平成13年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成13年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録

1.平成13年(2001年)11月28日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(43名)

  1番  吉  原     宏        2番  伊  藤  正  信

  3番  きたごう  秀  文        4番  高  倉  良  生

  5番  やながわ  妙  子        6番  鈴  木  光  子

  7番  佐  伯  利  昭        8番  平  島  好  人

  9番  むとう   有  子       10番  長  沢  和  彦

 11番  牛  崎  のり子         12番  山  崎  芳  夫

 13番  高  橋  ちあき         14番  市  川  みのる

 15番  岡  本  いさお         16番  こしみず  敏  明

 17番  飯  島  きんいち        18番  小  串  まさのり

 19番  はっとり  幸  子        20番  佐  藤  ひろこ

 21番  来  住  和  行        22番  樋  口  きこう

 23番  若  林  ふくぞう        24番  古  木  謙市郎

 25番  し  の  国  昭        26番  斉  藤  金  造

 27番  斉  藤  高  輝        28番  大  泉  正  勝

 29番  柿  沼  秀  光        30番  木  村  勝  昭

 32番  岩  永  しほ子         33番  昆     まさ子

 34番  小  池  ひろし         35番  岩  田  みつる

 36番  伊  藤  岩  男        37番  西  村  孝  雄

 38番  江  口  済三郎         39番  藤  本  やすたみ

 40番  川  上     進        41番  近  藤  正  二

 42番  江  田     徹        43番  池  田  一  雄

 44番  小  沢  哲  雄

1.欠席議員(1名)

 31番  細  野  たいじ

1.出席説明員

 中 野 区 長  神 山 好 市      助     役  池 田   學

 収  入  役  藤 原 恵 一      教  育  長  子 安 圭 三

 政策経営部長   渡 辺 征 夫      行財政改革担当部長 石 神 正 義

 企 画 課 長  金 野   晃      総 務 部 長  沼 口 昌 弘

 総 務 課 長  西 條 十喜和      区 民 部 長  内 田 司 郎

 地域センター部長 柳 澤 一 平      環 境 部 長  正 木 洋 介

 保健福祉部長   浦 野 純 子      福祉担当部長   本 橋 一 夫

 都市整備部長   宮 村 光 雄      土木担当部長   石 井 正 行

 教育委員会事務局次長 須 崎 英 夫

本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  山 岸 隆 一      事務局次長    佐 藤 栄 時

 議事調査担当係長 栗 原   望      区議会事務局主査 藤 塚 喜 正

 区議会事務局主査 大 石 紀 久      区議会事務局主査 巣 山 和 孝

 区議会事務局主査 永 田 純 一      区議会事務局主査 長 崎 武 史

 書     記  渡 辺 伸 郎      書     記  松 原 弘 宜

 書     記  西 田   健      書     記  三 浦 正 貴

 書     記  飯 田 浩 一      書     記  佐 藤 雅 俊

 

 議事日程(平成13年(2001年)11月28日午後1時開議)

日程第1 第76号議案 中野区区政情報の公開に関する条例の一部を改正する条例

 

      午後1時13分開会

〇議長(斉藤金造) ただいまから平成13年第4回中野区議会定例会を開会いたします。

 本日の会議を開きます。

 会議録署名員は、会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。

 13番高橋ちあき議員、32番岩永しほ子議員にお願いいたします。

 次に、会期についてお諮りいたします。

 本定例会の会期は、本日から12月11日までの14日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、御紹介申し上げます。

 去る10月22日の本会議において、本区教育委員会委員に任命の同意をいたしました柿沼美紀さんを御紹介申し上げます。柿沼美紀さん。

〇教育委員会委員(柿沼美紀) ただいま御紹介いただきました柿沼美紀でございます。

 中野区議会の先生方の御賛同を得まして、去る10月24日に区長から教育委員に任命を受けました。

 私には、小学生、中学生、高校生の子どもがおります。子どもたちを見ていて感じることは、子どもは地域の方々に見守られて育っているということです。子育てを通して学んだことを、少しでも中野区の教育の発展、充実に役立てることができればと思っております。

よろしくお願いいたします。

〇議長(斉藤金造) 以上で紹介を終わります。

 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、伊藤正信議員、江田徹議員、やながわ妙子議員、佐藤ひろこ議員、藤本やすたみ議員、長沢和彦議員、江口済三郎議員、佐伯利昭議員、はっとり幸子議員、むとう有子議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 伊 藤 正 信

 1 行財政5か年計画について

 2 中野のまちづくりについて

 (1)東京大学教育学部附属中等教育学校西側道路整備について

 (2)警察大学校等跡地利用について

 (3)山手通り整備の促進について

 3 その他

 (1)健康危機管理について

 

〇議長(斉藤金造) 最初に、伊藤正信議員。

     〔伊藤正信議員登壇〕

〇2番(伊藤正信) 平成13年第4回定例会におきまして、自由民主党議員団を代表して一般質問をさせていただきます。

 ついこの間、21世紀だと大騒ぎをしていたのに、2001年も、はや残り1カ月となりました。21世紀になり、明るい話題を期待していましたが、世界的なIT不況などに米国の大規模同時テロのショックが重なって日本は深刻な不況が進み、さらに最近では狂牛病問題、銀行の大幅赤字によるリストラなどが発表され、なかなかよいニュースがありません。

 一方、政治情勢はというと、我が自由民主党の大躍進の年でありました。東京都議会議員選挙で中野区において引き続き4議席中2議席を確保し、都内全体でも圧勝。さらに参議院議員選挙でも大勝し、小泉構造改革内閣の支持率が、NHKの調査によると今もって71%と高い状況が続いています。つい最近では、小泉構造改革の柱の一つである特殊法人改革がようやく目に見える形で前進しつつある状況になりました。小泉総理は、手を緩めず実効ある改革の実現へ、さらに強力なリーダーシップを発揮することを私は強く望んでおります。

 そこで、中野区に目を移してみると、日本経済の深刻な不況の影響を受け、法人2税が大幅に減収となり、当然、都区財政調整の財源が減るわけですから、区の一般財源は大変大きな影響を受けるはずです。そこでお伺いいたしますが、その影響額は、どの程度見込まれているのでしょうか。13年度の決算見込み及び14年度当初予算への影響額の見込みについて、お答えください。

 区は、行財政5か年計画で13年度から5年間の財政フレームを示しています。先ほど申し上げたように、法人2税の減収により財調財源が確保できないことが見込まれているわけですから、14年度以降の歳入フレームを早急につくり直す必要があるのではないでしょうか。既につくられているのであれば早急にお示しいただきたいと思いますが、区のお考えをお答えください。また、そのフレームの状況の結果いかんで、さらに切り詰めていかなければならない状況になるのではないでしょうか。区長の考えをお伺いします。

 次に、行財政5か年計画の進行状況について御質問させていただきます。

 職員数の削減は5年間で500人を削減する計画ですが、13年度中の見込みはどのようになっているのでしょうか。計画どおりの数値は確保できるのでしょうか、お答えください。

 次に、区は、経営感覚を備えた、スリムで機動的な行政組織をつくることを目標とされています。5年間で500人の職員数を削減するわけですから、組織執行体制にかなり影響が出ると思います。区民にも、まして職員の中にも不安が少なからずあると思います。そこで、行財政5か年計画最終年度に向けて、具体的な組織案を早期に示してはいかがでしょうか、区の考えをお答えください。

 次に、民間活力の活用についてであります。

 学校給食調理の民間委託や、特別養護老人ホームの福祉サービス事業団による自主運営化の進行状況はどのようになっているのでしょうか。予定どおり行われているのでしょうか、その見通しについてお答えください。

 次に、職員の育成についてであります。

 行財政5か年計画の中にも、職員の育成が課題であるということがうたわれています。私も最大の課題と考えております。行財政5か年計画が成功するも失敗するも、それを担う職員の皆さんの努力次第だと考えております。行政の計画というものは、総花的ではなくて、現実的で具体的な政策目標を持つものでなければならないと考えています。その計画を実効性のあるものにする行政手段、リソースである金、言いかえれば予算、財産と人、言いかえれば職員には限りがあります。予算及び財政は定性的、つまり性質が変わらないのに対して、公務員、すなわち人はよくも悪くも変化する存在であります。ゆえに、育て方次第で変化するものであります。市長はもちろん、助役、部長、課長の皆さんは職員を育てなければならないのです。管理職にはその義務があるのです。みずからが退職すれば、もう少しでいなくなるから後は知らないでは済まされないのです。きちんと自分の後継者を育てなければならないのです。理事者の皆さんは、職員の持てる力をさらに伸ばし、区民福祉の向上に役立て、苦しい今を乗り切らなくてはなりません。

 私は、大胆かつ柔軟な考えを持ち、実行力を有する職員が今中野区の職員に求められていると考えております。一律10%削減予算や行財政5か年計画の縛りを受けているとは言え、決められたことだけしかやらない、周りのことには目を向けない、前例踏襲、何も改善しないで時間を浪費しているような職員は必要ないのです。

 区長は、今、職員に何が必要で、その必要な能力をどのように身につけさせ、職員を育成していこうとお考えなのでしょうか、お答えください。また、黙っていても目立つ官房系の職員ではなく、実際一生懸命努力し、実績を上げている職員もおられますが、そのような職員をどのように認識し、評価していこうと考えておられるのでしょうか、あわせてお答えください。

 月曜日のニュースで、伏魔殿、いわゆる外務省では人事制度を大きく変えようといった動きがあるようです。ノンキャリアの登用や、部下が上司を評価するといったことも考えているそうです。23区は、人事委員会のもと、共通の人事制度により人事管理が行われていますが、部下が上司を評価するといったことも人事考課制度を考えていく上で取り入れていってはいかがでしょうか。要望させていただきまして、この項の質問を終わります。

 次に、東京大学教育学部附属中等教育学校の西側道路整備について質問させていただきます。

 中野区では、災害時の火災等にひ弱な都市構造を改善するため、南台四丁目、平和の森公園周辺地区及び南台一・二丁目地区において防災まちづくりを進めています。このうち、特に老朽木造住宅の密集、空き地の不足、細街路等防災面及び住環境の面で多くの課題を抱えている南台一・二丁目地区については、平成9年に制定された「密集市街地における防災地区の整備の促進に関する法律」に基づき、新たに設けられた「防災街区整備地区計画」を平成12年2月に都市計画決定し、道路整備を含む防災まちづくりを進めていると聞いております。

 この防災街区整備地区計画では、この西側道路を東大附属の敷地側に拡幅すると定めております。この計画が実現すれば、長年の地域住民の願いが叶えられるものと私は考えております。そこで、お伺いしますが、地区計画の決定以降、この道路整備の進捗状況はどのように進行しているのでしょうか。また、東大附属西側道路沿いにある樹木の取り扱いを含め、今後、区はどのように東大附属中等教育学校西側道路整備を進めていくつもりなのでしょうか、区の考えをお伺いします。

 次に、警察大学校等等跡地利用について質問いたします。

 政府は、内閣に小泉首相を本部長とした都市再生本部を設置し、21世紀型都市再生プロジェクトの推進等、都市再生に関する施策を総合的かつ強力に推進することとしています。

 このテーマにつきましては、我が会派の重要課題の一つとして、同僚議員であります高橋ちあき議員が本年の第3回定例会、決算特別委員会総括質疑で触れさせていただきました。この都市再生の重要な対象として、中野区内では警察大学校等跡地及び山手通り整備の促進が挙げられます。

 私たち自由民主党議員団は10月11日、区長に対して、中野区が発する都市再生の課題を指摘した要望書を提出いたしました。その内容の一端を御紹介させていただきますと、「本年度より移転並びに解体工事に着手した警察大学校等跡地に最も隣接する都道早稲田通りについては、拡幅予定の側道南側は公共用地が多く、沿道の建物も8割強が都市計画線に沿って後退しているのが現状である。そこで、新たに事業化する都道整備工事のうち、最優先課題として位置付け、早期に完工し、警察大学校等跡地土地利用転換計画案に沿った跡地整備の促進に寄与されたい。また、早稲田通り北側に隣接する野方一丁目、二丁目地域は災害危険度の高い地域として、防災の見地からも早期にまちづくりに着手するため、その対策を検討していくところでもあります。隣接する主要延焼遮断帯となる早稲田通りの拡幅整備は急務の課題と考え、強く要望する。」というものであります。

 警察大学校・警視庁警察学校については、既に府中への移転が完了し、一部施設の解体工事が行われております。そして、今後、跡地は警察庁などから順次財務省に返還されることになります。この場所は、中野駅にも近く、大規模なオープンスペースとして、また広域避難場所としての機能も有しており、早期の土地利用転換の推進が望まれる場所でもあります。

 中野区は、ことしの7月、杉並区及び東京都との共同で、地元要望案として財務省に対し「警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案」を提出し、要望案に沿った土地処分を行うよう協議を進めていると聞いております。一方、財務省は、警察大学校等の施設の移転費用に充てるため、跡地の早期処分が第一であり、公用や公共用への転換が進まない場合には一般競争入札もあり得るとの意向であるとも聞いております。このため、財務省の理解を得て、地元要望に沿って警察大学校等跡地の土地利用転換を図るには、都市再生の施策とともに連携しながら確実かつ計画的に整備を促進する必要があり、特に基盤となる地区幹線道路等の整備が重要であると考えます。

 そこで伺いますが、今後、区としては土地利用転換を具体的にどのような方法で進めていくつもりなのでしょうか。特に基盤となる地区幹線道路等の整備はどうなるのでしょうか、その見通しについてお伺いいたします。

 次に、山手通り整備促進について質問します。

 このテーマにつきましても、警察大学校等跡地利用同様、区長に対し要望を出させていただいております。その内容の一端を御紹介させていただきますと、「中野区が発表した山手通り沿道地区まちづくり構想では、沿道を緑濃い並木道として整備することにあわせて、街区単位のまちづくりを進め、散歩も楽しめる職住接近の業務機能と都市型住宅が混在するまちとして誘導するとしておりました。東京都が街区単位の政策誘導型まちづくりとして意図しているものに近い考えがあると思われます。工事日程を前倒しするということも重要な施策であると思われます。中央環状線新宿線は、平成19年3月に完成予定と聞いております。スピードアップを図りながら、山手通りの拡張工事の早期完工を強く要望します。」というものであります。

 そこで、お伺いいたしますが、国土交通省は、すべての幹線道路に自転車道をつけるとのことですが、山手通りについては具体的にどのような計画なのでしょうか。早く正確な情報を伝えるよう東京都に申し入れるべきと考えますが、区長のお考えをお答えください。

 また、中野坂上交差点については、山手通りが青梅街道をオーバーパスする立体交差を考えているようです。交通量の多い山手通りと青梅街道の幹線道路の交差点渋滞解消のためには、ぜひとも早急に整備する必要があると考えております。また、沿道の町並みを職住接近型の高度利用型ビルが建ち並ぶような用途地域も視野に入れる必要もあります。そこでお伺いいたしますが、この計画内容の具体的なものはいつ示され、今後どのように進行するのでしょうか、区の考えをお答えください。

 次に、その他の項の一つ目として、健康危機管理について少々お尋ねします。

 米国での郵便を利用した炭疽菌封入によるテロで死亡者が出るなど、いわゆるバイオテロは米国のみならず全世界を震撼させています。日本国内では発生していないものの、炭疽菌に関する不安の声が関係機関へ数多く寄せられているとのことです。また、狂牛病に感染した牛が国内で2頭発見されるなど、食生活の安全が脅かされる問題も発生しています。

 今日、さまざまな分野で危機管理が問われていますが、中でも健康危機への取り組みは人々の生命に直接かかわることだけに、非常に重要な課題であります。健康危機管理には、健康被害の発生予防、拡大防止、治療などさまざまな側面がありますが、いたずらに不安を抱かないよう正しい情報を提供することや、不安を感じる方々への相談対応なども住民に身近な自治体にとっては重要な仕事であると考えます。特に今回の炭疽問題は、この点が重要と思いますが、いかがでしょうか。

 次に、身近な話題に転じ、今月中旬に新聞各紙で報じられました中野区の区立保育園における感染性胃腸炎の集団発生についてお尋ねします。

 感染性胃腸炎は、冬から春先にはやるもので、珍しいものではないというものの、園児と職員合わせて61人もが感染したという記事を読んで、驚いた区民も少なくなかったのではないでしょうか。園児は、いずれも軽症で済んだということですが、何よりだったと思います。感染性胃腸炎は、嘔吐や腹痛、下痢などの症状を伴うということですが、今回のように多数の発症者があった場合、その初期段階にあっては食中毒など、さまざまな可能性を想定しながら対応すべきであると考えます。

 健康危機管理の基本は、危機の端緒を迅速に探知し、適切な対応に努め、被害を最小限に食いとめることにもあります。この意味から、今回のような事例は単に一つの保育園の問題ということではなく、健康危機管理の視点から対応すべき問題であると考えますが、区がとられた対応はどのようにされたのか、お伺いいたします。

 人間、だれしも健康で仕事や余暇に集中できることは喜びであると思います。私も自分の健康管理のために、自己管理の一環として毎日ウォーキングを欠かさず行っております。区長や助役は、自分の健康管理のために何か行っているのでしょうか、教えてください。

 次に、職員の健康管理についてであります。

 区では、先ほども触れましたように、行財政5か年計画によって5年間で500人の職員削減計画を示されています。そのため、学校の用務などに従事されていた方を事務の補助等に活用する方針を出し、4月から従来とは異なった業務に従事することになった職員の方もおられると聞きました。職員の皆さんの中には、仕事量がふえ、さらに違う職場で大変厳しい状況に置かれている方もおられるのではないかと私は危惧しております。表面的には元気に見えても、内面では不健康になっている職員の方もおられるかもしれません。また、最近では職員のうち現役で亡くなる方が多くなっているということを聞いております。厳しい財政状況を乗り切っていくためには、職員の方が一人ひとり健康で職務に精励していただくことが何よりも必要であると思います。

 先ほども職員の育成のところで触れましたが、中野区政は人、職員の皆さんで支えられているのです。そのためにも、現状を乗り切るためには職員の健康管理を十分に行うことが重要だと私は考えております。そこで、区長にお伺いします。職員の健康管理について、どのような対策を講じているのでしょうか、区長の決意をお伺いいたします。

 私は、この一般質問で物語を語らない、だらだらと演説をしない、質問を的確に簡潔に行う、自由民主党として与えられたと考えられる時間を十分に活用する、以上のことを念頭に質問をさせていただきました。都議会のように時間制を採用するとすれば、我が自由民主党としては、本会議日程のうち、かなり多くの時間を与えられるところと考えられますが、簡素で効率的な行政を目指し、それをリードしていく立場として必要な質問を手短に行うことを心がけて今回質問いたしました。

 それでは、区長並びに理事者の皆さんにおかれましては、わかりやすい御答弁を、また時間を意識した御答弁をお願いして、私の一般質問を終わります。

 御静聴ありがとうございました。

     〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、行財政5か年計画の財政フレームについての御質問でございます。

 13年度の決算見込み、これはどうなのか。また14年度の当初予算への影響はどうなのかということでございますが、13年度の財調交付金につきましては、中野区におきましては今年度の当初予算額、これを上回る額が確保できるという見通しでございます。14年度につきましては、景気の悪化等もございまして、財調の財源である区町村民税法人分が減収になるということも懸念されているところでございます。14年度の財調見通し及び5か年計画の財政フレームにつきましては、14年度の予算編成をしていく中で慎重に見きわめていきたいというふうに考えております。

 職員数の削減の見通し、あるいは組織の問題については担当部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

 次に、職員の育成ということでございますが、今の職員に何が必要で、どのような能力を期待しているのかということでございます。また、その職員をどのように評価をし、認識をしているのかということでございますが、これまでも職員に対しては、前例踏襲とか大過なくということではなくて、社会環境の変化に的確に対応して、公平、公平かつ柔軟で効率的な職務執行に努めるように指導してきたつもりです。これからも職員一人ひとりが明確な目標を持って、常に区民の視点に立ったサービス提供を行い、区民の満足度を高めるように、そんな仕事ができる職員を育成していきたいというふうに思っております。そのために人事考課制度を導入して、職員の努力が適正に評価されるような人事制度をさらに進めていきたいというふうに考えております。

 なお、まちづくりについて、警察大学の跡地の利用につきましては、状況については担当部長の方からお答えいたしますが、この件については、御質問の中にもございましたが、7月の時点で関東財務局の方に直接行きまして、区の計画案、これ東京都と中野区と杉並、三者一緒になって行ったものですけれども、申し入れをしてきました。その結果で、警察大学校等の跡地利用連絡調整会、これを設けて、この調整会で具体的な調整をやっていこうという話になりまして、現在これが動いているところですので、その内容については所管部長の方からお答えいたしますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 また、山手通りにつきましても、現在進行中でございますけれども、この状況について所管部長の方からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

 次に、健康管理についての御質問でございますが、区長はどのような考えになっているのか、その決意をということでしたが、職員に対しては、毎年、定期健康診断を行っているところでございますし、健康管理に努めているところです。健康診断の結果で、要精密検査、あるいは要受診となった職員については早急に結果を知らせて、その後の状況について個別に対応しているというところでございます。本年度に入って死亡した職員、現在までで6名おりますけれども、気になっているところでございます。ただ、職員自身が自分の健康管理に意を用いていくように注意をしていきたいというふうに思っております。

 ただ、この健康管理については、元気なときにはなかなか振り返ってみない、おれは大丈夫だということで過ぎてしまう。ぐあいが悪くなって、ああすればよかった、こうすればよかったというケースが多いというふうに思います。そういうふうにならないように、事前に十分な注意をしていくように、これからも心がけていきたいと思います。

 他の質問について、それぞれ担当部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

  〔行財政改革担当部長石神正義登壇〕

〇行財政改革担当部長(石神正義) 私からは、5か年計画についての御質問のうち、職員数の削減の見込み、職員削減後の組織について、また、民間活力の活用についてお答えさせていただきます。

 まず、職員数の削減の見込みでございますけれども、13年度におきましては、定年退職、普通退職、合わせまして120人程度の退職者を見込んでおります。原則として職員の新規採用を行わないということから、計画どおりの職員の削減はできるというふうに考えてございます。また、14年度以降におきましても、事務執行の効率化、事業の民営化、委託化、施設の配置の再編、運営の見直し、こういったことを積極的に進めることによりまして新規採用を抑制し、計画どおり5カ年間で500人の職員を削減する予定でございます。

 次に、職員の削減後の組織についての御質問にお答えいたします。

 区の組織につきましては、区民にとってわかりやすく、簡素で効率的な組織を目指しまして、平成13年度に行政分野別に再編したところでございます。現在、5か年計画に基づきまして、施設の配置、再編、運営の見直し、こういった検討を行っており、組織につきましては、これらの検討を踏まえ、考えていくこととしてございます。

 民間活力の活用についての御質問にお答えいたします。

 学校給食調理の民間委託、これにつきましては、5か年計画で示してございますように、毎年5校ずつ新規に委託を実施するということはやっていきたいというふうに考えてございます。予定どおりに進めていくということでございます。

 また、福祉サービス事業団の運営、特養老人ホームの運営については、社会福祉事業団等の設立及び運営の基準につきまして、国の通知が改正されていないことなどの状況にはございますが、事業団におきまして独立採算経営をしていくための経営計画を策定してございまして、この経営計画により、5か年計画で予定しております自主運営化と同等の財政効果は実現できるというふうに考えてございます。

 以上でございます。

   〔都市整備部長宮村光雄登壇〕

〇都市整備部長(宮村光雄) 私からは、中野区のまちづくりについての3項目の御質問にお答えいたします。

 まず、東京大学教育学部附属中等教育学校西側道路の整備についてでございます。

 東大附属西側道路につきましては、防災街区整備地区計画で、計画幅員9.5メートルの地区集散道路第1号と位置付けております。その進捗状況でございますが、地区計画の都市計画決定以降、東京大学教育学部や経理部とも協議を重ねまして、平成12年度には敷地内で樹木の実態調査を行い、今年度はその結果を踏まえまして、具体的な樹木の取り扱いや道路の線形等について検討作業を進めているところでございます。

 今後の整備につきましては、区といたしましては、既存の樹木の保存に努めつつ、移殖などによりまして総体としての緑の量を確実に確保していく方針でございます。今後も東大側と粘り強く協議しながら、東大附属西側の地区集散道路の早期整備に向け、重点的に取り組んでまいります。

 次に、警察大学校等移転跡地についてでございます。今後、区としては土地利用転換を具体的にどのように進めていくつもりなのか。特に地区幹線道路の整備をどのように進めていくつもりなのかとの御質問でございます。

 先ほど区長から御答弁申し上げましたように、区としましては、本年7月、自治体としてまとめました警察大学校等跡地利用土地利用転換計画案に沿った土地利用を行うように財務省に対して要望いたしました。その後、10月末に財務省本省を含む関係機関で跡地利用についての連絡調整会を設置いたしまして、土地利用転換計画案ごとに調整等を開始したところでございます。

 区といたしましては、財政負担をできるだけ軽減しながら、早期に地元要望に沿った跡地利用ができるよう、事業手法等について検討しながら、連絡調整会の場などで財務省等と協議、検討を行っていくことになります。とりわけ地区幹線道路につきましては、地元要望に沿った土地利用転換の基盤となるものでございます。また、警察病院や清掃関連施設などの導入予定施設の位置を確定するためにも、早期に都市計画を決定する必要があると考えております。そして、都市計画決定後の整備に向けて、さまざまな事業手法について現在検討をしているところでございます。

 最後に、山手通り整備の促進についてでございます。山手通りについて、自転車道の具体的な計画はどうなっているのか。早く正確な情報を伝えるように都に申し入れるべきだと思うが、どうか。もう一つは、中野坂上交差点について立体交差を考えているようだが、どのような計画で、また今後の予定を聞きたいということでございます。

 まず、山手通りの自転車道と歩道の整備につきましては、現在、東京都が検討中の内容といたしまして、現在予定されている幅5メートルの歩道を、場所により異なりますけれども、9メートル前後に拡幅し、歩道とともに自転車道を設けるということでございます。また、中央分離帯は9メートルが4メートルに縮小となり、車道につきましては6車線の予定が4車線プラス停車帯になるというふうに聞いております。この計画につきましては、換気塔のある部分、首都高速の出入り口など、場所により歩道の幅員は変わってまいります。全体の具体的な線形は現在関係機関と協議中ということで、恐らく年明けになるのではないかというふうに聞いておりますけれども、定まり次第明らかにするように申し入れをしております。

 次に、中野坂上交差点の立体交差につきましては、山手通りと青梅街道という幹線道路同士の交差点の渋滞解消のために検討を始めていますが、具体的な計画や今後の予定は、まだ定まっていないというふうに聞いております。今後、都による検討の進捗に合わせまして、詳しい情報を得て議会にも御報告をしてまいりたいと考えております。

   〔保健福祉部長浦野純子登壇〕

〇保健福祉部長(浦野純子) 私からは、健康危機管理についての御質問にお答えします。

 健康危機管理は、保健行政の重要課題と認識し、健康危機管理指針を策定し、その対策に取り組んでいるところでございます。

 炭疽に対する具体的な対応といたしましては、不安を訴える区民に対しての健康相談、不審な白い粉に触れた場合の指導、炭疽菌検査などを行えるよう、態勢を整えています。

 危機管理は、関係諸機関の連携が重要であることから、庁内では保健衛生情報連絡会を開催し、地域の関係機関へは官公庁代表者会議で情報提供を行いました。また、中野区のホームページを通じまして、炭疽の取り扱いなどに関する情報を提供しております。

 また、狂牛病につきましても、ホームページに詳細な情報を掲載し、区民への正しい知識の普及、啓発に努めております。

 次に、保育園の感染性胃腸炎の集団発生についての初期対応のことについての御質問でございますが、結果として、冬による起きる感染性の胃腸炎でございましたが、保育園からの連絡を受けた時点で保健所は食中毒、感染症の両面から調査を行うなど、関係課と連携をとりながら健康危機管理の視点を持って対応いたしました。また、感染性胃腸炎の流行は地域的な広がりの可能性があることから、乳幼児、児童の施設や高齢者の施設を所管する庁内各部署へ予防への注意を喚起いたしました。今後も、御意見のように初期対応を十分なものとするよう努めてまいります。

〇議長(斉藤金造) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。

 

中野区議会議員 江 田   徹

 1 区長の政治姿勢について

 (1)国際テロとアメリカの報復戦争について

 (2)医療改悪と区民生活について

 (3)教育委員の選任について

 (4)区政運営の基本について

 2 新年度予算と行財政5か年計画について

 3 杉の子作業所への支援について

 4 教育委員会の課題について

 (1)子ども中心の学校教育のあり方について

 (2)図書館行政の後退に関して

 (3)文化・スポーツ振興公社の事業について

 5 江古田の森保健福祉施設の整備について

 6 西武新宿線地下化問題について

 

〇議長(斉藤金造) 次に、江田徹議員。

      〔江田徹議員登壇〕

〇42番(江田徹) 2001年第4回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問を行います。多少質問の順番が質問通告と異なりますので、御了承ください。

 最初に、世界テロと報復戦争の問題についてお聞きします。

 9月11日、アメリカで同時多発テロが起こされ、10月7日には米軍などによるアフガニスタンへの報復攻撃が開始されました。今、国際政治に激動的な危機が生まれています。この問題をどう考えるのか。私たち政治に携わる者一人ひとりに問われています。

 テロ行為、いかなる宗教的信条、政治的見解によっても絶対に正当化することのできない卑劣で野蛮な犯罪行為であります。テロの根絶は、21世紀に人類が地球上で平和に生きていく上での一つの根本条件とも言うべき重大な意義を持つものであります。

 日本共産党は、軍事攻撃が始まる前と始まった後の2回、議長と委員長の連名による書簡を世界約130カ国の政府首脳と国連に送り、テロ勢力との闘いを、一部の国による軍事攻撃と戦争拡大の道から国連を中心とする制裁と裁きという道に切りかえるべきという提案を行いました。

 国際テロを根絶することは、国際社会の一致協力した団結なくしてはあり得ません。アメリカなどがアフガニスタンの政権を軍事力で破壊し、ビンラディンを拘束または殺害したとしても問題は解決しない。かえって国際社会の団結に亀裂や矛盾をつくり出し、テロ勢力が報復を行う新たな土壌をつくることになります。アメリカなどによる軍事攻撃でなく、国連を中心、国連憲章の精神に沿った粘り強い努力によって問題の解決を図るべきであります。区長は、どのように考えておられるか、お聞きします。

 軍事攻撃は、報復戦争の様相を色濃くし、極めて憂慮すべき事態をつくり出しています。無差別の爆撃やクラスター爆弾によって、たくさんの子どもや市民が殺傷されています。小型核兵器並みの破壊力を持つ残虐兵器も使用されています。国内にテロリストがいるというだけでアフガンを爆撃し、罪のない国民を殺傷して、新たな犠牲者を出すことが許されていいはずがありません。

 アフガンは、厳しい冬を迎えようとしています。国土の4分の3が高い山地にあり、雪が降ったら道が通れなくなる。救援物資の輸送が困難になり、数十万の餓死者が出るという、せっぱ詰まった状態にあります。爆撃で引き上げを余儀なくされた国連機関やNGOは、直ちに軍事攻撃をやめ、難民支援が開始できるようにせよと訴えています。平和憲法を持ち、「戦争をしない国」としての日本こそが難民の救援に大きな役割を果たすべきだと思います。区長の見解をお聞きします。

 自民・公明・保守の与党3党などの賛成でテロ対策特別措置法、報復戦争参戦法が可決されました。これを受け、11月9日には海上自衛隊の艦船3隻が米軍の戦闘行動が続くインド洋に向かいました。25日には、さらに3隻の自衛艦がアフガンへの攻撃を行う米軍等を支援するために出航していきました。今度の自衛隊の海外派兵は、米軍が実際に行っている戦争に参戦させるというもので、これまでと質の違う重大な憲法違反行為です。

 アフガンでは、タリバンの支配が崩壊するという新しい事態が生まれ、軍事行動を強化する必要は全くなくなっています。今、現地が求めているのは、空爆の中止と一刻も早い難民と国内の避難民に対する救援活動です。そのことにはまともにこたえようとしないで、求められてもいない自衛隊派兵を強行する。結局、自衛隊の海外派兵の実績をつくりたい、「日の丸」の旗をインド洋に立てたいという野望から強行されているもので、これを踏み台に今後、世界のどこであれ、日米が共同で軍事力の行使を行う、まさに憲法を踏みにじる道を開こうとするものであります。区長は、憲法擁護非核都市の宣言の精神にのっとって、憲法を踏みにじる自衛隊の海外派兵に反対する姿勢を明確にすべきであります。区長の見解をお聞きします。

 テロ対策を口実に自衛隊法が改悪されました。治安出動以前の情報収集活動や、在日米軍と自衛隊施設等に対する警護活動の規定が新設される一方で、治安目的で活動できる要件が大幅に緩和されています。さらに、防衛秘密漏えい罪を新設、ジャーナリストや一般国民も含めて対象とし、違反者や教唆した者は国家公務員法上の処罰規定より重い刑事罰が科せられることになっています。これは、自衛隊の行動に対する国民やマスコミのチェックを排除するもので、国民の知る権利や報道の自由を制限するものであります。いずれも国民の基本的人権を不当に制限する重大な問題を含んでおり、さきの周辺事態法とあわせて、国民と自治体にさまざまな影響をもたらすことになります。区長は、この問題にも重大な関心を持って臨むべきですが、どのようにお考えですか。

 続いて、区政運営に関する区長の基本姿勢に関して伺います。

 この3年半における区政の重要な特徴として、住民参加の形骸化、区民生活優先の放棄が挙げられます。行革室がつくられ、政策経営部に移行する中で、この傾向は一段と強くなっています。かつては意思決定過程にあるものでも可能な限り情報提供を行い、住民とともに政策をつくる努力がされていましたが、最近では「まだ決まっていない」「調整中」などを口実に、情報提供を拒む事態が広がっています。

 最近の特徴的な事例として、野方北保育園の民営化問題があります。区立保育園の廃園、民営化は、区の政策・方針の重大な変更であり、父母、住民からの反対や不安の声が上がるのは当然のことです。区は、こうした疑問、意見にまともにこたえようともせず、とにかく廃園、民営化の方針を押し込もうとする態度で、保護者や住民の理解と納得を得ようとする姿勢も努力も感じられませんでした。保護者の反発で廃園を1年延期しましたが、この間に保護者と真摯に話し合うことが必要なのに、1年6カ月も先に効力を発揮する廃園条例を9月議会に提案、多数の賛成で押し通しました。しかも、廃園を確定することが保護者に対する親切というがごとき態度からは、区民、保護者との共同、ともにつくるという姿勢はみじんも感じられません。これまでの区政を知る者にとって、到底信じられない事態がまかり通っています。区長は議会答弁で「基本構想を生かす」と言い、「自主・参加・連帯を大事にする」と言うけれども、区政の実態は区長の言葉と遠くかけ離れているではありませんか。これまでも私たちは「言うこととやることが違う」と批判してきましたが、これがすっかり常態化しているではありませんか。この事態は、言うまでなく自然現象で生まれたものではありません。区長御自身のこれまでの3年半における政治姿勢が招いた重大な変質の結果であります。区長は、この事態をどのように認識しておられるか、改めてお聞きします。

 行財政5か年計画は、中野区政を決定的に後退、変質させました。規制緩和の号令によって、区民生活を守るために必要な規制すら解除し、一方で、国民には自立・自助を強要して社会保障を切り下げる自民党政治は、国民生活のあらゆる分野で国民に打撃を与えています。この政治が自・公連立政権になって、一層ひどくなってきたことを実感させられます。

 中野区も、この流れに身を任せ、時にはそれを先取りする立場で、区と区民が築き上げてきた福祉や教育分野の大事な施策を次々に切り捨ててきました。新自由主義の思想を無批判に信奉し、これこそが時代の流れとばかりに取り入れることによって、自治体のあるべき理念、中野区の基本方針まで放棄してしまいました。この3年半は、福祉・教育など区民生活に直結した事業を縮小、廃止、統合によって切り捨てるだけの歩みだったと言っても過言ではないでしょう。

 中野区は、障害者、高齢者、低所得者など社会的に弱い立場に置かれている人々に政治の光を当て、必要な事業であれば積極的に取り上げ、実施してきました。その姿勢が「ともにつくる人間のまち中野」のスローガンに凝縮されています。このスローガンを引き続き掲げながら、国や都の補助金のつかないものは廃止するという、これまでの取り組みに逆行する方針が現場に押しつけられ、区と区民がつくり上げてきた事業を一様に切り捨ててしまいました。しかも、そのやり方は当事者の実態を調査することもなく、知らせる努力もしないまま、一方的に強行するというものでした。

 区長は、行財政5か年計画で3年後には財政がよくなるといろいろなところで宣伝しておられます。区民のための大事な事業を次々に切り捨て、学校の修繕費など予算化された事業まで凍結して仕事をさせなければ、財政は確かに大幅な黒字を残すことになるでしょう。しかし、それでは自治体としての役割が果たせません。区政を頼りにしていたお年寄りや障害者、低所得者の方々の期待を裏切り、一層の困難に追い込んでしまいます。職員は、仕事の喜びを失い、誇りを持てなくなっているではありませんか。その意味での区長の責任は極めて重いと言わざるを得ません。区政の現状と区政の批判に対する区長の認識を伺います。

 第3回定例会に新しい教育委員の同意案件が提出され、賛成多数で同意が得られました。中野区が全国で唯一行っている教育委員候補者区民推薦は、教育委員の選任過程に区民の意思を反映させ、教育行政への区民参加を保障しようとするものです。貴重な予算をつけて、区がこの制度を実施する以上、その結果を区長が尊重するのは当然のことであります。ところが、区長は区民推薦の候補者以外から候補者を選び、議会に提案されました。これに対し、日本共産党議員団は採決に当たって退席し、棄権という態度をとりました。この際、改めて区長の考えを問います。

 今回の区民推薦では、14名の区民が公表基準に達し、区報で発表されました。既にこの中から2名が教育委員に選任されていました。今回も当然のことながら、残る12名の中から候補者が選ばれるものと区民は考えていました。しかし、区長はそうはしませんでした。区長は提案理由の中で、ことし7月に地教行法が改正され、第4条第4項で「委員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮するとともに、委員のうちに保護者である者が含まれるよう努めなければならない」と規定されたことを挙げました。年齢、性別、職業、そして保護者であることの、どれをとってもこれをクリアし、法の求めに適合する候補者は公表された人の中に現にいるではありませんか。なぜ、これを無視したのですか。答弁を求めます。

 なぜ区外の人で、しかも中野区とかかわりのない人を選任したのですか。教育委員は、当該自治体の長の被選挙権を有する者であればいいのですから、他区に住んでいても法的問題はありません。しかし、区長は区民の中から選びたいのと同様、教育委員を区民から選びたいと考えるのは当然のことです。一人の区民として日常生活を地域の住民と共有することにより、教育行政に対する区民の要求や期待を実感し、それを区民の代表として行政に生かす、このことが大事だからこそ教育委員準公選の運動があり、区民推薦が今日なお続けられているのではないでしょうか。区民から選ぶ努力をしないで、なぜ区外から選ぶことにしたのか、その真意をお答えください。結局、今後の教育委員選任は、区民推薦そのものを形骸化し、制度の廃止に道を開くことにつながります。この結果に対し、区長としての反省があってしかるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、医療制度改悪と区民生活に対する影響についてお聞きします。

 小泉改革の本質が、国民生活を犠牲にして大企業の利益を守ろうとするものであることが、いよいよ鮮明になってきました。その象徴的なものが、今計画されている医療の大改悪です。健康保険の自己負担を2割から3割に引き上げる。高齢者医療の対象を段階的に70歳以上から75歳以上に引き上げる。しかも、75歳以上の高齢者の1割負担を徹底し、外来患者の負担上限額を8倍ないし13倍に引き上げるというもので、戦後の歴史の中でも前例を見ない過酷なものであります。既に97年の健保本人2割負担や、ことしの老人医療の負担増で受診を控える傾向が顕著に出ています。しかも、10月から介護保険料の満額徴収によって保険料が倍増したばかりなのに、この過酷な負担増がかぶされば、医療と暮らしは重大な打撃を受けます。負担増による受診抑制で、国民的な規模での健康悪化が進むことは間違いありません。区長は、医療改悪がもたらす区民への影響をどのように考えておられるか、伺います。

 墨田区の試算では、2000年度決算で119億円だった国保の医療給付費が、厚生労働省の案がこのまま実施されると約50億円も増大するという結果が出ています。つまり、老人保健制度の適用年齢を段階的に引き上げ、多くの高齢者が国保制度に組み入れられることによって医療給付費が急増し、国保会計に重大な支障が生じ、区民と高齢者に耐えがたい負担増が押しつけられることになります。

 中野区の場合、国保の医療給付はどのくらい増大するのか、明らかにしてください。

 小泉内閣は、高齢化による医療費が急速に増加しており、これを抑えるために負担増はやむを得ないと言い切っています。しかし、日本の医療費は、対GDP比でOECD29カ国の中で20位であり、経済力に比べて決して高いとは言えません。医療保険の赤字の原因は、国費支出割合を削減したことにあることは明白です。また国費支出割合をもとに戻すこと。そのための財源として、異常に膨張した公共事業の浪費を削ること、世界一高い薬価に抜本的にメスを入れることが必要です。

 先日の参院予算委員会で小池晃議員が、医療費の20.1%を占める薬剤費を先進諸国並みの16%に引き下げた場合の削減効果を問いただしました。厚生労働省の副大臣は、約1兆4,500億円の削減効果があると答えています。この額は、厚労省が今回の医療改悪で目指している医療費の削減額に相当するものであります。つまり、世界一高い薬価を先進諸国並みにすれば医療改悪をしなくても済むということであります。問題解決の道ははっきりしているのです。既に全国の医師会や医療機関を初め、各団体が医療改悪案の撤回を求める大運動に立ち上がっています。自治体の長として、この事態を拱手傍観することは許されません。他自治体とも協力をして、国に計画案の撤回を求める要請をしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 新年度予算と行財政5か年計画についてお聞きします。

 行財政5か年計画の初年度に当たる今年度予算では、高齢者、障害者の生活を支え、精神的支えともなっていた事業の多くが切り捨てられました。子どもたちの登下校の安全や放課後の遊び場を保障する事業が見直され、地域の自主的活動を支える中野らしい事業等も廃止されるなど、区民生活のあらゆる分野にその影響が及びました。

 来年度は、5か年計画の2年目に当たります。計画では、今年度のマイナス影響に加えて、さらなる区民負担の増加と施設配置の見直しが行われる予定になっています。5か年計画で見直しを予定しているもののうち、来年度予算に反映し、具体化するもの、区民生活に影響を与えるものは何か、具体的に明示していただきたい。

 東京都との財調協議の現状についてお聞きします。

 国が景気回復の決め手のように宣伝していたIT革命のバブルが、あっという間に崩れ去りました。IT関連企業の業績が落ち込み、東京都の調整3税にも大きな影響が出てくるとの予測がされています。それだけに区側の財源を真っ当に確保できるよう、財調協議における区側の主張をより鮮明にし、論拠をはっきりさせて臨むことが重要です。

 財調問題で党議員団は、23区側の仕事の量に見合った調整率の引き上げや、都の責任と判断でつくった施設は、これからも都の責任で管理運営することを基本に、大都市事務問題を解決するように要求してまいりました。さらに、清掃事業費に関して都側と詰めた協議を行い、精査する問題も残されています。毎年、区側の需要額をどのように算定するかが問題になります。都の政策的判断で、算定項目に既に入っているものが外されたり、本来算定項目に入るべきものが外されることがないようにすべきです。もともと23区側の調整率が低く抑えられているのですから、需要額の算定には特に力を入れて対応すべきだと思います。

 懸案事項の課題解決と区側の財源確保のために、区長はどのような態度で臨もうとしておられるのか。現在どのような協議が行われているのか。区長の決意を含め、答弁をお願いします。

 来年度は、言うまでもなく区長選挙が行われる重要な年であります。このようなときは、区民から選ばれる新しい区長が政策的判断ができる余地を残しておくことが妥当であります。財政状況が厳しい中でもありますので、新年度予算は骨格予算として編成すべきだと考えます。区長の考えをお聞きします。

 次に、党議員団が繰り返し質問をしている第5杉の子作業所の開設と法人化の問題でお聞きします。

 第5杉の子作業所の開設を支援することについては、既に区の意思が表明されており、愛育会の皆さんも大変感謝しているところであります。ところが、当初予定していた施設が、さまざまな事情で変更になり、その後も区と愛育会との話し合いが二転三転しているとのことであります。

 ところで、中野愛育会は、法人格を取得して杉の子作業所を法内化するための準備を現在進めています。作業所が法内化されることによって、国からの補助金が出るというメリットがあり、区としてもこれを積極的に支援する立場で対応していることを、前定例会の答弁でお聞きしています。杉の子作業所が法内化されれば、小規模通所授産施設だけでなく、相談支援事業、居宅介護支援事業、デイサービス事業、グループホーム(生活寮)などの事業を行うことができるようになります。つまり、愛育会が一層自主的、自律的な力をつけ、みずからの経験と判断で必要な事業を展開していく条件ができることになります。それは、区にとっても愛育会にとっても望ましいことであり、今はそのための準備期間とも言うべき大事な時期に当たります。

 第5杉の子作業所が安定した状態で開設できるようにすること、及び愛育会が法人格を取得し、先々自律的な力をつけて、さまざまな事業に取り組んでいけるように援助することは緊急の課題です。いろいろな事情があったようですが、第5杉の子作業所の開設と愛育会の法人化取得に向けて、一層の支援を求めますが、今後の見通しと決意をお聞かせください。

 次に、教育委員会が抱えている幾つかの課題に関して、教育委員会の見解をお聞きします。

 来年度から新学習指導要領が完全実施されます。学習指導要領が改訂されるたびに学習内容が過密になり、授業についていけない子どもがふえ、学校の矛盾が深まってきました。

 現行の学習指導要領は、10年前に実施されました。このときはキーワードは「新しい学力観」。子どもが授業がわかるどうかは無視して、勉強が「できないのも個性」、跳び箱が「できないのも個性」というものでした。そして、授業に対する「関心、意欲、態度」が、教師が子どもを評価する要素となりました。しかも、学習内容が一層過密になり、子どもたちは詰め込みと競争の中を走り続けることが強制されました。こういう中で学校の矛盾が一層深まり、学校嫌いによる不登校や校内暴力が急増、「学力の危機」と言われる事態が大きな教育問題、社会問題となってクローズアップされてきました。これらを背景に、学習指導要領の見直しを求める世論が全国で高まり、地方議会でも見直しを求める意見書や決議が次々採択されました。

 さて、こうした背景の中でつくられた新学習指導要領は、学校現場や保護者の願いにこたえるものになったでしょうか。新学習指導要領の特徴は「総合的な学習の時間」の新設です。これに伴って、小学校6年間で国語、算数、理科、社会の時間がトータルで1,000時間も減らされます。小学校で学ぶ漢字の数は現在と変わらない1,006字のままで、国語の時間が6年間で224時間もなくなります。小学校1年生の算数の時間は22時間削減されますが、内容的には7時間分の削減でしかありません。文部科学省は、学校5日制の完全実施と総合的な学習の時間の新設に伴って、学習内容を基礎、基本に厳選したと言っていますが、実際には教える内容の削減より授業時間数の削減オーバーが目立ち、改善されるどころか、一層過密な授業とならざるを得なくなっています。

 教育課程審議会会長の三浦朱門氏が「文藝春秋」のインタビューに答え、「できんものはできんままで結構。これからは限りなくエリートを伸ばす。100人に1人でいい。非才、無才--才能がないということですが--には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいい」とまで述べています。ここには文部科学省と財界の考えがあからさまに語られています。義務教育課程の指導要領が、このような思想でつくられていることに、怒りとともに暗たんたる思いがいたします。

 既に教育関係者からは、新学習指導要領が実施されれば授業がわからない子どもが激増し、学校嫌いの子どもがあふれるだろうと言われています。9月議会でも紹介したように、地球産業文化研究所という財界のシンクタンクが「学力の崩壊を食いとめるための緊急提言」を発表し、2002年度実施の学習指導要領の全面中止を求めましたが、このようなことはかつてなかったことで、事はそれほど深刻になっているということであります。

 教育長は、9月の岩永議員の質問に対し、「昨年度より移行期に入っており、総合的な学習の時間を初め、創意工夫を凝らして実践をしている」と答弁されました。新学習指導要領がこれほど問題になり、全面中止を求める声すら出ているときに、教育長の答弁からは何の問題意識も感じられません。余りにも実態と乖離しているのではありませんか。改めて教育長の見解をお聞きします。

 さらに教育長は、「学校教育を取り巻くさまざまな教育課程や解決するためにも、まず、このゆとりの中で生きる力をはぐくむ。新学習指導要領による教育課程の円滑な実施が必要」と答弁しています。新学習指導要領によって子どもと教師に本当にゆとりができるのでしょうか。学校現場からは、ゆとりの時間をどう使うかを検討するために、ゆとりのない毎日を送っているという声は聞こえてきますが、わかる授業、基礎学力のつく授業をどう実践するかという、肝心の問題への取り組みは全くと言っていいほど見えてきません。「ゆとりの教育」「生きる力をはぐくむ」などの言葉が散りばめられていますが、基礎学力を身につける学校本来の役割を真っ正面に掲げないで、子どもたちが生き生きと輝く楽しい学校をつくることはできません。学力の危機を克服することもできないのではありませんか。

 学習指導要領は法的拘束力がありますので、これの実施のために教育委員会が努力するのは当然のことです。ただ、全く無批判に現場に押しつける場合と、問題や課題を掌握しながら学校現場を支援する立場で臨む場合とでは、その結果に大きな差が出てくるのは明らかであります。教育長の真意を重ねてお聞きします。

 教育基本法第10条2項は、教育行政は「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行わなければならない」と定めています。教育行政の仕事の中心は、教育条件の整備にあることを示しています。学校施設の修繕や維持補修の問題については、後ほど長沢議員が質問する予定ですから、私は30人学級の実現と学校の教室の冷房化に絞って見解をお聞きします。

 学校教育の矛盾が深刻になる中で、教師がクラスの子ども全体に目配りできる人数、30人学級の実現が切実な要求となっています。文部科学省は、従来の方針を撤回し、自治体が財政負担をするのであれば40人以下学級でもよろしいということにしました。

 ことし8月、山形県知事が記者会見で、「今後2ないし3年で県内全小学校で30人学級を実現したい」との意思を表明しました。10月30日、長野県の田中康夫知事は、すべての学校で30人学級の実現を求める52万人余の署名を受けて、「早く30人学級にしたい」との決意を述べておられます。埼玉県教育局は、来年度から小・中学校の低学年に38人学級を実現すると発表しました。埼玉県志木市は、25人学級の実現を目指すと発表しています。このほかにも、町レベルでは既に独自に30人学級を実現しているところも生まれています。

 先ほど新学習指導要領の問題点について触れましたが、日本の教育の矛盾が大きいからこそ、教師の目が一人ひとりに届くような条件整備がどうしても必要になっています。少人数であればあるほど、子どもの感動に共感したり、変化に気がついて声かけすることができる。少人数だったら教師にゆとりができ、子どもとしっかり向き合った教育ができるなど、教師も切実に30人学級の実現を求めています。

 現在、中野区では都の制度を活用したチーム・ティーチングによる少人数授業が行われており、これはこれで一定の成果を上げています。しかし、今全国で進んでいる運動は、クラスの人数そのものを30人以下に抑えることであります。これには相当多額の予算が必要になりますので、あらゆる機会を通じての世論づくりと、国・都に対する働きかけが必要です。教育委員会としても30人学級に対する評価を明確にし、国・都に働きかけていくべきだと思います。30人学級に対する教育長の評価と今後の方向についてお聞きします。

 小・中学生に学校施設に関する希望を聞きますと、教室の冷房化と机といすを体格に合ったものに改善してほしいという要望が出されてきます。多数の人間が集まる公の施設で、冷暖房施設がついていないのは学校ぐらいなものではないでしょうか。同じ学校でも、校長室や職員室には当然のこととして昔から設置されています。中野区の学校図書室は、指導補助員の配置と前後して冷房施設が取りつけられていますが、これは中野独自の施策であり、当時の教育委員会の英断として私たちは高く評価しています。

 問題は、普通教室の冷房化ですが、教師や子どもの話を聞きますと、7月の暑い盛りには室内の温度が38度を超して40度近くになることもあり、とても授業にならないとのことであります。この事態をいつまでも放置しておくことはできません。財政の厳しい時期ではありますが、年次計画を立てて教室の冷房化を進めるべきだと思います。国や都に対しても要求を出していくべきと思いますが、いかがでしょうか。

 図書館行政の後退に関してお聞きします。

 私は昨年の第1回定例会で、図書館の資料購入費が99年の1億2,900万円から2000年には8,800万円に、32%も削減されたことを取り上げ、これでは図書館としての機能を果たせない、魅力もなくなるとして改善を求めました。ところが、ことし2001年度予算では、これがさらに削減されて4,500万円となり、99年度との比較では実に65%も削減されています。既に岩永議員が9月議会でこの問題を取り上げましたが、執行面で工夫を図り、極力レベルを下げないように努めるとの答弁でありました。

 現在の図書館の実情は9月議会で詳しく述べていますので省略しますが、問題は、図書館でありながら、その館から新しい図書が激減しているということです。利用者も99年をピークにして下がり始めており、一部の地域図書館では他区の図書館を利用する人がふえてきています。いかに財政難とは言え、この図書資料購入費の激減ぶりは余りにもひど過ぎます。これ以上の削減は到底許されるものではありません。来年度は予算の復活に向けて努力すべきと思いますが、どのように考えておられますか。

 中野区の図書館行政は、これまでに社会教育委員の提言や図書館運営協議会の報告、職員PTの報告など、その時々の貴重な調査研究に支えられて発展してまいりました。特に1989年の図書館運営協議会が行った「中野区立図書館の現状と課題(報告)」は、当時の図書館の状況と課題が詳細に述べられており、図書館行政の指針を示す貴重なものでありました。この報告にのっとった努力がされていれば、中野区の図書館行政は一層充実、発展していたことは間違いありません。しかし、残念ながら図書館職員の専門性を重視するどころか、司書資格を持つ職員の比率を大きく後退させるなど、報告の精神に逆行する事態が進んでいます。最近では、予算を削減したため職員の研修の機会すら失われています。さらに、非常勤職員の雇いどめを他の職場と同じく一律に導入することによって、長年培ってきた職員の貴重な知識と能力、レファレンス機能をみずから放棄することすら行おうとしています。財政困難を理由に、これ以上図書館行政を後退することは認められません。これからの図書館をどのようにしていくのか、立ちどまって今後のあり方を再検討すべきです。行政だけで判断するのでなく、図書館運営協議会等でも十分な議論をすべきときです。今後のあり方についての考えをお聞きします。

 江古田の森保健福祉施設整備についてお聞きします。

 10月18日に開かれた江古田の森整備特別委員会において、その後の状況が報告されました。12年10月に設置された江古田の森整備関係課長会の一応の到達点が得られたので、さらに専門的に調査研究するために、整備施設の妥当性、整備の手法、民間の参入予測などに関してコンサルタントに調査を委託したとのことであります。

 私は、これまでもたびたび議会との情報の共有、密接な連携の必要性を強調してきました。昨年の予算内示の際、老人保健施設を公設で先行整備し、運営は民間に委託するという計画が突然示され、そのための基本設計費が計上されていました。議会側には事前の説明も報告もなかったため、予算に附帯意見がつけられ、結果的にはことしの2月に基本設計費が減額補正された経緯があります。

 この事業は、もともと旧国立病院の遊休施設を活用して特養ホームを建設してほしいという住民の運動が発端となっており、地元を初め多くの区民が完成を待ち望んでいるものであります。財政難の中ではありますが、知恵と力を合わせて、必ず将来とも区民に喜ばれる施設をつくらなければなりません。そのために行政と議会とが常に情報を共有し、一体となって事に当たれるよう特段の配慮をすべき重要な時期であります。整備のための基本構想を早急に取りまとめる段階にありますが、区長の判断だけで事を決するのでなく、あくまで議会と区民の意見が十分反映できるように工夫すべきであります。当面のスケジュールを含め、区長の見解をお聞かせください。

 この土地は、区民にとって極めて重要な空間です。江古田の森というネーミングのとおり、自然の樹木に恵まれており、中野区内で再び得ることのできない貴重な土地であります。それだけに、これまでの経過と区民の切実な要望を大事にし、施設整備の点でも防災公園の整備や周辺樹林帯の保存の面でも、区民の要望にどうこたえるかを第一に考えるべきであります。このことについての見解もあわせて答弁をいただきます。

 最後に、西武新宿線の地下化問題についてお聞きします。

 西武鉄道株式会社と東京都建設局、都市計画局とで構成する西武新宿線についての検討会がつくられ、既に3回の会合が持たれております。検討の中心は、西武新宿線と中野通りの踏切問題の解決に置かれていると聞いております。踏切渋滞は中野通りだけの問題ではなく、区内で言えば、中杉通りから新井薬師の踏切まであります。したがって、これら全部を視野に入れた取り組みを進めるべきであります。この問題は、中野区民、とりわけ沿線住民と踏切通行者にとって切実な課題であり、区政の課題としても重要な位置を占めています。

 私は、この検討会は今後重要な役割を果たすことになるでしょうから、中野区がみずから要求して、この検討会に参加し、区民の要求を実現するためのあらゆる努力をすべきだと主張してきたところであります。区は、この検討会の内容をどのように把握しているのか、その内容を具体的に報告してください。かつて西武鉄道と東京都、中野区の三者の間で、中野通りのオーバーパス計画がつくられましたが、住民の反対で凍結になっております。この計画が再浮上するようなことがあってはなりません。当然のことながら、西武新宿線の地下化を求めて働きかけていくべきであります。繰り返しますが、検討会の情報把握に努め、時期を見きわめて中野区も検討会に参加を要求すべきです。あわせて議会と区民に対する適切な情報提供を行い、必要に応じ議会と一体となって踏切渋滞解消の区民運動を起こすことも考えていく必要があります。今後の見通しについて、区長の見解をお聞きします。

 文化スポーツ振興公社の事業については、別の機会に取り上げますので、この際、割愛をいたします。

 以上で私の質問のすべてを終わります。

    〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 江田議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、国際テロとアメリカの報復戦争についてでございます。

 アメリカで起こりました同時多発テロ、これは、無防備で全く関係のない多くの人がとうとい人命を奪われた、許しがたい行為であるというふうに思っておりますし、また、テロの根絶のために国際社会全体で努力していくことが重要だというふうに考えております。戦争も私は嫌いです。早く終結してもらいたいというふうに思っているところでございます。

 自衛隊の派遣につきましては、さまざまな意見がございますが、今回、国会において法整備がなされた上でのことでもございます。国の対応については、憲法の範囲内で行われているものという認識を持っております。

 自治体の長としての見解ということでございますが、私の政治姿勢としては、平和を大切にするということを常に心がけて、行政の中に生かしていきたいというふうに考えております。

 また、区政運営の基本についての御質問でございますが、今は決まっていないからということで公表を拒むという、この姿勢が区民の信頼を揺らげているということでございますけれども、決まっていないからというのは、実際に決まっていないので申し上げられないということで、今まで決まっているものでも拒否をしたと、拒んだというつもりはございません。いろいろと所管部で検討している、その検討の過程でその質問をされて、まだ正式に決定をしていないものを区長が独断で決めたというような形にならないようにしているつもりでございます。これまで私は、開かれた区政、区民本位の区政を区政運営の柱にしてきたところでございますし、今回の行財政改革につきましても、区民の立場に立って改革を進めているつもりでございます。教育や福祉の分野についても、区として担うべきサービスを着実に実施をするため、行財政の構造的な改革を行っているつもりです。

 保育園の民営化の問題ですが、これまで対話や意見交換会を重ねてきておりますし、区民から多くの意見をいただいております。区民への情報が足りないという御指摘でございますが、情報提供と説明には十分留意をして、これからも区民の声を聞きながら、5か年計画を着実に進めていきたいと考えているところでございます。

 次に、教育委員の選任についてでございます。

 3点ございましたけれども、今回の教育委員の選任に当たりましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正されました。その中で、教育委員の年齢、性別、職業のバランスに配慮して、委員のうちに保護者を含めるように努めなければならないということが規定されたということを踏まえました。この法改正が区民推薦終了後の7月に行われているということもございまして、区民推薦で推薦された方を初めとして、幅広い人選を行ったつもりです。今回任命した教育委員は、こうしたことに加えて、不登校や学級崩壊などの現在教育が抱えている問題に力を発揮できる方だと判断をいたしまして、適任者と選任をしたものでございます。

 次に、医療改革と区民生活についての御質問でございます。

 今回の医療制度改革案、高齢者の負担が大きくなると。この改革案についての考え方、また国に対して撤回を求めるべきだということでございますが、医療制度の改革案は、医療費の増大によって危機的な状況にある医療保険制度の建て直しと世代間の公平な負担の実現のために、後期高齢者への施策の重点化を目指したものというふうに考えておりますし、患者の医療費負担が増加をする、特に高齢者が受ける影響は大きいというふうに考えております。区長会として、社会経済情勢の変化に即応しながら、給付と負担の公平を図りながら、安定した国民皆保険制度を維持し、すべての国民に共通する医療保険制度の一本化、国の国保財政に対する実効性のある具体的な措置を講じることなどを全国市長会からも要望しているところです。区長会は今回、全国市長会に加入いたしましたので、今回は全国市長会からこの形で国に対して働きかけ、要望をしているというところでございます。

 次に、新年度予算、これについて、来年度、区長選挙の年だと。骨格予算を編成すべきと思うがどうかということですが、私としては、行財政5か年計画に基づいて構造改革に取り組んでいるところでございますし、中野区のとるべき道と、この5か年計画で推進をしていくというのが中野区のとるべき現在の道だというふうに考えておりますので、14年度予算を骨格予算にするということは、今考えておりません。

 次に、江古田の森福祉施設の整備についてでございますが、現在の検討状況、詳細につきましては担当部長の方からお答えいたしますが、庁内で検討しているところでございます。まだ、この検討の結果というのが私のところにまで報告が上がっているわけではございません。特別委員会に報告があったということですが、それを課長会で現在の検討状況を報告しているというふうに思いますけれども、区民の意見を踏まえながら、できるだけその意向に沿えるような形で整備をしていかなければならないというふうに思っておりますが、区民の要望と同時に現在の財政問題等あわせて判断をしていかなければならない問題であるというふうに考えております。

 また、西武新宿線の地下化の問題についても、担当部長から詳細についてはお答えいたしますが、以前、この地下化が都市計画決定をされて、その具体化に当たって西武と東京都と中野区で三者で話し合いを持とうという状況になっていたところですけれども、西武の方から運輸政策審議会、ここでここの事業が先送りをされたということから、当面は検討できないという状況で、今立ち分かれたというふうな形になっているところですが、東京都としてもこのままではいけないということで、都と西武の間で今話を進めているところですが、中野区としても、これについては状況を踏まえながら、できるだけ仲に入れてもらう、参画をしていくという方向で努力はしていきたいというふうに思っております。

 他の質問につきましては、それぞれ教育長、または所管部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

    〔区民部長内田司郎登壇〕

〇区民部長(内田司郎) 私からは、医療制度改正に伴う国保財政の影響についてお答えいたします。

 お尋ねの墨田区の試算につきましては、老人保健医療制度の対象年齢が75歳以上に引き上げられた場合、一般医療費の扱いとなる70歳から74歳の医療費を算出したものと聞いているところでございます。

 医療制度改正の影響につきましては、老人保健拠出金が減となる一方で、一般医療費が増となるなど、保険者負担が増大するのではとの指摘もありますが、改正内容がいまだ流動的かつ不明確な点も多くございまして、現時点では国保財政への影響額の試算は難しいと認識をしております。ただ、厚生労働省では、全体的な成案を12月上旬にはまとめるとしておりますので、当区といたしましては、それを待って具体的な影響等を検討してまいる所存でございます。

  〔行財政改革担当部長石神正義登壇〕

〇行財政改革担当部長(石神正義) 私からは、新年度予算と行財政5か年計画について、2点にわたってお答え申し上げます。

 まず、5か年計画におきまして、計画した事業見直しのうち、14年度の予算に新たに反映する事項につきましては、中野授産所の廃止、白鷺ふれあい学習館の廃止、学校給食調理の5校委託化、中学校修学旅行参加費補助を13年度半減としたものが計画措置が終了するということにより全廃となること、延長保育ヘルパー利用者の新規受け付けの終了、区長選挙を翌日開票にすることによる従事者手当の削減などを予定してございます。

 次に、都区財調協議に関しての御質問でございます。

 調整率につきましては、清掃事務の特例的な対応が終了する17年度の時点で見直しをするということになってございますが、それまでの間、大きな制度改正やどうしても対応できない事態が発生した場合には協議することとなってございます。今回は調整率の変更までには至らないと思いますが、児童扶養手当や高齢者インフルエンザ予防接種など、区側の需要がふえる要因について協議していく考えでございます。

 大都市事務につきましては、16年度までに都区双方で検討を行い、17年度に都区協議を行うということになってございます。

 それから、清掃事業費につきましては、12年度決算の検証結果に基づく廃棄物処理手数料、それから、収集車両養生費の算定方法の適正化、これをまとめて協議に臨むという考えでございます。

 また、基準財政需要額の算定項目につきましては、特別区の行政需要に対応した改正について、23区としての提案項目を現在まとめたところでございまして、この実現に向け努力してまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕

〇福祉担当部長(本橋一夫) 私からは、杉の子作業所の開設の問題と、それから、江古田の森の保健福祉施設整備についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。

 まず、第5杉の子作業所についてでございますが、現在、開設について鋭意調整をしている段階にございます。第5杉の子作業所が、他の杉の子作業所とともに平成14年の10月から社会福祉法に基づく小規模通所授産施設としてスタートできるように目指して努力をしておりますが、今後とも愛育会と密接に連絡を取り合って、その実現を図ってまいりたいと考えております。

 愛育会の法人化につきましては、団体にとっても区にとっても意義のあるものと認識しております。現在、愛育会は来年2月の法人認可申請に向けて主体的に取り組みを進めておるところでございます。区は、これまでも法人化に向けて相談に乗ってまいりましたが、今後とも国や東京都の情報を適宜提供するとともに、相談に乗るなど支援をしてまいりたいと考えております。

 次に、江古田の森保健福祉施設整備についてでございますが、区の財政負担を抑えながら、これからの区民の保健福祉の増進に寄与できる施設整備となりますように、整備する施設の内容や規模、その整備手法等について検討しております。庁内での検討に加えて、現在、民間法人の参入予測などにつきましてコンサルタントにも調査委託をしているところでございます。間もなくこれらの調査結果も上がってくる予定ですので、これらの調査検討の結果をもとに、大筋を整理した段階で議会にもお示しして御意見を伺い、計画策定につなげてまいりたいと考えております。

 また、この土地につきまして、江古田の森の樹林が中野にとっての得がたい貴重なものであるということは、区民の皆さん、議会と同様に関係者も共通の認識を持っております。施設整備や防災公園の整備に当たりましては、樹林、樹木の保存が最大限に図られるよう留意しながら、区民要望にこたえてまいりたいと考えております。

     〔教育長子安圭三登壇〕

〇教育長(子安圭三) 私からは、教育委員会の課題について、図書館を除いてお答えをさせていただきたいと思います。

 まず、新しい学習指導要領についての御質問がございました。

 新しい学習指導要領の実施をめぐって、学習内容や授業時数の削減について大きく取り上げられていることは多いわけですけれども、全体的に見ますと、学校の創意工夫による総合的な学習の時間や課題選択学習、中学校の選択教科の幅の拡大と学校の主体性を生かし、特色ある学校づくりを進めていこうとするものだというふうに理解をしてございます。

 そのような中で、みずから学び、みずから考える力を育てる場を工夫し、基礎、基本の定着のために、発達段階に応じて繰り返し学習する機会を設けるなど、子どもたちに生きる力を身につけていくことは大切であるというふうに理解をしてございます。そのために、学校現場に対し、教育委員会としてもさまざまな点で援助していきたいというふうに思ってございます。

 保護者の不安等に対しましては、学校公開、学校評議員制などの具体的な取り組みはもちろんですけれども、さまざまな方法や場で学校と教育委員会が一体となりまして情報発信し、地域、保護者には積極的に学校教育への理解を図っていく努力をしなければいけないというふうに思っているところでございます。

 それから、30人学級の実現についての御質問がございました。御案内のとおり、区が独自でこの学級編制の基準を変更することは難しいというのは御理解をいただけると思います。ただし、学習指導において、少人数を対象とした授業の実施など、非常に効果のあるものは、これ事実でございますので、東京都、国に対しては今までどおり強く働きかけると同時に、教育委員会としましても何らかの工夫をしていきたいというふうに考えているところでございます。

 それから、教室の冷房化についての御質問がございました。教育委員会では、これまで騒音対策、車の排気ガス対策などの特別の事情がある場合には教室の冷房化をしてまいりました。近年、気候の変化に伴い、夏休みの前後にかなり高温となる教室があると聞いています。こども議会でもこの問題が取り上げられ、強い教室の冷房化の要望が出てまいりました。

 そういうことがありまして、学校関係者を含む学校・幼稚園施設整備検討会において検討させました。その結果、児童・生徒の体を強健に鍛える大切さ、また、冷房に弱い体質の子どもがいること、エネルギー使用量の増大となり、外気温をさらに上げることにはなるのではないかというような懸念が示され、冷房化には積極的な御意見が出てまいりませんでした。

 教育委員会としては、これを受けまして、すぐ、非常に財政難のときでもございますので、普通教室の冷房化については、校舎の改築に際しましては、環境を考慮した学校施設をつくっていこうではないか。それから、整備など今のうちから研究していこうということが一つと、今後は、非常に教室によっては同じ学校でも非常に異常な暑さがあるということも事実でございますので、そういったところには扇風機等の何らかの工夫をしていこうと。きめ細かな対応をしていきたいというふうに考えているところでございます。

 〔教育委員会事務局次長須崎英夫登壇〕

〇教育委員会事務局次長(須崎英夫) 図書館行政に関する御質問にお答えをいたします。

 まず、図書館における資料購入費が削減をされて、図書館の魅力がなくなってしまう、増額する努力をすべきではないかというお尋ねでございます。

 現在、図書館では大変厳しい予算ではございますけれども、既存資料の有効活用、レファレンスの充実、選書の全館分担収集など、予算の執行面でさまざまな工夫をすることによりまして、図書資料の充実、保存を図っているところでございます。そうした中で、図書館本来の機能の維持に努力をしているところでございます。

 図書館購入費の増額についての御質問がございました。区財政の現状を考えますと、そうした環境にはないというふうに思ってございます。ただ、私どもとしても、さらに減らすということではなくて、現状を維持するという努力は精いっぱいやっていきたいというのは正直なところでございます。

 次に、図書館運営協議会の提言を踏まえて、司書職員の増加など専門的能力のレベルアップを図るべきではないかというお尋ねがございました。図書館を支える人の問題の重要性については、教育委員会といたしましても十分認識をいたしております。したがいまして、現在でも御指摘をいただいたような状況にはございますけれども、図書館職員の専門的能力の向上につきまして、特別区や都立図書館、そういった外部研修に職員を積極的に参加をさせてございますし、OJTなどを通しまして組織全体でそのレベルアップを図るということに努めているところでございます。

 今後の対応につきましては、現在、図書館運営のあり方について検討を進めてございます。その中で、職員体制や資質向上の仕組みについて協議をしていきたいと思ってございます。

 なお、非常勤職員の3年雇いどめの問題の御指摘がございました。非常勤職員につきましては、御案内のとおり特定の業務につきまして専門的知識、技術を活用するため、1年間に限定して任用している特別職の公務員であるという制度、この趣旨から、再任する場合の回数を原則2回までとしたものでございます。御理解をいただきたいと思います。

 以上です。

   〔都市整備部長宮村光雄登壇〕

〇都市整備部長(宮村光雄) 西武新宿線地下化問題についての御質問にお答えいたします。

 西武新宿線検討会につきましては、東京都と西武鉄道が、事業化が延期されております複々線化計画を踏まえつつ、踏切の渋滞解消に向け、道路と鉄道との立体化などの実現化方策について検討、意見交換の場として設けたものでございます。検討会は、6月までに3回開催されまして、現在、中野通りを中心に立体化の具体的な対策案について調査、検討を継続中とのことでございます。

 この問題に対する区民の熱い思いにつきましては、これまでも東京都及び西武鉄道に対し、機会あるごとに申し伝え、そして、区といたしましても、都市計画決定をされております急行線地下化事業の早期再開を強く求めつつ、あわせて運輸政策審議会の答申に盛り込まれなかったことを増えまして、踏切渋滞解消に向け、改めて対策を検討すべきであるとの立場で要望等を行ってきております。

 検討会への参画につきましては、先ほど区長からの答弁がございました。

 また、この問題は区民と区が一緒になって取り組むべき重要な課題であると認識しております。今後も議会にも適時、的確に情報をお伝えしてまいりますので、踏切渋滞解消に向けまして、引き続き議会の御支援、御協力をよろしくお願いいたします。

      〔江田徹議員登壇〕

〇42番(江田徹) 3点、再質問をさせていただきます。

 まず、区長に対してですが、教育委員問題です。

 私の質問の中でも、区長の提案理由の中で法改正が行われたということを述べました。したがって、私もそのことは十分承知をしているんですが、法改正が行われた後も区民推薦で選ばれた方の中に、その要件を満たしている人がいるではないかというのが私の質問です。いるにもかかわらず、なぜそのほかから選んだのかということです。

 それからもう1点、なぜ区外から選んだのかという問題です。あの中にも触れておりますが、私たちは、やはり私たちと同じように生活をして子育てに悩み、中野区の教育行政をどういうふうに変えていきたいか、そういうことをともに考えられるような人に教育委員になってほしい、区民の代表としてなってほしいというふうに考えておりますし、教育委員の準公選も、それから現在の区民推薦もそうした趣旨で行われていると思っております。したがって、選ぶのであれば、やはり区民の中から選んでほしいというのが区民の当然の要求だし、私もそうあるべきだろうと思っております。この点については触れられておりませんので、この点について再度お聞かせください。

 それから、医療改悪の問題です。前段では、国は医療改革と言っておりますが、国がなぜこういったことを進めるかについては、いろいろ説明をしています。区長もそのことをなぞっておられましたが、後段では一般論になってしまって、区長がどういうことを考えておられるのか、全くわからなくなってしまいました。全国市長会でもいろいろなことを国に要望しているということですが、それらはあくまでも恐らく一般論であって、今度の医療改革、医療改悪に対して全国市長会がどういう見解を持っているのかということについて、国に意見を申し出るというふうには私はまだ承知をしておりません。したがって、端的に今度の医療改革が中野区民、とりわけ高齢者にどういう影響を与えようとしているのか、そのことについてどのように認識しておられるのか。それから、区長自身、やはりこれだけ大きな影響をもたらす、打撃をもたらす中身であることは、もうほぼ見えてきているわけですから、区長としても政府に対して、国に対して意見を申すべきではないかということが趣旨でございますので、その点について端的にお答えをいただきたいと思います。

 3点目は、教育長についてであります。新学習指導要領について、教育委員会あるいは教育長がどういうふうに配慮して進めようとしているのか、そのことについての一端は語られました。しかし、私の質問の全体が、現在の新学習指導要領がどれだけ問題があって、父母や教師や国民からどういう心配がなされているのか。中には全面中止を求める、そういう動きすら出てきているということを相当丁寧に述べました。したがって、今の新学習指導要領を教育委員会としていかにソフトランディングさせるかということで努力をしているということはわかるけれども、その前段として、どういうことが問題になっていて、そのために教育委員会としては学校現場にどういう配慮をしながら努力をしているという、その部分を私は聞きたかったわけであります。その部分について、再度教育長の見解をお聞かせください。

    〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 江田議員の再質問にお答えいたします。

 まず、教育委員の選任についてでございます。なぜ区外の人を選んだのかということですが、私は、区外、区内ということで余りこだわったつもりはございません。先ほども申し上げましたように、法改正による条件、これを満たし、さらに現在教育が抱えている問題、子どもたちの不登校あるいは学級崩壊、こういった問題について、いわゆるスクールカウンセラーを養成する、その資格を持っているということで、現在の教育問題について取り組める、一番力を発揮してもらえる、そういった条件を持っている人ということで判断をしたところでございまして、ほかの人と比較をしてだれがいい悪いということを、私、申し上げることはできません。総合的により適格だということで判断をさせていただきました。

 区民投票をやっているのにということでございますが、この名簿にこだわらずに選んだということは、この名簿を無視したつもりはありません。この条件もすべて私、一人ひとり条件を調査させてもらいましたし、その上でのことでございます。ただ、名簿に拘束をされるということはないというふうに判断しておりますので、幅広い選択をさせていただいたものでございます。御理解いただきたいと思います。

 それから、医療改革の問題でございます。具体的な問題についてということでございますが、区長会として現在、今のこの改正についてどう要求するかという具体的な相談は確かにしておりません。一般的な医療制度についての改革というものを区長会としてまとめ、国に要望してきた。これはこれまでもやってきましたけれども、それをさらに全国市長会に持ち上げて、市長会とも歩調をそろえて要望していくという運動をしているというところでございます。

 今回の改正案の中で、高齢者に対する負担が非常に大きくなるということは、対象年齢を現在の70歳から段階的に75歳に引き上げていくということで、この対象になる人がだんだん縛られているという点で、負担をする方が非常に多くなるということで、この点については、負担をする人の立場に立てば大変な影響があるというふうに思っております。ただ、これが全体の公平性といいますか、こういった点で検討してきた制度改革での問題でございますので、今後さらに研究をして対応していきたいというふうに思っております。

     〔教育長子安圭三登壇〕

〇教育長(子安圭三) 再質問にお答えをしたいと思います。

 私は、今度の新学習指導要領は、いろいろ批判されていることは私も承知はしてございます。しかし、現実に既に来年度から施行されるということでございますので、学校では混乱のないように、私は新学習指導要領に移行してもらいたいという強い希望を持って、そのように学校にもお願いをしているところでございます。

 具体的には、既に前倒しでいろいろ授業等含めて検討してございますので、その際に指導室を挙げて学校にいろいろ援助を申し上げているところですが、特に、やはりこの中心となる総合的な学習の時間がどれだけうまくいくかというのが大きなポイントであろうというふうに思います。そのためには、それぞれの学校で研究授業を行ってもらい、その結果を中野区のすべての学校に、その成果を広げていただいているところです。そして、来年から始まる本格実施に向けて準備をしていただくということをお願いしているところでございます。

 また、来年度の予算で非常に厳しい状況ですけれども、この総合的な学習の時間を、より効果を上げるための何らかの援助というんでしょうか、財政的な援助を含めて、我々としては用意をしていきたいなということで、今、来年度の予算の編成に向けて計画をしているところでございます。

      〔江田徹議員登壇〕

〇42番(江田徹) それぞれ御答弁をいただきましたが、教育委員問題で、まず最初に聞きますが、区長は、名簿に拘束されないと。名簿にこだわらないということのようですが、そういうふうになりますと、区民推薦をやっている意味というのはほとんどなくなってしまうわけですね。貴重な財政を使って執行しているわけですから。区長の意思としてそれはやっているわけですから、可能な限りこれを尊重していくということは当然であろうし、それから、法改正が行われたということだけれども、それをクリアしている人はいるわけですから、その人でなくほかを選ぶということには、やはりそれなりの区民が理解できるようなものがどうしても必要なのではないか。そういったことが全くなしで、区長がフリーハンドで選ぶということになってくると、この制度は、最初の質問の中にありましたように全く形骸化され、否定をされていく、限りなく廃止の方向に区長自身が道を開いてしまうということになるではないかということが趣旨でございます。その点について答弁をいただきたい。

 それから、私は、新しく教育委員になられた方が、その資質がどうとか、あるいは専門的な見識がどうとか、そういうことを言っているわけではないんです。あくまでも私が申し上げているのは、いろいろな分野の方がいらっしゃるだろうし、中野区内にもそういう見識を持っている方、学識を持っている方、いろいろいるだろうと思うんです。せめて名簿の中に適当な方がいなかったとしたら、中野区民の中から選ぶという努力がなぜされなかったのか。これは区民の、恐らく立場を超えても同じような気持ちではないかというふうに思うんです。その点についての考えをお聞きしたい。

 それから、医療改悪の問題ですが、やはりわかりません。区長のおっしゃっているのは、高齢者がふえて、高齢者の医療が非常に重くなってきているから、そこの部分をふやして公平性を保たなければならないということで、やむを得ないというふうにも聞こえるんです。一方、いろいろな大変さが出てくるということもわかるということですが、一体、区長はどのようにこの医療改革を評価しておられるのか、そのことがちっとも見えてきません。

 それから、今後さらに検討していく、研究していくということですが、12月にはもう厚労省の案はまとまるわけです。ですから、きょうはもう11月も終わりですから、そんなにゆっくり研究している場合ではないわけです。そういう点から言えば、やはり区民の生活、区民に重要な責任を持っておられる自治体の長として、これに対して、よしとするならばやむを得ないことですけれども、問題ありとするならば、区長会に問題提起するなり、あるいは区長個人として要望していくなり、そうしたことがあってしかるべきではないか。これほど重大な問題ですから、そうしたことがあってしかるべきではないかというのが私の要望です。その点について、もう一度お答えください。

 それから三つ目、やはり新学習指導要領の問題ですが、総合的な学習の時間がどれほどうまく定着するかというのが、今度の新学習指導要領のポイントだというふうにおっしゃいました。そのために学校が混乱しないように、教育委員会としてはあらゆる努力を、援助をするんだというお話だと思うんです。それはそれでいいんですが、学校というのは本来、何をするところかというのが、そうなるとわからなくなってくるんです。私は、やはり学校というのは、これからの子どもたち、社会を担っていく子どもたちが基礎的な学力を身につけて、社会人としてしっかり育っていけるような、そういう学力を身につけるところ。子どもたちの側から言えば、本当に喜んで学び合える、それが一番大事なところだというふうに思うんです。

 ところが、今度の新学習指導要領で多くの人たちが指摘しているのは、そういう学力を身につけさせるためのさまざまな研究や努力が生かされてくるというのではなくて、逆に学習の時間、授業時間をさらに削って、総合的な学習の時間、ゆとりの時間というものを生み出してきている。これでは学校本来の役割がますますゆがめられて、子どもたちにさまざまな問題が今まで以上に生じてくるというのが今問題になっているポイントですね。例えばもうちょっと卑近な例で言いますと、今、小学生や中学生を持っている御家庭には塾からダイレクトメールがどんどん来る。その塾の中には、新学習指導要領によって授業時間がこういうふうに変わります。もうこれから公立の小学校や中学校に通っていたら授業にはついていけなくなる。だから、私たちのこの塾にいらっしゃいと。勉強は塾でしなさい。こういうものがどんどん来ている。そういう状況を新学習指導要領は客観的につくり出しているわけです。

 そういうことに対して、私は、そういう問題点を教育委員会がしっかりつかんだ上で現場に対するアドバイスをするというのと、新学習指導要領はすっぽり全面的に認める形で、この総合的な学習の時間だけを問題にしていくというのでは結果的には大きな差が出てくるだろう。いずれそういう方向をとっていくならば、公教育そのものが否定されていく、そういうことになりはしないかという大きな問題を今含んでいるんだというふうに私は思っております。ですから、そういう観点で見るならば、現行の指導要領の総合的な学習の時間をどうするかということだけではなくて、今の子どもたちとの現状等も踏まえて、教育委員会としてはどういうふうな援助を現場にしていかなければならないのか、その点についてどういう研究をしておられるのか、教育長どう思っているのか、そのことについてお聞きしたいというのが最初から言っていることの真意でございますので、もう一度御答弁をいただきます。

    〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 再質問にお答えいたします。

 なぜ区民でなくて区外からかということでございますが、この点については、先ほどもちょっと答弁申し上げておりますけれども、保護者であると。保護者を入れるというときに、この保護者の問題について、いろいろ検討しました。そして、これは法改正にさかのぼって、その議論、どういう議論があったのかというようなことで、それも状況を調べまして、関係者での議論の中に、保護者が入った場合にその保護者の子ども、学校における子どもと先生の間のこと、こういったいろいろな問題があって、教育委員に選任した場合に非常に難しい問題があるなという議論があったと。そういったことから、より問題の少ないであろうという、的確にそういった問題について対応のできる人というのは、区外の方がより適切だろうというふうに判断したところでございます。

 それから医療制度の問題ですが、これについては、先ほども答弁いたしましたけれども、改革案の内容が流動的、不明確な点もございますので、現在の時点では明確にこれを試算するということができない。したがって、12月の上旬には国の方の案がまとまるということですが、これを見て十分検討していかなければいけないというふうに思っているところですが、先ほども申し上げたとおりに、その負担が3歳から69歳までの患者の負担が一律3割になると。また、60歳から74歳までが2割になる。75歳以上は1割負担というようなことで、負担の問題が出てきている。これが国保財政にも影響してまいります。その国保財政への影響がどの程度になるのかというようなことを試算した上で、どういう対策を求めていくかということを決めていかなければいけないと思っています。

 国保の問題についても、この不明確な点といいますか、こういったことが国保財政に対して影響が少なくなるように、国の方の対策が万全であるようにということでの要望を、これからもやっていきたいというふうに考えているところでございます。

     〔教育長子安圭三登壇〕

〇教育長(子安圭三) 再答弁をさせていただきたいと思います。

 全く私は江田議員とそれほど大きな差はないというふうに思っています。なぜかといいますと、今、新学習指導要領が求めているのは、先ほど来御答弁を申し上げましたけれども、やはりみずから学び、みずから考える力を育てる、そのためには各教科における基礎、基本というのは大切であるということを私どもは強く学校にお願いをしているところです。それと同時に、総合的な学習の時間の中で、これは初めて取り入れられますので、やり方を間違えますと遊びになる可能性があるという憂いがあります。そういうことではないということで、子どもたちが自分みずから課題を考えて、それを解決するという力を学ばすためには教師の力が、非常に指導力が問題になってまいります。それで、私どもとしては、先ほど来前倒しで研究をしてもらい、その研究の成果を各学校に紹介をし、お互いに来年度の本格実施に向けて準備をしていただいて、私どもとしてはそのための援助といいましょうか、サポートをさせていただきたいというふうに思っているところです。

 ですから、学校というのは、もちろん先ほど強くおっしゃられましたけれども、やはり社会人になるための基礎、基本をきちっと教えていくんだと。その中に、今まで欠けていた、みずから学び、みずから生きるという、生きる力と言われていますけれども、そのための総合的な学習の時間の中で、それを身につけさせるということが大きなねらいであるということをお話し申し上げたところでございます。

 以上です。

〇議長(斉藤金造) 以上で江田徹議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

      午後3時38分休憩

 

      午後3時59分開議

〇議長(斉藤金造) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 やながわ 妙 子

 1 学校教育について

 (1)環境学習について(学校ビオトープ推進について)

 (2)文化芸術振興について

 (3)読書運動の推進について

 2 子育て支援について

 (1)小児救急医療体制の整備について

 (2)保育園での薬の与え方について

 (3)産後ママヘルパーの充実について

 3 清掃事業について

 (2)カラス対策について

 4 介護保険について

 (1)介護保険事業者評価制度について

 (2)介護予防対策について

 5 その他

 

〇議長(斉藤金造) やながわ妙子議員。

    〔やながわ妙子議員登壇〕

〇5番(やながわ妙子) 平成13年第4回定例会に当たり、公明党区議団の立場から一般質問いたします。区長並びに理事者の皆様の簡潔、明瞭な御答弁をよろしくお願いいたします。

 最初に、環境学習について伺います。

 先日、地元の幼稚園の先生とお話をしていたところ、「雨が降っても園庭にはミミズ1匹出てこないんです」と、園児の身の回りから、ごく当たり前の自然がどんどんなくなっていく様子を先生方が嘆いておられました。

 子どもたちは、自然の不思議さや自然そのものに触れることが大好きです。私は、子どもの豊かな人格形成のためには、自然との触れ合いが欠かせないと思っています。都市化が進む中にあって、中野区の学校においても身近な自然を取り戻す努力をしていく必要性を改めて感じました。

 最近、ビオトープという試みが各地の学校で広がりを見せています。ビオトープとは「生物のすみか」を意味するドイツ語で、生き物が共存する自然生態系の一つの単位ユニットということです。

 環境先進国・ドイツでは、急速な開発、都市化によって自然が失われていくことの反省に立ち、早くからビオトープの保全や復元に取り組んでいます。1976年には「連邦自然保護法」が制定され、ビオトープづくりが土地利用計画に組み入れられ、学校においても「シュールガルテン」と呼ばれる学校へのビオトープづくりが積極的に進められてきました。ドイツの小・中学生は、日本に比べて環境問題に対する関心や行動力が高いとよく言われるのは、その効果の表れと言っていいと思います。

 私は、このほど同僚議員とともに、学校ビオトープに取り組んでいる新潟市を訪れ、モデル校となっている沼垂小学校を視察してまいりました。同校では、市の支援のもと、子どもたち、親、地域の方々が協力して校庭に「生き物ランド」という名前のビオトープをつくりました。校庭の一画に池を設け、そこに水生植物を植え、チョウの幼虫やアメンボウ、メダカを放しました。トンボがやってきて、すむようにもなったそうです。学校でビデオも見せていただきましたが、子どもたちの生き生きとした姿が大変印象的でした。子どもたちだけではなく、先生方も自然の生態系や子どもたちの変化について、新たな発見があったと語っていました。

 中野区内にも、ビオトープづくりに取り組む幼稚園や小学校があります。その一つ、区立やよい幼稚園を見てまいりました。造園の専門家や保護者の皆さんがボランティアで池の造成を行い、地域の皆さんが協力して植物を植え、メダカを放しました。今では、園児たちは1日1回は池を見に行くようになったり、池の周りで過ごす子どもたちが増え、池が子どもたちの遊びや生活を豊かにしてくれていると先生方は語っていました。ビオトープづくりに参加した子どもたちには、その場所や生き物たちとの間に独自の関係ができ上がります。すると、これまでテレビのアニメやゲーム機で遊ぶことだけに夢中になっていた状態を抜け出し、自然や生物の命というものに対する驚きや発見に気づく新たなきっかけが生まれます。まさに、「生きる力」とは、このような中から育まれていくのではないかと思います。

 そこで、区並びに教育委員会に対し、次の5点について質問いたします。

 第1点目は、区内の小・中学校のビオトープの実態について伺います。

 総合的な学習の時間の中でも環境学習は大事なテーマの一つですが、身近な校庭が学びの場となるビオトープがつくられている幼稚園は、現在のところ2園、小学校は3校、中学校は1校ありますが、学校単位のビオトープづくりについて、教育委員会は何らかのサポートなどあったのでしょうか。私は、ビオトープに対する教育委員会の認識が、いまだ十分でないと思っています。教育委員会としてビオトープづくりの教育効果をどのように考えているのか、お聞かせください。

 第2点目は、ビオトープに対する区の支援策について伺います。

 先ほど紹介した新潟市では、「自然共生空間創造指針」という考え方のもとで、環境対策課が学校ビオトープづくりを積極的に学校側に働きかけ、支援を行っています。中野区では、「環境基本計画」の目標1に、「豊かなみどりと水辺を創造します」。その施策の方向(2)に、「水と親しめる空間をつくる」中で、ビオトープづくりの推進を示しています。また、「みどりの基本計画」の中では、プログラム14で、「生き物の生息・生育できる自然の豊かな場所を増やす」では、「公共施設、保育園、学校等で子どもやその家族、地域の人々と連携し、ビオトープづくりを推進する」と明記されていますが、これまで具体的にどのような支援をしてきたのでしょうか、環境課や公園緑地課の対応をお聞かせください。

 第3点目は、ビオトープについての情報交換などについて伺います。

 学校ビオトープづくりをこれから取り組むところ、あるいは、関心を持っているところに情報の提供が必要です。学校によって、ビオトープと子どもたちのかかわり方はそれぞれ違います。自分の学校にないビオトープのさまざまな形態、多様性を子どもたちが擬似体験として学びこともできます。そうしたノウハウや運営状況の情報交換は、教師にとっても大事なことではないかと思います。教育委員会は、既にホームページを開設し、その中に各学校のホームページへのリンクも準備されています。このネットワークの中で、ビオトープづくりの具体例を紹介したり、区内や全国の先進校との情報交換も可能だと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。

 第4点目は、学校ビオトープづくりの推進について伺います。

 私は、中野区内の幼稚園、小学校、中学校の校庭にビオトープをつくり、自然生態系と接する中で命の大切さや生きる力の大切さを学んでほしいと考えています。環境学習の効果的な手法として、現在実施している小学校は3校ありますが、今後は学校の主体性を生かしつつも、年次計画をつくって、まずは小学校から実施してはいかがでしょうか。教育委員会と区長の御所見を伺います。

 最後に、区のビオトープネットワークづくりについて伺います。

 ビオトープについては、学校という限られたエリアにとどまらず、区内の公園も含めた「中野区ビオトープネットワーク」づくりを目指すべきだと思います。区内にある大規模なスペースとして、自然資源も豊かな平和の森、江古田の森、警大跡地などもビオトープの保全、創出を新たに組み入れてはどうかと思います。区長のお考えを伺って、この項の質問を終わります。

 次に、文化芸術振興について伺います。

 本物の芸術、文化に接する体験は、子どもたちの心を豊かにし、芸術、文化を指向する個性を引き出すためにも大きな効果があると思います。こうした取り組みの一環として、文化庁が今年度新規に実施した事業として、「学校の文化部活動活性化事業」があります。東京23区の小・中学校でもこの事業を活用したところがあります。文京区立指ケ谷小学校では「芸術文化ふれあい教室」として、神奈川フィルハーモニー交響楽団を呼んでオーケストラ公演を実施しました。練馬区立練馬中学校では、吹奏楽部に指導者を派遣してもらいました。この事業は、各自治体の積極的な取り組みを支援する目的で実施されていると思いますが、中野区は、なぜ活用しなかったのでしょうか、伺います。財政が厳しい中野区にとって、特にこうした国の事業はもっと積極的に活用すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。教育委員会は、この事業について活用を検討したのかどうか。もし、検討したのであれば、なぜ活用しなかったのか、明確にお答えください。

 文化庁は来年度、新たに子どもの文化芸術体験活動の推進事業として、子どもたちが本物の文化、芸術に直に触れ、創造活動に参加することにより、多くの感動体験を得、感受性豊かな人間としての育成を図る文化芸術体験活動推進事業を実施する方針とお聞きしております。その事業の内容は、1、本物の舞台芸術に触れる機会の確保、2、学校の文化活動の推進、3、文化体験プログラム支援事業です。いずれも新規事業で、概算予算として約41億円計上される見込みとなっております。この事業を実施する学校には全額補助されます。中野区教育委員会として、積極的にこの事業を区内の小・中学校で取り入れて活用すべきだと思います。例えば、部活のブラスバンドに演奏指導の講師派遣や、あるいは、オーケストラでの生の演奏を子どもたちに触れさせてあげるなどいかがでしょうか、御見解を伺います。

 文化、芸術は、人々の創造性を開き、多様性を尊重する社会をつくります。人々の心に安らぎを与え、潤いをもたらし、生きる力をみなぎらせます。何よりも人への尊敬と愛情の心を抱かせるものであります。特に、青少年の豊かな心を育む要素として欠かすことはできません。ゲーテは、「青年は教えられるより、刺激されることを欲する」という言葉を残しています。いいものに触れさせる、それこそ人間教育の要諦ではないでしょうか。

 公明党は、今年5月、「文化芸術立国・日本をめざして」という政策提言を発表しました。公明党の提案には、「文化芸術振興基本法」の制定を主張して、子どもに本物の芸術を触れさせる教育の提供など、五つの柱から成っています。この提案が発端となって、与党や民主党が合意をしてまとめた文化芸術振興基本法案が衆議院を通過し、今国会中に成立する見通しとなっています。各界から、この政策について賛同の声が多く寄せられています。この基本法案には、地方公共団体の責務として、第4条に「地方公共団体は、基本理念にのっとり、文化芸術の振興に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と明確に述べられています。

 中野の文化、芸術については、「中野の基本構想とその基礎となる考え方」の中で示されています。「Ⅰ 自由にのびのびと個性を生かし能力をのばす。」の柱の1-3に、「みずから能力を豊かに成長させる区民」とあります。その施策の方向には、「区民の学習活動やスポーツ、文化、芸術活動のための施設を、地域センターなど区のあらゆる施設を生かして総合的に整備する」と。また、区民の役割には、「区民は、あらゆる機会を利用し、学習活動やスポーツ、文化、芸術活動に積極的に参加して、教育と学習の権利を確保する」となっています。少々長い引用をいたしましたが、これが中野の基本構想における文化、芸術に関する表現です。

 先ほど御紹介した文化芸術振興基本法にある、「区が自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務」から言えば、区の文化、芸術に関する施策は、これで十分なのでしょうか。私は、この国の文化芸術振興基本法の成立を相まって、区の文化、芸術に関する施策を充実すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。中野の基本構想が昭和56年につくられて、既に20年が経過しています。今後、基本構想についての検討をする必要が起こってくると思います。その際、文化、芸術に関する内容も検討すべきではないかと思いますが、区長の御見解を伺って、この項の質問を終わります。

 次に、朝の読書運動について伺います。

 最近、私は学校における「朝の読書」に関する本を読みました。米国マサチューセッツ州のゲートウエイ公立中学校では、週2回、25分間の黙読の時間を設けています。その時間になると、生徒だけでなく、校長、教師、事務員に至るまで、学校にいる全員がそれまでしていた仕事を中断し、本を手にする様子が書かれていました。その時間は学校全体が静かになり、ページをめくる音しか聞こえない状況になるそうです。ある習慣を持続させるためには、シンプルでわかりやすい方法が最適です。朝の読書運動で提言されている4原則というのがあります。「みんなでやる」、「毎日やる」、「好きな本でよい」、「ただ読むだけ」の四つです。学校で読書感想文を書かされるのが嫌で、読書が好きになれない子どももいます。シンプルな朝の読書は、子どもたちが本を開く習慣をつけるのに大事な時間です。

 既に、全国各地で実施している小・中・高校の児童・生徒たちの朝の読書運動の感想は、「今まで読めなかった教科書がすらすら読めるようになった」、「あんなに嫌いだった本が好きになった」、「1日が朝の読書から始まると、落ちついてすっきりした気持ちになれる」、「人の悲しみや痛みがわかるようになった」、「図書館や書店に行く回数も増えた」、「人間や社会について知ることができ、自分はどう生きればよいか考えるようになった」等があります。朝の読書は、子どもたちが自ら学び、大切なことを自然に身につけていくことができる有効な場であると思います。

 そこで、何点か伺います。

 教育委員会として、まず読書の重要性について、どのような見解をお持ちでしょうか、伺います。

 次に、朝の読書について伺います。

 私は、中野区が取り組んできている読書運動の中で、「朝の読書」が一番シンプルで、自由で、子どもたちにとって長続きできる本来の読書の姿に近いものがあると思いますが、いかがでしょうか。中野区教育委員会では、これまで「朝の読書」について具体的なテーマとして議論をしたことがあるのでしょうか、お聞かせください。

 朝の読書運動を実践している学校からの報告では、「朝の読書」は、「好きな本をみんなで読む」という活動面が強調され、生徒個々の読書体験に応じた適切な読書指導がなおざりにされがちである。読みたい本を見つけられない生徒や、みんなと一緒に読めない生徒の対応に、学校の図書館司書といった専門家がいないと、その機能を十分果たせないということが挙げられております。中野区では既に、小・中学校に学校図書館指導員が配置され、朝の読書運動を推進するに当たっての環境が整っています。学校図書館指導員とも連携をとり、進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

 学校における読書の習慣づくりは、極めて大事な課題だと思います。「朝の読書」というものは、子どもたちにとって大変受け入れやすく、私は有効な方法だと思います。中野区教育委員会として、もっと「朝の読書」運動の推進を図り、全小・中学校で実施すべきではないでしょうか。教育委員会の見解を伺い、この質問を終わります。

 次に、子育て支援について質問いたします。

 まず初めに、小児救急医療体制の整備について伺います。

 これからの医療において、大事な課題は小児救急医療です。私たちは都議会公明党と連携をとりながら、中野における小児救急医療の充実を推進しています。中野総合病院で今年度から実施されている365日24時間体制の小児2次救急医療は、必要な施策の前進として歓迎しています。

 先日、公明党区議団として中野区医師会と懇談する機会がありました。この中で、中野総合病院での小児2次救急医療の問題点について指摘がありました。1日平均13人程度の受診に対し、9割近くが初期救急医療の患者で占められ、時間も夜7時ごろから10時ごろまでの準夜間帯に集中し、医師の手が回らないとのことでした。その背景として、一つには、現在、中野区内での急患診療が平日の準夜間帯には行われておらず、土曜や日曜についても医師の輪番制で、「土曜日の夕方」と「日曜日の昼間」にしか行われていないことがあります。輪番制ですから、小児の急患診療に対しては、いつも小児科の医師に診てもらえるような体制にはなっていません。

 もう一つには、最近共働きの夫婦が増えていますが、仕事が終わって帰宅してから子どもの異変に気がつき、病院に連れていく時間帯が準夜間帯にならざるを得ないという現実がございます。この状況については、昨年9月に発表された東京都救急医療対策協議会報告でも指摘されています。このため、本来は2次医療を行うべき中野総合病院に、初期救急医療の患者も行かざるを得ない状況があります。しかし、このような状況が今後も続くならば、中野総合病院の機能や使命を果たすことが困難になってしまうのではないでしょうか。この小児2次救急医療と初期救急医療の混在は、中野区の初期救急医療が十分でないためだと思います。初期救急医療の充実は、子育てのセーフティーネットとして大切なものです。

 東京都は、2次救急は都の仕事、初期救急は区市町村の仕事と、明確なたてわけをしています。そこで伺います。この「初期救急医療は区市町村で」ということについて、中野区はどう考えているのでしょうか。中野区として、新たな1次救急医療の体制を構築すべきではありませんか。区として、具体策をお持ちであるならお聞かせください。

 先日、同僚議員とともに、同じ小児初期救急医療への対応で悩む練馬区を視察してきました。練馬区では、光が丘にある小児2次救急医療施設に子どもが集中するため、区医師会に委託して、区役所内に新たに「こどもクリニック」を設置し、準夜間帯の小児初期救急医療に対応していました。

 私たちと中野区医師会との懇談の中でも、中野総合病院での準夜間帯の小児初期救急医療について、医師増員の提案がありました。その提案については、区長に対してもあったとお聞きしております。この中野区医師会の提案と、練馬区での取り組みを比較してみると、中野区の方は同じ病院内での対応であるため、初期救急医療から2次医療への移行が容易というメリットがあります。利用者にとっても安心感があります。これは十分検討に値する取り組みだと思います。区のお考えを伺います。

 既に先行して、小児初期救急を実施している練馬区では、医師会に委託しており、葛飾区では医師会が独自に事業を実施しているとお聞きしています。方式がそれぞれ異なるわけですが、財政の厳しい中、中野区としては、どのような方策をお考えでしょうか、区の所見をお伺いいたします。

 この項の最後に、「子どものかかりつけ医」について伺います。

 練馬区を視察した際、担当者から「準夜間帯の受診数と同じくらいの電話相談がある」との話がありました。小児初期救急医療では、診療にまで至らず、電話で済むケースもあります。日頃から子どもの健康を診てもらっている「かかりつけ医」がいれば、親がどうしていいかわからないときなど、まず電話が相談ということも可能になります。中野区には小児科医師が少ない状況もありますが、これからの子育てセーフティーネットを構築する上で、「子どものかかりつけ医」の存在は大事です。中野区として、この「子どものかかりつけ医」のシステムや、機能の受け皿の整備に取り組んでいくべきではないでしょうか。区のお考えを伺って、この項の質問を終わります。

 次に、保育園での薬の与え方について伺います。

 私は、保育園に子どもを預けているお母さんたちから、「中野の保育園は子どもへの薬の与え方に対する対応がばらばらだ」という声を時々聞いております。中野区では、病後児の保育を実施していませんから、保育園における病中・病後の子どもに薬をどのように与えるか、という問題は存在しないと思います。しかし、病中や病後ではない、いわゆる「慢性疾患」、例えば、喘息やアレルギーなどを持つ子どもを保育園で預かる場合、保育中に薬を与える必要があるケースも出てくる可能性はあると思います。

 保育園での薬の与え方については、私は先日、広島市と新潟市の例を視察してまいりました。新潟市では、「原則として保育園においては職員による園児に対する投薬は行わない」としていましたが、保護者からの要望でやむを得ず保育園での投薬が行われていた実態があり、各保育園での薬の取り扱いがまちまちであったことから、保護者の不満が生じていました。そのため、新潟市では保育園での投薬について、全体で同じ対応になるよう基準を設け、やむを得ず必要な場合に主治医の指示と保護者の依頼に基づいて投薬を行うことにしたとのことでした。広島市の場合も同様でした。

 中野区でも、慢性疾患などにより薬を長期間服用しなくてはならない子どもを保育園で預かる例があると思います。その場合、母親から投薬の依頼があることも当然考えられます。厚生労働省の保育園保育指針には、慢性疾患に対し、「日常における投薬、処置については、その子どもの主治医又は嘱託医の指示に従うとともに、保護者や主治医との連携を密にするよう努める」と明記されています。中野区としても、現実に薬の服用が必要な子どもがいる場合、まちまちな対応では保護者の不満も出てくるでしょうし、ケースによっては重大な事故が発生しないとも限りません。広島市や新潟市のように、明確な基準を設けて対応すべきと思いますが、いかがでしょうか、見解を伺います。

 次に、病後児保育について伺います。

 私たちは、新潟市の病後児保育についても見てまいりました。新潟市は、医療機関の小児科医に委託し、専任の看護婦と保育士を置いて、現在2か所で実施しています。私たちが視察した病後児保育施設は、病院に併設され、大変明るい、温もりのある施設でした。何よりも院長の病児保育に対する熱意に感動しました。病児を抱えて仕事に出なければならない保護者と子どもにとって、安心して預けられます。

 中野区の病後児保育の場合、保育園で実施するのか、あるいは、診療所等に併設して実施するのか、真剣な検討をすべきと考えますが、御見解を伺います。

 この項の最後に、産後ママヘルパーの充実について伺います。

 私は、本年の第1回定例会で、子育て支援として「産後ママヘルパー制度」の設置を提案しました。これに対して福祉部長は、「ほほえみサービス」を挙げ、「この家事援助の中で既に出産後の経過が悪く、家事を担う親族がいないなど、特にサービスが必要と認められる場合に、例外的に現在実施している」と答弁しました。また、今後その利用者、対象者の拡大に向けた検討について、「区としてもその実施を支援していきたい」とお答えになりました。しかし、産後ママに対するサポートは、福祉部長の答弁のような例外的な実施という性格のものなのでしょうか。女性が出産するに当たって抱く不安は、だれにも共通のものがあり、産後ママに対するサポートは、そうした不安を取り除く、子育て支援の中で「出産セーフティーネット」の一つとして位置付けるものであり、決して例外的な対応でよしとするものではないと思います。まず、区は認識を改める必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。

 豊島区は、この10月から「産後サポーター制度」をスタートさせました。子育て経験のある主婦や保健婦などが出産直後の母親の家事や育児をサポートする事業です。区の事業予算は37万円で、既に立ち上げ以来2か月足らずで10人前後の申請があったと聞いています。これは年間ベースで考えれば、かなりの需要だと思います。

 一方、中野区では、福祉部長が答弁したように、「ほほえみサービス」の中で対応しているとのことですが、まだ5件程度しか依頼がないとのことです。この差はいったい何でしょうか。豊島区に比べ、中野区では困っている人が少ない、ということでしょうか。私は、むしろ区民の皆さんが知らないことが大きいと思います。区は、この実績をどう評価しているのでしょうか、伺います。

 この産後ママヘルプのお知らせは、中野区社会福祉協議会発行の「いきいき通信」に、「まずはご相談ください」という欄に小さく載っているだけです。これではだれもわかりません。こうした不親切なあり方では、お母さんたちの不安を解消することはできません。区は、これまでの認識を改め、もっときちっとした取り組みをすべきですが、いかがでしょうか。「ほほえみサービス」だけでなく、「ファミリーサポート事業」の中でも産後ママのサポートは可能だと思いますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。

 また、PRにしても、母子手帳交付の際に、産後ママヘルパーの仕組みをお知らせするとか、子ども家庭支援センターや各地域センター、保健所などでも母親に周知する工夫をすべきと考えますが、区のお考えを伺います。

 お母さんたちが抱く不安は出産後にとどまらず、出産前の妊娠中、また分娩など、それぞれに大きな不安があります。中野区として、安心して産み育てられる環境を整備するために、「出産セーフティーネット」を充実させる必要があると思います。この見解を伺って、この項の質問を終わります。

 次に、清掃事業について1点、カラス対策について伺います。

 23区の清掃担当課長会に設置した「カラス対策検討会」は、今月26日から12月1日までの1週間で、23区内すべての集積所を対象に、カラスによるごみの散乱被害状況を調査することを決めました。現在実施している最中だと思いますが、中野にある集積所約1万2,000か所の実態調査は、どのような体制で行っているのでしょうか、その進捗状況をお聞かせください。

 この調査のほかに、1、職員からカラスの防除対策のアイデアや成功例を募集する、2、防鳥ネットの効果、3、各戸収集、定時間帯収集、夜間収集などの取り組みを行っている区や他の自治体の実例を検証するとしています。これらの課題にも取り組んで、有効なカラス対策を多方面から探るとなっています。また、検討会では、調査結果をもとに、カラスが営巣を始める2月頃までには、対症療法的な対策に終わらない、一定の対策を打ち出す考えのようです。

 私も、ここ数年、住民の皆さんからカラスの苦情を聞き続けてまいりました。私自身も自転車に乗っているときにカラスのふんに直撃され、大変な思いをしたことがあります。実際、襲撃にあった方の恐怖の体験、小学生が登校時に襲われた話を聞きますと、集積所に群がるカラスの様子を見ているだけで、襲われた経験がなくても恐怖感が走ります。また、ごみ集積所や電線や屋根に群がっているカラスを見ると、確実にカラスは増えているのではないかと思われます。こうした背景は、中野区だけではなく東京全域での問題として、今回の検討会の実態調査が行われているのだと思います。

 また、東京都は平成12年から、カラス緊急捕獲モデル事業を実施していますが、この事業は、カラスの生息数の減少を図る目的ではありません。私は、カラスを減らすための根本的対策は、生ごみの絶対量を減少させ、同時にごみの出し方を工夫するなど、カラスが生ごみを餌にできない環境をつくることであると考えています。

 現在、ごみ収集場所におけるカラスの対策として検討されているものに、1、防鳥ネット、いわゆるカラスネット。2、蓋付き容器または集積ボックス。3、夜間収集。4、各戸収集の四つが挙げられています。現在、中野区でもカラスネットについては、要請があった集積所には清掃事務所から貸し出されています。しかし、正しい使い方をしていないところは、かえってごみの散乱を拡大しています。また、容器や集積ボックスによるごみ収集は、一部の飲食店街は浸透してきたようですが、住宅街では容器の出し入れがわずらわしいことや、単身者など収集後の手間の問題があって、思うように進んでいないのが現状です。また、集積ボックスについては、マンションやアパートの管理者がいるところは設置しているところもありますが、中野のように狭隘道路が多いところでは向かないのではないでしょうか。こうしたことを考えると、やはりカラス対策の決め手となるのは、各戸収集ではないでしょうか。各戸収集は、カラス対策だけではなく、ごみの出し方のマナーが守られる。さらに、ごみ排出量が減るなどの効果があると言われています。

 そこで伺います。まず、現在、中野区でごみ集積所の問題などがあって、各戸収集している世帯はどのくらいあるのでしょうか。ここ数年の経緯も含めてお聞かせ願います。年々各戸収集が増加しているようですから、中野区でまず1か所、モデル地区を設定して、ごみの各戸収集を行ってはいかがでしょうか。各戸収集を実施しやすい地域を選定するとともに、必要な小型運搬車を雇い上げなどをしてそろえ、モデル事業として、ある一定の期間実施し、そこで必要なデータを集め、今後の区の各戸収集事業のあり方を検討すべきだと思います。

 中野区の道路事情は、他の22区と異なり、狭隘道路が多く、23区の平均33.7パーセントに対し、中野区は43.5パーセントと他区に比べ10パーセントも狭隘道路が多い区です。したがって、各戸収集するためには、小型運搬車の導入は欠かせません。私は積極的に導入すべきだと思います。そのためには、雇い上げの小型車両も増やす必要があるかと思います。

 既に隣の渋谷区では、昨年からモデル地域を選定して実施しています。私は、その区境に住んでいますので、その差ははっきりとわかります。それぞれ自分の家にマッチした新しいごみ容器等を使用してのごみの出し方で、まちの風景も変わってきました。カラス問題は、地域住民にとって身近な切実な問題です。その解決には、住民と地元自治体の主体的な取り組みが欠かせません。モデル地区を決め、早期に各戸収集を実施すべきではないでしょうか、いかがでしょうか。

 また、緊急雇用対策の事業を活用して、何らかの特段の工夫をしてカラス対策を行うことはできないのでしょうか。区のお考えを伺って、この項の質問を終わります。

 次に、介護保険について伺います。

 厚生委員会で先日、姫路市の介護保険事業者に対する評価体制を視察してまいりました。事業者のサービスの質向上のために、評価の仕組みづくりは不可欠の課題だと感じました。

 私たち公明党議員団は、これまでサービスの質向上につながる事業者協議会の早期設置や、評価制度の実施について、繰り返し質問をしてまいりました。平成12年第1回定例会の予算総括質問で高倉議員、また、平成12年第4回定例会では大泉議員、平成13年第1回定例会では高倉議員、第2回定例会で岡本議員、さらに、第3定例会では高倉議員が、この問題を取り上げてまいりました。その結果、事業者協議会がようやく今年度中に立ち上がることになりました。対応としては大変遅いと言わざるを得ませんが、この協議会を軸に、今後、サービスの質向上への取り組みをはじめ、必要な対応を積極的に検討、実施していくよう、区はリーダーシップをとる必要があると思います。

 そこで伺います。この事業者協議会は、どのような構成になるのでしょうか。その中で、中野区はどのような形でかかわることになるのでしょうか、お答えください。また、事業者協議会の中で決めていくべき事柄と、その実施スケジュールについて、中野区としてはどう考えているのか、具体的にお示しください。

 私たちが提案していたサービスの質向上や苦情の適切な処理にかかわる(仮称)「中野マーク」について、区は、これまでの答弁の中で、事業者協議会の中で検討していく、と前向きな対応を示していますが、中野区としては、どのような基準で実施していこうと想定しているのか、伺います。

 私は、事業者協議会の中で、実施を検討する主要なテーマの一つとして、サービスの質向上につながる事業者評価の仕組みがあると思います。厚生委員会で視察した姫路市の例は第三者評価の仕組みでしたが、事業者の評価には大きく分けて、事業者自身が評価する「自己評価」、そして利用者の側から評価する「利用者評価」、さらに、第三者で構成する委員会等による「第三者評価」の三つが考えられます。

 私は、このうち事業者自らが行う「自己評価」の仕組みづくりは大変大事だと考えています。事業者が集まる協議会の中で、自分たちが行う具体的な実施方法を検討し、合意することは比較的容易なことと思いますし、これは見方を変えれば、事業者による自己PRの側面も持つことになります。事業者協議会の中で、中野区はこの「自己評価」の仕組みづくりを、まず積極的に呼びかけ、実現を推進すべきです。この評価は、利用者のために行われるものですから、1、評価結果は事業者から報告してもらうこと、2、利用者にわかりやすく公表をすること、が必要であり、これらも含めた「自己評価」のためのマニュアルづくりが不可欠となります。この「自己評価」の実施について、区はどう考えるのか、見解を伺います。

 「利用者評価」については、まず、しっかりとした苦情処理の仕組みを事業者協議会の中でつくり上げることが大切だと思いますが、私は、さらに一歩進めて、区の介護保険のホームページに掲載されている事業者情報の中に、「ここはおふろが最高」とか「ここは食事が天下一品」といったように、利用者のいい情報の声を反映させてもいいのではないかと思います。いかがでしょうか、お考えを伺います。

 第三者評価については、姫路市のように効果を上げている例もあります。事業者協議会の中で、次への大事な検討課題として十分な議論をすべきです。区の所見を伺って、介護保険事業者評価制度の質問を終わります。

 最後に、介護予防対策として、元気な高齢者でいるための施策について伺います。

 中野区は、今年度から非常勤職員による高齢者会館事業を廃止しました。廃止に当たって区長は、本年の第1回定例会の答弁で、「行財政の構造的改革を進める中で廃止となる業務や執行方法を工夫したり、変更することで対応が可能な業務について、非常勤職を廃止したものでございます」と述べております。

 廃止した非常勤職員である高齢者会館事業推進員さんが対応していたときは、私は高齢者の皆さんから、「よくやってくれている。楽しいし」という声をよく聞いていました。しかし、最近こうした声は耳に入ってきません。13年度、業務や執行方法を工夫して、高齢者会館事業がどのように活発に実施されているのでしょうか。また、どのように執行方法を工夫され、12年度に行われていた高齢者会館事業がされているのでしょうか、お聞かせ願います。

 介護予防策は、狭義の意味では、進行(状態の悪化)防止のための取り組みではありますが、広義の意味では、ライフサイクル全般にわたる健康づくり、生きがい諸活動の推進です。生涯、自立した生活が送れるよう支援することです。今後は、こうした元気高齢者対策は重要な施策であり、生きがい、社会地域貢献、有用な人材の視点に立った活動の場をつくることが、極めて大事な課題となるのではないでしょうか。

 私は先日、九州の古賀市の高齢者生きがいづくり支援センターを視察してまいりました。小学校の用務員宿舎跡を利用して、従来のデイサービスとは異なり、介護予防を最重点に掲げ、クラブ利用者がシニアリーダーとして地域に戻り、市民ボランティアとともに地域交流型ミニデイサービスの推進役となり、「生きがい社会参加」でシニアボランティアとして活動ができるようなカリキュラムにしているのが特徴です。内容は、1、シニアパソコン講座、2、シニア園芸講座、3、シニア教養講座、4、シニア趣味講座等です。運営委託は、高齢者NGO連携協議会の主力団体である財団法人シニアルネサンスから九州シニアライフアドバイザー協会が担当しています。地域の市民ボランティア、サポーター、アドバイザー、専門家等が、全員が楽しみながらやっていました。

 また、奈良市においても元気高齢者対策として、音楽療法を通して事業を展開しています。奈良市は独自に音楽療法士を育成し、さらには音楽療法サポーターも養成し、力を入れてやっています。毎月参加者の申し込みが増え続けているそうです。

 高齢者の生きがいづくりには、場所とともに「人」が大事です。地域センターの職員による対応では、専門性の面で効果的とは言い切れません。福岡県古賀市でも、奈良市でも、事業の成功の鍵は専門性を持った人が対応していることにあります。先ほど紹介した財団法人シニアルネサンスは、本部が東京にあり、ボランティアで派遣されるライフアドバイザーも東京に1,000人以上いるとお聞きしました。古賀市のように中野区もこうした民間のボランティア団体、あるいは、キャリアを持つ人たちが立ち上げているNPOの団体と「協働」して、元気な高齢者のためのいきいき支援事業を展開していってはいかがでしょうか、お考えを伺います。

 一方、介護予防の立場から、保健福祉部としてどのような介護予防策を検討されているのでしょうか。元気高齢者対策としては、さまざまな取り組みがされていますが、高齢者が参加できやすいように整理する必要があるのではないでしょうか、御見解を伺います。

 また、高齢者会館事業は、予防介護事業の活動拠点としても、所管を保健福祉部に移す方が、より一層事業展開がやりやすくなるのではないかと考えますが、お考えをお聞かせ願います。

 以上を伺って、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

    〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) やながわ議員の御質問にお答えいたします。

 まず私から、環境学習についての御質問でございます。

 中野区のビオトープネットワークの目指すべきもの、また平和の森、江古田の森、警大跡地などにビオトープの保全、創出を新たに組み入れてはどうかということでございます。ビオトープネットワークは、環境教育の視点から、都市の中に身近な自然を持つという意味でも大切なことだと考えております。平和の森や江古田の森、これも樹林や水辺、草地など、いろいろな生態を生かしながら市街地の身近なところでのビオトープとのつながりを大切にした施設づくりを考えていきたいというふうに思います。

 なお、ビオトープについて、5点ほどそのほか御質問ございましたが、それぞれ所管の部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

 それから、学校教育の中の文化、芸術振興についての御質問でございます。

 中野区の基本構想でも、区民の文化、芸術活動を援助するというふうにうたっていると。文化芸術振興基本法が成立した場合に、この中野区の基本構想を直してはどうかということでございますが、これまで区は、区民の文化、芸術活動の場や機会、情報の提供に努めてきたところでございますが、文化芸術振興基本法が成立すれば、法の趣旨に沿って進めていきたいというふうに思います。

 中野区基本構想は、個別の事項を定めたものではございませんけれども、区政全体の目指す姿を示したものでございます。したがって、法律の制定に伴って、その都度修正するべきものではございませんが、基本構想は昭和56年に制定をされて、既に20年経過しておりますので、時期を見て直す必要があるというふうにも考えているところでございます。

 他の質問につきましては、それぞれ所管部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

    〔教育長子安圭三登壇〕

〇教育長(子安圭三) 私から、文化、芸術振興について並びに読書運動の推進についてにお答えをさせていただきます。

 まず、文化・芸術振興についての学校の文化部活動活性事業について、区はどう対応したのかという御質問でございました。今回、この御質問の事業は文化庁から通知が本区に届いてから、回答するまで非常に短い時間でした。ということと、そのために各学校が対応が難しいという判断をいたしました。さらに、都区内の国公立、私立合わせて、小・中・高合わせまして対象校数が6校という非常に少ないということを考え、申請には困難が多いと判断して、今回の申請は見送ったものでございます。来年度以降につきましては、文部科学省の概算要求の推移を見守りながら、積極的な検討ができる体制をつくっていきたいというふうに思っています。

 それから、平成14年度の「文化芸術創造プラン」についてのお尋ねがございました。子どもたちが本物の文化、芸術に触れ、創造活動に参加することは貴重な体験だというふうに考えているところでございます。国のこの事業については、まだ詳細についてはわかっておりませんが、これから積極的に情報を把握していきたいというように考えています。

 それから、読書運動についてのお尋ねがございました。まず、読書の重要性について、どのような見解を持っているかということでございますが、読書は、児童・生徒の物事に対する興味や関心を呼び起こし、学習する意欲や関心を高め、態度を育てるとともに、思考力や判断力、表現力や行動力等を豊かに育てていくもので、人間形成にとって大切なものであるというふうに理解をしております。また、児童・生徒の発達段階に応じまして、小学校低学年では楽しんで読む、想像を含ませていく。中学年では、幅広く読み、関連した文章につなげる。高学年では、内容の質や量を高めていく。さらに中学校では、目的や意図に応じて読み、効果的に活用していく能力を身に付け、読書を生活に役立てて、自己を向上させるなどの目的をもって取り組んでいくことは重要であるというふうに考えているところでございます。

 「朝の読書」についての具体的なテーマとして、教育委員会で議論したことはあるか、ということの御質問でございますが、過去の数年間の記録を見ましても、学校図書館や中野区の図書館の運営はどうしたらいいかとか、それから、学校図書館と中野区の図書館との連携はどうしたらいいのか、というようなことは話題となっていることが多く、朝の読書ということを具体的なテーマとして議論したことはございません。

 読書運動の推進についてのお尋ねがございました。各学校においては、図書館指導員と図書館担当の教諭が中心となり、児童・生徒の読書活動の推進に力を入れており、着実な成果を上げていると思っております。また、朝の読書運動につきましては、何らかの形で実施している学校は30校弱あります。今後は、図書館指導員の連絡協議会等で各校の取り組みの情報提供をしていき、実施期間や実施学年等を拡大していくことも課題としていきたいというふうに考えているところです。

 〔教育委員会事務局次長須﨑英夫登壇〕

〇教育委員会事務局次長(須﨑英夫) お答えをいたします。

 最初に、ビオトープの教育効果について、また、学校や幼稚園が主体的に取り組むビオトープづくりに対する教育委員会のサポートについてのお尋ねがございました。

 学校や幼稚園におけるビオトープづくりにつきましては、子どもたちが環境問題や自然保護の大切さを考えるきっかけづくりをねらいといたしております。その際大切なことは、ビオトープづくりを地域の方々の協力を得ながら、子どもたちが自ら携わり、手づくりで進めることだと思ってございます。そのことによりまして、自分の住んでいる地域の中にある自然を知り、その大切さや守ることの必要性を考えるようになるのではと思ってございます。

 教育委員会では、これまで自然観察の施設として学級園、岩石園、飼育池、飼育小屋などを整備してまいりましたが、最近、ビオトープが注目をされまして、児童、保護者、先生方が中心として手づくりのビオトープを設置または計画をするところが増えてまいりました。こうした取り組みに対しまして、教育委員会といたしましては、御質問の中にもありましたけれども、年次計画をつくって誘導するというところまでは考えてございませんが、技術的なアドバイスなど積極的に応援をしていきたいと思っております。なお、財政的な応援につきましては、別の考え方を工夫してまいりたいというふうに思ってございます。

 なお、ホームページのネットワークを通したビオトープの情報交換についてのお尋ねがございました。お尋ねの中にもございましたように、教育委員会では、独自のホームページを開設いたしてございまして、これを機に区内の学校や幼稚園に対して、ホームページをつくって広く情報発信するよう呼びかけてございます。各学校では、現在準備を進めておりまして、逐次ネットワークが拡充されるものと期待をしております。この中でビオトープの情報交換につきましても、考えてまいりたいというふうに思ってございます。

 なお、御視察をいただきましたやよい幼稚園では、ビオトープを完成させるまでの一部始終をビデオカメラで記録をしてございまして、今後立ち上げるホームページの中で紹介をしていく計画を持っているようでございます。

 以上です。

    〔環境部長正木洋介登壇〕

〇環境部長(正木洋介) 私からは、ビオトープづくりに対する支援についてお答えさせていただきます。

 ビオトープづくりの支援といたしましては、環境リサイクルプラザにおきまして、毎年ビオトープ講座を実施しております。その中には、学校や児童館を会場にして開催したものもございます。この受講をきっかけに、校内にビオトープをつくった学校も現にございまして、その際、資材を提供したというような面からの支援も行っているところでございます。また、公園緑地課におきましても、自然環境学習などで個別の相談に応じているということでございます。今後とも関係課が連携して、支援に当たっていきたいというふうに考えております。

 続きまして、清掃事業に関連してのカラス対策についての御質問でございます。

 現在行っている散乱被害状況調査に関してということでございます。この調査につきましては、11月26日から1週間、「ごみ袋が破られている」、また、「ごみが散乱している」等々の状況につきまして調査をするものでございます。可燃ごみの収集作業時に収集職員によって実施するものでございます。この調査結果を踏まえまして、今後、集積所の散乱防止対策に生かしていきたいと考えております。

 それから、各戸収集の現状というようなことでございます。現在、ごみ集積所の廃止ですとか移設等、地元の方々の要望に対しまして、例外的に各戸収集方式を実施しているという状況でございます。この例外的なケースといたしましては、区内全域に、この4月現在でございますが、約2,700戸ございます。集積所の位置ですとか近隣関係等の問題から、各戸収集方式に切り替わるということでございますが、このようなケースにつきましては、ここ数年増加する傾向にございます。

 それから、各戸収集方式について、モデル地区を設定して実施してみてはどうかというお尋ねでございます。この各戸収集方式につきましては、ごみに対する意識と責任感が高まる。また、ごみ出しマナーやルールが守られるというような面から、一つの有効な方策と考えているところでございます。しかしながら、一方で収集をする作業時間が長くなるということですとか、収集車の入らない狭小路地への対応をどうするかなどという問題もございます。これらの面も考え合わせながら、御提案の各戸収集のモデル地区設定による実施につきましては、14年度実施に向けて検討してまいりたいと考えてございます。

 それから、最後の方にございました緊急地域雇用創出特別交付金事業を使って、何らかのカラス対策はできないか、というお尋ねでございました。先ほどの集積所の、例えばマナーの指導ですとか、そんなことにも使えないかというような内部的な検討もしてみたわけではございますが、収集作業員が直接住民との触れ合いの中で、家庭まで訪問して指導するというような事業の性格から、この失業者の雇用を中心とした事業にはなじまないのではないか、という結論に達したというような経過はございます。今後とも、御質問の中にございましたカラス対策検討会等の報告等も読みまして、今後ともそのカラス対策については考えていきたいというふうに考えてございます。

   〔保健福祉部長浦野純子登壇〕

〇保健福祉部長(浦野純子) 私からは、子育て支援についての3点と、介護予防についてお答えさせていただきます。

 まず、子育て支援について、小児救急医療体制の整備につきまして、区の考え方についての御質問でございます。

 小児の初期救急医療の問題は、共働き世帯が増加する中、子育て支援の面からも、住民にとって身近な区市町村で基本的には対応すべきものと考えています。御質問にございますように、医師会からも具体的な提案をいただいており、中野区としての初期救急医療のあり方につきまして、方向付けをしていきたいと考えています。

 また、初期と二次救急を同一の医療機関で実施することにつきましては、他区で二次救急医療機関への搬送の煩雑さが問題となっているという現状もあり、また、設備の面から考えましても合理的であることから、より望ましい実施体制であると思っております。各区は、それぞれの実情に即した方式を採用してございますが、中野区として実施する場合には、区民にとってどのような方式が利便性が高いか、検討してまいりたいと考えています。

 次に、子どものかかりつけ医推進についての御質問でございます。少子化、核家族などにより、子育てに対する不安を持つ親は多くなっており、親子にとって身近に受診し相談できる、かかりつけ医の推進は重要な課題と認識しています。区では、乳幼児健診時や予防接種案内などにおいて、かかりつけ医の重要性を説明し、地域の小児科医の情報提供などを行っておりますが、今後も親の意識調査などを行いながら、かかりつけ医の推進に努めていきたいと考えています。

 次に、出産後にとどまらず、出産前、妊娠中にも安心して産み育てられる環境整備についての御質問でございます。保健所では、妊娠届出時から妊婦の相談へ対応するとともに、「こんにちは赤ちゃん学級」、「両親学級」において、ボランティアの先輩ママや保健婦などの専門職がかかわり、妊娠、出産への不安解消に努めています。また、出産後においても家庭訪問などによる個別対応を行うとともに、乳幼児健診時の機会をとらえ、子育てグループを育成しているところでございます。今後、これら子育てグループへの支援とともに、ファミリーサポートセンター、家庭支援センターとの連携や、地域の小児科医、子育てボランティアとのネットワークを築き、安心して産み育てられる環境整備を充実させていきたいと考えています。

 4点目、介護予防の立場から、元気高齢者対策についての御質問でございます。

 元気高齢者対策は、高齢者の元気な期間、いわゆる健康寿命をいかに維持するかであり、重要な施策でございます。区としては、介護予防の立場から、これまで保健所で取り組んできました健康づくり事業、転倒予防、骨折予防事業のほか、閉じこもりがちにならないための事業を充実させるなど、事業の組み立てを工夫していくつもりでございます。また、健康講座などから生まれた自主グループ活動を発展させることにより、高齢者同士が生きがいを持って支え合っていく活動の支援を充実させていきたいと考えています。

  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

〇地域センター部長(柳澤一平) 子育て支援と介護予防対策に関しまして、5点についてお答え申し上げます。

 まず、保育園での薬の与え方についての御質問でございます。

 中野区でも保育園では原則として薬は与えないこととしておりますが、例外的に慢性疾患である喘息、アレルギー性疾患や保育中のけがに対しては投薬することとしてございまして、その具体的な対応につきましては、保育園の医療関係者で構成いたします保健衛生研究会において、保育園における薬の与え方についてのマニュアルを作成してございます。これによりまして各園で統一的な取り扱いをしているところでございます。なお、保護者に対しましては、保育園のしおりの中に投薬についての事項を明記するとともに、入園の面接時に説明をいたしまして、その周知を図っているところでございます。

 次に、病後児保育についてのお尋ねでございます。病後児保育につきましては、保育園での実施は新たに専用保育室等が必要になるなど、施設構造上、困難と考えておりまして、そこで、区は社会福祉法人が運営いたします乳児院に保育室整備助成を行いました。そして、乳児院が自主事業として、この運営をしてきたところでございますが、この事業運営の採算がかなり厳しいということで、継続が困難だというような話を聞いてございます。区といたしましては、病後児保育の必要性から、事業継続に向けまして何らかの手だてが必要と考えてございます。現在、その対応を検討しているところでございます。

 次に、産後ママヘルパーの充実に関しまして、ファミリーサポート事業の中でサポートが可能だと考えるがどうか、また、そのPRについてという御質問でございます。

 ファミリーサポート事業は、子育て援助を受けたい人と子育ての援助をしたい人が会員となりまして、地域の中で相互援助活動をするものでございまして、援助内容は、子どもを預かることが中心ではございますが、出産直後の会員が子どもの世話の援助を求めることも含まれておりますので、産後の母親の支援は可能だというふうに考えてございます。なお、PRにつきましては、十分に工夫をしてまいりたいというふうに思ってございます。

 それから、介護予防対策でございます。区は、平成12年度に高齢者会館事業推進を廃止したけれども、その後、その事業にどのような執行方法の工夫をしたり、どのような活発な活動をしているのかという御質問でございます。

 高齢者会館事業推進員の廃止後でございますが、地域センターの職員はもとより、利用者、それから自主グループなどの協力を得まして、各種事業を積極的に実施してございます。また、保健福祉部との共催事業や小学校との交流など、さまざまな工夫により、高齢者のための事業に取り組んでいるところでございます。

 それから最後に、介護予防のところで民間ボランティア団体、それからNPOと協働して元気な高齢者のための事業展開をしてはどうかという御質問でございます。

 地域のボランティア団体やNPOなどと協働いたしまして、高齢者等のための事業を展開することは、高齢者施策の推進にとって大変重要なことというふうに考えているところでございまして、高齢者会館では、ボランティア団体を含め、さまざまな団体に活動の場を提供することによりまして、参加される方々の生きがいづくり、それから地域の触れ合いにもつながるというふうに考えております。これら団体との協力や連携を深めながら、会館事業の充実に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕

〇福祉担当部長(本橋一夫) 私からは、産後のサポートについての御質問と、介護保険の事業者協議会、サービス評価についての御質問にお答えをさせていただきます。

 まず、産後のサポートについてのお尋ねですが、社会福祉協議会のほほえみサービスで取り組みを始めました産褥期の家事援助サービスにつきましては、住み慣れた地域で安心して暮らし続けていけるための、区民による支え合いの仕組みとして位置付けております。出産後の不安や家事負担などの相談が子ども家庭支援センターや保健福祉センターなどにも寄せられていると聞いておりますが、今後、こうした需要は増えていくものと考えられます。区といたしましては、関連事業とも調整しながら事業の周知を図るなど、社会福祉協議会のこのほほえみサービスの充実を支援していきたいと考えております。

 次に、介護保険についてのお尋ねでございます。

 まず、介護保険事業者協議会についてでございますが、中野区内に事業所のある事業者を対象に加入を呼びかけておりまして、来年の3月に設立の総会を開催される予定でございます。現在、中野区内の介護保険施設、介護保険サービス提供事業者及び指定居宅介護支援事業者、約60事業者が参加の意向を示してきております。その中から7事業者が世話役となって、設立総会に向けての準備を進めております。この中で、今後の具体的な活動方針等について検討していくことになっております。

 区といたしましては、参加事業者による主体的な活動を促すために必要な情報提供及び助言を行うとともに、今後、介護保険制度を円滑、効果的に運営していくための取り組みについても協議をしていきたいと考えております。

 この中でも、特に期待される取り組みは、サービス評価であります。サービス評価には、御指摘のように、事業者による自己評価、利用者による評価、第三者評価という三つのものがございます。まず、介護サービス事業者による自己評価でございますが、この自己評価を事業者ごとに独自に行いますと、相互の比較がしにくいという問題もございます。自己評価が適切、円滑に実施されるには、評価項目や評価方法などについて客観的な基準づくりが必要であると考えております。先進自治体の例なども参考にしながら、事業者協議会の中で検討していきたいというふうに考えております。

 御提案の中野マークにつきましても、利用者支援のサービスの質の向上を図る上から有効なものということで認識しておりまして、単に事業者協議会に参加しているという表示だけではなくて、このサービス評価とつながった形で進めていくのがよろしいかと考えております。

 利用者の満足度や苦情など、利用者評価の情報につきまして、利用者がサービスを選択する上での有効な手がかりになるということであり、また、事業者にとってもサービスの改善につなげていくものというふうに認識しておりますが、一方で、利用者の生の声のホームページへの掲載につきましては、客観性、公平性をどう担保するかなどの問題もありますので、慎重な検討が必要と考えております。

 第三者評価につきましては、利用者のサービス選択を容易にし、また、事業者の質の向上の取り組みをしていく上でも効果的なものというふうに考えております。現在、東京都において第三者評価のシステムについての検討が進められております。区といたしましては、これらの検討状況も踏まえつつ、事業者協議会とも十分検討していきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

〇政策経営部長(渡辺征夫) 高齢者会館の所管を保健福祉部に移したらどうかとのお尋ねにお答えさせていただきます。

 現在、高齢者会館では、先ほど地域センター部長がお答えしましたように、高齢者を対象としてさまざまな事業を行っておりまして、その中には保健福祉部所管の健康に関する事業もあわせて展開しているところでございます。この高齢者会館につきましては、行財政5か年計画で改めてその役割、機能、配置等を検討、見直しすることとしておりますので、その中で所管についても検討してまいりたいと、そのように考えております。

   〔やながわ妙子議員登壇〕

〇5番(やながわ妙子) 2点だけ再質問させていただきます。

 一番最初の学校ビオトープづくりにつきまして、大変前向きな御答弁いただいたんですが、財政的な問題で別の考え方を工夫したいと、こんなふうなお答えだったんですが、私、やよい幼稚園のビオトープを見てきたときに、先生方が本当に子どもとともに、これを通しながら、やはり教師自らが変わってきているという、これも一つ私も大きな発見だったんですが、と同時に、この予算はどのくらいかかったか聞いたところ、本当に七、八万円で、幼稚園の中のありったけのお金を使いましたということだったんです。やはりこれだけの予算で、さまざまなボランティアの方々がお手伝いしたわけですけれども、予算的にはたくさんはかからないということから考えると、本当にこれから総合的な学習をどう充実させるか、先ほど来、教育長のお話がありましたけれども、さまざま支援していくとならば、これは大きな問題ではないので、教育委員会としても、この学校ビオトープづくり、手を貸すというんじゃなくて、やはり精神的な支援も含めて、財政的なことに関してはそんなに大きな問題ではないので、積極的に推進していっていただきたいなと、これが1点と。

 あと、保育園での薬の与え方。今、部長から御答弁いただきましたが、マニュアルは作成してあると。これ、いつ頃つくったマニュアルなのか。それにしては、私が保育園に通わせているお母さんたちからさまざま聞くお話は、そういう話は伝わっていないですね。保育園としては一切薬は預からない。しかし、喘息やらアレルギーやら、どうしてもちょっと長引いてしまうようなお子さんの薬の与え方に対して、保育園での対応はまちまちだと。それに対して大変エネルギーを使うというんですね、預けて何とか飲ませてほしい。いや、預かる先生と預からない先生、こういうことがたくさんいろいろあるんで、私は、このマニュアル、どこでいつどんなものなのか、というのは初めて伺った話で、いつ作成されて、どんな内容なのか、お聞かせいただきたいことと、いつ頃、それがわかればいいんですが、恐らくかなり前のものではないかなと思います。やはりここ本当に実情も、子どもを預ける現状も変わってきていますので、むしろ、しっかりとした基準をつくって、やむを得ないという立場ではあっても、これだけはやるという、こういう基準づくり、大変重要ではないかなと思いますので、その点1点お伺いしたいと思います。

 〔教育委員会事務局次長須﨑英夫登壇〕

〇教育委員会事務局次長(須﨑英夫) ビオトープづくり、これに対する学校や園の取り組みについては、主体的なもの、それが大変意義があるんだろうというふうに思っております。財政的な問題については、今お話しのように五、六万円という程度であれば、これについては予算の中で十分工夫ができる内容だろうと思っておりますが、それは誘導するような形の中で、どうやったらそういった資質を向けていくのかというものについては、十分に支援ができるだろうと思っております。

 ただ、私どもで、御案内かと思いますが、柴田基金というクラブ活動に対する基金がございますが、その中で今年度の申請で20件ほどございましたけれども、五、六件がそのビオトープに関連するもので、約70万円ほどかかるというような内容にもなっております。そういった部分については、そういった基金の中でどう取り組みができるのか、ということについて、工夫をしてまいりたいというふうに考えているものでございます。

  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

〇地域センター部長(柳澤一平) 再質問にお答えを申し上げます。

 先ほど申し上げましたマニュアルでございますが、正式な表題は「保育園における与薬について」ということで、一番最初につくっていますのが1990年につくりまして、それを1997年に改定をしてございます。この作成は、先ほど言いました看護婦等を中心とした保育園の医療関係者、それから嘱託医の意見を聞きながら、与薬、つまり薬を与えることについての考え方、それから、そのときの措置について書いてございます。例えば、なぜ与えないかということについても、医療行為で云々というところからずっと触れておりまして、例外について、先ほど申し上げましたアレルギーですとか喘息については与える。そのときには薬品名、薬理作用、副作用、医師への連絡方法など保護者に確認してもらう。また、指示書、診断書をもらい、職員に周知する等、個々的にその対応は書いてございます。なお、本年度、またこのマニュアルの改定を進めてございまして、来年度には中身をもう少し充実したものになっていくというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

〇議長(斉藤金造) 以上で、やながわ妙子議員の質問は終わります。

 

中野区議会議員 佐 藤 ひろこ

 1 社会福祉の基礎構造改革への区の対応について

 2 個人情報保護について

 (1)個人情報保護条例について

 (2)住民基本台帳ネットワークシステムについて

 (3)その他

 3 区長の責任の取り方について

 4 その他

 

〇議長(斉藤金造) 次に、佐藤ひろこ議員。

     〔佐藤ひろこ議員登壇〕

〇20番(佐藤ひろこ) 第4回定例会に当たり、一般質問いたします。

 今回、ちょっとけがをいたしまして、松葉づえの状態です。今回の議会も、あとお二人ほどつえをついた状態の方がいまして、また、きょうは傍聴席にもお二人、車いすの方がいらっしゃっています。この議事堂にエレベーターがないというのは、本当に私も今回そういう思いをしましたけれども、傍聴席の方、あるいは傍聴席の方に一生懸命運んでいただいた区議会事務局の方なども大変な苦労が要る、いわゆるバリアフリーになっていない議事堂だということを改めて感じております。いつか、ここの議事堂にエレベーターがついて、だれもがバリアフリーに自由に傍聴できたり、あるいは発言できたりできるふうになればいいなというふうに改めて思いました。

 先ほど伊藤議員の方から、職員のことについての御質問がありました。決められたことしかやらないとか、前例踏襲型であるとか、そういった職員は必要ないのではないか、職員の育成をしっかり、幹部職員、区長も励むべきであるという御質問、貴重な御質問だったと思うんですけれども、それをされているときの幹部職員、それから区長の御様子を見ておりまして、皆さんが下を向いていたり、あるいは寝ていたり、腕組みしたり、そっぽ向いていたり、何というのかな、職員の育成の模範となるべき区長及び幹部職員の方たちが、いわゆる議員はそれは何かつまらない質問しているなと思いながら、心の中で思っていらっしゃる方もいるのかもわかりませんが、一生懸命原稿を書いて、一生懸命質問しているんですよね。そういう場に出てきている方たちが、やはりそういう態度でお聞きになっているというのは質問している議員に対しても大変失礼ですし、それから、その思いを受けている区民の方、それから、傍聴している方にも大変失礼なんじゃないかと思います。ある議会に私が傍聴に行ったときには、もう首長は初め幹部職員、並んでいらっしゃる方は、みんなぴしっと前を向いて、質問をされる方の方にきちっとうなずきながら聞いていたり、一生懸命メモをとっていたり、それで本当にああ緊張感のある議会だな、しっかり頑張ってやろうとしているなということが区民の方にも議員の方にも、それから傍聴席の方にも伝わるんですよね。だけど、この間の傍聴の、例えば感想などを見ておりますと、何かもうみんな下向いて元気がない。元気がない状態で、何か一生懸命区のことを言っている。それで職員の育成ができる首長であるのか、幹部職員たるのかということは私は大変疑問に思います。まず立派な職員の方を育成したいのであれば、その模範となるべき方たちが、まず伊藤議員がおっしゃったことをしっかり胸にとめて頑張っていただかなければならないんじゃないかと思います。私は、立派な職員の方たちは、この中野区にたくさんいらっしゃると思います。それを生かしていないのが、いわゆる首長の姿勢なんじゃないかと思います。

 先日、この「障害者のしおり」というのがテーブルに配られておりました。この障害者、福祉のしおりについても、他区のしおりを前、議会で示しまして、かなりきちっとした冊子で、たくさんの情報を網羅しているということで、ぜひ中野区でもつくってほしいというふうに要望いたしました。ただ、中野区はなかなか予算がなくて、でも予算がなくてこういうホッチキスどめで、でも今回は一生懸命こうやってほしい、ああやってほしいと言ったところを職員の方たちは網羅されて、一生懸命今回は頑張られたと思います。少ない予算の中で手づくりで、中身の濃いものをつくっていこうとする職員の方たちの意欲は十分おありになる。なのに、それを生かしていないのが区長なんじゃないですか。これから障害者の福祉、あるいは社会福祉の基礎構造改革が始まります。そこで、何よりも大事なのは、本人の自己決定、それから選択を保障するために情報提供というのが一番大事な一つなんじゃないですか。それが、今、行政に求められていると思います。それを見抜く力があったら、ここに力を入れてほしい。だから、ほかのところはなかなかお金がかけられない。現場は民間に任せることがあったとしても、行政の責務として情報提供だけはきちっとやっていきたいから、それで一生懸命つくってくれという首長の指示があったならば、職員の方たちは、それはそれは他区に負けない、私はもっともっと立派なものをつくる能力はきちっと有していらっしゃると思います。今、行政が何を求められているのか、そういう見抜く力が首長の大事な資質の私は一つだと思います。それが今の中野区には欠けている。それが中野をここまでだめにした大きな原因ではないかと思います。そういったことも一つ胸にとめながら、区長は質問を聞いていただきたいと思います。

 社会福祉の基礎構造改革への区の対応についてお伺いいたします。

 社会福祉の基礎構造改革が始まっています。その中で、自治体がどう頑張るのかが問われています。社会福祉の基礎構造改革の一つとして、昨年6月に国の法律が変わり、障害者福祉サービスが措置から支援費支給制度に再来年2003年から移行することになります。障害者の自己決定を尊重し、利用者本位のサービスの提供を基本とする制度だと理念がうたわれていますが、基盤整備の状態を見ると、本当にそうなるのかどうなのか疑問の点も多々あります。

 このことは、今までにも何度か質問させていただきました。昨年の第2回定例会にも質問したところです。自治体での政策づくりに当事者参画を積極的に行い、所得補償をどうするのか、地域生活支援中心の政策体系づくりをどうつくり上げるのか、当事者サイドに立ったサービス供給の仕組みをどうつくるのか。仕組みが本格的に変わる2003年に間に合うように議論を始めなければいけないときです。保健福祉審議会に早急に区長が諮問しなければならない重要なテーマだと思います。どのような対応策をとられるのか、区長の御見解をお伺いしますと昨年の第2回定例会でお伺いいたしました。しかし、区長の御答弁は「地域の福祉を総合的に推進していかなければならないというふうに思います」と、通り一遍の答えでした。この後も区長答弁、幾つか引用させていただきますけれども、引用しながら私、気になったんです。「地域の福祉を総合的に推進していきます」という答え方ではなくて、いつも語尾の最後に「というふうに思います」、すごくあいまいな言い方を必ずつけ加えるんですよね。本当に何をこの人は積極的にやりたいのかなと思いながら、今までの答弁のメモをとっておりました。で、早急に私は必要だと言ったにもかかわらず、その後、審議会でしっかり議論した形跡もありません。中野区は大丈夫なのか、大変不安なところです。

 施行までの日程によると、来年度から広報、啓発、相談体制の整備が必要です。来年の秋には支給申請受け付け、それから受給者証の交付が開始となります。障害者福祉の大きな理念の転換であり、システムの変更になります。区は、それに対してどのように検討されているのか、お伺いいたします。

 障害者福祉の大きな理念の転換とシステムの変更ということで、何点かにわたって御質問いたします。

 まず、スケジュールと広報について御質問いたします。支援費支給決定の手続は、いつから始められるのでしょうか。手帳所持の人は約9,000人で、都外の施設に入所されている方には支援費制度の手続に行なくてはならず、つまり、もう九州にいようが北海道にいようが、担当の職員の方は行かなくてはならないわけです。手続が短期間に集中しないように計画する必要があります。これからのスケジュールを示してください。また、制度のわかりやすい広報、区民説明、意見の反映は、どのように行う計画なのでしょうか。

 2点目、相談体制についてお伺いいたします。当事者が主体的にサービスを選択し、利用していくためには、情報提供と利用者の立場に立った相談体制が何よりも大切です。区の相談支援体制は、現状でも十分機能しているとは思えません。支援費制度の申請受付、相談窓口はどこになるのでしょうか。十分機能させていくためには、私は職員研修が物すごく必要だと思います。だって、一つの窓口でこれから介護保険のことも高齢者のことも、子どものことも、それから障害者のこれからの複雑なサービスのことも、すべて担っていく職員を育てるというのは、これは本当に大変なことだと思います。その手だてはどのように検討されているのでしょうか。もう4月から始まるんです。

 次に、手続についてお伺いいたします。申請は、個別サービスごとに行うのか、居宅支援と施設支援別に行うのか。厚生労働省から示されました大綱を見ましても、どのように行うのかがはっきりわかりません。複数のサービスをまとめて申請できるようですが、どうなるのでしょうか。申請後、だれが調査をし、調査票の項目もこれから大変複雑になります、これも改善してほしい点ですが、だれが審査して、だれが支給決定をするのか。利用者にとって、これからの手続がどこがどう変わるのか、説明してください。

 私たちは、支援費支給方式、どうなるのだろうと大変心配になりまして、何人かの当事者の方たちと勉強会をしております。さまざまなわからないことがありますので、細かくて恐縮でありますけれども、ぜひ御答弁いただくようにお願いいたします。

 次に、支給料の基準などについてお伺いいたします。障害の程度区分の決定にかかわる審査基準、支援費基準、支給料、支給額基準の決定は各自治体ごとで行うことになっています。これが介護保険と違うところですよね。介護保険は一律にコンピュータでの審査基準、また、さまざまな要介護度の基準が決められました。今回も障害者の程度区分が変わってきます。それに対しては、国で統一的にコンピュータなどで決めることはないというふうにQ&Aには書かれております。各自治体で行うことになっておりますが、では、区はどんな検討をしているのでしょうか。

 現在のサービス水準は低下しないのでしょうか。社会参加の手だてである盲人ガイドヘルパー、車いすガイドヘルパー、これは日常のホームヘルプサービスとは全然質が異なるサービスです。それが支援費制度の中に入りそうです。これはホームヘルプサービスと性格が違うので、どう考えていかれるのか、これは自治体の見識、考え方がこれから重要になってくると思います。

 それから、今のホームヘルプサービスでは全然量が足りない。24時間、地域で一人の障害を持っている方たちが暮らしていこうとしていると、量が足りないわけです。それを補うために、障害を持っている重度の方たちの生活を保障していくために、国の方では全身性障害者介護人派遣、それから、東京都の方では長年の障害を持つ人たちの運動により、重度脳性麻痺者介護人派遣制度が実施されております。それで24時間、介護人派遣を受けて、どんな重い障害を持っている人たちも地域で暮らすということが今実現しているわけです。これが支援費制度になると、どうなっていくのか。これは私たちにとって非常に気がかりなことです。これについても、わかっている範囲でお答えいただければと思います。

 次に、基盤整備についてお伺いいたします。この制度の理念の転換の一番重要なところは、自分でサービスを選んで、自己決定をしてサービスを組み立てていくということです。しかし、自分でサービスを選んで組み立てていけない人もいます。その障害者当事者の自己決定は、どこでどのように尊重されるのでしょうか。また、障害者みずからがサービスを選択し、事業者と対等な契約ができるように、どのような仕組みや支援策が考えられているのでしょうか。選択できるようにするためには、サービスの基盤整備が何よりも重要です。だから、早く検討してくださいと言ったんです。今の状況で本当に選択できるサービスが中野区内に整っているのでしょうか。中野区は、どう努力する計画でしょうか。中野区が指定できる基準該当居宅支援事業者の指定は、どのような基準で行うのでしょうか。また、支援事業者の情報提供、本当に一番大事なところです。これはどこが十分にしっかり行うことができるのでしょうか、お伺いいたします。

 次に、ケアマネジメントの仕組みについてお伺いいたします。ホームヘルプや緊急一時保護など支援費制度を移行するサービスと、作業所や生活実習所、日常生活用具、補装具など移行しないサービスがあります。支援費制度の対象であるかどうかで相談は分けられませんよね。どう対応するのか、お伺いいたします。サービスの総合的なコーディネートをする力を持っていらっしゃる方は、どこなんでしょうか、だれが行うのでしょうか。区のケースワーカーでしょうか。民間法人もできるのでしょうか。昨年、ケアマネの講習会が都で実施されました。中野区内からも何人も受けた方たちがいます。その人たちの活用はどうされるのでしょうか。また、民間法人にもこのサービスのコーディネートはできるのでしょうか。現在、区で行われておりますケアマネジメントの試行の取り組み、これはどう生かされるのでしょうか、お伺いいたします。

 次に、利用者負担についてお伺いいたします。サービス利用者の負担額は、現在と変わるのでしょうか。利用者負担額は本人の所得か世帯の所得か、厚生労働省からの大要を見ますと、どちらが基準になるのかもはっきりしていない部分があります。私は、御本人の所得を基準とすべきだと思います。でないと本当にその方が自己決定をするサービスが得にくい、いつも家族の意向にとらわれてしまう、そこから障害者の人たちがどれだけ自立しようと頑張っていらっしゃったかという姿を見るにつけて、やはりこれは家族にとらわれない、御本人の所得でのサービスの利用者負担の基準を設定すべきだと思います。支援をどう検討されているのか、この利用者負担も区で決められる問題だと思います。どうお考えなのか、お伺いいたします。

 また、支援費制度に移行したときに、今までの措置のサービスで、例えばホームヘルプも国が何分の1、都が何分の1、だから区が何分の1という財源の負担をしておりました。この財源の負担が国、都、区では現在と変わるのでしょうか。これも今大変な財政難になっている中野区では重要な部分だと思いますので、ぜひお答えください。

 次に、権利擁護と苦情解決の仕組みでお伺いいたします。これも昨年質問いたしました。本人の契約選択を支援するために権利擁護と苦情解決の仕組みは重要です。昨年の御答弁では、「より実効性のある苦情処理体制の検討を行っていく」とのことでした。支給決定に関する不服申し立て、サービスの利用にかかわる苦情解決の仕組みは、どう検討されているのでしょうか。新しく第三者機関の設置をされるのでしょうか。中野区の福祉オンブズマン制度を拡充するのでしょうか。どう検討されるのか、お伺いいたします。これから検討と言わないでください。この前、「検討を行っていく」と答えているわけですから。

 また、「地域福祉権利擁護事業のPRに努め、適切な権利擁護への取り組みを強化していく」と、昨年やはり御答弁されておりました。これから強化していくじゃなくて、昨年から強化していく手だては、既に御検討されているはずですから、どう強化されたのか、お伺いいたします。

 次に、福祉プラン改定と当事者参画についてお伺いいたします。

 中野区の福祉プラン改定のスケジュールはどうなっているのでしょうか。この制度が始まるに当たって、これはしっかり議論をして、福祉プランを新たに練り直さなければいけないと思います。保健福祉審議会への諮問の時期、もうとっくに本当はされていていいはずですが、まだされていないと思います。時期はいつなのでしょうか。そこにぜひ当事者、障害者を持つ当事者の方の計画策定への参画を検討すべきだと思います。どうお考えになっているのか、お伺いいたします。

 国が提案してきた仕組みに対して、自治体として要望すること、意見することがたくさんあると思います。自治体からたくさん声が上がるから厚生労働省のQ&Aが日増しにどんどん分厚くなってきております。当事者の自己決定の尊重という理念に立った福祉サービスの仕組みを、区民と一緒につくっていくためには、早目に区民に情報を伝え、区民と議論する場をつくり、国が提案してきた仕組みに対し、区民や自治体の実態に合わないこと、不十分な点、疑問、改善すべきことなど、国の通達を待っていないで、積極的に国に意見を出していくべきだと思います。どうお考えでしょうか。

 改善を要望すべきことは幾つもあります。皆さんとの話し合いの中で出てきたことですが、例えば緊急にサービスを利用する場合、現在の国の考え方では支給できないとなっております。しかし、あしたからヘルパーが必要だといったときには、利用しなければあしたの生活が成り立ちません。ですから、支給決定の効力を申請のとき、あるいはサービスの利用日にさかのぼらせることは、これは大事なことです。そのこともしっかり国に要望していかなければ区民の生活が成り立ちません。

 また、調査票、今、介護保険でも85項目のことを高齢者の方に聞いて、大変な思いを当事者の方は、いつもいつも6カ月ごとに、ああまた聞かれるのかなと思う項目を聞いております。それと同じように、調査票の項目が割と煩雑になっております。そこへの改善策も必要だと思います。また、支給量の上限が出てくる話です。支給量の上限をされると、果たして在宅でこれからまちに出て暮らそうという障害者の人たち、どうなるのか不安です。支給量の上限は、やはり実態に見合って支給すべきであって、上限は廃止すべきだと思います。そういったことなど、国の提案を変えさせなければならないことがたくさんあります。国と対等の立場に立ち、しっかり意見を言う。区民サービスの最前線に立ち、区民の目線で新しい制度設計に立ち向かう、それが自治体の役割だと考えます。区長の御見解をお伺いいたします。

 次に、個人情報保護についてお伺いいたします。

 まず、順番を変えまして、住民基本台帳ネットワークシステムからお伺いいたします。

 改正住民基本台帳法が来年の8月17日までに本格的に施行されることになっています。この法律は、国民全員に11けたの番号を割り振り、国民の個人情報をコンピュータで一元管理するものです。住民基本台帳ネットワークシステムの総合運用テストの第1段階は、静岡県と、その静岡県下の市町村で始められると聞いております。来年2月からは全区市町村でテストが行われる予定になっております。

 先日、11月18日の区報に、やっと住民基本台帳ネットワークシステムについての広報がされました。ことしの2月の議会で杉並区の広報の事例を私、挙げまして、区民に積極的に伝えて意見を聞くべきであると質問しましたので、説明するための特集を組まれたのはいいことなのですが、区民の意見を聞きますと、どこにも書いていないんです。なぜ区民の意見を聞かないのでしょうか。杉並の広報は、問題点もきちんと説明し、区民からの意見も募集しています。しかし、中野区の区報では、問題点を伝えておらず、区民の意見も募っておりません。こんな違いが出たのも区長の姿勢が違うのかなと、改めて思いました。神山区長は、この件に関して何が大切なのかという認識が足りないのではないかと思います。区は、住民サービスを提供する目的で、区の責任で区民の方の大切な個人情報をお預かりしている立場です。それを国に、実際には国の外郭団体と言われる地方自治情報センターという民間団体に渡すわけですから、そのことをきちっと区民に伝え、情報をお渡ししていいですか、情報を持っている区民当事者にきちっと意見を聞かなければならないのが、情報をお預かりしている区の立場ではないですか。区民が自治体に情報をゆだねるときには、ゆだねる範囲を決める、区民に選択権があるべきです。住民基本台帳ネットワークは、どのような問題点があるのか、国の法律が決まってしまった以上、国に渡すべき情報があるわけですけれども、問題点についてきちっと伝え、そして、区民の判断を仰ぐ必要が私はあると思います。それが区民の個人情報を預かっている責任者である区長の役割だと思います。区民にどこで情報提供し、区民との議論をどこで行ったのでしょうか、あるいはこれから議論をするおつもりなのでしょうか、お伺いいたします。

 住民基本台帳ネットワークシステムは、国が全国民を一元的に管理するシステムであり、国民総背番号制につながるとして疑問の声が日増しに高まっております。知らない人が大多数ということで、2002年8月から始まる国民共通番号制は、世界も手を出さない、とても怖い制度だということで、ジャーナリストの櫻井よしこさんもこの会の代表に当たられて、さまざまな知識人の方たち--その中には杉並区長もいらっしゃいます。田中康夫県知事もおります--が、疑問の声を大きく今上げているところです。本来は自治事務であるのに、国が地方自治情報センターという民間団体に住民のデータを集めることや、既に国はICカードに住基ネットのコードを使うことを計画しており、現在予定されている住基ネットにとどまらない使い方に広がる可能性が危惧されております。プライバシー保護の問題に対しても、国において個人情報保護法がまだできておらず、制度的な保障はまだされておりません。

 また、11月4日の区報で、電子区役所に、区民サービスの向上を目指してということで、ここにも全国の自治体と連携する住民基本台帳ネットワークを初めとして、中野区の情報システムと連携する必要性が増加しておりますというふうに書かれて、電子自治体を目指しているということが書かれておりますが、電子自治体と住基ネットは、また目指す方向が違うと思います。政府が進める電子政府の骨格の一つが住民基本台帳ネットワークシステムですが、IT化と住民基本台帳ネットワークは同じ方向を向いてはおりません。地方自治の考え方に基づくIT化は、分散処理型のIT化、ネットワーク型のIT化で、大きなデータベースで全部を一括管理する中央集権型のIT化ではない。その違いを自治体としての中野区は、しっかり考える必要があると思います。

 当初の経費が400億円、ランニングコストは200億円と言われる巨額のコストをかけるメリットが一体どこにあるのかなど、問題点も指摘されております。きょうの朝日新聞で、住民基本台帳ネットワークシステムに対して、自治体から懸念の声が上がっているとの記事が載っておりました。利点の方が大きいと答えた自治体は18%しかいなかったということです。これは、日弁連のアンケートです。日弁連は、このネットワークシステムに対して違憲性の危惧も指摘しております。

 さまざまな問題点について、来年の実施を広報いたしました区としては、一体どうお考えになっているのでしょうか。区報の説明では、「区は、国に対して個人情報の保護を万全を期すように要望を続けてきた」とだけ書いてありますが、それだけでどんなふうに万全を期されているのかの説明になるのでしょうか。区がどんな要望をし、国は要望にどう答えたのかを区報に書かないと、区民の方に個人情報の保護に万全を期していますという説明にならないんじゃないですか。国の答えを伝えないと説明したことにはなりません。国はどう答えたのでしょうか。また、区報で「区独自にさらなる個人情報保護対策に取り組む」と書かれておりますが、どのような対策に取り組んでいるのか、それを書かないと説明したことにはならないのではないでしょうか。ここでも非常に説明責任の不十分さが目立っております。どのような対策をなさっているのか、お伺いいたします。

 次に、個人情報保護条例の改正についてお伺いいたします。

 この問題についても、10月21日の区報で伝えられております。これは、住基ネットの区報よりも先に個人情報保護条例の区報が出されているのですね。ですから、なぜ個人情報保護条例を変えなければならないのか、この区報を見ただけでは区民の皆さんは理由がわかりません。どうも住民基本台帳ネットワークシステムの導入が主な理由なように書かれておりますけれども、この時点では、そのためだということがきっちり書かれておりません。そして、まだ区報では住民基本台帳ネットワークシステムについては区民に伝えられていないのです。いつ導入されるのかもわからず、だからなぜ今改正が必要なのかも、この区報を見る限りにおいてはわかりません。

 もっとわかりにくい記述が、この区報の中にはあります。この個人情報保護条例の見直しというところの小見出しの部分です。「電子計算組織の結合の制限」と書かれております。この見出しを見て、知らない区民の方は、制限が新たに加わるのかなと。そうか、個人情報保護の制限が加わるんだと思って、その先を読むと、「結合できることとします」と書いてあるんですよね。一番大事なポイントなのに、何のことか、よく伝わりません。都政新報の記事の方でよくわかります。都政新報の9月11日号に、「住基ネット構築準備 個人情報保護条例3区が改正」というふうに記事が載っております。その中で、中野区のことがきちっと説明されております。「中野区は、オンラインによる個人情報の接続を全面的に禁止している。ただし、区民福祉の向上に必要がある場合には、区議会の議決を得て結合することができる。同区では、ここまで厳しく外部接続の保護を盛り込んでいるのは珍しいとしながらも、法律で定めているにもかかわらず、区議会の承認が必要とするのはいかがなものかということで、法令などに定めがある場合を除外する項目などを盛り込む予定だ」と。ああそうか、区議会の議決が必要になるんだなとか、禁止という項目はなくなるんだなということが、この都政新報を見た方がよくわかるわけですね。目的がわかる。原則禁止で、区議会の議決があるときだけという規定がなくなり、法令に定めてあるときには結合できるにかわるのだということがわかります。区民の意見を、ここでは募っておりますけれども、1件だったそうです。この区報の伝え方では何のことかわからず、意見の出しようもなかったのではないかと思います。

 これは区民課が悪いのでも、広報課が悪いのでも、また総務課が悪いのでもないと思います。住民基本台帳ネットワークシステムについて、区長の姿勢が国任せで、自治体としての個人情報保護条例をなぜ見直す必要があるのかが御自身できっちり認識されていない。だから、区民に何を伝えなければならないのか、職員にきちっとした指示を段取りよく指示できなかったからじゃないですか。区報に出すんだったら、まず住民基本台帳ネットワークを先に御説明して、だから、こういったことが始まるから個人情報保護条例の見直しが必要だから、次に個人情報保護条例の区報を出されるべきだったと思います。

 個人情報保護条例の改正の時期であるということで、この区報に区民に伝えて意見を聞いているわけですけれども、なぜこの時期に個人情報保護条例を改正する必要があるのか、説明してください。

 杉並区は、個人情報保護条例の改正よりも、改正住民基本台帳法の施行条例として、杉並区住民基本台帳にかかわる個人情報の保護に関する条例を策定いたしました。その台帳法に限っての個人情報保護の条例を策定したわけです。施行条例としてです。大変わかりやすいつくり方だなというふうに思いました。中野区では、改正住民基本台帳法の施行条例としての個人情報保護を図る考え方は議論されたのでしょうか。杉並区の条例のつくり方について、どう考えますか、お伺いいたします。

 杉並区の条例では、住基ネットで住民情報の漏洩や不正使用などがあった場合、区長の権限で国への情報提供の遮断ができる仕組みと手続を定めております。基本的人権の侵害に当たるような範囲に国が事業を広げたときにも、区民の個人情報の保護は区長の責務だとして、自治体と--区長だけじゃないです、これが杉並区のすごいところだなと思いますけれども、ちゃんと区民にその前に手続的に意見を聞く。それから、審議会に意見を聞く等、そのときにその区民が判断できる仕組みを杉並区はつくりました。

 昨年の第2回定例会で私は、改正基本台帳法に対する質問に対して、個人情報の保護に万全を期すということが重要であるふうに思っているという神山区長のあいまいながらの御答弁をいただきました。「万全を期す」とおっしゃっているならば、杉並条例にあるような区長の権限について、どうお考えになっているのか、御見解をお伺いいたします。

 個人情報保護審議会は、この件に関しては2回しか議論されていないということです。さまざまな問題点が指摘されており、2回の審議会も議事録を読みますと、かなり奥の深い議論がされておりました。まだまだ時間が足りていないと思います。国の個人情報保護法の制定もされていない今、何が何でも急いで条例を改正する必要はないと思います。区民に情報を伝え、意見を聞き、個人情報を保護するための万全を期すための議論をしっかり重ねて、中野区も検討してはどうかと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。日弁連も杉並区の取り組みを参考に、各自治体に対して主体的な姿勢を貫くよう意見を出しております。杉並区の条例が他の自治体にも広がり、同様の条例が全国に広がっていけば、国による住民情報の利用拡大に一定の歯どめがかけられるということにもなります。ぜひ中野区はどう取り組むのか、その御見解をお示しいただきたいと思います。

 最後に、その他の項目でお伺いいたします。

 その他の項目の1点目、公安調査庁による外国人登録原票写し交付問題についてお伺いいたします。

 破壊防止活動法27条に基づく破壊団体の規制に関する調査のために必要ということで、公安調査庁の請求に応じ、幾つかの自治体で在日朝鮮人の登録原票の写しを交付したことが、ことしの8月、発覚し、問題になっています。公安調査庁の行為は、事件を特定することなく、法的な根拠もあいまいなまま、顔写真、住所、家族事項、職業など個人の大事なプライバシーを自治体から入手するという重大な人権侵害を侵しております。そうした行為を疑問視することなく受け入れ、登録原票の写しを公安調査庁に渡した自治体の行為は、住民の人権を守るべき責任を放棄しており、大変問題です。法務省に見直しを求める自治体の動きも出ております。

 そこで、中野区の対応をお伺いいたします。中野区は、開示請求に応じたのでしょうか。公安調査庁から昨年4月以降、何件の開示請求にあって応じられたのでしょうか。公安調査庁の開示請求の理由は何だったのでしょうか。公安調査庁の請求に応じた法的根拠は何だったのでしょうか。公安調査庁、外国人登録法第4条の3によって開示請求できる機関に入っておりません。応じたのであれば、住民のプライバシーを守る立場の自治体として大変問題があると思いますが、どうお考えになっているのでしょうか。

 1999年8月、外国人登録法改正案が衆議院法務委員会で採択されたときの附帯決議では、「登録原票の開示に当たっては、外国人のプライバシーが不当に侵害されることのないよう適切な措置を講じること」という国会決議をしておりますが、それをないがしろにしていると思いませんか。幾つかの自治体では、市民の方からの抗議を受けまして、謝罪と今後一切請求に応じないなどの見解を示しております。中野区としては、今後どう対応するのか、お伺いいたします。

 先月、10月18日、東京都外国人登録事務協議会支部会(都下26市)からつくっております支部の部会で、東京都外国人登録事務協議会あてに、外国籍住民の人権とプライバシーに配慮した事務執行のため、下記事項を協議会の要望事項として法務大臣に要望することを求めました。外国籍の方たちの登録原票の請求の開示に当たっては、請求事項の精査を行い、必要最小限の事項とし、外国籍住民の人権とプライバシーに一層配慮されたいということが書かれておりますが、23区あるいは隣接区とどのような協議をされているのか。23区の協議会でも法務省に働きかけをするべきだと思いますが、どのように検討されているのか、お伺いいたします。

 その他の項目で、最後にもう1点。

 職員が住民の個人情報を閲覧することは、条例の17条で制限されております。「実施機関は、保管している個人情報を、その収集目的の範囲を超えて、区の機関の内部で利用することをしてはならない」となっております。しかし、これが破られる事態を耳にいたしました。簡単に閲覧されてしまうようです。窓口でちょっとトラブった区民の方がいた。どんな人か、調べてみよう。そうしたら、すぐその方の所得や家族構成や、何だかかんだかいろいろいっぱいわかった。それを職場の中で言いふらしてしまった。それを聞いた人が大変心を痛めてしまった。本当にこんなことがあっていいのかな。これは絶対あってはならない、してはならないと書いてあるわけですから、この職員の方はしっかり罰せられるべきことをなさってしまったわけですけれども、私は、一職員の方をどうのこうのとこの場で言うことを言っているわけじゃなくて、簡単に閲覧されてしまうシステムに私は問題があると思います。区民のプライバシー保護の観点から、いま一度、今のもう本当に各一人ひとりの机の上にノート型パソコンが載って、いろいろなことを検索されているわけです。職場外のことはやってはいけないということになっているわけですけれども、何かできちゃう仕組みがもしかしたらあるのかなと思ったりします。今のシステムをもう一度チェックして改善すべきであると思いますが、いかがでしょうか。

 最後に、区長の責任の取り方についてお伺いいたします。

 来年6月14日まで、区長の4期目の任期は、あと半年余りを残すだけとなりました。青山区長の後を受けてデビューされた当時と違って、今や区政は財政的にも政策的にも瀕死の状態になっていると思います。どの自治体でも同じだと、不況のせいにされますか。

 先日、朝日新聞の全国693自治体調査の結果が出されておりました。経常収支比率ランキングでは605番目、つまり、中野区より経常収支比率が高い自治体は全国で88しかないんです。起債制限比率ランキングでは640番目、自主財源比率ランキングでは536番目、全くあとがない状態です。

 財政難でも志は高くならいいのですが、掲げてきた区民参加もないがしろになりがちな区長の区政運営で、区民は新たな意欲も展望も開けなくなっております。1998年、区長が4期目に出られる前の予算総括質疑で、私は区長の責任を問いました。どう責任を感じていらっしゃいますか。やめるという方法もありますけれども、引き続き頑張って財政難の克服に向かうという方法もあると思います。どんなふうに財政難に対する責任をとろうと考えていらっしゃるのですかとお伺いいたしました。これは今読んでも通じる状況なのです。区長は、このとき「この難関を乗り切っていく努力をしていくのも責任のとり方だというふうに思っております」--これも「いうふうに思っております」というふうに語尾につけられるんですね。「責任をとります」と言えばいいんですよね。でも、まあそんなにお答えになって、もう1期、現在続けられております。難関は乗り切れたのでしょうか。全然乗り切れていないと思います。

 昨年の決算総括質疑で、私が区長の政治責任を問うたときには、区長は、「私は途中で仕事を投げ出すことはやらないつもりです。最後まで最善を尽くして、解決の努力、その道を探っていきたいというふうに思っています」、これも「いうふうに」とお答えになりました。道は探れたのでしょうか。道も探れていないと思います。

 「区政5か年計画をつくったので、5年たったら見通しがつく」と言われておりますが、これはもう半年で任期が終わる、御自身の任期も考えないで、無責任に問題の先送りをしただけです。それとも、まだ区長をお続けになるおつもりなのでしょうか。みずからつくった負の遺産、上野原スポーツ学習施設用地も、江古田の問題も、警察大学校等跡地も、南部区民ホーム用地も、この3年半、積極的に区長みずから先頭に立って関係機関と交渉して事態を動かそうとしていたわけでもなく、何の結論も現在出せないままです。区政を担ってきた最高責任者として、大きな責任を感じてもいいはずです。感じていらっしゃいますか。本当に責任を持つなら、残り半年しかありません。残り半年で、最後に区民のために何ができるのかを考えていただきたいと思います。残された任期の間に、区長はどのように責任をとろうと考えていらっしゃいますか。

 また、区長をサポートしてきた助役の責任も、区長の次に私は大きいと思います。池田助役は、どのように責任を感じていらっしゃいますか、お伺いいたします。地方分権を目指す時代の大きな変わり目の中で、自治体の首長の時代を見抜く目、住民の自立と自治をつくる首長のポリシーが何よりも大切になってきております。そういう目とポリシーを持った区長に中野区を変えていかないと、これからの中野区に希望をつくり、新しいコミュニティと行政のあり方を区民とともにつくり上げていくことはできないのではないでしょうか。

 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。

    〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、質問ではなくて御意見がございましたけれども、中野区がだめになったという表現があったと思いますけれども、これは佐藤議員の受けとめ方だと思いますので、私が否定したり、また、抗弁するつもりはございません。ただ、私は自治体がだめになるというのは、自主能力をなくした、いわゆる財政再建団体に陥ったときであろうというふうに思っておりますし、今現在、財政的に非常に厳しい状況になっている。このままでは財政再建団体になってしまうというところから、行財政5か年計画をつくって立て直しをしていこうということで取り組みをしているところでございますので、この点については、これからも努力をしていかなければならないというふうに思っております。

 それから、社会福祉基礎構造改革への区の対応について、10点ほど質問をいただきましたけれども、まず、総括的に私の方からお答えをさせていただいて、内容につきましては担当部長からお答えいたしますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 この社会福祉基礎構造改革というのは、平成15年度から導入されるということになったものでございますけれども、支援費支給制度、これは、これまで措置であったものが障害者の主体性を尊重して、障害者みずからがサービスを選択し、契約によってサービスを利用するということになるものでございます。国から財源の問題、あるいは事業の適用などについて、今、具体的内容が示されていないということもございまして、区としてもこの内容を十分精査をしながら、全国市長会等を通じて所要の要望もしていきたいというふうに考えております。

 次に、この基礎構造改革への区の対応の中で、現在の福祉プラン、この計画改定のスケジュールと諮問の時期についてどう考えているのかということでございますけれども、国において現行の障害者プランが14年度を終期とすると。そのために平成15年度を初年度とする計画の改定を予定しております。近々、自治体に対して、その改定の方針を示す予定でございますので、これによって作業を進めたいというふうに思っております。

 中野区としては、支援費支給制度の導入の時期に合わせて、現行の福祉プラン21の改定を行うということにしております。その準備作業に着手する予定です。また、計画改定に当たっては、本年度の第4四半期に発足する予定の保健福祉審議会の意見を伺いながら、平成14年度半ばに区民あるいは障害者団体等の意見も幅広くいただいて、15年の3月、計画を策定したいという考えでございます。

 次に、個人情報についての御質問でございます。私は、この個人情報保護については、中野区は早くから条例を制定し、また、電子計算組織の結合についても仕組みをつくってきたというふうに考えております。そういった意味では、個人情報の保護の仕組みというのは既にルールができ上がっている。このルールに従って、私は通常の職務を執行してきているというふうに考えておりますし、住民基本台帳の問題について、この区報へのPRの仕方、これについては技術的な問題もあろうかと思いますし、また、その内容の判断というようなこともあろうかと思いますが、この点については、今後さらに研究をしながら、前後にならないような、食い違いにならないような、そういったことも考えてPRに努めていきたいというふうに考えます。

 また、最後にいただきました責任のとり方ということでございますけれども、区政運営の責任はもとより、区長である私にございますし、私が指揮をしながら仕事をやってきているというものでございます。助役には十分に補佐をしてきてもらってきていると思っております。私は、区民の要望を聞きながら、区民本位の区政の実現に努めてきたつもりです。しかし、長期にわたる不況の影響によって、区の財政、この環境が非常に大きく変化をしまして、区政の課題のうちには達成できたものもあれば、計画どおりに進まなかったものもございます。今後も財政状況の厳しさは続くと思いますので、思い切った行財政の構造改革を行って、区政の新しい姿をつくることが必要と考えております。行財政5か年計画を着実に進めて、安定した行財政運営ができる中野区にすることが区民の負託にこたえるということにもなることと考えております。区長としての責務、こういったことでおこたえをしていくほかないというふうに考えております。

 他の質問については、それぞれ所管部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。

      〔助役池田學登壇〕

〇助役(池田學) 区政がいろいろと困難な状況にある、この状況に区長のサポート役として助役はどのように責任を感じているのかという御質問でございます。先ほど区長からお答えして、多少重複があるかもしれませんが、お答えをさせていただきたいと思います。

 自治体の行財政運営は、限られた財源で、区民福祉の向上のために政策をいかに構築していくかということにあるという認識でございます。したがいまして、行財政運営は将来を見据えて行われるべきものであって、その時々の社会経済状況や区民の生活実感、あるいは議会論議等々を意を用いながら、財源にも十分配慮をして政策展開を行い、財源投入額に高低は当然ありますけれども、過度に積極性や消極性に偏らない、計画的な対応を心がけなければならないというふうに認識しておりますし、また、そのように努めてきたつもりでもございます。しかし、私自身の力量では予測しがたい長期にわたる景気の低迷等もございまして、厳しい財政運営に直面していることも御承知のとおりでございます。

 この状況の打開のために今進めております行財政改革は、従来行ってきた経費節減や、あるいは個々の事業の見直しにとどまらず、施策そのものの再構築と行財政の構造的な改革に踏み込んだものであるというふうに認識しております。区が区民の期待にこたえて、必要なサービスを着実に実施し、区政を新たに発展させていくためには、これまでの殻を脱ぎ捨て、新たな社会経済環境に応じた姿に脱皮しなければならないというふうに考えております。

 区長の指揮のもとで、改革を確かなものとしていくことが、今、私に課せられる責務であるというふうに考えております。

   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕

〇福祉担当部長(本橋一夫) 私からは、福祉構造改革についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。御質問が多岐にわたっておりますので、内容的に関連のあるものをまとめてお答えをさせていただきますので、御質問の順序と異なることをあらかじめ御了解いただきたいと存じます。

 まず、スケジュールについてですが、制度自体は15年の4月からスタートいたします。国では、これに先立って平成14年の10月を目途に、支援費支給の申請受け付けを開始する予定というふうに聞いております。現在、これにあわせまして保健福祉部内で制度導入に向けての課題の整理を行っているところであります。今年度の第4四半期に発足予定の保健福祉審議会での議論や、また障害者の方々の御意見などもいただきながら、区としての案をつくってまいりたいと考えております。

 制度の周知につきましては、この支給申請の受け付けの時期を勘案しながら、区報を初め障害者手帳や愛の手帳の所持をしている方々、ないし御家族の方、団体に対して、制度の案内や説明会等、さまざまな形で周知、広報を行ってまいりたいと考えております。

 次に、相談や受け付けの窓口についてでございますが、保健福祉センターや各保健福祉相談所等を予定しております。これは、支援費に移行しない他の障害者福祉施策と同様ということで考えております。

 次に、この相談受け付け等に関連いたしまして、窓口に出向くことが難しい方々に対しての対応といたしましては、これまでと同様、御家族による相談や申請の受け付け、あるいは職員が出向いての対応ということを考えております。意思能力の低下などによりまして、みずから相談、申請、契約等の手続が行えない利用者の方々の個々につきましては、地域福祉権利擁護事業や成年後見制度等を活用いたしました利用者支援の仕組みづくりが必要でありまして、具体的な取り組みにつきましては、現在、社会福祉協議会とともに検討を行っているところであります。

 ケアマネジメントにつきましては、本人のサービス選択におきまして介護保険のような資格を持った介護支援専門員制度が導入されていることはございません。申請者本人のニーズの把握やサービス調整の場においてもケアマネジメント手法が取り入れられるということであります。このため、これらの窓口に配置するケースワーカー等、関係職員につきまして、ケアマネジメントの知識、技術の習得に努めて体制整備を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

 サービスをめぐる苦情対応についてですが、福祉サービスが措置から契約による利用ということで展開されるため、いわゆる民民の関係での苦情解決ということになってまいります。これについての適切な対応策につきましては、現在、検討を進めているところでございます。

 次に、申請に係る審査、決定の仕組みについてでございますが、制度を利用しようとする障害者の方は、サービスの種類ごとに支給申請を行い、区は申請者の障害の種類、程度、介護を行う者の状況、その他の事項を勘案して、基準に基づいて支援費支給の必要性やその必要量を決定するということになっております。措置制度とは異なりまして、新しい制度では、事業者や施設の選択がもっぱら利用者自身の決定にゆだねられるということになります。また、支援費の支給となるサービスの量につきましては区が決定することになっておりますので、制度導入によってサービスの量の低下を来すということはないものと考えております。

 重度脳性麻痺者介護人派遣制度、盲人ガイドヘルパー派遣、あるいは車いすガイドヘルパーの派遣などの事業の取り扱いについてですが、これらは身体障害者福祉法に基づく国の要綱に掲げる身体障害者ホームヘルプサービス事業に該当するものと考えられますが、支援費制度におきます取り扱いにつきましては、省令等を待たなければならないと考えております。

 利用者の負担につきましては、現行の費用徴収基準と同様に、応能負担による国基準が示された後に、区が国基準を上限として利用者負担基準額を定めるため、現行の利用者負担とおおむね同程度になるものと見込んでおります。

 また、区の財政負担についてですが、現在のところ、これらの基準の詳細がまだ国から示されておりませんので推測の段階ですが、支援費へ移行するサービス量が現在とどう程度であると仮定した場合には、国、都及び区の財政負担や負担割合には変化がないものと想定しているところでございます。

 サービスの基盤整備、利用者への情報提供についてですが、選択と自己決定を保障していくためには、障害者サービスについての基盤整備を着実に進めていくことが重要であります。今後もホームヘルプサービス、生活実習所や小規模授産施設などへの事業主体の参入を促進していきたいと考えております。

 サービス情報につきましても、社会福祉法の趣旨にのっとりまして、事業者自身による積極的な情報提供を促すとともに、区における相談支援体制の中でも利用者に対する的確な情報提供が行われるように努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

    〔総務部長沼口昌弘登壇〕

〇総務部長(沼口昌弘) まず、今なぜこの時期に個人情報保護条例を改正するのかという点でございます。

 今回の個人情報保護制度の見直しの趣旨は、改正住民基本台帳法が来年には施行されるということでございますので、外部結合に関しまして見直しを行うということと、また同時に、見直しを現在行っています区政情報の公開に関する制度、これとの整合性を図るというものでございます。

 次に、職務に関係なく個人情報を閲覧したのではないかとのことですが、個人情報保護条例では、御指摘のように区が保管している個人情報は条例に基づく目的外利用以外は、その収集目的を超えて利用できない仕組みになってございます。

 御指摘のような件につきまして、事実を確認する必要もあると思いますけれども、各課にシステム管理者を設置してございますので、改めて実態の報告を求めるなどして、その結果に基づいてましてセキュリティー対策に万全を期していきたいと、そのように考えてございます。

    〔区民部長内田司郎登壇〕

〇区民部長(内田司郎) 私からは、住民基本台帳ネットワークシステム並びに外国人登録原票の開示請求に関する御質問にお答えをいたします。

 第1の住民基本台帳ネットワークに関して、まず、このシステムについての広報、区報への概要掲載に係る御質問をいただきました。多少区長の答弁と重なるかもしれませんが、私からも答弁させていただきます。

 区民の皆さんへの広報は、よりわかりやすい情報の提供を基本に、その時期としては、事業の具体的内容の把握ができる政省令制定後が適当であると考えてきたところでありまして、先ごろ公布された内容も踏まえ、11月18日号の区報を通じて制度の趣旨やシステムの概要などについてお知らせをしたものでございます。

 区といたしましては、今後ともこのシステムにつきまして、十分区民の理解が得られるように、御指摘にもありましたように、課題あるいはそれに対する区の対応等も含めまして、継続して情報提供に努めてまいります。その過程で、また区民の皆さんの御意見も伺ってまいりたいというふうに思っております。

 次に、システム運用に係る数点、問題の御指摘がありました。

 まず、地方自治情報センターについてでございますけれども、これは都道府県の事務の一部を処理するため、住民基本台帳法に基づき、総務大臣が指定した指定情報処理機関でございまして、総務大臣が認可した管理規定に基づきシステムを運用しなければならないとされているものでございます。

 住民基本台帳カード、いわゆるICカードでございますけれども、この活用に伴うプライバシー対策につきましては、万全の措置を講じていかなければならないと認識をしておりまして、今後その活用の方向性を含め、十分な検討が必要と考えておりまして、庁内に検討組織を設け、十分な検討を行っていきたいと考えております。

 また、財源措置につきましては、従前の措置がなされるよう、これまでも国に対して要望してきたところですけれども、引き続き国に働きかけを行ってまいります。

 次に、個人情報保護についての国への働きかけ、あるいは区の独自の対策についてのお尋ねでございます。

 このシステムは、個人情報の保護が最も重要な課題と考えておりまして、そのために、区長会要望でありますとか、自治体も参加した国によるセキュリティ対策の検討の場などを通じまして要望してきたところでございます。現在、こうした自治体サイドからの働きかけ等も踏まえまして、国の機関では、セキュリティの基本方針書やセキュリティに関する技術基準を定めるなど、具体的な取り組みを進めてきているところでございます。

 区といたしましては、中野区個人情報の保護に関する条例や、中野区電子計算組織等管理運営規則などに沿った運営方法や、情報機器の安全対策、緊急対応の手順、職員の研修に関することなどを定めた運用管理規定の策定を検討しているところでございます。

 次に、杉並区が制定した住民基本台帳に係る個人情報の保護に関する条例と中野区の対応の問題でございますが、個人情報保護条例に係る御質問の中でいただいておりますけれども、私の方から答弁させていただきます。

 杉並区の条例につきましては、条文及び関係資料を私ども取り寄せまして、所管課を中心に対応等検討を行ってきたところでございますけれども、ほとんどの条項につきまして、住民基本台帳法など関係法令や本区の個人情報保護条例で十分対応できるものというふうに考えておりまして、不正利用等万一の場合の対応を含め、中野区として特別な条例を制定する必要はないというふうに判断をしておるところでございます。

 次に、外国人登録原票の開示請求に関するお尋ねでございます。

 まず、公安調査庁による開示請求の問題でございますけれども、昨年4月以降、公安調査庁から中野区に対し3件の外国人登録原票の写しの開示請求がございました。外国人登録原票は非公開が原則でありますが、公安調査庁からの請求は、破壊活動防止法27条に基づくもので、外国人登録法第4条の3の規定に従い、開示したものでございます。

 区といたしましては、今後とも外国人登録原票の開示に際し、外国人登録法等関係法令に基づき、中野区に居住する外国人の人権とプライバシー保護に十分配慮しながら対応してまいります。

 最後になりますが、この問題に関し、国に対する要望、働きかけはどう考えるかということでございますが、御質問にもございましたけれども、外国人登録事務協議会支部会等の動きがございますけれども、この国の機関等からの外国人登録原票の開示請求につきましては、特別区で構成する外国人登録事務協議会区部会におきましても、支部会と並行して議論を進めてきておりまして、人権とプライバシーに配慮した対応が必要というふうな認識から、現在、国へ要望する方向で準備を進めておるところでございます。これら問題につきましては、特別区で構成する組織におきまして、また、お尋ねにありました第4ブロックといったようなところでも、この開示問題も含めまして、さまざま情報交換を行っているところでございまして、引き続き登録事務の適切な執行に向けて連絡を密にしてまいりたいと、そう考えているところでございます。

 以上でございます。

     〔佐藤ひろこ議員登壇〕

〇20番(佐藤ひろこ) 再質問させていただきます。

 社会福祉の基礎構造改革については、委員会でもいろいろと御質疑を、また御報告もあるところでしょうから、またそこの場でということですが、最後の方の区民部長がおっしゃっていました外国人登録原票の開示の問題ですけれども、3件開示されたということで、ぜひ慎重にこれからは対応していただきたいと思いますし、開示されたことには御本人、あるいはその団体の方から異議があった場合は、ぜひ謝罪をお願いしたいと思います。

 根拠とされた外登法第4条の3、それから破壊防止法第27条でも、「国民の自由と権利を不当に制限することはあってはならない」という基準の範囲で調査をすることというふうになっております。だから、その御本人が破壊活動防止法の規制の中の団体に当たるかどうかもわからない段階で、そういった個人情報の開示を公安調査庁の方にしてしまうのは、やはり問題であろうと思いますし、それから、10月の衆議院の法務委員会で、外国人登録事務は昨年4月から機関委任事務から法定受託事務に変わったので、開示請求に応じるかどうかの判断は基本的に自治体が行うことになったという答弁がされております。ですから、自治体がその住民の個人情報の保護という観点で開示かどうかは決断していいというふうな御答弁でしたし、それから公安調査庁からの開示請求を自治体が拒否しても、その判断は尊重するという答弁が出されております。そういったことも勘案して、ぜひ今後は、もし開示の請求があった場合も開示をしない、それについては慎重に対応するというふうに考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

 それから、区長の責任のとり方ということで、ぜひ財政難のせいにはしないでくださいと言ったんですけれども、区長も助役も、まずそれを一番に挙げられてしまいました。そうではなくて、財政難はどこの自治体も、不況のあおりというのはかぶっているわけですから、その中で、やはりどんな運営にしていくのかというところのポリシーの欠如があったんじゃないかと思います。これまでの殻を脱ぎ捨てて脱皮していきたいというふうに助役はおっしゃったですよね。そうしたら、やはり新しい区長に、ぜひ私たち区民は脱皮させていかないと中野区の未来はないのかなと思いますが、この項に関しては、この後さまざまな議員の方が再度質問されますので、それにぜひゆだねたいと思います。

 それで、区長に対しましては、住基ネットワークと個人情報保護条例との関係のところでお伺いしたいんですけれども、要するに区民に対する説明責任の部分です。今、総務課、それから区民部の方からそれぞれの立場での御答弁があったわけですけれども、リンクする問題を総合的にどうしていくのかを、やはり指示できるのは区長ですよね。そういったところで、なぜ区報に対してきちっと個人情報保護条例の前に住基ネットの情報を伝わるように組み立てられなかったのか。それから、個人情報保護条例は来年4月に、やはり住基ネットが始まるから、だから条例の改正がというふうに総務部長はおっしゃいました。では、それをもうちょっと明確に区報に打ち出すべきだったんですけれども、だとしたならば、住基ネットは8月からです。国の個人情報保護法もまだ決まっていないわけですから、杉並条例なんかの出し方もあります。さらに慎重に検討した上で、個人情報保護に万全を期す自治体の条例というのはどんなふうにできるのかということをもうちょっと検討して、来年の3月の定例会に出されても遅くはないかとも思います。そういったところでの、いわゆる国への情報の提供の仕方がまだ足りていない状態の中で、それから議論も深められていない状態の中で、条例を決められるというのはどうなのかなと思いますし、そういった総合的な情報の伝え方について、区長はどのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。

    〔区長神山好市登壇〕

〇区長(神山好市) 佐藤議員の再質問にお答えいたします。

 個人情報保護と住基ネットの問題、これについては先ほど答弁いたしましたけれども、私として全体の把握が不十分だったというふうに思っておりますけれども、そのタイミング、また、区報の表現の仕方といいますか、こういったことについて、さらに研究をしながら、区民にわかりやすくやっていきたいというふうに思っております。それぞれの記事の内容をすべて、区報の場合に私が調整をするという仕組みになっておりませんので、その点については、これからも十分指示をしながら、行き違いのないようにやっていきたいというふうに思っております。

    〔区民部長内田司郎登壇〕

〇区民部長(内田司郎) 外国人登録原票の開示請求に関する再質問にお答えいたします。

 御質問にもございましたけれども、この事務は法定受託事務でございまして、それを踏まえ、関係法令に基づいた対応を図っているところでございますけれども、自治体としての対応については、御質問の中にもありましたように、私どもも認識をしておるところでございます。

 いずれにいたしましても、この法令に基づき、外国人の方々の人権とプライバシー保護、十分配慮しながら的確な対応を図ってまいりたいと、そのように考えております。

〇議長(斉藤金造) 以上で佐藤ひろこ議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

      午後6時52分延会