平成13年02月21日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成13年02月21日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録

1.平成13年(2001年)2月21日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(44名)

  1番  吉  原     宏        2番  伊  藤  正  信

  3番  きたごう  秀  文        4番  高  倉  良  生

  5番  やながわ  妙  子        6番  鈴  木  光  子

  7番  佐  伯  利  昭        8番  平  島  好  人

  9番  むとう   有  子       10番  長  沢  和  彦

 11番  牛  崎  のり子        12番  山  崎  芳  夫

 13番  高  橋  ちあき        14番  市  川  みのる

 15番  岡  本  いさお        16番  こしみず  敏  明

 17番  飯  島  きんいち       18番  小  串  まさのり

 19番  はっとり  幸  子       20番  佐  藤  ひろこ

 21番  来  住  和  行       22番  樋  口  きこう

 23番  斉  藤  金  造       24番  若  林  ふくぞう

 25番  古  木  謙市郎        26番  小  池  ひろし

 27番  斉  藤  高  輝       28番  大  泉  正  勝

 29番  柿  沼  秀  光       30番  木  村  勝  昭

 31番  細  野  たいじ        32番  岩  永  しほ子

 33番  昆     まさ子        34番  し  の  国  昭

 35番  岩  田  みつる        36番  伊  藤  岩  男

 37番  西  村  孝  雄       38番  江  口  済三郎

 39番  藤  本  やすたみ       40番  川  上     進

 41番  近  藤  正  二       42番  江  田     徹

 43番  池  田  一  雄       44番  小  沢  哲  雄

1.欠席議員

      な  し

1.出席説明員

 中 野 区 長  神 山 好 市      助     役  池 田   學

 収  入  役  藤 原 恵 一      教  育  長  子 安 圭 三

 行財政改革室長  助役事務取扱       行財政改革担当部長 石 神 正 義

 企 画 部 長  山 岸 隆 一      企 画 課 長  金 野   晃

 総 務 部 長  渡 辺 征 夫      総 務 課 長  西 條 十喜和

 区 民 部 長  内 田 司 郎      地域センター部長 柳 澤 一 平

 環 境 部 長  正 木 洋 介      保健衛生部長   浦 野 純 子

 福 祉 部 長  沼 口 昌 弘      介護保険担当部長 本 橋 一 夫

 都市計画部長   宮 村 光 雄      建 設 部 長  長 尾 孝 恒

 教育委員会事務局次長 須 崎 英 夫

本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  伊 藤 太 祐      事務局次長    小谷松 弘 市

 議事調査担当係長 栗 原   望      議事調査担当係長 古 屋 淑 行

 区議会事務局主査 藤 塚 喜 正      区議会事務局主査 堤   玲 子

 区議会事務局主査 辻 本 将 紀      区議会事務局主査 巣 山 和 孝

 書     記  渡 辺 伸 郎      書     記  鳥 井 文 哉

 書     記  松 原 弘 宜      書     記  三 浦 正 貴

 書     記  西 田   健      書     記  佐 藤 雅 俊

 書     記  飯 田 浩 一

 

 議事日程(平成13年(2001年)2月21日午後1時開議)

日程第1 第5号議案 平成13年度中野区一般会計予算

 

      午後1時06分開議

○議長(小池ひろし) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、古木謙市郎議員、やながわ妙子議員、来住和行議員、木村勝昭議員、藤本やすたみ議員、佐伯利昭議員、高倉良生議員、昆まさ子議員、むとう有子議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 古 木 謙 市 郎

 1 財政について

 2 福祉について

 3 教育行政について

 4 情報通信技術IT講習について

 5 防災について

 6 その他

 

○議長(小池ひろし) 最初に、古木謙市郎議員。

     〔古木謙市郎議員登壇〕

○25番(古木謙市郎) 平成13年第l回定例会に当たりまして、私は、自民党の立場で質問させていただきます。

 まず最初に、質問に入る前に一言お礼を申し述べさせていただきます。今議会は21世紀幕開けの最初の議会でありまして、最初に質問させていただきまして光栄の至りであります。ありがとうございます。

 それでは、質問は通告順に従って、財政問題について質問をさせていただきます。

 平成13年度の一般会計予算総額は935億7,000万円で、前年度に比べ、1.1%の減となり、清掃事業分を除けば、9年連続マイナス予算という大変厳しいものとなっています。さらには13年度予算を12年度と比べますと、特別区財調交付金が18億円、運用金が19億円減少するなど、一般財源の総額が38億円も減少しています。これまでにない大幅の落ち込みで驚いています。こういう状況で予算を組むのは区側の区長はじめ理事者・職員に至るまで大変な努力や御苦労があったことと思います。敬意と感謝を申し上げる次第であります。

 ここで13年度予算は、行財政5か年計画での153もの事業の見直しを反映するなど、いろいろな意味で区民にも大きな負担を求めた内容となっているように見えます。こうした予算を組まざるを得なかったということは、中野区の行財政運営が行き詰まっていたにもかかわらず、打つ手が遅れてしまった、また十分でなかったことが大きな原因と思います。区長はもちろん、区議会にもその責任の一端があると思いますし、区民に対して責任を果たすため、一日も早く中野区の財政を健全な、しっかりとしたものにしていかねばならないと思います。そのためには、区は行財政運営の基本に立ち返り、先日策定した行財政5か年計画の内容を確実に実行していくことにより、身の丈に合った堅実な行財政運営を進めていくことを強く求めまして、質問に入ります。

 初めに、土地開発公社の経営健全化についてお伺いいたします。13年度予算では、国の健全化対策の指定を受け、特別に起債を認めてもらうことによって、土地開発公社所有地を27億円引き取ることとしたようです。その後、平成17年度までの5年間で土地開発公社の所有地のうち、151億円の土地を引き取るとのことです。これまでどうしても手がつけられなかった土地開発公社の塩漬け用地問題の解決に向かって大きく前進したことは大変喜ばしいことであります。聞けば、中野区は当初、国の健全化対策の基準には達していなかったものの、いろいろ努力して、何とか対象となったようです。

 ところで、公社所有地の買い取りの財源として17年度までの5年間で116億円の起債を行うようですが、この返済が将来の区財政にとって重荷となるようなことはないでしょうか。また、このことによって公債費比率が大幅に上昇するおそれはないのでしょうか。今後の償還額と公債費比率の見込みについてお答えください。

 次に、基金についてお尋ねいたします。13年度予算では昨年度まで計上していた運用金をゼロにしています。運用金は特定目的以外には使えない基金を、一時的に借りて何年か後に返すというもので、財政運営の手法としてはあまり好ましくないと言われていると聞きます。区は11年度には運用金を4億5,000万円執行し、12年度は補正予算後は26億円程度を予定しているとのことです。基金はほとんど底をついた状態では運用金の活用はもう限界です。行財政5か年計画で平成13年度から17年度については運用金は予定していないようですが、さらに一歩進んで、今後は運用金という手法は一切使わないという方針を明らかにすべきではないでしょうか。本気で中野区の財政健全化を図るつもりなら、ぜひ考えてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

 また、中野区の基金は、財政調整基金、減債基金のほかに、災害対策基金、刑務所跡地防災公園建設基金、社会福祉施設整備基金、義務教育施設整備基金、施設整備基金、平和基金といった特定目的基金があります。財調基金と減債基金の残高はほとんどゼロに近い数字ですし、他の基金もそれぞれ数億円しかなく、心もとない状況を感じます。

 基金はいろいろな経過でつくられ、ふえてきたようですが、そもそも、基金の数が多過ぎるような気がいたします。現在のような財政状況では、財政調整基金や減債基金以外はできる限り整理してみてはどうかと思いますが、区はどうお考えになりますか、お伺いをいたします。

 次に、民間委託の推進についてお伺いたします。区では学校給食の民間委託や学校警備の機械化など民間委託を進めてきました。また、行財政5か年計画では試験所検査の委託や、区立保育園、区立特別養護老人ホームなどの民営化を挙げています。しかし、区の仕事の中で民間委託や移管できるものはまだまだあるように思います。民間では総務管理部門でさえ丸ごと外部委託する企業が出ている時代ですから、むしろ、区の仕事のうち、どうしても民間委託や民間に移管できないものを挙げた方が早いのではないでしょうか。もう少し前向きに検討してもらいたいと思います。例えば、清掃事業については、民間委託によって相当の財政効果があると思われます。また、土木詰所についても、民間委託することにより大きな財政効果があると思いますが、いかがでしょうか。

 次に、人件費について何点かお伺いいたします。行財政5か年計画の財政フレームでは、5年間で500人の職員が削減されるにもかかわらず、人件費の総額については13年度から17年度までほとんど変わりません。説明では昇給影響分を年2%と見込んだためとのことですが、500人といえば職員数の15%に当たることを考えると、人件費はもっと減少してもよいのではないでしょうか。どうも理解ができない。もう少しわかりやすく説明できないものでしょうか、お伺いをいたします。

 ここで、区の職員の年齢構成を見ると団塊の世代といわれている職員が多く、何年か後には定年退職者数が大幅にふえると聞いています。今後の退職者数と退職金の額について、区はどのように予測していますか。また、この財源はすべて一般財源と聞いています。区でも、こうした需要に対して財調基金に積み立てるとか、対策をとっておく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 また、中野区の職員数は、12年4月現在3,355人で、5年間で500人削減するということですから、17年度の職員数は2,850人程度になるということだと思われます。そこでお聞きしたいのですが、例えば中野区の職員1人当たりの区民数について、23区平均と比べてはどうなっているのでしょうか。あるいは財調の基準と比べてどうなのでしょうか。区は中野区の適正な職員数は何人ぐらいと考えているのでしょうか、お伺いをいたします。

 最後に、財政問題とは少し外れますが、23区のこれからの方向というようなことについて1点質問をしたいと思います。先日、田無市と保谷市が合併して、西東京市が誕生しました。5月には大宮市、浦和市、与野市が合併して、人口100万人のさいたま市が政令指定都市として誕生するようです。最近、合併する自治体がふえていますが、これは地方分権により、権限や仕事が市町村におりてくると、あまり小さな自治体では対応できないということで、国が進めているということでもあるようです。全国には3,300余りの市町村がありますが、先日閣議で決定された行政改革大綱では、これを2005年までに3分の1の1,000程度にすることを目標としているとのことであります。

 23区について考えると、人口や財政力に大きな差があり過ぎて、同じような行政水準を保つための特別区制度であるとしても、今の23区が適切なのかという気がします。また、東京都と23区の役割分担もこのままでいいのかとも感じます。例えばの話で誠に申しわけありませんが、23区を合併により少し大きな幾つかの自治体にして、都の持っている権限をもっと移してみるというようなことを考えてみたことがあるか、またこのことについて今まで区や都で検討したことがありますかわかりませんが、区の見解があれば伺いたいと思います。また、区長会などの雑談の中で話が出たことはありませんでしたか、お聞かせください。

 次に、財政指標についてお伺いいたします。財政の健全性をあらわす指標は、財政収支状況を示すものとして、実質収支比率があり、財政構造の弾力性を示すものとしては経常収支比率、公債費負担比率などがあります。しかし、これらの指標は、財政実態の一面を反映するものですが、これらの指標の一つだけを取り出して財政の健全性を評価するのは適当ではないと思います。

 財政の健全性のために大切なことは、住民福祉を推進する行政水準の維持・充実のための財源に最大の努力を傾け、同時に経費の削減を不断に進めていくことだと思います。財政指標は、こうした努力の過程で自己点検するための手段として活用していくべきだと思います。その意味で、財政指標を行財政の構造改革の目標を安易に財政指標に置くことは非常に危険だと考えます。例えば、人件費比率が挙げられます。人件費比率は、歳出総額に占める人件費の割合ですが、建設事業などの投資的経費が増大すれば、人件費の額が同じであっても、人件費比率は低下します。ですから、人件費比率を何%にしますといっても、あまり財政の健全性の目標にはなりません。こうしたことから、区民に示す目標は少し工夫が必要だと思います。主な財政指標の見通しでも人件費比率を示しています。これでは、区の職員が適正に配置されるのかどうかわかりません。難しいことかと思いますが、区の適正な職員数を示し、そこに向けての削減計画を示すべきだと考えます。

 そこでお伺いします。せっかく実効性のあるよい計画をつくっても、区民が理解できるものでなくては、区民の協力は得られません。今後、この計画を区民に説明し、理解と協力を得ていく努力をしていかれることと思いますが、この際、財政指標による説明には十分に配慮をし、区民のわかる説明を工夫すべきだと考えます。区の考えをお聞かせください。行財政5か年計画により、あまりよい表現ではありませんが、17年度までの5か年我慢すれば、区長の言う「あすの中野」の実現の目途が立つことが示されました。この計画を計画倒れにしないよう、さらなる区長のリーダーシップの発揮に期待をいたします。

 次に、福祉の問題についてお尋ねいたします。

 介護保険問題と福祉サービス全般について質問をさせていただきます。

 ここ数年、福祉といえば介護保険の問題がたびたび話題となり、本会議においてもさまざまな角度から議論されました。大きな混乱もなく、まもなく1年となります。しかし、介護保険制度が目指す高齢者の自立支援、すなわち、ひとえに身の回りの世話をするにとどまらず、要介護状態になっても、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう必要なサービスを提供するという理念からは大分距離があると思います。

 在宅サービスセンターなど通所施設が思うように利用できない、家事援助や身体介護サービスについてもヘルパーさんとの関係が気まずいなど、大きな混乱はなかったとしても、一人ひとりの高齢者にとっては、制度の細かさや複雑さから悩ましい問題であるのは間違いありません。言ってみれば、静かな戸惑いとも言えるように見えます。

 こうしたことの原因は、制度利用が措置から契約へと転換されたため、サービス利用者側にとって精神的負担が大きくなったことにあると思います。今までも生命保険や火災保険など個人として契約を交わした経験はありますが、小さい字で書かれた契約書を一つひとつ読むでしょうか。説明を聞き、印鑑を押すのが一般的なやり方です。介護保険でも細かい約款があります。そして、その契約内容によっては、介護の度合いや自己負担金も違ってくることになります。この措置から契約への方式は、昨年6月に社会福祉の増進のため、社会福祉事業法等の一部を改正する法律施行により明確に定められ、介護保険以外の福祉分野にも適用されることになるわけです。

 したがって、今後は福祉サービス利用者またはその家族は、適切にサービスを利用できる知識を持つ必要があり、こうしたことを手助けする仕組みも必要だと考えます。

 以上触れた点を踏まえ、質問をします。

 一つ目は、まず介護保険の今日までの利用状況(介護度認定者数、介護度別サービス利用割合、サービス未利用者数など)についてお答えください。また、この利用状況は、今までの措置方式と比較してどんな変化があるのかもあわせてお答えをください。

 二つ目は、介護保険についてさまざまな相談や苦情が寄せられていると思いますが、その実態をお答えください。また、その実態についてどのように対応されるのか、また、対応されようとしているのか、お伺いします。

 三つ目は、先ほども触れましたが、法改正により今後の福祉サービスは、利用者の選択による契約方式へ移行されることになりますが、障害者福祉や児童福祉など介護保険以外の分野についてのスケジュールをお答えください。その際、介護保険の経験を踏まえ、どんな点に留意すべきと考えますか、お尋ねをいたします。

 四つ目は、契約は当事者の合意により成立するわけですが、高齢者にとってはなかなかしんどいことであります。開くところによりますと、痴呆ではないが、みずから判断することが難しい高齢者の場合、契約への立ち会いなどの援助制度があると聞きます。消費者問題については、消費者センターが間に立ち解決の援助をしていますが、こういった気軽に高齢者が利用できる仕組みをつくってはいかがでしょうか、御見解をお伺います。

 五つ目は、この項の最後の質問といたします。措置から契約へと福祉サービス提供の方式が大転換したことは、ひとえに福祉に限らず、恐らく今後家族や地域社会のあり方に影響をもたらすものと思います。民間事業者の参入により、行政では行き届かなかった個々のニーズに対応できるサービスの拡充を図るのはもちろんでありますが、福祉の理念は高齢者や障害者、乳幼児などの児童が自立してその人生を営む上で足らざる面が補われ、その上に立ってそれぞれが自己を実現していくことにあります。福祉サービスを必要とする人と、これを支え励ます人を意識し、区政のあらゆる分野の施策形成にこの視点を組み込んでいくことが極めて大切だと考える次第であります。21世紀を展望した区長の福祉社会についてのお考えをお尋ねしたいと思います。

 この項の質問を終わります。

 次に、教育行政についてお伺いいたします。

 中野区が取り組んでいる今回の行財政改革では、実に多くの見直しが行われることになっています。

 教育行政も例外ではなく、多岐にわたって取り組むことになっています。中でも、学校配属職員の大幅な見直しが計画されたことは、これまでの長年の懸案に一定の決着をつけようとするものと受けとめたいと思います。もちろん、他区に比べ取り組みが遅過ぎたため、結果として区の財政に負担をかけてきたことも事実であり、その点に関しては苦言を呈しておきます。

 今回の見直しが、学校運営の効率化に役立ち、さらには教育行政全体の効率化に結びつくよう、関係者の一層の努力を願うものであります。さらに、今回は、区民に負担増をお願いする施策の見直しも行われます。財政状況を考えれば、施策の後退とばかりも言えないと思います。

 そこで教育活動についてお尋ねをいたします。どのような改革が行われようとも、子どもたちに対する各学校の教育活動の内容や水準だけは維持向上を図らなければならない。その後退や低下はあってはならないと考えます。なぜならば、金がないならないなりに教育活動は行えるもので、これを担う教員たちの心意気や資質が低下しては、教育は成り立たないと考えるからです。このことについて、教育委員会はどのような認識を持っているのか。教育行政に取り組む決意を含めて、教育長のお答えをいただきたいと思います。

 次に、幾つかの課題についてお尋ねをします。

 まず、区立学校の適正配置を進めることについてお伺いいたします。教育委員会では、審議会答申を受けた後に、今後の進展を図るのに必要な課題整理を行うなどの目的で、事務局の中に検討組織を設けて検討を進めていると聞き及んでおります。

 そこでお伺いします。この検討会の検討の進みぐあいはどうなのでしょうか。今後の見通しも含めてお答えください。

 ところで、東京都教育委員会では、一昨年の10月に、都立高校改革推進計画の第二次実施計画というものを策定いたしました。この計画を見ますと、都立高校の適正配置に並んで、特色ある学校づくりや開かれた学校づくりが課題として取り上げられています。言ってみれば、新しい学校づくりの必要性を示し、その一環として学校の適正配置も必要だという構図になっています。これなら、関係者はもとより、広く都民も適正配置を含めて学校改革の必要性を理解しやすいと思います。

 翻って、中野区では、行財政改革5か年計画で平成14年度に学校再編成計画を取りまとめるとなっています。ここから受ける印象は、適正配置にのみ重きがあるというものです。余りにも直裁すぎて、将来への夢や希望が持ちにくいのではないでしょうか。ソフト、ハード両面からの新しい学校づくりの必要性と関連させ、再編成計画ではなく、膨らみのある区立学校の改革計画にするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 この問題との関連で、区立幼稚園の配置などの見直しについてお尋ねいたします。こちらも事務局内に検討組織を設けるようなことを開いております。そこでまず、検討の進みぐあいと今後の見通しをお聞かせください。それには、区の関係者だけで検討を進めることのないようできるだけ私立幼稚園の関係者も加えて、より広い視野から早期に検討をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 さらに、今議会に、使用料の見直しの一環として保育料の改定が提案されることになっています。常々、私立幼稚園に比べ大変割安であるとの印象を持っておりましたが、私立幼稚園保護者補助が引き下げられることになれば、その格差はさらに広がることになります。今回の見直しでその是正はできるのでしょうか。また、区立幼稚園の保育料の決め方そのものに問題や改善の必要はないのでしょうか。教育委員会の見解をお伺いします。

 続いて、学校配属職員についてお伺いいたします。学校配属職員のあり方が見直され、新たに仮の名称で学校業務員と呼ばれる職員が学校に配属されることになりました。

 これまで、給食調理、学校警備、学童擁護といった職種について、民間委託など業務の見直しと、これに伴う職員配置の見直しを進めるよう主張してきた立場からすると、新たに学校に仕事をつくり、職員を配置することには、慎重さが必要であると考えます。

 そこでお伺いします。(仮称)学校業務員は、学校でどのような仕事をすることになるのか、また、どうしてこのような職員を学校に配属する必要があるのか、お答えいただきたいと思います。

 私は、現在、学校で用務職員が行っている職務の中にも、民間委託などを進めることで業務執行の効率化や経費の節減が図れるものがあると考えます。教員だけで学校の運営が円滑に行えるとは思いませんが、区の職員が直接担う業務は精選すべきであります。

 そこでお伺いします。学校業務員という職について、将来的にはどうしようと考えているのか、今後、学校業務員の中にも定年退職を迎える職員が出てくると思いますが、そのような場合、どのような対応をしようと考えているのか、お聞かせください。

 この項で、最後に総合的な学習の時間についてお伺いをいたします。平成14年度から学習指導要領が大きく改められ、これまでのように知識を受けることを中心とした学習から、子どもたちに21世紀の国際社会を生き抜く力を身につけさせることに重点を置いた学習に変わるとのことであります。

 確かに、日本は、先進国に追いつけ追い越せという時代を通り抜け、自らの進路を自ら開拓しなければならない国になりました。子どもたちを、そうした社会を支える区民として育てていくためには、自ら考える力や、自ら課題を見つけ、それを解決することのできる力を授けなければならないという、今回の学習指導要領改正のねらいには、うなずけるものがあります。そうした力を育むための取り組みの一つとして、総合的な学習の時間が新たに授業時間に組み入れられるとのことです。

 1月27日付で発行された「教育だよりなかの」には、総合的な学習の時間の取り組みが大きく取り上げられていました。中野区では、14年度に向けた準備として既に総合的な学習の時間に取り組んでいる意欲的な学校が少なからずあり、多くの成果を上げているということですが、大変結構なことであります。

 そこでお伺いします。これまで全く経験のない取り組みを平成14年度から完全実施するとなると、各学校では少なくとも1年や2年の試行が必要ではないかと思いますが、今年度に、総合的な学習の時間を授業に取り入れた学校は、区全体でどのくらいあるのでしょうか。13年度の見通しはどうでしょうか。また、教育委員会は、このことについて各学校をどのように指導しているのでしょうか、お伺いします。

 さらに、各学校が子どもたちのために創意工夫を凝らして総合的な学習の時間などに取り組めるよう、教育委員会として積極的に支援をするべきと考えますが、いかがでしようか。各校の独創性や特色が重視される時代に、画一的な対応を求めるのは避けなければなりませんが、その一方で、子どもたちの学習内容に大きな格差を生じさせてもならないと思います。

 教育委員会と各学校の積極的な対応を切に願って、この頃の質問を終わります。

 情報通信技術IT講習についてお尋ねいたします。

 過日森総理大臣は、日本新生を目指し、経済浮揚や新産業振興対策にはIT戦略は不可欠で、5年後の日本を情報通信の最先端国家にしようという国家戦略の一環を述べられました。これは、世界の先進国の仲間との情報格差を解消するために、国民の中の550万人の人たちにIT講習により基礎技術を身につけてもらおうというものであり、各自治体に人口で割り当て、成人から高齢者までの人を対象にしていく考えのようであります。

 これにより中野区も国の情報通信技術IT講習推進特例交付金を活用して、区民を対象にIT講習の事業を行うとのことであります。そのIT講習会開催の会場として商工会館・教育センター・文化センター西館の学習室・専門学校を予定し、期間は平成13年5月より平成14年3月までの期間で開講し、講座内容は460講座、1講座は12時間で9,200人分を予定しているようであります。講座内容は、パソコンの起動・基本操作・ワープロの入力・ホームページの閲覧・メール操作まで教えると聞いております。費用などは無料で、テキストだけが有料とのことであります。

 そこで質問をいたします。

 一つ目は、講座の開催月日について、全国の自治体では2月より実施している自治体もあり、東京都内の区では4月から開催するところが多いようですが、中野区は1カ月遅れの5月に開講するのはどういうことなのでしょうか、お聞かせください。

 二つ目は、受講者の応募についてお伺いします。区民の大勢の人に平等に受講していただけるよう募集しなければいけないと思うのですが、人数も9,200人の制限があり、講習の日程表なども考えて開講すべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。

 例えば、この講習は1日受講時間が1人2時間より3時間と限定されるわけであります。そこで昼間働いている人の中には、講習を受けたくても受けられないから、夜間講座を開くことを考えてほしいという区民が必ず出ると思うのですが、その点をあわせてお聞かせください。

 三つ目は、もし今年度応募者が多過ぎて、区としても区民の希望にこたえられなかった事態が生じた場合、どう対応するのでしょうか。

 四つ目は、講習会用の機器のことについてお尋ねいたします。機器によっては使いやすい機器と、使いにくい機器がありまして、どこの機器を使用されるのか、お聞かせください。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に、防災についてお伺いいたします。

 一つ目は、防災に強いまちづくりについてお伺いいたします。

 災害は忘れたころにやってくるということわざのとおり、中野区もあすに備えて、建築物の耐震診断や不燃化、学校等の耐震補強、延焼遮断帯の整備、木造・密集地の改善、拠点となる狭い道路の拡幅整備、公園の新設、広域避難所の確保と整備計画に至るまで、行財政5か年計画の効率的財政運営の影響で遅れることはやむを得ないことであります。しかし、災害はいつ起こるかわからないというのに、生活や防災の拠点となる道路は狭く、消防自動車の入らない道路は数多くあるのに一向に広がらないし、木造住宅は過密しているのに、いつになったら防災に強い、安心して住めるまちになるのかという声を区民からよく言われます。区長のお考えをお伺いしたいと思います。

 二つ目は、神田川・妙正寺川流域の取水桝ピットについてお伺いいたします。

 6年前、阪神大地震のテレビ放送の映像の中で消防隊がホースを消火栓に接続して消火活動をしている姿の中で、ホースの先から水がチョロチョロしか出なかった光景が映っていました。この姿を見た人もあると思います。このような状況を見たとき、中野区も消火栓が使用不能になったらどうなるのだろうと心配になります。幸いに中野区は神田川・妙正寺川の水を消火用水に利用できるので、防火に大きな味方になると思います。

 そこで中野区は、この水を消防用水に活用しようと防災関係の各団体が安全に利用してもらうことを考え、神田川・妙正寺川川底に消防ポンプ・軽可搬ポンプに利用できるよう取水桝ピットが数多く中野区は東京都にお願いしてつくっていただきました。自民党として、防災対策の一環として、水なくして火は消せないのことわざのとおり、この取水桝ピットを推進してまいりました。私も平成8年第1回定例会でも、このことについていろいろ質問したり、提案させていただきました。

 しかし、この取水桝ピット・地域消防団のポンプや各町会の軽可搬ポンプでは利用できないことが生じました。どういうことかと申しますと、消防署の立ち会いで、二つの防災会の合同訓練で、軽可搬ポンプを神田川の橋上の路上に置き、このポンプに水を吸い上げようとすると、吸い上げるホースが短くて、取水桝まで届かず、利用できなかったことが生じたわけであります。試運転だからよいものの、いざというとき使い物にならないのであります。そこで、そのホースを長くしたらどうなのかと中野消防署に問いただしたところ、地域の消防団の分団のポンプや区の軽可搬ポンプは、エンジン等の機能が弱いため、吸水管の長さが制限され、ホースを長くしても使えるかどうかとのことでありました。では、消防署の消防ポンプには使えるのですかと聞いたところ、使えるが、路上より消防署員が6メートル下の川底におりるのには、はしごのかわりに取り付けられてある足かけ金物を使うが、壁側面の凹凸が激しいので、危険という意識にとらわれ、ハアハアフウフウと息が切れて大変とのことであります。私もおりて体験してみましたが、同じことが言えます。せっかくお金をかけてつくった消火用の取水桝ピットも、消火用目的に使えなくてはむだ金となるわけであります。

 そこで前記に述べたように、多くのポンプがいざというときの災害に使用できるようにしてほしいのであります。さらに、安全で一秒でも早く消火活動に使えるよう東京都も中野区もいろいろの角度から研究し考え、都にもお願いし、対応すべきと思いますが、区のお考えをお聞かせください。

 次に、ヘリコプターの離着陸場について質問させていただきます。地震で生活道路の電柱が倒れたり、建物が倒壊して、車両が通行不能に陥ったとき、救急患者や物資の輸送は空よりお願いする方法しかありません。それには当然ヘリコプターの活用は不可欠のことになり、離着陸場を確保しておかねばなりません。中野区は、指定場所として上高田球場や区立十一中、東大附属グラウンド、武蔵ケ丘高校を離着陸場として指定しています。

 そこで質問をいたします。これらの場所を緊急離着陸場として使うのには、いろいろの条件整備や安全基準の確認が必要ではないでしょうか。確認しているのでしょうか。例えば、この4カ所の指定場所は、今すぐにでも緊急事態に対応できるよう離着陸できるようになっているのでしょうか、お聞かせください。

 これで防災についての質問は終わります。

 その他において質問させていただく予定でしたが、時間の都合上次の機会にさせていただくことといたします。

 以上で私の質問はすべて終わります。長時間にわたり御静聴ありがとうございました。

     〔区長神山好市登壇〕

○区長(神山好市) 古木議員の御質問にお答えいたします。

 財政問題について9点御質問いただきました。起債償還、公債費比率の問題、また、運用金、基金の問題、民間委託、人件費等について、所管の部長の方からお答えいたしますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。私から、合併についての見解はどうかという御質問にお答えをさせていただきます。

 23区の合併、これについて区長会でどんな話が出ているのか、あと、どんな検討をしたのかということでございます。1月に東京都から市町村について、合併検討指針が示されました。しかし、23区については、事情が異なるということから言及されておりません。

 23区としましては、これまで一般市並みの権限拡大を目指して自治権拡充運動を展開してきたところでございまして、昨年の4月にようやくその実現を見たというところでございます。財政的にはまだまだ問題を残している。区長会として具体的な合併問題を議論する段階にはまだ至っておりません。当面は、区長会の中に三つの分科会を設けて、いろいろな問題がございますので、これを研究していくということで取り組みをしております。この中で一つ目の分科会が担当しますのは、東京都が担うべき大都市事務の研究です。これは23区と東京都の間で大都市事務というものはどういうものかの見解がなかなか一致しないというところから、財政調整にも大きな影響を及ぼしている。この部分について研究をしていく。二つ目の分科会というのは、清掃事業地域処理の研究です。これを第2分科会でやる。そして、第3分科会というのをつくり、ここでは制度改革後のあり方の研究をやっていくということで、この三つに分けてそれぞれの取り組みをしていく。

 特別区というのは地方制度でございます。都政の中の区ということで、特別区の地方自治制度上の改革というのは、大都市制度である都区制度の改革の中でやらなければならないというふうに考えておりまして、人口減少地域の再編、あるいは周辺地域もあわせて区域の見直しということが必要である。この二つの項目については、昭和61年2月に都区協議会でもこの改革が強く要請されているところでございます。大都市の行政の一体性の確保というものに配慮しながら、特別区の自主性、自立性、これを強化する方向で見直しを行っていくというものでございます。

 中野区は、この第3分科会に所属しております。制度改革後のあり方についてメンバーとして入っております。この第3分科会での研究の中で、今後巨大都市東京の特別区の区部にどのような自治の姿を求めていくのか、これを提案をしていこうと。それから二つ目が、一体性を否定する方策といいますか、手法を構築しなければならない。これがなければ、都政という枠組みの中で改革を考えていかざるを得ないと。三つ目が、全国的な区域再編成、これは合併も含めてですが、この動きとの関係をどう対処していくかという三つのテーマを掲げてこれから研究をしていこうということで、現在やっております。まだこういう抽象的な大きな課題を掲げておりまして、個々の合併ということについて具体的な論議には至っておりませんので、御了解いただきたいと思います。

 次に、福祉についての御質問でございます。私からは福祉の理念についての御質問にお答えさせていただきます。

 措置から契約へ変わった。21世紀の福祉社会について区長はどう考えているのかということでございます。

 21世紀の福祉社会について、すべての個人が生き生きと生活できる社会、これからの福祉社会のあり方だというふうに思っております。高齢者や障害者など援助を必要とする人々を保健と福祉と医療と連携を図りながら地域全体で支える。その上で個人が自立し、みずからの生き方、暮らし方を選び取っていけるように、ともに生きる福祉のまち、これを目指していきたいというふうに考えております。

 次に、防災についての御質問にお答えをいたします。

 中野区は道路も狭く、消防自動車も入らない道路が多い。いつになったら災害に強い、安心して住めるまちになるのかということでございますが、道路や公園など防災基盤の施設の整備、これをはじめとして、火災や災害の危険性が高い地域の改善を計画的に進めていく必要がございます。これまで南台四丁目地区、一丁目、二丁目地区、平和の森公園周辺地区など地域の合意が整ったところから防災まちづくりを進めてきています。

 平和の森公園周辺地区では、平成5年度に事業に着手して以来7年間で不燃化率が34%から45%に向上しています。時間はかかりますが、着実に効果は上げてきているというふうに思います。今回の行財政5か年計画においても、既に事業中の地域に加えて、東京都の防災都市づくり推進計画で重点整備地域に指定されている野方、沼袋地区の地域まちづくりを新たに推進事業とするなど、防災まちづくりの推進に重点的に取り組むことにしています。今後も地域の合意を基本に、区民との協働で防災まちづくりの推進に努めていきたいと考えております。

 なお、教育の問題、他の防災の問題については、それぞれ教育長、所管部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

  〔行財政改革担当部長石神正義登壇〕

○行財政改革担当部長(石神正義) 私からは、財政についての9点にわたる質問のうち、7点についてお答えさせていただきます。

 まず、起債の償還額と公債比率の見込みについてという御質問でございます。起債の償還額につきましては、平成12年度の91億円、これがピークで、その後は土地開発公社用地の引き取りに係る起債償還が始まりましても、50億円から60億円台を推移していく、このように見込んでございます。また、公債比率につきましても、平成11年度、これの15.5%、これをピークに減少をいたしまして、平成16年度以降は10%未満を推移していくというふうに見込んでございます。こうしたことから現時点におきましては、土地開発公社経営健全化に伴う起債の償還が今後の区財政にとって重荷になるというようなことはないというふうに考えてございます。

 次に、運用金の利用方針についてでございます。基金の運用につきましては、中野区一般会計に対する基金の運用に関する条例、これに定める諸条件により行っているところでございます。財源不足に対する特別な財源対策というふうに認識して行ってございます。今後につきましては、行財政5か年計画に基づきまして、行財政の構造改革を進めるということによりまして、健全な財政基盤を構築していきたいというふうに考えてございます。

 次に、基金の整理についての御質問でございます。積立基金につきましては、年度間の財源調整を図るため積み立てるもの、また、施設の建設など特定の目的のために積み立てるもの、こういったものがございます。基金は安定的な財政運営を図るという上で必要なものと考えてございます。今後とも適切に活用していく考えでございます。現在の厳しい財政状況のもとでは、個々の基金の目的、また役割、こういったことにつきまして改めて検討したいというふうに考えてございます。

 続きまして、民間委託の方式の活用という御質問でございます。行財政5か年計画では民営化、民間委託化、こういった民間活力の活用によりサービスの多様化、事業の効率化、こういったことを図ることを目指してございます。土木公園詰所の事業につきましても委託化を進めるということとしてございます。清掃事業につきましては、移管時の都区合意によりまして、平成17年度までの都からの職員派遣が決まっている、こういったことなどの条件がございまして、直ちには独自の工夫は難しい面がございます。しかし、今後の運営の中では、一層の事業効率化を図っていきたいというふうに考えてございます。

 続きまして、人件費についての御質問でございます。行財政5か年計画の財政フレーム、この中では定期昇給、また、退職手当、外郭団体の派遣職員の引き揚げ、こういったことに伴う補助費からの人件費への組み替え、こういったことがございまして、さまざま影響する要因があり、結果として財政効果がわかりにくいという状況になってございます。しかし、職員数の削減による財政効果ということで言えば、常勤職員1人当たり約900万円、5年間では500人で約46億円、非常勤、再雇用、こういった職員を含めた全体では約52億円を見込んでございます。これは構造的な歳出削減効果から見ますと、行財政改革の最大の要素であるというふうに考えてございます。

 続きまして、退職者数と退職金額についての御質問でございます。今後の退職者数につきましては、平成21年度に定年退職者数が131人となるのをピークに、普通、または勧奨退職を含めまして、ここ10年間は毎年100人規模の退職者があるというふうに予測してございます。退職手当につきましても、毎年25億から30億円、これを見込んでございます。行財政5か年計画を踏まえた計画的な財政運営が必要というふうに考えてございます。

 続きまして、財政指標はわかりやすく説明をという御質問でございました。人件費率につきましては、歳出総額に対する人件費の割合を示すもので、また、経常収支比率は経常一般財源のうち、経常経費に充当した額の割合でございます。また、公債比率は公債費に充当された一般財源の標準財政規模に対する割合、こういったものを示すものでございます。いずれも財政構造の弾力性などを分析する指標という形で用いられているものでございます。それぞれに示す意味は異なってございます。分析に当たりましては、さまざまな切り口、角度から財政全体を見ていくことが必要というふうに考えてございます。そういう上でこうした指標を用いながら、総合的に判断をしているところでございます。今後区民に対して財政指標等の説明を行うに当たりましては、それぞれの指標の持つ意味などをできるだけわかりやすく、かつ誤解の生じることのないように工夫していきたいというふうに考えてございます。

    〔総務部長渡辺征夫登壇〕

○総務部長(渡辺征夫) 財政につきましてのお尋ねのうち、職員1人当たりの区民数が23区平均と比べてどうなっているのかといった御質問にお答えさせていただきます。

 平成12年1月1日現在の比較でございますけれども、職員1人当たりの区民数は、23区平均で約111人となっておりまして、中野区は約96人でございます。財調基準と比較しても高い状態にあるということでございます。今後の職員数につきましては、行財政5か年計画の中で、職員500人の削減を目標としているところでございまして、これが達成されますと、これにより職員1人当たりの区民数は約116人程度となる、そのように見込んでいるところでございます。

  〔介護保険担当部長本橋一夫登壇〕

○介護保険担当部長(本橋一夫) 私からは介護保険制度の運営についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。

 まず、要介護認定者数についてですが、昨年末現在5,645人が要介護認定を受けております。要介護度別のサービス利用割合を見ますと、要支援や要介護5の方々の平均は約5割であるのに対し、要介護1、2、3の方々の平均はいずれも4割に満たない状況でありますが、この利用率は毎月少しずつ上昇してきております。

 サービス未利用者数は約1,700人で、認定された方々の3割程度となっております。

 また、これまで区のサービスとして実施してきました訪問介護や訪問入浴については、介護保険制度スタート後利用人員、利用回数ともふえております。昨年末に実施いたしましたアンケート調査におきましても、制度導入後新たに介護サービスを利用するようになった方が約3割いるという状況でございます。

 次に、介護保険に関する相談や苦情についてのお尋ねでございますが、相談、苦情につきましては、介護保険課をはじめ保健福祉センター、在宅介護支援センターなどで対応しております。主な相談内容は、要介護認定の申請手続やサービス利用方法等でございます。また、苦情は本年1月までに365件寄せられておりますが、保険料やサービス内容に関するものが約7割、要介護認定に関するものが約2割という状況でございます。これらの苦情につきましては、区は必要に応じて当事者間を調整するとともに、事業者連絡会などを通じて事業者に情報提供し、サービス改善への努力を促しているところでございます。また、サービス内容の改善や苦情処理などに事業者みずからが対応する事業者協議会の設立に向けて、事業者に対するアンケート調査を実施するなど、現在その準備を進めているところでございます。

    〔福祉部長沼口昌弘登壇〕

○福祉部長(沼口昌弘) まず、社会福祉法改正に伴いまして障害者福祉、児童福祉が利用者の選択に変わっていく、このスケジュールと行政としての留意点についての御質問でございます。

 障害者福祉につきましては、身体障害者、知的障害者とも平成15年4月から現在の措置制度から支援費支給方式に改正されまして、利用者みずからがサービスを選択することとなります。

 また、児童福祉につきましては、平成13年4月から入院助産施設や母子生活支援施設が措置制度から利用方式に改正されるとともに、平成15年4月から障害児のホームヘルプ等が措置制度から支援費支給方式に改正されることになってございます。

 これらの改正に伴いまして、国や都区、すなわち行政が留意すべき点といたしましては、まず第1には、利用選択にこたえられるサービス基盤整備を進めるとともに、サービスの質の向上を図ることが重要だと思っております。第2に、サービスが適切に利用できるよう情報相談サービスの充実を図るとともに、判断能力の不十分な区民へのサービス利用援助など、権利擁護機能を充実していくことが重要であると考えています。

 次に、判断能力が不十分な方を支援する制度についての御質問でございますが、これにつきましては、既に財産管理や財産上の法律行為等を代理する成年後見制度と、また福祉サービスを利用する際のお手伝いや日常的な金銭管理を行います地域福祉権利擁護事業が実施されております。地域福祉権利擁護事業を実施しています社会福祉協議会では、本人を取り巻く家族や地域の皆さんの協力によってこの事業を気軽に利用できるよう、その促進を図っていきたいとしてございますので、区としても区報等によるPRに努めるとともに、日常のケースワークの中で利用につなげていくよう努めていきたいと考えています。

     〔教育長子安圭三登壇〕

○教育長(子安圭三) 教育関係につきまして、教育行政及びIT講習会につきましての御質問をいただきました。私の方からは教育行政につきましてお答えをさせていただき、IT講習会につきましては、次長よりお答えをさせていただきたいと思います。

 それでは、教育行政について4点にわたってお尋ねがございましたので、順次お答えをさせていただきたいと思います。

 まず、教育活動についてのお尋ねがございました。保護者や地域の人々の教育や教員に対する思いや要望にこたえていくためには、教員が力量を高め、専門性を発揮し、保護者や地域の人々の信頼を深めていくことが重要であるというふうに思っております。教育は人と言われているとおり、教員の熱意や資質が児童・生徒に与える影響は大きいというふうに考えています。教育委員会といたしましては、定例校長会や定例教頭会などで各教員が指導力や教育への情熱等を高めることができるような手だてを強くお願いしているところでございますし、教員の研修の内容や方法を工夫・改善し、実のある研修となるよう努めてまいりたいというふうに思っております。

 それから、区立学校の適正配置についてお尋ねがございました。まず、検討会についての進捗状況についてのお尋ねでございますが、区立学校適正規模適正配置審議会の答申を受けまして、その対応についての教育委員会としての基本的な考え方を整理する必要があるということから、適正配置のあり方に関し事務局内の検討組織で検討を重ねているところです。改築時期にあわせて適正配置を進めるべきとの答申の趣旨をも踏まえ、将来に向けた望ましい学校像、財源を含めた改築の方策、学校運営と財政負担のあり方、小規模化に伴う諸問題など広範な検討は必要と考えており、今後精力的に検討を進め、14年度中には区民論議などを経た上で、区としての再編計画をつくっていきたいというふうに考えています。

 また、その際、ソフト、ハード、新しい学校づくりの必要性と関連させて、単に再編計画ではなく、膨らみのある区立学校の改築計画にすべきではないかという御質問がございました。新しい世紀、21世紀を迎えまして、新しい学校のあり方を追求する必要性は十分認識をしております。したがいまして、御指摘の点は、今後の計画をまとめる際に参考にさせていただきたいというふうに考えています。

 それから、区立幼稚園の適正配置についてのお尋ねがございました。教育委員会事務局では平成12年12月に区立幼稚園の役割、機能及び配置のあり方検討会を設けまして、現在、中野における幼児教育の現状について検討を行っているところです。今後、幼児教育のあり方、区立幼稚園の担うべき役割や機能と配置等について検討を進めまして、区立幼稚園保護者や私立幼稚園関係者等の御意見を伺い、14年度中には区民議論を経た上で区としての再編計画をまとめたいというふうに考えています。

 それから、保育料についてのお尋ねがございました。本年度は全庁的に使用料等についての見直しの年でもございますので、保育料につきましても人件費を含む運営費全体を対象経費とした上で、保護者の負担額を見直しております。適正化を図っているところでございます。今後とも適正な保育料にするよう努めていきたいというふうに思っております。

 それから、学校業務員制についてのお尋ねがございました。学校業務員は学校で処理する事務的業務、学校施設の管理業務、教育活動の支援業務、学校開放業務などの学校運営に必要な業務に、学校長の命を受け、従事する者でございます。これまで細分化しておりました職種にとらわれることなく、総合的に取り組んでいこうというのがこの業務員の新しい考え方でございます。

 また、退職によりまして学校業務員に欠員が生じた場合は、再任用職員を活用するなどいたしますが、常勤職員で対応していきたいと考えています。

 総合的な学習についての御質問がございました。今年度小・中学校全校で総合的な学習の時間を授業に既に取り入れております。各学校における研究、実践に対しましては、指導室では指導主事が中心となりまして支援をしているところでございます。平成13年度には21世紀学校づくりの推進プランを考えておりまして、特に総合的な学習の時間の推進を図るという視点から、小・中学校全校に一律に予算措置をさせていただいてございます。さらに特色ある学校づくりを積極的に行う学校に対しましては、予算的にも支援を配慮しているところでございます。

 〔教育委員会事務局次長須崎英夫登壇〕

○教育委員会事務局次長(須崎英夫) IT講習についての御質問にお答えをいたします。

 御質問は他の自治体が2月や4月から開催しているところが多いのに、中野区が5月に開催する理由は何か。昼間働いている区民のために、夜間開催講習会を設けるなど講習の日程に工夫すべきと思うがどうか。応募者が多過ぎて区民の要望にこたえられない事態が生じた場合はどうするのか。講習用の機器はどこのものを予定しているのかの点でございます。

 このIT講習会については、国の補助制度がございまして、この制度が12年度からとなってございます。したがいまして、2月から実施する自治体もあります。23区では5区が4月から実施すると聞いてございます。中野区では区民へ広報を行った後の応募期間や受講通知の期間を考慮いたしまして、5月から実施するといたしました。また、講習日程につきましては、多くの区民に参加をいただけるよう平日のほか、夜間や土曜・日曜の開催などさまざまに時間帯を工夫しながら開催をしていきたいと考えてございます。

 応募者が9,200人の定員を超えた場合の対応でございますが、私どもにとっては大変うれしい状況でございます。そこで応募状況を見ながら適切な措置を考えていきたいと思ってございます。

 なお、講習に必要な機器につきましては、国から基準が示されております。その基準に従いまして充実した機器構成になるよう中野区の仕様を作成した上で、競争入札により導入することを考えてございます。

  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) 防災につきまして2点の御質問にお答えいたします。

 まず、区内河川の取水ピットについてのお尋ねでございます。神田川の取水ピットにつきましては、先般の河川改修に伴いまして、使い勝手が悪くなるなど不具合が一部に生じているということは承知してございます。河川水は消防水利に指定されておりまして、防災上欠かせないものでございます。区といたしましては、東京都との協議を含めまして、災害時に取水ピットが十分に活用できるよう対応してまいりたいというふうに考えてございます。

 次に、ヘリコプターの離着陸場についての御質問です。災害時のヘリコプターの離着陸場につきましては、中野区が候補地を選定いたしまして、これを受けて東京都において自衛隊、警視庁、消防庁に照会を行い、施設規模に離着陸できるヘリコプターの機種を特定するなどの確認を行った上で、それぞれの地域防災計画に掲載しているところでございます。

○議長(小池ひろし) 以上で古木謙市郎議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 やながわ 妙 子

 1 区長の所信表明について

 2 子育て支援について

  (1)保育施策の充実について

  (2)乳幼児医療費助成の拡充について

  (3)児童虐待防止について

 3 学校耐震補強工事の推進について

 4 弥生福祉作業所の法内施設化について

 5 清掃事業について

 6 読書運動について

 7 その他

 

〇議長(小池ひろし) 次に、やながわ妙子議員。

    〔やながわ妙子議員登壇〕

〇5番(やながわ妙子) 初めに、質問通告にございます6番目の読書運動は、次の機会にさせていただきますので、本日は割愛をさせていただきます。

 平成13年第1回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問いたします。区長並びに理事者の皆様の簡潔・明瞭な御答弁をよろしくお願いいたします。

 初めに、区長の施政方針説明について伺います。

 区長は施政方針説明の中で「財政健全化推進プランでは、平成10年度から3年間に職員数を200人削減する目標を立て、これを達成してまいりました。財政健全化に当たっては、可能な限り区民サービスを低下させないという考え方を基本に置き、主に内部努力での対応を図りました。また、景気の回復に期待して、基金の活用など臨時的な財源対策を行いながら、そのときに対応すべきことにはきちんと取り組もうとしてまいりました」と述べております。

 また、「しかしながら、この間に、区の財政運営は一段と困難になりました。私は、財政健全化の取り組みが、財政の悪化をとめられなかったことを率直に認めたいと思いますし、財政見通しが不適切だった、取り組みが弱かったとの御指摘については、区政運営の責任者として、重く受けとめています」と述べております。

 引用させていただいた区長の御認識と反省、おわびの言葉を虚妄にしないためには、行財政5か年計画をどのように推進していくかが極めて大事になってきます。そこで、今回の行財政5か年計画について質問いたします。

 初めに、区長が言われる財政構造の改革とはいかなるものなのでしょうか。ここでは二つの柱を挙げておりますが、施策の大幅な見直しも含めて、2点とも結局は人件費にかかわるものとしか読めません。区長の言われる財政構造改革とは人件費の削減ということでしょうか、お考えをお聞きします。

 第2点目に、区長は「5か年で一定の弾力性を持った財政構造にできると考えている」と述べていますが、この「一定の弾力性」とはどのような内容なのでしょうか、具体的にお答えください。

 第3点目に、行政システムの改革について伺います。IT活用による電子自治体への改善はいや応なしに2004年には一定の姿を整えなければなりません。区長は申請書などのインターネット配布について触れていましたが、このIT改革が自治体にもたらすものは、実は職員意識の転換と、組織の変革だということは、既に識者の指摘しているところです。この現象の本質をわかりやすく「インターネットは隕石だ」と喝破したのは、ソニーの出井社長です。

 これまでの部・課・係という組織が激変を余儀なくされ、フラット化が起きることになります。だれでもトップに直接メールを送ることができ、情報の経路の上から中間管理職は必要なくなるとされています。今回、区長が述べられている行政システムの改革は、果たしてそこまでの認識があるのかどうかはわかりませんが、1、区民にわかりやすく、2、総合的な対応ができ、3、簡素なものという視点がどのように生かされた組織改正であるのか、区長のお考えをお聞かせください。

 第4点目に、五つの重点的な課題について伺います。この課題分野は、5か年間は当然のことですが、その後はどうなるのでしょうか。重点的な課題ですから、解決が図られ、実現されれば、当然次の課題に取り組むということにはなるのでしょうが、果たして5か年で達成できることなのか疑問もあります。この点についての区長の御見解を伺います。

 第5点目に、凍結した事業についての計画再評価について伺います。「手法を定めて」とはいかなる意味でしょうか。評価の手法でしょうか、それとも事業実施の手法でしょうか、事業実施の手法の意味だとすると、順序が全く逆ではないでしょうか。明確なお答えをお願いいたします。さらに具体的評価の仕組みについては、どのようにお考えになっているのか伺って、この項の質問は終わります。

 次に、子育て支援について、3点にわたって質問いたします。

 第1点目に、保育施策の充実について提案を含めて伺います。

 私は先日、地域の若いお母さんから相談を受けました。その方は第2子の出産予定日が2月6日で、年子の1歳の子どもを抱え、出産後、上の子の育児と家事をどうしようかと悩んでいました。御主人は自営業で休みが取れなく、また御両親もいなく、大きなお腹を抱え途方に暮れていました。幸い緊急一時保育で、上のお子さんを宮園保育園で面倒を見てくれることになりました。

 しかし、出産が予定日より2週間も早まり、1月26日に出産してしまいました。保育園は2月1日からの予約なので、その前には預かれないと断られ、入園までの1週間、だれも子どもを見てくれる人が見つからず、大変な思いをしてしまったそうです。在宅で子育て中のお母さんが、次の子を産むときの支援について何かありませんかと訴えられました。このように、いざというときにきめ細かな子育てを支援する体制がないと、安心して2人目、3人目の子どもを産みたくても産めないという、若いお母さんたちの切実な声があります。

 金沢市では、昨年10月から有料の産後ママヘルパー事業を実施しています。これは市内の保健福祉センターに子育てのベテラン女性を登録し、出産後間もない母親がいる家庭を対象に、要望に応じてヘルパーを派遣する事業です。

 中野区も2人目、3人目の子どもを安心して産むことができるように、この金沢市のような制度を実施する必要があるのではないでしょうか。

 現在、中野区のほほえみサービスセンターでは障害者・高齢者の家事援助サービスを行っていますが、ここには出産後間もないお母さん方からの援助の要望もあるそうです。地域支えあいネットワークの一つとして、こうした既存の制度の拡大や、NPOとの連携などによって、金沢市のような産後ママヘルパー制度を実施することが可能ではないでしょうか、お考えを伺います。

 次に、年末特別保育事業について伺います。自営業者や商店などは、年末が一年中で一番忙しい時期です。保育園は年末の28日で閉園となります。閉園後の29日から年末まで、保育園に通っている子どもさんを預かってくれる年末特別保育が実施されれば、大変に喜ばれ、安心して仕事に集中できるのではないでしょうか。一番見てもらいたいこの時に見てもらえればという声をたくさん聞いています。保育が措置から選択へと転換したのですから、ニーズに応じたサービス提供への努力がますます必要になると思います。

 北区では、こうした要望にこたえて、昨年公立保育園7園と私立保育園では全園で年末特別保育を実施しました。大変好評で、利用した子どもたちはこの期間だけで236人おりました。さらに、年末保育サービスを開始した品川区、江戸川区、準備を進めている台東区等、取り組んでいる自治体もふえてきています。

 中野区においても、ぜひとも実施してみてはいかがでしょうか。その際、必要な時間だけ見てもらえるようなプリペイド方式にして、利用料金の集金の簡素化を図ることも可能ではないでしょうか。御見解を伺って、この項の質問は終わります。

 2番目に、乳幼児医療費助成の拡充について伺います。

 私たち公明党区議団は、乳幼児医療費助成の拡充についての質問をたびたびしてまいりました。私たちの区議団の質問に対して、これまで区は段階的ではありますが、拡充し、現在5歳未満まで無料、所得制限つきですが、5歳から就学前まで助成されてまいりました。

 平成11年第2回定例会で飯島議員の一般質問に対して、区長から区の乳幼児医療費助成に対する取り組みが示されました。

 東京都の計画が、1年ごとに所得制限つきで年齢を引き上げていく計画に対して、区は所得制限なしで引き上げていく。都が見送った場合でも、区は年齢だけでも拡大していきたい。福祉施策というとらえ方ではなく、乳幼児、あるいは子育て支援という立場で考えていくべき事業である。今後財政状況等勘案しながら、できるだけ早い時期に所得制限を廃止できるように努力をしていきたいとの考え方が示されました。

 先日、都議会公明党が、13年度予算要望で東京都の福祉改革に向けた緊急提言を行いました。その中で、現在、5歳未満までとなっている乳幼児医療費助成制度について、子育て家庭の負担軽減のため、就学前まで拡大するよう強く求めました。

 公明党の要望に対して、石原都知事は平成13年度予算案の中で、ことしの10月から所得制限つきではありますが、就学前まで、乳幼児医療費助成を拡大する方針を示しました。

 都の就学前まで拡充方針を受けて、これまでの区の取り組みからすれば、当然就学前まで拡充して、無料化を図るべきではないでしょうか。

 一方、国の制度改正に伴い、昨年10月から児童手当の所得制限が緩和されたことに伴い、乳幼児医療費助成の所得制限が同様に緩和されましたので、乳幼児医療費助成に対する区の措置費負担分も少なくなっています。したがって、東京都が本年10月から乳幼児医療費助成を就学前まで拡充した場合、区がその部分を無料化するための区の13年度分の新たな負担は、わずか400万円と聞いております。

 さらに、子育てにかかわる中野区行財政5か年計画では、幼稚園保護者補助金の減額を提示しています。それによれば保護者の負担増は年間1万8,000円になります。また、公立幼稚園の保育料も平成14年度から値上げを予定しており、年間1万5,600円の負担増となっています。いずれも所得制限ではなく、一律に負担が増加するというものです。こうしたことを考えると、乳幼児医療費助成に所得制限があるということは、バランスからいっても、子育て支援策からいっても不自然です。一方では、一律負担増、他方では所得制限があるというのでは、保護者の皆さんから理解を得られないと思いますが、いかがでしょうか。

 区は、これまでの都の動向を見て、無料化する対象児の拡充を図ってきましたので、この際平成13年10月を目途に就学前まで所得制限を外して、医療費助成を拡充すべきだと思いますが、区長の御決断を求めて、この質問は終わります。

 3番目に、児童虐待防止について伺います。

 公明党は、ふえ続ける児童虐待を防止するために、児童虐待防止法の成立を強く推進し、その結果、昨年5月法律が成立いたしました。児童虐待防止法では、児童を18才未満とし、何人も児童に対し虐待をしてはならないと虐待禁止を初めて明文化しました。さらに、児童虐待を防ぐため、教職員や医師、弁護士等児童虐待を発見しやすい立場にある者に、発見と通告の義務を課し、国や地方自治体にも虐待を受けている子どもの早期発見、保護の責務を課するなどの規定を定めていることが注目されています。

 参議院におけるこの法律の付帯決議では、地方公共団体に対し、24時間対応窓口の整備に努めること、あるいは国及び地方自治体における関係機関の連携強化を図ることを強く求めています。

 地方自治体としても一層の取り組みが求められています。主として都道府県が中心とする対応ですが、中野区レベルの取り組みを、おろそかにしていい問題ではないと思います。区としてできることを十分にしなければなりません。

 中野区は子ども家庭支援センターを中心に虐待防止ネットワークをつくっているものの、その中心となる子ども虐待防止連絡会議の開催は年1回であり、十分とは言えません。ネットワークを構成している外部機関とのきめ細かな情報交換の必要性を考慮すると、防止会議の実効性ある運営が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 また、子ども家庭支援センターの相談受付は、月曜日から金曜日の午前9時から午後5時までとなっています。しかし、虐待はいつ起きるかわからない緊急性の高い問題です。

 参議院の決議にもあるとおり、24時間対応の窓口整備が時代の要請です。センター職員の勤務時間内だけでなく、土日や夜間を含めた24時間体制の相談や対応のあり方を考えるなら、既にあるNPOの虐待防止センターとの連携や、iモード利用のメール相談などが必要と考えますが、いかがでしょうか。子ども家庭センターを拠点として、情報ハブ機能を持たせた民間のNPOとの連携を、積極的に推進する形で取り組む方法も可能ではないでしょうか、お考えをお聞きします。

 中野区の子ども家庭支援センターで受け付けた虐待の相談者は、そのほとんどが母親です。父親からは2割程度だそうです。しかし、報告されている虐待事件の加害者は、母親だけでなく、父親によるものが少なくありません。

 私は、この問題への根本的な対応は、親になるべき男女が本来の親になっていくこと、親への育ちを支援することにあるのではないでしょうか。妻の妊娠が確認された段階から、夫と一緒になって親になるトレーニングを受け始めるという北欧の制度に注目しています。妊娠から出産、子育てへと連携してカウセリングを受け継いでいく仕組みを用意することが、虐待防止につながっていくのではないかと思っています。

 これまでの各種相談や、保健所などでの対応なども、母親への対策がどうしても中心になってしまいがちでした。現状ではやむを得ない面もあったかもしれませんが、私は土日など父親が参加しやすい日程を設定するなど、工夫をすべきだと提案したことがあります。虐待防止の観点から、男親に対する対応も重要だと考えますが、いかがでしょうか。改めて考えを伺います。

 厚生省が平成12年度につくった「健やか親子21」は、21世紀の母子保健の取り組みの方向性を示したビジョンです。その四つの柱の一つに、育児不安の解消と子どもの心の安らかな成長の促進が挙げられています。児童虐待の予防、早期発見、再発防止の対策のシステムづくりが、焦眉の急務とされています。

 こうした視点に立つと、大事な時点として、妊婦健診と、乳児健診の時期が挙げられます。平成13年度の国の予算案に、虐待防止の学習などを充実させるため、保健所での1歳半健診、3歳児健診時に、専門家を配置する事業が盛り込まれました。

 中野区では、既に1歳半健診、3歳児健診事業時に臨床心理士を配置し、育児不安やストレスと子どもの心の病に対応していると聞いています。しかし、初めて親になった時点での育児不安は、より強いと思われます。区が行っている3か月健診は、受診率が極めて高く、子育ての時期を考えても、こうした専門家による対応がより大切ではないかと思います。また、これまでの1歳半、3歳でのカウンセリングにつなげる第一歩としても、効果的ではないでしょうか。

 こうしたことを配慮して、3か月児健診にも、虐待防止の観点からも、専門家を配置すべきと思いますが、お考えをお聞きして、この項の質問は終わります。

 次に、弥生福祉作業所の法内化について伺います。

 平成12年3月27日付の「保護施設等における調理業務の委託について」の一部を改正する通達によれば、給食を施設外で調理加工をして搬入する方法でも法内化が認められることになりました。

 先日、同僚こしみず議員、岡本議員と、厚生省の通達による方式で、いち早く施設を法内化した、葛飾区の施設を視察してまいりました。葛飾区は区財政が厳しいために法内化の検討を積極的に進めてきたそうです。この通達を受け、施設外調理方式で、区内の5カ所の福祉会館のうち、4施設は昨年10月に実施し、残りの1施設は、平成14年4月に法内化する予定で進めています。これにより、既に実施している4施設では、平成12年度の半年間で1億6,800万円の国庫支出金の増になるということでした。

 弥生福祉作業所の場合、これまで法内化を進めるための条件整備の課題として、厨房内を法基準に合った調理設備として改修するために要する財源の確保が挙げられてきました。これが弥生福祉作業所の法内化の実施をためらわせていたというのが実情です。しかし、国の通達により施設外調理でも法内化が可能となりました。課題は事実上解消されたと言っても過言ではありません。残されているものは、区の決断だけです。

 法内化によるメリットは、区財政にとってだけあるものではありません。利用者にとっても給食費の負担がなくなること。また、施設が法の基準に基づくため、環境や設備等が安全で利用者は安心して通所ができること。措置費が国から入るため、財政の負担が減少すること。利用者にとっても、運営上も区の財政からいっても、三者にメリットがあります。

 私は、弥生福祉作業所の法内化を、初期投資の少ない葛飾区の方式で、13年度中に進めるべきだと思います。葛飾方式は、おかずなどの調理は施設外で行い、施設内では再加熱などの二次調理をするとともに、主食の御飯は施設内で炊くという方式であり、熱いものが冷めることなく提供できる方式です。

 区長、この際、弥生福祉作業所の法内化を進めて、利用者へのサービスを向上するとともに、区財政への寄与を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問は終わります。

 次に、学校耐震補強工事について伺います。

 南関東直下型地震の発生が危惧されている今日、私たちの会派は一貫して学校の耐震補強工事の促進を訴えてまいりました。この工事を先延ばしにすることは、事の性格上許されるものではなく、何よりも優先して取り組むべきではないでしょうか。

 国の指針によって、優先して補強工事をしなけばならない学校が中野区にあることが、11年度決算総括質疑での飯島議員の質疑で明らかになりました。公明党区議団は13年度予算要望でも、最重点要望として、工事の実施を区長に申し入れたところであります。

 幸い、区長は、私たちの申し入れを受けて、行財政5か年計画でも、15年度から実施する当初の計画から、平成13年度に前倒しする対応をされました。しかし、なぜか、14年度が空白という不完全な対応です。

 平成13年度の都区財政調整に当たっては、算定残を出さないために、新たに義務教育施設の耐震診断及び耐震補強経費という算定項目が追加されました。約1億円が、基準財政需要額に追加算入されることになったので、平成14年度も実施が可能になったと言えます。14年度もこの財調算定項目を目的どおりに使えば、行財政5か年計画の、14年度の空白を埋めることが可能ですから、やると決断して、平成13年度から5年間で耐震診断Cランクの5校すべての工事を実施すべきだと考えます。区長の決意を伺って、この項の質問は終わります。

 次に、清掃事業について2点質問いたします。

 初めに、ごみの持ち出し事業について伺います。

 昨年4月から清掃事業が区に移管され、区内のごみの収集・運搬作業を中野区が担い、地域に密着したきめ細かな取り組みがされつつあります。

 ごみ収集場所は、地域で決めて清掃事務所と連携して設置しておりますが、いろいろな事情により収集場所を設置できなくなった場合などには、各家庭の玄関先を回って職員が収集するように対応していただいております。

 私は渋谷区と中野区の区境に住んでおりますが、渋谷区では、モデル地域を決め、既にごみの各戸収集方式を実施しています。各家庭の玄関先にごみを出すので大変きれいです。

 また、高齢で歩行困難な方や障害者に対して、ごみの持ち出しサービス事業を行っている自治体もふえてきました。

 1月23日、同僚のこしみず議員と岡本議員は、大阪市のごみ持ち出しサービス事業を視察してきましたが、その様子を伺いました。大阪市の清掃局では、福祉的なサービスを兼ねて、ごみを一定の場所まで持ち出すことが困難なお年寄りなどを対象に、ごみ持ち出し事業を平成8年4月から実施しています。収集の際には「こんにちは、環境事業局です。ごみを持っていきます」と言ったように、一声かけることにより高齢者とのふれあいも大切にしています。返事がない場合などは、福祉の担当と連携をとって、そこから安否確認をしています。

 都内でも、世田谷区がことしの1月から高齢者、障害者世帯の安否確認をしながら各戸収集する、安否確認つき高齢者等訪問回収事業を実施しました。ごみが3回出てなければ声をかけて安否の確認を行い、それでも返事がなかったら、緊急連絡先や保健福祉センターに通報するシステムです。

 また、お隣の練馬区でも1月末からごみの訪問収集事業を開始するための申し込み受付が始まりました。

 中野区でも、福祉部と連携してごみ持ち出し事業の実施に向けて、昨年から検討してきているとお聞きしました。

 そこで、伺います。中野区が考えているごみ持ち出し事業について、申し込み受付の体制、対象者の資格と決定、福祉との連携など、現在までの検討内容をお聞かせ願います。また、実施時期はいつごろとなるのでしょうか。なるべく早く実施できる体制をとることが望ましいと思いますが、いかがでしょうか、あわせて伺います。

 また、この項の最後に、今後の区のごみ収集の方針について、提案を含めて伺います。ごみを各戸収集しているところは、きれいなごみの出し方に変わってきております。また、カラスの問題や近隣との集積所をめぐってのトラブルも解消します。将来の中野区の目指すべきごみ収集方法として、各戸収集方式の検討をすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、御見解を伺います。

 次に、粗大ごみの収集について伺います。粗大ゴミの収集システムは、平成10年10月からそれまで各区で行っていた受付体制を変更し、23区が都の環境整備公社に委託した粗大ごみ受付センター方式になりました。中野区の粗大ごみ収集申し込み数は、平成12年度の10カ月間で3万9,509件、1日当たり平均158件に至っております。もっとも、週明けの月曜日、火曜日などは、受付センターの電話回線が込んで、申し込みができないケースも多く、仕方なく中野清掃事務所でもかなりの受付をしているようです。

 このセンターの分担金は、平成12年度は2,123万8,000円余となっています。その内訳は、固定分が225万円、中野区の申し込み数による変動経費が1,898万3,000円とからなっています。私は、粗大ごみ収集の受付業務だけの委託料としては、率直に言って高いのではないかと思います。しかも、申し込み受付はセンターだけではなく、中野の事務所でも受け付けていることと、何よりも粗大ごみの収集作業は、実際中野清掃事務所が行っていますので、受付センターからファックスなどを使った業務連絡が要らなくなることや、さらに今後、家電リサイクル法が施行されれば、粗大ごみが減少する点などを考慮すると、中野清掃事務所で受け付ける体制に切りかえるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 仄聞するところ、23区でこの分担金や申し込み受付体制について話題になっているようですが、どのような意見が出されているのでしょうか、伺います。

 次に、本年4月から特定家庭用機器再商品化法、いわゆる家電リサイクル法が施行されますが、運用面の問題について質問いたします。

 この家電リサイクル法は、廃棄される家電製品のリサイクルをメーカーに義務付けたことはもとより、販売店にも廃家電品の引き取りや運搬などの義務が課せられたことは、画期的なことと言われています。また、消費者にはリサイクル料金と回収・運搬のための費用負担も求められます。

 一方、消費者にはいろいろと注文があるのに対して、製造業者や販売業者の責任があまり問わないことや、回収率や再商品化率の低い業者に対してもっと厳しくすること、また不法投棄がふえるおそれがあるなど指摘もされています。

 さらに、1、リサイクル料金はどこに支払うのか。現行の有料粗大ごみシールのような扱いはできないのか。

 2、廃家電品の運搬方法と、費用は幾らか。機種や製品の大小によって異なるのか。

 3、申し込み受付は、電話7200番と決まっているが、体制はでき上がっているのか。

 4、不法投棄を防止するため、区民への周知方法は。

 5、不法投棄された廃家電品は、だれが処理し負担するのか。

 6、運送業者が不法投棄した場合のチェックと罰則はあるか。

 などの疑問や問題点が指摘されています。これらの運用面での問題についてはどのようにお考えなのでしょうか、理事者の見解を伺い、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

     〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) やながわ議員の御質問にお答えいたします。

 まず、所信表明についての御質問にお答えをいたします。

 行財政5か年計画では、行財政運営の改革として、一時的な経費節減、財源対策などではなくて、継続的、安定的に運営が可能な行財政運営に転換していくための組織執行体制の改革や事業のあり方の見直しを提案しておりますが、質問の中で構造改革とは何だと、財政構造の改革とは何か、あるいは結局は人件費にかかわるものとしか読めないという御指摘でございましたけれども、人件費の削減以外に、施策の見直しについては、民間活力の積極的な活用とともに、区と区民の役割分担の見直し、謝礼や補助金、助成金などの見直しなどを行っております。幅広い分野の事業の廃止や縮小、執行方法の工夫など計画化したところでございます。

 なお、この5か年計画の中で一定の弾力性と言っているけれども、その内容は何かということでございますが、5か年計画の財政フレームでは、平成17年度には経常収支比率を87.2%とすることとしていますし、また、剰余金を約39億円見込んでいます。さらに職員数についても、500人削減するということにいたしました。これらを実現することによって財政運営の硬直性が緩和されるものと思っております。政策的財源の確保も可能となってくる。こうしたことから弾力性のある財政構造を実現することができる計画になったというふうに考えて、これを一定の弾力性ということで表現をしたつもりでございます。

 次に、行政システムの改革で電子自治体への取り組み、これについての御質問でございますが、具体的には事業の共通性、あるいは関連性、類似性や相互の連携などの観点から組織を統合するということを考えまして、政策形成機能や事業実施における調整機能の整備充実を図るとともに、部・課・係のポスト数についても削減を進めました。組織を構成するすべての職員が十分に能力を発揮できる執行体制を確立していきたいというふうに考えております。

 次に、重点課題の分野で、5年後の取り組みはどうなるのか、5年で達成できる課題なのかということでございますが、五つの重点課題については、区政を取り巻く新たな状況を踏まえて重点的に取り組むべき課題分野を整理したものでございます。5か年で終了する課題ではございませんで、中・長期的に取り組むべき課題であるというふうに考えております。

 次に、凍結した事業についての手法を定めて、評価の具体的な仕組みはどうかということでございますが、評価の仕組みにつきましては、具体的な検討はこれからでございますが、手法を定めてというのは、評価の進め方や方法を決めて取り組みたいという趣旨でございまして、外部の専門家などを活用することも含めて、評価の仕組みを検討していきたいというふうに考えております。

 次に、子育て支援についての御質問の中で、乳幼児医療費助成について、医療費助成を拡充すべきだということでございます。乳幼児医療費の助成については、東京都は所得制限を維持して、対象者を就学前まで引き上げることとしました。中野区は既に就学前まで医療費助成を行っており、平成12年10月からは所得制限の対象となる幼児の年齢を、4歳以上から5歳上に引き上げています。平成13年10月からは所得制限基準を児童手当の所得制限基準に引き上げる。この基準の引き上げに合わせることを考えているところです。しかし、対象者すべての所得制限撤廃という点は、中野区の厳しい財政状況を考えますと、直ちに実施をするということは非常に難しいというふうに考えているところです。

 次に、学校の耐震補強の御質問についてお答えをいたします。

 行財政5か年計画で学校の耐震補強について、13年度及び14、15、16、17と1校ずつ、計4校実施をするという計画をいたしました。14年度については、財政状況が極めて厳しく、現在の時点では財源の確保が非常に難しいということから、未実施と、計画を入れておりません。今後の財政状況を十分見極めて、財源の見通しがつけば、検討してみたいというふうに思っております。

 なお、他の質問につきましては、それぞれ所管部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

    〔福祉部長沼口昌弘登壇〕

〇福祉部長(沼口昌弘) まず、出産後間もない家庭へのヘルパー派遣についてでございます。中野区社会福祉協議会のほほえみサービスでは、区民参加のもとに有料家事援助を現在行っているわけでございますが、この家事援助の中で既に出産後の経過が悪く、家事を担う親族がいない等特にサービスが必要と認められる場合に、例外的に現在実施しているということでございます。同協議会では、少子高齢化時代を迎えまして、このサービスに対するニーズは増大すると考えていまして、今後利用対象者の拡大に向けた検討をしていくということとしていますので、区としてもその実施を支援していきたいと、そのように考えてございます。

 次に、年末保育を実施できないかとのお尋ねでございます。女性の社会参加の増加やライフスタイルの変化などによりまして、保育のニーズは極めて多様化しており、このような区民需要に対して区として積極的に対応する必要があると考えています。年末保育の実施もその一つであると認識しています。今後具体的な需要を調査した上で、職員体制などを検討し、必要な対応を図ってまいります。

 なお、実施する際は、基本的には有料と考えてございますので、利用料金の納付方法の簡素化などについても研究してまいります。

 次に、福祉作業所の法内施設化についての御質問でございます。

 御指摘のようにこれまでは法内化の条件の一つである調理室の設置に対応するため、施設の大幅な改修の問題がございましたが、昨年の基準の緩和により、外部からの配食も可能となりました。しかし、施設外調理につきましては、冷蔵、もしくは冷凍状態で運搬、保管し、提供時に再加熱することが必要ということで、高い安全衛生管理が求められています。このため、引き受けられる委託業者が少ないということに加えまして、委託経費も割高となっているという現時点での調査でございます。このほか定数40人以上の施設では、栄養士の配置が条件となっていることもございます。

 こうしたことを前提に、現在の段階で法内化によりまして新たに支出する経費と、国の負担金収入、これらを計算して比較しますと、若干一般財源の持ち出しとなることとなっておりまして、財政効果が大きく見込めないという状況でございます。したがいまして、今後ともさらに経費的に効果が見込める委託業者を調査、確認するなどいたしまして、その財政効果を見極め、法内化を進めてまいりたいと考えています。

  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

〇地域センター部長(柳澤一平) 児童虐待防止について、2点お答えを申し上げます。

 まず、外部機関とのきめ細かな情報交換について、実効性ある会議の運営をという御質問でございます。虐待防止に関しての外部機関とのきめ細かい情報交換につきましては、子ども家庭支援センターの開設に伴いまして構築いたしました虐待防止ネットワークを利用して、病院や私立保育園、子ども関係のNPOなど外部の関係機関と個別に意見交換会を実施してございます。また、個々のケースについては、ケース会議も適宜開催するなど、日常的に親密な関係のもとで対応しているところでございます。

 なお、子ども虐待防止連絡会議につきましては、関係機関全体の概略的な連絡調整の場としての機能を有しているものでございますが、今後も適宜実効性のある会議として運営してまいりたいと考えているところでございます。

 次に、虐待相談や24時間対応をという御質問でございまして、子ども家庭支援センターは、虐待防止に関する関係機関の連携や調整のかなめといたしまして機能しているところですが、今後もNPOを含め関係機関がそれぞれの役割を十分発揮できるよう努め、時代の要請でございます虐待に対する24時間対応の実現に向けてネットワークを一層強化していきたいというふうに考えてございます。また、iモードの利用のメール相談につきましても、24時間対応の手法の一つとして考えていきたいというふうに思っております。

   〔保健衛生部長浦野純子登壇〕

〇保健衛生部長(浦野純子) 私からは、児童虐待防止の観点から、保健所の事業についての御要望2点にお答えいたします。

 まず、保健所の各種相談に男親が参加しやすい日を設定する考えはないかとの御質問でございます。保健所、保健相談所では、妊婦とその夫を対象に出産、育児への知識を深め、子育てにかかわれるよう、比較的参加しやすい土曜日に両親学級を実施しております。こうした機会に虐待防止を含め、保健婦や心理相談員による相談を行っているところでございます。

 次に、3か月児健診への専門家を配置する考えはないかとの御質問でございます。この時期は、初めて親になったストレスや育児不安の最も多い時期でもございます。子育てに関する支援、相談を充実する必要があると考えています。このため、今後3か月児健康診査に心理相談員の配置を検討してまいります。

    〔環境部長正木洋介登壇〕

〇環境部長(正木洋介) 私からは、清掃事業に関する御質問にお答えさせていただきます。

 初めに、高齢者・障害者世帯に対する訪問収集についてございます。高齢者・障害者世帯に対します訪問収集につきましては、みずからごみを集積所に出すことが困難で、身近な方の協力も得られないという状況にある方、そういうひとり暮らしの65歳以上、または障害者の世帯を対象といたしまして、そのお宅までごみ収集に伺うことを考えているところでございます。

 現在、受付方法としては、清掃事務所で受け付けることと考えております。現地調査の方法、それから申請者の資格、排出場所の確認、また、開始時期などの作業手順について、具体的に現在検討を進めております。あわせまして、福祉部との連携、役割分担についても調整を進めているところでございます。13年度の早い時期からの実施に向けて努力してまいります。

 次は、ごみの収集方法についての御質問でございます。現行の集積所単位の収集から、将来的には各戸収集を目指すべきではないかということでございました。ごみの収集方法につきましては、集積所の位置について、どうしても近隣の調整がつかない場合など、ごく例外的にでございますが、各戸収集で対応しているところが一部にございます。

 各戸収集という方法につきましては、排出者がみずからのごみに関心を持ち、集積所の管理が行き届くなどの利点が考えられるわけでございますが、その一方、当区の狭い道路事情等考えますと、収集車両や人員の増加をもたらすという問題がございます。また、収集時間が延びるといいましょうか、時間の制約等の問題もございます。これらを含めまして長期的な観点で検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。

 次に、粗大ごみ収集の問題でございます。粗大ごみ受付センターの集中受付ではなく、清掃事務所で受け付けてはどうかということでございました。

 粗大ごみ受付センターにつきましては、23区が粗大ごみの各区取り扱い件数に応じてその運営費を分担しているところでございます。取り扱い実績の少ない区から、現在の各区負担割合が妥当かどうかなどの意見が出ているところでございますが、受付センター方式から変更することにつきましては、当区の粗大ごみ取り扱い件数の推移、また、他の方法による場合の所要経費、人員等十分検討していく必要があると考えているところでございます。

 続きまして、家電リサイクル法に関する6点ほど質問がございました。

 まず、家電リサイクルの廃家電の収集に当たってということでございますが、リサイクル料金はどこに支払うのか、また、現行の有料粗大ごみシールのような扱いはできないかというようなことでございます。また、廃家電品の運搬方法や費用はどうなるのか、機種や製品で違うのかというようなことでございました。

 家電リサイクル法の施行によりまして、消費者は家電用品目を廃棄する場合には、収集運搬料金とリサイクル料金を負担することになります。運搬は民間の収集運搬業者団体が行い、収集運搬料金は製品の大小にかかわらず、品目ごとに1,500円から2,000円になると聞いております。まだ発表されておりませんが、近々発表されるというふうに見込んでおります。

 次に、リサイクル料金についてでございますが、これは郵便局に振り込む方式もございますが、直接区民と接する収集運搬業者も扱うことができるよう、この収集運搬料金を取り扱う担当となる財団法人家電製品協会、ここでいろいろ検討しているところでございます。区民の便宜を図れる方向にいくものと考えているところでございます。

 それから、受付体制についての御質問でございます。家電用品目の受付システムは、収集を担当する一般廃棄物の収集運搬業者団体が整備することになっておりまして、業界共同の電話受付窓口として、4月には、仮称でございますが、家電受付センターというものを開設する見通しで鋭意準備を進めているというふうに聞いております。

 次に、不法投棄を防止するための周知方法ということでございました。不法投棄防止のためには家電リサイクル法の趣旨の徹底が大切であると考えております。そのため、バスの中吊り広告など、23区共同のPRを行うほか、区といたしましても4月の家電リサイクル法の本格実施に向けて、このほど全戸配布いたしました「ごみ減量ハンドブック」や区報、ホームページなどでPRに努めてまいります。

 また、不法投棄された家電品の処理、またその負担はどうなるのかというような御質問でございました。不法投棄される場所としては、都道、区道、ごみ集積所などさまざまに想定されるわけでございますが、それぞれの管理者が処理することが基本となります。この際のリサイクル料金などの経費負担については、当面、管理者である行政が負担せざるを得ないと考えておりますが、この経費負担については、23区として、東京都とも同一歩調で、メーカー側が負担するよう強く求めているところでございます。

 また、運搬業者が不法投棄した場合へのチェックと罰則という御質問でございました。収集運搬業者などに引き取られた家電用品目がメーカーなどへ確実に引き渡しが行われるように特定家庭用機器廃棄物管理表という長い名前でございます。いわゆるマニュフェストと称しておりますが、この制度が設けられております。この管理表によりまして排出者から収集・運搬を経てリサイクルプラントへという廃家電4品の流れが確認チェックされる仕組みになっております。また、不法投棄の罰則につきましては、廃棄物処理法が昨年改正されまして、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、場合によってはこれを両方科する、併せて科するというふうに大変強化されているところでございます。

    〔やながわ妙子議員登壇〕

〇5番(やながわ妙子) 時間がありませんので、1点だけ。

 弥生福祉作業所の法内化について、部長の御答弁は、法内化を進めることを前提にして検討をするということですね。これだけ伺います。

    〔福祉部長沼口昌弘登壇〕

〇福祉部長(沼口昌弘) 適切な委託業者の調査を確認しながら、法内化を前提に調査を進めるということでございます。

〇議長(小池ひろし) 以上でやながわ妙子議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

      午後3時27分休憩

 

      午後3時55分開議

〇議長(小池ひろし) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 来 住 和 行

 1 区長の政治姿勢と所信表明について

  (1)くらしの実態と行財政5か年計画

  (2)その他

 2 5か年計画の特徴的な問題点について

  (1)教育施策の大幅な後退は許せない

  (2)地域活動推進員など非常勤職員を一律廃止しないこと

  (3)青年館を廃止するな

  (4)中野の保育を後退させないことについて

    (ア)野方ベビー、若宮保育園の存続を

    (イ)保育園の民営化はすべきでない

    (ウ)認証保育所(駅前保育所)のこと

    (エ)子育て関係の総合審議会を設けること

 3 介護保険の利用料、保険料を軽減することについて

 4 環6(山手通り)問題について

 5 サッカーくじ販売について

 6 その他

 

〇議長(小池ひろし) 来住和行議員。

     〔来住和行議員登壇〕

〇21番(来住和行) 2001年第1回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問を行います。

 まず、区長の政治姿勢と所信表明について伺います。

 愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」がアメリカの攻撃型原潜グリーンビルに衝突され、沈没した事故から10日を過ぎます。真相の究明が待たれるとともに、なぜ原潜が救助活動を行わなかったのか。そして、国民の命に対する日本政府の無責任な対応、さらにアメリカにまともにものが言えない、情けない日本政府の態度が国民から問われているのではないでしょうか。

 不況に苦しむ中小零細業者、商店主のなけなしのお金を食い物にしていたKSD汚職。20億円を超える共済掛け金が、個々の議員だけでなく、自民党そのものへの「党費」「献金」に化けていたという、自民党丸ごと汚染の実態には、あきれるばかりです。

 また、海外視察に出かける国会議員への餞別や、日本共産党以外の与野党の国対幹部に国会対策費として手渡すなど、70億円を超える国民の税金が、領収書も必要とせず、勝手放題に使われている「機密費」の実態。減額の要求に応じないどころか、「使途については言えない」といって調査しようともしない自公保政権。いずれも自民党政治の末期的腐敗・退廃を象徴する事件です。

 区長は所信表明で「政治家や公務員の不祥事が続き」との認識を示されましたが、政治家・公務員の個人の不祥事では済まされない、政治と政党の大もとが腐り切っているというのが、区民の共通した思いです。区民の負託を受けて区政を担う政治家としての区長の感覚は、ここでも区民感覚と乖離しているのではないでしょうか。改めて、区民の大きな怒りを買っているこれらの事件について区長の見解を求めます。

 区民の暮らしの実態はどうでしょうか。年平均の完全失業率は4.7%で最悪水準、完全失業者数は3万人ふえ、320万人と2年連続で300万人を超えました。2000年平均の1世帯当たりの消費支出も前年に比べ、実質で0.9%減少し、8年連続のマイナスです。企業倒産も前年に比べ23%増、負債総額でも戦後最悪を更新し、不況型倒産が75%に達しています。この間、医療・年金・介護など社会保障の負担増も相次ぎ、区民の暮らしを直撃しています。

 中野区内の各商店では、業種を問わず悲鳴を上げ、商店街そのものの存在が成り立たなくなったり、東中野の商店街では、歩行者天国を返上するなどその衰退は目を覆うばかりです。

 生活保護受給者もふえているだけでなく、受給理由が、世帯主の傷病が主であったものが、手持ち金、貯金の減少とするものがふえて、既に2割に達する状況です。

 子育て世代も大変です。就学援助認定率、すなわち全児童・生徒数に占める就学援助認定数の割合が、8年前との対比で14.58%から18.9%へと4.3ポイントの増となっています。若年層や働き盛りの自殺者の増加も悲しい現実です。働く場を失ったり、健康を損ねるなどの理由でホームレスも急増し、全国で3万人を超えると言われています。

 国民の暮らしを踏みつけにしてきた政治が、年金・福祉・社会保障を根底から崩して、国民の将来不安をかきたて、不況をさらに深刻なものにしています。景気の回復も、財政の立て直しも、大銀行やゼネコン奉仕の政治では、うまくいくはずがありません。

 東京都も来年度予算では、むだ遣いと批判の強い臨海副都心開発や大型幹線道路などが中心の公共事業には、バブル前の2倍近い1兆円もの予算をつぎ込む一方で、財政難を理由にシルバーパスの全面有料化、老人医療費助成や老人福祉手当の段階的廃止、障害者福祉の切り下げなど福祉切り捨ての実行予算となっています。

 区長は、区民の生活と区政に厳しい影を落としている不況と表明されましたが、企業の設備投資や銀行救済が景気回復に結びつかず、結局、社会保障を削ったり国民負担をふやしたりすることが、老後の不安を増幅し、消費不況をさらに深刻なものにしていることが、だれの目にもはっきりしてきたのではありませんか。国と東京都のこうした政治をきっぱり切りかえることなしには、不況克服も区民の暮らしも守れないとの立場に区長が立って、そのことを強く主張していくことが重要なのではありませんか。区長の答弁を求めます。

 区長は「行財政5か年計画の根幹をなすものは財政構造の改革」と言いつつ、区歳入の構成比30%以上を占める特別区交付金については、一言も触れていません。

 党議員団は、区の財政難を打開するために、国・都に適正な財源負担を求めるとともに、5%から8%もの高い利息を払っている区債の低利借りかえ、事務管理部門や事務管理費、各種補助金、外郭団体への資金投入の見直しなどを提案してきました。特に、都区財政調整については、昨年、23区長会が都区制度改革に伴う新たな調整率で57%を主張しながら、結局、都に52%で押し切られたことの指摘をしてきました。

 新年度の特別区交付金は、今年度比5.9%増の8,342億円となり、一方、本年度の再調整については、当初算定残の213億円に加え、税収増加に伴う422億円の財源超過額が生じたため、555億円を普通交付金として追加交付するとしています。

 都税収入の増収を区民に還元するのは当然ですが、党区議団は、2月8日東京都総務局行政部に対し、財調交付金が区の歳入を大きく左右することから、中野区にとって調整率の引き上げは緊急のことだとして、23区側との交渉に応じるよう申し入れました。大都市事務の分担についても、対等・平等で区に負担を押しつけることのないようにすること、23区間での財源の配分については、区が都の意向にとらわれず、自主的に配分できるようにすることなど、都に意見を述べました。

 都側は、都が一方的に決めているのではない。配分は23区の自主性を尊重する。調整率は、23区からの提起があれば、いつでも協議に応じる態度であるということです。

 区財政の根幹をなす特別区交付金について、調整率についての引き上げを都に対し常に要求すべきではありませんか。財政が厳しい厳しいといいながら、区民には我慢と負担を求めるのに、どうして都には強い姿勢を貫くことができないのですか。見解を伺います。

 5か年計画の説明の中で区長は、構造的改革の第一の柱で、職員数を5年間で約500人削減するとしていますが、福祉・教育・地域活動の分野の削減をすることが、区民サービスの低下を招くことは明らかです。さらに現場の第一線で地域住民と直接かかわり、役割を担ってきた非常勤職員を、問答無用で切り捨てることこそ、計画がいかに無慈悲なものであるかを如実に物語っているものです。

 第1の課題で、「ともに生きる福祉のまち」を挙げていますが、高齢者・障害者・生活保護受給者の生活と権利は、何をおいても保障することは、行政にとって最優先されるべき課題であり、そこにこそ自治体の存在意義があります。原爆被爆者見舞金、障害者福祉手当の削減、生活保護受給者法外援助の廃止、中野授産所廃止など、あなた方は支えがあって生きている、それを支えに生きることができる区民がいることを御存じなのですか。支えを一方的に外して、「ともに生きる福祉のまち」では、ともに生きていくことができません。生きる道を閉ざしてしまう計画となっているのではありませんか。答弁を求めます。

 さらに、第3の課題では、「子どもたちを育むまち」とし、「子どもたちが、学校、家庭や地域の力で育まれ、教育環境が整い、いきいきと成長できる中野のまちを目指す」と述べています。しかし、計画されるのは、学校施策の廃止、削減、保育園の廃園・民営化、青年館の廃止など、子どもたちの成長を育むといいがら、教育環境を整えるといいながら、言っていることとやろうとしていることは全く反対のことではありませんか。子どもや区民を踏みにじることを区長はどう考えているのですか。答弁を求めます。

 行財政5か年計画は、区民の暮らしと向き合っていないばかりか、実態を見ようともしていません。それどころか、区民生活の破壊に拍車をかける許しがたい計画です。区民の暮らしを守り、支えるのが区政の役割です。行政の勝手な都合の押しつけ計画だからこそ、多くの区民の怒りを買っているのではありませんか。区民の暮らしに背を向ける態度を改め、区長は中野区基本構想の理念に立ち返るべきです。見解を求めます。

 5か年計画の特徴的な問題について伺います。

 小学生の開放協力員への作文です。「僕はよく校庭開放でボールとか野球で使うバットやベースを使います。遊んでいるときなんかよく中央玄関で僕たちが危なくないか見ていてくれます。雨の日はわざわざ体育館に来て見ていてくれます。ときどき一緒に遊んでくれたりもします。おばさんたちにはお休みがないのかな、いつも学校に来ているけど、もしなかったら大変だな。僕たちは、おばさんたちが見ていてくれるから無事に安心して遊べます。ありがとうございます。これからも元気で頑張ってください。」今、地域では子どもたちが子どもらしく遊び育つ場が奪われ、失われています。その中で学校を単位とする遊びの場、そこでは子どもや家庭、兄弟関係まで見通すことのできる大人の存在、開放協力員の方々の継続した献身的な力が38年間発揮されてきたからではありませんか。

 5か年計画で子どもたちに生きる力をというのならば、子どもたちこそ遊びの中で生きる力を学ぶのではないでしょうか。子どもが遊ぶその場にいるからこそ、子どもとのつながりと信頼関係をつくれる開放事業を他の事業と丸ごと民間委託にしようという計画は、本当に子どもたちの遊びを通した世界を広げることになるのでしょうか。開放事業に携わってきた開放協力員の方々を財政難の一刀のもとに切り捨てることは許せません。これまでの開放協力員の方々の役割を考えれば、廃止できないはずです。答弁を求めます。

 学童擁護員は、子どもたちの安全な登下校を確保しています。学童擁護員も何の代替処置を講じる手だてもない中で廃止される計画となっています。学童擁護員は子どもの命と安全を守るだけではなく、子どもにとって学校生活の一日の始まりに声をかけてくれる大人との出会いの始まりです。保護が必要な子どもに「自分の命は自分で守れ」との態度は、余りにも冷酷ではありませんか。

 また、学校夜間警備職員も、学校が地域に根付けば根付くほど広く地域からその存在が重んじられる役割を負っています。災害時における役割は特別のものがあります。このことは全国的実践からも教訓は既に明らかです。

 児童・生徒の減少で学校の先生が少なくなり、学校生活の中でゆとりと余裕がなくなり、奪われてきているときに、事務職員の廃止まで計画されていることは重大です。財政健全化推進プランでも区費の事務職員の廃止が計画されました。このときの調査では、事務職員の事務量や事務手続の手順などの実態が明らかになり、他の教職員への肩代わりでは負担が大きくなるため、計画が撤回された経過があります。学枚から大人の目が、大人の手が削られて困るのは子どもたちではありませんか。今の学校は子どもたちも、職員も困難や悩みを抱えて日々疲れています。だからこそ子どもに声をかけ、手を差し伸べる人の温かさが求められているのではありませんか。子どもの心身の成長と発達を育むことのできるのは人です。機械やコンピュータにはそのかわりをすることはできません。子どもから、学校からゆとりと温もりを奪ってはなりません。

 保護者からは、卒業アルバム代補助、修学旅行バス代補助などを取り上げ、新たな負担を負わせ、ここでも結局、子どもたちが二重、三重の困難を負わされることになります。教育施策の廃止、削減は地域の絆と子どもの心を育てることに逆行します。したがってこのまま計画を強行することは、中野の将来に禍根を残すことになります。区長並びに教育委員会にも厳しく反省を求め、答弁を求めます。

 青年の状態悪化がさまざまな分野で進行し、特に就職・雇用問題は深刻です。今年度の学生の就職率は5割台、昨年進学も就職もしなかった学生が2割を超えていると言われています。フリーター青年が150万人を超えるなど、不安定雇用も進み、多くの青年が無権利で劣悪な条件に置かれ、青年らしい夢や希望を持てなくされています。こういう時代だからこそ青年の悩み、苦しみ、つぶやきを出し合える場、要求や関心にこたえる活動の場として青年館の役割は重要です。特に今日、中学生、高校生にとっての居場所の確保は社会の責任です。教育委員会事務局では昨年8月まで、野方青年館は他用途への転換や売却も難しいため、中・高生・青年のための施設、(仮称)ヤングプラザや中・高生会館等として条例設置として活用するとの方向を持ち、南部青年館については、南部区民ホールの再検討の中で検討するとして、中・高生・青年の利用を進める方向を持っていたのではありませんか。何をもって急転換したのか、答弁をください。

 野方・南部合わせて利用人員は、99年度実績で年間13万1,220人、1日平均472人となっています。廃止しても児童館、ゼロホール等で対応するとしていますが、青年館の主催事業はどうするのか。毎年恒例の青年館まつりは実行委員会をつくり、それぞれ1,000人規模で行われてきました。今後青年の自主的取り組みはどこで保障されるのか。また、青年が優先された青年館使用と同じようにほかでも青年優先の使用ができるのか。

 青年館も突然5か年計画で廃止対象となった一つですが、21世紀のこれからの中野の将来を託すこととなる青少年の成長を、財政難の一言のもとに切り捨てるやり方は、区政そのものへの信頼を大きく失うことになるし、そうあってはなりません。既にCTNでは、「さようなら野方青年館」の企画を流すなど、廃止条例もこれから議会審議もされるという中で、一方的ではありませんか。計画の強行はすべきではありません。答弁を求めます。

 教育長にお聞きします。

 教育施策のこれほどまでの廃止、削減は異常なものです。本来、教育委員会は、中野の子どもたちの命と安全、教育をいかに守り、充実発展させるかに心を砕き、それに必要な判断と決定をできる権限が保障されています。だからこそ一般行政から独立した行政機関になっているのではありませんか。ところが5か年計画決定までの経過は、教育委員会としてのこれまでの事業評価、事業展開、審議経過を無視し、財政難の名のもとに、教育へのみずからの責任を放棄してしまう結果になっているのではありませんか。これまで築いてきた中野の教育を根底から突き崩す5か年計画の決定段階で、教育委員会として自主的判断を持って臨むべきだったと思います。

 中野の教育行政への信頼を失墜させている今日の事態を教育長はどう認識されているのか。教育行政への信頼回復の道は、5か年計画を強行せず、区民とともに再検討することではありませんか。教育長の答弁を求めます。

 非常勤職員は区民との接点となる現場の第一線でその役割を発揮しています。地域活動推進員もその一つで、昼夜問わず地域の団体やサークルの活動を支援し、地域、まちおこしになくてはならない存在として高い評価を得ています。継続を求める議会への陳情には「彼らの多くは非常勤ながら専門職として勉学に励み、かつ十数年にわたって活動し、地域の今日をつくってきた私たちの仲間です。特に彼らが前記の事業においては正規の職員より造詣深く、技術に習熟していることを私たちは日夜肌で感じております。」と述べられています。

 地域のつながりが希薄となりがち、だからこそ、地域の各団体、グループの自主的な活動をじっくり、丁寧にサポートできる専門的な知識と経験、役割を持った仕事をする人が地域からも強く望まれているのではありませんか。この活動支援があるからこそ自主的な活動が旺盛に展開できているのです。それなのに団体、グループの活動が育ち切ったので、その役割がもう終えた、必要性がないと廃止するのは余りにも乱暴です。区は繰り返し地域センター職員でやるから大丈夫という説明を繰り返していますが、区民に理解され、合意される地域活動推進の体制が確立されていない中で廃止を強行することは許されません。区民と地域の合意は全く図られていません。見解を伺います。

 高齢者訪問相談員も廃止の計画です。65歳以上のひとり暮らしの高齢者に定期的に安否を電話で確認する大切な事業です。170人以上の登録者に毎月延べ1,000件近い安否確認の電話が届けられ、連絡が取れない方はケースワーカーと連携するなどの体制をとっています。廃止されることを聞いた高齢者の方は、中野区から見捨てられたと嘆いておられます。ささえあいネットワークを初めバックアップ体制も確立されていない中での廃止はすべきではありません。

 また、高齢者事業推進員は介護保険導入の中で、高齢者会館事業をさらに活発に進めるものとして今年度新たに5名増員されてきた事業です。昨年、しんやまの家「ナイスミドルの会」がまとめられた活動記録では「高齢者会館推進員は受講生をしっかり見つめ、個々として、また、集団としての育ち方にあわせて、少しずつ杖の支えを外してくれました。保健所の職員との信頼関係が大事で、仲よくするのは楽しいとわかってきたことが、自立、自主への気持ちをも膨らませ、育ててくれたのだと思います。継続は力なりを信じ、この地域で生き生きと元気に支え合って暮らしていくこのことは、行政へのささやかな願いです。」と結ばれています。

 必要あって増員し強化し効果を上げる。そのことが事業として歓迎されている。それなのに施策を検討、検証もないまま廃止してしまうのか。地域センターで本当に受けとめ、これまで同様のかかわり方ができるのか。サービス体制を職員で確立できる裏付けのないまま廃止とはあんまりではありませんか。

 あわせて、老人クラブ指導員についても廃止する計画となっています。いつまでも元気に地域で支え合って活動を進めている老人クラブへの支援も、地域センターで行うから問題ないとの説明です。地域活動推進員、高齢者活動推進員、老人クラブ指導員、いずれも地域センターなどで引き取って、これまでどおりの事業にとどまらず、今後の新たな事業を展開できる保障があるのかと指摘されているところです。5か年計画のすべてがまず廃止を決定し、それにあわせて事業展開を考えるという逆立ちした計画であることを証明しているのではありませんか。答弁を求めます。

 次に、中野の保育を後退させないことについてお聞きします。

 子どもの急激かつ長期にわたる減少は、日本の経済、社会に深刻な事態と歪みをもたらすだけに緊急に解決が迫られた国民的課題です。国民生活白書は出生率の低下の要因に、晩婚化と子育てへの心理、肉体的不安、経済的負担を挙げ、保育所の充実その他が必要だと提言しています。

 国は極めて場当たり的で、少子化に歯どめをかけ、根本的な解決、改善の方向を示せないでいるのが実態です。全国で5万人の保育所待機児を残し、国の保育所運営規準が低過ぎるために全国の自治体は財政で苦しめられ、保育現場も父母、子どもも泣かされています。

 中野区は保育園適正配置計画を強行し、これまでに朝日が丘、江古田、西中野、前原保育園を廃園し、上鷺宮、高根保育園の建て替えを先送りしてきました。そして、今年度中に野方ベビー、14年度中に若宮保育園を廃園しようとしています。中野の区立園の総定数は、80年代には3,590人だったのが、今日では2,828人となり、762人もの削減となっています。子どもの数の減少が一つの要因ではありますが、今日では保育園利用の希望が高まり、今後もこの傾向は強まると考えられます。2月1日現在、223人の子どもたちが保育所に入所できないでいます。

 そこで伺います。廃園予定の野方ベビーの30人の枠を地域的にどう受けとめていくつもりなのか。家庭福祉員と未認可園の枠を拡大するということですが、もともと家庭福祉員も未認可園もそれぞれの役割があり、内容や保育料においても違いがあります。どこを利用するかは父母の側の選択の問題です。30人の子どもたちを年度初めから公立で受けとめる計画と見通しを示すこともできないまま、一方的に廃園することは許せません。見解をお聞かせください。

 若宮保育園の廃園については上鷺宮保育園の開園にあわせてということですが、上鷺宮保育園と若宮保育園との関係は、新青梅街道をはさんで直線でも2キロメートルあります。適正配置で示してきた500メートル圏内の枠からも大きくはみ出し、そのことは子どもたちへの負担となるだけでなく、若宮地域の新たな待機児をふやすことになってしまいます。

 今、保育への区民の共通した願いは、結婚し子育てできる条件を中野区はどうして奪ってしまうのか、子育て支援といいながら、子育ての最良の場をどうしてみずからほうり出してしまうのか、この声にしっかり耳を傾けて、父母や子どもたちを置き去りにした一方的な廃園計画はまず撤回し、子育てしながら安心して働き続けられる保育環境の充実に取り組むべきです。見解を求めます。

 東京と中野の保育は、区民の運動と要求によって全国の保育水準を引き上げることに寄与してきました。区立保育園は、これまで産休明け保育、障害児保育、時間延長保育、アレルギー食、相談事業を初め、よりよい保育を目指して地域における子育てのセンター的役割を充実させ、さらに今日、緊急一時保育に加え、ゼロ歳児特例保育や夜間9時までの保育についても、子どもの立場に立ち、実施の合意づくりと検証が進められているところです。中野の保育は常に高い水準を目指して区立、私立、未認可がそれぞれの立場と役割を分担しあって保育の前進のために努力してきたという歴史の上にあります。

 そもそも子ども施策の選択と変更は、子どもの最善の利益が基準でなくてはなりません。民営化でも保育水準は何も変わらない。むしろ時間延長など民営化によって父母の要望にこたえるものと説明されていますが、公立保育園の到達については、さきに紹介したとおりで、歴史を追って積み上げられ、レベルを上げています。今まで公で運営されていた区立園そのものを民営化することは、これまでの中野の保育を根底から突き崩すことであり、公的保育をみずから否定する許しがたい計画です。子どもたちにとって最善の利益の尺度に照らして、民営化でなくてはできないことは何なのか、民営化が子どもにどんな利益となるのか、お答えください。

 区内三つの私立園も保育水準の向上が図られ、いずれも地域における保育の役割を果たしてきました。しかし、公私格差是正補助基準が保育士の年齢28歳が基準となるため、私立保育園保育士の経験年数は7年から8年で、公立園の経験年数は20年です。ここにもこの制度の限界が明らかです。その上今日、公私格差是正補助も削除の危機にさらされているから、全都の私立園が怒りの声を上げているのです。保育には若さあふれる保育士と経験豊かな保育士とのバランスが大切で、男性保育士も必要です。今、特に子育てが難しい時代だからこそ、実践を深め、研修を重ねて子どもの心に寄り添い、子育て援助のアドバイスが父母にも地域にもできる保育のプロを確保することも保育水準をはかる物差しです。

 中野区は、民営化の基準は都規準が満たされることと説明していますが、なぜ中野の基準を満たすと言えないのか。都基準を満たすというだけでは、区立で区営の場合と比べて保育士の人員と体制、施設規準が変わることを言わないのはなぜか、答弁を求めます。

 2月10日、野方北保育園で父母対象の説明会が開かれました。多くの父母が参加し、子どもが保育園になれるのに一年かかった、やっとなれたのに、民営化でまた先生がかわる、心配だと、泣きながらの訴えに区側は、子どもは順応性が高いからすぐなれると説明され、参加者の怒りを買ったとのことです。父母から、保育園の先生と子どもたちだけでなく、親も信頼関係をつくってきた。これを崩すものだ、私たちには全く考える余裕を与えないひどいやり方だ。計画の凍結、撤回を求めるの声が圧倒的だったと聞きます。父母や職員への説明が突然で、このような拙速すぎる問答無用のやり方では、保育行政への混乱と区政への不信を増幅させるだけではありませんか。保育園の民営化は撤回すべきです。見解を求めます。

 認証保育所制度は、13時間以上開所する無認可保育所を認証し、都の補助金を交付するものです。駅前に新たに設置する場合は別途補助金を交付する。国規準を満たさなくとも認証する。その内容は、正規職員6割で可とするものです。法律外の保育所ということになります。

 石原都政の目玉施策の一つとして大々的に取り上げていますが、企業の側から、国規準での保育はもうからないと指摘を受け、それにこたえる形で導入が進められていると言われています。都福祉局は、ベビーホテルなど劣悪な条件下にある保育園の底上げを図り、多様な保育ニーズに対応するものと説明していますが、営利企業で安定的で継続した保育が保障されるのかという問題があります。また、国基準を満たしたとしても、それだけでは保育士、施設等の水準が低く、子どもの成長の基本をきちんと支えられるのかという不安があります。

 今年度開設しようとしている認証保育所の設置主体を選択する基準を、中野区としてまず独自にしっかり持つことがどうしても必要です。基準を引き上げる独自の手だてをとるべきではありませんか、御答弁をください。

 いじめを苦にして自殺、不登校や体罰、家庭、施設内の虐待など大人の暴力に苦しむ子どもたち、今日ほど子どもたちの安全が脅かされている時代はなかったと思います。日本社会の子育ての危機の深さは、個々の家庭の問題を超えて、社会そのものが子どものSOSをキャッチできなくなり、事件を予防したり、的確で迅速な対応ができなくなっているところにも明らかだと考えます。そして本来子どもを守る力であるべき公的機関がその力を発揮できずにいることも深刻です。子ども施策を一元的にとらえる形になっていないなど、子どもの実態をリアルに全体としてとらえられないでいることが問題ではないでしょうか。これまで中野区も学校や地域、保育園、児童館などの連携の必要性を認めてきました。しかしまだまだ十分とは言えません。子ども施策の重要な柱として一層連携の必要性は高まります。

 今後は行政と区民の協働のあり方を初め、子ども施策を総合的に審議できる場として例えば、公私立幼稚園教論、公私立保育園保育士、保健所保健婦、児童館職員、学童クラブ指導員など子育て現場にかかわる職員とその保護者、行政担当者、民生児童委員、医師、教員、研究者、議会代表など幅広い関係者による児童福祉をテーマとした審議会の設置を検討することなどが大事なときにきているのではないでしょうか。

 当面、特に乳幼児から小学校低学年までの成長にどうかかわり、責任を担っていくのか、子どもをどうとらえ、何を保障していくのか、中野における少子化克服の展望をも見出していけるような総合的議論を重ね、政策提言のできる審議会を求め、答弁を求めるものです。

 次に、介護保険の利用料、保険料を軽減することについて伺います。

 介護保険実施から10カ月が過ぎました。これまで党区議団は利用料の負担が重いために必要なサービスを受けられないことがあってはならない。これまで利用していたサービスが後退するような事態があってはならないと議会のたびにその対策を求めてきました。

 中野区が要介護認定者1,644人の「介護保険サービス利用状況等調査結果について」を発表しました。この中で、サービス利用料の1割負担は経済的に苦しい、38%、保険料が高い、負担が重いなどの軽減を求めるが、144人中75人、52%となっています。

 10月の在宅でのサービス利用状況は、限度額に対し平均38%にとどまり、中野区事業計画では43%と低く見積もっていたものが、それよりも5ポイントも低い異常ともいえる利用実態です。

 保険料や利用料の負担を重く感じている人、そのことによって介護利用をためらっているお年寄りで、必要な介護を受けられないなど介護から閉め出される高齢者をつくってはなりません。だからこそ低所得者への自治体独自の対応が強く求められています。日本共産党は東京都に対しても利用料、保険料軽減を求める陳情署名を取り組んでいるところです。今、全国の410自治体が利用料で、258の自治体が保険料での軽減、助成を実施し、東京でも利用料で11区、16市、2町1村の過半数の自治体が軽減を決定しました。どこの自治体も厳しい財政状況の中にありながら独自の手だてを具体化しているということです。お隣の渋谷区は、これまでホームヘルパーの利用料について、3%に負担を軽減する措置をとってきましたが、これに加え来年度から老齢福祉年金の支給を受けている住民税非課税世帯で生活保護受給者でない人を対象に、保険料の2分の1を補助するとした負担軽減を打ち出しました。

 山口県の小さな町の町長さんは、「私は介護サービスを利用される方のことを第一に考え、サービスを低下させず、負担をふやさないことを原則にした。うちの町では介護保険ができてサービスが低下するという事態はつくらない。これが自分の町長としての役割だ。」と語られ、その熱意が伝わってきます。中野区はこれまで利用料、保険料の軽減については、介護保険の仕組みの中で考えていく問題との答弁を繰り返してきましたが、全国の自治体で自治体本来の役割と責任が発揮されていることが明らかになってきているではありませんか。現行制度に欠陥があるからこそ全国の地方自治体が独自の手だてを立てているのではありませんか。中野区は他の自治体に比べ大きく立ち遅れています。

 介護保険は、住民税非課税のお年寄りからも無理やり保険料を取るところに矛盾の根本があると考えます。老齢福祉年金で細々と暮らす区内のお年寄りから、ささやかな年金なのに、これでは生活ができない、サービスを利用していないのに払わなくてはならないのか、こんな声が寄せられます。健康で文化的、最低限の生活を営む権利を保障する憲法25条の立場からも、中野区としての軽減策を検討すべきではありませんか。1年前と同じ答弁を繰り返すことはもう許されません。区長の真剣で具体的な答弁を求めます。

 次に、環六(山手通り)問題について伺います。

 地下高速道路中央環状新宿線と環六拡幅工事は、5年後の供用開始を目途に進められています。その結果、長期にわたり沿道住民の工事による騒音・振動等の被害は常態化しています。工事による被害をどう軽減するかということも大切ですが、問題は供用開始後の環境対策等を、21世紀の都民、区民の健康と命にかかわる問題との認識を持っているかということです。既に大阪・西淀川、川崎、名古屋、そして尼崎訴訟での和解が成立するという事態が相次いで起きました。いずれも道路管理者としての国の責任が厳しく問われ、排出の差し止め、あるいは交通量の規制まで踏み込んだ画期的な内容でした。これは単に国の責任が問われるだけでなく、道路管理者、あるいは環境行政を進める従来の行政のあり方が問われたということです。これまでの道路行政は経済との調和といいながら、結局は経済的な利益が優先されて、沿道住民の健康がどこかに追いやられてきたのです。だからこそ今までの行政のあり方そのものの転換を図る。とりわけ沿道の環境、住民の命と健康というものを第一義的に据えてかからなくてはならないということを明確にしたことです。

 環六の環境対策を求める自治体や住民の声に押されて、建設省と3公団は共同で京浜島において道路トンネル換気所に設ける低濃度脱硝装置のパイロット実験を97年からスタートさせ、98年にはNOX、N02除去率1日平均約80%以上を達成し、第2段階のパイロットスケール実験も実施適用が可能なレベルに到達できるまでになっているといいます。既に環六上では換気所を設置するスペースの工事が着々と進められています。

 そこで伺います。脱硝装置の実用化は供用開始には間に合うのか。研究開発の情報は区に届いているのか。情報を求めているのか。あわせて土壌脱硝の中野区の要請に対する到達点はどこにあるのか。SPMやNOXを除去する大気浄化フィールド実験とその実用化はどこまで進んでいるのか、答弁を求めます。

 次に、都の計画では換気塔設置によって中央分離帯を9メートル確保することから、歩道は5メートルとなっています。中野区は歩道の幅の拡大を求めていますが、どのような場で東京都に対し要望を重ね、実現のためにどのような努力されているのですか。

 私はこれまで歩道幅を拡大し、樹木による緩衝帯、自転車通行帯の確保を要求すべきと求めてきましたが、国土交通省も環境にやさしい都市における交通手段として位置付ける、エコサイクルシティの形成を進めるとして、駅を中心に自転車走行空間ネットワークの整備を進めます。

 JR東中野、地下鉄中野坂上を結ぶ環六においては、これらの施策を生かして自転車専用道路帯を確保すべきではないでしょうか。中野区は歩道幅の拡大を一般的に要望するだけにとどめず、また、事業者任せにするのではなく、21世紀の道路のあり方として住民、区民の意見を反映して積極的に、東京都、事業者に要求して、実現を迫っていくべきではありませんか。答弁を求めます。

 東京都の公害防止条例の目玉は、ディーゼル車に対する新たな規制問題です。しかし、石原知事は中央環状線、東京外環道路、圏央道の3環状道路のほかに3本の大型幹線道路の建設計画を進めようとしています。このことは重大です。環六、そして地下高速道路の5年後の供用開始に当たっても、環境対策では11キロの地下高速道路上に45メートルの換気塔を8カ所建てることだけが決定しているだけで、環境対策で具体的には区民に対し、公団も東京都も何の約束もしていないのです。土壌脱硝や換気塔における脱硝が可能となったとしても、100%除去は不可能でしょう。除去装置で環境が守られる保障とはなり得ません。車線増が新たな車を呼び込むことは明らかです。

 一日の交通量は地下高速8万台、そして環六の4万台を見込んでいますが、公害発生源の根本に迫っていく取り組みが求められています。東京都のディーゼル対策はまだまだ甘いものです。ディーゼル車の3分の1を占める乗用車の規制は対象になっていません。自動車交通総量の抑制のために国や都に努力目標としての数字をしっかり持たせるべきです。

 中央環状新宿線については、ディーゼル車の乗り入れ規制と、車の総量規制を東京都や公団に対し、他の関連区とも協力連携して要求すべきではないでしょうか。見解を求めます。

 次に、サッカーくじの販売について

 サッカーくじは、1998年5月に成立した、スポーツ振興投票の実施に関する法律に基づき、Jリーグの試合を対象とした新たな公営ギャンブルです。

 その目的は、スポーツの振興に寄与すること、(第1条)とされていますが、サッカーの試合が対象であることから、子どもたちへの悪影響、スポーツ観をゆがめるスポーツ振興は、本来国の財源で賄うべきなど、かつてない国民の反対の声を無視して強行採決されたものです。

 中野区議会も94年、政府がスポーツ振興予算の大幅な増額を図ることを求めるとともに、スポーツ発展の本筋から外れ、青少年の健やかな成長をゆがめるとして、法案化に反対する意見書を上げてきました。

 今回、この質問では子どもへの影響に限定して伺います。

 発表されたサッカーくじ全国販売概要によれば、3月3日から全国6,222販売店で発売を開始します。カラオケボックス、スポーツ用品店、携帯電話ショップ、書店など、子どもが集まる場所、学校の近くや生徒の通学路に販売店を立地しているのが特徴です。

 中野区では、丸井中野店を初め6店舗で発売されます。中野坂上ビル内には2店舗が出店、この地域には中野第十中学校と宝仙学園、実践学園、堀越の私立高校が集中しているところです。既にテレビコマーシャルも始まり、中野区内でもノーサイド都立家政店は、日ごろかから多くの小・中・高生が出入りしているマンガ、ビデオショップ店です。サッカーくじが子どもに影響が及ぶようなことが絶対にあってはならないと考えます。区教委はどのように見ているのか、販売店周辺の学校にどのような情報を提供しているのか、お答えください。

 19歳未満への販売防止策については、1、対面販売で購入に年齢を確認する。2、研修を受けた者が販売する。3、実施者が組織した覆面購入者が店の対応をチェックすると説明しています。また19歳未満への販売禁止処置を徹底することは、法律上も明記されているもので、実施団体の責務とされています。ところが、静岡県での2回のテスト販売では、4店に1店が年齢確認を行っていませんでした。全国販売の実施計画では、これらの問題点に対策は何一つ示しておらず、「19歳未満への販売禁止処置が徹底されていない」と静岡県議会も意見書を採択したところです。

 投票権はマークシート投票申込み用紙方式で、1枚で最大100口、1万円まで買うことができます。何枚もマークシートを使えば、無制限に購入できます。19歳未満の青少年がマークシートに記入して、投票を19歳以上の人に依頼する代理投票への対策は全く検討されていません。マークシートの配布の段階から、19歳未満の青少年が簡単に入手できないようにすべきです。ところが静岡県のテスト販売では、駅頭や繁華街で無差別に配布されています。

 区教委は子どもや地域社会に影響が大きく、刑法が禁じている「とばく行為」との認識をしっかり持って販売店への対処をすべきです。19歳未満への販売を禁止する対応策が不十分なもとでの販売開始だけに、子どもへの影響を、区としても独自に把握することが必要ではないでしょうか。

 青少年がのびのびと遊び、学ぶ生活環境を保障し、最高の文化を子どもたちに提供することが求められているときに、教育と文化行政を所管する文部科学省が、みずからギャンブルに手を染めることは世界でも例のないことです。

 日本弁護士連合会会長も、サッカーくじ全国販売の停止または延期を含め、慎重に再検討することを求めています。中野区も子どもたちへの悪影響を懸念する父母、学校関係者、地域の声に十分耳を傾け、しかるべき対応を検討することを求めます。見解を伺います。

 以上で私の質問を終わります。

      〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 来住議員の御質問にお答えいたします。

 最初に、区長の政治姿勢ということについて御質問いただきました。水産高校の「えひめ丸」の沈没の事故、あるいはKSD、また機密費事件、こういった事件について区長はどう思っているのかということでございます。

 私は、区民の負託を受けて、区政を担う者として、区民の感覚を重視して、区民の立場に立って、区政を開かれた透明なものにしていくということを大切にしてきたつもりでございます。政治家や公務員の不祥事の事件については、組織の中で閉鎖された形で仕事をしていたことも原因と思っておりますし、いずれの事件もモラルや責任感が問われる問題であるというふうに思っております。改めて責任ある立場でどう対処すべきかと考えさせられたところでございます。

 「えひめ丸」の事故については、日本側といいますか、「えひめ丸」の側に何の落ち度もない、その船が潜水艦の、いわゆる民間人に対するデモンストレーションをやっていたと。しかもその操舵席に民間人が座って操舵桿を握っていたというようなことも報道されております。詳しい状況については、知るよしもございませんけれども、状況から判断して、極めて一方的な被害者という立場に立たされているわけですし、いまだに9名の行方不明と、船は見つかったようですけれども、今、船の所在がわかった以上、最善を尽くしてその引き揚げをやってほしいし、また、日本としてそういった要求をアメリカの方にぜひしていくべきだろうというふうに思っております。こういった事件、発生したときのいろいろな問題については、責任者として敏速な対応というようなことが常に念頭になければいかんということを考えたところでございます。

 KSD、あるいは機密費の事件、こういったものについても、組織管理という点では、今後とも大いにこういったことを参考にしながら、こういう事件にならないように努力をしていきたいというふうに思っております。

 国政、あるいは都政のあり方についてさまざまな御意見があるということは承知をしておりますし、この不況をどう克服していくか、住民の暮らしをよくするために何ができるかということについて、区としても、国や都に主張すべきことはきちんと主張していくようにしたいというふうに思っております。区民の暮らし、その実態というのは非常に厳しい状況にあるということは承知しているつもりでございます。昨年の暮れから中小企業の倒産件数は非常に多くなって、中野区内でも商店街の構成等でもかりの数で商店が脱会をしていく、商店街も減っているという状況も聞いております。こういった状況を一日も早く景気回復できるように考えていきたいと思っております。

 次に、5か年計画、ともに生きる福祉のまちというのがあるけれども、区民の生きる道を閉ざす計画ではないか。また、子どもたちを育むまちといっているけれども、子どもや区民を踏みにじっているのではないかということでございますが、私は区政の当面する最大の課題、これが行財政改革にあるというふうに今も考えておりますし、行財政の改革を進めながら、極力区民が必要とするサービスについては、行政、区民、地域事業者、それぞれが役割を果たすことによって、さまざまな形で提供されるように工夫を行って、ともに生きる福祉のまち、子どもたちを育むまちを目指していきたいというふうに考えております。

 なお、基本構想の理念に立ち返るべきではないかということでございますが、基本構想の理念、自治と参加と連帯、これによってともにつくる人間のまち中野をつくり上げるということを目標にしておりますし、基本構想の中では、中野のまちは人の基本的な権利を守る、人の暮らしを大切にする、みずから参加してつくる、ともにつくる、人と人とを地域の中で結ぶということを掲げておりますし、基本構想は財政基盤の強化や能率的な区政についても述べておりますし、私は中野の自治を発展させる自主、参加、連帯に支えられた地域をつくる、平和な暮らしと人権を守る、安定した行財政基盤をつくり、効率的な区政を進める、この四つの柱を立てて区政を運営してきたつもりでございますし、これは基本構想を踏まえたものでございます。これからも区政の置かれている現状に則して、あすの中野の実現に引き続き努めていきたいというふうに考えております。

 次に、介護保険についての御質問にお答えいたします。

 介護保険の利用料、保険料を軽減するということについて、認識を変えないのかということでございます。低所得者に対する介護保険料及び利用料の軽減措置につきましては、基本的には介護保険の仕組みの中で区の財政負担をもたらさない形で実施すべきものというふうに考えているところでございます。この点については、考え方は変わっておりません。保険料については、保険制度の枠内で考えるとすれば、他の第1号被保険者の保険料負担とのバランスに影響を与えるということになりますし、また、利用料の軽減措置については、区の一般財源に新しい負担を生ずるということになります。したがいまして、低所得者の保険料や利用料の負担軽減については、慎重に対処すべきものというふうに考えております。

 なお、保険料については、当初この制度をスタートして10カ月たっております。3年後に見直しをするということでスタートしておりますので、そういった状況をすべて洗いだしながら、次の対応策というものを検討すべきであろうというふうに思っております。

 なお、5か年計画その他につきまして御質問いただきました。それぞれ教育長並びに所管部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

  〔行財政改革担当部長石神正義登壇〕

〇行財政改革担当部長(石神正義) 私からは、都区財政調整交付金についてお答えしいたします。

 都区財政調整交付金の調整率につきましては、清掃事業の特例的な対応が終了する平成17年度の時点で配分割合の見直しを行うことは当然といたしまして、それまでの間大きな制度改正やどうしても対応できない事態が発生したときは、配分割合の変更について協議を行うという合意がされているところでございます。この合意に基づきまして清掃関連経費や外形標準課税導入、法定外公共物の移管など都区間の財源配分に係る事項について現在協議をしているところでございます。今後とも適切な財源配分を都側に強く求めていきたいというふうに考えてございます。

     〔教育長子安圭三登壇〕

〇教育長(子安圭三) 私の方からは、5か年計画の特徴的な問題についてという中で、教育関係についてのお答えをさせていただきたいと思います。

 まず、今度の5か年計画の中での教育委員会の役割ということでのお尋ねがございました。区財政の5か年計画は、区が直面いたします財政危機を打開し、新しい区政の姿を実現するため、区を挙げての取り組みがあったというふうに思っております。教育行政を担当する教育委員会といたしましても、行財政改革の実現に努める責務を有しており、主体性を持って見直しに取り組んだところでございます。その際に、将来を担う子どもたちの健やかな成長と区民の生涯学習を支え、豊かな地域社会の形成に資するという教育委員会本来の役割を果たすのに支障が出ないよう、回を重ね、協議検討を行ったところでございます。最終的な計画作成に当たりましては、区長部局とも十分協議をいたしまして調整を図ってきたところでございます。この計画は、教育委員会の意向も反映されているというふうに私は理解をしているところでございます。

 個々の具体的な事業の中で開放協力員についてのお尋ねがございました。開放協力員制度につきましては、長年従事をしていただいた方々に、中野区の財政状況の御理解をお願いをし、廃止という苦渋の選択をしたものでございます。新たな学校開放事業の執行に当たりまして御協力をしていただいた方々には、何らかの配慮を行っていきたいというふうに考えているところでございます。

 それから、学校警備の機械化、区費の事務職員の引き揚げ等の問題でございますが、5か年計画では学校運営の効率化という視点から、夜間警備の機械化や事務職員の引き揚げ等を行うこととしてございますけれども、その一方で学校運営に必要な人手を確保するため、仮称でございますが、学校業務員を配置することといたしました。現在、子どもたちの教育活動には影響を与えないこと、効率的な学校運営に資すること等を目標に、学校業務員の職務内容等について詰めているところでございます。

 また、卒業アルバム代や修学旅行参加費助成の廃止につきましては、公費の負担のあり方や限られた財源を考慮して見直す中で、廃止せざるを得ないとしたものでございますけれども、一方、情報教育環境の整備や特色ある学校づくりの推進等を図っており、教育施策が全体として少しでも前進するように努めているところでございます。

 サッカーくじについてのお尋ねがございました。サッカーくじは19歳未満への販売は禁止されており、販売に当たっては、会員制度を取り入れ、購入者の身分証明用のカードの発行も予定されているなど、厳しい条件がつけられています。区内では6カ所の販売所で販売されることになっており、私としましては、販売に当たってはこの条件を守るよう業者には要請をしたいと考えています。と同時に、周辺の学校には情報提供を行い、また、地区委員会等関係団体に対しても情報提供を行うなど、子どもの健全育成の視点からは十分に配慮していきたいというふうに思っております。

  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

〇地域センター部長(柳澤一平) 5か年計画に関しまして3点の御質問についてお答えを申し上げます。

 まず、地域活動推進員の廃止に関しての御質問です。これまで地域活動推進員が主に担ってきた地域団体にかかわる業務でございますが、これは地域団体の立ち上げを初め地域団体の行事実施や団体運営の援助などでかなり濃密な支援を行ってきたところです。しかし、現在、教育、福祉、環境、育児など多様な分野で活動する地域団体が増加いたしまして、その力量が増してまいってございます。このようなことから、これまでのような行政のかかわり方の必要性は薄れてきているというふうに考えております。こうした状況から地域活動推進員を廃止し、地域センターは地域団体へのかかわり方について、団体が活動しやすい環境づくりにシフトし、その自主性を尊重する方向への見直しを行ったものでございます。

 このことについては、現在各地域センターにおいて廃止後の対応を含めまして、地域団体と協議を進めており、大筋の理解を得ていると理解しているところでございます。

 次に、高齢者会館事業推進員等に関しての御質問です。老人クラブを含め、高齢者会館における事業については、今までも高齢者会館長を中心に、用務職員も含めて実施をしてきたところでございます。これまで高齢者会館事業推進員が担っていた事業企画等については、今後とも用務職員等への専門的な研修などを通して事業実施に十分に対応していくこととしております。

 また、これから高齢者会館は、介護予防や健康増進を推進する機能を強化していく必要があると認識しており、保健、福祉部門との連携などにより、こうした事業への取り組みを進めていくこととしているところです。

 3番目に、子育て関係の総合審議会についての御質問です。子ども施策を総合的に実現していくために、まずその具体的施策の推進に当たっては、子ども施策連絡調整会議を設置しておりまして、全庁的な調整や連携、連絡等を行っているところです。

 また、施策立案等の過程では、医師、研究者等専門家や地域の育成団体等の意見を取り入れて、子ども施策を総合的に議論することは必要であると考えております。そのため、既に設置されております保健福祉審議会や青少年問題協議会の活用を視野に入れ、また、学校現場の声も取り入れながら対応していきたいと考えているところでございます。

    〔福祉部長沼口昌弘登壇〕

〇福祉部長(沼口昌弘) 最初に、高齢者福祉電話事業の訪問相談員の廃止についての御質問にお答えいたします。

 高齢者福祉相談員の仕事は、電話による安否確認等でございますが、その利用者のほとんどはホームヘルプサービスや訪問食事サービスなど安否確認の機能を持つ在宅サービスを受給しておりまして、これらの方々につきましては、電話訪問を廃止しても特段の支障はないと考えてございますが、引き続き安否確認が必要な方々につきましては、在宅介護支援センターを中心とする地域の総合的なケア体制によって見守りを行ってまいります。さらに今後地域のささえあいネットワークを構築し、地域の中での安否確認の体制を重層的につくっていきたいと、そのように考えてございます。

 次に、野方ベビー、若宮保育園の存続についての御質問でございます。

 野方ベビー保育園は、ゼロ歳児専門園であることから、就学までの一貫保育ができないこと、年度当初は入園児数が少なく、運営コストが高いことなどを考慮いたしまして、今回廃園を計画したものでございます。

 なお、今後もみじやま保育園や中野保育園における産休明け保育の実施及び民営化園での産休明け保育の充実など計画的に対応を図ってまいりたいと思います。

 また、若宮保育園につきましては、小規模保育園である上に老朽化の問題もございまして、今回廃園を計画したものでございます。上鷺保育園が休園中であることから、保育の需給バランスに不均衡が生じていますが、上鷺保育園開設によりまして、環七以西の地域の需給バランスの均衡が図られ、これに伴いまして若宮地域の保育需要も均衡が図られると考えています。

 次に、保育園の民営化は行うべきではないとの立場からの御質問が幾つかございました。

 女性の社会参加の増加やライフスタイルの変化などによりまして、保育ニーズは極めて多様化していると考えています。保育の実施責任はもちろん区にございますが、これらのニーズに行政みずからがすべてこたえていくのは不可能でございます。厳しい財政状況が続く中で区民の保育ニーズに柔軟に対応していくためには、民間活力の活用を図りつつ、保育行政を展開させていくことがどうしても必要であると認識しています。

 保育園の運営は、認可保育園である限り、公立でも私立でも可能でございまして、制度的な違いはございません。すなわち国は認可基準として、施設や職員配置等の最低基準を定め、さらに東京都においては、国基準を上回る基準を定めまして、この基準に達しない場合は補助対象としていないという事情もございます。従いまして、具体的な保育園の職員配置数等につきましては、東京都の基準をもとといたしまして、それぞれの設置主体の判断により行っているものでございます。保育水準は経営者の保育理念や職員の個々の能力等いろいろな要素で決まってくるものと考えてございまして、必ずしも職員配置数のみで決まってくるものではないと考えています。今後産休明け保育や延長保育、緊急一時保育など多様な保育ニーズに対応していくためには、民間の持つ柔軟な運営の活用が必要と考えているところでございまして、区民や保護者の理解を求めていきたいと考えています。

 それから最後に、認証保育所に関しての御質問がございました。

 認証保育所につきましては、施設構造や職員配置につきまして、国の認可基準に準じた基準で東京都が認証するものでございます。設置主体には社会福祉法人や民間企業などの事業者を想定してございます。

 区といたしましては、設置主体を選考するに当たりましては、事業者の経営状況や保育実績のほか、職員研修の実施状況などにも留意しながら、適切な事業者を選定していく必要があると、そのように考えてございます。

 〔教育委員会事務局次長須崎英夫登壇〕

〇教育委員会事務局次長(須崎英夫) 青年館についての御質問にお答えをいたします。

 教育委員会としては青年館の設立の目的はもはや失われているとの認識に立っております。今回の行財政改革の中で中・高生の居場所対策を児童館、地域センター、その他の文化施設などを活用して総合的な対応を図っていくと、区としての方針が出されてございます。委員会としてはこれを了とし、青年館事業を文化センター西館で継続実施をすること、野方青年館の区民集会室機能を、野方図書館の目的外利用として、これまでどおり区民の利用に供していくことといたしまして、青年館の廃止を決めたものでございます。

 なお、CTNが2月の青年館事業放映の際、3月に企画をしている事業に、「さよなら青年館」と頭につけたテロップを流したことに対しまして、議会を無視したものではないかとの御指摘がございました。調査をした結果、放映は事実であることを確認いたしましたが、教育委員会としてお願いや指示をしたことはないと判明いたしてございます。今後このようなことのないよう、事前のチェックなど十分に注意をしていきたいと思ってございます。

   〔都市計画部長宮村光雄登壇〕

〇都市計画部長(宮村光雄) 私からは、山手通りについての2問の質問にお答えいたします。

 まず、これまで区が要望してきている脱硝装置の実用化などの進捗状況と、歩道拡幅については、自転車専用通行帯の確保を要求に入れてはどうかとのお尋ねでございます。

 自動車排気ガスの脱硝装置につきましては、実用化及び導入に向けた研究開発の推進を要望しております。その後の進捗状況につきましては、首都高速道路公団、東京都などを通じて情報を入手してきているところでございます。

 御質問のとおり国土交通省、首都高速道路公団などは共同いたしまして低濃度脱硝装置の技術開発に取り組んでおります。平成9年2月からの首都高速京浜島換気所のパイロットスケール実験では、スペース、コスト等の縮減する成果があったと聞いておりますが、なお、スペース、エネルギー、コストの縮減が課題として残っており、今後さらに実用性の確認を行うべく新たなパイロットスケール実験を2年間行うと聞いております。

 なお、土壌による排気ガス浄化システムにつきましても、導入に向けた検討を要請しておりますが、これまでの実験結果では、広い面積が必要になることなどから、現時点ではまだ導入は難しいというふうに聞いております。

 次に、歩道幅の拡幅につきましては、歩行者などの交通安全対策と十分な植栽と環境面の配慮から、区として要望してきているものでございます。平成2年、平成9年に区長名で文書で要望しておりますが、そのほかにも適時いろんな機会をとらえてその要望に沿った対応をしてきておるところでございます。

 自転車専用の通行帯につきましても、自転車と歩行者の分離という面で交通安全対策の工夫の一つかと考えますが、改めて要望すべきかどうかについて十分検討したいと考えます。

 次に、脱硝装置の設置に加えて、首都高速道路中央環状新宿と山手通りについて、発生源対策として、通行車の総量規制とディーゼル車の乗り入れ規制を行うべきであり、他区と連携して関係機関に要望していくべきだという御質問でございます。

 自動車公害対策につきましては、これまでも国及び都に対して充実強化を求めてきております。また、今回東京都が公害防止条例を全面改正いたしまして制定いたしました、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例におきましても、排出ガス対策、燃料規制、自動車使用抑制努力義務などが規定され、対策が強化されております。さらに大型ディーゼル車の高速道路利用税などが検討されているところでございます。

 区といたしましては、地下高速道路中央環状新宿線に限らず、こうした広域的な対策の結果を見定めて、さらに必要な働きかけをしてまいりたいと考えております。

     〔来住和行議員登壇〕

〇21番(来住和行) 保育のところで再質問をさせていただきます。

 民営化に当たって今説明会が開かれているということを御紹介しましたが、区の方では、都の基準を満たすという説明はしているわけですが、区の基準と異なるということは、私の質問でも、どう違うのかというのを聞いたと思うんですが、都の基準と区の基準の違いが明らかでありません。したがって、都の基準を満たすから保育水準は変わらないという説明がされていますけれども、区の基準を満たすと、なぜ保育水準が変わらないということを言われるのか、区の基準と都の基準の違いがはっきりしませんので、そこをどう違うのか、きちんと説明をしていただきたいと思います。

    〔福祉部長沼口昌弘登壇〕

〇福祉部長(沼口昌弘) 民営化園の民営化のやり方につきましては、上鷺保育園のように新しく建設から民営化していく場合と、今回提案しています野方北保育園のように、現在区立としてやっているところを民営化していくということと2通りあります。当然今回の野方北保育園の場合ですと、施設はそのまま使います。そういう意味で変わってきますのは職員の数だと思います。変わってきますといいますのは、変わるかどうか、これは確かにわかりません。相手方によってかなりの人数をつければ、それはそれで区と同じになるか、あるいはそれ以上いくかということもあるとは思います。ただし、現在のいろいろな基準でいきますと、通常認可保育園であっても、東京都の基準に大体則していくというのは通常だと思いますので、なかなかそれ以上の人数がつけられないというような状況はあるかと思います。

 そういう意味で人数的には差がございます。中野区の方が特に保育士の数で、我々の計算でいきますと、野方北保育園のような規模の保育園でありますと、二、三人は変わってくるのではないか、そのように考えてございます。ただし、これは数は確かに変わりますけれども、保育水準がどうなるか、これについては、それぞれの園の考え方、その保育士の力量、それぞれいろんな条件で決まってきますので、直ちに保育水準が下がるということは言い切れないということでございます。

〇議長(小池ひろし) 以上で来住和行議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 木 村 勝 昭

 1 都の税制調査会の答申の評価について

 2 区長会事務局設置に関連して

 3 区政の10年と今後について

 4 行財政改革の姿勢について

 5 介護保険について

 

〇議長(小池ひろし) 次に、木村勝昭議員。

     〔木村勝昭議員登壇〕

〇30番(木村勝昭) 第1回定例会に当たり、市民自治フォーラムの一員として、また、常識ある区民の立場で質問をさせていただきます。

 先般、私、所要がありまして新宿にまいりましたが、ちょうど紀伊國屋書店を通過したあたりで献血の呼びかけをしておりましたので、よく献血をしておりましたので、献血をいたしました。すぐそばのビルでございました。

 御承知のことかと思いますけれども、数年前までは、中野駅北口前にもサンメイトビルというのがありますが、そこで献血センターがございましたが、いつの間にか廃止されてしまいましたので、なかなか献血する機会がありませんでした。そこのビルの6階にまいりまして、サンメイトビル程度の献血会場かなと思って入りましたら、これは大変驚きました。エレベーターも一人でございましたし、1階にはほとんど人がいなかったので、行きましたら、これはそれは大きな献血センターでございまして、御承知の方もいらっしゃるのかもしれませんけれども、後でそこの方に聞きましたら、昨年工事をして、フロアを2倍にしたということで、一般献血と成分献血を含めると、採血台が20台以上ありました。その採血台が全部人で埋まり、また、受付で待っている人、あるいは採血を終えてくつろいでいる人でいっぱいでした。また、ほんとにくつろぐ場所が非常に広いわけでございます。飲み物は自由に飲める、スタンドで、軽い食べ物も自由に、おせんべいとか、スナックとか食べられたり、パソコンやビデオなども見られると。一言で言うと、間取りの広い、明るい雰囲気の喫茶店を想像していただければいいような、そんな場所でございました。

 もう一つ驚きましたのは、そこにいらっしゃる方が非常に若いということで、20歳代、30歳代、もう40歳代だと非常に少ない。私のような人間はほとんどいないぐらい若い方がいたことは、大変勇気付けられました。献血をする方、また、血税をむさぼる方とか、いろいろおりますが、21世紀がそういう若い方によってぜひ頑張ってもらいたいなと、そんな気持ちを感じた献血でございました。

 それでは、質問に入りますけれども、最初に、地方主権の確立に向けて、都の税制調査会の答申についての質問でございます。

 地方主権の確立に向けて、地方のあるべき税財政制度のあり方を検討しておりました東京都税制調査会は、昨年10、11月と中間答申、最終答申と矢継ぎ早に答申を石原都知事に提出いたしました。最終答申は本文が83ページ、税財源移譲シミュレーションと参考資料が65ページのボリュームがありまして、また読みごたえのある答申でございます。内容は多岐にわたっておりますので、逐一御紹介することは控えさせていただきますが、要旨のみ申し上げますと、地域社会の維持は地方税中心という基本理念のもと、国庫支出金の廃止・縮減や地方交付税の地方税化による大幅な縮減のほか、これは国税に当たる個人所得税の一定部分を個人住民税に移転させる税率改正、こういう形でございます。個人所得税の最高税率の引き下げ、地方環境税の創設など税財政制度改革の基本方向を示していると思います。少子高齢化社会をにらんで「広く薄く負担」「世代間の公平」の観点から、個人住民税の税率構造のフラット化と課税最低限の引き下げなど、高額所得高齢者への所得基準の見直しなどを盛り込んでおります。

 私は昨年の第3回定例会決算特別委員会で「特別区と地方交付税」というテーマで総括質疑を行わせていただきました。国及び自治体の財政構造、財政歳入歳出構造を分権自治の立場で改革・検討を進めるという意味で、今回の都税制調査会の答申は、方法論的にも大変参考になるものでございます。

 地方交付税の税源の移譲について、答申はどのように述べているかを簡単に御紹介いたします。御承知のように地方交付税の総額は国税5税の収入額の一定割合であります。現在その割合は法人税35.8%、所得税、酒税の32%、消費税の29.5%、たばこ税25%とされております。現在消費税率は5%でありますが、そのうちの1.5%分が地方消費税とされております。答申ではその比率を2.5%まで引き上げる。言いかえれば国と自治体の配分割合を1対1にするということであります。

 また、国税である所得税は現在税率区分が4段階、10%、20%、30%、37%とする累進課税であります。地方税である個人住民税の税率は3段階、すなわち5%、10%、13%とする緩やかな累進課税でございます。そこで答申では、個人住民税を10%にフラット化すること、5%というのをなくすわけでございますが、所得税は累進税率を維持した上で、新たな累進税率を組むことなどにより、パイは変えず、地方税をふやすこと、そして国税を圧縮して地方交付税を圧縮するということでございます。極めて今荒っぽい説明をいたしましたが、やる気にさえなればできる改革案だなという感じがいたしました。

 そのシミュレーションでは平成10年度決算ベースで税源移譲の原資は、トータルでは7兆2,000億円になるわけでございますが、今申し上げました地方交付税に当たる金額は2兆9,000億円とされております。

 都並びに各特別区は地方交付税を歴史的にただの一度も交付されたことがございません。昨年の総括質疑におきまして私は、地方財政法上の都区合算規定の問題を含め、税の都市住民への還元の取り組みを強く求めたところでございますが、都区間の問題、国と都区間の関係につきましては、これはこれで今後も検討すべき大きな課題があると思いますが、今回の東京都税制調査会答申を私どもも重く受けとめる必要があると思っております。

 都では答申の考え方に基づく全国自治体のシミュレーションも行っているようでございます。交付税が少なくなるわけですから、不交付団体になるが、地方税として自主財源が拡大する自治体、交付税は減額されるが、地方税としての自主財源が拡大する自治体、あるいは交付税が減額され、自主財源もおぼつかなくなる非常に小さな自治体などいろいろ想定されるようでありますから、自治体間の財政調整ということも改めて構築し直すことなども必要になるようではございますが、そういうシミュレーションを行っているようでございます。

 今回の答申は、地方分権一括法が昨年4月から施行されましたが、肝心の税財政制度の改革は中央省庁の厚い壁に阻まれて棚上げされたままであります。この中途半端な地方分権の状況を揺さぶり、地方から税財政制度改革ののろしを上げようというのが都税調の目的でもあるようでございます。

 また、現在政府は政府で地方交付税配分の改革を進めようとしている状況もございます。なぜならば、この10年間で急速に交付税総額が拡大して、国税5税分で賄い切れないところを交付税特別会計からの借り入れで対処してきていたのが実態でございますが、その借入額が既に今年度で38兆円に及んでおります。平成13年度には四十数兆円になるということでございます。交付税がはなから不交付の各特別区以外の全国の自治体は、交付税算定の基準財政需要額の圧縮という形で交付税額を減額されるようでございます。したがって各自治体も13年度予算は大変なようでございます。このような平成13年初頭の国と自治体間の財政状況でございます。地方への財政コントロール権をあくまで手放さない政府による地方財政改革か、地域主権・地方分権の立場からの税財政改革を行うかの大きな分かれ目に差しかかっているのであります。

 都の税制調査会はその役割を率直に次のように述べております。1、国・地方の税財政制度のあり方について、都民、国民に率直に問題提起をすることである。2、我が国における21世紀の経済社会にふさわしい税財政制度を率直に提案し、その実現に向けて都民・国民とともに徹底して戦うことである。3、税財政改革にかかわる議論の核心を、地方の立場から明らかにするとともに、都民・国民や他の自治体と連携して改革を求めていくことであるということでございます。私は極めて的を射た役割であると思います。

 そこでお尋ねいたしますが、区長はこの答申をどのように評価されておいででしょうか。また区長会でのこの答申に対する評価、どのような評価をされているのでしょうか。あるいは税財政制度の改革に向けて、都税調も言っておりますように、地方分権・地方主権の立場からどのような対応や行動を検討しているのかということもお尋ねいたします。

 また、区長は区の財政危機は長引く不況の影響に起因するような見方も披露しておられますが、受身の姿勢ではなく、自主財源の獲得、国と自治体間の税財政制度のあり方や改革について言及し、区民とともに考えて、さらに行動を起こすという新たな問題提起をする時期ではないかと思いますが、そのようなことについていかがお考えでしょうかをお尋ねいたします。

 次に、区長会事務局設置に関連してお尋ねいたします。

 特別区区長会は昨年12月に特別区長会事務局設置を決定したということでございます。報道の要旨では次のようでございます。「2001年4月から新たな特別区長会規約が施行され、1、基礎的自治体として特別区が共通する課題に関して主体的に検討及び調整するための仕組みを構築し、2、これまで財団法人特別区協議会に委嘱してきた特別区長会の事務を処理するため、区長会固有の事務局を組織するなどの改正が行われる。区長会には23区に共通する特に重要な案件について、区長みずからが審議を行う自治研究会を設置する。また、区長会での審議に先立って実質的な検討が必要な案件について、下命事項を検討するため、現在区長会と別個に設置されている助役会を区長会のもとに設置し、必要な検討を行う組織として指定会議体を指定する。この区長会の体制を事務的に支えるために、特別区協議会とは別個に特別区長会事務局を設置する。区長会事務局長は区長会が任免し、区長会に対してのみ責任を持つ。事務局長には特別職相当の知識経験者を想定する。来年1月には区長会事務局設置のための準備組織を設立する。」と報道されております。これは都政新報の報道でございますが、記事はまた「これにより特別区協議会を舞台とした23区の協調体制は、協議会発足以来、50年余の歴史に終止符を打つ。」と書いております。

 私は、都区制度改革と地方分権推進の観点から見れば、区長会の対応は状況変化を前提にした大きな変化、対応であると思います。特別区協議会が果たしてきた役割、その機能は、協議会は都側の代弁機関なのか、あるいは区側の立場なのかなど、非常に複雑な側面を持っていたと思います。それを今回、新たに協議会とは別に区長会事務局を設置し、区側の立場に立った機能に純化させるということであると思います。

 私は、昨年4月以降の地方分権推進と都区制度改革は、とりあえずの第1ステージが終わったと見るべきと思っております。そして今後の第2ステージは、地方分権推進と都区制度改革の路線上で、さらに形式と内容において大きな変化も想定されると考えなければならないと思っております。

 読まれた方もおいでかと思いますが、先月の東京新聞の記事で特別区を四つの市に再編することを提案している研究機関の紹介がございました。その報道では細かいことは省略いたしますが、中野区は四つの区とともに新宿市になるとの想定でございました。私は、今もこの質問でも各特別区というふうに申しておりますけれども、従来ですと、今までよく23区という言葉を使いましたが、もう東京23区という言葉は使わない方がいいのかなと。各特別区、自立と連帯しながら、各特別区がそれぞれいろいろな個性を出しながら道を歩むと、そういう意味で各特別区というふうに私なりに呼称しようというふうに考えているところでございます。

 いいずれにしましても今後は各特別区が緩やかな協調と連帯を前提にさらなる自立や個性化を進める。そしてその後はさらに大きな変化が待ち受けていると想定して対応することになるのではないでしょうか。

 そこでお尋ねいたしますが、本年1月に区長会事務局設置のための準備組織を設置するとの報道ですが、その概要について現在どのような取り組み状況なのでしょうか、お尋ねします。

 また、区長会事務局規約で「区長会事務局長は区長会が任免し、区長会に対してのみ責任を持つ」とされておりますが、改めてこの意味と背景をわかりやすく説明してお答えください。

 次に、従前の特別区協議会の事務局長は東京都の内部団体的性格を持つ23特別区を調整コントロールするような役割を持っていたと言われるわけですが、今回の区長会事務局長は特別区長会のもとで、先ほども申し上げましたが、第2ステージの地方分権推進と都区間関係の一層の改革を進めるキーマンとして非常に重要な役割を担うことになる一人であると想定されます。「事務局長には特別職相当の知識経験者を想定し」とのことですが、特別職相当とはどのような意味なのか。また特別職相当の知識経験者とはどのような人、人物を意味、想定するのか。また、この事務局長の任期は定められているのかどうか、その辺もお答えください。

 次に、区政の10年間と今後ということでお尋ねいたします。

 21世紀初頭の本年度、区政は10年前には予想もしなかった状況、すなわち財政破綻と財政再建という局面で21世紀を迎えたわけでございます。今回、行財政5か年計画、行財政改革と新たな施策展開が作成されました。私はここで今後のことを考える前に、一度過去を振り返り何か導き出せるものはないかとも思いました。ちょうどいいぐあいに私の手元に1990年5月中野区発行の「2001年・中野」という小冊子がありましたので、これを素材に2点だけ質問いたします。

 この冊子は、中野区長期計画検討区民会議提言と副題が記されております。行政計画としてのいわば第一次長期計画策定時の附属資料、あるいは長期計画を進めていく上で目線におくべき事柄などを当時の策定委員の方々がまとめたものであると思います。末尾に記されている長期計画検討区民会議委員には、議会から飯島きんいち議員、池田一雄議員、伊藤岩男議員、柿沼秀光議員、桜井ひであき議員のお名前などが見受けられます。当時社会党もあったはずでございますから、だれか欠けているなと思って考えましたら、私の記憶では、三浦邦夫議員が委員になっておられましたが、亡くなられたので、冊子では名前が出てなかったのだと思います。そういう方々のいろいろ議員のお名前も見受けられました。

 平成元年、あるいは2年に議論され、まとめられている冊子ですので、バブルの崩壊の予測など微塵も感じられない論調で語られてはおりますが、私の記憶でも、当時最も力を入れた計画事業をどのように進めていくのかを熱心に語り合ったことが、文字を通じて感じられる内容でございます。そしてその内容は、21世紀の中野のあるべき姿として希望されている、あるいは語られているということでございます。小冊子と申しましても130ページでございます。時間の都合で内容の紹介は避けますが、はじめにの項の一部だけを紹介しますと、こんな出だしでございます。「NAKANOKUという名の列車が行く。どこへ。ライブリー都市中野へ。そこは、生と生活を生き生きとさせる都市である。いつまでに到達できるのか。2001年までに。」というなかなか情緒的な書き出しでございます。「だが、列車の行く手は、霧の中。1988年の区民予測調査では、まちの活力、景観、安全性、環境、そしてイメージについて、好ましい方向に向かうかどうか、未来像を描きかねているという結果が浮かび上がった。日本社会の高度情報化、高齢化、国際化は、今後も急速に進む。東京の一極集中は、一層の荒廃をつのらせるだろう。中野区は、それに加えた、都庁移転による都市化によって引き起こされた新しい障害を避けては通れない。」と前方に横たわる課題を指摘しておりました。

 第1部は「望ましい未来像を物語として描けば」として36ページまで。第2部は「明日を拓くシンボルプロジェクト」として62ページまで。第3部は「三つの課題」として105ページまで。第4部は「計画実現のための区政改革」ということで123ページまでという構成でございます。

 我が区の主要課題はこの長期計画に織り込まれ、第一次長計とされましたが、その後二次長計に引き継がれました。計画行政のこの10年間の推移については、既に幾度となく語られ、議論されておりますから、避けたいと思います。

 今回の行財政5か年計画では第二次長期計画(1997年~2006年)は、その理念を引き継いで本計画を策定したことに伴い、廃止すると明記されました。いずれにしても財政的な裏付けのできない計画事業では、絵に書いた餅になってしまいますから、その長期計画を廃止すること自体はそのとおりであると思いますが、物事は行政の都合だけでおさまるものではないことも考えておくことが必要であります。あるいは緊急的な行財政5か年計画の枠内におさまるものでないことも考えておくべきではないかと思います。そのような問題意識を持ちましてこの冊子をもう一度読み返すと、大変参考になりますので、一読をお勧めしたいと思います。

 私は今回この小冊子を読みまして、例えばキーワードとして小冊子では、区民との協働の取り組みということを非常に強調していることに関心を持ちました。また特に第4部の「計画実現のための区政改革」の部分は、参考になる内容を含んでいるものでございました。昨今の区政の状況をも並行して目線において物事を見るときに、中野区の2001年の姿は現実の姿として前提にせざるを得ませんが、せめて21世紀未来に向けて今から前向きに取り組めることは、ソフトな面での再生、創造、こういうことが必要であると思います。

 改革の遅れによるハードランディングが今回の行財政5か年計画でございます。職員の意識もまた職場も行財政5か年計画による影響やその要因や、また今回予定されている機構改革などによりここしばらく「てんや・わんや」なのが実態ではないかと推察されます。

 過去の積み重ねが現在でありますが、ソフトな面での行政の再生がなければ中野区はこの5年間でますます衰退してしまうかも知れません。ですから区民との協働ということについて、また職員の士気高揚、能力開発、人材発掘、専門職員の育成などについて、それらを含め、広義な意味でソフトな面での行政のあり方について、どのような決意で区長は対策、方針を立てて取り組まれようとしているのかをお尋ねします。

 次に、「中野・2001年」では、三つのシンボルプロジェクトの一つとして中野の顔づくりを提唱しておりました。具体的には中野駅周辺整備であります。また、狭い意味で申し上げれば、警察大学校跡地の利用計画ということになります。

 ソフトなプロジェクトなら、解消あるいは文字を消せば済んでしまうかもしれませんが、この課題はそのようにはなりません。現在は計画の先延ばしをしているわけですが、現在、国との対応、都との対応や調整はどのような状況になっているのでしょうか。最近民間レベルでも警察大学校跡地利用について関心を持つグループの活動なども耳に入ります。そういう方々の発想でまた新たな発想でいろいろな考えをつくるわけでございます。プロジェクトが現在事実上冬眠状態に近いとしても、区民にはそのようなことはわかりません。区にとっては極めて重要な課題であることには変わりありません。どのような取り組み状況なのかをお答えください。行政は課題を解決、実現するときに「与条件」という概念を使われます。警察大学校跡地利用計画に関しては、総じてこれだけ時代の変化、変動の激しいときでありますから、物事の実現に向けては細心の、最大の努力を、また目標実現に向けて柔軟な行動も求められることでしょう。そのような問題意識も含めて現況の取り組みにつきまして、どのような努力と取り組みをされているのかを改めて御報告ください。

 次に、行財政改革の姿勢についてお尋ねいたします。

 先ほども申し上げましたが、改革の遅れによる極めてハードランディングな着地を行ったのが今回でございますが、ここに至るまでの事務当局の御苦労にはまず敬意を表しておきたいと思います。

 さて、区長の所信表明では、この行財政5か年計画によって、厳しい影響を受ける人々、突然職を失い困惑する人々、組織運営に大きな変更を迫られ困惑する人々、申し始めればきりがございませんのでやめますが、本当に多くの人々や団体が影響を受けているわけでございます。区長の所信表明を読みまして、果して区長のメッセージがこれらの人々に伝わるのかなという感を否めません。

 今回の区長の所信表明は率直に区長の認識を語っているとも思いますので、私も率直に感想を述べつつ質問をいたします。また、区長の所信表明はいずれ区報にも掲載されるわけですが、前後の経過を知らない区民の方は、区長はそんなに苦労しているのか、議会は何をしているのだと考えてしまう方も想定されますので、私は区長の所信表明に反論すべきことはきちんと申し上げながら質問いたしたいと思います。

 区長は所信の2ページの「区政運営をふりかえって」の項で「顧みますと、区の財政規模が縮小し始めたのは平成5年度からでした」といういわばフレーズがございます。その辺は私も当時の財政認識、景気認識、多くの方々と同様であったように思います。続けて区長は、「私は区財政の悪化を受け、平成6年から行財政総点検、委員会報告、4度にわたる事務改善委員会をも求め、歳出の削減に努めてまいりました」と述べ、さらにいろいろ述べておりますが、これだけですと議会の意見が見えません。この議場にいる皆様方も御承知のとおりでございますが、議会で財政危機問題について大いに議論し始めたのは、前々回の改選以降でございますから、平成7年4月以降でございました。各会派、各議員の皆さんが区財政は大丈夫か、行財政改革を積極的に進めるべきではないかと質問をしております。

 今振り返ってみますと、区長は「議会には議会でいろいろ言わせておけばよい、執行するのはこちらだから」というような気持ちが色濃くあったのではないかと推測いたします。なぜなら、財政危機問題の警鐘乱打を行う議員の認識は、日本経済の右肩上がりの成長など当分望めない中で、財政運営をどのようにするのかという立場での多くの場合、質問でありました。しかし、区長は所信の3ページで、これは細かい記述でありませんので、時期がいつごろか定かでありませんが、平成10年か11年以降でも「景気の回復に期待して、基金の活用など臨時的な財源対策を行いながら」との認識であります。

 所信には記されておりませんが、最近では、実施計画の再構築、あるいは区政5か年計画と突然出ました。そのために職員も多くの時間を費やし策定の作業はしてみたものの、幻の区政5か年計画に終わった経過もございます。

 私は区長がもっと議会の質問や意見を真摯に聞いていたならば、聞く耳を持っていたならば、もっと早い時期に改革も始まったと思いますが、振り返って区長はいかがお考えですか、お尋ね申し上げます。

 区長は所信の中で次のように述べております。「この間に、区の財政運営は一段と困難になりました。私は、財政健全化の取り組みが、財政の悪化をとめられなかったことを率直に認めたいと思いますし、財政見通しが不適切だった、取り組みが弱かったとの御指摘については、区政運営の責任者として重く受けとめています」と述べております。現下の区政の中で、区長が責任を重く受けとめるということでしたら、私はぜひ職員との対話の場に積極的に出てほしいと思います。また、できるだけ職場回りをしていただきたいと思います。やはり職員が一番苦労し悩み、いろいろな思いや希望も持っていると思います。そういう人たちと十分、この行財政5か年計画を遂行するのであれば、話をする、そういう動きをしていただきたいと思います。責任を重く受けとめるということを行動で示していただければと思いますが、いかがお考えでしょうか、お尋ねいたします。

 今回の行財政5か年計画素案では、区民健診の有料化が提案されておりました。この問題も長い経過をたどっている問題でありました。素案の段階で提案され、その金額も相当大きな金額でありますから、私は区長も不退転の決意で臨んでいるのかと思っておりました。しかし、本案、あるいは案がとれた今回の決定では、2年間の先延ばしになっております。

 私は現在厚生委員会に所属しておりますから、委員会にもさまざまな請願・陳情が提出され、審査をしているわけでございます。数十万円の金額をめぐって区民も理事者も、そして私ども議員もある種の調整機能を果たすという役割で審査を行ってまいりました。私どもは、区長、あなたのつくった行財政改革のフレームで議論をしていたのでございます。私は数十万円、あるいは百万円単位の微調整を提案者の区長が行うのは理解できますが、四千数百万円の改革の提案を出しておきまして、それを最終的に撤回してしまうのであれば、例えば所管の委員会での委員の感覚としては、それでは四千数百万円分の犠牲がどこにいくのかということになってしまうのではないでしょうか。一体何を議論していたのかということになってしまうわけでございます。それならば最初から出さない方がよかったのではないでしょうか。

 私は今回の区側の対応について次のように思います。区民健診の必要性、重要性については当然でありますが、現在、自分の健康は自分で真剣に考える、そのためには多少の、あるいは人によっては相当の支出をみずからしているのが今の時代状況であります。私自身もそのように考えております。精密検査をしても不幸にして早期発見が遅れる場合もあります。人の健康に100%完全というようなことはありません。

 厚生委員会でも、有料化されると受診率が低下するという論理も展開されておりましたが、理事者の皆さん方が作成した、区民健診の今後についての検討委員会の統計資料を見ましても、無料であったこの間の受診率が右肩上がりに上昇しているかといえば、そうではありません。

 理事者の皆さんの責務は、受診率を上げる努力をすることも一つの責務であると思います。もし受診率がさらに上がったら、それでは財政負担は一体どうなるのでしょうか。

 今回も費用の一部負担を、社会的弱者に対して、いわゆるセーフティーネットを張った上で求めたのではないでしようか。一部負担をさらに少なくするというのならわかりますが、2年後の先延ばしでは、一体提案したのは何の意味があったのかということになるのではないでしょうか。また、この問題は今までにも長い経過があったのでないでしょうか。そして提案されたのではないでしょうか。なぜ区長は先延ばしなさったのか、その理由を御説明ください。また、なぜ一部負担を縮小してでも具体化しなかったのかをお尋ねいたします。厚生委員会の理事者の答弁からでは、その先は見えませんでした。その辺を御説明ください。

 次に、今回提案されています組織再編についてでございます。

 2月16日付の議会運営協議会の資料等でも、組織再編を行う内容を拝見いたしました。私は、行政組織のあり方まで口を鋏みたくありませんが、資料を見た限り、何でこの時期にまた組織再編を行うのかということを十分理解できませんので、わかりやすい御答弁をいただければと思うのでございます。

 行政部門別の部再編成と書かれ、区民にとってわかりやすい簡素で効率的な組織を目指すと言っております。総合的な対応ができるよう行政分野別に部門を統合すると言っております。その一環として、保健サービスと福祉サービスの一体的な提供及び都市環境の整備を総合的に推進するための組織整備を行うとも言っております。行財政5か年計画の方針の中でも、いわば行政改革の中で組織整備のことは触れておりますから、それはそれでわかっているつもりでございますが、私は今の中野区の状態を、病気に例えてみたら、ほんとに肉を切り、身を削り、今回は骨まで削ろうかというところまで、今言ってみれば行政組織の荒っぽい改革をせざるを得ない、そういうのが現状だと思うんです。ここで極端なカンフル注射を打てば、体自体もどうなってしまうかということがわからない、そういうふうにも見えます。漢方的な治療をじっくりやるというようなことも、この5年間必要というようなことも考えられたりもします。病気に例えればでございます。

 また、組織の形というものを求めるのでしたら、じっくり議論されて、21世紀のあり方というものを求めてもいいのではないかな、そんなふうにも思います。

 また同時に、もう一つは、組織は人なりということもあるのではないでしょうか。これはいろいろな人たちがいろいろな経験をしながら、よく引用する言葉でございますから、私はこれ以上申し上げませんけれども、組織は人なり、そういう非常に含蓄のある哲学的な企業経営、組織運営をいろいろやった方々が最後に、組織とはそういうものだと、そういうことを言う言葉でもございます。そんなことをちらほら頭に置きながら、今回の組織整備を見ますと、ほんとに大丈夫なんですかということをどうしても感じざるを得ません。

 今我が中野区政は危険水域に入って、大あらしの中を漂流しているのではないでしょうか。ほんとにこの期間、しっかり舵をとって、もう一度この危険水域が脱出する、そういうシフト、先ほどどなたか答弁でシフトという言葉を使っておりましたけれども、まさにそういうシフトをきちんと議論して構える、そういうことが今こそ大事なのではないか。急いでやることが必要なのかなというのが私の率直な疑問でございます。

 職員定数のスリム化を視野に置いた組織整備と記載されて3点の説明がございます。区民にとってわかりやすくとおっしゃっておりますが、今までの組織がわかりやすくなかったのでしょうか。だから組織整備を行うのでしょうか。保健サービスと福祉サービスの一体的な提供を行うとされていますが、両者の一体的な組織統合方針を解消したのはついだったでしょうか、つい最近だったのではないでしょうか。

 お尋ねいたしますが、この組織整備は具体的にはいつごろから検討されていたのでしょうか。また、この組織整備に伴う、いずれにしても費用がかかると思います。エレベーターのボードから、あれやこれ、いろいろこういう問題はかかると思うんですが、この組織整備に伴う必要経費というんでしょうか、これはどのぐらいを見積もられているのでしょうか、お尋ねいたします。

 次に、介護保険の問題についてお尋ねいたしますが、実はこれは先ほどの来住議員の答弁でもちょっと触れて、私は1点だけ質問という予定でございました。

 短く言えば、低所得者に対する区としての対応をどうされるのかと。先ほどの答弁でも区長は、介護制度の仕組みの中で、あるいは介護保険制度の仕組みの中でということと、別な分け方をされておりましたが、私は介護制度の仕組みの中ででもできることで対応できることがあれば、中野方式的に、ほかの区のやり方と同じでなくても結構ですから、対応する時期なのではないかなというふうに思っている一人でございますので、もし御答弁がございましたら、再度お答えいただければ幸いでございます。

 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

     〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 木村議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、都の税制調査会の答申についてのお尋ねがございました。この答申につきましては、膨大な内容でもございまして、申しわけございませんが、まだ読み込みが十分できておりません。したがいまして、適切な評価ということを申し上げるわけにはまいりませんけれども、概要として目を通した限りで申し上げたいと思います。

 この答申は、地方主権を実現するための地方税制のあり方を明らかにするためのものでございますし、目標とするものは、真の地方自治の確立、地方分権の推進にあるというふうに思います。国及び地方の税財政のあり方について、大胆な問題提起をしているというふうに思います。地方分権一括法の施行に伴いまして、国と地方公共団体の役割分担を明らかにして、対等、協力を基本とする国と地方の新しい関係が構築されているというふうに思います。

 このような状況の中で、財政面においても、自主財源である地方税を基本として、より自律的な財政運営を確立するという面で、この答申が税源移譲について各種のシミュレーションを行っている、具体的な提言を行っている、地方税財政制度の一つの方向を示しているというふうに考えております。

 内容としては、日本経済から地方財政の現状、あるいは国庫支出金、また地方交付税、また各種の税目について細かく分析し、また提言をしているという内容でございます。

 なお、この答申について区長会としてはどうしているのかということですが、区長会では資料は配付はされておりますけれども、区長会のテーマとしてこれを議論する、あるいは説明を受けるという状況はございません。ただ、区長会としては、この答申とは別に、税財政制度の改革に向けてのいろいろな取り組みをしてきております。いろいろな取り組みといいますのは、区長会として毎年要望している国、あるいは都に対しての要望、あるいは都区財政調整協議の中で論議をしている課題がございます。その中で、国に対しては、13年度の要望として、地方行財政の改革についてということで、11項目の要望事項を出しております。その中に地方分権の推進、地方税財政制度の改革、この中身は地方交付税の措置だけではなくて、税源移譲の問題を含めて書いてあります。また、超過負担の解消、地方債制度の改善、また事務開発等に要する費用、こういった事業に対する財源措置というようなものを含めて11項目、要望として出しております。

 区長会事務局の準備状況につきましては、後ほど総務部長から答弁いたしますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 区政の10年と今後についてということで、21世紀未来に向けて区長はどう取り組むのかという区長の決意をということでございます。

 区民との協働、職員の育成、これはどちらも重要な課題だというふうに思っています。区民との協働については、私は中野区がこれまで積み重ねてきた区民との協働の経験を踏まえまして、区と区民との役割を明確にしながら、区民や民間団体等の活動と区との協力関係を重視して、パートナーシップを持って積極的に取り組んでいきたいと思っております。また、職員の育成については、職員一人ひとりが区民の視点で、区民がどう評価するかを第一に考え、職務を遂行するように意識改革に努めていく必要があると感じています。このため、職員の能力や仕事の実績が反映されるように、人事の仕組みづくりを行いまして、職員の意識の高揚に努めていきたいと考えております。

 次に、行財政改革の姿勢についての御質問でございます。

 議会の意見を真摯に聞いていたら、もっと早い時期に改革が始まったのではないかということでございますが、これまで区財政の悪化に対応するために、行財政総点検、あるいは事務改善、財政健全化推進プランなど可能な限り区民サービスを低下させないという考え方を基本にして、内部努力を中心に歳出の抑制に努めてまいりました。しかし、財政健全化の取り組みが財政悪化のスピードといいますか、財政悪化をとめられなかったということ、財政見通しが不適切だと、取り組みが遅かったという指摘については、区政運営の責任者として重く受けとめているところでございます。今回の行財政5か年計画は、こうした財政運営が限界にきたことを踏まえて、財政構造自体に踏み込む改革に取り組むこととしたものでございます。区民、議会、職員のさまざまな場面での議論を経て策定したこの計画を着実に実施することによって、財政の健全化と新た区政の道を開いていきたいというふうに考えております。職員のさまざまな意見、提案等については、これからも積極的に聞いていきたい。時間の許す限り、それぞれの職場にも顔は出したいというふうに思っております。

 なお、最後に質問いただきました介護保険の保険料、利用料についての再度の御質問でございます。

 低所得者に対する保険料の軽減措置、先ほど来住議員の御質問にお答えしたものと重複いたしますけれども、制度の枠内で実施をしている自治体もあるということも承知しております。他の1号被保険者の保険料負担とのバランスを検証する必要がございますし、また、利用料の軽減については、区の一般財源に新たな負担が生ずるということもございます。したがいまして、低所得者の保険料や利用料の負担については、慎重に対処する必要があるというふうに考えているところでございますので、御了解いただきたいと思います。

 他の質問につきましては、それぞれ所管部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

    〔総務部長渡辺征夫登壇〕

〇総務部長(渡辺征夫) 私からは、区長会事務局と組織再編につきましてのお尋ねにお答えさせていただきます。

 最初に、区長会事務局設置に関連いたしまして3点ばかり御質問がございました。1点目は、設置準備で現在どのような取り組み状況かということでございます。

 区長会事務局の設置につきましては、この1月から準備室が設置され、検討されておりましたが、2月16日の区長会総会におきまして、4月から設置されることが正式に決定されております。そういう状況にございます。

 また、区長会事務局が区長会のみに責任を持つと規約上そうされている、その意味ということでございますが、区長会の事務局については、これまで御承知のように特別協議会が担っていたわけですけれども、それとは全く独立した形で、区長会のもとに設けられるわけでございまして、特別区に共通する重要事項について、あらゆる情報を収集、調査研究し、区長会事務を処理する事務局といたしまして、区長会に専属する組織であることから、区長会長を補佐し、区長会の運営に万全を期するよう務める責任を負うと、そういうような形になってございます。

 また3点目としまして、区長会事務局長について、特別職相当の知識経験者を想定していると、そういったものはどういうような意味を持つのか、あるいは任期は定められているのかということでございます。区長会事務局長につきましては、区長会長の命を受けまして、都区間及び特別区相互間の連絡調整に関する職務に当たることなどから、区の特別職に相当する知識、経験を有する人材が適切と判断したものでございまして、規約上任期は2年で、再任を妨げないと、そのように定められております。

 次に、行財政改革の姿勢の御質問の中の組織整備についてのお尋ねでございます。組織につきましては、常に区を取り巻く状況に対応しまして、意を用いなければならないわけでございまして、今回の組織改正につきましては、行財政5か年計画を着実に推進する組織体制と自治体経営の視点から、現行組織を簡素で効率的かつ柔軟性のある組織体制を目指すものとして考えているものでございます。昨年度は都区制度改革によりますものを中心に行いましたが、今年度につきましては、行政システムの改革を推進するために欠かせないものと、そのように考えて組織改正をお願いするものでございます。

 御質問の中にもございましたように、今回組織整備につきましては、行政分野別の部門の統合を中心に行うわけでございますけれども、組織を構成するすべての職員が十分に能力を発揮できる執行体制を確立していきたいと、そのように考えているところでございます。また、組織再編に伴いまして、事務室等の整備の必要性も出てくるわけですが、こういった組織改正に伴う経費につきましては、当然のことではございますが、現在できるだけ経費をかけないような工夫を考えているところでございます。

   〔都市計画部長宮村光雄登壇〕

〇都市計画部長(宮村光雄) 私からは、区政の10年と今後についての御質問のうち、警察大学校跡地利用計画に関する現況の取り組みについてのお尋ねについてお答えいたします。

 警察大学校等の移転跡地につきましては、これまで区民や議会からの御意見を踏まえ、国や都などの関係機関との調整を図りながら、土地利用転換計画案の策定を進めてきたところでございます。平成11年3月に取りまとめました中間のまとめIIでは、防災公園、警察病院、清掃関連施設などの導入予定施設を示しており、区民生活や防災性の向上の観点から、いずれも重要なものばかりでございます。このため、警察大学校などは本年夏ごろから府中市へ移転する予定でございますので、早期に中野区、杉並区、東京都合意の計画案を取りまとめることとしております。そして移転開始前に国に地元自治体の要望として提出し、計画案について理解を得るよう働きかけ、必要な調整を図ってまいりたいと考えております。

 なお、その後の各施設の整備につきましては、スケジュールが長期にわたることもございますので、国や都など関係機関との調整などを適切に行って対応してまいりたいと考えております。

   〔保健衛生部長浦野純子登壇〕

〇保健衛生部長(浦野純子) 私からは、行財政5か年計画での区民健診の一部負担の導入の時期についての御質問にお答えいたします。

 区民の健康を守ることは、区の重要な責務の一つと考えています。区民健診は、区民一人ひとりが自分の健康は自分で守るという認識に立ち、その支援策として実施しているものでございます。今後の医学の進歩に対応した有効な健診事業を推進するとともに、事業の着実な実施を図るためにも、利用者負担が必要と考えていますが、負担導入に当たりましては、医師会初め関係機関との十分な調整や利用者への周知、費用徴収の具体的な方法などについて準備を進める必要があることから、実施時期を15年度からとしたものでございます。

     〔木村勝昭議員登壇〕

〇30番(木村勝昭) ちょっと幾つかお答えもいただいてない点もありますので、再質問しますが、最初に、今最後に保健衛生部長が答弁されましたけれども、保健衛生部長が答弁されると、私はちょっとおかしいんじゃないのというふうになっちゃうので、これは質問はしませんけれども、あなたが答える問題じゃないでしょうに。厚生委員会での議論があったでしょう。あのとき部長はどういうふうに言っていました、あの段階では。だからそれをまたこの本会議場で保健衛生部長が答弁されちゃうと困るんです、私の方はね。区長が本当は答弁してもらわないとまずい話じゃないですか。そのことをちゃんとやってくださいよ、整理を。

 組織整備について経費はなるべくかけないようにいたしますという答弁でしたけれども、費用のかからないことはないわけですから、およそこのぐらいは答えていただかないと、経費はなるべくかけないようにしますで済まない話でしょう。これはもうちょっと具体的に答えてください。

 それから、区長の御答弁の中で、私が区長に職員との対話、職場回りというようなこともやはり思い切ってやっていただいたらどうだろうということについて、区長からの御答弁がないので、どんなふうにお考えなのかを一つ。

 それから、都の税制調査会の評価は、お話を聞けば、区長も十分評価をしているというふうに先ほどの答弁では私は受けとめましたが、区長会がさらに議論を深めてほしいなという感じがするんですが、ぜひ、そういうこともそれぞれ各区議会でも議論されているかもしれませんけれども、神山区長におかれましても、区長会での話題にしていただけますようお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

     〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 再質問にお答えいたします。

 まず、区民健診の一部負担導入について、保健衛生部長からの答弁がおかしいということでございますけれども、この保健衛生部長が所管の部長として、医師会等関係機関との調整といいますか、話し合いに当たってきた立場でございます。その立場で直ちに導入ができないという状況、その調整、また利用者への周知の方法とか、徴収の方法、こういったものを医師会と十分話をし、関係機関とのそういった手続が終わらない限りは、具体的になかなかスタートできないというもので、これが15年までかかってしまうということで、了解をいただきたいということでございます。私からお答えするのも、変わったお答えの仕方はできませんけれども、内容としては、医師会との交渉の結果でこういう結果が出ているということで御了解いただきたいと思います。

 なお、職員との意見交換ですが、この点について先ほどお答えしたつもりでございます。時間の許す限り各職場に顔を出して意見を聞くということで申し上げたつもりでございますし、これまでにもいろいろと日程をつくって職場回りをやったということもございますけれども、これではそれほど効果も上がらない。また突然行っても話ができないというようことがございますけれども、こういったことを常に心がけがら、職場には足しげく運びたいというふうに思っているところです。

 なお、区長会でさまざまな問題、議論しておりますけれども、区長会での議論というのは非常に議題が盛りだくさん、いつの区長会においても、2時間ないし3時間ぐらいの時間でいろいろな報告を受けたり、議論をやっています。その中でやっていますので、どうしても十分な議論ができてないというところがありますけれども、重要な問題についてはそれだけのテーマで議論をするということにしておりますので、今後とも新しい課題、また重要な課題ということについては、積極的に発言をしながらやっていきたいというふうに思っております。

    〔総務部長渡辺征夫登壇〕

〇総務部長(渡辺征夫) 再質問にお答え申し上げます。

 大変失礼いたしました。現在組織再編にかかわります経費といたしまして、1,000万円の予算が計上されておりますので、その範囲の中で工夫してまいりたいと、そのように考えております。

〇議長(小池ひろし) 以上で木村勝昭議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

      午後6時37分休憩

 

      午後7時04分開議

〇議長(小池ひろし) 会議を再開いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 藤 本 やすたみ

 1 所信表明について

 2 行財政5か年計画について

 3 スポーツ広場の拡充について

 4 その他

 

〇議長(小池ひろし) 藤本やすたみ議員。

    〔藤本やすたみ議員登壇〕

〇39番(藤本やすたみ) 民主クラブ議員団を代表して、平成13年度第1回定例会で質問をさせていただきます。

 連日遅くまでの審議になっておりまして、本日もまた遅くなりまして大変だと思いますけれども、最後の質問ですので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。

 最初に所信表明と、2番目に行財政5か年計画とありますが、ほとんど同じような、ダブっている質問になると思いますので、一緒に質問をさせていただきたいと思います。

 中野区は今、23区最悪の財政状況の中で、財政再建のために行財政5か年計画を立てて、そのもとで新年度予算を編成し、これから審議が行われるわけでありますが、いよいよ21世紀という時代の大きな節目を迎えたわけでありますが、区長はことしのお正月をどのような心境で迎えられたか、まずお聞きをしたいと思います。

 本年の賀詞交換会、中野区政の恒例の賀詞交換会は、乾杯もない、元気のない新年の顔合わせになって、まさに今の中野区を象徴しているのかなと思いますけれども、そのよう顔合わせが行われました。区長は従来、新年の会合には非常にこまめに出席をされていたように思いますが、ことしに限って区長はそうした新年会の出席をやめられたとお聞きをしております。幾つかの団体の新年会は出席をされたみたいですけれども、多くの団体からなぜ区長はこの会合に出席をされないのかということを、多くの方々から耳にいたしました。

 聞くところによりますと、自粛をというようなお話を漏れ聞いて、直接区長から聞いたわけではありませんので、漏れ聞いているんですけれども、しかし、私はこのようなときだからこそ、逆に区民にこうした区の深刻な財政状況を訴え、その影響を受ける区民の方々に率直におわびをし、そして、その上で区政に対する理解と協力を求めるべきではなかったか、そんなふうに思いますけれども、区長さんはどのようにお考えでしょうか。

 まず、この所信表明をお聞きをして感じたことは、先ほども木村議員も若干触れられておりましたけれども、こうした厳しい財政難に陥って、区民に非常に大きな影響を与える予算編成をしたわけですけれども、そこに影響を受ける区民の方々、福祉とか、教育の分野を初めさまざまな施策の見直し、カットが行われました。大変多くの区民の方々が影響を受けます。そうした区民生活へ影響を受ける方々への率直なおわびというのがなかったんではないか、何かそういったものが感じられないような所信表明であったように思いまして、私はそれは必要だったんではないかなというふうに思いますけれども、それは私が個人的に感じたことなのか、いや、私は率直にそういったことは述べていますということでしたら、区長の御見解をお聞きしたいと思っております。

 これに関連して、平成12年9月、第3回定例会では、今回の5か年計画に関連して異例の所信表明が行われたわけであります。そうした中で、先ほども木村議員も述べられているような「実施計画で区民に約束をしてきた事業の大半を凍結せざるを得なくなり、実現の見通しがつかない状況になりました。経済環境の動向把握や見通しに甘さがあったことを反省するとともに、計画事業が約束どおり実現できなくなったことを皆さんにおわび申し上げます」と、こういう形でのおわびを申し上げますというのがありました。それから今回の所信表明でも「凍結せざるを得なかった施設建設については、区民の皆さんにおわびをしなければならないと思っています。それから、私は財政健全化の取り組みが、財政悪化をとめられなかったことを率直に認めたいと思いますし、財政見通しが不適切だった、取り組みが弱かったとの御指摘については、区政運営の責任者として重く受けとめています」と、こういう表現はあるんですけれども、本当に多くの区民の方々がこの行財政5か年計画に基づいた新しい予算の中で大変大きな影響を受けている。それに対する語りかけというか、区長の率直なそうした点に関するおわびというのは、私はあってもよかったのではないかと思いますけれども、その点について改めてお聞きをしたいと思っております。

 本年度の予算は行財政5か年計画に基づきまして、行革と同時に施策の見直しが行われ、事業の縮小、事業の休止、事業の廃止、総額10億円という見直しが行われました。そこにはほんとに10万とか20万とか、あるいは100万、200万という施策のカットが、そうした単位で行われているわけであります。

 また、もう一つは、これも既に何人かも質問をされております。私も昨年の決算特別委員会でも質疑をさせていただきましたけれども、今回非常勤職員の方々が101名ですか、職種を廃止し、ある意味では失業をする、仕事を失うということになったわけでありまして、これは区長がそれを皆さん方にお伝えをするということですけれども、それにしても、そうした人々に対する大変多くの非常勤の方々も区政に長く、大きく貢献、協力をしてきた方々と思いますけれども、そういう人々に対するねぎらいの言葉が、やはりこの所信表明の中にあってもよかったのではないか、そのように率直に感じます。

 また、非常勤職員に関して言うならば、私は、非常勤職員はある意味では簡素で、区長がしばしば所信表明の中で述べられております、簡素で効率的な行政の担い手ではなかったのか、そのように思っております。その非常勤の職種が、説明の中で230名近くおられたということで、そのすべての職種について私たちは十分に知らないわけでありますけれども、私たちがよく知っているのは、地域活動推進員、あるいは高齢者会館の推進員、こうした活動は地域におりますから、非常によく理解をし、知っているわけであります。そしてこれらの方々は、青少年団体、あるいは福祉団体、あるいは町会を初めとする地域の団体からもその活動が大変高く評価をされ、信頼をされていましたし、ぜひ存続をさせてほしいというのが、私は地域全体の声ではなかったか、そのように受けとめております。

 議会の議論の中でも、私の感じでは、ほとんどの会派の人がそのような感じを持って質疑をしていたのではないかというふうに受けとめているわけでありますけれども、区は今回は、資格がない非常勤職種は廃止をするというのを原則として廃止をしてきたという、これは行政側の一つの論理であろうと思います。しかし、私は資格だけが大切なのではないと思います。もっと大切なものがあると思っております。それは区政は長年培われてきた職員への信頼とか、活動の評価によって支えられてきていたと思いますし、それが本当に一朝一夕で決して築き上げられるものではないと思っております。地域活動推進員、あるいは高齢者会館の推進員、先ほども木村議員も触れられておりましたけれども、例えば高齢者会館の推進員にしても、当初2名いました。私も地元に東山会館というのがありまして、そこで非常に熱心な推進員の方々の活動によって、地域のほんとに年配の方々とか、あるいは障害者の方々、あるいは痴呆の方々、そうした方々がこの会館に集まって、本来ならば、あるいは介護保険のお世話にならなければいけないよう人々が、そこで元気を取り戻していく、そういうよう活動で、非常に高く評価をしておりましたし、地域のその周りを取り囲むほとんどボランティアの活動が、そういう中で行われていたということで、大変評価が高かったと思いますし、恐らくは行政側もそういうものを評価して、2名から5名ふやして7名へとふやされた。そういうある意味では、地域活動推進員にしても、高齢者会館推進員にしても、行政側が評価をし、地域が評価をし、あるいは議会も評価をしている。そういう人たちをも皆さん方は今回その職をなくしてしまうということに関しては、依然として私は疑問を感じております。

 しかし、いずれにしても非常勤職の配置は、再度の繰り返しになりますけれども、システム的にも、あるいは簡素で効率的な行政組織に適合したやり方であったと思いますし、区は貴重な人的財産を失ったと思っております。

 しかし、その任命権者は区長ですから、区長がそういうような決断を下せば、その職種の廃止はできるわけであります。参加の区政とはいいながら、しかし地域とか、あるいは議会とか、区民とか、そういう声はどこに反映をされていたのか、議会と行政とのギャップ、あるいは区民と行政とのギャップというものは非常に大きいと思います。任命権者である区長にそのことについてどのようにお考えか、御見解をお伺いしたいと思っております。

 いずれにしてもすべてはこの5年間で500名の職員削減といいながら、また本年も100名以上の退職不補充といいながら、現実には職員が余っているという現実があるわけであります。それが西村議員もさきの定例会で述べておられました。木村議員も述べておられました。議会はこの財政難の中で、そうしたことを警鐘を鳴らしてきたと思いますし、私たち会派としてもそうしたことはずっと警鐘を鳴らし続けてきた。それに対して区長は、そうしたものは恐らく受けとめてきて、自分たちなりに努力をしてきた。そうした答弁を繰り返しているわけでありますけれども、ではなぜそのようなギャップが生まれているか、その辺についても後に議論をさせていただきたいと思っております。

 もう一つお尋ねをしたいんですけれども、いずれにしても区長さんは101名の非常勤の職種の人々に職の廃止ということで、首切りというんですか、そういう形で通告をされたわけです。私も委員会で、そうした人たちは、ある意味では生活の支えにしていたという部分もありますけれども、そうした雇用の問題には、行政として最善を尽くしてほしいというような質疑をさせていただきました。行政側からも最善のそれに関しては努力をするというような御答弁があったと思いますけれども、現在これらの人たちに対する雇用を具体的にどのような形で努力をし、そして進展をしているか、お聞かせを願いたいと思います。

 さて、先ほど私は議会と行政のギャップということで述べたことについて、若干触れてみたいと思います。

 財政健全化ということで、可能な限り区民サービスを低下させないということで、行財政総点検は平成6年、行われていました。ある意味では行政も厳しい財政状況を認識をしていた。この行財政総点検の報告は、4カ月半の検討で非常に短い時間でこれがつくり上げられた。そういう中で内部努力ということですけれども、その時点でもさまざまな事業が廃止、縮小、80を超える事業の廃止、縮小が行われました。こういった点でも、その時点からさまざまな形で区民生活には影響があっていたわけであります。また、歴代の予算課長さんも予算とか決算の特別委員会等では、23区で中野区の財政状況は非常に悪い、あるいは最悪の状態であるというような答弁もされていたわけであります。それに関して区長さんは今回も3年間で200名の職員を削減される、そういう努力をされてきた。だから行政としてはその努力をされてきた。あるいは所信表明でも毎年のように簡素で効率的な行政組織を目指すということは述べられております。しかし、ではどうして現在、今なおそれだけのことをして職員が余ってしまっているのか、そこのところを明確にしなければならないと思います。

 基金の活用というような臨時的な対応で区民生活を、サービスを低下させない、確かにそういう一面はあるかもしれませんけれども、しかし、ある意味では一番安易な方法ではなかったのかというふうに私は思います。もっと徹底した内部努力を行って、それでなおかつ足りなければ、基金の活用ということであって、私は徹底した内部努力が足りなかったところに、23区で最悪というような財政状況になった一つの大きな原因があると思っております。

 このことに関しては具体的に、例えば最もいい例として、学校警備の民間委託の問題がございます。これに関しては61年に、あれはオイルショックの当時だったと思いますけれども、財政悪化という、財政が厳しいという中で、各区が学校警備の民間委託を取り組み始めたときでございまして、中野区も一定の方向、すなわち新規の採用はしない、再雇用で対応して、1年間検討して結論を出す。それは当然民間委託を視野に入れてそういう取り組みを始めたわけでありますけれども、しかし、その当時は区長室に組合の方々が何日か押しかけて、あっさりとその方針転換をされて、次の年から再び学校警備、新規採用を始めたわけであります。

 その間にも、例えば平成6年度、何回も私もこのことに関しては質問を繰り返してきましたけれども、8年近くかけて、常に検討、あるいは名称を変える、学校警備という名称を、学校施設管理員、こういう形で名称を変えるというような形で、問題を常に先送りをしてきた。具体的に言うならば、そういう内部努力を怠ってきたところに一つの大きな財政悪化の原因がある。それをきちっと行政側が総括して反省しない限り、いくらいろいろな問題を取り組もうとしても、私は先に進んでいかないのではないかと思っております。すなわち学校警備を民間委託すれば、中野区でいうと大体7億7,000万ぐらいかかっているその経費が、その10分の1で済むわけです。すなわち年間7億円の経費が節減ができるわけであります。しかし、区長は常にこの問題を取り上げたときには、引き続き検討していかなければならない、検討するという形で問題を先送りをしてきたわけであります。私は、区長の決断があれば、これは実施できた問題であるというふうに思っております。すなわちそのときにきちっと決断をし、一定の方向を出していけば、民間委託という方向で、退職不補充、すなわち学校警備に従事をしていた職員も、今回のように突然その職種を変更させられるということもなく、ソフトランディングというか、軟着陸というか、そういう形でこれはスムーズに民間委託ができたわけであります。ですからそういう決断を怠った、決断をしなかったことによって、中野区にとっても大きな節減ができなかったし、あるいは学校警備に従事をしていた職員にとっても、不幸な事態を招いてしまった、私はそのように思っております。もしその当時に学校警備を民間委託をしていれば、中野区は少なくとも40億から50億近い経費を節減できたと思います。

 そのことは学童擁護の職種についても言えると思います。そうしたところをきちっと議論をして、きちっとした判断、決断をしてこかった、そういう可能な内部努力を怠ってきたツケがここにきてすべて吹き出してきて、いろんな無理が出てきている。それが23区で最悪と言われる財政悪化の最大の原因である、そのように思っております。

 確かに外的な要因というのはあります。しかし、これは全国の地方自治体すべてについて言えることでありますし、あるいは23区についてもすべて言えることであります。財政見通しの誤り、これは仕方がない面もあります。景気低迷による税収の落ち込み、これを区長のその責任をということはできないと思いますし、減税による影響や、国や都の交付税の減少、そうしたことも本当に区財政が厳しくなった大きな要因ではありますけれども、しかし、中野区ができること、それを怠ってきた、それが大きな今の財政悪化につながっているというふうに私は思っております。

 もう一つは、それと同じように、すべての結論を必要なときにしないで、先送りをしてきた。それは昨日も今議会で議論をしてきた施策の転換という点でも、例えば補正予算で大きな議論になりました上野原のスポーツ・学習施設建設、これについてももっと早い時期に施策の転換をしていれば、すなわち平成6年に行財政総点検をしているときに、施策のさまざまなカットを15億近くしているときに、逆に上野原のスポーツ・学習施設建設については18億も想定額では上回る、そういう計画を依然として保持していた。こういうところに私は大きな区財政に取り組む姿勢に問題があった、そのように思っております。その点についても区長の御見解をお伺いしたいと思っております。

 続きまして、3番目のスポーツ広場の拡充についてお尋ねをしたいと思います。

 この問題につきましても、私もそうだし、私たちの会派の人も、いずれもスポーツ大好き人間でありますから、こうした問題はいろいろなところで取り上げさせていただいております。中野区はスポーツ施設が不足をしている。そういうことで中野区内にはなかなかそういう場所を確保できないということで、上野原のスポーツ・学習施設というようなことも起きたわけでありますけれども、私も区内の小・中学校の体育館の夜間開放を提言させていただくなど、スポーツの拡充にも努力をさせていただきました。

 また、我が会派の川上議員もちょうど議長時代には、あの妙正寺川公園の建設をめぐって鈴木都知事に熱心に働きかけをしていただきました。現在この公園は野球や少年サッカーなど、少年のスポーツ広場として新宿区と半々ということですけれども、非常に活発に活用されているということでございます。

 さて、私ももう引退しなければいけないんですけれども、軟式野球連盟の4部で、補欠ですけれども野球をやっております。小串議員とか佐伯議員、元気な人たちと一緒に野球をやっております。一昨年、上高田の人工芝の野球場が完成して、これで少し、毎年毎年ずっと野球連盟、130チームぐらいありますかね、非常に盛んに行って、それがいつも毎年秋の試合が春にずっと繰り延べになって、人工芝の野球場ができたので、これで何とか解消できるかと思っていたんですけれども、しかし、昨年も12月20日ぐらいまで、ほんとに寒い中、試合が行われましたけれども、依然として秋の公式試合は半分以上未消化のまま残っている。これが中野区のスポーツ施設の現状であります。

 さて、私は平成3年第4回定例会で刑務所跡地利用、現在の平和の森公園の利用について質問をさせていただいております。質問の要旨は、年々高まるスポーツに対する区民のニーズにこたえるためには、現在下水処理場の建設が進んでいる中野刑務所の跡地の一部を、防災公園としての機能を十分に生かしながら、区民のスポーツ広場として活用、開放できないかという質問でありました。これに対する区長の答弁は、防災機能の確保、下水処理場の覆蓋という構造的な条件から考えまして、狭義の意味での特定のスポーツ施設を設置することは非常に難しいという答弁をされました。

 そこで、平成5年、私たちは、当時は民社党の区議団でありましたが、4名の区議団で都内の下水処理場はどんなふうに利用されているかということを視察させていただきました。一番古い荒川区の三河島の下水処理場、新宿区の落合の処理場を視察し、同時に都内の下水処理場の施設の資料も全部取り寄せをして調べてみました。そうしますと23区の下水処理場のほとんどすべてにおいて、古い施設も、あるいは新しい施設も覆蓋をした上部を公園部分と同時に、野球やスポーツ施設を併設している。そういうことがわかったわけであります。同時に私たちは東京都の下水道局の担当者にもお会いして、中野の処理場の覆蓋された上部の利用について、技術的な問題を含めて尋ねてまいりました。その答えとしては、中野の現在ある施設をそのまま存続させることに特に問題はありません。上部をどのように利用するかは、最終的に行政が住民の要望をどのように受けとめ、どのような政策判断をするかということではないでしょうか。そういう答えを得て、再度私はこの問題を平成5年の第3回定例会で質問をさせていただいたわけです。

 すなわち、区長がさきに答弁をした下水処理場の覆蓋という構造的な条件、これはいわゆるトップライトを指すんですけれども、トップライトという明かり取りは、技術的にも解消できるということで、この質問をさせていただいて、もしそうならば、そういうスポーツ施設の建設が可能なら、それを区としても追求すべきではないかということを質問させていただいたわけであります。

 しかし、当時、今議会でも大きな議論になっている、百数十億という巨額を投じて中野区は区外の上野原のスポーツ・学習施設建設を急いでおりましたし、それに取り組んでおりましたので、私たちのこうした提案にあまり真剣に耳は傾けていただけなかったのではないか、そのように思っております。すなわち区長の答弁は、従来と同じ覆蓋の構造、トップライトの位置、強度等下水道局と協議を済ませているを繰り返しておりました。

 それでも私たちとしては、区長はそういう答弁をしているけれども、しかし区長の心は動かせないにしても、担当者、あきらめるわけにはいかないということで、私たちは事あるごとに少しでもスポーツができる条件を整えたいと、そのような気持ちで、事あるごとに歴代の公園緑地課長さんにはこのことについて常に説明をし、そして実現のための話し合いを持ってまいりました。せめて計画上広場ということでありますけれども、広場の中央部にあるトップライト、これが設計上出てくるということでございましたけれども、それは取り除いた広場にとにかくすべきだ、そうしたことは可能ですよというお話をして、課長さんも努力をしてみるというようなお話を受けていたわけであります。

 さて、いよいよ下水処理場の工事が完成をし、上部の整備にとりかかることになりました。12年に予算が組まれまして、第3回定例会にその契約が結ばれました。約5億4,000万の契約が締結され、広場の設計が示され、それが建設委員会にも報告をされました。

 たまたま私は地元の町会長をしていますので、そういったことだったのかもしれませんけれども、係長さんが説明に来られて、設計図を見せていただいて説明を受けました。ちょうど佐伯議員もお隣の控室にいましたので、一緒にお聞きをしたんですけれども、残念ながら依然として中央部にトップライトがある設計でした。そこで係長さんには、これは13、14年度の設計というか、工事だから、何とかトップライトのところは待っていただいて、その間私たちもいろいろ努力をしてもらうからというお話をさせていただきました。その後私たちは民主クラブの議員団として、都議会議員の川井しげお議員に連絡をとって、事の経緯を説明し、そして理解を求めました。川井しげお都議はすぐに行動を起こしていただいて、都の下水道局と私たちの話し合いを持つ機会を与えていただきました。

 そこで、私たちは今までの経過を説明して、ぜひトップライトのない全面緑の芝生の広場にしていただきたいということを、下水道局の担当者にもお話をしました。いろいろと議論をさせていただいたんですが、結論的に言えば、都の担当者は非常に柔軟な姿勢でありました。下水道局としては、地元の要望があれば、それにこたえていくという姿勢を持っている。これは平成5年に私たちが都に行ったときと、ある意味では同じような姿勢だったわけでありますけれども、そのようなことでありましたので、しかし中野区の行政当局から直接そのような要望があれば、要請をしていただきたい。そうしていただければ、こたえていきたい、そのようなことでありました。本来もっと早い時期にそういうことであれば、トップライトという設計そのものも別の形になっていたかもしれませんけれども、トップライトの上に土をかぶせるということは可能であるというような御答弁で、早速中野区に帰ってきて、建設部長さん、それから公園緑地課長さん、管理課長さんですね、に説明をしました。すぐ担当の部長さん、課長さんは都と接触を持っていただいて、結果として先日の建設委員会で説明のあったように、トップライトの上に土を盛って、一面の芝生の広場になるということになったわけであります。区の担当部長さんや課長さんがすぐ行動を起こしてくれたことには、大変感謝をしております。

 同時に、それでは今までの行政当局は一体この何年間、7年か8年間何をやってきたんだろうという思いもありました。本当に区民のために、区民の立場に立って行動してきたんだろうか。そういう姿勢があれば、こうした問題はもっともっと早い形に行政の働きかけによって解決をしていた問題ではないか、そのように思います。やはり議会において区長が答弁をされたように、行政のトップが消極的な姿勢をとる限り、私はその部下の人たちがそれ以上のことを求めるのは無理だったのかもしれない、そんなふうにも思いました。本当に積極的に、ああそういうことができるんならという行動を起こしていただけていたらという思いがあります。しかし、とにかくこの緑の芝生が、トップライトのない、本当に広い広場ができることになりました。そうしたことでは、工夫をすれば、サッカーなら2面、あるいはソフトボールなら4面、少年野球なら2面ぐらい、それが練習になるか、試合になるか、多目的広場という形ではなくして、日にちによってそういう日を設けることによって、私はスポーツのできる広場をつくることができるのではないか。そんなことで平和の森公園についても、いま一度スポーツ団体を含めた区民の声をお聞きして、その利用について考えていただきたいと思いますけれども、そのお考えについてお聞きをしたいと思っております。

 もう一つお尋ねをしたいのは、いずれにしても上野原スポーツ・学習施設の建設は、遠い夢のようなものになったと思います。

 警察大学の跡地利用、今利用転換計画の検討委員会、中間のまとめ等も出されておりまして、その基本方針等も出されておりますけれども、その中でも区民のスポーツ活動というような施設も整備をしようということも盛られております。これについては我が会派の小串議員が委員会では委員長をしておりますけれども、いずれにしても警察大学は調布へこの13年の夏には移転をしていく。その後警察病院が建設をされる。しかし、その後の清掃関連の施設は18年以降、実際に工事は22年以降というようことになると、私たちの控室は、警察大学の運動広場がよく見える。今は木の葉っぱがありますので、はっきりは見えませんけれども、しかし、そこのグラウンドで学校の生徒たちが体操をしたり、あるいは機動隊の訓練をしているのをよく見かけました。いずれにしても控室の窓から見ると、ずっと警察大学のグラウンドはだれも使わないまま、空いたままになっております。かなり立派なグラウンドです。どのぐらいあるか、200メートルの、あるいは300メートルのトラックがあるか、それはわかりません。しかし、この計画が定まってきて、具体的な工事が着工されるまでの間、この五、六年、あるいは七、八年、このグラウンドが利用されないままの状態が続いていくんではないか。とするならば、ぜひ国に、これは恐らく財務省の管轄になるんでしょうけれども、区民のスポーツ広場として暫定的にこうした広場を利用できないか、働きかけをしてほしいと思います。難しいということではなくして、まず行動を起こしていただきたい。行動を起こさない限り問題は解決できないと思います。

 よく行政の方々は、提案をすると、何かしらまずできない理由を考えられる。これは得意というか、何かそういうことなんですけれども、提案を何とか実現をしようという検討をして、本当に難しい、こういう条件だからできないというようことならばわかるんですけれども、そういう積極的な立場でぜひ検討していただきたい。決して簡単にできるとは思っていませんけれども、しかし、区民のために何としても実現するんだという気持ち、あるいは熱意があれば、私は道は開けてくると思っております。そうした道を探ってほしいと思いますし、区長、あるいは理事者の積極的な答弁と行動を期待したいと思っております。

 最後になりましてこのようなことを言うと、大変厳しいなということを言われるかもしれません。昨年9月の所信表明にもう一度振り返って、行政システムの改革というところで述べられております。「まず第一に職員の意識を改革することです。前例踏襲や大過なくという言葉に象徴されるこれまでの慣習を打ち破り、区民の視点で、区民がどう評価するかを第一に考えた行政サービスの実現に努めたいと思います。」このように述べられているんですけれども、私はまず第一に、行政の最高責任者である区長の意識を改革する、それが第一ではないか。そうすることによって理事者の意識も変わるし、あるいは職員の意識も変わる。私はそのように思っております。そういう考え方の中でぜひこの行財政、大変に厳しい財政状況でありますから、私たちもそれは十分に理解をした上で質問をさせていただいておりますけれども、率直に区民におわびをすることはおわびをし、そして理解を求め、ともに行政と議会と、あるいは区民が一体とってこの財政再建に取り組むべきだと思っております。

 以上で私の質問を終わりますけれども、区長並びに理事者の誠意ある積極的な答弁を期待して、私の質問を終わります。

     〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 藤本議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、所信表明についての御質問でございます。

 新しい世紀を区長はどんな心境で迎えたのかということでございますが、私は21世紀、平和で心豊かに暮らせる世紀であってほしいと願っているところでもございますし、厳しい財政状況の中で、行財政改革を確実に実現をし、あすの中野を築くために挑戦する年にしようということを心に決めたところでございます。

 また、これまで新年会によく出ていたんだけれども、ことしは出なかったというのはどうしてかということですが、新年会に招待をたくさんいただきました。しかし、ことしは残念ながら行財政5か年計画を新年早々からまとめなければならない。また、これと並行して予算編成作業をやらなければならないということで、1月の御用始めの日から昼も夜もこの会議を続けるというような状況で、今までの新年会の半分は出席できなかったというふうに思っています。時間さえ都合つけば、私としては体の許す限り出たいというふうに思っておりました。しかし、今のこの状況の中で、1月の予算編成に間に合うように、5か年計画をまず先にまとめなければならないし、またそれをまとめた後で予算編成作業、これは13年度の分とリンクしなければならないということもございますので、これは後回しというわけにいかないので、残念ながらことしは時間が非常になかったということで、出席できなかったことが多かった。区民の皆さんには大変申しわけなかったというふうに思っております。

 なお、今後ともそれぞれの地域、また団体等いろいろな場に、これも時間が許せば、可能な限り出席をして、意見を聞いたり、また要望を聞いたりということはやっていきたいというふうに思っております。

 また、5か年計画の中で、これまで約束をしてきた大きな事業、こういったものは凍結をしなければらなくなった。また5か年計画の中に入らなかったという事業、こういったところを区民の皆さんにおわびをすべきではないかということですが、この点については、私は所信表明の中でもおわびの気持ちを込めて自分の意見を言ったつもりでおりましたけれども、表現が十分でなかったというふうに思いますが、気持ちとしてはお酌み取りいただきたいというふうに思っております。

 次に、5か年計画の中で非常勤職員、地域活動推進員、高齢者会館事業推進員、こういった職員を101名整理をするということ、これについて資格にこだわったのではないか、資格より大事なものを失っているということでございますけれども、今回の見直しは、事務事業全体、規模の縮小とか効率化など、行財政の構造的改革を進める中で廃止となる業務や執行方法を工夫したり、変更することで対応が可能な業務について、非常勤職を廃止したものでございます。特に資格にこだわるという問題ではないというふうに考えておりますし、あえて申し上げるならば、区と区民との役割分担といいますか、役割を明確にして、団体のことは可能な限り団体で、行政がかかわるものについては区でという考え方がここにございますので、御理解いただきたいというふうに思います。

 それから、非常勤職員の雇用確保についての御質問がございました。何%ぐらい確保できたのかということですが、この点については、総務部長の方から後ほどお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

 次に、内部努力の遅れ、安直な対策を講じてきた、これが財政を悪化させてきたのではないか、区長はどう考えているのかということでございます。

 区財政の悪化に対応して財政健全化推進プランによりまして、平成10年度からの3年間、職員数214名削減をいたしましたし、学校警備については平成9年度から、学校給食調理員については平成10年度から民間委託化を順次進めるということにしてまいりました。職員を欠員不補充という形で、内部努力によって歳出の抑制に取り組んできたところでございます。それが今回行財政5か年計画の策定に至ったというものでございます。この計画を着実に実施するということによりまして、財政の健全化と新たな区政の道を開いていきたいというふうに考えています。

 それから、上野原スポーツ・学習施設について、一たん決めたことだから、かたくなに見直そうとしなかったということでございますけれども、上野原学習施設など改めて評価をしようという施設建設につきましては、区民の長年の要望に基づくものでございまして、できるだけ実現は図りたいと考えてきたものです。策定した行財政5か年計画では、事業の目的、費用及び効果など十分に勘案して、事業を見直しております。上野原などの施設建設についても、計画時から状況が変化しているということを踏まえまして、改めて事業を評価したいというふうに考えているものでございます。

 平和の森公園並びに警察大学校跡地の移転後の対応について御質問いただきました。所管部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

    〔総務部長渡辺征夫登壇〕

〇総務部長(渡辺征夫) 御質問の中で、職を失う非常勤職員の雇用確保ということで御質問がございました。現在廃止対象となっております職に在職する非常勤職員に対しましては、他区の採用に関する情報など、就職に関する情報を適宜提供しているところでございまして、今後ともでき得る限りの援助をしてまいりたいと、そのように考えているところでございます。

    〔建設部長長尾孝恒登壇〕

〇建設部長(長尾孝恒) スポーツ広場の拡充に関する御質問で、平和の森公園の利用について、いま一度スポーツ団体を含めた区民の声をお聞きして、その利用について考えるつもりはないかの御質問にお答えいたします。

 平和の森公園は、緑の防災公園として整備することを基本として、現在工事中の芝生の広場部分でございますけれども、軽いスポーツや家族でのレクリエーションなどができる多目的な場所として位置付けてございます。この公園の現在開園している部分の利用のルールづくり、あるいは運営につきましては、区民の方々の参加を得ながら行ってございます。このため、このたび拡張される部分の利用のルールづくりや運営につきましても、同様に関係者の参加を得て協議をしてまいりたいと思っています。また、協議の場には、御質問にございましたスポーツ関係の方もお入りいただきたいというふうに考えてございます。

   〔都市計画部長宮村光雄登壇〕

〇都市計画部長(宮村光雄) スポーツ広場の拡充についての御質問のうち、警察大学校移転跡地のスポーツ広場としての暫定利用についての御質問にお答えいたします。

 警察大学校等の移転跡地の利用計画につきましては、本年夏ごろから予定されております府中市への移転の前に、中野区、杉並区及び東京都合意の土地利用転換計画案をまとめまして、国に地元自治体の要望として提出する予定でございます。国は跡地を極力早期に処分したいという強い意向を持っておりますが、導入予定施設の事業スケジュールが長期間にならざるを得ないため、この点では国の考え方との整合が十分にとれていない状況でございます。したがいまして、今の段階では、まず計画案を国に理解していただくように働きかけることが重要でございまして、跡地の管理や暫定利用につきましては、土地利用転換計画案について国の理解を得た後に、移転の進捗等にあわせまして国と協議する事項と考えております。御理解いただきたいと思います。

    〔藤本やすたみ議員登壇〕

〇39番(藤本やすたみ) 再質問をさせていただきます。

 細かいことをお尋ねすればあるんですけれども、行財政5か年計画をつくる段階でも、とにかく説明をされたのは担当の部課長さんで、区長さんは直接区民の声というのはお聞きになってないんですよね。聞かれているのかもしれないけれども。ほんとにそういう生の声を聞く機会がなかった、それでつくられた、それがやっぱり残念だと思いますし、私はそういう機会は十分にあったと思いますし、ほんとにこういう大変な計画をつくるんだから、積極的にやはり地域に出ていって、区の責任者として説明をして理解を求める。あるいはさまざま影響を受ける団体に対しても、直接担当の部課長さんではなくして、区長さんがやっぱり理解を得ていくという姿勢がなかったように思うんですね。ですから、ことしの、少なくとも新年会は、ある意味ではそういう形になったことを区民に伝える、生の声で伝えるいい機会ではないかというふうに思いました。しかし、区長さんとしては予算編成という大変な仕事を抱えているということであるならば、そういう団体にどうされたかは知りませんけれども、団体の方からいろいろ聞かれたんで、どうしてなんですかね、わからないですね。やっぱりそういう団体に対して、こういう行財政5か年計画を今つくって、それで予算編成で本当に忙しいと。毎年出席させていただいているけれども、ことしはそういうことで出席できませんとか、そういう連絡というかな、あるいはそういうことはやっぱり伝えていいんではないか。それが心というか、そういうことではないかなというふうに私は思います。あえてそれについて御答弁ということではありません。

 ただ、先ほど、結局議会が警鐘を鳴らしながら、しかし、行政側はやってきました、やってきました、そのギャップがどこにあるかということを、私は具体的に先ほど述べたんですよね。すなわち、他区では学校警備の民間委託を60年、61年には取り組んでいた。中野区も取り組もうとした。それを区長さんは決断できたんですよ。しかし、それを取りやめた。そして、今の答弁は平成9年からやってきましたと。本当に私たちが何回も、何回もそういうことを質問して、何としてもそれをしなければいけないんだという中で、ある意味では追い込まれてというか、せざるを得ない。それでことし、13年度一斉にやる。それがある意味では学校警備の人たちにとっても悲劇になったわけじゃないですか。61年とか2年に決断していれば、退職不補充でできたわけですよ。そうでしょう。それでその人たちもその仕事について、そういう形の中で平成9年からやっていたというのを、もっと早い時期に決断してやっていれば、経費の節減だって、40億、50億経費節減できているんですよ。そういったことを言っているんですよ。やっぱりそこに議会と行政のギャップがあるし、区長さんのお答えは、やってきた、やってきた、しかしやってないじゃないか、やってこなかったじゃないかということを私が言っているんで、そのことについてきちっと、やっぱり反省なら反省、そうすべきだった、そういうようことがなくて、平成9年からやり始めました、それではお答えになってないですよ。ですからその点をきちっと責任ある立場として私は述べるべきじゃないか。それは賛否はありますよ。賛否はありました、確かに。でもそういう決断をするのが区長さんではなかったのか。それを怠ってきたのが今の財政悪化の一つの大きな原因になっているということを認識しないと、同じことを繰り返すんじゃないか。

 ですから、上野原について、私はきょうはそんなに述べてないつもりですけれども、施策の転換についても、さまざまな声を判断して、転換をしていく時期を、今ではなくして、もっと早い時期にそういう判断を、財政が厳しい、何年も何年もマイナス予算という中で、そういう施策の転換というのを決断をする。それが区長さんではないか、あるいは理事者ではないか。それをやってこなかった。それのツケが今一遍に全部出てきて、こういう形になってしまったということをきちっと総括をして、反省をして、区長さんがおわびをという、施設の建設の凍結とか、それは仕方ないと思うんですよ、ある意味では。しかし、いろんな施策、本当に福祉とか教育とか、あるいは弱者とか、ハンディを持っている人たちもいろんな影響を受けている。そういう人たちに対する区政の責任者としてのおわびというのが感じられるような所信表明というのはあってよかったんじゃないか。あるいは非常勤の職員の人に対しても、私はそれはあっていいんじゃないか。しかし、それはこういう所信表明で述べるべきではなかったとしたら、一片の解雇通告ということでなくして、中野区政はこういう状況だから、本当に申しわけなかったけれどもというようことを含めた形での心を伝えていくような、中野区政に対する区長さんの思いというか、心というか、そういうものを伝えていって、初めて中野区政はそういうことならば理解をしましょうということになるんではないか。そういうものが欠けていたのではないかということで、私はお尋ねをしているわけです。

 答弁を求めませんけれども、警大の方は、用地が確定をして、それ以降になると私も思っています。しかし、積極的に取り組んでいくという姿勢ぐらいは表明をしてもよかったと思いますし、あるいはせっかく広場ができたんですから、結局行政側の答弁というのは、25年前の答申のまま頭が動いてないんですよ。それだけがインプットされていて、今の時代、何を区民が要求しているのか、要望しているのかということを、本当に率直に区民にお聞きをして、それでどうしていこうかというような答弁であってほしい。そうあってほしいということを、これはお願いをして、あえて答弁は求めませんけれども、区長さんにお尋ねをしたいのは、学校警備の問題に関して、行革の徹底した内部努力という面では、区長さんの判断は正しかったのか、あるいは反省すべきだったのか、その辺を明確に述べていただきたいと思います。

     〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 再質問にお答えいたします。

 警備員の民間委託について、決断できなかったのかということですが、この警備員の委託については、長いこと交渉をやってきました。検討をやってまいりました。これは区長がただ決断すればできるというものではなくて、やはり交渉をし、対象になる警備員にも理解を求めていかなければならないという問題もございます。そういった中で交渉を重ねてきた。それがここまで、途中で決断すべきだったということは、言われてもやむを得ないかと思います。ただ、私としては独断で決めるというわけにもまいりません。交渉の結果、こうなったということで御理解をいただきたいというふうに思います。

 ただ、これについて、学校警備だけではなくて、ほかの職種も含めて長い間いろいろな議論をやってきております。したがって、これは常に対象になる人の理解を求めていくということ、これからもやっていきたいというふうに思っております。

 なお、5か年計画について素案を発表した後で区長は全然話をしてないんじゃないか、聞いてないんじゃないかということですけれども、私もこの点についてはいろいろな場で話をしてきたというふうに先ほど申し上げましたけれども、自分で記録をしてありますけれども、三十数回、団体からの要望なり陳情なりという形で受けて、話を聞いております。ですからこの中であえて説明会という形で私は出ていっておりませんけれども、いろんな形でこれからも場を利用しながら、理解を求める努力をしていきたいというふうに思っております。

    〔藤本やすたみ議員登壇〕

〇39番(藤本やすたみ) 学校警備の問題ですけれども、決断するのは区長さんじゃないですか、行政の最高責任者として。しかも一度はそういう方向に向かっていたんじゃないですか。途中で検討委員会を設けましたよ。でもそれは結局ある意味では内部だけの検討委員会で、ほとんど内部の学校警備の人とか、それに携わる人たちだけが検討委員会をつくって、残そうという方向を出したわけじゃないですか。町連の石川会長はたしか入っていたんですけれども、機械化ということを何としても入れてくれということで、何かその一言だけは入ったというようなことは聞いているんですけれども、結局いろいろな検討、検討、だって6年も7年も8年もですよ。結局そういうものを結論を遅らせてきたから今の時代があるんで、早い時期にそれはきちっと話をして、理解を得てという、手順はそうかもしれないけれども、最終的に決断するのは区長さんですよ。

 今回だって行財政5か年計画で、学校警備全部一斉に民間委託という決断をしたのは区長さんでしょう。組合も全部理解を得たからやるということではないでしょう。その前に決断したわけじゃないですか。そういう決断が早い時期にあったら、そういうことをきちっと反省していかなければいけないんだと、そういうことを言っているわけですよ。そういうのは、いやそうじゃないんだ、7年も8年もやって出すような結論じゃないでしょう。だから追い込まれて、追い込まれてこういう結論を出したから、今みたいな、ある意味では学校警備の人だって私は非常に不幸な事態だと思いますよ。60年にやっていれば、退職不補充でスムーズに民間委託できたんですよ。

 また、驚いたのは20代の人がいるというんですよ、学校警備の。一体区は何を考えて、どういう考え方でやってきたのかということを非常に疑問に思います。それは結果だから、仕方がないけれども、そういう点はやっぱり反省すべきは反省して取り組んでいかなければいけないということは、区長さん、はっきりおっしゃった方がいいんじゃないですか。それを私は結論を下す問題じゃないという、そうしたらだれが結論を下すんですか。私はそう思いますけれども、再度御答弁をお願いしたいと思います。

     〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 再質問にお答えいたします。

 私は決断をするのは私じゃないとは申し上げたつもりはございません。決断するのは区長であるということは間違いございません。ただ、決断をするのに、その対象になる人の理解を得なければならないと。その上で自分で最終的には決断をしていくというものでございます。決断をして、そのままでいいというわけではございませんで、その理解を求めながら、実施に移していくという責任を持っているというふうに思っております。私は、この問題についても、これからもさまざまな課題が出てこようかと思います。しかし、この課題については、最終的には判断するのは区長だというふうに思っております。

〇議長(小池ひろし) 以上で藤本やすたみ議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれを持って延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(小池ひろし) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

      午後8時12分散会