1.平成28年(2016年)2月29日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(41名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき
11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久
13番 甲 田 ゆり子 15番 白 井 ひでふみ
16番 中 村 延 子 17番 細 野 かよこ
18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり
20番 い さ 哲 郎 21番 佐 野 れいじ
22番 いでい 良 輔 23番 伊 東 しんじ
24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ
26番 小 林 秀 明 27番 森 たかゆき
28番 石 坂 わたる 29番 いながき じゅん子
30番 小 杉 一 男 31番 浦 野 さとみ
32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき
34番 大 内 しんご 35番 市 川 みのる
36番 篠 国 昭 37番 久 保 り か
38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子
40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦
42番 来 住 和 行
1.欠席委員(1名)
14番 小 林 ぜんいち
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長 川崎 亨
副区長 本田 武志
教育長 田辺 裕子
政策室長 髙橋 信一
政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲一
政策室副参事(予算担当) 黒田 玲子
政策室副参事(広報担当) 酒井 直人
政策室副参事(業務改善担当) 中谷 博
経営室長 篠原 文彦
危機管理担当部長 小田原 弦
経営室副参事(経営担当) 朝井 めぐみ
経営室副参事(人事担当) 伊藤 政子
経営室副参事(行政監理担当) 田中 謙一
都市政策推進室長長田 久雄
西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀行
都市政策推進室副参事(産業振興担当) 青山 敬一郎
都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当、中野駅周辺計画担当) 石井 大輔
都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 松前 友香子
都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 吉田 陽市
都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 立原 英里雄
都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設整備担当) 小幡 一隆
地域支えあい推進室長 野村 建樹
地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦
地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当)、
中部すこやか福祉センター所長 横山 俊
中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 只野 孝子
中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 波多江 貴代美
北部すこやか福祉センター所長、
北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 田中 政之
北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 吉沢 健一
南部すこやか福祉センター所長、
南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 相澤 明郎
鷺宮すこやか福祉センター所長 上村 晃一
鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 麻子
区民サービス管理部長 白土 純
区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治
区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 古本 正士
区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 小山 真実
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈良 浩二
子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、
教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀
子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、
教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 永田 純一
子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、
教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当) 濵口 求
教育委員会事務局指導室長 杉山 勇
健康福祉部長 瀬田 敏幸
保健所長 寺西 新
健康福祉部副参事(福祉推進担当) 藤井 康弘
健康福祉部副参事(保健予防担当) 水口 都季
健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 石濱 照子
健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 永見 英光
健康福祉部副参事(障害福祉担当) 岩浅 英樹
健康福祉部副参事(生活援護担当) 鈴木 宣広
環境部長 戸辺 眞
環境部副参事(地球温暖化対策担当) 鳥井 文哉
環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 高橋 均
都市基盤部長 尾﨑 孝
都市基盤部参事(都市計画担当) 豊川 士朗
都市基盤部副参事(道路用地担当) 松原 弘宜
都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 安田 道孝
都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鈴木 崇
都市基盤部副参事(生活安全担当、交通対策担当) 伊東 知秀
会計室長 古屋 勉
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 小田 史子
事務局次長 堀越 恵美子
議事調査担当係長 佐藤 肇
書 記 関村 英希
書 記 東 利司雄
書 記 大野 貴子
書 記 細川 道明
書 記 江口 誠人
書 記 井田 裕之
書 記 田中 寛
書 記 福島 ルミ
書 記 遠藤 良太
書 記 香月 俊介
書 記 亀井 久徳
1.委員長署名
午前10時00分開議
○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。
第6号議案から第10号議案まで計5件を一括して議題に供します。
前回2月26日(金曜日)の理事会の報告を行います。
初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番、市川みのる委員、2番、木村広一委員、3番、小杉一男委員、4番、山本たかし委員、5番、加藤たくま委員の順で5名の質疑を行うことを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願い申し上げます。
それでは、質疑に入ります。市川みのる委員、質疑をどうぞ。
○市川委員 おはようございます。きょうは、一番最初に質問させていただくということでやらせていただきますが、私どもの会派の加藤たくま議員が、きょう中に質問を終えるには、私が70分で終わらないと。だから、僕は70分たったら質問をやめますから、そのつもりで、的確に速やかに答弁をしていただくようにお願いします。
質疑に入る前の前段のプロローグなんですが、2月9日に自民党の区議団の、我々の区議団の政経フォーラムが中野セントラルパークのサウスの地下のコングレスクエア中野で開かれました。500人を超す方の御参加を得て、大変盛況に無事成功裏に終わりましたが、その席上、冒頭、13名の自民党の区議会議員が登壇して勢ぞろいした中で、代表して大内幹事長が御挨拶をしました。その御挨拶の内容が、中野区役所の庁舎は今ここにありますけども、以前あった庁舎、いわゆる今の南口の中野郵便局の本局、あの場所にあった庁舎が今のこの位置に移転するときのお話や、その当時の自民党の区議団、また会派の構成等々について、歴史を振り返って彼は挨拶をしました。大変私どもも日ごろ触れることない内容の御挨拶で、立派だなと思いましたが、どこで仕込んだのかなと思いましたらば、「中野区議会50年史」を読んで、これをきょうの御挨拶で使わせていただいたと後ほど聞いた次第です。1年生議員によくお話をしておきますが、「中野区議会50年史」をしっかり読んで、中野区議会の歴史、先人が築いた今日までの礎というものを踏まえた上で議会活動に専念していただきたいと思います。これは老婆心ながらということですから、よろしくお願いします。
早速質疑に入ります。
これまで私は、中野駅周辺のまちづくりについてはさまざまに指摘や提案をしてまいりました。そして、それらの指摘や提案を中野区側がよく理解してまちづくりに取り組んで、その成果として、例えば中野四季の都市(まち)ができ上がって、もう既に4年がたちます。安全で広大な四季の森公園を中心として、中野区にはこれまでなかったような規模とレベルのオフィスビルが建設されて、有力な企業が入居して、そこに勤務する大勢の方々や、仕事で出入りする方々によって、まちににぎわいがもたらされました。中央線の東京駅から立川駅までの間、中央線、総武線の各駅の中で乗車人員数が一番多いのは新宿駅でしたね。2番目が東京駅、3番目が立川駅で、今までは4位の座を吉祥寺駅にとられていたんですけども、四季の都市(まち)が完成したことによって、中野は吉祥寺駅を抜いて、今、乗車人員数ではわずか1,000人ぐらい上回って、中野が第4位に躍り出ました。まちづくりの成果は、このようにして駅の乗降客数の数字の中にもあらわれていると思いますし、今後、より多くの開発事業、まちづくりが進められていく中で、今ここに住んでいる人とこのまちを訪れる人の融和というものが、調和がとれた、そういったまちづくりに励んでいただきたいと思います。
まちづくりに当たって、まず最初に基本的なところから質疑に入りたいと思います。
質疑項目の1番、都市計画決定についての質問でございます。
まちづくりについていろいろと考えたり、まちづくりを具体的に進めようとする場合、都市計画という用語が必ず出てきます。ところが、実際、都市計画という言葉が必ずしも正確に理解されておらず、時には誤解すら生じていることもあるように見受けられます。そこで、都市計画担当に伺いますけども、そもそもこの都市計画という言葉、正確にはどういった意味なんでしょうか。お願いいたします。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 都市計画という言葉でございますが、都市計画法によりまして、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画と定義されております。要するに、都市の将来あるべき姿を想定いたしまして、その実現に向けての必要な規制、誘導、整備のための方法や手段が都市計画というものでございます。
○市川委員 それでは、そういった都市計画といった文言、用語の中に、都市計画決定という用語があります。道路を都市計画決定するとか、あるいは地区計画そのものを都市計画決定するとか、さまざまに言われて使われていますけども、この都市計画決定というのは何のために行って、それによってどのようなメリットが生じるのか、お願いします。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 構想段階のさまざまな計画、これは都市計画法に定められている範囲の内容に即した計画に限られますが、これらさまざまな計画を具体化して明らかにし、計画の必要性や妥当性を社会で共有して、その計画を確実に実現するために都市計画決定が行われます。都市計画決定がされたものが都市計画と呼ばれます。この都市計画決定によりまして、例えば土地利用の制限など法律的な拘束力が生じるとともに、事業着手後には国や東京都の財源を利用することも可能となり、メリットが大きいと考えております。
○市川委員 中野三丁目の土地区画整理、この事業が都市計画決定されて、その後、同じく中野三丁目とか、中野駅の一部を含む地区の地区計画も都市計画決定を最近されています。それぞれどのような手続を経て、決定までにどのぐらいの期間がかかったのか、伺います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 都市計画決定までの手続といたしましては、都市計画法で定められた法定手続に入る前に、東京都や関係機関との事前協議や調整などを行う必要がございまして、これらについては土地区画整理、都市計画ともに少なくとも1年以上を要してございます。一方、都市計画法に定められている法定手続といたしましては、都市計画原案の意見聴取、都市計画原案の決定、東京都との協議、都市計画案の公告・縦覧及び中野区都市計画審議会への諮問・答申から、区長による都市計画決定告示までが手続と定められております。
今申しました法定手続の期間ですが、中野三丁目土地区画整理事業については約6カ月、中野駅西口地区の地区計画は約4カ月でございました。したがいまして、法定手続での必要な協議・調整などを含めますと、いずれも2年程度を都市計画決定までに要しているというものでございます。
○市川委員 それらに要した期間は、一般的に都市計画決定に必要な期間と比べて長かったのか、それとも短かったのか、それが1点。また、この地区の区画整理事業はURの施行ですよね。そうなんですが、そのことと、この都市計画決定にかかる期間とは関係がありますか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 都市計画決定に要する期間についてでございますが、法定手続に入る前の各種調整や事前協議等について、その都市計画の内容や範囲、関係する東京都や国の協議等により、要する日数が大きくかかると。さらには都市計画審議会の開催のタイミングも関係することから、それらを含めた都市計画決定のトータルの期間について、一般的にお示しすることはなかなか困難かなと考えられます。しかしながら、この中野三丁目土地区画整理事業及び中野駅西口地区地区計画の都市計画決定につきましては、比較的短期間で都市計画決定がされたものと認識しております。
なお、都市計画決定に関しましては、あくまでも都市計画の内容について協議・調整及び都市計画審議会の審議を経るものでありまして、施行者の違い、例えばUR等ですね。施行者の違いによる都市計画決定に要する期間の違いは基本的にはないものと認識しております。
○市川委員 そうすると、原案が出て、原案に対して意見があって、東京都との協議があって、公告・縦覧があって、都市計画審議会を経て、区の都市計画審議会が終わったら東京都の都市計画審議会、そして決定を経て告示を迎える。これに要する時間は大体2年ぐらいを考えておけばいい。それで、それらに要した時間が、この三丁目地区では、さっき6カ月と4カ月という話があったけども、その6カ月と4カ月の違いは何なの。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 例えば、都市計画審議会のタイミングですとか、あるいは公告・縦覧後の意見等の取りまとめ期間、この辺の差があらわれてきたものと思われます。
○市川委員 それでは、都市計画の手続に入る前に地区周辺の十分な理解や協力、これを得ておかなければ、その後の先ほどの一連の流れがあるでしょう。都市計画の手続の流れがスムーズに進まないこともあると思います。このような地区については、周辺への理解とか協力について具体的にどのような取り組みがあったのか、伺います。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 都市計画の手続に入る前には、地元町会や商店街との意見交換をはじめ地域説明会などを通じて、まちづくり方針や整備計画の内容について周知を図り、一定の御理解と御協力をいただいているところであります。また、土地区画整理事業など具体的に事業化する地区については、関係地権者に対して勉強会、それから、戸別訪問による意向確認を重ね、合意形成に努めてきたところでございます。
○市川委員 これまでのわずかなやりとりでしたけども、都市計画決定とは何か、何のために都市計画決定をするのか、それにはどのぐらいの期間がかかるのかが、大体、今わかりましたよね。これを踏まえて、次の質問に入ります。
南口二丁目地区のまちづくり、千光前通り沿道のまちづくりについてお尋ねします。
中野駅南口の千光前通り沿道のまちづくりについては、私はこれまで一般質問や総括質疑において何度か取り上げてきました。この重要性を明らかにしたつもりです。昨年の第3回定例会の一般質問においても、私は、現在事業化に向けて動き出している中野二丁目地区市街地再開発事業に隣接する街区、この街区及びその先の千光前通り沿道地区におけるまちづくりの必要性についてお尋ねしましたが、そのとき区長は、ともにまちづくりを進める必要があるとの認識を示された。また、千光前通り沿道のまちづくりを進めるに当たっては、中野二丁目市街地再開発事業に隣接する街区から地区計画などの検討を進めることをはじめ、可能なところから順次まちづくりを進めることが重要であるとの認識も示されましたが、千光前通りの拡幅整備については、現状では困難であるとの認識をあわせて示されております。
また、今定例会の一般質問においても、公明党の小林ぜんいち議員がこの問題を取り上げていますが、あえて私のほうから、先ほど都市計画決定の手続、都市計画の手続について触れましたが、弥生三丁目地区の場合、スピード感を持たせた都市計画決定の手続がありました。そもそも、そのスピード感とバランス感が重要であると思っているんですけども、中野駅の南口の周辺で見ますと、西側にある中野三丁目側において大変スムーズに、スピーディーに着々と進んでいる感があるのに反して、東側にある中野二丁目側を見ますと、住宅供給公社の敷地を中心とした市街地再開発事業については、これは事業化に向けて着々と進んでいます。ところが、千光前通りの沿道とか、それから、もう一つはファミリーロード、南口の駅前広場から入って郵便局に抜けていくファミリーロード、この沿道なんかは、その周辺の区域におけるまちづくりについて全く今動きが見られないのが現状なんです。行政側の動きがなかなか見られない。これは非常にバランスを欠いていると言わざるを得ないのではないかと思います。このうち千光前通りの沿道地区で、例えば地区計画を定めてまちづくりを進めるとした場合、地区計画にはいろいろなタイプがあると思いますけども、どのようなタイプの地区計画がこの地区にはふさわしいか、尋ねます。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 地区計画は、地区の特性や課題を踏まえて地区の目指すべき将来像を設定し、その実現に向けて地区の実情に合った一定のルールを都市計画に位置付けてまちづくりを進めていく手法でございます。地区計画を定めるためには、地域と区が連携して進める必要があり、地区の目指すべき将来像や土地利用など、地域の方の御意見や御意向を踏まえ検討する必要があると考えております。その上で、当地区にふさわしい地区計画制度の活用を図ることが望ましいと考えています。例えば、千光前通り関係について言えば、街並み誘導型地区計画を活用し、建築物の壁面や高さなどを一定の範囲内に誘導しながら、土地の有効利用の推進や良好なまち並みを形成するまちづくりの手法が考えられます。
○市川委員 今答弁されたようなタイプの地区計画を都市計画決定する場合に、どのくらいの期間が必要なのか、お尋ねします。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 地区計画の都市計画決定に要する期間については、地区の状況や関連する都市計画の変更を伴う場合もあるため、地区によってまちまちでございますが、地権者の合意形成、関係機関との協議、測量調査、それから、それらを踏まえて都市計画決定手続等を行う必要があるため、相応の期間を要するものでございます。例えば、中野二丁目地区の地区計画は平成27年3月に都市計画決定されましたが、平成17年に再開発準備組合が設立されてから具体的なまちづくりの計画検討がスタートし、約10年の時間を要してございます。
○市川委員 そのような期間を念頭に置きながら考えると、三丁目地区とのスピード感の違いというのが非常にアンバランスに思うんだけども、今後、千光前通りのまちづくりを進めるに当たって、さきの、特に第3回定例会で区長が示された、中野二丁目の市街地再開発事業に隣接する街区などの地区計画の策定を具体化する場合、これはどのようなスケジュール感、もしそれを具体化する場合はどのようなスケジュール感となるか、お尋ねします。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 地区計画の策定を具現化するためには地権者の合意形成、関係機関との協議、測量調査、都市計画決定等を行うため、先ほど申し上げましたように相当の期間を要するものと考えてございます。これから事業化される中野二丁目再開発の動向を踏まえつつ、隣接街区についてはまちづくりを進めたいと考えているところでございます。
○市川委員 相当な時間を要するという話なんだけど、先ほど三丁目の土地区画整理事業における、また中野駅の西口駅前広場における、それからまた中野三丁目の地区計画についての都市計画決定、いわゆる告示に至るスケジュール、その期間が非常に短期間で進んだ。しかも、吉田副参事が先ほど答弁したように、周辺の商店街、町会に対しての周知徹底、これを図りながら都市計画決定に至ったということなんだよね。だったら、二丁目だってそのスケジュール感でできるんじゃないかと思うんだけどね。そこのところはもう一回、どのように思いますか。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 地区計画については、繰り返しになりますが、地区の特性とか状況に応じて地区の将来像を定めて地権者との合意形成、その他協議等を進めていく必要がありますので、二丁目についても同様に進めていきたいと考えております。
○市川委員 同様にというのは、スピード感を持たせてという意味での同様にというふうに受けとめさせていただきたいんだけども、中野二丁目の再開発事業、これが隣接区域よりもさらに東側の千光前通り沿道地区においても、今後大規模な敷地の利活用や老朽化している沿道のビルの建て替え、さらには中野中跡地への将来想定されている地域医療機関の開設の構想、それからJR用地、今、島忠さんが使っているけど、あの用地の利活用、ひいてはZEROホールの利活用、こういった、時期は一様ではないけども、さまざまな動きが将来想定されているわけですよね。そういった状況を踏まえるならば、千光前通り全体のまちづくりについても決して遠い将来の話ではなくて、着実に進めていく必要があると僕は思います。千光前通りについても、歩行者や自動車などの交通量が今よりも増加することが十二分に想定されるわけですよね。だから、何らかの対応が必要だと考えられます。
中野二丁目全体をながめてみましょうか。中野二丁目の西側の中野通りを見てくださいよ。あれ、ワイド20ですよね。幅員20メーター。それから、南の五差路、あれは変形五差路であって、改良が長年の懸案でしたけども、近年整備が進んで、右折禁止が解除されました。大久保通り、これは東西に走っているけども、ワイド15、幅員が15メートル。これはまだ計画の幅員どおりには大久保通りも完成はしていないけども、道路計画線は入っていますよね、都市計画決定をして。それで、路線バスの両方向通行に支障のない幅は既に確保されているわけだ、大久保通りも、当然中野通りも。それから、その先ですよ。よく最近、うちの会派の伊東しんじ議員が熱心に取り組んでいるけども、もみじ山通り、220号線ね。あれが幅員16メーター、これも大久保通りと同様に完成済みではないけども、都市計画線が入っていますよね。それで、路線バスの両方向通行には支障がないわけですよ。ところが、その先のなかのZEROから中野駅南口に至る千光前通りだけが幅員が公道8メーターしかない。それで片側通行となっています。なお不思議なことに、その千光前通りの途中、中野駅南口寄りの中野二丁目再開発の東側を起点として、再開発事業にあわせて幅員が13メーターの両側通行の道路が南に向かって大久保通りまで整備されるわけでしょう。
要するに何を言いたいかというと、中野二丁目を取り囲んでいる道路のうち、千光前通り、この道路だけが片側通行で幅の狭い道路として残っちゃうんですよ。だから、まちづくり、まちのグレード、クオリティーというものを高めるということはどういうことかというと、道路幅を広げることなんですよ。それはもちろん住民、関係者とのよく協議を重ねた上ですよ。しかも、これからは歩行者空間の幅員を広げることが大事な時代が来ると思うんですよ。今そのようなことを考えると、中野区全体の道路交通ネットワークから見て、極めて不都合なものとなりはしないか。これは危惧の念を覚えます。
先ほど申し上げた千光前通り沿道の土地利用の進展などとあわせて、千光前通りの何らかの改善が必要であることは明らかであると思いますが、昨年の第3回定例会一般質問での区長のお答えは、先ほど御紹介したように、拡幅は難しいと、こうなっていますね。難しい理由は何なのか。先ほど都市計画決定の説明がありましたけども、千光前通りを例えば幅員12メーター程度の都市計画道路として決定し整備することは本当にできないのか。わかりやすく説明してください。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 道路拡幅により、沿道地権者の土地がとられてしまう。中には著しく減少することによって、地区外へ転出せざるを得ない地権者も想定されます。それから、千光前通りは商店街ですので、現に御商売をされている方の生活再建など、合意形成が難しいと考えております。千光前通りについては、地域の特性や周辺のまちづくり動向などを踏まえ、将来の自動車交通、歩行者交通を踏まえた検討が必要と考えてございます。
○市川委員 地区計画をかけた道路の沿道の建物の奥行きが、道路、建物建て替え時にあわせてセットバックすると奥行きがなくなってしまうという事例は、既に平和の森公園周辺地区の地区計画の中で生じているんですよ。野方駅から宮坂醸造の前を通って野方警察に至るあの道路、あの道路は地区計画が片側はかかっているでしょう。要するに新井側、かかっていますよね。沼袋側というのかな。だけども、その計画線どおりに家を建て替え時にセットバックすると、うちのわずか奥行きが3メーターしかなくなっちゃうよというお宅はあるんですよ。けれども、あの街区に地区計画をかけたじゃないですか。何で向こうでできてこっちでできないのかということになるんだよね。何でなんだろう。ちょっとそこのところを説明してください。
○若林委員長 答弁できますか。
○市川委員 言いづらいだろうから、先の質問に進みましょう。都市計画道路として整備する方法以外にも、地区計画の制度を活用して、建築物をセットバックして道路上の公共空間を確保するといったことも可能であろうかと思います。また、その点についてはいかがでしょうか。もし道路斜線制限の緩和等のメリットがあれば、土地所有者にとっては当然メリットになります。それで、道路空間整備を進める上での有力な手法にもなると思いますが、あわせてこれを伺います。どうですか。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 地区計画による壁面の位置の制限等により、民有地ではございますが、空間を確保することは可能となりますが、公共空間としての利用については、地区計画の制限内容を含め地域の理解と協力が必要になってくると考えております。また、当地区で活用できる地区計画制度においては、道路斜線制限の緩和等で土地所有者へのメリットとなるとともに、良好なまち並み形成に進むものと考えてございます。
○市川委員 この千光前通りの整備を含めて、千光前通り沿道のまちづくり、さらには中野駅南口から南へ向かうファミリーロード沿道のまちづくりなど、南口の町会、商店街の会長名で要望書が区長、議長宛て提出されていますよ。まちの機運は盛り上がってきているわけだ。そういった中で、今後こういうまちづくりをどのように進めていくのか、区の考え方を改めて伺います。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 千光前通り沿道については、先ほど述べましたが、例えばファミリーロード沿道のまちづくりについては、中野駅南口地区計画においてB地区として確認されており、まちづくりの目標、方針が定められています。B地区では駅からの連続したにぎわいと魅力的な商店街の形成を図るため、協調建て替え等により商業・業務機能を誘導するとともに、安全で快適な歩行者空間の創出を図ることを土地利用の方針として掲げてございます。B地区のまちづくりは地区計画に掲げる目標や方針の実現に向けて、二丁目再開発が事業化される動向も踏まえ、B地区の地区整備計画の検討を引き続き進めていきたいと考えてございます。
○市川委員 中野二丁目の市街地再開発事業という大きな事業がありますね。こういった公金を投入した法定再開発事業を行うならば、その隣接する街区に対してのまちづくりのインセンティブを高めるものになっていかなきゃいけないと僕は思っているんですよ。例えば警察大学校の用地の払い下げ、これによって四季の都市(まち)が生まれた。それによって囲町は、囲町地区は後ほど触れるけども、再開発の準備組合が結成されたじゃないですか。また、これから区役所が、庁舎が移転する予定になっている体育館、あの区域3においても、体育館の西側にあるマンションの2棟の管理組合の皆さんが、それについては熱心に協議されているやに伺っているんですよ。そういった公共のまちづくりの事業、公共の事業は必ず周辺のまちづくりに、ただそこだけをピンポイントにして終わらすことなく、周辺のまちづくりに波及効果をもたらすものにならないと僕はいけないと思います。その点、よく踏まえていただきたいと思います。中野駅周辺まちづくりのグランドデザインVer.3で示された新たな業務・商業の集積と生活・コミュニティの核として、この二丁目地区が発展することを願って、次の質問に入りましょう。
囲町地区についての質問に入ります。
囲町地区は、これまで中野駅から至る道路や地区内の道路の整備は不十分でした。囲町というまちに中野駅から向かうのに、公道がないんです。今でもそうですね。線路沿いに自転車が走っているあの道路は通路ですね。囲町というまちは、あそこに住んでいて囲町のまちを知らない方はいらっしゃらないだろうけども、今、中野中学校になりました中央中学校に通うとき、あそこの囲町に住んでいる子どもたちは警察大学校の中を守衛さんに追っかけられながら中央中学校に通学。それから、中野駅に向かうときは、そこに――そこというのは黒ビルのちょうど南側に国鉄アパートというのがあったんです。ということはどういうことかというと、国鉄の敷地だった。その国鉄の敷地を通って、抜けるようにして中野駅に来ないと、中野駅に来られなかった。南は線路、東は杉並区区境といって周りが全く囲まれていて、いわゆる囲町は公道を使って中野駅まで行かれないというのがすごく、昔、長老が何度も何度も、寂しい、寂しいとよく言っていたこととして私はとても記憶に残っています。
中野駅から至る十分な整備が中野駅の直近という絶好の立地条件を生かして、土地利用を今後することになってきたわけだ。しかしながら、囲町の東半分の中野駅寄りの地区では、市街地再開発事業により土地の高度利用を主体としたまちづくりが、囲町の土地所有者等が中心となって結成する予定の市街地再開発組合、今は準備組合だけど、組合によって、もう間近に取り組まれることになっていますね。囲町というまちが、その再開発事業を行うことによって補助221号線もきちっと16メートルに拡幅されて、その補助221号線を真っすぐ走っていけば、黒ビルのところでクランクして中野駅の駅前広場に入れるということになるわけです。こういって囲町のまちは、要するに、昔のそういう利便性に非常に欠けていたまちが化けてしまって、中野駅直近の本当の一等地になってきたわけですね。それで、現在囲町のまちを歩いてみても、まだ大きな変化は感じられない。
そこで伺いますけども、囲町のまちづくりは現在どのような状況になっていて、今後のまちづくりのスケジュールはどのようになっていますか。教えていただきたい。これが1点。それから、あと西側地区のまちづくりの状況も含めてお答えください。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 囲町地区では、平成27年12月に、地区計画や市街地再開発事業に関する都市計画決定がされたところでございます。現在、囲町東地区の権利者組織である市街地再開発準備組合が本組合設立に向けた活動を行っています。今後のスケジュールとして、準備組合では平成28年度から29年度にかけて組合設立の認可、権利変換計画の認可をし、平成34年度ごろの竣工を目指しているところでございます。
それから、囲町西側の地区では、現在、地権者有志がまちづくり推進検討会を立ち上げ、東地区と同様に市街地再開発準備組合の設立に向け、合意形成を進めているところでございます。
○市川委員 それでは、次に囲町の市街地再開発事業が、今、平成34年度の竣工を目指していますと、こういうふうにおっしゃいましたけども、これが完成しますと、中野駅からの人の通行量が激増するわけです。人の流れが変わるんですね。囲町にできた施設の中を通って四季の都市(まち)に、例えば明大のキャンパスに通ったりということに人の流れがなっていくんだと思います。そのためにも、中野駅の西口の駅舎、南北自由通路の整備は非常に重要であるわけです。若干スケジュールがおくれたということで、自民党の内川議員からも最初に質疑がありましたけど、触れていますけど、囲町の市街地再開発事業の完成時までの整備完了が再開発事業成功の必須条件となるわけですね。現在の中野駅西口駅舎及び南北自由通路整備完了の見込みが、囲町のこの34年度というと何年後かな――6年後竣工予定ですね。ここまでに見込みとして立ちますかね。お尋ねします。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 中野駅西側南北通路及び橋上駅舎整備につきましては、10か年計画(改定素案)に記載しておるとおりでございまして、おおむね平成32年度、33年度を想定したステップ3、この範囲でできるだけ早期の供用開始を目指しているところであります。
○市川委員 万が一、西口駅舎棟の整備が囲町の市街地再開発事業の事業完了時に間に合わないという場合には、中野駅の混雑というのは大変なものになると思うんですよ。それが非常に肥大化する。それとともに、それが原因で囲町への人々の足が、逆に言うと、せっかく再開発してまちづくりをしたのに、足が遠のいてしまって動線が確保できないということにもなりかねないと僕は思うんです。市街地再開発事業の事業成果が薄らいでしまうようなことがあっては決してならない。だから、西口の橋上駅舎、それから改札口、もちろん北口の新北口駅前広場、これらの竣工は、囲町地区のまちづくりと連動しているものでなければならないと思うんですが、実効性のある対策を考えておく必要があると思うんですが、この点についてはいかがお考えか、これを伺います。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 中野駅周辺地区のプロジェクト、囲町も含めてその成果を十分に引き出すためには、それぞれの事業の進行管理を適切に実施していくこと、これが基本となると考えてございます。中野駅の安全対策については、現状と同様に今後も課題となるため、引き続き駅構内についてはJRに対策の徹底を要請するとともに、道路上の安全な歩行動線の確保、誘導方策などについては、区がそれぞれ協力して実効性のある対策をとっていきたいと考えてございます。
○市川委員 今、進行管理と言いましたけど、進行管理、要するに西口の橋上駅舎をポイントで見て、囲町地区のまちづくりをポイントで見て、先ほど紹介した二丁目の再開発事業をポイントで見て、それから、三丁目の土地区画整理事業をポイントで見てって、ポイントで見ちゃだめなんだよね。これが全部連動しているものなんですよ。それから、サンプラザ・区役所の一体整備がそこにまたあって、区役所の庁舎移転があって、体育館の移転があって、これらの進行管理というのは全てを網羅していなきゃいけないんだ。これは誰がやっているの。
○長田都市政策推進室長 委員御指摘のとおり、中野駅周辺のまちづくり、各種のプロジェクトの複合的な、総合的な取り組みということになってございます。まちづくりの進め方としては、委員も御質問の前提で引用していただきましたが、警大跡地の開発、これがいわば第1期整備ということになるわけでございますが、全体としては、中野区の持っている活力をこの中野駅周辺まちづくりによって顕在化させていくという大変大きな使命を持っているものでございます。中野駅周辺のまちづくりについては連鎖的なまちづくりということで、各地区ごとのまちづくりの進捗状況を見ながら、委員の御指摘のとおり、まちづくりの成果をまた次の地区へ反映させていくという連鎖的なまちづくりをきちっと形成していかなければならないというふうに考えてございます。そこで、都市政策推進室全体として、力を込めてこの成果をきちんと引き出すように努力を続けてまいりたいと考えているところでございます。
○市川委員 囲町のまちづくりに参加している地権者の皆さんが、西口の改札口の問題をどのようなスケジュールで、この完成までにスケジュールがなっているか。直近スケジュールの変更があって、東京オリンピックの前に完成する予定だったものがおくれましたよという情報が、進行管理という面で行政の中での進行管理はいいんだけども、地域のそういったまちづくりに参加している権利者、地権者の中にも、やはり情報提供としてされるべきだと僕は思うんですよ。そういうものを皆さんのまちづくりと連動して、中野区は中野駅の改良工事にも取り組んでいくし、新北口駅前広場の改良工事にも取り組んでいくから、どうぞ御理解をいただいて、少しでも進捗してください、させてくださいというような協議、情報交換というものを常々する必要があると僕は思います。これは私のほうからの意見ですから、伺っておいてください。
また、この囲町の再開発にあわせて、再開発地区内において再開発事業をする前の道路、これを1路線の道路ではなくて、再開発事業にあわせて補助221号線の幅員を、先ほど紹介したように16メートルにする。あれ、20メートルにするんだったっけ。16、20、どっちでしたっけ。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 幅員は16メーターでございます。
○市川委員 16メーターで整備する予定とそれは伺っていますと、こういうことになるわけだ。この道路は中野駅の新北口駅前広場から杉並区境を越して、西に向かって環七通りまで計画されている都市計画道路につながるわけですね。この道路を1路線で整備しないで、再開発事業にあわせて補助221号線を拡幅するということを中野区側はするわけです。それで、杉並区側の動きなんですけども、杉並区内の整備予定などについて、中野区が把握している範囲で答えていただきたいと思います。
○吉田都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 東京都は平成27年度中に、東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)を策定することとして、昨年12月には案が公表されてございます。その第四次事業化計画の中で、都市計画道路補助第221号線については、杉並区の区域内においても優先的に整備すべき路線に位置付けられておりまして、杉並区からも事業化に向け検討していると聞いてございます。
○市川委員 わかりました。囲町のまちづくりは大変よい立地条件にありながらも、さまざまな事情で今日まで長い長い時間を要して困難であった地区が、隣接する地区の大規模なまちづくり、いわゆる警大跡地に誕生した第1期の中野四季の都市(まち)、これの誕生に刺激を受けてまちづくりが進展しました。これからの中野の他の地区のまちづくりに非常に参考となる事例であると私は思っています。このことを指摘して、次の項の質問に入ります。
4番目、中野四丁目西地区についての質疑をします。
これは区役所の道路を挟んだ北側から早稲田通りまでの間の中野サンクォーレの西側からけやき通りまでの街区ですけども、この地区では過去にもまちづくりの機運が盛り上がった時期がありました。まちづくりの推進について、地元から区に2回ほど要望書の提出もありました。区は真正面から取り合うことなく、結局まちづくりは進まないまま終わりました。この詳しい経緯については、昨年の第3回定例会一般質問の際に私はお話をしました。本日はこの点は省きますけども、周辺の地区のまちづくりが進んだ結果、土地の、周辺の土地利用との整合性がとれていない状態となりつつあります。用途地域の指定が住居系のまま取り残されて、日影の規制も外されることなく、南側の区役所・サンプラザ地区のまちづくりとか、新区役所庁舎移転の建設予定のいわゆる区域3の土地利用に大きな制約をかける一つの要因や結果となっているわけですね。この点についても、昨年の第3回定例会一般質問で区長は、中野四丁目西地区においては、周囲の土地利用と整合したまちづくりの誘導が必要であるとの認識を示しておりますが、この点について、今でも区の考え方に変わりはないか、伺います。
○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 当該地区につきましては、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3において、周辺の土地利用と整合したまちづくりの誘導を掲げております。その考え方に変わりはございません。
○市川委員 今にして思えば、中野四丁目西地区のまちづくりの機運が高まったときを捉えてまちづくりが進められていれば、区役所・サンプラザ地区の計画とか新区役所を含む区域3の計画など、もっとフリーハンドでプランを描けたんですよ。だけども、今制約がかかっているでしょう。事業構築パートナーの描いている絵を見ると、施設は限りなく西側に寄せられているでしょう。あれはその結果じゃないですか。そういうことが起きるんだということは、もうこれは既に20年ほど前かな、今の中野サンクォーレが完成した当時、この機運が盛り上がった西地区での当時、もう既に行政側はつかんでいたはずなんですよ。これはまことに残念としか言いようがない。以前にも、私は中野坂上とか野方の再開発を引き合いに指摘しましたけども、再開発区域の隣接地に何の手当ても施してこなかった中野区のこれは悪いパターンの一例だと思っています。今や遅きに失した感はあるけども、今後のことを考えますと、やっぱり中野四丁目西地区はまちづくりを進める選択肢しかないと思います。
区長は、周辺のまちの変化から、この中野四丁目西地区のまちづくりの検討に賛同される地権者の方々が組織化を目指すなどの動きがあった場合には、その初動期から区として適切な支援を行えるように努めるとも答えていますけども、現在この地区には区長が述べたような動きはあるのか。また、あるとすれば区はどのような支援を考えているのか、お尋ねします。
○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 当該地区におきましては、民間のディベロッパーが地区内の地権者に働きかけ、まちづくりの勉強会を行っているというふうに聞いてございます。区といたしましては、地権者の方々が協力し、主体的にまちづくりに向けた組織を設けて活動を始めるという段階に至れば、まちづくりに係る助言を行うなど積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。
○市川委員 組織的な動きというのは、協議会をつくった段階なのか、準備組合を結成した段階なのか、それとも組合を結成する段階なのか、どこなんでしょうか。
○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 勉強会から組織化に向けて、例えばまちづくり協議会といったようなものの組織が組成された段階から積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。
○市川委員 ある地区の周辺で再開発などが行われて土地の高度利用が図られると、隣接する土地の地価は上昇するんですよ。固定資産税もそれに比例して高額になってくるんです。だから土地所有者は、土地を高度利用するか、もしくは他の地区へ転出するか選択しなきゃならないことになってしまうんですよ。そこを、やっぱりこの中野にいつまでも住んでいたいという方々、いわゆる地権者の気持ちをしっかり酌んで、それで都市計画によって高度利用がされる。中野四丁目西地区もまさに今後このような状況にならないように、他の地区へ住民の皆さんが転出しないように、ソフト面での支援を行政側はしていかなきゃならないと僕は思うんですね。そういうことは絶対にあってはならない。再開発事業というのは、そこに住んでいる住民をそこから追い出すことではないんですよ。そのまちに住んでいる人が、そのまちの周辺のまちが高度利用化されたことによって、先ほども申し上げましたように路線価が上がったり、固定資産税にそれがはね返ったりすることを防がんがために生活再建として床をどのように利用するかということを考えるのが再開発なんですよ。そこのところをよく誤解されている人たちがいるんだけども、何も私は西地区の皆さんをここから追い出そうと思ってこの質問をしているわけじゃないんです。ここにいつまでも住んでいてもらいたい。それでまたこのまちに、新しい中野のまちに住みたいという人がここに来てほしい、そういった願いを込めてこの質問をしているわけだ。その点も誤解のないようにしてほしいわけですけども、この中野四丁目西地区のまちづくりには時間はかかるかもしれませんけども、着実に進めるべきだと思います。
区では今後どのようなスケジュール感を持って中野四丁目西地区のまちづくりを進めるか、改めて伺います。
○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 中野四丁目西地区のような既成市街地のまちづくりにつきましては、委員おっしゃるとおり、何よりも権利者の意向、あるいは合意形成の過程、これを大切にしなければならないというふうに考えております。中野駅周辺まちづくりの動向や、周辺地区の開発スケジュール等を見据えつつ、地域の機運醸成、まちづくりに対する意向を適切に捉えながら、駅周辺のほかの地区と同様に、着実にまちづくりを進めていきたいというふうに考えております。
○市川委員 ありがとうございました。それでは、次の項目に移ります。
地域包括ケアに生かす地域メディアと題して、質問を何点かさせていただきます。
いつまでも住みなれた地域で暮らすことができる社会を目指す地域包括ケアシステムの構築、これは中野区にとっても喫緊の課題であります。地域包括ケアシステムの中では、医療・介護の多職種連携ということと、住民の理解・参加ということがポイントとなっていることは皆さん御承知のとおりです。関係者間の連携を促進していく上で、また、住民の理解・参加ということでも、ともに情報ということがキーワードになると思います。そうした点で地域情報を共有できるメディアの活用ということが有効に働き、可能性を秘めているのではないかと思います。中野区には地域に密着したメディアとしてケーブルテレビがあります。高齢者も日常的に親しんでいます。このケーブルテレビを地域包括ケアシステムの推進に活用することはできないかという観点から、質問を何点かさせてもらいます。
まず、ケーブルテレビの回線網は中野区中に張りめぐらされていると理解していますけども、中野区でケーブルテレビ放送を展開しているジェイコムは区内全域で利用が可能と考えてよろしいか。また、区内全世帯のうち加入割合はどのぐらいか、お答えください。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) ジェイコム中野のケーブルテレビ放送につきましては、基本的に中野区内全域で利用可能というふうに聞いてございます。また、区内の加入割合につきましては、総世帯数約19万世帯のうち約15万世帯が加入しておりますので、全世帯の約80%の加入率となってございます。
○市川委員 大変なこれはネットワークですね。全世帯のうちの8割に接続しているわけですから、15万世帯に接続しているケーブルテレビ網を活用しない手はないんじゃないだろうかと僕は思うんですね。ジェイコムさんは、いわゆるテレビ映像の提供サービスのほかにインターネットに接続するサービスも提供しています。かつて私、質問で取り上げましたけども、大森の医師会が地域包括ケアシステムの構築ということを、セキュリティを担保した在宅医療情報共有システムといったかな、たしかそういった名称のシステムを構築して、在宅ケア情報を多職種、いわゆる医師会、歯科医師会、薬剤師会とか、そういったところで共有する仕組みをつくって、一人ひとりの患者さんにかかわる情報を素早くキャッチする仕組みを導入していると伺っています。専門職間でやりとりする情報については、当然に個人情報も含まれます。情報の安全性の確保が必要となってきますけども、ケーブルテレビであれば、中野区中に張りめぐらされた回線網を使って安全な情報共有を支援することができるのではないかと考えますけども、これの技術的にはどうなのか。それから、もう一つは中野区で在宅医療の推進のための医療・介護の多職種連携、これの情報共有を行うためにケーブルネット網を活用することはできないか。この2点、伺います。
○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 多職種連携について、情報共有のツールとしてケーブルテレビ網をということなんですけれども、現在、医療・介護の多職種の情報共有につきましては、どんな情報をどの範囲で共有するか、その目的や方法もさまざまでございまして、既に各方面で取り組まれているものもございます。秘匿性の高い個人情報を扱わない関係者間の情報共有につきましては、区内でも一部の医療機関を中心にインターネットを活用した試行が始まっています。ただ、医療機関や介護事業者は既にそれぞれに独自のシステムを使用されておりまして、新たにケーブルネット網を使用するということにつきましては、費用面でも難しいというふうに考えております。
○市川委員 それでは、デジタル放送の開始によって、各家庭とテレビ局の間で双方向のコミュニケーションが可能になっています。ケーブルテレビについても双方向のコミュニケーションを活用できると、これは考えてよろしいですね。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 各家庭で御利用になっているテレビをインターネットに接続することで、データ放送を活用した番組への参加など、双方向のコミュニケーションがケーブルテレビでも利用できるというふうに伺ってございます。
○市川委員 それはインタラクティブテレビというんだよね、たしかね。双方向のテレビ。こうした双方向性を生かした安否確認だとか、参加型番組の企画など行政と地域とで情報を共有することをうまく組み合わせることができれば、日常時から災害時までの安心なまちづくり、また介護予防にも活用できるんじゃないか、ケーブルテレビ網が活用できるんじゃないかと私は思うんだけども、いかがですか。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 見守り機能など、双方向性を生かすことによりまして応用できる範囲は広いものと認識してございます。システム開発が必要な部分、また、コスト的な課題もあると思いますが、他地域での取り組み例なども情報収集いたしまして、活用可能性について研究してみたいと考えてございます。
○市川委員 区内全世帯の約8割、15万世帯が加入しているケーブルテレビ網を地域包括ケアシステム充実のためのサービス基盤として活用しない手はないと思いますね。安否確認についても、これは一つのサービスとして、ジェイコムは中野区の中では行っていないけども、他区のケーブルテレビ会社のことを見ていますと、スイッチを入れると、ケーブルテレビ局、いわゆる基地局のほうにスイッチが入ったという情報が行くでしょう。そうすると、サービスの提供を受けている人は、そこからメールが親のところ、例えば子どもがテレビをつけたというと、そこからメールが親のところに流れるとかね。ひとり住まいの親を心配だからといって見守るのに、テレビをつけたというとメールが息子さんのところに流れるとかね。そういう見守り支援という形でケーブルテレビ網を使っているところもあるやに伺っています。また、そういうサービスを提供しているケーブルテレビ会社もあるやに伺っています。それで、これまでの地域の見守り・支えあいとか、地域包括ケアに関連した情報提供など、ケーブルテレビと連動、連携した動きはどのようなものがありましたか。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) ジェイコムでは、「中野町会めぐり」という番組を組みまして、各地の町会・自治会の活動紹介でありますとか、見守り・支えあいの活動の内容を紹介してございます。最近では、介護保険や介護予防の理解を広げるための広報番組も放映してございます。また、町会・自治会の加入促進に向けたパネル展でも協力を得ているところでございます。
○市川委員 ケーブルテレビのソフトの中に、地域包括ケアシステムというものが議会のレベルでも行政レベルでもまだ構築されていないけども、そのシステムそのものはこういうものなんですよと、将来の地域のケアというものが、これからのケアというのはこういう地域を中心にしたケアになっていくんですよということを紹介する番組をつくってもらうとかね。町会レベルもいいけども、そういうようなことも大事だと思うんだけども、今後のそういう支援をジェイコム側に求めていくのもいいと思うんだけども、それは放映してもらったら少しでも理解されるのかなと思います。
中野区では、地域包括ケアシステムを充実していくための仕組みの一つとして、昨年から地域ケア会議、これを開催していますけども、現在、地域ケア会議、これにケーブルテレビの運営事業者は参加していますか。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 現在の委員には、ケーブルテレビの運営事業者は含まれてございません。
○市川委員 それはそうでしょうね。だけど、今後そういった15万世帯につながっているケーブルテレビ網を活用するには、やはり何かの形でこれは使えるかもしれないというヒントが地域ケア会議の中で出てくるかもしれない。だから、ぜひケーブルテレビの事業者をケア会議の構成メンバーとして――何年に一遍だったかな。構成メンバーを選定するんでしょう。それから、可能性としてあるかどうか、お答えください。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 委員の任期は3年間としてございます。ケーブルテレビにつきましては、地域包括ケアを充実する上で積極的に検討してみたいと考えてございます。
○市川委員 うちのマンションはケーブルテレビが入っていないんですよ。みんな、えっと思うでしょう。あのタワーマンションで入っていない。入っていないんですよ。今、電線地中化して、共同溝で電気の線やケーブルテレビの線やみんな地下に入れているでしょう。そこから引いてくるのに、コストがよりかかるとかね。特にうちは中野通り沿道だから、裏路地じゃないから。いでい議員のところも環六の沿道だから、みんな電線が地中化されちゃったわけですよ。集合住宅対策というのは、これは当初から言われていたことなんで、実はうちのマンションの中にケーブルテレビの線を引きたいんだといって、たまたまこの間、ジェイコムさんを呼んだんです、うちの管理会社がね。局長が対応したんだけども、そのときに私、ふっと思ったんだけども、ああ、そうだ。このケーブルテレビをうまく活用すれば、きっと地域包括ケアシステムの中に何か生かせるものがあるんじゃないのかなということを思ったんです。それでこの質問をしました。
質問は終わりですが、最後に一言。この予算にしても決算にしても、総括質疑、この場に立てるのは、私たちが1年生議員の当時は立たせてもらえませんでした。自民党は非常に厳しくて、おまえら10年早いという世界でした。僕は1期目のちょうど4年目から決算特別委員会で初めてやらせてもらった。それから、その翌年の――当時は決算委員会が4定にあったんですよ。4定で決算をやっていた。でも、4定で審議をすると次年度予算に反映できないからって前倒しにして、今、3定でやっているんですよ。その当時、だから次の予特でやったのが高橋ちあき議員だよね。2人がやっとできたんですよ、1年生議員。何でかというと、その当時の総括質疑というのは、まず、入りが午後1時開会なんですよ。質問時間も制限ないんですよ。総括質疑というのは、少なくとも3時間、多くて5時間やる。それで、1日3人か4人だったよね。それで4日間の日程で、大体10名前後ですよ。だって、1時に開会して、1人4時間やってごらん。3倍したら12時間かかるんだよ。その間に中食休憩が入って、夕食は三河屋さんのおすしが来る。そうすると、終わるのが夜中の1時とか2時なんですよ。だから、そういう時代から見ると、私の後に質問する人の中には1年生議員が随分いますけど、あなたたちは幸せですね。だけども、そういうこともしっかりと踏まえて、この後の質問に臨んでいただきたいと思います。
きょう、私の質問は以上で、これで加藤たくま議員にきちんと時間を残せましたから、以上で質問は終わります。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で市川みのる委員の質疑を終了します。
次に、木村広一委員、質疑をどうぞ。
○木村委員 平成28年予算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。先ほど市川委員より貴重な機会だということでお話がありました。私も2期生ですけども、しっかりとこの機会を大事にしながら、また、きょうは2月29日ということで、うるう日ですね。4年に一回の貴重な日でございますので、しっかりとやらせていただきます。よろしくお願いいたします。
初めに、平成28年度予算についてお伺いいたします。
南部地区都市再生整備計画は、27年度当初予算では五つの事業が関連づけられています。南部すこやか福祉センター等整備、南中野区民活動センター等整備、(仮称)弥生町六丁目公園等用地取得、本一公園整備、(仮称)南台四丁目公園設計の5事業です。平成28年度では(仮称)弥生町六丁目公園整備に2億9,000万円余、(仮称)本町二丁目公園整備に1,700万円余、(仮称)南台四丁目公園整備に4,800万円余が予算案にあります。これらは社会資本整備総合交付金を活用するために関連づけられています。それぞれ別の事業のように見えますが、これだけの大規模な事業はかつてなかったと思います。まず、この五つの事業の財源構成の内容をお伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) 27年度の当初予算の財源構成の中でお答えいたします。少し長くなりますが、南部すこやか福祉センター等整備につきましては、事業費がおよそ20億円となっておりまして、国庫補助は6億1,600万余、特別区債が9億8,500万円余、繰入金が3億2,900万円余となっておりまして、一般財源は3万1,000円となっております。
次に、南中野区民活動センター等整備につきましてでございますが、事業費が3億1,000万円余となっておりまして、この財源構成としましては、国庫補助金が6,740万円余、特別区債が2億1,800万円余、繰入金が7,300万円となっておりまして、一般財源は41万7,000円となっているところでございます。
次に、弥生町六丁目の公園用地でございますが、道路用地も含めまして、事業費が36億8,230万円余、国庫補助金は10億1,300万円、東京都の補助金は6億5,200万円で、特別区債は19億5,000万円となっております。一般財源につきましては、30万円となっております。
続きまして、本町二丁目公園設計整備がございまして、こちらは事業費5,356万円余りとなっておりまして、国庫補助は2,140万円余、一般財源は3,213万円となっております。
最後に、南台四丁目公園の設計でございますが、事業費は500万円となっておりまして、国庫補助は199万4,000円余り、一般財源は299万1,000円となっているところでございます。
○木村委員 次に、この五つの事業に対して社会資本整備総合交付金を申請しましたが、その申請額と交付額についてお伺いいたします。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 五つの事業でございますが、約19.7億円の交付金を申請したところでございます。これに対します交付額といたしましては、約13.1億円となってございます。
○木村委員 申請した金額が全て来ていないということで、それを受けて今回、平成27年度の補正予算が行われたと思いますが、これまでこのように社会資本整備総合交付金が割り落としを受けたという事業はあったでしょうか。また、その際どのような財源措置を行ったのか、お伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) 予算額と交付額につきまして乖離があったことにつきましては、何件か例がございます。平成24年度予算におけます中野四季の森公園拡張用地の例で御説明を申し上げます。中野四季の森公園用地の拡張用地の取得につきましては、当初予算では、その当時0.6ヘクタールで、全て一括で取得する予定でございました。ところが、年度に入り、当初用地取得に対する交付金について、予算額に比較しますと、62%の減となるというような状況がございましたので、その額は歳入予算額に比べ11億5,000万円余り減額されるという内容でございました。このために、用地の取得方法について、当初の一括取得を改め、24年度と25年度の2カ年で約半分ずつに分割して取得することに変更しております。この工夫によりまして、両年度ともに対象事業の補助額について、ほぼ満額で交付金を獲得したものでございます。
○木村委員 割り落としを受けて、二度に分割して取得したということでございますけども、今回の27年度補正予算を見ると、財源を組み替えしていると思いますけれども、どのような内容だったでしょうか。伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 南部地区の都市再生整備計画に係る社会資本整備交付金につきましては、都市再生整備の事業計画において交付対象事業ごとに交付率が設定されていないために、事業ごとの充当割合は自治体の自由裁量とされているところでございます。この要件を効果的に活用するため、充当先を弥生町六丁目の公園用地から南部すこやか福祉センター、また、南中野区民活動センター等整備費に移したものでございます。具体的には平成27年度の交付金の内示額13億920万円の充当につきまして、弥生町六丁目の公園用地に4億4,400万円余、南部すこやか福祉センターに7億6,900万円余、南中野区民活動センターに8,000万円を充当したところでありまして、これにつきましては、先ほどもお話がございましたが、南部地区整備に係る国庫補助は当初の予算の歳入見込みの76%にとどまったために、整備費につきまして社会資本整備総合交付金を振り分け、用地は残りの補助額の対象となるものだけを買い取ることにいたしました。
○木村委員 今言った事業ごとに交付の率が、ある意味では自治体のほうにその割合というのが自由裁量されるというのがポイントかと思います。それぞれの個別の事業で申請しましたけども、社会資本整備総合交付金の割り落としによって交付が減少したので、ある意味ではより有利に、もしくは、より割合が高くなるように再度組み直したという認識、理解でよろしいでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 平成27年度の国費、交付金でございますけれども、これにつきましては割り落としを受けたというところでございまして、南部すこやか福祉センター等の施設整備費に重点的にこれを配分いたしまして、(仮称)弥生町六丁目公園用地取得に対する国費については減額補正を行ったというものでございます。用地取得につきましては、国費だけではなく都費――都市計画交付金でございますけども――や、都区財政調整制度の活用は可能ということでございます。そこで用地取得に対する国費を施設整備に充当し、区の財源負担を最小限に抑えるという方法をとったということでございます。
○木村委員 これは財源構成的には工夫されているものと思います。ただ、今回の南部地区都市再生整備計画は5年間という計画期間があります。ことしがだめなら来年、来年がだめなら再来年というふうになろうかと思いますけども、本来である28年度予算では、残っている事業の中で弥生町六丁目の用地取得は今回しなかったということです。当初の予定は、年度が終わってから取得するという予定だったと思いますけども、この平成28年度の予算で当初は予定されていなかった事業があります。ここまではいわゆる見える予算ですけども、本来計画されていない見えない予算について伺います。
28年度に弥生町六丁目用地取得だけで単発に申請してしまうと、28年度は施設整備など上物の整備がない状態で再度社会資本整備総合交付金の割り落としが仮にあれば、それを受けなくてはいけません。そうすると、財源措置的には非常に苦しくなるので、今回はあえて用地取得を延期しました。だから28年度予算では盛り込まれておりません。これは計画どおりに用地取得をしなかったというよりも、財源のリスクを考えて、あえて実施しなかったということでよろしいでしょうか。お伺いいたします。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 平成27年度国費でございますけれども、割り落としを受けたということでございまして、28年度以降の国費につきましても、同様に割り落としを受けるという可能性がございます。このことから、(仮称)弥生町六丁目公園用地の取得時期を当初の平成27年、28年度から平成28年、29年、30年度までに変更いたしまして、用地取得に対する国費を平成29年、30年で行う公園整備に充当できるようにということで、財源リスクの回避を図るということで計画したものでございます。
○木村委員 今言ったのは、いわゆる見えない予算だと思いますけども、リスクを避けるための取り組みかと思います。ただ、懸念もございます。仮に5年間の計画が終わってしまうと、組み合わす事業が当然なくなってきます。施設整備など上物がない場合は、後ろ倒し、後ろ倒しで今までやってきましたけども、最後は用地取得せざるを得ないということになります。最後の年に仮に社会資本整備総合交付金の割り落としがあった場合はどういうふうになるんでしょうか。そういった場合は一般財源を使うということになるんでしょうか。伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 委員御指摘のとおりのところでございまして、用地取得費につきましては、国費だけでなく都費、先ほど申しました都市計画交付金や都区財政調整制度の活用可能ということでございますので、整備費に対する国費が割り落とされた場合には、用地取得費に対する国費を整備費のほうに充当するということで、区の財源負担を最小限に抑えていきたいという運営をしていきたいというふうに考えております。
○木村委員 今、財調で、算定で見てもらうという話もありました。ただ、財調も景気の動向などによって、いつまでも満額が交付されるかどうかというのは懸念もあります。財調算定に頼ることも限度があると思いますけども、そういった意味では、最終的には一般財源にも負担がかかる可能性があるということでございます。先ほど御紹介があった過去の割り落としでは、今回の事業は比較にならないぐらい大きい。これまでは財調に頼らず、また社会資本整備総合交付金を最大限に活用するように進めてまいりましたけども、今回の事例を見ても、社会資本整備総合交付金が必ずしも満額交付されるということではなくなってきたかと思います。今回のような大がかりな割り落としを見ると、満額交付という想定が必ずしもできないという兆しが見え始めてきたのではないでしょうか。さらに、幾ら財調があるといっても、これも必ずしも満額交付されるとは限らない。そういった意味では、今後やらなくてはいけない大型事業というのはたくさんあると思いますけども、計画を、より、ある意味では担保が、保証がつくように、また、社会資本整備総合交付金があるからとか、財調があるからというふうに必ずしも言えなくなってきているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 今後も大型事業が進みまして、大型事業への財源が必要となると思います。社会資本整備総合交付金をはじめとしまして、これからも国庫補助金や都の補助金、また財政調整交付金などを積極的に活用する考えでございますが、経済状況や補助制度の変更などの状況の際にも、区の財政への影響を極力抑えるような工夫につきましては、今後も行ってまいりたいと思っております。
○木村委員 今後しっかりと行っていくということで、今申請している事業とか、また、新規事業も当然出てくると思いますけども、今後は今回のようなスキームを活用していくのか、しっかり精査して工夫をしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 大規模公園等の整備においては、これまでも国費の内示状況を見ながら、取得時期の変更や用地費と整備費に対する国費の配分調整を行いまして、区の財政負担を最小限に抑えるという方策を講じてまいりました。今後も特定財源の確保に当たりましては、補助制度の調査研究を行いまして、最も有効な手法を選択いたしまして、財政負担への影響を極力抑えるという形で進めていきたいというふうに考えております。
○木村委員 今回のようなスキームというのは非常に使い勝手がいいんですけども、反面、事業の精細さを欠く可能性もございます。そういった意味では、申請の段階からしっかりと事業計画をきちんと持っていかなくてはいけないと思います。いずれにしても、今後の計画は従来の考え方だけではなく、柔軟に的確な財源確保のスキームをつくっていただけるように、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
次に、2番目として、まち・ひと・しごと創生総合戦略についてお伺いいたします。
区が策定しましたまち・ひと・しごと創生総合戦略(案)は、人口減少の克服と地方創生をあわせて行うことによって、将来にわたる活力ある日本社会を維持することを目的とするまち・ひと・しごと創生法に基づいています。計画期間は平成27年度から平成32年度までの6年間で、総合戦略の策定に当たっては、区における人口動向の分析等に基づく人口の将来展望を踏まえるものとしています。区では総合戦略(案)の第2章に人口の動向分析、将来展望として、人口分析を踏まえ、目指すべき数値として合計特殊出生率と将来の少子化、人口減少をできる限り食いとめていく区の目指すべき将来推計を示しました。将来的な施策を描くに当たっては、こういった推計というのは特に重要と考えますし、また少子高齢化が本格的に進んでいく現在にこの将来推計を示し、将来を見通すということは大きな意味合いを持っていると思います。
まず、区が示す将来推計について伺います。
将来推計では、2060年に31万5,507人と、2015年と同じ人口規模を維持するとしています。しかし、仮に人口減少を食いとめたとしても、大事なのはその人口構成であります。生産年齢人口は2015年の22万4,800人から2060年の18万6,245人と、3万8,555人、17.2%の減少。65歳以上の老年人口は2015年の6万6,256人から2060年の9万1,084人と、2万4,828人、37.5%の増加。年少人口は2015年の2万7,474人から2060年の3万8,178人と、1万704人の38.9%増加としています。生産年齢人口の減少、そして老年人口、年少人口の増加ということになりますけども、まず、この人口構成の変化が区の財政にどのように影響するかをお伺いします。大まかな試算になると思いますけども、2040年、2060年の段階で生産年齢人口の影響として区民税、老年人口・年少として扶助費、繰出金の試算をお伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) まず、生産年齢人口の区民税への影響でございますが、中野区まち・ひと・しごと創生総合戦略における区が目指す将来推計を用いまして、2015年7月1日現在の課税状況における生産年齢人口を1人当たりの区民税の所得割額をもとに単純計算をいたしますと、生産年齢人口は2040年に向かい、また2060年に向かい減少していきますので、2040年の時点で25億円の減、2060年の時点で41億円の減となると推計してございます。また、扶助費、繰出金への影響でございますが、年少・老年人口の一般財源ベースで見ました推計でございます。2016年の予算の一般財源ベースの扶助費と繰出金を合計して推計いたしますと、年少人口、老年人口は増加してまいりますので、単純計算で2040年の時点で65億円の増、2060年の時点で96億円の増となるというふうに見込んでおります。
○木村委員 2060年には区民税は41億円の減少と、扶助費、繰出金は96億円の増加ということですけども、割合にすると2016年の区民税は240億円なので、大体2割弱減少すると。扶助費、繰出金は約250億円ですので、2060年には約4割弱増加するということになります。歳入からすると、交付金も生産年齢人口の減少で同じような割合で減少する可能性もございますし、歳出も物件費にも影響がある可能性があります。財政的な推計を見ると、区が目指す将来推計を仮に達成したとしても、この人口構成の変化は財政的に大きな圧迫を与えるということがわかります。国の将来推計からすると、団塊世代が75から90歳になる2025年から2040年に超高齢社会のピークを迎えて、その後、高齢者人口が減少するとされています。そこから予算配分で考えますと、例えば、ピークを迎える2025年までに貯蓄をして、それでも不足している場合は、ピークを過ぎた2040年以降から財源を前倒ししてピークを乗り越えるという発想というか、対応も考えられます。基本推計もしくは将来推計で中野区での超高齢社会のピークというのはどのように考えるのでしょうか。お伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) 将来推計で見ますと、生産年齢人口は2020年をピークとしまして2060年にかけて減少していくために、単純に考えた場合、先ほども申しましたが、特別区民税、税収入も比例して減少していくというふうに推測しております。一方で、老年人口は2050年に向けて緩やかに増加しまして、2060年にかけて横ばいで推移するため、単純に考えました場合、扶助費や繰出金が比例して増加していくということは推測できます。先ほどお示しした試算につきましても、年少人口含めて試算はしておりますが、2040年の歳入歳出の乖離はおよそ90億円、2060年ではおよそ137億円となりまして、推計期間中の歳入歳出のピークは2050年代から2060年代になるというふうに考えております。
○木村委員 今、御答弁もありました。また、表を見てもわかるんですけども、2060年というのは、中野区の場合は老年人口ってまだ横ばいというか、それからどういうふうに落ちるかというのはまだ見えないという状況で、これから中野区がいつまで高齢化社会というのが続くというのがある意味ではまだわからない。2060年までの推計だとわからないというふうにも見えます。都市部ではどのようなピークを迎えるか。全国のピークの迎え方とはやはり違うということで、これをしっかりと見通すことも大変に重要かと思います。
いずれにしても、2025年からの超高齢社会を迎えるに当たり、基金の考え方を見直す必要があると考えます。それまでは財政基準を上回った分を基金に回すという方針でありましたけども、今後は超高齢社会に備えて基金を創設する必要があるかもしれません。財調があるので切り崩して対応するというのではなくて、あらかじめ必要と思われる財源を事前に確保していく考えが必要と思います。人口による将来推計を出したのであれば、ある程度の将来的な歳出歳入は見込めると思いますので、例えば現在のサービスを維持するという前提に立たなくてはいけないと考えております。現在、公共施設の維持管理に関する計画が検討されていると思いますけども、施設だけではなく、区の財政運営全体においても、ある意味のサービスの維持管理というのを考える必要があるかと思います。あらかじめ、危機が来るという予測が立つのであれば、その準備をしていくべきではないでしょうか。将来を見通した財源の確保、基金の積み上げ方などを検討してみてはいかがでしょうか。伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 将来に向けての基金の積み上げということでございますが、とりあえず10か年計画の第3次の改定素案につきましては、国の経済成長率等を用いまして大まかに見通しをいたしまして、財政フレームを作成したところでございまして、基金の推計も出しているところでございます。今後、中野区まち・ひと・しごと総合戦略や10か年計画の推進によりまして、まちの活性化などを通じて、地域の活力の創造による税収増や新たな財源の確保などによる増収を図ることによりまして、新たな財源を確保していくことも重要と考えております。その上で、基準となる一般財源規模の考え方をもとに、将来を見据えて基金の積み立てと繰り入れを考えていきたいというふうに思います。
○木村委員 増収の努力というのは当然必要でありますけども、東京オリンピック以降というのは全国的にも人口が減少しますし、当然、人口も経済のパイも縮小してまいります。将来的に区民サービスを大幅に削ることなく、この人口減少社会を乗り切るためには、今言ったように将来の見通しとあるべき姿を明確に見越して、早期の対策、工夫が必要と思います。そのためには基金のあり方や基準となる一般財源規模の考え方を見直すことも当然考えられます。長期的な視野での財源の積み立て方をしっかりと検討すべきと考えますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
次に、合計特殊出生率について伺います。
施政方針では、検討中の10か年計画や中野区まち・ひと・しごと創生総合戦略では、それをさらに一歩進めて具体的な出生率の目標を立て、「育てやすい」から「産みたくなる」への取り組みの強化を図るとして、合計特殊出生率向上への取り組みを強化するとしています。総合戦略では、2014年の合計特殊出生率の実績である0.99を毎年、前年比2%ずつ上昇させて、2030年には1.38、2040年には1.65を目指すとしています。この5年間で合計特殊出生率というのは全国で0.03、東京都は0.07、23区は0.07、中野区は0.1ということで比率が上昇しております。この5年間で中野区の出生率が伸びた原因、特に中野区は区部平均よりも伸びていますが、その原因をどのように分析されているでしょうか。伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 出生率でございますが、年齢別に見ますと、30歳代前半から40歳代が高くなっているというところでございます。こうした傾向が上昇の要因の一つというふうに考えてございます。また、まちづくりや子育て支援の充実などが図られてきたということでございまして、子どもを産む世帯の増加に一定の影響を及ぼしているというふうに考えているところでございます。
○木村委員 今聞いている感じだと、2%の上昇傾向という原因が、数値的なデータに基づいたわけではなくて、多分、区の見通しというか、そういうのも含めての話かと思いますけども、ある意味での合計特殊出生率の根拠としては非常に弱いのではないかというふうに思っております。今後、その上昇傾向を今の分析の中でしっかりと続けられるのかどうかというのが疑問に思いますけども、いかがでしょうか。伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 直近5年間の合計特殊出生率の年平均の伸び率をおよそ2%程度で推移しているというところでございます。子育て支援の充実やファミリー世帯向けの住宅の誘導ですとか、ワークライフバランスの推進といったことによりまして、子どもを産む世帯の定着を図りまして、これまでの上昇傾向を継続させていくということを目標にした推計を行ったというところでございます。
○木村委員 今言ったのは、多分総合戦略の中で取り組みとか数値を出しているかと思いますけども、本来はそこを少しじっくり伺いたいんですが、ちょっと時間がないので、また別な機会に検証したいと思います。中野区の合計特殊出生率というのは、2014年の0.99というのは、新宿の0.97に続いて23区の中で最下位グループ。少なくとも過去20年以上というのはずっと中野区というのは最下位グループにあって、これはある意味では構造的な問題であると思います。東京23区の中で一番低いということは、全国で一番低いというふうにも言えますけども、その原因としては、晩婚化、晩産化が叫ばれておりますけども、これは都市部の共通の特徴であると思いますけども。仮に23区の比較の中で、例えば、これから中野区が23区の平均を目指すということをした場合、その障害となる原因をちょっと探ってみたいと思いますけども、仮に23区で比較した場合、中野区の女性の平均の初婚年齢、初産の平均年齢、未婚率、合計特殊出生率の出生順位の、例えば第1子、第2子、第3子ですね。その23区の平均と中野区の数値と中野区の順位を教えていただければと思います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 女性の平均初婚年齢でございますが、23区平均と中野区の値は同様でございまして、30.5歳、23区中でございますが、中野区は12位ということでございます。初産の平均年齢でございますが、23区平均が32.4歳、これに対しまして中野区でございますけど、32.3歳で、23区中9位ということでございます。女性の未婚率でございますが、25歳から39歳までを出しますと、23区の平均が49.6%ということでございますが、中野区につきましては58%ということでございまして、23区中21位という結果でございます。
出生順位別の合計特殊出生率でございますけれども、第1子につきましては、23区平均が0.62ということでございますけれども、中野区の場合は0.54ということで、23区中18位ということでございます。第2子につきましては、23区の平均が0.35ということでございますが、中野区については0.25ということでございまして、第3子につきましては、23区平均が0.1に対しまして、中野区は0.06ということでございます。いずれもでございますが、23区中最下位ということになってございます。
○木村委員 今、御答弁がありましたとおり、平均の初婚年齢というのは23区平均、また、初産の平均年齢というのはむしろ平均より高いということであれば、23区の中で比較すれば、いわゆる晩産・晩婚化というのは、中野区の合計特殊出生率が低いという要因にはなっていないということになりますけども、残りの二つ、未婚率が21位という話でしたし、出生順位の、第1子はいいとしても、第2子、第3子が最下位というお話でございましたので、未婚率と第2子、第3子の出生が中野区の合計特殊出生率を下げている要因になるというふうに言えます。それでは、中野区の未婚率や第2子、第3子の出生率が低い原因をどのように分析されているでしょうか。伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 中野区の場合でございますが、25歳から39歳の未婚率が高いということについて、平成22年の国勢調査によりますと、初婚年齢に達しない25歳から29歳の割合でございますが、23区平均が30.4%であることに対しまして、中野区につきましては35.3%と、比較的高いということでございます。このようなことも影響しているというふうに考えてございます。また、第2子以降の出生率が低い原因に関して明確なデータはございませんけれども、住宅状況等が影響しているものではないかなというふうに捉えているところでございます。
○木村委員 今、未婚率と出生別の原因というのをちょっと伺いましたけども、やはりまだ、ある意味では数値のデータに基づいた分析というのはされていないということと思います。今後、財源がいろいろ厳しくなってくる中で、よく言われる、民間でターゲット戦略というのがございますけども、今後大変に重要となってくると思います。原因をしっかり明確にして、その対策を効果的に、また資源というのを集中して投入していくということを検討していかなくてはいけないと思います。そういった意味では、今言った未婚率とか第2子、第3子というのをどういうふうに取り組んでいくかというのを今後しっかりと目指していただければと思います。今回は出生率だけ取り上げましたけども、社会増減というのもターゲット戦略では大変重要な要素になってまいりますので、今後それはいずれ機会をまたつくって伺っていきたいと思いますけども、施策の中でそういったターゲット戦略というのをしっかり取り組んでいただければと思います。
今回、総合戦略とか人口ビジョンを作成するに当たりまして、当初は、まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定にかかわる調査分析に使う委託料として、企画費で557万余の予算が計上されておりますけども、調査は都市観光・地域活性化で行われたと伺いました。その理由はなぜでしょうか。伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 総合戦略の策定につきましては、当初、個別計画として整備することとしておりましたけれども、超高齢化社会や少子化を見据えた施策の展開という点で、10か年計画と内容が重複するというところから、10か年計画の策定の中で内容を兼ねるものとして扱うことといたしまして検討を進めたという経緯でございます。そのため、総合戦略策定の前提に係る調査実施をいたしませんで、必要なデータ等につきましては、10か年計画の検討とあわせて既存の各種調査等から実態的に集中して分析を行ってまいりました。なお、総合戦略の基本目標の一つに掲げてございます都市観光の推進につきましては、区の状況を把握・分析するデータが少ないということもございまして、総合戦略の策定に当たって個別の調査を実施したというところでございます。
○木村委員 そういった都市観光・地域活性化の調査も必要と思いますけども、今さまざま指摘させていただいておるとおり、人口ビジョンとか、そういった将来推計にかかわっても、例えばほかの区、自治体とかは当然その調査もコンサルとかもやっていたりとか、そういうこともやったので、そういうところにも充実したほうがよかったのではないかというふうにも思います。
改めて伺いますけども、今回の合計特殊出生率の根拠というのはあまり調査されていないような印象もありますけども、今回の目標というのは、区としての希望的な観測ではなくて、必ず達成すると、そういう目標として取り組んでいるというふうに思ってよろしいでしょうか。お伺いいたします。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 10か年計画や中野区まち・ひと・しごと創生総合戦略では、具体的な出生率の目標を立てまして、「育てやすい」から「産みたくなる」への取り組みの強化を図るということとしているわけでございます。妊娠・出産・育児と切れ目のない子育て支援、あるいは多様で質の高い幼児教育や保育の提供、学校教育では、グローバル社会への進展を踏まえた確かな学力の育成やコミュニケーション能力の向上ですとか、また、ファミリー世帯が安心して住みやすい住宅の誘導ですとか、ワークライフバランスの推進など、子どもを産み育てる人の希望がかなう環境づくりを多角的に進めていくということで、真正面から出生率の向上に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○木村委員 今おっしゃったのは、大体総合戦略の中に書かれている内容かと思います。その総合戦略というのを具体的に外部評価委員会で検証するということになっていると思いますけども、これはどのように実施されるのでしょうか。伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 総合戦略の検証につきましてですが、行政評価の外部評価も活用いたしまして、毎年のPDCAサイクルの中でしっかりと検証を行っていきたいというふうに考えております。
○木村委員 じゃあ、毎年検証が行われるということであれば、それもまた議会のほうに報告していただければと思っております。いずれにしても、合計特殊出生率だけで少子化が解消するというわけではありませんが、区が明確に掲げた数字でございますので、この中身というのは今後またしっかりと伺うようにしていきたいと思います。その施策についてしっかりと取り組んでいただければと思います。ありがとうございました。
次に、ふるさと納税についてお伺いいたします。これは国が総合戦略で推進しておりますので、この項で扱わせていただきます。本会議、また総括質疑で何度か取り上げられておりますので、別な角度でお伺いをさせていただきます。ふるさと納税の制度とか、来年度の見込みというのは詳細に質疑がございましたので、説明は省かせていただきます。
27年の4月、昨年の4月からスタートしましたふるさと納税のワンストップ特例制度を適用した場合、本来、国のほうで控除されるべき所得税の控除額が区民税のほうでも控除されることになっております。貴重な区税の収入がそういった中でも流出されているということであれば、その対策をどのように考えているのでしょうか。お伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) 委員も今御指摘されましたが、確定申告をする人の場合は所得税からふるさと納税の税額が控除されることとなりますが、ワンストップ特例制度を適用する場合、申告先の自治体の住民税から控除されることになっているところでございます。ワンストップ特例制度によりまして、地方自治体の財源が減少することについては今後の課題というふうに認識しておりまして、また、特別区としては国が進める税源偏在の是正の動きに対して、さまざまな場面で議論を行っているところでございます。区議会、特別区の考えを今後とも訴えていきたいというふうに考えております。
また、ワンストップ特例制度によりまして、今後、各自治体の返礼品事業の創設等で他の自治体に寄附を行うことは自由というふうに考えております。その結果、区の基幹財源であります特別区民税の税収にさらに大きな影響を及ぼすと予想されますので、区にとっても今後の対策に向けて有効な仕組みを考えてまいりたいというふうに考えております。
○木村委員 所得税のお話をさせていただきました。これは今お話があったとおり、しっかりと国のほうにもその是正というのを呼びかけていくということで、所得税というのは、来年想定されている3億円の中に含まれているということになりますので、それが少しでも減少するように、それが是正されるように、ぜひしっかりと取り組んでいただければと思います。
次に、寄附のケースによっての歳入というのを、影響額というのをお伺いいたします。ふるさと納税を行うケースとしては、大体三つ考えられまして、中野区民が他の自治体に寄附する場合と、中野区民が中野区に寄附する場合、また、ほかの自治体が中野区へ寄附する場合の三つがあると思いますけども、区の歳入として、この三つのケースの場合どういった影響額があるのか、お伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) 今、三つのパターンということでございますが、前提としまして、ふるさと納税に係る事務費や返礼品、また財政調整制度などの影響額を除きました推計した数字を申し上げます。仮に1万人の方が1人1万円ずつ寄附をしたケースを考えた場合、このうち2,000円分を超えた金額が地方税などから減額される制度であるために、1人8,000円をもとに推計を行います。1万人の中野区民が他の自治体へ寄附をした場合、区民税分の6割分が影響額となるために、8,000万円の6割分、4,800万円の減収となります。
次に、1万人の中野区民が中野区に寄附をした場合でございます。寄附収入1億円に対しまして、区税収入は先ほど申しました4,800万円減額となるために、結果としては5,200万円の増収となるというふうに推計ができるかと考えております。
最後に、ほかの自治体から1万人、中野区へ寄附があった場合は、1億円の増収となるというふうに考えております。
○木村委員 1番目と2番目は、いずれにしても財調の影響を受けるということかと思いますけれども、それを除いて、そういった効果があるということです。当然、今おっしゃったように全国から寄附を受けると、もう100%、ほかの自治体から受けると100%になって、それが最も効果的かと思いますけども、今言ったように、中野区民からの寄附というのも財政効果も比較的大きいということと、また、ほかの自治体に中野区民が寄附することを、ある意味ではとどまらせるという効果もあるかと思います。区民の皆様が寄附しやすい事業というのもやはり検討していかなくてはいけないと思いますし、例えば中野区のそういった事業の中に、施設に寄附された方の名前を刻むとか、逸品グランプリを品目にするかとか、つまり、中野区に住んでいるからこそインセンティブを感じるような、そういった内容をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。お伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) 現在、中野にふさわしい寄附のあり方について検討しているところでございます。区独自の目的に沿いました寄附など、具体的な内容については今後考えてまいりたいというふうに思っております。
○木村委員 その目的型のふるさと納税というのは、最近はほかの自治体を見てみると、例えば地域の伝統的な祭事、祭りのほうにそれを対象にするという自治体もふえてきております。例えば、中野区では東北復興大祭典というのもございます。復興に取り組む中野区の(「獅子舞もある」と呼ぶ者あり)象徴的なイベントでもありますし、まあ、獅子舞もございますけども。寄附者には共通買い物券を渡したり、ねぶたの観客席とか、跳人になってもらうなど、さまざまお礼の企画も検討しやすいという意味では、中野区や大祭典のアピール効果も期待できると思いますので、そういうのもぜひさまざまな角度で検討していただければと思います。いずれにしても、区のアピールとか観光推進にもなる目的型のふるさと納税、また、クラウドファンディングという手法もございますけども、そういった税外収入の確保の担当部署というのを、税務分野とか予算分野とかじゃなくてしっかり明らかにしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。その場合、ある意味ではほかの部署との連携というのが非常に今回は重要になってまいりますので、それがしやすい政策室とか都市政策推進室とか、そういった部署が担当してみてはいかがでしょうか。お伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) ふるさと納税につきましては、さまざまな部署が連携する中でふるさと納税を実施するということが重要であるというふうに考えております。具体的な内容につきましては、今後、検討の報告の中でお示ししていきたいというふうに考えております。
○木村委員 ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
ちょっと中途半端になるかもしれませんね。次に、三つ目の項目として、地域包括ケアシステムについてお伺いいたします。
先月、地域包括ケアシステムの充実に向けた取り組みと介護予防・生活支援事業の拡大スケジュールについてが各委員会で報告されました。区では28年4月に介護予防・生活支援サービス等の推進体制を整備して、新しい介護予防・生活支援総合事業を1年延期して、平成29年4月から実施するとしています。拙速な進め方をしないためということですけども、準備不足はないとは思っていますが、延期したこの1年が本当に大事であるかと思います。特にこの1年は住民主体の活動の充実を図るとしております。そこで、初めに平成28年度の取り組みの中で、住民主体の活動を支える三つの新規事業の内容をお伺いいたします。
まず一つ目として、体制整備の新規事業でございます生活支援コーディネーターについてお伺いいたします。地域資源の開発、育成、結びつけを行うことを目的としています生活支援コーディネーターを配置することになっていますけども、この生活支援コーディネーターというのは、誰をどのように配置するのか、また、この1年間で具体的に何をするのか、お伺いいたします。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 生活支援コーディネーターにつきましては、主にすこやか福祉センターに配置することを想定しております。28年度におきましては、生活圏域ごとに住民主体の運営による継続的、安定的な活動を立ち上げることを目標といたしまして、生活支援の担い手の養成、ネットワーク化などに取り組むことを予定してございます。人材につきましては、保健師など専門職の活用を含めて配置を検討しているところでございます。
○木村委員 ちょっと確認です。保健師ということですので、ある意味では区の職員がそれを担うということでよろしいですか。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区の職員が担うことを想定してございます。
○木村委員 職員を配置するということですけども、この生活支援コーディネーターというのは国のほうで設置してくださいということだったのですけども、ある意味では、どういう人選をするかというのは自治体のほうでの方向性があらわれるというふうに思います。長年こういった住民主体活動を全国で推進してきたさわやか福祉財団の堀田会長が講演の中で、こういった生活支援コーディネーターにふさわしいのは、家事をやっているか、また、町会を助けているか、そういったことが大きな目安となっていると言っていました。つまり生活感や地域感、町会の中でしっかり頑張っていると、そういった人じゃないとこれはできないというふうにも言っていました。これはぜひ参考にしていただければと思うんですけども、区で人選する生活支援コーディネーターというのは、どのような特性やどのようなスキルを持っていることを基準としていくつもりでしょうか。お伺いいたします。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 生活支援コーディネーターに求められる資質ということでございますが、まず、広く地域に関する情報を持ちまして、地域で活動を行う人や団体との信頼関係に基づき、相手の立場に立って、その主体性、自発性の部分にも留意しながら、相互に協力して調整を行うことの人材が求められるものというふうに考えてございます。また、生活支援コーディネーターの機能、役割を鑑みますと、高齢者以外を対象とする活動の推進でありますとか、地域づくりの観点から地域住民全体に共通する地域課題の対応など、枠組みを広げた取り組みをしていくことが求められますので、そうした幅広い視野が求められるというふうに考えてございます。
○木村委員 最後の質問になると思うんですけども、そういった住民主体の生活支援サービスで、地域をつくっていくためには、やはり今言ったような特性を持ちながら、職員が地域と長時間、長い時間にわたる、長期間にわたることが、かかわることが必要であると思っております。地域包括ケアシステムは、ほかの例えば充実した地域を見ていても、そのキーパーソンというのをどういうふうにつくっていくか。キーパーソンができれば、その半分で、ある意味では目的が達成すると言えるぐらいの、過言ではないというふうに思っております。特に、今は地域包括ケアシステムを立ち上げる大事な時期でもございますので、こういう生活支援コーディネーターとか、また、地域支えあいの分野の職員というのは、人事異動とか期間などというのは、ある意味で地域を優先して、やはり長期間しっかりかかわれるように考えていくべきではないでしょうか。お伺いいたします。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 地域包括ケアシステムにつきましては、地域や関係機関との連絡調整が必須でございまして、互いの信頼関係があってこそ発展させていくことのできるものだと考えてございます。職員の育成、配置についてもそのことに留意してまいりたいと考えてございます。
○木村委員 しっかりと地域とかかわれる人材を人選して取り組んでいただければと思います。
○若林委員長 木村広一委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。午後1時まで委員会を休憩します。
午前11時58分休憩
午後1時00分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。木村広一委員、質疑をどうぞ。
○木村委員 午前中に引き続き、地域包括ケアシステムについて伺います。
平成28年度の体制の整備の二つ目の新規事業でございます生涯学習大学との連携についてお伺いいたします。
生活支援や介護予防の担い手に対する研修、人材育成として生涯学習大学との連携に取り組むとし、地域活動の促進、生活支援サービスの実務講座などが行われることになっています。しかし、さまざまな研修を受けても、それを実施する活躍の場につなげていかなくてはいけません。研修後の活動はどのように考えているのでしょうか。お伺いいたします。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 研修では、活動リーダーの育成を目的としたカリキュラムを想定しておりますが、講座修了後に生活支援コーディネーターが継続した支援を行うことによりまして、拡大可能性のある活動団体とのマッチングや、新たな活動の立ち上げなどに結びつけていきたいと考えてございます。
○木村委員 そういった意味では、先ほどの生活支援コーディネーターの役割というのは大変に大きいですし、この1年間が大変に、そういった場所をつくっていけるかが重要であると思っておりますので、しっかり区としても心していただければと思います。その活動をしやすくするために、研修を受けた人は、例えば何とかサポーターとして認定して、地域に名前を浸透させ、グルーピングすることによりましてフォローアップの研修をするなど、活動支援をしてみてはいかがでしょうか。お伺いいたします。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 受講者が自立的に活動を発展していけますよう、受講後も事務処理、会計処理等、組織運営の資質向上や事業の企画運営能力を高めるためのフォロー講座などを実施していきたいと考えてございます。また、提案のございました人材登録制度など、受講後により有効な活用策につきましても、今後研究してまいりたいと思います。
○木村委員 活動しやすいようにぜひよろしくお願いいたします。
最後に、体制の整備の三つ目の新規事業でございます住民主体活動の立ち上げ支援についてお伺いいたします。これは要支援者担当などを想定した通いの場所や訪問活動に先駆的に取り組む住民主体活動に対して、運営費などを補助するものです。区の想定では、月4回以上の活動を4団体、週2回、月10回以上の活動を2団体の立ち上げを目指すとして、年間419万円余の予算が組まれております。モデル事業の目的もあるかと思いますけども、29年度以降の事業の継続性も必要でございます。こういった継続的な予算措置が必要とされますが、これらの事業の設置基準というのはどのように考えているんでしょうか。お伺いいたします。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 立ち上げ支援につきましては、地域資源の充実のために継続していくことが必要だと考えてございます。28年度の成果を検証いたしまして、29年度以降の支援策を検討してまいりたいと考えてございます。事業の設置基準ということにつきましては、補助の要件の中で一定の条件を盛り込んでいくこととなります。補助の対象となる事業の範囲や経費など詳細につきましては、現在、詰めの検討を行っているところでございます。
○木村委員 29年度以降も当然、今回採用される6団体が継続的に活動するかと思いますので、そういったところもしっかり見通しながら基準をつくっていただければと思います。
一方で、これらの事業の地域の情報提供の支援も必要です。先ほど市川委員から、メディアを活用した情報提供という質疑がありましたけども、ちょっと別な角度でお伺いいたします。住民主体の事業、また、今後拡大を担っていくサロンや集いの場所の情報、また、区民活動や地域包括支援センターの掌握している既存の地域情報など、それぞれが情報提供を行っています。そういった中で、最近は高齢者がスマートフォンや、もしくは自宅でのインターネットなど、ネットで情報を収集することもふえてきております。そこで、これらの地域の情報を区で一元化できるよう、例えば、開催者が自由に入力できる生涯学習担当が運営しています「まなVIVA(びば)ネット」で、高齢者用の情報を見やすくするように工夫するなど、ウェブ上での地域情報の一元化、情報発信ができる体制を検討してみてはいかがでしょうか。伺います。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) サービス等を利用されたい方、地域で活動したい方など、さまざまなニーズを持つ人が必要な情報を一度に得られますよう、インターネットを活用した地域包括ケアに係る地域情報の一元化について、今後検討してまいりたいと思います。また、地域の活動団体等が情報発信しやすい環境づくりにつきましても研究してまいりたいと思います。
○木村委員 地域情報の一元化は非常に大事でございますので、それもまたアプリとかも使ってのデータベースになりますので、ぜひしっかりと取り組んでいただければと思います。
平成28年度から実施する住民主体の活動を支援する三つの新規事業について伺いました。住民主体の事業というのは一朝一夕でできるものではなく、これから何年もかけて立ち上げていくものと思います。この住民主体の事業に対し、中野区の地域性が生かされるような取り組み、また、今後その地域性に期待されるものをどのように考えているのか、お伺いいたします。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 中野区におきましては、町会・自治会を中心とした見守り・支えあいの活動、中野区医師会による認知症アドバイザー医の取り組み、摂食・えん下機能に着目した医療・介護の連携など、公民の協力のもと、支援を必要とする人に対する先駆的な取り組みが進められてまいりました。これらの取り組みにつきましては、区民、関係機関の自発的な動きによるものでありまして、そうした活動がつくり出されてくる素地のあることが中野区の強みだと捉えてございます。この素地を生かしまして、支える側と支えられる側の境目のない全員参加型の活動が発展していくよう期待してございます。区は必要なきっかけづくりや環境整備、適宜のマッチングなど、しっかりとかかわっていきたいと考えてございます。
○木村委員 そういった地域性を積極的に生かして、中野区らしい住民主体の活動が広がりますよう、区の事業もしっかりと連携していただけるよう要望しておきます。
次に、これらの事業を支える根幹となるところをこの項の本題としてお伺いいたします。
先日の少子高齢化対策調査特別委員会での学習会で講演をいただきました和光市の地域包括ケアシステムを参考に伺います。和光市には、中野区が見習うべき価値はたくさんありました。和光市の特徴は、機能回復できる方には本人の意識を変えて目標を設定し、職員や事業者など関係者がその改善に向けた一貫した方針を持って、介護だけではなく、住まいや食事も含んだ徹底した切れ目のないサービスを提供するところにあると思います。言葉で言うのは簡単ですが、その実施に対しては長い時間をかけて結果を出しながら積み上げてきたものです。この和光市地域包括ケアシステムは、結果として高齢化による財政の圧迫への対策にもなりましたが、何よりも介護を受ける本人も家族も、そして自治体も喜ぶケアシステムとなっており、中野区でも大変有意義なモデルケースであると言えます。そこで問われているのは自治体の決意であり、私たち議員の決意でもあると感じました。
まず、和光市の地域包括ケアシステムの結果として生じた効果について確認します。和光市は人口約8万人、平成26年に高齢化率は16.9%でしたが、介護認定率は全国平均が18.2%、中野区が19.6%に対し、和光市は9.4%で、その低さがわかりますが、驚愕すべきは、高齢化率が上昇しているにもかかわらず、18年度以降というのは認定率が下がり続けているということがあります。その低い認定率などによりまして、介護保険料というのは第6期で全国平均が5,550円、中野区が5,664円に対し、和光市は4,228円と低く、さらに本来の保険料に300円を上乗せして、高齢者へのサービスに活用しています。また、高齢者支援の住みかえ支援や地域包括支援センターの職員の強化などに一般財源を投入しているにもかかわらず、勉強会の質疑では、和光市というのは民生費が3割削減できたというふうに、市財政の全体への効果が大変大きいとのことでした。和光市の地域包括ケアシステムは、自治体にとっても大きなインセンティブにもなる財政効果が見られると考えます。そして数字の結果を出していく中で、庁内全体や事業者の理解、支援を受けやすいような状況をつくっていきました。
そこで、まず確認の意味で伺います。他の自治体の例を見ても、要介護認定率というのは介護保険料の算定に大きな要素になりますが、その理由はなぜでしょうか。また、中野区の認定率の目標、それに向けての取り組みをお伺いいたします。
○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 私からは、認定率は介護保険料の算定に大きな要素になるが、なぜかという御質問にお答えいたします。要介護認定率は65歳以上の方の人数に占める要支援、要介護認定者数の割合でございます。要介護認定者の増加に比例いたしまして、介護サービス等にかかる経費もふえることから、その財源となります介護保険料や公費負担も上昇する仕組みとなってございます。したがいまして、介護サービスを必要としない高齢者の方がふえれば、介護保険料の上昇幅を抑えることができると考えております。
○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 要介護認定率についてですけれども、中野区では全体の要介護認定率についての目標は設定しておりませんが、前期高齢者の要介護認定率につきましては、37年度には25年度比0.5ポイント下げ、2.4%とするという目標値を昨年度の健康福祉総合推進計画で設定しております。これは要支援相当の方を含め、介護予防事業を中心とした新しい総合事業の効果を図る指標として設定したものでございます。
○木村委員 認定率の目標は前期高齢者に絞っているというところですけども、今やはり高齢者の方が非常に元気になりまして、昔よりも10年ぐらい若返っているというようにも言われますので、前期高齢者というよりも、後期高齢者でも認定される方が大変ふえてくるということにもなりますので、ある意味では全体の認定率の目標というのをしっかり掲げていただきたいですし、できれば、その窓口は絶対に狭めないようにというふうに思っております。
和光市の包括ケアの中でケア会議が最も重要と思いますので、ケア会議を中心にお伺いいたします。
和光市の特徴は、機能回復できる方への改善の徹底と述べましたが、その中核を担っているのはケア会議でございます。ケア会議の対象というのは市全体で月2回、出席者は職員4名から5名、地域包括支援センター全職員、管理栄養士、歯科衛生士、薬剤師、理学療法士、基幹病院の院長など約30名で、約20分で一つの個別ケースを検討して、年間で約600件を検討するということでございます。要介護認定者が約1,100人でございますので、頻度で換算すると、二、三年で一度は全員を対象とするぐらいの検討量ということになります。
和光市の特徴は、本来これは国の想定では、個別ケアというのは地域包括単位で行われることになっておりますけども、それを全市で行っているということでございます。中野区の地域包括支援センターで行われております個別ケア会議というのは、実際どのように開催されているのでしょうか。平均的な出席者、また開催頻度、個別ケースの取り扱いの数、ケース会議の結果などをどのように活用しているか、お伺いいたします。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 平成26年度におけます地域包括支援センターがかかわった個別ケースの検討会議でございますが、包括支援センター主催のもの、また、他機関主催のものを合わせまして、およそ700件となってございます。出席者につきましては、当該ケースに関係するケアマネジャーや介護サービス利用者、訪問看護師や医師等の医療関係者などでございます。解決困難な課題等が発生した場合に、多職種で検討する場として開催してございます。会議では、入院、転院、退院時の支援や認知症高齢者の対応などについて情報共有するとともに、今後の支援方針などを検討いたしまして、個別課題の解決を図っております。
○木村委員 確認しますが、700件というのは、八つの地域包括支援センター全て含めての全体の中でということでよろしいですか。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 8包括合計の数でございます。
○木村委員 そういった意味では、先ほどの和光市が全市で600件というのがどれだけ大変なのかというところも見えるかと思います。国では日常生活圏域を徒歩30分以内としており、すこやか圏域はほぼそれに当てはまると思いますけども、中野区は人口が密集しておりまして、対象の人数が多過ぎるというのが特徴であります。1人に割る時間が大変に多過ぎるということなので、人数が多過ぎて顔の見えるケアができないということが課題です。何のためのケア会議をするかという目的にかかわりますが、個別のケア会議も綿密に行っていくということが本来の目的でありますので、こういったケア会議が今始まった段階ですので、その課題は着実に克服していかなくてはいけません。一つのすこやか圏域の人口も和光市とほぼ同じですので、すこやかで和光市と同じ個別ケア会議ができれば問題ないと思いますけども、しっかり検証していくべきかと思います。
個別ケースを多職種で検討して、適切なケアマネジメントの実施、スタッフの実践力の向上のためには、地域ケア会議の圏域や回数、方針の徹底を考えれば、今の区の地域ケア会議のあり方をよく検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 個別ケースを取り扱う会議は必要に応じて随時柔軟に開催されるべきものと考えまして、中野区では個別ケースの検討会議につきましては、地域ケア会議の中に位置付けておりません。一方で、ケース検討の場は支援レベルの向上、また、ケアマネジャーをはじめとした介護職のスキルアップ、地域課題の把握の観点からも重要であるため、区としても関与を強めまして、地域包括支援センターを通じて充実を図ってまいりたいと考えてございます。
○木村委員 そういったすこやか圏域と地域包括のしっかりマッチングというのを取り組んでいってほしいと思います。
和光市は中野区と同じ都市部であって、特性は大変に似ております。むしろ、スケールメリットやコンパクト性を考えれば、中野区のほうが地域包括ケアシステムを実施しやすいと、講演された東内部長がおっしゃっていましたが、どのように受けとめられたでしょうか。伺います。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 中野区は人口密度が高く、地域包括ケアシステムに求められます医療や介護サービス事業所などの集積度も高くなってございます。また、多様な人材、生活インフラ、事業者活動といった都市部の強みを最大限に生かしますことによりまして、住まい・介護・医療・生活支援・予防のサービスを適切に提供することができると考えます。そのことによって、地域で施設同様の安心感を確保できる可能性も高いものと考えてございます。
○木村委員 そういった意味では、中野区の特性をしっかり生かして、中野区モデルみたいなところまでぜひつくっていきたいと思っております。
和光市のケア会議は市の単位で実施しながら、効率的に個別のケースを扱い、さまざまなスタッフが顔の見える会議を行っているのが特徴でありますけども、それを通して、さまざまな職種のアドバイザーを通して職員がしっかりと知識やスキルを、実践力を高めるということがございます。職員の実践力や改善の意識の徹底は、そのまま利用者の意識改革にもつながっています。改善ができる市民に対しては、改善を目的にして綿密なプランを組み、本人の意識をしっかりと変えて、個人の目標設定を――利用者の個人ですね。目標設定をしています。そして、それを補うためのさまざまなメニューが準備されております。メニューを実施する事業者に対してもメリットがあるように仕組みをつくっておりますけども、事業者にも改善方針が徹底されております。もちろん回復が難しい方にはそれなりの十分なサービスが提供されております。そういった職員やケアマネジャー、介護サービス従業者のレベルアップのために、区ではどのようなことを今行っているでしょうか。また、総合事業が始まりますこの1年間で、1年後の実施を目指すのであれば、区が主導して職員のさらなるスキルアップを目指すべきではないでしょうか。お伺いいたします。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 現在は専門性を高めるための研修、また情報交換の場の確保などを行ってございます。今後、総合事業の開始に向けまして、区民の介護予防、生活機能向上に資するためのスキルの向上を図っていくために、ケアプランの適正性のチェック等を通じまして、相談支援やケアマネジメントの質の向上を目指していきますほか、区職員が地域の諸団体と協力してサービスを開発していくコーディネーターとしての技量を身につけるため、研修や事例検討会を行っていく考えでございます。
○木村委員 職員の実践力にやはりかかってくると思いますので、ぜひしっかりよろしくお願いいたします。
和光市は、その改善を実践できるさまざまなメニューというのは、ケア会議の個々のケアマネジメントのミクロ的な支援を考えていく中で、サービスの供給量とか、メニューなどのマクロ的な政策にそれを発展させているということがあります。さらに、そのデータ的な根拠として、3年に1回のニーズ調査、中野区もやっていますけども、そういった中で調査票の返送がない方に関しては、全戸戸別訪問して、全て記名式で全高齢者の個別の情報を掌握しています。その内容も高齢者の意向のみでなく、身体の実態把握をしていることが重要です。ニーズ調査によって地域の課題の見える化をするとともに、原因別の分析によって、利用者の改善につながるメニューを適切に準備しております。
中野区では、そういった中で要支援者1・2の800名を対象としたケアプランの追跡調査を行ったと伺っておりますけども、その調査の成果と分析はどのようになっているんでしょうか。伺います。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 今回の調査では、給付サービスの実態だけでなく、対象者の状況や、給付外のサービスに関するニーズについて把握いたしました。対象者の状況につきましては、独居の方が約半数であり、中野区の65歳以上を含む全世帯の構成比率よりも若干高い結果でございました。また、給付サービスのうち、訪問介護では1回当たりの利用時間数について、1時間の利用が95%でほとんどであること、給付外のサービスにつきましては、外出支援や集いの場へのニーズが高いことなどが把握できました。
○木村委員 それは利用者の意向を集約したものなのでしょうか。それとも、先ほどから言っています利用者の改善に向けた実態把握として見られるものでしょうか。伺います。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 今回の調査につきましては、直接利用者の意向を問うものではございませんで、介護予防をマネジメントする地域包括支援センター職員から利用者の生活面、環境面を含めた実態を調査いたしまして、あわせて生活機能の維持改善のために必要と思われるサービスについて調査したものでございます。
○木村委員 じゃあ、それは次の総合事業にしっかりとつなげていくという目的で実施されたと思いますけども、今後そういった調査をする中では、改善ということもしっかりと見定めながら、ぜひ取り組んでいただければと思います。
和光市の中で、改善が進んだ、介護保険からのある意味では卒業生と言っていましたけども、そこに逆戻りしないように、充実した第二次予防事業を設けております。さらに第二次予防事業を卒業して第一次予防事業につなげたり、その後は介護予防サポーター、またシルバー人材センターの登録、サークルへの参加等、改善をさせただけでなく、その成果をしっかりと発揮する活躍の場を設定しています。そのほかに在宅介護の限界点の向上や高齢者の住みかえ支援の充実など、設定の入り口から卒業後の活躍の場まで、住まいまで切れ目のない改善の取り組みがされています。
ここまでさまざまな和光市の取り組みを紹介してまいりましたけども、今後、中野区としても1年後に総合事業が開始されますけども、介護事業も含めて、中野区でもこういった利用者の改善が徹底された体制、メニューというのをこの1年間でしっかりと整備してほしいと思いますけども、いかがでしょうか。伺います。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) この1年間で試行的取り組みの検証結果も踏まえまして、着実に準備を進め、介護予防・日常生活支援総合事業への円滑な移行を図っていきたいと考えてございます。
○木村委員 勉強会でも東内部長にも確認しましたが、現在の和光スタイルで一定の基盤が完成して、2025年までは、あとはサービスの量の対応ということもおっしゃっておりました。先ほども指摘しましたけども、和光市というのは都市部でもあって、中野区と特性が似ていること。和光市の、中野区というのは4倍の人口でございますので、中野区がコンパクトで効率のいい四つの和光市があるというふうにも想定できます。そういった意味では、和光市をしっかりと参考にして、中野区版の和光スタイル地域包括ケアシステムをぜひ目指していただきたいと思いますけども、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 和光市では介護予防と自立支援型マネジメントにスポットを当て、介護保険とは元気になったら卒業するものだという市民意識、事業者の意識を醸成し、成果を上げているというふうに捉えてございます。また、他の先駆的な自治体では、新規の透析患者を減らすことにターゲットを絞り、保健師、栄養士らの徹底した受診勧奨と訪問指導を行い、成果を上げているところもございます。いずれも地域の綿密な調査分析を行いまして、集積したデータからどのエリアにどのようなサービスがどの程度必要かを検討し、対象を絞り込み、資源を集中投入してございます。中野区においても、データヘルスの観点から対象の絞り込みを行いまして、中野区の特徴を捉えた目標を設定し、中野区スタイルの地域包括ケアシステムを区民、地域、関係機関とともに構築していきたいと考えてございます。
○木村委員 中野区の事業者や職員というのは和光市に単独で研修に行っているということも伺っておりますけども、そういったところもしっかりと受けながらというか、理事者のほうで和光を目指す方向性というのを持ちながら、ぜひしっかりと進めていただければと思います。
次に、あんしんサポート事業についてお伺いいたします。
地域包括ケアシステムスケジュールでは、死後の手続など、ひとり暮らし高齢者等の生活を支えるための事業をステップ1では利用促進、ステップ2では拡大に向けた環境整備、ステップ3では拡大実施とありますが、どのような事業を想定しているのか、お伺いいたします。
○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 死後の手続などひとり暮らし高齢者等の生活を支えるための事業の利用の促進につきましては、中野区社会福祉協議会が実施しておりますあんしんサポート事業の活用を検討しております。
○木村委員 今言ったあんしんサポート事業ですけども、高齢者の大きな課題でございます住みかえ支援を促進するために、最近は民間の保険などでは家財処分のサービスなどが出始めましたけども、ようやく行政としての対策としてそういった事業が始まったことは、人生の最期をどう迎えるかを考える時代のニーズにふさわしい事業と評価しております。我が会派でもその充実と啓発を議会で取り上げて要望してまいりました。ただ、始まったばかりでございますので、まだ実績がないということを伺っておりますが、改善の余地があるかと思います。死後の手続支援というのは、年収がおおむね300万円以内かつ資産が2,000万円以内で相続人がいない方の御利用となっています。弁護士への委託ができない低所得者を対象としていることは理解できますが、預託金が50万円以上となっていて、低所得者には容易に支払える金額ではありません。そういったあんしんサポート事業の預託金が50万円以上となっている理由はどういったことからでしょうか。伺います。
○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 中野区社会福祉協議会からは、死後事務委託にかかる預託金につきまして、火葬から埋葬までの手続費用、家財の処分費用、死後事務にかかる諸費用としてお預かりするもので、関連業者の情報等を参考にした費用相当額をお示ししているものというふうにお聞きしております。
○木村委員 死後の手続支援というのは、単に火葬だけじゃなくて、遺言書の作成支援というものにあわせて、生前の意思をかなえていくという事業でもございますので、金額の多寡で活用できる、できないというのは大変にもったいないとも思います。50万円以上と窓口を狭くするのではなくて、例えば火葬費用のみとか、家財処分費用のみなどオプションを広げて、費用負担を軽くして幅広く活用していただくようにしてみてはいかがでしょうか。また、このサービスを検討された方で、例えば毎月の積み立てで支払えるようにできればとの真摯な声もございました。さまざま難しい課題もあるかと思いますけども、死後の預託金を公的機関に預けられるというのは大変に大きな安心にもなっております。支払い方法なども含めて検討してみてはいかがでしょうか。伺います。
○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 死後事務委託につきましては、火葬から埋葬までの手続、家財処分等の内容を相談者の意向に沿って契約し、預託金は契約時に一括してお支払いいただくということを基本にしております。中野区社会福祉協議会からは、御質問のようなオプションの方式ですとか、積み立てによる契約につきましては、事例によって、相続人などとの紛争になる可能性があるというふうに専門家からの指摘もあるため、慎重に検討した上で取り扱わないようにしたというふうに聞いております。
○木村委員 こういった事業というのは、まだ自治体の中で始まったばっかりですので、いろんな事例を参考にしながら、そういった要望もあるということで、その要望に対応することもしっかり検討していただければと思います。
訪問や定期電話などの見守り支援もございます。これらの支援を受けているということは、住みかえをする場合にも、不動産屋、大家さんにとって大変大きな安心にもなります。こういったあんしんサポート事業の不動産への事業の周知や、事業受託の証明書作成など、あんしんサポート事業が高齢者の住みかえをより円滑にするように、効果的な支援となるように検討してみてはいかがでしょうか。伺います。
○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 現在も、相談の中では区の高齢者住みかえ支援事業の紹介ですとか、高齢者住宅財団の家賃債務保証制度等の紹介手続等の支援を社会福祉協議会としても行っているというふうに聞いてございます。
○木村委員 ありがとうございます。じゃあ、そのまま住宅施策の中で高齢者住みかえ支援について伺います。
中野区は人口密集地域であるために、高齢者の介護施設や住まいとしてのサービス付き高齢者住宅など施設の整備が大変難しいということがございます。当然、在宅療養のニーズが大きくなりますが、その基本としての住まいの確保が必要です。しかしながら、私も年々住みかえの御相談を受けることがふえてきておりますけども、高齢者の住みかえというのは依然難しい状況です。区ではその高齢者住みかえ支援として、住みかえ住宅の情報提供、居住安定支援事業、また東京都のあんしん居住制度を紹介していますが、その実績はいかがでしょうか。お伺いいたします。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 中野区の住みかえ住宅の情報提供の実績でございますが、平成25年度は52件、平成26年度は55件、平成27年度ですが、現在までですと29件、情報提供をいたしております。
次に、居住安定支援事業にかかわる債務保証制度利用料助成制度の利用実績でございますが、平成18年度の利用開始から4件の利用実績がございますが、平成22年度以降の実績はゼロでございます。
最後に、あんしん居住制度の利用実績でございますが、これは公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターの事業でございますが、平成13年度の制度開始当初からの中野区の契約者は18名でございます。
○木村委員 居住安定支援事業の実績がないというのは、どのような原因があるのでしょうか。また、それに対して区はどのように考えているんでしょうか。伺います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 賃貸借契約を結ぶ不動産店や管理会社におきまして、区と協定を結んでいる保証会社の取り扱いが少ないためと考えております。そこで、昨年度新たに保証会社1社と協定を結びまして、利用できる保証会社を3社としたところでございます。
○木村委員 恐らく会社をふやしても、その体制というのが整わなければなかなか実績につながらないと思いますし、また、あんしん居住制度が13年から始まって18件というのは、多分、年に1件もあるかないかというところなので、大変に少ないということであると思います。そういった居住安定支援事業に対しても、都のあんしん居住制度に対しても、連帯保証に対する対策が不十分であるというふうに思われます。連帯や相談窓口を充実させても、急増する単身高齢者、高齢者のみ世帯の対策としては、結局は連帯保証に対する支援が障害となります。
神戸市では、こうべ賃貸住宅あんしん入居制度として、利用者負担18万円で終身にわたり利用者が入居する市内の民間賃貸住宅仮契約の連帯保証人になるサービスを、残存家具片づけサービス、安否確認サービスとともに実施しています。神戸市の事例を参考にしながら、都とも連携しながら、連帯保証を支援する制度を検討してみてはいかがでしょうか。お伺いいたします。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 神戸市のみならず、さまざまな自治体の取り組みを参考にしながら、新たな制度を検討してまいりたいと考えております。
○木村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
そういった意味では、さまざま急増する単身高齢者や高齢者のみ世帯の住まいの対策はまだまだ課題が大きいと言えます。和光市では、先ほど言いましたが、地域包括ケアシステムの推進によって、市の財政軽減を図り、それを利用して高齢者住みかえ住宅家賃の助成や高齢者支援住宅家賃助成などの住まいの確保をし、高齢者の切れ目ないサービスを実現しています。住宅施策を地域包括ケアシステムの大きな柱として、福祉分野としても積極的に関与して比重を高めて取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 委員御指摘のとおりでございまして、現在、高齢者の居住の確保は、単に住む場所の確保にとどまらず、見守りサービスなどの施策と連動して実施しているところでございます。また、サービス付き高齢者向け住宅の普及は、福祉推進分野と協働で取り組んでいるところでございます。
○木村委員 ぜひ、今後とも大事な施策でございますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
この項目の最後に、認知症施策についてお伺いいたします。
家族が認知症の徘回をする御相談を多く受けております。日中は家族が一緒にいるために未遂に終わることが多いんですけども、それによって家族の負担は大変大きいものがございます。区の徘回者の対策としてGPSサービスはありますが、コストの高さなどをはじめ、高齢者自身がGPSの端末をどのように携帯してもらうかなどの課題もあり、効果が高い割には利用者の伸びが悩んでおります。神奈川県の厚木市では、認知症などが原因で徘回する高齢者や障害者などの早期発見、保護につながるように、靴やつえなどに張りつけすることができる見守りステッカーを配布する事業があります。対象は、市が警察署と連携し運用する徘回SOSネットワークシステム運営事業に登録している高齢者らの家族で、登録番号つきのステッカーを希望者に1人10枚配布して、夜間や早朝などに徘回を見つけた市民や事業者がステッカーを確認して通報してもらう仕組みでございます。夜間でも目立つ反射材を利用して、登録番号から人物の特定ができるために、保護から確認までの時間が大幅に短縮できると期待が寄せられております。ステッカーであれば安価で、10枚ですので、数の工夫などでさまざま張りつけの場所の可能性があると思います。
徘回者の対策では、我が会派からもさまざま提案してきましたが、併用できる事業でもありますので、検討してみてはいかがでしょうか。お伺いいたします。
○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 靴やつえなどにステッカーを張りつける方法につきましては、手軽である反面、徘回した際に、そのステッカーを張りつけたつえですとか靴を履いていかないというふうな課題もあるというふうに聞いています。また、認知症徘回高齢者であることを第三者に知られてしまい、かえって事件などに巻き込まれる懸念があります。徘回高齢者発見の方式につきましては、新たな方法もさまざまに出てきておりますので、介護者にとっても利用のしやすさや安全性などを踏まえまして、御提案のステッカー方式なども含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
○若林委員長 委員会を休憩します。
午後1時37分休憩
午後1時37分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
ただいま傍聴の希望が15人を超えましたが、これを許可することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
傍聴者の方へお願いがあります。本日、多数の方が傍聴にお見えになっておりますので、席を譲り合って傍聴していただくようお願いいたします。
木村委員、質疑をどうぞ。
○木村委員 最後に、子育て支援についてお伺いいたします。
区では、認可小規模保育事業者などの2歳児クラスの児童は、3歳児クラスになるときに連携施設である認可保育所などに優先的に移行できることになっています。また、連携施設が設定されず、利用調整で優先度を高めているということでございますけども、その認可小規模事務所などの受け入れ先となる認可保育所の3歳児クラスの定員は十分なのでしょうか。お伺いいたします。
○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 平成28年4月につきましては、新たに認可保育所等を整備いたしまして、保育園を拡大していきますことから、認可小規模保育事業所等の地域型保育事業から転園する3歳児のお子さんにつきまして、定員は確保できるものと見込んでございます。また、地域型保育事業の連携施設につきましては、区立保育所や私立保育所で設定が進むよう準備を進めておりまして、平成28年度予算案におきましても、私立保育所について連携が促進されるよう補助制度をつくり、支援していきたいと考えてございます。
○木村委員 認可保育所は十分というところなんですけども、同様に、ゼロ歳児から2歳児の児童を多く受け入れております認証保育所からは、認可保育所の3歳児クラスにどれくらい移行しているのか、お伺いいたします。
○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 認証保育所から認可保育所等への転園につきましては集計を行ってございませんので、人数は把握してございませんが、利用調整の中で加点を行うことによりまして、移行となるよう配慮しているところでございます。
○木村委員 現状把握されていないということでございますけども、加点で調整するという話でございますが、認証保育所で3歳児クラスに移行する際に、保育の継続というのが、そういった意味では本当に確保されているのかというふうに疑問に思いますけども、どのように考えるんでしょうか。伺います。
○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 認証保育所から認可保育所等への転園が必要となる3歳児のお子さんにつきましても、保育の継続性を確保するということが重要であると認識してございます。今後、認可保育所等の整備を計画的に進めまして、保育園を拡大するとともに、私立幼稚園の預かり保育を充実するといった取り組みを含めまして、多様な転園先を確保してまいりたいと考えてございます。
○木村委員 確保をする。まあ、検討していくということなんですけども、確実に確保していくということではないということでしょうか。伺います。
○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 計画的に整備を進めるとともに、多様な策を講じまして、確実に転園できるよう努めてまいります。
○木村委員 確実に確保するということであれば、何としてもそれはぜひ守っていただければと思います。そうしないと、認証も、この制度の中では大変に入りにくいという、敬遠されるという可能性もございますので、ぜひ認証も認可もその継続性というのはしっかりと確保していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で私の総括質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で木村広一委員の質疑を終了します。
次に、小杉一男委員、質疑をどうぞ。
○小杉委員 平成28年第1回定例会予算特別委員会において、日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。質問内容は通告のとおりです。そのほかでは、中野区障害者福祉事業団による障害者等の就労支援事業の廃止についてを取り上げます。よろしくお願いいたします。
まず第1には、国民健康保険についてです。
我が国は昭和36年、国民健康保険法の施行により、誰でも、どこでも、いつでも保険診療が受けられる体制が確立しました。しかし、残念ながら、経済的事由により手おくれになる死亡事例が毎年起きている現実もあります。本日はこうした国民健康保険、いわゆる国保の運営と区民の暮らしとのかかわりについて、幾つか取り上げさせていただきます。
まずは、基礎的な事項を幾つか確認させていただきます。中野区国保の職業別世帯主の構成はどのようになっているでしょうか。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成27年度に国へ報告した内容でお答えいたします。中野区の国民健康保険に加入している世帯主の職業別の内訳は、農林水産業がゼロ%、自営業が13.6%、給与収入等のある被用者が36.7%、年金収入のみの場合など無職の方が35.5%、その他が14.2%でございます。
○小杉委員 国保というと、自営業や農業者を思い浮かべますが、現在は無職の方と小規模事業者の労働者、非正規労働者の方で7割以上を占めるということです。国保は健康保険や共済組合、生活保護などの制度に加入できなかった方を対象にする制度であり、社会の下支えをしているとも言われています。先日、特別区長会は4月からの保険料を引き上げる案を確認いたしました。均等割分は4,644円を値上げ4万6,200円に、所得割は0.45%引き上げ、8.8%に引き上げ、結果として、1人当たり年保険料は11万1,189円となる案を決めました。今後、区長から諮問され、国保運営協議会の答申を受け、区議会に条例が出されます。これがもし通れば、14年間、保険料の値上げが続くことになります。保険料の軽減措置があることも理解していますが、平成14年の1人当たりの年保険料率は幾らなのか、お答えください。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成14年度の特別区における国民健康保険料は、1人当たり平均で年間約7万5,000円でございました。
○小杉委員 比率で言うと、14年間で49%値上げがされたということです。この間に、国保被保険者1人当たりの平均所得額はどのように変化したでしょうか。平成14年度、平成27年のものをお答えください。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険料の算定の基礎となります1人当たりの所得は、中野区では平成14年度で約103万円、平成27年度では約101万円でございます。
○小杉委員 被保険者平均所得額が微減したということです。その一方で、保険料は5割も上がり続けているということです。例えばです。自営業を営む45歳の方、妻40歳、子ども10歳、事業収入としては1,500万あるけれども、所得が360万円、この御家族であれば国保料は幾らになるでしょうか。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 夫が45歳、妻が40歳、そして10歳の子どものいる3人家族で、保険料の算定の基礎となります世帯の所得金額を360万円とした場合、平成27年度の基準に当てはめますと、国民健康保険料は年間約49万円となります。
○小杉委員 これは所得の14%です。そのほかに、これは区の担当者に御試算いただいたものですが、国民年金が37万4,000円、所得税が16万円、住民税が26万6,000円を加えると、合計で129万円となります。これは所得の36%にも上ります。これが国保被保険者の実態、これ、イメージできるかと思います。この保険料がもし支払えなくなったらどうなるのかということです。被保険者証のかわりに短期被保険者証や資格証明書が交付されることになります。これらの趣旨をお答えください。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険料を滞納している世帯主とその世帯につきまして、通常定める期間よりも短い有効期間としているものが短期の被保険者証でございまして、さらに保険料の納付が1年間ない場合には、資格証明書を交付することとなっております。これは保険料を滞納している世帯主との納付相談の機会を確保することが目的でございます。
○小杉委員 これらは納付相談の機会を確保する役割があるんだということです。それぞれの交付世帯数とその割合をお答えください。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成27年9月時点で短期被保険者証が9,186件で、全体に占める割合は13.7%、資格証明書が645件で、0.96%となってございます。
○小杉委員 短期証は、被保険者の1割以上が交付されているということです。被保険者が病気になったときに医療機関に受診しようとしなければ、保険料の支払いになかなかつながっていかない、そういう仕組みとも言えます。資格証明書は必要な医療を制限するとたびたび問題とされてきました。平成21年度の政府答弁では、医療を受ける必要が生じ、かつ医療機関への一時払いが困難であると申し出れば、緊急的な対応として短期証に切りかえることを区の判断でできるとされています。中野区では平成26年度には何件ありましたでしょうか。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 中野区では、これまで資格証明書が発行されている方で、医療を受けるに当たりまして、医療費の支払いが困難である場合に、緊急的な対応として短期被保険者証を交付した例はございません。平成26年度もございませんでした。
○小杉委員 全国保険医団体連合会の調査によると、資格証明書を交付した被保険者は、通常の被保険者に比べて受診の割合が20分の1になると結果が出ております。私は、お金のあるなしで医療機関にかかれるかが決まるのはおかしいなと思っております。医療機関が、医療を受ける必要がある場合は緊急的な対応として区が短期証の発行を行うこと、これは必要に応じて行っていくということでよろしいでしょうか。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 特別な事情があり、緊急性が高い場合などには、国の通知等に従いまして適切な対応を行ってまいります。
○小杉委員 ありがとうございます。納付相談に応じてもなかなか支払うことが難しい。払いたくても払えない特別な事情がある国保滞納者に、例えば国保の施行規則にある限度額認定証を発行する、こうした特別な対応も区独自で行えます。それから、生計困難者のための無料低額診療施設に案内するなど、受診を促す相談を充実させてはいかがかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 保険料の滞納がありましても、特別の事情がある場合には限度額適用認定証を交付することができるとされておりますことから、個別の状況を詳しく把握いたしまして、必要な対応を行ってまいります。また、無料低額診療事業など他の福祉サービスに関しましても、相談窓口の案内等に努めてまいります。
○小杉委員 相談に当たっては、必要な医療は給付していく姿勢で被保険者には懇切丁寧に御対応いただくよう求めたいと思います。
さて、現在、都道府県調整交付金というものがあります。これはどういったものでしょうか。御説明ください。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 東京都の財政調整交付金は、都内の区市町村間の財政を調整するために設けられているものでございまして、療養給付費等に対して定率で配分される普通調整交付金と、特別の事情等に着目して配分される特別調整交付金とがございます。
○小杉委員 中野区は、平成26年度にどのような名目で幾ら交付を受けたのか、教えてください。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成26年度に区へ交付された都の特別調整交付金の総額は約1億2,000万円でございまして、内訳といたしましては、保険料の収納率向上にかかわる取り組みに対して9,000万円、電話催告の取り組みに対して約1,200万円、滞納処分の取り組みに対して1,500万円などでございます。
○小杉委員 東京都は保険料の収納率や滞納処分、差し押さえの向上に努めた自治体、それから、適切な保険料を課している自治体に向上の程度に応じて交付金を出すというものということですね。この交付金、平成20年度から22年度は幾らだったでしょうか。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 都の特別調整交付金の区への交付実績は、平成20年度では約4,200万円、平成21年度では約9,200万円、平成22年度は約1億円でございました。
○小杉委員 経年で見ると、徐々に上昇傾向であったということです。26年度、差し押さえ件数による交付金、交付500件以上ということで3,000万円の交付を受けたということですが、同時期である平成20年度、22年度、それから、平成26年度の差し押さえ件数をお教えください。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険の保険料の滞納者に対して、財産の差し押さえを行った件数は、平成20年度は約150件、平成21年度は約170件、そして平成26年度では約780件でございます。
○小杉委員 当区の交付金とこうした数字は連動している――直接的な連動ではないにしろ、制度として国が東京都を使って自治体に収納率やその伸び率、差し押さえ、資格証明書の割合などを競わせて成果を上げさせる仕組みになっております。これは区民にとっても、職員にとっても、とても不本意な仕組みだと思います。やはり国保の構造的な問題を解決する、こういった姿勢が必要だと思います。
国民健康保険の国庫負担割合は、今、何%になっていますでしょうか。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国の療養給付費等負担金の割合でございますけども、国の定率負担金の割合は32%でございます。
○小杉委員 もともと、昭和55年ぐらいは事務費を除いて半分国庫負担をするということでしたが、現在は32%と下がっているということです。その後、昭和55年代以降の制度改変によるさまざまな肩がわり制度が導入され、国庫負担割合が逓減してきました。中野区も法定外繰り入れを行うなど、国保制度を守るために努力してきました。中野区は国庫負担割合をふやすことを国に求めたことを前議会で報告されました。改めて確認をさせていただきます。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険の財政基盤強化につきましては、平成27年11月に全国市長会を通じて要望しております。内容といたしましては、国による財政支援を拡充し、さらなる国保財政基盤の強化を図ることというものを要望してございます。
○小杉委員 深刻な区民の生活と営業の実態から、これ以上の負担増は看過できない。国保料の値上げは行わないこと、そして引き続き国に国庫負担の増額を求めること、東京都には支援を求めることなど行うことを求め、この項を終了させていただきます。
続いて、U18プラザ・児童館の廃止について取り上げさせていただきます。
1月末に中野区が提案した新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)により、U18プラザの廃止、区立幼稚園を廃止して民営化の認定こども園へ変えること、それから、本町、東中野図書館の統合をし、地域開放型図書館へ転換するなど区民の暮らしを、将来に大きくかかわる提案を突然いたしました。この件については本会議においても多くの議員からも質問が出され、区長からも答弁がありました。そして、先日区役所で開かれた区民説明会では、2時間の予定が3時間半にわたる、こうした方針に対しての怒りや切実な声が多く出されました。区民の意見を形だけでなく、きちっと受けとめてほしい、区政を運営してほしい、そういうものであります。本日はそうした区民の暮らしにかかわる重要な問題の一つであるU18プラザの廃止について、質問をさせていただきます。
児童館は、児童福祉法で「児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする」とされています。児童館は今から48年前の昭和42年にこの中野で初めてつくられました。昭和44年には1学校区に1児童館構想が打ち出され、29小学校区に28児童館が設置されました。10年前に児童館の廃止が打ち出され、九つのU18プラザを設置することが提案されました。平成18年10月に(仮称)地域子ども家庭支援センター等整備の考え方(案)という資料が示され、その中身によりますと、社会環境の変化に伴う子育て環境の悪化や、深刻な問題を抱えた子どもや家庭の増加などなど、こうした現状を背景に児童館は、社会変化に伴う新たな課題に対応し、地域の子ども施設としての子育て・子育ちの支援の機能を果たすために再構築が求められていると。今後は、地域の子ども施設と地域の活動をコーディネートするなどの地域の子ども・子育てネットワークの拠点として機能していくことに転換を図っていく。地域子ども家庭支援センター、これは今のすこやか福祉センターの前身ですが、子どもの健全な育成が家庭、地域、家族などの関係施設と連携しながら実現できるように、児童館機能をさらに発展させたU18プラザを整備すると。もう既に10年前に児童館機能の再構築とか、転換とかいってU18プラザをつくったわけです。
区長は、子どもの年齢に応じた多様な活動機会の提供や支援を目指してきましたが、そうした機能について、必ずしも果たされていないと先日答弁されましたが、この10年間、どこを目指して努力をしてきて、何が成功して何がだめだったのか、具体的に御説明をお願いします。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) U18プラザにおきましては、乳幼児親子の交流促進や相談支援、子どもの年代に応じた多様な活動機会の提供や支援、地域における活動団体の連携促進や支援などを目指してまいりました。しかしながら、乳幼児親子の交流促進は図られておりますものの、中高生や若者への多様な活動機会の提供や支援といった取り組み等につきましては、十分に果たせていないと考えてございます。
○小杉委員 10年前のときに地域子ども家庭支援センター、その後、すこやか福祉センターと名称を変えていますが、U18プラザは同センターの指導・監督のもとで長年子育て・子育ちの支援機能を保ち、そして異年齢交流、世代交流の場であり、育成活動にかかわる地域との連携の拠点として機能を持つとされてきました。同センターに統括管理者が置かれてきましたが、平成26年に子ども教育部に移管されました。U18プラザの現場をきちんと指導・監督する体制は十分にとれていたということなんでしょうか。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) U18プラザの運営に当たりましては、事業計画を策定し、これに基づきまして、適宜報告、連絡、相談などにより事業の進捗会議を行うとともに、職員のコーディネート力や相談対応能力を向上させるための研修の実施などに努めてきたところでございます。
○小杉委員 市町村子ども・子育て支援事業計画の中では、乳幼児親子は地域子育て支援拠点事業、そして、小学校にはキッズ・プラザ事業、中学生には育成健全事業を新規・拡充させるとしています。しかし、U18プラザを廃止する理由にはならないと思うんですが、区長がよく言われるPDCAの立場に立つならば、きちんと廃止する理由を説明するべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) U18プラザでは、当初目指していた機能につきまして、必ずしも十分に果たせていない実情であると考えてございまして、そうした実態を踏まえて、今後のあり方について検討を行ったものでございまして、多様化・複雑化する子どもや子育ての課題に対して、さらなる対応の充実を図っていくためには、U18プラザという形にこだわることなく、新たな展開が必要であると考えたものでございます。こうした考え方につきまして、地域や関係団体などにも丁寧に説明してまいります。
○小杉委員 多様化する実情というのは、10年前からもうずっと言っているわけであって、初めからわかっているわけですよね、多様化しているなんていうのはね。それをずっと言い続けて、何が問題なのか、何が改善すべきなのかって、きちんと明らかに区民に伝わるように説明すべきだと私は思います。
乳幼児向けの子育てひろばに移りますけれども、商店街の空き店舗や保育所、区民施設などの活用と言われていますけれども、きちんとした施設が確保されていくのか。U18プラザ自体はいろいろな設備や運営については決まりが確保されていました。児童館をきちんと残すということが、それを求めたいと思いますが、もしつくるのであれば、そういった環境がどうなっていくのかをきちんと説明すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 子育てひろばにつきましては、子育て中の親の孤立を予防し、不安感や負担感を軽減することができる大切な拠点だと考えているところでございます。規模は小さいけれども、乳幼児親子が利用しやすい身近な商店街にある子育てひろばであるとか、例えば、庭が併設されるとか、設備の比較的整った子育てひろばなど、多様な形態の広場を整備していきたいと考えてございます。
○小杉委員 質が非常に落ちるのではないかという不安に対してどのように応えようとしているのか、全然見えないんですけれども、何か、答えは同じになりますかね、聞いても。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 具体的な検討はこれからということになりますけども、もちろん、できるだけ快適な環境をつくっていくということは基本的に考えているわけでございますので。ただ、先ほど御答弁申し上げましたように、さまざまな形のものがあって、利用しやすいような環境、選択ができるような環境、そういったものについては配慮していきたいというふうに思っております。
○小杉委員 それから、小学生のことですが、平成26年度のU18プラザを含む児童館とキッズ・プラザの小学生の利用者数をお答えください。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 平成26年度の小学生の利用者の数でございます。まず児童館につきましては、17館で延べ29万6,263人、それから、U18プラザでございますが、3館で3万755人、キッズ・プラザでございますけども、8カ所でございますが、16万9,206人、以上でございます。
○小杉委員 これだけの小学生が現段階でも児童館やU18プラザを使っているわけです。そして、全ての子どもが放課後安全・安心に過ごすために、一日、小学校や中学校にいさせるということが妥当なのか――小学校ですね。いさせることが妥当なのか、慎重な判断が必要だと思います。子どもたち自身がそうした生活を営むか、疑問もあります。小学生の生活実態を踏まえた判断なのでしょうか。伺います。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 子どもたちの成長には、伸び伸びと体を動かして遊ぶことが欠かせないと考えてございます。小学校の校庭や体育館を利用して、安全・安心に過ごせるキッズ・プラザに移行していくことは、小学生の健やかな成長に役立つものと考えているところでございます。現在、キッズ・プラザは低学年の利用が多いという状況でございますけども、これは学童クラブ児が占める割合が多いというものでございまして、高学年は自立度が高くなるということから、さまざまな活動の幅が広がっていくというふうに思っているところでございます。今後、キッズ・プラザにつきましては、民間事業者に委託する中で、高学年の児童にも魅力ある活動を取り入れていくことを考えていきたいと考えてございます。
○小杉委員 先ほど児童館の29万人、U18プラザの3万人、高学年も含めたこの居場所はどうなると考えるんでしょうか。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 先ほど御答弁申し上げましたけども、基本的には、児童館につきましてはキッズ・プラザに移行していくというふうに考えてございます。
○小杉委員 U18プラザは、学校で勉強や部活がうまくいかない中学生でも気軽に立ち寄れる安心な場所となっています。クリスマスのときには中学生にサンタ役になってもらって、地域の赤ちゃんのいる家庭を訪問するボランティア活動や、中学校とも連携して助産師さんによる命の大切さの授業を受けて、その後、乳幼児親子に学校に来てもらい交流体験するふれあい教室、こうした活動は地域の中にU18プラザという子どもたちの居場所があって、日常的に触れ合う職員が媒介となって、地域の方々からの支えもあって子どもたちの成長を支えています。こうした貴重な実践は、拠点施設があってこそやっぱり成り立つと思います。さまざまな施設を活用と言われていますが、その見通しについて示すべきではないでしょうか。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 中高生や若者の活動支援につきましては、多様なニーズや興味・関心に応え、魅力ある事業とするため、地域の多様な資源や人材を活用するとともに、若者支援のノウハウを持つNPOなど民間団体の活用が有効と考えてございまして、今後はさまざまな施設等を活用しながら、多様な事業の展開を図ってまいりたいと考えてございます。
跡施設につきましては、将来の行政需要にあわせて活用等を検討してまいります。
○小杉委員 児童館やU18プラザの活動を支えているのは、70名の職員と聞いています。こうした方々に何も知らされてはいません。今回の考えを決めるに当たって職員の意見を聞く機会は設けたのでしょうか。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) U18プラザの運営状況や課題等につきまして、職員からの報告などにより把握してございまして、子ども・子育て支援事業計画の考え方や10年後に実現するまちの姿などを踏まえまして、総合的に判断して検討を行ったものでございます。
○小杉委員 区民説明会でも、中高生の利用がなかったと他人事のように言うなとか、廃止の理由がわからない、うまくいかなければ改善させるのが仕事ではなどなど、厳しい意見が出されました。区民や利用者への説明をきちんとすべきです。協議するために期間を設け、住民の総意を酌み取りながら進めるべきだと思いますが、この提案を撤回すべきではないかと思っていますが、いかがでしょうか。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の策定に当たりましては、U18プラザの廃止についての考え方や今後の展開などにつきまして、地域や関係団体などと意見交換を行い、その結果を踏まえまして、案としてまとめてまいりたいと考えてございます。
○小杉委員 改めて、U18プラザの廃止については白紙撤回を求めたいと思います。区民に提案内容を明示し、協議するために十分な期間と機会を設けるべきであることを申して、この項を終わります。
続いて、地域スポーツクラブとスポーツ・コミュニティプラザの運営についてを取り上げます。
スポーツ基本法では、スポーツを通して幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利など、スポーツの価値や意義、スポーツの果たす役割の重要性を示しています。中野区においても従前のスポーツ施設の整備を進めつつ、全ての区民がスポーツや健康づくりに参画し、幸福で豊かな生活を営むよう、区として推進する必要があると考えます。地域スポーツクラブや、それを支える施設づくりについて、区や議会でも14年にわたる長い間、議論してきました。スポーツ・コミュニティプラザの開設にかかわる経緯をお示しください。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 平成14年に総合型地域スポーツクラブ構想検討会を立ち上げまして、平成20年に中野区の地域スポーツクラブ構想、平成21年に中野区地域スポーツクラブ設立基本計画を策定いたしまして、平成23年に中野区地域スポーツクラブが発足したものでございます。平成24年度から26年度にかけましてモデル事業を実施いたしまして、事業に係る検証を行った上で、平成27年4月に中部スポーツ・コミュニティプラザとして開設したものでございます。
○小杉委員 中野区はスポーツクラブ構想を踏まえて、その実現に努力してきました。そもそも現在のスポーツクラブの役割と理事会の構成員についてお伺いします。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 中野区地域スポーツクラブは、身近な地域で区民がそれぞれの特性に応じて運動、スポーツに親しみ、健康づくりができる機会を提供するとともに、中野区におけるスポーツ振興に寄与することを目的に設立されたものでございます。中野区地域スポーツクラブの理事会の構成でございますけれども、区内のスポーツ団体、町会・自治会、区内の経済団体、利用関係団体等から選出された計11名の理事で構成されてございます。
○小杉委員 スポーツ・コミュニティプラザとかの経緯を今確認させていただきました。1月29日の厚生委員会で、今後のスポーツ・コミュニティプラザの展開についてという資料が示されました。4月に南部スポーツ・コミュニティプラザが新設されるとともに、中部スポーツ・コミュニティプラザの運営を任意団体である地域スポーツクラブに委託してきたものを新たな事業者に委託することを決めました。どのような事業を委託するのでしょうか。改めて確認させていただきます。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 事業者に委託する内容といたしましては、地域におけるスポーツ・健康づくりを推進するための各種事業の実施、また、施設の管理運営、地域スポーツクラブの事務局業務、地域スポーツクラブの会員を対象にした健康管理プログラム等の実施を想定してございます。地域スポーツクラブの事業の内容といたしましては、地域のニーズを反映した各種の教室・講座、また、毎週行われるクラブ活動、地域のスポーツ大会、学校部活動の支援、スポーツ指導者の育成、競技力の向上事業、そういったものを実施してまいりたいと考えてございます。
○小杉委員 想定している事業者の法人形態はどのようなものでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 事業者につきましては、企画提案公募型方式により選定したいと考えてございます。業務の実績でありますとか、入札参加資格など、応募するための資格、そういったものを定めて公募する予定でございまして、法人の形態について、特に制限するということは予定はしてございません。
○小杉委員 地域スポーツクラブが行ってきた事業を原則新たな事業者に任せて、クラブの人たちには新たな事業者に助言をして事業に反映してもらうということでよろしいですね。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 新たに選定する事業者は、地域スポーツクラブの事務局といたしまして、運営委員会の運営でございますとか事業の実施運営、そういったものを行うということを想定してございます。地域スポーツクラブは事業の企画実施に係る地域のニーズの把握、人材発掘、事業の周知など、地域におけるスポーツの推進に関する活動を行っていただくということを想定してございます。
○小杉委員 こうしたやり方で運営されているのは全国の中でもあるのでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 地域スポーツクラブの事務局を事業者が務める、そういった形態について、全く同じ形でほかの自治体で行っているという事例は把握はしてございません。学校部活動の支援でございますとか競技力の向上など、中野区の地域スポーツを総合的に推進するために検討いたした仕組みでございまして、区、事業者、地域スポーツクラブが協働して新たな仕組みを効果的に運営していきたいと考えてございます。
○小杉委員 先ほど、本年度の事業がうまく進めてきている――ちょっと略してしまいましたが、このような提案の方針とは180度異なる提案がされて、事業を進めるために今まで頑張ってきた地域スポーツクラブの方々にとっては、青天のへきれきだと思います。これまでの地域スポーツクラブが行ってきた事業を新たな事業者に委託するというのはどのような判断なのか、確認させてください。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 今年度予定している(仮称)南部スポーツ・コミュニティプラザの開設、また、今後の区内の4カ所展開、そういったものを見据えまして、地域スポーツクラブの法人化によって施設の管理や事業の運営等を行うことは、それに伴う責任や負担等を考慮いたしまして、困難であると判断したものでございます。施設の管理や事業の実施運営、こういったものは事業者が責任を持って行い、地域スポーツクラブが過度な責任や負担なく活動することで、全区的に地域スポーツの発展を図っていけるものであると考えてございます。
○小杉委員 今までスポーツ・コミュニティプラザや地域スポーツクラブに長い間、時間をかけてきて、クラブ設立から5年たちました。今まで法人格の取得の問題、クラブの自主運営の問題が取り上げられてきました。東日本の大震災もあって計画が延期になる事態もあった。うまくいきそうにない。だから、会議の開催を含めた運営を全て区から民間事業者に委託させるのは、クラブの形だけが残って実態がなくなるのではないかということがちょっと懸念されます。せっかく14年間も地域スポーツクラブが自立運営できるように支援してきたのですから、区がビジョンや目標を持って、これからもスポーツクラブに支援をしていく、こうした区の認識についてお尋ねしたいと思います。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) スポーツ・コミュニティプラザを開設した目的、そして実現に向けまして、区としても地域スポーツクラブが活発に活動していけるよう、必要となる支援を行ってまいりたいと思います。
○小杉委員 代表者の登録団体、現段階であるプラザの中の登録団体の代表者とか地域の方など、地域スポーツクラブ自体やスポーツ・コミュニティプラザの運営委員会に参画してもらうということは考えられているということでよろしいでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 地域スポーツクラブの運営委員会でございますが、地域スポーツクラブの会員により構成するということを考えてございまして、個人会員や団体会員の代表者など、地域の住民の方々が参加することができる、そういった運営をしていきたいと考えてございます。
○小杉委員 先ほど、スポーツクラブの実態が形骸化するのではという懸念を言いましたけれども、プラザの中にその居場所というか、スポーツクラブの場所が確保されるということで考えてよろしいでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 地域スポーツクラブの運営委員会は、各地域のスポーツ・コミュニティプラザで開催を予定しているものでございまして、活動に必要となるスペースについても確保したいと考えております。
○小杉委員 中野区は、推進計画でも健康づくり・スポーツムーブメントの推進を掲げています。今回、スポーツクラブやスポーツ・コミュニティプラザの運営について取り上げたのは、全ての区民を巻き込んだスポーツムーブメントを推進させるスポーツ施策を進めるに当たって、中野区がより一層イニシアチブを握ってもらって、区民の理解を得ながら丁寧に進めることを期待するものであります。この項を終わります。
続いては、中野区の自転車利用総合計画(改正版)について取り上げます。中野区のこの総合計画(改正版)でありますが、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが行われ、日本への渡航者が2,000万人に及ぶと予想されています。その渡航者の大半は右側通行の国からやってくると言われています。交通事故を未然に防ぐために、英語表記や、目視で理解できる道路交通標識の設置が進められようとしています。同計画では、平成19年から28年度の10年間の前期を終えて、改正版が平成26年、おととしの7月に出されたものです。前期計画は放置自転車対策、自転車駐車場整備、交通ルールの遵守、マナーの向上など、自転車を取り巻く環境が改善したため、現行の施策の強化拡大とともに、長期的な対応を要するものも含め計画を見直したものです。東日本大震災以降、中野区の自転車の乗り入れ台数も増加傾向を示し、自動車の所有台数も減少しています。区民の自動車から自転車への志向があると思われます。中野区では交通事故件数の中で自転車関与の比率がとりわけ高いと聞きます。どれくらいでしょうか。23区内でどのような順位になっているのか、お教えください。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 平成27年1年間でございますけれども、まず、特別区全体では34.6%でございました。中野区は39.2%ということで、平均を上回る割合になってございまして、23区中では6番目に高い割合となってございます。
○小杉委員 高いということで、結構自転車の占めるものが高いということですね。基本的なことを確認させていただきます。自転車の走行ルールについてお示しください。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 自転車の走行ルールでございますが、道路交通法上、自転車は軽車両でございますので、車道を走行することが原則となってございまして、歩道の走行は例外ということでございます。また、車道を自転車が走行する場合は、自動車と同様に左側通行となります。例外の歩道を走行する場合につきましては、歩道はあくまでも歩行者優先でございますので、自転車が走行する場合は車道寄りを徐行して進まなければならないということになってございます。
○小杉委員 徐行というものについては、自転車なら昭和53年に国会答弁で、自転車による徐行については時速四、五キロ、警察の資料では7.5キロ程度となっています。歩道を自転車が通る場合は、歩行者をようやく追い抜くことができる程度のスピードしか出せないと、歩道ではですね。ですから、自転車らしいスピードで利用しようとするならば、道路の幅員や交通量にかかわらず、車道を利用せざるを得ないということです。日ごろ、道を通っていて感じるのは、車道を右側通行で走行する自転車や、歩道をかなりのスピードで走る自転車も見受けられます。自転車利用に当たってのマナーの普及や啓蒙について、同計画で今年度実施したことがありますでしょうか。お示しください。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 自転車利用者のマナー向上のために、今年度新たに実施した施策につきましては、スケアード・ストレート式の自転車講習会でございまして、本年度は区からの補助金によりまして、中野と野方の両交通安全協会が、警察署ですとか関係団体の協力のもと実施をいたしました。
○小杉委員 新しい中野をつくる10か年計画でも、利用しやすい交通環境の推進が掲げられて、自転車については走行レーン等の設置について、道路管理者及び交通管理者の協力を得ながら必要な路線について検討、導入を進めていきますとしています。総合計画でも、自転車走行空間の整備を行うとし、今後、自転車通行帯などの整備可能な路線を抽出し整備を進めるとしています。自転車走行空間といった場合には、幾つかあると思います。歩道に自転車も走れるようにする、歩道の構造的な分離や視覚的分離をされた歩道は整備されていますでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 中野区内では2カ所整備がされてございます。まず、環状6号線、山手通りでございますが、これは中野区内の区域全てに東京のほうで設置をしてございます。また、中野四季の都市(まち)の区画街路につきましても、自転車走行帯が整備されまして、良好な走行環境が実現してございます。
○小杉委員 それと道路交通法に基づく普通自転車専用通行帯、いわゆる自転車レーンというものです。こういったものですね。例えば世田谷区の事例となりますが、都道431号線、環七の泉南から笹塚出張所前には自転車レーンが設置されています。これはドライバーから見て自転車が通ることが目視でわかります。このレーンの基準はあるんでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 委員御紹介のレーンで自転車レーンでございますけども、最低でも1メートルが必要となっている道路でございます。
○小杉委員 であれば、区内でそうした自転車レーンを設置できる道はどれくらいあるのでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 自転車レーンにつきましては、先ほど申しましたように、最低でも1メートル以上が必要という基準でございます。ただ、これしか基準がございませんので、具体的にどの道路に設置できるかということはお示しできませんが、今後、レーン幅を差し引いた道路の幅員ですとか、自動車の通行量、そして自転車の通行量などを勘案しまして、交通管理者ですとか道路管理者等との関係機関と協議をしながら、設置箇所については検討していくということとなると認識してございます。
○小杉委員 計画では、この自転車レーンを検討・導入していくということですので、具体化をしっかりとしていただけたらと思います。中野区は道路が狭くて余裕がないとよく言われます。幅員に余裕がない道路でも、自転車ナビマーク、これは警視庁が進めているものですが、もしくは矢羽根型絵文字などの整備によって、自転車の走行空間を確保することができます。その一つが、最近区内でも設置されているこの自転車ナビマークですね。これはどういった基準で設置されているのでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 今、御紹介の自転車ナビマークでございますけども、警視庁が導入いたしました自転車が通行するべき部分、そして進行、進むべき方向を路面に表示するための法定外表示のことでございますが、警視庁によりますと、設置する基準といいますか、設置する場所でございますけども、自転車道、あと自転車レーン、車道の左端、そして、歩道のうち普通自転車の歩道通行部分の指定のある場所に設置するということでございまして、具体的には自転車の交通量の多い場所ですとか、設置しても自転車の安全に支障のないというところに設置されるというふうに聞いてございます。
○小杉委員 今後の警視庁としての見通しについてはいかがでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 警視庁のほうでは、都内の各警察署の管内に1区画程度設けまして、今後、順次設置していくということを聞いてございますが、具体的に中野区でどこの区域に設置するというのは聞いてございませんが、警視庁としては、順次、都内の警察署管内でそれぞれ進めていくというふうに聞いてございます。
○小杉委員 東京都の施策状況はどのようになっているのでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 東京都における自転車走行空間整備の施策ということと思いますけども、東京都では平成24年の10月に東京都自転車走行空間整備推進計画というものを策定いたしまして、2020年度までに、先ほど御紹介しました自転車レーンなど、総延長で221キロメートルまで延長するということが計画に盛り込まれてございます。
○小杉委員 総合計画で掲げる歩道における自転車の走行の検証とか、自転車マップなど、検討は進んでいるんでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 中野区の自転車利用総合計画の改正版で盛り込んだ内容のうち、既に実施できているものもございますが、歩道における自転車の走行検証ですとか、自転車マップ、そういったものにつきまして、また、それ以外の施策等につきましては、今後、庁内の関係部署、そして交通管理者ですとか道路管理者等の関係機関との連携協力等によりまして、実施に向けた検討に着手していきたいというふうに考えてございます。
○小杉委員 世界の多くの都市が自転車の活用を促す施策を導入しています。自転車走行空間を整備しています。しかし、東京の自転車の走行環境はまだまだ貧弱と言えます。中野は、住んでよし、訪れてよしのまちづくりを目指すべきです。警視庁任せにするのではなく、区が率先して整備を進めていく必要があるのではないかと思います。この項を終わります。
その他についてですが、その他については、時間の関係で割愛させていただきます。
これをもちまして、私の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で小杉一男委員の質疑を終了します。
次に、山本たかし委員、質疑をどうぞ。
○山本委員 平成28年第1回定例会予算特別委員会におきまして、全ての人に居場所と出番のある社会をつくる民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。民主党議員としては、今回で最後となるかもしれません。身を引き締めて質問をさせていただきたいと思います。
質問は通告のとおりですが、その他で1点、社会福祉協議会作成の地域の居場所情報一覧についてお伺いいたします。
初めに、1番、子ども・若者の貧困についてお伺いいたします。このテーマにつきましては、同僚議員からも質問がありましたので、なるべく簡潔に心がけますが、会派が異なる立場でもありますため、重なる箇所もあるかとは思いますが、御容赦いただきたく思います。
現在、子どもの貧困が大きな問題となっており、頻繁に新聞やニュースでも多く目にします。保育や教育など、子育てにお金がかかればかかるほど、家族の生活基盤の格差が子どもの生活や状態にはね返りやすくなります。貧困の連鎖を問題にするときは、親や家族に問題があるという家族主義的な貧困の理解だけにとどまっていれば、克服することは困難です。
こうした中、国は生活困窮者自立支援法を定め、その任意事業として、区では困窮世帯に対して、今年度から学び直しの機会を提供するため学習支援事業を行っております。今定例会で我が会派の森議員もこの件について質問をさせていただきました。改めて確認ですが、平成27年度の対象並びに対象者及び支援利用者はそれぞれ何名など、状況について簡単に御説明をお願いいたします。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 平成27年度の小学生に対する学習支援事業の対象ですが、これは就学援助世帯の小学5年生と6年生で、対象者は668名でございました。申込者全員を受け入れ、平成27年12月時点での支援の利用者は100名となっております。中学生に対する学習支援事業の対象ですが、就学援助世帯の中学1年生から中学3年生であり、対象者は1,003名でございました。支援の利用者ですが、当初の支援事業と追加の支援事業合わせまして57名でございました。
○山本委員 ありがとうございます。同じく平成28年度の学習支援事業の対象と対象者は何名となりますでしょうか。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 平成28年度の学習支援事業の対象でございますが、就学援助世帯の小学6年生と中学3年生でございまして、人数はそれぞれ約300名でございます。
○山本委員 平成28年度の学習支援事業の対象を小学校においては5年生をなくし、6年生のみとして、中学校においては、今年度中学校1年生、2年生からも多く応募があったと聞いておりますが、中学3年生のみとしたのはなぜなのか、理由を教えてください。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) まず、小学生の学習支援事業についてでございますが、これは中学校の入学に向けて学習習慣の定着を目的とした事業でございまして、小学6年生に対して1年間支援を行っていくことで目標を達成できると考えたものでございます。中学生の学習支援事業ですが、これは高校受験対策としての学習の機会を提供し、全日制高校進学を目指す支援でございます。経費や場所の確保などの側面からも検討を加えた結果、来年度は希望した子ども全員が利用できる支援とするため、中学3年生を対象としたものでございます。
○山本委員 平成27年度のこの事業の効果については、今後どう検証していこうとお考えなのか、改めてお聞かせください。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 学習支援事業の効果の検証でございますが、まず、中学生につきましては、高校への進学状況を把握してまいります。また、学習支援事業の支援の対象者であるお子様とその保護者の方に対しましてアンケートを実施することで、成績の向上や満足度等の調査を行っていきたいと考えております。
○山本委員 アンケートということですが、森議員が質問いたしまして、全員受け入れるために中3のみとしたとありましたけれども、質問の受け答えとしてちょっと答弁になっていないので、改めて伺いますが、当事者からすれば、中3で受験が迫ったときにニーズが高まるのは当然そうなると思います。そのニーズに直接応えるということと、中1の段階から学習習慣をつけて経過を見た場合とではどちらが効果的なのかということは検証なされておらず、わからずじまいであります。仮に同じ予算しかないのであれば、そちらのほうが効果が高いということも可能性としてあると思います。そうした点から言えば、現在は中学3年生だけを対象とするようですが、中学1年生、2年生のうち、希望者の全員とは予算的に難しい面もありますが、少人数を対象とした学習支援を試行的に行い、対象者を捕捉して結果を見ていくということも必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 中学校1年生、2年生に対する学習支援事業についてでございますが、平成28年度の中学生学習支援事業につきましては、希望した子ども全員が利用できる支援とするためには、中学3年生を対象として実施するものでございます。中学1年生と2年生のうち、希望者の全員ではなく、その一部である少人数に対して支援を行うという形をとった場合には、支援の対象者の選定方法などの課題や、中学3年生について希望者全員を支援するとの方針とそごが生じてしまうと考えております。したがいまして、中学1年生、2年生のうち少人数を対象とした学習支援事業を試行的に行うことは考えていないところでございます。
○山本委員 答弁わかりました。高校入試の結果もあさって出るかと思います。そうしたことも含めて、来年度以降もまた検討の余地を残していただきたいと思います。この項は終わります。
子ども食堂について、次に伺います。
現在、子どもの孤食を防ぐ子ども食堂が全国各地で始動しており、中野区でも試みが始まっております。そうした意味で、現状の学習支援事業の場で食事サービスなどは行うことができるのか、お伺いいたします。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 学習支援事業の場での食事の提供についてでございますが、学習支援事業は、子どもに学びの場を提供して学習習慣の定着や高校合格を目的とした事業でございます。学習支援事業は、学力の向上という点に着目していますので、事業の構築や実施会場の選定に当たりましては、食事の提供といったものは想定しているわけではございません。したがいまして、現時点では学習支援事業の場で食事を提供することは考えていないものでございます。
○山本委員 学習と、それと同時に食事、夜かと思いますけれども、夜に食事を提供する。区がやるということではなくても、そういったことを提供している団体の方を結びつけたりとか、そういった方向性も考えていくべきではないのかなと思います。検討していただければと思います。
次に、子ども食堂などの非営利で公益の団体が、孤食せざるを得ない家庭環境にいる子どもなど必要な方にアクセスするために、チラシやポスターなどで存在をPRする場として、PTAの回覧で案内を回してもらうなど模索しているようでございますが、すこやか福祉センターや区民活動センターなど区の施設で掲示することは可能なのでしょうか。お伺いいたします。
○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 地域の公益活動の支援は、すこやか福祉センターや区民活動センターの役割の一つでございます。公益活動をPRするためのポスター、チラシ等の掲示、配布についても協力可能でございます。
○山本委員 ありがとうございます。真に必要な子どもに、こうした子ども食堂に参加してもらうことを考えれば、プラットホームたる学校でPRができれば効果が高いのではないかと思いますが、なかなか難しいこともあると伺いました。今後の課題として認識しておいていただきたいと思います。これは要望としておきます。
次に、ひとり親家庭の貧困状況についてお伺いいたします。
国は、平成24年度の子どもの貧困率は16.3%、およそ6人に1人、その中でもひとり親の貧困率は54.6%で、ひとり親の2人に1人が相対的貧困状態と発表しております。本区でも寡婦控除の見直しをしたところであり、その点は評価しているところですが、このひとり親家庭に手当てをしていく必要があるのではないかと思います。しかし、相対的貧困率を算出するには、各個人の資産など国が所有するデータが必要でもあり、市区町村で算出するためのデータを捉えることには難しい点もあります。大きく貧困に取り組み始めた他自治体では、生活保護や就学援助の受給者割合などの指標を用いて把握しているところです。
ひとり親については児童扶養手当が受給されており、この受給状況も一つの指標と考えられます。要求資料、子ども文教5の平成26年度ひとり親家庭の児童扶養手当に関する実績を見ると、月平均受給世帯数は1,392件となっており、この数がおおむね中野区のひとり親家庭の数と考えられます。そして、1世帯当たり年間平均受給額は42万2,666円で、一月当たり3万5,222円となります。児童扶養手当は所得制限が設定されており、全部支給と一部支給に分かれていますが、その所得制限はどのようになっているのか、まずお伺いいたします。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 児童扶養手当の所得制限につきましては、扶養人数ごとに定められてございまして、例えば、扶養人数が1人の場合、年間所得が57万円未満の方が全部支給、57万円以上230万円未満の方が一部支給となります。
○山本委員 全部支給のほうが、より低所得ということですが、その割合はどうなっておりますでしょうか。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 平成26年度の実績では、児童扶養手当の受給者のうち、全部支給が51.6%、一部支給が48.4%でございます。
○山本委員 ということは、ひとり親家庭の約半数が扶養人数が1人の場合に、年間所得が57万円という水準で生活しているということがうかがえますので、貧困定義に違いはありますが、国の調査と大体一致していることが予想されます。
では、全部支給の割合はこの数年でどのように変化しているのか、お伺いいたします。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 児童扶養手当の全部支給の割合につきましては、平成24年度は51.3%、平成25年度は50.8%、平成26年度は51.6%でございまして、ほぼ横ばいという状況でございます。
○山本委員 児童扶養手当の所得制限で見た場合には大きな変化はないようですが、もともと相当に低い所得水準で生活されている状況にあると考えられます。そこで、中野区としてはひとり親家庭に対する支援を充実させるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) ひとり親家庭に対する支援といたしましては、手当のほか医療費助成、ホームヘルプサービスによる家庭支援、就職に向けた資格や技術を習得するための支援などを行ってございまして、寡婦控除のみなし適用による未婚のひとり親に対する支援についても実施してまいります。また、これらにつきましては、母子・父子自立支援員が相談をお受けし、一人ひとりの状況に応じて必要なサービスや支援に結びつける対応を行っているところでございます。
○山本委員 ありがとうございました。
次に、子どものみならず、その延長線上にある若者についての視点に移ります。
ニートやひきこもり、不登校、発達障害等の精神疾患など、子ども・若者の抱える諸問題が長年言われ続けており、区としても、小学校、中学校においてはさまざまな施策を打ち、現場の方々も奮闘されていることと思います。こうした問題に対しては、さらに深刻化する前に継続的に手を打たなければなりません。また、若者の失業率は5から6%で、全体の倍近くになり、貧困の連鎖になってしまわないか、危惧しております。区がどこまで支援するのかという問題意識は当然私も持っておりますが、中学校を卒業しても、中野区の区民であることに変わりはありません。子を育てている親の経済負担や心理負担も気になります。中学校を卒業したら、あとは都や国の仕事だ、こうした考えに区が陥ってしまっていないか。こうした考えのもとでは、全ての区民が輝く中野、失敗してもやり直せる社会には決して近づいていかないと考えております。
先週、都立高校の一次募集が行われ、あさってに合格発表があると思います。一次でうまくいかず、進路未決定の方が出ないかと心配しております。今の社会では、高校を中退し、卒業資格がなければ、その後大変厳しい状況に置かれてしまうことは想像にかたくありません。
そこで、一例ですが、公立、私立を含めた区内の高校中退者数をまず把握しておられるか、お伺いいたします。
○杉山教育委員会事務局指導室長 教育委員会といたしましては、区立の幼稚園、区立の小・中学校を所管していることから、高校中退者の数は把握はしておりません。
○山本委員 把握されていないということでありましたけれども、子どもから、それに連なる若者世代までを含めた問題は、従来の個別分野における縦割り的な対応では限界を迎えていると、平成21年に成立した子ども・若者育成支援推進法における内閣府の説明にもあります。もうそれから8年目に入るわけですし、東京都と区が連携して調査しなければ、この数字はどこにも出ないのではないでしょうか。子どもから若者を含めた関連性について、どういう現状にあるのか把握できなければ、効果的な未来への施策を打てません。エアポケット状態になってしまっている若者に対して調査の必要性を強く感じます。東京都も、全ての子ども・若者が青年期に社会的自立を果たすことができるよう、その成長を社会全体で応援することを目的とし、都は、東京都子供・若者計画を平成31年度までの5年間を計画期間とし、昨年8月に策定しました。区は子どものみならず、そこから延長上にある若者世代を含めた貧困の実態を、区、国、都と連携して調査することを強く要望するところでありますが、まずは中野区の実情に応じた中野区子ども・若者計画を策定し、子ども・若者支援地域協議会を設置して、多くの諸団体との育成支援ネットワーク構築に向けて動き出すべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 子ども・若者育成支援推進法におきまして、市町村は国の大綱や都道府県の計画を勘案した子ども・若者計画の作成及び子ども・若者支援地域協議会設置に努めるというふうな規定となっているということでございます。区といたしましても、子ども・子育て支援事業計画の内容を踏まえまして、この計画の策定についても検討してまいりたいと考えております。
○山本委員 検討いただけるということで、ありがとうございます。計画を策定するに当たって、計画というのは手段でありまして、決してつくることが目的ではありませんので、その点を踏まえて進めていっていただければと思います。
新しい中野をつくる10か年計画(改定素案)の戦略Ⅳ「生きる力・担う力育成戦略(育つ伸びるなかの)~誰もが成長し続けるまち~」を見ても、若者についての視点が見当たらないように思います。滑り台社会に歯どめをかけるためにも、子どもだけでなく、若者についての視点もぜひ織り込んでいただくことを強く要望いたしまして、この項の質問を終わります。
次に、2番、障がい者施策についてお伺いいたします。
平成25年6月に公布された障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法がことし4月に施行されることになります。この法律は、障害による差別を解消するための自治体等が取り組む内容を定めたものですが、国、地方公共団体、民間事業者が求められていることを、まず簡単に説明をお願いできますでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 差別解消法では、国及び地方公共団体に対しまして、障害を理由とした不当な差別的取り扱いの禁止と合理的な配慮の提供が法的義務とされたほか、差別の解消に向け、相談体制の整備ですとか、啓発活動の実施が求められているところでございます。国に対しましては、これに加えて、差別の解消の推進に関する基本方針や、差別の具体的内容等を示します対応要領、対応指針の作成をすることが定められているというものでございます。民間事業者に対しましては、不当な差別的取り扱いが禁止されたこと、また、合理的配慮を行うことが努力義務とされているものでございます。
○山本委員 国、地方行政機関、民間事業者の取り組みは差別解消に定められておりますが、区民に対して求められているものはありますでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 差別解消法では、個人に対して義務として求めているというものはございません。ただ、障害者基本法では「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」ということが定められているものでございます。
○山本委員 この差別解消を受けまして、中野区として、ユニバーサルデザインのまちづくりをしていくということで審議会を設置していくものだと思いますが、そこで伺いますが、その後、ユニバーサルデザイン審議会の答申を踏まえ、条例化、推進計画策定の流れになっていくものと考えておりますが、審議会はどれくらいの回数をお考えで、また、条例化の時期のめどはどう考えておられるでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 来年度立ち上げる予定の審議会につきましては、今後どのように進めるかについて未定ということでございまして、また条例の制定時期については、審議会の進捗を踏まえる必要があるということで、現在のところ未定でございます。
○山本委員 昨年4月に策定されたバリアフリー基本構想は、平成17年に策定された中野区交通バリアフリー整備構想を施設のバリアフリー化等も含め、より総合的なバリアフリーを目指してつくられております。この中で、心のバリアフリーへの取り組みの項目があり、心のバリアフリーを推進するため、小・中学校等における総合的な学習の時間を活用した学習が例示されております。多くの方が、簡単な手助けならできると思っているのではないでしょうか。障害者のことがよくわからない、どのような支援をすればよいかわからないという声をよく聞いております。
そこで、子どものころに障害について学ぶ機会を設けるべきと思いますが、現在、区内小・中学校における障害に関する学習の状況は今どうなっておりますでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 障害者理解に関する学習については、全小・中学校で実施してございます。具体的には、総合的な学習の時間や社会科の公民的分野、道徳等で学習しております。また、障害者の思いを実感するために、総合的な学習などで義肢装具体験などの体験学習を行ったり、特別支援学校や特別支援学級などと交流活動に取り組んだりしている学校もございます。
○山本委員 副読本の活用についてはいかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 副読本については小学校に配布してございますが、大体の学校で活用しているところでございます。
○山本委員 その副読本、「青空」という本なんですけれども、私も内容を拝見いたしました。昭和59年につくられまして、平成18年に一度改訂されておりますが、もう約10年たち、東京都や中野区で取り組んでいるヘルプマークやヘルプカードの記載がなく、写真も相当古いもののように見受けられます。心のバリアフリーや障害者権利条約の記載もない状況でもありますので、改めてつくり直すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 副読本については、障害者理解についての学習の状況や、障害者差別解消法の施行も踏まえ、そのあり方について検討してまいりたいと考えてございます。
○若林委員長 山本たかし委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。
午後2時57分休憩
午後3時20分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。山本たかし委員、質疑をどうぞ。
○山本委員 続行させていただきます。
また、副読本の活用は大切だと思いますが、実際の障害当事者の話を聞くことは、より学びの上で効果的だと考えます。先日、中野区視覚障害者福祉協会の会長にお話を伺いましたが、平成27年で3回程度、区内の公立小学校で話をしたことがあると伺いました。視覚や聴覚、肢体不自由などの身体に障害をお持ちの方を学校に招いて、生活する上で苦労していること、求める支援など、生の声を聞くなどの聞く学習や、その他にも、目隠しをして友人に校内を誘導してもらう体験や、車椅子に乗って移動するなどの疑似的に体験する学習を行っている自治体もあります。差別解消法が施行される来年度を契機として、聞く学習や体験学習など、障害者理解をもう一歩進める福祉教育を、より多くの区内小・中学校の総合的な時間で行われるよう、各学校に啓発を行っていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 総合的な学習の時間で取り上げる学習内容については、学習指導要領に基づき、各校の実態や児童・生徒の興味・関心等を踏まえて展開されるものでございます。福祉教育の効果については、教育委員会としても認識しているところではございますが、その具体的な実施方法については、各学校の全体の教育計画の中で位置付けていくものであり、教育委員会としましては、必要に応じて情報提供していくという考えでございます。
○山本委員 校長が選択できるメニューにはどういったものがあるんでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 福祉教育であったり、それから、自然等の理解であったり、また、さまざまな社会的な内容について、子どもたちの状況によって選ぶことができる、教育計画として立てることができるメニューになっております。
○山本委員 ありがとうございます。学校でも、オリンピック・パラリンピック教育推進校事業や、未来アスリート育成事業を行っていくとありますが、パラリンピックの機運醸成に関する取り組みとして今考えているものを教えていただけますでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に当たり、区内全ての幼稚園、小・中学校がオリンピック・パラリンピック教育の推進校となるため、パラリンピックについて、各校の教育課程に沿って学習していくこととなります。具体的には、パラリンピックの歴史やその趣旨等を調べ学習で学んだり、パラリンピアンを講師として話を聞いたりする取り組みが考えられます。
○山本委員 学校だけではなく、区民全体を対象としたパラリンピックの機運醸成に関する取り組みには何を考えておられますでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けまして、区としては、機運の醸成、またスポーツムーブメントの推進に取り組んでいるところでございます。平成28年度予算案には、オリンピックとあわせてパラリンピックの機運醸成事業についても予算を計上しているところでございます。パラリンピアン等の招聘によるパラリンピック種目の体験、また、障害者と健常者がともに参加できる障害者スポーツのイベントなど、屋内、屋外での事業の実施を検討しているところでございます。
○山本委員 よくわかりました。区では、ふれあい運動会やスポーツ教室や水泳教室、また、障害者スポーツ教室を実施しておりますけれども、パラリンピック種目を取り入れることなどできないんでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 現在実施している障害者を対象としたスポーツ事業といたしましては、主にレクリエーション的な運動を行うわくわくスポーツクラブ、また、基礎的な泳法、泳ぎ方を習得する障害者水泳教室、そういったものを行ってございます。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けまして機運の醸成を図るためにも、パラリンピックの種目を広く区民に紹介していくことは意義があることだと考えてございます。障害者スポーツ事業にパラリンピックの種目を取り入れることについても、今後どのような競技が実施可能かどうか、そういったところについて研究、また検討してまいりたいと思います。
○山本委員 ありがとうございます。新体育館建設の話も進められておりますけれども、新しくつくられるのであれば、例えばですが、ブラインドサッカーとか、運動施設で利用できるよう専用のラインを引くなど、障害者スポーツ種目への配慮も計画していってはいかがかと思いますが、どうでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 障害者スポーツを気軽に行うことができる環境を整備することは、スポーツ・健康づくりムーブメントの推進のために必要な施策であると認識しております。新体育館の整備内容につきましては、障害者スポーツへの配慮、そういったものを視野に入れながら、今後検討してまいりたいと思います。
○山本委員 ありがとうございます。13年の文科省の委託調査によれば、週1日以上スポーツをする人は、国民全体で47.5%だったのに対し、障害者の場合、18.2%にとどまる現状とのことでした。これを背景にして、政府は障害者スポーツ推進を打ち出し、オリンピック・パラリンピックに向けて障害者のスポーツ参加を促すとともに、広く障害者スポーツへの国民の理解を深めていこうとしております。しかし、それを教える障害者スポーツ指導員が全国的に少ない現状があると聞いております。区には障害者スポーツ指導員がおられるのか、把握しておりますでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 区内の全ての障害者スポーツ指導員というものは把握はしてございませんが、区が委嘱しておりますスポーツ推進委員の中に障害者スポーツ委員の資格を持つ方がいらっしゃるということは把握してございます。
○山本委員 わかりました。また、区ではスポーツ・コミュニティプラザがあり、これからもふえていく計画でございます。オリンピック・パラリンピックへの機運を盛り上げていこうとしている、こうした中において、区として障害者スポーツ指導員を育てていく取り組みを検討していく考えはないんでしょうか。お伺いいたします。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 障害者スポーツの普及促進といたしまして、必要なスポーツ施策の一つとして考えてございまして、障害者スポーツの指導者の育成についても取り組んでいく必要があると認識してございます。現在、スポーツ推進委員が障害者スポーツ指導員の資格を取得する際には、取得にかかる経費を負担してございまして、今後も障害者スポーツの指導者の育成を進めていきたいと考えております。
○山本委員 ぜひ進めていっていただきたいと思います。ありがとうございました。
続きまして、障害者の防災対策についてお伺いいたします。
中野区地域防災計画では、通常の避難所で避難生活を続けることが困難になった障害者等につきまして、二次避難所を開設することとなっております。平成27年4月現在、5カ所が指定されておりますが、当然、全ての障害者が二次避難所に行くことは想定しておらず、一次避難所でも多くの障害をお持ちの方が生活することが予想されます。現在、学校等に設置される一次避難所に配備されている障害者支援の物資はあるんでしょうか。お伺いいたします。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区の備蓄物資で障害者支援として活用できるものといたしまして、流動食やおかゆ、大型テントつき組み立てトイレ、車椅子、段差解消スロープ、筆談器などを配備しております。
○山本委員 現場では張り紙やホワイトボードなどでの案内もあるとは思うんですけれども、聴覚障害、視覚障害の方への情報伝達方法については、それ以外でどのように考えておられるんでしょうか。お伺いいたします。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害対策本部からの情報伝達手段といたしましては、聴覚障害者が受け取れるものとして、区のホームページ、ツイッター、防災情報、メールマガジン、エリアメールなどを整備してございます。視覚障害者が受け取れる情報伝達につきましては、防災行政無線、ジェイコム中野のケーブルテレビからの協力放送などがございます。また、委員のお話にもございましたが、避難所におきましては、聴覚障害者につきましては、ホワイトボードによる広報ですとか、筆談器を使った筆談、視覚障害者につきましては、避難所運営における口頭での情報伝達により、情報収集やコミュニケーションが行われるものと想定しております。
○山本委員 杉並区では、防災行政無線内容を自動テキスト化するというような試みもあるようですが、うちではできないのか、お伺いいたします。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 杉並区につきましては、杉並区の防災行政無線の製造メーカーの独自オプションと聞いております。中野区とは製造メーカーが違いますので、自動化する機械を導入することは困難でございます。
○山本委員 そうですか。独自オプションということなんですね。わかりました。承知しました。
視覚障害者は人込みでの移動が難しく、急いで逃げようとする後ろの人から押されたり、突き飛ばされたりという不安や危険と闘わなければなりません。そこで、災害時に視覚障害者が身の安全を図るためには、自分の存在を周りの人に知ってもらい、手伝ってもらう必要があります。
一例を紹介させていただきますが、狛江市では、都内で初めて災害時に視覚・聴覚障害者らが避難する際に、周囲の人に自分の存在を知ってもらうためのツールとして、こまベストという災害ベストを開発し、避難行動要支援者名簿に登録した方の中で身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかをお持ちの方、難病の指定を受けている方など、もちろん希望者にですが、配布しております。視覚障害の方用のものを拝見すると、色は蛍光色で、素材は雨をはじく仕様でできておりまして、前面と背面に反射テープで、「目が不自由」という文字が大きく描かれており、ヘルプマークも大きく描かれております。胸ポケットには、ひもでつながった災害ホイッスルや、スケルトンポケットにはヘルプカードが入っているものでした。大変アイコンとしてわかりやすいと感じた次第でございます。
このベストは、視覚・聴覚障害をお持ちの方用ですが、ヘルプマーク所有者には援助や配慮を必要としていることが外見からはわからない内部障害や難病をお持ちの方、妊娠初期の方などもおられます。症状の中には、既にわかりやすいシンボルマークがつくられているものもあります。中野区でも、各障害福祉団体などからヒアリングをして、わかりやすいシンボルマークアイテムを利用した避難のあり方について調査研究を進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 障害者団体とは、障害者団体の防災委員会や総合防災訓練などを通じまして意見交換を図っております。障害者の方々から聞き取りを行いまして、支援を受けやすい表示方法について研究、検討等してみたいと考えております。
○山本委員 避難所には水槽やポリタンク、発電機、投光器等が標準配備されているようですが、これらは二次避難所にも配備されているんでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 二次避難所で必要な物資につきましては、二次避難所開設が決定した時点で、避難所から区の輸送班が災害協力の協定事業者の協力をいただいて運ぶこととなっております。
○山本委員 発生時から、発災してから運ぶという理解でよろしいでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 委員の認識のとおりでございます。
○山本委員 そうした際に、緊急輸送道路をもって車で運んでいくんだと思いますが、発災のレベルによって、道路が埋まっているとか、なかなか運び出せないような状況も考えられるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害発生時の輸送経路の確保につきましては、経路の確保を図る警察と協力しながら、輸送経路の確保に努めてまいります。
○山本委員 間に合うという認識ということだと思います。発電機には、ガソリンを使用するタイプだけではなく、カセットコンロに使うガスを使った発電機もあると聞きます。ガソリンでは備蓄が法律上できませんが、こうしたカセットガスは備蓄ができます。また、二次避難所だからこそ配備すべき物資もあります。当事者の意見を踏まえ、配備すべきではないでしょうか。お伺いいたします。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)におきまして、避難所や二次避難所を含めた要配慮者の対応につきまして、避難所運営マニュアルの改定、備蓄物資の見直し等図り、避難所運営の充実強化を図ることとしております。二次避難所の避難方針につきましては、施設関係者の意見など聞きながら検討してまいりたいと考えております。
○山本委員 承知しました。ありがとうございます。
最後に、重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援事業の制度変更についてお伺いいたします。
今年定例会において、当事業の制度変更に伴う補正予算が議決されました。改めてどのような変更だったのか、簡単に御説明をお願いいたします。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者総合支援法では、区市町村が支弁いたしました給付費のうち、国が2分の1、都道府県が4分の1を負担するものというふうに定められております。しかし、同施行令によりまして、介護給付費のうち、居宅介護や重度訪問介護といった居宅系のサービスの給付費につきましては、厚生労働大臣が定める基準と障害者のニーズ等によって算定した金額と実際の給付額の低いほう、それを国、都道府県が負担するものとなっております。中野区の場合ですと、厚生労働大臣が定めた基準に基づきます算定額が実際の給付額を下回るとなっておりますために、国、都の負担が2分の1、4分の1となっていないというものでございます。重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援事業につきましては、中野区のように実際の給付額を低く算定しております自治体に対しまして、国及び都が補助金を出すという制度でございます。
平成27年度から厚生労働大臣が算定する基準額、こちらが5%増額されました。これにあわせまして事業の補助内容が見直しとなり、財政基盤の弱い自治体のみへ補助金をいただくために、特別区は対象外となったというものでございます。ただし、東京都におきましては実際の給付額の4分の1になるように補助を継続しているというものでございます。
○山本委員 ありがとうございます。中野区の場合、この制度の変更によってどの程度の負担増となったのか、教えてください。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 平成27年度の決算見込み額でございますけれども、当初予算の積算時に比べまして、約6,500万円の負担増となっております。
○山本委員 6,500万円ということで、大変大きな額だと思います。特別区では、23区中16区で超過負担となっている現状であります。全国の他の自治体の状況については把握されておりますでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 平成25年度決算の数字になりますけれども、全国で1,675自治体のうち、超過負担が生じておりますのは405自治体、約24%となっております。
○山本委員 なぜ特別区は超過負担の区が多いのか、教えてください。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) サービスの利用者の状況がそれぞれ異なりますために、一概には言えないと思っておりますけれども、障害福祉サービスの事業者が東京都内には多くございますので、サービスが提供できる量が多いということも理由の一つではないかというふうに考えております。
○山本委員 これについて、国に対して東京都と連携して強く申し入れをしたとのことですが、28年度以降についての超過負担についてはどう考えておられるのか、金額がわかればお答えいただきたいと思います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 平成28年度予算におけます居宅系サービスの給付額は、約9億4,000万円ほど見込んでおります。平成27年度決算見込みにおきますと約9億円となっておりますので、27年度に比べ増加傾向にあるというふうに考えております。
○山本委員 ありがとうございます。居宅系サービスは、重い障害をお持ちの方、そして御家族にとっては、生きていく上ではなくてはならない重要なサービスです。改めて確認いたしますが、区の持ち出しがふえることによって、サービスの支給量を減らすことはないという理解でよろしいでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 居宅系の障害福祉サービスの支給に当たりましては、区の調査と医師の意見書、主治医の意見書を踏まえまして、支援区分というものを認定いたします。その後、相談支援事業者はサービス等利用計画というものを作成いたしまして、区で勘案事項調査を踏まえてサービスを決定していくというものでございます。今後も適正な手続のもと、適切なサービスの支給決定を行ってまいりたいと考えております。
○山本委員 減らすことはないということで、ありがとうございます。以上でこの項についての質問を終わり、次の項に移ります。
続きまして、3番、区のICT活用についてお伺いいたします。
本区のホームページにおいて、区主催のさまざまなイベントスケジュールを掲載しており、ジャンル、分野別に一覧となっております。これは便利な機能だと思いますが、現状では情報を取得するためには、区のホームページに毎回訪れなければなりません。区民がより利便性を感じられる情報提供のあり方として、提案ですが、このスケジュール一覧、例えば、グーグルカレンダーなどのウェブカレンダーサービスを利用されている方も多くおられると思います。そこで、分野別のスケジュールをウェブカレンダーで利用できるように、オープンデータ化して提供することは考えられないでしょうか。お伺いいたします。
○酒井政策室副参事(広報担当) 区のホームページのイベントスケジュールについては、現在でもXML形式でダウンロードは可能でございます。ウェブカレンダーについてはさまざまな形式があるので、利用者にどのように提供したら利便性が高まるか、今後研究していきたいと考えております。
○山本委員 ぜひ検討をお願いいたします。
続いて、区の「わたしの便利帳」についてお伺いいたします。
現在、区では、区への届け出や区の各種サービスのお問い合わせ先など、日常生活に必要な情報を掲載した冊子「わたしの便利帳」――こちらですね――を2年に1回発行、配布しております。また、電子書籍化し、「わが街事典」というアプリを通して読むことが可能になっております。皆さん、御存じでしたでしょうか。しかし、紙の冊子のほうの表紙には、左下隅に「わが街事典」のロゴがあるだけで――こちらでございます。この小さいものですが、これが電子書籍で読めると理解できる利用者は少ないのではないかと思います。区のことを知ってもらう大切な最初の情報冊子でもありますので、アプリを使って電子書籍としても読めることを、次号からは紙のほうでもわかるように、また、区ホームページトップの下段に設置してあるバナーの一つとしてお知らせするなど、工夫が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○酒井政策室副参事(広報担当) 「わたしの便利帳」は隔年発行のため、次回制作する平成29年度版で電子書籍版の案内について工夫していきたいと考えております。
あと、中野区ホームページにある関連サイトのバナーの数には限りがございまして、その他の方法も含めて周知の工夫をしていきたいと考えております。
○山本委員 ぜひよろしくお願いいたします。
区民がより利便性を感じられる情報提供のあり方として、スマートフォンのアプリケーションを用いた取り組みを行っている自治体はますます増加しております。例えば、結婚から妊娠・出産・子育てまでの切れ目のない支援を行う、男女ともに活用できる千葉県の「ちば
My Style Diary
」や、大規模災害発生時にネットがつながらなくても、避難地図がバッグに入っていなくても、最寄り避難所や医療救護施設がわかり、また、アプリに投稿機能を持たせ、利用者からの投稿により実質的な安全な避難経路の情報共有を相互に可能にする杉並区の「すぎナビ」など、多岐にわたります。
こうした中、本区でもごみ分別アプリについて予算が上がっておりますので、お伺いいたします。まず、このごみ分別アプリですが、既に導入済みの他自治体もあります。他自治体のアプリは参考にされたんでしょうか。また、どのような機能を求め、導入によってどのような効果を期待していたものなのかについて教えていただけますでしょうか。
○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) まず、ごみ分別アプリでございますが、ごみや資源の分別方法や出し方を簡単に検索する機能や、最初に住所を入力いただくと、お住まいの地域のごみや資源の収集日をカレンダーに表示できる機能を考えております。また、台風や大雪の際の収集時間の変更等、区からのお知らせ情報の提供なども可能になります。そのほかにも粗大ごみについてはアプリ内に申込先のリンクを掲示しまして、そこからアクセスすることで申し込みを行えるようになります。
他の自治体の導入例につきましては、既に導入しております23区の導入例や、日野市や宇都宮市など、他の自治体で導入された例も参考に検討を進めてきたところでございます。このアプリの導入によりまして、新たに転入してきた方や若年層の方が分別ルールの把握がしやすくなることや、区からの情報を迅速に入手できるなど、導入による効果を想定しております。
○山本委員 ありがとうございます。粗大ごみについてなんですけれども、区で受け付けをした後、混みぐあいにもよりますが、回収日となるのは大体二、三週間後だと思います。そのために、いざ当日になって、予約した粗大ごみを出し忘れる方が多くおられるのではないかと予想しております。そうした場合、回収業者が回収に来ても物品がなく、無駄足になってしまい、申込者も再度受け付けし直すことになります。当然、回収に伺うコストというものが発生しているわけでありまして、そこで伺いますが、このアプリにはカレンダー機能があると今伺いましたけれども、こうした負担を減らすためにも、粗大ごみの申し込みについては、アプリ内から飛んだスマートフォン用粗大ごみ回収受け付けページで受け付け後、このアプリと連動して、アプリ内のカレンダーに回収日の表示がされて、また前日にプッシュ通知が来るなど、忘れないようにリマインダーの機能をつけることは想定されているんでしょうか。お伺いいたします。
○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 今回導入を想定しておりますアプリでは、ごみや資源の回収日をカレンダーで表示し、閲覧できる機能は想定してございます。しかし、御自身で申し込まれた粗大ごみの回収日を表示するには、カレンダーにメモ入力の機能を追加する必要がございますが、この点につきましては、カスタマイズ経費が相当程度かかるということから、当初の機能では盛り込んでございません。来年度のアプリ導入後、アプリの利用状況を見ながら、利便性の向上に向けた機能の充実につきまして、さらに研究していきたいというふうに考えてございます。
○山本委員 ありがとうございます。前向きな改善の答弁、ありがとうございます。
そしてまた、古紙、段ボールなどの集団回収についてですが、このごみアプリで住所ごとに回収曜日などの案内が表示されるということでよろしいでしょうか。
○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 集団回収につきましては、町会・自治会単位、あるいはマンションや集合住宅単位などで回収してございます。町丁や番地表示だけでは判別できない複雑な境界を持つ町会・自治会や、個別に回収されている団地やマンションなど、単に住所情報だけでは案内できないという課題がございますことから、住所入力により回収日を自動的に表示するということは現段階では困難でございます。
○山本委員 中野区は集団回収が非常に発達していると伺っております。現時点ではできないということで、残念ですが、集団回収について、アプリにそうした表示が無理であれば、そのかわりに集団回収についてはなぜ案内がないのか、疑問を持たれる利用者は多くおられると思いますので、何らかの説明文を表示したほうがよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 集団回収につきましての説明文、また集団回収のホームページへの申し込みのリンク、こういったものはアプリ内にきちんと表示したいというふうに考えてございます。
○山本委員 ありがとうございます。また、ごみ出しの曜日を間違われるのは外国の方が多いと思われますが、分別アプリの多言語対応はどうなっておりますでしょうか。
○高橋環境部副参事(ごみゼロ推進担当) まずは日本語版のごみ分別アプリを作成した後に、対応が必要な外国語の種類などにつきましても検討した上で、多言語対応を図っていきたいというふうに考えてございます。
○山本委員 どうもありがとうございました。
次に、子育て支援ハンドブック「おひるね」についてお伺いいたします。
区は、子育て支援の情報を案内することを目的として、子育て支援ブック「おひるね」を毎年更新し、作成・配布をしております。また、次号からは広告をとり、発行費をかけないようにすると、昨年、所管委員会にて報告があり、そうした効率的な方法で進めようとしていることは評価するところです。「おひるね」ですが、この冊子の対象者、つまり、主に考えている読み手は子育てを控えた、もしくは子育て真っ盛りの比較的若い方々だと思います。こうした方々は、やはりスマートフォンで情報をとる方が多くおられるのが実情だと思いますが、そうした中、先ほど申し上げました「わたしの便利帳」を「わが街事典」というアプリで電子書籍にしたのと同様に、まずは「おひるね」についても「わが街事典」に掲載することについてはいかがでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 委員御案内をいただきました子育て支援ハンドブック「おひるね」につきましては、冊子のほか、掲載情報につきましては電子書籍化をいたしまして、パソコンやスマートフォン等でも利用できるようにしてまいる予定でございます。
○山本委員 既にもう進められて、これから委員会報告をしていくということの理解でよろしいでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 事業の予定につきましては、先月の子ども文教委員会で報告したところでございます。業者選定を終えまして、今後、協定を結んでいく、こういった事務手続に入る予定でございます。
○山本委員 ありがとうございます。また、電子書籍化にする際、ただPDF化にしてアップするというのではなくて、PDFには文書内にリンクを張るという機能がありますので、メニューから該当ページにジャンプできるよう、「わたしの便利帳」ともどもお願いできればと思います。これは要望です。
また、さらに申し上げれば、紙のこの冊子は一覧性、網羅性にすぐれているため、アプリで見られるからといって、なくしてはいけないものだという認識ですが、メニューを全て載せる性質のため情報量が多く、必要な情報にたどり着きづらい。紙面が白黒であることや行政用語が多いことなどから、頭に入りづらい方なども多くおられるのではないかと感じております。例えばですが、家電製品を購入したときなど、厚いマニュアルにプラスして、カラー刷りの紙1枚で最初の手順などを記載したガイドが付随していることが多々あります。このような必要な情報にたどり着きやすくするよう、とっつきやすく、また視認性にすぐれたものに工夫していくことは検討いただけないでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 内容につきましては、今後民間のノウハウを活用いたしまして編集を行うなど、委員ただいま御提案いただきました内容につきましても参考に、見やすく使いやすいものとなるよう工夫してまいる考えでございます。
○山本委員 カラーにするという考えはないんでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 冊子につきましては、カラー版ということで考えているところでございます。
○山本委員 カラーにするということも大切だとは思いますが、ほかにも工夫の余地はあると思いますので、今後についても、利用者目線に立ったユーザビリティーを確保していくことを意識して取り組んでいただくことを期待して、次の質問に移ります。ありがとうございました。
ISMS認証の取得についてお伺いいたします。
情報セキュリティマネジメント体制を確立し、ISMS認証を取得するということですが、まず、その内容についてお伺いいたします。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) ISMSといいますのは、情報セキュリティマネジメントシステムの略称で、個人情報や機密情報を守るための対策につきまして、PDCAサイクルで継続的に見直し・改善を行っていく仕組みでございます。セキュリティポリシーやリスクアセスメントに基づいた具体的な対策の計画、その実施運用、監査、見直しを継続的に行っていくというものでございます。こうした情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格が定められてございまして、これに準拠しているかどうか、第三者機関の審査を経て認証を受けるということになるものでございます。
○山本委員 ありがとうございます。なぜ今、ISMS認証の取得を目指すことになったのか、その理由や背景について教えていただければと思います。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 年金機構や他の自治体などでサイバー攻撃による情報漏えいなどの被害が出ている状況がございます。こうした中で、情報セキュリティに関するリスクが高まっているという状況でございます。また、マイナンバー制度の運用も開始してございますが、平成29年7月には自治体間の連携も開始するということに向けまして、セキュリティ対策をさらに強化していく必要があるというものでございます。こうした中で、職員のセキュリティレベルの向上を図るとともに、国際水準の対策を講じることについて、第三者の認証を受けることで区民からの信頼を高めていくことを目的としているものでございます。
○山本委員 ありがとうございます。他の自治体でのISMS認証の取得状況はどのようになっているのか。特別区の中で既に取得しているところはあるのか、お伺いいたします。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 他自治体の状況としましては、東京都、杉並区、三鷹市、藤沢市、西宮市、豊中市で認証を取得しているというふうに把握してございます。いずれの自治体でも、情報システム担当や市民課の窓口などに対象を限定して認証を取得しているというふうに認識してございます。
○山本委員 他の自治体では一部の職場だけで認証を取得するケースが多いと今お伺いしましたが、全庁で取得する理由は何でしょうか。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) ほとんど全ての職場で何らかの個人情報や機密情報を取り扱っているという状況がございます。単にISMS認証を取得するのが目的であれば、一部の職場に限定して取得するほうが効率的ということもあるかもしれませんが、庁内全体で職員の意識を高めてセキュリティレベルを向上させることを目的としてございますので、基本的に個人情報や機密情報を取り扱う全ての職場を対象として認証を取得する必要があるというふうに考えてございます。
○山本委員 必要性は大変よくわかります。全庁でISMS認証を取得するのに、職員の事務負担や人的コストはどれくらいかかると見積もられているんでしょうか。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 全庁的に最も多く影響するのは内部監査の実施でございます。庁外の職場も含めて113の職場で書類審査や実地審査を行う予定でございます。一つの職場に対して、二、三名で1チームの監査人が対応することや、内部監査人の育成研修に2日程度を想定することから、そういった負担は生じるというふうに考えてございます。
○山本委員 内部監査はどのような体制で実施していくのか。全ての職場から内部監査人を選出する方法や、制度所管が一括して行う方法などが考えられます。幾つかのパターンを検討しているのであれば、それぞれのメリット・デメリットも踏まえて検討状況をお教えいただけますでしょうか。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 内部監査体制につきましては、現在検討を行っているところでございます。内部監査人の育成を通じて、職員のセキュリティレベルを向上させるという効果や、監査業務の負担などを勘案して、バランスのとれた体制を構築していきたいというふうに考えてございます。
○山本委員 ISMSの認証取得を全庁で進めていくのは非常に大変なことであろうと思います。各職場の理解と協力を大きく得ていく必要があるとも考えます。
最後に、制度所管としての御決意をお伺いいたします。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 個人情報や機密情報を含む情報資産の適切な管理運用を一層強化し、区民の方々から高い信頼が得られるよう、ISMS認証の取得を目指して取り組んでまいります。また、認証の取得に当たりましては、全庁の職員の理解と協力が必要不可欠でございますので、情報セキュリティの強化や認証の取得について、必要性や意義を浸透させ、全庁が一丸となって取り組むようにしていきたいというふうに考えてございます。
○山本委員 ありがとうございます。国際基準であるISMSの認証取得ができれば、役所として情報セキュリティに対する対策が客観的に担保されていることにもなります。区民にとって信頼性が非常に高いものとなりますので、我々としても応援していきたいと思っております。以上でこの項についての質問を終わりにして、次に進みます。
次に、4番、行政評価についてお伺いいたします。
中野区は、平成25年から外部評価のシステムを大きく変更されました。内部評価においては、まず主管部が自己評価を行い、その評価結果に基づき、他部による部間相互評価を実施、さらに各部長で構成する内部評価委員会による評価を行っております。外部評価においては、対象を全分野の3分の1程度に絞り込み、全分野を3年間で一巡する形となりました。また、内部評価結果と確定値が反映された決算資料を評価資料に加えるため、外部評価の開始時期を従来の6月から決算調製後以降の9月ないしは10月におくらせました。これらの新しい仕組みに変更され、今年度をもって全分野の外部評価がちょうど一巡したところですが、この平成25年度に見直しをした行政評価制度について、担当としてはどのように評価しておられるのか、お聞かせください。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 内部評価につきましては、部間相互評価等の実施によりまして、職員の行政評価に対する理解度が深まるとともに、評価の質が向上したものと評価してございます。また、外部評価につきましては、確定値が反映された決算資料等を評価資料とするとともに、各年の評価対象を全分野の3分の1程度に絞り込み、審議に十分な時間を確保することができたことから、評価の精度は向上し、一定の成果を上げている、このように評価しているところでございます。
○山本委員 今回、予算資料とともに配られた平成27年度外部評価報告書を読ませていただきました。今年度は19分野について外部評価が行われております。外部評価結果の講評にも記載がありますが、評価結果を見てみると、外部評価の点数は、内部評価結果をほぼ全分野において下回るものとなりました。外部評価のほうが厳しくなることは必然だと考えますし、それでこそ意義があるとも思います。一方で、内部評価と外部評価の点数の差が全くない分野もあれば、大幅に差が出てしまっている分野もあります。例えば、生活援護分野は内部評価、外部評価ともに8.0です。逆に、健康・スポーツ分野は内部評価が7.5なのに対し外部評価では5.2と、2.3ポイントも差が出ています。このように、内部評価と外部評価の点数の差に分野によって差が生じてしまうというのは、評価の仕方が一定ではないのかと感じてしまうんですが、どのようにお考えでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 評価項目、それから評価の視点、配点等の評価基準、これにつきましては、外部評価も内部評価も同様の基準で評価を行っているところでございます。しかしながら、区民などの外部からの視点による評価のほうが一般的には厳しいものとなってございまして、これまでの傾向も同様でございました。職員による内部評価と必ずしも同じ評価とならないからこそ、外部評価を実施している意義がある、このように考えているところでございます。
○山本委員 また評価結果を細かく見ていくと、目標の妥当性と指標の妥当性がともにゼロとなっている分野が幾つか散見されます。これでは指標自体が意味のないものになってしまっているのではないかと考えます。外部評価が特に指摘すべきとした事項の中には、他区との比較――ベンチマークですが――が可能な指標を設定してもよいというようなコメントも見られます。平成27年第3回定例会決算特別委員会で我が会派の中村議員が目標設定の適正化について質問した際、平成26年度の目標から区政目標、指標の標準化を目指した整理を行ってございます。区政目標につきましては、当該年度に重点的に行う事項をわかりやすく目標に記載するということにしておりまして、予算編成過程において、目標の適正化につきまして適宜検討し、判断しているというところでございます。また指標につきましても、他都市とも比較可能な、例えば統計調査をしている基幹統計のデータですとか、そういったベンチマークにもなり得る指標を政策室とも協議の上、定める形としておりまして、事業の成果が適切に説明できるというようにしたところでございますと御答弁されておりますが、平成26年度の目標から整理を行ったとのことですが、外部評価では指摘をされております。指標の設定において、平成28年度の各分野の目標の適正化はどのように見直しを行ったのでしょうか。お聞きします。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 28年度の目標における指標の設定につきましては、部、分野及び施策目標の達成度を客観的に測定できる、原則定量的な統計調査で、目標に対する影響力は一定以上であること、2といたしまして、一定期間ごとに確実に収集可能な統計調査であること、3といたしまして、区民から見てわかりやすいものということを要件にして設定することを徹底しております。また、いずれの指標におきましても、できる限りベンチマークをあわせて記載し、他との比較ができるものとすることにしまして、重点的な取り組みに対する指標については、できる限り数値ではなく割合で設定するように見直しを図ったところでございます。
○山本委員 ありがとうございます。外部評価報告書に記載のある評価結果の講評の中で何点か気になる点がありますので、幾つか質問させていただきます。
まず、事業の効率性についてです。単に業務の委託化、指定管理者制度の導入をもって効率化したというのは早計である。導入前後での人員と経費の増減比較も必要であるが、区民の利便性やサービスが充実・向上したかといった視点からの指標実績を評価すべきであるとか、業務の委託化、指定管理者の導入後も、受託者・指定管理者に対する指導・監督を継続して実施するとともに、委託事業や指定管理者の運営事業についても、効率性・有効性をできるだけ定量的にモニタリング・評価を行い、サービスの質の低下を招かないようにする必要があるとか、国庫補助の活用をもって効率性があると評価していたケースがあったが、そのことだけをもって効率的であるとは判断できないだろう。国や都の補助金であっても、やはり費用対効果の検証が必要であるというような指摘がされております。御担当として、これらの指摘に対してどのような認識をされておりますのか、お聞きいたします。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 事業の委託化等にかかわる評価につきましては、昨年度の外部評価委員会におきましても指摘がございまして、今年度の行政評価表には委託業務等を導入している事業を評価するように、評価表の見直しを行ったところでございます。今後の行政評価におきましても、評価の精度が向上するよう、工夫等を図って行っていきたいと考えてございます。
○山本委員 次に、今後の課題の中で参考意見として、外部評価の発展に向けた課題と方向性について触れられております。その中で、一般区民とのコミュニケーション機能の強化についても指摘されております。現在のところは中野区の外部評価委員会は、公開ヒアリングを除き一般区民との接点があまりない。また、公開ヒアリングの傍聴者人数も決して多いとは言えない状況にある。しかし、外部評価委員会において議論されている内容の大半は一般区民へのサービスや生活基盤に係る事柄であり、しかも密度の濃い内容が多分に含まれている。ただ、残念なことに、本委員会での議論が一般区民の目に触れることがそう多くはない。ICTなどを積極的に活用することで、より多くの区民に行政の諸施策やまちづくりに関心を持っていただくことができる契機を提供できると思われる。ぜひとも検討をお願いしたいと指摘されております。
今年度の外部評価委員会は平日の日中に2日間行われ、傍聴者の数は5名でした。前回の中村議員の質疑で、今後、土日開催や夜間の開催に関しても検討するとの御答弁がありました。ICTの活用も指摘されておりますが、ネット中継も一つかと思います。より多くの区民に関心を持っていただくため、来年度以降、担当としてどのように工夫したいと考えているのか、お答えください。
○田中経営室副参事(行政監理担当) これまでも区報、ホームページに加えまして、区役所1階のロビー展示ほか、昨年度からはインフォメーションディスフレーの活用、それから、フェイスブックの活用など、区民への周知には努めてきたところでございます。さらにICT等、効果的な方法・手段がないか、これらを検討するとともに、外部評価委員を通じた口コミによる周知、こういうことも行っていきたいと考えてございます。
○山本委員 さまざまやられているようですけれども、いま一つ傍聴者の伸びが足りないということもありまして、ネット中継もひとつ検討いただけるように要望いたします。
冒頭に述べたとおり、今年度をもって全分野の外部評価がちょうど一巡したところですが、来年度の行政評価についてはどのような方法で行う予定なのか、お伺いいたします。
○田中経営室副参事(行政監理担当) この3年間で行政評価の精度が向上しまして、一定の成果は上がっていると評価しているところでございまして、基本的には現在の方法を踏襲する考え方でございます。その上に立ちまして、外部評価の公開ヒアリングにおきましては、より政策的な議論が行われるよう、評価表の見直しなど検討してまいりたいと考えてございます。
○山本委員 最後に、外部評価の講評の中で今後の課題として大切な指摘をされているので、お聞きいたします。長年にわたる制度運用の過程で行われた個々の修正変更等により、外部評価制度の精緻化とそれに伴う業務量の増大が懸念される。全体として中野区の外部評価が何を目指しているのか、また何を狙っているのかが不明瞭になりつつある。外部評価のビジョン及びコンセプトが何たるか、いま一度確認する時期に来ているのではないかとも指摘されております。この指摘について、担当としてはどのようにお考えなのかをお聞きし、この項の質問を終わります。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 行政評価は区の仕事や成果、事業実績などにつきまして、主に数値等を用いて評価・検証した結果、事業の内容の見直しや改善、こういうものにつなげていく仕組みでございます。外部評価の目的も同様でございまして、公開ヒアリングにおきましては、より政策的な議論が活発に行われるとともに、事業の見直し・改善につながるよう評価、そのような指摘がなされるように評価表等の見直しを検討してまいりたいと考えてございます。
○山本委員 ありがとうございました。
5番、その他で社会福祉協議会の関係について1点お伺いすると申し上げましたけれども、時間の都合上、次の機会に回らせていただきます。
以上で全ての私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で山本たかし委員の質疑を終了します。
次に、加藤たくま委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 平成28年予算特別委員会におきまして、自由民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。
先ほど市川委員より中野区議会の歴史を伺いまして、議員になって1年足らずの私がこの場に立てることに幸せを感じております。了承は得ていませんが、新人11名を代表しまして、先人の先輩方に感謝の意を表します。
残り時間はこのようになっておりますが、5時もしくは1時間程度を目標としております。質疑項目は通告のとおりで、その他はございません。それでは、質疑を始めます。
1、世界最先端水防システムの構築について。この項に関しましてはイントロが長く、質問まで時間がかかりますが、御了承ください。このタイトルは、かなり大風呂敷を広げたタイトルと思われるかもしれませんが、これからお話しさせていただく水防システムは、その地位を担うものになると思っております。
平成27年9月、関東・東北豪雨による鬼怒川の大洪水は大きな爪跡を残しました。我が会派は、昨年12月、被災に遭った下妻、常総市に赴き、自然の驚異を目の当たりにしました。その大きな被害をもたらした豪雨は、線状降水帯と呼ばれ、気象レーダーの発達により、その存在は近年認識され、最近、増加傾向にあるということがわかっております。気象学会としてもこの現象の理解が不十分で、その発生メカニズムの解明には至っておりません。それは地球温暖化が一因とも考えられておりますが、歯どめがかからない温暖化が線状降水帯の発生頻度を増加させる可能性も示唆されております。線状降水帯のような豪雨が降った場合は、幾ら環七地下調節池があるからといっても、中野においても洪水から守られる保証は全くありません。
平成27年第3回定例会の一般質問におきまして、私、加藤が提案させていただきました内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(通称SIP)のレジリエントな防災・減災機能の強化、サブタイトル、リアルタイムな災害情報の共有と利活用における豪雨・竜巻予測技術の研究に関してですが、その後、中野区は社会実験へ参加することとなったと聞いております。私が質問する際に、この研究が一体どういうものなのか、説明が不足していたと思いますので、改めてこの場で説明させていただきたいと思います。
まず、本研究の経緯を説明させていただきます。内閣府の戦略的イノベーションは、アベノミクス3本の矢であります大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の中の成長戦略で、政府が今後我が国で重要となる事業に対して、特に力を入れて行う10のプロジェクトから成り立っております。革新的燃料技術、次世代パワーエレクトロニクス、革新的構造材料、エネルギーキャリア、次世代海洋資源調査技術、自動走行システム、インフラ維持管理・更新・マネジメント技術、レジリエントな防災・減災機能の強化、次世代農林水産業創造技術、革新的設計生産技術の10のプロジェクトです。その中の一つを担っております。そして、この中野区で行うプロジェクトは、レジリエントな防災・減災機能の強化における豪雨の研究におきましては、3・11以降、地震・風水害が多い日本において、災害を抑制させるというニーズを受けまして、政府はその災害対策に関する英知を集結して、災害と闘い、人命を守るプロジェクトが推進されております。本プロジェクトは、毎年5億円、5カ年程度の予算が組まれております。これらの成果はいずれ国外へと輸出し、社会貢献、世界貢献するものとなるでしょう。そして、その背景の中で中野区はこのゲリラ豪雨予測情報に関する社会実験に参画するということです。
ここで、国のゲリラ豪雨対策の歴史を簡単に説明させていただきます。2008年7月28日に兵庫県神戸市灘区の都賀川で発生した5人が亡くなるというゲリラ豪雨による水害事故を受けて、このフリップに出しますレーダー、左のものができました。右のほうが5年前の最新技術のレーダーで、一つのメッシュが1キロサイズで、この情報が更新されるまで5分から10分かかっておりましたが、5年前、その事故を受けて開発されたXバンドMPレーダーというものは、1個の解像度が、メッシュサイズが250メートル掛ける250メートル。1分前の降雨の情報が見られるようになりました。この技術を使うことによりまして、リアルタイムな豪雨の状況がわかるようになりました。そして、その豪雨情報はホームページやスマホアプリで今、誰でも見られるようになっております。
この研究から5年程度たった現在、このリアルタイムなゲリラ豪雨の情報と気象学的な予測指標をあわせることで、60分後のゲリラ豪雨の予測をすることができるようになりました。そして、この60分後までのゲリラ豪雨の情報を使って、浸水予測1時間後までのができるようになりまして、中野区内で危険な箇所がどこになるかというのが表示されるようになりました。
こういったゲリラ豪雨の情報を用いた河川、下水道の氾濫モデルは世界初のものです。そして、この当該研究の担当所管である国土交通省の国土技術政策総合研究所は来年度にこの情報を一般公開する。ホームページで見られるようにするということです。大体、イメージとしましては、このように20分前の情報から現在情報、そして1時間後の浸水情報が見られるようになってきました。この情報を使うことによりまして、中野区役所職員及び区民の方々がどのように防災・減災、避難行動のためにどう利用するかを社会実験するというのがこのプロジェクトの内容になります。
これによりまして、ゲリラ豪雨という言葉の定義は、小部隊による奇襲などで敵を混乱させる戦法、またはその部隊や戦闘員のことをいいますということです。つまり、いつ、どこにあらわれるかわからないというものをあらわしますが、60分後にゲリラ豪雨がどこで発生するか、どういう被害が起こるかということがわかるということによりまして、もはやゲリラではなくなるということです。つまり、ゲリラ豪雨をゲリラ豪雨ではないただの豪雨にしてしまうというすばらしいシステムです。このプロジェクトによって、中野区からゲリラ豪雨をなくします。しかし、その情報を上手に伝えなければなりません。
そこで重要となってきますのが、同じく平成27年の第3回定例会で質問させていただいた大規模災害に備えたタイムライン(防災行動計画)です。タイムラインを策定することで、2012年10月末、ハリケーン・サンディがアメリカ・ニューヨーク大都市圏を襲ったときに、アメリカの関係機関が互いに協力し、総力を挙げて実行した結果、大きな減災効果を上げました。タイムラインとは、時間軸に沿った防災行動計画であり、関係機関とはあらかじめ策定し、緊急時に被害を最小にとどめる工夫をします。中野区はこのタイムラインを取り入れるという御回答をいただき、来年度は策定すると伺っております。そもそも、タイムラインは豪雨が予測できるときに役立つものであり、予測が割としやすい台風のみを対象にすることが想定されてきましたが、しかし、我が中野区では、世界初としてゲリラ豪雨の予測情報が伝えようとしているということで、ゲリラ豪雨用のタイムラインを策定する必要が生じてきております。ゲリラ豪雨情報を生かすも殺すも運用次第です。
では、長らくお待たせしましたが、質問させていただきます。
台風版のタイムラインとあわせて、ゲリラ豪雨版のタイムラインを策定する必要があると思いますが、どのようにお考えか、区の方針をお聞かせください。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) ゲリラ豪雨につきましては、短時間に被害が発生する可能性が高いことから、ゲリラ豪雨の予測が可能になれば、区をはじめ防災関係機関が的確に行動するため、タイムラインは効果があると考えております。今後、策定について検討していきたいと考えております。
○加藤委員 策定するという言質を得られたということで、次の質問をさせていただきます。
このゲリラ豪雨版のタイムラインを策定する際には、世界初ということになりますので、その策定について、参考となるものが少ないと思われますが、策定に向けて押さえておくべき点について質疑させていただきます。
ゲリラ豪雨情報を活用するユーザーとして、このフリップに示します、その情報を発信する国土交通省国土技術政策総合研究所と東京都中野区消防署、消防団、警察署、地下鉄管理者、道路管理者、各世帯、商店、企業を想定していますが、区はこれ以外にも活用すべきユーザーはいると考えますか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 防災関係機関や区民、区内事業者は含まれておりますので、必要なユーザーは網羅されていると考えております。実験に参加できた場合は、その検証の中で、ほかに必要なユーザーがいるかどうか、確認していきたいと考えております。
○加藤委員 この青色で示したのは、ネットでいつでも見られるということなので、情報自体は誰でもいつでも見られるんですが、ゲリラ豪雨なので急に起きるということで、それが発生しているときにそのホームページを見ているとは限らないということです。なので、区としては別の方法で、ホームページではそういう情報が出ているかもしれないですけど、災害が起こっているということを知らせないといけないと思います。そのため、入手して、被害が発災しそうだという情報を、区はそのまま区民に周知するためどうすればいいとお考えか、教えてください。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 国によるゲリラ豪雨の情報につきまして、区民や事業所、防災関係機関にただ周知するだけでなく、情報に基づきまして、浸水予想地域にいる区民や事業者に対しまして、事前に避難準備や避難軽減措置の勧奨などの対策も行うことを検討する考えでございます。避難準備の周知につきましては、利用可能なあらゆる情報手段の活用を検討してまいります。
○加藤委員 近年は、スマートフォンアプリ開発者がさまざまな試みをしておりまして、災害情報に関しても最新情報を得られるアプリなどがたくさんあります。区としては無料でそういうツールができることは非常によいことだと思います。先ほど出しましたゲリラ豪雨の雨のデータに関しましては、その情報を国が情報公開しておりまして、アプリ開発者が勝手にアプリをつくって無料で誰でも見られるようなことになっておりますので、区としてもそういった情報を出すことによって、勝手にアプリ開発者がつくってもらえるような試みもあってもいいのかと思います。緊急性が問われる情報ですので、隠し立てすることもないと思いますので、そういった情報の出し方も一つ考えていただきたいと思います。
と言っていましても、アプリ開発がすぐにできるとも限らないので、今ある技術で考えていきたいと思いますが、例えば区内の消防団が的確な水防活動を行うために、分団本部でゲリラ豪雨情報を入手できることが望ましいですが、消防団はそのゲリラ情報をどういう形で入手できますでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区は今年度、消防団への補助金の中でインターネット閲覧できる設備を各分団本部に整備するなどの助成を行っております。消防団はその設備で公表されている浸水被害予測など各種災害情報を入手することが可能になると考えております。
○加藤委員 水防活動はゲリラ豪雨に関して非常に有効と考えますので、逐次のデータを閲覧できるように整備をよろしくお願いいたします。
また、この社会実験、タイムラインを検討する際の参加ユーザー、あと、今のような連絡体制について理解しました。
次に考えなければいけないのは、浸水被害予測の情報を得て、それぞれのユーザーがどう行動するかだと思います。このツールを使いますと、浸水予測がなされてから実際に浸水が発生するまで、早ければ10分後、最大でも10分しかない余裕の時間が出てきますが、その短い時間でできることは限られていると思いますが、中野区としては、そのできること、またそれの優先順位を考えておく必要があると思いますが、どのようにお考えですか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害対策法に定めがありますとおり、防災は地域並びに住民の生命、身体、財産を保護するために行うものでございます。したがいまして、これに基づき優先順位をつけていくべきと考えております。ゲリラ豪雨の場合につきましては、降雨から浸水に至るまで短時間になりますので、初動対応といたしまして、浸水予測区域にいる区民等に対して、浸水予測を周知し、屋内の校舎などへの避難を促す、一次避難所を開設する、施設管理者に浸水予防措置を促すことなどを検討していきたいと考えてございます。
○加藤委員 中野区役所の防災担当者以外のユーザーがゲリラ豪雨発災時に優先すべき行動に関しては、タイムラインで策定していくということですが、いろいろと関係各所と協議していかなければなりません。タイムラインはそのコンセンサスをとるのが非常に大変だと思うので、頑張っていただきたいと思います。
タイムライン自体は日本において近年導入された考えですので、特にまたこのゲリラ豪雨というのは、これから初めて世界でつくろうというものでありますので、各主体によって研さんを積んでいかなければならないと思います。このタイムライン作成に当たっては、最初からがちがちに形式を固めたり、思い込みや思い入れが強く、改定を難しくするものじゃなく、関係者とよく協議してコンセンサスを得て、訓練、実際の発生時に伴う実践等の経験を積むことでPDCAサイクルをしっかりと循環させて、よりよいものに常にしていけるような仕組みをつくっていただきたいと思います。この業務自体は、今後の気候変動に伴う風水害に対する適応策の一つでもあり、中野区としてはすばらしい適応策を一つ得られるものだと考えております。
リスクマネジメントとクライシスマネジメントという言葉がありますが、ある分野の専門家によりますと、リスクマネジメント、リスク管理はその現象が発生するまでにとるべき対策、危機管理はその現象が発生してからの対策です。食の安全管理を例にとれば、不良品が紛れ込まないようにするのがリスク管理で、不良品が市場に出回ってしまい、謝罪会見とか商品回収をするというのはクライシスマネジメント、危機管理ということになります。ゲリラ豪雨においては、この豪雨によって被災しないようにするのがリスク管理で、被害が発生してその対応をとるのが危機管理です。このゲリラ豪雨の予測技術とタイムラインの関係ということで、ソフト対策におけるリスク管理体制は完璧となります。その後とるべき施策はハード対策のみになると思いますので、よい意味でその施策の選択肢は限られてきます。専門家の一人である私もできる限り注力させていただきますので、世界最高の水防システム構築に向けて努力していきましょう。以上で本項目の質疑を終わります。
またちょっと前置きが長くなってしまうんですが、2の中野区独自の民泊制度の制定について。民泊に関しては、本定例会で小林ぜんいち委員が一般質問で触れておりましたが、改めて質問させていただきます。
円安、オリンピック・パラリンピックに伴う外国人観光客の増加が見込まれています。中野区も、この空前の日本観光ブーム、インバウンドに参加すべきです。そのために民泊の制度を利用して観光客の誘い込みは非常に重要で、観光客の潜在数を増加させるために有効手段だと考えられます。しかし、昨今、民泊で言われている外国人観光客による騒音、不法、悪質なごみ捨て、セキュリティ、防犯上の不安の問題が民泊制度の推進により増加するような状況は決して好ましいものではありません。現在、政府では旅館業法の簡易宿泊所の定義に関して緩和を検討しており、中野区が何も手を打たなければ、国が認める条件で民泊施設が増加することは必至であります。さらに国家戦略特区で旅館業法における用途地区等に関する規制緩和も行われようとしております。
テレビで民泊の長所と短所を伺うものの、実態がよくわかりませんでしたね。私は先週、中野駅から5分以内の場所にある民泊施設に宿泊してみました。その経験談を話させていただきます。
まず、民泊施設にどう宿泊するのか。民泊はマンションやオフィスビルの一室を使用していることがあって、普通のホテル、旅館とは違いまして、宿泊施設はまちなかで目にすることができません。見つけられません、基本的には。基本的にはインターネットを使用しないと、場所がわからなければ予約もできません。日本国内の民泊施設の多くは2008年より始まったエアビーアンドビーという民泊施設を検索できるポータルサイトに登録されておりますので、このサイトを利用しました。これは主に民泊を利用したい外国人ユーザーが使うサイトです。ホテルのポータルサイトと同様に、内装、外装の写真、周辺のお店の情報、設備などが記されております。おもしろいことに、ガレージとか車庫とか、剣道場みたいな物件もその対象になっておりました。ほとんど利用者がいないであろうという施設でも、その物件をあけておくよりはましだろうということで、その物件が登録されているようです。
予約する際には簡易登録が必要ですが、氏名、連絡先等の入力を求められるとともに、パスポートの画像を送る必要があります。ここで普通のホテルや民泊施設の検索はポータルサイトで行われ、ポータルサイトから予約したい意思をオーナーに連絡するということです。連絡のやりとりはスマートフォンアプリで、使う際にはオーナーとはアプリとメール、ショートメールの3種類を用いることができます。オーナーとユーザーが必ず連絡がとれるような配慮がなされておりまして、パスポートの画像などとあわせてポータルサイトの設定としては、やるべき措置は行っているようには感じました。ポータルサイトは客とオーナーとのマッチングをしまして、オンライン決済をする場であり、その手数料で利益を上げます。マッチング後は、客と民泊施設のオーナーと直接のやりとりとなります。私はオーナーとやりとりをして、部屋の使用に関するマニュアルを教えていただきました。
まず、民泊施設の詳細な住所――ポータルサイトで検索している段階ではおおよその場所しか示していないんですが、実際にお金を払って、もう借りる、使うという段階になりましたら、やっと詳細な住所がわかります。指定された場所は1階が飲食店、2階以上はオフィスビルとなっておりました。ルームキーが入っているダイヤル式の鍵がついた郵便ポストのあけ方、そして、その建物オートロックの解錠の暗証番号、部屋の使い方が英語のみで書いてありました。部屋は43平米で、風呂、トイレはセパレート、キッチンがついていまして、調理器材、電子レンジ、炊飯器、洗濯機など、普通に住むことができる道具がそろっております。1泊2名で7,000円程度、最大人数6名泊まっても1万2,000円程度の設定で泊まることができて、最大だったら1人2,000円で泊まることができます。場所、部屋の装備次第では、これ以下の物件は幾らでもあります。何も問題なしに非常にリラックスして宿泊することができました。ほかの都市に行った際に、私はこのサービスを使ってもいいなというふうな実感がありました。
需要と供給がともに高く、このビジネスモデルは今後も拡大されていくことを肌で感じました。体験としてのメリットはさまざまなものがあり、快適さと、あと格安ということです。オーナーも空き部屋を埋めることができるので、利益を出すことができます。利用者の視点から民泊のデメリットは、オートロックの暗証番号が不特定多数に拡散するリスクがある。オーナーが近くにいる保証はないため、何かあったときの対応が可能なのか不安、マッチングはオーナーとのやりとりのみになりますが、本当に信頼できるオーナーなのか不安。これに関しては口コミでいろいろと評価もあるところで、淘汰されるのかもしれません。外国人は日本の文化風習、習慣がわからないためにトラブルが発生することもあり得ると思います。また、私自身も旅行先で多少はしゃぐこともあるので、騒音に関してはいたし方ないと考えるところもあります。しかし、結果的に民泊施設の周りが一番迷惑がかかるというのは、この民泊制度です。私が泊まったのはオフィスビルでしたが、これが閑静な住宅のど真ん中、もし自分の隣の家や共同住宅の隣の部屋だったとしたら、非常に許しがたい事態だと思います。
すみません。長くなりましたが、質問させていただきます。
まず、中野区内に民泊が必要な状況にあるのかを確認させていただきたいと思います。メディア等でよく出る数字だと思いますが、日本における外国人観光客の近年の推移についてお教えください。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 国内の外国人旅行客の状況でございます。官公庁が公表しております宿泊旅行者統計調査によりますと、2015年の訪日来客数は、前年比47.1%増、1,973万7,000人で、過去最高の人数となっております。これを受けて国は、当初2020年までに訪日来客数、年間2,000万人という目標を3,000万人に引き上げるとしておるところでございます。
○加藤委員 外国人観光客が如実に増加していることがわかりますが、それでは、都内において、例えばホテルの稼働率などでその辺の実態がわかるものがあれば教えてください。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 同じく官公庁、宿泊旅行者統計調査によりますと、都内の宿泊施設の客室稼働率でございますが、2011年の68%、これは震災の影響もあって低いんですが、2014年には81.5%と大幅に上昇しておりまして、全国平均の58.4%、これを大きく超えて高い数字となっているということでございます。
○加藤委員 それでは、中野区に関してその辺の、例えばサンプラザなどの状況を教えていただけますでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 中野サンプラザのホテルから聞き取りをした情報でございますが、このサンプラザのホテルの稼働率、ここ数年8割半ばでございまして、都内の平均を超える高い稼働率となっております。なお、サンプラザにつきましては、コンサート等の興行がなされる日が稼働率が高いといったものもちょっと聞いております。
○加藤委員 そのうち外国人観光客の利用実態みたいのはわかりますでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 外国人の宿泊者数ですが、年々増加しているというふうに聞いておりまして、2012年では500人程度だったのに対しまして、2015年では2,000人ということで、約4倍程度増加しているというふうに聞いてございます。
○加藤委員 空前の日本観光ブームということで、中野区においても起こっているということが言えるということで、そう考えると、中野区における民泊に関するものを規制しなければ、ただただそのニーズがあるということで、増加することだと思います。
そこで伺いますが、現在、中野区において区が把握している民泊施設はどのぐらいありますでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 委員も御利用なさったという住宅の空き室等の貸し室と借り手を仲介する大手事業者のサイト、この検索結果によりますと、区内で300件を超える物件の登録があったということでございます。特徴といたしましては、大半が中央線以南のエリアであること、また、物件の8割が集合住宅、2割が一戸建てであるということがわかっております。この形態につきましては、自宅の一部を貸すシェア型や、物件そのものを貸す空き物件活用型、これが混在しているという状況でございます。
民泊そのものにつきましては、制度的な位置づけがあるわけではないので、実態を正確に把握するといったこと、これは非常に難しいところでございます。さまざまな情報を得て、今後も実態の把握に努めてまいりたいと考えております。
○加藤委員 私自身が利用しまして、需要と供給双方のニーズが高いと感じまして、この民泊施設が増加する流れは変えられないと感じます。それでも、やっぱりそれ相当のモラルを守っていくことが重要で、しかし、それは困難なことだと考えます。現に私が泊まった施設のオートロックの暗証番号は今でも覚えていまして、その番号というのは数字が潰れていたので、多分相当変わっていない部屋です。それで、多分今後も変わらないんだろうなということです。かつ私が泊まろうとしてAの部屋の鍵を借りようとして、Aの部屋のポストをあけようとしたら――あけなきゃいけなかったんですけど、何を勘違いしたか、Bの部屋のところをあけたら鍵が入っていて、その部屋の前へ行ったら、どうやらそれはオフィスだなみたいな感じで、この部屋じゃないと思ってマニュアルを見直したら、Aの部屋と間違っているというのがわかりました。つまり、僕はBの部屋にいつでも入れる状況にあると。これが今、民泊の制度が非常に危ないところの一つだと思っています。つまり、オートロックが現に住んでいる人以外が知ってしまうということが非常に危ないのではなかろうかということです。安全のためにつけたオートロックがそういうふうになってしまうと、無効化してしまうということがあり得ますので、民泊施設が今後どういうふうになるかというのは、中野区独自の民泊制度をつけてやっていかないといけないと思います。
しかし、まず、いきなり制度とかいうのは難しいと思いますので、マンション、オフィス自体が自衛に努めるべきだと。中に民泊事業者がいることを……。それで、そういったところに努めるべきだと思います。マンション管理組合の管理規約の改正案をあるところから拝借しまして……(「うちのマンション」と呼ぶ者あり)いでい委員のマンションの。改正案に含まれる文言としては、専用部分を営利目的とした民泊及び滞在の用に供すること、インターネット等の広告媒体を利用し、専有部分を1カ月未満の短期で借り受ける者を募集する行為、不特定の第三者の短期賃貸借契約、マンスリーマンション、ウイークリーマンション等を繰り返す行為などを禁止するとあります。区としては、こういったマンション管理組合の了承なしに運営できないという規則に対して、何か推進やサポートすることは可能でしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 実際にマンション管理組合の管理規約で民泊を禁止する規定を設ける事例がふえているというのは聞いているところでございます。区内でもそういった事例があるということで聞いております。今後そうした自主的な動きも想定されることから、マンション管理組合、あるいは近隣住民などからそうした相談があった場合にも適切に対応していきたいというふうに思っております。
○加藤委員 そういった自衛もありますけど、やはり区としても何かとやっていかないといけないと思うんですが、用途地区とかで限定することは可能なのでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 建築基準法では、ホテル、旅館が建設可能な地域を第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域に限定しているところでございます。国家戦略特区の外国人滞在施設経営事業ですね。これに基づく民泊事業の場合ですが、用途地域による制限はありませんけれども、東京圏の区域計画、これに設定する必要がある、認定を受ける必要があるということになっております。先行している大田区でございますが、既存の土地環境、住環境保全の観点から、建築基準法と同様の用途地域のみで実施をしているところでございます。中野区におきましても、その対象地域を大田区と同様の用途地域とした場合、区内の26%が対象になるところでございますが、どの用途地域を対象とするか、これについては検討してまいりたいと考えております。
○加藤委員 中野区もやっていく際には大田区の事例を参考にしていくことかと思いますけれども、大田区は空港の膝元ということもありまして、中野区とは全く違う状態だと思うんですが、中野区がそういった観点で独自にやっていく際にはどういったところに注視してやっていくべきか、お考えはありますでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 民泊が無秩序の状態にある状況に鑑みまして、まず第1に、利用者が安心して滞在でき、かつ近隣住民が不安を持つことがないようにすることを目的として、民泊事業の指針や行政関与のあり方を整理して、適正に運営が行われている民泊を誘導したいと考えております。その上で、民泊を利用する旅行客に中野のまちを楽しんでもらえるよう、周辺商店街や地域イベントに誘導できるような地域情報の提供など、消費拡大につながる都市観光との連携、また、民泊事業の新規参入に当たって必要となる情報の提供や、民泊の周辺関連産業における新事業創出につながる支援など、産業振興施策との連携を検討して、中野の特性を生かした民泊施策を構築していきたいと考えております。
○加藤委員 民泊はこれから間違いなく過熱していくということで、中野区としても何らか対策を講じていく方針だというのは今お聞かせいただきました。ここで議論しても、まだ準備ができていないという状況だと思いますので、これから言うのは全て要望だということで、幾つか言わせていただきます。
利用者によって不便な民泊施設というのは、恐らくネット上で評価、口コミで淘汰されます。そういうことを見越して、中野区の法人の民泊施設の許可を与えるということで、利用者が安全な施設だと認識してもらうというのは一つの手だと。あと、そういった公認ステッカーを与えるということで、この部屋は民泊施設に使っていると認識してもらうだけでも、先ほど言った、僕が鍵をとってやってしまうような、鍵をそのままポストにロックもしないで入れているような状況というのは少しでも防げるのではないかなというふうに感じます。また、巨大会社がインターネットに載せないでも運営できるスキームを持っていたらしょうがないのですが、基本的には民泊の施設というのはインターネット上で検索できるものなので、どこにあるかわからないということはないので、一件一件そういうふうにちゃんと周辺のお住まいの人とか、働いている方々に許可をとっているのかとか、そういった指導をすることも可能かと思っております。
また、先ほど言った民泊が投資型の部屋を丸ごと貸すタイプだったり、シェア型、あとホームステイ型と言われる管理人がいるタイプがあります。民泊の増加が防げないのであれば、管理人がいるホームステイ型である程度そういう方がいれば、生活環境が担保されるのではないかなということで、ホームステイ型を区として積極的に導入するなどといったことで、中野区独自の民泊制度をつくっていかれたらいいかなと思います。いつの間にか隣が騒音施設になってしまった、ごみが散乱している、そんな状況がはびこってしまったら、民泊施設周辺にお勤め、お住まいの方にとって、中野区の生活環境はどうなっているんだと、中野区自体の評価が一気に下がってしまうことだってあり得ると思います。幾らビジネスライクでインバウンドだとか言っても、民泊によって中野の治安が悪くなり、中野の価値が下がるような事態になれば元も子もない話ですので、その辺を注意しながら、増加する民泊の適切な規制をしていただくことを要望しまして、本項目の質問を終えます。
三つ目の弥生町の防災まちづくりについて質問させていただきます。
弥生町三丁目周辺地区では、URと共同による都営川島アパート跡地の取得や、避難道路3本を優先的に整備する計画など、事業を着実に進めているということですが、地域の方々は住居という生きていくための絶対基盤が揺らぎかねないということで、不安に感じている方々の声をよく聞きます。それは全体的な進捗状況、スケジュール感がわからないというのがその一因だと考えております。
そこで伺いますが、都営川島アパート跡地を通る2本の避難道路や南台一・二丁目の広域避難場所に至る避難道路1号など、3本の避難道路について事業に先行的に着手するなどしているということですが、その進捗状況について伺います。また、特に事業が先行する川島アパート跡地を通る避難道路5号、6号の用地取得の進捗状況はいかがでしょうか。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 都営川島町跡地に計画する南北の避難道路5号及び東西を通る避難道路6号につきましては、昨年度から権利者との用地折衝をはじめ、都営川島町跡地の取得とともに、跡地に隣接する権利者との用地取得が完了しており、既に建物の除却が進んでいるところです。これにより、来年度は都営川島町跡地への避難道路等の整備が可能となっている状況でございます。なお、避難道路1号につきましては、用地の買収に着手したところでございます。
○加藤委員 権利者の中には、この場所から引っ越したくないと思っている方も多くいらっしゃいます。こうした方々に丁寧な事業内容の説明と権利者自身の立場に立った生活再建の相談など、その辺の体制についてお伺いします。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 特に川島町商店街から方南通りに抜ける避難道路1号につきましては、道路法に基づき幅員6メーターの区域決定など、丁寧に全権利者に対して説明しているところです。本事業の着手に先立ちましては、各権利者とは事業担当が数回にわたり事業の説明を行うとともに、道路用地担当とも連携協力して、用地折衝において生活再建上の相談等を含め、丁寧に対応しているところでございます。
○加藤委員 避難道路1号沿道には非常に多くの権利者がおり、皆さんがいつ買収されるのか、補償を受けて生活再建がちゃんとできるのか、大変不安に思っている方が多いです。道路用地買収や建物補償等は本年度都市基盤部に新設された道路用地担当が主に担っていると伺っておりますが、現在の体制としてそれが十分なのか。何か、言ったスケジュール感がちゃんとできていないような感があるという方もおります。今後、西武新宿線の都市計画道路の用地買収も予定されていますが、その辺が大丈夫なのか、お伺いしたいと思います。
○松原都市基盤部副参事(道路用地担当) 現在、道路用地担当では、土地の評価、補償算定、権利者折衝、契約締結といった事務を行っております。関係権利者の皆様に対しましては、弥生町まちづくり担当や西武新宿線沿線まちづくり担当などと密接に連携をとって、権利者との信頼関係を築きながら進めているところでございます。来年度以降予定されております大規模で継続的な用地買収に対しましては、用地業務に精通いたしましたまちづくり専門員のもとでのOJT、それから、用地買収の研修派遣によって体制づくりを図ってきているところでございます。今後とも引き続き一層のスキルアップと体制の強化に努めてまいりたい、このように考えております。
○加藤委員 道路整備事業は、一旦事業着手しましたら、公表した計画に従って適切に進める必要があります。権利者の方々は自分の将来設計や生活再建について必死に考えています。いつ買収されるかわからないまま放置されることは、地域全体にとっても不安となります。例えば、聞く話では、壊れた家具が家の中にあって、買いかえたいんだけど、新しい住宅に引っ越す可能性を考えて買いかえられないと、そんなささいなことでもフラストレーションがたまるような生活になっております。事業担当者と道路用地担当者が密接に協力し、権利者の立場や心情を十分理解した対応が必要です。そのために、さらなる体制の強化を要望いたします。
続きまして、都営川島アパート跡地について、来年度からURによる代替地整備とともに、区による避難道路や公園の整備を行うと聞いております。現在、跡地の中にも一般の方が通行できる道路がありますが、工事中は通行できなくなってしまうのか、お伺いいたします。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 跡地内の道路整備でございますが、平成28年度の夏ごろより避難道路5号と避難道路6号につきまして、仮整備に着手する予定でございます。年度末の交通開放を予定しております。工事期間中は一時的な制限を除き、既存の位置指定道路の通行を確保しながら、跡地内の工事を進めることとしてございます。年度末の交通開放後にUR都市機構による代替地整備を行うこととしており、それに伴い、現在、跡地を斜めに横断する位置指定の箇所ですけども、この道路を閉鎖する予定でございます。
なお、これらについては、この3月中に周辺住民に対し事業説明会を行い、また、工事着手前に具体的な作業内容や行程について説明会を開催するとともに、チラシ等で周知を図ってまいります。
○加藤委員 川島アパート跡地には、URが権利用代替地を整備すると聞いておりますが、避難道路の整備に伴って引っ越しを余儀なくされる方々の中に、アパートにお住まいの高齢者なども多くいます。そうした方々のために共同住宅もあったらよいと思います。できれば、その共同住宅に地域の方々が災害時等に利用できるコミュニティスペースや集会所があればいいと思っております。その辺はURとともにぜひ検討していただければと思います。
次に、跡地に整備される公園についてお伺いします。
前回、私の一般質問におきましても、川島アパート跡地に整備する公園には、先進的な防災機能を持った公園にしてほしいと要望いたしました。首都直下型地震の発生の切迫性に鑑みると、この公園は大変貴重な施設になります。地域住民の意見を聞いて、そうした防災公園にしてほしいと考えております。しかし、公園ができても、災害時に実践的に活用できなければ意味がありません。例えば、かまどベンチが公園に整備できるとして、地域の皆さん同士で防災訓練を兼ねた炊き出しや餅つき大会など、ふだんからの地域の行事を通じて防災設備や設備器具が活用できるようにしていくことが大変重要だと考えております。弥生町地域のイベントでは、まきを使った本格的な炊き出しなどもやっておりますので、そういったことができる土壌があると考えております。そうした日常的な啓発や訓練の場として積極的に利用される公園になるよう取り組んでほしいと思いますが、どのようにお考えですか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 地域の防災力向上のためには、ふだんの地域活動とあわせまして、防災資機材の取り扱い訓練を行うことは効果的と考えております。この公園を使って地域の行事が行われる際には、防災資機材の取り扱い訓練などもあわせて行っていくよう進めていくことを考えております。
○加藤委員 川島アパート跡地が、昨年中野区が東京都から買い取って、不燃化特区に関連していない住民からしてみると、ずっと空き地の状態なので、農地解放してくれといった声もあったりするような話もあるし。ずっとあいているので、そういうふうに言う方もいて、何でほったらかしなんだと言う方もいます。事業のスケジュールから、そういったことが不可能なのはわかるんですが、住民からしてみれば、中野区はずっと何にもやっていないんじゃないかというふうに思う方もいらっしゃるということなので、手間かとは思いますが、この不燃化事業特区に関連していない住民の方々、弥生町全体のまちづくりがどのように進んでいるかということを常に説明していただきたいと思います。それを最後の要望としまして、本項に関する質問を終わります。
ここで全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。
以上で本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、あす3月1日(火曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の予算特別委員会を散会します。
午後4時53分散会