1.平成28年(2016年)9月20日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎
9番 羽 鳥 だいすけ 11番 高 橋 かずちか
12番 内 川 和 久 13番 甲 田 ゆり子
14番 小 林 ぜんいち 15番 白 井 ひでふみ
16番 中 村 延 子 17番 細 野 かよこ
18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり
20番 い さ 哲 郎 21番 佐 野 れいじ
22番 いでい 良 輔 23番 伊 東 しんじ
24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ
26番 小 林 秀 明 27番 森 たかゆき
28番 石 坂 わたる 29番 いながき じゅん子
30番 小 杉 一 男 31番 浦 野 さとみ
32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき
34番 大 内 しんご 35番 市 川 みのる
36番 篠 国 昭 37番 久 保 り か
38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子
40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦
42番 来 住 和 行
1.欠席議員(1名)
10番 北 原 ともあき
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長 川崎 亨
副区長 本田 武志
教育長 田辺 裕子
政策室長 髙橋 信一
政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲一
政策室副参事(予算担当) 黒田 玲子
政策室副参事(広報担当) 堀越 恵美子
経営室長 篠原 文彦
危機管理担当部長小田原 弦
経営室副参事(経営担当) 朝井 めぐみ
経営室副参事(人事担当) 伊藤 政子
経営室副参事(施設担当) 宮﨑 勇一郎
経営室副参事(行政監理担当) 田中 謙一
都市政策推進室長奈良 浩二
西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀行
都市政策推進室副参事(産業振興担当) 青山 敬一郎
都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当、中野駅周辺計画担当) 石井 大輔
都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 松前 友香子
地域支えあい推進室長 野村 建樹
地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦
中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 只野 孝子
北部すこやか福祉センター所長、
北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 石濱 良行
北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 吉沢 健一
区民サービス管理部長 白土 純
区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治
区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 渡邊 健治
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横山 俊
子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、
教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀
子ども教育部副参事(子育て支援担当)、
教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 平田 祐子
子ども家庭支援センター所長、
教育委員会事務局副参事(教育相談連携担当) 神谷 万美
子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、
教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 小山 真実
子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、
教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当) 荒井 弘巳
子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、
教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 浅野 昭
教育委員会事務局指導室長 杉山 勇
健康福祉部長 瀬田 敏幸
保健所長 寺西 新
健康福祉部副参事(福祉推進担当) 石濱 照子
健康福祉部副参事(保健予防担当) 水口 都季
健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 宇田川 直子
健康福祉部副参事(障害福祉担当) 岩浅 英樹
健康福祉部副参事(生活援護担当) 鈴木 宣広
環境部長 戸辺 眞
環境部副参事(地球温暖化対策担当) 鳥井 文哉
環境部副参事(生活環境担当) 浅川 靖
都市基盤部長 尾﨑 孝
都市基盤部参事(都市計画担当) 豊川 士朗
都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 千田 真史
都市基盤部副参事(建築担当) 小山内 秀樹
都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鈴木 崇
都市基盤部副参事(生活安全担当、交通対策担当) 伊東 知秀
会計室長 古屋 勉
選挙管理委員会事務局長 長﨑 武史
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 小田 史子
事務局次長 古本 正士
議事調査担当係長 佐藤 肇
書 記 関村 英希
書 記 大野 貴子
書 記 細川 道明
書 記 井田 裕之
書 記 冨士縄 篤
書 記 田中 寛
書 記 遠藤 良太
書 記 鎌形 聡美
書 記 松丸 晃大
書 記 香月 俊介
書 記 亀井 久徳
1.委員長署名
午前10時00分開議
○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第5号まで計5件を一括して議題に供します。
前回、9月16日の理事会の報告を行います。
本日の委員会運営について、本日の総括質疑は、1番目に小林ぜんいち委員、2番目にいさ哲郎委員、3番目に中村延子委員、4番目に高橋かずちか委員、5番目に甲田ゆり子委員の順に5名の質疑を行うことを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 ただいまの報告どおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 御異議ありませんので、そのように運営いたします。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようおお願いいたします。
それでは、質疑に入ります。小林ぜんいち委員、質疑をどうぞ。
○小林委員 おはようございます。平成28年第3回定例会決算特別委員会の総括質疑を公明党議員団の立場で行わせていただきます。
総括質疑、きょう2日目なんですけど、中3日空きまして、この間にお祭りもありまして、肩、足腰が、すみません、筋肉痛で、うまく立てるか座れるか、手が上がるかわかりませんが、どうかよろしくお願いいたします。
初めに、平成27年度決算について、(1)歳入・歳出についてお伺いいたします。
平成27年度の財政白書の決算の歳入の状況を見ますと、歳入増となった主な要因は、特別区交付金、地方消費税交付金、国庫支出金、繰入金の増と考えます。その中で特別区交付金は374億円余、区の歳入予算の中でも大きな割合となるものであり、東京都全体の景況感が反映されているものと考えます。そこで、初めに、特別区交付金についてお伺いをいたします。この財政調整制度における特別区交付金について、特別区交付金は昨年度より4.1%の増加となり、調整3税の増加が理由されていますが、特別区交付金の内訳となる普通交付金の決算額と伸び、特別交付金の決算額と伸びをそれぞれお伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) 特別区交付金の決算額の伸びと内訳ということで、まず普通交付金でございますが、決算額は353億9,047万円となっておりまして、前年度比10億6,800万円余となってございます。3.1%の増となっております。特別交付金の決算額と伸びでございますが、特別交付金は20億3,512万2,000円余りが決算額となっております。前年度比で3億9,600万円余りが増加いたしまして、24.2%の増となっております。
○小林委員 先週、我が会派の南幹事長の答弁を聞いていてわかったんですけれども、特別区交付金の平成27年度決算として出てくる数字というのは、平成26年度の後半から東京都との調整、協議を始め、平成27年度予算として調整3税のフレームを定め、その配分がされるということで理解をしてよいのでしょうか。もしその考え方、理解が正しいとすると、フレームと実際の都の調整3税の決算額の差はいつの時点で精算されるのでしょうか、お伺いいたします。また、普通交付金が前年度に比べて10億円余増加していますけれども、普通交付金の算定をする中には様々な項目があると思います。どのような経費が増加しているのでしょうか、あわせてお伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) まず特別区交付金の区の決算値は、委員の御指摘のとおり東京都の前年度の協議結果のフレームが基本となっているということの理解で間違いございません。また、実際の決算値とフレームの差ということでございますが、まず決算見込みを立てながら、フレーム内の一定額は当該年度での調整となります。もし東京都が途中で特別区交付金について補正予算を組んだ場合には、それが反映するということはございますが、そのままですとフレーム内で一旦調整を行います。最終的な差額につきましては、平成29年度の財調算定の中で調整をするものというふうになっております。また、増えた要因でございますが、普通交付金の増加要因としましては、社会保障施策対策経費ですとか、また公園対策にかかわる経費や都市計画事業に関わる財産費等が増えた増要因となってございます。
○小林委員 普通交付金は調整3税の影響が大きいと考えますけれども、調整3税の27年度の状況はどのようなものだったのか。また、景況感は反映されているのでしょうか、お伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) 調整3税全体でございますが、平成26年度は1兆7,798億円、平成27年度は1兆7,838億円余りで、40億円程度の増額となっております。その中の法人住民税は200億円程度減額となっておりまして、法人住民税一部国税化の影響が出ているというふうに考えております。しかしながら、平成27年度当初の調整3税のフレームの法人住民税を予測した際に、平成26年度のフレームに比較して300億円程度減額すると予測しておりましたが、実際は200億円程度で終了するということで、好景気の影響が出ているものというふうに判断をしております。また一方で、全体としては、法人住民税は落ちておりますけれども、固定資産税が240億円ほど伸びたために、結果として調整3税全体が40億円の増加となり、この55%分が特別区における普通交付金の伸びとなっているというような状況でございます。
○小林委員 特別区交付金については、各区で様々な交渉を行っていることだと思いますし、なかなか説明しづらいこともあると聞いています。平成27年度においても予想を超えた歳入状況となり、平成28年、平成29年にもよい結果が出ることを期待しています。
次に、平成26年度に比較して大きく増加している地方消費税交付金についてお伺いいたします。地方消費税交付金の平成26年度の決算額は41億1,200万円、平成27年度は72億7,639万円で、31億6,439万円の大幅な増額となりました。この要因についてはどのようにお考えでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 平成27年度の地方消費税交付金、こちらにつきましては、消費税率の引き上げの影響、これが平年度化したことによりまして、前年度比で77%増の72億7,600万円余となったものでございます。
○小林委員 地方消費税交付金は社会保障費に充当することになっています。法人住民税の国税化などが進む中で、区の予算事情として簡単なことではないと思っています。子育て支援や福祉、介護などに充当する考え方や実態は十分に実行されていると思います。また、法務省の通達では、充当された具体的な事業について決算資料などに掲載することも求めています。そこで、平成26年度から主要施策の成果に記載され、平成27年度については地方消費税交付額の社会保障経費の額と充当した内容まで掲載をされています。地方消費税交付金における社会保障経費が福祉や子育てに十分渡っているのか、どのような見解をお持ちでしょうか、お伺いいたします。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 消費税引き上げによる増収分34億5,900万円余についてでございますけれども、医療、介護、子ども・子育て等の社会保障施策に要する経費の一般財源に充当することとなってございます。具体的には主要施策の成果4ページに記載させていただいてございますけれども、保育所等運営事業、児童手当、児童扶養手当、国民健康保険事業などの予算財源に充当しているものでございます。
○小林委員 次に、財政調整基金についてお伺いいたします。積立基金年度末現在高でありますけれども、平成26年度末で485億7,000万円余、平成27年度末では592億5,000万円余となっております。22%の増加の106億円の増額となっています。平成25年度から26年度にかけて95億円余り増加し、平成25年度から平成27年にかけては、およそ200億円の基金が増加していることになっています。そこで、平成27年度の増加要因と義務教育基金の増加額と基金残高についてお伺いをいたします。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 平成27年度につきましては、特別区交付金や地方消費税交付金等の一般財源が増となった一方、今後の施設の維持更新、少子高齢化に伴う歳出増、こういった要因が見えているところを踏まえまして、財政調整基金や義務教育施設整備基金等の特定目的基金への積み立てを行ったものでございます。基金全体では、前年度比106億円余の増の592億5,000万円余となり、そのうち義務教育施設整備基金につきましては、前年度比33億円余の増、残高173億2,000万円余となってございます。
○小林委員 次に、中野区方式の公債費負担比率についてお伺いいたします。平成27年度の公債費は97億円で、起債元金償還額が減少したことにより、前年度に比べ6億円、5.6%の減となっています。積立基金が増額し、公債費が減少することは、区の財政運営が健全に行われていることになると思いますが、公債費は世代間の負担の公平を図るという側面もあると考えます。中野区では中長期的な財政見通しの中で、中野区方式として一般会計における一般財源に占める公債費の割合を10%以内となるよう目標を定めており、業績評価の結果においても、ここ数年ずっと10%以下の公債費負担比率となっています。この中野区方式の公債費負担比率とは何か。どういう方式なのか、まずお伺いいたします。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 中野区方式の公債費負担比率でございますけれども、一般会計における減債基金への積み立て、それから繰り入れ、これらを反映した実質的な一般財源に占める公債費の割合のことでございます。具体的な算定方法でございますけれども、区債の元利償還金に減債基金の積立額、これを加えまして、減債基金の繰入額を差し引いた額が分子となります。一方、特別区税や特別区交付金などの一般財源、これを分母として計算して算出しているものでございます。区では予算段階におきまして、おおむね10%以内となるよう目標を定めることによりまして、公債費の抑制を図っている。そういうところでございます。
○小林委員 なぜこの中野区方式なのか、お伺いをしたいと思います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 先ほど行政監理担当から御説明ありましたように、中野区方式につきましては減債基金を積み立て、また当該の年度のものをその減債基金から支払う公債費に繰り入れております。一般的な公債費負担比率につきましては、減債基金の繰り入れは行わず、減債基金の積み立てだけを大まかに言いますと算定しているということのために、区の一般会計におけます公債費の実態を把握することになって、明確には把握することになっておりません。このため、中野区では当該年度における公債費負担比率が明確に把握できるように中野区方式を採用しているところでございます。また、健全な財政運営を行うために、10%前後の比率を保つことも含めて中野区方式と考えているところでございます。
○小林委員 2番目に、義務教育基金についてお伺いいたします。
先ほど義務教育施設整備基金の積立額は173億円余とお伺いをしました。平成27年度決算特別委員会では、学校の再編に伴う整備については、改築、大規模改修に伴う整備について基金積み立てを行い、対応を図るといった答弁をいただきました。しかし、昨年12月には、学校再編計画については、整備について大幅な変更を行ったと聞いております。そこで、大幅に変わった整備の考え方、学校の特財フレームについてお伺いをいたします。
○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 学校再編に伴う施設整備につきましては、原則として大規模改修により30年程度の長寿命化を図りまして、その後、大規模改修から30年を経過した時点で改築することとしておりました。その後、具体的な検討を進める中で、中野区立小中学校再編計画(第2次)を策定した時点より児童・生徒数が増加し、さらに今後も6歳から14歳の人口が増加する見通しが明らかになりました。このことから、普通教室や少人数指導のための教室、地域開放型図書館のためのスペースなどを確保するため、原則改築することとしたものでございます。
○小林委員 新たな整備方針、今、改修、改築、それから大規模改修それぞれあって、その中で改築をしていくという話がありましたけれども、どのような財政計画を立てているのでしょうか、お伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) 財政計画でございますが、学校再編に伴った施設整備につきましては、基本的に改築するという考え方をとることになりましたため、それに基づくフレームを作成しているところでございます。改築は大規模な整備になり、一時的には経費が増加するため、起債の要件である公共施設の施設整備であること、また耐用年数も長いことから、世代間の公平の観点により起債を活用した計画となるというふうに考えております。
○小林委員 今後60年先を考えますと、例えば半分は基金を活用し、半分は起債に頼るとか、または非常に負担が大きくなりますけれども、今後も基金で賄うとか、様々なことが考えられます。区は今後どのような財政計画を行っていく考えなんでしょうか、お伺いいたします。
○黒田政策室副参事(予算担当) 年度により経費の差が予測されます。基金及び起債については同程度に活用することで世代間の公平を図ることを基本としながら、毎年の予算編成で調整を行いたいというふうに考えております。なお、平成31年度からは50年を経過する学校の改築が毎年2校から3校予定されるため、行財政運営の基本方針でお示ししています基準となる一般財源を超えた歳入につきましては、義務教育施設整備基金への積み立てを積極的に行うことは今後の重要な課題であるというふうに考えております。
○小林委員 当初予定した整備とは変わって、それに伴う基金のあり方も変わってきていると思います。この項の最後に、区長はこの義務教育基金のあり方についてどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○田中区長 学校の数が一定数というか、あって、全て校舎は必要なわけで、それを常に建てかえていかなければいけないということになっていきますと、学校の標準的な整備の経費、全校の分の整備の経費、耐用年数を仮に60年といたしますと、それを60年で割った金額というのは毎年毎年必ず必要な経費と、それは基金として積み立てようが、起債として借り入れを起こそうが、一般財源から支出しようが、どういう形であっても一定の金額は必ず必要になると。こういうものだという考え方が必要であるというふうに思っております。そういうふうな経費が安定的に支出できるようにと。こういうふうに考えていきますと、義務教育施設整備基金というものの相当な規模というのは必ず必要ということになってくるということでありまして、今、予算担当のほうでお答えをいたしましたように基準となる一般財源規模、これを上回る一般財源については積極的に義務教育施設整備基金に積み立てながら、義務教育施設整備基金の残高をできるだけ大きくしていくということが他の部分への資金を確保するという意味でも大変重要になってくることだというふうに認識しております。
○小林委員 義務教育小・中学校、特に今回再編が行われておりますし、また新たな時代に入っていって、これが整備として十二分に行われていく。そうした教育環境づくりをぜひ進めていっていただきたいと思います。そのための基金もしっかりと積み立てていく。そうしたフレームを今後取りつけていただきたいと思います。
2番目に、中野のまちづくりについてお伺いいたします。1番に、区役所・サンプラザ地区再整備についてお伺いいたします。
区役所・サンプラザ地区再整備は実施方針が説明され、この度、野村不動産を代表企業とするグループが事業協力者として選定をされました。これから、より具体的な再整備事業計画の策定に向け、区と事業協力者とUR都市機構とがそれぞれの役割に応じて精力的に取り組むものと期待をしています。この計画の中で核となるのが1万人規模のアリーナであります。現在のサンプラザが2,222名席ですから、単純に4倍を超える大きさとなります。実施方針では、最大収容人数1万人を目標とし、コンサートとかスポーツイベントや展示会なども使用できるよう、アリーナ部分を組み込んだ施設としており、コンサートで1万人なのか、スポーツイベントで1万人なのかは明らかにされていません。まずお聞きしますが、1万人と言ったとき、区のほうでは何を想定しているのでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 1万人のアリーナのお尋ねでございますが、アリーナの最大収容人数1万人につきましては、様々考えられるイベントのうち、最も席を使うコンサートでの利用を想定しているものでございます。
○小林委員 1万人規模のコンサートができる施設は、都内には数えるほどしかないと思いますけれども、主要なところではどんなところがあるんでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 都内における主要な1万人規模のアリーナといたしましては、東京体育館、代々木第一体育館が挙げられます。また、武道館につきましては、最大収容人数が約1万4,000人と言われておりますが、コンサートやイベントの利用時には約8,000人というふうに言われています。
○小林委員 利用者にとって、中野サンプラザというのは登竜門的な存在だと思います。それに対して武道館というのは、どちらかと言えば頂点のような存在であるというふうに思いますけれども、この1万人にかかわるニーズというのはあるんでしょうか、お伺いします。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 昨年度意見交換を行いました事業構築パートナーからの情報でございますが、近年、コンサートのニーズが非常に高まっているということで、大規模なものも少なくないと言われております。その上で、この中野の立地を生かしたアリーナ、これは非常に優位性があると考えております。
○小林委員 今1万人ということで需要もあるということなんですけれども、一方、現在の大きさの規模のホールの需要も高いと聞いていますけれども、1万人を目指す意味はどこにあるのでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 世界を視野に入れた集客と発信を可能とする集客交流施設へと再整備することを目指しております。この1万人規模のコンサートというのもさることながら、スポーツイベントや展示会など多目的に使える施設として、アリーナ型施設のポテンシャルに着目をしたものでございます。
○小林委員 いずれにしても、大変多くの来街者が中野区、中野駅周辺にやってくることが見込まれます。まちの活性化に寄与する反面、交通への負担や環境への影響が危惧されます。こうした対策についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) アリーナ整備による交通や環境への影響につきましては、事業化に向けた検証事項としております。この度、選定をいたしました事業協力者の技術やノウハウを活用しながら、計画の検討を進めてまいりたいと思います。
○小林委員 事業協力者には、交通の他に風や振動といったまちへの様々な影響を十分に勘案して計画づくりを取り組んでいただきたいと思います。あわせて、整備される高層ビルについてもお伺いいたします。こちらのボリューム感は実施方針では明らかになっていません。私は経験を生かして、東京都の基準をもとに計算をしてみたところ、アリーナと高層ビルを組み合わせてみると、開発諸制度を活用した容積の割り増しに加え、アリーナ部分の容積率を高層ビルに乗せると相当なボリュームになります。そうした方向になると考えているんでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 御指摘のとおり相当なボリュームになると考えております。
○小林委員 この計画を実現しようとすると、どうしても街区編成が必要になっていくと思います。当初の都市計画決定をしている計画の範囲よりも広がってくるんではないかというふうに思います。アリーナは広い敷地を必要としますし、駅前広場を含め、どう配置したらよいのか。そうした検討も行っていると考えてよいのでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 再整備実施方針における機能配置の考え方といたしまして、一つに土地の有効利用を図る大街区化、二つ目に中野駅と再整備施設との機能連携、三つ目に周辺一帯の交通機能が向上する公共基盤配置を掲げておりまして、最適配置を検討しているところでございます。
○小林委員 そうしますと、都市計画の決定、変更を伴う計画であるということで理解してよろしいんでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 大街区化や公共基盤の最適配置を行うには都市計画の決定や変更を伴うものと考えております。
○小林委員 今後のスケジュール、そのあたりのことも含めたものになっていくんでしょうか。今後の年次をどのように考えているんでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 再整備実施方針において示した目標スケジュールは、都市計画の決定や変更を含めたものでございます。今後、平成29年度に基盤整備に係る都市計画手続を進め、基盤整備事業に着手した後、平成32年度において施設整備に係る都市計画手続を進めていけるよう事業を推進してまいります。
○小林委員 今後は事業性なども踏まえ、施設計画が検討されると思いますけども、まさにまちのシンボルとなる建物になるかと思います。私はこれまで東京の西と東をつなぎ、多様な人、物、事が交流する拠点中野クロスを提唱してまいりました。そのコアとなるのがまさにこの街区であります。中野サンプラザの三角形は、誰が見ても中野とすぐわかると評されています。新たな建物もシンボルとして機能してほしいと思います。そして、重要なのはその中身です。建物が立派でも中身がすかすかというわけにはいきません。現時点でどのような用途を想定しているのでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 再整備実施方針におきまして、多機能複合施設につきましてはグローバルビジネス拠点や地域回遊拠点の形成に資する業務、商業、宿泊、居住等の用途で構成するとしております。
○小林委員 民間の開発になるかと思います。私はアリーナとあわせて文化や芸術、学術などの発信拠点としていく、例えばアール・ブリュットを所々に展示したり、AI、人工知能の研究機関などを誘致したり、将来性を考慮した発想を持つことが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 区役所・サンプラザ地区再整備は、中野におけるグローバルな都市づくりの核となるものでありまして、まちの魅力や利便性、快適性、収益性などの価値を高め、人、文化、産業、情報の源泉となる多機能複合型の都市活動拠点を目指しているものでございます。今後は事業協力のネットワークなどを借りながら、文化や芸術、学術など、さまざまな可能性を引き出し、目標の実現に寄与する機能配置を検討してまいります。
○小林委員 ぜひ検討をお願いしたいと思います。交流拠点の中野クロスは点の開発だけではなくて、中央線沿線を軸とした面の広がりで捉えたいものです。今後はさらに時間軸を加えて、これからの開発計画を機に、このまちをどうしていくのか、開発後のまちをどう育てていくのか。平面的な計画から、リアルで立体的なまちづくりにシフトしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 中野四季の都市の開発を契機に開発地区のまちづくりは動き始めたように、区役所・サンプラザ地区再整備を契機に、まだ計画のない地区のまちづくりへの波及や文化、産業などグローバルな都市活動の活発化を図っていけるよう、ハードとソフトの連携を強化してまいります。
○小林委員 中野でも注目をされているこの区役所・サンプラザ地区でありますし、その再整備をどのように展開していくのかというのは、民間業者が行うことであっても区も関わっているわけですし、この都市計画から大きな変更をされ、このまちができ上がっていく。そこには今まで住み続けてきた方々もいらっしゃいますし、また、これからも住み続けていく方々がいらっしゃいます。そうした方々にも十分な配慮をした新たなまちをつくっていただくことを担当としてお願いしておきたいと思います。
2番目に、国家戦略特区制度についてお伺いいたします。
国家戦略特区は、昨年8月に東京都全域が指定されました。特区を活用した取り組みについては、これまでも質問で取り上げたところです。その中で民泊について現在の状況をお伺いいたします。確認の意味で、国家戦略特区における民泊事業の概要をお聞かせください。これが質問です。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 国家戦略特区における民泊は旅館業法の適用を除外いたしまして、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業として位置付けられているものでございまして、宿泊日数は7日から10日以上、当該施設の居室については25平米以上と規定されております。旅館業法上は用途地域による立地規制がありますけれども、こちらについては規定はなく、実施する自治体の判断となっております。
○小林委員 既に他の自治体でも民泊が始まっているかと思いますけれども、他の自治体の状況はどのようになっているんでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 国家戦略特区法の活用による民泊の認定を受けて、条例を制定しておりますのは大田区と大阪府、大阪市の3自治体でございます。このうち、既に事業が実施されているのは大田区と大阪府の2自治体で、大阪市は平成28年10月以降、市長が定める日に施行される予定でございます。
○小林委員 民泊と言われながら、なかなかこの制度が活用されていないように感じます。要因はどこにあるとお考えでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 国家戦略特区の制度を活用した民泊が進まない要因ですが、宿泊日数が7日以上とされているために、簡易の宿泊のニーズと合わないことと考えていることや、民泊そのものにつきましても安全性、衛生面、近隣住民等の影響の課題があることから、進まない要因と考えられております。また、国におきましても、民泊サービスの検討がなされておりまして、新たな法制度の動きもあることから、その要因として考えられるものでございます。
○小林委員 今、新しい制度がということがありまして、民泊制度についてはどのようなものでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 厚生労働省及び観光庁に設置された民泊サービスのあり方に関する検討会の最終報告書におきまして、民泊の制度設計のあり方が示されております。それによりますと、民泊の健全な普及と多様化する宿泊ニーズや逼迫する宿泊需要への対応、空き家の有効活用等に対応するために制度化するとされているものでございます。住宅を活用した宿泊の提供と位置付けて、住宅を一日単位で利用者に利用させるもので、年間の日数の制限を設け、その範囲内での営業を認めているものでございます。これにつきましては、新たな民泊制度として既存の旅館業法とは別の法制度として整備するとされておりまして、国においてその制度設計が進められているものでございます。
○小林委員 その新たな民泊制度が法制化される見通しはどのような状況でしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 国は、今年の臨時国会で法案提出と聞いておりましたけれども、現時点では来年の通常国会にずれ込む見通しでございます。
○小林委員 そうすると、それまでの間、区として取り組みはどうされるんでしょうか。現在認識されている民泊は区内にどのくらいあるのでしょうか、お伺いをいたします。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 現時点で民泊を行おうとしますと、旅館業の簡易宿所の許可のもとで行うこととなります。現行制度に沿った民泊の適正を図るために、旅館業法の許可を得て営業するように指導を行っていくものでございます。また、中野区内で確認されている民泊でございますが、正確な件数を常に把握するのは困難な状況でございますが、平成28年6月から7月の時点で6件の仲介事業者のサイトから検索をいたしまして、重複するものもあると考えられておりますが、およそ610件の民泊施設が確認をされているところでございます。
○小林委員 ネット情報が中心というようなことがありましたけども、610件、相当数あります。この中で様々なタイプがあると思います。どのようなタイプがあり、その中で現行の旅館業法の許可を得て営業しているものはどのぐらいあるのでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) ただいま申し上げた610件の内訳になりますが、集合住宅が多くて447件で行われております。また、戸建てで行われているのは126件となっております。そのうち、現行の旅館業法の許可を得て営業している施設はございません。
○小林委員 なしということは、いわゆる違法民泊と考えるんでしょうかね。それらに対して区はどのように対処していくのでしょうか、お伺いいたします。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 違法民泊の取り締まりは警察の権限でございますけれども、無許可営業の疑いに対しましては、対象となる物件に直接職員が訪問してございます。直接家主等に会えない場合には注意喚起、警告の文書を投函する等によりまして家主等に接触し、状況を調査するなどの対応を行っております。この結果、違法を認識いたしまして取りやめた民泊は3件ございましたけれども、依然として提供者が誰なのか不明である案件も多くございます。今後とも中野、野方両警察とも連携して対応していくつもりでございます。
○小林委員 中野区内にある全ての民泊が、旅館業法をとってきちんと行っているところもあるということは、この辺は誤解しちゃいけないことだというふうに思うんですけども、私は民泊は区内の宿泊需要に応え、利用する外国人との交流など、ホームステイやゲストハウス的なものとして期待をしていますということを前回の定例会でも訴えさせていただいております。宿泊客の安全性や衛生面の確保、近隣住民が安心できる環境整備などの課題も多いと考えます。国の動向はありますが、区として現時点でもう一歩踏み込んで取り組みを進めたほうがよいのではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 民泊には既存の旅館やホテル等の宿泊施設とは異なりまして、安価で日常体験型の宿泊サービスを提供できる。また、インターネットの活用により利用しやすいといった利点もございますが、犯罪に利用される可能性ですとか、宿泊客のマナーの問題により近隣住民の理解を得られない等の問題がございます。国による法制化でございますが、そうした課題の解消につながるものと考えられますが、現時点においては現行の旅館業法に基づく指導の徹底や警察等関係機関との連携の強化、民泊の実態把握に努めるとともに、新たな法制化を見据え、安全で良質な民泊を利用するための方策を検討してまいりたいと思います。
○小林委員 国の動向もありますけれども、先ほど約610件、横行しているという中でありますので、国の規制もありますけれども、様々中野区で規制をかけるということも大切かと思います。そして、地域活性化の観点からも取り組みが必要であると思いますので、適切に対応されていただきたいと思います。
この項3番目のごみ屋敷の対策についてお伺いいたします。
私は昨年の決算特別委員会の総括で、ごみ屋敷と題して質疑を行わせていただきました。その折、生活環境分野で対応している件数は4件とお聞きしました。その後、区内の件数はほかの分野も含めて増減はあるのでしょうか、お伺いいたします。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 現在、いわゆるごみ屋敷として生活環境分野が直接関与しております件数は4件で増減はございませんけれども、区全体で把握している件数は7件ほどでございます。
○小林委員 7件という件数ですけれども、他の区ではもう少し多いというデータを目にしています。中野区内にはもう少しあるのではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 本区におけます、いわゆるごみ屋敷の件数は、ごみの堆積等によりまして近隣の生活環境に悪影響を及ぼしているが、法令等の規制対象となっておらず、解決に困難を来している案件、こういったものの数でございます。具体的には屋外の美観を損ねていたり、悪臭や害虫、ネズミの発生の原因となっている等でございます。どのような状況、それから程度をごみ屋敷とみなすかなど、把握の仕方は区によって異なると認識しているところでございます。
○小林委員 確かにドアを一つあけると、引くと、その中がというお宅もありますし、また今、副参事がおっしゃったように外から見ただけでごみ屋敷と、そういったふうに判断ができるところとさまざまありますし、また、その捉え方も区によって違うということですけれども、私は中野区でもごみ屋敷問題を最終的に強制力を持って解決できるよう対策をつくるべきではないかということを質問させていただき、それに対してごみ屋敷の解決には課題が多いが、慎重に検討していきたいと前回答弁をいただきました。その後、検討の進捗状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) いわゆるごみ屋敷対策につきましては、私有財産に一定の規制を設けることでございまして、慎重に検討する必要があると思ってございます。現在、関連法令の規制内容を再度検証しつつ、法令規制のはざまとなっている事象の特定や他区、それから他都市での取り組み事例の研究、また生活環境の阻害要因の排除、原状回復の手段、手法などを中心に検討しているところでございます。
○小林委員 ごみ屋敷の原因をつくっていらっしゃる方というのは、必ずしもそうではないんですけれども、認知症や精神疾患などを患っていたり、またごみの堆積が解決しても、きれいにしても引き続きまたごみが集まってしまう。そういった傾向をお持ちの方が多いように感じます。引き続き見守りが必要な方が多いというふうに考えます。生活環境分野だけではなく、健康福祉や障害福祉、そして多くの部署も関わる全庁的な横串的な取り組みが必要だと思いますし、警察、消防などとも連携し、一緒に取り組んでいくことが必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) いわゆるごみ屋敷対策は、原因者の状況や周囲への影響等さまざまな状況がございまして、庁内はもとより警察、消防等、関係機関とも十分な連携を行っていく必要があると認識してございます。
○小林委員 今そのような検討をしていただいているということですけれども、早急に取り組むべき施策の方向性を明らかにすべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) いわゆるごみ屋敷対策のあり方につきまして、区としての対策の方向性を早急に明らかにしていく考えでございます。
○小林委員 早急にお願いしたいと思いますし、区民の健康、安全・安心を守っていく。そうしたためにも、一日も早い取り組みができるようによろしくお願いいたします。
4番目に、だれでもトイレについてお伺いいたします。
区では新しい中野をつくる10か年計画(第3次)を制定し、将来を見据えた施設展開を実現するため、公共施設の整備運営の主な取り組みとして、誰でもが利用しやすい持続可能な区有施設の整備を掲げ、ユニバーサルデザインの視点を意識したバリアフリー化等の施策を展開し、施設整備を行うこととしています。だれでもトイレは、東京都福祉のまちづくり条例をもとに、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆる建築物バリアフリー条例で基準が示されています。しかし、なぜか狭く使いにくい、使い勝手の悪いトイレがあると私も思っていますし、区民の方々からもそうしたお声を聞きます。区として、この条例のだれでもトイレの設置基準をどのように認識しているのでしょうか、お伺いいたします。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) だれでもトイレにつきましては、バリアフリー法施行令第14条及び東京都建築物バリアフリー条例第7条では、車椅子使用者のトイレ内の円滑な利用、ベビーチェアやおむつ交換ができるベビーベッドなどの設置が求められていると認識しております。このため、高齢者や大人の障害者及び介助者が利用する規模や機能までは想定されていないことから、変化に対応できる設計につながっていないことも認識しております。
○小林委員 ブラジルのリオデジャネイロで行われたパラリンピックは、日本過去最高の24個のメダルを獲得し、4年後の東京へ向けて昨日閉会をしました。パラリンピックでもさまざまな形の車椅子が登場していましたが、近年は障害者利用の車椅子は障害に合わせて幅が広くなったり、座るだけではなく、横たわれて長くなったり、またタイヤの大きさもさまざまで、車椅子が大きく変化をしています。そこで、介助者の人数やそのスペースを考慮しただれでもトイレの設置を進めるべきと考えます。現在、区有施設ではどこにこうした設備が確保されたトイレがあるのでしょうか、お伺いいたします。
○宮﨑経営室副参事(施設担当) 区有施設につきましては、東京都建築物バリアフリー条例にのっとって整備を行っております。具体的な例といたしまして、トイレ内の広さが2メートル×2メートル以上で、車椅子がトイレ内で回転できる直径で1.5メートルの広さのものを整備していくことを基準としております。そうした施設は現在102施設ございます。主な施設といたしまして、区役所の1階、福祉売店の隣、2階の防災センターの東側、7階のエレベーター前、その他の施設で商工会館、産業振興センター、中部すこやか福祉センター、かみさぎこぶし園、弥生、鍋横などの区民活動センターなどに設置されております。
○小林委員 今、様々なところに102カ所あるというふうにお伺いしましたけれども、それは障害のある大人の方のおむつも交換できるのでしょうか、お伺いいたします。
○宮﨑経営室副参事(施設担当) 大人のおむつ交換を対応できるトイレにつきましては、区役所の1階の福祉売店の隣と、かみさぎこぶし園に設置されております。
○小林委員 現在、誰でもが利用できるトイレというのは、高齢者用の車椅子対応の広さであり、ベビーベッドしか設置されていません。要するにこの法律ができたときにあった車椅子というのは、誰もが思い浮かぶ高齢者用の車椅子、そこから来ているものですけれども、そのためにトイレの広さや大きさ、そしてベビーベッドしか設置されていなかったと考えます。おむつがえの必要な障害のある大人の方では、床にみずから持参するシートなどを敷かなければ使えません。
障害者差別解消法が制定され、今年4月1日から施行されました。中野区では、この8月末にユニバーサルデザイン推進会議を立ち上げ、その諮問事項でユニバーサルデザイン推進に係る条例制定や条例に基づく推進計画策定を見据えた基本方針や目指すべき将来像、区、区民、事業者等の役割及び将来像を実現するために必要な方策に関する考え方について審議するとなっています。そこで、区では今後予定される新体育館、新区役所、駅周辺の様々なまちづくり計画、そして公園施設や区有施設の計画において、こうした点を踏まえてだれでもトイレを積極的に検討していく必要があると私は考えます。また、具体的にハード面の区有施設のユニバーサルデザイン化に向け、都に先んじてさらに使いやすい施設での設備設置へ向けた取り組みを行っていく必要も考えます。区は基本方針や目指す将来像を示し、各分野との役割と連携、区、区民、事業者等が連携し、だれでもトイレの充実を図ることをどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインに関わる検討につきましては、本年8月から区長の附属機関でございます中野区ユニバーサルデザイン推進審議会を開催いたしまして、来年1月ごろでございますけど、審議会からの答申をいただく予定ということになってございます。その中で、区有施設を含めたハード面の取り組みにつきましても議論していくということになってございまして、審議会からの答申を踏まえまして各部分野と連携等をとりまして、推進計画を検討していきたいというふうに考えております。
○小林委員 そこで、例えば東京都福祉のまちづくり条例施行規則において、だれでもトイレはベビーベッドその他、乳幼児のおむつ交換ができる設備を設けることとなっていますけれども、障害者等も対応できるベッドを設置するなど、中野区としてこうした点までの見直しや施設にかかわる具体的設備計画の取り組みが必要と考えます。いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) バリアフリー法は建築基準法関係規程の一つであることから、法及び条例の対象建築物の場合は適合していなければ建築確認済証が交付されないこととなっております。また、福祉のまちづくり条例施行規則に基づく届け出は、工事に着手する30日前に行うことと定められております。民間確認検査機関によって審査された建築確認済証が発行された後に区に提出されることから、民間検査機関に対して指導範囲を広げることは非常に難しいと考えております。しかし、今後は参考資料を作成するなどして、事前相談の段階で設計者並びに建築主に周知を図り、理解を求めていきたいというふうに考えております。また、今後建設が予定される区立体育館や庁舎などの区有施設に対しては、想定される高齢者、子どもから大人までの障害者等の施設利用にも配慮した設備計画としていく必要があると考えております。
○小林委員 一般質問で無所属、石坂委員も触れていましたけれども、障害のある方もない方も年齢や性別、トランスジェンダーを含め、対応できるトイレの設置について研修などの実施を通して施設を所管する各分野が理解を深めていただきたいと考えます。あわせて、LGBTに関する理解も深めた上で、意識的に施設整備を行っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。本当は各分野の担当副参事からお伺いしたいんですけれども、代表の担当者から伺いたいと思います。
○宮﨑経営室副参事(施設担当) まず法律所管として、だれでもトイレだけでなく、施設整備への理解を深める取り組みは各施設管理者と交流打ち合わせなどを通じ、遅滞なく情報の提供を行っていきたいと考えております。また、LGBTに関する理解を深めた上での施設整備でございますが、国・都の動向を注視し、ユニバーサルデザインの推進協議会等での議論を受けた上でのことになるかと思います。その考え方をしっかりと受けとめ、形となるように取り組んでまいりたいと考えております。
○小林委員 だれでもトイレというのは、上位のほうである東京都の福祉のまちづくり条例によって、直径1.5メートルの円が内接する車椅子の回転範囲、そして直径2メートルの円が内接するトイレであれば、極端に言ってしまうと、そのスペースでいいというふうにはなっているんですけれども、先ほど言いましたけれども、様々な車椅子がある中、そして、様々な障害ですとか立場の方々がいらっしゃいますので、ぜひそういったことについても東京都の条例がこうなっているからということだけではなく、計画、そして実施をしていっていただきたいと思います。豊島区では、区庁舎と公会堂跡地で新たな施設の計画を現在しております。そこにはワンフロア全部を女性専用スペースとして使い、その中に女性専用トイレを35ブース予定して、誰でもが使える広い面積を持ったトイレを計画しています。たかがトイレかもしれませんけれども、災害時の避難所も含め、これからの時代を先取りした誰でも使いやすいトイレをしっかりと設置できる中野区であっていただきたいと考えます。
この項最後に、区長はこうしただれでもトイレについてどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○田中区長 障害者用あるいは高齢者用といった垣根がない、誰もが、どのような人がどのような状況にあっても支障なく快適に使うことができるトイレ、また、そのトイレの存在が全ての人に十分理解をされていると。こういう状況をだれでもトイレというふうに考えていくことなのかなというふうに考えております。そういうことが実現するというのがユニバーサルデザインのまちづくりの一つの結実した姿というふうに考えることができるかというふうに思っております。今後とも、このだれでもトイレの考え方も含めて、ユニバーサルデザインのまちづくり、これについて検討し、実現に向けて努力をしていきたいと思っております。
○小林委員 実際の計画に当たって、今、区長もおっしゃっていただきましたけれども、多くの方々に、あってよかった施設と言っていただきたい。そうした施設を区が率先して設置していっていただくことをお願いして、この項の質問を終わります。
○若林委員長 委員会を休憩します。
午前10時58分休憩
午前10時58分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
ただいま傍聴者の希望が15人を超えましたが、これを許可することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
傍聴者の方へのお願いですが、本日多数の方が傍聴にお見えになっておりますので、席を譲り合って傍聴していただくようお願いいたします。
○小林委員 3番目の保育園行政についてお伺いいたします。1番目に、待機児童対策への取り組みについてお伺いをいたします。
保育園の待機児対策については、一般質問でも取り上げられてきましたし、東京都でも知事が変わり、募集人数を増やすなど新たな取り組みを行うと聞いています。ここで何点かお伺いをいたします。初めに保育園の整備に関しては、中野区はこれまでの5年間に約1,500人の定員増を行い、今年度1,000人規模の定員増に取り組んでいるなど、待機児童解消に向けた区の努力は大変評価しています。しかし、今後この保育需要の高まりはどの程度続くと考えているのでしょうか。また、今後5年間の保育所整備についてはどのように考えているのでしょうか、お伺いいたします。
○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) ゼロ歳から5歳までの就学前人口の増加とともに、女性の社会進出の高まりなどを背景といたしまして、就学前人口に対する保育需要数の割合でございます。保育需要率は、今年4月1日現在で42.6%と前年同時期から2.7%の大幅な上昇を見せてございます。現在この保育需要の高まりが急激に収縮することは想定しづらい状況でございまして、当面の間、保育需要の増加傾向が続くものと考えてございます。今後の保育所整備についてでございますけれども、何年間といった明確な想定は難しい状況でございますが、少なくとも来年度以降、複数の年次におきまして、引き続き私立保育園の新規誘致などの保育定員の拡大を図っていく必要があるというふうに考えてございます。
○小林委員 確かに増えてきている。そして、そのことについては本当に考えていかなくちゃいけないことだと思うんですけれども、待機児童の地域分布を見てみますと、本町、中央、東中野、中野の地域で全体の約5割を占めていると聞いています。具体的にはどの地域に何人の待機児童が発生しているのでしょうか、お伺いいたします。
○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 平成28年4月1日現在におきます待機児童数、この中で本町地域は32名、中央地域が28名、東中野地域が29名、中野地域が29名となっております。この四つの地域を合わせますと118名ということで、待機児童数全体の46%を占めるという形になってございます。
○小林委員 相当な偏りがあるなというふうに今の数字からうかがえるんですけれども、ある特定の地域に多く待機児童が存在する以上、この解消には区全体の需要と供給のバランスを見ていても解決しないと思われます。地域別の保育需要と保育施設、定員数の供給量とともに、他の地域、区内と区外から流入や流出などの人の動きの実態を把握し、適切な位置に適切な規模の保育所を整備していくことが今後の待機児童の解消に欠かせない施設配置と考えます。いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
○荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 保育所の整備を図るために現在、用地または建物の確保等を進めてございますが、なかなか容易に進まないというような状況もございます。保育所の誘致を特定の地域、またその周辺に誘導するということは大変難しいというのが現状でございます。しかしながら、より適切な保育施設の整備を図る観点から、一定の地域ごとの動向を踏まえた保育需要の把握は必要であると考えてございまして、保育需要の把握の方法につきまして検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○小林委員 また、現在進められている中野駅周辺における再開発事業において、その完成時には保育をはじめとする行政需要が増大することは明らかであります。区長の先日の記者会見の資料を見ますと、保育園をつくる担当はまちづくりと連動し、保育所誘致を働きかけるとしています。まちづくりを担当する分野では、さまざまな区政課題を大規模なまちづくりを進める中で解決していこうといった視点をどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) さまざまな区政課題の解決を図れるよう、関係所管と連携しながらまちづくりを進めてまいります。
○小林委員 私は昨年11月、第4回定例会の一般質問で、中野駅前住宅の建て替えにおいて、例えば保育園、病児・病後児保育室、一時保育など、すきまを埋め、助け合う保育事業の展開、児童館等の施設や異世代交流や相談の機能を有する施設など、他区に例のない特色ある子育て支援等の施設を公社住宅に併設できるよう地元自治体として住宅供給公社に提案をすべく、要望と質疑をさせていただきました。中野駅南口地区では中野二丁目再開発事業が着手されました。子育て施設とまちづくりとの連動では、具体的に中野駅南口に東京都住宅供給公社が整備を予定している住宅の中に、地域貢献のための施設として保育所等の子ども関連施設設置が望ましいと考えています。住宅供給公社の地元説明会の資料には子育て支援施設とありましたが、この件については現在どのような状況なのでしょうか、お伺いをいたします。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 東京都住宅供給公社は、今後建設を予定している(仮称)コーシャハイム中野の一部に子育て支援施設を併設するということを計画しております。この子育て支援施設の内容につきまして公社から意見照会がございまして、区といたしましては中野駅周辺の子育て施設の状況等を踏まえまして、認可保育所と子育てひろば事業の展開が可能な施設の整備につきまして回答したというところでございます。
○小林委員 中野駅周辺、大きな開発が進んでいく。人口も相当増えてくるという予測が既にできます。そうした中で区の床もこれからは大規模施設もできていくわけですから、ぜひそうした区の床の中に子育てだけとは限りませんけれども、高齢者施設等もぜひ計画を早めにしていっていただきたいと思います。
次に、病児・病後児保育についてお伺いをいたします。
待機児対策が様々な形で進む中、一方で、就労家庭への支援の充実もあわせて行っていく必要があると考えます。そこで、私は平成25年第3回定例会で、働きながら子育てをする家庭にとって頼りになる病児・病後児保育について提案をさせていただきました。発熱など病気になった児童や病気の回復に至るまでの子どもを一時的に預かる病児・病後児保育施設の整備が徐々に進んできていることを高く評価しています。働きながら子育てをする家族は、職場で頭を下げて子どものもとへ駆けつけなければならないことはしばしばあります。病児・病後児保育の整備は、女性はもちろんのこと、子育てをしながら就労する世帯やひとり親の世帯が仕事をしながら安心して子育てができる社会の実現につながると考えます。区内では現在、病後児保育所を中央二丁目の区立仲町保育園、上鷺宮の聖オディリアホーム乳児院の2カ所で実施しています。子どもが回復期にあり、集団保育が困難な時期に専用保育室において一時的に預かり、就労家庭の支援の充実を図ってきています。病後児保育の利用人数は年々増加しており、ニーズが高まっている状況がうかがえます。現状をどのように認識しているのでしょうか、お伺いいたします。
○神谷子ども家庭支援センター所長 病後児保育の平成27年度の利用人数は延べ460人となっております。前年度と比較しまして大幅な増となっているところでございます。こちらは子どもの数や保育需要の利用の増に伴いまして、対象者が増加していること、また、保育園等により事業周知が進んだことが影響しているものと考えてございます。
○小林委員 就労家庭への支援強化として区内初の施設型の病児保育の実施が医療施設に併設されることが子ども・子育て事業計画に位置付けられています。その一歩として、江古田地域で始まる区内初となる病児・病後児保育の取り組みは区民サービスの充実に資するものと考えますが、準備は計画的に進んでいるのでしょうか。また、園児の確保数はどの程度を見込んでいるのでしょうか、お伺いをいたします。
○神谷子ども家庭支援センター所長 お答えする前に、先ほどの答弁で修正をさせていただきます。利用人数460人とお答えしましたが、466人でございます。
今の進捗状況ということで改めてお答えいたします。医療機関併設型の病児保育事業といたしましては、子ども・子育て支援事業計画に示しました平成29年度の事業開始に向けまして準備を進めているところでございます。また、利用人員の確保数でございますが、計画策定時にニーズ調査に基づく利用意向を把握いたしました。また、現行の病後児保育事業の利用実態等を踏まえまして、子ども・子育て事業計画に掲げました一日当たり3人程度の確保を考えているところでございます。
○小林委員 病後児保育の実施に当たっては、利用者が安心してサービスを利用できるよう環境の確保を十分図っていく必要があると考えます。区としてはどのような対応をしていくのでしょうか、お伺いをいたします。
○神谷子ども家庭支援センター所長 病児保育では、病気から回復期に至らない状況にある乳幼児を対象とすることになってございます。事業実施に当たりましては、利用者の方々が安心してサービスを利用できるよう隔離ができる施設の確保や看護師、保育士など必要な人材の配置など、環境の確保に努めてまいりたいと思ってございます。
○小林委員 病児・病後児事業のニーズは、先ほども466人ということで昨年度あったということですけれども、さらに保育需要の増が高まっていくと予測されます。今後についていかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
○神谷子ども家庭支援センター所長 先ほどの保育需要の答弁にもございましたが、当面の間は出生数や保育需要の増加傾向というのが見込まれると考えてございます。こうした傾向を踏まえますとともに、実際の需要の動向を見極めまして、対応を検討してまいりたいと考えてございます。
○小林委員 今後、区としてしっかりと先を見据えて、子どもの家庭をめぐる状況を把握し、実施の充実を図るべき必要性があると思います。実施の充実を図るためにも病院との併設など、医師会とも連携をとっていく必要があると考えますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
○神谷子ども家庭支援センター所長 今後につきましても、病児・病後児保育事業の利用実態をきちんと踏まえますとともに、医師会等関係機関と十分に連携を図りながら対応を図ってまいりたいと考えてございます。
○小林委員 今後は、先ほども1,000人規模の保育所を中野区でもこれから増やしていくという話もありましたし、今、病児・病後児保育についても、定員3名で新たに事業展開を来年度からしていくという話がありましたけれども、新たな保育園もできて、今まで以上に多くの園児が通うことになります。待機児解消とともに病児・病後児保育の対応をさらに深めていただき、子育てのしやすい中野区をアピールしていってほしいと思います。
4、その他の選挙権18歳からの選挙についてお伺いいたします。
7月に参議院選挙、引き続き急遽の都知事選挙が終了し、今回から18歳から19歳が新たな選挙人となりました。報道などによりますと、参議院選挙における18歳の投票率は非常に高いものになっていたと聞きます。一般質問で自民党の加藤議員も触れていましたが、総括質疑としてお尋ねをいたします。中野区における参議院選挙の18歳投票率はどのようであったのか、初めにお伺いいたします。
○長﨑選挙管理委員会事務局長 今回の参議院議員選挙におけます中野区の18歳投票率でございますが、64.5%となりまして、中野区全体の投票率56.6%を大きく上回ったところでございます。
○小林委員 投票率が64.5%ということで高くなった背景には、高等学校などでの主権者教育を受ける機会が多くなったためと考えられますけれども、これまで中野区選挙管理委員会としてどのような啓発活動に取り組んできたのでしょうか、お伺いをいたします。
○長﨑選挙管理委員会事務局長 選挙管理委員会では、これまでも選挙啓発のポスターコンクールですとか成人の集いにおけます啓発活動、これに加えまして、小、中、高等学校での模擬選挙、これを行うなど、児童・生徒が政治または選挙を身近に感じ、興味を引いてもらえるような取り組みを展開してきたところでございます。また、若年層の斬新な意見も取り入れるべく、区内の大学等と連携をいたしまして、若者との意見交換会、こういったことも実施するなど参加実践型の取り組みも推進してきたところでございます。
○小林委員 その一方で、今回18歳と同じく新たな有権者となった19歳は、18歳に比べて投票率が低かったようです。中野区における参議院選挙の19歳の投票率はどのような状況だったのか、お伺いいたします。
○長﨑選挙管理委員会事務局長 19歳の投票率でございますが、これにつきましては中野区54.8%と、18歳に比較いたしますと下回る結果となったところでございます。
○小林委員 10ポイントぐらい違うんでしょうかね。18歳に比べて投票率が高くない背景には大学生や社会人が多い19歳は大学進学や就職で親元を離れたにもかかわらず、住民票を異動していないケースなどが指摘できます。親元を離れた場合、必ず住民票を移すことを徹底するなど周知を行う必要があると考えます。来年は都議会議員選挙も控えている中、若年層に対し選挙への関心をさらに高めていく方策が必要と考えます。選管として今後どのような啓発活動を展開していくのでしょうか、お伺いいたします。
○長﨑選挙管理委員会事務局長 19歳の投票率が低かった要因の一つには、今、委員御指摘もありましたとおり、進学などで転居をしながら住民票を異動していないという人が多いことが挙げられるというふうに思っております。引っ越した際には学生も住民票を移すような、そんな内容につきましても今後、啓発活動の面などを利用しまして訴えてまいりたいというふうに思っております。また、今後の若年層への啓発活動でございますが、これまで高等学校等で実施してまいりました模擬選挙、こういったことが一定の成果が上がったというところもありますので、ぜひこうした参加実践型の若年層啓発を今後は区内中学校でも展開するなど、教育委員会と連携しながら早い時期から進めてまいりたい。このように考えております。
○小林委員 豊島区では駅前百貨店で期日前投票を行っていたようですが、その利用状況はどのようなものであったのか、掌握はしていますでしょうか、お伺いいたします。
○長﨑選挙管理委員会事務局長 豊島区、今回から駅から少し遠いところに移動したといったようなところに伴いまして、池袋の駅前であります、駅ナカというんでしょうか、東武百貨店及び西武百貨店、この2カ所で期日前投票所として増設をしたというところでございます。その結果につきまして確認しましたところ、百貨店内に期日前投票所が設置されたといったような話題性もありまして、予想以上に多くの区民の方が投票され、区民の利便性に大きく寄与する。そんな結果になったというふうに伺っております。
○小林委員 現在、中野区では期日前投票所が区役所のほか五つの区民活動センターで実施されています。とりわけ、区役所は大変混雑しているようです。今回の選挙における区役所の期日前投票所の状況はどうだったのでしょうか、お伺いいたします。
○長﨑選挙管理委員会事務局長 中野区役所の期日前投票所につきましては、中野駅からの駅近であるといったようなところからも利用率は非常に高く、期日前投票所全体の5割以上が現在、区役所を利用しているという状況になっております。とりわけ、都知事選挙におけます最終日の土曜日には、これまで最高となります約4,000人が区役所の期日前投票所で投票されるなど、年々混雑の度合いにつきましては増しているという状況でございます。
○小林委員 4,000人を超える。すごい人数だったんですね。今のお話のとおり、中野区役所は駅前ということもあり、極めて利便性の高い期日前投票所であります。投票者数も年々増加の傾向にあるとも聞いています。そこで、今後は中野区役所が駅前から少し離れた中野体育館の位置に移動する計画もあることを考えると、例えば産業振興センターや中野サンプラザなど、駅周辺に期日前投票所をふやすなど、工夫を凝らす時期が来ているんじゃないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○長﨑選挙管理委員会事務局長 期日前投票所につきましては、今、区内6カ所で配置をされておりまして、一定の利便性というのは確保はされているというふうに考えております。しかしながら、先ほど申し上げましたとおり期日前投票に対する区民の浸透度の高さ、こういったこととも相まって、今後はますます利用者は増大するものというふうに見込んでおります。このため、今回の選挙は委員改選後初めての選挙でもあったことから、各委員にも期日前投票所ですとか当日投票所、こういったところを精力的に視察いただきながら、その利用状況についての把握も努めたところでございます。今後は、先ほどの豊島区の例もございます。そうした自治体での事例ですとか期日前投票所の利用状況等、これをさらに精査しながら、これからの期日前投票所のあり方についてさまざまな角度から選挙管理委員会の中で議論をしてまいりたい。このように考えているところでございます。
○小林委員 区内6カ所で行われて、新たな選挙管理委員会の委員の皆さんにも視察をしていただいたということでありました。今回の東京都知事選挙の当日は、朝、昼、晩とNHKのニュースにおいても中野区役所の投票所の風景が取り上げられました。私もこの放送を見たんですけれども、最初はわからなかったんですけれども、駅名が映った瞬間に中野区役所だということでびっくりしたんですけれども、我が家の息子も身近な中野区役所がニュースに取り上げられたということで、投票に行かなければと関心を示していくきっかけにもなりました。こうしたことでも若年層の投票意識を喚起することはできますので、ぜひ来年の都議会議員選挙に向け、中野区選挙管理委員会においてさまざまな議論を重ねていってほしいと願って、私の全ての総括質疑を終了させていただきます。大変にありがとうございました。
○若林委員長 以上で小林ぜんいち委員の質疑を終了します。
次に、いさ哲郎委員、質疑をどうぞ。
○いさ委員 2016年度第3回区議会定例会決算特別委員会におきまして、日本共産党議員団の立場で質問させていただきます。
まず最初に、1番、区民に寄り添う施策について、その(1)自殺をなくす取り組みについてお聞きします。
中野区での自殺の数はどうなっているでしょうか。この5年の推移でお答えください。お願いします。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 死亡統計で死因が自殺とされている死亡者数は、平成22年から平成27年まで67人、81人、56人、63人、56人と推移しております。
○いさ委員 これは今、中野区の数ですけれども、日本全体の自殺の数については、1998年以降14年連続で3万人を超えていましたけれども、2012年から4年連続で今度減少しまして、昨年、2015年では2万3,971人となっています。しかしながら、WHОの基準で考えると、この警視庁発表の約2万4,000人という数字では済まない可能性というのがあると、そういうふうに指摘する研究者もいます。WHОでは、死因が変死であるうち、40%から50%は自殺であるとしています。日本の変死者数は15万人ですから、WHОの基準で考えると、この変死者のうち最大で7万5,000人ぐらいは自殺の可能性がある。これを2万4,000という実数と合わせると、およそ10万人ということになります。自殺者の数についてはこんな数字もあるということです。
もう一つ、自殺者の周りには少なくとも10倍の未遂者予備軍があると言われてきました。これを裏付けるような調査が最近行われています。今月7日、日本財団が全国4万人を対象に実施した自殺意識調査の結果を発表しましたけれども、最近1年の間に自殺未遂を経験したことがある人が推計で53万人もいるかもしれない。こういう驚くべき結果でした。また、20歳以上の4人に1人が本気で自殺したいと考えたことがあると答えています。そして、国際比較でもアメリカの2倍、イギリスの3倍等、先進国の中では飛び抜けて自殺が多いのがこの実情です。日本全体としてこの警視庁発表、これが減少傾向にあるということだけで安心できる状況ではないということではないでしょうか。身近なところにも予備軍がいるかもしれないとしたら、とにかくサインを見逃さず、早期に発見するということが大事になってきます。そこでお聞きします。中野区での自殺対策の取り組みは現在どうなっているでしょうか、お伺いします。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 中野区では、すこやか福祉センターで精神保健相談や閉じこもり、アルコール依存相談、保健予防担当でゲートキーパー研修や自殺予防週間のパネル展示や区報等への記事の掲載などの啓発活動を行っております。また、関係所管の協力で新成人へのチラシの郵送や図書館での関連書籍の展示等も行っております。
○いさ委員 要求資料の厚生31番にこのゲートキーパー研修について実施4回、参加256名とあります。このゲートキーパー研修の内容、詳細等、対象、規模について少し詳しく教えてください。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 昨年度実施いたしましたゲートキーパー養成研修としましては、一般向けのもの、職員向けのもの、また介護保険分野と共催いたしました介護保険事業所従事者向けのもの等がございます。一般向けのものが参加者44名、介護保険事業者向けが90名、職員向けが22名、また昨年度は帝京平成大学の学生向けのものを実施しておりまして、こちらの参加者が100名となっております。
○いさ委員 この部分の事業費についてですけれども、決算説明書の340ページにあります7款健康福祉費、2項保健予防費、1目保健予防費に予防対策、1、健康危機管理の中の自殺対策研修講師謝礼等13万1,991円、これで間違いないでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) そちらの金額となります。ただし、帝京平成大学の学生向けは、講師は職員が行いましたので、予算としては使っておりません。
○いさ委員 ということは、講師を3回呼んで、13万円という規模の予算だということですね。わかりました。周りの人がサインに気づいてあげるというゲートキーパーというアプローチは大変大事だと思うんです。不調や異変に気づくことができるのは家族や近しい方です。また、ワーカーさんとか区の窓口の職員の方がサインを見つけられるようになるというのも、自殺をとめる大きな力になるのではないかと思います。これは重要な取り組みですから、こういった研修はもっと回数をふやしてもいいと思うんですが、いかがでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 回数増については難しいところもありますが、昨年も介護保険分野との共催という形で実施し、参加者等も大変大勢参加していただき、また好評であったので、必要な対象者に対して実施できるよう工夫しながら実施してまいりたいと考えております。
○いさ委員 ぜひ検討いただきたいと思います。
次に、この4月に施行された改正自殺対策基本法についてお聞きします。改正自殺対策基本法のポイントについて簡潔に教えてください。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 目的として、誰もが自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して、それに対処していくことが重要な課題になっているということが目的に追加されたこと。また、基本理念の中で自殺対策が生きることの包括的な支援とされており、保健、医療、福祉、教育、労働等が連携して総合的に実施されなければならないとされていることなどがポイントではないかと考えます。
○いさ委員 その改正自殺対策法の施行前と後で、今、区がやっている事業の変化というのはあるんでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) この4月の改正ですので、まだ区の事業へ具体的な反映はされておらず、これからの検討課題かと考えております。
○いさ委員 この改正自殺対策基本法13条というところには、市町村に対して、市町村は市町村自殺対策計画を定めるものとするとあります。この件の検討についてはいかがでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 都の自殺総合対策の基本的な取り組み方針の改正状況や他区の計画策定について調査してまいりたいと考えております。
○いさ委員 今、メインで行っている事業のゲートキーパー研修、これは自殺抑止のために重要な取り組みであることに疑いはありませんが、今回の改正自殺対策基本法が求めるものはそこにとどまらない。自治体として地方で自殺対策にどう向き合うかが問われているということではないでしょうか。この市町村の自殺対策基本計画についても策定に向けて検討を続けていただきますようにお願いいたします。
改正自殺対策基本法に関わってもう少し確認しておきます。その第2条にはこんなふうに書いてあります。第2条、自殺対策は、自殺が個人的な問題としてのみ捉えられるべきものではなく、その背景に様々な社会的な要因があることを踏まえ、社会的な取組として実施されなければならない。2、自殺対策は、自殺が多様かつ複合的な原因及び背景を有するものであることを踏まえ、単に精神保健的観点からのみならず、自殺の実態に即して実施されるようにしなければならない。ここは大事なところだと思うんです。そもそも自殺のリスクが高まって、周りから見て、あの人、危ないななんていうふうになる前に、そうなっている原因そのものを手前で取り除いてあげる必要があるんじゃないでしょうか。改正自殺対策基本法にもそのように書いてあると私、認識しておりますが、この点はどうお考えでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 他自治体の取り組み等を検討し、調査してまいりたいと考えております。
○いさ委員 この自殺対策に取り組んでいるNPОでライフリンクというところがありますが、ここが2013年に発表した「1000人の声なき声」に耳を傾ける調査には、自殺者の背景には平均四つの複合的な要因があると述べられています。これはどういうことか、ちょっと考えてみたいんです。例えばこんな人がいるとします。長時間過密労働で鬱を発症してしまった。仕事を続けられず失職。収入が途絶えて借金を背負う。家賃も滞納して追い出されてしまった。こういう状況の人がいずれかの窓口に来たとします。どう対応すればいいのか。必要なら生活保護の受給、とりあえず住まいの確保ということになると思います。それと、鬱の治療のためには医療機関につなげてあげる。借金の整理では弁護士さんに登場してもらう。そういうのが解決する中で求職ということに次に進んでいくんだと思うんです。これを最初に相談のあった窓口でこの複合要因を見つけて適切に必要な支援を継続していけるのかどうか。自分の窓口のところだけじゃなくて、必要な部署や機関につなげていけるか。ここにかかっていると思うんです。足立区では都市型対策モデルと銘打って、こういった自殺につながり得る複合要因に対処すべく、自殺対策を柱にさまざまな部署や機関と連携していくことをうたっています。中野区でも足立区の取り組みに学び、同じような仕組みを検討するべきではないでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 現在行っているゲートキーパー研修もそのようなそれぞれの窓口のところに来た方に適切に対応するべく技能を身につけていただくということを目的としておりますが、足立区の取り組みについても調査してまいりたいと思います。
○いさ委員 ぜひこれはお願いしたいんです。関係部署との連携というのは、もちろん今も御尽力されていると思いますけれども、足立区がやっているという都市型対策モデル、これをわざわざ打ち出したというのは、基本法の趣旨にのっとって、自治体として全体として正面から自殺対策に取り組もうという区の姿勢のあらわれだということだと思うんです。中野区としてもぜひこのことを検討いただきたいと思うんです。
これに当たってもう少し数字をお示ししたいと思います。内閣府のデータでは、2009年から14年の6年間で、将来に展望が持てないことで自殺している大学生が1,018人となっています。一方で、大学生の中の精神疾患による自殺者は664人でした。大学生については、将来不安というもののほうが精神疾患よりも高い自殺リスクとなっているということです。そうなると、この大学生に対する自殺対策は将来不安を解決するということでないといけないと思うんです。進路の悩みであったり、ブラックバイトの相談、就職の支援、奨学金返済の相談エトセトラ、やっぱりこれは関連部署とか期間にすごくまたがって、多岐にわたっていると思うんです。こういうやり方をぜひ進めていっていただきたいなと思います。
すみません。自殺のところはもうこれで結構です。
次にいきます。(2)番、働き方の問題についてお聞きいたします。
青少年雇用促進法、いわゆるブラック企業対策法が成立しました。その直前にも国として約5,000社の企業に立ち入り調査を行い、4,000社に対して指導を行う。こういうことがありました。国が直接こんな形で動いたということについては評価すべきことだと思うんです。ブラックな労働実態によって働けなくなる人が生まれるということは労働力そのものの減少、消費の後退、医療費の拡大など、本人だけではなくて社会にとっても何一ついいことがない。このブラックな働き方を社会的損失と考えるところに、この問題を個人の責任に解消せず、行政の側が手を打たなければならない理由があると考えます。ここは確認しておきたいと思います。
さて、中野区におけるブラック企業対策については、昨年度2定の本会議でも質問いたしました。そのときには、区として労働相談の窓口をつくるのはどうでしょうかとお聞きしたんですが、ちょっとこれは難しいというお答えでした。そこで、今回は比較的取り組みやすいであろうホームページ上での労働相談の案内ということについてお聞きしたいと思います。ホームページ上で労働相談ということについては、我が会派の浦野区議がかつて質問しまして、厚生労働省の労働条件相談ホットラインというところのバナーをぐっJOB・なかののページ上に張っていただいています。これは開くとすぐフリーダイヤル、ここに電話して相談してくださいというのが出てくるので、すごくわかりやすい。大事だと思うんです。しかしながら、ちょっとこのあたりから、この情報にたどりつくまでにどうしなきゃいけないかというところを皆さんに確認いただきたいと思うんです。最初に言っておきますが、せっかく大事な情報があるんだけど、深いところにあったり、わかりにくいかなというところを皆さんと共有したいなと思いまして、いろいろ用意いたしました。ちょっとおつき合いください。
そうですね、すみません。遠くの方は見づらいかもしれません。何とか口でも補いたいと思います。労働相談したいなという人の気持ちになって、ちょっと見てほしいんですけど、それで、この区のホームページから何らかの情報を探すというときに、今申し上げた労働条件相談ホットライン、ここに行くためには、これはトップページなんですけれども、赤い枠でくくったのは大体1画面分のイメージです。これのずっと下のほう、一番下のところに赤枠があります。ここにぐっJOB・なかののリンクが張ってあるんです。ここをクリックしないといけません。ここをクリックすると、ぐっJOB・なかののページに飛ぶわけですが、こんなページになっていまして、このページの左側、また赤枠をつけましたけれども、左下のほうにそのバナーがあります。この先がこういうページとなっていまして、ここにフリーダイヤルの番号が書いてあるわけなんです。しかしながら、一番最初にクリックしなきゃいけないのは、ここですね。ぐっJOB・なかの、このバナーです。ここに何と書いてあるかというと、就労・求人支援サイトですね。自分が仕事のことを悩んでいて、労働相談の情報を探そうと思ったときに、この就労とか求人支援というところ、ここに情報があると見当がつくかというと、これはちょっと難しいと思うんですよ。何が言いたいかというと、その情報にたどりつくまでに、これだと相当頑張らないといけないんじゃないかなということだと思うんです。
ちょっとこれを置いておいて、もう一つ、中野区の労働相談の情報って別のページにもあります。そこもちょっとページがどうなっているか見ていきたいんですけど、トップページのここのところですね。「こんなときには」という中のアイコンの一つに、就職・退職というアイコンがあります。ここがまずハードルだと思うんです。労働相談をしたいんだけど、そういう人が就職とか退職というところに情報があるって考えるかどうか。ここをクリックすると、次のページでは、「働いている方向けの相談窓口」というところをクリックしないといけない。これもちょっと労働相談とは遠いと思うんです。次のページにやっと労働相談と出てくる。この先に、労働相談に関わる外部リンク三つ張ってあるというページが出てくるということなんです。そもそも階層も深いし、探す人が相当頑張らないと、ここにたどりつけない。ちょっとわかりにくくてもったいない話なんじゃないかなというのが今言いたかったことなんです。ウエブサイトをつくる上では、アクセスのしやすさ、ナビゲーションという考え方がすごく大事になってくるんですけども、そこがちょっと足りていないかなと思うんです。せっかく労働相談の情報があるわけですから、この点を改善してほしいなということなんですが、これ、答弁をお願いします。
○堀越政策室副参事(広報担当) 労働相談についての区ホームページトップページからの展開についてでございますが、トップページ上部にございます、委員おっしゃいます「こんなときには」でございますが、こちらはライフイベントごとに分類をしてございます。こちらは閲覧者が情報を探しやすいようにアイコンとシンプルな就職・退職、子育て等の単語の組み合わせで、どなたにでもわかりやすく表現をしております。ぐっJOB・なかのにももちろんございますけれども、トップページの上部にございます。労働相談につきましては、就職・退職のアイコン、こちらは現在かばんの絵になってございますが、こちらから入ることができまして、すぐ次が、おっしゃいますように「働いている方向けの相談窓口」という項目がございますため、現在特に見つけにくい状況というふうには思われないところでございます。
○いさ委員 ここはちょっと、ぜひとも労働相談したいなという人の気持ちになってナビゲーションを考えていってほしいなというふうに思うんです。できれば、トップページとは言わないです。目立つところに大見出しをちょっとつけるか、就職とか退職とか名前を変えるとか、そういう案内をやったほうがいいんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
○堀越政策室副参事(広報担当) ホームページのトップページにつきましては、画面上の制約がございます中で情報を取り出しやすいようにするために、大きくまとめたつくりとしてございます。また、区の施策全体のうち、特にタイムリーでより多くの区民等が必要とする情報を載せているところでございます。したがいまして、個別具体的な詳細にわたります情報につきましては、基本的には載せておりません。なお、他区の状況においても同様の状況となってございます。
○いさ委員 他区の状況が同じかどうかは、私はちょっと異論があります。それでちょっと関連してお聞きしたいんですけれども、現在このホームページの管理というのは業者に委託していると思うんですけれども、一つ何かそういうページを増やすというときにどのぐらい経費がかかると見込んでいるでしょうか。
○堀越政策室副参事(広報担当) 中野区のホームページの改修はページごとの単価では契約してございませんで、一概にお答えすることは難しい状況でございます。なお、改修に関しましては、システムの体系から修正する場合も中にはございますので、低い額での改修にはならないものと考えてございます。
○いさ委員 わかりました。そうしたら、先ほどタイムリーな情報についてはということをおっしゃられていました。2カ月後の11月というのは、ちょうど過労死等防止啓発月間となっています。これ、2014年の11月に施行された過労死等防止対策推進法によって実施される取り組みなんですけれども、この11月の間だけでも労働相談の情報だとか、こういうものを大きく取り上げる。こういうことはできないでしょうか、お答えください。
○堀越政策室副参事(広報担当) 中野区のホームページ、特にトップページでございますが、主に区の事業のお知らせやPR用として作成をしているものでございます。委員のおっしゃいます過労死等防止啓発月間は国の事業でございまして、東京都は後援を行っているようでございます。この過労死防止の啓発だけを今回、区のホームページで大きく取り上げるということにつきましては、他の機関との関係からいたしましても困難な状況と考えてございます。
○いさ委員 そのホームページに関連してもう少しお聞きします。ブラック企業対策と言っても、そもそも実態はどうなのかという認識そのものが大事だと思うんです。ブラックな働き方の実態については、様々なメディアを通じて告発されていますが、じゃ、区内在住在勤の方についてはどうなのか。これは行政として知っておく必要があるのではないでしょうか。認識を共有するためにも、必要なのは実態の調査だと思っています。この実態調査ですが、一般的に行っている紙ベースの方法ですと、印刷、郵送の手間とコストがかかります。それをかけない方法としては、ホームページ上にアンケートフォームみたいのを設置する。そこで労働実態を皆さん教えてください。こういうやり方をするのはどうかなと思って、ちょっとこれは提案させていただきたいと思うんです。結局これもフォームをつくって、集計、そういうところまで業者に丸投げできてしまうんじゃないかと思うんですね。こういうことをもしやるとしたらどのぐらいになるか。こういう想定はなさっているでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 労働相談につきましては、東京労働局などを案内しておりまして、区が独自に実施はしてございません。そのため、これに関連した調査を行うことは考えておらず、その手法や費用などについても検討していない状況でございます。
○いさ委員 これですね、ちょっと区内のホームページ業者さんに聞いてみたんですけれども、一般向けのホームページでやるときに、大体高く見積もっても20万ぐらいだというふうな金額を提示してもらいました。もちろんそれは区のホームページでやるときに同じ金額でできるかどうかわかりませんけれども、紙ベースでやるに比べてゼロが二つ違ってくると思うんですね。そういう意味では、これはやってもいいんじゃないかなと思うんです。ぜひこれ、前向きに検討していただきたいと思います。
次に、ブラックバイト問題についてもお聞きしておきます。学生の本分は学ぶことです。学業や生活のためにアルバイトせざるを得ないという事態は国際的に見て異常なわけでして、返済不要の奨学金制度創設という議論が様々起きているのは当然のことだと思います。これは大変重要な議論ですけど、他方、学費のために働かざるを得ない状況が直ちに改善されるわけでもないのですから、取り急ぎ、ブラックバイトそのものの解消が求められるということではないでしょうか。中野区としても三つもの大学を誘致したわけですから、その問題でできる努力をすべきだと思っています。学生には特別に手を打つ必要があるというふうにも考えています。残念ながら、労働基準法の教育というのは大変不十分だと思っています。労基法そのものを知ってもらうこと、そして、おかしいなと思ったら相談できる窓口があるということを知らせる。これは肝要になってくると思うんです。大学の学生課とも協力して、学生に対してブラックバイトの相談先の案内を知らせるだとか、学生向けの周知イベントをするだとか、都の作成しているポケット労働法を配布するだとか、区としてこういう事業の実施を検討すべきではないでしょうか。答弁をお願いします。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 東京都が作成したポケット労働法、それから、国の相談事業であります労働条件相談ホットラインにつきましては、区の就労・求人支援サイトぐっJOB・なかの上にリンクを設定しまして、おのおのダウンロードや案内ページの閲覧ができるようにしてございます。なお、学生向けの周知イベントについては、区として開催する考えはございません。
○いさ委員 今のブラックバイトの実態というのは本当にひどいということになっているんですね。いろんなところで告発が始まっていますし、今、裁判で戦われている例も始まっています。学生の未来を奪うブラックバイトの蔓延というのは看過できる状況ではないと思うんです。そして、先ほど申しました将来不安が大学生の最大の自殺リスクである。そういうことになっているわけですね。ここにもブラックバイトは関わっています。学生を守るという観点から、区として具体策を検討するよう重ねて要望しておきます。
次に、事業者、企業への周知についてもお聞きします。労基法を守らないという経営者の中には、労働基準法そのものを全く知らないという人が少なからず存在します。私も議員になる前のサラリーマン時代にそのことを身をもって学んだわけなんですけど、国内のほとんどの企業で何らかの労働基準法違反があると言われていますが、労働者だけではなくて、雇用者、企業に対する労働基準法の啓発も周知をやっていくべきと考えています。区内事業者については、この周知をする、そういうこととともに、零細企業や個人商店など経営が厳しい、こういう事業者については経営難ゆえに労基法を逸脱せざるを得ないという実情もあるかと思います。そういうことも勘案して、既に実施している創業・経営相談の事業についても、この労基法の趣旨とあわせてやっていく。こういうことが大事ではないでしょうか。検討をお願いしたいんですが、お答えください。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 国や東京都が実施する労働基準法の遵守に関する啓発などにつきましては、可能な限り協力したいと考えております。また、創業相談や経営相談を行っております産業振興センターにおいても、必要に応じて案内をしてまいります。
○いさ委員 本当ならこれでも少し足りなくて、中小企業とか個人商店に対しては積極的な支援策もあわせてやっていく必要があるかと思いますが、これはまた別の機会にお聞きすることにいたします。
次に、(3)番、生活の困窮についてお聞きします。
困窮そのものが縦横に広がっている。そういう中で、生活困窮者自立支援法というものが出てきたわけなんですけれども、今回の質問では特に就労支援の分野について中心に何点かお聞きいたします。生活困窮者自立支援法が施行されたことを受けて、中野区でも自立支援法の事業を開始しました。お聞きします。生活困窮者自立支援事業のうち、中野区の実施している任意事業である就業準備支援事業について、その内容をかいつまんで教えてください。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 生活困窮者自立支援法が定める就労準備支援事業は、一般就労に従事する準備としての基礎的能力の形成を計画的かつ一貫して支援する事業でございまして、生活習慣形成のための指導訓練や就労の前段階としての必要な社会的能力の習得など、一般雇用の就職活動に向けた技法や知識の習得等の支援を行うものでございます。
○いさ委員 就業準備支援事業の実績については、決算説明書の資料の主要施策の成果42ページに記載がありました。2014年度の支援者数は114名、就業に結びついたのは47名、2015年度はそれぞれ113名、48名でした。支援の必要な方の状況がその方ごとに異なる中で、これは頑張っていらっしゃるなと思います。それで、お聞きしたいのは、この就業に結びつかなかった皆さんについては、その後どのような支援となるのでしょうか、お答えください。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 就労支援を行っても採用に至らなかった場合でございますが、改めて生活困窮者の現状の把握や課題の分析等を行うとともに、就職面接方法の指導や新たな求人情報の提供など、就労に向けた支援を継続しているものでございます。
○いさ委員 この自立支援法で求めている中間的就労ということについて、この事業の中でしっかり進めているということで、これは大いに評価できることと思います。ここまでのことを踏まえて、本年の第1回定例会でも質問をいたしました。若者サポートステーションなどの若者支援事業についても改めて実施を求めたいと思います。政府は、この自立支援法に先立って、社会保障審議会、生活困窮者の生活支援のあり方に関する特別部会を設置し、生活困窮者対策の審議と提言をしています。さらに同法の具体的仕組みの方策として7項目挙げていますが、その7番目には、子どもと若者の貧困の防止、地域での若者ステーションの充実強化、こういう記述があります。政府の事前審議でこういう議論がされているわけですから、若い世代に特化した支援事業の実施に向け、検討を開始すべきではないでしょうか、お答えください。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 若者支援のあり方についての御質問でございました。区としましては、若者支援のあり方につきましては、子ども・子育て支援計画、また要保護児童対策地域協議会との関連も踏まえまして、状況の把握や必要性を見極めつつ検討を進めてまいりたいと考えております。
○いさ委員 どちらかと言えば、色々な自治体で自立支援事業よりも先行して行っていた若者支援、これが同法に取り込まれたという格好になっているんだと思います。就業支援策として中間就労がクローズアップされていくのは大変いいことだとは思うんですけれども、若い世代については、この中間就労のさらに手前の支援が必要な場合もあるということだと思うんです。中野区においても、現実の要請に基づいて若者に特化した総合支援事業の創設を強く要望しておきます。若者支援をめぐる他区の動向についても、ぜひアンテナを張っていてほしいなと思います。
この項最後の質問です。午前中最後になります。困窮者の中には、現に生活に行き詰まっているのに生保の窓口には行きたくないなんていう方が時々いらっしゃいます。中野区においては、中野くらしサポートと銘打って、総合受付という位置付けになっていて、ハードルが低い、相談しやすい、こういう工夫がされているかなと思うんですが、そういうことが区民の皆さんや今、現に生活に困窮している皆さんに十分知られていないんじゃないかなと感じることがあります。そもそもこの事業が始まって何年もたっていないわけですから、この相談窓口の周知を今よりももっと力を入れて行うべきではないでしょうか、お答えください。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 中野くらしサポートに関する周知についてでございます。中野くらしサポートは、生活困窮者自立支援法が定める自立相談支援事業でございまして、生活保護に至る前の生活困窮者からの相談を受け、生活困窮者の抱えている課題を分析し、そのニーズを把握するとともに、ニーズに応じた支援を計画的かつ継続的に行うために、自立支援計画の策定等を行い、関連機関との連絡調整を行いながら、各種の包括的な支援を実施しているものでございます。中野くらしサポートにつきましては、庁内の関連部署等でのパンフレットの配布や区ホームページへの掲載等を行ってきましたが、今後も継続的に広報を行うことで自立支援に向けた取り組みを幅広く周知していきたいと考えております。
○いさ委員 相談事業が知られていくということそのものがセーフティネットになると思うので、ぜひこれも今後やっていただきたいと思います。
○若林委員長 いさ委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午前11時58分休憩
午後1時00分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。いさ委員、質疑をどうぞ。
○いさ委員 それでは、質疑を再開させていただきます。
2の急傾斜地の対策について、ここからお聞きいたします。まず、急傾斜地の定義について教えてください。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 急傾斜地の定義につきましては、自然斜面、人工斜面を問わず、傾斜角が30度以上、高さ5メートル以上の斜面を対象としております。
○いさ委員 この半年の間に日本中で地震や台風といった自然災害が相次いでいます。今も昼休みに16号のニュースが入ってきていたと思うんですけれども、こういうことがある度に崖崩れというのが日本中で発生していたと思うんです。中野区は23区にあっても高低差があって、坂が多いというのは皆さんよくわかっていらっしゃると思います。その高低差がそのまま急傾斜地、つまり、崖として残っているということなんですけども、区内に存在する急傾斜地について区として把握しているでしょうか。何カ所あるでしょうか、お答えください。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区内にございます急傾斜地崩落危険箇所につきましては、自然斜面が3カ所、人工斜面が11カ所の計14カ所所在しております。
○いさ委員 これはいつ、誰が調査したものでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) こちらの箇所につきましては、東京都建設局河川部が国の点検要領に基づきまして調査を行いまして、平成14年3月に公表したものでございます。
○いさ委員 その区内の急傾斜地について、そこの地権者が誰で何人いるとか、それぞれの擁壁が何年経過しているだとか、そういう区として実態の把握というのはしていくべきだと思うんですけれども、この点はどうでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現在、東京都は土砂災害防止法に基づきまして、中野区内の急傾斜地の基礎調査を実施しております。都が行う基礎調査では、人工斜面の擁壁の危険度なども勘案して区域指定されますので、改めて個別に事実関係を調査する必要はないと考えております。また、指定区域の住民に関しましては、この後、土砂災害ハザードマップを配布いたしますので、必要があればその時点で世帯情報などの収集に当たりたいと考えております。
○いさ委員 じゃ、区として、この区内急傾斜地の見回りなどは行ってはいるんでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 風水害の対応が必要なときに災対建設部の職員が河川巡回とあわせまして、危険個所の見回りを行っております。
○いさ委員 災害時ということですね。実は地域防災計画にこの崖については住所の記載があるんですが、その14カ所のうち中野本町五丁目の崖については先日、現況を見てまいりました。ここを見てきたんですけれども、ちょうど都営アパートがあって、その裏手のところが88メートル幅といって崖になっていますが、防災計画には高さ5メートルとなっているんですけど、私、メジャーを持っていってはかったら、上から擁壁の下の盛り土があるところまで、これで6メートルあったんです。この盛り土の部分も下の都営アパートの生活道路の面から50センチぐらいの高さがある。ということは、この擁壁6.5メートルということになると思うんです。実測とちょっと違うなというのを見つけてきました。また、崖全体がここだけじゃなくて、東西に崖状の地域が広がっているわけなんです。東側の部分は中野新橋の通りのところから始まって、西側が杉並区のほうまでずっと続いている。地図上で確認しましたら、およそ700メートルの間そういう崖状の地形が続いているなというのがわかったんです。それを目測、目で見ていったら、30度以上、5メートルの落差、その該当する場所はそこの都営アパートの裏手だけじゃなくて、他にもあるんじゃないかなというところが見受けられました。特に顕著なのは、中野通り沿いにある中野本町五郵便局の裏手なんですけれども、上が駐車場になっていまして、その上の高さから郵便局のビルの3階部分、これは同じ高さになっているんです。ということは、少なく見ても七、八メートルはあるだろうということだと思うんです。
何が言いたいかというと、現場を見て歩けばいろんな気づきがあるということなんです。そもそもこの東京都のやった平成14年の調査というのは、2万5,000平方メートルメッシュ、こういう網のかけ方ということらしいんですね。東京都はもちろん全域やっていますから、一つひとつ細かく見るというのはそもそも難しいお話なんじゃないかと思っています。こういうところこそ地元の自治体でやるべきじゃないかと、そういうお話になってくると思うんです。今の擁壁についても幸い他の部署から情報が出てくるということでしたから、どこを見に行けばいいかという当たりもつけられると思うんです。そういう他部署ともしっかり連携して、災害時だけじゃなくて定期的に現況調査をやるべきではないでしょうか、お答えください。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) さきの答弁と重なりますが、現在、風水害時の見回りにおきまして、この14カ所の斜面につきまして特に情報はございませんので、定期的な実施は考えておりません。また、東京都は土砂災害防止法に基づきまして急傾斜地の調査義務がございますので、これに関しましては東京都と連携して対応していきたいと考えております。
○いさ委員 その東京都の基準ですね、高さ5メートルで斜度が30度以上、これにこだわらないで、もっときめ細やかにやってもいいんじゃないかなというふうに思うんです。防災計画を改定する上では、指定箇所だけじゃなくて周辺の情報も必要になってくると思うんです。私が見てきた擁壁の中には、明らかに地下水がちょっと漏れ出しているように見える、そういう場所もありました。この擁壁、5メートル未満なんです。今の東京都の基準では危険な急傾斜地という扱いにはならないということになります。こういうところも指定に当てはまるかどうかじゃなくて、安全なのか危険なのか、この見方が大事だということだと思います。最悪なケースとして台風と地震が一緒に来る。こんなようなことももちろん想定しなければいけないと思いますので、こういう場所もチェックしておいたほうがいいんじゃないかと思っています。そもそもこの調査自身が平成14年ということですから、今の今まで14年間も情報が更新されてこなかった。そもそもこれ自身もどうかというふうに思っています。その間に状況は変わりますよね。ですから、防災という観点から、定期的、恒常的な現況調査を行うよう要望しておきます。
現在、崖の調査については今おっしゃっていただきました土砂災害防止法に基づく調査というのを東京都が行っているところですね。この土砂災害防止法では危険箇所を警戒区域と特別警戒区域、イエローとレッド、この2種類に分けて、地域住民の皆さんへの避難経路の周知だとか、基本的にはソフト対策をやっていくということになっています。しかしながら、ハード対策のほうはやらない。大きな自然災害が続いて、関東でも巨大地震がいつ起きるかわからないと言われている状況の中で、行政としてハード面の対策を講じる必要があるんじゃないかと考えています。区民の命と財産を守るという立場から、危険箇所の補修について区として何らかの手を打つべきではないでしょうか。文京区には崖の擁壁をつくることに対する区の独自事業、崖整備資金助成事業というものがあります。中野区も同様の助成について検討すべきではないでしょうか、お答えください。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) これまでも建築や土地の造成を行う際、新たな擁壁等を築造並びに改修を行う場合は、建築基準に適合するよう所有者の責任と費用負担で設置するものと考えており、現在のところ助成は考えておりません。
○いさ委員 続けてお聞きします。港区では、区のホームページの中に「土砂災害に備えて」というページがあって、区が独自に調査した危険箇所の地図データを掲載しています。中野区でも地域防災計画だけでなくて、区のホームページのほうに調べた結果の情報を公開、検討すべきじゃないでしょうか、お答えください。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 土砂災害防止法の規定に基づきまして、土砂災害ハザードマップにつきましては区のホームページでも公開してまいります。
○いさ委員 これは今現在どうなっているかというと、東京都の防災マップで崖がどこにあるかって見るようになっているわけですよね。ぜひこういう防災情報、情報の入手のしやすさというのが大事だと思いますので、これからも引き続きこういう検討を続けていただきたいと思っています。
以上でこの部分は終わります。
次に、3番、ヘイトスピーチ対策法についてお聞きします。
このヘイトスピーチについては、本年第1回の定例会について質問させていただいています。ヘイトスピーチに対する区の評価については、国連人種差別撤廃条約の規定するところの人種差別の一形態であって、人権に関わる問題だというふうに答弁いただきました。その3カ月後、本年の6月3日には、この法律、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律が施行されました。ヘイトに反対する市民の皆さんの抗議行動、そしてこの度のような各自治体での議論、全国の自治体での意見書の採択などが世論を形成し、政府の判断を大きく後押しする格好になったんだと思います。もちろん中野区もこのヘイトスピーチをなくすという潮流に加わったということだと思っています。ここは認識を共有しておきたいと思います。まだ法施行から3カ月しか経過しておりませんが、これを受けて中野区としてはこれからどんな取り組みとなっていくのでしょうか、お答えください。
○海老沢政策室副参事(企画担当) ヘイトスピーチ対策法につきましては、特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチの抑止、解消を目的としているものでございまして、国に対しまして相談体制の整備や人権教育の充実、啓発活動などの実施が定められているところでございます。地方自治体の役割といたしましては、国・都の役割分担を踏まえながら実情に応じた施策を実施するということになるというふうに認識をしております。区はこれまでも人権尊重の啓発等を進めているところでございますけれども、様々な人々が隔てなく活動できるユニバーサルデザインのまちづくりの取り組みを進めていきます。その中の人権という枠の中でも議論を進めていきたいというふうに考えていく予定でございます。
○いさ委員 広い意味ではもちろん人権を守るというお話になると思うんです。しかしながら、理念的になり過ぎると、ヘイトスピーチという現実に起きている人権侵害が見えにくくなってしまわないでしょうか。人権を守るという概念に含まれていますということではなくて、ユニバーサルデザイン条例にはぜひヘイトスピーチもしくは差別扇動という言葉を使ってほしいと思うんですが、これはいかがでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 今後策定いたしますユニバーサルデザインにかかわる推進条例につきましては、誰もが自由に社会参加が進むまちを目指しまして、その実現のための基本方針や目指すべき将来像、区、区民、事業者等の役割等を明確にするということを想定しているところでございます。ヘイトスピーチは特定の個人や団体、集団などの人権、宗教、あるいは民族的な文化などの差別的な意図を持つ言動であるというところでございまして、人種差別の一形態というふうに位置付けられているという認識でございます。そのため、根本的な考え方といたしまして、ユニバーサルデザインに含まれていくと考えているところでございますが、個別の対応等につきましては、区の人権施策の中で進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○いさ委員 この差別をめぐる議論というのは、どうしても寝た子を起こすみたいに差別事案に対して忌避するとか、触れたがらない傾向というのが一般的にあるんじゃないかと思っています。結果、何か言おうとするとどうしても理念的な方向に寄っていく。どうしてもちょっとぼんやりしてしまうということがあるんじゃないかと思っています。条例に盛り込むかどうかはともかく、中野区の進めるユニバーサルデザインのまちづくりそのものがそんなふうにならないようにというふうに願っています。
1定で行った質問なんですけども、区役所に法務省作成のポスターを張り出していただくことになりました。今も継続して張ってあるということで、これは大いに評価したいなと思います。しかしながら、もうちょっと目立つところに張ってもいいのかなというふうに思っています。また、他にも区有施設はありますから、そういうところもぜひ検討をもう一度していただきたいなと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 区では様々な情報や啓発など、チラシ、ポスター掲示を限られたスペースの中で期間を区切って掲示しているというところでございます。このヘイトスピーチの問題、ポスターにつきましても、これについて特別扱いするということは考えてございません。
○いさ委員 ぜひちょっと検討は続けてほしいなと思います。それで、教育に関わることについてもお聞きしておきます。東京都教育委員会が平成28年3月に発行した人権教育プログラム(学校教育編)、これを私、見てみたんですけれども、3、人権教育の効果的な推進のための参考資料というところの12番に人権課題、外国人というページがあります。ここに書いてあるのは東京都の教育長から市区町村の教育長と都立の学校長へ宛てた通達で、公立学校に在学する在日外国人幼児・児童・生徒にかかわる教育指導についてというタイトルの文章とその添付資料です。この中には、在日外国人児童・生徒の数や全国の在留外国人の数などが示され、教育の上で留意すべき点についてのさまざまな指摘があります。その中にこんな文章がありました。それぞれの国民や民族が他国民や他民族に対して偏見を持つ例は数多く見られるが、日本人の外国人に対する偏見の強さもしばしば指摘されるところである。中でも韓国、朝鮮人に対する偏見や差別はいまだに解消されているとは言えない。このことは明治以来の日本の歴史の中で形成され、強化されてきたものであり、日本人に対する戦前の朝鮮及び朝鮮人に関する偏った教育や様々な背景のもとに日本へ渡来した事実を知らずに形づくられた朝鮮人像が偏見を形成する役割を果たしてきたと考えられる。だから、学校教育で正しい知識を身につけさせなさい。確かな証拠なしに先入観にとらわれるようなことがないようにしなさい。こういうふうに書いてあります。これ、大事なことだと思うんです。当然こういうことは区の教育ビジョンや教育大綱の中でも生かされなければいけない考え方ですし、現実の教育の場においても具体的な成果となっていかなければいけません。この部分に関する区の認識と教育の場に具体的にどう生かされていくのか。この点、お尋ねいたします。
○杉山教育委員会事務局指導室長 人権教育についてお答えいたします。
全ての小学校、中学校において各校で作成している人権教育の全体計画や年間指導計画に人権課題の一つとして位置付けており、外国人に対しても偏見や差別意識を持つことなく、互いの文化等を大切にし、ともに生きていこうとする態度の育成に取り組んでいるところでございます。
○いさ委員 中野区が進めるグローバルな人材育成という観点からも、教育の場から差別を生まないような力を育てる必要があると思っています。誤った歴史観を持った人、差別意識を持った人が国際社会で通用するとは到底思えません。実はこの連休の間に、差別や偏見がもとになって起きる犯罪行為、いわゆるヘイトクライムがここ中野区内で発生しました。営業時間外の店舗に侵入し、暴行や器物破損を行って、男2人が逮捕されたという事件ですけれども、この男2人の犯行動機というのが、日常的に差別は許さないと発言しているこの店の店長が気に食わないんだ。こういう理由なんです。警察に連行される際に、この男2人は、この店長は朝鮮人だ、なぜ逮捕しないんだというような差別扇動を繰り返していたそうです。差別を正しいことのように認識し、差別対象の排除を実行に移すのがヘイトクライムです。当区でもこのヘイトクライムが起きてしまいました。このことを重く受けとめて、ヘイトスピーチを許さない、差別を許さない、そういう教育と啓発を進めていくよう強く求めます。
すみません。次に移ります。4番、その他のところです。その他の一つ目、視覚障害者対策について幾つかお聞きします。
これは本年1定での質問で、視覚障害者の方がよく利用する中野駅周辺の三つの施設、陽光園、スマイルなかの、産業振興センターについて、駅からのルートに点字ブロックの敷設を行うとの答弁をいただいています。この件、現在はどうなっているでしょうか、お答えください。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今、委員御指摘の3施設でございますが、区道におきましては、駅から3施設に至る歩道への視覚障害者用誘導点字ブロックについては既に設置済みでございます。なお、都道につきましては東京都第三建設事務所に早期の実施を求めてまいりたいと考えております。それから、千光前通りから産業振興センター間の歩道のない部分の路側帯のカラー化については、本年度施工の予定でございます。
○いさ委員 この点字ブロックの有無というのは視覚障害者の方にとって命にかかわる問題です。先月8月には、青山一丁目駅において点字ブロックの上を歩いていた視覚障害者の方がホームから転落して亡くなるという痛ましい事故が起きたばかりです。これは駅のホームで起きた事故ですけれども、町中を歩行中にも同様の事故が起きる可能性があるのではないでしょうか。本年1定での質問でも、点字ブロックの上に置いた荷物と接触して転倒した視覚障害者の方の例を出しました。私がこれを見かけたのは中野駅の南口です。駅周辺は特に人と自転車、車が錯綜します。前述の三つの施設は利用が多い。視覚障害者の方もよく使うということですから、今決めているところもぜひ前倒しで進めていただくように要望しておきます。
次に移ります。もう一つ、音響信号についてもお聞きしておきます。これは1定で聞いたことでもありますけれども、音量の調整とメンテナンスの頻度を上げてもらうようにということで、警察に求めてほしいというふうにお願いしました。この件、その後どうなっているでしょうか、お答えください。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 前回の御質問の後、早速、音響信号機を所管しております中野警察署には伝えたので、適切な音量になったものと考えております。
○いさ委員 議会の後すぐ対応いただけたということで、ありがとうございます。せっかくこれ、対応いただいたんですから、音響信号を利用される視覚障害者の皆さんにもお知らせして、一緒に確認してもらうのがいいんじゃないかと思っています。これ、要望としておきます。
その他の2番、地域猫について。これも本年1定についてお聞きしていることの続きということになります。
とある町会で役員の方と地域猫事業の話になったことがあるんですけれども、猫の自然減を目指しているんだということをお話ししたら、えっ、そうなのと、こういう反応だったんです。また、聞いた話ですが、猫に金などかけるかと。こういうふうにおっしゃられる方もいらっしゃるということもわかりました。率直に言って、この事業内容が正しく理解されていないのかなという印象でした。今この事業については町会のほうが窓口となっているわけですから、こういうことがあると、なかなか進みにくいのかなと思っています。この地域猫事業の町会への周知については、年に1回、町会長さんが集まる会合で行っているというお話だったと思います。これ、年1回できちっと御理解いただけるのかというと、ちょっと難しいのかなと思っています。この周知の回数をふやして、周知方法そのものも見直すべきではないでしょうか、お答えください。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 説明会の実施につきましては、町会連合会の常任理事会で周知、案内してございまして、保健所において説明会は昼夜1回ずつ合計2回行ってございます。また、説明会当日参加できない町会でありましても、保健所窓口でいつでも説明、相談に応じているだけでなく、要望がありましたら職員が地域に出向いても説明しているところでございます。説明会につきまして、今のところ町会、自治会から開催回数についての要望はございませんけれども、今後必要があれば改善していきたいと思っております。
○いさ委員 せっかく事業をスタートさせたのに知られていないとかということはもったいないと思うので、これは検討いただきたいなと思います。猫の去勢手術をする際に、耳カットを施術していない獣医さんがいる。このことも地域の方からの訴えでわかりました。器具そのものを持っていないということらしいんです。もちろん獣医師会所属の獣医さんについては、中野区の事業としては耳カット推奨ですから、やっていらっしゃると思うんです。しかしながら、区内の獣医さんのうち4割ぐらいは獣医師会に入っていないということですから、こういうところを実態調査しながら、この器具の購入、これについて申し入れるべきではないでしょうか、お答えください。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 耳の一部カットにつきましては、動物愛護の観点から一度不妊去勢手術した猫を再び捕獲して手術に持ち込むなど、猫に手術による過度の負担をかけないよう識別するためのものでございます。一般的には識別措置に法的な義務はございませんけれども、区の助成制度におけます不妊去勢手術では、区は獣医師会と覚書を交わしまして、識別措置を行うこととしてございます。識別措置には他にピアス等の方法もございますけれども、脱落などの可能性もございますので、耳カットの方式により行っております。この耳カットは特別な器具が絶対必要というわけではございませんで、通常の手術の用具があれば足りるので、実態調査や器具の購入を求めるということは考えてございません。
○いさ委員 実際にやっていないというところがあるということですから、徹底しないと意味がないと思います。ぜひ検討してほしいなと思います。
続けて、猫というのは愛護動物法の定める愛護動物であって、虐待ということがあると犯罪になります。ところが、複数の地域で猫の虐待の話というのが耳に入ってきています。区内でこういう事案について認識しているか、ちょっと気になっているところなんですけど、虐待は犯罪だということをきちんと告知しないことによって、区民の中から犯罪者を生み出してしまうんじゃないかと、ちょっと懸念があります。これ、区の予算でこの事業と別のところでちょっと予算を割いて、ポスター掲示など周知をすべきではないでしょうか、お答えください。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 既に本年度、動物愛護を内容といたします啓発ポスターの作成を計画しているところでございます。
○いさ委員 動物愛護、大事です。しかしながら、現に起きている猫の虐待をやめさせる、抑止する。そういう意味では具体的にわかるように猫の虐待禁止、ここに特化したポスターが別に必要なんじゃないかと思っています。これ、検討をお願いいたします。
もう一つ続けて、区民の方から区有施設や公園で虐待があった。これをやめさせるようポスターを張ってほしい。こんな求めがあったら、区としてはどんな対応になりますか、お答えください。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 区の施設はそれぞれの施設管理者がございまして、責任を持って管理しております。必要があれば警告ポスター等を掲示しまして、注意喚起等を適宜適切に行っているところでございます。区民の方が作成し、持ち込んだポスター等を施設等に直接掲示するといったことは行ってございません。
○いさ委員 以上で全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○若林委員長 以上でいさ哲郎委員の質疑を終了します。
次に、中村延子委員、質疑をどうぞ。
○中村委員 平成28年第3回定例会決算特別委員会におきまして、民進党議員団の立場から総括質疑を行います。質問は通告のとおりで、4、その他はございません。
まず初めに、行政評価について伺います。
平成27年度中野区の普通会計の歳入歳出決算額は、歳入で0.7%増の1,333億円、歳出で2.1%増の1,301億円となりました。歳出を性質別に見ると、義務的経費は前年度と比較して2.2%増となりました。特に扶助費が増加をしており、その主な要因は保育施設給付の増などによるものです。近年では毎年増加傾向にあった生活保護費は微減となり、景気がよくなった影響と言われています。一方で、イギリスのEU離脱や中国経済の減速長期化、中東情勢や原油安の長期化など、世界経済の不安定材料を見ると、上向いた景気がいつ下向きになってもおかしくない要素が多くあります。また、高齢化などにより今後も社会保障費の伸びは続くことが予想される中、PDCAサイクルによる歳出削減や歳入確保に向けた取り組みが必要な状況であるとも言えます。
これまでも繰り返し申し上げてきてはいますが、こういった状況下、実効性のある行政評価制度が必要です。また、その結果を区政運営に生かしていくことも大変重要です。決算資料とともに全議員に配布された主要施策の成果別冊、各分野の行政評価結果の行政評価の進め方を見ると、平成28年度から平成30年度まで3年間で一巡をさせるところに変更はなく、今年度は2巡目の初年度となります。この行政評価結果の冊子を開いたときに、今までと大きく変更があり、結構びっくりしたわけなんですけれども、まず大きく変更があった点についてお尋ねをいたします。
これまでは分野ごとに①ア、指標の目標達成度、イ、目標の妥当性、ウ、指標の妥当性、それから②として事業実績、③として事業執行の効率性、④として創意工夫・先進性にそれぞれポイント制で点数をつけ、総合評価をポイントで出していました。同時に、分野ごとに評価結果の主な判断理由と根拠をコメント形式で記載されていました。今回は各分野の評価項目、評価基準は目標達成度5項目、指標・目標値の妥当性4項目、事業・取り組みの有効性・適正性が9項目、事業・取り組みの効率性が7項目と、かなり細分化をされております。これまでは分野ごとに評価結果と判断理由や見直し改善の方向性が評価として、コメントとして記載をされていましたが、分野ごとには総合評価点のみになり、今回は部全体で判断理由、根拠や見直し改善の方向性が示されていますが、この理由を教えてください。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 行政評価につきましては、これまでは分野単位で評価を行ってございました。しかしながら、より政策的な議論や評価を行うために分野の上位にある部を評価の対象に加え、部全体での判断理由や見直し改善の方向性をお示しすることとしてございます。また、分野の評価につきましては、より客観的な評価を行うとともに、職員が見直しの視点を養い、事業の改善への意識や意欲を高めるため、具体的な項目を用いたチェックリスト方式に改め、その結果については分野ごとに具体的な詳細評価項目をお示しするように変更をしたものでございます。
○中村委員 各部の総合評価点は部の取り組みの成果と分野の評価点の平均で出されております。全ての点数を見ていくと、部の取り組みの成果と分野の評価点に乖離がある部署があります。具体的に申し上げると政策室と都市政策推進室が該当します。分野でこういう評価をしたのであれば、部の取り組みの成果に乖離が出ることはあり得ないというふうに思いますが、もし分野ごとの評価がきちんと部の取り組みの成果としてあらわれないのだとしたら、改善する余地があると思いますが、そこに関してはどのように捉えているでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 部の取り組みの成果につきましては、部の経営戦略における成果指標の目標の達成度、それから部の経営戦略における実現に向けた取り組みの実施状況と成果、この二つの要素から採点をしているものでございます。一方、分野の評価につきましては、分野ごとの評価項目により評価点を算出しているため、その平均との差が生じたものもあったというようなことでございます。今後実施する外部評価委員、これらの御意見等も踏まえまして、評価の質を一層向上するために、さらに工夫してまいりたいというふうに考えてございます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。各部の内部評価結果の見直し、改善の方向性を見ていくと、都市政策推進室では各分野の指標は毎年度収集できない統計調査によるものが多く、経年で成果が図れる指標の検討が必要であるとか、子ども教育部では、子どもの学力・体力向上に関しては、成果が向上につながる取り組みの工夫を一層行うとともに、目標の達成度を端的に把握できる指標の設定に努められたいなどがあります。ほとんどの部で見直し、改善の方向性のところで成果指標について指摘をされております。そこで伺いますが、昨年の決算特別委員会の総括質疑でも成果指標や目標について設定段階で外部の目を入れるべきと指摘をさせていただきました。その際はやらないというふうにおっしゃっておりましたが、確かに目標は区が進める方向性に沿って担当者が責任を持って適切に設定することは必要かもしれませんが、目標に沿った指標を設定するのは外部でもできると思います。今回設定されている成果指標を見ていく中でも、無理があるなというふうに思ったものも散見されます。再度の質問になりますが、一度外部の目を入れて成果指標の設定をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 区政目標と指標につきましては、区が進める方向性に沿いまして、行政評価の結果を踏まえまして、毎年度の予算編成過程で適宜見直しを行いまして、各担当がみずから責任を持って主体的に設定するということが事業執行するために有効であるというふうに考えているところでございます。事後の行政評価をもって修正を行うことが最もPDCAサイクルは有効に働くというふうに考えているところでございまして、今後こうした手順で適切に区政目標や指標の徹底に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○中村委員 内部評価でも外部評価でも、毎回ここまで成果指標について指摘をされているのにもかかわらず、なかなか改善をされないという現状だと思うんですね。成果をはかるために必要な指標だからこそ、行政評価の中に入れ込まれているわけなので、意味のないものではいけないというふうに思います。ぜひこれは今後検討していただきたいと要望をさせていただきます。
この内部評価結果に基づいて、これから外部評価を行う手順だと思います。まず今後の流れとして外部評価のスケジュールを教えてください。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 外部評価のスケジュールについてでございますけれども、予算編成になるべく間に合うようにということで、一昨年から若干スケジュールを早めているところでございますけれども、今年度につきましても昨年度とほぼ同様に実施をする予定でございます。具体的には10月の中旬から下旬にかけまして、これは事業内容や実績など事実確認を行う事業説明会を開催した上で、11月の中旬、こちらに公開ヒアリングを実施する予定でございます。その後、12月の上旬には評価結果を内定、12月中旬には評価結果を決定、このようなスケジュールとなってございます。
○中村委員 ありがとうございます。今回、評価項目及び評価基準が大きく変更されておりますが、これは外部評価も同じように変更するんでしょうか、教えてください。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 外部評価につきましても、政策的な議論を含め、より事業の見直し、改善に一層つなげるため、内部評価と同様、部の評価を加えるとともに、分野の評価につきましても、内部評価と同様の評価項目、基準により実施をする予定でございます。
○中村委員 ありがとうございます。これまでも、そして今年度も様々な見直しを行っている行政評価ですけれども、やっているだけではなくて、実効性のあるものにしていっていただきたいということを申し上げまして、この項の質問を終わらせていただきます。
次に、グローバル戦略推進についてのうち、民泊について伺います。これまでも何人かの同僚議員が一般質問や総括質疑などで民泊について取り上げてきましたが、我が会派の立場から質問をさせていただきます。
2015年8月に国家戦略特区の指定が東京都全体に広がり、中野区も例外ではなく指定を受けました。そのことにより、中野区でも旅館業法に基づいて許可を受けたホテルや旅館以外の施設を旅行者に貸し出すことができる、いわゆる民泊が可能になりました。2016年4月に策定された新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の戦略Ⅰ「まち活性化戦略(キラリ輝くなかの)」の展開2「魅力にあふれ、来街者の絶えないまち」の施策イ「都市観光の受入環境・基盤の充実」の実現へのステップの中で、外国人向け民泊の仕組み構築をステップ1に明記をされております。民泊といっても一概に語れないほど、住居を貸す形態は様々です。
許可をいただいたので、図表を出させていただきますが、小さくて申しわけないです。遠くの人は見られなくて。まずは、持っている物件を商業目的で貸す形態や空き家を貸す形態、また、ふだんは使用していない別荘や別宅を貸す形など、主たる住居以外を貸す民泊があります。一方で、家主が在室している個室を貸す形またはシェアルームとして貸す形態など、主たる住居を貸す民泊もあります。この家主が在室している形態と家主が不在の形態では、目的が全く別物ということを理解し、また分けて考えなければいけないということをまず申し上げておきます。
民泊の目的は、宿泊施設を補うための経済政策、空き家対策と捉え、ビジネスとして行う事業者も積極的に含めていくのか、もしくは国際文化交流、観光の一環として捉えるのか。家主がいるかいないかでは利用者における意識の違いも出ることで、違法な運営や近隣トラブルなど発生率が異なるのではないかと考えます。宿泊施設が少ない中野区では、需要と供給のバランスを補う民泊も必要という考え方もありますが、一方で、中野区にお住まいの方々の住環境を第一に考えていく必要があると強く思います。そこで伺いますが、これまで区民から民泊に対する苦情や相談はどれくらいあったのでしょうか。民泊だと疑いを持てる苦情はどのような相談や苦情が多かったのでしょうか。もし相談や苦情があった場合、その民泊の形態は家主滞在型のものなのか、家主が不在の民泊なのかなど、特徴があれば教えてください。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 保健所に寄せられました違法民泊の疑いのある苦情、相談は、平成27年度から寄せられておりまして、物件数で申しますと、平成27年度が3件、平成28年度はこれまでに13件ほどございました。苦情として多いものは、その物件に急に不特定の外国人が出入りしだして不安である。それから、大声が迷惑である。それから、ごみ出しルールを守らない等でございます。これまでの16件物件のうち、戸建て住宅は5件、残りはアパート・マンションでございます。職員の聞き取り調査によれば、家主が居住しながら外国人を宿泊させている事例が1件、外国人社員の日本滞在用の宿舎であるという事例が2件、あとは全体状況から家主不在型と思われますが、確実な実態把握はできないという状況でございます。
○中村委員 ありがとうございます。今年4月に旅館業法の改正がありました。主な緩和点は延べ床面積についてです。一方で、用途地域の問題や消防設備の問題、管理規約の問題から、マンションやアパートなどでの民泊が容易にできるとは思いませんが、着々と民泊に向けた動きが出てきているということも事実です。今回のこの旅館業法の改正により、4月以降、簡易宿所の申請は中野区ではあったんでしょうか。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 4月以降におきまして、簡易宿所の開設申請はございません。
○中村委員 現在、中野区にもインターネット仲介業者を介し、民泊を行っていると思われる業者が存在していますが、旅館業法上は違法状態です。こういった物件がわかった場合はどのように対応しているのでしょうか、教えてください。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 違法民泊の取り締まりにつきましては、警察の権限でございますけれども、無許可営業の疑いに対しましては対象となる物件に直接職員が訪問してございます。直接家主等に会えない場合には、注意喚起や警告の文書を投函する等によりまして家主等に接触し、状況を調査するなどの対応を行っているところでございます。この結果、違法を認識して取りやめた民泊は3件ありましたが、依然として提供者が誰なのか不明である案件も多くございます。今後とも中野、野方両警察とも連携しながら対応していきたいと思っております。
○中村委員 恐らく家主の方にお会いできることってほとんどないかと思うんですけれども、この状況を鑑みて、区は実態調査を行い、把握をすべきと考えますが、これまでに実態調査は行っているのでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 区では平成28年の6月から7月にかけまして、民泊仲介サイト上の掲載されている物件の調査をいたしました。その結果、区内全域で延べ610件の民泊施設や地域別の傾向等を把握したところでございます。
○中村委員 京都市は昨年12月1日から今年3月31日まで調査を行ったそうで、結構細かい調査を行っているんですが、その方法はAⅰrbnbなど民泊仲介サイトに掲載中に2,702件を対象に、地域や施設タイプ、旅館業法許可の有無、宿泊可能人数、宿泊料金などを調査して、さらに周辺住民へのヒアリングも行ったそうです。それによると、調査対象のうち旅館業法許可の確認ができたのが189件、無許可と思われる施設は1,847件と推定。無許可物件の施設タイプ別では、戸建て住宅が548件、集合住宅では1,255件、集合住宅施設のほうが無許可での運営件数が多いほか、海外を含む京都府外の在住者による運営件数も多い傾向にあることが判明したそうです。京都市は、これと同時に民泊仲介サイトの運営者へのヒアリングも行っています。「とまりーな」というサイトでは法令遵守を徹底しているとコメントをする一方で、違反業者に対して適切な規制、摘発を望む見解を表明。また、Aⅰrbnbでは、問題のある施設について複数回の注意喚起を行っても改善が見られない場合は、掲載から削除する措置を実施。また、Aⅰrbnbでは管理者不在の施設は推奨していない反面、日本では約6割程度が管理者不在となっている実態も明らかになりました。
この調査を踏まえて、京都市では宿泊施設拡充や民泊に関する方針を示す京都市宿泊施設拡充誘致方針(仮称)素案を取りまとめました。この中には民泊新法に関する考え方も記載をしています。国では今後、民泊に関する新しい法律の制定を目指しております。現在、一つ目として、中野区では旅館業法により規制をする。二つ目として、特区制度を活用し、民泊条例を制定する。三つ目として、新法の制定後に条例を制定すると、三つの方法が民泊を推進する上で選択ができます。中野区は今後、民泊の推進、規制についてはどの方法を選択する予定なのでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 法制度につきましては、旅館業法の改正や国家戦略特区では要件緩和の動きもございます。また、民泊新法についても制度設計はこれからということでございますので、情報把握に努め、推進と規制の両面から制度活用を検討してまいりたいと思います。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。中野区も実態調査を行ったというふうにはおっしゃっていましたけれども、ぜひ京都市のようにきちんとした細かい実態調査をした上で、中野区にはどういった規制もしくは民泊誘致が適しているのか判断をして、条例制定を目指していただきたいなというふうに思います。現在、秋の臨時国会にも提出されるのではないかと言われていた民泊新法もいつ提出されるのか、不透明な状況ではあります。いつ民泊新法が制定されても対応ができるよう、京都市のように方向性を取りまとめておくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 宿泊施設そのものが少ない区内の状況ですとか、無許可の民泊が立地する現状を踏まえまして、安全で良質な民泊を誘導するために適した制度の活用とともに、現行制度下での民泊の適正化や都市観光施策との連携などについて方向性を示したいと考えております。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。先ほどお見せしたホームステイ型家主滞在型は、国際交流や文化体験型、リピーターを増やす民泊として推進すべきだと考えております。海外ではホームステイ型が主流で、リピーターが多いのも特徴です。いい経験をした旅行者が御自身の国に帰った際に、家族や友達に勧めることも多いそうです。岐阜県多治見市には、民泊をしながら陶芸を楽しむ滞在型作陶施設があります。2011年に開設されたこの施設ですが、利用は1カ月単位なのにもかかわらず、年内の予約は満杯だということで、9月に新たな宿泊所が増設されました。東京の旅行会社と連携した2012年以降は、海外からの利用者が増え、シンガポール、香港、アメリカ、イギリス、オランダなどから39名が利用。近年はリピーターや帰国した方からの紹介者が増えたということです。一方で、管理人のいない民泊、家主不在型は騒音やごみ問題などのトラブルも多い。先ほども申し上げましたが、民泊の目的を投資収益にするのか、文化交流にするのかで目指す形は全く変わってくると思います。中野区にお住まいの区民の方々の生活を考えたら、自然と方向性は定まると思います。投資型の民泊は一時的に宿泊施設を賄うことができるかもしれませんが、息の長い経済政策にはならない可能性が高い。むしろ、息の長いインバウンド施策とするならば、オリンピック・パラリンピックの後も中野に来てくれるリピーターを確保する施策を目指すべきと考えます。
ここで、良質な民泊の事例として、一般社団法人シェアリングエコノミー協会の方のお話を紹介させていただきます。シェアリングエコノミーとは、場所、乗り物、物、人、お金などの遊休資産をインターネット上のプラットホームを介して個人間での賃借や売買、交換をしていく新しい経済の動きを言います。実際に御自宅をシェアハウスとして提供している事務局の方からお話を伺いました。ホームシェアリングは文化交流であり、主たる住居において行われる家主滞在型は、家主がまちをよくしたいという思いで民泊を始める意識の高い方が多く、利用者との信頼関係によりトラブルも少ない。家をシェアするだけではなく、まち自体をシェアすることで、住んでいる人たちでまちをつくっていくという思いで実施をしている。事業者ではなく、個人と個人が直接つながり、個人の責任で社会的サービスの提供を行っているとのことでした。
9月14日の読売新聞によると、政府はシェアリングエコノミーの安全性を確保するために、仲介事業者が守るべき指針案を固めたとの報道がありました。サービスの提供者や利用者の本人確認の徹底、相談窓口の設置などが柱になっております。先ほども紹介しましたが、シェアリングエコノミーとは民泊に限らず、個人があいた時間に育児や家事を手伝う代行サービスなど幅広い分野に広がっておりますが、政府が今回定める指針は、これらの仲介事業者が分野や業界にかかわらず守るべき基本的なルールとなります。指針案は仲介業者が守るべきルールとして、サービス提供者や利用者に対し、何かあった場合に連絡がとれるよう電話番号などを登録させることを求めております。民泊や車の相乗りなどトラブルも懸念されるサービスについては、運転免許証などによる本人確認を徹底することが盛り込まれております。先ほど来、民泊を語る上でよく出てくる仲介サイトAⅰrbnbは、先ほど御紹介をさせていただいた社団法人のシェアリングエコノミー協会のメンバーでもあります。国でもこういった指針を出すような動きがあるものの、区としてもこういった仲介サイトと連携をして、悪質な物件に対しては削除を指示できるような規定を設けていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 現在の民泊事業の課題であります安全性の確保、衛生面の確保のために、悪質なサービス提供者を何らかの形で制限する等の対策が必要になると考えております。今後制定される民泊新法においては、仲介事業者への規制も含まれるものが検討されているということでございますので、区ではその規制の実効性が確保されるようにしてまいりたいと思っております。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。逆に良質な物件に関しては、中野区認定のような表記をすることも考えられると思います。先ほど来さまざま出てきていますけれども、仲介業者にも区としてアプローチをしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 民泊の認定、認証のあり方については、良質な民泊の誘導ですとか、利用者の判断基準につながるというふうに考えておりますので、他の自治体の取り組みなどを参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
○中村委員 ありがとうございます。2015年11月の本会議で区長は、導入の検討に当たっては、条例によって滞在日数や立ち入り権限を規定することに加えて、運営事業者の責務の明確化や警察、消防等、関係機関との連絡を密にするなど、治安面、衛生面の確保を図る対応策が必要であると考えているところですというふうにも御答弁をされております。民泊の目的を明確化して、今後きちんと方向性を定めて、示していただくことを申し上げまして、この項の質問を終わります。ありがとうございました。
次に、グローバル戦略推進の中で小学校での英語教育について伺います。
近年、グローバル化が急速に進み、民間企業では外国人労働者が働くことや日本企業が海外に支社を持つのが当たり前な時代になりました。日本で働くにしても、今、小学校や中学校に通っている世代は世界との競争がさらに激しくなっていくことが予想をされます。4年後の東京オリンピック、パラリンピックもグローバル化に拍車をかける大きな要因となります。
決算資料区民3、外国人登録人口の推移とその国籍別内訳でもわかるように、中野区の外国人人口も年々増え続け、平成27年度は1万4,927名で、平成26年度の1万3,143名から1,784名増えています。小・中学校の入学式や卒業式、運動会など、児童・生徒を拝見する機会もありますが、一クラスに1人は外国人もしくはダブル、いわゆるハーフですね、など、日本以外にルーツを持つ子どもたちも多く見受けられます。平成23年度から文部科学省の新学習指導要領に基づき、小学校五、六年生で年間35時間の外国語活動が必須化されました。これに伴い、中野区の小学校では35時間の外国語活動の授業のうち、30時間でALT、アシスタント・ランゲージ・ティーチャーをつけての英語活動を実施しています。まず、外国語活動の必須化からは丸5年が過ぎましたが、中野区はどのように評価していますでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 小学校での外国語活動として英語に対しての親しみが増すとともに、人とのかかわりやコミュニケーションをとることに楽しさを感じる児童が多くなってまいりました。また、中学校の英語の教員からは、生徒の英語への抵抗感が薄れ、意欲的に学習に取り組めるようになったとの報告もあり、小中連携教育の中でも一定の成果が上がっていると認識してございます。
○中村委員 ありがとうございます。4年前の平成24年にも区内2カ所の小学校で行われている外国語活動の授業を見学させていただきました。今回、9月5日にも同じように2カ所の小学校で授業を拝見させていただきました。4年前は子どもたちもまだまだ英語の授業になれておらず、授業の進め方も担任教諭ではなくて、アシスタントであるべきALTが進めているという状況も見受けられました。4年経過した今、先生方も子どもたちも戸惑うことなく、楽しんで英語に親しんでいる授業風景を見ることができました。現在、必須化されているのは小学校五、六年生のみですが、一、二年生や三、四年生でも外国語活動を実施している学校もあります。今回、授業を見させていただいた中野神明小学校では、一、二年生で年間2時間、三、四年生で年間4時間、白桜小学校では一、二年生で年間5時間、三、四年生で年間10時間の外国語活動を実施しています。耳がやわらかい低学年からスタートすることはとても意義深いことだと思います。小さい頃から英語教育をスタートすることにより、発音がきれいになったり、外国語に対する心のバリアが少なくなるという効果も実際にあります。現在必須化されている五、六年生よりも早い時期からの外国語活動を行っている小学校は、中野区内では何校ありますか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 13校でございます。
○中村委員 国では、平成30年には新学習指導要領の先行実施、平成32年からは小学校五、六年生の英語の教科化、外国語活動は3年生から必須化されることが示されているなど、今よりもスタートを早くすることが議論されているところです。2年後ないしは4年後から、五、六年生の英語活動が教科化、そして外国語活動が3年生からになることへの準備はどのように整えていく予定でしょうか、教えてください。
○杉山教育委員会事務局指導室長 五、六年生での英語の教科化や三、四年生での外国語活動を見越して、平成29年度より全小学校で3年生から外国語活動を導入する予定でございます。
○中村委員 ありがとうございます。7月11日に沼津市の門池小学校を視察させていただきました。沼津市教育大綱の中では基本的な方向性で、社会や経済のグローバル化が急速に進展していく中で、豊かな国際感覚を身につけることも強く求められておりますと明記され、基本的な方策の一つにコミュニケーション能力の向上を図り、国際感覚を豊かにする教育と位置付けられています。沼津市では、平成18年3月に教育特区の認定を受け、学習指導要領に拘束されない沼津市独自の言語科を新設しました。言語科は読解の時間と英語の時間で構成し、小中9年間の一貫した指導を行うため、言語科指導要領を独自に作成しました。英語の時間では積極的にコミュニケーションをしようとする態度と、中学校卒業時の確かな英語力を育成することを目指しています。
沼津市は言語科10年の成果として、平成20年から平成26年度で言語科アンケートから見て取れる成果をまとめています。それによると、全国との比較で、英語で話したり聞いたりすることに対する沼津市の中学生の意識は高いものと考えられる。また、平成26年度の沼津市標準学力調査では、英語教科で問題の内容別平均正答率は九つの項目のうち八つが全国平均を上回っています。領域別や観点別では全て全国より上回っています。このように10年経過した今、小学1年生からスタートした世代で英語教育の成果が徐々に出てきていると担当の方も分析をされていました。沼津市の10年の成果は、グローバル人材を育てる上で見習うべき事例と感じます。国では3年生からの外国語活動を平成32年度からスタートする予定ですが、なるべく早く低学年からのスタートを目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 低学年からの外国語に親しむ活動につきましては、今後導入する三、四年生での外国語活動の成果を踏まえ、研究してまいります。
○中村委員 授業を見学させていただいた白桜小学校は、平成27年度及び平成28年度の中野区教育委員会学校教育向上事業の英語・外国語活動の充実研究指定校となっています。まずは研究指定校になった経緯を教えてください。
○杉山教育委員会事務局指導室長 白桜小学校は、平成21年度の開校以来、外国語活動を校内研究の重点として継続して研究してまいりました。平成26年度、平成27年度には東京都の小学校外国語活動アドバイザー活用事業の委託校として教員の指導力向上を図り、先駆的に外国語活動の充実を図ってまいりました。これまでの研究実績と今後の英語の教科化等を踏まえた研究を区内小学校に広く還元するために、学校教育向上事業研究指定校として指定した経緯がございます。
○中村委員 まだ研究校指定の途中ではありますけれども、研究校としての成果はいかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 白桜小学校のアンケート調査によりますと、9割程度の児童が英語が好きと答え、9割以上の児童が英語に対する抵抗感がなく、英語を使えるようになりたいと思っていることから、成果が上がっていると考えてございます。なお、教員についても外国語活動での指導に自信が持てるようになり、授業の中で積極的に英語のやりとりを展開できるようになってきてございます。
○中村委員 白桜小学校は地域的に、お話を伺った際に、外国人の方も結構住まわれているような地域だということも、こういった研究校に申し込んだ経緯があるというふうに校長先生がおっしゃっていたんですけれども、他の小学校は地域的な環境が白桜小学校とは異なるところもあると思います。この研究の成果をどのように中野区内のほかの小学校へ波及させていくのか、教えてください。
○杉山教育委員会事務局指導室長 白桜小学校も他の学校教育向上事業の研究指定校と同じように、研究発表会や教育委員会主催の研修会において研究の成果を還元していくこととしてまいりたいと思います。
○中村委員 わかりました。小学校の外国語活動では、初年度はプロポーザル方式で業務委託契約を結び、契約した会社からALTが各小学校に派遣をされていました。契約上の縛りがあり、どのような人材が派遣されても教育委員会や学校が交代を要求することができなかったこと、また派遣されてきたALTが急に辞めてしまう等トラブルが多かったことから、次年度からは小学校ごとにALTと個別契約をしています。新たな契約形態となってからはトラブルが減ったというのは事実ですが、人材確保の面では数年前と変わらず、各学校いまだに苦労をされているというふうにお話を伺いました。以前にも確保策を教育委員会でも考えていくべきと提案をしましたが、いまだに各小学校に任され、横のつながりでぎりぎりでALTを見つけているという現状だということです。ネイティブスピーカーであれば誰でもいいというわけではない中で、契約していた方が翌年度にさまざまな事情で辞めることになった際、そこから人材を確保することは非常に大変だと思います。教育委員会としてALTの人材確保に一定のサポートをすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 現在もALT確保に向け、必要に応じて学校に情報提供を行っているところでございます。サポートにつきましては、ALTのあり方も含め、研究していくこととしてございます。
○中村委員 わかりました。ぜひよろしくお願いいたします。ICT教育の研究校でもある多摩市愛和小学校では、オンライン英会話のプログラムを使い、外国語活動の授業をされていました。これはスカイプを利用して、マン・ツー・マンで英語を話す機会を持てるということが非常に意義深いことだと感じました。中野区では1人1台のタブレット端末を使ってという授業は、現時点ではなかなか難しいのかもしれませんが、外国語活動の一つのあり方として紹介をさせていただきます。
外国語活動の意義は、言語を身につけるだけではありません。自分とは違う文化を持つ人とコミュニケーションを持つことは国際理解教育にもなります。また、違う言語であれば、日ごろ話さない相手ともコミュニケーションを持つことができるという光景も中野区の小学校、沼津市の小学校ともに見受けられました。外国語活動は社会性の形成にも役立つというふうに感じました。一方で、これまでも中学と高校の計6年間英語の授業を受けても、ほとんど英語を話せる日本人がいないという事実を受けとめ、単に5年生から教科化された英語教育を受けても何が変わるのかという疑問は残ります。でも、以前私が見学をさせていただいた4年前と比べたら、子どもたちも先生方も戸惑いのない外国語活動の授業になっているというふうに感じました。この5年間継続してきたことの成果を目の当たりにしたというふうに感じました。ぜひ今後も質の高い英語教育となるよう御努力をお願いいたします。これでこの項の質問を終わらせていただきます。
最後に、感染症対策について伺います。
感染症というと様々ありまして、リオデジャネイロオリンピックの際は、ゴルフ選手がジカ熱への感染を懸念して出場を辞退するということもありました。グローバリズムが進む現状、世界のどこでさまざまな感染症が流行したとしても、水際で防ぐ施策が大変重要になると思います。感染症の中には、ワクチンで防げるものとワクチンすらない感染症があります。新型インフルエンザやエボラ出血熱、10数年前にはSARSといった感染症が騒がれるたびに、日本では水際対策が叫ばれ、メディアの報道でも影響はしますが、一時的に社会的に不安が増します。これらはワクチンすらない病気です。一方で、ワクチン接種を徹底すれば防げる感染症もあります。その中で、今回は風疹とはしかについて伺います。
平成24年度から平成25年度には日本でも大人を中心に風疹が大流行しました。風疹は、妊娠20週ごろまでの女性が風疹ウイルスに感染すると、お腹の赤ちゃんが目や耳、心臓に障害が出る先天性風疹症候群で生まれる可能性があることから、中野区でも妊娠を希望される女性に対し、ワクチンの接種助成制度を平成24年度の補正予算で組みました。平成25年度では、妊娠を希望している女性に加えて妊婦の配偶者にも接種支援事業を、平成26年度はそれに加えて、抗体検査の助成もスタートするなど、徐々に大人の風疹対策が充実されてきました。まずは、平成24年度から平成27年度のワクチン接種と抗体検査の実数を教えてください。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) ワクチン接種の実績ですが、平成24年度は年度末の3月からの実施のため103件、平成25年度は3,196件でした。平成26年度は抗体検査が1,117件、ワクチン接種が491件、平成27年度は抗体検査が967件、ワクチン接種が469件となっております。
○中村委員 妊婦さんが感染してしまったという事例はあったんでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 中野区では妊婦の感染事例はありませんが、都内では平成24年度に16人の先天性風疹症候群の方が出ていると聞いております。
○中村委員 中野区でなかったからよかったというわけではないですけれども、ぜひこれは防いでいかなければいけないというふうに思います。
次に、はしかについて伺います。8月14日に千葉県の幕張メッセで行われた米国人歌手のライブを観覧した兵庫県の男性がはしかに感染していたことが8月23日に判明、ほかの観客2人にも感染が広がった疑いがあります。男性は海外への渡航歴がありましたが、男性がかかったのは中国で流行する型で、男性の渡航場所とは一致しませんでした。国立感染症研究所が調べたところ、男性と同じウイルスの型を持つ患者の報告が他に5人あり、6人はいずれも7月下旬に関西国際空港を利用していたことがわかりました。この中には関空で勤務する女性職員もおり、この女性職員を含め、同じ職場ではしかに感染をしていた関空の職員が26人に上ったと9月1日に大阪府が発表しました。この他にも、立川市で8月26日に行われたアニメイベントを訪れた客が感染していたことも判明。9月に入ってからも関西では広がりにストップがかからず、兵庫県尼崎市では保育園での集団感染も判明。大阪地裁の職員も感染をしていたことが判明するなど、不特定多数が出入りする場所を中心に広がりを見せています。9月7日現在、はしかに感染をされた方は82名、感染が広がりを見せた33週から35週、これは今年に入ってからのあれですが、33週から35週だけで63名と、はしかの感染者は急激に増えています。地域別に見ると、大阪府が26名、千葉県が18名、東京都11名、兵庫県10名、埼玉県5名と続きます。区に寄せられたはしかに対する問い合わせはどれぐらいあったのでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 四つのすこやか福祉センターに計6件の御相談があったと聞いております。保健予防では、日ごろから予防接種についてのお問い合わせはあるんですけれども、予防接種についてのお問い合わせが増加し、一日当たり20件程度の相談となっております。また、医療機関から麻疹ではないかという問い合わせが6件あり、基準に該当する3件について都に検体を提出いたしましたが、3件とも陰性でした。
○中村委員 はしかは感染力が非常に強くて、手洗いやマスクで防ぐことは難しいとのことで、感染拡大を防ぐには予防接種を受ける他、患者が周囲に広げないことが重要だというふうに聞いております。何よりも重要なことは、はしかワクチンをきちんと接種することです。はしかは、昭和53年からワクチンが定期接種化されました。はしかワクチンは非常に有効性の高いものと言われておりますが、1回だけではなく2回接種することで確実な免疫がつくとも言われております。現在は2回接種が推奨されておりますが、現在26歳から39歳、私もこの中に含まれますが、ワクチンを接種する機会が1回だけだった人が多いとされております。この年代は妊娠を希望し、出産をされる年代でもあります。風疹と違って、はしかの場合は妊娠中にかかっても先天性の奇形があらわれることは少ないというふうに言われております。しかし、妊娠中にはしかにかかると、早産や流産のリスクが高くなります。早産や流産ははしかにかかった妊婦さんの約30%に見られ、そのうちの90%はお母さんに発疹があらわれてから2週間以内に起こったと報告をされています。また、はしかの免疫のないお母さんから生まれた赤ちゃんについては、ワクチン接種前にはしかにかかってしまうと症状が重く出てしまうことがあるとされています。まず26歳から39歳までの一度しかワクチンを受ける機会がなかったと思われる人口は、中野区で何人いらっしゃるでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 9月1日現在の人口でおおよそ8万6,000人になります。
○中村委員 中野区は若い人口が多いとされて、これは4分の1に当たるわけなんですけれども、これでパンデミックになってしまうと本当に危険な状態だなというふうに感じます。府中市では、9月1日にはしかの流行に関する情報提供として、ホームページにNIID、国立感染症研究所のリンクや東京都感染症情報センター、また東京都福祉保健局の麻疹についてのリンクを張った上で情報を提供しています。中野区感染症発生動向調査週報でお知らせはしているようですけれども、区のホームページのお知らせ欄には記載がなく、わざわざ調べないと出てこない状況ではあります。こんなに流行しているのにもかかわらずです。ぜひ区のホームページのお知らせ欄にも載せていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 感染症の週報につきましては、前の情報も継続して見たいという希望等もあることから、お知らせ欄ではない部分に載っているということで、トップページからややたどりつきにくいという御指摘を受けております。このような感染症が起きているときにはもう少しわかりやすいところにも出せるような方法を検討してまいりたいと思います。
○中村委員 検討じゃなくて、ぜひやっていただきたいなと思います。今本当にはやっているので、手おくれになったら怖いなと思います。現在、国では1歳のときと小学校に上がる前に麻疹・風疹の混合ワクチンであるMRワクチンの接種を定期接種化していますが、中野区の接種率はどういうふうになっているでしょうか。1期と2期ともに教えてください。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 平成27年度の接種率は、1期が96.1%、2期が91.7%でした。
○中村委員 1期が96%で、2期が91%ということなので、95%を過ぎると割と広がりを見せないというふうにも言われておりますので、ぜひそこは徹底していただきたいなと思います。今回のはしか流行の拠点となった場所は空港です。一方で、病院や保育園で感染が広がった事例も出ています。特にワクチン未接種の子どもを預かる保育園で感染が広がってしまうという事態は避けなければいけないと考えます。区内保育園に勤める保育士の方々へのワクチン接種勧奨を区としてすべきと考えます。場合によっては接種助成もすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○小山子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 区内保育所の保育士へのはしかワクチンの接種については既に勧奨を行っているところでございます。その際のワクチン接種の費用につきましては助成する考えはございません。
○中村委員 実はけさの情報なんですが、台東区では、この麻疹の流行を受けて、緊急に接種費用の助成制度を10月1日から始めるそうです。対象は7歳から18歳と、あとMRワクチン定期予防接種を2回完了していない方々で、かつ麻疹・風疹両方、もしくはどちらかにかかったことがない者ということです。これは、東京ではやり出したら本当に大変なことになるということで、恐らく各自治体も今後検討していくことだと思いますので、私、今回、保育士だけで言いましたけれども、ぜひ検討していただきたいというふうに、これは要望をしておきます。
今回、この件を調べるにおいて、自分自身も26歳から39歳に含まれることから、小さいころからのかかりつけ医に接種履歴を照会いたしました。やはり私自身は1度しかワクチン接種はしておらず、今回抗体検査を受けて、今、結果待ちの状態なんですけれども、その際に現在ワクチンがかなり不足をしており、9月いっぱいは入ってこないと教えていただきました。抗体があるかないかは別として、このように感染症の流行が報道されると皆さん不安になられて、急にワクチンの需要が高まってしまいます。本来は平時にどのように接種勧奨をしていくべきかなというふうに思っております。現在のワクチン不足の状況を区は把握されているのでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 医師会との連携で把握しており、9月の特別区の課長会を通じて都に申し入れをしております。都内全域同じような状況だと聞いております。都からも既に国に情報を上げていると聞いております。
○中村委員 恐らく今はやっている場所というのは一定の場所だと思いますので、他のところから譲り受けていただくなど、早急に対応していただきたいなというふうに思います。平成27年度からMR、麻疹・風疹の混合ワクチンの第2期の接種をされていない子どもたちの接種漏れをカバーするために、小学校から中学3年生まで無料で受けられる事業をスタートされたというふうに伺っております。平成27年度の実績はどのようになっているでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 平成27年度の実績は51名になっております。
○中村委員 この事業により接種漏れをしていると思われる子どもの何%をカバーできたというふうに考えればよろしいでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 毎年平均約150人未接種者がおりますので、未接種者の35%ぐらいに対応できたものと考えております。
○中村委員 ありがとうございます。ぜひ積極的に勧奨をしていただきまして、接種漏れをカバーしていくように努めていただきたいと思います。ワクチンで完全に防げる感染症であるはしかや風疹を予防できない国で、ワクチンすらない感染症を本当に水際で防げるのか。それが一番懸念すべき点だと思います。2015年にはWHОにはしか排除状態と認定をされました。それでもグローバル化する今では、海外から入ってきた感染症がパンデミックに広がってしまう可能性があります。しっかりと平時に対策をしておく必要があると考えます。現在、東京では急激な感染の広がりはありませんが、だからこそ中野区でも対策をしっかりしておく必要があるというふうに申し上げまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で中村延子委員の質疑を終了します。
次に、高橋かずちか委員、質疑をどうぞ。
○高橋(か)委員 平成28年第3回定例会の決算特別委員会総括質疑、自由民主党の立場から質問させていただきます。内容は通告のとおりでございます。また、その他の項目はございません。よろしくお願いいたします。
まず初めに、特定緊急輸送道路沿道建築物に対する助成制度についてお聞きいたします。
まず初めに、平成27年度決算における予算と実績についてどのようになっていたのか、教えてください。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 特定緊急輸送道路沿道建築物についてお答えいたします。
まず耐震診断につきましては、予算で22棟予定し、実績は13棟でございます。補強設計につきましては、予算で10棟予定しておりましたが、実績は7棟でございます。耐震改修につきましては、予算で8棟予定しておりましたが、実績は5棟となっております。
○高橋(か)委員 この特定緊急輸送道路沿道建築物で診断が22棟で13棟という年度の話がございましたけれども、診断が進んでいない理由を区はどのように分析しているのか。対策といいますか、取り組みも含めてお示しください。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 現在、特定緊急輸送道路沿道建築物で耐震診断が未了となっている建築物が17棟ありますが、実施されない理由として分譲マンションにおける合意形成が難しいこと。竣工図書がないため、補助金に一部加算額はあるものの、図書復元費用が大きく持ち出しになるので、避けているというようなこと。それと、オーナーマンションの場合、所有者が遠隔地に居住し、連絡がとれない、または面会を拒絶されていること。さらには、1階が店舗などの場合、営業補償などの問題で調整が進まないことがございます。また中には、この法律に納得していないということで、協力しないというような方がおられます。ただ、特定緊急輸送道路につきましては、東京都と連携をして、区の職員が今年度も今現在ペアとなって、所有者の方、管理組合に対して積極的にアプローチをしているところでございます。
○高橋(か)委員 今のお話を伺いますと、合意形成であったりとか、あとはテナントとの調整とか、そういう交渉事については、確かに先方にボールがあるというところもあるので、ある意味いたし方ないというところはあると思うんですけども、一つ設計図書がない。要は古い建物で、確認済証がないとか、設計図面がないとか、よくお聞きしますけども、こうしたことで診断が進まないということは、補強設計、改修が進まないということであって、ここでの区の上乗せ助成というよりも逆に都のほうの施策ですから、都にもうちょっとしっかり、そういう場合でのフォローをするような形を申し入れというのか、協議をして進めるなりということをしていただきたいと思うんですけど、その辺はいかがでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) これから東京都のほうも予算編成に向けていろいろ課題を整理していく中で、この問題も一つとして考えておりますので、今後、機会を捉えてきちっと要望をしていきたいというふうに考えております。
○高橋(か)委員 次に、耐震化の実績について伺ってまいります。まず特定緊急輸送道路の総延長、対象物件というのは、基本的なそもそも論ですけれども、何棟あるのでしょうか、改めて確認をさせていただきます。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 中野区内の特定緊急輸送道路の総延長は約10キロメートルで、対象となる建物は170棟でございます。
○高橋(か)委員 そのうち耐震診断が済んだ建物数、また実績率は何%ぐらいなのか。また、開始年度、年度別の実績も教えていただきたいと思います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 特定緊急輸送道路につきましては、平成24年度から助成が始まりましたが、まず耐震診断につきましては、平成24年で47棟、平成25年度で54棟、平成26年度で14棟、平成27年度で13棟、累計で128棟が耐震診断の助成を受けております。耐震診断を実施した建物は総数で152棟でございまして、実施率は89.4%となります。
○高橋(か)委員 そうしますと、耐震診断実施済みの建物の中で耐震補強設計、こちらに至った実績はどのぐらいあるんでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 耐震診断をした建物のうち、耐震性が不十分な建物が140棟あり、そのうち補強設計まで進んでいるのは25棟でございます。
○高橋(か)委員 対象建物が170棟、そのうち診断を行ったのが89%で152棟、さらにそこから耐震性が不十分ということでのその次のステップに移るべき建物が140棟、そのうちの補強設計が25件ということ。これは18%ぐらいということで非常に率が低いと思うんですけども、この耐震設計の実績が少ないということについてお聞きしたいと思います。そもそもこの耐震化促進に関する法律の趣旨はどういったことなのでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 耐震改修促進法第7条第1項に定める要安全確認計画記載建築物の所有者は、耐震診断を行い、所管行政庁に報告することが求められております。
○高橋(か)委員 東京都が目指す施策のゴールといいますか、そこはどういうところになるんでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 東京都耐震改修促進計画では、平成31年度末までに90%、平成37年度までに耐震化率100%を目指すとしております。
○高橋(か)委員 これは最終的に何年度までどういう縛りがあるのかとか、あるいは中野区へのペナルティーとか、そういった面ではどうなっているんでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 特定緊急における耐震診断の助成が平成28年度末、補強設計は平成30年度末までに着手という時間的な制約はありますが、補強設計について東京都は延長も検討しているようですが、まだ今の段階では確定しておりません。また、未達成に対する都から区に対するペナルティーというものはありませんが、達成に向けて東京都の職員と区の職員が、先ほども申し上げたとおりペアとなって、今年度も個別訪問を実施しているところでございます。
○高橋(か)委員 これは所有者へのペナルティーというのは、公告というか、そういうことでよろしいんですか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 診断をしていない建物については公表制度という、氏名の公表というものがペナルティーとして課せられております。
○高橋(か)委員 その年度の終わった時点で公報をするということでよろしいですか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 今現在、中野区内で言えば18棟の建物所有者に対して積極的アプローチをしております。これが秋口に大体その結果がまとまるということになりますので、年内中には氏名公表という形の段取りで考えております。
○高橋(か)委員 調べていただいた資料要求、建設の18番、こちらを見ますと、東京都の耐震ポータルサイトに掲載されている資料ということですけれども、ここに補強設計についての各自治体比較が出ています。助成基準単価が面積1,000平米以内の場合、23区のほとんどが平米5,000円というふうになっているんですけども、中野区の場合は平米2,060円というふうになっています。半分以下というところなんですが、そこでちょっとお聞きをいたします。中野区の耐震補強設計の助成の考え方、今後について今まで申し上げたことも含めてですけれども、どういうふうにお考えなのか、教えてください。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) これまでは耐震診断をしていただくことが主眼となっておりまして、今後は耐震改修につながる取り組みが重要となってくるというふうに理解しております。そのためには診断が終了した建物から補強設計に移行することが重要になると考えております。これまで区としては先に助成制度を活用した方々との公平を期すため、助成基準額の単価については見直しをしてきておりませんが、他区と助成額に乖離が見られることから、また、助成基準の見直しを求める要望もあることから、今後必要な検討を行っていきたいというふうに考えております。
○高橋(か)委員 必要な検討ということでお話をいただきましたけども、今確かに公平というお話がありましたけどね。ただ、災害に対する国民、都民の意識も区民の意識もどんどん高まっている中で、こうした特定緊急輸送道路の重要性というものを考えたときに、公共性を考えたときには、やはりある程度の公費投入というのはすべきじゃないかな。中野区は木造建物についての公費助成は、財産形成につながるということで一定の考え方をお示ししていて、私どももそれには賛同しているわけですけども、であれば、逆に公共性のあるこうしたものについては検討ということだけじゃなくて、具体的な少なくとも他区比較に並ぶような形で前向きに取り組んで、改善を求めていきたいと思うんですが、その辺いかがでしょうか。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 先ほども申し上げたとおり耐震性が不十分な建物が140棟あり、そのうち補強設計が済んでいるものが25棟、残り115棟に対して今後積極的に取り組んでいかなければ、中野区耐震改修促進計画及び東京都が進める耐震改修促進計画の90%、100%という目標は達成することはできないというふうに考えております。したがって、今、委員御指摘のとおり悠長なことを言っているんではなくて、必死になって私どもも取り組んでいくという心づもりで今後やっていきたいと思いますので、協力のほどよろしくお願いしたいと思います。
○高橋(か)委員 とにかく実効性、あるいは計画にある数字を実現するために、着実な施策の推進をお願いしたいということでございます。
この項の最後に、さらにその次の段階になる耐震改修の補助率について確認をとっておきたいと思います。これについては今申し上げた補強設計と同様に、改修に係る補助率が前は他区に比べて非常に低い状況であったというところで、現在はほぼ同水準というふうに認識しています。これは特定緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化促進について重要性を訴えて、要望してきた我々自民党の趣旨に沿うもので、非常に歓迎しているところではあるんですけども、今後この補助率について、この助成率というんですか、この辺を維持していく必要があるというふうに考えているんですけども、それはそのとおりでよろしいのか、確認をしておきたいと思います。
○小山内都市基盤部副参事(建築担当) 特定緊急輸送道路の耐震改修助成については、東京都も事業を継続するとしていることから、現在の補助率を維持し、実効性を高めていきたいというふうに考えております。
○高橋(か)委員 ありがとうございました。次に、二つ目の中野駅周辺におけるエリアマネジメントについてお聞きをいたします。
四季の森開設から5年がたちました。御存じのとおり当該地を含めた中野駅周辺というのは、セントラルパーク、新たなオフィスゾーンへ勤めている方々や大学生だけじゃなくて、多くの区民に親しまれる空間となっておりまして、東北復興大祭典、にぎわいフェスタなど、大規模なイベントも多く開かれております。また、今後は拡張用地の活用も期待されているところであります。中野駅の周辺の活性化、にぎわいイベントの核となっているということに間違いはないと思うんですけれども、まず確認の意味でお聞きしますけれども、エリアマネジメントということ、これは一般的にどう定義されているのか、お示しください。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) エリアマネジメントの定義でございますが、地域における良好な環境や地域の価値を維持向上させるための住民、事業主、地権者等による主体的な取り組みというようなことでございます。
○高橋(か)委員 このまちの価値の向上を図る取り組みについてお聞きしますけれども、この中野四季の都市では、これまでどのような取り組みがされてきたのでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 中野四季の都市のまち開き以降、まちの維持管理と情報共有を目的といたしました維持管理定例会といったものが開催されてまいりました。セントラルパークを管理する東京建物、明治、帝京平成、早稲田の各大学、公園管理者と区が参加しているものでございます。それぞれのスケジュールやイベントなどの情報の共有のほか、器物損壊などの発生状況等も報告されていることから、野方警察もオブザーバーとして参加しておるところでございます。
○高橋(か)委員 中野四季の森公園では年間どのぐらいのイベントが開かれているのか。また、パークアベニューではどうなのか。簡単にお示しいただけますでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) ただいま御紹介いただきました維持管理定例会で報告されたイベントの件数でございますが、昨年の9月から今年の8月の1年間、中野四季の森公園では22件、セントラルパークのパークアベニューでは23件でございます。
○高橋(か)委員 週末ごとににぎやかなイベントが繰り広げられているというふうに認識しておりますけれども、夏にはチャンプルーフェスタもありましたし、これから秋に向けて目白押しですよね。にぎわいフェスタ、あるいは東北復興大祭典、ねぶた、またランニングフェスタということになっていきます。今後は区民のさらなる増加、あるいは来街者の増加、また2020年の東京五輪・パラリンピックに向けてインバウンド対応、戦略ということも必要になってくると思います。多くのイベントが開かれているということは、これは好ましいことなんですけども、逆に一方で課題も見えてきているというような気がいたします。例えば中野駅周辺のイベントについては、イベントごとにそれぞれ部署が異なっている。例えば四季の森公園利用でのイベントについては、公園の貸し出しということで道路公園管理分野、またにぎわいフェスタ、まちめぐり博覧会とか、こうしたものは都市観光の地域活性化分野、東北復興大祭典、これは防災・都市安全分野というふうに部署がイベントごとに異なっているわけなんですけども、この都市観光やにぎわい活性化に関する区の発信すべき施策に統一感がなくなってはいけない。また、主催者ごとの体育イベントの連続ということになってくると、全体を通してのにぎわいの核となるこの場所でのストーリー性というのか、その辺がない。区民や来街者にとってわかりにくくなってしまうということもあるんじゃないかと思っています。また、主催者側の手間、労力、あるいは警察とか保健所とか所管庁の調整なんかも非常に煩雑になってくるということでは、窓口を一本化するとか工夫が必要ではないかと思いますし、近隣対応もやはり無視できない問題だと思っています。こうした多くのイベントを一元管理して、区の施策を発信。区のブランドイメージや統一感をつくって、さらなる活性化についての新規イベント戦略をつくり上げていく。こういうものを考えていくときにエリアマネジメントが必要ではないかなと考えています。
そこでお聞きをいたします。四季の都市の地権者間の維持管理にとどまるのではなくて、もっと魅力をPRするような取り組みであったり、利活用を促すような取り組み、また近隣への理解や協力を求めるような取り組み、そうした取り組みこそがこのまちの、地域の、そして自治体の価値を高めるエリアマネジメントではないかと思いますけど、この辺はどうお考えでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 現在行われております会合は維持管理定例会と名付けてございまして、維持管理を目的としておりまして、御指摘のようなマネジメントの取り組みというのが今後求められていくものと認識しております。これからも変化をしていく中野四季の都市の課題についても協議し、エリアマネジメントの取り組みにつながるよう各参加者にも働きかけてまいりたいと考えております。
○高橋(か)委員 区の指導といいますか、リーダーシップに期待したいと思っております。
次に、今後開園する四季の森の拡張部の活用、こちらも期待されるところでありますけども、ここではどのような整備を行って、どのような使われ方を想定しているのか、スケジュールも含めてお聞きします。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3において、四季の森公園は防災、交流、にぎわいなど多様な公園機能を拡充するとともに、駐車施設等により駅周辺全体へのアクセス機能を強化するなど、中野四季の森公園の面積、機能の拡大を図るとしております。したがいまして、このまちづくり方針により拡張部分は、マンホールトイレの整備による防災機能の強化、区民が集い、快適に憩える緑を配したベンチや草地広場の整備、地域のにぎわいを創出する各種イベントや催しを可能とする電気設備や給排水設備を備えた多目的広場の整備などを行う予定でございます。この中で特に多目的広場は約1.5ヘクタールから約2.1ヘクタールに拡張される四季の森公園において、公園を活用した各種イベント等によるにぎわいの中心エリアになると考えております。最後にスケジュールですが、多目的広場の一部設備を除き、主要工事は本年度内に竣工する予定ですので、平成29年度早々の開園を目指しております。
○高橋(か)委員 注目の場所であります。本会議でも大内議員から、平和の森でバーベキューというような御提案もありましたけれども、ここでやったら近隣に怒られるという、その辺は注意は必要だと思いますけども、とにかく区民として家族であったり、子育て世代であったり、あるいは高齢者の方であったり、いろんな切り口の中でここが親しめて利用できる、そうした展開になるように色々工夫をしていただくのと同時に、自由に使えるような、そういう余地をぜひ残しておいていただきたいと思います。こうした面的なにぎわい、あるいはイベントの施設ができ上がっていくことでちょっとお聞きしたいんですけども、先ほど申し上げた中野で注目を浴びている、例えばちょっと場所は違いますけど、ヌーノジャズだとか、あるいはにぎわいフェスタだとか、東北復興大祭典のねぶただとか、そうした地域の人や民間の人たちが一生懸命やっている中で、当然段取りとして共通に使える資機材というのが出てくるはずなんですね。それを毎回毎回新規調達していると、やっぱりイベントの収支もきつくなっていくことを考えると、いずれかのときに中野のどこかでそうした区の活性化に資する、ある程度の公共性が大切になるようなイベント、認定団体みたいなものに位置付けたものについては、共通資機材を置くような場所を確保して、それをうまく展開していくような、そういう工夫も必要だと思うんですけど、どうでしょうか。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 大規模公園に求められる多様な機能を発揮するためには、整備、開園後の管理運営が重要となります。特に発展を続ける中野駅周辺に位置する四季の森公園は、まちづくりと連携した公園マネジメントが求められます。したがいまして、今後、四季の森公園全体が本格的に稼働する地下駐輪場の開設までに管理運営に関する具体的な検討を行う必要がありますので、その中で定常的に利用される資機材やその取り扱いについて検討してまいりたいと考えております。
○高橋(か)委員 ありがとうございます。あと、この四季の森の公園と拡張部の間を行き来しようとすると、横断歩道が非常に遠くて遠回りになっていて、逆に管理棟の前を無断で渡ってしまうということが結構見受けられるんですけども、こうした部分について横断施設を整備したほうがいいというふうに考えるんですけども、その辺はいかがでしょうか。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 歩行者横断施設についてですが、現段階では横断歩道等を設置する予定はございませんが、四季の森公園の全体活用時においては高い設置効果が期待されます。したがいまして、中野駅周辺まちづくりにおけるまち全体の動線計画との整合を図りながら、交通管理者と協議し、検討いたします。
○高橋(か)委員 この項の最後に、この四季の都市じゃなくて、中野駅周辺全体についてお聞きします。駅の南側、二丁目、あるいは三丁目の区画整理も含めて、さらに多くの来街者が訪れるということになれば、当然五丁目のエリアについても何らかのリーディングというか、区の施策を発信していかなきゃいけないと思うんですけども、お聞きします。区は今後開発が進んでいく中で、各地区のエリアマネジメントを促すということ、これは当然として、各地区の間の連携を進めていって、まちの全体のエリアマネジメントというんですかね、タウンマネジメントについても考えていかなきゃいけないと思いますが、これはいかがでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 近年の開発の事例を見ますと、その開発のエリア内でのマネジメントが行われるのが通例となっております。中野駅周辺各地区の再開発においても同様の取り組みがなされるものと見込んでおります。中野駅周辺におきましては、まち全体の価値の向上を図っていく観点から、そのエリア内のみならず周辺との連携や各地区間の連携を促していく必要があると認識しておりまして、そうしたまち全体のエリアマネジメントについて検討してまいりたいと考えております。
○高橋(か)委員 エリアマネジメントを誰がやるかというところで、本来民間がやるものだということもあると思うんですけども、ここのエリアについては中野が特別に絡んでいるというか、主導しているわけなので、その辺前向きに御検討していただきたいと思います。ありがとうございました。
次に、3番目としまして、防犯カメラの設置拡充とIоT施策についてお聞きいたします。
本会議の一般質問でもその重要性について申し上げましたけれども、拡充について、区内では大きく四つ、区有施設または学校の施設、あるいは通学路、そして地域、町会、商店街の設置というふうに分けられているんじゃないかと思うんですけども、地域、町会、商店街に設置した防犯カメラ、ここが拡充の余地が残っていると思うんですけども、確認の意味で現状を教えていただけますでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 防犯カメラの設置に係る補助制度についてでございますが、町会、自治会や商店街等が防犯カメラを設置する際の初期費用に対する補助制度でございまして、具体的には防犯カメラ本体ですとか設置工事費に対する補助でございます。平成20年度から実施してございまして、今年度末で延べ82団体の申請がございまして、カメラの設置台数は年度末で311台というふうになります。補助率でございますが、まず町会、自治会に係る設置については6分の5を補助、商店街の補助については3分の2となってございます。それと、昨年の予算決算額でございますけども、予算額約1,800万、決算額は約1,100万円となってございます。
○高橋(か)委員 イニシャルコストがかかる。ランニングコストも当然かかっている。その負担の割合、考え方等あると思うんですけども、ちょっとお聞きしたいのは空白地域、つまり、商店街とかは、商店街にもある程度の厳しい財政運営の中とは言いながらも、やりくりをしてつけているところはあると思うんですけども、住宅地などの設置が進んでいない区域、この空白区域について本会議でも聞きましたけども、ばらつきについては区はどう考えているのか、教えてください。
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○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 地域によって防犯カメラの設置台数の差はある程度あるということは認識してございますが、区は昨年度と今年度におきまして、教育委員会のほうで通学路の安全対策の一環として、全ての区立小学校の通学路に防犯カメラを設置するとしてございますので、これによりまして区内におきましては、おおむね防犯カメラが設置される状況になるというふうに認識しているところでございます。
○高橋(か)委員 今おっしゃられた小学校ごとに5台ということで設置されているということで、空白地帯の住宅地はそれで充足をしているというような言い方をされたんですけどね。じゃ、防犯カメラをつけたところを地図に落とし込んでプロットしたというか、マッピングしたりした、そういう地図とかはつくったりされているんでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 所管としましては、先ほど言いましたように補助制度によって設置されているカメラ、それと通学路への設置、あと区有施設に設置されている防犯カメラ、それについては把握してございまして、システムということでありませんが、設置された箇所につきましてはしっかり把握をしているというところでございます。
○高橋(か)委員 幾つついたのは把握している。それはそこの小学校かPTAか、かかわった人に聞けばわかると思うんですけど、庁舎とか区有施設に防犯カメラがついていますよ。それは施設管理でわかるんですよね。学校施設については、例えば正門についている、裏門についているとかいうところ、それは学校の教育部門が把握していると思うんです。それはいいんですけど、僕が言いたいのは、空白区があっちゃいかんのじゃないかと。この間の弥生町の事件の解決を見ても、今や犯罪検挙は防犯カメラによるところが大きいですし、抑止力にもなるということを考えると、空白区域の住宅を、地域をどうするかって考えたときに、マッピングしていなかったら、どこのゾーンがすかすかなのかというのがわからないじゃないですか。それがなかったら、じゃ、この空白地域にどうカメラを立てられるかという戦略も立てられないと思って聞いているんですけど、マッピングとかはしていないんですか。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 町会、自治会、また商店街が設置していただいている防犯カメラにつきましては、私のほうで地図上に落として、比較的どこの地域に多くついている、比較的ここの地域は少ない。そういった把握は地図上できちんとしてございます。
○高橋(か)委員 それじゃ、マッピングした地図があるんですか。警察署の署長室へ行くと中野区の地図があって、防犯カメラ設置が虫ピンで刺さっているわけですよ。それを見るとすかすかなので、僕は気にして前回の本会議でも聞いたんですけども、後で聞く一元化という話にもつながってきちゃうんですけど、マッピングしたものがあるんですか。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 市販されている住宅地図に、どこの地域に設置しているということをマッピングして、所管として把握しているということでございます。
○高橋(か)委員 じゃ、空白地域がどこら辺に広がっているのかというのはつかんでいらっしゃるんですか。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 地図上に防犯カメラの設置箇所を落としてございますので、先ほども申し上げましたが、比較的ついている場所、比較的この地域には、比較論でございますけど、ついていないというところは把握しているところでございます。
○高橋(か)委員 比較的ついていないという把握じゃ困るのであって、なきゃ危ないということで、つけなきゃいかんと私は思っていて、じゃ、その空白区域についてどういう戦略を立てていらっしゃるのか、わかりますか。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) そういった地域への防犯カメラの設置につきましては、警察ですとか地域団体と連携をしまして、防犯カメラの有効性、有用性を町会、自治会等にきちんと周知をさせていただいて、町会、自治会もあるが、商店街による防犯カメラの設置の普及に今後とも努めていきたいというふうに考えてございます。
○高橋(か)委員 ちょっとまだ合点がいかないんですけど、後でまたこれはやるので、先に進みたいと思います。そうすると、住宅地など、要は普及しない一番のネックはイニシャルコストもそうですけども、ランニングコストにかかっているんじゃないかと思うんですけど、こうした維持管理のコストの補助について、区は今後どういうふうな方向に持っていかれるのか、お考えはあるんでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 防犯カメラ設置後の維持管理コストは、例えば電気代ですとかメンテナンス代、そういったものが挙げられますが、現在区としましては、防犯カメラの整備、設置に関する補助を最優先として実施させていただいておりますので、現段階においては維持管理経費を補助の対象にするかどうかについては、今後、その団体の申請数にもよりますが、研究させていただきたいというふうに考えております。
○高橋(か)委員 とにかくランニングコストのほうを進めないと多分普及しないんじゃないか。空白区が出るということを言っておきます。またこれは後でやりますけれども、ありがとうございました。
この防犯カメラの活用について、新しい展開が今進んでおります。同僚の若林議員も本会議で質疑されましたけども、IoTの活用ということなんですね。子どもの見守り、高齢者対策、災害時の安否確認、こうした視点に触れられましたけれども、物のインターネット化と言われるIoT、あるいは人工知能、AIについての大きな社会ムーブメントというふうにも言われておりますけれども、一つのビーコンを活用して商店街等の活性化というようなことについてお聞きしたいと思います。
この間発行されたビジネス雑誌に、IoT特集として、ICTCОが実施した中野サンモール商店街でのIoTの実証実験というのが出ておりましたけれども、商店街にビーコンを設置して人の流れ測定するということのようですけれども、この概要とコストについて簡単に教えてください。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 御紹介のIoTの実証実験でございますが、区とICTCО、五つの大学が協定を結びまして、中野をフィールドとして高度な環境情報都市整備に係る共同研究を進めているものの一環として行ったもので、ICTCОが主体として実施したものでございます。サンモール商店街の協力を得まして、Wi-Fiなどの電波をキャッチするビーコンを12カ所設置いたしまして、中野駅とブロードウェイの間の人の流れを計測したものであり、中野駅側の通行量とブロードウェイ側の通行量の違いですとか、サンモールの中でどこに人が滞留しやすいか。そういったものを数値化されまして、商店街としては今後の課題を検討する際のデータになるというふうに評価をされているところでございます。このソフトにつきましては、ビーコン機器の設置ですとか流入解析システムなど、約300万かかったと聞いております。この材料につきましては、IT関連の財団から助成をされたと聞いております。
○高橋(か)委員 このビーコンについてですけども、今回はデータ収集ということですけど、情報発信ということも可能なんでしょうか。また、プッシュ型のような形で商店街やにぎわいの可能性もできるのか。どんな展開になるのか。あるいはサンモールだけで今お話ししていましたけども、中野四季の都市全体とか、その辺に広がるというような可能性もあるのか、教えてください。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) ただいま御指摘いただきましたように、今回はデータ収集のみでしたが、基本的に発信をするということは可能だというふうに聞いております。もしプッシュ型で解析するということになりますと、仕組みとして考えられますのは、商店街に設置したビーコンから情報を配信し、受け取る側はスマートホンなどの端末にアプリをダウンロードして、そこでしか受け取れないリアルタイムな情報を受け取るというものになろうかと考えております。したがいまして、事業として展開するには、ビーコンなどインフラの整備、アプリの開発、ユーザーへの利用促進などを行うということになろうかと考えております。また、今後の展開でございますが、サンモール以外にも中野四季の都市でも実験ができないかということを検討しているというふうに聞いております。
○若林委員長 高橋かずちか委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後2時58分休憩
午後3時20分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。高橋かずちか委員、質疑をどうぞ。
○高橋(か)委員 引き続き、防犯カメラについてIoT機能の付加についてお伺いをします。
ここで、先ほどの整理をしてみますと、防犯カメラの設置には設置拡充が非常に求められていると同時に、空白ゾーンがあるというふうに私は認識しました。また、人の流れ、動態を把握する手法として、ビーコンなどのIoT活用というのが新しい流れであるということであります。ここで考えられる発想としては、防犯カメラにビーコン機能を付加するという取り組みがいいのではないかということで、全国で初めてこうした防犯カメラにIoT機能、つまり、ビーコンを付加して、さまざまな行政課題を一元的に対応している、1,000台設置と言っていますけど、伊丹市の事例について、その概要について簡単に教えてください。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 防犯街頭カメラと位置情報通知サービス、いわゆるビーコン機器によるものでございますが、それによる安全・安心見守りネットワーク事業ということで、大阪府の伊丹市で行ってございます。これは市がビーコン機器と防犯カメラを一体化したものを市内に1,000カ所、1,000台設置しているということで、子どもですとか認知症、高齢者の徘徊対策、そして災害時の対応が可能であるというものでございます。この位置情報サービスにつきましては民間事業者との共同事業で、利用者は一定の利用料が必要となってございます。この初期費用は、聞くところによりますと約4億円かかってございまして、維持管理費は年間で3,000万円かかるということでございます。
○高橋(か)委員 全国初、1,000台でビーコンを市の持ち出しでつけている。聞くところによると、阪神阪急ホールディングスが協定を結んで、いろんなオペレーティングをやったり、あるいはアプリの開発をしたりというふうにしているということで、中野でそういう展開がもし考えられれば、区内事業者の育成にもつながると思うんですけども、冒頭に申し上げた若林議員の質疑に返ってみますと、防犯カメラとIoT活用ということで考えてみたときに、子どもの見守り安全対策として、教育長は箕面市の例を参考にして有効性を研究していきたいという話がありましたし、認知症、徘徊などの高齢者対策としては、区長答弁として他都市の実証実験等を踏まえて可能性について研究していきたいという話もありました。また、災害時の安否確認としては、区長は避難行動要支援者ということについて研究していきたいというお話もございました。こうして考えてみますと、このビーコンを付加した形というのは非常に有効だと思うんですけども、最後の締めに行く前にもう一度確認したいんですけど、防犯カメラをマッピングした地図はあるんですか。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 繰り返しの御答弁になりますが、防犯カメラを設置した箇所を落とした地図は、私の所管で管理してございます。
○高橋(か)委員 所管で管理したという。これ、気になっちゃって先に進めないので聞くんですけど、今のイメージでいくと多分、ゼンリンの住宅地図か何かにカメラをプロットした、マーキングした、とじ込んだのが伊東さんの戸棚か何かにあるんじゃないかと思うんですね。それで、冒頭言った警察署長のところの地図でマッピングしたものと違って、伊東さんがそれを開いて何かアクションを起こさない限り、眠っちゃっているんじゃないかと思うんですね。そのマッピングが区長室にあるというんだったら、ああ、いいなと思うし、副区長室なのか、危機管理官の部屋にあるとか、あるいは都市基盤部長のところに掲げてあるというんだったら、秘匿性というものはあるにして、戦略なり何なり、空白地域をどうするかという話が部署間で共有できると思うんですけど、その辺はもう一回聞きますけど、どうなんでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 市販の住宅地図に位置を示して、防犯カメラを所管する所属として保管、管理をしてございます。先ほども御答弁申し上げましたが、町会、自治会、商店街への防犯カメラの有用性について、引き続き警察とも説明会を行うなど連携をしまして、1台でも多く区内に防犯カメラが設置されるように今後とも努力していくということで考えてございます。
○高橋(か)委員 わかりました。わかっていないんですけど、要は一元管理ということとイニシャル設置からメンテナンスをどこが負担するのかというもののターニングポイントが来ているんじゃないかなと思います。安全という意味でですね。この空白区域を把握して、その解消を図る。多岐にわたる区の重要課題の解決、いわゆる子どもの安全であったり、高齢者対策であったり、防災であったり、あるいは犯罪抑止や検挙であったり、こうしたものを署管内で対応するには限界があるんじゃないかと思ってお聞きします。この空白区域解決のために全体を一元管理して、空白区域を把握して、その拡充をする必要があるということで、同時にIoTを付加する、そうしたいろいろな区の重要施策の中の全区政につなげていく必要があると思いますけども、いかがお考えでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 区は現在、通学路における児童の安全ですとか、学校を含めた区有施設の利用者の安全、そして町会、自治会等が設置する場合の補助制度の運営等、それぞれの事業の目的に応じて、それぞれの所管で防犯カメラの管理ですとか把握をしているというところでございます。御提案の防犯カメラを一元化して管理することにつきましては、また自治体の事例なども踏まえて、その要請について今後研究してみたいというふうに考えてございます。なお、さらに防犯カメラとIOTを活用した広域的な見守りにつきましては、委員御紹介の伊丹市の事例、伊丹市も今年3月に開始したばかりということでございますので、そういった事例なども参考にしながら、今後研究してまいりたいというふうに考えてございます。
○高橋(か)委員 一元化についてはぜひ検討していただきたいということと、この付加価値をつけた形で区政全般の重要課題に取り組むということになると、先ほど申し上げたイニシャルコスト設置とランニングコストということを考えると、住宅地など空白区域ということを考えると、伊丹市のように全額区の負担で拡充していくということが必要になるというか、そういうターニングポイントになるんじゃないかと思うんですが、どのようにお考えでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(生活安全担当) 現在の区の考え方は、町会、自治会、商店街の設置につきましては、その地域の主体的な防犯活動に対する支援の一つとして、区として実施しているものでございます。地域がみずから防犯カメラを設置するということによりまして、地域住民の安全に対する意識がさらに向上するものと考えておりますので、現段階におきましては、区が直接防犯カメラを設置するということは考えていないというところでございます。
○高橋(か)委員 他自治体の事例とか安全ということとか、あるいは今後のまちの展開の中で、あるいは高齢者対策であったり、そうしたものの中で今後の検討課題として引き続き前向きに検討していただくように要望して、この項の質問を終わります。
次に、ユニバーサルデザインの今後の取り組みについて伺います。
第2回定例会のユニバーサルデザイン審議会設置条例を受けて、今まさに審議会が行われていることですが、この進め方についてどういう議論、またゴールは何か。その辺をお示しください。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 中野区ユニバーサルデザイン推進審議会につきましては、現在8月、9月の計2回開催をしたところでございます。審議会の中では、ユニバーサルデザインを進めていく上で、社会参加の障壁となっている事項についての現状把握を進めているところでございまして、今後、ユニバーサルデザインを進めていくための基本方針や目指すべき将来像、区、区民、事業者等の役割等について議論を進めていくということにしているものでございます。
○高橋(か)委員 さきの本会議質疑で区長答弁いただいたときも、中野区版のマニュアル作成ということも検討していくということでございましたけども、平成26年の東京都の福祉まちづくり条例、いわゆる施設整備マニュアル、これが自治体の施設整備のバイブルになっているわけですけども、これをさらに積極的に、この規格だと例えばスロープ8%とか、それではとても一人では坂を上れないよとか、そういうようなスペックとして利用しづらいということが言われて、せっかくつくったはいいけども、利用できないということになりかねない事例があるというのを聞いているんですけども、再度確認しますけれども、本当に使われるユニバーサルデザインとして間口やスロープの傾斜角度とか、さらに踏み込んでより利用しやすいスペックとして取り組む他の自治体に先駆けた中野オリジナル版というものの策定を進めるということで、区の見解をお示しいただきたい。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 中野区では現在、東京都の施設整備マニュアルにおける対象建築物の範囲を拡大しました福祉のまちづくりのための環境整備要綱を平成27年に定めて運用しているところでございますが、今後はユニバーサルデザイン審議会でのこれからの議論を踏まえまして、今、委員御指摘のマニュアルも含めまして、どのような対応が必要なのか、検討していきたいと考えております。
○高橋(か)委員 ユニバーサル審議会を経てユニバーサル条例ができました。中野区版のオリジナルの施設整備マニュアルができた。こう仮定した場合、具体的な展開をどのように考えているのか。また、区役所整備とかサンプラザ跡地とか駅周辺まちづくりなど、次々に展開していくこうしたまちづくり、施設整備に具体的にどのように生かしていくのでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今後の展開につきましては、まずユニバーサルデザインの考え方の提案というのは非常に重要であると考えております。中野区の実情に合った展開ができるように検討していきたいと考えております。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 中野駅周辺の交通基盤整備ですとか、にぎわい集客施設などの整備に当たりましては、ユニバーサルデザインを整備いたしまして、誰もが安全で利用しやすい施設となるように施設の設計や整備業務を進めてまいりたいと考えております。
○高橋(か)委員 先ほどハード面でのUDについてお聞きしましたけれども、ユニバーサルデザインといっても、その内容はハードからソフトまで、意識にかかわる問題から、例えば区の窓口のあり方とか、外国人対応の窓口業務のサイン計画であったりとか、あるいはインバウンド向けの案内板やサイン、あるいは販売機とか、それこそ食堂の食券のお金を入れたり、券を取る高さだったりとか、極めて広い範囲で、また細かい範囲でありますし、区政を進める際の理念に至るまで非常に大きな問題というふうに考えております。こうしたUD、ユニバーサルデザインを考える領域ゾーンとして、さっき申し上げたような移動生活環境のユニバーサルデザインもありますし、情報のユニバーサルデザインであったり、サービスであったり、あるいは心のユニバーサルデザイン等々が挙げられると思います。区が今後の未来展開としてユニバーサルデザインを積極的に取り組むことであれば、施設とかサービス関連だけじゃなくて、精神疾患を患っている方とか、あるいは人間の多様性に注目した、何というんですかね、ソーシャルインクルージョンというか、社会的包容力の考え方を進めていく必要があると思うので、お伺いします。よく言われる心のバリアフリーとか、精神の多様性、人間の多様性に関係するような、こうした考え方を区が進めるユニバーサルデザインにも取り組むべきだと考えますけれども、いかがお考えでしょうか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインを進めるに当たりまして、誰もが自由に社会参加が進むまちを実現する取り組み等を検討していくということにしているものでございます。そのためにはハード面の取り組みのみではなく、心のバリアフリーなどのソフト面の取り組みについても両輪で進めていくことが重要であるというふうに考えております。
○高橋(か)委員 今進められているユニバーサルデザインの審議会の答申を踏まえて、その後のユニバーサルデザイン条例を制定して進めていくということで、その考え方をどのように継続的にまちづくりに生かしていくのか、教えてください。また、その実効性をどう担保するのか。また、新たに展開する際の、いわゆる上流段階、企画段階で生かせるために事務の検証を行うとか、実効性を評価していくような外部チームをつくるとか、そうしたお考えはあるのか、教えてください。
○海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインの推進に当たりましては、条例に基づく推進計画を策定し、具体的な取り組みを明らかにした上で計画的に進めていきたいというふうに考えているところでございます。取り組みを進めていく中では、PDCAサイクルによる評価、改善の仕組みについても考えてまいりたいというふうに考えております。
○高橋(か)委員 先ほど申し上げたユニバーサルデザインというのは非常に多岐にわたるということと、ハード、ソフト両方に至っているということで、いわゆる一つの考え方であったり、要望を解消するという、そういう施策ではなくて、ユニバーサルデザインが広くきちっと成り立っていくことによって、ハンディキャップをお持ちの方も便利に利用できるし、我々も大きな荷物を持ったり、キャスターを下げても自由に利用できるし、お子様を育てている子育て世代がバギーに乗せたとしても自由に使えるとか、あるいはそういう整備したことによってまちがにぎわう、人が誰でもいつでも一人で自由に動き回れるということの重要性というのをぜひ生かしながら、審議会を仕切っていただきたいと思います。
最後に、区が進めるユニバーサルデザインについて、ぜひ区長の御見解をお示しいただきたいと思います。
○田中区長 ユニバーサルデザイン、本当に幅広く、また奥行きの深い大変大きな課題だというふうに思っております。しかし、こういった課題に中野区が率先して取り組んでいくということによって、まちの価値というものも高めていくことができるのではないか。こんなふうに考えております。誰もが障壁なく活動できると言っても、技術的な限界とか、あるいは環境的な限界とかいうようなことがあって、常にこれは障壁を取り除く努力ということをこれからも永続的に続けていかなきゃいけないことであるというふうに思いますので、そういう意味では物のユニバーサルと心のユニバーサル、これを両方相まって進めていくということが基本だと思っております。そうした中野のまちになるということによって、中野のまちで活躍する方たちが増え、また、多様な方たちが中野のまちから価値のある発信をしていただくということによって、中野のまちの魅力、中野のまちの発信力というものが大いに整っていくということを期待していきたいと思っております。
○高橋(か)委員 以上で私の全ての質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で高橋かずちか委員の質疑を終了します。
次に、甲田ゆり子委員、質疑をどうぞ。
○甲田委員 平成28年第3回定例会に当たり、公明党議員団の立場で決算総括質疑を行わせていただきます。質問は1から5まで通告どおりに行います。その他はありません。なお、最後の4番の障がい者施策についての一番最後の(3)と(4)を入れ替えて質疑をさせていただきます。何とか今日中には終わりたいと思っております。ボリュームがあるんですが、頑張ってまいります。
今回の決算は、おおむね良好であったとの話がありました。ただし、区は目先の結果にとらわれず、今後も財政規律をしっかりと行っていくということでありました。当然長期的視点で見ていくことが大切でありますが、私のほうでは今回、特に福祉サービスについては、用意された予算の中で必要な人、必要なところに必要なサービスがきちんと届いたのかといった観点で、区民の皆様からいただいたお声や生活実感をもとに、各項目の質疑、そして提案をさせていただきたいと思っております。明快な御答弁をよろしくお願いいたします。
1番、健康支援施策について、(1)健康づくり施策について伺います。
日本は超高齢化社会に入り、医療費の増大は誰もが非常に重要な課題と捉えております。平成27年度決算では、財政白書にも一般会計から国民健康保険事業特別会計への繰出金が56億円となったとの記述があり、これは過去最高であると思います。そこで伺います。平成27年度の国保給付費は幾らで、前年に比べ幾ら伸びたのでしょうか。
○渡邊区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成27年度の給付費は213億5,802万円余でございまして、平成26年度と比べますと約4億1,800万円、約2%増加しております。
○甲田委員 決特の資料、区民12を見ればわかりますが、国保事業会計全体の歳出合計が10年前の平成18年よりも約105億円以上も増加しています。その中でも国保給付費は確実に毎年右肩上がりとなっていることがわかります。10年前の平成18年度182億8,462万円だった国保給付費は、10年間で30億円以上の増加です。それで、平成27年度の国保被保険者1人当たりの給付費は幾らで、前年からどれくらい伸びたのでしょうか。また、その原因はどんなことと分析していますでしょうか、伺います。
○渡邊区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 平成27年度の1人当たりの給付費でございますけれども、23万3,000円余でございます。平成26年度よりも3.8%、約8,600円増加しています。給付費が伸びた原因でございますけれども、主に4点あると考えてございます。1点目が被保険者の高齢化、2点目が医療の高度化、3点目が高額薬剤の使用の増加、4点目が訪問看護の増加でございます。
1点目の被保険者の高齢化でございますけれども、国民健康保険の被保険者数は毎年1%から2%程度減少しておりますけれども、被保険者のうち、65歳から74歳までの方の全被保険者に占める割合は、平成23年度は21.8%でございましたけれども、平成27年度は25.26%まで増加し、4人に1人が高齢者となっております。
2点目の医療の高度化でございますけれども、1日当たりの入院に係る自己負担を含めた医療費でございますけれども、平成26年度と比べますと平成27年度は3%増加し、1日当たり4万円増えているという状況でございます。入院以外の1件当たりの医療費につきましても1.4%増加しまして、1万3,690円となってございます。
3点目の高額薬剤の使用の増加と4点目の訪問看護の増加でございますけれども、平成27年度の中野区の国民健康保険被保険者の医療費は約252億円でございます。前年度と比較しますと1.6%、約3億8,700万円の増加となってございます。そのうちの約2億9,700万円が薬剤費の増加でございます。また、訪問看護につきましても、平成26年度と比較しますと16.1%の増加となってございます。
○甲田委員 高齢化ももちろんありますけれども、高額な薬剤を使わざるを得ない病気の方が多くなったということもあるということであります。1人23万3,000円というのは、あくまでも平均の金額ですが、一体どの世代の人の給付費が伸びたのかなどについては、今のところまだデータの分析が進んでいない現状だと思います。よって、なかなか手が打てないということもあるかと思いますので、データについては今後も調査分析をお願いしたいと思います。
我が会派では、木村議員がデータヘルス計画、国保のデータやレセプトを活用した医療費の抑制、後発医薬品の活用なども提案してきたところです。とはいえ、データの分析には時間もかかりますし、多岐にわたります。一方、給付費が前年よりも4億円も増えたということですので、大変重大な問題であるという認識を持ち、早急に何らかの支援策をつくることが急務と考えます。世田谷区では、データヘルス計画の策定に先立ち、「データでみるせたがやの健康」を作成しました。これは健康を切り口に部署や関係間を超えて、今あるデータを取りまとめたもののようです。この狙いは、区民の健康状況を明らかにすることで、区民が自分自身の健康に関心を持ち、主体的な行動を継続できるようにすることにあるようです。中野区でも今後参考にし、区民の意識啓発と健康づくり施策の根拠になるようなデータを可能な限り活用して、区民の健康状況を明らかにし、それを区民に情報提供することができないかと考えますが、御見解を伺います。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 今年7月に策定しました中野区スポーツ・健康づくり推進計画におきましても、中野区の現状と課題のほうでは、人口ですとか出生率、医療費、平均寿命、健康寿命、子どもの体力、運動・スポーツに取り組む意識、環境など、スポーツによる健康づくりに関連するデータをもとに、現状と課題を明らかにしております。しかし、区の健康づくり施策を総合的に進めるに当たっては、さらに広く健康づくり全般について関連部署が持っている各種データを収集分析し、現状と課題を明らかにすることが必要となります。また、こうしたデータを活用した情報提供は、区民の皆さんが健康づくりに関心を持ち、主体的に行動し、生活習慣を見直す上でも有効であるというふうに認識しております。今後、関連部署と連携を図りながら、関連データを収集分析し、区民にわかりやすく情報提供ができるよう検討したいというふうに考えております。
○甲田委員 今、若い人の心筋梗塞や心不全も急増していると言われております。ある心臓外科医が、このままだと日本は30代、40代で倒れる人が続出すると言っていたそうです。原因は言うまでもなく生活習慣です。働く世代の方たちが急な病に倒れることは、個人にとっても社会にとっても大きな損失です。心臓病だけでなく、糖尿病、脳内出血、がん、認知症なども生活習慣が原因で起こる病気であると言われております。健康支援施策は、実施しても効果がすぐに出てこないことと、また、病気に対して自分だけは大丈夫と楽観しているなど、健康への無関心層の人たちに届く施策がないのが現状です。中野区は先般、スポーツ・健康づくり推進計画を策定いたしましたが、今後の取り組みとしてどのような施策を打って、医療費の増大に歯どめをかけていこうとされているのでしょうか、伺います。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 平成27年度の中野区健康福祉に関する意識調査の結果を見ますと、一日一回30分以上の運動を週一、二回以上行っている区民の割合は52.6%でございます。また、こうした運動をしていない65歳未満の区民が運動をしない理由として、時間がないということを挙げている方が44.8%というふうになっております。こうした結果を踏まえて、中野区スポーツ・健康づくり推進計画におきましては、スポーツコミュニティプラザの整備や公園のスポーツ機能の充実を図るなど、気軽に運動できる環境整備を進めるとともに、子どもから高齢者まで無理なく取り組めるラジオ体操やウォーキングを普及し、地域ぐるみで取り組むことを支援することなどを通して、運動・スポーツによる健康づくりを進めるということとしております。このことが今後、医療費の増大の歯どめにつながるというふうに考えております。
○甲田委員 スポーツも本当に大切だと思います。ですけれども、私は食事も非常に重要と考えます。つい最近、私の親友が40代で乳がんの末期と宣告されました。わかったときには肺や肝臓にまで転移しており、手術もできない状況で、医師からは治りませんと断言されました。忙しさを理由に、最近は健康診断も受診していなかったことと、友人とのつき合いを大切にし、好きなお酒をがんがん飲んでいたことなど原因は幾つもありますが、私も非常にショックを受け、眠れないほど心配しました。しかし、そこから彼女は自宅で副作用のない抗がん剤とも言われる食事療法に徹底して取り組みました。その結果、何と2カ月後の検査では、がんが激減していたそうです。医師も本当に驚き、この調子でいけば治療ができると言ってくれたそうです。完全に消えるまでにはまだまだ努力が必要ですが、希望が見えてきました。このことからも、やはり食というものが人間の体をつくっていて、病気をつくるのも予防するのも治すのも食であると実感をしました。免疫力を高める食事は、家庭でつくった和食が一番と言いますが、食の大切さがわからずに親が子どもにコンビニ弁当、菓子パンやカップめん、スナック菓子ばかり与えてしまうような家庭も多くなっております。最近は、子どもにみそ汁をつくってあげられない母親が増えていると言われています。生活習慣病予防の区民への意識啓発をする上で、さまざまなステージにおいて一貫して栄養指導、食の大切さを知らしめる施策はとても大切と考えます。中野区には食育に関して主にどのような事業があるのでしょうか、伺います。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 区は、国が食育月間として定める6月に食育の普及啓発事業として、区役所に横断幕を掲げることですとか、中野駅ガード下のパネル展等を行っております。また、年間を通じて区の食育マスコットキャラクター「うさごはん」の貸し出しを行ったり、区民と共同で作成した中野食育かるたを活用した食育の普及啓発にも取り組んでおります。すこやか福祉センターにおきましては、食育講習会ですとか栄養講習会、離乳食講習会を実施する他、地域の団体などから栄養士の派遣依頼を受けて行う依頼講座等も実施しております。また、各小学校においては、教育課程や体力向上プログラムに食育を位置付けて、給食や授業を通して取り組んでおります。保育園においては、ホームページを活用した食育に関する情報発信を行うほか、子どもたちが食に関心を持てるよう、様々な工夫をしながら取り組みを行っているところです。この他、食品衛生の観点から食の安全などに係る講習会等も実施しております。
○甲田委員 とても色々やっていただいていると思いますが、現在、中野区には食育に関する基本方針、基本計画がないため、その目標や効果の検証がばらばらになっていると感じております。以前、視察に伺った小金井市では、市独自の食育基本計画に基づき、まさに部署を超えてさまざまな取り組みを体系化して実施しております。我が会派で度々訴えてまいりましたが、やはり中野区でも食育という視点を大きく持っていただいて、健康づくりの施策を考えていくということが大事ではないかと思います。そのため、まずは国の食育基本計画(第3次)に対応する取り組みを検討していくべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 食育につきましては、平成25年3月策定の中野区健康づくり行動プランによって、栄養、食生活の改善と運動の継続について取り組みの方向性と内容を示すとともに、中野区健康福祉総合推進計画2015においても、生活習慣病予防と健康増進を進めるための施策として、健康を維持増進する食の推進を掲げて取り組んできているところでございます。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)においては、戦略Ⅳ、生きる力・担う力育成戦略の主な取り組みとして、主に子どもを対象とした食育・健康教育の充実を挙げております。また、戦略Ⅵ、スポーツ・健康都市戦略の主な取り組みとしては、あらゆる世代を対象とした健康づくり・食育の推進を挙げております。現在、10か年計画に基づいて健康づくり施策を総合的かつ効果的に進めるための健康を行っているところでございます。国の食育推進基本計画(第3次)を踏まえた取り組みにつきましても、この中で検討をしていきたいというふうに考えております。
○甲田委員 現在検討中ということですので、よろしくお願いします。また、健診を受けた人の次の行動を変容させ、フォローするためのきっかけとして、相談できる仕組みも必要と考えます。文京区で行った大学祭とコラボしたハッピーベイビー・キャラバン保健室では、無料で骨密度、血管年齢、BMIを測定し、栄養士からのアドバイスも受けられ、世代を問わず男性、女性が長い列をつくったそうです。こういった病院よりも気軽に相談のできる場の提供、取り組みをして、運動や食事のアドバイスまたは精密検査の具体的な助言をすることにより、重症化を防ぐことにつなげてはどうかと考えます。現在やっている健康づくり教室を健診アフターフォローの場としたり、ウエブ上でアドバイスが受けられる仕組みがあると、中野区は区民の健康の支援をしっかりとやってくれているというインパクトを示すことができると思います。
また、参考になるのが足立区の取り組みです。足立区では、なぜ足立区民の健康寿命が23区平均より2歳短いのかという、こういうどきっとするようなチラシがあります。自覚症状がなくて、スポーツを若いころからやっていたけれども、健診の結果を軽く受けとめていたという区内在住Tさんのことが書いてあるんですが、この秘策は裏へと記載されておりまして、裏面を見ると、野菜を食べよう、野菜から食べようというふうに野菜をしっかり食べる習慣を訴えております。足立区も食育基本計画を持った上で、おいしい学校給食の取り組みや健康になれるまち、長寿になれるまちを目指し、あだちベジタベライフを展開中です。飲食店に協力してもらうなど、野菜をしっかり食べる習慣をまちじゅうで呼びかけております。このように施策を打つ際には、働きかける層の焦点を絞り、インパクトのあるかけ声がまず大事であると思います。その上で、分野を超えた共同の取り組み、多くの人が集まる場所でのアピールができるよう、総合的な健康施策の検討を急いでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) さきに10か年計画に基づき、健康づくり施策を総合的、効果的に推進するための検討を進めているということで御答弁をさせていただきました。今、御提案をいただきました取り組みにつきましては、この検討の中で参考にさせていただき、急ぎ検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○甲田委員 ありがとうございます。次に、がん検診の向上について伺います。
最近、がんの罹患者が増えていると言われ、特に乳がん罹患者などは大きく増えております。忙しい女性が増え、生活面の悪化と検診の受診が伸び悩んでいることも影響しているようです。女性の健康は社会の元気につながり、中野の元気につながります。がん検診率の向上については、これまでも我が会派で様々質問に取り上げてまいりました。対象者全員が定期的に検診を受けられることを願っております。中野区では、女性特有のがん、乳がん、子宮頸がんに関して、平成26年、平成27年と、とても目立つデザインの勧奨はがきを送付していますが、その効果はどうだったのでしょうか。がん無料クーポンのときと比べて受診者はどうなったのでしょうか、伺います。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 子宮頸がん検診の受診勧奨はがきについては、平成26年度から送付しております。受診者数は平成25年度の8,258から平成26年度8,894、平成27年度9,100と増加しております。乳がん検診については、平成27年度から受診勧奨はがきを送付し、平成26年度の受診者数6,576人から27年度7,863人と増加しております。子宮頸がん検診、乳がん検診とも、平成25年度のクーポンのときよりも900人ほど受診者数自体は増加しております。
○甲田委員 確かに申し込み、受診ともに増えました。そのことは勧奨の成果と評価したいと思います。ただし、それでも対象者に対して見れば、事前にお聞きした数字をこちらで言ってしまいますが、子宮がん検診申込者数は約13%、受診者は約8%、乳がん検診申込者数は約12.6%、受診者は約7.5%だそうで、依然少ないと思います。本当に受けなくてはいけない人たちがこれだけしか受診できていないということでありますが、申し込みの形態についてはどうだったのでしょうか、伺います。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 特定健診対象者に郵送申し込み用紙を同封した平成25年度は、郵送の申し込みが多かったのですけれども、その後は電話での申し込みが多いです。若年層の子宮頸がん検診の申し込みはホームページからの電子申請が多くなっております。
○甲田委員 以上のことを踏まえまして、申し込みのしやすさ、わかりやすさ、タイミングよく届くこと、または受診料の安さが鍵となると感じます。無料クーポンのときよりも勧奨の仕方によって効果が上がったということは、無料にすることが必ずしも効果が高いというわけでもないということで、そう考えたとき、がん検診を勧奨すべき区民に申し込み勧奨はがきではなく、直接受診券を送付するようにしてはいかがかと思いますが、いかがでしょう。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 現在、年度当初、直接送付をしている対象として、前々年度の受診者、前年申し込んだが未受診の方などを対象に絞り込んでおります。今後、罹患率の高い年齢層等を考慮し、効果的な対象を絞り込んで、直接送付についても検討してまいります。
○甲田委員 また、ウエブ申し込みのアピール、またサイトやアプリを通じた連続性のある検診結果のお届けなども検討してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 今年度もがん征圧月間のパネル展について区のフェイスブックで発信するなど、ITを活用した啓発については今後も考えていきたいと思います。
○甲田委員 受診率アップの取り組みは啓発事業とセットで、検診へ行かなくてはと行動変容につながる取り組みを工夫して、推進していただくことを要望したいと思います。がんの啓発事業はもう少し拡充してはどうかと思います。また、より多くの対象者に届く周知方法としては、例えば小・中学校のPTAに働きかけるなどして啓発事業を行うとか、また帝京平成大学で行っているオレンジバルーン・フェスタというイベント、これは中野区が後援となっておりますけれども、こういったものを区の健康イベントと位置付けて共催とするなど、積極的な取り組みを展開すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 帝京平成大学とは現在、勧奨はがきにイラストの提供など、御協力をいただいております。また、新渡戸文化学園など、がんの啓発に対する協定を締結するなど、様々な区内の関連機関の御協力をいただきながら啓発を実施しております。今後も多方面と連携して、広く事業を展開してまいりたいと考えております。
○甲田委員 ありがとうございます。あわせて言わせていたただきますと、乳がん検診については、国の方針では、これからは視触診の検査は行わず、自分で行うように変える方向に動いていると聞きますが、区の検診がもし将来そのようになっていくのであれば、なおのこと、区民がみずから意識して自己触診でしこり等を早期発見しなければなりません。ピンクリボンキャンペーンでは、街頭で10月にティッシュを配ったりしていただいていますが、啓発の意味で乳がんの自己検診用のグローブを配布するなどの工夫があってもよいと思います。こういったことも検討していただきますよう要望しまして、この項の質問を終わります。
次に、子育て支援について伺います。(1)児童虐待について伺います。
最近の報道だけを見ても、児童虐待が増え続けています。今後、区として児童相談所を迎えるに当たり、実態や課題についてお聞きしておきたいと思います。報道で児童虐待は増えていますけれども、中野区の実態はどうなのでしょうか、伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 平成27年度子ども家庭支援センターで新たに受理いたしました児童家庭相談の数は857件、そのうち児童虐待の相談は485件となってございます。いずれも一昨年度の数値を上回り、増加傾向がございます。内訳といたしましては、数回の助言で対応できている案件が多くございますが、継続的に虐待対応に係る支援が必要な案件は年間で150件と、ここ数年横ばいの状況でございます。早期の虐待相談は迅速な対応につながっていると認識しているところです。
○甲田委員 「189」などの通報の体制や相談窓口の体制が確立、周知されてきたことにより、増えたということもあるとは思いますけれども、増加傾向にあるということであります。平成27年度中野区における児童虐待の状況という資料を事前にいただきましたけれども、そこに先ほど言われました児童虐待対応件数というのが150件あるということでしたけれども、そのうち養育者のリスクという分析がありました。複数ある場合もありますけれども、重複して分析しているようですが、その養育者のリスクの中で、1位は家事能力の不足で56%となっております。虐待の対応をしたうち、6割近い親が家事能力の不足ということですが、平成24年度にも私、決算特別委員会でこの質問をしまして、そのときにいただいた資料を見ますと、家事能力の不足は16.8%でした。このことをどのように認識、分析していますでしょうか、伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 こちらのデータといたしましては、虐待対応件数150件という中でのものでありまして、年度ごとの数字の動向というのは一概には捉えにくいというところではございますが、傾向といたしましては、身体的虐待につながるリスクのみならず、家事能力の不足など育児放棄やネグレクトにつながる事項が多く見られると認識しております。
○甲田委員 さらに、児童のリスクというものもこの資料にありました。ここには発達の遅れ18件、障害10件、多動6件など、多くの児童のリスクは子どもに障害があるということが分析されています。障害があるからといって虐待に至ることはあってはならないのですが、もしかすると親が一人で抱え込んでしまっていることもあるのではないでしょうか。養育者のリスク、子どものリスクの分析、こういったところから予防の支援のあり方も見えてくるし、当然考えていらっしゃるだろうとは思っております。児童相談所に派遣・出向されている職員も3人目と伺っております。今までの都の児童相談所の体制の中で行われてきた仕組みのうち、よいことは引き継ぎ、よくなかったことは思い切って見直していくことも必要です。区に児童相談所が来ると、どのようなメリットがあるか。一方、課題は何でしょうか、確認のため伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 区といたしまして、児童相談所を設置するメリットといたしましては、民生児童委員など関係機関や関連部署との連携など、区内の地域資源を最大限に生かし、迅速的確に発生の予防から早期発見、相談支援、指導措置、あるいは家庭復帰など切れ目なく展開することができる点、また対応事例の分析ノウハウなど蓄積を集めまして、対応方針の確立や施策の立案を実施し、関係機関や関連部署を含めた対応力、実践力の強化を図ることができる点などが挙げられると考えております。また、こうした点をしっかりと生かせるよう、専門人材の確保や育成など、体制を整備すること、これが今後の課題の一つとなると考えてございます。
○甲田委員 中野区は、(仮称)子ども総合センターの児童相談所の中に一時保護所は設けない。他区との共同設置を視野に入れて検討していくとのことでありますが、他区と共同した場合のメリット、デメリットについてどう捉えていますでしょうか、伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 一時保護所の共同設置につきましては、建設費などにスケールメリットが生かせること、あるいは区ごとに措置数に係る過不足に対して効率的に対応できる点といった利点がございます。また一方で、複数区の職員を配置することに伴う各区の児童相談所との対応に係る配慮、あるいは経費負担、施設整備などに当たっての関係区との調整が必要になるといった課題もあると認識してございます。
○甲田委員 先ほど予防の支援のあり方と申し上げました。里親さんは家庭における子育てのプロフェッショナルであります。他人の子に愛情を注ぎ、養育するには、愛着心をしっかりと育ててあげなければなりませんが、その究極を日々実践の中で学んでいます。その意味からも、今後ますます大切な資源です。しっかり支援、養成の後押しをする取り組みを始めていただきたいと思っております。そこで伺います。中野区の里親は委託が何人で、また登録者は何人いますでしょうか。また、児相管轄だとは思いますが、現状、里親さんの育成支援はどんなものがあるのでしょうか、伺います。
○神谷子ども家庭支援センター所長 平成28年4月現在におきまして、中野区における里親の登録数は12、そのうち実際に里親委託を行っているのは8家庭となってございます。里親の育成支援といたしましては、児童相談所を中心といたしまして、養育家庭専門員による相談支援、研修、交流会、体験発表会などの実施が行われているところでございます。
○甲田委員 まだまだ少ないと思います。里親の育成のため、現在の里親さんと子ども家庭支援センターとの懇談の場を設けてはいかがかと思います。児童相談所立ち上げまでの助走期間にこういった方々の生の声をヒアリングしておくことも大事であると考えますが、いかがでしょうか。
○神谷子ども家庭支援センター所長 家庭の養護に課題がある場合にも、より家庭に近い環境で養育を進める必要があるという考えでございます。里親の推進はその重要な要素の一つと思っております。これまでも児童相談所を中心とする里親支援の取り組みと区も連携を図ってきたところでありますが、区としての取り組みのあり方についても、よりよい方策を検討してまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 今後、児童相談所を受けとめるに当たって、ともかくやっておかなければならないことは、地域資源、孤独な育児をしている親子を家庭ごと支援し、児童虐待を予防していくことと考えます。ぜひ全力で取り組んでいただきたいと思います。
次に、(2)妊娠・出産・子育てトータルケア事業について伺います。
この事業は、現代の孤独な育児に陥りがちなお母さんを妊娠期から切れ目なくトータルに支援をし、産後鬱、児童虐待の予防につながる事業です。国の支援を受けて、全国自治体では日本版ネウボラ事業というものを続々と誕生させています。ネウボラとは、フィンランドでアドバイスという意味です。フィンランドでは保健センターのような場所にいる担当のネウボラおばさんが、妊娠期からの子育ての相談はそこに行けば一手に引き受けてくれるそうで、このネウボラおばさんの存在が母親にとって、とても心強いそうです。しかし、日本では保健師、助産師などの専門職が担当制で受け持つとなると、専門職が何十人いても足りないことになり、そこまでの手厚い施策は困難です。中野区の事業はポピュレーションアプローチで門戸を広げていただきました。また、合理的かつ効果的で、まず妊娠期にカンガループランで支援サービスについての案内をしておき、実際にサービスを使う段になって、産後に状況に合わせた支援を受けることができます。この支援の受け皿を取りそろえてつくったことが、他自治体から注目されている理由と言えると思います。新たな事業の立ち上げには、この1年、担当におかれましては本当に御苦労が多い中、よく頑張って構築していただいたと感謝しております。そこで、まず平成27年度の実績と、担当者としてこのトータルケア事業が始まってみての実感をお聞かせください。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 妊娠・出産・子育てトータルケア事業の実績と実感についてお答えいたします。
平成27年度は対象の妊婦約2,300名のうち、約65%の方と面接し、支援プランを作成いたしました。また、産前産後サポート事業の参加者数は延べ956人であり、産後ケア事業では利用者数は262人でありました。ショートステイ、デイケアなどの産後ケア事業のうち、ケア支援者派遣事業については思いのほかニーズが高いものと感じているところでございます。
○甲田委員 私も多くの区民の方からお声を寄せていただいています。産後に鬱状態になり、つらいときがあった。早くこういう事業があったらよかったという声も聞きます。しかし、まだまだ妊産婦の周囲の理解は浅く、ケアが必要と思わない方々、家族が、そんなの要らないよという方もいますので、本当のところ、まだ必要なところに支援の手が届いてはいないこともあるのではないかと感じています。大きな課題は、産後は赤ちゃんを連れて出かけることの難しさがあります。私はそういったときに、家庭に支援者が派遣されるアウトリーチ型のいわゆる産後ドゥーラの支援があることがもっと知られていくとよいと思っております。家庭に支援者が入っていくことの大切さについて、御担当の実感はいかがでしょうか、伺います。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 出産年齢の高齢化に伴いまして、妊婦の親世代も高齢となり、出産や産後における支援を受けにくい状況下となっているところでございます。産後に家庭へ支援者を派遣し、家事や育児の援助、そして母親の支援を充実させたことにより、区民が安心して出産や育児に臨めるまちづくりを進めていると感じているところでございます。
○甲田委員 ありがとうございます。産後の母親に寄り添って専門的に支援できるドゥーラは、従来からあります育児支援ヘルパーさんとは違いまして、やってほしいことを何度もやってくれるお母さん役であり、さらに昔の時代錯誤の育児を押しつけることなく、現代の育児を学んだ先輩ママでもあります。母親の気持ちに寄り添って聞いてあげ、アドバイスをしながら支援をしてくれているようです。これが今、口コミで評判が広がっている状況です。しかし、家庭派遣型の支援の上限は1人15時間であっという間です。それを超えて使いたい場合は自己負担ですが、やはり金額も高く、無理な方が多いのが実態です。せっかくそろえていただいたサービスをもう少し柔軟にして、産後ケア全体の範囲の中で流動的にその利用者にとって使えるサービスに振りかえられることも可能にすれば、より使いやすく、産後鬱を防止することにもなると考えます。また、双子や障害を抱える困難度の高い家庭にも支援を2倍にするなどの対応があってもよいのではないかと考えます。特に2倍以上の手がかかる双子については、赤ちゃんは2人なのにサービスは1人分ということになっているのは是正をすべきです。障害のあるお子さんについては、虐待の原因の一つにもなっていることが先ほどの例からもわかっております。乳児の上に小さな兄弟姉妹がいると、これまた支援を受けたくても受けられません。2歳くらいの上の子は下の子に嫉妬して、赤ちゃん返りをしたり、母親を困らせます。そのことで疲れ切ってしまうお母さんの相談も随分受けました。そこで、ショートステイやデイケアについては、ケア中、上の子の保育ができないかと考えます。保育については全てのデイケアの場所で無理だとすれば、まずは日にちを決めて、すこやか福祉センターで預かり保育をしてはいかがでしょうか。さらには、助産院やすこやか福祉センターへ行く際にも、体調が悪い中、赤ちゃんを連れていくにはタクシー券を出してあげることなども必要だと思います。
色々と申し上げましたが、以上のような対策も含めて、本当に支援が必要なところに必要なサービスが届くよう、今後より効果的な財源の活用として検討していただきたいと思いますが、御見解はいかがでしょうか、伺います。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 新たな事業ということで、その効果や取り組み方について利用者からのアンケートも活用しながら、事業の検証を行っているところでございます。事業分析により利用者のニーズを適切に見きわめるとともに、国や都の補助制度の動向も視野に入れ、財源の効果的な活用が図れるよう、トータルケア事業全体として支援の必要な妊産婦が安心して出産、子育てに臨めるように工夫をしていきたいと考えてございます。
○甲田委員 アンケートをとってニーズを把握していただいているということですので、産後ケアの3事業の利用割合と声も踏まえて、ぜひとも検討してみていただきたいと思います。
次に、産後サポート事業についても触れておきたいと思います。産後サポート事業と平成27年度の実績を簡単に説明していただけますでしょうか。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 産後サポート事業といたしましては、助産師とともに赤ちゃんの性格や悩みなどを情報交換する「ほっこり~の」という事業、またBPプログラムにより子育て学習、親支援講座の二つの講座を実施してございます。こちらの平成27年度の事業ですが、「ほっこり~の」は実施回数が33回、参加339組、BPプログラムにつきましては、実施が4回、参加60組、合計37回の399組でございます。
○甲田委員 BPプログラムにつきましては、一度見学をさせていただきましたが、すばらしい産後の親子交流ができるようになっている講座です。完璧な親なんていないというカナダ州政府が制作した親支援プログラム、ノーバディーズ・パーフェクトという考え方に基づき、日本文化と子育て現場のニーズを踏まえた参加者中心型のプログラムとなっておりまして、この講座によって、ちょっとした疑問や不安の解消が図られ、お母さんの顔がみるみる変わっていきます。とても安心につながっている大事な取り組みだと感じました。こういったものに対しても予算をつけていただいたことを高く評価したいと思います。私が見学したときもそうでしたが、定員はかなりいっぱいだと伺っています。ニーズが高いこともありますし、まだまだ受けていない人のほうが多いと思いますので、さらに多くの人にこういう場を提供できるよう努力が必要と考えます。この点はいかがでしょうか。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 産後サポート事業を開始したことにより、妊娠期から産後期への一貫したサービス提供が切れ目なく行えるようになりました。利用者のニーズも高いことから、産後サポート事業のうち、BPプログラム、地域子育て支援者による子育て学習講座につきましては、平成27年度の4回実施より28年度は13回へと大幅にふやしまして、必要な支援が提供できるように工夫を図ったところでございます。
○甲田委員 平成28年度大幅に増やしていただいたということで、ありがとうございます。ある不動産会社のサイトでは、今年出産・子育てに温かい行政府の第3位に中野区が入りました。このトータルケア事業の成果だと私は思っております。家賃は高いけど、子育てに対して温かい区だから引っ越したくないと言っている方もいるそうであります。ぜひ期待を裏切らない今後のさらなる支援をよろしくお願いいたします。
次に、(3)子育て版地域包括ケアシステムについて伺います。
まず、子どものための施設の削減ということについて考えてみたいと思います。全国的にも公共施設が一斉に更新時期を迎える中、施設をそのまま維持管理するのは言うまでもなく困難であります。施設の建設当時とは違い、人口減少が進む状況で、対策を先送りするわけにはいかないということで、総務省が平成26年に策定をした公共施設等総合管理計画に基づき、中野区においてもいち早く施設白書をつくり、また、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の中で持続可能な財政運営のための考え方を示してきました。持続可能な財政運営のためと言っても、区民が住みやすさを感じなければ住み続けていただけなくなってしまいます。高齢者福祉などの扶助費もふえて、公共施設に回るお金が減り続ける中で、住民は行政サービスが維持されるのかどうか、不安に思っています。その観点から、区民サービスの向上がどのように図られているのか、区民にしっかりと説明をしていくことが不可欠であると考えます。
そんな中、東洋大学客員教授の南学氏は、施設を縮小しても機能を充実させるという意味の造語で「縮充」という提案をしています。すなわち、これからは既存施設が最大限に利用されるよう、市民利用施設の見直しが必要であるということです。この南教授が先日ある新聞に特集の中で次のように言われておりました。こういった施設の廃止には議員が一番の抵抗勢力になり得る。特定の支持者だけの話を聞いていると、結果的に市民負担は増えてサービスが低下していく。老朽施設などで事件や事故が起きた場合、責任をとるのは行政だ。議員には財源を生み出す支援者になってもらいたいと、厳しいお言葉ではありますが、心しなければならないと思いました。
ただし、全体感に立ってみても、中野区の子ども施設は昨今あまりに廃止、統合、複合が多くなり、やはり区民にはどうしても子どもの施設だけが大きく削減をされていくというイメージと、「縮充」の「縮」の部分がクローズアップされ、それを補うハード、ソフトの面の充実があるということがいま一つ見えにくいのが現状です。地域の中では、子育て支援を無償で行ってくださっている方々がたくさんいらっしゃいます。まずはそういった民間活力である地域の担い手の方々にある意味、「縮充」による理解者、協力者となっていただかなければなりません。そのような方々は、ほとんどが区民活動センターや児童館など地域の公共施設を利用しています。現状、その施設が最高に使いやすいというわけではなく、老朽化等により、いろいろと不便は感じながらも、その場所をうまく使っていることが多いと思います。
時代はどんどん変化していきます。何十年も前とは子育て支援のあり方も変わってきています。日ごろ子育てひろば事業などで親子支援に当たっている方々の声を聞けば、施設の広さだけではなく、様々使い勝手の面でも御意見があるところであります。そのような皆さんの活動や思いに耳を傾けることで合意点を見出すことができるのではないでしょうか。これを機に、そのような地域資源となる皆さんの日ごろの活動、支援のステージなどを細かく聞いていくことが必要と考えますが、区の御見解を伺います。
○石濱北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 区の子育て支援事業と地域で子育て支援をしている皆さんの活動についてですけれども、子育てをしている保護者の孤立感や不安解消のため、無料で親子が交流し、相談を受けることができる子育てひろば事業をすこやか福祉センターやキッズ・プラザなどの身近な施設を活用して、区内全域に展開していくこととしております。事業の展開には、地域で子育て支援活動を担っていただいている皆さんの力が欠かせないものと考えており、これからも地域で活動している皆さんの声をお聞きしながら、今後の子育て支援施策の展開に生かしていきたいというふうに考えております。
○甲田委員 民間活力の拡充のためには、地域資源をすこやか福祉センターが把握し、コーディネートすることが必要と考えます。しかし、すこやかの中は結局、各部門が縦割のままとなっており、全体を見て、民間の資源までを把握し、コーディネートをするような仕組みとはなっていないようにも感じます。経験豊かな専門職の人材もたくさんいらっしゃいますが、現状、アウトリーチもできないほど手いっぱいの状況と聞きます。今後は各すこやかごとに地域の子育て支援の団体などの資源と行政のサービスを全体的にコーディネートできる人材の配置が必要ではないかと思います。そうすることによって必要な機能、足りないサービスも見えてくると思います。地域の支援者、担い手の団体などは、その活動内容、思いを区に認めてほしいと思っています。何かあったときに相談に乗ってほしいとも思っています。児童館やU18はそういう役割も果たしていました。その場がなくなることで、そのようなソフト面、安心面がなくなるということにも危惧を抱いております。そこで、子どもに特化した支援をコーディネートする担当を各すこやかに配置してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。例えば最前線で地域の方と一緒になって親子支援に当たってきた児童館長、職員などが適任ではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。
○吉沢北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 児童館長やキッズ・プラザ所長などの福祉職は、子育て支援を通じて地域の人や各種活動とのつながりを持つよう努めております。そうした地域の方の顔が見える関係は財産になるものと考えております。区では今後、区民活動センターを単位とした地域への対応で職員がチームを組みまして当たっていくことを考えています。そのチームには福祉職の活用も想定しているところであります。
○甲田委員 今後、地域の子育て支援を担っている皆さんがどのように活動しているのかを地域にアピールしながら、区の職員も認識することができるようにしていくと、お互いに理解し合うことができ、担い手も増え、支援が充実していくのではないかと考えています。そのため、そういった場の一つとして、例えばすこやか親子福祉まつり、名前は何でもいいんですけれども、といった各すこやか単位で定期的に子育て支援団体、地域の子どもたち、区の職員などが交流できるような催しを行ってみてはどうかと思いますが、見解を伺います。
○吉沢北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 地域イベントにおきましては、地域での情報共有や人、団体との交流のきっかけづくり、また地域の人たちに関心を持ってもらうための有効な手段だというふうに考えております。地域の力を生かした情報共有のための地域行事等の開催等の可能性につきまして、検討してまいりたいというふうに考えております。
○甲田委員 ありがとうございます。最後に区長にお聞きをいたします。私が今回こういった質問をしているのは、家庭で子育てをしている親子に対するケアを充実させていくことによって、ぜひ子育て版地域包括ケアシステムを構築してほしいとの思いからです。子どもから障害者、高齢者まで地域でケアできる包括ケアシステムを構築し、整えていくことは大切であると思いますが、とはいえ、子どもから高齢者まで同じような目線でコーディネートしていくというのでは、子育て支援資源の全体像が薄くなってしまい、孤独な育児をされている方の本当の意味での支えにならないと感じています。子ども・子育ての分野で汗を流してくださっている方々の思い、活動を通して現状を知り、地域の資源をつなげ、後押ししていくことで、行政にはできない課題のすきまを埋めることができます。それには地域の力を伸ばしていく支援を本気でやっていく心あるかなめの人材を育成し、配置していただくこと、そして、その現場のコーディネーターの意見をもとに、ソフト面の支援を随時見直していくことが必要です。子育て版地域包括ケアシステムを構築するためには、若い方たちが中野区で安心して子育てしていただけるよう、目に見えて施設にかわる機能充実を区民に広く示し、現場の声が反映する体制をつくることが重要と考えますが、いかがでしょうか、御見解を伺います。
○田中区長 箱物があれば施策がいかに充実しているかというような時代でないということは、もう全くおっしゃるとおりだというふうに思います。例えば児童館にしましても、小学校区に1個ずつだったもの、これを小学校に一つずつキッズ・プラザを設置していく。また、子育てひろばを様々な身近な施設とすこやか福祉センターなどを使いながら拡充していくといったようなことで、施設的な事業、事業の場のボリュームというものは決して地域のお子さん、あるいは親子にとって減っていくというふうにも考えておりません。しかし、子ども・子育て、これを中心とする地域包括ケアということを考えていくときに、そうしたソフト面の充実、これが非常に重要だというふうに思っております。地域や民間で本当に豊かにさまざまに活動していただいている、そうした力を活用していくということが何より重要だと思っております。そのためにも、すこやか福祉センターが中心となって、区民活動センターの区域ごとに区の職員が地域の声や実情を踏まえながらコーディネート役を担う。これらとともに、子どもの虐待の未然防止や養育支援など、子ども家庭支援の役割もしっかりと果たしていきたい。こう思っております。こうしたことによって、地域の力で子どもたちを育み、育てていける子育て領域における地域包括ケアシステム、この構築を進めていくことができると考えております。
○甲田委員 ありがとうございます。しっかりとソフト面の充実を図っていただきたいと思いますし、区長のその熱い思いがしっかりと伝われば、子育てに温かい区第1位にもなれるかと思っておりますので、引き続き、どうかよろしくお願いいたします。以上でこの項の質問を終わります。
次に、3番、地域猫事業と動物との共生について伺います。
9月20日から9月26日は、環境省が定める動物愛護週間となっております。まさにきょうからであります。そこで、動物の愛護と適切な管理について考えたいと思います。まず、飼い主のいない猫、いわゆる地域猫の事業について伺います。助成制度ができて、ことしで3年目ですが、27年度までの過去2年間で不妊去勢ができた猫は何匹でしょうか、伺います。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 助成事業で不妊去勢手術ができた猫は、2年間で雌が64匹、雄が67匹、合計131匹でございます。
○甲田委員 それで、いわゆる野良猫は減ったのでしょうか。また、指標になるとされる路上死体の数は減ったのか、お伺いいたします。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 野良猫、しかも路上死体が減ったのかということでございますけれども、区道、それから都道、公園、そして清掃事務所に引き取り依頼のあった民地を含めまして、区で行っている猫の死体処理の数、これは助成事業開始前の平成24、25年度の平均が675匹、開始後の平成26、27年度の平均が689匹と、ほとんど変わりはございません。地域猫対策は捕獲、不妊去勢手術を行い、新たに生まれる飼い主のいない猫の頭数の増加を抑えていくものでございまして、対策を講じてから頭数の減少という効果が出るまで一定の期間がかかると認識してございます。
○甲田委員 そうだと思います。それでは、猫によるトラブル、苦情は減ったのでしょうか。町会以外からの相談の件数もいかがでしょうか、伺います。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 苦情相談件数でございますけれども、平成24年度が282件、平成25年度286件、平成26年度319件、平成27年度394件であり、徐々に増加している傾向にございます。また、ほとんどが町会以外からの御相談でございます。これには実際の被害等が増えている部分がある一方、助成制度等を通しまして、地域猫という考え方が一定程度広まりまして、それによる対策を期待する方が増え、相談件数も増えたということも考えられると思っております。
○甲田委員 あと、猫がふえ過ぎているという苦情や相談の際に、中野区としてはどのように対応しているのかを伺います。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 忌避剤、これは猫が嫌がって避けるという意味での忌避剤でございますが、これらのサンプルを提供しながら、飼い主のいない猫が私有地に入ってこない方法等の指導を行うことが一般的でございます。その他、無責任なえさやり等につきましては、職員が現場に出向いて指導する場合もございます。また、地域猫の活動を知り、取り組みたいという御相談につきましては、東京都動物愛護推進員を紹介し、アドバイスをいただいたり、相談者の住所が当該年度の助成対象町会だという場合などは、町会の地域猫の取り組み内容を紹介するなどの対応をとっているところでございます。
○甲田委員 そもそもこの事業は何のためにやるのかというと、動物の共生、そして地域のトラブルをなくすためだと私は考えます。こういった中野区の方式はどこもやっていません。つまり、個人やボランティアの方への助成をするというのではなく、猫と共生しつつ、少しずつ減らしていくという、いわゆる地域猫活動をする町会に助成をするという制度は中野区独自のものであります。実は、本来あるべき先駆的な取り組みと言ってよいと思います。そして、これまでにない取り組みに他区はうまくいくかどうか、注目しているとも聞きます。地域猫というぐらいですから、地域が猫の取り組みをするということであります。区は地域の見守り、支え合いを町会と二人三脚で行っていますので、町会が主体ということが本当にできるならば、ベストな姿勢であると考えます。今後もこの枠組みでさらに推進のスピードが上がるように努めていっていただきたいと思っております。
そこで提案ですが、そのために町会、自治会の負担軽減策を検討してはどうかと考えます。例えばここにあるんですが、ハンドブック「町会長のための野良猫講座」という小冊子は参考になります。これは日本捨猫防止会が作成したものを、これは高知市なんですが、高知市のように許可を得て複製をして配布している自治体もあります。こういうものも活用して、地域猫の取り組みをきっかけに町会活動への協力者が増えるような後押しをしていただきたいと思います。
また、ある町会では助成制度に手挙げをして、取り組みの際に猫の避妊去勢手術よりも広報費のほうに力を入れたと言います。それは、地域に理解を促すための広報こそが地域のトラブルをなくす助けになるからということです。助成金の3分の2以上を広報費として、こういった取り組みの、こういう地域猫ハンドブックみたいなものをつくって、作成をして、スタッフの活動に着るジャンパーなどもつくりました。こういうものがあると活動しやすいそうです。ちなみに江東区では、活動の際につける共通のすてきな腕章を区でつくっているそうです。こういう手挙げをして活動に取り組む町会が、その度につくるものというのではなくて、共有をしてもよいのではないかと思います。区として広報活動の工夫をして、町会が取り組みやすいような協力をしてはどうでしょうか。また、取り組んだ町会の生の声、体験談を聞く場の調整など、区民全体の意識を高めるための取り組み欠かせないと思います。現在の動物愛護週間では、中野駅ガード下に掲示物を張るだけで、ほかには動物愛護を促すような取り組みが見られません。せめて来年からは区役所1階ロビーなどで動物愛護の取り組みに関する展示をし、意識啓発も行うべきと思います。
また、千代田区では、「ちよだ猫まつり」というイベントを行っていました。私も2月に猫まつりを見学しましたが、空前の猫ブームということで盛り上がっておりました。8月には我が会派で千代田区の地域猫の取り組みも含め行政視察をし、詳しくお聞きしてきましたが、この「ちよだ猫まつり」は完全に民間主導で行い、区は区役所のロビーや会議室などの場所の提供と当日のお手伝いだけだそうです。財源は多くの企業、団体が協賛という形で支援していました。千代田区は平成12年度にこの事業を始めてから、猫の動物愛護センターへの引き取り数は減り、平成23年度から現在に至るまで、ずっとセンター引き取り数、すなわち殺処分はゼロとなっております。
以上のようなさまざまな区の後押しをもう一歩加えることにより、中野区の事業も区民の理解を得て、活動町会の負担軽減につながると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 区は地域猫の活動を動物愛護精神普及の一環と捉えまして、飼い主のいない猫の増加を抑えるとともに、町会等がボランティアや獣医師会と連携しながら、地域で見守っていく活動を支援していきます。このため、助成では単に不妊去勢手術費用だけでなく、広く動物愛護精神の普及啓発の取り組みもあわせて取り組むことができるよう、その対策経費をも盛り込んでいるところでございます。これら町会等の取り組み事例を区のホームページ等で紹介し、成功した事例を新たに取り組む町会の参考にしたり、地域間の連携促進につなげていきたいと思っております。
○甲田委員 よろしくお願いします。また、保健所だけでなく、地域住民と接するあらゆる分野の区職員が地域猫活動の意義や実際の取り組みをもっとよく知り、さまざまな場面でアドバイスを行っていただきたいと考えます。そのためには、職員への周知も必要ではないでしょうか。これから活動に取り組む町会、自治会への後押しのためにも広く発信していただきたいと思いますが、見解を伺います。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 区職員に対しましては、中野区ホームページにも掲載されてございます地域猫活動のガイドラインや、広く地域で行われております地域猫活動を情報提供するなど、職員の理解促進に努めていきたいと思っております。
○甲田委員 また、災害時にペットの問題はとても大きいものがあります。避難所の体制でペットの面倒を見る人や場所の体制も必要ですが、犬や猫自身が避難所に収容された際に我慢ができるよう、日ごろのしつけも大事になってきます。そういう意味で、しつけ教室をする場の確保を提供してはどうかと思います。平和の森公園のいわゆるドッグラン、犬の広場は、今回、平和の森公園整備計画によりますと拡充されることとなったようですが、今のところどのように拡充される予定なのか、教えてください。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 平和の森公園再整備事業により、現在の暫定犬の広場は2倍強の面積規模に拡充いたします。整備の内容ですが、現在同様、小型犬用と中型犬用の2面を整備する他、犬のアジリティー施設を設置して、限られた空間を機能的に利用できるようにいたします。また、愛犬家同士が交流するコミュニティの場所づくりにも寄与するベンチをドッグラン利用者の休憩施設として新たに設置する予定でございます。
○甲田委員 ぜひこの犬の広場を使って、ペットのしつけ教室などを実施している団体にも獣医師会と連携して積極的に取り組んでいただくよう依頼をしてはどうかと考えます。この場所を利用して、しつけ教室を行えるよう検討してはどうでしょうか、伺います。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 今回の再整備により、スポーツ・健康づくりやレクリエーションなどの公園機能の他、防災機能も大幅に増強されることから、再整備後は災害に備えた様々な防災活動にも活用できると考えております。新たに整備する施設を活用した公園運営やイベント企画などの具体的な検討は今後行うことになりますが、災害時のペット問題はこれまでの震災からの教訓で課題になっていることは認識しておりますので、犬の広場を活用したペットのしつけ教室など、愛犬家が楽しみながら参加して、災害時のペット問題の備えにもなるようなイベントについてもニーズや効果の検証を含め、今後検討してまいりたいと考えております。
○甲田委員 ありがとうございます。また、犬や猫のペットを飼っているひとり暮らしのお年寄りが亡くなった場合、どうにもならず困るケースがあります。引き取り手がいなければ、保健所に引き取ってもらい、やがて殺処分という流れとなってしまいます。東京都では「ペットと暮らすシニア世代の方へ」というパンフレットを作成しています。終生飼養と飼い主責任のことや相談窓口なども記載されていて、わかりやすくなっております。区としてこういったものを、まずは高齢者を援助し、相談に乗るような身近なケアマネジャーやヘルパーなどに高齢者とペットの問題を理解してもらうことも大切だと思います。地域包括支援センターや社会福祉協議会などを通じて周知していただくよう進めてはいかがでしょうか、伺います。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 区といたしましても、超高齢社会の中で高齢者とペットが幸せに暮らせるよう、高齢者に直接接する職場の職員はもとより、地域包括支援センター等ともこうした情報共有に努め、高齢者に適切なアドバイスができるようにしていきたいと存じております。
○甲田委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。以上でこの項の質問を終わります。
次に、4番、障がい者施策について伺います。(1)障がい者施設の拡充について伺います。
先日、生活介護や自立訓練のため通所施設に通われている方、親御さんよりお話を伺い、区内施設の視察もさせていただきました。お話を伺って、障害のある方の通所施設の充実、家族のレスパイトとなるショートステイの充実が必要であり、また、親亡き後、入所できる施設やグループホームが不足していると感じました。そこで伺います。中野区のグループホーム、ショートステイについての計画をお聞かせください。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者のグループホームにつきましては、第4期中野区障害福祉計画におきまして、平成27年度からの3年間、毎年2カ所、2ユニットの開設を見込んでいるところでございます。この2ユニットにつきましては、民間施設の誘導によることを想定しております。ショートステイにつきましては、施設数の計画等はされておらず、グループホームの開設を予定している事業者に対しまして、ショートステイのニーズをこちらから説明し、実施の協力をお願いしている状況でございます。
○甲田委員 グループホームについて、毎年2ユニットということですが、どんな方法でふやしてきたのでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 中野区の自立支援協議会と協力をいたしまして、協議会の事業として大家さんセミナーというものを開催しております。障害者の賃貸住宅への入居の協力依頼とあわせまして、土地やアパートの所有者に対しまして、グループホームの内容や定義について説明を行いまして、土地建物活用の一つとしてグループホームについても考えていただきたいというような周知を行っております。あわせて、整備の際、活用できる東京都や区の補助金についても説明を行っているところでございます。また、昨年は区内の金融機関に対しまして、グループホームの説明をさせていただきまして、関心のある方を御紹介いただきたいというようなお話をしたところでございます。
○甲田委員 ある障害者施設を運営する法人が地元の不動産屋さんより民間のアパート等の情報を提供していただき、うまく調整がついて、グループホームの開設に結びついたと語っておりました。区として不動産会社へさらに働きかけ、積極的なマッチングや相談ができることの周知をする取り組みを要望したいと思いますが、いかがでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) グループホームに関するセミナーの開催の際には、区内の宅地建物取引業協会を通じまして、不動産会社への周知をお願いしたところでございます。不動産会社により関心を持っていただけるような内容ですとか周知方法については検討してまいりたいと思います。
○甲田委員 ありがとうございます。重度の方に対するグループホームについて、現在の実態をお聞かせください。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 区内には現時点で、重度障害者や医療的ケアに対応できるグループホームはございません。現在、江古田三丁目の旧アポロ園跡地に障害支援区分5、6の重度の方を中心に、医療的ケアのある方の利用も見込んだグループホームの整備を進めるため、公募を行っているところでございます。この施設につきましては、グループホームが17室、ショートステイを3室としておりまして、また、これに加えて、在宅の障害者への緊急対応や相談支援等を行います地域生活支援拠点をあわせたものを予定しているところでございます。
○甲田委員 先日、9月8日の区長記者会見の翌日、2社の新聞に重度のグループホームを推進する発表と、区長の今後も推進していくとの力強い御決意があらわれた記事が掲載されていました。皆さん、本当に希望に感じていらっしゃると思います。重度障害者のグループホームについて、今後の必要数は把握できているのでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 区内にあります自宅で生活をされている障害者の方で、障害支援区分5、6、また年齢が35歳から74歳の方が95名いらっしゃいます。親亡き後、親の高齢化などを踏まえまして、今後の生活する場を考えていくと、グループホームですとか施設入所、介護サービスを利用しながら在宅生活、幾つかの選択肢があると思っております。区も95名の約半数の47名程度の重度のグループホームが必要であり、あわせて在宅生活を支援するショートステイの需要も高まるというふうに考えております。この場合ですと、江古田三丁目に整備予定のものを除きまして、あと3カ所程度の新たな整備が必要になってまいります。現在、区内の日中活動系の事業所を利用されている方を対象に、グループホームの利用意向も含めましたサービスの意向アンケートを実施しております。その結果を踏まえて、今後具体的な計画については考えていきたいと考えております。
○甲田委員 アンケートを実施していただているということで、ぜひこれからも必要数把握に努めていただければと思います。一方、通所施設を拡充する計画はどのようになっていますでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 現在進んでおりますのは、中野五丁目の区有地を活用いたしました就労意向支援、就労継続支援B型、生活介護、ショートステイといった多機能型施設を民間事業者により整備することで動いております。平成30年の4月の開設予定となっております。
○甲田委員 通所施設の中で全体的に日中の施設外活動が縮小していると伺っておりますが、原因は利用者の高齢化、重度の方の増加、職員の定着等、厳しい現状も色々とあると思います。障害があっても毎日単調な生活を強いられるのではなく、遠足などの催しを楽しみに心待ちにしている方もいらっしゃいます。区としてぜひ支援をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 特に生活介護を御利用されている方にとりましては、遠足などの施設外の活動を楽しみにしているというようなお話を伺っているところでございます。各施設ではイベント開催時にボランティアの活用を行うなど、様々な工夫もしているところでございます。多様な利用者に対応できるよう、職員のスキルアップについても必要というふうに考えております。職員のスキルアップにつきましては、区内の事業所の職員が一日単位で他の事業所に出向いて、その施設の利用者さんの支援を学びまして、みずからの施設の支援向上に役立てるという事業所の交流研修を昨年度から実施しているところでございます。今後もスキルアップの支援のあり方については検討してまいりたいと思います。
○甲田委員 ありがとうございます。今回取材をさせていただいて、障害福祉分野の方の本当に御努力にも感謝を申し上げたいと思います。今後もどうか引き続きよろしくお願いいたします。
次に、(2)番、障害者差別解消法の浸透のための啓発イベントについて伺います。
今年4月より障害者差別解消法が施行されました。その法律の内容について中野区報に詳しく掲載をされたことで、障害者関係団体の皆様は喜んでおられました。この法律施行について、さらなる周知のためのイベントなど、実施予定はあるのでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者差別解消法では、差別解消に必要な啓発活動を行うこととされております。年内に啓発イベントを開催できるよう、現在調整を進めているところでございます。このような事業につきましては単年度で終わることなく、継続して実施したいというふうに考えております。
○甲田委員 ぜひ周知徹底をうまく行い、多くの参加者を募っていただきたいと思います。私はできれば、皆さんが楽しめる演劇、ダンス、音楽、映画などを企画してはどうかと思います。目が見えなくても、耳が聞こえなくても楽しめるバリアフリー映画というものもありますので、そういった企画、また福祉団体だけでなく、広く多くの企業、団体に呼びかけて、来ていただくようにアピールするべきと考えますが、いかがでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 差別の解消に向けては、ふだん障害のある方に接する機会のない方、また障害について考えるきっかけのない方等への周知も必要と考えております。少しでも多くの方に関心を持っていただけるよう研究していきたい、工夫していきたいと考えておりまして、委員御紹介いただきました芸術性の高いイベント等についても参考にさせていただきたいと考えております。
○甲田委員 できれば毎年工夫をして開催していただきたいと思いますし、様々な思いを持っていらっしゃる当事者の家族を支えている地域、福祉団体の意見も伺いながら、よりよいイベントにしていただきたいと要望いたしまして、この項の質問を終わります。
○若林委員長 理事会を開くため委員会を休憩します。
午後4時58分休憩
午後5時02分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
理事会の報告をします。
午後5時を過ぎましたが、甲田委員の質疑時間はあと10分ほどとのことなので、質疑を続行することを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 それでは、ただいまの報告どおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
それでは、休憩前に引き続き総括質疑を行います。甲田委員、質疑をどうぞ。
○甲田委員 すみません。ボリュームが大きくて申しわけありません。もう少しで終わります。
(4)番、道路のバリアフリーについて伺います。
車椅子の利用者のために道路のバリアフリーを進めていただきたく、質問をします。国土交通省の定める歩道の一般的構造に関する基準等には、歩道の構造として、車道との段差は2センチを標準とするとあります。しかし、2センチの段差は自転車に乗っていても、がたんとなり、車椅子にとっては乗り心地が悪いどころか、乗り越えることができない障害物となります。ちょっとわからない方もいらっしゃるかもしれませんで、一応写真を撮ってきたんですが、こういう場所で、歩道から車道に上がるときに一般構造2センチということになっているそうです。特に地形自体に勾配のあるところでは車椅子が進まず、非常に困難な状況です。自走式の車椅子や足こぎ車椅子の方は、特に転倒する危険度が高く、先日ある方が車椅子からおりて人の手をかり、一旦体勢を直して通行しようと御苦労されているところに遭遇しました。当事者の方に聞くと、区内にそういった危険箇所は幾つもあり、車椅子で出かけるのは困難が多いとのことでした。このようなことについて現在どのように認識されていますでしょうか、伺います。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 歩道等が横断歩道に接続する縁端部の段差、すなわち歩車道境界縁石の段差につきましては、委員御発言のとおり2センチが現行の基準となっております。2センチの段差につきましては、視覚障害者が位置や方向を確認するサインとして重要な役割を果たしておりますが、高齢者や車椅子使用者にとってバリアとなるケースがあることも認識しております。
○甲田委員 そうですね。視覚障害者にとっては、つえを当てて歩行の助けにする関係もあり、この段差が重要で、全面的にはフラットにできないということであります。中野区内に限らず、こういった場所が随所にあるようですが、これからは高齢化に伴い、車椅子利用者が増えていきます。視覚障害者にも配慮しながら、このような箇所の改善を図れる方法、余地はないものでしょうか、伺います。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 2センチの段差解消についてですが、道路の移動円滑化整備ガイドラインでは、横断歩道に接続する歩道等の縁端の段差は標準2センチとするが、車椅子使用者、視覚障害者、高齢者等の行動特性と縁端構造に対する評価を十分把握した上で、さらに望ましい縁端構造について検討し、縁端の構造を決定することが望ましいとされる一方、視覚障害者の識別性について工夫することなく、安易に2センチ未満の縁端部段差を採用することは厳に慎まなければならないとされております。望ましい縁石モデルの検証につきましては、東京都土木技術センターで歩車道境界縁石モデルの現道歩行実験による検証を行っているほか、障害者団体や地元住民と協力した検証実験を行っている自治体もございます。今後、各種検証事例を研究し、中野区の道路環境においてどのような縁端構造が望ましいか、検討してまいります。
○甲田委員 一応研究がされているということを知り、うれしく思います。中野区ではそういった構造物を今後研究していただいて、車椅子利用者の安全確保に努めるべきと思いますが、検討ができないでしょうか、伺います。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 昨今でも現実に色々障害者団体のほうからもお声かけいただいて、現場で現状のこの段差についての取り扱いを議論したこともございます。今後そういった団体の方、特にこの2センチの段差という効果が相反する場合がございますので、それぞれの団体等から丁寧な意見を聞くような機会をつくり、その中で今後、中野区といたしましても、中野区の道路環境においてどのような縁端構造が望ましいかの検討を行ってまいりたいと考えます。
○甲田委員 ありがとうございます。中野区バリアフリー基本構想には、駅周辺など重点地域に関する取り組みは具体的になっておりますけれども、重点地域でないところには具体的な計画はされておりません。ちょっとした段差が命取りになることもあるため、明らかにこれは基準の2センチを超えていると思われるところについては改修を図っていただけるということでよろしいですよね。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 基準の2センチを超えて、なおかつ車椅子利用者にとって障害となるような箇所につきましては、維持工事として対応してまいります。
○甲田委員 ありがとうございます。福祉団体に聞き取るなどの調査や総点検を行うなどして、せめて危険度の高い箇所からぜひ整備を行っていただきたいと思います。これは要望といたします。
最後に、子どもの発達支援について伺います。子どもの発達に遅れがある、気になる子については、児童福祉法に基づき、児童発達支援サービスが受けられることになっていますが、そういった事業を行っている施設に通所するなどの支援給付を受ける場合の手続の流れはどのようになっていますでしょうか、伺います。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 手続についてお答えいたします。
まず児童福祉法に基づく児童発達支援事業を利用しようとするときは、すこやか福祉センターに相談することになっております。すこやか福祉センターでは、子ども、保護者と面談した上で、子どもの状況に応じて療育相談など障害児通所支援事業所の利用を案内してございます。障害児通所支援事業所との間でサービス内容の調整がつきましたら、通所受給者証の利用申請をすこやか福祉センターの障害者相談支援事業所に提出することになってございます。申請書につきましては、障害福祉担当で審査の上、支給決定を行ってございます。決定通知を受けましたら、保護者は障害児通所支援事業所と契約をし、サービスの受給決定が開始されることになってございます。
○甲田委員 障害児の担当というふうに言うと、どこになるのでしょうか、伺います。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 子ども教育部の子育て支援分野でございます。
○甲田委員 それで、障害児の通所施設等への給付費支給申請に関わる事務というのはどこがやるのでしょうか。また、そういったことについての相談はどこが受けるのでしょうか。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) まず受給者証の申請につきましては、すこやか福祉センターの障害者相談支援事業所を経由しまして、給付決定に係る事務につきましては健康福祉部の障害福祉担当で行ってございます。また、子どもの発達に係る相談につきましては、すこやか福祉センターで受けてございます。
○甲田委員 申請の手続は障害福祉担当、相談はすこやかで、保健指導が受ける。また、障害者相談支援事業でも受けるということですが、中野区では、まずすこやか福祉センターが相談する場所となりまして、給付を受ける際は障害福祉分野への申請が必要になるということです。そのときに、私は子育て支援分野が関わらないというか、関わりがないということが気になります。子どもの発達に関する相談支援について専門のセンターを設けている自治体もあります。中野区では全てすこやか福祉センターでワンストップでやりますということかもしれませんが、実際のサービスを受けるまでの過程で、どうしても担当が分かれており、分担して行っているため、せっかく入り口に入ってきても、その先の道筋がわからずにこぼれてしまう。いわゆる支援のすきまに落ちてしまうケースがあるものと感じます。このような課題について、今後、区としてどのように改善を図るべきか。また、子どもの発達支援の充実について見解を伺います。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 現在につきましても、子どもの相談については広くすこやか福祉センターで対応しているところでございます。また、状況によりまして、個々のサービスや支援につなげているところでもございます。今後も十分に留意して対応してまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 この問題はまた私もしっかり勉強して、お話しさせていただきたいと思いますが、要はどのような場合でも未来のある、本来は中野区の大事な子どもとして、一人の子どもとして支援をすることなので、入り口は子どもという意味で、一貫して子育ての分野で見てあげられれば一番よいと思います。障害があったとしても認めたくない親御さんも多いと思います。通所施設の給付を受ける際、中野区からの通知が届きますが、その封筒の差出人が障害者相談支援担当と書いてあるだけでショックを受けてしまったという方もいらっしゃいます。こういったことは一例でありますが、分担が分かれることによってフォローがしづらい事例であると思います。子育て支援の施策の中で何らかの配慮をできないものか、検討していくべきではないかと思いますが、見解を伺います。
○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 妊娠・出産に始まりまして、子育て、障害、高齢者まで全ての相談対応につきまして、地域の身近な相談窓口である区内4カ所のすこやか福祉センターで受けているところでございます。すこやか福祉センターに限らず、区の相談対応では相談者の気持ちに寄り添った対応が重要だと考えておりまして、今後も十分配慮してまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 ありがとうございます。子どもについては、ぜひ寄り添った配慮のある対応をお願いしたいと思います。分担がされて、分野や機関をまたがってしまう部分については、そこで支援が切れてしまっていないかなど、十分に配慮をして進めていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
以上をもちまして、私の全ての総括質疑を終了いたします。御清聴ありがとうございました。
○若林委員長 以上で甲田委員の質疑を終了します。
以上で本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、9月21日(水曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後5時15分散会