1.平成28年(2016年)6月6日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき
11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久
13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち
15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子
17番 細 野 かよこ 18番 小宮山 たかし
19番 広 川 まさのり 20番 い さ 哲 郎
21番 佐 野 れいじ 22番 いでい 良 輔
23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明
25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明
27番 森 たかゆき 28番 石 坂 わたる
29番 いながき じゅん子 30番 小 杉 一 男
31番 浦 野 さとみ 32番 伊 藤 正 信
33番 高 橋 ちあき 34番 大 内 しんご
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや
39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 川 崎 亨
副 区 長 本 田 武 志 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 髙 橋 信 一 経 営 室 長 篠 原 文 彦
都市政策推進室長 奈 良 浩 二 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀 行
地域支えあい推進室長 野 村 建 樹 区民サービス管理部長 白 土 純
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横 山 俊 健康福祉部長 瀬 田 敏 幸
保 健 所 長 寺 西 新 環 境 部 長 戸 辺 眞
都市基盤部長 尾 﨑 孝 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一
経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 小 田 史 子 事務局次長 古 本 正 士
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希
書 記 大 野 貴 子 書 記 細 川 道 明
書 記 井 田 裕 之 書 記 冨士縄 篤
書 記 田 中 寛 書 記 遠 藤 良 太
書 記 鎌 形 聡 美 書 記 松 丸 晃 大
書 記 香 月 俊 介 書 記 亀 井 久 徳
議事日程(平成28年(2016年)6月6日午後1時開議)
日程第1 第61号議案 平成28年度中野区一般会計補正予算
午後1時00分開会
○議長(北原ともあき) ただいまから平成28年第2回中野区議会定例会を開会いたします。
本日の会議を開きます。
会議録署名員は会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。
6番山本たかし議員、37番久保りか議員にお願いいたします。
次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から6月20日までの15日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
この際、申し上げます。本定例会会期中、略装を許します。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
この際、申し上げます。平成28年4月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり、本会議参与に人事異動がありましたので、御報告いたします。
本会議参与の人事異動
平成28年(2016年)4月1日
発 令
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氏 名
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旧
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都市政策推進室長
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奈良 浩二
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子ども教育部長
教育委員会事務局次長
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子ども教育部長
教育委員会事務局次長
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横山 俊
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地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(区民活動センター調整担当)
中部すこやか福祉センター所長(統括副参事)
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健康福祉部長
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瀬田 敏幸
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〔再任用新規採用〕
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政策室副参事(統括副参事)(企画担当)
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海老沢 憲一
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政策室副参事(企画担当)
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○議長(北原ともあき) それでは、新たに本会議参与に就任されました横山俊子ども教育部長、教育委員会事務局次長を御紹介申し上げます。
〔子ども教育部長、教育委員会事務局次長横山俊登壇〕
○子ども教育部長、教育委員会事務局次長(横山俊) ただいま御紹介いただきました子ども教育部長、教育委員会事務局次長の横山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(北原ともあき) 以上で紹介を終わります。
次に、平成28年4月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり、委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
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人 事 異 動 表
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発令年月日 平成28年4月1日
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【 部長級 】
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区長発令
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発令権者 中野区長 田中 大輔
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発 令
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氏 名
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旧
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備 考
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都市政策推進室長
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奈 良 浩 二
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子ども教育部長、教育委員会事務局次長
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地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当)、鷺宮すこやか福祉センター所長
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上 村 晃 一
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鷺宮すこやか福祉センター所長(統括副参事)
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昇任
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南部すこやか福祉センター所長
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相 澤 明 郎
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南部すこやか福祉センター所長(統括副参事)、南部すこやか福祉センター副参事(統括副参事)(地域ケア担当)
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昇任
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子ども教育部長
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横 山 俊
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地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(区民活動センター調整担当)、中部すこやか福祉センター所長(統括副参事)
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昇任
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健康福祉部長
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瀬 田 敏 幸
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(再任用新規採用)
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教育委員会発令
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発令権者 中野区教育委員会
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発 令
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氏 名
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現 職
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備 考
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教育委員会事務局次長
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横 山 俊
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地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(区民活動センター調整担当)、中部すこやか福祉センター所長(統括副参事)
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昇任
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【統括副参事】
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区長発令
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発令権者 中野区長 田中 大輔
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発 令
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氏 名
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旧
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備 考
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政策室副参事(統括副参事)(企画担当)
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海老沢 憲 一
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政策室副参事(企画担当)
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昇任
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経営室副参事(統括副参事)(行政監理担当)
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田 中 謙 一
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経営室副参事(行政監理担当)
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昇任
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都市政策推進室副参事(統括副参事)(中野駅周辺まちづくり担当)
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松 前 友香子
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都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当)
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昇任
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地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(地域活動推進担当)
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高 橋 昭 彦
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地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当)
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昇任
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中部すこやか福祉センター所長(統括副参事)
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志 賀 聡
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都市基盤部副参事(統括副参事)(道路・公園管理担当)
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北部すこやか福祉センター所長(統括副参事)、北部すこやか福祉センター副参事(統括副参事)(地域子ども施設調整担当)
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石 濱 良 行
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教育委員会事務局副参事(統括副参事)(学校教育担当)
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子ども教育部副参事(統括副参事)(子育て支援担当)
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平 田 祐 子
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区民サービス管理部副参事(統括副参事)(情報システム担当)
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子ども教育部副参事(統括副参事)(保育園・幼稚園担当)
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小 山 真 実
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区民サービス管理部副参事(介護保険担当)
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昇任
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健康福祉部副参事(統括副参事)(福祉推進担当)
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石 濱 照 子
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健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当)
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昇任
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環境部副参事(統括副参事)(ごみゼロ推進担当)
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波多江 貴代美
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中部すこやか福祉センター副参事(統括副参事)(地域支援担当)
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都市基盤部副参事(統括副参事)(道路用地担当)
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松 原 弘 宜
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都市基盤部副参事(道路用地担当)
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昇任
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教育委員会発令
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発令権者 中野区教育委員会
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発 令
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氏 名
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旧
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備 考
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教育委員会事務局副参事(統括副参事)(子育て支援担当、特別支援教育等連携担当)
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平 田 祐 子
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区民サービス管理部副参事(統括副参事)(情報システム担当)
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教育委員会事務局副参事(統括副参事)(保育園・幼稚園担当、就学前教育連携担当)
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小 山 真 実
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区民サービス管理部副参事(介護保険担当)
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昇任
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選挙管理委員会発令
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発令権者 中野区選挙管理委員会委員長 江口 済三郎
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発 令
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氏 名
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旧
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備 考
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選挙管理委員会事務局長(統括副参事)
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長 﨑 武 史
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選挙管理委員会事務局長
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昇任
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【 副参事 】
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区長発令
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発令権者 中野区長 田中 大輔
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発 令
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氏 名
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旧
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備 考
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政策室副参事(広報担当)
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堀 越 恵美子
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区議会事務局次長
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政策室副参事(業務マネジメント改革担当)
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永 田 純 一
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子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、教育委員会事務局副参事(子育て支援担当、特別支援教育等連携担当)
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経営室副参事(人事担当)
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伊 藤 政 子
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(再任用新規採用)
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経営室副参事(経理担当)
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石 橋 一 彦
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都市政策推進室主査(総括係長)
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昇任
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都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当)
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藤 永 益 次
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都市政策推進室副参事心得(都市観光・地域活性化担当)
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昇任
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都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当)
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小 幡 一 隆
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都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設整備担当)
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都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設整備担当)
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江 頭 勝
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世田谷区みどりとみず政策担当部北沢公園管理事務所長(総括係長)
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昇任、派遣転入
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都市政策推進室副参事(野方以西調整担当、野方駅周辺まちづくり担当)
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小 林 裕 幸
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都市政策推進室副参事(野方・井荻駅間沿線まちづくり担当)
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都市政策推進室副参事(都立家政駅周辺まちづくり担当、鷺ノ宮駅周辺まちづくり担当)
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菊 地 利 幸
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板橋区土木部管理課道路管理係長(総括係長)
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昇任、派遣転入
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地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当)
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酒 井 直 人
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政策室副参事(広報担当)
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中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当)
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濵 口 求
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子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当)
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北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当)
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矢 島 久美子
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区民サービス管理部課税担当係長(総括係長)
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昇任
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南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当)
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伊 藤 廣 昭
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経営室副参事(経理担当)
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南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当)
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森 克 久
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政策室副参事(基本計画担当)
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鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当)
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平 林 義 弘
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杉並区杉並保健所高井戸・和泉保健センター担当課長
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転入
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鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当)
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葉 山 義 彦
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健康福祉部臨時福祉給付金担当係長(総括係長)
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昇任
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区民サービス管理部副参事(情報システム担当)
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中 谷 博
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政策室副参事(業務改善担当)
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区民サービス管理部副参事(保険医療担当)
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天 野 秀 幸
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北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当)
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区民サービス管理部副参事(介護保険担当)
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古 川 康 司
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子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当、就学前教育連携担当)
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子ども家庭支援センター所長
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神 谷 万 美
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政策室主査(総括係長)
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昇任
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子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)
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荒 井 弘 巳
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都市基盤部副参事(地域まちづくり担当、大和町まちづくり担当)
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健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当)
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宇田川 直 子
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南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当)
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健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当)
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永 見 英 光
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健康福祉部副参事心得(地域スポーツ推進担当)
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昇任
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都市基盤部副参事心得(空家・住宅政策担当)
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塚 本 剛 史
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都市基盤部まちづくり計画担当係長
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総括係長昇任
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都市基盤部副参事(地域まちづくり担当、弥生町まちづくり担当)
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安 田 道 孝
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都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当)
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担当
追加
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都市基盤部副参事(大和町まちづくり担当)
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細 野 修 一
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都市基盤部経営担当係長(総括係長)
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昇任
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都市基盤部副参事(道路・公園管理担当)
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高 橋 均
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環境部副参事(ごみゼロ推進担当)
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都市基盤部副参事(都市基盤整備担当)
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千 田 真 史
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文京区総務部副参事(中野区派遣)
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転入
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教育委員会発令
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発令権者 中野区教育委員会
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発 令
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氏 名
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旧
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備 考
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教育委員会事務局副参事(学校教育担当)
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石 崎 公 一
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鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当)
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教育委員会事務局副参事(教育相談連携担当)
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神 谷 万 美
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政策室主査(総括係長)
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昇任
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教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当)
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荒 井 弘 巳
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都市基盤部副参事(地域まちづくり担当、大和町まちづくり担当)
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議長発令
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発令権者 中野区議会議長 北原 ともあき
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発 令
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氏 名
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旧
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備 考
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区議会事務局次長
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古 本 正 士
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区民サービス管理部副参事(保険医療担当)
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備考
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1 前都市政策推進室長 長田 久雄、前北部すこやか福祉センター所長(統括副参事)、北部すこやか福祉センター副参事(統括副参事)(地域子ども施設調整担当) 田中 政之 は、平成28年3月31日をもって再任用終了
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1 前健康福祉部副参事(統括副参事)(福祉推進担当) 藤井 康弘 は、平成28年3月31日をもって退職
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1 前都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 立原 英里雄 は、平成28年3月31日をもって任期付終了
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1 前鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 麻子 は、練馬区健康部石神井保健相談所長になるため、平成28年3月31日をもって退職
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1 前都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 千田 真史 は、平成28年3月31日をもって文京区からの派遣終了
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○議長(北原ともあき) この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、大内しんご議員、久保りか議員、来住和行議員、酒井たくや議員、いでい良輔議員、木村広一議員、小杉一男議員、ひやま隆議員、若林しげお議員、小林秀明議員、加藤たくま議員、伊東しんじ議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、渡辺たけし議員、内野大三郎議員、細野かよこ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 大 内 しんご
1 中野駅周辺地区の整備について
2 国や都の公有地及び学校再編後の跡地等の活用について
3 旧第六中学校周辺の道路整備について
4 その他
〇議長(北原ともあき) 最初に、大内しんご議員。
〔大内しんご議員登壇〕
○34番(大内しんご) 平成28年6月6日、中野区議会第2回定例会におきまして、自由民主党の一員として質問をいたします。
最初に、中野駅地区の整備について質問させていただきます。
中野駅周辺のまちづくりについては、この2年で中野駅西側南北通路、中野駅南口地区、中野駅西口地区、囲町地区等の事業にかかわる都市計画が次々と決定、告示されました。中野二丁目では、土地区画整理事業がつい先日、5月12日に認可され、中野三丁目のUR施行による土地区画整理事業とともに、いよいよ具体的に事業が進んでまいります。
また、区役所・サンプラザ地区につきましても、今般、再整備実施方針が策定され、事業協力者を募集・選定していく段階に至っております。中野区の未来を支える中野駅周辺のまちづくりが、このように各地区とも着実に進んでいることは、大変望ましい状況であります。この中で特に重要なのは、これらのまちづくりの土台となる中野駅地区の整備だと私は考えています。
そこで、この全ての事業の要となる中野駅地区の整備についてお伺いいたします。
まず、中野駅西側南北通路・橋上駅舎の完成時期について伺います。
先般改定された「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)」で、南北通路・橋上駅舎完成がステップ3、おおむね平成32年、あるいは33年度ごろとなっております。これまでは2020年、平成32年、東京オリンピック・パラリンピック前までの完成を目指すとされていましたが、JRとの基本設計打ち合わせの中でそれが困難であることが判明したため、ステップ3に変更したと聞いております。また、その基本設計も、協定期間が平成27年度末まで延伸され、実施設計協議に移れなかったため、実施設計負担金予算まで減額補正することになりました。
そこで伺います。西側南北通路・橋上駅舎の基本設計は、本年3月には作業を完了しているはずです。基本設計の成果、内容はどのようなものであったのか、お聞きします。
また、特に工事工程はいかがだったのでしょうか。ステップ3におさまるものであるのか、お聞きをいたします。
既に冒頭で申し上げましたとおり、中野二丁目、中野三丁目、囲町の事業は今後着々と進んでまいります。西側南北通路・橋上駅舎の完成時期は、これらの開発にも大きな影響を及ぼすことと思います。まちづくりが進めば、中野駅鉄道利用者は北口も南口も当然に増加いたします。現在進行形のこれらの事業と、南北通路・橋上駅舎の完成時期はきちんと整合しているのでしょうか。完成時期がステップ3におさまっていれば問題ないとも思いますが、仮にそれよりも大幅におくれる見通しとなった場合、現在よりもさらに増加する中野駅鉄道利用者にどのように対処していくのでしょうか。中野駅周辺の開発事業と西側南北通路・橋上駅舎完成時期の関係についてお聞きをします。
次に、中野駅地区第2期整備先行工事についてお伺いをいたします。
現在、先行工事としては、新北口駅前広場のバスロータリー、作業空間整備やけやき通り交差点化工事が行われ、この夏頃には整備完了予定と聞いております。新北口駅前広場には、既に広々とした作業空間が整備されつつあり、この作業空間は西側南北通路・橋上駅舎整備のために用意されるものでありますが、実際に工事施工ヤードとして活用されるのはいつごろになるのでしょうか。
現時点で、南北通路・橋上駅舎の実施設計にも着手できない状況から判断すると、伺うまでもなく、今年度じゅうの工事着手は不可能だと考えます。そうだとすると、間もなく完成する作業空間は、しばらくは本来の利用に供しないことになります。当然空間は道路区域であるとともに、昨年度土地開発公社から国費を活用して区が買い戻した用地も含まれると思います。本来の利用に供するまでの間、区はこの作業空間をどのように扱う予定なのか、お考えをお聞きします。
また、先行工事では、けやき通りを交差点化し、信号機が設置されます。これにより大量の自転車と歩行者の交錯が緩和されるとのことですが、本当にこれで大丈夫なのでしょうか。
信号機を設置して、安全に歩行者、自転車を通行させることは当然ですが、これに加え、信号機で遮られることのない歩行者動線も計画するべきではないでしょうか。朝、ピーク時の中野駅北西側の混雑は大変なものがあります。より安全を期すために複数の動線を確保するべきと考えますが、この見解をお伺いします。
再三申し上げておりますが、中野駅地区の整備は、中野駅周辺まちづくりの全ての土台であり、要となります。この安全・安心を担保しつつ、着実に推進されることを強く要望いたします。
2番目に、国や都の公有地や学校再編後の跡地などの活用についてお聞きをします。
区は、国における国家公務員宿舎の削減計画を受け、平成19年に国家公務員宿舎跡地利用方針を策定し、平成25年にはその修正を行っています。この方針に具体的な活用策が示されているものを見ていくと、例えば江古田四丁目の国家公務員宿舎跡地約4,000平米については、予定されていた活用策のとおり、民間事業者による特別養護老人ホーム等の整備に向けた誘導が行われていると聞いています。また同じく、弥生町六丁目の国家公務員宿舎跡地についても、活用策のとおり、清掃車の車庫、(仮称)弥生町六丁目公園の整備用地となっております。このように、方針に沿って着実に利活用が進んでいることは評価したいと思います。
一方、利活用の方針の中には、区みずからが活用していくものよりも、民間での活用に当たって、「敷地の細分化を防ぎながら、周辺環境に配慮した質の高い住宅供給を誘導するように働きかける」といったものが多く見られます。しかし、このような民間誘導による住宅供給としていたものについても、例えば新井三丁目の国家公務員宿舎跡地約3,000平米のように、平和の森公園再整備のために区が活用する方針に転換したものもあります。新たな需要に合わせ臨機応変に、また機動的に素早い対応を図ることも極めて重要であると考えます。
こうした対応を見るにつけ、利活用方針が策定されてから約3年が経過する今日、国家公務員宿舎の跡地を含め、現在、国や都の抱える公有地の中には、既に、また今後、従来の用途が終了し、区の新たな需要、必要とされる需要に即して活用が図られるものも新たに出てきているのではないでしょうか。
また、学校再編後の跡地についても、今後、学校再編が進む中、10か年計画(第3次)の中では示し切れなかった部分があることも十分理解できますが、国や都の公有地と同様のことが言えるのではないかと思います。
そこでお聞きをします。国家公務員宿舎跡地を含め、国や都の所有する公有地について再度精査を行い、現時点での区民にとっての必要な需要を満たすため積極的に活用を図るため検討を行うべきではないでしょうか、区の見解をお聞きします。
また、学校再編後の跡地についても、10か年計画で示し切れなかった部分について、本当に区民にとってどのような活用が可能なのか、検討し、明らかにすべきと思いますが、いかがでしょうか。
次に、都有地の活用の話になりますが、昨年の第1回定例会で大和町まちづくりに関連して、まちづくり用地として活用してはどうかとお聞きした若宮一丁目の都営大和町母子アパート跡地についての検討はどういうふうに進んでいるのか、お聞きします。
最後に、野方のバス通りに面している、現在更地となっている野方一丁目、旧警視庁職員寮跡地について、今後区として活用していく考えがあるのかをお聞きをいたします。
3番目に、旧第六中学校周辺の道路整備について質問をいたします。
前回の質問の際にも指摘しましたように、旧第六中学校は、平成20年3月31日に閉校するまで、震災時の地域の避難所として役割を担ってまいりました。以後は、隣接する都立中野工業高校が地域の避難所機能を引き継いでおりますが、旧第六中学校の閉校から8年が経過をしています。旧第六中学校敷地なども活用した都立中野工業高校の再整備については、東京都側のさまざまな事情があって時間がかかると聞いていますが、この周辺の道路整備など、具体的な整備の姿が示されないという現状では、やはり時間がかかり過ぎていると思います。
さらに、妙正寺川の改修や河川環境整備による快適性の向上についても、東京都が整備時期を明確に示していないという事情があるにせよ、区としての見通しがこれまでのところ示されておりません。つまりこの地域については、これら都市基盤の整備について、区の取り組み姿勢の真剣さが感じられません。この地域は、東京都が示している「地震に関する地域危険度調査」によっても、防災上の課題が大きいことが示されています。地域の安全性の向上を考えれば、安心して快適に暮らせるまちを目指した河川環境整備なども具体的に急ぐべきです。
この旧第六中学校跡地の南側の都立中野工業高校の敷地に隣接して流れる妙正寺川について、まずお尋ねします。
妙正寺川については、三谷橋から下流では時間雨量50ミリ対応の河川改修が行われ、平成25年には、上流部に鷺宮調節池が整備されるとともに、妙正寺川が接続する神田川、環状7号線地下調節池についても、野方駅から北側の環状7号線地下に新たな地下調節池を整備して連結する事業が着手されるなど、妙正寺川全体として治水安全度が徐々に高まっているところです。
しかし、中野工業高校付近より上流部については、「護岸と河床を整備する区間」として東京都が指定はしているものの、昨年11月の第4回定例会一般質問における区の答弁によると、その整備時期は現在のところ未定とのことでした。また、今後の中野工業高校の改築工事の進展や妙正寺川の河川改修の具体化にあわせて、親水性を有する広場等の環境整備について、東京都と相談しながら進めたいとの答弁もありました。
しかし、近年、時間雨量が100ミリを超える局地的なゲリラ豪雨が各地で頻発していることを考えれば、この整備時期未定の区間についても早急な河川改修が必要であることは明らかです。区として、東京都に対し、この区間の河川改修を早急に実施することをきちんと要望するとともに、前回の質問でも指摘しましたとおり、妙正寺川南側の親水性を有する河川整備事業についても、具体的な実現時期の見通しを持って進めること、さらに、河川通路や付近の道路についてもあわせて整備を実施し、この地域の水害や地震に対する安全性の向上と住環境の向上を図るなど、この旧第六中学校跡地周辺の整備をもっと前向きにすべきだと思いますが、区の見解をお聞きします。
次に、旧第六中学校跡地の周辺の道路整備について何点か質問します。
私は、昨年9月の決算特別委員会総括質疑及び11月の第4回定例会一般質問において質問し、区内でも有数の木造住宅密集地域である旧第六中学校跡地の周辺における防災性の向上の観点から、既に整備を完了した防災広場に引き続き、跡地の一部を活用した道路の整備などについても指摘しました。区では、この周辺の道路整備は、平成28年度の主な取り組みの一つとして位置付け、平成28年度の当初予算にも、第六中学校跡地周辺道路整備工事の新規事業として1億1,452万円余が計上され、この予算の内容として、「第六中学校跡地周辺道路の整備を行い、避難路としての機能充実を行います」との説明があり、道路新設、道路拡幅、土留擁壁、下水施設、道路詳細設計が具体的な内容と示されているところです。
しかしながら、現地においては、道路整備に関する動きは現在に至るまで見られず、議会への報告もなく、また地域への具体的な説明なども全く行われていないと聞いております。当然、地域からもさまざまな不満の声も届いております。これでは、区として本当に道路整備に取り組むつもりがあるのか、いささか疑問を感じます。
昨年11月の第4回定例会一般質問における私のこの質問に対し、区は、「跡地東側の未売却部分を活用して道路を新設する」こと、及び「中野工業高校敷地と旧第六中学校跡地の間の道路上の通路について、東京都と協議の上で、拡幅と線形の改良などを行う予定」と答弁していますが、それ以降、具体的な整備計画や地域への説明会等も行われているのでしょうか。具体的に、どの場所にどのような道路を整備する予定なのでしょうか。整備内容や整備スケジュールについてお聞きします。
さらに、地域への説明責任といった観点から、地域での説明会などは今後どう取り組んでいくおつもりなのか、お聞きします。
次に、昨年9月の決算特別委員会総括質疑において、私がこの道路整備の見通しについて尋ねた際、区は、「周辺道路の状況が非常に狭隘であることや、中野工業高校敷地と旧第六中学校跡地の間の通路の直線上の改良の整備などがあって時間がかかる」と答弁していますが、そもそも区が、一昨年度末に旧第六中学校跡地を東京都に売却した際には、この道路整備を予定している土地の部分を除外して東京都に売却しているものであり、その時点で調整は済んでいるはずです。現在に至るまで、東京都とどのような調整をしてきたのか、またその調整に時間を要している理由についてお聞きをします。
その他での質問はありません。
以上で質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えをいたします。
中野駅周辺地区の整備に関連をいたしまして、幾つかの御質問がありました。西側南北通路・橋上駅舎の基本設計の成果についてであります。基本設計の成果につきましては、年度末にJRより報告を聞いており、それによりますと、従来の想定に比べ、工期が大幅に延びることとなり、工事費もふえることとなっております。これらを踏まえて、JRとしては、工事計画について、工期、工法、工事費の面から再検討すると聞いているところであります。区としては、今回の基本設計内容について、さらなる検証を進めるとともに、JRの計画見直しについて、情報提供を求め、適切に対応をすることとしているところであります。
なお、この基本設計の内容につきましては、今定例会の常任委員会において報告をさせていただく予定としております。
西側南北通路・橋上駅舎の完成時期と駅周辺開発事業との関係についてであります。
中野駅周辺の開発事業として、中野二丁目土地区画整理事業の完了は平成36年度、中野三丁目土地区画整理事業の完了は平成35年度を予定しております。また、囲町東地区市街地再開発事業については、34年度事業完了を目標として事業化の準備を進めているところであります。
今回、JRから示された基本設計の成果によるスケジュールでは、これらの駅周辺の事業の完了時期よりも南北通路・橋上駅舎の開業が遅くなっている形となっています。区といたしましては、JRに対し、工事期間の短縮とあわせて、仮に駅舎の開業等がおくれた場合においても、駅利用者の安全対策に万全を期すよう求めているところです。JRとしても、鉄道事業者の責務であり、これについて適切に対応するとしているところです。
また、区としても、駅周辺の道路について、工事期間中における安全な歩行者動線の確保、歩行者誘導には十分配慮をしてまいります。
作業空間を今後どのように活用するかという御質問です。早期に第2期整備工事に着手できるようJRと協議を進めていくこととしておりまして、現時点では、工事の着手時期は明確にできないところですが、作業空間を工事施工ヤードとして活用しない時期が一定期間生じることとなってまいることと思います。その間のこの作業空間の活用につきましては、区全体のまちづくりに資する公共公益的な事業などに有効に活用していきたいと考えており、具体的な内容については現在検討を進めているところであります。
信号機で遮られることのない歩行者動線について。けやき通り交差点化は信号機を設置することで中野駅から中野四季の都市(まち)へ向かう歩行者と中野駅北口の自転車駐車場に向かう歩行者との交錯を解消し、相互の安全を確保することを目的としております。歩行者、自転車の交通量の予測調査に基づき、適切に整備を進めていきたいと考えております。
今後のけやき通り交差点周辺の歩行者と自転車の交通状況を踏まえて、歩行者の利便性を向上させる観点から検討を進めていきたいと考えております。
公有地の活用検討についてであります。平成25年7月に作成した国家公務員宿舎跡地の利活用方針については、平成25年1月及び同年6月に国から処分予定物件について情報提供があったため、これに対し、その時点での区の活用の方針を定めたものであります。実際の活用を検討するに当たっては、国や都からの売却の照会があった時点で、再度、将来の区の需要等を精査し、活用の可否を判断してきているところであります。
新井三丁目の国家公務員宿舎跡の活用につきましては、平和の森公園の再整備に際し、公園拡張用地とすることが必要であると判断し、方針とは異なる判断としたものであります。利活用方針に記載された国有地については、既に大部分の処分手続が終わっておりますが、まだ未処分の用地については、これからの国や都からの施設情報を踏まえ、柔軟に対応していきたいと考えております。
学校跡地の活用についてであります。学校跡地の活用につきましては、10か年計画(第3次)の計画年度内に跡地となるものについて、一定の方向性をお示ししたところであります。学校跡地は、地域にとっても貴重な大規模な用地であり、区全体や地域の価値が高まる活用を図る必要があります。活用の詳細検討に当たっては、一定の時間をかけて適切な時期に個別に検討してまいりたいと考えております。
都有地の活用に関して、都営大和町母子アパート跡地についての御質問です。この跡地につきましては、まちづくり用地として有効な土地であると考えており、統合後の第四中学校の跡地活用とあわせて、地域の価値が高まるものとなるよう活用ができないか、検討していく考えであります。
なお、こうしたまちづくりの検討には、今後一定の期間を要することになりますが、まちづくりに活用するまでの間についても、臨時的な形で有効に活用できないかといったようなことも含めて、総合的に検討していきたいと考えております。
それから、旧警視庁職員寮跡地の活用についてであります。当該用地にかかわる都の動向等について情報収集に努めているところであります。用地の活用について、区として検討を行っております。
それから、第六中学校周辺の道路整備について、東京都への要望と道路整備及び河川整備事業についてであります。妙正寺川の改修未着手区間や、親水性を要する河川整備及び関連する河川通路や付近の道路等の整備につきまして、早期の事業着手を東京都に要望するとともに、かねてから区として要望している広場の整備につきましても、早期に実現するよう、都と協議をしていきたいと考えております。
第六中学校跡地周辺の道路整備の地域説明会についてであります。今後、8月から9月ごろを目途に、道路整備に関係する地域へ説明する機会を持ちたいと考えております。
道路整備の内容及びスケジュールであります。新設道路につきましては、旧第六中学校跡地内の東側外周に幅員4メートルの道路と土どめとなる擁壁並びに民地側に植樹帯を整備し、同時に下水道施設も整備をする予定であります。
拡幅道路につきまして、北側、西側、南側にある既設道路は、幅員4メートルと6メートルの道路拡幅を整備する予定であります。整備スケジュールにつきましては、10月上旬を目途に工事着手し、年度内の完成を目指しております。
東京都との調整に時間を要しているのではないかという御質問です。新設する道路と接続する既存道路の境界の確認や旧第六中学校跡地と中野工業高校との間にある通路の拡幅及び線形の改良に伴う境界線の確認等に時間を要してまいりましたが、これについて間もなく終了する見込みであります。
以上です。
〔大内しんご議員登壇〕
○34番(大内しんご) 再質問させていただきます。
二つ目の質問のところの最後のほうなんですけれども、野方一丁目の旧警視庁職員寮跡地について、答弁がよく聞き取れなかったものですから、もうちょっとすみません、わかりやすくお願いします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 簡単にお答えしたもので、聞き取りにくかったかというふうに思います。
この用地につきましては、区として、これはぜひ活用していきたいということで、東京都のほうに申し入れを行うところですが、東京都としての現在の所管などの動向、こういうことについて情報収集に努めているところであります。その一方で、用地の活用方法について、具体的な検討を行っております。
○議長(北原ともあき) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 久 保 り か
1 中野駅周辺まちづくりについて
2 グローバル戦略について
3 これからの公共施設の在り方について
4 子ども若者支援について
(1)(仮称)総合こどもセンターについて
(2)若者支援について
5 その他
○議長(北原ともあき) 次に、久保りか議員。
〔久保りか議員登壇〕
○37番(久保りか) 平成28年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問を行います。
質問は通告のとおり、その他はございません。区長並びに理事者の皆様には、前向きでわかりやすい御答弁をお願いいたします。
質問に先立ちまして、4月の熊本地震において、熊本、大分を中心に甚大なる被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。公明党議員団では、区長に対し、地震発生後、直ちに緊急要望を行い、熊本地震災害で被災された皆様への支援策を講じることを求めてまいりました。区として、熊本地震に対し、力を尽くしていることを高く評価し、携わられている職員の皆様に感謝申し上げます。
それでは、一般質問に移ります。
初めに、中野駅周辺まちづくりについて伺います。
5月10日より区役所・サンプラザ地区再整備事業、事業協力者の募集がスタートしています。募集要項にもあるように、区役所・サンプラザ地区は、中野の顔となる地区であり、周辺地区との調和や機能的な連携を図りながら立地特性を最大限に生かした再整備によって、グローバルな都市活動拠点の形成や地域経済の活性化に寄与していくことが期待されています。
また、事業者公募については、当地区再整備事業は、公共基盤整備と複合施設建設を両立させていく必要があるため、面整備事業として総合的、一体的に行うものとし、基盤整備については公共を主体とした土地区画整理事業の活用を、また施設整備等については市街地再開発事業の活用を想定しているとのことです。対象範囲は、新北口駅前広場なども含まれる範囲であり、中野駅と密接な関係にあります。
区役所・サンプラザ地区の施設整備のスケジュールでは、平成34年度新庁舎移転後、従前建物の解体除却、施設整備着手、平成37年度竣工予定と示されています。当初の計画では、西口改札及び南北通路の完了は平成32年度とのことでありましたが、現在、完成時期が明らかではありません。西口改札及び南北通路が完成されぬまま、区役所・サンプラザ地区の再整備がスタートすることになるのではないかと懸念をしております。
これまで駅地区の整備スケジュールについて、何度か質問を行ってまいりました。予算特別委員会で、西口改札及び南北通路のスケジュールについて伺い、「当初の目標である西口改札及び南北通路のスケジュールについてはおくれを来している。なるべく早い時期にお示ししたい」との回答がありました。現在の進捗状況を伺います。
4月に公表された区役所・サンプラザ地区再整備実施方針では、新北口駅前広場について、「中野駅西側南北通路における北側の受け口であり、鉄道からバスやタクシーへの乗り継ぎが円滑かつ効率的に行われるための交通広場である。より利便性を高め、周辺地区への回遊を促進するため、集客交流施設や多機能複合施設と一体的、連続的空間となる配置を計画する」。また、「新北口駅前広場及び公共駐車場と駅ビルとは、地上及び地下で接続するものとする」と示されています。駅ビルの荷さばきや附置義務駐車場も整備される必要もあることから、現在、都市計画決定した新北口駅前広場について、大幅な都市計画変更が必要となるのではないかと考えます。
今後、事業者公募の中で、公共基盤を含む機能配置が示されることとなりますが、新北口駅前広場整備についてはどう反映されるのか。また、どの段階で都市計画変更の手続を進めていく予定なのか、伺います。
駅舎及び駅前広場は、交通結節点として、中野駅周辺を利用する人々にとって最も重要な都市施設であり、今後の再整備に期待が持たれます。現在でも駅利用者が増加している中で、囲町エリアも完成すれば、さらに駅利用者が増加することになります。駅周辺の昼間人口の増加を考えると、駅地区の整備スケジュールは非常に重要になってきます。駅地区の再整備を進めながら、歩行者動線をいかに確保するのかは、自治体の責任において非常に重要な課題であると考えます。整備期間の歩行者動線への影響と確保についてはどのようにお考えでしょうか、伺います。
また、暫定的に設けられる予定のバス停の位置についても、再整備スケジュールに合わせ、順次検討していく必要があるのではないかと考えます。交通事業者と協議しながら慎重に進める必要があると考えますが、どう検討されているのでしょうか、伺います。
駅前の顔である区役所・サンプラザ地区の再整備は大変重要でありますが、駅やバス停の利用者に関しても最大限に配慮をする必要があると考えます。利用者のために安全確保にも努めていかなくてはならないと考えます。御見解を伺います。
また、四季の都市(まち)エリアの大学、事業者にも、長期にわたる不便を強いることにならぬよう、十分に理解を得る必要があると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
次に、再整備で期待される集客交流施設について、何点か伺います。
集客交流施設については、コンベンション、カンファレンス、バンケット等の機能を有するものとして計画するとのことです。現在、中野サンプラザの機能として、区民や区内団体が式典や懇親会に利用されている大広間、バンケットホールの確保についてはどのように考えているのか、伺います。
また、中野サンプラザが解体され、再整備した集客交流施設が完成するまでの期間、こうした機能の確保についてはどう考えているのか、伺います。
現在の中野サンプラザの機能として多くの方から望まれているのは、宴会場などの大広間とホール機能であります。今後、1万人規模の集客力のある施設が建設されることに期待を持つ方が多数いる一方で、現在の2,000人規模のホールの継続を望むニーズが高いことは、これまでの中野サンプラザの歴史を見ても明らかです。1万人規模の集客施設の中で、2,000人規模のイベントを開催することは可能であると思いますが、1万人規模のイベントと2,000人規模のイベントを同時に開催することはできないと考えます。現在、稼働率も高く、ホールとして魅力的であるサンプラザのホール機能についてはどう担保していくのか、お考えを伺います。
この項の最後に、適正な公的財産の運用について伺います。
敷地の売却、定期借地なども含め、どの段階で区有地等資産の扱いについて示される予定なのか、お考えを伺います。
次に、グローバル戦略について伺います。
4月1日、観光庁観光産業課は、「イベント民泊ガイドライン」をまとめ通知しました。イベント民泊は、多数の集客が見込まれるイベントの開催時に宿泊施設が不足する地域において、その不足を解消する有効な手段であり、また、旅行者が日帰りではなく当該地域に宿泊できるようになれば、当該地域で夕食をとったり、2日目に当該地域の観光資源をめぐるオプショナルツアーに参加することなども可能となるため、当該地域の人々と旅行者との交流の促進や、当該地域における観光消費の拡大などにもつながり、観光による地方創生の観点から有効なものと期待されています。
ガイドラインでは、イベント民泊を積極的かつ円滑に実施するよう、イベント民泊を実施する自治体において行うべき手続の内容、手順や留意すべき事項等を示しています。イベント民泊は、同一施設について1年の間に複数回イベント民泊を実施することはできませんが、例えば東北復興大祭典など、広く区外から人が集まるイベントに限定し、実施を検討すべきではないでしょうか、伺います。
今後、国は、さらなる増加が見込まれる外国人観光客を誘客していくための方策として、民泊のガイドラインを示すこととしています。中野区においても、民泊はインバウンド4,000万人時代を見据えた重要な課題であります。観光協会や関係機関と連携を図り、積極的に推進する必要があると考えます。お考えを伺います。
国土交通省は、4月28日、誰もが安心して旅行を楽しめる観光地域づくりに向けて、インバウンド4,000万人時代を見据えた観光地バリアフリー評価ツールを作成しました。近年、外国人観光客の増加が著しい観光地の中から、モデルとなる奈良県、富山県、石川県を選定し、多様なニーズに対応できるバリアフリー評価を作成したとのことです。しかし、バリアフリーは、地方都市に限った課題ではなく、ユニバーサルデザインのまちづくりを推進する都心の中野区においても重要な課題です。観光地におけるバリアフリー情報の提供のあり方が明確でないため、移動制約者にとって観光地がどの程度バリアフリー化されているのか、またどのようなバリアが存在するのかを事前に知り、旅行先を選択することが困難な状況にあります。バリアフリー評価を自治体独自で行うことにより、まちづくりの課題も明確になり、バリアフリー化の促進につながると考えます。バリアフリー評価を行うことについて、御見解を伺います。
中野区では、区内の大学、短期大学との連携が進められ、基本協定を締結しています。それぞれの大学の特質を生かした相互協力が可能になっていきますが、四季の森公園に隣接した明治大学、帝京平成大学、早稲田大学とは、特に海外観光客のニーズに対応した情報提供などについての協力が見込まれるのではないでしょうか。
明治大学の留学生に、「中野のまちの好きな場所」として四季の森公園が選ばれています。一方、四季の森公園に隣接するセントラルパークには、中野区産業振興拠点が開設されています。まちづくりと一体になった2020年型観光地づくりの拠点として、セントラルパークの産業振興拠点は最も適した位置にあるのではないでしょうか。産業振興拠点を観光にも資する拠点として再構築することはできないでしょうか、お考えを伺います。
この項の最後に、フィルムコミッションについて伺います。
フィルムコミッションについては、これまで我が会派の小林ぜんいち議員が質問を行っています。小林議員の質問に対し、「ロケ撮影の誘致によってさまざまな地域資源の国内外への情報発信や話題づくり、さらにロケ地訪問者などの来訪者の増加といった効果も期待できる、このように考えておりまして、このフィルムコミッションによる地域活性化について研究を進めているところであります」とお答えになっています。そろそろ研究の成果が公表される時期ではないでしょうか。映画やドラマの撮影地として中野が大変注目を集めています。フィルムコミッション事業について、関係機関とも協議をしながら、本格的に実施すべきと考えますが、いかがでしょうか、御見解を伺います。
次に、公共施設の再配置について伺います。
新しい中野をつくる10か年計画(第3次)が策定され、施設整備の方向性が示されました。今後策定される中野区公共施設総合管理計画(建物編)では、施設の更新、保全を進めるに当たっての目安として活用することとしています。公共施設総合管理計画(建物編)の策定時期について、スケジュールをお示しください。
この際、10か年計画及び施設白書を踏まえ、再配置される施設、未利用となる施設の跡地計画、老朽化する施設の改築や改修などのリスト化をすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
その上で、施設の現状から考えた公共施設の最適化計画を策定する必要があると考えます。施設廃止、事業の見直しばかりが先行して表に出ると、計画に対する誤解が生じ、区民サービスの低下につながると懸念される声も聞かれます。区民サービスの向上を図るために、持続可能な事業の継続のあり方を追求した上での施設の再配置、再整備を示すべきではないでしょうか。
また、再編され、使途目的を廃止されることとなる施設の活用についても、地域のニーズを十分に反映し、利活用を進める必要があると考えます。第1回定例会において、学校再編後の鷺宮小学校の跡地活用について、「今後、導入する具体的な施設機能や規模等を検討する中で、借地部分の取得等必要性、その場合の財源確保の見通しなども検討していきたいというふうに考えております」とお答えになっています。10か年計画では、再編後の跡地計画が具体的には示されていない学校と活用が示されている学校があります。跡地活用を示すとともに、鷺宮小学校のように、借地である場合の取得などについても検討していく必要があり、新たな土地の取得も考えなくてはいけない場合もあります。新しい中野をつくる10か年計画では、施設整備の方向性、起債・基金を活用する主な事業などが示されていますが、それだけでは十分とは言えません。今後の公共施設のあり方に特化した計画を示し、施設の再編、維持管理に関する事業スキームを示していくべきと考えます。(仮称)公共施設の最適化計画などを示すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
その上で、現在、計画が示されている複合化される施設の課題について伺います。
第三中学校・第十中学校の統合新校などについて、子ども文教委員会でもたびたび質問していますが、確認のためにも伺います。
学校施設を改築される際に複合化を検討されることは、他の自治体でも行われていますが、さまざまな配慮が必要とされています。先日、会派で視察した千代田区神田さくら館では、小学校、幼稚園、保育園、まちかど図書館、教育センター、療育センターが複合化された施設がありました。開設時には、地域に開かれた学校がコンセプトであったそうですが、その後、大阪の池田小学校の事件が起き、施設のセキュリティ面が問われることになりました。学校施設は、地域に開かれた施設となることは望ましいと思いますが、セキュリティ面の配慮がされることで、安心して児童・生徒が教育を受けられる環境整備を図らなくてはなりません。また、複合化される他の施設に対してのプライバシーへの配慮なども重要な課題です。総合子どもセンターや適応指導教室などが開設予定である施設については、十分に配慮が必要です。利用する上でのプライバシー保護の配慮について、出入り口を分離し、施設を整備することが重要です。複合化される施設の特質に配慮した整備について、お考えを伺います。
複合化について、位置の利便性、施設の高度利用などを理由とされていますが、区内全域から考えると、利便性が必ずしも高いとは考えにくく、適応指導教室については、再配置も検討すべきではないでしょうか、お考えを伺います。
教育センターの機能が複合施設に移ることとなりますが、現教育センターを子ども・教育施設として利活用すべきと考えます。例えば老朽化し、建てかえなどを進めなくてはならない近隣の保育園、児童・生徒が利用できるスペースなどに再整備することも検討すべきではないでしょうか、お伺いいたします。
次に、子ども・若者支援について伺います。
初めに、(仮称)総合子どもセンターについて伺います。
第三中学校・第十中学校統合新校の校舎改築に伴い、複合施設整備の基本的な考え方で、複合施設には(仮称)総合子どもセンターが開設され、児童相談所の移管に備えることとしています。5月26日、全ての児童が健全に育成されるよう、児童虐待について発生予防から自立支援まで一連の対策のさらなる強化等を図るため、児童福祉法の理念を明確化するとともに、母子健康包括支援センターの全国展開、市町村及び児童相談所の体制の強化、里親委託の推進等の所要の措置を講ずることを目的とした児童福祉法が改正され、児童相談所の移管が本格的に実施されることとなりました。国は虐待対応に当たる専門人材の育成、施設整備費、人件費を自治体に財政支援することも検討しているとのことですが、国の動向を的確にとらえ、(仮称)総合子どもセンターの整備に反映していく必要があると考えます。いかがでしょうか、伺います。
児童相談所の機能について、一時保護施設は、複合施設内に設けるのではなく、広域的に設けることを検討されているようですが、中野区内には母子寮、児童養護施設など、現在でも児童相談所と連携している施設があります。区への児童相談所移管については、こうした児童養護施設などの関係機関と十分に協議を重ねる必要があると考えますが、いかがお考えでしょうか、伺います。
また、児童相談所で相談対象となる児童の中には、保護者との分離が余儀なくされる場合など、さまざまなケースがあります。特に虐待から子どもの命と健康を守ることは、待ったなしの課題です。虐待防止などのための親子分離の結果、親と暮らせない子どもの数は3万7,000人にも上り、現在その8割以上が施設で暮らしているそうです。家庭に恵まれない子どもに安定した温かい家庭を与えるため、育てる大人と子どもが永遠の家族のきずなを結ぶのが特別養子縁組制度ですが、年間約500件程度と低調であると聞きます。また、法的には親ではないものの、親がわりとなって寄り添い続けるのが里親制度です。里親の家庭で暮らす子どもは、わずか1割強にすぎないと聞きます。家庭的な環境の中で児童が暮らせることを目指し、里親の制度の推進を図るべきと考えます。区として、児童相談所を設置するに当たっては、区内の里親と連携を図り、協議の場を設ける必要があります。お考えを伺います。
(仮称)総合子どもセンターの具体的な機能として、子ども・若者専門的支援、指導機能が示されました。これまで担当が明確でなかった若者について、諸課題にも対応が可能になっていきます。社会適応支援機能として、ひきこもりなどにより、社会生活への適応に課題のある若者とその家庭に対して、本人と家族の状況を総合的に把握し、段階的に自立につなげる支援のコーディネートを実施する、全ての子ども・若者が健やかに成長し、自立、活躍できる社会を目指して、子ども・若者育成支援推進大綱が国では平成28年2月策定されました。第1回定例会で、子ども・若者支援について、「相談できる環境を自治体の責任として整備しておくことも必要と考えます。将来的には、子ども・若者総合相談センターとして必要な情報提供や助言を行う拠点整備が必要ではないか」と質問をしてまいりました。そうした意味からも、今回の(仮称)総合子どもセンターの開設については期待をするものです。(仮称)総合子どもセンターでの若者支援について、どのような展開を予定されているのか、伺います。
子ども・若者育成支援推進大綱では、基本的な施策として、ニート、ひきこもり、不登校の子ども、若者への支援などが明記されています。東京都では、ひきこもりなどの若者支援プログラム普及・定着事業が進められています。事業の目的は、ひきこもりなどの状態にある若者を支援しているNPO法人などに対して、ひきこもりなどの若者支援プログラムを普及、定着させることにより、ひきこもりの状態にある若者が安心して支援を受けられ、また区市町村がNPO法人等と協働して支援を行うことのできる社会基盤を整備することにあります。ひきこもりなどの課題を抱える若者の自立支援に当たっては、関連する事業を行っているNPO法人等と連携が効果的であると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
東京都ひきこもりサポートネットでは、中野区の相談窓口は各すこやか福祉センターと紹介されています。現在相談窓口となっているすこやか福祉センターとも十分に連携を図る必要があります。区の窓口機能として、(仮称)総合子どもセンター開設後はどのような位置付けになっていくのか、伺います。
(仮称)総合子どもセンターが開設されることにより、ひきこもりなどに関する相談の充実にも期待が持たれます。しかし、総合子どもセンターという名称では、18歳までの児童を対象としているイメージが持たれ、相談者が限定されることが懸念されます。施設の名称についても、若者の相談も受け付けていることがわかるような、また若者が足を運びやすいような工夫が必要であると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
これまでに子ども・若者支援について計画を持つことを提案してまいりましたが、課題を抱える子ども・若者に限らず、地域に生まれ育ち、若者として自立し、社会を担うことができるまでをトータルに施策化し、推進していくことが必要であると考えます。御見解を伺い、私の全ての質問を終わります。
御清聴、大変にありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 久保議員の御質問にお答えをいたします。
中野駅周辺まちづくりについてであります。
中野駅西側南北通路・橋上駅舎の進捗状況について。基本設計の成果につきましては、年度末にJRより報告を聞いており、それによれば、従来の想定に比べ工期が大幅に延びることになり、工事費もふえることとなっております。これを踏まえて、JRとしては、工事計画について、工期、工法、工事費の面から再検討をすると聞いております。区といたしましては、今回の基本設計内容について、さらなる検証を進めるとともに、JRの計画見直しについて情報提供を求め、適切に対応することとしているところであります。
なお、この基本設計の内容につきましては、今定例会の常任委員会で報告をする予定であります。
駅周辺における公共基盤整備の都市計画変更についてであります。区役所・サンプラザ地区再整備実施方針では、機能配置の考え方として、周辺一体の交通機能が向上する公共基盤の配置を検討することとしております。事業協力者からの提案を踏まえ、区として実施方針に示している再整備事業の考え方に基づき、最適な公共基盤のあり方を検討していきたいと考えております。
配置の方向性を固めるとともに、できるだけ早期に都市計画変更の手続を開始できるよう、関係機関と協議を進めることとしております。
工事期間中の歩行者動線確保、バス停の位置、工事の周知、また四季の都市(まち)事業者への理解についてなどであります。中野駅北口周辺では、今後、道路一体建物、これは西側南北通路・橋上駅舎、駅ビルのことですけれども、これらの工事、また新北口駅前広場及び地下駐車場の工事、区役所・サンプラザ地区再整備工事などが長期間にわたって続く予定となります。工事期間中における歩行者動線の切りかえ時やバス停の仮配置時における利用者の安全確保、これらは区としての責務であり、十分に配慮していく必要があります。
工事期間中においても、中野四季の都市(まち)に通勤、通学される方々をはじめ、多くの歩行者、バス利用者の利便性や安全性を損なわないよう、歩行者動線等に十分配慮しながら施行計画を検討し、総合的な工事調整、進行管理を行ってまいります。
また、これらの工事につきましては、中野四季の都市(まち)の大学、事業者と区で構成をする定例的な会議の場で適宜情報提供するとともに、利用者及び区民に対しても理解が得られるよう、工事の内容や手順についてお知らせ看板、区報、ホームページなどで十分に周知をし、丁寧に御説明をしてまいりたいと考えております。
区役所・サンプラザ地区再整備に当たってのバンケット機能についてであります。現在の中野サンプラザの宴会場は、区民や企業、団体などのセレモニー、懇親の場として幅広く利用されており、多くの交流を支える重要な機能であると認識をしております。区役所・サンプラザ再整備実施方針において、アリーナ以外の集客交流施設については、コンベンション、カンファレンス、バンケット等の機能を有するものとして計画するとしておりまして、現在の利用状況をもとに、区民や企業、団体などのニーズを踏まえ、検討を進めてまいります。
また、整備期間中につきましては、周辺に立地する他の施設の利用、あるいは新庁舎整備において計画をしております交流スペースの活用の可能性など、さまざま検討を進めてまいります。
区役所・サンプラザ地区再整備のホール機能についてであります。1万人規模のアリーナについては、さまざまな用途や規模にも対応できるような施設機能を備えたものとする考えであり、興行主の利用意向や市場動向などを把握しながら計画検討を進めてまいります。
またあわせて、整備誘導を図るコンベンション、カンファレンス、バンケット空間における一定規模のイベントの可能性についても検討してまいります。
区役所・サンプラザ地区再整備における公的財産の運用についてであります。再整備の手法として、土地区画整理事業や市街地再開発事業の適用を検討しており、区有地などの公的財産の運用については、そうした事業における制度運用に沿って適正に行う考えであります。
株式会社まちづくり中野21の所有地を含め、敷地の扱いなど、財産運用にかかわる事項の方針は、今後検討を進める区役所・サンプラザ地区再整備事業計画の中で示してまいります。
グローバル戦略に関連して、民泊についての御質問がありました。民泊は、訪日外国人の増加に伴う宿泊需要にこたえるものである一方、旅館業法に抵触するおそれのあるサービスが無秩序に広がりを見せており、安全性や衛生面を確保した民泊のルールを確立することが重要であると認識をしているところです。その上で、適正な民泊の誘導を図り、地域の産業振興や都市観光推進の観点から活用を図っていく考えであります。
イベント開催時の宿泊施設不足を賄う、いわゆるイベント民泊につきましては、国からガイドラインが示されたことから、その活用について検討をしてまいります。
バリアフリー評価についてであります。中野区では、これまでのバリアフリー化の取り組みを継続・発展させるために、平成27年4月に中野区バリアフリー基本構想を策定しております。その中で、構想の実効性を高め、効果的なバリアフリー化を推進していくために、構想に基づいて事業の適切な進行管理を行うこととしております。
また、事業の進行管理に加え、必要に応じて高齢者や障害者等の利用者を含めた区民の参加のもと、整備前に計画内容を確認した上で、整備後の利用状況等のチェックを行うことにより、より使いやすい施設への改善策を検討・実施することとしております。
また、このバリアフリー基本構想の対象となっている地域以外でも、バリアフリーの取り組みというのは進めていく必要があるわけであります。今後、整備するに当たりまして、国土交通省のほうから示されている観光地バリアフリー評価ツールにつきましても、適切に活用することを考えていきたいと考えております。
それから、産業振興拠点の観光への活用についてであります。中野区産業振興拠点は、中野区におけるICTコンテンツを活用した産業を振興することなどを目的として、一般社団法人である中野区産業振興推進機構に貸し付けているものです。このスペースの活用については、同機構が独自に行っているものであります。今後、同機構の会員企業の中から、観光に関する取り組みが生まれてくる可能性もあり、そうした場合には、区の観光施策との連携にもつながっていくものと考えております。
フィルムコミッション事業の実施についてであります。映画やテレビの撮影を積極的に誘致し、映像を通じて区の魅力を広く発信することで来街者の増加や地域活性化につなげるフィルムコミッション事業の早期実施に向け、現在検討を進めているところであります。
中野区のまちの魅力を発信するためには、区の所有する公園などの公共施設だけでなく、まちなみや商店街などの民間施設、名所旧跡や食、イベントなどの区の認定観光資源なども含め、幅広く映像に乗せて発信していくことが重要だと考えております。商店街をはじめとするさまざまな民間団体などと区が適切に連携・協力しながら、映像を通じた中野区の魅力発信を実施できる、そうした体制を構築していきたいと考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 私からは、これからの公共施設のあり方に関連いたしまして、第三中学校・第十中学校の統合新校に新設される複合施設のプライバシーの配慮についての御質問にお答えいたします。
適応指導教室の導入を予定しています(仮称)総合子どもセンターは、利用者が安心して施設を利用できるよう、プライバシーに十分配慮することとしてございます。
また、続きまして、適応指導教室の再配置についての御質問もございました。第三中学校・第十中学校統合新校は、中野坂上の交通利便性、交通結節点といった立地にあり、区内各地から交通手段がおおむね確保されていると考えてございます。
適応指導教室のあり方につきましては、当該用地での適切な運用に万全を期すとともに、その整備効果を十分に見きわめてまいりたいと考えております。
〔政策室長髙橋信一登壇〕
○政策室長(髙橋信一) 私からは、これからの公共施設のあり方におけます総合管理計画の策定の時期と施設配置等についてお答えいたします。
初めに、総合管理計画の策定時期でございます。中野区公共施設総合管理計画(建物編)でございますが、施設の保全・更新を適切に進めるため、施設管理の基本方針を示すものとして、10か年計画の内容を踏まえ、平成28年度中に策定を予定しているところでございます。
次に、施設のリスト化をし、整理することについてでございます。個別施設の配置等を含めたあり方につきましては、10か年計画(第3次)において、区の事業展開に基づく10年間の主な施設整備の方向性について一定の取りまとめを行ったところでございます。今後、具体化を進めていきたいと考えてございます。
また、施設の老朽化に伴う施設管理上必要な施設更新や大規模改修などの内容につきましては、公共施設総合管理計画において取りまとめる考えでございます。
公共施設の最適化計画でございます。学校再編後の跡地については、10か年計画で示した方向性を踏まえ、施策を進めていく上で必要となる施設整備や見直しについて、将来需要の変化等を踏まえつつ、詳細を検討していく考えでございます。10か年計画で示されていない、将来的に学校再編により跡地となる施設等につきましては、今後の行政需要を踏まえ、検討してまいりたいと考えてございます。
最後に、教育センター跡施設の活用についてでございます。教育センター機能移転後の活用につきましては、他の未利用となる施設と同様に、将来の行政需要の変化を踏まえ、活用等を検討していきます。近隣の保育園の建てかえ等の活用についても、選択肢の一つであると認識しているところでございます。
〔子ども教育部長横山俊登壇〕
○子ども教育部長(横山俊) 私からは、子ども・若者支援についての御質問にお答えをさせていただきます。
初めに、(仮称)総合子どもセンターについてでございます。
児童相談所の移管に係る国の動向等についての御質問でございました。中野区といたしましては、これまで身近な地域における子どもに関する一貫した相談支援体制の強化、これが必要であるとの観点から、児童相談所の移管を求めてきたところでございます。今般、児童福祉法の改正によりまして、児童虐待に係る発生予防から自立支援までの一連の対策強化が明確化されました。また、厚生労働省による児童相談所強化プランにおいては、専門職の増員や資質の向上、施設環境の改善等について方向性が示されたところでございます。
区といたしましては、(仮称)総合子どもセンターの一環として整備をすることとしております児童相談所につきまして、こうした国の方針を踏まえ、十分に機能が発揮できるよう、人員体制等について検討してまいりたいというふうに考えてございます。
児童相談所の関連機関との協議についてでございます。児童相談所の設置に当たりましては、社会的養護を行う施設や里親との連携が不可欠でございます。今後、時期を見ながら、必要な協議を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
次に、若者支援についてのお尋ねでございます。
(仮称)総合子どもセンターにおいてどのように展開するかとの御質問でございました。(仮称)総合子どもセンターにおけます若者支援といたしましては、本人や家族の状況等につきまして、心理等の専門員などが総合的に把握し、状況に応じて生活の自立につながるよう助言等を行うとともに、さまざまな情報提供や自立支援機関の利用についてコーディネートすること等を進めることについて検討しているところでございます。
また、若者の自立支援事業を展開するNPO等との連携につきましても、今後の検討課題の一つになると考えているところでございます。
若者支援の窓口についてでございます。ひきこもり等によります課題を抱えている若者の自立支援につきましては、(仮称)総合子どもセンターが中心的な役割を担っていくことになるというふうに考えているところでございます。
この施設の名称についてのお尋ねでございます。(仮称)総合子どもセンターの名称につきましては、施設の機能を的確にあらわすとともに、区民にとってわかりやすいものとなるよう、今後検討してまいりたいというふうに思ってございます。
最後に、トータルの若者支援策についてでございます。区といたしましては、これまでも子ども・若者といった成長過程や状況に応じて必要な施策を行ってきたところでございます。若者支援のあり方につきましては、状況の把握や必要性等を見きわめつつ、検討を進めてまいりたいというふうに思ってございます。
私からは以上です。
〔久保りか議員登壇〕
○37番(久保りか) 1点だけ、再質問をさせていただきます。区長にお伺いをいたします。
JRの西口改札、橋上駅舎及び南北通路への基本設計の結果により、さまざま時期のおくれということがあって、今再検討をされているということでございまして、私、質問の中でも述べさせていただいたんですが、やはり駅地区そのもの、駅舎そのものがおくれを来すことによりますと、今後のさまざまな計画に影響を及ぼすのではないか。
例えば、2番目に伺いました都市計画の変更、これもやはり駅ビルですとか駅舎と密接な関係がございます。先ほど区長は、都市計画の変更時期も早期にというようなことをおっしゃられておりましたけれども、そういったことにもさまざま影響を及ぼしていくのではないかなというふうに考えておりまして、その点について、区長の御見解を伺いたいと思います。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
駅周辺における公共基盤配置の都市計画変更についてということですが、区役所・サンプラザ地区の再整備実施方針では、機能配置の考え方として、周辺一体の交通機能が向上する公共基盤の配置を検討するというふうにしているところですけれども、この公共基盤の配置については、南北通路及び橋上駅舎、これの完成を前提とした配置の再検討ということにしております。JRのほうで現在考えているのは、工法、工期、経費といったところですけれども、駅ビルの全体的な考え方、そのものが大きく変わるということは想定していないように聞いております。
そうしたことから、区が考える公共基盤配置の都市計画変更については、これまでと同じような考え方で検討していけばよいものと、このように考えておりまして、この配置の方向性について固めるとともに、早期に都市計画変更の手続を開始してまいりたい。そして、全体として事業の時期が整合性を持ったものとなるように配慮をしていきたい、このように考えております。
○議長(北原ともあき) 以上で久保りか議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時16分休憩
午後2時40分開議
○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 来 住 和 行
1 区長の政治姿勢について
2 平和の森公園再整備の問題について
3 子育て応援について
(1)保育所待機児問題について
(2)認可私立保育園の建てかえ整備について
(3)学童クラブの待機児問題について
4 防災対策について
(1)避難者・避難所対策について
(2)木造住宅の耐震化について
(3)その他
5 「LGBT」性的少数者の支援と権利保障について
6 東中野駅東口のバリアフリー化と西口広場について
7 その他
○議長(北原ともあき) 来住和行議員。
〔来住和行議員登壇〕
○42番(来住和行) 2016年第2回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表し、一般質問を行います。
質問に先立って、熊本地震によって犠牲になられた方々にお悔みを申し上げるとともに、避難されている方々、被災された皆さんの生活再建、暮らしの復興を願って質問に入ります。
まず、区長の政治姿勢について伺います。
区民の暮らしを応援することについて。
安倍政権の経済政策、アベノミクスの破綻は明らかです。安倍首相自身が一昨年4月の消費税増税後「予想外に消費が落ち込み、予想外に長引いている」と認めるようになりました。総務省の家計調査報告では、2人以上の世帯の消費支出は、3月には前年同月比で5.3%の減少と大幅な落ち込みで、個人消費も2年連続で減少しました。勤労者の実質賃金は、5年連続マイナスとなりました。一方、大企業は、安倍政権の3年間で史上最高益の内部留保300兆円となり、超富裕層の資産は7.2兆円から15.4兆円と膨らみました。大企業がもうけをふやせば賃金や雇用が改善するというアベノミクスの筋書きは完全に破綻しています。
そこでお聞きします。区長は、第1回定例会での長沢議員の質問に対し、「国の政策が破綻したとは考えておりません」と答弁され、アベノミクスをこれまで礼賛されてきました。今でもその評価は変わらないということでしょうか。答弁を求めます。
景気を左右するのは、日本経済の約6割を占める個人消費です。消費の低迷が長期にわたっている一番の原因が、一昨年4月の消費税増税にあるのは明らかです。増税不況を引き起こしています。ところが、安倍首相は、世界経済は08年のリーマンショックの前の状況に似ていると突然言い出して、みずからの経済失政の責任を世界経済に転嫁し、消費税10%増税を先送りしました。
消費税増税頼みでなく、大企業への減税ばらまきを中止し、大企業と大金持ちに応分の負担を求め、消費税増税は先送りではなく、直ちに中止、断念すべきです。消費税増税など、間違った経済政策を押しつけるやり方は、区民の暮らしも中・小・自営業の経営も立ち行かなくなるということではないでしょうか。答弁を求めます。
次に、核兵器の廃絶と平和行政についてお聞きします。
被爆者の方々、被爆地の皆さんが望んでいたアメリカ大統領の広島訪問が5月27日実現しました。この一歩を「核兵器のない世界」につなげるため、オバマ大統領が核兵器政策を見直し、核兵器禁止条約の国際交渉を始めることを強く期待します。
残念なのは、これまでの国連総会での日本政府の対応です。国連総会では、毎年、圧倒的多数で核兵器禁止条約の国際交渉開始を求める決議案が採択されています。ところが、日本政府は、アメリカの顔色をうかがって20年連続で棄権しており、被爆国の政府の態度として悲しい限りです。
中野区は、憲法擁護・非核都市宣言の別記に「世界中の人びとと手をつなぎ核を持つすべての国に核兵器を捨てよと訴える」と発信し続けています。区長は、核兵器は廃絶にとって何が障害となっているとお考えなのか、伺います。
区長は、これまで平和首長会議の未加盟の理由を「自治体の意思確認やどのように行動していくのかが不明であること、宣言などへの区の発言の取り扱いへの疑問」を挙げておられます。23区では、品川区と中野区だけが未加盟です。平和首長会議は、自治体間で共同し、核兵器のない世界を実現する共同の組織であり、運営上の不十分さはその中で主張し、改善を提案していく、前向きで積極的な態度が必要ではありませんか。核兵器廃絶の国際世論が高まっている今こそ、中野区がイニシアチブをとる気概を持って、平和首長会議への加盟を再検討すべきではありませんか。答弁を求めます。
現在、平和の森公園の平和資料室が閉館し、その資料が区役所4階に展示されています。廊下の一部を活用し、11枚の写真とパネルが張られ、資料はわずかです。平和事業への姿勢が問われます。ほとんどの資料は、平和の森の閉館した資料室に置き去りのままです。そもそも後世に戦争の悲惨さと平和の尊さを継承し、語り継いでいくことを目的としたものです。この際、資料の内容を充実させ、親子で読み聞かせができるコーナーや映像による啓発、中高生にも学びながら楽しめる工夫を凝らすなど、施設・設備を拡充し、平和資料は独立した平和資料館として確保すべきです。区民参加の検討を、設置するなどしてはいかがでしょうか。答弁を求めます。
次に、沖縄の基地撤去を求めることについてお聞きします。
沖縄県うるま市で5月20日元海兵隊員が会社員の20歳の女性を暴行した上、殺害し、死体を遺棄したとして逮捕されました。若い女性の未来が凶悪な犯罪によって奪われたことに、言葉もありません。再び、今月4日には、嘉手納基地所属の米兵が飲酒運転で逆走し、30代の男女2人が重傷を負いました。
沖縄では、米軍占領下、そして本土復帰後も、米兵・軍属による凶悪犯罪、基地による被害が続発してきました。1955年の米兵による6歳の少女暴行殺害の由美子ちゃん事件、59年の合計17人が犠牲となった宮森小学校米軍機墜落事件、95年には米兵3人による12歳少女集団暴行事件と米軍関係者による犯罪と事故が繰り返されてきました。
日本復帰後から2015年まででも5,896件、凶悪犯罪は574件に達しています。米軍は、事件のたびに「綱紀粛正」、「再発防止」を約束しながら、何一つ実行されず、日本政府もアメリカに要請を繰り返すだけでした。
辺野古新基地建設計画への区議会での質問に、区長は「日本国として基地が必要という判断には理解をお願いしたいと考えている」と答弁されています。沖縄県民が望んで誘致した基地など一つも存在しません。今、沖縄県内で「全基地撤去」の声が急速に高まり、県議会本会議では、在沖縄海兵隊の撤退を求める決議が採択されました。撤退が実現すれば、諸悪の根源が取り除かれ、辺野古に海兵隊基地を新たに建設する必要もなくなります。
米軍基地がある限り、米兵による犯罪と事故はなくすことができません。凶悪犯罪の根源である米軍基地を沖縄から撤去すべきというオール沖縄県民の声は、基地と暮らしは両立しないという叫びではないでしょうか。区長の見解をお聞きします。
次に、平和の森公園再整備の問題について伺います。
公園再整備の名によって、体育館建設、300メートルトラック、少年スポーツ広場を大人の野球にも利用可能とするため、多目的広場を拡張し、平和の森公園をスポーツ振興の拠点とすることを目的に、6月には基本計画を策定し、基本設計に入ろうとしています。
平和の森公園は、名のとおり、戦争に反対した人々が多く投獄されていた歴史の深い場所です。72年間刑務所として機能してきたこの用地を区民に開放するため、区議会、中野区、区民が一体となって運動し、勝ち取ったものです。再整備の議会答弁でも、区も「周辺に公園が少なく、密集地域であるという状況を踏まえ、災害に強いまちづくりの観点から防災公園が優先課題だった」。機能として、「みどりの広場を中心に樹林帯と水辺をできるだけ多く配置」。「この防災公園は、子どもたちが自由に遊べ、遊びをつくり出し楽しめる、大人の軽い運動と家族を中心としたレクも楽しめる多目的空間を創出すべきである」と位置付けを紹介しています。
当時、「刑務所跡地に公式準トラック設置について」の陳情が議会に出されていましたが、半年後には取り下げとなりました。新たな機能、新たな施設は付加しないというのが区民協議会の公園計画での合意だったからです。
再整備計画案について、中野区は、「刑務所開放に係る長い区民活動の歴史や区民協議会の計画案を継承したものだ」と強弁します。
そこでお聞きします。区民協議会の議論と計画案のどこに「スポーツ振興の拠点」とすることが合意として示されているのか、具体的な答弁を求めます。
中野区は、未開園部分についても、みどりの基本計画の中で、実現施策の「都市の基盤となるまとまりのあるみどりをつくる」の柱の中で、「平和の森公園」のうち、優先整備区域に設定されている拡張計画区域については、早期整備に向けて東京都に働きかけ、防災機能強化としての緩衝緑地の位置付けを持って早期整備を要求してきたのではありませんか。
しかし、今回の再整備計画案によって、公園全体の防災公園としての樹林機能、まとまりのあるみどりの基盤が失われようとしています。多目的広場の拡張によって、高さ3メートル以上の樹木約300本、新たに建設される300メートルと直線100メートルトラックによって、下水道局側に面している植栽などの低・中木の約100本が影響を受けると思われます。
区の説明は、移植や再利用をすると言いますが、平和の森公園内に新たな施設をつくる一方で、樹木の移設が可能な土地がどこにあるのでしょうか。
そこで伺います。計画案によって、低・中・高木が何本伐採されるのか。何本をどこに移植可能なのか。具体的にお示しください。答弁を求めます。
区民説明会、意見交換会では、参加者ほとんどから、「計画には反対である」、「公園を現状のまま利用すべきだ」という声が圧倒的でした。区も「説明会においては反対意見が多かったことを認識している」と認めています。
そこでお聞きします。中野刑務所跡地開放の運動と、住民参加によって防災と住民福祉を一体化したのが現在の平和の森公園です。区が進めている再整備計画と住民との間には大きな違いがあり過ぎます。区民の声に耳をかさず、計画を強行すれば、区政への信頼を失います。区民合意形成の手続からも逸脱していると言わざるを得ません。唐突で乱暴な計画は白紙に戻し、自治体の本旨である住民自治に立ち返り、住民参加のもとで再考すべきではありませんか。答弁を求めます。
次に、子育て応援について伺います。
まず、保育所待機児問題について。
「保育園落ちた」というブログへの安倍首相の「本当か確かめようがない」との答弁に、「保育園落ちたのは私だ」と国民的な運動が広がりました。政府は、3月28日、待機児解消の緊急対策を発表しました。その内容は、一部で改善はあるものの、国の基準があまりにも低いため、自治体独自の上乗せに対し、人員配置基準と面積基準を国基準へ引き下げを求め、詰め込みで子どもの受け入れを迫るものとなっています。
中野区でも、私立保育所へのアンケート調査を実施するなどし、詰め込みを検討するかのような一部報道もありますが、独自基準を引き下げ、保育の質を落とすことがあってはなりません。国の最低基準を理由に詰め込みを迫る今回の国の緊急対策は、児童福祉法に基づいて保育の質の向上を義務付けた厚生省令の立場にも反するものです。「最低基準を超えて、常にその設備及び運営を向上させなければならない」とする運営に関する基準第4条の立場で、最低基準を低下させず、拡充を図るべきではないでしょうか。答弁を求めます。
中野区のことし4月の保育所待機児数は、昨年より75人増の257人、この数字は認可保育所、小規模保育所事業所や認証保育所にも入所できなかった人と、入所を何らかの理由で辞退した人の合計数であります。
中野区は、27年度も私立認可園6園、小規模2施設、認証認可化2園で517人の定員増をしましたが、待機児は増となりました。この4月の1歳児での申し込みによると、東中野地域の陽だまりの丘保育園の定員枠5名に対し94人の申し込みがあり、中野坂上地域の中野保育園は20名に対し138名、野方地域の野方さくら保育園8名に対し72名、中野駅周辺の桃が丘さゆり保育園では6名に対し107名、鷺宮地域のとちの木保育園は2名に対し56名など、全区的に深刻な状況にあります。しかも、2歳児までの小規模保育施設では、3歳から転園先の保育園を探さなければなりません。
そこで伺います。この4月の認可保育園の3歳児定員空き枠は何人に対し、申し込みは何人で、3歳児の待機児は何人だったのか、答弁を求めます。
中野区は、待機児ゼロを目標にしながら、達成は遠のいてきました。賃貸物件型でも園庭がないことから、子どもの成長・発達の保障と、日常保育にも制限が出てきます。目標を実現するにも、子どもの成長・発達にも公有地を最大限に活用し、園庭ありの認可保育所を増設することです。学校統廃合の説明会で、「東中野小学校の跡地は売却することはない」と説明してきました。旧東中野小学校の跡地は売却せず、認可保育所を増設すべきではありませんか。答弁を求めます。
次に、認可私立保育園の建てかえ整備についてお聞きします。
中野区は、2003年から区立保育園を民営化してきました。中野区私立保育園園長会に加盟する21園からは、施設の老朽化が目立ち、早急な対応が必要とのことから、園舎建てかえに際し、仮園舎を立てる土地100から150坪の確保を求めて、区長に要望書が3月末に提出されています。
仮園舎用地の確保と同時に、用地の転換も場合によっては、効率・効果的といった具体的な提案もされています。民営化時点で年数も古い園舎も多かったことから、園児の安全と2次避難所としての位置付けからも建てかえが求められています。建てかえ予定園の希望をよく聞き、例えば都有地・区有地の確保のために積極的に便宜を図るべきです。答弁を求めます。
次に、学童クラブの待機児について伺います。
学童クラブの待機児は増え続けて、ことし4月には、昨年より25人増の98名となりました。1、2年生が46人となるなど、深刻となっています。キッズ・プラザや児童館で対応をしているものの、保護者の要望に応え切れていません。民設民営学童クラブ、定員356名に対し288名の在籍数となっており、41名の定員に6名、35名の定員に5名といった在籍数の実態がある一方で、定員を9名もオーバーしているクラブがあるなど、9カ所の状況は需要と供給のバランスが崩れています。保育園の入園希望者がふえていることもあり、学童クラブへの入所希望はさらに高まります。中野区は、民間任せでなく、中野区の責任で学童クラブを増設し、2017年度待機児ゼロにすべきではありませんか。答弁を求めます。
次に、防災対策についてお聞きします。
熊本では、今月5日現在、有感地震の回数が1,657回を超え、避難生活者は7,087人、住宅被害は約13万棟にも及んでいます。熊本地震では、多くの方が避難所で過ごす状況が続いています。体育館などへの避難所での課題と教訓について、5点について伺います。
第1に、東日本大震災の避難所の教訓から内閣府は、女性に配慮した避難所として、更衣室、物干し場、授乳室、安全な男女別トイレ、仮設トイレは女性用を多くする。また、女性トイレ、女性専用スペースに女性用品を常備するなどを求めています。しかし、熊本では生かされていないとの報道がされています。
中野区においては、避難所マニュアルの改定を行ってきました。女性に対する特別な配慮は十分と言えるのか。東日本大震災避難所対応の教訓は計画の中に生かされているのか。答弁を求めます。
第2に、避難所では、間仕切りによるプライバシー確保が重要であり、これまで90センチメートルと低かったものを現在2枚組み合わせで180センチメートルに改善されています。しかし、避難者5万人の総定数に対し、各避難所90枚で70人ほどの間仕切りしかできず、これではあまりにも少ないのではないでしょうか。他区では、段ボールから素材も変更しています。素材の検討を始めるとともに、間仕切りストックをふやすべきではありませんか。
さらに、避難所での要介護者等に対する段ボールベッドの確保が必要です。他の自治体では、事業者と協定を締結し、優先的に配備できる体制をとっていますが、区はどのように検討しているのでしょうか。答弁を求めます。
第3に、障害者に対する配慮として、肢体、視覚、聴覚障害の状況に応じた対応が求められます。各避難所に障害の有無、手話、筆談を求めるなどのカードを準備し、必要な方は表示できるなどの用意と合わせ、夜間にでも役立つ蓄光シール、バッジなど、当事者と支援者の双方が表示し合えるものを避難所ごとに備えておくべきではないでしょうか。答弁を求めます。
第4に、区内には2月現在外国人が106カ国、1万3,965人の方が住民登録されています。中国、韓国、または朝鮮、ネパール、ベトナムなどが1,000人以上になっています。多言語による対応が必要となります。
滋賀県草津市においては、外国人を中心とした消防団が結成され、避難誘導・防災啓発において多言語の対応ができる体制となっていると言います。1次避難所や帰宅困難者の外国人への対応を考えると、住民登録者、在勤者の外国人の協力を得られる取り組みを具体的に進める必要があるのではないでしょうか。答弁を求めます。
第5に、情報伝達については、被害の大きかった益城町では、上空を取材ヘリが飛び交い、住民同市の会話も聞き取りにくい状況の中で、「防災無線の声が聞こえない。必要な情報は繰り返し放送してほしい」との声が出されています。また、車中泊避難者1万人もいる中で、「どこに行ったら水や食料があるのか教えて」の声があふれていたといいます。
掲示板による広報、広報車の出動とともに、情報発信の大きな役割を果たしたのが熊本シティエフエムのラジオ情報です。給水場所、営業している銭湯、コンビニ、コインランドリーなどの生活情報を流すとともに、各小学校の校歌を流したところ、「元気づけられた」と3,000件の声が寄せられるなど、市町村単位のきめ細かい情報発信源となりました。
第1回定例会において、広川まさのり議員がみずからの経験からコミュニティFMの活用検討を求めました。熊本地震でも一層有効性が確認できたのではないでしょうか。検討はどのように進んでいるのでしょうか。答弁を求めます。
次に、木造住宅の耐震化について伺います。
熊本地震では、住宅・建物の被害が約13万棟に上り、従来の耐震基準でいいのかが問われています。中野区は、「耐震改修促進計画」で耐震化を進めてきました。この計画改定素案が現在示されています。平成22年度から27年度の計画と実績によると、目標としていた木造住宅の簡易・一般の無料耐震診断は1,140戸に対し1,798戸と、東日本大震災の影響もあり、超過しました。しかし、建てかえは480戸に対し107戸と振るわず、家具転倒防止器具取りつけは960戸に対し142戸の結果でした。耐震改修については、目標自体が5年間で60戸と少ないために、これはクリアしました。
耐震性向上を図るため、中野区は改定素案で、建物所有者が耐震化に取り組みやすい環境整備として、相談体制の充実や普及啓発の推進を挙げています。しかし、耐震性が不十分な木造住宅は1万5,100戸も残されています。建てかえでなくとも、木造住宅の耐震補強・改修工事で行っていく補助制度がどうしても必要です。目標数を引き上げることを含め、答弁を求めます。
さらに、改定素案の家具転倒防止器具取りつけの目標は222戸と少ないものです。取りつけの目標を高めるとともに、器具代の費用の無料化もあわせて実施すべきです。答弁を求めます。
次に、「LGBT」性的少数者の支援と権利保障について、3点伺います。
まず第1に、学校教育の位置付けについて。
LGBT当事者と関係団体の努力と取り組みによって、誤解や偏見は克服されつつありますが、制度的保障の立ちおくれが社会全体の理解と合意の妨げになっています。野党4党は共同で「LGBT差別解消法案」を提出し、全党の合意で成立を目指しています。
昨年の第1回定例会で、私は、東京都教育委員会が発行する人権教育プログラム(学校教育編)で、LGBTはその他の扱いとされていることを問題とし、指摘しました。4月の新年度改訂版では、その他の扱いから柱立てを行い、4ページの扱いとなり、格段の位置付けに変更となりました。中野区もこれを機会に、教育現場に生かし、中野区人権教育推進委員会の「人権教育推進資料」の新年度のテーマにしてはいかがでしょうか。
さらに、LGBTへの理解を学校現場の職員にどのように深めてもらうのか、その手立てについてもあわせて答弁を求めます。
中野区の住み替え住宅のあっ旋に関する要綱について伺います。
中野区内に在住するLGBT当事者の方々へのアンケートによると、その理由に「職場、学校、新宿へのアクセスがよい。当事者が多く住んでおり、安心感がある」が多数を占めています。にもかかわらず、性的マイノリティが賃貸住宅の入居を断られるケースがあると言われています。
中野区の中野区住み替え住宅のあっ旋に関する要綱は、民間賃貸住宅に居住する高齢者・障害者世帯、またはひとり親世帯が他の住宅に転居することをあっ旋し、福祉の増進を図ることを目的としています。本要綱は、LGBTの当事者も対象になると区は説明していますが、当事者の多くがそのことを知りません。要綱には当事者が対象となることが記されていなからです。対象とするのであるならば、要綱にその旨をきちんと書き加え、広く周知すべきではないでしょうか。答弁を求めます。
次に、同性パートナー制度についてお聞きします。
同性カップルを結婚に相当する関係と認め、証明書を発行する制度が渋谷区と世田谷区で実施されています。証明書の発行は、渋谷区で申請・発行件数9件、世田谷区は発行が28件となっています。江戸川区議会では、2月区議会に陳情が出され、同性カップルを結婚に相当する関係と認めるパートナーシップ制度の導入と、性的少数者の人権を尊重する社会づくりを趣旨とした陳情が採択されました。中野区でも、職員の人権セミナー研修でLGBTに関する講義も実施されており、他区の取り組みも共有されていることと思います。しかし、LGBTに関し、10か年計画や議会答弁でも、ユニバーサルの中の一つとしてとらえていくといった表現にとどまっています。同性パートナー制度の検討をどのように進めているのか。具体的に答弁を求めます。
次に、東中野駅東口のバリアフリー化と西口広場についてお聞きします。
中野区、新宿区の住民で結成している「駅東口のバリアフリー化の早期実現をめざす会」では、昨年10月8日、午前7時から9時まで、東口乗降客数調査を実施し、結果は4,935人でした。国土交通省の説明によると、バリアフリー化に対し、駅が区境に位置する場合には、「地域公共交通確保維持改善事業補助金」が交付され、これまでに立川市、武蔵村山市境にある西武鉄道砂川駅など全国で6駅交付されているとのことです。「早期実現をめざす会」では、東中野駅も対象となることを要望しています。同時に、会から中野、新宿両区長に早期実現の要望署名が提出されています。
中野区は、昨年度バリアフリー化の調査を実施しました。地域からは、現況の東口駅舎にエレベーターの設置可能位置を示し、バリアフリー化は可能だと提案してきました。昨年度の調査結果は、現行の駅舎に附属させてバリアフリー化が可能とするものとなっているのではありませんか。答弁を求めます。
区は、これまで東口周辺のまちづくりの進め方の検討と合わせて進めていくと答弁しています。しかし、昨年度の調査の結果を無駄にすることなく、積極的にJRとも協議し、駅周辺のまちづくりとは別に実施すべきです。2016年度648万円の予算を有効に活用して、早期のバリアフリー化を図るべきではありませんか。答弁を求めます。
西口広場については、広場中央部の有効活用について提案してきました。区は、駅前広場整備後の交通量調査を行っており、中央部ロータリーを含め、全体の有効活用を図っていくとのことでありましたが、調査の結果はどうだったのか。緑化と花壇などの設置を含め、有効活用についての検討を住民、利用者の参加で実施すべきではないでしょうか。答弁を求めます。
最後に、その他について。
東中野駅西口桜並木と菜の花の景観保存について伺います。
中野区の名所であり、電車から春の風物詩の一つとなっている37本の桜の木と菜の花が危機を迎えています。昨年8月強風によって、桜の枝が線路内に落下したことから、JRから10月に9本の桜伐採について協議の申し入れがあり、中野区は9本の桜についてJRに伐採を了承しました。JRは桜が咲く直前まで放置しながら、突然2月8日の深夜に伐採作業に着手しました。住民からの抗議を受け、伐採作業は中断され、住民からJRと中野区に対し、伐採の根拠を示す説明会を開くことが求められました。
東中野駅西口桜は、戦後、住民有志によって植樹され、現在中野区が所有、管理をJRに委託しています。樹齢60年を迎えることから、いずれ植え替えなければ全ての桜は伐採の対象となります。今回の伐採指定の9本は、2009年の樹木医の診断で不健全に近いとし、今後の観察が必要と診断された桜です。桜並木は、14年前にもJRの都合によって、菜の花ののり面全体をコンクリートで固めることが計画されました。しかし、中野区、JR、住民、三者の協議により、現況の桜と菜の花の景観は保存されたのです。毎年春には、地元を挙げて桜まつりも行われています。
桜並木の入り口には、中野区が桜の歴史を記す看板を立て、立派な記念碑もあります。並木の3カ所には「これからも老木を若木にかえて美しい花を永久に咲かせ続けていきたい」との地元関係団体の看板が掲げられています。
お聞きします。中野区は、「花を永久に咲かせ続けていきたい」とのこの思いも含んで桜を引き継いだのではありませんか。だからこそ、桜と菜の花のシンボルロードとして管理育成してきたのではありませんか。答弁を求めます。
JRの安全運行にとって危険を除去すること、将来的に桜並木をどう保存していくのか、JR、中野区、住民の三者に共通に求められている課題です。現在、「東中野西口の桜並木を守る会」から中野区とJRに対し、5,000筆を超える署名が提出されています。「桜の精密な樹木診断を行い、伐採の要否を確認し、次の世代に桜と菜の花の名所を残す方策を住民とともに話し合うこと」が要望されています。また、地元7町会連名で同文の要望書が区長に提出されています。JR東日本は、中野区から今後の桜並木に対する提案がされれば検討するとの立場です。地域からの要求に中野区はどのようにこたえていくのか、答弁を求めます。
これをもって私の全ての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 来住議員の御質問にお答えをいたします。
政治姿勢をめぐるアベノミクスの評価についてという質問がありました。
持続的な経済成長を達成するためには、経済成長戦略の力強い推進が不可欠である、この認識に変わりはありません。これまでの国の経済政策によって、個人及び法人所得の増などが反映された結果、平成28年度予算編成においても、特別区税等の一般財源が伸びるなど、金融政策や財政政策の成果があらわれた結果だと認識をしており、国の政策が破綻したとは考えておりません。
内閣府の四半期別実質GDP成長率は、平成28年1月から3月期で1.7%の成長となりました。また、4月の有効求人倍率でも1.34倍となり、24年5カ月ぶりの高水準となっております。月例経済報告では、このところ弱さが見られるが、緩やかな回復基調が続いているとの見方を据え置いており、今後とも経済状況等の推移を注視してまいりたいと考えております。
消費税増税などに関連をしてであります。今回の消費税増税の見送り、先送りということですけれども、この判断自体については一定評価をするべきだと考えております。しかしながら、少子高齢化、人口減少社会へ対応し、将来にわたって安心・安全、豊かな人々の生活を実現するためには、生活保障の効率的な維持、財源の確保が欠かせないと考えております。そのためには、経済の成長、一定の負担の増加、給付の抑制の三つが必要な要素であると考えているところでありまして、区政もそれに基づいて対応してきているところであります。消費増税、このことについては、今回先送りとなりましたが、将来の日本を考えたときに必要なことであるということの認識は変わっておりません。
それから、核兵器廃絶について、何が障壁になっていると考えるかと、こういう御質問であります。
核兵器の保有については、各国の政策に基づいております。国際条約によって核兵器廃絶を進めようとする考え方自体は、当然支持をしております。しかし、その交渉というのは国の行う事項であります。自治体が他国との交渉に口を差し挟む、そうしたことは適当ではないと考えます。
平和首長会議への加盟についてであります。平和首長会議への加盟については、国内外の数多くの自治体の意思をどのように確認していくのか、またどのように行動していくのか不明であります。また、区の発言が宣言等の決定の中でどのように取り扱われるかなど、疑問点も多いところであります。
以上のことから、平和首長会議への参加が、平和の理念の実現に向けた区の意思の発言に必ずしも適切であるとは考えておりません。
平和資料展示の充実についてであります。現在の平和展示コーナーは、平和の森公園に新体育館が建設されるまでの暫定的な展示と考えておりますが、スペースは少ないものの、定期的な展示物の入れかえや展示中の平和資料のホームページ公開などの工夫を行っているところであります。この展示コーナーは、他の要件で来庁された区民が気軽に立ち寄って閲覧でき、利用者アンケートにもさまざまな意見が出されるなど、幅広い啓発につながっていると考えております。
新体育館の平和啓発機能においても、幅広い区民に平和の大切さについて考える機会が提供できると考えており、独立した平和資料館を設置する考えはありません。
沖縄の基地問題についてであります。安全保障上のさまざまな条件から、沖縄県及び関係自治体に大きな負担をお願いしていることについては十分に認識をしているところであります。今回、沖縄で発生した痛ましい事件につきまして、心を痛めているところでありますが、基地の存在がすなわち犯罪につながっているというふうには考えてはおりません。
国土防衛や安全保障の問題は、国政の重要な課題であります。基地を抱える自治体の負担を少しでも軽減できるよう、国を挙げて配慮すべきであると考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) LGBT、性的少数者の支援と権利保障のうち、学校教育の位置付けについての御質問にお答えをいたします。
中野区教育委員会が人権教育の充実を図る資料作成のために設置している人権教育推進委員会のテーマについては、人権課題全体の状況を踏まえ選んでおり、本年度については、性同一性障害者、性的指向について取り上げる予定はございません。教員の理解促進については、人権教育プログラムの改定に伴い、既に4月の校長会で周知しているところです。今後も東京都人権施策推進指針に示された人権課題等を取り上げ、教員に対する人権教育の研修を行っていく考えです。
〔政策室長髙橋信一登壇〕
○政策室長(髙橋信一) 私からは、平和の森公園の問題と同性パートナーの制度についてお答えします。
初めに、平和の森公園におけますスポーツ振興の拠点とする根拠ということでございます。区民協議会の跡地利用計画では、防災公園としての機能確保や健康づくりの場としての活用を求めているところでございます。平和の森公園の再整備は、既存機能でございます防災機能、区民の憩いの場の機能、平和継承等を向上させるものとともに、スポーツニーズの高まりを踏まえて、スポーツ機能を充実させることを考えてございます。体育館や多目的広場は公園施設であり、防災機能等を向上させるものであることから、中野刑務所跡地利用を考える区民協議会の報告とも合致していると考えてございます。
次に、平和の森公園におけます、区民参加で再考することについてお答えします。
計画の策定に当たっては、区民説明会や意見交換会、パブリック・コメント手続など、区民参加の場を設けたほか、区報やホームページで適時適切な情報提供に努めて進めてきているところでございます。計画に取り入れられる意見については、改善を行うなど区民参加の手続を適切に踏まえて検討を進めてきたところでございます。それぞれの区民にはさまざまな意見があり、説明会で出された意見が計画に反映されないことをもって区民合意の手続から逸脱しているとは考えてございません。
次に、同性パートナーの条例についてお答えいたします。
改定した10か年計画では、グローバル化の進展を踏まえ、多様な文化や生き方を背景にした地域社会が営まれ、高齢者、外国人、LGBTなどを含む全ての人が生活しやすいユニバーサルデザインのまちづくりを目指しているところでございます。同性パートナー制度については、法律的に保護する権利の内容が国の制度では保障されるものではないため、考えてございません。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず平和の森公園再整備の問題についての御質問のうち、既存樹木の対処についての御質問でございます。
本事業により対処が必要となる既存樹木につきましては、可能な範囲で移植することを基本方針としているところでございます。具体的な移植先、移植可能本数につきましては、基本設計で具体化する予定でございます。
次に、防災対策についての御質問でございます。
初めに、避難所運営マニュアルの女性に対する配慮的事項についてでございます。東日本大震災の教訓を踏まえ、平成24年度から25年度にかけて避難所運営会議において、避難所運営マニュアルに女性に配慮した避難所運営に関する追記を行っております。追記の内容は、女性用の更衣スペースや授乳室の確保、性別に配慮したトイレや洗濯物干し場の配置などでございます。平成28年4月に国が公表した避難所運営ガイドラインで示された女性への配慮事項をおおむね満たしていることから、十分な内容であると考えております。
次に、避難所のパーテーションについてでございます。現在備蓄している段ボール製のパーテーションは、軽量で扱いやすく、迅速に設置できるため、高い利便性があると考えております。パーテーションの必要量は、避難状況によることから、不足する避難所には他の避難所から融通するなど、柔軟に対応してまいりたいと考えております。
次に、段ボールベッドの協定の締結についてでございます。平成25年度に避難所の敷き物としてエアマットを備蓄しております。エアマットは、断熱性があり、クッション性も高く、硬さも調整できるため、機能的には十分であると考えております。段ボールベッドは、災害発生時に必要量を製作し、被災地に運び込む方法であることから、発災時、数日間は使用できない可能性があるため、現状では協定について考えておりません。
次に、要配慮者等であることがわかる表示についての御質問でございます。避難所では、避難者全員に避難者カードの記入を求めることとしております。カードには、障害者や妊婦であることなど、避難所生活で配慮してほしい事項や活用できる資格などを記入できるため、ある程度周囲の避難者への周知は図られると考えております。
表示のあり方につきましては、障害者の防災委員会や総合防災訓練などを通して意見交換を図っていることから、障害者の方々から聞き取りを行い、研究・検討してまいりたいと考えております。
次に、避難してきた外国人の対応についてでございます。中野区では、中野区国際交流協会と語学ボランティアの派遣等を内容とする協定を締結し、避難所に避難してきた外国人への対応を図ることとしております。
次に、コミュニティFM局の活用についてでございます。区は、区民への情報提供手段として、防災行政無線、ホームページ、ツイッター、Lアラート、エリアメールなどを構築しているほか、J:COM中野と防災情報の放送に関する協定も締結しております。情報提供手段につきましては、今後とも検討してまいりたいと考えております。
次に、住宅耐震化の補助制度についての御質問でございます。
第3次10か年計画や耐震改修促進計画(改定素案)等で示した耐震化目標を達成化するため、不燃化促進事業や木造住宅密集地域整備事業等での事業の進捗にあわせ、建てかえ助成や他の制度についての周知を図るとともに、他の地域についても耐震の必要性を広く広報してまいります。しかし、区民の自助努力により、旧耐震基準の木造住宅や非木造住宅が一定の規模で毎年建てかえが進んでおりますので、公平性の観点から、耐震補強、耐震改修への補助制度は考えておりません。
次に、家具転倒防止器具費用の無料化についてでございます。器具の取りつけ助成は、独力での取りつけ困難な高齢者のみの世帯、身体障害者のみの世帯等を対象として実施しております。器具につきましては、多くの種類があり、また金額にも幅があることから、個人負担の範囲内で選択していただいているところでございます。4月に発生した熊本地震以降、問い合わせがふえており、さらなる普及啓発を図り、器具取りつけの実施目標を上回るよう取り組んでまいります。
次に、LGBT、性的少数者の支援と権利保障についての御質問のうち、住み替えあっせん制度の周知についての御質問でございます。現在、さまざまな事情により住宅を探すことが困難な方に対して、中野区住み替え住宅のあっ旋に関する要綱に基づき、情報提供を行っております。要綱を改正する予定はございませんが、LGBT当事者も含む住宅を探すことが困難な方の誰もが相談できる制度として周知方法等について検討していきたいと考えております。
次に、東中野駅東口のバリアフリー化と西口広場についての御質問でございます。
まず、東中野駅東口バリアフリー化の調査結果についてのお尋ねでございます。昨年度の調査検討結果によりますと、駅舎南側の昇降施設設置には自由通路の東側への延長が必要となり、改札内からプラットホームへの昇降施設の設置についても、ホームが狭いことから課題があると指摘されております。今後、昨年度の調査検討結果をもとに、JRとの協議を進めていくこととしております。
次に、今年度予算での早急なバリアフリー化についての御質問でございます。今年度の予算は、昨年度の調査検討結果をさらに詳細に検討するものでございます。仮に簡易的な昇降施設を設置するとしても、予算額程度の費用での設置は不可能でございます。
次に、西口広場の交通量調査結果についての御質問でございます。西口広場整備前の平成18年の調査と比較して、広場整備後の7時から19時の12時間における調査において、広場北側から山手通りへ向かう歩行者数が平日で7,741人から9,286人へ約1,500人、休日で4,268人から7,631人へと約3,300人増加しております。また、広場を利用する車両につきましては、平日で乗用車126台、バス20台、タクシー66台、休日で乗用車77台、バス17台、タクシー103台の利用がされております。
次に、東中野駅西口駅前広場の景観についてでございます。駅前広場は、東中野駅の顔となる場所でございます。住民から寄せられた意見などを参考に景観上の整備を検討してまいります。
最後に、その他の項目で、東中野駅西口の桜並木についてでございます。区は、協会から桜並木の管理を引き継ぎ、これまで適切に管理してまいりました。ただし、桜並木が鉄道沿いの傾斜地にあり、植樹から60年以上経過する中、公共交通機関の安全確保を最優先に考慮して適切に対応すべきと考えております。
樹木診断及び今後の方策についてでございます。区として、再度樹木診断を行うことは考えておりません。今後につきましては、JRと協議の上、適切に対応したいと考えております。
〔子ども教育部長横山俊登壇〕
○子ども教育部長(横山俊) 私からは、子育て応援につきまして、関係するところについて幾つかお答えを差し上げます。
初めに、保育所待機児童問題についてでございます。
国の緊急対策における国基準の適用への対応についての御質問でございました。国が示しました面積基準や保育士配置基準の緩和につきまして、区立園等につきまして検討を行いましたが、定員増の効果は極めて少ないため、基準緩和による対応は考えていないところでございます。
一方、新規に開設する保育所におきましては、条件が整うものについては、国基準の適用についても今後検討していく考えでございます。
次に、3歳児の待機児童数等についての御質問でございます。平成28年4月1日の認可保育園に係ります3歳児の定員は786人でありました。これに対し、申し込みの資格要件に該当する方で、3歳から新たに申し込みをされた方が152人でございます。また、同じく2歳児からの継続した子どもの数が660人でございました。この差が26人となりますが、認証保育所等に入った方がございますので、これを差し引きますと、待機児童数、3歳児につきましては21人となってございます。
次に、公有地を最大限活用し、園庭のある認可保育園の整備についての御質問でございます。園庭のない保育所におきましても、近隣の公園など、代替園庭として活用し、適切な保育環境が確保されているというふうに考えているところでございます。急速に増加する保育需要に対応するためには、公有地の活用につきましても検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。
次に、認可私立保育園の建てかえ整備への支援についての御質問でございます。区立保育園から民営化をいたしました保育所、これの老朽化の状況につきましては承知しているところでございまして、これの建てかえへの支援の必要についても認識をしているところでございます。
私からは以上です。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進室長(野村建樹) 子育て応援のうち、学童クラブの待機児童の解消についての御質問にお答えをいたします。
学童クラブニーズの高い地域につきましては、民設の学童クラブを誘致し、待機児童の解消を図っているところでございます。今後も保育園の利用状況を含め、ニーズの動向を見きわめながら、民設の学童クラブの増設によりまして待機児童の解消を図っていくという考えでございます。
○議長(北原ともあき) 以上で来住和行議員の質問は終わります。
中野区議会議員 酒 井 たくや
1 防災について
(1)災害対策本部について
(2)避難所について
(3)その他
2 未収金対策について
3 子育て支援について
(1)子どもの貧困について
(2)保育行政について
(3)子どもの居場所について
(4)ダブルケア(育児と介護の同時進行)について
4 教育委員について
5 その他
○議長(北原ともあき) 次に、酒井たくや議員。
〔酒井たくや議員登壇〕
○38番(酒井たくや) 平成28年第2回定例会におきまして、民進党議員団の立場から一般質問いたします。
質問は通告のとおり、その他はございません。
質疑に先立ち、さきの熊本地震におきまして、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、そして被災された方々に心よりお見舞い申し上げ、早期の復興をお祈りいたします。
それでは、質疑に入ります。
1点目、防災について。災害対策本部についてお尋ねします。
大災害時の初期対応は極めて重要であり、それにより救える命もありますし、被害を減らし、被災者の安全・安心の確保、避難者対応の充実、早急な生活安定、復旧にもつながります。大震災が起こった際は、区長を本部長とする中野区災害対策本部を設置し、司令塔として迅速な応急対策を実施するため、情報の収集・伝達、住民の避難・保護、避難所の開設、相互応援協力・派遣要請などを行います。
災害対策本部の本部長室は、区長はじめ副区長、教育長、監査委員などの10名で編成され、そのほかにも災対司令部、災対総務部、災対地域部などがそれぞれ設置され、各部長、副部長に管理職がつき、区の全職員にそれぞれ災害対応の任務があります。この災害時の司令塔である災害対策本部が早期に始動できなければなりません。平日に大震災が起こった場合なら、通常業務から災害対策本部体制へとスムーズに移行できますが、24時間365日、いつ大震災が起こるかわからず、休日、早朝、夜間と、職員が庁内にいない確立は実は非常に高く、自宅から参集しなければならない状況になります。職員の区内在住率は20%で、近隣区在住を含めても30%未満です。災害対策本部の要職を務める管理職の区内在住率は14.4%と、より低い割合にもなります。災害対策本部長室に至っては、区内在住は区長のみです。災害時、公共交通機関を利用し、できるだけ早く参集するようマニュアルではありますが、東日本大震災時のように、公共交通機関を利用できる可能性はほとんどなく、帰宅困難者ではなく、参集困難者が多数出る可能性があります。このような状況下、直ちに災害対策本部を設置し、始動することはできるのでしょうか。区として、職員の参集方法や参集時間の把握はされていないともお聞きしていますが、現状どうなっているのか、お聞かせください。
座間市では、日常生活の「そのときいる場所」で実際に地震が起きたときにどう対処、どう行動するかを市内一斉に実施する訓練を行っております。市役所では、職員の参集訓練から災害対応まで、85項目に及ぶ訓練を行います。特定の訓練を除き、あらかじめ担当を決めず、当日参集してきた順番に業務を振り分けます。事前打ち合わせも筋書きもない訓練として実施し、災害対応経験のない職員がこれまで携わったことのない初めての業務にも従事します。このようなフルスケール訓練により、動員時の役割分担が実践的でなく、個々の参集時間や能力が加味されず、役職による役割分担がされていたこと、最優先されるべき業務が進まなかったり、災害対応に当事者意識がなく、危機意識も庁内共有されていない点などの課題が浮き彫りになりました。このようなフルスケール訓練は非常に効果的であり、中野区も導入を検討してみてはいかがでしょうか。お尋ねします。
るる申し上げましたが、休日や夜間に災害が発生した際にも、災害対策本部が機能するような体制の見直し、職員の役職ではなく、参集時間なども加味した実効的な災害対策本部のあり方も想定すべきです。お考えをお聞かせください。
次に、避難所についてお尋ねします。
現在、区は、首都直下地震等による東京の被害想定のうち、中野区における被害が最も大きく見込まれている東京湾北部地震、マグニチュード7.3を前提とし、被害の想定を行っております。想定避難生活者数は約5万人で、48ある避難所に防災会ごとの単位で収容する考えです。震度7の揺れが2回観測され、強い余震も続いた熊本地震は、住宅倒壊への懸念から、避難生活を送る人の数が膨らみ、ピーク時に18万人を超える事態となりました。想定避難者数を大幅に超過するものです。現状、区内48カ所の避難所には、スペースに余裕はほとんどありません。そのようなことを鑑みると、避難所であった東中野小学校跡地の売却は将来に禍根を残すと私は考えます。
東京都の試算では、大震災時に92万人の帰宅困難者が発生するとあり、現状、一時滞在施設では25万人しか対応できず、避難所に帰宅困難者が多数流れていくことは容易に予想できます。阪神・淡路で被災者の避難行動などを調査した兵庫県立大学防災教育研究センター長は「避難所が足りなくなる事態を含め、幅を持った想定ができているかが問われる」と指摘もしております。
熊本地震では、震度7の地震が2度起きるという想定外の地震災害でありました。地域防災計画でも、被害想定を上限ととらえるのではなく、想定外の事態への備えについても適切な対応を講じるとあります。避難所規模の見直しや避難所スペースの確保に努めるべきです。それが難しいのなら、想定以上の避難者数が発生した場合の対応を検討していかなければなりません。お考えをお聞きします。
次に、2次避難所、福祉避難所についてお尋ねします。
福祉避難所とは、既存の建物を活用し、介護の必要な高齢者や障害者など、一般の避難所では生活に支障を来す人に対してケアが行われるほか、要援護者に配慮したポータブルトイレ、手すりや仮設スロープなど、バリアフリー化が図られた避難所で、災害救助法に基づき、自治体が福祉避難所を指定します。全国では7,647カ所が指定され、熊本市も176カ所、約1,700人の受け入れを計画しておりましたが、思うように開設されませんでした。理由は幾つかあるようですが、一番はスタッフの数が追いついていない、人手不足によるものだそうです。
現在の区の考え方では、障害者、高齢者、乳幼児など、一時避難所で避難生活を続けることが困難で、災害対策本部長が認めた場合、2次避難所を順次開設していくという考えです。これでは開設まで時間をかなり要すると考えます。また、一時避難所全てが1階でバリアフリーの機能が完備されているわけでもありません。例えば、急激な環境変化に対応しがたい障害者にとって、不安を抱えた状態で健常者と集団生活を送るのは大変困難なはずですし、また本当に困っている災害弱者ほど孤立しがちで、声を上げにくいことです。避難所全体のあり方も検討しながら、発災当初から開設できる福祉避難所を検討すべきです。お聞かせください。
また、現状、高齢者対象施設が12カ所指定されておりますが、このほとんどが実際に住んでいる利用者もおり、十分に受け入れられないことも予想されます。利用可能な施設の確保にも、より取り組むべきです。
そして、一番の課題である人手不足に関しては、潜在的な介護士やボランティアなどの事前確保、また被災地で確保できない福祉のマンパワーを補う、広域的な取り組みを考えておく必要があります。福祉避難所が実際に機能するよう取り組むべきです。お考えをお聞きします。
2次避難所だけではなく、避難所が我慢比べの場所にならないよう、平時からの環境改善に取り組まれることを要望し、この項の質問を終わります。
次に、未収金対策についてお尋ねします。
区債権には、大きく分けると三つの債権があり、特別区民税、国民健康保険料、介護保険料の主要3債権以外にも、後期高齢者医療保険料や保育園保育料、生活保護法78条の生活保護返還金などの差し押さえなどの滞納処分ができる強制徴収公債権と、児童手当返還金、学童クラブ保育料などの直ちに差し押さえができない非強制徴収公債権があり、公債権以外は各種福祉資金貸付金返還金・住宅使用料などの私債権があります。
平成26年度決算値での収入未済額は、強制徴収公債権の合計は50億1,300万円、非強制徴収公債権は6億300万円、私債権は1億5,700万円など、全体で計61億円に上ります。区としては、平成24年に区債権の収納率向上対策を改定し、平成26年までの中期的な目標を掲げて、特別区民税、国民健康保険料、介護保険料の主要3債権を中心とした区債権の収納率の向上に取り組まれ、平成23年度決算では79億円あった区全体の収入未済額は、先ほど申し上げたとおり61億円まで圧縮され、効果も出ており、評価もしているところであります。
収納率向上対策は、収入未済額の8割を占める特別区民税、国民健康保険料、介護保険料の主要3債権への対応が主であり、それ以外の債権に関しての対応への記述は少ないのも現状であります。しかし、自治体が扱う債権について、滞納問題が発生した場合は、地方自治法第240条2項の規定により、首長はまず督促をし、その後に強制執行、その他その保全及び取り立てに関し必要な措置をとらなければならないとされており、この行為は首長の自由裁量行為ではありません。すなわち区債権全てにおいて強制執行できるものは行い、できないものはそれ以外の方法で徴収に取り組まなければならないのです。一方で、納付困難な生活困窮者に対しての支援も必要であります。
そこで、まずお尋ねしますが、差し押さえを含め滞納処分ができる強制徴収公債権のうち、主要3債権の未納件数と差し押さえなどの滞納処分数、また主要3債権以外についても未納件数と滞納処分件数をお答えください。
次に、差し押さえができない非強制徴収公債権、私債権においては、昨年度改定された区債権の収納率向上対策において、支払い能力があるにもかかわらず納付に応じない滞納者については、裁判所の手続を活用した支払い督促等の法的措置を実施するとありますが、対象7億6,000万円のうち、これまでそのような事例はあったのか、お答えください。
主要3債権以外では、なかなか取り組みが進んでいないように私は感じており、主要3債権のように、徴収に専門性の高い職員がいなければ、督促をし、催告をし、強制執行または訴えの提起等訴訟手続により回収を行うことは非常に難しいと考えます。例えば、保育担当や生活保護担当が地方自治法や地方税法、国税徴収法などの関係法令の知識を持って債権回収に当たるのは無理があり、本来業務にも影響を及ぼしかねません。区債権を一元的に管理することに大きなメリットがあると私は考えます。
まず、債権者は地方公共団体であり、債権の所管分野ではありません。所管分野で国税徴収法や地方税法のマスターは困難です。一元化することにより、担当は本来業務に従事することもできます。全ての債権について時効の中断、執行停止、放棄ができます。債権額合計で折衝でき、実態調査や財産調査も債権ごとにする必要がありません。債権ごとに催告書の発送をする必要がなく、まとめて送付することができ、効率的です。自主納付の際の充当順位も適正にできます。このようにさまざまメリットがあると考えます。
そこでお尋ねしまずか、平成26年度決算においては、61億円もの収入未済額がありましたが、高額な事案や困難事案、悪質事案に関しては、一元的に管理し、徴収する効率的な仕組みを考えてみてはいかがでしょうか、お聞かせください。
現在、区の歳入の根幹をなす特別区民税については、平成22年度に収入率向上と安定的な税収確保を目指し、効率的な滞納整理事務を行うため、滞納整理支援システムを導入しました。平成27年度には、国民健康保険料についても同様に、滞納整理支援システムを導入しました。このシステム導入により、催告から徴収までの一連の滞納整理事務の効率化を図るとともに、滞納整理状況の的確な把握や多面的分析と予測データに基づく徴収計画への反映が可能になり、収納率向上への一定の成果があったと認識もしております。このシステム導入による成果をお尋ねします。また、課題や改善策についてはどのように認識しているのかもお聞かせください。
この項の最後に、延滞金についてお伺いします。
地方自治法第231条の3第2項においては、普通地方公共団体の長は、前項の歳入について同項の規定による督促をした場合においては、条例の定めるところにより手数料及び延滞金を徴収することができるとあり、条例に定めがあれば手数料及び延滞金が徴収できるということになっております。平成27年度事務監査結果報告書、不納欠損についての指摘事項において、後期高齢者医療保険料については、条例に延滞金を徴収することが規定されているにもかかわらず、延滞金を徴収することなく、条例の規定と異なる運用が行われていたことに厳しく指摘もされておりました。どうしてこれまで徴収されていなかったのでしょうか。今後どのように改善していくのかもお尋ねします。
現在、この延滞金に関しては、それぞれの債権によってばらばらに規定されており、区としても延滞金に対する統一した考えを持っていない状況です。これでは区民に説明することができず、納める意欲や徴収意欲もぶれてしまうのではないでしょうか。
債権管理は公正公平でなければなりません。また、期限までに納付された方と比べると、滞納者にはそれ以降の徴収事務などの行政コストもかかっております。この延滞金に関しても毅然とした姿勢を示すべきです。他の公債権の延滞金はどうなっているのでしょうか。統一した考えを持つべきです。区としての債権の延滞金に関する考え方をお聞きし、この項の質疑を終わります。
次に、子育て支援についてお尋ねします。
1点目は、子どもの貧困についてです。
厚生労働省の調査では、2012年の子どもの貧困率は16.3%であり、17歳以下の6人に1人、全国で300万人が貧困状態にあり、社会問題となっており、皆さんももう御承知のとおりかと思います。
貧困は子どもの健康や学業に影響を与える深刻な問題で、我が会派の森幹事長、山本議員もさきの第1回定例会で質疑を行いました。子どもが生まれた環境によって左右され、チャレンジする機会すら与えられない社会であってはならないと、私も同じ考えでありますが、今回は、また違う観点からもお聞きしたいと思います。
日本財団・三菱UFJリサーチ&コンサルティングの子どもの貧困の社会的損失推計レポートでは、現在15歳のみの子ども120万人中の貧困世帯に当たる18万人の子どもの貧困をこのまま放置した結果、生涯を通じては2.9兆円の所得が失われ、税・社会保障の負担額は1.1兆円の増となり、合わせて4兆円もの損失になるという報告でした。ノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・ヘックマンは、「恵まれない境遇にある子どもたちに対する投資は、公平性や社会正義を改善すると同時に、経済的な効率性も高める非常にまれな公共政策である」と結論づけております。また、人的資本の投資の収益率でも、幼少期からの投資をすることが大きなリターンとなるとされており、社会福祉の観点だけではなく、経済的・投資的な観点からとらえても、官民、社会全体でこの子どもの貧困の問題に取り組むべきと考えます。
そこでお尋ねしますが、貧困の現状に対する区の考え、子どもの貧困の社会的損失推計の報告に対する見解もお聞かせください。
足立区では、子どもの貧困対策実施計画の「未来へつなぐあだちプロジェクト」、荒川区は子どもの貧困社会排除問題に包括的に取り組む「あらかわシステム」など、他自治体では計画・基本方針の策定、基金の創設など、さまざま取り組まれております。中野区としても、生活困窮者学習支援事業をはじめ、子どもの貧困解消につながる施策は幾つか展開しているのは理解しておりますが、それらをまとめ、未来への投資として区が主体的に子どもの貧困対策に踏み出すべきです。お考えをお聞きします。
次に2点目、保育行政についてお聞きします。こちらは待機児童対策についてお伺いします。
区は、中野区子ども・子育て支援事業計画を策定し、全ての子どもに良質な子育て環境を等しく保障し、各家庭や子どもの状況に応じた妊娠・出産期から切れ目のない支援、子育てしやすい環境の整備を進めているところであります。
待機児に関しては、保育の需要見込みに応じて必要な施設や定員を確保するとし、毎年4月1日時点での待機児ゼロを目標として取り組んできておりますが、待機児童数は逆にふえてしまっている状況でもあります。しかし、区としても、さまざま待機児童解消の取り組みを進めてきたことも理解をしております。まずは、ここ5年間、待機児童解消に向けて定員の拡大はどれくらい行ってきたのか。今年度4月1日時点の待機児童数は昨年度と比較しどうなったのか、お聞きします。
また、中野区子ども・子育て支援事業計画の保育需要見込みとの乖離についてはどのように分析されているのでしょうか。
毎年、次年度の保育需要を見直し、保育所の新設による定員増を図ってきておりますが、待機児童は解消されていない状況です。需要見込みの積算の仕方の見直しも取り組んでいくべきではないでしょうか。あわせてお聞かせください。
今定例会提出予定案件には、待機児童解消に向けた幼児施設整備費を含む補正予算があります。待機児の深刻な状況に機動的にダイナミックに対応する姿勢は評価するところでありますが、このような補正予算の取り組みは、隣の杉並区ではいち早く5月に臨時議会を開き、可決されました。北区では、第2回定例会で提案されるとも聞いております。また、補正予算でなくとも、当初予算でも23区で大幅な定員増の取り組みがされております。
すなわち自治体間で保育士確保、事業者誘致を競い合うような状況です。特に、保育士不足が深刻で、この件に関しては、我が会派としてもこれまで取り上げてきました。区としても、保育士の確保にさまざま取り組まれてはおります。例えば、宿舎借り上げ補助、こちらは、しかし他区と比べると少額でもあります。また、キャリアアップ事業は、東京都の制度でもあります。他自治体では、人材確保のアドバイザー派遣や資格を持ちながら保育士として働いていない潜在保育士の就職を支援する登録制度を立ち上げたりもしております。事業者誘致においても、土地を探すのが難しいなら、区有地、または区が借り上げた国有地を事業者に転貸、民有地を区が借り上げて転貸したりと、土地勘のある区が土地建物の情報を収集し、事業者と地権者のマッチングを行ってもおります。このような保育士確保、事業者誘致において、区独自の取り組みを進めなければ選ばれるのも難しいのではないでしょうか。お考えをお聞きし、この項の質疑を終わります。
次に、子どもの居場所についてお尋ねします。
10か年計画(第3次)にU18プラザの廃止が突然に示され、現在の考えでは、子育て支援の施設である児童館、U18プラザのどちらも廃止していくというのが区の考えです。区有施設全てを今のまま維持していくことは難しいことも理解はしております。しかし、児童館、U18は、地域の子育て支援の拠点として長年存在してきた、希少な子どもたちの居場所でもあります。
中野区子ども・子育て支援事業計画の目指す目標では、「地域に育まれ豊かに育つ子どもたち」とあり、「目指す姿」には、「地域におけるさまざまな子どもの育成活動が学校や家庭、行政と連携して行われ、子育て家庭は安心して子どもを育てています」ともあります。目標実現の取り組みの柱としては、「子どもや子育て家庭と地域の連携の強化」があります。まさにこの役割は、これまで児童館、U18が担ってきた機能であります。
児童館、U18は、子どもと家庭と学校と地域をコーディネートしてきました。そのような取り組みが芽生えとなって、現在それぞれの地域で放課後の子どもの居場所や乳幼児広場など、子育て支援の自主的な団体が活動もしており、どれも地域では好評であります。こういった自主的な子育て支援の活動、子どもの居場所があるのも、児童館、U18の存在が大きいと私は考えます。
今後の区の子どもの居場所、子育て支援を考える中、これまでの児童館、U18が担ってきた活動支援や地域コーディネートの機能をしっかりと評価、再確認し、今後の子育て支援の施策に結びつけなければならないと私は考えます。区のお考えをお聞かせください。
区としては、当初、U18は9館整備するという考えでありました。学校再編後の中学校区に一つは子育て支援の拠点施設として必要であるという考えだったのかもしれません。児童館、U18のように、広場があって上物がある子どものための施設は希少で、地域にとっても、中野区にとっても財産であります。区内全体での施設のバランスを考慮し、呼称、呼び方が変わっても子育て支援の拠点施設として幾つかは残すべきであります。お考えをお聞きします。
この項の最後に、子ども・子育て支援事業計画では、乳幼児対象の地域の子育て拠点事業を20カ所整備すると示されておりますが、乳幼児の活動は生活圏内でこれでは少な過ぎます。現在、見直しの議論もされていると思いますが、改善すべきです。お考えをお聞きし、この項の質疑を終わります。
次に、ダブルケアについてお尋ねします。
ダブルケアとは、晩婚化により出産年齢が高齢化するとともに、親の生活習慣病の増加や若年認知症、長寿命化による介護期間の長期化、その結果、介護サービスと育児サービスをやりくりしながら、子育てと親の介護を同時にしなければならない世帯のことを指します。家族間の複合的な課題になることも予想され、ダブルケアが我が国において今後大きな社会問題、政策課題になるとも言われております。このダブルケアの問題に関しては、平成27年第3回定例会でも一般質問いたしました。
これまでダブルケアはなかなか聞きなれない言葉でありましたが、ことし4月28日に内閣府が、ダブルケアに直面する人は25万人に上ると、初の推計結果を発表しました。該当者はもっと多いのではないかと指摘もされております。国としても、政策課題として位置付けたあらわれだと思います。国が目指す一億総活躍社会においての女性の活躍推進、重点目標である介護離職ゼロの実現などは、今後さらにふえ続けるであろうダブルケアを支援する視点を抜きには達成できないと考えます。
まずは、区としてダブルケアを政策課題としてどのようにとらえているのか、お聞きします。
ダブルケアには、両立のための情報や支援体制はまだまだ不足していると言われており、当事者もどこに相談すればいいのかわからない状況でもあります。
そこで、まずは実態把握をするべきと考えます。実態把握をするには、例えば地域包括支援センターでの聞き取りや出産後の保健師の訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」、乳幼児健診など、当事者の可能性のある方との接触の機会は相当数あるはずです。まず実態調査を行い、当事者のニーズを把握し、施策に反映すべきです。お考えをお聞きします。
横浜市では、ダブルケアの負担軽減などを目的とし、市特別養護老人ホームの入所決定基準を見直されました。ダブルケア対策で特別養護老人ホームの入退所指針を見直すのは全国でも珍しいそうで、あわせて保育の入所基準の見直しも同様に現在検討をしております。このようなダブルケアの視点を取り入れた先進的な取り組みもあります。
中野区には、子育て、保健・福祉、支えあいの地域拠点であるすこやか福祉センターがあり、子どもから高齢者まで、横断的な家族施策に対応できる施設です。また、組織には、今年度は新たに、地域包括ケア推進分野も新設されました。高齢者、子育て世代、障害者など、全ての人が地域で支えあい、安心して暮らせるまちづくりを目指す地域包括ケアシステムを構築するためにも、ダブルケアの視点を区の施策に位置付け、取り組みを進めるべきです。いかがでしょうか、お聞かせください。
育児と介護の同時進行している方にとっては、子育て支援が介護支援につながり、介護支援が子育て支援につながります。
以上でダブルケアの質問を終わります。
最後に、教育委員についてお尋ねします。
教育委員会は、学校その他の教育機関を管理し、学校の組織編制、教育課程、教科書その他の教材の取り扱い及び教育職員の身分取扱に関する事務などを執行するものです。また、教育基本法の趣旨にのっとり、教育の機会均等、教育水準の維持向上及び地域の実情に応じた教育の振興が図られるよう努めなければなりません。
中野区教育委員会は、政治的中立を確保し、地域の実情に合った教育行政を行うことを目的として設置された行政委員会で、教育長及び4人の委員をもって組織される合議体の執行機関です。教育委員は、区長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有する者のうちから、区長が議会の同意を得て任命します。教育委員の選定においては、任命権者の区長が提案し、議会の同意を得るものですが、区長、議会ともに重い責任があると考えます。
教育委員は、中野区の教育についての重要な事項や基本方針について議論するため、教育委員会定例会、総合教育会議への出席はもちろんのこと、教育現場でなるべく児童・生徒、先生やそして地域の声を聞く、式典や行事の出席だけではなく、平時の学校現場の実情を理解するのが理想であると考えます。
そこでお尋ねします。任命権者の区長は、教育委員のあるべき姿に関してはどのようにお考えか、お聞きし、私の全ての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 酒井議員の御質問にお答えをいたします。
災害対策本部の職員の参集方法、参集時間等についてです。職員の居住地については、通勤届け等で把握をしており、おおよその参集時間は把握をしているところであります。また、震度5弱以上の地震発生時には、職員宛ての参集メールにより、安否確認と参集の可否、見込み時刻を把握するといった仕組みになっております。
座間市で効果のあった訓練の実施についてということです。区職員を対象とした訓練については、震災図上訓練や総合防災訓練、避難所開設訓練、帰宅困難者対策訓練など、さまざまに実施し、災害対応力の向上を図っております。より実践的な職員訓練のあり方について、他自治体の訓練などを参考に研究を進めてまいります。
休日、夜間等の災害対策本部体制についてであります。災害対策本部については、一定の距離内に居住する幹部職員を中心に、発災後直ちに参集する体制を敷いており、参集した職員が指揮をとり、参集状況に応じて、順次体制を充実していくことになっております。また、災対各部についても、部長や班長などの主要な役職について、副役職者を複数名指定して、発災後早期の段階で代行可能な体制としているところです。毎年実施している職員震災図上訓練では、本部長等が不在の想定で実施するなど、代行者の災害対応力の向上を図っているところであります。
被害想定を超えた避難者対応について。中野区地域防災計画は、首都直下型地震の被害想定に基づいて、避難所の収容想定人数を定めております。また、計画どおり収容できない場合についても、指定以外の避難所に振り分ける等により収容することとしております。
熊本地震を踏まえ、想定を大きく超えた避難者が発生した場合等につきまして、今後さらに検討していきたいと考えております。
2次避難所の早期開設についてであります。中野区地域防災計画では、一部の2次避難所について早期に開設する体制を整備することとなっております。着実な早期開設に向けて、引き続き体制整備を急いでまいります。
2次避難所の増設についてであります。2次避難所は、現在43施設を指定しており、一定程度確保できておりますが、新たに開設される福祉施設に対し、協力の要請を行うなど、2次避難所として活用できる施設の確保に努めてまいります。
潜在的な介護士やボランティアの確保であります。2次避難所の施設関係者と災害時の運用について協議し、必要な人材の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
それから、教育委員のあり方についてであります。教育委員会は、教育長と4人の委員の合議制の機関であり、委員には、教育、学術、文化に関する識見が求められております。教育や文化についてのさまざまな知識や豊かな経験を持った4人の教育委員と教育長が議論を重ね、深めることで、中野区の教育をよりよい方向に導いていただきたいと考えております。
いわゆるレイマンコントロールと言われるような教育委員会の仕組み、その趣旨などを考えますと、必ずしも教育現場を熟知している人のみが教育委員に適任であるとは考えておりません。
私からは以上です。
〔経営室長篠原文彦登壇〕
○経営室長(篠原文彦) 未収金対策につきまして、お答えを申し上げます。
初めに、強制徴収公債権の未納件数と滞納処分の件数についての御質問です。
特別区民税、国民健康保険料、介護保険料のいわゆる主要3債権におけます未納件数につきましては、約3万9,000件でございます。そのうち、滞納処分件数は2,237件で、率にしますと、約5.7%になっております。また、主要3債権以外の強制徴収公債権では、軽自動車税、それから後期高齢者医療保険料などの未納件数につきましては約3,100件で、これまで滞納処分を行った実績はございません。
次に、支払い督促等の法的措置の事例でございます。これまでは平成20年度、生活援護分野における奨学金貸し付けにかかわる債権を2件、裁判所に対しまして支払い督促の申し立ての手続を行いました。また、昨年度は生活援護分野における女性福祉資金の貸し付けにかかわる債権につきまして、支払いの申し立て手続を予定しておりましたが、債務者との納付交渉ができたことから、支払い督促の手続に至らなかったという事例がございます。
次に、困難事例等に関する一元徴収の仕組みについてでございます。各債権の徴収については、それぞれの債務者に制度の理解や説明等、接する機会が多い各担当が収納に努めているところでございます。また、未収金を発生させない、または未収金を翌年度に繰り越さないための取り組みも重要でございまして、それぞれ制度を熟知している各所管において、積極的に未収金対策を行うことは重要であると考えてございます。
困難事例や悪質案件などにつきましては、専門的ノウハウを持った職員による一元的な滞納処分等の徴収業務を行うことは、システム整備等の課題もございますが、各自治体の事例や成果等、費用対効果も含めて検討してまいりたいと考えております。
次に、債権の延滞金に対する考え方についてでございます。公債権のうち、条例に定めがなく、延滞金を徴収していないものは、保育園の保育料、それから区立幼稚園保育料、学童クラブ保育料などがございます。特別区税の延滞金につきましては、地方税法の規定に基づき延滞金を徴収してございますが、他の区債権については延滞金を定めているものがありますが、その定めがないものもあります。事業の趣旨等が異なることもあり、統一的な取り決めはしてございませんが、負担の公平性の観点から延滞金を徴収することができる債権については、その基準の統一化も含めて検討してまいります。
〔区民サービス管理部長白土純登壇〕
○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、未収金対策のうち2点についてお答えをいたします。
まず、滞納整理支援システム導入による成果と改善策についてでございます。
滞納整理支援システムの導入により、事務の効率化や担当者間での滞納案件の納付交渉履歴等の情報の共有化が図られたほか、情報分析が可能になったところでございます。区民税の徴収においては、平成26年度の差し押さえ件数が、システム導入前の平成21年度に比べ、年間約8,000件増加しております。また、国民健康保険料の徴収においては、一斉臨戸徴収における面会等の効果や滞納繰越分の滞納金額別の分析を行いまして、滞納金額別に対応方針を決めるなど、徴収計画に反映させることができたところでございます。
今後は、税務システムへの分析機能の追加や、より効率的、効果的な滞納整理事務を行うため、さらにシステムを活用し、税務と保健医療の連携も図りながら、早期財産調査や滞納処分の強化を図ってまいります。
次に、後期高齢者医療の延滞金の徴収についてでございます。現行の電算システムは、延滞金の徴収機能が使えない状態のため、延滞金を徴収するためには、電算システムの改修が必要になります。今後は、電算システムの改修についての予算措置などを行い、延滞金の徴収に向けた準備を進めてまいります。
〔子ども教育部長横山俊登壇〕
○子ども教育部長(横山俊) 私からは、子育て支援についての御質問にお答えを差し上げます。
初めに、子どもの貧困についての御質問でございます。
子どもの貧困状況に対する区の見解と対策についてのお尋ねがございました。
日本財団によります子どもの貧困の社会的損失推計レポートは、子どもの貧困がもたらす経済的影響を試算したものであり、子どもの貧困対策が経済対策として有効であると主張しているものと理解してございます。
区といたしましては、経済的困窮やひとり親等、さまざまな困難な環境にある子どものいる家庭に対しまして、就学援助や児童手当等の経済的支援、学習支援等、自立のための対策を行っているところでございます。
全ての子どもたちが将来自立した生活を送っていくことができるよう、今後もこうした対策を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
次に、待機児童数について、見込みの差、その要因等についてでございます。
まず、平成23年から27年度までの5年間に拡大をいたしました定員数は約1,500人でございました。また、平成28年4月1日現在の待機児童数は257人となっておりまして、昨年度に比較し、85人、約1.5倍の増となってございます。
次に、保育需要の見込みについてのお尋ねでございます。保育需要率につきましては、これまで過去の傾向を踏まえて予測をしてきたところでございますが、近年の需要率等の伸びが過去の傾向を上回るものであったため、保育需要に差が生じたものと考えているところでございます。このことを踏まえまして、より精度の高い需要予測を行うよう、今後も改善を図ってまいりたいというふうに思ってございます。
事業者誘致等への積極的な取り組みについてでございます。民間保育所の誘致等を着実に促進するためには、保育所整備などへの補助や保育士確保など支援の強化を図る必要があるというふうに考えているところでございます。
最後に、子どもの居場所についてのお尋ねでございます。子育て支援拠点としての活用といったお尋ねがございました。
児童館につきましては、全ての小学校にキッズ・プラザを整備していくことから廃止することになっているところでございます。U18プラザにつきましては、これまで区内に9館整備することを考えておりましたが、子育てひろば事業をすこやか福祉センターやキッズ・プラザ、保育園、学童クラブ、商店街など、身近な場所を活用して展開していくことや、中高生対象事業につきましては、全区的な活動への取り組みを進め、社会参加や異世代間交流の機会を拡充していくこととしたため、廃止することとしたものでございます。廃止後の施設等の活用につきましては、行政需要等踏まえまして、最適な活用を図るよう今後検討していくこととしているところでございます。
私からは以上でございます。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、子育て支援についての御質問2点、それからダブルケアについてお答えをいたします。
まず、児童館、U18、これらが担ってまいりました子育て、あるいは育成活動支援等についての御質問でございます。児童館等が担ってまいりました地域の自主的な子育て活動への支援やコーディネートにつきましては、今後すこやか福祉センターやキッズ・プラザ、区民活動センターなどを活用しながら、すこやか福祉センターの専門職を中心としてさらに強化を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
それから、地域子育て支援拠点事業についての御質問でございます。国の補助対象事業として位置付けられている地域子育て支援拠点事業を含む中野区における子育てひろば事業の今後の展開につきましては、その展開場所ですとかスケジュール、それから適正な箇所数などにつきまして、具体的な検討を行い、今後お示しをしていきたいというふうに思ってございます。
最後に、ダブルケアでございますが、晩産化傾向が見られる中で育児と親の介護の同時進行、いわゆるダブルケアが課題とされていることは承知をしてございます。中野区におきましても、数件ではございますが、育児と若年性認知症の親の介護などについての相談事例が寄せられてございます。今後実態の把握に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
また、子ども・子育て、介護など、多世代にわたる支援につきましては、すこやか福祉センターが圏域の総合相談支援機関として適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(北原ともあき) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。
中野区議会議員 いでい 良 輔
1 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)について
(1)施設配置計画について
(2)少子化対策について
(3)その他
2 その他
○議長(北原ともあき) 次に、いでい良輔議員。
〔いでい良輔議員登壇〕
○22番(いでい良輔) 平成28年第2回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場から一般質問を行います。
まず、質問に先立ちまして、4月に熊本で発生をいたしました地震におきまして被害を受けられた方々、また地域の皆様には心からお見舞いを申し上げますとともに、私たち中野区議会自由民主党議員団も防災について考えさせられる、そしてまた喫緊の課題については、議会、行政と一丸となって取り組んでいかなくてはいけないなと、改めて思う次第でございます。そういった観点をもとに質問に取り組んでまいりますので、よろしくお願いをいたします。
質問は、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)について、1点目には施設配置計画、2点目には少子化対策について伺います。
この度、新しい中野をつくる10か年計画が改定され、第3次の計画がスタートしました。検討過程では、「素案」と「案」との間に、異例の「改定素案」なるものが示され、ここにおいて施設配置の計画が明示をされました。素案にはなかった内容が盛り込まれたことから、パブリック・コメントにかける前に、区は改めてこの改定素案を議会での審議に供するとともに、再び区民の皆さんとの意見交換会を開催するという手順を追加し、計画策定を進めてきました。中には、「施設配置計画が唐突である」とか、「検討の時間が短い」などといった意見や、「身近な施設は残してほしい」といった要望もあるように聞いています。税収や人口の見通しなど、中野区の身の丈を踏まえ、将来にわたって持続可能な地域経営を担っていくためには、施設のあり方の見直しも含めた、責任ある現実的な判断が、区長をトップとする行政、そしてまた私たち議会にも求められているのではないかと思います。
そこで、そのような立場から、初めに10か年計画(第3次)の施設配置計画について伺っていきます。
中野区に限ったことではございませんが、公共施設の多くが昭和30年代、40年代に建設されてきました。一般に50年とも60年とも言われる耐用年数が経過し、その多くが寿命を迎えていく時期にあります。一方で、時代や社会の進展に伴って、暮らし方や価値観の多様化などが進むにつれて、求められる行政需要も変化してまいりましたし、今後もさらに多様に変化していくことは想像にかたくないところです。引き続き区民ニーズにこたえるために必要な施設については、改修や建てかえを進め、存続をさせていくことも必要ですし、新たな施設の需要も生じるものと思われます。
うれしいことに、ここ数年来は中野区の出生率はわずかながらとはいえ上昇傾向にあり、区内のマンション建設なども目立ち、30代、40代のファミリー層の増加も見られるようです。アベノミクスによる経済の上向き効果を背景に、中野駅周辺の再開発の効果が如実にあらわれているものと言ってよいでしょう。こうした状況変化の影響のあらわれとして、学校再編計画を一つとってみても、児童生徒数の推計から、改修から改築による計画へと変更されたことは記憶に新しいところです。子どもたちに対する教育効果を第一に考慮して、クラスの規模や学年の規模、そして教員数を一定以上に保つ必要があるからこその再編計画であったわけです。自分の母校が再編され、ほかの学校と統合されるといったことには、忍びなさを禁じ得ない方々も大勢いらっしゃるでしょうが、それでも御理解をいただき、気持ちを切りかえて、統合委員会などの場を通じて、地域で愛され誇れるような新しい学校をみんなでつくり育てていこうという前向きな機運をつくり出していただいていると伺っております。
さて、そうした学校再編計画(第2次)の第1号の改築新設校が、第三中学校と第十中学校との統合新校になります。現在の十中の位置に新校を整備していくことになっていますが、ここは環状6号線に接するなど、用途地域も一部が近隣商業地域となっており、敷地の高度利用など有効活用を図れる条件を持つ、数少ない大規模区有地です。
そこで、10か年計画(第3次)でも、新たな区立図書館や子ども家庭支援センターなどと複合併設することとされています。その区立図書館については、地域課題の解決を支援していく機能を強化した特色ある図書館を今後展開していくという報告が閉会中の委員会になされたと伺っております。また、子ども家庭支援センターについても、教育センターと統合するだけでなく、今後、移管・設置を目指している児童相談所の機能との一体化を見据えて検討していくとのことです。
そこで伺います。まず、本町図書館と東中野図書館とを移転・統合する新たな区立図書館について伺います。
中学校の学校図書館とは別のものとして整備する計画と伺っていますが、併設する中学校の生徒たちをはじめとする中高生が自習をしたりクラブ活動の一環などとして調べものをしたりできるような自習室・活動スペースを整備するなどして、大人の目のある中で安心して放課後や休日を過ごせる機能を持たせるべきと考えます。御見解をお聞かせください。
現在の区立図書館では、長居することが許されず、肩身の狭い思いをしているとも聞きますが、これによりU18を廃止した後の中高生の居場所機能の代替にもなると思われますが、いかがお考えでしょうか。
同じく、U18の廃止にも関連しますが、子ども家庭支援センターや教育センターが併設されることから、広く教育や子育て支援の拠点といった機能が特色づけられることになるかと思われます。これを生かして新設する区立図書館においても、子ども向けの読書活動を進める機能を充実して、乳幼児親子の居場所づくりに役立ててはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、そうした機会を活用して、少子化対策の一環ともなる中学生等が乳幼児とふれあい交流できる取り組みを提供することもできると考えています。御見解をお聞かせください。
中野坂上のオフィス街に近いことから、ビジネスマン向けの図書館といった特色づけも欠かせないと考えています。電子書籍の充実など、ICT環境の整備は当然のこととして、ビジネス活動に必要な統計データや研究資料などを拡充するだけでなく、ビジネス展開の相談や支援までも担うような機能があれば、区の産業振興施策ともマッチした新たな図書館の魅力の一つになると考えますが、御見解を伺います。
また、長年にわたり帰国子女教育の研究協力校として文部科学省から指定されていた三中の伝統なども尊重し、洋書を取りそろえるなど、外国人も利用しやすいよう、国際化への対応も進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、こうした環境は、生徒の国際理解やグローバル教育の推進の機会としても活用できると考えています。
次に、本町図書館も東中野図書館も老朽化が進み、改修や建てかえが必要となっていますが、本町図書館は450平方メートルあまりと、区立図書館で最小の床面積であるなど、いずれも現地建てかえでは現在の規模を確保することすら難しく、電子化が進むとはいえ、蔵書の拡充をはじめ、ユニバーサルデザインや新たな機能を取り入れていくこともままなりません。建てかえ期間中は利用もできなくなります。今、幾つか質問させていただいたような機能の充実を進め、真に地域や区民の課題解決のために役立つ、新しい知の拠点となる区立図書館にしていただきたいと考えています。
閉会中の委員会に報告された今後の「図書館の整備の考え方」では、小学校の学校図書館も開放型にし、区民の利用を進めるとともに、電子書籍化やICT環境の整備によって、区立図書館と学校図書館全体の相互共通利用を可能とすることをはじめ、自宅などからも居ながらにして区立図書館の蔵書を読めるようにするとの計画です。こうした環境整備が進めば、いわゆる箱物としての区立図書館の数や規模の必要性も変わってくるのではないかと考えています。中野区の図書館は、23区の中でも比較的小規模であるとも聞きます。読書に親しむ身近な場所としては、小学校ごとに整備される計画とされている地域開放型の学校図書館を当て、その他の区立図書館は中規模化して専門性を高めた多機能型にするなど、それぞれの機能分担、すみ分けを図ることも必要なのではないでしょうか。そのような観点も持ちつつ、区立図書館の配置そのものの適正化も検討していくべきではないかと考えますが、御見解をお聞かせください。
次に、統合新校について伺います。
中学校をはじめとする複合施設は、地域にとっても役に立ち、地域から望まれる機能を持っていてほしいと考えています。備蓄物資など、避難所としての機能はもちろんのこと、帰宅困難者にも配慮した体育館などの機能拡充が必要と思われます。また、スポーツや健康づくりへのニーズにも対応した施設の開放も望まれるところでありますし、学校と地域との連携の重要性が指摘される中、地域との連携を進めるのに役立つスペースなども必要になると考えています。御見解をお聞かせください。
同時に、これは直ちに教育環境の向上にも直結することであるとも考えています。
以上、幾つかの施設の機能について取り上げてきましたが、この項の最後に、複合施設になるという特別性に着目してお伺いをいたします。
中野中学校のケースを踏まえて、標準的な中学校の施設整備のあり方を取りまとめたと伺っています。いたずらに華美にする必要はもちろんありませんが、過去に例のない、学校とさまざまな施設との複合併設になるといった特性を踏まえる必要があると考えています。必ずしもこの標準仕様に示された「規模ありき」の発想ではなく、複合併設する各施設の特色が最大限に発揮されるよう、それぞれの施設の機能がどうあるべきか、また施設同士の影響がどう生じてくるか、構造面などにも着目し、高度利用、高層化を含めたさまざまな可能性について、今までにない発想を持って、「ハイブリッドな中学校」、「地域の誇りとなるような時代の先端を行く複合施設」と呼べるような施設にしていただくよう検討すべきと考えています。見解を伺って、この項の質問をいったん終わります。
次に、少子化対策の質問に移ります。
10か年計画(第3次)では、戦略Ⅳ「生きる力・担う力育成戦略」の展開1「安心して産み育てられるまち」の中の成果目標に、初めて合計特殊出生率を掲げるなど、少子化対策へ取り組む一定の姿勢を感じることができました。この戦略Ⅳでは、少子化対策の中核となるべき施策として、妊娠期からの切れ目のない相談支援をはじめ、多様なニーズに対応する保育園などの拡充、地域の活動支援、学校教育や特別支援教育の拡充、保幼小や小中・地域との連携といったことが掲げられています。これらはいずれも重要な施策であることには間違いはありません。しかしながら、少子化対策は、そうした領域だけに限られるものでもありません。ファミリー層が、産みたい中野、そして子育てしやすく住み続けたいと思ってもらえるような中野区を総体としてつくっていく必要があります。
それに必要と思われる取り組みを10か年計画から拾い上げてみますと、まちの魅力を高める中野駅周辺をはじめとする再開発の推進をはじめ、子どもを伸び伸びと遊ばせられる大規模公園の整備、移動手段、交通アクセスの向上、Wi-Fiなどの子育て情報を得やすい環境、暮らしに欠かせない日用品などを扱うだけでなく、医療や子育てサービスなども担うコミュニティ拠点としての商店街の活性化、災害に強いまちづくりや狭隘道路の解消、働く機会の創出、空き家活用なども含めたファミリー層も住み続けられる良質な住宅の誘導、災害時避難支援など、乳幼児親子へ配慮した避難所の改善や見守りなどの仕組み等々と、多岐にわたるものが考えられます。
10か年計画(第3次)と並行して策定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、「少子化を克服する」という基本目標のもとに、体系化されているようですが、それでも網羅的、全体的なものとして、少子化対策に正面から取り組む姿勢や意気込みを感じさせるものとしては、まだまだ十分ではない気がします。
また、少子化対策を進める上でも大きな問題となるのが、待機児童問題です。女性の職業生活における活躍の推進、ひいては1億総活躍の実現を図るためにも、早急な対応が求められています。国も待機児童の多い首長を集め、緊急対策会議を開くなど、本腰を入れて取り組む姿勢を見せています。
このような問題意識から、何点か伺います。
区は、毎年保育所の定員をふやし、待機児童解消に向けた取り組みに力を注いできてはいるものの、毎年待機児童が発生していると伺っていますが、初めに昨年度の定員増は何人分の対策を計画していたのでしょうか。そして、それに対して今年度の待機児童数は何人だったのか。そして、昨年度と比べてどうなのか、地域的な特徴はあるのかなど、細かい部分についても伺います。
待機児童の地域的な偏在の解消を図りながら、保育需要の拡大に対応していくには、事業者側に整備に必要な土地や建物を準備させるといった現行の方式だけでは十分ではないと考えています。先ほどの施設配置計画ともかかわるかと思いますが、例えば学校跡地や未利用の区有地、あるいは国や都の公有地の活用をはじめ、まちづくりにおける再開発事業などの面的整備時における保育所の誘致なども視野に入れ、待機児童解消に向けた取り組みを行っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
保育所定員の量的充足とともに、地域的偏在の解消を図るには、今まで以上に民間保育所の誘致を積極的に図ることが欠かせないと考えています。これには、安定的に保育所を持続して運営していってもらう必要があるわけですから、そうした中長期的なスパンでとらえて、運営経費にかかる補助制度を拡充するなど、民間事業者に中野区を選ぶという行動を起こさせる誘導策の充実が必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。
一方で、既存の私立保育園などの施設の老朽化が進んで建てかえの時期を迎えています。しかしながら、建てかえに際して、仮園舎を設置する土地がなくて困っているとのことで、区や議会に対しても助力を求めてきていらっしゃいます。新規の定員増もさることながら、現在の保育定員を維持し、保育の継続性を確保していくためには、こうした私立保育園の建てかえへの支援も大変重要であると考えています。これもまた、施設配置計画に関連するかと思われますが、区立保育園の建てかえ計画などの際に、私立保育園の建てかえについても配慮した何らかの手だてが必要なのではないかと考えています。御見解をお聞かせください。
最後に、少子化対策全般について伺います。
少子化対策を進めるためには、保育園の整備だけではなく、先ほど指摘したようなソフト面、ハード面を合わせた総合的な施策が欠かせません。これを体系的に示し、中野区は子育て世帯の方々、また中野で子育てをお考えの方々へさまざまな手だてを尽くしているという姿勢をもっとアピールしていくべきと考えています。
特に、住み続けられるためには、良質でリーズナブルな住宅や住環境が重要です。多少価格が高いと言われる中野区内のファミリー住宅についても、最近の低金利を受け、取得に手が届く状況も出てきているように思われます。一方で、空き家などを活用し、良質な住宅を誘導し、あわせて建てかえが進むよう、狭隘道路の解消などのまちづくりもセットで進める必要があると考えています。これによって、土地の価値も上がることにつながり、中野区の魅力向上にも資するものと考えています。
これは一例でしかありませんが、こうしたことも含め、今後、区としてはどのように少子化対策に総合的、体系的に取り組んでいくお考えか、見解を伺います。
また、その必要な施策を打ち出し、実行していくための財源として、統廃合した跡地の活用といったことも検討すべきテーマであるとも考えています。どのように取り組んでいかれるお考えなのか、またその決意もあわせて伺って、全ての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) いでい議員の御質問にお答えいたします。
私のほうからは、後段の少子化対策についてお答えをさせていただきます。
待機児童の状況についてであります。平成27年度においては、当初予算及び補正予算を含め、526人の定員増を計画し、実績として555人の定員増を実現しております。平成28年4月1日現在の待機児童数は257人でありました。昨年度と比較し、85人の増となっているところです。待機児童の地域分布を見ますと、本町、中央、東中野、中野の地域で全体の5割を占める結果となっており、早稲田通りと青梅街道に挟まれた地域に待機児童の集中が見られるといった分析をしているところです。
保育所の整備、民間に行動を起こさせる誘導策の充実についてであります。急速に増加する保育需要に対応し、地域的な偏在の解消を図りながら、保育定員の確保を図るためには、保育施設の整備用地として、区有地を含む公有地などの活用を検討していく必要があると考えております。また、地域まちづくりの進展により建てかえが活発化するなど、面的なまちづくりが行われる地区において、保育所の誘致を図るための積極的な働きかけを行っていきたいと考えております。さらに、私立保育所の誘致を着実に促進するためには、保育所整備などへの補助や保育士確保など、支援の強化を図る必要があると考えております。
既存の私立保育園の建てかえへの支援についてであります。区立保育園から民営化した保育所の老朽化の状況については承知をしており、この建てかえへの支援の必要についても認識をしております。区立保育園については、建てかえの時期に合わせて民営化していくこととしており、この際必要となる仮園舎の活用も含め、区立保育園から既に民営化した保育所の建てかえに対する適切な支援も含め、検討してまいりたいと考えております。
少子化への総合的な対策について。少子化対策の総合的な取り組みとして、区は3月に「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、切れ目のない子育てサービスや相談支援、ライフステージやスタイルに応じた多様な住宅の誘導など、区として体系的に取り組むことによって、2014年の合計特殊出生率0.99を2040年には1.65に段階的に引き上げることを目標としたところであります。
区内の空き家等については、重要な住宅資源として、多様な住宅ニーズに的確にこたえられる活用策を検討していきたいと考えております。その検討に当たりましては、子育て世代の定住促進についても、十分に視野に入れていきたいと考えております。
少子化を克服し、将来の人口減少の緩和を図るとともに、地域社会、地域経済の力を高め、持続可能な豊かなまちの形成に向け、着実に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 私からは、施設配置計画について幾つかの御質問にお答えいたします。
初めに、統合新校に併設される新しい図書館における中高生のスペース等についてです。
第三中学校・第十中学校統合新校に併設する図書館では、立地条件等を踏まえ、ビジネス支援や教育、子育て支援等の専門的特性のある課題解決型の支援機能を充実することとしています。この機能の一つとして、学生やビジネスパーソンなどの個人の学習や作業、グループ活動等が可能になるスペース等を用意することを考えています。また、蔵書の工夫や事業の実施などにより、中高生の読書活動等を推進していくことも検討してまいります。
次に、新しい図書館における乳幼児親子等の居場所の機能です。教育や子育てに関する図書資料やレファレンスサービスを充実させるほか、乳幼児親子が読書に親しみやすくなるよう、乳幼児親子がゆったりと安心して読書を楽しめるスペースを用意し、親子向け事業にも活用することを考えております。また、乳幼児と生徒によるふれあい事業は、図書館ではなく、中学校で行っているところでございまして、これもさらに進めていきたいと考えています。
次に、ビジネス支援機能についてです。ビジネス支援型の特色を明確にすることから、関係資料を充実させるほか、専門家等によるビジネスレファレンスサービス、オンラインデータベースを活用した研究会や起業相談会、ハローワーク等と連携した就職活動支援、区内の事業者同士の連携機会の提供などの機能についても検討しているところでございます。
また、国際化、グローバル化への対応です。グローバル化社会への対応や外国人の利用を促進するため、英語などの外国語の図書や異文化理解のための資料の充実を進めていく考えであり、中高生の学習にも活用していけるものと考えております。
次に、図書館配置の見直しです。区立図書館については、開館時間の拡大、障害者等への宅配やレファレンスなどのアウトリーチサービスの拡充、電子書籍化等のインターネット環境の整備等を進めることとしています。また、地域開放型学校図書館を小学校に整備することとしています。これら全体を通じて、利用しやすく環境を整えていくこととしておりまして、この進捗状況を勘案しながら、今後図書館の配置についても検討してまいります。
次に、統合新校の地域に役立つ機能についてです。第三中学校・第十中学校統合新校の整備に当たっては、充実した教育活動を可能とする規模や機能を確保しつつ、災害時の避難所機能や地域の活動にも活用できるよう配慮してまいりたいと考えています。
最後に、学校との複合という特性を踏まえた新たな発想でということでした。学校施設整備計画で示しました標準仕様書は、中野区の学校教育の環境の確保や向上に必要な学校施設の基準を原則として示したものであり、個別の改築に当たりましては、敷地面積、周辺環境、地域特性等の影響を当然考慮していくものでございます。第三中学校・第十中学校統合新校及び複合施設の整備に当たりましては、立地条件等を踏まえ、高層化による敷地の有効活用を図るとともに、導入するそれぞれの施設の特色が十分発揮できるよう配慮してまいります。
○議長(北原ともあき) 以上でいでい良輔議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時53分延会