガ・アートコートが挙げられます。タイケン学園との1年2,400万円の賃貸借契約はことしの9月半ばに切れ、その後はURが中野駅西口地区再開発のための種地としてあの土地を活用することが既に決定しております。

 これまでの4年半、タイケン学園及びマンガ・アートコートは、マンガやイラストや音楽の専門教育機関として少なからぬ卒業生を世に送り出してまいりました。また、年に一度だけではありますが、にぎわいフェスタにおいては一大イベント会場として学校ぐるみで地域との交流をしていたほか、在学生が観光協会のボランティアに参加したり、地域のお祭りに参加したりということもあったようです。これまで4年半の成果を検証し、今後の新たな学校跡地利用の参考にできればと考えまして、マンガ・アートコートについて幾つか調べてまいりました。

 まずは、マンガ・アートコートのホームページにアクセスをしてみたのですが、去年の更新履歴はたったの7回でありました。また、地域との連携という特設ページを見ますと、平成25年から全く更新がされておらず、地域との交流をしているのか、いないのか、ホームページを見た範囲ではどうもわかりませんでした。

 マンガ・アートコート内では、「フォトギャラリーモモゾノ」という写真ギャラリーが運営されています。このギャラリーは、運営者4人の個展をはじめ、そのほかの展示もやっていきますということが、ギャラリーの運営方針として示されております。これを文字どおり受けとめると、たった4人の写真家の個展開催を主目的としたギャラリーであるかのように受け取られかねません。私も日本で何本かの指に入る写真の新人賞を受賞したことのある写真家です。ですから、そのギャラリーを借りるためには一体どうしたらいいのかネット上で調べてみたのですが、結局わかりませんでした。たまたまそのギャラリーで展示をしていた運営者の専門学校の教え子という女性にこのギャラリーを幾らで借りたのか聞いてみたところ、「先生からお気持ち程度で貸していただきました」という返事でした。どうも公共性の全くのない4人の写真家とその仲間たちによるプライベートなギャラリーとしてそのギャラリーは運営されているような印象を受けました。ホームページを見ると、立派なことも書いてあるんです。「写真をはじめ、新しい芸術表現を目指す若手アーティストの育成・支援」とか「中野という立地を生かした企画や地域とのつながりにも積極的にアプローチし、若手写真家の交流の場としての役割も担う」とか、そういう触れ込みはとてもすばらしいのですが、実際にやっていることは仲間内だけでのギャラリー運営ですから、どうも本当にこれでよかったのかという印象を私はぬぐうことができませんでした。

 あと、マンガ・アートコートのホームページには載っていないのですが、現地に行ってみますと、プラネットフーズという食品会社が存在しておりまして、一つの教室を使用しております。私は現地に2回足を運んで2回とも留守だったんですけれども、調べたところによりますと、その会社は「新食材の普及、新レシピの開発を行い、食材不足を文化芸術的に解決する」食文化の発信をするという触れ込みであそこに入っているそうなんです。しかし、インターネットでその会社を検索しても情報は出てきませんでした。そして、事務局の話によると、地域との交流とかは特別持っていないということでした。アートともサブカルチャーとも関係が薄く、そして区民との交流も持っていないような会社にあのスペースを貸し出すことによって、中野区に一体どんなメリットがあったのかという疑問も私はぬぐい去ることができませんでした。

 さらに、あそこには「ももっこルーム」という地域交流スペースがありまして、本来であれば区民が自由に使える空間なのですが、私の周辺でそのスペースの存在を知っていた区民は一人もいませんでした。現地に行ってみると、机と椅子がとりあえず置いてありますが、それ以外は何もなく、窓は一つもない、何とも居心地の悪い、落選した候補者の選挙事務所のような印象の空間でありました。何とも殺風景な空間でございました。

 中野区の公式ホームページで「ももっこルーム」は1件もヒットせず、ネット全体で検索してみると、コスプレイベントの休憩所として何度か使われていたことがわかりましたが、それが果たして地域交流スペースとして正しい使われ方なのかどうか、区民にどれだけ周知されていたのか、周知のための努力を一体どれだけしてきたのかということが、残り半年で今さらなんですけれども、私は思いました。

 マンガ・アートコートでは、マンガ、フィギュアやアニメやイラストなどの専門的な講座はフルタイムとパートタイムとを問わず、確かにいろいろと展開されていたのですが、地域の住民や一般区民向けの講座はほとんどなく、区が施設を提供したことで、一体何が中野区及び中野区民に還元されたのかということがやはり見えにくくなっています。中野区として、タイケン学園に旧桃丘小学校跡地を賃貸借したことで、当初見込んでいたとおりの効果をあげられたと胸を張って言えるのかどうか、区や地域コミュニティにとって本当にメリットのある、無くなるには惜しいような施設であったと言えるのかどうか、これまでのマンガ・アートコート運営に対する評価を伺います。

 そして、今後の廃校の有効活用に当たっては、マンガ・アートコートの事例をよく検証し、反省すべきところは反省もし、さらに他区の廃校利用も参考にするべきでしょう。かつて中野区にあったおもちゃ美術館は、今では新宿区の廃小学校にあり、年間13万人もの来場者がいるそうです。これが中野区にあったらなということは本当に悔やまれます。

 世田谷区では、デザイン・建築・映像・食・アート・ファッションなどのクリエーターに教室を開放した「ものづくり学校」を廃中学校に開き、新しい産業の活性化、創業支援などを目的にした活動を行っています。また、ワークショップのイベントなどを随時開催し、新たなコミュニティづくりや地域の活性化を目指していますとのことです。

 千代田区にある3331アーツ千代田も廃中学校につくられた施設で、アートギャラリー、オフィス、カフェなどが入居し、ワークショップや講演会といった文化的活動の拠点として利用されています。また、無料で利用できるフリースペースも充実しており、近隣にお勤めの方々やベビーカーを押すお母さんたちでにぎわい、夕方には宿題をする子どもたちの姿も見られますとのことです。

 中野区としては、マンガ・アートコートのよかったところ、悪かったところの反省を踏まえた上で学校跡地利用を考え、例えば市民活動団体やNPOの交流拠点をつくって小中学校なき後の地域コミュニティの拠点を確保したり、中野らしい文化や芸術、例えば音楽や演劇やダンスやマンガやサブカルチャーやスケボーや写真など、若者を中心とする文化芸術及びスポーツの拠点をつくるといったことを、民間活力を導入しつつ、検討・活用されてはいかがでしょうか。

 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小宮山議員の御質問にお答えをいたします。児童館やU18プラザの廃止計画についての御質問です。

 U18プラザでは、乳幼児親子の交流促進や相談支援、子どもの年代に応じた多様な活動機会の提供や支援、地域における活動団体の連携促進や支援などを目指してきましたが、そうした機能については必ずしも十分に果たせていない実情であると考えております。こうした実態を踏まえ、今後のあり方について検討を行ったものであり、多様化、複雑化する子どもや子育ての課題に対してさらなる対応の充実を図っていくためには、U18プラザという形にこだわることなく、新たな展開が必要であると考えたものであります。U18プラザの廃止についての考え方や今後の展開などについて地域や関係団体などと意見交換を行い、その結果を踏まえて案としてまとめていきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、児童養護施設退所後の進学等支援という御質問の中で、奨学金制度を創設してはどうかといった御質問でございます。

 児童養護施設等を退所し、就職や進学する者の安定した生活基盤を築き、円滑な自立を実現するため、国は平成27年度補正予算で家賃相当額や生活費の貸し付けを行うなどの支援を開始したところでございます。奨学金につきましては、日本学生支援機構等による各種奨学金があるため、区として奨学金制度をつくることは考えてございません。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 学校再編後の跡地・跡施設活用についての御質問のうち、中野マンガ・アートコート運営の評価についてお答えをいたします。

 桃丘小学校の跡地活用については、文化・芸術の持つ想像力を牽引力にしてまちの活性化をはかっていくことを目的とし、特に演劇、ダンス、お笑い、マンガ、アニメ、音楽活動など、若い世代の表現活動者や団体が育つ場として活用していくことといたしました。これを受け、中野マンガ・アートコートでは、特にアニメ、イラスト、フィギュアスクール、ミュージックスクール、マンガスクール等の教室事業が行われており、若手人材、若手クリエーターの育成が行われているところでございます。地域コミュニティ活動の連携につきましても、これまで中野にぎわいフェスタにおけるサブカルチャーに関する実演や講座の開催など、一定の効果のある活動を行っているところでございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは学校跡地の活用についてお答えいたします。

 学校跡地につきましては、区全体として必要とされる機能や地域の価値向上につながる機能に活用していくこととしまして、広く活用方法を検討し、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の改定素案において活用の方向性を示したところでございます。改定素案で方向性を示した施設整備以外にも、10か年計画を進めていく上で必要となる施設整備や民間活力の誘導等につきましては、将来需要の変化を踏まえつつ検討していく考えでございます。

○議長(北原ともあき) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 渡 辺 たけし

 1 生活保護制度の適正化について

 2 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、渡辺たけし議員。

〔渡辺たけし議員登壇〕

○7番(渡辺たけし) 維新の党に離党届を提出した渡辺たけしです。質問は通告どおりです。その他の項目はございません。

 まず、生活保護制度の適正化について質問いたします。

 昨年の第2回、第3回定例会で、私は「生活保護ホットラインの設置」を提案いたしました。田中区長からは、「一部で生活保護の停止や廃止に至るなど、取り組みの効果が認められる自治体があった。今後は区としてもそれぞれの自治体の違いや地域事情なども含め検討していきたい」との答弁をいただきました。私はその後、「生活保護の闇を暴く」という見出しで区議会レポートを作成し、元旦の新聞折り込みに入れたところ、大変大きな反響がありました。ツイッター上では1,700以上リツイートされ、区内で行われた各種新年会の中でもさまざまな意見が寄せられました。

 多くの納税者より「記事の内容に共感した」「言いづらいことをよく言ってくれた」と激励を多数いただきました。一方で、ネガティブな意見としては、「新年早々不愉快な記事だ」「生活保護の闇を暴く前にお前の闇を暴いてやる」など感情的なものや意味不明なもの、脅迫と思われるものもありました。生活保護制度に対する納税者の問題意識の高さと制度を悪用している関係者と思われる人たちの強い抵抗を改めて実感することができました。

 そのような中、大分県の別府市ではパチンコ店の見回りを行い、生活保護費をギャンブルに使わないよう指導、強化しているニュースが各新聞の記事となり、大きな話題となりました。別府市では、生活保護にかかる予算が総予算の2割以上を占め、全国的にも生活保護受給率が高い自治体です。20年以上前からケースワーカーがパチンコ店への見回りを行い、パチンコをしている生活保護者を見つけた場合、注意、指導を行い、それでもパチンコ店へ通い続ける受給者へは生活保護費の減額、停止などを行う措置をとっていたというものです。この記事は、生活保護受給者に保障された「健康で文化的な生活」の中にギャンブルが入るかどうかという議論が含まれており、さまざまな意見が飛び交っております。ちなみに私は、税金をギャンブルに投入する行為には反対の立場であり、パチンコ店への見回り行為は今後中野区でも検討すべきと考えております。

 ただ、これまで私が提案してきた「生活保護ホットライン」設置の目的は、生活保護の使途を制限することではなく、あくまで不正受給の防止であり、生活保護制度を適正に運用していくための仕組みを区民の力を借りて新たに構築してはいかがだろうかということです。

 生活保護制度を利用して利益を得ているケースはさまざまありますが、例えば「貧困からの脱却を支援する」とうたいながら、そういった求人広告を見て面接に訪れた生活困窮者や路上生活者らを入居者として集め、6畳一間に3段ベッドが二つあるような部屋に押し込め、生活保護を申請させ、受給させた生活保護費をほぼ全額没収して貧困状況を継続させ、利益を得ていくビジネスモデル、いわゆる「貧困ビジネス」も制度を悪用している例として大きな社会問題となっております。

 また、生活保護の受給を受けながら、ケースワーカーが訪問しない夜の時間にアルバイトをして、そのことを福祉事務所に申告せず、生活保護費を受給しながら収入を得ている不正受給者が毎年一定数見つかっております。

 一方、2011年度の統計で「栄養失調」「栄養欠乏」「食糧の不足」が理由で死に至る、いわゆる「餓死」が原因で亡くなった人たちが全国で2,053人、東京都では295人出ているというデータもあります。生活保護制度を必要としている人々が餓死する一方で、不正受給や貧困ビジネスで不等な利益を得ている「既得権者」が堂々と存在しています。生活保護制度が大きくクローズアップされている昨今、生活保護制度を本当に必要としている人が周囲から攻撃されることはあってはならないことです。一部の人間が不正を犯すことで全体が非難される。これはあらゆる場面でよく見られる光景ですが、生きるか死ぬかの瀬戸際で最後の頼みの綱である生活保護制度の信頼性を維持していくことは喫緊の課題ではないでしょうか。

 本来、生活保護制度の信頼性を維持していく役目を担うのはケースワーカーの仕事となりますが、残念ながら全国的に人員不足の状態であり、中野区も例外ではありません。社会福祉法によると、ケースワーカー1人当たり80世帯の生活保護世帯を受け持つことが標準的と規定されていますが、中野区ではいまだかつてこの数字を満たしたことがないと聞いております。ケースワーカーの皆さんは、限られた人員で精いっぱい仕事をされていることと思いますが、少ない人数できめ細やかな対応をしていくには限界があるのではないでしょうか。

 そこで伺います。行政として今後ふえ続けていくことが予測される生活保護者をサポートするケースワーカーの人材を増員していくことは考えているのでしょうか。区の見解を伺います。

 現在の生活保護受給者の大半は、60歳以上の高齢者世代です。年金を支払わないまま年齢を重ねてきた方々は、仕事を失った瞬間、貯金や財産がなければ生きていくことができません。もっとも、国民年金だけで生活することすら困難です。超高齢社会を迎えた今日、国が社会保障制度を抜本的に変えない以上、生活保護受給者の増加は明らかですし、生活保護制度の信頼性を高めるための施策を自治体レベルで取り組んでいくことは必要不可欠ではないでしょうか。

 私は、今まで生活保護に関する専用ダイヤルを設けている全ての自治体に対して取材を行いました。導入に至った背景を尋ねると、ほぼ全ての自治体の回答は、首長の主導で導入が決定しております。各自治体とも予算が限られ、ケースワーカーが不足している状況で、生活保護制度の信頼性を維持し、適正化を図りたいとの考えから、「生活保護に関する情報を広く取り寄せるためのホットライン」を導入し、成果を出しているのです。ホットラインの仕組みは、それほど難しくはありません。ホットライン専用の電話を置き、区民からの情報を受ける窓口を設置するだけです。高額なコストもかかりません。この質問は今回で3回目となります。区長からは前回質問した際、「検討していきたい」という答弁をいただいたわけですが、十分検討する時間があったと思われます。生活保護に関する情報窓口を設置するのか、しないのか、改めて区の見解を伺います。

 今回、ケースワーカーの人員をふやす予定はない、ホットラインの設置もしないと行政側で特に動きがないような回答をされるのであれば、私が中野区民から広く情報を集めるため、私自身が持っている電話番号で独自にホットラインを開設し、生活保護制度の適正化を図ることを考えております。いつまでも先延ばししても現状は変わりません。少しでも中野区内の生活保護制度の適正化に貢献できるのであれば、私が各所管部署の窓口となって、中野区民の皆様からお寄せいただいた情報を共有して制度の適正化に尽力していくことを宣言しまして、私の一般質問を終了いたします。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 渡辺議員の御質問にお答えいたします。

 ケースワーカーの増員について、平成28年1月末時点の生活保護世帯数は6,622世帯で、一部業務委託を導入している高齢世帯を除きますと、地区担当員の担当世帯数は95.5世帯となっております。やはりかなり多い数字と言えると思います。

 経済、就労環境の好転などから、生活保護世帯数の増加には一定の歯どめがかかってきてはおりますが、高齢世帯を中心に増加が継続する、この傾向であろうというふうに見込んでいるところです。区といたしましては、今後の世帯数の推移を注視しながら地区担当員の担当世帯数をできるだけ標準世帯数に近づけるよう、取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 生活保護ホットラインの設置についてということであります。区は、課税情報や年金情報等の照会による所得情報の把握などを基本に、不正受給の未然防止に取り組んでいるところであります。一方、いわゆる生活保護ホットラインを導入した一部の自治体では、生活保護の停止や廃止に至るなど、一定の効果はあったというふうに認識をしているところでございます。

 また、真に保護が必要なのに受けていないようなケース、こうしたケースを掘り起こすといったような意味での効果も考えられるというふうに思っております。こうしたことを踏まえ、都内で行うとした場合の区民の反応などを見きわめる必要もあり、今後、他自治体での成果や動向なども参考に、当区においてどのような形で導入できるか、さらに検討してまいりたいと考えております。

〔渡辺たけし議員登壇〕

○7番(渡辺たけし) 再質問させていただきます。

 本当にこの場で発言しているとおり、実行はするつもりでおりますので、今回さらなる検討ということであれば、私自身がとりあえずは電話番号を持って区民の皆様にお伝えしていくというふうに考えておりますので、区長もそういったことで、私がやっていくということでよろしいでしょうか。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 議員として、あるいは個人としての活動に対して私が何か意見を差し挟むというような立場ではないということだと認識をしております。しかし、事が事柄だけに、十分に、慎重にお考えになったほうがよろしいかと思っております。

○議長(北原ともあき) 以上で渡辺たけし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 内 野 大三郎

 1 区内防犯カメラの増設について

 2 統合後に廃校となる小・中学校の跡地利用について

 3 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、内野大三郎議員。

〔内野大三郎議員登壇〕

○8番(内野大三郎) 平成28年第1回定例会に当たり、日本の文化と伝統を守る無所属議員の立場として、一般質問をさせていただきます。質問通告にあるとおり、1、区内防犯カメラの増設について、2、統合後の小学校跡地利用についてで、その他の項目はございません。既に先輩議員が質問されている質問なので、簡潔にお尋ねいたします。

 区内防犯カメラの増設について。

 昨年8月に発生した中野区弥生町三丁目のマンション内で25歳の女性劇団員が殺害された事件の犯人がいまだに捕まっていません。事件直前に赴任をされた中野警察所長が、区内南部エリアの防犯カメラの設置台数が少ないことに驚いていました。一方、同時期に発生した大阪府寝屋川市の中学1年生の男女殺害事件は、わずか1週間ほどで犯人が検挙されました。当時、マスコミでは、防犯カメラが決定的だったとの報道を繰り返して流していたのが印象に残っています。

 中野区内の空き巣被害、いわゆる侵入窃盗犯の発生件数では、平成22年の統計と比べ、平成26年では半減しているようですが、隣接する杉並区と同程度です。杉並区は、中野区の2倍以上の面積があり、山田宏前区長時代に相当数の防犯カメラの設置により、侵入窃盗犯を激減させています。中野区内では、既に平成20年度から東京都と中野区の助成事業を利用して商店街、町会、防災会などで自主的に防犯カメラを設置しているところが多数あります。この助成事業が始まる以前に設置されたものを含め、その設置箇所やカメラの性能についての把握をされているのでしょうか。既にカメラを設置してある箇所を把握した上で、設置台数の少ない地域については区が直接設置し、防犯カメラの「空白地帯」ができるだけ小さくなるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、統合後の小中学校跡地利用について。

 中野区内の小学校は、学校再編計画により、現在の25校から平成32年には20校になることが決まっています。少子化の流れが加速しているとはいえ、母校を失う子どもたちの気持ちを考えると、もっと前から抜本的な改革をすることができなかったのか、じくじたる思いが残ります。現在のスケジュールが順当にいくと、統合後に廃校となる学校が5校生じることになります。先行して既に廃校となっている学校の跡地利用については、例えば桃丘小学校は専門学校へ賃貸され、その後、URへの売却となります。また、東中野小学校は区民活動センターとマンションなどへと形を変えて土地活用される予定になっています。用地は民間に売却することにより、一時的な歳入を得られたとしても、学校用地は非常に貴重な区の資産、区民の財産であると認識しています。そこで、廃校とした学校を解体するだけでなく、売却するだけでなく、校舎と体育館、これはプール施設も含めて分筆するなどして、地域の健康増進施設として耐用年数ぎりぎりまで使い続けることを検討してもらえないでしょうか。

 中野体育館も老朽化で建てかえをする計画のようですが、タイムスケジュールを見ると、1年程度体育館を利用できない期間が生じることがわかっています。その期間の穴埋めにならないかもしれませんが、せめて地域の健康増進施設が残ってくれることは地域の皆様の願いではないでしょうか。御検討をお願いいたします。

 以上で私の質問を終了します。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 内野議員の御質問にお答えをいたします。区内防犯カメラ設置箇所の把握についてということであります。

 区の補助制度を活用した防犯カメラの設置箇所については、把握をしております。補助制度開始前に設置された防犯カメラについては承知をしていない、そういう状況となっております。

 また、区の補助を活用して設置している場合でも、防犯カメラの選定そのものは設置団体が行うことでありまして、カメラの性能までは把握ができていないというような状況であります。

 この区の補助を活用して設置された防犯カメラ、250台近くあるわけですが、こうしたカメラの配置場所、設置場所については把握をしているところですが、区は通学路の安全対策の一環として、今年度と来年度の2年間で全ての区立小学校の通学路において防犯カメラを設置することとしております。通学路は安全確保の必要性が高い場所であり、これによって区内のかなりの範囲をカバーして防犯カメラが設置される状況になると理解をしております。

 このように防犯カメラの増設が図られてはおりますが、区内で空白ゾーンが全て解消されるというところまでは至っていないというふうに思います。地域の防犯カメラについては、引き続きその有用性や補助制度の周知を行い、町会・自治会等による設置の促進をさらに図っていきたいと考えております。

 防犯カメラの補助制度は、地域の主体的な防犯活動に対する支援の一つとして実施しており、地域がみずから防犯カメラを設置することによって地域住民の安全に対する意識が向上するということも考えておりまして、現段階においては区が直接設置するということについては、通学路以外では考えておりません。

 それから、統合後に廃校となる小中学校の跡地利用について、体育館をスポーツ施設として活用することはできないか、こういったことでありました。学校跡地については、区全体として必要とされる機能や地域の価値向上につながる機能に活用していくこととして、新しい中野をつくる10か年計画の改定素案において活用の方向性を示してきているところであります。超高齢社会の到来によって少しでも健康寿命を伸ばしていくことがこれからの社会の活力の維持には欠かせないということから、継続的に身体活動やスポーツを楽しむ場と機会を提供する4カ所のスポーツ・コミュニティプラザを整備して、地域スポーツクラブを中心とした地域におけるスポーツ振興と健康づくりに力を入れていく考えであります。こうした中においては、旧沼袋小学校の跡地、ここをスポーツ・コミュニティプラザとして整備するといったようなことも考えているところであります。他の学校跡地については、前段で申し上げたとおり、10か年計画で活用の方向性を示した、この内容に沿って活用していければと考えております。

〔内野大三郎議員登壇〕

○8番(内野大三郎) 既に設置してある箇所が助成制度を使って250台程度あると。そして、新たに中野区が独自に設置することはないとおっしゃいましたけれども、今後中野区や東京都の助成制度を利用したカメラの設置については意欲的というふうに御理解してもよろしいでしょうか。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 防犯カメラの有用性について認識をしているところであるということについては申し上げたとおりであります。今後ともこの有用性や補助制度の周知を行って、町会・自治会等による設置の促進をさらに図っていきたいと、このように考えています。

○議長(北原ともあき) 以上で内野大三郎議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 細 野 かよこ

 1 子どもの育ちを支援するしくみについて

  (1)「冒険遊び場」について

  (2)子どもの参加のしくみについて

 2 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、細野かよこ議員。

〔細野かよこ議員登壇〕

○17番(細野かよこ) 市民自治を広げる中野・生活者ネットワークの一員として、子どもの育ちを支援する仕組みについて質問いたします。

 厚生労働省の調査では、児童虐待相談件数は2014年には9万件に迫り、児童虐待防止法施行前の99年に比べ、7.6倍に増加しています。また、子どもの貧困に対する社会的な関心が高まっており、今、子どもが生きる環境として大変厳しい状況にあります。こうした中で、子どもの育ちへの支援にはさまざまありますが、今回は遊び場と子どもの参加の仕組みに絞って質問します。

 初めに、遊び場について伺います。

 子どもの育ちには、遊びに割ける時間、のびのびと過ごせる空間、一緒に遊ぶ仲間、この三つの「間」が必要だと言われています。日本公園緑地協会は、現代では時間は塾や習い事にとられ、空き地や路地など好奇心を刺激する空間はなくなり、同級生としか遊ばないなど、子どもたちにどれもが足りていないと指摘しています。中でも、外遊びの経験が減っていることは以前から問題視されてきています。当区では、1992年からの中野区長期計画や99年のなかの子どもプランで冒険遊び場の整備が計画されていました。ここで冒険遊び場について少し説明をさせていただきます。

 冒険遊び場、いわゆるプレーパークは「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに、禁止事項を極力少なくした屋外の遊び場で、1943年にデンマークで始まりました。日本では、1979年、子どもの遊びについて実態調査を行った世田谷区の親たちが、屋外よりも屋内で遊ぶことが多い結果に驚き、冒険遊び場「羽根木プレーパーク」をつくったのが始まりでした。次世代育成支援東京都行動計画では、外遊びの環境づくりとして、練馬区・光が丘公園のプレーパークが紹介されています。当区の計画にあった冒険遊び場ですが、2005年の新しい中野をつくる10か年計画で目的が廃止され、整備されないまま現在に至っています。

 そこで伺います。92年から2000年にかけて区の計画にあった冒険遊び場の整備が実現しなかった理由は何でしょうか。

 子どもの発育にとって、外遊びは欠かせないものです。創造性を豊かにし、仲間と遊ぶことで社会性を身につけ、体力、運動能力を高め、自然と触れ合う中で感受性を育み、危険回避能力を発達させます。泥んこ遊びや秘密基地づくり、子どもにとってわくわくする外遊びの必要性を否定する大人はいないでしょう。

 二つ目の質問です。校庭やグラウンドなどの利用制限の多い場所ではなく、子どもたちが自主的に創意工夫を凝らしながら自由にさまざまな遊びが展開される遊び場の確保が必要だと考えますが、区のお考えを伺います。

 冒険遊び場を全国に広める活動をしている日本冒険遊び場づくり協会によれば、冒険遊び場は現在、全国で約400の実践があり、活動場所の多くが公園です。運営形態は行政との協働で実施しているところが8割近くを占めており、その中には指定管理や委託などもあります。23区では世田谷区はもとより、豊島区、練馬区、新宿区、杉並区にあります。冒険遊び場は、場所と人と遊び道具があれば実施できます。遊び道具を積んだプレーカーによる出張型の冒険遊び場もあります。プレーリーダーと呼ばれる大人が子どもの興味や関心を引く遊び場づくりに取り組み、学校の先生や親とは違う立場で子どもにかかわり、子どもを見守ります。

 冒険遊び場づくり協会の調査では、活動頻度では週5日以上開園の常設型は1割程度しかなく、多くは週1回から2回の非常設型がほとんどです。常設が少ない最大の理由は、プレーリーダーの人件費不足と人材の確保が難しいことが挙げられています。当区においても、2004年に住民のボランティア団体が冒険遊び場を立ち上げています。現在、唯一上高田台公園で月4回行われており、年間約600人の子どもが参加していますが、人件費や人材の確保の課題を抱えています。

 この項、最後の質問で2点伺います。上高田台公園で行われている外遊びの事業を継続、充実させるためには、子どもの生活圏にこのような場をふやしていくことが望ましいと考えますが、区のお考えを伺います。また、地域での子育ちを支援するために講習会などを行い、地域で活動する人材の育成を進める必要があると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 続きまして、子どもの参加の仕組みについて伺います。

 今から20年前の1996年、区は、中野区子ども白書を発行しています。白書構想開始の時期は、94年に日本政府が子どもの権利条約を批准したころと重なっており、白書の「はじめに」では、「子どもの権利条約の精神がこれからの子どもたちの生活全般にわたって新しい局面を切り開くことになるのではないかと考え、子どもの権利や社会参加に視点を当てた白書とすることにした」と書かれており、20年も前に白書をつくられたことに敬意を表するものです。

 この中野区子ども白書には、全体を通して「はじめに」に書かれている精神が貫かれており、子どもを社会を構成する一員として捉え、地域のパートナーと位置付けています。当時としては先駆的な取り組みである子どもたちが公園のプランづくりに参加するワークショップや、子どもの意見表明の機会としてハイティーンフォーラムなどを開催し、このハイティーンフォーラムが今もハイティーン会議として引き継がれています。

 この項一つ目の質問です。中野区子ども白書は、当時どのような狙いでつくられたのか伺います。当区には、白書発行翌年の97年に制定された中野区教育行政における区民参加に関する条例があり、第4条で「権利の主体としての子どもの参加と意見表明の機会が保障されるよう配慮されなければならない」と明記されています。しかし、せっかくの条例も認識されていなければ絵に描いた餅ではないでしょうか。

 子どもの育ち支援条例を持つ兵庫県尼崎市では、「小学4、5、6年生用」、「中学生以上用」の条例を紹介するパンフレットが市のホームページにアップされています。小学4年生になると、全員にこのパンフレットが配布されると聞いています。

 そこで二つ目の質問です。参加と意見表明が保障されていることを、まずは子ども自身が知るための学びの機会が必要だと考えますが、区のお考えを伺います。

 杉並区では、基本構想の策定時に子どもに作文や絵を描いてもらい、「こんなまちに暮らしたい」という意見を表明する機会をつくって構想に反映したり、善福寺公園の水路で遊びたいと言う子どもからの提案を受けとめ、現在、子どもも参加するワークショップで水路の基本設計がつくられていると聞いています。このように、子どもが参加と達成感を実感する経験が将来区民の一員であるという責任の自覚につながるものと考えます。

 最後の質問です。参加ができる、意見が言えるだけでなく、子どもが区政に自分の意見が生かされたと実感を持てる仕組みづくりが重要だと考えますが、区のお考えを伺います。当区が子ども白書をつくってから20年がたち、子どもが置かれている育ちの環境がなお一層厳しいものになっている今、再び白書をつくる時期に来ているのではないかと考えます。意見として申し上げ、私の質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 細野議員の御質問にお答えいたします。

 冒険遊び場の整備について、平成11年には区の財政状況が著しく悪化をしていたため、新たな計画については見直す方向で検討が始まり、平成13年度の中野区行財政5カ年計画において、冒険遊び場の計画についても廃止をすることといたしました。

 冒険遊び場の予定地については、暫定開放をしてきたところですが、平成17年度の新しい中野をつくる10か年計画において、子どものための福祉施設として活用することとなり、その目的が廃止されたというものであります。

 それから、子どもの遊び場についてであります。キッズ・プラザは小学校の校庭や体育館を活用して子どもたちにさまざまな活動を提供しております。今後子どもたちが自主性を発揮して取り組む活動など、プログラムを充実させていきたいと考えております。

 上高田台公園での外遊び事業についてであります。上高田台公園では、区が委託する放課後子ども教室として区民団体に外遊び事業を実施していただいております。区では、今後も多くの団体に働きかけ、放課後子ども教室事業の質的、量的充実を図ってまいりたいと考えております。

 地域での子育てを支援するための人材育成について。地域の子育てや育成活動を支えるために地域の育成活動の課題を共有し、解決を図っていく中で新たな活動の担い手が生まれてくるものと思っております。すこやか福祉センターでは、こうした人材の発掘や育成のために講習の機会の提供やコーディネートに取り組んでまいりたいと考えております。

 子ども白書についてであります。中野区子ども白書は平成8年に作成したものでありまして、その当時の少子化や核家族化などの社会状況の中で子どもたちの状況を分析し、実態を把握すること等を主な目的としたものであります。

 子どもの参加と意見についてであります。区では、区内中高生に広く参加を呼びかけ、ハイティーン会議を実施しております。このハイティーン会議では、中高生が日ごろ感じていることなどからテーマを選び、ワークショップや取材活動を通じてみずからの意見をまとめ、区民に発表するという取り組みを実施しているところであります。また、区長が区内の小中学校を訪問し、児童・生徒との対話集会を行っているほか、教育長及び教育委員も同様に小中学校を訪問して対話集会を行い、施策にも生かしているところであります。こうした取り組みを通して、参加した子どもたち一人ひとりがさまざまな社会参加や自分の意見を述べる大切さを理解し、社会の一員として主体的にかかわろうとする意識を醸成する機会としているところであります。

○議長(北村ともあき) 以上で細野かよこ議員の質問は終わります。

 以上をもって一般質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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第1号議案 平成27年度中野区一般会計補正予算

第2号議案 平成27年度中野区用地特別会計補正予算

第3号議案 平成27年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算

第4号議案 平成27年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算

第5号議案 平成27年度中野区介護保険特別会計補正予算

第23号議案 教師用指導書及び指導用教材の買入れについて

  (委員会報告)

 

○議長(北原ともあき) 日程第1、第1号議案から第5号議案まで及び第23号議案の計6件を一括議題に供します。

 

平成28年(2016年)2月17日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 若林 しげお

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

1

平成27年度中野区一般会計補正予算

217

2

平成27年度中野区用地特別会計補正予算

217

3

平成27年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算

217

4

平成27年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算

217

5

平成27年度中野区介護保険特別会計補正予算

217

23

教師用指導書及び指導用教材の買入れについて

217

 

○議長(北原ともあき) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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第11号議案 中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

第13号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例

  (委員長報告)

 

○議長(北原ともあき) 日程第2、第11号議案及び第13号議案の計2件を一括議題に供します。

 

平成28年(2016年)2月17日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 若林 しげお

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

11

中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例

217

13

中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例

217

 

○議長(北原ともあき) 総務委員会の審査の報告を求めます。若林しげお総務委員長。

〔若林しげお総務委員長登壇〕

○総務委員長(若林しげお) ただいま議題に供されました第11号議案、中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例及び第13号議案、中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例に関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。

 第11号議案、中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例は、議員報酬月額及び期末手当の額の引き上げを行うとともに、平成28年3月に支給する期末手当について特例措置を定めるものです。この条例の施行時期は、平成28年3月1日です。

 第13号議案、中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例は、区長、副区長及び教育長の給料月額及び期末手当の額の引き上げを行うとともに、平成28年3月に支給する期末手当について特例措置を定めるものです。この条例の施行時期は、平成28年3月1日です。

 なお、区議会議員の議員報酬及び額並びに区長、副区長及び教育長の給料の額につきましては、平成27年10月5日に特別職報酬等審議会に諮問し、同年12月17日に答申を受け、答申どおりの措置を講ずることが適当であると判断し、提案されたものです。この答申の内容は、区議会議員の議員報酬並びに区長及び副区長の給料については一般職と同様に増額すべきであり、教育長については旧教育委員長の報酬のうち、職務加算分を加算した上で一般職員と同様に増額すべきであり、常勤の監査委員の給料については据え置きとするべきであるというものでした。

 第11号議案及び第13号議案は、2月17日の本会議において当委員会に付託され、同日、委員会を開会し、審査を行いました。審査の進め方としては、2議案を一括して議題に供した後、理事者から補足説明を受け、その後、質疑を行いました。その主な質疑応答の内容を紹介します。

 初めに、特別職報酬等審議会において議論となったポイントはとの質疑があり、社会経済状況や中野区の財政状況等を踏まえ審議を行った。区の経常収支比率は改善してきており、一般職員については人事委員会から引き上げの勧告があったため、その内容を反映させていくのが適当とのことであったとの答弁がありました。

 次に、人事委員会勧告で引き下げがあった際、必ずしも一致していなかったことがあったと思うが、どうかとの質疑があり、特別職報酬等審議会の答申を経た上ではあるが、必ずしも連動していないとの答弁がありました。

 以上が主な質疑応答の内容です。

 その後、委員会を休憩して2議案の取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。

 次に、意見の開陳を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結しました。

 次に、討論を求めたところ、1名の委員が第11号議案及び第13号議案に反対する立場から、中野区特別職報酬等審議会の役割は大きく、制度として諮問・答申を受けるのは妥当だと考える。しかし今回の答申の中で、社会経済情勢、中野区の状況、特別区人事委員会勧告、中野区と他の特別区との報酬・給料等の比較の4点について検討を行っているが、認識が違う。今般の経済情勢で言えば、実質賃金は4年間下がり続けており、区民生活は大変厳しいものがある。その中で、区長をはじめとした特別職の報酬引き上げは認めがたい。また、引き上げ幅も大きく、区民の理解を得ることは難しい。よって、本議案には反対であるとの討論を行いました。

 さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。

 そして、初めに第11号議案について挙手による採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決しました。

 次に、第13号議案について挙手により採決を行ったところ、賛成多数で可決すべきものと決しました。

 以上で第11号議案及び第13号議案に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。

○議長(北原ともあき) ただいまの報告について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより議案ごとに起立により採決いたします。

 初めに、第11号議案について採決いたします。

 上程中の第11号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(北原ともあき) 起立多数。よって、上程中の第11号議案は可決するに決しました。

 次に、第13号議案について採決いたします。

 上程中の第13号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(北原ともあき) 起立多数。よって、上程中の第13号議案は可決するに決しました。

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第6号議案 平成28年度中野区一般会計予算

第7号議案 平成28年度中野区用地特別会計予算

第8号議案 平成28年度中野区国民健康保険事業特別会計予算

第9号議案 平成28年度中野区後期高齢者医療特別会計予算

第10号議案 平成28年度中野区介護保険特別会計予算

 

○議長(北原ともあき) 日程第3、第6号議案から第10号議案までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました平成28年度各会計予算に係る第6号議案から第10号議案までの5議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 初めに、第6号議案、平成28年度中野区一般会計予算について説明いたします。

 第1条は歳入歳出予算です。歳入歳出予算の総額は1,283億1,200万円で、前年度に比べ44億2,600万円、3.3%の減となりました。これは主に新しい区役所用地など用地取得の終了による投資的経費の減少と、用地売却収入の皆減による基金への積み立てが減少となったことによるものです。平成28年度は、新たな中野区基本構想と第3次となる新しい中野をつくる10か年計画のスタートの年です。区が直面する課題への対応とともに、10年後の将来像の実現に向けた取り組みとして、「未来への扉をひらく8つの戦略」に基づいた予算としました。また、未来を担う子どもを支えるためのさまざまな施策について広く対応したものとしています。こうした施策の展開を支えるために、基金の確実な積み立てと適切な繰り入れなど、中野区の財政運営の基本方針にのっとり、将来を見据えた財政運営にも努めています。

 それでは、まず歳入予算から説明いたします。

 特別区税は、納税義務者数や課税対象所得の伸びを見込み、前年度に比べ、金額で1億400万円余の増、率で0.3%増の317億4,700万円余を計上しました。

 特別区交付金は、その財源である固定資産税が伸びる一方、市町村民税法人分については平成26年度の税制改正による法人住民税の一部国税化の影響が平年度化されることから減収となり、23区全体の交付金の総額はわずかな増加にとどまると見込まれています。中野区においては、都市計画事業に係る交付金算定額が減少することから、前年度と同額の350億円を計上しました。

 地方消費税交付金や利子割交付金、その他の交付金は、国や都の予算及び今年度の実績などを勘案し、総額で85億8,500万円を計上しました。前年度に比べ、金額で7億9,000万円、率で10.1%増となっています。

 このうち、地方消費税交付金は景気の動向から5億円の増加を見込みました。平成26年度からの地方消費税引き上げ分の増収は、一般財源として、医療、介護、子ども・子育て等の社会保障施策に要する経費に充てています。

 分担金及び負担金は、認可保育所の入園者数が増加することなどから13.1%増の13億7,800万円余を計上しました。

 使用料及び手数料は、道路占用料や廃棄物処理手数料など、0.2%の増の20億3,700万円余を計上しました。

 国庫支出金は、大規模な公園整備のための補助金が減少しますが、年金生活者等支援臨時福祉給付金の補助金、子ども・子育て支援給付の負担金などが増加することなどから、1.3%増の233億4,700万円余を計上しました。

 都支出金は、子ども・子育て支援給付の負担金や中野駅周辺まちづくりの補助金が増加するものの、大規模な公園整備のための補助金や国勢調査の委託金が減少することなどから、4.6%減の79億800万円余を計上しました。

 財産収入は、前年度と比較し、区有地の売却がないため、91.5%減の2億4,600万円余を計上しました。

 寄付金は、99.4%減の40万円を計上しました。

 繰入金は、投資的事業に関連する減債基金や義務教育施設整備基金、道路・公園整備基金、まちづくり基金からの繰り入れをふやしました。また、財政調整基金は、新しい区役所用地などの取得が皆減となったことなどから、繰入額が減少しています。繰入金総額では20.3%増の135億8,100万円余を計上しました。

 繰越金は、前年度と同額の4億円を計上しました。

 諸収入は、計画的に行っている土地開発公社が保有する中野駅北口広場整備事業用地の引き取りの規模が減少することに伴い、同公社からの貸付返還金が減少することなどから、43.7%減の14億3,400万円余を計上しました。

 特別区債は、南中野区民活動センター等整備やもみじ山文化センター大規模改修など合計6件、59.3%減の26億4,400万円を計上しました。

 続いて、歳出予算の説明をいたします。

 まず、議会費ですが、地方議会議員共済会給付費負担金の負担割合が変更になったことなどから、6.3%減の8億7,800万円余となりました。

 経営費は、情報セキュリティマネジメントシステムの認証取得や施設改修・保全工事に係る経費などが増加したものの、新しい区役所用地の取得費や国勢調査に係る経費の皆減などにより、29.5%減の72億7,000万円余となりました。

 都市政策推進費は、中野駅周辺、西武新宿線沿線のまちづくり事業や連続立体交差事業などのまちの活力を高める取り組みの推進に加え、地域商業の活性化や都市の魅力創出を進めるため、商店街多言語化対応支援、多言語による哲学堂周辺観光ガイドの作成にも新たに取り組むことから、42.6%増の50億7,700万円余となりました。

 地域支えあい推進費は、自治活動・公益活動を推進するための南中野区民活動センター及び東中野区民活動センターの整備やその他の区民活動センター・高齢者会館の改修を計画的に行う一方、南部すこやか福祉センターとスポーツ・コミュニティプラザ等との複合施設の整備工事の終了により、14.2%減の56億2,400万円余となりました。

 区民サービス管理費は、国民健康保険事業特別会計等への繰出金が伸びたほか、社会保障・税番号制度への対応、情報システムのセキュリティ向上、来庁者の利便性を高める取り組みを充実させたことなどにより、2.5%増の167億3,900万円余となりました。

 子ども教育費は、平成27年度からスタートした子ども・子育て支援新制度の取り組みを拡充したほか、子ども総合相談窓口の充実など子育て支援の推進、さらに区立学校再編に伴う統合新校改修工事や学校施設の計画的な改修など教育環境の向上を図ったことにより、12.6%増の291億2,700万円余となりました。

 健康福祉費は、(仮称)中野五丁目障害者多機能型通所施設の整備に係る用地の取得が終了したものの、年金生活者等支援臨時福祉給付金への対応、もみじ山文化センター大規模改修や(仮称)南部スポーツ・コミュニティプラザを開設することから、7.1%増の321億6,200万円余となりました。

 環境費は、清掃事務所車庫の施設整備や事業系廃棄物収集届出制度の運用を開始するものの、清掃事務所車庫移転用地の取得が終了となったほか、東京23区清掃一部事務組合への分担金などの減少があり、16.5%減の55億3,100万円余となりました。

 都市基盤費は、地域の防災性の向上を図るため、第六中学校跡地周辺道路の整備を行うほか、哲学堂公園学習展示施設の新設及び管理事務所の移設に向けた基本設計に着手するなどの新たな取り組みがあるものの、(仮称)弥生町六丁目公園用地取得費の皆減や(仮称)南部防災公園及び(仮称)本町五丁目公園整備が完了したことなどから、43.1%減の79億7,400万円余となりました。

 公債費は、特別区債の満期一括償還に伴う元金償還分が増加したため、42.9%減の82億6,900万円余となりました。

 諸支出金は、前年度あった用地売却収入の基金への積み立てがないため、24.2%減の95億5,700万円余となりました。

 予備費は、前年度と同額の1億円を計上しました。

 以上の歳出予算を性質別に見ますと、義務的経費は652億7,400万円余となり、前年度より33億3,300万円余、5.4%の増となりました。これは、義務的経費のうち、人件費が国勢調査員の報酬が皆減となったことや、職員の年齢構成の若返りなどから1.1%の減となったものの、公債費が29.3%の増、扶助費が保育や障害者への給付費などが増加したことにより、4.8%の増となったためです。

 投資的経費は、南中野区民活動センターや東中野区民活動センターなどの区民施設の整備事業や道路や橋梁の更新などインフラ更新を進めていく一方、新しい区役所用地や清掃事務所車庫の移転用地の取得が終了したことや、(仮称)弥生町六丁目公園用地の取得が皆減したことなどから、35.4%減の142億3,500万円余となりました。

 その他の経費につきましては、社会保障・税番号制度への対応や民間保育施設に対する補助、業務委託の拡充など民間活力の活用拡大などに取り組むものの、積立金の減少があり、0.1%増の488億200万円余となりました。

 以上が、第1条、歳入歳出予算の説明となります。

 次に、第2条は、債務負担行為について定めるものです。これは、中野区土地開発公社の借入金に対する債務保証や東中野区民活動センター整備工事など、翌年度にわたる債務の負担について、その期間及び限度額を定めたものです。14件の事業について新規に債務負担行為を設定しました。

 第3条の特別区債は、起債の目的、発行限度額などを定めるもので、総額26億4,400万円を計上しました。

 第4条の一時借入金は、その最高額を100億円としました。

 第5条の歳出予算の流用は、職員の人件費に過不足が生じた場合、同一款内の各項間で流用することを御承認いただくものです。

 以上が第6号議案、平成28年度中野区一般会計予算の概要です。

 続きまして、第7号議案、平成28年度中野区用地特別会計予算について説明いたします。

 第1条の歳入歳出予算の総額は18億9,900万円で、前年度に比べ、金額で54億8,900万円の減、率で74.3%の減となりました。これまで先行取得してきた公園用地などの一般会計への引き渡しがないため、前年度と比べて大幅な減となっています。歳出は、公共用地先行取得債の元利償還金として、公債費1億4,300万円余を計上するとともに、用地費は、平和の森公園拡張用地先行取得のため、17億5,500万円余を計上しました。歳入につきましては、一般会計からの繰入金1億4,400万円、公共用地先行取得債17億5,500万円を計上しました。

 第2条の特別区債は、起債の目的、発行限度額などを定めるもので、限度額を17億5,500万円としました。

 次に、第8号議案、平成28年度中野区国民健康保険事業特別会計予算について説明いたします。

 第1条の歳入歳出予算の総額は405億3,700万円で、前年度に比べ、金額で3億9,900万円の増、率で1.0%の増となりました。歳出のうち国保運営費は隔年で実施する被保険者証の一斉更新がないため、1.7%減の7億7,600万円余、国保給付費は高額療養費の増加を見込み、0.5%増の219億1,700万円余、後期高齢者医療制度の財源の一部として拠出する後期高齢者支援金は前年度とほぼ同額の49億2,600万円余、介護納付金は3.0%減の19億4,800万円余を計上したほか、共同事業拠出金は3.7%増の104億6,100万円余となりました。歳入のうち、国民健康保険料は前年度とほぼ同額の91億4,700万円余を見込みました。国庫支出金及び都支出金は、基盤安定制度の影響により減少となり、それぞれ76億4,900万円余、21億1,900万円余となりました。前期高齢者交付金は0.5%減の41億6,800万円余を計上しました。療養給付費等交付金は退職被保険者の減少に伴い、26.7%減の4億8,200万円余を見込みました。共同事業交付金は3.7%増の104億6,000万円余を計上しました。一般会計からの繰入金は4.2%増の64億4,500万円となりました。

 第2条は債務負担行為について定めるものです。国民健康保険料督促状・催告書等の作成・発送委託など3件について、その期間及び限度額を定めるものです。

 第3条の一時借入金は、その最高額を10億円としました。

 次に、第9号議案、平成28年度中野区後期高齢者医療特別会計予算について説明いたします。

 第1条の歳入歳出予算の総額は65億5,600万円で、前年度に比べ、金額で300万円増とほぼ同額を計上しております。歳出のうち、広域連合納付金は0.1%減の64億4,800万円余、保険給付費は10.2%増の9,400万円余を計上しました。いずれも東京都後期高齢者医療広域連合の推計に基づくものです。歳入のうち、後期高齢者医療保険料は0.4%減の35億1,800万円余、一般会計からの繰入金は0.2%増の29億2,900万円余を計上しました。

 次に、第10号議案、平成28年度中野区介護保険特別会計予算について説明いたします。

 第1条の歳入歳出予算の総額は217億1,300万円で、前年度に比べ、金額で3億9,700万円の減、率で1.8%の減となりました。歳出のうち、制度運営費は社会保障・税番号制度に対応するためのシステム改修経費などが減少することから、2.7%減の6億9,600万円余、保険給付費は利用者負担割合の制度改正の影響により2.6%減の203億7,500万円余、地域支援事業費は1.3%増の3億9,700万円余を計上しました。また、基金積立金は介護保険料剰余金などの積み立てを見込み、2億2,600万円余を計上しました。歳入のうち、介護保険料は被保険者数の伸びを見込み、0.8%増の47億4,300万円余、国庫支出金、支払基金交付金及び都支出金はそれぞれ歳出見合いで減額を見込みました。また、一般会計からの繰入金は保険給付費に伴う繰入金を6,700万円余減額するなど、総額では2.3%減の33億7,600万円余を計上しました。

 以上、5議案につきましてよろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の第6号議案から第10号議案までの計5件は、議員全員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決します。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後4時49分散会

会議録署名員 議 長 北原 ともあき

       議 員 ひやま 隆

       議 員 酒井 たくや