平成28年09月09日中野区議会本会議(第3回定例会)
平成28年09月09日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録

.平成28年(2016年)9月9日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  内  野  大三郎

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  北  原  ともあき

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  細  野  かよこ        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番  い  さ  哲  郎

 21番  佐  野  れいじ        22番  いでい   良  輔

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  石  坂  わたる

 29番  いながき  じゅん子       30番  小  杉  一  男

 31番  浦  野  さとみ        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  大  内  しんご

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  本 田 武 志      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  篠 原 文 彦

 都市政策推進室長 奈 良 浩 二      西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角   秀 行

 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹    区民サービス管理部長 白 土   純

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横 山   俊     健康福祉部長   瀬 田 敏 幸

 保 健 所 長  寺 西   新      環 境 部 長  戸 辺   眞

 都市基盤部長   尾 﨑   孝      政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一

 経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  小 田 史 子      事務局次長    古 本 正 士

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  大 野 貴 子      書     記  細 川 道 明

 書     記  井 田 裕 之      書     記  冨士縄   篤

 書     記  田 中   寛      書     記  遠 藤 良 太

 書     記  鎌 形 聡 美      書     記  松 丸 晃 大

 書     記  香 月 俊 介      書     記  亀 井 久 徳

 

 議事日程(平成28年(2016年)9月9日午後1時開議)

日程第1 第77号議案 平成28年度中野区一般会計補正予算

日程第2 第79号議案 専決処分の承認について

日程第3 認定第1号 平成27年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

追加議事日程

日程第4 同意第1号 中野区名誉区民選定の同意について

日程第5 同意第2号 中野区名誉区民選定の同意について

 

午後1時30分開会

○議長(北原ともあき) ただいまから平成28年第3回中野区議会定例会を開会いたします。

 本日の会議を開きます。

 会議録署名員は会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。

 7番渡辺たけし議員、36番篠国昭議員にお願いいたします。

 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から10月14日までの36日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、申し上げます。平成28年7月1日付及び8月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。

 

人 事 異 動 表

発令年月日 平成28年7月1日

【 部長級 】

区長発令

発令権者   中野区長 田中 大輔

発   令

氏  名  等 

備考

区民サービス管理部参事(保険医療担当)

白 土   純

区民サービス管理部長

担当追加

 

 

 

 

備考

1 前区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 天野 秀幸 は、平成28年6月30日をもって退職

発令年月日 平成28年8月1日

【 部長級 】

区長発令

発令権者   中野区長  田中 大輔

発   令

氏  名  等 

備考

区民サービス管理部長

白 土   純

区民サービス管理部長、区民サービス管理部参事(保険医療担当)

担当解除

 

 

 

 

【統括副参事】

区長発令

発令権者   中野区長  田中 大輔

発   令

氏  名  等 

備考

区民サービス管理部副参事(統括副参事)(区民サービス担当)、消費生活センター所長(統括副参事)

吉 村 恒 治

区民サービス管理部副参事(統括副参事)(区民サービス担当)

担当追加

 

 

 

 

【 副参事 】

区長発令

発令権者   中野区長  田中 大輔

発   令

氏  名  等 

備考

区民サービス管理部副参事心得(保険医療担当)

渡 邊 健 治

地域支えあい推進室地域施設担当係長(総括係長)

 

 

 

○議長(北原ともあき) 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。

 これより日程に入ります。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第4、同意第1号、中野区名誉区民選定の同意についてを先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

――――――――――――――――――――――――――――――

 同意第1号 中野区名誉区民選定の同意について

 

○議長(北原ともあき) 日程第4、同意第1号、中野区名誉区民選定の同意についてを上程いたします。

 区長の説明を求めます。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) ただいま上程されました同意第1号、中野区名誉区民選定の同意につきまして御説明申し上げます。

 この同意案は、名誉区民として梅若善政さんを選定いたしたく、議会の同意をお願いするものです。

 梅若さんは、観世流シテ方能楽師で、56世2代梅若玄祥という名で御活躍されており、平成18年に紫綬褒章を受章され、平成26年に重要無形文化財各個認定を受けたほか、数多くの賞を受賞されています。

 このように、梅若さんは能楽師としてすぐれた功績を残され、この功績は中野区民をはじめとする多くの方々の尊敬を受けています。また、梅若さんは中野区内の梅若能楽学院会館で定期的に自主公演をされるとともに、能楽を学びたい人への教育に携わられ、能楽の伝承や普及に大きく貢献されています。

 以上のことから、梅若さんを名誉区民に選定し、長くその功績をたたえ、区民敬愛の対象として顕彰しようと考えた次第です。

 なお、本件名誉区民の選定に当たりましては、名誉区民選定委員会に諮問し、名誉区民としてふさわしい方であるとの答申をいただいているところです。

 本件につきまして、何とぞ御同意くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の同意第1号に同意するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、同意第1号は、これに同意するに決しました。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第5、同意第2号、中野区名誉区民選定の同意についてを先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

――――――――――――――――――――――――――――――

 同意第2号 中野区名誉区民選定の同意について

 

○議長(北原ともあき) 日程第5、同意第2号、中野区名誉区民選定の同意についてを上程いたします。

 区長の説明を求めます。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) ただいま上程されました同意第2号、中野区名誉区民選定の同意につきまして御説明申し上げます。

 この同意案は、名誉区民として、山中慎介さんを選定いたしたく、議会の同意をお願いするものです。

 山中さんは、平成18年にプロボクサーとしてデビューし、平成23年にWBC世界バンタム級王座を獲得して以来、現在に至るまで10度その防衛に成功しています。

 このように、山中さんはプロボクシング界で圧倒的な強さを誇り、その姿は中野区民をはじめとする多くの方々の尊敬を受けているとともに、プロボクサーとしての輝かしい功績を通じてスポーツの進展に寄与するなど、スポーツの振興に大きく貢献されています。

 以上のことから、山中さんを名誉区民に選定し、長くその功績をたたえ、区民敬愛の対象として顕彰しようと考えた次第です。

 なお、本件名誉区民の選定に当たりましては、名誉区民選定委員会に諮問し、名誉区民としてふさわしい方であるとの答申をいただいているところです。

 本件につきまして、何とぞ御同意くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の同意第2号に同意するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、同意第2号は、これに同意するに決しました。

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 第77号議案 平成28年度中野区一般会計補正予算

 

○議長(北原ともあき) 日程第1、第77号議案、平成28年度中野区一般会計補正予算を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第77号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第77号議案、平成28年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ25億4,440万2,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,318億386万4,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、保育園・幼稚園費ですが、区立保育園等における保育業務支援システムの導入経費及び安全管理推進のためのビデオカメラ設置経費3,176万5,000円を追加計上するものです。

 次に、保健予防費ですが、平成28年10月1日からB型肝炎ワクチンの予防接種が定期接種化されることに伴い、その委託費等のための経費6,436万3,000円を追加計上するものです。

 次に、健康・スポーツ費ですが、新体育館の整備手法が確定し、新体育館実施設計・施工一体整備が行われることに伴い、従前計上されていた新体育館実施設計等の経費2,324万5,000円を減額するものです。

 次に、地域まちづくり費ですが、不燃化特区の大和町地域における老朽建築物の建てかえや除却等の助成事業について、申請件数の増加に伴う助成経費5,315万2,000円を追加計上するものです。

 最後に、諸支出金ですが、平成27年度からの繰越金を原資として、財政調整基金積立金24億1,836万7,000円を追加計上するものです。この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金2,382万3,000円、都支出金2,657万5,000円、繰入金6,890万8,000円、繰越金24億1,836万7,000円及び諸収入672万9,000円を追加計上するものです。

 次に、債務負担行為の補正について説明いたします。

 これは、新体育館の実施設計・施工一体整備の期間が4年度にわたることから、91億2,660万7,000円を債務負担行為として追加計上するとともに、新体育館整備の手法検討支援等で計上されていた8,564万3,000円を廃止するものです。

 本議案につきまして、よろしく御審議の上、御承認くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件について、御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

――――――――――――――――――――――――――――――

 第79号議案 専決処分の承認について

 

○議長(北川ともあき) 日程第2、第79号議案、専決処分の承認についてを上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第79号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第79号議案、専決処分の承認については、平成28年度中野区一般会計補正予算について、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分をいたしましたので、同条第3項の規定により議会に報告し、その承認をお願いするものです。

 この補正予算は、東京都知事の辞職に伴う東京都知事選挙を平成28年7月31日に実施することとなり、この選挙に要する経費について直ちに予算措置を講ずる必要があったため、議会を招集する時間的余裕がなく、専決処分をしたものです。

 この補正予算の内容は、歳入歳出にそれぞれ1億2,632万5,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,292億5,946万2,000円となりました。

 歳出予算の内容は、選挙執行費1億2,632万5,000円を計上するものです。

 歳入予算といたしましては、都支出金1億2,632万5,000円を追加計上するものです。

 本議案につきまして、よろしく御審議の上、御承認くださいますようお願い申し上げます。

○議長(北原ともあき) 本件について、御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件は委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を承認するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう承認するに決しました。

 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、内川和久議員、平山英明議員、浦野さとみ議員、ひやま隆議員、市川みのる議員、日野たかし議員、羽鳥だいすけ議員、山本たかし議員、大内しんご議員、久保りか議員、若林しげお議員、加藤たくま議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、渡辺たけし議員、内野大三郎議員、細野かよこ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 内 川 和 久

 1 中野駅西側南北通路・橋上駅舎整備について

 2 新区役所整備について

 3 中野中跡地利活用について

 4 その他

  (1)区内産業の育成について

  (2)公共基準点の管理について

  (3)その他

 

○議長(北川ともあき) 最初に、内川和久議員。

〔内川和久議員登壇〕

○12番(内川和久) 平成28年第3回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場で一般質問をさせていただきます。

 まず、今回の台風で甚大な被害を受けた地域の方々にお見舞いを申し上げます。

 質問は通告どおりです。4番、その他の(1)区内産業の育成については、制度融資、契約など3件お伺いいたします。(3)その他のところはございません。

 質問に入ります。

 中野駅西側南北通路・橋上駅舎整備の遅れが与える影響について、幾つかお伺いいたします。

 南北通路及び橋上駅舎整備は、駅周辺地区の歩行者の回遊性と利便性を高め、中野駅地区北側のにぎわいを南側へも波及させるための必要不可欠なものです。区とJRは基本協定に基づき、平成26年、27年度に基本設計を実施しました。その報告によりますと、南北通路、橋上駅舎、駅ビルなど道路一体建物について、その軟弱な地盤や夜間作業による時間的制約などから工程が長期となり、工事費が増えることが明らかになったとのことです。結果、工程については、工事着手後、駅・自由通路の開業まで10年6カ月、駅ビル開業まで12年5カ月かかるとのことです。区が目標としておりました2020年東京オリンピック・パラリンピックまでの完成は事実上不可能であり、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)における南北通路・橋上駅舎完成時期ステップ3からも大きく遅れることとなります。また、中野駅周辺で現在進行中のまちづくり、再開発にも大きく影響を与えると思われます。

 まず初めに、中野駅西口地区、中野三丁目まちづくりに与える影響についてお聞きします。

 中野駅西口地区地区計画によりますと、本地区を含む中野駅周辺地区は、中野区都市計画マスタープランにおいて、商業・業務地区に位置付けられ、再開発などによる土地利用の高度化、景観の向上、駅前交通結節機能の改善・整備を進めながら、広域中心拠点として育成し、駅周辺道路、ペデストリアンデッキの整備などを進め、駅周辺の回遊性を高めるとしております。また、中野駅西口地区においては、立体道路制度を活用し、中野駅上空への西側南北通路、駅施設及び駅ビルの一体的な整備を通じ、駅周辺への回遊動線の確保を図るとともに、更なる来街者の増加や地域生活の利便性の向上を図るとしています。このことからも、西側南北通路・橋上駅舎整備が遅れることは地区計画の目標実現が遅れることを意味し、その後控えている中野三丁目地区全体のまちづくりへ与える影響も予測されます。

 そこでお聞きします。まず、西側南北通路における南側の新たな玄関口として、西口駅前広場の整備が計画されておりますが、これは駅につながる安全で快適な交通動線を確保し、防災性や利便性を高めるものです。特に災害時における鉄道南側から中野区役所一帯の広域避難場所への円滑な移動経路としても重要です。西口広場スケジュールはどのようになっているのでしょうか。お答えください。

 次に、旧桃丘小学校跡地を含む、いわゆるB地区と言われている地区に関しましては、西口広場を整備し、交通結節機能を強化するとともに、街区の再編や道路の整備を行うとしておりますが、南北通路・橋上駅舎整備が遅れたとしても、街区再編、道路整備を先行して行うのか、お聞きします。現在、南北通路・橋上駅舎完成後、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)ステップ4に中野三丁目土地区画整理事業完成とありますが、南北通路・橋上駅舎より先行して中野三丁目土地区画整理事業が完成した場合、順序が逆になることに関して懸念されることはないのか、お聞きします。

 同じく、囲町地区市街地再開発事業に関しましても、ステップ4完了となっていますが、中野三丁目地区同様に駅との近接性を最大限生かせる地区だけに、南北通路完成の遅れはまちの魅力を半減させてしまいます。南北通路・橋上駅舎より先行して囲町地区市街地再開発事業が完了した場合、懸念されることはないのか、あわせてお答えください。

 次に、区役所・サンプラザ地区再整備に与える影響についてお聞きします。

 中野サンプラザは、言わずと知れた中野のシンボルであります。今後、中野のみならず東京のシンボルとなるべき区役所・サンプラザ地区の再整備では、歩行者デッキなどによる安全で円滑なユニバーサルデザインのまちづくりを推進するとしています。

 この度、区は、区役所・サンプラザ地区再整備事業に関しまして、野村不動産株式会社を代表企業とするグループを事業協力者として選定いたしました。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)におけるステップ4、平成37年度事業完了と予定されています。中野駅からのスムーズで安全な歩行者動線の確保も重要なことから、駅の整備は区役所・サンプラザ地区再整備よりも先行して完了している必要性があると考えます。また、現在更地となっている新北口駅前広場の一部は、西側南北通路・橋上駅舎・駅ビルの工事ヤードとして活用される予定であり、この工事ヤードとしての活用が終わらない限り、新北口駅前広場を区役所・サンプラザ地区再整備において一体的に整備することは物理的に難しいと思われます。このことからも南北通路・橋上駅舎の早期完成が望まれます。

 そこで、幾つかお聞きします。

 区役所・サンプラザ地区再整備事業は、目標スケジュールとして、竣工予定を平成37年度としています。それ以前に南北通路・橋上駅舎を完成させるとなると、平成29年度、すなわち来年度すぐに工事着手したとしても、あと残り8年程度しかありません。先日の報告によりますと、駅・自由通路の開業までは工事着手後10年6カ月かかるとのことです。これをどのように短縮していくのか。区はJRとの間で工期短縮に向けて協議を進め、実施設計に着手するとのことですが、現在の協議の進捗状況についてお答えください。実施設計、工事着手にいつ取りかかれるのか、その時期についてもお答えください。

 また、工事費が増えることも懸念の一つとされています。JRは、現在示されている駅ビル計画の内容見直しを検討しているとのことですが、それは計画の縮小を意味しているのでしょうか。検討結果はいつ頃示されるのか、あわせてお答えください。

 この項の最後に、中野駅利用者の増加対応及び中野駅南口駅前広場についてお伺いいたします。

 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)では、まち活性化戦略の「目標とする姿」として、中野駅周辺は、区役所・サンプラザ地区、中野駅地区、中野二丁目地区、中野三丁目地区、囲町地区等の整備やエリアマネジメントの推進により、グローバルビジネス等の最先端の業務拠点、個性豊かな文化発信拠点、最高レベルの生活空間といった多彩な魅力が形成されていますとうたっています。成果指標として中野駅の利用者数を取り上げ、平成26年度実績で42万8,000人、平成32年度で46万人、南北通路・橋上駅舎及び区役所・サンプラザ地区再整備の完了を目指す平成37年度では、実に49万人と目標値が設定されています。現在でも飽和状態の中野駅にこれだけの乗降客数の増加に対応できる能力が備わっているのでしょうか。南北通路・橋上駅舎が完成するまでの間、増え続ける駅利用者の安全性、駅周辺の回遊性をどのように確保していくのか、区のお考えをお聞かせください。

 また、中野二丁目土地区画整理事業、市街地再開発事業にあわせて中野駅南口駅前広場整備も計画されておりますが、西側南北通路・橋上駅舎整備の遅れがはっきりとした以上、中野駅南口地区の駅利用者増加に伴う利便性と安全性をどのように確保していくのか。中野駅南口駅前広場整備を急ぐべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。

 西側南北通路・橋上駅舎整備は、まさに中野駅周辺まちづくりの要となる大変重要な事業であります。早期の整備完了に向け、あらゆる工夫、努力を惜しまず、着実に進めていただけるようお願いし、この項の質問を終わります。

 2番、新区役所整備についてお伺いいたします。

 初めに、新しい区役所の整備時期についてお聞きします。基本計画(案)では、平成31年度に着工し、平成33年度中の竣工を予定しているとのことですが、さきの質問でも触れたように、南北通路・橋上駅舎整備が遅れ、区役所・サンプラザ地区再整備にも影響するとなれば、現庁舎の解体の時期をずらすことができるのではないかと考えます。それにあわせて新庁舎の整備時期をずらすことで、現体育館の閉鎖時期を短縮することができると考えますが、区のお考えをお聞かせください。

 次に、本年8月の区役所及び体育館整備調査特別委員会と総務委員会において、新しい区役所整備基本計画が報告されました。基本計画の案では、新しい区役所の1階をシティホールとして整備し、コンサートや祭りなどに利用できるようにするとの案が示されました。区役所の顔というべき1階のフロアに整備するのであれば、いつでもイベントなどに活用されていて、多くの人が楽しみ、憩えるスペースとなることが望ましいと考えます。区民や団体にとって使い勝手が良いように、運用やルールづくりに区民や団体の意見を取り入れるなど、シティホールが新区役所のよきシンボルとなるよう工夫する必要があると考えます。また、区との連携や区民との交流が盛んになることも考えられることから、シティホールを活用して町会連合会、商店街連合会、友愛クラブ、宅建団体等と連携し、町会加入、商店街加盟、友愛クラブ加入等の促進につなげることはできないでしょうか。区のお考えをお聞かせください。

 また、区役所1階に飲食スペースを設けるとの案になっていますが、区役所全体のスペースに余裕があれば、区民も利用できるレストランを備えることも望ましいと考えますが、シティホールに訪れる区民が立ち寄りたくなるような魅力あるスペースとなるよう設計や運営の工夫をすべきと考えます。区のお考えをお聞かせください。

 また、新しい区役所がシティホールを備え、休日にも区民が集い、憩う場所となるのであれば、区役所に固定の休日診療所を設置してはいかがでしょうか。現在の休日当番医の体制よりも固定の診療所にしたほうが、区民にとってわかりやすく、より便利であると考えます。区のお考えをお聞かせください。

 次に、基本計画の案では、「おもてなしの心を持ってサービスを提供する区役所」を目指すとして、総合窓口を整備するとしています。区役所を訪れた区民が慣れない場所で自ら窓口を探すのは大変であり、転入のときに多くの手続を一つの窓口でできる総合窓口があれば、庁内のあちらこちらに移動して窓口を探し、並んで順番が来るのを待つ必要もなく、効率的であると考えます。しかし、逆に、総合窓口となったために、多くの区民がその窓口に集中し、待ち時間が増えるようでは意味がないと考えます。区は総合窓口でどのような手続や相談ができるようにするのか、また、待ち時間を短くする工夫についてもお考えをお聞かせください。

 次に、基本計画の案では、災害対応能力を高めるため、災害対策本部室や情報処理室、オペレーションルームなどを整備するとしています。しかし、災害対応能力を高めるためには、災害時のライフライン途絶対策として、エネルギーや水を確保し、災害対策活動が円滑にできるようにしていくことが重要です。新しい区役所では、大災害時に自前でエネルギーをどのぐらい確保し、どのぐらいの期間、どのようなことに利用することとしているのか、区のお考えをお聞かせください。

 次に、現区役所には、区民が集い、交流・活動するスペースや公共公益活動団体の拠点としての機能が十分ではありません。新しい区役所の機能別面積として、現在のところ850平方メートルが計上されています。公共公益活動団体事務室等の設置が予定され、町会連合会等が必要とする事務室や会議室の貸し出し、倉庫等を整備するとありますが、区役所が主たる活動拠点となるよう求めます。また、町会連合会以外にも社会福祉協議会や友愛クラブ等、公益活動団体として考えられますが、どのような団体が利用可能なのか、区のお考えをお聞かせください。

 3、中野中跡地利活用についてお伺いいたします。

 さきの予算特別委員会でも触れましたが、改めてお伺いいたします。中野中跡地は、現在、堀越学園に貸し付けをされています。予定では、今月末には堀越学園はもとの位置へ移転するとのことです。しかしながら、その後の中野中跡地の利活用はいまだ示されておりません。10か年計画によりますと、跡地には地域医療機関の誘致と明記されており、その時期はステップ1となっています。少子高齢化社会を迎え、住み慣れた中野区で生き生きと暮らしていくためには、在宅療養者の増加を受け、在宅療養体制の強化が必要です。また、子どもたちが安心して身近な医療施設にかかれる体制が望まれます。区はそれらを実現化するために、必要な地域医療機関の誘致を進める予定だと思います。具体的には、新渡戸記念中野総合病院が移転するものと考えられますが、現在の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。さきの予算特別委員会の総括質疑の答弁では、昨年11月には病院側より中野中跡地の利活用について申し入れがあり、本年6月までには計画概要及びスケジュール案を区側に提示し、その後、本協議に入るとのことでしたが、協議は進んでいるのか、お答えください。

 また、現在の想定では、新病院着工までの間どのくらい期間が空くのでしょうか。一定期間、中野中跡地が未利用となるのであれば、その期間にはどのような利活用を行うことを考えているのでしょうか。2020年オリンピック・パラリンピック競技大会も近づいていることから、スポーツ機運を高めていくことが求められます。その意味からも、校庭を地域へ開放し、地域のスポーツ活動等に活用していくことも一つの考え方だと思います。区のお考えをお聞かせください。

 また、校舎の部分については、区の財源確保のためにも、病院の着工時期がはっきりとし、跡地の未利用期間が確定した上で民間への短期貸付けも考えられますが、区のお考えをお聞かせください。

 4番、その他の1番、区内産業の育成についてお伺いいたします。

 区内産業育成という観点から、幾つかお伺いいたします。

 まず初めに、新銀行東京が扱う公共工事代金債権信託「コントラスト」の導入についてお聞きします。これは、東京都や区市町村から公共工事を受注・施工している元請業者が利用可能なもので、工事請負代金額1,000万円以上、工期までの日数が20日間以上残っていること、また、原則、前払金を受領していることなどが条件となっています。業者にとっては、資金調達がしやすくなるメリットがあります。例えば、工事請負金額が1億円、工事進捗率90%、調達期間75日とした場合、信託取引コストはかかるものの、4,200万円ほど調達できます。現在、東京都以外に、23区では江東区や大田区など18区が取扱い可能となっています。区内産業の育成という観点から、中野区でも取扱い可能となるよう検討すべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。

 次に、中野区産業経済融資についてお伺いいたします。

 区は今年度から創業支援資金及び小規模企業特例資金において、都と区の条件を両方とも満たす場合、東京信用保証協会へ支払う信用保証料について、都から2分の1の補助を受けられるよう制度を拡充しました。これは、これまでの要望が一定程度実現したものと考えています。しかし、利子とは別に支払いが必要な信用保証料は、せっかく低利の金利でありながら、その保証料を支払うと、一般の銀行金利より高くなってしまう場合もあります。多くの区でも行われているように、区による保証料の補助も考えるべきと思いますが、区のお考えをお聞かせください。

 同じく、今年度からは区は、創業支援資金及び区が重点分野と位置付けるライフサポート事業支援資金とICT・コンテンツ事業者支援資金について、事業者が区内商店会に加入して、商店会で事業展開する場合には、利子の自己負担をゼロとする優遇措置を新設しました。この制度の現在の利用状況についてもお聞かせください。また、創業支援資金については、さらに利用を促進するために、区報等でのPRや講座などによる周知徹底をするべきと考えます。区のお考えをお聞かせください。

 次に、契約についてお伺いいたします。

 区では、平成26年度から技術者確保の軽減措置として、制限付一般競争入札の対象案件のうち、小規模工事については、区内業者に限った希望制指名競争入札による価格競争を採用しています。また、総合評価一般競争入札についても、区内業者限定となる工事案件の契約金額規模を順次拡大し、区内業者参入の機会を確保してきました。区内業者の育成という観点から、引き続き地域要件をつけた制限付競争入札を進めていることについては評価します。一方で、区内業者限定となる対象案件の金額設定については、工事種別ごとに開きがあり、一部の種別では低い金額の設定にとどまっているものもあります。昨今の設計労務単価上昇や資材単価の高どまりのある現状を適正に捉えた上で、工事種別間の公平性という観点からも、その差異を見直すべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。

 また、建設業法の改正に伴い、技術者の配置要件が緩和されるなど、小規模工事の定義にも変化が見られています。こうしたことから、地域要件をつけた希望制指名競争入札や総合評価一般競争入札の対象案件となる契約金額の規模をこれに合わせて拡大し、時勢に合った入札や契約の制度を構築する必要があると考えます。区のお考えをお聞かせください。

 次に、公共基準点の管理についてお伺いいたします。

 公共基準点は、震災時の復興において一番の基礎となるものです。2011年の東北地方太平洋沖地震により、中野区の基準点成果の位置は東方向に30センチほど地盤変動したとのことです。その変動を修正するために、平成24年度事業にて新たな測量座標成果を更新作成したとのことです。基準点は主に道路に埋設されていますが、道路舗装工事等により簡単に滅失してしまうそうです。当然、復元作業が必要であり、国の承認と検定が必要で、専門性と手間がかかるものとなっています。

 そこでお聞きします。現在、中野区では公共基準点は幾つあり、滅失されたと思われる数はどのぐらいあるのでしょうか。お答えください。

 次に、予測できない災害時に備えるためには、更新作成された測量座標成果を最新の状態で維持していく必要性があります。そのためには、公共基準点の維持管理は必要不可欠と考えますが、中野区の管理状況はどのようになっているのでしょうか。お答えください。自治体によっては、公共基準点が滅失していないかどうかの調査や、滅失している場合の復元等を計画的に実施しているところもあります。今後の区のこうした取り組みについて、お考えをお聞かせください。

 以上で全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 内川議員の御質問にお答えいたします。

 中野駅西側南北通路・橋上駅舎整備に関連しての御質問です。西口広場整備スケジュールであります。中野三丁目土地区画整理事業は平成27年7月に事業認可され、独立行政法人都市再生機構が施行者として現在事業中であります。事業期間は平成35年度までとなっており、西口広場は、この土地区画整理事業によって整備することとなっております。

 南北自由通路・橋上駅舎よりも中野三丁目土地区画整理が先行していくことに関連しての御質問です。中野三丁目土地区画整理事業では、街区の再編や道路等の整備を行い、地区内外の回遊性の向上と防災性、利便性を高め、後背の住宅地を含む地域全体の生活環境の向上を図るものであり、中野三丁目地区のまちづくりに必要な事業であります。区としては、この区画整理事業の施行者である独立行政法人都市再生機構及び南北通路・橋上駅舎を施工するJR東日本と十分協議をしながら、両事業の整合性を図るよう進めてまいりたいと考えております。

 また、囲町地区の市街地再開発事業についての御質問もありました。囲町地区市街地再開発事業につきましては、組合設立を目指して準備組合が活動している状況であります。しかしながら、この事業化スケジュールはまだ明らかになる段階ではありません。スケジュールが明らかになる段階で、区として十分調整していくこととしております。

 南北自由通路・橋上駅舎のJRとの協議状況や着手時期についてであります。JR東日本とは日常的に必要な情報交換を行っております。現在、JRは駅ビル計画内容見直しの検討作業中であると聞いております。また区としても、区役所・サンプラザ地区再整備実施方針に基づき、新北口駅前広場や地下駐車場などの公共基盤の在り方について検討作業を進めているところであります。このため、現段階では南北自由通路・橋上駅舎・駅ビルから成る道路一体建物の全体計画が定まっておらず、実施設計や工事着手の時期については具体的にお示しすることができない状況であります。南北自由通路・橋上駅舎の整備に当たりましては、新北口駅前広場等の公共基盤のあり方とも整合を図っていく必要があります。区といたしましては、JR東日本の駅ビル計画内容の見直しも踏まえるとともに、新北口駅前広場及び地下駐車場の形状、配置の方向性を定め、平成29年度内の実施設計着手を目指していきたいと考えております。

 見直し内容の方向性についてであります。駅ビル計画内容の見直し検討については、現在、JR東日本で作業中でありますが、区としては、JR東日本に対し、速やかに見直しを行うよう求めているところであります。区といたしましては、JR東日本が、工事費が過大であるとして駅ビル計画の見直しを検討するとしていることから、全体規模が縮小され、したがって工期も短縮されるものと考えているところであり、JR東日本に対しましては、平成28年度内には検討結果が示されるよう求めてまいります。

 南北自由通路・橋上駅舎完成までの駅利用者の安全性確保についてであります。区といたしましては、JR東日本に対し、駅舎の開業が遅れた場合においても、駅利用者の安全対策に万全を期すよう求めており、JR東日本としても、安全性の確保については鉄道事業者の責務であり、適切に対応するとしているところであります。また、駅周辺の道路についても、区として工事期間中における安全な歩行者動線の確保、歩行者誘導に十分に配慮してまいります。

 南口駅前広場の整備が急がれるといったような御質問もありました。中野駅南口駅前広場は、中野二丁目土地区画整理事業において拡張整備を行うこととなっており、駅への安全で円滑なユニバーサルデザインに配慮した歩行者動線を整備するものであります。区といたしましては、中野駅南口駅前広場の具体的内容を検討するとともに、本年の5月に区が設立認可した区画整理組合とともに整備促進に努めてまいります。

 新区役所整備のスケジュールに関連して、現体育館の閉鎖期間を短縮することができる、そういうやり方があるのではないかという御質問であります。区役所・サンプラザ地区再整備は、南北自由通路・橋上駅舎整備と連携して進めていく必要があります。そのため、新しい区役所の着工時期と現体育館の解体時期についても、時期の調整が必要となってまいります。こうした状況を踏まえて、現体育館の閉鎖期間も短縮することを考慮に入れ、工程調整を行っていきたいと考えております。

 新しい区役所整備基本計画でのシティホールの記述に関連しての御質問がありました。シティホールは、区内で活動する様々な団体の活動や交流の場として利用に供することを考えております。そうした空間を活用しながら、区内の公共・公益性の強い団体について、区としても加入促進等への支援を進めていきたいと考えております。

 飲食スペースの設計や運営の工夫についてであります。1階に設置する飲食スペースは、飲食やちょっとした休憩のできるカフェスペースとしても利用できるようにして、シティホールのイベントに参加する区民の憩いの場となるような施設としてまいります。また、区役所に隣接する公園からも利用でき、休日もオープンすることで、中野四季の都市(まち)のにぎわいを生み出すスペースとなるよう、設計の工夫をしてまいります。

 区役所に休日の固定診療所を設置してはどうかという御質問であります。現在、休日診療の確保は中野区医師会に委託して、病院及び診療所において当番制で実施しております。新区役所に休日固定診療所を設置すれば、区民に広く認知される施設であり、区民が休日に急な疾病等になった場合、診療場所に迷うことなく応急の治療を受けることができ、区民の休日における医療不安の軽減を図ることが期待できます。今後、新区役所への休日固定診療所の設置については、中野区医師会等の意見を聞きながら検討してまいります。

 新区役所の総合窓口についての御質問がありました。総合窓口では、基本的に区における全ての手続や相談が一つの窓口で行えるようにするなど、受付の体制やレイアウトの工夫などを通じて区民の利便性を高めることを考えております。また、区民の待ち時間を短縮するため、自動交付機の充実や窓口業務を円滑に処理するためのシステム開発、組織体制などについて検討するほか、電子申請やコンビニ交付の拡充などにより、区役所を訪れることなく手続を済ませられる体制の構築についても進めてまいります。

 震災時のエネルギー利用についての御質問もありました。ライフラインの途絶対策としては、災害に強いと言われている中圧ガスの利用や、電力会社からの商用電源の2回線受電、非常用発電機及び再生可能エネルギー発電、蓄電池等の供給電源の多重化を検討し、発災時から復旧・復興までの段階的な状況に合わせた事業継続に必要な電力の供給を確保してまいります。また、非常用発電機は埋設タンクにより72時間分の燃料を確保するほか、中圧ガスを利用したコージェネレーションシステムや太陽光発電による蓄電池等を検討してまいります。

 公共公益団体のスペースについてであります。公共公益活動団体スペースにつきましては、町会連合会の事務室のほかに、友愛クラブや民生委員などの団体に活用していただける会議室や活動室を設置することを考えております。また、社会福祉協議会からも事務局設置の要望があり、公共公益活動団体スペース内に設置する方向で検討しております。

 次に、中野中跡地利活用に関連しての御質問がありました。新渡戸記念中野総合病院移転に関する進捗状況についての御質問があります。現在、中野区内の中央線南側の地域では、地域医療の拠点が行える大規模な病院は新渡戸記念中野総合病院1カ所となっているところであります。北側に比べ、病診連携の観点から一定の充実が求められているところであります。そうした中で、本年6月下旬に新渡戸記念中野総合病院より区に対して、同病院の移転新築整備基本構想(第1次案)が提示されました。こうした状況を踏まえ、区は、区内南側において病診連携の中で病院に担ってもらうべき機能について、地域包括ケア推進等を視野に入れて、中野区医師会との協議を行うこととしています。その結果を踏まえ、病院に期待する役割と当該計画との整合性について見極めていきたいと考えております。

 また、旧校庭・校舎の活用についてであります。病院側からの要請に対し、地域医療を拡充していく上で、区として病院に何を求めていくのかを検討しているところであり、その間に有効活用する期間や方法については、現在のところお答えできる段階にはありません。校舎や校庭の利活用を図るに当たっては、財源確保も含め、効果的な活用方法を検討してまいります。

 私からは以上です。

〔経営室長篠原文彦登壇〕

○経営室長(篠原文彦) その他の、区内産業の育成についての質問のうち、契約に関する質問にお答えを申し上げます。

 初めに、公共工事代金債権信託の活用についての御質問でございます。現在、契約締結者に対する資金調達の支援につきましては、前払金や中間前払金、部分払金等の制度がございまして、一定の活用がなされているところでございます。公共工事代金債権信託の手法につきましては、これら前払い金等の制度でも不足する部分の資金調達を補足するものでございまして、事業者のニーズや他区の利用実績を把握しながら、前払い金制度等の活用を高めることとあわせまして、事業者の資金調達拡大の一つの方策として検討してまいります。

 次に、工事種別間の差異の見直しについての御質問でございます。地域要件を付した工事契約の対象となる案件の金額設定につきましては、工事種別ごと、一定の競争性を確保できる数の事業者が区内にあるかどうか等の様々な要件を勘案しながら設定してございます。区内業者の工事実績等の情報を的確に把握し、客観的に検証した上で、適正な金額の設定に努めてまいりたいと考えております。

 次に、区内業者限定の工事対象案件の拡大についての御質問でございます。入札・契約制度につきましては、経済情勢や国、他の自治体の動向を勘案しながら、常に見直しを図る必要があると考えてございます。入札に係ります地域要件の設定や金額規模についても、公平性や競争性を担保した上で適切な見直し改善に努めてまいりたいと考えております。

〔都市政策推進室長奈良浩二登壇〕

○都市政策推進室長(奈良浩二) 私からは、区内産業の育成の御質問に関連いたしまして、初めに、区による信用保証料の補助についての御質問にお答えいたします。

 区が今年度から開始した新制度は、区が実施する低金利の融資あっせんと利子の補給及び都の制度を活用した信用保証料補助とを組み合わせたものでございます。本年8月末時点で既に108件の利用がございまして、区内事業者の安定的な経営や事業拡大に一定の効果があらわれていると考えてございます。今後、産業経済融資における事業者支援につきましては、区内事業者のニーズや区の政策目的などを踏まえまして、総合的に検討を行ってまいります。

 次に、商店会加入による優遇措置の利用状況についての御質問がございました。今年度に区が新設した優遇融資は、商店街での重点産業の事業展開や新規事業者の創業を促進し、産業振興と商店街活性化の相乗効果を狙いとするものでございます。この制度につきましては、当初、年間22件程度の利用を見込んでございましたが、本年8月末時点で既に18件の利用がございまして、年間では見込みを大幅に上回る見通しでございます。商店街の事業者の立地や商店会加入促進による組織強化に大いに貢献できるものと考えてございます。

 次に、創業支援資金のPRについての御質問がございました。創業支援資金につきましては、区内における新たな事業者の創業を促進し、区内経済をさらに活性化させるために、一般の融資よりも利子の自己負担を軽減しているところでございます。また、御質問にございましたように、都の信用保証料補助や区の商店街での事業展開に対する優遇措置など、他の制度とも組み合わせて支援を強化しているものでございます。

 創業支援資金をはじめとする区の融資制度につきましては、区や産業振興センター、金融機関の相談窓口での案内、区と産業振興センターのホームページへの掲載、また、メールマガジンでの情報提供、産業振興センターのセミナーでのPRなどを行っているところでございます。今後、区報への定期的な掲載や、区内経済団体などへの講座や会員向けのお知らせでの情報提供など、さらに周知を図ってまいります。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、公共基準点の管理についての御質問にお答えいたします。

 公共基準点の数、滅失している数についての御質問でございます。現在、中野区内には1,117カ所の公共基準点がございます。東日本大震災により地殻変動が生じたため、平成24年度に公共基準点の現地調査を実施した結果、滅失が判明した基準点は全体の約3割に当たる341カ所でございました。このうち53カ所は既に復元しているところでございます。

 次に、現在の管理状況についての御質問でございます。公共基準点の維持管理につきましては、公共基準点の管理保全要綱に基づき、基準点付近を工事する場合、事前に工事の施工届出書の提出を求め、基準点が保全されるよう管理を行っております。また、年2回、東京都第三建設事務所、水道局、下水道局、NTT、東京ガス、東京電力など、公共事業者による道路調整会議を開催し、公共基準点が道路工事等により滅失しないよう周知徹底を図っているところでございます。

 今後の取り組みについての御質問でございます。公共基準点につきましては、滅失を防止し、適正に保全していくとともに、基準点の復元等の計画的な実施をしてまいりたいと考えております。

○議長(北原ともあき) 以上で内川和久議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 平 山 英 明

 1 行政と住民が一体となった縮災の取り組みについて

 2 中野区グローバル都市戦略について

 3 教育大綱の策定と学校教育の諸課題について

 4 誰もが安心できる交通ネットワークの構築について

 5 区内事業者育成について

 6 児童館施設の今後について

 7 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、平山英明議員。

〔平山英明議員登壇〕

○24番(平山英明) 平成28年第3回定例会において、公明党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおり、7のその他はありません。

 連続した台風は、東北・北海道をはじめ、全国各地に甚大な被害を及ぼしました。犠牲となられた方々に哀悼の意を表すとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。そして、一刻も早い復旧を心からお祈り申し上げます。

 都市災害研究の第一人者であり、「減災」という言葉の提唱者でもある河田恵昭氏は、近年、「縮災」という考え方を示されています。防災が災害被害をゼロにすること、減災が災害被害を少なくすることに対し、縮災は被害を減らすことと同時に、復旧までの時間を短くすることにより、社会に及ぼす影響を減らすこととされています。そのキーとなるのは、コミュニティ、また、それを形成する住民が災害に対する正確な情報を持ち、レジリエンスを高めることにあります。

 そこで、最初に、行政と住民が一体となった縮災の取り組みについて、特に風水害に対する取り組みについて伺います。

 昨年の第4回定例会の一般質問において、区の基本構想と10か年計画、また環境基本計画の改定に当たり、気候変動に対する適応策についても計画に加えることを求めました。それぞれに、緩和だけでなく適応についても進めると位置付けられたことを高く評価いたします。

 国は昨年12月、「水防災意識社会 再構築ビジョン」を策定し、全ての直轄河川とその沿川市町村(109水系730市町村)において、平成32年度までの5年を目途に水防災意識社会を再構築する取り組みを行っています。同ビジョンは、住民目線に立ったソフト対策と危機管理型のハード対策が柱で、住民目線のソフト対策では、住民がとるべき行動をわかりやすく示したハザードマップへの改良や、不動産関連事業者への説明会の開催、タイムラインの策定と訓練の促進、スマホなどによるプッシュ型の洪水予報などの提供が示されています。対策の目的は、堤防など施設の能力を超える水害が必ず発生するという前提に立って、住民に主体的に避難してもらうように意識改革を促すもので、国の適応計画が早々反映されているようです。区も、想定を超えた風水害は起こるとの視点に立った対策を講じるべきです。

 そこで、国の定めたビジョンに照らしながら、主にソフト対策について何点か伺います。

 中野区版タイムラインの策定を求めてきましたが、その後の進捗はいかがでしょうか。伺います。

 我が会派として、これまで幾度も風水害を想定した避難訓練の実施を求めてきましたが、いまだ実現していません。改めて実施を求めます。その際、育成中の防災リーダーの役割も明確に位置付けるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 区は平成26年度に浸水想定区域及び周辺の住民に対し、中野区洪水ハザードマップの配布を行いました。しかし、配布されたハザードマップは、平成13年11月に都が神田川流域をモデルとして、平成12年9月の東海豪雨並みの雨が降った場合の浸水状況をあらわした「神田川流域浸水想定区域図」をもとに作成されているもので、現在も改定されていません。

 水防法の改正により、都も想定し得る最大規模の降雨により河川が氾濫した場合の浸水想定区域の見直しを行っています。その完成時期を都に尋ねましたが、おおむね5年以内との回答で、はっきりとした年次は決まっていません。そのため、区もハザードマップの改定が行えず、苦慮していることは理解するところです。都の早期の改定を望み、現ハザードマップに基づき伺います。

 浸水想定区域について、既存の住民のみならず、新住民となる方々への情報提供も行うべきと考えます。区内の不動産関係の協会と浸水想定地域に関する情報提供のための協定締結を行ってはいかがでしょうか。伺います。

 都は、昭和57年度に高床工事に対する補助事業を始め、区でも都の事業を活用した補助事業を開始しました。しかし、都は平成10年度に同事業を廃止し、その後、2年間は区単独事業として継続はしたものの、平成13年度には区も同事業を廃止いたしました。しかし、平成17年に発生した二度にわたる妙正寺川の河川氾濫による被害を受け、同年12月1日に「中野区水害予防住宅高床工事補助金交付規則」を定め、区の単独事業としての補助事業を再開いたしました。しかしながら、本事業はその後の河川改修の進捗に照らし、規則は残っているものの、平成26年度を最後に、現在まで事実上の休止状態となっています。気候変動への適応、また縮災の観点から、同事業の再開を求めます。いかがでしょうか。伺います。

 品川区、板橋区、北区、また杉並区では、住宅などへの止水板の設置に対する補助事業も行っています。止水板設置は建てかえに限らず既存の住宅などにも活用可能で、水害対策に対する区民の選択肢も広がります。区も止水板設置に対する補助事業の創設を行ってはいかがでしょうか。伺います。

 浸水想定区域内の保育園や幼稚園など子ども施設、高齢者施設については止水板設置を義務付けてはいかがでしょうか。補助制度の創設もあわせて必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 鷺宮調節池には水位を確認するためのカメラの設置がありません。災害情報の適切な発信のため、カメラの設置を求めます。伺います。

 最後に、組織のあり方についても1点伺います。目標体系の見直しにより、都市基盤部の中に防災・都市安全分野を設置し、中野の防災上脆弱な都市基盤の強化を図られてきたことは評価するものです。しかし、今や危機管理と防災対策は区政の最重要課題の一つであり、防災も住民と一体となったソフト面の対策が求められます。そのためには危機管理と防災対策を担う区長直結の新たな組織の創設が必要と考えます。目標体系の見直しを行ってはいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、中野グローバル都市戦略について伺います。

 昨年、東京や日本における国際競争力に向け、中野のポテンシャルを引き出す産学公が一体となった産業、文化などの振興に関する連携のプラットフォームを構築し、グローバルな視野で展開するビジネスの活性化や活動基盤の整備を図ることを目的に、中野区グローバル戦略推進協議会が設立され、本年5月、東京オリンピック・パラリンピック後も成長し続ける都市を目指した中野区グローバル都市戦略が策定されました。オリンピック後の景気後退が懸念される中、産学公が一体となって中野の成長に向け積極的に取り組まれることに対し、期待するものです。しかし、さきの定例会で報告があったように、中野駅地区整備スケジュールが大幅におくれることとなれば、本戦略にも大きく影響を及ぼすものです。このことについては、現在JR側との協議を進めていると聞きます。また、先ほどの内川議員の質問に対して、平成29年度中にはJR側に対し回答を求めるという答弁もございましたので、その結果の報告を待ちたいと思います。

 ここではまず、インバウンド来街者獲得のためのNakano Free Wi-Fi整備について伺います。本戦略のロードマップには、フェーズ1、2020年までの期間に「Nakano Free Wi-Fi拡大」とありますが、具体策が見えてきません。区長は全区的な拡大を目指すとされてきましたが、どのように行われるのでしょうか。スケジュールだけでなく、拡大エリアについても示すべきです。整備計画を策定してはいかがでしょうか。伺います。

 商店街への拡大は欠かせないものと考えます。その際、既存の通信設備に対して、Nakano Free Wi-Fi Plusへの参加を促すか、商店街として整備を図るかの二通りの手法が考えられます。新たにNakano Free Wi-Fiへの参画を目的に商店街が整備を行う場合、設置及び維持管理について、区の支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、中野駅周辺での高品質な生活空間の創出について伺います。

 戦略にIoT活用についての具体策がないのは残念です。IoT活用は情報サービス連携コンソーシアム及び中野区産業振興推進機構、中野区商店街が協調・連携し、中野サンモール商店街で始めたIoT技術を用いた動線把握に関する社会実証実験を行った実績があります。将来も住み続けたいまちを目指すには、IoTの福祉活用を進めるべきと考えます。例えば、帝京平成大学とICTCO(イクトコ)が連携し開発を行うなど、中野駅周辺でIoTを活用した新たな福祉サービスの創出を目指してはいかがでしょうか。中野駅周辺は将来にわたり最先端で最高品質の福祉サービスが提供される空間であることを目指すことにより、持続可能性を高める夜間人口の獲得につながると考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、教育大綱の策定と学校教育の諸課題について伺います。

 昨年4月1日より「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」が施行されました。改正によって、地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策において、その目標や施策の根本となる方針を定める教育大綱を総合教育会議において首長と教育委員会が協議・調整を図り、首長が定めることとなっております。当区においても、区長が教育大綱策定に強い思い入れを持って取り組まれている様子を伺い、大変心強く思っております。

 そこで、初めに教育大綱について伺います。

 現在の教育ビジョンでは、社会人教育、生涯教育の取り組みが少ないように思えます。教育大綱の策定に当たっては、図書館の充実はもちろんとして、社会人の学びの場について、生涯学習大学だけでなく、より多角的かつ専門的な学びの場の支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 あわせて、大学や専門学校などでの学び直しを志す区民に向けた独自の奨学金制度の創設を行ってはいかがでしょうか。伺います。

 区立小・中学校の課題について。初めに、平和の森小学校について伺います。

 前期の学校再編計画により、平成23年度に沼袋小学校と野方小学校の統合校である平和の森小学校が開校いたしました。当初は、平成23年度に野方小学校の位置に新校舎を建設するため、その間、旧第六中学校跡地を仮校舎として利用する計画でした。その後、隣接する法務省矯正管区の移転計画が明らかになったことにより、同用地を取得し、平和の森小学校への新校舎を建設する方針へと転換したため、当時の野方小学校の一部改修を行い、新校舎建設までの間、利用することとなりました。

 しかし、その間、諸般の事情により新校舎建設が大幅におくれており、現在の平和の森小学校の児童数に対しては狭小な環境のために、児童及び保護者が御苦労されていることは、これまで議会でも議論がなされてきたところです。新年度の学級数は3年生から6年生までは3クラスですが、1・2年生は4クラスとなり、教室不足への対応も早急に求められます。

 そこで、平和の森小学校の新校舎完成までの間の対策について伺います。

 まず、現在想定している新校舎完成までのスケジュールを伺います。

 運動会など学校行事の際の混雑状況についても改善が必要です。平和の森公園再整備により、平成31年度にはトラック整備も完了予定です。新校舎完成までの間、運動会など学校行事について優先利用を可能とすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 法務省矯正管区内にある公務員宿舎部分について、平和の森小学校の生徒増加に対する暫定的な対応のため先行取得はできないのでしょうか。先行取得が難しいのであれば、購入後の暫定活用を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、部活動の支援についても伺います。

 中学校の部活動について、教員の負担軽減と指導者不足の解消、何より、生徒が望む部活が指導者不在により実施されない状況を解消しなくてはなりません。現在、外部指導員として都の教育庁人材バンクと学校支援ボランティアの活用が行われていますが、新たにスポーツ・コミュニティプラザによる部活動の支援も開始されます。

 学校現場と健康・スポーツ分野との話し合いの場は持たれたのでしょうか。今後の運営のあり方について、校長会の場を活用するなど、運営事業者も含め学校現場との意見交換の場を継続的に確保すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 学校への派遣について。スポーツ・コミュニティプラザの窓口は民間事業者となると聞きます。学校に対する派遣について、当然、学校側に費用負担は発生しないと思いますが、派遣される指導員に報酬はあるのでしょうか。学校支援ボランティアの皆さんは、文字どおりボランティアとして無報酬で協力していただいています。どのようなスキームをお考えなのか、伺います。

 次に、いじめへの対応について伺います。

 子ども文教委員会では、毎年「いじめの対応状況について」の報告がなされますが、本年5月16日に報告された「平成27年度いじめの対応状況について」には、小学校、中学校の全校がSNS学校ルールを作成するとありました。都教育委員会がSNS東京ルールを策定したことを受けてのことと思います。東京ルールの今後のスケジュールによると、平成29年6月に学校ルールの改定とあります。ルール作成を通し、学校、児童・生徒、家庭がSNS利用について考えることも重要な一つと考えると、毎年の改定は欠かせないものと思えます。区立学校において、今後の改定についてどのようにお考えでしょうか。伺います。

 川越市は今年度から、子どもたちがスマートフォン、携帯でいじめの匿名通報ができるKids'Sign(キッズサイン)導入を決定いたしました。2017年3月までの試験導入で、いじめの早期発見の取り組みを進めるとともに、いじめ行為の抑止効果も含めて検証していくとしています。学校で定期的に行われる従来の紙アンケートは、いじめの情報をリアルタイムにキャッチアップできないという問題点がありましたが、このサービスは、子どもたちが、「いじめられている」、「いじめを見た」といった情報を、いつでもどこでも匿名で書き込むことができる仕組みとなっています。区も同サービスの導入を検討してはいかがでしょうか。伺います。

 この項の最後に、区立小・中学校図書室への新聞配備について伺います。

 平成24年から国の「第4次学校図書館図書整備5か年計画」がスタートしています。第4次計画の特徴の一つは、新聞が新たに計画の積算に含まれていることです。学習指導要領では、新聞などを活用し、思考力、判断力、表現力などを育むことが求められており、このため、各校に新聞1紙を配備するための経費を措置することとしています。残念なことに、この計画実施のための国の財源措置は地方交付税であり、中野区は活用できません。しかし、各学校への新聞配備の重要性を文部科学省が認めていることはうかがえます。

 近年、新聞のデジタル化やスマートフォン、タブレットなどの普及により、紙媒体の新聞購読数は年々減少を続けています。紙媒体の新聞を家庭で購読していない場合、小・中学生が新聞を家で目にすることが難しい状況となります。そして、区立小・中学校で図書室に一般紙を置いている学校は現在ありません。区立小・中学校図書室への新聞配備を行ってはいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、誰もが安心できる交通ネットワークの構築について伺います。

 本年、東京における都市計画道路の整備方針(第4次事業化計画)が公表され、今後おおむね10年後の区内の道路のありようも見えてきました。言うまでもなく、道路は人と人、まちとまちをつなぐ重要な社会インフラであり、整備された路線を活用し、どう区民生活を向上させ、安全・安心のまちづくりを行うかを明確にしていかなくてはなりません。高齢化社会の進行を見据えて、地域包括ケアシステムの構築の上からも、開かずの踏切の解消や南北交通の課題、交通空白地域の解消、歩行者の安全や交通弱者の移動手段の確保、沿道のにぎわいの創出や環境への配慮などを踏まえた、中野全域にわたる交通ネットワークのあり方について検討が必要です。

 そこで伺います。20年後の未来を見据えた(仮称)中野区交通マスタープラン策定を行ってはいかがでしょうか。まずは審議会を立ち上げ、それぞれの分野の専門家も交えた検討を行うべきと考えます。伺います。

 交通ネットワークの構築には、区が抱える大きな課題である狭隘道路の課題解決が必須です。都は一昨年、東京都無電柱化推進計画を策定し、新たに防災に寄与する路線について、財政支援の拡充と期間延伸を行うとしました。防災に寄与する路線などの条件は、現在、区が進める防災まちづくりエリア内での活用が可能なのでしょうか。伺います。

 狭隘道路の場合、財政上の支援だけでなく、地中埋設に当たっての規制が緩和されなければ、地中化が困難な場合が多いと聞きます。東京の無電柱化を公約に掲げた新都知事が誕生いたしました。新都知事に対し、狭隘道路の抱える課題について、緩和策の実施など必要な施策を要請してはいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、区内事業者育成について伺います。

 東京オリンピック・パラリンピックを前に、資材価格の高騰など区内事業者の資金繰りの問題は深刻です。区が行う工事発注には前払いと中間前払い、そして部分払いの制度がありますが、建設工事についての利用実績、過去3年間の利用実績を調べました。平成25年度は契約件数34件に対し、前払い利用15件、中間払い利用は2件、平成26年は、それぞれ29件に対し、前払いが18件、中間払いが2件、平成27年度では、契約40件に対し、前払いは21件、中間払いはゼロ件となっています。

 中間前払い利用が極端に少ない理由について、区内事業者の団体との懇談の折、使いたいが、手続の煩雑さや上限額の設定などにより使いづらいとの声が多くありました。制度について改善が必要なのかもしれませんが、別途、新銀行東京が行う公共工事代金債権信託「コントラスト」を区の発注工事で使えるようにしてほしいとの要望も受けました。

 さきに自民党の内川議員も質問されておりましたが、同サービスは、都をはじめ都内の市区町村の多くで活用が可能となっており、23区でも既に18区が利用可能です。区も取り扱い可能発注者となってはいかがでしょうか。伺います。

 契約について、もう1点伺います。

 区は、平成27年度から工事契約における制限付競争入札について、国の公共工事の品質確保の促進に関する法律の改正などを受け、対象の拡大を行いました。しかし、委託については変更されなかったと聞きます。委託案件についても同様の配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 最後に、児童館施設の今後について伺います。

 区は、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)において、U18プラザを廃止し、新たな子ども・子育て支援策を行うとしました。新たな施策の具体的内容などについては現在検討され、今定例会中に報告されることとなっていますが、U18及び児童館機能廃止後の施設活用についても同時に検討されていると聞きます。

 そこで伺います。用途廃止後の3館のU18プラザ施設と17館の児童館施設について、売却は行わず、福祉活用を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 17館の児童館のうち6館は、もともとはU18プラザへの転換予定とされていました。現在のU18プラザ3館及び転換予定であった6館については、学童クラブなど子育て支援に資する活用を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 また、大和児童館の転換にあたっては、幼老複合施設のモデルとして検討してはいかがでしょうか。伺って、私の全ての質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 平山議員の御質問にお答えいたします。

 行政と住民が一体となった縮災の取り組みについてであります。

 風水害タイムラインの進捗状況について。タイムラインにつきましては、区の風水害対応を踏まえて、作成に向け検討してきたところであります。先月、国土交通省水災害に関する防災・減災対策本部から、地方公共団体のタイムライン作成を促すタイムライン(防災行動計画)策定・活用指針が示されたことから、早期に作成するよう作業を進めてまいりたいと考えております。

 風水害の避難訓練実施と防災リーダーの活用について。震災時とは避難が必要となる地域の範囲と避難先が異なることから、風水害時の避難については、対象地域の区民の理解を促す方法として、避難行動についての訓練を含めて検討してまいります。また、ことしから区は防災リーダーを養成することとしておりますが、その参加者については防災会を中心として募集しているところであり、養成された防災リーダーについては、おのずと地域で活動してもらう位置づけと考えております。

 浸水危険を周知するため、不動産関係業界との協定締結についての御質問がありました。現在、洪水ハザードマップと浸水履歴については、防災・都市安全分野の窓口に配置しており、誰でも過去の浸水状況等を閲覧することができるようになっています。不動産会社による浸水状況等の周知が徹底されれば、浸水想定区域へ転居するときから、区民に水害への備えについて意識づけを図れることから、過去の浸水状況等の説明について、不動産関係団体の理解を促すことに努めてまいりたいと考えております。

 高床工事補助事業の再開についてであります。東京都の河川の50ミリ改修の進行とともに、環状7号線地下調節池のほか設置等により河川の溢水が起きていないこと、また、申請件数が減少したため事業見直しを行い、補助事業の休止を行ってきたところであります。しかしながら、近年の異常気象によるゲリラ豪雨などでは、各地で想定を超える被害が見受けられることから、今後のあり方について検討してまいりたいと考えております。

 住宅への止水板の設置助成について。区は建物等への浸水防止対策として、土のうの配備と配布を行っております。近年はゲリラ豪雨など短時間で浸水被害が発生する事例もあることから、防水板・止水板など、土のうよりも迅速に実施できる浸水防止対策のニーズはあると考えております。他区の状況などを含め、区民の浸水防止対策の向上について、今後研究してまいります。

 子ども施設、高齢者施設への止水板設置についてであります。区は、保育園、幼稚園等の子ども施設や高齢者施設など、多くの要配慮者が利用する施設に対して、防災行政無線の戸別受信機を設置し、防災行政無線からの情報を施設内でも受信できるようにしております。浸水想定区域内にあるこれらの施設については、防災行政無線からの情報をもとに、土のうなど浸水防止措置の実施や早期の避難などに取り組んでいただくことにしております。

 さらに、このような施設の風水害対策の充実について、御提案の方法も含めて検討してまいります。

 鷺宮調節池への監視カメラの設置につきましては、都との協議も含め、今後検討してまいります。

 危機管理と防災対策を担う新しい分野の創設について。地域の生活安全、防犯・防災、事業活動に伴うリスク管理等、区として区民の生命・財産・生活を守るための課題は幅広く多岐にわたり、近年は特に想定外の災害やテロ攻撃への備えなども求められております。このような状況から、区の危機管理体制の強化を図るためにどのような組織とすべきか、検討を行ってまいりたいと考えております。

 Nakano Free Wi-Fiの整備計画についてであります。区が無料で提供している公衆無線LANサービス「Nakano Free Wi-Fi」は、現在、中野駅北口駅前広場など区内9カ所で展開しております。今後はまちづくりの進展にあわせて、まちの拠点となる公共空間を中心に整備していく考えであります。中野四季の森公園拡張部や西武新宿線各駅に新設される駅前広場など、都市施設の整備状況を勘案し、計画的な整備を図ってまいります。

 商店街におけるFree Wi-Fiの拡大についてであります。民間店舗が参加するNakano Free Wi-Fi Plusは、各店舗や商店街の協力を得て設置を進めているところであり、今後も面的な拡大を図っていく考えであります。商店街として整備する場合には、新・元気を出せ!商店街事業補助金を活用することが可能であり、機器設置については全額補助対象となっております。通信料や保守点検などの維持管理コストは、設置主体である各店舗や商店街の負担としております。来街者の利便性向上に加え、集客につながる仕組みであることから、応分の負担を求めるものであります。今後も利用状況などを適宜把握し、適切な制度運用を図ってまいります。

 IoTを活用した福祉サービスの創出についてであります。モノのインターネット化と言われるIoTは、生活に密着した技術革新であり、生活環境戦略の推進に当たっても着目すべき視点であります。外国人も含め、誰もが暮らしやすい最先端の生活環境を整備していく上で、IoTを活用した福祉、介護、子育て、学習支援などのライフサポートビジネスの創出に向け、産学公金連携による先進的な取り組みを促進してまいります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教育大綱の策定と学校教育の諸課題についてのうち、初めに、平和の森小学校の新校舎建設スケジュールについてお答えいたします。

 矯正研修所の移転は平成29年度中である旨、法務省から回答を得てございます。現在のところ変更はないとのことですので、仮にこの予定どおりに矯正研修所の移転が進み、中野区に用地売却が認められたとして、一般的に校舎建設については約5年程度を要するため、新校舎の完成は平成34年度になると想定しています。区としては、できる限り速やかな完成に向け、努力してまいりたいと考えております。

 児童増加に対する対応でございますが、矯正研修所敷地については、取得後速やかに整備に着手していく計画でございます。平和の森小学校の校舎の完成は、今お話ししたように、急いでも平成34年度末になることから、児童の増加に対しては緊急対応策として何らかの方法を検討していかなければならないと考えてございます。

 続いて、学校SNSルールの今後の改定についての御質問です。SNS学校ルールの策定の目的は、児童・生徒がみずから主体的に作成にかかわることを通して、いじめやトラブルに巻き込まれないような意識の啓発や実践力を高めることでございます。このことから、インターネット環境や児童・生徒のインターネット利用の状況を踏まえて、各年度において各学校が適切に対応できるよう、教育委員会として指導しているところでございます。

 続きまして、いじめの匿名通報システムの導入についての御質問です。いじめの対応については、区のアンケートをはじめ、各学校のいじめ防止基本方針にのっとり、教育相談の充実や定期的な生活点検等、いじめの未然防止や早期発見、早期対応の取り組みを進めているところでございます。今後もこれらの取り組みを中心に、いじめ対応には適切に対応してまいります。

 いじめの匿名通報システムの導入につきましては、区の実情とこのシステムの有効性を検証しながら研究してまいりたいと考えてございます。

 最後に、学校図書館での新聞閲覧についての御質問です。現在、学校において、ICT機器を活用するなど工夫して新聞記事をもとに話し合い活動を行うほか、新聞の記事を使った壁新聞を作成するなど、思考力・表現力等を育む学習を行ってございます。学校図書館も含め、新聞の活用のあり方については、学校の実情も踏まえ、研究してまいりたいと考えてございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、教育大綱の策定と学校教育の諸課題のうち、社会人の学びの場の支援についてと、U18と児童館施設の今後についてお答えいたします。

 初めに、教育大綱の策定と学校教育の諸課題のうちの社会人の学びの場の支援についてお答えいたします。生涯にわたって成長し続けることができる地域社会の実現を教育大綱の中に盛り込みたいと考えているところでございます。幼児期から学齢期、成人期まで、あらゆる年代の区民が生涯にわたり主体的に学ぶ観点についても、教育大綱の中で検討しているところでございます。

 次に、U18と児童館施設の今後についてお答えいたします。大和児童館など児童館、U18プラザ廃止後の施設につきましては、他の未利用となる施設と同様に将来の行政需要の変化を踏まえ、活用等を検討していくところでございます。その中では、子育て支援施設としての活用についても検討の一つと考えているところでございます。

 なお、公共施設総合管理計画の考え方においてお示ししたとおり、敷地の容積を有効活用した異なる施設の複合化によるサービスの向上についても検討し、一方、区として活用が見込まれない用地につきましては、売却等も選択肢の一つとして考えられているところでございます。

〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕

○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、教育大綱の策定と学校教育の諸課題に関連いたしまして、区民に向けた奨学金制度の創設、中学校部活動への支援に向けた御質問の2点にお答えいたします。

 まず初めに、学び直しを志す区民に向けた奨学金制度の創設についてでございます。大学、大学院、専門学校等で学び直す方も利用できる奨学金制度が現在でも各種あることから、これらの制度を活用していただきたいと考えております。区といたしましては、情報提供などにより学び直しを支援してまいります。

 次に、中学校部活動への支援に関連した御質問でございました。地域スポーツクラブによる学校部活動の支援につきましては、中学校長会において報告するとともに、意見交換を行いながら、各学校の状況の把握に取り組んできております。また、地域スポーツクラブにも中学校長の代表に御参加いただき、区及び事業者との調整を行っているところでございます。

 派遣の形態といたしましては、地域スポーツクラブ事業の講師を派遣するほか、学校部活動外部指導員の育成講習を実施いたしまして、修了者を人材登録し、各学校に御紹介する形を考えております。地域スポーツクラブ事業の講師派遣につきましては、現在の部活動外部指導員との均衡にも配慮しながら、区が委託する事業者から報酬を支払うことを想定しております。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず、教育大綱の策定と学校教育の諸課題についての小・中学校の課題についての御質問のうち、平和の森公園再整備におけるトラックの優先活用についてお答えいたします。

 今後、平和の森公園のトラック及び整備後の草地広場の利用方法を決めてまいりますが、その中で学校での活用なども考慮し、検討していきたいと考えております。

 次に、誰もが安心できる交通ネットワークの構築についての御質問にお答えいたします。

 まず、(仮称)中野区交通マスタープラン策定についてでございます。交通にかかわる計画につきましては、現在、中野区都市計画マスタープランの都市基盤整備の基本方針において、人と環境に優しい交通体系の整備、公共交通の整備、体系的な道路整備及び歩行者、自転車利用のための環境整備の項目で、それぞれの施策の方針を示しております。

 また、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)では、区内の公共交通網や駐車環境等のあり方、そして交通弱者が区内を円滑に移動できるための対策等については、総合的な検討・実証を行い、より快適な移動環境の整備を推進することとしており、今後、関係所管とも連携して、実現に向けた具体的な検討を行っていく考えでございます。このような交通にかかわる検討を行っていく中で、交通マスタープランの策定について、その必要性について研究してまいりたいと、そのように考えております。

 次に、東京都の無電柱化推進計画についての御質問がございました。東京都が策定した無電柱化推進計画では、より一層の防災機能の強化に向け、無電柱化は防災・減災に欠くことのできない重要な役割を担うとし、整備の推進が必要である旨が示されております。また推進計画では、地域危険度が高い木造住宅密集地域において、避難道路の確保等の観点から優先的に無電柱化を行っていくとしており、区が進める防災まちづくりのエリアも対象になるものと考えているところでございます。

 次に、狭隘道路の無電柱化に関する東京都への要請についてです。狭隘道路の無電柱化につきましては、電線共同溝の設置規制による埋設物工事の調整や大型変圧器等の設置場所の確保が困難であり、さらにコスト面においても、高幅員の都道に比べて工事費を要するとされているところでございます。しかし、一方で新しい技術開発も進んでおり、都としても区市町村道の無電柱化の促進を図るため、支援策を強化すると無電柱化推進計画で示していることから、東京都に対して狭隘道路の無電柱化の補助を含め、技術支援や一層の基準緩和などを要請してまいりたいと考えております。

〔経営室長篠原文彦登壇〕

○経営室長(篠原文彦) 区内事業者育成についての御質問にお答えいたします。

 初めに、公共工事代金債権信託の活用についてでございます。現在、契約締結者に対します資金調達の支援につきましては、前払い金、中間前払い金、部分払い金の制度がございまして、一定の活用がなされているという状況でございます。

 公共工事代金債権信託の手法につきましては、前払い金等の制度でも不足する部分の資金調達を補足するものでございまして、事業者のニーズや他区の利用実績を勘案しながら、前払い金制度等の活用度を高めることとあわせまして、事業者の資金調達拡大の方策の一つとして検討してまいります。

 続きまして、委託契約におけます制限付競争入札適用の拡大についてでございます。現在、設計等の委託契約につきましても、地域要件を付した制限付の競争入札を導入してございます。その対象となる上限金額の設定につきましては、委託契約の種別ごと、一定の競争性を確保できる数の事業者が区内にあるかどうか等、さまざまな要件を勘案しながら設定してございます。

 工事と比べまして、設計等を受託できる区内業者の数が少ない状況を踏まえた上で、委託種別ごとの事業者数の契約実績等を分析し、競争性を確保する適正な金額の設定に努めてまいりたいというふうに考えております。

〔平山英明議員登壇〕

○24番(平山英明) 時間が過ぎましたので、すみません、図書室の新聞配備について1点だけ。

 私がちょっとよく聞き取れなかったのかもしれませんが、タブレットで今やっていますという、タブレットで新聞を読んで、それを使ってやっているので、足りているというような表現だったようにも聞こえたんですが、本だってタブレットがいっぱい出ているわけで、タブレットで電子書籍って、国が定める蔵書の数に入ったりしないですよね。私は、紙の新聞が大事だと言っているんですよ。と思って質問したので、その趣旨をもしかすると御理解いただけなかったのかと思いましたので、改めて再質問いたします。お答えください。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 新聞記事の利用につきましては、タブレットを含めてさまざまなICT機器を活用して、あるいは、それ以外の壁新聞等の実際の新聞記事等も活用して授業などを行っています。御提案の趣旨につきましては、先ほどもお答えしましたように、学校の実情も踏まえて研究してまいりたいというふうに考えてございます。

○議長(北原ともあき) 以上で平山英明議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後3時21分休憩

 

午後3時45分開議

○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 浦 野 さとみ

 1 区長の政治姿勢について

 2 平和の森公園再整備について

 3 潜在的な保育ニーズの把握について

 4 教育環境の充実について

  (1)就学援助制度について

  (2)給付型の奨学金制度について

  (3)その他

 5 障害者施策の拡充について

  (1)精神障害者への福祉手当について

  (2)点字版の区報発行について

  (3)その他

 6 住宅セーフティネットについて

 7 その他

 

○議長(北原ともあき) 浦野さとみ議員。

〔浦野さとみ議員登壇〕

○31番(浦野さとみ) 2016年第3回定例会本会議において、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。質問項目は通告のとおりで、その他の項はありません。

 質問に先立ちまして、日本列島に甚大な被害をもたらした一連の台風により、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げると同時に、被害に遭われた方々とその御関係者の皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

 それでは、質問に入ります。

 今定例議会の前には参議院選挙、そして都知事選挙が行われました。区政課題の中でも、都政や国政の政策によって大きく左右される、また影響を受けるものも少なくありません。引き続き切実な区民要求の実現へ力を尽くすとともに、区長の政治姿勢として問うべき問題はしっかりただしていきたいと思います。

 そうした観点で、まず初めに区長の政治姿勢について、3点伺います。

 初めに、安保法制の問題について伺います。安保法によって拡大された自衛隊の新たな任務について、全面的に訓練を開始することが発表されました。南スーダンPKOに11月から派遣予定の陸上自衛隊部隊に、新任務として付与を検討している「駆けつけ警護」や「宿営地共同防護」の訓練に続き、歴代政権が違憲としてきた集団的自衛権の行使や、戦闘地域での米軍への兵站などを想定した日米共同演習が行われようとしています。海外での武力行使を禁じた憲法9条を踏みにじり、安保法制を本格的な運用段階に移行させ、日本を「戦争する国」にする重大な企みであり、絶対に許されません。具体的な動き、局面となっている今、改めてこの問題について区長の見解を伺います。

 次に、緊急事態条項を含む憲法改定の動きについて伺います。

 この問題は、参議院選挙中には問わず、争点を隠し続け、選挙が終わると、国民の信を得たとばかりに持ち出されたものの一つでもあります。憲法擁護・非核都市宣言をしている自治体の長として、平和憲法を守る立場を示すべきではないでしょうか。現行憲法に対する見解とともに、緊急事態条項を含む憲法改定の動きについて、区長の見解を伺います。

 この項の最後に、介護保険にかかわって1点伺います。

 新たな制度改定に向けた議論が厚生労働省の審議会で本格的に始まりました。その中で、要介護1・2の方が利用する訪問介護のうち、掃除、調理、買い物などの生活援助を保険から外すことが検討されています。介護認定を得てケアプランに盛り込む生活援助は、単なる調理や掃除のボランティアではありません。変化しやすい高齢者の体調変化を判断したり、さまざまな状況から認知症の症状を把握したり、ヘルパーの専門性が求められます。専門でない人の支援によって、こうした微妙な変化を見逃す危険や、早期の対応のおくれが重症化につながりかねません。

 同時に、要介護2以下の方の福祉用具貸与について、現在1割負担であるものを全額自己負担にすることなどもあわせて検討がされています。例えば、一般的なベッド、マットレス、車椅子、歩行器をレンタルしている場合、1割負担で月に約2,500円前後が自己負担となります。しかし、10割の全額自己負担となれば、約2万5,000円にもなります。こうした福祉用具があってこそ、現在の状態が維持できている方も多く、費用負担がふえることで貸与を続けられないとなれば、御本人の症状の悪化や介護者の負担がふえることは容易に想像できます。現在、国がこうした検討をしていることへの区長の見解を伺うとともに、この検討は中止・撤回することを国に求めるべきではないでしょうか。あわせて答弁を求めます。

 次に、平和の森公園再整備について伺います。

 8月下旬の各所管委員会において、「平和の森公園再整備基本設計(案)中間のまとめについて」が報告され、この中で、再整備に当たっての概算整備費が示されました。新体育館整備費として約86億円、多目的広場や陸上競技トラック等その他の公園整備費として約22億円、合計で約108億円となっています。区がことし4月に策定した新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の中で示していた平和の森公園拡張再整備における事業費55億円が、これまで出されていた数字ですが、それをはるかに上回る倍近い整備費となっています。なぜこの数カ月でこれだけの差が生じたのでしょうか。これでは、区民や議会をだましていることにはなりませんか。見解を伺います。

 また、現在示されている概算整備費約108億円の詳細な内訳と、現在、活用を想定している国や都の補助金・交付金について、その種類と金額の概算についても、あわせてお答えください。

 この期間、再整備構想(案)や基本計画(素案)の段階などで区民説明会が行われましたが、出された意見は聞きおくだけの姿勢で、基本計画(案)についてのパブリック・コメントにおいても反映した意見はゼロという状況でした。樹木・緑の伐採、草地広場が今のような形で利用できなくなることへの懸念など、今回の計画自体に対する区民合意は得られていません。まして、整備に際しての費用がこれだけのものであるなら、これまで再整備に賛意を示していた方の中でも、異論の声や待ったの声が出てくるのではないでしょうか。

 2020年のオリンピック・パラリンピックまでに間に合わせようという最終のスケジュールを決めていることで、今後、資材や人件費など建設にかかわる費用が高騰していくことが想定される中、整備費用全体が膨れ上がることは十分に考えられます。とにかく急いで行う、このことで財政面での区民負担がさらにふえることになるのではないでしょうか。見解を伺います。

 平和の森公園再整備計画が報告されて以降、この約1年半の間に、関連費用だけでも4回もの補正予算が示されました。平成27年、平成28年度ともに、新年度予算の審査が終わった直後に、その年度の第1次補正予算に関連費用が盛り込まれるなど、この点だけを見ても、この計画がいかに性急で、とにかくお金をつけて推し進めていこうという姿勢が見てとれます。先ほど上程された補正予算のうちの一部もその典型です。区民の切実な要求は横に置き、湯水のように注ぎ続けていっています。

 加えて、整備後には、当然維持管理費用がかかります。現在、平和の森公園の年間の維持管理費は、決算数値で約3,000万から3,300万円前後となっています。仮に区が現在進めようとしている計画内容で平和の森公園全体を整備した場合、整備後の維持管理費用については当然試算されていると思います。住民の方が情報公開で資料を請求されましたが、その維持管理費にかかわる部分の試算と見られる場所は全て黒塗りとなっています。計画ありき、お金は幾らかかってもよいということでは決してありません。区民の大事な税金が使われます。維持管理にかかわる費用などもきちんと公開・情報提供した上で、その点も踏まえて区民の意見をきちんと聞くべきです。現時点で想定している整備後の維持管理費用について、答弁を求めます。

 あわせて、新体育館を建設しようとしている場所について、東京都からは無償貸与という形になるのでしょうか。それとも、賃料や借地代などとして一定の費用を支払う形になるのでしょうか。伺います。

 約1,260万円かけて日本設計に委託した「平和の森公園再整備及び新体育館建設整備構想・整備基本計画策定支援業務」の報告書の中に、ことし2月に区民を対象に区が開催した再整備構想(案)に関する説明会についての記載があります。これは説明会として告知され、区役所にて3回実施されましたが、報告書の中では、「区民参加による検討会を実施した」と記されています。説明会として告知したものが、区民参加による検討会にすりかわっています。説明というのは、物事がなぜこうなのか、根拠や理由を明らかにするものであり、検討というのは、種々の面からよく調べて、よいか悪いか考えることを指します。少なくとも、さきの説明会は区民参加による検討会ではなく、大きく意味合いが異なると理解しますが、区の見解を伺います。

 財政的な負担、スケジュールを見ても、やはり計画にはかなり無理があるように感じます。決算特別委員会でも改めて長沢議員が取り上げる予定ですが、中野駅の橋上駅舎や南北通路整備の問題を見ても、区の負担は膨れ上がるばかりです。工事着工時期も未定であり、今後、区役所・サンプラザ地区の再開発などがめじろ押しで、区民の中からは、もっと切実で身近な要求に応えてほしいという声が出るのも当然です。今からでも遅くありません。平和の森公園再整備について、一旦立ちどまり、財政的問題とあわせて、改めて利用者・区民参加による検討の場を持つべきです。答弁を求め、この項の質問を終わります。

 次に、潜在的な保育ニーズの把握について伺います。

 厚生労働省が1週間前の今月2日に発表した今年度の待機児童数は、ことしの4月1日時点で前年度の同時期より多い2万3,553人となり、2年連続の増加となっています。一方、育児休暇延長などで待機児童には数えない、いわゆる隠れ待機児童は6万7,000人を超え、前年比で約8,300人増加したこともあわせて発表されました。

 中野区においては、この期間、保育施設増設に取り組んできたことは一定評価するものの、質の面なども含め、保護者の願いに十分に応えるものとはなっていません。何よりも大事なことは、待機児童数を人数とともにその詳細な状況も把握し、その上で本当に求められている対策を講ずることでこそ、児童福祉法24条1項に定められる市町村の保育実施義務が果たされるのではないでしょうか。

 ことしの4月1日現在、中野区内での待機児童数は257名と発表されました。昨年よりも85名ふえています。加えて、この期間、待機児童数としてカウントする定義が変更されてきました。例えば、認可保育所への入園を希望しても不承諾となり、やむを得ず認証保育所へ入所した児童は待機児童数にはカウントされません。ことし4月1日現在、認証保育所へ入所された児童は151名でした。ある保護者の方は、「園庭があり、自宅から比較的近い認可保育所を中心に申し込みをしたが、全てだめだった。復職前の本当にぎりぎりのところで、何とか認証保育所に入ることができたが、これが待機児としてカウントされないのはおかしい」とおっしゃっていました。

 また、一昨年の子ども・子育て支援新制度の開始前までは、認可保育施設の扱いではなかった小規模保育事業や家庭的保育事業等が新たに認可保育施設の扱いとなったため、現在の定義の上では、これらの施設へ入所した児童も待機児童数にはカウントされません。

 そこで伺います。ことし4月1日現在、認可保育施設に入所された1,262名のうち、昨年度からの新制度のもとで認可保育施設の扱いとなった施設へ入所した児童数は何名になりますか。答弁を求めます。

 さらに、保育所に入所できず、親が育児休暇を継続せざるを得ない場合の方も、今の定義のもとでは待機児童に含まれません。実質的には待機児童であるにもかかわらずです。ことしの場合、それに該当する方は何名となりますか。答弁を求めます。

 区が公表する資料の中では、こうした方々は「私的な理由等」のくくりとなります。ことし4月1日現在で、この「私的な理由等」の人数は236名に上ります。この人数は、昨年よりも49名、一昨年よりも116名ふえており、一昨年からは約2倍の数となっています。ことしのこの236名の方々の状況とその人数について、答弁を求めます。

 今後、こうした数字を公表する際、誰が見てもわかりやすいように、きちんと詳細な実態がわかるようにすべきです。公表の仕方も含め、改善を求めます。見解を伺います。

 「第13希望まで記入して、何とか12希望の小規模保育に入園できた。でも、3歳になるときに、また次の場所を探さなくてはいけないので、ずっと保育所探しに追われているように感じる」などの声も寄せられました。多くの保護者の願いは、園庭があり、5歳まで通える、質も確保された認可保育所ではないでしょうか。定義自体が緩和・変更されてきているもとで、やはり潜在的な保育ニーズ、お一人お一人の状況や願いも含めて丁寧に把握し、それらにきちんと応える待機児童対策を実施すべきと考えます。見解を伺いまして、この項の質問を終わります。

 次に、教育環境の充実について。

 まず初めに、就学援助制度について伺います。

 就学援助制度は、学校教育法等において定められ、対象者は生活保護法に規定する要保護者と、市町村の各教育委員会が要保護者に準ずる程度に困窮していると認める準要保護者になります。準要保護者の基準は各市町村が規定しており、中野区では、学用品費、クラブ活動費、給食費など、計11の費目があり、申請に基づき、それぞれ対象となる方に支給されています。今回は、この中で新入学学用品費について、2点伺います。

 1点目は、支給時期の見直しについてです。この新入学学用品費は、保護者の収入認定を待って、学校入学後の就学援助申請に基づき、6月に支給されることになっています。そのため、実際に入学準備を行う3月の時点では、全て自力で購入しなければならず、この負担は大変に重いものとなっています。特に中学校に入学の際には制服も必要となるため、体操着や通学バッグ、上履き等を合わせると、約7万円から10万円前後にもなります。そのため、知人や金融機関などに借金をし、その費用を捻出せざるを得ないという方もおられます。

 板橋区では仮認定を行い、支給時期を入学前の3月に前倒しで実施することを数年前から行っており、全国的にも支給時期を入学前にするところがふえてきています。また、八王子市は就学援助制度とは別に、市が独自で新入学準備金を3月1日に支給することを新年度から実施するとのことです。

 昨年8月、文部科学省から各都道府県の教育委員会に対して、「特に、新入学児童・生徒の学用品費等は、年度の当初から開始し、各費目について児童・生徒が援助を必要とする時期に速やかに支給することができるよう十分配慮すること」とした通知が出されています。これは、生活保護での要保護者に対してのものですが、準要保護者もほぼ同じような状況であることに変わりはありません。生活保護での要保護者に対しては、必要な時期である入学前の3月に支給されています。準要保護者への新入学学用品費についても、支給時期を入学前に前倒しすることについて検討し、実施すべきです。答弁を求めます。

 2点目に、この新入学学用品費の額をふやすことについて伺います。現在、小学校1年生では約2万3,000円、中学校では約2万6,000円の支給となっています。小・中学校での差はほぼない状態ですが、制服のない小学校と中学校がほぼ同じ額では実態に合っておらず、保護者負担は厳しいものとなっています。生活保護での要保護者に対する入学準備金は、小学校では4万600円以内、中学校では4万7,400円以内となっています。

 ことしの5月、参議院の文教科学委員会での党国会議員団の指摘に、馳文部科学大臣はこの金額について、「(実態と)半分以上違う。乖離がある状況を認めざるを得ませんし、必要な調査を行った上で必要な改善策を考えていく必要がある」と答弁されました。生活保護での要保護者に対する金額でも乖離があるとされているわけですから、準要保護者への金額についても実態に合わせ増額を検討すべきではないでしょうか。見解を伺います。

 中野区は事業見直しの一環として、2012年度、平成24年度に、この準要保護者への基準を生活保護基準の1.2倍から1.15倍へ引き下げを行いました。このことは大変許しがたいことであり、当時この基準引き下げによって、前年度に認定されていた方がそのまま認定されていたとした場合で、約70名の方が影響を受け、認定の対象から外れてしまいました。

 今年度当初、区内で就学援助の認定を受けた小・中学生は合わせて2,545人であり、約4人に1人の児童・生徒が対象となっています。子どもの貧困が進む中、教育費負担軽減のためにも、準要保護者の基準を生活保護基準の1.2倍へ戻すべきではありませんか。答弁を求めます。

 最後に、生活保護基準引き下げに伴う就学援助の対象範囲について伺います。

 現在、区では、2014年度からの3年間は、就学援助に対し生活保護基準の引き下げの影響が出ないよう、経過措置を実施してきました。今年度は、当初予定していた期間の最終年度となります。今年度は101人がその対象となっています。来年度以降もこの措置を継続すべきです。答弁を求めます。

 次に、給付型奨学金制度について伺います。

 日本学生支援機構の貸与型奨学金を利用する学生は、学生全体の約4割に達し、大学や自治体の奨学金も含めると、学生の2人に1人は何らかの奨学金を利用しています。奨学金の借り入れ総額が、学校卒業時には500万円以上になった学生がふえる傾向にあり、また、非正規雇用の増加や平均給与の減少によって奨学金を返済できず、延滞している方が高どまりという状況も生まれています。

 現在、文部科学省は返還する必要のない給付型奨学金制度の創設に向けた検討チームを設置し、制度設計の議論を行っています。また、全国知事会がことしの7月20日に政府に対して行った緊急要請の中の一つの項目として、子どもの貧困対策のために無利子奨学金の拡充や給付型奨学金の創設が盛り込まれています。特に、ひとり親世帯、生活保護世帯、児童養護施設退所者は進学率が下がるというデータもあります。どのような環境であっても教育を受ける権利は等しくあるべきであり、保障することが必要です。給付型奨学金制度について、早急に創設することを国に要望すべきではないでしょうか。答弁を求めます。

 あわせて、自治体独自の支援も求められます。大田区では貸付型とともに、奨学金給付制度があります。また、足立区では区教育委員会が運営する貸付型の奨学金があり、今年度からは条件を満たした利用者を対象に、貸付金額の半分を免除する一部償還免除型奨学金が開始されました。高校や大学等に入学予定の方など年間20名を対象に、1人当たり上限100万円が返済免除となります。

 また、世田谷区では児童養護施設等を退所した子ども等の社会的自立を支援する事業を開始し、住宅支援や居場所支援とともに、大学等に進学・通学する学費の一部を、年額36万円を上限に給付する給付型奨学金事業が開始されています。

 中野区では、類似制度の充実等を理由に、高校進学に際し行っていた奨学金貸付を2008年に廃止しました。しかし、当時でも貸付実績は年間80件前後で推移しており、需要の高いものであったと考えます。現時点で、東京都の育英資金や社会福祉協議会の生活福祉資金等がありますが、現在こうした社会背景も踏まえ、さきに述べた国への要望とあわせ、大学進学なども対象とした中野区としての給付型の奨学金制度について、改めて検討すべきではないでしょうか。見解を伺い、この項の質問を終わります。

 次に、障害者施策の拡充について伺います。

 初めに、精神障害者への福祉手当について伺います。

 障害者団体の皆さんからは、精神障害者にも福祉手当を支給してほしいという要望は長年にわたり出されています。党議員団としても、予算編成に関する区長への要望書の中でも繰り返し求めてきました。議会に対しても、昨年、精神障害者への福祉手当を支給することを求める陳情が出され、継続審査の後、昨年の第4回定例会にて全会派一致で陳情が採択となりました。

 23区では、品川区、杉並区などで精神福祉手帳1級を所持されている方を対象に実施されており、それぞれ月額で8,500円、5,000円となっています。先ほど述べた陳情審査の中の質疑では、中野区内における精神福祉手帳1級を所持されている方は147名で、仮に品川区や杉並区と同じように精神障害手帳1級の2種(65歳未満)の方が申請すると70名程度となり、月額5,000円とした場合には、区の予算として420万円程度になるとの質疑もありました。区では検討を行っているとのことですが、現在の検討状況はどのようになっていますでしょうか。検討を踏まえ、新年度から実施すべきです。答弁を求めます。

 次に、点字版の区報発行について伺います。

 視覚障害者の方から、区報も点字版で発行してほしいとの要望が寄せられました。現在、身体障害者手帳1・2級の視覚障害がある方に、「声のなかの区報」として、区報を音読し録音したものが希望者に無料で郵送されています。

 「障害者福祉のしおり」や「わたしの便利帳」は点字版があり、区役所の1階、障害福祉相談窓口や、図書館、障害者福祉会館などで閲覧できるとされています。また、区のホームページで点訳データをダウンロードすることが可能です。

 点字版での区報発行は、葛飾区、江東区、墨田区など23区中約半分の区で実施され、一定の条件はあるものの無料で配布されています。中野区でも検討すべきと考えます。答弁を求め、この項の質問を終わります。

 最後に、6番目、住宅セーフティネットについて伺います。

 日々お寄せいただく生活相談の中で、御高齢の方や、また低所得者の方の住宅確保、転居問題に関する相談がふえています。老朽化による建てかえや収入の減少、健康問題など事情はさまざまですが、何らかの困難を抱えた方々の転居にはクリアすべき課題も多く、スムーズにはいかないことも多々あります。また、国内の貧困が若年層に拡大したことにより、若い方の住宅問題も深刻化しています。「住まいは人権」であることは政府も認めていますが、その対策は決して十分とは言えません。

 中野区内の都営住宅の募集戸数は1年間で60から80戸前後となっていますが、申込者は3,000から5,000名前後と、倍率は平均で60倍以上と推移しています。特に、住宅確保要配慮者、高齢者世帯・子育て世帯・その他として低所得者や障害者等への対策は急務と考えます。

 ことしの3月、政府は今後10年間の住宅政策の指針である新たな住生活基本計画を閣議決定し、国土交通省の新たな住宅セーフティネット検討小委員会では、7月末の第3回会合の中で、民間の空き家・空き室を活用したセーフティネット住宅を整備するという内容の中間まとめが示されました。公営住宅を補完する新たな住宅セーフティネットの制度について、多様な住宅確保要配慮者を対象にすること、新築ではなく、既存住宅の空き家・空き室を活用すること、地方公共団体の住宅政策に応じた柔軟な施策展開を可能にするなどの方向性が打ち出されています。

 住宅困窮者対策として、一定の基準を満たす空き家・民間のアパート・戸建て住宅を準公営住宅として位置付け、住宅要配慮者に対して供給できる体制を整えていくことが必要です。具体的な検討について、国や東京都に対し積極的に働きかけを行っていくべきと考えますが、見解を伺います。

 セーフティネット住宅についても、地方自治体が家賃補助などを行い、入居者の選定に当たっても関与していくこと、セーフティネット住宅や家賃債務保証の情報提供などの受け皿となる居住支援協議会を、今後市町村単位で設立させ、自治体と連携してセーフティネット住宅利用者の支援を行っていくことも進められています。都内では、江東区、豊島区、板橋区、そして東京都などで居住支援協議会が立ち上がっています。

 さきに紹介した国土交通省の小委員会の中では、「セーフティネット住宅については、敷金・更新料なしの家賃のみの統一契約を打ち出してはどうか」、「地方自治体がいかに運用するかが成功の鍵である。居住支援協議会の活動に予算をつけるなどしていくべきだ」などの意見が出されています。

 区では、住みかえ住宅の情報提供や居住安定支援事業等により住宅確保要配慮者への支援を行っていますが、これだけでは不十分です。居住支援協議会を設置し、住宅セーフティネットのさらなる充実が求められます。昨年9月の段階では、区として、直ちに設置する必要はないとの認識を示されていますが、居住支援協議会立ち上げに向けた検討を進めていくべきではないでしょうか。

 見解を伺いまして、全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 浦野議員の御質問にお答えいたします。

 政治姿勢に関連してということで、新安全保障法制に対する見解という御質問がありました。安全保障政策は国の重要な責務であり、安全保障の確立にかかわる法整備として国会で審議され成立したものと考えております。その執行に当たっては、立法の趣旨を踏まえながら政府が適切に執行していくものと考えております。

 憲法改正の動きに対する見解をという御質問がありました。新しい価値観の反映や時代の要請などに基づき、よりよい憲法の内容について、国民の間で活発に議論が行われる、このことは大切なことだと考えております。憲法には改正規定が定められており、憲法改正議論があるのは当然のことと考えます。

 憲法擁護・非核都市宣言につきましては、中野区における平和行政の基本に関する条例第2条にもあるとおり、憲法の基本理念である恒久平和を宣言したものであります。区の平和基本条例の考え方と矛盾するような憲法改正の議論があると認識しておりませんが、しかるべき国政の場での議論に注目していきたいと考えております。

 介護保険制度の改正の検討中止を求めることについて。平成30年度に向けた介護保険制度の見直しについては、国の社会保障審議会介護保険部会において、軽度者に対する生活援助サービス、福祉用具貸与等の給付の見直しや、地域支援事業への移行など、さまざまな論点について検討が行われていると承知しております。介護保険制度の見直しに当たっては、地域包括ケアシステムの推進と介護保険制度の持続可能性の確保に向けた検討が必要であると考えており、国に検討の中止を求める考えはありません。

 次に、平和の森公園の再整備についての御質問であります。整備費、また交付金の内訳等についての御質問がありました。平和の森公園再整備の概算整備費は、新体育館整備費約86億円、その他公園整備費約22億円の合計約108億円となっております。10か年計画で示した55億円は、10か年計画全体のフレームを示すものとして、1万平方メートル規模の体育館を建設する際の一般的な経費をベースに算定したものであります。

 その後の検討を進める中で、一つ、未開園部分に下水施設と合築で体育館をつくることにしたこと、二つ目、要望を反映する過程で、床面積が当初の想定よりも大きくなったこと、三つ目、防災上、区対策本部の代替施設として活用するため、高い耐震性能を持たせたこと、四つ目、公園については多目的広場の拡充や園路等の夜間照明など、これまでの公園の諸課題の解消を図ることにしたことなどにより経費が増加したものであります。

 補助金については、社会資本整備総合交付金により体育館整備費の2分の1、都市計画交付金により公園整備費基準額1万8,800円掛ける整備面積を上限として、その25%の交付額を見込んでいるところであります。これらは、いずれも未開園部分を整備することにより活用可能になったものであります。あわせて、オリンピック・パラリンピックの活用に向けた都支援事業の補助対象ともなっており、特定財源について十分に活用を図り、整備を進めてまいります。

 資材や人件費が高騰しているのではないかと、こういった御質問であります。資材や人件費の高騰について、東京都財務局の標準建物予算単価モデルによる変動率は、平成22年度から26年度末まで、建築で約23%の上昇がありました。しかし、27年4月1日からこの8月までの工事費については、横ばいの状況が続いております。早期に契約を進めることや、体育館を設計・施工一括発注方式にして工事費の削減提案を受けることで、工事費の抑制につながると考えております。

 社会経済の状況によっては、工事費のある程度の増減が生じることはやむを得ないと考えておりますが、一方、それを賄っていくための財務状況全体も社会経済の状況によっての変動は避けられないものであります。そのとき必要な事業について、財務体力等を勘案しながら、可能な形で実現していくことが肝要であると考えております。

 平和の森公園の維持管理費についてであります。平和の森公園の再整備については、体育館の建設やじゃぶじゃぶ池の拡充、多目的広場の拡張など、現状の公園施設の機能を拡充する方向で検討しております。公園の維持管理費については、基本設計とあわせて算出している段階であります。基本設計(案)の策定段階でお示しできるものと考えております。

 体育館の借地料について、どうなるのかということであります。現在の平和の森公園内の都有地については、昭和56年に都と締結した中野刑務所跡地利用に関する基本協定に基づく覚書により無償で使用許可されているものであります。未開園部分については、使用許可の扱いとなるか、貸し付けの扱いとなるかなど、検討する状況が違ってまいります。こうした状況を踏まえながら、現在の覚書の内容を踏まえ、都と協議をしてまいります。

 説明会と検討会についてであります。平和の森公園再整備事業の検討は、整備構想(案)での区民説明会、基本計画(素案)での意見交換会、基本計画(案)でのパブリック・コメントなどで得られた区民の意見を踏まえて行っております。報告書に記載の整備構想(案)での区民参加の検討会とは、区民説明会を意味しております。今後も説明会など区民の意見を聞く場を設け、整備計画を進めてまいります。

 区民参加による検討の場ということであります。平和の森公園の再整備に当たっては、再整備構想(案)、基本計画(素案)、基本計画(案)、それぞれの段階で御意見をいただく機会を設け、区民対話集会においても御意見を伺い、その後パブリック・コメント手続を経て、現在基本設計を進めているところであり、十分な区民参加の場を設けていると考えております。今後、基本設計策定後にも説明会を予定し、十分に理解を得て進めてまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 就学援助に関する御質問です。

 まず、就学援助の認定の時期についてです。就学援助は、前年の所得額に基づき当該年度の認定を行ってございます。所得額が確定するのは6月であるため、認定時期の前倒しは難しいと考えてございます。

 次に、就学援助支給額の見直しです。新入学学用品費につきましては、新入学時期に一時的に支出がかさむ保護者の負担を軽減することを目的としているものでございます。現在、金額の増額については考えてございません。

 就学援助支給基準の見直し、また、経過措置の継続についての御質問です。就学援助制度は、所得が一定以下の世帯に対して、学校教育に必要な経費の援助を行うことを目的としているものでございます。その対象となる就学援助支給認定基準の変更は考えてございません。また、生活保護基準引き下げに伴う経過措置につきましては、期間を定めて行っているものでございまして、今年度をもって終了となります。

 以上でございます。

〔子ども教育部長横山俊登壇〕

○子ども教育部長(横山俊) 私からは、潜在的な保育ニーズの把握についてお答えいたします。

 まず一つ目、新制度で認可施設となりました保育施設に入った児童数についてでございます。子ども・子育て支援制度におきまして新たに小規模保育事業、家庭的保育事業が認可施設となったところでございます。本年度当初、これを利用する児童数は121人でございました。

 次に、保育所に入れず育児休業を継続したケースの数でございます。私的な理由等で入所しなかった方が236人でございました。このうち保護者が育児休業中の方の人数は78人でございました。

 次に、待機児童数に含まれていない方の状況と人数についてのお尋ねでございます。先ほど申し上げました236人のうち、育児休業中のケースが78人、それから第一希望の保育施設を待っているという方が65人、求職中の方が61人、それから、認可あるいは認証保育所以外の保育施設に入所した方が25人、その他転出が7人となってございます。

 続きまして、公表する資料の改善についてのお尋ねでございます。例年、第2回定例会におきまして報告をしているところでございまして、年度ごとの比較ができるよう、同じ形式をとってきているところでございます。詳細について必要があれば、その都度説明して対応してまいりたいというふうに思ってございます。

 最後に、潜在的なニーズに対応した待機児対策の実施についてのお尋ねでございます。区といたしましては、増大する保育需要への対応、これとともに多様な保育ニーズに対応していくことといたしまして、現在、私立の認可保育所と認可小規模保育所、これの誘致などに取り組んでいるところでございます。3歳児における円滑な接続も含めまして、保護者のニーズに対応できる対策を進めているところでございます。

〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕

○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、まず教育環境の充実に関連いたしまして、2点の御質問にお答えいたします。

 まず、給付型奨学金制度の設置に関する国への要請についてでございます。給付型奨学金については、文部科学省が制度の創設に向けた検討チームを設置しており、今後、奨学金に関する財源の確保や対象者の範囲、給付額等について検討が行われると聞いております。区といたしましては、給付型奨学金に関する国の動向を注視していきたいと考えております。

 次に、区における給付型奨学金制度の設置についてでございます。区の奨学金については、貸付額や償還期間等が比較的有利な他の類似制度が充実してきたことや、生活保護制度の生業扶助における就学扶助費支給の仕組みが新設されたことなどから、平成20年に奨学金貸与制度を廃止してきたところでございます。現在においても東京都育英資金や社会福祉協議会の生活福祉資金等、他の奨学金制度が整備されているものと認識しております。現時点におきまして、区として給付型を含む新たな奨学金制度を設置する考えはございません。

 次に、障害者施策の拡充に関連して、2点のお尋ねがございました。

 まず、精神障害者への福祉手当についての御質問でございます。障害者福祉手当は、これまでもさまざまな見直しを行ってきており、それらの経過も踏まえまして、手当のあり方について引き続き検討してまいります。

 最後に、点字版の区報発行の検討についてでございます。視覚障害者への区報情報の提供については、視覚障害者団体からの要望を踏まえ、点字版よりも利便性が高く、より多くの利用者に対応できるCDにデジタル録音した「声のなかの区報」を作成し、送付することにより実施しております。点字版区報につきましては、今後のニーズや他自治体の活用状況、またコストの把握等に努めてまいりたいと考えております。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 住宅セーフティネットについての御質問にお答えいたします。

 まず、住宅確保要配慮者に対する住宅供給の促進についての御質問でございます。国は、新たな住宅生活基本計画において、空き家活用の促進とともに民間賃貸住宅を活用した新たな仕組みの構築も含め、住宅セーフティネット機能の強化を基本的な施策として位置付けたところでございます。今後、国や東京都の動向に注視するとともに、必要な情報提供を求め対応を図ってまいりたいと考えております。

 次に、居住支援協議会の設立についての御質問でございます。現在、区では不動産団体と協定を結び、双方で連携しながら高齢者等の住宅確保要配慮者への支援を円滑に行っているところでございます。そのように認識しております。このため、居住支援協議会の設立については現在のところ考えておりません。

○議長(北原ともあき) 以上で浦野さとみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 ひやま 隆

 1 中野区教育委員候補者人材推薦登録について

 2 土地開発公社について

 3 中野区区民意識・実態調査について

 4 その他

 

○議長(北原ともあき) 次に、ひやま隆議員。

〔ひやま隆議員登壇〕

○5番(ひやま隆) 平成28年第3回定例会に当たりまして、民進党議員団の立場から一般質問させていただきます。質問は、3番の中野区区民意識・実態調査については、また次の機会に質疑をさせていただきます。その他はございません。

 質問に先立ちまして、台風により被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧・復興を心からお祈り申し上げまして、質問に移りたいと思います。

 初めに、中野区教育委員候補者人材推薦登録について伺います。

 教育委員は、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第4条第2項により、「当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する」こととされています。

 中野区では、平成16年8月、「中野区の教育委員にふさわしい人材推薦の仕組みに関する要綱」を制定し、「中野区の教育委員にふさわしい人材推薦の仕組み」を導入しました。そして、平成20年10月、要綱の名称を「中野区の教育委員候補者に係る人材推薦登録の仕組みに関する要綱」とし、区長が幅広い人材の中から教育委員の候補者を選定できるよう多様な人材を発掘することを目的として、区は「人材推薦登録の仕組み」を設けています。

 「人材推薦登録の仕組み」は、みずから教育委員を目指す者(自薦)と区民が教育委員にふさわしいと思う者(他薦)を区が登録する人材推薦と、教育に関するテーマについてみずからの意見を発表し、教育に対する課題認識やその解決策を発表するとともに区長と質疑を行う意見発表により構成されています。本年は前回の実施から4年後に当たるため、この「人材推薦登録の仕組み」を実施することとされており、これについては先月8月30日の中野区議会総務委員会においても所管事項の報告がなされました。そこで、これまでの経緯とあり方等について、幾つか伺います。

 「人材推薦登録の仕組み」はこれまで4回実施しておりますが、その登録者は第1回目の平成16年が32名、第2回目の平成18年が14名、第3回目の平成20年が8名、第4回目の平成24年が8名と、大きく減少傾向にあります。区としてはこの結果をどう受けとめ、この原因をどう考えておりますでしょうか。お尋ねいたします。

 これまで実施された4回の「人材推薦登録の仕組み」により、これまで延べ62名の登録がありましたが、この中から実際に教育委員に選任されたのは1名と伺っております。もちろん、この仕組みは区長が教育委員を選任する手段の一つとして実施するもので、登録者の中から必ず教育委員を選定するものではないという性格のものであることは理解しておりますが、こうした実績も登録者が減少する要因の一つとなっているのではないかと考えますが、区の御見解をお示しください。

 現在、中野区教育委員会は、委員1名の辞職に伴い、平成28年4月1日より欠員1名の状態が続いております。文部科学省は、委員が1名でも欠ければ速やかに補充するのが原則であり、欠員状態が続くことは好ましくないとしていますが、現在、元委員の後任選びはどのような状況にあるのか、お尋ねいたします。

 また、こうした欠員が出た際に速やかに後任を選任する手段として、この「人材推薦登録の仕組み」を活用することも一つの考え方であると思いますが、そうした活用がないということは、現在の「人材推薦登録の仕組み」は、その目的である「教育委員の任命に際して、幅広い人材の中から教育課題に的確に対応できる人材を発掘する」という役割を十分に果たしていると言えるのでしょうか。区の御見解をお示しください。

 私は、区民の中から教育委員候補者を幅広く募集し、発掘するこの制度は、教育行政への区民参加の促進と教育委員会の活性化の観点から見て重要な取り組みの一つであると考えております。この「人材推薦登録の仕組み」が導入されるまでの歴史的な経緯は、まさに中野区民、中野区議会、中野区が中野区の教育行政のあり方についてさまざまな議論を重ねながら、真摯に向き合ってきた歴史でもあります。

 中野区では、昭和56年から「中野区教育委員候補者選定に関する区民投票条例」と同施行規則等に基づき、平成6年1月に廃止されるまで、4年ごとに教育委員候補者選び区民投票を行いました。この、いわゆる中野区教育委員準公選制度は、全国初の試みとして構想され、実施された制度であり、この制度の特徴は、さきに述べた「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第4条第2項に定めた首長の任命制を前提として、区長が教育委員候補者を選定するのに先立って区民投票を実施し、その投票結果を参考にして、区議会に候補者を提案するというものであります。

 この制度による区民投票は4回実施され、1981年の第1回投票では8人が立候補し、投票総数10万7,896票、投票率は42.99%を記録しました。しかし、その後、第2回区民投票は立候補者8人、投票率は27.37%、第3回区民投票は立候補者7人、投票率は25.64%、第4回区民投票は立候補者10人、投票率は23.83%と、投票率は減少していきました。そして、平成6年1月、中野区議会において、「教育委員候補者選定に関する区民投票条例」を廃止する条例が賛成多数で可決され、全国初の試みとして実施されたこの制度は終焉を迎えました。

 この、いわゆる中野区教育委員準公選制度の評価は賛否が分かれるところでありますが、この制度の実施を契機として、教育行政と教育委員会のあり方について、さまざまな論点が提起され、全国に注目されたことは周知の事実です。そして、この制度により合議体としての教育委員会が活性化し、その基本姿勢と体質が大きく変化したという見解もあります。

 例えば、会議は毎週1回の開催が定例化し、原則として協議会を含む全ての会議・議事録が公開され、区民の傍聴活動も活性化されたことは、当時の傍聴者数の記録から見てとることができます。また、区民の関心の高いテーマを設定した「夜の教育委員会」の創設や、教育委員みずから地域に出向いての住民・教育関係者との対話集会、教育予算の枠配分方式や学校フレーム予算の導入など、自主性・主体性を持って活発に活動する教育委員会になったという評価もあります。

 一方で、この条例の廃止条例が可決された際に、廃止の理由としては、投票率の低迷、制度そのものが区長の選任権を侵すもので違法であり、議会の同意権も奪うものであること、政争の具と化してきたことなどが挙げられました。

 そこでお尋ねいたしますが、全国初の試みとして構想され、実施された、このいわゆる中野区教育委員準公選制度でありますが、その導入から廃止に至るまでの一連の歴史を振り返り、現在、中野区としてはこの制度をどのように総括しておりますでしょうか。区の御見解をお示しください。

 平成6年1月、「教育委員候補者選定に関する区民投票条例」を廃止する条例が区議会で可決されたことに伴い、中野区はこれまでの住民自治の基礎の上に立って、新たな区民参加の仕組みとして、「中野区教育委員候補者区民推薦制度要綱」に基づく区民推薦制度を、平成8年と平成12年の2回実施しました。当時の資料には、第1回目の推薦書の受付総数は4,615枚、区民推薦結果により、公表基準に達した15人のうち公表承諾を得られた13人を公表、そして、2回目の推薦書の受付総数は3,290枚、区民推薦結果により、公表基準に達した14人のうち本人の公表承諾を得られた14人を公表とあります。

 そして平成17年、複数の教育委員が任期満了を迎えるに当たり、これまでの制度を見直し、中野区の教育委員にふさわしい人材を広く求めていくための新たな仕組みとして、平成16年8月、「中野区の教育委員にふさわしい人材推薦の仕組みに関する要綱」を制定し、中野区の教育委員にふさわしい人材推薦の仕組みを導入しました。そして、平成20年10月、要綱の名称を現在の「中野区の教育委員候補者に係る人材推薦登録の仕組みに関する要綱」とし、実施年を4年ごとにするなどの要綱の一部を改正し、今日に至っています。

 このように教育委員候補者選定に関して、今日の「人材推薦登録の仕組み」が導入されるまでには、準公選制から区民推薦、区民推薦から人材推薦という経緯があります。さきに述べたとおり、それらの経緯は、中野区民、中野区議会、中野区が中野区の教育行政のあり方についてさまざまな議論を重ねながら、真摯に向き合ってきた歴史でもあり、ことし第4回目の「人材推薦登録の仕組み」を実施するに当たり、改めて教育委員会のあり方、教育行政のあり方について議論を深めていく必要があると考えます。

 そこで、お尋ねいたします。教育委員に適材を得ることは、形骸化が指摘される教育委員会の活性化を実現するために不可欠であると考えます。教育委員の選任の工夫の一つとして、公募制が挙げられますが、文部科学省の「教育委員会の現状に関する調査」によると、平成27年3月1日時点で、公募を実施し、応募者の中から選任された教育委員または教育長が在任している教育委員会の数は、全国の地方自治体で27団体となっています。中野区が実施している「人材推薦登録の仕組み」も公募の一つの方法であると考えますが、さきに述べたとおり、応募者数の減少という問題も指摘されております。そこで、この「人材推薦登録の仕組み」を広く区民に周知し、より活性化させていくために現在どのような取り組みを実施し、今後どのような取り組みを実施していく予定なのか、お尋ねいたします。

 教育委員会の活性化に向けては、中野区においてもさまざまな取り組みが行われております。昼間、区役所で行っている教育委員会を傍聴することが難しい方のために、午後7時から会議を開催する「夜の教育委員会」や、身近な地域でも教育委員会を傍聴できるように、区立学校等で開催する「地域での教育委員会」、小学校の児童及び中学校の生徒と教育委員とが直接対話する「児童・生徒との対話集会」、幼稚園長、小学校長、中学校長と教育委員とが直接意見交換する「学校長との意見交換」、教育委員が小学校、中学校、幼稚園等を訪問し、学校や園の現状を把握する「教育委員会の学校訪問」といった取り組みがその事例です。

 そこで伺います。中野区におけるこうした取り組みは、教育行政への区民参加の促進、教育委員会の活性化の観点からも重要な取り組みであると考えますが、区のこれまでのこうした取り組みによる成果と、それに対する評価をお示しください。

 教育委員会の活性化に向けては、全国の地方自治体においてもさまざまな取り組みが行われております。土日・祝日の開催や、教育委員会会議の議題についての教育委員を対象とした事前勉強会の開催、教育委員会会議開催前の事前資料の配布などがその取り組みの事例です。

 そこでお尋ねいたしますが、教育委員会の活性化と教育行政への区民参加の促進に向けて、今後どのような取り組みを実施していく予定なのかお尋ねします。お尋ねして、この項の質問を終えます。

 次に、土地開発公社のあり方について伺います。

 中野区土地開発公社は、1988年10月に発足し、中野区と一体となって弾力的な資金調達を図りながら、中野区の必要とする公共用地等の先行取得を行っているとされております。総務省は、土地開発公社の現状を毎年調査し、公表していますが、「平成26年度土地開発公社事業実績調査結果概要」によれば、平成26年度時点で、東京23区のうち千代田区、文京区、江戸川区を除く20区が土地開発公社を設置しています。中野区土地開発公社については、これまで中野区議会においてもさまざまな議論がなされておりますが、そのメリットとデメリットを整理した上で、これまでの実績と今後のあり方等を含め、幾つか伺います。

 土地開発公社の最大のメリットとしては、地方自治体であれば、議会による予算案の可決等の必要とされる会計手続を経ずに、機動的に土地を取得することができることが挙げられます。これについては、平成23年中野区議会第2回定例会の本会議において、区長から「土地開発公社は、公有地の拡大の推進に関する法律、これに基づいて、公有地の先行取得を目的として設立した公の法人であり」、「良好な都市環境及び生活環境施設等の計画的な整備促進に重要な役割を果たしてきている」との答弁がありました。

 そもそも、地方公共団体が公共事業を実施するには、それに先立って用地取得が必要となります。用地取得に出費することは歳出行為でありますので、当然、予算に盛り込まれ、議会によって承認されなければなりません。しかし、例えば1970年代前半の「列島改造ブーム」期においては、地価上昇や乱開発が進み、予算の議会承認や取得用地の決定に時間を要せば、その間にも事業用地を確保することが困難になる可能性があり、こうした時代においては、確かに「機動性」という土地開発公社の「強み」を生かすことができたという見方もあります。さらに母体に土地を売却するまでに、それまでの間に生じる支払い利子についても、地価上昇があれば先行取得後の値上がり益で十分にカバーできたというケースもあります。しかし、こうした土地開発公社の「強み」が生かされた時代と比較して、今日の社会情勢は大きく変化しており、改めてそのメリットとされる「機動性」についても考えなくてはならないと考えます。

 そこで伺います。平成23年中野区議会第2回定例会の本会議において、区長は「中野区では、西武新宿線沿線のまちづくりや、また各地の防災まちづくり、今回の災害を踏まえてまちづくりを進めていくことが大変重要になってまいります。そうした中では、機動的に用地を先行取得することが事業上必要な場合も出てくるだろう」と答弁しておられます。西武新宿線沿線まちづくりや防災まちづくりが中野区にとって重要な課題であることは言うまでもありません。しかし、機動的に用地を先行取得する必要に迫られるケースというのは、今後どのようなケースが予想されるのか、その根拠もあわせてお尋ねいたします。

 西武新宿線沿線まちづくりや防災まちづくりは、今後50年、100年の中野区のあり方を左右する大変重要なテーマであります。しかし、だからこそ、しっかりした計画性のあるプロジェクトにするべきであり、用地の取得に際しても、きちんと計画に基づいて、議会によるチェックと承認を経て進めるべきであると考えますが、これに対する区の見解をお示しください。

 一方、土地開発公社に関しては、さまざまなデメリットが指摘されています。一つ目は、地方自治体の事業の変更等により、公社が購入した土地を長期間保有する、いわゆる「塩漬け土地」の問題です。この問題については、これまで中野区議会においてもさまざまな指摘がありました。さきに取り上げた総務省の「平成26年度土地開発公社事業実績調査結果概要」によると、地方自治体の各公社が長期間保有している土地が金額ベースで記載されています。これによると、平成26年度末時点では、中野区土地開発公社の保有土地のうち、5年以上保有している土地の割合は57.4%、また、10年以上保有している土地の割合は54.4%となっています。これは東京23区の中でいずれも足立区と板橋区に次いで高い割合となっています。

 そこでお尋ねいたしますが、土地開発公社が所得した土地については、5年以内に買い取りをしなければならないという原則があり、これについては区長も「当然、この期限は守るべきものだ」と御答弁されておりますが、そうした中で、中野区土地開発公社の長期保有の土地が依然として高い現実を区はどのように受けとめておりますでしょうか。長期保有の土地が依然として高い理由とあわせて、区の御見解をお示しください。

 土地開発公社については、このほかにも、予算案の審議等を通じた議会等のコントロールがききにくくなること、土地開発公社が保有する土地の資産価値は取得価値に基づく簿価を基調としているため、地価下落等による含み損が貸借対照表から読み取れないことなどのデメリットが指摘されています。

 政府は、平成12年度以降、地方自治体に対して土地開発公社の経営健全化等を求めてきました。特に平成21年度には土地開発公社の存廃の是非を見直し、必要性の乏しい公社を清算することを含めた「抜本的改革」を自治体に求めました。そして、1、土地開発公社を解散または一部機能を廃止する自治体には、公社の債務を代位弁済する財源として第三セクター等改革推進費の発行を認めること、2、土地開発公社を経営健全化した上で存続させる自治体には、「土地開発公社経営健全化対策」を適応して、地方債の特例や地方交付税の交付によって公社の長期保有土地の解消等を支援することとしました。

 こうした中、総務省の調査によると、全国の土地開発公社数は平成11年の1,597をピークとして、公社の解散や市町村合併を経て、平成27年4月1日時点では732に減少しています。

 平成23年中野区議会第2回定例会の本会議において区長から、土地開発公社の存廃について、「財政規律を大幅にゆがめてまで、公社で土地をたくさん買ってしまう、あるいは計画そのものが現実性のない計画であったりするなどして、土地が塩漬けになってしまうとか、そういったことは、今後しっかりと起こらないようコントロールをしながら、土地開発公社については、これからも維持をする必要があるだろう」との答弁がありました。

 そこでお尋ねします。土地開発公社が取得した土地については、5年以内に買い取りをしなければならないという原則がありますが、区が買い取りを行わず、土地がいわゆる「塩漬け状態」となり、公社は借り入れの元本が返せず、借りかえをして、二重、三重に利息を支払っているという問題については、これまで中野区議会においても指摘があったところですが、5年を超えて保有した土地のこれまでにかかった利息の総額をお示しください。また、それに対する区の見解をお示しください。

 「土地が塩漬けになってしまうことが起こらないようコントロールをしながら」との区長の答弁ですが、これまでどのような施策を通じてコントロールをされてきたのか、あるいは今後実施していく予定なのか、これに関する区の見解をお示しください。

 私自身は、地価上昇や乱開発が進み、事業用地を確保することが困難なケースもあったかつての時代状況と今日の状況は全く違っていること、そして、用地取得の際には地方議会による予算承認過程を通じることで、地方公共団体の財政的な選択に区民の意向を反映させることの重要性からして、土地開発公社の役割は既に終わり、その存廃については廃止も有力な選択肢であると考えております。これに対する区の見解をお示しください。お尋ねして、私の全ての質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) ひやま議員の御質問にお答えいたします。

 教育委員候補者人材推薦登録の仕組みについてであります。この仕組みの実施結果についての御質問がありました。人材推薦登録の仕組みは、あくまでも区長が教育委員を選任するに当たって、この仕組みも含めて、教育委員にふさわしい人材を幅広く求めるという目的のために制度化したものであります。教育委員候補者の選定に当たっては、この仕組みにおける人材推薦登録者も含め、幅広い人材の中から適任と思う方を検討し、選定の末、区議会に提案しているところであります。

 みずから教育委員を目指す人や、区民が教育委員にふさわしいと思って推薦した人を登録することにより、教育委員にふさわしい人材を発掘する手だての一つとなっていると考えております。こうした制度の性格などを考えますと、この仕組みの中から何人任命された、あるいは何人が登録されたといった数に着目する議論は、私はしていただきたくないと、このように考えております。

 それから、教育委員の後任選びの状況についてであります。現在、人選を行っておりますので、人選が済み次第、議会に御提案をさせていただきます。

 それから、教育委員候補者選び区民投票の経過等についてであります。教育委員候補者選び区民投票については、当時の文部省が、違法であり、教育委員会の政治的中立性が失われるのではないかとの懸念を示し、また投票率の低下もありといった中で、4回を実施した後、廃止されたということであります。区民投票を通じて、地域で教育委員あるいは教育委員会についての論議が活性化し、区民の教育委員あるいは教育委員会への関心が高まった点については、そういったことがあったと考えております。

 また、幅広い人材の中から教育委員候補者を選ぶことが必要と考えており、人材発掘の方法として、教育委員候補者区民推薦制度、そして、さらに現在の教育委員候補者に係る人材推薦登録の仕組みを実施することとなってきたということであります。

 この仕組みの活性化についてであります。前回実施の際には、区民への周知は、区報、ホームページによる広報とあわせて区役所、区民活動センター、児童館、区立小・中学校、区立図書館にポスターを掲示するとともに、チラシを備えてまいりました。ことしの実施に際しても、教育委員候補者にふさわしい人材が幅広く登録されるよう、子ども関連施設を中心に広くPRをして制度の周知に努めたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 中野区教育委員候補者人材推薦登録の御質問のうち、教育委員会の取り組みの成果と評価、そして今後の取り組みの方向についての御質問がございました。

 教育委員会定例会の年間傍聴者人数が、平成26年度369人から平成27年度は442人へと73人増加しました。教育委員会のテーマ設定、開会時間や場所、PRの工夫などにより、多くの傍聴者に参加いただいているものと受けとめております。

 また、御質問でも御紹介がありましたけれども、教育委員が直接児童・生徒や校長、PTA等から話を聞くなど、学校や幼稚園等の現状を把握した具体的で活発な協議等を行っている状況でございます。

 また、学校再編計画など主要な施策を進める際には、教育委員会主催で意見交換会などを行い、広く区民の意見も聴取しているところでございまして、今後もこうした取り組みを工夫しながら進めてまいりたいと考えてございます。

〔経営室長篠原文彦登壇〕

○経営室長(篠原文彦) 土地開発公社についての御質問にお答えいたします。

 初めに、機動的な用地先行取得の必要性についての御質問でございました。土地開発公社につきましては、公有地の拡大の推進に関する法律に基づく公法人といたしまして設立され、地域の秩序ある開発・整備を図るために、機動的な公共用地先行取得をその目的としているものでございます。今後、区内で展開されます都市再生や安心・安全のまちづくりの計画を着実に進めていくためには、さまざまな背景を有する地権者との息の長い交渉過程の中で、時機を逸することなく事業用地を取得していく必要があると考えてございます。

 次に、用地取得予算の議会のチェックの必要性についての御質問でございます。公社で取得する事業用地につきましては、一般会計の歳出予算には計上はしてございませんが、将来的に区が買い取るものとして、債務負担行為に計上することによって予算上明らかにするものでございます。

 また、公社の事業報告、事業計画等の報告を通じまして、当該年度に取得いたします予定の用地の規模等についても議会に説明をさせていただいておりまして、今後も公社事業や会計の必要性の確保などの説明責任を果たしてまいりたいというふうに考えてございます。

 それから、5年超えの長期保有地についての御質問でございます。現在、長期保有しています土地につきましては、中野駅周辺開発に関連する用地が2カ所、公園拡張用地が1カ所ございます。土地取得に当たって活用できる最適な補助金等の確保を図る必要があることがありますので、長期保有の要因になってございます。

 平成27年度におきまして、中野駅北口広場整備事業用地の一部1,343.19平米の買い戻しを実施いたしました。また、平成28年度におきましても、同事業用地の一部の買い戻しを予定してございます。今後とも、中野区駅周辺開発に伴います事業用地をはじめとする長期保有の土地につきましては、事業の進捗にあわせまして順次公社からの買い戻しを進めていく予定でございます。

 続きまして、長期保有地に要した借り入れ利息の総額についてでございます。昭和63年の公社設立以来、5年を超えて保有していた土地に要した管理費等を含めました借り入れ利息金額の合計でございますが、48億6,541万円余でございます。借り入れ利息の負担軽減につきましては、これまでも区から公社への元利償還の貸し付けの協調融資団との協議を重ねまして、借り入れ金利の利率を下げるなどの対策を講じてきたところでございます。現在長期保有している土地のほか、今後取得する事業用地につきましても、事業化が可能となった時点で速やかに買い戻しを実行し、計画に沿った効率的な用地取得事業の運営に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 次に、長期保有地の管理、コントロールについてでございます。これまでも公社の経営健全化計画を進める中で、長期保有の土地についての買い戻しを着実に進めてまいりました。近年、公社で取得しています用地につきましては、道路用地が主でございまして、これにつきましては1年以内の買い戻しを実施しているところでございます。

 最後に、土地開発公社の廃止についての御質問でございます。公社は、公有地の拡大の推進に関する法律に基づく公法人といたしまして、良好な都市環境及び生活環境施設等の整備促進に重要な役割を果たしてきております。今後とも地区施設道路用地や防災まちづくり用地といった道路用地を中心に、機動的に土地取得の必要性は高まるものと認識しておりまして、そのためには公社の役割は極めて重要であるというふうに考えてございます。

 以上でございます。

○議長(北原ともあき) 以上でひやま隆議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、9月12日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時05分延会

 

 

会議録署名員 議 長 北原 ともあき

       議 員 渡辺 たけし

       議 員 篠 国昭