平成14年09月24日中野区議会本会議(第3回定例会)
平成14年09月24日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録

1.平成14年(2002年)9月24日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(42名)

  1番  吉  原     宏         2番  伊  藤  正  信

  3番  きたごう  秀  文        4番  高  倉  良  生

  5番  やながわ  妙  子       6番  鈴  木  光  子

  7番  佐  伯  利  昭        8番  平  島  好  人

  9番  むとう   有  子       10番  長  沢  和  彦

 11番  牛  崎  のり子        12番  山  崎  芳  夫

 13番  高  橋  ちあき        14番  市  川  みのる

 15番  岡  本  いさお        16番  こしみず  敏  明

 17番  飯  島  きんいち       18番  小  串  まさのり

 19番  はっとり  幸  子       20番  佐  藤  ひろこ

 21番  来  住  和  行       22番  樋  口  きこう

 23番  若  林  ふくぞう       24番  古  木  謙市郎

 25番    欠    員          26番  斉  藤  金  造

 27番  斉  藤  高  輝       28番  大  泉  正  勝

29番  柿  沼  秀  光       30番  木  村  勝  昭

31番  細  野  たいじ        32番  岩  永  しほ子

33番  昆     まさ子         34番  小  池  ひろし

36番  伊  藤  岩  男       37番  西  村  孝  雄

38番  江  口  済三郎        39番  藤  本  やすたみ

40番  川  上     進        41番  近  藤  正  二

42番  江  田     徹        43番  池  田  一  雄

44番  小  沢  哲  雄

1.欠席議員(1名)

 35番  岩  田  みつる

1.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      収  入  役  藤 原 惠 一

 教  育  長  沼 口 昌 弘       政策経営部長   渡 辺 征 夫

 企 画 課 長  金 野   晃       総 務 部 長  山 岸 隆 一

 総 務 課 長  田 辺 裕 子      区 民 部 長  鈴 木 勝 明

 地域センター部長 柳 澤 一 平     環 境 部 長  西 條 十喜和

 保健福祉部長   石 神 正 義     保健担当部長   青 山 キヨミ

 都市整備部長   石 井 正 行     土木担当部長   那須井 幸 一

 教育委員会事務局次長 山 下 清 超

本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  正 木 洋 介     事務局次長  佐 藤 栄 時

 書     記  大 谷 良 二      書     記  大 石 紀 久

 書     記  巣 山 和 孝      書     記  永 田 純 一

 書     記  長 崎 武 史      書     記  松 原 弘 宜

 書     記  西 田   健      書     記  岩 浅 英 樹

 書     記  飯 田 浩 一      書     記  佐 藤 雅 俊

 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 

 議事日程(平成14年(2002年)9月24日午前11時開議)

日程第1 

認定第1号 平成13年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

認定第2号 平成13年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

認定第3号 平成13年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

認定第4号 平成13年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について

認定第5号 平成13年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

日程第2 

議員提出議案第16号 税制上の軽減措置等「ヒートアイランド対策」の推進を求める意見書

 

     午前11時01分開議

○議長(斉藤金造) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 9月20日の会議に引き続き一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 斉 藤 高 輝

 1 区民と区長の対話集会について

 2 ヒートアイランド対策について

 3 中野駅構内のエレベーターの設置について

 4 図書館サービスについて

 5 児童・生徒の薬物乱用防止について

 6 生活習慣病について

 7 その他

 

○議長(斉藤金造) 最初に、斉藤高輝議員。

     〔斉藤高輝議員登壇〕

○27番(斉藤高輝) 2002年(平成14年)第3回定例会に、公明党議員団の一員として、当面する区政の問題や施策の進め方など質問させていただくにあたり、区長並びに理事者の希望あふれる建設的な答弁をよろしくお願いいたします。

 さて、7月23日から15回の予定でスタートした区民と区長との対話集会も9月8日で第6回を終えました。まだ途中ですが、区としても初めて実施された対話集会です。区長の率直な感想をお聞きしたいと思います。

 また、その中から何点か質問させていただきます。

 まず、区長のあいさつの中で、「新たな支え合いの地域社会をつくるために幅広い区民の力を生かしていきたい。そのため自主団体やNPOなど区民による公益活動やボランティア活動を地域の中で生かし、支援します。そのため、自主団体の活動を支援するための新たな条例も制定したいと考えます」と言われております。

 そこで質問させていただきますが、自主団体やNPOの支援条例とはどんなものをお考えでしょうか。また、地域ではさまざまな自主団体やNPOが立ち上がっております。長く維持するためには経済的にも余裕が必要です。財政が厳しい状況にある中野区ですが、行政として経済的支援はお考えでしょうか。

 また、長らく中野区政を支えてきてくださった町会や住区協議会に対し、新たな支援をお考えでしたらお知らせください。

 次に、(仮称)上野原スポーツ・学習施設について伺います。

 区長は対話集会で、「施設建設計画を見直す中で、上野原スポーツ・学習施設は廃止し、用地は売却する」とおっしゃいました。是非のある中、売却という判断を下しました。かつて、この土地を取得するときは紆余曲折、多大な労苦の末購入いたしました。例えば、建設予定地域は風致地区に指定されており、民間のデベロッパーが宅地の造成など開発行為を行う場合、知事の許可を得なければならず、許可に当たっても制約がかかり苦労したようであります。用地の価格は取得時点に比べると大幅に下落しており、その上、土地の取得時には測量、取得事務委託、プロポーザルなどに要した経費の金額が投資されております。その上、上水道整備の負担金と上野原町との協定による鶴島地区の水源開発に1億円余りを負担しなければならないと言われております。協定の問題も含め、どのように対処されるおつもりなのか、お答えください。

 また、売りたくても売れない旧館山健康学園の二の舞にならないかと大変心配をしております。旧館山健康学園も含め、今後、売却のためにどのような手だてをお考えなのか、お知らせください。

 また、区長は、上野原の町長に計画の中止と用地売却についてどのように説明されたのでしょうか。

 また、区は、上野原に対し今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、お答えください。

 次に、区財政と施設数について質問をいたします。

 区長は区民との対話で、「中野の人件費や経常収支率が高いのは施設の数が多過ぎるのも一因である。施設が多ければ維持費用も人件費もかかる。これからは規模を小さくしながら、社会状況に合った新しいサービスを確保することが必要である」と述べております。

 今月上旬に配付された「中野区施設白書」(案)によれば、施設数282、用途別では福祉施設115、教育施設69、住宅44、庁舎等32となっております。また、今後20年間の改修経費の決算総額667億円となっております。現在ある施設は多くの区民に利用され、地域福祉に大きな貢献をしていることは御承知のとおりであります。今後、施設の数を減らすとすれば、施設利用者に対する十分な説明をしていかなくてはならない。まさに区長の言う説明責任が問われると思います。

 そこで何点か伺います。

 第1点は、中野区の財政規模、面積、人口、他区の状況等からして、どのぐらいの施設数が妥当と考えているのか伺います。

 第2点は、仮に施設数を減らす場合、どのような基準で減らすのか。

 第3点は、減らしていく施設の新たな利用方法はどのようなものなのか。また、減少した施設の補完措置についてどのように考えているのか。

 第4点は、これからの中野区に見合った施設数と職員数の最終値はどのようなものとなり、何年ぐらいの期間で達成するつもりなのか伺います。

 この項の質問は終わります。

 次に、江古田の森の整備について伺います。

 いよいよ中野区として整備に向けた助走の最終段階に入ってきたと感じています。これまで公明党議員団として昭和61年第4回定例会一般質問で飯島議員が取り上げて以来、地元のこしみず議員が何度も何度も議会で質問し、また公明党議員団として、この江古田の森を高齢社会に対応した中野区民の安心の拠点として整備するべきだとして一貫して主張してきました。

 モデルケースを求めて、議員団で栃木県の宇都宮病院の視察もしました。その成果は、「安心センター構想案」として予算要望、議会での提案に生かしてきたところであります。その意味で感慨深いものがあります。「安心センター構想」を受けて、区は江古田の森整備方針として打ち出したと理解しています。それが大事な詰めに入ったこともあり、何点か質問させていただきます。

 まず伺います。厚生労働省との交渉も最終段階に入ったところであると思いますが、事務レベルの折衝はいつごろ決着を見るのでしょうか。お答えいただける範囲で結構ですから、御答弁をいただきいたと思います。

 次に、大事な点ですが、田中区長も最後の場面では、御自身で厚生労働省に出向いて延伸の了解を取りつける考えなのでしょうか、区長の見解をお尋ねします。

 次に、整備方針案はいつ、どのようにして方針になるのでしょうか。タイムスケジュールと手法について伺います。特に議会とのかかわりではどのようになるのか伺います。

 整備施設については、特に障害者団体の方々からの意見もあるようですが、私は、中野区としての障害者施策の全体像が見えないことが不安の原因になっていると思います。入所更生施設の機能は中間施設としてグループホーム等、地域での生活をバックアップするための機能を有しているものとして中野区では検討されているようですが、私は同時に、バックアップを受けているグループホームを設置されなければ、ネットワークとしての地域障害者施策は見えてこないと思います。

 そこで、障害者計画の策定が求められているのですから、その中でグループホームの地域設置の計画を明確にするとともに、江古田の森に整備する予定の入所更生施設整備の時期と同時に、モデルケースとしてのグループホームを地域で整備することも明確にしてはいかがでしょうか。中野区としての障害者福祉施策の全体像を明らかにして障害者団体の関係者の方々の不安を取り除くべきだと申し上げ、この項の質問は終わります。

 次に、公立小・中学校の教室冷房化について伺います。

 この質問は、我が党の高倉議員からも取り上げられました。私からも区長にお伺いをいたします。

 区長はことしの夏、1日でもクーラーのない生活を過ごした日がありましたでしょうか。近年、中野区の夏は地球の温暖化に伴う異常気象で猛暑、猛暑の毎日でありました。それに拍車をかけるようにヒートアイランド現象が重なり、暑くて暑くて、まるで灼熱地獄のようでありました。今やクーラーのない暮らしは考えられないほどです。一昔前までは冷房がなかった地下鉄も、今は快適に乗っていられます。区長の自動車だって当然エアコンがついていることと思います。毎日続く熱帯夜は、クーラーなしではつらく、風情ある言葉の一つに「夕涼み」という言葉がありますが、今や中野区では死語と化しているほどであります。

 そんな中、先日、文部科学大臣より、今後10年間で公立小・中・高校の普通教室約30万室に空調設備を導入する「教室冷房化計画」を来年度から実施することが決まり、発表されました。このことは私も以前、娘たちが小・中学校に在学中、教室に冷房をつけてあげたいと思っておりました。しかし、十数年も前のことですので、最近ほど暑さは厳しくなく、窓をあけると時折涼しい風がすうっと通ったものでありました。今では熱風が通っていくのでしょう。その後、娘たちも大きくなったので、身近に苦情を聞かぬまま過ぎてしまいました。

 ところが、この計画を知り、本当に生徒たちに申しわけない思いでいっぱいになりました。今や家庭、職場、乗り物、私学までが当たり前のように冷房が完備されている時代です。しかし、取り残されたように公立小・中・高校だけが冷房が完備されていなかったのであります。中野区としてもいろいろと厳しい状況があろうかと思いますが、将来の日本を支える大事な人材たちが快適な環境で勉学に励めるよう、早速、来年の夏より区立の小・中学校の全普通教室等に冷房を完備してあげたいと思っております。必ずや全校実現をさせてください。切にお願いをしたいと思います。

 また、この暑さで子どもたちが保健室を利用していると思いますが、その実態調査を行ったのかどうか、あわせてお伺いいたします。

 次に、中野区の職員に対する人材育成計画について伺います。

 現在、不況が続く中、経済が悪化し、国民は我慢も限界です。その上、外務省の職員の実態などが表面化されるなど、民衆は公務員のモラルのなさや態度の悪さに厳しい目を向けております。

 中野区においても例外ではなく、私も今まで区民よりたくさんの苦情を聞かされました。そんな中、「最近は電話を受ける職員が自分の名前を名乗り、受け答えも親切になってきた」といううれしい話を聞きました。世間では当たり前のことですが、こんな小さなことでも役所のイメージが変わるのであります。

 そこで伺います。

 平成9年11月、自治省より「地方自治新時代に対応した地方公共団体の行政改革推進のための指針の策定について」の通達があったと思います。その中で、「人材育成の推進」という項目の中に、職員の能力開発を効果的に推進するため、人材育成の目的、方策等を明確にした人材育成に関する基本方針を策定することとあります。

 幾つか他区で作成された「人材育成計画書」を見せていただいたこともありますが、我が区のものは見た覚えがありません。もし推進中でしたら、他区におくれをとった理由をお聞かせください。また、取り組んでいないようでしたら、中野区の職員全員が誇りと自覚を持ち生き生きと仕事ができ、その姿が区民に反映し好印象を与えられるよう早急に取り組んでいただきたいと思います。

 次に、区長には既に本文の写しをお渡ししましたが、中央大学教授佐々木信夫著の『自治体政策入門』の中に、「自治体の部長職を重役と同じ扱いにし任期制を導入すべき」との提案があります。その一部をちょっと読ませていただきます。

 「部長職について任期制、給与等の査定制度を導入すると仕事に対する責任感、緊張感がより高まり、実績を上げなければ評価が下がるから大過なく指揮の行動はとれなくなる。単なる守りだけの行動様式では再任されないから、積極的に職務改善に取り組むことになる。こうすることで人事面における組織内の競争原理も働くようになる。その特別職は副知事、助役、出納長、収入役のようにポスト指定ではなく、部長という役付(格)のポスト指定に止め、例えば4年の任期中に二つ程度のポストを務めるようにする。例えば福祉部長から総務部長、市民部長から企画部長、企画部長から財務部長といったぐあいで、この4年間で実績を上げれば再任される。逆に成果を上げることができなければ、たとえそれが60歳定年前であっても勧奨退職の対象となり、組織から去ることになる。これは議会の承認人事というより議会への報告人事でよい。というのも、彼らはあくまでも首長の政策スタッフとして期待されいてるポストだからである。大学教授に任期制を、自治体の部長職にも任期制を導入することは、より公共性の高いポストとしての認識を社会に広める意味でプラスである。自治体プロとしての最高幹部は、他から招くことも含め、今や社会的競争の中で任命されるべき特別職のポストと考えたい。」

 この中に書いてありますように、「役所のぬるま湯的な体質を改善するため、部長職を民間の重役と同じ扱いにし任期制を導入せよ」とか、「実績を上げれば再任される、逆に成果を上げることができない場合は組織から去ることになる」とありますが、これに対して区長の御感想をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、ヒートアイランド対策について伺います。

 南アフリカのヨハネスブルグで開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議」、いわゆる環境開発サミットは、10年前の地球環境サミットで掲げられた地球環境の課題への取り組みを検証、具体的な解決への道筋をつけるものとなったとの評価が一般的であります。特に存在感を示したのはNGOで、その提案による「持続可能な開発のための教育の10年」を日本政府が採用、「世界実施文書」に盛り込まれた。今後、自治体レベルでの環境問題の取り組みはますます優先度の高い政策分野になると考えられますが、まず区長の認識を伺います。

 基本構想改定に取り組むとしているが、中野区の将来構想の中でも、健康で快適、そして安全な都市生活を持続することが可能な都市環境整備、環境問題への取り組みは改定の中で取り上げられるべき優先度の高い課題と考えられますが、いかがでしょうか。

 今年の夏は酷暑と言われるぐらい暑い日が続きましたが、特に都市部でのヒートアイランド現象は大気汚染や局地的集中豪雨などの原因の一つとされるなど、その対策が注目されております。ヒートアイランド現象で今年の東京の熱帯夜は1971年から2000年の平年値の2倍になっております。地球温暖化問題と同時に、局地的な都市部のヒートアイランド現象が重要課題になっています。最近、我が党の神崎代表も、ヒートアイランド対策として注目される屋上緑化の現地を視察しましたが、その際、15年度の国の予算の概算要求にヒートアイランド対策に関連した要求を盛り込むよう取り組むことを表明し、2,800万円余りが盛り込まれました。環境省の平成15年度重点施策にもなっているわけであります。

 昨年4月、東京都は、いわゆる「自然保護条例」を改正して、公共施設だけでなく民間施設も敷地面積1,000平方メートル以上で、ビル管理施設の設置面積を除いた屋上部分の20%以上を緑化の対象として緑化計画書の届け出を義務化して、容積率の割り増しとともに罰則規定も設けました。国にあっては、同年の5月に「都市緑地保全法」を改正して、新たに緑地施設整備計画認定制度を創設、認定した計画については固定資産税の軽減などの支援を行って、既成市街地のヒートアイランド現象の緩和と良好な自然環境の創出を推進しようとしているわけであります。

 そこで伺いますが、中野区にあっても屋上緑化の推進などヒートアイランド対策に取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 区市町村の取り組みについても、屋上緑化への住民の取り組みを支援する制度を創設している自治体がふえております。先ごろ、飯島、こしみず両議員が視察に行った豊島区を初め、中央区、北区、板橋区、渋谷区、仙台市、岡崎市、金沢市、東京都公園協会、神戸市公園緑化協会などが助成制度を、墨田区、世田谷区、目黒区などは「地方公共団体施策住宅特別加算制度」を活用して住宅金融公庫割り増し措置を適用するなどしております。当区の建設委員会が視察予定の大阪市は200万円を限度に、公道に面した民間建物の緑化に対する植栽費の半額を融資し、さらに屋上緑化容積ボーナス制度として建物の屋上の緑化面積に応じて容積率を割り増しております。

 豊島区の場合は、1平方メートルからを対象に、限度40万円、実は接道部緑化事業との財源のバランスで実施しております。中野区の場合も緑化の総合的な取り組みの中で屋上緑化助成制度を創設することは可能ではないでしょうか。

 特に指摘しておきたいのは、これらの助成制度の対象は、ほとんどの場合、規模の小さい既設住宅だということであります。東京都の緑化計画書提出事業や、各自治体の緑化指導は新築の場合ですが、屋根面積の大部分が既設住宅であります。ヒートアイランド対策としての屋上緑化推進を言うと、既設の住宅への実施の困難性を云々する向きもありますが、市区町村の助成制度は既設の住宅を対象としております。その意味で、緑化指導と補完的で政策的な整合性もあり、ぜひ制度化を図るべきではないでしょうか。見解を伺います。

 区の施設についても可能な限り、新設施設以外にも屋上緑化やヒートアイランド対策に取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。最近では太陽光線中の赤外線を反射する塗料が注目されてきております。費用的にも、副次的な効果も期待できるということですが、さまざまな手法でヒートアイランド対策に自治体として率先して取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。

 関連しまして、今月の3日、平和の森公園の第2期開園地域の供用が開始され、豊かな緑に包まれた環境がふえることは喜ばしいことですが、あの芝生の広場に立ってあたりを見ると、南側にある東京都の下水道施設の何とも無機質な建物だけが目に入ります。「まず隗より始めよ」の譬えもあるとおり、区の施設から屋上緑化などを推進すべきと提案しましたが、都に対して下水道施設の屋上・壁面緑化などの対応として働きかけてはどうか、要望いたします。

 以上で、この項の質問は終わります。

 次に、中野駅構内のエレベーター設置について伺います。

 私は、平成6年第2回定例会で中野駅のエレベーターの設置について質問いたしました。そのときの福祉部長は、「早期に中野駅に設置されるようJRを初め関係期間に積極的に働きかけていく」と答弁がありました。質問してから8年になりますが、その間、東京都は平成7年3月に制定した「東京都福祉のまちづくり条例」に基づき、道路、公園、公共交通機関など不特定多数の人々が利用する施設について自動ドア化、スロープなどによる段差の解消、車いすの利用できるトイレの設置などさまざまなバリアフリー化に積極的に取り組み、安全かつ快適に暮らせるまちを目指して福祉環境整備の推進と福祉のまちづくりの普及、啓発活動を進めているところであります。

 当区におきましても、駅舎の整備について利用者が安全に利用できるよう努力されておりますが、とりわけ中野駅は地域の基幹駅で、周辺には中野区役所、中野サンプラザ、中野税務署、なかのZEROホールなどの公共施設や中野サンモール、中野ブロードウェイなどの商店街があり、多数の人々が行き交う地域であります。駅舎には高齢者や障害のある方々の利用に配慮したエレベーターの設置がされていないため、地域住民やまちを訪れる利用者は不便を強いられております。

 平成10年11月に「交通バリアフリー法」が施行され、公共交通事業者が講ずべき措置として、エレベーターやエスカレーターの昇り降りの設置、身体障害者用トイレの設置、誘導警告ブロックの敷設などが新設の旅客施設について義務付けられ、既設の旅客施設にも努力義務が課せられております。当区におかれましても、福祉のまちづくりをより一層充実させるためにも、高齢者や障害のある方々が安心して快適に中野駅を利用できるよう、中野駅構内に一日も早くエレベーターの設置をされるよう強く働きかけいただきたいと思いますが、区として現在どのような取り組みをしているのか、お聞きします。

 また、エレベーターの設置のほかに、中野駅北口の改札付近の階段にスロープ等の設置についても提案しておりますが、その後の対応についてお聞きします。

 そして、関連しまして中野駅北口前のロータリーの横断歩道について質問させていただきます。

 中野駅北口のロータリーに中野サンモール商店街に渡る横断歩道があります。そこは信号がなく、歩行者が優先されるため、中野通りから入って来る車とロータリー側から中野通りに向かう車がなかなか渡れません。また、正式には北口にはタクシー乗り場がないはずなのに、数年前から狭い道にタクシーの空車が並ぶようになりました。また、ロータリーはバスの発着場所になっており、このロータリーは絶えず混雑しており、とても危険です。駅周辺を利用する人たちが何年も前から、どうにかしてほしいと言われ続けてまいりました。

 私は以前、建設委員会でこのことを質問させていただきましたが、一向に改善がなされておりません。事故が起きてからでは遅過ぎます。再度ここでお願いをいたしますが、区民からは幾つかの提案もあります。信号機のようなものを取りつけてほしいとか、タクシーが並ばないように徹底してほしいという声もあり、この問題について区と東京都と中野警察とタクシー会社との話し合いで実現させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。御意見をお聞かせください。

 以上で、この項の質問は終わります。

 次に、図書館サービスについて伺います。

 第1点は、図書館の民間委託について伺います。

 この項目につきましては、平成14年第1回定例会の予算特別委員会で私は質問させていただきました。そのときは、区長は委員会の席におりませんでしたので、再度質問をいたします。

 図書館の民間委託について伺いましたが、その中から1点紹介させていただきますと、「中野区の図書館の運営経費は、建物の維持管理、資料購入費、人件費となると思いますが、現在8館ある図書館でそれぞれの経費はどのぐらいになるか」と質問いたしました。中央図書館長は、8館の図書館の中で説明しやすい江古田図書館を例にいたしまして、全体では約9,200万円ほどの費用がかかります。その中で、建物の管理、光熱水費、清掃委託で約900万円、それから本代等の資料購入費が350万円、非常勤・アルバイトの人件費が500万円で、職員の人件費、9人おりますので7,200万円となります。人件費の割合が84%ということでありました。

 図書館サービスの充実を考えると、その一つは民間委託化によるサービス向上だと思います。この質問のために江東区に視察し、図書館の責任者の説明の中で、カウンターでの貸し出し、返却、そのほかのサービス業務を民間委託し、人件費の節減を図るとともに、厳しい財政状況下の図書等資料購入費を確保し、新たに必要な業務を実施していく態勢を整えていくとのことでありました。

 また、そのとき話題になりましたのは、東京都公立図書館調査が「協力だより」に発表されました図書館の人口一人当たりの資料費147円は、23区中で23番目、東京都全体では大島が一番資料費が少ないわけですが、その次が中野区ということでありました。このような実態では、中野区の館長も、東京都やブロックの館長会で御苦労していることと思います。

 中野区の図書館は子どもから高齢者までだれもが気軽に利用でき、中央図書館の入館者も1日平均5,000人と言われているように、区民に開かれた施設として運営しているわけであります。区民の読書や調査などを支援する地域の情報センターとも言えるし、その役割はこれからも大きなものとなっていくと思います。

 内閣府の総合規制改革会議では「中間まとめ─経済活性化のために重点的に推進すべき規制改革-」を発表し、その中でも「規制改革特区」構想で図書館の委託についても触れております。図書館運営上、民間委託は財政的効果が高いことは明白であります。中野区は図書館の民間委託についてどのように考えているか伺います。

 第2点は、図書館におけるインターネットサービスについて伺います。

 私は、5年前になりますが平成9年第4回定例会で、「インターネットによる学校図書館と中央図書館及び地域図書館のネットワーク化をすることによって、読みたい本がどこの図書館にあるのか検索できないか、また、この情報ネットワークの活用についてどのような考え方であるか」と伺いました。そのときの答弁は、「区立図書館の情報化推進につきましては特に検索等の充実を求められており、将来的にはインターネットだけではございませんが、通信を利用した検索にも対応できるシステムの導入を考えてまいりたい」ということでありました。

 この質問以後、全国の図書館におけるインターネットサービスについて関心がありましたが、荒川区では都内最初のインターネットによる予約サービスを実施し、さらにサービスを拡大して携帯電話からも予約ができるサービスが本年2月からスタートしております。

 私は先月、荒川区の南千住図書館を訪問し、館長から図書館におけるインターネットサービスについて伺いました。その説明の中で、第1段階としては、平成13年7月よりインターネットによる検索予約サービス、電子メールによるリクエストレファレンス、受付、回答サービスと、この時点ですべてのインターネットサービスを行っているのは全国で荒川区立図書館であります。そして第2段階として、利用者の利便性をさらに向上させるため、平成14年2月から携帯電話からの本の予約サービスとあわせて利用状況照会サービスを開始し、インターネットに接続できる携帯電話、Iモード、Jスカイ、Ezウェブでは新しい機種で接続が可能となり、携帯版ホームぺージにアクセスできますと、本などの検索及び予約サービス、何を借りているのかの貸し出し状況照会などができるようになり、これらのすべてのインターネットサービスを行っているのも全国で荒川区だけであります。そのほか、インターネットサービス開始後、本などの予約が増加するなど、効果についても説明してくれました。

 少し館長の説明が長くなりましたが、図書館におけるインターネットサービスについては、実施並びに予定の自治体が多くなってきていることも伺いました。

 そこで伺います。

 今、23区の図書館サービスはインターネットでの蔵書検索予約サービスが当たり前の状況となってきております。このため、中野区でも早急に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。

 この項の最後に、荒川区の南千住図書館を視察したのは8月第3週の月曜日で、休館日かと思っていたところ、8月は子どもたちの夏休みで利用していただくために5館の図書館が臨時開館しておりました。当区も民間委託を前にして人件費という問題もありますが、検討してはどうでしょうか。また、祝日は一般的な区民にとっては休みであり、それでは図書館に行ってみようかと思う人が多いわけです。荒川区では日曜日は開館しております。当区の中央図書館は第3日曜日は現在休館日ですが、あわせて検討してはどうでしょうか。

 以上で、この項の質問は終わります。

 次に、児童・生徒の覚せい剤等の「薬物乱用防止5か年戦略」について質問いたします。

 薬物問題については、今まで我が党の西村、やながわ議員も取り上げてきました。今回、私からもお尋ねしたいと思います。

 近年、薬物汚染が低年齢化し、魔の手が中学生にまで及んでいる事実を知るにつけ、日本の将来を思うと私も大変心を痛めている一人であります。

 今や国際化に伴い、密輸や外国人の売人もふえ、その上、携帯電話やパソコンの時代です。警察が幾ら頑張ってくれても犯罪の手口の方がどんどん巧妙になり、追いつかない状況ではないでしょうか。この深刻な実態をどう解決の方向へ持っていけるか、とても難しい問題であります。しかし、手をこまねいていても解決はできません。私たちにできることは、薬物の恐ろしさ、怖さを訴えて訴えて訴え抜いていかなければいけないと思うのです。日本の宝である子どもたちを一人たりとも廃人にしてはいけない、そう思うのであります。そこで、児童・生徒の覚せい剤等の薬物乱用防止5か年戦略について質問をいたします。

 この「5か年戦略」も平成10年から平成14年までの5年間として具体的な目標を掲げて現状と問題点及び対策を示しております。本年は最後の1年となり総括をしなければなりません。

 そこで伺います。

 第1点は、小・中学校での麻薬取締官OBや警察職員等の専門家が一体となって指導することによって効果が認められることから、年1回、薬物乱用防止教室の開催を推進するとあります。当区の小・中学校で平成13年度に専門家を招いて薬物乱用防止について指導した学校は何校あるのか。また、依頼した講師の職種と実施した時間の教育課程上の扱いはどうでしょうか。

 第2点は、薬物乱用が低年齢化している状況から、小学校から徹底した指導をしなくてはなりません。計画的にどのように実施したのか伺います。

 第3点は、地域住民を対象とした薬物乱用防止に関する講座の開設や相談窓口の設定については、どのような取り組みをしてきたのか伺います。

 第4点は、中野区内での薬物事犯乱用の現状を伺います。

 中野区の青少年問題協議会活動の記録第19期を拝見しますと、中野警察署の安全課長より薬物関係について、1年間で中野警察署の管内だけでも薬物事犯は25人検挙しており、その中で約8割が中野区居住の少年たちであると報告しております。この5か年期間内の早期に、第3次覚せい剤乱用期と言われる状況を終息させることとしておりますが、中野区の覚せい剤事犯の検挙並びに補導の状況について伺います。

 以上で、この項の質問は終わります。

 次に、生活習慣病についての質問は、大変申しわけございませんが取り下げさせていただきます。

 最後に、その他の項で4点伺います。

 第1点は、神奈川県や横浜市などの指定金融機関である横浜銀行が採算度合いによってサービスに見合った負担を求めて、指定金融機関になっている全自治体に口座振替手数料引き上げの要請を行ったとのことですが、中野区においては、過去に指定金融機関であります旧富士銀行、現みずほ銀行から同じような要請があったのか。仮定の問題で恐縮ですが、今後、口座振替手数料引き上げなどの要請があった場合どのような対応が必要となると思われるのか伺います。

 次に、自転車運転免許証制度の実施について伺います。

 自転車は子どもからお年寄りまで手軽に乗ることができる便利な乗り物です。しかし、便利な自転車も正しく乗らなければ危険だったり、時には大きな事故を起こしたりすることにもなります。

 私は、数年前、前途有望な青年が歩道を歩いていたおばあさんを自転車ではね飛ばし死亡させてしまったことが苦い思い出として脳裏から離れません。また先日、早稲田通りを車で走っていると、お母さんと5歳ぐらいの男の子が自転車2台で私の前を横断するのです。そこは信号も横断歩道もない場所で、お母さんは平然と斜めに渡っていくのです。母親は我が子を心配で振り向くわけでもなく、男の子はお母さんの後を必死で追っていました。私は慌ててブレーキを踏みました。幸いにも休日で車も少なく、事故もなく終わりましたが、交通ルールを無視するような親に育てられた子の行く末を考えると、親にも子にもどこかできちんと自転車のルールやマナーを教育する必要があると痛感をいたしました。

 自転車の事故の大半は信号無視や二人乗り、飲酒運転、夜間の無灯火走行等の交通違反やマナー違反によるものだそうです。以前から小学校のPTA活動などで自転車講習会を開催している学校も多いと思います。しかし、手本にならなければいけない大人の教育も必要ではないでしょうか。また、交通標識にしても、車の運転免許を持っている人は見る習慣ができていると思いますが、ほとんどの人は意味さえわからない状況ではないでしょうか。そこで、自転車を利用する人全員が正しい自転車の乗り方をマスターしてほしいと思っておりました。

 そんな中、荒川区で「自転車運転免許証制度」が実施されているのを知り、視察してまいりました。この制度は、区内の警察署や町会連合会、PTA連合会、交通安全協会などの協力により、「自動車運転免許証制度推進協議会」を発足し、区内の小学校4年生以上を対象に自転車運転に関する交通ルールや実技の講習会を実施し、小・中学生には「自転車運転免許証」、大人には「講習終了証」を交付するものでした。

 また、PTA、青少年対策地区委員会、町会、学校などの協力を得、危険な乗り方に対して注意する「自転車安全運転見守り隊」を結成し、春・秋の交通安全運動期間中などに地域ぐるみで啓発活動などを実施しているとのことでありました。すばらしい制度で、私が長年理想としたことが実現化されておりました。ぜひ我が区としても荒川区をモデルとしながら、中野区にふさわしい「自転車運転免許証制度」を導入していただきたいと思っております。とともに、これが全国に広がっていくことを期待しております。御意見をお聞かせください。

 第3点は、簡単に伺いますが、新たな歳入の手段として、文化・スポーツ公社で発行している「ナイセス」のように、紙面に公告を載せてはいかがかということであります。

 各自治体でも広報紙などに広告を掲載する動きが広がってきております。豊島区ではホームぺージ上に広告を、墨田区は区報や区の封筒に掲載し、他の自治体では公共施設内での看板広告や清掃車の車体に広告を入れているようです。当区は早急に取り組み、広告の収入のあり方もあわせてお聞かせください。

 次に、この項の最後になりますが、女子中学生の標準服についてお伺いいたします。

 近年、働く女性が多くなるにつれ、服装も活動的なパンツスーツなどスラックスを着用する女性がふえてまいりました。そこで、標準服という決められた服装を余儀なくされている女子中学生はどのように考えているのだろうかと思ったわけであります。冬の時期の寒さしのぎとか、機能面とかもさることながら、身近に変質者が出没するなどという話を耳にしますと、登下校時の安全面からも、女子生徒がスカートでもスラックスでも好きな方を着用できるよう選択の余地を与えてもいいのではないかと考えました。全国的にもここ二、三年、急速にスラックスを制服に導入する学校がふえていると聞いております。我が区としても検討の余地があると思いますが、いかがなものでしょうか。

 また、できましたら各学校の標準服もかなりクラシックなデザインとなっております。この際デザインの見直しがあってもよろしいのではないかとも思います。前向きな御意見をよろしくお願いいたします。

 以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 斉藤議員の御質問にお答えいたします。

 まず、区民と区長との対話集会についてという御質問がございました。御質問の中にありましたように、既に地域の中で7回ほど実施してきたところでございます。

 対話集会で出されました御意見、御要望といったようなことにつきましては、その場で判断して対応できるといったようなものについては、できるだけすぐに対応するということを心がけております。また、その場で判断のできないものにつきましては、後日、対応結果を含めてきちんとお返事するという仕組みをつくっているところでございます。また、以後の検討を要するという課題については、その理由でありますとか、検討のスケジュール、そうしたようなことも明らかにしながら対応するといった形で進めているところでございます。

 対話集会でいろいろ区民の皆さんがいろいろな御意見を言っていただけるというようなことの意味は非常に大きいというふうに思っております。区民の皆さんの意見、さまざまな区政に対する感覚といったようなものを私が直接受けとめて、それを職員に伝えていく、また区政の課題として受けとめていくといったようなことが重要なことだというふうに考えているところでございます。

 これまでの開催状況を見ますと、区民の皆さんの御出席も多かったり、また御意見も非常に活発にいただいているといったようなことでございまして、区民の区政に寄せていただいている思いの強さ、そうしたことを実感しているところでございます。

 それから、上野原のスポーツ・学習施設についての御質問がございました。上野原の町長に計画の中止と用地の売却といった考え方について、どのように御説明したのかといったようなことでございました。

 私といたしましては、7月15日に上野原町に上野原町長を訪問いたしまして、私の考え方として、計画を廃止し、土地を売却したいといったようなお話をしたところでございます。町長の方では、そういった考え方についてはわかったということで、ただこれまでに町との関係で話し合いを行ってきたこと、約束をしてきたこと等々についてきちんと誠実に対応してほしいといったようなことでございました。この計画の廃止あるいはその後の取り扱いといった問題については、まず現在、教育委員会の方で廃止について議論をいただくよう私の方から教育委員会に対して問題提起をさせていただいているところでございます。教育委員会の方で議論をしていただいておりますので、その結果を待ちまして、また町に対しては今後も誠意を持って対処をしていきたいというふうに考えております。

 それから、職員あるいは区の組織の活性化といったような視点から、中央大学の佐々木信夫教授の著作の引用をされましての御質問がございました。部長職を民間の重役と同じようにして任期制を導入するべきだといった内容でございます。

 この内容、趣旨そのものについては、私、非常に共感をするところが多い内容でございました。現在の特別区の実情を見れば、部長職を特別職にしたり、任期制を導入するといったようなことをそのまま実施するのは難しい実情にあるというふうには思っておりますが、この提案がそもそも意図しているところは、人事考課でありますとか実績評価、そうしたことをしっかり行うこと、そのことによって仕事に対する責任感、緊張感を高めて、仕事に積極的に取り組む姿勢をつくり出していくことにあるというふうに考えております。

 今後、部長が部の経営者として主体的に予算を組んだり、職員を指揮して責任を持って事業執行できるような、そんな体制づくりを進めていきたいと考えているところでございます。

 それから、ヒートアイランド対策の関連で、環境問題について区としての姿勢、基本構想の中で優先度を高く取り上げるべき課題ではないかといったような御質問でございました。

 環境問題につきましては、御指摘のとおり優先度の高い課題であるというふうに認識をしております。持続可能な地域社会、持続可能な自治体のあり方といったようなことについて、基本構想の中でも十分検討していく必要があるというふうに認識をしているところでございます。

 私の方からのお答えは以上でございます。その他の御質問につきましては、それぞれの所管の方からお答えさせていただきます。

 以上でございます。

     〔収入役藤原恵一登壇〕

○収入役(藤原恵一) 私からは、指定金融機関から口座の振替手数料等の引き上げを求められたことがあるか。あるいは仮定として引き上げの要請等があった場合にはどのように対応していくかといったような御質問にお答えいたします。

 中野区に対して、指定金融機関のみずほ銀行から口座振替手数料の引き上げについての申し入れは、これまでのところございません。

 後段でございますけれども、近年の金融改革あるいは経済の状況の激変、こういった環境変化によりまして、金融機関におきます経営環境、あるいは公金業務の取り扱いと自治体との関係はさま変わりしていると言っても過言ではございません。そういた意味で、金融機関側も、指定金融機関に限らず、コストをきちんと抑えつつ、自治体に対して適正な負担を求めるという動きは全国的にございます。そういった意味で、指定金融機関と中野区の関係でも、これまでも振替手数料というようなことではございませんが、さまざまな申し入れがあり、それについては的確に対応してきてございます。

 今後とも、そういった面では、公金業務を取り扱うことに関する金融機関としてのメリットというものが大きく低下してくる中で、みずほ銀行初め、各金融機関からのさまざまな要請は想定されますので、これについては私ども自治体の立場ということがございますので、そういったことを押さえながら的確に対応してまいりたいというふうに考えてございます。

     〔教育長沼口昌弘登壇〕

○教育長(沼口昌弘) 上野原スポーツ・学習施設の廃止に関しまして、町との関係についての御質問でございます。

 区長から施設整備計画の廃止につきまして検討依頼がございます。現在、教育委員会で協議を始めたところでございます。教育委員会といたしましては、今日の行財政環境の中におきまして、その計画の妥当性はどうか、あるいは計画を廃止した場合の町との協定の取り扱いなど、すなわち行政上の約束事項をどう考えるかということなどを論点として整理しながら検討を進め、結論を出したいと考えています。

 それから、公立小・中学校の冷房化についての御質問でございますが、暑さで気分を悪くし保健室で休養した児童・生徒の調査につきましては、この7月10日から9月13日までの18日間、授業中の室温調査と同時に並行的に実施いたしました。結果につきましては、現在集計中でございます。

 教育委員会といたしましては、教育環境整備の一環といたしまして空調設備の設置を検討しているところでございます。

  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) 自主団体、NPO支援のための条例について何点かお答え申し上げます。

 NPO支援のための条例はどのようなものを考えているのかという御質問でございました。この条例では、地域の自主団体やNPOが公益的・公共的役割と責任を果たしながら新たな支え合いの地域社会の担い手となることを目指したいと考えているところでございまして、条例の具体化につきましては、自主団体やNPOの意見交換を行うなど広く区民の参加を得て、内容を具体的に検討していきたいというふうに考えてございます。

 次に、財政支援はどうなのかという御質問でございました。

 NPOにつきましては、自主性・自立性の尊重が大変重要であるというふうに考えてございまして、このような視点から、財政的な支援については考えていないところでございますが、さまざまな情報の提供ですとか場の提供、区からの業務委託などを中心として支援してまいりたいというふうに考えてございます。

 最後に、町会や住区協議会への新たな支援策については考えているのかということでございました。

 自主団体やNPOへの支援策は、団体の自主性・自立性を尊重しつつ、その公益活動に対し側面的援助を行おうとするものでございまして、町会の公益的活動についても支援の対象と考えているところでございます。

 また、住区協議会につきましては、地域の課題を話し合い、合意形成をする協議の場でございますので、みずから事業活動をする組織とは異なります。その点から、区政への参加の仕組みとしての支援をしているものというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

    〔総務部長山岸隆一登壇〕

○総務部長(山岸隆一) 私から2点の御質問にお答えいたします。

 まず、上野原スポーツ・学習施設用地の売却について、売却のためにどのような手だてを講じるのか、旧館山健康学園の用地も含めてお答え願いたいということでございます。

 旧館山健康学園の売却につきましては、契約には至っておりませんが、現在、複数の団体と売却交渉を進めております。上野原スポーツ・学習施設も土地売却となれば、これまでの区有地売却の手続に沿って行っていくことになります。

 次に、中野区の職員人材育成計画を早急に策定すべきでないかという御質問でございます。

 職員のモラルアップ及び能力向上を図るとともに、新しい時代の変化に的確に対応できる職員の育成を計画的に行っていくため、仮称ですが人材育成計画を今年度中に策定していく考えでございます。

 この策定に当たりましては、現在進めようとしている基本構想の改定作業とも関連づけ、職員参加を図りながら進めていく考えでございます。

   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 2点についてお答えさせていただきます。

 1点目は、施設白書を引用されての今後の施設のあり方についてのお尋ねでございます。

 施設白書では、施設の現状と今後20年間の施設改修改築にかかわります財政需要の将来予測を行ったところでございます。これはあるべき施設や配置の考え方を示したものではなくて、今後の検討のための資料としてまとめたものでございます。

 施設数や職員数を含めた区の施設の将来のあり方につきましては、中野区にとってどういう施設や人的サービスが必要かという原点に立ち返りまして、いわばゼロベースから見直したいと考えております。

 2点目でございますが、財源確保のための広報紙等への広告掲載の件でございますが、この4月に広告掲載に係ります要項を定めまして、今年度は中野区のしおり、あるいは窓口サービス用の封筒に広告を掲載するよう準備を進めております。区報等については、種々の事情から来年度実施に向けて現在準備を進めているところでございます。今後も、できるだけ財源確保のために努力していきたいと考えております。

 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕

○教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは図書館サービスについて、薬物の乱用防止について、それから区立中学校の標準服についてのお尋ねにお答えさせていただきます。

 まず、図書館の委託化についてでございます。

 これは財政上の効果など利点が多いというようなことで、23区においても取り組みが進んでいるというふうに承知をしてございます。中野区におきましても、その実現に向けて条件整備を図りながら検討していきたいと考えてございます。

 それから、インターネットの活用というお尋ねでございますが、これについてはサービスの充実を図るためにインターネットへの対応が可能なシステムへの変更をぜひ考えていきたいと考えているところでございます。

 それから、開館日の拡大についてでございますが、これまでも開館日を広げるためにいろいろ努力をしてきたところでございますけれども、さらにその拡大に向けまして、積極的に検討していきたいというふうに考えてございます。

 それから、次は児童・生徒の薬物乱用防止についてでございます。

 平成13年度の各学校での取り組みでございますが、薬物乱用防止教室ということでは、ライオンズクラブ、保護司会、警察署等の協力を得まして、小学校で3校、中学校で11校が実施してございます。

 その際の講師でございますが、警察の職員が一番多いわけでございます。ほかに保健衛生関係の行政の担当者、あるいは学校薬剤師の方々にお願いしてございます。

 また、実施いたします時間でございますが、教科では保健体育等の時間で取り組んでおります。このほかに総合的な学習の時間、あるいは学級活動、学校・学年行事など、いずれも教育課程の上に位置付けて実施したところでございます。

 それから、今後の取り組みということでございますけれども、中学校では従前から授業の中で扱ってきております。ことしから教育課程が変わりまして、小学校でも授業の中で扱うことになっております。

 この薬物乱用ということについては大変深刻な問題でございますので、今後とも学校のあらゆる場面で、その指導が徹底されるように働きかけていきたいと思っております。また、その際には、関係諸機関との連携、PTA、保護者等の地域が一体となった取り組みについても促していきたいというふうに考えているところでございます。

 それから、区内の実態はというお尋ねでございますが、現在私どもが把握している情報によりますと、平成13年度には区内の薬物乱用によって補導されました少年はゼロというふうに承知しております。平成12年度には、いわゆる19歳以下の少年ということでございますが、20人が補導を受けているという数字を聞いております。ただ、そのほとんどは高校生以上の年の大きな子どもたちだというふうに承知しております。中学生等については、シンナー等による補導が数件あったということでございます。

 それから、最後ですが、標準服についてのお尋ねでございます。

 標準服につきましては、必要性を含めてさまざまな御意見がございます。またデザインなどを重視すると、どうしても値段が高くなるというような問題もございまして、すべての方々が満足する形態にするということは、なかなか難しいのではないかという考えを持ってございます。

 現在、各学校では、標準服の採用に当たってそれぞれ努力をしてございますけれども、最近は保護者を含めた検討会を設けるというような例もございます。こういったことも踏まえまして、標準服の決定に当たっては保護者に対しまして学校としての考え方を明確にお示しして、その理解を得た上で進めたい。それからまた、保護者や生徒の希望が極力生かせるような努力もするように、学校に対して伝えていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

   〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 江古田の森の整備に関連しての御質問にお答えいたします。

 まず、厚生労働省との折衝状況でございます。

 事業計画の変更等につきましては区長みずから申し入れを行ってございます。厚生労働省の所管部であります国立病院部に向けまして申し入れをいたしまして、基本的に了解されております。現在は交渉窓口が国立病院部から関東信越厚生局というところに移りまして、事務レベルでの具体的な詰めを行っているところでございます。今月26日には部長間での最終的な調整を行うということで、話し合いをしていくことになってございます。

 また、整備方針のタイムスケジュールでございますけれども、この10月中には整備方針とあわせて事業計画等の変更申請書を国に提出するというスケジュールになってございます。このことから、早急に整備方針を取りまとめたいというふうに考えてございます。

 また、この整備方針につきましては、ここのところ行ってきました区民意見交換会等での要望、意見を踏まえて、現在、整備方針案の見直しを行っているところでございます。近々、議会にもお示ししたいと考えてございます。

 また、グループホーム等の地域施設の計画についての御質問でございます。

 障害者が入所施設から地域生活に移行を選択できる環境を整備するということは、非常に必要なことでございます。そのためにもグループホーム等の施設は必要というふうに考えてございます。

 こうしたグループホームなど地域自立基盤である生活の場の確保につきましては、具体化していきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

    〔環境部長西條十喜和登壇〕

○環境部長(西條十喜和) 私からヒートアイランド対策につきまして、屋上緑化の推進などヒートアイランド対策に取り組む必要があるのではないか。あるいは屋上緑化の助成を制度化すべきではないか。また、区の施設につきましても可能な限り、新設施設以外にも屋上緑化、ヒートアイランド対策をとるべきではないか。そのほか、さまざまな手法でのヒートアイランド対策についても自治体として取り組むべきではないかといった質問にお答えいたします。

 ヒートアイランド現象の緩和に向けたさまざまな対策は、区民が健康で文化的な生活を営む上で重要な課題と認識しているところでございます。

 ヒートアイランド対策の一つとして、区の施設や民間建築物に関する屋上緑化の推進等の方策について調査研究を進めていきたいと考えてございます。

 また、ヒートアイランド対策に関するさまざまな手法につきましても、広域的視点や、国や都との連携が必要と考えますので、国や都の施策の動向などをあわせて調査研究していく考えでございます。

 以上でございます。

   〔都市整備部長石井正行登壇〕

○都市整備部長(石井正行) 私から中野駅構内のエレベーターの設置及び北口のスロープについての御質問にお答えをいたします。

 区では、駅構内のエレベーター設置も含めまして、駅及び駅周辺を歩きやすく利用しやすい環境となるよう連続性のあるバリアフリー空間を整備するために、「(仮称)中野区交通バリアフリー推進構想」の策定を考えております。中野駅構内のエレベーター設置につきましても、この推進構想の策定過程で検討してまいりたいというふうに考えております。

 また、もう1点の、北口階段のスロープ設置につきましては、改札口との距離等の構造上の問題から、現在のところ設置が困難というふうに聞いておりますが、引き続きJRに対しまして改善の要望をしてまいりたいというふうに考えております。

 よろしくお願いいたします。

   〔保健担当部長青山キヨミ登壇〕

○保健担当部長(青山キヨミ) 私からは薬物乱用防止についての御質問にお答えいたします。

 まず、地域や住民の方々を対象とした薬物に関する相談窓口は、保健福祉センター及び各保健福祉相談所で保健師が随時相談を受け、関係機関と連絡をとり、専門医療機関への紹介などを含め対応しております。

 また、本年10月に中野まつりにおいて薬物乱用防止キャラバンカーを導入するなど、一層の普及啓発に努めてまいります。

   〔土木担当部長那須井幸一登壇〕

○土木担当部長(那須井幸一) 私からは中野駅北口ロータリーの安全対策と自転車の免許制度導入についての2点についてお答えをさせていただきます。

 中野駅北口のロータリーにつきましては、中野区のにぎわいと活力の象徴的な場である。しかし、その反面、歩行者、車などが錯綜しており、交通安全の確保に配慮が必要な場所ということも認識しております。そこで、警察署、広場の管理者である東京都及びJR東日本、並びに関係交通機関などと協議の場の設置も含めまして、その対策について相談してまいりたいと考えております。

 次に、自転車の免許制度を導入することについてでございます。

 荒川区では、本年度から実施いたしました中学校の学校選択自由化に伴いまして、23区で初めて遠距離通学生徒に自転車通学を認めたところでございます。このようなことから、御指摘のように、自転車の交通事故防止などのため、小・中学校への自転車運転免許制度を導入したと聞いております。

 中野区では、毎年、PTAや交通安全協議会が警察署並びに自転車商組合の協力を得まして、区立小学校ごとに自転車安全教室を実施しているところでございます。自転車の安全運転への取り組みにつきましては、今後とも警察署及び交通安全協会などと相談しながら、さまざまな工夫を含めて検討していきたいと考えております。

 以上でございます。

     〔斉藤高輝議員登壇〕

○27番(斉藤高輝) ただいま各部長から御答弁いただきましたけれども、二、三再質問させていただきます。

 児童・生徒の覚せい剤等の「薬物乱用防止5か年戦略」についての中で薬物乱用防止教室についての指導ですけれども、中野区では小学校で3校ということですが、中野区には29校ございますので、そのうち3校というのは、ちょっとまずいのではないかと思うんです。私、東京都に行っていろいろお話を伺ってきましたけれども、東京都の健康指導課長からも、教室実施状況についてやっていただきたいと。特に公立小学校・中学校における平成13年度薬物乱用防止教室等の実施状況を調査し今後の施策の参考にするということですから、なぜ3校しか実施できなかったということについて、その状況を話していただきたいと思うんです。

 なかの区報で子ども向け区報というのがあります。子どもが編集して区報に掲載するんですけれども、8月18日も「薬物の誘惑に負けない勇気」ということで1ぺージを使って書かれてまして、これは大人からも大変好評で、やさしく読みやすいということでありました。これは全部、小学校の5、6年生が中野警察署へ行って取材してまとめているわけですけれども、それを決めたのも小学生自身で、薬物について勉強したいということであったわけです。それほど関心がある薬物について、小学校で3校しか実施しなかったということは、ちょっと私は問題だと思いますので、なぜ3校しか実施しなかったかということについて答弁をお願いしたいと思うんです。

 それから、小・中学校の教室冷房化についての質問の冒頭に、区長に伺いますということで、これは当然教育長が答弁しても結構ですけれども、区長から答弁していただきたいと思うんです。

 区長が一つ有名なのは、住基ネットを切断したということがありました。先ほど教育長が「これは検討します」と言っていますけれども、もしそれが実現しなかったときには、教育委員会の施設課並びに各事務室の空調を区長は切断するような気持ちでやっていただきたいと思うんです。ですから、教室冷房化についてはこれから大事な問題ですので、ぜひもう一度、区長から答弁いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小・中学校の冷房化につきましては、今回の議会でも何度か御質問いただいています。また、地域の中でもさまざま話題になっていることがございます。小学校のPTA、中学校のPTAのそれぞれの会長さんたちの話し合いの中でも、冷房化についての御要望をいただいているところでございます。

 財政のことというよりは、私としてはヒートアイランド現象でありますとか環境問題、またこれまで冷房化してこなかった経緯ということについてのお話しもさせていただいたところでございます。そうしたお話をさせていただきながら、それでも現在の暑い状況、特に今年の夏はひどかったといったような状況について、さまざまなお話をいただいたところです。実態についても、私も暑かったのでよく承知しているところでございますので、皆さんのお申し出の趣旨については十分理解しているところでございます。教育委員会と一緒になって検討してまいりたい、このように考えております。

 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕

○教育委員会事務局次長(山下清超) 再質問にお答えさせていただきます。

 小学校で薬物乱用防止についての取り組みが少ないというお尋ねでございますが、私がお話をさせていただきましたのは特別の取り組みというようなことで、外部の団体などの御協力もいただいて特別な教室というような形で実施したものが小学校で3校であるというようなことを申し上げたつもりでございます。日常的な指導の中で、こういった問題についての重要性は当然各学校で行われているというふうに承知をしてございます。

 今後については、こういった問題が中野区であっては困るわけでございますけれども、傾向として低い年齢にも拡大してきているというようなお話しもございますので、さらに各学校で努力をしていくようなことを各学校に対してお話をしていきたいというふうに思ってございます。

 以上でございます。

○議長(斉藤金造) 以上で斉藤高輝議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

     午後12時20分休憩

 

     午後 1時23分開議

○議長(斉藤金造) 会議を再開いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 来 住 和 行     

 1 福祉と介護の充実と改善について

   (1)第2期中野区介護保険事業計画策定について

   (2)支援費制度の問題について

   (3)障害者の就労支援を強めることについて

 2 都立高校定時制を存続させることについて

 3 小学校、中学校の普通教室の冷房化について

 4 江古田の森保健福祉施設整備について

 5 山手通り(環6)の環境対策について

   (1)低濃度脱硝装置を設置することについて

   (2)土壌大気浄化システムを併用することについて

   (3)自転車専用道・歩道・植栽と駅前広場で住民の意見を反映

      させることについて

 6 その他

 

○議長(斉藤金造) 来住和行議員。

     〔来住和行議員登壇〕

○21番(来住和行) 2002年第3回定例会に当たり、日本共産党区議団の立場から一般質問を行います。

 質問に先だち、日朝首脳会談について一言述べさせていただきます。

 日本共産党はかねてより、北朝鮮との正式な対話と交渉のルートを一刻も早く開くことの必要性を強調してきました。今回の首脳会談で日朝共同宣言が交わされ、国交正常化交渉の再開が合意されたことは重要な前進の一歩となりました。この貴重な一歩を後戻りさせず、交渉が前に進むことを期待するものです。

 同時に、拉致という許すことのできない犯罪に対し厳しく抗議するとともに、帰国を果たせず亡くなられた方々と、その御家族に対して心からのお悔やみを申し上げます。

 今後、真相を全面的に明らかにするとともに、責任者の厳正な処罰と被害者への謝罪と補償が行われることを強く求めるものです。

 それでは、質問に入ります。

 まず、第2期中野区介護保険事業計画策定について伺います。

 介護保険制度が2003年4月から第2期計画に基づく介護保険制度となることから、中野区は介護保険運営協議会からの中間答申を受け、第2期中野区介護保険事業計画素案をまとめました。これまで介護保険の目的と国が言ってきた、家族で支える介護、社会で支える介護、在宅重視、サービスの自由な選択などの目標や理念が本当に実現されたのでしょうか。老老介護の実態とひとり暮らしの高齢者の問題など解決を迫られる課題は山積しています。保険者としての中野区は、利用者と家族、区民の立場で第2期計画の策定に区民参加をもって取り組むことが強く求められています。

 介護保険で最大の問題となっている介護保険料について伺います。

 日本共産党区議団は、開始当初から、所得の低い人ほど相対的に負担が重いことを問題とし、低所得者への軽減を国にも区にも一貫して求めてきました。これに対し中野区は、国の制度だとして検討の意思を示してきませんでした。ことしの中野区要介護高齢者等実態調査では、介護保険制度を不満とした人で58%が保険料の負担がふえたことを挙げています。また、491件の苦情相談中、304件が保険料への苦情で、相談全体の62%です。普通徴収の方々の収納平均は95%、昨年10月からの満額徴収以降は、同月分の収納率がさらに下がっています。

 厚生労働省の全国調査では、来年4月からの65歳以上の保険料は、全国平均で一人当たり月額3,241円と見込んでいます。中野区では来年4月からの保険料を月額の基準額で3,400円と想定しています。全国平均が月額330円の11%の値上げに対し、中野区は370円の値上げで、約12%の値上げとなってしまいます。中野区は保険料の段階区分については、現在の5段階を6段階区分とし、応能負担を求めるとし、さらに第1、第2段階の生活困窮者への減額制度を設けることとしています。

 そこでお聞きします。

 介護保険料の基準額3,400円は保険料の約12%の値上げとなるものです。今でさえ苦しい負担となっている保険料をこれ以上引き上げるべきではありません。また、第1、第2段階の生活困窮者への減額対象は、せめて生活保護基準以下のすべての人を対象とすべきです。答弁を求めます。

 次に、利用料についてでありますが、訪問介護、ホームヘルプサービスの利用料に限って伺います。

 低所得者の利用料の軽減についても全国で大きな運動となり、国も特別対策として介護保険開始前からホームヘルプサービス利用者に限って10%の利用料のうち7%を軽減し、本人負担を3%としてきました。この特別対策の中野区内の対象者は7月現在で601人です。中野区も独自に、昨年10月より介護保険開始後にホームヘルプサービス利用者に国と同じ本人3%負担を実施し、7月現在の利用者は545人で、大変喜ばれています。

 ところが来年7月から国の特別対策が変更され、本人負担が3%から6%に値上げされる動きとなっています。6%となると、国の特別対策利用者で月額平均2,320円が4,640円に、中野区独自利用者が月額平均2,016円が4,032円と大幅値上げとなります。今回値上げの対象となっている方々は、もともと介護保険の開始前は無料でホームヘルプサービスを利用していたり、または利用できた住民税非課税の低所得者の方々です。在宅介護にはホームヘルプサービスは欠くことができません。このサービスの利用回数と充実こそ在宅介護を可能とするものです。中野区は国や東京都に対し、来年度も今のままの減額率でホームヘルプサービスを実施するよう強く求めるべきです。

 ホームヘルプサービスの利用か広がっているだけに、値上げによって利用を控えたり、抑えたりすることが絶対にあってはなりません。3%が6%に値上げされたとしても、区が月々105万円程度を負担すればホームヘルプサービスを今までどおり低所得者の方々が利用できるのです。保険料が低所得者対策で減額されても、ホームヘルプサービス利用料が値上げされたのでは、せっかくの低所得者対策が生かされないではありませんか。中野区は来年4月以降も低所得者のホームヘルプサービスを軽減するため、独自の対策を具体化することを強く求めるものです。答弁を求めます。

 介護認定事務について伺います。

 介護申請をした高齢者、家族にとって介護認定がいつ出るのかということは、申請した次の日から気になり、心配事の一つともなっています。認定の決定がおくれるとの通知はがきが届いたとの家族などからの話をよく聞きます。介護保険法では、「申請に対する処分は、当該申請のあった日から30日以内にしなければならない」となっているにもかかわらず、改善されたとはいえ、介護保険、要介護認定、要支援認定延期通知書のはがき発送は、毎月6割の申請者へ送付される状況です。区職員調査員の増員、審査会開催日数と合議体数の問題など来年4月待ちでなく、早期の解決が図られるよう最善の努力を求めます。御答弁ください。

 次に、支援費制度の問題について伺います。

 2003年4月から支援費制度の導入によって障害者福祉制度が大きく変わります。今の措置制度では、国と自治体、中野区がサービス提供に直接責任を負っていますが、来年4月からは介護保険と同じように障害者本人が利用したいサービスを決め、みずからがサービス事業者を選んで契約する仕組みになります。

 支援費制度の対象になる福祉サービスは、身体障害者、知的障害者の各種施設利用と在宅サービス、障害児の在宅サービスです。区内の障害児、者の約8,000人が対象となります。

 障害者の生活と権利を守る全国連絡会が行ったアンケート調査によれば、5割弱の自治体でこのまま実施できるのかとの不安を抱えていました。中野区が5月に実施した保健福祉サービス意向調査の障害者調査では、75%の障害者が支援費制度を知らない、知っているのはわずか6%にとどまっていました。いまだに「聞けば聞くほどわからない制度」との声が寄せられます。

 支援費制度の問題の一つは、福祉サービスの確保を原則にしながら、その根本を障害者個人と家族の責任とし、自治体の役割を第三者的としていること。第2、自由にサービスを選択できるといっても、圧倒的に在宅、施設ともサービスが不足していること。また、支援費が低く抑えられれば、結局は利用者本人の負担がふえるという矛盾と危険性の高い制度です。厚労省は、支払う支援費の基準額、単価案を12日に発表しました。年末の予算平成で決定するとのことです。

 重要なことは、国に対しては支援費の全国基準を障害者の自立を保障するものにふさわしい額に設定させること。特に重度の障害者が事業者から敬遠されることのないよう支援費に重度加算させること。強度行動障害に対してはどうしても特別加算が費用です。同時に、支援費は国の基準を参考に区で独自に設定できることになっており、中野区として支援費の重度加算、特別加算の配慮を求めたいと思います。どのように対応していくのか、お聞きします。

 利用料の自己負担についても、国の基準を上回らない範囲で自主的に決められるようになっています。大切なことは、現在、障害者、障害児サービスを受けている人たちが、施設、在宅ともこれまでのサービス水準と利用料で引き続きサービスが受けられるようにすべきです。また、親や子、兄弟、姉妹などへの負担押しつけでなく、最低限、本人の応能負担とすべきと考えます。見解を求めます。

 利用者からの申請に基づき、区は支給の可否を決定しますが、支給期間、支給量は利用者本人が地域で自立した生活を送ることができるよう生活実態を基本にし、最初から家族介護を前提とすべきではありません。

 したがって、利用者の実態がどれだけリアルに反映された支給決定にするかが重要です。専門的知識を持つ人と施設職員、ボランティア、家族の声が集団的に生かされた審査体制こそ、利用者を中心にした公正な判断が出せると考えます。どのような体制で臨むのか。また、手帳保持者だけでなく、支援が必要なすべての障害者を受け入れられるよう、あわせてお答えください。

 利用者の希望は、住まいの近くで申請できることが前提です。申請や契約が困難な障害者に対し、サービスから落ちこぼれることがないよう手だてをとることが重要です。今後、申請予定の利用者、団体への説明をどうするのか。職員の研修をどう進めるのか。相談窓口、申請受け付けはどこで行うのか、体制の強化と拡大をどう図るのかについてお聞かせください。

 この項の最後に、2000年4月に痴呆性高齢者、知的障害者、精神障害者など精神上の障害によって判断能力に欠ける人が一方的に自分に不利な契約を結ばないよう、一定の決められた人が本人の判断能力を補い、保護する制度として成年後見制度が法制化されました。中野区は、都の事業である地域福祉権利擁護事業並びに財産保全サービス事業を区の委託として社会福祉協議会が実施してきました。

 関係者の話では、利用者本人に配偶者、4親等内の親族がいない場合は区長が申し立てを行うことができる法定後見人制度の問い合わせや、成人後見制度を必要とするケースもふえており、弁護士、司法書士を紹介していることのことです。同制度の相談、窓口体制は、区としてはまだ未整備で十分ではないとの指摘があります。社会福祉協議会任せのところがあるのではないでしょうか。

 新宿区では、毎週2回、司法書士の専門家に委託し、週6時間の枠で相談を受けています。区民からの相談だけでなく、区職員のケースワーカー自身も仕事上での相談ケースを直接相談できるので好評だと聞きます。また、独自に成年後見制度の普及のためパンフレットを作成し、民生委員さんなどへの配布を初め各団体、グループに広げているそうです。支援制度に限らず、介護保険の制度を含めて、今後ますます青年後見制度についての必要性が高まり、相談もふえてくるものと考えられます。

 中野区も専門知識を持った窓口、相談体制を充実させるなど、自己決定の尊重と本人保護の対策のために社会福祉協議会と積極的に協議し、区として推進させるためのしっかりとした取り組みが必要です。見解をお聞きします。

 次に、障害者の就労支援を強めることについて伺います。

 障害者の就労を支援する取り組みは、一時的、時限的な対策で進むものではありません。持続的取り組みが何よりもの力です。政治と社会がその役割をきちんと果たさなくてはなりません。

 国の緊急地域雇用対策特別交付金を活用して2000年度から2カ年にわたって実施してきた就労支援者派遣事業はことしの3月で終了しました。この2年間に就労支援者として延べ19名が採用され、ジョブコーチの手法で身体、知的、精神の障害状況に合わせた仕事を探し、事前に企業での職員実習を実施するなど、企画提案から採用後のアフターケアまで時間と人手をかけて障害者を就職に結びつけてきました。

 この2年間の実績は、就職者35名、職場開拓、延べ196件、実習サポート回数、延べ378回と、就職前と後の定着では300回の支援回数となっています。全国的にさまざまな機関で就労支援が取り組まれていますが、どちらかというと知的障害が中心であったり、精神障害が中心である中で、身体障害者を含め三つの障害にわたって支援を行っています。このことからも、障害者就労支援センター的機能を果たしている事業として全国にも誇れるものとなっているのではないでしょうか。

 そこで伺います。

 この2年間の事業と実績について、区長はどのように評価されているのか。この実績の上に立って、今後一層、障害者の就労支援に力を尽くすべきです。どのように取り組んでいかれるのか、区長の取り組みへの決意をお伺いいたします。

 1年半前に新宿区内のハンバーガー調理に就労している父母の話では、週休2日で1日3時間から4時間勤務で月収が5万円ぐらいとのことです。「就労が継続しているので喜んでいるけれども、この収入ではとても生活できない。今は私たちが働いているから息子のことも面倒見られるが、これから先どうなるかわからない。せめてすべての障害者に障害基礎年金が支給されるようにしてほしい」と切々と訴えておられます。

 この場合でも、常にジョブコーチが職場訪問を繰り返し定着の努力をすることによって継続が可能となっています。安定的に働き続けられるようサポート体制があってのことです。ところが緊急地域雇用対策特別交付金は時限的であったがために、2002年4月からは東京都の市区町村障害雇用促進モデル事業に引き継がれました。しかし、この制度では非常勤職員のジョブコーチがこれまでの5人から3人雇用となり、人数が2人減っただけでなく、勤務日数も、行財政5か年計画によって月15日から14日勤務と減らされました。福祉事業団の常勤職員を2人配置したことにはなっていますが、障害者福祉事業団の職員の常時2人が就労支援にかかりっ切りとなる体制ではありません。実際には障害者福祉事業団の日常業務もあり、忙殺される状況も生まれています。

 今日の深刻な不況は障害者の就労を極めて困難にしています。職場開拓、実習、定着を中心としながら就労した35名の職場定着と新たな就労の確保には、体制の強化がどうしても必要です。今日、障害者自身が社会の深いところで厳しい状況に置かれているだけに、相談やトラブルの解決に多くの時間とより高い専門性が求められているからです。

 この事業のかなめとなっているジョブコーチの身分と生活の保障がされてこそ、障害者自身の生活保障と社会参加への道を開くことができます。そして、経験豊かなジョブコーチが定着することがこの事業を左右するとも言われているだけに、他区にはない実績を積み上げてきた中野区の障害者就労支援の先頭に立っている支援者の生活と身分の保障は区の責任です。区としても具体的手だてを考え、この事業が安定的に発展、前進できるよう体制の強化に努力を尽くすべきです。区の考えをお聞きします。

 さらに、本事業を推進している障害者福祉事業団の法人化については、議会でもいろいろの立場から法人化への求めがされてきましたが、今日の段階において法人化の方向へどう進めようとしているのか、どこまで法人化の可能性ができているのか、何が問題になっているのか、お答えください。

 次に、都立高校定時制を存続させることについてお聞きします。

 ことしの2月、全日制高校を志望した公立中学生のうち2,759人が「15の春」に泣きました。都立高校入試倍率は1.26倍にもなっています。ところが東京都教育委員会は、6月に富士・鷺宮高校など33の夜間定時制高校を廃校し、五つの昼夜間独立定時制高校を設置するなどとした都立高校改革推進新配置計画案を発表しました。

 この計画が案どおり実施されれば、1997人に100校あった都立定時制高校は、2011年度には約半分の55校に減らされることになってしまいます。さらに問題なのは、「エリート校があるならノンエリートがあってもいい」「落ちこぼれの学校とはっきり言えばいい」との都教育委員の発言にあるように、中高一貫6年制学校のエリート養成校をつくるねらいと一体の計画案となっていることです。

 今回の計画案は、武蔵境駅から新宿駅までの中央沿線から普通科の夜間定時制高校の灯が消え、西武線沿線も空白となります。また、富士、大泉の中高一貫高校への改編によって5学級、200人の定員減が生まれ、中学卒業生の進路選択にさらに大きな困難をもたらす結果となります。

 中野区の教育と子どもたちに重大な影響が及ぶ今回の計画について、東京都教育委員会からどのような説明がされたのか。対象校名が発表となった6月以前にどのような意見聴取が都から区に、関係校に行われたのか。それに対し中野区はどのように対処されたのか伺います。

 富士高校の学校のパンフレットには、「中学時代、僕は登校拒否児童でした。寮生活の全日制高校に進むことはできたものの長続きはしませんでした。この富士高校定時制に編入したのは1年の3学期でした。当時の僕はそれまでの人生に劣等感を感じ、少し内向的な性格だったと思います。そんな僕を温かく迎えてくれたのがこの学年の人たちと先生方でした。」と紹介されています。先生方の話では、「中学校3年間で2日から3日しか登校しなかった生徒が連日のように登校し、立派な成績で進級するなどの生徒もいます。また、小学校で勉強につまずいた生徒が夜遅くまで補習に頑張っている。いろいろなハンディを抱えながらも登校し、10代から60代の年齢層の中で勉強だけでない人生や生き方を学び合える大切な居場所が定時制です。小規模校だからこそ自分の居場所を見出すことができる。身近にあるからこそ通学も働くことも可能にしているのが、今の定時制の最大のよさではないでしょうか」と訴えておられます。

 中野区教育委員会は、このような定時制高校の存在をどう評価しておれますか。小学校、中学校の不登校がふえている中で、子どもたちの進路選択、人生選択の大切な選択肢の一つとなっています。働きながら学ぶことのできる定時制高校の今日的役割について見解を求めます。

 都立定時制高校を守る運動と世論はますます広がっています。9月9日には都立定時制高校を守る会連絡会が新配置計画の見直し、10月計画決定の延期を求め、また、中野区などの第3学区の定時制高校の6校のPTA会長連名の要請書が都教委に提出されました。

 富士高校定時制の生徒会長は、「先日発表された定時制統廃合について意見があります。今まで4年間学校で過ごしてきてすごく楽しかった。その理由は、この学校の人数が少なく、学校自体が一つの家族のようで楽しく、かつ悩んでいるとき親身になって相談に乗ってくれる先輩、先生たちがいて、とても安心できる学校です。そして中学校のときは嫌いだった学校が、自分から行きたいと思うようになったのも、この学校の校風というか、よさだと思います。僕はことしで卒業になりますが、これからも後輩や新しく入って来る人たちのため、この富士高校定時制は残してほしいと思います。そして僕が卒業してからの富士高も、きっといい学校になると思います。ぜひ残してください、お願いします。」と作文で存続を訴えています。

 東京都教育委員会が決定しようとしている新配置計画案の発表までの過程が余りにも無謀であり、都民関係者無視と言わざるを得ません。都教育委員会は、生徒や保護者、教員など学校現場や商店会、町会や地域の意見や希望を一切聴取することなく、一方的に対象校を6月に発表したのです。そして10月の教育委員会ではこの案を決定すると表明しているのです。

 定時制高校への入学、編入の理由には、不登校や全日制高校への受験失敗だけでなく、中学卒業後働く中で高校卒業の資格の必要から、年齢を重ねてからの入学者も多数です。現役の方は、「学校が廃校になることは反対しますので、もう一度方針を考え直してください、私は今59歳です。昼間は仕事をして、夜間でお世話になっています。私ぐらいの年齢の人はいっぱいいます。皆さん仕事で一生懸命働いています。学校に行って勉強したいと思っている人も大勢います。私よりもっと若い人も、もう一度学校へ行きたいと思う人もいるでしょう」とあるように、定時制高校の存在が生きる希望と新しい人生の目標にも結びついている。

 教育を受けたいという人間としての権利は何人も奪うことはできないはずです。定時制高校は絶対に廃校してはなりません。中野区教育委員会はこの立場で東京都教育委員会に中野区としての明快な立場をしっかり伝えるべきです。答弁を求めます。

 次に、小学校、中学校の普通教室の冷房化について伺います。

 日本共産党は、「猛暑から子どもたちの学習環境と健康を守るため、小・中学校の普通教室へのクーラー設置の補助を」と国に対して申し入れと要請を行ってきました。23区の区議会文教委員長会からも同趣旨の要望が国に出されたとのことです。クーラー設置の要求は、中野区小・中学校PTA連合会からも早期実現を求める要望として強く出されています。

 ことし2月には「塔山小学校の教室に冷房機の設置を求める要望書」が父母の方から教育委員会に出されるなど、子どもたちが長い時間生活の場として過ごす学校は、子どもたちにとって快適な環境にあるべきとの思いは、多くの父母や学校関係者の共通の願いです。

 都内の年間平均気温は過去100年間で2.9度も上昇しています。この夏、気温35度以上の真夏日が53日間あり、熱中症によって救急搬送された患者が過去最多の629人にもなっています。中野区では、光化学スモッグ予報はことし14回も発令されています。まさにヒートアイランド現象が顕著になっており、かつて小・中学生だった大人には予測できない学校の状況にあると言えます。

 ある区立小学校の教師が行った3階の普通教室の気温・室温調査では、夏休みを除いた6月15日から9月24日までの外気と教室内の温度差は3度から5度以上も教室の温度が高くなり、教室が36度以上の温度になるのも珍しくないといいます。子どもたちに授業中の水飲みを認めるなどしながらしのいでいるとの話です。

 車の排気ガス、緑の減少、マンションの建設によるコンクリート化、一般家庭のクーラー放出熱などで引き起こされる温暖化の事態から、子どもたちが落ちついた環境で授業を受けられる学校にすることは教育委員会の責務です。9月13日の教育委員協議会においても教室の暑さ対策が議題とされたと聞いておりますが、どのような議論が行われたのでしょうか。

 文部科学省は、これまで職員室や音楽室、コンピュータ教室などを冷房化の対象としてきました。しかし、こうした要望を受けて来年度予算の概算要求に空調設備の整備費100億円を盛り込みました。同省は、当初、公立小学校の新築、増改築に限り補助の方向だったようですが、既存の学校と公立の幼稚園、高校の冷房化も3分の1を国庫補助するとしています。少なくとも国庫補助を2分の1に引き上げることを求めたいところですが、まずはクーラー導入へ道を大きく開くことになったことは歓迎すべきです。

 中野区では、既に幹線道路や西武新宿線騒音対策によって、一部の学校、一部の普通教室にクーラーの設置が行われています。残る小・中学校の400余りある普通教室への設置が要望されています。目黒区では、ことしの夏休み中に普通教室372教室すべてにリース方式で完了したとのことです。

 ヒートアイランド対策では、屋上や校舎回りの緑化、冷房機と扇風機併用など環境への負荷を軽減することも重要です。また、リース方式などの検討と使い方の方法を工夫しつつコスト削減を図ることも必要です。設置するための具体的方策を強く求めるものです。見解をお聞きします。

 次に、江古田の森保健福祉施設の整備についてお聞きします。

 2006年度開設とする江古田の森保健福祉施設整備方針案が示されました。導入される施設は介護老人保健施設、この老健に併設した通所リハビリテーション、特別養護老人ホームや小規模身体障害者養護施設と知的障害者入所更生施設及びその他の施設となっています。

 「江古田の森に一日も早く保健福祉の総合的な施設を」との声は、多くの区民の共通の願いであります。日本共産党区議団は、この切実な区民の要求を議会ごとに取り上げ、施設の早期実現を求めてきたところです。

 整備方針では、整備の方法を民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法に基づくとしています。PFIとは、公共施設の設計、建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法とされ、イギリス、オーストラリアなどでは既に実施されてきました。日本でもリゾート開発で多用されて、多くの自治体で破綻した第三セクター方式も広い意味においてPFIの一形態と言われています。

 内閣府がことし4月公表したPFIに関する全国アンケート結果では、「導入に向けて既に検討を進めている」あるいは「既に導入事例がある」という自治体は4%、「今後前向きに検討したい」は22%、残りの74%は「しばらく様子を見たい」と回答しています。財政難にあえぐ自治体は、学校、病院、文化施設など従来から行政が公共事業としてやってきたものをPFI手法の導入によって実施していくという事業例が圧倒的です。

 そこで伺います。

 中野区が整備方針案で整備手法としてPFIを導入するに至った経過、とりわけPFIについての検証は何を持って行われたのか、お答えください。

 中野区のPFI方式による保健福祉施設整備は、全国的に見ても初めてのものと言われています。それだけに慎重な検討が特に必要です。だからこそ、議会、区民にすべての情報を公開し、慎重な検証による検討が強く求められているのです。

 PFI手法は、中野区の現状においては重要な手法の一つであることは疑う余地がありません。だからこそ調査と検討が決定的と言えます。その立場から、ここではリスク問題についてお聞きします。

 PFI事業におけるリスクの分担はどうなるのかという問題です。PFIのメリットとは自治体の財政負担額が少なくなることとされています。江古田の森保健福祉施設整備手法調査研究業務委託調査報告書によると、BOT方式では施設を長期に民間事業者が所有し運営するため、区が施設の維持管理費用の負担を負わないので最も区の財政負担が少なく、リスクも少ないとしてPFI方式のBOTが手法として適当であると結論づけています。

 例えば、PFI方式BOTを手法とした場合、30年、50年の長期にわたる事業となるため、不幸にも事業経営が途中で成り立たなくなった場合にはどうなるのか。PFI事業の経営が危ういことが判明した時点で区はどのように関与するのか、できるのか。事業が破綻したとき施設等が金融機関の差し押さえの対象になることはないのか。もし破綻した場合、事業の引き継ぎ先がなかったら最終的には中野区が負うことになるのか。このリスクは協定書締結だけで担保されるのか。これらのことについて区の見解を伺います。

 PFI方式BOTの短所の一つとして、民間事業者の創意工夫を第一義とするため、区民の意見等を十分に反映できないことが指摘されています。PFIでの長期間の業務の運営内容や維持管理についても、住民の意見がどう反映される保証があるかが重要です。多様な条件のもとに使う福祉施設だけに不便を感じるところが出てきたり、時代とともに区民の要求水準が変わってくることが予想されるからです。

 PFI事業は動き始めたばかりなので、具体的事例での検証は困難を極める面もありますが、利益に結びつかないことなどを理由に区民要望が押さえ込まれることにならないようにしなくてはなりません。運営・施設の維持・管理・改修などにもかかわる住民要求が十分に反映される仕組みがどこでどう担保されるか、答弁を求めます。

 次に、山手通り、環六の環境対策についてお聞きします。

 山手通りの工事は長期化し、沿道住民、商店、歩行者、そこに暮らすすべての住民に重大な被害と影響を日々及ぼしています。2002年5月22日に東中野東部地域を中心に活動している山手通りの環境をよくする住民の会88名と首都高速道路公団として工事を施工している特定建設工事共同企業体の三者が関係する工事区間について、工事期間、工事中の公害防止、損害処理、連絡体制などについての確認書が調印されました。

 公共的工事において、これまで住民が工事そのものに加入できる対等な関係は存在しなかっただけに、今回の確認書調印は住民にとって意義を持つものとなっています。発注者の東京都や公団、施工者にとっても責任の所在が明確になったこと、調印三者がお互い役割を担って地域に責任を負う点において意味あるものと考えます。中野区は、長期間住民に甚大な被害と影響を及ぼしている大規模公共工事に関して、工事などでの協定について、今回の三者間確認書についてどのような認識と見解をお持ちか伺います。

 12月29日には国と東京都、そしてディーゼル車製造メーカー7社を相手として中野区内の気管支ぜんそくの患者と家族26名を含む518名の原告団が争っている東京大気汚染公害裁判の判決が下されます。損害賠償や大気汚染物質のNO2 SPMの排出差し止めを求めているだけに、裁判所の判断が東京の道路行政と進行中の山手通りの工事そのものにも影響を与えることは間違いありません。

 首都道路公団は交通量について、計画当初の予測は東中野周辺で1日の交通量を山手通り6万台、地下高速道6万8,000台と公表していたものを、2007年開業時予測を、山手通りで5,000台、地下高速道路で1,000台が減少するとの下方修正を行いました。道路公団のあり方が問題になる中で、1メートルの工事費1億5,000万円の莫大な財源をつぎ込む公共事業のあり方は一層厳しく問われます。これを期に環境対策についても改善していく機会にしなくてはなりません。

 これまで国、東京都、道路公団に対し求めるべき環境対策については、中野区と住民の要望は一致しており、それぞれの立場からその実現を求めてきました。地下高速道路の排気ガス処理対策としての低濃度脱硝装置、電気集塵装置の設置は絶対的条件となります。

 豊島区、新宿区、渋谷区、地元中野区の沿道住民からは、「延長11キロの地下高速道路上に9カ所の換気所と高さ45メートルの18本の換気塔は当初計画のままでいいのか」との疑問の声が広がっています。中野区は換気塔への脱硝装置、電気集塵装置の設置約束をきちんとしていない国、東京都、首都高速道路公団に設置の約束をまずさせるべきです。

 田中区長は、区長立候補表明後の公開質問状に、「脱硝装置の可能性についてもっと踏み込んだ検討がなされるべきと考えます」、さらに中野区の対応を問われ、「都に積極的に働きかけていくべきと考えます」と回答されています。何を踏み込んだ検討がされるべきとお考えなのか。また、東京都に対し何を積極的に働きかけていくお考えなのか。今後、区長が環六山手通りの環境対策について何をどう行動していくつもりなのか、具体的にお聞きします。

 地下高速道路への土壌脱硝設置も、中野区としてこれまで要求し続けているものの一つであります。これまで公団は、排気ガスを処理するだけの土壌の確保が困難だということを理由の一つとしてきました。換気塔の機械式脱硝処理と併用することによって土壌脱硝の効果を十分上げることができます。機械脱硝の開発が進んだとしても90%までの処理能力ということですから、残る10%の処理についてもあらゆる手だてを尽くし除去しなくてはなりません。それは事業者、行政の側に区民の命と健康を守る責任があるからです。

 また、地上部分の山手通りそのものの排気ガス対策も必要です。既に本町の地下高速道路出入り口への土壌大気浄化システムの装置については、地元住民の会から要望が出されているところです。また、全国的に土壌大気浄化システムの実用化が進み、効果が明らかになっています。積極的に中野区として地下高速道路への土壌脱硝装置と機械式脱硝の併用設置要求を強く求めていくとともに、山手通りへの土壌大気浄化システムを要求すべきです。山手通りの将来街路が確定する中で、東京都と道路公団は地域を特定し、電柱の地中化を初め、将来街路の工事を先行して進めます。この先行街路事業に土壌大気浄化システム装置を取り込むことを要望すべきではありませんか、お聞きいたします。

 この項の最後に、中野区と住民の粘り強い要望と運動によって、山手通りの車線が6車線から4車線プラス停車帯、歩道幅は5メートルから9メートルとなり、自転車道も設けられることになりました。歩道と自転車道の仕分けをどうするのか、植栽の種類をどうするのか、東京都からは住民自身が住民の総意として決め、中野区を通して東京都に上げてほしいとの説明が行われていますが、これについては中野区はどのような支援を行っていくのか、どうかかわっていくのか伺います。

 あわせて地元からは、東中野駅前の桜川橋のかけかえに伴う駅前広場のあり方、生かし方について住民、商店会、町会長の意見やアイデアはどの段階で反映できるのかとの要望があります。地域住民、地域関係団体、まちづくりのグループ、専門家の指揮を発揮していただくなどの広範な区民の意見、要望が生かされる駅前広場検討の場をどのようにつくっていくお考えなのか、お聞きいたします。

 これで私の質問のすべてを終わります。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) お答えをいたします。

 お答えに先立ちまして、午前中の答弁で若干訂正させていただきたい点がございましたので、お話をさせていただきます。

 午前中、斉藤議員へのお答えの中で対話集会を7回実施したといったような発言をしました。7回ではなく6回でございましたので、訂正をさせていただきます。

 来住議員の御質問でございます。山手通りの環境対策について、脱硝装置を設置するということについて東京都に対して働きかけていく立場についての御質問でございました。

 排気ガス浄化装置につきましては、現在、首都高速道路湾岸線の京浜島の換気所におきまして性能安定性、耐久性等の確認、また実機適用に向けたスペース、消費エネルギー、コスト縮減等の課題に対処するための実験中であるというふうに聞いています。

 区としては、健康で安全な区民生活を守るためにも、首都高速道路公団を初め関係各機関に脱硝装置の実用化と導入を改めて強く要望してまいりたいと考えています。

 土壌による脱硝装置についても、導入に向けた検討の要請を行っているところであります。ただ現時点では、処理能力の安定性や、また広範な面積を要するといったような問題があるということから、難しいというふうに聞いているところであります。

 私からは以上でございます。その他の御質問にはそれぞれの所管からお答えさせていただきます。

     〔教育長沼口昌弘登壇〕

○教育長(沼口昌弘) 定時制高校を含めます都立高校の再編計画に関する御質問でございます。

 都立高校改革支援配置計画案につきましては、富士高校の中高一貫化を中心に、プレス発表等の1週間ほど前、東京都の担当部長の方から情報提供という形で説明は受けました。その後、23区の教育長会でも東京都が来て説明はしてございます。学校関係者等への説明、あるいは意見聴取を行った上で10月に計画を決定する予定だと、そのように聞いています。

 区の教育委員会にもこの件については報告してございますけれども、教育委員会として、直接の所管事項ではないということもございまして、特に反対であるとか、そういう意見はございませんでした。

 次に、普通教室の冷房化についての問題でございますが、9月13日に野方地域センターで教育委員会を開きました。そこで平成15年度の教育予算編成に向けての基本姿勢、それについて協議したところでございます。その中で重点課題をどうするかということを検討しましたけれども、教室の暑さ対策のために空調機の設置を重点課題の一つとしたらどうかというような議論が交わされたところです。

 具体的な対策につきましては、今後検討していきたいと考えてございます。

   〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 私からは福祉と介護の充実と改善、並びに江古田の森保健福祉施設整備についての御質問にお答えします。

 まず、第2期中野区介護保険事業計画策定に当たっての御質問でございます。保険料負担についての御質問でございました。

 介護保険の財政につきましては、保険料と国と区の負担で運営しているものでございます。介護サービスの給付量がふえるということになりますと保険料も上がるということになります。

 今回検討しております第2期介護保険事業計画素案の中では、高齢者が増加するということに伴って介護サービスの利用もふえていく。また、介護サービスの利用率も上昇するというふうに予測してございます。こうしたことから介護費用の増加が見込まれているところでございます。これに応じて被保険者の保険料も上昇するということになるわけでございます。

 また、保険料の軽減でございますけれども、軽減対象者の所得、その他の要件につきましては、現在、介護保険運営協議会の意見などを聞きながら検討しているところでございます。

 次に、ホームヘルプサービス利用料についての御質問でございます。

 現在行っております訪問ヘルプサービスの軽減策につきましては、国の制度といたしまして5年間の経過措置ということで実施されているものでございます。

 この軽減策につきましては、12年度から14年までの3年間は3%、せんだって15年度、16年度につきましては国から6%ということで示されたところでございます。この軽減策につきましては経過措置ということで行っておりまして、区が独自に利用者負担率を3%に据え置くということについては難しいというふうに考えてございます。

 次に、要介護認定についての御質問でございます。

 認定調査につきましては、法定期間内に処理ができるように委託事業者の拡大、また社会福祉協議会における認定調査体制の強化、また、かかりつけ医の意見書の提出を早めてもらう、こういったことから期間の短縮化に努めてきたものでございます。今後さらに認定審査会の合議体数をふやすというようなことを行いまして、法定期間内の処理を実現していきたいというふうに考えてございます。

 次に、支援費制度についての御質問にお答えいたします。

 支援費制度の基準についてでございますけれども、支援費制度の基準の設定に当たりましては、重度障害、また重度重複障害、こういった方が適切にサービスを利用できるように施設訓練等支援費、また居宅生活支援費のうちデイサービス、そういったことにつきまして障害の程度に応じて三つの区分を設けながら検討しているところでございます。

 また、特別な障害特性を有する方に対しての対応といたしまして、制度的には、身体障害者施設の関係ではALS層の支給加算、また常勤医師の加算、また知的障害者の施設関連では強度行動障害者に対する支援加算、また自活訓練支援加算等の特別加算が設けられているところでございます。

 区といたしましては、こうした障害程度による区分や重点加算の考え方に基づきまして決定していきたいというふうに考えてございます。

 次に、負担能力についての御質問でございます。

 利用者の負担につきましては、支援費の制度上、利用者または扶養義務のある方の負担能力に応じて負担するということになってございます。この設定に当たりましては低所得者に配慮して、所得にかかわらず必要なときに必要なサービスが利用できるような利用者負担体系にすること、また在宅サービス利用者と施設サービス利用者との負担の均衡を図ること、全体といたしましては、これまでの公費負担水準を維持するということが考えられ、これを原則として定められたものでございます。

 次に、支援費決定に対しての体制についての御質問でございます。

 支援費の支給に当たりましては、支給申請のあった障害者から障害の状況やサービス利用意向を聞き取るとともに、訪問調査を行いまして、その結果を勘案して決定することになります。この決定に当たりましては、保健福祉センター、また保健福祉相談所の相談支援担当職員で構成する判定会で行うことになるわけでございますけれども、必要に応じまして施設職員等の意見を伺うことも考えてございます。

 また、障害者手帳のない人からの支給申請につきましては、区が必要というふうに認めた場合にはサービスの利用は可能でございます。この際、障害を有するかどうかの判断が困難という場合には、必要に応じて更生相談所、東京都では心身障害者福祉センターですけれども、そこの意見を求めた上で区で決定するということになるわけでございます。

 次に、相談申請窓口の充実等、また団体への説明についてでございます。

 障害者福祉サービスの意向調査によりましても、支援費制度の周知度が非常に低いということがあります。障害者本人や家族、団体等に対しては、これまでも制度の説明をしてきたところでございますけれども、引き続き制度の趣旨や利用勧奨について必要だというふうに考えてございます。さまざまな機会を通じて説明をしていきたいというふうに思っております。

 次に、障害者の自己決定に関する問題でございます。

 民法の成年後見制度の適用を必要とする障害者の方に対しましては、後見審判の申請手続などの支援、また日常生活に関する相談、助言、指導をしていくことが必要だというふうに思っております。また、これに対する対応についてはまだ課題があり、検討していかなくてはいけないというふうに思っております。現在、具体的な方策を検討しているところでございます。

 次に、障害者の就労支援についての御質問でございます。

 区では、平成12年度から障害者福祉事業団へ委託しまして障害者の就労支援を実施してきたところでございます。実績は、障害者の就労実施を受けた企業はこの2年間で28社でございます。その職場で実習した人は53人、就労につながった者が32人、現在も定着しているということで就職した方が26人、定着率は81%ということでございます。

 こうした就労支援事業を通しまして障害者の一般企業への就職が促進されるということなど、着実な成果が上がっているというふうに認識してございます。今後も、就職した障害者の定着率等を含めまして支援策が必要というふうに考えてございます。

 また、就労についてでございますけれども、国内の景気、経済情勢が好転しないという中で、企業の経営改善のためのリストラも行われております。こういったことから障害者の就労が非常に厳しい状況になっているということでございます。区といたしましては、ハローワークなど関係機関との連携をとりながら職場開拓、障害者の就労能力の向上を進めるなど、就労意欲のある障害者の就労支援を積極的に行っていきたいと考えてございます。

 就労を支援するジョブコーチについての御質問でございます。

 ジョブコーチの能力の向上、また雇用条件の改善など実施体制の強化を今後も進めていきたいというふうに考えてございます。

 次に、障害者福祉事業団の法人化についての御質問でございました。

 区といたしましては、障害者福祉事業団が障害者福祉の一翼を担うということに対しては非常に期待をしているところでございます。支援費制度、また中野区における障害者のニーズを踏まえて障害者福祉の充実と推進に貢献できる事業団になっていただきたく、自主的で自立した活動を行えるような法人となるよう引き続き支援をしていきたいというふうに考えてございます。

 次に、江古田の森保健福祉施設の整備に関する御質問にお答えします。

 今回、PFIを導入するに至った経緯でございますけれども、事業手法を検討するということから、公設民間委託、民設民営のほか、平成12年3月に新たな整備手法となりましたPFI方式について検討することといたしました。

 この三つの方式について、用地を取得する、また運営費、建設費、運営主体を総合的に比較検討した結果、PFI方式が最も中野区にとって適切な事業手法というふうに判断したところでございます。

 事業者の経営が成り立たなくなった場合ということで御質問がございました。この施設は国の補助金で建設することになると思いますけれども、補助金で建てた施設につきましては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律というものがございまして、こういう補助金で建てた施設については担保に供してはならないということになってございます。また、事業が破綻して金融機関の差し押さえの対象にならないかというようなことでございますけれども、こういったことにならないよう、これから実施方針等について検討するわけですけれども、事業スキームを十分検討していきたいというふうに思ってございます。

 また、運営開始後につきましては、他の社会福祉法人と同様に、事業者が責任を持って対応するというものでございます。

 以上でございます。

   〔都市整備部長石井正行登壇〕

○都市整備部長(石井正行) 私からは山手通りの環境対策につきましてのうち2点についてお答えをいたします。

 まず、住民と事業者との協定について区はどのような認識と見解を持っているかという御質問でございます。

 山手通りの工事につきましては、工事期間が長期にわたっており、沿道住民の受ける影響が大きいことから、区といたしましても工事の早期完成並びに安全対策等につきまして、機会をとらえては事業者にその都度要請をしてきたところでもございます。

 そのような中、事業者と沿道住民との間で工事に関する基本的な事項についての確認書が取り交わされたということにつきましては、両者の努力の大きな成果であったというふうに考えております。

 区といたしましては、今後も事業者に対しまして工事内容及び工程等についての迅速で的確な情報提供など、沿道住民へのきめ細かな対応を引き続き求めていく考えでございます。

 次に、山手通りの自転車道や植栽など道路の断面構成、それから桜川橋かけかえ工事と東中野駅前広場整備に関する御質問でございます。

 東京都によりますと、山手通りの拡幅整備における植栽の樹種や歩道の断面構成など、その詳細な構造につきましては、現時点ではまだ決定をしていないということであります。区といたしましては、沿道住民等からの意向の把握に努めまして、東京都に対し要望をしてまいります。

 また、桜川橋かけかえ工事に伴う仮設桟橋の使用後、区が行う東中野駅前広場整備につきましては、時期を失しないよう地域説明を行うとともに、今後、整備計画の策定に当たりましては、地元住民の広範な意見を取り入れていく検討の場をつくっていきたいというふうに考えております。

     〔来住和行議員登壇〕

○21番(来住和行) 2点だけ再質問をさせていただきます。

 江古田の森の質問を3点しましたが、最後の質問の中で、PFIの手法において地元区民の参加の仕方、特に長期にわたる運営ということで、施設等に対する要望等が当然出てくるだろうことに対して、区民との関係でどういう場が担保されるのかということを聞きましたが、答弁がなかったように思います。

 山手通りの点で1点だけですが、山手通りの部分で先行整備が行われるということで、それにあわせて山手通りの上の部分の車の排気ガスの対策、今各地で実証され、評価されている大気浄化システムを区として要求すべきではないか。区長は先ほど、地下高速道路の土壌脱硝については区としても要望をしているという答弁がありましたが、私がここで要求しているのは、先行整備がもう始まりますので、それにあわせて区が土壌脱硝システムの要求を今しなければ、幾ら要求する、要求すると言っても、それはかなうものではありませんので、これにあわせて要求していただきたいということをお聞きしたわけですので、御答弁をいただきたい。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 山手通りの先行整備部分への土壌脱硝の導入についての検討、要望ということでございます。

 現時点における技術的な可能性等について、先ほど御答弁申し上げましたとおり、かなり難しい面があるといったようなことを聞いているところでございます。引き続き可能性について調査をしてまいりたい、そのように考えております。

   〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) PFIによります事業で建設されたものにつきまして、今回はBOTということで運営まで目線に入れた事業者選定をしていきたいというふうに考えてございます。これに当たりましては、運営開始後については、他の社会福祉法人と同様に事業者が責任を持って対応するということになるわけでございますけれども、介護保険制度、また支援費制度の中にありましても、サービス供給等につきまして区では指導、助言をしていく役割があるわけです。その中で十分区民の声を聞きながら指導、助言をしていきたいというふうに考えてございます。

○議長(斉藤金造) 以上で来住和行議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 はっとり 幸 子

 1 区長の区政運営について

 2 介護保険制度の改善提案について

 3 支援費制度について

 4 NPOとの協働を進めるための区の役割について

 5 その他

 

○議長(斉藤金造) 次に、はっとり幸子議員。

    〔はっとり幸子議員登壇〕

○19番(はっとり幸子) 2002年第3回定例会におきまして一般質問をいたします。

 最初に、区長の区政運営について伺います。

 1点目に、所信表明で区長が述べられた(仮称)自治基本条例の制定についてお聞きします。

 地方分権の流れの中で、住民の地域への関心の高まりとともに、今、自治体を舞台にしてさまざまに地方自治、市民自治への追及が始まっていると言えるのではないでしょうか。その一つが新しい条例づくりの取り組みだと思います。

 「明治の自由民権期、戦後憲法の制定期に次ぐ第3の立憲時代の到来」とする識者もいます。中野区が制定する(仮称)自治基本条例は、いつ、どのように制定されるのでしょうか。

 区長は所信表明で、「(仮称)自治基本条例の制定について情報公開、情報提供や区民参加のプロセスは、区が区民に約束するルールとして確立するため、その根拠として、住民参加の理念と手続を定める」と述べています。区民にとってなぜ自治基本条例が必要なのか、条例ができたら何が変わるのか、自分たちにとっていいことなのかなどについての理解はほとんどありません。しかし、区政とかかわりを持ったことがある、また持っている人々には切実な問題であることも確かです。これからの時代は確実に区民と行政との関係は今以上に強くなることは明らかです。

 中野区がこれから制定する(仮称)自治基本条例は、自治と住民参加の理念と手続を定めることでいいのか。参画と協働の意義を明確に押さえることが必要ではないのか。時代が要請する自治の理念をどのようにとらえるのかなど、基本のところが重要です。

 現在、各方面から注目されている杉並区の(仮称)自治基本条例に関する区民懇談会の議論では、区政への参画、協働の意義についての議論がしっかりと行われています。区のお考えを伺います。

 この項の2点目です。

 田中区長の就任から3カ月余りが経過しました。短い期間ですが、区長は精力的に公約実現に向けて取り組み始めています。7月より月2回の地域に出向いた区民との対話集会を初め、区民や各種団体との意見交換会や懇談会、職員との政策議論や意見交換、また庁内の職場訪問などを通して多くの区民、職員と区政について語り合ってきています。

 一つひとつの集会については、参加者の思いは千差万別ですから、当然よい評価、また手厳しい批判などがあり、さまざまな声が聞こえてきます。「誠実に答えてくれる姿勢に好感を持った」という人、「本当に頑固ですね」という理事者、「区長らしくないからいい」という人、「もっと区長らしくして」という人、「自分のセクションの課長とだってほとんど話したことがないのに、区長と話すなんてうれしいけど緊張する」という若い職員、インターネット上で区民を装い、区長の区政運営批判を続ける人など、田中区長は区民、職員から期待をかけられつつも、大変厳しい目を持って注視されているのが現状だと思います。

 しかし、以前のように職員が親指を立てて、「コレがかわらなきゃもう中野はおしまいだ」とか、小指を立てて名前を頭文字で呼び、「ここは恐怖の組織だ」というひそひそ話が行き交っていた時代と変わって、職員があからさまな批判ができる状況になったことについて、庁内の空気が変わったあかしと言えるのではないかと感じているところです。

 そうした中で、今回の住基ネット切断や職員の接客対応についての「六つのお約束」問題が象徴しているように、議論すべき関係者と十分に議論せず、独断的な対応が多いのではないかと指摘する声が出ています。今回の議会においても、同僚議員の皆さんから区長の政治姿勢、区政運営の手法の問題点としてただされました。徹底した情報公開と説明責任を公約し、「議会と行政は車の両輪である」と議会で答弁しているのにです。

 区長は選挙中、公開、非公開を問わず、区民が開催し、参加要請のあったすべての討論会、対話集会に参加し、政策の議論を積み上げてきました。同時に、参加した区民からの職員を見る目の厳しさを、職員時代とはまた違った立場で実感されたことと思います。選挙中とはいえ、はたで聞いていて、よくあれほど誠実に対応できると感心したものです。そうしたことがあったからこそ、区長は就任後、早速の職員の接客対応「六つのお約束」となったのだろうと私は推測できるのです。

 9月3日からの実施は、職員からは、「いきなりこんな内容のものがおりてきた」と不評ですが、職員の電話や窓口対応は区民に大変評判がよいものです。

 私は、住基ネット切断の経緯や是非についても、理解している区民は意外に多いという印象を持っています。新しい中野をつくるための試みが始められ、区長の政治姿勢には信頼を置いていますが、どのような手法を用いるかも重要だと思います。今後については、決断の前に十分な情報提供をした上で議論を重ねていくことが必要だと思います。

 所信表明の冒頭で述べられた「区民の信託にこたえるための議会との密接な連携」についても、どうか実行性のある対応をもって進めていただきたいと思います。区長を裸の王様にしてはならないとの思いを込めて申し上げました。御理解をいただき、今後の区政運営についてのお考えを改めてお聞きしたいと思います。

 次に、介護保険制度に関する改善提案について伺います。

 介護保険制度が3年目になりました。私たちが東京全体で制度導入前から5か年計画で始めた制度の検証のための調査は、全10回のうち、ことし6月で6回目を終え、介護報酬見直しや事業計画見直し作業を進める国や自治体に向け介護保険制度に関する改善提案を行い、中野区にも7月30日、提出したところです。

 私たちの調査結果からは、特にケアマネジャーやホームヘルパーに関して、サービスの質の向上、きめ細かな利用者対応、それを支える雇用環境の改善などに集約される問題点が利用者の声として大きく上がっています。

 もう一つは、要介護者と介護者の間の葛藤です。措置から契約に、税から保険への変化が介護の社会化を進める兆しは見えますが、高齢者自身の自分らしい生き方の主張と介護を支える側との折り合いはさまざまな困難を抱えています。特に痴呆や医療的介護を必要とする重介護の場合には制度上の問題が際立っています。

 厚生労働省の社会保障審議会給付検討部会から費用報酬等の見直し骨子が発表されたところです。また、国も都も利用者のサービス選択に資する情報提供として第三者評価の導入準備を始めています。

 区へ提出した改善提案について8点お伺いいたします。

 1点目は、今後、痴呆症状のある高齢者が予想されますが、痴呆症状のある高齢者にも対応できるデイサービスやショートステイを区内に整備していくことが必要です。今後についてのお考えをお聞きします。

 2点目に、ケアマネジャーについては課題が多くあります。要介護高齢者等に対して最適なケアプランを作成するためにケアマネジャーのレベルアップを図ることが急務です。区は保険者として積極的に研修を実施すべきだと思います。お考えをお聞きします。

 3点目、ケアプラン作成に当たっては、ケアマネジャーを中心にサービス担当者会議を開催することになっていますが、実際には余り開催されていません。私たちの調査でも14%にとどまっています。担当者会議が開催しやすくなるように区が環境整備をする必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

 4点目、区内にショートステイの基盤が不足しているため、介護者の緊急のニーズにはなかなか対応し切れていません。こうした状況を解消するため、区はどのように対応していくのか、お考えを伺います。

 5点目、区は制度導入の初年度、事業者連絡協議会を立ち上げ、翌年、2001年度には、その中に苦情処理の仕組みを設けることのことでした。ようやくことし3月に事業者連絡協議会が設立されましたが、苦情処理の仕組みを設けることについて、どのようにお考えでしょうか。現在どのような取り組みが進んでいるのか、お答えください。

 6点目、現在、国、東京都はサービスの質向上のために第三者評価の仕組みづくりを進めています。区も第三者評価の仕組みづくりに向け、具体的にどのような検討をされているのでしょうか、お伺いいたします。

 7点目、第2次介護保険事業計画策定に向けた中野区介護保険運営協議会の中間のまとめでは、在宅介護支援センターは介護保険以外の保健福祉施策等を含めた在宅ケアを推進する核となるものであり、その充実、機能強化が要請されるとあります。区はこの中間のまとめを受け、今後、在宅介護支援センターをどのように充実させていくのでしょうか。在宅介護センターについての問題点をどのように把握し、今後についてどのようにお考えでしょうか。

 8点目、要介護高齢者等の在宅生活を支える介護保険制度の充実は当然ですが、同時に区としての負担もふえてきます。区民自身が地域をどのようにしていくのか、地域の活性化と介護予防をどのようにつなげていくのかなど取り組みを進めていかなければなりません。市民の役割、地域との連携を深めていく必要があります。区はどのようにお考えでしょうか。

 命長らえるだけでなく、生きている実感が得られるよう、利用者の声によって制度の改善をしていくことが必要です。90%の介護を受けていない被保険者が実際に介護を受けるようになったとき、保険料を払い続けてきてよかったと思えるような介護保険制度にしていかなければなりません。

 次に、支援費制度についてお伺いします。

 支援費制度は、従来の措置制度から利用者の自己決定を基本とした制度への転換を図るとして、既に社会福祉法の改正時に基本部分が法で規定されています。支援費制度は社会福祉の基礎構造改革の中でも、介護保険制度と並ぶ最大の制度改革と言われますが、移行に当たっては、今なお多くの課題が残っています。

 今回は利用者の自己選択と決定権が保障されるためのサービスの量と質が伴った基盤整備を進めていく上で、現在どのような検討を進めているのか伺いたいと思います。これまでの他の皆さんの質問と重なるところもありますが、5点について伺います。

 一つ目に、保健福祉総合推進計画策定にかかわる調査と当事者の参画について。

 中野区では、支援費制度の移行に伴い、保健福祉総合推進計画策定に向け審議会から基本的な考え方についての中間答申が出されたところです。計画の策定に当たっては、区内に居住する障害を持つ人の人数の把握、現状のサービス内容、利用実績、今後のサービス利用にかかわるニーズ、通所施設や生活寮、ヘルパー、グループホームの数、定員数の調査を行い、在宅時においてのサービスの利用予測などを図る必要があると思います。調査を通して制度の改正を知らせていく機会にしていくこともできます。年次ごとの数値目標を策定し、利用者がサービスを選択して利用につながる基盤整備、そして情報の提供が不可欠だと思います。

 また、計画策定への当事者の参画が欠かせません。計画の策定に当たっての調査や当事者の参画について、区のお考えをお聞きします。

 2点目に、相談窓口の設置について伺います。

 サービスの利用について、利用者の権利としての制度であることを知らせ、今後、苦情が寄せられるときの最初の対応として、相談窓口の設置が必要です。利用者がいつでも相談しやすい窓口と、いつでも相談に応じられる体制が身近なところに存在していることが最も大切な条件であり、中学校区に1カ所ぐらいの身近な地域に設置が必要だと思います。障害を持つ人のエンパワーメントを支え、コミュニティケアの拠点ともなる相談窓口を身近なところに設置することについて、どのようにお考えでしょうか。

 3点目に、自立生活支援事業についてお伺いします。

 現在行われている通所者の社会参加や機能を維持するための事業に加え、今後はセルフヘルプやピアサポート、ピアカウンセリングなど当事者間でのエンパワーメントを支え、職業訓練など社会参画へのサポートが重要だと思います。今後の自立生活支援事業についての区のお考えを伺います。

 4点目に、居宅サービスの充実についてです。

 新制度への参入を進めるために、事業者に対して行政からの積極的な情報提供が必要だと思います。そして区の責務として、必要に応じた適切なケアマネージメントを行うために専門職員を配置すること、良質なサービスを提供するための実務研修などの施策を進めることが急がれます。

 派遣されるホームヘルパーは基準に定められた要件が必要とされますが、資格の問題ではなく、障害を持つ一人ひとりのニーズを理解し、対応できるということが重要であるはずです。障害を持つ人を介護した経験を評価した介護者を確保することを基本に置いて、基準該当や地域に根差したサービスを提供するNPOなどとの協働を進めていくことが求められます。区は、居宅サービスの充実についてどのような検討をされているのでしょうか、お尋ねします。

 五つ目に、区の体制整備について伺います。

 区は情報提供に始まり、受付、審査、支給決定(利用者負担額決定)、受給者証の交付、支援費の支払いなど制度の中での区の役割があります。そのための体制整備が課題だと思います。障害を持つ人自身の本質的なニーズを引き出し、選択ができるような支援をし、必要とされるサービスをコーディネートする支援体制をつくることが必要です。区の体制整備についてはどのように検討されているのでしょうか、お考えをお聞きします。

 最後に、NPOとの協働を進めるための行政の役割についてお考えを伺います。

 特定非営利活動促進法、いわゆるNPOの施行から4年、そして地方分権のスタートから2年半たち、この二つの制度が軌道に乗り始めたことで、市民・住民と自治体のパートナーシップの新たな土壌がつくられ、全国各地でさまざまな試みが行われています。杉並区、板橋区、北区など近隣区においても協働型の区政運営を進めるために、NPOや市民活動を支援する機能を持った施設の検討や、支援の制度化の検討が進んでいます。

 協働型の自治体を目指し先行する自治体は、協働型事業の執行からコミュニティ行政との連携、コミュニティビジネス型の産業振興の模索へと新しい税源の確保、事業執行を求めて動き始めるなど、おくれている自治体との間で相当の格差が生まれていると言われます。

 中野区においては、ようやくさきの第2回定例会における区長の所信表明の中で、新たな支え合いの地域社会をつくるために自主団体やNPOを支援する新たな条例を制定する考えが述べられ、協働型の自治体づくりに向けた施策の方向が見え始めたところです。

 現在、中野区内には小・中学校から環境学習の講師派遣の依頼を受けているNPO、車いすヘルパー、盲人ガイドヘルパーとして障害を持つ人へのサービスを提供しているNPOなど、環境、保健福祉、大規模災害、国際交流、消費者など多様な分野で、法人格を取得した42のNPOが既に活動していると聞いています。法人格を持たないNPOを含めれば、かなりの数に上ると思われます。

 先週の土曜日、女性会館の事業で「気になる講座 その気やる気を地域で生かす、アイデアいろいろ身近な活動、NPOそしてコミュニティビジネス」と題した講座の第1回目が開かれると聞き、私も参加しました。講師は区内に活動拠点を持つNPO法人の理事長。約20人ほどの参加者は、チャイルドライン、DVの電話相談、女性の自立の手助け、食事配食サービスなど地域でNPOを立ち上げて活動をしている人、また、これから子育て支援に関するコミュニティ事業を始める予定の人などさまざまでした。参加者は、「NPO同士の交流や情報交換がしたい」「世代間を超えた情報がない」「実際に活動している人たちの話を聞きたかった」など参加の動機について話していました。

 区内に多様な市民活動が広がっている状況の中、中野区社会福祉協議会ボランティアセンターは、福祉の分野に限定せず、区内に拠点を持つNPO、市民団体に呼びかけて懇談会を開いており、ことしで3年目になるということです。毎回、十二、三のNPO法人の参加を得ているそうで、その中から懇談会の世話人を中心に、区内NPOの連絡会を立ち上げようという動きも出ているようです。

 近年、全国各地でNPOや市民活動を支援する機能を持った施設、あるいは組織がつくられています。私もこれまで鎌倉市、神戸市、日野市など幾つかの市民活動支援センターを見学しました。それぞれ特徴がありますが、自由に使える会議室、コピー機、印刷機などを設置し、情報相談コーナーでの情報提供や市民アドバイザーによる活動の相談、調査研究、広報誌や活動記録の発行などを行っています。

 日本NPOセンターの資料によれば、各地で次々に開設されている市民活動支援センターは、設立も運営も行政によるものから、設立は行政で運営を法人やNPOへ委託しているもの、社会福祉協議会のボランティアセンターの機能拡充をしたもの、市民団体が設立して運営も市民団体で行っているものなどさまざまです。

 中野区においても今月1日、旧まちづくり公社1階の一部を使用して十分な設備が整備された施設とは言えないものの、まちづくり支援・情報コーナーが開設されました。地域でまちづくりの活動をしている団体が登録し、活動を始めています。区のまちづくり公社廃止決定からコーナー開設に至るまでのまちづくり活動団体の熱意と、所管課長を初めとする職員の誠意ある対応など、関係者の努力のたまものだと思います。

 しかし、区内にNPOの活動が広がってきたとはいえ、いずれのNPOを資金や人材など十分とはいえず、運営面で多くの課題を抱えています。既に活動を進めているNPO、これからNPOを立ち上げようとしている人々などに対し、NPOが市民から信頼を受ける活動を広げていけるよう、区がNPOのPRをするなど新しい公共を担う人々への支援が急がれます。

 中野区社会福祉協議会は、この10月からNPO支援の助成制度を立ち上げ、1団体20万円で、ことしは5団体に総額100万円の助成を行うとのことです。NPOに対する行政の財政的支援については議論が分かれますが、中野区として時代に合った補助金の見直しとともに、今後検討すべき課題だと思います。

 また、まちづくり支援情報コーナーの機能の拡大を含め、中野駅周辺にある既存の施設を活用し、分野を限定せず、NPO市民活動支援の施設整備が期待されています。こうした状況を踏まえ、区としてNPO、市民活動団体の実態を把握し、新しい時代の区政におけるNPOの位置付けを明確にするとともに、支援のあり方などの基本方針を策定し、具体的施策を検討すべきだと思います。

 また、所信表明の中にある自主団体の活動を支援する条例の制定については、いつ、どのようにするお考えなのでしょうか。

 また、こうした検討に市民活動団体も参加して進めることが必要です。基本構想ともかかわると思いますが、どのようにお考えなのでしょうか。改めて区の見解をお聞きします。

 以上で私のすべての質問を終わりにいたします。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) お答えをいたします。

 まず、私の区政運営についてというところについて、私の方からお答えをさせていただきます。

 自治基本条例に関連をいたしまして、参加と協働の意義をこの際中野区民一体となって議論していく必要があるのではないかといったような御指摘でありました。自治基本条例の制定に当たりましては、そうした意味での現在の自治制度のあり方を踏まえて、さらにここから一歩踏み出して新しい社会における自治のあり方、市民参加のあり方といったようなことについて幅広く議論していくことが必要であろうかというふうに考えております。

 それから、情報を共有すること、議論をすること、そうした意味で議会との間の議論、あるいは職員とも議論を深め切れていないのではないかといったような御指摘があったところであります。住基ネットワークシステムの切断という判断につきまして、議会での説明、御意見をお聞きするといった対応について十分な努力をなし得なかったということについて反省をしているということを先日来申し上げているところであります。

 いずれにいたしましても行政について執行機関が遅滞なく行政運営を行っていくというところで、その日、その日の適切な行政判断を行っていくということが求められているわけであります。その判断を形成する上での政策形成、政策理念の考え方、そうしたところでの議論といったようなことについては、当然議会を中心として議論をしていただく、常に情報交換をしながら議論していただくということが、まず大事であるというふうに考えています。

 また、行政運営すべてにおいて区民福祉の実現、区民サービスの向上ということが、唯一、最大の目標でありますので、そうした目標の実現に向けて執行機関の中でも職員と私ども、職員同士、さまざまに議論をしながら政策形成を行っていくということが重要であるというふうに考えているところであります。

 しかしながら、行政執行機関の中におきましては、執行組織ということでございますので、その執行組織の運営の中で決まっていること、当然前提とすべきことについては、しっかりした指示の形で出していく。また、そうした判断形成をする上での議論については十分民主的な議論を重ねていくということが大事であるというふうに考えております。

 御指摘ありました接客「六つの約束」という問題につきましては、職員として区民第一の区政をしていくという上に立って日常的に当然身につけるべきことの最も基本的で、当然のこととして呼びかけたものであります。これに基づいて職員の間で区民の立場に立ったよりよい対応についての議論が進むことを期待して職員に提起をしているというものでございます。そういう意味での議論も庁内の中でだんだんと起きてくるようになってきたということで、区民サービス第一の区政運営ということについて職員挙げて取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。

 また、繰り返しになりますが、議会との関係ということにつきましては、その折々の行政判断を形成していく上での議論、情報提供、また議論を経ての判断の一段の進化といったようなことについて行政として努めていくべきであるという考え方を、改めて申し述べさせていただきたいと思っております。

 私からは以上でございます。その他の問題につきましては、それぞれ所管の方からお答え申し上げます。

   〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 私からは介護保険制度と支援費制度についてお答えさせていただきます。

 まず、デイサービスやショートステイの整備についての御質問でございました。

 現在、痴呆症状のある高齢者の受け入れを行っております区内のデイサービスセンター等でございますけれども、区内では痴呆専用のデイサービスセンター4カ所、また特養ホームのショートステイにおいて受け入れを行っているところでございます。また、一般のデイサービスセンターにおきましても、痴呆の症状のある高齢者の受け入れも行っているところでございます。

 高齢者の在宅介護の支援につきましては、こうした在宅にある高齢者に対するデイサービス、ショートステイの施設の整備が大変重要であるというふうに考えているところでございます。これについて検討していきたいというふうに思ってございます。

 次に、ケアマネジャーのレベルアップについての御質問でございます。

 現在、事業者が行っております研修につきましては、医師、保健師等、区の専門職員を講師として派遣するなど支援をしているところでございます。

 また、地域の在宅介護支援センターごとに現在実施しております地域支援会議におきましては、事例を検討するということで事例検討会等について取り組んでいるところでございます。

 こうしたことでケアマネジャーのレベルアップを図っているということでございますけれども、今後は基幹型在宅介護支援センターでのレベルアップ研修を企画、実施していきたいというふうに考えてございます。

 また次に、サービス担当者会議についての御質問でございます。

 現状では、ケアマネジャーが個別にサービス事業者と連絡調整を行いケアプランを作成しているというケースが多いわけでございます。その中にあっても、特に各事業者間の連携や調整を必要とするケースに限っては、区の保健師やケースワーカー等も参加して担当者会議を開催しているところでございます。

 しかし、担当者会議を効率的に開催していくためにはケアマネジャーのレベルアップを図ることが重要というふうに考えてございます。

 次に、ショートステイの基盤についての御質問でございます。

 区内では現在このショートステイにつきまして不足している状態にあります。多摩地域などでは、このショートステイ施設については比較的利用しやすい状況にございます。こういったことから現在、緊急のニーズの際には、当面こうした施設の利用を促すこととしてございます。こうした施設を利用していくということから、利用者の負担の軽減を図るということで、交通費等輸送費サービスの給付内容の改定を考えているところでございます。

 また、ショートステイの利用定員の拡大を図るために現在検討しております江古田の森の保健福祉施設にショートステイ施設の整備をあわせて考えているところでございます。

 また、特に区内での介護保険施設に対しては空きベッドの活用を働きかけているところでございますけれども、さらに引き続き働きかけをしていきたいというふうに考えてございます。

 次に、事業者協議会での苦情処理の仕組みについての御質問でございます。

 事業者には、法令によりまして苦情の処理が義務付けられたところでございます。連絡協議会では、こうした事業者が共同して窓口の設置をしようということで検討されております。苦情には利用者からの苦情と事業者間で連携をとらなければならないような苦情への対応が考えられ、検討されているところでございます。現在、協議会として苦情処理について積極的な調査研究活動をしているところでございます。区としても、こういう活動に支援をしていく考えでございます。

 次に、第三者評価の仕組みづくりについての御質問でございます。

 東京都は、15年度からの第三者評価の実施に向けて準備を進めてございます。今年度は評価機関の認定手続を進めるほか、評価委員の研修も行っているところでございます。また、サービス評価を実施する上で不可欠な評価項目等を検討してモデル事業を行っているということでございます。

 区といたしましても、第三者評価を受ける意義につきまして、事業者協議会を通じまして各事業者に周知して普及に努めていきたいということで考えてございます。

 次に、在宅介護支援センターについてのお話しでございます。

 在宅介護支援センターでは、介護保険の適用にならなかった虚弱や閉じこもりがちな高齢者への介護予防プラン作成事業も開始したところでございます。こうした介護予防への取り組みを充実させていきたいというふうに考えてございます。

 また、地域型の在宅介護支援センターの取り組みを充実していくということから、基幹型在宅介護支援センターのバックアップ機能を高めていきたいというふうに考えてございます。

 次に、要介護高齢者等の在宅を支える地域との連携についての御質問でございます。

 要介護状態にならないためには介護予防、健康を維持するための支援、こういったこととともに、引きこもりにならず高齢者が生きがいを持ってさまざまな形で社会参加できることが必要でございます。こうした取り組みを進めるためには、地域の自主的な団体やNPOを初めといたしまして地域との密接な連携が大切であるというふうに考えてございます。

 次に、支援費制度についての御質問にお答えいたします。

 現在検討しております保健福祉総合推進計画への参画等についての御質問でございます。

 保健福祉総合推進計画の策定に当たりましては、当事者を含め、区民や保健福祉の活動団体、社会福祉法人や医療機関などの関係者、学識経験者などの参画とサービス利用者の実態把握、意向把握は欠かせないというふうに考えてございます。こうしたことから、障害者、関係団体についても審議会に参画をいただくということと、生活実態調査やニーズ把握の調査を行ってきたところでございます。

 今後、この策定に当たりましては地域や各団体との意見交換を行っていく予定でございます。

 次に、障害者のエンパワーメントを支えるための窓口整備についてでございます。

 みずからの意思と希望で主体的にサービスを利用できるようにするためには、これまでもお話ししてございますけれども、ケアマネージメントという手法は欠かせないというふうに考えてございます。そのためには、身近なところで支援サービスを含め保健福祉サービスの利用に関することや、生活上のさまざまな問題に対応するための相談窓口が必要というふうに考えてございます。

 区では、この窓口といたしましては保健福祉センター、各保健福祉相談所、障害者福祉会館等での窓口を充実していくことを考えてございます。

 また、自立生活支援センターについての御質問でございますけれども、現在、自立生活支援センターとして障害者福祉会館内に設置しまして障害者の自立生活に向けての相談や自立援助事業を行っているところでございます。

 今後の検討でございますけれども、この機能をさらに充実させていきまして、緊急時の対応やサービスの利用援助、またピアカウンセリング、介護予防相談、情報提供など総合的な相談や支援のあり方について検討していきたいというふうに考えてございます。

 次に、居宅サービスの充実についての御質問でございます。

 支援費に係りますサービス基盤を早期に整備する必要があるというふうには考えてございます。特に障害者の多くが利用するホームヘルプサービス、こういった居宅サービスの充実は欠かせない課題でございます。このために、これまでもホームヘルプ事業者、また介護保険事業者を対象に協議を行い、また要請を行ってきたところでございますけれども、支援費サービスの参入を促すため、こうした事業者に対して働きかけを続けていきたいというふうに思ってございます。

 また、ホームヘルプなどの個別事業者につきましては、グループ化支援を行ってグループ化を図り、事業者として認定ができるような体制整備をしていきたいと考えてございます。

 次に、区の支援費に対する体制整備についての御質問でございました。

 障害者のニーズを踏まえた情報の提供、また障害者からの求めに応じましてサービスの利用についてあっせんや調整を行うことと、必要に応じて事業者や施設に対して利用の要請を行うといった支援体制づくりに現在取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。

  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) NPOの協働について何点かお答え申し上げます。NPOの位置付けを明確にするとともに、支援のあり方について、それからまた、これを策定するに当たっては市民の参加が大事だという御質問でございます。

 NPOが公益的・公共的役割と責任を果たしながら新たな支え合いの地域社会の担い手として有意義な役割を果たしてもらうことが必要と考えているところですが、支援のあり方などについては、自主団体、NPOとの意見交換を行うなど、広く区民の参加を得て具体的に検討していきたいというふうに考えてございます。

 次に、この条例の制定はいつ、どのようにという御質問でございます。

 条例の制定については、基本構想の策定時期、それからこれらを踏まえた区民論議を十分行いまして、その制定の時期についても、またその中で明らかにしていきたいというふうに考えております。

○議長(斉藤金造) 以上ではっとり幸子議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

      午後3時17分休憩

 

      午後3時38分開議

○議長(斉藤金造) 会議を再開いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 鈴 木 光 子

 1 行政評価制度について

  (1)区民参加のあり方について

  (2)ISO9001の認証取得について

 2 環境問題について

  (1)区民の主体的な取り組みについて

  (2)環境学習について

  (3)ISO14001の認証取得について

 3 男女平等基本条例について

  (1)条例制定の意義について

  (2)ドメスティック・バイオレンスについて

 4 国際交流協会について

  (1)財団廃止の理由と任意団体移行後の変化について

  (2)今後の区の支援のあり方について

 5 ケーブルテレビについて

  (1)加入状況について

  (2)区議会中継について

  (3)今後の区の支援について

 6 その他

 

○議長(斉藤金造) 鈴木光子議員。

     〔鈴木光子議員登壇〕

○6番(鈴木光子) 第3回定例会にあたり、社民党の立場から一般質問します。

 前回の第2回定例会では、田中区長お披露目の区議会であったことから、一般質問で各議員から区長の政治姿勢について大変厳しい質問がなされました。私も幾つかの例を挙げ、言行不一致の区長の政治姿勢を指摘させていただきました。

 あれから3カ月を経て、「表向き区長職としての落ちつきが出てきた」との声もありますが、突然の住基ネットからの離脱騒ぎや、区役所内部の実態などから、私はいまだにその疑念を払拭することができません。

 9月11日には突然の住基ネット接続切断の記者会見、たしか区長は、つい1カ月前に「法を守るのは区長の責任であり、区民にとって不都合な問題が生じれば、そのときに判断する」と言って、堂々と住基ネットへの参加を表明したばかりです。「問題が生じるおそれがあるから反対をしているのに」という多くの区民の声を無視した形での稼働受け入れでした。

 私は、住基ネットからの離脱そのものには賛成です。先日開催されました全員協議会の場でも発言しましたように、住民基本台帳ネットワークシステム自体に反対する立場として、当日、資料として配られた「中野区の対応等」の日程にとても疑問を感じます。区が最初に7月18日、施行延期の要望書を国に出した後も、国は稼働延期なし、個人情報の保護に関する法律の制定もなしといった時点で、中野区は稼働を開始すべきではなかったのではないでしょうか。稼働してしまってから安全確保の照会を国に出したり、回答を待ったりと、いたずらに時間を過ごしていたとしか思えません。区民のプライバシーが侵害されるという危機感を区長が本当にお感じになられるのであれば、当初から稼働すべきではなかったし、今回のような混乱も避けられたと思います。

 各会派の方々が発言していたように、議会への対応にも配慮がなさ過ぎると思います。聞くところによりますと区長は「議会への根回し等は一切しない方針だ」と豪語しているようですが、根回しと説明は違うと思います。根回しして了解を取りつけるのと、きちんと説明をして納得してもらうのとは大きな違いがあるのではないでしょうか。それこそ区長が選挙公約として掲げた説明責任の意味合いをもう一度思い返してください。

 先週、佐藤ひろこさんが、そして先ほどは、はっとり幸子さんが質問しておりましたけれども、最近、各課や施設に「六つの約束」なるビラが張り出されました。「お客様とお呼びします」「電話を受けたら名乗ります」などが書かれ、区役所に来る区民に言わせれば、何を今さらと思うような項目が六つ書かれております。このことを区長はある日突然、部課長全員集めて、その場で申し渡したようですが、しばらく庁内論議を呼んだと漏れ承っております。

 区長はそのときの答弁では、「当然身についていなければならないことを提案した」とお答えになっていますが、ビラそのもののことではないのではないでしょうか。その強圧的なやり方が庁内論議を呼んだのだと思います。

 区長は2期8年といって御自分で任期を定めております。私は、この8年に、あるいはこの4年でさまざまなことを無理に盛り込もうとして必死になっているような気がしてなりません。さりとて区政は動いていかざるを得ません。私たちの本来の役割である、すべての区民にとってのより良い区政を展開するための議論をすべく、一般質問をさせていただきます。

 そこで、本年第1回定例会において前区長にお尋ねした項目について、これらはこれまで私が関心を持ってきた項目で、何回か一般質問してきたものですが、今回は改めて田中区長のお考えをお聞きしたいと思います。

 最初に、行政評価制度についてお伺いをいたします。

 先日、今定例会に提出されている第1次補正予算案の内示を受けました。説明を伺っていてまず驚いたのは、行政評価に区民を含めた外部評価を導入する経費が計上されていたことです。

 私は、「計画を実施する人と評価をする人が同じである行政評価ではなく、区民参加による評価の仕組みを考える必要がある」と、これまで都合4回の一般質問をさせていただきました。いずれの質問にもあまり前向きな答弁をいただくことができませんでした。

 平成14年度予算には専門家による委員会を設置して、凍結した5事業の見直しをする経費が計上されております。これに対しても私は第1回定例会で、「専門家の意見も必要だと思うが、そこには区民満足度、つまり区民感覚による評価も加えるべきだと考えるが、なぜ委員会のメンバーに区民を含めなかったのか」とお尋ねしております。政策経営部長の答弁は、「まず外部の専門家によるデータ分析に基づく客観的な評価を行った上で、結果を区民にお示しし、御意見をいただきたいと考えている」と、聞きようによっては、区民が入ると客観的な評価ができないような答弁をされました。

 私は、今回の措置を、田中区長の英断として、まずは歓迎したいと思います。しかし、説明によりますと、外部評価の対象はすべての事務事業ではなく、選別した数事業について2カ月ほどで結論を出すことをお考えのようですが、これではせっかくの仕組みが生かされないと思われます。

 そこで、区長が区民を含めた外部評価に踏み切った思いは何なのでしょうか。ことしはともかくとして、15年度以降にこの仕組みを拡充して常設の仕組みとするお考えはないでしょうか、お聞かせください。

 補正予算案の内示で次に驚かされたのが、さきにも触れました凍結5事業の専門家による見直し経費の減額です。区民参加で行う基本構想の見直しの中で方針を出すお考えのようですが、これだけ政治的な課題となっているのですから、既に基本計画が縮小されている上野原スポーツ施設を含めて別枠で検討する必要があるのではないかと思います。それこそ区民を含めた委員会を設置して、客観的なデータ分析をした上で評価されたらどうでしょうか。その結果を基本構想検討区民会議で議論していただくことでもよいのではと私は思います。この件に関しては意見だけにとどめておきます。

 この項でもう1点、ISO9001の認証取得についてお尋ねをいたします。

 冒頭にも触れましたが、区長は接客に当たっての「六つの約束」を職員に守るよう指示されましたが、「行政は最大のサービス業である」との考えによるものとお聞きしました。私も全く同感ですが、そこには区民に接する態度だけでなく、区の仕事そのものがそうでなくてはなりません。

 最近、民間のサービス業では、顧客満足度向上のアイテムとして、競ってISO9001の認証取得をしています。自治体の中にも、「行政は最大のサービス業」という視点から既に20の自治体が取得し、100を超える自治体が取得に向けて取り組んでいます。

 私は、これまで2回の一般質問でISO9001の認証取得を検証するお考えはないか伺いました。1回目の答弁は、「導入している自治体の状況を調べてみる」という幾らか期待を持たせる答弁でした。2回目の第1回定例会では、「現在のところ導入する考えはない」とのけんもほろろの答弁をいただき、無所属議員の悲哀を十分味わいました。

 ISO9001を認証取得し、また取得に向けて具体的に取り組みをしている自治体の首長は比較的お若い方が多いように感じます。区役所を「最大のサービス業」とおっしゃる田中区長ですから、ISO9001の認証取得について前向きなのではと期待して、お考えを伺います。

 次に、環境問題について幾つかお尋ねをいたします。

 中野区は昨年3月に、環境行政の基本的な方向などを明らかにした「中野区環境基本計画」を策定しております。計画では、環境面から見た望ましい社会の姿を循環型社会とし、その実現に向けて、豊かな緑の水辺の創造、省エネルギー・省資源の推進、身近な環境汚染の防止、地球環境保全の三つを目標として掲げています。この取り組み目標や施策の方向など大変具体的でわかりやすい内容になっており、私も評価する者の一人です。

 今日の環境問題の解決には、私たち一人ひとりが暮らしの問題として真剣に受けとめ行動していかなければなりません。その意味で、計画の実現を図るには区民と事業者、つまり区民サイドの主体的な取り組みが重要な役割を果たすものと考えられます。今後どのように啓発し、具体的な行動に結びつけていくのか、その姿勢が問われるのではないでしょうか。

 区長は先の所信表明において、「新たな支え合い地域社会をつくるために幅広い区民の力を生かしていきたいと思います。そのため自主団体やNPOなど区民による公益活動やボランティア活動を地域の中で生かし支援します」と述べておられますが、環境基本計画の実現のためには、これらの区民や自主団体にどのような活動を期待されているのか、具体的にお考えをお聞かせください。

 環境基本計画の中では、重点事項として環境を考え行動する人づくりに取り組むこととなっております。とりわけ学校教育の場における環境学習の取り組みは各学校の主体性に任されているようで、総合的学習の時間で取り上げたり、全校挙げてエコクラブ活動に参加したり、日常的にごみの分別に取り組むなど多様な形で環境学習が行われているようです。

 このように申しますと、全体的にすばらしい取り組みがされているような感じですが、実態は学校間で取り組み方に温度差があるようです。例えば、小学校4年生のカリキュラムの一つにごみ問題を考える時間があって、29校のうち7校が清掃事務所の協力を得て校庭に清掃車を持ち込み、清掃車の仕組みや分別の仕方について学習しているそうです。清掃事務所の担当職員は、「ぜひ全校で取り組んでほしい」と話しています。

 第1回定例会において環境部長は、「教育委員会と連携してより一層充実した取り組みをしたい」と答弁をしております。環境部と教育委員会は環境学習への各学校の取り組みに対して、今年度、具体的にどのような支援をされているのか、お聞かせください。

 ところで区長は、環境自治体会議、環境自治体ISO会議という組織を御存知でしょうか。規模も地域性も異なるさまざまな自治体がメンバーで、環境問題に関し、国に対する自治体サイドからの提言など積極的な取り組みをしております。都内では杉並区など三つの自治体が参加し、ISO会議は三重県の北川知事が代表幹事を務めるなど、いわば先進的自治体経営をされていると言われる70の自治体が既に参加し、さらに増加する見通しだそうです。ぜひ我が区も参加することを望みます。ちなみに会費は無料だそうです。

 ISO14001の認証取得については、数年前から、私も含めた多くの同僚議員から要望がなされてきています。既に多くの自治体が認証取得をしていることから、区長もその必要性については十分に認識されておられることと思います。

 これまでの区の対応は、今は姿を消した第2次長期計画策定時までは積極的だったように思います。しかし、財政状況が悪化するにつれて、極めて消極的な対応に変わりました。まさに貧すれば鈍するで、環境問題に対する区の姿勢が問われる、と言っても過言ではないでしょう。

 策定された環境基本計画でもISO14001の認証取得の方向を定めていますが、区長はどのように認識されているのか、お考えをお聞かせください。

 次に、男女平等基本条例についてお尋ねします。

 本年4月、ついに、男女平等推進の運動にかかわってきた人たちにとって念願の男女平等基本条例が制定されました。区民とともにこの問題に真剣に、かつ先進的に取り組んできた集大成とも言えます。第1回定例会で地域センター部長は私の質問に対し、「条例が制定されることにより、これまでの取り組みの根拠が明確になりますとともに、目指すべき社会への実現に向けて、区として区民、事業者とともに進めていく意思を表明することになります」と答弁されました。まさしくそのとおりだと私も思います。

 しかし、これまでの区の姿勢を見ていますと、この種の理念条例に対して、条例をつくったことで満足している風潮が見られます。そうであってはなりません。条例制定を期に、なお一層の男女平等施策の推進を図らなければならないと思います。

 男女平等推進施策をより進めるためには、男女平等の視点をあらゆる施策に反映させることが必要だと思います。区長は所信表明で、「家庭や職場、教育の場で男女共同参画社会の推進を図ります」としておりますが、具体的にどのように進めていかれるのか、その方法や内容についてお伺いいたします。

 これからの男女平等推進に当たっては、ますます区民の役割が大きくなると思います。区民自らが問題意識を持ち、日常生活の中で取り組んでいくことが重要であり、必要な情報提供や相互交流の機会、場の提供、男女共同参画の視点を入れた事業の共同企画・共同開催など区民の実践活動がさらに活性化するよう、区として支援する必要があると思います。

 区役所の中で、男女平等推進の総合調整機能を持つのが女性・青少年課、具体的な女性問題の取り組みを中心とした活動を行うのが女性会館です。最近、女性問題担当課長に初めて男性が就任されました。条例制定の節目でもあり、視点をわきまえて大いに頑張っていただきたいものです。

 最近、女性への夫や恋人などパートナーからの暴力、すなわちドメスティック・バイオレンスという考えがようやく定着してきました。例え夫婦であろうと暴力をふるうことは犯罪であるとの認識が広まることは喜ばしい限りです。

 昨年12月にDV防止法が施行、さらに、ことし4月には全面施行され半年がたちます。この間、連日といっていいほど深刻な問題が新聞に載ります。裁判所からの通知で保護命令、接近禁止命令などが出されるケースも多いのですが、それらをかいくぐる形でまた接近し、暴力をふるいけがをさせるといった悪循環も聞きます。

 女性の方もしかるべき機関へ駆け込むケースはまだいい方で、手遅れ状態まで我慢したり、告発すること自体を不名誉のようにとらえてしまう人も少なくありません。命からがらで逃げてきた女性に対しても、一時保護施設が少ないことから、2週間という期限をつけられて、結局のところ、その後行くべきところがなく家へ帰ることになったりと、DV法によって法律に守られる形になったのですが、現実はまだまだ深刻で、盛りだくさんの課題を残しているといった状態です。

 そこで、ドメスティック・バイオレンスに関してまとめてお伺いをいたします。

 まず、ことし4月に中野区で夫が妻に何年にもわたって暴力をふるい死亡させた事件がありましたが、それまで近隣でも話題になり、区役所への相談などもあったようですが、区はどのように関与されていたのでしょうか。その対応についてお聞かせください。

 さらに、被害を受けている中野区民の女性が助けを求めようと思ったら、中野区内のどこに相談へ行けばよいのでしょうか。そこではどのような対応をされるのか伺います。

 また、こうした問題の解決には区だけで処理することは不可能であり、関係機関の連携が必要だと思います。現在こうした仕組みは存在するのでしょうか。あるならば、その役割と機能について御説明を願います。

 前段に挙げた中野区のケースの場合など、区の職員が対応してきたと思いますが、そうした場合、多様なニーズに応えられるという専門性が問われてくると思います。特別な職員研修なども行っているのでしょうか、お聞かせください。

 男女平等基本条例の中にも、性別による差別的取り扱い等の禁止の3項で、「家庭内等において配偶者等に対する身体的または精神的な苦痛を与える暴力行為を行ってはならない」という条文があり、配偶者等からの暴力も違法行為であることの理解、防止を図ることとし、被害の潜在化及び拡大を防ぐことを目指していることを改めて指摘して、この項を終わります。

 次に、国際交流協会についてお尋ねします。

 私は、国際交流協会の評議員をさせていただいておりますので、時々協会にお伺いしておりますが、先日、久しぶりにお邪魔しましたところ、前区長の神山さんがおいでになりました。会長職として毎週火曜日に出勤されているとのことでした。お元気でした。

 国際交流協会は、本年4月から財団法人から任意団体に変わりました。第1回定例会で総務部長は、「実質的にはこれまでと同様の運営方法を確保し、従来実施してきた事業を推進していきます。」つまり、中身は何も変わらないとの答弁をされました。では、なぜ財団を解散しなければならなかったのか。区の財政運営上、3億円の出資金が欲しかったからにすぎません。

 当時、我々に説明された財政状況から、私も議員として評議員としてやむを得ず認めざるを得ませんでした。ところが13年度決算の結果は、最終補正での財調基金積立金を含めると50億円強という繰越金が生じています。3億円のために財団を解散したのは何だったのでしょうか。区長はこのことに対してどのようにお思いになりますか、見解をお聞かせください。

 私の見る限りでは、任意団体になっても国際交流協会の運営は表面上何も変わらないように見受けられます。しかし、対外上や資金運営の面などで任意団体であるがゆえの制約は全くないのでしょうか。財団解散の際、財団法人文化・スポーツ振興公社への統合の意見もあったように伺っております。任意団体のままであるのなら、それを一つの選択肢かなと思います。いずれにしても区内に住む外国人も増え、何事も地球規模で考える時代になって、国際交流施策を展開する核として、国際交流協会の役割はさらに増大すると思います。

 財団を解散し、任意団体になって国際交流協会は運営上何ら支障もないのでしょうか。また、将来に向けてどのようにされようとしているのか、お考えをお聞かせください。

 ともすると財政逼迫の折、今は国際交流のときではないとの空気が庁内にあるような感じですが、昨今のような先の見えない時代だからこそ、日本に暮らす、中野区に暮らす外国人が安心して生活でき、また区民も一緒に安心して暮らすことが切実に求められているのではないでしょうか。

 現在の国際交流協会は実に多くの区民のボランティアが全くの無償で支えていることが大きな信頼と成果を上げていると言っても過言ではないでしょう。この7、8月の夏休み中の週3回、夏休み日本語クラスとして区内在住の外国人の子どもたちに日本語を教える教室を開きました。区内小・中学校に呼びかけたところ、中国、韓国、ブラジルと9人の子どもたちが集まり、そこにもボランティアの人たちが積極的に手挙げをしてくれて、20人の講師のもと、無事、日本語講座を終えたということです。このような活動を区が実施する事業として経費に換算すると大変な額になると思います。

 こうした区民の自主的かつ主体的活動をさらに活性化を図るためには、資金の強化、人材の育成など区として積極的な支援が必要になると思います。この際、改めて区の国際交流施策のあり方を明確にし、国際交流協会に対する支援を具体的にどのように行うのか、お考えをお聞かせください。

 次に、ケーブルテレビCTNについてお尋ねいたします。

 内示を受けました第1次補正予算案には、CTNに対する基盤整備補助金と区施設の電波障害対策9カ所移管の経費が計上されています。これによってCTNの経営環境はさらに向上するとのことでした。聞くところによると、CTNは区のテレトピア計画において地域情報化の推進を図る上で重要な役割を持っているようです。したがって、区はCTNを支援することはあっても切り離すことのできない関係にあるようです。それにしてもCTNの経営状況など余りにも実態を知らされておりません。

 先日も支援者の方から、「CTNに加入しようとしたら、工事費や多チャンネルの加入料など費用がかかり過ぎるので入るのをやめた。」との話がありました。区民の中には同じような考えの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。地域情報化を推進するためにはできるだけ多くの世帯がCTNに加入していかなければなりません。加入にかかる費用が障害になるならば、安くする方策を工夫すべきだと思います。

 そこで、今回の補正措置を含めて加入可能世帯数は何世帯になるのでしょうか。また、現在の加入率はどのようになっているのか。さらには、加入率向上対策をどのようにされているのか。今後どうされるのかお聞かせください。

 最近、地方議会のテレビ中継が脚光を浴び、実施している自治体の住民にも評判がいいようです。中野区でも区民からの陳情がなされましたが、議会サイドでは、現状のままでは時期尚早との意見が多いように思われます。しかし、私は、近い将来必ず実現をすべきだと考えております。そのためにも、CTNの経営改善はもちろんのこと、議会側も中継への環境を整える必要があるのではないでしょうか。

 議員は、本会議や委員会に出席するほか、それぞれの議員の活動を行っています。そうした活動についてCTNが取り上げることもできるでしょう。選挙戦や開票状況についてももう少し踏み込んだ放送が期待されます。もちろん公選法の許す範囲であることは言うまでもありません。こうしたことへの受け皿がCTNにはあるのでしょうか。また、そうしたことを実現するためのCTNとしての環境整備が必要ならば、お聞かせください。

 もう一つ、CTNに関して区民の間で疑問に思われていることがあります。CTNの基本視聴料500円が無料の地域があることです。

 私たちは、民間で電波障害対策が行われた地域、例えばSKKのようにCTNが移管料をもらって移管を受けた地域であることを承知していますが、一般区民の方々は事情を知りません。無料の地域も移管されてから5年間であり、5年たてば有料になります。この時点で無料の地域の区民から新たな不満がわき起こることは必至です。そこで、いっそのこと基本チャンネルについてはすべて無料にできないかと考えます。

 CTNの経営は加入料や視聴料収入によって成り立っています。経営努力にも限度があり、区民チャンネルの視聴料を区が負担するなど思い切った支援が必要ではないでしょうか。加入世帯が増加すれば、区の広報媒体として有効に活用できるし、地域情報化の重要な機関ともなります。負担方法を工夫すれば、それほど費用もかからないでしょう。

 こうした考え方もあることを踏まえて、区は今後、CTNに対してどのような支援をしようとしているのか、お伺いいたします。

 最後に、9月17日に歴史的な日朝首脳会談が行われ、拉致されていた人たちの安否が確認されまし。衝撃的で、つらい結果でした。日を追うごとに北朝鮮の非道、そして被害家族の切なる叫びに応えようとしなかった政府の怠慢が露呈されてきました。政府は一刻も早く徹底した原因究明を求めていくべきだと思います。

 そんな中で、ここ何日か続けて新聞に、全国各地で在日朝鮮人の人たち、とりわけ朝鮮学校生徒・児童に対する嫌がらせ、中傷が激しくなっているとの記事を目にしました。暴力は常に弱い者に向かいます。憤りのままに行動することは、また新たな悲劇をつくり出すようなことになってしまいます。私たちは植民地支配の悲劇と拉致事件の悲劇を直視し、その歴史を決して繰り返さない若者たちを育てることが、今日何よりも大切だと思います。

 これで私の質問を終わります。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) お答えをいたします。まず、行政評価制度についてであります。

 外部評価に区民を含めるということは、これまではなかったようだという御指摘でございました。行政評価に外部の視点を導入するということについては、課題として検討してきたところでございました。

 今回、情報公開を徹底するということ、それから行政の説明責任をきちんと果たしていくという上で外部評価を導入する。さらに第三者に区民を含めるということが区民感覚、生活感覚を踏まえた評価になっていくといったような私の判断がございまして、今回こうした形をとるとしたものでございます。

 行政評価制度については、これからも少しずつ改善を加えながら継続して実施していくものでございます。外部評価、また区民の参加を得た評価制度といったものをこれからも継続して実施しながら、より改善に努めていきいたいというふうに考えています。

 次に、男女平等基本条例に関連いたしまして、条例制定の意義、また男女平等を具体的にどう進めていくのかといったようなことについての御質問についてお答えをさせていただきます。

 男女共同参画基本計画行動プランにおきまして、区民の視点に暮らしや活動等の点検項目づくり、また男女平等に基づく学校運営の推進など、2000年度から5年間に区が取り組むべきさまざまな施策を明らかにしているところです。この行動プランの着実な実現

に努めるということが、まず第1点であります。

 また、10月からは男女平等に関する苦情申し出の窓口を設けることとなっています。区民からの男女平等に関する苦情を受けとめて、一つずつ解決を図りながら区民とともに、そうした一つづつの解決によって得られるものを行政に生かしていきながら、男女平等社会の推進に向けての取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 それから、国際交流協会についての御質問で、3億円の出資金を回収するための解散であったという御判断であるとするならば、13年度決算でかなりの額の繰越金が生じているといったようなことから、これでは財団解散の必要性が疑われるといったような御質問でありました。

 国際交流協会の財団廃止につきましては、行財政5か年計画での外郭団体見直しの取り組みの一つとして、財政危機から脱却をする、そして柔軟で弾力的な財政構造をつくるためには必要不可欠な取り組みだったというふうに認識をしています。

 13年度の予算につきましては、行財政5か年計画等の取り組みによりまして、運用金等に頼らない実行予算を組むことができています。そのことによって一定の繰越金が生じている。予定よりも多くの土地の売却があったこと、財調の交付金が順調に入ってきたこと、そうしたことから13年度においての一定の繰越金は出たわけであります。しかしながら、今年度、来年度等の見通しからして、中野区の財政は決して好転している状況ではございませんので、私としては引き続き厳しい取り組みが必要であるというふうに認識しているところでございます。

 その他の各点につきましては所管の部長の方からお答えを申し上げます。

 以上でございます。

    〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 私からは二つの項目についてお答えさせていただきます。

 最初に、ISO9001の認証取得に関する御質問でございます。

 ISO9001につきましては、企業活動における設計や開発、サービス等における品質保証モデルの国際的な規格でございまして、地方自治体が導入する効果には、住民サービスの向上、行政の透明性の確保、情報管理体制の確立、業務の効率化などがあるとされております。

 この効果があるとされている事項につきまして、当区におきましては電子区役所の推進にあわせて行っております組織運営と事務処理の見直し、行政評価制度の導入などによって事業の効率化等に取り組んでいるところでございまして、ISO9001につきましては、もうしばらく他の自治体の導入状況や効果を研究していきたいと考えております。

 2点目は、ケーブルテレビについての御質問が3点ございました。

 まず1点目は、シティテレビ中野(CTN)の経営状況あるいは加入状況についての御質問でございます。

 本年8月末現在におきましてCTNに加入可能な世帯数は15万2,000世帯でございます。このうちCTNの放送サービスを受けている世帯の合計は約9万6,000世帯、全体の51%強がCTNに加入している状況にございます。区民がCTNの放送サービスを受ける場合には、宅内工事費及び月額利用料などの負担が必要でございます。再送信ばかりでなく、付加的なサービス加入をふやすことが経営状況を向上させることであると聞いておりますので、加入向上対策につきましては、CTNが積極的な営業努力を行うことであると認識しているところでございます。

 2点目には、放送内容の充実で何点か提案がございました。

 提案につきましては、CTNとしては技術的にも能力的にも可能だとは考えておりますが、御承知のように、CTNは放送法に定める放送事業者でございまして、放送内容についてはCTNが自主的に決めることでございます。したがいまして、CTNも番組内容の充実に努めていると承知しておりますので、区としては、このような御意見があったことをCTNにしっかり伝えていきたいと考えております。

 3点目は、区民チャンネルの視聴率を区が思い切って負担したらどうか。CTNに対してどのような支援を考えているのかということでございます。

 CTNは民間企業として経営努力をしておりまして、区として財政支援を行うというようなとは考えてございません。現在、親会社のもとで子会社として新たな出発をしております。しっかりした親会社の経営支援がございますので、財政支援は区としては考えていないところでございます。今後、ケーブルテレビの視聴に当たっての区民負担につきましては、技術や機器の進歩、基盤整備の進捗、加入者の拡大等によります経費の低減を反映させるよう働きかけていきたいと考えております。

    〔環境部長西條十喜和登壇〕

○環境部長(西條十喜和) 私からは環境問題について2点お答えいたします。

 まず第1点は、自主団体、NPO、ボランティアなどの区民の主体的な取り組みについて、今後どのような活動を期待しているのかという点についてでございます。

 環境リサイクルプラザにおきましては、環境ボランティアなどと協働いたしまして「環境行動の日」の取り組みや環境学習講座などの各種事業を実施しているところでございます。今後も、こうした協働の仕組みにつきまして継続、発展させていきたいと考えてございます。

 また、区の呼びかけによります中野区民の環境行動指針づくり会議におきましては、区民、事業者が自主的に自分たちが取り組める環境保全活動について話し合っていただいているところでございます。ここでの検討結果につきましては、区として中野区民の環境行動指針としてまとめていくことを考えているところでございます。この指針に基づきまして、自主団体、NPO、ボランティアによる環境活動がさらに地域で活発になることを期待しているところでございます。

 次に、ISO14001の認証取得について、現在の考え方はどうかということでございます。

 区は環境基本計画におきましてISO14001の認証取得を掲げておりますけれども、区といたしましては、平成13年度に改定いたしました事業者、消費者としての中野区環境行動計画に基づきまして省エネルギー、ごみ減量、グリーン購入に取り組みまして一定の成果を上げてきているところでございます。

 ISO14001の認証取得に当たりまして、これまでは区が事業者として環境負荷の低減に取り組むだけでもよいとされておりましたが、近年は、自治体が取得する場合には環境マネジメントプログラムの中に環境施策を含めることが求められるようになってきてございます。したがいまして、中野区基本構想及び(仮称)新しい中野をつくる10か年計画策定におきます環境施策との整合を図る中で、検討してまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

 〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕

○教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは学校での環境学習についてお答えをさせていただきます。

 環境教育の必要性あるいは重要性については、どの学校でも十分な認識を持って取り組んでいるところでございます。ただ、それぞれの教育目標あるいは教育計画、さらにはその年度の重点課題というようなところが異なっていることもございまして、具体的な取り組みの内容や方法に違いが生じてくることはあるというふうに考えているところでございます。

 各学校への支援といたしまして、教育委員会では環境部とも連携をとりながら、さまざまな資料や情報の提供、施設見学、講師の派遣、環境教育研修会等の実施について、さまざま便宜を図る等の支援を行っているところでございます。

 以上でございます。

  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) ドメスティック・バイオレンスについて何点かの御質問でございます。答弁の中では、長いものですからDVというふうに呼ばせていただきます。まず、中野区でこれに関して大きな事件が発生したが、そのときの対応はどうだったのかという御質問でございました。

 この事件につきましては、恐らく平成10年4月のお話しだろうというふうに理解いたしました。夫からの暴力によって妻が死亡したケースでございました。この件につきましては、かなり古くから関係各課がかかわっていたわけでございます。具体的には、生活援護課でこの妻をDVによる一時保護をしたことがございまして、それ以後、婦人相談員が関わってきてございます。保健福祉センターでも、妻のアルコール、薬物問題、また夫にはDV加害者治療ということがございまして、関わってきてございました。

 子ども家庭支援センターにつきましては、子どもへの虐待がございまして--トータルそういうような家庭でございますが--その視点からかかわってございました。もちろん警察も関与をしていたということでございました。

 ただ、この困難事例といいますのは、例えば妻につきましてはDVの被害者であるとともにアルコール・薬物の重複疾病ということで、これを受け入れる一時保護施設がなかなかなかった。また、保健福祉センターでも、そういう状況の妻を受け入れる施設、病院等がなかなか見つからないという困難な状況がございました。

 各機関それぞれ一生懸命に関わってきたんですけれども、結果的にこのようなことが発生いたしました。大変残念なことだというふうに考えてございます。

 次に、中野区で女性が助けを求めた場合の相談場所は、どうなのかという御質問でございました。

 被害を受けた女性の相談窓口としましては、主に生活援護課と女性会館等で対応してございます。相談窓口で行っていることでございますが、主にカウンセリングでございます。必要に応じまして、より適切な対応が期待できる他の専門家への情報を提供するということでございます。

 また、相談者の身に危険が及ぶ場合、緊急を要すると判断されたときには、一時保護について、東京都が設置しました配偶者暴力相談支援センターに依頼し、都の対応をしてございます。

 現実に被害を受けた女性には、その後、被害者の置かれた状況を見まして、自立生活が営むことができるよう生活支援等も行うというようなことで、区としては対応してございます。

 次に、このような対応は中野区だけでなく、関係機関等はちゃんとできているのかという御質問でございました。

 被害を受けた女性に適切に対応するため、区ではDV対策に係る関係機関相互の情報交換の場といたしまして、DV防止連絡会を開催してございます。この会議は中野、野方の両警察のほか、中野区の医師会、歯科医師会の代表者の方々に参加していただきまして、相互に連携を図りながら対応しているところでございます。

 今後も、このような関係機関による連絡会を定期的に開催し、連絡を深めてまいりたいというふうに考えてございます。

 最後に、相談員の関係で、その専門性について特別な研修はするのかというお話しでございました。

 当然、相談窓口では専門の相談員が内容に応じて適切に対応しているところでございます。DV法が施行されたことに伴いまして、東京都は、専門機関の関係者向けに実施しているDV研修会がございますので、その機会を活用いたしまして職員の資質向上に努めているということでございます。

 以上でございます。

    〔総務部長山岸隆一登壇〕

○総務部長(山岸隆一) 国際交流協議会について、任意団体になって運営上の支障はないのか。今後、支援をどのように行うのかというようなお尋ねがございました。

 これまで国際交流協会が果たしてきた実績や人的資産を継承、発展させ、区民の自主的かつ主体的な活動が図れるよう区としては必要な支援を行っており、活発な活動が展開されていると認識しております。

 区内に居住する外国人の相談を初めとしまして、多様化する需要に対応できるよう、また一層ボランティアを中心とした協会の主体的・自主的な活動が展開されるよう、区としては今後とも情報提供や会場の確保、事業協力などを支援継続していく考えです。

     〔鈴木光子議員登壇〕

○6番(鈴木光子) 1点だけ再質問させていただきます。

 ドメスティック・バイオレンスのことに絡んだことなんですけれども、相談窓口は中野区役所の女性・青少年課、女性会館等である、自主グループやNPOなどに対する支援を今後も行っていくというふうに区長はおっしゃっておりましたけれども、相談窓口に民間活力をきちんと活用するということもお考えになったらいかがでしょうか。昨年の10月のDV法の施行のときに、私の大先輩であります大槻和子さんがカウンセリングのグループをつくっておりまして、私の事務所で、施行前に1日臨時電話を引きまして相談窓口を開いたところ、口コミで、重い問題がありますので1件が1時間とか2時間かかる場合があるので、1日20件という件数があって、とにかく藁にもすがる思いで電話をかけてくる方の多さというのを、そのときつくづく感じました。

 そういう民間グループを活用して、事前防止とか、今後の相談という形をとれるようにできないでしょうか。民間活力の活用の方法というところで答弁をお願いいたします。

  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) NPO等さまざまな活動がございまして、例えば子どもさんについては相談電話を受けたりというようなこともございます。先程のお答えは区の対応としてお答えいたしましたが、今後は、御指摘のとおりNPO等を活用いたしますというか、御協力いただきながら、そういった面についても十分対応していきたいというふうに考えてございます。

○議長(斉藤金造) 以上で鈴木光子議員の質問は終わります。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 教育公務員の研修について

 2 住民基本台帳ネットワークシステムについて

 3 情報公開の徹底について

 4 区長と語る会について

 5 (仮称)上野原スポーツ・学習施設について

 6 中野区廃棄物減量等推進審議会と中間のまとめについて

 7 その他

 

○議長(斉藤金造) 次に、むとう有子議員。

     〔むとう有子議員登壇〕

○9番(むとう有子) いつものことですけれども、この間、区民の皆様から私のところに寄せられた御意見をもとに質疑いたします。

 大変時間が押している状況にありますので、質疑通告をし、担当の方々には御迷惑をおかけし申しわけありませんが、6番目の中野区廃棄物減量等推進審議会と中間のまとめについては、またの機会とさせていただきますことを御了承ください。

 まず最初に、教育公務員の研修についてお尋ねいたします。

 私ごとではありますが、私の夫の母は小学校の教師でした。定年まで勤め上げ退職しました。退職しても教え子が訪ねてきたりして子どもたちから慕われた先生であったようです。退職後は家庭裁判所の調停委員となり、各種問題の調停に当たり、「つくづく教師という職業は世間に対する視野が狭かった。調停委員をやって人として生きる視野が広がった」と私にぽつりと語った言葉が今でも印象に残っています。

 さて、教育を受けることは人として生きる力を身につけることだと私は思っております。そのような視点から総合学習の時間が設けられたと理解しています。幅広い知識の裏づけや、さまざまな角度からの視点を持った教えで教師には求められています。この意味合いから、教育公務員特例法第19条には、「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない」とあり、第20条第1項には、「教育公務員には、研修を受ける機会が与えられなければならない」、さらに第2項で、「教員は、授業に支障のない限り、所属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる」と定められているのだと思います。

 文部科学省が3月に出した「完全週5日制の実施について」という通知の中では、学校や教育委員会が研修の場や機会、研修に関する情報を提供するなど、教員の自主的・主体的研修を奨励、支援するよう努めることを求めています。教師が幅広い知識や見識を身につけることは、とりもなおさず中野区の子どもたちが受ける教育内容が豊かになるわけですから、制限を厳しくせず、教育公務員としての見識に基づいた教師自身による研修の選択を信頼することが必要なのではないでしょうか。

 そこで区長にお尋ねいたしますが、教育公務員における研修の意義についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか、お答えください。

 授業に支障のない時間として、夏休みを利用しての研修が有効に行われるのか気になっています。9月9日付朝日新聞の「声」の欄に、「管理される先生」というテーマで幾つかの投稿があり、その中の「自由な研修が失われていく」という中学校の先生の御意見を紹介いたします。

 直径1メートルほどの大きな風船が二つ、これが4人家族の1日に排出する二酸化炭素の量だという。とすると日本全体ではこれが6,000万個もできて空を覆うことになると、地球温暖化の重大さが一目で実感できた。先月開かれた教員向け講座の一こまだ。これは授業で使えるとヒントが得られた。私はこの講座に休暇をとって参加した。勤務校の市の教育委員会が夏休み中の教員研修を大幅に制限したからだ。この講座は主催が教職員組合だから認めないと言われた。民間団体による研究会でも行政に批判的だからだめといった校長もいる。

 教育公務員特例法では、教育委員会は教員に十分な研修を保障しなければならないとされている。今、その研修が批判の自由のないものだけに限られようとしている。そのうちに、読んでいい本といけない本も決められるのではないか。冗談ではなく、恐れている。

 さて、中野区ではいかがだったのでしょうか。中野区教育委員会教育長名で夏休み前の6月12日に、「教育公務員法特例法第20条第2項に基づく研修の取り扱いについて」という通知が各小・中学校長、各幼稚園長あてに出ております。その通知の前書きには、「私ごとにわたるものが対象外であることはもちろん、承認研修が自己の自由な時間であるような誤った観念を払拭すべく、今後の対応及び事務取扱について適切に処理するよう願います」と書かれており、初めから教師を疑っているかのような文面です。

 参考までに、お隣の杉並区の通知の前書きには、「完全学校5日制の実施や地域に開かれ魅力ある学校づくりを推進するためには、今まで以上に教員自身も学校という枠を超えた幅広い社会体験が必要です。このことにより教員の意識改革、能力向上を実現するため、表記の研修が有効・厳正に実施されるよう処理願います」さらに「授業に支障のない夏休み期間を有効に活用し、幅広い知識を身につけるための研修に参加することを奨励する」という文言になっています。これと比べると中野区の姿勢は、むしろ先ほど紹介しました投稿記事のように、研修を制限しているかのように思えてしまいます。

 一般的に、教員が参加したい研修について研修承認願を承認権者である学校長、園長に提出します。承認された場合には職務専念の義務及び給与の減額が免除され、もちろんのことですが経費はすべて自己負担で研修に参加することができます。ところが研修の取り扱い通知には、承認研修の範囲が教育公務員としての研修に値する、ごく一般論的な記述となっているので、校長、園長の私的判断にゆだねられている部分が大きいように思えます。このため、各自治体、各学校による違いが起きています。

 例えば、ことし5月5日の子供の日に国立国会図書館国際子供図書館がオープンし、「昔話から物語へ」という展示が先日まで開催されていました。国語の授業の参考にと考えた中野区内の教師が承認研修の口頭による事前相談を校長に打診したところ、「子供図書館を知らないから判断できないので承認できない」と言い渡されたそうです。また、ある中野区内の教師は、秋の学芸会のヒントが欲しくて、青山子供劇場で行われていた児童が演じる子供演劇の鑑賞が承認されなかったそうです。他にも新聞、テレビ等で大きく取り上げられた幕張メッセで、きのうまで開催されていた「世界最大の恐竜博2002」は、本物の恐竜の化石の展示が話題を集めていたましたが、中野区では承認研修として認められない学校もあったようです。杉並区では認められ、先生方がこぞって行かれたそうです。さらに、毎年の秋、水曜日の午後を利用し、五十数年、教師自身が実施してきた教育研究集会も、ことしからは中野区では承認研修として認められていないと聞き及んでおります。

 かつて私も一保護者として教育研究集会に参加したことがあります。中野区の先生方が多数集まり、さまざまなテーマでの分科会で熱い議論が交わされ、いろいろな教育問題をめぐる問題に真摯に取り組む先生方に信頼と感動を覚えました。それゆえ、なぜ教育研究集会が承認研修として認められないのか、大きな疑問です。研修の取り扱い通知には、官主催でなければならないとはなっていないにもかかわらず、新聞投稿記事にもあるように、主催が民間団体や教職員組合だと認めないということなのでしょうか。

 私の知っている他区の先生方にもお話をお聞きしましたが、中野区が特に研修を制限しているように思えてなりません。

 この夏、承認研修として認めたものについては、教育委員会は調査中とお聞きしましたが、逆に認めなかった件についても、口頭による事前相談を含め、いかなる研修内容であったのか、そしていかなる理由にて承認しなかったのかを調査し、校長、園長の狭量な判断に妥当性を欠くものがなかったかどうか、ぜひ検証すべきと私は考えますが、しかし、教育長自身が制限することを通知しているわけですから検証する視点を持ち得ないのかもしれません。教育委員会の考え方も再検討することを含めて、いかがお考えかお答えください。

 校長が自分の知らないことはだめという判断を中野区は許していていいのでしょうか。知識を多角的に身につけることを否定する人はいないと考えます。教師が幅広い知識を持って子どもたちに教えてくださることを望まない保護者はおりません。中野区の承認権者は批判の自由のないものだけに研修を制限しようとしているかに思えます。この点について区長の見解をお答えください。

 次に、住民基本台帳ネットワークシステムについてお尋ねいたします。

 私の周辺では、住基ネットを拒否する区民の方々が、稼働前の7月30日に区長との話し合いをしたり、8月5日前後に区役所に抗議の電話や区長へのお手紙を出されたり、住民票コード通知を区に返送されたりしています。住基ネットに反対の声は多数区に寄せられたことと思います。そのような区民の声にも押され、9月11日、住基ネットの接続を切断したことは歓迎すべきことであり、区長の決断には敬意を表します。

 しかし、区長は個人情報を一元的に管理する住基ネットワークそのものに反対ではありませんし、記者会見では「住基ネットが必要だからこそ個人情報保護法制や万全な保護措置をしなければならない」と言っています。同時に、「参加する、参加しないという選択肢はない」とも述べ、参加の判断を区民に問う姿勢もありませんので、一たん切断はしたものの、今後が憂慮されます。

 なぜこの時期になって切断なのでしょうか。8月5日に接続し、30万中野区民の個人情報は東京都に既に送られ、国や他の自治体に情報が流れていくことは確実です。現に9月12日の本格稼働を目前に切断しましたが、実は間に合っておらず、12日、地方公務員共済組合には中野区民の本人確認情報の提供がなされたように私は聞き及んでおります。区長は住基ネット稼働前に区民団体との懇談の場で、「自分に番号がつけられることは嫌だと思っていない」「何かあったら切断する」とおっしゃっておられました。ですから切断を聞いて、私はすぐ区民部長に、「何かあったのですか」とお尋ねしました。「何もありません」ということでした。何も状況に変化がないのに、なぜ今切断なのか、全員協議会での区長の説明をお聞きした今でも疑問が残ります。

 そこで区長にお尋ねいたします。

 中野区は7月18日付で個人情報の保護に関する法律の成立が見込めないことから稼働延期を国に要望しました。しかし、この法律が成立しないまま8月5日を迎えました。この時点で何らかの行動をとってしかるべきと考えます。接続をしないなり、延期をするなりの行動がとれたはずです。なぜすんなりと接続したのでしょうか、お答えください。

 また、住基ネットに接続したのに、なぜ8月14日になって総務大臣あてに「本人確認情報の安全確保について」の照会を送付したのでしょうか。このような疑問点の照会は8月5日の稼働前にすべきことです。なぜこのようなときに照会を行ったのかお答えください。

 国からの回答が9月10日に届きましたが、8月5日稼働前に総務省が地方自治体に示していた告示や規定どおりの内容でした。この点について、中野区の照会に回答された係の方に私は確認をいたしましたところ、「8月5日稼働以前に既に自治体に示した回答と変わらぬもの」とのことでした。この回答によって区長は、「自治体が本人確認情報の提供先である国の機関等の安全性を確かめる手だてが思います用意されていないことや、提供先で閲覧できる範囲がどこまでかがあいまいな部分がある上、そのことへの配慮を欠くなどの問題点がある」と切断理由としてコメントしました。

 区長が挙げられた問題点は弁護士やジャーナリストが既に指摘していたことです。この問題点は8月5日以前に知りえた範囲の情報であったのではないでしょうか、お答えください。

 9月10日の回答に目を通すまでこれらの点にお気づきにならなかったとすれば、自治体の長として怠慢のそしりは免れないと私は思いますが、いかがでしょうか、お答えください。

 既に東京都に送付した本人確認情報は消去を求めていくとのことです。私が都の担当者から確認したところによると、東京都は住基ネットに賛成し、法律どおりに参加している中で、消去に応じるつもりはないとのことです。単に消去を求めるだけでは消去はできないように思います。既に東京都に12日に行かれたことは東京都から伺いましたが、今後、具体的にどのような行動をもって消去を求めていかれるのか、お考えをお答えください。

 8月5日の接続から9月11日の切断の間、中野区民の本人確認情報を送信した以上、それが消去されるまで区民のプライバシーが侵害されるおそれが依然続きます。ことこのについて区長の責任をどのようにお考えかお答えください。

 全員協議会でも質問いたしましたが、御答弁がありませんでしたので再度お尋ねいたしますが、9月11日切断後の経過を順を追ってお答えください。

 私には、私のような無所属の議員がいることを忘れていない区民の方から2時半ごろ電話にて連絡がありました。一体どうなっているのでしょうか。9月11日午前中いっぱいかかり切断を決定されたとのことですが、その後どのような手順で何時に、どのように公表されたのか、お答えください。

 8月5日の稼働前、区民グループとの懇談の場で区長は、「区民の個人情報は中野区の個人情報の保護に関する条例で守れる」とおっしゃっておりました。確かに中野区の条例は外部提供先の個人情報保護対策を含むセキュリティ対策に干渉する制度を設けてはおりますが、残念なことに住基ネットにおいては、接続先である地方自治情報センター及び他の自治体が行う個人情報保護対策やセキュリティ対策に干渉する余地は全くありません。

 今後、個人情報保護法が成立するなど個人情報が確実に保護されれば、再接続するとのことですが、その際、個人情報の確実な保護とは何をもって、何をなさって御確認なさるのでしょうか、お答えください。

 最高法規である日本国憲法第3章第11条には、「国民はすべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」とあります。個人情報が漏洩することは、まさに基本的人権を犯すことになり、憲法違反となります。区民のプライバシーが侵害される恐れが払拭できないので、切断したということ自体は、地方自治体の長として憲法にのっとった適切な判断であったと思います。再接続する場合の確実なる個人情報保護の判断をするに際して、杉並区のように区長の諮問機関として区外部の専門家も入れた調査会議を設置することを提案します。確実なる個人情報保護が確立されるまで、安易に再接続されないことを切に願っております。

 次に、情報公開の徹底についてお尋ねいたします。

 田中区長は選挙公約として「情報公開の徹底」を挙げられ、所信においてもそのように述べられておりますが、情報公開を徹底するための具体策を何か講じられたでしょうか。

 中野区では、1986年に中野区区政情報の公開に関する条例が自治体としては早い時期に制定され、「区民の知る権利を保障し、区民と区との情報の共有を図ることにより住民自治と開かれた区政運営を推進することを目的とする」と第1条にあります。すばらしい理念です。田中区長の政策とも一致するものであると思います。

 しかし、窓口では、この条例を盾に、区民が区政情報公開請求書に住所、氏名等を記入し、条例にのっとった正式な手続を踏まなければ情報が手に入りにくい状況になっています。この条例の解釈、運用指針によれば、「情報公開が制度化されたからといって、これまで情報提供してきたものすべてを情報公開制度にのせなければならないというわけではありませんとなっており、加えて、「条例に基づく情報公開とは、住民の請求により従来区が公開することを予定していなかった情報を公開すること」と記されております。すなわち住民の請求に対し、各主管課で任意の判断をする情報提供と区の法的な義務としての情報公開制度があるということです。

 そこで問題となるのは、区民からの求めに際して各課で情報提供できる区政情報なのか、情報公開制度にのっとって公開する情報なのかの判断が難しく、窓口の職員の責任回避の思いもあるのか、往々にして情報公開制度にのっとった公開請求書の提出を区民に求めているようです。個人のプライバシーに関するような、区として当然守らなければならない区政情報もありますので、情報公開制度による公開請求の手続を区民に踏んでいただかなければならない場面もあることは重々承知しております。がしかし、正式な手続を踏まなくても、その場で情報提供してよい事例も多々あります。

 例えば、他の議員も触れられておりましたが、このたびの住基ネットに関し8月14日付で区長が総務大臣に出した「住民基本台帳ネットワークシステムにおける本人確認情報の安全性確保等について」という照会の文書です。区長が照会したことを8月15日の朝日新聞で知り、直後に窓口にてこの照会文を請求した区民に対しても、区政情報公開請求書の提出が求められました。このような照会文まで条例にのっとった手続をしなければならないのでしょうか。既に区が記者発表しているということは、広く区民に公表することが目的ですので、これは区政情報の提供と解釈できます。

 防衛庁の情報公開請求者リスト漏洩事件が明るみに出たばかりでもあり、区民は請求用紙に住所、氏名を書くことをちゅうちょし、照会文を手に入れることをあきらめました。もちろん後日、私がお渡ししました。

 中野区の窓口における情報提供がこのようにガードされていることを区長は御存じでしょうか。そして、この現状をどのようにお考えになりますか、お答えください。

 その場で情報提供可能な区政情報と情報公開条例にのっとり慎重に公開しなければならない区政情報との判断基準を職員に徹底する必要があろうかと思います。この条例には「区の保有する情報を公開することにより区が区政に関し区民に説明する責務を全うすることを明らかにするとともに、区政情報の公開の請求及び不服の救済についての一般的手続等を定め、もって区民の知る権利を保障する」とあります。すなわち、即提供可能な情報までも条例をもとに公開請求手続を区民に強いることは、この条例の本旨にもとるものです。

 区民が情報を求めて窓口に来たときに、不愉快な思いをさせず、その場で速やかに区政情報の提供がなされるよう、任意的な各主管課での情報提供の徹底と条例に則った情報公開の判断基準を明確化することによってスムーズな情報公開の徹底が促されると思います。判断基準の明確化を含め、情報公開徹底に向けての具体策を直ちに講ずるべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の見解をお聞かせください。

 次に、「区長と語る会」についてお尋ねいたします。

 区政への住民参加、住民側と行政側の意思疎通の拡大が望まれる今日にあって、区長みずからが公約に上げられた「区民との直接対話を毎月2回定例化」を実施されていることについては評価できるものと考えます。中野区の各地域センターごとに15カ所の開催が計画されておりますし、毎回およそ50人以上もの区民が参加していることからも、その評価のほどがうかがえます。テーマもフリーであり、区民が自由に発言できることも喜ばしいことです。発言内容は中野区のホームページを通じて後日公開されていますし、図書館でも閲覧できるようになっております。開かれた区政という観点からは望ましいあり方だと思います。

 しかし、少々気になるところがあります。それは「区長と語る会」の位置付けについてです。「区長と語る会」の担当窓口は政策経営部広聴広報課となっていたようですが、7月23日に行われた第1回の区長と語る会の冒頭のあいさつの中で、「区の内部の動きになるが、区民との対話の内容を区政に反映させていくために区民対話担当を設け、私の考える新しい区政推進の体制づくりを行った」と区長が話されているとおり、単なる広聴や住民との意思疎通の場としてだけあるようではないように受け取れます。

 事実、第1回の区長と語る会記録の冒頭では、区民の質問に答えながら「担当のケースワーカーに内容を伝え、区で検討した上で職員から対応させる」(関係部課、生活援護課)と、具体的業務指示と受け取れる内容が記録されています。そして、すべての質問ごとに、区民課、庶務課、学務課、住宅課など具体的関係部署が示されているところからも、単に住民との意思疎通を図るという性格のものとは異なるようです。

 住民との意見交換は大いに歓迎しますが、「区長と語る会」の発言をもとに具体的な業務指示がされるのであれば、そのルール化、基準の明確化、行政実務の流れの明確化等が必要不可欠です。それなしの即断的業務指示は、逆に混乱を招いたり、権力の集中を招いたりする危険性が考えられます。区政は住民の意思のもと、議会・条例・職員と相まって成り立っているものです。早急な検討が必要かと考えます。

 また、地域センターは地域の住民が自主的に相互の交流を深め、豊かな地域社会をつくるための「市民の広場」と、区が行う仕事を地域の住民とともに考え、つくり上げていくことを目指した住民の声が反映できる「地域の区長室」の二つの役割として設置されています。住区協議会という住民の考えを区政に反映させる組織も地域センターにあります。こうした既にあるシステムとの兼ね合いはどうなのでしょうか。区政協力員制度というものも1971年から中野区にはありました。現在は区政モニター制度と装いを新たにし、住民の声を聞くシステムとして既に存在しているわけです。提言カードは一昨年廃止となりましたが、電子版・区民の声が新たに始まっています。今後、区長と語る会を継続していくとのお考えであるのであれば、そうした既存の制度との見直しを必要になってくるのではないかと考えられます。

 そこで区長にお伺いいたします。

 「区長と語る会」は、現在の行政の中でどんな位置付けのものとしてお考えの上実施されているのでしょうか。意思疎通の場としてあるのでしょうか。あるいは、それ以上の行政内容に直接踏み込む内容を伴ったものとしてお考えなのでしょうか、お答えください。

 将来的には、区民参加の仕組み、行政の説明責任、情報公開の徹底について定める自治基本条例を制定することを検討のようですが、先ほどはっとり議員の質疑に対する答弁で、まだ余り進んでいないようですが、概要なり、進め方の手順など、もう少し詳しくお答えください。

 「区長と語る会」からの具体的な業務指示の流れはどういう形で処理されているのでしょうか。既にルール化されているようでしたら、その内容をお答えください。

 既存の住民の意見を聞く他のシステムとの兼ね合いは、どのようにお考えなのでしょうか。

 以上4点についての見解をお尋ねいたします。

 次に、上野原スポーツ・学習施設についてお尋ねいたします。

 上野原スポーツ・学習施設について区長は所信で、「教育委員会と早急に調整して具体的な検討に入る」と述べられました。私は、整備計画を廃止すべきと考えますが、土地の売却については購入時の約11億円では、現在周知のように売却できません。かつ条件の悪いこの土地の買い手はそんなに簡単に見つかるとは思えません。慎重な検討が必要かと思われます。基本的には計画の廃止、売却の方向で教育委員会と検討に入ることに賛成です。

 さて、区長は至るところで「筋道を通す」とおっしゃっていますので、筋を通した話し合いの手順を踏んでいただきたいと考えます。

 7月23日に行われた第1回区長と語る会で、「上野原スポーツ・学習施設は廃止し、売却する」と区民の質問に答え、7月25日の第2回では、「先日、上野原町に行き、町長に上野原スポーツ・学習施設について廃止するということを話してきました」とあいさつの中で述べられております。さらに8月6日、7日、第3回、第4回でも「計画は廃止し、用地は売却する」と述べられました。

 しかし、聞くところによれば、8月16日になって区長は、教育委員会委員長あてに整備計画の廃止の検討を要請する旨の文書をお出しになられたとのことです。6月25日の所信で、「教育委員会と早急に調整して具体的な検討に入る」と述べられてから2カ月後となります。

 一方、その間に多くの区民に対して、「整備計画は廃止し、用地は売却する」と語り、さらに上野原町の町長にもその旨を伝えました。教育委員会委員長あてに検討を要請したのは、その後のことです。これでは結論を押しつけるだけとみなされても致し方ありません。既に結論がある中で、教育委員会に一体何を検討していただくのでしょうか。

 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第29条において、地方公共団体の長は、教育委員会の意見を聞かなければならないと定められています。地方公共団体として一体的な行政を推進することは重要ですが、教育行政の独自性、自主性を尊重し、教育委員会の意思を反映させることも重要であるゆえ、第29条の規定が設けられています。教育委員会は区長のかいらいではないはずです。教育委員会の検討結果を持って上野原町長に話を持って行くべきでした。

 さきに述べましたように、私はこの計画の廃止に賛成です。しかし検討する手続に筋が通っておりません。長年担当していた職員と区長は対話をなさったのでしょうか。職務と言えばそれまでですが、計画の進まないこの土地を一人で管理している区の職員のいることを忘れてはいけません。区民との対話ももちろん大切です。同様に、ともに仕事をする職員との対話も大切なはずです。外に向かってどんどん発信し、区民に当然そうだと思わせて、外堀を埋めてしまえば教育委員会は何も言わないだろうという計算ずくのこととしか思えません。私の認識が間違っていれば御指摘ください。

 今後も上野原問題だけではなく、さまざまな見直しが行われると思いますが、こういったやり方には疑問を抱いています。区長就任以来、どのような筋道、手順で上野原問題に取り組まれたのか、今後どう取り組まれるのか、お答えください。

 最後に、その他で1点質問いたします。

 さきの第2回定例会で、私は一般質問の中で次のような質問をいたしました。中野区立学校の教育現場に向ける国歌斉唱のときに、起立をしないのであれば来賓席はないぞと意味する言葉を、私、むとうが区立小学校長より浴びせられました。これは国歌斉唱を紛れもなく強制し、国民の権利である思想、良心の自由を侵害するものであり、憲法第19条に抵触するこのような言動、行為を区長は黙認してはならないと思いますが、これに対する区長の見解をお尋ねしたところ、「中野区における教育現場で国旗・国歌の取り扱いについて、現在問題となるような強制が行われているというふうには認識しておりません。具体的な事例の内容については教育委員会とも協議しながら内容を確認してまいりたい」と答弁なさいました。さらに再質問に際しては、「仮に強制があったということが本当であるのであれば、それは教育委員会自身がこれまでとってきた姿勢と違うことになってしまいますので、そうしたことがないようにしなければならないと思います」とお答えになりました。

 その後、むとうが虚偽を述べたのか、それとも、むとうの言う事実があったのか、事実確認ができたことと思いますので、その内容と、その件に関する区長の見解をお聞かせください。

 以上で終了いたします。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 御質問にお答えいたします。

 まず、教育公務員の研修の問題でございます。中野区の運営の仕方はかなり制限があって閉鎖的だけれども、そういった実態についてどう思うかという御質問でありました。

 教育公務員に限らず、公務員の研修というのは非常に重要だと思っております。教育公務員(先生)というのは、とにかく私たちの子どもを預かってはぐくんでくださる職の方ですから、本当にいい研修をしていただきたいというふうに思っています。

 一般に教員自体が研究や修養に努めなければいけないというところでは、全く自由に、職務と関係なくみずから自己研さんしていただくということも必要でありましょうし、話題になっておりますような給与の減額を免除されて行う研修、すなわちお金をもらって行う研修といったようなこともあるのだというふうに理解しております。お金をもらって行う研修である以上、一定の組織的な約束に基づいて、その組織の中での運用のあり方に沿って研修をしていただくということが原則であろうというふうに思っております。

 内容等につきましては、教育委員会の自主性ということを重んじなければなりませんので、私の方から、この場でそういった運用について申し上げることは余り適当ではないのではないかというふうに思っております。

 それから、住基ネットワークシステムの問題で何点か御質問がございました。

 延期を要望していたにもかかわらず8月5日に運用を開始したのはなぜかという問題であります。

 個人情報保護法等の基本的な条件が整備されていない中で、稼働は延期するべきであるという要望を行ったのは事実であります。また、そうした要望に対して国の方で何らかの対応を行わなかったということで、8月5日には改正住基法が施行されたわけであります。

 区は、法律に基づく行政運営を行う立場でありますので、施行された改正住基法に従って住基ネットの運用を開始したということであります。

 それから、照会を8月5日前にするべきでなかったか、あるいは国の回答は8月5日以前に知り得た内容だったと思うがどうなのかということであります。

 国の機関等が本人確認情報を利用するのは9月からということであります。8月5日以降、住基の4情報等コード番号が本人確認情報として住基ネットの中を流れているという状況でありました。9月から本人確認情報の利用が開始されるということが8月5日時点では言われていたわけであります。具体的に9月何日からどの事務でといったようなことについては明らかではありませんでした。さらに、そこでの安全確保策の詳細等についても明らかではありませんでした。これについて、本人確認情報の利用を始める前に確認をしたいということで確認をしたものであります。

 その回答が来たのが9月10日でありました。9月10日に来た内容で、8月5日にわかっていたということはありません。9月10日に書かれていた内容が8月5日の時点でどこかに載っていた、あるいは8月5日の時点から何も進んでいない内容もあったかもわかりません。しかし、その回答が9月10日に来たということであります。

 それから、東京都に送信した情報の消去についてでありますが、御指摘ありましたとおり、東京都に対して消去を求めているところであります。文書によって消去を求めております。東京都の方の立場としては消去できないという返事であったことも確認しておりますので、これからも消去を求めてまいりたいというふうに思っております。

 それから、今後、住基ネットワークシステムそのものについて改めて接続する可能性があるだろうということであります。

 私自身は、住基ネットという仕組みそのものを否定しているものではございません。これからのネットワーク社会の中で住基ネットのような仕組みというものは、基本的な仕組みとして整備されていくべきであるという立場に立っております。したがいまして、だからこそそういう状況の中で個人情報保護の仕組みが必要だということを申し上げているわけであります。

 したがいまして、接続に当たっては実効性を持った個人情報保護法の制定と、また国の機関での情報保護に対する十分な安全対策、そしてこの対策に関する自治体の側からの確認措置がきちんと整っているということが必要だというふうに考えているところでございます。

 それから、上野原スポーツ・学習施設の問題でございます。

 上野原スポーツ・学習施設の廃止ということについては、選挙中の公約として区民にお示しをして、区民の意向を把握してきたという考え方でやってきております。しかし、何も私が、区長になったんだから直ちに廃止できるんだというふうに言ったことは一度もございません。

 教育委員会につきましては、区長に就任直後に教育委員の皆さんとお会いしたその場で、上野原についての私の考え方をお示ししたものでございます。そうした考え方を受けながら教育委員会として検討していく中で、文書を私どもの方から教育委員会の方に改めてお示しをしたといったような経過はございました。

 それから、桃二小の卒業式における問題ということですが、このことについては教育委員会事務局を通じて報告を受けております。学校側は、入学式の円滑な進行のために協力をお願いしたというふうに言っておるわけでありまして、決して強制をしたわけではないというふうに認識をしております。

 私からは以上でございます。その他の問題については、それぞれの所管部長の方からお答えを申し上げます。

     〔教育長沼口昌弘登壇〕

○教育長(沼口昌弘) 教育公務員の研修につきまして、校長の承認を受けて行う承認研修というのがございますけれども、その承認研修につきまして不承認となったものについての実態を検証してはどうかということと、それから中野区の場合制限が強いのではないかという御質問でございます。

 これまでも研修につきましては有効に行うように指導してまいりましたけれども、現実にはいろいろと問題もございました。その意味で、改めて承認研修が自己の自由な時間であるかのような誤った観念を払拭すべく、ことしの夏より承認研修の基準につきまして明確にしたところでございます。

 具体的には、承認研修というものは、その内容が教育活動との関連が明らかにできるということ。あるいは、その内容や場所につきましても合理的かつ必然的な理由の妥当性が明らかにできるということで、服務について疑念を抱かせるものではないということを再確認したところでございます。

 研修内容や場所につきまして承認いたしますのは校長の判断でございますけれども、同時に、保護者や区民、あるいは納税者の方々への説明責任を果たし、理解を得られるものでなければならないと考えています。

 私といたしましては、教員の研修を制限し、閉鎖的に行っているとは思っていませんで、基準を明確化したことによりまして、より適切に行われるようになったと考えてございます。

 ことし行いました夏の承認研修の実態につきましては、現在、各学校に承認申請書と研修報告書の提出を求めておりまして、よく検証いたしまして、さらに今後の教員の研修のあり方の改善に役立てるつもりでございます。

 なお、教員から申請書が出されて、校長先生が不承認の決裁をしたというものはございません。ただ、事前に校長に承認の可否を相談したものがあるかもしれませんけれども、それらは多分、口頭によるものでありますので、適切な調査はできかねるということでございます。

 以上でございます。

   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 私からは2項目についてお答えさせていただきます。

 最初に、住民基本台帳ネットワークシステムの中で、9月11日の区長が切断を判断してから記者会見までの経過ということでございます。

 9月11日につきましては、11時前だったと思いますが、区長が切断を最終的に判断したわけですけれども、それ以降、午後にかけまして議会の説明に努めたところでございます。正副議長、各会派の幹事長、区民委員会の正副委員長に情報提供と説明に努めたところでございます。13時ごろに記者会見のお知らせを報道各社にファックス送付しております。17時に記者会見を迎えたというような経過でございます。

 次に、「区長と語る会」について3点ばかりの御質問がございました。

 まず、1点目は行政上の位置付けでございます。

 区民と区長の対話集会は区長がみずから地域に出向き区民と意見交換をする積極的な区の広聴活動の一つであると認識しております。区政全体に区民意見、区民感覚を反映させるためには、職員一人ひとりが広聴担当者としての意識を持つことが大切でございまして、区長みずからがそうした姿勢を明確に示したものでございます。

 この対話集会は、区政の区民意見を反映するための区民の声を聞く場であるとともに、区の説明責任を果たす場でもございまして、重要なコミュニケーションの機会でもあると考えております。したがいまして、最終決定権者としての区長が直接区民と対話するというようなことでございますので、これの処理につきましては区民対話担当ができるだけ迅速に関係課長と調整できる仕組みができるように事務処理要領を定めているところでございます。

 なお、既存の広聴事務は種々ございます。これらも区の重要な区民の声を受けとめる仕組みでございますので、従前と変わらぬ対応をしているところでございます。

 また、関連いたしまして自治基本条例についての手順のお尋ねでございます。

 自治基本条例につきましては、中野の自治と参加の理念を示すもの、また参加の手続を定めるものとして制定したいと考えているところでございますが、制定の時期等につきましては、これから基本構想改定、区民参加によります検討が進みまして、中野区の10年後の自治の姿が具体的になるような段階に制定するようなことを考えているところでございます。

 以上でございます。

    〔総務部長山岸隆一登壇〕

○総務部長(山岸隆一) 情報公開の徹底についてお答えいたします。

 御質問の中にもありましたように、すべての区政情報を情報公開制度にのせて行っていくということではないのは、御承知のとおりです。

 御指摘の情報請求につきましては、公開請求がありました時点で公表すべきと判断しておりませんでしたので、必要な手続をお願いしたものでございます。既に公表している情報などにつきましては、特段の手続によらず提供しております。正式な手続を踏まなくてもということは、先ほども申し上げたとおりです。

 区政情報の内容によりましては、情報提供すべきものか、情報公開制度によるべきものかの判断が困難なものもありますが、区民との情報の共有を積極的に進め、説明責任を果たしていくため、さらに区民が情報を得やすいような方法で進めていきたいというふうに考えております。

 御存じのように、情報公開は事例を積み上げていくというような方式でやっておりますので、一律判断基準というのをどこまで定めることができるかということは難しい点はございますけれども、制度の適正な運用が図れるよう職員の徹底を図っていきたいと思っております。

     〔むとう有子議員登壇〕

○9番(むとう有子) 何点か再質問させていただきたいと思います。

 まず、教育公務員の研修についてのことで、区長は、内容については教育委員会の自主性を尊重するということでコメントなさらなかったんですけれども、私は、こういうあり方でいいのかということで、さまざま事例を出して説明させていただきました。そういう現状を多分お知りになっていらっしゃらないと思うんですけれども、そういう事例を聞いた上で、どのようなお考えを区長として持っているかということをお答えしていただけたらというふうに思います。

 それから、その他のところでお尋ねいたしました日の丸・君が代の強制の問題なんですけれども、円滑な進行のために強制はしていないということなんですけれども、円滑な進行は当日なされておりました。円滑な進行を私が何か邪魔をしたということは全くありませんし、円滑な進行とは一体何なのか。逆に、君が代のところで、「御起立願えないのであれば来賓席はないですから」というようなことは強制というふうには認知できないんでしょうか。その辺のところを、もう一度御答弁お願いいたします。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 教育公務員の研修について、事例として御指摘になった部分を聞いた上で、どう思うかというふうな再質問でございました。きょう、ご質問の中で出てきた現状とか事例というようなことについて、今直ちに判断するというようなことは難しいと思っています。

 仮にそうしたことが議員の思っておられることとして御指摘があったのだとして、教育委員会として一定の運用の基準を持って、その基準に基づいて判断をするということについて、私は妥当だと思っています。

 それから、桃二小学校の卒業式の問題で、式の円滑な進行のために協力をお願いしたということについて、そのときのやりとりの中で強制があったというふうなお受けとめのようでございますけれども、私が教育委員会を介して校長の話を聞く限りにおいて、強制ではないと判断をしているものでございます。

○議長(斉藤金造) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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 認定第1号 平成13年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 認定第2号 平成13年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第3号 平成13年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第4号 平成13年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第5号 平成13年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

 

○議長(斉藤金造) 日程第1、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

    〔総務部長山岸隆一登壇〕

○総務部長(山岸隆一) ただいま上程されました認定第1号、平成13年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号、平成13年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、平成13年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、平成13年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第5号、平成13年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、以上5件につきまして一括して説明いたします。

 平成13年度予算の執行にあたりましては、事務の執行方法や経費のきめ細かな見直しなどにより歳出の抑制を図る一方、未収金対策等歳入の確保にも最大限努力し、少子高齢社会への対応や災害に強いまちづくり、商店街活性化など、区民生活を豊かにするための施策に取り組みました。

 初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。

 平成13年度一般会計の歳入総額は982億8,575万6,633円、歳出総額は943億5,146万6,038円で、前年度と比較しますと、歳入で6.1%の増、歳出で2.3%の増となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支は39億3,429万595円となり、翌年度へ繰り越すべき財源もありませんでしたので、実質収支も形式収支と同額となりました。

 それでは、歳出につきまして、基本構想の五つの柱に沿って、平成13年度に執行した主な事業の説明をいたします。

 第1の柱「自由にのびのびと個性を生かし能力をのばす」の事業です。

 子どもの分野では、旧上鷺宮保育園及び野方北保育園の運営事業者の選定や、JR中野駅前に開設した「認証保育所」に対する開設準備経費及び運営費の補助を行いました。

 また、児童等の安全対策として、都補助金を活用し警視庁直結の非常通報装置を保育園、児童館、小・中学校、幼稚園に整備しました。

 学校教育の分野では、小学校29校でコンピュータ教室内のパソコンをLANで結んだほか、第二・第七中学校が「次世代ITを活用した未来型教育研究開発事業」の研究指定校になったことから、その事業参加に必要な条件である校内LANの整備を行いました。また、中野本郷小学校の耐震補強工事を実施しました。

 男女共同参画の分野では、「中野区男女平等基本条例」を平成14年3月に制定し、男女平等に根ざした中野のまちづくりの基礎的条件整備を行いました。

 次に、第2の柱「安心して充実したくらしを営む」の事業です。

 地域型保健福祉の分野では、精神障害者に対して日常生活の支援・相談や地域交流活動などを行う精神障害者地域生活支援センターを社会福祉会館の6階に開設しました。

 高齢者福祉の分野では、区の独自施策として、平成13年10月から、介護保険制度施行後に新たにホームヘルプサービスを利用する住民税非課税世帯の方に対しても、利用者負担軽減を開始しました。また、「中野区かみさぎ特別養護老人ホーム・高齢者在宅サービスセンター」を社会福祉法人武蔵野療園の運営に転換するとともに、経営支援のための補助を行いました。さらに、「中野区介護サービス事業者連絡協議会」の設立支援を行いました。

 障害者福祉の分野では、知的障害者が社会生活上必要な外出をする際の付き添い介助としてガイドヘルパーを派遣する事業を平成13年10月から開始しました。

 地域産業の振興では、景気対策特別資金や緊急景気対策特別資金の融資あっ旋や利子補給を行うとともに、中野区商店街連合会加盟店の情報を網羅するホームページ「ハートビートなかの」の開設を支援しました。

 また、魅力ある商店街づくりのため、商店街が行うコミュニティ活動や環境整備事業、共同施設の設置費や元気を出せ商店街事業への助成を行いました。

 このほか、平成14年3月に「中野区商店街振興プラン」を策定し、関係団体等への説明会を実施しました。

 続いて、第3の柱「心身の健康をまもる」の事業です。

 生活習慣病などの早期発見と予防を図るため、成人健診、がん検診、成人歯科健康診査等の区民健診を実施するとともに、新たに高齢者を対象としてインフルエンザの予防接種を実施しました。

 第4の柱「安全で快適に住めるまち」の事業です。

 地域まちづくりの推進では、南台地区及び平和の森公園周辺地区において、木造賃貸住宅建て替え費用の助成、建て替え資金の利子補給や道路用地の取得を行い、住環境整備とあわせた防災まちづくりを推進しました。このほか、新井五丁目地区の共同化事業に助成しました。

 また、平成13年6月に中野区、杉並区及び東京都の共同の案として「警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案」を策定しました。

 交通の分野では、中野富士見町駅に鉄道事業者の協力を得て自転車駐車場を整備しました。

 道路整備では、狭隘道路の拡幅整備を進めるとともに、妙正寺川の河川改修に伴う橋の架け替えに合わせた歩道設置など、橋の拡幅整備を実施しました。

 公園の整備では、(仮称)若宮三丁目公園の実施設計と(仮称)江古田三丁目公園の整備工事を行うとともに、平和の森公園第2期工事を前年度から引き続き実施しました。

 電波障害対策では、新宿新都心開発協議会(SKK)から前年度に引き続き電波障害対策負担金の拠出を受け、財団法人東京ケーブルビジョンにこの負担金を支出しました。

 このほか、PCB対策として、本庁舎やもみじ山文化センター西館など計21施設について、PCB入り安定器使用照明器具の取り替え工事を実施しました。

 第5の柱「区民みずからきずく地域社会」の事業です。

 市民活動の支援では、地域住民の集会、葬祭等の場を確保するため、町会による会館の建設1か所の助成を行いました。

 住民参加の分野では、18の施策と107の事務事業を対象に行政評価を行ったほか、企業会計的手法による財政分析として、バランスシートや行政コスト計算書等を作成しました。

 情報化の分野では、住民基本台帳ネットワークシステムを開発するとともに、新たに教育委員会ホームページを開設しました。

 平和・国際化の分野では、平和のつどいや平和展等の開催、北京市西城区からの文化交流代表団や職員派遣研修の受け入れなどの交流を行いました。

 国の特別対策事業関係では、少子化対策事業として、中野保育園の産休明け保育実施のための施設整備などを実施しました。

 また、緊急地域雇用対策として、バリアフリー実態調査や障害者の就労支援・雇用促進事業などを実施しました。

 さらに、情報通信技術(IT)関連事業として、区立施設や区内専門学校等を会場にIT講習会を実施しました。

 これらの結果、予算現額に対する執行率は96.2%となりました。この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は510億2,700万円余で、前年度と比較して3.1%の減となりました。一方、投資的経費は56億2,900万円余で、前年度と比較して23.3%の増となりました。

 次に、歳入について、大きな増減があった主な款について説明いたします。

 第1款特別区税は、総額272億5,000万円余で、前年度と比較して1億1,300万円余、0.4%の減となりました。これは主に特別区民税が景気の低迷などの影響により減となったことによるものです。

 第2款特別区交付金は、総額299億5,700万円余で、前年度と比較して1億8,200万円余、0.6%の増となりました。これは調整三税の増収によるものです。

 第5款地方消費税交付金は、総額32億1,100万円余で、前年度と比較して2億2,100万円余、7.4%の増となりました。

 第11款国庫支出金は、生活保護費の増などにより、前年度と比較して1億1,100万円余、1.2%増の総額91億1,800万円余となりました。

 第12款都支出金は、国勢調査の終了や電波複合障害対策補助金の減などにより、前年度と比較して4億5,000万円余、11.7%減の総額34億800万円余となりました。

 第13款財産収入は、用地売払収入や外郭団体からの出資金返還金の増により、前年度と比較して15億3,900万円余の増、総額16億7,600万円余となりました。

 第15款繰入金は、施設建設基金を廃止し一般会計に繰り入れたことに伴い、前年度と比較して13億8,500万円余、314.8%増の総額18億2,500万円余となりました。

 第16款繰越金は、歳計剰余金の増により、前年度と比較して2億9,300万円余、832.3%増の総額3億2,800万円余となりました。

 第17款諸収入は、土地開発公社からの用地購入に伴う貸付返還金の増などにより、前年度と比較して5億800万円余、5.7%増の総額94億9,800万円余となりました。

 第18款特別区債は、土地開発公社経営健全化対策に基づく公社用地購入など事業債の発行額の増により、前年度と比較して19億7,300万円余、113.9%増の総額37億500万円余となりました。

 以上、歳入決算額の予算現額に対する収入率は100.2%となりました。

 なお、平成13年度決算では実質収支が39億円余り生じ、経常収支比率や公債費比率が下がるなど、区財政は若干改善しました。しかし、これは一時的な景気回復による特別区交付金の伸びや、用地売却、外郭団体からの出資金返還など、一過性の要因によるもので、その後、景気は再び悪化していることから、今後の財政運営は大変厳しいものになると予測しています。

 区としては、今後とも全庁挙げて行財政の構造改革に取り組み、弾力的な財政構造を確立していく必要があると考えています。

 以上が一般会計決算の説明です。

 続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。

 歳入歳出の決算額は同額で、17億8,437万9,244円、前年度と比較しますと5,000万円余、2.8%の減となりました。

 歳出としては、全額が公共用地取得にかかる特別区債の償還金です。

 また、歳入は、一般会計からの繰入金です。

 次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は237億8,500万7,885円、歳出総額は233億5,412万1,919円で、前年度と比較しますと、歳入では6.9%の増、歳出では6.6%の増となりました。

 歳出の主なものは、第2款保険給付費が138億9,200万円余で、前年度より3億9,500万円余、2.9%の増となりました。これは主に被保険者数及び療養給付費の増によるものです。

 第3款老人保健拠出金は73億8,200万円余で、前年度より8億9,600万円余、13.8%の増となりました。これは老人保健医療費が増となったことによるものです。

 歳入では、第1款国民健康保険料が88億円余で、前年度より2億7,100万円余、3.2%の増、第3款国庫支出金が77億1,000万円余で、前年度より6億1,400万円余、8.7%の増、第7款繰入金が39億3,700万円余で、前年度より4億2,800万円余、12.2%の増となりました。

 次に、中野区老人保健医療特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は269億6,891万379円、歳出総額は268億9,804万4,953円で、前年度と比較しますと、歳入で2.8%の増、歳出で3.4%の増となりました。

 歳出の主なものは、第1款医療諸費で268億8,100万円余です。前年度と比較しますと9億1,800万円余、3.5%の増となりました。これは受診件数の伸び等によるものです。

 歳入の主なものは、第1款支払基金交付金が186億9,100万円余で、前年度より3億5,700万円余、1.9%の増、第2款国庫支出金が54億5,100万円余で、前年度より1億9,200万円余、3.7%の増、第3款都支出金が13億5,100万円余で、前年度より3,100万円余、2.4%の増、第4款繰入金が12億3,200万円余で、前年度より2,500万円余、2.0%の減となりました。

 最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は102億2,490万1,155円、歳出総額は101億4,111万1,013円で、前年度と比較しますと、歳入で25.7%の増、歳出で33.3%の増となりました。

 平成13年度は介護保険制度の2年目にあたり、事業が平年度化したことなどにより、歳入歳出決算額とも前年度に比べ大幅に伸びたものとなりました。

 歳出の主なものは、第2款保険給付諸費が92億700万円余で、前年度より24億5,300万円余、36.3%の増、第4款基金積立金が4億700万円余で、前年度より1億8,100万円余、30.8%の減、第5款諸支出金が2億5,400万円余の皆増となりました。

 歳入の主なものは、第1款介護保険料が14億9,300万円余で、前年度より10億円余、203. 2%の増、第3款国庫支出金が23億8,100万円余で、前年度より4億6,400万円余、24.2%の増、第4款支払基金交付金が28億3,700万円余で、前年度より4億4,100万円余、18.4%の増、第5款都支出金が11億7,800万円余で、前年度より2億7,100万円余、29.9%の増、第7款繰入金が18億600万円余で、前年度より6億1,500万円余、25.4%の減となりました。

 以上、平成13年度の各会計決算について説明いたしました。

 なお、詳細につきましては、お手元に送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書・各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして御了承いただきたいと思います。

 また、監査委員におかれましては、平成13年度に財務監査、事務監査、例月の出納検査等を実施していただきました。

 さらに、本決算につきましては、7月25日から8月20日までの間、慎重に審査をいただき、別冊のとおり「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点については、十分に対処していく所存です。

 最後になりましたが、ここに平成13年度の決算につきまして議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝申し上げる次第です。

 以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、平成13年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。

○議長(斉藤金造) 本件について御質疑ありませんか。

    〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託することに決しました。

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 議員提出議案第16号 税制上の軽減措置等「ヒートアイランド対策」の推進を求める意見書

 

○議長(斉藤金造) 日程第2、議員提出議案第16号 税制上の軽減措置等「ヒートアイランド対策」の推進を求める意見書を上程いたします。

 

 提案者代表の説明を求めます。山崎芳夫議員。

     〔山崎芳夫議員登壇〕

○12番(山崎芳夫) ただいま上程されました議員提出議案第16号、税制上の軽減措置等「ヒートアイランド対策」の推進を求める意見書につきまして、提案理由の説明をいたします。

 なお、提案説明は案文の朗読をもってかえさせていただきたいと存じますので、御了承願います。

 

税制上の軽減措置等「ヒートアイランド対策」の推進を求める意見書

 近年、都市部の気温が郊外より高くなる、ヒートアイランド現象が進行している。ヒートアイランド現象は、都市化に伴う緑地・水辺等の減少、交通機関や高層ビル等の集積・集中、そしてそれらによる、エネルギー消費の人工廃熱の増大等によるものとされ、夏季期間における熱帯夜や、乾燥化の促進、冬季期間における大気汚染の促進などの、諸状況をもたらしている。また、夏季期間における都市部で頻発している、集中豪雨との関連も指摘されている。

 より具体的には、人口の過密化や交通網の集中による、単位面積あたりの廃熱量の増加、自動車やエアコンから出る廃熱の増加、緑地部の減少に伴う、地表面及び植物からの水分の蒸発量の減少、高層建物の集中に伴って起こる、多重反射による加熱、アスファルトなど、都市を構成する物質が持つ、熱の蓄積効果の拡大などによるものとされている。

 これらのヒートアイランド現象に対して、これまでも、各種の対策が関係省庁や地方公共団体で実施されてきているが、根本的な対応となっているとは言い難い、といわざるを得ない。

 政府として、早急に、ヒートアイランド現象の研究・調査・分析を進め、そのメカニズムを解明していく必要がある。また同時に、ヒートアイランド現象緩和のために、必要な諸措置を実施すべきである。

          記

1 ヒートアイランド現象についての研究・調査・分析を進め、そのメカニズムの解明を行い、必要な対策を早急に実施すること。

2 都市緑地の保全・創出・再生が急務であり、そのために緑地保護に係わる相続税や、固定資産税等について、税制上の軽減措置を講じること。

3 地方公共団体が取得・整備する緑地に対する補助枠、及び補助対象の拡大をはじめ、保全緑地の公有化に係わる、譲渡所得の特別控除額の引き上げ、及び緑地奨励金の非課税措置を講じること。

4 屋上・壁面緑化をはじめ、地方公共団体が森林再生のために行う事業等に対する、国の支援策を講じること。

5 ビル等における省エネルギーや、環境保全対策を強化するとともに、人工廃熱の低減・再利用対策についても本格的な対応を図ること。

6 中小河川や、水路等水辺の保全・創出を図るとともに、透水性・保水性舗装等の普及を推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づいて、意見書を提出する。

 年  月  日

衆議院議長

参議院議長

内閣総理大臣

財務大臣

国土交通大臣

環境大臣      あて

中野区議会議長名

 

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(斉藤金造) 本件について御質疑ありませんか。

    〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件は委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案は、原案どおり可決するに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第3、議員提出議案第17号、中野区議会会議規則の一部を改正する規則を議題とするに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第17号 中野区議会会議規則の一部を改正する規則

 

○議長(斉藤金造) 日程第3、議員提出議案第17号、中野区議会会議規則の一部を改正する規則を議題に供します。

提案者代表の説明を求めます。山崎芳夫議員。

     〔山崎芳夫議員登壇〕

○12番(山崎芳夫) ただいま議題に供されました議員提出議案第17号、中野区議会会議規則の一部を改正する規則につきまして、提案者を代表いたしまして提案理由の説明を申し上げます。

 本議案は、本年4月1日から施行された地方自治法の一部改正により、議案の審査または地方公共団体の事務に関する調査などのため、議会において必要と認めた議員の派遣を行う場合には、会議規則に基づく手続が必要となるため、所要の規定を追加するものであります。

 この規則の施行時期は、公布の日からでございます。

 以上でありますが、同僚議員におかれましては、よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。

○議長(斉藤金造) 本件について御質疑ありませんか。

    〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件は委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、委員会付託は省略いたします。

 本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案は、原案どおり可決するに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。

      午後6時01分散会