平成13年06月04日中野区議会本会議(第2回定例会)
平成13年06月04日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録

1.平成13年(2001年)6月4日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(44名)
  1番  吉  原     宏        2番  伊  藤  正  信
  3番  きたごう  秀  文        4番  高  倉  良  生
  5番  やながわ  妙  子        6番  鈴  木  光  子
  7番  佐  伯  利  昭        8番  平  島  好  人
  9番  む と う  有  子       10番  長  沢  和  彦
 11番  牛  崎  の り 子       12番  山  崎  芳  夫
 13番  高  橋  ち あ き       14番  市  川  み の る
 15番  岡  本  い さ お       16番  こしみず  敏  明
 17番  飯  島  きんいち       18番  小  串  まさのり
 19番  はっとり  幸  子       20番  佐  藤  ひ ろ こ
 21番  来  住  和  行       22番  樋  口  き こ う
 23番  若  林  ふくぞう       24番  古  木  謙 市 郎
 25番  し  の  国  昭       26番  斉  藤  金  造
 27番  斉  藤  高  輝       28番  大  泉  正  勝
 29番  柿  沼  秀  光       30番  木  村  勝  昭
 31番  細  野  た い じ       32番  岩  永  し ほ 子
 33番  昆     ま さ 子       34番  小  池  ひ ろ し
 35番  岩  田  み つ る       36番  伊  藤  岩  男
 37番  西  村  孝  雄       38番  江  口  済 三 郎
 39番  藤  本  やすたみ       40番  川  上     進
 41番  近  藤  正  二       42番  江  田     徹
 43番  池  田  一  雄       44番  小  沢  哲  雄
1.欠席議員(0名)
1.出席説明員
 中 野 区 長 神 山 好 市        助     役  池 田   學
 収  入  役 藤 原 惠 一        教  育  長  子 安 圭 三
 政策経営部長  渡 辺 征 夫        行財政改革担当部長 石 神 正 義
 企 画 課 長  金 野   晃       総 務 部 長  沼 口 昌 弘
 総 務 課 長  西 條 十喜和       区 民 部 長  内 田 司 郎
 地域センター部長 柳 澤 一 平       環 境 部 長  正 木 洋 介
 保健福祉部長 浦 野 純 子         福祉担当部長  本 橋 一 夫
 都市整備部長 宮 村 光 雄         土木担当部長  石 井 正 行
 教育委員会事務局次長 須 﨑 英 夫
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 岸 隆 一       事務局次長  佐 藤 栄 時
 議事調査担当係長 栗 原   望       区議会事務局主査 藤 塚 喜 正
 区議会事務局主査 大 石 紀 久       区議会事務局主査 巣 山 和 孝
 区議会事務局主査 永 田 純 一       区議会事務局主査 長 崎 武 史
 書     記  渡 辺 伸 郎       書     記  松 原 弘 宜
 書     記  西 田   健       書     記  三 浦 正 貴
 書     記  飯 田 浩 一       書     記  佐 藤 雅 俊

 議事日程(平成13年(2001年)6月4日午後1時開議)
日程第1 第61号議案 出資を目的とする財産の交換について

      午後1時05分開会
議長(斉藤金造) ただいまから平成13年第2回中野区議会定例会を開会いたします。
 本日の会議を開きます。
 この際、議席の一部変更についてお諮りいたします。
 去る5月25日の本会議において行われた議長選挙に伴い、議席の一部をお手元に配付の議席変更表のとおり変更いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

議席変更表

 

議席番号

新着席者

旧着席者

 

23

若  林  ふくぞう

斉  藤  金  造

24

古  木  謙 市 郎

若  林  ふくぞう

25

し  の  国  昭

古  木  謙 市 郎

26

斉  藤  金  造

小  池  ひ ろ し

34

小  池  ひ ろ し

し  の  国  昭


議長(斉藤金造) 会議録署名員は、会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。11番牛崎のり子議員、34番小池ひろし議員にお願いいたします。
 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から6月14日までの11日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。
 本日の日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 この際、御紹介申し上げます。
 去る3月23日の本会議において、本区教育委員会委員に任命の同意をいたしました野澤昭典さん、小池麒一郎さんを御紹介申し上げます。
 初めに、野澤昭典さん。

〔教育委員会委員野澤昭典登壇〕
教育委員会委員(野澤昭典) ただいま御紹介いただきました野澤昭典と申します。区議会の皆様方の御同意を得まして、3月28日に区長から教育委員に任命を受けました。
 私は、40年にわたる長い期間を教育界一筋で過ごしてまいりました。その前後には、教育相談の道にも携わってまいりました。そういった経験を十分に生かし、なおかつ、都や国の動向も視野に入れながら、中野区の教育をより充実、発展させたいと決意しております。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、どうもありがとうございました。
議長(斉藤金造) 次に、小池麒一郎さん。
〔教育委員会委員小池麒一郎登壇〕
教育委員(小池麒一郎) ただいま御紹介を賜りました小池麒一郎でございます。中野区民の方々の御推薦をいただき、また、中野区議会の先生方の御賛意を得て、去る4月11日、区長より教育委員の任命を拝したところであります。
 私は、小児科医でございまして、それらの経験を生かしながら、中野区の子どもたちの未来に極めて大きい影響を残す教育の問題、また、さらに区民の生涯にわたる教育の問題、私自身、中野で生まれ、中野で育った人間の一人といたしまして、この任務に就かせていただいたことを大変うれしく喜んでいる次第でございます。今後、中野区の教育の一層の発展のために努力を傾注する覚悟でございます。区議会の先生方におかれましても、いろいろと御指導、御鞭撻を賜りますようお願いいたしまして、言葉とさせていただきます。ありがとうございました。
議長(斉藤金造) 以上で紹介を終わります。
 さらに御紹介申し上げます。5月25日付で本区の監査委員に就任されました来住和行議員、藤本やすたみ議員を御紹介申し上げます。
 初めに、来住和行議員。
〔来住和行議員登壇〕
21番(来住和行) このたび監査委員に御同意いただきました日本共産党議員団の来住和行です。私は、日々厳しくなる区民の暮らしの目線を大切にして、厳正かつ公正に、適正に、それを信条として職務を全うしたいと思いますので、議員各位の皆さんの御協力をよろしくお願いし、あいさつとさせていただきます。ありがとうございました。
議長(斉藤金造) 次に、藤本やすたみ議員。
〔藤本やすたみ議員登壇〕
39番(藤本やすたみ) 監査委員に議会の同意をいただきまして本当にありがとうございます。監査機能の充実というのは、ますます重要性を増していると思います。一生懸命、誠心誠意努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
議長(斉藤金造) 以上で紹介を終わります。
 この際、申し上げます。4月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり本会議参与に人事異動がありましたので、御報告いたします。

本会議参与の人事異動

平成13(2001)年4月1日

発   令

氏 名

政策経営部長

渡辺 征夫

総務部長

政策経営部行財政改革担当部長

石神 正義

行財政改革室行財政改革担当部長

総務部長

沼口 昌弘

福祉部長

保健福祉部長

浦野 純子

保健衛生部長

保健福祉部福祉担当部長

本橋 一夫

福祉部介護保険担当部長

都市整備部長

宮村 光雄

都市計画部長

都市整備部土木担当部長

石井 正行

建設部参事

政策経営部企画課長

金野  晃

企画部企画課長

備 考
1 前建設部長 長尾孝恒は、平成13(2001)年3月31日付をもって退職。
1 行財政改革室長、行財政改革室行財政改革担当部長、企画部長、保健衛生部長、福祉部長、福祉部介護保険担当部長、都市計画部長、建設部長、企画部企画課長は、平成13(2001)年3月31日付をもって廃止。

議長(斉藤金造) それでは、新たに本会議参与に就任されました石井正行土木担当部長を御紹介申し上げます。

〔土木担当部長石井正行登壇〕
土木担当部長(石井正行) ただいま御紹介をいただきました土木担当部長の石井でございます。元気よく力いっぱい、かつ、一生懸命努力をしてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
議長(斉藤金造) 以上で紹介を終わります。
 次に、4月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり委員会参与に人事異動がありましたので、念のために御報告いたします。

人  事  異  動

(平成13年4月1日) 総 務 部 職 員 課 人 事 係

[部長級]

発       令

氏  名

備考

政策経営部長

渡辺 征夫

総務部長

政策経営部行財政改革担当部長

石神 正義

行財政改革室行財政改革担当部長

総務部長

沼口 昌弘

福祉部長

保健福祉部長

浦野 純子

保健衛生部長

保健福祉部福祉担当部長

本橋 一夫

福祉部介護保険担当部長

保健福祉部参事

服部 敏信

保健衛生部保健計画課長(統括課長)

昇任

保健福祉部参事 

木村 馥

保健衛生部参事

保健福祉部参事

川岸 眞知子

保健衛生部参事

保健福祉部参事(福サ事)

細木 博雄

教育委員会事務局生涯学習課長(統括課長)

昇任

都市整備部長

宮村 光雄

都市計画部長

都市整備部土木担当部長

石井 正行

建設部参事


選挙管理委員会発令

発       令

氏  名

備考

選挙管理委員会事務局長

荒畑 正子

地域センター部参事

 

議長発令

発       令

氏  名

備考

区議会事務局長

山岸 隆一

企画部長 



[
統括課長級]

発       令

氏  名

備考

政策経営部企画課長(統括課長)

金野 晃 

企画部企画課長 

昇任

政策経営部財政課長(統括課長)

菅野 泰一

行財政改革室財政課長(統括課長)

総務部営繕課長(統括課長)

佐藤 幸一

建設部営繕課長(統括課長)

保健福祉部保健福祉課長(統括課長)

( 保健福祉部参事  服部 敏信  事務取扱 )

保健福祉部介護保険課長(統括課長)

岩井 克英 

福祉部介護保険課長(統括課長)

都市整備部都市計画課長(統括課長)

寺部 守芳

都市計画部計画課長(統括課長)

都市整備部指導課長(統括課長)

大沼 弘

都市計画部指導課長(統括課長)

都市整備部道路課長(統括課長)

( 都市整備部土木担当部長 石井 正行 事務取扱 )

副収入役(統括課長)

村木 誠

副収入役 

昇任

 

教育委員会発令

発       令

氏  名

備考

教育委員会事務局生涯学習課長(統括課長)

奥山 功 

保健衛生部生活衛生課長 

昇任



[
課長級]

発       令

氏  名

備考

政策経営部行政改革課長

田中 大輔

行財政改革室行政改革課長

政策経営部広聴広報課長

西沢 潤

福祉部副参事(福サ事)

総務部契約管財課長

飯塚 義昭

総務部用地経理課長

総務部情報システム課長

瀬田 敏幸

新井地域センター所長

総務部防災課長

納谷 光和

地域センター部防災課長

区民部税務課長

合川 昭

総務部税務課長

区民部滞納対策担当課長

宮本 明

(東京都政策報道室政策調整部調査主査)

転入・昇任

区民部経済勤労課長

中野 敏郎

東部地域センター所長

地域センター部女性・青少年課長

鈴木 由美子

企画部広報課長

地域センター部保育課長

榎本 良男

福祉部保育課長

東部地域センター所長

中村 正博

保健福祉センター所長

鍋横地域センター所長

斎木 正雄

総務部税務課納税第三係長(総括係長) 

昇任

新井地域センター所長

高橋 一広

区民部経済勤労課長

大和地域センター所長

浅野 昭

福祉部生活援護課管理係長(総括係長)

昇任

鷺宮地域センター所長

佐藤 勉

企画部情報システム課長

上鷺宮地域センター所長 

( 鷺宮地域センター所長 佐藤 勉 兼務 )

保健福祉部生活援護課長

越 秀幸 

福祉部生活援護課長

保健福祉部福祉事業課長

長田 久雄

福祉部福祉事業課長

保健福祉部介護支援課長

冨永 清

障害者福祉会館長

障害者福祉会館長

近藤 透

(東京都環境局自動車公害対策部事業推進課事業指導係長)

昇任

保健福祉部健康推進課長

川崎 亨

鷺宮地域センター所長

保健福祉部生活衛生課長

小谷松 弘市

区議会事務局次長

保健福祉部保健予防課長 

( 保健福祉部参事  木村 馥   事務取扱 ) 

保健福祉センター所長

( 保健福祉部参事  木村 馥   事務取扱 )

北部保健福祉相談所長

( 保健福祉部参事  川岸 眞知子 事務取扱 )

南部保健福祉相談所長

城所 敏英

鷺宮保健相談所長

鷺宮保健福祉相談所長

沼田 久美子 

(新宿区衛生部予防課医療指導主査)
転入・昇任

都市整備部まちづくり課長

奥山 宏二

都市計画部まちづくり課長

都市整備部住宅課長

飯塚 太郎

都市計画部住宅課長

都市整備部建築課長

秋元 順一

都市計画部建築課長

都市整備部交通対策課長

登 弘毅

建設部交通対策課長

都市整備部公園緑地課長

大谷 則章

建設部工事課長


議長発令

発       令

氏  名

備考

区議会事務局次長

佐藤 栄時

保健衛生部健康課長

備 考
1 前建設部長 長尾 孝恒、前選挙管理委員会事務局長 森田 輝、前区議会事務局長 伊藤 太祐、前福祉部福祉計画課長(統括課長) 大澤 準一 は、平成13年3月31日付をもって定年退職。

1 前鍋横地域センター所長 永井 六郎 は、江戸川都税事務所徴税課長、前大和地域センター所長 青木 弘 は、東京都総務局災害対策部副参事(震災対策担当)、前保健衛生部予防二課長 木村 博子 は、北区保健福祉相談所長となるため、平成13年3月31日付をもって退職。
1 行財政改革室長、行財政改革室行財政改革担当部長、企画部長、保健衛生部長、福祉部長、福祉部介護保険担当部長、都市計画部長、建設部長、行財政改革室行政改革課長、行財政改革室財政課長、企画部企画課長、企画部広聴課長、企画部広報課長、企画部情報システム課長、総務部教育委員候補者区民推薦担当課長、総務部用地経理課長、総務部税務課長、地域センター部防災課長、保健衛生部保健計画課長、保健衛生部健康課長、保健衛生部生活衛生課長、保健衛生部予防一課長、保健衛生部予防二課長、南部保健相談所長、鷺宮保健相談所長、福祉部福祉計画課長、福祉部生活援護課長、福祉部福祉事業課長、福祉部保育課長、福祉部介護支援課長、福祉部介護保険課長、都市計画部計画課長、都市計画部まちづくり課長、都市計画部住宅課長、都市計画部指導課長、都市計画部建築課長、建設部管理課長、建設部交通対策課長、建設部工事課長、建設部公園緑地課長、建設部営繕課長は、平成13年3月31日付をもって廃止。

議長(斉藤金造) この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、市川みのる議員、池田一雄議員、岡本いさお議員、佐藤ひろこ議員、牛崎のり子議員、はっとり幸子議員、鈴木光子議員、むとう有子議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 中野区議会議員 市 川 みのる
 1 平成12年度決算と今後の財政運営について
 2 中間処理施設建設予定地取得について
 3 民間法人の経営する老人保健施設建設に対する支援について
 4 予定される高齢者に対するインフルエンザ予防接種の負担のあり方について
 5 保育園民営化の方向性について
 6 その他
  (1)教育委員候補者区民推薦制度について
  (2)その他

議長(斉藤金造) 最初に、市川みのる議員。
     〔市川みのる議員登壇〕
14番(市川みのる) 第2回定例会に当たりまして、平成12年度決算と今後の財政運営についてから質問をさせていただきます。
 今定例会において平成12年度決算の報告がなされると思いますが、現時点における状況等を踏まえ、今後の財政運営にかかわる重要な視点と考え方について質問をいたします。
 もれ承るところによりますと、平成12年度の一般会計の決算状況は、11年度と比較して好転しているようであります。運用金に頼らず、形式収支、実質収支ともにプラスに転じているとすれば、12年度の財政運営には、行財政5か年計画の根幹にかかわる重要な年度として、さまざまな工夫と努力がなされたものと評価をしたいと思います。
 こうした認識のもとに8点ほどお尋ねをいたします。
 まず1点目ですが、平成12年度における歳入確保と歳出抑制に具体的にどのような努力を図ってきたか、お聞かせをください。
 2点目、最終補正後の運用金計上額は26億円となっていますが、決算はどのような状況でしょうか、お答えください。
 3点目、運用金を執行せずに済んだ主な要因は何でありましょうか、お答えください。
 4点目、これまで他会計、特に国保会計への一般会計からの繰り入れを圧縮すること、要するに国保会計の操出金を圧縮することで、辛うじて一般会計の収支バランスをとってきているように見受けますが、12年度決算では、どのような考え方のもとで対応してきたのでしょうか、お尋ねをいたします。
 5点目、運用金は、歳入不足を補てんするための緊急避難的な財源対策と考えられますので、その活用額が予算額を大幅に下回るとすれば、見かけ上は決算が大きく好転したようになり、今年度スタートしたばかりの行財政5か年計画の実現に対して、理事者も議会も心理的にタガが緩むおそれはないでしょうか、お尋ねをいたします。
 6点目、区の行財政基盤の再建と将来の区政運営を確たるものとするためにも、改めて行財政5か年計画の実現に不退転の決意をもって取り組む必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 7点目、これまでの質問の流れの中から私なりの一つの御提案を含めてお伺いをしたいと思いますが、行財政5か年計画の考え方によれば、今後、運用金は活用せずというのが議会と区民に対するお約束であります。一方、財政運営の弾力性確保と年度間の財源の調整を図り、区の健全な財政運営に資するためには、財政調整基金の持つ役割は極めて重要といえます。ところが、現在の基金残高は176万円に過ぎません。これでは当該基金の持つ機能を発揮することは到底不可能であります。そこで、平成12年度の運用金や他の積立基金の統合・再編などを通じて、健全で弾力的な財政運営のため財政調整基金の確保を図られてはいかがでしょうか。また、一方で今後予想される退職者の増に伴う退職金の引当基金のようなものを設置する必要がないでしょうか、お聞かせをください。
 8点目、最後に改めて現状における区の行財政運営の考え方と区政運営に対する今後の展望をお示しいただきたいと思います。
 次に、警察大学校等の移転跡地に予定されている清掃関連施設についてお尋ねをいたします。
 現在の警察大学校や警視庁警察学校は、本年夏から府中市への移転が開始されると伺っております。この移転跡地の土地利用転換計画につきましては、昭和63年の国の行政機関の地方移転に関する閣議決定以来、さまざまな形で検討がなされてきましたが、先般3月に中野区、杉並区及び東京都で構成されている検討委員会において土地利用転換計画案の最終案が作成されました。今後、この計画案を基本に跡地の処分がなされるよう地元の地方公共団体の要望として国に提出すると聞いております。
 ところで、この計画案には、約2ヘクタールの清掃関連施設が示されており、その中には、可燃ごみの中間処理施設、いわゆる清掃工場が予定をされています。そこで、清掃工場の用地取得について3点ほどお尋ねをいたします。
 まず清掃工場の用地取得にかかる費用はどこが負担するのでしょうか。そのことに関して、一部事務組合や東京都との費用負担のルールづくりはどうなっているのでしょうか、お答えください。
 2点目として、区の負担分についての見通しはどうか、お尋ねをいたします。
 3点目として、清掃工場建設全般に関して、区の現在の取り組みと今後の方向性、考え方をお尋ねします。
 次に、民間老人保健施設建設に対する支援についてお尋ねをします。
 昨年4月から介護保険制度が始まり、およそ1年が経過し、ことしの10月からは保険料の本格徴収が始まります。当初、心配されていましたケアマネージャーの不足やケアプランの遅れ、サービス提供事業者の不足といった問題につきましては、中野区内で大きな混乱もなく順調に推移していると私どもは認識をしております。しかし、介護保険基盤施設の整備につきましては、まだ大きな課題が残っていると思います。特に介護老人保健施設につきましては、症状が安定した要介護高齢者に対して医療的ケアと日常生活上の介護サービスを提供することにより家庭復帰と在宅ケアを支えようとする入所施設であり、介護保険制度の趣旨からも、その役割の発揮が十分に期待される施設であります。多くの区では、公有地の供与や財政的支援により民間法人による整備を促しており、複数の老人保健施設を有している区もあります。現在のところ、介護老人保健施設がない区は、中野区を含めて5区だけとなっていますが、千代田区と中野区以外は現在プロポーザルを実施しているなど具体的に計画が進んでおります。中野区の介護保険事業計画におきましては、介護老人保健施設を江古田の森へ2003年度までに整備するほか、2004年度には民間法人による整備も予定されています。
 そこで、3点ほどお尋ねをいたします。
 まず江古田の森の保健福祉施設整備についての検討はどのようになっているのでしょうか。現在、行われている検討の進捗状況についてお答えください。
 2点目、民間法人による老人保健施設の整備についてのお尋ねであります。民間法人による老人保健施設の整備につきましては、区の介護保険事業計画にも掲げられているところでありますが、最近、中野区の南部地域で建設の計画が進められているとの話を伺いました。そこで、お尋ねをいたしますが、区では、この建設計画をどの程度、把握されているのでしょうか。把握されている内容と今後どのようなかかわりをしていくのでしょうか、お答えください。
 3点目として、介護保険事業計画では、民間方針による老人保健施設の整備につきまして財政的支援をすることとしています。区はどのような財政的支援を考えているのでしょうか、お答えをください。
 続いて、高齢者の健康問題という視点からインフルエンザ予防接種についてのお尋ねをします。
 近年、高齢者の医療費の増大が大きな社会問題となっていますが、このことを考えるときに何よりも重要なことは、健康づくりや疾病予防に力を入れ健康寿命を延ばすことだと考えます。国も21世紀における国民健康づくり運動として「健康日本21」を推進しているところであります。中野区としても、この観点から、中野区医師会の協力を得て生活習慣改善指導事業を今年度新たに始めており、その取り組みは高く評価をするものであります。一方、インフルエンザなどの感染症対策においても、リスクの高い集団に対する予防対策は極めて重要とされています。こうした認識から今国会に予防接種法の改正案が提出されるに至ったものと理解をしているところであります。
 今回の改正趣旨は、現在、全額自己負担で行われているインフルエンザ予防接種を予防接種法の対象疾病に追加し、感染の危険性の高い65歳以上の高齢者に接種を推奨するものだとのことであります。皆様も御承知のとおり、かつてはインフルエンザのワクチンは小・中学生などを対象に接種が義務付けられていましたが、平成6年の法改正により希望者が実費で受ける任意接種に変わりました。この結果、今日では、日本におけるインフルエンザワクチンの接種率は大きく低下しています。そしてインフルエンザが流行するたびに、高齢者、とりわけ施設入所の方々の罹患が大きな社会問題になるに至っております。ちなみに、平成11年1月のインフルエンザが原因と思われる死者は688人にも上りましたが、そのうち65歳以上の高齢者が86%も占めていたとのことであります。一方、特別養護老人ホームなどの施設入所者を対象に行ったインフルエンザワクチンの効果に関する研究によれば、予防接種をすることにより死亡の危険を8割減少、つまり何もしなければ100人亡くなるところを接種することにより死亡者を20人まで減らすことができるという結果が示されています。また、入院に至る危険性についても5割から6割も減少させることができるといわれております。以上のようなことを背景に予防接種法の改正案が提案されたわけでありますが、これが今国会で成立した場合、ことしの秋から中野区としてインフルエンザの予防接種を実施することになりますので、現在の準備状況など2点のお尋ねと2点の要望をさせていただきたいと思います。
 初めに、インフルエンザ予防接種は、ポリオや風疹などの現行予防接種とは法律上の位置付けが異なるとのことでありますが、具体的な相違点についてお尋ねをいたします。
 2点目として、法案が成立した場合、事業実施までの期間がわずかしかありませんが、現在、準備はどのように進められているのでしょうか。また、インフルエンザの予防接種実施に関する経費は、当然のことながら本年度当初予算には計上されていないわけであり、今年度に実施することとなった場合、その対応に苦慮されることになると思います。現時点で国や東京都からの財源措置は何か示されているのでしょうか、お答えをください。
 なお、今年度実施する場合には、都区財政調整制度の特別交付金の対象とするよう東京都へ強く働きかけるべきではないかと考えます。今後の動きを見定めながら積極的に対応することをこの際お願いしておきます。
 次に、個人負担についてお伺いします。現行法で定められている予防接種はすべて無料で行われているのに対し、インフルエンザ予防接種については一部個人負担があるとのことであります。具体的な内容は今後検討されることと思いますが、高齢者の健康を守る視点を大切にすると同時に、自分の健康を守るためには相応の御負担をしていただくという考え方に立ち、適切な負担額の設定を行うようお願いをしておきます。また、このことは、基本的には各区ごとに判断すべきことではありますが、近隣区で負担額に大きな差が生じるようであれば、区民の皆様の御理解は得にくいものと考えます。この点についても十分な配慮をお願いします。
 最後に、区として実施するに当たり特に留意したいとお考えのことがあれば、お聞かせください。
 次に、保育園の民営化についてお尋ねをします。
 社会経済状況の変化は目まぐるしく、特にサービス産業を中心に夜型やフレックスタイムの勤務が増えるなど、さまざまな就労形態があらわれてきております。また、女性の社会進出が進む中、子育て世代の出産後の早い職場復帰を望む人たちが急速に増えてきております。少子化が一段と進み、子どもの数は減っているにもかかわらず、特に産休明けを中心に保育園の待機児が増えつつあるのも、こうした社会的な変化を反映したものと考えます。子育て世代への支援はますます重要な課題となっており、このため国においても待機児ゼロの方針を打ち出しました。社会福祉法の改正など社会福祉全般にわたる改革が図られ、社会の構造は大きく変わろうとしております。保育所に関する制度も、措置から利用者の選択制に変わりました。すなわち、利用者が保育園を選ぶ時代に突入したわけであります。この改正に続き、これまでは社会福祉法人などに限定されていた保育園の経営主体についても、民間企業の参入が認められるようになるなど、福祉サービスにも競争の原理が導入され、保育は大きな転換期を迎えております。よりよいサービスを目指し、公立も私立も利用者が望むサービスの提供者となることが期待をされています。こうした社会変化の潮流に乗り遅れないよう、しっかりと将来を見据えて保育政策の展望を持つことが必要であると考えます。
 中野は23区内でも圧倒的に公立の保育園の多い区であります。高度経済成長期の人口流入、第2次ベビーブームなどに対応し、行政が率先して保育園を建設してきた結果であり、この点は一面評価をしたいと思っています。このため中野区では、これまで長い間、公立保育園中心の保育政策が展開されてまいりました。しかし、このたび行財政5か年計画において区立保育園の民営化の方針が打ち出されました。これは今までの中野の方向を大きく転換するものでありますが、先ほど述べた社会の流れを見れば自然な方向であろうかと考えます。しかし、行財政5か年計画が中野区の財政の立て直しを重要な目的としているためもあり、区立保育園の民営化については、保護者や区民に正しく理解されていない面もあるように思います。民営化によって保育の質が悪くなるとか、財政支出削減のために子どもが犠牲になっているなど、民営化反対の議論がされています。どうも財政立て直しの民営化論が全面に押し出され、区民に正しく理解されていない面があるように感じます。
 そこで、お尋ねをします。
 区では、行財政5か年計画の中で区立保育園の民営化の方針を打ち出しましたが、区民の間では、財政立て直しのための民営化論のように受け取られています。民営化を進めることが区民にどのようなメリットがあるのかを含め、区の民営化の方向性についてお尋ねをします。
 次に、教育委員候補者区民推薦について伺います。
 かつての区民投票、いわゆる教育委員準公選には大きな問題があり、議会で大きな論議を経て廃止に至ったことは御承知のとおりであります。教育委員候補者区民推薦制度は、その反省を踏まえてつくられたはずでありますが、二度の推薦実施を経て教育委員の選任も何度か行われた今日、その仕組みについて改めてそのあり方が問われるべきであると考えます。
 そこで、数点お尋ねをします。
 まず、準公選から区民推薦に移行した結果、何がどう変わったとお考えでしょうか。推薦制度の実施によってどういった成果が上がったのか、問題点を感じることがあるのかを含めてお答えください。
 2点目、推薦制度の結果は、区長が教育委員候補者を選任する際に生かされるということですが、推薦結果はそのときだけの参考なのか、4年たって次の区民推薦が行われるまでの間、継続しているものなのでしょうか。継続するとすれば、一度の区民推薦結果が何年にもわたって教育委員候補者の選定に影響するということに私どもは疑問を感じますが、いかがでしょうか。
 3点目として、私どもは、この制度が実質的には中野区の教育委員の人選を縛り、狭めていることに危惧を感じます。もっと幅広くさまざまな人材の中から教育委員候補者を選定できるようにすべきであります。このまま推薦制度を続けていくことが妥当なのでありましょうか。区民推薦制度について、そのあり方を考え直すおつもりがあるかどうか、お尋ねをいたします。
 4点目として、教育フォーラムと区民推薦のかかわり方について伺います。教育フォーラムはどのような意味があり、なぜ区民推薦の時期に行っているのか、お聞かせください。
 最後に、教育フォーラムには、総務部、地域センター、教育委員会などがかかわっていますが、今のやり方では、担当部署もはっきりしません。区民の教育フォーラムに対する受け方もさまざまで、多くの人は推薦と結び付けてはいないと思います。教育フォーラムを実施するにしても、区民推薦と無理に結び付けない方が時期を含めて多様なやり方が可能になると思われますが、いかがでしょうか。
 以上で私の質問は終わりでございます。
 最後になりますが、本年4月1日に自由民主党中野区議団のホームページが開設をされました。http://njp.gr.jp/であります。ごらんいただきまして、自由民主党の政策に大きな御理解をお示しいただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
     〔区長神山好市登壇〕
区長(神山好市) 市川議員の御質問にお答えいたします。
 平成12年度決算と今後の財政運営について7点ほど御質問をいただきました。この中で私の方から、運用金の問題、また行財政5か年計画の実現に向けての問題、今後の区政運営の展望、この3点について申し上げます。
 まず運用金の歳入不足を補てんするために緊急的な財源対策と考えられるが、その活用が予算額を大幅に下回るとすれば、見かけ上、決算が大きく好転したようになり、今年度スタートしたばかりの行財政5か年計画実現に対して、理事者も議会も心理的にタガが緩むのではないかということでございます。
 行財政5か年計画の推進ということは、徹底した内部努力、あるいは行政システムの改革、区と区民、公共と民間の役割、こういったものについての整理を踏まえた事業の見直しをしたところでございます。行財政の構造的な改革を実現して、区政の新たな展望を開く唯一の方途と考え、区民や議会を初め各方面に御理解と協力をお願いしているところであります。昨年度は執行上のさまざまな努力、法人住民税の増収などもございました。決算数値はやや好転している状況ではあるものの今年度は当初から景気の後退が強く懸念されている。計画初年度である今年度の区財政は、まだまだ構造改革の端緒についたばかりであり、景気の変動への対応力は十分でないという現状にございます。行財政5か年計画の着実な推進に向けて全力を注いでいきたいと考えているところでございます。気を引き締めて取り組んでいかなければならないというふうに思います。行財政基盤が確たるものになったわけではまだない、5か年計画の推進に全力を上げて取り組んでいきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 決算の状況、あるいは運用金未執行の要因等について、また国保会計との関連、財政調整基金との問題、これについては行財政改革担当部長の方からお答えさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、私から教育委員候補者区民推薦制度についての御質問にお答えをさせていただきます。
 まず第1点、どのような成果が上がったのか、また問題点はどのようなものがあったのかという点でございますが、区民推薦制度に移行したことによります成果としては、条例で区長の権限を制約するなど違法論が払拭されたということが挙げられると思っています。また、投票から推薦という方法に変更したことによって、公表を推薦者票数が100以上の場合ということになりました。このことによって主体的な教育行政への区民参加ということが容易になったというふうに認識しております。ただ、問題点としては、推薦活動が終わった後も引き続いて、推薦母体といいますか、グループが選任までの展望を眺めながらの運動、働きかけが続けられるというふうなこともございまして、この点については、現在の推薦制度の上では一つの問題点であろうというふうに思っております。本来であれば、推薦活動、推薦書を提出した時点で終わってもらわなければならない、後の残った期間、選任されるまでということで活動が続いてしまうということがございます。
 次に、区民推薦の結果がいつまで継続するのかということでございますが、区民推薦の結果については、区長が教育委員候補者を選任するに際して参考にするということになっておりまして、区長に義務付けているというものではないというふうに理解しておりますし、教育行政への区民参加の結果として、区民の声として受けとめて教育委員の任命を行っているものでございます。したがって、その結果がどこまで継続するということは決めてございません。今のところは4年に一度ということで実施をしておりますけれども、選挙の場合でも、選挙の結果が生かされるのは6か月間ということもございますし、ここが限界ではないのかというふうにも思っております。ただ、内容としては、参考ということでございますので、いつの時点でも参考にできるものであるというふうには思っております。
 次に、幅広い候補者の選定ができるように、今の推薦制度のあり方を考え直すつもりはないのかということでございますが、第1回の区民推薦では、被推薦者が79人、その中で公表基準に達した人が15人ございました。第2回目は被推薦者が33人、公表基準に達した者が14人ということで多くの候補者が推薦されております。区長は、これに限らず幅広い観点から人選を行うということができるものと認識しております。教育委員の人選を狭めているというふうには考えておりませんけれども、この範囲を、14人という人数を超えて、さらに広い範囲で、区長としてはいろんな角度で候補者を選考するというふうにしていきたいと思っております。
 次に、教育フォーラムをどういうふうな位置付けといいますか、考えでやっているのかということでございますが、区民推薦制度が、専門委員の研究報告の中で、教育フォーラムとそれに続く区民推薦によって構成をしています。区民に多様な参加の機会を提供するという一つの方法として位置付けられておりますし、教育フォーラムが教育の現状や課題、教育委員会への期待、望ましい教育委員像など、教育に関して自由に議論する場として位置付けてきているところです。区民が教育委員にふさわしい人物を推薦する契機となるように実施をしているものでございます。このフォーラムが4年に一度だけで終わるということではなくて、本来ならば毎年のように、それぞれの地域で実施をされて、自主的に教育フォーラムを展開されているというような状況になれば、その活動の中でさまざまな人物も浮上してくるというふうにも思っておりますし、4年に一度ということではなくてもいいというふうに思っております。むしろ毎年、いろんな形で実施されるのが望ましいというふうに思います。ただ、今の段階では、まだそこまで区民参加の広がりがないというふうにも思っておりますし、今後の教育行政への区民参加の実態というものも見守っていきたいというふうに思っております。いずれにしても、この制度を参考という意義を忘れないで、慎重に検討をしていきたいというふうに思っております。
 他の質問につきましては、それぞれ担当部長の方からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。
  〔行財政改革担当部長石神正義登壇〕
行財政改革担当部長(石神正義) 私からは、平成12年度決算と今後の財政運営について、5点にわたってお答えしたいと思います。
 まず12年度における歳入確保、また歳出抑制に具体的にどんな努力を払ったのか。また、運用金につきましては、決算ではどういう状況になったのかということでございます。
 決算につきましては、5月31日に出納閉鎖したところでございます。近く速報値を議会に報告する予定でございます。歳入の確保に当たって12年度における努力でございますが、区税、また国民健康保険料、こういったものの休日、夜間の窓口開設・催告、また保険料などの未収金対策、財調交付金の最大限の確保努力、起債や国、都の補助金の積極的な活用、こういったことに努めてまいりました。また、歳出につきましては、職員の採用の抑制、光熱水費等の内部管理経費、事業の執行段階におきます執行の工夫など、こういった事務経費の抑制など、全庁を挙げて取り組んできたところでございます。こうした歳入確保、歳出抑制の結果、運用金につきましては使わずに済むこととなったものでございます。
 次に、運用金を使用せずに済んだ要因ですけれども、区税などの徴収努力、また区市町村民税法人分の伸びによります特別区交付金の追加交付、こういったことから歳入の収入率が100%近くなったこと、また事業の実施段階におきます執行の工夫による事務経費の削減に努めたことによりまして、歳出の執行率を96.5%に抑制した、こういったことが主な点でございます。
 次に、国保会計への繰出金の御質問でございます。
 決算におきます国保会計の繰出金の額を決めるということに当たりましては、翌年度の国保会計の状況、こういったものを勘案して行ってきたところでございます。12年度決算に当たりましても、当初、予算編成後に明らかになった国保会計の歳出増加要因、こういったことについて繰越金で措置できるよう一般会計からの繰出金を考えているところでございます。
 次に、財調交付金についての御質問でございます。
 年度間の財源調整を図るということから、財政調整交付金ということにつきましては、減債基金とともに健全な区政運営を行う上で欠くことのできないものであるというふうに考えてございます。現在、財政調整交付金と減債基金がともに残高が底をついている状況にある、こういうことから基金本来の機能が発揮できておりません。早急に基金本来の機能が発揮できるように、基金の整理・統合などを検討してまいる所存でございます。また、今後、増加が見込まれます退職手当につきましても、この中で対応を検討してまいりたいと考えてございます。
    〔環境部長正木洋介登壇〕
環境部長(正木洋介) 私からは、警大等跡地の清掃工場の用地取得及びその区の費用負担についてのお尋ねにお答えさせていただきます。
 工場用地の取得でございますが、清掃事業移管前に東京都が策定いたしましたスリムプラン21では、中野地区清掃工場について、平成17年度までに用地取得、平成18年度から23年度の間に着工とされておりました。このスリムプラン21を基本的に継承いたしまして策定された東京23区清掃一部事務組合の一般廃棄物の処理計画では、中野地区清掃工場につきまして、スリムプランと同じく平成18年度から23年度の間に着工するとしておりますが、用地取得時期については具体的に明らかにしておりません。そこで、区といたしましては、東京23区清掃一部事務組合に対しまして、警察大学校等が本年8月には移転することが確実になった状況を踏まえまして、建設計画を着実に推進するために積極的に用地取得を行うよう働きかけていく考えでございます。
 区の費用負担の関係でございますが、平成17年度末まで、清掃工場の整備、管理、運営を東京23区清掃一部事務組合が担当するという役割分担のもとにございますので、平成17年度末までの用地取得につきましては、これは清掃一部事務組合の役割であるというふうに考えてございまして、区の負担はないものと考えてございます。
   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕
福祉担当部長(本橋一夫) 私からは、老人保健施設の整備に関する御質問にお答えをさせていただきます。
 まず江古田の森の老人保健施設についてでございますが、議会の付帯意見や区内の介護保険基盤施設整備の進捗状況を踏まえまして、現在、江古田の森に整備する保健福祉施設の種類・内容や整備手法・運営形態等を改めて整理して、整備に関する基本方針の取りまとめに努めているところでございます。
 次に、民間法人による老人保健施設の建設計画についてでございます。南部地域で建設計画の動きがあることは承知しております。事業予定者からは、6月中には計画概要書を区に提出する予定と聞いておりますので、その時点で施設規模、運営主体、開設時期等が把握できるというふうに考えております。施設建設に当たって国や都の補助を受けるためには、地元自治体が介護保険事業計画に適合しているかをチェックの上、申請を進達することとなっているところでございます。区の介護保険事業計画では、民間による老人保健施設の整備として70床程度を見込んでいるところであります。区としての具体的な対応につきましては、民間法人から計画書が提出された段階で、整備内容や法人の実績、運営体制等を精査の上、検討してまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長浦野純子登壇〕
保健福祉部長(浦野純子) 私からは、予防接種法改正によります高齢者へのインフルエンザ予防接種に関する御質問にお答えします。
 初めに、法律上の位置付けについてでございますが、現行の予防接種法に規定されていますポリオ、風疹などの疾病は一類疾病とし、集団予防に比重を置き、国民に接種の努力義務を課すものでございます。これに対しまして今回、追加が予定されていますインフルエンザは、二類疾病としまして個人予防に比重を置くもので、努力義務は課さないものでございます。
 次に、現在の準備状況でございますが、中野区として実施方法を検討するとともに、委託をする場合の接種単価や接種期間など各区共通とすべき課題につきましては、特別区の保健衛生主管部長会などで協議をしているところでございます。
 なお、国や東京都から特別区に対する財政支援につきましては、現在のところ具体的に示されておりません。
 次に、区としましてインフルエンザ予防接種を実施するに当たりましての留意点でございますが、抵抗力の弱まっています高齢者の皆様が集団で生活をされている特別養護老人ホームなどの対応について特に留意をしていきたいと考えております。自己負担の問題につきましては、ただいまの御意見も踏まえ慎重に検討していきたいと考えています。
  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕
地域センター部長(柳澤一平) 保育園の民営化の方向性についてのお尋ねでございます。
 区立保育園の民営化は、区と民間との役割を見直す中で、保育園などの民間法人等が担えるものにつきましては、行政による関与を小さなものとしていくことを前提にいたしまして、民間の柔軟で多様な保育運営を活用いたしまして、産休明け保育、延長保育など区民の保育ニーズに適切に対応していこうとするものでございます。行財政5か年計画では5園の民営化を定めておりますが、その後につきましても、民間の力を活用しながら保育サービスの充実に努めてまいりたいと考えております。
議長(斉藤金造) 以上で市川みのる議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 池 田 一 雄
 1 切り下げられた福祉を元にもどすことについて
 2 保険料・利用料の軽減を中心とした介護保険の改善について
 3 国民健康保険の短期証および資格証の発行について
 4 地方公務員のサービス残業の解消について
 5 その他

議長(斉藤金造) 次に、池田一雄議員。
     〔池田一雄議員登壇〕
43番(池田一雄) 2001年第2回定例会に当たり、日本共産党区議団を代表して質問を行います。
 小泉内閣が発足して2か月近くになりました。この日本の現状を何とかしてほしいという国民の願いにも似た気持ちが、8割という高い支持率にあらわれているといわれています。それでは、小泉政権はその願いにこたえられるような打開策を国民に提示しているでしょうか。断固として実行すると叫んでいる構造改革の柱は、森政権の緊急経済政策であって、なかんずく、その中心は銀行の不良債権を早急に処理するというものであります。これでは、銀行からの融資で命をつないでいる中小企業を倒産に追い込むことになり、その影響は日本経済をさらなる下降に落とし込むことになるであろうと多くの識者も指摘しているところであります。社会保障の連続改悪、とりわけ医療費の引き上げ、年金受給年齢の先延ばし、介護保険料の半額・減額措置の打ち切りなど、現在と将来の生活を脅かす幾多の攻撃は、特に低所得者層の暮らしを直撃しています。今、区民にとって最大の焦点の一つは、福祉、社会保障をめぐる深刻な事態をどう打開するかということではないでしょうか。
 中野区の2000年世論調査の結果を見ても、回答のうち高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉、低所得者福祉の四つ合わせると実に85.6%の人が、今後特に力を入れてほしい施策として望んでいるのです。そのうち高齢者福祉はだんとつの47.1%であって、区政に対する区民要望の第1は高齢者福祉の充実であるといえます。しかも、回答者層は、20代、30代、40代の合計が53.3%であって、高齢者層に偏っているわけではありません。高齢者福祉を第1位に選んだ年代は、20代のみが回答の第2位になっていますが、30代以上はすべて回答の第1位になっているのです。しかも、この状況は中野区世論調査において8年連続しているのです。
 しかし、現実は、国や都の施策はもっぱら高齢者、障害者など弱い立場の人々を守る施策を次々と切り捨てていくものであります。こういうときにこそ、最も身近な自治体である中野区が、このような福祉の切り下げは間違っていると国や都に向かってものを言い、みずからも区民を守るための施策を展開するのが区の役割ではないでしょうか。
 ところが、区は行財政5か年計画のもと、高齢者福祉、障害者福祉の全般にわたって、その水準を切り下げることを進めています。東京都の福祉切り下げについても、何ら抗議らしい声を上げようとしていません。都の都民に対する攻撃は区民に対してのものであり、その結果、区民の福祉レベルが大きく引き下げられているのです。それもやむを得ないと傍観していることは、自治体の立場からいえば、区も都も同罪といわれても仕方がありません。
 そこで、幾つかの福祉の切り下げについてお聞きします。
 シルバーパスの有料化は、高齢者の社会参加活動を少なからず抑制しています。病院や高齢者施設や買物にこのパスで無料で行けるということは、高齢者の社会参加を促進することとともに足を確保できるという点では暮らしへの支援になっていることはいうまでもありません。今度の有料化の中で全都では10万人が申請をあきらめました。中野区での有料で購入をされている人数は捕捉できないということですので、東京都全体の数値から類推するしかありません。発表されたところによると、都全体では、無料だった78万人のうち54万人が1,000円の負担となり、13万人が5,000円の負担となりました。5,000円はことしの10月からは1万円、来年は1万5,000円、そして2万510円となっていきます。1,000円の方も、その額は規則で引き上げできますから、いつまでも1,000円という保証はありません。老人医療費の有料化が最初は月400円から始まり、現在は1割負担になってしまったように、どんどん上がっていく危険性を持っています。さて、中野区の推定数値でありますが、99年度シルバーパス発行件数2万8,300件のうち無料パスが2万6,440件でありましたので、それを当てはめると、1,000円の方は1万8,000人余、5,000円になった方が4,400人余、利用をやめた方が3,300人余と推計できますが、この数字はそれほど実態とかけ離れたものとは思えませんが、いかがでしょうか。
 さらに、制度改悪以後70歳になられた方は最初から2万510円の負担となるわけです。こういう状態では、利用者はさらに減っていくことが用意に推測できます。東京都に対しシルバーパス制度をもとに戻すよう求めるべきではありませんか。区長の見解をお聞きします。
 マル福と呼ばれている高齢者医療費助成制度も2007年6月末をもって廃止されますが、これもはかり知れないほど大きな影響を区民に与えています。中野区では、マル福助成制度改悪が始まった2000年7月での65歳から69歳までの医療費助成対象者数は1万6,166人で、5か月後に12月には1万6,341人へと175人増加しているにもかかわらず、助成対象者数は1万867人、これは対象者数の67.3%ですけれども、これから9,995人、61%とわずか5か月で900人近く減っています。今後、段階的に対象者は減らされ、2007年にはゼロになるわけです。99年度の保健衛生概要によれば、1人当たりの平均助成額は約1万300円です。これはあくまでも平均の話であって、比較的健康で年に数回しかお医者さんに行かないという方たちも含めての数字です。ところが、65歳を過ぎるあたりから健康に個人差が強く出て、重い生活習慣病に悩まされる方たちがたくさん出現してくるのも高齢者層の特徴です。この人たちにとってのマル福の廃止による医療費の負担は並大抵のものではありません。例えば、糖尿病で月1回、通院する場合、マル福なら1,760円で済みますが、マル福を受けられないと3割負担で5,290円となります。1年間では、この病気だけの出費でも6万3,000円余の大きな負担となります。これでは自然と医療機関から足が遠のいていくではありませんか。最新の統計ではどれほどの影響が出ているのか、お答えください。
 医療保障に対する区民の不安が募っているこのときに、その安心の支えの一つであったマル福医療制度をもとに戻すよう都に要望すべきではありませんか。区長の見解をお聞きします。
 さらに、障害者医療費助成の有料化と所得制限の強化、重度手当への所得制限導入についても、区民の切実な声が寄せられています。大和町のAさんは股関節の障害が年々ひどくなって、最近では自宅のすぐそばのコンビニ店に行くのもやっととなりました。しかし、自宅の2階二間をアパートとして貸しているということで、所得制限に引っかかり医療費が有料となりました。何をするにも健常者に比べて手がかかり、費用もかさむAさんにしてみれば、医療費の助成は大変助かる制度でありました。会う人ごとに愚痴をこぼしていたのも無理からぬことでした。やはり大和町の診療所に通う重度障害児を持つお母さんも、「これまでは受けていた医療費の助成や手当が全部なくなってしまいました。暮らしが一遍にきつくなってしまった」と訴えていました。いずれの方も、ほかではない、この中野区で生活をされている区民なのです。
 これらもろもろの都の福祉切り捨てをもとに戻すべきだとの願いは、多くの区民の叫びだと思いますが、区長の見解をお聞きします。
 この福祉の切り捨てに当たって都は、これら制度が実施をされた昭和40年代と比べて社会経済状況が大きく変化し、こうした経済的給付、いわゆる現金給付は時代遅れになったとしています。区も行財政5か年計画では、補助・助成制度の項で「これらの制度の設立当時と比較し、社会状況が大きく変化し」たことを見直しの理由に挙げています。しかし、この論拠は今の状況からいって、とても説得力を持つものとはいえません。現在の社会経済状況は、極めて深刻な不況のもと、リストラが荒れ狂い、史上最悪の失業時代となっています。そのもとで都や区の福祉切り捨ての対象となった高齢者や障害者、ひとり親家庭をめぐる雇用状態はとりわけ悪化しています。
 昨年12月に発表された厚生省の「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」報告では、「近年における社会経済環境の変化」の中で「経済環境の急速な変化・産業構造の変貌とグローバリゼーション」が進み、「成長型社会」が終焉し、「終身雇用など雇用慣行」が崩れ、「企業のリストラの進行」するもとで「企業福祉」が縮小され、「競争と自己責任の強調」が押しつけられていることなどを挙げた上、このような「社会経済環境の変化に伴い、新たな形による不平等、格差の発生やともに支え合う機能の脆弱化」が指摘されています。また、「社会保障、社会福祉制度体系のよって立つ基盤自体の変化にも着目する必要がある」と指摘しています。そして、「対象となる問題とその構造」において、「貧困な低所得など最低生活をめぐる問題が、リストラによる失業、倒産、多重債務などとかかわりながら再び出現している」と警鐘を乱打しているのです。
 区民の生活実態を見て、この報告の指摘は実感として受けとめられます。あるいは、議会へ請願、陳情を出された区民の皆さんの委員会での切々たる補足説明を聞いていても、中野区民、とりわけ低所得者の生活実態が極めて困難になっていることが察せられます。幾ら物価が安くなっても、収入が保障されなければ物を買うことはできないのです。私の近くに住んでいる高齢者のSさんは、月7万円の年金で暮らしていますが、これまで爪に火を灯すような生活の中で、御自分の葬式費用のために蓄えてきたわずかな貯金が理由で生活保護も受けられません。といって、貴重な貯金を生活保護が受けられる条件づくりのために使うなどということは、大正生まれの生活信条が許さないのです。同じく近所のTさんは、生活保護は受けていますが、前に1年に一遍くらいは団体旅行に行けたが、今はそういう余裕がなくなってしまったと嘆いています。
 当議会の委員会での学習会で講師にみえた先生のお話の中でも、高齢者の貯蓄額は二千数百万円などと説明されていましたが、それは多くの貧しい高齢者の実態に目をつぶった話です。98年度の厚生省の国民生活基礎調査の高齢者世帯の貯蓄を見ると、貯蓄なしが全体の15.5%、200万円未満が23.4%、400万円未満が12.5%、合わせて51.4%にもなります。しかも、その半分以上は将来に備えた生命保険であります。一方、貯蓄3,000万円以上は7.9%で、この中には数億円以上の貯蓄を持つ人たちが含まれています。この巨額な貯蓄を持つひと握りの大金持ちが全体の平均を高くしているのです。それでは、高齢者の収入はどうなっているかというと、平成7年度に東京都が行った高齢者実態調査では、高齢者本人の収入が、年間100万円未満が31.6%、100万円から200万円未満が21.1%、200万円から300万円未満が17.1%で、合計すると69.8%約7割の高齢者が年収入300万円以下であります。高齢者は金持ちだなどいう俗説は通らないということが政府、自治体の調査から明らかであります。
 このような現状を踏まえるならば、自治体として現金給付、すなわち経済的支援の福祉事業に取り組む必要性は、時代遅れどころか、ますますその重要性が高まっているとは思いませんか。ことしの3月定例都議会において前川福祉局長は「経済給付の充実と個別のサービスの両方とも充実できれば、それに越したことはない」と答弁しております。区長もまた3月定例会の昆議員の再質問に答えて「現金給付が時代遅れだからということでの見直しをするのか、また国や都がやっている、これに追随するのかということだと思うんですけれども、私はそういう考えは持っておりません」と答弁されています。そこで、改めてお伺いしますが、経済的給付の重要性について区長はどうお考えになっているのか、見解をお聞きします。
 福祉事業における経済的給付の重要性については、98年3月に都福祉局長に福祉施策研究会報告書が提出された中で触れられております。メインテーマは福祉手当の見直しですが、報告を作成した3人の大学教授のまとめは、いずれの先生の報告も、福祉手当の役割を高く評価したものになっています。例えば、都立大学岡部助教授は「社会手当とは、社会保険、公的補助に入らないが、社会性、公共性の高い分野への現金給付であると整理することができる」と経済的給付の役割を認めています。そして、研究会全体の意思として「本研究会では手当に関し包括的に議論を重ねてきたが、今後、行政において手当のあり方を具体的に検討するに当たって、各手当ごとに詳細な分析を重ねていくことが必要となろう。その際、手当の性格や効果の分析などについて十分な調査と評価を行うことが不可欠である。」とし、「手当の検討は廃止や手当額の引き下げにつながる場合もあり得るであろう。したがって、検討に当たっては都民の十分な理解が不可欠であり、十分な情報提供を行い、都民とともに考えながら取り組むことを期待する。」と安易に廃止や引き下げが行われてはならないと注意を喚起しているのです。にもかかわらず、東京都は今まで述べてきたように数多くの福祉切り捨てを与党と一緒になって断行してしまったのです。当区の手当見直しを見たときも、都と同じように余りにも安易に引き下げ、廃止が行われているのではないでしょうか。障害者福祉手当第2種を2,750円引き下げて月5,000円にするとの5か年計画が示されたときに、反対の陳情を出された区民の皆さんは毎回、厚生委員会に多数傍聴にみえて、2,750円の引き下げが障害者にとっていかに大きな打撃を与えるものであるかを訴えられました。議会も区当局も都の報告で望まれていたような慎重な調査と評価を行ったでしょうか。区民に十分な理解をしてもらったでしょうか。せんだっても、愛育会の人たちから、この不景気の中で2,750円の削減がどれほど生活に響いているかということを改めてお聞きしました。障害者福祉手当を初め難病患者福祉手当、生活保護法外援助など経済的給付の削減・廃止については、これをもとに戻すべきであると思いますが、区長の見解をお聞きします。
 次に、介護保険の保険料・利用料の軽減策等についてお聞きします。
 我が党は、保険料・利用料の軽減に関する条例提案を昨年12月に行い、付託された厚生委員会において熱心な審議を続けていただきましたが、3月の定例会における介護保険特別会計予算案の議決の際、低所得の被保険者の保険料・利用料の軽減措置を求める付帯意見を提案し、幸い多数の議員の御意見と賛成を得て付帯意見としてつけられることになり、条例案を取り下げたところであります。
 東京都内の62市区町村のうち何らかの独自軽減策を実施している自治体は、計画を含め保険料で13区市、利用料が37市区町村であります。合わせて39市区町村、63%の自治体が実施していることになります。
 介護保険が実施されて1年を経過し、さまざまな問題が噴出しています。新聞でも、世論調査や特集が組まれ、それらの問題点が浮き彫りにされています。それらの記事で共通しているのは、金銭的負担が介護保険以前より重くなったと思う人が過半数を占めているということです。朝日新聞の世論調査では、家族か自分が介護サービスを受けている人では、負担が重くなったと感じている人が52%にも上っていると報道しています。介護保険の見直しを求めている人は55%にも達しています。介護の社会化を目標としたはずの制度が、利用率が4割以下にとどまっている最大の理由が浮かび上がってきます。医療法人健友会の調査では、利用限度額の90%以上のサービスを利用されている方は、全体の約8%にとどまっています。区がことし1月に発表した利用者調査でも、介護サービスを受けない理由として、168回答のうち86回答が「家族が介護しているから」を挙げていますが、ここには利用料金が高いことからの回答選択も内包されているであろうことは容易に読み取れます。それは保険料の額について自由な意見を求めた問いに対して、全部で144回答のうち79回答、55%が保険料の減額、免除について要望していることからも伺われます。各区の介護保険利用率状況を比べると、中野区の利用率は軽減策を講じた区に比べて低いように思われます。世田谷区の平均利用率は12年11月で43.2%、中野は38.4%、千代田区は直近9か月平均で52.8%、中野区は37.8%、品川区は12年7月からの5か月平均で45.6%、中野区は38.3%、豊島区は12年12月で49.9%、中野区は40.6%、港区はことし2月で46.1%、中野区は37.7%といずれをとっても大きく引き離されています。ちなみに、ここで例に挙げた区は、すべて保険料・利用料の軽減策、あるいは利用料の軽減策をとっている区であります。軽減策のあるなしだけから、これほどの差が生じているとは一概には思いませんが、大きなファクターであることは確かです。一日も早く中野区の軽減策の実施が望まれます。
 都議会において、石原都知事は「特別区長会から正式に介護保険についての要望が出れば斟酌いたします」と答弁しています。去る4月26日、私たちは、植木こうじ都議会議員とともに区長に対し、中野区が保険料・利用料の軽減導入を行うよう申し入れた際にも、このことをお知らせし、区長会として東京都に対し介護保険の減免制度導入を要請されるよう要望いたしましたが、その後、どのように対処されているでしょうか。さらに、議会の付帯意見にもこたえて軽減措置を区として講じるべきであります。どのような検討を進めているのか、いつまでに実施するのか、お答えください。
 要介護認定において自立と判定された方たちに対し、ほとんどすべての自治体が自立支援の施策を行っています。当区においても、介護予防・自立支援事業として12年度から予算化されています。ところが、13年度は対前年比で5,842万円もの減となっています。主なものを挙げると、自立支援型家事援助サービスが2,058万円の減、訪問食事サービスが559万円の減、訪問指導等が248万円の減、機能訓練は廃止で296万円、皆減、生活支援短期宿泊事業もほとんど廃止に近く259万円の減となっています。自立支援事業を展開する目的は、いうまでもなく少しでも要介護になる時期をおくらせ、自立した健康的な生活をおくることができるようにとの配慮からであったはずです。そのような目的で新規事業として立ち上げた自立支援を、2年目の段階で早くも4割も削減してしまうということは一体どういうことでありましょうか。私が考えるに、その主な原因の一つとして、この事業がケアマネージャーや事業者、とりわけ区民に知られていないことがあると思います。また、区の取り組んでいく上での体制ができていないことも大きな理由の一つではないでしょうか。
 東久留米市では、自立と認定された高齢者に対し、どのような自立支援サービスが提供できるかを検討する「自立支援会議」が置かれ、ケア計画の作成のほか、事後対応を協議し、高齢者の生活の視点に立った支援を行っています。そのために、要介護認定調査を行う際に、あわせて生活支援調査票の記入を行っています。この調査票は、本人、家族の生活状況を1ページの比較的簡単な用紙に記入するものです。要介護認定審査会で自立とされた人は、自立支援会議に図られ、ここで要介護認定調査書と主治医の意見書、生活支援調査書に基づきケース検討がなされます。そして、その結果に基づきケア計画を民間ケアマネージャーに作成してもらうことになっています。したがって、市民が自立支援事業を知らないため申し込みができなくても、市が必要と判断すればサービスを受けることができるのです。
 自立して老後を送ることのできる区民を一人でもふやしていくために、自立支援事業の拡充と制度の円滑な運営ができるよう努力すべきです。当面、事業内容の実質的な効果あるPRが必要です。具体的な計画をお聞きします。さらに、東久留米市のようなシステムをつくって進めるべきだと思いますが、見解をお聞きします。
 次に、国民健康保険の短期証及び資格証明書の交付についてお尋ねします。
 2001年度から国民健康保険の保険料の滞納者への制裁制度が義務化されたことに伴い、全国の市町村で被保険者証の返還、被保険者資格証明書の交付、医療給付の差し止めなどの問題が頻発するのではないかと危惧されています。1986年の国保法改悪による「制裁」措置導入後、保険料滞納を理由に保険証を取り上げられ、医療を受ける機会を実質的に奪われ、死に至る事例が後を絶ちませんでした。いずれも保険料を払いたくても支払えないで、医者に行けず手遅れとなって死亡したものです。こうした事態に、各地で制裁措置に反対する運動が起きて、その全面的発動を抑えてきました。幸いにして当区では区民の命を優先する国保行政が進められ、そのような最悪の事態は避けられてきました。
 そもそも国保は健康権をすべての人に保障するため国民皆保険制度を支える基盤的な制度であります。健康権とは、「すべての人ができる限り最高の健康を享受する権利」であり、生存権を発展させた20世紀的人権として独自の位置を占めています。既に1948年の世界人権宣言に健康権がうたわれ、1966年の国際人権規約で具体化され、より実効あるものとして、WHO・世界保健機構を初め国際的に健康権保障の活動が展開されています。
 日本では、何よりも憲法第25条1項で「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と保障しています。1979年に日本は国際人権規約を批准していますから、人権としての健康権の根拠は明確であり、その地位は確定しているといってよいでありましょう。
 さらに、憲法第25条2項は、「国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と具体的な施策の展開を国の義務としています。国保は医療保険の一つとして医療保障の中核を占め、社会保障制度の柱となっています。国保法第1条は、明確に「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と高らかにうたっています。これら見ると、国保の保険料滞納者への制裁措置は、憲法の健康権保障や社会保障、医療保障、そして国保法の理念や原理に反しているといわざるを得ません。戦前の1938年に制定された旧国保法が相互扶助を基本とした制度であったのに比べて、現国保法は社会保障の制度であることからして、その財源の45%が国庫負担金で賄われているのであります。相互扶助の制度であれば、加入、脱退も任意のものとなりますから、保険料納付の義務を果たせなくなったときは、保険給付の差し止めなどの不利益処分もやむを得ないといえるでしょう。しかし、国民皆保険のもと現行国保法は強制加入となっていますから、市区町村住民である限り加入し、保険料の納付義務を負うことになります。
 このような国保制度の性格を考えると、保険料が払えないような者には広く減免が適用され、仮に滞納者が出た場合には、滞納に至る事情等が十分に配慮され、それらを踏んだ上で差し押さえ、滞納処分が適用されるべきであります。医療給付の停止、資格証明書の交付による医療内容の切り下げなどの懲罰的な不利益を課する制裁措置の導入は、憲法、国民皆保険、国保法の趣旨に反するものといわざるを得ないのであります。
 さて、現在、中野区では6か月短期証、1年短期証を発行しています。それぞれの発行数は幾つなのか、また発行の基準はどのように定めているのか、お聞きします。さらに、納付期限から1年以上滞納の期限となることし9月には、6か月証交付者の中から資格証を交付できる期限となります。十分に納付する経済力を持ち合わせながら意識的に滞納していることが確認できる不誠実な滞納者はともかく、そうでない支払能力を持たない低所得者に対する対応は、十分過ぎる慎重さと柔軟性をもって当たっていただきたいと思います。
 国保法施行令第1条の4では、資格証明書交付適用除外事項としての「特別の事情」について、災害や盗難、病気などを挙げた上、5号で「前各号に類する事由があったこと」を挙げています。厚生省は2000年11月、全国生活と健康を守る会が交渉を行ったとき「保険料の支払能力も特別事情の対象となり、個々の判断は自治体が行う」と回答をしています。施行令第1条4の1号から4号までに該当せず5号で検討する場合は、厚生省の回答を十分に考慮に入れた対応が求められます。納付相談活動が今進められていますが、十分な事情把握を行い、資格証の適用除外の判断を行うに当たっては柔軟な対応を求めたいと思います。区長の見解をお聞きします。
 地方公務員のサービス残業解決についてをお聞きします。
 不況とリストラが荒れ狂う中で、クビになるより働けさえすればよいという弱気になってしまう労働者の弱みに付け込んで、今やサービス残業が常態化しています。政府の最近の調査では、それが全体の4割にも及んでいます。小泉政権が構造改革の中心的柱として打ち出している不良債権の早期処理は、第1に銀行が債権を放棄して借金棒引きを行う方法で、その代償としてゼネコン、大企業に対して一層大規模なリストラを条件にしています。
 第2の方法は、広範な中小企業が受けている銀行等の融資を不良債権として扱い、膨大な倒産を生み出すやり方です。5月28日の衆議院予算委員会での我が党の金融庁の資料に基づいた試算の20万から30万社が倒産するのではないかという指摘に対して、政府はそれを否定することができませんでした。このことから、不良債権の早期処理は大量の倒産と失業を生み出すだけでなく、さらにサービス残業を拡大するおそれがあります。
 こんな状況だからそこ、法律違反のサービス残業を政府の指導でなくすことの重要性があります。とりわけ地域の中でも大きな事業体の一つである自治体職場できちんと守られなければなりません。
 総務省は、サービス残業の解消に向けた4月6日付厚生労働省の通達、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準についての自治体職場での周知徹底を求める通知を4月27日付で各都道府県総務部長、同人事委員会事務局長などあてに出しました。
 この通達では、現状について「労働時間の把握にかかる自己申告制(労働者が自己の労働時間を自主的に申告することにより労働時間を把握するもの)の不適正な運用に伴い、割増賃金の未払いや過重な長時間労働といった問題が生じているなど、使用者が労働時間を適切に管理していない状況も見られるところである」としています。
 そこで、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置として、通達は始業・終業時刻の確認及び記録を行うため、使用者がみずから現認して確認、記録するか、タイムカードやICカードなどの客観的記録で行うことを求めています。自己申告制をとらざるを得ないときは、労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこととしています。
 区は現在どのような方法で確認し、記録しているのですか。この通達と異なる場合は今後どのようにしようとしているのですか。
 さらに、通達は「労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払い等労働時間にかかる事業場の措置が労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講じること」としています。
 当区では、各職場毎に予算配分し、残業できる時間設定を行って、それを超えて残業した場合には残業と認めないために、職員も配分予算内での申請しか行わないという方法をとっていると聞きます。したがって、この通達に関しては、当区の場合、いずれも違反をしていると私は認識していますが、どうお考えでしょうか。今後どのような措置を講じられる計画ですか。
 サービス残業を行わせることは、労働基準法で違反をした場合には、その使用者は罰金を課せられるという重大な法律違反です。法と通達に基づいた適切な処置が求められると思いますが、見解をお聞きします。
 以上で私の質問を終わります。
     〔区長神山好市登壇〕
区長(神山好市) 池田議員の御質問にお答えいたします。
 まず最初に、切り下げられた福祉をもとに戻すということについてお答えをいたしたいと思います。この中で私の方から、3番目に御質問いただきました経済的給付の重要性、改めて経済的給付の重要性について区長はどう考えているのかということでございます。
 高齢化が進む社会環境、大きく変化をしている今日、区としては、援助を必要としている区民がサービスを利用しながら地域での生活を続けられるように、限られた財源をさまざまなサービス基盤の整備や支援施策の展開、地域で支え合う仕組みづくりなどに振り当てることが必要であるというふうに考えております。経済的給付については、これらの状況を勘案しながら、その必要性を検討して、限定的に対応していくというふうに考えています。
 なお、区の手当の見直し、また法外援助などの削減廃止、こういったことをやったけれども、もとに戻す考えはないのかということでございますが、これら福祉手当や法外援助につきましては、国や都の制度に上乗せをして実施してきておりますが、制度設立当時と比較して社会環境が大きく変化するとともに、他の施策の充実が図られてきたというふうなことから、事業の縮小、あるいは廃止という見直しを行ったものでございますので、そのままもとに戻すという考えはございません。今後、こういった点で新たな対応が必要という場合には、新しい施策として構築をし、展開をしていくべきだろうというふうに考えております。
 他のシルバーパスの制度、あるいは医療費の助成については、担当部長の方からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。
 次に、介護保険の保険料・利用料の軽減、介護保険制度の改善についての御質問でございます。まず区長会として要望するようにと要請したが、その後どう対応したのかということでございます。
 介護保険につきましては、現在、1年間の運営状況、これを分析、整理をしているところでございます。その中で制度をより利用しやすいものにするために都に求めるべき問題、これについての取り組みを整理しているところでございます。また、都が独自に行うことを検討している負担軽減策につきましては、区の新たな財政負担が伴うような場合は、十分に事前協議を行っていくということが必要であるというふうに思っておりますので、区長会等で議論をしたいというふうに考えております。現段階でまだ軽減策について区長会の議題として取り上げて議論をしているという段階ではございませんので、御理解をいただきたいと思います。
 次に、13年度予算に対する付帯意見、区の軽減策を講ずべきと、これについて、いつごろまでに実施をするのかということでございますが、低所得者に対する介護サービス利用料の軽減措置につきましては、これまでの介護サービス利用状況等の分析を行うとともに、区の財政負担や事業効果等を含めて検討をしているところでございます。また、保険料の軽減については、他の所得階層の被保険者へ負担を転嫁するということになるために、ことしの秋に予定しております介護保険事業計画改定の介護保険運営協議会への諮問を行って、低所得者の保険料負担のあり方についても諮問したいと考えているところでございます。
 次に、国民健康保険証の短期証、資格証の発行についての御質問の中で、一体区長はどう見解を持っているのかという御質問にお答えしたいと思います。
 被保険者資格証明書の交付の趣旨というのは、交付事務を通じてできるだけ滞納被保険者と接触をする機会をつくって、早期の保険料納付相談、促進をするということでございますし、保険料の的確な収納確保に努めることにございます。したがって、制度の趣旨を十分に踏まえて滞納事情の把握に努めるなど適切に対応していく考えでございます。施行令1条の4に適用除外事項等がございます。これについては、個別に判断をして結論を出さなければいけない課題であろうというふうに考えております。
 他の質問につきまして、それぞれの担当部長からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕
福祉担当部長(本橋一夫) 私からは、都のシルバーパスに関する御質問と介護保険関係の御質問にお答えをさせていただきます。
 まずシルバーパスについてでございますが、11年度の発行件数は、御紹介のように約2万8,300件でございました。12年10月からパスの交付はバス事業者団体となっておりますので、正確な件数は把握できておりません。シルバーパス制度の改正につきましては、高齢者人口が増大する中で、経費の増大、若年層との負担の公平等の問題を持っていたため、都は制度自体は存続させながら自己負担を導入したものと認識しております。この見直しとともに都はノンステップバスの増加等、新たに高齢者の移動手段の確保等の施策を実施しております。高齢者の社会参加の推進を図っていくということでありますので、区といたしましては、シルバーパスをもとに戻すということで求めていくのではなくて、これら高齢者等の移動手段の充実の取り組みを見守っていきたいと考えているところでございます。
 次に、介護保険制度に関連してのお尋ねでございますが、介護予防・自立支援事業につきましては、事業実績を踏まえ一定の整備を行ったところでございます。しかし、介護予防・自立支援事業の重要性の認識は変わってはおりません。今年度は保健福祉の専門職員による一体的な事業展開により、地域リハビリや痴呆性高齢者対策等に努めているところであります。PRにつきましては、要介護認定結果の通知とともに、介護予防・自立支援事業のチラシを同封したり、保健婦による戸別の電話や訪問による相談など対象者ごとの需要の把握を努めております。また、高齢者福祉サービスをまとめた「銀のしおり」を全高齢者宅に配布しておりますが、今後もPRには努めてまいりたいというふうに考えております。また、自立と認定された人たちへの取り組みといたしましては、ボランティアや民生委員等、地域の保健福祉関係者で構成する地域支援会議などで関連の情報を意見を交換し、対応していきたいと考えております。
 なお、個別の相談につきましては、適宜、保健福祉センター及び三つの保健福祉相談所で受けとめているところでございます。
   〔保健福祉部長浦野純子登壇〕
保健福祉部長(浦野純子) 私からは、都の老人医療費助成制度の廃止、障害者医療費助成、重度障害者福祉手当の制度改正について、もとに戻すよう東京都へ働きかけるべきではないかとの御質問にお答えします。
 これらの制度改正は、都議会における一定の議論を経て決定されたものでございますので、区として都に見直しを要望する考えは現在のところ持っておりません。
 なお、あわせて御質問のございました老人医療費助成制度の対象者数でございますが、平成13年3月時点で9,247人であり、対象人口に対する比率は約56%となっております。
    〔区民部長内田司郎登壇〕
区民部長(内田司郎) 国民健康保険の短期証及び資格証の交付について、残る御質問にお答えいたします。
 国民健康保険法の改正によりまして、平成12年4月以降、保険料が災害など特別な理由がないまま1年以上未納となっている被保険者について、被保険者資格証の交付が義務付けられましたが、お尋ねの短期被保険者証については、そのまま未納が続くと資格証扱いとなるおそれのある被保険者に対し、早期の納期相談に応じていただくことを目的に交付することとしているものでございます。未納の状況に応じて、6か月証については、この1年間の保険料納付が3か月未満の世帯、1年証は3か年以上6か月未満の世帯を対象に交付したところでありますが、本年4月1日の保険証更新時における交付世帯件数は、6か月証が7,595件、1年証が1,781件、合計9,376件となっております。
    〔総務部長沼口昌弘登壇〕
総務部長(沼口昌弘) 労働時間の適正な把握に関する御質問について御答弁申し上げます。
 超過勤務は、原則として管理職が事前に命令することになっておりまして、確認は管理職が超過勤務命令簿や最終退庁届によって行っております。また、緊急であらかじめ命令できない場合は、職員から超過勤務した旨の自己申告によっていますが、これにつきましても適正に申告を行い、所属長の確認を受けるようにしているところでございます。区はこれまで超過勤務時間の節減に努力してきたところでございます。そのねらいとするところは、総労働時間の短縮でございます。したがいまして、超過勤務は限りなく縮減すべきものとの観点から、各課とも仕事の進め方を工夫し、必要な場合に限って超過勤務を命じているところでございます。したがいまして、命じました超過勤務等につきまして手当支給を抑制していることはございません。
     〔池田一雄議員登壇〕
43番(池田一雄) 再質問をさせていただきます。
 まず都が切り下げた福祉をもとに戻すことでありますが、シルバーパス、マル福医療、あるいは重度心身障害者の医療助成の削減、所得制限の強化などの問題については、ぜひ区長がどうお考えになっているかということをお聞きしたいわけです。これはやはり区の福祉行政にも非常に大きな影響を与えているものでありますし、それが一体となって一遍に行われていることでありますので、区の福祉行政にかかる大きな影響がある問題であって、区民の福祉と命にかかわる問題でもありますので、区長として、どうお考えになっているか、福祉の切り捨てをもとに戻すというお気持ちがおありになるのかどうかということで、区長御自身のお考えをお聞きしたいと思います。
 それから介護保険について、利用料・保険料の減免策を都に求めることについては、何かぐずぐず随分区長会はされているという感じですね。もう既に市長会は3月段階で要望書を出しているわけで、介護保険の影響がどう及ぼすかということについては、市も区もそう対して変わりはないわけですから、もう少しさっさとおやりになったらいかがかというふうに思います。どう数字を検討されても、当初予定をされていた利用のぐあいをはるかに下回っているということはもう事実なわけですから、数字を精査されるのは結構ですけれども、やはり政治的な要求としてきちんとされるお気持ちがないのかどうか、お聞きします。
 それから国保の問題ですが、今いただいた答弁では、昨年12月の区民委員会での質疑の速記録を見ましても、ちょっと私は不足な答弁だなというふうに思います。速記録を用意してありますけれども、そのときの答弁はどうなっているかといいますと、「資格証明書とか、そういうものを発行することが本来、目的ではございませんので、そういうことに至らないように、あくまでも、この短期証の発行、あるいは資格証明書の発行につきましては、相談に乗っていただける手段として運用をしていきたい。それで、基本的には、本当に納められない人といいますか、生活保護にも該当はしないんだけれども、実態としては払えない。しかし、その払えない状態というのは、災害とか、そういうものではないけれども、そういう部分はやはり把握して、そういう方たちがすべての方と同じように安心してかかれるような納付の相談関係を維持していく」というふうにお答えになっているわけで、何か5号該当については個別に判断をするというふうにすらっとおっしゃっていますけれども、担当課長の気持ちといいますか、基本方針といいますか、これはもう既に昨年12月の委員会で述べられておりますので、もう一度、この点をお伺いいたします。
 それから介護保険の自立支援についてのことですが、私が質問で申し上げたのは、自立支援についてのPRが足りないということもあるわけですけれども、東久留米市がやっているように区としてケースの検討が必要だということですね。PRが行き届いていないときに、区民みずからが申請をしてくるということは余りないわけですから、せっかく判定まで下して自立という認定をしたようなはっきりした方には、区もきちんと把握できるわけですから、そこで個別にケース検討をしなければ、この予算は来年はまたさらに減らさざるを得ないというふうになってしまうのではないか、実績が低いからということで、そういう危険性が極めてありますので、私はケース検討ができるような体制を年度途中からでも組むべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 それからサービス残業につきましては、残業が縮減できるようにというのは、それは、どちらかといえば行革の課題であって、今度の総務省の通達とは余り直接的な関連はないというふうに思うんですね。総務省の通達では、労働者の出勤時刻、退勤時刻、これをきちんと把握しなさいということを通達で第1に出しているわけですよ。ですから、今どういう状況で区は確認をしているのかという質問をしたわけですけれども、それについての御答弁がありませんので、今後どうするのか、タイムカードを設けるのか、ICカードにするのか、いつごろまでにやるのか、そういうことについてお答えいただきたいと思います。
     〔区長神山好市登壇〕
区長(神山好市) 池田議員の再質問にお答えいたします。
 先ほど切り下げられた福祉を元にもどすということについてのお答えをしたところでございますけれども、その中で、すべての切り下げられたものをもとに戻すということではなくて、切り下げたときにさまざまな関連施策を講じております。東京都でやっている場合も、新しい施策を展開しているということもございますので、こういった点の状況というものも見極めていかなければいけないというふうに思っておりますし、担当部長の方から先ほどもお答えさせていただきました他の新しい施策といいますか、ノンステップバスの増加だとか、新たな高齢者の移動手段のための確保というものはやっている、こういったことについての状況というものも参考にしながら、どうしても必要なものについては、新たな施策として構築すべきであろうというふうに考えておりますので、限定的に対応していくということで、先ほど私はお答えしたつもりでございます。すべてのものをもとに戻すということではなくて、個々に判断をして決めていくべきものであろうというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 また、介護保険について区長会として要望するというのが遅過ぎるということでございますけれども、これについては、中野としてどういう状況にあるのかというようなことも実態として数字をとらえて、これを区長会に上げていくということをやるべきであろうと。ただ、こういう困っている人がいるからというだけで、数字もなくて要望を出していっても説得力のないということにもなりますし、これについては、十分に現在そういった状況把握、分析をしておりますので、これをもとにしながら対応していきたいというふうに考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
 なお、資格証の問題でございます。これも先ほど申し上げましたように、納付相談の促進をするということが主眼でございます。そのために、できるだけ接触を図って、そういった機会をつくっていくということが大事だというふうに思っておりますし、したがって、どういう事項については、こういう扱いをするということをまとめて表現するということは非常に難しいというふうに思っておりますので、納付できない事情というのは、個々によってさまざまだというふうに思いますので、先ほど個々に判断をして決定をすべきだろうというふうに申し上げたところでございます。五つの項目の中で、4項がそれぞれのケースを具体的に挙げております。ただ、これに該当しない、これに類する事情ということで第5項で一括してありますので、これについては非常に一般的な基準ということで示すことが難しいというふうに思います。この点については個々に判断せざるを得ないというふうに思っております。その判断について幅を持たせるということは、ルーズにならないように、できるだけ納付促進を図っていく、効果が上がるようにやっていきたいというふうに思っております。
 他の質問については、所管部長からお答えしますので、よろしくお願いします。
   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕
福祉担当部長(本橋一夫) 介護保険で自立と認定された方々に対する個別のケアプランの作成についての御質問でございます。確かに、そのような個別のプランを作成できれば、それが望ましいこととは存じますが、現在、介護認定を受けた方々のケアプランの作成につきましても、ケアマネージャーはかなり忙殺されているというふうな状況にもあります。そういった中で、自立となった方々に対する個別のケアプランの作成等の体制を確保するというのが一つなかなか難しい問題があるということ、またその経費負担をどうするかといったことについても十分な検討が必要ということで、まだ今の段階では、自立の方々に対する個別ケアプランの作成ということは考えていない状況にございます。
    〔総務部長沼口昌弘登壇〕
総務部長(沼口昌弘) 始業・終業時刻の確認についての再質問でございますが、これにつきましては、現在、出勤簿と退庁届で行っていますが、今後より客観的、総合的な出退勤の管理という観点からICカード等の導入につきましても研究を始めているところでございます。
     〔池田一雄議員登壇〕
43番(池田一雄) 福祉をもとに戻す点ですが、私は、これは区長が政治家としての対応が今、求められているというふうに思うんですよ。何か今の再質問の答弁では、区長が都知事の立場になって答弁をされているような、そんな気もしたんですけれども、そうではなくて、都が大きな福祉を切り捨てているわけですから、その被害を受けているのは中野区民なわけですからね、その中野区民の代表たる区長、政治家・区長としてどう考えるのかということをお聞きしたいんです。
 それと似たようなことで、介護保険の都に対する減免策の要求ですけれども、もう既に去年の4月から始まって、ことしの3月でひと区切りが過ぎているわけですね。それからもう4月、5月ともう2か月もたっているわけですよ。数字を精査するといっても、1か月も2か月もかかってやるようなことではないかと思うんですね。既に、先ほども質問の中で述べましたように、新聞等ではちょうど1年たった時点で、振り返ったさまざまな指摘をやっているわけですから、大きな全国的な介護保険のありようというのはもうわかっているわけですから、それに区の何らかの数字を当てはめて要求をするというようなことは、多摩の市長会のようにすぐにできることではないでしょうか。一体いつをめどにおやりになるつもりなんですか。
 それから国保の問題ですが、個別に判断するというのは、政令第1条4号の立場からいえば個別に判断するのは当たり前のことでありまして、ここの1条の4のところでは、3と同じ文章を適用するわけですけれども、世帯主がその財産につき災害を受け、盗難にかかった、これが1ですね。2号が世帯主、またはその者と生計を一にする親族が病気にかかった、または負傷した。3が世帯主がその事業を廃止し、休止した。4番が世帯主がその事業につき著しい損害、損失を受けた。でも、これに該当しない人たちを5号で前各号に類する事由があったこととして、前各号に類する事由については、常態的な低所得者で保険料が払いたくても払えないという、そういう者も特殊事情として厚生労働省は認めていて、その判断は自治体が行うんだよということを中央はいっているわけですよ。それを個別に判断するというのは、やり方の問題であって、私が求めているのは、個別に判断をするときの姿勢の問題として求めているのでありまして、もう一度、答弁いただきたいと思います。
 それから残業問題でありますが、現在の残業時間の特定はしていないという総務部長の御答弁でしたが、通達においては、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置の中でも、特に労働者側が、現在は、中野区役所の場合は自己申告の形になっているわけですから、労働者が事実に基づいた残業時間の報告ができないような、そういう締めつけをしてはならないということを特に通達の中では強調しているわけですよ。職場の職員の皆さんに聞いてみると、この職場は全体で年、残業時間については幾らというふうに配分があるから、結局、それを突破するようなやつは自己申告もできないというふうに言われるわけですよね。ですから、私は、実際的にはやっぱりやられているのではないか。時間を少なめに抑えるような、正確な自己申告が縛られるような、そういうものが実際にはあるのではないかというふうに思いますが、その点についてもう一度お伺いいたします。
     〔区長神山好市登壇〕
区長(神山好市) 池田議員の再質問にお答えいたします。
 福祉施策をもとに戻すということについては、いつまでにやるつもりなのかということですけれども、これは毎年、区長会として国、あるいは都に対して要望事項というのをまとめています。これは6月から7月、財調協議の行われる時期に向けてそういったことをやっております。その中で、福祉施策について、どういうことということを項目を挙げて要望を出しております。したがって、その中でうたっていない部分について、さらに追加して要望していくというような場合には、それ具体的にどういうデータ、こういう状況ということで示していくということも必要だというふうに思っております。包括的な対応については、これまでも区長会としてまとめてやっております。特に都の福祉施策の見直しについて区長会としても要望したという経緯がございますので、包括的な形での要望ということでは、もう既にやっているということで終わりにされてしまいますので、具体的にそれを示していくということが必要で、そのデータをできるだけ早くとらえて対応したいというふうに考えておるところです。
 なお、国保の資格証の問題ですけれども、これについては、どういうケースをということが、先ほど申し上げましたように、一般的な事項として基準をつくっておくということは極めて難しいというふうに思っています。滞納して納付のできないという、その人の事情というのは、個々にさまざま、一つひとつのケースというものを、そのケースによって判断せざるを得ないというふうに思っておりますので、これは事務的にならざるを得ないというふうに思っております。ただ、これをやるのに、担当者が判断をするということになって、何かよりどころになるものがなければ、ただ面接をして話を聞くだけでということで、なかなか結論が出せなくなる、こういったことについては、それぞれの所管部長を中心に結論を出さざるを得ないというふうに思っていますので、御理解をいただきたいと思います。
    〔総務部長沼口昌弘登壇〕
総務部長(沼口昌弘) 職員の超過勤務時間の関係でございますけれども、やはり超過勤務時間につきましては、職員の健康問題もございます。これを極力減らしていくというのがやはり我々のやっていかなければいけないことだと思っております。そういうことで、各課では仕事の進め方を工夫して超過勤務時間をできるだけ減らしていこうという努力をしております。その上で必要な超過勤務につきましてはきちんとお支払いをしていく、そういう立場でやってございます。
   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕
福祉担当部長(本橋一夫) 介護保険の1年間の運営の整理、分析についてでございますけれども、実は利用率の問題ですが、これが所得段階別で低所得の方々の利用が抑えられているというような状況には必ずしもなっていない、所得段階での相関関係が明確には出てきていないという状況にあります。そういう中で、それだけでは結論付けられませんので、もう少し踏み込んだ分析が必要ということで、その作業をしているところでございます。鋭意まとめに取り組んでおりますので、もうしばらく時間をいただきたいと思います。
議長(斉藤金造) 以上で池田一雄議員の質問は終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後3時07分休憩

      午後3時28分開議
副議長(飯島きんいち) 会議を再開いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 岡 本 いさお
 1 今後の財政見通しについて
 2 介護保険について
  (1)保険料と利用料について
  (2)在宅介護支援事業について
  (3)その他
 3 行政評価システムについて
 4 防災対策について
  (1)災害情報システムについて
  (2)その他
 5 その他
  (1)バリアフリーの調査について
  (2)西武新宿線による交通渋滞対策について
  (3)その他

副議長(飯島きんいち) 岡本いさお議員。
     〔岡本いさお議員登壇〕
15番(岡本いさお) 平成13年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場から区長、並びに理事者の方々に質問をいたします。
 初めに、今後の財政見通しとそれに基づく財政運営について伺います。
 先に市川みのる議員も同様の表題で質問をされています。若干の重複があるかも知れませんが、多少視点に違いがあると思いますので、やらせていただきます。
 平成12年度の決算が確定したようです。先の市川議員の質問に対する答弁にもありましたように、運用金を全額執行せずに、しかも3億円余の実質収支を出したということのようです。
 そこで、改めて伺います。区長は、平成12年度の決算の速報値をごらんになって、中野区の財政は、12年度から、その問題点を克服して回復基調に入ってきたという認識をお持ちなのでしょうか。
 私は、決して中野区の構造的な問題はいまだ解決されていないと考えます。単に収支、歳出の差し引きで3億円の歳計剰余金が出ただけです。今後の決算分析を待たなくては詳細がわかりませんので、これ以上の言及は避けますが、12年度決算を見て区長は中野区財政についてどのような認識をお持ちになっているのでしょうか、お答えください。
 次に、運用金が全額未執行になったことにより、13年度の基金残額に変更が出てきていますが、運用金を基金に繰り戻すことで現在高は幾らになったのでしょうか。特に施設建設基金については、一般会計に繰り入れるときは特定財源になることから、今後の財政需要に柔軟に対応して、基金を財源に財政運用を図ることは、運用金の計上が縛りをかけられた以上、難しいといわざるを得ないと思いますが、財政当局の見解を伺います。
 平成13年度は、補正予算の計上が既に想定されているようですが、どの程度の規模になるのでしょうか、現在段階での見通しをお答えください。
 そこで問題は、この補正予算に対する財源は、12年度からの繰越金3億円の範囲に収まるのかどうか。また、さらに今後の特別区債発行に絡む問題に対処する財源をどうするかという問題があるのではないかということです。
 私は、今後の財源不足問題については、これ以上、区民サービスの低下につながる事業の縮小、休止、廃止などという手法はとるべきではないと考えています。したがって、現在の区の資源を徹底的に活用することで不測の事態に対処するべきだと考えます。柔軟性を欠く財源から今後の財政運営を展望した上で活用が柔軟な財源への転換を図るべきだと思います。
 多くの同僚議員や区民の皆様から御指摘のあった土地開発公社の未利用保有地は、特例起債で対処することになりましたが、今後の起債の方式について、23区の財政担当部局としては、一括償還方式での起債が有力になりつつあると聞いています。そうなると、減債基金への償還財源の積み立てが必要になってきます。そうなると、基金政策についても、行財政5か年計画の考え方の大枠の中で整理が必要になってくるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。財政当局のお考えを伺います。
 私の個人的見解ですが、この際、施設建設基金を廃止して、財調基金と減債基金への積み立て、さらには警察大学校跡地や江古田の森にかかわる基金、学校の耐震補強工事に対応する基金など、特定目的を明確にした基金の設置と年度間財源の調整にかかわる基金とを整合させた基金体系を目指すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。
 行財政5か年計画策定の過程で、同僚の飯島議員は、今後の基金への積み立てについては、条例化を図るなど議会の関与等により、より透明性を高めるべきだと指摘してきましたが、基金への積み立てについては、どのように考えていらっしゃるのか、最後に区長の見解を伺い、この項の質問を終わります。
 次に、介護保険について伺います。
 まず保険料と利用料について質問します。
 私たち公明党中野総支部では、「安心の長寿社会にふさわしい介護保険制度の拡充を」要望する署名活動を行いました。署名の内容は、介護施設の整備、制度上可能な利用料に負担軽減策を検討、制度の枠の中で現行保険料の軽減策の拡充の3項目を求めるものです。短期間でしたが、1万700名を超える署名をいただき、去る5月17日、橋本辰二郎都議会議員、公明党区議団などが神山区長にその要望書を提出しました。
 本年の第1回定例会で同僚高倉議員が「既に介護保険の制度の中にある保険料の軽減策を区もとっているが、申し出が1件もないということついて、私はPRの不足、あるいは仕組みの改善ということが必要ではないか」との質問をしました。これに対して区長は「仕組みの上で問題があるのであれば、直ちにこういったものについては修正をしていくという努力をしなければいけない」と答弁されましたが、このことが署名活動の発端でした。
 その後も同僚のこしみず議員が予算総括質疑でこの問題を取り上げるとともに、利用料についての軽減についても質疑をしてきました。
 保険料については、平成12年2月の中野区保健福祉審議会の追加答申、「介護保険事業計画と関連施策のあり方について」の中で、高齢者にとって医療費など負担が増える状況において、低所得者への何らかの対策が必要ではないかとの意見があったことが報告されています。
 東京都国民健康保険団体連合会が作成した平成12年度上半期の「東京都における介護サービス苦情相談白書」によれば、5,397件の苦情のうち保険料に関するものが1,420件、全体の26.3%に達しています。また、サービス提供、保険給付についての苦情が2,304件あり、そのうち利用者負担への苦情は316件で、サービス提供全体の13.7%になっています。
 介護保険の保険料などの見直しは「3年ごとに行う」となっていますが、この1年間の実施状況を踏まえて、低所得者に対する軽減策の拡充を実施している自治体も増えてきています。千代田区や川崎市などで実施しています。品川区は本年の保険料徴収が本格化する10月から実施する予定です。
 また、利用料を減額している区が11区あります。この中で江戸川区は第1段階の方については、介護サービス全体にわたって利用者負担を3%にする軽減策を行っています。
 そこで伺います。区がとっている介護保険の制度の中にある保険料の軽減策については、申し出は現在ゼロではなくなったのでしょうか。
 区議会は平成13年度の介護保険特別会計予算に「低所得の被保険者の保険料、利用料については、現行制度のもとで何らかの軽減措置を講ずるべきである。」と付帯意見をつけました。区として、区長の答弁のように、「仕組み修正」について、どのような取り組みを検討しているのでしょうか、お答えください。
 平成13年第1回定例会で、同僚高倉議員は「制度を円滑に施行するための対策として国が実施を促進している利用料の負担軽減策には、社会福祉法人が行うホームヘルパーやショートステイ、デイサービス、特別養護老人ホームの利用料負担を10%から5%程度にする軽減もあります。国が呼びかける、こうした利用料の負担軽減策について、中野区で実現が遅れているのはなぜでしょうか。国が呼びかける対策について積極的に取り組むべきではないか」と質問しました。
 それに対して、介護保険担当部長は「社会福祉法人等による利用者負担の軽減措置につきましては、都内では、本年1月末現在、実施している法人はまだないと聞いています。これは軽減措置が法人にとっては財政面とともに事務処理等で新たな負担を伴うことが原因していると考えられます。そこで東京都は、法人の負担軽減を図るため事務処理簡素化の検討を行っており、一定の整理ができた段階で社会福祉法人等に協力要請をすると聞いております。区は区内の社会福祉法人に呼びかけて、本年1月に情報意見交換会を開催いたしましたが、その際、軽減制度についての説明をし、検討もお願いしたところであります」と答弁されております。中野区の社会福祉法人も利用料の軽減策を実施する姿勢は見受けられません。
 5月14日の読売新聞には、東京都が低所得者層の介護保険の利用を促進するため新たな助成制度を導入することの方針を決めたと報道されました。
 その内容は、国の介護保険の助成制度は、対象が社会福祉法人と自治体が運営する事業に限られているのを、都は助成の対象を民間事業者まで広げ、手続も簡素化するとし、今年度中に実施すると発表しました。都内の介護保険サービス事業者は、約5,500団体のうち株式会社などの営利法人、NPO法人は約2,300あり、都では新制度の導入で助成制度によって利用者が大きく増えると見ています。
 都がこの制度を導入するわけですから、当然、区は手続も簡素化され、対象の助成が拡大される制度を利用して利用料の軽減策をおやりになるのは当然だと思いますが、いかがでしょうか。
 また、この制度が実施された場合、民間事業者などに対する助成はどのようになるのでしょうか、伺います。
 次に、今後の制度改定について伺います。
 介護保険法の附則の第5条には「政府は見直しなどの検討に当たって、地方自治体その他の関係者から、当該検討にかかわる事項に関する意見の提出があったときは、当該意見を十分に考慮しなければならない」とあります。
 介護保険の保険者でも事業者でもある区としてのキャリアを生かして、意見を提出すべきではないでしょうか。また、1年余実施してきた上で介護保険制度の課題をどのように把握されているのでしょうか。また、この附則にもあるように、介護1年間のまとめとして報告書をつくるべきではないかと思いますが、区のお考えをお聞かせください。
 次に、在宅介護相談事業について伺います。
 第1号被保険者の保険料が昨年10月から半額徴収になり、さらに今年の10月から全額徴収になりますので、介護保険に関する関心も増え、さまざまな相談が私どもに寄せられています。
 現在、相談は、区役所を初め在宅介護支援センターなどで行っていますが、もっと身近な場所に簡単な問い合わせができるところがあれば、介護保険事業の円滑な運営と区民の利便を図ることができるのではないかと思います。
 介護保険料の振り込みは郵便局から行うようになっていますので、郵便局に介護保険のお知らせや施設や案内の資料を用意してあれば、区民の利便を図ることができると思います。郵便局と協議を行って実施してはどうでしょうか。
 次に、21世紀の福祉ビジョンについて提案を含めて伺います。
 昨年3月に平成12年度改訂版「福祉プラン21」が発表されました。介護保険導入を目線に入れてのプランとしているだけに、9年度の改訂版「福祉プラン」に介護保険関係を整理した内容だけのようになっていると思います。この4月から保健衛生部と福祉部が統合されたことに伴い、福祉プラン21のフォームにこだわらずに、新しい発想で、人生80年といわれる長寿の時代、新世紀にふさわしい福祉ビジョンをつくってはいかがでしょうか、御見解を伺います。
 その他の項で、介護サービスの質の向上について2点伺います。
 まず苦情処理について伺います。
 最近、ケアマネージャーやヘルパーの非行による事件も起こっており、介護サービスの質の問題が改めて話題になっています。この問題に関する質問は、同僚大泉議員が、サービスの質の向上を図ることを目的としてサービス向上委員会を事業者協議会の中に設置することを要望する質問を2回行いました。区側の答弁は「設立を働きかけている。できるだけ早期に実現したい。12年度内を目途に立ち上げたい」という趣旨のものでした。
 そこで、伺います。年度も変わっていますが、その後どのようになっているのでしょうか、伺います。
 これまでの1年以上にわたる区のさまざまな働きかけに対しても、事業者協議会の中にサービス向上委員会を設置することができていない経緯を見ても、この方法での設置は無理ではないかと考えます。そこで、新たに利用者、保険者、事業者の三者からなる構成でサービス向上委員会を設置するようにしてはいかがでしょうか、御見解をお聞かせ願います。
 次に、(仮称)「中野マーク」について伺います。
 同僚高倉議員は、平成12年第1回定例会の予算総括質疑及び第2回定例会で、事業者のサービスの質向上に向けた中野区独自の対応として、(仮称)「中野マーク」を作成し、中野区が考えるサービスの質向上のシステムに参加する事業者に配布すべきだと提案をいたしました。それに対して区の答弁は「現在、介護サービス事業者による協議会の立ち上げの働きかけをしております。事業者協議会の中には、サービス評価や苦情処理を担う第三者機関の設置もしてもらうことを考えている」と述べていますが、それから1年が経過しています。現在どうなっているのでしょうかを伺って、この項の質問を終わります。
 次に、行政評価システムについて伺います。
 初めに、行政評価の目的について伺います。
 行政評価について、区長は施政方針の中で「12年度に試行している行政評価制度を13年度から順次拡大し、評価結果について、バランスシートと合わせて公表することにより区民に対する説明責任を果たしていきたいと思います。今回の改革は職員にとっても環境の大きな変化をもたらすことになりますので、職員の意識改革が重要な課題です」と述べております。
 平成13年3月、行政評価制度検討会、中野区企画部企画課がまとめた行政評価制度の試行報告に、中野区の行政評価の目的が述べられています。「行政評価制度は、指標や目標値を設定して、政策や施策、事務事業の妥当性や成果などを判定して評価することで、内容の見直しや改善につなげていくための仕組みである」、また、導入の目的として、「区の行政サービスを継続的に評価することによって、財源、人材の資源を有効活用するための判断材料とする」としています。
 具体的には、1、施策や事業の目的の明確化、2、成果の管理、3、説明責任の確保、4、マネジメントサイクルの確立、5、職員の意識改革の5点を目指しています。
 そこで、中野区行政評価の目的について伺います。
 行政評価の手法は三十数種あるといわれておりますが、中野区は施策や事業の評価をその事業などの目的や目標を明らかにするために行うとしていますが、あえて事業の改善、重点化を図って効率的な財政運営を行うことを目的とされなかったのは、どのような理由からでしょうか。
 また、行政の自己改革という面から、マネジメントサイクルで計画から実施へ、実施から確認へ、確認から計画へと、いわゆるプラン・ドウ・シーという流れを考えておりますが、むしろ確認のところは、私は評価とし、さらに改善へ、つまり計画から実施へ、実施から評価へ、評価から改善へ、改善からまた計画へ、いわゆるプラン・ドウ・チェック・アクションというサイクルの流れの方が、行政の自己改革を目指すことが明らかなマネジメントサイクルになるとともに、行政評価の目的として述べてある内容の見直しや改善につなげるということにも合致すると思いますが、いかがでしょうか。
 さらに、2の成果の管理では、区民の目線で評価、3の説明責任の確保では、評価結果を公表し、区民の意見を求めてと述べていますが、行政の説明責任を通して区民の目線からもう一歩踏み込んで、区民との協働という立場で区民参加を促すような評価をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 今回、試行的に実施した放置自転車と窓口サービスについて、それぞれ評価の結果が出ています。まず放置自転車対策からわかったこととして「施策の見直しが行われることを期待したい」、また「放置自転車問題に関する区民認識の一層の深化、幅広い論議の展望が望まれる」というものです。
 次に、窓口サービスからわかったこととして、「窓口サービスは区民満足度アンケートにより指標を一部数値化できたことは、今後、行政評価を実施していく上で参考になる」、また「改善につなげる視点を持つ必要がある」等々と述べていますが、区はマネジメントサイクルの確立と言っていますので、次の計画につなげる改善への具体的な取り組みはまとめられたのでしょうか、伺います。
 昨日、6月3日付の中野区報の1面には、放置自転車の撤去費用についての記事が載っておりました。今回の試行した放置自転車の評価についての報告も、改善策も一言も触れられていませんが、試行のための試行、あるいは今後、評価のための評価であったと言われないように、実のある評価をぜひともお願いしたいと思います。
 次に、事前評価について伺います。
 事前評価は、新たに取り組む事務事業であるので、事後の評価とは異なり未確定な要素が多いが、目的や意義、期待される成果などを明らかにする意味で評価をする必要があると思います。区は事前評価についてどのようにお考えになっているのでしょうか、伺います。
 私たち公明党は、13年度の予算要望を区長にする際、行財政5か年計画実施の中で、次の期待される区のありよう、凍結された事業について見直しをして、凍結した事業の計画再評価の実施を13年度中に行うべきだと区長に要望しました。
 凍結された事業計画についての再評価について、区長は所信表明の中で「産業情報センター、上野原スポーツ・学習施設、南部区民ホールについては、手法を定めた上で事業の評価をしたいと考えていますので、まず評価のデータから着手します」と方針を述べています。
 そこで、伺います。この中で「手法を定めた上で」と述べておりますが、定めた手法とはどんなものでしょうか、伺います。
 また、区長が掲げた事業についての評価と説明責任の確保の観点から、その結果について区民へお知らせすることが必要と考えます。それはいつごろになるのでしょうか。また、区長が所信表明で示さなかった他の凍結事業については、どうされるのでしょうか、伺って、この項の質問を終わります。
 次に、防災対策について伺います。
 初めに、災害情報システムについて質問します。
 去る5月14日に同僚飯島議員、こしみず議員、高倉議員と山梨県の情報化施策について視察してきました。防災行政無線の大容量化への規制緩和を機会に、従来、山梨県の各市町村で運用していた防災無線とCATV、インターネットを、防災行政無線網を基幹ネットワークとして山梨コミュニケーションズネットワークを整備した事業です。防災無線容量の上限が、従来は数メガビットから十数メガビットの容量であったのが、規制緩和で200メガビットを超える大容量化が図られ、山梨県として10年度から12年度にかけて、災害情報システムを含め生涯学習のサテライトスクール、デジタル美術館、ミュージアムシアター、遠隔県民行政相談など、各市町村のそれぞれのイントラネットを整備し、県のイントラネットを結んだ地域公共ネットワーク整備事業です。さらに、インターネット、東京都との大容量ネットが構築されています。時代はメガビットネットワークからギガビットネットワークに突入したとの感想を持ちました。
 山梨県の場合、国の「地域イントラネット基盤整備事業」のパイロット事業として実施したものですが、既存の防災無線設備を大幅に変更せずに整備されています。この事業はどこの自治体が実施する場合でも国から3分の1の補助が出ますので、積極的に防災行政無線を基幹網とした情報ネットワークの整備を検討すべきだと思いますが、御見解をお聞かせ願います。
 国の事業の新たな地域イントラネット基盤整備事業を活用して、避難所との防災情報システムを確立する検討をしてはいかがでしょうか。
 そうすれば、中野区の主導で災害情報を避難所となる各学校に伝達や収集ができるとともに、地域センターを初め公共施設間との新しい時代に対応した地域情報ネットワークシステムの構築にも大きな前進が見られると思います。
 また、私は、避難所となっている学校等と防災センターとの災害情報整備の手段として、学校のコンピュータ教室のパソコン転用を5年前の平成8年第3回定例会でも提案してきましたが、遅々として全く進んでいません。5年間に通信技術の大幅な進歩、インターネットの普及、活用など目を見張るほど進展していますが、その後の検討はどのようになっているのでしょうか、伺います。
 私は、平成7年第3回定例会では、防災行政無線やケーブルテレビを活用して防災情報の収集や提供についての質問をしました。当時の地域センター部長は「ケーブルテレビなど新たなメディアを活用した防災情報システムを整備することとしております。現在、情報の収集の仕組みづくりとあわせまして、ケーブルテレビ局との連携によります情報提供のあり方、これは内容も含めてでございますが、CTNと協議を始めたところでございます」と答弁しています。これもまた6年間、全く進んでいないと思います。
 本年3月に改定された中野区テレトピア計画の防災情報システムの項には、「防災センターを中心とした防災情報システムの有効システムを図る。災害警報などの防災情報の提供・伝達に都市型ケーブルテレビやインターネットを活用する云々」と記載されていますが、具体的な方針、システムやスケジュールは全く示されていません。
 現在、災害時にCTNケーブルテレビ画面に区からの指示でテロップが流れるようにはなっています。しかし、災害情報は画像を活用しないと状況が詳しくわかりません。画像の割り込みや災害情報のリアルタイム化への取り組みなどの課題について、CTNとの協議はどうなっているのでしょうか。また、現在どこまで検討が進んでいるのでしょうか、伺います。
 また、中野区は、河川や内水の氾濫による水害に悩まされており、集中豪雨の予報や災害の情報など、区としていつでも新しい情報を提供でき、区民の皆さんが必要な情報を得ることができるようなホームページを持つ必要があると思います。現行の区のホームページでは、随時に災害情報の提供をすることに制約もあるようですので、防災独自のホームページを立ち上げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 その他で2点質問します。
 まず災害弱者の支援について伺います。
 中野区地域防災計画には、災害弱者の支援の項目が追加されるとともに、災害弱者の支援対策として、「防災知識の普及啓発を行うなど災害時における災害弱者の安全確保に努める」とあります。もう少し具体的な支援策をお聞かせ願います。
 また、中野区の新規事業の「支え合いネットワーク構築支援」の中で、災害弱者支援の位置付けはどのようになっているのでしょうか。また、この事業を活用して災害弱者に対してどのような新たな取り組みが図られるのでしょうか、お聞かせください。
 次に、学校耐震補強工事について伺います。
 私たち公明党は、学校耐震補強工事は、財政事情が悪いからといって先延ばしにできるものではないと考えています。平成13年度の予算要望の際、こうした考えを区長に強く申し入れたこともあって、学校の耐震補強工事の予算が計上されたと理解しています。
 13年度の都区財政調整新規算定・改善項目決定の中に、義務教育の耐震補強工事が挙げられました。14年度も都区財政調整項目を目的どおりに使って、引き続き学校耐震補強工事を実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 これでこの項の質問を終わります。
 最後に、その他の項で3点伺います。
 初めに、バリアフリーの調査について伺います。
 私たち公明党区議団は、バリアフリーのまちづくりの調査について、議会でたびたび質問をしてきました。飯島議員が平成11年第2回定例会、12年第1回定例会の予算総括質疑及び第2回定例会、こしみず議員が12年第1回定例会及び同年第4回定例会で質問しました。
 その結果、13年度の早い時期に緊急地域雇用対策特別交付金を活用して福祉のまちづくりの調査を実施することになりました。調査に当たっての要望についても、有機的な機能と利用者の側からの双方から検討を加えて、調査と分析をするべきである。区長は「今後、区内全域を対象にする福祉のまちづくりの実態調査の実施をする予定である」と答弁されました。
 そこで、13年度早々に実施する調査の具体的スケジュールはどうなっているのでしょうか。また、その調査を今後のバリアフリーのまちづくりにどのように生かす計画でしょうか、伺います。
 次に、バリアフリー基本構想の作成について伺います。
 平成12年第2回定例会で飯島議員が「目標時期、重点的に整備する地区、鉄道駅、福祉施設、病院、官公庁等、さらに高齢者・身体障害者等の移動経路にかかわり、バリアフリー化のための事業の概略等を内容とする基本構想の作成に取り組むお考えはあるか」と質問しました。区長は「基本構想の策定については、実態調査を実施し、その結果をもとにして検討していくことにしたい」と明確にバリアフリーの基本構想を作成するための検討をしたいと答弁されています。
 朝日新聞によれば、全国自治体の中で「バリアフリー基本構想」を作成したのは、現在、福岡県福間町だけで、取り組んでいる市が6市、平成14年度までに作成する自治体が383となっています。
 中野区は、既に区長答弁で実態調査の結果をもとに基本構想作成の報告が示されています。改めて「バリアフリー基本構想」の作成について、いつごろまでに策定するお考えなのか、お聞かせ願います。
 そのためには、今回のバリアフリー調査、基本構想策定委員会設置、庁内の幹事会、さらに交通関係機関との協議会、障害者団体や諸団体との意見交換など具体的なスケジュールが必要です。現在、区がお考えになっている基本構想策定までのステップをお聞かせ願って、この項の質問を終わります。
 次に、西武新宿線による交通渋滞について伺います。
 このたび東京都と西武鉄道で構成された西武新宿線検討会が設置されたことが建設委員会で報告されました。設置の目的は、西武新宿線複々線化計画を踏まえつつ、中野通りなどの渋滞解消に向け、道路と鉄道との立体などの実現手法について検討することです。
 神山区長は、平成13年3月30日付で「西武新宿線踏切による渋滞解消について」と題するお願いを石原都知事あてに送付しました。その中で「昨年3月にもお願いしたところですが、西武鉄道に対し、都市計画決定されている複々線化事業の早期再開を強く求めるとともに、西武新宿線の踏切渋滞の解消に向けて積極的、かつ具体的に検討され、あつい区民要望に一日も早くこたえるべき一段の御配慮をいただきたく重ねてお願い申し上げます。なお、検討に当たっては区としてできる限り協力させていただく」と述べております。
 そこで、伺います。突然、設置された検討会について、区長の評価はどのようなものでしょうか。また、一定の結論が出る時期はいつごろになるとお考えでしょうか、伺います。
 また、都知事へのお願いの中で、区長の言う「できる限りの協力」とは、どのようなことを指しているのでしょうか。
 区長は、東京都知事あてに区民の声を要望されましたが、私は、都知事だけではなく西武鉄道に対しても同様に区民の要望を強く申し入れるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、粗大ごみ収集について伺います。
 4月15日号の中野区報には、区民の要望にもこたえて粗大ごみ収集が4月から週1回になったお知らせがありました。また、4、5月は引っ越しなどで申し込みが多いため時間がかかる場合があるとの注意メモもありました。その注意書きどおり現在、かなり時間がかかっているのが実情です。
 粗大ごみの処理時間の短縮ができれば、粗大ごみの収集も予定どおりできるだけでなく、事務の効率化、行革にもなるのではないでしょうか。
 昨年2月、同僚飯島議員、やながわ議員と九州の久留米市で行っているGIS(地理情報システム)を使ったごみの収集について視察してきました。GISを活用した粗大ごみ収集を導入した結果、事務処理時間が大幅に短縮されたそうです。久留米市の報告によれば、処理短縮率で受付業務が98%削減、集積所関係が77%削減、管理者関係が83%削減で、トータルで約80%の時間短縮ができ、さらに時間外勤務が減少、各種帳簿作成費用の削減が図られたそうです。
 久留米市と中野区とでは、地理上や交通事情など諸条件が大きく異なると思いますが、ごみの戸別訪問収集も5月から始まったことでもあり、粗大ごみの受付体制も中野清掃事務所に移行される可能性もあることから、この際、粗大ごみを中心にGISを使った収集体制の研究及び検討をしてはいかがでしょうか。
 御見解を伺って、私の質問を終わります。
     〔区長神山好市登壇〕
区長(神山好市) 岡本議員の御質問にお答えいたします。
 まず最初に、今後の財政見通しについてでございます。
 12年度決算では、景気回復によりまして区市町村税法人分の増収があったということから、財調交付金の追加交付がございました。区民税収入などによって歳入確保と歳出抑制の努力もいたしました。予算で計上していた運用金については使わずに済むという状況になりました。しかし、実質収支はわずか3億円程度にとどまっております。引き続き極めて厳しい財政状況にあるということに変わりはないという認識でございます。景気の先行きはますます不透明にもなってきております。区税や財調交付金についても、増加傾向を維持するという保障はございません。今後も行財政5か年計画に基づく行財政の構造改革を進めて、財政の健全化に向けて一層の努力を払ってまいりたいというふうに考えております。
 次に、基金政策についての御質問でございます。
 景気の後退による歳入減、これに柔軟に対応できる財政運営を実現していくためには、財政調整基金や減債基金に一定の額を積み立てておく必要があるというふうに考えます。また、特定目的基金については、現在、新たな積み立てができない状況でありますが、将来、必要な額は積み立てていかなければならないというふうに思います。区としては、これまでは決算剰余金が生じても、年度途中の補正財源に充てる必要が生じてしまうために、地方財政法7条の規定どおりの措置ができない状況が続いてまいりました。しかし、行財政5か年計画では、決算剰余金の一定部分は基金に積み立てることにしておりますし、今後は決算剰余金のうち基金に積み立てる額をできる限り早い時期に予算に計上するなど明確な形で示していきたいというふうに思います。また、財政状況を見ながら、地方自治法第232条の2但書の規定によります議決による積み立てなどについても検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 なお、基金の残高、補正規模、また特定目的基金の明確化、年度間調整等については、行財政改革担当部長の方からお答えいたしますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、介護保険の保険料と利用料についてでございます。
 この件につきましては、先ほど池田議員の御質問もございましたので、お答えはいたしましたけれども、低所得者の介護サービス利用料の軽減については、現在、財政負担や事業効果等を含め仕組みの検討をしているところでございます。保険料の負担軽減措置については、第1号被保険者間の負担のあり方にかかわる問題でございます。本年秋に予定しております次期の介護保険事業計画の改定の諮問の際に、保険料負担のあり方についても含めて諮問したいというふうに考えているところでございます。
 介護保険の他の質問については、所管部長からお答えいたしますので、よろしくお願い申し上げます。
 私から、もう1点ございます。西武新宿線の渋滞対策についてお答えをさせていただきたいと思います。
 西武新宿線の検討会の設置について区長はどう評価しているのかということですが、これにつきましては、まだ結果、また具体的な動きというものが出ておりませんので、私として評価をするという段階ではございませんけれども、区としましては、昨年の春、複々線化が運輸政策審議会の新たな鉄道計画に位置付けられなかったということを踏まえて、改めて東京都と西武鉄道に対して複々線化の早期実現を求めると同時に、踏切渋滞解消に資する対策の検討を強く要望してきたところでございます。国土交通省の方にも出向きました。このときに審議官からも、今の中野通りの交差、これに関連した都市計画決定等の話もありました。西武線の連続立体などが考えられないのかという話もございました。都市計画決定等もあって急にそれを変更していくということも難しいなというお話もございました。そんな経過がございます。ことしの2月に東京都と西武鉄道に、御質問のように西武新宿線検討会が設置をされたということでございまして、改めて知事に対して中野通りなどの渋滞解消に向けた積極的な検討を要望したところでございます。結論を出す時期については、協議の推移を見て判断をしていかなければならないというふうに思っておりますが、早い時期に具体的な成果が得られることを期待しているところでございます。区としては、検討会での検討状況の情報を得ながら、西武鉄道も含めて、主張すべきことは主張して必要な協力を行っていきたいというふうに考えております。必要なできる限りの協力ということがどういうことかということでございますが、今のところは、これがまだ具体的に出てきておりません。複々線化に当たって地域に説明をした、都市計画決定をするというようなプロセスがございました。こういった区として地元の説明会等で努力をしたという経過がございます。これについての案が出てくれば、それをさらに区民に周知して意見を聞くというようなことで協力をしていかざるを得ないというふうに思っております。
 他の質問につきましては、それぞれ担当部長の方からお答えをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
  〔行財政改革担当部長石神正義登壇〕
行財政改革担当部長(石神正義) 私からは、岡本議員の今後の財政見通しについての質問のうち基金の部分と補正予算の見通しについてお答えさせていただきます。
 13年5月末現在の積立基金現在高は57億2,000万円余でございます。このうち少子化対策基金、介護保険円滑導入基金、介護給付費準備基金、これを除きます活用可能な基金の現在高は45億2,000万円余りでございます。行財政5か年計画では運用金を活用しないという方針を出してございますが、年度間の財源調整に活用できる財政調整基金、これは180万円、減債基金、これは2,220万円近くしかなく、状況の変化に対応した財政運営を行うということについては、極めて厳しい状況にございます。こうした現状を解決していくため、基金全体の見直しと積み立てのルールづくり、こういったところの検討をしていきたいというふうに考えてございます。また、御提案にありましたように、施設建設基金につきましても、御提案の趣旨を含めて早急に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 また、13年度予算の見通しでございますけれども、13年度予算の編成に当たりましては、必要な経費についてはすべて盛り込んだ、こういったつもりでございますが、今年度に入りまして、高齢者に対するインフルエンザ予防接種を内容とする予防接種法の改正、また九中プール事故の賠償金の支払い、こういった動きがございまして、年度途中の補正が必要というふうに考えているところでございます。
   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕
福祉担当部長(本橋一夫) 私からは、介護保険関係の御質問にお答えをさせていただきます。
 まず個別事情に基づく保険料の軽減措置の件数についてでございますが、これまでのところ申請件数は1件でございます。今後も制度のPRに努め、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、低所得者の方々の介護サービス利用に関する都の助成制度についてのお尋ねでございますが、都からの正式な通知はまだ来ておりませんが、都は社会福祉法人による利用料負担軽減の仕組みをもとに、公費負担を拡充しながら民間事業者によるサービスも対象にしていくことについて検討しているところと聞いております。区といたしましては、今後、都の案が示された段階で、保険者や事業者に経済面や事務上の負担が過大な負担とならないように協議をしていきたいと考えております。
 次に、介護保険の1年間の運営の総括についてでございますが、介護制度の充実のためには、サービスの利用率が介護保険事業計画で想定した数値に至っていないのはなぜかなど、運営状況について各保険者が分析、検討をする必要があるというふうに考えております。現在、区では1年間の運営状況のまとめの作業を進めております。それがまとまった段階で概要などを区民の方々にお示ししていきたいと考えております。また、制度の改善、充実に向けて必要なことに関しましては、23区で協議、検討しながら国に提起していきたいと考えております。
 次に、介護保険について身近なところで案内をとのお尋ねでございます。
 これまで区報等へ掲載したり、またパンフレットの配布、区民団体への説明会などのほか、地域の人たちと接する機会の多い交番勤務の警察官や民間金融機関に対しまして、相談窓口や利用方法について説明するなど周知に努めてきたところであります。今後も区民の方々が身近なところで介護保険を初めとしたサービスの情報が用意に手に入れることができるよう、郵便局を初め地域の公共機関等に協力を求めるなど工夫していきたいと考えております。
 次に、介護サービス事業者協議会に関する御質問についてでございます。
 事業者協議会につきましては、これまで介護保険事業者との情報交換会等の機会を利用いたしまして、その必要性を説明するなど、事業者が主体となっての事業者協議会設立について働きかけをしてきたところでございます。今年の2月に行いました事業者に対するアンケートの結果を見ますと、事業者協議会の設立の必要性は認識しつつも、多忙なため設立のかかわりについては消極的な質問が多く寄せられておりました。しかし、その中でも、幹事役をやってもよいというような事業者も幾つかございましたので、意見交換をしながら今後とも設立に向けての取り組みを進めていきたいと考えております。
 サービス向上のための取り組みにつきましては、向上委員会を事業者協議会の中に置くだけが方策とは考えておりません。事業者評価や第三者評価の仕組みについては、さまざまな工夫をしていきたいと考えております。しかし、サービスの事業者による自己評価や苦情への適切な効果的な対応のためには、事業者協議会の役割は大きいと考えておりますので、協議会の設立については引き続き努力をしていきたいと考えております。
 (仮称)中野マークにつきましても、介護サービスを利用される方々が事業者の選択をする際の有効な判断材料となり、また事業者にもサービスの質の向上を促すものとなるよう協議会の中で相談してまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長浦野純子登壇〕
保健福祉部長(浦野純子) 私からは、21世紀にふさわしい保健と福祉の新しいビジョンをつくってはどうかとの御提案にお答えします。
 区では、少子高齢化の進展を背景に区民の保健・福祉ニーズの複雑・多様化した中で、保健福祉審議会の答申を踏まえ、地域での保健、医療、福祉のネットワークづくりの推進、保健と福祉の総合的、一体的なサービスの提供、区民参加による保健福祉の推進などのビジョンを掲げ、本年4月に組織体制を整備したところでございます。これからは、これらビジョンの具体化に向けて取り組んでいきたいと考えております。
   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕
政策経営部長(渡辺征夫) 行政評価システムについてのお尋ね、並びに災害情報システムに関連します御質問にお答えさせていただきます。
 最初に、行政評価システムについてでございますが、大きく3点の御質問だと思っております。
 最初に、行政評価制度の目的でございます。
 区が導入に取り組んでおります行政評価制度は、評価の対象となる施策や事業の内容を明確にして評価を行いまして、その評価の結果を財源や人材などの資源に有効活用していこうとするものでございまして、区が考えております行政評価それ自体が御指摘の事業の重点化や効率的な財政運営の実現を目指すものである、そのように考えているところでございます。
 また、マネジメントサイクルについて、私どもでは、計画、実施、確認ということで目的に掲げているわけでございますが、これにつきましても、御指摘のような改善というような要素も含めてございまして、今後、自己改革を目指す視点を強調していきたい、そのように考えているところでございます。
 さらに、区民参加に関しましても、評価結果に区民から広く御意見をいただきまして、施策や事業の見直し、改善に生かしていく考えでございます。また、事業の改善などにつきましては、区民との協働の視点が欠かせないと考えておりますので、その点を十分に踏まえてまいりたい、そのように考えております。
 さらに、昨年、試行を行ったわけでございますが、その結果をまとめたのか、改善の具体的な取り組みをまとめたのかというお尋ねでございます。
 昨年、試行を行ったわけでございます。これにつきましては、評価自体の仕組みづくりに重点を置きまして、試行対象とした施策について指標や目標値を実験的に設定して行ったものでございますので、試行評価結果はあくまでも参考値として考えております。したがいまして、12年度は試行ということによりまして、評価結果をもとに、直ちに具体的な改善策をまとめるということはしてございません。評価結果を施策事業にどのような手順と方法で反映していくかということにつきましては、今後、大きな課題であると考えておりますので、現在、鋭意検討を進めているところでございます。
 さらに、事前評価について区としてどう考えているのかということでございます。
 行政評価には、事前、あるいは執行途中の中間、事後のすべての時点で行うことが理想である、そのようにいわれているわけでございます。しかし、事前評価を実施する場合には、一つは予測されるコストや成果などのデータを客観的に収集する方法を定める必要があること。また、区といたしましては、行政評価につきまして、原則としてすべての施策や事務事業に適用するように考えておりますので、事前評価まで含めますと評価作業に伴う事務量の増大が見込まれ、いろいろと難しい問題もございますので、当面は事後評価について確立をしていきたい、そのように考えております。
 行政評価システムについての3点目でございますが、凍結事業の評価につきましてのお尋ねがございます。
 区の行財政5か年計画で改めて評価を行うものとした事業につきましては、今年度、導入する行政評価制度とは別に事業ごとに個々に評価をしていきたいと考えております。現在、産業情報センター、上野原スポーツ・学習施設、南部区民ホールにつきまして、どの事業から評価に着手するか、評価の仕組みをどうするのかについて検討しているところでございます。評価手法につきましても、専門家の立場での調査や分析も必要になるのではないかと考えておりまして、現在、データの収集範囲や分析手法についてどのようなものがあるか、他の自治体の事例なども参考に検討しているところでございます。評価に当たりましては、区民の意見をお聞きし、評価の結果をできるだけわかりやすくお示ししたいと考えております。評価時期につきましても、評価手法とあわせまして、どの程度の期間が必要になるか、現在、検討中でございますので、区民の皆様方にお示しする時期については、まだ決めているところではございません。行財政5か年計画で事業を改めて評価することにした凍結事業につきましては、このほかに冒険遊び場と平和資料館が含まれているわけでございますが、これらにつきましても、他の施策との関連や事業着手の可能性を見極めまして適切な時期に評価したいと考えております。
 次に、防災対策のうちの災害情報システムの御質問のうち、国の地域イントラネット基盤整備事業を活用して防災行政無線を基幹網とした地域情報ネットワークの整備を考えたらどうかという御質問でございます。
 地域イントラネット基盤整備事業につきましては、御質問の中で山梨県の事例を御紹介いただきましたが、山梨県では、県内全域に光ファイバーを敷設するコストも考えまして、防災行政無線を基幹回線と位置付けたと聞いております。中野区の場合、地理的条件も異なりますが、一つは区内の地域情報化の基盤としまして都市型CATV網を整備しているといった状況もございますので、現在のところ防災行政無線を基幹網とするということについては考えていないところでございます。
    〔総務部長沼口昌弘登壇〕
総務部長(沼口昌弘) 災害情報システムの残りの点についてお答えいたします。
 災害時にさまざまな災害情報の収集、伝達を行う上でインターネットは大変有効であるというふうに考えてございます。既に活用できる基盤整備は最小限できてございますので、災害時に小・中学校のインターネットを活用できるようにしていきたいと考えてございます。あわせまして、中野区のホームページにある防災ページの充実を図りまして、緊急災害情報の提供など災害時に的確に対応できる工夫をしてまいりたいと思います。
 また、現在、CTNは区の要請によりまして災害情報をテロップとして流していますが、画像情報などよりきめ細かい災害情報の提供につきましては、今後さらにCTNの協力を得られるよう協議を行い、適切な情報提供に向けて努力していきたいと考えてございます。
 なお、中野区テレトピア計画の進行状況につきましては、計画当初に示した内容のうち、防災センターの開設やケーブルテレビでの防災情報提供などの一部については既に実施しておりますが、ただいま申し上げましたような点につきまして引き続き努力してまいりたいと思います。
 次に、中野区地域防災計画におけます災害弱者に関する支援及び「支え合いネットワーク」での位置付けについての御質問でございますが、災害弱者への支援は、地域による取り組みが欠かせないことから防災会の重要な役割の一つと区では考えてございます。このため災害時に救援を希望する方には、区に登録していただき、その名簿を防災会、地域センター、消防、警察に備えまして、災害時には防災会が中心になり連携し、救援にあたる仕組みを推進しています。また、各防災会には、災害弱者の救援、救護を行うため必要な資機材を配備するとともに、災害弱者の防災訓練への積極的な参加の推進を図っております。支え合いネットワークにつきましては、今年度はモデル地域を選定し、具体的な仕組みづくりについて試行を予定していますが、その中で対象者の把握や災害情報の活用などについて検討をしてまいります。
 〔教育委員会事務局次長須﨑英夫登壇〕
教育委員会事務局次長(須﨑英夫) 学校の耐震補強工事につきまして、14年度にも実施すべきではないかとの御質問にお答えをいたします。
 財政状況が厳しい時期ではございますが、児童、生徒の安全を確保する観点から、教育委員会としては14年度についても耐震補強工事を最優先事業として取り組む考えでございます。
   〔都市整備部長宮村光雄登壇〕
都市整備部長(宮村光雄) 私からは、バリアフリー調査についての御質問にお答えいたします。
 まず今年度、実施いたしますバリアフリー実態調査の具体的なスケジュールについてでございますが、今月中に委託先を決定いたしまして、実態調査及び調査結果の解析等を行い、来年3月には取りまとめる予定でございます。
 次に、この調査の活用についてでございますが、この調査は区内の鉄道駅とその周辺、14地区を予定しておりますけれども、その地区内の公共施設及びそれらを結ぶアクセスルートのバリアフリー化の状況を調査するものであり、今後その結果を地域のバリアフリー化に向けた基本構想策定の基礎資料とする考えでございます。
 次に、御質問の交通バリアフリー法の基本構想策定の時期、手順、内容などについてでございますが、今年度の調査結果を踏まえまして、関係者、関係機関等との調整、協議が必要でございますので、今後、十分に検討してまいりたいと考えております。
    〔環境部長正木洋介登壇〕
環境部長(正木洋介) 粗大ごみ収集にGISを使った事務処理をとの御質問にお答えさせていただきます。
 地理情報システム・GISにつきましては、国は平成12年度から大阪、福岡など7府県でGISモデル地区実証実験を進めておりまして、その成果を取りまとめて全国的に普及推進するというふうに聞いてございます。今後、中野区としてGISを導入する際には、お話にありました粗大ごみ収集を含めまして、清掃事業への適用につきましても検討することになるというふうに考えてございます。
     〔岡本いさお議員登壇〕
15番(岡本いさお) 3点にわたって再質問をさせていただきます。
 初めに、行政評価のシステムの中で、事前評価については今のところ対象にしていないというお話でございました。私にとっては残念でありますが、その後、私は、行財政5か年計画の中で、今は凍結されている事業についての計画の再評価をすべきだというふうにしましたら、これは再評価をすると。ただ、事前評価、あるいは区が考えている行政評価の手法にはのっとっていない特別なやり方だとおっしゃっていますが、これも事前評価ではないかと思うんです。したがって、凍結された事業に対し、あるいは計画に対して再評価をする際に、事前評価のあり方についてもしっかり検討をして、今の御答弁ですと対象にしていないということですが、その際に十分に検討をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。これが1点目です。
 それから二つ目は、介護サービスの質の向上で、サービス向上委員会を事業者協議会の中に設置することについては、大泉議員がたびたび質問をして、いつも同じ答弁でした。協議を働きかけている、立ち上げたい、今回も同じ御答弁になってくるのではないかと思いまして、御提案をいたしたのが利用者、保険者、事業者の三者からなる構成でサービス向上委員会を立ち上げるべきではないか、そのことについて御答弁はなかったんですが、一体、本当に事業者協議会の中にサービス向上委員会が立ち上がるんですか。その辺をもう一度、御決意を述べるとともに、私どもの提案に対して、どうお考えになっているのか、お聞かせください。
 三つ目は、バリアフリーの基本構想でございますが、今、御答弁いただきましたけれども、区長は当然、検討するとおっしゃっているんですから、同じように今後、検討してまいりますというのでは、区長の御答弁をただ繰り返しただけでございますから、少なくとも庁内での動き、いろんな自治体で、幹事会と称していますけれども、そういうものを設置するなど、特に外部のいろんな諸団体や障害者等とのお話し合い以前に、区が庁内でそういう検討会のための幹事会みたいなものが設置できるわけですから、そのようなことは、調査の中で13年度ぐらいには立ち上げることができるのではないかと思いますが、もう少し具体的なバリアフリー基本構想作成についてのステップというか、スケジュールについて御答弁を願いたいと思います。
   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕
政策経営部長(渡辺征夫) 再質問にお答えさせていただきます。
 事前評価の件でございますが、先ほどもお答えいたしましたように、私ども事後評価を当面は取り組むということで、昨年、試行したばかりでございますので、事後評価をしっかり、13年、14年、年数を固め、積み上げる形でしっかりとした評価制度を確立したいと考えております。その上で事前評価という段階に至ると考えておりますが、確かに凍結した事業につきまして、行財政5か年計画の中で評価をして、区民の皆様方にその結果をお示しする、そういうことにしてございますので、それ自体については、確かに事前評価の一つだと考えております。したがいまして、私どもは行政評価制度とは別枠で考えているわけでございますが、事前評価に変わりございませんので、そこでとる手法だとか、そういったものについては、今後、事前評価を進める上で大いに参考になると思っておりますので、凍結事業の評価につきまして、しっかりとした形での取り組みをしたいと考えております。
   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕
福祉担当部長(本橋一夫) 介護サービスの質を向上させていくためにも、サービス向上委員会といったものが必要であるということの認識をしております。都段階では、社会福祉協議会の中に向上委員会を設けているということもございます。そんなこともありまして、現在、区では苦情対応について、まず区の担当部局、そして中野区の社会福祉協議会の課長等も含めて検討組織を設けて今、進めているところでもあります。それらも含めてさまざまな形での工夫をしていきたいというふうに思っております。また、現在、1年間の介護保険の運営状況のまとめをしておりますが、それらの整理、そしてまたいろいろと話題になっておりますけれども、利用料負担の問題、これらにつきましても一つの素材といたしまして、事業者ともいろいろと意見交換、協議をしていく場がありますので、そういう中でまた協議会の設立についても話をしていきたいというふうに考えているところでございます。
   〔都市整備部長宮村光雄登壇〕
都市整備部長(宮村光雄) バリアフリーの基本構想に関する再質問にお答えいたします。
 バリアフリーの基本構想策定に向けた具体的な取り組みについての庁内の取り組みはいかがかというふうな御質問だと思いますが、13年度につきましては、現在、調査を発注するための内部のいろいろな調整を行っております。今年度は調査実施をまず第一にということで取り組んできております。そのために庁内に関係課長、いろいろと各課が関係しますので、そういう意味で関係課の連携等は十分にとりながら進めてまいりたいと考えております。具体的な計画策定に向けた本格的な取り組みにつきましては、いずれにしましても調査結果を踏まえて行っていきたいというふうに考えております。
副議長(飯島きんいち) 以上で岡本いさお議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
副議長(飯島きんいち) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後4時41分延会