平成29年03月01日中野区議会予算特別委員会
平成29年03月01日中野区議会予算特別委員会の会議録
25.02.21 中野区議会予算特別委員会(第1日)

.平成29年(2017年)3月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(42名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  内  野  大三郎

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  北  原  ともあき

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  細  野  かよこ        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番  い  さ  哲  郎

 21番  佐  野  れいじ        22番  いでい   良  輔

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  石  坂  わたる

 29番  いながき  じゅん子       30番  小  杉  一  男

 31番  浦  野  さとみ        32番  伊  藤  正  信

 33番  高  橋  ちあき        34番  大  内  しんご

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  

.欠席委員

      な  し

.出席説明員

 中野区長    田中 大輔

 副区長     川崎 亨

 副区長     本田 武志

 教育長     田辺 裕子

 政策室長    髙橋 信一

 政策室副参事(企画担当)        海老沢 憲一

 政策室副参事(予算担当)        黒田 玲子

 政策室副参事(広報担当)        堀越 恵美子

 政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 永田 純一

 経営室長    篠原 文彦

 危機管理担当部長            志村 和彦

 経営室副参事(経営担当)        朝井 めぐみ

 経営室副参事(人事担当)        伊藤 政子

 経営室副参事(施設担当)        宮﨑 勇一郎

 経営室副参事(行政監理担当)      田中 謙一

 経営室副参事(経理担当)        石橋 一彦

 都市政策推進室長奈良 浩二

 西武新宿線沿線まちづくり担当部長    角 秀行

 都市政策推進室副参事(産業振興担当)  青山 敬一郎

 都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当、中野駅周辺計画担当) 石井 大輔

 都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 藤永 益次

 都市政策推進室副参事(都立家政駅周辺まちづくり担当、

鷺ノ宮駅周辺まちづくり担当)  菊地 利幸

 地域支えあい推進室長          野村 建樹

 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦

 地域支えあい推進室参事(区民活動センター調整担当)、

鷺宮すこやか福祉センター所長 上村 晃一 

 地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 酒井 直人

 中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 只野 孝子

 北部すこやか福祉センター所長、

 北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 石濱 良行

 北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 吉沢 健一

 南部すこやか福祉センター所長      相澤 明郎

 南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 伊藤 廣昭

 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 平林 義弘

 区民サービス管理部長          白土 純

 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治

 区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 中谷 博

 区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 伊藤 正秀

 区民サービス管理部副参事(税務担当) 杉本 兼太郎

 区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 渡邊 健治

 区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 古川 康司

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  横山 俊

 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、

 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀

 子ども教育部副参事(子育て支援担当)、

 教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 平田 祐子

 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、

 教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 小山 真実

 子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、

 教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当) 荒井 弘巳

 子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、

 教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 浅野 昭

 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 石崎 公一

 教育委員会事務局指導室長        杉山 勇

 健康福祉部長  瀬田 敏幸

 保健所長    寺西 新

 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    石濱 照子

 健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 宇田川 直子

 健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 永見 英光

 環境部長    戸辺 眞

 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   鳥井 文哉

 環境部副参事(ごみゼロ推進担当)    波多江 貴代美

 都市基盤部長  尾﨑 孝

 都市基盤部参事(都市計画担当)     豊川 士朗

 都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) 塚本 剛史

 都市基盤部副参事(道路用地担当)    松原 弘宜

 都市基盤部副参事(地域まちづくり担当、弥生町まちづくり担当) 安田 道孝

 都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 高橋 均

 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鈴木 崇

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     小田 史子

 事務局次長    古本 正士

 議事調査担当係長 佐藤 肇

 書  記     関村 英希

 書  記     大野 貴子

 書  記     細川 道明

 書  記     井田 裕之

 書  記     冨士縄 篤

 書  記     田中 寛

 書  記     遠藤 良太

 書  記     鎌形 聡美

 書  記     松丸 晃大

 書  記     香月 俊介

 書  記     亀井 久徳

.委員長署名

 


時00分開議

○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。

 第5号議案から第9号議案までの計5件を一括して議題に供します。

 きのうの2月28日(火曜日)の理事会の報告を行います。

 本日の委員会運営についてです。総括質疑3日目は、1番目に久保りか委員、2番目に小杉一男委員、3番目に森たかゆき委員、4番目にいでい良輔委員、5番目に佐野れいじ委員、6番目に高橋かずちか委員、7番目に加藤たくま委員の順で、7名の総括質疑を行うことを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願い申し上げます。

 それでは、質疑に入ります。

 久保りか委員、質疑をどうぞ。

○久保委員 おはようございます。昨日に引き続きまして、質疑をさせていただきます。本日から3月ということでございますので、軽快にテンポよく質疑を進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、北西部のまちづくりについて伺います。

 都市計画マスタープランの北西部地域のまちづくり方針には、緑豊かなまちづくりが示されております。地域で育まれてきた屋敷林、社寺境内林、並木などの豊かな緑の保全・育成を図るとされていますが、平成21年の都市計画マスタープラン改定以後、どれだけの屋敷林が失われたのか、おわかりでしょうか、伺います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 区といたしましては、屋敷林の減少は認識をしているところでございます。この屋敷林の推移の状況でございますが、本年度実施をしております緑の実態調査におきまして明らかになるものでございまして、現在、調査内容の取りまとめを行っているところでございます。

○久保委員 現在、取りまとめを行っているところということでございますので、年度内には取りまとめていただきまして、実態が今のところ、きちっとおわかりにはならないと思うのですが、少なくてもこの21年の都市計画マスタープラン以後、屋敷林がそのまま保存されているということではないかと思いますので、やはりこれは大量にと言ったらいいのか、表現がちょっと難しいかと思いますけれども、かなり失われてきていると思いますが、その辺の認識はおありでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) これも先ほど申しましたとおり、数値的なものを見てみないと何とも言えませんが、実感としてはかなり減っている、そういった認識はございます。

○久保委員 方針には、「農地、生産緑地は都市内における貴重な潤い資源であり、環境負荷低減に資する緑地であることから、貴重なオープンスペースとして保全を誘導します。生産緑地地区については、その継続が困難なときには、立地条件を踏まえつつ、必要に応じて公園など、公共施設用地としての取得に努めます」と記されております。都市計画マスタープラン改定以後、どれだけの農地、生産緑地が失われたのか、伺います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 平成27年以降、まず、農地面積は合計で0.93ヘクタール減少しておりまして、そのうち、生産緑地面積は0.29ヘクタールの減少となってございます。

○久保委員 現実に、農地、生産緑地地区の継続が困難な際、都市計画担当に相談が来ているのか、また、相談があった場合、どのような対応をされているのか、伺います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) まず、生産緑地に指定されていない農地一般について、営農の継続、こういったことについての近年における相談実績はございませんが、相談があった場合の対応といたしましては、農地の利用意向を確認して、東京都農業振興事務所やJA等の関係団体等と連携しながら対応することとしてございます。また、当該用地が生産緑地の場合、主な従事者の死亡、または営農が不可能な心身の故障のときに、生産緑地法の規定に基づきまして、生産緑地の所有者は区に生産緑地の買い取り申し出ができることとなってございます。この買い取り申し出が提出された場合には、生産緑地法の規定に沿った対応をしてございます。

○久保委員 本年2月10日、都市における緑地の保全及び緑化並びに都市公園の適切な管理を一層推進するとともに、都市内の農地の計画的な保全を図ることにより、良好な都市環境の形成に資するための都市緑地法等の一部を改正する法律案が閣議決定をされました。多岐にわたる内容ですが、都市農業の保全、活用についても中野区には影響があると思われます。生産緑地地区の一律500平米の面積要件について、300平米を下限に市区町村が条例で引き下げ可能にすることや、生産緑地地区内で直売所、農家レストランなどの設置が可能になるとのことです。区として、法改正を機に、農地、生産緑地の保全に本格的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今、委員から御指摘、御紹介いただきました同法律案につきましては、閣議決定の段階であり、運用に関する詳細などはまだ不明でございますが、今後、東京都から詳細な説明を受けた後、区としての取り組みに向けた方針を検討してまいりたいと考えております。

○久保委員 次に、上鷺宮地域のまちづくりについて伺います。

 生産緑地及び東京における都市計画道路の整備方針、第4次事業化計画で、見直し候補路線に補助215号線が位置付けられました。土地区画整理事業を施行すべき区域への影響について御見解を伺います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 都市計画道路の最新の整備方針でございます第4次事業化計画におきましては、今、委員御指摘の補助215号線は見直し候補路線として位置付けをされておりますが、廃止が決定したものではございません。今後、さまざまな視点から、改めてこの路線の必要性について検証が行われるため、土地区画整理事業を施行すべき区域への影響については、今のところは不明となってございます。

○久保委員 これまで生産緑地や屋敷林のオープンスペースや緑の保全を保っていた上鷺宮、また鷺宮地域における公園地率と1人当たりの公園面積は極めて低い状況にあります。ちなみに、鷺宮は区内最低の1人当たりの面積は0.19平米です。北西部地域における公園整備の方針を示すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) みどりの基本計画の中でも、北西部地域におきましては、緑の拠点となる公園整備の必要性が課題として挙げられてございます。一方、北西部地域の緑被率は区の平均値よりも高くなってございますが、その多くは住宅地などの民有地の緑から構成されております。民有地の緑の維持、保全を図ることも踏まえながら、この地域における公園整備のあり方を検討してまいりたいと考えております。

○久保委員 ぜひよろしくお願いいたします。本当にそういうことをきちっとしていかないと、緑被率が高い地域も、いつまでもこれを保っていけるか、わからない状況にあるかと思っております。

 次に、優先整備路線、補助133号線、白鷺一丁目の整備とまちづくりについて伺います。

 私は、平成16年の初めての総括質疑の際、第3次事業化計画優先整備路線として、中杉通り133号線が挙げられたことについて質問をさせていただきました。今回、この13年前の質問をそのまま繰り返させていただきます。133号線が整備されることで、現在の中杉通りと合わせて2本の道路があることになります。この2本の道路に挟まれる住民の方や地域の人にとっては、旧道はもっと生活環境の改善につながる道路になってほしいと考えていると思いますが、都市計画が終わった後の現道のあり方について、今から検討する必要があるのではないでしょうか、伺いますと、13年前にお伺いをいたしました。その後、この現道のあり方については検討がされていたのかどうかということは、報告はいただいていないところでございますが、同じことを今繰り返しお伺いをいたします。

○菊地都市政策推進室副参事(鷺ノ宮駅周辺まちづくり担当) 現道のあり方については、連続立体交差事業を契機とした鷺ノ宮駅周辺のまちづくりの検討の中で進めていくものと考えております。現在、まちづくり検討会では、道路、交通、まちの賑わいなどを検討しており、平成29年度末をめどにまちづくりの提案を取りまとめることになっております。今後、検討会から提案されるまちづくりの考え方を踏まえて、駅周辺の都市基盤整備の方向性を定め、周辺環境と整合をとりながら、現道のあり方についても検討していきたいと考えております。

○久保委員 検討していきたいということで、まちづくりの考え方、方針がある程度出てきてから検討ということなんでしょうか。今、このまちづくり、さまざまに検討をされている中では、現道のあり方というところについては、そこの中では議論がされているのかどうか、伺います。

○菊地都市政策推進室副参事(鷺ノ宮駅周辺まちづくり担当) 検討会の中では、確かにこの中杉通りについては、問題とか課題については一応会員の中からは話が出ております。それについては、引き続き、来年度のほうの作業部会とかございますので、その中でまた深く検討してまいりたいと考えております。

○久保委員 今後のことになるかと思いますが、例えば歩行者や車椅子、お子さん連れの方が安心して利用できる歩行者、自転車の専用道路として、歩いて暮らせるまちづくりのための道路整備や暮らしのゾーンとして整備すべきと提案をいたしますが、いかがでしょうか。その際、電線類地中化や歩道の段差、道路の傾斜、勾配の改善をし、緑の散策道路や休みながら歩けるユニバーサルデザインの道路を検討してみてはいかがでしょうか。これも13年前の質問のままでございますが、これも繰り返し質問をさせていただきます。

○菊地都市政策推進室副参事(鷺ノ宮駅周辺まちづくり担当) 現道の整備についてですが、補助133号線の整備など、新たな道路ネットワークとの連携や駅周辺まちづくりと整合をとるとともに、白鷺一丁目、二丁目地区内の交通処理など、周辺環境への影響を配慮した計画が必要であると考えております。ユニバーサルデザインなどの考え方を取り入れ、歩行者に優しい道路空間の形成はまちづくりの重要なテーマでもあることから、区としても検討したいと考えております。

○久保委員 よろしくお願いいたします。

 次に、昨年の第3回定例会で区長に再質問をさせていただきました際、私の質問の趣旨がうまく伝わっていなかったと反省をしておりまして、この点について再度質問をさせていただきたいと思います。

 補助133号線整備と用途地域変更についてでございます。都市計画道路の沿道沿いの用途地域変更は、道路整備が完了した後に行われることになっています。今回の補助133号線の場合、道路整備に合わせ、既存の住宅の建てかえなどが行われていくわけです。敷地によっては、共同化を図り高層化をしたいという場合もありますが、これは特定緊急輸送道路ですとか、先日、平山議員が取り上げられておりました大和町地域についてもそうかと思います。そういった手法が進められているわけです。しかし、補助133号線においては、第一種低層住居専用地域、このままでございますので、共同化して建てかえようとしても、高層化ができず、早期に建てかえをして道路整備に協力をしようという、そういった地権者の方たちには不利益が生ずる場合があります。道路整備を推進する際の大きな課題であると思われますが、区の認識を伺います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今、委員御指摘の第一種低層住居専用地域内に新たに道路を整備する場合には、委員御指摘の点も大変重要な課題と認識をしてございます。

○久保委員 とはいっても、東京都が進めていることですので、区だけで都市計画変更を行うということは、これは無理なことなのかもしれません。例えば補助133号線沿道において、地区計画などにより沿道建築物の建てかえ促進や街並み形成の誘導を図ることができないのか、お伺いいたします。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 地区計画を活用いたしまして、建てかえの促進や街並み形成の誘導を図ることは可能でございます。しかし一方、地区計画の取りまとめ及び都市計画決定につきましては、相当な時間を要するということから、既に街路事業が着手されている現状におきましては、事業の支障とならないような調整も必要であると考えてございます。

○久保委員 やはりもう進められているところでございますので、多くの御相談が来ているかと思います。そういったところに丁寧に応えていただきながら、活用できるようなものを完成できるようにしていただけたらありがたいなと思っています。さきに質問をいたしました現道の中杉通りについては、現在、近隣商業地域でありますが、補助133号線整備完了時に用途地域の見直しが行われる可能性があるのか、お伺いいたします。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 用途地域見直しの可能性につきましては、現時点で判断することは困難ではございますが、今後、取りまとめがされます鷺ノ宮駅周辺まちづくり整備方針に沿って用途地域の見直しについても対応すべきものと考えてございます。

○久保委員 用途地域の見直しが図られますと、現在は近隣商業地域ということでございますので、それに合わせて建築物が沿道沿いにはあります。その建てかえなどが不可になってしまう場合もありますので、十分にこのまちづくりの中では検討を深めていただきたいと思いますし、できれば近隣商業地域のままで、そのままここは変更をせずにということを願っております。

 最後に、都市計画マスタープランの改定について伺います。

 29年度はみどりの基本計画の改定、また住宅マスタープランの改定準備がされております。現在の都市計画マスタープランは、平成21年に改定され、おおむね20年先の将来を見据えた中野区の都市計画に関する基本的な方針です。21年の改定の際、整合性を確保すべきとされている中野区基本構想、東京都市計画、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針が新たに定められたことから、必要な見直しを行ったということでございます。東京都市計画、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針については、現在どうなっているのか、お伺いいたします。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) この東京都市計画といいますのは、これは東京23区の都市計画でございますが、今、委員御指摘の東京都市計画、都市計画区域の整備、開発、保全の方針、これは略称で都市計画区域マスタープランと言っておりますが、これにつきましては、東京23区内におきましては、東京都が都市計画の決定権限を有しておりまして、平成26年12月に決定告示がされているところでございます。

○久保委員 中野区の都市計画マスタープランの方針の大もととなっている先ほどの基本構想、そして東京都の都市計画マスタープラン、これはもう既に平成26年に改定をされているということですね。都市計画マスタープランは、都市計画法第18条の2に位置付けられている中野区の都市計画に関する基本的な方針でありますので、たびたび改定をするものではありませんが、西武新宿線の中井―野方間の地下化でございますとか、木造密集地域の10か年プロジェクト、また大規模公園整備など、近年著しいスピードで進む中野のまちづくりが反映をされていないということは課題でないかと考えております。都市計画マスタープランの改定時期についてはいかがお考えか、伺います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 現行の中野区都市計画マスタープランにつきましては、平成29年度見直しに関する方針をまず取りまとめをしたいと考えております。そして、その方針に沿って、これまでの例ではおおむね2年程度で新たな都市計画マスタープランの取りまとめをできるものと考えてございます。

○久保委員 十分にさまざまな課題をきちっと的確に捉えていただくことが重要かと思っております。これから29年度にさまざま取りまとめを行って、その後、2年後に改定というようなことなのかなというふうに思っておりますが、都市計画マスタープラン、本当に大事な区の方針でございますので、きちっと整備をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは次に、ユニバーサルデザイン推進条例についてお伺いをいたします。

 平成29年度予算では、ユニバーサルデザインの推進、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めるため、ユニバーサルデザインにかかわる条例制定と推進計画の策定を行います。また、区民や事業者への普及浸透を図るため、シンポジウムを開催するとともに、リーフレットを作成しますとしております。先日、審議会からの答申も公表され、長年ユニバーサルデザイン条例制定を必要と感じておりましたので、大変近づいてきたなというふうに思いまして、うれしく感じているところです。

 ユニバーサルデザイン推進の考え方には、「多様な人にとって活動しやすく、活発な社会参加が進むまちに向かっていくことが区の将来にとって非常に重要になります。その実現に向けた一つの手段として、ユニバーサルデザインを進めていくことが必要になると考えます」とされ、中野区基本構想で描く実現すべき将来像などに向けた手段としてユニバーサルデザインを進めることの必要性の記述があります。実効性のある条例として、推進計画を一体的に進めていくことが重要であると考えます。具体的な取り組みを進めるための推進計画策定についてのスケジュール、また各部をまたがる横断的な計画になると思いますが、それぞれにかかわる個別の計画も示されていくのか、お伺いをいたします。

海老沢政策室副参事(企画担当) 本年2月13日に中野区ユニバーサルデザイン推進審議会からの答申をいただいたところでございます。この答申を踏まえた上で、区の方針となる推進条例の制定を進めまして、あわせて平成29年度中に推進計画の策定を行いたいと考えてございます。本年6月をめどにいたしまして、検討の骨子の整理を進めてまいりたいというふうに考えております。

 推進計画につきましては、全庁にまたがる横断的な計画とする考えでございまして、各部の具体的な取り組みについても盛り込むというふうに想定をしているところでございます。

○久保委員 その横断的な計画の中に各部の具体的な計画も盛り込まれるということで、個別の計画ということを今のところは示されるということではないということですね。

 ユニバーサルデザイン条例と他の条例や計画との関係性についてお伺いをいたします。

 条例制定により、他の条例の改正などに影響があるのか、伺います。また、他の計画にユニバーサルデザインをいかに反映させていくのか、お伺いいたします。

海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインの推進にかかわる条例につきましては、区、区民、事業者等の指針として制定をするということを考えているところでございます。条例の内容につきましては、今後検討を進めていくということになりますが、区がさまざまな施策を進めていく上での指針となるものであるというふうに考えているところでございます。推進に当たりましては、区全体として総合的に進めていく必要があるため、29年度からユニバーサルデザインの担当を設けまして、全庁の調整を行ってまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 全庁的な調整はそれからということかと思います。今、担当というお話がございまして、答申の中でも、取り組みの推進体制として、ユニバーサルデザインの取り組みは段階的、継続的に発展、向上を図っていくことが重要であるため、継続的に見直し、改善を進めていくためのスパイラルアップの仕組み、体制整備が必要であるとされております。その点について、今、そういった庁内の体制を進めていくということでございましたけれども、これはどのような形で体制をとっていくのか、お伺いいたします。

海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインの取り組みにつきましては、区民をはじめといたしましてさまざまな人の理解の状況等を踏まえながら、段階的、継続的に向上を図っていくということが重要になるというふうに認識しているところでございます。全庁的にまたがる取り組みにつきまして企画担当が中心になりまして、今後策定する推進計画を進める上での見直し改善等、スパイラルアップということについても取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 企画担当ということで、とても御負担が大きいので頑張っていただきたいなと思います。29年度は区民や事業者などへの普及浸透を図るため、シンポジウムを開催するとともに、リーフレットを作成するということになっております。シンポジウムは、ZEROホールなどで開催をされるのかと思いますが、多くの区民が参加しやすい日程の設定や早くからのアナウンス、またその際にシンポジウムに参加せずともユニバーサルデザインへの理解が深まるような多様なニーズに対応した案内を心がけることが必要であると考えます。区民にとっては、シンポジウムの案内がユニバーサルデザインを知るきっかけになる場合もありますので、作成段階から多様なニーズに応えていくことが重要です。シンポジウムの開催はもとより、案内作成段階から多様なニーズに応えることについてはいかがお考えでしょうか、伺います。

海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインの取り組みを進めていくに当たりまして、まずは区民や事業者に対しまして、ユニバーサルデザインの考え方や区の推進条例、推進計画の内容の普及浸透を図ることが重要であるというふうに考えております。平成29年度予算におきましてシンポジウムの開催を計画しているというところでございます。シンポジウムの内容を検討するに当たりましては、区内の関係団体等の意見を聞くなど、充実した内容になるように工夫をしてまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 リーフレットについても同様でございますけれども、やはり多様なニーズを的確に捉えていくことが重要だと思います。電子媒体や紙媒体、音声案内など、多言語対応などもされると思いますが、十分なモニタリング調査をされ、作成をされるべきと考えますけれども、いかがでしょうか、伺います。

海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインの推進におきましては、区民への浸透が重要であるというふうに考えているところでございます。リーフレットにつきましては、ユニバーサルデザインの推進に係る条例と計画の理解促進を図ることを主な内容として想定しているところでございますが、さまざまに意見を聞きながら、当事者の方が感じている事例等も踏まえまして、充実した内容になるような検討をしていきたいというふうに考えております。

○久保委員 ありがとうございます。答申の基本方針1にもあるように、誰もが円滑に移動、活動することができるインフラ整備の推進は、特に2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたバリアフリーの都市形成においても喫緊の課題であると感じております。

 そこで、ユニバーサルデザインのまちづくりについて伺います。

 平成29年度予算では、(仮称)都市観光ウオーキングコースマップの作成、哲学堂公園文化財の修復、哲学堂公園学習展示施設の基本実施設計が示されています。この機会にユニバーサルデザインの視点での取り組みを進め、哲学堂、哲学堂周辺を中野区のユニバーサルデザインのモデル地域として、また観光資源のモデル地域として進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 現在策定中の哲学堂公園及び哲学堂公園周辺都市観光拠点整備計画(案)の中で、哲学の回廊を中心に多くの観光客などを呼び込めるよう、ユニバーサルデザインの視点を踏まえ、観光資源のモデル等になるように取り組んでいきたいと考えております。

○久保委員 ロックガーデンの名で世界的に有名な世界遺産である京都市龍安寺では、庭園内に車椅子、ベビーカーで訪れた方向けの案内表示がされ、段差解消を図ったコースが設けられています。また、視覚障害者の方が訪れた際も、ロックガーデンを手でさわって楽しめる工夫がされています。歴史的、文化施設は、訪れたくてもバリアフリー化がされていないために障害のある方、小さなお子さんを連れている方の足が遠のいてしまうこともあります。哲学堂公園には、多様なニーズに応えられる整備がされるべきと考えます。哲学堂公園及び周辺におけるバリアフリー整備計画についてはどのように検討をされているのか、伺います。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当)現在、哲学堂公園内の園路や広場等の舗装の傷みが激しいため、哲学堂公園、旧野方配水塔周辺地区整備基本方針におきまして、落ち着いた雰囲気、歴史的風致を壊さない形態でバリアフリー化、再整備を行うことにしております。また、公園周辺のバリアフリー化につきましても、今後の検討課題としたいと存じます。

○久保委員 歴史的建造物というのは、容易にバリアフリー化ができない場合もあります。今、公園内についても検討を深めるということでございましたが、公園内についてはしっかりとした計画を持っていただきたいと思いますので、お願いいたします。

 中野区バリアフリー整備構想の重点整備地区には、哲学堂公園一帯が設定をされておりません。この際、重点整備地区に設定すべきと考えますけれども、いかがでしょうか、お考えを伺います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 重点整備地区設定の要件でございますが、バリアフリー法及びこれに基づく基本方針において定められておりまして、高齢者、障害者等が日常生活、または社会生活において利用する旅客施設、官公庁施設、福祉施設、その他の施設であることが要件となってございます。中野区におきましては、多くの利用者が集中する鉄道駅を中心とした地区におきましてバリアフリー化の優先順位の評価結果を踏まえまして、7地区の重点整備地区を設定したところでございます。

 なお、中野区バリアフリー整備構想におきましては、重点整備地区以外におきましても、各施設等の新設や改良整備などを行う際には、重点整備地区におけるバリアフリー化の取り組み方針を準用することとしておりますので、ただいま担当からの説明がありましたとおり、哲学堂公園につきましてもバリアフリー化が図られると、そういったものでございます。

○久保委員 バリアフリー整備構想の重点整備地区ということにせずとも、これに準じた形での計画を進めていただけるということでございますね。よろしくお願いいたします。

 観光資源である哲学堂公園内に、誰もが気軽に立ち寄れるお休みどころを整備されてはいかがかと考えます。例えばカフェの導入について検討されてはいかがでしょうか。一般的には、哲学的な議論をするための草の根の公開討論会を哲学カフェと称していますが、それをイメージするような哲学堂のカフェというのも、観光客の話題になるのではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 哲学堂の整備計画(案)に記載しておりますが、今後整備予定の学習展示施設に導入する機能の一つとしてカフェの設置を考えており、現在行っております基本計画策定作業の中でどのようにするか、検討中でございます。

○久保委員 ぜひとも十分な検討をしていただいて、居心地のいい空間を創出していただければと思います。

 次に、文化施設のユニバーサルデザインについて伺います。

 現在改修が進められているZEROホールの改修によるバリアフリー化の推進の状況などについて伺います。まずは、我が会派としても強く求めてきた小ホールのバリアフリー化の進捗状況についてお伺いいたします。

○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 平成28年度のなかのZERO大規模改修工事におきまして、西館の小ホール正面玄関を入って左側に11人乗りのエレベーターを設置する工事を行っております。これにより、ホールの出入り口がある2階まで上れるという形がとれるようになります。また、学習室等への入り口の階段部分を活用しまして、3人乗りのエレベーターを設置しております。こちらに乗りまして、既存のエレベーターと乗り継ぎながら4階まで階段を使わずに上れるという形がとれるようになります。

○久保委員 ロビーから会場内へと進む際、一部段差の解消がされないようでありまして、構造上やむを得ない場合もあるかと思います。エレベーターを乗り継ぐというようなお話もありましたが、ユニバーサルデザインの視点を持った、効果的で安全な誘導策というのが必要ではないかと思っております。動線の確保をそういった視点でされるべきと考えますけれども、いかがでしょうか、お考えを伺います。

○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 新たに設置した2基のエレベーターを使って、どなたでも安全かつ円滑に移動ができるようにということで、動線の確保ですとか、案内の方法などについて、現在、なかのZEROを運営、管理している指定管理者と検討を行っているところでございます。当初につきましては、案内や誘導に人員を配置するというようなことも考えております。実際に皆さんがどう利用して、どう移動されるかということを状況等も把握しながら、動線とか案内表示などの改善というのは引き続き図っていく必要があるかというふうに考えております。

○久保委員 ありがとうございます。丁寧な対応をしていただけるようで、本当にその辺については期待をするところです。

 ユニバーサルデザイン審議会の答申の「実現すべき将来像に関する考え方」には、「子育て世代に優しく、誰もが住みたい、住み続けたいと思える魅力のあふれるまち」と示されております。これからのZEROホールでのイベントには、お子さん連れでの来場を推進すべきと考えます。小さなお子さん連れでも気軽に参加できるイベントを推進するとともに、来場の際のベビーカー置き場の設置や授乳室、多機能トイレの設置についても検討をされているのか、お伺いいたします。

○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 文化施設の指定管理者と締結しております中野区文化施設の管理運営に関する協定の要求水準の中で、なかのZEROで実施する乳幼児を対象とした事業につきましては、乳幼児対応の配慮としておむつがえ、それから授乳スペース等の確保、それからベビーカー席、またはベビーカー預かり場の設定というのを規定しております。これに基づき、現在なかのZEROにおいては、トイレ内のベビーシートの設置、それからホール利用に対応したベビーカー置き場の確保、それから授乳室の確保など、乳幼児対応を行っているところでございます。今後、必要とする方たちにもっと御利用いただけるように周知ですとか、施設内の案内表示等、工夫を行っていきたいというふうに考えております。

○久保委員 ぜひお願いいたします。設置をされていても、そのことが利用する人に伝わらないということになりますと、利用価値というのは本当に格段に下がってしまいますので、今おっしゃられましたように、表示やステッカー、そういったことの設置に努めていただきたいと思っております。

 次に、多様な人が使いやすい工夫がされている商品、サービスづくりの推進について伺います。

 昨年の第3回定例会で、商店街や飲食店に向けたムスリム理解のための普及啓発セミナーの開催や多言語メニュー支援サイトの開設などについてお伺いをいたしました。質問をさせていただきましたけれども、この多言語メニュー支援サイトについての取り組みの進捗状況についてお伺いをいたします。

○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 2020年東京オリンピック・パラリンピック、あと訪日外国人増加などの状況から、中野区における外国人受け入れ環境の整備というのは区として重要な課題だと考えてございます。このため、区では、今月22日に飲食店情報検索サイトを運営する民間事業者と協力しまして、区内飲食店向けにインバウンド対策セミナーを開催する予定でございます。内容としましては、区の観光施策や商店街インバウンド施策、また訪日外国人の状況やムスリムを含めた外国文化の理解など、外国人の受け入れ環境についてのセミナーを実施します。セミナー内において、民間事業者が実施している多言語メニュー支援サイトについても紹介する予定でございます。

○久保委員 また、まちなかにおいても、多言語対応、視覚障害の方への対応など、ピクトグラムの活用等をすることも必要ではないかと思っております。多様なニーズに対応をした案内表示、公共サインの計画についての進捗状況を伺います。

海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインを推進するに当たりまして、障害のある人や外国人など誰もが見やすくわかりやすい案内表示の整備が必要であるというふうに考えてございます。今後、サインの多言語対応等進めるに当たりまして、区として統一したルールを定める必要があるというふうに考えてございます。来年度、外国人来街者に対する案内等の拡充を進めるための多言語対応ガイドライン及び整備方針を進めることにしておりまして、ユニバーサルデザイン推進条例の検討内容も踏まえまして進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○久保委員 来年度にそういったガイドラインをおつくりになって計画を定めるということで、こういったサイン計画というのは2020年には間に合うんでしょうか。

海老沢政策室副参事(企画担当) ガイドラインを定めまして、それに合わせまして逐次進めてまいりたいと考えておりますが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けてサインの整備がなされるように方針を持ってやっていきたいというふうに考えております。

○久保委員 よろしくお願いいたします。京都府では、「京都ユニバーサルデザインおもてなし手帖」というのが策定をされておりまして、こうした事例を参考に、中野区のおもてなしの精神が区内の隅々に行き渡るような仕組みを検討されてはいかがかと思いますが、お伺いいたします。

海老沢政策室副参事(企画担当) 京都府の「京都ユニバーサルデザインおもてなし手帖」でございますけれども、外国人や車椅子、あるいは補助犬使用、子ども連れなど、多様な来街者を想定いたしましてユニバーサルデザインに配慮したおもてなしをまとめた市民向けの冊子であるというふうに認識をしているところでございます。来街者に対するユニバーサルデザインを推進するに当たりましては、区民や事業者等に対しまして、ユニバーサルデザインの考え方の普及浸透を図ることが第一に必要であると考えてございます。今後、区民等への啓発、理解促進を進めるに当たりまして、どのような方法が効果的な方法であるかについて見きわめてまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 ぜひともよろしくお願いいたします。やはりわかりやすく、さまざまなことを伝えていくということが重要ではないかと思っています。

 この項の最後に、職員のおもてなし運動におけるユニバーサルデザインの取り組みについて伺います。

 2016年4月1日から、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、障害者差別解消法が施行され、障害者に対する差別的扱いの禁止をはじめ、合理的配慮の提供が都道府県、区市町村や事業者に対して課せられるようになりました。おもてなし運動の基本理念は、職員の主体的な取り組みによって、組織及び職員を活性化し、中野区にかかわる一人ひとりにとって満足度の高い区役所をつくりますというものです。基本理念実現のための行動目標も掲げ、既にユニバーサルデザインの視点に立った行動目標になっていることとは思いますけれども、やや形骸化されているようにも感じます。ユニバーサルデザイン推進条例施行の際は、おもてなし運動が新鮮な印象を与える中野区役所の印象が変わったと感じられるように見直しをすべきではないかと考えますが、御見解を伺います。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) おもてなし運動では、これまでにもお客様一人ひとりの身になって、一歩踏み込んで考えるなどの行動目標を掲げ、区民一人ひとりにとって満足度の高いサービスの提供を目指してまいりました。今年度の取り組みにおきましても、ユニバーサルデザインの視点を取り入れたチラシの作成をはじめといたしまして、窓口での外国語表記、視覚障害者あて郵便物への点字ラベルの貼付、ホームページの自動音声読み上げソフトの読み方への対応改善など、ユニバーサルデザインの視点からの改善も実践してきたところでございます。こうした取り組みを踏まえまして、ユニバーサルデザイン推進条例の施行を契機といたしまして、さらにおもてなし運動を発展させていけるよう、職員間での意見交換などを進めてまいりたいと考えてございます。

○久保委員 ぜひとも、発展をさせていくということでございまして、やはり区民の皆さんにとって直接かかわるのが職員の皆様の姿勢というところであるかと思いますので、それがしっかりとユニバーサルデザインの精神が反映されるような、そういったおもてなし運動を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは次に、地域包括ケアシステムについてお伺いをいたします。

 29年度予算提案理由説明書によれば、第9号議案、平成29年度中野区介護保険特別会計予算では、歳出のうち、制度運営費は、介護保険システム改修経費などの増により8.9%増の7億5,8000万円余、保険給付費及び地域支援事業費は、介護予防日常生活総合事業導入に伴う影響により、それぞれ4.7%減の194億1,700万円余、270.9%増の14億7,200万円余を計上しましたとのことでございます。平成29年度は、中野区における地域包括ケアシステムの本格実施の年度となります。最も大きく変わるのは、介護予防日常生活支援総合事業費の導入です。保険給付費中の介護サービス費給付は、前年度比10億8,657万円の減額と介護予防日常生活支援総合事業の10億9,466万円を比較するとほぼ同額でありますが、この関係性についてはどのようなものなのか、伺います。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護給付費の介護サービス費給付のうち、主に介護予防の訪問介護、通所介護に係る経費が介護サービス費給付から地域支援事業費の介護予防生活支援サービスに移行するため、介護給付費が減少した分、地域支援事業費が増加しているといったところが主なところでございます。

○久保委員 介護サービス費給付の減額というのが総合事業費の増額とイコールということなのでしょうか、お伺いいたします。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護サービス費給付の減額要因といたしましては、今御説明いたしました総合事業対象経費以外に、平成27年度から介護報酬の減額改定やそれから利用者自己負担の2割負担の導入の影響で、介護給付費全体の伸びの低減傾向が定着したということがございます。また、地域支援事業費の増額要因といたしましては、介護予防ケアマネジメント費や住民主体によるサービスに係る経費などの増額もございまして、介護サービス費給付の減額が総合事業の増額と全くイコールといったものではございません。

○久保委員 給付費の伸びの低減ということですけれども、平成30年度には介護報酬の見直しが検討をされています。中野区では、29年度は現行相当サービスにおける事業者給付については据え置かれるとのことですが、30年度より見直しが予定をされています。介護報酬の見直しの状況によっては、中野区内の介護事業者への影響が懸念をされます。現行相当サービスの給付の見直しについてもさまざまな状況に応じて再検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 総合事業への円滑な移行を図るため、平成29年度の現行相当サービスの介護報酬は現在の報酬と同額とすることにさせていただきましたけれども、平成30年度以降の報酬につきましては、平成30年度の制度改正に伴う報酬改定の動向を見きわめて検討してまいりたいと考えてございます。

○久保委員 30年度の介護報酬がどうなるかということもしっかりと見きわめながらの検討ということになってくるかと思います。我が会派からは、これまで介護事業者に対するインセンティブ加算についても求めてまいりました。現在、区で検討される現行相当サービスの基準の見直しを行い、インセンティブ加算を行うという案は、結果的にインセンティブ加算のある事業者の給付費が据え置かれ、そうでない事業者の給付が下げられる、そういったわかりにくい制度ではないかと思っています。インセンティブ加算を先行実施している他の自治体では、一般会計を充当しての加算になっています。インセンティブ加算のあり方についても再検討されるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護保険制度における介護報酬の仕組みの中では、現行制度を超える加算はできないということになってございます。ただし、介護事業者へのインセンティブにつきましては、委員御紹介ございました他自治体の先進的な取り組みを参考にしながら、どのような加算ができるのか、検討してまいりたいと考えてございます。

○久保委員 1年ありますので――といっても、1年といってもすぐ来てしまいますので、しっかりと検討していただきたいと思います。

 訪問型の緩和基準サービスについて、資格要件を緩和し、区長が指定する研修を受講した者が生活支援サービスに従事できるとされております。2月の初旬には、中野区認定ヘルパー研修を実施されましたが、中野区認定ヘルパーの第1号は何名誕生したのでしょうか、伺います。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 2月に実施をいたしました緩和基準サービスに従事できるという区長が指定する研修の研修修了者でございますが、26人でございます。

○久保委員 今後は区としても研修を主催し、研修修了者と事業者との雇用相談の機会を設ける予定ということです。今回誕生した認定ヘルパーと事業所とのマッチングはどうなっているのでしょうか、伺います。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 今回、2月に実施いたしました研修の最終日に、この4月に緩和基準の訪問サービスを実施したいと考えている15事業所がヘルパーの仕事の魅力についてPRいたしましたり、あと事業所の説明を行う時間を設けたところでございます。研修修了者も関心ある事業者の話を聞いてございまして、盛況だったと受けとめてございます。このことから、緩和基準サービスの従事者として今後雇用に結びつくことを期待しているところでございます。

○久保委員 現在の状況では、区が直接マッチングというような形をすることができないので、そのような形をとられたのかなと思います。昨日の高橋(ち)委員の質疑の、この認定ヘルパー制度については、私も重なる部分がありましたので、そこの部分はちょっと予定を変えさせていただきたいと思っております。

 介護人材の不足を補うためには、認定ヘルパーを育成するということは大変有効的ではあると思っております。事業所においての社内研修と区が主催する研修の継続、これは両方ともしていくべきと考えますが、この点、昨日も御答弁あったかと思いますが、お伺いをいたします。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 緩和基準サービスは新しく始めるサービスでございまして、今後しばらくは担い手の育成が必要であると考えているところでございます。社内研修による育成とあわせまして、中野区認定ヘルパーの研修についても当面継続していきたいと考えてございます。

○久保委員 ぜひお願いいたします。1月に開催された説明会に、私も参加をさせていただきました。子育て中で介護ヘルパーを目指すにはハードルが高い、定年退職後に新たに仕事をしてみたいという方が認定ヘルパーとして緩和基準サービスを行い、その後、介護ヘルパーへとステップアップをしていくということも十分に可能性があると感じました。認定ヘルパーから介護ヘルパーへのステップアップについても、計画的に推進をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 現在、ホームヘルパーの初任者研修や実務者研修の研修費用費、それから介護福祉士の受験費用など、介護の資格のステップアップに関して計画的な費用助成を行ってございまして、この費用助成の申請動向を踏まえて、着実なステップアップが図れるよう支援を行ってまいりたいと考えてございます。

○久保委員 よろしくお願いいたします。認定ヘルパーを取得したときから、次にこういった道筋がありますよというふうなことがやはりわかりやすく誘導されるといいのではないかと思います。

 次に、3月12日のランニングフェスタで初お目見えの予定の中野元気アップ体操について伺います。

 元気な高齢者から虚弱高齢者までが自主的に地域のサロンや自宅などで取り組めるものとして、また区が広く住民主体の活動へ介護予防などを普及していくための仕掛けとして、中野区オリジナルの体操、中野元気アップ体操を制作、普及し、介護予防や認知症予防の取り組みを推進していくということでございますが、普及方法についてはどのようにお考えでしょうか、伺います。

○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 自主グループの活動時等に映像を見ながら体操の動きを確認できるよう、中野元気アップ体操の映像を制作し、周知することを考えております。

 それから、友愛クラブやサロン等の既存の団体の活動、高齢者会館等でのミニデイサービスに中野元気アップ体操の実施を加えていただくような形で、積極的に普及していきたいと考えております。

 それから、中野元気アップ体操を実施する団体等を区民に周知し、その団体等の活動に新たなメンバーとして加わってもらう等、拡大していきたいと考えております。

○久保委員 先日、副参事が今、元気アップ体操の練習中ということでちょっと見せていただきまして、これなら私にもできるかなというふうに思いました。

 茨城県の利根町では、利根町社会福祉協議会による定年男性のためのボランティア講座と県立健康プラザのシルバーリハビリ体操が結びつき、高齢者のための体操指導者の養成を開始、養成されたシルバーリハビリ体操指導士が利根町リハビリ体操指導士の会を設立し、社会福祉協議会の行っているふれあいサロンや老人クラブなどの事業で体操教室を行っているとのことです。中野元気アップ体操の普及に合わせて、体操を指導するシルバー世代を育成していくということも検討されるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 健康づくりパートナーや生涯学習大学の卒業生等に広く呼びかけ、体操を普及するリーダー養成講習会を実施し、普及をリードする人材を養成していきたいと考えております。他の自治体の好事例等も参考にしながら実施していきます。それから、地域のリハビリテーション職との連携により、実施団体や養成したリーダーの活動をフォローしながら、中野元気アップ体操の普及を通じた介護予防、認知症予防を推進していきたいと考えております。

○久保委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、子育て世代の地域包括ケアについて伺います。

 厚生労働省では、子育て世代包括支援センターについては、まち・ひと・しごと創生基本方針などにおいて、妊娠期から子育て期にわたるまでのさまざまなニーズに対して総合的相談支援を提供するワンストップ拠点の整備を図る、子育て世代包括支援センターを平成27年度中に150カ所整備し、おおむね5年後までに地域の実情等を踏まえながら全国展開を目指していくと位置付けられています。

 中野区では、妊娠期から出産期までの切れ目ない多様な支援が充実をし、先進的な取り組みを行っており、既に要件を満たしているように思われますが、現状では子育て世代包括支援センターの位置付けはどうなっているのか、伺います。

○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 国は、母子保健法を改正し、市区町村は母子保健に関して真に必要な実情の把握などを行う子育て世代包括支援センターの設置に努めなければならないとしているところでございます。中野区におきましては、子育て世代包括支援センターに求められる役割、必要となる事業について、実態としては既にすこやか福祉センターを中心に取り組んでいるところでございますが、現在のところ、子育て世代包括支援センターとしては設置をしてございません。今後の区としての地域包括ケア体制を構築する上で、すこやか福祉センター、子ども家庭支援センター、児童相談所の役割を整理し、子育て世代包括支援センターを設置したいと考えてございます。

○久保委員 今もう既にこういった要件はそろっているんだけれども、まださまざまなことを整理しながら今後位置付けていくということですね。区長は、我が会派の甲田議員の一般質問に対しまして、子ども版地域包括ケアシステムの推進が必要であるということで、区が目指している地域包括ケアシステムは、子どもから高齢者まであらゆる区民がそのライフステージに応じて切れ目なく、一貫した相談や支援を受けられる体制の整備であり、今後構築を進めてまいりたいというふうにお答えになられております。今、副参事からもその内容、子ども版のときに進めていくというところと、今私が質問をいたしましたところの世代ごとの、子ども世代包括センターということで、今国が進めているものというのが同様なのであるかどうかということと、また現在中野区では地域包括ケアシステムでは、このすこやか福祉センター圏域ということで進められておりますけれども、子ども版地域包括ケアシステムにおいても、先ほどすこやか福祉センターということも言われておりましたが、その圏域で展開をしていくのか、その点についてお伺いをいたします。

 また、本格実施についてはいつごろと考えていらっしゃるのか、伺います。

○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) (仮称)地域包括ケアシステム推進プランについては、3月策定に向けて現在検討中ですが、第1ステップでは、喫緊の課題である高齢者について策定し、第2ステップの平成31年度からは、子ども、障害者を含めた全世帯、全区民に拡大する予定でございます。地域包括ケアシステムの子どもに係る支援の圏域については、すこやか福祉センターが子どもや家庭に関する相談や乳幼児健診、乳幼児親子の子育てひろば事業など、子育て支援に係る総合相談窓口として機能しております。地域の子育てに関する団体活動の区域、地域の見守りの単位なども考慮して、今後具体的な区域については設定したいと考えております。

○久保委員 今後ということになり、31年ごろということでございますね。ライフステージに応じた切れ目ない支援を構築するためには、まずこの子ども版地域包括ケアシステムではどういったことを充足すべきとお考えなのでしょうか、伺います。

○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 子ども版地域包括ケアシステムにおいては、区民活動センターに配置する他職種による地区担当、アウトリーチチームがアウトリーチによる地域での子育て関係の事業の現場に出向いて、またICTの活用等により、子育て世代の状況を把握するとともに、地域のネットワークを構築していくことがまず重要であると考えております。

○久保委員 昨日も、災害対策のところで、アウトリーチの方たちのICTを活用してということについては少し質問をさせていただきました。このアウトリーチチームが、子育てについても同じように切れ目ない支援を行っていくということでございますけれども、これについては、子ども版の地域包括ケアシステムがスタートする以前から行っていくと、そういう考えでよろしいですか。

○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) このアウトリーチチームについては、4月から設置しておりまして、そのアウトリーチチームについては、高齢者だけではなく、障害者、子どもなど、全ての世代についてのネットワーク構築だとか見守りについて動いていくということでございます。

○久保委員 要は、今ちょっとお伺いをしていて思いましたのは、国におけます子育て世代包括支援センター、この役割は既に中野区としては全て充足をされていると。また、子ども版の地域包括ケアシステムは31年度からの本格実施というふうになっておりますけれども、来年度からスタートいたしますアウトリーチの中では十分に子どもの子育てという視点も踏まえた上での活動が進められていくということかと思うんですね。そういった点から考えますと、何もこの31年、ステップ2にこだわらなくても、もしかしたらもうこれは先に子ども版については本格実施ができるのではないかというような期待も持つわけですが、その点についてはいかがですか。

○酒井地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) まだ現在、高齢者版も終わっておりませんので、今後、子どもについてじっくり検討して、年度については平成31年度を目指して計画を進めたいと考えております。

○久保委員 じっくり検討をされるということでございますけれども、じっくり検討をしているうちにどんどん事態は変わっていってしまうわけでございますので、その辺のところは臨機応変に、適宜適切にと申しますか、そういった形でしっかりと進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、産業振興施策についてお伺いをいたします。

 中野区産業振興ビジョンには、ICTコンテンツ関連産業やライフサービス、ライフサポート関連産業の集積、振興などを重点的に進め、区内産業全体の活性化に結びつけていきたいとしています。具体的な取り組みと成果についてお伺いをいたします。

青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 中野区産業振興ビジョンで掲げるICTコンテンツ関連産業及びライフサポート関連産業の振興につきましては、産業振興拠点における産・学・公連携による新事業の創出や産業経済融資などにおける優遇措置のほか、創業を促進するためのシンポジウムや連続セミナーの実施、ビジネスプランコンテストの開催、区内事業者の大規模ビジネスフェアへの共同出店などの取り組みを行ってきております。産業振興拠点の会員企業数をはじめ、創業セミナーの受講者数、ビジネスプランコンテストの応募者数、ビジネスフェアへの出店者数も増加してきており、区内での重点産業の振興について一定の成果が出てきていると考えております。

○久保委員 私も先日、ビジネスプランコンテスト、こちらのほうを拝見いたしまして、2013年度よりスタートをしたこのビジネスプランコンテストも今回で4年目を迎えまして、2月4日にビジコン中野2017ファイナルイベントというのが開催をしていました。今回は大変充実した内容になっていると感じましたけれども、これまでのビジコンと大きく変わった点は何だったんでしょうか。また、担当として、本年の結果をどのように分析されているのか、伺います。

青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 今年度のビジネスプランコンテストにつきましては、より優れたプランが多数応募されるように、募集開始に当たってキックオフイベントというものを開催してございます。このイベントにおきましては、大学卒業後すぐに起業して成功している方や、創業希望者を数多く支援している方による講座を実施して、創業への機運を盛り上げ、その他のPR努力と相まって、前年の3倍近い57件の応募につなげることができました。また、最終審査に進出しました10名に対しましては、ビジネスプランをさらにブラッシュアップし、プレゼンテーション能力を高めるための連続セミナーを実施しております。その結果、ビジネスプランの内容がさらに充実するとともに、各人が限られた発表時間の中でみずからのプランの魅力を十分に伝えることができたと考えております。

○久保委員 受賞内容を拝見いたしますと、観光ですとか、また地域包括ケアなどに他の部署とも連携を図って活用できるのではないかと思われる提案が多かったように思っております。他の部署への情報提供も十分にされることと思いますけれども、また受賞内容については、実効性の高い提案というのもあって、区内での活用も可能なのではないかというふうに考えますが、区内への展開については検討をされているのか、伺います。

青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 受賞プラン等のうち、区の観光施策で活用可能性があるものにつきましては、既に担当所管に情報提供を行ったところでございます。今後は庁内や区内経済団体などにも情報提供を行い、活用を促してまいりたいと考えております。

○久保委員 ぜひ本当にこういったことを定着しておりますので、実効性のあるものにしていただくといいなと思います。また、最優秀賞、奨励賞には賞金も贈られております。受賞内容は、いずれも中野区を含む地域、住民などを対象として展開する新たなビジネスプランということでございまして、中野のビジコンを受賞した受賞者の育成と区内での事業継続というのがこれからの課題ではないかと思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。

青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) コンテストの最終審査進出者につきましては、事業化に向けて無料で経営コンサルタントのアドバイスが受けられるほか、最優秀賞と奨励賞の受賞者には、自身の自己負担ゼロの優遇融資もあっせんしてございます。その他の応募者につきましても、区の経営創業相談や優遇融資などの施策を紹介し、区内での事業化と事業継続を支援していきたいと考えております。

○久保委員 しっかりとその辺のことを育成していくということが大事だと思います。さまざまなサービス、優遇融資などを受けられていても、知らない間に中野区を出ていってしまったというようなことがないようにお願いしたいと思います。

 最後に、10か年計画(第3次)が策定をされましたが、中野区産業振興ビジョンの改定についてはいかがお考えでしょうか、伺います。

青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 中野区産業振興ビジョンにおきましては、ICTコンテンツ関連産業とライフサポート関連産業を重点分野と位置付けて振興することとあわせまして、新たな企業の立地促進や地域の企業の支援を行うことで区内産業全体の活性化を図るという目標を掲げております。昨年作成しました新しい中野をつくる10か年計画(第3次)におきましても、この方針は変更していないため、現時点で産業振興ビジョンを改定することは考えておりません。グローバル都市戦略の推進とあわせまして、これまでの取り組みの成果を検証しつつ、今後も引き続き10か年計画(第3次)のステップで示した取り組みを着実に進めてまいります。

○久保委員 新たに産業振興ビジョンそのものは改定をしないけれども、10か年の中でしっかり検証をしていくということでございまして、検証というのがなかなか伝わりにくいですよね。検証をして、その後どうなったのかということがしっかりとわかるように、この10か年の中でも進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、働き方改革についてお伺いをいたします。

 昨今、女性の活躍推進法に象徴されるように、社会での女性の活躍が目覚ましく、さまざまな形で働き方についても改革がされてきております。先日、奈良県葛城市の「ママスクエア葛城店」の視察をいたしました。葛城市では、地方創生などの予算を活用し、子育て中の女性の働く場の提供と空き家対策を同時に行っております。働きたくても働くところのない地域において、働く場の誘導は子育て世代への定着支援の一つにもなっているそうです。視察をした際、中野区では、働く側、また働く場を提供する事業者側のどちらにもこういったニーズがあるのではないかと感じました。「ママスクエア」では、子どものそばで働ける新しいワーキングスタイルを提唱しています。区内には、働きたくても子どもを預ける場がない、預け先がないから働けないということで悩んでいる子育て世代が存在をしております。例えば、区内事業者と区民の働く場のマッチング事業として、こうした子どもを連れて働ける企業の誘致や場の提供を検討されてはいかがでしょうか、伺います。

海老沢政策室副参事(企画担当) 区はこれまでもホームページや啓発のための情報誌「アンサンブル」を発行いたしまして、ワーク・ライフ・バランスの啓発を進めているところでございます。奈良県葛城市の事例につきましては、ワーキングスペースと託児機能をあわせ持つスペースを提供いたしまして、女性のテレワーク等に活用してもらう事業でございまして、市が事業支援をして立ち上げたというふうに聞いてございます。葛城市の事例等も含めまして、民間のさまざまな事例につきまして情報を集約し、区のホームページや啓発のための情報誌「アンサンブル」などで事例紹介を行っているところでございまして、女性の就業環境が向上するようにワーク・ライフ・バランスを推進する事業者の啓発などを充実するとともに、女性の就業環境が向上するための支援のあり方としてどのようなものがよいのかということについて見きわめてまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 そうですね、すぐに同じような手法で区で取り入れるというわけにはなかなかいかないかと思いますので、中野区には中野区としての最適なあり方というのがあるかと思いますので、十分にその点については検討していただきたいと思います。

 以前にも、ワーク・ライフ・バランスについて質問をさせていただいた際、「今後は区民だけではなく、幅広く企業にも呼びかけるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております」と御答弁をされておりましたが、中野区内の企業への呼びかけの取り組みについて伺います。

海老沢政策室副参事(企画担当) 区内企業のワーク・ライフ・バランスの推進につきましては、区内経済団体との共催によりまして、区内企業向けセミナーを実施いたしまして、推進についての呼びかけを行っているところでございます。平成27年度に女性活躍推進法が制定されたことについての啓発も含めまして、今後も区内経済団体との連携、協働によります啓発を充実させてまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 ありがとうございます。働き方改革というのは、何も民間の話だけではございませんで、やはり庁内にも子育てや介護、さまざまな課題を抱えながら職務に従事をしている職員がたくさんいらっしゃることと思います。

 そこで、区長のイクボス宣言についてお伺いをいたします。厚生労働省では、「日本総イクボス宣言プロジェクト!!ひろがれイクボスの輪」を推奨しています。塩崎厚生労働大臣が昨年末、「社会の働き方、厚労省の働き方を変えていきます」とみずからイクボス宣言をされました。私は、一昨年の第3回定例会で、区長のイクボス宣言を求めました。その際、区長からは、「イクボス宣言について、宣言の定義や宣言をした場合に実施するべき事項の整理等が必要でありますので、今後具体的に検討してまいりたいというふうに思っております」と御答弁をいただきました。そろそろ御準備ができたのではないかなというふうに期待をしておりますが、いかがでしょうか。ここは区長に御答弁をお願いいたします。

○田中区長 中野区の職員のワーク・ライフ・バランスの改善、年次有給休暇の取得の推進、それから男性職員の育児休業の取得の推進、そういったさまざまな取り組みをして、育児支援、また介護にかかわる支援といったようなことを進めてきている、そんなことを考えておりまして、イクボス宣言をしているのと変わらないぐらいの取り組みをしているつもりであります。その上でさらに宣言をするということ、これも次のステップに進んでいくという上で効果のあることだというふうに思っております。厚生労働大臣が宣言をしたということなども踏まえて、考えていきたいと思っておりますけれども、一番まずいのは、宣言をしても誰も気づいてくれないとか、宣言をした結果、何も起こらないじゃないかというようなことになるのが一番まずいことだと思いますので、実効性のある宣言というところで準備をしていきたいというふうに思っております。

○久保委員 区長には、実効性のあるイクボス宣言ということでの、今そういった御準備をいただくというようなふうに受けとめましたので、前向きにしっかりと進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 申しわけございません。時間をたくさんいただきましたのに、私、全ての質問にたどりつくことができないようでありまして、理事者の皆さんには本当に申しわけないと思っておりますので、最後に、文化芸術振興プログラムについて、1点だけお伺いをいたします。

 先ほど哲学堂公園についての質問をさせていただきました。これは観光資源となる歴史文化遺産への取り組み強化ということなのでございまして、一定の評価をしておりますけれども、これが文化芸術振興の取り組みの位置付けであるのか。また私は組織を横断的にさまざまな今ことが進められておりまして、その組織の現在の区の取り組みを区内の文化資源、またこの取り組み全てを一体的に体系化することによって、中野区版文化芸術プログラム、このように位置付けることが可能なのではないかなというふうに考えておりますが、その点についてお伺いいたします。

○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 中野区都市観光ビジョンにおいて、観光資源の発掘、開発の取り組みを掲げております。この中で歴史的資源の観光資源化、それから多様なまち歩きルートの開発、それから個性的なイベントの創出などの取り組みを行っておりますけれども、文化芸術を担当する所管としましても、こちらの取り組みと連携を図りながら区内の文化財の保護ですとか、文化芸術の発信などに取り組んできている……。

○若林委員長 総括質疑の途中ですが、質疑時間は超過しておりますので、答弁はここで結構です。

 以上で久保りか委員の質疑を終了いたします。

 次に、小杉一男委員、質疑をどうぞ。

○小杉委員 平成29年第1回定例会予算特別委員会において、日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。質問内容は通告のとおりです。その他の項はございません。

 まず一つに、介護保険制度について取り上げます。

 第6期介護保険事業計画の達成についてです。平成29年度一般会計の介護基盤整備についてです。予算説明書補助資料223ページにある介護基盤整備補助が掲載されています。第6期介護保険事業計画、平成27年度から3年間ですが、整備目標の件数と実績件数、新年度当初予算の件数をそれぞれ御答弁ください。まずは認知症高齢者グループホームはいかがでしょうか。

石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 認知症高齢者グループホーム整備目標は9カ所でございます。現在までの開設した実績は1カ所、また新年度当初予算といたしましては2カ所計上したところでございます。

○小杉委員 第6期計画で、認知症高齢者グループホームの整備目標を9カ所と掲げながら、実際の新年度予算案では2カ所にしています。3年の計画の1年ですから、目標の3分の1を下回るのはいかがなものでしょうか。予算は、新年度の区職員の活動を規定する性格があるわけですから、私は本来は第6期計画を踏まえた予算にすべきと考えます。それから、定期巡回随時対応型訪問介護・看護はいかがでしょうか。

石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 定期巡回随時対応型訪問介護・看護では、整備目標は6カ所でございました。整備計画を現在進行中の案件がございますが、現在までの開設の実績はございません。また、新年度の当初予算といたしましては、2カ所計上したところでございます。

○小杉委員 定期巡回随時対応型訪問介護・看護は、整備目標6カ所で、新年度の当初予算は2カ所となっており、整備目標の1年分となっています。実績がゼロなので、それが実行できても、6期計画の整備目標には及びません。小規模多機能型居宅介護も同様です。これも第6期計画の整備目標を本気で実行しようとしていないのではと疑念を感じざるを得ません。整備目標を踏まえた予算案としていないのは、どういったことでしょうか。

石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) これまでも介護保険事業計画の目標を実現する努力をしてきたところでございます。平成27年度までは計画の整備目標と整備状況を踏まえまして、複数箇所の予算計上をしておりました。しかし、事業スキームとして採算性の厳しいという、そういった事業もございまして、公募を行っても実績がなく、やむなく減額補正対応をしてきた、こういった経緯がございます。こうしたことから、着実な整備の見通しを持った上で、平成28年度からは公募による新規案件を1カ所として予算額を計上してございます。

○小杉委員 実績がないので予算を減らすというのは、やはり組織内部だけの視点だと思います。第6期計画の整備目標を何としても達成するんだという視点に立てば、そのようにならないんだと思います。このような施設整備の進め方をやっぱり見ると、今社会的な焦眉の課題となっている保育園の待機児童の解消の根幹である認可保育園の整備にも通ずるものだと考えます。東京都下の厳しい環境の中で、事業者が安定的に事業を継続できると判断をして事業を行ってもらうためには、区としての支援策は何よりも必要と思います。現在、江古田三丁目に障害者、認知症高齢者グループホームが建設されようとしています。こうした介護施設ではどのような土地に整備されることが多いのでしょうか、お答えください。

石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 一概には申し上げられないと思いますが、公有地活用といたしましては、認知症高齢者グループホームは18施設中4施設、小規模多機能型居宅介護につきましては6施設中3施設、定期巡回随時対応型訪問介護・看護は2カ所中1カ所という現在の状況でございます。

○小杉委員 それでは、こうした施設を整備することが可能な公有地は現在ありますか。

石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 現在、江古田四丁目国有地に特別養護老人ホームのほか、高齢者認知症グループホーム等も整備誘導する計画を進めているところでございます。今後、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の施設整備の方向性等も踏まえ、区有地活用を含めまして、積極的に検討してまいりたいと考えてございます。

○小杉委員 整備目標を実行する責任は中野区にやっぱりあります。事業者に対してインセンティブを与えても、事業者が安定的な経営が見込めないと判断するのなら、区としてはやっぱり今以上に公共施設をあっせんしたり、補助金をつくったりするなど、積極的な対策が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

石濱健康福祉部副参事(福祉推進担当) 介護基盤整備の補助金につきましては、中野区認知症高齢者グループホーム整備事業補助をはじめとする都の補助を財源とする制度が充実しており、新たな補助金制度を創設する予定はございません。また、地域包括ケア体制の拡充のためにも、今後も民間産業を支援し、公有地活用も含めまして、地域密着サービスの整備誘導を進めていきたいと考えております。

○小杉委員 区民がやっぱり予算を見ても、区が第6期計画の整備目標の達成に努力していることがきちんとわかるように、整備目標に見合った予算にすべきなのではないでしょうか。介護保険制度があっても、必要なサービスが提供されなければ、「絵にかいた餅」となります。

 それから、必要なサービスを提供するためには、介護人材が欠かせませんが、現在では介護人材不足で運営が厳しいという話も聞いています。その点については、実態を把握していますでしょうか。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護に携わる方の人材が不足しているということにつきましては、区内事業所との意見交換など、さまざまな場面において情報を共有しているところでございますが、具体的な不足の人数といったところまでは把握しているものではございません。

○小杉委員 ぜひ人数も把握していただければと思います。事業者を誘導できないというならば、やはり国に介護報酬の引き上げを求めるということとか、今言われた介護人材の確保策、この充実をやっぱり求めるべきではないかと考えますが、御見解を求めます。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 国は介護報酬の改定後には、事業所の経営状況調査を行ってございまして、サービス種別ごとに収支について分析を行っております。その結果を踏まえて、時期計画期間中の介護報酬を定めているといったような計画がございます。また、介護報酬の体系を見ますと、結果として、基本的な部分は報酬の単価を下げつつも、処遇改善については加算を行うなど、工夫もしているというふうに理解してございます。また、国の社会保障審議会では、福祉人材の確保に特化した専門委員会で検討を行っているほか、介護の処遇改善に関して、平成29年度に前倒して実施するなど、人材確保に向けた対応にも着手していると受けとめているものでございます。また、既に特別区長会から国の施策及び予算に関する要望の中で、介護人材の確保、定着及び育成に関する継続的な施策の実施を要望してございまして、介護報酬や介護人材に関して区で要望を行う考えはございません。

○小杉委員 この介護保険のことを検討する健康福祉審議会においても、区民の立場に立って、この第6期計画の整備目標の実現に向けて真摯な審議を求めるものです。

 続いて、介護保険料とサービスの利用料について御質問いたします。

 介護保険特別会計の介護給付費準備基金積立金についてです。これはどういう仕組みになっていますでしょうか。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護給付費準備基金でございますけれども、介護給付費等の歳出が歳入を下回る場合は余剰金を準備基金に積み立て、歳出が歳入を上回る場合は前年度以上に積み立てられた準備基金から必要額を取り崩すといったものでございまして、計画期間の最終年度において残高がある場合には、次期保険料を見込むに当たり準備基金を取り崩す計画を立てて、保険料の基準額を下げるのが基本的な考え方というところでございます。

○小杉委員 介護給付費の見込みを実際が下回れば積み立てて、上回れば取り崩すということですね。どのような趣旨のものでしょうか。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護保険は、中期的に安定した財源確保を可能とする観点から、3年間の経過期間ごとに収支の状況から勘案して同一の保険料を設定しているものでございます。このことから生じることが見込まれる余剰金に関して、適切に管理するために、区は介護給付費準備基金を設けることになってございます。計画期間の終了時の余剰金は次期計画期間に歳入として繰り入れ、保険料の上昇抑制に充てることが考え方として示されているといったような趣旨でございます。

○小杉委員 3年間の介護保険料を統一させるというための仕組みということですね。平成27年度末では、同基金の積立金は幾らとなっていますでしょうか。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 平成27年度末時点で、基金の残高は約17億4,600万円でございます。

○小杉委員 昨年10月に出された介護保険の介護保険運営状況、平成27年度によると、第6期計画の3年間で8億円の取り崩しを予定しているとあります。第6期の最終年である平成29年度予算では、取り崩しを行うのですか。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 平成29年度の予算案では、介護給付費の見込みが歳入の見込みを下回っているため、準備基金を取り崩す予定はございません。

○小杉委員 平成29年度末ではどのくらいになる見込みでしょうか。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 基金の残高ということかと思いますけれども、今後、予算案のとおりの積み立てとなれば、平成29年度末時点で基金残高は約25億円余りということになる見込みでございます。

○小杉委員 なぜ同基金がどんどんふえているのでしょうか。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護報酬の減額の影響ですとか、あと一定の所得以上の方に対する自己負担の割合が平成27年度途中から2割になるなど、第6期計画期間中の給付費の見込みを立てた上でさまざまな要因がございまして、介護給付費の実際の伸びが見込みより低かったためというふうに考えてございます。

○小杉委員 利用者1人当たりの給付費が平成27年度はいずれも減少しています。平成27年度の伸び率を区分ごとに御報告ください。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 所管のほうで発行しております介護保険の運営状況のところで表記しております区分ごとでございますけれども、平成27年度の利用者1人当たりの給付費の対前年度の伸び率でございます。居宅サービスではマイナス0.7%、居住系サービスではマイナス3.3%、施設サービスではマイナス1.4%、介護予防サービスでマイナス4.9%でございます。

○小杉委員 平成28年度はどのような状況になるでしょうか。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 平成27年度決算額と比較して増加傾向にあるというふうに考えてございますけれども、平成28年度の当初予算に対しまして、約1億800万円余りの減額補正を行ったといったところでございます。

○小杉委員 さまざまな要因があったというふうに先ほど言われていましたけれども、また7次補正でも保険給付額が増えずに、1億800万円余が減額補正されましたが、基金積み立てが3億円積み上げられました。結局、保険給付が予定どおりであったとしても、積み立てが2億円積み上がっていることになりますので、保険給付の減だけが問題ではないのかなと思います。そもそも介護保険料の額の設定の精度が甘かったのではないか、多くもらい過ぎたのではないかと思いますが、それについてどのようにお考えでしょうか。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 第6期の介護保険料の第5期の伸び率は23区中、下から5番目となってございます。また、23区では平均的な保険料といったところでございますので、適切な保険料が設定できたと考えているものでございます。したがって、介護給付費準備基金の積み立てに関しましては、介護給付費の実際の伸びが見込みより低減したことによる結果と捉えているものでございます。

○小杉委員 第7期の保険料額の決定を行うために、健康福祉審議会で検討がされます。被保険者が必要な給付を受けられるよう、受診権の保障をすること、介護給付費準備基金を十分に活用するなど、介護保険料を極力引き下げるよう努めることなど、十分に検討を求めるものです。区としての見解を求めます。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 健康福祉審議会におきましては、第7期介護保険事業計画を策定するに当たり、計画に盛り込むべき基本的な考え方を御協議いただくといったところでございます。また、第7期介護保険事業計画における介護給付費準備基金の積立金の活用につきましては、第8期以降、介護保険料の急激な上昇による被保険者の生計への影響等を鑑みまして、長期的な推移も見込みながら検討してまいりたいと考えてございます。

○小杉委員 振り返りますと、保険給付費の伸びが抑制された原因はどういうものでしょうか。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 先ほどの答弁と一部ダブりますけれども、平成27年度の制度改正におきまして、介護報酬が全体でマイナス2.27%減額されたといったことと、あと27年度の8月から一定の所得以上の方の自己負担割合が1割から2割になったことといったようなところで保険給付費の伸びが抑制されたものと考えてございます。

○小杉委員 政府の財政制度審議会の財政制度分科会では、利用者負担の見直しとして、原則2割負担の導入が検討がされています。特定非営利法人の東京都介護支援専門員研究協議会が昨年3月に実施をした第7期介護保険制度改正に関する利用者アンケート調査によると、介護サービス利用料が2割になった場合どうするのかという問いに対して、「2割を支払ってサービスを利用する」と答えたのはわずか25%にすぎませんでした。「生活が続けられなくなる」が34%、「サービス量を減らして、不足分を家族に依頼する」が18%、「不足分は自分で何とかする」が15%という結果でした。もしもこのような制度改正が行われれば、生活が続けられなくなる方が多く出る可能性があります。政府が検討している利用料を原則2割負担化は見直すように求めるべきではないでしょうか、区としての見解を求めます。

○古川区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護保険を所管しております政府の社会保障審議会の議論の中では、2割負担の原則化という意見はございましたけれども、その方向で議論がまとまっているとは認識してございません。平成30年度に向けましての制度改正におきましては、これまでの一定の所得以上の方のうち、さらに所得の高い層の負担割合を3割にする方向で現在介護保険法の改正について国会で審議中であるというふうな状況でございます。介護保険制度の持続的な運営の観点、それから低所得者の負担軽減の観点からも、所得に応じた負担を求めることは必要であるというふうに考えてございます。

○小杉委員 地方公共団体は、住民の福祉の最後のとりでです。介護保険の基盤整備や介護保険料の設定において、中野区の責任を果たすために必要なことは全て行う姿勢が必要です。一層の努力を求め、この項を終えます。

 続きまして、買物弱者への支援についてです。

 西武新宿線沼袋駅の連続立体交差事業に伴って、昨年5月にスーパー西友沼袋店が閉鎖しました。11月には、江原二丁目のサミット江原店が建てかえ工事による閉鎖をしました。今後、区画街路第4号線の事業化により、小規模の生鮮食料品店も移転がされる見通しです。昔は商店街が今よりも繁盛していましたが、大店立地法が改定されて大型スーパーが広がりました。しかし、それらが何らかの事情でなくなれば、多くの区民に影響が出ます。若い人は車や自転車で少し遠いところに買いに行けばいいのですが、病気がちで体が不自由なお年寄りや障害をお持ちの方にとって、日ごろの買い物は大変苦労なものであります。電車やバス、タクシーに乗って移動を余儀なくされる方もいます。要介護、要支援高齢者に対しては介護保険で生活支援が行われていますが、一般の高齢者が肉、魚などの生鮮産品を自分の手にとって購入することに不自由を感じている人は多くいます。そもそも買物弱者とはどういう方を言うのでしょうか。経産省の定義と試算人数を御答弁お願いいたします。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 経産省ということで、他部署での関連もございますけれども、地域の支えあい活動という観点から、私のほうからお答えをさせていただきたいと思います。

 経済産業省では、買物弱者につきまして、流通機能や交通網の弱体化とともに食料品等の日常の買い物が困難な状況に置かれている人々を指すとしてございます。試算人数ということでございますが、平成27年4月に発表された買物弱者問題に関する調査結果によりますと、日本全国の買物弱者数につきまして約700万人と推計をしてございます。平成22年の前回調査時の600万人から増加傾向にあるとしております。

○小杉委員 それでは、中野区にはどれだけの買物弱者がいると想定しますか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 国の推計値につきましては、60歳以上高齢者人口に内閣府調査によります日常の買い物に不便を感じている高齢者の割合17.1%を掛けて算出しております。その計算式を単純に当てはめますと、区内の買物弱者は約1万4,000人という計算になります。

○小杉委員 中野区の人口の32万人のうちの1万4,000人、4.4%ということですけれども、これに加えて、スーパーの移転があれば買物弱者がふえていくということが考えられます。

 それでは、今の、現在の区民は日常品や食料をどこで購入しているのか、お答えください。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 中野区区民意識実態調査によりますと、日用品、食料品はどこで買いますかという質問に対して、スーパーが9割、ドラッグストアが5割、コンビニエンスストアが4割、ホームセンター、個人商店、通販、宅配がおよそ2割とお答えになっております。

○小杉委員 スーパーがやはり多いということですね。昨今、やはり超高齢化社会が進展をしています。中野区では独居高齢者の65歳以上の方が多くおられます。65歳以上の世帯員のいる世帯の割合と65歳以上の単身世帯の割合を御答弁お願いいたします。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) ことし2月時点の住民基本台帳によりますと、60歳以上世帯員のいる世帯割合は25.8%、65歳以上単身世帯の割合は12.9%となってございます。

○小杉委員 中野区の世帯の4分の1が65歳のいる世帯で、9軒に1軒ぐらいでしょうかね、独居高齢者がいる世帯となっています。私は、買物弱者対策としては、民間の移動販売業者と協力することが有意義であると考えました。新宿区では、スーパーマーケットの「丸正」と連携する移動販売事業者、この事業者は徳島県を本部とする株式会社「とくし丸」という事業者ですが、高齢者見守り登録事業者になって、高齢者見守り活動もしながら、トラックで地元のスーパーの品物を積んで移動販売を行っています。業務中に気づいた高齢者の異変を行政機関に連絡をして、関係機関との連携をして、地域の高齢者を緩やかに見守っているということであります。同事業者が全国で死亡者を発見した事例が既に7件あるそうです。実は中野区でもスーパーマーケット「丸正」と「とくし丸」は、提携契約を既に結んでおり、個人事業者が見つかり次第、同野方北店と横鍋店から運行は可能となっているそうです。昨年10月に中野区と株式会社セブンイレブンジャパンとが包括連携協定を締結して、高齢者への見守り活動支援や支えあい活動を推進することとしました。こうした買物弱者を支援する民間事業者と区が包括連携協定を締結して、買物弱者への支援へ一歩踏み出すことを検討することについて、区としての見解を求めますが、いかがでしょうか。

○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 国の報告書では、買物弱者対策として、家まで商品を届ける、近くにお店をつくる、家から出かけやすくする、コミュニティを形成する、物流を改善、効率化するといった取り組みを示唆しております。これらの取り組みにつきましては、民間事業者の協力により解決が期待できるものも多いと考えてございます。

 昨年締結しましたセブンイレブンジャパンとの包括連携協定に基づく支えあい活動に関する覚書では、支えあい活動の具体的内容として、お食事お届けサービスなど支援を必要とする者の日常生活の支援に資するサービス等の提供に努めるものとするとの内容を盛り込んだところでございます。中野区地域支えあい活動の推進に関する条例では、事業者の役割につきまして、地域における支えあい活動に協力するよう努めることと位置付けており、区としては今後も見守り、気づきといった観点に加えて、買物弱者支援という視点も含めながら、民間事業者に対する地域への支えあい活動への協力の働きかけを行い、協力関係をつくっていきたいと考えてございます。

○小杉委員 区長の施政方針演説で、健康寿命を延伸させれば社会コストの軽減につながると言われています。中野区では、健康寿命は着実にふえつつあるということです。買物弱者への支援も、民間の力をかりながら、区としてもきちんと対策を進めていくこと、これを求めて、この項を終えます。

 続きまして、「食育推進計画」の策定に向けてについて取り上げます。

 中野区健康づくり行動プランが平成28年度に終了いたします。同プランでは、栄養、食生活の改善を施策に挙げてきました。昨年7月に中野区スポーツ・健康づくり推進計画が策定されましたが、そこには食育支援の内容は位置付けられていません。国が平成23年度までに市町村に作成実施を求める食育推進計画について、中野区はどのようなスケジュールと体制で作成、実施を行う予定でしょうか。

○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 平成29年度は、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)に基づきまして、食育について取り組みを進めていくということでございます。平成29年度中野区健康づくり行動プランの取り組み状況ですとか、指標等検証しながら、健康福祉総合推進計画の改定とあわせて新たな計画体系について検討していく予定でございます。

○小杉委員 国の第3次食育推進基本計画ではどのような目標を立てているのか、御紹介ください。

○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 国の第3次食育推進基本計画では、15項目の目標を掲げております。食育に関心を持っている国民をふやす、それから、朝食と夕食を家族と一緒に食べる共食の回数をふやす、それから、栄養バランスに配慮した食生活を実践する国民をふやす、食育の推進にかかわるボランティアの数をふやす、食品ロス削減のために何らかの行動をしている国民をふやす、地域や家庭で受け継がれてきた伝統的な料理や作法等を継承し伝える国民をふやすなど、幅広い目標を掲げております。

○小杉委員 国の基本計画では、従来の計画にとどまらず、子どもの貧困の対応や食品ロス、食文化の継承など、かなり幅広い計画として位置付けられています。中野区においては、各種計画を整理して、新たな事業展開を行うということですけれども、新年度は食育計画の空白の年にならないように、健康福祉審議会で十分な検討を進めることを求めたいと思います。国の基本計画の方針を見ると、重点課題に、多様な暮らしに対応した食育の推進を掲げています。単独世帯やひとり親世帯がふえて、貧困の状況にある子どもの支援が課題になるなど、家庭や個人の努力のみでは健全な食生活にはつなげていくことは困難としています。中野区でも世帯は多様化していると感じます。夕方過ぎに、暗い時間になっても外で遊ぶ子どもたちがいると、地域の方から、なぜ遊んでいるのとか、親はどうしているのか、学童に通わせるべきだとかと心配される方もいます。そうした低所得と思われる子どもにかかわると、自分で料理をするのもやはりままならずに、食育のレベルまで達していないという感じがいたします。マクロで食育を捉えるのではなく、区民レベルでミクロで捉える視点がこれからは必要と感じています。

 東京都の健康日本21でも、健康寿命の延伸とともに、健康格差の縮小を掲げて、地域で課題となる健康格差の実態を把握して対策に取り組む地方自治体の増加を設定するとしています。足立区では、平成27年度には、子どもの健康生活実態調査を実施いたしましたが、生活困窮世帯では虫歯の本数が多くて、予防接種を受けていない割合が高かったということです。中野区においても、1歳半、3歳児の健診で、齲蝕有病率が都内で6位、5位と高い状況であります。注目すべきデータもありますが、なかなか東京都全域ですと、その評価は非常に難しいところであります。中野区でもこうした子ども健康生活実態調査などのような具体的な調査をすることを検討すべきではないでしょうか、見解を求めます。

○宇田川健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 食育も含めました健康づくり施策を総合的に推進するに当たりましては、食育も含めた健康づくり全般について、区の各部署が把握している実態ですとか、各部署が持っている各種データ等を収集分析して、現状の課題を明らかにするということがまず必要ではないかというふうに考えております。現段階で、健康食育の視点で実態調査等を行うということは考えておりません。

○小杉委員 各自治体でも調査を行って、そこからさまざまな新たな施策を生み出すことにつながっています。食育を含め、区民の暮らしの実態を把握して、必要な手だてを行う必要があり、そのための調査だと思います。ぜひ実施を求めたいと思います。

 それから、食の循環や環境を意識した食育の推進については、食品ロスの削減も掲げています。昨年6月の第2回定例会本会議で一般質問でも、防災備蓄食料のフードバンクへの提供について求めましたが、国のフードバンクへの支援も拡充されてきています。区としても、家庭や商店街などの事業者を巻き込んだ食育、食品ロスのための区民を含めた運動を検討する時期ではないでしょうか。東京都内においても、実践例が増加をしています。食育推進計画の策定の検討では、区民の参加の取り組みをぜひとも検討していただくことを要望したいと思います。

 そして、子どもから高齢者まで、生涯を通じた取り組みを推進するとあります。子どものうちに、健全な食生活を確立することは、将来にわたり健全な心身を培い、豊かな人間性を育んでいく基礎になるため、子どもへの食育の基礎を形成する場である家庭や学校、保育所等との連携により、食育の取り組みを確実に推進するとあります。私は、こうした連携により、食育の推進は重要なことだと思います。

 私どもの会派として求めたいことは、学校給食の無償化についてです。全国でも62の自治体に給食の無償化が広がっています。これらの大半は、家計の負担軽減による子育て支援を理由にしています。学校給食は、食育の観点を踏まえたものであると位置付けられています。日本の学校給食は、もともと欠食児童の救済から始まりました。戦後、全ての子どもの栄養の改善を目的とする保健的な制度となりました。一方で、給食費の未納という理由で制度からはじき飛ばされかねない問題も生まれています。

 文部省の調査でも、全ての公立で大学まで行っても800万円かかる。中学まで公立でも1,500万円かかる。そういう家計の調査が出ております。負担になっております。子どもの将来に、教育にお金がかかる、それが子育てのつらさの内容の一番のトップになっております。子育て家庭の家計の負担を軽減させるために、学校給食を無償化させることについて、区として検討すべきと考えますが、見解を求めます。

石崎教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校給食費につきましては、学校給食法によりまして、学校給食の食材料費については保護者負担とされております。区で負担することは考えてございません。

○小杉委員 新年度の健康福祉審議会においては、食育推進計画の策定について十分に検討を行うことを求めて、この項を終えます。

 続いて、公共施設の使用料の見直しについてです。

 我が党は、公共施設の使用料については、福祉増進を目的としており、無償化、低額で提供されるべきものとし、費用の多くを利用者に負担させることに対しては反対の姿勢で臨んできました。2年前、区議会に中野区弓道連盟からも要望書が出されています。哲学堂弓道場の利用料が高くて負担が重いと感じ、弓道をやめる高齢者がいたとお話を伺いました。また、哲学堂公園や上高田運動場の野球場や平和の森スポーツ少年広場での小・中学校の親御さんから費用がかさみ、何とかしてほしいという御意見も寄せられています。

 中野区弓道連盟の事例を具体的に紹介すると、個人では、一般、1回900円、団体では、平日午前の7,200円から土日、祝日の夜間では1万8,400円と高額になっています。団体としても、このままでは会費を4万円に上げざるを得ないという悲鳴が、悲痛な御意見です。現在のスポーツ施設の利用料はどのような仕組みになっているのでしょうか、お答えください。

石橋経営室副参事(経理担当) 施設使用料の算定につきましては、全ての施設において統一した原価計算方式を採用してございます。具体的には、施設の維持管理費、建物の減価償却費、人件費、これを対象原価といたしまして、これに施設の性質ごと設定しました利用者負担割合を乗じ、面積で案分したものを使用料としてございます。

 御案内にあったスポーツ施設の場合でございますが、個人による選択性が高く、専ら利用者の便益に値する施設として、利用者負担割合を7割としてございます。

○小杉委員 全ての原価を合わせて、そしてその7割を利用者に負担を求めるということで、算定方法は明確なのかもしれませんが、いわゆる受益者負担の原則は徹底されているんではないかと感じます。

 昨年3月に厚生委員会に学校体育館開放使用料の免除についてが報告されました。これはどういったものでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機といたしまして、区民がスポーツに親しむ、そういった機会を拡充していくために昨年7月から当分の間、スポーツ活動に使用する場合には学校設備の使用料免除としているものでございます。

○小杉委員 同じ公共施設なのに、一方では全てのコストの7割を負担させて、一方では減免でしょうけれども、無料にするというのはちょっとちぐはぐなのかなということです。いろいろな各自治体で、障害とか、子どもとか、高齢とか、そういった減免ということはありますが、規則に基づく免除であっても、オリンピックに向けて健康づくり、スポーツ活動推進、これはわかるんですが、であれば全部免除すべきではないかというふうにも思ってしまいます。その辺の免除の仕組みも検討の余地があるんではないでしょうか。

 平成30年度に向けて、平成29年に施設使用料の見直しを検討する時期となっています。どういうことが検討する予定になっているでしょうか。

石橋経営室副参事(経理担当) 使用料算定に当たりましては、算定対象となる原価の範囲、あるいは施設性質ごとの利用者負担割合、利用者ごとの減免、そういったことが論点になるというふうに考えています。また、前回改定時にいただきました御意見、あるいは御要望を踏まえて検討していきたいというふうに考えております。

○小杉委員 コスト、いわゆる原価の範囲ですかね、それと利用者負担の割合と、利用者の減免のこと、この3点が一つの視点で検討していくということですね。コスト計算については、練馬区では、受益者負担の範囲を限定しているのが特徴があるんです。公費で負担する範囲を用地取得費、建物建設費、修繕や高額備品購入などの維持管理費、事業運営等に要する職員人件費にまで広げています。同区では、施設は区民全体の財産であり、区では公共施設として誰もが利用できる施設の設置が求められている、そうしたニーズに応え、区ではこれまで多くの施設を建設してきており、今後も施設の整備は必要であるとしています。こうした視点についてどうお考えでしょうか。

石橋経営室副参事(経理担当) ちょっと繰り返しになりますが、施設使用料の算定方法につきましては、各区ごと、考え方はさまざまでございます。他自治体の事例等も参考にしながら、対象とする原価の範囲をはじめ、利用者負担割合、利用者ごとの減免等について、一定の受益者負担を確保する最適な考え方を今後取りまとめていきたいというふうに考えてございます。

○小杉委員 検討する上で、受益者負担の原則が言われると思います。区がスポーツ・健康づくり推進を区民に呼びかけるのであれば、全ての区民を対象にスポーツできる環境を整える義務があると思います。スポーツや健康づくり、食育などによって健康を保つ、そして健康寿命を延伸させることは、もはや個人的な範囲を超えて、社会として達成しなければいけない課題になっていると思います。

 弓道連盟の要望書でも、「これではせっかくの健康づくり、スポーツムーブメントも台なしになり、区民の運動機会を奪うことが危惧されています」と結んでいます。子どもたちから高齢者までの、障害者を含めた区民がスポーツに親しみ、健康を維持できるようにするために、誰もが施設を利用できるようにすべきと考えます。公共施設の使用料の見直しの検討が始まりますが、従来の考え方に捉われず、区民や利用者の意見を踏まえて十分な検討を求めて、全ての項を終えます。

○若林委員長 以上で小杉一男委員の質疑を終了します。ここで休憩にしたいと思います。13時まで委員会を休憩します。

午前11時57分休憩

 

午後1時00分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 森たかゆき委員、質疑をどうぞ。

○森委員 平成29年第1回定例会におきまして、民進党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。

 私の質問の前に、きのうの山本議員の質問で、木育、木に着目した里・まち連携の可能性ということで御提案させていただきました。区長からも前向きな答弁をいただきましてありがとうございます。私も子育てを自分でしていて、こういったニーズ、本当に日々感じているところであります。相手のある話ですから、御答弁いただいて、すぐ何がどうという話ではないということは理解しておりますけれども、今後の取り組み、ぜひよろしくお願いしたいというふうに、私のほうからもお願いをしておきます。よろしくお願いします。

 では、質問に移ります。質問は、通告のとおりですけれども、順番を入れかえて、1項目めの29年度予算案についてを後ろにさせていただきたいと思います。少し持ち時間が少なくなっております。一部質問を省かせていただくところ等も出るかと思いますが、御協力のほどお願いいたします。

 それでは、通告の2番目の「ニセ科学」の話からさせていただきたいと思います。一般質問でも取り上げましたけれども、御答弁いただいて、このままでちょっと終わらせてはまずいなと思って、改めてEM菌の関連でお伺いさせていただきたいと思います。

 復習ですけれども、中野区は生ごみ減量、リサイクル推進策の一環として、生ごみコンポスト化容器のあっせんをしている、これは7種類あるわけですが、そのうちの2種類について、EMぼかしによる発酵分解という処理方式を採用しているということです。このEM菌というのが、いわゆる典型的な「ニセ科学」であると言われているものであって、そういったものを区が取り扱うのはどうか、取り扱いをやめるべきではないかというふうに質問をさせていただきました。答弁としては、区としては、水質浄化効果があるとか、放射能を消せるとかいった、発酵促進効果以外の効果は認識をしていない、使用方法について情報発信していきたいというものだったのですが、まずこれ、そもそもから確認をしたいんですが、このコンポスト化容器、どのような経緯で取り扱うようになったのか、お伺いをいたします。

○波多江環境部副参事(ごみゼロ推進担当) EMぼかしを使用する生ごみ堆肥化コンポストについては、平成14年度からコンポスト容器とEMぼかしをセットであっせんするようになった経過がございます。堆肥化の発酵促進剤としては、特にほかの製品と比較して問題があるものとは認識しておりません。

○森委員 大分前から取り扱っているということなんですけれども、実際のところ、これ、どれだけ利用がされているのかなというところを確認したいと思います。ここ5年間の取り扱い件数、どうなっていますでしょうか。

○波多江環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 過去5年間のあっせん実績としては、区はEMぼかしを使用する生ごみコンポストのEMサポートというコンポストで、大きさによっては、製品としては2種類ございます。実績としては、過去5年間では、25年度に2件のあっせん実績があったということでございます。

○森委員 25年度に2件ということで、ここ5年間のというふうに聞いたわけですけれども、そうすると、この年以外はゼロという理解でいいですか。

○波多江環境部副参事(ごみゼロ推進担当) そのとおりでございます。

○森委員 そうすると、これ、やっていて、事業としてもどれだけニーズがあるのかなというふうに思うわけであります。EM菌というものの性質というんですかね、それを考えても、やっぱり改めて取り扱いというのはやめる方向で検討していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○波多江環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 区といたしましては、EMぼかしはあくまでも生ごみの発酵促進剤として効果があるものと認識しております。今後とも適切な使用方法等について情報発信をしていきたいと考えております。

○森委員 先週と今週で答弁が変わるとは思っていないんですけれども、ちょっと状況として、1回入っちゃうと、こういうのってなかなか取り扱いをやめるのは難しいんだなと改めて思うところであります。幾ら区が発酵促進以外の効果は認めていないと言ったって、じゃ、EM菌どうなんだろうと思った人が、区が使っているんだ、じゃ、やっぱりある程度信頼していいのかなとなっちゃう、こういうことも心配するんです。

 もう少し言うと、EM菌、さっきも言ったように、典型的な「ニセ科学」として、ある程度認知がされています。そういう人たちから見たら、こんなのを取り扱っていて中野区大丈夫って、区政の信頼性にもかかわってくる問題なんじゃないかなというふうに思っているんです。かなり古い時期から取り扱っているということで、別に今の皆さんの責任がどうこうという話じゃないと思うんですけれども、今回、これ、質疑で取り上げることによって、改めて考えるきっかけというのは皆さんに提供できたのかなというふうに思っています。ここから先は、今の皆さんの責任で、必要な御判断をしていただきたいというふうに思っております。

 これ、今回、特にEM菌と、あと一般質問でワクチンの関連で伺いました。ただ、「ニセ科学」、本当にいろいろな分野で広がっていて、特に子育て支援とか、妊娠・出産、こういったところで幅広く広がってきているんです。こういう分野で、今後民間委託をしていく、そういったときにも、結構危ういものが入ってくるんじゃないかなというのを今から心配をしています。というか、むしろ今やっている事業の中でも、実は心配だなと思っている部分もあります。これについては、継続して取り上げさせていただきたいと思っておりますので、本日のところは、この項目は以上にさせていただきます。ありがとうございます。

 続きまして、3番の教育についてということで、まずは、今改定作業が進められております中野区教育ビジョン(第3次)素案についてお伺いをしたいと思います。

 まず、改定の時期についてです。現行の教育ビジョン(第2次)は、平成22年から31年が計画期間で、5年をめどに必要な改定を行うとしています。本来であれば、もう少し早い段階で改定がされるべきものだったのかなと思うんですが、なぜこの時期になったのでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 中野区教育ビジョンにつきましては、教育基本法に基づく教育振興計画といたしまして、平成17年に策定したものでございます。その後、中間の見直しを経まして、委員御指摘のとおり、平成23年2月に第2次の計画を策定しているものでございます。基本的に10年間というものを計画期間としてございまして、おおむね5年をめどに、その間の教育をめぐる状況の変化、あるいは事業の実施状況等を踏まえまして必要な改定を行っているものでございます。今般、御案内のとおり、中野区基本構想、新しい中野をつくる10か年計画の改定の準備が平成26年度から始まったところでございます。この策定を踏まえまして、教育ビジョンの改定を行うこととしたため、この時期となったものでございます。

○森委員 別に、基本構想とか10か年とかが、教育大綱とかも関係してくるんですかね、それが、でも理由になるのかなとは疑問に思うところでありますが、今回、言いたいのは、遅くなってけしからんという話ではなくて、遅くなったことによって、今、国のほうで、小・中学校の学習指導要領、これが改定作業が進められていて、ほぼほぼ固まってきている状態、幼稚園の教育要領も、保育所保育指針も、幼保連携型認定こども園教育・保育要領、こっちもほぼパブリックコメント中ですけれども、ほぼほぼ方向性は固まってきているという状況で、このタイミングで教育ビジョンを改定するということは、これらの取り扱いをどうするのかというところが非常に気になるわけであります。この現在改定作業中の学習指導要領等への対応については、どのようにお考えでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 今月14日でございますが、国から委員御指摘の幼稚園教育要領、あるいは小・中学校学習指導要領等の案が示されたところでございます。本案につきましては、これまで国から教育審議会等におけます議論の概要、あるいは資料が情報提供されているところでございます。これらを参考にいたしまして、中野区教育ビジョンの策定を進めてきたところでございます。例えば、今回、指導要領等の主な改善事項とされてございます理数教育、道徳教育、さらには外国語活動の充実などの考え方につきましては、教育ビジョン素案にも記載しているところでございます。同様に、保育所保育指針につきましても、保育所保育におけます幼児教育の充実などの考え方につきまして、教育ビジョン素案にも記載しているところでございます。

○森委員 幾つか御例示いただきましたけれども、議論中のものも踏まえてということで伺いました。私が気になるところで幾つか具体的に確認をさせていただきたいと思います。

 まず、幼児教育の分野です。これは今回、保育所保育指針に幼児教育が積極的に位置付けられるということで、幼稚園も保育園も認定こども園も、子どもたちの目指すべき姿、幼児教育として受けさせるものというものの記載の共通化が図られているわけで、これは非常に画期的で重要なことだと思うんですが、一方で、今の教育ビジョン(第3次)素案を見ると、「全ての子どもたちに多様で質の高い幼児教育を提供するため、幼稚園、保育施設、認定こども園などがそれぞれの役割を十分に発揮できる環境の整備が必要」というふうにあります。「それぞれの」というところが若干気になるわけですが、幼児教育について、幼保の共通化が図られているという状況のなかで、この「それぞれの役割」としている点は何を意味しているのか、御説明ください。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 今回、国から示されました幼稚園教育要領、あるいは保育所保育指針は、ともに整合性を図り策定をされたものでございます。今回、その内容につきましては、いずれも幼児教育において育みたい資質、能力といたしまして、知識や技能の基礎、さらには思考力、判断力、表現力の基礎、学びに向かい合う力、人間性等を掲げているところでございます。こういったことで、委員御指摘のとおり共通化が図られているということでございますけれども、中野区教育ビジョン素案におきましても、幼稚園、保育園、認定こども園等におきまして、子どもたちに身につけさせたい水準につきましては、共通したものとして策定しているところでございます。

 また、教育以外のところにつきましては、それぞれの役割があるものと考えてございまして、幼稚園は主に小学校以降の教育の基礎をつくるための幼児期の教育を行う学校としての役割、また保育所におきましては、主に就労の理由により家庭で保育できない保護者にかわり保育する施設としての役割、また認定こども園につきましては、幼稚園と保育所の機能、特徴をあわせ持ち、保護者の就労等の有無にかかわらず利用できる、地域の子育て支援も行う施設の役割を持つものと考えているところでございます。

○森委員 教育という意味では、どの施設も同じ方向性を目指していくんだということで、今少し安心をしました。今回の改定案を見ていますと、いわゆる非認知能力という、学力に行く前の部分というのをかなり意識をされて位置付けられているのかなと、非常に重要なことだと思うので、これぜひ中野でも取り入れていってほしいなというふうに思います。

 学習指導要領の関係でも1点お伺いをいたします。アクティブラーニングについてということで、これが盛り込まれるという話だったんですが、いろいろな議論があって、アクティブラーニングという言葉自体は使われず、「主体的、対話的で深い学び」という表現がされているようです。内容的には、いわゆるアクティブラーニングのことを指すんじゃないかなというふうに思っているんですが、このアクティブラーニング、深い学びといった方向性について、教育ビジョンの中での取り扱いはどのように考えていらっしゃいますか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 初めに、先ほど御答弁申し上げました教育要領の、国が公表した期日でございますが、今月ではなく、2月14日ということでございます。大変失礼いたしました。

 ただいまの御質問でございますけども、主体的、対話的で深い学び、いわゆるアクティブラーニングでございますが、学習過程の工夫であり、その視点となる内容につきましては、教育ビジョンの基本理念の視点、あるいは目指す姿、取り組みの方向性などに盛り込んでいるところでございます。これは国におけます指導要領案、策定段階の議論を踏まえ、記述したものでございます。

○森委員 言葉としては、習熟度別指導というのがずっと2次のときからもですかね、ずっと入っているんですね。この習熟度別指導とアクティブラーニング、これはどういう関係になってくるんでしょうか。

○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 習熟度別指導につきましては、児童・生徒の習熟度に応じました集団で学習を進める指導形態ということでございます。また、アクティブラーニングにつきましては、習熟度別指導も含めた全ての教科の授業で取り組まれる学習過程の工夫であると認識してございます。

○森委員 何というんですかね、要するに習熟度別の中でアクティブラーニングをやるということもある、いろんな学力の状況のお子さんが集まっている中で、いわゆるグループ学習みたいな形でアクティブラーニングをやっていくということもあるということなのかなというふうに思います。教科とか、単元とか、場合によってはクラスの状況とかによってどういうやり方がいいのかというのはいろいろ出てくるんだろうというふうに思っています。今後、いろいろ成果が上がるやり方というのは研究していっていただきたいなというふうに思います。

 それで、ちょっと教育ビジョン(第2次)と比較をして、なくなった部分の記述というのもちょっと聞きたかったんですが、ちょっと時間の都合で省略をさせていただきます。申しわけございません。

 それで、最後に、区立幼稚園の話、お伺いしたいと思います。現行の教育ビジョン(第2次)には、区立幼稚園の役割がさまざま書かれています。どれも、今読んでも重要だなというふうに思うんですが、一方、第3次の素案には、区立幼稚園の認定こども園への転換といった方針しか書かれておりません。区立幼稚園のあり方については、議会としては、その存続を求める陳情の採択といった形で一定の結論を出しているところでありますが、この判断をどう受けとめられていらっしゃるのか、そして今後どうしていくおつもりなのか、お伺いをいたします。

小山教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 議会の議決の重みは受けとめているところでございます。一方では、最も区政の基本となる10か年計画(第3次)の策定をしたばかりのタイミングでもあり、直ちに修正等を行う状況にはございません。陳情の趣旨や、その中に示されております特別な支援が必要な子どもの受け入れや、区の幼児教育に対する責務についての不安等に対しましては、区の考え方やその取り組みをしっかりお示しし、御理解いただけるよう努めたいと考えているところでございます。

○森委員 陳情の趣旨という話もありましたが、陳情の採択に際しては、各会派、各議員がそれぞれの立場から討論というのをさせていただいているわけですね。その中でもいろんな話をしています。そういった部分も受けとめて、今後のあり方については考えていっていただきたいというふうに思います。この点については、今回は以上とさせていただきます。

 続いて、すみません、2番のいじめの話は割愛させていただきます。申しわけございません。

 3番の道徳教育についてお伺いをしたいと思います。

 平成27年の学習指導要領等の一部改正で、これまでの道徳の時間が特別の教科、道徳となります。小学校は平成30年度から、中学校は31年度からということですが、まず、特別の教科というのになることによって、これまでの道徳の時間と何が変わってくるんでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 大きな違いとしては、新たに検定教科書の導入と児童・生徒の道徳性についての評価を行うこととなった2点でございます。これらに加え、いじめ問題への対応や児童・生徒の発達段階を一層踏まえた内容の体系化、問題解決的な学習や体験的な学習等の指導方法の工夫などがございます。

○森委員 今、教科書の話があって、それは採択に向けてということで、子ども文教委員会にも御報告いただいています。一方で、評価というところがやっぱり非常に気になるわけでありますが、評価をするというのは、具体的にどういう方法でやっていくんでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 現在、具体的な評価について検討されているところですが、基本的な考え方として、記述による評価、大きなまとまりを踏まえた評価、個人内評価、多面的・多角的な見方や自分自身とのかかわりの中での道徳的価値の深まりの重視、道徳科の学習活動での具体的な取り組み状況の一定期間の中での見取りなどが求められており、児童・生徒の変容を捉えていくようにすることとなっております。

○森委員 これ、なかなか聞いてもあまりイメージがつかないんですね。特別な教科、道徳の指導方法、評価等についてという国が出している報告書もあるんですが、これ、読んでもなかなかイメージがつかないなというのが正直なところなんです。数字による評価はしないということなんですけれども、これ、通知表とか、内申書とか、そっちの取り扱いはどうなるんでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 通知表というものは、各学校が定めることとしておりまして、その記載については、学校や区教育委員会で決定しているところでございます。この記載については、予定をしております。内申書、いわゆる調査書に関係するものにつきましては、それぞれの上位校、高校にありますけれども、都立高校であったり、私立高校であったり、それぞれが書式を定めていることとしているところでございます。

○森委員 今、高校の話もありましたけど、やっぱり入試との関係というのも非常に気になるところです。入試への影響というのは、今の御答弁ですと、各学校の判断、都立高校で言えば、東京都教育委員会の判断によって評価の対象となることもあるということなんでしょうか。

○杉山教育委員会事務局指導室長 その件につきましては、東京都教育委員会が指定する入学者選抜の調査書の形式を定めるもので、特にその必要についての情報は現在のところございません。

○森委員 幾つか伺ってきたんですが、どうしても私が気になるのは、道徳という中に、「我が国と郷土を愛すること」というのが入っているところなんです。いわゆる愛国心というものを評価していくということ、そしてそれが場合によっては入試に影響が出る、これは非常に恐ろしいことじゃないかなというふうに思っております。国のほうでこれやると決まったものを中野区の教育委員会ではやるなとは言えないんで、いわゆる手続的な部分というのを今回確認をさせていただいたんですけれども、やはり東京都の教育委員会の方針によっては影響が出てくるのかなというところは確認できました。小池さん、知事になって、その辺はあまり表に出していないですけど、やっぱりちょっと警戒をしていかないといけないのかなというふうに思いました。

 国のほうでは、入学者選抜とはなじまないというような方向も出していますけれども、本当にそうなっていくのかというのは、我々としてはちょっと注視、気をつけて見ていかなきゃいけないなというふうに思っているところです。

 以上です。ありがとうございました。

 続いて、教員の勤務実態についても省略をさせていただきます。いろんな、同僚議員の方からも質疑がありましたのと、子どもたちのために先生の時間を使ってほしいというのは、各会派共通の思いじゃないかなというふうに思っております。その点だけは述べさせていただきたいと思います。

 それでは、順番を変えた1番の平成29年度予算案について伺います。

 まず、オリンピック・パラリンピックについてであります。予算案を見ますと、オリンピック・パラリンピック関係の予算がついていて、気運醸成事業というのがあります。これ、招致の前からずっとあるんですけれども、招致前を思い出してみると、なかなか国民のオリンピックへの支持率が上がらないという中で、こういう気運醸成事業をやりました。それで、招致が決まったわけであります。そういう状況でこれをやるというのは理解ができるんですが、招致が決まった今の段階で気運醸成事業、これが必要になる、この理由は何なんでしょうか。

海老沢政策室副参事(企画担当) 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は、オリンピックの開催を契機として、区におけるスポーツ・健康づくりや国際理解の推進、外国人観光客の受け入れ環境の整備など、一過性の大会でなく、区政のさまざまな課題に対する契機としてと考えておるところでございまして、区民の大会の気運を盛り上げて、多くの区民のオリンピックを実感し、参加してもらうことが必要であるというふうに考えております。

○森委員 その中で、来年度は5月27日ですか、フラッグツアーというものが予定されています。これはどういったことをするんでしょうか。

海老沢政策室副参事(企画担当) 東京都等でございますが、東京大会の気運を図るため、オリンピック・パラリンピックのフラッグを東京都内62市区町村を巡回させるというフラッグツアーを東京都が実施しているということでございます。中野区でございますが、5月27日から6月2日まで、オリンピックフラッグが巡回してくるということになってございまして、内容といたしましては、オリンピック・パラリンピックのフラッグの到着を歓迎するセレモニーとフラッグの展示を予定しているところでございます。

○森委員 この前の土曜日かな、25日に豊島区でやっているフラッグツアーというのを見に行ってきました。これ、フラッグツアー自体は20分ぐらいで終わっちゃうんですね。いろいろ豊島区もそうだったんですが、これに合わせて区としていろんな事業というのをやっているようでありますが、中野区はそうしたものの予定はありますか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) フラッグのセレモニー、また展示期間中におきまして、東京大会で実施をする種目など、区民がスポーツを体験できるイベントを行うとともに、オリンピック・パラリンピックに関する企画展示を実施する予定でございます。

○森委員 体験できるイベントとかというのも、区民の方にしたら楽しいイベントになるという部分もあるのかなと思うんですが、今回のオリンピックについては、私はやっぱり被災地との関係を忘れちゃいけないというふうに思っているんです。さっき言った豊島区の例で言うと、会場の後ろに、たまたまなんでしょうけど、その後に行われる被災地のフォトボイス展という、写真とメッセージとあわせて掲載をするイベントの告知パネルが出ていました。その中の作品の一つに、仮設住宅の写真が写っていて、そこに「いつまで続く仮設生活。世の中、東京のオリンピック招致で浮かれている。人も金も建築資材もオリンピックに。人の意識も被災地から離れていくのか。被災地住民はいつになったら安定した住まいを持てるのか」というボイスが紹介をされていたわけであります。フラッグツアーという、ある意味、みんな浮かれている空間にこれを置くというセンスに、ちょっと私はびっくりしたんですが、いずれにしても、こういった、ここまでやれとは言わないんですが、被災地とのつながりというのを感じられるように、フラッグツアー、区内に避難されている方々に案内を出すとか、あとオリンピック・パラリンピック準備局がつくっているんでしょうか、「2020年、東京と東北で会いましょう」という動画が今作成されて、ホームページで見られるんですが、こういったものを紹介するとか、何がしかオリンピック・パラリンピックと被災地とのつながりを感じられる、こういった仕掛けも必要なんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

海老沢政策室副参事(企画担当) 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会でございますが、東日本大震災の復興支援も一つのテーマとしていると認識しているところでございます。被災地支援の視点から、気運醸成の取り組みにつきましても、フラッグツアーから、さらに気運醸成事業、さまざま取り組んでまいりますので、23区の取り組み状況を踏まえながら、どういった取り組みが効果的なのかということについて考えてまいりたいというふうに考えます。

○森委員 ぜひ考えていっていただきたいと思います。さっき気運醸成事業の意義というところで御質問したときに、健康・スポーツづくりとか、国際交流の促進とかと例示をしていただきましたけれども、ほかにもオリンピック憲章って見ると、環境、人権、多様性の尊重、平和、あとこれは規制がどうなるかですが、たばこ、スモークフリーということも言っているわけです。気運醸成事業って何でやるんだって、私が幾ら言ったところで、やらないというわけにはいかないというのは十分理解しているんで、今後、これ、開催までさまざま、いろんな事業が行われると思います。こういった部分も含めて、オリンピックとあわせて伝えていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

海老沢政策室副参事(企画担当) 区は、東京大会の開催を単なる一過性のイベントとしてとどまらせるのではなくて、さまざまな区政課題に対する目標達成のための契機として捉えている、着実に政策を推進していきたいというふうに考えているところでございます。対象につきましては多岐にわたっておりまして、スポーツ・健康づくりの活動や国際理解の推進、外国人観光客の受け入れ環境整備のほかに、御指摘の領域も含めて、さまざまな区政課題に対する啓発等の推進をオリンピック開催を契機として進めてまいりたいというふうに考えております。

○森委員 来年度だけ見ても、ユニバーサルデザインの推進とか、またみどりの基本計画の改定とか、こういったところも絡んでくるのかなというふうに思っています。そういうのをまとめてやっていくというのが企画担当を全庁的な司令塔としてやっていくんだという、目標体系の見直しの方針だというふうに理解していますので、十分取り組んでいっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

 それで、オリ・パラ関連の最後に、災害の対応についてお伺いをしたいと思います。オリンピック・パラリンピック開催期間中というのは、ただでさえ人の多い東京に国内外からさらに多くの人が押し寄せるという状況です。それを前提に考えたときに、期間中の時限的な防災計画のようなものをつくるとか、特別な備えというのが必要なんじゃないかというふうに考えるんですが、こうしたことについて、これまでのところ、何か議論があるのか、区が把握していることがあれば教えてください。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 都は、平成26年12月に発効しました東京の防災プランにおきまして、2020年を目標とした防災対策を示しております。また、平成28年12月に発効した都民ファーストでつくる新しい東京2020に向けた実行プランにて、2020年に向けて都が取り組む防災対策を示しておりますが、オリンピック・パラリンピック開催期間中の防災計画について公表したものはございません。

○森委員 公表しているものはないということで、これ、まだ知事がかわる前ですけど、都議会の議論なんかを見ていても、施設ごとの耐震化と避難計画の策定というようなことを言うにとどまっているようであります。施設ごとの避難計画なんていうのは、例えば東京ドームでプロ野球をやりますというときだってあるものなんで、それだけで本当に大丈夫かなというのは非常に心配をしているところです。東京都に策定を求めるという動きも必要じゃないかと思いますが、いかがですか。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) オリンピック・パラリンピックの開催に伴う来訪者が安心して中野区を訪れられるよう、区の防災対策を充実させることが優先と考えております。その中で、他自治体等との調整が必要な防災対策が生じた場合におきましては、早期に都へ調整を要請していく予定でございます。

○森委員 区内に会場がたくさんあったりするわけじゃないんで、なかなか中野区が率先してというのは難しいのかもしれませんけども、私はいずれにしてもこれ、必要だと思っています。震度3ぐらいでパニックになるなんていうことも想定しておかないといけないのかなと思っていますので、状況を見て、必要な対策をとっていっていただきたいと思います。

 区にできる対策ということで、今少しありましたけれども、舛添さんのときですが、これも、防災情報の多言語化表示という方針があったと思うんですが、これ、今どうなっていますか。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区は、総合防災訓練におきまして、中野区国際交流協会と多言語センターの開設訓練など、被災した外国人に対する語学支援などの訓練を毎年実施しております。あと、中野区防災地図や日ごろの防災対策を記したパンフレット、中野防災におきましては、英語版、中国語版、韓国語版を作成して窓口に備えつけておりますし、これは区のホームページからもダウンロードすることができます。避難所等の標識を更新する際には、多言語表示のものを採用するなど、防災情報の多言語化に取り組んでいるところであります。

○森委員 やっていただいている部分もあって、でも、東京都の方もなかなか動いていないように見えます。舛添さんから小池さんにかわって、なかなか防災政策の全体像というものが見えない。無電柱化が前面に出ているぐらいで、あと液体ミルクぐらいでしょうか。聞く耳は持っている人だと思うので、現場で必要だと思う情報はどんどん上げていってほしいなと思います。

 以上です。ありがとうございます。

 最後、3分ですが、待機児童の話をしたいと思います。

 中野は1,300人定員をふやすということで、かなり意欲的な予算編成をしていますが、杉並1,000人、新宿区700人、渋谷800人、練馬250人というぐらいの整備が予定をされていて、普通にやっていたら、これ達成できない状況かなというふうに思います。地道にやっていく部分と、考え方を変えていく部分と必要かなと思っています。ごめんなさい、ちょっと予算編成の考えは割愛させていただきます。

 三鷹の清原市長が、東京都に対して、待機児童解消に向けた施策の充実に関する要望書を出していて、風営法の施行条例を変えてくれと言っているんです。これ、何かなと思ったら、繁華街で、特定の店舗があるようなところで、なかなか保育園の立地が歓迎されないという状況がこの風営法施行条例絡みであるということで、東京都にその改正を求めているということのようであります。昨年の12月には、これまた別の話ですが、検査済証がない建物においても、市区町村がそれにかわる書類を発行すれば整備を認めるというような方針もありました。具体的に、1個1個保育園をつくろうとすると、個別にいろんな問題が出てくると思うんです。場合によっては、こうやって要望活動をしていくことでハードルを下げて、出てくる物件をふやせる、こういったこともあるのじゃないかなというふうに思います。現場で起きる問題、把握できるのは自治体の皆さんだと思います。必要なものについては、適宜都に、国に要望するなど、一つひとつ解決していって整備をしていくことも必要だと思いますが、いかがでしょうか。

荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 御指摘のとおり、保育所整備を進めるに当たりましては、幾つか課題があることは認識してございます。保育所整備を促進する観点から必要な要望や対応を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

○森委員 すみません、都有地の話は割愛をさせていただきますが、リストが142件出て、中野は1件だけと、大変厳しい状況だなというふうに思っています。これについては、また改めて議論したいと思います。

 最後、区立保育園の今後についてです。さきの一般質問で、ちょっとこれまでよりも踏み込んだ答弁があったように記憶していますが、確認させてください。

荒井子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 区立保育園の民営化につきましては、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)におきまして、着実に推進していくこととしてございます。現在、区立保育園の民営化につきましては、平成29年度から5年間における民営化の手順をお示ししているところでございます。その後の民営化につきましては、保育需要の動向を踏まえ、さらにその先の手順を示していきたいというふうに考えてございます。

○森委員 すみません、時間がなくなりました。ありがとうございました。

○若林委員長 以上で森たかゆき委員の質疑を終了します。

 次に、いでい良輔委員、質疑をどうぞ。

○いでい委員 どうも皆さん、お疲れさまです。本日は3日目を迎えました。自由民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきたいと思います。

 午前中、久保りか委員もお話しされていましたけど、実は僕たち、平成15年に初当選組は、議長をはじめ、伊東しんじ、佐野れいじ、久保りか先生、あと近藤先生、あと酒井先生とね――忘れていないね、ちゃんと。結構しぶとく残っている仲間、たくさんいるんですけど、僕、総括質疑、初めてやらせていただいたのが平成20年なんですね。だから、1期生のときは、僕たち総括質疑やったことないんだ、実は。当初、自民党が複数あったという、そういうこともいろんなこと、影響しているのかなという、当時はいろんなことがありましたんでわかりませんけれども、今こうやって、昨日、山本先生、新しい風という話をされて、うちの高橋ちあき先生が「新しい風というのはね」という説明があったんですけど、ちょっとわかりづらかったんですけど……(「新しい風じゃない風」と呼ぶ者あり)ええ、新しい風じゃない風ね。でも、こうやって総括質疑の中で、1期生の皆さんがすごく一生懸命総括質疑をされたり、またベテランの先生たちがいろんな話をまたさせてもらったりとか、特に共産党でも羽鳥さんの、本当に声量が大きくて大変よかったなと。中身の話についてはまた別ですけれども。

 でも、当時、僕もそうですけど、酒井先生も、あともう1人、20代で初めて当選したという、僕たち3人で新しい風を起こすんだなんていうことでやっていましたけど、過去の、僕、一般質問とか総括質疑の原稿を見たときに、結構すごいことを言っているなというような、改めて見るとおもしろいもんですよね。結構実現しなかったものたくさんあるんですけど、様々提案したものって結構あって、それで今になってみると、ああ、こういった形で実現してきたなというものもたくさん実はあったりします。

 僕たちがやっていかなきゃいけないのは、未来のことに対して明確なビジョンを持って、そこに突き進んでいくんだ、後退しないで、少しでも前進していくんだという思いを政策と一緒に実現していかなくちゃいけないことなのかなと思っていて、そういった角度から質問していきたいんですけど。

 今日、ちょっと時間の都合上、加藤議員がちょっと3日目、4日目、またぐ可能性もあるということで、いいかげんにしろという顔でさっきからにらみつけていますんで、早速質問のほうに移らせていただきたいなと思います。

 では、平成29年度予算について――本当はこれ、予算案なんですけど、予算について質問させていただきます。

 区業務の外部化に伴う中長期的な職員力低下の懸念についてという項目で質問をさせてもらいます。

 平成29年度の予算案が示されました。今回の予算案は、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)を策定して以来、初めての予算案であり、10か年計画において区が取り組んでいくことを着実に実行するための第一歩となる予算です。10か年計画の中でも述べられているとおり、日本の人口は減少局面を迎えています。中野区においては、特に2014年以降、若年層の転入が転出を上回ったことを原因として増加傾向にあるとのことですが、年少人口の割合や合計特殊出生率が低い状況である一方、65歳以上の人口は一貫して増加しています。このように急速に社会環境が変化する中でも、区は限られた資源で質の高い行政サービスを継続的かつ効率的、効果的に提供していく必要に迫られています。そのための有効な手段として、業務の民間委託があります。政府のいわゆる骨太方針においても、経済財政改革の柱の一つとなる歳出改革について、公共サービスの無駄をなくし、質を改善するため、広く国民、企業、地方自治体等が自ら意欲を持って参加することを促し、民間の活力を生かしながら歳出を抑制する社会改革と定義づけをしています。

 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の戦略8、持続可能な行財政改革においても、民間事業者への委託可能なものについては、積極的に民間への開放を推進します、また民営化した公共サービスの質の確保、安定供給の仕組みを整えます、施設の管理運営に当たっては、民営化、指定管理者制度の導入、PPPなど、最も効果的、効率的な手法により民間活力の活用を推進しますと述べられています。

 そこで、先日示されました平成29年度当初予算案の概要を見ると、予算編成方針の歳出抑制の項では、持続可能な財政運営を堅持するため、物件費や人件費などの経常経費の拡大は見込まず、さらなる歳出抑制、節減に努めることとされています。結果としては、物件費は7億4,890万円余、4.2%の増となっています。この増加分について御説明ください。

○黒田政策室副参事(予算担当) 物件費の増でございますが、ただいま委員御指摘のとおり、持続可能な中野区の財政運営を堅持するためには、民間の得意とする分野については、委託ですとか指定管理者の導入が必要だというふうに考えております。そういった中では、平成29年度は障害児の支援施設が一部施設の通年化等によりまして5,200万円余りの増で、4億5,700万円になったこと、また子ども相談窓口が通年化したことによりまして3,800万円余りの増で、1億円余の事業費になりました。また、学校用務を委託する学校数が22校から26校へ増加したことにより、7,000万円余りの増で、全体で3億円となったところでございます。特に、29年度につきましては、このほかにシステムの構築経費などの増により、物件費が先ほど言われましたとおり、7億4,800万円余り、4.2%の増となったところでございます。

○いでい委員 政府の方針だとか、区の計画からの国や地方自治体が業務委託の推進に取り組んでいくという必要があることは理解しています。一方で、業務を丸投げして、職員にとって大切な知識や能力が失われているのではないか。そうなると、10か年計画に述べられている、民営化した公共サービスの質の確保は本当に実現できるのかなと。また直接区民と接して、現場から感じたり、学んだりしたり、業務改善につなげていく感覚というものは失われていくんじゃないかなど、いろんなことを感じています。民営化そのものが目的化してはならないと考えています。その先に何を目指すのか、これからの質疑でちょっと確認をさせていただきます。

 中野区においても、これまで様々な業務が民間などに委託されてきました。そこで、現在どれだけの業務が委託されているのか、契約の件数について教えてください。

石橋経営室副参事(経理担当) 委託契約の件数についてお答えいたします。区長契約として契約担当が手続をした件数になります。ここまでということで、平成28年度における委託契約の件数でございますが、708件と。全契約、915件に占める割合でございますが、約8割となってございます。

○いでい委員 そして、今後大規模な工事などが予定されていく中で、区として来年度、初めてCM方式という、コンストラクション・マネジメントの活用を図ると聞いていますが、それはどのような業務委託なのか、その内容も教えてください。

宮﨑経営室副参事(施設担当) 一般に、CM方式とは、発注者の代表者であるCM事業者が発注者の側に立って、工事の設計・発注・施工が各段階において、設計の検討や工事の発注方式の検討、工程管理、法令遵守などの各種業務のマネジメント業務の全部、または一部を行うことを委託するものであります。

○いでい委員 それは、区の職員の皆さんが直営で行わなかった理由は何なんですか。

宮﨑経営室副参事(施設担当) その件につきましては、今後しばらく新区役所整備、新体育館整備、学校再編など、大規模な工事が切れ目なく予定されております。一方で、区有施設は老朽化に伴いまして、継続的に施設の改修・修繕に対応していかなくてはいけない現状もあります。しかしながら、この工事のピークにつきましては、平成29年から新庁舎建設の完成する平成35年度となり、これから整備に関して人員配置が必要になる一時的なものというメリットを考えております。

○いでい委員 じゃ、CM方式を導入するということで、技術力の低下、さっき私が申し上げたような、職員の皆さんのノウハウの蓄積というものは直接的につながらないということなんでしょうか。

宮﨑経営室副参事(施設担当) CM方式を導入したとしましても、最終的に設計図、構造計算、積算などの承認は従来どおり職員が行っていくことになります。専門性の高いCM業者の支援及び提案などにより、職員がポイントを押さえ業務を行うことで、品質の高い施設づくりを可能とし、職員の技術向上につながると考えております。区有施設の工事所管として、日頃から技術の伝承と人材育成を考えながら執行委任の内容をしっかりと把握し、遅滞なく、迅速的に新しい中野をつくる10か年計画を実現するために全力で取り組んでいきたいと考えております。

○いでい委員 通告にないんですけど、ちょっと伺いますけど、これから大規模な工事のものが続いていきますと。平成35年ぐらいがそれのピークじゃないか。その後には、そんなに急激に人員が必要だったり、技術者を抱える必要がないんじゃないかという話がありました。そのためにこのCM業者を入れるんですという話なんですけど、CM業者の入れ方なんですよね。今、新しい職員の方々が、新卒で今度また100人とか、2年連続、これからも徐々に採用を増やしていくことにつながっていくんですけど、技術の継承というところについては、幾ら新しい職員の方をたくさん雇って、技術職として現場に置くことができても、それを伝えていく中間管理職といったらいいんですかね、先輩の技術者がやっぱりいなければ、その技術の継承というのは多分できないと思っていて、これから平成29年度から平成35年が一番忙しくなりますよということであるならば、逆の発想もあってしかるべきなのかなと思うんですけど、御担当としてはどう考えますか。

宮﨑経営室副参事(施設担当) 昨年度、建築所属におきましての話になるんですが、3名、新任の職員が入っております。今年度におきましても2名と、来年も4名配属していただいております。継続的にやっぱり技術のほうはしっかり継承していかなきゃいけないということがあり、現状の勢力、しっかりこれを固めながら、しっかりと技術継承をしていきたいと考えております。

○いでい委員 じゃ、詳細についてはちょっと分科会でやりますけど、これ、見ていたら、昨年の予算特別委員会の中でも、技術専門員というのがいるじゃないかと。だけど、この予算には載っていないぞと。この人、一体何なのか。役所の中におばけがいるんじゃないかという話、させてもらいました。それを受けて、新年度の予算については、技術専門員というのが三つのところにわたって入っています。技術専門員について、わかる範囲でいいので、説明してもらえませんか。

宮﨑経営室副参事(施設担当) 先ほど技術継承ということで、委員のほうからもお話しありましたけど、区としまして、今後、区有施設の整備工事等、新築等があります。そういったところで、そういった維持保全の企画とか立案、実施、そちらのほうに関すること、あと、人材育成についてお願いしているところでございます。

○いでい委員 施設と都市基盤と都市計画のところに技術専門員という人が配置をされるというふうになっています。施設のほうについては引き続きという形にはなると思うんですけど、そういう人たちが、退職された方をもう1度再任用で仕事をやってもらうという話になっているので、その人たちが技術を継承していきますよと言っている、それもそれでやる。でも、CM会社についてはCM会社もやる。新しい職員については、知識やノウハウを蓄積させるために鍛えていきます。何か総合的に見るとうまくいくのかなという話もするんですけど、でも平成29年度から平成35年度までにそれがCM業者の人たちが集中してしまうと、そこがまたぽっかり抜けてくると、技術専門員の人たちをまたさらによそからどんどん連れてこなくちゃいけなくなっちゃったりすると、職員の皆さんのノウハウとかスキルがアップしていくのかなという疑問は感じています。それについては、おいおい私たちのほうでも指摘はさせていただきたいし、うまくいってもらうのがもちろんいい話なんで、ちょっと危惧しているという話を披歴したかったので、通告にないんですけど、この話をさせてもらいました。ありがとうございます。

 委託のことに関してなんですけど、戸籍住民分野では、平成26年度から出入力業務を委託し、その後、委託範囲の拡充をし、平成27年度4月から証明受付窓口の委託を開始していると聞いています。職員の知識や能力の低下を招いていないのか。また職員の知識が低下しない、どのような取り組みをしているのか、お伺いできればと思います。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 戸籍住民分野の証明窓口業務は、申請受け付け、証明書作成、内容審査、証明書交付という流れで、窓口での証明書交付が行われてございます。現在、申請受け付けと証明書作成の定型的業務を委託してございまして、内容審査と証明書交付を職員が行ってございます。また、非定型的な相談や困難事例の処理などは職員が対応しており、今のところ、知識や能力の低下が見られてございませんが、将来的には、委託業務を含めて、業務に求められる知識や能力の維持が課題になると認識してございます。現在、職員の知識や能力を維持するため、業務マニュアルを活用し、人事異動してきた職員に実技研修を行うことや、日々の事例検証に加え、定期的なミーティングでの知識の共有化を図るなどの取り組みを行っていますが、今後さらに有効な方策を検討していきたいと考えてございます。

○いでい委員 通告にないんですけど、ちょっと話、飛びますが、定期的なミーティングというのはどういう頻度で行っているんですか。というのは、窓口の仕事を委託している民間の業者さんと、その分野の職員の皆さんとのミーティングの件ですけど、どれぐらいの――定期的にという話ですけど、開催しているか、教えてください。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 委託業者の定例的なミーティングでございますけれども、月に一遍、月末あたりに行って、情報交換という形でいろいろな指摘とか意見とかというのを取り交わしてございます。

○いでい委員 定期的にといって、年間で12回しかやりませんよという話で、窓口にいらっしゃる区民の皆さんは、総数で言ったら何万人にもなるわけですよね。それで、定期的にミーティングやっているから大丈夫ですよというもののレベルの話じゃないのかなとも感じています。というのは、窓口業務って、中野区役所の仕事の上でやっぱり看板だと思うんですよね。区民の皆さんと直接対面して、目を見て話して、この人がどういう思いでここに来ているのか、それに対して行政はどうやって応えていくのかって感じるところって、分野の副参事が対面して話すことじゃなくて、やっぱり窓口にいる皆さんのことを区の人間だと思って区民の皆さんは接してくると思うので、それでコミュニケーションというのかな、やっぱりそれは窓口業務というのは区の行政のやっぱり顔だと思っているので、ミーティングの反省点だとか、問題が全くありませんよというわけ、絶対ないわけだから、どんなことがあっても、逐次報告して、相談して、改善していくという取り組みが必要じゃないかなと思っていますけど、それについていかがですか。

○伊藤区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 定例的で、月に一遍やってございますけれども、そのたびごとに気がついたことに関しては、委託業者の管理職に対して申し伝えをしていって、日々改善をしていくというところで、非常に努力してきております。

○いでい委員 通告になかったんで、ごめんなさいね。いいんですよ。まあ、いいでしょう。

 次に、後期高齢者医療の窓口や介護保険窓口の業務も委託されていますが、職員の知識や能力の低下を招いていないか。また、職員の知識が低下しないような取り組みはされているのでしょうか、お伺いをします。

○渡邊区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 後期高齢者医療と介護保険の手続に関しましては、高齢者総合窓口としまして、ワンストップで委託事業者により対応しているところでございます。高齢者総合窓口では、定例的な届け出や申請の受け付けなどは事業者に委託して行っているところでございますけれども、決定に係る審査業務や決定内容に関する区民からの問い合わせ、困難事例の処理につきましては職員が対応しており、今のところ職員の知識の低下は見られませんが、将来的には、委託業務を含めて業務に求められる知識や能力の維持が課題になると認識しているところでございます。現在は、戸籍住民分野と同様に、職員の知識や能力を維持するために業務マニュアルを活用して、異動してきた職員に実務研修を行うほか、定例的なミーティングで、制度改正を含めた知識の共有を図っているところでございますが、今後さらに有効な方策を検討していきたいと考えているところでございます。

○いでい委員 高齢者総合窓口でしたっけ、そのワンストップになっているところで、評判というか、区民の皆さんから、あそこがああいうふうになって、ワンストップになってよかったねという話、あまり聞かないんですよ。というのも、それって、そもそもそうであるべきだった形にやっと今中野区が追いついてきたのかなというところだと思うんですよね。だから、やっぱり改善してワンストップの窓口になったということはすごく喜ばしいことであるんですけど、それが今日もずっと総括質疑の中でお話ありましたけど、やっぱり高齢者の人口が増えていく、少子高齢化の社会が進んでいきますよといったときに、じゃ、今の相談窓口のままでいいのか、やっぱり数が上がってくるわけですから、相談体制だって、件数も増えてくるでしょう、相談の内容も多岐にわたってくるでしょうということがやはり必要になってくると思うんですよ。そういった、今積み上げている、対面で話を聞いているのも、委託業者の皆さんは窓口で接して、直接話は聞きますけど、そこで得られた経験だとかそういったものは、分野の職員の皆さんで共有するべきだと思っているんですよ。特に相談の案件については、専門的なものについては分野の職員の方が直接お話をされるというスタイルで行っていることもすごくいいことなんですけどね。将来的に今度少子高齢化が進んでくる中で、相当そこの窓口業務としては仕事が多くなるのかもしれないなと思っています。今のままでいいのか、新たないい方策を考えていきたいとおっしゃっていましたけど、何か方策は考えていますか。

○渡邊区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 窓口業務のほうを委託しておりますので、接遇に係るスキルにつきましては上げていきたいと考えております。

○いでい委員 そういうスキルの話じゃなくて、そこで培った、やっぱりどんな相談の内容があって、どんなことまでやっていかなくちゃいけないんだというところまで、そういった意味でもスキルを上げていってほしいなと思っています。これ、通告になかったので、もう結構です。すみません。

 続きまして、子ども総合相談窓口はいかがでしょうか。

○平田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 子ども総合相談窓口についてお答えいたします。職員が窓口で区民と日々接しまして、区民の声を聞くことは、区民目線での施策立案の上からも重要だと考えております。また、子ども総合相談窓口に関しまして事業者に委託しているのは、定例的、定型的な業務でございまして、複雑なケースや判断を要するものにつきましては、職員が直接対応してございます。こうした対応におきまして、基礎的な知識やスキルは当然必要なものとなっておりまして、この業務を担っていく中で、必要な知識、スキルの習得、向上は維持されていくものと考えております。

 また一方で、委託した部分の業務につきましては、契約発注者として管理監督の責務を果たしていく必要がございますので、委託の仕様や業務マニュアルについて十分把握いたしまして、その履行、検査確認、あるいは次年度に向けてさらなる改善向上などを行っていくことが重要であると認識してございます。

 この毎年度のPDCAサイクルにより行う見直しを担当者1人に任せ切りにするのではなく、組織的に行っていくことで業務履行水準の確保、向上を図っていくとともに、職員の委託業務に係る知識や業務を適正に遂行させていく能力等の維持向上を図っていきたいと考えております。

○いでい委員 大変丁寧な御説明、本当にありがとうございます。子ども総合相談窓口って、やっぱり国のいろんな制度の改変というのかな、によって、人間をたくさん配置しなくちゃいけない部分があると思います。僕らも、議員の控え室が3階なんで、あそこの窓口、忙しそうだな、こういったことがあるからなのかな、うちにもいろんな通知もらって、申請すると、いろんなものもらえるっていうときは一番に僕も行きますけど、そういった窓口業務の、民間委託のいいところって、そういったフレキシブルにその場その場で対応できる、導入する人数もいろいろ差配できるというところがいい話なんだなと思っています。また、やっぱり窓口に見える皆さんというのは、区民の皆さんで、やっぱりここに来る用事があって、ここにわざわざ足を運んでくれているので、やっぱり求めているものに対して明確に答えが出せるような、そういった窓口業務であってほしいなと思っています。大事です。

 これまで業務委託に伴う職員の知識や能力の低下についてお聞きをしてきました。別にそんなに心配することありませんよというお話もたくさん聞かせていただきましたけど、窓口業務の委託は、やっぱり直接区民の皆さんと接して、そのサービスが区民がどう感じているのか、その反応を肌で感じ取る貴重な機会だと思っています。かつての地域センターもなくなって、窓口業務を職員が行う機会が減ることは、区政のPDCA、日常の業務の中から課題を見つけて改善したり、新たな施策につなげるというような機会を失することにならないんでしょうか。職員の皆さんの能力開発を担当している人事担当さん、御見解をお聞かせください。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 委員の御質疑にございましたように、私たち職員は、区民の方々の共感に基づきまして行政運営をしていかなければならないというふうに考えてございます。その意味で、行政評価ですとか、おもてなしの運動なども、そのような行政運営を実現するための手段の一つとして取り組んでいるところでございます。

 御質疑にありました直接区民の方に向き合う窓口などの業務は非常に大切なもの、スキルを獲得していく、区民の方のお気持ちを直接に肌で感じる機会として大変重要なものだというふうに認識してございますので、今、人事のほうでは、新人職員につきまして、入区してから10年間の中で必ず、少なくとも1回は窓口業務、直接区民の方に接する業務が多くある職場に配置すると、そういうローテーションの工夫をしているところでございます。

○いでい委員 そうなんですね。でも、それってすごく大切なことだし、いいことだなと思います。今、こちらに座っていらっしゃる理事者の皆さんも、ほとんどの皆さんがやっぱり地域センターとかに、表の施設というか、役所の施設に出た経験がある人たちばかりだと思っていて、そういう経験がある皆さんって、やっぱり地域のこともよくわかっているのかな。僕たちは大体区議会議員といっても、それぞれの中野区のいろんな地域で生活している区民の代表なので、町会の皆さんとか地縁団体、自治体、いろんな団体の皆さんの代表者として理事者の皆さんと接する機会、やっぱり多いと思うので、当時、そういった経験をされた方というのは、こういう対議会でもうまく立ち回っている人たちってやっぱりこういう人たちなのかなという感想はやっぱり持っていますよ。これは別に何でもないので。ひとり言でした、すみません。

 委託事業の中には、民間の持つ専門的な技術や知見を活用するコンサルタント委託業務みたいなものがあります。これは総務の1の資料かな。こうした事業の中で、職員が民間の専門的なノウハウを学ぶ機会とすることもできるのではないでしょうか。どのようにお考えなのか、お聞かせください。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) コンサルタント業務委託などは、民間事業者の調査分析や課題解決の手法など専門的なノウハウを活用することで事業を効果的、かつ効率的に達成するものでございます。こうした民間委託事業に区の職員がかかわることを通しまして、民間の知見やノウハウを学ぶ機会とし、さらなる区民サービスの向上につなげていくことが考えられます。こうしたことから、民間委託に当たりましては、単なる効率化だけではなく、職員力の向上に向けた目線を持って工夫をして取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

○いでい委員 先ほどの質疑の中で答弁いただきましたけど、こういったコンサル的な調査の委託って相当たくさんあって、私たち議会、自民党議員団が心配しているのは、そういった施策を展開していく中で、分野の皆さんで話し合いをしてつくり上げてきたものが施策となって表に出てくるのか、それとも分野の皆さんの中で施策を積み上げて、議論を積み上げて表に施策として出していくのか。それをみんなでつくり上げる部分を外に出しちゃっているんじゃないのか、そういったところをすごく危惧しているんですよ。いろいろ取材していく中でも、そんなことはないんだということもありましたけれど、やっぱりそういったところについては御担当もお感じになっているのかなと思いますので、そこら辺も御所見をお聞かせください。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 委託業務、これは様々な種類がございますが、ともすると、その業務を外部に委託をしてしまうということで職員の関与が薄くなってしまう、あるいは成果物だけ納品を受け取って、それで業務が完了したというふうに受け取ってしまう嫌いがございます。そういうことがないように、やはりその業務の中のポイントを節目節目ごとに職員が適切に関わることによりまして、その過程にしっかりと区の職員がかかわり、そうした課題の理解や方針を策定していく、そうしたことについて区が主体的にかかわっていくことが大切であるというふうに考えているところでございます。

○いでい委員 2問目の質問のときにもたくさん出てきていただきましたね。今、質問、通告なかったんですけど、結構です、すみません。

 業務委託の品質確保のことについては重要な課題であり、我が会派の幹事長、大内幹事長も今定例会の一般質問におきまして業務委託契約における総合評価方式の早期導入の提案をされました。現在実施している工事請負契約における総合評価では、工法や工期短縮などの技術提案について評価をされていますが、業務委託契約の場合、どのような観点から評価することとなるとお考えなのか、お聞かせください。

石橋経営室副参事(経理担当) 業務委託契約における総合評価の導入でございますが、次年度実施に向けて、鋭意今努力しているところでございます。対象業務だとか、評価項目、そういったものは今後構築していくことになりますが、例えば設計、あるいは管理、そういったものの総合評価になりますと、恐らく工事請負契約と同じような形になろうかというふうに考えています。また、窓口業務等におきましては、運営に係る人員体制、あるいは安全管理とか情報管理の扱い、そういったものが評価の項目となっていくというふうに想定してございます。

○いでい委員 今回のことというのは、実はすごく大きな契約の改革になると思うんですよね。若林委員長も第4回定例会でしたっけ、第3回定例会でも、こういうふうにしたらどうなんだという質問をされていましたけど、大きくそうやってかじを切ったなという感想を持っています。その辺についても、後は中身の話なんですよね。やっぱりこれからは区が発注することについて、受託する事業者さんたちもそれなりの覚悟というか、やっぱりスキルを持っていて、いろんな様々な事業提案をしてくれるようなところと行政のパートナーとして一緒に仕事を担っていってもらいたいな、そういったことが今後進んでくるんじゃないかなという感想を持っています。また、委託をそのまま丸投げしないで、組織力や職員力向上などにも寄与させるために、例えば事業者と職員による事業報告会など定期的に開催したり、事業者と職員が一体となって事業の構築を検討する機会を設けるなど、事業者と区職員の関与度を高める仕組みを事業提案の一つとするなど、こうしたことを総合評価の評価項目として活用できるのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。

石橋経営室副参事(経理担当) 総合評価のあり方につきましては、柔軟に対応していきたいというふうに考えております。これまでの懸念されていた、委託化によって懸念される区職員の知識、経験等の低下、これを回避するために総合評価をいかに活用できるかということにおきまして、事業者選定のときの評価、入り口の評価だとか、あと履行評価という形での結果での評価、そういったところの適正性だとか、合理性だとかを鑑みながら、入札監視委員会に諮りながら検討していきたいというふうに考えております。

○いでい委員 せっかく区として発注する仕事、外に出しちゃえば、人間がそれだけ必要なくなるというか、仕事量が少なくなるというので、外にどんどん出すのはいいんですけど、せっかく出すなら、もっとそこにソフトな部分での成果物というか、フィードバックをする、その循環ができれば、もっと行政も、中野区もよくなっていくんじゃないかなと思って、私たちも見守っていきたいと思っています。ありがとうございました。

 次に、区の情報セキュリティについて伺います。

 区の情報セキュリティのことについては、様々な議員から様々な御指摘がありましたので、私のほうからも違う角度でやらせていただきます。我が会派の伊東しんじ議員から相当細かく総括質疑されていましたけど、この場合は、システムの、例えばさっきのやっぱり委託の話だとか、調達の話を中心に聞いていきたいと思っています。

 まず、個人情報の中でも、住民基本台帳を閲覧できる住民情報基盤システムについて、最優先で再発防止策を講じていかなければなりませんが、あわせて福祉や子育てなど、区民の個人情報を取り扱う、その他のシステムについても、その対策について検討していく必要があると思っています。多くの個人情報を取り扱う住民情報系のシステムには、住民情報基盤システムのほか、福祉総合システムなどの住民基本台帳データと連携しているシステムがあります。これらの住民情報系のシステムの端末は、どのぐらいの分野や施設に配置をされているのか、お聞かせください。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 住民情報系システムの端末の設置につきましては、16の分野、24の施設に設置をされてございます。

○いでい委員 そのうち、委託事業者が閲覧している部分というのはどれぐらいあるんですか。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 委託事業者が情報住民系端末を閲覧しておりますのは、八つの分野、九つの施設でございます。

○いでい委員 区の職員の皆さんは、遵守事項については情報安全対策基準に定められていますが、同じように個人情報を取り扱う委託事業者さんに対してはどのような対応をされているのか、お聞かせください。

○朝井経営室副参事(経営担当) 中野区個人情報保護に関する条例施行規則、ここにおきまして個人情報取り扱い業務を委託する場合に付すべき条件を規定しております。その条件は、個人情報の漏えい、紛失、改ざん及び破損の防止、委託事務以外の利用の禁止、第三者への提供の禁止、複写の禁止、提供資料の返還、または廃棄の義務、個人情報の管理に係る区の検査に応ずる義務、こういったものを規定してございます。業務を委託する際の契約に当たりましては、これらの条件を仕様書に明記をいたしまして、その徹底を図っているところでございます。

○いでい委員 ありがとうございます。先日の話の臨時職員の不正使用の事案が発生してから、区は情報セキュリティに関する一斉点検を行いました。どのような課題があったのか、お聞かせください。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 今回の一斉点検を行いました中で、常勤職員、臨時職員の区別のない情報安全に関する教育の徹底、業務区域への入退域や情報資産の持ち出しの管理、パスワードやアクセスログの管理、システム障害発生時等の対応訓練の実施、委託事業者に対する個人情報取り扱いの確認の徹底など、強化すべき対策を確認したところでございまして、これらについて対応を検討したものでございます。対策について可能なものは、直ちに着手いたしますほか、順次速やかに対策を実施していく考えでございます。

○いでい委員 今、直ちにできるものについては直ちにという話がありましたけども、直ちに改善できることというのはすぐに実行されるべきと思いますけども、この一斉点検を行った中で、どのような取り組みをされたのか、教えてください。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 一斉点検で把握された課題を踏まえまして、各職場において管理職による職員への指導、監督を改めて徹底することといたしましたほか、情報安全対策がより明確で実効性のあるものとなるよう、情報安全対策基準のうち、入退域の管理、パスワードの管理、ログの管理などに関する規定について改定を予定しているところでございます。今後は、情報システムの操作ログの確認や外部委託契約の遵守事項の管理の徹底などについて検討を行い、直ちに実施してまいります。

○いでい委員 そういった、直ちに実施すべきもの、改善すべき事項については今御紹介をいただきましたけれども、その改善されたことについて確認をする、またその確認をしたことについて遵守事項を確認していく、そういった作業の繰り返しになってくるかと思うんですけど、今後そういったことについてもどのように行っていくんですか。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 今回、策定いたしました再発防止策の実施状況につきましては、4月頃には改めて点検を実施していきたいというふうに考えているところでございます。また、ISMSの年間の取り組みといたしまして、全庁での内部監査を10月頃に実施する予定でございます。

○いでい委員 私たちは、情報セキュリティの一斉点検というところは全庁挙げての一斉内部監査みたいな感じで捉えていたので、それは今後やっていくという話ですから、しっかりと取り組んでいってもらいたいなと思っています。

 中野区情報安全対策基本方針では、情報システムの監視、情報セキュリティポリシーの遵守状況の確認、外部委託を行う際のセキュリティ確保など、情報セキュリティポリシーの運用面の対策を講じることとされています。これらについて、各所管が自覚と責任を持って取り組んでいくように実効性を持たせていくことが必要だと思いますが、どのように運営をされていくつもりなのか、お聞かせください。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 区全体といたしましては、平成28年9月にISMSの体制を構築し、守るべき情報資産を明確にした上で、リスクの分析や対応計画を策定するなどによりまして、PDCAサイクルで継続的に改善に取り組んでまいります。各事業部におきましては、部長がリスク管理の責任者となり、各統括管理者が部長の指示のもとで、各職場において情報セキュリティに取り組んでいくこととなってございます。今後は、副区長の最高情報安全責任者と各部長で構成されます情報安全対策委員会や管理職職員などを対象とした情報セキュリティ研修の機会などを活用いたしまして、区全体として情報セキュリティに関する知識や意識の向上を図るとともに、内部監査や外部認証機関の審査を通して、適切な管理運用が行われているかなどについて、定期的に確認し、改善に努めてまいります。

○いでい委員 となると、ちょっと通告にないんですけど、この補助資料の90ページ、行政監理のほうになっちゃうのかな、「コンプライアンスや危機管理などの全庁的な基準やルール、マニュアルについて適宜検証・見直しを行う」云々と書いてあって、平成27年度の実績、「職員のリスク管理・危機管理に関する正しい理解・行動率」が86.6%、平成28年度の目標が1.6%下がって85.0%、平成29年度の目標が85.0%ということですけど、それ、平成27年度よりも目標、下げちゃうという話なのかな。行政監理、ちょっといいですか、そこら辺についてちょっと。

田中経営室副参事(行政監理担当) こちらの行政監理のところのリスク管理、危機管理については、情報セキュリティ以外にもさまざまなリスクとか危機がございます。それで、平成27年度につきましては、当初目標70%設定をしまして、初年度ということで、ここは係長以上を対象に調査を実施してみました。結果は、目標を大きく上回る86%になりまして、実際は係長以上ではなくて、やっぱり多くの職員がこういう意識を持ってもらいたいということで、平成28年度は主任主事以上を対象として、去年の70%の目標を16ポイント上回る、こういう目標で今年度は目標を設定したものでございます。

○いでい委員 通告になかったので、ありがとうございました。

 ちょっと話を変えていきますけど、我が会派では、今から何年ぐらい前かな、5年、6年ぐらい前ですかね、今、行政が動いていく中で、必ずどこの分野にもシステムというものがあって、そのシステムの更新、維持、管理、補修だ、点検、委託だというものが、相当な額がありますよ、こういうのって、行政の努力でやっぱりいろんな交渉事なんで、コストを下げていく努力ってできないのかというところから着目していって、様々な改革を行ってきたところです。

 当時、区でも財政非常事態宣言と言われる事態までありましたし、将来的に行政の上でかかってくるコストの分については、やっぱり財調で積んでおかなくちゃしようがないでしょうというところもたくさんあったんで、削れるところはどんどん削っていきましょうよというところからやっていきました。そこで、CIO補佐官だとか、IT専門員ですとか、様々な皆さんに入っていただいて、情報システムの調達だとか、そういったところ、すごく大きな成果を上げてきてもらっています。そこの成果として上がってきていただいた分、政策経費として違うところに投入ができる予算ができたんじゃないかなということで、私たちもそのことについては自負しているつもりでありますけれども。

 区では、条例に基づいて、情報政策官というものを設置されています。この間、どのような実績を上げてこられたのか、具体的な事例を挙げて説明してもらえませんか。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 情報政策官は、情報システムの企画立案から運用、廃棄の過程を適正に統制することによりまして、情報システムの効率的、かつ効果的な活用と情報システムに係る経費の削減などを担っているところでございます。

 その実績といたしましては、情報システムの調達における技術評価を統括し、情報通信技術の専門的立場から助言を行うということで、いわゆるICTガバナンスを徹底し、情報システムの全体最適化を推進してきてございまして、今年度におきましては、福祉・子育て等業務システム最適化計画の策定におきましても、助言をいただいているところでございます。

 また、新たにISMSの体制構築に当たりまして、他の行政機関や民間企業等におけます運用事例等について情報収集を行い、中野区独自の体制構築に寄与したところでございます。

○いでい委員 その情報政策官の報酬というのは、月約幾らになりますか。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 47万580円でございます。

○いでい委員 じゃ、IT専門員でしたっけ、そういった方については、調べれば後でわかるんで、僕、自分で調べますよ、そうしたら。きょうは通告がなかったんでいいです。

 平成25年度に情報政策官の公募を行いましたよね。今後、情報政策官の選任というのはどのようにされるおつもりなんでしょうか。情報政策官の任期というのは、単年度の更新を続けていくということだと思うんですけど、公募をされるお考えはあるんでしょうか。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 非常勤職員としての任用につきましては、規定に基づきまして評定を行うなど、公募も含めて実施をしてまいる予定でございます。

 平成29年度につきましては、福祉・子育て等業務システム最適化計画やISMS、各プロジェクトの開始時期となりますことから、改めての任用を行う予定でいるところでございます。

○いでい委員 来年度はマイナンバー制度により他自治体との情報連携がスタートする予定です。また区では情報セキュリティマネジメントシステム、ISMSの運用を全庁に定着させ、認証取得に向けた準備を進めていくと聞いています。情報の安全を確保した上で、情報を活用できる体制を構築していくことで、区民の安心や区民サービスの向上を図っていくことが大切だと思っています。また、無駄のない効率的なシステム調達を推進していくことも重要な課題です。情報システム調達における情報政策官の役割は、調達支援コンサルタント委託業務と重なる部分があるようにも見えますが、役割を明確にして、無駄のない効率的なシステム調達を進めるべきだと思います。いかがでしょうか。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 調達支援コンサルタント委託事業者は、各業務所管が情報システム調達を行うに際しまして、業務プロセスの見直しや機能要件の精査、ベンダーやパッケージに関する情報提供などを行うことによりまして、各業務所管が業務内容に即して効果的、かつ効率的にシステム調達ができるよう支援をしているものでございます。

 一方、情報政策官は、区の政策全体を踏まえた上で、情報システムの調達に当たりまして、最新の情報通信技術の情報を持って、情報システムの効果的、かつ効率的な活用を進め、業務の効率性や情報セキュリティの強化、調達コストの削減等を推進しているところでございます。今後とも、こうしたそれぞれの機能が十分に果たされていくことで最適な情報システムの調達を図るとともに、情報セキュリティの強化に努めてまいりたいと考えております。

○いでい委員 ありがとうございます。これも通告ないんですけど、結局、その情報政策官やIT専門員の皆さんがいらっしゃるCIOオフィスがありますよね。CIOオフィスで働いている区の職員の皆さん、その皆さんはエキスパート職員の方が何人かいらっしゃるんですか。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 現在のところ、エキスパート職員はおりません。

○いでい委員 情報システムのほうのエキスパート職員さんがいらっしゃるという話もちらっと聞いたことあるんですけれど、何でこの話をするかというと、結局、本当に予算説明書補助資料を見ても、どのページをめくっても出てくるぐらい、高額のやっぱりシステム構築だとか、新規だとか、更新だとか、保守、管理、委託とか、すごく出てくるんですよね。でも、ここに載せていない部分というのも実は相当あって、僕も取り寄せた資料の中で、作成してもらった資料が実はあって、それを拝見していくと、相当多くのことにシステム、やっぱり入っているんですよね。これからやっぱり行政運営をやっていく中で、先ほど人・物・金とか、そういった資源の話ししていましたけど、これからはやっぱり情報というものも行政運営していく上で大切な本当に行政になってくるのかな。しかも、それは今はもう当たり前の世界になっちゃっている中で、システムにばかりお金をかけていって、直接的な政策経費というものが絞られていってしまうのも本末転倒だとも思っているし、もっと言ったら、さっきの窓口業務の話もそうなんですよ。今、中野区議会議員全員が第1回定例会からタブレット使っている。職員の皆さんも平成29年度から、理事者の皆さんもタブレットを導入しましょうかという話になってきていて、10年前、この中野区議会が、この場所が誰が想像できたかという時代だと思っているんですよ。これから職員の方がアウトリーチということで、タブレットを持って外にどんどん出られていくでしょう。マイナンバーがどんどん普及してくれば、職員の方が行かなくても、タブレットで個人の認証をやって、パスワードを入れて、またはテレビ電話で対面みたいな形ができて、手続なんかも、役所の窓口来なくても、このデータをコンビニで出力してくださいねみたいな時代がもう既に実は来ているわけで、そうなってくると、職員の皆さんの窓口業務の関わり合い方、あとは業務のことについては委託、あるいはシステムの調達だとか運用に関して、全部僕はリンクしてくる話なんじゃないかなと思っています。

 せっかく業務マネジメント分野の皆さん、職員の皆さんがいるならば、やっぱりそこで徹底的にシステムのことについても、やっぱりエキスパート職員になってもらうぐらい研究を重ねていっていただいて、あとは人事のほうで、全庁的に業務改善で育った人材がそれぞれの分野のそれぞれのシステムについて精通する人間を置いてくる、それぐらい情報について、システムのことについて、区の職員のかかわり合い方が大切な時代になってくるんじゃないかなと思って、今日は質問をさせていただきました。区長からも何かありましたら、一言いただきたいと思います。

○田中区長 本当に職員のIT技術にたけた職員というものを多数つくって、どの所属に行っても、こいつはITの専門家だぞというぐらいの人間がいるという、そういう状況をつくっていくということが大変、私は目指していかなきゃいけないことだなというふうに思っているところです。

○いでい委員 普通な答弁でしたね。これからこういうふうにやっていきますよとか、そういう話がもっとあるのかなと思ったんですけど。そこにたどり着くまでの過程として、一つひとつやっていかなくちゃいけないことはやっていかなくちゃいけないし、ISMS認証なんていうのが、ついこの間、臨時職員の不正利用事件があったばかりなんで、もうちょっとよく考えたほうがいいんじゃないかなということは苦言を呈して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○若林委員長 以上でいでい良輔委員の質疑を終了いたします。

 次に、佐野れいじ委員、質疑をどうぞ。

○佐野委員 佐野でございます。平成29年度予算特別委員会におきまして、自由民主党の立場から総括質疑をさせていただきます。

 まず、通告どおりでございます。1問目が中野区の無電柱化について、2番目が中野区の組織と人事システムについて、3番目が中野区の空き家対策とその利活用について、その他はございません。一応、1、2、3の順番で行きたいと思っております。

 前のいでい委員のほうで、自民党の中でかなりダブってしまう部分が出てきますので、それは前の質疑の中でもかなり出てきています。きのうも熱き思いでかなり語った方がいらっしゃいますし、そういった意味で、やっぱり人が私は大切だなというふうに思っております。そういう意味で、研修だとか育成についてダブる部分もあるかもしれませんけども、御了承いただきたいと思います。

 まず、中野区の無電柱化についてお尋ねをさせていただきます。

 平成28年度決算特別委員会総括質疑に、昨年において、私はこの問題について区長にお尋ねしたところ、区長は、日本全体が目指すべき大変な大きな課題だというふうに思っているがと答え、やはり国、都、そして区を挙げての取り組みが必要であると考えている次第であると答弁されております。

 そこで、再度質問させていただきます。この問題については、これまで複数の議員からも質問をさせていただいておりました。したがって、別の角度からまた質問をさせていただきたいと思いますので。

 まず1番目、既に皆さん御承知のように、電線は景観を失い、電柱で道路幅が狭くなれば、歩行者や車椅子の通行の妨げとなり、自動車が来たときにも危険です。また、地震や台風などの災害時にも大きな影響を与えており、オリンピック・パラリンピックの問題、開催国としても一日も早い無電柱化が必要だと思っております。さらに、無電柱化率は、他の諸外国に比べておくれているのも事実です。例えばフランス、イギリスは、ほとんど100%と聞いております。

 これまで日本政府は、国交省が中心となり、衆参両院議員の連盟を発足させて長期にわたって検討を行い、専門家などがこの問題についての法令化に取り組み、昨年12月10日にようやく無電柱化の推進に関する法律が制度化され、そしてまた制定をされたということでございます。

 1番最初にお聞きしたいと思います。そこで、まず道路・公園管理担当副参事にお尋ねいたします。この新法におきまして制定されたということにつきまして、中野区としてどのようにお考えでしょうか。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 無電柱化の推進は、日本全体で取り組んでいく大きな課題と捉えております。このたび無電柱化の推進について法制化されたことは、今後中野区においても、行政として無電柱化を推進する上で意義のあることと考えております。

○佐野委員 これに関しまして、次の質問に移らせていただきます。平成25年9月施行の改正道路法によりますと、道路管理者が区域を指定し、電柱の設置を含めた道路上の占有物の設置を禁止することができるというふうにうたわれておりますが、これについて区としてどのようにお考えでしょうか。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 道路法37条に規定されました電柱等道路上の占有物の設置禁止等に関する区域指定につきましては、地域の状況を鑑みながら計画的に行っていく必要があると考えております。今後、無電柱化の路線を具体的に選定する際には、整備を予定する路線についても、こうした占有の禁止や制限を行う区域指定の必要があるかどうか検討したいと考えております。

○佐野委員 これによりまして、平成28年4月1日より、特に緊急輸送道路の問題を中野区は挙げておりますけれども、緊急輸送道路に関しまして、国、地方公共団体、電力・通信事業者による新設が既に禁止されているわけですけども、逆に私は電柱がふえているような気がしてならないんですけど、その辺についてはいかがでしょうか。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 具体的に、電柱がふえているかどうかという具体的な数値は現在把握しておりませんが、今後の無電柱化の推進の中で適切に対応してまいりたいと存じます。

○佐野委員 ありがとうございます。この問題につきましては、コストと時間がかかるということは、十分私自身も承知しております。しかし、私もそのとおりであると思っておりますが、あわせて、何とかして国と都と区民の意識を高めることが私は必要である。区長が前の答弁でおっしゃったようなことがやはり必要であるというふうに私も思っております。そういう意味で、例えばコスト面ではいろいろな説がございます。1キロ当たり片道で約5.3億円もかかると言われているところもあります。3億というところもあります。したがって、技術もかなり進歩しております。例えば中野区にもみじ山通りというのがございまして、そこにあるのは、電柱を浅く埋めまして、トランスでカバーしている、そういうようなこともやっております。それからあと、電線等の整備や建設負担金が、電線管理者の負担も示されています。現在の交付金では、10分の5.5を負担して、地方公共団体が残りの10分の4.5を負担してほしい、そういうようなことも規制されているということでございます。したがって、中野区も研究、調査し、こういった問題にできるだけ近づいていく必要が私はあるのではないかと思っております。

 そういう意味で、私は国会での、平成27年12月26日に無電柱化低コスト手法技術検討委員会での中間取りまとめなどを中野区も研究すべきであると思っております。私も資料をいただきまして、担当課のほうにお持ちしました。そういった意味で、それを見ていただいて、いろんな角度からやっぱり勉強する必要があるんではないか、そういうふうに思うんですけど。さらに、こうした電線コスト面、行政としてどうお考えでしょうか、お願いします。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 無電柱化の推進には多大なコストがかかるということのため、御指摘のような、国が設置しました検討委員会も含め、国、東京都及び電線管理者がコストの軽減に向け、新たな技術の開発に取り組んでいることは承知してございます。

 区では、こうした新しい技術の進展、コストの軽減に関する情報を積極的に収集していくとともに、国や東京都の補助金の積極的な活用を図りながら、今後の無電柱化を推進すべきというふうに考えてございます。

○佐野委員 そこで、改めてお尋ね申し上げます。先日、私は地元が中野新橋でございますけども、地元の住民の人から区内の中新通りにある電柱を撤去してほしいという要望がございました。相談を受けました。長い間、この地域の住民の夢であった中新の駅舎もようやく一昨年新しい駅舎となり、バリアフリー化に伴い、多目的トイレがつきました。メトロ中野新橋も10年以上かかって、ようやく新しい駅舎になったわけです。その間、区長にも来ていただきまして、トイレの使用もしていただいたと思うんですけども、やはり男女共通トイレであったということが一つの大きな問題だったと。ですから、今回の電柱も、コストと要するに時間がかかるということが一つの問題であると。その問題をクリアすることが私は大切であるというふうに思う次第でございます。その間、上野のメトロ本社に何回も通い、地元の方々の署名や陳情を届けました。

 新しい中野新橋を降りた人たちがびっくりするのが駅前の電線です。いわば新しい、美しい駅舎との、目の前を通っている電線が一致しないわけです。あの有名な福島県の大内宿の例を見ますと、無電柱化することによって観光客がふえているというふうに聞いております。中新商店街の人たちも同じであり、地域が協力しているところを撤回すべきではないと思います。研究と努力により、無電柱化は可能だと思っております。中野区においては、中野坂上や杉山公園、そしてそこの中野通りですか、その桜のところ、木になっているところ、そういう意味で、できればやっぱりやれないことはないと私は思っております。しかし、それには研究し、調査をする必要があるというふうに思う次第でございます。

 それで、この法案の中には、幾らでやったらいい、地方自治体は幾ら負担がかかるということは書いてございません。したがって、そういった問題もクリアしていかなきゃいけないわけですから、コストと時間がかかるということを十分に頭に入れながら、この問題を解決していくという姿勢が必要ではないかというふうに思うわけです。中野坂上や杉山公園の無電柱化、ぜひ一日も早い中新通りの実現を図っていただきたいと思いますけども、これについてはいかがでございましょうか。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 中野新橋通りにつきましては、現行の東京都無電柱化推進計画の中で無電柱化を実施する候補の路線となっております。今後、区の無電柱化の推進について検討していく中で、具体的な検討をしていきたいというふうに考えております。

○佐野委員 力強い御発言をいただきました。今後、無電柱化を推進していただけるというふうに考えてよろしいんでしょうか。再度お願いします。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 冒頭申し上げましたとおり、無電柱化の推進につきましては、コスト面ですとか、財政的な負担、電線管理者や埋設物事業者との調整、あるいは区民の合意形成など、さまざまな課題の解決が必要ということでございます。こうした課題についての情報収集や検討を進めまして、今後、無電柱化推進について取り組んでいきたいというふうに考えてございます。

○佐野委員 今、また力強い御発言と私、とらしていただきたいんですけれども、お願いしたいと思います、ぜひ。

 それから、無電柱化率は、東京は23区で7%、大阪5%という実情もまず認知していただきたい。それから、中野区は既に0.7%とも聞いております。前回、たしか私がこれで質問をさせていただいて、0.6%か0.7%とお答えいただいたような気がします。区の無電柱化をどう進めていくか。以上の経緯を踏まえて、この項の終わりに田中区長にお尋ねいたします。御意見をお伺いしたいと思います。よろしくどうぞ。

○田中区長 無電柱化については、中野区選出の松本議員とか、それから議員時代の小池都知事とか、議員の皆さんが大変努力をして、今回の法律制定というところに至りました。自治体の首長も無電柱化を推進する首長の協議会というのをつくって、私も入っていますけれども、進めていくということで努力をしてきたというところです。そうした結果を、成果をぜひとも生かして前に進めなければいけないと、こう思っていますけれども、まだまだ今、御議論にありましたように、解決するべき技術的な問題、制度的な問題、またそれぞれの事業者の経費の問題、さまざまな課題がたくさんありますけれども、これはもうとにかく解決して前に進めていくしかないということでありますので、区としても、何とか前に進められるように着実に歩みを進めていきたいと、こう思っております。

 ちなみに、中野区の無電柱化率が低いのは、道路幅員の狭さ、これがやっぱり原因していると思っております。幅員の狭いところだからこそ、無電柱化の効果があるということもしっかりと認識をして進めていきたいと思っております。

○佐野委員 ありがとうございました。また力強い発言だというふうに私、受けとめさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは次に、空き家対策とその利活用について、先にやらせていただきたいと思います。

 この問題につきましては、私は事あるごとに、中野区に対して質問をし、さらに空き家問題解決には、利活用を考えていかなければならないんだということを訴え続けてまいりました。

 さて、平成28年4月定例会において、中野区もまた法令第5条に基づき、中野区空家等対策審議会を条例化、条例が可決されました。この条例により、空家等対策審議会の設置が義務付けられ、第1回審議会の目的としまして、2月8日に開催されたやに聞いております。この審議会において、いよいよ中野区の空家対策基本計画の作成が始まったなという感じが否めないわけでございますけども。

 まず、人によって異なっております。ただし、空き家の定義ですね。空き家の定義が、私が聞いた範囲内では、人によって異なっていると思うんですけども、その定義を一つに――中野区としてどう考えるかということをまずやらなきゃいけないなと私は思っております。そういう意味で、審議会、一番最初に、まずやらなければならないことは、この空き家の定義をどうするかということ、特定空家の定義をどうするかということではないかと思っております。それがまず1番目の質問です。

 2番目としまして、空家等対策審議会の設置状況はどのようになっていますか。例えば、たしか今回の質疑の中で、特定空家の中で、1年間使用されていない家を特定空家だと、それからあと、著しく危険な家を特定空家だと、それから著しく美観が損なわれているものが空き家だというふうに定義付けていただいておりますけども、それは少なくても区民の間ではどういうふうに考えているかということをまず認知した上でやるべきだと、私は思っております。そういう意味で、私の意見としてお聞きいただきたいと思うんですけども、あくまでもそういった観点から、特定空家のまず位置付けを中野区としてどのように考えるかということはわかりましたので、この辺を区民の意見を聞きながら、まず位置付けていただきたい。それがまず1点目でございます。

 2点目としまして、空家等対策審議会の設置状況はどのようになっているんでしょうか。例えば月何回のペースで、いつ、どのように行おうとしているのか、その辺も含めてお答えいただきたいと思います。

○塚本都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) まず、空き家の定義でございます。特定空家の定義につきまして、今後、議論を始めました空家等対策審議会、こちらの中で議論を踏まえながら、区としての考え方を早急に取りまとめてまいりたいというふうに考えております。

 2点目、中野区空家等対策審議会の設置状況でございます。こちらのほうは、条例に基づきまして、区長の附属機関として設置されました。16名の委員が委嘱されたものでございます。委員の構成は、公募区民が2名、関係団体からの推薦委員が12名、学識経験者が2名というふうになっております。本年の2月8日に第1回審議会が開催され、審議会の会長及び副会長、こちらの選出のほか、審議会の運営でありますとか、今後の流れなどについて確認が行われました。

○佐野委員 ありがとうございました。

 それでは、3番目の質問に移らせていただきます。

 また、審議会は今後どのような活動が予定されておりますかということです。

 それから4番目としまして、先日行われました2月22日、6時半より中野サンプラザで行われた、牧野先生をお迎えしての講演ですか、これは「空き家問題を考える」としての講演会は一体どのようなことだったのでしょうか。どういうような内容で、どういうような人が集まって、どのような盛況ぶりだったかということをお聞きしたいと思います。以上です。

○塚本都市基盤部副参事(空家・住宅政策担当) まず、審議会の今後の活動でございます。こちらのほうは、平成29年度内に定期的に審議会のほうを開催させていただきまして、その中の議論を踏まえまして、その後、審議会のほうから、空家等対策基本計画、こちらに盛り込むべき事項につきまして答申を受ける予定となっております。審議会からの答申をもとにしまして、区としましての空家等対策基本計画、こちらの素案を取りまとめてまいりたいというふうに考えております。

 続きまして、「空き家問題を考える」といった講演会のことでございます。今、委員からも御説明ございましたように、2月22日に中野サンプラザにおきまして、空き家問題関連の書籍を多数執筆しておられます牧野知弘氏によりまして、「空き家問題を考える」と題しました公開講座が開催されました。こちらの講座は、区内の建設関連団体等が中心となって企画したものでございまして、中野区も後援をさせていただいたものでございます。当日は、約150名の方が聴講に参られまして、不動産事業者さんでありますとか、建設事業者さん、こういった方々のほか、一般の区民の方も参加されたというふうに聞いてございます。講演の中では、空き家が増加することの問題点でありますとか、対策の必要性、こういったことにつきまして、先生のほうから述べられたものでございまして、空き家対策は区民と民間事業者、そして行政、こちらが一体となって取り組む必要があるということを改めて認識させられる内容でございました。

 区としましても、今後もこういった機会を捉えまして、区民や民間事業者とともに、空き家対策に向けた意識を高めてまいりたいというふうに考えてございます。

○佐野委員 ありがとうございました。今おっしゃった中で大切なことは、いろいろな人たちが、いろいろな考え方がこれについてはあるということだと思うんです。ですから、そういったものを一つにすることはなく、いろいろな意見を聞いた上で、どのようにしていったらいいかということを考えるべきだ、審議会の中でも、そういうように思う次第でございます。

 それから、いずれにしましても、この問題は中野区だけでは解決しません。そういう意味で、国と中野区、地方自治体とがしっかりと手を組んで解決策をつくっていかなければならないと思います。以上でございます。

 そんなことで3時でございますので、とりあえずこれで休憩に入らせていただきたいと思いますけど。ありがとうございました。

○若林委員長 佐野委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。15時15分まで休憩したいと思います。

午後2時54分休憩

 

午後3時15分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 佐野委員、質疑をどうぞ。

○佐野委員 次に、残しました2番目の組織と人事システムについてお伺いをさせていただきます。

 まず、管理職の再任用についてお伺いをさせていただきます。

 初めに、組織と人事のあり方について伺ってまいります。これは各議員がお尋ねをしておりますけども、私は私なりの角度から質問をさせていただきたい、そのように思っております。職員の再任用制度につきましては、これは同僚議員からも尋ねていますが、私は別の角度からお尋ねをさせていただきます。

 公的年金の支給開始年齢が65歳と引き上げられたことに伴い、雇用と年金の接続という点で運用されているところです。現在約200名ぐらいいるというふうに聞いておりますが、まず中野区におきましても――これは管理職も入れて200名ということです――まず、中野区におきましても、区役所全体で再任用の職員がふえてきていると思いますが、管理職のほうの再任用の人数、管理職に限っての人数ですね、部長級、課長級の人数は、この3年間の推移をお聞きしたいと思います。まず、お聞きさせていただきます。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 再任用の管理職の人数でございます。3年間ということですので、平成26年度は、部長級が2名、副参事が3名で5名でございました。平成27年度におきましては、部長級が5名、副参事が4名で9名でございます。平成28年度につきましては、部長級、副参事ともに4名ずつで8名でございます。

○佐野委員 そうしますと、28年度に来て下がっているということですか、採用人数が。課長級、部長級、入れても。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 前年度と比べて、1名減ということでございます。

○佐野委員 わかりました。職員のやる気や能力を十分に発揮できる人事制度を活用していただき、活力ある区役所をつくっていただきたいという観点から質問をさせていただきます。

 知識や経験豊かな再任用の管理職が配置されることにより、安定した組織運営が行われていることは事実だと思います。一方で、若手の管理職をふやして重要なポストにつけて活躍、活用させることが必要であると思いますが、いかがでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) ただいま委員の御質疑にございましたように、区といたしましては、再任用制度を的確に運用いたしまして、当面退職した職員が培ってきた多様な職務経験や知識を積極的に活用していきたいと考えてございます。一方で、昇任意欲の高い20代、30代の職員が増加傾向にございまして、管理職試験の受験者がふえているという状況も見られます。今後の管理職昇任選考の状況、また定年退職者の再任用動向等を踏まえまして、組織体制の安定と強化を図っていく考えでございます。

○佐野委員 この問題は非常に難しい問題だと、私も常々思っておりました。というのは、再任用すれば、当然その長は、結局ベテランですし、なれているから非常にやりいいわけですよね。ところが、給料も下がる。ただし、下の若手の人たちは、結局頭がつかえちゃっていますから、そのままの問題になっちゃうということでありますんで、できる限りやっぱり新陳代謝、そういったものを図っていく必要があるんではないかというふうに思う次第でございます。要するに若手の登用を考えたときに、果たして個人の能力がどうのこうのじゃなくて、やっぱりその辺の問題を含めて考えるべきではないかと、私は常々思っている次第でございます。

 次に、職員の育成、研修についてお伺いをさせていただきます。これも大切なことであります。いろいろな問題点、私が入ったころは、たしか3,600ぐらいの人数が職員の方でいらっしゃったと思うんですけど、今は2,000名体制まで落ちました。そういう意味で、区では、現在中野区周辺まちづくりをはじめとして、西武新宿線沿線まちづくり、連続立体交差事業、さらには大規模公園整備など、区を挙げてまちづくりに取り組んでいることは事実です。そうした中、職員体制を見てみますと、土木や建築など技術職の管理職が足りないのではないかと感じております。他区から一時的に来ていただいている方もおられると聞いておりますが、そうした管理職の方々、何名ぐらいいらっしゃるか、まずお答えをいただきたいと思います。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 東京都ですとか、各区、他団体から派遣を受けている土木、建築等技術職の管理職の人数、今年度は6名でございます。

○佐野委員 6名ということは、結局私もそんなに数字わかりませんけども、要するに自前の私は職員が必要ではないかと。区ではそうした技術職の管理職を育成するためにも、やっぱり自前というのが必要ではないかと思うんですけど。その人たちがどうのこうのじゃなくて、やはり6名もの方が応援に来ていただいている事実があるとすれば、何年に採用したかわかりませんけども、少なくともその6名の方たちに対して、どのようにやっていくかということを含めて、今後どのような取り組みをなされようと思っていますか、人事担当としては。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 技術職の管理職をふやしていくということは課題だというふうに認識してございます。現在では、管理職試験のガイダンスなどを実施しているほか、土木や建築職の管理職などによりまして、管理職試験の勉強会を実施しております。26年度、27年度はそれぞれ1名、28年度は2名の管理職昇任試験の合格者を出しております。少しずつ若手職員の中に受験意欲の高まりが見えておりますので、今後とも粘り強く情報提供や勉強会などを実施していきたいというふうに考えております。

○佐野委員 今後の取り組みはそのようにやっていきたいということですけども、やはり現状を考えたとき、6名の方たちが応援に来ていただいている。やっぱり私は中野区の職員は職員で解決すべきだというふうに思っておりますけれども、それについてはいろいろ異論があると思いますけども、私はそういう考え方だということでございます。

 それから、職員の育成につきまして、次のお尋ねにさせていただきます。20代、30代といった早い時期からの取り組みがこれは必要だと思っております。現在、大量退職期を迎え、区では多くの新規採用をしていますが、この5年間の採用人数と今後の予定はいかがでしょうか。技術職など、採用について、職種ごとの考え方はあるんでしょうかというお尋ねなんですけど、まず人数をお聞きしたいと思います。

○伊藤経営室副参事(人事担当) ここ5年間の新規採用数をお答えいたします。平成24年度は49名、25年度は10名、26年度は29名、27年度は82名、28年度は91名という状況でございました。

○佐野委員 そうしますと、新規採用の人数は、年度ごとの退職者との意味合いもいろいろあると思いますけども、お聞きしました限りでは、年度ごとの人数が多い少ないが非常にはっきりしているなというふうに印象を持ったんですけど、例えば100名近くの採用の年もありますし、10名ぐらいの年もあるということですよね。これ、やっぱり40年間続くと思うんですよ、退職までの間、要するに新規採用した場合に。その場合に、やっぱり必要なのは、採用したときの人数のでこぼこがそのまま定年退職まで響くということと、それから今後の係長職員の人数の確保、管理職の人数の確保など、中長期的に考えますと、年度ごとの採用人数については、あらかじめ一定の平準化が私は必要だと思っております、平準化。こういったものをしないと、どういうふうに採用していくかということを計画を立てないとまずいんではないかと思っておりますんで。そういったことで、平準化をぜひ図っていただきたいというのが一つでございます。計画的に採用を決めていく必要があると思いますが、お考えはどうでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 委員の御質疑のとおり、平準化するということは大事なことで、10年間のバランスということを考えても、一定、それが望ましいというふうには考えてございますが、退職者数の差というようなものもございますし、毎年度、行政需要の動向というふうなこともございますので、それらを総合的に勘案しまして、必要数を採用していくという考えでございます。

○佐野委員 やっぱりこの問題も大きな問題でして、採用の人数というのは後々の退職まで響くわけですよ。そういったことを十分に認識しながら、もちろん採用できる財政の状況だとか、それから人数はどれぐらいがいいだろうかと、量の問題、質の問題、そういったものを鑑みながら採用人数を計画的に出すわけですけども、確かにそれも大切です。しかし、そういった中で一番大切なのは、やっぱり一定の平準化が私は必要ではないかというふうに思っておりますので、ぜひ平準化に向かって計画を立てていただきたい、そのように思う次第でございます。例えば100名近くの年があったり、10名近くの年があったりすれば、大きくそれは差がそのまま響いてしまうと思うんですけども、そういったことで、私の意見としてはそういう考え方です。

 それから、次に職員の年齢構成についてお尋ねさせていただきます。若手職員がふえていくことで、職員全体の年齢構成も変わってくると思います。例えば20代、30代の職員の割合は今後どのようになっていくと見込んでおられるんでしょうか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 39歳以下の職員の割合でお答えいたします。現在24%でございますが、10年後には50%を上回るという推定をしております。

○佐野委員 10年後に50%を超える。ということは、2人に1人は、10年後にはもう――要するに50%を超えてしまうわけで、かなりの高年齢になってしまう、そういうことですか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) すみません、御説明が不十分で。39歳以下の職員の割合が現在は24%でございますが、10年後には50%を上回るというふうに推定しております。

○佐野委員 わかりました。それでよくわかりました。そうすると、今は逆ピラミッドというか、組織的にはピラミッドではなく、逆ピラミッド体形だということですか。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 24%でございますので、39歳以下が24%ということで、逆ピラミッドと言えなくもないというふうな、そういうふうな職員構成でございます。

○佐野委員 逆ピラミッドと言えなくもないということで、非常に微妙な言い回しで、非常に難しいと思うんですけども、少なくともそういった現象、蛇の卵を飲んだ形かな、それじゃ、そういった感じで、真ん中が膨れているということですか。――通告にないもんで、結構です。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 39歳以下が24%、それ以上が70%、80%近いというような、そういう職員構成ということでございます。

○佐野委員 理想的には、ピラミッド型が一番いいと言われているんですけども、どうでしょうか。そのことについては非常に難しいと思いますけども、私の意見としてはピラミッド型がいいんじゃないかと、そういうふうに思っています。いずれにしても、そういった人たちをこれから研修して育てていかなければいけないということだと思いますので、研修にはぜひ力を入れていただきたい。育成にはぜひ力を入れていただきたい、そういうふうに思う次第でございます。したがって、研修を委託するなど、研修を実施する体制の強化は検討されているんでしょうか。どのように検討しているか、お考えをお聞きしたいと思います。

○伊藤経営室副参事(人事担当) 若手職員の割合が増加していくという状況を踏まえまして、研修体制の強化は非常に重要な課題というふうに捉えております。一方で、中野区といたしましては、先日来、御答弁で申し上げておりますが、いわゆる集合研修というものを工夫いたしまして、長期間にわたって課題に取り組むような取り組みですとか、先日も女性職員だけの研修体制ですとか、さまざまに工夫をしていくということ、それから長年伝統的にやってきておりますが、内部の実務担当者ですとか、管理職が講師となって研修を行うというふうな、そういう中野区らしい取り組みも大切にしながら、39歳以上が50%を超えるということですので、本当に1人の職員が1人支えて育成していくというふうなことで、全庁挙げて育成していく必要があるというふうに考えております。

○佐野委員 確かに全庁挙げて育成が必要だと思います。そのように向かって、ぜひ検討をして、これから進めていっていただきたい、そのように思う次第です。「人は石垣、人は城」というお歌を知っていると思いますけども、やっぱり人は私は大切だと思う。きのうもある議員が、熱き思いで語りましたね。やっぱり人をどうやって育てるか。どうやって人を要するにやっていくかということが一番区民に対するサービスが向上していくかということにつながっていくんではないかと思いますので、ぜひとも人事課というのは大切な部署でございますので、育成というものをやっていただきたい、そのように思う次第でございます。これは私の考え方でございますので。いろいろ考え方はあると思いますけども、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 続きまして、2点ほどお伺いさせていただきます。これは先ほどちょっと触れました委託料の増加についてちょっと触れさせていただきたいと思います。

 区では職員2,000人体制を目指して、定数削減を現在進めています。その一方で、物件費が上がっています。中野区の財政白書を見ますと、人件費は、平成18年から平成27年の10年間で264億円から200億円の64億円もの減少をしています。一方、物件費のうち、委託料につきましては、64億円から105億円と41億円の増加になっております。

 そこで、伺います。この委託料につきましては、主にどのような委託料になっているんでしょうか。その委託料の内訳をお願いしたいと思います。

田中経営室副参事(行政監理担当) 委託料の主な内容でございますけれども、庁舎、それから公園などの施設管理委託、それからシステムとか、まちづくりなどのいわゆる業務支援委託、それから予防接種であるとか、健診であるとか、資源回収であるとか、そのような委託のほか、図書館などの指定管理業務委託などが主な内容となってございます。増加傾向にあるのは、システムであるとか、まちづくりであるとか、それ以外に定数削減に伴う委託料も増加をしているような傾向になってございます。

○佐野委員 この間、職員数は2,590名から1,873人と減少しているわけですけども、こうした定数削減に伴う業務の委託料が、委託料を増加させてきたものと考えられます。定数削減に伴って、近年どのような委託料が増大しているのでしょうかという質問なんですけども、今お話しいただきましたね。そうですね。じゃ、お願いします。

田中経営室副参事(行政監理担当) 近年の定数削減に伴う委託料の増加でございますけれども、戸籍住民などの窓口業務委託、それから図書館などの指定管理業務委託、そのほか学童クラブ、キッズ・プラザの運営委託、学校用務の業務委託などが増加傾向にございます。

○佐野委員 今なぜこういうことをお聞きするかといいますと、その辺の意図はおわかりになっていただけますでしょうか。実はですね、私が言いたかったことは、要するに私が入ったころは、さっき3,600名ぐらい、それで少なくとも今2,000名体制を維持している。少なくとも2,000名体制のひずみとか、響きが出てきているんじゃないかということなんですね。そういったものを少なくとも委託で私は逃げているんじゃないか――逃げているという言い方はおかしいですけども、委託料のほうでかなりふえているということは、人件費は下がったけども、片方で――というのは、職員が工夫をそれぞれされて、私は残業代に最初持っていっているのかなと思ったんです。そしたら、調べましたら、残業は大体2億5,000万ぐらいで、平均化しているんですね、3年間ぐらいが、大体。ということは、仕事量は少なくともふえているか、あるいは減っているかわかりませんけども、少なくとも同じであろうと私は考えて、それでふえている。新しい業務がどんどんふえているわけですから。そうすると、職員体制は減っている。しかし、仕事量はふえている。ということは、どこかで上がっていなきゃいけないんじゃないか。どこかが上がっていなきゃおかしいじゃないかということ、はっと気がついたのが委託料なんです。委託料が上がっているんじゃないかと。それで、委託の中にはいろいろ差が、今おっしゃった種類があるわけですけども、その中で、やっぱり安易にというと怒られちゃいますけども、その部署、部署で安易に委託を出している可能性があるいはなきはしないかということで、質問をさせていただいたという次第です。それが意図でございます。別にあしからず、そういうふうに思っていただきたいと思いますので。何かございましたら、どうぞ。

田中経営室副参事(行政監理担当) 先ほど来の御質疑の中でもありましたけれども、新しい中野をつくる10か年計画の中では、民間事業者へ委託可能なものは積極的に民間へ開放し、推進していくと。一方で、民営化した公共サービスの質の確保のほか、効率的、効果的な民間活用を推進していくと、そう定めているものでございます。限られた資源の中で、区民サービスの向上であるとか、コスト削減であるとか、その一方、やはり定数削減に伴って職員のスキル、これを維持するということも課題にありますけれども、非定型的な業務を安易に委託することがいいとは思ってございませんけれども、区民サービスの向上であるとかコスト削減、これには努める必要があるかなというふうに認識をしてございます。

○佐野委員 ありがとうございました。別に安易な委託ではなくて、あくまでも職員でできないものを委託するんだという精神というか、気持ちが私は大切だと思うんですけども、要するに部署、部署でそれを守っていけば、必ず私はある程度の作業ができてくるんではないかというふうに思う次第でございます。以上でございます。ありがとうございました。

 時間がちょっと早いですけど、以上で私の質問を全て終わります。16分と41秒ぐらい残しますので、よろしくお願いします。この後、自民党2人が続きますので、よろしくお願いいたします。以上です。どうもありがとうございました。

○若林委員長 以上で佐野れいじ委員の質疑を終了します。

 次に、[1]高橋かずちか委員、質疑をどうぞ

○高橋(か)委員 お疲れさまでございます。総括の質疑ということで、自民党6番目、やらせていただきたいと思います。

 ちょっと時間の関係がございますので、2番目のユニバーサルデザインの後に、オリンピック・パラリンピックの気運醸成関連、それを進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず初めに、今後の展開すべきまちづくりについてということでお尋ねをしてまいります。

 さきの建設委員会に報告されました都市基盤整備に係る区政目標の見直しの中で、都市計画マスタープランの土地利用方針で示されている交流拠点の形成など、地域まちづくり分野の目標に位置付けるというふうにありますけれども、これを具体的に教えていただきたいと思います。また、来年度予算にどのように反映をされているのか。また、予算説明書補助資料に記載が具体的にないというところも含めて、御説明をまずお願いしたいと思います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) まず、中野区都市計画マスタープランで位置付けられました交流拠点及び生活拠点の形成についてでございますが、これは各拠点の駅前地区への機能集積を進めるなどによりまして、区民の日常生活や企業活動を支える魅力と賑わいにあふれ、環境と調和するまちとして育成整備することが交流拠点の形成の内容でございます。これを地域まちづくり分野の目標の一つとして新たに位置付けるものでございます。

 それから、平成29年度、来年度におきましては、例えば交流拠点の一つであります東中野駅周辺地区におきましては、駅東口のバリアフリー化や歩行者空間の整備に向けた検討とあわせまして、駅東口周辺を中心としたまちづくりを検討することとしておりまして、都市計画担当と地域まちづくり担当が連携しまして取り組むものでございます。

 予算につきましては、都市計画担当所管の東中野駅東口の整備として計上しているものでございます。

○高橋(か)委員 都市計画マスタープランでは、今のまちの拠点ということを挙げていまして、広域中心拠点、交流拠点、また生活拠点、このような分類分けをしております。この都市計画マスタープランでは、都市の骨格として活力、文化を生み出すインフラの育成強化を挙げていまして、各インフラはまちの拠点とそれ同士を連結する軸で構成されると、このように述べてあります。それには、各拠点が駅を基点として、回遊性、界隈性ある均衡ある発展が非常に大切なことだと考えておりますけれども、この点についてどのように見解をお持ちでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 拠点の形成についてでございますけれども、各拠点を育成整備するためには、生活関連施設をはじめとしまして、各拠点にふさわしい業務、商業等のさまざまな施設の立地とあわせまして、拠点のエリア内における道路や駅前広場等の基盤整備が必要となります。これら施設や基盤が相互に連携することによりまして、駅などの拠点の核となる場所を基点とした回遊性が生み出されまして、さらには交流拠点や生活拠点ならではの界隈性を確保することで、その魅力は一層高まるものと考えてございます。

 加えまして、各拠点がそれぞれの拠点内におきまして、偏りなく、バランスよく整備され、育成されることが、各拠点の力を一層高め、ひいては中野区全体の均衡ある発展につながるものであると考えてございます。

○高橋(か)委員 この交流拠点の中で、今お話のあった均衡ある発展という中で、同じ駅でも、駅の出入り口によってアンバランスが生じるということになると、やはり界隈性、回遊性に大きな支障を来すんじゃないかというような視点でお聞きしたいと思います。

 交流結節点の中で、JRと大江戸線と連携している東中野駅、この辺の周辺について見てみますと、山手通りに面した西口、これは駅前広場も整備され、駅ビルもあるということで、随分きれいに発展、整備していると思うんですけども、皆さん御承知のとおり、東口の開発は進んでいない現状があります。中野区はこの現状をまずどのように考えているのかというのをまたお聞きしたいのと、この整備に関し、東口の整備に関して、補助資料では268ページ、390万余の東口自由通路及び駅前広場等の整備基本計画検討業務というふうに挙げてありますけれども、これまでの中野区の取り組み経過と、あと交流拠点まちづくりを目標に掲げた地域まちづくり分野の来年度の取り組みについて、また長期計画についてはどのようにするのかということを教えていただきたいと思います。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) まず、今、委員御指摘の東中野駅東口周辺につきましては、駅舎及び周辺の歩行者空間等のバリアフリー化の未完了、こういったことに加えまして、歩行者数の減少、あるいは商業集積の西口地区へのシフト、こういったものが進んでおりまして、課題であると認識をしているところでございます。

 それから、今後の取り組みでございますが、これまでは東中野駅東口周辺の整備に向けまして、東中野駅東口のバリアフリー化及び歩行者空間の整備に向けた現況調査や課題の整理、実現の可能性等につきまして調査検討するとともに、JRとも協議を継続してまいりました。来年度、平成29年度におきましては、都市計画担当と地域まちづくり担当とで連携しながら、歩行者空間の確保を中心とした自由通路や駅前広場の整備及びこれらと連動した駅周辺の賑わいの創出に向けたまちづくりの方向性等についても調査検討を行うこととしてございます。

 今後は、新しい中野をつくる10か年計画で示しておりますステップ4、これは平成34年度から37年度でございますが、ステップ4の東中野駅東口のバリアフリー化及び歩行者等広場の完成に合わせまして、地域のまちづくり団体等とも連携しながら、交流拠点としてのまちづくりを進めていく予定でございます。

○高橋(か)委員 それでは、東中野駅の西口と東口の相互のネットワーク、それと駅や出入り口を拠点としたユニバーサルデザインの視点を当然取り入れた駅、またさらに出入り口を中心とした東西南北の回遊性が重要ということについて、どのように具体的に進めていくのか。それと、その実現にはJRの協力というのが不可欠であると考えるんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 東中野駅西口と東口を含む東中野駅周辺全体の回遊性の確保に当たりましては、駅舎のバリアフリー化や駅南北を結ぶ歩行者動線の確保、道路の整備やバリアフリー化が必要であると考えてございます。特に、駅舎のバリアフリー化に当たりましては、これはJRの理解と協力が不可欠であると考えております。

○高橋(か)委員 まちというか、地域を再生する上で今注目されている言葉に、エリアリノベーションというのですか、民間の知恵と工夫で取り組むというのが報道でも最近よく耳にするところでありますけども、要は空きビル、空き家を改装して付加価値をつけるイノベーションに、それが広がってまちごと賑わいをつくり出す再生パターンというんですかね、そういうことで私は捉えているんですけども、本来はこれ、行政や補助金に頼らずに民の力でやっていくというような動きではあるんですけども、こうした民間を中心とした新しい発想の取り組みというものも、区としても行政サイドではあるけれども、進めていくべきじゃないかというのが根本に私にありまして、それが区を広く知らしめるというんですか、シティセールスにつながってくるんじゃないかと思うんですが。

 地域のまちづくりとか活性化ということ、いわゆる行政が今言ったバリアフリーとか、あるいはインフラ整備というんですかね、ハードの面の整備とか、補助金とか、融資のサポート、そういう環境整備を行って、企業とか地域、民間の知恵を工夫して、ソフトを民が駆使すると、こういうことで活性化を成し遂げるという原則パターンはあると思うんですけども、場所によっては、そういう行政が、民と行政の垣根を越えて取り組むというところも必要じゃないかと思うんですよね。ここの東口の活性化について考えると、これまで都市計画的な基盤整備とか、あるいはまちづくり条例に伴う最初の地域まちづくり団体というんですか、こういうことで進めていく中で、今後、新しい発想、ユニバーサルデザインの新しい発想のプロジェクトも動いていますので、リーダーシップを区がもっととっていくべきじゃないかというふうに考えています。

 交流拠点という中でも、いろいろな交流拠点がありますけれども、東中野というのは、交通結節点の中でもJR線とまた地下鉄の大江戸線という、交通利便性のある二つの鉄道線が交わるところですし、山手通り、御承知のとおり幹線道路ですし、その地下にある高速道路を考えたときには、この交通の利便性から考えると、駅、また駅の出入り口を基点として360度方向というか、東西南北の動線が確保されて、出入り口の連携というものがとれるということが魅力づくりにつながるし、魅力になれば新しい商業展開であったり、あるいは既存施設の相乗効果ということでブランドの構築というのが進むと思うんですよね。住居系の開発による人口増加だとか、また来街者が来る、こうしたことがある意味、中野駅周辺でやっていますけども、一つのローカルなエリアマネジメントというんですかね、そうしたシティマネジメントを伴う取り組みとして、シティセールスにつながっていくし、これが結局、都市間競争の中で中野が生き残っていくサステーナブルというか、そういうところにつながってくるんじゃないかと思うんですけども。

 そこで、お聞きしますけども、こういう交通結節点における均衡ある拠点整備を行うことで、このエリマネを進める中でシティセールスにつなげていくということが大事だと思うんですけども、中野ブランド構築の前提となる地域の魅力づくり、こうしたことに、さっきから申し上げていることなんですけども、行政として都市基盤整備と並行してハード、ソフト両面での施策展開を目指していくという区のお考えはあるんでしょうか。

○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 拠点の育成整備に当たりましては、今、委員からさまざま御提案をいただきましたけれども、そういったまちの魅力の向上を図ることが非常に重要と考えておりまして、例えば今、委員も御指摘ありましたエリアマネジメントの導入、こういったものも有効な一つの方向性かと考えております。ハード、ソフト両面から地域と連携してまちづくりを進めることが大切であると考えているところでございます。

○高橋(か)委員 くどいようなんですけど、結局西口の開発がうまくいきました。次に東口部分をということで、多分、区長もそういう拠点的なイメージじゃなくて、もっと全体を見据えていらっしゃると僕は思っているんですけども、東口の出入り口とか駅前というポイントだけで整備していくとなると、結局それぞれのまちづくり、拠点の、何というんですかね、ポイントがよくなったというだけであって、全体がよくならないと思うんですよね。例えば東口であれば、商店街もあるし、新しい――ちょっと訴訟問題にもなっているけども、大きな駅前広場になり得るような可能性もあるところも考えられるわけですし、その先には集客施設の日本閣もあるし、その先には神田川沿いの景観施設もあって、新宿との区境であるけれども、やっぱり人の流れも出てくるし、そういうところを、何というんですかね、まちの魅力を行政も一緒につくっていくというふうになると、結局、さっき申し上げたことですけど、人がふえるということは、JRの東口の利用客もふえてくるということになれば、安全施策としても、あるいは企業の方針としても、JRが東口の駅舎整備をそれは投資効果としても、あるいは企業のステータスとしてもしっかりと取り組んでいくという動機づけになると思うんですよね。ですから、その辺をぜひ区として強くアピールして、なおかつJRと連携をとっていただきたいと、このように思います。

 次に、もう一つ別の拠点のところについて、まちづくりにかかわることを申し上げたいと思います。中野駅周辺から哲学堂にかけて、いわゆる都市観光ゾーンと位置付けていますし、文化ゾーンとも位置付けをされているこのゾーンですけれども、本会議の質疑にも出ましたけれども、補助26号の整備によって削られる拠点公園としての機能を果たさなくなってしまう可能性のあるみずのとう公園、これは御存じのとおり、野方配水塔――旧のですね――を核とした文化財の公園として整備すべきという、いろいろ私も申し上げてきましたけれども、この予算説明書補助資料によりますと、みずのとう公園再整備設計委託で新規で1,875万円余が上がっておりますけれども、これをもうちょっと具体的に教えていただきたいと思います。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 内容としましては、旧野方配水塔保存活用計画策定委託費及びみずのとう公園再整備基本計画基本設計委託費でございます。

 まず、旧野方配水塔保存活用計画策定のほうでございますが、こちらは国の登録有形文化財である旧野方配水塔を近代土木遺産として、さらに価値を高めるための保存活用計画を策定し、修復、活用整備を行うことで、より多くの来街者を招くための観光の核の一つにしようとするものでございます。

 もう一方のみずのとう公園再整備基本計画基本設計は、旧野方配水塔を核としました文化財のある公園として再整備するために行うものでございます。

○高橋(か)委員 冒頭ちょっと触れましたけども、このみずのとう公園、地域にとりましては特別な公園でありますし、防災拠点でもあるし、交流・賑わい拠点でもあります。区長が多分、僕以外ですと一番よく御存じだと思うんですけども、去る23日に東京都の教育委員会のほうでも、いわゆる江古田の獅子舞の東京都の無形文化財格上げが決まりましたし、この江古田の獅子舞の活動ともリンクする公園でございます。この補助26号線整備による土地収用、当然公園にも影響を及ぼすということで、まちづくりの一環として整備していくというふうな認識で捉えているんですけども、この隣地の水道局敷地、これとの調整というのは、私も質疑で聞きましたけれども、今後――もう1度確認ですけど、具体的にどのように展開して、また来年度予算、設計委託とどう関係していくのか、その辺をちょっと教えてください。

○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) みずのとう公園の拡張用地として取得を目指しております部分には、今御案内のとおり、東京都水道局の官舎が2棟ございまして、1棟は廃止済みでございますが、残り1棟は現在も入居中でございます。都の水道局には、区の計画の検討状況に応じまして説明を行っておりまして、東京都の協力を得ながら設計を進めていく予定でございます。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。僕はあそこ、よく動いてみて感じるのは、まちづくりとしてあそこを捉えるんであれば、補助26号整備がいい機会ということで捉えるんであれば、やはり第1段階は隣の水道局の官舎で、将来はその隣の官舎で、将来的にはもっと周辺部にも敷地は通じているわけですから、そうした大きなまちづくりの一環の展開というものを私はすごくイメージをしたいなというふうに思っているんですけども、これは相手のあることですし、交渉事なので、コメントしなくて結構なんですけども、私はそういう大きな広い目線で、長期計画で考えていきたいと思っております。どうもありがとうございました。

 次に、中野区ユニバーサルデザイン推進審議会の答申と今後の展開について伺います。

 中野区では、昨年の第2回定例会において議会承認を得て、中野区ユニバーサル推進審議会が立ち上がりまして、このほど答申が出ました。先ほど久保委員のほうからも、この件については触れておりますので、なるべく重複しないように進めていきたいと思いますが、重なったときは御容赦ください。

 バリアフリーとの関係においては、この整備に当たっては、ユニバーサルデザインの理念を基本として、同時にバリアフリーも取り組みを進めるという延長線にユニバーサルデザインの社会もこれまたあるというふうに認識をしているところですけれども、政府において、ちょうど2月20日にユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議が開かれまして、そこでユニバーサルデザイン2020行動計画が決定されました。

 そこで、中野区の審議会答申と政府のUD施策、また中野区の来年度の予算に絡んでお伺いをしたいと思います。

 まず初めに、中野区のこのユニバーサル推進審議会答申、所管部署としてどのように考えているのでしょうか。また、これまでのバリアフリー関連の区の計画とどう違うのか、教えていただきたいと思います。

海老沢政策室副参事(企画担当) 区は、高齢化、グローバル化の進展、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催等、背景を踏まえまして、ユニバーサルデザインによるまちづくりを推進いたしまして、これを地域にとっての強みといたしまして、区内外に向けても発信していくということを目的、目標としているところでございます。審議会答申案は、区の現状を踏まえて、全ての区民、来街者が障壁を感じることなく都市活動や社会参加を行える環境づくりを進めていくということが必要であるといたしまして、理解促進やインフラの整備、サービスの提供を進めていくべきと整理されておりまして、区内団体からの推薦や公募による区民委員が中心となりまして、区の実情等を踏まえました審議を重ねまして取りまとめられたものでありまして、今後の展開に向けた示唆に富んだ内容というふうに思っているところでございます。今後、ユニバーサルデザインのまちづくりを中野区の魅力の一つとして推進していくに当たりまして、この答申の内容を十分踏まえまして、区の推進条例や推進計画の基本となるというふうに考えているところでございます。

 そして、バリアフリー関連の、区の計画との違いというところでございますが、バリアフリーに関する区の計画といたしましては、中野区バリアフリー基本計画、基本構想があるわけでございますけれども、これはバリアフリー法に基づきまして、駅の周辺ですとか、不特定多数の人が利用する公共施設などが集まる地区を重点地区として設定をいたしまして、移動の安全性や利用の利便性を図るということで、一体的にバリアフリーの整備を進めていくということを主な内容としております。

 一方、ユニバーサルデザインの取り組みでございますけれども、先ほど申し上げました誰もが障壁を感じることなく、都市活動や社会参加を行える環境づくりの推進というのを目的といたしまして、初めから多様な人々が利用しやすいような設計を行うという考え方を進めていくということでございまして、バリアフリーやサインなど、インフラ整備からサービスの内容の改善、あるいは区民意識の啓発まで幅広い内容を含むものであるというふうに考えているところでございます。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。来年度予算に反映するUD施策ということですけど、これは先ほど久保委員のほうで細かくチェックしていただいたので、省略をさせていただきたいと思います。

 予算説明書補助資料87ページの成果指標のところですと、ユニバーサルデザインに関する認知度73.2%というふうに出ていますけれども、この数字の根拠と――いいんですかね、この数字、適切なんでしょうか、教えてください。

海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインに関する普及促進等の取り組みの成果を図りまして、取り組みの改善をしていくためには、区民におけるユニバーサルデザインに関する認知度を把握する必要があるというところで、今年度から区民意識実態調査の調査項目として取り上げているところでございます。この調査項目については、内閣府が毎年実施をしている世論調査の項目ともなっておりまして、27年度は56.7%でございました。これとの比較が可能であるということで、区政目標の成果指標として設定をしたというところでございます。今年度の調査の結果でございますが、ユニバーサルデザインの言葉を知っていると回答した区民の割合が全体の66.6%であったということで、国の調査の26年度から27年度の伸び率を踏まえまして、29年度においては73.2%まで向上させるということを目指したいというふうに考えているところでございます。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。

 次に、先ほど申し上げた政府のユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議で決定した行動計画ですけれども、簡単に言っちゃうと、主なポイントは、障害のある方が政策、立案、企画段階から委員に参画して施策に反映させるということと、2番目としては、学習指導要領の改訂を通じて、全ての子どもたちに心のバリアフリーの教育を進める。三つ目は、ユニバーサルデザインに関する法律を含む諸制度の見直しを行うということ。また四つ目は、2020年に向けて、実効性の担保として、障害当事者などをカウントする評価会議を毎年開催して、施策の実施状況を確認評価、その結果を踏まえて省庁は改善する、こういうふうになっております。

 中野のUD答申ですけれども、これ僕読ませていただいて、非常によくできているなと思っていまして、政府の行動会議の企画立案に参画したメンバーがやはり中野区のUD推進審議会の委員にも入っていますし、かなり今回の中野区の答申というのはレベルの高い、ほかの自治体の模範になるんじゃないかなと大変うれしく思っているんですけれども。区のこの答申ですけれども、一つとしては、ハードの整備に関して、建物については整備後の対応というのは多額のコストがかかるということで、公共施設の整備に当たっては、建設の前の企画段階からUDに配慮する審査体制の仕組みが必要である。また、推進体制については、午前中にも出ましたけれども、継続的に見直し、改善を進めるためのスパイラルアップの仕組みであったり、体制整備が必要である。また、中野区が推進していくためにビジョンを果たす役割を続けるためには、区側に適切な推進、確認、評価、改善する実施体制、つまり担当部署の整備が必要、これは来年度設置するということでしたけれども、私は24年の1定から総括でもこれ申し上げているところでありますけれども、こういうことが述べられておりました。この3ポイントについてどうお考えなのか、教えていただきたいと思います。

海老沢政策室副参事(企画担当) 御指摘の3点につきましてでございますが、ユニバーサルデザインを進めるに当たりまして、重要な視点であると認識しているところでございます。ユニバーサルデザインにかかわる条例制定や推進計画を制定に向けて、これを生かしてまいりたいというふうに考えているところでございます。平成29年度から企画担当の中にユニバーサルデザインの担当を設けるというふうに考えておりまして、全庁的にまたがる取り組みについて、進捗管理や見直し改善を進めるなど、ユニバーサルデザインの視点を生かす取り組みを行ってまいりたいというふうに考えております。

○高橋(か)委員 この答申を受けて、今後推進条例の制定と動いて、それが条例ができれば、推進計画が進んでいくという流れになると思うんですけども、スケジュール的に今教えていただけることがあればお願いいたします。

海老沢政策室副参事(企画担当) 本年2月13日に中野区ユニバーサル推進審議会から答申をいただいたところでございまして、この答申を踏まえた上で、平成29年度中に推進条例の制定を進め、あわせて推進計画を策定していきたいと考えておりまして、本年6月ごろをめどにいたしまして、検討の骨子を整理してまいりたいというふうに考えております。

○高橋(か)委員 随分前に、ほかのいろんな自治体でもやはりこういうUD関係の条例をつくったりしているところがあるんですけども、何か話を聞くと、何かつくって終わっちゃっているようなところもあるようで、やはり一番大事なのは、区民というか、広く啓発をするというか、普及させて啓発をする。そういう意味では、国の教育行政のほうでしっかりと進めていくということがあるんですけども、もう一つは具体的展開が必要だなというふうに考えています。

 この2点についてお聞きしますけれども、まずは区民への普及啓発をどのようにするのか、もう1度確認をしたいと思います。

海老沢政策室副参事(企画担当) ユニバーサルデザインの考え方を生かした施設整備など、目に見える取り組みと同時に、やはり区民の理解促進を図るということは両輪で進めなければならない取り組みであるというふうに考えているところでございます。ユニバーサルデザイン推進審議会においても、学校教育や社会教育での取り組みや、区民参加によるリーフレット、教材等の作成など、幅広い意見が出されたところでございます。

 審議会の答申を参考にいたしまして、推進計画の策定を進める中で効果的な普及啓発に関する取り組みを検討していきたいというふうに考えております。

○高橋(か)委員 それでは、具体的な展開はどのように考えていらっしゃるでしょうか。

海老沢政策室副参事(企画担当) 普及啓発等の理解促進に関する取り組みを進めるとともに、外国人来街者の利便性を高めるためのサイン等の整備をしていくに当たり、多言語対応のガイドラインを作成することや、今後進めるまちづくりや施設整備にユニバーサルデザインの考え方を生かしていくことなど、今後策定する推進計画の中で具体的に検討してまいりたいというふうに考えております。

○高橋(か)委員 わかりました。予算にも載っているサイン計画とか、そういう話とか、あるいは中野駅周辺ということだと思うんですけどもね。例えば中野駅周辺でも、まだ何年も先になるわけですよね、その成果物というか、完成品としてそのよさを体感できるのはね。であれば、もうちょっと早く、一つでもいいから、そんなビッグプロジェクトじゃなくてもいいからやれたらいいんじゃないかと思うんですけども。一つは、これから進んでいく大規模公園の整備であったり、午前中に久保委員がおっしゃった哲学堂の整備に活用するというのもありますけれども、一つは、商店街の展開、例えば中野駅直近のサンモール、ブロードウェイのああいう大きな商店街じゃなくても、どこか一つ商店街を個店一つずつをバリアフリーにするような、別に大規模な設備投資をするんじゃなくて、24年の総括のときにも申し上げたんですけど、巣鴨の商店街って、完全バリアフリーなんですよ。それは別に仰々しい資本投下をしているんじゃなくて、お店の親父一人ひとりがコンパネであったり、あるいは折り畳み式の板をぺとっとこうやったりとか、あるいは鋼板を敷いたりして、本当にバリアフリーをずっと全部続いた商店街に結果的になっていて、もう老若男女が賑わっているんですよね、市の日なんかはね。ですから、どこかそういう具体的な、せっかく答申でこの条例というのであれば、タイミングを見て、一つやって、中野区の成果物というか、完成品として、それをまた啓発活動につなげていく。活性化、リピーターが来れば、その商店街も潤うわけなので、ぜひそういう取り組みをしていただきたいと思いますけども、こういう実践について、何かイメージはありますか。

海老沢政策室副参事(企画担当) 区では、現在中野駅周辺まちづくりや西武新宿線沿線まちづくり等に取り組んでいるというところでございまして、ユニバーサルデザインの視点を面的に生かす大きな契機であるというふうに考えているところでございます。御指摘の取り組みにつきましても、目に見えるユニバーサルデザインとして、まちの魅力向上につながるものであるというふうに考えておりまして、今後ユニバーサルデザインの視点をまちづくりの中でどのように生かしていけるかについて、さまざまな角度から検討してまいりたいというふうに考えています。

○高橋(か)委員 ぜひ商店街チームと、あと都市基盤チームと連携をとって、一つ具体化をするようにお願いします。

 それでは次に、順番を変えた5番目、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた気運醸成とスポーツ施策について伺います。

 今回の本会議質疑において、同僚のいでい議員からもスポーツ都市戦略の重要性について質疑がございました。こうしたスポーツを通しての健康づくり、活性化、まちづくりというのが、言うまでもなくオリンピック・パラリンピック開催に向けて大きく進展していくんでしょうし、同時に、その施策のゴールを目指すには、到達するには、開催に向けた気運醸成というのが非常に重要だと考えているもので、お聞きいたします。

 今まで、開催決定から気運醸成をやってこられたということですけども、来年度予算の反映、また気運醸成として820万の予算がついておりますけれども、これの内容を簡単に御説明お願いします。

海老沢政策室副参事(企画担当) 平成25年9月の東京大会決定から現在に至るまで、オリンピアン、パラリンピアンを講師にしたスポーツ体験会や講演会、小学校での国際理解教育などのオリンピック・パラリンピック教育の推進、あるいは区民団体が行うオリンピック・パラリンピックの気運醸成事業に対する助成、さらに本庁舎1階ロビーにおきましてパネル展示等を行うなど、気運醸成事業を進めてきたというところでございます。

 平成29年度予算の823万4,000円余の内容につきましてでございますが、東京大会の気運醸成を図るために、東京都等がオリンピック・パラリンピックのフラッグを東京都内62区市町村を巡回させるフラッグツアーを区において実施することになってございまして、区はこれと連動した競技体験と関連グッズ展示によるイベント等も計画しているところでありまして、その経費を計上したというところでございます。

○高橋(か)委員 ちょっと森委員のところと重なっちゃいまして、すみません。先に進めたいと思います。

 区が主導でやっていく気運醸成活動というのは、2015年の資料を見たりすると、ちょっと公益活動の助成制度であったりとか、ホームページに、区報に上げるよとか、あの時点ではそうなのかもしれないですけど、そういう掲載しかなかったので、ちょっと気になって以下の質問をしますけれども。

 気運醸成につながるということでの展開では、まず第1には、中野区とオリンピアンが結びつくということが一番ではないかなと思っていまして、例えば区内の区民や、あるいは区内在勤者、あるいは区内の公立小・中学校、あるいは私立小・中・高等学校の生徒や卒業生からオリンピックが出ることはないのかというところでお聞きします。

 中野区は、こうした情報を集めているのかということでございます。発掘もそうですし、さらには卒業した生徒へのOB、無理くりでも中野というつながりをつくって、応援体制を組んで、区民挙げて、中野つながりでオリンピアンとのつながりをつくって、それで気運醸成につなげていくということはいいんじゃないかと思うんですけど、この辺どうでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 中野区にゆかりのあるオリンピアン、またパラリンピアンにつきまして、組織委員会のほうにも情報提供を求めているところでございますが、個人情報等との関係から、組織委員会からの提供はなかなか困難であるということを言われている状況でございます。

 現在、地域や学校等から中野区出身の選手について情報等寄せられる状況がございますけれども、今後、区として情報収集をしてサポートをしていく、そういった方法について検討していきたいというふうに考えてございます。

○高橋(か)委員 区立の小・中学校であれば、教育委員会、資料あるでしょうし、私立だって、そんなに何十も何百もあるわけじゃないんで、中野区の気運醸成の話とで、ぜひサポートしたいんだというそれを伝えれば、私立だってちゃんと教えてくれるんじゃないかと思うんで、その辺を大きなムーブメントとしてやっていただきたいと思います。

 また第2に、オリンピアンが来る、あるいはそこを見られるということじゃないかと思うんですけども、大会前の事前キャンプ誘致であったり、あるいは選手村がオープンした後、選手団が滞在した後の公式練習場の提供とか、こういうパターンが考えられると思うんですけども、この辺はどうなっているのか、また取り組む姿勢があるのか、スケジュールも含めて教えていただきたいと思います。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 現在、東京大会の公式練習会場といたしまして、新体育館を活用することにつきまして、組織委員会に打診をしているところでございます。公式練習会場につきましては、選手村の開村から競技終了までの間、組織委員会が提供しなければならないものでございまして、選手の移動、また会場の設営等にかかる経費につきましては組織委員会が負担をするものでございます。組織委員会が公式練習会場を決定し、計画として確定するのは、ことしの夏ごろであるというふうに聞いてございます。

○高橋(か)委員 組織委員会待ちということであれば、ぜひ公式練習場をどんどん、そっちをアプローチしていただければと思いますので、お願いいたします。

 その次に、三つ目として、競技大会を目の当たりに体験をさせる、かかわれるということもすばらしいことだと考えていまして、開催中にはさまざまな立場や場面で、実に多くのボランティアがかかわる、よく御存じのことだと思います。次世代を担う、先ほど申し上げた子どもたちにボランティアとしての参加を促して、実際の大会につなげるという、そういう活動というんですか、そういうことを考えてみてはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。

海老沢政策室副参事(企画担当) オリンピックに向けたボランティアといたしましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が競技運営、会場案内、輸送等の大会運営に従事する大会ボランティアとして、約8万人程度の募集を想定しているほか、東京都が国内外から観光客への観光や交通案内に従事する都市ボランティアといたしまして1万人以上の規模のボランティアを想定していると聞いているところでございます。

 現在、区といたしましては、都と連携いたしまして、平成28年度に外国人おもてなし語学ボランティア育成講座を開催いたしまして、58名の参加を得たところでございます。今後、東京大会に向けまして、都のボランティア募集等が具体的になることに合わせまして、区として区内の学生等、ボランティアの参加を奨励する取り組みについても進めていきたいというふうに考えております。

○高橋(か)委員 とにかく子どもたちがその場にいられるという、こんな一生に1度あるかないかの思い出をつくる機会ですので、ぜひ公立小・中、私立、連携をとって、一生懸命ボランティアが活動できるように、ぜひよろしくお願いいたします。

 この項の最後に、新体育館整備との関係についてお聞きします。

 竣工がオリンピック開催に間に合うというスケジュールだと考えておりますけれども、この竣工に際してのオープン、竣工時のこけら落としに、例えばオリンピアンを招聘するとか、そういう工夫によって気運の醸成を図るということが平和の森整備の周知にもつながりますし、気運醸成にも一番わかりやすいんじゃないかと思うんですけども、その辺はいかがでしょうか。

○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 新体育館につきましては、東京大会の開催前の整備に向けて準備を進めているところでございます。大会を目の前にした時期に開設を予定している、そういったことからも、大会の気運醸成としては絶好の機会でございまして、開設に当たってのイベント等を実施したいというふうに考えてございます。イベント等の内容につきましては、今後検討していきますが、過去の大会のメダリストでございますとか、東京大会で活躍が期待される選手、中野区にゆかりがあるアスリートなど、気運醸成につながる選手やチームの招聘に向けて調整をしていきたいというふうに考えてございます。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。オリンピアンはもう限られていますので、3年後といっても、あっという間に来ると思うので、ぜひ早目にアクションを起こしていただくようにお願いして、この項の質問を終わります。

 次に、防災関係に参ります。災害対応施策についてお聞きします。

 防災士関係のことはちょっと次回、今後の地域防災力の強化というところでやりたいと思います。

 地域防災会についてお聞きします。中野区内、地域防災会は幾つあって、そのうち活動している組織は幾つあるのか、教えてください。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区内の地域防災会は、現在115団体ございまして、115団体全てが活動中でございます。

○高橋(か)委員 区が地域防災会に期待するものは何なんでしょうか、確認をしたいと思います。

 また、どのように支援をしているのか、予算に反映されている予算はどうなのか。

 またあわせて、過去二、三年でも結構ですけども、予算額の推移というんですか、その辺を教えてください。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区が防災会に期待する内容といたしましては、防災会は、災害時における迅速な防災活動を推進するために形成された組織でございます。平常時の役割は、防災訓練や座談会などの防災活動を実施することで会員の防災力を高め、協力体制を築くことでございます。災害時の役割といたしましては、初期消火、安否確認、救出救護や避難所開設などの災害応急活動を行っております。

 また、区が防災会に対して行っております予算措置でございますが、こちらにつきましては、過去の推移で申し上げますと、平成27年度は982万8,000円、平成28年度は防災会に背負い式救出・救助・脱出用具など、新規機材の配備を行いましたので多くなりまして、1,649万2,000円、平成29年度は1,088万8,000円を予定しております。

○高橋(か)委員 地域防災力の向上を目指す中で、つまり防災会に役割を期待するということであれば、支給品も大変大切な要素だというふうに考えております。中野区防災計画の資料を見ますと、25品目ぐらいの交付というのが要綱で定まっていまして、その中で、防災会が活動する際の防災訓練など、地域が幾つかの班に分かれて、責任者がリーダーになると。引率して訓練場所に集結して訓練を行うということになると思うんですけども、災害対応には、救助、支援、連携、また迅速的確な対応が求められるわけで、当然御自身の安全も確保しなければいけないということで、非常時の対応ということを考えると、訓練も当然それを想定しているわけですから、指揮命令系統というんですかね、そういうものを確立というのは、統率力の確立というんですかね、これが非常に大切なことだと思うんですよね。

 そうしたことを考えてみたときに、この支給品のことで一つお聞きしたいんですけども、防災会の旗というのがあって、一流れというんですかね、一流というんですかね、これが書かれておるんですけども、これは非常に大事だと思うんですけど、地域の防災訓練に出てみますと、旗が非常に寂しい限りの――今、持ってきて、委員長に許可もらったので防災会の旗、お見せしますけども、これは地元の町会のなんですけど、これが防災会の昔のやつらしいんですけども、それでも皆さんに聞くと「随分新しいやつだ」と言うんですけど、これが一流れ、今支給されているのはこの小さい「防災会」、これが一流れ。しかも町会名は自分で書けといって、無地のやつを渡されるらしいんですよね。これは間違って水性っぽいようなのを使っちゃったら、びしょびしょににじんじゃうし、汚い字で書いたらもう訓練のとき、寂しい限りじゃないかと思うんですけども、この現状は御存じですか。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 旗につきましては、議員御指摘のとおり、かつては比較的大きなサイズの旗を交付しておりましたが、現在はお手元のとおり小さい旗を交付しているところでございます。

○高橋(か)委員 ある町会長は怒っていまして、「もっといいの、何とかならないか」と、こういう方もいらっしゃるんですよ。それで、さっき申し上げたとおり、とにかく非常時の安全も含めて対応するために、やっぱり指揮命令というか、統率力が一番大事であって、新しい人がそこに参加もするかもしれないということを考えると、やはり錦の御旗じゃないけども、防災のシンボルになるわけですよ、地域ごとに。訓練会場に行く前は、各地域に町会に班があって、その班の班長さんがこういう――今、ここの町会ではね――小さい旗を掲げて、引率して訓練会場に行く。訓練会場ではこの大きな旗が掲げられていて訓練をするというのがあるので、ぜひ、お金のかかることではありますけども、住民が一生懸命参加しているわけなので、ぜひその辺、もうちょっといいやつを、防災会と班と、何か参加したくなるような旗をひとつお願いしたいんですけど、どうですか。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 委員にも御説明いただきましたが、区は防災会の防災活動の資機材として旗を一流れ交付しております。この旗は、各防災会が指定された防災活動拠点におきまして、防災会の本部の位置を明確に示すためですとか、あと防災会が避難所等へ避難する際の誘導の目印として活用していただくことを想定しております。交付した資機材につきましては、老朽化した場合は区のほうで新しいものと交換しております。旗も防災会の要請に基づきまして交換しておりますが、その際に同じような意見をいただいております。旗の活用の状況ですとか、使用頻度につきまして確認いたしまして、必要な見直しを図ってまいりたいと思っております。

○高橋(か)委員 担当の副参事さんからいい答えをいただいたので、ぜひ都市基盤部長、区長、よろしくお願いいたします。

 それでは次に、備蓄関連のことについて1点だけお聞きしたいと思います。

 乳児用液体ミルクについて。これ、日本ではこれまで製造販売が認められなかったんですけども、ここへ来て政府が解禁の検討を始めました。政府の男女共同参画会議の専門家会議でも、普及のために国、自治体、さらに乳業メーカーに対して製品化に向けた取り組みを加速するようにということで報告書が出ております。東京都の小池都知事も、母親支援、男性の育児参加支援、また何よりも災害対応の有効性から、製品化された際には、都での買い上げまで言及しているところでございます。

 私が役員を務める日本防災士会地方議員連盟というのがあるんですけども、これでも昨年暮れ、塩崎厚生労働大臣に乳児用の液体ミルクの国内解禁ということと、災害備蓄にということで陳情を行っております。多分、被災地支援が海外から来たということで話題性も出ていまして、今後、全国の地方議会というか、議員でも注目していくことになると思うんですけども、この乳児用液体ミルクについて中野区の今の見解、今後のスタンス、それから備蓄への展開の可能性について、教えていただきたいと思います。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 健康増進法は、乳児用の特別用途食品として、粉ミルクしか想定しておりません。このため、現時点では、乳児用の食品ではない液体ミルクを乳児用の備蓄として配備することは困難であると考えております。現在、国のほうで乳児用液体ミルクの導入に向けた検討を行っているほか、都は平成29年度に液体ミルクの備蓄、活用に向けた検討等行うとしているところでございます。国や都の動向を注視し、液体ミルクの備蓄について検討していきたいと考えております。

○高橋(か)委員 法的に流通して、値段も、流通すれば下がってくるんでしょうし、使えるようになるわけですから、そうしたらぜひ備蓄ということもひとつ踏み出すということを機敏にお願いしたいと思うんですけど、どうでしょうか。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 重ねての答弁となりますが、国や都の動向を注視し、液体ミルクが導入可能になった場合は液体ミルクの導入について検討していきたいと考えております。

○高橋(か)委員 ありがとうございました。

 次に、4番目の中野区における情報発信戦略についてお聞きします。

 中野区は、これまで総合仮想サーバーに導入であったり、ネットワーク統合というんですかね、こういう区の職員が使用する内部の情報システムの情報基盤については、最適化、有効活用というのが進んでいると思うんですけども、一方で、例えば中野区周辺のことについて言いますと、商店街やあるいは賑わいポイントでの区民に対して、または外からの来街者に対して、また中野区を訪れるような人とか、あるいはインバウンドを考えたときに、こうした活性化につながるターゲットに対して統一的な、網羅した、また戦略的な情報発信というものが外部に戦略的に発信されていないんじゃないかというのを危惧しているんですけども、29年度予算、来年度予算を見ますと、伊東しんじ委員が質問しましたけども、地域観光情報プラットフォームの整備として5,000万が計上されていますけども、その辺の内容を教えてください。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 平成29年度に計上いたしました地域観光情報プラットフォームの整備につきましては、地域のイベントや観光情報などを収集し、デジタルサイネージやアプリで発信していくものでございます。この整備や運営につきましては、中野区グローバル戦略推進協議会で検討しております新たな推進組織において行い、整備は区からの補助、運営は広告などの事業収入により賄うことを想定しているものでございます。

○高橋(か)委員 今お話しあった、その新組織というところなんですけども、伊東委員からも質疑ありましたけれども、その新組織についてもう1度概要を教えてください。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) この中野区グローバル戦略推進協議会で検討しております組織でございますが、デジタルサイネージの整備ですとか、そうした情報プラットフォームの整備、またシティセールスですとか、エリアマネジメント、そうしたことについて取り組む組織として考えているところでございます。

○高橋(か)委員 シティセールスというのは、どちらかというと、行政主導で行うように思っていたんですけども、この法人、新組織が行うという理由は何なんでしょうか。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) この法人の目的としまして、中野の集客力、また発信力の強化といったことを目的としておりまして、そのことに賛同した民間企業などに会員になってもらうということがございます。そうした民間企業のノウハウですとか、ネットワーク、こういったものを活用することによって効果的なシティセールスの展開が期待できると、このように考えております。

○高橋(か)委員 民の力を利用するというのは非常にいいことだと思うんですけどね。ただ逆に、要は区として何を発信するのか、区は今後何を売るのか。例えば中野区はアニメなんだよとか、あるいはおたく文化なんだよとか、あるいはいろんな予算の額にそういう予算がついてその事業をやるというと、それはいいことだと思うんですけども、一つひとつがばらばらで、全体のストーリーがあって、区民なり、来街者なり、インバウンドに、それが中野区の一つの、何というか、まとまった統一感のある形として発信してみるのがなかなか伝わりにくいんじゃないかなと思っていまして、中野区として今後どう考えるのかという、区の、このまちが活性化を、あるいはこの中野駅周辺から始めるのは、そこをどう考えていくのかというのをどうエリアマネジメントから来て、シティセールスにつながってというか、そういうものをどう、誰あてに何を発信するのかというのがなかなかわかりづらいと思うんですけども、その辺はどう考えているでしょう。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 中野区グローバル戦略推進協議会におきましては、さまざまな中野のコンテンツをどう発信していくか。まずは、コンテンツそのものをどう発掘していくかといったところが議論としてございました。また、そこからそれを商品化してどう発信していくか。そういったことが議論されているところでございます。そうした発信の仕組みとして、今回、この情報プラットフォームの整備ということを行いますので、そうしたものの中で国内外に対して発信をしていくということになろうかと思っております。

 区といたしましては、このプラットフォームについては整備の補助を行うということ。それでまた、運営については民間の活力を活用するということでございますので、区としては全体を俯瞰しながら、統一感のある発信を行っていきたい、このように思っているところでございます。

○高橋(か)委員 私の友人なんかは、いろんなまちを見ている友人がいまして、鉄道会社の人なんですけど、見ると、「中野はあのごちゃごちゃ感がいいよね」と言うんですよ。だから、何か一つこれがというのがなくて、全部入りみたいなのもあるかもしれないんだけども、ただ、それはそれでオーケーだし、あるいは一つのもので中野はまずは売り出すという、ほかの自治体のようなのもあるでしょうしね。それもありなんですけど、いずれにしても、やっぱり区民が「そうだね」と思うものでなければいけないし、新組織の中で自己満足じゃ、もちろん当然いけないし、議会の私たちも納得して、やっぱりベクトルを同じにして、同じ方向に向かって、区長も部局も議会も一生懸命で、イベントをやる。それぞれの人たちも一つのストーリーにつながっている中で、ベクトルに向かって前に突っ走っていって中野の魅力をつくっていくという、そういうのが大事だと思うので、新組織というのを利用するのはいいけれども、ぜひそこのところをずらさないように進めていただきたいんですけども、その辺はいかがでしょう。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 中野のよさ、こういったものを発信していくということが非常に重要な点だと考えておりまして、これを区全体の中での統一感のある発信をしていきたいと、このように考えております。区の中での調整ということですとか、連携ですとか、そういったこともありますし、また地域との連携、このこともしっかりと進めながら取り組んでまいりたいというふうに思います。

○高橋(か)委員 先ほど東中野の最後のほうでも申し上げたとおり、やはり区がどう発信するのか、あるいは全体の考え方であったり、理念であったり、それがシティセールスにつながっていく、あるいは中野の価値が上がって評判を呼んで、また盛り上がっていく。そうした形で都市間競争に生き残るように、ぜひよろしくお願いしますということを申し上げて、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

○若林委員長 以上で高橋かずちか委員の質疑を終了します。

 次に、加藤たくま委員、質疑をどうぞ。

○加藤委員 自民党最後であり、今日最後になって、恐らく明日にまたがるのではなかろうかと思います。自民党議員団の一員として総括質疑をさせていただきます。高橋ちあき委員、いでい委員にも、新しい風を起こせと、新人議員、言われましたが、それがさわやかな風なのか、台風みたいな風なのか、悪臭漂う風なのかわかりませんが、22期の新人は非常に多様性があり、ダイバーシティマネジメントをしっかりしながら、新しい風を議会、行政に届けていきたいと思います。よろしくお願いします。

 残時間から、ちょっと3番のイノベーションを創造できる区政のあり方から質疑をさせていただきたいと思います。

 昨今、日本国内における大きな社会問題として、少子高齢化が挙げられます。そして、少子高齢化に伴う生産年齢人口及び収益の減少は、将来の社会保障に対して不安にさせています。そして、収益、税収などは、人口に単純に比例するものではなく、イノベーション、技術革新によって何倍も増加できると考えます。大ざっぱではありますが、GDPは労働力人口、労働時間、労働生産性で表現できます。戦後、高度経済成長により日本のGDPは右肩上がりに上昇してきました。総務省統計局の資料を用いて、1990年の物価ベースで私が整理したところ、1955年、生産年齢人口は5,473万人、GDPが8.8兆円で、1990年には、生産人口年齢が1955年から1.57倍で8,614万人、GDPは52倍で、457兆円となります。つまりイノベーションによって、労働人口と労働時間が固定されると考えるのであれば、労働生産性は33倍になったということになります――すみません、労働時間が固定されるならば。人口のほうは、増減がGDPに与える影響よりも、労働生産性のほうが重要であるということがわかります。つまりイノベーションによって労働生産性を上げるということが重要です。

 歴史を遡れば、火の利用、石器、土器の開発、農業、通貨、石炭、石油エネルギーなどの利用によってイノベーションが起こり、作業効率を上昇させています。今、中野区は新たな技術がいっぱい入ってきて、イノベーションを起こせる潜在能力が高まっておりまして、区としては、グローバル推進協議会など設立しておりますが、技術革新に対してどのような見解をお持ちでしょうか。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 昨年5月に策定いたしました中野区グローバル都市戦略におきまして、産・学・公・金連携によるビジネスイノベーションの促進、こういったことをうたってございます。ビジネスマッチングや、スタートアップ支援などを行うことによって、新たな財、サービスを生み出すイノベーションを起こしていきたい、このように考えております。

○加藤委員 私は、前回の決算特別委員会の総括質疑におきまして、こういうものがあったらいいなというニーズと、専門家、技術者、研究者などがつくり出したアイデア、研究技術シーズ、これらニーズとシーズがうまく混ざり合ったときにイノベーションが生まれるのではないかということで話をさせていただきました。例えば、勝手にシーズがいろいろあって物が進む、ニーズとシーズがうまくいっていない例として、例えば家電や携帯電話の中に全く一般の人が使わない研究技術シーズが入った場合、ただただその技術が物に入って、実装されると、その物の本体価格を上げるだけであって、日本国内はそういった技術を高めるがゆえに、附属のオプションだけで値段が上がって、日本国内の家電メーカーのものが売れなくなって経営が悪くなったというのも一因となっています。技術が低いロースペックでも、ニーズとかみ合えばそれはいいものとなります。ニーズなしのシーズは、マイナスの可能性すらあります。

 具体的にこういうふうにしたら中野にとってイノベーションが生まれるといった中野のイノベーション創造について提案させていただきたいと思います。

 ちょっとここからフリップ芸人をさせていただきます。

 ニーズがここにありまして、シーズがここにあります。それで、シーズは、例えば1と5とかに今集まっているわけでありますけれども、ニーズというのがなかなか見つけられない。このニーズとシーズの意味合いは、一見非常に理想が高過ぎてマッチングできないということが多いということですけども、それがニーズを持っている人たちが、こういう技術があったらいいなと、具体的なプロセスイメージを持っていないためにそういうチャンスを逃していると考えられます。こういったイノベーションだけではなくて、いろいろ趣味や仕事でもそういったマッチングが合わないということはあります。今回の場合、そういった技術、イノベーションを起こすためにニーズとシーズをちゃんとつなげるためのイノベーションマネジャーというものをここの間に置く必要があると思います。ニーズとシーズのかけ橋になります。前回、イノベーションファシリテーターと言いましたが、ファシリテーターだと、調整するだけで、ちょっといまいち、一歩踏み込んだニュアンスにならないので、マネージャーという言葉に変えさせていただきました。

 次に重要なのが、このシーズが後々に、ある程度の成果や利益が見えなければいけません。イノベーションを起こすためには大きいチャンスとなるのが、国家戦略特区の活用であります。今まで法律があるためにできなかった技術が、もし規制緩和ができるならばやってみたい、やれるんじゃないかといった、無から成果、利益を生み出す可能性が出てきます。千葉県におけるドローン特区のように、民間事業者は新たなビジネスチャンスをつかむためにいろいろと宅配サービスなど、投資しております。自治体は、そういった事業に許可などの協力はするものの、お金を出す必要は全くないというのが国家戦略特区の魅力です。国家戦略特区は、その特区内のみ、法律を変更することで実証実験を行い、それがおいおいですが、筋がよければ、それは全国的な広がりを見せるように法律を書きかえることも考えられるので、事業者としてはビジネスチャンスがすごい強く感じられます。こういったことに対して、中野区は国家戦略特区に対して、どういったお考えをお持ちか、伺います。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 国家戦略特区につきましては、経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点を形成することを主眼としたものでございまして、中野におけるグローバル都市づくりに当たりましてはビジネスチャンスをつくり出す、こういったことが不可欠であろうと考えております。それらがありまして、特区の事業の活用ですとか、規制改革の可能性、このようなものを検討していく、このように考えております。

○加藤委員 今の、こういった中野のイノベーションを起こすためにモデルを提案させていただいているんですが、この中心になるイノベーションマネジャーが一番重要になってくるんですが、ここは今言われたグローバル戦略推進協議会だったり、ICTCO(イクトコ)などが担うのが現在のところ、当面適当な団体だろうと考えております。また、このイノベーションマネジャーなりにこういった住民や自治体からのニーズを持った人たちと技術シーズを持った人たち、そして民間企業、ここは技術的だったり、資金的なサポートをする、そして行政、これは中野区だったり、内閣府を通じて国家戦略特区をやるところ、こういった仕組みの中で、中野区でこういったイノベーションをつくれる環境になっていくと思いますが、区としてはこういったモデルがあってもいいと思われますでしょうか。

青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 区の産業振興の取組みにおきましては、産・学・公・金、それぞれの主体の強みを生かしまして連携をし、相乗効果によって新たなビジネスを生み出すということも目標としております。委員が御提案されるモデルにつきましては、この目標に資するものであると考えております。

○加藤委員 金というのは何でしょうか、すみません。金融機関。

青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 今お話に出ましたように、金融機関のことをあらわしています。

○加藤委員 すみません、勉強不足でした。で、先ほど言いましたけど、このモデルで何か進めようとしたときには、ここのニーズのところに、自治体がこういったものがあったらいいなという出発地点も中野区にもありますし、国家戦略特区に申請するか否かも中野区が担うことになりまして、しかも資金が要らないといった、民間活力を使うような事業となりますので、中野区としては本当に使い勝手がいいモデルになろうかと思って提案しますが、その中で、特区に申請していくという、積極的に行っていくという意思はございますでしょうか。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) プロジェクト、様々あろうかと思いますけれども、そのプロジェクトを実施する上で規制緩和が必要であるということでありますならば、国家戦略特区の担当といたしまして、国家戦略特区の窓口である内閣府と調整、あるいは協議、こういったことを行っていくということになります。

○加藤委員 このモデルである程度承認していただけたということで、前提で話を進めますが、以前、私が何回か御質問させていただいているゲリラ豪雨の予測技術を使った避難をできるツールの開発でありますけれども、これはそもそもまた説明しますと、政府が掲げるアベノミクス三本の矢の成長戦略におけるところで、技術革新、イノベーションを起こそうということで、内閣府の戦略的イノベーション総合プログラムの一つである防災技術関連の技術を、おいおいはうまくいったらこれを世界に売っていく、成長戦略の一つとしていくというところで、このゲリラ豪雨のプロジェクトができております。今年度で3年目を迎えまして、残り2年で、今内閣府の予算をもらっている国土交通省は、あと2年で出口政策を見つけないといけないというところで、実証実験でこのモデルがいいかどうかというのを検証しなきゃいけない、実証実験をしないといけないというところで、今中野区のみが全国で選ばれているという状況になっております。この出口政策をするために、今回のこういった仕組みをやっていくべきだと考えておりますが、このプロジェクトを進める際に、今ICTCO(イクトコ)が持っている技術だったり、人脈とかが今は使えると思うんですが、中野区としては担えるとお考えでしょうか。

青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 先端技術と区民のニーズを結びつけて地域の課題を解決するビジネスモデルを創造することも、中野区産業振興推進機構に期待するところでありまして、既に会員企業と大学研究者などとの連携により、健康や防災、観光などをテーマとしたプロジェクトに取り組んでいるところでございます。

 委員が御提案される事例におきまして、中野区産業振興推進機構がニーズとシーズを結びつける役割を果たすことも十分可能であると考えております。

○加藤委員 ここで問題点が出ますのは、国土交通省がこのゲリラ豪雨の予測情報、1時間後、先、どの川で水があふれて、どの地域で水があふれるか、マンホールレベルで計算をしているというすごいモデルではあるんですが、国土交通省がそういった予報を出していいかというところになりますと、気象業務法におきましては、気象庁長官、若しくは気象予報士しかその情報を出せないということになりまして、国土交通省であったとしても、気象予報をしちゃいけない、また、中野区が介して、その情報を地域に出すことも許されないという状況になっていますので、もしこの情報を使いたいということになるのであれば、国家戦略特区で気象業務法を書きかえるような試みにいかないといけないんですが、もしそういった必要に迫られた場合は、中野区としては気象業務法に関する国家戦略特区の申請を行う意思はありますでしょうか。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 繰り返しになってしまうんですけれども、区が取り組もうとする事案、今回の場合ですと、その気象予報ということを区として取り組むという方向になりまして、ただ、それの実現に当たりまして、規制緩和が必要だということでございましたら、特区の担当としましては、国の省庁との調整、協議、これを行っていくということでございます。

○加藤委員 気象予報士を区に置けばいいんじゃないかというお話で、エキスパート職員もいろいろ採用が難しい中で、そういったものが常に防災担当部局とかに気象予報士とか置くのが難しいので、こういった国家戦略特区の枠組みを使うことによって、新しい試みをするということは、中野区のみならず、おいおいは全国の自治体において大きなインパクトを与える、それが中野区から始まるというのではすごい試みになるのではないかと考えております。

 これだけ壮大なことをやっているように見えますが、中野区としては、今言った、気象業務法を書きかえたらいいんじゃないかというのを内閣府に言うだけであります。そうしましたら、ほかのところは、ICTCO(イクトコ)がそういった情報をアプリで出したりとか、大学がそういう仕組みでいいのか、助言をしてもらったり、また町会だったり、地元の中高生ボランティアなどに、そのつくられたアプリが使えるものかどうか実証実験に参加してもらうなどということができると思います。

 これらができたときに、例えば今の実証実験を行う際に、アプリでデモンストレーションで、例えば鬼怒川が破堤した豪雨が中野の直上で降ってしまった場合にはどうやって逃げればいいのかなどといった図上訓練ができると思っておりますが、その辺はどう思いますでしょうか。

○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区は毎年、風水害対応の図上訓練を実施して、区職員の風水害対応能力の向上を図っております。御提案のシステムを活用すれば、過去の大規模な風水害が、中野区で発生した場合の想定を容易、かつ臨場感を持って図上訓練が実施できる可能性があるため、このシステムを活用した区職員の防災能力向上について研究してみたいと考えております。

○加藤委員 特にこういった図上訓練とか、科学技術だったり、区政に参加するというのが、例えば中学生、高校生に対して非常にいい体験だったり、経験になるんではないかと思っております。

 また、ICTCO(イクトコ)では、こういった仕組みがもし可能であるのであれば、ビーコンを使った情報発信の技術の開発、医療費の適正化をするようなツールだったり、ウェアラブルのエアコンの開発などが行えるということです。こういった非常に中野区においてわくわくするような技術が国家戦略特区に申請するかどうかというところで変わってくるのではないかと思っております。

 先日、伊東しんじ委員が総括で言っていましたけれども、技術というのは、すぐに陳腐化してしまいます。次々とアイデアを出していかないといけませんが、例えば今、ドローンの技術に対して、先ほど言った千葉県の事例だったり、秋田でドローンのラジコン大会みたいなのをやったりするらしいんですけど、そういった技術は、最初に乗っかっちゃったところにばんばん話が行くようになるということなんで、こういうところで、一歩先に出れば、話がばんばん入ってくると思うので、中野区としては、ほかに先駆けてこういった国家戦略特区の枠組みに乗っかることによって、技術が集まりやすい環境をつくっていくべきと思っております。

 ちょっと新人というか、1期目で生意気でございますが、ちょっと区長から一言、その辺、どういうふうに思っていらっしゃるか、見解を伺いたいと思います。

○田中区長 担当が何度も申し上げていますように、一定の条件が整って、技術が製品化されていくという中で、必要であればもちろん国家戦略特区を活用していくべきだというふうに思っております。豪雨予測は、どういう製品になるのかが私にはちょっとわからなかったんですけどね。

○加藤委員 話は別ですけど、議会改革をする際には、互いに答弁し合うというのも一つありかなと思っているので、その意味で勉強……。

 もともと国土交通省のほうでつくったモデルというのは、本当にプロ用の防災担当者しかわからないような情報に、何というんですか、もともとの情報としては、国土交通省でXRAIN(エックスレイン)といった250メートル四方ずつに雨のデータをとって、1分ごとにそれを情報――既に今、情報発信できていますが、その情報の雨を気象庁の1時間後、先を予測する高解像度ナウキャストというところで、1時間後の豪雨を予測して、その情報をまた国土交通省に戻して、その国土交通省が今度、その1時間後の雨を使って仮想水位とかを出すといった情報です。これはプロ用の情報が中野区に今来る状態にはなっているんですが、先ほど言ったように、気象業務法の壁があったり、情報がちょっと難し過ぎるので、これを一般的な区民でもわかるような情報にかみ砕く必要があるということで、ICTCO(イクトコ)などがそういったところのイノベーションマネジャーとして活躍していただきたいと思っております。

○若林委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、5時になりますので、今後の運営について協議するため、理事会を開会します。委員会を暫時休憩します。

午後4時57分休憩

 

午後5時00分開議

○若林委員長 委員会を再開します。

 理事会の報告をします。

 加藤委員の質疑の途中ですが、本日の質疑は終了し、あす、加藤委員の質疑から始めることを確認いたしました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○若林委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。

 次回の委員会は、あす3月2日(木曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の予算特別委員会を散会します。

午後5時01分散会