平成28年02月26日中野区議会予算特別委員会
平成28年02月26日中野区議会予算特別委員会の会議録

.平成28年(2016年)2月26日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(42名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  内  野  大三郎

  9番  羽  鳥  だいすけ        10番  北  原  ともあき

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  細  野  かよこ        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番  い  さ  哲  郎

 21番  佐  野  れいじ         22番  いでい   良  輔

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  石  坂  わたる

 29番  いながき  じゅん子       30番  小  杉  一  男

 31番  浦  野  さとみ        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  大  内  しんご

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席委員

      な  し

.出席説明員

 中野区長    田中 大輔

 副区長     川崎 亨

 副区長     本田 武志

 教育長     田辺 裕子

 政策室長    髙橋 信一

 政策室副参事(企画担当)        海老沢 憲一

 政策室副参事(予算担当)        黒田 玲子

 政策室副参事(広報担当)        酒井 直人

 経営室長    篠原 文彦

 危機管理担当部長            小田原 弦

 経営室副参事(経営担当)        朝井 めぐみ

 経営室副参事(人事担当)        伊藤 政子

 経営室副参事(行政監理担当)      田中 謙一

 都市政策推進室長            長田 久雄

 西武新宿線沿線まちづくり担当部長    角 秀行

 都市政策推進室副参事(産業振興担当)  青山 敬一郎

 都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当、中野駅周辺計画担当) 石井 大輔

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 松前 友香子

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 吉田 陽市

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 立原 英里雄

 都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設整備担当) 小幡 一隆

 都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当、

沼袋駅周辺まちづくり担当) 山本 健一

 都市政策推進室副参事(新井薬師前駅周辺まちづくり担当) 近江 淳一

 都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) 小林 裕幸

 地域支えあい推進室長          野村 建樹

 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦

 地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当)、

 中部すこやか福祉センター所長      横山 俊

 中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 只野 孝子

 北部すこやか福祉センター所長、

 北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 田中 政之

 北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 吉沢 健一

 南部すこやか福祉センター所長、

 南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 相澤 明郎

 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 麻子

 区民サービス管理部長          白土 純

 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治

 区民サービス管理部副参事(税務担当)  杉本 兼太郎

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  奈良 浩二

 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、

 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀

 子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、

 教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 永田 純一

 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、

 教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 古川 康司

 子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、

 教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当) 濵口 求

 子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、

 教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 浅野 昭

 教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 板垣 淑子

 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 石濱 良行

 教育委員会事務局指導室長        杉山 勇

 健康福祉部長  瀬田 敏幸

 保健所長    寺西 新

 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    藤井 康弘

 健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 永見 英光

 健康福祉部副参事(障害福祉担当)    岩浅 英樹

 健康福祉部副参事(生活援護担当)    鈴木 宣広

 健康福祉部副参事(生活保護担当)    小堺 充

 環境部長    戸辺 眞

 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   鳥井 文哉

 環境部副参事(ごみゼロ推進担当)    高橋 均

 清掃事務所長  滝瀬 裕之

 都市基盤部長  尾﨑 孝

 都市基盤部参事(都市計画担当)     豊川 士朗

 都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 志賀 聡

 都市基盤部副参事(都市基盤整備担当)  千田 真史

 都市基盤部副参事(生活安全担当、交通対策担当) 伊東 知秀

 会計室長    古屋 勉

 監査事務局長  小谷松 弘市

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     小田 史子

 事務局次長    堀越 恵美子

 議事調査担当係長 佐藤 肇

 書  記     関村 英希

 書  記     東 利司雄

 書  記     大野 貴子

 書  記     細川 道明

 書  記     江口 誠人

 書  記     井田 裕之

 書  記     田中 寛

 書  記     福島 ルミ

 書  記     遠藤 良太

 書  記     香月 俊介

 書  記     亀井 久徳

1.委員長署名


午前10時00分開議

○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。

 第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。

 お手元に総括質疑一覧を配付しておりますので、参考にごらんください。

 

平成28年(2016)2月26日

     予算特別委員会

 

総 括 質 疑 一 覧

 

氏名・会派等

               

内川 和久

(自 民)

 

1 平成28年度予算について

 (1)新たな財源確保の取り組みについて

 (2)その他

2 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について

3 その他

久保 りか

(公 明)

1 平成28年度予算(案)について

2 男女共同参画推進について

 (1)第4次男女共同参画基本計画について

 (2)女性活躍推進計画について

 (3)特定事業主行動計画の改訂について

3 中野駅周辺のまちづくりについて

 (1)ユニバーサルデザインのまちづくりについて

 (2)駅地区整備計画について

4 子ども若者支援について

(1)学習支援、子どもの居場所について

 (2)ひとり親家庭の支援について

 (3)子ども若者計画について

5 食品ロス削減の取り組みについて

6 鷺宮地域のまちづくりについて

7 その他

浦野 さとみ

(共 産)

1 2016年度予算案について

 (1)財政運営と基金活用の考え方について

 (2)その他

2 教育・子育て環境の整備について

 (1)特別支援教室と通級・巡回指導について

 (2)学校再編について

 (3)保育園・幼稚園施策について

 (4)子どもの貧困対策について

 (5)その他

3 平和の森公園再整備構想(案)について

4 区内環境の整備について

 (1)落書き除去について

 (2)防鳥用ネットについて

5 その他

 (1)都市計画道路補助線街路第220号線について

 (2)地域包括ケアにおけるリハビリ職の配置について

 (3)その他

酒井 たくや

(民 主)

 

1 28年度予算について

 (1)歳入について

 (2)歳出について

 (3)その他

2 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について

 (1)U18プラザと児童館について

 (2)区立幼稚園について

 (3)学校跡地の利活用について

 (4)その他

3 生活保護行政について

4 防災について

 (1)災害時個別避難支援計画について

 (2)避難所について

 (3)防災訓練について

 (4)地域防災力の向上について

5 その他

市川 みのる

(自 民)

1 都市計画決定について

2 中野二丁目地区のまちづくりについて

3 囲町地区について

4 中野四丁目西地区について

5 地域包括ケアシステムと地域メディアについて

6 その他

木村 広一

(公 明)

1 平成28年度予算について

2 まち・ひと・しごと創生総合戦略について

3 地域包括ケアシステムについて

4 子育て支援について

5 その他

小杉 一男

(共 産)

1 国民健康保険について

2 U18プラザ・児童館の廃止について

3 地域スポーツクラブとスポーツ・コミュニティプラザの運営について

4 「中野区自転車利用総合計画(改正版)」について

5 その他

山本 たかし

(民 主)

1 子ども・若者の貧困について

2 障がい者施策について

3 ICT活用について

4 行政評価について

5 その他

加藤 たくま

(自 民)

1 世界最先端水防システムの構築について

2 中野区独自の民泊制度の制定について

3 弥生町の防災まちづくりについて

4 その他

10

日野 たかし

(公 明)

 

1 平成28年度予算(案)について

2 弥生町のまちづくりについて

3 子どもの読書推進について

4 情報セキュリティ対策について

5 学校再編と跡地活用について

6 南部地域での乳幼児親子の居場所について

7 その他

11

いさ 哲郎

(共 産)

          

1 ユニバーサルデザインのまちづくりについて

 (1)中野駅周辺のバリアフリーについて

 (2)ヘイトスピーチ問題について

 (3)心のバリアフリーについて

2 地域図書館について

3 地域ねこ事業について

4 若者の支援事業について

5 その他

 (1)中野2丁目公社住宅建て替えに伴う臨時駐輪場設置について

 (2)私道の補修について

 (3)その他

12

佐野 れいじ

(自 民)

1 区の職員評価とその処遇について

2 「空き家」対策とその利活用について

3 「哲学堂と中野のまちを楽しむ本」について

4 その他

13

大内 しんご

(自 民)

1 平和の森公園再整備構想(案)について

2 税収向上の取り組みについて

3 中野区役所・サンプラザ一体再開発事業について

4 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)における東京西部都市圏構想について

5 その他

14

高橋 ちあき

(自 民)

1 施政方針説明について

 (1)出生率の向上に向けた取り組みについて

 (2)地域見守り・支えあいについて

 (3)その他

2 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について

 (1)子どもの育ちを支える地域づくりについて

 (2)公園利用方法の検討・方針策定について

 (3)その他

3 男女共同参画施策推進について

4 海での体験事業について

5 その他

15

むとう 有子

(無所属)

          

1 職員能力開発について

2 質の高い保育の提供について

3 10か年計画(第3次)(改定素案)について

4 その他

16

近藤 さえ子

(無所属)

1 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について

2 地域スポーツクラブについて

3 その他

17

石坂 わたる

(無所属)

1 幼児期の教育・保育について

 (1)障がいを持つ幼児等の教育・保育について

 (2)その他

2 エコ・リサイクル・ごみについて

 (1)水や熱の再利用について

 (2)生ごみについて

 (3)プラスチックについて

 (4)その他

3 その他

18

小宮山 たかし

(無所属)

1 子育て支援について

2 特別支援教室について

3 区立幼稚園について

4 トータルケア事業について

5 その他

19

渡辺 たけし

(無所属)

1 中野区内の拠点間ネットワーク環境の見直しについて

2 公立小中学校へのICT機器導入について

3 その他

20

内野 大三郎

(無所属)

1 平和の森公園再整備構想(案)について

2 区内の少子化対策について

3 その他

21

細野 かよこ

(無所属)

1 区立幼稚園の認定こども園への転換について

2 地域包括ケア体制の推進について

3 その他

 

○若林委員長 本日は、総括質疑の1日目となります。1番目に内川和久委員、2番目に久保りか委員、3番目に浦野さとみ委員、4番目に酒井たくや委員の順で4名の総括質疑を行います。

 次に、要求資料の配付についてですが、前回の委員会で要求した資料195件、全て資料が提出されておりますので、御確認ください。

 資料作成に当たられた職員の皆様、ありがとうございました。

 ただいまから、総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願い申し上げます。

 それでは、質疑に入ります。

 [1]内川和久委員、質疑をどうぞ。

○内川委員 おはようございます。

 28年、第1回定例会におきまして、自民党の立場で総括質疑をさせていただきます。

 持ち時間は1時間20分、おつき合いのほどをよろしくお願いいたします。

 質問は通告どおりでございますけれども、順序を変えます。

 1番の28年度予算についてお伺いした後に、2番の10か年計画についてお伺いをいたします。

 この中では、西口南北自由通路、橋上駅舎について、中野駅周辺の回遊性向上について、そして、中野中学校跡地の利活用についてお伺いいたします。

 その後、1番(1)新たな財源確保について、ここは寄附、それと事業計画についてお伺いしたいと思います。

 最後に、3番のその他、ここでは西武新宿線、連続立体交差事業についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、1番、28年度予算についてお伺いしたいと思います。

 区長は、施政方針説明の中で、地方自治をめぐる税財源問題についての考えを述べられております。税財源の問題につきましては、特別区、東京都、さらには日本全体で考えていくべき問題であると考えております。

 税財源問題に関する問題のうちの一つに、ふるさと納税制度があります。ふるさと納税制度につきましては、地方間格差や過疎などによる税収の減少に悩む自治体に対しての格差是正を推進するための新構想として平成24年度に制度が創立をされました。生まれ育ったふるさとに貢献できる制度、また、自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度としてスタートしたこの制度は、昨年9月の関東・東北豪雨の際には、被災地の自治体に対する寄附が急増したとの報道もあるほど、国民の理解を得て制度が浸透してきているように思われます。

 しかし、その一方で、過度な競争の結果、返礼品が豪華になっており、自治体間での寄附争奪戦になっているのではないかと思われます。

 ふるさと納税制度の趣旨として、大都市と地方の税収格差緩和が挙げられていますが、税源の偏在は地方交付税で調整されており、現在の過当競争は行き過ぎではないかとの意見もあります。

 そこで、28年度予算についてお伺いします。

 28年度予算を組むにあたり、一般会計の歳入状況において、特別区税はふるさと納税の影響を、約3億円の減収、所得の伸びを1億円の増としたとのことです。

 また、今後、予算を組んでいくに当たり、法人住民税の一部国税化の影響も見逃すことはできません。影響額は、現行消費税8%の段階で約20億円、それが10%に上がった段階では約40億円にもなると予測されています。増収分として約31億円が計上されておりますけれども、それは既に社会保障のために充てられています。国税化による減分は、それ以外の歳出の削減となることから、今後の持続可能な財政運営に大きな影響を及ぼすものと考えられます。

 アベノミクスの効果により、平成26年度決算は、歳入歳出ともに大きく伸び、過去最高額となりました。しかしながら、不安定な社会経済や最近の株価の乱高下、また、中野区においては、右肩上がりにふえていく扶助費、そして、新たな、地方への財源移転の資金として活用され、区の歳入にこれから大きく及ぼすふるさと納税があります。

 今後、予算を組むに当たっては、国民健康保険や税の収納率の向上はもとより、より積極的な財源確保に向けた取り組みが必要と考えますが、まず、区の見解をお聞きします。

○黒田政策室副参事(予算担当) 区の今後の財政状況でございますが、社会保障費が増加すると見込まれるとともに、新区役所の建設などを予定しているところでございます。その財源につきましては、適切に確保し、安定した区政運営に努めなければならないと考えているところでございます。

 最も重要な財源である特別区税につきましては、徴収額及び収納率の目標を定め、これを達成するための徴収体制と徹底した取り組みを推進し、確実な税収の確保に努めたいと考えております。

 また、特定財源については、国や都の補助金を改めて調査するとともに、国や都の政策動向にかかわる情報収集を行い、補助金の積極的な活用を図るとともに、補助金の制度変更があった場合には、財源に合わせた事業に修正するなどの工夫も図り、財源確保策に努めたいと考えております。

○内川委員 大分、収納率のほうも向上していると聞いておりますし、それから、日本の景気も不透明な状況ですので、新たな財源確保に積極的に取り組んでいただきたい、そういうふうに思っています。

 次に、基準となる一般財源の規模についてお伺いいたします。

 25年度までは650億円、26年度には、消費税の引き上げがありましたのに伴い657億円、さらに27年度、今年28年度は672億円と引き上げられ、そして、29年度以降では695億円と設定されています。

 この短期間での引き上げは、もはや基準と言えるものではないのかなというふうに思っております。基準となる一般財源規模は財務規律の根幹であると理解しておりますし、また、財政運営のベースとなるものです。28年度歳入総額は727億円、29年度も同じく717億円と設定されており、32年度までは720億円と緩やかな伸びになっているのに対し、基準額は28年度から29年度は一気に23億円が引き上げられております。

 この理由についてお聞かせください。

○黒田政策室副参事(予算担当) 歳入につきましては、28年度は、歳出規模を上回って717億円の歳入を見ております。29年度以降も、区民税特別区交付金、地方消費税交付金の歳入により緩やかに歳入増が見込まれているところでございます。

 また、歳出規模につきましては、平成28年度に計上した子ども・子育て支援新制度や他の社会保障費の増額分18億円、消費税の10%時に区が支払う消費税増額分の5億円を見込み推計した結果、区民の福祉や生活の安定を図るための経費が確保される695億円と判断したところでございます。

○内川委員 消費税が10%に上がることも想定しているということなのですけれども、過去にも上げる時期が延びたということもあります。この基準の額を上げることに関しましては慎重に考えていただきたい、そのように思っています。

 それでは、ここで、2番の10か年計画について聞きたいと思います。

 10か年計画について幾つかお伺いいたします。

 まず、28年度予算から忽然と消えてしまいました中野駅西側南北通路及び橋上駅舎実施設計については、大変残念に思っています。この件に関しましては、今まで何度となく質問をさせていただきました。これらの整備は、中野駅地区北側のにぎわいを南側へ波及させるためにも必要不可欠なものと考えております。

 また、昨年9月の私の総括質疑に対して、区長は、2020年までに完成させることを想定している。この件につきましては、今後の中野駅周辺地区の開発や再整備にとって本当に不可欠、大変重要な案件であると考えているとも答弁をされています。

 あれから4カ月ぐらいたちましたけれども、一体どのように状況が変わってしまったのでしょうか、お答えください。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 中野駅西側南北通路、橋上駅舎の早期整備が喫緊の課題である、大変重要な案件であるという認識には何ら変更はございません。

 しかし、平成26年9月から着手しております基本設計の進捗により、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでの南北通路、橋上駅舎の供用開始が困難であるということが判明したというものでございます。

○内川委員 まるで人ごとのように答えていらっしゃいますけれども、また、昨年の総括質問においても、JRと区との連絡調整についてお伺いしました。

 定期的な調整会議に加え、不定期な打ち合わせも頻繁に行っているとのことでした。そこまでしても今回のようなさらなる延期はとめることができなかったのでしょうか。大義名分として2020年のオリンピック、パラリンピックまでの開設、南北通路の完成というものを目指して、JRに強く申し入れをしていくはずではなかったのでしょうか、お答えください。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 2020年の東京オリンピック・パラリンピック前に開設する区の目標につきましては、これまで一貫してJRに強く申し入れをし、かつ、JRも2020年の供用開始を目標として基本設計を行ってきております。

 ただ、設計の進捗に伴い、さまざまな工事工程の検討、これを踏まえた上で、技術的に間に合わないということが判明したということで、これについては、受け入れざるを得ないという判断でございます。

○内川委員 この基本設計関連経費に、区は既に約1億7,000万円もつぎ込んでいるのですね。基本設計というのはどこまで進んでいるのですか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 基本設計協定の協定期間というのは、当初は平成27年10月で結びましたが、期間を半年延長させていただきまして、平成28年3月末までになってございまして、これにつきましては、基本設計は年度内に完了する予定で進めてございます。

○内川委員 ということは、基本設計は年度中に納まってきますけれども、その後の実施設計に移るめどがついていないということですね。

 今回、実施設計にかかる予算の2,000万円余が減額補正されました。加えて債務負担行為の3億8,570万円も廃止をされています。このことは、計画自体が全く見通しが立っていないということを意味しているのか、お答えください。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 実施設計に着手するためには、現在、検討中の区役所・サンプラザ地区再整備方針の内容と整合を図るということも重要であると考えておりまして、北口駅前広場の最適な計画との調整が必要であります。これについて、速やかに計画を整理し、実施設計に着手していきたいと考えてございます。

○内川委員 初めて聞くようなことを今おっしゃったわけですけれども、もともと南北通路だけでしたら平成26年にはもう完成する予定だったのですよ。それが、橋上駅舎が後で加わったことによって、ここまで延びに延びている。JRの都合なのかなと思いますけれども、そこで、さきに述べた基本設計関連経費の約1億7,000万円は無駄になることがないのか、確認です。そして、さらなる区の経費負担はないのかお答えください。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 実施設計協定につきましては、今回の基本設計協定の成果を踏まえ、可能になった時点で直ちに着手したいと考えておりまして、今回の基本設計が無駄になるということはないと考えてございます。

 基本設計につきましては、期間の延長をいたしましたけれども、金額の変更はございません。また、今後の事業費についても、大きな変動はないものと考えてございます。

○内川委員 それでは、いつ完成させることができるのかなというところを聞きたいのですけれども、10か年計画の第3次改定素案によりますと、西側南北通路、橋上駅舎の完成はステップ3ですね。おおむねの完成年次をお答えください。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 10か年計画のステップ3につきましては、おおむね平成32年及び33年という想定でございます。

 先ほど、平成32年度のオリンピック前までの供用開始は困難と申しましたけれども、ステップ3の範囲でできる限り早い時期に供用開始を目指していきたいと考えてございます。

○内川委員 努力すれば、ぎりぎり、そのオリンピックに間に合うことは考えられないのですか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) オリンピック前につきましては、さまざまな検討をした結果、間に合わないということがわかってございます。

○内川委員 おおむね32年、33年ということですと、そこから逆算すると、JRとの協定締結、実施設計は何年に始めるといいのですか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 具体の工事期間がまだわかっておりませんが、早期に開設をするという区の姿勢は変わってございません。ですので、実施設計協定については、可能になり次第、できるだけ早く締結していきたいと考えてございます。

○内川委員 これを聞いていますと、平成32年、平成33年あたりは、もう何か微妙な感じに聞こえてきてしまうのです。全く先が見えていない計画になってしまったなというように感じております。

 この質問の最後に、西側南北通路、橋上駅舎は、JRも過去に経験のない難しい工事だということも聞いておりますし、また、工事ができる時間も夜中の数時間に限られているということで、それも理解をしております。しかしながら、ここまで延期に次ぐ延期というのは、語弊がありますけれども、JRに本気度がないのか、また、ほかに何か重要なファクターが出てきたのかと考えざるを得ないのですけれども、区の見解をお聞きかせください。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 基本協定締結後、技術的な課題についての協議を経て、平成26年9月に基本設計協定を締結したものでございます。

 基本設計のおくれにつきましては、先ほど御指摘のとおり、立体道路制度を活用した線路上空の建物一体道路という初めての事例となったこともございまして、基本設計着手までに関係機関協議に半年の期間がかかった。このため、基本設計を半年延伸させていただいたものでございます。JRからも、できる限り早期の開業を目指したいという考えは聞いてございます。

○内川委員 2020年のオリンピック・パラリンピックまでにという大義名分が崩れた以上、新たな大義名分といいますか、目標を定めなければいけないのかなというふうに私は思っています。

 どうせつくるのであれば、よりいいものをつくりたい、そういったことを新たな目標として掲げていくしかないのかと思いますけれども、その点はいかがですか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 委員がおっしゃるとおりで、認識は同じでございます。

○内川委員 次に、中野駅周辺の歩行者回遊動線についてお伺いいたします。

 10か年計画によりますと、中野駅の利用者数は、27年度実績で42万8,000人、32年度では46万人、37年度では実に49万人と目標値が定められています。ここで重要となってくるのが、駅周辺の歩行者回遊性の向上であります。駅北側では東西デッキにより、また、西側では、今話題が出ましたけれども、遅れているとはいえ、将来的には南北通路により結ばれることになっています。

 しかしながら、中野2丁目と3丁目を結ぶ駅南側の東西歩行者動線と中野2丁目と5丁目を結ぶ駅東側の南北歩行者動線に関しては、いまだ具体的なものが示されておりません。

 今後の展開についてお答えください。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 駅南側の東西歩行者動線の確保及び駅東側の南北歩行者動線の整備につきましては、ともに中野各地区の回遊性を実現する上で重要な課題と認識してございます。今後とも、構想の実現に向けて検討していきたいというふうに考えてございます。

○内川委員 今後ともと言っていたのですけれども、歩行者もそうなのですけれども、自動車ですよね。この点についてお聞きしたいのですけれども、今、中野駅周辺、特に中野通りは、現在、自動車の負荷がすごくかかっています。特に、駅南口から五差路にかけては、荷さばきの車が1台とまっていると、すぐにそれによって渋滞してしまうのです。

 これから、区役所サンプラザ地区の再開発、そして、今年からいよいよ始まります駅南側の整備、こういったものが進んでいくと、ますます中野通りにかかっていく負荷というものはふえていくことが確実に予測できます。

 車の回遊性等に向けた対策が必要と考えますけれども、そこのところはいかがでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) まず、中野通りにつきましては、東京都が五差路部分の拡幅事業を行っておりまして、事業完了後は一定の改善が見込まれている状況はございます。

 また、御指摘のような直接の問題である荷さばき車両の駐車への対策につきましては、中野駅周辺の駐車施策全体の検討の中で対応していきたいと考えてございます。

 また、道路網整備につきましては、中野駅周辺グランドデザインVer.3の中でも、「区道については、補助220号線もみじ山通りの拡幅整備、221号線の本整備を進めます。また、都道につきましては、整備や機能改善に向けた整備を働きかけます」と記載させていただいております。

 これに基づきまして、この通りの交通負荷の軽減に努めていきたいというふうに考えてございます。

○内川委員 どんどん、まちの開発が進んでいきます、これから。後ほど言いますけれども、中野中学跡地にも将来的には医療機関が来るという話もあります。その前に、インフラ、特に自動車の交通網、回遊性、こういったものは先に着手すべきかなと私は考えていますけれども、いかがでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 整備着手の時期につきましても、なるべく早期に進めたいと考えてございますが、これにつきましては、引き続き検討したいというふうに考えてございます。

○内川委員 それでは、次は、中野中跡地の件に関してお伺いしたいと思います。

 中野中学校、旧九中の跡地利活用についてお伺いしたいと思います。

 10か年計画の施設整備の方向性に、福祉医療関連施設として地域医療機関を中野中学校跡に誘導と明記をされております。このことは、二転三転した中野中跡地の利活用がようやく示されたことを意味しておりますし、地域にとっても大変価値のある内容と考えております。

 そこで、幾つか質問します。

 現在、堀越学園が使えない間、中野中跡地を利用しておりますけれども、具体的な移転の時期についても確認の意味も含め、お答えください。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 堀越学園の移転時期でございますけれども、堀越学園といたしましては、夏休み中に新校舎に移転すると聞いておりしまて、貸し付け期間につきましては、平成28年9月の末までというふうに予定しているところでございます。

○内川委員 ことしの9月末ということで、あと半年ちょっとということですね。

 地域医療機関の中野中学跡地への誘致については、昨年9月に中野総合病院と区との間で病院建て替えについての話し合いが行われました。病院側から、現病院に近い中野中跡地を予定候補地としたいので、それについて伝えられたということです。

 その後、昨年の第3回定例会の一般質問の答弁において、地域医療に貢献している中野総合病院の建て替えについては、区も協力する考えであり、今後どのように支援できるか、総合的に判断していきたいとの答弁がありました。

 今回の10か年計画の改定素案では、この方向性に基づき、中野中跡地に地域医療機関を誘致すると明確に示されましたけれども、その時期については、ステップ1から4ということで、具体的な時期がまだわからないということです。地域医療機関の誘導時期は大体どのぐらいなのか、お答えください。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 地域医療機関の誘導時期ですけれども、中野総合病院からは昨年11月に中野中学校跡地の利活用について申し入れがございました。その中で、28年6月までに計画概要及びスケジュールの案を区に提示し、本協議を行いたい旨、希望が示されてございます。計画概要等の案を受け取った後、協議を進めてまいりたいと考えております。

○内川委員 ことしの6月ということですね。その3カ月後には、堀越はもとの場所に帰ってしまうということで、それからどのぐらいの期間、中野総合病院が中野中跡地に来るまでの時間があるのか。多分、短くても三、四年はかかるのかと思いますけれども、少なくとも、一定の期間、中野中跡地が未利用となるのであれば、校庭や体育館はオリンピック・パラリンピック機運の醸成のために、そして、スポーツ環境の整備という意味でも広く一般に開放していくべきと考えますけれども、そこについてはいかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 堀越学園の暫定利用が終了した後の活用についてでございますけれども、今後、中野総合病院の建て替え計画の内容、それに基づく要請がされることになっているということでございまして、その中身を検討した上で協力することの可否を判断いたしまして、それによって一定期間活用可能ということであれば検討したいというふうに考えております。

○内川委員 それで、校舎もあくのですね。校舎も、医療機関、中野総合病院と言ってしまいますけれども、来るまでの短期間でありますけれども、もし民間等へ話ができるのであれば、それも財源確保になるということで、そこら辺の考えはいかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) これも同様でございますけれども、校舎につきましても、校庭や体育館と同様に財源確保に努めまして、効果的な活用方法があれば検討してまいりたいというふうに考えております。

○内川委員 今年の9月には、堀越はもとのところに帰ってしまうということで、あと半年ぐらいしか期間がありませんので、そこら辺のことも早急に検討してくれればなと思います。

 それでは、1番の(1)、新たな財源確保についてのところに移りたいと思います。

 ここでは、寄附、そして、事業計画の適正配置の件について聞きたいと思います。

 さきの一般質問で、我が会派の大内議員のふるさと納税の質問に対し、受益者負担の観点から問題があると。しかしながら、全国的に寄附額は大きく増加しているし、区としてもやむにやまれぬ財源確保の意味合いから、中野にふさわしい寄附のあり方について検討しているとの区長の答弁がありました。

 そこで、幾つかお伺いしたいと思います。

 まず、改めて、簡単で結構ですので、ふるさと納税の仕組みについてお答えください。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) ふるさと納税は、生まれ育ったふるさとや自分の意思で応援したい自治体などの都道府県市区町村に対する寄附でございます。また、日赤などへの一般的な寄附につきましては、寄附金額の一部が所得税や住民税から控除されますが、ふるさと納税では、収入などにより一定の上限額があるものの、2,000円を除いた全額が所得税及び住民税の税額から減額されるものでございます。

○内川委員 寄附する側にとってはすごいメリットのある制度であります。

 平成20年の決算特別委員会で、大分前ですけれども、我が会派のひぐち議員の質問に対し、当時、区長は、受益と負担の関係が一致しないような、こうした制度については大反対をしているとお答えになっております。また、中野区から税収がよそに移転してしまうということについては、大変困ったことだというふうにも思っておりますとも答えられています。

 平成27年の制度改正で、ふるさと納税がさらに身近になったと言われていますけれども、その点についてお答えください。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成27年度の税制改正によりまして、ふるさと納税に係る寄附金特例控除額の上限が個人住民税所得割額の1割から2割に拡充されました。

 また、確定申告が不要な給与所得者等が5団体以内に対してふるさと納税を行う場合、ふるさと納税する際に寄附先の自治体に申請書を提出することにより、確定申告をせずに寄附金の控除を受けられるふるさと納税ワンストップ特例制度が創設されました。

○内川委員 20年に制度が使えまして、今までは余り浸透していなかったのですけれども、昨年の今の制度改革によって一気にやりやすくなったということです。これにより、中野区の税収に対する影響額は、昨年、27年で約8,000万円、そして、今年28年度の予算では、その影響額は約3億円とのことですが、今後どのぐらい影響額がふえていくのか、その点はいかがでしょうか。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 総務省が公表しました昨年4月から9月までの全国のふるさと納税の受け入れ額は、前年同時期に比べて約4倍に増加しているものでございます。

 今、委員から御紹介いただきましたように、区の寄附金税額控除につきましても、昨年度の約8,000万円から約3億円に増加すると見込んでおり、この傾向は今後も続くものと考えてございます。

○内川委員 一気に4倍ということなので、すごい伸びだなと思っています。

 今出た約3億円という数字なのですけれども、これは、区民税の調定額の約1%に当たる金額なのですね。この数字に関して、区はどのようにお考えでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 法人住民税の一部国税化等、また、23区では、国の制度改正によりまして、特定財源等も含めまして歳入の減収の影響が増大しているところでございます。

 今後、ふるさと納税による各自治体の返礼品事業の創設等で他の自治体に寄附を行う人が増えた場合には、区の基幹財源であります特別区民税の税収にさらに大きな影響を及ぼすとことになるというふうに考えております。

○内川委員 ふるさと納税に関する区の減収分とか、そういうことに関しまして、財調制度上の減った分を補?するとか、増えた分に関してはこうだとか、そういった制度があると思うのですけれども、それに関して説明してください。

○黒田政策室副参事(予算担当)財政調整制度の普通交付金につきましては、基準財政需要額から基準財政収入額を引いた差額が交付されるものとなっております。このため、基準財政収入額は、特別区民税等の区の一般財源と同様の項目で構成されているために、ふるさと納税による影響分は、基準財政収入額の年収として85%相当が減額算定されることになっております。

 また、普通交付金につきましては、基準財政収入額と基準財政需要額との差により補?されるため、結果としてはふるさと納税の15%部分が純粋の減少となるというふうに見込んでいるものでございます。

○内川委員 寄附でふえた分に関しては、丸々もうけとなるということと、減収分に関しては、85%は補?をされるということであります。

 23区の状況をお聞きしたいと思います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 墨田区では、すみだ北斎美術館開設への支援を目的とした寄附を募集しているほか、豊島区では、トキワ荘関連事業マンガ寄附として漫画文化の普及と啓発のための寄附を募集しているところとなっております。

 いずれもふるさと納税の一つとなっておりますし、ほかにも23区で、目的の違いはありますが、財源確保の取り組みとして導入している区があるというふうに聞いております。

○内川委員 その区その区でふるさと納税といいますか、寄附の目的に値するものも見つけて、うまくやっておられるということです。

 ふるさと納税は、納税者側にとっては支援したい、応援したいという思いから行うことなので、納税に好意的な意識を持ちやすいというメリットもありますが、自治体の側から見ると、得する自治体もあれば損するところもあるということで、結局はゼロサムゲームではないかというような指摘もあります。返礼品も寄附額の3~5割から、最近では8割ぐらいを返してしまうところもあるそうです。また、今の財調制度がいつまでも続くという保障もないわけです。

 そこでお聞きしますが、今回の一般質問において、区長が答弁された中野にふさわしい寄附のあり方とは一体どういうものでしょうか。いわゆる返礼品つきの中野版ふるさと納税なのか、税の控除が受けられる特定の目的に使用される、いわゆるクラウドファンディングのようなものか、お答えください。

○黒田政策室副参事(予算担当) 区としましては、哲学堂のような歴史的価値のあるものに対する歴史景観の保存や公益活動推進といった社会貢献活動に資するものなど、区独自の目的に沿った寄附を考えているところでございます。

 具体的な内容につきましては、今後、検討していきたいというふうに考えております。

○内川委員 今、哲学堂という名前が出ましたけれども、あくまでも特定の目的に対しての寄附であるならば、当初より目標金額、そして目標年度を定めて送られるものと考えております。

 また、今後の寄附の制度の取り組みについてのスケジュールもご説明いただきたいと思います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 今後の導入につきましては、該当の項目ですとか、品物の項目ですとか、件数、金額等の目標を定め、それに合った有効な仕組みを検討していきたいというふうに考えております。また、なるべく早くそれらをまとめまして、できれば28年度中の実施をしたいと考えているところでございます。具体的な仕組みがまとまった上で、議会とも相談をいたしながら決めてまいりたいというふうに考えております。

○内川委員 早い段階で補正が出るとか、そういうことですか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 補正という形では今は御説明できませんが、なるべく早い段階で検討いたしまして、考えがまとまりましたら、まずは報告をさせていただきたいというふうに考えております。

○内川委員 28年度中に実施したいと、今、お答えになったのですけれども、今聞いていますと、ほとんど余り、何かこう、何も固まっていないような感じなのですが、本当に早急に決めた話なのだなと思いますし、くれぐれも慎重に進めていただければと思います。

 次に、やはり財源確保の取り組みとして、事業系ごみの処理手数料についてお聞きします。

 これにつきましては、過去、我が会派の高橋ちあき議員と、さきの一般質問におきましても我が会派の篠議員も取り上げておりました。私も、昨年の第3回定例会総括質疑で質問をさせていただいております。

 現在、区では、事業系廃棄物収集届出制度を導入し、4月から届出内容の確認及び有料ごみ処理券の添付指導に着手し、5月以降に未届事業者に対する訪問調査をする予定とあります。

 まず、現在の添付率についてお聞かせください。

○滝瀬清掃事務所長 区が収集いたします一般廃棄物のうちの事業系ごみを推計いたしまして、23区統一の手数料単価を掛けた上で、実際に販売されますごみ処理券収納額で除した収納率でございますが、昨年4月から今年1月末までの平均で23.69%と推計をしてございます。

○内川委員 23.6ですから、約4分の1ということです。

 昨年の私の総括質疑の答弁において、今の添付率をできるだけ早い時期に、50%以上の添付率が達成できるよう取り組むということでしたけれども、その目標時期についてお答えください。

○滝瀬清掃事務所長 昨年9月実施の事業系ごみのルール徹底キャンペーンでございますとか、今月開始の事業系廃棄物収集届出制度、さらに、排出指導等への効果を踏まえまして、来年度の収納率は年間で30%を見込んでいるところでございます。

 添付率を50%の目標時期でございますが、ここ2年から3年で達成したいと考えているところでございますけれども、できるだけ早期に達成できるように取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。

○内川委員 まずは30%を目指すということなのですけれども、現在、不適正な排出行為による影響額は5億円とも言われています。この制度の導入により、28年度では一体どのぐらいの手数料増を見込んでいるのかお答えください。

○滝瀬清掃事務所長 平成28年度の事業系有料ごみ処理券の収納額でございますが、1億9,000万円余を想定してございます。今年度の比較で申し上げますと、約4,400万円の増と見込んでございます。

○内川委員 4,400万円の増ということなのですけれども、今回の28年度予算の中に、使用料及び手数料のところで0.2%の増、金額にして20億3,700万円とありますけれども、そこに入っているのでしょうか。

○滝瀬清掃事務所長 委員御案内のように、区の使用料及び手数料全体及び環境手数料の歳入に含まれてございます。

○内川委員 それと、昨年9月の1カ月間なのですけれども、事業系ごみのルール徹底キャンペーンというチラシの配布や、事業者を訪問して周知、啓発の取り組みを実施したとのことですけれども、その費用対効果についてお答えください。

○滝瀬清掃事務所長 キャンペーンでございますけれども、事業系ごみの排出ルールの徹底、事業系廃棄物収集届出制度導入に当たり、事業者への制度趣旨、内容を広く周知することが目的でございまして、その目的は十分達成できたと考えてございます。また、キャンペーンと合わせまして、事業系廃棄物の排出指導の強化も行ってございます。事業系ごみ処理券の添付率もキャンペーン前より引き上がるなど、効果があったものと考えてございます。

 今後も、排出指導の強化によりまして、有料ごみ処理券の添付の徹底を図り、添付率向上を図ってまいりたいと考えてございます。

○内川委員 28年度予算の取り組みの中で、たしか、事業系ごみの今言われた周知啓発にたしか3,000万円ぐらいの予算計上をしているはずなのです。先ほどお聞きすると、効果は4,200万円ということで、1,400万円ぐらいの増なのですけれども、もっと効果的にできるのではないかと考えますが、その辺はいかがですか。

○滝瀬清掃事務所長 その費用と収入の効果などを踏まえながら検討してまいりたいと考えてございます。

○内川委員 当然、最終的には添付率100%を目指すべきと考えていますけれども、例えば、50%、5割であっても5億の半分、2億5,000万円の増収となる計算なのです。先ほど言っていただきました、ふるさと納税の区に与える影響額の3億円にも匹敵する額です。さきの篠議員の質問にもあったとおり、添付していない事業者に添付させるのは並大抵のことではないと思いますけれども、しかしながら、その影響額の大きさから、不退転の決意で臨んでほしいと考えますが、いかがでしょうか。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 今回の事業系廃棄物収集届出制度の導入によりまして、事業者の廃棄物処理状況を的確に把握することが可能となります。有料ごみ処理券の添付徹底等、適正な排出の実現に向け清掃事務所と協力しまして、粘り強く取り組んでいく所存でございます。また、今後、どうしても区の指導に従わない事業者には、有料ごみ処理券の未添付という事実を公表し、それでも従わない事業者には5万円以下の過料を課すこととしております。

 区として、事業系のごみを適正に排出している事業者との公平性を確保するためにも、公正かつ厳格に対応していく考えでございます。

○内川委員 先ほどの28年度で4,100万円の増とありましたけれども、その中の過料分は5万円ですね。それは入ってきているのですか。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) そちらのほうは、10月から過料の適用を開始するという予定でございますが、特段の歳入としての計上はございません。

○内川委員 以上で事業系ごみのことは終了いたします。

 それでは、3番、その他、最後の質問になってしまいましたけれども、西武新宿線連続立体交差事業についてお伺いいたします。

 平成28年第1回東京都議会定例会の代表質問において、自民党幹事長より、連続立体交差事業の新規事業化に向けた今後の取り組みについての質問がありました。

 建設局長から、連続立体交差事業の新規事業化については、検討している区間のうち、西武新宿線の野方駅から井荻駅間及び井荻駅から東伏見駅間、それと、京浜急行の本線、品川駅から北品川駅付近の3区間を社会資本総合整備計画に位置付け、事業化に向けて一歩踏み出すこととしたとの答弁がありましたけれども、この予定化についてお答えください。

○小林都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) 東京都が平成16年に策定いたしました踏み切り対策基本方針の中で、鉄道立体化の検討対象区間として20区間が抽出されており、事業中の西武新宿線中井駅から野方駅間を含め、連続立体交差事業は社会資本整備総合計画に位置付けられて進められております。

 野方駅から井荻駅間が新たにこの計画に位置付けられることで連続立体交差事業の実現に向けた新たな一歩を踏み出したということでございます。

○内川委員 大変いいニュースだと思います。

 事業中には、中井駅から野方駅間の連続立体交差事業とあわせて、中野区内の西武新宿線の2区間とも立体化され、中野区民の悲願がかなうということで大変喜ばしいと考えています。

 これまで、中野区民、中野区議会、中野区が3者一体となって、西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟の決起大会を開催し、国や東京都、西武鉄道へ要請活動を行ってまいりました。これらの活動が実を結んだ結果と考えますが、見解をお答えください。

○小林都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) 西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟は、平成16年に結成されまして、西武新宿線の踏み切り渋滞解消を目的として活動してまいりました。

 今年度も、決起大会を開催し、中井駅から野方駅間の連続立体交差事業の着実な推進と野方駅から井荻駅間の早期実現を決議しまして、関係機関へ要請活動を実施したところでございます。

 このような長年の活動と区民の熱い思いが実を結びまして、社会資本総合整備計画に位置付けられたものだと考えております。

○内川委員 ありがとうございます。今後、中野区は、野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業について、どのようにかかわっていくのか、また、それにかかわるまちづくりをどのように進めていくのか、お答えください。

○小林都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) 野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業につきましては、着実に推進されるよう、東京都、西武鉄道株式会社、地元自治体が一致団結して協力していく必要があると考えております。

 地元自治体である中野区は、都市計画道路や駅前広場の整備、にぎわいの再生など、まちづくりを具体的に進められていくことが求められております。また、現在、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりの検討を行うため、地域住民が主体となったまちづくり検討組織を立ち上げる準備中でございます。連続立体交差事業と一体となったまちづくりを進めていきたいと考えております。

○内川委員 ちょうどいいタイミングでまちづくりの勉強会も始まるということで、そこに本当にいいニュースが飛び込んできたなというふうに喜んでおります。しっかりと取り組んでいただきたいと思っています。

 多少時間がおくれましたけれども、これで私の全ての質問を終了いたします。

 ありがとうございました。

○若林委員長 以上で内川和久委員の質疑を終了します。

 次に、久保りか委員、質疑をどうぞ。

○久保委員 おはようございます。

 予算特別委員会にて、公明党議員団の1番手として質問をさせていただきます。

 お答えをいただきます理事者の皆様には、明快で、そして前向きな御答弁を期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

 順番を入れかえまして、6番の鷺宮地域のまちづくりについて伺います。

 今、まさに自民党の内川委員の御質問にもありましたが、地元の大事な課題ですので、私からも改めて伺います。

 2月23日の東京都議会の自民党代表質問の答弁にて、西武新宿線、野方沿線について朗報があったと伺っております。繰り返しになるかと思いますが、この点についての詳細をお伺いしたいと思います。

○小林都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) 連続立体交差事業の新規事業化に向けた今後の取り組みについて御質問があり、連続立体交差事業の新規事業化につきましては、新規事業化を検討している区間のうち、西武新宿線野方駅から井荻駅間及び井荻駅から東伏見駅間、京浜急行本線品川駅から東品川駅付近の3区間を社会資本総合整備計画に位置付け、事業化に向け一歩踏み出すこととしたという答弁がございました。

 今回、野方駅から井荻駅間が新たなこの計画に位置付けられることで、連続立体交差事業の早期実現に一歩近づいたものと認識しております。

○久保委員 事業の開始時期ですとか、また、連立の地下化ですとか、高架化、これらについてはまだ決定はしていないということでよろしいですか。

○小林都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) それ以外の情報については、まだわかっておりません。

○久保委員 地域住民にとっては大変喜ばしい話でもありまして、これから進められていく野方沿線の各駅におけるまちづくりのための組織づくりについても活動の弾みがつくことと期待しておりますが、いよいよこれからと思われます。これまでにも、西武新宿線、野方沿線の連立事業について、区長は積極的に国や東京都、西武鉄道に対し要請活動を行っていただいたところでありますが、改めて区長の決意を伺います。

○田中区長 これまで、中野区は、区民や区議会と協働して西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟を立ち上げて、国や都に継続的に働きかけを行ってまいりました。

 今回、東京都が中井駅から野方駅間の事業に加えて、野方駅から井荻駅間を新たに連続立体交差事業の区間として位置付けることを公表したということでありまして、区議会の皆様を初めとする多くの皆様の御協力が、力を合わせての努力が実を結んできていると、このように実感をしているところでございます。

 この連続立体交差事業ですけれども、単に踏切をなくす、このことも大きいですけれども、このことだけではなく、沿線一帯のまちの改善、このことが大変重要な要素となっております。ということは、区としてのまちづくりの動き、これも大変大きな働きとなって、必要なこととなってまいりますので、全力を挙げて、まちづくりの推進、そして踏切渋滞解消の推進、これに取り組んでまいりたいと、このように思っております。

○久保委員 ありがとうございます。まずは、この中井-野方間を成功させていくということが非常に重要なことでもあるなというふうに認識をしております。

 現在、鷺ノ宮駅周辺まちづくり検討会の会員募集が進められておりますが、野方・都立家政に先んじて鷺宮の検討会を設立するのはなぜなのか、伺います。

○小林都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) 鷺ノ宮駅周辺地区は、補助133号線の整備が進められていることに加えまして、妙正寺川の河川改修、調整池の整備、鷺宮西住宅の建てかえなど、まちの課題が多い地区でございます。これらの事業は、東京都や東京都住宅供給公社が実施するものであり、関係機関も多いため、先行してまちづくりの検討を進めることとしたものでございます。

○久保委員 常々、私もこの議会で質問させていただいておりますけれども、どれも東京都が事業主体となっていることから、鷺宮地域のまちづくりは都が動かなければ進まないといった側面もございます。

 鷺宮まちづくり検討会では、これらの課題についてどう検討されるおつもりなのでしょうか。現状の都市計画についての正しい理解が必要であると考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○小林都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) 動き出している河川改修や都市計画道路の整備、今回事業化に向けて一歩踏み出した連続立体交差事業は、まちの課題を解決するために必要不可欠な東京都の事業でございます。

 これらの都市計画が実施されることを前提として、よりよいまちづくりの検討を進めていかなければならないと考えております。

 区は、検討会や地域住民に必要な情報提供を行い、東京都などの関係機関とも連携しながらまちづくりを進めていくとともに、地元としての役割もしっかり努めていきたいと考えております。

○久保委員 まちづくりの機運を高めて、検討会組織の方だけではなくて、広く地域を巻き込んでいくことが大事であると考えておりますが、その点はどのように検討されているのか、伺います。

○小林都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) まちづくりの議論を活発にし、その取り組みを加速されるためには、予定している検討会のメンバーのみならず、地域住民にも関心を持っていただくことが大切と考えてございます。

 このため、まちづくりについて、適宜、住民意向の把握とまちづくりに関する広報を実施いたします。また、検討会の場におきましても、常に地域住民に関心を持っていただけるよう、工夫しながら地域の方々とまちづくりを進めていきたいと考えております。

○久保委員 定期的に御報告をいただくとともに、やはり地域の住民の方たちが参加できる場面というものもつくっていかなければならないかと思います。ですので、そういった報告会でございますとか、時には、この3駅合同のシンポジウムでございますとかを将来的には行っていっていただきたいと思いますが、その点はいかがお考えでしょう。

○小林都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) 今後、設立されます検討会の中で、委員御提案の内容も含めまして検討させていただきたいと考えております。

○久保委員 現在、白鷺地域の中杉通り、補助133号線の整備計画が進められております。さらには、新青梅街道北側から千川通りまでの区間の事業が着手に向けて進められております。

 その一方で、鷺ノ宮駅北側から新青梅街道までの区間は事業化が進んでおりません。店舗の建てかえ等が目立つようになってまいりました。鷺ノ宮駅北側の中杉通りは、鷺宮地域の顔となるメーンストリートでございます。この沿道沿いのまちづくりについてはいかがお考えでしょうか、伺います。

○小林都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) 補助133号線は、都市基盤としての道路交通問題の解消だけではなく、主要延焼遮断帯の形成や沿道の不燃化を促進するために必要な路線でございます。御指摘の鷺ノ宮駅北側の区間につきましては、沿道の防災性の向上と商店街のにぎわいの再生が両立できるよう今後検討していきたいと考えております。

○久保委員 よろしくお願いいたします。

 また、今後、建てかえの予定がされております公社西住宅については、地域からは建てかえに合わせた大規模公園整備等の要望が多く聞かれております。鷺宮体育館を中心拠点としたさらなるスポーツの中核施設として、また、防災拠点として重要な場所であると考えます。

 公社住宅の建てかえの際は、区としても要望していくべきではないかと考えますが、お考えを伺います。

○小林都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当) 今後、設立される地域住民主催のまちづくり検討会で、まちの魅力や課題を確認し、まちづくりの検討を取りまとめていく予定でございます。

 地域住民の思い描くまちの将来像を受けとめるとともに、鷺宮西住宅の建てかえ計画なども踏まえまして、まちづくり整備方針を策定していくこととなります。

 この方針に基づきまして、東京都住宅供給公社と連携してまちづくりを進めてまいります。

○久保委員 妙正寺川の水害対策としては、鷺宮調整池の上流に新たな調節池の計画を持つ必要があるとも言われております。この点については検討が進んでいるのか、伺います。

○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 現在、東京都では、神田川流域河川整備計画の変更の手続を進めております。その変更計画案によりますと、妙正寺川最上流部―妙正寺川公園のところになりますけれども、そこから、八幡橋の間におきまして、予定調節池、容量約6万8,000立方メートルの調節池が計画されております。配置の場所等の施設計画につきましては、今後、検討、調整していくとされているところでございます。

○久保委員 まだ、いつかということについては検討が深められていないということですね。

 新しい中野をつくる10か年計画第3次改定素案では、突如、示されました仮称鷺宮スポーツ・コミュニティプラザについてお伺いをいたします。

 改定素案のステップ1には、仮称鷺宮スポーツ・コミュニティプラザの開設が示されております。これまでにも、鷺宮においては、学校跡地を活用した地域スポーツクラブではなく、現鷺宮体育館を拠点としたスポーツクラブの考え方はあったと認識しておりますが、改定素案で時期が前倒しになったのはなぜなのか、伺います。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) スポーツ・コミュニティプラザの運営や事業内容につきましては、今年度、見直しについての検討を行いまして、本定例会において、中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例の改正を提案し、地域スポーツクラブの設置、また、使用料方式の適用、地域スポーツクラブ会員に対する使用料の減免などについて定めたいと考えているところでございます。

 スポーツ・コミュニティプラザの運営等について一定の方向性が整ったことから、現在の鷺宮体育館においても、スポーツ・コミュニティプラザの運営方法を適用することで、早期の開設が可能であるというふうに判断をしたものでございます。

○久保委員 今定例会では、二つの条例が上程されるという予定ですが、当初、我が党として求めておりました理念条例と施設条例に分けた形になっているのか、伺います。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 本定例会におきましては、仮称中野区スポーツ推進条例の制定と中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例の改定を提案したいと考えてございます。

 仮称中野区スポーツ推進条例は、区のスポーツ推進の理念について定める条例でございまして、中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例は、施設の設置及び事業等に係る条例でございます。

 そういった理念を定める条例と施設の設置等に係る条例について、それぞれ提案をする予定でございます。

○久保委員 地域スポーツクラブは、スポーツ・コミュニティプラザを活動の拠点としていくということでございますが、現在、指定管理者制度により運営をされております鷺宮体育館とはどのように変わってくるのでしょうか、伺います。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 中野区スポーツ・コミュニティプラザ条例の改正によって設置をしたいと考えている地域スポーツクラブのでございますけれども、会員制度を導入いたしまして、会員によって構成される運営委員会がさまざまな事業を企画、また実施をするというような形態を考えてございます。

 地域スポーツクラブの活動によって地域のニーズを反映するとともに、地域の人材を活用したさまざまな事業を実現するとともに、地域スポーツクラブの会員は使用料を減免とすることで、地域におけるスポーツ推進の拠点として、より多くの地域の方々に利用をしていただきたいと考えてございます。

○久保委員 地域住民にとっては、利用者として大変メリットがあるようでございますけれども、運営については、指定管理者制度とも大きく変わってくるということでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 事業の運営については今後検討してまいりたいと思いますけれども、現在の指定管理者制度の中で運営方法等について改めていく、そういった方向で考えてございます。

○久保委員 そこのところは、まだ決定を見ていないのかと思いますので、別の機会にでもお伺いしたいと思います。

 鷺宮体育館については、28年度予算でアスベストの除去などの改修費が計上されておりますが、特にスポーツ・コミュニティプラザに向けた施設の改善については示されておりません。現状の体育館のまま新たな取り組みをされるのでしょうか、お伺いをいたします。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 鷺宮スポーツ・コミュニティプラザの開設ですけれども、鷺宮体育館の施設を活用いたしまして、運営方法等を変更する、そういったことを基本として考えてございます。

 地域スポーツクラブの事業や地域スポーツクラブの会員に対する使用料の減免の適用等が主な変更点でございまして、開設に当たって、施設の改修が必ずしも必要となるものではないと考えてございます。

○久保委員 施設の改修が必ずしも必要とはされないかもしれないのですが、少しお化粧直しぐらいはしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 鷺宮体育館には隣接する運動広場、妙正寺川沿いには白鷺せせらぎ公園などがございます。これらの地域施設と連動した地域のコミュニティを大切にした運営を進めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) スポーツ・コミュニティプラザでございますが、スポーツ健康づくりを通じた地域住民の交流を図り、また、健康で活力ある地域社会の実現に寄与する、そういったことを目的として設置をした施設でございます。

 また、今後、設置をしたいと考えている地域スポーツクラブでございますが、スポーツ・コミュニティプラザを活動の拠点として、地域のスポーツを推進する、活動を行う、そういった団体として設置をしたいと考えているところでございます。

 地域のスポーツコミュニティを拡大していくために、他の運動施設との連携など、地域の資源の活用も視野に入れながら運営をしていきたいと考えてございます。

○久保委員 区民の健康促進という視点でスポーツ振興を行うのであれば、介護予防に資する事業もスポーツ・コミュニティプラザの役割になってくるのではないかと考えます。すこやか福祉センターとの連携により、介護予防事業などを進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) スポーツ・コミュニティプラザでございますが、スポーツを通じた健康づくりの拠点として、超高齢社会の到来による区民の方々の健康増進を図っていく目的を持っているものでございます。高齢者の特性を踏まえた体操教室の充実など、介護予防にもつながる事業についても、すこやか福祉センターとの連携も視野に入れながら実施をしてまいりたいと考えてございます。

○久保委員 よろしくお願いいたします。

 鷺宮小学校と西中野小学校の統合により学校跡地となる鷺宮小学校については、すこやか福祉センター、図書館、区民活動センター、地域事務所として再整備されることが改定素案にて示されました。

 鷺宮小学校跡地はスポーツ・コミュニプラザの計画はありませんが、グラウンドや体育館については、どのような活用がされるのか。せっかくの地域資源でありますので、グラウンド、体育館も引き続き使用できるようにするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 鷺宮小学校跡地につきましては、委員御指摘のとおりでございますが、新しい中野をつくる10か年計画第3次改定素案におきまして、すこやか福祉センター、区民活動センター、地域事務所、図書館の複合施設を整備するということを考えているところでございます。

 地域に必要となるスポーツ機能につきましては、前述でございますが、鷺宮体育館を利用した仮称鷺宮スポーツ・コミュニティプラザを確保していくということが想定しているところでございますけれども、今後、具体的な活用内容につきましては、検討していくに当たりましては、やはり地域の価値の向上につながるような検討を進めていきたいというふうに考えております。

○久保委員 まだ決まっていないことが多いかと思いますので、しっかりと検討を重ねていただきたいと思います。

 また、鷺宮小学校の敷地は、区有地、国有地、民間の土地などで構成をされておりますので、鷺宮小学校が廃校になった後、これも現在の規模を残したまま利用をすることが可能なのでしょうか、伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) これも鷺宮小学校の跡地の活用でございますが、今後、導入する具体的な施設機能や規模等を検討する中で、借地部分の取得等、必要性、その場合の財源確保の見通し等も検討していきたいというふうに考えております。

○久保委員 ぜひともよろしくお願いいたします。

 その他の10か年の改定素案で示されてまいりました鷺宮地域での課題につきましては、分科会や常任委員会の場でお伺いをしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、平成28年度予算について伺います。

 地方税国税化の影響について伺います。

 特別区分の法人住民税は、都区間の財源配分と特別区相互間の財源調整を図るため、都が課税、徴収し、収入額の一定割合を各特別区に特別区財政調整交付金として交付をされていることから、法人住民税は都区財政調整交付金の重要な原資の一つでございます。地方税国税化による特別区への影響額は28年度で600億円、31年度以降は1,000億円を上回ると推定がされております。

 施政方針では、地方消費税率引き上げに伴う増収分31億円は、医療、介護、子ども・子育て支援などの社会保障施策に要する経費に充てていますが、この増収分と相殺する形で法人住民税の一部国税化が行われており、この減収分は20億円とも見込んでいますと述べられております。

 特別区全体では、600億円が見込まれているとのことですが、中野区の影響額20億円の算定の根拠をお示しください。また、31年度には影響額が40億円を超えると試算をされていますが、その根拠についてもお伺いいたします。

○黒田政策室副参事(予算担当) 平成27年度特別区交付金のうち、普通交付金の当初算定の特別区全体に占める中野区の比率はおおむね3.3%というふうになっております。

 特別区全体の影響額が600億円の減少になるというふうに推測されておりますので、3.3%の割合で20億円というふうに算定したところでございます。

 また、平成31年度の影響額について、特別区の試算では、消費税10%に伴う法人住民税の一部国税化の影響で1,100億円程度の減少と見ております。

 また、地方法人特別税、譲与税制度の廃止に伴いまして、法人事業税の一部を市町村に交付する法人事業税の交付金制度が創設されたことがございますので、これらを合わせまして、特別区全体の影響額は1,260億円の減少の影響があり、先ほどと同じ中野区の3.3%の割合で見て40億円を超える影響額というふうに見込んだところでございます。

○久保委員 東京都は、消費税率10%段階での税制改正後、法人事業税交付金100億円を創設し、法人事業税の一定割合を市町村に交付し、特別区相当分については財政調整交付金の財源に資するとのことですが、今後の財政調整交付金の中野区への交付額の推移をどう見積もっているのか、伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 法人住民税の一部国税化に伴う市町村分の減収補?措置としての市町村に交付する交付金でございますが、東京都で市町村に100億円を交付するというふうに見込んでいるところでございます。

 特別区相当分につきましては、特別区財政調整交付金の財源とされるために、特別区分55%の財源分として平成29年度以降、350億円から320億円の影響額を推計しているところでございます。

 中野区への交付額の推移は、まだ財調制度における詳細は不明でございますので、単純に割り当てた場合に、平成29年度以降、10億から11億円での交付額が推移するというふうに考えております。

 ただし、地方法人特別税・譲与税制度の廃止に伴う法人住民税の一部国税化の廃止の影響がさらに薄くなるというふうに考えておりますので、この部分の減少と、11億円から16億円の交付があった場合でも、交付額以上に減少が見込まれるというふうに考えているところでございます。

○久保委員 新たな交付金が創設されても、この部分がなかなか解消できないということなのかなと心配しております。

 一方、社会保障に要する経費に充てるとして、地方消費税引き上げに伴う増収分は31億円としております。港区では、社会保障施策に要する経費を28年度予算における地方消費税率引き上げ分の歳入予算と使途、歳入予算額21億1,146万円だそうですけれども、それをわかりやすく示しております。

 中野区でも使途を明確に示すべきと考えますがいかがでしょうか、考えを伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 港区では、高齢者や児童、生活保護などの国民健康保険事業などの社会保険分野、予防接種などの保健衛生分野につきまして、その予算額に応じて消費税の増収分を案分してお示ししているというふうに聞いてございます。地方消費税の交付金が一般財源になるために、数字の捉え方が難しい点もございますが、今後、消費税10%の引き上げが予定されていることもありますので、使途の明示等については検討をしていまいりたいというふうに考えているところでございます。

○久保委員 ぜひ、そういった努力といいますか、わかりやすく区民に示していただきたいと思います。

 特別区交付金の今後の課題について伺います。

 23区の交付金総額は、前年度比較で13億1,400万円、0.1%増の9,755億7,100万円となっております。

 中野区においても、都市計画事業の進捗により財産費の減少分があることなどから、前年度と同額の350億円を見込んだとのことですが、都市計画事業の進捗とは何を意味しているのか、財産費の減少額がどの程度になるのでしょうか、お答えください。

○黒田政策室副参事(予算担当) 財政調整交付金の財産費につきましては、都市計画交付対象事業のうち、国庫補助金や都市計画交付金等を除きました負担分に対して、事業実施の翌年度から4カ年に分割して交付されるものとなっております。

 したがいまして、財産費の交付額は、各年度における都市計画事業費に連動して確定されるものでございまして、そうした性質を踏まえると、都市計画事業の進捗状況、例えば公園の用地の購入や整備の進捗状況が交付額に対して大きく影響するものと認識しているところでございます。

 平成28年度の財産費につきましては、それら都市計画事業の進捗状況を踏まえまして、前年度比約3億円の減額と見込んだものでございます。

○久保委員 特別区長会は、東京都に対し、都市計画交付金については、都区間の協議の中で、本来、基礎自治体の財源である都市計画税が現行制度上、都税とされ、特別区の行う都市計画事業に直接活用できないことを問題視しております。

 都市計画税が特別区で直接活用できるのであれば、どのような影響があるのか、伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 特別区全体では、都市計画交付金と都市計画事業費の状況を見ますと、平成24年度までの5年間の平均では、都市計画税に当てはめて600億円規模の事業費に対し、交付金総額は195億円と事業実態に見合っていないものとなっております。

 都市計画税が特別区で直接活用できるのであればということですが、例えば、原則として都市計画交付金の対象とならない1ヘクタール未満の公園の整備等にも財源となるものがあるなど、財源を十分に使える財政上の効果が出てくるというふうに考えております。

○久保委員 区は基準となる一般財源については、歳入の1款から10款の合計から特別区交付金の財産費相当を除いたものとしております。28年度予算では、基準となる一般財源規模を27年度と同様の672億円としましたが、歳出は695億円となり、財政調整基金から23億円の繰り入れを行っています。しかし、財源超過分の基金への積立額は45億円であります。28年度予算から695億円に改めなかったのはなぜなのでしょうか、伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) まず、平成29年度につきましては、消費税が10%になることを想定して、基準となる一般財源規模を695億円にしたところでございます。

 平成28年度につきましては、27年度予算でも設定した消費税8%の段階であり、歳入規模の一般財源の中では比較的大きな位置を占める地方消費税交付金制度が引き続き継続していますことから、基準となる一般財源は672億円で据え置くといたします。

○久保委員 一般財源が777億円でありながら、あえて財政調整基金から繰り入れて、さらには、財政調整基金に45億円を積み立てるということに矛盾を感じておりますが、その点はいかがお考えでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 基準となる一般財源は、基本的には歳入予算を見る中で歳出規模が現段階ではどれぐらい必要かというようなことについての計画的な規模だというふうに考えております。

 現在のところ、歳入の予算が基準となる一般財源規模、必要とされる歳出規模についた中でも大きく上回っておりますけれども、そこは、歳出規模についても消費税8%の段階での制度改正等を見込んでおりますので、そういったところをまず基本にするとともに、歳入予算についても、先ほども申しましたが、8%の段階が同様であるということで、考え方につきましては28年度は変更しないということで考えております。

○久保委員 大変苦しい御答弁のように思われました。

 29年度以降の一般財源は、おおむね一定の額が見込まれるとしております。基準を超過した財源については、基金に確実に積み立てるとのことですが、今後は、区の財政上、さまざまな懸念材料があると思われます。

 基準に満たない場合も、695億円を下げることなく、財政調整基金を繰り入れるなどして、基準額をキープしていく、そういうお考えがあるのか、伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 社会経済状況等、景気の動向によりまして、一般財源が基準を下回る場合には、それに合わせた基準にすることも一つの考え方ではありますが、実際には、扶助費や教育費など、政策の基本的な経費については急激に変えることは難しいため、基準となる一般財源を定め、基金の繰り入れ、歳出を行ってきたところでございます。

 過去のリーマンショックの際には、基準となる一般財源に30億から40億円余り歳入が不足することもありまして、その際は、不足分について財政調整基金から繰り入れを行ったところでございます。

 厳しい状況が数年度にわたって継続し、区の財政を脅かすような事態になったときに、やむを得ず事業の見直しを含めて、基準となる一般財源を見直すこともあるというふうに考えております。

○久保委員 お答えになっているのか、なっていないのかと思いますね。

 先ほど、今年度については、既に繰り入れるということになっておりまして、それは、基準となる一般財源規模672億円を変えないのだけれども、でも、実際には695億円になっているわけですね。ですので、やはり、今後、ここのところにつきましては、慎重な判断が望まれるのではないかなというふうに思っております。

 次に、ふるさと納税の影響について伺います。

 27年度、ふるさと納税の特別区への影響額は24億、中野区への影響額は8,000万円とのことであります。28年度の中野区への影響額が3億円と急激な伸びを示しているのはなぜなのか、伺います。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 総務省が公表しました昨年4月から9月までの全国のふるさと納税の受け入れ額は、前年同時期に比べて、約4倍に大きく増加しております。

 これは、平成27年度の税制改正によるものと考えてございまして、区の寄附金税額控除につきましても、昨年度の約8,000万円から約3億円に増加すると見込んだものでございます。

○久保委員 さらに、国は、企業ふるさと納税についての検討を進めております。

 財政的に豊かな自治体として東京都などへの寄附は対象外としています。企業ふるさと納税の影響についてはいかがお考えでしょうか、伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 地方応援税制と言われる企業版ふるさと納税は、地方公共団体が行う地方創生を推進する上で、効果の高い一定の事業に対する法人の寄附について現行の寄附金の損金算入措置に加え、法人事業税、法人住民税及び法人税からの税額控除を行うものでございます。国から地方交付税を交付されていない交付団体はこの税制の対象から除かれるために、東京都は除外されることになり、特別区もその影響を受けることになります。

 この地方への法人税の税源が移る可能性が高い偏在是正は、地方税の根本原則をゆがめる措置と言わざるを得ません。国が進める改正の動きに対し反対するとともに、区議会、東京都とともに、国がみずからの責任で地方財源を保障すべきことを主張してまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 ぜひとも、本当にそこのところは国と戦っていただきたいなと思っております。また、少子高齢化の進む日本の社会保障費は、今後、さらに増加をすることは必至であります。

 28年度は、新しい中野をつくる10か年計画第3次のスタートの年でありますが、国の動向、東京都の動きを的確に捉えながら、財務規律にのっとった財政運営を求め、この項の質問は終わります。

 次に、男女共同参画について伺います。

 初めに、男女共同参画基本計画について伺います。

 政府は、昨年、第4次男女共同参画基本計画の改定を行いました。28年度予算には、男女共同参画基本計画の改定が記されています。10か年計画第3次にもステップ1に示されておりますが、改めて改定スケジュールについて伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 現在の男女共同参画計画2012でございますが、平成24年度から10年間の計画になっているということでございまして、おおむね5年をめどに見直しを行うということになってございます。

 ついては、28年度中にこれまでの実績を取りまとめるとともに、区を取り巻く環境変化に合わせて、区民等に対する意識調査や実態調査等を行うことを予定してございます。これを踏まえまして、改定に向けた検討を行ってまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 本年2月5日付けで、各都道府県知事等に対し、内閣府男女共同参画局長より第4次男女共同参画基本計画を踏まえた取り組みの推進についての依頼文が通知をされております。

 改定のポイントとしては、地方公共団体における政策方針決定過程への女性の参画拡大について、雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和について、また、女性に対するあらゆる暴力の根絶について、男女共同参画の視点に立った防災、復興体制の確立について等、8項目にわたり示されております。

 国の依頼文を踏まえ、中野区男女共同参画計画が全面的に改定をされるのか、伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 国の第4次男女共同参画基本計画が示されたわけでございますけれども、これもしんしゃくしながら、現在改定中の中野区基本構想における将来像を実現するための個別計画ということになりますので、現行の男女共同参画基本計画の柱や取り組みの内容を踏まえつつも、今後、実施していこうとしています国等に対する意識調査や実態調査等の結果を受けまして内容の検討を進めていきたいというふうに考えております。

○久保委員 昨年11月、公明党女性委員会では、第4次男女共同参画基本計画策定に向けての提言を内閣府特命担当大臣宛てに提出をしております。

 我が党の提言の最後には、新たな課題への対処として、LGBT等を理由に、困難な状況に置かれている人々の実態把握、相談の充実に努めるとともに、人権侵害事案に適切に対応すること、また、第4次基本計画における記述にも配慮することを求めております。

 国の第4次男女共同参画基本計画では、性的マイノリティーに関する課題について、どのような記述があるのか、伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 貧困、高齢、障害等により困難を抱えた女性等が安心して暮らせる環境の整備という項目の中で、性的指向や性同一障害、女性であることで複合的に困難な状況に置かれている場合等につきまして支援体制の整備という項目が挙げられているわけでございます。

○久保委員 中野区の第4次改定につきましては、LGBT等などについての配慮も求められると考えますが、その点についてはいかがでしょうか、伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 新しい中野をつくる10か年計画第3次改定素案におきましても、仮称ユニバーサルデザイン推進条例の策定を進めまして、人権意識の啓発普及や男女共同参画の推進の取り組みを進めるといったことによりまして、誰もが社会参加でき、生活しやすいまちを目標としておりまして、LGBT等に対する理解についても進めていくというふうに考えてございます。男女共同参画計画の改定につきましても、この考え方を踏まえまして、LGBT等に対する配慮等を盛り込んでまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 次に、女性の活躍推進計画について伺います。

 各自治体での推進計画の策定推進が定められました。この推進計画は、男女共同参画計画と一体のものとして策定することも可としております。中野区として、女性の活躍推進計画の策定についてはどのようにお考えなのか、伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 女性活躍推進法でございますけれども、地方公共団体に対しまして、女性活躍推進計画策定を努力義務規定として規定されているところでございます。

 今後改定する男女共同参画基本計画第4次でございますけれども、これを含んだ形で策定していくことを検討してまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 また、男女共同参画基本計画の改定にあわせて女性の活躍推進計画を策定するということであれば、男女共同参画推進条例の改定も必要ではないかと考えますが、その点についてはいかがお考えでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 男女共同参画計画の中でございますが、女性活躍推進の項目を盛り込むことを想定してございまして、検討の過程において条例の改定が必要となれば考えていくということになるかと思います。

○久保委員 この条例改定の際には、審議会等を立ち上げ、広く区民の声を聞くべきと考えておりますが、その点についてはいかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 男女共同参画基本計画の改定に当たりましては、今後改定する基本構想、10か年計画も踏まえたものを想定してございます。28年度中にさまざまな当事者の声を聞く実態調査を予定しているというところでございまして、審議会の設置等につきましても、その時点で必要とあれば検討していきたいなというふうに考えてございます。

○久保委員 区民調査等、区民の声を聞いた上で十分に検討していただきたいと思います。

 28年度地域女性活躍推進交付金による地方公共団体の取り組み支援の国の予算がありました。申請書提出期限は2月15日が締め切りでございました。

 この交付金については活用を検討されていたのか、伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 地域女性活躍推進交付金につきましては、地方自治体が策定する女性活躍推進計画に位置付けられた事業、もしくは計画に位置付ける予定の事業を先行して行う場合が交付の対象ということになってございまして、補助要件に合致しなかったということで、活用については見送ったものでございます。

○久保委員 計画もまだ立てていなくて、その見合う事業がないのに申請をすることはできなかったということかと思いますが、今後もこういった交付金活用などがある場合は、女性の活躍推進のための事業を行う考えはあるのでしょうか、伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 今後、男女共同参画基本計画の改定に合わせまして、女性の活躍推進計画に盛り込んで検討していく予定でございまして、補助要件に合致した事業についても検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○久保委員 男女平等専門委員会の規定を整備し、DVや虐待等について意見を聞く、現状の把握をする、区民の相談に応じることができるなど、機能を発展させるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 現在の男女平等専門委員会でございますけれども、DVや虐待等の相談について、区において専門相談を実施しているところでありますけれども、その上で、さまざまな男女平等に関する侵害等の苦情に対応するために設置をしているところでございます。

 これとは別に、これまでも、男女共同参画に関する現状把握のための意見聴取なども行っているところでございまして、専門委員会の役割についても今後検討していきたいというふうに考えております。

○久保委員 お願いいたします。

 女性の活躍推進法が策定されたことにより、昨年改定された中野区特定事業主行動計画についても改定が望まれます。

 行動計画の改定は検討させているのでしょうか、お伺いいたします。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 現行の次世代育成支援対策推進法に基づきます中野区特定事業主行動計画の基本的な視点でございます仕事と家庭の両立支援は、女性活躍推進法の視点と重なることから、両法の行動計画として一体的に取り組むため、現在、改定に向けて検討を行っております。

 なお、改定は平成28年4月を予定してございます。

○久保委員 28年4月ということで、もうすぐでございますね。

 例えば、女性の活躍についての基本目標などは行動計画に盛り込まれると思いますが、現状と比較し、どういった点が一番変わるのか、伺います。

○伊藤経営室副参事(人事担当) このたびの改定では、女性がさまざまなライフイベントを経てもキャリアアップし、活躍することにつきまして、具体的な数値目標とその取り組みを定める方向で検討しております。

○久保委員 区政方針で区長は、新3本の矢となる安心につながる社会保障(介護離職ゼロ)について述べられています。この点につきましては、女性の活躍に限ったことではありません。職業生活と家庭生活の両立という点では、介護をしながら働き続けることのできる、男性も女性もともにですね、その仕組みづくりも重要な課題であると考えます。中野区でも、毎年のように介護離職をする職員がいると聞いておりますが、現状はどうなっているのか、伺います。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 一般職員の普通退職と再任用職員、また任期つき短時間職員の退職の理由で、介護を主な理由とした職員は、平成25年度は3名、26年度は8名、27年度は現時点で7名という状況でございます。

○久保委員 27年度は現時点で7名ということですので、着実にふえているのかなというふうに感じております。現状を把握した上で課題を明らかにすべきではないかと考えます。

 職員のニーズ調査等を行う必要性があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 職員の介護のニーズ調査は必要と考えてございます。介護休暇取得中の職員の状況ですとか介護休暇の取得をしていない場合でも休日や年休取得等で介護を行っている職員など、さまざまな状況があろうかと思いますので、そのあたりからきちんと実態把握をしていきたいというふうに考えてございます。

○久保委員 実際に職員が介護離職ゼロを実現できないのであれば、民間企業にはそのハードルが大変高いのではないかというふうに考えております。課題を整理した上で、中野区における介護離職ゼロに向けた取り組みを進めるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 一般事業主に対しまして率先垂範する観点からも自治体の取り組みは重要であるため、中野区におきましても、地域の一般事業主をリードする取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。

○久保委員 お願いいたします。

 区民福祉の向上のためには、職員の働きやすい環境整備が不可欠であると思っておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。

 次に、中野駅周辺整備について伺います。

 初めに、ユニバーサルデザインのまちづくりについてお伺いいたします。

 10か年計画改定素案では、ユニバーサルデザインの基盤整備など、実に21ページにわたりユニバーサルデザインの記述があります。区政の政策展開において、ユニバーサルデザインを基本に進められていくという意思のあらわれなのか、お伺いいたします。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 高齢社会やグローバル化の進展などから、誰もが同様なサービスを受けられるユニバーサルデザインのまちづくりが重要になるという認識でございます。

 ユニバーサルデザインの考え方を区政運営の基本といたしまして、窓口対応や要請手続や施設運営、まちづくり等、施設展開を進めていきたいというふうに考えてございます。

○久保委員 今後は、条例制定のための審議会等も立ち上げられると思うのですが、審議会の構成メンバーとして、身体、知的、視覚、聴覚障害の異なる障害のある方たちの声を聞く必要性、また、子ども、外国人など、多様性を重視した審議会の設置が重要であると考えますが、審議会メンバーについてはどのように募っていくおつもりなのか、伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインに係る審議会の構成メンバーにつきましては、現在のところ決まってございませんが、関係団体からの推薦や学識経験者を含めた委員構成を想定しているところでございます。

 また、審議会の議論を深めるために、外部のさまざまな団体の方や当事者の方等々の意見交換を実施するということで、声を聞いていく必要があるというふうに考えているところでございます。

○久保委員 障害者差別解消法との関係でいくと、障害者差別解消支援地域協議会の必要性もあると考えますが、協議会の検討については行われているのか、伺います。

○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者も含めましたさまざまな差別の解消に取り組む協議会の設置につきましては、審議会の答申の結果を踏まえて検討することになるというふうに考えております。

 区には、障害に関しまして、地域における関係機関の情報共有と連携強化、地域の実情に応じた財政整備につきまして、協議を行っております自立支援協議会というものを設置しております。当協議会では、テーマごとに部会を設置し協議を進めておりまして、本年6月に始まります第5期の自立支援協議会におきましては、障害者差別をテーマとする部会の設置も、現在、案として挙がっておりまして、今後、検討を行うこととなっております。

○久保委員 今後、自立支援協議会の中で検討が行われるということでございますので、十分にその点もよろしくお願いいたします。

 駅周辺のまちづくりについても、多様性を重視し、障害のある方、高齢者、子育て中の方、外国人など、さまざまな声を参考にしながらまちづくりを進める必要があると考えます。この点についてはどのような検討がされているのか、伺います。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) ユニバーサルデザインのまちづくりにつきましては、中野駅周辺のまちづくりグランドデザインVer.3における空間整備の考え方として明確に位置付けておりまして、ハード、ソフト、両面でのユニバーサルデザイン化を進めていくこととし、中野駅周辺各地区のまちづくりに反映させているところでございます。

 中野駅地区や中野駅周辺地区、各地区のまちづくりにおきましても、駅構内はもとより、南北通路、歩行者デッキ、駅前広場から各地区へのバリアフリーの回遊動線を確保いたしまして、さまざまな方々の御意見を参考に、誰もが安全で快適に移動できるユニバーサルデザインに配慮した歩行者動線や利用しやすい施設整備、これを念頭に検討を進めていきたいというふうに考えてございます。

○久保委員 次に、28年度予算のまちづくり事業費の財源構成について伺います。

 中野駅周辺地区整備では、12億4,784万2,000円、そのうちの基金からの繰り入れが2億2,700万円、ここでは特別区債はございません。一方、西武新宿線中井・野方駅間連続立体交差事業調整費におきましては、繰入金が800万円の特別区債は2億3,800万円となってございます。中野駅周辺地区整備の財源として特別区債はなく、中井・野方駅間は事業費の半分以上が特別区債になっております。基金と起債を選択する際の根拠は何なのか、伺います。

○黒田政策室副参事(予算担当) 中野駅地区整備の事業費でございますが、全体の事業費は約12億円で、中野三丁目地区都市再生土地区画整理事業の補助となっているところでございます。

 この事業費につきましては、10億円ほどが社会資本整備総合交付金や都市計画交付金であり、約2億円につきましては、起債をせず、まちづくり基金の繰入金となってございます。

 この理由としましては、この経費は用地購入や整備費ではなく、事業を検討するための委託料であり、予算の全体の調整の中から、まちづくり基金から繰り入れを行うことにしたものでございます。

 次に、西武新宿線まちづくりの中井・野方駅間連続立体交差事業につきましては、事業費はおよそ4億円程度となっております。この経費は、東京都に対する連続立体交差事業の負担金であり、このうち、起債額の約2億4,000万円は、29年度に特別区交付金における財産費で交付されるものでございまして、起債を行ったものでございます。

 起債の活用につきましては、行財政運営の基本方針に基づきまして、原則として後年度にわたる世代間の負担を公平にする観点から、公共施設の建設整備、除却、防災基盤の整備及び公共用地の取得に活用する方針を持っているところでございますが、その上で、まちづくりなど特別区交付金の財産費のような起債についての財源があるものは起債をするが、そういった財源がないものについては、世代間の負担の公平に当たらないものや多額の費用がかからないものについて、当該年度の予算の全体の調整の中で一般財源で賄うものと判断したところでございます。

○久保委員 そのときの財政状況などにも左右される場合もあるのかと思いますが、今後、まちづくりが推進される上では、起債や基金の根拠を明確にしていくことが非常に重要であると思いますので、よろしくお願いいたします。

 昨年8月、中野駅西側南北通路、橋上駅舎等事業に伴う基本設計の実施に関する協定における設計の工程延伸についての発表がございました。

 この理由等につきましては、建設委員会で白井議員が詳細な質問をされておりますので、割愛をさせていただきまして、今後の中野駅周辺で進展する再開発や再整備のためには、西口改札と南北通路の一刻も早い開設が前提になると考えますがいかがでしょうか、伺います。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 今後の中野駅周辺の開発に伴いまして、夜間人口、昼間人口ともに増加する見込みでございますので、西口改札あるいは南北通路の早期整備については重要な課題であるというふうに考えてございます。

○久保委員 重要な課題でございますので、一日も早い開設が大切かなと思います。

 一方で、区役所サンプラザ地区の再整備も中野区にとって重要なプロジェクトであり、新北口広場と一体的に計画を検討されることが不可欠であると思います。ただし、そのことによって、新北口広場の都市計画の大幅な変更がされることになるのではないかという懸念もしております。

 西口改札と南北通路の開設に影響を及ぼし、さらに、おくれてしまうことにはならないのでしょうか、伺います。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 御指摘のとおり、区役所サンプラザ地区の再整備や中野区の将来の発展のため、最重要事業であると考えてございます。

 一方、先ほど申しましたように、西口改札、南北通路の開設、これも中野区役所サンプラザ地区再整備を初め、周辺開発の交通処理の前提条件となっておりますことから、双方の事業進捗については、しっかりと進行管理し、西口と南北通路の早期開設を目指していきたいというふうに考えてございます。

○久保委員 やはり、駅地区の整備がどうなっていくのかということが、これからの中野の駅周辺のまちづくりには、大変大きな影響を及ぼしてまいります。本当に、新たなまちづくりが各地域ごとに進んでおります。この各地区をつなぐ中野駅地区の役割をさらに広げて駅地区から中野4丁目地区への移動円滑化を図るための都市基盤整備を進めるべきではないかと考えます。

 例えば、駅から囲町や新区役所へ自転車も含め、歩車分離を図るための歩行者優先道としてのデッキの計画を持つ必要があるのではないかと考えますがいかがでしょうか、伺います。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) これも御指摘のとおり、歩行者と車両の動線分離によります安全確保と利便性の向上、このためにペデストリアンデッキの整備というのは、有効な手法で、今後ともネットワークについては検討を進めていきたいと考えております。

 しかし、一方、建物の地上階に店舗等が入る場合につきましては、にぎわい動線と分離されてしまうというような問題もございます。このため、各所ごとにメリット、デメリットを見据えた上で、整備する動線を十分に検討していきたい、このように考えてございます。

○久保委員 各所ごとにということでございました。南口と北口もさまざま違うかと思いますが、今、4丁目を中心にお伺いをいたしましたけれども、やはり、そこに本当に適切な形でペデストリアンデッキ等におきましての円滑な移動が図れるようにということを心がけていただきたいし、計画にしっかりと盛り込んでいただきたいことを申し上げまして、この項の質問を終わります。

 次に、子ども・若者支援についてお伺いいたします。

 子どもの貧困対策は、今や、我が国における喫緊の課題でございます。さらには、乳幼児期から青少期までへの切れ目ない支援をどう考えるのか、子どもから大人になり、自立を促すために何をどうすればいいのか、国だけではなく、各自治体が本気で取り組まなくてはいけないときが来ていると感じております。

 初めに、学習支援、子どもの居場所について伺います。

 平成28年度予算案では、平成27年度からスタートした生活困窮者自立支援、中学生学習支援事業を拡大するとなっております。28年度の最大人数受け入れ300人まで可という人数は、全ての対象者を受けとめることができるのか、伺います。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 平成27年度の中学生に対する学習支援事業につきましては、定員を超える応募があり、抽せんを行って支援の対象者を決定したものでございます。

 これに対しまして、平成28年度につきましては、最大受け入れ人数を300名に設定しまして、学習支援事業に申し込みのあった方は、全て支援の対象にしたいと考えております。

○久保委員 ぜひともお願いいたします。

 目標を都立高校の進学支援と定めるのであれば、区立中学との連携が十分にされることが大事であると考えます。その点はどう進められるのか、教育委員会の御見解を伺います。

○杉山教育委員会事務局指導室長 区立中学校と連携するに当たっては、生徒一人ひとりの進路指導資料の情報提供が必要になってまいります。

 この資料は個人情報となるため、情報提供については、保護者の了承を得てから行うなど、配慮しながら対応しております。

○久保委員 配慮しながら進めていくということなのでしょうかね。

 28年度は、学力向上事業も拡充されております。学習指導支援員による補充学習とのことですが、自立支援との併用は可能なのか、伺います。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 学習指導支援による補充学習との併用についてでございますが、生活困窮者自立支援法に基づく学習支援事業は土曜日の午前中に実施をしているものでございます。

 これに対しまして、学習指導支援による補充学習は平日の放課後に実施をするものであると聞いております。したがいまして、学習支援事業との併用は可能でございます。

○久保委員 ありがとうございます。学力補助事業につきましては、また分科会にて詳細はお伺いしたいと思っております。

 厚生労働省では、昨年4月施行の生活困窮者自立支援法では、生活保護受給世帯などの子どもへの学習支援事業が柱の一つになったが、支援を受けてせっかく高校に進学しても中退してしまうケースが多く、防止に力を入れることにしたとのことです。

 中野区でも、この防止策を講ずる必要があると考えますが、検討はされているのか、お伺いいたします。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 高校の中退防止策についてでございますが、現在、区は学習支援事業を実施しておりまして、高校合格に向けた支援を強化しているところでございます。

 貧困の連鎖の解消のためには、高校に入学をして学業を修め、卒業することが重要であると認識をしております。したがいまして、高校中退防止のための取り組みは今後の課題であると考えているところでございます。

○久保委員 今後の課題として認識はされているということですね。

 ここで、28年度の予算の中で、東京都や国の予算を活用した事業のことを伺おうと思ったのですが、割愛させていただきます。

 27年度からスタートをしている学習支援事業と新たな取り組みとして子どもの居場所事業、こういったものがさまざまに提案をされているところですが、それは併用して行うことができるのか、伺います。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 生活困窮者自立支援法上ですけれども、居場所事業との併用も制度上は可能となっております。

○久保委員 制度上は可能なのですね。ただ、中野区では、今回、それを今おやりになるということは検討されていないということでよろしいのでしょうか。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 現時点で生活困窮者自立支援法の学習支援というものに特化しておりますので、居場所事業につきましては、現在のところ、実質、考えは持っておりません。

○久保委員 その辺のところも十分に検討が必要ではないかなと思います。

 現状の学習支援事業の場でのボランティアなどによる食事サービス、こういったことは行うことができるのか、お伺いいたします。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 学習支援事業の場での食事の提供についてでございますが、学習支援事業は、子どもに学びの場を提供して、学習習慣の定着や高校の合格を目的とした事業でございます。

 したがいまして、学習支援事業は、学力の向上という点に着目をしているため、事業の構築や実施会場の選定に当たっては、食事の提供といったものを想定しているわけではございません。したがいまして、現時点では、学習支援事業の場で食事の提供をすることは考えていないものでございます。

○久保委員 場所等の問題がございますので、現在の状況では考えることがなかなか難しい。しかし、仕組みとしては可能であるということかと思います。

 10か年計画改定素案では、低所得世帯の子どもに対する学習支援の取り組みが進められておりまして、ステップ1からステップ4まで推進という矢印がございます。一時的な取り組みではなく、区として継続的に学習支援を推進するということがあらわれていることは評価をいたします。

 学習支援事業を継続的に行うとともに、さらに充実していくということも必要であると思いますが、お考えを伺います。

○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 学習支援事業の充実についてでございますが、平成28年度は、中学生の学習支援事業につきましては、最大受け入れ人数を300名に設定しまして、実施会場も1カ所ふやし2カ所としたものでございます。

 また、小学生の学習支援事業につきましては、今年度は、区内4会場で実施をしておりましたが、平成28年度は、帝京平成大学のキャンパスでも学習支援を行い、区内5会場で事業を行う予定でございます。

 貧困の連鎖の解消のためにも、子どもの学力を向上させることは極めて重要であり、今後も学習支援事業を着実に推進していきたいと考えております。

○久保委員 お願いいたします。

 新宿区では、ことし、第1回定例会にて新宿区子ども未来基金条例が議案として予定をされているということでございます。未来を担う子どもの育ちを支援する区民などの自主的な活動に対して助成を行い、子育て家庭の福祉の向上を図るとともに、子どもたちの生きる力を育むため、新宿区子ども未来基金を設置するということでございますが、中野区でも、中野の子どもたちの未来のために、中野子ども応援基金、中野子ども未来創造基金などを検討すべきではないかと考えますが、お考えを伺います。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 新宿区におきます子ども未来基金の助成対象となる事業は、支援が必要な子どもと子育て家庭を継続的に支える活動や子どもの成長を支える活動というふうに聞いてございますが、中野区におきましては、政策助成や基金助成などの活用が考えられますことから、新たな基金の創設については考えていないところでございます。

○若林委員長 久保りか委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。

午後0時00分休憩

 

午後1時00分開議

若林委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 久保りか委員、質疑をどうぞ。

久保委員 それでは、午前中に引き続きまして、子ども・若者支援の次に、ひとり親家庭の支援についてお伺いいたします。

 厚生労働省の調査では、昭和63年から平成23年の25年間で、母子世帯は1.5倍の84.9万世帯から123.1万世帯へ、父子世帯は1.3倍の17.3万世帯から22.3万世帯へと増加をしております。母子世帯の平均年間収入は223万円、就業率は80.6%で、そのうちの47.4%がパート、アルバイトだそうです。経済的に厳しい状況に置かれたひとり親家庭や多子世帯は増加傾向にあり、就業による自立に向けた就業支援を基本としつつ、子育て、生活支援、学習支援などの総合的な支援を充実させることが課題であります。

 また、ひとり親家庭を支援するための施策は多岐にわたるため、これらのサービスや支援制度を1カ所で手続や相談ができる窓口のワンストップ化が国でも推奨されてきております。

 現在の中野区のひとり親支援にかかわる窓口対応はどうなっているのか、お答えください。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) ひとり親家庭支援の相談窓口といたしましては、区役所3階の子ども総合相談窓口におきまして、ひとり親家庭に対する養育支援、家庭運営支援、育児支援、資格取得等の就職支援、離婚前支援等の相談を受け、対応してございます。

 このほか、就労相談、生活困窮者としての貸し付け相談、転宅、学習支援事業、DV、夫婦間の問題等、相談内容に応じまして生活援護分野やハローワーク等の関係機関に同行いたしまして、必要なサービスや支援に結びつける対応を行ってございます。

○久保委員 1カ所で相談ですとか手続の申請はできないけれども、子育て支援分野のほうから付き添って、きちっとさまざまな申請ができるようになっているということなのだと思いますが、今後、ひとり親支援の相談窓口を開設いたしまして、就労相談や各種手当の申請を専門の相談員による寄り添い型の支援、こういった形で進めていく必要があるのではないかと思いますが、その点についてはいかがお考えでしょうか。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) ひとり親家庭への相談支援につきましては、母子・父子自立支援員が対応いたしまして、離婚などさまざまな困りごとなどにつきまして丁寧にお話を伺い、必要なサービスや支援に結びつける対応を行っているところでございまして、今後とも、この形でしっかりと対応を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

○久保委員 今のお話ですと、ひとり親家庭のワンストップの窓口の開設には至らないのではないかと思いますが、その点はいかがですか。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 当面は現行の形で体制を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○久保委員 当面はということでございますので、今後、どのような形になるか、ワンストップでということを国も推奨しているところでございますので、そういったことをきっちりと検討していっていただきたいと思います。

 公明党の強い要請もあり、児童扶養手当法改正法案が平成28年通常国会に提出される予定でございます。この法改正により、第2子加算額は5,000円から1万円へ36年ぶりに倍増され、第3子以降は3,000円から6,000円に22年ぶりに引き上げる予定であります。

 法改正が成立した場合、中野区における児童扶養手当にはどのような影響があるのか、お伺いたします。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 平成28年2月現在、児童扶養手当受給者数は1,375人でございまして、そのうち、第2子加算者は406人、第3子以降加算者は70人で、今回の法改正で多子加算の対象となりますのは合計で476人でございます。

 今回の多子加算の改正は、一律に加算をするのではなく、所得に応じた軽減措置がとられてございまして、増額は最大でこれまでの2倍となるものでございます。

 本改正が実施された場合、8月からの加算となりまして、支払いは12月となります。この増額分といたしましては750万円程度となる見込みでございます。

○久保委員 また、こういったことは法改正後にきちっと周知徹底されることかと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、子ども・若者計画についてお伺いいたします。

 子ども・若者育成支援推進法制定には、児童虐待、いじめ、少年による重大事件の発生、有害情報の氾濫など、子ども、若者をめぐる環境の悪化、ニートや引きこもり、不登校、発達障害などの精神疾患など、子ども、若者の抱える問題の深刻化、従来の個別分野における縦割り的な対応では限界などの背景があります。

 子ども・若者育成支援推進法における子ども、若者の年齢の範囲は、乳幼児期から30代までを広く対象としています。中野区の事業部に置きかえてみても、単独の事業部だけでは、子ども、若者に対する切れ目ない支援に対し対応できるものではなく、全庁的な体制が必要と考えます。

 現在の子ども・若者支援に対する区の認識を伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 子どもや若者をめぐる諸課題の対応につきましては、それぞれの担当部が庁内連携を図りつつ取り組んでいるところでございまして、子どもや若者に係る施策につきましては、教育、福祉、保健、医療、雇用とさまざまな分野における知見を総合しまして行うことが欠かせないというふうに考えてございます。

 今後も、全庁的な連携を強化いたしまして、総合的な対応を図っていくとともに、今後、目標体系に位置づけていくということについても検討してまいりたいと考えております。

○久保委員 今、目標体系ということもございましたけれども、今月9日、国の「子ども・若者育成支援推進大綱(案)~全ての子ども・若者が健やかに成長し、自立・活躍できる社会を目指して~」が発表をされました。

 この大綱の基本的な方針に示された重点課題には、全ての子ども、若者の健やかな育成など、五つの課題が示され、それぞれに取り組むべく基本的な施策が示されております。この大綱に即した形で、まずは区の施策を取りまとめるべきと考えますがいかがでしょうか、伺います。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 子ども・若者育成支援策を総合的に推進していくためには、多岐にわたる個々の施策を体系的に取りまとめ、より施策の効果を高めていく工夫も必要だと考えております。基本的な施策をつくっていくためには、個々の所管が専門性を持って進める方法がいいのか、体系的に取りまとめて推進する方法がいいのかということにつきまして、国の大綱も参考にしながら考えてまいりたいと思います。

○久保委員 大綱には、妊娠、出産、育児に関する教育や10代の親への支援なども示されています。28年度、産婦人科医による教育が新規事業として推進されることになりました。

 昨年の予算総括では、卵子の老化について取り上げ、それも含め、妊娠、出産について学ぶ、命の尊さについて、そういった機会を充実させていただきたいと思っております。

 中野区の子どもたちが親となったときに虐待などを行うことのないように教育をしていくことが重要であると考えますが、今回の新規事業の目的についてお伺いたします。

永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 現在は、ライフスタイルが多様化し、晩婚化や晩産化が進んでございます。そうした中で、不妊や妊娠率の低下など、高齢化に伴うリスクなどについては十分に知られていないという課題がございます。

 このため、次の世代を担う若者が妊娠や出産について正しい知識を身につけた上で、みずからのライフデザインをつくり上げていけるようにすることで、子どもを産み育てることについて、より明確に意識づけすることを目的としてございます。

○久保委員 明確に意識づけをする中で、やはり、妊娠、出産を通しての命の尊さを学ぶ機会としていただきたいと思いますし、虐待等につきましても、しっかりとそういった中で、本当に自分自身の命を大切にするとともに、育む命も大切にされることを学んでいただきたいと思っております。

 中野区では、誰も虐待の被害者にも加害者にもさせないという強い意志に基づいて取り組んでいくことが今後の課題であると思っております。現在の取り組みの状況と課題についてお伺いいたします。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 児童虐待を防止するための取り組みといたしましては、すこやか福祉センターでのトータルケア事業などとの連携によりまして、妊娠、出産の早い段階から、各家庭の状況などを把握し、それに応じて必要な支援やサービスに結びつけていくという取り組みをしているところでございます。

 子どもや子育て家庭を取り巻く社会状況が複雑化しておりますことから、幼保児童対策地域協議会の3層にわたるネットワークを活用し、一人ひとりの子どもや家庭の状況に応じた継続的な支援を行うことが重要であると考えてございます。

○久保委員 現在、そういった取り組みが非常に中野区では手厚く行われております。これから妊娠をするであろう若い方たちも含めた形で、そこの部分も十分に視野に入れていかなければいけないのではないかと思っております。

 東京都では昨年、子ども・若者計画を策定いたしました。全ての子ども、若者が青年期に社会的自立を果たすことができるよう、その成長を社会全体で応援することが計画の理念であります。東京都の計画には、区町村の役割として、国の方針では、当該区町村の区域内における子ども、若者の育成支援についての計画を作成するよう努めるものとされていることから、都は、全ての区市町村で地域の実情に応じた区市町村子ども・若者計画が策定されるよう推進していきます。

 また、地域における子ども・若者育成支援ネットワークを設置することも明記をされております。

 中野区でも、子ども・若者計画を策定すべきと考えますが、お考えを伺います。

 また、あわせて、子ども・若者育成支援ネットワークも設立をさせていくべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 子ども・若者育成支援推進法におきまして、区市町村は、国の大綱や都道府県の計画を勘案した子ども・若者計画の作成及び子ども・若者支援地域協議会の設置に努めるものとされているわけでございます。

 これにつきまして、区といたしましては、現在の子ども・子育て支援事業計画の内容を踏まえて検討していきたいというふうに考えてございます。

○久保委員 今は、若者というところの支援とか、また、さまざまな施策がどうしても抜け落ちてしまっているのではないかなと思っております。そういった意味で、この子ども、若者という視点に立った計画をきちっと持っていただくことが重要であると思います。今の御答弁ですと、その方向で区のほうは計画を改めていくというように受けとめましたが、それでよろしいでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) これまでの現在出されている東京都の計画に基づいた推進としても考えていきたいと考えております。

○久保委員 よろしくお願いいたします。

 先日、「東日本大震災は子どもたちの教育に何をもたらしたのか」と題して開催されましたNPO法人キッズドア主催のシンポジウムに参加をいたしました。仙台でこれは開催されてまいりましたけれども、そのシンポジウムでは、文部科学省からの「東日本大震災以降の教育支援について」と題した基調講演と、東日本大震災より5年間、被災地での子どもたちの学習支援や居場所づくりを担ってきた七つのNPOや公益社団法人からの総括と現状の課題に関する活動報告が行われました。

 石巻を中心に子ども食堂などの活動をするNPO法人の代表の話がとても印象的でした。それは、被災し、避難所生活をしているある少年が、震災があって救われたという言葉を漏らしたことです。彼は、生活困窮に加え、父親の暴力の中、引きこもって暮らし、誰にも救いを求めることができなかった。避難所で支援してくれる人に出会えて救われたというお話です。

 中野区では、こういった事例とは違いますけれども、誰にも相談できずに悩みを抱えている子どもや若者が多くいるのではないかと心配をしております。何かあったときにいつでも相談できる場所があることも必要であると考えますが、例えば、区役所などに直接若者が足を運ぶということは考えにくいものです。まずは気軽に情報を得られる若者専用のサイトを立ち上げ、そこから個別の相談などにつなげる仕組みを検討すべきではないでしょうか。

 さらには、相談できる環境を自治体の責任として整備しておくことも必要と考えます。将来的には、子ども・若者総合相談センターとして必要な情報提供や助言を行う拠点整備が必要ではないでしょうか、お考えを伺います。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 東京都が策定いたしました子ども・若者計画などを参考に、中野区としての対応につきましては今後研究してまいります。

○久保委員 ぜひ、子ども・若者計画を策定する中で、十分にどういった施策を取り組んでいくことが区内の子どもたち、若者たちに応えていけることになるのか、しっかりと検討を図っていただきたいと思います。

 さきに紹介した被災地でのNPOの支援では、東北大学の学生がボランティアで学習支援にかかわり、勉強を教わった高校生から、東北大を受験し、自分もボランティアとして貢献したいとの声も聞かれております。支援される側から支援する側へと子どもたちは成長していくことができます。

 中野の子どもたちの健やかな育ちを願い、この項の質問を終わります。

 最後に、食品ロス削減に向けた取り組みについてお伺いをいたします。

 これまで我が党は、食品ロスを減少させるために、家庭や飲食店などの食品廃棄の発生の抑制や食品廃棄物の再利用など、リサイクル社会を促進する観点からの取り組みを提案してまいりました。

 食品のロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品のことです。国連の食糧農業機関の報告によりますと、世界で生産される食料のうち3分の1に当たる約13億トンが廃棄をされていると言われています。また、日本では、年間2,801万トンの食品廃棄物などが出されています。このうち、食べられるのに廃棄される食品、いわゆる食品ロスは642万トンになります。

 また、家庭における1人当たりの食品ロスは1年間で24.6キロと試算をされておりまして、これは茶碗164杯分の御飯に相当するという大変にもったいない事態が生じています。食品関連事業者だけでなく、各家庭からも食品ロスをできるだけ出さないようにする努力が求められています。

 中野区でも、食べられるのに捨てられてしまう食品ロスが大量にあるかと思いますが、実態調査などはされているのでしょうか、伺います。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 区が収集するごみについては、今年度、ごみの組成分析調査を実施しております。

 その調査結果では、燃やすごみの中に、全く未使用の食品が2.7%含まれておりました。これを26年度、昨年度に区が収集した燃やすごみの総量に当てはめますと、燃やすごみ5万6,304トンのうち、1,520トンが未使用食品として手つかずのまま廃棄されているということになります。

○久保委員 食品ロスは本当に大きな社会問題となってきております。区は、食品ロスの削減についてどのような認識をお持ちでしょうか、お伺いいたします。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 食品ロスの削減につきましては、全国的にも注目されているところであり、ごみの減量を図る上でも重要な課題というふうに考えております。

○久保委員 食品ロス削減の取り組みは、廃棄物の削減にとどまらず、食料の無駄をなくし、何よりも食べ物を大切にすることで、周囲の人や物に対し感謝する気持ちを育てることができます。食育の重要な取り組みの一つだと思います。

 東京都環境局は、平成27年度の持続可能な資源利用に受けたモデル事業としてフードロス・チャレンジ・プロジェクトと協働し、楽しみながら食品ロスの問題に触れ、都民の行動を促していくような取り組みを進めています。

 2月6日、アーツ千代田3331で行われた食品ロス削減に向けた共創プロジェクトの市民浸透強化事業、フードロス・チャレンジ・フェスに参加をしてまいりました。家庭内での食品を持ち寄り調理するサルベージパーティーなど、親子で楽しく参加ができ、食の大切さを感じられるイベントでございました。

 中野区でも、食品ロスについて、大人も子どもも、ともに区民が楽しく学べる機会を設けるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 区内には、調理や栄養の専門学校や大学、短期大学もございます。これらの教育機関の協力をいただき、中野区らしいイベントが開催できることと思います。区の御見解を伺います。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 区でも、余った食材を利用したエコクッキングなど、食品ロス削減に向けた取り組みを考えているところであり、区内の専門学校等との連携も視野に入れまして検討を進めていきたいというふうに存じます。

○久保委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 本当に東京都を超えるような中野区らしいすばらしい取り組みができるのではないかと期待をしております。

 28年度には、ごみ分別アプリが導入されますが、このアプリやホームページを活用いたしまして、エコクッキングなど、食品ロスの取り組みに対します紹介をしてはいかがかと思いますが、お考えをお伺いいたします。

○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 食品ロス削減を含めましたごみ減量の取り組みについては、来年度の導入を予定しておりますごみ分別アプリや区のホームページの活用も含めまして、積極的なPRを実施してまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 ぜひともよろしくお願いいたします。

 以上で私の全ての質問は終わります。

 予算のところで、戦ってくださいというようなエールをお送りいたしましたが、区長がこちらだけですかというようなお顔をなさっていたかのように見受けました。私たち議会も、ともに汗をかいていく決意でございますので、よろしくお願いいたします。

 大変にありがとうございました。

○若林委員長 以上で久保りか委員の質疑を終了します。

 次に、浦野さとみ委員、質疑をどうぞ。

浦野委員 2016年第1回定例会予算特別委員会におきまして、日本共産党議員団を代表して総括質疑を行います。

 質問内容は、通告のとおりです。持ち時間が110分となっておりますが、進みぐあいによって、途中で質問の順番を入れかえることもあるかもしれませんので、よろしくお願いいたします。

 1番目に、2016年度予算案について、財政運営と基金活用の考え方についてお伺いをいたします。

 区は、安定した財政運営を行うために、基準となる一般財源規模をもとに、財政調整基金などの積み立てや取り崩しによる財源調整を行い、歳入の規模を一定に保つとしています。その上で、歳出は、基準となる一般財源規模の範囲内とし、一般財源規模を上回った歳入は基金への積み立てを、下回った分については基金からの繰り入れで賄う方針としています。この期間、歳出が増加する一方で、歳入にそれが間に合わないとして財政非常事態宣言をいたしました。

 平成24年度の当初予算案の概要の16ページによりますと、平成28年には財政調整基金の年度間調整分がほぼ底をつくことになりますと記されておりました。

 実際、この平成24年度当初予算では財政調整基金からの繰り入れは幾らと見込んでいたのでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 57億円と見込んでおりました。

○浦野委員 予算で57億円の財調基金からの繰り入れを見込んでいましたが、決算期はいかがだったでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 10億円でございます。

○浦野委員 それだけ差が出たということになります。何でこれだけの差が出たのでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 財政調整基金の繰入額については、歳出と歳入の決算見込みを勘案しながら必要な額を想定し、繰り入れを行っているところでございます。予算の執行段階におきまして、さまざまな執行の工夫により、経費の節減に努めていることや、また、歳入の着実な確保を図ることで、結果として予算に計上した基金の繰り入れを最小限に抑えることができたというふうに考えております。

○浦野委員 同じように、翌年の平成25年度につきましては、このときも予算段階ではその財政調整基金からの繰り入れが当初予算額で約40億円、決算では10億円、また、この年度もこれだけの差となりました。26年度は、さきの決算委員会がありましたけれども、当初予算では19億5,000万円の繰入額に対し、決算ではゼロということになりました。どうして毎年これだけの差が出るのでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 繰り返しの御答弁になりますけれども、予算の執行段階において執行の工夫等を行い、経費の節減に努めていくことや、歳入の確実な確保を図ることによりまして、予算に計上した基金の繰り入れを抑えることができたというふうに考えております。

○浦野委員 努力をした結果ということなんでしょうけれども、本当に財政非常事態だったのかということです。

 財政調整基金は、底をつくどころか、年々ふえ続けているのではないでしょうか。この平成24年度、25年度、26年度、それぞれ末の財政調整基金の決算額はどうなっていますでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 平成24年度は199億6,100万円余、平成25年度は205億9,300万円余、平成26年度は230億300万円余となっております。

○浦野委員 ふえていっているわけですね。今年度の27年度末の財政調整基金の額はどの程度になる見込みでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 256億6,300万円余というふうに予定をしております。

○浦野委員 これも、昨年度末と比べると、約26億円余りふえる見込みということになります。

 さきに紹介しました平成24年度の当初予算案の概要では、今年度の27年度末に財政調整基金の残高は幾らになることが想定をされていましたでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 平成24年度末の状況を見込んで作成しました平成25年度当初予算の概要の中では、27年度末の財政調整基金の残高見込みは90億円というふうに見込んでおりました。

○浦野委員 90億と当時見込んでいたものが、256億円となる見込みだということだと思います。

 この期間、例えば、65歳以上の方の障害者第2種の手当の削減や、また、就学援助の基準の引き下げ、こうしたむしろ拡充が求められていたサービスさえも削減をしていきました。加えて、区内4カ所の高齢者福祉センターの廃止も行って、財政調整基金が年々ふえているこの状況、基金の残高を見れば、こうしたサービスの削減も必要なかったと思いますし、むしろ充実させることもできたのではないかと思います。

 なお、今年度末の財政調整基金を含めた全ての基金総額は幾らを見込んでいるのでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 一般会計全てで609億1,600万円余の予定でおります。

○浦野委員 余裕があるというふうに見てとれると思います。これも、やはり、予算段階ではかなり厳しく見て、結果、基金に積み立てて、年々ふえ続けていると思います。

 平成26年度のさきの決算のところでも、実質収支額は区政史上最大の約44億円ということになりました。もう財政非常事態ではないと考えますけれども、そういった認識でよろしいでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 区の歳入の一般財政の状況でございますが、法人住民税の一部国税化などの影響によりまして、特別区の交付金が減額され、10%時点では、増加する消費税の交付金も相殺される状況ということも予測されます。平成28年度の財政フレームにおきましても、平成28年度の717億円から平成32年度の725億円と、5年間で8億円程度の緩やかな歳入の伸びがある一方で、歳出につきましては、基準となる一般財源規模を672億円から695億円の23億円の引き上げを行い、これにつきましては、子ども・子育て支援新制度や他の社会保障制度などの増額によりまして、消費税10%時に区が支払う経費の増額分など等も見込んだものとなっております。

 こういった状況が一方である中で、区は、過去、急激な景気の悪化によりまして、一般財源が1年で50億円近くも減収に見舞われ、減収局面が数年間にわたり続くといった厳しい時期も経験してきたところでございます。そういった状況が生じた場合についても考えていかなくてはいけないということがございますし、こういったことを総じて、今後、決して予断を許さない区の財政状況であるというふうに考えております。

浦野委員 今、いろいろ長く御説明いただきましたけれども、非常事態ではないか、それともそうなのか、イエスかノーで答えていただけませんか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 今後も決して予断の許さない状況であるというふうに考えております。

○浦野委員 一方で、長沢区議が本会議でも触れましたけれども、今後、区が進めようとしている大規模な開発が新年度以降大きく進むことになります。ここでは、中野駅周辺について見ていきたいと思います。

 新年度における3款都市政策推進費のうち、3項の中野駅周辺まちづくり費の当初予算額はどの程度で、前年度では幾らになりますでしょうか。

○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 平成28年度の中野駅周辺まちづくり費につきましては、35億403万2,000円を計上させていただいております。

 平成27年度当初予算と比較しまして、13億8,656万7,000円の増額となっております。

○若林委員長 浦野委員の質疑の途中ですが、委員会を休憩します。

午後1時31分休憩

 

午後1時31分開議

○若林委員長 それでは、委員会を再開します。

 ただいま、傍聴の希望が15人を超えましたが、これを許可することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。

 傍聴者の方へのお願いですが、本日、多数の方が傍聴に見えておりますので、席を譲り合って傍聴していただけるようお願い申し上げます。

 それでは、浦野委員、質疑をどうぞ。

○浦野委員 今御答弁いただきましたように、前年度比で約13億8,000万円余りのお金が増額になったということです。今後、第2期、第3期の大規模な計画が予定されており、新年度以降、さらにその予算総体は膨れ上がっていくと思われます。

 建設分科会の資料8番で、中野駅周辺まちづくり関連経費の年度別一覧がありまして、これまでの調査、設計、工事に係る費用が出されております。この決算が出ております24、25、26の3年間を見ても、合計額12億6,000万円を超えている状況にもあります。

 毎年の当初予算案の概要、財政運営の考え方の中で、今回で行きますと60ページですけれども、中野駅地区整備など、まちづくり事業に関する基金や起債の活用は、年度ごとには記されていますけれども、その総体や最終的にどれだけかかるのかということは明らかにはされておりません。それはいつ示されるのでしょうか。

○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 中野駅周辺のまちづくりに関する事業費につきましては、委員も御指摘のとおり、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)及び平成28年度当初予算案の概要におきまして、今後の想定経費ということでお示しをしております。その上で、事業ごとに毎年必要な経費を精査させていただいているという状況でございます。今後のまちづくりにかかわる総体の費用に関しましても、こうした財政フレームの中でまちづくりの進捗に応じた事業概算費としてお示しをしていきたいというふうに思っております。

○浦野委員 その都度にということなので総体はわからないわけです。しかも、この金額も年度ごとに出される当初予算の内容の中でも変わっていっております。

 区民の皆さんからすれば、やはり、一体それに幾らかかるのかを知りたいと思いますし、また、知らせるべきだと思います。

 先ほど最初に触れましたように、財政がない非常事態だからということで区民サービスの削減を我慢してくださいと言われても、やはり、これは納得のいくものではないと思います。

 午前中の質疑の中で内川委員も触れられておりました中野駅の西側南北通路、橋上駅舎についてもお聞きする予定なので、聞いていきたいと思いますけれども、さきの補正予算の第5次のところで、今年度、予定されていた、それぞれの南北通路、橋上駅舎の実施設計については、減額補正、債務負担行為の廃止ということで約4億円ありました。その理由としては、JRとの話し合いが途中なので、詳細な金額は確定していないと説明はされておりますけれども、これらはどの段階で示される見通しなのでしょうか、伺います。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 西側南北通路、橋上駅舎等の整備につきましては、早期に開設を目指していくという区の姿勢については全く変わっておりませんので、実施設計協定につきましては、可能になり次第、できるだけ早く締結し、事業を進展させていきたいというふうに考えでございます。

○浦野委員 昨年の第3回定例会の決算特別委員会の建設分科会の質疑の中で、当区議団の来住区議が、今後、この西側南北通路と橋上駅舎の工事を進めていく上での事業費の概算をお伺いしました。そのときに、区の負担額が71億円になるとの御答弁がありました。

 今回、この実施設計の部分の約4億円、工事費のこのとき示された71億円を足すと、75億円というふうになりますけれども、今後、この額にも変更があるのか、また、ふえていく可能性もあるのでしょうか。

○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 整備費あるいは事業費につきましては、今後とも大きな変動についてはないものと考えてございます。

○浦野委員 区は、こういった事業のときに、国や都の補助金を最大限活用して区財政への影響を極力小さくするとこれまでも述べられておりますけれども、国や都の補助金であっても税金であることには変わりはありません。

 加えて、例えば、この中野駅周辺まちづくり費の約35億円の中で、中野駅周辺地区整備費、予算の説明書の補助資料124ページになりますけれども、この中での予算額は12億4,000万円余というふうになっております。この財源の内訳が、一般財源が約3,600万円、特定財源が12億円余というふうになっておりますけれども、この特定財源の内訳を予算説明書の68ページで確認しますと、国庫支出金、都支出金以外に繰入金という形であります。この額は約2億2,000万円ということですけれども、これの原資は何になりますでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) こちらのほうの繰入金につきましては、まちづくり基金から1億6,800万円等の繰り入れを行っております。今回、充当しますまちづくり基金の原資は開発協力金と一般財源から成っております。

○浦野委員 このまちづくり基金は、どのような形で積み立てていかれるのでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) まちづくり基金につきましては、国庫補助や都市計画交付金、また、財産費等で流動するものがございます。これらに当たらない部分につきまして、一定の計画を持ちながら一般財源を用い、また、予算の全体の調整の中で基金を積み立てていくものでございます。

○浦野委員 そうしますと、今回の新年度の中では、まちづくり基金への積立額は約13億円というふうになっておりますけれども、この中で財産費算定分は幾らになりますでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 財産費分としては3億3,000万円余りを見込んでいるところございます。

○浦野委員 そうしますと、まちづくり基金積立の約13億円のうち、財産費算定分の3億3,000万円を引いても、約9億7,000万円は漸減ということになります。使うときには、まちづくり基金、その特定財源であっても、そこに行く過程の中では当然一般財源も含まれる、これは新年度のまちづくり基金だけを見てもわかります。また、どの特定目的基金に入れるかは自治体の裁量でもできるわけです。

 この間、中野駅周辺のまちづくり関係は、職員の配置でも、新年度でも前年比で4人増となっておりまして、平成25年度の15人に比べると、9人ふえている状況にもあります。人件費は一般財源となりますけれども、いずれにしても、やはり、どうお金を使っていくのか、切実な区民の声にどう自治体として応えていくのかが問われているのだろうと思います。

 区民の暮らしの実態を見れば、やはり、貧困と格差の広がりや消費税の増税、そして、国保、介護保険、保育料などはどんどん負担が上がり、また、非正規雇用がふえ、一方で、年金額などは減っている状況にあります。住民の福祉増進に努めるという自治体としてのあり方、姿勢が問われていると思います。

 次の項以降で具体的な施策の要望等については求めていきたいと思います。

 次に、2番で教育・子育て環境の整備について伺います。

 まず初めに、特別支援教室と通級・巡回指導について伺います。

 国レベルでの法改正とともに、東京都におきましても、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画でのモデル事業の実施、そして、特別支援教室の導入ガイドラインに基づきまして、新年度から全都の公立小学校での特別支援教室が順次導入をされることになっております。

 区でも、新年度から全ての小学校に特別支援教室が設置されることになっています。1月末に区民説明会も開催されていますけれども、新年度から始まるこの事業の概要、中身について御説明をお願いいたします。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) これまでは、知的おくれのない情緒障害や発達障害の児童が、学習能力や集団適応能力を伸ばすために、区内4校の通級指導学級に通級し、指導を受けておりました。来年度からは、現在の通級指導学級4校を拠点校といたしまして、その拠点校の教員が、児童の在籍する学校を巡回して、それぞれの小学校に設置する特別支援教室で指導を行うものでございます。

 なお、児童の状況に応じまして、現在は通級指導もあわせて行ってまいります。

○浦野委員 情緒障害等の指導学級がある四つの小学校、中野本郷、塔山、上高田、若宮が拠点校になっていくと思います。在籍校の特別支援での巡回指導はブロック単位というふうになると思います。

 例えば、拠点校の一つである上高田小であれば幾つの小学校に巡回指導を行うことになるんでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 上高田小学校の場合は、自校を含めまして6校となります。

○浦野委員 江古田、新井、江原、平和の森、緑野、上高田という6校になると思います。同じく、中野本郷小も6校、塔山は5校、若宮小は8校という巡回指導を行うことになります。

 その巡回指導の回数及びその際の教員体制はどうなっていますでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 巡回指導は、児童1人につき週1回を予定しております。来年度の教員体制につきましては、今年度の教員数と同等数を配置する予定でありまして、その教員が巡回指導に当たってまいります。

○浦野委員 週1回、大体何時間ぐらいですか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 個々の児童の状況に応じまして、1時間から4時間になる予定でございます。

○浦野委員 私が聞き取れなかったのかもしれませんが、その前の教員体制は原則何名ということですか。確認で伺います。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 教員体制につきましては、現在の教員数と同等数を充てる予定でございます。

○浦野委員 巡回指導のときの教員体制、行くときに何人になるのかということです。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 巡回指導につきましては、当該教室の教員がそれぞれ行くという形になります。人数につきましては、その教室の配置する教員の数によって変わってくるということになります。

○浦野委員 変わってくるということなのですね。

 当面は、先ほどありましたように、実態に合わせて通級指導と巡回指導が実施をされていく。もちろん、児童の状況によっては、巡回指導が適する場合もあるかと思います。しかし、これまで通級が果たしてきた役割は非常に大きいものがあり、児童、保護者、先生方も、その役割の大きさを実感されていると思います。

 現時点で、今、通級指導を受けている児童で、巡回指導に移行する予定の児童はどの程度になっているんでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 現在、通級指導を受けている児童の来年度の情報等につきましては、児童一人ひとりの状況に応じまして確認をしているところでございます。現時点で想定している数はございません。

○浦野委員 現在、通級で受けている時間数は、おおむね1人当たり約4時間程度です。

 先ほど、巡回に行った場合、1から4時間ということだったんですけれども、巡回の場合でも同様の時間は確保されるのでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 巡回につきましては、巡回と場合によっては通級の組み合わせになります。したがいまして、児童の状況に応じまして、1人当たり1時間から4時間というふうに想定しております。

○浦野委員 今回、要求資料で出していただきました44の特別支援学級、情緒障害等の学級別児童数と担任数、これを2月1日現在で出していただきましたけれども、今、四つの通級での合計の児童数は127名になっております。担任数は16名です。教育要覧によりますと、平成24年度は、四つの通級の児童数は合計で56名でした。それが、25年度には72、26年度は92、平成27年度は102名ということで、この24年度のときと比べても倍以上になっております。児童数はふえている状況になっています。新年度からこの巡回指導が開始される。例えば、さきに御紹介しました上高田小であれば、巡回指導を行う学校が6小学校ですけれども、巡回指導の回数は各学校週1回程度とされているので、上高田の場合は、今、先生が5人いらっしゃいますから、例えば、月曜日はその5人の先生が拠点校の自分のところでの通級学級の指導、それで、火曜日には、例えば、A先生とB先生は江古田小、C先生とD先生は平和の森小とか、こういった巡回指導になっていることが想定されると思います。その巡回指導が、現場の先生からは、今の職員体制では、かなり組むのが難しくて、1週間のスケジュールを組んでいくというのが大変だという声が寄せられております。この教員数の増員、区としての加配は検討されているのでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 本年度、現在の通級指導学級においてモデル的に巡回指導を行っており、東京都の特別支援教室の導入ガイドラインに示されている巡回指導教員の基準に基づいて配置する教員で十分対応できると考えてございます。

 区による増配置は考えてございません。

○浦野委員 今の御答弁だと、十分対応できるということですけれども、現場の先生からは、かなり組んでいくのが難しいという声も寄せられています。集団と個別の細かい対応が求められている現場においては、やはり、人がいないと、これはできません。現場の先生からは、常勤が望ましいけれども、非常勤でも教員数をふやしてほしいという声も寄せられています。また、拠点校自体をふやしてほしいという要望もあわせてありますので、ぜひこれは、今後、状況を見て検討していただきたいと重ねて要望をしたいと思います。

 同じく、この項の中で、今度は、学級の質、環境の改善について伺います。

 ここでは、若宮小の通級のはなみずき学級についてお伺いをいたします。

 2017年度に若宮小と大和小との統合が予定をされており、若宮小での特別支援学級、情緒障害等の通級は鷺宮小へ移転をすることになっています。

 今回の新年度予算案の説明補助資料の187ページに、特別支援学級運営経費の中に特別支援学級整備とありますが、この内容はどういったものでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 来年度の予算で整備事業として計上しているものは、教室の改修工事経費でございます。工事の内容としましては、可動式のパーテーション設置、ホワイトボードも設置、冷暖房設備の設置等でございます。

○浦野委員 現在の若宮小でのはなみずき学級の教室数はどうなっていますでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) プレイルーム、学習室3部屋等を含めまして、普通教室3教室分となっております。

○浦野委員 現在、3教室、今度、鷺宮へ移転するときは、この教室数はどうなるのでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学習室3部屋を用意しまして、普通教室1.5教室分となります。

○浦野委員 普通教室が1.5になるということですね。教室数としては半分になるということになります。全体の特別支援通級の児童がふえていることは先ほど御紹介しましたけれども、このはなみずき学級も増加傾向にあります。45名以上いる規模としては、東京都全体でもかなりあり得ないような、子どもが多くなっているような状況にありまして、現在の担任の先生方からは、教育委員会に対して、今後の教室数の確保のことで申し入れがあったと思うのですけれども、それはどういった内容だったのでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) はなみずき学級の教員からの要望につきましては、児童の特性に応じた指導のための教室環境整備、それから、教室の確保等についての要望でございました。

○浦野委員 かなり具体的な中身だったと思うんですね。プレイルームのかわりに体育館をというけれども、体育館では広過ぎて先生の指示が通りにくい、また、児童がそこでは集中できない、危険な行為をとめられない、ランチルームのかわりに普通教室と使っている調理室をということですけれども、安全性の確保でもやはり声がありました。

 また、5人から6人の児童を個別指導する際には、やはり、小さい教室が複数必要というふうになっております。集団にうまく加われなかったり、パニックになってしまったときに、その児童がクールダウンするためのスペースも必要になります。変動性があり集中が難しい児童には、教材が目につかないようにしまっておくことも必要ですし、そのために、指導内容にあわせて出し入れができる物品の倉庫も必要になってくると思います。

 また、大変守秘義務の多い資料をしまっておく上では、さまざまな相談を受ける上では電話対応が多く、情報が外部に漏れないような教員専用の部屋も必要というふうに書かれていたと思います。

 こうした声にどのように今後応えていくのでしょうか。

○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 来年度から全小学校において特別支援教室を設置しまして、今後、特別支援教室での巡回指導を充実していくことが重要だというふうに考えております。

 はなみずき学級につきましては、現在予定している教室整備によりまして、拠点校としての役割は果たしていけるというふうに考えております。

○浦野委員 先生方は、集団も個別も質を落とさずにやりたいというふうにおっしゃっていました。鷺宮小での教室確保ができないのであれば、例えば、西中野小を利用できないかというふうにもおっしゃっておりました。

 いずれにしても、この集団指導においても、拠点校での通級指導においても、両方を充実させていくためには、教員体制の増員、確保や学校内の場所の施設の整備なくしては、やはり質の確保はできないと思います。今後、ぜひ、状況を見ながら、こういった現場の先生の声、保護者の声にも耳を傾けていきながら、重ねてこれは要望したいと思います。

 次に、学校再編についてお伺いをいたします。

 区では、中野区立小・中学校の再編計画(第2次)が進められて、新年度以降でかなり大きく動き出していくことになります。しかし、昨年末の子ども文教委員会で、区立小中学校の施設整備方法についての報告があり、その中で、中野区立小・中学校の再編計画(第2次)及び施設整備計画においては、大規模改修と位置づけている学校は原則改築とするということが示されました。これはどういった理由からか、改めて御説明をお願いいたします。

○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 今年度に入りまして、大規模改修の具体的な検討を進めていく中で、第2次学校再編計画を策定した時点より児童・生徒数が増加してきているということ、また、区では、少子化対策にあわせて、さらなる子育て支援策を講ずることとしていることから、今後、6歳から14歳の人口が増加していくと見込んだこと、そして、その増加に対応できる学校施設を確保しつつ、安全で安心な教育環境を早期に整えていくためにも、大規模改修を改築に変更したものでございます。

○浦野委員 今後、何年ぐらいをめどに児童・生徒数の増加を見込んでいるのでしょうか。

○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 今年度のゼロ歳児が就学する6年後の平成33年度には、区立小学校の児童数が1万人を超え、この人数を今年度と比較しますと1,400人程度の増加となります。

○浦野委員 1,400人ぐらい、今と比べると6年後にはふえるということでした。

 次に、平和の森小学校についてお伺いをいたしますけれども、平和の森小学校へ通学されている児童の親の方から、平和の森小の新校舎の移転は一体いつになるのかという声が複数寄せられております。昨年のこの場でも取り上げさせていただきましたけども、平和の森小は、平成17年の小・中学校再編計画において、野方、沼袋の統合で23年に野方小の位置で統合新校として開校しました。当時も、統合の方針が二転三転をし、旧第六中学校の仮校舎への移転という方針もありましたけれども、平成21年に、隣接する法務省の矯正研修所が移転することが確実となったため、結果として、その跡地に平和の森小の新校舎を建設することになりました。つまり、新校舎の建設を前提としての再編だったと思います。このときには、平成28年4月なので、新年度の4月には新校舎が開校する予定となっていましたけれども、その後、たび重なるスケジュールの変更があり、今、おくれにおくれている。本来は、今年度の予算に平和の森小の新校舎の基本構想計画に関する費用が入るはずでしたけれども、それも入りませんでした。新年度の予算の中にこの平和の森小の新校舎建設にかかわる予算は計上されているのでしょうか、伺います。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 新年度の予算には計上してございません。

○浦野委員 昨年、この場でお聞きしたときには、計画どおり進めていくということになってございますので、平成31年度に新校舎は移転することと考えておりますと当時の副参事が御答弁をされております。

 今回示された新しい中野をつくる10か年計画の第3次改定素案におきましては、平和の森小の移転整備はステップ4ということになっています。ステップ4ということは、少なくとも6年以上先、平成34年度以降になるということなのか。これは、昨年の御答弁と大きくずれていると思うんですけれども、一体いつになる予定なのでしょうか。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 法務省矯正研修所の移転につきましては、平成29年度の後半以降ということでございまして、まだ具体的な日程が明確ではございません。

 このため、今回の10か年計画検討の中では、ステップ4までには整備するということで盛り込んだものでございます。今後は、移転時期等が具体化した時点で改築のスケジュールを考えていきたいというふうに考えております。

○浦野委員 一番最初は、28年4月が新校舎開設の予定だったわけです。それが延びに延びて、今の御答弁だとステップ4までにということなのですけれども、本当にひどい状況だと思うんですね。

 平和の森小の、今年度5月1日現在の児童の総数とクラス数は幾つになっていますでしょうか。

 また、この数は、区内の全25の小学校の中で何番目に多い数となりますでしょうか。

○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 児童数は609人、19クラスでございます。児童数は、区内の小学校25校の中で一番多いです。

○浦野委員 一番多い。600人を超えております。

 平和の森小学校の屋外の敷地面積はどうなっておりますでしょうか。これも全25の小学校の中で何番目に広いか、あわせてお答えをお願いします。

○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 屋外運動場面積は3,690平方メートルで、中野区立小学校の中では21番目の広さです。

○浦野委員 21番目の広さなので、5番目に狭いということになります。

 今、休み時間などがどういう状況になっているか、御存じでしょうか。

 これまで、体育館と校庭と屋上と休み時間の遊び場所については3カ所で割り振りがされていました。しかし、今、休み時間に校庭での接触による子どものけがが非常に多い状態が続き、学校では、校庭の面積に対して遊ぶ人数が多いので、少しでも密度低くすることを目的に、今年度の途中、6月ごろから、けが防止のための対応策として、室内遊びをする日にちが設けられたそうです。実際にその状況も拝見させていただきましたけれども、校庭遊びと屋上がそれぞれ200名ずつ、体育館が1学年、そして、一つの学年は室内遊びということになっていて、晴れていても外に出られない状況になっています。

 結局は、やはり、生徒が窮屈な思いを今も強いられている大変な状況だと思うのですけれども、こういった状況はどう認識をされているのでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 学校ごとに施設面等の諸条件が異なる中、児童の安全を第一に考えた対応をとることは学校長の責任であり、学校として、保護者への説明責任を果たしながら対応することは大切であると考えてございます。

 平和の森小学校においては、体を使って遊ぶ活動と室内などで落ちついて読書をする活動を組み合わせながら行うなど、工夫して対応しているところというふうに認識しています。

○浦野委員 学校の責任みたいなふうに今聞こえたんですけれども、区が移転を前提として統合していって、今、こういう状況にあるわけですから、新年度も1クラスふえる予定だというふうに聞いております。1年生、2年生がそれぞれ4クラスとなって、計20クラスが今想定されていると聞いています。そのクラス数も、当初の区の想定とは異なっておりますし、平和の森小学校では、20クラスになるに当たって、普通教室を一つ確保するためにスーパーハウスを屋外に建てて、倉庫を移動したり、また、倉庫だったところを印刷室、印刷室だったところを学習室と、いろいろ部屋を玉突き状態にして何とか確保した状況だというふうに伺っております。

 今年度の小学校PTA連合会の要望書の中でも、平和の森小学校の保護者の皆さんからは、一体いつになるのか、きちんと説明をしてほしいという声が出されておりますけれども、こうした保護者や児童には、現在、こうした事態について説明はされているのでしょうか。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 先ほどもお答えいたしましたが、法務省矯正研修所の移転時期が具体化した段階で計画を再構築し、保護者に説明をしていきたいと考えております。

○浦野委員 そうであれば、そのことを今説明すべきではないですか。小学校のPTAの方からは、説明してほしいと現に出されています。統合前の22年当時も、このときも議論の中で、学級数はふえるのに、学校敷地面積が狭く、法務省跡地への新校設置までは児童が窮屈な思いをすることになることを当区議団が指摘をしておりますけれども、現にそのとおりになっているわけです。新校舎ができるまで待てば、余計な予算も使わなくて済むのではないかという意見も当時の統合委員会から出されていたと思います。子どもたちのそういった教育環境や長期的な予算の使い方を考慮するよりも、統廃合を強引に進めた結果ということを改めて指摘をしたいと思います。少なくとも、現在のこうした事態を、PTAを含めて、きちんと保護者や児童、学校に対しても説明をすべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 保護者の皆様には、きちんとした説明は今後考えてきたいというふうには思います。

○浦野委員 ぜひ、現在の状況も含めて、保護者の方に説明をお願いいたしたいと思います。

 同じく、前期の再編計画で統合した白桜小学校、昭和小と東中野小を統合した白桜小について、また、今後統合が予定をされています新井小と上高田小について、通学区域の問題でかかわりが出てきますので、何点か伺います。

 新井小と上高田小が統合し、新井小学校の位置に統合新校が設置される計画となっています。通学区域に関しては、統合新校へ行く児童と白桜小へ行く児童とに分かれる予定だと思うのですけれども、今年度の5月1日現在時点での上高田小の児童数、クラス数はどうなっていますでしょうか。

○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 児童数193人の6クラスです。

○浦野委員 今、6クラス、各学年1クラスずつということだと思います。

 ここ数年で上高田小の児童数は大きく減っております。平成25年度、2年前には234名の9クラス、この2年度で41名減って、3クラス減となっているわけです。

 一方で、今年度の5月1日時点で白桜小はどうなっていますでしょうか。前年度の総児童数とクラス数とあわせてお答えをお願いいたします。

○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 26年度は、児童数319人で11クラスです。今年度27年度は、児童数355人の13クラスです。

○浦野委員 ここは26年、27年で36人ふえて、2クラスふえているということになります。上高田小と比較して、白桜小学校はふえている状況にあります。これは、区が毎年出している新入児童数の推移の見通しと照らしてもずれが生じております。一昨年と比べると白桜小学校はふえているわけですけれども、こうしたずれが生じている要因、白桜小の児童数が増加した要因はどのように捉えているのでしょうか。

○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 25年度と比較して児童数が増加しておりますのは、25年度の5年生、6年生の児童数と比較して、27年度の第1学年、第2学年の児童数がふえているためでございます。新入生がふえている要因としましては、住民登録数の微増でありますとか、就学率の向上によるものと考えております。

○浦野委員 白桜小は、昭和小と東中野小を統合した当時は360名、12クラスで推計をしていきました。しかし、その見込みどおりにはいっていなかったわけですけれども、上高田小の児童が減り始めて白桜小がふえ始めた時期というのが平成25年度で、上高田小と新井小の統合計画が出された時期とおおむね重なっていると思います。白桜小に通っている児童は、東中野の四、五丁目よりも、上高田の二、三丁目からの通学児童がふえている傾向にあるというふうに伺っています。これは、そのため新井小と上高田小が統合計画により想定外にふえているということになっていると言えるのではないかと思うのですけれども、上高田小の保護者の方からは、学区が決められているのに年々児童数が減少していることへの不安の声も出されております。

 一方、白桜小のように児童数がふえているもとでは、現場がかなり大変になってきているという状況も聞いておりますけれども、白桜小の教員数はこの3年度の間でどういうふうになっていますでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 白桜小の職員数ですが、管理職、養護教諭も含めて、平成25年度は17名、平成26年度は17名、平成27年度は19名でございます。

○浦野委員 今年度の8月に作成された中野区立PTA連合会からの要望書においては、学校再編後の聞き取り調査、再評価をしてほしいという要望が出されていると思います。新年度以降で、第2次再編計画は具体的な動きが進もうとしておりますけれども、さきの平和の森小もそうですけれども、きちんと前期の再編計画の評価をして、必要に応じた見直しを今後すべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 現行の第2次学校再編計画を策定するに当たりましては、既に再編した学校の児童・生徒、保護者等にアンケート調査を行いました。調査内容等からは、統合することで交友関係が広がった、運動会や合唱コンクールなどは人数がふえて楽しくなった、部活動等が活発になったなどの高評価を得ていることから、評価されたものと受けとめております。

 また、区としましても、学校再編を進めることで、一定規模の学級数が確保され、部活動の充実や専科の教員の確保、小・中連携教育の推進ができると考えております。さらに、今後は、大規模改修を改築に変更していくことで、より充実した教育環境を整えていくことができると考えております。

 したがいまして、第2次再編計画の見直しは考えておりません。

○浦野委員 今、紹介があったアンケートは、白桜小が統合した2年後のアンケートのことを恐らく指しているのだと思うのですけれども、現時点で、そのときと今で状況が変わってきているわけです。ですから、白桜小も、今年度2クラスふえることによって、特別教室の二つを普通教室へ改修して対応したというふうにも伺っておりますし、通学区域外からの児童がふえていることでの通学路の安全性の問題ということも出てきていると思います。きちんと、こうした当時の状況と変わっているわけですから、保護者や児童、また現場の先生方の声も含めて、区がおっしゃいますPDCAのサイクルに基づいてきちんと検証し、必要に応じた見直しを改めて求めたいと思います。

 御答弁は結構です。

 次に、3番目で、保育園・幼稚園スタッフについてお伺いをいたします。

 まず初めに、保育園の待機児童問題についてお伺いをいたします。

 区がこの間、保育園の待機児解消に向けて御努力されていることは一定評価をいたしております。

 区は、新年度に向けて、今年度の4月に向けて何カ所の保育園をふやし、何名の定員増を行ってきたのか、施設の種類もあわせてお伺いをいたします。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 平成28年4月におきましては、新たに認可保育所6園、認可小規模保育事業所2施設の開設と、認証から2園が認可保育所へ移行することによりまして、当初の計画を上回るは517人分の定員を拡大する予定でございます。

○浦野委員 今回、新年度の4月の入園に関して、第1次の選考の結果が保護者のもとにも届いています。

 今回、何名の方が申し込み申請をされたのか、また、第1次の選考の結果、承諾、不承諾となった方はどの程度だったのか、それぞれ、数をお願いします。また、その申し込み者に対して不承諾となった方の割合もあわせてお伺いをいたします。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) おまとめいただいた数値は、まだ1次調整の数値でございまして、今、2次調整を行っておりましたり、また、認証保育所の入所状況も判明していない段階での数字でございます。それで、それほど意味を持つものとは思っておりませんけれども、12月8日に締め切りました認可保育施設の平成28年4月入園に関する申し込み状況は、申し込み数は2,094人、それから、利用承諾数は1,298人、利用不承諾数は796人でございます。なお、不承諾の割合は38%となってございます。

○浦野委員 約40%近い方が第1次の時点で不承諾になっております。これは、昨年と比べて、申請者の数、そして不承諾の数はどうだったのでしょうか、伺います。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 昨年の同時期に対しましては、申し込みは252人増、利用承諾は202人増、利用不承諾は50人増となっております。

○浦野委員 ふやす御努力はされてきていますけれども、昨年度に比べて、申し込みされている方の総数自体も、約250人ぐらいですか、ふえております。不承諾の割合も、去年が40%、先ほど今度の4月は38%ということでしたけれども、昨年度から新制度のもとで小規模保育や家庭的保育も認可に含まれるようになりました。しかし、これらの場合、3歳時には改めて保育園探しをすることになります。ある保護者のAさんは、入園できないよりはよかったけれども、また次に3歳に向けて保育所探しを始めなくてはいけないというふうにおっしゃっています。

 また、Bさんは、それを避けるために、本当はゼロ歳から5歳まで通える認可園がいいけれども、こうした保育園探しを改めてするのであれば、やむなく、最初から認証保育所を選択したという声もありました。

 私は、今回、相談を複数受けた中では、第22希望目の認可に何とか決まったという方がいました。この方は、御両親ともに正規社員でフルタイム、指数では満点、42点の方です。満点の方でもこうした状況ですから、そうでなかった方の状況は本当に厳しいものだというふうに思います。

 不承諾となった方は、先日、締め切りされましたけれども、2次募集、または、認証や無認可などを探していくことになります。ただ、この2次募集に当たっても、やはり、ゼロ歳、1歳、2歳はほとんど空きがなくて、これもまたかなり厳しい状況になっているということが想定されます。

 1次選考で不承諾になった以降に認証保育園を探していっても、既に認証が定員に達していたり、なかなか大変だという声もあります。

 区は、こうした状況を受けて、新年度、保育所確保を含めてどういった対応をしていくのでしょうか。具体的な増設の箇所、また、定員数、施設の種類についてお伺いをいたします。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 平成29年度に向けましては、新たに330人分の保育定員増を計画しておりまして、想定といたしまして認可保育所5園を整備する予定でございます。

 今後も、保育利用等の状況を見きわめながら、認可保育所等に限らず、認証保育所も含めた保育施設全体で必要な対策を講じてまいりたいと考えてございます。

○浦野委員 例えば、沼袋小で沼袋保育園分園があったわけですけれども、これは、この3月末までで、新年度から学童になります。しかし、あれだけのスペースがあるわけですから、待機児がこうして生まれているもとでは、保育園をやめる必要はなくて、保育園と学童と両方で併設することも可能だったのではないでしょうか。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 沼袋保育園の分園につきましては、暫定施設として開設していたものでございまして、平成28年4月に比較的近い地域に認可保育所を複数開設する予定でございますことから、今年度末で事業を終了するものでございます。

○浦野委員 実際に、これだけ、今回、1次でも不承諾の方が出ているわけですから、やはり、保護者の方にとってみれば、職場復帰ができずに本当に深刻になっている方もおられます。

 これまで繰り返し述べておりますけれども、そもそも、児童福祉法の第24条で、市町村は、保護者からの申し込みがあったときは、それらの児童を保育所において保育しなければならないとされております。待機児童の問題は、より深刻で緊急的な対応も含めて、また、認可園を中心とした増設や、ぜひ、今後、国や都や区有地などの活用の情報収集も積極的に行っていただきまして、対応をお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 待機児対策に向けましては、計画的に施設を整備いたしまして、定員の増を図ってまいりたいと考えてございます。

 区といたしましては、公有地等の活用も含めて、さまざまな角度から検討を行いまして、定員増に努めてまいりたいと考えてございます。

○浦野委員 ぜひ積極的に対応をお願いしたいと思います。

 新年度予算に保育士確保のための事業での保育士確保の問題や、また、保育の質の問題も大きな課題となっておりますけれども、このことにつきましては、改めて他の機会で取り上げてみたいと思います。ありがとうございました。

 続いて、区立幼稚園について、絞って幼稚園施策で伺いたいと思います。

 新しい中野をつくる10か年計画の第3次の改定素案におきまして、区は、区立幼稚園2園、かみさぎ、ひがしなかのを民営の認定こども園へ転換するという方針が以前示されました。これは、本会議におきましても、何名かの同僚議員からも質問がありましたし、2月4日の子ども文教委員会で、今回の方針についての説明の資料が配付されておりましたけれども、なぜ区立幼稚園を廃止するのかというのがいま一つ疑問であります。

 初めに、区立幼稚園が果たしてきた役割、意義をどう捉えているのか、改めてお伺いをいたします。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 中野区の幼児教育でございますが、私立幼稚園により行われていたものでございますが、児童数の急増期に、近隣に私立幼稚園のない地域に区立幼稚園を設置してきた経緯があるものでございます。子ども・子育て支援新制度が始まりまして、多様な幼児教育、保育施設が展開されていく中では、区立幼稚園の役割は終了したというように考えているものでございます。

○浦野委員 役割が終了したと、これは本会議でも答弁されておりましたけれども、これまで区立幼稚園を運営されてきた方や保護者にとってすごくひどい言葉じゃないかなというふうに思うんですね。もともと4園あった区立幼稚園を、やよい、みずのとう幼稚園を認定こども園にしてきたわけですけれども、今回、こうした方針を出すに当たって、現在の2園の区立幼稚園の保護者の方や園に対してニーズ調査をされているんでしょうか。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 区立幼稚園2園に限定いたしましたニーズ調査は行ってはおりませんけれども、平成25年度に区内の乳幼児の親を対象にいたしまして、子ども・子育てアンケートを行ったものでございます。

○浦野委員 ニーズ調査はしてないということですね。なおさらひどいと思います。

 この3年間にかみさぎ、ひがしなかのの2園については、募集状況はどうなっていたのでしょうか。3歳児について、人数を、この3年間のお答えをお願いいたします。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 両園とも、新年度の募集は前年の9月に3歳児16人の募集を行っているものでございます。かみさぎ幼稚園の3歳児の申し込み状況でございますが、平成26年4月入園は30人、平成27年4月入園は42人、平成28年4月入園は47人の応募がございました。ひがしなかの幼稚園では、平成26年4月入園は42人、平成27年4月入園は46人、平成28年4月入園は81人の応募がございました。

 なお、かみさぎ幼稚園の4歳児に関しましては、16人の募集でございますが、3年連続で定員を下回る申し込みといったところでございます。

○浦野委員 3歳児のところは、16名に対して、この3年間を見ても相当ふえてきているというふうに、今、御答弁があったと思います。

 希望者がふえて、現在、定員を上回る状況になっています。4倍、5倍ぐらいの倍率になっています。この状況で役割が終了したと本当に言えるんでしょうか。保護者のある方は、私立幼稚園に通わせるだけの収入がない家庭にとっては本当に大事な場であったりとか、また、他のお母様は、障害が疑われた自分の子にとっても大事な場で、区の運営だからこそ通えていた。また、別の方は、区立、私立幼稚園、保育園、こども園、それぞれの良さがあるので、区民にとって幅広い選択があるべきだというふうにもおっしゃっていました。

 今、御紹介をしたような形で、私立幼稚園ではなかなか受け入れが難しい特別な支援が必要なお子さんの受け入れについて、区立幼稚園は非常に大きな役割を果たしてきていると思います。

 この特別な支援を必要とするお子さんの入園数はどうなっているのでしょうか。ひがしなかの幼稚園に限って、ここでは3年間の推移をお伺いいたします。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) ひがしなかの幼稚園におきます特別な支援を必要とする児童の数でございますが、平成25年度は7人、平成26年度は12人、平成27年度は13人と捉えているところでございます。

○浦野委員 やはり、特別な支援を必要とするお子さんがふえてきております。これまで、当区議団でも、区立幼稚園の民営化、認定こども園への移行はすべきではないと予算要望書などでも述べてきましたけども、区立だからこそ、利用者や現場の声を直接区が把握をしてスタッフに反映できるということもあります。

 また、区民が必要としている、先ほど御紹介いただいた募集状況を見ても、必要とされていることがあると思いますけれども、それを廃止して転換するのではなく、もし認定こども園が必要と判断するのであれば、それはそれでつくる。区立幼稚園はやはり、繰り返しになりますけれども、特別な支援が必要なお子さんの問題であったり、幼児教育、子どもの発達の成長の過程でも大変重要な役割を果たしてきていると思います。

 今回のこの計画は一旦白紙に戻して、少なくとも、ニーズ調査も行っていないということですから、園や保護者に対してもまずはニーズ調査をすべきではないかと思います。このことについては御答弁は結構です。要望として改めて申し上げておきたいと思います。

 次に、4番、子どもの貧困対策ついてお伺いをいたします。

 これまで本会議や総括の場でも繰り返し求めてまいりました。また、本会議におきましても、今定例会の中でも、他の議員からも質疑がされております。6人に1人の子どもが貧困状態に置かれて、子どものみならず、あらゆる世代が貧困に陥る危険と隣合わせの状況が今生まれております。特に子どもの貧困、また、ひとり親家庭では、そうした状況がOECD加盟国34カ国の中でも最悪な状況というふうになっています。そのもとで、経済的な理由で子どもの医療機関の受診を控える世帯がそうでない世帯と比べて4倍近い、また、大学進学率が全世帯で73%に対して生活保護世帯などで31.7%と、著しい差も生まれています。

 区としては、こうした現状についてはどのように認識をされているのか、お伺いをいたします。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 区といたしましては、子育て支援サービスを初めとするさまざまな領域での支援の拡充や、所得に配慮した利用者負担とすることなどによりまして、さまざまな課題を抱える家庭の状況を把握した上で必要な支援が適切に行われていると考えてございます。

 今後も、こうした取り組みの充実を図ることによりまして、安心して子育てができる環境を整備してまいります。

○浦野委員 貧困状態に至る経過はさまざまだと思います。しかし、今の政治のもとでの貧困と格差の拡大や、また、低収入、低賃金、非正規雇用の方の増加、お一人おひとりの生活実態は大変になってきていると思います。

 昨年取り上げました足立区でも、こうした貧困に関する専門の部署が立ち上がっていますし、また、23区では、北区におきまして貧困状況にある子どもや家庭の実態把握と支援ニーズを調査、分析、加えて、支援体制の整備計画の策定が新年度予算の中で示されているというふうに伺いました。

 区は、現時点で実施している事業の中で対応できているということですけれども、基本的には、申請に基づいて、申請主義のもとで行われているわけです。ですから、行政の手や目が行き届かない状況にある人が一定数の割合でいるのではないか、そこに対してやはり行政の側から手を差し伸べることが不可欠だということもこれまで申してまいりました。

 2014年に子どもの貧困対策法が施行されたもとで、区としては具体的にどういった取り組みをされてきたのでしょうか。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 区では、学習支援事業やひとり親家庭への支援の拡充といたしまして、寡婦控除のみなし適用などを実施いたしますとともに、今後、子ども総合相談窓口に子育てコンシェルジュを配置し、これまで以上に丁寧に聞き取りを行い、必要なサービスや支援に結びつけるなど、子育て家庭への相談や支援をさらに充実させていく考えでございます。

○浦野委員 今週火曜日の23日には、国会の中でも超党派の議員、これは、自民党さん、公明党さん、民主党さん、維新の党さん、そして共産党も加わりまして、子どもの貧困対策の推進議員連盟の設立総会が開かれたというふうに聞きました。この中で、子どもの貧困対策に関する諸問題の推進を図ることが確認されたと伺っております。

 各超党派の議員の皆さんからは、子どもの貧困は親の貧困、親の雇用や所得補償に力を入れるべきだ、また、給付制の奨学金の実現に取り組むべき、また、フードバンクなどの活動の支援を、などのさまざまな意見が出されたというふうに伺っております。

 本会議で他の議員からも紹介がありましたけれども、例えば、今、国や都も動き出して、この予算の中でも、食事や学習などの子どもの居場所創設事業や子どもの貧困対策の調査研究に関するものが示されております。今、全国各地に子ども食堂や市民レベルでのNPO団体などの取り組みが広がっていますけれども、都内でも、豊島区、八王子市、そしてこの中野区でも、そういった取り組みがされています。ぜひ、こうしたところへの支援、そして、まずは、これまでも述べておりますけれども、区内での実態調査を改めて要望をしたいと思います。御答弁は結構です。

 次に、3番目で平和の森公園の再整備構想案についてお伺いをいたします。

 1カ月ほど前に、各所管委員会に平和の森公園の再整備構想案が具体的な図面として今回示されました。この示されたものに基づきまして、初めに何点かお伺いをいたします。

 まず初めに、少年スポーツ広場、多目的広場の拡張の件についてお伺いをいたします。

 現少年スポーツ広場の面積、そして、ホームベースから両翼、センターまでの距離がどの程度なのか、お伺いをいたします。

○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 少年スポーツ広場の面積は約4,200平米となっておりまして、ホームベースから両翼の距離は55メーター、センターまでの距離は65メーターでございます。

○浦野委員 また、現在の利用条件、使用料などはどうなっているのか、お伺いをいたします。

○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 少年スポーツ広場の利用条件ですけれども、小・中学生専用の利用区分の時間帯に利用しようとする場合、まず、利用の申し込みに先立ちまして団体の登録をしていただくことになります。この団体登録をしていただいた後に利用申し込みをし、原則1カ月に1団体、1回2時間以内の利用が可能となるものでございます。

 ただし、利用の空き時間がある場合には、随時利用が可能となっております。

 また、平日の午前9時から午後1時まで、この時間帯には一般利用枠として、また、午後1時から5時までは小・中学生優先枠として開放しているところでございます。

 使用料については徴収してございません。

○浦野委員 今回の整備構想案の中では、この場所を大人も利用可能な多目的広場、野球、サッカー、フットサルなどとありますけれども、現時点でどの程度の拡張を検討しているのか、使用料などはどのように想定しているのか、伺います。

○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 少年スポーツ広場をどの程度拡張するかにつきましては、基本計画策定段階で検討してまいります。

 また、使用料については、施設の整備内容が具体化する段階で検討するものと考えております。

○浦野委員 これからということなんですけれども、グランドの大きさには規格というものがあります。先ほど野球で伺いましたので、ここでも野球を例に挙げますと、例えば、リトルリーグ球場の場合は、面積は約4,000平方メートル、ホームベースから両翼とセンターまでの距離が60.95から68.6ということで、ほぼ現在の少年スポーツ広場の大きさと一致をするというふうに思います。

 具体的なことは今後の基本的な計画の中でということなんですけれども、この案の中で示している大人も利用可能な多目的広場ということで、ここも野球を例にすると、例えば、軟式野球場の規格で見てみますと、面積は約6,000平方メートル、ホームベースから両翼は70メートル、センターまでは85メートルというのが規格になっています。さらに、軟式野球の社会人というふうになりますと、面積は1万500平方メートル、ホームベースから両翼が91.44、センターまでが115.82ということになっています。この軟式野球の学童、そして軟式野球の社会人の場合は、ホームベースからバックネットまでの距離もさらに後ろに下がることになります。

 ここで、委員長に御了解を得て、写真があるのですけれども、現在の平和の森公園の多目的、少年スポーツ広場を航空写真で撮ったものになります。後ろの方はちょっと見えにくいと思うのですけれども、これを見てのとおり、御存じのように、少年スポーツ広場の周囲は大変に大きな樹木が育っております。今、御説明をさせていただきました軟式野球の学童、そして軟式野球の社会人となると、この赤い線のところが、おおよそですけれども、大きさとしてはなります。なので、これで見ても、少年スポーツ広場、現在の周りは、どのように拡張するかは今後ということですけれども、相当の樹木が伐採される可能性があるというふうに思います。

 仮に、この軟式野球の学童の広さであってもそうなりますし、社会人に当てはめると、現在の弥生時代後期の復元住居があるあたりにまで、距離が超えることになります。

 これまでお伺いをしてきたときに、樹木については可能な限り移植というふうにおっしゃっておりますけれども、移植自体がそう簡単なことではないというふうに思います。警大跡地のときも可能な限り移植をとおっしゃられておりましたけれども、可能な限りというのは、結果的にこれが可能な限りでしたということも言えます。都合のよい言葉にも使えると思うのです。特に、この平和の森公園は、今、防災公園としても大変重要な役割を果たしていて、今ありました写真にも、木々の配置というのは、かなり、防火樹林帯としての役割を果たすために、当時、相当綿密な計画で配置をされてきたと思います。

 では、可能な限り移植というのは、どこに移植をするのか、また、防火樹林としての観点で見たときに、移植することで果たしてその役割は果たせるのかどうか、お伺いをいたします。

○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 今定例会の一般質問でもお答えさせていただきましたが、区内に大人が使用できる屋外スポーツ施設が不足しており、少年スポーツ広場を拡充した多目的に活用できる広場が必要であると考えております。必要な施設の整備に係る既存樹木につきましては、可能な限り公園内での移植活用を図るとともに、防火機能も果たす植生計画に努めてまいりたいと考えております。

○浦野委員 加えて、この多目的広場の拡充の必要性というところで見たときに、比較的近い場所に上高田の運動施設や哲学堂の運動施設があります。平成24年から26年度の3年度で、この二つの施設の利用実績を見てみますと、上高田の野球場は平均で約66%、哲学堂の野球場は約55%の利用率になっています。哲学堂では土なので、グラウンドがかなり雨が降った後なんかはやわらかくなって使いにくいということも声として寄せられています。むしろ、こうした部分の改善を図ることで利用率のアップを図ることが優先されるべきではないでしょうか、お伺いたします。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 哲学堂と上高田の運動施設でございますけれども、土・日や夜間の利用率が高い状況がございまして、大会の実施、また、練習の時間の確保等を考えますと、十分な環境とは言えない状況であるというふうに考えてございます。大人がスポーツに取り組むことができる環境の整備といたしまして、多目的広場の整備が必要であると考えてございます。

○浦野委員 上高田や哲学堂の場合は、土・日とか平日夜にかなり集中をしていると思います。仮にこの平和の森公園内での大人の利用可能な多目的広場とした場合に、先ほど、現在の利用のされ方は小・中学生が優先的にということでしたけれども、逆に、その競合によって子どもたちの利用機会が減少してしまうことにはならないんでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 現在の少年スポーツ広場において中心的に利用されている少年野球につきましては、昨年整備をいたしました白鷺せせらぎ公園、また、3月に開園を予定している本五ふれあい公園などにおいても行うことができまして、少年スポーツの環境整備を進めているところでございます。

 多目的広場で行える種目や時間帯など運用面については、今後検討していきたいと思います。

○浦野委員 この間にできたものがあるということでしたけれども、平和の森公園の少年スポーツ広場は区内でも中心的な場所なので、今現在、利用している少年スポーツチームの方々は、やはり、ここを使いたいというふうにおっしゃっております。

 現在の少年スポーツ広場の砂ぼこりが立たないようにする改善や保護者の方が観戦しやすくするような改修、また、夜間に一部危険な場所を明るくするなどの工夫が必要であっても、やはり、広げることありきになっていると思います。

 先ほど申しましたように、防火樹林帯を伐採しての拡張は見直すべきであるということを重ねて申し添えたいと思います。

 次に、草地広場内でのトラック建設の問題についてお伺いをいたします。

 草地広場内についても、全長300メートル、そして直線100メートルの陸上競技トラック、園路を設置すると提案の中で示されております。

 これまでも申し上げておりますように、現在の草地広場の最大の魅力のいつでも誰でも自由に安全にということが失われるのではないか、こういったことを現在の公園利用者の皆さんは大変心配をされていると思います。だからこそ、この緑と広場を守ってほしいという運動が広がったのではないかというふうに思います。

 これまで質疑の中で、陸上競技などの際には占有を考えていると。基本的には、現在の利用に大きな制約が出るわけではない、区民にも開かれた場所としてというふうにおっしゃっています。

 しかし、大きな制約ではないという根拠は示されていないわけです。何をもってそういうふうにおっしゃっているのか、陸上競技トラックの使用はどういったことを想定しているのか、改めてお伺いいたします。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 陸上競技機能につきましては、中学校の部活動、また、陸上競技に取り組んでいる区民の方々等が練習などに取り組む場所としての活用を考えているところでございます。

 陸上競技の練習等で活用するときには占用とすることを想定しておりまして、公園の利用の方々にとって大きな制約になると考えてございます。

○浦野委員 そういった利用も、例えば1カ月にどの程度、年にどの程度なのかとか、その使用料などはどういうふうに考えておられるのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 草地広場につきましては、広く区民に開かれた広場ということで、日常的には公園として利用していただくものだと考えてございます。

 また、陸上競技機能につきましては、区立中学校対象に行ったアンケート調査によりますと、11校中8校が活用の意向を示しており、一定のニーズがあるものと考えてございます。

 今後、公園の利用者とのバランスも考慮しながら、具体的な使用の頻度や使用料等についても検討していきたいと考えてございます。

○浦野委員 大きな制約をするものではないというふうに繰り返しおっしゃっているのですけれども、それがやはり非常に曖昧だと思います。

 区は、今回、平和の森公園の中に陸上競技トラックを整備する理由の一つとして、屋外、屋内スポーツ機能の両方を持ち合わせるというふうに説明をされています。例えば、体育館を何かの競技で使用する方が、事前のウォーミングアップなどで陸上競技トラックを使うこともできれば想定がされるわけですけれども、その際にトラックの直線を一定の距離、また全力で走ったりすることにもなると思うのですけれども、こうした場合は占有というのを想定しているのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 屋内と屋外の運動機能を一体的に整備したいという考え方からいたしましても、体育館の利用者によるトラックの活用等についても想定しているところでございます。具体的な運用面につきましては、安全性等も考慮しながら、今後検討していきたいと思います。

○浦野委員 この案のとおりできた場合に、体育館を利用する方がトラックを使うことも想定しているということでした。

 その場合、当然、競技で来るわけですから、全力で近いような状況で走っているそばを、今の平和の森公園の草地広場を利用しているさまざまな世代の方、特に小さいお子さんもたくさんいるわけですけれども、そういったお子さんたちが通ったりすることは、そこで今のような形での共存ということはできるのでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) いわゆる陸上競技機能として占用として使う場面ということにつきましては、先ほど申し上げました部活動でありますとか、区内の陸上競技に取り組む方ということで想定してございます。その他、日常の草地広場にありますトラックの運用につきましては、今後、検討してまいりたいと思います。

○浦野委員 そうすると、現在の、先ほど申し上げた、いつでも誰でも自由に安全にということが、共存というのが非常に難しくなるんじゃないかということが想定されます。

 先ほどの質疑の中で少しおっしゃっておりましたけれども、そもそも、現在の平和の森公園の中にトラックをつくってほしいという要望はどこから出ているんでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 現在、区内には、校庭で100メートル走を行える区立の学校もなく、陸上競技に取り組める環境が不足をしている状況であると考えてございます。

 陸上に取り組んでいる区民の方から陸上競技ができる環境の充実等について声を聞いているほか、中学校の部活動等についても陸上競技機能の活用の意向を聞いているところでございます。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機といたしましたスポーツムーブメントの推進のためにも、陸上競技にも利用できる園路の整備が必要であると考えてございます。

○浦野委員 中学校から要望があった、アンケートもしたというふうにおっしゃっていましたけども、そのアンケートは、できた場合に使用するかというアンケートの中身だと思うんですね。つくってほしいという要望がどこかからあるというふうにありましたけれども、トラックができれば、やはり、先ほども申し上げたように、本格的にそこに走ることを専門とした方々が来ることになることが想定されますし、日常的に来ることになることになるかもしれません。その場合、やはり、かなりのスピードで走ることになります。それが、今の利用している子どもたちや、また、凧揚げをしている子ども、本当にいろんな方が毎日のように利用されていますけれども、安全に草地広場を利用できる状況になるのかというのは、今のやりとりを聞いていても、ますます疑問な点が深まりました。今のように、いつでも誰でも自由に安全にということになるのでしょうか。もう一度確認でお伺いいたします。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 繰り返しになりますけれども、例えば、中学校の部活動でございますとか陸上競技、そういった練習等で活用する際には、現在、占用ということで想定してございまして、日常的な活用のときには安全性等も配慮した運用について検討してまいりたいと思います。

○浦野委員 そもそも、この平和の森公園の開園に至っては、再三にわたり、区民や議会、そして、行政が一体となって協議を重ねて、現在の緑と広場の防災公園として開園されています。草地広場は、当時は芝生でしたけれども、その多目的広場についても、当時の区民協議会で多目的広場については、区民の誰もが健康づくりや子どもの自由な遊びなど、気軽にレクリエーションを楽しみ、また、災害時には多人数を収容できるように、覆蓋部には特定の競技施設を設けず、芝生の多目的広場を設けるという方針が示されてきたと思います。この間、こうした当時の区民協議会での結論に対して、区は、考えが変わったのではなく、これを継承しているというふうにおっしゃっていますけれども、これは当時の合意に反するものだということを改めて指摘をしたいと思います。

 そういう意味では、未開園部分も本来は草地広場の予定になるわけだったわけです。そこに体育館を建てるという計画で現在の―例えば、現在の体育館の利用者からも、駅から遠くなるとか、もともと体育館、その第九中学校の跡地として建てるという計画があって、その後、現在の体育館の場所での建て替えということでしたけれども、それがこうした形で変更にもなっているわけです。体育館の利用者からは、現在、区が示しているスケジュールの中でも、1年近く体育館の閉鎖期間になるということでは、タイムラグをつくらないでほしいという声もあるわけです。

 今回、この計画が示されたのは1カ月前ですけれども、きょうの夜から意見交換会が区役所で開催されますけれども、いずれも区役所で、地元での、特に新井、沼袋、野方などでの説明会は予定されておりません。

 それを前にお聞きしたときに、体育館の問題は全区的な問題だから区役所で開催するとおっしゃっていましたけれども、全区的な問題であれば、むしろ、地元も含めた、例えば区民活動センターがあるところでも十分行うことだってできるわけです。具体的な図面が示されたのは1カ月前ですから、これを3回の意見交換会で、3月に基本計画の素案、4月に基本計画案、5月には計画と、このスケジュールを見ても、区民の声や利用者の声をまともに聞こうとする姿勢に欠けているんじゃないかというふうに思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 平和の森公園の再整備につきましては、全区的な施設の展開であるということでございまして、区民全員が参加しやすい区役所での説明会としたものでございます。

 また、地元町会等については、個別に説明を行いまして意見を伺っているほか、区のホームページにも整備構想案を掲載しているところでございます。

 説明会は、平日、夜間、休日等を予定しているところでございまして、開催回数についても十分というふうに考えているところでございます。

 なお、基本計画の素案を策定した段階でまた意見交換を行い、さらに、整備基本計画策定に当たってパブリック・コメント手続を予定しているところでございます。

○浦野委員 3回で十分だということですけれども、結局、後ろのスケジュールを決めているからこうなるんだと思うんですね。やはり、平和の森公園も体育館も区民にとっては貴重な財産になるわけです。それを検討するに当たって、やはり、スケジュール自体も見直し、また、利用者、住民の声をきちんと反映させたものにしてほしいということは改めて要望しておきたいと思います。

○若林委員長 浦野委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。

午後2時54分休憩

 

午後3時20分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。

 浦野委員、質疑をどうぞ。

○浦野委員 次に、4番で、区内環境の整備についてお伺いをいたします。

 初めに、落書き除去について伺います。

 区民の方から、商店街のお店のシャッターや壁、また、自宅横の駐車場などで落書きがあって困っているとの相談が複数寄せられました。落書き自体は、犯罪であると同時に、まちの景観を損ねることにもつながります。また、それがそのまま放置をされれば、このまちの人たちは周囲のことに無関心だというふうに思われやすく、さらに落書きがなされることにもなります。また、人々の無関心な様子が推測されれば、空き巣などの犯罪につながっていく、そういうイメージを与えることにもつながりかねないとされております。

 区では、そうした相談が寄せられた場合は、今、どのように対応をしているのでしょうか、伺います。

○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 落書きに関します問い合わせですとか相談につきましては、年に3、4件ございます。

 その際、まず、警察署に被害届を提出したかどうかを確認しまして、していない場合については届け出るようにお伝えをしまして、基本的には、建物等の所有者において消去することをお願いしてございます。

 また、落書きを消した後に、また再び落書きが繰り返されないように、例えば、商店のシャッターであれば、そこに絵を描くなどによりまして一定程度落書きされないという効果もありますので、そういったこともアドバイスをしてございます。

○浦野委員 ありがとうございます。例えば、練馬区では、平成9年、約20年前から条例に基づいて落書き消去事業というものが開始をされています。道路に面した自宅の塀や壁に落書きがされた場合に、被害者からの申請に応じて、区が業者に委託をして落書き消しを無料で行っているそうです。

 また、目黒区では、落書き防止のコーティング塗装の経費の一部助成ということで、上限10万円の2分の1を助成する。また、落書き消去の用具の貸し出し、消去剤のスプレーや落書きの消去活動団体への活動資金補助を上限3万円の2分の1で実施しているとのことでした。

 ぜひ、こうした他区の事例も含めまして、まちの景観を保つ上でも、そういう落書き消去に関する支援を区としても検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 区では、現在、防犯パトロール団体などからの要請によりまして、比較的大きな落書きにつきましては、町会、自治会、そして警察署等と連携しまして、区職員が地域の皆様と一緒に落書きを消すという取り組みを実施しているところでございます。

 委員から御紹介のありました他区の事例につきましては、現段階で実施することは考えておりませんが、それぞれの事業内容や実績などの調査はしてみたいというふうに考えてございます。

○浦野委員 ぜひ、まずは調査を含めまして、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。次に、2番、防鳥用のネットについてお伺いをいたします。

 東京の23区では、約3万羽のカラスの生息が確認されており、この15年間で3倍から4倍にふえたとも言われています。その要因には、餌となる生ごみが豊富にあることによるとされておりますし、カラスがふえることでの被害もあります。そういった被害を防ぐには、餌となる生ごみの出し方の工夫、ごみ自体を減らす、また、排出する際にごみが外から見えないようにするなど、個人のそうしたモラルというかルールも必要になってくると思います。

 加えて、自治体として、そういったごみの散乱被害の対策も検討すべきだと思います。現在、区がこうしたカラス等によるごみの散乱被害を防止するために行っていることは何か、お伺いをいたします。

○滝瀬清掃事務所長 ごみの散乱防止、排出環境の改善の観点から、防鳥用ネットの無償での貸し出しを行っているところでございます。

○浦野委員 今、御紹介いただきましたネットを3種類貸し出しされていると思うのですけれども、この3年間、平均で年間にどの程度のネットの貸し出しがされているのか、伺います。

○滝瀬清掃事務所長 過去3年の平均でございますけれども、集積場当たりでございますが、334カ所への貸し出しを行ってございます。

○浦野委員 今回の新年度の予算説明書補助資料の244ページに防鳥用ネット約80万円が計上されています。ネットの場合、しっかり覆われていなかったり、また、カラスなどがネット自体を引っ張ったりすることによって、ネットがある場所でもごみが散乱していることも、少なくない場所で見かけることがあります。

 例えば、杉並区では、従来の網型のネットに加えて、折り畳み式のごみ収集ボックスを貸し出しています。また、練馬区では、同じく立体型の防鳥用ネットの貸し出しもされているそうです。

 立体型は、今、区が貸し出しているようなネットによるデメリットを一定解決することの効果が見込めるとされると思うのですけれども、区では、現在、こうしたネット以外での検討はされたことがあるのでしょうか、伺います。

○滝瀬清掃事務所長 立体型の防鳥用ネットでございますけれども、メリットといたしましては、風で飛びにくいでございますとか、カラス等の引っ張りによってもごみが散乱しにくいといったことがございます。

 一方、デメリットといたしましては、狭小路地が多い中野区でございますので、そうすると、設置困難な箇所が多いといったことでございますとか、通常の防鳥用ネットに比べまして比較的高価であること、また、保管場所の確保の問題等々が想定されるといったところがございます。

○浦野委員 今、御答弁がありましたように、立体型にするには、道路事情とか通行の邪魔にならないための一定の道路幅が必要になりますし、また、立体型の畳み式にすると、管理が必要であったり、使用責任者、管理者を徹底することや、その集積場に接する方々、集積場を利用されている方の合意も当然必要になってくると思います。

 ただ、メリットもありますから、ぜひ、住民にとって選択肢をふやすという意味でも、もちろん、お一人おひとりのマナーが前提とはなってきますけれども、今の区が貸し出ししているネット以外でも、立体型についても検討してみてはいかがでしょうか、お伺いいたします。

○滝瀬清掃事務所長 区では、現在、小規模集合住宅などの排出状況の改善のために、独立いたしましたごみ集積スペースの確保、こうしたことを目的に、防鳥用としてではなく、排出指導の一環として立体型ネットの設置を建物のオーナーに提案するなど、一部貸し出しを行っているところでございます。

 全ての集積場を対象といたしました立体型の防鳥用ネットにつきましては、購入した場合の効果や問題点、費用等も含め、引き続き調査研究してまいりたいと考えております。

○浦野委員 ぜひ、いろいろメリット、デメリットもあると思うのですけれども、調査研究をお願いいたしたいと思います。ありがとうございます。

 最後に、その他で2点お伺いをいたします。

 まず初めに、都市計画道路補助線街路の第220号線についてお伺いをいたします。

 この220号線は、昭和41年7月に都市計画決定がされた道路で、本町四丁目から松が丘一丁目、延長3,470メートルとされています。もみじ山通りを新青梅街道まで北上していく道で、区は、この中で早稲田通りから新青梅街道の区間の約1,600メートルを3期に分けて計画を行うとしております。

 第1期部分は西武新宿線との鉄道交差部の87メートル、第2期は早稲田通りから上高田三丁目を通って鉄道交差部まで、第3期は鉄道交差部から新青梅街道までとなっておりまして、今回、この第1期区間、西武新宿線との交差部、87メートルの部分を計画いたしております。

 第2期では、上高田三丁目の、今の現道がない部分を通ることになります。第1期から3期における立ち退きの件数、まず、先行して行う第1期での立ち退きの件数、そして、1期から3期全体で想定されている立ち退きの棟数は幾つか、お伺いをいたします。

○近江都市政策推進室副参事(新井薬師前駅周辺まちづくり担当) 補助220号線の鉄道交差部1区間で対象となる建物等につきましては8軒でございます。

 また、早稲田通りから新青梅街道区間、1から3期の区間なのですけれども、対象になる建物につきましては約90軒でございます。

○浦野委員 また、それぞれの事業費について、同じく、これも1期の工事分と1期から3期全体でどの程度を予定しているのか、伺います。

○近江都市政策推進室副参事(新井薬師前駅周辺まちづくり担当) 補助220号線の事業費については、用地費、補償費、工事費等があります。鉄道交差部の1期区間につきましては約4.5億円、早稲田通りから新青梅街道、1から3期の区間では約75億円と想定しています。

 なお、事業費につきましては、用地費の土地評価額等で検討いたしますので、事業の実施段階で改めて算定してまいりたいと思います。

○浦野委員 この件については、2月10日に上高田区民活動センターにて1期の工事に関しての事業説明会が開催されました。主にどういった意見が出されていたのか、御紹介をお願いいたします。

○近江都市政策推進室副参事(新井薬師前駅周辺まちづくり担当) 平成28年2月10日に開催しました補助220号線鉄道交差部1期区間の事業説明会につきましては、22名の方に参加いただいております。その中での主な意見といたしましては、鉄道交差部1期区間や2期、3期も含めた今後のスケジュールについての御質問、また、事業に対する周知や説明を十分行うようにすべきといった意見がございました。

○浦野委員 今、御説明いただいた御意見のほかに、私も参加させていただきましたけれども、50年間手をつけずにきたのを何で今行うのか、この事業に対してのお声や、また、いつまで住んでいられるのかというような不安の声もあったかと思います。この中には、今回、第1期で立ち退きとなられる方の中には、西武新宿線の地下化では立ち退き対象となっていたが、区分地上権が設定され、立ち退きをしなくてよいとなった。しかし、この220号線によって立ち退き対象となったという方もおられます。

 説明会でも、住民の方からは、ここまでお金をかけてやる必要があるのか、説明会開催に当たっての、今、御紹介のあった周知が足りないなども出されていましたけれども、改めて確認をしますけれども、地元の住民、また、地権者などの要望や意見を丁寧に伺って、合意なしには強引に進めるべきではないと思いますけれども、いかがでしょうか。

○近江都市政策推進室副参事(新井薬師前駅周辺まちづくり担当) 整備を進めていくに当たりましては、計画にかかわる地権者や関係権利者の理解と協力が必要でありまして、これまでも測量説明会、また、まちづくり整備方針の説明会等を通じて説明を行ってまいりました。

 これからも、地権者や関係権利者、地域に対しまして、段階に応じて説明会を開催するなど、事業に対して理解が得られるように努めてまいりたいと思っています。

浦野委員 ありがとうございました。

 最後に、地域包括ケアにおけるリハビリ職の配置についてお伺いをいたします。

 新年度予算の中には、地域包括ケアにおけるリハビリ職の配置が示されました。リハビリの職種には、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士と三つの職種がありますが、今回、どの職種を検討しているのでしょうか、伺います。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) リハビリ職としては、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を想定してございます。

○浦野委員 これまで、26年、2014年の第3回定例会の中でも、認知症ケアの専門家の配置、地域包括支援センター内にリハビリの専門職の配置等について努めてまいりました。今回、これが配置されるということは歓迎をするものです。

 今回、この配置は、現時点で何名を想定していて、週の中でどの程度、また、どういったかかわりを想定しているのか、伺います。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 配置は1名、週当たりおおむね3日の勤務を想定してございます。職務内容につきましては、リハビリテーションに関する専門的な知見を踏まえ、介護予防の観点から、効果的に機能させるための事業の企画立案、地域包括支援センターでの相談支援に関する技術的助言、地域の活動団体等に対する効果的なプログラムの提案、地域ケア会議等への参加などを想定してございます。

○浦野委員 理学療法士は、一言であらわすと、基本動作の専門家です。寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの、人間が日常的に行う動作を改善することを目指す職種となります。

 作業療法士は、精神的なケアや体、特に日常生活の動作、食事や排泄、入浴行為、着替えなど、日常生活を送るサポート、そして、精神分野での働きかけを専門としています。

 言語聴覚士は、話す、聞く、飲み込むといった分野での専門家となります。言語障害やえん下障害に対するサポートになります。

 今回、新年度のところでは1名で、その3職種を募集して、どの職種の方が来られることになるのかわからないですけれども、医療や介護職の専門家もそうですけれども、リハの職種の中で各ケースの対応や地域包括ケアの中で、こうした他職種のかかわりは今後非常に大事になってくると思います。ぜひ、新年度以降も、状況を踏まえながら、リハビリ職の人員の増、また、職種の増もあわせて検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 29年度以降の配置につきましては、28年度の効果の検証を踏まえ検討してまいります。

○浦野委員 ぜひ、新年度の状況を見て積極的な対応をお願いしたいと思います。

 以上で私の全ての総括質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○若林委員長 以上で浦野さとみ委員の質疑を終了します。

 次に、酒井たくや委員、質疑をどうぞ。

酒井委員 平成28年第1回定例会におきまして、民主党議員団の立場から予算特別委員会におきまして総括質疑をさせていただきます。

 質問は通告のとおりですが、4番の防災については取り下げさせていただき、また別の機会にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、質疑に入らせていただきます。

 まず1点目、28年度予算についてお尋ねいたします。

 歳入からです。一般会計の予算規模は、前年度に比べて44億2,600万円、3.3%減の1,283億1,200万円となりました。この歳入については、まずは、特別区税、それからまた、特別区交付金、そして国庫支出金、都支出金ですね。特定財源、それから、消費税の順を追ってお尋ねしたいと思っております。

 まず、特別区税は、区にとって根幹となる財源、基幹収入であります。28年度当初予算案でも317億4,700万円余と、27年度と比べ0.3%、約1億円増と計上されております。この件に関しましては、既に質疑もあり、所得割納税義務者や平均所得の増等を見込んでいるとの御答弁がありました。

 私は、住民税、徴税額のほかに、収納率の増加もその要因と考えており、ここ数年の実績を見ると、収納率も皆さんの御努力によって上がってきております。

 そこでまず、ここ3年間の収納率の推移、収納率向上のため、どのような取り組みをしてきたのか、お尋ねいたします。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) まず、収納率でございますが、特別区民税の現年度分につきましては、平成24年度96.7%、平成25年度97%、平成26年度97.6%でございまして、滞納繰越分は、平成24年度21%、平成25年度22.8%、平成26年度は30.8%でございます。

 また、収納率向上のための取り組みといたしましては、早期納税相談ですとか、ペイジー口座振替受付サービスやモバイルレジ納付による納税環境の整備、催告書の封筒を滞納年数に応じて色分けする、催告書送付後に納付確認を促す、後追いはがきを送付するなどの催告の工夫、給与照会や給与差し押さえを中心とした滞納処分の強化を図ってまいりました。

○酒井委員 分野全体としてかなり取り組まれているんだろうと思います。分母が大きいんで、やっぱり、収納率が0.1%でも上がると、かなり寄与されるものだと思っております。

 昨年10月に改定された収納率向上対策によれば、平成26年度の23区での順位は22位と、中野区はまだ低迷しております。特別区民税は区政運営の自主性と安定性を確保し、多様な行政需要に弾力的に対応する上で、本区にとっても貴重な一般財源であります。税負担の公正公平の観点からも、収納率を上げるためのさらなる取り組みが大変重要です。

 そこで、特別区民税の特別徴収推進についてお聞きします。

 この件に関しましては、佐伯利昭前区議会議員も過去に質疑をさせていただきましたが、特別区民税の徴収方法には、個人で納める普通徴収と事業者が給与や年金を天引きして納入する特別徴収があり、特別徴収の収納率は100%に近く、普通徴収に比べて高い収納率となっております。

 平成27年2月、東京都及び都内全62区市町村は、安定した財源の確保と納税者の利便性向上を図るため、オール東京特別徴収推進宣言を採択し、平成29年度から特別徴収の徹底を図っていくとしております。

 これにより、かなり高い効果も出てくるのかなと思っておりますが、この特別徴収推進を行うことにより、特別区民税の影響額はどのように見込んでいるのか、教えてください。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成25年度の課税状況をもとに、先行事例を参考に試算いたしましたところ、平成29年度の特徴推進によりまして、給与所得のある納税義務者のうち、およそ85%が特別徴収によって納税することになると見込んでございます。

 このため、平成25年度当初課税ベースで比較した場合、平成29年度には普通徴収納税義務者のおよそ3分の1に当たります2万7,306人が特別徴収に切りかわりまして、特別徴収による納税義務者は平成25年度の9万3,777人から12万1,083人となり、税収効果としましては約2億7,800万円を見込んでいるところでございます。

○酒井委員 これは、他県では先行的に取り組まれておりますし、今も効果が出ているところもあるのかなと思っておりますが、この特別徴収に関しましては、やはり、事業者へのアプローチが必要なのだろうと思っております。

 給与所得者等の個人住民税の徴収は、地方税法によって特別徴収が義務づけられているものの、全国的に事業主の規模によって普通徴収を認めてきた経緯があります。だからこそ、事業主の方々の理解を得る必要があります。制度はまだまだ知られておりませんし、なかなか理解されるのも難しいところもあるのかなと思っております。

 このため、東京都は、都内全62区市町村では、平成26年度から平成28年度を特別徴収の推進期間と位置づけてきました。中野ではどのような取り組みをされておりますでしょうか。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 税務署及び中野区で合同実施し、多くの事業者の方がお越しになります年末調整説明会を初め、税務関係団体や商工団体において周知を図ってまいりました。

 また、昨年11月に、平成29年度から特別徴収義務者として指定する旨の指定予告案内を送付したほか、本年、平成28年度中には事業主への指定予告通知の送付を予定しているところでございます。

○酒井委員 例えば、従業員数がかなり少ないところ、特別徴収に関しては、対象はたしかアルバイト、パートを含めると3名以上からならば、そういったものになっていかなければならないと思うのですけれども、こういった事業者の負担の軽減をしていかなければならないと思うのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。

○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 税理士会や商工団体に対する制度周知の際に、あわせて事業主の皆様に協力を求めてまいりました。

 また、給与の支払いを受ける者が常時10人未満の事業主の方は、負担軽減を図るため、年12回の納期を2回の納期にまとめることができる納期の特例というものが認められてございます。こうした制度を周知いたしまして、協力を求めてまいりたいと考えてございます。

○酒井委員 特別徴収推進に向けてさまざまな取り組みを行っているということですが、制度の周知徹底に事業主の皆さんに十分理解をいただけるよう取り組んでいただきたいと思います。

 次に、特別区民税に影響するふるさと納税について関連して、1点だけお尋ねしたいと思います。

 既に本会議の一般質問で大内議員が、そしてまた、けさほどは内川委員、そして久保委員も触れられております。私も、このふるさと納税に関しては看過できないと思っており、確認の意味も込め、お尋ねします。

 ふるさと納税は、地方間格差や過疎などによる税収の減収に悩む自治体に対しての格差是正を推進するための新構想として、平成20年に創設された制度です。

 平成27年4月1日より税制改正が行われ、これで大きな変更点が二つありました。控除額が2倍になる。そしてまた、確定申告が不要になる。今年度より、すなわち、ふるさと納税がやりやすくなった、控除幅が大きくなったということで、来年度の予算にも影響が出ているところであります。

 区長も既に施政方針で触れられました。3億円の減収があると。昨年度と比べると8,000万円から3億ですから、2億2,000万円影響していますよというふうな状況なんですね。

 私は、生まれは兵庫県淡路島なんですけれども、淡路島の洲本市のふるさと納税を見てみますと、淡路島の最高級ビーフだとか、それから、タマネギ、サザエ、イクラだとか、そういうふうな状況なんですね。このように、カタログショッピングのような状況になっているところもある。

 それで、偏向的な報道と加熱するふるさと納税というのは、やっぱり、私もいかがなものかとは思っております。制度のあり方が変わらない限り、今後も減ることはないのかなと思っているところがあります。いかがなものかと思っても、この状況、幾ら財調で85%ほど返ってくるといっても、23区の中で取り合っちゃうと、そのパイは減るわけですから、やっぱり、区として取り組んでいかなければならないと思うんですね。指をくわえて見ているわけにいかないと思います。

 今後のふるさと納税がもたらす影響、そして、中野区としてどのような方策があるのか、お聞かせください。

○黒田政策室副参事(予算担当) 今後、各自治体の返礼品事業の創設等で他の自治体に寄附金を行う人がふえると考えられます。その結果、区の基幹財源である特別区税の税収にさらに大きな影響を及ぼすと予想されるところでございます。

 区としましても、今後の実施に向けて、有効な仕組みを検討したいと考えております。

○酒井委員 いろいろなやり方があると思いますが、これに対して方策を模索することが、例えば、一つは地元産業の活性化、それからまた、中野の魅力や知名度のアップによる中野のブランド力を確立することにもなると思いますので、ぜひ研究してお取り組みいただきたいと思います。

 以上で特別民税についての質疑を終わります。

 次に、特別区交付金と財政調整制度についてお尋ねいたします。

 来年度当初予算では、今年度と同額の350億円の特別区交付金が計上されております。もう皆さん御存じかとは思いますが、期も変わったので、この特別区交付金について簡単に教えてください。

○黒田政策室副参事(予算担当) 特別区交付金、都区財政調整制度でございますが、都と特別区及び特別区相互間の財源の均衡化を図り、特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保するために、固定資産税、特別土地保有税及び市町村民税法人分の調整3税の収入額に100分の55を乗じて得た額で特別区交付金として都が交付し、特別区が等しく行うべき事務を実施することができるように調整する制度となっております。

○酒井委員 ありがとうございます。この一覧に関しては、法人住民税の一部国税化で影響を受けるものというふうに言われておりましたが、固定資産税の増や企業収益の増があって、前年度と同じように見積もっているところなんだろうと思いますが、所信表明でも触れられましたが、10%になると影響額は40億円を超えると中野区でも試算されている状況であります。

 こういった地方自治の根幹を揺るがす地方税である法人住民税の一部国税化には、引き続き声を上げていかなければならないと思っております。

 そこで、中身についてちょっと教えてください。この特別区交付金の内訳です。普通交付金と特別交付金があると思います。それを教えてください。

○黒田政策室副参事(予算担当) まず、普通交付金でございますが、人口35万人を標準人口としまして、あらかじめ定めた事業を算出した結果、基準財政需要額がございます。それから、基準財政需要額に比較して基準財政収入額を超える区に対して、特別区交付金総額の95%を交付したものが普通交付金でございます。

 また、基準財政需要額では算定されない災害等や財政収入の減少など、特別の財政需要がある区に対して、特別区交付金総額の5%を交付するものが特別交付金となっております。

○酒井委員 最後、わかりやすく強調していただいて、ありがとうございます。

 全体のうちの95%は基準財政需要額の中で支給され、それ以外の災害や特別な需要があった場合は全体の5%が支給される、そういう考えでいいんだと思うんですけれども、中野区では、毎年どのぐらいを当初予算で計上されておりますでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 特別交付金の当初予算の計上額でございますが、毎年5億円となっております。

○酒井委員 ありがとうございます。この特別区交付金のうちの特別交付金に関しては、毎年5億円見積もっていますよということですね。計上しております。

 じゃ、決算額はどれぐらいですか。ここ3年ぐらいで結構です。

○黒田政策室副参事(予算担当) 平成24年度は17億2,559万4,000円ほど、平成25年度は17億4,286万8,000円、平成26年度につきましては16億3,883万2,000円となってございます。

○酒井委員 当初、5億見積もって、最終的には、この15億から17億に来ているようであります。ここ5年間の平均を見てみると、約15億円程度来ておるわけですね。当初、5億見積もって、最終的には15億円というような状況なんですね。当初の段階から、もう少し見積もることによって、財政の弾力化や、もしくは新たな施策も展開することができたかもわかりません。この乖離に関してはどのようにお考えでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 特別交付金は、災害等により生じた特別の財政需要、また、基準財政需要額の算定方法によって算定されなかった事業、また、その他特別の事情等によります3項目で算定しているところでございます。

 各区の特別の財政需要による変動的な要因が大きいという特性があるために、歳入予算として計上するには一定程度の確実性を持っていることが必要であり、不確定な歳入計上は避けるべきというふうに考えているところでございます。この結果、当初予算と決算額の差が生じたものでございます。

○酒井委員 予算の段階で確実なものでないと計上しませんと。それはそれでいいのだと思います。不確定な要素が多いというふうにおっしゃられましたが、私は、23区どのようになっているのかなと調べたんですね。すると、23区の中で中野区が一番最少に、当初予算の段階で見積もられております。5億円ですね。ほかは、千代田と文京が8億円、それ以外の区は全て10億円以上見積もられているような状況であります。

 こういったことを鑑みても、例えば、横並びでこの特別交付金に関して、特別な財政需要であるので少なく見積もっている、そういうのであれば理解するのですけれども、他区の状況を見ると、もう少しこの数字の置き方もまた工夫していただきたいと思うのですが、いかがですか。

黒田政策室副参事(予算担当) 先ほども御説明しましたように、三つの要素の中で算定するために変動要素もあるということでございます。

 また、下位ということで御説明ございましたが、人口1人当たりの交付額で見ると中位となっておりますので、ほぼ、人口規模の中では他区と遜色ないというふうに考えています。特別交付金の確保については今後も一層取り組んでまいります。(「予算の見積もりを聞いているんですよ、今」と呼ぶ者あり)失礼しました。すみません、見積もり……。

○酒井委員 さっき、当初の見積もり額が5億円だと、他区と比べてちょっと少ないんじゃないのかなと思って、今後、その特別交付金の当初の見積もりを少し工夫していただけませんかというふうにお聞きしたんです。(「ふやすべきじゃないですかと言った」と呼ぶ者あり)そうですね。増加すべき、ふやすべきじゃないですかというふうにお尋ねしたのです。(「わかりやすい文言で聞いたらいいのに」と呼ぶ者あり)

○黒田政策室副参事(予算担当) 失礼いたしました。

 見積もりについては、特別交付金の確保については努力をしてまいりますが、見積もりについては現在の考え方でやっていきたいというふうに考えております。

○酒井委員 先ほど申し上げましたけれども、23区の中で当初の段階で一番低く見積もっているのです。これは5億円なんですよ。ほかの区は8億円でしょう。それ以外は10億円ですよ。23区の中で20区が10億円以上当初で見積もっているような状況なんです。それは、入り口の段階でやはり確実なものしかとれないところを見積もるんだというと、この特別交付金の獲得に対しても、私は、それは消極的な形になるのかなと思ってしまいますよ。だからこそ、もう少し、この当初での特別交付金に関しての見積もり方をふやすべきじゃないですかというふうにお聞きしているんです。御答弁お願いします。

○黒田政策室副参事(予算担当) 先ほどから御説明いたしましたけれども、災害等によるような特別な事情等、3項目で構成されているために不確定要素があります。そういった中では、一定程度確実な見積もりをするべきというふうに考えておりますので、現在の考え方を継続していく……。

○酒井委員 ただ、他区の事例も御説明させていただいたんで、少しぐらいはちょっと工夫することも検討して。今お答えできないかもわかりませんけれども、当たり前のように確実なものを計上しているんでいうと、確実なものが少な過ぎますし、この後、決算額で僕は言いますけれども、中野区は、23区の中で普通交付金の決算額は21番目なんですよ。そういうことを考えると、この特別交付金に関しては、その5%中で各区が要望を積み重ねていっているわけじゃないですか。各区のノウハウだと思うんですね。そういう中では、それが当初の段階で低いというのはちょっと消極的なんじゃないのかなと思うんですね。だからまず、当初予算のところでもう少し、今後工夫もしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 特別交付金の確保につきましては、今後もより一層努力をしてまいりますが、通常予算の計上につきましては、現在のところ、考えは変わっておりません。

○酒井委員 仕方がありませんので、ただ、今回、他区の事例もお示しさせていただきましたので、担当さんも、もちろん鋭意お調べになっているんだと思いますが、ぜひ御検討いただきたいと思います。

 先ほど当初予算のところで申し上げましたが、各23区の、先ほどもお話ししましたが、決算額ですね、特別交付金の。これは、人数だとか規模感だとかでもちろん違うのはわかりますが、最高は台東区で32億ですね。足立が29億であって、中野区は21番目というような状況もちょっと考えていただいて、今後、この特別交付金の獲得に関して、また工夫して行っていただきたいと思います。

 要望でございますので、答弁は結構です。

 この特別区交付金に関しては、本会議で長沢議員も触れられました。例えば、調整3税があって、それ以外の市町村で考えると、都市計画税ですね、けれども、そちらは東京都が一旦課税して23区に配られているのを見てみると、都市計画の事業自体は、東京都が7、23区部が3の割合でやっているにもかかわらず、配られているのは9対1というふうな、そんな状況です。

 それにもかかわらず、毎年、東京都は都市計画交付金の減額を当初予算で示されて、特別区長会から緊急要望され、それで前年度に戻るような形にもなっております。

 それからまた、事業所税に関しましても私はどうなのだろうと考えると、23区の制度は、もちろん、これまでのさまざまな議論があって、協議があるんだろうと思いますが、引き続き区長にも、これまで特別区長会の副会長も務められ、今も幹事を務めていらっしゃいますので、ぜひ声を上げていっていただきたいと思っております。

 そして、先ほど久保委員のほうからも、我々のほうからも声を上げていかなければならないというのがありましたので、来年の夏には都議会議員選挙もございますので、私もしっかりとそういった声、そういう候補者を支援するようにしてまいりたいと思います。

 続きまして、国庫支出金と都支出金の特定財源についてお尋ねいたします。

 来年度予算では、国庫支出金は222億、都支出金は79億と合わせて301億円の特定財源が計上されております。使い道が決まっている国から、都から来る財源で、これをしっかりと活用して自前の持ち出しを抑えていかなければならない。これは予算編成方針にも示されております。

 区でもさまざまな事業が展開しておりますが、ここで、申しわけないのですが、一つの事業を例に出して質疑を進めさせていただきたいと思います。

 6款子ども教育費、5項1目の子ども教育施設整備費の水飲栓直結給水化工事について、まず内容をお聞きしたいと思います。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 水飲栓直結給水モデル事業でございますが、蛇口から水を飲むという水道の文化を次世代に引き継ぐということ目的に、東京都が小・中学校の水飲み栓を受水槽や高置水槽を通さず、直結給水方式に切りかえる工事を行うことに対しまして一定額を補助するものでございます。

○酒井委員 来年度は3校実施するんだと思うんですけれども、計画の中では、5年間でほぼ全ての小・中学校で水飲み栓の直結給水化を行うということだったと思うんですけれども、これは東京都水道局の事業なんだろうと思うんですけれども、補助内容ですね、財源内訳を教えてください。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 原則といたしまして、工事の中の直接給水管に必要な経費のうちの10分の8が補助対象になってございます。

○酒井委員 10分の8、8割の補助金が東京都から出るということでありますが、来年度に3校行うことになると思いますが、その総額と特財の内訳を教えてください。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 3校合わせた工事総額は9,628万6,000円でございまして、そのうち特定財源が4,621万6,000円でございます。

○酒井委員 4,600万円ですね。単純に言うと1校1,500万円、特財を活用できるよということだと思うんですけれども、この東京都の補助金事業の期間はどのようになっていますか。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 当初は、平成28年度までで終了という予定でございましたが、この2月に東京都の水道局が東京水道経営プラン2016というのを発表いたしまして、その中で、この事業に対しまして、平成29年度から4年間引き続き補助を継続するということでございましたので、今後も補助が受けられるというふうに考えております。

○酒井委員 結果、補助が受けられたからよかったんですけれども、当初の考えでは、28年度までの打ち切りだったんですね。それを考えると、中野の計画としては5年間で整備するよというと、1校あたり1,500万円ずっと特財を適用することができず、一財で持ち出していかなければならなかったということになると思うのです。当初は28年度まででした。こういう計画を立てたときはどのようにお考えだったのでしょうか、つまるところ。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 東京都のほうからも、一応、28年度で終了は予定しているが、各区の状況はどうなのだということで聞き取りがございました。中野区においては、学校の統廃合も始まるので、その中で水飲栓事業を取り入れていきたいというような話をいたしまして、東京都のほうも一応検討するということが反映されたのではないかというふうに考えております。

○酒井委員 これは、執行率が非常に低い中で東京都はもう少し拡大したいということだと思うんですけれども、来年度に3校やって、向こう4年間で何校行うんでしょうか。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 小学校、中学校を合わせまして17校を予定しております。再編に伴う改築の学校につきましては、改築工事のときにあわせて行いますので、少し予定が延びることになります。

○酒井委員 28年度で当初は終了予定だったわけですよね、この事業は。ただ、結果として29年度からも継続しますよ、そして、中野の今の計画だと、その枠組みの中に入っておりますんで、この事業を利用して特財を活用することができると思うんです。計算をすると、もしもこの特財を活用できなければ1校当たり1,500万円、8億程度の持ち出しになっちゃう可能性もあったそうなんですね。何を言いたいかといいますと、28年度の中野区の予算編成方針の歳入の確保のところに、全ての事業について適用可能な国や都の補助金を再度調整し、最大限の活用を図ること、国や都の補助金を充当する場合については運用実態を十分に把握し、確実に交付を受けられるよう、事業を組み立て、特定財源の確保に努めること、その他の歳入についても的確に把握し、収入確保に努めることとなっているんですね。この予算編成方針というのは大変立派なものであるなと思っているんですけれども、こういったことがしっかり守られていかなければならないと僕は思っているんです。こういった特定財源に関しての国や都からの情報提供というのはどういうふうになっているんですか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 既存の補助事業につきましては、国や東京都からメール等で案内が来ているところでございます。それを各担当が把握しまして、大抵、年度の予算編成をする前に、東京都ですと局の説明会がございますので、そういったところに参加をしまして情報を収集しているところでございます。

○酒井委員 これは相当数来ているのかなと思うんですけれども、どれぐらいなのかはわからないですよね。相当な規模数ですよね。

○黒田政策室副参事(予算担当) 国や都の補助メニューの全体数となりますと把握はしておりません。平成28年度予算におきまして、区が活用しております補助メニューは、国は43個、東京都につきましては75個というふうになっております。

○酒井委員 ありがとうございます。この水飲み栓の直結事業に関しては、平成19年より行っていたんですね。すなわち、新しいものは比較的とりやすいですが、今ある補助制度の活用という観点で言うと、多少見落としていたところもあったりするのかななんて感じたりもします。

 そこで、一元的にしっかり、予算担当なのか、どこかの担当さんで管理してくださいよというと大変だとは思うので、例えば、庁内での共通の特財や歳入確保の考え方も、いま一度、行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 庁内の情報共有としまして、予算編成方針を各部・室に伝達しておりまして、補助金についての最大限の活用を図ることにつきましては周知をしているところでございます。

 また、毎年、予算担当が講師となりまして、各部・室の予算担当者や新人職員に対して予算研修を行っているところでございますが、その中でも歳入確保の必要性を説明しているという実態がございます。

 しかしながら、各業務の担当となる国や省庁や都等の情報を把握したり、また、記者会見等で新しい補助金等について発表する情報などについても収集を積極的に図る必要もございますので、そういった具体的な事例を入れて、今後は研修を行ってまいりたいというふうに考えております。

○酒井委員 この予算編成方針は、歳入確保の考えのもと、国や制度の取りこぼしがないよう求めて、この質問を終わります。

 歳入の最後に、地方消費税交付金についてお尋ねします。

 来年度は5億円増の66億円が当初予算案で見込まれております。これは、区にとっても貴重な一般財源であると改めて感じております。この消費税が5%から8%に引き上げられましたが、この引き上げ分は、社会保障政策に要する経費に充てなければならないようになっているところであります。すなわち、一般財源で入っていますけれども、この地方消費税交付金の増税分はうっすら色がついているところがあるのかなというふうに思っておりますが、消費税の増税に関しては、国民に痛みを伴う改革を御理解していただいて進めている状況下、この引き上げ分をどのように社会保障施策に使わせてもらったんだ、使ったんだというのを示すべきだと私は思っております。

 総務省の通知では、予算書、決算書で示すべきだというふうな通知もあります。例えば、他の自治体では、ホームページで詳細に示したりしているところもあります。中野の現状を見ると、まだ決算書では少し書かれておりますが、まだまだ工夫も必要なのかなと思いますので、こちらのほうもぜひともお願いしたいと思いますが、いかがですか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 他区におきましては、各事業につきまして、増収分を予算額に応じて案分してお示しをしているところもございます。地方消費税交付金が一般財源であるために数字の捉え方が難しい点もございますが、今後、消費税10%の引き上げが予定されていることもございますので、使途の明示等については検討してまいりたいと思います。

○酒井委員 ありがとうございます。以上で歳入のほうを終わって、次は28年度予算の歳出についてお尋ねしたいと思います。まずは、全体についてお尋ねいたします。

 各部、各室が28年度予算で事業を新規拡充された額面の多いところ、三つ程度でいいので、ちょっと教えてください。

○黒田政策室副参事(予算担当) 平成28年度予算で新規拡充事業の金額は総額で132億円程度となります。大きなところと申しますと、例えば、都市政策推進費は37億円となり、区民サービス費につきましては60億程度、子ども教育費につきましては30億円程度というような内容になっております。

○酒井委員 ありがとうございます。また予算編成方針に戻っちゃって申しわけないんですけれども、予算編成方針の2番、新規拡充事業。新規拡充事業は、政策的位置づけと戦略的展開を明確にした上で、実現可能で効果が明確な事業計画を作成し、財源の裏付けを明示した具体的な積算を行うこと、新規事業による経費増加分については、既存事業の統合再編、見直しによる削減は行うこととあります。

 これは、各部、各室が新規拡充分に関しては、増額分は各部、各室でそれだけ分の見直しを行ってくださいよというふうな理解でよろしいのですか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 区では、いずれに事業におきましても、市場性や競争性に留意した複数の事業実施の方式の検討ですとか、適用可能な国や都の補助金の最大限の活用、また、積算根拠や契約の仕様内容、事業手法を見直すなど、あらゆる観点から事業執行方法の工夫に努めることとしております。予算編成の中でも、新規事業による経費増加分については、既存事業の統合再編、見直し事業の削減を行うこととしているところでございます。

酒井委員 時間もあれなので、各部・室の皆さんにお聞きしませんが、先ほどの特定財源のことに関してもそうなんですけれども、この予算編成方針は非常によくできています。しかし、各部、各室がこの考えのもとに予算編成に進んでいかなければならないと思うんですね。

 例えば、基準となる一般財源規模も、歳出に関しましては、今まで一度も守られていなかったところもあると思います。だからこそ、いま一度質問をさせていただきました。

 ただ、この新規事業の考え方をそれだけ分削減しなければならないよとなっちゃうと、区民にとって必要な新規事業を的確に打つこともできない、そういうふうに僕は思っております。ただ、改めて皆さんに共有していただきたいと思って、今回はこの事例を挙げさせていただきました。

 最後に、いま一度、予算担当にお聞きしますが、こういった予算編成方針が守られるよう、庁内でしっかり共有を図っていただきたいと思いますが、いかがですか。

○黒田政策室副参事(予算担当) 予算編成方針においては、庁内でしっかりと共有しまして、PDCAサイクルに基づいて検証していくことで、持続可能な財源運営をより一層推進し、将来に向けて着実に歩みを進めていこうというふうに考えております。

○酒井委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。

 次に、性質別歳出で、義務的経費の人件費についてお尋ねしたいと思います。

 28年度の人件費は総額211億5,000万円余、全体で1.1%減であります。職員の年齢構成の変化が主な原因とのことでありますが、ここで、時間も時間なので少し進行させていただいて、現在、2,000人体制でございます。この2,000人体制を進めることにより、かなり人件費は圧縮されたのかなと思っております。これまでのまず取り組みや経緯、当時の人件費、人件費比率なども含めて、まず教えていただけますか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 区は、平成20年1月に職員2,000人体制に向けての方策といたしまして、徹底した事業見直し、民間活力の導入等に継続的に取り組んでまいりました。その結果、平成26年度には職員数を1,995人とすることができております。

 その結果、平成19年度当初予算の人件費は268億、一般会計歳出総額に占める割合は27.2%でございましたが、平成28年度予算案におきましては212億、16.5%と、約10.7%の減となっております。

○酒井委員 ありがとうございます。かなり進んでいるんだろうと、この2,000人体制のもと、人件費に関しては見直しがされているのだと思います。それに関しては、評価するところももちろん持っております。

 他方、このスピード感をもって進めてきた2,000人体制により、少なからずひずみもあるのかなと思っております。現段階での課題をどのように捉えていらっしゃいますか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) ひずみというようなことではございませんが、若年層の職員が一定少な目ということはございます。しかし、今年度の採用数、来年度も含めまして、今後、多数の新人職員を迎えていくという状況でございまして、それは、そういうことで人材育成という面では大きな課題というふうに捉えてございます。

○酒井委員 これまで退職不補充でやってきました。2,000人体制が一定程度実現して、これからまた退職される方の枠分をとっていくのかなというふうに思うんですが、そこで、若年層の職員さんがふえるというふうなお話がありました。今後10年間で職員の入れかわりはどれぐらいになりますか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 今後10年間で1,000名を超える職員が退職見込みとなっております。そのため、毎年約90名前後の採用を行っていくと見込んでおります。

○酒井委員 10年間で2,000人体制のうち1,000人が入れかわっちゃうという状況なんですね。こちらに関しましては、本会議一般質問で我が会派の森幹事長が、職員2,000人体制のもと、知識と経験が豊富なベテランの職員さんが多い2,000人体制と若手の職員さんが多い2,000人体制では、全体の仕事の質や量、パイが違うというふうな、そういった質疑をさせていただきました。今後10年間で1,000名が入かわるような状況です。

 今まで、2,000人体制実現のかけ声のもと、その目標に向かって突っ走ってきたんですね。それはもちろん評価しておりますが、しかし、区の組織全体で、業務の質の変化や処理ができる業務量も減ってしまうんじゃないかなと思っております。そういった点をどう認識され対応していくのか、お聞きします。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 一般質問でもお答えしておりますが、現在、各職場では、経験者の知識が確実に引き継がれますよう、業務マニュアルを備えまして、実務に即したOJTを行っているほか、業務以外でもきめ細かい相談支援ができるような体制を整えております。

 また、平成28年度におきまして、新たに区の職員に必要な基礎知識をまとめた実務基本書の作成を行いまして、新人研修やOJT、自己研さんに活用していきたいというふうに考えております。

 また、若い職員がふえるということは、マイナス面ばかりではなく、職場に活気があふれ、活性化につながるというプラス面も大いにあるというふうに思っております。

○酒井委員 ありがとうございます。やっぱり、フレッシュな職員さんがふえて活気が出るというのはいいのだと。今まで、逆三角形のような形になっていた人事構成がラグビーボールのようになればいいのかななんてちょっと思っておりますが、採用を先ほど毎年90名程度というようなお話だったかと思うんですけれども、それでは、来年度を含めて、直近5年間の採用数はどうなっていますか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 平成24年度は49名、25年度は10名、26年度は29名、今年度、27年度は82名の採用を行いました。来年度の新規採用は、マイナンバー業務対応任期付き7名を含めまして100名を見込んでおります。

○酒井委員 以前なんかは非常に少ないような状況で、10名だとか、そういったふうな採用だったのが、今後大きく変わってくるということだと思うんですね。それで、我々は基礎自治体ですので、区の職員さんというのは、やっぱり、住民に一番身近なところで仕事をしている中で、その優秀な職員を獲得することが直ちに住民サービスの向上につながると私は思っております。しかし、現状をお尋ねすると、中野区もたくさん人をとらなければならないんですけれども、他区も同じような状況で、それでいて、東京都もそういった傾向があるとも聞いております。

 例えば、住んでもらうために選ばれる自治体というふうな中での自治体間競争だったのが、仕事場においても選んでもらい、そしてまた、中野で一生懸命働いてもらうというふうなところで戦っていかなければならないのかなというふうなところもあります。そういう中で、これまでの採用の考えとは違ってくると思うんですね。規模感がまるで変わります。すると、工夫を持って、そしてまた、戦略を持っていい職員をとる。そして、その後に採用後の人材育成ですね。研修、やっぱり若手職員が、2,000人の中で1,000人が入かわるんですから、そのあたりをしっかりと計画していかなければならないと思うのですが、人事担当の御決意、お考えをお聞きします。

○伊藤経営室副参事(人事担当) ただいま、委員の御指摘のとおり、採用事務の重要性は非常に増しているというふうに考えてございます。

 今年度から、大学などで実施している就職説明会の回数をふやして対応をいたしております。また、特に採用が困難な一般技術系の職員の確保に向けまして、今年度から、理工系大学での業務説明会も始めたところでございます。育成、能力開発につきましては、先ほどの御答弁で申し上げました実務的な研修の充実とあわせまして、現在も行っておりますが、なお一層、若手のうちから政策形成能力を養う研修なども充実して取り組んでいきたいというふうに考えてございます。

○酒井委員 職員さんは、やっぱり中野区にとって財産でありますので、うちに就職してもらった後にしっかりとよい仕事ができるよう、そういった研修制度を充実していただきたいと思っております。

 次に、人件費の中の超過勤務手当について関連してお尋ねしたいと思います。

 総務の39の資料によれば、ここ4年間で超過勤務手当は増加傾向です。私が初当選し、初めての予算特別委員会は平成16年だったんですけれども、そのときから超過勤務手当を追いかけてみると、平成16年度は全体の2.4%、5億200万円です。それから、平成20年には3%を超え、全体の3.2%、6億2,700万円になりました。平成21年度には6億8,900万円、超過勤務手当ですね。人件費のうちの3.8%まで数字は上がり、それから減少傾向にあります。しかし、ここ数年はまた増加傾向にあるんですね。職員2,000人体制により職員数を減らしてきた中、影響はもう出ているかなと思っております。

 また、今後も超過勤務手当は増加傾向にあるんじゃないかと思っております。見解は、恐らく、健康管理や勤務把握をしっかりしなければならないということだと思うんですけれども、厚生労働省の指針によりますと、月に80時間を超えると過労死の可能性があるとも言われております。今年度、この月に80時間を超えた職員さんは何名いらっしゃいますか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 4月からこの1月までで58名でございます。

○酒井委員 昨年度は無理ですね。今年度しか数字を聞いていないですから、難しいです。すみません、失礼しました。

 58名おりますよと。ことし、選挙だ、マイナンバーだ、いろいろあって、だから仕方がないんだよなんて、お互いそんなことは言えませんが、この超過勤務の決裁、管理はどのように行っていますか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 原則として、統括管理者の命令に基づいて超過勤務は行っているものでございます。

 なお、突発的な事由でやむを得ない場合などには事後承諾のケースもございます。

○酒井委員 それでは、これまで、超過勤務手当の抑制のため、どのような取り組みをされてきましたか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 毎月ごと、一定時間を超える超過勤務を行った職員がいた場合は、各統括管理者と部長に通知し、状況の確認、改善を依頼しているところでございます。目安とする一定の時間について、12月までは月60時間としておりましたけれども、この1月からは45時間に引き下げたところでございます。

○酒井委員 数字を引き下げたところ、これは、恐らく以前に本会議場で石坂議員も質疑されたのかなと思っておりますが、こちらに関しては評価するところであります。

 ただ、やっぱり、統括管理者が部下の仕事をしっかりとマネジメントしていく必要があるのだろうと僕は思うんです。健康管理の面と、それからまた、超過勤務手当の抑制の観点からちょっとお尋ねしたいんですけれども、例えば、ノー残業デーですね。そういったものは効果があるとも言われているんですけれども、今の区の取り組みはどのようになっていますか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 現状では、毎日がノー残業デーということでございます。

 平成22年度に水曜日と金曜日をノー残業デーとするという取り組みをいたしましたが、翌年度からは全日ノー残業デーとして現在に至っております。

○酒井委員 毎日がノー残業デーですよと。改めて39の資料を見ると、超過勤務手当が5億円ですね。毎日ノー残業デーなんですけれども、5億円あるような状況で、当初、水曜日、金曜日と絞ってやってきた中で進んできて、ちょっと今、有名無実化しているところもあるのかなとも思いますので、こういったところも今後ちょっと工夫していただきたいと思います。

 例えば、お忙しいと、時間のずれ勤だとかも、今、区がやっていると思います。朝早くに来て、ほかの業務をやらなくていいような形で、他の自治体では、各部各課が工夫して、ずれ勤ですね、時間を変更して出勤するなどもやっております。

 それからまた、繁忙期において、室や部内で横断的に業務を応援するやり方もあるのかななんて思っております。単純なことかもしれませんが、朝礼においての超過勤務の確認とか、超過勤務の事前決裁の徹底、それから、仕事のやり方の見直しもさまざまあるのかと思います。いずれにせよ、超過勤務を抑制していくという風土を醸成していくことが大切なんだろうと思っております。全庁的な効果もやっぱりあると思うのですね。るる申し上げましたが、人事担当として、今後の超過勤務手当の抑制と職員の健康管理についてどのようにお考えか、お聞きします。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 先ほども御答弁させていただきましたが、この1月から月45時間を目安に超過勤務時間を抑制するどういう取り組みを強化したところでございます。

 今後、その状況を確認しながら、さらに徹底を図るように取り組んでまいりたいと考えております。

○酒井委員 超過勤務手当に関連して、管理職に関しては超過勤務手当は出ません。もちろん、それは承知しておりますが、仕事は激務であると私も見たり聞いたりして理解しているところです。管理職の勤務実態や健康管理の把握も大切だと思いますが、いかがですか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 当然のことながら、管理職も健康を害するおそれのあるような超過勤務は避けなければならないというふうに考えております。基本的には、自己マネジメント、自己管理をしていくということかというふうに思いますが、現在、各部長が一定の状況を把握し、適宜、指導助言を行っているところでございます。

○酒井委員 ありがとうございます。超過勤務手当に関連して、教員の勤務時間の管理、時間外勤務についてお尋ねしたいと思います。

 OECDの2013年国際教員指導環境調査では、日本の教員は世界一働いているということが明らかになりました。勤務時間に授業が占める割合が4割弱という数字から見ると、その他の業務が多く、それに追われているのがわかります。これでは、子どもたちとゆっくり向き合える時間がないのではないかと心配になってしまいます。

 時間もないので進行してお聞きしますが、教員には残業手当がなく、全員一律に給料に4%の定率を乗じた額の教職調整額と超過勤務手当のようなものが支給されております。

 また、実態として、だからこそ残業手当がないと。全員教員には4%の数字を掛けて、そういう形で教職調整額で支給されているからこそ、超過勤務、勤務状況を把握できないような状況にあるのではないのかなと私は思っております。

 中野区教育委員会として、学校教諭の時間外勤務の状況を把握されておりますでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 学校の教員の時間外の勤務につきましては、その状況を区教委として詳細には把握してございません。

○酒井委員 詳細には把握しておりませんというのは、どういうことでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 教員の勤務につきましては、日常的な勤務状況を管理する立場にある校長が把握しておりまして、その校長より、校長ヒヤリング等を通して状況について大まかに把握しているところでございます。

○酒井委員 教育委員会として、現状、その校長先生に聞き取るのか、現場職員に聞くのか、状況というのを確認とか調査って今後していただけないのですか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 教員の長時間勤務につきましては、教育委員会としても課題になっているということは認識してございます。

 現在、学校経営支援組織等を学校に設置いたしまして、校務改善のための取り組みを進めているところでございます。時間外の勤務状況を調査するということよりも、勤務時間の縮減に向けた取り組みを推進してまいりたいというふうに考えてございます。

○酒井委員 任命権者は東京都でしょう。服務監督は中野区なわけでしょう。教育委員会でしょう。中野区、そうじゃないですか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 任命権者と給与の支給は都道府県でございまして、服務監督は中野区教育委員会でございます。

○酒井委員 すると、服務監督は中野区教育委員会であるならば、その現場の職員さんの労働状況、勤務状況というのを把握しなきゃならないんですよ。だから、調査をまずしていただけないですかと言っているのです。

○杉山教育委員会事務局指導室長 先ほどありました教職調整額に示されていますように、公立学校の教員は、政令により、時間外勤務を命ずることができるのは、生徒の実習、宿泊行事、職員会議、非常災害対応の四つに限られておりまして、そのほかについて、管理職が時間外に勤務を命ずることはできないという状況でございます。そのような状況を踏まえまして、管理職が現場で教員の実情について把握しているというところでございます。

○酒井委員 すると、管理職の学校長が管理監督していると。把握しているというんでしたら、せめてそれだけでも確認して、また教えてくださいよ、ぜひ、お願いします。それにより、先生が子どもたちに少しでも向き合える時間がふえるよう、ぜひとも、今後、検討していただきたいと思っております。

 次に、子ども教育費の中で、学力向上の取り組みと、子どもたちをインターネットから守る取り組みについて、そしてまた、学校再編についてお尋ねしてきたいと思っております。これは非常に時間が厳しいところで、学力の向上が拡充事業として、学習指導支援等として6,655万円計上されております。この新規拡充事業について簡潔に教えてください。

○杉山教育委員会事務局指導室長 これまで学力向上アシスタントとして学校に配置しておりましたが、主に授業におけるきめ細かな指導のための人員として授業時間で活用をしてまいりました。児童・生徒の学力の状況等から、さらに個に応じた補充的な学習の充実も必要であると考えたため、放課後等の補充学習への支援も可能となるよう、勤務時間等の拡充を図ったものでございます。

○酒井委員 こちらに関して、私も第3回定例会において、子どもたちの学力の向上のため、少人数指導など、きめ細かな指導が必要で、学力向上アシスタントの増員、充実について質疑をさせていただきました。恐らく、今回も身分は臨時職員なんだろうと思います。臨時職員であれば、最長1年間しか雇用することができません。子どもたちに安定的に継続的に指導ができるよう、この身分についても今後検討していただきたいと思います。要望でございます。結構です。

 次に、こちらも私は第3回定例会で質疑をさせていただきました。子どもたちをインターネットの危険、犯罪から守る取り組みについて、1点お尋ねしたいと思います。

 兵庫県では、子どもたちのネット依存を防ぐために、学校や保護者らに利用時間などルールづくりの支援を義務づける青少年愛護条例改正案を県議会に、2月定例会に提案されております。これは、全国初の試みだそうです。今、東京都も、東京SNSルールというので進んでいるところであります。来年度の中野区の取り組みに関してお尋ねします。

○杉山教育委員会事務局指導室長 中野区では、子どもたちの自主的、自律的な活動の中でSNS学校ルールを各学校において策定し、その後、各家庭に周知していけるよう、現在、準備を進めているところでございます。

○酒井委員 ありがとうございます。引き続き取り組んでいただきたいと思います。

 次に、学校再編についてお尋ねしたいと思います。

 学校再編の費用が前年度比4,700万円増の5,000万円余を計上されております。25年3月策定された学校再編2次計画が進んでいるのも、この数字から見てとれるのかなと思っております。私は、2次計画策定の際には、学校教育法の学校設置基準の法定基準に満たない学校が再編時に29校中8校出てくるのは計画としておかしいのではないか、そんなことも指摘させていただきました。

 今回、この再編計画の校舎の整備方法が大きく変わる報告がありました。大規模改修から改築という考えであります。いろいろお聞きしたいのですが、2点だけをお聞きしたいと思います。

 こちらに関しては、改修から改築により、子どもたちにとってはよりよい教育環境になるんだと、これに関しては、私はうれしく思っております。前回示された再編計画では、29校中8校、学校設置基準に満たないという部分がありました。これは、都内の狭小な校庭事情の中、仕方ないところも私はわかるんですけれども、今回の考え方を変え、大規模改修から改築に至った際に子どもたちによりよい環境づくりのため取り組んでいただきたいと思っております。中野の学校用途はかなり厳しいところもあると思いますが、さまざまな工夫をして、子どもたちのため、よりよい環境づくりのために取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 今、委員御指摘のように、大規模改修から改築へというふうに方向を転換いたしました。さまざまな敷地を全部きれいにして、そこから建てていくということで、さまざまな施設の工夫をしながら良好な環境づくりを目指していきたいというふうに考えております。

○酒井委員 平成25年に再編対象校及び建築後50年を経過している区立小・中学校に対して、大規模改修に備えるために、躯体の強度や中性化などの調査のために1校当たり750万円、11校8,250万円の調査費用で調査が執行されたんですね。私は、こういった必要があるのかと質疑をさせていただきました。この8,250万円、大規模改修をするために調査されたんですけれども、結果、改築になり、この費用というのは何だったのかというふうに私は感じてしまうところであります。大規模改修ではなく、当初から改築の考えを持っていれば、不必要な支出がなかったんだろうと、こういったことで、私は、やはり、今後施策を進めていく中で重く受けとめなければならないと思っております。御見解はいかがでしょうか。

○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 委員の御指摘のような耐力度調査につきましては、その時点で大規模改修を前提として各学校の状況を調べたものでございます。

 ただ、その耐力度調査の中では、学校によっては、大規模改修ではなく改築というふうな形で示したものもございます。そういった形では、それなりの効果があったというふうに思ってございます。

○酒井委員 わかりました。ありがとうございます。

 以上で歳出について質疑を終わらせていただきます。

 次に、新しい中野をつくる10か年計画についてお尋ねしたいと思います。

 まず、U18プラザと児童館についてお尋ねします。

 まず、確認なんですけれども、質問を幾つか飛ばしてお聞きしますので、御担当さん、よろしくお願いします。

 今回、U18プラザの廃止の考えが示されました。児童館に関してはU18プラザに転換するという予定だったんですけれども、この児童館に関してのお考えはどうなっておりますか。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 児童館につきましては、キッズプラザへの移行によりまして、現在、U18プラザとしているものも含め、全て廃止することとしてございます。

○酒井委員 今回の考えでは、子ども・子育ての拠点であったU18、それから児童館というものが、現段階では中野からなくなってしまうという考えなんだろうと思います。

 きのう、地域の子育て支援の団体の皆さんと意見交換会をこの件に関してされたんだと思います。次世代育成委員さんや青少年育成地区委員会の皆さんたちですね。そちらでは、どういった声がありましたか。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 昨日の意見交換会におきましては、今後新たに展開する子育て広場や中高生支援のあり方など、今後、子どもの育成をどのように進めていくのかといったようなことについての御意見をいただきました。

○酒井委員 U18の存続だとか、児童館全般への評価だとか、そういった声もあったんじゃないですか。私は、このU18、児童館、中野区がこれまでやってきた子育て支援の拠点の施設は地域から非常に評価されているものだと思っていますよ。そういった声はなかったですか。

永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 昨日の意見交換会は、青少年育成地区委員会、次世代育成委員の皆様が対象でございましたので、日ごろより、地域の子育てについての育成活動等について担っていただいている方々でございましたので、そうした育成活動を進めていく、また、これまでU18プラザが担ってきた役割、これをしっかりと継続してほしいといったような要望もいただいてございます。

○酒井委員 評価は高いものだと僕は思っているんですね。それで、今、乳幼児の集まれる場所であり、子どもたちの放課後、それから、中高生の活動の場であったU18、児童館がなくなってしまう中、形を変えてどのようになっていくのかというのが、やっぱり、皆さん、気になるところだと思うんですね。そのあたりはどのようにお考えですか。

○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 乳幼児・親子事業につきましては、地域子育て支援拠点としての子育て広場を商店街や保育所、区有施設などを活用して整備してまいります。

 また、中高生や若者の活動支援につきましては、地域の多様な資源や人材を活用するとともに、若者支援のノウハウを持つNPOなど、民間団体の活用により、多様な事業の展開を図ってまいる考えでございます。

○酒井委員 乳幼児・親子の事業に絞ってお尋ねしますが、今までの児童館で考えると、小学校が29校あって、そのうち28校が整備されていたわけなんですね。すると、区は今後、この地域子育て支援事業というのは、区内にどれぐらい整備していきたいとお考えなんですか。

田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 子育て広場でございますけれども、乳幼児・親子が利用しやすい身近な場所に開設することが重要だというふうに考えてございます。

 数につきましては、現在、子ども・子育て支援事業計画がございまして、その中では区内に20カ所整備してございます。

○酒井委員 乳幼児・親子の活動範囲というのは生活圏内にあって、以前は29から28あった。もっとさかのぼると、おひさま保育なんて言って、区の職員さんが地域に出てきてくれて、かなり手厚かったんだろうと思うんですね。そう考えると、20というのは少ないと思いますが、どうですか。もう少しふやしていかなきゃならないのではないですか。

○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 現在の計画では20カ所というふうに考えてございますけれども、今後の需要とかも考えながら、また、いろいろな民間の活動もございますので、そういったことも総合的に含めまして整備をしていきたいと考えております。

○酒井委員 地域子育て支援事業が商店街のところにあったりだとか、そんなことがあったと思います。室内というふうな考えが強いのかなというふうに私は聞きながら思ったんですけれども、やっぱり、公園が少ない中野において、一定の広さの規模を持ったところというのは必要なんだろうと思うのですね。

 すると、U18、それから児童館の機能が変わった後も、そこの場所が、呼び方が変わっても、呼称は変わっても、形を変えて子育ての拠点として整備することが望ましいと思いますが、いかがですか。

○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 子育て広場につきましては、いろいろな商店街だけではなくて、保育所等の建設でありますとか、区有施設の活用など、いわゆる地域全体でバランスをよくとって整備をしていきたいというふうに考えているところでございます。

○酒井委員 やっぱり、希少な広場があって、建物があって、さまざまな活動に使えるところなんですから、有効活用は考えていただきたいと思います。

 この項の最後に、今まで児童館、U18が地域で担ってきた役割というのは、僕は非常に大きいと思っているんです。学校、地域、家庭をコーディネートするといいますか、結びつける役割であったんだろうと思うのです。そしてまた、現場の職員さん、児童福祉の職員さん、本当に地域のため、子どもたちのためよくやってくださいます。そういったこれまでの機能は再評価して、検証して、区の政策に位置づけて進めていかなければ、今回の考えは到底理解されないと思っているんですけれども、いかがでしょうか。

○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 先ほど申し上げました子育て広場の整備でありますとか、それから、子育てに関する相談支援などは区の役割だというふうに考えてございます。

 また、地域のネットワークづくりなど、これまで児童館が果たしてきた役割につきましては、すこやか福祉センターが中心になりまして、すこやか福祉センターの医療福祉の専門職等を使いまして担っていきたいというふうに考えてございます。

○酒井委員 僕は、評価をしっかりして、区の施策の中に位置づけて進めていただきたいという要望しておりますので、ぜひお考えいただきたいと思います。結構です。ありがとうございます。

 次に、区立幼稚園に関連してお尋ねします。

 今回、唐突に、10か年改定素案に区立幼稚園の2園を廃園し、民間活力を活用し、認定こども園への転換を図るという考えが示されました。利用者は、突然の考えに大変戸惑っております。計画の中では幼児教育の充実がうたわれておりますが、長年区の幼児教育の拠点施設として存在してきた区立幼稚園2園を廃園することは、幼児教育の充実にはつながらないと私は思います。

 また、長年培われた区の幼児教育のノウハウがなくなってしまうことも心配で、区が強化し進めようとしている保幼小連携の観点からも疑問が出ております。

 また、今回の考えは、国の子ども・子育て支援新制度に沿って進められるのですが、中野区が平成27年3月に、子ども・子育て支援新制度のもと、子育て支援の総合的な計画として定められた中野区子ども・子育て支援事業計画には、今回のことは何も触れられていないのです。この1年間のうちにどのような変化があったのかと考えてしまいます。すなわち、こども園の誘致設置は必要だと思いますが、今のスケジュール感では拙速ではないかと我々は思っております。

 そこで、確認の意味も込め、お尋ねします。

 端的に、今回の区立園の2園を廃園して、こども園へ民営化、転換する理由を教えてください。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 認定こども園は、区の調査でも需要がございまして、幼稚園と保育所機能が一体的に提供されることで、さまざまなライフスタイルの家庭が利用できるところがございます。委員の御紹介にありましたとおり、子ども・子育て支援新制度においても推進されておりますことから、認定こども園化を進めていくといたしました。

○酒井委員 認定こども園のニーズがあった、国のほうで進めているということだと思うんですけれども、幼児教育のニーズに関しては、浦野委員の質疑にあったとおり、調べてないんですね。それでいて、これまでの区立園への応募状況を見ると、区立幼稚園へのニーズは、私は十分にあるのかなというふうに思っております。

 そこで、一番気にされていることというのは、対応が特に必要なお子さんの行き場はどうなるのだろうと、そういった保護者の方の心配の声もあると思います。まず、こういった声の対処にはどのように担当さんはお考えでしょうか。特に配慮が必要なお子さんへの対処法ですね。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 中野区では、教育・保育施設に対しまして、特別な支援が必要な児童が入所した場合につきましては、適切な教育・保育ができるよう補助を行っているものでございます。特に、私立幼稚園に関しましては、今年度よりその制度を発足させたことから、今後、この制度の活用を図ることで、私立幼稚園等においても特別な支援が必要な児童の受け入れを進めていくといったことでございます。

○酒井委員 ことしから手厚くやって、実際にはその制度が活用されているんだ、私立幼稚園さんのほうでということだと思うのですけれども、再来年度、それから先はどうなるんだというところでいうと、やはり、まだまだわからないところもあると思うのです。だから不安なのだろうと思うのですね。現在、区の考えは、中野区の真ん中の部分、中央部分にまずは認定こども園を、民間のを誘致、設置するという考えだと思います。例えば、そちらのほうで、さまざまな保護者からのお声、不安を解消し、そして、御理解を得てから、今後の区立2園のあり方を示すというふうなやり方のほうが望ましいのではないかと私は思いますが、最後にお聞きいたします。

○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 認定こども園の増設は必要と考えてございまして、現在、中野区内にある2園に関しまして、充実した幼児教育・保育の実施が確認できております。これを踏まえまして、認定こども園の整備を着実に進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○酒井委員 不安の解消をしっかりしていただきたいと思います。

 次に、10か年の最後のところ、学校跡地の利活用についてお尋ねいたします。

 今回の改定素案の中で四中の跡地は防災まちづくりの推進、新山小の跡地は公園整備、それからまた、平和の森小の跡地は防災まちづくりの推進というような形で、跡地の利活用が示されました。三中の跡地だけは民間教育機関の整備、誘導となっているのですけれども、これだけ内容が違うのです。端的に内容を教えてください。

○海老沢政策室副参事(企画担当) 他の地域で既にまちづくりが進められているところでありまして、一つの例示として内容を示したものでございます。

 第3中学校跡につきましては、グローバル社会の進展を踏まえて10か年計画素案にあります外国人に住みやすい生活環境等の整備や学校におけるグローバル教育の推進ということも目標に掲げていますことから、インターナショナルスクールなど、国際教育に特徴を持った教育機関の整備誘導を行いまして、区立学校との連携にグローバル教育や国際交流協会との連携による地域の国際化ということに寄与していくことを考えております。

○酒井委員 突然に第三中学校の跡地をインターナショナルスクールの誘致というふうな考えが出てきました。地域としてはそういったことの望みがあったのかと考えると、私はそうじゃないと思うんです。

 他方、学校跡地の整備の考え方として、区としては、施設全体を持つのは厳しい。今後、やはり施設の売却も考えていかなければならない。けれども、そういった中で何とか避難所機能として残す方法はないかだとか、それからまた、週末、夜間に地域でスポーツができる環境づくりをどうすればできるんだろう、そういった考え方の中でこのように示されたのだったら少しは理解できるところはあるんですけれども、これまでの建設委員会の議論では、グローバル協議会でこういったことがあったからこういう考えなんだというんでは、私は、なかなか地域の理解が得られないと思います。

 もう最後にします。

 何度もこの跡地の活用については、私は質疑をさせていただきました。学校は、子どもたちの学舎の機能を終えても、災害有事の避難所であるとともに、地域コミュニティの大きな核です。地域住民の学校への思いは非常に強いものがあります。長年地域のシンボルとして存在してきた学校の跡地を、これからの行政課題、地域ニーズに的確に対応でき、そして、地域コミュニティの拠点として生まれ変わるよう再整備する考えが私は必要だと思っております。いま一度、こういった考えを持っていただきたいことを要望し、私の全ての質問を終わります。

 生活保護行政については、またの機会に、もしくは山本議員に託したいと思います。

 重ねて、取材を受けていただいた皆様、本当にありがとうございました。

若林委員長 以上で酒井たくや委員の質疑を終了します。

 以上で本日の総括質疑を終了します。

 次回の委員会は、2月29日(月曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の予算特別委員会を散会します。

午後4時59分散会