平成13年11月30日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成13年11月30日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録

1.平成13年(2001年)11月30日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(43名)
  1番  吉  原     宏        2番  伊  藤  正  信
  3番  きたごう  秀  文        4番  高  倉  良  生
  5番  やながわ  妙  子        6番  鈴  木  光  子
  7番  佐  伯  利  昭        8番  平  島  好  人
  9番  むとう   有  子       10番  長  沢  和  彦
 11番  牛  崎  のり子        12番  山  崎  芳  夫
 13番  高  橋  ちあき        14番  市  川  みのる
 15番  岡  本  いさお        16番  こしみず  敏  明
 17番  飯  島  きんいち       18番  小  串  まさのり
 19番  はっとり  幸  子       20番  佐  藤  ひろこ
 21番  来  住  和  行       22番  樋  口  きこう
 23番  若  林  ふくぞう       24番  古  木  謙市郎
 25番  し  の  国  昭       26番  斉  藤  金  造
 27番  斉  藤  高  輝       28番  大  泉  正  勝
 29番  柿  沼  秀  光       30番  木  村  勝  昭
 32番  岩  永  しほ子        33番  昆     まさ子
 34番  小  池  ひろし        35番  岩  田  みつる
 36番  伊  藤  岩  男       37番  西  村  孝  雄
 38番  江  口  済三郎        39番  藤  本  やすたみ
 40番  川  上     進       41番  近  藤  正  二
 42番  江  田     徹       43番  池  田  一  雄
 44番  小  沢  哲  雄
1.欠席議員(1名)
 31番  細  野  たいじ
1.出席説明員
 中 野 区 長  神 山 好 市      助     役  池 田   學
 収  入  役  藤 原 惠 一      教  育  長  子 安 圭 三
 政策経営部長   渡 辺 征 夫      行財政改革担当部長 石 神 正 義
 企 画 課 長  金 野   晃      総 務 部 長  沼 口 昌 弘
 総 務 課 長  西 條 十喜和      区 民 部 長  内 田 司 郎
 地域センター部長 柳 澤 一 平      環 境 部 長  正 木 洋 介
 保健福祉部長   浦 野 純 子      福祉担当部長   本 橋 一 夫
 都市整備部長   宮 村 光 雄      土木担当部長   石 井 正 行
 教育委員会事務局次長 須 崎 英 夫
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  山 岸 隆 一      事務局次長    佐 藤 栄 時
 議事調査担当係長 栗 原   望      区議会事務局主査 藤 塚 喜 正
 区議会事務局主査 大 石 紀 久      区議会事務局主査 巣 山 和 孝
 区議会事務局主査 永 田 純 一      区議会事務局主査 長 崎 武 史
 書     記  渡 辺 伸 郎      書     記  松 原 弘 宜
 書     記  西 田   健      書     記  三 浦 正 貴
 書     記  飯 田 浩 一      書     記  佐 藤 雅 俊

 議事日程(平成13年(2001年)11月30日午後1時開議)
日程第1 
 第76号議案 中野区区政情報の公開に関する条例の一部を改正する条例
 第77号議案 中野区個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
 第78号議案 中野区議会議員及び中野区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
 第84号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 第85号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
日程第2 
 第79号議案 電子計算組織の結合について
 第80号議案 中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例
日程第3 
 第81号議案 中野区授産場条例の一部を改正する条例
 第82号議案 中野区立知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
日程第4 
 第83号議案 中野区立白鷺ふれあい学習館条例を廃止する条例
日程第5 
 議会の委任に基づく専決処分について
追加議事日程
日程第6 
 議員提出議案第12号 首都移転反対に関する決議

      午後1時36分開議
〇議長(斉藤金造) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 佐 伯 利 昭
 1 神山区政16年が残したもの
  (1)中野駅周辺地区整備のこれまでと今後について
  (2)警察大学校等跡地の用地取得について
  (3)野方駅周辺地区整備について
  (4)西武新宿線の連続立体交差と開かずの踏み切り対策について
  (5)南北交通問題について
  (6)用地買収と売却について
  (7)職員の意識と幹部職員の認識について
  (8)2002(平成14)年度予算について
 2 保健行政について
  (1)区民健診について
  (2)休日当番医について
  (3)小児医療体制について
 3 自治体の首長の多選について
 4 その他

〇議長(斉藤金造) 最初に、佐伯利昭議員。

     〔佐伯利昭議員登壇〕
〇7番(佐伯利昭) 2001年第4回定例会におきまして、一般質問をいたします。
 21世紀の幕あけとなったことしも残すところあとわずか。そして、神山区長の4期目の任期も6カ月余りとなりました。この神山区政16年を振り返り、この機会に、議会、そして区民の皆さん、職員の皆さんに対して明らかにしておかなくてはいけない事柄について質問をいたします。質問は、通告と少し順序を入れかえまして、職員の意識、幹部職員の認識から、まず、区長自身のこれまでの財政認識、それに基づく発言、行動からお聞きします。
 バブル景気からバブル崩壊へ、そしてその後処理へと、それぞれの自治体が浮かれ、苦しみ、立ち直りの道を探ってきたというのがこの16年ではないでしょうか。その結果、21世紀の初頭に、独立した区を目指す千代田区や、自治体の憲法とも呼ばれる自治基本条例の制定に着手した杉並など元気な自治体と比べ、23区の中でも財政最悪区となった中野区、ひたすら財政再建のため、区民あるいは職員に負担をかけ続けているというのが現状です。財政がどこよりも苦しい状態、それは神山区政がこの4期目に入る前から、それぞれの会派の議員の指摘、指摘でわかっていたはずです。
 区長は平成12年9月の所信表明で、「実施計画で区民の皆さんにお約束してきた事業の大半を凍結せざるを得なくなり、実現の見通しもつかない状況になりました」と述べています。もともと実現の見通しなどあったのでしょうか。少なくとも平成10年度予算に投資的事業の予算が入らなくなった時点で、見通しはなくなっていたのです。それまで財政上の工夫と称して、減収補てん債等の借金、施設建設基金に及ぶまでの基金の取り崩しで実質収支の黒字を演出してきた神山区政は、3期目の終わりの平成9年度決算で、経常収支比率は96.7%、人件費は300億円に達し、起債の残高は700億円を超え、土地開発公社の借金が170億円にもなっているのに、全く引き取れない状況になっていたではありませんか。
 こうした状況を、さらに議会等からの指摘があるにもかかわらず、区長はこの間、財政の危機宣言はしないと、中野の区財政が極めて切迫した状況であることを内外に示すことを拒み、中野が特段苦しいのではなく、他の自治体と同じだとの内容の発言を繰り返し、平成10年、区長選直前の第1回定例会でも、木村議員からの執拗なまでの質問にも、「財政のこの状況、中野だけが今当面しているといいますか、陥っている状況ではなくて、自治体全体非常に厳しい状況に陥っている。そういう中で、いかにこの危機を乗り切るかということが大事だというふうに考えております」と答えています。運用金の計上、土地開発公社の借金の借りかえ、義務的経費である退職金の未計上など、中野の財政状況は究極の状況に陥っていたわけではないでしょうか。にもかかわらず、他自治体と同じと考えていた区長の経済感覚、財政認識には驚くばかりです。
 今さら区長の4期目の公約を引用するまでもないと思いますが、あなたは本当に何かできると思って出馬されたのでしょうか。もしそうだとするならば、「実施計画で区民に約束した事業の大半を凍結せざるを得なくなった。見通しも立たない」ではなく、「区長選挙で区民の皆さんにお約束したことの大半を凍結せざるを得なくなりました。その見通しも立ちません」と言い改めるべきです。側近が本当の危機状況を知らせなかったのか、あるいは区長自身わかっていながら、そうした発言を繰り返していたのか、それは定かではありませんが、当時、区長は本当に中野区だけが特段苦しいのではないと考えていたのか。そしてまた、4期目の選挙に当たって政策パンフレット等に掲げた数々の項目、これらが本当にできると思っていたのか、正直な気持ちをお聞かせください。
 区長の認識もさることながら、幹部職員の認識についても驚くべき点があります。私は本年第3回定例会におきまして、平成2年の区長選のときの模様をつづった都政新報の記事を引用しながら、現在の庁内の雰囲気、職員の意識について伺いました。これに対して渡辺政策経営部長は、「行財政5か年計画の取り組みを始めたことで、これをなし遂げれば中野区の財政がきちっとしたものになる、これをやらなければあすがないということで、職員全体、管理職も含め、そういう気持ちに一丸となっている」との答弁がありました。私はこの答弁を読み返すにつけ、部長は庁内で一体何を見、何を聞いているのか。よほど職員とのコミュニケーションがとれていないのだろうとしか思えませんでした。
 トップの失政により、何の責任もない職員の皆さんが財政破綻の後始末に奔走させられた上、超勤手当のカットはおろか、給与の削減まで余儀なくされ、その給料の削減の始まった今年度早々、しばらく区長の姿が見えないので、この危機を乗り越えるべく、区民、職員のため不眠不休で何か御奮闘中かと思えば、
      (発言取消し)      中国旅行にお出かけとは。こうした状況であれば、恐らく日本じゅうのお人よしを集めたとしても、一丸となろうなどという気持ちになるはずがありません。改めて政策経営部長にお伺いしますが、よその区の理事者が聞いたら腹を抱えて笑うような認識を、本当にあなたはお持ちなのでしょうか。そして、こうした都合のよい解釈をして、それしか区長に報告をしないので、区長は今の本当の庁内の状況をわかっていないのではないでしょうか。
 社員の給料もまともに払えず、経営再建中のトップが悠々自適海外旅行など、どこの世界にあるのでしょう。民間会社なら、再建を支援した金融機関は即座に手を引くと思います。区長は中国訪問も友好親善関係のための仕事とお考えかもしれませんが、中国訪問回数二十数回を誇る区長の思いとは裏腹に、あなたがこよなく愛する北京市西城区の気持ちは、とっくに後から友好関係を締結したお隣、渋谷区に傾いてしまっているようです。それは東京都の日中友好協会の常務理事として、理事会等の議論の中ではっきり感じることです。せっかくはるばる中国から来たお客さんに、財政難、金がないよを繰り返し、ろくなもてなしもできない中野区と、財政的にも余裕があり、区内にはNHK放送センター、国立代々木体育館、渋谷、原宿の繁華街など、見るべきポイントを数々持つ渋谷区とでは、どちらと親密なつき合いをした方がプラスか、それは時の政権が変われば、当然考えることです。金の切れ目が友好親善の切れ目というわけでもありませんが、事実、議員や市民だけの民間交流ならいざ知らず、区内の他の行事より優先させ、わざわざ神山区長自身が訪中した中野と西城区の友好親善15周年のうたげも、相手の呂錫文区長は外遊中とのことで姿もあらわさなかったと聞いています。長年権力の座にいると、何か感覚がずれてしまっているのではないかと心配します。
 次に、積み残された区政課題についてお伺いします。
 第1次長期計画で総額1,325億円の事業経費を掲げた中野駅周辺地区計画が、第2次長期計画ではその規模を縮小し、行財政5か年計画ではその文字すら消え去ってしまいました。担当の助役を置き、専任の部長・課長を置いて、中野の顔づくりとしたシビックゾーン構想も、今では昔話となってしまいました。私は平成8年第3回定例会で、「この中野の顔づくりが取り組みを始めてから10年になるが、具体的進
進展がないのではないか」と質問をしました。当時の青柳中野駅周辺整備部長は、「具体的に何ができたと、工事が始まったということについては、大きいものはございません。千光前通りの整備とかリニアパーク、こういうものの整備はしました」と胸は張ってみたものの、そのリニアパークも今や議会で何度も取り上げられるような自転車置き場と化し、見るすべもありません。その後、担当の助役は、みずからの再就職のため、任期を4日残して退職。担当の部・課も解散。できたものはといえば、駅前に予定のなかった清掃車の暫定車庫。この間の計画づくりへの職員と住民の努力はどうなってしまうのでしょう。
 かつて私たちは、お隣、練馬区を、都内23区唯一国鉄の走っていない区として見くびっていました。しかし、今、練馬の駅を見てください。ガラスで覆われたプラットホームは新幹線の駅を思わせ、地下鉄有楽町線、大江戸線が乗り入れ、駅ビルにはショッピング街、飲食街、駅北口には文化センター、地下大駐車場、南口区役所側再開発と、今では中野駅をはるかに上回る近代的な都市と生まれ変わっています。一体この差はどこから来るものなのでしょうか。行政として真剣に取り組む姿勢が違ったのではないでしょうか。
 そこでお聞きしますが、これまでこの中野の顔づくりにかけられた経費は、推定どの程度になるのでしょうか。また、行財政5か年計画では消えてしまった中野駅周辺地区整備計画の現在の扱いは、どうなっているのでしょうか。また、今後どの程度のスパンで駅周辺の整備をしようと考えているのか、上げたアドバルーンの今後をしっかり区民に説明する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 平成8年第1回定例会において、7年度の最終補正予算、中野駅北口ブロードウェイ東側、さきがけ荘から45番街にかけての共同化助成ということで、民間のディベロッパーがつくった計画に7,076万8,000円の補助金が出される案が可決されました。ところが、6年近くたった今、共同化事業は立ち消えになっているばかりか、補助金を手にしたディベロッパーは姿を消してしまっています。住民の合意もとれないところに補助金の支出を急いだ結果です。そして今後をどうするか、区としては全く見通しのない状況になっているのではないでしょうか。「補助金を出しました。計画はとんざしました。ディベロッパーはいなくなりました。後はどうなるかわかりません」では、到底納税者の納得のいくものではありません。税金投入の後の無責任な区の対応、いわばやりっ放しの姿勢には大きな怒りを感じます。
 こうして補助金が泡と消えてしまったこと、区長、助役の区政運営の責任者は一体どう感じているのでしょうか。たった4年の勤めで2,000万円もの退職金を手にしてきた区長にとっては、7,000万円など大した金額ではないのかもしれませんが、毎日額に汗して働いている者にとっては、一生涯かかって手にできるかどうかという、マイホーム1軒分にも値する金額なんです。議会も承認したではないかと言われるかもしれませんが、議会は計画が途中でとんざし、その後の始末もしないなどということは前提にしていません。一体あの7,000万円はどこへ行ってしまったのか。なぜ計画がとんざしたのか。原因と責任はどこにあるのか。そして、その後、区としてディベロッパーにとった態度について御説明ください。
 ことし3月、警察大学校等移転跡地土地利用計画案が策定されたことは周知のとおりです。区民期待の
大規模プロジェクトということで注目が集まるところです。ところで、この警大跡地については、第1次長期計画で500億円の基金を積み立てる構想が練られていました。これらを含めた中野駅周辺整備については、平成10年第1回定例会において、近藤議員の質問の中で、「区は頭がおかしいのではないかと思えるプランを掲げて、区民に壮大な夢を持たせた」と述べられています。財源不足のため、施設建設基金まで財調基金に振りかえ、足らずまいに充てようとしている今、500億円の 基金など夢のまた夢であると言えます。一昨日の伊藤議員の質問に対して、都市整備部長は 「区の財政負担の軽減を図りながら、計画に沿った事業を行いたい」と答弁しました。しかし、実際、この警察大学跡地に巨額な資金が必要であることには変わりありません。他人の家の庭に絵をかいて、できた、できたとはしゃいでいるだけでは、事は進みません。500億円の基金を必要としていたものが、お金がなくてもどうにかなるという魔法でもお持ちなのでしょうか。
 そこでお聞きしますが、区はこの用地をどのように取得しようとしているのか、お答えください。また、江古田の森の厚生省との交渉の際に、私たちは区長自身が乗り出し、誠心誠意努力すべきと主張しました。しかし、そのときは、区長が出ていけば最終的結論を出さなくてはいけないなどとわけのわからない理由をつけて、これを拒み続けました。その結果、36億円もかけて取得した貴重な用地も、4年たった今、何もできず、びん・缶の集積所と犬の訓練場となっている始末です。しっかりとした経営感覚を持ったリーダーならば、夜も寝ていられないというところなのではないでしょうか。
 そこでお聞きします。区長はこの警大跡地の用地取得について、かつての大蔵省、現在の財務省との交渉、あるいはお願いに行ったことがおありなのでしょうか。私はこの問題についても、区のトップである区長が積極的に動いて当たり前と思いますが、いかがでしょうか。そしてまた、土地利用計画案ができたといっても、中野の条件が整うまで財務省は用地買収を待ってくれるという確約はあるのか、あわせてお答えください。財源の伴わない計画がいかにもろく崩れやすいものか、よくお考え合わせいただきたいと思います。
 次に、野方駅周辺地区整備計画についてお伺いします。
 この計画についても、第2次長期計画まで残っていたものがいつの間にか消え去っています。北口改札問題など、区民要望は根強く残る中、上げたアドバルーンがまたどこかに消えてしまっているではないですか。金がないのだからできないのは当たり前だろうでは済まないことです。今はできないけど、将来に可能性を残すのか。それとも白紙に戻し、後の時代に託すのか。区ははっきりとした姿勢を示すべきではないでしょうか。見解をお伺いいたします。
 私の住む上鷺宮地域は、西武池袋線にほど近く、外出の際は富士見台駅あるいは中村橋駅を利用することがほとんどです。この西武池袋線、ことし3月3日深夜から翌4日にかけての線路と目白通りの入れかえ作業により、桜台-練馬高野台間には踏み切りが一つもなくなりました。鉄道の線路と幹線道路を終電から始発の間、それこそ一夜にして入れかえるという技術には、全国の注目が集まりました。さらに、この12月15日には中村橋-練馬高野台間の複々線工事も完了。混雑緩和に輸送力アップも着実に進められています。かつて私たちが子ども時代、沿線の至るところに「高架反対」の看板が立ち並んでいた姿など、見る影もありません。東京都、練馬区、そして西武鉄道が一体となった取り組みが実を結んだものです。
 一方で、この中野区を走る西武新宿線ですが、平成5年に急行線の地下化の都市計画決定。その後、平成7年の西武鉄道の事業化無期延期発表以来、幾度となくこの議会でも問題が取り上げられてきました。踏み切りがなくなった上、複々線の開通する池袋線と、1時間のうち55分間も踏み切りが遮断されることのある新宿線、余りにもその差は大き過ぎます。平成9年に始まった中野通りの渋滞緩和対策の検討だって、宙に浮いたままなのではないですか。一昨日の江田議員の質問に、西武と東京都がつくった検討会になぜ区は入らないのかとありましたが、中に入れば何か財政的負担を求められることが怖くて、入れないでいるのではないでしょうか。その結果、この問題に意欲を持つ職員が仕事ができない状況になっているのではないですか。
 そこで、この問題に対する区の基本的スタンスをもう一度お伺いしたいと思います。そしてまた、当面歩行者等の安全を図る緊急課題、中期・長期的課題としての連続立体、部分立体など、あるいは運輸政策審議会に新たなる整備方式の導入の可能性を働きかけるなど、問題を整理し、戦略を練り直し、区民に投げかける必要もあるのではないでしょうか。
 次に、南北交通問題です。
 この事業の先駆けとなった武蔵野市のムーバス、かつてこれはこの本会議で藤本議員が取り上げて、私自身もその存在を知りました。市が3,000万円の財政支出で始めたこの事業も、いよいよ採算がとれるような状況になったとの新聞報道がありました。武蔵野市は先を見る目があったということでしょうか。このコミュニティバスの取り組みも都内各地に広がり、お隣、杉並区でも、阿佐谷から浜田山へのバスは地域住民の人気となっています。ところが、この中野では、長年の地域要望である南北交通問題も、バス事業者の「採算がとれない」との一言で断念。5年間の計画事業から外され、またまた宙に浮いている状況です。できないと言われたら、どうすればできるのか、それを考えるのが行政の役割なのではないですか。あるいは、それを考えようとしても、それを許さない体質が庁内にあるのではないでしょうか。粘り強く事業者と交渉するとか、これまで繰り返された答弁はもう結構です。この南北交通問題、これからどうするのか、しっかりとした方針をお聞かせください。
 バブル景気に踊った土地の先行取得、それによる財政圧迫も神山区政16年の大きな特徴です。土地開発公社の問題については、議会でも幾度となく取り上げられてきました。開発公社の借金の元本が返せないゆえ、区は平然と借りかえと言いますが、この借りかえとて、中野区という自治体の債務保証の後ろ盾があるからできること。民間の会社なら銀行取引停止で、開発公社の土地は銀行の不良債権と化していたことは言うまでもありません。ことし区は、土地開発公社の健全化計画を総務省に提出しました。国の新たなる政策にようやく救われたというところですが、区民にとっては、今まで使っていた公園や自転車置き場の土地の元本がこれまで未払いであったことを初めて知らされたわけです。12年度決算に対する佐藤議員の討論にありましたが、結局、借金も返さず公園や自転車置き場をつくって、その手柄は神山さん。一方で新しい施設ができるわけでもないのに、その借金を営々と支払っていくのは一体だれなのでしょう。
 そこでお聞きします。土地の買い戻しもせず施設整備をし、後世にツケを回しているこの状況、区長の率直な感想をお聞きします。
 用地の買収については常々、区は区民からの要望としています。しかし、本当にすべて区民の要望だったのでしょうか。ことしの予算特別委員会で西村議員から、上鷺宮五丁目冒険遊び場用地の問題が取り上げられました。近くに八成公園、上鷺公園がありながら、なぜ公園用地を必要としたのか、区民からどんな要望があったのか、私も疑問に思います。ましてこの前年には八成公園の拡張用地も買収しています。そもそもこの冒険遊び場計画、長期計画で見れば、南北2カ所で3億円の予算しか想定されていないのです。それをいきなり21億円で買収した上、さらに土地の買い増しまでやっている。こんな巨額な経費をかけてやる事業だったのでしょうか。当時の用地委員会の議事録を見ても、さまざまな議論の後、最終的には委員長が「特色ある公園として取得可とするが、その内容は後で十分検討すること。また、用途変更の可能性を残すため、都市計画公園とはしない」とまとめて、買収を決定しています。つまり、最終的な用途を決定しないまま21億円もの土地が買収されているのです。
 地元では、この冒険遊び場計画作成のためワークショップに参加した住民は、子どもを含めさんざん振り回されました。しかし、時間と労力を費やした子どもたちへの区長からの謝罪は、とうとうありませんでした。そして今、この事業が再評価されようとしているのです。再評価も結構ですが、もう一度この土地購入そのものを振り返ってみてください。私は南台のマロニエ広場について、ポケットパーク構想はこの土地を買うための単なる理由付けだったのではないかと指摘しましたが、冒険遊び場構想も、この上鷺宮五丁目の土地を買うために利用したもので、何かどうしてもこの土地を買わなくてはいけない、あるいは買わされた理由がほかにあるのではないでしょうか。2カ所で3億円と想定していた事業にもかかわらず、地域からの要望でもない土地に、この事業名目で21億円もの巨額な経費が投じられたわけですから、しっかりとした説明責任があると思います。
 次に、用地売却について伺います。
 南部教育相談室をまちづくり公社解散後の同建物に移転させ、その用地を売却する計画が進められているようです。この移転について保護者は知っているのでしょうか。そもそも売却用地の基準は一体何だったのでしょうか。南部教育相談室は実際に活用されている施設です。現在の不登校児への対応というのは、「この土地を売りたいので、あっちに移ってくれ」、こんな片手間の政策ではなかったはずです。大変乱暴な教育行政だと教育長は思いませんか。北部の教育相談室も中央に寄ってきたばかりです。南北の配置のバランスだってあるのではないですか。フリーステップは現代教育のメインの施策の一つだったはずです。教育政策をこうしたいすとりゲームのように扱う教育委員会の見識を疑います。教育長のお考えをお聞かせください。
 私は、もしこの施設用地を売却するのであるならば、当然その前に、無償で貸与している江原の教職員互助会事務所、都教職員組合中野支部用地が先であろうと思います。区は、悩みを持った子どもたちの利益よりも組合の利益を優先させるのですか。区の姿勢を伺います。
 こうして南部教育相談室のように必要な土地を売らなくてはならない裏で、高価な土地を取得して、支払いもできずに土地開発公社に保有させたままにしていた土地も数々あります。また、用地特別会計の公園用地にさくをつけることすらできないみなみ公園拡張用地。実施設計まで終わり、補正予算まで組んで土地の買い戻しをやったのに、その40億円近い土地で佐川急便が荷物の仕分けをしている姿。
 区長、助役は、最近、上野原に行かれましたか。完成した折には上野原の町民にも使わせてあげますと言っていたその土地は、またまた泥置き場に逆戻り。一方で、中野の施設を貸してあげるよと言われていた町では、泥積みをしている当区の用地をしり目に、県道から当区用地への入り口にあった町民グラウンドの改装工事を間もなく終え、新装の野球場がオープンしようとしています。また、8億円の温水プールも完備、夏のキャンプで上野原に来た中野区民に、町民料金と同じ料金で提供されていました。「そんなに上野原でスポーツをしたければ、町の施設をどんどん借りてください」、そう言っているように思えてなりません。用地買収、水道管敷設経費の負担、その結果できたものは神奈川県企業庁の土砂置き場。まさに神山中野区政は手玉にとられている状況ではないですか。
 区長は昨今、計画した施設建設事業が予定どおり進まなくなったことを区民にわびています。区民がこれらのすべての事業をやってもらいたいと思っていたかどうかは疑問ですが、本当におわびをしなくてはいけないのは、計画が約束どおり実行できなくなったことではなく、区民が経営を託した区長が、経済環境の動向や財政見通しの甘さのため、土地の高い時期に先行取得して、長年にわたり寝かせたままにして、むだな利息を払って、区民から預かった大切な大切な税金を投入するという負担を負わせていること。このことについてしっかり説明し、わびるべきなのではないでしょうか。区長の認識を伺い、用地関連の質問を終わります。
 この項の最後に、来年度予算編成について伺います。
 本年9月4日に打ち出された区長の平成14年度予算編成方針では、前年までの三つから四つの項目を挙げての方針とは違い、漠然と「行財政5か年計画を進める」ということにとどまっています。最初にも言ったように、区長の現任期もあと7カ月足らず。来年は区長選挙の年であることは言うまでもありません。区長は一昨日も江田議員の質問に対し、この区長選を前にした来年度予算、「骨格予算とはせず、行財政5か年計画に基づく本格予算とする」との答弁をされました。これは、年間を通してこの予算をみずからの手で責任を持って執行していくという意欲のあらわれと考えてしまってよいのでしょうか、お答えください。
 次に、区民健診についてお伺いします。
 再来年から予定されている区民健診の一部自己負担導入については、さらに実施を見送るようにとの要望も寄せられています。私はこの問題について、有料か無料かの議論が先行し、区が常々言っている執行方法の工夫がなされていないのが残念でなりません。例えば、同じ一部自己負担導入を計画している新宿区では、当区と同様の成人健診について、これまで55歳以上の区民の場合、医師会に委託して、20歳から50歳までは区内4カ所の保健センターでの集団健診としてきました。今回の区政改革では、医師会委託の年齢を60歳以上まで引き上げるとのことですが、医師会委託と健康センターでの集団健診では、大幅な経費の差があるとのことです。中野区でも平成11年度財政健全化推進プランで、胃検診、肺がん検診を、医師会の委託からそれぞれ他の健診機関あるいは保健所に変更しました。私は、なぜこの成人健診についても他の健診機関への委託先の変更を検討しなかったのかと考えます。実際、この区役所の職員の皆さん、企業の健康保険組合の健診も、健診機関による集団健診ではありませんか。専門の健診機関に委託すれば、勤労世代の方などは日曜の健診も可能となります。そもそも健診項目を見ても、身体計測などはわざわざ医師がやることなのでしょうか。
 そこでお伺いしますが、この成人健診について、医師会への委託を続ける理由はなぜなのでしょうか。専門の診療機関ではできないことなのでしょうか。また、新宿区のように一定年齢までは集団健診にするなど、まだまだ検討の余地はあると思いますが、いかがでしょうか。
 肺がん検診について伺います。
 現在、医師、医療関係者の間では、この肺がん検診について不要論がかなりあると聞きます。そもそも成人健診で胸の写真を撮っていること、また、たった1枚の写真は評価されていないというのが主な理由で、極端な話を言えば、この区の肺がん検診で見つかったときには既に手おくれなどということも耳にします。それぞれ考え方もあろうかとは思いますが、ただ、これをやっているからよいという問題ではありません。がん検診の中には、喉頭がん検診のように、区民健診のあり方検討会の中からも「がん検診になじまない」との意見を受けたものもあります。肺がん検診についてもう一度精査し、再評価する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 乳がん検診については、早期発見に大きな成果を上げていると聞いています。ところで、この乳がんのエックス線検査については、保健所、保健福祉相談所において撮影、医師会に委託しての読影が行われています。一方、現代の技術革新により、国立がんセンターなどでは機械による読影が行われていると聞きます。今後、制度管理の一本化などのため、国立がんセンターとタイアップを検討していくべきではないでしょうか。御見解をお伺いします。
 次に、休日当番医制度についてお伺いします。
 毎度区報に掲載される休日当番医を見ると、その当番がどのような基準で選ばれているのか、全く不明であります。例えばおなかが痛くて我慢できない、あるいは思わぬけがをしてしまった。また、歯が痛くて我慢できない。これは深刻な問題なので、内科、外科、歯科はわかります。ところが、時たま皮膚科が入ってきたり、眼科などは9月から11月までわずかに2回です。本当に必要なものであれば毎週どこかが開院しているはずなのに、どうも現状はそうではないようです。もう一度この休日当番医の内容について検討すべきではないでしょうか。そして、区民ニーズに合わせた形でその実施を医師会と協議すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 この項の最後に、小児救急医療体制の充実について一言申し上げておきます。
 この問題につきましては、一昨日のやながわ議員、昨日の長沢議員からも提案がありましたので、多くは語りませんが、共働き世帯がふえた昨今、仕事から帰った親が子どもの病気に気づく、こうしたケースが多く、準夜間帯と言われる午後7時から10時までの小児科の診療が年々ふえていることは間違いありません。大学病院の医師などからも、この時間帯の地域小児救急医療体制の充実の必要性は指摘されているところです。私も子育て支援の一環として、区の政策として、医師会の提案をもとに早急にこのシステムの確立に努めるべきと思いますが、区の決意をお聞かせください。
 自治体の首長の多選についてお伺いします。
 No person shall be elected to the office of the president more than twice.--何人も2回を超えて大統領の職に選出されてはならない。アメリカ合衆国憲法修正22条の規定です。テロ事件で揺れるニューヨークでも、市民の信望の厚かったジュリアーニ市長が、このたび3選禁止の制度に従って惜しまれつつ職を去りました。立候補すれば当然、当選確実だったであろうし、彼の再選を望む住民の要望、希望は高かったと思います。民主主義は人よりも制度によって維持される。特定の人が権力を持ち続けることによる行政の停滞、マンネリ化、職員の士気の低下、議会軽視、議員との癒着、選挙時における不公平さなどの弊害を避けるために時間の制限を課しているのが、多選禁止の趣旨と言えるでしょう。
 みずからも島根県出雲市の市長経験を持ち、さまざまな行政改革を進めた岩國哲人氏は、「地方分権の時代の機関車となる知事や市長を住民が選ぶことは、明治時代の官選知事制度に比べて、有権者が地方自治に参加する方法としてすぐれていることは言うまでもない。しかし、米国の制度を見習うとき一つだけ見落としていたのが、2期を限度とするという多選禁止の思想である」と述べています。多選による弊害については、昨日の藤本議員の質問で数々指摘がありました。また、自治体の長の発言でも、藤本議員の紹介のほか、「「知事、私はそうは思いません」と周囲から言われなくなったのは2期の途中から。それ以降は異なる意見を持ってくる人がいなくなった。そうした状況で首長の座にとどまっていれば、民意とずれが生じる」という鎌田元鹿児島県知事の状況を的確に判断した言葉があります。最近では、3選までが限度とみずからの任期限定を公約にして当選した寺田秋田県知事、福田栃木県知事などの例もあります。
 一方で、多選に問題があるなら、選挙の際にその候補者に投票しなければいいとの論もあります。しかし、現職と新人では全く条件が違います。現職は自治体の広報予算を使って、みずからの顔写真入りの記事、公用車を使い、秘書を従えて住民行事の参加など、いわば1年365日、再選に向けての公費丸抱えの事前運動をやっているようなものなのです。こうした状況を岩國氏は、「公金横領ならぬ公権横領」と手厳しく批判します。地方分権推進委員会が第2次勧告の中で、「今後、分権の進展に伴い、地方自治体の首長の権限、責任が増大する一方、首長選挙における投票率の低さ、無投票再選の多さ、各政党の相乗り傾向の増大は、首長の多選が原因とする向きも多い。このため、首長の選出に制約を受けることの憲法上の可否を十分吟味した上で、地方公共団体の選択により、多選の制限を可能とする方策を含めて幅広く検討する」としたのも、今後の地方自治体のあり方として当然と言えるでしょう。
 3期目は相乗りによる無投票、4期目は相乗りならぬ、役人の世界では批判を浴びる渡りのような乗りかえにより、23区の区長選挙としては史上4番目の低投票率の25.21%。さらに、この低投票率の中でも4,575票という無効票。この中野区長選挙における結果が多選による弊害でないとすれば、一体何なのでしょうか。
 昨日、藤本議員が言いかけました日経地域情報の市区町村の首長に対するアンケートですが--これは通告をしておりませんが、区長自身のことだろうと思いますので、おわかりになると思いますが、区長は昨日の藤本議員の質問の中で、このアンケート、御存じないような発言をされましたが、それは確かなのでしょうか、再度お伺いしたいと思います。
 この日経地域情報の市区町村の首長に対するアンケートですが、「一般的に考えた場合、首長の任期は最長どのくらいがふさわしいか」との質問に対し、半数以上が「3期12年」と答えています。また、このアンケート調査があらわす特徴として、現在の1期先、つまり2期8年とするのは1期目の首長に多く、4期16年は3期目、5期20年とするのは4期目の首長に多いということで、つまり現在の任期で終わりたくない、もう1期やりたいとの野心が見え隠れしてきます。そして、そうなったとき、側近に守られ、周りが見えなくなってしまうのではないでしょうか。昨日の答弁を聞いていて、多選による最大の弊害は、その当事者が多選による弊害が起きているということに気づかないことだと思いました。地方分権により自治体の長の権限が大きくなる中、首長の多選禁止は現代民主主義の根幹にかかわる問題だと思います。
 そこでお聞きします。先ほどのアンケートの件も含めますが、区長は、米国等における多選禁止の規定はいかが理由で定められたものとお考えでしょうか。また、昨今、国内の自治体で多選禁止を掲げる首長がふえつつあること、さらに、それぞれの首長の最長任期はそれぞれの自治体の条例で定めることがふさわしいと思いますが、いかがお考えか、お聞かせください。
 最後に、その他といたしまして、来年は1982年、昭和57年の憲法擁護・非核都市の宣言から20年を迎えます。この年の6月、広範な区民から提出された請願を議会が採択したことに基づき、当時の青山区長のもと、先進的にこの宣言が行われたものです。現在では、私たちが視察で訪れる多くの都市でもこの宣言がなされ、庁舎内外にその表示がされています。中野区では、本年7月、長崎市で行われた全国非核宣言自治体協議会に、総務委員会での議論、そして憲法擁護・非核平和中野区民の会の要望に応じ、区長は参加できなかったものの、助役、企画課長が参加したことは、率直に評価したいと思います。さて、来年ですが、区として、ぜひ憲法擁護・非核都市宣言20周年記念と銘打った施策、行事を行っていただきたいと思いますが、いかがお考えかお聞きいたしまして、私のすべての質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
     〔区長神山好市登壇〕
〇区長(神山好市) 佐伯議員の御質問にお答えいたします。
 まず最初に、区長、区の財政認識、どうなっているのかということですけれども、また、政策パンフレットに掲げた項目が本当にできると思っていたのかということですが、長期にわたる不況の中で、自治体の多くが厳しい財政状況に直面しております。各自治体ともそれぞれ行政改革に取り組んでいるところでございますし、中野区だけの状況ではないと考えております。前回の選挙で掲げたもののうちで、介護保険制度の円滑な導入、あるいは都区制度改革の実現など達成できたものもありますが、見直しや凍結をせざるを得なくなったものもございます。私としては、歳出を抑制するために、賛否のあるものについても実施できるものは可能な限り行って、財政の健全化を図りながら、区民の要望に基づく政策を何とか実現しようと努めてきたつもりです。しかしながら、これほど長期に不況が続くとは予測できず、財政状況が一段と厳しくなる中で、新しい施策展開と思い切った財政の構造改革をあわせて行うこととしたところです。この中野区行財政5か年計画によって、安定した財政基盤、行財政基盤を確立するとともに、区政の新しい姿の実現に向けて取り組んでいるところでございます。
 職員の意識について、区長は実態がわかっていないのではないかということですけれども、行財政改革の取り組みは全庁挙げて進めているところです。その中で、職員にも大変努力をしてもらっています。職員の給与カットは臨時的な財源対策としてやむを得ず実施したものですが、職員にとってはつらい内容であったと思います。それを受け入れてくれた職員に感謝しています。すべての職員が協力して区政を支えてくれておりますし、職員の気持ちは私とてよく承知しているつもりでございます。
 また、用地買収・売却の問題についてですけれども、施設をつくった手柄が区長だということですが、私は特にこれを手柄というふうにも意識はしておりませんし、これからもこの問題については、区民の意向を十分把握しながら取り組みをしていきたいというふうに思っておりますが、用地の取得につきましては、公園や公共用地が少ないと、こういう中野の都市環境を踏まえて、区として積極的に取り組まなければならない課題と位置付けてきた経過がございます。土地開発公社による先行取得も、区民のニーズを背景として、その用地の必要性を吟味し、その時期に取得しなければ用地取得が難しいとその当時判断をしまして、計画的に行ったものでございます。その後、財政状況の悪化によって、区が公社から引き取ることが難しくなった。中には、区民の要望に基づいて、公園などにして既に供用開始をした土地もあれば、事業を進められないままになっている土地もございます。行財政5か年計画では、このような土地開発公社の用地について、土地開発公社健全化計画によって、平成17年度までに起債を活用して計画的に区に引き取ることにしているところです。用地問題の処理については、今後も区民にわかりやすく説明をするよう努力していきたいというふうに思っております。
 次に、14年度予算の本格予算編成ということについての御質問ですが、私としては、行財政5か年計画に示した構造改革に取り組むことが、現在の中野区としてとるべき道であると考えております。その上で、常に最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。任期は6月までということはわかっておりますけど、その先のことについては、今申し上げることではないだろうというふうに思いますので、答弁を控えます。常に考えておりますのが行政事務の継続性と。停滞を来さないようにということを考えているつもりです。
 次に、自治体の首長の多選についての御質問でございます。
 多選を禁じた法律があることは承知しております。法律で多選を禁止するということは、一つの考え方であろうというふうに思います。それぞれの国の事情によって定められているものだというふうに思います。公職の候補者が何期を限度とするか公約した点も承知しておりますが、それについてどう考えるかは、候補者の示す政策や自治体運営の理念とともに、住民の判断にゆだねられているものだというふうに思っております。また、多選禁止を自治体の条例で定めるということは、公職選挙法に定める被選挙権、この制限を加えるということになると思いますので、慎重に扱うべきものだというふうに思っております。
 なお、日経新聞のアンケートということですが、私は日経新聞からこのアンケートを求められたという記憶がございませんので、きのう、藤本議員の質問にそのようにお答えしたところでございます。
 他の質問につきましては、それぞれ所管部長からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。
   〔都市整備部長宮村光雄登壇〕
〇都市整備部長(宮村光雄) 私からは、4項目の12問の御質問に対してお答え申し上げます。
 初めに、中野駅周辺地区整備のこれまでと今後についてでございます。
 まず、中野駅周辺整備にこれまでかけた経費についてでございますが、千光前通りなど歩行者空間の整備等に約6億円。それから、完成しておりませんけれども、さまざまな調査検討等に、昭和62年度から昨年度までの14年間に合わせて約4億円で調査委託や検討委員会等の運営を行ってきております。これによりまして中野駅周辺全体の整備構想を策定するとともに、警察大学校等跡地につきましては、今回、跡地の土地利用転換計画案として取りまとめまして、財務省に提出したものでございます。また、北口広場整備や南口市街地整備につきましても、計画案作成等のため調査検討を実施してきており、これらの成果は今後の整備に向けた取り組みで活用していくことになるものでございます。また、行財政5か年計画では、中野駅周辺地区整備の表現はございませんが、警察大学校等敷地の土地利用転換を推進事業に位置付けまして、駅北口広場を含む約31ヘクタールについて施設整備を目指すというふうな表現をしております。また、今後のまちづくりの方針となります中野区都市計画マスタープランでは、警察大学校等跡地の土地利用転換とともに、中野駅周辺を「にぎわいの心(しん)」と位置付けており、中野駅周辺地区整備構想を踏まえているものでございます。
 また、中野駅周辺地区の今後の整備につきましての御質問ですが、警察大学校等跡地の土地利用転換の推進などにあわせまして、長期的な視点で着実に進めていく必要があると考えております。
 次に、中野五丁目地区の共同化につきましては、木造の店舗や住宅が密集した約3,600平方メートルの地区を対象にいたしまして、関係地権者が協働して、土地の高度利用による地区の不燃化などの環境の整備を図るとともに、良好な住宅供給を図るということを目的といたしまして、優良建築物等整備事業という、国の補助事業でありますけども、これを計画したものでございます。平成7年度に事業計画の作成作業を行い、その作業に要した経費に対しまして区から約1,800万円、あと、国と都からの補助金を合わせまして、先ほど御質問にありました約7,000万円の補助金を支出したわけですが、それ以降、経済環境が年々悪化する中で、権利調整などにつきまして関係地権者間の合意が得にくくなりまして、事業が進展していないというふうに認識しております。
 また、この事業に対する区の対応でございますが、区の役割といたしましては、関係地権者による合意形成に基づく事業化に対しまして、相談や情報提供、国などのルールに基づく助成等の支援を行うというものでございます。合意形成に時間を要する中で、一部で単独事業化等の動きが出るなどの状況変化がございまして、促進組合は一たん解散し、平成11年度に事業協力者との協力関係を解除する通知を行ったとのことでございます。この間、区といたしましては、事業協力者にはその求めに応じまして情報提供や助言等を行ってきましたが、基本的には関係地権者の意向を尊重しつつ、事業の動向を見守ってきたものでございます。
 二つ目の項目は、警察大学校等跡地の用地取得についてでございます。
 導入予定の区施設の用地取得につきましては、地区幹線道路や防災公園は、一般的には都市計画決定を行いまして、都市計画事業として整備することになるわけですが、それらを含めまして、財政負担をできるだけ軽減しながら、区の施設の用地取得などができますように、財源を含め、さまざまな事業手法について検討しながら、財務省側と協議していきたいというふうに考えております。
 次に、財務省との交渉につきましては、本年7月11日、区長みずからが財務省の関東財務局に赴きまして、都、中野区及び杉並区が共同で策定いたしました警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案を提出いたしました。地元要望に沿った土地利用転換を要望したところでございます。その際の合意に基づきまして、現在、財務省も加わりました警察大学校等跡地利用連絡調整会というところで実務的に調整を開始したところでございます。
 用地処分についての財務省の意向でございますが、現時点では、用地処分がおくれる場合には一般競争入札もあり得るというものでございますが、区といたしましては、防災公園、病院、それから清掃関連施設など、いずれも区にとって非常に重要なものでございますので、地元要望に沿った用地処分が行われますよう、早期取得に向け努力しながら、財務省の理解を求めていきたいというふうに考えております。
 3項目めが、野方駅周辺地区整備についてでございます。
 野方駅周辺地区につきましては、1987年、昭和62年に野方駅周辺地区整備基本計画を策定し、このうち野方五丁目では、市街地再開発事業により野方WIZやバス広場が完成したほか、現在、環状7号線沿いにおきまして、都市防災不燃化促進事業及び沿道環境整備事業を実施しております。野方駅周辺は都市計画上、再開発促進地区に指定されており、また、区といたしましても、中野区都市計画マスタープランで、区北部の中心となる「交流の心(しん)」と位置付けております。そして、今後は地域協議を経てとりまとめました野方地域まちづくり方針に基づき、地域合意のもと、整備を進めていくということとしております。
 最後の項目は、西武新宿線の踏み切り渋滞対策についてでございます。
 御質問にございました中野通りの渋滞対策検討委員会につきましては、延期されました急行線地下化計画が将来完成するということを前提にいたしまして、渋滞の早期解消の手法について専門的に検討するため、平成8年に東京都と西武鉄道、中野区の三者で設置したものでございます。その検討結果をもとにしまして、平成10年から地域で意見交換会を5回開催いたしましたが、さらなる検討にまでは至らず、その後の状況の変化を踏まえまして、検討会は休止状態で今日に至っております。西武新宿線の踏み切り渋滞対策は熱い区民要望でございますし、重要な課題でございますので、区といたしましては、西武鉄道に対して、都市計画決定されている急行線地下化事業の早期再開を強く求めてきているところでございます。また、急行線地下化が平成12年1月の運輸政策審議会で、今後15年間の整備計画に盛り込まれなかったということを踏まえまして、踏み切り渋滞解消に向けて改めて対策を検討すべきとの立場でございます。現在、東京都と西武鉄道で、特に都道とのかかわりで検討会が設置されておりますけども、区といたしましても積極的な検討を要望してきたところでございますので、歩行者の安全を図ることを含めまして、早い時期に具体的な成果が得られることを期待しているところでございます。区といたしましても、その推移を見て適切に対処してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   〔土木担当部長石井正行登壇〕
〇土木担当部長(石井正行) 私から、南北交通問題につきまして御答弁させていただきます。
 新たなバス路線の実現の可能性につきましては、平成6年にバス交通対策検討委員会、これを設置いたしまして、検討してまいりました。この結果、上鷺宮、鷺宮地域とJR中野駅を結ぶ路線などにつきまして、多額の運行経費がかかる、大きく採算割れする見込みであるというようなことが明らかとなりました。バス事業者側は、この路線の運行に当たりまして、不足額については行政側の補助が不可欠という考えを示しておるところでございます。そのようなことから、南北交通問題につきましては、区としましても大きな課題であるという認識には変わりございませんけれども、財政状況も勘案いたしますと、当面見送らざるを得ないものというふうに考えてございます。
    〔総務部長沼口昌弘登壇〕
〇総務部長(沼口昌弘) 上鷺宮五丁目冒険遊び場用地の取得についてでございますが、この用地は、長期計画策定以前の中期計画、これは平成2年から平成4年の計画でございましたけれども、その計画に基づきまして、地域の特性に合った個性ある公園づくりの用地として、平成3年度事業用地先行取得計画に基づきまして、公園用地として土地開発公社が取得し、その後、第1次長期計画で冒険遊び場として計画化したものでございます。したがいまして、冒険遊び場構想は、この用地を買う口実に利用したとか、そういうものではございません。
 次に、教職員互助会研修室及び南部教育相談室の用地についてでございますが、これはどちらを先に売却するとかいう問題ではなくて、条件が整い次第、私の方では売却手続を行っていきたいと、そのように考えてございます。
     〔教育長子安圭三登壇〕
〇教育長(子安圭三) 南部教育相談室の移転につきましてお答えをさせていただきたいと思います。
 御質問の施設移転につきましては、行財政改革という大きな視点で、既存の施設を有効に活用しながら、施策展開と臨時的財源対策を図るということから、朝日ケ丘保育園跡地を暫定的に利用していた南部教育相談分室について、事業に必要な機能が確保でき、今後も安定的に利用できるということで施設を移ることにしたものでございます。御理解いただきたいと思います。
   〔保健福祉部長浦野純子登壇〕
〇保健福祉部長(浦野純子) 私からは、保健行政に関する質問にお答えします。
 初めに、区民健診についてでございます。
 1点目の成人健診を集団健診方式にすべきではないかとの御質問でございますが、個別健診と集団健診には、それぞれ長所、短所がございます。成人健診につきましては、健診後の指導が重要であり、かかりつけ医推進の意味からも個別方式を採用しているところでございます。特に高齢者などにとりまして、近くのかかりつけの医院で継続した健康管理を受けられるという個別健診のメリットは大きいと考えております。
 2点目の肺がん検診についてでございますが、これは従来、医師会への委託による間接撮影により行っていたものでございますが、平成11年度より保健所、保健福祉相談所における高圧直接撮影に切りかえ、経費節減と精度向上を図っております。1枚のレントゲン写真による検診の有効性については、確かに議論のあるところでございますが、末梢部肺がんは胸部レントゲン写真で陰影が認められる頻度が高く、厚生労働省の研究班もその有効性は認めているところでございます。中野区でも毎年数件のがんを発見しており、男性のがんによる死亡者の中で肺がんは第1位であることから、現時点では今後も継続する考えでございます。
 3点目の乳がん検診についてでございますが、レントゲンフィルムの読影をコンピュータにより行う、いわゆるデジタル・マンモ方式は、最新の方式として、一部の研究施設で精密検査の手段として採用されております。非常にすぐれたシステムでございますが、国立がんセンターの話では、広く一般の検診を受け入れる段階にはないようでございます。
 以上、区民健診についてお答えしましたが、医学や検診システムは日々進歩しておりますので、今後もより効果的かつ合理的な方法を研究していきたいと考えております。
 次に、休日当番医についてでございますが、医科の休日当番医の診療項目は、外科、内科、小児科を中心に、地域バランスを配慮して南北に各3施設を指定し、うち1施設を入院病床が確保できる病院として実施してございます。御意見をいただきましたことにつきましては、医師会とも協議をしていきたいと考えております。
 最後に、小児救急医療体制についての御質問にお答えします。
 小児救急医療体制につきましては、医師会より御提案をいただいているところでございますが、中野区として実施する場合には、どのような方式がより合理的で利便性が高いか十分検討し、なるべく早く方向付けをしていきたいと考えております。
 以上でございます。
   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕
〇政策経営部長(渡辺征夫) 2点についてお答えさせていただきます。
 1点目でございますが、職員の意識にかかわりますお尋ねでございます。
 職員挙げてこの厳しい財政状況を乗り切るために、経費を節減し、区民サービスの向上に日々工夫を凝らし、努力しております。この職員の努力や苦しい現状につきましては、それぞれ管理職が十分承知しておりますし、職員との意思疎通を図る一方で、区長にも報告をしております。この苦しい状況を克服するために、今後とも一丸となって行財政改革に取り組むよう、私自身、心して職務を果たしていきたいと考えております。
 2点目でございますが、来年、憲法擁護・非核都市宣言20周年に当たるわけでございますので、そのことを十分踏まえまして、より多くの区民が平和を考える機会となるよう、企画を工夫していきたいと考えております。
     〔佐伯利昭議員登壇〕
〇7番(佐伯利昭) 相当な点について本来であれば再質問したいところでありますが、時間の関係もありますので、絞って質問をさせていただきたいと思います。
 まず、最初の区長の財政認識なんですけれども、とにかく問題のすりかえといいましょうか、あえて私は「区長の4期目の公約を引用するまでもないと思いますが」と言ったわけですけれども、掲げた中でも都区制度改革、介護保険の円滑な導入ができました--これはできていなかったら大変な問題なんじゃないでしょうか。私はそういったことを言ったのではなくて、いろいろなものを施設建設事業、掲げましたよね。あれだけのことをやれば、幾らの経費がかかるか。それこそ想像もつかないほどの、南部区民ホールはおつくりになります、鍋横の青少年センターもおつくりになります、何もつくります、これもつくりますと、大きなふろしきを広げたわけです。あれだけのことが本当にできると思って区民にお約束をしたのか、こういうふうに聞いたので、何も都区制度改革や介護保険のことを聞いたわけではないので、そのあたりはちょっと問題をはぐらかさないでいただきたいと思います。
 もう1点は、用地の買収・売却の問題についてですけれども、区長はよくおわかりになっていないのかもしれませんけれども、借りかえという言葉は非常に響きのいい言葉で、利息が安くなるとか、いろいろな説明をなさいます、区の方は。しかし、借りかえをするということは、その分の利息というのを余計に払っているわけですよね、その期間。これが経済感覚の甘さ、見通しの甘さでこういったこと、本来であれば、順調に買い戻しもできれば、その分の利息というのは負担しなくてよかったわけです。そういったものの負担を区民にかけているということ。区民は、借りかえ、借りかえ、利息が安くなりましたという説明しか受けなければ、それは何か区民が得したのかなと思います。そうではなくて、実際に払わなくてもよかった、本来の買い戻しができれば払わなくてよかった分の利息を余計に支払わなきゃいけない状況になっていること、こういったことを区民にちゃんと説明して、その部分の謝罪をするべきではないかとお聞きしたので、もう一度その点についてはお伺いしたいと思います。
 もう1点、アンケートの件です。藤本議員から御指摘のありましたアンケート、日経新聞とは私、言っておりません。日経地域情報、日経リサーチ、これについてのアンケートをお答えになったのかどうか。お忘れになってしまったというのなら、またあれですけれども、本当に御存じなかったのかどうか。もし思い出したらば、どういうお答えをされたのかもあわせてお聞きしたいと思います。
 それと、都市整備部長にお聞きします。警大跡地の用地の問題です。区長自身が財務省に行きました--「区長自身が」というところに非常に力が入りましたので、印象的でした。さまざまな努力をしていくということですけれども、そもそも500億円の基金を必要としていたものが、今、それこそ施設建設基金も財調基金に振りかえなきゃいけない状況になってきているわけです。そういう中で魔法があるんですかと私はお聞きしました。財政負担を軽減したとはいっても、かなりの金額が想定されると思います。じゃあ、どういう努力をするのか、その具体的にどういうふうにしたいという方針をお聞きしたかったんですけれども、余りにも漠然に「努力します」--これではなかなか話が進まないと思いますので、どういう努力をしていくのか、もう一度具体的にお聞きしたいと思います。
 あと、浦野部長にお聞きしますけれども、成人健診について、私は高齢者のことを言ったつもりはありません。新宿区の例を出しながら、いわゆる若い世代、実際に区役所の職員の皆さんも、企業にお勤めの皆さんも、集団健診でやっているわけです。もちろんかかりつけ医、地元に必要な方、その必要性というのは考えています。若い世代、集団健診をやっている役所や企業、そういった年代の人たちに関して集団健診という方式をとっていけば、幾ばくかの財政効果があるんじゃないかなということでお聞きしましたし、日曜の診療も可能になるんじゃないかなということでお聞きしました。その辺は検討の余地がないかどうか、お聞きしたいと思います。
     〔区長神山好市登壇〕
〇区長(神山好市) 佐伯議員の再質問にお答えいたします。
 財政認識の答弁の中で、介護保険あるいは都区制度の実現、そういったことを聞いたのではないということですけれども、具体的にそういう質問ではなかったと思いますけれども、政策パンフレット等に掲げた項目が本当にできると思っていたのかという御質問でしたので、掲げていた項目の中でできたもの、できないものということでお答えしたつもりでございます。先ほど答弁申し上げましたように、できなかったものもございます。そういったことについては、これは努力をする、努力目標といいますか、これからも努力をしていかなければいけない課題だというふうに認識しているところでございます。
 なお、財政の問題で、借りかえの問題が余計な利息を払っていくということです。これは当然、計画どおりに買い取りができる、あるいは支払いができるというものであれば、払わなくても済んだものかもしれません。しかし、これについては、そのときの財政事情、非常に悪化してきたと。財政状況から買い取りができないというために、延ばさざるを得ないと。延びた分についての負担が大きくなっていくことは事実でございますが、こういったものについては、そういった状況を区民の皆さんにできるだけわかりやすいように説明を今後ともしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
   〔「アンケート」と呼ぶ者あり〕
     〔区長神山好市登壇〕
〇区長(神山好市) 答弁漏れをいたしましてすみません。
 アンケートにつきましては、今、私、日経関係といいますか、リサーチと言われたかと思いますけれども、ちょっと記憶にないものですから、どんな回答をしたのかと。恐らくいろいろな機関でアンケートを求められると、そう違った答え方はしていないとは思いますけれども、日経リサーチのはちょっと今、記憶にないものですから、後ほどまた調べさせていただきたいと思います。
   〔都市整備部長宮村光雄登壇〕
〇都市整備部長(宮村光雄) 警察大学校跡地の用地取得についての再質問にお答えいたします。
 以前、500億円の基金が必要だったはずだけども、その取得について魔法はあるのか、どう具体的に努力するのかというふうな御趣旨だと思いますが、当時の状況と経済状況、大分変わってまいりましたので、金額的には当時に比べると、事業費自体は下がってきているというふうに思っておりますけども、実際の事業に当たりましては、魔法というのはございません。ですから、先ほどもお答えいたしましたが、この跡地につきまして、こういう財政状況厳しい中ですけども、区にとって非常に重要な跡地ですし、防災公園等の区にとって大事な施設をこういう状況だからといって見逃して、民間に一般競争入札で処分されるということは非常に避けなければいけないし、そうでないように努力しなくてはいけないというふうな認識はございます。ただ、具体的にどういう手法でどうやるかというのは、まさに今、私どもで、財務省の意向もかかわってきますので、財務省といろいろ接触しながら、どういう手法が可能かということを今探っているところでございます。ですから、具体的なという御質問ございましたけど、現時点でもお話しできますのは、そういった財務省との折衝の中で、理解も得ながら、こちらも努力して、何とか区民にとって大事な場をきちんと確保していきたいということで、頑張りますと言うしか今はございませんけど、最大限努力していきたいと思っております。
   〔保健福祉部長浦野純子登壇〕
〇保健福祉部長(浦野純子) 私からは、若い世代への集団健診についての勧めにお答えいたします。
 現在、若い世代でも非常に生活習慣病が多くなってございます。そのために、本年度より生活習慣病、特に糖尿病のフォロー事業なども行っております。そのため、若い方のグレーゾーンの方に健診後の指導が非常に大事だと思っておりますので、当面個別健診を行っていきたいと思っております。
     〔佐伯利昭議員登壇〕
〇7番(佐伯利昭) 申しわけありません、区長にもう一度確認をしたいと思います。
 できる努力をすると区民の皆さんに区長選でお約束したことを、できる努力はするということはわかります。実際私が言っているのは、あれだけの大きなふろしきを広げたわけですから、本当にできると思ってあの政策パンフをおつくりになったのか。本当にできると思ったんですかということを私は再三聞いたと思います。本当にできると思ったのかどうか。そこで区長としての財政認識というものもわかってくるでしょうし、現状をどういうふうに把握していたのかということもわかるでしょうし、そこでできると思ったのかどうか、そこを簡潔にお答えいただきたいと思います。
 それから、アンケートについてですけれども、どうも私どもの調査では、区長さん、これ、お答えになっているようです。国会でも「もう忘れてしまいました」という答弁をした大臣がいらっしゃいましたけれども、かなりこれ、重要な問題ですよね、多選の問題というのは、地方分権推進委員会からも勧告が出て。そういうアンケートを、たくさん来たから、いろいろ答えているからわからなくなっちゃったということでは、責任ある回答を本当にそのアンケートでしていたのかどうかということを疑わしく思ってしまうんですけれども、区長自身、本当にお忘れになってしまったのかどうか、それだけ再々質問させていただきます。
     〔区長神山好市登壇〕
〇区長(神山好市) 再々質問にお答えいたします。
 今のアンケートから先にお答えさせていただきますけれども、アンケート、それはいろいろなところからのアンケートがございます。その中で、多選についてのアンケートも答えた記憶はあるんです。ただ、日経リサーチと言われましたので、その日経リサーチにどういう答え方をしたのかというのは今、思い出せなかったということでございますので、調べさせていただきたいということです。
 それから、パンフレットに掲げたことができると思っていたのかということですが、これは私、区政の課題ということで、やっていかなければならない問題だという認識で取り組んできたつもりです、考えてきたつもりです。
〇議長(斉藤金造) 以上で佐伯利昭議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 はっとり 幸 子
 1 区長の区政運営における姿勢について介護保険について
 2 介護保険について
  (1)低所得者への対応について
    ア 保険料の見直しについて
    イ 利用料減免について
  (2)制度の周知徹底と事業者情報について
  (3)その他
    ア 要介護認定の迅速化について
    イ サービス担当者会議(ケアカンファレンス)について
 3 (仮称)男女平等基本条例について
 4 食の安全について
 5 化学物質過敏症への対応について
 6 その他
〇議長(斉藤金造) 次に、はっとり幸子議員。
    〔はっとり幸子議員登壇〕
〇19番(はっとり幸子) 2001年第4回定例会におきまして、中野の新しい未来の創造に向け、一般質問をいたします。
 最初に、介護保険についてお聞きします。
 1点目は、低所得者への対応についての保険料の見直しについてです。
 厚生労働省の調査によれば、ことし10月1日の時点で、介護保険料の自治体による独自減免は、全国の自治体の1割を超える310の区市町村に上っています。その後もふえ続けています。
 介護保険料の見直しについて中野区は、3年ごとに行う事業計画の改定の中で検討するとの考えを示しています。11月14日、区長は、第2次介護保険事業計画の策定に当たり、中野区介護保険運営協議会に対し、区民の負担能力に配慮した保険料の段階区分料率の見直しについてを、次期事業計画期間における介護サービス量の見込みや、その他特別給付など、介護保険事業の充実・改善方策などとともに諮問を行いました。
 2000年度介護保険特別会計の決算状況について、区の資料によれば、第1号被保険者保険料の段階別人数は、世帯全員が住民税非課税の第2段階の割合が31%と最も多く、次いで、本人が住民税非課税で、他の世帯員が住民税課税の第3段階。3番目は、本人が住民税課税で、合計所得が250万円未満の第4段階の順となっています。全国の平均は第3段階が最も多く、次いで第2段階となっていますが、中野区の場合は、高齢者のみの世帯の割合が全国平均より多いためということです。また、第5段階における人数の割合は20.1%で、全国平均の9.4%を大きく上回っています。第5段階は、住民税課税で所得金額が250万円以上最高額までとなっており、制度導入当初から指摘されてきたように、幅が広すぎます。よって、第5段階を例えば250万円から1,000万円未満と、1,000万円以上とに二分し、基準料にかける料率の見直しも行うなど、保険料の枠内における組み換えをすべきだと考えます。また、人数割合の一番多い第2段階の普通徴収の収納率は88.2%で、段階別では一番低く、制度を維持していくためにも、この段階の料率の見直しもあわせ、早急に取り組むことが必要です。
 区は見直しの内容について、運営協議会に諮問し議論を任せておくだけでなく、保険者として主体的に検討すべきだと思います。現在、どのような検討をされているのでしょうか、お答えください。これは昨日の長沢議員の質問にもありましたけれども、改めてお答えいただきたいと思います。
 次に、利用料の減免について伺います。
 東京都はこのたび、国の特別対策である社会福祉法人等による生計困難者への利用者負担軽減措置事業を活用し、独自の助成制度による拡充策を来年1月から導入すると発表しました。国の制度では社会福祉法人と自治体に限られている助成対象に民間事業者も加えることで、競争を促すことがねらいとされ、都道府県では初めての独自施策ということです。国は社会福祉法人と社会福祉事業を行う自治体を対象に、訪問介護や通所介護などの低所得者向け減免措置の一部を助成していますが、都はこうした国の制度も取り込んだ上で、民間事業者も助成対象に加え、対象となるサービスの種類もふやし、減免額の半額を区市町村と折半するとしています。対象者は、住民税非課税で「生計が困難である」と首長が認めた人で、都全体で2万2,000人と見込まれているとのことです。都独自のこの制度が活用されれば、要介護度5で在宅介護を受けている人の場合、約3万5,000円の毎月の自己負担額が半額程度になるということです。
 そこでお尋ねしますが、制度導入による区内の対象者をどのくらいと見込んでいるのでしょうか。また、対象者をリストアップするための区の事務量の増加や、制度導入を予定している1月からは、従来の国の減免制度に加え、ホームヘルプ利用者に対する区独自の減免制度の申請も重なりますから、十分に対応できる職員体制が必要であると思います。また、参入の意向のある事業者をどのくらいと見込んでいるのでしょうか。昨日の答弁は、現在呼びかけをしているということでしたが、参入の事業者の数によって、職員体制をどのようにしていくのか変わってくると思います。区はどのようにお考えなのでしょうか。
 新聞報道によれば、大手の事業者は「低所得者対策を行えば、サービス量はふえ、制度の浸透も進む」と前向きに取り組む姿勢を見せています。しかし、持ち出しが読めないだけに、慎重な事業者も少なくないようです。訪問介護サービスを担うNPOなどからは、軽減策そのものの必要性を疑問視する声も強くありますし、「直接利用者へ補助した方が簡単であり、これでは事業者いじめになる」という声も出ています。「これ以上民間事業者に負担をかければ、制度自体が存続できなくなるのでは」と危惧する保険者もある中、都の助成制度導入について区はどのように取り組もうとお考えなのか、伺います。
 次に、制度の周知徹底についてお聞きします。
 11月25日の区報は、区が作成している高齢者福祉の手引き「銀のしおり」の内容変更について掲載しています。変更や廃止となるサービスについてページを示し、「昨年度配布した冊子の内容に変更があります」と11の項目についてお知らせをしています。そのほかにも、組織改正による担当課係名や施設案内、介護保険内のサービスであるショートステイの利用変更など、幾つかの変更があると記されていますが、具体的には書いていません。そして、「「銀のしおり」を訂正の上、ご活用ください」と書いています。4月以降新たに65歳になった方がいる世帯や、転入などで65歳以上の方がいる世帯には、訂正した冊子を郵送しているとのことですが、区報を読んだ区民の方から「ここまでお金がないということのアピールでしょうか。それにしても、区報で「銀のしおり」の訂正を呼びかけるのは不親切ですね」との電話がありました。担当課にお聞きしたところでは、「「銀のしおり」は情報のインデックスと位置付けている。印刷経費、配布経費が予算化できなかったためで、申しわけない」とのお話でした。
 区内で活動しているヘルパーの方からは、訪問介護サービスの利用者に「保険料はいくつまで払うの」とか「きちんと払っていれば、戻ってくるのでしょう」と聞かれて、「生きている限り払うんです。戻ってはきません」と説明するのはつらいという話も聞きます。これまでも区が制度の周知について幾つかの取り組みをしてきていることは承知していますが、まだ制度の仕組みや利用方法など理解していない区民が多いと思います。区独自のホームヘルプサービス利用料の軽減策や、今回の都における新たな施策なども含めて、正しく早く周知を図る工夫が必要です。今後、周知の徹底を図るための方策をどのようにお考えでしょうか。具体的にお示しください。
 次に、事業者情報についてお聞きします。
 サービス事業者との契約をスローガンにして始まった介護保険ですが、利用者には、契約を結ぼうにもその前提となる事業者情報が十分伝わっていません。介護保険事業者情報については、多摩地域を始め、杉並区、練馬区、板橋区など、既に多くの自治体でいろいろと工夫された事業者名簿が作成されています。中野区は東京都のホームページをダウンロードしているだけの対応でしかなく、利用者にとっては、各事業者の特色もわからず、決して使いやすいものではありません。区は保険者としての責務である情報伝達を怠っていると思います。
 杉並区は今年度、ガイドブックを発行しましたが、来年度はさらに4月発行を目指し、サービス事業者の特色、サービスなどをまとめた独自のガイドブックを作成する予定です。公募の区民、ケアマネジャー、消費者団体の代表などで編集委員会をつくり、利用者の視点に立って、各事業者のサービスの違いなどを掲載するのが特徴です。また、編集委員会の中で、介護保険の現場から見た意見などを聞き、行政サイドでは気づきにくい情報も盛り込もうと考えているそうです。同時に杉並区は、訪問介護事業者が自らのサービスを点検する自己評価事業にも取り組み、各事業者のサービス向上を促したいとしています。こうした区民との協働の取り組みによるガイドブックの発行など、中野区でも十分考えられる事業だと思います。お考えをお聞きします。
 この項のその他で2点伺います。
 1点は、要介護認定の迅速化についてです。要介護認定については、申請から認定までは30日以内と法で規定されていますが、中野区は、認定の通知が届くまで30日を超えるケースが全体の約80%という実態が依然として改善されていません。その理由として、中野区は訪問調査員の人数が少ないため、申請から訪問調査までの時間がかかること、かかりつけ医の意見書の提出が遅いことなどが挙げられます。介護認定の通知が遅れると、高齢者は不安に駆られ、たびたび区の担当者に電話をかけたりしているとヘルパーの方から聞きます。区も遅延通知書を郵送するなどでむだな経費がかかっています。また、要支援の高齢者は、認定通知が遅れると、認定結果が自立となるのではと心配し、自己負担の費用がふえないように利用を控えたりします。そうすると、前月どおりに作成したケアプランは変更を余儀なくされ、事業者にとっては事務作業がふえて、事業収入が減るなどの痛手となっています。
 こうした状況への対応として、訪問調査員の人数をふやすことが必要だと思います。民間事業者への委託をふやすとともに、訪問調査員も現員の3人では限界ですから、この御時世ではありますが、検討は必要ではないでしょうか。また、高齢者のかかりつけ医も、大学病院などではなく、身近な地域にかかりつけ医をつくることを進めていく取り組みが求められます。これまで中野区は、かかりつけ医機能推進事業を進めてきていますが、身近な医療機関で実施している区民健診などの機会をとらえて、高齢者のかかりつけ医づくりにつなげることなどを考えれば、新たな経費をかけずにできます。要介護認定の迅速化に向けた2点の提案について、区のお考えを伺います。
 最後に、この項で、サービス担当者会議について、いわゆるケアカンファレンスと呼ばれていますが、その点についてお聞きします。
 一人の利用者が複数のサービスを利用する場合、各事業者が一定の方向性を持った共通認識のもとで、同業者間においては同質のサービスによる対応が大変重要です。ケアプラン作成に当たっては、利用者にとって必要な、よりよいサービスを行うために、ケアマネジャーが招集して、利用者とその家族、医療、福祉のサービス提供者が一堂に会して検討の場を持つことは大事なことです。介護保険制度においても、サービス担当者会議として実施することとなっています。しかし、区における2000年度の介護保険事業実施報告によれば、昨年度は区内8カ所の在宅介護支援センターで地域支援会議を開催していますが、いずれも年度末に1回だけの開催です。区内で実際に開かれているケースは少ないようですが、区は実態をどのように把握しているのでしょうか、お聞きします。
 多忙をきわめるケアマネジャーが、医療、介護など多岐にわたるサービス事業者に連絡をとり、場を設定するのは、なかなか難しい現実があります。参加の医師にだけは居宅療養管理という名目による報酬がありますが、ケアマネジャーには、ケアプラン作成による1件約7,000円の報酬のみとなっています。ケアマネジャーが医療系で同系列の事業者である場合は、サービス担当者会議開催が比較的容易です。しかし、各事業者が単独の場合は、もともと事業者間の連携がないため、呼びかけが難しく、開催場所などの問題もあり、実施できないのが現状です。来年3月にはようやく事業者協議会が設置されるとのことですので、こうした課題の解決にも期待がかかります。在宅介護支援センターを利用しやすくすることなどを含めて、区はサービス担当者会議を開催しやすい環境整備をしていく役割が求められています。区のお考えを伺って、この項の質問を終わります。
 次に、現在、区が制定に向けて検討を進めている(仮称)中野区男女平等基本条例についてですが、条例に盛り込む内容については、これまでの中野区における区民との協働による女性施策の取り組みの実績を踏まえ、中野らしさを表現したものを制定するよう十分な検討を望んでいますが、区のお考えをお示しください。この1点のみを質問いたしまして、別の機会に改めて質問をさせていただきます。
 次に、食の安全について、BSE(牛海綿状脳症)、いわゆる狂牛病への対応について、食の安全確保の観点からお聞きします。
 ことし9月10日、農水省の千葉県白井市における「狂牛病国内初感染の疑いのある牛が発見された」との発表以来、日本列島を激震が走っています。そして、事ここに至るまでの、また、ここに至った後の国の対応のまずさとマスコミの報道の過熱もあり、狂牛病問題は文字どおりのパニックとなっています。対応は後手、後手に回り、混乱をきわめている農水省、厚生労働省は、10月18日から始まった屠畜牛の全頭検査を前提に、発症原因さえ明確に解明されていない状況で、今回のパニックを沈静化させるために泥縄の安全宣言をし、対応策を打ち出しました。しかし、その対応策の多くは、本来であれば、遅くとも1996年の第1次狂牛病パニックの時点で実施しておくべきものでした。この対応の遅れは深刻であり、その責任は重大です。そして、このことは、食品や医薬品等の安全性をいかに保障していくべきかという問題に対する国の認識の弱さや甘さを露呈するものです。こうした対応を見るにつけ、狂牛病のみならず、遺伝子組み換え食品やいわゆる環境ホルモンなどに対する国の対応も、果たしてこれでよいものかと危惧します。
 何が問題で、何がどう解決されつつあるのか、私たち市民には全く不透明で、不安が続いています。ある調査会社の主婦を対象とする影響調査の結果で、「牛肉を控える」また「役所の情報を信用できない」と回答した人たちがともに8割以上になっていると報道されています。そうした中で、さらに11月21日には、北海道の牧場で飼育されていた乳牛が狂牛病であることが判明しました。ついに2頭目の発症で、最も懸念していた事態が生じました。私たち市民だけでなく、畜産、酪農、食肉販売などの関係者が日々の生活に深刻な不安を抱いているのは当然ですし、このまま場当たり的な対応を続けていけば、必ず将来に禍根を残すことになります。
 日本における狂牛病発症の原点に立ち戻り、国の責任を明らかにしていくことが必要であり、また、感染の拡大を防止するために、「入口」としての畜産・酪農のあり方から、「出口」である食品衛生のあり方まで、危機意識を持ち、総合的で横断的な施策について、徹底した情報公開のもとで実施すべきだと考えます。これらかになっている国や東京都の対策状況では、私はとても安全宣言を出せる状況ではないと考えています。そのため、少なくとも次の点について、国と東京都の早期の徹底した対応が必要です。
 まず、屠畜牛の全頭検な実施と情報公開がすべての対策の基本です。チェック体制や監査体制の構築を含め、徹底すべきです。
 次に、牛の個別識別システムの構築を前提に、発症牛の発見時や検査陽性確定後の危機管理マニュアルの整備・統一を進めるべきです。
 また、屠畜場での二次汚染を回避するために、安全性確保の観点に立った解体作業マニュアルを整備し、徹底すべきです。いわゆる背割りの見直しを含んで、徹底すべきです。
 さらに、特定危険部位にとどまらない、石けん類、化粧品類などの牛由来原材料の安全性指標を明確にすべきです。今回のパニックを沈静化させる意味からも、狂牛病の多く発生している国と同レベルの対応を検討することも必要です。そして、まだ解明されていない、国内初の狂牛病発症の原因究明に全力を挙げるべきです。これを決してうやむやにしてはなりません。
 そこでお尋ねしますが、区は今回の狂牛病の国内発症にかかわる国や都の対応について、どのような見解をお持ちでしょうか。今回の事態の中で、保健所や消費者センターに寄せられている、不安を持つ区民からの相談や質問に対し、現在どのような対応をされているのでしょうか。また、そうした区民の目線に立ち、あらゆる媒体を使った情報提供が必要だと思います。取り組みについて、どのように進めているのかお聞きします。また、国や都に対し、狂牛病に関して何か働きかけをしているのでしょうか。また、今後の区のこの問題に対する安全確保対策についてのお考えをお聞かせいただいて、この項の質問を終わります。
 区長の区政運営における姿勢についてお聞きします。
 来年6月14日には4期目の任期満了日を迎える神山区長の区政運営の姿勢が、今議会でもまた何人もの同僚議員からただされました。区長に財政の危機認識がなかったために改革が遅れたことが主要原因であることは周知のことですが、なぜ財政がここまでの危機に陥ったかをどうお考えでしょうか。
 私は、ことしの第1回定例会の一般会計予算に対する反対討論の中で、「上野原の用地購入の前後、区民の多くの目が上野原に集中している時期、区内の土地も不透明な購入をし、さらにそのことを隠し続けて先送りする道を選んできている、そのツケが、23区最悪という中野区の財政危機の主たる要因です。上野原問題はその象徴たるものと言えます」と述べました。こうした状況は、全国で起きている財政危機にある自治体の典型的なケースとして、物の本にも記されています。しかし、この中で私は「だれが、何を、どこで」とは述べていないにもかかわらず、その後二、三日間、この庁舎内では職員に箝口令がしかれたり、私のところには複数の職員が来て、何を知っているのかを探る動きがあり、当の私が驚くほどの区の狼狽ぶりでした。こうした動きが、逆にこのことの真実性を裏付ける結果となりました。区長は多分御存じないでしょう。
 今、区の行政組織は疲弊こんぱいしています。区長は庁内をくまなく歩いて、職員と話をしたこと がありますか。区長に会っても、すぐ区長とわからないという職員がいることを知っていますか。 「だれでもいいから次は新しい区長を」という幾つもの声があることを知っていますか。(仮称)多選禁止条例が議員提案されるかもしれないと、これも何人もの期待する職員から複数の議員に「頑張って」と声がかかっていたのを知っていますか。きのう、私は夜9時を過ぎて控室を出ました。自転車置き場まで行く間に何人かの職員に会いました。その中の一人が、「区長は次も出るんでしょうか。でも、出たとしてもついていく職員がいるんでしょうか」と言いました。区長はこうした職員の思いをどのように受けとめますか。もし区長がこうした職員の思いを御存じでなかったら、もう立派な裸の王様ですね。
 今月の我が市民自治フォーラムの政策研究会の講師は、ある区の幹部職員の方でした。議会中なのに、そして重要なポジションであるのに、私たちの熱い呼びかけにこたえてここまで来てくれました。淡々とお話をされていましたが、自治体の職員として実に自信を持っていて、区長とともに学びながら、政策論議をして、さまざまな施策を豊かに展開している様子がよくわかりました。中野区の理事者の皆さんもそういう環境を享受できたら、きっと生き生きと仕事ができるだろうと思いました。
 第3回定例会で、区長は新たに教育委員を任命しました。教育委員としてのごあいさつを聞く限りでは、区長が述べられた推薦理由とは違っていました。新教育委員さんがおっしゃるような条件に当てはまる方は、区民推薦の中に複数いるのではないですか。どのように思いましたか。区長はことしの第1回定例会の所信表明で、教育委員区民推薦について述べています。「昨年の推薦期間中に区民から寄せられた推薦書は、3,290枚でした。また、推薦に先立って実施した教育フォーラムには、延べ1,058人の人が参加しました。この区民参加の仕組みについては現在の形になるまでに長い経緯がありましたが、今回もさまざまな形で中野の教育について語り合い、多くの区民の参加を得たことは、教育を区民の身近なものにすることになったと思います。これから推薦結果の報告を受けることになりますので、区民の皆様からいただいた推薦理由などを十分読ませていただき、ふさわしい人を私自身が選んで、教育委員候補者として議会に提案したいと考えています」と述べられています。区長御自身がつくった区民参加の仕組みに参加した3,290人の区民の皆さんは、何を思っているでしょう。
 私たちの会派が全員でこの同意案件に反対の意思表示をしたのは、区長の政治姿勢に対する異議ありという思いなのです。「区長は区民との対話を避けている」、こんな声が区民の間からよく聞こえます。これまで議会でも、区長のそうした姿勢が問題になっています。特定の団体とは対話を重ねているようですが、もっと区の重要施策にかかわる説明会、意見交換会に出席すべきではないですか。苦しい財政の中、区長が出ていって頭を下げて、誠心誠意区民に話をすれば、職員が苦労しなくても、区民が理解することもさまざまあるとは思いませんか。
 江古田の森整備についても同様です。まだ厚生省であったころ、佐藤議員とともに、区が交渉しているというセクションを訪ねました。議会へ報告していることとは異なり、厚生省側は、計画案も示されないままで交渉という認識はありませんでした。たびたび議会でも、区長が出向いたらどうかと提案されてきています。しかし、ここでも区長は行動が鈍いままです。
 ことし4月に行われた区の組織改正における問題は、傷を負った人たちが何人も出てしまいました。総務委員会での答弁は、区長としての責任を認識していないとしか思えないものであり、職員が聞いたら何と言うでしょうか。区長は、中野区の区長として何をしようとして4期目に臨まれたのでしょう。これまでに述べてきたように、もう区長をこれ以上続けることはいかがなものかと思っている区民、職員がどれだけいるかを自ら知るべきではないでしょうか。区長御自身の今後についてどのようにお考えか、お尋ねします。
 私は、多くの区民の皆さんとともに、来年6月15日から中野の新しい未来創造のために歩みを始めることを宣言しまして、質問を終わります。
     〔区長神山好市登壇〕
〇区長(神山好市) はっとり議員の御質問にお答えいたします。
 介護保険、また介護認定の問題、男女平等、食の問題、それぞれ担当部長の方からお答えいたします。私からは最後の御質問にお答えしたいと思います。政治姿勢についてでございます。
 私は、区民の意見を聞きながら、区民本位の区政の実現、これを目指して努力をしてきたつもりです。しかし、バブル経済崩壊後の景気の長期低迷で、区税等の歳入が減少を続けて、施策水準を維持することが困難な財政状況となりました。そのために、経常的な事務改善に加えて事務事業の総点検、財政健全化推進プランなど、その時々に取り組みをやってまいりました。職員数の削減を始めとして内部改善を進めて、歳入の不足を補うために減収減税補てん債の発行や基金の活用など、さまざまに工夫をして対処してきたところでございます。これらの取り組みで一定の効果は得られたというふうに思いますが、この間の日本経済の悪化は予測を上回るものでございます。結果として、歳入と施策のバランスを回復するまでの行財政構造の改革にはたどり着けていなかったというふうに思います。そのことを踏まえて、昨年、行財政5か年計画をつくったところです。私は、この行財政5か年計画の着実な実現に向けて努力をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
 教育委員の問題、これについても私は、教育行政に手腕を発揮してくれる委員ということで、適任者と思って推薦し、選任したところでございます。
 今後の問題、どうするのかということですが、これについてはこれまでも何度かお答えいたしておりますけれども、まだ今、どうこうするということを申し上げる時期ではないというふうに思っております。御理解いただきたいと思います。
   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕
〇福祉担当部長(本橋一夫) 私からは、介護保険についての御質問にお答えいたします。
 まず、保険料の見直しについてですが、保険料の設定は、次期事業計画における介護サービス量の見込みと不可分の関係にあります。また、保険料を負担する第1号被保険者の意見も反映させることが法の趣旨でもあります。そこで今回、次期介護保険事業計画の策定に当たり、段階区分、料率等の見直しについて、介護保険運営協議会に諮問したところであります。昨日、区長が答弁いたしましたように、所得段階を6段階にし、料率区分を工夫するなど、区民の負担能力に配慮したきめ細かな保険料の設定方法を検討していただきたいと考えております。区としては、保険料負担について、家計モデルを設定しての負担の比較や、段階区分の基準を変えた場合の試算などの検討もしてきております。これらも含め、これまでの制度運営を通じての課題認識などを運営協議会にお示しするとともに、事務局としての立場から、運営協議会における検討の素材を提供していきたいと考えております。
 次に、都の利用料軽減措置についてですが、都の措置の対象は「住民税非課税世帯の中で特に生計が困難な者」ということになっております。1人世帯の場合、年間収入が約120万円以下などの基準が示されております。これらから推計いたしますと、区内での対象者はおおむね400ないし500人ぐらいになるというふうに見込んでおります。
 対応のための事務についてでございますが、利用者からの軽減申請の受け付け事務を始め、事業者からの相談や補助金交付事務等が新たに加わるものと考えております。これらの業務につきましては、事務分担の見直しや事務の執行方法等を工夫することによりまして、現行体制での対応が可能と考えております。
 参入意向の事業者についてですが、この措置は、これまでの自治体独自の軽減措置と異なりまして、介護サービス事業者にも財政的な負担を求めるものであります。このため、現在、区では、社会福祉法人や民間事業者を対象に意見交換会やアンケート調査などを実施し、参加意向の把握に努めているところでありまして、まだその集計、整理ができていないという状況にございます。
 次に、介護保険の仕組みや利用方法のPRについてでございます。
 これまで区報への掲載や地域説明会の開催、また、区民に直接利用案内を送付するなど、介護サービスの利用を促してまいりました。また、対象者に直接利用の勧奨を行うことも必要と考えまして、民生委員さんによるひとり暮らしの高齢者確認調査の際に、民生委員さんが直接御本人に声かけしながらパンフレットを配っていただくなどの取り組みもしてまいりました。本年10月から実施いたしました、このホームヘルプサービスの利用料の軽減措置につきましても、対象となる方々に申請書を同封した利用案内を送付することにより、利用の勧奨を行っております。ただ、高齢者の中には、これらチラシですとかパンフレットなどをなかなか見ない方もおられると思われます。今後は老人クラブですとか、高齢者が日ごろ利用している高齢者福祉センター、高齢者会館などの施設を利用する方々の間で介護保険などのことが話題になるような工夫、あるいはまた、地域でのボランティアコーナーなどの取り組みなどとも協力しながら、さまざまな形でPRが行き届くように工夫してまいりたいと考えております。
 次に、事業者情報の提供についてですが、区では現在、区民やケアマネジャーに対しまして、介護サービス事業者に関する情報を介護サービス情報ホームページにより提供しておりますが、インターネットを利用しない方も多く、また、ケアマネジャーが携帯できるような資料も必要ということから、事業者案内の小冊子を発行することにいたしました。現在、その準備を進めております。他区では、御紹介もありましたように、いろいろ工夫したガイドブックを発行しているところもございますが、まずは、中野においては事業者案内の冊子として発行し、利用者の反応を見ながら、またいろいろお声も聞きながら、事業者協議会などとも協力して、内容を充実させていきたいというふうに考えております。
 次に、認定調査についてでございます。
 区は、認定調査につきましては調査委託を基本として、職員による調査は調査が困難なケースなどを中心に行い、また、いろいろな調査の実情等を把握するというような形で対応しております。現在、全庁的に職員の配置数の見直し等々を検討している中でもございますので、認定調査のため直ちに調査員の増員ということは難しいと考えております。そこで、担当課の中での仕事の分担の改善、また、委託事業者の拡大などに努めておりますが、さらに委託調査が効果的に行えるような工夫などもしながら、期間の短縮に努めていきたいと考えております。
 また、身近な地域でかかりつけ医を持つことは、高齢者が地域で自立した生活を維持していく上でも大切なことであるというふうに考えております。また、これが迅速に介護認定を行う上にとっても効果があるというふうに考えております。そこで区では、かかりつけ医推進事業に取り組み、かかりつけ医づくりのPR、また、かかりつけ医の紹介窓口の設置などを実施してまいりましたが、今後も身近な医療機関で受診できる区民健診等を通じて、地域でのかかりつけ医づくりをさらに推進していきたいと考えております。
 次に、サービス担当者会議についてでございます。
 これは、ケアプランの作成や点検に際して、ケアマネジャーを中心に、サービスを提供する事業者の担当者が集まり、要介護者本人や家族の希望を聞きながら、適切なサービスが提供できるように調整するために開催するのが望ましいとされております。現在、在宅介護支援センターでは、必要に応じて、サービス事業者のほか、区の保健婦やケースワーカーなども参加して担当者会議を開催しておりますが、一般的には、ケアマネジャーは本人や御家族の希望を聞いて、特に担当者会議などを開催はせずに、各サービス事業者と意見交換や連絡調整を行ってケアプランを作成しているというのが実態であるというふうに見ております。区といたしましては、在宅介護支援センターごとに開催する地域支援会議やケアマネジャーの連絡会などにおいて、この担当者会議の開催を促していきたいと考えておりますが、一方で、サービス担当者会議が開催されにくい理由の中には、会議への参加が介護サービスの一環と位置付けられておりまして、特に報酬支払いの対象になっていないということも理由の一つとしてあろうかと考えております。そんなことで、ケアマネジャーやヘルパーのサービス担当者会議への参加についても、何らかの対応がなされるように国に要望することも検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕
〇地域センター部長(柳澤一平) (仮称)男女平等基本条例についてお答え申し上げます。
 区では、男女平等の推進について、これまでも区民とともに積極的な取り組みを行ってきておりまして、2000年3月には、区民参加によります男女共同参画基本計画を策定いたしました。今年度は区民フォーラムや区民意見交換会を開催するなどいたしまして、区民の意見、それから御要望をお聞きしたところでございます。こうした取り組みを踏まえまして、現在、基本条例に規定すべき内容について検討を進めているというところでございます。
   〔保健福祉部長浦野純子登壇〕
〇保健福祉部長(浦野純子) 食の安全について、狂牛病のお尋ねにお答えいたします。
 今回の国の狂牛病対応につきましては、対応の遅れがあった面もあるかと思っております。国への要望につきましては、農林水産省より保健衛生主管部長会に対し、今回の対応などについての説明がありました際、部長会として一層の安全対策の推進などについて強く国へ要望いたしました。今回の区の取り組みは、狂牛病発生以来、情報収集に努め、区民からの問い合わせに答えてきましたが、健康危機管理に基づき、刻々変化する情報を正確、タイムリーに区民に提供するため、区のホームページに牛海綿状脳症(狂牛病)についてのコーナーを設置してございます。さらに、区で実施いたしました牛肉取り扱い店などの狂牛病にかかわります一斉監視の結果も、区報などで区民にお知らせしてまいりました。また、保健所では、区民からの情報が寄せられます消費者センターとも連携をとりながら対応を図るとともに、消費者団体の会合や消費生活展への参加を通して、狂牛病についての情報提供に努めてまいりました。あわせて、保健衛生情報連絡会を通して、庁内での情報の共有も行いました。正確な情報提供を行い、区民の不安を解消していくことが区の重要な役割であることから、今後とも新たな情報の収集に努め、随時ホームページを更新してまいりますが、現在、CTN(シティテレビ中野)で、11月29日から12月3日まで情報提供の番組も放映中でございます。
    〔はっとり幸子議員登壇〕
〇19番(はっとり幸子) すみません、1点だけ。利用料の減免で、都の制度に参入する事業者数を聞いたんですけれども、これは締め切りから10日たっておりますし、数だけでも教えていただけないだろうかというふうに思いますので、1点だけお願いいたします。
   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕
〇福祉担当部長(本橋一夫) お答えいたします。
 明確に参加の意向を示してきている事業者は、現在のところ1事業者でございます。それぞれの事業者において、他の事業者での様子を今見ているというような状況かと思っております。これから私どもの方でも、さらに打ち返しといいましょうか、確認の問い合わせをまたしていこうというふうに考えているところでございます。
〇議長(斉藤金造) 以上ではっとり幸子議員の質問は終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後3時47分休憩

      午後4時20分開議
〇議長(斉藤金造) 会議を再開いたします。
 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。

中野区議会議員 むとう 有 子
 1 教育長の公募制について
 2 障碍のある子どもの教育について
 3 支援費支給制度について
 4 電子区役所について
 5 その他

〇議長(斉藤金造) むとう有子議員。
     〔むとう有子議員登壇〕
〇9番(むとう有子) 区民の方々から寄せられる小さな声を区政の中に届けていくということが私の信条でございます。この間、区民の皆様から私に寄せられた御意見をもとに質疑をいたします。
 まず最初に、教育長の公募制についてお尋ねいたします。
 「教師と子どもがともに生きる喜びを失わない学校づくり」を目指す福島県三春町の教育改革は、全国から注目されております。この町で全国初の教育長公募が昨年、2000年10月に実施されました。公募要項を発表したところ、マスコミにも大きく取り上げられ、全国各地から、国外からも問い合わせが殺到し、応募者数は453人だったそうです。このように、三春町の試みが全国の自治体に静かながら確実に浸透しています。三春町に続き、静岡県蒲原町、愛知県西春町でも行われ、そして、神奈川県逗子市がことし、2001年9月に教育長の公募を実施し、今まさに選考委員会からの結果報告を受け、任命が行われようとしているようです。ちなみに応募者は528人だったそうです。5番目となる東京都青ケ島村では、ことし11月5日から11月30日、本日まで応募期間となっており、現在進行中です。
 三春町から青ケ島村まで、教育長公募に至った経緯をほぼ同様に説明していますが、逗子市の経緯を紹介いたします。「個性を伸ばす教育改革を推進するためには、市内外を問わず、また教育経験の有無にかかわらず、既成概念にとらわれない柔軟な発想で教育のありようを根源的に問い直す問題意識や、教育が陥りがちな閉鎖性や硬直性を打破できる力量と人柄が求められている。特に最近の公教育の学力、体験学習における私教育とのギャップの解消等に当たっては、公教育のよさを大切にしつつも、教育力の向上にふさわしい見識と同時に、改革しようとする強い意志と情熱が必要とされる。さらに、市民の意見を踏まえ、協働志向的に行動する姿勢やコーディネート能力も重要な要件ととらえている。以上のことから、教育長については、市内居住者に限定せず、広く人材を求め、慎重に選考手続を進めるため、公募方式によることとした」。以上ですが、教育長公募を実施するに当たる教育をめぐる背景と課題は、中野区においても共通ではないかと私は思います。
 そこでお尋ねいたしますが、教育長の公募を実施した三春町長や逗子市長の教育に対する問題意識と公募の試みについて、どのように評価なさっているのか、神山区長のお考えをお聞かせください。
 中野区においても、子安教育長の任期が12月14日で満了になります。三春町で2カ月間、逗子市では今現在5カ月間、教育長が空席となっていますが、時間をかけて選考し、丁寧な人選を行っています。教育長空席期間が数カ月あっても、その後の教育向上に資すれば、区民は納得するのではないでしょうか。教育委員候補者区民推薦制度をさらに充実させるためにも、私は教育長の公募制度の導入を検討していただきたいと思います。
 神山区長はどのような視点で教育長をお選びになるのか。また、これまで教育長の公募を検討したことはあるのか。さらに、これから教育長公募制度を検討するおつもりがあるのか。もし検討するおつもりがないのなら、その理由もあわせてお答えください。
 次に、障害のある子どもの教育についてお尋ねいたします。
 11月18日付「教育だよりなかの」の2面に障害教育が取り上げられておりました。その中に、「「障害のある幼児・児童・生徒への理解を深め、一人ひとりに応じた適切な指導を進めて、ともに 生きる力と態度を育てる」ことを学校教育の指導目標とし、これに基づいて障害教育を進めていま す」と書かれていました。私は、障害のある・なしにかかわらず、一人ひとりに応じた適切な指導を進めてほしいと考えますが、中野区ではどのように一人ひとりに応じた適切な指導を実現しようとなさっているのか。障害教育について、質・量ともに区民のニーズにこたえられているのか。「教育だより」では読み取ることができませんでしたので、改めてお尋ねいたします。
 日本では、障害のある子とない子を分けて教育する分離教育がなされていますが、世界の流れとしては、さまざまな子どもがともに学ぶことを大切にしていこうという方向で、統合教育へと動いております。
 アメリカ合衆国では、1977年、全障害児教育法ができ、「障害児と健常児は可能な限り一緒に教育すること」が提言され、多くの地域、学校で、インクルージョンと呼ばれる、ともに学ぶ教育が進められているそうです。また、子どもの権利条約においても、障害による差別を禁止し、保護者と本人の意見表明権をうたっています。国連では、1993年12月、障害者の機会均等化に関する基準規則が総会で採択され、「政府は障害のある児童・青年・成人の統合された環境での教育の機会均等の原則を認識すべきである」という、統合教育を原則とした方向を打ち出しています。
 さらに、1994年6月にスペインのサラマンカで開催された特別ニーズ教育に関する世界会議では、「サラマンカ宣言」が採択され、「特別な教育ニーズを有する人々は、そのニーズに見合った教育を行えるような子ども中心の普通学校にアクセスしなければならない。障害児も健常児もともに学ぶ方向性を持つ学校こそが、差別的な態度と闘い、喜んで受け入れられる地域をつくり、障害児と健常児の壁を取り除き、ともに当たり前に生活する社会を建設し、万人のための教育を達成するための最も効果的な手段である。さらに、こうした学校は大多数の子どもたちに対して効果的な教育を提供し、効率性を上げて、結局のところ教育システム全体の経費節約をもたらすものである」として、障害児も健常児もともに学ぶことが社会を変えることにもなると宣言しています。
 しかし、そもそも普通学校のカリキュラムやシステムが日本とは大きく違っているようなので、今すぐ日本の現状の普通学校に統合教育を導入することがベストであるとは言いがたい部分もあろうかと思いますが、世界の流れは、障害児も健常児もともに学ぶ方向で確実に動いています。日本において、現行法では、障害のある児童の普通学級への措置は認められていないようですが、市町村の教育委員会が就学事務を行っているので、保護者や本人が強く希望すれば、通常学級を選ぶことも実際にはできていますし、中野区でも通常学級を選び就学する児童が少しずつ増加しています。
 すぐには実現できないまでも、目指す方向性として、一人ひとりに応じた適切な指導を進めていけば、中野区はいずれ、障害のある子もない子もともに学ぶ学校の実現へと結果的に向かうことになるのではないかと思われますが、いかがお考えでしょうか、お答えください。
 ことし、2001年1月に、21世紀の特殊教育のあり方の調査研究協力者会議が「21世紀の特殊教育のあり方について」という最終報告を発表しました。内容は、1993年に制定した障害者基本法を踏まえ、ともに学ぶ方向性を示すものとなっており、よい方向に向かうのではと期待できるものでした。現在、その報告に基づき、学校教育法施行令の改定作業が進められております。しかし、漏れ聞こえてくるところでは、特例措置として、特別に合理的な理由がある場合という条件付きで、障害のある子の普通学級への措置を認めるようです。言いかえれば、特例措置の対象にならない子の措置を明確にするという形になり、通常学級に通ってはならない子を法令で規定するという結果になっているようです。通常学級に通ってはならない子としては、1、介助が必要な場合。2、重複障害を持っている場合。3、医療的ケアが必要な場合。4、対人関係に障害がある場合だそうです。しかし、現実には、これまで中野区では、介助が必要な子も重複障害の子も、保護者や本人の意思を尊重し、通常学級に就学していました。12月中に学校教育法施行令の改定案が公に示されるようですが、中野区の実情に合わないばかりか、通常学級を希望する親子の間口を狭めてしまうおそれが十二分にある今回の改定について、中野区としては、現時点で国の動向をどのように把握し、考えていらっしゃるのか、お答えください。
 私は、障害のある子もない子もともに学び、ともに生きる社会を目指すべきと考えておりますが、通常学級の実態を見ると、残念ながらまだまだそのようにはなり得ていないと思います。子育てはこうあるべきと言える答えがあるわけではなく、常に思い悩み、迷いながら、親と子がともに育ち合うことだと考えています。子どもに障害があれば、なおさら思い悩み、迷う場面が多々あろうかと思います。私の身近な親子でも、通常学級を選択する親子、通常学級に在籍し、補う形で週に一、二日、通級学級に通っている親子、あるいは障害学級を選択する親子、さまざまです。それぞれの親子が選択した結果ですから、他人がとやかく言うべきではないと思っています。しかし、よかれと思い、いずれを選択しても、その学級における問題点に直面しています。親子が選択できる充実した質の伴うメニューがあることと、保護者、本人の意思が十二分に尊重され、メニューを選べる選択権を保障すること、さらに、障害学級に行ってみたが、合わないので通常学級に移ってみるなど、柔軟な対応が可能となることが現状ではベターかと思います。
 その一つの選択メニューとして、地域の通常学級。二つ目として、地域の通常学級から近くにある通級学級に通うこと。三つ目として、近くにある障害学級です。中野区ができることとして、この三つのメニューを充実させることを提案したいと思います。
 一つ目の選択ですが、秋に就学児健診をし、障害があっても地域の通常学級への入学意思を事前に把握できるのですから、春の入学までに快く受け入れられる人的・物質的環境整備をなすべきだと思います。通常学級に受け入れた以上は、その子に応じた適切な指導ができるよう手だてを講じる責任があるはずですが、現実には、障害のある子の教育について、担任の先生の努力に任されています。私は以前、通常学級に通う障害のある子の介助をしたことがありますが、「飽きたら外へ連れて出てください」と担任の先生に言われたり、その子にできる範囲でテストに答えを書き、喜び勇んで先生へ持っていったところ、「あなたはどうでもいいのよ」と見てもくれない態度に愕然とした経験があります。その先生は恐らく、障害のある子の教育について理解と経験がなかったのではと思います。また一方では、障害のある子を上手にクラスの一員として、障害のないほかの子どもたちが受け入れ補い合って、自然な形で関係性を築き上げた先生もいらっしゃいます。ともに生きるという考えを選択し、地域の通常学級にというふうに思っても、現状の通常学級にちゅうちょし、障害学級を消極的に選択する親子もいらっしゃいます。
 現状の40人学級の中では、一人の担任の先生の努力だけでは限界があると思います。通常学級で受け入れた以上は、担任の先生の努力に期待するだけではない手だて、例えば障害児教育について、研修システムや単なる介助員ではなく、障害児教育についての理解と見識のある人材を派遣し、担任の先生をバックアップするシステム等を講じる必要があるかと思いますが、いかがお考えでしょうか、お答えください。
 地域の通常学級を希望しても、肢体不自由児には介助員がつきますが、同じ障害児でも知的障害児には介助員がつきません。これは知的障害に対する無理解から生じるものなのでしょうか。知的障害児を通常学級に受け入れる際に、保護者の介助を条件にする学校もあります。直ちに肢体不自由児と知的障害児も同じ扱いにすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか、お答えください。
 現在、通常学級に在籍する小学生を対象に、「弱視」「きこえとことば」「情緒障害」の通級学級が各1校あります。自閉症や注意欠陥・多動性症候群や学習障害の児童が増加していることを踏まえ、通級学級を拡充する必要があると思います。通常学級では不足する部分を補いたいので、塔山小の通級学級に通いたいと思っても、遠くて通えない。せめて中野駅から送迎バスを運行してくれればとの声が届いております。障害のある子が遠くへ通うことだけではなく、可能な限り通級学級の先生が、障害のある子が在籍する通常学級へ逆に出向いて、担任の先生をバックアップするなど、発想の転換も含め、通級学級の充実に向けたお考えはおありでしょうか、お答えください。
 障害学級は、知的障害を対象としている小学校は3校、中学校は2校のみ。肢体不自由を対象としている学校は、小・中各1校です。近くに障害学級がないために、小学生が45分かけ徒歩で通学したり、中学校では、区内に知的・肢体合わせて3校しかないため、練馬区に通う子どももいます。これから寒い冬です。雨の日も雪の日も通う学校です。生まれつきハンディを背負った子どもに、必要な教育を受けさせたいと思ったときに、遠くまで足を運ばなければ受けられない。つまり苦労を背負った子どもにより苦労を強いることに、私は理不尽さを感じます。地域に生きることを踏まえると、余りにも障害学級の数が少ないように思えます。小学生を対象とする知的障害学級の都内の設置状況は、おおむね5校に1校の割合のようですが、中野区は10校に1校となっています。つまり3校しかないわけですから、知的障害児が3カ所に集められています。ある意味、隔離されているともとれる政策です。療育センターアポロ園では、他区と比較して長い夏休み期間をとり、幼児期には地域に帰れと声高に指導しておりますが、地域に障害学級がないことをどのように考えればいいのでしょうか。地域に生きるという視点からの小・中障害学級の数について検討していただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか、お答えください。
 通常学校においても、一人ひとりに応じた適切な指導を進めるための環境整備が必要です。その一歩として、埼玉県志木市のような25人学級の早期実現を望みます。現状の40人学級では、障害のある・ないにかかわらず、教師のケアが行き届かず、統合教育の理念からも離れたものになるでしょう。少人数学級の実現が統合教育の第一歩になると考えますが、いかがお考えでしょうか、お答えください。
 中野区の児童数は減少しておりますが、何らかの障害のある児童数は増加の傾向にあるようですので、地域に生きるということを念頭に置き、将来的理想としては、少人数制統合学級を目指すことが、障害のある子のみならず、障害のない子にとっても居心地のよい教育の達成、そして、現在問題になっている学級崩壊の対策としても有効かと考えますが、とりあえず私が提案いたしました親子の選択権の保障、そして、選択できる三つのメニューの充実について早急に検討していただくことを強く要望して、この項の質疑を終わります。
 先日、佐藤議員も質疑いたしましたが、重複しないよう心がけ、支援費支給制度についてお尋ねいたします。
 御存じのように、2000年6月に社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律が成立し、社会福祉事業や措置制度等の社会福祉の共通基盤制度について、今後増大・多様化が見込まれる国民の福祉ニーズに対応するための見直しが行われました。この社会福祉基礎構造改革の一つとして、障害者福祉サービスについては、利用者の立場に立った制度を構築するため、行政がサービスの受け手を特定し、サービス内容を決定するこれまでの措置制度から、新たな利用の仕組みとして、支援費制度に2003年度より移行することになりました。この支援費制度とは、障害者の自己決定を尊重し、利用者本位のサービスの提供を基本として、事業者との対等な関係に基づき、障害者みずからがサービスを選択し、契約によりサービスを利用する仕組みであると厚生労働省は説明しております。まるで介護保険導入の際の説明と同じように聞こえます。
 ことしの8月に厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部から示された支援費制度の事務概要を読んでみました。それによると、市町村の役割は、地域住民に身近な行政主体として、障害者に対する支援体制の整備に努めるとともに、利用者本位のきめ細かな対応により支援費の支給決定等を行うことだそうです。つまり、市町村が担う役割が大変重いと言えます。このように基本的な仕組みや役割は示されておりますが、大枠のみで、利用者にとって一番知りたいサービス内容や利用者負担金、支給決定基準や支援費基準などが明らかにされていません。介護保険制度のように支給限度額が設定されないとはいえ、支援費では賄えないサービスが発生し、生活上必要なサービスが利用できないことになりはしないかと心配が募ります。利用者みずからがサービスを選択するという制度の意義を生かすためには、何より多様で質・量ともに豊富なメニューが必要です。介護保険も選択できるサービスが不十分でしたが、障害者のサービスはもっと少なく、選択しようにも選択のしようがないというのが実情です。
 2003年の支援費制度発足に向けて、利用者みずからが選択できる多様なサービスメニューの充実が必要であることは言うまでもありませんが、中野区では新たな障害者福祉事業を何かお考えになっているのでしょうか、お答えください。
 日々の生活を充実させ、社会的自立を図ることを目的とする生活実習事業が、障害者福祉会館生活実習所とかみさぎこぶし園の2カ所で実施されています。現在は住所により振り分けられ、同じサービスが区民に提供されています。しかし、かみさぎこぶし園は知的障害者更生施設として法内化されておりますので、同じサービスを提供しておりますが、会館生活実習所と法的には位置付けが違っています。
 そこでお尋ねします。会館生活実習所とかみさぎこぶし園は、それぞれどの支援費制度の対象サービスに当てはまるのでしょうか、お答えください。もし当てはまる対象サービスが違うということになると、これまで提供していた同じサービスの質と量は、支援費制度のもとで変わってしまうのでしょうか、お答えください。
 同じように、今定例会に条例改正が提案されていますが、弥生福祉作業所が知的障害者福祉法に基づく知的障害者授産施設となりますが、弥生福祉作業所と法内化されていない中野福祉作業所は、それぞれどの対象サービスに当てはまるのでしょうか、お答えください。同様に、当てはまる対象サービスが違うということになると、これまで同じサービスを提供してきましたが、サービスの質と量は支援費制度のもとで変わってしまうのでしょうか、お答えください。
 また、対象となるサービスごとに支援費の支給額が違ってくるのではと思われますが、支援費の支給額がたとえ変わっても、これまでどおり、法内化されていない施設と法内化されている施設において差が出ることなく、同じ質・量のサービスや職員配置がなされるのでしょうか。その際に、支援費として支給されない部分について、区は持ち出しを考えているのかを含めてお答えください。
 厚生労働省が示している支援費制度の施行日程によれば、2001年度に2002年度のための予算要求をし、2002年度には、1、支援費制度について広報・啓発。2、相談体制の整備。3、支援決定にかかわる審査基準の策定。4、サービス利用者の把握・申請の勧奨。5、標準事務処理期間の設定。6、支援費申請受け付け開始及び支給決定開始。7、受給者証発行開始。8、2003年度施行のための予算要求となっており、来年度は大変な作業に追われることになります。詳細がいまだに示されていない手探りの状態の中で準備を進めなければなりませんが、区ではそれなりに検討され、2002年度の施行準備のための予算要求をなさっている時期かと思われますが、どこの課がどのような体制で次年度に取り組まれるおつもりなのでしょうか。また、施行準備に必要な財政援助は国からあるのでしょうか、お答えください。
 介護保険のようにケアプランを作成するケアマネジャーの名称が、支援費制度にはどこにも登場しませんが、ケアマネジャーは必要ないのでしょうか。今、障害者ケアマネジメント体制整備推進事業が、試行的事業として中野区でも実施されています。実施目的は、障害者の地域における生活を支える障害者ケアマネジメントを試行的に実施することにより、今後の障害者ケアマネジメント体制の整備に必要な課題を明らかにすることだそうです。
 この試行的事業は本年10月より取り組まれ、わずか3カ月間で事業結果報告を出されるようですが、この短期間で、障害者が必要とするサービスや、総合的かつ継続的に利用するために必要な支援がどこまで把握できるのでしょうか、お答えください。
 障害者ケアマネジメント従事者を民間が担うのか、行政が担うのか、揺れていたようですが、最近では、当面行政が担うことになったようです。障害者ケアマネジメント従事者は、障害者本人の意向を最大限尊重し、一人ひとりの生活に必要な福祉・保健・医療・教育・就労などのサービスを総合的に提供するための個々人のケア計画を作成し、実施することになります。現行のケースワーカーが担うようですが、行政が担い切れるものなのでしょうか。今後の展望をお聞かせください。
 国を挙げて推進しているこの障害者ケアマネジメント体制整備事業は、支援費制度とどのように関連し、生かされていくのか、お答えください。
 2002年度に支援費制度が広報され、直ちに支給申請の受け付けが開始され、支給が決定され、受給者証交付が開始されます。制度が余りにも早急に移行することに、当該区民は大きな不安を抱いております。十二分な、そして丁寧な説明と、最低限、少なくとも現状のサービス提供を維持し、さらに選択できるサービスメニューの充実を要望し、今後、障害者が地域で安心して暮らしていける施策の推進を望み、この項の質疑を終わります。
 次に、いわゆる電子区役所を目指した情報施策全般に関する情報化推進計画の総合的見直しについてお尋ねいたします。
 11月4日付の区報に載っていましたように、ことし1月に政府は「e-Japan戦略」を策定し、電子政府の実現を目指すなど、社会環境の変化に対応して、区も電子区役所の実現を目指し、区役所の一層のスリム化・効率化を進め、区民サービスの向上を図るために、この計画の総合的な見直しを進めているそうです。確かに区役所の一層のスリム化・効率化、区民サービスの向上が実現すれば結構なことなのですが、自他ともに認めるIT音痴の私ですが、これからの世の中、ITを学んでいかなければと思い、しっかり区報を読みましたが、具体的にどのように便利になるのか、ぴんときません。また、最近はインターネットの発達によって、個人情報が大規模に流出するなどの事件が頻発し、セキュリティーやプライバシーの保護が問題となっています。そのあたりの不安もあります。
 そこで、基本的なことを幾つかお聞きしたいと思います。
 区報によると、区は区が提供するサービスを「いつでも」「どこにいても」「だれでも」活用可能になることを目指し、電子区役所の実現によって、行政手続の申請・届け出が24時間自宅からできる、手続が簡素化される、インターネット上で市民会議室などで、自分の時間に合わせて区民参加の機会ができる、双方向通信が普及すれば、各種相談など窓口機能が利用できる、区政情報のお知らせの充実などのメリットが書かれています。しかし、考えてみると、当然のことながら、これらは区民の自宅にパソコンがあり、インターネットにつながっていて、区民がパソコンを自由に操れてこそできることです。
 最近はパソコンや携帯電話の普及によって、インターネットや電子メールによる情報の入手や発信が簡単にできるようになりましたが、これらの機械を持っていない、または持ちたくても経済的に持てていない人もいますし、買ったはいいが、操作が難しくてほこりをかぶっているなど、その便利さを受けることができない人がたくさんいます。何を隠そう私もその一人です。私の家にもパソコンがあって、何年か前に覚えようとしたんですけれども、結局挫折してしまいました。やはり今のパソコンはだれでも使えるという理想にはほど遠いと実感しました。区民の皆さんの中にもそういう人は多いのではないでしょうか。つまり、パソコンができない人は電子区役所のメリットを全く利用できないのです。できる人は便利になる一方で、引きかえに現在のサービスを打ち切られたり、縮小されたりすれば、できない人にとってはむしろ不便になることさえ考えられます。
 このようにできる人とできない人の間に生じる格差をデジタルディバイド(情報格差)というそうです。これをいかに解消するかが情報化の最大の課題です。電子区役所推進計画の見直しに際して、情報格差の解消のためにできることとして、パソコン講習の実施や、パソコンを利用できない区民にも利用できる区民開放パソコン設置などが挙げられています。もちろんこれらは必要でしょうが、十分とはとても言えませんし、時間もお金もかかります。余りお金をかければ、スリム化・効率化のためという当初の目的から離れてしまいます。パソコンを利用できなくても、すべての区民が電子区役所のメリットを受けられる、つまり、電子区役所のバリアフリーを実現するような条件整備を行う必要があるかと思いますが、これについてどのようにお考えか、お聞かせください。
 もう一つ、個人情報の保護に関しては、来年の8月から一部稼働する住民基本台帳ネットワークシステムとも関係しますが、万全な個人情報保護ができるよう、保護の仕組みとルールを定めたセキュリティーポリシーを策定するなど、区独自の対策をとるということですけれども、具体的にはどのようなことを考えているのか、また、それ以外にも考えていることがあれば、あわせてお答えください。
 以上で私の質疑は終わりますが、この3日間、多数の議員から、神山区長の区政運営における姿勢についてさまざまな角度から問われました。任期はあと6カ月間です。とりようによっては、あと半年間もあります。どうか残された半年間、しっかり頑張っていただいて、お持ちになっていらっしゃるのならば、ポリシーの一端を区民にぜひ見せてください。
     〔区長神山好市登壇〕
〇区長(神山好市) むとう議員の御質問にお答えいたします。
 教育長の公募制についての御質問です。
 教育長を公募した自治体では、教育委員会の裁量権が拡大の方向にあって、従来よりも主体性を発揮して、柔軟な発想を求められるという問題意識のもとで、町村内の居住者に限定せずに広く人材を求めると。そのために公募方式を採用したというふうに聞いております。人口が少ない自治体においては、一つの方法であろうというふうに思います。
 教育長をどういう視点で選んでいるのかということですが、私が教育長を選ぶという場合には、教育委員でございますが、教育委員として議会の同意を得て選任しているわけですけれども、教育に関する識見と的確な行政手腕を有する人を選定しているつもりでございます。
 公募についてこれまで検討したことはございません。中野区では、教育長にふさわしい人材、公募によらなくても選定できるというふうに考えておりますし、また、制度上は、自治体の長は教育委員会の委員を議会の同意を得て選任するということになっておりますし、委員会で教育長を任命するという仕組みでございます。こういった仕組みの関係上、今後とも教育長を区長が公募するということは考えておりません。
 他の質問につきましては、それぞれ所管の教育長、部長からお答えいたしますので、よろしくお願い申し上げます。
     〔教育長子安圭三登壇〕
〇教育長(子安圭三) 障害のある子どもの教育についての御質問にお答えしたいと思います。
 まず、中野区の教育の指導目標についてのお尋ねがございました。その子どもに適した指導をするということは、一人ひとりを大切にする教育であると考えているところです。障害のある子どもも障害のない子どもも、同じ教室の中で同じ教材を使い、同じ内容の授業を実施する形態は、その実現が難しいと。障害のある児童・生徒一人ひとりに応じた個別指導計画を作成し、障害学級において少人数、集団の中で、専門の教員スタッフによる専門的な指導が、一人ひとりを伸ばすことに適しているというふうに私どもは考えているところでございます。
 学校教育法の施行令の改正についてのお尋ねがございました。障害のある児童・生徒の自立と健常者の社会における社会参加、共生というんでしょうか、これは生涯にわたって支援していく方向は中野区としても大切に考えているところです。今、政令の改正作業を国ではやって、それは来年の1月ごろに示されるというふうに聞いてございます。しかし、現在、中野区では、やっております就学相談のシステムは続けていきたいというふうに考えているところです。
 通常学級、通級学級、障害学級に通っている子どもに、何らかの手段による研修システムについてのお話がございました。バックアップというんでしょうか。教育委員会といたしましては、障害のある児童・生徒の就学につきましては、原則として就学指導委員会の判断を尊重し、適正就学を進めています。固定の障害学級及び通級学級においては、専門の指導講師を配置し、また、通常の学級には介助員や指導補助員を配置して、指導の充実を目指してきたところでございますので、これは今後とも続けていきたいというふうに考えています。
 通常学級の肢体不自由児だけではなく、知的障害の児童にも介助員をつけるべきではないかというお尋ねでございます。知的に障害のある児童・生徒の指導につきましては、一人ひとりの児童・生徒に応じた個別の指導計画を作成し、その子どものペースで教育を行うことが大切であり、その観点では、障害学級への適正就学が行われるのは正しいというふうに私は思っております。通常学級への介助員につきましては、障害のある児童・生徒の自立と安全面での配慮から配置したものでございまして、知的に障害のない肢体不自由児の児童・生徒を対象としたものでございます。知的に障害がある児童・生徒につきましては、現在の教育システムの中では、障害学級での教育が将来の自立と社会参加のための力を身につけるところであることを、保護者や地域の方にも理解と協力を求めているところでございます。
 通級学級においての、在籍校でのバックアップをすることができないかというお尋ねがございました。通級学級では、専門的な機器を使用し指導している場合がございますけれども、そのような機器を使わなくても、在籍校では、児童に対し個別あるいは集団による指導を行ってきているところです。一人ひとりの児童の在籍校を訪問して指導することは、今のところ想定はしてございませんし、体制的にも時間的にも不可能だというふうに考えています。ただし、在籍校の担任とは十分に連絡をとり合いながら、通級による指導の成果を生かすように現在はしているところです。
 一方、知的障害学級数につきましては、今後とも対象となる児童の推移等の把握に努めながら、地域的な配置を考慮して検討していきたいというふうに考えています。
 子どもの一人ひとりの、25人学級のように配慮ができるところでの統合教育につながると思うかというお尋ねがございました。私は原則として、通常学級の少人数化と統合教育とは直接に結びつくものではないと考えています。現在の障害学級においては、固定学級の場合、既に8人で1学級の少人数学級であり、一人ひとりに応じた適切な指導を進めていくことができるというふうに考えているところでございます。
 以上、6点にわたって回答させていただきました。
   〔福祉担当部長本橋一夫登壇〕
〇福祉担当部長(本橋一夫) 私からは、支援費支給制度についての御質問にお答えいたします。
 まず、区は新たな事業を起こすのかとのお尋ねですが、利用者による選択を確実なものにしていくためには、サービス基盤を着実に整備することが重要であると認識しております。区といたしましては、これに合わせての新たな事業を立ち上げる予定はございませんが、基盤施設の整備につきましては、国において緊急対策として、社会福祉法人が施設を整備する場合の国庫補助の上乗せを行うなど、整備を促進しているところでございます。区といたしましては、整備用地を貸与して、民間法人による生活実習所などの整備を促すとともに、ホームヘルプサービスへの参入の促進などについても働きかけていきたいと考えております。
 次に、施設の区分、サービスの量や内容についてですが、国が示す区分によりますと、重度障害者の生活訓練や指導を行っておりますかみさぎこぶし園、これは法内の更生施設ということであります。それから、今議会で条例改正を提案しております弥生福祉作業所、これが法内化いたしますと、障害者の授産施設という形で位置付けられます。現在、障害者福祉会館で行っております生活実習事業、これはデイサービス事業、通所事業という形で位置付けられます。そういうような形で、これらにつきましては、施設支援と、それから居宅支援のサービスとして支援費支給の対象になります。中野福祉作業所につきましては、施設設備の面から、この支援費支給の対象にはならないと見込まれております。しかし、支援費の支給対象とならない場合でも、現行の国及び都の補助基準は続くものと考えておりまして、利用されるサービスの内容に影響はないと想定しております。
 次に、準備の体制と国の財政支援についてでございますが、支援費支給制度は、利用者規模では介護保険制度に及ばないものの、新たな制度を構築するということで、円滑な導入をする点では同様の取り組みが必要であると考えております。現行サービス利用者に対する移行準備につきましては、保健福祉センター等のライン組織において取り組むこととし、また、各種基準の整備や事務処理システムの構築及び普及啓発等につきましては、保健福祉課を中心に保健福祉部を挙げて進めていくと考えております。これらの準備行為に要します事務費の補助については、現時点で、国において予算措置を行う予定と聞いておりますが、その詳細はまだ明らかにされてはおりません。
 次に、現在行っておりますケアマネジメントの推進事業についてですが、これは、ケースワーカー等の関係職員が障害者のニーズを引き出し、サービスにつなげていくための相談支援の手順などの課題を整理することを主なねらいとして取り組んでいるものでございます。この取り組みの中では、ケアマネジメント手法に基づいて、今回御協力いただいた障害者の方のニーズ把握や課題の発見に努め、解決できるものについては試行期間中に解決を図り、長期的なスパンで取り組むべき課題については、試行期間後も適切につなげていくつもりであります。支援費支給制度では、ケアマネジメントについての明確な位置付けはされてはおりませんが、今回の試行事業を通じて習得した利用者本位の障害者ケアマネジメント手法を、今後の相談支援や支給決定の場面で活用していきたいと考えております。
 次に、障害者の相談支援や各種申請の受け付けについてですが、支援費支給制度後においても、現在と同様に、保健福祉センターや保健福祉相談所が担当することを想定しております。これらの窓口に配置するケースワーカー等の職員は、現在も利用者の相談内容に応じて、養護学校や障害者福祉事業団などの関係機関と連携をとりまして、利用者に対する支援活動を行っているところであります。今後の体制整備につきましては、現在実施しているケアマネジメントに関する試行事業の総括の中で、今後の業務量なども推計し、必要な体制を整えていきたいと考えております。この支援費支給制度の運用についての具体的な基準がまだ国から示されていないという状況ではありますが、区といたしましても情報の収集などに努めて、区としての対応課題を整理しているところでございます。制度の実施は15年度ということでありますが、支給申請の受け付けが来年の10月ごろから開始を目指しているということもあります。これらを念頭に置きまして、PRや問い合わせに対しても答えられるようにしていく。また、区としての仕組みや体制を整えていきたいと考えております。
 以上でございます。
   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕
〇政策経営部長(渡辺征夫) 電子区役所に関します2点の御質問にお答え申し上げます。
 1点目は、いわゆる情報格差の問題でございます。パソコン等の基本的な取り扱いを初歩から学ぶ機会を設けるために、現在IT講習会を開催しているところでございますが、今後も区民がITを活用できるような条件整備をきちっと行っていきたいと考えております。また、区の業務へのITの導入によりまして、窓口でのさまざまな事務処理等についても早く正確に行われるようになるなど、パソコンを使えない区民の方でもサービス向上のメリットを受けられるようなものにしていきたいと考えております。
 2点目は、セキュリティーポリシーでございますが、セキュリティーポリシーにつきましては、情報システムを安全・確実に運営し、外部からの不正な侵入や情報の漏えいを防ぐために、守るべき区の基本的な考えを定めまして、それに基づき、個々の技術面や運用面についての対策を幅広く定めるものでございます。セキュリティーポリシーの策定に当たりましては、個人情報を最重要度の情報と考えており、厳重な基準を適用したいと考えております。個人情報の保護に関しましては、この策定のほか、執行体制の整備、情報の取り扱いに関する職員研修などが重要と考えているところでございます。
 以上でございます。
〇議長(斉藤金造) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。
 以上をもって質問は終了いたしました。
 これより日程に入ります。
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 第76号議案 中野区区政情報の公開に関する条例の一部を改正する条例
 第77号議案 中野区個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
 第78号議案 中野区議会議員及び中野区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
 第84号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 第85号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

〇議長(斉藤金造) 日程第1、第76号議案から第78号議案まで、第84号議案及び第85号議案の計5件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
      〔助役池田學登壇〕
〇助役(池田學) ただいま上程されました第76号議案から第78号議案まで、並びに第84号議案及び第85号議案の5議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
 第76号議案、中野区区政情報の公開に関する条例の一部を改正する条例は、区政情報の公開に関し、区の区民に対する説明責任を明らかにするとともに、情報公開制度の運用上の問題点や近年の情報処理技術の発展などに対応するため、区政情報の公開手続等の規定を整備するものでございます。
 主な改正点は、次の3点でございます。
 第1点目は、情報公開制度の目的の一つが、区の区民に対する説明責任を全うすることにあることを明確に規定するものでございます。
 第2点目は、個人情報などの保護のため、公開請求に係る情報があるかないかを明らかにするだけで、公開するのと同様の結果を生じる場合は、情報の存否を明らかにしないで請求を拒否できることとする、いわゆる「存否応答拒否」の規定を追加するものでございます。
 第3点目は、近年の情報処理技術の発展に伴い、電磁的記録などを区政情報の記録媒体として明確に規定するとともに、記録媒体の種類、性質等に応じた公開方法を定めるものでございます。
 本条例の施行時期は、平成14年4月1日でございます。
 第77号議案、中野区個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例は、全国の自治体をオンラインで結んだ住民基本台帳ネットワークシステムの導入に当たり、規定を整備するとともに、個人情報の利用に関する規定等を整備するものでございます。
 主な改正点は、次の3点でございます。
 第1点目は、電子計算組織の結合の禁止に関する例外規定に、現行の議会の議決を得た場合のほか、法令に定めのある場合などを追加するとともに、電子計算組織を結合した場合は、実施機関に対して個人情報の適正な管理、保護のための措置と個人情報保護審議会への報告を義務付けるものでございます。
 第2点目は、実施機関から個人情報に係る事務の処理の委託を受けた者等に対して、個人情報を適正に管理、保護するための措置等を義務付けるものでございます。
 第3点目は、区政情報の公開の場合と同様、電磁的記録などを個人情報の記録媒体として明確に規定し、記録媒体の種類、性質等に応じた開示方法を定めるとともに、開示請求に係る個人情報に関し、いわゆる「存否応答拒否」の規定を追加するものでございます。
 本条例の施行時期は、平成14年4月1日でございます。
 第78号議案、中野区議会議員及び中野区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例は、公職選挙法施行令の改正に伴い、中野区議会議員及び中野区長の選挙における選挙運動の公費負担の限度額を改定するほか、公職選挙法の改正に伴う引用条文の規定整備を行うものでございます。
 その内容は、自動車の使用に係る公費負担の限度額につきましては、一般運送契約の場合は、自動車の使用料を日額「6万200円」から「6万4,500円」に、一般運送契約以外で自動車運転手を雇用する場合は、運転手の報酬額を日額「1万1,700円」から「1万2,500円」に引き上げるものでございます。
 また、ポスターの作成に係る公費負担の限度額につきましては、算出基礎となるポスターの1枚当たりの作成単価を「501円99銭」から「510円48銭」に引き上げるものでございます。
 本条例の施行時期は公布の日でございますが、公費負担の限度額に関する改正規定につきましては、この条例の施行日以後に告示される選挙から適用することとしております。
 第84号議案、中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例及び第85号議案、中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の2議案は、いずれも次の3点について条例を改正するものでございます。
 第1点目は、期末手当の支給月数を現行の「3.9カ月」から「3.85カ月」に改めるものでございます。
 第2点目は、昇給停止年齢を「58歳」から「55歳」に引き下げるものでございます。なお、この点につきましては、平成22年度まで9年間にわたり経過措置を設けております。
 第3点目は、当分の間、民間における賃金との均衡を考慮して講ずる特例措置として「特例一時 金」を新設し、5,100円を支給するものでございます。
 これらの条例の施行時期は、第2点目につきましては平成14年4月1日、第1点目及び第3点目につきましては公布の日でございますが、第1点目及び第3点目の適用につきましては、平成13年4月1日にさかのぼって適用することといたしております。
 以上5議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(斉藤金造) この際、申し上げます。第84号議案及び第85号議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元に配付の文書のとおり、特別区人事委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。

13特人委給第154号

平成13年11月28日

中野区議会議長
 斉 藤 金 造 殿

特別区人事委員会

委員長 天 野 房 三

 

「職員に関する条例」に対する特別区人事委員会の意見聴取について(回答)


 平成13年11月28日付13中議第240号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。


 第84号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 第85号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 本件について御質疑ありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(斉藤金造) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
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 第79号議案 電子計算組織の結合について
 第80号議案 中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例

〇議長(斉藤金造) 日程第2、第79号議案及び第80号議案の計2件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。

      〔助役池田學登壇〕
〇助役(池田學) ただいま上程されました第79号議案及び第80号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
 第79号議案、電子計算組織の結合については、国民年金に係る事務に関して、中野区の電子計算組織を中野区以外の電子計算組織と結合するに当たり、中野区個人情報の保護に関する条例第21条ただし書きの規定に基づき、議会の議決をお願いするものでございます。
 これは、平成14年度から現年度分の国民年金保険料の徴収事務が国に移行し、被保険者名簿の廃止等の改正が実施されることに伴い、区が被保険者の資格審査等の事務を円滑に処理するために、国から納付記録等の情報提供を受ける必要が生じたことによるものでございます。
 処理する業務は、国民年金の第1号被保険者に係る国民年金原簿の情報と第2号被保険者の資格の喪失に係る情報を取得するもので、結合の相手方は社会保険庁社会保険業務センターでございます。
 第80号議案、中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例は、中野区立上高田高齢者会館内の和室を洋室に改修したことに伴い、施設名の変更と施設面積の増加による使用料の改定を行うものでございます。
 その内容は、施設名につきまして、和室1、和室2をそれぞれ洋室1、洋室2に改めるとともに、使用料につきまして、洋室2の午前9時から正午までの時間帯の使用料を「100円」から「200円」に改めるものでございます。
 本条例の施行時期は、平成14年2月12日でございます。
 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(斉藤金造) 本件について御質疑ありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(斉藤金造) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。
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 第81号議案 中野区授産場条例の一部を改正する条例
 第82号議案 中野区立知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例

〇議長(斉藤金造) 日程第3、第81号議案及び第82号議案の計2件を一括上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
      〔助役池田學登壇〕
〇助役(池田學) ただいま上程されました第81号議案及び第82号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
 第81号議案、中野区授産場条例の一部を改正する条例は、行財政5か年計画に基づき、授産場の再編、運営方法の見直しを検討した結果、江古田授産場1カ所に統合することとしたことから、中野授産場については平成13年度末をもって廃止するものでございます。
 本条例の施行時期は、平成14年4月1日でございます。
 第82号議案、中野区立知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例は、中野区弥生福祉作業所を知的障害者福祉法に基づく知的障害者援護施設とするに当たり、施設の種類、名称等を定めるものでございます。施設の種類は「知的障害者授産施設」、名称は「中野区立弥生福祉作業所」、位置は「東京都中野区弥生町四丁目36番15号」とするほか、この施設を引き続き身体障害者の方々にも利用していただくため、その利用手続と使用料等についても規定するものでございます。
 なお、「中野区障害者福祉作業所条例」、「中野区行政財産使用料条例」及び「中野区職員の特殊勤務手当に関する条例」の中野区弥生福祉作業所に係る規定につきましては、この条例の附則であわせて規定整備を行っております。
 本条例の施行時期は、平成14年2月1日でございます。
 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(斉藤金造) 本件について御質疑ありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(斉藤金造) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。
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 第83号議案 中野区立白鷺ふれあい学習館条例を廃止する条例

〇議長(斉藤金造) 日程第4、第83号議案、中野区立白鷺ふれあい学習館条例を廃止する条例を上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
      〔助役池田學登壇〕
〇助役(池田學) ただいま上程されました第83号議案、中野区立白鷺ふれあい学習館条例を廃止する条例につきまして、提案理由の説明をいたします。
 第83号議案、中野区立白鷺ふれあい学習館条例を廃止する条例は、平成13年度末をもって中野区立白鷺ふれあい学習館を廃止するものでございます。
 中野区立白鷺ふれあい学習館は、自主的に活動を行う区民に対し、その機会と場所を提供し、地域における区民相互の交流を図るための施設として平成2年7月に設置し、運営してまいりましたが、近年、施設の老朽化のために維持管理経費がかさむことなどから、行財政5か年計画に基づき施設の見直しを検討した結果、廃止することとしたものでございます。
 本条例の施行時期は、平成14年4月1日でございます。
 本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(斉藤金造) 本件について御質疑ありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(斉藤金造) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 上程中の議案は、会議規則に従い、文教委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第6、議員提出議案第12号、首都移転反対に関する決議を先議するに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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 議員提出議案第12号 首都移転反対に関する決議

〇議長(斉藤金造) 日程第6、議員提出議案第12号、首都移転反対に関する決議を上程いたします。
 提案者代表の説明を求めます。山崎芳夫議員。
     〔山崎芳夫議員登壇〕
〇12番(山崎芳夫) ただいま上程されました議員提出議案第12号、首都移転反対に関する決議につきまして、提案理由の説明をいたします。
 なお、提案説明は案文の朗読をもってかえさせていただきたいと存じますので、御了承お願い申し上げます。

首都移転反対に関する決議

 
 首都移転問題は、平成11年12月の「国会等移転審議会」の答申以降、審議の場を衆参両院の 「国会等の移転に関する特別委員会」に移し、現在衆議院では、来年5月を目途に移転先候補地を一つに絞り込む作業が本格化しようとしている。
 そもそも首都移転の問題は、1980年代後半のいわゆるバブル経済の時期に、「東京への一極集中の是正」や「地価の高騰」「震災に対する東京の脆弱性」などを主眼として起こったものであるが、その後、社会経済情勢は大きく変貌を遂げ、社会が成熟化する中で、国民の意識も開発優先志向から自然環境保護や既存の社会資本の有効活用へと変化してきており、首都移転問題は抜本的な見直しがなされるべきである。また、これまで東京が日本の首都として、さらには世界有数の国際都市として歴史的に蓄積してきた国際的信用力、求心力等を考えれば、東京が21世紀の首都としての資格を有することは事実である。
 このような状況の中で、今日最も必要なことは、新たな環境破壊や20兆円にものぼる無駄な投資ではなく、東京の都市機能を整備する施策の推進であり、危機に直面した国家財政の再建を成し遂げることである。
 よって、中野区議会は、将来に大きな禍根を残す首都移転に断固反対するとともに、一刻も早く白紙撤回されることを強く求めるものである。
 以上、決議する。

年   月   日

中 野 区 議 会


 以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
〇議長(斉藤金造) 本件について御質疑ありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(斉藤金造) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 本件は委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。
 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
 上程中の議案は、原案どおり可決するに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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 議会の委任に基づく専決処分について

〇議長(斉藤金造) 日程第5、議会の委任に基づく専決処分について報告いたします。
 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、11月28日付をもって区長からお手元に配付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

13中総総第457号
平成13年(2001年)11月28日

中野区議会議長 斉 藤 金 造 殿

中野区長 神 山 好 市

議会の委任に基づく専決処分について(報告)

 区を当事者とする和解及び損害賠償額の決定について、議会の委任に基づき次のとおり専決処分したので、地方自治法第180条第2項により報告します。

1 和解(示談)当事者
  甲 記載削除
  乙 中野区
2 事故の表示
(1)事故発生日時 平成13年(2001年)10月7日 午後4時25分
(2)事故発生場所 東京都中野区新井一丁目8番先早稲田通り路上
(3)事故発生状況 乙車が、中野区立商工会館から、左折で早稲田通りに出ようとして、対向車と接触しないよう対向車線へのはみだしに注意をしながら低速走行でハンドルを切ったところ、左側面への注意が足りず、乙車の左側面後部ドア付近を、路上に駐車中の甲車の右後部に接触させ、甲者の右後部ランプ等を破損した。
3 和解(示談)条件
(1)甲は、本件事故により、金53,760円の損害を被った。
(2)乙は、上記損害額全額について、乙に賠償義務があることを認め、甲に対し本件示談成立後2週間以内に甲の指定する方法で支払う。
(3)以上のほか、本件事故に関する損害賠償について、甲と乙との間には、何ら債権債務関係が存在しないことを確認する。
4 和解(示談)成立日
  平成13年(2001年)10月29日

 この際、請願・陳情の取り下げ及び陳情の訂正についてお諮りいたします。
 お手元に配付の文書のとおり、請願・陳情の取り下げ及び陳情の訂正の申し出がありますので、これを承認いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう承認するに決しました。

請 願 取 下 願

 

平成13年11月28日


中野区議会議長 殿

請願者 住所 中野区
氏名 中野区民


 平成12年11月21日付をもって提出した次の請願を、取下げいたしますから、よろしくお取り計らい願います。

 (12)第1号請願 建設労働者の賃金と労働条件の改善を求めることについて

(取下げ理由)
  委員会審査の状況を考慮して

陳 情 取 下 願

 

平成13年11月27日

中野区議会議長 殿

 

陳情者 住所 横浜市
氏名 横浜市民


 平成12年11月24日付をもって提出した次の陳情を、取下げいたしますから、よろしくお取り計らい願います。

 (12)第71号陳情 建設労働者の賃金と労働条件の改善を求める陳情書

(取下げ理由)
  委員会審査の状況を考慮して

陳 情 訂 正 願

平成13年11月26日

中野区議会議長 殿

  陳情者 住所 中野区
  氏名 中野区民


 平成13年10月2日付をもって提出した次の陳情を、下記のとおり訂正願います。

 第31号陳情、乳幼児医療費無料を国の制度として創設を求める意見書の提出について


 (訂正内容)
   理由中、5行目の「東京都も未就学前まで」を「東京都も就学前まで」に訂正する。

 (訂正理由)
   誤記のため

 次に、陳情の特別委員会への付託についてお諮りいたします。
 お手元に配付の陳情付託件名表(I)に記載の陳情につきましては、記載のとおり、警察大学校等跡地利用特別委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

陳情付託件名表(

《警察大学校等跡地利用特別委員会付託》
 第47号陳情 警察大学校等跡地を区民に開放することについて

 次に、請願・陳情の常任委員会及び議会運営委員会への付託について申し上げます。
 お手元に配付の請願・陳情付託件名表(II)に記載の請願・陳情につきましては、記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会及び議会運営委員会に審査を付託いたします。

請願・陳情付託件名表(II

《総務委員会付託》
 第44号陳情 飢餓や難民をうむアフガニスタンへの空爆・攻撃の中止、残虐な兵器の使用の中止などを求めることについて
 第45号陳情 教育長の公募について

《厚生委員会付託》
 第 1 号請願 新たな大気汚染公害被害者の救済を求めることについて

《文教委員会付託》
 第46号陳情 中野の知的障害学級の充実を求めることについて

《議会運営委員会付託》
 第42号陳情 各議員の議案等に対する表決態度を議事録に記録することについて
 第43号陳情 本会議の録画ビデオテープの作成と公開を求めることについて

 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時30分散会