平成28年09月16日中野区議会決算特別委員会の会議録 1.平成28年(2016年)9月16日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席議員(42名) 1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお 3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一 5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし 7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき 11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久 13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち 15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子 17番 細 野 かよこ 18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり 20番 い さ 哲 郎 21番 佐 野 れいじ 22番 いでい 良 輔 23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明 27番 森 たかゆき 28番 石 坂 わたる 29番 いながき じゅん子 30番 小 杉 一 男 31番 浦 野 さとみ 32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき 34番 大 内 しんご 35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭 37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員 な し 1.出席説明員 中野区長 田中 大輔 副区長 川崎 亨 副区長 本田 武志 教育長 田辺 裕子 政策室長 髙橋 信一 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲一 政策室副参事(予算担当) 黒田 玲子 政策室副参事(広報担当) 堀越 恵美子 政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 永田 純一 経営室長 篠原 文彦 危機管理担当部長小田原 弦 経営室副参事(経営担当) 朝井 めぐみ 経営室副参事(人事担当) 伊藤 政子 経営室副参事(行政監理担当) 田中 謙一 経営室副参事(経理担当) 石橋 一彦 都市政策推進室長奈良 浩二 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀行 都市政策推進室副参事(産業振興担当) 青山 敬一郎 都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当、中野駅周辺計画担当) 石井 大輔 都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 小幡 一隆 都市政策推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当、 沼袋駅周辺まちづくり担当) 山本 健一 都市政策推進室副参事(野方以西調整担当、野方駅周辺まちづくり担当) 小林 裕幸 地域支えあい推進室長 野村 建樹 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦 地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当)、 鷺宮すこやか福祉センター所長 上村 晃一 地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 酒井 直人 南部すこやか福祉センター所長 相澤 明郎 区民サービス管理部長 白土 純 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治 区民サービス管理部副参事(税務担当) 杉本 兼太郎 区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 渡邊 健治 区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 古川 康司 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横山 俊 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀 子ども教育部副参事(子育て支援担当)、 教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 平田 祐子 教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 板垣 淑子 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 石崎 公一 教育委員会事務局指導室長 杉山 勇 健康福祉部長 瀬田 敏幸 保健所長 寺西 新 健康福祉部副参事(福祉推進担当) 石濱 照子 健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 宇田川 直子 健康福祉部副参事(障害福祉担当) 岩浅 英樹 健康福祉部副参事(生活援護担当) 鈴木 宣広 健康福祉部副参事(生活保護担当) 小堺 充 環境部長 戸辺 眞 環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 波多江 貴代美 都市基盤部長 尾﨑 孝 都市基盤部参事(都市計画担当) 豊川 士朗 都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) 塚本 剛史 都市基盤部副参事(地域まちづくり担当、弥生町まちづくり担当) 安田 道孝 都市基盤部副参事(建築担当) 小山内 秀樹 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鈴木 崇 都市基盤部副参事(生活安全担当、交通対策担当) 伊東 知秀 会計室長 古屋 勉 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 小田 史子 事務局次長 古本 正士 議事調査担当係長 佐藤 肇 書 記 関村 英希 書 記 大野 貴子 書 記 細川 道明 書 記 井田 裕之 書 記 冨士縄 篤 書 記 田中 寛 書 記 遠藤 良太 書 記 鎌形 聡美 書 記 松丸 晃大 書 記 香月 俊介 書 記 亀井 久徳 1.委員長署名 午前10時00分開議 ○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。 お手元に総括質疑一覧を配付しておりますので、参考にごらんください。
平成28年(2016年)9月16日 決算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
○若林委員長 本日は総括質疑の1日目となります。1番目に高橋ちあき委員、2番目に南かつひこ委員、3番目に長沢和彦委員、4番目に酒井たくや委員、5番目に篠国昭委員の順で5名の質疑を行います。 次に、要求資料の配付についてですが、前回の委員会で要求した資料289件、全て提出されておりますので御確認ください。資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いいたします。 それでは、質疑に入ります。[1]高橋ちあき委員、質疑をどうぞ。 ○高橋(ち)委員 おはようございます。今日から平成27年度の予算の総括質疑が始まるわけでございますけれども、4日間、連休を挟みまして長丁場でありますけれども、私ども自由民主党は8名の委員が質疑をさせていただくことになりました。私たちは真摯に皆様方に質問をしてまいりますので、例えばAさんとかBさんとかという、そういう例を挙げることなくきちっと質問をしてまいりますので、どうか真摯な答弁をいただければと思います。 質問は順番にやっていきますけれども、与えていただいた時間が60分ということでございますので、多分、全部はできないと思います。ですので、残った部分は他の委員にお願いするか、予算でやらせていただく可能性がありますので、どうかよろしくお願いいたします。 では、まず平成27年度の決算についての中におきまして、特別区民税の収納率向上対策についてお伺いしたいと思います。 平成27年度における特別区民税の決算状況を見てみますと、納税義務者数や納税者1人当たりの所得額の増加などにより、収入額は前年比0.3%増の301億円となっておりました。また、こうした税収を支える収納率ですが、平成27年度の結果は、現年課税分97.8%で対前年比0.3ポイント増、また、滞納繰越分は31.5%で対前年比0.7ポイント増と、ここ数年、収納率はじわじわと上昇を見せ始めてきたところだと思っております。 収納率の向上に向けては、我が会派においては、これまで何度も質問させていただいてまいりました。その結果、全庁を挙げた臨戸徴収強化対策の実施や、色つき封筒やはがきの送付、また、給与を中心とした差し押さえの件数が大幅に伸びた点など、様々な滞納整理業務が効果的に機能してきたと見ております。こうした徴収に当たっての職員の皆さんの大変な努力は大いに評価をしているところでございます。本当に御苦労さまでございます。 しかしながら、財政白書7ページにも記載されているように、特別区民税の23区の平均との比較においては、いまだ0.6%の開きがあることからも、知恵を絞った効果的な施策の実施とともに、さらなる滞納整理強化を目指した徴収体制の構築が欠かせないと考えております。 そこで、まずお伺いします。税務担当としては、平成27年度、どのような取り組みを精力的に行ってきたのか、また、今回の収納率の結果についてどのような分析を評価しているのか、お答えください。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成27年度の主な取り組みといたしましては、昨年7月から業務委託による電話催告、訪問送達を開始した他、組織体制を効率的な分業制に見直し、給与や預貯金を中心とした差し押さえを推進してまいりました。また、平成29年度からの特別徴収の推進に向けまして、事業者への説明や周知を図ってまいりました。これらの取り組みによりまして、現年課税分、滞納繰越分ともに収入率が上昇したところでございます。 23区の平均収入率は0.9%上昇しておりますが、中野区の収入率は1.6%上昇しておりまして、平均を上回る伸びでございました。しかし、区民税全体の調定額に占める滞納繰越分の割合が高く、これが全体の収納率を押し下げる要因となっているため、23区平均には届いておりません。さらなる工夫を図りまして、税収確保に努めてまいりたいと考えてございます。 ○高橋(ち)委員 ありがとうございます。色々と御苦労されて徴収をしてくださっていると思いますけれども、業務委託が始まりまして、この業務委託にかかる経費については、決算書を見ますと、約2,300万円となっております。こうした収納率向上に関する委託ですから、当然にその費用対効果が明確にあらわれなければならないと思っております。 そこでお伺いいたします。今回かかった委託経費約2,300万円に見合うだけの収納率をはじき出せたのでしょうか。当初どのような成果を期待し、また、どのような徴収目標を持って始めたのでしょうか。お知らせください。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 先進事例を参考にいたしまして、委託料のおよそ5倍となります1億1,000万円の特別区民税、都民税収入を徴収目標として取り組んでまいりました。昨年7月からの電話催告、訪問送達業務委託によりまして、1万2,314人に対しまして3万3,000件余の電話催告、1万8,000件余の訪問催告を実施しまして、目標を上回る約1億6,000万円余の税収効果があったと考えてございます。 ○高橋(ち)委員 委託しました初年度であるから、色々と試行錯誤もあったかと思います。しかしながら、こうした経費をかけて委託したのであれば、もっと顕著な結果を求めたくもなってしまいますし、こうした委託を含めた一連の徴収対策については今後も検証と見直しが非常に大切だと感じておりますので、お願いしたいと思います。 そこでお伺いしますが、今後の収納率向上に向けて、この委託をはじめどのような対策を展開していくつもりなのか、お考えがあればお答えください。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 納税業務委託につきましては、督促状の発付時期を見直すことによりまして、委託事業者による電話催告、訪問送達の着手を早める取り組みを考えてございます。また、現在東京都及び都内全62区市町村では、個人住民税の特別徴収の徹底に向けた取り組みを推進しております。平成29年度からは、原則として全ての事業主を特別徴収義務者として指定することとなります。中野区におきましても、平成27年度の決算収納率は、普通徴収の93.94%に対しまして特別徴収は99.79%と、およそ6%上回ってございます。特別徴収への移行は収入率の向上にも大きく寄与するため、着実に取り組んでまいりたいと考えてございます。 また、この他ペイジー口座振替受付サービスや、自宅や外出先でも納付が行えるモバイルレジサービスの周知によりまして、期限内自主納付を促進してまいります。さらにクレジットカードなど、新たな納付方法の開始に向けた検討を進めてまいります。 ○高橋(ち)委員 様々なことを展開していってくだされば、本当に効果があらわれてくると思いますので、さらなる向上を目指して頑張ってほしいと思います。 引き続いて、決算審査の意見書の14ページでは、納税者の状況把握として、収入額の推移に係る納税義務者の数と納税義務者1人当たりの所得額の増減についての影響が分析されております。今回からちょっと決算書の書き方が変わっているんですけれども――決算書というか、意見書の中身が変わってきたことにお気づきだとは思いますけれども、この中では、区民の所得状況は特別区民税の増減への影響ばかりではなく、平成27年度決算額が久しぶりに下回った生活保護費なども関連する区政運営において注視すべき重要な要因であり、その正確な把握と十分な分析に努めることが重要であるという意見が述べられておりました。 そこで伺いますが、今回の監査指摘のように、区民の所得状況と生活保護費との関係について、これまで税務分野として分析したことはあるんでしょうか。こうした生活保護費と区民の所得状況との関係は、中野区における分析にとどまらず、他区の状況なども把握し、比較検討することで今後の収納率向上対策にも生かされるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。ぜひ23区平均に近づけるためにも、こうした観点からも研究が必要だと思いますが、どうでしょうか。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 区民税に関しましては、生活保護のうち、生活保護の受給者は非課税でございます。その人数は、平成25年度は5,897人、平成26年度は6,082人、平成27年度は6,219人ということで、徐々に増加している状況でございます。 区民の所得状況と生活保護費との関係についての分析は、これまで行ったことがございません。しかし、区民の所得状況につきましては、年齢別や所得段階別に分析を行ったりですとか、他区と比較した分析を行ってございまして、こうした分析を踏まえまして滞納額別の対策を行ってまいりました。今後も様々な分析を行いまして、収納率向上に生かしてまいりたいと考えてございます。 ○高橋(ち)委員 ありがとうございます。ぜひしっかりと頑張ってほしいと思います。 一方、滞納繰越分の調定額に影響する上で欠かせない不納欠損についてもお伺いしたいと思っております。今回、同じく監査審査意見書の31ページでは、不納欠損額の推移として、消滅事由別に件数と決算額が表記されるようになりました。まず、これら三つの事由について簡単に説明をお願いします。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 区税債権の消滅事由といたしましては、時効、執行停止後3年経過、執行停止後即時の三つの事由がございます。まず、時効でございますが、法定納期限の翌日から5年間経過することによりまして、税債権が時効消滅することをいいます。次に、執行停止後3年経過でございますが、滞納処分の執行停止が3年間継続した場合に、税債権が消滅することをいいます。最後に、執行停止後即時でございますが、滞納処分の執行停止をした場合で、税を徴収することができないことが明らかであるときに、3年を待たずに直ちに税債権を消滅させることをいいます。 ○高橋(ち)委員 ありがとうございます。答弁にあったように、未収金をほっておくと、性質によってそれぞれの年数の違いはあれ、時効となって徴収ができなくなってしまうのかなというふうに思うんですけれども、今回、平成27年度の特別区民税の不納欠損額を見ますと、時効によるものは毎年減少をたどる一方、執行停止後3年経過は増えているように思います。こうした推移はどのような要因からなるんですか。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 滞納案件につきましては、詳細な財産調査を行いまして、担税力に応じました差し押さえを実施いたしております。こうした滞納処分を徹底してまいりました。この結果、平成26年度当初に29億円を超えていました滞納繰越分の調定額は、平成27年度には22億6,000万円余に減少し、今年度、平成28年度には19億1,000万円余まで減少してまいりました。一方で、預金や不動産等の財産調査を行っても処分可能な財産がないときなどにつきましては、滞納処分の執行停止を行ってございます。このように、滞納整理が進みまして財産調査を進めてまいりました結果、執行停止を行う案件が増えたため、執行停止後3年経過で不納欠損となる案件が増加し、5年時効によるものは減少しているというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 わかりました。不納欠損は、もう既に調定された歳入が徴収し得なくなるものでありまして、税負担の公平性の観点からも、不納欠損に至らないように適切な未収金対策をしっかりしてほしいということが望まれます。今後もさらなる対応をしていっていただければと思います。ありがとうございます。 色々と聞いてまいりましたけれども、今回、報告をいただきまして、収納率の向上に頑張っているんだなというのがわかりました。景気は引き続き良好であっても、財政状況、社会状況は刻一刻と変化しております。そんな中、同じ対策を同じように行っているのではなくて、決してそれ以上の成果は得られないのではないかと思います。ぜひ、先ほど色々と御答弁いただいたことを見直しとか分析などをされて、さらなる、23区平均になるように頑張っていただければと思います。ありがとうございます。 次に、地域支えあい推進の組織について、またお伺いをさせていただきます。 何回も、質問に立つ度にここのところは質問させていただいておりますけれども、平成22年12月の第4回定例会の組織条例の一部を改正する条例の中におきまして、地域における区民活動や子育て支援、保健・福祉・健康づくりを最前線で展開するワンストップ対応の組織であるすこやか福祉センターという力強くうたって説明をされていて、あれから5年ぐらいがたっていると思います。いまだに区民の方々から、よくわからないという話を聞きます。主要施策の成果の行政評価結果を見ても、すこやか福祉センターの相談窓口を身近に感じる人の割合が13.6%という指標では、どう考えても不安になっていきます。 まず初めに確認させていただきますが、今の現状をどのように捉えているか、教えてください。 ○相澤南部すこやか福祉センター所長 すこやか福祉センターは、保健・福祉の総合相談窓口として、ライフステージに合わせました包括的な相談・支援を行っているところでございます。保健・福祉相談の取り扱い件数、これも年々増加しており、昨年10月からは、妊娠・出産・子育てトータルケア事業を開始し、地域における保健・福祉相談の拠点としての取り組みを充実させているところでございます。本年7月には南部すこやか福祉センターの移転開設により、4所の土曜開庁、相談時間延長も実現できたところです。また、地域で展開しております支えあいネットワーク、健康づくり、介護予防の取り組みなどにつきましても、区民活動センター、高齢者施設を拠点とした取り組みを進めることができているというふうに認識してございます。 すこやか福祉センターの相談窓口は、徐々にではございますが、区民に浸透してきているというふうに考えてございます。困ったときに気軽に利用していただける窓口の実現を目指しまして、区民の認知度を高めるよう、保健・福祉相談の充実、また広報、PRの工夫を今後とも図ってまいりたいと思っております。 ○高橋(ち)委員 一生懸命努力されて区民の皆さんにお知らせをしていることは、現状よくわかっております。困ったときに気軽にって、困ったときしか行かれないのかというふうに思われてもいけないと思いますから、いつでも誰でもが地域すこやかに行けるようにというふうな考え方を持ってもらえればなというふうに思いますけれども、区民の方々から見ると、地域ケア分野と地域支援分野の違いが大変わかりづらいということをよく聞きます。今おっしゃったように、相談したいことがあっても、どこに行けばよいのかわからず面倒だという話も伺います。区民目線で、もっとわかりやすい名称といいましょうか、組織に変えるべきだと思いますけど、どのようにお考えですか。 ○相澤南部すこやか福祉センター所長 地域ケア分野、これは子どもから高齢者、また障害者などに対して、さまざまなケアを通しまして、安心して住み続けられるまちづくりを進める組織でございます。地域支援分野、これは地域における支えあいネットワーク、健康づくりを進めることによって、同じように安心して暮らし続けられる地域社会づくりを進めるというようなミッションがございます。地域ケア分野、地域支援分野の目指す目標、役割につきましては、区民にわかりやすく説明すると同時に、それぞれの取り組みの方向性をあわせまして、地域包括ケアの推進により一層取り組んでいきたいというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 今ここでケアとか支援とか説明されても、私たちはある程度はわかりますけれども、区民の皆さんに、ケア分野ですよ、支援分野ですよと言ったって、本当にわからないと思うんですよ。そこをもうちょっと考えてもらいたいと思います。 さらに、もっとわかりづらいのが、子ども施設の所管が子ども教育部と地域支えあい推進室に分かれていることが、ちょっと、これはずっと伺っておりますけれども、気になることであります。地域子ども家庭支援、そして次世代育成委員、学童クラブ、キッズ・プラザ、児童館はすこやか福祉センター、育成活動支援、子育て支援、U18は子ども教育部というふうに現状分かれているように思いますけれども、そして、さらに子ども教育部は中野区子ども・子育て支援事業計画を策定しています。現場を担当しているのは地域支えあい推進室という、何か不思議な構図になっているようにいつも感じているところでございますが、政策立案と現場とが別の分野ということでは、意思の疎通ができていないのではないかというふうに心配になりますけれども、どのように感じていますか。 ○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 地域支えあい推進室でございますけれども、地域に近い部署として、地域が抱える様々な課題を把握・発掘いたします。また、地域とともに課題を解決していくための機会・場の確保に努めているところでございます。子ども教育部は子ども・子育て施策全般の司令塔としての役割、そして地域支えあい推進室は地域でサービスを提供しながら子育て支援を担う、こういった役割分担のもと、取り組みを進めているところでございます。 例えば、すこやか福祉センターでは、赤ちゃん訪問や乳幼児健康診査を通じまして、子育て家庭の状況を把握します。子どもの発達や養育上の支援が必要となる事例については、子ども教育部の子ども家庭支援センターや通常施設においても支援を行うなど、常に連携をしているところでございます。 ○高橋(ち)委員 連携をしていると言いますけれど、最初のうたい文句がワンストップということでありますから、ここで何でもできるという理解を皆さんされていると思いますけれども、一生懸命やっていらっしゃるのはよくわかるんですけれども、何となくうまく回っていないんじゃないかなというふうに感じ取っております。 この組織は本当にわかりづらいことが多くて、地域ケア分野は地域とのつながりが大変弱いように感じます。保健師の方などはどのような関係を持って仕事をしているのか。地域には出ていかないのか。何で私たち民生児童委員の人たちと積極的に一緒に行動しないのかというような話も伺います。今の現状、保健師さんってどうなっているんですか。 ○相澤南部すこやか福祉センター所長 保健師につきましては、地域の民生児童委員の定例的な会合などで情報交換等も行っておりますし、地域ケア会議、そういった会議にも出席して、民生児童委員と地域の困難事例の課題の対応などについても対応しているところでございます。今後、地域ケア分野、地域支援分野の一層の連携を図るため、区民活動センターを単位としたチームアプローチのような取り組みを進めていきたいと考えてございます。保健師に限らず、すこやか福祉センターの専門職がそのような形で地域に出ていくような体制を強化することで、今後対応していきたいというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 積極的にかかわってほしいと思うんですけれども、すこやか福祉センターへ行っても、相談すると、いや、これは地域支援じゃなくてケアですとか、いや、これはケアじゃなくて支援ですとか、すこやか福祉センターの中でも割り振られてしまうというような現状もあるようですから、そういうところもよく理解しながら進めていってもらいたいなというふうに思います。 地域の方々と密接な関係を構築していく。まさに担当部署が本当に区民にとってわかりづらい、そして利用しにくい施設になっちゃっているんじゃないかなというふうに感じ取っているわけですよ。それで、役割を果たさなくちゃいけない施設なのに、すごい不安を今も感じているところでありますけれども、これまでの期間の中で、検証などはちゃんとやっているんでしょうか。 ○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 成果の検証、アクションということでございますけれども、困ったときだけではなく、いつでもすこやか福祉センターへ相談するということが区民に浸透していくよう、出産・育児支援においては全妊婦面接を始めるなど、知名度の向上、そして、気軽に相談できる環境づくりに努めているところでございます。また、直接にすこやか福祉センターに行くことが難しいという方に対しましては、職員が出向いて対応するアウトリーチについても強化していかなければならないと考えているところでございます。 ○高橋(ち)委員 毎年毎年、きちんと検証はやっていってもらいたいと思います。 区民活動センターにいる区の職員についてもお伺いしたいと思います。今も地域の人たちは、職員の役割は地域センターの時代と変わりないと思っている人が本当に多いんですね。地域全体で行う地区まつりや、今まで参加してきた行事に何で出ないんですかって尋ねられることがあるんです。制度や仕組みが変わったからって色々説明してもなかなか理解してもらえなくて、大変苦労することが多分にあります。これは私だけではないと思いますけれども。 そしてさらに、前回も伺ったと思いますけれども、区民活動センターの所長さんという役職の職員の方もいらっしゃるんですけど、この方も幾つものセンターを兼務されていらっしゃいますので、地域からは全く顔が見えない存在になっていると思います。これも今までのセンターでは考えられないことであります。活動センターは地域主体の運営に変わり、そこにいる区の職員の方々は変わったんだけど、区の職員の方々は区役所の顔になっている。今もみんなそういうふうに思っているんですね。その職員の方々が地域の人たちと一緒に行動ができないというのは、全くちょっと理解ができないというか、かわいそうじゃないかなというふうに区民の人たちが言っております。それで、その人たちの職務の見直しが大変必要だと考えておりますが、どのようにお考えでしょうか。 ○上村地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当) 区民活動センター職員は、町会・自治会をはじめ民生児童委員の活動など、地域活動や公益活動に携わる方々を支援する職務を担っていると認識してございます。また、地域では支えあい・見守り活動が行われておりますけれども、区民活動センター職員は、ひとり暮らしや災害時要支援者等の支援・相談者として地域の人々と顔の見える関係をつくり、ともに考え、ともに行動する職員として育成していく考えでございます。さらに地域づくりのための様々なコーディネート役としての役割についても強化していきたいと考えております。 ○高橋(ち)委員 そのようにぜひしていただきたいと思いますね。やっぱり地域にとっては大切な方々だと感じていますのでね。 そこで、区民活動センターに配属されている、今、地域の顔となり、自治会やいろいろなサポートをしている職員のお二人がいらっしゃいますけれども、このお二人の体制についても、区民活動センターは最前の職場だと思っております。なので、地域の自治を肌で感じて、地域の皆さんから学ぶことがたくさんあると思いますので、人材育成の視点からも若手の職員を積極的に配置していくべきと考えますが、いかがお考えですか。 ○上村地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当) 地域と直接かかわりを持つ区民活動センター等での勤務経験は、基礎的自治体の職員にとって大切なものと認識してございます。今後は一定の経験年数に達した職員のローテーション職場に位置付けるなど、人材育成を考慮した人事配置を検討してみたいと考えてございます。 ○高橋(ち)委員 ぜひそのようにお願いしたいと思います。ありがとうございます。 また、全然視点が変わるんですけれども、区内の小・中──小学校は今現在どうだったか確認していないですけど、中学校に配置されていらっしゃいます学校関連主査さんがいらっしゃると思います。この主査さんも区民活動センターとの関係が大変大事だと思っているんですけれども、地域とのかかわりが見えづらく、何を行っている人なのって、またこれもよく聞かれます。現状どのような仕事をされて、地域との関わりはどのようにされているのか、改めて教えてください。 ○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校連携担当職員は、学校長、副校長が担う学校経営の一翼を担う他、学校と地域の連携を進めることや、学校・地域の安全、避難所の運営など、地域防災に必要な調整などを行うことを役割としております。学校と地域の連携を進める仕事としては、学校長、PTA、次世代委員などで構成する学校支援会議の運営を行い、学校支援ボランティアなど地域の力を学校に生かす取り組みを進めています。また、地域防災については、地域本部となる地域センターと避難所運営会議の準備に当たるとともに、町会等の防災訓練などにも参加し、日頃から協力関係の構築に努めております。 ○高橋(ち)委員 今御答弁いただいたように、やっぱり地域との関係が必要になるわけですよね。ですので、地域の方々に顔が見えるようにこれからも検討していっていただきたいと思います。これは要望しておきます。 地域センターも運営形態が変わりまして、区民活動センター、要は運営委員の皆さんが行うようになりました。それで、地域支えあい推進室ではすこやか福祉センターが中心となって、地域にとっては本当によい方向に向かっていくのが普通の流れであります。しかし、今の地域の方々は理解しているどころか、どんどん困惑しているところが多いのではないかというふうに思っております。今の学校連携の職員のことも踏まえて、すこやか福祉センターで色々と検討されていることが、今後この制度を進めていく上にどのような広め方をしていかなくてはいけないと、そういうのをもう一度改めて確認しておきます。 ○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 今後の地域包括ケアの推進、また地域における福祉、健康づくり活動等の促進のためには、地域との信頼関係の構築が必須条件だと考えてございます。顔の見える関係性を今後さらに強めるため、医療・福祉の専門職、区民活動センター職員による地域への一元的な対応チームを整備いたしまして、地域ケアと地域支援の横の連携をとりながら、地域に出ていく体制を強化していく考えでございます。 ○高橋(ち)委員 ぜひ今のお言葉を踏まえまして、地域の人たちが理解し、支援とかケアが行ったり来たりしなくて、そんなことを言わなくてもわかるような分野というか、そういう制度にしていただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。これは要望としておきます。 次に、介護予防と日常生活支援総合事業の取り組みについてお伺いいたします。 団塊の世代が75歳以上になるのは2025年というふうになっておりますけれども、本当にこの多くの介護予防については非常にお金がかかってくるのではないかなというふうに思っておりますけれども、今回この生活支援総合事業、多くの自治体では今年の4月からこの事業に取り組みを始めたと聞いておりますけれども、その中に中野区のニュースはなかったように思います。 そこでお伺いいたしますが、中野区ではいつからこの事業に取り組むのか、また、その折にはどのようなメニューが用意されるのでしょうか。教えてください。 ○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 新総合事業に関しましては、平成29年4月から開始する予定でございます。これまでの現行相当の訪問型サービスや通所型サービスに加えて、低下した機能を短期に集中して改善を図る短期集中予防サービスや、家事援助などの訪問型のサービスなどをメニューとして想定しております。住民主体サービスについては、現在、各すこやか福祉センターに生活支援コーディネーターを配置し、地域資源の把握や掘り出しを進めており、地域のニーズに対してどのようなサービスが必要かリサーチしながら、来年度からの立ち上げを目指して準備を進めているところでございます。高齢者会館を介護予防の拠点施設と位置付け、身近な地域での健康・生きがいづくりの取り組みを充実させていこうと考えております。 ○高橋(ち)委員 いろいろ考えていた末、平成29年度の4月からというふうになったんだとは思うんですけれども、中野区では介護予防や高齢者の日常生活支援に関する課題は、組織的には健康福祉部、地域支えあい推進室、区民サービス管理部の3部が分担する形になると思うんですけれども、多くの自治体では高齢者福祉を担当する部署が一つ設けられ、そこで一括して施策を進める形をとっていて、スピーディーに物事が進んでいるように私は思いました。これに比べて、中野区の組織のあり様が効率の悪さや取り組みの遅れを生んでいるのではないかと感じちゃいますけど、どうでしょうか。 ○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 地域包括ケアについては、高齢福祉の担当だけでは解決できない課題と認識しております。平成28年4月から新たに地域包括ケア推進分野を立ち上げ、移行に向けた体制整備等の準備を効率的に進めております。 ○高橋(ち)委員 進めていってほしいと思いますけれども、我が国に介護保険制度が導入されたのが平成12年だったと思います。これによって大きく変わったサービスの提供の仕組みではないかなというふうに思っているんですけど、サービスが必要になったら区役所に相談し、区から提供されるサービスを受けるという仕組みがずっと続いてきたと思うので、当時、新しい制度や仕組みは随分複雑でなじみにくいものだなというふうに感じたことを思い出します。 そこで、再確認の意味で伺うんですけれども、地域包括支援センターとはどういうものでしょうか。また、中野区には幾つあってどのように仕事をしているのか、運営はどのように行われているのか、教えてください。 ○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 地域包括支援センターは、介護保険法に基づいて高齢者の心身の健康の維持、生活の安定、保健・福祉・医療・介護予防の向上を増進するために必要な援助、支援を包括的・継続的に担う地域の中核的機関と考えております。区内に8カ所ございます。 地域包括支援センターは、介護予防に関するケアマネジメント、総合相談支援事業、権利擁護業務、包括的かつ継続的ケアマネジメントの支援業務等のいわゆる包括的支援を担っているものでございます。地域包括支援センターは、学識経験者等で構成する地域包括支援センター運営協議会において運営状況や新たな課題を検証しながら、地域ニーズに適切に対応すべく運営しているところでございます。 ○高橋(ち)委員 ありがとうございます。では、居宅介護支援事業所というのはどのようなものなんですか。区内に幾つあって、どのような仕事をして、運営はどのように行われているのか。また、地域包括支援センターとの関係はどうなんですか。 ○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護サービスを利用する場合は、どのサービスをどう利用するか、御家族や御本人の御希望、それから心身の状況を十分考慮して介護サービス計画書、いわゆるケアプランというものの作成が必要となります。御質問にあります居宅介護支援事業所とは、そのケアプランを作成いたします一般的にケアマネジャーと呼ばれる介護支援専門員が所属する事業所でございまして、今年の3月現在、区内には91カ所ございます。ケアプランの作成には利用者の負担はございません。全額介護保険から給付しており、この事業を基本に居宅介護事業所の運営がされているといったものでございます。 居宅介護支援事業所と地域包括支援センターとの関係でございますけれども、地域包括支援センターが介護の総合相談場所としての役割ですとか、あと、要支援1・2といった介護予防のケアプランの作成を行うことに対しまして、居宅介護支援事業所に関しましては、要介護1以上の認定を受けた方のケアプランを作成することとなります。また、要介護から要支援に例えば変更になった場合などにおきまして、それまでなじみのある居宅介護支援事業所のケアマネジャーさんに継続してケアプランを作成してもらいたい場合など、要支援の方のケアプランの作成について、地域包括支援センターから委託を受けるといったこともございます。 ○高橋(ち)委員 色々複雑で、理解していくのには時間が大変かかるとは思いますけれども、介護予防のプログラムについて相談したり、介護が必要になった段階で、まず初めに相談するのが包括支援センターで、要介護認定を受けた後に具体的な介護サービスの相談をするのが居宅介護支援事業という理解でいいんでしょうかね。 ○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 基本はそのとおりの御理解で大丈夫でございます。 ○高橋(ち)委員 ありがとうございます。では、今日、地域包括ケアシステムの整備が求められておりますけれども、その趣旨はどういうことですか。また、同じような名称を持つ地域包括支援センターは、このシステムの中でどのように位置付けられるんでしょうか。 ○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 地域包括ケアシステムは、医療や介護を必要とする状態になっても、可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後までできるよう、見守りや医療、福祉、介護、健康づくり、予防、住まいなど、必要なサービスや仕組みを整備するものでございます。地域包括支援センターは、本人や家族、それから居宅介護支援、ケアマネに対する相談や支援、介護予防に関するケアマネジメント等を行うほか、地域のネットワークづくりへの参画にも取り組むものとしております。 ○高橋(ち)委員 地域包括支援センターは介護予防のための取り組みを進めるという役割があると伺っておりますけれども、大変重要なことだと思います。中野区のこれらのセンターでは、具体的にどんな取り組みが行われているんですか。 ○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 地域包括支援センターでは、介護予防のためのケアマネジメントを行うものでございます。具体的には、介護予防事業の利用者に対してアセスメント、課題分析を行うため利用者宅を訪問し、本人、家族と面談する。それから、利用者の状況に応じたケアプランを作成する。サービス担当者会議を開催し、ケアプランの妥当性を検討する。利用者への説明を行い、同意を得られましたらケアプランを確定、交付します。サービス利用開始後は、サービス利用状況や問題点、意欲の変化などを継続的に把握するなどのモニタリングを行うものでございます。 総合事業開始後は、さらに、新たに開始する短期集中予防サービス等に対応したケアマネジメントを行い、状態悪化の予防や早期把握に取り組んでいくところでございます。 ○高橋(ち)委員 大変色々なことをやってくださっているところだと思うんですけれども、地域包括支援センターには二つの類型があると聞いているんですけれども、専ら区民の相談に当たる一般型と、これに加えて民間事業者への助言・指導や支援を行う役割を持っている基幹型というのがあるそうです。これは大変な役割だと聞いていますけれども、この基幹型の役割を果たしているのはどこのセンターなんですか。 ○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 中野区では基幹型の役割を担う地域包括支援センターを設置してございません。基幹型に求められる困難事例に対する技術支援などの後方支援の機能は、すこやか福祉センターが直接その役割を果たしているところでございます。 ○高橋(ち)委員 そうすると、すこやか福祉センターがさまざまな役割を期待されちゃうんですけど、先ほども聞きましたけれども、それらの期待に十分応えられているのか。また、このことは十分関係者に周知されて、理解や支持をもらっているんでしょうかね。 ○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) すこやか福祉センターは、高齢者、障害者、子育て支援のワンストップの総合相談支援とサービス提供の拠点として、4圏域それぞれに設置しているものでございます。すこやか福祉センターの役割については、区民の理解も広がりつつあると思われますが、今後の後期高齢者の増加傾向を踏まえて、地域包括ケアの充実に向けてさらに機能の強化を図って、十分な周知、理解、支持をいただけるよう努力してまいりたいと考えております。 ○高橋(ち)委員 ぜひ努力してもらいたいと思います。 それでは、介護保険制度のもとでは、介護サービスは基本的に民間の事業者が提供することになっています。また、利用者とサービスとを的確に結びつける役割をケアマネジャーというふうに先ほどもお答えいただきました。そのマネジャーも基本的には民間事業のもとで働いていると思います。その一方、介護保険には多くの税が投入されていると思いますので、民間事業者には公益にかなう動きが求められます。それを担保するため、区では日常どのような取り組みをしておりますか。 ○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 中野区といたしまして、介護サービス事業所の公益性を確保するために、介護支援専門員をはじめ介護サービス事業者に対しましては、適切な介護サービスの提供や介護サービスの質の向上に資する研修を行っているところでございます。また、定期的に区内介護事業所を訪問いたしまして、基準にのっとった適切な運営が行われているか指導検査を行い、改善が必要な場合、事故がございますれば改善を求め、改善の結果を報告させるなど、公的な介護保険制度の実施を図っているところでございます。 ○高橋(ち)委員 ありがとうございます。民間の事業者は事業採算を無理して経営することは絶対ないと思います。事業の存続が危ぶまれるような領域には参入はしてこないし、撤退も早いと思います。また複数の自治体で事業展開している事業者も少なくないはずなので、当然、手厚い措置を講じる自治体や、熱心な取り組みを展開している自治体に目が向いちゃうんじゃないかなというふうに思います。一方、利用する区民の側からは、民間事業者が円滑に事業展開をしてくれなければ、必要なサービスが受けにくくなってくると思います。言ってみれば、しわ寄せが区民に行ってしまうのではないかなと思いますけれども、介護基盤の整備は区の大きな役割であって、当然、民間事業者の特性を十分理解した上で取り組むべきと考えますが、どうお考えですか。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 区は民間の事業参入を積極的に図るため、区有地、都有地、国有地など公有地活用等による介護基盤整備を進めております。また、介護基盤の整備に係る計画に基づきまして、地域密着型サービス及び都市型軽費老人ホーム整備事業者の募集をホームページ、また説明会等を通じて行っているところでございます。今後、民間事業者の参入意欲を高める事業者募集の周知方法、説明会等、実施方法につきまして、さらに工夫してまいります。また、中野区介護サービス事業所連絡会などを活用して、民間事業者の方との意見交換をするなど、機会を設け、介護基盤整備を着実に進めてまいります。 ○高橋(ち)委員 ぜひやっていただきたいと思います。中野でやりたいんだと思う事業者が出てくるように、力強くお願いしたいと思います。ありがとうございます。 介護保険のもとでの仕組みがどんどん複雑になっていると言われております。これは利用者ばかりでなく、事業者にとっても負担を招いています。それでも国が示している基本的なコンセプトに従って事業が展開されていけば、全国共通なので、どの自治体でも対応ができると思います。しかし、介護予防に関して言えば、すこやか福祉センターで介護予防事業を行っている一方、地域包括支援センターが介護予防の相談窓口であったり、すこやか福祉センターという中野区独自の方式が取り入れられているということで、サービス提供に当たる事業者はその方式を理解していかないといけないんじゃないかなというふうに思います。区民にとってもわかりにくいサービス提供となるのではないかという不安があり、仕組みの複雑さを招く負担をなくすためにも、何か対策を行っているんでしょうか。 ○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 介護予防、健康づくり、地域の見守り・支えあいなどについては、すこやか福祉センターが高齢者会館事業を含む地域づくりを担っており、また、このための地域資源の開発にも当たっているところでございます。一方、地域包括支援センターは高齢者個々の状態に応じた介護予防マネジメントを行い、適切なサービス利用につなげていく役割でございます。この役割を明確にして対応してまいりたいと考えております。 ○高橋(ち)委員 ぜひお願いしたいと思います。 次に、日本の社会の高齢化のスピードは世界でも例を見ないものだと言われております。それだけに、その対策については、国も各自治体も手探りの部分があるというのが正直なところじゃないかなというふうに考えますが、施策全体の整合性や中野区の地域性や独自性を生かすという視点も大切だとは思いますが、限られた時間の中で取り組みを進めていかなければなりません。ですので、先ほど言ったように担当部署が一つになるとか、そういう考え方も必要じゃないかなというふうに思います。それで、手をつけられるところからスピーディーに取り組むという姿勢が大変必要だと思いますが、最後にこの項目では、区長の御意見を聞いて終えたいと思います。 ○田中区長 高橋(ち)委員の御質問にありましたように、介護保険の制度、私が中野区で立ち上げを担当したころから考えても、ますます複雑になってきていまして、私自身ついていくのが精いっぱいというぐらい制度が色々に変わってきています。それというのは、やっぱり高齢者の方がすごく増えている。2025年問題って一番最初に指摘されましたけれども、そうした時代を迎えるに当たって、やっぱり介護予防をきちんと充実するということと、介護予防の以前の健康づくりとか、さらに地域での生きがいある暮らし方とか支えあいとか、そういった全体としてみんなが本当に介護が必要になる前にきちんと生きていけるという、そういう状況をつくり出していくということが大変重要だと思っていまして、それを地域包括ケア体制づくりという中で実現しようというようなことを考えております。 ただ、あんまり本当に風呂敷いっぱい広げてあっちこっちやっているようで、何だか全然物が前に進まないというように見えることも、これも非常に困ることだと思っておりますので、新総合事業につきましても、平成29年度からはきちんとした立ち上げをすると。その立ち上げに向けたいろんな面での準備というものも着実にしていくということが大事だと思っております。 ○高橋(ち)委員 ありがとうございます。区長がおっしゃるとおり、始まった時期、区長から――あのころは区長さんじゃなかったんですけど、担当の部署ということで説明を聞きまして、さらにさらに、私も親がそういう年齢になってきてこういうことに携わってくると、一層わからないなということが多分にあったものですから、今回こうやって質問させていただきました。ありがとうございます。ぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。 時間が60分と限られておりまして、早口で色々質問してきましたけれども、次に、教育行政上の課題について、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。 以前も私、ICTについてお伺いをしたんですけれども、中野の子どもたちはグローバルな社会を生き抜く力、さまざま持っているとは思いますけれども、情報化社会に柔軟に対応していくためには、このICT教育が大変必要だと感じております。 初めに、中野区では計画的にパソコン教室を整備したり、タブレット端末を導入したりしておりますけれども、今の整備状況はどのようになっているんでしょうか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 パソコン教室につきましては、小学校では今年度、来年度にかけて、1人1台のタブレット型パソコンを配置する予定でございます。中学校では既に1人1台のパソコンを配置してございます。なお、パソコン教室以外でもICT機器を使って授業を展開できるよう、携帯型の電子黒板やプロジェクターを配備してございます。 ○高橋(ち)委員 配置しているだけでいいという問題ではないんですけれども、その配置したものをうまく使うためにはやっぱり指導が必要だと思うんですけれども、児童や生徒が活用するためには教員の指導力が大切と思います。ICT機器についての教員の指導力の向上はどうなっているんですか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 各校においては、校内研修をはじめ、OJTの中で教員相互にICT機器の活用技能を高めているところでございます。教育委員会につきましては、教員の指導力及びICT機器の活用による授業改善を狙いとしたICT研修会を夏季休業中に2日間設けて実施いたしました。また、ICT教育検討委員会を設けまして、ICT機器を活用したモデル事業について研究実践し、その事例を区内小・中学校に反映してまいりたいと考えてございます。 ○高橋(ち)委員 現場の声を聞きますと、特に中学校の指導用のパソコンが大変使いにくいという話をよく聞きます。実情はどうなっているんでしょうかね。本当に使いにくいんでしょうかね。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 現在、中学校における普通教室の指導用パソコンは各校に一、二台の整備状況のため、パソコン教室のパソコンも指導用に活用している現状にございます。 ○高橋(ち)委員 それだから使いにくいというんでしょうかね。やっぱり先生方にも理解、力をつけていただくためには、一、二台というんじゃどうかなというふうに思いますけれども、指導用のパソコンの整備など、先生方の授業での活用に向けて、教育委員会として今後どのように対応していこうと考えているんですか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 児童・生徒の学習への関心・意欲の高まり、効果的な教材の提示、児童・生徒の作品や考えの共有化による共同学習のしやすさなど、ICT機器の活用が授業改善において効果的であると認識してございます。授業におけるICT機器の一層の活用に向けては、指導用パソコン等の整備の充実も含め、今後検討してまいりたいと考えてございます。 ○高橋(ち)委員 杉並の例を言ってはいけませんけれども、杉並なんかは本当に先駆的に色々考えていらっしゃって、今もやっていると思うんですけれども、大きな予算が必要となるICT教育ですからね。計画的に整備するとともに、教員がしっかりと指導力を身につけて、新しい教育活動が展開できるように、また子どもたちの学力向上につながるようにしっかりと取り組んでほしいと考えておりますけれども、教育委員会、指導室長の御意見もそうでしょうけれども、全体を取りまとめている教育長に、最後お答えをいただきたいと思います。 ○田辺教育長 ICT機器の活用ということですけれども、教育環境の整備向上というのは教育委員会としても努力していかなければいけないところでございます。今色々御質問いただきましたけれども、今後十分に検討してまいりたい、このように考えてございます。 ○高橋(ち)委員 ありがとうございます。せっかく御答弁をいただいて、また注文をつけちゃうのも申しわけないんですけれども、やはり子どもたちは大人よりか吸収力がすごく大きいというか、豊富なわけですよね。なので、教員が追いついていけないことだってたくさんあると思います。ですので、今後検討してまいりますじゃなくて、早急に検討していただきたいということを要望しておきます。 この後、私の項目はあと二つあるんですけど、1個は分科会でやります。それから、その他の中に、うちの幹事長が質問しました海での体験学習があったんですけれども、これも分科会でやらせていただきます。内部統制については、これは本当に色々言いたいことがたくさんあったんですけれども、内部統制というものをうたっているだけでいいのかという最終的なところまでたどり着きたかったんですけど、これも次回に回したいと思います。5分残しまして、次の委員の皆さんに質問を託してまいります。 皆さん、御清聴ありがとうございました。以上で終わります。 ○若林委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了します。 次に、南かつひこ委員、質疑をどうぞ。 ○南委員 おはようございます。それでは、平成28年第3回定例会決算特別委員会におきまして、公明党の立場から総括質疑を行います。理事者の皆様におかれましては、簡潔で明快な御答弁をお願いいたします。 質問は通告の順番に従いまして、一つ、平成27年度決算について、二つ目、西武新宿線沿線のまちづくりについて、三つ目、成年後見制度の充実について、4番目、空き家対策についてを伺います。なお、5番、その他はございません。 それでは、初めに平成27年度決算についてお伺いいたします。 普通会計による歳入決算額は1,333億円で、歳出決算額は1,301億円で、歳入歳出ともに過去最高の決算額となりました。実質収支比率は3.7%と、7年ぶりに適正範囲内である3%から5%におさまりました。また、経常収支比率も76.5%で適正範囲内である70%から80%内におさまりました。これらを考えれば、平成27年度決算はかなり好調であると言えるのではないかというふうに思います。 それでは、まず初めに、特別区交付金についてお伺いいたします。特別区交付金は景気の動向の影響を受けやすいという特徴を持っておりますが、平成26年度比4.1%増の374億2,500万円余となりました。この特別区交付金の増加の要因をお伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 特別区交付金の増加要因についてでございますが、特別区交付金につきましては、東京都はその財源である調整三税の収入のフレームを見込みまして、これに基づき各区に交付しているものでございます。平成27年度は調整三税のうち固定資産税が平成26年度比およそ244億円の増になりました。また、法人住民税につきまして、一部国税化の影響から、およそ11億円の減収を見込んだフレームとなった結果、調整三税合計では233億円の増となっているものでございます。この増が中野区の交付金の増加の主な要因となっているところでございまして、それに加えまして、特別交付金につきましては、普通交付金では算定し切れない特殊事情の経費について交付されるものであり、今年度につきましては、主に新区役所用地及び中野五丁目障害者施設用地、南部すこやか福祉センター等の整備費について算定され、特別交付金についても増加したところでございます。 ○南委員 端的に言えば調整三税が増えたということで、中でも固定資産税の増因が大きかったということと、一部国税化によって市町村民税が多少、11億ほど減ったということですね。それから、新たに新区役所用地であるとか、障害者施設などの算定も入ったということが増加の要因ということでございますね。 先ほど、市町村民税の法人分、これが11億円ほど減ということですが、この市町村民税法人分の一部国税化による影響をどのように分析されていますでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 市町村民税法人分ですが、特別区では法人住民税と説明していることが多うございます。この法人住民税でございますが、平成27年度の東京都の8月時点の速報値では6267億円余りでございまして、平成26年度よりも約196億9,000万円の減額となっているところがございます。東京都は法人住民税の一部国税化の影響枠としましては、決算値について、まだ平成27年度については発表を行っておらず、今後の分析になると考えておりますが、東京都が平成27年度特別区交付金を算定する際に算出したフレームにつきましては6,419億円でございまして、この額と平成27年度の収入実績を見込みますと、差が152億円の減額となっているところでございます。このことから、景気の状況もありますが、一部国税化の影響が大きく出ているというふうに考えております。 ○南委員 次に、法人住民税の一部国税化による特別区の影響額は、平成27年度で293億円、平年度化する平成28年度以降は600億円、さらには消費税税率10%時には1,000億円と推測されておりますが、消費税10%につきましては、2年半先送りということになりましたけれども、中野区での平成28年度以降の推測する影響額を伺うとともに、消費税10%になったときの影響額を伺いたいと思います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 中野区における平成28年度の法人住民税の一部国税化の影響につきましては、20億円相当の減額を予想しております。交付額は309億円と見込んだところでございます。平成29年度、平成30年度、消費税10%への移行が延期されたことから、一部国税化の影響も先送りになるというふうに考えているところでございます。 なお、消費税10%時の法人住民税の一部国税化の中野区への影響でございますが、平年度化された場合には、40億円程度の減額を予想しているところでございます。 ○南委員 この法人住民税の一部国税化にはさらなる減収が見込まれるわけで、特別区、各区議会や東京都と連携して、この一部国税化に対しまして、地方自治の本旨に反するものであるということをしっかりと主張していかなければならないと思っておるんですが、今回、都知事もかわりましたけれども、この考え方を改めてお伺いしたいと思います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 法人住民税の一部国税化につきましては、地方税の根本原則に反するものであり、また、法人住民税とは法人が地方自治体から受ける行政サービスの対価として負担を求める自治体の固有の財源ということでございますので、法人住民税の国税化は受益と負担に基づく応益課税という地方税の原則がないがしろになっているというふうに考えております。法人住民税を一部国税化することは、拡充すべき自主財源である地方税を縮小することにほかならず、地方分権の流れに逆行するものであり、主体的な地方の行財政運営を阻害するものであることを区議会の皆様、特別区とともにしっかりと主張していくという考えでございます。 ○南委員 しっかりと主張を、区議会としても連携を図って主張していかなければならないと思いますので。 それでは、次に公債費負担比率について伺います。 中野区では、中長期的な財政見通しの中で計画的に特別区債を活用して公債費負担比率がおおむね10%以内になるように、公債費の抑制を行っているわけであります。平成27年度の公債費負担比率は6.8%でありましたが、当初予算では8.3%であったということなんですが、その理由をお伺いいたします。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) 平成27年度の公債費負担比率、これが当初予算から1.5ポイント下がった。これの理由についてでございますが、まず、分子となる特別区債の元利償還金、これが当初予算比で約3億6,000万減となりました。一方、分母となります一般財源総額、こちらにつきましては、特別区交付金、それから地方消費税交付金、繰越金など増によりまして、当初予算比では123億円余の増、こういうものの影響によるものでございます。 ○南委員 次に進みます。 10か年計画(第3次)では、起債の活用に当たっては、公債費負担比率を10%程度の上限としておりますが、10%というその根拠についてお伺いいたします。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 公債費負担比率の上限10%の設定の根拠でございますが、予算運営の手元の資料を確認しましたところ、平成19年1月の財政運営の考え方から、中野区の定める公債費負担比率を採用しているところでございます。この際に、中長期的な事業計画を定めまして、起債計画の策定に当たっては、一般財源に占める割合を一定程度に抑え、かつ柔軟な財政運営を行うために、一定の手法を定めることにしたものでございます。 その当時、平成20年度から平成26年度は一般財源の計画額の推移は700億円から720億円でございまして、公債費の負担計画の平均は9.5%となっております。一般財源に占める公債費の割合は10%前後で進めることが、区の財政運営の体力に見合い、現役世代の負担の軽減に値すると考えられたものでございます。 今後も区役所建設や大規模公園の整備などによる起債を行う際も、公債費負担比率10%前後の指標を考慮しながら、起債、基金の積み立てを行い、健全な財政運営を行うことが肝要であるというふうに考えております。 ○南委員 今後、学校再編や子育て支援、さらには地域包括ケアシステムの構築など、重要な施策を実施していくに当たって、国や東京都の交付金や補助金を最大限に活用することが重要でありますけれども、活用できないという、そういう場合には、起債により将来への負担が増すようであれば、区民サービスを低下させることにもなりかねないと思います。平成27年度決算は好調であると言えるんですが、これが続いていくとは到底考えられないわけで、景気動向を見通す中で、今後、公債費負担比率など適正値におさまるように、中長期的な観点から持続可能な財政運営を行えるようにしなければならないと思いますけれども、区としての今後の考え方を伺いたいと思います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 先ほども御説明しておりますが、法人住民税の収入実績につきましては、平成26年度、およそ196億9,000万円の減となっております。平成29年度予算についての特別区交付金などについては、そのため楽観視はできないと考えておりまして、今後も予算編成時の基準となる一般財源の規律を守ること、また、一般財源超過分については基金への積み立てを行い、不測の事態に備えながら、新しい中野をつくる10か年計画で予定された事業を着実に実施していくことが重要と考えております。 ○南委員 今後、景気の動向とか、様々予測不可能なこともございますので、着実に持続可能な財政運営を行っていただけるよう、よろしくお願いいたします。 次に、生活保護費について伺います。 平成27年度の生活保護費の決算額が前年度に比べまして減となっておりますが、これはどのような要因からでしょうか。伺って、この項の質問は終わります。 ○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 生活保護費の減額についてですが、生活保護費につきましては、平成25年から平成27年までの3年間に及ぶ段階的な生活扶助基準改定による減額の影響はございますが、景気回復に伴う雇用情勢の改善によりまして、新規の保護開始世帯数が減少し、被保護世帯数もほぼ横ばいだったことが、保護費が減額になった背景にあると考えております。また、中野就職サポートや中野就労セミナーにより、ハローワークや委託事業者と連携しまして就労支援を行った結果、就労阻害要因のない就労可能な世帯の就労率が向上したことも、生活保護費減額の一因であると認識しております。 ○南委員 わかりました。ありがとうございます。 それでは、次に、西武新宿線沿線のまちづくりについてお伺いいたします。 沼袋駅周辺において、区画街路4号線沿道を軸に地区計画の素案の報告が建設委員会及び区内駅周辺等まちづくり調査特別委員会でございました。地区計画の素案について、何点かお伺いしたいと思います。 沼袋駅周辺の地区計画では、街並み誘導型地区計画を導入する方向で進んでおりますが、街並み誘導型地区計画のメリットというのはどういうものでしょうか。伺います。 ○山本都市政策推進室副参事(沼袋駅周辺まちづくり担当) 沼袋駅地域のまちづくりにおきましては、統一感のあるまち並みを誘導しつつ、斜線制限や日影規制の緩和を行うことにより、土地の合理的かつ健全な有効利用の促進や良好な環境の形成を図ることが必要でございます。街並み誘導型地区計画を導入することで、これらの達成が可能となり、沼袋地域のまちづくりの目標の一つであるにぎわいの創出を図ることが可能となるものでございます。 ○南委員 沼袋区画街路4号線沿道地区計画において、いわゆるセットバックである壁面の位置の制限を建物の高さ別に2段階に導入するということになっておりますけれども、どのような特徴があるのか、その点をお伺いいたします。 ○山本都市政策推進室副参事(沼袋駅周辺まちづくり担当) 道路から見ました建築物による囲まれ感と、権利者の生活再建の双方に配慮しまして、道路からの壁面の位置の制限を2段階に設けることといたしました。具体的には、建築物の高さが16メートル以下の中層部におきましては、店先空間の創出や商店街のにぎわい形成のために0.5メートルとしてございます。また、16メートルを超える高層部におきましては、道路から見たときの建築物による囲まれ感を軽減させるため、さらに壁面の位置を後退させてございまして、3.5メートルとしているものでございます。 ○南委員 次に、用途地域の変更について、沼袋一丁目、沼袋二丁目、沼袋三丁目、沼袋四丁目の各区域内で第一種低層住宅専用地域から近隣商業地域及び商業地域への変更がなされ、現行の20メートルから区画街路4号線の道路線から30メートルに拡充することになっておりますが、この用途地域の変更の必要性についてお伺いします。 ○山本都市政策推進室副参事(沼袋駅周辺まちづくり担当) 延焼遮断帯の形成のため、沿道に一定幅の不燃化された建物を構成させる必要がございます。このため、用途地域の幅を20メートルから30メートルに変更することといたしました。また、区画街路第4号線沿道のにぎわい確保のためにも、商業地域または近隣商業地域の幅を広げることとしてございます。 ○南委員 不燃化と、それからにぎわいを持たせるためということでございますね。 今回の地区計画では、区画街路4号線を軸にした延焼遮断帯の形成を図るとともに、東西の住宅地における避難ネットワークを形成することが入っております。それから、防災力の向上も盛り込まれているところです。東京都は今年の3月に「防災都市づくり推進計画」を改定しまして、防災生活道路の整備により不燃化・耐震化を加速させることが盛り込まれました。区画街路4号線を軸とした場合には、沼袋周辺の地域には木造密集地域も全体的に広がっており、東西には狭隘道路が多く存在している現状がございます。「防災都市づくり推進計画」で今回盛り込まれたように、不燃化や耐震化率の向上を図るためにも、東西方向の避難路整備等を踏まえた地域全体の防災力向上が重要となってまいります。今後の沼袋地域全体の防災性向上の考え方について、区の見解をお伺いいたします。 ○山本都市政策推進室副参事(沼袋駅周辺まちづくり担当) 区画街路第4号線の整備により、南北方向の骨格的な避難路の構築並びに延焼遮断帯が形成されますが、沼袋地域の防災性を向上させるためには、区画街路第4号線につながる東西方向の避難道路ネットワークの形成が必要と考えてございます。そのため、区画街路第4号線沿道の地区計画の策定後は、沼袋地域全体における地区計画の策定の検討に着手してまいります。これらの検討の中で、地区整備計画による東西方向の区画道路の整備を図っていく他、建物の不燃化率や耐震化率の向上にもあわせて取り組み、沼袋地域全体の防災性を向上させてまいります。 ○南委員 8月末で終了しましたまちづくり協議会における検討を経まして、今後、地区計画の策定や用途地域の変更といった都市計画の手続を進めていくことになりますが、そのスケジュールについてお伺いいたします。 ○山本都市政策推進室副参事(沼袋駅周辺まちづくり担当) まずは、この秋を目途に地区計画並びに都市計画の素案に係る説明会を開催する予定でございます。その後、都市計画法16条並びに17条に基づく公告・縦覧・意見の聴取等の手続を踏まえ、来年度の都市計画審議会の諮問を経て都市計画決定を行う予定でございます。 ○南委員 次に、区画街路4号線の整備についてお伺いいたします。 区画街路4号線の用地買収につきましては、狭小な残地が発生すると思われます。都市計画道路の用地買収につきましては、原則として買収は行わず、残地の面積や形状により利用価値が減少する場合に、その損失分が補償されるというふうに聞いておりますし、法律でもそのようになっているというふうに思いますが、狭小な残地が発生する権利者が円滑に生活再建をしていただくには、建物の共同化などの対応が必要であると考えますが、これらの対応についての区の考え方をお伺いいたします。 ○山本都市政策推進室副参事(沼袋駅周辺まちづくり担当) 商店街におけるにぎわいの連続性や円滑な生活再建を確保するには、狭小で利用困難な土地を抱えることとなる権利者への対応が必要と考えてございます。具体的には、地区外に転出を希望する方の残地の活用や、建物の共同化による土地の有効活用、有効利用などが考えられます。今後は区画街路第4号線の沿道権利者の生活再建に関する意向調査なども踏まえながら、狭小残地となる権利者の状況を精査し、個別に対応してまいります。 ○南委員 区画街路4号線は、延長が560メートルと長くなっております。また、商店街ということもあるため、用地買収を円滑・効率的に進めるには、区間を区切って段階的に行う必要があるというふうに考えますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。伺います。 ○山本都市政策推進室副参事(沼袋駅周辺まちづくり担当) 一般的に都市計画道路の用地買収の順序を決めるに当たっては、道路整備による効果の早期発現や下水道管などライフラインの整備の手順など、さまざまな条件を踏まえながら慎重に判断する必要がございます。これに加え、区画街路第4号線の沿道における商店街の機能の維持についても配慮する必要がございます。また、交通広場の空間は連続立体交差事業の工事ヤードとしても活用される可能性があることから、こうした条件も十分踏まえながら、用地買収の順序や範囲を適切に定めてまいりたいと考えてございます。 ○南委員 区画街路4号線は、先ほど申しましたように延長区間560メートルありますので、様々なことを考慮する中で、段階的に区間を区切っての整備の形で進めていっていただければなというふうに思います。 次に、今後、用地買収に取り組んでいくためには、区画街路4号線の事業認可が必要であると考えますが、そのスケジュールについてお伺いいたします。 ○山本都市政策推進室副参事(沼袋駅周辺まちづくり担当) 区画街路第4号線沿道の地区計画の検討が順調に進んでいること、また、区画街路第4号線の早期着手を目指す観点から、なるべく早い時期に事業認可を取得する方向で考えてございます。時期としましては、年内の事業認可取得を目指しまして、現在、関係機関と調整を行っており、申請図書などの準備が整い次第、東京都に認可申請を行う予定としてございます。 ○南委員 次に、沼袋駅の南側には、妙正寺川に至る2,800平米の交通広場が計画されておりますけれども、この整備のスケジュールについてお伺いいたします。 ○山本都市政策推進室副参事(沼袋駅周辺まちづくり担当) 先ほどの答弁のとおり、交通広場は連続立体交差事業における工事ヤードとして活用される可能性があることから、なるべく早期に事業に着手する必要性があると考えてございます。連続立体交差事業の早期完了並びに連続立体交差事業を契機としたまちづくり、これを円滑・効果的に進めていくという観点も踏まえながら、交通広場を早期に整備できるよう東京都や鉄道事業者等との協議や、区として用地測量や物件調査などの準備も着実に進めてまいります。 ○南委員 また、沼袋の交通広場の南側につながる形で、平和の森公園周辺地区の地区集散道路第3号の拡幅が計画されておりますけれども、その整備の進捗状況についてもお伺いいたします。 ○安田都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 地区集散道路第3号は、平和の森公園周辺地区の地区計画において地区施設道路として拡幅が計画されてございます。本道路につきましては、西武新宿線沿線まちづくりの事業化を踏まえ、道路の西側部分を中心に拡幅に向け用地折衝を積極的に進めるところでございます。 ○南委員 中井-野方間の連続立体交差事業が平成32年度完了目標ということになっておりますので、当然そのときまでには先ほどの交通広場もできていなければなりませんし、交通広場が当然できていても、地区集散道路が全然進んでいないとなれば、非常に整備としては不完全になってしまいますので、さらに進められるようによろしくお願いいたします。 次に、区画街路第4号線が整備されますと、現状6メートルの道幅で歩道を含めて14メートルに拡幅されます。バスや車が双方通行できるようになるというふうに聞いておりますが、その際、重要な課題の一つである商店街の活性化策を考えなくてはなりません。区画街路4号線が商店街であることを踏まえますと、対面に渡りやすく歩行者に優しい道路整備が必要と考えますが、この点につきまして、区の考え方をお伺いいたします。 ○山本都市政策推進室副参事(沼袋駅周辺まちづくり担当) 昨年9月に策定しました西武新宿線沿線まちづくり整備方針においては、区画街路第4号線沿道が商店街であることに鑑み、自動車の速度抑制などの方策の検討や、歩行者が対面に渡りやすく、安心して歩くことのできる交通環境の創出を図ることなどを記載しており、これらの実現に向けた検討を進めているところでございます。今後は、対面に渡りやすい道路のイメージの検討とともに、商店街におけるにぎわいのあり方なども考慮しながら、区画街路第4号線の道路のあり方について、学識経験者等の意見も聞きながら、幅広く検討を進めてまいります。 ○南委員 今のところ、この区画街路4号はなだらかな坂道にもなっておりますので、そういう交通規制とか様々な方策も考えていかなければならないと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、野方駅東側に位置する沼袋第4号踏切は、連続立体交差事業の開削区間に当たるため、事業が完成した後には平面での通行が遮断されてしまいます。沼袋第4号踏切の除却後も、バリアフリーに配慮して南北をつなぐ交通動線を確保するため、連続立体交差事業にあわせて歩行者と自転車用の立体横断施設を整備する方向で調整中と聞いておりますが、現在の検討状況はどのようになっているのかを伺います。 ○小林都市政策推進室副参事(野方以西調整担当) 平成25年度に沼袋第4号踏切の利用実態調査を区が実施し、歩行者と自転車利用者の交通量を調査いたしました。本年度は沼袋第4号踏切及びその周辺での歩行者と自転車利用者の方向別交通量を観測するとともに、どのような歩行者が利用するかなどの属性も調査し、立体横断施設に求められる機能を検討いたします。その検討結果をたたき台としまして、東京都や西武鉄道、都交通管理者等と協議し、適切な対応策を実施していきたいと考えております。 ○南委員 この沼袋第4号踏切が廃止になれば、当然、自転車の迂回路の整備が必要になってくると思いますけれども、どのような対策を講じるのか、また、交通管理者との協議の状況など、現在の検討状況をお伺いいたします。 ○小林都市政策推進室副参事(野方以西調整担当) 平成26年度に沼袋第4号踏切を中心とした周辺道路の自動車交通量を調査した結果をもとに、平成27年度は自動車の迂回状況を把握するために交通シミュレーションを実施いたしました。その結果を交通管理者に情報提供するとともに、自動車の迂回に伴う安全対策について事前協議をしております。今後の進め方につきましては、連続立体交差事業の事業主体である東京都とも連携しながら対応してまいります。 ○南委員 ぜひ連携をとりながら調整していただきたいと思います。 次に、今年の3月に連続立体交差事業の新規事業化について、新規事業化を検討している区間のうち、西武新宿線の野方駅から井荻間及び井荻駅から東伏見駅間、京浜急行本線、品川駅から北品川駅付近の3区間を社会資本整備計画に位置付けられ、事業化に向けて一歩踏み出すこととなりました。野方駅から井荻駅間がいち早く連続立体交差事業として事業化されることが重要であり、中井駅から野方駅間の工事が現在進行しているということから、今後、区としてどのようなまちづくりを進めているのか伺って、この項の質問は終わります。 ○小林都市政策推進室副参事(野方以西調整担当) 現在事業中の西武新宿線中井-野方駅間連続立体交差事業の工事が完了するまでの間に、野方-井荻駅間の連続立体交差事業が工事着手されることを区は目指しております。野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅周辺地区のまちづくり検討会で平成30年度上半期を目途にまちづくり構想をまとめることとしておりまして、この検討会の構想を踏まえ、区として平成31年度当初に西武新宿線沿線まちづくり整備方針を策定いたします。 今後、区は交通広場を含む区画街路の都市計画決定など行い、東京都の連続立体交差事業の都市計画の手続と同時に進めることで、東京都の連続立体交差事業の早期事業化を促し、連続立体交差事業と連携したまちづくりを進められるよう全力を挙げてまいります。 ○南委員 ぜひ、この野方-井荻駅間、これはもう地元の方々、また商店街の方々、皆さん待ちに待ち焦がれている事業でありますので、全力で事業化させる方向で努力をお願いしたいと思います。どうもありがとうございます。 それでは、次に、成年後見制度の充実についてお伺いいたします。 平成27年度の中野区各会計歳入歳出決算説明書によりますと、成年後見制度推進事業の支出済額は753万1,786円となっております。それから、平成26年度の中野区各会計歳入歳出決算説明書では、この成年後見制度推進事業の支出済額は847万7,924円となっております。成年後見制度推進事業の支出済額としましては、前年度より94万6,138円の減というふうになっておりますが、これはどのような理由からでしょうか。お伺いいたします。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 平成26年度に成年後見支援センターの環境整備といたしまして、パソコン等の備品購入を行ったことによりまして、平成26年度執行額が増額になったことが主な要因でございます。 ○南委員 わかりました。ありがとうございます。 それでは、次に、認知症などの高齢者、知的・精神障害者などの生活や財産、権利を守るために成年後見制度を利用するときにかかる費用の助成制度が、中野区においても平成27年度から導入がなされました。内容としましては、費用負担が困難な親族申し立ての場合にも適用ができ、審判請求に必要な手数料と鑑定料も含まれております。平成27年度の実績はどのようになっているのかを伺います。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 平成26年度に導入いたしました成年後見制度申し立て費用助成制度の実績は1件、10万8,300円でございました。 ○南委員 1件ということでありますね。 次に、成年後見制度の報酬についてお伺いいたします。 中野区では、費用負担が困難な親族申し立ての場合も含み、後見人等への報酬の支払いが困難な低所得者に対して区が助成金を支給しております。その助成額は、在宅生活者には月額2万8,000円以内、施設入所者には月額1万8,000円以内となっております。これは介護保険の地域支援事業の任意事業である成年後見制度利用支援事業による制度で、平成24年4月1日の障害者自立支援法改正により、成年後見制度利用支援事業が必須事業に格上げされたものであります。 そこで、成年後見制度利用支援事業の後見人等の報酬に係る費用助成の手続の手順について、お伺いいたします。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 助成制度の手続についてでございます。本人または成年後見人等が、成年後見支援センターまたは区に助成の申請を行います。次に、助成決定を受けた後、家庭裁判所の報酬付与審判の請求を行います。そして、家庭裁判所の報酬付与審判で決定された金額と区の基準のうち、少ないほうの金額を助成しております。 ○南委員 区の助成と審判された少ないほうで助成をするということであります。 次に、この制度を毎年どのくらいの方が申請されて支給対象になっているのか。過去5年間の実績というのをお伺いしたいと思います。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 高齢者に係る後見人等報酬費用助成の実績でございます。申請者全員が支給対象となっておりまして、平成23年度2件、平成24年度3件、平成25年度2件、平成26年度5件、平成27年度5件でございました。 ○南委員 後見人等の報酬助成額が予算額を上回ったことがあるかどうか。その辺、お伺いしたいと思います。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) これまで報酬助成額が予算額を上回ったことはございません。 ○南委員 次に、この後見人等の報酬助成の申請者は、本人または成年後見人等になっておりますが、区長申し立ての場合には本人が申請することは難しく、後見人等が申請することになってまいります。その際、区で助成決定がなされ、家庭裁判所による報酬付与の審判がなされて、支給が決定した場合には、その助成金額は被後見人の口座に入るのか、後見人の口座に入るのか、どのような対応になるのかをお伺いいたします。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 原則、被後見人の口座に振り込むこととなってございます。 ○南委員 次に、成年後見制度を推進する社会福祉士の方々で構成する機関に「ぱあとなあ東京」があります。「ぱあとなあ東京」とは、社団法人日本社会福祉士会の1年間にわたる成年後見人養成研修を修了して、後見人等の候補者として東京家庭裁判所に名簿を提出する資格のある東京社会福祉士会所属の社会福祉士の集まりであります。任意後見や法定後見等の受任のほか、お互いの力量向上のための勉強会を開催したり、外部からの相談に応じ、また市区町村の相談に講師を派遣したり、後見等申し立ての支援から適任者の紹介など様々な活動を行っております。 そのメンバーのお一人の方から実情をお聞きしたことがありました。中野区では、区長申し立てを行った方を「ぱあとなあ東京」から紹介され、裁判所より後見人の選任を受け、親身になって活動を続け、一定期間を経た時点で家庭裁判所に後見人報酬の申請をして、月額2万5,000円の認定を受けたということでありました。ところが、その直後に被後見人が亡くなられたために、後見人の責務である財産管理を行い、全ての支払いを終えたところ、後見人の報酬が取れなくなってしまったという事実がございました。 区長申し立ての場合には、ひとり身であったり、たとえ親族がいても疎遠であったりなどさまざまな状況から、被後見人は低所得者であることが多く、後見人の報酬が残らないというのが現実であります。後見人等に係る報酬費用の助成制度の活用を広くお知らせする必要があります。専門家の方々でもまだまだ知らないことがありますので、広報に力を入れるべきとともに、報酬予算の拡充にも踏み込むべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 現在でも成年後見支援センターでの相談や、成年後見制度の説明会等で広く広報を行っているところではございますが、今後も様々な機会を使いまして、周知に努めてまいりたいと思っております。 また、予算の拡充につきましては、成年後見制度の普及と利用促進を図るとともに、報酬助成制度の活用状況を把握いたしまして、その必要性について見極めていきたいと考えております。 ○南委員 次に、後見等における死後の事務についてお伺いいたします。 後見等の業務は、被後見人が亡くなられたときに終了することになっております。後見が終了しますと、後見人の財産管理権、財産、診療看護に関する法律行為の代理権は消滅して、後見人は監督機関である家庭裁判所に対して後見終了の報告をして、法務局に対して後見終了の登記を申請して、後見の清算を行うことになります。その後、被後見人の財産は相続人へと引き継がれます。しかし、本人の死亡直後から、遺体の引き取りであったり、火葬、埋葬、葬儀、法要、永代供養、さらには本人の生前にかかった医療費、入院費、施設費、また、公共料金の支払いなどの事務が発生いたします。後見人は被後見人の死亡により後見が終了しているから、通常の業務としてそれらを行うことができません。 民法654条には、委任が終了した場合において、急迫の事情がある場合には、受任者またはその相続人もしくは法定代理人は、委任者またはその相続人もしくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならないとあります。つまり裁判所の見解は、成年後見人が死後事務を遂行することについて、民法654条の急迫の事情があるとは認めがたく、成年後見人の義務とまでは言えないから、事務管理という他はないであろうというもののようであります。したがって、被後見人等の死亡により、財産の帰属は相続人に移るのであるから、後見人は直ちに後見事務を終了して、他のことは相続人に任せなくてはならないということになります。しかし、被後見人に相続人がいなかったり、もしくは疎遠であったりすることが考えられ、死亡直後に発生する事務に対して、相続人が直ちにこうした事務を行うことができないこともあり、後見人が引き続いて死後事務を行うケースがほとんどであります。 家庭裁判所は、後見人の行った死後事務に対する報酬を認めることはありません。成年後見における死後の事務については、基本的に相続人が相続財産の中から処理するのが原則ですが、相続人が行方不明、音信不通など、ケースによって様々な対応が必要となってくる場面がございます。成年後見における死後の事務の後見報酬について、区として独自の助成制度をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 葬儀や残存家財の片づけなどの死後事務につきましては、東京都の関連団体である公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターがあんしん居住制度の中でとり行っているサービス、また、平成27年度から中野区社会福祉協議会が葬儀や残存家財の片づけなどの死後事務も対応することが可能なあんしんサポート事業を開始してございます。 お尋ねの死後事務についての後見報酬につきましては、成年後見の事務に関わる法改正などが予定されていることから、こうした国の動きも注視しながら研究してまいります。 ○南委員 次に、市民後見人についてお伺いいたします。 中野区では、今年度から独自で市民後見人の養成講座を実施することとなりました。これまでは東京都が主催する社会貢献型後見人の養成講座を活用して、市民後見人の養成を行ってまいりましたが、中野区独自で市民後見人の養成講座が実施できるようになったことは、私はこれまでに幾度も質問を取り上げ要望しただけに、うれしい限りであります。今年度実施されている養成講座の概要を伺うとともに、これまで東京都が主催した養成講座の修了者についてはどのような対応をされていくのか、お伺いいたします。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 今年度の養成講座でございますけれども、初めに「成年後見制度と市民後見人への期待」という講演会を行いました。その後、説明会といたしまして、第2部として「市民後見人養成講習受講者募集」という形で説明会を行いました。それをもとにいたしまして養成講座を実施しておりますが、募集定員20名のところ、12名の方の参加を得られております。講習内容につきましては、制度の理解、関係法規、介護保険制度、高齢者や障害者の理解などにつきまして12回程度講習を行いまして、来年の3月まで実際に講習を含めて講座が続いてまいります。 お尋ねの東京都の養成講座を修了した方たちとのことでございますけれども、今まで修了した方たちと社会福祉協議会で実施しています権利擁護事業に支援者として参加いたしまして、高齢・障害の施設、または在宅訪問での実習などを行って、知識や経験を積んでいただくというような形になってございます。 ○南委員 最高裁判所の平成27年の調査では、親族が成年後見人等に選任された比率は全体の29.9%で、親族以外の第三者が成年後見人等に選任された比率は全体の70.1%となっています。親族以外の第三者の後見人の比率が高くなる中で、専門職の後見人には限界もあることから、市民後見人の必要性が高まってきております。しかし、市民後見人にはボランティア的な要素が求められており、後見等の報酬も実費程度しかありません。市民後見人の養成をさらに促すためには、市民後見人の後見報酬にも助成する必要があると思いますが、区の見解をお伺いいたします。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 市民後見人に対しましても、現在行っている後見人等報酬助成制度を運用いたしまして、家庭裁判所の報酬付与の審判で決定された額の範囲の中で対応していきたいと考えてございます。 ○南委員 次に、認知症や精神障害などで判断能力が十分でない人にかわり財産管理などの支援を行う成年後見制度の利用促進を図る「成年後見制度の利用の促進に関する法律案」が4月8日に衆議院本会議で可決され、成立いたしました。4月15日に公布され、一部を除き、5月13日に施行されたところであります。同法は制度の利用促進とそれに伴う施策を総合的・計画的に推進することを明記、後見人の担い手を増やすことが狙いであります。同時に、後見人の不正防止などの措置を講じる旨の附帯決議がつけられました。同法の具体的な内容には、一つには、政府による成年後見制度利用促進基本計画の策定、二つ目には、内閣府に首相を会長とする成年後見制度利用促進会議を設置、三つ目には、内閣府に政策策定のための調査審議を行う成年後見制度利用促進委員会を設置するなどが盛り込まれております。 被後見人の権利制限については、検討、見直さなければならないとし、必要な制度上の措置を施行後3年以内に整備することも定められました。市町村に対しては国の基本計画に勘案した上での地域ごとの基本計画策定を、都道府県に対しては市町村への援助を、それぞれ努力義務として求められております。また、8月6日には、ともに提出された成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案も可決され、被後見人宛ての郵便物の転送と開封が認められるなど、後見人の権限が拡大されることとなります。公布から半年以内に施行される予定となっております。 この法律制定をもとにしまして、中野区としても成年後見制度の利用促進のための基本計画の策定をすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 今後、国の成年後見制度利用促進基本計画の検討状況などを勘案しながら、区としての基本計画策定について検討してまいります。 ○南委員 この新しい法律、改正されて、この基本計画ですね、ぜひとも前向きに取り組んでいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 ○若林委員長 南委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。13時まで委員会を休憩します。 午前11時57分休憩
午後1時00分開議 ○若林委員長 委員会を再開します。 南委員の質疑の途中ですが、理事者側から先ほどの答弁に対し修正したい旨ありましたので、これを許可します。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 先ほどの南委員の質問の成年後見制度の充実についての中で、平成27年度から導入された助成制度の実績について御質問いただきました。その答弁の中で、平成27年度と申し上げるところを平成26年度と申し上げてしまいましたので、訂正させていただきます。申しわけございませんでした。 ○若林委員長 では、質疑をどうぞ。南委員。 ○南委員 午前中に引き続きまして、あとしばらくお時間を、おつき合いを願いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、質疑を続けさせていただきます。 最近、後見人の権限を悪用して、被後見人の本人を守るどころか、財産を使い込むなどの不正を行った報道がございます。最高裁によりますと、後見人の不正は平成26年1月から平成27年12月までの2年間で不正件数は1,352件、被害総額は86億4,000万円に上ります。ほとんどが親族の不正であります。このような不正防止のために、平成24年の2月から後見制度支援信託が導入されました。家庭裁判所は調査の上、大口資金を信託銀行に預けるように指示ができ、介護施設の入所時にまとまった資金が必要な場合は、家庭裁判所から承認を得なければならないので、不正を防げることになります。成年後見制度の充実を図る上からも、後見制度支援信託の周知を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 後見制度支援信託の周知につきましては、パンフレット等で御案内しているところでございますが、ホームページ等でもさらに工夫しながら周知を図ってまいります。 ○南委員 次に、成年後見制度の自治体に対するメリットとして、後見制度が利用されることで生活保護や介護保険の運用が適切に行われたり、後見人が本人にかわって税金を納めることができたりすることや、市民が後見人として活動することで地域に新たな仕事をつくることができるなど、さまざまに考えられますが、区としての見解を伺います。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 意思能力が低下した方の権利が守られ、安心した暮らしが保障されることが大きなメリットであると考えております。波及効果といたしまして、税や保険料の確保、市民後見人としての社会参加など、地域貢献の機会も期待されると認識してございます。 ○南委員 次に、法人後見について触れたいと思います。 増大し、多様化する後見人のニーズに対して、第三者の後見人として弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職後見人が受任するケースも増えてきておりますが、対応にはもう限界が生じてきております。そのために、被後見人との親族関係が破綻していたり、低所得者のために後見報酬が負担できなかったり、金銭的な課題はもとより、精神的疾患が原因で日常生活に関する課題を抱えている場合など、自然人では対応ができないときには、組織機関による対応が必要となってまいります。つまり、法人後見が重要となってくるわけであります。これまで予算特別委員会の総括質疑や一般質問で、法人後見の必要性から、千葉県社会福祉協議会が作成した法人後見マニュアルを取り上げ、区としても作成すべきとの提案に対して、マニュアルの提案も含めた支援策につきましては、社会福祉協議会とも相談しながら検討していきたいとの答弁をいただきましたが、現在での検討状況、これをお伺いいたしたいと思います。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 現在、法人後見を行っている社会福祉協議会の成年後見支援センターの運営委員会におきましても、マニュアルを含め、法人後見の支援についての議論を進めておりまして、引き続き社会福祉協議会とも協議しながら検討してまいります。 ○南委員 現在、中野区には法人後見を担うNPO法人はございません。今後、区としての成年後見制度の施策展開として、法人後見の充実を図るとともに、中野区全体の後見制度の裾野を広げる手だてとして、NPO法人の設立へ向けた支援策などの充実を図っていく必要があると考えております。他の自治体でのNPO法人の成功事例などの講演会や講座を開催するなどして、そこで集まった方々のグループづくりの橋渡しをしたり、NPO法人の設立への支援をしたりなど、充実を図る施策が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 委員御提案のようなNPO法人の成功事例などの講演会や講座の開催を含めまして、法人後見を担う法人への支援につきましては、引き続き社会福祉協議会とも協議しながら検討してまいります。 ○南委員 次に、2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住みなれた地域で暮らし続けられるように、医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるように、地域包括ケアシステムの構築が重要となってきますが、その際には成年後見制度の位置付けが必要であると考えられます。そのために権利擁護事業を手がけている成年後見支援センターと介護や福祉サービスを支援している地域包括支援センターとの役割分担をどのようにするのか、また、成年後見支援センターと地域包括支援センターとの連携強化が必要と考えますが、地域包括ケアシステムの構築における成年後見制度の位置付けについての区の見解をお伺いします。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 高齢者の介護予防や保健・福祉などに関する総合相談、支援を行う地域包括支援センターとの連携は、地域包括ケアシステムの構築に向けて大変重要と考えております。地域包括支援センターにおいての相談・支援業務の中で、成年後見制度の活用が必要な場合には、後見等の申し立て手続等の支援をしている成年後見センターとさらに連携の強化を図っていく必要があると認識してございます。 成年後見制度の位置付けにつきましてですが、地域包括ケアシステムにおいて成年後見制度の活用は、高齢者、障害者などの権利擁護を図り、安心な暮らしを実現するために欠かせない施策であるというふうに考えてございます。 ○南委員 次に、成年後見制度の広報の充実について伺います。 これまで区報では成年後見制度の特集記事として、2009年9月5日号に1ページ掲載されたことがありますが、それ以来一度も特集としては掲載されたことがございません。今後ますます成年後見制度の必要性が高まってくる中、あらゆる方面に向けて成年後見制度の広報の発信をしていくことはもとより、区報での特集記事に力を注ぐべきであると考えますが、いかがでしょうか。伺います。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 成年後見制度の周知につきましては、講演会や民生委員協議会の場を活用するなど、様々な機会を捉えて行っているところでございます。区報での特集記事の掲載につきましては、社会福祉協議会とも協議しながら、時期、内容など具体的に検討してまいります。 ○南委員 ぜひ特集記事ですね。区報は全戸配布になっておりますし、この成年後見制度に詳しく興味を持っていただくには非常に重要と考えておりますので、よろしくお願いいたします。 成年後見制度が施行されてから、介護保険制度と同時ですけれども、16年がたちますが、まだまだ利用者が少ない現状がございます。また、区内にどれぐらいの被後見人の方々がおられるのかも把握がきちっとできない状況でございます。その背景には、成年後見制度の認知度が低いことや、専門職の後見人を立てた場合には費用が様々にかかるなどのような課題がございます。また、後見人の担い手不足や後見報酬の助成などの様々な課題もございます。現状での中野区における成年後見制度の取り組みについて、区長の見解をお伺いして、この項の質問を終わります。 ○田中区長 成年後見の問題について、以前から南委員が大変問題意識をお持ちだということを感じております。私も同感に思っているところです。 要介護者の人数でありますとか、それから、平均寿命が大変延びていっているという長寿化とか、ひとり暮らしの多い中野区とかいうような全体の状況を考えますと、成年後見がまだまだ認知度も足りないし、需要もあるべき方たちが求めていないし、また、それに対する供給の体制ということも必ずしも十分でないというような状況というふうに感じているところです。こうした状況を全体的に捉えて、成年後見ということがもっと普及していく、当たり前にみんなが使えるようになっていく。そして、信頼できる後見人が活動してもらえると、そういった状況を中野区でつくっていくということが大変重要であるというふうに認識しております。 ○南委員 ありがとうございます。先ほど区長もおっしゃられていましたけれども、世間的にも成年後見制度の認知というのがまだまだ低いということがありますので、ぜひとも成年後見制度、介護保険制度と同時スタートでございましたけれども、どうしても介護保険制度のほうが注目を浴びることになってまいりますので、成年後見制度の認知、周知に全力で努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、次に空き家対策について伺います。 居住者がいないまま放置されている空き家が全国で増え続けております。空き家が今にも崩れそうで心配であるとか、壊れた窓や木から不審者が出入りをして怖いなど、空き家の近隣からの不安の声を聞くことがございます。適切な管理が行われていない空き家では、防犯、防災、衛生、景観などで地域住民の生活環境に大きな影響を及ぼしかねません。 日本全国の空き家件数は年々増加を続けており、平成25年に総務省が調査を行った住宅・土地統計調査によりますと、総住宅数は6,063万戸と、5年前に比べ5.3%増の305万戸増加しておりまして、820万戸が5年前と比べ、8.3%増の63万戸が増加している現状です。空き家率も13.5%と0.4ポイント上昇し、過去最高となりました。 今年の5月26日に空き家対策特別措置法が全面施行され、自治体の権限が法的に位置付けられ、空き家対策が本格的にスタートすることとなりました。倒壊のおそれや衛生上の問題のある空き家の所有者に対して、自治体が撤去や修繕勧告・命令をできるようになりました。勧告を受けると固定資産税の優遇を受けられなくなります。さらに、命令に違反した場合には50万円以下の過料にも処せられ、強制撤去も可能となりました。 空き家対策特別措置法では、具体的に各自治体が行う施策までは定めておらず、基本方針が示されたにすぎません。各自治体での具体策が重要となってまいります。昨年の第4回定例会の委員会で、空家等の対応及び活用に係る基本的な考え方について報告がなされましたが、その中に、全区的に空き家の実態調査を実施して、情報のデータベース化を図り、空き家対策の基礎的資料として活用していくとありましたが、現在での実態調査の状況はどのようになっているのか、また、そのスケジュールについてお伺いいたします。 ○塚本都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) 空き家実態調査につきましては、区内全域の主に一戸建ての住宅を対象に空き家の調査を行い、建物の構造や敷地の状況など、それらを確認するとともに、所有者へのアンケート調査を予定しております。現在、調査委託契約に関する手続を進めているところでございます。調査委託契約の後、10月からは実態調査に着手しまして、来年の1月をめどに調査結果をまとめる予定でございます。 ○南委員 平成24年度には、東京都の緊急雇用創出事業を活用して空き家の実態調査を実施したところが、都内の自治体には江戸川区とか三鷹市、小金井市、青梅市などがございますが、今回、中野区での実態調査のための事業費はどこからの補助金なのか、どういったものを活用されているのか、伺います。 ○塚本都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) 空き家実態調査費に関しましては、国の社会資本整備総合交付金の対象となっておりまして、補助率は事業費の45%となっております。また、東京都の空き家利活用等区市町村支援事業、こちらの対象にもなっておりまして、事業費から国の補助金を除いた額に対しまして、2分の1の補助がされることになっております。 ○南委員 これまで空き家の所有者を特定することは非常に困難でありました。登記簿を追ってもまた同じ状況になり、空き家の所有者を見つけ出すことができませんでした。今では固定資産税の情報開示が可能となり、空き家の所有者を特定することができるようになりました。これまで空き家の所有者を特定するのに固定資産税の情報開示を受けた件数は何件ありますでしょうか。伺います。 ○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 特措法施行前に中野都税事務所と手続の進め方等について事前協議をして様式等を定め、施行後第1号の情報開示請求を行いました。平成28年8月末現在で22件の情報開示請求を行ったところでございます。 ○南委員 それらの空き家に対して、情報開示によって所有者が特定でき、また、助言や指導、勧告、命令ができるようになったと思うんですが、特定された所有者に対して是正措置は行ったのか、また、その結果はどのようになったのかを伺います。 ○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 都税事務所調査の結果、解決に至ったのは22件中14件でございます。指導内容としては、現状の写真を添付した是正文書を発送し、所有者からの連絡を受けて、口頭でさらに是正を指示してきたところでございます。また、連絡がない場合には定期的に文書を発送し、継続的指導を行っております。これにより、8月末現在、除却が5件、売却が2件、建てかえが4件、修理が1件、樹木の伐採が1件の改善が図られております。また、調査した結果、空き家ではなくて、居住者が1人いたというようなケースも1件ございました。 ○南委員 わかりました。ありがとうございます。 では、次に、空き家条例について伺います。 これまで空き家対策は各地方自治体に任されており、そのため全国272の自治体では独自の条例を制定するなど空き家対策を推進してきております。足立区の条例では、勧告によって建物を解体する場合には、木造で50万円、非木造で100万円を上限に工事費の半額が助成されることになっております。また、所有者みずから危険な状態で解消できない場合には、所有者の同意を得た上で、例えば、はがれかけの外壁を除去するなど、必要最低限の処置である緊急安全措置を区が実施できるとしております。 また、荒川区では、先月末ごろに空き家対策特別措置法に基づく対策推進条例の骨子素案を取りまとめました。素案には、空き借家や空きアパートで借家人が放置した家具や衣服などの動産を区が建物所有者にかわって保管・処分する代行措置を盛り込んだものであります。現行制度では動産に関して明確な根拠規定がなく、空き家の建てかえや解体時に借家人の動産が残っている場合に、建物所有者が借家人に対して訴訟を起こすことになり、所有者が費用負担を避けるため、解体等に踏み切れない場合があります。そんな場合には区が代行措置を行い、費用は借家人に請求する規定を盛り込み、所有者の空き家の解消を促す内容となっております。 老朽化した危険家屋に対する実効性のある条例制定に踏み切った足立区のような空き家対策や、動産の処分規定を盛り込んだ荒川区の空き家対策の取り組みに対して、区としての見解を伺います。 ○塚本都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) 特定空き家に対する指導・勧告につきましては、条例によらず、空き家特措法や国のガイドラインに沿った対応が可能であると考えております。一方で、空き家実態調査をもとに区の空き家の実態についての分析を行っていく中で、区としてさらに踏み込んだ対応が必要であると考えられる場合におきましては、区として空き家対策条例策定の必要性について十分に検討してまいりたいと考えております。 ○南委員 次に、自治体における空き家バンクの取り組みについて伺います。 空き家バンクとは、自治体などが地元の空き家情報や移住に関する情報をインターネット上に公開することによって、地域の活性化を図る取り組みであります。空き家バンクは様々な自治体で取り組んでおりますが、一般社団法人地域活性化センターが2010年に行った空き家バンクを活用した移住・交流促進調査でその現状を知ることができます。 その調査によりますと、空き家バンクを開設している割合は、市町村では54.4%、都道府県では25.7%、今後実施する計画のある自治体は、市町村では13.8%、都道府県では5.7%となっておりまして、空き家バンクは市町村レベルで積極的に取り入れられております。今後取り入れる予定の自治体も多いことになっております。空き家率は現状のままではさらに上昇していく傾向であり、空き家率の上昇に歯どめをかけるためには、空き家の除却を増やしていくのか、新築戸数を減らし、中古住宅の活用を進めていく必要があります。そのためには、自治体で取り組んでいる空き家バンクの仕組みが有効であると思いますが、いかがでしょうか。伺います。 ○塚本都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) 空き家バンクでございますが、民間事業者による不動産情報の提供が充実していることもありまして、都内におきましては、これまで空き家バンクの実績はほとんどないと聞いております。一方で、区内には賃貸あるいは売却物件として情報公開されていない空き家が多数存在しているものと考えられます。そうした空き家につきましては、今回の空き家実態調査によって所有者の意向も含め、実態を把握していきたいと考えております。その上で、不動産事業者等とも意見交換を行いながら、空き家バンク設立の可能性について検討してまいりたいと考えております。 ○南委員 奈良県の葛城市では、地方創生事業を利用して空き家対策を行っております。地方創生加速化交付金を活用して空き家をリノベーションして、保育園ではないですが、キッズスペースとワーキングスペースを提供するという取り組みが今月から開始されたところであります。奈良県の葛城市のような空き家対策、地方創生事業を活用した空き家対策も有効と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。伺って、私の全ての質問を終わります。 ○塚本都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) 他自治体の事例を参考にしつつ、国や東京都の空き家に関する制度の活用であったり、民間との連携を図りながら、地域貢献につながるような空き家利活用の仕組みづくりについて検討してまいりたいと考えております。 ○南委員 空き家対策はこれから実態調査に入ってデータベース化して、区としてどうやっていくのかというのがこれから試されることになりますので、どんどん空き家が増えていっている状況ですので、区全体として全力で取り組んでいただきたいということを御要望させていただいて、全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○若林委員長 以上で南かつひこ委員の質疑を終了します。 次に、長沢和彦委員、質疑をどうぞ。 ○長沢委員 2016年第3回定例会決算特別委員会におきまして、日本共産党議員団を代表して総括質疑を行います。 初めに、2015(平成27)年度決算について伺います。 その最初に、特別会計について。初めに、国民健康保険事業特別会計についてお伺いいたします。 保険者支援制度の公費の活用について、再三取り上げてきたところでございますけれども、保険料の引き下げを求め、改めてお伺いいたします。国の2015年度の保険者支援は約1,700億円が計上されました。中野区では、第5次補正予算で一般会計繰入金の保険基盤安定繰入金に3億円を計上しております。また、今年度も当初予算に3億円が計上されておりますが、そのとおりでよろしいでしょうか。まず確認させてください。 ○渡邊区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成27年度に国の保険者支援制度の拡充が図られました。区でも補正予算で保険基盤安定繰入金に約3億円を追加計上したところでございますが、今年度の当初予算につきましても、昨年度とほぼ同額の繰入金を計上してございます。 ○長沢委員 全国では市町村国保への保険者支援の活用を前提とした保険料、税の引き下げが広がりました。しかし、中野区を含めた特別区においては、一般会計繰入金の削減に使ったとしております。そのとおりでよろしいですか。こちらを確認させてください。 ○渡邊区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 保険者支援制度の拡充は、保険者の法定外繰り入れを解消することを目的としておりますので、財政支援の拡充分につきましては、一般会計から法定外繰入金に充当しております。 ○長沢委員 保険者支援制度は、国が法定減免7割、5割、2割の拡充を行い、その際に、今御説明があった保険者、中野区でありますけれども、こうした自治体の保険料収入の不足分を補うための保険者への支援と言われております。それでは、この中野において7割、5割、2割減額の世帯数はどう変化しておりますか。お聞きします。 ○渡邊区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 保険料の均等割額の7割と5割と2割の軽減世帯数の変化でございますが、保険料軽減制度の拡充によりまして、7割軽減分につきましては、平成27年度2万4,399世帯、平成26年度が2万3,416世帯、983世帯増加してございます。5割軽減世帯分が、平成26年度が5,408世帯から5,717世帯、309世帯、約5%増加してございます。2割軽減世帯につきましては、4,754世帯から4,858世帯、104世帯の増加、約2%の増加となってございます。 ○長沢委員 今、増加したというところにおいて、要するに保険者支援とはいえ、その金額自身は応能負担のほうに充てられているというふうに見ていいんですか。 ○渡邊区民サービス管理部副参事(保険医療担当) そのとおりでございます。 ○長沢委員 先ほども触れました。一方で国は、被保険者の保険料の引き下げにも活用してよいと、こういうふうにも言っているわけです。だからこそ、自治体によっては保険料の引き下げが行われました。厚生労働省は、被保険者1人当たり約5,000円の財政改善効果だとしておりました。保険料の引き下げに活用すべきではなかったかというふうに思っております。 それで、特別区長会では保険者支援を活用しての保険料引き下げについては議論もなかったと言ったと。来年度の保険料算定に向けて、23区の区長会では議論がもう既に始められているというふうにも聞きます。年度末の支給とはならないために、区長会での議論、そのためにも事務サイドで、この制度を活用しての保険料引き下げの議論を行っていくべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。 ○渡邊区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 特別区では保険料を下げるために、既に国の政令基準よりも多くの区の一般財源を法定外の繰入金に充当しておりますので、財政支援の拡充分につきましては、保険者支援制度の目的に沿って、国民健康保険の財政基盤強化のために活用したところでございます。 また、保険者支援制度の拡充は、繰り返しになりますけれども、法定外の繰り入れを解消することを目的としておりますので、特別区の課長会におきましても、財政支援の拡充分を保険料の軽減に活用すべきといった意見はございませんので、議論はしてございません。 ○長沢委員 国民健康保険のこの制度は、他の協会けんぽなど公的医療保険に比べ、高齢者や低所得者層が多く加入しているという構造的な問題が今抱えられています。結果、高過ぎる保険料や財政悪化につながっているというふうに認識しています。そのことは、国民が必要な医療を受ける大きな障害にもなっていると思います。保険料の引き下げは喫緊の課題であり、そのためには国庫負担の抜本的な引き上げこそが必要であります。国庫負担の引き上げにつきましては、常々私たちは区長にもそのことを求めてきましたが、区は要望しないと言い続けていっています。求めない。しかも、区は保険料の引き下げをやらないのでは、結果、被保険者に負担を押しつけていることになりませんか。社会保障制度であり、国民皆保険制度の要であるのが国民健康保険です。国にきちんと財源を求めるべきだと思いますが、いかがですか。 ○渡邊区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成27年度の国民医療費の総額は41兆円を超え、国の財政負担も大きなものとなっております。今後、高齢化の進展に伴いまして、さらに増加することが見込まれておりますので、今以上に国庫負担の大幅な増額を国に求めることは現実的でないと考えてございます。 ○長沢委員 国保に対する国庫負担の引き上げ、言ってみれば、下げてきたものを少なくとも戻すべきだということも含めて求めてきたけど、そういうことを言うと、国の社会保障全体の話になる。そういう財源の話をするのであれば、私たちも当然ながら、財源を切り替えてというものがあります。少なくとも、やっぱり今の国保の被保険者の現状を見て、改めてこれは求めていただきたいということを要望しておきます。 最後に1点。平成28年第2回定例会で小杉議員の質問で求めたことでもありますけども、保険料ランク別の収納率の区分を細分化して、現在の決算の資料、区民委員会の資料にも出ておりますけども、その区分を細分化して、より保険料額に応じた実態把握に努めるべきではないか、こんなふうに思っておりますけど、その点についてはいかがでしょうか。 ○渡邊区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 被保険者の状況、状態は様々でございます。国民健康保険料のランク別区分を細分化することよりも、個別の事情に即しまして、聞き取りなどをして、実態に即した対応をしてまいりたいと考えてございます。 ○長沢委員 私たち、この問題を取り上げた際に、いつもそちらからの答弁は保険料適正というようなことも言われます。あまりに被保険者の暮らしの実態とかい離している。だからこそ、そういう資料においても求めたところであります。相談・問い合わせなどの把握はもちろんのこと、収納状況から保険料が本当に適正であるかどうかを解することができるというふうに考えておりますので、改めて、この点についても行うべきではないかということを要望しておきたいと思います。 この特別会計の二つ目に、介護保険について伺います。 2015年度は、医療介護総合確保推進法により、改悪により様々な給付削減と負担増が行われました。その一つは、要支援者の訪問介護と通所介護を保険給付から外し、市区町村が主体である地域支援事業、介護予防・日常生活支援総合事業、新総合事業に移行いたしました。二つ目には、特別養護老人ホーム入居者を原則要介護3以上に限定する。三つ目には、介護施設の部屋代や食事代を補助する補足給付を縮小いたしました。四つ目には、合計所得160万円以上の人を対象に、制度始まって以来の利用者負担割合を2割に引き上げる、こういったことが行われたわけでございます。 1項目めの新総合事業は、中野区においては来年度を予定していますね。他の3点について、区民への影響についてお伺いいたします。 ○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 3点、お尋ねがございました。 まず、1点目の特別養護老人ホームの入所に関しては、これまでも、より介護を必要な方から優先して入所できるよう、区が指針を定め、その結果、入所者の平均介護度は要介護4となってございまして、申し込みが原則要介護3以上となっても、大きな影響はないというふうに考えてございます。 次に補足給付、いわゆる特別養護老人ホームなどの介護保険施設のサービスの利用に当たりまして、利用者が負担する居住費や食費の負担を軽減することでございますけれども、今回、単身であれば預貯金1,000万円を超える方や、また、別世帯の配偶者が課税されている場合などにつきまして、この制度の対象から除くといったものでございまして、所得に応じた適切な負担をしていただくものでございます。平成27年度のこの負担限度額の対象といたしまして、認定した人でございますけれども、前年度から604人減りまして、1,559人というふうになってございます。 最後に、利用者負担割合の見直しといったところでございますけれども、こちらに関しましては、原則として、本人の合計所得金額が160万円以上の方の利用者負担割合を1割から2割にさせていただいたものでございます。今年の3月の時点で、該当者は2,423人でございまして、介護サービス利用者のうち、所得の高いほうの方から18.3%の方が対象になっているといったようなものでございます。 ○長沢委員 御説明いただきましたけど、中野区内においても、やはりかなりの方が影響を受けたというふうに思っております。今、政府のほうでは、65歳から74歳までの利用者負担割合を所得にかかわらず2割にしていくことや、要介護1・2の人も保険給付から外して、訪問介護の生活援助を自己負担か地域支援事業に移すなど、さらなる改悪も狙われています。保険あって介護なしを進める改悪をこれ以上許してはならないというふうに思っております。このこと自身は指摘しておきたいというふうに思います。ありがとうございます。 二つ目に、一般会計について。 政府は、消費税の増税分は全額社会保障費に充てると言ってきました。いかにも社会保障費が大きく増えるかのような宣伝でありますけども、しかし、実際には2015年度の予算で社会保障の充実に充てられたのは、税率5%から8%の増税額8.2兆円のうち1兆3,500億円、割合にして16%だけでありました。残りは現行の社会保障施策に充てられていた他の財源を消費税に置き換えるだけにすぎなかったことが明らかとなりました。 歳入のところで、地方消費税交付金についてお伺いします。地方消費税交付金は、2014年の消費税5%から8%の増税の影響による平年度化により、前年度比31億6,000万円余、77%増の72億7,600万円余となりました。消費税引き上げによる増収分は、医療、介護、子ども・子育てなどの社会保障施策に要する経費に充当する分として、34億5,900万円余となっています。どの事業に充当されて使われたのか、お伺いいたします。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) 地方消費税引き上げによる増収分34億5,900万円余についてでございます。医療、介護、子ども・子育て等の社会保障施策に要する経費の一般財源に充当することとなってございます。具体的には、主要施策の成果4ページに記載させていただいてございますが、保育所等運営事業、児童手当、児童扶養手当、国民健康保険事業などの一般財源に充当しているものでございます。 ○長沢委員 消費税増税前の2013年度の決算値より、この年度も、この決算年度、健康福祉費や子ども教育費などは増えています。普通会計による民生費も増えています。しかし、2015年度の予算現額から見れば不用額も大変大きい。一方、歳入である地方消費税交付金は、予算現額に比して7,600万円余増えてもいます。一つひとつの事業にどう充てられたかまではわからないわけでありますけども、間違いなく社会保障施策に充当されたと、こういうふうに言えますか。改めて伺います。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) 地方消費税交付金、こちらにつきましては、一般財源でございます。このため、主要施策の成果4ページ、先ほど御答弁申し上げたとおり、こちらに記載のとおりの社会保障施策に係る経費に充当しているものでございます。 ○長沢委員 先ほど国民健康保険事業特別会計のところで触れましたけども、この保険者支援制度のお金も、もともとは消費税自身が8%になった際の増税分、これを財源として、国がこういう保険者支援制度というのを設けました。先ほどのお話でありますと、これ自身が保険者に引き下げ、要するに、一人ひとりがどうなったのかというところに使われたわけではないということもありました。今おっしゃられたように、もともと消費税は目的税ではありません。地方消費税交付金も一般財源であります。社会保障施策の充実に使われたかはすっきりとはわからない。そもそも低所得者ほど負担が重い逆進性の強い消費税を社会保障の財源とすることはふさわしくないということだけは申し上げておきたいと思います。 次に、実質収支と積立金との関係で伺います。 財政調整基金繰入金は、収入済額は34億9,800万円でございました。予算現額は36億8,517万2,000円です。その差は1億8,717万2,000円。これまでの区の説明では、この金額が歳入歳出の決算上で調整されていたというものであります。2014年度、平成26年度の決算の際には、財政調整基金繰入金はゼロでありました。また、それ以前まではかなり大きな金額が、今述べたように歳入歳出の決算上で調整されていたということが言われておりました。当該決算年度で生まれたこの差というのは一体何なんでしょうか。伺います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 財政調整基金の繰入額1億8,700万円余の差ということでございますが、まず、平成27年度財政調整基金の繰入額につきましては、当初予算額では53億円予定しておりました。一般財源などの増加によりまして、新区役所用地取得経費相当額ほかは繰り入れの必要はないと判断いたしまして、平成28年度予算案と同時に、第5次補正予算により残りの繰入額を全て減額したところでございます。その後、国の補正に伴い、地方創生加速化交付金を活用したなかの里・まち連携推進事業等の実施によりまして、第6次補正予算の必要が生じたため、その一般財源につきまして、今、委員の御説明にありました1億8,717万2,000円の繰り入れ補正を行ったものでございます。余剰金が見込まれましたために財政調整基金の繰り入れを行わず、余剰金を活用したことにより、この差が生まれたものでございます。 ○長沢委員 決算年度の実質収支は28億1,836万7,000円です。前の2014年度、平成26年度は、区政史上最高額の44億621万1,000円を余らせたことからして、単年度収支がマイナスとなるのは当然であろうというふうに見ております。また、決算年度は区政史上最高額の174億7,000万円余の基金の積み立てを行っています。取り崩し額を差し引いた純粋な積み増し額も102億3,400万円余と、これも最高額にもなっています。その結果、基金残高は一般会計ベースで628億8,800万余にもなりました。積立額を増やすことが喫緊の課題とでも言うのでしょうか。なぜこうした決算となったのか、説明を求めます。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) 区は、景気変動に伴う財政の年度間調整、また大規模事業を確実に実施できるよう、計画的な基金の繰り入れ、積み立てを行い、持続可能な区政運営を行っていく必要がございます。平成27年度につきましては、特別区交付金、地方消費税交付金等の一般財源が増になった一方、今後の施設の維持更新、少子・高齢化に伴う歳出増の要因も見えているところでございます。こういったことを踏まえまして、財政調整基金、義務教育施設整備基金等の特定目的基金への積み立てを行ったものでございます。世界経済の動向、今後の景気変動によっては、一般財源に影響を受ける。景気変動による影響が生じた場合におきましても、安定的な行財政運営を行っていくため、基準となる一般財源規模を超過すると、そうした歳入につきましては確実に基金に積み立てを行ったものでございます。 ○長沢委員 財政規模から見て、おっしゃった基準となる一般財源規模は、やはりあまりにも低く見過ぎているのではないか。結果、福祉、教育など区民生活に直接かかわる予算、これを抑制しているんじゃないかというふうに私は見ています。 もう一つ、財政調整基金で見てみます。財政調整基金には、平成26年度に実質収支で44億円を余らせたわけですから、これまた最高額の61億5,800万円余も積み立て、財政調整基金の残高も256億6,300万円余にもなっています。この一般財源に充当する財政調整基金の残高は、23区の他区と比較しても突出しているというふうに思われます。この、要するにためている。一体何を見通してためているのか、改めて伺います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 財政調整基金の積立額でございますが、平成27年度決算数値におきましては、23区中11番目の積立額であり、突出しているといった認識はございません。 一方で、区は急激な経済の悪化等により歳入の減収が生じた際も、一定水準の区民サービスを継続することは必要であるというふうに考えております。平成22年、リーマンショックの際には、平成20年度に比較して一般財源が60億円程度下がったこともあったところでございます。こういった状況が複数年続いた場合に対応するためにも、少なくとも50億円から60億円規模の複数年分の積み立ての用意は、財政の健全な運営に必要なものと考えております。 ○長沢委員 一方、福祉、子育て、教育など、そういった区民要求の実現に取り組むべきだという立場で伺いたいと思います。この定例会の羽鳥議員の質問でもただしたところでありますけども、これまでも指摘してきた教育費の問題です。中野区は現在、統合新校の整備などには熱心ですけども、学校間の格差を決して生んではならないというふうに思います。普通会計、23区の比較で、決算に占める教育費の構成比は、平成26年度に最下位、教育費の区民1人当たりの金額も23区で最下位クラスです。平成27年度は決算での比較は、この時期に正確にはできませんが、中野区の決算値を見れば、教育費の構成比は同率の9.2%、区民1人当たりの額は3万7,000円と、やはり最下位のクラスにあります。 本会議の場で、予算の額の多寡で行政水準を議論するのは意味のないことだというふうに答弁されましたが、23区の比較で教育費に充てている予算が少ないのは紛れもない事実です。しかも、今始まったわけではなくて、この10年間見ても大変低い到達にあります。今、中P連や小P連をはじめ、保護者、区民の切実な要望が色々出されています。こういったことに応えることは可能であるにもかかわらず、なぜやらないんですか。伺います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 繰り返しの御答弁になりますが、予算は毎年度実施する事業の内容によって上下するものではございません。単年度予算における区民1人当たりの経過の多寡により教育行政の水準を判断すべきものとは考えておりません。平成27年度予算、平成28年度予算においても、必要な教育費には予算措置を行っているところでございます。 ○長沢委員 必要だというのは、あくまでも行政側の考え方であって、区民や保護者の皆さんや学校側からは、そうではないということで、あれだけの要望が出されているというふうに思っております。 これまで我が党は給食費の保護者負担の軽減を主張してまいりました。子どもの貧困の克服という視点からも、検討すべき課題であるというふうに思っております。 学校給食の改善・充実という立場から、給食のドライシステム施設の導入を求めたいと思います。ドライシステムとはどういったものなのか、また、中野区内の小・中学校での導入状況についてお伺いいたします。 ○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校給食室におけるドライシステムとは、衛生状態を保つことを目的に、床に水が落ちない構造にすることで、常に床が乾いた状態で作業するシステムです。現在、中野区立小・中学校でドライシステムを導入しているのは2校です。 ○長沢委員 中野区では導入が進んでいないというふうに思います。23区の公立小・中学校では導入が進んできています。2013年度時点で23区の平均は小学校で26%、中学校は30%。中野区においても積極的に進めるべきではありませんか。伺います。 ○石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校給食室の衛生的観点からドライシステムにすべきだというふうに考えています。しかし、ドライシステムを導入するためには、費用の他給食室の拡張や工事期間中の給食調理の対応の問題があり、直ちに全ての学校に導入することは難しいところです。今後、学校再編に伴う校舎の改築や大規模改修の際に、給食室にドライシステムを導入していきたいというふうに考えてございます。 ○長沢委員 統合の際にとどまらず、ぜひ既存校においても様々工夫して、ぜひとも進めていただきたいなというふうに思います。ありがとうございます。 もう1点、子どもの貧困の問題克服に関わってお尋ねします。 一般質問でも取り上げましたが、生活保護や低所得世帯への支援、ひとり親家庭への支援は喫緊の課題です。今から15年前に中野区行財政5か年計画が策定され、施策の見直しの一つとして、補助・助成事業の削減・廃止がなされました。生活保護世帯の中学校卒業者に対する1人当たり5万1,500円の支度金の廃止、同じく生活保護世帯の小・中学校入学者1人当たり1万1,000円の支度金の廃止、同じく出産に対する7,000円の祝い金の廃止、児童育成手当を受給しているひとり親家庭世帯の小・中学校入学に対する1人当たり1万1,000円の支度金の廃止など、財政難を理由に、経常経費を摘示してこれら事業を軒並み廃止してしまいました。触れた事業だけでも当時試算した金額は、わずか1年間に400万円程度の支出を削ってしまったわけです。今日では財政規模は膨れ上がり、指摘したように積み上がった積立金を崩せば、いや、取り崩すことなく事業を行うことも十分可能だというふうに思います。当時よりも対象となる世帯と子どもが増えています。だからこそ、こうした経済的な支援が必要ではないでしょうか。見解を伺います。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 中学校卒業時には、生活保護を受給する子どものいる世帯への自立支援の観点から、平成27年度から高等学校等就学費が創設され、高校等の入学時の制服、教材費等が支給されることになりました。小・中学校入学時には、従来から入学準備金が支給されていますが、平成21年度には貧困の連鎖防止のため、義務教育課程在籍者には学習参考書購入費や課外クラブ活動費用に充てる学習支援費の支給が始まりました。また、平成17年度からは中野区被保護者自立支援促進事業の中の次世代育成事業費として、小学校4年生から中学校3年生の塾代の支給を開始しています。したがいまして、委員御指摘のかつての法外援護については、今般の子どもの貧困及び貧困の連鎖といった社会問題を踏まえ、生活保護法内における制度の見直しにより対応が図られてきているところでございます。 ○長沢委員 ありがとうございます。 一方で、土木費は2014年度と比べ71億円余の減額となっていますけども、(仮称)弥生町六丁目公園用地の取得に64億円余りと、(仮称)本町二丁目公園用地取得は45億円余の皆減となったことによります。しかし、中野駅の新北口駅前広場用地取得、買い戻しですけども、これによって約18億円をはじめ、中野駅周辺まちづくり関連では多額の費用をこの年も執行してございます。2015年度、平成27年度のまちづくり基金の積立金は26億6,800万円余で、2014年度、平成26年度の23億5,800万円余より3億円多く積み立てています。決算年度の積み立てた開発協力金は、予算額で7,600万円と、2014年度に積み立てた8億2,400万円に比して大きな減額です。そのことを踏まえると、10億4,800万円も積み増したことになります。区民生活を支えるために使わず、こういうふうに積み増しをしたということでしょうか。伺います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) まちづくり基金につきましては、中野駅周辺、西武新宿線沿線など、様々な計画が進むことが予定されている事業において活用するために積み立てを行っているものでございます。開発協力金はもとより、予算編成時や決算剰余金が出た場合において、予算の全体の調整を行いながら、可能であれば積立金を行っていきたいというふうに考えております。 ○長沢委員 今や、財政調整基金とこのまちづくり基金への積立金が顕著にあらわれています。開発協力金は、この決算年度において終了しました。これから一般財源が充当されることにもなっていきます。中野駅周辺の開発事業は現在進行形であるために、多額の繰入金もされていく。開発優先が大手を振っていくことになるということは指摘したいと思います。 もう一つ、中野駅の西側南北通路と橋上駅舎について伺います。 先般、区が負担する工費金額が71億円から119億円と増額となったことが報告されました。119億円の内訳について伺います。 ○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 119億円の内訳としましては、直接の工事費として橋上駅舎分が78億円、南北通路分が24億円の計102億円でございます。また、両方に係る経費として、附帯工事費等の17億円がございまして、総計が119億円となっております。 ○長沢委員 当該の土地が軟弱地盤であるため、くいの長さを長くする。これらはJR側の調査によってわかったことだというふうに聞いております。JR側から示された金額を、これ自身をうのみにしてよいのか。第三者による検証が必要ではないかというふうに思いますが、いかがですか。 ○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 基本設計の結果、長期にわたる工期、工事費の増大が明らかとなり、区としましても詳細についてJRに確認をしてまいりました。あわせて、第三者による検証も必要と考え、現在、設計内容の検証作業を進めているところでございます。 ○長沢委員 また、5階建てのJR駅ビルの建設によって、くいの荷重負担が大きくなったこともその要因の一つだというふうに思います。駅ビル分の荷重によるJR側とのくいへの負担の考え方はどのように算定されているんですか。伺います。 ○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 基本設計における工事費の区とJRの負担の考え方についてですが、南北通路・橋上駅舎・駅ビルは一体で基本設計を進めておりまして、そのうちの南北通路・橋上駅舎の部分が中野区の負担となってございます。くいにつきましても、同様に南北通路・橋上駅舎分が中野区の負担となっておりまして、基本設計では、南北通路・橋上駅舎のみを建設した場合のくいの太さ分が中野区の負担、上に駅ビルが載ってくることにより、くいが太くなる分がJRの負担となってございます。 ○長沢委員 JRとはこれから工期短縮に向けた協議を行うというふうにもしております。JRの駅ビル計画内容は変更となることもあると見ているんでしょうか。伺います。 ○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 駅ビル計画内容の見直し検討につきましては、現在JRで作業中でございます。区としましては、JRが工事費が過大であるとして駅ビル計画の見直しを検討するとしていることから、全体規模が縮小され、工期も短縮されるものと考えております。 ○長沢委員 中野区が協議に当たってどういう姿勢で臨むのかが問われていると思います。区はJR駅ビルの必要性を繰り返してもきました。しかし、これだけの工費支出が多額に発生する。工期短縮などで仮に119億円が減額となれば、それでよしとしていくのか、これを伺いたいと思います。いかがですか。 ○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 区としましては、事業の実施に当たり、JRとの南北通路・橋上駅舎等事業に関する基本協定に基づきまして、相互に協力し、円滑に事業を進めてまいりたいと考えております。今後も設計内容や工事工程、工事費等、必要な検証作業を行いながら、南北通路・橋上駅舎の早期整備に向けましてJRと協議を進めてまいります。 ○長沢委員 今後、中野駅周辺だけでなく、平和の森公園の再整備、新庁舎建設、西武新宿線の連続立体交差事業、特定整備路線をはじめ、都市計画道路の整備など長期間にわたって巨額の事業が続いていきます。国・都の補助金や起債など特定財源を用いての事業でもありますが、都心ではどこでも同じような事業を行う予定であり、まして東京オリンピック・パラリンピックを前に開発や道路の財源確保がきゅうきゅうすることにもなります。原材料費などの高騰もあるかというふうにも思います。 既にオリンピックバブルと言える状況も生まれているとも聞きます。そしてオリンピック後にバブルがはじけることになれば、中野区はそのリスクを抱えたままで開発事業を進めていくということにもなりかねない。福祉、教育、子育て、防災など区民生活を支える予算の拡充が求められています。サービス削減や負担増などを行ってはならないし、開発事業をはじめとした大規模プロジェクトを推進することで、来年度以降の予算編成に影響はないと、このように言えるのかどうかを伺います。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 来年度以降の予算編成への影響でございますが、まず、大規模な事業経費につきましては、10か年計画などの財政フレームを策定しているところであり、その執行における財政運営については一定の見通しを立てているところでございます。今後の予算編成に影響を配慮し、注力が必要なことは、景気の影響などによる特別区民税や特別交付金などの見込みであると考えております。リーマンショックのような不測の事態が起きた際に福祉サービスの水準を維持するためにも、今後も一定の財政調整基金を積み立て、基準となる一般財源を規律とし、財政運営を行ってまいりたいというふうに考えております。 ○長沢委員 三つ目に、区役所・サンプラザの地区再整備について伺います。 区役所・サンプラザ地区の再整備実施方針が策定されました。再整備事業の手法として、市街地再開発と土地区画整理事業を活用すると触れられています。土地区画整理事業と市街地再開発の手法を使っての開発事業は何を目的としたものなのか。いずれも中野区と中野区が出資しているまちづくり中野21が持っている土地・建物を、なぜこうした手法で再整備を図る必要があるのか、伺います。 ○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 区役所・サンプラザ地区の再整備事業でございますが、公共基盤整備と複合施設建設を総合的・一体的に行う事業でございまして、土地区画整理事業や市街地再開発事業といった法定の面整備事業の適用を想定しております。これによって事業を着実に推進していくことを目指すものでございます。 ○長沢委員 土地区画整理事業については、公共を主体とした施行を想定し、UR都市機構の事業参画を期待している。また、市街地再開発事業によって、資産活用、建築物整備を計画すると言っている。民間事業者の参画の方法を検討するともしております。市街地再開発事業は、第一種なのか第二種なのか、あるいは施行者はどこになるのか、その辺についてはいかがでしょうか。伺います。 ○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 市街地再開発事業で行うとした場合でございますが、都市再開発法で規定されている施行者が組合、個人、再開発会社、地方公共団体、都市再生機構、地方住宅供給公社等となっておりまして、今回の事業を進めていく上で最も適切な施行者を選択していくこととなります。第一種ですとか第二種、それについても同様でございます。 ○長沢委員 この整備方針の際のスケジュールにおいては、施設整備に係る――これから市街地再開発事業、それはもう決定しているわけじゃないというお話ですけども、仮にそれを市街地再開発事業の手法を使ってということになると、施設整備に係る都市計画手続ということも平成32年度には予定されている。それで施行者自身の、まあ、どこでやるのかということなんですけども、片方で土地区画整理事業についてはUR云々と書いてあるけども、しかし、市街地再開発のところについては、UR施行については、具体的なところでURも参入自身のことには触れていません。民間のいわゆる事業者の参画方法を検討するということだけになっています。しかし、都市計画のこれ自身を進めていくとなると、おのずと施工自身のやり方は決まるんじゃないか。つまり、個人施行や組合施行、会社施行である都市計画決定自身は不要、必要ない。となると、公共団体や機構、機構じゃなかったら、じゃあ、公共団体になるのか。いずれにしても、こういう形のもとで与条件自身は定まってしまうんではないかというふうにも思っております。 この点で最後に伺いたいのは、最大収容人数の1万人を目標とするアリーナ部分を組み込んだ施設、公共施設として、区あるいはまちづくり中野21のような第三セクターが所有していくこともあるのか、この点はいかがでしょうか。伺います。 ○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) アリーナにつきましては、統一性もありながら採算性を確保していくという観点もございますので、所有についてはそうした観点を踏まえて検討していくものでございます。 ○長沢委員 平成20年の第3回定例会で、サンプラザ地区にかかわるまちづくり整備方針がありました。この中では、区の関与として中野駅周辺まちづくりを牽引させるものだということで、こういう実施方針であるとか、これからの計画であるとかという話だと思います。これ以降についての区の関与という――区の関与というか、区が所有するかどうか、この点については今検討されているのかどうか。この点、最後に伺いますが、いかがでしょうか。 ○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 区の関与につきましても、今後このまちづくりを牽引していくという観点で関与していくものと考えております。 ○長沢委員 じゃあ、出来上がったときの所有としてはどうなのかということを最後に伺います。 ○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 答弁、繰り返しになりますけれども、所有についても今後の検討ということでございます。 ○長沢委員 結構です。 2番目に、地域包括ケアシステムについて伺います。 初めに、医療との関わりについて、医療について伺います。 東京都の地域医療構想が示されましたけども、病床不足の解決策や療養病床削減の具体的数値を示していません。平成28年第2回定例会で我が会派の小杉議員の病床の必要性についての質問に対し、東京都の地域医療構想について触れ、次期保健医療計画に向け、区民ニーズや関係団体の意見を把握し、東京都に意見を伝える。地域包括ケア体制に向けた病床機能や医療提供のあり方など、区としても十分検討していくと回答していますが、区民ニーズや関係団体の意見等の把握はいつどのような形で行うのか、伺います。 ○石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 中野区における地域医療につきましては、今般の一般質問において、内川議員の中野中跡地利活用の質問に対しまして、区長から御答弁させていただきましたように、今後、中野区医師会と協議を行うことを予定しております。その中で、地域包括ケア推進等を視野に入れた地域医療に必要な機能について検討していきたいと考えてございます。 ○長沢委員 もう一つ、医療は東京都、介護は区市町村と、そもそも行政責任が違うとされてもきましたが、これが地域包括ケアシステムで変化して、果たして融合していくんだろうか。その点で、在宅療養、具体的には在宅医療についてお伺いいたします。 区は平成26年、在宅療養に関する区内の現状を把握するための在宅療養に関する区内医療資源調査を実施しております。在宅医療の実施状況は、回収数で197病院・診療所のうち、50.8%が「実施していない」と回答しています。さらに実施していない医療機関に在宅医療の実施予定を尋ねておりますが、「今後も実施する予定はない」と74.0%の医療機関が答えております。その上で、在宅医療を行わない理由や、行う上での問題点について、複数回答ではありますけども、「夜間や休日の対応が困難である」70%、「外来診療時間中の対応は困難である」64%、「容体急変時の対応が困難である」51%となっています。この結果は、地域包括ケアシステムの構築にとって大きな課題を投げかけているのではないでしょうか。見解を伺います。 ○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 今後の地域包括ケア体制構築の中で、在宅で療養する人に対応することができる、医療・介護サービスが十分に供給されることが課題であると認識しています。平成37年までに在宅療養が必要な人がどの程度増加するかとの予測は、東京都の地域医療構想で二次医療圏ごとでの推計値は示されたところでありますが、今後、区としての推計値を明らかにしながら、それに対応する資源を確保するための方策について、関係機関と連携しながら検討してまいりたいと考えております。 ○長沢委員 ありがとうございます。 医療でもう1点、生活困窮者、低所得者への医療保障を求め、無料低額診療事業について伺います。 無料低額診療事業とは、社会福祉法2条3項9号に規定される第二種社会福祉事業及び法人税法施行規則6条4号で規定している事業であります。減免額を直接補?するものではなくて、地方税、法人税が減免されるという仕組みであります。全国で787施設が実施しています。この推移を見ると、1970年代から2000年以内までは210から240台で施設数が推移しておりますけども、2010年には415施設、2016年には787施設へと増えております。中野区内の医療機関での実施状況はどうか、伺います。 ○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 無料低額診療事業は、生活困窮者等が経済的な理由によりまして必要な医療を受ける機会を制限されることがないように、無料または低額な料金で診療を行うものでございます。現在、区内で無料低額診療事業を実施している医療機関は2カ所ございます。 ○長沢委員 この無料低額診療事業の特徴は、一つはお金のあるなしにかかわらず、必要な人に必要な医療を提供する制度、二つ目には医療ソーシャルワーカーの支援つきの医療制度、医療ソーシャルワーカーが要となって、医師、看護師、リハビリ、事務職員等によるチームワークで実践がされています。生活の立て直しをする、支援するというのが基本になっているわけであります。この無料低額診療事業の拡充に関しては、低所得者等の医療を確保するため重要であると政府も答弁しているところであります。同時に、無料低額診療の医療機関は増えていますが、課題もあります。事業、この制度が知られていないこと、また、制度があいまいなため、減免基準は病院任せになっていること、薬代に適用されないため、高額な薬代を払えないなどのこうした課題がございます。今後の改善が期待されるところでありますけども、区として無料低額診療事業を活用して支援を行っていくことを検討すべきではありませんか。伺います。 ○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 無料低額診療事業は、生活困窮者等に対しまして無料または低額な料金で診療を行うものであり、医療に特化した支援でございます。生活困窮者や生活保護受給者が困窮状態から脱却しまして自立するためには、医療的な支援に加えまして、生活及び就労等に関する支援を行うことが肝要であると考えております。したがいまして、区としましては、生活及び就労等の支援を行う生活保護制度や生活困窮者自立支援制度を活用しまして、生活困窮者等の自立に向けたサポートを行っていきたいと考えております。 ○長沢委員 一つの困窮者への支援という形で紹介させていただきました。無料低額診療事業や生活困窮者の自立支援制度の対象者は生活困窮者等でございます。現在、区は地域包括ケアシステム推進プランの策定に向けて取り組んでいるというふうに思いますけども、今後、生活困窮者等に対する支援はどのように行っていくのか、この点について伺います。 ○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 地域包括ケアシステム推進プランは、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されることを目指した重要な取り組みであると認識しております。生活困窮者等の支援につきましては、地域包括ケアシステム推進プランにおける支援の一環としまして、生活保護制度や生活困窮者自立支援制度を活用して、住みなれた地域で安定した生活を送るとともに、困窮状態から脱却できるように必要な支援を継続していきたいと考えております。 ○長沢委員 ありがとうございました。 次に、(2)番、(仮称)中野区地域包括ケアシステム推進プランについて伺います。 地域包括ケアシステムは、中野区健康福祉総合推進計画2015の中でどのように記され、位置付けられているのか、まず伺います。 ○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 地域包括ケアシステムについては、中野区健康福祉総合推進計画2015において、高齢者、子育て世帯、障害者などを含む地域の全ての人にとっての総合的・包括的な地域ケアの仕組みとして記載しております。また、地域包括ケアシステムの構築は、多くの幅広い施策に関連する区全体での取り組みと位置付けております。 ○長沢委員 ありがとうございます。ここで具体的に推進プランの考え方、八つの柱を明示しております。ここでは、柱の(3)住まい、住まい方の利用しやすい交通環境の推進について伺います。 交通弱者の移動環境改善については、今年の第1回定例会での本会議質問での私の質問に対し、今後のまちづくりの進展等を踏まえ、利用者のニーズ把握や運行の手法、経費面などを総合的に検討・検証していくと述べられました。今後のまちづくりの進展とは、不燃化整備による道路拡幅や都市計画道路整備のことを述べているのかというふうにも思われますが、それまで検討を続けていくというのでしょうか。 平成19年に実施した中野区区民交通実態調査の結果からは、鷺宮圏域の若宮、大和町や上鷺宮、中部圏域の上高田などで、バス停まで遠い、バス路線がないなど交通空白、交通不便との問題意識が示されていました。今も状況は変わらないというふうに思います。高齢化が進む中で、新たに不便と感じる地域も生まれかねない。住み続けられるという観点からも、急ぐべきではないでしょうか。さきに触れた地域などには先行的に公共交通網の整備を図ることを検討すべきであると思いますが、いかがでしょうか。伺います。 ○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 交通弱者に係る移動環境の改善につきましては、基本的には区内全域を対象としまして、区民の方が円滑に移動することのできる対策を検討することとしておりますが、日常生活圏域におけます移動円滑化、こういったことにつきましても短期間で実現可能かどうか、そういった方策があるかどうかも視野に入れながら、幅広く今後検討していきたいというふうに考えてございます。 ○長沢委員 次に、三つ目に障害者施策について伺います。 その一つ目に、改定障害者総合支援法についてです。改定障害者総合支援法が5月に成立しました。この法律は2013年に施行された障害者総合支援法の附則3条に定められた、施行3年見直し規定に基づくもので、しかし、本来求められていた障害者自立支援法違憲訴訟団と国が結んだ基本合意や、障害者権利条約を土台にした骨格提言に基づく課題は全く顧みられておりません。障害者や家族の求めていた内容とはかけ離れ、その願いに背を向けたものになっております。 その一つが、65歳を迎えた障害者が半強制的に介護保険に移行され、それまで無料だった利用料が有料になり、サービスの打ち切り、縮小が生じたりしている問題です。障害者総合支援法7条の介護保険優先原則が根拠になっています。これを一定の合理性があるとして存続をさせたわけであります。 そこで伺いますが、中野区では65歳以上の障害者への福祉サービスはどのようにされているのか、伺います。 ○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 中野区におきましても、障害者総合支援法の規定に基づきまして、65歳になる方につきましては、介護保険制度に移行をお願いしているところでございます。65歳の誕生月の2カ月前から勧奨を行いまして、誕生月の翌月まで障害福祉サービスの支給決定を行うなど、サービスが途切れることなく執行できるよう配慮しているところでございます。また、介護保険制度を利用しても必要なサービス利用を確保できない場合などにつきましては、追加して障害福祉サービスの提供を行っているところでございます。 ○長沢委員 この改定障害者総合支援法では、負担軽減の仕組みを新たに設けたというふうにも伺っています。そのことについての説明をお願いいたします。 ○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 今回の法改正によりまして、65歳に至るまで相当の長期間にわたりまして障害福祉サービスを利用していた方で、一定以上の障害支援区分、また、所得の低い方が障害福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用する場合、利用者負担を障害福祉制度により償還する仕組みを設けることとしております。具体的な内容、要件等につきましては、今後、政令等で示されることになっております。 ○長沢委員 ありがとうございました。一定のそういったものも盛り込まれたというふうに思いますが、しかし、様々な条件を課しての対象者を限定しているということでございます。やはり、この介護保険優先原則は廃止して、障害の特性に配慮した障害福祉と介護保険サービスをサービス単位で選ぶことができる、こういう選択性が求められているのではないか、こんなふうに思います。 二つ目に、障害者差別解消支援地域協議会について伺います。 障害者差別解消法が4月に施行されたのに伴い、障害者の身近な相談窓口のネットワークとして、政府が全国の区市町村に設置を勧めているのが障害者差別解消支援地域協議会であります。これがなかなか進んでいないということが報じられているところでございます。その点では、中野区は、この障害者の差別解消支援地域協議会の設置についてはどのような検討がされているのか、伺います。 ○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者差別解消支援地域協議会につきましては、障害者差別に関する相談や、障害者差別を解消するための取り組みに関する提案を協議するために設置することができるというものになっております。中野区におきましては、現在、ユニバーサルデザイン推進審議会に、ユニバーサルデザイン推進に向けた将来像や区の役割、将来像を実現するために必要な方策等に関する考え方などを諮問しております。地域協議会の設置やその内容につきましては、今後出される答申、また、現在ございます自立支援協議会との調整を踏まえて検討してまいりたいと考えております。 ○長沢委員 現在は権利擁護や差別などの相談事例の検討及び解決への取り組みはどのようにされているんでしょうか。また、法律の趣旨から見れば、法律家などの専門家や障害者がメンバーとして加わることも大事だというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。伺います。 ○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 権利擁護等も含めました相談ケースにつきましては、本人やサービス提供事業者、区職員などの関係者を集めました個別ケア会議というものを開催しております。その主な事例につきましては、障害当事者や支援者、区内事業所、教育機関等で構成いたします中野区自立支援協議会の全体会に報告されております。そこの中で関係機関で情報共有するとともに、地域の実情に応じた体制整備についても協議を行っております。協議を行うに当たりまして、必要な場合には、法律家ですとか医師、学識経験者等専門家に参加いただくような、謝礼も予算化しているところでございます。 ○長沢委員 ありがとうございます。 ここの三つ目に、放課後等デイサービスの充実と青年・成人の余暇活動について伺います。 放課後等デイサービス事業は、2012年の児童福祉法に基づく事業として創設され、その後、急速に事業所数を増やしております。現在、全国に7,000カ所以上の事業所が存在し、通所する子どもたちの数も11万人以上という状況です。現在、中野区内では何カ所で行われ、何名が利用されているんでしょうか。伺います。 ○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 放課後等デイサービスについての御質問でございました。平成27年度末現在、中野区内にございます放課後等デイサービスの事業所数、区立を含めまして14カ所、また、通所者数でございますが、延べ1,845人でございます。 ○長沢委員 大変大勢の方が利用されているというふうに思います。 放課後等デイサービスの事業所が増え続ける中、支援の質の確保ということも言われています。一部には、本来の趣旨とは異質なもうけ本位の事業所が参入して、ビデオを見せて預かっているだけ、私費で行うべき塾や稽古事と変わらない。けがや事故が多発している。こうした――これは中野区ではありませんけど、全国では事業所もあるというふうに聞いております。報酬を不正に請求した事業所の指定取り消しも報道されました。また、起業3年で年商3億円などという触れ込みで事業所の参入をあおる起業セミナーまであらわれているという状況です。 中野区内の事業所は指定管理者のところもありますけども、大半は民間事業者による事業であります。区として、区内事業所の実態把握はされているんでしょうか。伺います。 ○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 実態把握でございますが、新規施設の開設に当たりましては、東京都の実地検査に区の職員が同行してございます。また、さらに昨年度でございますが、子育て支援分野の担当職員が14の区内事業所全てを訪問して、実態把握を行ってございます。 また、そのほか毎年度、区内の指定障害児通所支援事業所の施設長及び指導員を集めまして、区主催で障害児通所支援事業所連絡会を年四、五回開催してございます。その中で施設見学や研修会を設定してございまして、相互研さんの場とするとともに、実態把握も行ってございます。 ○長沢委員 こうした中、国も放課後等デイサービスの支援の質を問題にしています。対策として打ち出されたものとしては、簡略すると、事業所の量の規制、二つ目には報酬単価の引き下げをした、三つ目にはガイドラインの徹底というものです。しかし、法律が成立し、施行される以前から放課後等デイサービスに関わっている事業所や団体からは、この国の考え方に対して懸念する意見もたくさん出されているところでございます。この点についてはちょっと省略いたしますが、事業所の指定権限の東京都と支給決定権限のある中野区が連携をとって必要な支援を行える事業所にしていけるよう、この点について努めていただきたいということを求めておきたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。 ○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 事業所の開設に当たりましては、まず指定権限があります東京都の指導によりまして、事業者はあらかじめ開設しようとする区市町村に対しまして、事業の説明、それから、ニーズの聞き取りを行うことになってございます。また、事業者から東京都に申請があった場合でございますが、開設先の区市町村に対しまして、都から内容の確認がございます。こういった連携の手続によりまして、東京都と区で連携して、区のニーズに合った事業所を指定してございます。 ○長沢委員 ありがとうございます。 もう一つ、成人の余暇活動について伺いたいと思います。 特別支援学校高等部を卒業し、放課後活動事業所からも、放課後デイサービスなどのこういう活動事業所からも卒退した青年・成人期の方たちについては、余暇活動への支援の問題が浮上しています。都内でも障害のある人たちを対象にして、集団的な余暇支援の活動を自主的に実施しているグループも多数あります。支援策がない中で苦しい運営を余儀なくされている方々もいます。学校卒業後の余暇活動は、彼らの心身の疲れをリフレッシュして、明日からの労働や日中活動への意欲を高める重要な役割を果たしている。ほとんどが公的な支援の対象になっておらず、必要とされる条件を整えることができないでおります。 今年の都議会第1回定例会において、青年・成人の余暇活動に関する請願が提出され、採択がされました。請願項目は、一つは、地域生活支援事業として位置付けるとともに十分な予算措置を講ずるよう国に意見書を出すというもの。二つ目には、区市町村の取り組みを都は積極的に支援するというものであります。中野区としてもこうした経緯を踏まえ、国と東京都に要望していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 ○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 青年・成人の余暇活動でございます。中野区におきましては、障害者福祉事業団でおおむね月に一度、就労者の交流や余暇支援といたしまして、「たまり場」、通称にこカフェというものを開催しております。この中ではスポーツ大会等も実施をしているところでございます。 この他、障害者の交流、社会参加の促進を目指しまして、「ユニークダンスを楽しむ区民の集い」、また、「区民ふれあいの集い」を隔年で開催しているところでございます。今後も余暇活動の支援等につきましては、国や東京都と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 ○長沢委員 ありがとうございます。 ここの四つ目に、災害時の対応について伺っておきます。 中野区災害時要支援者に関わって伺います。障害児、高齢者の災害時要支援名簿ができていると伺っておりますが、障害者である要支援者は何名か、また、障害児要支援者と支援者のマッチング作業が行われてきたというふうに思いますけども、何名の方が支援者とマッチングし、できなかった方への対応はどうしていくのか、伺います。 ○上村地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当) 二つの質問についてお答えいたします。災害時避難行動要支援者名簿には、障害のある方は1,700名が登載されております。計画作成作業については現在も継続中でございますけども、今年の4月時点で災害時個別支援計画を作成された方は464人でありまして、そのうち422人、91%の方には支援者、親族、近所の方が多かったんですけれども、支援者がおりました。障害者の方をはじめ、もとより、高齢者の方につきましても、支援者が見つからない方に対しては、実態を把握し、町会・自治会、防災会、民生児童委員等を含めまして、広く近隣の方々と相談しながら、支援体制の構築について努めていく考えでございます。 ○長沢委員 ありがとうございます。こうした名簿をもとに、要支援者の方々への例えば防災訓練においてはどういう活用をされていくんでしょうか。伺います。 ○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難行動要支援者の実態調査に基づきまして、個別支援計画をつくっていくわけでございますが、個別支援計画では、あらかじめ指定した支援者が、災害発生後速やかに災害時避難行動要支援者の安否確認や避難支援などを行うための計画でございます。個別支援計画で指定される支援者につきましては、同居家族、近隣の親族や知人、介護事業者など多岐にわたりますので、個別支援計画に基づきます安否確認や避難支援訓練の実施につきましては、今後検討してまいります。 ○長沢委員 ありがとうございました。 障害者施策の最後に、中野区いずみ教室のあり方について伺います。 いずみ教室が今年度末をもって閉校というんでしょうか、廃止というんでしょうか、なると、こういうお話を保護者やスタッフから伺いましたけども、そうなんでしょうか。伺います。 ○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) いずみ教室につきましては、平成29年度から新たな生涯学習事業として実施することを前提としまして、現在検討を進めているところでございます。 ○長沢委員 2015年、平成27年9月に中野区健康・スポーツ分野から中野区いずみ教室アンケート集計報告が出されています。この前年の平成26年12月に、いずみ教室の学級生、家族、支援者、スタッフ、ボランティアを対象としたアンケート調査の結果には、いずみ教室の年間回数、開催時間、曜日については、学級生、家族、支援者の8割以上が現状のままでよいと答えております。8割以上の学級生が楽しい時間を過ごしていると回答しています。また、一方、課題もあるとして、知的障害者を抱える保護者、当事者の高齢化によるケアの質的・量的不足、特に休日等、親亡き後の当事者の処遇について、二つ目に、スタッフ、ボランティアの高齢化、固定化による安全性の担保、3番目に、年齢差による同一プログラム実施の難しさ、四つ目に、プログラムのマンネリ化と学習と生活支援の混在、五つ目に、地域への活動の広がり、六つ目に、活動場所の確保と、課題が六つに整理されています。 結論的にいずみ教室事業を早急に検討する必要があるとしているわけでありますけども、しかし、調査結果からはそうしたことが読み取れません。何をそんなに急ぐ必要があるのか、伺います。 ○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) いずみ教室につきましては、今年度につきましても、会場の確保ですとか、会場での安全性の条件の確保、それから、スタッフやボランティアの皆さんの確保等につきまして、厳しい状況がございます。そのため検討を急いで進めているという状況でございます。 ○長沢委員 この中では学級生の声も出ています。みんなと会えてうれしい、ずっとずっといずみ教室は行きたい、いずみ教室は継続して楽しみにしている、ずっと続けてほしい、いずみ教室はなくさないで。学級生の皆さんは継続を望んでいます。これは、私たちを抜きに私たちのことを決めないでという障害者権利条約の基本精神を踏まえた視点が欠けていないだろうかというふうにも思います。 いずみ教室は1972年から行われてきた事業です。検討すべき課題も承知していたところもあったはずです。アンケートを行って改めて詳細を把握したということのようですが、改善すべき点への検討はもっと以前からできたというふうにも思われます。放置してきたということではないですか。区の唐突過ぎる動きに学級生も保護者も、そしてスタッフ、ボランティアも困惑しているのが現状ではないでしょうか。当事者、関係者がきちんと意見を聞くべきではないかと思いますが、いかがですか。伺います。 ○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 平成28年2月から保護者の皆さん、それから、関係団体の代表の皆さんが参加していただく検討会も開催してきております。これとは別に、保護者の皆さん、関係団体の皆さんに御説明等させていただく機会も持ちながら、御意見を伺って検討を進めてきております。今後につきましても、当事者の皆さん、それから関係者の皆さんと協議も重ねながら、御説明等の機会を持って、具体的な事業実施に向けて検討を進めていきたいというふうに考えております。 ○長沢委員 ぜひ丁寧に、特に当事者の皆さんの方々の話をよく聞いていただきたいなというふうに思っています。ありがとうございます。 最後に、住宅の耐震化について伺います。 住宅の耐震補強工事など再三求めてきたところでございます。しかし、これは個人の財産形成につながるため実施しないと、こういうことで、中野区は23区唯一木造住宅の――木造だけではないですね。非木造についても耐震化については助成をやっていないと。緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化、あるいは中野区でも以前実施した高床助成、こうしたことは個人の形成にはつながらない、こういうふうなお考えなんでしょうか。伺います。 ○小山内都市基盤部副参事(建築担当) まず、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進は、震災時における緊急輸送道路としての物資の搬送や、救助活動の円滑化などの機能が確保できるように取り組んでいるところでございます。仮に道路が閉塞した場合に、災害対策活動に大きな支障を来し、甚大な被害につながる恐れがあることから、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化は公共性が高いと考えております。 高床助成につきましては、平成17年8月、9月に発生した集中豪雨や台風により、妙正寺川、江古田川及び神田川流域で甚大な浸水被害に見舞われた経緯がございます。当時、中野区は東京都と協力し、河川改修、調整池の整備、雨水流水抑制などの治水対策に取り組んでおりましたが、その後も想定される豪雨に対する対策を早急に組み立てる必要があったということから、その対策の一環として、区の単独事業として実施してきたものでございます。 ○長沢委員 つまり、公共性があるとか、そういう形で実施はいいと言っている。だから、個人の財産形成とはまた別なものとしてやっているわけですね。個人の財産形成があってもやっているわけです。私は、不燃化促進事業や木造住宅密集地域整備事業は、先ほどおっしゃられたような公共的な視点から助成している。しかし、木造住宅が潰れることなどで道路を塞いでしまう、この地域の安全性を損なう、こういったことも公共性自身は決して低いものではないというふうに思っておりますけども、この点についてはいかがですか。 ○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 地震時における建物の被害は倒壊、崩壊ばかりではなく、火災による焼失被害もあります。中野区内は住宅密集地域が多く占めることから、東京都震災対策条例に基づく防災都市づくり推進計画に位置付ける整備地域及び火災危険度ランクの高い地域において、防火性能を有する建物への建てかえを促進することで耐震性が確保され、道路の閉鎖を防ぐことにつながると考えております。 ○長沢委員 しかし、道路を広げるとか、それだけではないというふうに思います。 それで、個人任せで住宅の耐震化、区自身の耐震計画においては、2020年度、平成32年度の末までに目標95%、こういう目標を立てていますけど、これ、達成ができるんですか。伺います。 ○小山内都市基盤部副参事(建築担当) これまでも一定の水準で区民及び建築事業者による建てかえが進捗しているところでございますが、こうした区民等の自助努力に加え、今後、まちづくり事業の円滑な実施や老朽危険家屋や空き家対策などを積極的に推し進めることにより、耐震化率の向上を図っていきたいというふうに考えております。 ○長沢委員 もう1点、この問題で伺います。 熊本地震でも、1982年以降の建物が大きな被害を受けるケースが起こっています。阪神・淡路大震災の教訓を生かして、耐震性を左右する偏心率、壁の配置など新たな規定を設けたのは2000年です。それ以前の住宅についても耐震診断の支援、これは検討すべきではないかと思いますが、いかがですか。 ○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 平成12年の基準見直しについての有効性については理解しているところではございますが、現在の耐震診断助成制度については、旧耐震基準の建物を対象としているということが原則になっておりますので、現在、拡充については考えていないところでございます。 ○長沢委員 木造住宅の品質は経年劣化であるとか、維持管理のよしあしに大きく左右される問題だというふうにも伺っております。普及啓発に取り組むということが、以前この質問をした際にお答えとして言われておりましたけど、具体的な取り組みを最後に伺いたいと思います。いかがですか。 ○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 最近私が気になるテレビのCMの中に、「建物は人が住んでいないと傷んでいくのよね」というのがございます。心の中では、そのとおりというような思いでございます。それはもう日々の手入れ、定期的なメンテナンスを実施することで建物は長もちするというふうに私は考えております。こうしたことを普及啓発するために、ホームページ上に公開するための区民向けの維持管理マニュアルの作成を準備しているところでございます。 ○長沢委員 ありがとうございます。以上で私の全ての質問を終わります。 ○若林委員長 以上で長沢和彦委員の質疑を終了します。 次に、酒井たくや委員、質疑をどうぞ。 ○酒井委員 平成28年第3回定例会におきまして、決算特別委員会、民進党の立場から総括質疑をいたします。昨日、代表選が行われ、蓮舫新代表が誕生いたしました。我々も決意も新たに区民福祉の向上のため、全力で議会活動に励んでまいりたいと思っております。 質問は通告のとおり、その他はございません。順番もそのまま行わせていただきたいと思っておりますので、担当者さん、よろしくお願いいたします。 まずは、27年度決算についてお尋ねいたします。 歳入についてですね。区の基幹収入であり、貴重な一般財源でもある特別区民税に関しては、前年度比0.3%増の301億円となりました。平成21年度以降減少が続いていましたが、平成24年度からは毎年増加に転じております。収納率や、それから分析、今後になどはもう既に質疑が出ましたので、理解いたしました。そこで、この特別区民税に影響を及ぼしておりますふるさと納税についてお尋ねいたします。 まず、平成25年から平成27年までのふるさと納税の特別区民税への影響額、寄附金控除額についてお聞きします。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) ふるさと納税や他の寄附金を含む寄附金税額控除につきましては、平成25年度は1,600万円、平成26年度は約2,900万円、平成27年度は約8,200万円でございます。これらのうちの大部分はふるさと納税によるものと考えてございます。 ○酒井委員 3年間でもう5倍になっている状況ですね。平成27年4月には税制改正が行われ、このふるさと納税がよりやりやすくなりました。これにおいての平成28年度当初課税における影響はどの程度でしょうか。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成28年度の寄附金税額控除はおよそ3億6,200万円でございまして、大幅に伸びたものでございます。 ○酒井委員 予算編成時は3億円程度だろうと、全国の寄附金控除額の算式を参考にして出していたのが、やはり3億6,000万に当初課税でもなって、都市部においては影響も大きいのかなと。我が区としても見過ごせないということで、今取り組んでいらっしゃるんだろうと思うんですけれども、本当にこの数字が非常に大きくなっている。4年間で20倍ですね。今後も区財政に大きな影響を与えると考えますが、担当さんはどのようにお考えですか。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) ふるさと納税による影響額は今後も増加を続けるものと見込んでございます。特に平成27年度につきましては、本年4月に発生しました熊本地震の義援金による影響があるというふうに考えてございます。 ○酒井委員 今後も……。よろしいですか。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成29年度につきましては、本年4月に発生した熊本地震の義援金による影響があるものと考えてございます。 ○酒井委員 住民税ですので、現年度でなく翌年度になるからということですね。 それで、さきに触れましたが、このふるさと納税は平成27年4月に税制が改正され、よりやりやすくなりました。内容は控除額が2倍になりました。それから、ワンストップ特例制度というのができるようになりましたね。これは、これまで確定申告を行った年の所得税と翌年度分の住民税からそれぞれふるさと納税が控除されるものが、ワンストップ特例制度が適用される場合は、所得税からの控除は行われず、全額、翌年度分の住民税から控除されます。平成28年度当初予算の段階では試算が難しかった影響額について、どうなっていますでしょうか。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) ワンストップ特例により、所得税減額分を区民税から差し引く額はおよそ1,600万円でございました。 ○酒井委員 1,600万円、これが3億6,000万の中で大きいのか小さいのかという考え方はあろうかと思いますが、しかし、本来は所得税から控除される分が、我々の基幹収入でもあります特別区民税から控除されている状況ですよね。それで、この控除された所得税相当分は国から補?される仕組みなんかはありますか。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 本来は、国税である所得税から控除すべき税額による税収減につきましては、地方交付税により補?されます。しかしながら、地方交付税の不交付団体は減収補?が受けられないものでございます。 ○酒井委員 そうですね。地方交付税には手当てされますが、不交付団体であります東京は補?されないということですね。 それでは、平成27年度、それから平成28年度当初課税時における東京23区全体の寄附金税額控除額を教えてください。 ○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 23区の平成27年度当初課税時の寄附金税額控除は、およそ24億5,500万円でございました。また、本年、平成28年度当初課税時の額は、およそ130億7,600万円でございます。 ○酒井委員 平成27年から平成28年で5倍になっているんですね。1年で5倍になるという、特に東京23区の影響は非常に大きく、今後も増加することが容易に予想され、危惧しております。ふるさと納税をした方は、特産品などの、そういったもの、返礼品を受けることによって、実質の負担は減になると思うんですね。しかし、それによる減収分は行政サービスという形で区民全員が、行政サービスが低下することによるものを享受しなければならないんですね。それでまた住民税の根拠であります地方公共団体が提供する行政サービスの対価として負担するもので、受益と負担に着目した地方税の原則に照らすと大きな問題があると思っております。 ワンストップ特例により、所得税から控除される税額が住民税に振りかえられる。そして都市部からすると、寄附という前提なんですけれども、税源偏在の是正がされているようにも見えます。本来の生まれ育ったふるさと、それから、育ててもらったふるさとを応援するための制度に立ち戻るよう、引き続き区長には区長会でしっかりと声を上げていただきたいと思っております。我々議会側も、そういった声は上げてまいりたいと思っております。 次に、特別区交付金についてお尋ねいたします。 特別区交付金は、本来、市町村税であります市町村民税法人分ですね。それから固定資産税、そして特別土地保有税の調整三税を一旦東京都が徴収し、そして特別区55%、東京都45%と分け合い、特別区が事務を遂行できるよう交付する交付金であります。この特別区交付金の原資である法人住民税は、平成26年度の税制改正において、自治体間の財源調整の手段として一部を国税化され、その全額を地方交付税の原資と積み直しも強行されました。今度は財政調整交付金の原資が税源偏在の是正の名のもと減額されております。にもかかわらず、平成27年度決算は374億2,500万円余、前年度比14億6,400万円余、4.1%の増となりました。調整三税が増加したということですが、この法人住民税一部国税化の影響が見てとれませんが、実態はどうだったんでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 中野区の影響額でございますが、東京都の決算見込みを見て推計することになります。したがいまして、東京都はまだ法人住民税一部国税化の影響額としての決算値について発表を行っておらず、今後の分析になるかと考えております。法人住民税全体の決算見込みは平成26年度よりおよそ197億円余り減額したと聞いておりますので、このことから一部国税化の影響は出ているというふうに考えております。 ○酒井委員 地方税の国税化による再配分は地方税の根本原則をゆがめるものであり、地方自治体の必要財源は国が責任を持って確保すべきであります。また東京には東京の財政需要があると私は思います。今後、消費税10%に増税された際は、法人住民税の国税化をさらに進めるとしており、また平成28年度税制改正の大綱にある法人実効税率の20%台への引き下げはどのような影響がありますでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 国、地方の法人実効税率の20%台の引き下げは、平成28年度からとなってございます。特別区区長会事務局で試算を行った参考数値となりますが、平成28年度についての影響額として、およそ83億円の減額と見込んでいるところでございます。この数値は特別区への影響額を出しておりますので、調整三税の配分割合をもって東京都の影響額56%の中で試算したものでございます。 ○酒井委員 原資でありますこの法人住民税がどんどん減っていくということだと思うんですけれども、平成27年度決算を見ても数字は非常にいいんですね、当区の。しかし、一般財源でもあります特別区民税、それから特別交付金は景気の影響を大きく受けるものであります。景気の動向次第では区財政に与える影響は大きく、この原資が税源偏在の是正の名のもと、地方にどんどんと流れていっているところでもあります。また、今年度より企業版ふるさと納税も始まりました。こちらも法人住民税の一部が国税化される流れであり、大変に憂慮するところであります。 そして、この特別区交付金の中の普通交付金と特別交付金についてお尋ねしたいんですが、時間がちょっところ合いがいいので、一度止めさせていただきたいんですけど。 ○若林委員長 酒井委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。3時20分まで委員会を休憩します。 午後3時00分休憩
午後3時20分開議 ○若林委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。酒井委員、質疑をどうぞ。 ○酒井委員 休憩前に引き続き、平成27年度決算で都区財政調整交付金のところからですね。 この特別区交付金には、基準財政需要額から基準財政収入額を差し引いた額を超える区に対して交付される普通交付金と、特別の事情がある区に対して交付される特別交付金がありますね。さきの予算特別委員会でも、この特別交付金についてお尋ねしました。まずは、ここ3年間の特別交付金の当初予算と決算額、交付額ですね、お聞かせください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 当初予算額でございますが、平成25年度から平成27年度、いずれも5億円となっております。決算額につきましては、平成25年度は17億4,286万8,000円、平成26年度は16億3,883万2,000円、平成27年度は20億3,512万2,000円となっております。 ○酒井委員 平成27年度で見ると、当初予算と比べると、もう15億円も差が生じているわけですよね。年度当初よりきめ細かな見積もりをすることで、財政の弾力化や住民サービスに還元することができるんじゃないのかなと思うんですね。まず、この1点と、それから、当初予算と決算の乖離、担当さんはどう捉えていらっしゃいますか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 委員も御指摘いただきましたように、特別交付金につきましては、普通交付金で算定されなかった特別の財政需要や普通交付金の算定期日後に生じた災害等のための特別の財政需要があるなど、予算編成時に不確定要素が多いものとなっており、平成27年度予算においては確実な歳入を試算して予算編成を行ったところでございます。 乖離については、極力ないことが望ましいと考えており、検討しているところでございます。 ○酒井委員 当初は5億で、決算時が20億で15億円も差が生じていて、乖離はないほうが望ましいとおっしゃられるんですけど、かなり差はあいているわけですね。これから確実な、当初予算で確実な入りの分を精査して計上しているというふうなお答えだったと思うんですけれども、例えば平成27年度の当初予算で、人口19万人の台東区は25億円見積もっているんですね、この特別交付金を。人口28万人の豊島区は20億円、当初予算でこの特別交付金を計上されているんです。中野区が一番少額の5億円なんですね。一桁というのは、あと千代田と文京がそれぞれ8億円ずつで、ほかは全部10億円以上見積もっているような状況なんです。 それで、中野区は毎年、年度途中で増額補正されていますね。ここまで乖離があれば、来年度の予算編成において精度を上げて見直していくべきだと思います。ちょうど平成29年度の中野区の予算編成方針が示されました。来年度予算に対してはどう改善されますか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 平成29年度財政フレームの作成に当たっては、特別交付金について、近年の交付状況を考慮したものとしていきたいと考えております。 ○酒井委員 ありがとうございます。それで、この特別交付金は前年度比約4億円、24%増の20億円余も交付されております。初めて20億円超えたんですね。特別交付金は基準財政需要額では算定されない。災害時等の特別の財政需要がある場合に交付されますが、この増額の理由を教えてください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 新区役所用地の取得ですとか、また、中野五丁目の障害者多機能通所型施設整備の用地費及び南部すこやか福祉センター整備費等の大規模事業経費が主に算定されたことは要因となっているというふうに考えております。 ○酒井委員 例えば、これは決算資料で読み取れますでしょうか。特別交付金にその事業が選ばれたということ。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 決算説明書などにおきましては、決算数値や数値の根拠についてお示しをしているところでございます。具体的な増要因については示していませんので、読み取ることはできません。 ○酒井委員 決算書は書式が決まっているので。けど、それ以外の様々な補助資料等々があるじゃないですか。今回の監査委員の中野区会計歳入歳出決算意見書からは、この特別交付金に充てられた事業分を読み取れるんですね。ですので、今後こういったこと、資料の作成において工夫していただきたいと思います。 先ほど、選ばれた事業を教えていただきました。それが特別交付金の対象になった理由というのはわかりますか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 先ほども御説明いたしましたことと重なりますが、申請した事業のうち、普通交付金で算定されなかった特別の財政需要や、普通交付金の算定期日後に生じた災害等のための特別の財政需要などに適用されるものであり、新区役所の建設や障害者の施設の整備につきまして、まちづくりや福祉のサービスの拡充につながるということで、そういった事情を勘案され、交付されたものというふうに考えております。 ○酒井委員 特別交付金の申請は、様々な事業を列挙して当区のほうでも申請しているわけですよね。それで、今回の事業が選ばれて、他の事業がだめだったというのは理解されているんですか。わかっていらっしゃるんでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) その理由につきましては、そういった対象の項目について東京都が23区全体のバランスの中で判断を行いまして、交付を行ったものというふうに考えております。 ○酒井委員 この特別交付金の決定基準が災害等の特別の財政需要や財政収入の減少ですよね。それから、基準財政需要額で補足されなかった財政需要、そして、その他特別の事情で交付されていると思うんですけれども、そのあたりの交付決定基準というのが私は見えづらいように感じているんです。23区全体で見ると、この特別交付金は500億円もあるんですね。そういう中で非常に東京都がグリップを握っているように私は見えてしまうんです。この特別交付金は、平成11年度以前は全体の5%だと。それから2%になって、また5%に上がりましたね。現在の区長会での議論はどうでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 平成28年度都区財政調整協議会では、特別交付金については、透明性・公平性を高めるためには、可能な限り普通交付金による対応を図るため割合を見直すべきであり、より安定的な財政運営を確保していくため、普通交付金の原資を充実していく必要があり、早急に改正する必要があると協議しているというふうに聞いております。 ○酒井委員 配分の比率の見直しや交付の認定の透明性、それから、中野区には今後、体育館を含め様々な事業がある中、今回かなり鋭意努力されてこの特別交付金の獲得がされたと。主要施策の成果でしょうかね、そこでもあったかと思いますので、引き続きそういった声も上げながら努力していただきたいと思います。 この項の最後に、地方消費税交付金についてお尋ねいたしますが、重なりますので、1点だけお尋ねいたします。 8月31日の新聞記事で、「都市に有利な通販、計算除外、地方消費税格差是正」とありました。これは、地方消費税の人口1人当たりの税収は、最大の東京と最小の沖縄で1.7倍の格差があり、都市部を有利にする一因のインターネットなどの通信販売を計算から外し、都市部以外の地域への配分が増える仕組みにするものであります。ここでも都市部と地方の税源偏在の是正の動きがあるんですけれども、担当さんとしてはこういったことをどう把握されていますでしょうか。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 都市部に有利とされていますインターネットなどの通信販売を配分の計算から外すといった新聞報道につきましては承知をしております。区はもとより特別区長会事務局や東京都にも正式な情報は来ていないところでございますので、そういった情報が来ましたら、直ちに対応を考えていきたいというふうに考えております。 ○酒井委員 これまで順を追って、特別区民税に影響を及ぼすふるさと納税ですね、それから特別区交付金、そして地方消費税交付金についてお尋ねさせていただきました。これは区の基幹収入であり、そして貴重な一般財源であるわけですね。にもかかわらず、今、都市部と地方の財政力の格差の是正のために、こういった都市部の、本来ならば我々の税が地方にどんどん流れていっているような状況なんです。そして、この特別区民税、それから特別区交付金、地方消費税交付金も全て景気の影響を大きく受ける中、私は非常に危惧をしているので、順を追ってお尋ねをさせていただきました。 そして、平成27年度の決算、23区の決算が出ましたね。経常収支比率、23区平均が70%台、決算規模は2013年度から3年連続で過去最大規模、38年連続全区黒字。これ、地方から見ると、本当に都市部は財政力があり余っているというふうに映る可能性が僕はあると思うんですね。すると、こういった都市部と地方の財政力の格差の是正の動きがより動いていくんだろう。ただ、都市部としても23区は、私は今回、全国連携とつけさせていただきましたが、都市部と地方が税源を奪い合うという、地方自治の本旨に反するんじゃなく、お互いが一緒になって活性化し、共存共栄していくことが望ましいと思い、今回この決算の歳入で3点お尋ねをさせていただきました。 以上でこの項の質問を終わります。 次に、負担付贈与についてお尋ねしたいと思います。 平成27年度決算において、開発協力金などを除いた個人の寄附の金額を教えてください。 ○黒田政策室副参事(予算担当) 個人の寄附でございますが、285万259円となってございます。 ○酒井委員 この金銭の寄附は1円単位までもちろん決算書で見てとれます。区に対しては金銭以外の寄附もあろうかと思います。平成27年度決算では土地・建物の寄附はありましたでしょうか。どういうものでしょうか。 ○石橋経営室副参事(経理担当) 不動産の寄附でございます。個人の方から、中野三丁目に所在する土地及び建物の寄附が1件ございました。 ○酒井委員 中野三丁目でしたっけ、その土地を金額に換算するとどれくらいですか。 ○石橋経営室副参事(経理担当) 公有財産台帳に記載してございます評価額でございますが、土地価格が1億7,500万円余、建物が5,300万円余、合計2億2,800万円余でございます。 ○酒井委員 これは決算書などで読み取ることできますか。 ○石橋経営室副参事(経理担当) 決算書にございます財産に関する調書において、普通財産の増減表中に、未整備公共施設として、増加した平米等を表記してございます。しかし、物件の所在地や、その取得原因、評価額については記載してございませんので、決算書の中では詳細の把握まではできない状況でございます。 ○酒井委員 寄附金は285万300幾らです。1円単位まで寄附金は見えるんですね。しかし、土地・建物に関してはそういうものが見えづらい状況なんですね。それはやっぱり区として、お金のほうだけ追いかけてきていた。単式簿記でずっとやってきたというのがあると思うんですけれども、今やはり新公会計改革なんかにも取り組まなければならない中、こういった公有財産の管理についてもしっかりとしていかなければならないと思います。今後の土地・建物などの公有財産など、動きがわかるように反映していただきたいと思いますが、決算の資料でですね。いかがですか。 〇古屋会計室長 決算書は法令によって定められた様式を基準として作成することとされております。したがって、土地や建物の評価額などの詳細を決算書に記載することは難しいと考えております。しかし、決算書以外の決算関係資料の中で、寄附などによる財産の増加また減少などの要因であるとか、各財産の評価額などについてどのように盛り込むことができるのか、今後、調査研究してみたいと考えております。 ○酒井委員 ありがとうございます。決算書の書式が決まっているのは重々承知しておりますし、他の決算の補助資料で対応していただきたいと思っておりますので。今回、こちらは監査委員の決算審査意見書では出ているんですね。先ほどの特別区交付金のうちの特別交付金が算定になったものも、監査委員の決算審査意見書では出ております。行政側も決算書、決算資料の書き方についても今後工夫していただきたいと思います。結構です。すみません。ありがとうございます。 次に、本題ですが、土地の寄附などには負担付贈与というものがあるかと思いますが、この負担付贈与について簡単に教えてください。 ○石橋経営室副参事(経理担当) 負担付贈与でございますが、区が贈与を受ける際、区の負担を伴う一定の条件が付された贈与であって、その条件に基づく義務を履行しない場合、契約上の効力に影響を及ぼすもの、こうした贈与を負担付贈与としてございます。 ○酒井委員 わかりやすく言いますと、土地・建物だなんだの寄附のときに、こういうふうに福祉に使ってくださいよ、教育に使ってくださいよというので、議会の議決を経て、そして期限だとか、それから、契約解除したときの条件があるものが負担付贈与だと思うんですけれども、これ、期限がなければ、その負担付贈与というのはその効力は永久ですか。 ○石橋経営室副参事(経理担当) そのとおりの解釈でございます。 ○酒井委員 ここで、本町図書館のことをお聞きしたかったんですが、時間がありませんので、進行します。 それで、先ほどお答えいただきました。負担付贈与、期限がなければ効力は永久にありますよということだと思います。私もこの負担付贈与、調べさせていただきました。区政50周年記念、中野区議会史の資料で、議案の議決の推移ってあるんですね。そこで拾ってみますと、昭和37年から幾つかの負担付贈与がありました。まず、昭和38年、第1回定例会の10号議案についてお尋ねしたいんですが、内容は、東京都から小・中学校の用地についての負担付贈与です。このうち西中野小、第八中学校などの用地の一部について負担付贈与がありました。その内容、それぞれ用途と期限があるのかないのか、教えてください。 ○石橋経営室副参事(経理担当) 東京都からの贈与になります。第八中学校用地につきましては中学校用地として、西中野小学校用地につきましては小学校用地として、用途指定のある贈与でございました。なお、期限についての明記はございません。 ○酒井委員 西中野小は小学校用地として、八中は中学校用地として、それぞれ東京都から期限つきなく負担付贈与を受けていると。これ、学校再編2次計画では再編の対象になっていると思いますが、どうなっていますか。 ○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 学校再編計画(第2次)において、第八中学校は平成33年度に第四中学校と統合する予定です。この統合によりあいた第八中学校校舎を建て替えて、平成35年度に西中野小学校と鷺宮小学校を統合した新しい小学校にする予定です。 ○酒井委員 西中野は……。 ○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 今、西中野小学校と鷺宮小学校を統合……。 ○酒井委員 はい、ごめんなさい。 第八中学校は中学校用途で贈与されているんですよね。期限がないので、この効力は生きていると思うんです。西中野小も統合されて今後は未定という。東京都と契約しているにもかかわらず、それぞれ、小学校用途、中学校用途としては変わってしまいます。こういったことを、学校再編2次計画を策定されるときに調べた上で計画を策定されているんですか。 ○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 学校再編計画(第2次)を策定する過程では確認しておりませんでした。 ○酒井委員 そういった過去の経緯だとか、その土地がどういうものだとかというのは確認しなければならないんじゃないのかなと思うんですね。 今この計画が進んでいますね、平成25年に第2次計画が策定されて。それで、東京都ですから、協議すれば、まあ、そのあたりはどうかちょっとわかりませんが、例えば、もしも民間との契約でそういうふうになった場合にどうなるんだろうって、ちょっと私は心配になってしまいます。このことに関して、都とは協議されていますか。 ○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) まだ協議はしておりません。 ○酒井委員 もう1件、案件をちょっと御紹介したいので、結構です。ありがとうございます。 次に、昭和37年の80号議案ですね。この議案は都から区への保育園の移管についてです。その中には、南台二丁目にありました前原保育園の負担付贈与があります。この内容を教えてください。 ○石橋経営室副参事(経理担当) こちらも東京都からの贈与でございます。贈与する土地・建物等を区立保育園の用に供することとの要件が付されてございました。こちらも期限についての明記は特段ございません。 ○酒井委員 それでは、その区立幼稚園と供するように用途指定がされてあった前原保育園は、現在どうなっていますか。 ○安田都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 前・前原保育園跡地は、現在、南台一・二丁目地区防災街区整備地区計画に基づく地区施設道路及び権利者用代替地として活用してございます。 ○酒井委員 南台一・二丁目地区の防災街区整備地区計画において、贈与となって住宅になっているという理解でいいんですか、簡単に言うと。 ○安田都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) そのとおりでございます。 ○酒井委員 これ、前原保育園が東京都から保育園として負担付贈与で受けているにもかかわらず、今は道路になって建物になっているんですけれども、当時というのは、そういったことを東京都と協議した上で、この防災街区整備地区計画が進められたんですか。 ○石橋経営室副参事(経理担当) 旧前原保育園の廃止に伴う東京都への児童福祉施設廃止届の中で、都市計画用地としての転用予定である旨の記載をしてございます。その受理をもって、負担付贈与に係る要件の終了を東京都が了解したものと認識してございます。一方で、負担付贈与契約の終了を明確にするためにも、これに係る使用料、廃止届の提出前ないしは事後に書面をもってする必要があったとも考えております。 ○酒井委員 区立保育園の認可権は東京都にあるわけでしょう。それを廃止する際には、区としては改廃の届けを出さなきゃならないんです。それをもって負担付贈与が解除されたというふうな御答弁は、ちょっと私はいかがなものかと思います。 それから、保育園は――学校のことは学校の担当さんがお答えになると思うんですけど、公有財産というのは各所管の持ち物であって、経理さんがお答えになるんですか、そういう保育園のことは。 ○石橋経営室副参事(経理担当) 公有財産規則によりますが、財産の管理、第一義的には各所属する部長ないし統括管理者が管理するということになってございます。一方で、その統括並びに指導・審査するという役割として、経営室の経理の役割があると思います。 ○酒井委員 やはり公有財産というのは各所管が管理しておかなければならないですし、それで幾つか質疑をさせていただきました。私は、この前原保育園の用途変更に対して、やはり所管さんが答えるべきだと思っているんですね。どうしてかといいますと、土地・建物の、先ほど来申し上げましたが、管理というところ、適切な管理に対しての感覚が、お金よりもやっぱりちょっと、薄いというと失礼になるのかもわかりませんが、そういうところが見てとれるんですね。 監査委員の決算審査意見書の留意事項でも、公有財産の適切な管理について、かなり厳しい指摘がありました。事業や計画などを進める際でなくとも、平時から各所管が持つ施設や用地などの行政財産について、これまでの経緯も含めしっかりと把握をされ、適切な管理を行うべきだと思います。あわせて、用地・管財担当を持つ経理分野において、全庁的に公有財産の管理を徹底すべきであります。 るる問題提起をさせていただきました。どのように改善していこうとお考えですか。 ○篠原経営室長 ただいま委員から公有財産の取得、処分、転用といった様々な御質問をいただき、御指摘もいただきました。また、監査委員からも同様に公有財産の取得、処分、その管理のあり方、公有財産台帳の処理、そういった内容についても御指摘をいただきまして、我々も深くそれを重く受けとめているところでございます。 今後でございますが、こうした各事業部が所管いたします公有財産、その事業部と公有財産を統括的に管理しなければならない経営室、そこの連絡調整であるとか、連携を一層強化いたしまして、その中でこうした今回の指摘事項に対しまして検証し、改善策、例えば公有財産台帳につきましては、今その台帳上に取得の経過を記載する部分がございません。負担付贈与だったのか、または条件付きだったのか、そういったことがありますので、そういった見直しも含めて、今後、適正な管理に努めてまいりたいというふうに考えております。 ○酒井委員 公有財産は区民の財産であります。その適切な管理をしっかりと行っていただきたいと思います。 最後に、生活保護行政についてお尋ねします。 まず1点目、平成26年7月に生活保護法改正が行われました。その内容についてはもうお聞きしておりますので、お尋ねしません。それで、この生活保護法の改正は、生活保護費の減額や不正受給の罰則強化、そして申請する際の資産や収入、扶養義務者の確認の強化ですよね。まずは申請時からお尋ねしたいと思います。保護が必要な方には、迅速に、そして適切な保護を行うことが重要な反面、不正受給や不適切支給の防止にも取り組まなければなりません。改正により資産調査、扶養義務者の状況確認が行われますが、まずは資産調査、どのように行っていますか。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 資産調査及び扶養義務者の状況確認についてでございます。保護開始調査時に同意書を貼付いたしまして、金融機関及び年金加入歴、受給権について調査するほか、不正受給が疑われる被保護者に対しては、勤務先への調査も実施しております。法改正により通知や報告を求める扶養義務者は、扶養履行を求める家事審判手続を活用してまで費用徴収を行う蓋然性が高いと判断される場合に限られており、法改正後、該当する例はありません。生活保持義務に当たる者、それ以外に親子関係にあり、扶養可能性が高い者、過去に扶養関係のあった者に対し扶養照会を実施しています。 ○酒井委員 すみません。ありがとうございます。扶養というのはなかなか、扶養の調査の徹底があったんですが、なかなか扶養にはつながらないケースなんだろうと思います。 そこで、一番というのはケースワーカーさんがしっかりと働ける状況をつくるというのが大切なんだと思っております。ワーカーさんの状況についてお尋ねします。生活保護行政の基本は日常のケースワーク業務であり、適正保護、自立支援、不正受給の防止にはワーカー業務の強化が一番効果があると考えます。社会福祉法16条では、1ケースワーカー当たりの持ち世帯数、どのように定めていますか。また、それはいつ頃定められたものですか。持ちケースワーカー数といつ頃定められたものか、お願いします。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 社会福祉法第16条により、現業を行う所員1名当たり80世帯と定められております。また、この定めは昭和26年に施行されております。 平成27年度の生活保護世帯数は6,620世帯で、一部業務委託を導入している高齢世帯を除くと、地区担当員の担当世帯数は97.5世帯となっております。 ○酒井委員 質問をしっかりと聞いてください。お願いします。 先ほどお聞きしました。社会福祉法16条では、1ケースワーカー当たり80世帯持っていますね。それができたのは昭和26年なんですね。私が思うのは、当時と今と比べて、介護保険や障害福祉、高齢福祉などの専門知識も求められ、当時、法に定められた持ち世帯数でも、実は非常に厳しい現状があるんじゃないのかなと思うんです。区長も先ほどの答弁の中で、介護保険制度がスタート以来どんどん変わってきて、非常に複雑なものになっていると。そういったものもワーカーさんは習得しなければならないんですね。それにもかかわらず、今の区のワーカーさんの持ち世帯数ですね。1ワーカーさんの持ち世帯数はどれぐらいですか。端的にお答えください。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 今現在の地区担当員の担当世帯数は、先ほどの法定標準世帯の80世帯に対して、97.5世帯となっております。 ○酒井委員 97.5世帯ということで。当時の法律からどんどんと変わってきて非常に難しくなっているのに、昭和26年の基準よりもオーバーになっていると。そして中野区においては、安定世帯の高齢者世帯に関しては、ここの数字にカウントされていないと思うんですね。すると、かなりこのワーカーさんの業務、負担というのは大きいものが見てとれます。 次に、訪問についてお尋ねします。訪問ですね。中野区では訪問のルールをつくっていると思いますが、国の基準と比べると、どうですか。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 中野区基準についてお答えいたします。国が定める基準は、少なくとも年2回以上の家庭訪問であるのに対して、中野区基準では、必要に応じて5区分の訪問類型を定めております。その頻度については、毎月1回、年12回の訪問のほか、2カ月ごとに1回の訪問、すなわち年6回の訪問、そして4カ月ごとに1回、年3回の訪問、半年に1回の訪問、年2回の訪問、そして年1回の訪問、計5区分の訪問類型となっております。 ○酒井委員 ありがとうございます。国基準と比べるとかなり丁寧な対応をされているんだと思いますが、実際にその目標どおり回れているんでしょうか。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 訪問計画に対する実績としての訪問実施率については、全訪問類型の平均値として、区で定める生活保護業務実施方針目標値70%に対して、56.3%になっております。 ○酒井委員 こういったところを見ても、ワーカーさんが足りていないんだろうと思います。適正保護や自立支援を考えると、ケースワーカーさんの負担の軽減を図る業務体制の見直しや増員をしていかなければならないと考えます。ワーカー業務は複雑多岐に及ぶため、様々な知識と経験も必要であります。区のマニュアルや研修内容は質が高いと聞いておりますが、現状のこの状態では、マニュアルや研修制度を十分生かすことができる環境にないようにも思います。私は、社会福祉法に定める持ち世帯数を守るのが無理なら、中野スタンダードのような、中野の一定の基準を持って、その持ち世帯数を超えるようなら増員を図るなどのルールづくりも必要なのかなと思います。 実際に立川市では、一定の目安の持ち世帯数を超えれば人員を増加するような取り組みもされています。また他自治体でも、今年度、ケースワーカーさんの増員を図ったところも幾つかあると聞いております。区として、このケースワーカーさんの増員、どのようにお考えでしょうか。 ○伊藤経営室副参事(人事担当) 区におきましては、様々な行政課題を解決するため、毎年度、各部からのヒアリング等を行いまして、組織体制や業務執行方法などもあわせて検討を行いながら、適切な人的配分に努めているところでございます。 ○酒井委員 そうなると、ちょっと話が変わってくるんですね。先ほど来、幾つかワーカーさんの大変さもるる申し述べました。そういう中で、こういったワーカーさんの増員について考えられないんですかとお聞きしたんですけれども、適正だというふうにお答えになったんでしたか。 ○伊藤経営室副参事(人事担当) 人的資源につきまして限りがあるものに関しまして、様々な行政課題、行政需要にどのように応えるかということを検討いたしながら、ケースワーカーの配置数も行っております。 ○酒井委員 限られた人員でありますが、担当さんも以前は所管でありましたし、様々現場のこともわかっていらっしゃるのかなと思いますので、様々工夫して現場のケースワーカーさんの負担の軽減を図るよう、一緒になって取り組んでいただきたいと思います。 次に、医療扶助についてお尋ねしたかったんですが、医療扶助に関しましては、厚生分科会でお尋ねしたいと思います。 現金管理、お尋ねいたします。平成26年度の決算意見書において、監査委員から保管現金の不明金に関して指摘がありました。平成27年度の定期監査結果報告書でも、現金管理が適正に行われていないと指摘がありました。保護費の支給方法は原則振込であると思います。現在、手渡しというんでしょうかね、現金払いされているのはどれぐらいの割合ですか。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 保護費の支給形態についてでございます。保護費の支給については、金融機関の口座への振込でなく窓口払いとしているものは、全世帯の約1割、約600世帯弱となっております。 ○酒井委員 全世帯のうちの1割、約600世帯が手渡しでやっていますよということだと思うんですけれども、これを100%に、もちろん原則ですからしなければならない。ただ、現状なかなか難しいのも理解するところでもありますが、厳しく今後取り組んでいただきたいと思っております。 それで、保護法改正により、生活保護法78条ですね、不正受給についてお尋ねします。 被保護者に対して不正受給の返還金の差し押さえなど、強制執行が法改正により行えるようになりました。すなわち強制徴収公債権になって差し押さえができるようになったんですね、不正受給のお金に関しては。差し押さえされた事例はありますでしょうか。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 法改正後、差し押さえなど強制執行は実施しておりません。 ○酒井委員 これ、ないんですよね、やっぱり。平成28年予特の生活保護法第78条適用の徴収状況、これは厚生36の予特の資料なんですけれども、4,200万円程度、平成27年で不正受給、78条決定があったにもかかわらず、決定年度の収入済額は59万3,489円で、そのうち、これは1.4%しか返還金がないというふうな状況なんですね。本当に、法律が変わったとしてもなかなか対応できていないのが現状なんです。 私、思うのは、ケースワーカーさんは適正な保護をすることが仕事であって、このような督促や催告、差し押さえというのは本来業務でないと考えます。確実な債権回収を期することは無理があります。中野区には行政監理分野に債権管理担当がありますね。こういった弁償金や返還金などの困難な案件は債権管理担当が一括して対応されることが望ましいと、第2回定例会一般質問においても提案させていただいております。現在研究中ということでありますので、引き続きどのようにできるのか考えていただきたいと思います。 それで、平成28年1月の厚生委員会で、会計検査院も指摘のあった不納欠損に係る国庫負担金の返還について、報告がありました。この内容はどのようなもので、どう改善されますか。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 会計検査院指摘の対応についてでございます。弁償金など返還額の決定通知書及び納付書発送の他、債権管理システムを導入し、債権管理に求められる督促や催促など一連の手順に従った進捗管理を行います。 ○酒井委員 内容は簡単にちょっと教えていただけますか。簡単で結構です。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 債権をできるだけ発生させない取り組みとして、入院時の基準変更など、保護費の変動による過払いなどを生じさせない運用を行っていくということでございます。 ○酒井委員 すみません。私がお尋ねしているのは、平成28年1月の厚生委員会で報告された会計検査院の指摘のあった不納欠損に係る国庫負担金の返還についてお尋ねしているんですけれども。これ、先ほど改善されることはお答えしていただいたかもわかりませんが、先ほど来申し上げておりますが、ケースワーカーさんが地方税法や国税徴収法などをマスターし、督促、催告、差し押さえまでを行うのは酷過ぎるんですね。生活保護分野が債権者ではなく、債権者は中野区であります。繰り返しになりますが、中野の全ての債権を一元的に管理する取り組み、今後も検討していただきたいと思います。 最後に、訴訟対応について教えていただきたいと思います。 ケースワーカーさんなど職員が職務の一環として行った行為について、職員が個人として民事訴訟等提訴された場合は、職員個人が自分で対応することとなっているとお聞きしました。個人での対応は相当の負担であり、執務にも影響があると考えます。名誉毀損など属人的な行為でなく、職務の一環であれば区が対応すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 ○朝井経営室副参事(経営担当) 区の業務に関して何らか訴えられる場合、国家賠償法により区が訴えられる場合が通常でございますけれども、職員個人を被告として民事訴訟を提起されることもあり、その場合は、当該職員が必要な訴訟対応を行うことが基本となります。訴えられた対象が職員個人である以上、区が当該訴訟の当事者として組織的に対応するということはできないところでございますけれども、職務に関連して訴えられる場合においては、職員本人が訴えられたことによる負担を軽減するために、法務担当において訴訟対応に関するアドバイスなど、支援を行うことにしております。 ○酒井委員 経営室には法務担当さんがいらっしゃるわけですね。そういったときにしっかりとフォローしてあげていただきたいと思います。そうでなければ、なかなか業務に専念もできないと思いますので、引き続きの支援、お願いいたします。 この項の最後に、生活保護受給世帯では、学業や進学の環境が十分に準備されていない子どもが成長し、一旦は就職などにより生活保護より自立するも、失業などにより生活困窮を原因として再び生活保護を受給する貧困の連鎖があります。この負の連鎖を断つ取り組みは、やはり教育だと私は思っております。親に対する子どもの進学の動機づけや、子どもが安心して勉強できる環境づくりへのサポート、教育支援と、ともに社会との関係を育み、受給世帯からの自立支援を行っていくことが必要だと思っております。学べる環境をつくってあげていただきたいんです。 平成27年度より生活困窮者自立支援学習支援事業については評価もしております。引き続き、より実効性があるよう取り組んでいただきたいと要望するとともに、当たり前なんですけど、学力の向上は教育委員会だと思います。義務教育でありますので、教育の内容や水準を一定の基準以上にされるよう努め、実践し、子どもたちが夢や希望を持てる中野の教育を目指されることを要望し、この項の質問を終わります。 以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○若林委員長 以上で酒井たくや委員の質疑を終了します。 次に、篠国昭委員、質疑をどうぞ。 〇篠委員 最後の時間になってきました。持ち時間は1時間以上あるんですが、できるだけ時間内に終わるように頑張っていきたいと思っております。 通告いたしました順番でございますが、学校教育の課題、今、酒井委員も熱く語られましたが、私はそれを最後に回して、できるだけ早くその他の問題を先に進めたい、このように思っております。 最初に、災害時避難行動要支援者支援についてお伺いします。 1番目に、個別避難支援計画作成のための調査訪問の対象者と進捗状況についてお伺いいたします。個別避難支援計画は何枚完成し、支援者はどの程度見つかっているのでしょうか。また、今年度の取り組みについてもお伺いしたいと思います。 ○上村地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当) 名簿登載者が計画作成の対象者となりますけども、対象は3万3,000人を想定しておりまして、平成27年度は介護度1から5、障害支援区分1から6などの方、約1万人の訪問調査を開始いたしました。一部、継続調査中でございますけれども、入院、入所や同居家族がいることなどを理由に、個別支援計画を要しないとするケースが一定割合ありました。これらを除き、計画作成対象者約3,200名のうち8割、2,558人が計画書を提出いたしました。そのうち94%、2,392人は支援者ありとなっております。支援者の内訳は、大体親族が92%、その他御近所の方とか、その他介護事業者の方等々が入っております。 平成28年度、今年度は昨年の一部積み残し分を継続訪問中でございますけれども、これ以外に新たに2万3,000人、要支援1・2の方、70歳以上単身、75歳以上のみ世帯について、郵送調査を行う予定でございまして、現在準備中で、9月下旬から順次発送し、返送がなかった方については、職員が訪問する予定でございます。 〇篠委員 3万3,000という対象者、膨大な数なんですが、かなり精力的に行動されて、大半、1万人対象の積み残しの方々はそうはいない、こういう状況ですが、平成28年度の対応分は全て郵送調査で行うんですか。2万3,000人という膨大な数字について、全て郵送で行うという理解でよろしいですか。 ○上村地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当) 基本的には郵送で調査をいたします。 〇篠委員 調査の途中ですので、最終的なことは言えませんが、名簿登載者が3万3,000人ということですが、中野区には避難所は48カ所あるんですが、いざというときには、48カ所、1カ所当たり680人にもなるんですが、そのチェック全てを要求されているという理解でよろしいんですか。 ○上村地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当) 防災担当のほうで、町会・自治会に避難支援部というのを現在設置していただけるようお願いしているところでございますけれども、そういう方々メンバー、また区の支援班の、区の職員もあわせてそういう方の名簿の確認を、要支援者の確認をするということを想定してございます。 〇篠委員 私もこのやりとりを通して、48カ所の中の一つのリーダーを仰せつかっていますが、今までは庶務部ですとか情報連絡部、あるいは物資調達部、救援・衛生部ですか、その四つの他に、この部署を立ち上げようという流れはつかんでいるんですが、48カ所全てにこれを設定するのは相当至難の業だと思うんですが、どのように理解していますか。 ○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所に避難支援部を新設することにつきましては、避難支援の仕組みにつきまして、これまで町会役員会、防災会連絡会、避難所運営会議におきまして、私ども防災担当のほうで繰り返し説明したところでございます。昨年度、説明がわかりにくいという御意見が多かったことでございましたので、説明内容の改善に取り組みました結果、避難支援部の新設につきまして、前向きな考えを示していただける区民の方が増えている状況でございます。また、昨年度でございますが、避難支援部を新設して、避難支援訓練を実施した避難所もあらわれているところでございます。今後もさらにわかりやすい説明に配慮して繰り返し説明し、避難支援部の必要性と役割について、引き続き防災会の理解を深めるように取り組んでまいります。 〇篠委員 大変ですが、これを精力的にやらないと、いざのときにはなかなか、混乱を起こしますので、頑張ってください。 次に、民生委員による高齢者実態把握調査の結果の反映はどのようになっているのか。民生委員の役割、関わりについてわかりやすく説明してください。 ○上村地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当) 民生児童委員は、毎年6月から7月にかけまして、約1万4,000人の高齢者の方を対象に訪問調査を実施しております。本年度当初から民生委員協議会等々と協議してまいりまして、昨年度の結果をまず提供してもらうことといたしました。具体的には、民生委員による高齢者実態調査に基づき作成される要援護者調査票、災害時要援護者マップを民生委員は自分で落とし込んで持っておりますけれども、その登載者につきまして、災害時避難行動要支援者名簿に情報を追加していくように、今、準備を進めてございます。 民生委員・児童委員の関わり方につきましては、今申し上げました自分の要援護者マップに記載された方につきまして、災害時には安全確認に回り、そして指定避難所でその状況を避難所の支援部のほうへ、避難支援部のほうへ報告するというようなことを想定してございます。 〇篠委員 ふだんから大変力強くお力をいただいているので、いざのときには大変大きな力になると、このように思っております。 次に、支援計画作成者のうち、平常時から町会等に情報提供してもよいと同意された方は、現時点で何割いらっしゃるんでしょうか。その方の扱いはどのようになるのか。災害が起きてから名簿をもらっても対応できないという不満の声もありますが、今後どのようにするおつもりか、お答えください。 ○上村地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当) 現在、計画作成者、まだ一部でございますけれども、分析しますと、9割の方は町会・自治会等への情報提供に同意しているという結果が出ております。今後の方向性としましては、町会・自治会、防災会、民生児童委員等へ提供していきたいと考えております。今後どのような形で提供できるか。例えば見守り対象者名簿との統合等、今後の支えあい活動の支援のあり方を含め、検討してまいりたいと考えております。 〇篠委員 町会には、いざのときにはこの方々を頼むといったような名簿もいただいているんですが、誰でも見せるわけじゃないんですけど、いろんな種類の名簿が回ってきていますけど、何種類というふうに理解していますか。 ○上村地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当) 現在、平成4年より始めております防災の担当でやっております非常災害時救援希望者登載名簿、いわゆる手挙げ方式の方、この名簿の方が約800人登載してございます。二つ目は、町会・自治会で自主的に進めていただいている見守り・支えあい名簿、81町会・自治会が取り組んでいる名簿がございます。三つ目に、今私が担当して申し上げております災害時の個別避難支援計画の要支援者名簿、3万3,000人の名簿が区民活動センター地域本部におさまっております。 〇篠委員 名簿の取り扱いについて、例えば横浜市の震災対策条例施行規則というのを見ますと、保土ケ谷区の分なんですが、かなり細かい協定書が、膨大といいましょうか、大変な協定書をつくっているんですが、自主防災組織は、研修等を区の協力を得て年1回以上実施し、情報管理者及び情報取扱者はこれを年1回以上受講しなければならない。これは厳し過ぎるものなのか。名簿というのは、今、担当がおっしゃったように、もっと早く見せろと言えば見せたっていいものなのかどうか。区の認識はまだ定まっていないんじゃないですか。どうですか。 ○上村地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当) 災害時避難行動要支援者名簿につきましては、中野区としては今、区民活動センターに置いてございますけれども、取り扱いの遵守事項ということで、一応、災害時における取り扱い、公表をすると、防災会等に預けるという形になっておりまして、取り扱いの遵守事項がその名簿の表紙に何点かございまして、これは避難支援、安否確認以外の目的で閲覧しないこと、また、閲覧者以外に閲覧させないこと、また、複写・複製は行わないこと等々の注意事項で対応しているところでございます。 〇篠委員 その姿勢のままでいいのであれば問題はないんですが、名簿をパソコンに落としてはいけないとか、かなり慎重な態度の他に、今も申し上げたように、見る人は、区長と、年1回は勉強会に参加しなきゃならない。このようなところまで中野区はやるのか。そうじゃない、何しろ問題は困った人を助けることがメーンであって、そんな縛りをつけたら誰も協力するわけがないじゃないかの世界でいるのか。わかりやすく地域に連絡が届くように研修しておいていただきたい。これは要望します。 次に、事業系廃棄物収集届出制度について。まだ委員会に報告がないのであれば、答えられる範囲でいいんですが、平成28年度第1回定例会において、事業系廃棄物の収集届出制度について質問したわけですが、引き続きこの制度についてお聞きしたいと思います。 事業者はみずからの責任において廃棄物を適正に処理しなければならないという前提がありますが、区では小規模事業者への例外措置として、事業系有料ごみ処理券を添付して排出することを認めているところです。有料ごみ処理券の添付率は30%未満との報告もあるように、適正にルールを守って排出している事業者との公平性を担保するため、届出制度を通じて事業系ごみの適正排出を促し、事業系ごみの減量及び資源化の促進を図っていくとのことでした。 この制度の導入に当たり、具体的には区の収集を利用する事業者からごみの搬出量や排出場所等の情報を収集し、かつ民間の廃棄物処理業者を利用すると、区の収集を利用していない事業者からもごみや資源の処理状況についての情報を得て、ごみ減量・資源化促進の啓発や有料ごみ処理券を添付せずに排出している事業者への指導をより効果的に行っていくと聞いたところでございますが、今現在、事業者の届出についてはどのような進捗状況になっていますか。 ○波多江環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 今現在の事業者の届出の進捗状況でございますが、まず、平成28年2月に中野区内の約1万7,300件の事業者に対し、事業系廃棄物収集届出制度の案内とともに、事業系廃棄物排出届出書及び事業系ごみ資源処理状況調査票を郵送し、区の収集を利用する事業者には届出書を、区の収集を利用しない事業者には調査票を記入して返送いただきました。これまで、合わせて約9,200件の提出がございました。廃業あるいは営業の休止など、実態がないため対象外になった事業者数が約4,600件でした。結果として、7割以上の事業者の廃棄物排出状況を把握できたことになります。残りの約3,500件が届出書、調査票いずれも未提出となってございます。 〇篠委員 大分廃業者もいた状況ですが、事業者情報の調査をここまで進めてきたことはわかりましたが、届出書や調査書等の提出に応じない事業者への働きかけは今後どのようにするおつもりですか。 ○波多江環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 今後、届出書等の未提出の約3,500件の事業者へは、直接職員による訪問等を行い、提出していただけるようしっかりと働きかけをしていく予定でございます。届出書をどうしても提出いただけない事業者さんについては、清掃事務所のごみ収集時に有料ごみ処理券の添付状況を調査し、添付しないでごみを排出している場合には、届出の勧奨とともに適正排出指導をし、改善命令を行います。それに従わないときは事業者名等の公表や5万円以下の過料に処すなど、厳正に対応をしていく考えでございます。 〇篠委員 相当な努力をされているのがよくわかりますが、中野区はこの問題について不退転の決意で進むと、このように決意を語っていただいていますので、途中経過をぜひ逐一委員会報告を怠らずに進めていただきたい、このように思います。ありがとうございます。 それでは、その他で、労働モニタリングについて、まずお伺いします。 初めに、平成27年度に区が指定管理料を支払った施設の総数と、指定管理料の総額についてお尋ねします。 ○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 平成27年度に区が指定管理料を支払った施設といたしましては、福祉施設、スポーツ施設、文化施設などが35施設、区営住宅や福祉住宅などが28棟でございます。これらの指定管理料の総額は28億5,756万円余でございます。 〇篠委員 大変な金額なんですが、この全てに中野区議会は関与しているわけですね。これは指定管理にしていいという最後の決定権を議会でもあげている。常々私は、その議会に対する報告が甘過ぎるという指摘を続けております。例えばアンケート調査、もう利用する人が喜ぶからそれでいいだろう。違う面での調査も入れている区もあるわけですね。例えば、労働モニタリングの実施等については、23区中、中野区と江東区と中央区の3区だけはやっていない。外側からの調査、内側からの調査という視点で何回も質問させていただいているんですが、裏側からの調査、働いている人があんまり、嫌々働いている状況であるというような調査も必要だぞと。全施設でやれというんじゃないです。例えば杉並区の場合は、やっていますといっても、三つぐらいしかやっていない。1件について3人ぐらいの対応で、区の職員でなくね。予算的にも20万円ぐらいだと。しかしながら中野区は、やり続けないという理由を言ってください。 ○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 指定管理者制度を導入いたしました施設におきまして、指定管理者が労働法令を遵守し、適正な労働条件を確保するため、指定管理者の募集要項や協定書の中で配慮していくこととしてございまして、今年度、指定管理者の募集を行った例におきましては、募集要項の中で労働基準法、労働安全衛生法及び最低賃金法の遵守を明記させていただいたところでございます。さらに、その運用におきましても、指定管理者へのヒアリングや現場確認、事業報告書の審査等を行い、これらを通じて改善すべき点があった場合には、区が指定管理者に指示をすることで業務の適正な履行を確保し、サービスの向上を図ることとしてございます。こうした運用につきましては、区のガイドラインにも明記してございまして、今後ともこのような形で徹底を図ってまいりたいというふうに考えてございます。 〇篠委員 議会としては、あらゆる情報を、自分たちが決定したことについてしっかりと後も見るという姿勢をやっぱり続けるべきだ、こういうふうに思っていますので、適正に対応していただきたい、このように思います。よろしいです。 その他の2番目で、平成27年度決算を健全であると分析した理由についての項に入らせていただきます。 1番目に、生活保護費の平成27年度決算額が久しぶりに前年度の決算額を下回ったと。このことについて、生活保護担当の努力や取り組みの成果によるものなのか、制度改革などによるものなのか、区はどのように分析しているかという同じ質問を南委員が先ほどやっていただいたんですが、具体的な数字を挙げてのお答えになっていない。こういうことで、これがこう変わったといった指摘が一切含まれていない。これではとても承服できない。こんなことに触れてお答えください。 ○小堺健康福祉部副参事(生活保護担当) 生活保護費については、過去3年に及ぶ段階的な生活扶助基準改定による減額及び景気回復に伴う雇用情勢の改善により、新規の保護開始世帯数が平成26年854世帯から平成27年は718世帯と、対前年比約16%減少しました。被保護世帯数もほぼ横ばいであったことが、生活保護費が微減した、これは外的な要因であると考えております。 また、区の取り組みといたしましては、ハローワークや委託事業者と連携して就労支援を行ったこともあり、傷病など就労阻害要因のない就労可能な世帯の就労率が、平成26年度は35.8%から、平成27年度は40.1%となり、4.3ポイント増となりました。被保護者の自立助長に寄与できたと認識しております。 〇篠委員 そういうことであれば説得力あるお答えになっておりますので、引き続き努力していただきたい、このように思います。ありがとうございます。 監査委員の決算審査意見書の2ページの財政収支の概要では、収入から歳出を差し引いた形式収支から翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた実質収支額を黒字であるとしています。平成27年度決算において、翌年度へ繰り越すべき財源は3億4,000万円余りであったが、この翌年度へ繰り越すべき財源というのは、どういった手順や手続で決められているものなんですか。町会の翌年度繰り越しなんていうのは、このぐらいやっておけばいいんじゃないかって、かなり簡単なもんですね。いや、そういったもんじゃないんだと。議会も絡んでちゃんとしたもんなんだということを丁寧に説明してください。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) 翌年度へ繰り越すべき財源についてでございます。歳出予算の経費のうち、その性質上、または予算成立後の事由に基づきまして、年度内に支出の終わらない見込みのあるものにつきまして、翌年度に繰り越して使用する経費のことでございます。繰越明許費と事故繰越がございます。繰越明許費というものは、一定の事由に基づきましてあらかじめ予想されるものにつきまして、予算として議会の承認を受けて繰り越し使用が認められるものでございます。また事故繰越とは、あらかじめ予想し得なかった、やむを得ない事由によって年度内に支出ができなかったもの、これを繰り越して使用するというものでございます。 平成27年度決算におきまして翌年度へ繰り越すべき財源、こちらにつきましては、全て議会の御承認を受けた繰越明許費でございまして、自治体情報システムセキュリティ強化であるとか、防災行政無線デジタル化等、3億4,000万円余を繰り越したものでございます。 〇篠委員 わかりました。 次に、財政白書の22ページによりますと、財政の弾力性を示す経常収支比率は、前年度比8.6ポイント減の76.5%に下がり、23区平均を下回ったと記されています。適正な水準に達したと言えますが、この要因は何か、区の分析結果をお伺いします。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) まず、一つは特別区交付金、それから地方消費税交付金など、いわゆる分母である経常一般財源でございますけれども、こちらが41億円余増となった。一方、分子である経常経費に充当する歳出の一般財源、歳出から見た一般財源は31億円余の減となったものによるものでございます。分子の経常経費充当の一般財源が減となった大きな理由につきましては、平成26年度までございました決算統計上、経常経費として計上していました本五ふれあい公園用地、これが統計上は経常という扱いになっていまして、これが平成26年度に終了した。これが大きな要因であるというふうに分析しているところでございます。 〇篠委員 本五ふれあい公園、本当に立派にでき上がったんですが、当初、あれはNTTの跡地でしたっけ。(「そうです」「宿舎」と呼ぶ者あり)宿舎跡地。当初大きな問題になったのは、139億円と。最近聞いたことのない金額で、買いに出るのかといった、最終的には139億円じゃなく142億円ぐらいでしたか。こういった議会で大きく取り上げられた問題ですが、本五ふれあい公園用地のような経常収支比率を上げていった要因については、今後も発生しますか。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) これは現段階、現在のところでございますけれども、本五ふれあい公園用地のような公共用地先行取得事業債、これを計画的に、例えば5年分割等で取得する、これは現在のところは予定はございません。 〇篠委員 持続可能な区政運営を進めていくためには、財政構造の弾力性が確保された良好な状況を堅持していく必要があると思うわけですが、今後の見通しについてはどのように認識しているのか。また、経常収支比率を上昇させないため、区としてはどのような取り組みが必要であると認識しているのか、お答えください。 ○田中経営室副参事(行政監理担当) まず歳入面でございますけれども、世界経済、金融市場の動向、こういうものに留意する必要があるというふうに考えてございます。また、今後の日本経済の景気動向によっても当然一般財源に影響を受ける、楽観できるものではないという認識はございます。 また歳出面につきましては、今後の施設の維持更新、それから、少子・高齢化に伴う歳出の増要因、こういうことも見えているところから、今後とも財務規律の遵守、こういうものは不可欠であるというふうに認識しているところでございます。さらにまちづくりなどに、中野の魅力を高めるであるとか、区民の所得向上、税収増に向けた様々な施策、こういうことを引き続き行っていく必要があるというふうに認識しているところでございます。 〇篠委員 不確かな要素もたくさんありますが、しっかりと取り組みを期待して質問を終わります。ありがとうございます。 後回しにしました学校教育の課題について、お伺いいたします。 この夏、産経新聞に品川区長が、「区長の本気 教育都市しながわへの挑戦」という情熱あふれる論文を寄稿されました。教育は二つの目的があると考えている。一つは、子ども一人ひとりが人生を生き抜くための知識や経験を習得すること。もう一つは、未来の社会をつくることである。まさにこれは教育勅語にいう「学を修め、業を習い、以て智能を啓発し、徳器を成就し」、業を習い、あのくだりですね。この大上段に構えた品川区長。品川区で大変実績を残された小林福太郎先生も教育委員としてしっかりと対応していただいているわけですが、「教育都市しながわを基本理念とし、成長に応じた多様な教育の場をつなぐ質の高い教育環境を整備することに、家庭、学校、地域などがともに支えあい、ともに成長していく社会を目指すものである」と続けて、具体的な施策を展開されておりますが、我が自民党区議団は、義務教育の段階で、高い学費を払ってまで私立に行く家庭が増え続けていることを注視しています。 私立に通う場合、授業料以外にも教材費などを合わせると、年100万から200万円かかると言われているわけですが、比較的年収が高い家庭でも苦しい金額です。中野区においても30%の生徒は私立学校へ進学しています。中野区の場合は3年続けて大体同じなんですが。名前を言われては困ると言われているので、区の名前は言いませんが、教育に熱心になればなるほど、私立に行く人の割合が増えてしまうというとんでもない結果が出ているデータも拝見させていただきましたが、何はともあれ、信頼される公立学校を目指してあらゆる努力を続けていくべきだと、そのように思って質問をさせていただきます。 まず、学校教育の信頼度を高めることについてお伺いします。 公立学校は子どもたちの教育の場であるとともに、地域コミュニティの核となる存在であり、地域が発展する礎とも考えています。その卒業生にとっては、もうその学校があるだけで尊いと。そこまで地域の信頼を十分に得られる可能性のある大切な場所だと私も認識しております。このような中、社会情勢の影響もあり、私立校と呼ばれる状況もありますが、私立学校は建学の精神があり、特色ある学校教育を展開しているので、建学の精神や特色ある教育活動に魅力を感じて進学することは個人の自由であると認識していますが、時に、公立学校に魅力がないから私立学校に行ってしまうんだという、そういうことは何としても努力によって避けたい、このように思っています。 現在の中野区立小学校から私立学校へ進学状況は、おおむね先ほど申し上げたように30%ですが、横ばいですが、子どもたちが安心して通える教育環境、この夏の報道では、子どもが自ら命を絶ってしまったような痛ましい事故が発生しているわけですが、そういったものに対する向かい方、あるいは学力向上の面、こういったものについてますます信頼を高めていく、こういったことが望まれるわけです。 まず、公立学校が安心して、安全な学校であるという視点で質問させていただきますが、学級崩壊等の問題について、あるいは、子どもたちの中には発達の遅れた障害があるお子さんもいらっしゃるわけで、一概には言えませんが、若い教員の方、そういった様々な場合について、生活指導という、こういう視点で教育委員会の切り込みをお聞かせいただきたいと、このように思っています。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 学級崩壊等、学級が落ちつかなくなるような状況は回避しなければならないというふうに考えてございます。仮に学級崩壊が起こるような状況が、学級での学習が成立しないような状況が起こった場合には、各校において管理職を中心として、授業力や生活指導力の向上を目指し、教員の指導を行うとともに、学校全体で学級や教員を支えるために複数の教員での授業の見守りを行うなど、学校全体での組織的な対応をしてまいります。また、教育委員会としましては、学校との連携を密に行いながら、校内体制の支援等、対応してまいります。 〇篠委員 問題は様々あると思いますが、引き続きの努力をお願いして、次に学力向上についてお伺いしますが、中野区の公立学校の信頼を高めるための努力は認めますが、現状の学力状況をどのように把握していらっしゃいますか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 現在、区独自の学力調査の結果につきましては、向上の傾向がございます。また、全国学力調査の結果についても、全国や都の平均正答率を上回っている結果が出ておりますので、徐々に学力が向上しているというふうに認識してございます。 〇篠委員 大変にいい傾向だと思うんですが、私は常々指摘させていただいているのは、中野区はきめ細かく学力調査を行って、追跡調査を丁寧にやっているんですが、中学1年の時点での学力がこれだけあった子が、中学3年の時点で落ちていってしまう。これはもう何としても避けなきゃいけない具体的な問題ですので、そういった視点も引き続きしっかりと取り組んでいっていただきたい、このように期待しております。 次に、公立学校の信頼度を高めるためには、教師の指導力が重要であります。教育は人なりとも言いますが、どのような取り組みを行っていらっしゃいますか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 各校や教育委員会において授業力向上の研修を実施するとともに、本区では教科の専門性や指導力が高い教員を教育マイスターとして認定しております。授業研究や研修会の講師として模範授業を実施しております。また、小中連携教育における乗り入れ指導において、小学校、中学校の教員がともに授業検討を行う中で、指導の連続性や学習内容の系統性を確認するなど、取り組んでいるところでございます。 〇篠委員 いいことですね。このような取り組みは校長のリーダーシップが必要とも言われていますが、実際に校長がリーダーシップを発揮して向上した学校はテレビでよく見るんですが、今、室長がお答えになったそれぞれの細かい内容について、校長が体を張って頑張った姿はテレビでは見ることはありますが、実際に中野区においてはそういった例はございますか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 学校教育向上事業の研究指定を受けた学校は授業改善が行われ、学力の向上につながるなど成果が上がっているところでございます。この指定に当たっては、校長がリーダーシップを発揮して校内研究の推進を行っており、その点で成果が上がっていると認識してございます。 〇篠委員 いいことですね。それで、今年から補習学習に力を入れていると聞いていますが、補習学習といいますと、我々が思い出すのは、都立にどうしても行きたいという人だけ集めて勉強を教えるとかね。今はもうほとんどあり得ないんじゃないかと。そんなことを一生懸命やると、目立つのもいいかげんにしろの世界になる。いや、そんなことはないんだと。各学校の自主性によってそういう取り組みがあるんであればね。学力順に分けたら、荒っぽい勉強の仕方をしている私立なんかの例をよく見るんですが、中野区の場合は、きめ細かく達成度順に対応するとか、今の制度として非常に立派なやり方をしているんですが、そういった情報をちょっとお聞かせください。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 本年度から学習指導支援員を配置しまして、教員と協力して放課後や長期休業中に補習学習を行うようにしてございます。このことによりまして、習熟度別での補習的な学習が可能となっております。 〇篠委員 それで当たり前というようなね。いつか鷺宮小学校の例を申し上げましたが、PTA、あるいは地域の人が主導で、「鷺寺」というんでしょうかね、いつ来てもいいよというような勉強の場を与えるとか。地域の力は本当に信じていい状況というのもありますので、あらゆる工夫で頑張っていただきたいと僕なりには思っています。ただ、民間の力を利用してでも学力向上に取り組むんだという、そういった姿勢というのは、まさに品川区の例でも申し上げましたが、区長は、この新しい制度では相当な指導力の場所に置かれているわけで、何も品川区長だけが問題じゃない。中野区といえばなかのサンプラザ、中野区といえば北口の開発というのもありますけど、まちづくりというのもありますけど、何としても教育だと、品川区長はこうおっしゃるんだよね。歴代のリーダーを見てきますと、人づくりというのは、やっぱりリーダーの最終目的だという人物は相当聞くわけで、ぜひ田中区長にはそういった意味のリーダーにもなっていただきたいと、このように期待します。 中野区の民間活力を利用した教育への対応というのは何かありますか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 現在、先ほど申しました学習指導支援員を活用した補習授業の充実というのに取り組んでいるところでございます。民間の活用につきましては、今後の課題としてまいりたいと考えてございます。 〇篠委員 教育委員会は、私は、文教分野は予算の獲得はあまりかけていないように思っているんです。やっぱり、アリストテレスの言葉を借りると、中間層が安定すれば、世の中は一番安定するんだと。ですから、教育についてはお金の心配がないから何も言えないんだというようなことを目指したフランスは、相当――私はフランスを全面的に支持するわけじゃないんですけど、本当に安定した国家づくりの一つの切り込みであるというふうにも理解できますので、区長は教育にさらなる予算をかけて、力強い中野区の教育に取り組んでいただきたいと、このようにも思っています。 3学期制について、高橋ちあき委員だけじゃなく、久保委員も一緒になって色々お力をいただいていますが、この学力向上という切り口だけで見ると、アンケート調査からは、激しいそこに対する切り込みが感じられない。やはり予備校等で見ますと、今勉強したことはどれだけ定着しているか、まさにきめ細かい対応をしているんです。ですから、伊藤正信委員もおっしゃるように、3学期制、夏休みの前に、じゃあ、ここをこのように頑張ろうねという話し合いは、殊、学力向上にかけては相当な威力を発揮するはずだという視点が、あのアンケート調査からは読み取れない。ぜひ、再度教育委員会で話にのせていただきたい、このように期待します。 英語教育について伺いますが、流れは英語教育になっておりますが、私は英語教育を全面的に支持しているわけじゃないので。ただ困ったことに、もう会社では英語以外しゃべっちゃいけないとかという流れ、これはやっぱり産学公云々の世界からの切り口が教育問題専門の方々の発信力を上回っている大きな流れのように思えてなりません。数学の日本が誇る学者でも、例えば藤原正彦さんにしても、大数学者ですが、1に国語、2に国語、3、4がなくて、5ぐらいに数学、このように言っています。英語が出てこないじゃないか。自国語は一番大切だということをおっしゃっているんだと、このように思っていますが、中野区の英語教育の現状はどのようですか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 現行の学習指導要領に基づきまして、小学校では5・6年生に年間35時間の外国語活動、中学校では各学年、年間140時間の英語を実施しており、それぞれ英語を話せる講師であるALTを一定時間配置しているところでございます。 〇篠委員 今後、都立高校の試験にも英語を相当、いろんなその流れの中で、英語教育については我々も相当に目を離せない部分が出てくると思いますが、もう始まった流れをとめられない状況下に入りつつあるんですが、人員配置等で遅れをとらないようなそれなりの努力を期待しておきます。ありがとうございます。 次に、教科書謝礼問題についてですが、全新聞が社説で取り上げる。そういった流れの中で、この問題が教育委員会で議論された経緯が感じられない。まして、子ども文教委員会に報告があったとも聞いていない。私はこれは根本的に間違っていると思うんですが、この調査、東京都で21人が懲戒処分、217人がそれなりの注意、現金の受け取り等についてといった切り込みの中で、中野区は関係した人はゼロですか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 今回の調査の対象者は11人でございました。 〇篠委員 何の報告もないと思いますが、これはどのように調査されたもんですか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 教科書会社から文部科学省に謝礼等を受け取った疑いのある教員について報告があり、その報告に基づいて都からの調査依頼がございました。このことを受け、対象教員本人から聞き取りをしたり、対象教員が調査研究会に関わっていた場合には、調査研究会に同席した管理職に確認を行ったりして事実を確認いたしました。また、調査研究会の報告、資料の内容についても確認し、確認した結果について東京都に報告したものでございます。 〇篠委員 私は教科書採択については膨大な資料を読ませていただいて、この報告はおかしい、もうこの教科書は全くだめだというような報告を上げている方が何人か散見できたんですが、これを証明することは不可能に近いということで、文科省も、発覚したら教科書採択を途中でもやり直すといったような法文をつくってあるんですけど、できるわけないような法文、文章ですのでね。今度はもう採択の時点で断っちゃうんだというような強い姿勢を出す予定だと言っておりますが、いずれにしましても、教育の現場の意見がまるっきり萎縮しちゃって上がってこないということも、これは大変なことなので、教育委員会としては引き続きしかるべき対応をお願いしたいと思っております。 あまり細かいことを聞くと切りがないんですが。この人が悪いんだって証明することは、何年もの日にちを要するし、不可能に近いということもわかっております。ただ、ターゲットに狙われる先生方というのは、学校でもよりすぐった方であることは間違いない。必ず切り込まれる。もう民間の会社は、自分の会社が倒れるかどうか、命がけの行動をとって、全社挙げて悪いことをしてしまったような状況下に今回なったんですね。ですけど、やっぱり正しい姿でございませんので、教育委員会としてもこの辺のリーダーシップを引き続きとっていただきたい、このように思っております。これ以上はこの問題は触れません。 最後に、部活動の適正な実施について。 私も、学習塾をやっていたとき、3年連続で東京都チャンピオンを出したことがあるんですが、指導者の情熱というのは、もう生徒の才能をうそのように出すんですね。本当か、それというような。見学が来る。どこで卓球をやっているんだ。来てみたら、何だか馬小屋みたいなところでやっている。馬小屋だからバックがうまくなる、なんてないけどね。色々ある。指導者の情熱というのは生徒を変える。そんな力を持っているわけですから。ですから、中野区においても、この先生が動くと、そこの運動部が強くなったり、ブラスバンド部が生き生きしちゃったりというのはあるとは思うんですが、やり過ぎはチェックしないといけないと私は思っているんですが、あまりにもやり過ぎて、中学ではさほどはないと思うんですが、高校では部を辞めることもできない。辞めることは人生を断つことだというぐらいな激しい姿を見るんですが、やり過ぎに対するブレーキというのと、頑張れというのとバランスは大変難しいと思いますが、室長はどのようにお考えですか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 本区の状況でございますが、運動部、文化部とも、おおむね2日から5日の活動状況にございます。週6日活動している部活動もありますが、熱中症との関連もあり、長期休業日前には生徒の体調に配慮して活動するよう学校を指導してございます。部活動が適正に行われるよう今後も指導してまいります。 〇篠委員 今後、自民党は教育委員会を応援しますので、一生懸命頑張って、区長部局からもしっかり予算を獲得して、最後は人だというような田中区長のリーダーシップを期待して、全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○若林委員長 以上で篠国昭委員の質疑を終了します。 以上で本日の総括質疑を終了します。 次回の委員会は、9月20日(火曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の決算特別委員会を散会します。 午後5時00分散会 |