平成28年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録 1.平成28年(2016年)11月28日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(42名) 1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお 3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一 5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし 7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき 11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久 13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち 15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子 17番 細 野 かよこ 18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり 20番 い さ 哲 郎 21番 佐 野 れいじ 22番 いでい 良 輔 23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明 27番 森 たかゆき 28番 石 坂 わたる 29番 いながき じゅん子 30番 小 杉 一 男 31番 浦 野 さとみ 32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき 34番 大 内 しんご 35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭 37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員 な し 1.出席説明員 中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 川 崎 亨 副 区 長 本 田 武 志 教 育 長 田 辺 裕 子 政 策 室 長 髙 橋 信 一 経 営 室 長 篠 原 文 彦 都市政策推進室長 奈 良 浩 二 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀 行 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹 区民サービス管理部長 白 土 純 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横 山 俊 健康福祉部長 瀬 田 敏 幸 保 健 所 長 寺 西 新 環 境 部 長 戸 辺 眞 都市基盤部長 尾 﨑 孝 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一 経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 小 田 史 子 事務局次長 古 本 正 士 議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希 書 記 大 野 貴 子 書 記 細 川 道 明 書 記 井 田 裕 之 書 記 冨士縄 篤 書 記 田 中 寛 書 記 遠 藤 良 太 書 記 鎌 形 聡 美 書 記 松 丸 晃 大 書 記 香 月 俊 介 書 記 亀 井 久 徳
議事日程(平成28年(2016年)11月28日午後1時開議) 日程第1 第89号議案 平成28年度中野区一般会計補正予算 第90号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 第91号議案 中野区職員定数条例の一部を改正する条例 第92号議案 中野区職員の配偶者同行休業に関する条例の一部を改正する条例 第93号議案 東中野区民活動センター新築工事請負契約 第100号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例 第101号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 第102号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 日程第2 第94号議案 中野区特別区税条例の一部を改正する条例 第95号議案 中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例 日程第3 第96号議案 指定管理者の指定について 日程第4 第97号議案 中野区空家等対策審議会条例 第98号議案 指定管理者の指定について 第99号議案 特別区道路線の認定について 日程第5 議会の委任に基づく専決処分について 追加議事日程 日程第6 第101号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 第102号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
午後1時00分開議 ○議長(北原ともあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 11月25日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 若 林 しげお 1 労働環境の変化を捉えた施策の構築について (1)労働政策の変化が及ぼす区への影響について (2)区の発注事業における労働環境整備について (3)その他 2 区の不妊に対するセーフティネットの構築について (1)区としての妊活支援について (2)妊娠についての相談窓口整備について (3)その他 3 その他
○議長(北原ともあき) 初めに、若林しげお議員。 〔若林しげお議員登壇〕 ○2番(若林しげお) 平成28年第4回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。 質問は、通告のとおり、1番、労働環境の変化を捉えた施策の構築について、2番、区の不妊に対するセーフティネットの構築について、3番、その他はありません。 まずはじめに、労働環境の変化を捉えた施策の構築についてお伺いいたします。 結婚したら女性は仕事をやめるのが当たり前という時代もありました。今は、職場でも、家庭でも、子育てをしながらでも、活躍ができ、キャリアアップが目指せる時代です。我が会派は、環境と能力に応じた平等に評価される「チャレンジできる社会」の実現に向けて進めてまいりました。 その一つとして、政府与党は、現在の配偶者控除が女性の就労拡大を妨げる要因になっているとして、パート主婦が働きやすい環境を整え、就労を促し、女性の就業機会を後押しするため、配偶者控除の見直しについて議論を進めています。いわゆる103万円の壁に対する対策として、配偶者控除を廃止し、共働きなどの働き方を問わず、夫婦なら一定額を控除する夫婦控除の導入を検討してきました。 しかし、これにより増税となる世帯が多く、制度づくりの難航が予想されることから、新たに11月25日に現行の配偶者控除の年収上限を103万円から150万円に引き上げる方針を固めました。年収が150万円を超えても世帯の手取りが急に減らないように、年収201万円までは段階的に控除額を減税対象とする措置もあわせて導入する方針です。 こうした政策によって、国税や地方税収への影響とともに、主婦層であるパート労働者の働き方、具体的には労働時間を収入103万円までに抑えるなどの就労調整のあり方にも変化があらわれると考えられます。 そこでお伺いします。配偶者控除の見直しをすることによって、区民税納税義務者にどのような影響があると予想、分析されていますか。お聞かせください。 また、就労調整のあり方の変化を契機とした、女性の就労における社会進出を後押しすることとして、区はどのような施策を講じるべきと考えますか。お聞かせください。 安倍政権の掲げる働き方改革が進んでいけば、ワーク・ライフ・バランスを備えた労働力の拡充、働き方が変化していくのではないでしょうか。 では、次に、中野区の発注事業における労働環境整備についてお伺いいたします。 中野区では、職員2,000人体制の中、区民サービス向上とコスト削減を目指した事業の委託化など、民間活力の活用を進めてきております。さまざまな窓口業務のほか、キッズプラザ、学童保育、学校給食など、これまで区の職員が行っていた業務について、民間事業者への委託化を図ってきています。 この結果、定数削減による人件費は削減されている一方、物件費等は上昇傾向にあると考えますが、この委託化についての効果はどのように評価されていくのでしょうか、お聞かせください。 次に、区発注契約における予定価格設定の考え方、とりわけ近年の賃上げ政策効果による労働者の賃金上昇トレンドを踏まえた予定価格の設定についてです。 工事請負契約においては、国の調査に基づく労務単価や資材価格に係る東京都の積算単価標準等が公表されていて、それらをもとに客観的に積算することが可能であり、また、受注者に対して受注価格の積算内訳書を提出させることで、区の積算と比較して確認する仕組みがあると聞いております。 一方、業務委託契約等においては、予定価格の積算に当たって、工事請負契約のような客観的な統計データはなく、事業者からの見積もりを参考に予定価格を設定するのが一般的であり、受注価格の詳細を確認する仕組みも不十分ではないかと考えられます。 委託事業は、基本的に労働集約性が高い業務が大半であり、全コストに占める人件費の割合が相対的に高くなる傾向にあると考えられます。そうした意味で、事業者がコストダウンを図るに当たって、人件費を操作することが主になるのではないかと考えられます。 今後も中野区では民間の活力をさらに取り入れていく事業がふえていくと思われます。働く場所がふえ、働く選択肢がふえていくことは大変喜ばしいことだと考えます。しかし、その仕事も魅力あるものでなければ請け負ってくれる民間事業者はありません。 区の積算書を見ると、区が発注した委託事業において多くの契約落差が生じているものをよく見かけます。事業者間での価格競争によるものと考えられますが、その結果として、区は次年度予算において前年度受注額をベースに予算額を設定する、事業者はさらに低い価格で応札し受注することで、さらに契約落差が生じるという傾向が見受けられます。こうした負のスパイラルの価格競争の中、事業者は人件費の削減で対応しているのではないかと不安に感じます。 そこでお伺いします。区発注の委託事業において、人件費が適正に見積もられているのかどうかをどのように確認しているのか、お聞かせください。 また、さきの人事委員会勧告による特別区職員給与が今年度も増加し、3年連続で増加することになっています。政府が賃金上昇を後押しする官製春闘も4年目を迎えようとしています。区発注の委託事業等においても、こうした賃金上昇のトレンドを踏まえた予定価格の設定に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。 経済の再生は、個人消費の拡大が鍵を握っています。眠っている労働力の社会参加を促すとともに、労働者には労働に見合った適正な賃金が支払われる仕組みを実現する。雇用機会の拡大と賃金上昇によって個人消費を喚起し、景気の拡大につなげること。そのための環境整備の一端を区が責任を持って進めていくことが求められていると思います。 そのためにも、生活、仕事、地域活動が中野区内で循環する環境づくりが必要です。区が発注した委託事業や指定管理においてできる限り区内事業者に発注することが理想と考えます。それには、価格面だけではない、事業者の実績や社会性等を総合的に評価する仕組みによる事業者選定が必要となります。 そこでお伺いします。 区内事業者の育成や公共調達の品質の確保を図るため、委託業務や指定管理において、総合評価方式の仕組みを本格的に導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。 区が発注する業務については、区の責任があるわけですから、事業者に任せきりにするのではなく、区として常に管理、監督の責任を果たしていかなければならないはずです。そのために、業務の状況をしっかりと把握し、必要な助言や指導を行っていくことが必要です。 さきの決算特別委員会の総括質疑において、我が会派の篠国昭議員が指定管理施設における労働環境モニタリングの実施について質疑をさせていただきましたが、現行では、区が直接、協定などに基づきヒアリングや現場確認などを行い、業務の適正な履行を確認しているとのことでした。 しかしながら、外部の有識者が第三者の立場から労働環境の実態を客観的に評価し、公表する意義は大きいと考えられます。指定管理事業を中心に労働環境モニタリングを導入し、外部の専門的な知識を活用して、しっかりと評価することが求められています。 区では、労働環境モニタリングについて、どのような見解をお持ちでしょうか。モニタリングの導入に向けて検討を進めるべきと考えますが、改めて区のお考えをお聞かせください。 以上でこの項の質問を終わります。 次に、区の不妊に対するセーフティネットの構築についてお伺いします。 我が国の人口は平成17年に減少局面に入り、その中でも少子高齢化問題は世界でも類を見ないほど急速に進行しており、社会経済や地域社会、まちのあり方に対して大きな影響をもたらすことが懸念されています。 中野区では、65歳以上の人口の占める割合は約21%と全国平均約27%よりも低いものの、平成27年度の合計特殊出生率は0.99とやや上向いてはいるものの、全国平均1.43や東京都平均1.15に比べると低い状況にあります。 中野区の取り組みとして、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)で、妊娠から出産、育児に至る一貫した支援体制が整備され、保護者自身と自覚を持って子育てに励み、安心して充実した子育てのできる環境が整い、出生率が向上している状況を目標としています。 保育施設など子育て環境の整備をはじめ、各種相談支援サービスを展開、乳幼児医療費助成、子ども医療費助成による医療費無料化など、また、トータルケア事業として、すこやか福祉センターにおいて妊娠・出産・子育て期に関する切れ目のない支援を行っていて、妊娠届け出以降の支援には取り組んでいますが、妊娠に至るまでの支援は、平成28年度、若年層向けの妊娠・出産を意識したライフプランを考える講座を新設するとありましたが、まだまだ足りないように思います。子どもが欲しくても妊娠に至らない不妊に対する支援は、国と東京都に任せているようにも思えます。 不妊治療に踏み切る以前の層への支援について、少子高齢化対策調査特別委員会で実施した学習会では、不妊治療を行ったとしても、年齢が上がると効果が得られにくくなり、高度な治療になるほど流産率が高く、また、40歳を超えた年齢層では流産率が50%を超えるということがわかりました。そのため、不妊治療を行うにしても、早期に取り組むことが必要であるとしています。 不妊に悩む方がふえている要因の一つとして、若者のライフサイクルが変化してきており、その結果、晩婚化に伴う出産年齢の上昇があります。 そこで、まずは中野区として、これから結婚や出産を考える若い世代の方々に対し、正しい知識を持ってもらうため、婚活・妊活の支えになる普及啓発が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。 また、早期に治療に取り組むための知識の普及啓発とともに、国や東京都も十分手が届いている状況にない、不妊治療に悩みながらも治療に踏み切れない方に対して、踏み出す一歩を支援するための施策を行っていく必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。 人工授精など高度な不妊治療については、全額自己負担になっていたため経済的に負担が大きく、国や東京都では不妊治療の自己負担分について助成を行っています。 そんな中、東京都の行っている不妊治療助成に上乗せ助成をしている区は、23区中12区が何らかの上乗せ助成をしています。同僚議員からも中野区独自の上乗せ助成を提案してきましたが、残念ながら研究するにとどまっています。とても残念なことです。 国や東京都では、特定不妊治療に対する助成の実施だけでなく、不妊相談専門センターにおける相談支援などを実施しており、平成28年1月には助成額の拡大や男性不妊治療助成の新設をするなど、支援の拡充を図っています。 不妊に悩み、治療すべきかどうか判断に迷っている、あるいは、不妊治療をしているがなかなか効果が出ない、治療のやめどきがわからないなど、不妊に悩む方は多岐にわたり、家族との関係に亀裂が入るなど、深刻な状況もあると聞いています。 東京都が国の補助を受けて開設している「不妊・不育ホットライン」は、毎週火曜日の平日午前10時から午後4時まで、誰でも気軽に相談できる窓口を開設しています。先ほど触れた妊娠しない悩みや治療のやめどきの悩み、また、妊娠するけれども、流産や死産などを繰り返し、結果的に子どもを持つことができない「不育症」の悩みなどを相談できる窓口としていますが、この相談時間では開設時間が短いと感じます。 また、さきの学習会でも養子縁組の話がありましたが、子どもを持つことを望みながらも妊娠に至らない夫婦に対しては、不妊治療のほかの選択肢として、里親制度があります。 甲田議員の質問にもありましたが、里親制度は、家庭での養育が困難、または受けられなくなった子どもたちに、温かい愛情と正しい理解を持った家庭環境のもとで養育を提供する制度です。 国も重要な施策として位置付けているとても大切な制度ですが、里親委託のガイドラインによりますと、一律に里親の年齢の上限は設けていないとしていますが、養子縁組を前提とした里親として、子どもを育てるには、子どもが二十歳に達したときにおおむね65歳以下であることが望ましいとされています。 ということは、40代半ばまで不妊治療を頑張って妊娠に至らず、改めて養子縁組を視野に入れ里親になることを選択しようとしても、年齢的に間に合わなくなる可能性があるということです。 今はインターネット上にさまざまな情報があふれていますが、子どもを持つことを望む夫婦にとって、不妊治療にしても、里親にしても、悩む方一人ひとりに寄り添った本当に必要な情報が届いている状況とは言えません。 そこで、区民にとって最も身近な自治体である中野区において、不妊・不育に悩む心の寄り添い、また、妊活においても、妊娠に至るまでの全ての相談に対し、親身になって支援を行うため、医療機関などと連携し、専門的な相談体制を整えるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 以上で全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 若林議員の御質問にお答えをいたします。 労働環境の変化を捉えた施策の構築について。 そのうち、まず、配偶者控除見直しによる区民税の納税義務者への影響についてであります。政府与党で検討されている配偶者控除の見直しにより、控除対象配偶者の年間所得金額の限度額が引き上げられる場合は、控除対象配偶者の増加に伴い、扶養者の区民税額の減少が見込まれます。一方で、配偶者控除を受けている納税義務者への年収制限が導入される場合、高額所得者の税負担が増加するものと考えております。今回の配偶者控除の改正の前後で、所得税については税収は変わらないようにする税収中立を維持する方向で検討が進められていますが、区民税収入については影響が出る可能性があるため、制度動向を注視していかなければならないと考えております。 女性のための就労支援施策について。女性がライフステージやライフスタイルに合わせて多様な働き方を選択し、生き生きと社会で活躍することは、区が掲げる全員参加型社会の実現のためにも非常に重要であると考えております。女性の就労を支援するために、区は、来年1月に、産業振興センターにおいて、結婚や出産、育児などを機に退職した女性の再就職のためのセミナーを開催いたします。これは東京都の関係窓口である女性しごと応援テラスとの共催で実施するもので、今後、同窓口で行っている女性のための就労相談や職業紹介とも連携し、継続的な支援を行ってまいります。また、雇用者である経営者に対しても、女性の活躍による企業の競争力アップのために、女性人材の活用や労働環境の整備などを学ぶ講座を開催しており、今後も女性の就労支援のためにさまざまな施策を実施してまいります。 区の発注事業における労働環境整備についての中での御質問の一つ、委託化の効果についてであります。区は、区民サービスの向上とコスト削減を目指し、さまざまな業務の委託化など、民間活力の活用を図ってきております。その結果、定数条例上での職員2,000人体制を実現するとともに、人件費は年々減少しております。一方、物件費における委託料は増加傾向にあり、近年の大きな増加要因としては、まちづくり等の業務支援委託やシステムにかかわる委託業務などがあります。さまざまな業務の委託化によりコスト削減や区民サービスの向上に寄与しているものと評価をしているところであります。 委託事業に係る適正な人件費の積算の確認についてであります。委託事業に係る予定価格の設定については、複数の事業者から参考見積書を聴取し、積算をしております。その際に人件費の内訳の記載を義務付けていないことから、人件費の確認はそこではできていないという実情になっています。今後、見積書に人件費の内訳の記載を求めることなどについても検討していきたいと考えております。 賃金上昇の情勢を踏まえた予定価格の設定についてであります。人件費が主な構成となる委託契約に係る予定価格の設定に当たっては、業務ごとの標準人件費などにより適正に見積もりがなされているかどうかチェックする方策を検討してまいりたいと考えております。 委託事業への総合評価方式の適用拡大についてであります。現在もプロポーザル方式の事業者選定や長期継続契約に係る委託業務においては、総合評価方式に準じた価格以外の要素を評価対象とする事業者選定を実施しております。今後、要綱を定めるなど、総合評価方式に適する委託業務について、その適用の範囲の拡大を検討したいと考えております。 労働環境モニタリングについてであります。労働環境モニタリングを実施している区では、指定管理者制度導入施設において、施設職員の労働環境が適正であることを確認するとともに、必要に応じて指定管理者に改善を促すことで、よりよい区民サービスの提供につなげていくことを目的としております。雇用契約や安全衛生、労働時間などについて、外部の有識者に委託して調査を行い、その結果を公表して共有する取り組みでありますが、一定の経費も必要となるため、区としては費用対効果等を見きわめていく必要があると考えております。当面は現行での運用を行っていく考えでありますが、今後、指定管理者制度運用のあり方をさらに検討していく中で、労働環境モニタリングについても、費用対効果や実施方法などについて、他自治体の事例などを参考に研究をしてまいりたいと考えております。 私からは以上です。 〔子ども教育部長横山俊登壇〕 ○子ども教育部長(横山俊) 私からは、不妊に対するセーフティネットの構築のお尋ねにお答えいたします。 まず初めに、婚活・妊活に関する知識の普及啓発についてのお尋ねです。区では、今年度から若年層を対象としました妊娠・出産に関する知識の普及啓発事業を開始したところでございます。こういった妊娠・出産に関する正しい知識を若い人たちに身につけていただき、結婚や妊娠・出産をみずからのライフプランに早い段階から位置付けていただくことが少子化対策としても非常に重要だと考えているところでございます。今後も、医師会など関係機関等とも協力をしながら、知識の普及啓発に努めてまいりたいと考えてございます。 次に、不妊治療に踏み出すための支援についてでございます。不妊治療を受けたいと思いながらも治療に踏み出せない方にとりまして、地域の身近なかかりつけ医などに気軽に相談できることが大切だと考えております。そういった仕組みの構築につきまして、関係機関とも調整しながら検討してまいりたいというふうに思ってございます。 最後に、妊娠についての相談窓口整備についてでございます。現在、すこやか福祉センターでは、区民のさまざまな相談に対しまして保健師等が対応しているところでございますが、不妊治療の相談につきましては、高度に専門的な知識が必要となるため、東京都の窓口を紹介するにとどまっているところでございます。今後、子どもを持つことを望む方の悩みを受けとめ、医療機関とも連携を図りながら、身近な地域で相談支援を行う相談窓口の整備につきまして、関係機関とも連携しながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で、若林しげお議員の質問は終わります。
中野区議会議員 加 藤 たくま 1 体系的で区民にわかりやすい組織のあり方について 2 人権擁護施策について 3 環境施策について 4 受動喫煙防止施策について 5 その他
○議長(北原ともあき) 次に、加藤たくま議員。 〔[1]加藤たくま議員登壇 〕 ○1番(加藤たくま) 平成28年第4回定例会におきまして、自民党の立場から一般質問させていただきます。 3番の環境施策については、すみませんが、今回省略させていただきます。取材に応じてくださった理事者の方、またその関係各位の方々、本当に申しわけございません。 それでは、1番、体系的で区民にわかりやすい組織のあり方について。 近々、目標体系を改訂されるということで、区民にわかりやすく、かつ職員の仕事に対するやる気が湧く組織としていただきたいということで、項目に挙げさせていただきました。 よく行政には民間感覚がないという意見がよく出ますが、民間は利益追求ですし、また民間のCSR(企業の社会的責任)においても結果的には企業が評価されるわけで、民間の考え方をそのまま行政に踏襲することは難しく、時には一部からの執拗な批判などもあるかもしれませんが、可能な限り公共性の担保を確保しながら業務を進めていく必要があります。そして、公共性の担保を維持しながらの富の再配分、施設においては高い安全性などが求められます。また、民間では、能力、努力により、それに対する報酬もあり得ますが、役所にはありません。行政には、売り上げのような金額で成果を出せないため、成果の対価として給料を出すというシステムにはしづらいため、給料を上げるインセンティブがありません。役所は、民間にない特殊な環境であるため、職員がすばらしい仕事をするためには、職員が主体的に業務を行え、業務にやりがいを感じる職場環境、組織体系にする以外ないと私は考えます。 業務のルーチンワークとなる部分は、ICTの技術の進展、職員削減の方針によるアウトソーシングにより、少なくなりました。常勤職員は、高度な判断が必要な業務に専念できる体系となってまいりました。そういった職場環境下で仕事にやりがいを感じるのは、区政改善に資する自分のアイデア、意見が政策立案に大きく関与したときと考えます。しかし、一般的に役所というのは縦割り行政、所掌の壁があり、すぐに壁にぶつかり、思うようにアイデア、意見が通りづらいということがあります。そういった意味では、現在の中野区の体制は、各分野の所掌をグレーにし、網羅的に動ける体制になっており、スピード感が発揮できるシステムであり、職員が使いこなせれば大変すばらしいものになると考えます。しかし、勝ち得た自由ではなく与えられた自由は使いこなすのが難しいように思えます。結果的に所掌がグレーとなったことで、各部署の守備範囲がわからなくなる事例が出てきていると伺っています。守備範囲は網羅的になったものの、公務員という職種柄、給料が変わらない中、自分から積極的に仕事をとりにいく担当者はほとんどいないのかもしれません。そのことから、所掌の壁というものはある程度絶対に必要であると考えます。しかし、各部署との連携がなくならないようにするためには、その所掌の壁は非常に低くする必要があると考えます。 また、大きな新事業の際には、主に政策室企画分野が区役所全体の調整を行い、細部まで指針が整った後に担当者に引き渡す形がとられておりますが、企画分野の方々には、いつも非常に大変な業務をなさっていると思います。しかし、所管分野に業務が引き渡された際には、所管部署の裁量権がほとんどなく、やらされ仕事になっているのではないでしょうか。所管部署の職員らは、自分の専門にもかかわらず、意見をボトムアップする機会がなく、業務が押しつけられていると感じているのではないでしょうか。区の抱える問題に最前線で戦っている所管部署の職員の意見は重要ですし、もし意見が政策に盛り込まれれば、職員はやりがいを感じるでしょう。 ここでポイントは二つです。一つは、所管部署の権限が少なく、仕事に対してやりがいを持ちづらい。二つ目は、所掌の壁がなく動きやすいが、給料が上がらない中でみずから仕事をとって仕事量とミスをふやすのは嫌だというマインドがあるということです。これを解決するためには、所管部署の所掌を明瞭にした上で、企画・政策立案の段階から所管部署の意見がボトムアップされるシステムとする必要があると考えます。 役人の「役」は役者の役と同じ意味だというふうで、その役割が与えられればしっかりとその仕事を演じるといいます。 そこで、今後の組織のあり方について区のお考えをお教えください。 もし所管部署の所掌が明瞭になるのであれば、現行の分野というセクションではなく、課という表記に変わろうかと思います。職員が派遣、視察、勉強会などで交流をする際には、課長級の役職である副参事では外部の方がその副参事というのがどのぐらいの階級であるかということを理解できないため、その名前を課長と名刺に書いたりすることもあると伺っております。住民説明会では課長のほうが区民にわかりやすいでしょう。また、職員としても出世して課長というほうが仕事にやりがいも感じるのではないでしょうか。 業務が事業部にまたがる場合について伺います。 例えば第3回定例会で私が取り上げた樹木管理ですが、区が管理する樹木全てを樹木台帳にリスト化する場合には、都市基盤部の道路・公園管理分野、小中学校、センター等の各施設の担当、環境部地球温暖化対策担当の三つの担当にまたがります。もし三つの分野で何か新しい業務をしようという場合には、どのような過程で業務は進んでいくのでしょうか。現行のルールをお教えください。現行の体制は、事業部内の融通はききますが、事業部を越えるのは困難とお察しします。 今後、地域包括ケアは、各部署の調整が困難と想定されるため、役割にしっかりとした哲学がなければ混乱する可能性もあります。複雑化する行政に対するニーズにおきまして、効率的で、職員のやりがいが出る組織となることを期待しまして、この項の質問を終えます。 それでは、2.人権擁護施策について。 人権擁護の観点から、あらゆる多様性を受け入れる世論の機運が醸成されており、その方向性は間違いなく正しいです。しかし、多様性に対する理解の浸透度合いと政策の進捗の足並みがそろわず、このままでは理解の促進と政策の進展のバランスがとれず、瓦解していくのではないかと危惧しております。 グローバル社会において最たる多様性の理解として進んでいる一つに「人種」があります。国際連盟の1945年と1948年の総会においてそれぞれ採択された「国連憲章」と「世界人権宣言」により、国連は漸次人権の拡大を図り、今では人種、女性、子ども、障害者、少数者、移住労働者、その他脆弱な立場にある人々のための特定の基準を網羅するまでになりました。国際社会では、全ての人に必要最低限な権利を分け隔てなく与えることを理想としました。「I have a dream」のスピーチで知られるマーチン・ルーサー・キング・ジュニアが掲げた黒人解放運動は、アメリカで初めて黒人であるオバマ大統領を誕生させることとなり、人種差別を除外する運動は一定の成果を上げたと言えます。 しかし、ことし、イギリスのEU離脱、フィリピンのドゥテルテ大統領誕生、そしてアメリカのトランプ次期大統領の誕生という選挙結果を残しました。どの選挙もナショナリズムを訴えたほうが勝利しました。それぞれの選挙結果の考察としましては、中間層が自身の生活が向上されていないにもかかわらずマイノリティーの生活のみが向上していると感じ起こった投票行動だったと分析する人もおります。民主主義、政府の方法などに耐えられない方もいるように、マジョリティーが我慢を強いられることも理解しないといけません。そういった感情がネット上などでナショナリズムに形を変えたのであると考えます。これまでに進められた人権擁護の政策も、マジョリティーの我慢の限界によって急にはしごを外すようなことなど、議論が起こるのではないかと危惧しています。しかし、そんなことは絶対にあってはなりません。 では、なぜこのようになってしまったのか。多様性を知識とすることになっても、理解までに至っていないためだと考えます。人権擁護の前進は大いに賛成でありますが、あらゆる事案に対して理解が深まっていなければ、サイレントマジョリティーの意が反映されず、大きな反発を生む可能性があります。時間スケールとしては、次世代に託すぐらいのものが必要なものもあるかもしれません。 当たり前ですが、まずは制度や施設をつくるのではなく、理解の促進が最も重要であるということを原点に立ち戻って考え直す必要があります。国、人種、宗教、男女、貧富、障害、価値観などの差やその有無による苦労を理解し、改めてゼロから考え直すきっかけが与えられたと考えます。 例えば男女共同参画という言葉があり、女性の権利が向上することは今後重要です。男女共同参画と男女平等は異なりますが、それを理解している人は少ないように感じます。男女共同参画社会基本法によりますと、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、ともに責任を担うべき社会としています。しかし、多くの男性は、男性のほうが負担が大きく、不平等と感じる人もいるでしょう。社会的役割は男女平等で、生物的役割は男女──ここには区別というものがあることをしっかり認識しなければ、理解が深まらないのではないでしょうか。人権擁護の理解に対するポイントの一例だと思います。 そこで、区として人権擁護についてどのような御見解をお持ちか、伺います。 ここからはLGBTを含む性的マイノリティーに関して伺います。 理解促進なしの政策推進は、結果的に最悪な事態を発生させかねないということは先ほど言いましたが、今後、ユニバーサルデザインなどで性的マイノリティーを考慮すべきという意見がありますが、例えば多目的トイレであれば、性的マイノリティー専用のトイレをつくるのか、どの観点で何種類つくるべきなのか、そんな議論があるかもしれませんが、性的マイノリティーの方々が求めてはいないようです。トイレ利用がいわゆるカミングアウトになってしまうために設置を断念した自治体もあると伺っています。カミングアウトしたくないという人がたくさんいるというわけです。 諸外国においては、ジェンダーレストイレなどの導入もあり、個室をふやすという方策などもあります。ことし4月に自民党「性的指向・性自認に関する特命委員会」が出した基本方針では、「カムアウトする必要のない社会」をつくることを掲げております。ユニバーサルデザインの中に健常者も利用していい風潮を盛り込むことで、多目的トイレは性的マイノリティーの方々も利用しやすくなっていくと、そういった考えもあるのではないでしょうか。 そこで、LGBTを含めたマイノリティーを考慮したユニバーサルデザインのあり方について、区の御見解をお伺いします。 次に、学校教育に関しまして質問させていただきます。 さまざまな人権教育を教える機会が学校教育にありますが、性的マイノリティーに関しては非常にセンシティブに取り扱うべき内容だと考えております。といいますのは、この性的マイノリティーにおきまして、学術研究では、まだ先天性のあるものなのか後天性のものなのかということが100%明らかになっているわけではありません。自分の性を自覚し切れていない幼少期の段階で性的マイノリティーの教育をすることで、性的マイノリティーになることを助長させる可能性もあるのではないかと考えております。教育としては、性的マイノリティーに関して、どの時期、またタイミング、その内容について教えていくのか非常に難しいと思いますし、そのことに関しましては今後研究していっていただきたいと考えております。 それよりも、性的マイノリティーの方々が言っておられるのは、そういった性的なところに関して違和感がある子どもが逃げ込める場所が欲しいと訴えているということです。トイレと同様、マイノリティーの方々のみだけではなく、誰もがカウンセラーと面会しやすい環境づくりが全てのマイノリティーの救いの場になると考えます。 そこで伺いますが、性的マイノリティーに関する教育環境をどのようにしていくべきか、区の見解をお教えください。 以上でこの項目の質問を終えます。 3番は省略しまして、4番の受動喫煙防止施策について。 前定例会におきまして上程されました受動喫煙等に関する四つの陳情は全て否決されましたが、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、国や東京都が受動喫煙防止に関して法制化することから、それに伴う、特に飲食店に関する懸案事項に対して、中野区独自で検討、準備していく必要があります。 2004年に、ブータンは、宗教的な観点から、たばこの販売禁止及び完全喫煙になっている世界で唯一の国であります。スターバックス日本1号店は、徐々に喫煙スペースを減らし、完全禁煙に成功しました。世界的な禁煙ムードを受けてか、日本国内のマクドナルドは店内全面禁煙にしました。しかし、マクドナルドは、食の安全に関するトラブルもありましたが、全面禁煙にしたここ2年間で上場してから初の経常赤字になってしまいました。マクドナルドの独自調査で、ファストフード店に行く目的として、50%近くが喫煙だったという事実は売り上げ低下を免れない事実であります。 このような事実の中、飲食店がインセンティブもなしに禁煙に踏み込むことは困難です。諸外国では、たばこの値段が高騰することがあっても、完全禁煙にはなっていません。日本国においても、国全体の完全禁煙を選択することはまずないでしょう。しかし、受動喫煙防止は必ずしなければならず、結論としては分煙しかありません。 国際オリンピック委員会と世界保健機構は、2010年から「たばこのない五輪」を推進しており、今後、国もしくは東京都がつくる条例は、近年のオリンピック・パラリンピック開催国を参考とすることが想定されます。2010年ロンドンのイギリス、2016年リオデジャネイロのブラジルは、法律でレストランやバーなどを含めた公共における屋内は全面禁煙とし、罰則もありました。現在では50カ国近くが屋内全面禁煙としております。そして、諸外国の多くでは、屋内禁煙ですが、屋外喫煙が可能であるなど、まるで日本とは逆のルールにもなっているようでもあります。 現段階の厚生労働省の検討結果を見ますと、新しい制度の考え方として、公共施設の建物内の完全禁煙、飲食店は原則建物内禁煙もしくは喫煙室設置による分煙をすることとしております。東京都が推進しているルールは、各店舗に喫煙、禁煙、ランチタイムなどの時間帯禁煙、分煙など、そのお店の喫煙の対応を店頭表示用ステッカーで喫煙の可否を示してもらい、店舗に入り、無駄な受動喫煙を避けることを推進しております。 今後、受動喫煙防止の義務付けが想定されますが、東京の実態調査で4割が対策をしていない上、そのうち6割、つまり全体の4分の1程度が今後も何の対策もする予定がないと回答しております。これからオリンピック・パラリンピックに向けた新たな制度ができる中で、受動喫煙防止や分煙に対する国民の全体の理解が進んでおりません。 今後できる制度に対応した対策がとれるよう検討、準備する必要があります。ポイントは、屋内で完全禁煙のみではなく、分煙、喫煙を選択できるのか、屋内の喫煙所の設置は可能かどうかということです。罰金、営業停止、店名公表などの罰則が出てくるかもしれません。分煙で営業可能だとしても、多くの中野の飲食店で分煙設備を入れるスペースはないです。狭い店が多く、入れられないでしょう。もし建物内完全禁煙のみしか許されないのであれば、その店舗周辺における屋外の喫煙所の設置ができるのかどうか、また、それはその地域商店街の重要な問題となってきます。 おのおのの店舗の判断で喫煙、禁煙を選択できるのであれば、ある駅の南口周辺は禁煙の店だけ、ある駅の北口周辺は喫煙の店だけにするなど、地域ごとに色をつけることで売り上げが上がる商機もあるかもしれません。何も対策しないことで喫煙可能なホームパーティー、家で飲むことが本当に盛んになってしまえば、飲食店のダメージははかり知れません。どんな制度でもピンチをチャンスにできるように、地域全体で方向性を考えるべき状況になっています。 そこで、区には、まず、今後どんな制度になるかわからないものの、個々の店舗にとっては営業にかかわる大きな変化があることを徹底的に各店舗に周知していくべきだと考えますが、区としてはどのように考えられておられるか、伺います。 また、その変化は個々の店舗では対応できない可能性がありますが、制度が決まるまで待つのではなく、中野区において喫煙、禁煙いずれかに踏み切った店舗の経営がどのように変化するのか研究したり、商店街連合会、たばこ組合や飲食店の経営コンサルタントなどの知見や意見を参考にするなど、制度が施行されたときに区内飲食店が混乱しないように、中野区の地域性を考慮したアドバイスができる体制を整えるべきと考えますが、区としてはどのようにお考えか、伺います。 また、アドバイスだけではなく、店舗の改装費用の助成なども検討する必要があると考えますが、区としてはどのようにお考えか、伺います。 以上で私の全ての質問を終えます。御清聴ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 加藤議員の御質問にお答えいたします。 体系的で区民にわかりやすい組織のあり方についてということで御質問がありました。 今後の組織のあり方ということでの御質問から入ります。区の職員、成果を上げても給料の上がり方が変わらないというわけではありません。昇給にも幾つかの段階がありまして、成果に応じた給与の処遇といったようなこともある程度考えられております。また、級格付けなどの際には成果や、あるいはその人間の持っている資質、そういったようなものを考慮しながら動機づけをしていくというようなことも考えているところであります。組織の中で仕事をしていく、成果を上げるということと、それが認められて一定の処遇につながっていく、このことはやはり不可分のことなんだろうと考えております。そうしたことも全体の構成要素の中にあるということを踏まえた上での答弁になります。区としましては、課題を効率的、効果的に解決するために、各部が予算、人員、施設等の経営資源を最大限に活用し、事業を進める事業部制を採用しております。区民にとってより価値の高いサービスを提供するために、現場起点の取り組みが必要であり、今後ともボトムアップ型で柔軟かつ迅速に区政目標の達成が図られる、そうした組織運営を行ってまいりたい、こう考えております。 事業部間での調整についてということです。複数の事業部にまたがる課題については、それぞれの事業部の区政目標の達成という観点から、協力、連携をして取り組みを進めることになります。この際、新たな取り組みに主にどのような区政目標の達成を目指すのかということを基準に、当該区政目標を担う部門が中心となり、各部の調整を行っていくこととなっております。すなわち、どの部、分野においても、区全体の調整を行いながら、みずからの職務における目標を達成していくと、そういった役割を帯びているということであります。そういった調整を行いながら仕事を進めていく中ですが、事業の内容が具体的になるまでの間、進行管理などを企画担当が調整をして進めているといったようなことでもあります。 次に、人権擁護施策についてであります。 人権擁護について、一人ひとりの権利が守られ、あらゆる差別を許さない地域社会を形成するためには、区は、個人や社会の多様性を理解し、相互に尊重し合い、誰もがみずからの個性や特徴、年齢、性別、思想信条、社会的少数派であることなどによって障壁を感じることなく活動ができるユニバーサルデザインのまちづくりを進めることとしております。こうした考えから、家庭、学校、職場、地域など身近なところでの啓発活動を行い、多様性の理解促進を進めているところであります。 ユニバーサルデザインについて。ユニバーサルデザインの取り組みについては、誰もが自由に社会参加が進むまちの実現を目指し、まちのインフラや制度を誰もが使いやすいように設計していくことを目的とするものであります。区としては、マジョリティーやマイノリティーとして捉えるのではなく、さまざまな人々の相互理解を図りながら取り組みを進めていくものと考えております。今後、ユニバーサルデザインの審議会の答申を踏まえながら、その取り組みを進めていきたいと考えております。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 人権擁護施策のうち、性的マイノリティーに関する教育環境についての御質問にお答えをいたします。性同一性障害も含む性的マイノリティーについては、児童生徒の実情や発達段階を踏まえて、人権教育の中で指導していく必要があると認識をしてございます。児童生徒に対しましては、児童生徒の信条に寄り添い共感することから対応を進め、誰もが性的マイノリティーについても相談しやすい校内環境をつくってまいります。また、校内の支援体制につきましても、組織的な対応が図られるよう整えるとともに、関係機関との連携も図れるようにしてまいります。 〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕 ○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、受動喫煙防止対策の御質問にお答えをいたします。 まず、受動喫煙防止対策における新たな制度の導入の動きなど、広く区民に理解を得るための周知、情報提供についてのお尋ねでございました。ことし10月に厚生労働省が公表した「受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)」では、新たな制度の考え方として、飲食店等のサービス業につきましては、原則建物内禁煙とした上で、喫煙室設置は可能としてございます。こうした受動喫煙防止対策の強化が区内飲食店に与える影響は大変大きいものと考えてございます。今後、国や東京都の動向などを注視しながら、受動喫煙防止への理解が進むよう情報提供等に取り組む考えでございます。 次に、受動喫煙防止対策強化に対応するための飲食店等へのアドバイス支援、さらに店舗改装費用の助成などの検討をすべきといった御質問でございました。国は、職場での受動喫煙防止対策に取り組む中小企業事業主のために、対策経費の一部を支援する受動喫煙防止対策助成金の活用を進め、専門家による相談支援を行っております。また、東京都は、外国人旅行者の受け入れに向けた宿泊、飲食施設の分煙環境整備補助金を交付するとともに、日本たばこ産業株式会社と協定を締結いたしまして、分煙コンサルタントの派遣を行っております。区といたしましては、こうした制度について情報提供を行うとともに、今後、国や東京都の動向、また区内飲食店や関係団体の状況等を把握しながら、必要な支援についても検討を行ってまいります。 ○議長(北原ともあき) 以上で、加藤たくま議員の質問は終わります。
中野区議会議員 むとう 有 子 1 「障がい」の表記について 2 区立小中学校施設整備計画について 3 堀江敬老館について 4 その他
○議長(北原ともあき) 次に、むとう有子議員。 〔むとう有子議員登壇〕 ○40番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質問をいたします。 「障がい者」の表記についてお尋ねをいたします。 7月26日未明に発生した神奈川県相模原市の障害者施設での殺傷事件は、日本の犯罪史上まれに見る被害の大きさでした。犯人は、逮捕時に「障害者がいなくなればいいと思った」と話し、日本中を震撼させました。この事件をきっかけに障害者の人権問題が改めてクローズアップされています。 障害者の「害」という通常使用されている漢字には、「妨げになる」「邪魔になる」など悪い影響という意味があり、文字の印象の悪さやマイナス的なイメージにより、差別感や不快感を感じる人がふえております。受けとめ方はさまざまあるかとは思いますが、人権尊重の観点から、漢字の「害」を平仮名表記に改める自治体が年々ふえてきています。23区では、板橋区が2006年から、荒川区が2007年から、大田区と足立区が2009年から平仮名表記に変更をしています。私も以前から平仮名で表記をしていましたが、中野区においても可能な範囲から平仮名表記に改めてはいかがでしょうか、お答えください。 障害者に対する差別意識解消へのささやかな一歩になるよう、平仮名表記を求めます。 次に、伊藤正信議員の質疑と重複する部分がありますが、区立小中学校施設整備計画についてお尋ねいたします。 2014年10月に改修を前提とした小中学校施設整備計画が策定されましたが、わずか1年で大規模改修と位置付けている学校は原則改築とするとの方針変更がなされました。それから1年が経過しましたが、方針変更に伴う小中学校施設整備計画の改定がなされていません。早急に改定するべきではないでしょうか、お答えください。 登下校時における交通事故による死亡や、先日区内で発生した二中生徒や本郷小児童への暴行事件など、通学路の安全確保は重大な課題です。また、5、6年先のことですが、本郷小学校の改築時は廃校となる向台小学校が仮校舎になるということで、あまりにも離れているため、今から通学路の安全確保を心配する声が届いております。 もしも改定がなされるのであれば、その中でボランティアに頼るだけではない通学路の安全確保策も明らかにするよう求めます。お答えください。 同様に、桃園第二小学校の改築時も廃校となる上高田小学校が仮校舎になるということですが、これもあまりにも離れています。地域の皆様からは、桃二小に隣接しているマンション2棟が空き家となっており、その土地を区が購入し、そこに新校舎を建設してほしいとの要望が2年前からさまざまな機会に区に届けられています。しかし、区は真剣な調査検討をしてはくれませんでした。 御存じのように、桃二小は体育館とプールが道路で分断されています。さらに、隣接する昭和区民活動センターの改築問題もあります。もしもその土地を購入できれば、道路での分断が解消でき、学校と区民活動センターの合築ができる十分な用地となる可能性があります。その土地には新たなマンションが建設される予定のようですが、今のところ表向きには進んでいないため、地域の皆様から学校用地としての購入要望が再燃しています。区は、やっと重い腰を上げ、所有会社に接触されたようですが、購入したいとの意思決定をした上で所有会社に積極的に交渉するべきです。 絶好のチャンスですので、今度こそ購入に向け真剣な検討と交渉を求めます。区の見解をお答えください。 次に、堀江敬老館についてお尋ねいたします。 堀江敬老館は、中野二丁目地区再開発に伴い、壊して公園にする予定です。そのため、来年3月に閉館され、4月には、区が寄附を受けた中野三丁目にある民家を活用し、高齢者会館機能の継続を図る予定でした。その寄贈物件の改修のための設計と工事費として、今年度、2,548万5,000円が予算化されています。しかし、中野二丁目地区再開発事業のおくれに伴い、どうやら堀江敬老館の閉鎖が1年先送りになるらしい、寄贈物件が使えないらしい、移転先が桃園区民活動センターになるらしいなどのうわさが流れ、利用する区民の皆様が不安を抱いています。 先日の内川議員の質疑において、寄贈物件について、「バリアフリー化など幾つか制約要素が明らかになった。物件の活用方法はさらに検討を深める。年明けまでに利用者に説明する」との御答弁がありました。重複するので質問はいたしませんが、私からも、憶測が憶測を呼び不安を抱く利用者に一日も早い説明会の開催を要望いたします。 さて、予算化された寄贈物件の改修工事費のうち、設計に着手した段階で制約要素が明らかになったのではないかと推測いたしますが、予算額のうち何に幾らを要した段階なのか、明らかになった幾つかの制約要素とはバリアフリー以外に何があるのか、お答えください。 これまで中野区では不動産の寄附を受ける際の基準がなく、その都度検討し、受領しています。亡くなった方からの遺言で土地建物の寄附があり、売却し、現金化したことはあったようですが、建物つきの土地の受領はまれなことのようです。この中野三丁目の寄贈物件は築40年ですが、建物を含め公有財産としての活用を見込んでの受領であったと推測いたします。建物寄附契約書には、「でき得る限り、建物等を現状で残すこと」との記載があり、寄附者の思いが込められているように思えます。 ところが、ある雑誌で、この寄贈物件について、鉄筋コンクリートづくりの本体に建築確認済み証を受けていない木造の増築があり、その部分が違法建築に当たり、使用できないスペースがあるとの内容が記事になりました。その記事の信憑性はわかりませんが、これを読んだ区民の方々がさらなる不安を抱いております。 当然のことながら、寄附の申し出があった時点で公有財産としての公益価値を念頭に置き、土地については面積や道路づけなど立地条件を考慮し、建物については、「建物を現状で残してほしい」との寄附者の思いを受けとめ、公共施設としての使用の可能性を考慮し、受領を決めたものと推測いたします。 その際、建物について、建築物の合法性や図面の確認、耐震性、アスベストの使用の有無など、どのような調査を行った上で受領の判断をしたのか。お答えください。 中野三丁目の寄贈物件には、建築確認済み証を受けていない木造の増築があるのでしょうか。そして、その部分は違法建築に当たるのでしょうか。お答えください。 不動産の寄贈に際しては、寄附者の思いを生かせるよう、慎重な調査検討を行った上での受領となるよう求めます。 その他で1点、決算総括質疑でお尋ねいたしました生活保護受給者への訪問調査についてお尋ねをいたします。 地区担当ケースワーカーによる訪問調査活動は、保護受給者の生活状況の把握と自立指導援助を行う上で不可欠です。 中野区は、必要に応じて訪問類型を定め、実施しています。類型ごとの訪問実施率をお尋ねしたところ、毎月訪問のA類型は14.9%、2カ月に1回訪問のBは33.6%、4カ月に1回の訪問のCは60.2%、6カ月に1回訪問のDは84.6%、1年に1回訪問のEは74.6%との御答弁でした。必要な実施回数が多いものほど実施率が低いのは大きな問題です。 なぜみずから決めた訪問類型ごとの訪問ができていないのでしょうか。その原因と改善策についてお答えください。 簡潔明瞭な答弁を求め、以上で質問を終わります。ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) むとう議員の御質問にお答えいたします。 「障がい」という字の表記についての御質問であります。障害の「害」という字を平仮名表記にするべきではないかと、こういったことであります。漢字であっても平仮名であっても言葉の意味は変わりません。区の業務は法令等に基づき実施するものであり、現時点では平仮名表記に変更することは考えておりません。 それから、その他の項で、生活保護業務における訪問実施についての御質問がありました。ケースワーカーの訪問実施についてであります。訪問頻度につきましては、国の定める年2回実施の基準よりも細分化をして、区としての処遇方針とそれに応じた基準として、よりきめ細かく設定をしているところです。訪問調査につきましては、ケースワーカーが被保護者の自宅に赴き、直接対面をして生活状況や療養状況の把握、就労状況の確認などを行って、自立に向けた助言、指導を実施した時点で訪問実績としております。A、B類型の世帯については、処遇困難な面から、自宅を訪問しても訪問実績にカウントできないことが多いという状況であります。このため、訪問実施率が低い数値となっているということであります。今後とも、個々の状況に応じて処遇方針を適宜見直し、適切な処遇実施に努めてまいります。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 区立小中学校施設整備計画についての御質問にお答えいたします。 初めに、計画の見直しについてです。既に学校施設の大規模改修から改築への変更は平成27年度に決定をし、議会への報告や区民への周知も済んでいるところでございまして、改定する必要はないと考えてございます。 続きまして、仮校舎へ通う通学路の安全確保についてです。通学路の指定については、通学路指定の基準に基づき学校長が指定しており、仮校舎の通学路についてもこの基準にのっとって指定をすることになります。また、通学路の安全対策については、中野区交通安全プログラムについて、安全点検や必要な設備等の設置を行うなど、安全確保に努めることとしてございます。したがいまして、安全確保策を中野区立小中学校施設整備計画に盛り込む考えはございません。 学校用地としての敷地の購入についての御質問がございました。桃園第二小学校北側の敷地につきましては、御質問にもございましたが、既に民間事業者に売却されたと聞いてございます。 〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕 ○地域支えあい推進室長(野村建樹) 堀江敬老館についての御質問にお答えをいたします。 まず、堀江敬老館廃止後の施設の改修についてというところで、執行予算はお幾らかというような御質問がございました。耐震診断等を含みます設計委託といたしまして、執行額はおおむね200万円というところになってございます。 また、その中で制約要素としてどんなことがということでございますが、道路面から玄関先までの高低差、これの解消方法がどういうふうに持つことができるのかといった点、それから、一部、木造部分でございますけど、こちらは準防火地域にございます。これの防火性能の確認方法、こういったことも制約要素として明らかになっているというものでございます。 〔経営室長篠原文彦登壇〕 ○経営室長(篠原文彦) 堀江敬老館の質問に関連いたしまして、中野三丁目の寄附物件の受領手続についてお答えをいたします。寄附物件受領に当たりましては、権利関係のほか、立地調査や既存の設計図書によりまして、建物の構造等について、基本調査を踏まえ、実施をしてございます。また、受領した物件につきましては、現状のまま活用することは困難であり、何らか改良や除却等をした上で活用することを想定してございます。 なお、増築部分につきましては、建築確認を受けていないことを確認しております。 ○議長(北原ともあき) 以上で、むとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 近 藤 さえ子 1 地域包括ケアシステムについて 2 人権尊重・命の教育について 3 その他
○議長(北原ともあき) 次に、近藤さえ子議員。 〔近藤さえ子議員登壇〕 ○39番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。 地域包括ケアシステムについて伺います。 日本社会は、急速に進む高齢化に伴い、高齢者のみの世帯の増加、高齢者を抱える家族の負担、認知症高齢者の増加など、深刻な状況です。また、社会保障の財源の問題、地域の担い手不足など、多くの問題を抱え、今後、社会全体がこの高齢化社会にどのように取り組んでいくのかが大きな課題となっております。 2025年(平成37年)には、団塊の世代約800万人が75歳以上の後期高齢者になることが予想されるため、国は、2025年をめどに、高齢者が尊厳を保ちながら、重度な要介護状態になっても可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、地域の包括的な支援・サービス提供体制構築を推進しています。 この地域包括ケアシステムでは、1、医療、2、介護、3、予防、4、住まい、5、生活支援が日常生活の場で一体に提供されることを目指し、各自治体が自主性や主体性の特徴に応じつくり上げていくことが必要とされ、まさに自治体独自の取組みの力が試されています。 区では、10月に「(仮称)中野区地域包括ケアシステム推進プラン(案)」が議会に示されました。 この推進プラン(案)によれば、地域包括ケアシステムの取組みの柱の1番に「本人の選択/権利擁護」が掲げられ、次のように書かれています。権利擁護の仕組みに守られる区民として、高齢者や障害者、子育て世帯などの全ての人が尊重され、地域で支え合いながら安心して暮らせるまちづくりを区内団体と協力して進めていきます。そのために、高齢者、障害者、子ども、女性、外国人、犯罪被害者等権利を侵害されている状況を知り、その権利について啓発、成年後見制度の普及啓発などを行っていくことが示されています。 区では、地域包括ケアシステムの実現に向けた取組みの第1番目に本人の選択/権利擁護をうたっています。その理由、その意義をお聞かせください。 また、推進プラン(案)の柱の2番目に「地域の見守り支えあい」が示されています。今後ますます超高齢化が進む中、活動の要となる町会・自治会、民生・児童委員等は、団体自体の高齢化も進み、現在、既に取り組まなくてはならない仕事量も多い状態です。 国は、システム構築に当たり、「自助」「共助」「公助」「互助」を柱とすることを明記しています。介護保険・医療保険、民間サービス等の自己負担、家族対応による自助、介護保険・医療保険制度による給付の共助、介護保険・医療保険の公的部分や自治体が提供するサービスなどの公助、そして自治体、住民、ボランティアなどの互助の強化が必要であり、特に都市部ではこの互助を意識的につくっていかなくてはならないと言っています。 区では、地域の実態、支援を必要とする区民を把握し、健康づくりからケアまで一貫した対応体制を整え、地域の資源の確保に努めるとともに、目的に「(仮称)地域力推進チーム」が設置されることになりました。既に4月から国が推進する生活支援コーディネーターが設置されましたが、その実績は上がっているのでしょうか。 これまでの生活支援コーディネーターは個人単位の活動でしたが、新たに設けられる(仮称)地域力推進チームはなぜチームという形をとるのでしょうか。どのような構成をお考えなのでしょうか。 また、(仮称)地域力推進チームは、地域住民のケアの充実、地域情報の把握、地域づくりという地域包括ケアシステムの構築の重要な役割を果たしていくことになるチームであるにもかかわらず、保健師は他の業務と兼務の保健師が1人と伺っていますが、それでは大事な住民のケアの部分が賄い切れないと感じます。 今後の住民を地域で支える仕組み、地域包括ケアシステムの構築・発展には、(仮称)地域力推進チームの人員の増強が必要と思いますが、御見解を伺います。 行政のしっかりとした方向性と支える体制があってこそ、区民は自分たちで支え合いの活動に参加し、住民パワーを発揮するのだと思います。地域包括ケアシステムにおいて、(仮称)地域力推進チームの役割は大変大きいと思いますので、これからの超高齢化社会の中で住民を支えながらしっかりと動ける職員の質と量を希望して、この項の質問を終わります。 次に、人権尊重・命の教育について伺います。 文部科学省は、「人権教育」の目標を、一人ひとりの児童生徒がその発達段階に応じ、人権の意義・内容や重要性について理解し、「自分の大切さとともに他の人の大切さを認めること」ができるようになり、それが様々な場面や状況下での具体的な態度や行動に表れるとともに、人権が尊重される社会づくりに向けた行動につながるようにすることであると、「人権教育の実践が、民主的な社会及び国家の形成発展に努める人間の育成、平和的な国際社会の実現に貢献できる人間の育成につながっていくもの」と考え、各学校において、児童生徒や学校の実態等に応じて人権教育の目標を具体的に設定し、主体的な取組みを進めることが必要であると言います。 私は、暴力や犯罪などの人権侵害被害を受けた方々を支援する人たちや、他の自治体の職員、警察の方々などと話す機会を持つたびに、今までの中野区が取り組んできた人権尊重教育の授業を例に紹介します。この中野区の人権教育は多くの皆さんに称賛されてきました。 例えば平成19年度と平成20年度、東京都の人権尊重教育指定校として中野中央中学校、武蔵台小学校、平成21年度、平成22年度は鷺宮、上鷺宮地区が人権教育総合推進地域の指定を受け、人権課題への総合的な取組みを行ってきました。 私も幾つもの授業に参加しましたが、ある中学校で授業を担当した社会科の教師は、忙しい時間をやりくりして前もって講師に面会し、人権迫害に遭うということについて自らが学び、児童生徒に命の大事さを伝えるために、授業の前に教師自身が理解を深め、勉強されている姿に大変感心をいたしました。 このような命の尊さを教える授業を児童生徒たちの心の響くものにするためには、人権分野に精通した人権施策担当の部署との連携や教師の人権意識を高める努力が必要であると考えます。 子ども、女性、障害の三つの角度から質問させていただきます。 他者を思いやる心や命を大切にする授業を児童生徒たちの心に響く授業にするためには、教師もその本質を理解しなければ伝えることができません。特に人の生死に向き合ったことのない人生経験の少ない教員にとっては、児童生徒の命の大切さを伝えることは難しいと感じます。 子どもたちに他人を尊重し、自分も大事にする心を育てるために教師はどのような研修や講義を受けているのでしょうか。 以前、中野区が行っていた「デートDV防止授業」、男女がお互いの違いを認めつつ、個人として尊重される男女両性の本質的平等の理念を学ばせるために、生徒たちが実際のデートを仮定し、話し合う授業について、生徒たちは目を輝かせて体験していました。現在は行われていないと聞きます。現在は男女平等推進教育に係る授業はどのように取り組んでいるのでしょうか。人権施策担当との連携はあるのでしょうか。 また、児童生徒に様々な違いを受け入れる寛容な心を育てる教育の必要があると思いますが、外部評価の学校教育に関するアンケートの結果、学校は特別支援教育や発達障害等に対して保護者への説明を行っているかの項目では、「十分行われている」は少なく、「不十分」「答えられない・わからない」との評価が多いのですが、特別な支援を必要とする子どもたちに対する理解を高めるためにどのような取組みを行っているのでしょうか。 今、社会で起きている高齢者をだます詐欺事件、ポケモンGO等のよそ見運転で子どもの命を犠牲にした事件など、もし加害者が他者を尊重する心を持っていれば悲しい事件は起きてはいないのではないかと思われます。他者を尊重し、命の尊さを教える教育は簡単なものではありません。また、学校には取り組むべき課題が多く、教師は多忙を極めていますが、今後も他者の命も自分の命もどちらも大事な命であることがしっかりと心に響き、児童生徒に規範意識を高める人権教育の充実をお願いしたいと思います。御見解を伺います。 これで質問を終えます。御清聴ありがとうございます。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 近藤議員の御質問にお答えいたします。 地域包括ケアシステムについて、「本人の選択/権利擁護」という柱立て、この意義についての御質問です。高齢者や障害者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、地域の見守りなどの支援のほかに、本人の選択によって必要とする介護や保健福祉のサービスを過不足なく利用できることが前提となります。御本人の意思を守るということ、このことが尊厳性を守っていくということにつながっているわけだと思います。このためには、認知症などにより判断能力が衰えた方々が、成年後見制度などを活用し、各種サービスの利用に際して不利益を被らず、また財産が適切に管理されるなど、その人の権利が守られている状態を実現することが重要であると考えております。 生活支援コーディネーターの成果と今後の方向性について。本年度配置した生活支援コーディネーターは、生活支援・介護予防サービスの提供体制の構築に向け、既存の社会資源の洗い出しや新たなサービスの担い手の発掘とこれらのネットワークづくりに取り組んでおります。区が目指す地域包括ケア体制は、子どもから高齢者、障害者まで全ての区民への支援体制の構築と地域社会づくりであり、このためのコーディネートには、事務職のほか、医療や福祉の専門職による組織的なアプローチが必要になるものと考えております。現在、この組織体制について、「(仮称)地域力推進チーム」として検討を行っているところであります。必要となる人員につきましては、適宜業務量等を精査しながら配置に努めてまいりたいと考えております。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 人権尊重・命の教育について、初めに、教員研修の受講状況と内容についてお答えをいたします。教員みずからの人権感覚を磨くためにも、人権尊重教育研修を受講することは重要であり、どの区も人権に関する研修を充実させ、管理職を始めとして各校の教員が受講している状況でございます。研修内容は、例えば本年度の人権尊重教育研修では、国立ハンセン病資料館を訪れ、資料館の方から説明を受けたり、いじめ防止と自殺予防について講演を聞いたりしているところでございます。 人権・男女共同参画担当と連携した授業の実施についてです。男女共同参画に関わる授業については、本年度は小学校1校で実施をしてございます。なお、本年度は中学2年生を対象に男女共同参画意識の調査を実施し、今後の取組みに生かすように進めているところでございます。 次に、特別支援教育理解促進の取組みについてです。特別支援教育は、障害のある児童生徒に応じた適切な指導や必要な支援を行うものであるとともに、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒の相互理解促進を図り、共生社会の実現を目指すことも目的としているものでございます。このため、保護者の理解促進は欠かせないものと考えており、教育委員会においてパンフレットを作成し、全家庭に配布してございます。また、各校において学校だよりで特集を組んだり、保護者会に合わせて講演会を開催するなど、わかりやすく伝える取組みを行っているところでございます。 最後に、命の大切さを教える取組みの充実について。中野区立学校における学校教育の指導目標の基本方針に「生命を大切にする教育の推進」を掲げており、様々な教育活動を通して推進していくこととしてございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で、近藤さえ子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 いながき じゅん子 1 子育て支援について 2 その他
○議長(北原ともあき) 次に、いながきじゅん子議員。 〔いながきじゅん子議員登壇〕 ○29番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。 子育て支援について伺います。 昨今は、子育て支援イコール保育園をふやして待機児童をなくすことという風潮がありますが、当然のことながら、それ以外の子育て支援策にも目を向け、充実させていく必要があると考えます。今の子育て世代を取り巻く社会状況や生活環境は、一昔前に比べて大きく変わりました。母親が仕事をしている、していないにかかわらず、子育てを社会全体の責任として支えていく時代となり、区でも昨年3月に子ども・子育て支援事業計画がつくられました。本日はこの計画をベースに伺います。 まず、東京都が昨年からスタートしました「子育て支援研修」を修了し、支援員として認定された区民の方々の活用について伺います。 この研修は、小規模保育所で勤務できるようになるコースから、地域の子育てひろばや学童クラブといったところで活躍するコースまで、目的に応じて四つのコースに分かれて学び、全国で通用する「子育て支援員」として認定されるものですが、内容の密度が濃く、応募者も多い人気の研修だと聞いています。 中野区では、既に保育事業所に勤務している方が区に推薦状を書いてもらってこの研修に参加しているようですが、もともと事業所で働いている人だけではなく、個人でこの研修に申し込み子育て支援員となった区民の方々の情報を東京都と共有し、地元で活躍していただけるような環境づくりを積極的に進めるべきではないでしょうか。 区は、子ども・子育て支援事業計画で地域ぐるみでの子育て支援を目標に掲げていますが、本格的に取り組むのであれば、子育て支援員のような人材を地域にふやしていくことは急務です。国から2分の1の補助が出るということで、他区では都と同じような研修を自前で行い人材育成しているところもありますが、区独自では研修を行わないということであれば、都の研修を修了した支援員の力を地域で発揮していただけるような仕組みを整えることが必要だと考えます。見解を伺います。 次に、一時預かり事業について伺います。 昔と異なり、少しの間でもお子さんを預けられる人が近くにいないという保護者が非常に多い中で、理由を問わずどなたでも子どもを預けられる一時保育の需要は非常に高いものがあります。 区では、現在、区立2園、私立9園の保育園でそのような一時保育が行われています。ただ、どの園でも希望日の1カ月前から予約の電話を受け付けるそうですが、1カ月前の朝一から申し込みの電話が鳴ってすぐにいっぱいなってしまう日もある状況で、申し込み後のキャンセルも少なくないにもかかわらず、タイミングよく希望日にお子さんを預けることがなかなか困難なようです。また、利用は登録制で、事前に必ず各園での面談が必要となりますが、その希望者も多く、日常業務の中で毎日のように面談を行わなければならない状況に負担を感じている保育園もあります。 このほかには、区内の自主グループが児童館や区民活動センターを使って一時預かり事業を行っていますが、月1回数時間など、利用時間が非常に限られているところがほとんどです。 以上の状況から、区が保育園以外の公共の場での定員拡充を行っていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 また、中野区では一時保育の申し込みは前日までとなっていますが、お隣の練馬区では事前申し込み枠のほかに当日申し込みの当日預かり枠を設けており、好評だそうです。中野区でもこの当日申し込み当日預かりのニーズは非常に高いと思われます。 保育園では食事の関係等の理由から当日受付は難しいそうですが、練馬区のように食事は利用者御自身で御用意していただくようにし、すこやか福祉センター等の公共施設で一時保育を行えば、その問題はクリアできるのではないでしょうか。この当日申し込み当日預かり枠の設置についてもあわせて区のお考えを伺います。 次に、病児・病後児保育について伺います。 区の病児保育は、来年5月から3名の枠で事業開始予定となっており、病後児保育は、既に仲町保育園と聖オディリアホーム乳児院の2カ所で行われています。ただ、これから始まる病児保育も1カ所で定員3名のみ、病後児保育の施設も2カ所で地域的に偏在していることから、利用したくてもできない保護者も多いのではないでしょうか。 昨今は、病児・病後児保育も可能なシッターさんを派遣する民間企業がかなりふえ、利用料金も下がってきており、そのような民間の居宅訪問型病児・病後児保育を利用する世帯に助成金を出している区も複数あります。中野区も、施設型にこだわるのではなく、そういった訪問型の民間保育サービスも活用して子育て家庭のニーズに応えていくことも必要だと思いますが、いかがでしょうか。 さて、これらの一時預かりや病児・病後児保育については、区が社会福祉協議会に委託しているファミリーサポート事業があり、これまでも、これからもそちらをぜひ活用してくださいというのが区の基本的スタンスだったと思います。 そこで、最後に、このファミリーサポート事業について伺います。 共働きの友人からは、子どもが小さいころ、この制度には大変助けられたという声を何度か聞いておりますし、ファミリーサポートの地域で子育てを助ける支え合いの仕組み自体は大変すばらしいものであると思います。 このファミリーサポート事業の過去3年間の会員登録状況を見ますと、お子さんを預かる側の協力会員数が減り続けている一方で、預ける側の利用会員の登録者数はふえ続けています。利用会員については、子どもが生まれたらとりあえずファミサポに登録しておきなさいと勧められていることもあるようで、毎年800名ほどの新規会員が登録されています。しかし、その一方で、毎年その半数以上の退会者が出ています。 登録している人の中でも実際にサービスを利用している人は全体の6分の1程度という状況で、利用しない理由は金銭的な理由が多いとのことですが、それ以外に、協力会員の高齢化や利用会員との世代間ギャップによるトラブル、利用会員と協力会員のマッチングに時間がかかるなどの課題も見受けられます。 さらに、その是非はさておき、最近の保護者はスマホ世代と言われるように、全てスマートフォンで済ませ、やりとりも基本メールやLINEでという方たちが大変多くなっています。今すぐには難しいかもしれませんが、各種手続や協力会員さんの選択、利用申し込みや当人同士のやりとりなどをスマートフォン上でできるような仕組みをつくるなど、今の子育て世代の立場に立った改善を行うべきであり、区は、社会福祉協議会に対し、そのための費用負担などのフォローを行うべきではないでしょうか。 区が昨年事業委託して始めた産後ケア事業では、派遣される産後ドゥーラさんの写真つきプロフィールや勤務可能日時が一覧できるようになっており、利用者側は事前にどのような方にお子さんを見てもらえるのか、ある程度わかった上で申し込みできます。ファミリーサポートの協力会員さんのプロフィールや協力可能日時、希望地域などネット上で事前に見られるようにすれば、マッチングのための事務作業量も減り、よりスムーズにいくのではないでしょうか。 ファミリーサポートは、営利事業ではなく地域の支え合いですから、利用会員だけでなく協力会員側の都合も考慮しつつ事業運営していかなければならないのも十分理解できますが、民間のサービスがどんどんIT化されて便利になり、利用料金も下がっている現在、中野区が今後も子育て支援はファミリーサポートを軸に行っていくということであれば、社会福祉協議会と協力し、時代の変化に合わせてより利用しやすいサービスに進化させていくべきではないでしょうか。 特に最近は夜間にお子さんを預かってほしいというニーズがふえており、その時間帯に活動していただけるような若い協力会員さんも募集中とのことで、IT化とともに協力会員に支払う利用料の値上げ等もあわせて考えていくべきではないでしょうか。これらについて区のお考えを伺い、全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えいたします。 子育て支援についての質問のうち、まず、子育て支援員の活用について。子育て支援員研修は、国で定めた研修の修了者を子育て支援員として認定し、小規模保育や地域子育て支援拠点事業等に従事できるようにする制度であります。都は、子育て支援員に対して求職活動を支援するためハローワークや東京都保育人材・保育所支援センター等への登録を案内しており、実際に区内の小規模保育施設等においても従事の実績があるところであります。区は、都と連携を図り、研修の広報や研修の一環として実習の受け入れなどを行っているほか、区内の保育施設等に対して子育て支援員制度について周知を図っており、今後とも子育て支援員の人材活用が進むよう配慮していく考えであります。 一時保育の拡充について。一時保育事業については、安全の確保や受け入れの準備を十分に図る観点から、専用室において実施し、利用は事前申し込みの方式をとっております。一時保育の多くは私立園の事業として行われているところであり、区として各園の申し込みや利用状況についての実態を把握し、利用者のニーズに応じた事業の拡充策の必要性について整理をしてまいりたいと考えております。 病児・病後児保育の拡充について。訪問型の病児・病後児保育事業については、ファミリーサポート事業として対応を図っているところであります。当面の間の保育需要増の動向を見きわめるとともに、新年度に開始する病児保育事業の利用実態なども踏まえ、今後の事業展開について検討してまいりたいと考えております。 私からは以上です。 〔子ども教育部長横山俊登壇〕 ○子ども教育部長(横山俊) 私からは、ファミリーサポート事業の改善につきましてお答えいたします。 申し込み手続、また利用料金に係るお尋ねでございました。ファミリーサポート事業につきましては、会員相互が助け合いながら子育てをする相互援助活動として実施しているところでございます。子育て家庭をめぐる環境が複雑化、多様化しまして、柔軟で利便性の高いサービスが求められる中、利用者のニーズに対応するとともに、協力会員の拡充を図るためにどのような手だてが効果的であるか、研究してまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で、いながきじゅん子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 石 坂 わたる 1 防災について (1)飲用・生活用水について (2)避難行動要支援者等の災害弱者について (3)その他 2 障がい者の差別解消と、障害者対応要領・ユニバーサルデザイン推進・バリアフリーについて (1)障害者対応要領及びユニバーサルデザイン推進条例・推進計画、バリアフリー基本構想について (2)障がい者の雇用や仕事の創出について (3)その他 3 その他
○議長(北原ともあき) 次に、石坂わたる議員。 〔石坂わたる議員登壇〕 ○28番(石坂わたる) 質問いたします。 1.防災について。 (1)飲用・生活用水について伺います。 学校を含む区内施設について、一定以上の高さのある建物への水道水の供給方式は、水道管から直接蛇口まで水を送る「『増圧直結給水方式』を含めた『直結給水方式』」と、貯水槽から一旦高いところにある水槽に水を揚げてから各蛇口へと水を送る「貯水槽水道方式」があります。また、貯水槽水道方式の貯水槽と高置水槽を合わせた貯水槽の合計貯水量も1.3トンから88トン、学校に限っても16~58トンとさまざまです。これらの水は、中野中学校のような例外を除き、災害による断水時に飲料水としての活用が可能です。 災害時の避難場所となっている施設では、避難者用の飲料水、学校の場合は加えて児童生徒用の飲料水を備蓄していますが、貯水槽の有無や貯水容量に応じた備蓄をしておくことや、給水方式の変更の際に同時に水の備蓄量の見直しも必要ではないでしょうか。 また、避難所となっている施設はもちろんのこと、避難所の指定を受けていない施設を含めた区有施設の貯水槽に残された水は貴重な備蓄となる場合があります。飲料水の確保に支障を来さないよう、災害時には施設内のトイレの利用を制限し、貯水槽からの水供給を一旦とめることや、日ごろから施設利用者への啓発が必要であると考えますが、いかがお考えでしょうか。 (2)として、避難行動要支援者の対応について伺います。 区は、障害者や高齢者について災害時の個別避難支援計画の作成をしていますが、災害時に必要な支援は避難だけではありません。 避難所での特別の支援や配慮、障害に伴う行動や発声などによって周囲にいる他の避難者との摩擦の回避の必要性がある方に対しては、どのような対応をしますでしょうか。通常の1次避難所から障害者や高齢者のための2次避難所への移動の必要性が想定される方への対応を含めてお答えください。 また、「自宅の被害が少なかった」「避難所での周囲に迷惑がかかる」などの理由で、災害終息後に避難所から帰宅をしようとされる方がいた場合への対応はどのようにしますでしょうか。 そして、災害後に「避難をしない」という判断をした障害者や高齢者に対してどのようにして水や食料などを届けていくのかを考えていらっしゃるのか、お答えください。 以上3点についてお教えください。 2番目としまして、障がい者の差別解消と、障害者対応要領・ユニバーサルデザイン推進・バリアフリーについて。 その中でも、(1)として、障害者対応要領及びユニバーサルデザイン推進条例・推進計画、バリアフリー基本構想について伺います。 これらについて、国内の経緯を見ますと、平成15年にユニバーサルデザインの考え方を示すとともに、その推進のための努力を自治体行政、事業者、住民に求める日本で初めてのユニバーサルデザインに関する条例が浜松市で制定されました。 その後、平成18年に国での「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」、いわゆるバリアフリー法が施行されました。そして、この法律後にハード面のユニバーサルデザインに重きを置いた日野市や足立区のユニバーサルデザインに関する条例などが制定されました。そして、本年4月には「障害者差別解消法」がスタートいたしました。 なお、現在検討が進められている中野区のユニバーサルデザイン推進条例は、障害者差別解消法制定後の全国初の条例となります。当然、障害者差別解消法以後につくられるユニバーサルデザインに関する条例として、ハード面だけではないソフト面の取り組みや、努力にとどまらない「不当な差別的な取り扱いの禁止」や「合理的配慮」などが求められます。また、障害者対応要領の作成や障害者対応マニュアル、バリアフリー基本構想を実行していく上でも同様です。 そこで伺います。 障害者対応要領を具体化していく上では、区の職員や区の窓口受託事業者の窓口職員に対する人事分野や健康福祉部が主催する「手話」やその他の「コミュニケーションツールの使い方」、「平易でわかりやすい説明をする力の伸長」を含めた障害を持つ区民とのコミュニケーションを学ぶ研修予算の確保。それに加えて、先日視察をしてきました足立区では、障害者対応要領に「職員は、障害の特質やその状態に応じた配慮、社会的障壁の除去の必要性等に関する障害理解に資する講演会や障害者と接することが可能なイベント等に積極的に参加をするよう努めるようにする」と記載がされています。また、中野区内の福祉施設等では、既に国家公務員の研修受け入れの実績のある施設が複数あります。区の職員が直接障害者と触れ合う施設研修のような機会の創出や日ごろからの意識づけ、こうしたことが必要であると思いますが、いかがお考えでしょうか。 また、区のバリアフリー基本構想においては、バリアフリー化している経路や内容等の情報の積極的な提供や、ホームページなどを活用して区民等からの情報収集や区民同士の情報交換の場や機会の提供など、区民のバリアフリーに関する情報の共有化の推進に努めるとの記載があります。特定の障害者に限らず、社会におけるバリアに対して不都合を感じているさまざまな人からの声を聞いた上で情報の共有化を進めること、さらには、区が必要な取り組みを行うことや、事業者に障害などへの理解や必要な取り組みを求めることを通して、物理的なバリアの解消や、区や事業者の接遇・介助の水準を高めることが必要だと思われますが、いかがでしょうか。 そして、ユニバーサルデザイン推進条例やその具体化を進めるユニバーサルデザイン推進計画では、バリアフリー法や障害者差別解消法が求めている以上の対象や水準を定める内容か、これらの法律と同程度であっても下回ることがないような形で区の実情に合わせた条例とすることや、具体的な取り組みを計画として決めていくことが必要であると思われます。また、その取り組みを行う費用負担、予算確保を行うことや、PDCAサイクルを踏まえて行った取り組みの評価、検証や、さらなる取り組みを進めていくことが必要ではないでしょうか。 (2)としまして、障害者の雇用や仕事の創出について伺います。 まず、障害のある職員への対応について伺います。 区役所も今後は障害者や外国人をはじめとするさまざまな利用者、区職員、委託事業者の職員のためのバリアフリーやユニバーサルデザインを意識した取り組みや施設整備が必要です。 新区役所はもちろんのこと、現在の区役所でも、可能な限り「区の職員や委託先の職員が障害がある場合にも不都合が生じない区役所内の環境の整備をすること」、また「区民に対しても窓口にいる区職員に障害のある方も配置されていることを区民に伝えて理解促進や啓発につなげていくこと」も必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。 次に、障害者の雇用を生む区役所について伺います。 現在、区役所1階のスペースには福祉売店があり、その近くで障害者の施設の製品販売が臨時的に行われ、障害当事者が接客をしています。また、福祉売店では、区内障害者施設がつくったパンを購入し、そしてテーブル席で飲食をされている方の姿も見かけられます。 今後、新区役所を整備する際にも、こうした福祉売店などを設けるとともに、現在のようなパンの販売をしたり、障害者の人が接客もしている触れ合いの場としてテーブル席に座って飲食ができるようにしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 また、区役所等の施設の清掃などの委託についても、法定雇用率の遵守はもちろんのこと、障害者の雇用や配置を積極的に行う事業者についてプロポーザルで加点を行って選定をし、障害者の雇用促進につなげていくことが望まれると思いますが、いかがお考えでしょうか。 私からの質問は以上です。答弁のほどよろしくお願いいたします。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えいたします。 避難所の飲料水の備蓄について。避難所の飲料水の確保については、まず、受水槽の水を飲料水として利用することとしております。廃校となった建物など受水槽が使用できないところでは、ペットボトル等で飲料水を備蓄しております。今後も施設の給水方式の変更等を踏まえ、必要とする飲料水の確保に努めてまいります。 飲料水確保方法の啓発について。区は、区民や避難所の施設管理者等に対して避難所運営マニュアルに基づく飲料水の確保について周知をしております。今後は、施設管理者から施設の関係者へ周知をしてもらうなど、災害時における飲料水の確保についてさらなる周知に努めてまいります。また、新設の避難所施設については、強い地震が発生した場合に水の供給を遮断する弁がついた受水槽を設置しており、自動的に飲料水が確保される構造となっております。 配慮が必要な避難者についての想定であります。区は、平成25年度から配慮が必要な避難者を想定し、滞在場所やトイレなどに関する事項を定めた内容へ避難所運営マニュアルを改定しているところであります。 2次避難所へ移送する必要がある、そうした方の想定の有無であります。災害時要配慮者など配慮が必要なため避難所で避難生活を続けることが困難な避難者については、2次避難所を開設して対応することとしております。開設された場合、避難者を移送するよう避難所運営マニュアルでも定めているところです。 自宅に戻った要支援者への対応であります。避難所は、災害により自宅での生活が困難となった区民の生活の場と位置付けていることから、自宅での生活が可能であれば自宅に戻ることを原則としております。避難所から戻ろうとする要支援者については、自宅での生活が可能な状態であるか確認の上、戻ることなどを説明し、無理な帰宅は避けるよう努めてまいりたいと思います。 在宅の要支援者に対する物資支給であります。避難所の役割として、避難所外の被災者への物資の配布及び給水・給食等の救援活動があります。自宅で生活している方についても、必要な物資等を避難所へとりに来ることを想定しているわけであります。避難所へとりに来ることが難しい方に対しましては、避難所運営組織が情報を把握した上で、情報によってボランティアや避難者の協力によって対応することとしているところであります。自宅で生活をする要支援者に対しても同様の対応としておりますが、詳細について、今後検討してまいります。 障がい者の差別解消と、障害者対応要領、ユニバーサルデザイン推進、またバリアフリーについて。 職員研修について。障害のある方への対応に関する研修については、来年度から職員向けの手話講習会を新たに開始をします。コミュニケーションの方法に関するもの、障害特性にかかわるものなど、今後も計画的、継続的に研修を行ってまいります。研修に当たっては、施設や当事者の方に御協力をいただき、直接触れ合うことを盛り込むなど、行ってまいります。 バリアフリー基本構想における取り組みについて。バリアフリー基本構想に示したとおり、ホームページなどを活用し、特定の障害者に限らず、広くさまざまな人からのバリアフリーに関する情報収集や情報の共有化の推進に努めることが必要であります。また、区や事業者に対しては、バリアフリー基本構想で設定された特定事業の進行管理を行う調整の場において、接遇・介助に関する知識や技術を身につける研修など、職員教育の充実に向けた取り組みの実施を働きかけることにより、接遇・介助水準の向上に努めていくことが必要だと考えております。 ユニバーサルデザインの推進について。ユニバーサルデザインは、誰もが障壁を感じることなく活動することができるまちを目指しております。障害者を対象とした障壁の解消以外も包含した考え方であります。障害者差別解消法の範囲を超えたものと考えております。今後、ユニバーサルデザインの取り組みを進めるに当たっては、基本的な考え方とこれを踏まえた推進計画を策定するとともに、評価・改善の仕組みを整える必要があると考えております。 私からは以上です。 〔経営室長篠原文彦登壇〕 ○経営室長(篠原文彦) 障害者の差別解消に関連した質問にお答えいたします。 初めに、現庁舎の職場環境の整備でございます。現庁舎では、これまで1階、2階、7階に車椅子の方でも利用できる多目的トイレの整備をいたしまして、昨年度につきましては、本庁舎玄関前広場の改修工事を行い、歩道との段差をなくすなど、環境整備に努めてまいりました。今後も職場環境の改善に努めてまいりたいと思います。 次に、障害者の雇用についてでございます。区では、現在、55名の障害のある職員がさまざまな部署で業務に従事しております。今後、区の障害者雇用の状況を区民や事業者に対して周知をし、障害者雇用に関する理解促進などに努めてまいりたいと考えております。 次に、新区役所への福祉売店の設置についてでございます。新しい区役所におきましても、障害者の就労を支援し、障害者の理解を深めていただくコーナーを確保し、効果的に活用していくことが必要だと考えているところでございます。 最後に、委託事業におけます障害者の雇用・配置についてでございます。区では、価格と品質が総合的にすぐれた公共調達を行うため、総合評価方式やプロポーザル方式におきまして、価格に加え、企業の技術力、信頼性、社会性を評価する項目を設けまして、その中で障害者雇用率の達成度も評価の対象としているところでございます。今後、委託する事業の性質等について、業務の分析をするなど、研究してまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で、石坂わたる議員の質問は終わります。 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午後2時55分休憩
午後3時15分開議 ○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 小宮山 たかし 1 みなみらいずについて 2 区内街頭掲示板について 3 待機児童対策と区立保育園民営化について 4 その他
○議長(北原ともあき) 小宮山たかし議員。 〔小宮山たかし議員登壇〕 ○18番(小宮山たかし) 無所属・無党派、小宮山たかしでございます。 南部すこやか福祉センター等複合施設「みなみらいず」が7月にオープンしてから4カ月が過ぎました。当初の計画上では想定していなかったものの、実際に使ってみてこそわかる不具合や問題点が幾つか浮上しております。 例えば子どもを連れてプールに行きますと、両端のレーンはそれぞれ中学生以上利用可能なウォーキングコースと泳力の高い人専用のノンストップコースとなっており、泳力の低い子どもが足のつかないプールのど真ん中のフリーコースで泳がなければならないという危険なコース設定となっております。 例えば1階のスペースが無駄に広くなっています。集団健診時のベビーカー置き場として広いスペースを確保しているようですが、約70人と南部すこやかでは近年まれに見る多人数が参加した乳児健診のときでも、ベビーカー置き場は半分程度しか埋まらず、かなりの余裕があったのを私は目撃いたしました。 また、2階より上の上階にはベビーカー置き場がありません。1階にベビーカーを置いて、片手で子どもを抱っこして、もう片方の手では荷物を抱えていかなければ、上の健診フロアや子育てひろばやすこやか福祉センターには行けないという動線には不満の声も上がっています。 例えばキッチンつきの集会室があり、ちょっとした食事会やパーティー、あるいは子ども食堂なんかにも最適の、使い勝手のよさそうなスペースがあるのに、開設から3カ月たった現在もまだ区民には開放されておりません。 例えばスポーツジムのトレーニング機器が高齢者を念頭に置いているようで、若い人の筋トレには質、量ともに物足りないものとなっています。 こうして細かい不満や改善点を幾つか挙げましたけれども、とりわけ私が気になっているのは、計画段階から私が指摘をしていたように、子育てひろばのスペースが狭過ぎることであります。 今後、近くの南中野児童館が廃止され、乳幼児親子の行き場所がなくなってしまった場合、あの狭いスペースだけで児童館の代わりが務まるとはとても思えません。百歩譲って乳児の居場所にはなるかもしれませんが、予測不能な動きをする幼児と自由には動けない乳児を狭いスペースに混在させるのは危険ですらあります。 子育てひろばの利用者は、当初1カ月1,000人程度でしたが、先月は1,200人に上り、着々とふえ続けているようです。児童館が廃止されてしまうその前に、ほかのより広い代替スペースを活用したり、あるいは児童館の廃止そのものを見直すなどの形で乳幼児親子の居場所を確保することは、U18や児童館を廃止してしまう中野区にとって最優先課題の一つであると私は考えておりますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。 「過ちては改むるにはばかることなかれ」と申します。子育てひろばに限らず、私が先ほど述べたような複数の不満や改善点が利用者からはあがっています。そのような利用者の声をよく聞いて、新しい施設が持っている可能性、ポテンシャルを最大限に発揮できるように、現実に沿った施設利用をしていただきますよう要望し、次の質問に移らせていただきます。 11月12、13日と、私の地元の川島商店街で東京行灯祭という大きなお祭りがありました。主催者として、区内各地の掲示板にお祭り開催のチラシを貼って回っているうちに気づいたことがございます。 例えば中野新橋駅前にかつて設置されていた非常に宣伝効果の高い掲示板が駅舎のリニューアルに伴い撤去され、そのままとなっています。その一方で、人通りの少ない路地や裏道などに設置されている、明らかに宣伝効果が低過ぎる掲示板もないわけではありません。 そもそもこの掲示板は、今から約25年ほど前、お知らせ板400カ所、区民のひろば200カ所が新設もしくは建てかえされたものであるそうです。しかし、その数は年々減り続け、現在ではお知らせ板約350カ所、区民のひろば177カ所と、70カ所以上の掲示板がさまざまな事情で撤去され、ほとんど増設されることなく、年々減る一方となっております。 中野区で全戸配布される区報には市民活動はほとんど取り上げてもらえませんし、区のホームページにおいても同様です。インターネット等による告知手段が発達した現在においても、街頭掲示板の意義や告知効果は大きなものがあります。区内で市民活動をする人やイベントを開催する人にとってはライフラインとも言えるのがあの掲示板なのです。 割と告知スペースに余裕があり、設置数の多いお知らせ板を区民のひろば掲示板に転用したり、人気の高い中野駅周辺などの掲示板を増設したり、市民活動の活性化のため、区内全体での適正配置を改めて見直してはいかがでしょうか。 10月6日、子ども文教委員会におきまして、中野区立保育園の民営化が発表されました。民営化の対象となった仲町保育園では、10月31日に保護者に対して民営化の通知がされているそうです。もう一つ、宮の台保育園では、11月1日に保護者に対して通知がされているそうです。10月6日に委員会報告された内容を当事者である保護者に伝えるのに約1カ月弱もかかっている。ちょっと時間がかかり過ぎなんじゃないのかなと、そういう印象を私は受けました。 仲町保育園、宮の台保育園ともに保護者説明会の開催が2月に予定されているということです。10月初旬に決まった民営化の説明会を4カ月もたってからするんですかと、ちょっと遅過ぎるんじゃないですか、そういう印象を私は受けました。その一方で、大和保育園や南台保育園などでは、既に1回目の保護者説明会が終わっているそうです。 今回の民営化の対象は7園もありますから、その全てを一気に対応、処理することは難しいのでしょうけれども、こんなにばらばらで本当に大丈夫なのかと、ちゃんとスケジュール管理できているのかなと、そういう心配も出てまいりました。 私は自分の子ども2人が公設民営の保育園に延べ9年間通っておりました。株式会社が運営する園でしたけれども、先生方もよくしてくださり、魅力的なカリキュラムもあり、保護者満足度の非常に高い園でありました。先生方の入れかわりが激しく、勤続10年以上の先生がほとんどいないというデメリットはありましたけれども、区の財政事情や保育にかかるコストも含めて考えますと、区立保育園の民営化には私は反対はいたしません。反対はいたしませんけれども、今回の民営化の進め方はちょっと拙速に過ぎるのではないかなと、そういう印象を抱いております。 仮設園舎をつくります。でも、どこにつくるのかはまだわかりません。まだわからないということは、近隣住民との調整もまだできていないということです。近隣住民が保育園新設に反対をして、開園から1年半以上がたつ今も園児たちの活動にさまざまな制約がある保育園が区内にあることを忘れたわけではないでしょうに。 また、在園児の中には、保育園在園中は仮設園舎や新園舎を行ったり来たりして、そして小学校に上がれば上がったで仮設校舎と新校舎を行ったり来たりするという、人格形成に大切な幼少期に大きな環境変化、大きな負担を強いられる子どもたちが少なからずおり、その心のケアも心配です。 中野区は、保育園民営化のメリットを幾つか挙げておりますが、区内には民営化がスムーズにいかなかったケースもございます。とある園では、約2年間かけて2者協議や3者協議を繰り返し行った上で民営化をしましたが、民営化後に保護者から大きな不満が噴出し、緊急保護者会が開催されたり、年度途中に退職する先生が5人以上出たり、挙げ句の果てには園長自身が年度途中にかわってしまったという保育園もございました。 その保育園で事業者と保護者の2者の話し合いでは埒が明かないので区が乗り出してほしいという保護者からの要望も出たそうなのですが、区としては、原則としては保護者と園で解決してくださいと、そういうつれない返事であったそうです。 先ほども申し上げましたが、私は民営化そのものには決して反対はしておりません。ただ、本当にこんな短期間で、短い園ではたったの1年半という準備期間で民営化をしてしまって本当にいいのかどうか。そもそも本当にそれが実現可能なのかどうか。スケジュールに合わせて強引な民営化を行ってしまうことで、ただでさえ大きな子どもたちの負担がよりふえてしまうのではないか、本当に不安で不安で仕方がありません。私と同じ、またはそれ以上の不安を当事者である保護者は抱えていることと思われます。もうちょっと時間をかけた利用者合意に基づく丁寧な民営化をしていくべきではないでしょうか。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 小宮山議員の御質問にお答えいたします。 みなみらいずの施設利用について。現在のところ、南部すこやか福祉センターの子育てひろば利用は1日平均24組ですが、その利用のピークは12時と15時に分散しており、運営上の支障は生じていないと考えております。また、南中野児童館の廃止に際しましては、みなみの小学校の新校舎に整備するキッズ・プラザで子育てひろば事業の展開を計画しているところであります。いずれにいたしましても、施設の利用状況をさまざまに見ながら、必要な改善等についてもその都度努めていきたいと、このように考えております。 掲示板についてであります。区民のひろばの増設といったような御質問でした。区民の自主的な活動に対する情報提供については、区民のひろばの利用以外にも、まなVIVAネットなど生涯学習関連の事業があるほか、各区民活動センターでも地域活動の紹介等を行っています。また、区民活動センターのエリア内での催し等につきましては、現状でも区民活動センターの承認によって区のお知らせ板を御利用いただけるなど、柔軟な運用に努めて、区民利用の機会の拡大を図っています。この区のお知らせ板ですけれども、最大2週間の掲示が可能となっておりまして、その地域の区民活動センター等の承認があれば利用可能なものとなっているところです。現状、区民のひろばへの転用や増設等は考えておりません。 私からは以上です。 〔子ども教育部長横山俊登壇〕 ○子ども教育部長(横山俊) 私からは、区立保育園民営化につきましてお答えいたします。 民営化の進め方についてのお尋ねでございました。民設民営化につきましては、平成15年度から着実に実施してきているところでございまして、今般決定しました新しい中野をつくる10か年計画(第3次)におきましても、その推進を明記しているところでございます。これまでの民営化の実績を踏まえまして、保育士の引き継ぎなどの実質的な準備に要する期間、これは確保できるものと考えているところでございます。現在、保護者の方への説明会を順次実施しているところでありまして、さらに必要に応じまして随時説明を行うなど丁寧な対応に努めていく考えでございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で、小宮山たかし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 渡 辺 たけし 1 生活保護ホットラインについて 2 保育事業者から選ばれる中野区を目指す取り組みについて (1)施設改修費の増額について (2)年度途中での制度改正に伴う対応について (3)保育士確保の対策について 3 その他
○議長(北原ともあき) 次に、渡辺たけし議員。 〔渡辺たけし議員登壇〕 ○7番(渡辺たけし) 日本維新の会の渡辺たけしです。 初めに、生活保護ホットラインの設置について伺います。 ことしの第1回定例会で生活保護ホットラインの設置を区に求めたところ、区長の答弁では、検討に検討を重ねるという回答でした。行政でやらないのであれば、自身の携帯電話を使って自分でホットラインを開設すると宣言した私は、生活保護適正化推進ダイヤルという名前で区政報告のビラに載せ、中野区内の新聞折り込みに入れたところ、「継続して頑張ってほしい」という激励の電話が1件、「こういうことをしていると闇の勢力に狙われるから気をつけたほうがいい」という気遣いの電話が1件、そして先輩区議からの謎の着信履歴が1件、以上が今のところの成果となっております。 その後、開設したホットラインが鳴ることはなく、このままではまずいと思った私は、今月から電話番号を記載したポスターを中野区内で許可をいただいた家の壁に張る作業をしておりますが、いまだに電話が鳴ることはありません。 中野区内で生活保護制度に関する意識を高めるために、次にどのような手を打っていくかは引き続き検討中ではありますが、行政側でも、生活保護制度に対して高い問題意識を持っているのであれば、そろそろホットラインの設置を検討してもいい時期に来ているのではないでしょうか。平成27年度決算時では、生活保護費にかかる費用は年間で158億4,500万円となっており、予算全体の約12%を占めている状況であります。 そこで伺います。昨年の第4回定例会では、このホットラインの設置には一定の効果があると区長からは評価をいただいております。私は、個人携帯である080-5958-0292の番号を設置し、生活保護適正化推進ダイヤルとして、中野区民へ生活保護に関する情報提供を呼びかけていますが、私の個人番号のかわりに、来年度に向けて生活保護制度の適正化を目的としたホットラインの設置を行う意思があるのかどうかを、区の見解を伺いまして、この項の質問を終了いたします。 続きまして、保育事業者から選ばれる中野区の施策について伺います。 2016年4月1日時点で区内の待機児童数は257人となっており、中野区では、補正予算を含めると、小規模保育所5カ所、認可保育所13カ所を新規増設し、待機児童解消に向けて取り組んでおります。この計画を実現させるためには、保育所開設に当たっての土地や物件、人材の確保などさまざまな問題がありますが、まずは保育事業者が他区と比較して事業者目線から中野区は新規参入しやすい地域であるという認識を持ってもらう必要があるのではないでしょうか。 新規での保育所立ち上げのコンサルタントを行っている会社へ「保育事業者間で参入しやすいと認識されている区はどこか」という質問をしたところ、「杉並区、中央区、豊島区、大田区、品川区、世田谷区は参入しやすい」という回答が返ってきました。これらの区を調べてみますと、開園に当たっての整備補助が他の区と比較して手厚いことが共通しています。特に賃貸型の整備補助金の額が大きな差となって出ており、先ほど挙げた区では最大で1.4億円の金額を出すところがある中、中野区の上限は7,000万円程度となっております。コンサル会社の中野区への評価は、「23区の中では結構いいほうである」という回答でしたので、この賃貸型の整備補助金部分を増額することで中野区の評価も保育事業者業界で高くなるのではないでしょうか。 実際、中野区内の土地柄、新規保育園の約7割が賃貸型の保育所であり、近年は、資材や人件費の高騰により保育所として認可を受けるための施設改修費が膨らんでおり、事業者側でもイニシャルコストがかかる地域への新規参入には二の足を踏む傾向があると聞いております。 そこで伺います。新規開設の場所として中野区が保育事業者から選ばれるためにも、施設改修費における賃貸型保育園の整備補助費の上限7,000万円の増額を検討してみてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。 続きまして、年度途中での制度改正に伴う対応について伺います。 年度途中で国や都などの保育事業者への補助制度が改正、新設されることなどがありますが、こちらへの対応が他の区と比べて中野区は遅いと区内の保育事業者から聞いています。 区は、前年の補助金の額を参考に月々の運営費の中の補助金部分を認証保育所へ支給しているのですが、都では、待機児童問題解消のため、近年は毎年保育士の処遇にかかわる補助金の引き上げを行っております。例えば昨年度はゼロ歳児手当の運営費の単価改正が行われ、都の補助金の額がゼロ歳児1人当たり約2万円程度引き上げられました。毎年6月の説明会でその年の補助金について都から価格の内示が出され、正式決定は10月か11月になるのですが、そこで運営費における補助金の単価が引き上げられた場合、区は前年度の補助金をベースに予算を組んでいるため、要綱改定を行い、その年の増額分の差分を4月までさかのぼって認証保育所へ支払います。 中野区は、都がその年の補助金を決定した後に増額となった場合、その後に補正予算を組む流れとなっており、都の決定から約4カ月おくれの翌年3月の支払いとなっておりますが、中野区の近隣区である練馬区、杉並区、新宿区、豊島区は年内に差額分の支給をしております。 そのほか、コンサル会社から評価の高かった世田谷区、品川区、大田区も年内の支給となっております。これは、予測される加算分を当初予算分に組み込んでおけば、他区に比べておくれることなく支払いすることが可能なことであります。 また、目黒区、練馬区、世田谷区などは、6月の説明会で出された金額をもとに計算をして予算が足りないと判断した場合は2定、3定の議会で補正を組んでおり、都が補助金の額を決定した段階で要綱改定を速やかに行い、年内に支給をするような体制をとっております。 保育所への支払いが早ければ、12月の保育士の賞与に反映させたり、新たな企画、イベントを前倒しで行うことができたりと、支払いの前倒しは保育運営の質の向上にもつながることでありますし、他区と比較して早い対応を行うことで保育事業者目線でも中野区への相対評価が上がるポイントになるのではないでしょうか。 そこで伺います。制度改正等の情報をいち早く収集し当初予算で対応することはもとより、制度改正に素早く対応ができるように一定の幅を持った予算編成を行ったり、早めの情報収集を行い補正予算を前倒しで組むなどして差分の支給を早期に対応できるように取り組んでみてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。 続きまして、保育士確保の対策について質問いたします。 待機児童解消には、保育所をふやすことが必要でありますが、保育所の質を高めることも区にとっては重要な課題であります。保育所の質を高めるために重要なことは、安定した経営を行うことと質の高い保育士を確保することであり、既存の保育所もその点に力を注いでいることが中野区内の保育事業者への取材で明らかになりました。 今定例会にて自民党の伊東しんじ議員からも同様の質問がありましたが、現在、保育事業者の一番の課題は人材の確保であります。保育士が売り手市場になっていることもあり、通常の募集で人が集まることが難しいという状態で、中野区内の保育所でも人材不足を課題に挙げる事業者が最も多く、「あと1人でも保育士が来てくれれば、児童の受け入れ人数を何人かふやすことができるのに」という声も聞こえてきました。 現在、通常の募集をかけても集まらないため、事業者の中では紹介会社を通じて保育士確保を行うケースがふえております。その際、紹介会社への手数料は保育士の年収の2、3割が相場となっており、保育士の年収を350万円とした場合、保育士1人を雇うために事業者は紹介会社へ約70万円から100万円の支払いが発生しております。これが事業者の中では重荷となっており、保育士確保がなかなか進まないという話を複数の事業者から聞いております。 そこで伺います。保育士確保対策の一環として、この手数料部分への区の独自加算の制度を創設してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。 この施策は、杉並区が来年の予算に計上予定という話は聞いておりますが、今現在、まだどこの自治体も実施しておりません。紹介手数料部分への補助をつけるという施策は、保育運営事業者が今一番困っているところへ中野区が目を向けてくれているのだという印象を持たせることができ、大変効果的な施策であると思われます。 待機児童解消は、中野区が早期に解決しなくてはならない喫緊の課題であります。保育事業者が積極的に中野区で事業展開していきたいと思われるような意思が区にどれだけあるのかという見解を最後に伺いまして、私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 渡辺議員の御質問にお答えいたします。 生活保護ホットラインの設置について。区は、課税情報や年金情報等の照会による所得状況の把握などを基本に、不正受給の未然防止に取り組んでおります。いわゆる生活保護ホットラインを導入した一部の自治体では、生活保護の停止や廃止に至るなど、一定の効果はあるものと認識をしております。また、真に保護が必要なのに受けていないようなケースの掘り起こしといった効果も考えられるところであります。当区における導入の適否については、費用対効果の検証など、他自治体での成果や動向なども参考に検討してまいります。 保育事業者から選ばれる中野区を目指す取り組みについてということで、施設改修費の上限引き上げについて。保育所の新規誘致に当たり、保育事業者の初期投資の負担を軽減することについては重要であると認識をしており、今後、予算編成を通じて検討していく考えであります。 年度途中での国や都などの制度改正対応についてであります。予算編成時にあらかじめわかっているものにつきましては、もちろん対応しているところですが、年度途中での制度改正があった、そうした場合でも、その都度適切な対応に努めているところであります。 保育士確保策について。一部の保育事業者では、保育士採用にかかわる経費の負担が新規開設や保育士採用を難しくしている要因の一つとなっていることについて、認識をしているところであります。こうした保育事業者の状況も把握し、どのような仕組みが必要なのか、さらに研究してまいりたいというふうに思っております。 待機児童、これをなくしていくということに向けて、区としてもできる限りの取り組みをしていくわけであります。保育事業者に積極的に参入したいというふうに思ってもらえるよう、今後とも方策を講じてまいります。 ○議長(北原ともあき) 以上で、渡辺たけし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 内 野 大三郎 1 災害時ボランティアについて 2 北京市西城区との友好区関係について 3 その他
○議長(北原ともあき) 次に、内野大三郎議員。 〔内野大三郎議員登壇〕 ○8番(内野大三郎) 平成28年第4回定例会に当たり、日本の文化と伝統を守る無所属議員の立場で一般質問をさせていただきます。 質問通告にあるとおり、1.災害時ボランティアについて、2.北京市西城区との友好区関係についてで、その他の項目はございません。 初めに、災害時ボランティアについてです。 本年10月21日に発災した鳥取県中部地震は、4月の熊本地震と同様の規模で震度6強を観測したものでしたが、訓練が行き届いていた成果もあり、人的被害もエリア的な被害も比較的小さかったため、報道などもほとんど一過性のものとなってしまい、今や都市部の人々の記憶から忘れられそうになっています。 私は、地震発生から10日ほどたったころに、現地のボランティアセンターが開設されたとの情報に接し、すぐに現地に駆けつけ、ボランティア作業をしてきました。災害ボランティアの経験は、東日本大震災、熊本地震と3度目の経験でしたが、現地でのボランティアセンターの運営の方法はほとんど同じでありました。 つまり、ボランティアセンターに寄せられた被災者からの依頼事項に基づき、現地に集まったボランティアとのニーズマッチングを行い、人員配置を行うというものです。作業をするボランティアは、まず受付時に労務作業についての国家資格などの有無など簡単なアンケートに回答し、ボランティア保険に加入し、そして待機場所でニーズマッチングを待つというスタイルです。当然、被災者からの依頼が少なくニーズがないときには、何人ボランティアが集まっても、本日は作業なしとして、駆けつけたボランティアにとっては徒労に終わることもあります。 帰京後、多くの中野区民の皆様にこのようなボランティアセンターの運営状況についてお話しすると、ほとんどの方がまずは自力で復興作業をしなければならないと考えていたようで、ボランティアセンターの役割の周知を図るべきとのアドバイスを多数いただきました。 中野においても、このボランティアセンターへの依頼により、お年寄りやひとり暮らしの方が多くの手数を借りながら復興復旧が早くできるということの周知をもっと図るべきであると考えています。区の御見解をお聞かせください。 一方、災害ボランティアの基本的な考え方は、自己完結型と言われています。つまり、交通費、食事代はもちろん、宿泊手配やその費用は全て自分で負担をして支援を行うということです。これは、それなりに時間とお金の自由がない限り、お気持ちはあっても誰もが駆けつけることができないということでもあります。他方、時間とお金が自由でありながら、お気持ちがあるのに体力的な問題や年齢的な問題で現地まで行けないという方々がおられることも事実です。私は、このような方々と自己完結できない、つまり費用面で厳しい状況にある若い力とをマッチングさせることができないだろうかと考えました。 財政面での支援は、地方自治法や災害対策基本法の趣旨から区が拠出することは難しく、民間のボランティア団体の力をかりることが望ましいようであり、現在の制度的にはボランティアの基本的考え方である自己完結型に尽きるようであります。 鳥取県中部地震でのボランティアで知り合った若者は東京から来ていました。交通手段を聞くと、仲間数人でLCC(格安航空会社)を利用し、成田から広島経由でレンタカーを借りて現地入りしていました。東京から鳥取に行くのに直行で行けば3時間程度で到着しますが、LCCでの移動は、費用は半分以下ながらも、移動時間はその倍以上かかるようです。そこまで移動に時間をかけるなら、実費交通費の負担があれば、もっと早く現地入りして、現地での活動時間をふやせたことでしょう。今後の民間活力の導入を期待しているところであります。 他方、被災地でのボランティア活動は、日本全国さまざまなところから集まります。被災者にとっては、どこの誰が来ているのかわからない状態での活動であっても、復興作業が進むのであれば、どの自治体から来たボランティアであろうと構わないわけです。しかし、例えば中野区からのボランティアが目に見える形でさまざまな被災地に出かけることが被災者の目に触れれば、いずれ起きるであろう首都圏の災害に過去の被災地から支援に出向こうとしたとき、御縁のあった地を選んで行こうとするのは情けある方のお気持ちなのではないでしょうか。 現地では、支援に来た自治体の職員のジャンパーやビブスといった名前入りのものが目立っています。どの地域からどれだけの支援があるのか一目でわかるものばかりですが、民間の自力で出かけたボランティアがそのようなものを身につけていれば、どこから来たボランティアの方なのかというのが被災者の目にもとまり、一つの会話や次なる支援のきっかけになろうかと思います。 いつ、どこで、どんな災害が起こってもおかしくない国で、心ある人が出どころを明らかにして支援ができるようにしておけば、人と人とのきずなが強くなっていくのではないかと考えています。情けは人のためならずと申しますが、いずれ訪れるだろう首都圏での大規模災害に備える意味でも、こうした活動が中野から発信され、「中野スタイル」として定着することを望みます。 中野の若いボランティアが被災地で活動していることを積極的にアピールするものを整備し、区の災害対策の一環としてはいかがでしょうか。区の見解をお尋ねします。 次に、北京市西城区との友好区関係についてお尋ねします。 この質問は既に自民党の内川議員が質問されていますが、私も無所属議員として初めての海外視察に同行したことから、改めて質問いたします。 今月7日から9日まで行政視察で北京市西城区と中野区との友好関係継続発展に関する議定書調印に、区長、議長をはじめ区議団が西城区を視察しました。 その調印内容を拝見しましたところ、「友好協力関係」と「友好区関係」への変更を西城区側から、国の機関の認可の関係で名称変更の申し出があり、また、さらに両区の交流継続についての双方の合意があり、このたびの調印に至ったとわかりました。 ところで、この1カ月ほどの間に区内で接触する区民の多くの方々にこの姉妹都市関係について聞いてみましたが、なかなか御存知の方がおられません。30年の間に交流が行われていたことは、さまざまな記録から事実かと思います。実際に体育関係の年配の方々は、「そういえば昔そんなことがあって北京に行ったことがあったな」と述懐されていました。このたび、この友好区関係を継続発展する議定書に調印したからには、「多くの方がそれを知っているよ」と答えが返ってくるくらいには、その知名度を上げてはいかがでしょうか。そのためには、さまざまな広報が必要になろうかと思います。区報に、西城区で行われる季節のイベントのお知らせを入れてみたり、中野区の広報紙「なかの区報」の中国語版を西城区の公共施設に置かせてもらったりと、告知をする工夫ができるのではないでしょうか。 今回の訪問で最も印象に残ったのは、西城区の老人大学の視察でした。中野のことぶき大学類似の生涯学習施設で、2,000人もの高齢者が生涯学習を楽しんでおられました。この老人大学とことぶき大学で書道展、絵画展などの交流事業を行ったとお聞きしました。高齢者の渡航による交流はさまざまな点で難しい点もあろうかと思いますが、昨今、中国からの観光客が激増しているこの時期に、中野での体験型の交流事業をしてはどうかと御提案いたします。通信物流の発達により、観光客による、いわゆる爆買いのニーズも下火になりつつあり、現在のトレンドは、体験型の観光がふえてきています。 また、前回の区長の訪問は10年前であったと中国の関係者が残念がっていたのが印象的でした。10か年計画への記載はなかろうかと思いますが、今後のさらなる10年を目指して、例えば区長として率先して交流の機会をふやし、数年に一度は訪問して西城区との人的関係を太く強くしてみてはいかがかと御提案申し上げます。これからのこの交流事業の区の展望をお尋ねいたしまして、全ての私の質問を終わります。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 内野議員の御質問にお答えをいたします。 私のほうからは、北京市西城区との友好区関係についての御質問にお答えいたします。 友好区関係の広報についてです。1986年の友好協力関係締結以来、相互の公式訪問事業や少年スポーツや文化など各分野において民間交流事業を継続してきたことにより、多くの区民に国際交流の機会を提供でき、区民の間に一定の浸透が図られたと考えております。なかの区報につきましては、国際交流などのイベント時に掲載を行っております。今後は、区等のイベントにおいて、西城区との交流の模様をパネル展示して紹介するなど、区報に限らず広報の充実を図ってまいりたいと考えております。 体験型の交流事業についてであります。1986年の締結以降、西城区への派遣だけではなく、中野区内においても西城区少年軟式野球団との交流試合の実施や書道展の開催など、各分野において民間交流事業を行ってきたところであります。今回の区民交流団の派遣に際しても、書道体験など、西城区民との体験交流を行ったところでもあります。今後もさまざまな体験型の交流を模索しながら充実した交流に努めてまいりたいと考えております。 西城区との人的交流についてであります。30周年を機に改めて友好関係の継続発展に関する議定書に調印し、友好関係をさらに推し進め、発展させることを確認したことから、これまでの交流関係を継続するとともに、新たな交流内容を模索してまいりたいと考えております。 私からは以上です。 〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕 ○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、災害時ボランティアについての御質問にお答えをいたします。 区民への災害ボランティアの周知についての御質問でございます。災害ボランティアの受け入れ窓口となる中野区の社会福祉協議会は、中野区総合防災訓練において災害ボランティアセンター開設訓練や災害ボランティアに関する展示を行い、区民に周知を図っているところでございます。災害ボランティアの活用に関するさらなる周知について、今後、中野区社会福祉協議会と連携して検討していきたいと考えております。 次に、中野区の災害ボランティアをアピールできるものの整備ということで御質問いただいております。御提案の災害ボランティアに中野区から来たことをアピールすることについて、これにつきましても中野区社会福祉協議会と相談してみたいと考えております。 ○議長(北原ともあき) 以上で、内野大三郎議員の質問は終わります。
中野区議会議員 細 野 かよこ 1 障害者差別解消法について 2 区政情報の公開について 3 その他
○議長(北原ともあき) 次に、細野かよこ議員。 〔細野かよこ議員登壇〕 ○17番(細野かよこ) 市民自治を広げる中野・生活者ネットワークの一員として、1.障害者差別解消法について、2.区政情報の公開について質問いたします。その他はありません。 初めに、障害者差別解消法について伺います。 2013年に成立した障害者差別解消法が4月から施行されました。行政機関や事業者に対して、障害を理由とした不当な差別的取り扱いを禁止するとともに、行政機関に対しては、合理的配慮の提供が義務付けられました。合理的配慮とは、障害のある人が日常生活や社会で受ける制約は社会的障壁に原因があるとして、障壁を社会の側が解消していくことです。 2015年に障害者差別解消法の理念や方向性を定めた基本方針が閣議決定され、この基本方針をもとに、法律の規定に従い、行政機関の職員が適切に対応するための対応要領、民間事業者が適切に対応するための対応指針が所管する府省庁ごとに作成されています。 地方公共団体の対応要領については、法律では努力義務になっているものですが、当区では対応要領を策定するとし、現在、その作業が進められています。11月に3回意見交換会が開催され、私も1度参加しました。参加者が少なかったことは残念ですが、会場では活発に意見交換がされていました。 そこで、区が策定作業を進めている対応要領について伺います。 1点目、区が対応要領を策定しようとした理由、策定の目的は何か、お尋ねします。 差別解消法に、対応要領の策定に当たっては、「障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」とあります。 意見交換会では、書類への記入に困難さを抱える方から、現在は代筆をお願いしているが、PDFデータだけでなく、ワードやエクセルなど前もって入力ができるものをアップしてほしいという提案などがあり、ほかの方々からも大変参考になる御意見を幾つもお聞きできました。実態に即した対応要領策定のためには、当事者、関係者の意見反映は欠かせない要件だと考えます。 2点目の質問です。対応要領の策定過程において、当事者や関係者の意見を反映するために、区はどのような工夫をされたのでしょうか。また、12月に予定されているパブリックコメント手続では、障害者の方々が意見を寄せるためにどのような合理的配慮がされるのか、伺います。 次に、複合差別の観点からお尋ねします。 障害のある女性、子どもは、障害者への差別と同時に性や年齢による差別も受ける複合差別をこうむる状態にあります。障害のある女性については、2012年に市民団体がまとめた複合差別実態調査の報告があり、障害のある女性の35%が性的被害の経験があるという結果や、就職の際の面接、賃金格差、妊娠など、さまざまな場面で差別を受けている実態が読み取れます。こうした状況から、相談窓口には必ず女性の担当者を配置するなどの配慮の必要性が当事者から指摘されています。 基本方針にも、「特に女性である障害者は、障害に加えて女性であることにより、更に複合的に困難な状況に置かれている場合があること、障害児には、成人の障害者とは異なる支援の必要性があることに留意する」という複合差別の課題が盛り込まれています。しかし、基本方針を具体化するために国が策定した対応要領には、具体事例の記述はありません。 当区の対応要領も同様で、「合理的配慮の提供にあたっては、障害者の性別、年齢、状態などに配慮する」の記述にとどまっています。この記述だけでは、複合差別の実態に結びつかず、障害のある女性や子どもへの合理的配慮がなされにくいと考えます。 そこで3点目の質問です。複合差別について、区はどのような認識をお持ちでしょうか。また、対応要領の取り組みを進めるに当たって、例えば研修プログラムに複合差別について学ぶ機会を設けるなど、複合差別に関する記述が必要と考えます。区の見解を伺います。 この項の二つ目の質問、まち全体で取り組む合理的配慮の提供について伺います。 この夏、私は障害者差別の解消に向けて事業者や団体への支援に取り組んでいる兵庫県明石市を視察し、泉房穂市長からお話を伺ってきました。 明石市では、差別を解消する条例として、障害者配慮条例、手話言語・障害者コミュニケーション条例、平等な任用機会確保のための条例を制定し、積極的に障害者差別解消の取り組みを進めています。 その中の一つに、障害者配慮条例に基づいて、事業者や自治会などが段差を解消するためにスロープを設置したり、飲食店が点字メニューや筆談ボードなどを導入する際の費用を助成する制度があります。スロープは、障害者だけでなく、ベビーカーを連れたお母さんや高齢者からも好評だということです。泉市長は、「明石のまちの風景を変えたい」とおっしゃっていました。 明石市のような障害者への配慮の見える化は、市民が合理的配慮を実感し、スロープの例でもあらわれているとおり、障害者だけでなく、誰にとっても暮らしやすいまちの姿を実感することにつながります。こうした民間事業者や地域住民が一体となった地域ぐるみの取り組みが進むことで、誰もが安心して暮らせるまちに近づくのではないでしょうか。 そこでお尋ねします。中野のまち全体で合理的配慮の提供を進めるために、事業者や区民の方に対して法律の周知をどのように行っていくのでしょうか。また、事業者や地域団体が積極的に合理的配慮を提供するための方策についての区の見解をお聞きしまして、次の質問、区政情報の公開についてに移ります。 私ども生活者ネットワークは、市民参加のまちづくりの仕組みづくりに取り組んでいます。市民参加を保証する一つが情報です。 先日、江戸川区議会第3回定例会で、権利の濫用を理由に請求を拒否できることなどを盛り込んだ江戸川区の情報公開条例改正案が可決した報道がありましたが、当区におきましては、既に4年前の2012年、権利の濫用による請求却下を盛り込んだ条例改正をしています。 中野区区政情報の公開に関する条例の目的には、「区民の知る権利を保障し、区民と区との情報の共有を図ることにより住民自治と開かれた区政運営を推進すること」と書かれています。区の情報は誰のものかと言えば、それは納税者である区民のものであり、原則として制限を受けるものではなく、広く認められなければならないと考えます。当区の情報公開制度が区民と区の十分な情報共有につながる制度として運用されることを確認するために質問します。 2012年の条例改正で権利の濫用、請求却下の規定が盛り込まれた経緯と理由について、1点目として伺います。 条例の第9条、公開請求の却下に、「実施機関は、公開請求がこの条例の本来の目的を逸脱するものであり、権利の濫用と認められるときは、当該公開請求を却下することができる」と規定されています。 2点目の質問です。権利の濫用かどうかの判断基準は何か、具体的にお示しください。また、権利の濫用による請求却下を適用するに当たっての区の考え方を伺います。 当区の自治基本条例第2条、自治の基本原則に、「区は、区民と区との十分な情報共有を基に、区民に区政への参加の機会を保障しなければならない」とあります。区民の区政への参加の保障には情報の共有が必要であることが自治基本条例にはっきりと示されています。 当区の情報公開制度が住民自治と開かれた区政運営の推進のために機能するよう、開示請求の権利を大事にしていただくことを申し上げまして、私の質問を終わります。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 細野議員の御質問にお答えをいたします。 障害者差別解消法についての御質問です。 対応要領作成の目的について。障害者差別解消法の施行に先立ち、区は平成28年1月に障害者対応基本マニュアルを作成し、職員の障害者理解を深めるとともに、同年4月の法施行後は障害を理由とする不当な差別の禁止と合理的な配慮の提供などの取り組みを進めてきました。こうした区の取り組みをさらに確実なものとするため、相談窓口や職員の研修、啓発など区の取り組みを明記した対応要領を作成し、公表することにいたしました。 対応要領やパブリックコメント手続時の工夫についてであります。対応要領には、区の取り組みを客観的に点検、評価する第三者機関の設置を盛り込んだほか、障害のある方をはじめ広く区民から意見をいただくため、意見交換会、パブリックコメントを実施することとしました。今後予定しているパブリックコメント手続では、点字資料を作成するほか、ホームページには音声読み上げソフトに対応した電子データを掲載いたします。 複合差別についてという御質問です。障害のあることによる障壁に加えて、女性や児童であるための差別を受けるといった事態を防止するためには、障害の状況だけでなく、性別や年齢などの個別の状況を十分に考慮した上で合理的配慮を提供する必要があると認識をしているところであります。今後、職員研修にこうしたことに関する内容を盛り込むことや、マニュアルに具体的な事例を記載するなど、工夫をしてまいります。 区民等への周知について。障害者理解を進めるため、障害当事者と障害福祉サービス事業者、地域活動の中枢を担っている町会・自治会や民生・児童委員の代表の方などを交えた研修会を実施してまいりました。来年1月には広く区民の方を対象とした啓発事業を予定しております。今後も区民等が障害者等への理解を深め、障害を理由とする差別の解消を進めるため、啓発活動を継続して実施をしてまいります。 私からは以上です。 〔経営室長篠原文彦登壇〕 ○経営室長(篠原文彦) 情報公開についての質問にお答えをいたします。 初めに、権利濫用による請求却下の規定化の経緯と理由でございます。区では、平成16年から18年度にかけまして大量の情報公開請求によって業務に少なからず影響が生じる事例があったことから、平成20年に中野区区政情報の公開に関する条例施行規則を改正いたしまして、権利の濫用と認められる場合の情報公開請求の却下規定を盛り込みました。平成24年に行った中野区区政情報の公開に関する条例の改正では、この規則により規定をしていた権利濫用の却下規定について、却下という処分に鑑み、条例による制限を行ったものでございます。 次に、請求却下の判断基準でございます。情報公開請求の却下を検討する判断基準につきましては、条例の本来の目的を逸脱するものであり、権利の濫用と認められることになる、例えばある所管が保管する過去1年分の文書といったような極めて膨大な請求である場合、また、同じ内容の請求を何度も繰り返す場合、そして、公開請求だけでなく、閲覧に来なかったり、写しの交付を受けていないなどの行為を繰り返す場合でございます。 最後に、請求却下の適用に当たっての考え方でございます。区政情報の公開は、中野区区政情報の公開に関する条例で定めているように、区民の知る権利を保障し、住民自治と開かれた区政運営の推進を目的とするものであることから、情報公開請求を権利の濫用として却下することについては、極めて慎重に対応しなければならないと考えております。したがって、極めて膨大な請求や繰り返し請求などについては、情報公開請求の目的について丁寧に説明をした上で、それぞれの状況に応じて却下するか否かの判断をしていくことが重要だというふうに考えているところでございます。 ○議長(北原ともあき) 以上で、細野かよこ議員の質問は終わります。 以上をもって質問は終了いたしました。 これより日程に入ります。 ────────────────────────────── 第89号議案 平成28年度中野区一般会計補正予算 第90号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 第91号議案 中野区職員定数条例の一部を改正する条例 第92号議案 中野区職員の配偶者同行休業に関する条例の一部を改正する条例 第93号議案 東中野区民活動センター新築工事請負契約 第100号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例 第101号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 第102号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
○議長(北原ともあき) 日程第1、第89号議案から第93号議案まで及び第100号議案から第102号議案までの計8件を一括上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長川崎亨登壇〕 ○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第89号議案から第93号議案まで及び第100号議案から第102号議案までの8議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。 第89号議案、平成28年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ1億8,631万円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は1,320億8,973万4,000円となります。 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。 まず、地域まちづくり費ですが、弥生町三丁目周辺地区の避難道路整備における用地について、本年度の財源確保が明らかになったため、当該用地の土地開発公社からの購入等に係る経費7,034万8,000円を追加計上するものです。 次に、都市基盤整備費ですが、第六中学校跡地周辺の区道を整備するための用地について、東京都との協議が調ったため、当該用地の購入に係る経費9,636万2,000円を追加計上するものです。また、中野四季の森公園拡張整備における公園整備及びイベント設備等の工事のための経費1,960万円を追加計上するものです。 この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金3,499万2,000円、都支出金1,749万6,000円及び繰入金1億3,382万2,000円を追加計上するものです。 次に、債務負担行為について説明いたします。 まず、先ほど補正の歳出予算の中で説明いたしました中野四季の森公園拡張整備工事の期間が2年度にわたるため、平成29年度分の経費2,940万円を追加計上するものです。 また、第三中学校・第十中学校統合新校の新校舎建築に係る基本設計及び実施設計について、債務負担行為の期間を平成30年度まで延長するものです。 第90号議案、中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例は、雇用保険法の改正に伴い、規定を整備するものです。 この条例の施行時期は、平成29年1月1日です。 第91号議案、中野区職員定数条例の一部を改正する条例は、職員の定数を改めるとともに、定数外とする職員等について規定を整備するものです。 この条例の施行時期は、平成29年4月1日です。 第92号議案、中野区職員の配偶者同行休業に関する条例の一部を改正する条例は、配偶者同行休業の期間の再度の延長ができる特別の事情について規定するものです。 この条例の施行時期は、公布の日です。 第93号議案、東中野区民活動センター新築工事請負契約は、東中野区民活動センター新築工事に係る請負契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。 契約の方法は一般競争入札、契約の金額は3億8,023万4,600円、契約の相手方は米持・明成建設共同企業体です。 なお、この工事の完了予定は平成30年2月です。 第100号議案、中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例は、職員の事務処理の誤りによる公務災害補償を受ける権利の時効消滅等に伴い区が損害賠償を行うこととなったことを重く受けとめ、その行政運営上の責任を明らかにするため、区長及び区長職務代理第1順位の副区長について、平成29年1月分から同年3月分までの給料月額を10%減額することを定めるものです。 この条例の施行時期は、公布の日です。 第101号議案、中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、特別区人事委員会の勧告に基づき、各給料表を改定するとともに、勤勉手当の支給総額の算出に係る上限を引き上げるものです。 この条例の施行時期は公布の日で、一部は平成29年4月1日です。 第102号議案、中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、特別区人事委員会の勧告に基づき、給料表を改定するとともに、勤勉手当の支給総額の算出に係る上限を引き上げるものです。 この条例の施行時期は公布の日で、一部は平成29年4月1日です。 以上、8議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(北原ともあき) この際、申し上げます。 第90号議案、第92号議案、第101号議案、第102号議案の計4件につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元に配付の文書のとおり、特別区人事委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。 本件について御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
28特人委給第388号 平成28年11月25日 中野区議会議長 北原 ともあき 様
特別区人事委員会 委員長 中山 弘子
「職員に関する条例」に対する特別区人事委員会の意見聴取について(回答)
平成28年11月24日付28中議第1196号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。 記 1 第90号議案 中野区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例 2 第92号議案 中野区職員の配偶者同行休業に関する条例の一部を改正する条例 3 第101号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 4 第102号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
────────────────────────────── 第94号議案 中野区特別区税条例の一部を改正する条例 第95号議案 中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例
○議長(北原ともあき) 日程第2、第94号議案及び第95号議案の計2件を一括上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長川崎亨登壇〕 ○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第94号議案及び第95号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。 第94号議案、中野区特別区税条例の一部を改正する条例は、次の5点につきまして規定を改めるものです。 第1点目は、軽自動車税の税率の特例の適用期限を延長するものです。 第2点目は、特別区民税に係る特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例を規定するものです。 第3点目は、特例適用利子等及び特例適用配当等に係る特別区民税の課税の特例を規定するものです。 第4点目は、特別区民税に係る延滞金の計算の基礎となる期間から控除する期間について規定するものです。 第5点目は、その他の所要の規定を整備するものです。 なお、この改正に伴い、関係条例について所要の規定整備を行うため、この条例の附則で中野区特別区税条例の一部を改正する条例(平成25年中野区条例第47号)及び中野区特別区税条例等の一部を改正する条例(平成26年中野区条例第19号)を改正します。 この条例の施行時期は、第1点目は平成29年4月1日、第2点目は平成30年1月1日、第3点目及び第4点目は平成29年1月1日、第5点目は公布の日です。 第95号議案、中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例は、廃棄物処理手数料を改定するものです。 この条例の施行時期は、平成29年10月1日です。 以上、2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。 ────────────────────────────── 第96号議案 指定管理者の指定について
○議長(北原ともあき) 日程第3、第96号議案、指定管理者の指定についてを上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長川崎亨登壇〕 ○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第96号議案につきまして提案理由の説明をいたします。 第96号議案、指定管理者の指定については、中野区福祉作業所の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。 指定管理者として選定した団体は、社会福祉法人東京コロニーで、指定の期間は、平成29年4月1日から平成30年3月31日までとしております 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。 ────────────────────────────── 第97号議案 中野区空家等対策審議会条例 第98号議案 指定管理者の指定について 第99号議案 特別区道路線の認定について
○議長(北原ともあき) 日程第4、第97号議案から第99号議案までの計3件を一括上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長川崎亨登壇〕 ○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第97号議案から第99号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。 第97号議案、中野区空家等対策審議会条例は、空家等対策計画の作成等、空き家等に係る施策に関して必要な事項を審議するため、区長の附属機関として、中野区空家等対策審議会を設置するに当たり、その所掌事項、組織、委員の構成等について定めるものです。 この条例の施行時期は、公布の日です。 第98号議案、指定管理者の指定については、産業振興センターの指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。 指定管理者として選定した団体は、ハートフルサポート共同事業体で、指定の期間は、平成29年4月1日から平成34年3月31日までとしております。 第99号議案、特別区道路線の認定については、特別区道の路線を認定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。 この路線は、中野二丁目土地区画整理事業の事業計画に位置付けられている区画道路を整備するに当たり、当該道路を特別区道の路線として認定するもので、区間は中野二丁目133番から101番まで、延長は271.72メートルです。 以上、3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(北原ともあき) 本件について御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午後4時25分休憩
午後5時25分開議 ○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第6、第101号議案及び第102号議案の計2件を一括先議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ────────────────────────────── 第101号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 第102号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 (委員会報告)
○議長(北原ともあき) 日程第6、第101号議案及び第102号議案の計2件を一括議題に供します。
平成28年(2016年)11月28日
中野区議会議長 殿
総務委員長 若林 しげお (公印省略) 議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
○議長(北原ともあき) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。 上程中の議案は委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 ────────────────────────────── 議会の委任に基づく専決処分について
○議長(北原ともあき) 日程第5、議会の委任に基づく専決処分について報告いたします。 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、11月24日付をもって区長からお手元に配付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。
28中経経第2451号 平成28年11月24日 中野区議会議長 北 原 と も あ き 殿 中野区長 田 中 大 輔 議会の委任に基づく専決処分について(報告)
区を当事者とする和解及び損害賠償額の決定について、議会の委任に基づき下記のとおり専決処分したので、地方自治法第180条第2項により報告します。 記 1 和解(示談)当事者 甲 遺言執行者 鴻巣市民 乙 中野区 2 事件の表示 乙は、当該職員が甲の被相続人に対し特別区職員の公務災害等に伴う見舞金の支給に関する条例に基づく見舞金の支給申請に係る手続について必要な案内を行わなかったことにより、当該被相続人が当該見舞金を申請する権利を時効により消滅させた。 3 和解(示談)条件 (1)上記被相続人の法定相続人甲及び受遺者(以下「甲等」という。)は、本事件により、平成11年10月1日から同年11月18日までの49日間における条例に基づく休業見舞金相当額金10,000円について損害を被った。 (2)乙は、上記損害額について甲等に対し賠償する義務があることを認め、本件和解成立後甲の指定する方法で支払う。 (3)以上のほか、本件に関し、甲等と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。 4 和解(示談)成立の日 平成28年(2016年)10月19日
○議長(北原ともあき) この際、陳情の取り下げについてお諮りいたします。 お手元に配付の文書のとおり陳情の取り下げの申し出がありますので、これを承認いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう承認するに決しました。
陳情取下願 平成28年11月24日 中野区議会議長 殿 陳情者 住所 中野区 氏名 中野区民 住所 中野区 氏名 中野区民 住所 中野区 氏名 中野区民 住所 中野区 氏名 中野区民 住所 中野区 氏名 中野区民 住所 中野区 氏名 中野区民 住所 中野区 氏名 中野区民 住所 中野区 氏名 中野区民
平成28年6月6日付をもって提出した次の陳情を取下げいたしますから、よろしくお取り計らい願います。 第9号陳情 都立家政「旧みずほ銀行」建物解体工事に関して(2項) (取下げ理由) 陳情の主旨を満たしたので
○議長(北原ともあき) 次に、陳情の常任委員会への付託について申し上げます。 お手元に配付の陳情付託件名表(Ⅰ)に記載の陳情につきましては、記載のとおりそれぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。
平成28年第4回定例会 平成28年11月28日付託 陳情付託件名表(I) 《総務委員会付託》 第32号陳情 ふるさと納税について 第34号陳情 地域の課題の解決方法の多様化について 第38号陳情 平和の森公園再整備基本計画のパブリック・コメントについて 《厚生委員会付託》 第33号陳情 中野区内にキッズランド(屋内子供遊具施設)設置をする事について 《建設委員会付託》 第37号陳情 子どもの育ちに寄り添う平和の森公園について 第39号陳情 平和の森公園への体育館建設について 第40号陳情 平和の森公園のバーベキューサイトについて 《子ども文教委員会付託》 第36号陳情 区立保育園民営化の中止を求めることについて
○議長(北原ともあき) 本日はこれをもって散会いたします。 午後5時27分散会
会議録署名員 議 長 北原 ともあき 議 員 内野 大三郎 議 員 市川 みのる |