平成14年02月22日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成14年02月22日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録

1.平成14年(2002年)2月22日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(43名)

  1番  吉  原     宏        2番  伊  藤  正  信

  3番  きたごう  秀  文        4番  高  倉  良  生

  5番  やながわ  妙  子       6番  鈴  木  光  子

  7番  佐  伯  利  昭        8番  平  島  好  人

  9番  むとう   有  子       10番  長  沢  和  彦

 11番  牛  崎  のり子        12番  山  崎  芳  夫

 13番  高  橋  ちあき        14番  市  川  みのる

 15番  岡  本  いさお        16番  こしみず  敏  明

 17番  飯  島  きんいち      18番  小  串  まさのり

 19番  はっとり  幸  子       20番  佐  藤  ひろこ

 21番  来  住  和  行       22番  樋  口  きこう

 23番  若  林  ふくぞう       25番  し  の  国  昭

 26番  斉  藤  金  造       27番  斉  藤  高  輝

 28番  大  泉  正  勝       29番  柿  沼  秀  光

 30番  木  村  勝  昭       31番  細  野  たいじ

 32番  岩  永  しほ子        33番  昆     まさ子

 34番  小  池  ひろし         35番  岩  田  みつる

 36番  伊  藤  岩  男       37番  西  村  孝  雄

 38番  江  口  済三郎       39番  藤  本  やすたみ

 40番  川  上     進       41番  近  藤  正  二

 42番  江  田     徹       43番  池  田  一  雄

 44番  小  沢  哲  雄

1.欠席議員(1名)

 24番  古  木  謙市郎

1.出席説明員

 中 野 区 長  神 山 好 市      助     役  池 田   學

 収  入  役  藤 原 恵 一      教  育  長  沼 口 昌 弘

 政策経営部長   渡 辺 征 夫     行財政改革担当部長 石 神 正 義

 企 画 課 長  金 野   晃      総 務 部 長  山 岸 隆 一

 総 務 課 長  田 辺 裕 子      区 民 部 長  内 田 司 郎

 地域センター部長 柳 澤 一 平     環 境 部 長  西 條 十喜和

 保健福祉部長   浦 野 純 子     福祉担当部長   本 橋 一 夫

 都市計画部長   宮 村 光 雄     土木担当部長   石 井 正 行

 教育委員会事務局次長 須 崎 英 夫

本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  正 木 洋 介      事務局次長    佐 藤 栄 時

 書     記  栗 原   望      書     記  藤 塚 喜 正

 書     記  大 石 紀 久      書     記  巣 山 和 孝

 書     記  永 田 純 一      書     記  長 崎 武 史

 書     記  渡 辺 伸 郎      書     記  松 原 弘 宜

 書     記  西 田   健      書     記  三 浦 正 貴

 書     記  飯 田 浩 一      書     記  佐 藤 雅 俊

 

 議事日程(平成14年(2002年)2月22日午後1時開議)

日程第1 第5号議案 平成14年度中野区一般会計予算

 

午後1時04分開議

○議長(斉藤金造) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の議会に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 高 橋 ちあき

 1 行政改革の進行と組織問題について

 2 平成14年度予算について

  (1)財政の危機は回避され再建軌道に乗れたか

  (2)予算の外見と内容について

 3 都市再生へのその後の対応について

 4 警察大学校等跡地問題への対応について

 5 江古田の森整備の対応について

 6 凍結した施設整備計画について

 7 教育行政に関する課題について

 8 その他

 

○議長(斉藤金造) 最初に、高橋ちあき議員。

〔高橋ちあき議員登壇〕

○13番(高橋ちあき) 質問に入る前に、2月9日から始まりましたソルトレークシティーで行われている冬季オリンピックにおいて、連日のようにすばらしいドラマが生まれていることに対しまして感動しているところです。一人ひとりの選手たちが国の代表としていかにすばらしいドラマをつくり出せるか、また自分にとっても最高のものを目指し、最終的にメダルを取れるかと大変な努力を重ねてきているのではないでしょうか。一つの目標に向かうには、大変な努力や忍耐、精神力が必要だと思います。また、そこに進んでいくということは、簡単なことではありません。さまざまなことを積み重ね、回りの協力を得ながら向かっているのだと思います。

 このようなことはスポーツだけではないように思います。私たちにも同じようなことがあてはまることもあるのではないでしょうか。そのような思いを踏まえ、平成14年第1回定例会にあたり、区議会自由民主党の立場から、昨日の市川みのる議員に引き続きまして質問をさせていただきます。

 申すまでもなく、本年は区長の任期が終了しまして選挙が行われる年でございます。中野区政が区民の皆様から評価を受ける年でもあります。一口に神山区政4期16年と申しますが、16年といいますと生まれた子どもが小学校、中学校、つまり義務教育を終えて高校生になっているという年です。まことに長いといえば長いのですが、前半の1期目、2期目と3期目、4期目とでは、議会の各会派との関係も変わってまいりました。この間、きのうの与党がきょうの野党、その反対もありまして、その結果、与党としての経験を持つ方も多くなり、区長がいつも自分は区民党だと言うのも無理のないことでございます。そのせいか、区民にかわって正すべきを正すという議員としての成すべきことがやりにくくなっていたのではないかと私も反省をしているところであります。

 さて、今回、質問をするに当たりまして、行財政5か年計画を見直してみました。

 5か年計画は、中野区の行政や財政の改革の指針としての性格と区政課題の解決と区民要望に応える新たな施策の体系を構築するという役割を持った計画とされています。そして5か年計画を着実に実施していくということがよく言われます。

 しかし、目を凝らしてみると、区民が知りたいと思うことが必ずしも明らかではありません。昨日も市川みのる議員が触れましたが、例えば地域センターと住区協議会をどうするのかということについても、14年度以降、恐らく選挙後に内容を詰めていくことですし、警察大学校等の跡地については、各種施設の整備を目指して、17年度までは関係機関との調整をとなっております。江古田の森については、民設民営の保健福祉施設開設の可能性を引き続き探っていくとなっております。さらにハコ物行政については、凍結した施設建設について、やめたとも縮小するとも明確にはされていないわけです。既存の事業を廃止しているのですから、その前に計画についても廃止や縮小があってしかるべきではないのか。例えば、青年館事業を廃止する理屈があるのに、なぜ南部ホールや青少年プラザの計画が凍結されたままなのか。区民が今、知りたいところを曖昧にしているきらいがあるように思えてなりません。そのあたりが14年度予算を通じて明らかになってきているのかどうか、中野区政の節目ともなります6月の区長選挙を前にして、区長、並びに理事者の皆さんに、この際、行財政5か年計画と14年度予算に関連して、基本的なことを中心にお伺いしたいと思います。

 14年度は、行財政5か年計画の2年目ということになりますが、学校給食、保育園の民営化など、着実に進行していることを評価することはやぶさかではありません。

 しかし、昨年の決算委員会におきまして、私は、行財政5か年計画の施設配置の再編、運営の見直しの工程表についてわかりにくい点がありましたので、質問をさせていただきました。つまり区立幼稚園の施設配置については、平成14年度計画決定となっておりますし、図書館については、平成14年度計画策定となっております。計画決定と計画策定という紛らわしい言葉の違いとか、区立小・中学校の統廃合計画の時期、地域センターや児童館、学童クラブ、そして高齢者会館の将来計画がいつ決定され、予算などに反映されるのか、よくわからない中間のまとめと検討結果のまとめとか、計画上の表現が違っていることに意味を持たせているのかどうか、改革の工程というものをもう少し明確にする必要があるのではないかということについてお伺いをさせていただきました。

 これらの施設の再編につきましては、区民の関心も高く、進め方にも工夫が必要です。施設配置の再編、運営の見直しについては、内部的検討の段階まで、まだ結論が出ているわけではありません。議会や区民との議論もこれからと言えるのではないかと思います。ところが、昨年12月、中野区政の中枢の課題を担っている行政改革課長が辞職してしまって、担当部長がその事務を取り扱っている事態となっております。また、聞くところによりますと、中野区内におきまして、5か年計画に基づいてつくられた予算に反対をしてきた立場の一部の方々と政治的な行動をともにしているとのお話もございます。もちろん、個人としての出処進退というものは自由でありますし、その活動が選挙運動にわたらなければ、それをこの場でどうのこうのというものではございません。しかし、これまで行政改革の中枢の仕事をされ、区長のいわば代理として地域で説明をされていた公人であった人が、年が明けたからといって別の立場で活動しているわけですから、区民としては、中野区の行政改革はどうなったのだろう。何かそこに、例えば行政改革のやり方をめぐって考え方の違いでもあったのかと疑問に思います。職員の中にも、区長のスタッフとして各部とやり合ってきた人が突然、立場を変えたわけですから、戸惑いがあるようにも伺います。組織問題として行革課長の突然の辞職をどのように認識していらっしゃるのでしょうか。組織として説明する責任があると思います。

 ハメルーンの笛吹き男というお話があります。ある日、笛の音に誘われて子どもたちが町からいなくなってしまう話です。将来のある管理職がどこからともなく聞こえてくる笛の音につられて出ていってしまったとも思えません。辞職するについて、改革のあり方をめぐって大きな考え方の違いでもあったのか。中野区における組織の管理、あるいは仕事の管理という立場での御答弁をお願いいたします。

 次に、予算の内示資料をもとに14年度予算につきまして、予算の構造といいますか、歳入歳出の構成と若干の内容について質問をいたします。

 近ごろ某有名食品会社の食肉をめぐる不祥事が発覚しまして世論の指弾を受けております。専門家は、肉の切り方で国産か外国産がわかるということですが、産地につきましても、日付につきましても、消費者は入れ物に貼ったラベルが頼りだと思います。したがって、そこに嘘があったということですから、会社への信頼は地に落ちてしまいます。予算につきましても、少し勉強しましても、なかなか一目見てわかるというものではありません。そこで、この場での専門家としての正確で責任ある御答弁をよろしくお願いいたします。

 この項での第1の質問は、財政危機は回避され再建軌道に乗ったのかということでございます。

 14年度、中野区の財政は、13年度の都区財政調整交付金の増額と起債が順調に充てられたためか、一見すると13年度からの実質的な繰り越しが多くなり順調に見えます。少なくとも11年度決算のような危機的な状況は回避され、予算が組めないというような状態ではなかったように思います。しかし、13年度に積み立てた12億円の財政調整基金のうち3億円、運用金を返したつもりなのか、残りの9億円を14年度に直ちに繰り入れております。これは繰越金と余り変わらないのではないでしょうか。なぜ繰越金ではなく、一たん基金に積み立てるのか、よく理解ができませんが、13年度の実質収支を余り多くしないような配慮なのでしょうか。しかし、14年度は、特別区税、財政調整交付金ともに減少しておりますし、財政規模は国民年金の制度変更を差し引きしても13年度より11億円ほど縮小となっております。区民の財産も南部教育相談所など実際に機能している施設まで売却しなければならない状態だとも伺っております。歳出予算では、私たちが安全にかかわる施策の優先度がないがしろにされてはならないということから、昨年の第1回定例会で強く要望してまいりました小・中学校の耐震補強工事の計画が前倒しされるなど評価できるものがありますが、これはやらなければ大いに批判されることになったことで、当然のことであるとも思います。むしろ歳出予算は国の緊急地域雇用創出事業で息をついているとはいいながら、一般財源ベースではシーリングの上にさらに厳しい査定で、前回の決算委員会の総括で例として取り上げました図書館の図書などもさらに減らされているようです。道路の舗装とか、公園の外壁とか、まだまだ十分に手が回らない状況も伺われます。

 こうして見ますと、厳しい予算査定で収支の均衡を維持している中野の財政展望は、まだまだ区民の皆さんにも我慢をお願いしなければならない状況にあるのかなと思います。ただ、11年度のような危機的ではないが、景気動向などを考えると安心できないというところでしょうか。

 いろいろと申し上げましたが、財政当局の見解は常に厳しいと思いますが、中野区としての区民に向けた14年度財政展望についてのメッセージを改めて伺います。

 次に、予算の外見と内容について伺います。

 いわば予算の外箱と中身の問題です。

 まず14年度予算の人件費について伺います。

 予算内示の際の資料によりますと、人件費が約308億円と前年度の305億円から1%伸びております。構成比も32.6%から35.2%と伸びてしまっています。人件費抑制の努力にもかかわらず、なぜふえていらっしゃるのか。これは外郭団体に派遣されていた人の人件費が正しく反映されるようになった結果ではないかと考えます。また、構成比の問題は、国民年金関係の経費が社会保険庁に移管されたことによることが大きいと思います。

 そこで、人件費について伺いますが、このような私の認識で大体間違いがないのでしょうか。外郭団体から帰ってくる人数と定数条例との関係はどのようになるのでしょうか。定数条例の外見と中身が一致することになるのか、過員として処理していくのかどうか、お伺いいたします。

 外郭団体の廃止に関連して、行政改革の課長は職員の派遣制度が難しくなったことを理由として強調しておりました。区長もそのようなお話をされていたと思いますが、文化・スポーツ公社とか、福祉サービス事業団の管理業務はどのようにやっていくのか。いわば職員の身分と責任について、ラベルと仕事の中身との関係がどのようになるのかをお答えください。

 公務員の削減は、今のところ退職不補充という形で行わざるを得ないということでございます。後々効果が出てくるのではありますが、それまでの過程において人が過剰に停滞しているということはないのでしょうか。今回、国民年金の事務が社会保険庁に行きますが、国民年金課の職員が社会保険庁に異動するわけではありません。そうすると、退職不補充といっても余剰な人員が発生します。定数の査定をしっかりやって、臨時的な事務の充実とか、もっと有効な人の使い方をやらないといけないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 予算の外見と内容について、もう1点だけ伺います。

 産業経済融資について、景気低迷により大きな影響を受けている区内中小企業に対し、緊急景気対策特別資金の融資枠を15億円から25億円に拡大するとありましたが、融資枠の拡大とはどのような効果をねらった施策なのでしょうか。この際、事業の拡大を考える人がいるということなのか、運転資金にしても、売上が伸びる前提がないとなかなか借りられないのではないかと思います。信用保証との関係はどうなのか。一般財源はふえていないので、外箱だけ大きくしているような感じがしないでもないですが、枠を拡大した意味合いを御説明していただければありがたいと思います。

 3番目の都市再生についてとその後の対応についてをお伺いいたします。

 大都市へ目を向けた政策の重点的な展開を図ろうとしております政府の都市再生に関する施策に対して、中野区としても組織的な対応が必要と思いまして、昨年の決算委員会におきまして、若干の提案を含めて質問をさせていただきました。

 その第1は、山手通り拡幅事業の早期完成の働きかけと沿道まちづくりの推進です。

 2番目に、西武新宿線のボトルネック踏切の解消について、こう着状態を打ち破るためにも要望していく必要があると申し上げました。

 3番目として、都市再生の重点分野でも取り上げられている中心市街地の商業機能の活性化と住宅や福祉など用途の多機能化に関連して、中野駅南口市街地整備による活気と魅力のある業務商業地区の形成のために、東京都住宅供給公社中野住宅の建て替えについて意見を述べるべきではないかと提案をさせていただきました。中野区は現在、それが生きていらっしゃるのかどうか明らかではないのですが、中野駅周辺構想をもとに北口にも南口にも整備用地というものを買っております。当面は中野区自身が投資に向ける経費に余裕がないとはいえ、この機会を中野区の活性化に生かすことができるかどうかが問われていると思います。

 中野区民も都民と中野区内での都の事業を期待することはあってもよいのは当然であります。他の区と比べると中野区は東京都との連携がよくないのではないかという声が聞こえてまいります。大変残念でなりません。その後、都市整備部を中心に若干、動いていただいているように伺っておりますが、山手通りのその後の動きとか、昭和20年代に建てられた駅前の住宅供給公社の対応など、都市再生、いわゆる中野の都市再生にかかわる動きの現状について御説明を願いたいと思います。

 4番目に、警察大学校等跡地問題の対応についてお伺いいたします。

 警察大学校と敷地の土地利用展開について、5か年計画は平成13年度、警察大学校等移転を受け、周辺施設などを含む約31ヘクタールについて土地利用計画案をまとめ、道路や防災公園、清掃関連施設など各種施設の整備を目指すとなっております。目指すという計画ですから、17年度までは関係機関との調整ということで、余り急がないでよい17年度に道路の都市計画決定を想定するというのが5か年計画の趣旨であったと思います。そこで、事業費も毎年100万円となっていたように思います。

 しかし、14年度予算の内示によりますと、跡地の地区幹線道路1、2号の都市計画に必要な調査、設計を実施するとして、急遽1,800万円の一般財源による事業費が示されております。土地利用計画案というものから地区幹線道路1、2号というものが当然のように出てくるものなのでしょうか。地区幹線道路3号というものはどうなっていらっしゃるのでしょうか。この間の事情についてわかりやすい説明をお願いしたいと思います。

 また、区長の所信表明について、防災公園の整備手法について検討するとございましたが、区として防災公園をどのように確保していこうとお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

 そして、昨年8月、清掃関連用地の取得について、東京23区清掃一部事務組合に対し区長名で要請文を提出しておりますが、一組は要請に対してどのような対応をしてくださっているのでしょうか。また、区は、要請以降、一組に対しましてどのような取り組みをしていらっしゃるのでしょうか。

 最後に、区として、跡地の土地利用転換のための整備手法について検討していらっしゃるのならば、現時点で検討している整備手法について詳しく説明をしていただきたいと思います。また、いつになったら具体的な整備の手順を明らかにできるのでしょうか、お教えください。

 5番目に、江古田の森の整備についてでございますが、これは昨日もたくさんの議員の皆様が質問していらっしゃいましたので、内容は削除させていただきますが、1点だけお伺いさせていただきます。

 江古田の森整備につきましては、14年度予算は10万円しか予算かついていないのに、施政方針説明では非常に積極的な言い方をされているように思います。このような言い方をするには、きちんとした予算と組織を示してから具体的な方向性を明らかにするべきではないのでしょうか。一体どうなさったのでしょうか、区長のお考えをお聞かせください。

 6番目の凍結した施設整備の計画についてでございます。

 これも昨日、多くの方が触れていらっしゃいましたが、私は私なりに伺わさせていただきたいと思います。

 平成14年度当初予算原案の事業説明の冒頭に、凍結した施設整備設計の見直しという新規事業が挙げられていらっしゃいます。これを見まして、やっていなかった宿題をこれからやりますと、何だか開き直っているような印象を持ちました。これに660万円の予算がついております。ここに挙げられた事業については、凍結してからかなり時間がたっていることですから、5か年計画を作るに当たって本来、結論を出しておくべきはずのものではなかったのでしょうか。現に2年前の平成11年12月には、中間のまとめという文章で、凍結した事業への対応として事務的には方向性が出されていたのではないですか。なぜ、これまで判断ができないのか、判断しないのでしょうか。ここに挙げられた産業情報センター、上野原、南部区民ホール、冒険遊び場、平和資料館のうち、平和資料館を除く四つの施設の用地費は、購入時の価格を合計しますと75億円にもなります。ですから、やめたと言いにくい事情もわかります。南部区民ホールの実施設計の無駄なども明らかになってしまいます。しかし、実施設計で想定されていた事業費は、五つの施設の合計をいたしますと117億円になりますから、財政的にはこのまま到底できるはずがないとわかっていると思います。やめるなり、大幅に縮小するなり、みずからの判断を示すべきではないのでしょうか。自分で始めたものを自分でやめたと言えずに第三者にもっともらしい撤退理由を書いてもらって、反省とか責任を曖昧にするということではないと思いますが、この際、この予算の意図するところを、つまり第三者機関というのでしょうか、なぜこのような費用をかけて検討しなければならないのか、わかりやすく御説明をお願いしたいと思います。

 教育行政に関する課題についての質問に入ります。

 新しい教育長への激励を兼ねまして、中野の教育行政について質問をいたします。

 学校週5日制が本格的に実施され、教育の個性化とか多様化、弾力化などが盛んに言われています。これを学校の役割の縮小ととらえて学力の低下を心配する向きもあります。確かに教科が精選され、時間的には短縮されるわけですから、塾などで補完しようと考える向きも出てくるのも一概に否定はできないと思いますが、ゆとりと個性化を目指す学校5日制の完全実施に際して、教育委員会として対応した事業なども素早く実施すべきではないでしょうか。例えば、土曜日を使ったクラブ活動とか、地域活動とか、せめて学校図書館の図書を充実するとか、何か御用意された施策があるのでしょうか、お伺いいたします。

 また、このところ学校選択制というものが話題になっております。品川区の事例を見ますと、いろいろと事情があった場合に指定校制度を柔軟に運営していこうということとは違って、ブロックに分けて、その中から自由に選んでもらおう、選べるということに積極的な意義を打ち出していると思います。これに対して、地域とのつながりを大切にしていこうという考えもあると思います。これまで中野区としても検討するようなことを御答弁していますが、教育委員会としてよく協議され、中野区の教育行政としてどのように考えるのかをしっかり打ち出してほしいと思いますが、現在、教育委員会の事務局としては、学校選択制の利点も問題点をどのように考えていらっしゃるのでしょうか、お伺いいたします。

 かねがね私は中野区の教育行政が行政改革の名のもとに本来、期待されている独自性を失ってしまっているのではないかと心配をしております。区長とは別に教育委員会という合議制の機関があるのは、それなりに意味があるのだと思います。教育長は教育担当部長ではなく教育委員の一人であり、中野の教育と教育行政がいかにあるべきかについて、教育委員会が出された方向に従ってリーダーシップを発揮することが期待されていると思います。前教育長に対しても激励をしてきた経緯がありますが、新教育長におきましても、なぜ教育委員会があるのか、教育長はどうあるべきかをよくお考えになって、区民の期待にこたえていただきたいと思います。

 教育改革が進む一方で、財政などでは大変困難な時代ではありますが、激励の意味も込めまして新教育長の決意をお伺いしたいと思います。

 最後に、その他の項で一つ伺わさせていただきます。

 男女共同参画についてでございますが、今回の施政方針説明の中にもありました男女共同参画について、男女共同参画の根拠となる条例を制定したいと述べられておりますが、区が考えている男女共同参画とはどのようなことなのでしょうか。また、基本理念とはどのような理念をお持ちなのか、教えていただきたいと思います。

 これから条例案が提出されてくるのだと思いますが、その中身はこれからの議論になるかと思います。そこで、条例のことではなく、苦情の申し出とそれに対応する専門委員会を規定されるようですが、それはどのような委員会なのか、構想がわかれば、教えていただきたいと思います。これに対しては、きちんとしたお考えを持って取り組んでいかないと、ただの規定した形のものだけになってしまうおそれがあると思いますが、いかがでしょうか。

 一口に男女共同参画とうたっても、内容は幅広いものになります。慎重に、なおかつ丁寧に取り組んで進めていかないと、男女共同がいつしか男女不平等になっていくということもあるかもしれません。内外ともに閉塞感が漂う時期にこうした条例を取り上げるということは、確たるものをお持ちだと考えます。今後の展望も踏まえ、区を挙げて取り組んでいかれることと思いますが、その姿勢をお聞かせください。

 以上で私のすべての質問を終わります。

 なかなか言葉足りないところがあったと思いますが、どうかよろしくお願いしたいと思います。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長神山好市登壇〕

○区長(神山好市) 高橋議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、行政改革と組織の問題についての御質問でございます。

 組織というのは、仕事を効率的に遂行するために分業体制をつくっている、機能を分けているというものだと思っております。したがって、一人で仕事をしているというわけではございません。複数の人で仕事を解決していく仕組みであるというふうに思っております。

 行政改革の仕事も組織として取り組んできているものでございまして、現在、担当課長が退職をした。それによって特段、支障を来しているというわけではございません。辞職については、個人的な理由なものですから、無理に引きとめるということはできないというふうに思ったところでございます。

 これからも行政改革、しっかりと進めていきたいと思っております。

 次に、14年度の財政展望、メッセージ、これはどうかということですが、中野区の財政は、これまで取り組んできました行財政改革の成果があらわれてきておりますし、景気回復がおくれている中でありますけれども、着実に改善の方向へ向かっているというふうに見ております。財政健全化の道筋は見えてきたとは言いながら、5か年計画を成し遂げて初めて成果が上がるものだというふうに思っておりますし、厳しい道のりがまだしばらく続くというふうに思います。区民の皆さんと力を合わせて、さらに改革を進めていかなければなりません。困難な状況のもとで行財政の構造改革について理解し、協力してくださった区民には、改めて感謝を申し上げたいと思います。

 予算の外見と内容についてということで御質問をいただきました。内容につきましては、担当部長からお答えいたしますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 私から、江古田の森の整備についての御質問がございましたので、お答えをさせていただきます。

 江古田の森の整備につきましては、現在、PFIによる整備を検討しているところでございます。現在、施設等について整理をしているところでございますので、今後、議会の意見等も聞きながら整備手法というものを決めていきたいというふうに考えております。その上で予算措置など必要な対応をしてまいります。結論が出せ次第、具体的な取り組みをし、議会の方にまた御相談をさせていただきたいというふうに思っております。

 他の質問につきまして、それぞれ所管の部長からお答えいたしますので、よろしくお願い申し上げます。

〔行財政改革担当部長石神正義登壇〕

○行財政改革担当部長(石神正義) 私からは、予算の外見と内容についての御質問にお答えさせていただきます。

 まず人件費についての御質問に対してお答えいたします。

 平成14年度予算と前年度予算とを比較した場合、人件費が2億9,600万円余、1%の増というふうになってございます。これは給与の減額の復元分、これが約5億円の増、また外郭団体へ派遣していた職員66人分の約6億円が補助費等から組み替わったことによるものでございます。したがいまして、人件費は実質的には約8億円減少しているというものでございます。

 次に、定数条例についての御質問にお答えいたします。

 現在、外郭団体に派遣している職員につきましては、定数条例外の職員として管理してございます。今回、派遣法が改正されたことによりまして、外郭団体に派遣している職員につきましては、すべて条例定数内で管理するということにいたしました。

 3点目に、外郭団体の運営と職員の派遣についての御質問にお答えいたします。

 行財政5か年計画では、外郭団体が自主性と自立、こういう面を発揮いたしまして、その設置目的をより効率的に実現できるように、区の事業委託、また人件費補助、事業費補助、こういったことのあり方を見直すことにしてございます。また、あわせて区の派遣職員を解消するということといたしてございます。外郭団体の当面の運営に支障を来さないように、派遣職員の引き上げについては順次行うということにしてございます。外郭団体では、それに伴いまして固有の職員で業務を行っていくということになります。

 それから職員は過剰に停滞していることはないのかという御質問でございます。

 平成7年度以降、職員削減数は計588人に達してございます。5か年計画では今後さらに約300人の削減を見込んでいるところでございます。このように職員が減少する中にありましても、行政サービスの維持、新規事業や既存事業の事務量増、こういったものに対応した効果的な職員配置を進めております。引き続き事業の見直しなどにあわせまして、限られた職員をなお一層効果的に配置していきたいというふうに考えてございます。

〔区民部長内田司郎登壇〕

○区民部長(内田司郎) 私からは、産業経済融資に関する御質問にお答えいたします。

 今回の緊急景気対策特別資金の融資枠拡大でございますが、消費不振やデフレの進行等による不況の深刻化で、ますます厳しい経営環境に置かれている区内中小企業者の資金繰りの支援の強化を目指すものでございます。この融資は、産業経済融資のほかの資金に比べて本人負担率が低く、また一般のあっ旋申込限度額とは別枠で申し込みいただけるようになっております。金融機関の貸出姿勢や事業者の借入余力など懸念材料がないわけではありませんが、今回の対応で少しでも中小企業の経営基盤の安定に寄与できればと願っておるところでございます。事業実施に当たりましては、金融機関に対し、事業者の状況に十分配慮されるよう強く協力を要請してまいる所存でございます。

〔都市整備部長宮村光雄登壇〕

○都市整備部長(宮村光雄) 都市再生に関する御質問と警察大学校等移転跡地に関する御質問についてお答えいたします。

 まず都市再生のその後の対応についての御質問でございます。

 区では、密集市街地の整備に資するという観点から、都と連携いたしまして、防災公園を含む警察大学校等移転跡地の土地利用転換計画の区域を中心にいたしまして、早稲田通りの北側の密集地域も合わせまして、都市再生に資する候補地として国に働きかけてきております。今後とも都市再生に資するという観点から国等に積極的に財源確保を求めて、事業化に努めてまいりたいと考えております。

 また、山手通りの整備につきましては、かねてから区も要望してきておりますように、緑豊かな沿道環境に配慮した道路づくりの概要が近々都から示される予定でございます。引き続き早期整備を働きかけてまいります。

 さらに、中野駅南口の住宅供給公社中野住宅への対応につきましては、新たに関係地権者に東京都を加えた検討会を設置いたしまして、整備手法を含む検討や協議を行っているところでございます。区といたしましても積極的に取り組んでまいります。

 なお、東京都とは今後とも十分に連携をとって進めてまいります。

 次に、警察大学校等移転跡地問題への対応についてでございます。

 まず地区幹線道路1号、2号の都市計画決定についてでございます。

 昨年、策定いたしました跡地土地利用転換計画では、地区の骨格となる3本の地区幹線道路を計画しております。これらは、整備手法にかかわらず、いずれも跡地の土地利用転換に不可欠な道路でありますが、警察病院や清掃関連施設などの跡地北側が先行することから地区幹線道路1、2号の都市計画決定をまず行い、地区幹線道路3号につきましては、民有地にも関係いたしますので、地域住民の合意形成を経て計画を立てるということとしております。

 14年度予算案につきましては、平成15年2月ごろの国有財産関東地方審議会に付議予定の警察病院の用地処分に当たり、財務省から病院用地を確定するためには都市計画の案として確定をした地区幹線道路1号、2号の内容を同時に付議することが求められてきております。そういうことから、区といたしましても、地元要望に沿った土地利用転換の推進を図るため都市計画決定に必要な費用を計上することとしたものでございます。

 次に、防災公園につきましては、土地利用転換計画案では平成23年度以降としておりますが、財務省は用地取得の前倒しを強く求めてきております。跡地のほかの地区と同様、おくれる場合には一般競争入札もあり得るとの意向でございます。区といたしましては、防災公園は区民の安全等に欠かせない重要な施設でございますので、できるだけ早期に区民に開放できるように、また補助金等をできるだけ確保して財政負担の軽減を図れるよう整備手法の検討を進め、財務省の理解を得るよう努力してまいります。

 最後に、具体的な整備手法といたしましては、都市基盤整備公団が区にかわって防災公園用地を先行取得し、防災公園の整備を行うとともに周辺市街地を一体的に整備する、防災公園街区整備事業という手法の活用を中心に検討を行っております。現在、財務省や都市公団等と整備手法などについて検討、調整を行う場を3月中に設定できるよう調整中であり、今後さらに検討を進めてまいります。

 また、具体的な整備の手順につきましては、整備手法を確定した上で、清掃一部事務組合による清掃関連施設用地の取得の見通しも踏まえまして明確にしてまいりたいと考えております。

〔環境部長西條十喜和登壇〕

○環境部長(西條十喜和) 私からは、清掃関連施設用地の取得につきまして、清掃一部事務組合に対しまして区長名で要請文を出したけれども、その後の対応についての件でございます。これにつきましては、自区内処理の考え方につきまして、昨年8月に東京23区清掃一部事務組合に対しまして中野地区清掃工場用地の早期取得を要請いたしました。この要請につきましては、昨年10月の東京23区清掃一部事務組合の評議会に報告されまして、その場で同組合管理者から取り扱いについて検討するよう事務局に下命されました。事務局では現在、今年の秋を目途に検討を行っているところでございます。

〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 凍結した施設整備計画の見直しの御質問にお答えさせていただきます。

 御質問にございます凍結した五つの事業につきましては、外部専門家による委員会を設置いたしまして、費用対効果や住民ニーズの変化などをもとに客観的に評価を行う必要があると判断したものでございます。この委員会にすべて委ねるということではございませんで、評価結果を政策判断のための重要な資料といたしまして、最終的に区としてどうしていくかの判断を示していきたい、そのように考えているところでございます。

〔教育長沼口昌弘登壇〕

○教育長(沼口昌弘) 私からは、教育行政に関する課題についてお答え申し上げます。

 まず学校5日制に対する施策についてでございますが、学校5日制及び新教育課程の全面実施を本年4月に控えまして、この2年間、各学校はさまざまな試行を行い準備してまいりました。具体的には、複数教師によるチームティーチングや少人数指導の実施校の拡大、あるいは習熟度別授業など指導方法の工夫、改善、学習指導補助員による人的支援等に取り組んでまいりました。また、週休2日の土日の過ごし方につきましても、学校開放の拡大をはじめ少年自然社会体験事業など具体策を現在まとめているところでございます。これらにつきまして、4月以降、各学校と連携をとりながら、さらに充実、発展させてまいります。

 なお、教育委員会としての基本的な考え方をまとめたアピールの発表、4月以降の具体的な学校生活がわかるようなパンフレットの作成と全保護者への配布を予定しております。

 次に、学校選択制の利点と問題点でございますが、学校選択制は教育を受ける側が主体的に学校を選べるということになります。それはまた一方で各学校の活性化につながり、学校もよく知ってもらうための努力をしていくというメリットがあると思います。問題点といたしましては、単一的な情報での学校選択の可能性や安易な転校のおそれ、あるいは学校が見通しを持って教育活動を進めることへの支障、あるいは学校と地域とのかかわりなどが考えられます。今後、さらに教育委員会として課題認識を深めながら検討していきたいと思います。

 次に、教育委員会、あるいは教育長の役割、そして私の決意ということでございますが、教育委員会が区長部局から独立していますのは、教育の政治的中立性と教育行政の安定確保のためであると認識しています。教育長は教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどるほか、教育委員としても委員会の意思決定にかかわるなど大きな職責を負っていると思います。私は、こうした教育委員会や教育長の役割、責務を自覚するとともに、教育は未来に対しても責任を負うものであることを認識いたしまして、中野区の教育の向上、発展のために努力していく決意でございます。

〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) 男女共同参画に関しまして3点の御質問でございます。

 まず男女共同参画とはどのようなことか。それから基本理念とはの御質問でございます。

 男女共同参画とは、男女が性別にかかわりなく個人として尊重され、個性と能力を発揮する機会が確保されることによりまして、対等な立場で社会のあらゆる分野でともに参画し、責任をわかちあうということと考えております。こうした考えをもとにいたしまして、一人ひとりの人権が尊重され個人の能力が発揮できること、制度や慣行が固定的役割分担から中立であること、男女が対等な立場で参画し責任をわかちあうこと、家庭生活とその他の活動の両立の重要性などを基本理念として考えているとこでございます。

 次に、専門委員会とはどんなものなのか、それからその委員会が形だけにならないようにという御質問でございました。

 男女平等専門委員会は、窓口に寄せられた苦情の中で、その対応に専門的視点が必要なものですとか、第三者性が求められるものにつきまして、区長の求めに応じて助言を行うことを役割として設置することを考えております。区は専門委員会の助言を大切にしながら対応していきたいというふうに考えてございます。

 3番目、条例の制定に取り組むということだが、今後の展望と全庁的な取り組みということでございました。

 中野区は、全国の自治体に先駆けまして担当組織を設置し、男女平等の実現を目指した施策の充実、推進を図ってまいりました。現在は男女平等参画基本計画とそれに基づく行動プランを軸に、広範、多岐にわたる関連施策を総合的に推進するための取り組みをしているところでございます。条例の制定は、こうした取り組みの根拠を明確にいたしますとともに、目指すべき社会の実現に向けて、区民や事業者とともに進めていく区の意思を表明することでもあると考えてございます。今後とも男女平等推進の総合調整機能を持つ女性・青少年課を中心に各部課と連携いたしまして、総合的、効果的な施策の推進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

〔保健福祉部長浦野純子登壇〕

○保健福祉部長(浦野純子) 狂牛病の対応についてのお尋ねでございますが、区は、狂牛病の発生以降、情報収集に努め。

〔「狂牛病なんて聞いていない」と呼ぶ者あり〕

○保健福祉部長(浦野純子) 狂牛病問題についてのお尋ねでございますが、区は、狂牛病の発生以降、情報収集に努め、区民からの不安や問い合わせに答えてまいりました。また、区内の牛肉取扱店などに牛肉の危険部位の使用に関します一斉監視を行い、さらに今回の雪印事件などラベルにかかわります区民の不安の声に対応するため、都や23区と連携し、区内の食肉販売店などの食肉表示に関する緊急調査、監視を実施することといたしました。

○議長(斉藤金造) 前置きのところも丁寧に答えていただきました。

〔高橋ちあき議員登壇〕

○13番(高橋ちあき) 保健福祉部長、本当にありがとうございます。前置きも御質問として受けとめていただけたことを感謝しております。ただ、私は、体調不調のために、質問も35分という短い時間にさせていただいたんですけれども、その短い質問に対しまして、大変、区長も短い御答弁で、これがありがたかったんだか、寂しかったんだか、ちょっと不満なところがございますので、再質問をさせていただきます。

 江古田の森につきましては、昨日も大変多くの方が質問をしておりましたので、私は質問を削除し、1点だけお伺いしたつもりでございました。その答弁が昨日の質問と同じ答弁であったというのは、大変に、何の質問をしてしまったんだろうというような私の寂しい気持ちがございます。どうして、このように大きく施政方針説明の中に取り上げていらっしゃるのに予算が付かないんだろうか。こんなに大きく自分で前向きに持っていこうとお考えなのに、どうして、何となく答弁のトーンが低くなってしまうのかなというふうに思えてなりません。そこのところをもう1点だけ確実にお答えをしていただきたいと思います。

 それから政策経営部長からのお答えに対しましても、もう一度、確認をさせていただきたいんですけれども、きょういただきました御答弁も、昨日の質問者の御答弁と同じように思えました。私が同じ質問をすることに対しまして本当に失礼だったとしたらおわび申し上げますけれども、御自分たちがお考えになった事業に対して、なぜ第三者に委ねなくてはならないのか、どうして御自分たちで判断をされないんでしょうか。それに何で予算をそこまでおつけになるんでしょうかということが疑問に思ったので、この質問になったわけであります。

 大変簡素な質問だったとは思いますけれども、それが失礼に当たるのであればおわび申し上げますけれども、丁寧な御答弁をしていただきたいなというのがお願いでございます。再々質問はしませんので、ぜひお願い申し上げます。

〔区長神山好市登壇〕

○区長(神山好市) 高橋議員の再質問にお答えいたします。

 私はそっけない答弁をしたつもりではございませんですけれども、現在、PFIを検討している、PFIによる実績といいますか、今まででき上がっているというものがありませんので、いろいろな手法を今、検討しているところでございます。これは区が直接施工した場合の費用のかかり方、財政的な問題、こういったものをあわせて現在、検討中でございます。これはもうこれ以上、先に延ばしていられない、厚生労働省との約束で15年ということがございますので、それまでに、ここの利用ということについては、結論を出さなければ違約金を払うというような状況になりますので、これについては、14年中には、どういう状況があろうともまとめなければならないというふうに考えています。ただ、今申し上げたように、まだ財政的な問題の比較、こういったものでの判断をどうするかということで検討しておりますので、その結論が出次第、また議会の方にお願いをしなければならない、補正予算を組むという形になろうかとも思いますけれども、その状況はこれからの検討の結果ということでございますので、御了解いただきたいというふうに思います。

〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 答弁に足りない部分がありまして大変申しわけございませんでした。再質問にお答えさせていただきます。

 凍結しましたうちの五つの事業につきましては、特に区民の多くの方々にかかわっていただいた計画事業でもございますので、そういう意味でも、行政だけでというよりも、できるだけ客観的な評価を第三者機関にお願いいたしまして、できるだけ区民にきっちりした形で御判断いただけるような、そういったような区の考え方をお示しするという意味で、そういうような委員会設置を考えたものでございます。

○議長(斉藤金造) 以上で高橋ちあき議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小 沢 哲 雄

 1 区長の「身の処し方」について

 2 中野区の教育について(教育行政・学校教育を中心に)

  (1)教育基本法の認識及びその精神を教育行政と学校教育に生かすことについて

  (2)「教育行政における区民参加条例」と学校評議員について並びに学校自治を確立することについて

  (3)「学校選択制」及び「小中あるいは中高一貫校」のはらむ大きな問題について(適正規模・適正配置の取組にも関連して)

  (4)コンピュータ導入がもたらす問題について

  (5)障害児学級設置校を増やすことについて

 3 警察大学校等跡地への対応について

 4 児童館・学童クラブ配置・運営の見直し(案)について

 5 その他

  (1)ゴミの各戸収集などについて

  (2)その他

 

○議長(斉藤金造)次に、 小沢哲雄議員。

〔小沢哲雄議員登壇〕

○44番(小沢哲雄) 2002年度第1回区議会定例会に当たりまして、日本共産党の立場から一般質問を行います。

 まず最初に、神山区長の身の処し方について伺います。

 このような質問をせざるを得ないことを私は残念に思います。区長とは、少なくとも2期8年までは、かなりな程度スタンスを共有し、御一緒に仕事をしてきた間柄だと思っていますので、余計にそう思います。

 あなたは、今から16年前、青山良道区長亡き後、「区長選挙に立候補を決意するにあたって」という一文をものしました。その中であなたは、「広範な区民の方々から熱心な勧めに、もだしがたきものを覚えつつも、他方、青山区長の補佐役に徹し、身の処し方も青山区長とともにあるべきと考えていただけに、逡巡の気持ちも拭い去れず、その間にあって、私なりに悩み考えぬいてきました」と瑞々しく、率直で、そして謙虚なその言葉は多くの区民の胸を打ちました。しかもあなたは、この一文で続けて、「立候補を決意するに至った理由は、第一に中野区民が営々と培ってきた中野の自治を守り育てなければならないと考えたからです。第二に、志半ばで倒れた青山区長のやり残された仕事を引き継ぎたいと考えるからです」と、この言葉にこたえて自覚的な中野区民は燃えに燃えました。あのときの選挙で、基礎票では圧倒的に劣勢だったにもかかわらず、自民、公明、民社による反革新連合の区政奪還の野望を持った元労働省官僚の宮川知雄氏を破ってあなたを当選させたのです。それは奇跡に近い結果だったのです。そして中野区民は、あなたが立候補にあたっての決意で述べた営々と培ってきた中野の自治を守るため、あなたとともに闘いました。ときには中央政府からのあからさまな干渉、妨害、ときには区長選の対決構図であった中野の自公勢力の激しい攻撃と闘ってきたのです。

 しかし、教育委員候補者選び区民投票条例、いわゆる準公選条例廃止策動のとき、あなたは身を持ってこの策動と闘うという姿勢を示されませんでした。このとき多くの区民はやりきれない失望感と敗北感を抱かざるを得なかったのです。最初の立候補のときの決意からは想像もつきませんでした。

 その後は後退の一途です。1994年6月、3期目の区長選挙において、区民とともに自治を守るという大事なこの道を踏み外したために、驚くなかれ、中野の自治に敵対した勢力に頭を垂れたのです。このことを政治的変節と言わずして何と言うのでしょうか。このことに気づかなかったあなたは不幸だったと思います。

 その後も、病弱、虚弱の子どもたちが命の綱としていた館山健康学園、残してほしいと泣きすがる子どもたちのいたいけな思いを乱暴に踏み切って廃止しました。弱い立場の子どものことに心を砕いた青山区長、その青山さんの意思を引き継ぐ気持ちをお持ちならば、こんな冷酷はことはできなかったのではないですか。財政立て直しの犠牲になぜ罪のない子どもまで引きずり込んだのですか。

 こうして福祉、教育、自治、区民の暮らし第一の中野の伝統は崩れさったのです。

 青山区長を引き継ぐとしたその瞬間からあなたは、単なる行政マンではなく政治の道に踏み込んだのであります。その道こそ革新的で、民主的で、何よりも社会的立場の弱い区民に寄り添う政治の道だったのではないのですか。

 自覚的区民の、そしてやる気に燃えていた多くの職員の信頼は、長い時間の経過とともに、回復するどころか、ますます失われてきていることにあなたは気がつくべきです。

 あなたは、本来的には、実直で、誠実で、清潔な方であると私たちは信じてきました。引き際の清い方だとも思ってきました。そうであるだけに、私は本当に忸怩たる思いでこの質問をしています。しかし、お答えを求めざるを得ません。あなたは政治家の引き際について、御自身の身の処し方について、どのような見識をお持ちなのでしょうか、お答えください。

 二つ目に、中野の教育について、教育行政、学校教育を中心にしてお尋ねいたします。

 まず最初に、教育基本法の認識及び教育基本法の精神を生かすことについてお伺いいたします。

 沼口新教育長が誕生しました。

 1月30日に行われた区議会文教委員会において初めての就任あいさつが行われました。短いあいさつのその中で、「教育は国家百年の計に立って行われるもの、目の前の課題だけでなく、長期の展望に立って」云々と述べられました。一見、当たり前のようにも聞こえたのですが、実は教育は国家百年の計に立ってという考えの中に、教育とは何かについてのある本質的なことが語られています。教育をめぐっての最近の論戦で、戦前日本の教育観と戦後日本の教育観の根本的違いが限りなく曖昧にされようとしている中、教育基本法の認識が極めて重要であるとの私たちの実感からこの質問をするものです。

 日本の近代教育は、1886年、明治19年、明治政府の学校令の制定によって始まります。その際、ときの文部大臣森有礼は、「諸学校を通し学制上においては、生徒其の人の為にするにあらずして国家の為にすることを始終記憶せざるべからず」と百年の計に立った国家のための教育を語りました。その結果は、戦前の富国強兵、教育勅語、そして侵略戦争へと突き進み、再び繰り返してはならない誤りを犯すことになりました。とりわけ、その誤りの根本が教育勅語にあったことは絶対に曖昧にしてはならないことであります。衆参両院の教育勅語排除、失効の決議にあるとおり、「思うにこれらの詔勅の根本理念が主権在君、並びに神話的国家観に基づいている事実は、明らかに基本的人権を損ない、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる」「われらはここに、教育の真の権威の確立と国民道徳の振興のために、全国民が一致して教育基本法の明示する新教育理念普及徹底努力をいたすべきことを期する」としたとおり、教育基本法は国家教育がもたらした誤りのその根本にあった教育勅語の誤りの根本的反省の上に立ってつくられたものであります。

 教育基本法は、その前文で「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。われらは個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期すると共に、普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。」、そして第1条(教育の目的)で、「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない」と定めました。

 そこで、教育長に伺います。

 前文、並びに全11条にわたる教育基本法の精神をとのように受けとめておられるのでしょうか。そして中野の教育にこの精神をどのように生かそうと考えているのでしょうか。子どもたちにも、区民にもよくわかるよう答弁を求めます。

 ところで、中野の教育指導目標の中から「日本国憲法、教育基本法、児童の権利に関する条約…の精神に基づき」が外されました。憲法や教育基本法がないがしろにされ、ときの政権によって改悪すら企まれているときだけに、大きな問題だと思います。これについては、さきの議会の本会議でも我が党議員が質問しました。それに対する答弁は、「特段の意図はなかった」ということでした。ただ、それだけのことであったのなら、改めて求めます。中野の教育指導目標の中に、「日本国憲法、教育基本法、児童の権利に関する条約に基づき」を復活するよう強く求めるものであります。教育委員会で速やかに検討してください。教育長の見解をお伺いいたします。

 また、これら憲法、とりわけ教育基本法について、教育委員会職員の中で、また学校長、教頭、教職員など学校関係者の中で、その理念、精神を生かすための研修などはどのように取り組まれてきたのでしょうか、今後、どのような取り組みを行うつもりでしょうか、あわせて具体的にお答えください。

 教育の2番目に、教育行政における区民参加条例と学校評議員、並びに学校自治を確立することについてお伺いいたします。

 2002年度予算案によれば、当中野区でも、区立の小・中学校すべてに学校評議員制度を導入するということです。このことについて質問します。もともとこの方針は、地方分権改革の流れを受けて1998年に中央教育審議会が今後の地方教育行政のあり方についての答申の中で示したものです。それを受けて、文部省(当時)が学校教育法施行規則23条の3に盛り込んだ新しい仕組みであります。教育委員会は昨年、小学校2校、中学校3校でこの制度を試行しました。しかし、その結果も、どのような方が評議員になられたのかも、一切、議会に報告されていません。それにもかかわらず、いきなり全校実施というのはいかがなものかと思います。

 しかも、中野区では、教育行政における区民参加に関する条例を1997年3月に制定しています。2001年2月に指導室がつくった学校評議員制度の試行についてをつぶさに検討してみても、国の決定だからという程度で、この制度に中野区条例の趣旨をどう生かすか、検討した様子はありません。区民参加条例の精神に敷衍して言えば、「区民参加は、教育に関する問題に就いて区民の意見を総合し、地域の意思の形成をめざして行われるもの、教育の政治的中立を尊重して行われるもの」としています。ところが、試行した5校で任命されたメンバーは、特定の地域団体代表、または一部には特定の政党、あるいは議員の後援会幹部など政治的偏りが強い人選も見受けられます。条例が意図する政治的中立が疑われます。

 ところで、諸外国で採用している学校評議員は、例えばロシアなどでもそうですが、父母、教師、地域代表で構成をされています。そして学校運営そのものに発言権と実施要求権を付与しています。しかるに、日本の評議員制度は、校長の求めに応じて校長が行う学校運営に関して意見を述べ、助言を行うにすぎません。校長のファンクラブではないのかという批判も、当たらずとも遠からずというところではないでしょうか。

 何より大きな問題は、学校側からの参加は校長だけで教師の参加がないこと、教育権者である父母、保護者の参加が重視されていないこと、権利の主体としての子どもの意見表明の機会が保障されていないことです。文部科学省や学校教育法施行令にとどまらず、区民参加条例の精神を生かした中野らしい学校評議員制度にするよう教育委員会での検討を求めるものであります。お答えください。

 この際、あわせて学校自治の確立について提案をします。

 最近、学校現場での教師集団に対する管理と統制の強化は目に余るものがあると言われています。学校長が同じ教育者である教師を考課、評価する制度の導入は、教育に馴染まないものと強い批判が、現場教師はもとより多くの教育関係者から上がっています。それに加えて東京都教育委員会は、新たに学校に主幹制を導入することを、突然、しかも強権的に決定しました。上下関係をつくり教師間を分断することが目的ではないかとして教職員は激しく反発しています。そうした背景もあって、最近は職員会議が形骸化し、教師の意見を封じ、校長独断で決定を急ぐということもしばしば耳にするようになりました。よりよい教育は、まず子どもたち、父母、保護者、そして教師、学校がしっかりと協力し合い、粘り強い討論をし、理解と納得の上、子どもを中心に学校が運営されることであります。今日の学校をめぐる複雑かつ困難な状況から見て、そのことは一層、重視する必要があります。すなわち、学校自治の確立は欠かしてはならない最低必要条件であります。それにもかかわらず校長に絶対的権限を集中させ、管理の体制だけを強めようとする逆さまの現状を私たちは憂えるものであります。当の校長先生の中からさえ批判の声が上がっています。

 教育委員会は学校運営の民主主義の大切さをどのように認識しているのでしょうか、お答えください。

 あわせて、民主的学校運営に不可欠な学校自治の確立こそ十分に援助すべきだと思いますが、所見をお伺いいたします。

 教育の3番目に、学校選択制、小中、あるいは中高一貫校制のはらむ大きな問題について、適正配置、適正規模の検討にもあわせてお伺いをいたします。

 1996年の行政改革委員会第2次答申、規制緩和の推進に関する意見、それを受けた文部省(当時)は、1997年1月に初・中等教育局長名通達及び教育改革プログラムというのを出しました。それらのこともきっかけにして、東京でも、足立区、品川区、日野市などが学校選択制を導入し、あたかも教育改革の先駆的試みのようにマスコミで話題になったところです。中野区教育委員会では、この問題をこれまで慎重に扱ってきたことは正しかったと思っております。この際、改めて学校選択制や小中、あるいは中高一貫校制度の問題点について述べます。

 ここに、足立、品川、日野の経過を分析した研究者のリポートがあります。それによれば、最初に選択制を導入した足立区では、特定の学校への流入、流出による序列の形成が始まり、新しい上下関係が生まれているとして、「戦前からの名門校への流入、鉄道沿線の学校への流入、そして深刻なのは小規模校選択が回避され、小規模化がさらに進み、統廃合に都合のよいような条件づくりが進行している」と報告しています。マスコミで一番大きく報道された品川区の場合、足立区よりももっとひどい学校の序列化が進んでいます。例えば最も集中したA中学は、A中学校、日比谷高校、東大というエリートコースがあるとの父母の噂で、反対に流出したB中学は荒れがあるという父母の噂で、C中学は統廃合になるらしいという父母の噂というありさまです。また、日野市の場合は、導入過程での多くの問題が指摘されています。審議会を設置して、その議論に委ねる仕組みをつくりながら、審議会が両論併記で結論に至っていないものを、適正規模、適正配置を公約した受けた教育長が統廃合につなげようとトップダウンで実施を宣言したそうであります。余りのひどいやり方に、審議会が教育長に全面的謝罪を求め、審議をやり直したことも紹介されています。

 中野でも、適正規模、適正配置に絡ませた事務局主導で同じようなことが起きないよう慎重な対応を望みたいものであります。

 教育改革国民会議のメンバーでもあった東京大学の藤田英典教授は、学校選択制の問題について、「学校を、市場メカニズムの中に置き、消費者主権の対象としてのウエイトを高めていくとき、パブリック・スペースとしての学校の地位は低下し、その機能が縮小していくことになる。人々は、消費者としてのニーズが満たされているかどうかというまなざしととらえるようになり、そのレベルで学校を評価するようになる。学校を選ぶことができるということは、学校を序列づけることに直結する。より序列の高い学校、より商品価値の高い学校を選ぶということは、学校を市場価値に換算して評価するということである。そのとき、学校は公論の対象としての地位から市場における商品の地位に転落することになる」と予見していますが、今挙げた事例は、藤田氏の指摘がまさに絵で書いたように進行していると言っても過言ではありません。

 中高一貫校についても大きな問題が潜んでいます。時間の関係上、結論的に述べます。このねらいも、選択制同様、特別の学校施設をつくり、親の関心、選択を集中させ、特別の子どもだけが集中するエリート校をつくります。他の学校との格差、序列が拡大します。そうなれば公教育はますます歪んだものになっていくでしょう。多くの教育関係者、専門家が憂いています。こうした声に真剣に耳を傾ける必要があります。

 そこで伺います。

 学校選択制について検討する場合は、幅広い区民、専門家の意見を聞く場をぜひとも設ける必要があると思うが、いかがでしょうか。

 一方、実施目前に迫っている学校週5日制はどうでしょうか。

 朝日新聞は2月3日から連続で、「攻防02年・学力はいま」「授業増で私立が攻勢、宿題まで習熟度別、かすむ〈ゆとり〉」といういささかショッキングな見出しで5日制がもたらす問題をレポートしています。学校週5日制に加えて、新学習指導要領で明らかに授業時間数が削減され、そのことが子どもの学力に影響し、学力低下が起きるという心配は、現場教師だけでなく、子どもを持つ父母、保護者がだれよりも心配をしています。その不安に乗ずる形で私立からの激しい奪い合いが始まっているのです。混乱は今後さらに拍車をかけるだろうと見通されています。現に文部科学省は、その批判に耐えきれず、学習指導要領にこだわらず、それを超えたカリキュラムでも認めると言って早くも実施前にしての手直しを公言し、矛盾をさらけ出しています。

 学校週5日制と新学習指導要領によって、小学校、中学校で例えば国語、算数、数学、英語では、年間どれぐらいの授業時間数が減るのでしょうか。それについて教育委員会はそれでよしとするのか、それとも何らかの対応をするのか、あるいはまたそれぞれの学校での対応事例を含めて詳しく答えてください。

 教育問題の4番目に、コンピュータの導入によってもたらされるおそれのある問題についてをお伺いいたします。

 昨年の第3回定例会で次世代ITを活用した未来型教育研究開発事業の指定校となった二中と七中に、その前提となる校内LANを布設する予算約2,440万円が補正計上されました。その際、教育委員会は、この事業の指定校になれば必要な機器材が総務省の認可法人通信・放送機構から無償で貸与される利点があると説明しました。ただほど怖いものはないと言われますが、1校当たりにして1,200万円といえば、小・中学校1校当たりの年間総予算を大きく上回るほどの巨額なものであります。中野の財政事情から考えると大変な額になります。仮に将来、区内の中学校全校に校内LANを布設しようとした場合、残り12校で2億9,000万円もの巨費を投じなければならなくなります。中野の教育、子どもたちの未来を考えた場合、限られた財源の中で何を優先すべきかが関係者からの真剣、かつ十分な意見の聴取が必要なのではないでしょうか。教育予算の中でコンピュータがすべてに優先するようになってしまっては、子どもたちの他の教育環境に由々しい事態がもたらされはしないか、強い疑念を抱いています。

 さらに、補正予算の審議の中で指導室長は「コンピュータを使えなければ将来、子どもたちは生きていけない」と答弁し、また別の幹部は「中野の子どもたちが地方の子どもたちとテレビ会議ができたらどんなにすばらしいことか」と答弁されました。余りにも情緒的で教育的思考に欠けているのではないかというのが私のそのときの率直な感想でした。

 確かに、コンピュータは人間の開発した偉大な文明の力です。コンピュータを正しく、賢く使えるようになることは必要なことであります。しかし、コンピュータなしには生きていけない子どもよりも、コンピュータに頼らなくても人間らしくたくましく生きていける子どもを育てる方が大変であり、大切のではないでしょうか。テレビ会談などは本当に義務教育になくてはならないものなのでしょうか。私は物珍しさに浮足立つ子どもよりも、じっくりと本を読み、さまざまな出来事について関心と理解を深め、歴史を正しく認識し、友人と議論を闘わせ、地に足をつけた生き方を求める人間に成長することこそ教師にも子どもにも求められていると思っています。

 また、この事業における指定校における研究テーマは、1、児童、生徒の情報活用能力の育成、2、IT活用によるわかりやすい児童、生徒の興味、関心を高める授業の実現、3、IT活用によるみずから学ぶ力の育成や個に応じた教育の実現、4、IT活用による学校と地域との連携や開かれた学校の実現等が挙げられています。

 私は、この四つの研究テーマについても、率直な疑問を抱いています。まず情報活用能力についてですが、義務教育レベルでどれだけの活用能力が必要なのでしょうか。LANの設置は不可欠だったのでしょうか。今あるコンピュータ室では、なぜそれができなのでしょうか、議論であります。さらに、わかりやすい児童、生徒の興味、関心を高める授業ということですが、子どもたちが授業に興味、関心を失い、学習離れが起きていて学校現場が苦労しているとして、それは校内LANを導入したコンピュータの活用で克服できるのでしょうか。それは全く次元の違う問題ではないかと私は考えています。さらに、みずから学ぶ力の育成や個に応じた教育という点では、コンピュータの活用は情報が余りにも入手できて、かえってみずから学ぶ力を後退させることにならないのだろうか。人と人とのかかわりをますます遠ざけ、個を埋没させる危険性はないのだろうかという疑問もあります。さらに学校と地域との連携や開かれた学校という点では、例えば学校の教師たちが、授業が終われば自分の机のコンピュータとにらめっこで、休み時間には子どもと一緒に汗を流し、相談にのり、また保護者からの相談や話し合いに十分な時間がとれなくなる状況が生まれはしないだろうかということも心配であります。こうして子どもとの触れ合いが薄くなり、地域が疎んぜられ、学校はますます地域や保護者に閉ざされたものになっていく危険はないのかどうか、私の疑問は尽きません。

 情報産業、コンピュータ業界が学校をその最大の市場としてシェアに入れていることは今や常識であります。また、その片棒を担いで、あたかもコンピュータは学校教育に必要不可欠のごとく述べられる政治家も少なくありません。私は、次世代ITを活用した教育研究は、教育界というより、政府、財界、コンピュータ業界から不況、景気対策として出てきたために、時間をかけた教育的論議が未成熟なまま試行、導入に走り、将来にわたって矛盾をはらむ原因になっていくのではと憂いております。

 私が述べたこのような疑問は、決して私だけのものではありません。アメリカの著名な天文学者クリフォード・ストール氏は、その著書「コンピュータが子どもたちをダメにする」の中で、「進歩と効率化と教育の大義名分のもと、僕等に売りつけられたのは僕等を満足させることもできず、その価値を保つこそさえできないハイテク機器だった。何の批判精神も持たず、僕等は主体性を失い、文化の継続性を失い、そして人間性を失う」。「教育現場におけるハイテク熱が太平洋を越えて広がりつつあるのではないかと危惧している」として、コンピュータを学校教育に導入したアメリカでの経験と問題を驚くほど克明に述べていますので、関係者に一読を勧めます。

 さて、質問です。

 文部科学省は、このモデル事業を足がかりに2005年、平成17年以降、すべての公立中学校の教室にパソコン2台を設置し、すべてLANでつなぐ計画を持っています。指定校の導入はそのためのレールであります。指定校を受けるに当たって教育委員会は先々どのような財政的課題が出てくるのか検討をしたのでしょうか。もし、検討をしたのなら、その内容を答えてください。

 また、さきに触れた四つの研究テーマとその意図することについて率直な疑問を述べさせていただきましたが、教育委員会では何ら疑問は出されなかったのでしょうか。どのような議論が行われたのでしょうか、答えていただきたいと思います。

 5番目に、障害児学級の設置校を増やすことについてであります。

 昨年の第4回定例会で、中野の知的障害児学級の充実を求めることについてという陳情が全会一致で採択されました。そこに示された障害児を持つ父母、保護者の思いは、「知的障害児学級の児童数の増加に対して、新たな設置校を仮開設するなどして、4学級を超えて5学級の学校が出ないようにしてください。」「子どもたちが通いきれる距離内に、他区並みの割合まで区内の設置校をふやしてください」というものでした。

 中野の知的障害児童数の趨勢はどうなっているでしょうか。教育委員会が文教委員会に提示した資料では、小学校で1992年、3学級、合わせて36人だったのが昨年、2001年には60人とほぼ倍にふえています。それにもかかわらず設置校は依然3校のままです。全体の児童数が大きく減っている中で、知的障害児がふえる傾向は東京全体の傾向でもあります。それに対し各市、各区の教育委員会は、どこでも設置校をふやすことで障害児教育の充実を図っています。しかし、中野区では、一つの学校に3学級も4学級もふやして、都の教育委員会ですら異常だと言わせる事態になっています。

 この陳情の議会採択を受けて教育委員会はどのような対応を検討したのでしょうか。無理な学級編成を子どもに強いることは、障害があることに加えて、さらに遠い距離を通学しなければならなくなり、子どもたちとその保護者にさらに人為的なハンディを加えるという結果にもなるのです。障害に応じたきめ細かい教育が困難になるのです。中野の教育の貧困を見る思いがいたします。

 陳情の趣旨に述べられているように、知的障害児学級を設置する学校をふやし、障害の状況に応じたきめ細やかな教育ができるよう教員の配置も一番有利で、それに伴う学級環境もしっかり充実できる1校2学級を原則に設置校をふやすことを強く求めたいと思います。

 そこで、まず中野における障害児教育の理念と目標を教育委員会は持っているのかどうかお伺いします。

 そして、その上に立って、知的障害児学級の設置校をふやし、行き届いた障害児教育にどのように取り組んでいくのか、中学校の障害教育も含めて、あわせて具体的展望を示してください。

 大きな3番目に、警察大学校跡地への対応についてお伺いいたします。

 私は、質問の機会があるたびに、この問題を取り上げてきました。

 今回、改めて問いたいことは、この跡地の土地利用転換に当たって中野区は事業の主体者としての当事者能力を有しているのかどうかということであります。

 土地利用転換計画では、約4ヘクタールの中央防災公園、2.8ヘクタールの区民施設及び警察関連用地、基盤整備の道路が1.82ヘクタール、正確な用地買収面積が示されていませんので、私のアバウトな計算でざっと500億円、道路用地だけでも110億円を要するなど莫大なものであります。今の中野区の財政力では到底、対応できるものではありません。議会筋でも、それは十分わかっていながら、とにかく欲しい土地だからということで突っ込んだ議論を避ける傾向にあります。

 しかし、これは避けて通れない問題であります。江古田の森にせよ、上野原学習スポーツ施設にせよ、南部区民ホールにせよ、何一つ展望が見えない中、さらに警察大学跡地にも踏み込むということは無謀としか言いようがありません。

 中野区にとっては、確かに必要な土地です。しかし、幾ら願望があったとしても、みずからの限界というものをしっかりと自覚しないと舵取りを失敗します。

 担当部長に伺います。

 中野区が警察大跡地の払い下げる財政的力がない中で、財務省に対し土地利用転換の主体者として当事者能力を認めさせることができるのかどうか、答えていただきたいと思います。

 さらに、この議会で提案される2002年度予算案では、地区幹線道路1、2号の都市計画決定に向けての調査、設計費1,800万円が計上されていますが、その内容は交通量など、これまでにも何回もコンサルタントにやらせてきたことではないのですか。何回税金の無駄遣いを繰り返すのですか。今度の地区幹線道路都市計画決定に向けた事前調査は、警察病院施設用地の国有財産処分の前提条件だと説明していますが、都市計画決定がなければ処分できないということではないと思います。しかも、地区幹線道路は区施設というより清掃関連施設にかかわるものです。それならば、事業者である清掃一部組合、あるいは警察病院が事業にあわせて基盤整備の都市計画を準備するのが常識ではないですか。中野区はそれに対応する、もちろん責任はありますけれども、警察病院への処分面積の確定に必要だというのも説得力がありません。明らかに調査費用の計上は時期尚早であります。見通しもなく戦略もないままの予算は区民からの厳しい批判が避けられないものと考えます。お答えください。

 次に、児童館・学童クラブの施設・運営の見直し(案)についてお伺いします。

 ここに2001年12月14日、地域センター部調整課名の児童館・学童クラブ施設配置・運営の見直し(案)という文書があります。これはある区民の方が区政情報公開請求によって入手したものです。既に関係者の間には広く出回っています。極端に言えば、児童館を解体し、行き場のなくなる学童クラブをまた学校に戻すというもので、その迷走ぶりが際立つ案であります。学童クラブまで全面民託とは、あきれかえって開いた口がふさがらないとの怒りの声も寄せられています。

 ところで、我が党の関係委員に、この文書について委員会に報告があったのか正したところ、もちろんない、報告もできないと言っているということでありました。考えられないことであります。区民、職員、保護者と共同でつくり上げてきた中野の児童館、学童クラブ事業のあり方を、区民、関係者に内密で決定することは許されません。こうした進め方は、保育園、地域センター、図書館、区立幼稚園など5カ年計画で挙げられた施設配置の再編、運営の見直しのすべてにわたっています。

 教育委員会の関連施設の場合、最初の説明では、昨年の12月までに報告をするという約束でした。それが年を越えた1月になっても、2月になっても、恐らくこの定例会でも報告をされないのではないかと思っています。理由はと聞くと、本当かどうかわかりませんが、政策経営部とのすり合わせができていないため報告できないということであります。

 きのうの本会議でも問題になった区立保育園の全面民託についての新聞報道も、否定しないということは、内部では意思をあらかた固めているのに、外に出たのは確かにまずいが、本音はそうだということであります。ただ、あからさまにそれを言ったのでは選挙に響く。だから今は限りなく曖昧にしていた方がいい、そういう魂胆ではないかと疑われても仕方がないのではないでしょうか。意思決定過程で議会意思を、そして区民の参加を求めることが必要であります。とりわけ学童クラブ事業は、区民、父母、子どもたちとともにつくってきた伝統ある中野の残り少ない事業の一つであります。民間委託とか、新たな対応方法とかをコンクリートしてからでは、区民参加の意味は全くありません。意思の決定過程における参加こそ生きた参加ではありませんか。そのためにも、すべての情報を公開し、区民の意見表明の場を設けるよう求めます。お答えください。

 質問の最後に、清掃事業について2点、質問いたします。

 1点目は、ゴミの収集についてです。

 これまでも清潔な中野の町のために、また区民のごみ収集に対する理解と協力、協働の気運を高める視点から、現在の集積所収集方式から個別収集方式に切り替えるよう提案し続けてまいりました。最初はかたくなに断られてきましたが、今年度、ようやくモデル地区指定し、試行するということであります。

 そこで伺います。

 モデル地区指定の地区単位は、地域センター単位なのか、あるいは町会単位なのでしょうか。もし町会単位なら、どこかの町会が手を挙げれば指定されるのでしょうか、お答えください。

 さらに、せっかくモデル地区指定事業を行うのなら、個別収集だけでなく分別収集についてのモデル事業もあわせて行うよう提案します。

 現在の分別は本当の意味での分別になっていません。例えば、燃やさないごみは、ビニール類、発泡スチロール、トレイ、金属類、小さな電気製品、刃物などなど、みんなごっちゃに収集されています。それらはごく一部が資源化されるだけで、ほとんど埋め立て処分されています。資源化、リサイクルという時代の要請に追いついていません。燃やせるごみも、本来、リサイクルして資源にしなければならないものばかりであります。資源回収された紙類以外の紙、古布、台所生ごみ、何もかも一緒くたです。ごみの分別についての住民アピール、協力体制をつくる本格的準備もこの際の試行に加えるべきであります。ごみゼロを目指すさまざまな取り組みを試行することを提案しますので、お答えください。

 もう1点は、カラス対策としてネットを各集積所に配布するということについて伺います。

 ネットを活用することは、カラス対策で有効であることを町の中でも実証されています。しかし、今のカラスは、ネットからはみ出したごみ、ネットをはがしてごみを食い散らかしているものもいます。ごみを出す時間、集積時間でネットの効果もいろいろと影響を受けています。大きな問題は、ネットを管理できる集積所は、区内一万数千カ所でどれぐらいあるかということです。お答えください。

 私の想像では、そのうちの2ないし3割もあれば上々だろうと思っています。ネットを管理できない多数の集積所におけるカラス対策はどのようにされるのでしょうか、お答えください。

 最後に、一言所管を述べます。

 冒頭に申し上げましたように、ことしの6月に中野区長選挙が行われます。中野区政の閉塞状況をこれ以上、見過ごすことは許されません。区民の区政離れは深刻さを増す一途であります。職員の意欲と創造力の創出は中野区政にとってはかり知れないマイナスとなっています。我々は、福祉都市中野、教育文化都市中野の再生を目指します。何よりも自治都市中野の伝統を区民と職員の協働で再生させなければならないと決意しています。それは多数の区民、そして多数の職員の共通の思いだと確信するからであります。そのために私たちは、党派を超えたあらゆる協働、広範な市民、自覚的区民、団体、組織と協力し、新しい中野の歴史を必ず切り開く決意を表明して、質問と演説を終わります。どうもありがとうございました。

〔区長神山好市登壇〕

○区長(神山好市) 小沢議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初の私自身の身の処し方ということでございます。

 いろいろと御心配もいただきました。ありがとうございます。

 私、首長としてどう考えいるのかということでございましたので、申し上げますが、区民の信託を受けた首長、これは、限られた権限の中ではありますけれども、区民のために、区にとってよりよい環境ができるように、持てる力を精一杯出し切って努力するということであろうというふうに思っております。4年という任期がございます。いかにこの任期を全うするか、これに専念をしているところです。

 身の処し方というけれども、私自身、常に考えていることでもございます。ただ、この問題については、人から指図をされるということではなくて、私自身、みずから決めるべき問題であるというふうに思っております。

 次に、警察大学校等の跡地の対応について、1点だけお答えさせていただきますが、財務省とどう対応しているのかということでございますが、財務省とは、防災公園、道路及び清掃関連施設等の必要性などについて理解を求めているところでございます。用地取得の前倒しに向けて具体的な整備手法を検討するための協力や道路用地の無償貸付等について要望しているところでございます。当事者能力という点では、すべて区で買い取るという力があるわけではございません。ただ、これだけの土地を区で何もしないで入札をして一般に売却されるということについては、防がなければならないというふうに思っておりますし、その点で今後とも努力をしていきたい。

 整備の手法については、より具体的な検討、調整を行って、財務省、あるいは都市公団等との共同によって研究をしていきたいというふうに思っております。そのための場を3月中に設定をしたい。その中で、区としては、できるだけ財政負担の軽減を図りながら地元要望案に沿った土地利用転換を図れるように努力をしていくつもりです。

 内部の詳細については、都市整備部長からお答えしますので、よろしくお願いいたします。

 他の質問につきましては、教育長を初め各担当部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

〔教育長沼口昌弘登壇〕

○教育長(沼口昌弘) 中野の教育につきまして、まず教育基本法の精神をどのように受けとめ、どう生かそうとしているのかということでございます。

 教育基本法は、日本国憲法が求める民主主義の土台となる個人の尊厳と平和の理念を次代の主権者として実現していけるような教育の目的や方針、教育制度や教育行政のあり方など、教育の基本的な考え方を明示していると受けとめています。この精神は教育の原点でございまして、教育行政を進める上で常に意識して進めていく必要がある、そのように考えてございます。

 次に、学校教育の指導目標に関する御質問です。

 学校教育の指導目標につきましては、教育委員会としての最高目標であります教育委員会の教育目標というものがございます。それに基づいて策定してございます。そして教育委員会の教育目標というものは、中野区基本構想をもとに策定されてございます。中野区基本構想は、憲法、教育基本法の精神を踏まえてございますので、平成13年度の学校教育の指導目標では、教育委員会で十分に論議いたしまして、中野区の教育目標を全面に出して表現したところでございます。現在もこの認識は変わっておりませんで、14年度につきましても、文言の復活については行ってございません。

 次に、教育基本法と研修のことでございますが、教員につきましては、新規採用教員の先生から始まりまして初任者研修、その他すべての研修は教育基本法の精神に基づいて行われてございます。また、事務局職員につきましては、教育基本法だけを取り上げた特別な研修プログラムというのは今までございませんけれども、自己研鑽に取り組む中で、各自、教育基本法の精神の理解に努めております。

 なお、現在、教育改革も進行中でございまして、今後、このような研修を取り入れていく必要があると考えてございます。

 次に、学校評議員制度についてでございます。

 昨年から試行で実施しておりますが、現在、成果を取りまとめておりますので、今後、これらを踏まえて、学校の主体性を尊重しながら教育委員会で具体的な取り組みを検討いたしまして、要綱のような形でまとめていく予定でございます。

 次に、学校運営における民主主義の大切さ、それから学校自治についてのお尋ねでございます。

 民主的な学校は、教職員が互いに意見を出し合い教育の方向性を模索していくことであると考えています。しかし、方向のまとまらないことや調整の必要なこともあり、最終的には管理職としての校長が判断するということになると思います。これまでも学校の主体性の確保については十分に尊重して取り組んできておりますので、今後もそうした姿勢を持ち続けて取り組みたいと思います。

 次に、学校選択制を検討する場合は専門家を入れた検討の場をつくるべきとのお尋ねでございますが、教育委員会では、現在、指定校変更の弾力的な運用を行っており、真に変更が必要な人には概ね対応ができていると考えてございます。しかし、学校選択制を求める声もあり、さらに教育委員会として課題認識を深めながら検討していきたいと考えてございますが、御提案の点につきましては、その中で議論してみたいと思います。

 次に、週5日制への移行により小・中学校の国語、算数、英語の時間がどのぐらい減るのか、これに対してどのような方策を講ずるかということでございますが、全学年というのはちょっと大変なので、例えば小学校5年生では、1年間当たり国語でいえば30時間、算数は25時間、中学2年生の場合は、国語は35時間、数学は35時間、英語の場合も35時間、減少しています。しかし、学習内容も厳選されることになりますので、教育委員会としては、基礎、基本的な内容の定着及びみずから考える力が身につけられると考えています。

 来年度に向けましては、各学校では、教育課程の中で基礎、基本的な内容の学習を継続的に行う時間を設定したり、より児童、生徒が主体的に学習する授業の工夫改善に努めているところでございます。

 次に、学校のIT活用モデル事業におけますコンピュータ導入についてのお話でございますが、まず財政的な議論は教育委員会としてはしているのかというお尋ねです。

 教育委員会としては、財政的な問題は議論はしています。内容的には、モデル2校にかかる経費がどのぐらいになるのかという話、それから当然、財政負担が大きくなるので、それに対する国の補助金等はどうなっているのかというような議論がされております。

 次に、モデル事業には四つの研究テーマが示されているが、これは教育委員会では何か疑問が出されるようなことはなかったのかというお尋ねでございます。

 教育委員会では、ハードな部分はもとかくといたしまして、先生方の指導力は大丈夫なのかとか、あるいは個人情報の保護については大丈夫かというような意見はございましたが、もっと早く手を挙げて参加すべきだったというようなことで、内容的には特段の疑問は出されていない、そのように認識してございます。

 次に、障害児教育の理念や目標についてでございます。

 障害児教育の理念や目標につきましては、中野区立学校教育の指導目標にあるように、人権を尊重する教育の推進の中で、障害のある幼児、児童、生徒への理解を深め、一人ひとりに応じた適切な指導を進めて、ともに生きる力と態度を育てることを基本に掲げてございます。

 次に、障害児学級の今後の取り組み方でございますが、特定の障害学級に希望が集中し、在籍児が増加しているという状況があることから、現在、障害学級のあり方について、事務局内にプロジェクトチームを設置いたしまして、検討を開始したところでございます。来年度の早い時期に検討を終えまして、教育委員会としての方針をまとめたいと考えています。

〔都市整備部長宮村光雄登壇〕

○都市整備部長(宮村光雄) 警察大学校跡地への対応についての御質問のうち、地区幹線道路1、2号について、なぜこの時期に都市計画決定を行うのかとの御質問にお答えいたします。

 昨年、策定いたしました土地利用転換計画案では、整備の手法にかかわらず、地区の骨格として必要な3本の地区幹線道路を計画しており、そのうち地区幹線道路1、2号は、跡地北側の警察病院や清掃関連施設などが先行することなどがら最初に都市計画決定を行うこととしております。平成14年度予算案の計上につきましては、平成15年2月ごろの国有財産関東地方審議会に付議される予定の警察病院の用地処分に当たりまして、財務省から病院用地の位置や区域を確定するには、地区幹線道路1号、2号を都市計画決定する案にまで固めて同時に付議することが求められております。このため区といたしましても、みずから中心となって策定してまいりました地元要望の土地利用転換計画案の具体化を図るため、都市計画決定権者として、みずからの責任で都市計画決定に必要な最小限の測量や調査を行うこととしたものでございます。

〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 児童館・学童クラブ施設配置・運営の見直しの御質問にお答えさせていただきます。

 この見直しにつきましては、所管部であります地域センター部の検討をもとに現在、全庁的な検討体制を設けて検討を進めているところでございます。この検討がまとまり次第、区の考えを議会、区民にお示しいたしまして広く意見を聞くことと、そのように考えております。

〔環境部長西條十喜和登壇〕

○環境部長(西條十喜和) ごみの各戸収集などについてでございます。

 1点目の14年度中に各戸収集のモデル実施を行うけれども、その内容等についてでございます。また、その際には分別収集の徹底を図ればということでございます。

 この件につきましては、現在、この夏ごろを目途に、ごみの各戸収集モデル事業といたしまして試行するために、その規模、対象地区、世帯数、期間、時期等につきまして検討しているところでございます。試行に当たりましては、分別収集の徹底など、ごみの排出に対する意識と責任の高揚に重点を置く考えでございます。また、作業効率への影響はどの程度になるかなどにつきましても調査いたしまして、今後の清掃事業運営に生かしてまいりたいと考えておるところでございます。

 次に、カラス対策としての防鳥ネットについてでございます。

 カラス被害の根本的な解決につきましては、えさとなります生ごみをカラスから遮断することが最も重要と考えているところでございます。このため防鳥ネットの配布を拡充することによってカラス対策の効果が上がることを期待しているところでございます。現在、ネットを貸与いたしておりますところは約2,300カ所程度ございますけれども、すべて管理者がおりまして、管理はきちんとされているところでございます。管理者等がいない集積場所につきましては、ごみの出し方や分別のルールを守って清潔な集積所にしていただくよう、広報及び個別指導によりまして周知、啓発を図ってまいりたいと考えているところでございます。

〔小沢哲雄議員登壇〕

○44番(小沢哲雄) 教育問題に関する答弁に対しまして3点、再質問をさせていただきます。

 第1点は、教育委員会の指導目標、憲法、教育基本法を復活させるということを求めました。教育委員会でその旨、再度、検討をされたいということを求めたので、検討するつもりかどうか、もう一度、答えてください。

 二つ目は、評議員制度についてであります。

 私が一貫して問題にしましたのは、せっかく区民参加条例があるならば、評議員制度を考えるに当たって条例の精神を生かすべきだということを主張したわけであります。しかし、教育長の答弁には、参加条例をどう見るか、参加条例が評議員制度にどう精神を生かすことができるか、できないか、そういったことについての一言も触れていないというのはどういうことなのでしょうか。

 三つ目、コンピュータに関して質問をいたしました。

 私も、教育委員会の議事録を調べました。財政問題を議論したと言っておりますが、2校にかかる経費に関しては、大枠の話はあったとしても、これをやることによって次にどうなっていくのか、それらが財政的にどれだけの負担になり、他の教育予算との関係でどういう影響を及ぼすのか、残念ながら全く議論はされていないではありませんか。疑問が出されただけです。それでは教育委員会の役を成しているのでしょうか。ましてや、広範に提供したコンピュータ教育、今の教育、もろもろの関連を教育的によく精査しなければいけない、議論を深めなければいけないという強い認識を持っています。にもかかわらず、教育委員会では、そういったことに対する疑問も懸念も全く提示されていません。これは明らかに重大な手落ちだと思います。改めて、聞き方が悪かったかとは思いますけれども、私が提示した根本的な疑念、疑問を含めて、教育委員会として本格的な議論をしていただきたいと思います。教育長の答弁を求めます。

〔教育長沼口昌弘登壇〕

○教育長(沼口昌弘) まず1点目でございますが、指導目標の点でございます。

 再検討ということでございますが、15年度の学校教育の指導目標、それを検討する際には、私の方から、きょう出ましたお話はしてみたいと思います。

 それから評議員制度につきましては、区民参加条例の精神、その具体化の一つになるように考えていきたい、そのように思っております。

 コンピュータの件に関しましては、御質問に対しては、教育委員会としての議論の事実を答弁いたしました。御指摘の点については、教育委員会の方に私の方からも助言し、議論の対象にしてもらうように努力したいと思います。

○議長(斉藤金造) 以上で小沢哲雄議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後3時24分休憩

 

午後3時49分開議

○副議長(飯島きんいち) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 大 泉 正 勝

 1 施政方針説明について

 2 警察大学校等跡地の施策と事業について

 3 その他

 

○副議長(飯島きんいち) 大泉正勝議員。

〔大泉正勝議員登壇〕

○28番(大泉正勝) 平成14年第1回定例会に当たり公明党の立場から一般質問を行います。

 さきに質問された方々と若干重複をいたします。そういうこともありますが、立場を異にしておりますので、お許しをいただきたいと思います。

 初めに、区長の施政方針説明についてお伺いいたします。

 さきに行われた施政方針説明は、昨年よりスタートした行財政5か年計画の1年の成果を踏まえ、新しい区政の展望が開かれるかもしれないとの思いを抱かせる内容であったと評価をいたしております。

 厳しい財政状況に置かれた昨年の施政方針で区長は、行財政5か年計画で健全な財政の姿に至る道筋の対応は示せた。決して平坦な道ではない。区民の求める課題に積極的に取り組む姿勢を整えていくための道は、この道をおいてほかにないと確信する旨の発言をされました。できれば、もっと早くこの道を選択していればと多少の不満はないではありませんが、ともかく確信を持ち、発表をされ、この1年、我が身を削り、総力を挙げ取り組まれてきたことに対し、区長、そして理事者及び職員の皆さんに素直に敬意を表したいと思います。

 私たちは、この5か年計画は、さまざまな状況から2年目が正念場と申し上げてまいりました。施政方針にあるように、行財政の構造的改革の手を緩めることなく進めていただきたいことをさらに当局に要望いたしておきたいと思います。それが歳入の増が期待できない中で、区民にとって必要なサービスを確保する道であると私どもは確信をいたしております。

 今回の施政方針説明に示された課題の中から基本的な事項と一日も早い取り組みが求められている事柄等につきまして、区長の表現に即し、何点かお伺いをいたします。

 最初に、平和への取り組みを続けたいとされたことに関連してお伺いをいたします。

 毎年、この言葉は使われておりますが、中野区の平和への取り組みは現在、何があるのでしょうか。正直申し上げて、さしたる事業は見当たりません。平和の集いがそれなのでしょうか。平和資料館の建設を凍結したことを取り組みに挙げればよいのでしょうか。施政方針には「平和について粘り強く息の長い取り組みをしていきます」とありますが、平和事業について区長がお考えになっている施策はどのようなものなのか、お答えをいただきたいと思います。

 ことしは憲法擁護・非核都市宣言の20周年です。基本構想の改正をと前の世紀から私は言い続けておりますが、簡単ではないようですので、思い切って、この節目の年に宣言を見直してはどうでしょうか。この作業の中で広範な区民との論議が可能ともなり、まず区ができる取り組みとしてはふさわしいと思いますが、お考えを伺いたいと思います。

 昭和22年に文部省があらわした「あたらしい憲法のはなし」という教科書があります。昭和45年以降も何度か復刻されております。都立大の山住総長の著作に記述されておりますので、ここで御紹介をいたします。「なかでも『戦争の放棄』の章が読む者を励ました。それは、『みなさんの中には、こんどの戦争におとうさんやにいさんを送り出された人も多いでしょう。ごぶじにおかえりになったでしょうか。それとも、とうとうおかえりにならなかったでしょうか』に始まっており、この一節を読んで涙を流す子どもも多く、静まり返った教室に泣き声だけが聞こえるという光景が方々で見られた。そして『放棄』とは『すててしまうことだ』と明記して、次のように述べていた。『しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことをほかの国よりさきに行ったのです。世の中に正しいことぐらい強いものはありません』」というものです。

 私たちを取り巻くあらゆる状況が複雑になるとともに、地球のどこで起きた戦争も、紛争も、リアルタイムで目にせざるを得ない状態では、丸腰で頑張れというほど私は確信が持てません。しかし、それにしても憲法の平和条項は手をつけてはいけないものと思っております。憲法を時代に合わせて、あらゆるものを論議し、結果としての改正はやむを得ないとする意見には、うなずく面もないではありませんが、第1章及び第2章、その中でも第9条は別だと原点は忘れてはいけないと思っております。

 中野区が平和事業を発展させることに何となく尻込みをした印象を与えるのは、もとになる考えが明確ではないからではないかと考えざるを得ません。したがいまして、宣言20周年のこの時期をとらえ、調査、検討、そして区民とともに論議などをされてみてはと思いますが、お答えをいただきたいと思います。

 次に、所信表明では、「13年度は5カ年計画の目標達成へと大きく前進しているという手応えを感じています」と述べておられます。今日までの慎重な言い回しが多かった区長の表現としては、相当思い切ったものと感ぜられます。背景に13年度決算の見通しがあるものと思いますので、決算見通しを具体的にお答えいただきたいと思います。

 また、内部努力について「13年度に123人を減らし」と、これも強い言い方をされています。いずれ退職金問題が重要になるかと思います。過日の総務委員会では、19年度以降、毎年30億円の退職金が必要になると答弁がありました。この手当はどのような方策を考えておられるのか、あわせてお伺いをいたしておきます。

 さらに、職員給与の減額に言及をされていますが、社会情勢、区民感情等も当然、考慮された上、それでもなおと決断をされた理由についてお答えをいただきたいと思います。

 次に、保育園の民営化と民間活力の導入についてもお述べになっています。民間活力の導入は大賛成ですが、ただ、この方策へ変換する場合、いろいろなところへ影響を及ぼします。したがいまして、政策として決定する場合は、早めに方針と計画が必要かと思います。中野区は民間活力の導入について、どの事業分野まで実施しようとしているのか、将来の目標も含め、民間活力導入計画的なものを示す必要があるかと思いますが、策定するつもりがおありになるかどうか、お考えを伺っておきたいと思います。

 次に、方針説明では、14年度予算案について「財政健全化への道筋が見えてきたとして、この結果、必要な課題については重点的に財源を配分することができた」とお述べになり、5カ年計画の各分野の14年度の具体的な課題を挙げておられます。

 このことに関して2点だけお伺いをいたしておきます。

 その第1は、学校教育についてです。

 この4月から小・中学校新学習指導要領が実施されます。その中の新たな取り組みの一つに学校5日制の課題があります。いわゆる、ゆとりある教育の実現です。子どもたちの自由な時間をふやし、さまざまな体験や活動を通しながら自立した人格の育成が目的とされています。中野区は5日制について、どのようにお考えなのでしょうか。

 地域のお母さんたちに伺うと、休みがふえて子どもと出かけられるとか、うちの子はあんまり外で遊ばないから、どうしようとか、塾をふやしてしまおうとか、あんまり考えていないとか、私立は休まないところが多い、学力に差が出ないかしら等々、その他さまざまな心配をされている方がいます。最近の報道では、各地のさまざまな取り組みが伝えられております。教育委員会としましても、学校を通じるなどして保護者などへはよく説明をされてきたものとは思っておりますが、土曜休日の受け皿づくりについて、どのように対応されているのか、お伺いをいたします。

 二つ目が保育園の待機児の問題です。

 現在でも当区には240人を超える保育園に入れない子どもさんがいます。これは、いつになったら解消すると予測されているのでしょうか。また、待機児ゼロを目指すという目標はお持ちなのでしょうか。23区の中でも、目標を掲げ事業を展開し始めたところも出てきております。目標がないのであれば、目標を達成する行動計画をお持ちでないなら、計画を速やかに策定されてはいかがでしょうか、お考えを伺っておきたいと思います。

 5カ年の行財政計画に抜け落ちている課題でもあり、区長が言及されていないのは、ある面ではいたし方ないとは思いますが、現在の区にとって急を要する必要課題と認識をいたしております。重ねて区長の考えをお伺いいたします。

 次に、区長は「新たな発展への基礎を固めるとき」と題して久方ぶりに大きな課題を取り上げています。その中で江古田の森につきましては、昨日、こしみず議員が触れました。後の警察大学校等跡地プロジェクトにつきましては、別に項を起こしましたので、そこでお伺いをいたします。

 ここでは、特別区制度のあり方とお述べになったことについて、そして区民との協働、区民参加の仕組みのありようとサポートについて、具体的な例を挙げお伺いをいたします。

 特別区の制度改革は、自治法の改正により、完全ではないとはいえ、一つの目標は達成をしました。区長が言われる残された制度改革とは何を指すのでしょうか。財源の配分問題等は既に言及されていますので、さらに踏み込んだ23区の再編、統合をイメージして語られたのでしょうか。もしそうであれば、その理由、さもないとすれば、具体的に何をお述べになったか、また23区の統廃合について区長のお考えを伺っておきたいと思います。

 次に、区長は「区の将来像をつくるためには区民との協働が大きなポイントです。区民との協働、区民参加の仕組みは、新しい時代に合ったあり方を探る時期に来ています。さらに今後、地域団体などが新しい公共的なサービスを始めたり公共施設の運営、管理を行うことも考えられます。地域に根ざした団体と行政とが対等な関係のもとに協働、協調し、区民と区が一体となって新しい価値を創造する中野を目指します」とお述べになっています。これまで私たちは、このような区民との協働の視点でさまざまな提案をいたしてまいりました。区長が言われる新しい公共的サービスを始めている団体もあります。例えば、桃園地域センターにおいて民間ボランティアによるママほっとルームという取り組みなどは、まさにそれだと思います。

 この事業は、在宅における子育ての不安なストレスを抱えたママたちにほっとできる時間を持ってもらおうと昨年末にスタートし、子育て経験豊富な地域のボランティアの皆さんが携わっておられます。預かるのは地域に住む生後3カ月から4歳未満の子どもです。毎月第3土曜日の午前10時から午後3時まで、保険料を含む500円の料金で気軽に預けることができます。この試みはスタート早々、大変に注目を集め、新聞各紙にも紹介され、区外からも問い合わせや申し込みがあるそうでございます。1月19日の2度目の実施日には、我が会派のやながわ議員と高倉議員が訪れて、つぶさに状況を視察してきております。この様子の詳細は会派のメールマガジンで全国に発信をしましたが、定員30人いっぱいになるほどの大盛況で、在宅の子育て支援は大変大きな需要があることを改めて感じたと報告をしていました。

 このような地域団体による新しい公共的サービスを提供する試みは、これからますます広がりを見せてくることは間違いないと思います。ただ、ママほっとルームの方々のいろんなお話によりますと、事業を実施する中で出てくるさまざまな問題点を一体どこに持っていったらいいのかという切実な課題もあるようです。区長が言われるような協働をこれからの区政の柱の一つにしていくためには、こうした新しい公共的なサービスの提供に取り組んでいる地域団体の皆さんが、より活動しやすい環境を整えていくことが大切ではないでしょうか。

 具体的な方策の一つとして、地域団体の皆さんが活動を進めていく上で生じる問題点や課題などについて積極的に相談に応じ、また必要な情報の提供も行っていくコーディネート機能を持つ窓口が必要だと思います。ボランティアの人たちも参加して運営する(仮称)区民との協働推進室といった目に見える形での窓口、また拠点を設けて対応するなどの方策がとれないでしょうか、お答えをいただきたいと思います。

 また、ボランティア活動を展開しやすくなるような実践講座や新しいボランティアを育成する研修なども充実を図っていくよう、自主性を尊重しながらも区として必要なサポートをしていくべきだと思いますが、お考えを伺いたいと思います。

 以上のような具体策も含めて、今後、中野区として区民との協働をより積極的に推進していくためには、協働のあり方についての指針、あるいはガイドラインを定める責務があるのではないかと思いますが、見解をお伺いしたいと思います。

 次に、男女共同参画についてお伺いをいたします。

 1月21日の区民委員会に仮称・男女平等基本条例(案)大綱が報告されました。施政方針の中では「男女がともにいきいきと平等に暮らし、ともに参画してつくる中野のまちを実現するため、その根拠なる条例を制定したいと思います」として、規定する項目について述べています。

 国会は平成11年6月に男女共同参画社会基本法を制定させ、平成13年1月16日に定義及び男女の人権の尊重を規定した部分を除いて施行されております。この法律の書き方は、目的に「基本理念を定める」としながら、他の法律と異なり理念を1条にまとめてストレートに規定するという従来の体裁はとらず、幾つかの条項に分けて規定するという珍しい法律です。理念を探して読んでいくと、第8条に来て、やっと「第3条から前条に定める基本理念に則り」と出てまいります。何だ、今ごろ出てきてと言いたくなるような変な体裁をしたものになっています。

 中野区が制定しようとする条例の大綱と法律を比べると、一目瞭然、区の条例大綱の方が格段に優れており、内容も体裁も法をしのぐものになるのではとの期待を抱きました。

 ただ、条例も含め法は実効性が求められます。大綱によれば、区、区民、事業者のそれぞれの責務を規定するようになっております。これは一般的な定め方だとは思いますが、可能ならば区の責務をもっと明確に書かれた方がいいのではと提案をいたしておきます。例えばですが、「区の審議会及び他の会議体の男女の構成比は5対5とする」などです。区の姿勢を示す上では、より実効性があるのではと思います。大綱の前文では「中野区は先駆的な取り組みを推進してきた」としております。その割には、審議会の男女の構成比は役7対3で、まだ圧倒的に男性が占めております。基本構想で男性と同じ比率になるように努めると宣言してから21年もたっております。区も努力だけはされてきたものとは思いますが、一段の踏み込みが必要なのではないでしょうか。区民、事業者から人に責務を課す前にやることがあるだろうなどと言われないよう、また時代がはるかに先に進んでいることと参画を保障する制度のおくれのギャップを縮めるためにも検討されてはどうかと思います。区長の答弁を求めます。

 その他、この条例案につきましては、付託されると思われます区民委員会の場で、我が党の語り部たる飯島議員及び期待の星、高倉議員が深い議論をすると言っておりますので、きょうは、この課題はここまでとし、この項の最後の質問に移ります。

 区長は、最後に「区政の継続性の大切さ」を強調され、ブローデルの「遠い歴史はゆっくりとした足取りで我々に近づいてくる」との一節を引用され、時間のかかる課題に継続的に取り組むことが行政に欠かせないと区政に取り組む人の姿勢を言われました。

 行政の継続性という場合、新しい人が前任者の政策を変えないときに使われるのをよく耳にいたします。そして区長選についても異例の言及のされ方をしました。私は区長があえてそのような発言をされたことを重く受けとめております。それらを伺いながら、今、仕事に一区切りつけられて退任を決意されたのではとの印象を持ちました。イギリスの歴史学者・トインビーは「窮極において歴史を作るものは、水底のゆるやかな動きである」と言いました。御所見をお伺いして、この項の質問を終わります。

 次に、警察大学校等跡地の施策と事業についてお伺いをいたします。

 この問題については、2月1日の特別委員会で会派として高倉議員より質問をさせていただきました。それらを踏まえ本会議の場で改めて質問をいたします。

 昨年の10月26日に財務省も加わった警察大学校等跡地利用連絡調整会、いわゆる調整会が開かれました。初めに、ここに至るまでの経過を概略、述べさせていただきます。

 跡地事業は昭和63年7月、国の行政機関等の地方移転について閣議決定を受け、具体的に動き始めました。中野区は平成2年11月に中野駅周辺地区整備構想を策定しました。2年後の平成4年には中野駅周辺地区利用計画区民会議から土地利用計画案が提言され、翌5年に中野駅周辺土地利用計画が策定されました。4年後の平成9年には、中野区、東京都等で構成される警察大学校等移転跡地土地利用転換計画検討委員会という長い名称の検討会を設置し、翌年に中間のまとめが、平成11年には中間のまとめ2が策定されました。そして区民、議会などの意見を聞くなどの作業を経て、2年後の平成13年3月に検討委員会は土地利用転換計画案を発表しました。同じ年、平成13年6月に、中野区、杉並区、東京都、共同の案として土地利用転換計画案を策定しました。この計画案は7月に石原都知事、神山区長及び山田区長の連名で財務大臣あてに提出をされました。閣議決定から地元の課題として財務大臣に示すまで14年の歳月を要しました。この間、議会では特別委員会を設置して調査及び論議を真剣に続けてまいりました。回数だけでも162回に及びます。関係者には頭が下がる思いがいたします。そして冒頭に述べた財務省の本省が加わった跡地利用連絡調整会が開かれることになりました。

 第1回調整会では財務省の意向が示されました。一つが、移転施設整備の借入金返済に充てるため早期に売却したいというものです。二つ目に、公共用でなかったり用地取得が遅い場合には一般競争入札も考えたい。そして3番目に、国有財産中央審議会に部分的に付与する場合も、残る部分の見通しを明確にする必要がある。4番目として、都市基盤整備公団の活用などによる道路、公園等の整備促進も検討してはどうか。5番目が警察庁宿舎の建物補償と集約化の手法が課題としてあるというものでした。また、調整会が開催される1カ月前には、警視庁の副総監名で中野区長あてに要請書が来ました。警察大学校等の移転は終わり、今は建物等の除去などが行われています。14年度中には土地が警察庁から財務省に移管され、土地処分が可能になる旨の報告が委員会でなされております。以上が現在までの経過です。

 本会議などで、国の事業はとまっている。移転先もまだなどと心配をする発言もありましたが、国は淡々と着実に事業を進めてきました。中野区としても、地元要望案に沿う土地利用転換のためにも、取得の財源問題、関係機関との協議及び手法など腰を据えた取り組みが求められている新たな段階に入ったのではと認識をいたしております。

 そこで、幾つか課題などを含めてお伺いをいたしておきたいと思います。

 初めに、警察大学校等跡地利用連絡調整会、いわゆる調整会についてお伺いをいたします。

 第1回が開催されたのは既に述べました。1月に開かれる予定だった調整会は延期をされました。財務省からは、関係機関ごとのヒアリングを行いたい、今それをやっている、個々に協議を行っている等の理由で延期されたと委員会では答弁されていますが、具体的にどのようなことなのか、区ともヒアリングをやっているのか。やっているとすれば、その内容についてお答えください。

 あわせて、延期の原因は区の側にあるのか、それとも財務省の事情によるものなのか、そうお考えになる理由も含めお答えをいただきたいと思います。

 委員会では、取得時期など、もう少し早くできないかが課題になっていると思う旨の答弁がなされています。区は既にさきに述べたように利用計画案を策定し、財務大臣あてに要請しました。東京都、杉並区、中野区でつくり上げたものを今さらどうしようというのでしょうか。困ってしまうなという気がしないでもありません。要請した案で納得されないのは何がネックになっているとお考えなのか、お答えいただきたいと思います。

 また、調整会は次、いつ開催されるのか。それまでに区としては何を整え臨もうとされているのかもお答えいただきたいと思います。

 次に、清掃工場用地についてお伺いいたします。

 区長は、清掃一部事務組合に対し、「国からは中野地区清掃工場用地を含む国有地の払い下げに関して早期に用地取得するよう要請されています」として、平成15年度からの取得を昨年8月に要請いたしました。それは現在、一組でどう取り扱われているのか、一組はいつまでに結論を出すとしているのか、一組と財務省との協議の内容とあわせ、お答えをいただきたいと思います。

 次に、東京警察病院の予定地についてお伺いをいたします。

 建設用地について財務省は、15年2月に国有財産地方審議会に付議したい旨を表明しているとする答弁が委員会でもありました。また、警視庁からは、副総監名で区長あてに、19年度内に開院するため14年度内に審議会に付議することが必要不可欠として、その際には地区幹線道路1号及び2号の都市計画決定が条件である旨、財務省から示されている。したがって、貴区が、中野区ですが、平成17年度以降に計画している1号、2号幹線道路の都市計画決定や整備の前倒しが不可欠との要請が来ております。公明党は署名活動などを通じて病院の一日も早い開院を願う多くの区民の声を聞くとともに関係方面への要望等を行ってまいりました。昨年暮れの区長に対する予算要望の折にも強く申し上げ、1,800万円余の関連予算が計上されております。15年2月までに計画決定されるよう当局の御努力を望みますが、可能かどうか、そうでない場合はいつまでとお考えか、御答弁いただきたいと思います。

 また、地方審への付議がおくれた場合、病院の開院計画に齟齬を来さないのかどうかもあわせてお答えいただきたいと思います。

 次に、都市基盤整備公団の問題についてお伺いをいたします。

 特別委員会では、公団について、公団のノウハウを活用する、区の負担が少なく、かつ要望の実現を早くやる一つの有力な選択肢として検討している旨の答弁がありました。手法の一つとして検討されてのお答えかと思慮いたしますが、公団を使うことのメリットを具体的に数字を挙げ、また区が直接整備する場合との債務を含めて御説明をいただきたいと思います。

 中野区が用地を取得する場合、3分の1減額があるとされていますが、公団活用の場合、それが適用されるのかもあわせて御答弁を求めます。

 さらに、整備公団は廃止の対象になっていることが報道されていますが、区が取り組もうとしている方策に支障を来さないのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

 次に、都市計画決定を初め跡地事業を前倒しで実施するとした場合、計画案に示されたスケジュールの変更とより明確な行程表が必要になると思われます。委員会では、もう少し整理ができたら報告するとお答えになっていますが、いつまでに提出されるのか、お伺いをいたしておきます。

 次に、財源問題に関連して、道路用地の処分について、財務省に無償使用のお願いをしていると、これも答弁されていますが、公団施行の問題と関連があるのかどうか、お伺いをしておきます。

 次に、早稲田通りの拡幅について、都は調査費を初めて計上したやに伺っておりますが、都への要望、協議はどうされるのか、お伺いをいたします。

 最後に、事業の推進に当たり区民に対しどのような方法で対応されるのか、お伺いをするとともに、今後、地元の皆さんを初め区民に対し情報の素早い開示と丁寧な対応を強く要望して、この項の質問を終わります。

 その他の項で1点だけ簡略にお伺いをいたしておきます。

 中野区内を南北に走る環状7号線ですが、歩道橋の改修について検討をしていただけないかという質問です。

 環7は、区内には、1.9キロの間に歩道橋が5本かかっております。この地域の子どもたちは歩道橋を渡って登校をいたします。保護者も同様です。そこで困っているのが、自転車などで渡れないということです。保護者の方々にとっては、学区は環7により寸断され、ときには公害に悩まされ、今は騒音に激しく襲われ続けております。若い方は何とか担ぐようにして歩道橋を渡っている姿をお見かけしますが、危険です。エスカレーターをつけてほしいとまでは言いませんが、他区ではエレベーターを設置したりしているところもあるようです。都と協議して知恵を出していただきたいと思いますが、お答えをいただきたいと思います。

 以上で私の質問をすべて終わります。ありがとうございました。

〔区長神山好市登壇〕

○区長(神山好市) 大泉議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、平和施策についての御質問でございます。

 毎年、開催しております平和の集い、あるいは平和展、こういったものがありますが、これらの行事を通じて平和の大切さを区民に伝え、核兵器の廃絶を世界に訴えているというところでございます。また、他の自治体、あるいは国の内外の人々の交流、この場を通じて平和への取り組みを行っているところでございます。こうしたことから私は、平和への施策というものを、小さい力ではありますけれども、これからも続けて、世界平和のための大きな力になっていくはずだというふうに考えておりますので、続けていきたいというふうに思っております。

 なお、憲法擁護・非核都市の宣言からことしは20周年ということで、いい機会であるから宣言の見直しをしたらどうかということでございますが、宣言が区民の請願に基づいて、議会論議を踏まえてつくり上げられてきたということでもございますし、また中野区における平和行政の基本に関する条例の中にも取り込んでいるところです。核兵器が人類の脅威になっているという今、これらの経緯からして、直ちに見直すという形の点は非常に難しい状況だというふうに思っております。区民論議を大いにするということは、別に否定するものではございませんけれども、区民論議を経て状況が変われば、宣言を見直すという時期もあろうかと思いますけれども、現時点では、私はまだ平和についての考え方を堅持していった方がいいんではないかというふうに思っているところでございます。

 次に、特別区制度の改革について具体的に何をしたいというのかということですが、地方分権の課題は、地方の自治のために税財源の移譲という問題がまだ残されていると思っています。特別区が当面する課題として、大都市事務の役割分担、これを踏まえて都区間の財源配分、これをどうするか、また清掃事業の地域処理、この問題もございます。こういった問題を取り上げていかなければならないというふうに思っております。また、さらに中・長期的には、普通地方公共団体として地方交付税の適用についても考えていかなければならないというふうに思っております。地方交付税の適用については、これまでも何度か国に対して要望をしてきておりますけれども、現時点では、東京都の傘下にあるということから、不交付団体ということで財源が来ないということがございます。結果的に区の財政負担が多くなっている、財政負担を強いられているという状況もございます。このあたりのところの問題、特別区として大きな課題だというふうに思っております。

 なお、区の統廃合についての御質問がございましたけれども、制度改革後のあり方といいますか、これは区長会の中で現在、研究会を設けているところでございますけれども、財源移譲、配置分合などの問題、これを研究していくと言いますか、討議をしているということになっております。市町村の場合に、非常に規模が小さい市町村を統廃合するということが盛んになっておりますけれども、区の場合でも、論議はされていますけれども、まだ具体的に動いているというものではございません。重要なテーマであるというふうに考えております。

 次に、所信表明、施政方針の中で、ブローデルの言葉を引用して言っている、行政の継続性という言葉は、新しい人が前任者の政策を変えない、引き継いだときによく耳にするということでございましたけれども、区長選を意識して私は使ったつもりではございません。過去の経過というものを大事にしていきたい、過去の経過の上に現在がある、その経過を大切にしなければならないということと行政は常に対象として区民があり、そこは常に連綿としてつながっているものだ、継続をしている、そういったことを大事にして考えていかなければいけないというふうに思っていたところですが、引用の仕方、この点で、今言われましたイギリスの歴史学者・トインビーの「窮極において歴史を作るものは、水底のゆるやかな動きである」ということで、こういう言葉、大きな流れで行政というものも動いている、区政が動いている、この問題とすれば、より誤解も招かないで理解していただけたかというふうに思いますが、引用が若干下手だったのかというふうに思っております。

 他の御質問につきましては、それぞれ所管の部長からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

〔行政改革担当部長石神正義登壇〕

○行政改革担当部長(石神正義) 私からは、施政方針説明の御質問のうち4点についてお答えさせていただきます。

 まず13年度決算見通しについてのお伺いでございます。

 13年度決算の見通しにつきましては、現在、調査中でございます。調査中ではございますが、歳入予算をほぼ全額確保できる見通しが立ったということから、前年度に比べてかなりの実質収支増を見込んでいるところでございます。

 次に、退職金が今後どうなるのかという財源措置の御質問でございます。

 今後の退職手当につきましては、19年度以降の数年間、30億円を超えるというふうに予測してございます。退職手当は一般財源で対応するということになりますので、計画的に財政調整交付金を積み立てていく考えでございます。

 次に、職員給与の減額についての御質問でございます。

 職員給与の削減につきましては、平成13年度の臨時的財源対策といたしまして、1年間の時限的な特例条例により実施したものでございます。平成14年度の当初予算では、行財政5か年計画も着実に進行しているということから、職員給与の減額は計画どおり13年度限りとすることにしたものでございます。

 次に、民間活力の導入についての御質問でございました。

 民間活力の活用につきましては、行財政5か年計画の中に書いてございます方針に基づきまして、計画で示した事業以外のものにつきましても、各部におきまして日常行われております事務事業の見直しに合わせまして、民間活力について検討し、可能なものについては実施していくということにしてございます。

〔教育委員会事務局次長須崎英夫登壇〕

○教育委員会事務局次長(須崎英夫) 学校週5日制につきまして、教育委員会の対応についてのお尋ねがございました。

 学校週5日制についての教育委員会の対応といたしましては、この2年間、各学校でさまざまな試行を行ってきております。例えば、複数教師によりますチームティーチングや少人数指導の実施校拡大、習熟度別授業などでございます。各学校と連携をとりながら、さらにこれを発展させることによりまして、新学習指導要領の目的を達成させたいというふうに考えてございます。

 また、土日の過ごし方についてでございますけれども、学校の校庭や体育館を子どもたちやスポーツ少年団体に開放していきたいというふうに思ってございます。その上で子どもたちを対象とした学習、文化、スポーツ事業などソフト面の受け皿づくりにつきまして、文・スポ公社、あるいは関係団体、地域との連携を図りながら取り組んでいきたいというふうに考えておりまして、現在、具体的な内容につきまして地域センター部と連携を図りながら検討を進めているところでございます。

〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) 施政方針の中から3点についてお答えを申し上げます。

 まず保育園について、待機児ゼロを目標にして計画をつくる気持ちはあるのかという御質問でございました。

 行財政5か年計画期間以後の保育行政のあり方につきましては、民営化の実施状況も踏まえまして計画化していく必要があるというふうに考えてございまして、待機児対応につきましても、その中で明らかにしていきたいというふうに思っております。

 次に、区民との協働の部分でございます。相談窓口をつくってはどうか、ガイドラインを明確にというお話でございました。

 民間ボランティア等、地域で公共的な活動をしている団体の運営上の悩みなどの相談窓口といたしましては、地域センター部の調整課、それから地域センターで対応をいたしてございます。相談内容によりましては、関係機関等への紹介も行っているというところでございます。

 次に、区では現在、区民との協働のあり方を検討しておりまして、その検討案では、区としてのサポートの考え方や具体的な協働のガイドラインなども明示していきたいというふうに考えてございます。

 3点目でございます。男女共同参画の条例を実効性あるものにするために具体的な項目をということでございました。

 提案を予定しております条例でございますが、区における男女平等社会の形成に関する基本的な事項、書き込みました基本条例ということの位置付けでございまして、御質問にございました付属機関を含む審議会等の男女比の数値目標等につきましては、こういう具体的な項目が、かなり数があるんですが、男女共同参画基本計画行動プラン、既にこれはお出ししておりますが、そこに掲げてございます。今後もこの行動プランを着実に実現する努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

〔都市整備部長宮村光雄登壇〕

○都市整備部長(宮村光雄) 警察大学校等跡地の施策と事業についての御質問にお答えいたします。

 まず跡地利用連絡調整会の1回目が開かれていないことに関する御質問です。

 財務省のヒアリングの内容は、導入予定施設の内容と用地面積の根拠、用地取得時期と前倒しの可能性などでございます。区といたしましては、防災公園や道路などの必要性や現時点での想定される用地取得時期などについて説明するとともに、用地取得の前倒しに向け具体的な整備手法を検討するための協力や道路用地の無償貸付について要望をしております。2回目の連絡調整会につきましては、財務省は整備手法等について直接、関係するメンバーでさらに検討した上で開催したいとの意向でございます。区といたしましても、個別に連絡調整を行いつつ、整備手法等の検討を財務省や都市公団等と共同して行っていくため、現在、検討、調整する場を3月中に設定できるよう調整を行っているところでございます。

 用地取得時期につきましては、財務省は跡地の売却収入を警察学校等の移転に要した借入金の返済に充てるため平成15年度以降の早期処分を考えており、防災公園や福祉施設等の用地取得を23年度以降などとしております地元要望案の整備プログラムの前倒しを強く求めております。区といたしましては、地元要望に沿った用地処分が行われるよう早期処分に向け努力をしながら財務省の理解を求めていきたいと考えております。土地利用転換計画案の着実な実現のためには、用地取得時期に関する財務省との調整が大きな課題でございますが、まずは計画案の基盤となる地区幹線道路等を含めた市街地の整備手法の確定が重要と考えております。

 次に、地区幹線道路の都市計画決定と警察病院との関連の御質問でございます。

 警視庁からは、警察病院の用地と同時に都市計画の案として確定いたしました地区幹線道路1号、2号を平成15年2月ごろの国有財産関東地方審議会へ付議することを要請されております。その場合、都市計画の決定は、その後の法手続等を経まして15年度の初めごろと想定されますが、このことにより地元要望の土地利用転換計画案の骨格が早期に確定することとなります。このため区といたしましては、地区幹線道路1号、2号につきまして、新年度早期に測量や調査に着手し、都市計画の素案を作成して区民や議会等の御意見をお聞きして、都市計画の案の年内確定を目指していきたいと考えております。

 次に、都市基盤整備公団の活用についてでございます。

 区といたしましては、現在、資金力や執行体制、ノウハウを有する都市基盤整備公団による防災公園街区整備事業の活用を中心に検討しております。防災公園街区整備事業は、都市公団が区にかわって防災公園用地の先行取得と整備を行うとともに、あわせて周辺市街地も整備するというものでございます。この手法のメリットは、土地利用転換計画案では平成23年度以降としております防災公園の用地取得と整備を前倒しし、道路や建築敷地など周辺市街地の整備を一体的に行い得る点でございます。

 なお、区の財政負担等につきましては、今後、財務省や都市公団等と具体的に検討する中で明らかにしたいと考えております。数字を挙げての御説明ということでございますが、現段階では、そういう状況にはまだ至っておりません。

 防災公園用地の取得にかかわる減額につきましては、現時点では国有財産法の規定により地方公共団体が主たる対象であり、都市公団は対象となっておりませんが、区にかわって先行取得する場合には対象とするように財務省に要望をしているところでございます。

 次に、都市公団は、特殊法人改革で廃止された場合、都市再生を誘導する機能に特化した土地区画整理事業等の施行主体となり得る独立行政法人化すると聞いております。このため区が検討している事業手法を採用した場合でも、基本的には跡地の土地利用転換の推進に支障は生じないというふうに考えております。

 公団活用を含めて導入施設の前倒しにはスケジュール変更と明確な行程表が必要であるが、いつ出すかとの御質問でございます。

 区といたしましては、警察病院の用地処分にかかわる国有財産関東地方審議会の15年2月ごろの開催に向けて、地元要望に沿った土地利用転換を推進し、区の財政負担をできるだけ軽減するため整備手法について財務省や都市公団等と検討、調整を早期に行っていく予定です。並行して、区の財政負担についても、庁内調整を図り整備手法を確定するとともに、清掃一部事務組合による清掃関連施設用地の取得の見通しも踏まえた上で明確な行程表を作成してまいりたいと考えております。

 なお、道路用地の無償貸付等の特段の配慮についての要望は、都市公団の活用の有無に関係なく行っているものでございます。

 次に、早稲田通りの拡幅につきましては、警察大学校等跡地の土地利用転換に重要なものであり、警察病院の開院にあわせて早期に整備するよう要望してきております。今後とも都と早期整備に向けて協議、協力していくとともに、事業化に当たりましては、各段階での地域への十分な説明と関係権利者への丁寧な対応を要望してまいります。

 それから警大跡地関連の導入施設の整備に当たりましては、都市計画決定や環境影響評価など今後、法令に基づく各種手続が整備に先立って行われることになるわけですが、区といたしましては、計画案の段階から地域への情報提供に努めるとともに、事業者に対しましても区民の理解を得るよう十分な配慮を求めてまいります。

〔環境部長西條十喜和登壇〕

○環境部長(西條十喜和) 私からは、東京23区清掃一部事務組合に対しまして区長名で提出いたしました清掃関連施設用地取得の要請文は、一組の中でどのように取り扱われ、また一組と財務省の協議はどうなっているかという質問でございます。

 これにつきましては、清掃工場用地の早期取得の要請につきましては、昨年10月の東京23区清掃一部事務組合の評議会にその趣旨、経過等は説明されたところでございます。この席上、同組合管理者より、重要な課題であることから事務局に検討を下命されまして、事務局では、この下命を受け鋭意検討を進めていると聞いてございます。また、一部事務組合と財務省との協議の状況でございますが、一部事務組合がことしの秋に向けまして検討中であることに財務省も理解を示していると聞いているところでございます。

〔土木担当部長石井正行登壇〕

○土木担当部長(石井正行) 私から、その他の項の環7にかかります横断歩道橋の問題についての御質問にお答えをいたします。

 東京都に対しまして要望を伝えるとともに歩道橋の改善方について働きかけを行ってまいります。

〔大泉正勝議員登壇〕

○28番(大泉正勝) すみません、そんなにやるつもりはなかったんですが、今回、質問に当たりまして事前の取材を一切いただかない状態になりましたので、よくその割にはお答えになったなという関心を今いたしておるんですが、ですから一般的なお答えしかいただけないから全部やり直してもいいんですが、時間がかかってしまいますから、何点かだけどうしても聞いておかないといけない問題、また一つ、聞き逃したかわかりませんが、まず警察大学校跡地の問題ですが、もうすぐ調査して、いろんなことを進めながら都市計画決定のための準備を進めていくんだと思うんですが、警視庁の方からは、付議するまでにやってくださいよと、何か強く言ってきているというのは御案内のとおりです。申し上げましたとおりですが、来年の2月に付議したいというのを財務省が言っているとか言っていないとかという話なんですが、言っているとして、2月に付議をするまでには間に合わないだろうなと何となくそう思うんですが、しかし間に合わないとどうなるのかというのが一つ。聞くと、審議会の答申がないと決定はできないんだと、こういう話らしいんで、そういうふうにシステムとしてはそうなっているらしいんです。もう警察は、だからそういうのを承知でおっしゃってきたのかどうか、わかりませんが、どっちにしても、区としてはいつまでに計画決定したい、こういうふうに思っていらっしゃるのか、それを具体的に教えていただければと思います、何月までにしたいとか、希望も含めて言っていただければと思います。

 それから学校5日制ですが、伺ったのは、ちょっと言葉を選んだものですから、ぼやっとした質問で恐縮でしたが、聞きたかったのは、いろいろなお母さんたちが、紹介しましたけれども、学力が落っこちてしまうのではないかとかと結構、心配を真剣にされていらっしゃいます。それで私立に行っていらっしゃるお子さんもいっぱいいますから、それといろいろと話したりなんかして、それで余計に不安になるんだと思うんです。それで、区の教育委員会としては、5日制に対して、例えばほかの区でやったり、ほかの市でやったりという報道がしょっちゅうされていますが、最近、毎日のようにされていますが、例えば補習、あんまり好きではありませんが、個人的な嗜好は別として、補習をするとかしないとか、またそれのもとになる考え方、学校週5日制は文部省が言っているとおりゆとりなんだ、こういうふうに、いつも教育委員会はそれはそれでもってやらざるを得ないというか、そうなんでしょうけれども、しかしそれでも、なお、そういうのはちゃんときちんとしないといけないなというふうになっているのかどうか、そういう考えは中野区はありませんので、そういうのは一切ありません、自分でやってください、こういうふうな考えなのか、それが知りたいんですけれども、言っていることはおわかりでしょうか。よろしくお願いをいたします。

 それから男女平等条例案大綱、今のところは、それなんですが、部長、御答弁いただきました。行政の継続性ではありませんけれども、いつもそういう答弁でずっと申し送りみたいに続いているんですが、わざわざ僕は例えばと言ったんです。理念の条例をつくるのは結構なんですが、たばこの何とか条例というのがありますけれども、大体お守りになっていないんですね。僕の知っている人でさえ守らない人がいますから、そういう条例をつくってしまったりなんかすると、法というのは実効性があって、背景に力があって、そうしないとだめなわけですよね。そうでないと安定性を全く欠いてしまいますので、信用がない条例になってしまいますから、そうすると区民は全くもうばかにして何もしようとしなくなりますので、それにならないように、ただ理念だけを定めて何だというんではなくて、中野区としては、この理念を達成するために、これをするんですというので、ひとつこれぐらい取り上げてみたらどうですかということを申し上げたんです。

 何となく嫌だということの御答弁ですので、あえて申し上げますが、基本構想をつくってもう21年ですよ。21年たっているのにいまだに7対3、男性が7、女性が3、こういう今の社会でいえば極めて偏頗なそういうことをそのまま続けている、そういう中野区が僕はちょっと信じられないんですね、数字を見て。別に女性の味方でも、男性の味方でも、どっちでもない、僕は区民の味方なんですが、ちょっと信じられない数字なんです。これはもう区長さんに申し上げるしかないのかわかりませんが、人事権は区長が持っていらっしゃるわけですから。2年に一遍ぐらい審議会の委員なんかは変わっているわけです。だから、幾らでもできる、10回チャンスがあったんですね、これをかえられる。それをおやりにならなかったというのは、やはり基本構想に出せる考え方というものがちょっといまいちだったのかなと思うんです。同時に、そういう発想でもって新しい条例をつくろうとするのはいかがかということを僕は申し上げたいということなんですが、これは御答弁をいただきたいと思います。やればできるんですから、やればできるということをやらないで人に責務を課すというのはいかがかということも申し上げておきます。

 それから保育園の待機児の問題です。これはもう極めて地域によっては深刻です。計画化する必要があるという御答弁でした。いつも、これはこういう答弁なんです。これは一体いつまでにおつくりになるのか、これは具体的に伺いたいと思います。そして待機児ゼロとか、そういう目標をきちんと掲げて、明るい中野区政に、未来に向かって進んでいただきたいなと、こんなふうに思いますので、これもよろしくお願いをいたします。

 それから最後に民間活力の導入ですが、質問と答弁がちょっとずれているのかなと思いますが、可能なものから実施する、そういうことを聞いているんではなくて、だから、どこまでやるんですかということを伺いたいんです。もう、そうでないと、区民の方は不安になってしまったり、先ほどあったような質問が毎回、毎回、出るわけですから、そういう心配をされないように、これとこれとこれはもう民間活力導入とか、そういう対象にしますとか、もしくは協議しますとかというのをもう区民にわかるように、そうすれば事前に長い長い議論ができるわけですので、そうすれば、区民の方は納得しやすくなるし、または反対なら反対でもって、さらにまた違ったことを考えられるでしょうからということを含めてきちんとしていただけませんかということを申し上げたんですが、御答弁をいただきたいと思います。

 長くなりました。失礼しました。

〔教育委員会事務局次長須崎英夫登壇〕

○教育委員会事務局次長(須崎英夫) 再質問にお答えを申し上げます。

 いろいろとマスコミ等で学力不足という問題等言われてございます。私どもも十分に承知をいたしてございます。新学習指導要領の実施については、3年前からこれを実施するということが決まってございます。その段階から教育委員会としては、いわゆる強化の部分については基礎、基本の徹底を図る。その上でみずから学び、みずから考える、そして生きる力を総合的な学力というふうにとらえまして、これを子どもたちに身につけさせていくということをこれからの完全実施に向けて取り組んでいこうというふうに考えてございます。そういった中で、いわゆる知識を中心とする学力の低下の部分ということは、基礎、基本を徹底するということにしてございますけれども、習熟度別だとか、TTだとか、あるいは少人数授業、こういったもので徹底を図っていこう。それから、いわゆる生きる力という部分については、総合的な学習の時間、これを最大限に活用した中で、いろいろな工夫をして取り組むことで身につけさせていこう、こういうことで考えてございます。

 他の自治体、23区でもいろいろと取り組んでいらっしゃいますけれども、いわゆる土曜日に補習をやるというふうなところが出てございます。中野区の教育委員会としては、これはもう新学習指導要領の目的とするところとは違うという考え方を持ってございます。ただ、基本的にこの部分はこれから取り組む部分ですから、成果というもの、あるいは結果というもの、これを検証しながら進めていこう。そこで問題があれば、これを直していくという形でこれから取り組んで行こう、こういった考え方に立ってございます。

〔行財政改革担当部長石神正義登壇〕

○行財政改革担当部長(石神正義) 再質問にお答えいたします。

 民間活力の導入につきましては、区と区民の役割、また新しく民間でできること、または現在、民間で十分サービスが提供できるもの、こういった部分につきまして、サービスを低下させないで行政運営をしていこうということから提案をしているものでございます。そういう中で、今、議員の言われましたように、さまざまな形で今、検討してございます。これについては、委託も含めて民間の活力を使うということでやってございます。実施をするに当たりましては、十分に区民の方に、どんな内容でどういうふうにやるかは、説明をしていかなくてはいけないというふうに思っていますけれども、現在、それぞれいろんな形で検討してございますので、検討の過程の中で十分に区民の方に理解をしてもらえるような進め方をしてまいりたいというふうに思ってございます。

〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) 再質問にお答えを申し上げます。

 まず男女共同参画の部分でございますが、基本条例でございますが、その中では、苦情の申し出の制度、それを客観的に判断する委員会の制度を設けてございまして、そういう意味では踏み込んだ形の条例になってございます。中野区は、この条例制定前からこの問題に取り組んでおりまして、男女共同参画の基本計画、それから行動計画をつくって進めているわけです。この条例がそれを進める後押しになるという意味で、これをトータルとして進めていきたいというふうに考えているところでございます。

 それから御指摘がございました審議会等の男女比でございますが、今のところ規則、要綱による審議会等ですと43.6%は女性が入っております。条例設置の審議会が28.4%と低いわけです。ただ、審議会のメンバーは全く自由に首長が選べるかどうかというのは、問題があって、つまり条例の書き方の中では団体の推薦というのがあるんですね。そうすると、団体そのものにほとんど男性が入っている、そういう団体からは当然、男性が推薦されてきますし、そういう状況も踏まえた中で、男女平等の部分は全区民を巻き込んだ形の中で進めていかなければいけないということでございますので、この条例を支えとして一生懸命取り組むということでございます。

 それから保育の計画のお話でございました。

 御答弁の中で申し上げましたように、民営化の実施状況も踏まえて計画化していきたいというふうに考えてございまして、最初の民営化が15年度でございますから、その実施状況も踏まえて、その後の待機児対応も含めたことをしていきたいというふうに思ってございますので、その時期というふうに御理解いただければと思っています。

〔都市整備部長宮村光雄登壇〕

○都市整備部長(宮村光雄) 警察大学校跡地の地区幹線道路の都市計画決定の時期についての再質問にお答えいたします。

 今回、都市計画決定を予定いたしておりますのは、平成15年2月の国有財産関東地方審議会に警察病院が付議されるときに道路の計画も同時に付議する、そういうふうに間に合うようにやるというのが目標になっております。新年度になって調査等を行いまして、秋までに素案をまとめまして、区民、それから議会の皆さんの御意見を伺いながら、都市計画の手続に入れる案を14年中、ですから14年12月にまとめて、15年2月の国有財産関東地方審議会に臨むというふうにスケジュールを考えております。都市計画決定の手続との関係で申し上げますと、要するに国有財産の処分にかかわる手続の部分と都市計画法に基づく手続と二つが並行して行われるわけでございますが、まず都市計画の手続に関して申し上げますと、国有財産である国有地に新たに例えば道路の都市計画を定めようとする場合には、都市計画決定をする前に財産を管理しています国有財産関東地方審議会に付議をして、了解を取った上で都市計画の例えば区の都計審にかけて、そういう法手続を踏んでいきますので、国有財産の地方審議会よりも決定告示の時期は後になります。ですから、さっき申し上げましたように、この場合には計画決定は15年度に入って早い時期になるであろうというふうに考えております。今回の場合は、警視庁の警察病院との関係で、道路の計画をあわせて決めませんと、要するに国有財産の処理としての中で、警察病院の敷地の境だとか、位置だとかというのが決まってきません、道路を決めないと決まってきませんので、あわせてやるようにというのが財務省の方の意向でございます。

○副議長(飯島きんいち) 以上で大泉正勝議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 はっとり 幸 子

 1 区長の政治姿勢について

 2 子育て支援について

 3 食の安全について

 4 有害化学物質への対応について

 5 住民訴訟制度について

 6 その他

 

○副議長(飯島きんいち) 次に、はっとり幸子議員。

〔はっとり幸子議員登壇〕

○19番(はっとり幸子) 2002年第1回定例会におきまして市民自治を進める立場から質問をいたします。

 初めに、区長の政治姿勢についてお聞きします。

 今定例会における施政方針説明は、着実に進む行財政5か年計画の目標達成へと大きく前進している手ごたえ、財政健全化への道筋が見えてきた、部分的ではあるが、改革の成果があらわれた、行政システムの改革分野では、区民本位のサービスを実施、行政の透明性の強化と説明責任の確立を進めた等、根拠も明確でないまま、どこの行政の話かと思ってしまうようなフレーズが踊っていて、違和感を覚えるというのが率直なところです。

 区長は日ごろから自主、参加、連帯によって区民とともに中野をつくるために一生懸命やっていると事あるごとに話され、今定例会におきましても、そうした意味の答弁をされています。しかし、限られた区民との懇談はされても、公開の政策議論をする意見交換会には、地元に直接かかわる問題のときに出席されるくらいで、行財政5か年計画の地域説明会にも、みずから出向いて説明責任を果たされたことがあるでしょうか。そして、これまでどれだけ多くの区民が手ごたえない形式だけのアリバイ区民参加に失望し、区政への参加をあきらめていらっしゃるでしょうか。施政方針説明にかかわる今議会の答弁を聞いておりましても、区政の現状や施策の成果について、また区政運営そのものに対する区長の認識と区民が日ごろ実感していることとの隔たりを改めて感じざるを得ません。

 施政方針説明から3点だけ質問いたします。

 来年度、区は行政システムを改革し、行政の効率化と区民サービスを向上するために、行政の電子化、電子区役所の推進をするということです。

 私は今月初め、特別区区民委員長会の視察で、いわゆる先進電子自治体といわれている大阪府羽曳野市を訪ねました。羽曳野市は全国の自治体に先駆けて7万枚のシティカードを発行し、各種証明書の自動交付や施設利用予約を市内の公共施設に設置した端末から提供する仕組みを構築しています。10年先の市役所行政の姿を見据え、国、大阪府、民間事業者などとも連携し、住民を重視したサービスの実現に向けて着実な取り組みを見せております。その取り組みをリードしている市長秘書室の戸谷情報・行革担当理事からお話を伺いました。

 戸谷理事は、自治体業務が順調にIT化へと移行した際、住民は従来、役所に足を運ばなければならなかった各種証明書の発行、受け取り作業を自宅にいながらにして行え、行政情報も簡単に手に入れられるようになり、行政側も初期投資、維持費はかかるものの、長い目で見ればコスト削減につながっていきます。しかし、一方で初期投資、維持費に莫大な予算を割きながら、実際には住民がほとんど利用しないというケースが出てくるのではないかとの懸念を示し、IT化の光と影の部分について話をされました。

 また、今は住民サービスの一環として市民からはメリットがあると好評を得ているようですが、それだけでは行政業務全体の構造改善にかかわるほどのインパクトはないので、本当の電子自治体業務への転換はこれからのようです。

 羽曳野市は、電子自治体についてワンストップでさまざまな行政業務を統合する窓口を設け、コンピュータで処理できる業務は処理し、コストの大幅な削減を実現するとともに、住民によりよいサービスを提供するものであるとしています。

 戸谷理事は、これは10年先を視野に入れた市役所業務の姿だが、今の段階では、実現可能かどうかはわからない。羽曳野市が考えている電子市役所の仕組みは、結果的に人員削減が必要であり、役所の組織改革も伴うものだから、行政の仕組みを転換する時期はIT化がさけばれている今が最適だと話しています。

 羽曳野市の場合、役所内のIT化に携わる業務を統括するのは、秘書室情報課で、システム開発に10人が携わり、ほとんどすべてを役所内で行っています。外部委託やアウトソーシングを活用しないで費用を安く抑えているということです。このほか業務のIT化に伴う行政改革の企画立案もこのセクションの仕事です。しかし、まだ役所内のIT化に対する共通認識が行き渡っておらず、行政改革に至るまでのコンセンサスが十分に得られていないため、必ず財政問題がネックになり政策決定まで行えないという問題も抱えているようです。

 戸谷理事は、全国3,300の自治体のうち業務のIT化の困難さを本当に理解しているのは500程度で、それ以外の自治体は、ほかの自治体の取り組みを見ながら後追いで対処していく姿勢だ。IT化を推進する目的は何かをはっきりさせ、みずから困難にぶつかり解決策を見出す努力が必要だと話しています。

 今後、中野区が電子区役所を推進するに当たって、その目的を明確にお答えください。

 また、いつまでに、どのような姿の中野区役所をお考えなのか、あわせてお伺いします。

 今から21年前、1980年に策定された中野区基本構想には、「中野のまちは、ともにつくる」として協働の理念がうたわれています。基本構想策定以降、当然のことながら区の計画や条例などに「協働」の言葉が書かれています。今回、施政方針説明に述べられているのは、区の将来像をつくるためには区民との協働が大きなポイントで、新しい時代に合った協働のあり方を探る時期に来ているとしています。

 全国各地の自治体のホームページを開けば、既に多くの自治体が新たな時代に対応できるよう協働に向けた取り組みを進めています。東京都も昨年、指針を定めたところです。

 私は、議員になって初めての一般質問から、ずっと市民活動への支援、区と区民の協働、パートナーシップを進めることについての提案をしてきました。区のお答えは、情報の提供、場の提供など、今後、検討すると7年間、変わりませんでした。今、ようやく新しい時代に合った協働のあり方を探るという認識に立たれたことは、歓迎すべきことではありますが、庁内検討は既に何年も前からされているにもかかわらず、なぜ形になっていかないのか不思議でなりません。こうした問題について研究している職員は庁内に何人もいます。なぜ、そうした職員を生かさないのでしょうか。まさに佐藤議員がきのう指摘をしていましたように、区長の人事政策の欠落の結果です。区長はこれまで基本構想に書かれている協働をどのようにとらえ、協働の理念を施策にどのように生かしてきたのか。そして基本構想の協働の理念の課題は何か。新しい時代の協働を進めるために、その課題解決に向け、どのような手法で取り組もうとしているのか、お考えをお示しください。

 この項の最後で、6月の区長選挙について伺います。

 今議会では、当然とはいえ、同僚議員の皆さんの区長選挙への関心の高さがあらわれる質問が出ております。本日の退職職員に関する質問の御答弁に関しては、質問に関する余り好感の持てない引用をした質問に対して、区長の御答弁はまともなものであったと私は思います。

 町の中でも、区民の関心も高く、今回は時代を反映してインターネットを使った意見交換、情報交換が幾つものウェブサイト等で行われており、投票率アップにつながる動きになっていくよう期待しているところです。

 昨日の市川議員の質問と重複いたしますが、区長選挙についてお話しされる時期について伺います。先ほどの大泉議員の見解とは異なりますが、区長選挙の質問だけに限らず、昨日のお答えを伺っていますと、2002年度の早い時期に取り組むという御答弁が多く、出馬の意思はおありのようです。昨日のお話しされる時期についてのお答えからは、また区長選挙への立候補予定者が明らかになって勝敗が予想されたときではないかと受けとめられます。改めて区長のお考えを伺います。

 次に、子育て支援についての項で、子ども家庭支援センターにおけるファミリーソーシャルワークの視点による取り組みを進めることについて区のお考えを伺います。

 東京都児童福祉審議会は昨年11月、子どもの虐待の多発や養育困難家庭の増加など子どもと家庭をめぐる問題が多様化、複雑化し、子育て家庭支援の必要性が高くなっている中、こうしたニーズにこたえていくには、問題の発生予防や親子関係の調整に向けた支援のあり方など、子ども家庭支援の新たな展開が必要であるとして、東京都に対し、「地域における子ども家庭支援のネットワークづくり」について意見具申をしています。

 99年に同審議会が意見具申した「ひとり親家庭の支援のあり方」の中の「問題を抱える子どもや家族への支援を視野に入れたファミリーソーシャルワークによる支援システムの構築が必要である」との提言を具体化する子育て支援システムの確立を目指した内容となっています。この意見具申の特徴は、東京都と区市町村との協働による子育て支援システムの確立を目指して、新宿区と三鷹市の子ども家庭支援センターを対象にモデル事業を実施し、それを踏まえた検討を行ったことです。委員がみずから地域における相談活動や関係機関のネットワークの課題について、ファミリーソーシャルワークの実践という視点から検証し、これからの地域における子ども家庭支援センターについての提言をしています。

 ファミリーソーシャルワークの概念について、東京都児童福祉審議会は99年に行った意見具申の中で、「個人や家族の力、親族、近隣の人々、友人などの協力のみでは解決困難な生活課題を抱える家族を対象に、家族一人ひとりの福祉と人権の擁護に向け、個々の機関や職員、ボランティアなどが関係機関との連携のもとに専門的援助技術や社会支援を活用しつつ、家族を構成する個々人の自己実現と生活設計を見通し、家族構成員、とりわけ子どもが健全に育つ場としての家庭がその機能を十分に発揮できるよう援助していくこと」と述べています。

 東京都は今月6日、地域での自立を支える新しい福祉を目指して「TOKYO 福祉改革 STEP2」を発表しました。その中で、子育てを地域でバックアップする相談や支援の仕組みを充実するとともに、虐待など深刻なケースへの迅速な対応体制を強化するために、児童相談所の機能を充実し、子ども家庭支援センターを核にした地域における子育て相談・支援のネットワークの構築を掲げています。

 中野区は2000年度から子ども家庭支援センターを開設し、子どもとその家庭に関する総合相談と2歳未満児対象のショートステイを行っています。区の資料によれば、今年度12月現在で相談者は、父母、祖父母、近隣住民、関係機関職員と子どもなど延べ人数1,848人、そのうち子ども自身からの相談は延べ40人ということです。相談の対象者は、ゼロ歳から就学前までの子どもについてが948人と約半数を占め、小学生が510人、中学生179人、そのほか高校生や親自身などとなっています。相談内容の主なものは、虐待が850件で全体の42.5%、家庭・生活環境が566件で28.3%、教育、しつけについては341件、17%です。また、子どもの虐待の状況については、中野区においても年々ふえ続けており、特にネグレクトと呼ばれる養育放棄や怠慢によるケースがふえています。

 そこで伺いますが、中野区における、こうした子どもの虐待の状況をどのようにとらえ、どのような取り組みをしているのでしょうか。また、取り組みにおける課題をどのように認識されているでしょうか、お答えください。

 2点目に、区内でふえ続ける虐待の防止に向け、区においても、今後、子ども家庭支援センターのファミリーソーシャルワークの視点による事業展開が求められますが、取り組みに当たっての区の課題を含め、お考えを伺います。

 3点目です。子どもと家庭に関する問題は、地域社会全体のネットワークによる支援が重要です。中野区におきましては、各機関同士の連携や各専門家同士の連携は少しずつ進んでいるとのことですが、それに加え区民との協働で見守りネットワークをつくることなどをいかがお考えでしょうか。また、虐待を予防する観点から育児不安の親の話し相手になる人材育成を行い、地域で区民同士のサポートネットワークをつくることなどが期待されます。区のお考えをお聞かせください。

 次に、食の安全についてお聞きします。

 BSEの国内発生の混乱が続く中、また新たに国の緊急措置を悪用した食品企業のラベル偽造の問題は、多くの区民の食べ物に対する不安を一層大きくしました。BSEにかかわる問題については、昨年の第4回定例会でも伺いましたので、今回はこの間の食品の安全にかかわる新たな区民の不安を区はどのように把握し、対応にどう取り組んでいるのか。また、今後、深刻さを増している食の安全にかかわる課題について、区としてどのように考えているのかについてだけ質問をいたします。お答えください。

 また、要望として1点、述べさせていただきます。

 全国でも大変貴重な食品の安全確保に向けた区の施策である中野区食品安全委員会は、第3期の報告が昨年10月にまとめられたところです。提言されている課題について取り組みを進める期間が必要なことは理解していますが、現在の公募委員の人数をふやして、第4回食品安全委員会の早期のスタートを要望して、この項を終わります。

 次に、有害化学物質についての項で、今回は化学物質による健康への影響にかかわる区の対応策についてお考えを伺います。

 最近、シックハウス症候群、化学物質過敏症といった言葉が新聞やテレビで報道されて、住宅における室内空気汚染の問題に関心が寄せられています。厚生労働省は、シックハウス症候群の定義を住宅の高気密化や化学物質を放散する建材、内装材の使用などにより、新築、改築後の住宅やビルにおいて、化学物質による室内空気汚染等で居住者のさまざまな体調不良が生じている状態が数多く報告されており、症状が多様で症状発生の仕組みを初め未解明な部分が多く、またさまざまな複合要因が考えられることからシックハウス症候群と呼ばれるとしています。症状は多種多様で、頭痛、全身倦怠感、のどの痛み、視力障害、集中力の低下、不眠などが多いということです。また、化学物質過敏症は、北里研究所病院臨床環境医学センターの宮田幹夫さんの資料によれば、かなり大量の化学物質に接触した後、または微量な化学物質に長期に接触した後に発症してくる疾患で、最初は1種類の化学物質に反応していただけなのが、途中から非常に多種類の化学物質に体が反応するように変化するため多種類化学物質過敏症とも呼ばれるということです。そして北里研究所病院の患者から見る推定発症原因は室内空気汚染と考えられるとしています。

 こうした最近の室内空気汚染によるシックハウス症候群、化学物質過敏症について区民からの相談が保健所に寄せられていると聞いていますが、どのような相談で、どのような対応をしているのでしょうか。他区では相談者のもとへ測定器を持って出向き、室内空気中の化学物質の測定サービスを行っていると聞いています。測定器の購入などを含め、区は今後についてどのようにお考えでしょうか、お答えください。

 昨年7月、厚生労働省は室内空気汚染にかかるガイドラインとして、新たな3物質を加えた室内化学物質の室内濃度指針値及び標準的測定方法等についてを発表しました。しかし、区民に身近な室内環境や食品などに含まれる化学物質への対応のおくれは深刻であり、次世代に取り返しのつかない結果をもたらすおそれを禁じえません。毎日の生活の中で私たちは数多くの化学物質にさらされ、特に抵抗力や耐性に弱く細胞の発達段階にある子どもたちの健康への影響ははかり知れず、早急な対策が必要です。昨年6月の都議会における化学物質の対応についての質疑に対して、石原都知事は、「国の対策を待つのではなく都として独自基準を設ける」と答弁し、東京都は来年、2002年度に「子どもたちが健やかに成長し、未来に希望を持てる社会をつくること」を政策課題とし、その中で「化学物質の子どもガイドラインの策定」を重要施策の事業として、国に先駆け、将来世代へのリスク対策を積極的に講じるということです。

 子どもたちの健康については、住まいに次いで長時間、生活をする学校の環境改善対策が急がれます。校舎の改修の際など、材料に含まれる化学物質に留意し、シックスクールなどの健康被害が起こらない環境にすることはもちろん、完成後の施設使用や教材等の選定に関して必要な施策を講じるよう、学校関係者、事業者への指導を行うことが必要だと思います。教育委員会として、これまでどのように対応し、また今後についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いします。

 また、現代の東京で新たな健康不安を抱えながら暮らす区民にとって、事業者や行政が示した情報が生活する上でどのような意味を持つものなのか、どのように対応すればいいのかということを理解し、行動する、いわゆる化学物質リテラシーを身につけることが求められています。これまで保健所で行ってきた専門的な経験の蓄積を生かし、区民の化学物質リテラシーを支援することについて区はどのようにお考えでしょうか、お聞きします。

 次に、住民訴訟制度についての項で、地方自治法改正における住民訴訟制度改定にかかわる問題について区長の見解を伺います。

 住民訴訟は、住民が地方自治体の首長や職員の違法な公金支出などの責任を問うことができる仕組みとして、官官接待や入札談合、不正経理など税金の違法な使い方をチェックするなど大きな効果を上げてきました。しかし、昨年、国会に提出された地方自治法改正案に、住民訴訟制度の改定が盛り込まれました。衆議院の審議では民主党から修正案が出されましたが、否決となり、政府案が既に可決され、現在、参議院で審議中です。

 今回の地方自治法等の改正は、2000年10月に出されました地方分権時代の住民自治制度のあり方及び地方税財源の充実確保に関する答申に基づいており、住民訴訟制度のほか、有権者が40万人を超える自治体における議員や長の解散請求や議会解散請求など、直接請求の要件緩和、市町村合併の際の住民投票制度の創設などが主な内容です。この改定は住民自治の充実を図ることがねらいであるとしていますが、住民訴訟制度の改定については、もともと住民側にとってハードルの高いものである訴訟をさらに難しいものにしてしまうと指摘されています。住民訴訟制度は、納税者の権利に基づく監視制度として法に規定されている行政訴訟の一つです。都道府県、市町村の首長、職員が違法な、また不当な公金支出や財産処分などをした場合、住民が是正を求める住民監査請求を行い、監査委員の対応に不服がある場合に住民訴訟を提起できるとしています。住民訴訟には4種類あり、1号から3号訴訟までは機関が被告となりますが、今回、問題となっているのは、個人としての首長、または職員を被告とできる4号訴訟と呼ばれる制度で、自治体に代位して行う、その職員個人に対する損害賠償の請求や不当利得の返還請求などです。例えば、自治体の首長や幹部がみずから談合を取り仕切り、公共事業を高い値段で発注するなど自治体に不当な損害を与えた場合、住民がその首長個人や幹部個人に対し損害賠償を求めることなどです。近年、市民の納税者意識の高まりとともに、94年度、全国の住民訴訟件数89件は98年には261件へと増加しており、勝訴の割合は高いとは言えませんが、訴訟をきっかけに行政のあり方を改善させた事例は数多くなってきています。現行法では、住民が直接、不正をした首長や職員個人を被告として訴えます。これに対して今回の改定は、被告を執行機関とし、自治体側が敗訴した場合のみ首長や職員の責任を問う2段階方式をとっています。そして住民が勝訴した場合、今度は敗訴した自治体側から個人としての首長らに賠償を求めることとしています。

 見直し論としては、近年、住民訴訟が活発に利用されるようになって訴訟件数がふえ、今後、情報公開などが進んでいけば、さらに件数の増大は加速されることが予想されるが、その反面、住民請求が認められるのは、わずか7%弱であることなどから、乱用傾向を是正すべきとの意見もありました。首長など自治体関係者が、国家公務員にはこのような直接請求の規定がないことや裁判に伴う首長や職員の金銭的、または精神的な負担が大きく、政策判断が慎重になり過ぎるおそれがあることなどを理由に被告を執行機関とすべきとの強い要求が出ていたということです。特別区長会も一昨年、国に要望書を提出しています。地方制度調査会からは、職員が過度に慎重になり、事なかれ主義や責任回避、職員の士気の低下による公務の能率の低下が生じ、もともと職員の個人責任を追求する形をとりながら、財務会計行為の前提となっている自治体の政策判断や意思決定が争われている実情があり、個人ではなく機関としての長などを被告とすることが望ましいなどの理由で制度改正が提案されたということです。

 今回の法案の問題点は次のように指摘されています。

 まず2段階方式では、結果が出るまでの訴訟の長期化は避けられません。第1段階で住民側が勝訴したとしても、第2段階での責任追求は自治体側に委ねられることになり、住民は直接、参加できません。また、4号訴訟は自治体に損害を発生させた個人や企業に対し、住民が自治体にかわってその賠償等を求めることもできますが、その意味では自治体も被害者であり、被害者同士で裁判を争うことになります。自治体が応訴すれば税金を使って住民と争うことになり、矛盾します。そして住民が談合企業を相手に4号訴訟を提訴しようとしても、第1段階では自治体と争わざるを得ませんし、これでは自治体が談合企業をかばうことになりかねません。また、その費用は第1段階において訴訟費用の個人負担がなくなり、全額、税金によって賄われることになります。

 環境問題、公共事業における問題などをめぐって行政活動の一層の透明化が求められる中、住民訴訟は首長、職員の違法行為を追求し、行政を適正化、透明化して、その民主性を高める有力な手段であり、地方自治の根幹を成す原理原則です。今後、地方分権が進展し、自治体の首長等が大きな権限、財源を有することが予想されますから、その意味では4号訴訟は住民自治の手段として、これまで以上に重要な役割を果たすことが期待できます。

 衆議院で否決された修正案には、現行法の問題点をできるだけ改善するために、現在の個人を対象とする4号訴訟の形態を維持しながら、具体的に例示を挙げて、政策判断は4号訴訟の対象ではないことを明示することや、非管理職は4号訴訟の対象外として、非管理職が違法行為を行った場合には首長が損害賠償を求めることとすること。また、従来、被告勝訴の場合のみ認められていた首長、または職員の費用の自治体負担を、原告取り下げ、裁判上の和解、原告の請求放棄の場合にも拡大することなどが盛り込まれています。

 そこで、区長にお尋ねいたします。

 一昨年8月に特別区長会は住民訴訟制度への改定に関して国へ要望書を出しています。区長は、こうした重要な問題に対し、区長会でどのような発言をされ、議論をされたのでしょうか。

 区長は、施政方針説明で区民参加を区政の主要な柱として進めてきた。また、自治体は区民がつくり上げるものであり、自治体の政策は区民自身の判断によって選ばれるものだと住民参加、住民自治の重要性を述べておられますが、区長として今回の住民訴訟制度の改定の内容について、どのような見解をお持ちでしょうか、お答えください。

 以上で私の質問をすべて終わります。ありがとうございました。

〔区長神山好市登壇〕

○区長(神山好市) はっとり議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、区民との協働について区長はどう考えているのかということでございます。

 基本構想の理念には、中野のまちは、ともにつくるということを掲げております。中野のまちは、区民と区政、そして区民お互いが助け合う、それぞれの役割に応じて力を出し合って協働していく、ともにつくるということをうたっているところでございます。私は自主と参加と連帯という基本構想の理念、これを大切にして区政を進めているつもりですし、また基本構想の協働という理念、これは自主的活動など幅広い考え方だというふうに思っておりますし、参加から協働へという時代の流れといいますか、状況も変わってきている。民間や区民の担う役割が広がっているということを踏まえて、協働をさらに広げていくということが大事だというふうに思っております。先ほども御質問にお答えいたしましたけれども、実際にどういう形か、単なる参加ということではなくて、各種の事業等について実行委員会等を組み、一緒になってやっていくということがその一つの姿であろうかというふうにも思っております。

 次に、6月の区長選挙に向けて、区長がいつ言うのか、時期をいつにしているのかということですが、これについては、私はまだ決まっているわけではありませんので、いつということも決めておりません。この問題については、今現在、私は予算成立など、14年度が順調にスタートするような状況、これに全力を尽くしていくということだけでございます。

 それから最後の御質問にお答えをいたします。住民訴訟制度について区長会でどう言ったのか、またどう考えているのかということですけれども、住民訴訟制度は憲法で保障された住民自治と住民の参政権の一つということで極めて重要な制度だというふうに思っております。この制度のうち、特に長や職員個人を被告とする訴訟については、職員の個人責任を追求する形をとりながら、財務会計行為の前提となっている地方公共団体の政策判断や意思決定が争われているという本来の目的と異なるなどの実情があって、区長会としても、平成12年8月、自治大臣、地方制度調査会の会長あてに、住民訴訟制度の改善に関する要望書を提出しているところです。区長会においては全員了承しているものでございます。

 今回の法改正は、従来の訴訟で追求することのできた長や職員個人の責任を新たな制度のもとでも引き続き追求することができること、自治体が有する証拠や資料の活用が容易になり、審理の充実につながること、このような審理を通じて自治体として違法な行為を抑制していくための適切な対応策が講じやすくなること、こういったことから住民自治としての住民訴訟制度を後退させるものではないというふうに考えております。

 他の質問につきましては、それぞれ所管部長からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) 私の方からは、子育て支援につきまして3点ほどお答えをさせていただきます。

 一つ目ですが、中野区の虐待の状況をどうとらえ、その課題をどう認識しているかという御質問でございます。

 区がかかわってございます虐待の状況ですが、多数の機関が関係している複雑のケースですとか、虐待の解消までに時間を要するといったケースがふえてございます。虐待の背景には、経済的な困難ですとか、親族、近隣、友人からの孤立といった要因がもととなっているというのが多いというふうに考えております。こうした状況におきまして虐待の取り組みについての課題でございますが、子どもにかかわるすべての機関が虐待を発見する目を養うこと、現場の職員や関係者が実効性ある連携が組めるようネットワークを深めることが重要であるというふうに認識してございます。

 次が子ども家庭支援センターでのファミリーソーシャルワークを踏まえた対応展開ということでございます。

 当区の子ども家庭支援センターにおきましても、ファミリーソーシャルワークの考え方を取り入れまして、関係機関の調整や支援を行っているところでございます。困難ケースへのかかわりや相談ケースがふえる中で、十分なケースワーク業務ができるよう関係機関との一層の連携強化や計画的な研修等を実施いたしまして、対応力の向上を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

 3番目でございますが、地域社会全体のネットワークによる支援が重要であり、サポートネットワーク等の支援もというお話でございました。

 地域における見守りネットワークは区としても重要と考えておりまして、区民が相互に助け合いながら子育てができる土壌づくりを目指しまして、自主的なグループによる子どもの預かり活動、子育てに悩む母親たちが気軽に憩える場を提供するなどの活動が始まってきております。このような区民の主体的な取り組みがさらに広がるよう情報提供などを行いまして、今後も地域における、ここではサポートネットワークも含めまして、さまざまなネットワークづくりへの支援を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 電子区役所の御質問にお答え申し上げます。

 電子区役所の推進につきましては、事務の簡素化、効率化などによります行政改革の推進、またIT活用によります住民サービスの向上、地域の情報通信基盤の整備などをねらいとしているものでございます。将来的な電子区役所の姿につきましては、現在、策定を考えております(仮称)中野区情報戦略の中で明確にしたいと思っておりますが、当面の対応といたしまして、平成15年度までには地域イントラネットの構築、文書・財務などの事務処理システム、電子申請、住民基本台帳ネットワークシステム、総合行政ネットワークシステム、そういったことの電子区役所の基本的な部分の構築に取り組むよう考えているところでございます。

〔保健福祉部長浦野純子登壇〕

○保健福祉部長(浦野純子) 食の安全と有害化学物質への対応につきお答えいたします。

 食の安全の狂牛病対応につきましては、狂牛病の発生以来、国、都、区の役割に応じて、区の役割としましては、何よりも正確でタイムリーな情報を提供し、区民の食について安心を確保していくことと考えております。そのため区は、区民の不安の声を正確に把握することが重要と考え、消費者団体との会合の機会や、さらに事業者団体とも会合の機会を持ち、意見交換を行ってまいりました。また、今回の雪印事件の表示にかかわります区民の不安の声に対応するため、都、23区が連携し、食肉の表示に関する緊急調査、監視を実施いたしますが、それらの結果も含め、今後とも区民への適切な情報提供に努めるとともに事業者への指導、監視を行ってまいります。

 次に、有害化学物質への区の対応についてのお尋ねでございます。

 最近の室内空気汚染によるシックハウス症候群、化学物質過敏症につきましては、保健所では室内環境に関する相談マニュアルを作成し、さまざまな相談に応じています。相談内容としましては、既に何らかの症状のある場合が多く、次いで予防対策についての相談、室内空気中の化学物質濃度の測定を希望する方が多くなっています。相談者に対しましては、シックハウス症候群に関する正しい情報提供、室内の空気の励行などのアドバイスを行い、必要な場合には対応可能な医療機関の紹介をしています。また、個別相談のほか区報や中野区ホームページを通じて広く普及、啓発を行うとともに、消費者団体の会合などを通して情報提供を行っております。さらに、14年度には、新規事業といたしまして、希望する家庭で室内空気中化学物質の簡易測定を5月から実施する予定でございます。これによりまして調査結果をもとにした、より具体的なアドバイスをすることが可能となるものと考えております。

 次に、区民の化学物質リテラシーを支援することにつきまして区の考えは、というご質問ですが、区民が化学物質リテラシーを身につけるためには、何よりも区民自身が正しい知識、情報を持つことが重要だと考えます。そのため区としても専門職員の資質向上を図るとともに積極的に最新情報の収集を行い、中野区ホームページ、区報、また消費者団体の会合や保健福祉相談所で実施していますアレルギー教室など、区民の学習機会の場を通して情報提供を行うことにより、正しい知識、啓発に努めるとともに相談体制の充実を図っていきたいと考えています。

〔教育委員会事務局次長須崎英夫登壇〕

○教育委員会事務局次長(須崎英夫) 校舎の改築の際などにおけるシックスクール対策として、教育委員会はどのような取り組みをしてきたか、こういうお尋ねでございます。

 シックスクールの問題につきましては、平成9年に工事仕様書を改訂し、対策を講じてまいっております。具体的には、改修工事での使用材料につきまして、塗料は可能な限り水性系を採用し、合板類や壁紙などは、日本農林規格、日本工業規格で基準が定められているものにつきましては、より厳しい基準に適合するものを使用するように努めてまいりました。また、施工中、施工後の室内換気につきましても十分に配慮をいたしてございます。今後とも環境にやさしい建材を使用するよう努めてまいりたいというふうに思ってございます。

〔はっとり幸子議員登壇〕

○19番(はっとり幸子) 再質問させていただきます。

 住民訴訟制度について、区長の御答弁では区長会で全員了承ということでお答えがありましたけれども、聞くところによれば、ほとんどここでは議論がなかったというふうな状況だったようですけれども、これだけ重要な問題ですから、やはり区長会で、内容についてもきちんと学習をされて、議論をしていただき、住民に対して責任を持っていただきたいということ、これは要望にさせていただきます。

 それから子ども家庭支援センターについてですけれども、提案させていただいたファミリーソーシャルワークを視野に入れた支援システムの構築ということで、その点がちょっと、私が聞き漏らしたんだろうと思いますけれども、もう少し明快にお答えをいただきたいということと、それから地域でのネットワークづくりということなんですけれども、ちょっとよくわからない、さまざまなネットワークづくりへつなげるということをお答えになりましたけれども、先ほど大泉議員からも御紹介がありました桃園地域センター管内の取り組み、それから鍋横地域センターでも、やはり子育て支援ということで活動が大変活発に、ニーズも高く行われているということがあります。そういう地域の中での区民の自主的な活動というのが、もうやむにやまれぬというような、今、区内の実態の中でそういうふうに出てきているんですけれども、そこだけの活動に完結させるということではなくて、もう少し、そういう活動が広く広がっていくような形でのことも必要だろうと思いますし、そういう意味でさまざまなネットワークづくりへとつなげるというお話だったのかと思いますけれども、地域の中での育児不安、そういう親に対する、予防の観点からの地域住民の取り組みということで、ぜひこれはお考えをいただきたいというふうに思います。

 ファミリーソーシャルワークの視点による事業展開についてとその点、お答えをもう一度お願いいたします。

〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) 再質問にお答えを申し上げます。

 ファミリーソーシャルワーク、つまり虐待の対象の個人だけではなくて、家族全体をそれぞれに対して、それぞれの関係機関が連携をして全体としていい方向にという考え方でございまして、先ほど御答弁申し上げましたように、私たちの方の子ども家庭支援センターにおきましても、関係機関それぞれが当たるべき、そういう関係機関との調整・支援・連絡を十分にやっているところでございまして、そういうのがファミリーソーシャルワークを支えていく基礎の部分になってくる。当然、この考え方を踏まえながら、私たちもそういうところを十分に見極めながら進めているということを申し上げたつもりでございました。

 それから地域のネットワークのお話でございますけれども、まずは地域の自主的な活動というのは、それこそそれぞれの地域の方々が自分たちの自主的なそういう思いがあって活動する、これはすばらしいところでございまして、それに対して過度に行政が介入をするというようなことは考えてはございません。そういう中で、桃園ですとか、いろんな部分でのこういう活動が、むしろ力強く立ち上がってきているんだというふうに理解をしていますが、ただ、それをそのまま放置するというわけではなくて、先ほど、こういうNPOも含めた相談対応については、区としては調整課を中心にやっているというお話も申し上げましたし、必要があれば、他のそういう機関も御相談に乗るように御紹介いたしますし、またいろいろな情報を流しながら、そういうトータルの中で、あくまでも自主性を尊重しながら、こういうことができていくということが望ましいというふうに考えているところでございます。

○副議長(飯島きんいち) 以上ではっとり幸子議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(飯島きんいち) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、2月25日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時55分延会