平成29年06月01日中野区議会本会議(第2回定例会)
平成29年06月01日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録

.平成29年(2017年)6月1日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  細  野  かよこ

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  いでい   良  輔

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  内  野  大三郎        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番     欠  員

21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

27番  森     たかゆき       28番  いながき  じゅん子

29番  石  坂  わたる        30番  小  杉  一  男

31番  い  さ  哲  郎       32番  大  内  しんご

33番  高  橋  ちあき        34番  伊  藤  正  信

35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  本 田 武 志      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  篠 原 文 彦

 新区役所整備担当部長 相 澤 明 郎    都市政策推進室長 奈 良 浩 二

 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角   秀 行      地域支えあい推進室長 野 村 建 樹

 区民サービス管理部長 戸 辺   眞    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横 山   俊

 健康福祉部長   小 田 史 子      保 健 所 長  木 村 博 子

 環 境 部 長  白 土   純      都市基盤部長   豊 川 士 朗

 政策室参事(企画担当) 青 山 敬一郎   経営室参事(経営担当) 朝 井 めぐみ

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  吉 村 恒 治      事務局次長    古 本 正 士

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  関 村 英 希

 書     記  立 川   衛      書     記  若 見 元 彦

 書     記  井 田 裕 之      書     記  冨 士 縄  篤

 書     記  野 村 理 志      書     記  鎌 形 聡 美

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  松 丸 晃 大

 書     記  香 月 俊 介      書     記  古 谷 友里香

 

 議事日程(平成29年(2017年)6月1日午後1時開議)

日程第1 第34号議案 中野区ユニバーサルデザイン推進審議会条例を廃止する条例

 追加議事日程

日程第2 秘密性の解除について

 

午後1時00分開会

○議長(いでい良輔) ただいまから平成29年第2回中野区議会定例会を開会いたします。

 本日の会議を開きます。

 会議録署名員は、会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。

 13番甲田ゆり子議員、31番いさ哲郎議員にお願いいたします。

 次に、会期についてお諮りいたします。

 本定例会の会期は、本日から6月15日までの15日間といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。

 一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。

 これより日程に入ります。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第2、秘密性の解除についてを先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 秘密性の解除について

 

○議長(いでい良輔) 日程第2、秘密性の解除についてを議題に供します。

 平成29年4月7日開会の本会議におきまして、第32号議案について秘密会を開き審議をしましたが、その秘密性がなくなりましたので、これを解除したいと思います。

 お諮りいたします。平成29年4月7日開会の本会議の秘密性を解除することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、伊東しんじ議員、平山英明議員、長沢和彦議員、中村延子議員、いながきじゅん子議員、大内しんご議員、白井ひでふみ議員、広川まさのり議員、酒井たくや議員、高橋かずちか議員、甲田ゆり子議員、ひやま隆議員、内川和久議員、加藤たくま議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、細野かよこ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 伊 東 しんじ

 1 中野駅周辺まちづくりについて

 2 桃丘小学校跡施設にかかる区の対応について

 3 スポーツ・健康づくりムーブメントの発展に向けた区の取り組みについて

 4 区立小学校の地域の拠点化について

 5 防災対策について

 6 その他

 

○議長(いでい良輔) 最初に、伊東しんじ議員。

〔伊東しんじ議員登壇〕

○23番(伊東しんじ) 平成29年度第2回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で質問させていただきます。

 質問項目は、1、中野駅周辺まちづくりについて、2、桃丘小学校跡施設にかかる区の対応について、3、スポーツ・健康づくりムーブメントの発展に向けた区の取り組みについて、4、区立小学校の地域の拠点化について、5、防災対策について、その他はございません。

 最初に、中野駅周辺まちづくりについて伺います。

 先日、東京都の都市整備局から2040年代に目指すべき東京の都市の姿とその実現に向けた、都市づくりの基本的な方針と具体的な方策を示した行政計画である「都市づくりのグランドデザイン(素案)」が公表されました。「活力とゆとりのある高度成熟都市」というフレーズが都市づくりの目標として掲げられ、東京が新たな価値を生み続ける舞台として世界中の人々から選択されるとともに、個々人がさまざまな地域で住まい方、働き方、憩い方を選択できることを目指し、高度に成熟した都市として発展していく姿を描いています。また、業務機能を重視した受け皿の育成の視点から脱却し、都心、副都心などの拠点の位置付けや考え方を再編するとともに、地域の個性やポテンシャルを最大限発揮し、競い合いながら新たな価値を創造していくことが重要になるともされ、従前の環状メガロポリス構造を見直す方針も示されました。

 こうした意味で、このグランドデザインで着目されるべきは、東京都を四つの地域区分に分け、さらに二つのエンジンゾーンを設定したことです。この地域区分のうち、中枢広域拠点域はおおむね環状7号線の内側として設定され、これまで改定版東京の都市づくりビジョンによって位置付けられていた環状6号線の内側のセンター・コア再生ゾーンを拡大したと捉えることができ、中野駅周辺はこの地域に内包されることになりました。この中枢広域拠点域は、高密な道路・交通ネットワークを生かして、国際的なビジネス・交流機能や業務・商業などの複合機能を有する中核的な拠点が形成され、グローバルな交流によって新たな価値が生み続けられる地域とされる一方、歴史、文化、自然環境などに代表されるそれぞれの地域の個性が守られると同時に、磨かれるとともに、抱えていた都市課題の解消がうたわれています。この中枢広域拠点域に中野駅周辺が位置付けられることで、区として目指しているまちづくりが進めやすくなるのではないかと考えます。

 一方で、都市づくりのグランドデザインは、あくまでも目指すべき都市の姿や戦略を明らかにすることに主眼が置かれており、実際のまちづくりの諸規制や必要とされる規制緩和の手法等については、今後改定されるであろう都市計画区域マスタープランや個別の都市計画に委ねられることが想像できます。また、必要とされるまちづくりの財源確保のためには、分野横断的なさまざまなプロジェクトの動向を注視するだけでなく、積極的な働きかけが必要とも考えます。こうしたことを踏まえ、中野駅周辺がこの中枢広域拠点域に位置付けられることの意義や、中野駅周辺まちづくりの進展にどのように影響すると考え、取り組まれていくお考えなのか、御見解を伺います。

 次に、中野駅周辺まちづくりの進捗についてお伺いします。

 中野駅周辺まちづくりのグランドデザインVer.3が策定されてから数年が経過しました。この間にまちづくりはどのくらい進展したのでしょうか。着実に歩みを進めているものがある一方、遅々として進まないものもあることを指摘しておかなければなりません。後者については他の同僚議員の質問に委ねるとし、私からは区役所・サンプラザ地区や中野四丁目西地区について伺ってまいります。

 中野駅周辺まちづくりでは、都のグランドデザインが示すようなグローバルな交流によって新たな価値を生み続けるには、インバウンド獲得や周辺地域からの来街者や物の集積に備えるための公共基盤が整備されなければならないと考えます。区は公共基盤の整備についてどのような方針をお持ちなのか、伺います。

 また、中野駅周辺まちづくりでは、区役所・サンプラザ地区再整備実施方針にある周辺地区との回遊性を重視した機能配置が大変重要であると同時に、区役所・サンプラザ地区だけを見ていては解けない課題もあり、周辺地区とつないでいく上で、受けとめる側のまちづくりも必要になってきます。区役所・サンプラザ地区の北側に隣接している中野四丁目西地区も、回遊性を担い受けとめる地区として考えられます。当該地区は中野サンクォーレ地区西側に位置し、再開発が進んだ中野四季の都市(まち)や、その後拡張整備されつつある中野四季の森、あるいは新区役所の東側に位置し、今後ますます当該地区のまちづくりが他の地区のまちづくりに及ぼす影響が大きくなろうかと考えます。この間、当該地区のまちづくりの機運が高まっていると聞いておりますが、現在の状況をお聞かせください。

 まちづくりは部分最適ではなく全体最適を図るべきであり、やはりグランドデザインというものが求められます。区役所・サンプラザ地区の計画検討の進捗や中野四丁目西地区の状況などを踏まえ、この地域を一帯で捉えたまちづくりの考え方を示すべきと考えます。御見解を伺い、この項の質問を終わります。

 桃丘小学校施設における区の対応について伺います。

 桃丘小学校跡施設活用事業については、区は桃丘小学校施設活用基本方針の中で、まちの活力を生み出し、都市型産業の育成につなげる文化・芸術の活動・発信場所としての機能の実現を図るとし、桃丘小跡施設の活用に係る事業者プロポーザルを行い、タイケン学園を選定いたしました。タイケン学園との間に基本協定と平成23年9月から平成28年9月までの土地建物の定期賃貸借契約を締結し、学園は文化・芸術の活動・発信場所として事業展開してきたところです。

 そこでお聞きします。区として、この5年間における桃丘小学校跡地活用の成果をどのように考えているのかお聞かせください。

 区は、事業終了に向け、タイケン学園に対し平成28年9月をもって期限どおりの事業終了と施設明け渡しを求めていたところ、タイケン学園は9月以降も賃貸借契約を継続し、事業を継続する旨の回答があったとのことです。その後、区はタイケン学園の事業に係る調査を進めたところ、学園による複数の違反行為が判明したため、賃貸借契約満了を待たずに基本協定と賃貸借契約の解除を行いましたが、タイケン学園はその後も占有を続けたため、区は平成28年11月16日、東京地裁にタイケン学園を相手方として、桃丘小跡施設の土地建物明渡等請求訴訟を提起いたしました。

 この訴訟の進捗状況は大変懸念されたところであります。一般的に訴訟期間は数年とも言われ、控訴審、上告審となった場合はさらなる長期化も予想され、中野三丁目地区区画整理事業の地権者の方々の生活にも大きな影響が生じること、区民の方々に対し大きな不安を起こさせることも懸念されました。しかし、まちづくり事業や区民生活への影響を最優先し、4月10日に和解が成立し、その和解条項に沿い、5月末に施設の明け渡しとなる旨の報告が建設委員会においてあったところです。

 そこで伺います。土地建物明渡等請求訴訟と和解後の施設の現状についてお答えください。

 結果として和解が成立し明け渡しがなったとしても、当初から約8カ月の間、施設の明け渡しがおくれることとなりました。そこでお聞きします。当該桃丘小跡施設の明け渡し遅延による区のまちづくり事業の影響についてお聞かせください。

 次に、区の経済的損失について伺います。

 区は施設明け渡しを早期に実現するため、弁護士へ訴訟委任を行い訴訟に臨み、訴訟着手金として既に約2,000万円を支出しています。今回、和解成立したとしても訴訟契約には報酬金があり、その上限額は5,000万円以上とのことです。確かに訴訟のリスクはどこにでも存在し、区民生活の隅々にまで行き渡っている区の行政活動のあらゆるところで訴訟が発生することが予想される時代です。ただ、区が訴訟を行う、区が訴えられるということになれば、必ずその経費、訴訟経費が発生し、それは結果的に区民の税金が投入されることになります。今回の件では早期の和解が成立し、まちづくり事業や関係住民への影響が最小限にとどめられたとはいえ、近隣住民や地権者の方々の生活に対し不安を大きくさせたことは間違いありません。

 そこでお聞きします。区の想定を超えたとはいえ、訴訟を提起し多額の訴訟経費を費やしたこと、近隣区民や地権者の方々に一時的にも生活に関する不安な感情を抱かせたということ、これら責任を区はどのように考えているのでしょうか。御答弁をお願いいたします。

 この項の最後に、区民の皆さんが納めていただいている税と、区がこれまで長い歴史の中で築いてきた資産を守り育てるための区の考えについてお聞きします。

 事業を行うに際しては、財源あるいは資産が必要とされます。特にまちづくりのような事業には多額の財源ないし資産の活用が求められます。こうした多額の金銭、資産が動けば、そこから生じる利権も莫大なものとなり、さまざまな思いが錯綜することになります。特にまちづくりでは目的達成のため事業の進捗に目が奪われ、結ばれる協定、契約の瑕疵を見落としがちになることがあります。中野駅周辺まちづくりを控える中野区として、今回の件やサンプラザの土地建物取得時のような事案が発生しないよう、税、資産を守り育てる対策をしっかり講じるべきと考えます。区の御見解をお聞きして、この項の質問を終わります。

 次に、スポーツ・健康づくりムーブメントの発展・定着に向けた区の取り組みについて質問いたします。

 区は平成28年、基本構想を全面改定し、八つの領域におけるまちの将来像の一つとして「自らつくる健康で安心した暮らし」を掲げるとともに、これを実現するため、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)では、スポーツ・健康都市戦略(健康アクティブなかの)を進めるとしました。また、この10か年計画で掲げた戦略を具体的に推進するため、中野区スポーツ・健康づくり推進計画を昨年の7月に策定し、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機としたスポーツ・健康づくりムーブメントを中野のまちに発展・定着させていくこととしています。スポーツが生み出す効用は、スポーツそのものによる楽しみだけではなく、子どもたちにとっての夢や憧れの醸成、スポーツを通じた健康づくりによる健康寿命の延伸、共通の趣味で集まった仲間づくりによる地域コミュニティの形成、そして東京オリンピック・パラリンピック開催に向けたさまざまな取り組みによる地域・経済活性化など、広範囲に及びます。これらは区政課題の解決に直結するものであり、区民の方々が日常的、継続的に身近な場所でスポーツに触れる機会や空間などの環境整備を進めていくことは、区として重要な役割であると考えています。

 そこでお伺いします。3年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックの気運醸成のため、都内の市区町村を巡回しているフラッグが先日の5月27日、中野区にやってまいりました。フラッグアンバサダーの大林素子さんから区長・議長・区内中学生の代表にフラッグが受け継がれ、受け取りましたフラッグは現在庁舎1階ロビーに展示され、スポーツ体験や企画展示といった同時開催イベントも開催されているところです。中野区は競技会場としての予定はございませんが、東京都全体で気運を高めていくためには、中野区としても大会開催までの計画的な取り組みが必要であり、どのように取り組んでいくのか、区の見解をお聞かせください。

 次に、地域スポーツクラブについて伺います。

 昨年度、区は新たに地域スポーツクラブを設置しました。スポーツ・コミュニティプラザにおいて会員制も導入し、会員数は5,000人を超えていると聞いています。一方で、文部科学省が示す総合型地域スポーツクラブは地域住民の自主的・主体的に運営されるものであって、中野区のように区が設置し、委託事業者がクラブの事務局を務めるケースはまれと聞いております。委託事業者がクラブの事務局となることで安定的な運営は図れるかと思いますが、自主性が育たず、地域住民・会員による自主的・主体的な運営への道のりを遠くし、地域コミュニティの形成や区民の交流拠点としての展開につながらないことが懸念されます。

 そこでお伺いします。設置2年目を迎え、地域スポーツクラブを今後どのように展開していくのか、区の御見解をお聞かせください。

 この項の最後に、東京オリンピック・パラリンピックの開催の気運醸成や、スポーツ・健康づくりムーブメントの定着には身近で利用しやすいスポーツ施設等の存在は欠かせないことから、区有施設のあり方について伺ってまいります。

 区民にとって身近なスポーツ活動の場である区立施設において、一部の施設ではその使用料が改定のたびに上昇し、その結果、近隣区に比べても高額となり、個人や団体として継続的な利用がままならなくなってきているという区民の声を聞いています。加えて、今後、新体育館の整備が予定される中においても、大規模な施設建設等によってどのくらいの使用料に設定されるのか懸念されるところであり、その程度によっては、区民にとって最も身近な区立のスポーツ施設が、日常的、継続的な利用にそぐわない施設となりかねません。

 そこでお伺いします。現在、スポーツ施設の施設使用料については、集会室等の使用料と比べた場合、利用者負担割合が高く設定されています。具体的には利用者負担割合が70%、公費負担割合が30%で、集会室のそれは50%です。施設利用者の経済的負担を軽減し、継続的、日常的にスポーツを楽しめる環境をつくる方策の一つとして、スポーツ施設の使用料を集会室等と同程度に軽減すべきと考えますが、区の見解を伺い、この項の質問を終わります。

 次に、区立小学校の地域の拠点化について伺います。

 区立小中学校の再編計画(第2次)に基づき新たに整備する小学校の統合新校のための新校舎等整備基本構想・基本計画が策定されました。この基本構想・基本計画では、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の地域と連携した学校教育、地域の子育て活動の推進の取り組みの一環として、統合新校校舎等整備の基本的な考え方に地域の拠点となる学校施設の整備や教育環境の整備がうたわれました。地域の拠点となる学校施設の整備については、校舎内に地域開放型学校図書館とキッズ・プラザを併設することで、区民や子どもたちが利用しやすい、親しみの持てる地域の拠点施設とするとされました。

 そこで、地域開放型学校図書館について最初に伺います。地域開放型学校図書館の目標として、児童の学習環境の拡充に加え、子ども読書活動の促進、区民の利便性の向上を図るとされていますが、地域開放型学校図書館においてどのような形で家庭・学校・地域と連携・協力し、子どもの読書活動を支援することを想定しているのか、具体的にお答えいただきたいと思います。

 次に、地域開放型図書館の施設、利用、運営について伺います。地域開放型学校図書館では児童の利用に制約があるとか、学校の安全管理上問題を生じると臆測する声があるようですが、そのようなことがないように十分配慮し、施設計画や利用、運営方法が検討されていると信じております。具体的な施設のあり方、利用、運営方法について御答弁をお願いいたします。

 次に、学校が地域の拠点化とされることについて伺います。学校内に地域開放型図書館やキッズ・プラザを併設するだけで学校が地域の拠点として区民や子どもたちが利用しやすく、かつ親しみの持てる施設になるとの説明では十分とは言えず、これら施設をどのように運営し、家庭・学校・地域が連携・協力していくのか、これまで開かれた学校を目標に展開してきた施策、仕組みをどのように関連させるのか、構想、説明が必要ではないでしょうか。また、中野区は開かれた学校を目標にこれまで学校評議員や学校支援ボランティア、学校支援会議、学務担当主査などの取り組みを行ってきました。しかし、こうした取り組みが十分に機能していないように感じられます。

 そこでお尋ねします。教育委員会ではそれぞれの取り組みについて検証を重ねてこられたことと思いますが、いま一度、個々の取り組みの目的並びに機能について説明していただくとともに、検証の中から抽出された改善策とともに、今後、地域開放型学校図書館やキッズ・プラザといった施設を生かし、どのように学校を地域の拠点としていくのか、説明をお願いいたします。

 最後に、防災対策について伺います。

 首都直下型地震の発生が危惧される中、地震災害を筆頭に災害に対する備えを怠ることなく、常に最善の対応を講じることが求められます。そのため、中野区地域防災計画も毎年検討を加え、必要があると認めたときは修正することとされています。区の地域防災計画は平成27年、第40次の改定がなされて以降、改定がされておりませんが、この間に計画を取り巻く状況にさまざまな変化が生じていることから、中野区地域防災計画についてさまざまな視点から質問させていただきます。

 最初に、避難所について伺います。

 中野区地域防災計画第40次修正版の被害想定では、避難人口7万6,807人とされています。一方、同計画による区内避難所は49カ所、収容想定数は5万人とされ、2万7,000人ほど避難所収容想定を超過しています。また避難人口についても、母体となる人口が改定時引用した平成22年国勢調査時に比べ1万3,000人ほど増加している影響も検証されなければなりません。

 そのほかにも、進行中の学校再編の影響も見逃すことができません。学校再編の影響では、計画に記載の避難所49カ所のうち、再編計画で学校用途の廃止が見込まれる避難所数は全体の2割強の11カ所に上り、この11カ所の避難所の収容想定数合計は9,800人に達し、これも2割に相当します。この9,800人分の収容想定数減がさきの2万7,000人の収容待機者に上積みされ、人口増による影響が加われば、待機者数が収容想定者数を上回ることになります。一部施設は校舎建てかえの代替施設として複数回使用され、その間は学校施設の形態は維持されますが、建てかえを行う施設は工事期間中避難所としての機能を失い、避難所の減少は避けられないと考えます。

 そこで伺います。区はこうした避難所収容想定数の不足をどのように考え、どう対策を講じるのか、御答弁をお願いいたします。

 次に、各種災害対応マニュアルの整備と各種訓練の強化について伺います。

 地域防災計画の強化・推進施策は、39次修正に引き続き40次修正でも「地域の防災行動力の向上」が挙げられ、区民や事業者への防災意識の普及・啓発や防災訓練等を通じた防災行動力の向上とともに、要配慮者への対策強化の取り組みが求められています。対策強化には各種マニュアルの改定・整備と実践的な訓練の実施が必要とされます。

 そこで、マニュアル整備について伺います。区では、地域防災計画に基づき地域防災住民組織活動の手引があり、災害時の行動・活動について細かく記載されていますが、140ページにも及び、訓練の際、携行するには実用的でありません。訓練ごとに分冊化し、必要に応じてはさらに加筆を行った目的別マニュアルを整備するべきではないでしょうか。区の御見解をお聞きします。

 次に、防災訓練の内容強化や新たな訓練について伺います。

 区内各所では、定期的に初期消火訓練、AEDを活用した心肺蘇生訓練、傷病者の応急手当訓練、避難所開設訓練、炊き出し訓練などが行われておりますが、実際の災害現場で訓練成果が役立つ域には達していないのではないでしょうか。ましてや救助救出搬送に至っては住民参加の訓練は行われず、消防隊員による訓練の見学を行うだけであったりして、このままでは一刻を争う災害現場では大きな混乱が予想されます。また、災害対策基本法の改正に基づき、中野区でも避難行動要支援者の名簿が整えられ、個別避難支援計画作成が進められており、災害時には避難行動要支援者の安否確認や避難支援が新たに地域防災会に求められるようになりました。こうしたことを勘案すると、現状の訓練に加え、救助救出搬送といった訓練や避難行動要支援者のための安否確認、避難支援等の訓練が必要となると考えます。

 そこで、救助救出搬送訓練の充実について伺います。このたび野方消防署江古田出張所では、所管する地域の町会・自治会に対し来年3月にレスキュー大会を初めて行うと聞いております。何分初めての試みなので、全容についてはいまだ把握しておりませんが、区としてもこうした取り組みと連携し、広く救助救出搬送訓練を実施すべきと考えます。御見解を伺います。

 次に、災害時避難行動要支援者への避難支援等について伺ってまいります。

 最初に、現時点の避難行動要支援者の総数と個別避難支援計画作成の進捗状況についてお尋ねします。作成中の個別避難支援計画について、地域防災計画では親族あるいは近隣居住者の中から支援者の指定を求めていますが、実際にはこうした支援者の指定に至らない事例が多いことが予想されます。個別避難支援計画作成済みの要支援者のうち、親族あるいは近隣居住者を支援者として指定できている要支援者はどの程度、何割ぐらいに達しているのでしょうか。御答弁をお願いいたします。

 次に、指定された支援者は災害時、可能な範囲で安否確認や避難支援等の支援活動を行うと地域防災計画ではしていますが、実際にはこうした支援活動が必ずしもできるとは限りません。そうしたことを想定し、地域防災計画では支援者が支援活動できない場合や支援者の支援活動状況が不明な場合、あるいは支援者の指定のない要支援者について、指定支援者にかわる避難支援等関係者を種々指定するとともに、避難所運営本部内に避難支援部が設置されました。しかし、組織の設置だけでは災害時機能しないことが想定されることから、今後の防災訓練等において避難支援部による要支援者の安否確認・避難行動支援訓練の実施について、区の御見解をお尋ねしたいと思います。

 また、支援者並びに支援等関係者の役割、連携の明確化のため、支援等関係者のうち地域防災会、町会・自治会、民生児童委員などと支援者の具体的な連携方法について区のお考えをお聞きします。

 また、地域における避難行動等支援活動が機能したとしても、要支援者に対する緊急かつ専門的な支援が生じたときの連絡先と連絡方法が明確化されていなければなりません。何よりも、その前に緊急かつ専門的な支援が必要との判断基準と訓練が必要と考えます。区のお考えをお聞きします。

 次に、現在地域に配備されている防災資機材について伺います。

 現在、区では防災資機材を地域の防災活動拠点ごとに防災資材倉庫を設置し、そこに25種類ほどの資機材を交付しています。資機材の中には扱いに対して一定の習熟は要するものの、誰もが平易に活用できるものが多数を占めますが、新たな訓練の取り組みや訓練の充実に伴い、内容も理解も深まることは予想されるとともに、必要な資機材の過不足が明らかになることも想定されます。例えば避難行動要支援者への安否確認、避難行動支援では迅速な対応や支援者の負担軽減のための情報連絡手段の構築が必要となり、通信連絡用無線機などが有効な手段になろうかと考えます。通信連絡用無線機は災害時のみならず平時の防犯パトロールや見守り活動に活用することもでき、それぞれの効果が高まり、地域の安全・安心につながるとも考えます。また、救助救出搬送では救出に際しチェーンソーやエンジンカッター等、機動性の高い機材が配備されていれば救出の効率化が図られ、多くの人命が救われる可能性があります。一方で、こうした機材の操作については習熟が必要ですが、実際には地域の建設従事者等の協力が得られると考えます。地域防災会が訓練を重ね、新たな資機材の要望が生じた場合、中野区地域防災住民組織に対する資機材等の交付要綱の第3条第3項並びに第4条、第5条にはこうした場合の取り扱いについての定めがあります。

 そこで伺います。これまでこの要綱に基づき申請のあった資機材の内容と実際に交付された資機材の実績について御答弁をお願いいたします。あわせて、現在の資機材に対し新たな資機材を追加配備する予定の有無についてお伺いし、私の全ての質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊東しんじ議員の御質問にお答えいたします。

 まず、東京都の都市づくりグランドデザイン(素案)における中枢広域拠点域についての御質問です。東京都の都市づくりグランドデザイン(素案)は、目指すべき東京の都市の姿とその実現に向けた都市づくりの基本的な方針と具体的な方策を示したものであり、中野区のまちづくりにおいても関連する計画として踏まえていかなければならない行政計画となります。新たな地域区分であります中枢広域拠点域はおおむね環状7号線の内側で、中核的な拠点を育成していく地域とされております。

 中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3では、グローバルな企業活動を支える最先端の業務拠点、世界から注目される個性豊かな文化発信拠点、ユニバーサルデザインによって誰もが安全・快適に暮らせる最高レベルの生活空間といった明確な都市像を描き、中枢広域拠点域に求められる将来像を超える都市機能や求心力を目標としてきたところであります。こうした経過を踏まえ、今後は中枢広域拠点域という都の位置付けの中でどのように区の目指すまちづくりを実現していくかが重要と認識しております。具体的なまちづくりの展開においては、開発諸制度の活用や都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域の指定を視野に入れ、区役所・サンプラザ地区再整備をはじめ、国際競争力の強化に貢献する拠点形成に向けた取り組みを推進してまいります。

 中野駅周辺まちづくりにおける公共基盤の整備について。中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3では、道路・交通ネットワークについて、基幹的な都市計画道路や地区内の主要道路を整備して道路ネットワークを構築するとともに、駅前広場の機能改善や駐車施設の適正配置によって交通の負荷やふくそうを軽減するとしております。また、ユニバーサルデザインに基づいた水平・垂直方向の円滑な歩行者ネットワークを構築し、歩行者に優しい空間の確保と地区内の回遊を促すとしているところです。区役所・サンプラザ地区再整備では、中野駅周辺におけるグローバルな拠点性強化に向け、土地の価値を最大化するとともに、より安全で円滑な交通結節点とするため、街区再編を行う考えであります。街区再編に当たっては、中野駅周辺全体の都市機能が向上するよう広域の道路・交通ネットワークや、周辺地区との回遊性を重視した駅前広場や道路、歩行者デッキなどの公共基盤の最適配置を検討しているところであります。中野四丁目西地区や中野四季の都市(まち)、囲町地区、中野五丁目地区といった周辺地区との機能的連携を強めることによって、区役所・サンプラザ地区の集客を周辺地区に回遊させ、地域経済全体の活性化を図ってまいります。

 中野四丁目西地区のまちづくりの状況について。当地区では、昨年10月に中野四丁目西地区再開発協議会が発足した後、本年3月には市街地再開発準備組合が設立されています。準備組合は事業協力者を選定し、事務局の運営支援を受けながら、市街地再開発事業にかかわる勉強会や基本計画案等の検討を行っております。準備組合への権利者加入率は、現在、合意形成の指標とされる7割に近づいている状況で、引き続き賛同される方々をふやす取り組みが行われております。区は準備組合の会合にオブザーバーとして参加しており、周辺地区と調和したよりよいまちづくりを進めてまいります。

 区役所・サンプラザ地区及び周辺地区のまちづくりの考え方について。区役所・サンプラザ地区再整備事業の推進や都市計画を定めていくことを踏まえ、中野四丁目新北口地区として新たなエリア設定を行い、まちづくり方針を今年度中に策定する予定であります。昨今の中野四丁目西地区のまちづくりの動向や周辺地区との連携の必要性、また、東京西部都市圏を視野に入れた国際競争力の強化への貢献が求められる地区であることなどに鑑み、まちづくり方針の対象範囲を現在の中野四丁目西地区及び東地区を含めた範囲とすることを検討しております。従前の区役所・サンプラザ地区を中野駅新北口駅前エリア、中野四丁目西地区及び東地区を中野四丁目新北口エリアと捉えることによって、それぞれの立地のポテンシャルを最大限に引き出すとともに、より最適な土地利用や高度利用を促進することを目指してまいります。また、中野四季の都市(まち)区域3や中野五丁目地区、早稲田通りの北側など周辺地区との動線を計画的に配置することによって、回遊性を向上させるとともに、各地区の立地特性に応じたまちづくりを誘導してまいります。

 次に、桃丘小学校跡施設にかかわる区の対応をめぐって、桃丘小学校跡地活用の成果についてであります。

 平成24年から26年まではタイケン学園からの基本協定に基づく年間の事業報告書の提出を受けておりますが、平成27年度以降は事業報告書が提出されておらず、詳細な中身は確認できない状況となっております。提出された事業報告書によれば、桃丘小跡施設においては、児童から高校生までの漫画教室、アニメクリエーターなどを育成するアニメと漫画の教室、高校生・社会人の音楽レッスンを行うミュージック教室などが実施され、3年間で延べ1,200人が学んでおり、若い表現活動者の育成やアニメ産業への就職、アニメプロダクションへのあっせんなどが行われていたとされています。文化・芸術の活動・発信場所として、東京工芸大学芸術学部7学科の学生による作品展示や上映活動や、若手アーティストの現代美術の作品展示会等が開かれ、平成25年には延べ900人程度の来訪者があったとされ、文化・芸術の情報発信が行われていたと考えております。このような日常的な事業だけでなく、にぎわいフェスタ、なかのまちめぐり博覧会、鍋横商店街などの地域イベントにも参加し、まちの活性化に一定の貢献が見られたと認識しているところです。

 土地建物明渡等請求訴訟と和解後の施設の現状についてであります。土地建物明渡等請求訴訟につきましては、4月10日付において和解が成立しており、裁判は既に終結しております。桃丘小跡施設については、5月26日付でタイケン学園から施設の明け渡しを受けており、現在は区が管理をしているところであります。

 桃丘小跡施設の明け渡しのおくれによるまちづくりへの影響についてであります。係争中においても、区画整理事業の進捗についてUR都市機構と協議をしてきたところであります。和解が成立し、5月末までに施設の明け渡しが実現できることが明らかになった時点で、区とUR都市機構で連携して、さまざまな事業工程の工夫や見直しを行いました。結果として、現在では当初の事業計画期間を変更することなく、平成35年度までに区画整理事業を完了することができる見通しとなっております。

 区の責任について。旧桃丘小学校にかかわる土地建物明渡等請求事件については、訴訟上の和解により解決が見られたところでありますが、一定期間にわたって当該契約相手方の債務不履行状態の継続という状況に至りました。相手方の一方的な行動によるものとはいえ、結果として係争状態になったことは遺憾に考えているところです。今後、このことについて区政運営上の責任について明らかにしていく考えであります。

 協定、契約等のチェック体制について。今後予定されているまちづくりを実現する過程においては、さまざまな契約や協定等の締結を経ることとなりますが、法的側面の事前チェックについては、今年度より設置した法務担当副参事の関与を基本とするなど、事前審査の確認を徹底強化してまいります。また、事案ごとに法的リスクの性質に応じた横断的なチェック体制を構築することについても検討してまいりたいと考えております。

 次に、スポーツ・健康づくりムーブメントの発展に向けた区の取り組みについての質問であります。

 まず、東京2020大会開催までの計画的な取り組みについて。区は、東京2020大会の開催を単なる一過性のスポーツイベントにとどまらせるのではなく、さまざまな区政課題に対する目標達成の契機として捉え、平成27年度に取り組み方針を定めて推進してきたところであります。今後、全庁挙げて戦略的に取り組むためのロードマップを作成し、健康づくり・スポーツ活動の推進をはじめ、さまざまな領域での気運醸成、レガシーの形成を加速させる。また、東京2020参画プログラムなどを活用し、町会・自治会、商店街、各種団体などさまざまな主体による取り組みを推進し、区全体として大きなうねりをつくっていきたいと考えております。

 今後の地域スポーツクラブの展開について。昨年度、区として地域スポーツクラブを設置するに当たり、今後のスポーツ・コミュニティプラザの区内4カ所展開を見据え、地域スポーツクラブの安定的運営を図るため、運営事業者をクラブの事務局としたものであります。現在、個人会員数は6,800人を超えていますが、会員のクラブ意識の向上や会員同士の交流の促進、自主活動の活性化、事業内容の充実など、事務局を設置した強みを生かしながら、クラブ運営の強化に取り組んでいく必要があると考えております。今年度、事務局に地域スポーツクラブのコーディネーターを新たに配置し、地域性や会員の分析、自主活動の呼びかけ、関係団体との調整、SNSによる情報発信など、クラブ運営や事業内容の見直しに取り組んでいるところであります。ことし7月から運営委員会の新たな任期が開始することに伴い、活発に活動している会員に運営委員として参加してもらうことなどを通じて、自主活動の促進とあわせて地域スポーツクラブ活動に参画してもらうなど、地域スポーツクラブの設置目的を達成する仕組みを構築していきたいと考えております。

 スポーツ施設の施設使用料の見直しについてであります。スポーツ施設は民間類似施設の存在や個人の選択性のある施設である一方、区のスポーツ振興を行うために政策的な観点から整備した施設でもあり、施設コストの一定割合を公費で負担し、利用者負担割合を70%としております。東京オリンピック・パラリンピックが近づくにつれて高まるスポーツへの関心や、健康づくりとしてスポーツが重要であるという認識の高まりに応えるため、身近にスポーツを楽しむ場所や環境を整備することは重要であると考えております。区立施設は区民にとって最も身近なスポーツ施設の一つであり、こうした考えを踏まえ、今年度、施設使用料の改定の検討を進めていく中で議論をしてまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 区立小学校の地域の拠点化についての御質問です。

 初めに、子どもの読書活動推進の進め方についてです。図書館における子ども読書活動の推進に当たりましては、キッズ・プラザや子育てひろば事業、学校支援ボランティアなどの地域資源と連携して読み聞かせなどの事業に取り組むとともに、学校教育との連携なども行いながら事業展開をしているところでございます。今後整備を予定しております地域開放型学校図書館では、こうした取り組みを有効に機能させていくため、司書資格を持つ人材を学校図書館指導員として配置するほか、区立図書館とのシステム統合による利用可能図書の拡大など、区立図書館のネットワークによる活動支援なども考えているところでございます。

 続きまして、地域開放型学校図書館の施設利用や運営についてです。地域開放型学校図書館の配置に当たりましては、当該小学校の児童が優先的に使用する区画と一般利用者が利用する区画の二つに分け、児童が利用者と混在することなく図書館を利用できるようにしてございます。放課後や学校休業日などは、児童優先の区画も含め一般の利用に供するものと考えております。また地域開放型学校図書館には、学校が利用する時間とそれ以外の時間を通じて学校図書館指導員を配置します。この学校図書館指導員が児童等の安全管理に当たることとしております。また、事業等におきましては、教師の引率等により児童は一般利用区画の蔵書も含めて活用できるようになりますので、図書の利用範囲が広がることになります。

 続きまして、開かれた学校の取り組みについての御質問です。教育委員会では、地域に開かれた学校づくりの推進や区民の意思を尊重しつつ特色ある教育活動を展開するため、平成14年度に学校評議員を設置し、学校への意見や、学校、家庭及び地域社会の連携への助言などを求めてまいりました。また、地域、家庭、学校が一体となって地域ぐるみで子どもを育成し、地域に開かれた学校づくりを推進していくための学校支援ボランティア制度と、この制度の安定的な推進、学校と地域の連携を図るため、学校支援会議を平成23年度に設置し、ボランティアの活動状況や人材の情報共有などを行ってまいりました。加えて、地域との連携を深めるために平成25年から学校・地域連携担当の職員を配置してきたところでございます。

 学校が地域の活動拠点となるようにしていく考えについてです。現在、学校支援ボランティアへの参加や児童・生徒の地域行事等への参加協力など、学校と地域の連携が進みつつあると考えています。また、今後キッズ・プラザや地域開放型学校図書館の活動の展開においても、地域との連携のもとに取り組んでいることとしてございます。しかし、学校教育の向上や子どもたちの健全育成のためには、さらに組織的・継続的な連携体制が必要だと考えておりまして、地域の力がより生かされる新たな仕組みの構築に向け、現在検討しているところでございます。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、防災対策に関する御質問のうち都市基盤部所管分についてお答えをいたします。

 まず初めに、避難所収容想定数の不足があるのではないかとの御質問がありました。中野区では、東京都発表の地震による被害想定のうち、区内の被害が最も大きいと見込まれる東京湾北部地震、これはマグニチュード7.3を想定しておりますが、この東京湾北部地震を想定して地域防災計画を策定してございます。その中で、中野区内の避難者数のうち避難所での避難生活者は4万9,925人と算定いたしまして、避難所に全ての避難生活者を収容できる計画となってございます。小・中学校の統廃合などによる避難所数の減少や人口増加分による避難者数の増加に対応いたしまして、想定する避難生活者数を収容可能とするように避難所の指定変更や追加を検討しているところでございます。なお、実際に想定を上回る避難者数の収容が必要となる場合には、発災から48時間をめどに区内各避難所の収容状況や周囲の被災状況などを集約いたしまして、避難生活者の振り分けを行う計画となってございます。また、特別区では相互支援協定を締結いたしまして、特別区内で調整し避難所を確保してまいります。さらには、被災状況によっては三多摩地域などへの広域避難や、災害救助法に基づく遠隔地避難を実施するなど、区内での避難計画だけではなく、東京都や国のレベルでの避難に関する計画によって避難所確保に努めてまいります。

 次に、地域防災住民組織活動の手引の分冊化について御質問がございました。地域防災住民組織活動の手引につきましては、訓練のときに携行ができるような概要版を平成25年3月に1万5,000部作成いたしまして、全防災会で活用していただいております。なお、発災時のマニュアルと平時のマニュアルの分冊や必要な加筆について検討いたします。

 次に、救助救出搬送訓練の実施について御質問がございました。昨年度から区では総合防災訓練の実施方法、訓練内容を見直しまして、負傷者の救出救護訓練や搬送訓練の実施をしてございます。このたび開催されますレスキュー大会の実施内容と訓練成果を確認いたしまして、区として野方消防署とどのような連携が可能か、検討いたしたいと考えております。

 次に、避難支援部による訓練の実施について御質問がございました。現在、約6割の避難所におきまして避難支援部の組織体制が整ったところでございますが、さらに組織体制を整えるよう支援をしているところでございます。今後は、区が避難支援部の避難支援活動マニュアルを作成し配布するとともに、総合防災訓練及び各避難所ごとに実施される訓練におきまして、避難支援部の安否確認、避難行動支援の実施訓練を計画的に実施いたしまして、災害時の行動力を高めていきたいと考えてございます。

 それから、地域防災会と支援者の具体的な連携方法について御質問がございました。現在作成中の地域防災会向け避難支援行動マニュアルにおきましては、災害時に避難所に集まった地域防災会のメンバーを中心といたしまして避難支援本部を立ち上げることとしております。避難所受付名簿と避難行動要支援者名簿との照合、民生児童委員からの情報を集約いたしまして、安否確認が必要な避難行動要支援者リストを作成し、安否確認、避難行動支援を実施することとしてございます。さらに、避難行動要支援者の個別避難支援計画作成時に、避難支援者は災害時に避難行動要支援者の安否を避難所に報告するよう依頼してございます。区といたしましては、今後、避難支援者等関係者の連携を強化していきたいと考えてございます。

 それから、緊急かつ専門的な支援が生じた場合の判断基準と訓練について御質問がございました。要支援者に対する緊急かつ専門的な支援が生ずる例といたしまして、例えば、安否確認の際に家具に挟まれた要支援者を発見した場合といったケースが想定されます。発見時の要支援者の状況によりまして、安否確認した住民で対応するのか、避難支援部に連絡し、消防、警察機関に通報するのかといった判断基準や情報伝達等につきましては、避難支援行動マニュアルに明記する予定でございます。今後は緊急時の対応を想定いたしまして、避難所の避難支援部の訓練を行い、訓練を積み重ねることによりまして、必要な資機材や情報伝達の方法等も検証を行い、さらに実効性のある避難支援体制を整備してまいります。

 それから、防災会への防災資機材の交付について御質問がございました。現在交付しております資機材につきましては、発電機や投光器など中野区地域防災住民組織に対する資機材等の交付要綱に記載されているものでございます。なお、収納スペースに限りがある一つの防災会を除きまして、区内全防災会に一括して全ての資機材を交付してきたところでございます。ここ数年の実績では、平成26年に新しい防災会が発足いたしまして、同様に一括して全てを交付した実績がございます。また防災会旗、防災会の旗でございますが、防災会旗やトランジスタメガホンなどが壊れて再配備をしたと、そういった経緯も複数回ある状況でございます。昨年、防災会の活動内容に加わりました避難行動要支援者の対応を行う救出用資機材といたしまして、背負い式救助脱出用具、これは通称おんぶひもと言っておりますが、これを2組、ヘルメット5個を各防災会に交付したところでございます。今後は機動性の高い救助資機材の交付について調査研究をしてまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、個別避難支援計画における支援者の状況についてお答えいたします。

 本年2月に配備いたしました名簿におきましては、登載者は3万3,981名となってございます。その3分の1、要介護高齢者あるいは重度障害者など約1万名につきまして、既に避難支援計画が作成されてございます。これまで提出を受けました避難支援計画を見ますと、その9割につきましては親族や近隣の知人を支援者として指定しているという状況にございます。なお、本年度も引き続きひとり暮らし高齢者あるいは高齢者のみ世帯などにつきまして、この計画の作成の支援を実施しているところでございます。

○議長(いでい良輔) 以上で伊東しんじ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 平 山 英 明

 1 旧桃丘小学校跡地の問題について

 2 中野駅周辺まちづくりについて

 3 保育の課題について

 4 中野区立小中学校再編計画(第2次)について

 5 障害を理由とする差別の解消の取り組みについて

 6 自動二輪車の駐車場について

 7 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、平山英明議員。

〔平山英明議員登壇〕

○24番(平山英明) 平成29年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告どおりで、7のその他はありません。区長及び理事者の皆様におかれましては、誠実な御答弁をお願いいたします。

 初めに、旧桃丘小学校跡地の問題について伺います。

 旧桃丘小学校跡地をめぐる土地建物明渡等請求事件に係る訴訟上の和解について、和解が成立し、明け渡しが完了したと先ほど区長の御答弁もございました。当該用地は区民の財産であり、中野駅西側南北通路開設を含む中野三丁目地区まちづくりの貴重な事業用地です。本来であれば、昨年9月には賃貸借契約の期間が終了し、明け渡しが行われなければならないはずでしたが、双方の協議が調わず、ともに訴訟を提起するという事態へと発展しました。明け渡し期日から8カ月もの間、区民に不安を与え、まちづくりのスケジュールに影響を与えたことは大変遺憾です。議会としては、訴訟への影響を考慮し、中野区議会で初めてとなる秘密会を開き、本件にかかわる審議や議決を行うなどの対応をとってまいりましたが、4月7日に臨時会が開かれ、土地建物明渡等請求事件に係る訴訟上の和解についての議案が提出されました。今後の裁判に要する費用や期間を考えると、和解はやむなしと議会としても了としたところですが、結果として、どちらの訴えに妥当性と整合性があったのかということについての司法の判断はなく、釈然としない部分も残りました。

 この問題を問うに当たり大切なことは、議会からさまざまな懸念が示される中で始めた旧桃丘小学校跡地を活用した事業について、区が当初目指した政策目標にかなったものであったのかどうかという検証、プロポーザルから契約までの一連の区の手続についての検証、外部委託した事業者に対し、政策目標を実現するための区のチェック機能が適切に働いていたのかの検証を行い、優先して行うべき再発防止策を講じることと考えます。

 そこで初めに、中野三丁目地区まちづくりに当たって、旧桃丘小学校跡地活用事業が担うそもそもの役割について伺います。

 区は、平成22年12月に策定した桃丘小学校跡地活用基本方針に基づいて、事業者をプロポーザルにより公募し、交渉順位第1位であった学校法人タイケン学園と翌23年6月に基本協定を結び、8月には賃貸借契約を締結し事業を開始いたしました。5年が経過し、そもそもの区の目指した目標は達せられたのか。桃丘小学校跡施設活用基本方針で定めた、1、若い世代の表現活動者や団体が育つ場とする、2、文化・芸術の活動・発信場所としての機能の実現を図る、3、文化芸術の持つ創造性を牽引力にして、まちの活力を生み出す、4、都市型産業の育成につなげるとの四つの考えごとに伺います。

 基本方針にのっとり事業が展開されているのか否かの確認方法はどのようになっていたのでしょうか。基本協定では年1回の報告のみが義務付けられているだけです。報告書のみでタイケン学園側の事業の実情を把握できているとお考えだったのでしょうか。伺います。

 また、報告書以外に、行われている事業の状況についての確認のためのタイケン学園の視察等、現地に赴いての確認をこれまで何度行われていたのでしょうか。具体的に伺います。

 桃丘小学校跡への表現・文化活動支援施設の誘致に関する公募型プロポーザル実施要領の貸付条件には、災害対策の地域拠点機能の維持に、地域住民に対して、震災時の避難場所としての機能を提供することとあります。貸し付けから今日に至るまで、避難所運営会議や避難訓練の実施等での旧桃丘小学校跡地を活用したいとの地域からの求めはあったのでしょうか。また、実際に行われたのでしょうか。伺います。

 プロポーザル実施要領の貸付期間等には、貸付期間は5年間とする。ただし、期間終了後においても活用可能な状態にある場合には、継続貸与について協議できるものとするとあり、契約手法については、普通財産使用賃貸借契約により行うとあります。貸し付けに当たり、5年間の定期借地契約ではなく、普通賃貸借契約とされたのはなぜでしょうか。伺います。

 再発防止に対する区の取り組みについても伺います。

 昨年の第4回定例会一般質問で、契約のあり方についてとして、契約案件についてはリーガルチェックを原則とすべきであること、また、都や他区の事例にならい、公有財産管理運用委員会の設置を求めました。答弁は、リーガルチェックについては専門家による確認を徹底する、公有財産管理運用委員会の設置については、公有財産管理運用委員会の設置や用地委員会の機能拡充を含め、公有財産の取得、管理、処分に係るチェック機能をさらに高める方策を検討するというものでした。今日までにどのような検討がなされ、どのように対策が講じられたのでしょうか。伺います。

 今回の事案を受けて、他の普通財産の貸付契約について総点検は行われたのでしょうか。行われたのであれば、速やかに議会に報告すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 最後に、旧桃丘小学校跡地の活用について一連の総括を行い、議会に報告いただけるのでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、中野駅周辺まちづくりについて伺います。

 中野駅の北側は、中野駅西側南北自由通路及び橋上駅舎整備、区役所・サンプラザ地区再整備、新区役所整備が連動して行われることから、一つの整備スケジュールのおくれは他の整備のおくれにつながり、まち全体の活性化にも大きく影響を及ぼします。

 そこで初めに、最大の懸案事項と言っても過言ではない中野駅西側南北自由通路及び橋上駅舎の整備について伺います。

 4月21日に行われた区内駅周辺等まちづくり調査特別委員会において、中野駅西側南北通路・橋上駅舎の整備についての報告がなされました。内容は、協議について前進が見られたとは言えず、大変残念でした。駅ビル計画内容の見直しの検討状況には、JRは駅ビル計画の技術的検討や事業性検討が終了しておらず、あわせて区の公共基盤配置の方向性を踏まえた検討も必要なことから、作業にもう少し時間がかかるとしているとあり、今後の取り組みについては、駅ビル計画内容見直しの検討期間がさらに延びる場合については、区としても駅ビルの必要性も含めJRと再協議を行うとあります。委員会での報告では、区側はJRのもう少し時間がかかる作業のリミットを6月とされているとありました。仮に再協議が必要となった場合、平成29年度中に実施設計に入るためには、駅ビルの必要性も含めた区とJRの協議が整う必要があるリミットはいつになるのでしょうか。伺います。

 駅ビルの必要性も含めJRと再協議を行うとは、駅ビルを設置しない手法についてもJRとの協議内容に含まれるものと思います。その場合、JRに駅ビル以外のメリット、例えば、新たに創出される区役所・サンプラザ地区の空間活用などの代替案の提案も必要ではないでしょうか。交渉のリミットを踏まえて、JRとの協議を前進させるための区側の提案は準備をされているのでしょうか。伺います。

 次に、区役所・サンプラザ地区再整備について伺います。

 同地区再整備については、目標スケジュールを見直すとして、新しい区役所整備基本計画において、新庁舎整備スケジュールが明示されたことを踏まえ、市街地再開発事業に係る都市計画や整備工程を勘案し、再整備実施方針におけるスケジュールを見直していくとされました。スケジュールを見直すとは、具体的にどのようなスケジュールとなるのでしょうか。新区役所整備スケジュールが基本計画で2年おくれたことにより、単純に2年スライドするという意味なのでしょうか。伺います。

 さきの定例会で区役所の位置を変更する条例が可決されました。その際、財源を懸念する声が幾つかあり、私も予算特別委員会の総括質疑で財源の問題について確認いたしましたが、改めて2点伺います。

 新区役所整備の財源を生み出す手法について、現段階ではどのような想定をしているのでしょうか。これまでの議論を見ると、売却か、一部売却、一部定借、あるいは再開発の中での権利変換のいずれかと思われますが、検討の状況を伺います。

 それぞれの手法を用いた場合、新区役所整備の財源を最も早く生み出せるのはどの手法とお考えでしょうか。伺います。

 次に、中野駅周辺におけるスマートな環境・防災都市づくり戦略について伺います。

 区役所・サンプラザ地区再整備において、環境対策のモデルとなる整備はこれまで求めてきたことであり、スマートな環境・防災都市づくりを目指すことは評価いたします。しかし、幾つかの懸念もあります。本戦略の中心はBCD(災害時業務継続地区)の形成にあり、実現のためにはエリア内でエネルギーの確保、すなわち電力の発電と蓄電機能の確保と消費電力を抑制することが必須であります。そのためには区役所・サンプラザ地区や新区役所のみならず、囲町地区や四季の都市(まち)全体も含んでの整備が必要と考えます。現段階ではどのようなイメージを描いているのか、お伺いいたします。

 実現のためには現在の開発計画に加え、区のみならず、開発事業者を含む民間も多額の設備投資が必要と考えます。報告では財源について、災害時業務継続地区整備緊急促進事業の活用を見込んでいるようですが、現行制度では対象条件からもスケジュールからも活用が難しいと思います。財政面についてどのようにお考えでしょうか。国に制度の条件緩和などを求める必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 この項の最後に、駅周辺の点字ブロックの整備について伺います。

 中野駅北口のスマイルなかの、中野区社会福祉会館障害者社会活動センターは視覚障害者の集まる機会が多く、他区からも中野駅を利用しイベントなどに訪れる方も多いと聞きます。しかし現在、中野駅北口から中野通りを利用しスマイルなかのに向かう際に、点字ブロックが設置されていないことから、視覚障害者にとっては行き先がわかりにくく、自身の位置確認も難しく不安な状態を招いています。昨年、中野区視覚障害者福祉協会が区に対し、駅からスマイルなかのまでの点字ブロックの設置を要望したところ、都において今後4年間の間には設置する予定であるとの回答がされたと聞きました。4年では長過ぎます。都に対し中野通りの点字ブロックの早期設置を求めるべきです。伺って、この項の質問を終わります。

 平成27年4月にスタートした子ども・子育て支援新制度は、全国の自治体で新たな待機児童解消に向けた取り組みの一手として活用されています。しかし、同時に、新制度であるがゆえの課題も浮かび上がっています。

 そこで次に、子ども・子育て支援新制度開始により生じた保育の課題について伺います。

 総務省行政評価局は昨年12月9日、都市部などの待機児童解消策として導入した小規模保育施設に関する抽出調査結果を公表しました。その結果、少なくとも約3割で卒園後の受け入れ先が確保できない「3歳の壁」があると指摘、厚生労働省に対し、受け入れ先の積極的な仲介を市区町村に促すよう勧告したとしています。厚生労働省から区に対し通達など何かしらの連絡はあったのでしょうか。あったのであればどのような内容か、お伺いいたします。

 開設後5年のうちに進級先の連携園を見つけるのは事業者の責務ですが、区も積極的に支援すべきと考えます。お考えを伺います。

 進級先の連携園確保は、でき得る限り近い場所が望ましいのは言うまでもありません。昨年の第4回定例会で足立区の取り組みを参考に、区の保育の中期計画として、(仮称)中野区待機児童解消アクションプランの策定を求めましたが、「研究」との御答弁でした。しかし、待機児童の分布のみならず、保育の連携も踏まえた計画的整備はますます必要となっています。今後の区内の保育施設の整備に当たり、区が認可した家庭的保育事業者や小規模保育事業者の実情を踏まえ、バランスを考慮した整備を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 小規模保育施設等の特に夏場の遊び場確保について伺います。

 ことしも暑い夏が予測されます。現在、区は区立園との連携により夏場のプールなどでの遊び場の確保を進めていますが、園によっては、連携先の区立園までの距離が遠過ぎるとの理由で利用ができない場合があると聞きます。近隣の小・中学校などの一角を夏休み期間中、水遊びの場として利用することはできないかという声がありますが、保育担当が窓口となり、学校側との調整を行ってはいかがでしょうか。また、保育事業者に対して、区側から夏場の遊び場確保についての現状を聞く機会をつくってはいかがでしょうか。伺います。

 家庭的保育事業についても伺います。

 家庭的保育事業は、原則保育のみに利用する空間である他の園や施設と違い、保育を行う以外は日常生活の空間である場合が多く見られます。したがって、保育に当たっての衛生的な環境を維持することが他の保育施設と比べ難しい側面があるようです。しかし、同じ認可での保育である限り、施設内の環境は同様に衛生的に保たれなくてはなりません。家庭的保育事業については、日常生活の場であることも考慮し、ハウスクリーニングの費用の一部助成を行うなどの支援策の検討とあわせて、保育環境について丁寧な調査・指導を進めていくべきと考えます。いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、中野区立小中学校再編計画(第2次)について伺います。

 教育委員会は、中野区学校再編の第1次計画がスタートする平成19年に、学識経験者、区民、学校関係者などによる中野区立小中学校校舎のあり方検討会が提出した「魅力ある学校づくりへの処方箋~中野区立小中学校校舎のあり方検討会報告書~」を受け、「中野区立小中学校施設改築等整備の考え方」を取りまとめました。これは、あり方検討会の報告書をもとに、学校の改築計画等の基本となる考え方を明らかにするものとし、これから本格化する学校改築に当たり、ここで述べられている「考え方」に従い、中野区が目指す教育を実現するため、地域特性に応じた魅力ある学校づくりに取り組んでいく考えであると述べています。

 学校再編第2次計画が始まる平成26年には、さきに示した「考え方」の見直しや更新ではなく、新たに計画として「中野区立小中学校施設整備計画」を策定しました。「考え方」が、当時の教育ビジョンに描く目標の実現を踏まえた学校環境のあり方について詳細に示されているのに対し、「計画」は具体的な整備手法とスケジュールが記されております。第1次計画で改築された学校は現中野中学校の1校のみで、その際の課題を踏まえて中野区立小・中学校の改築における標準仕様を定め、具体的な今後の計画として定めたものが整備計画であると認識しています。改めて、中野区立小中学校施設改築等整備の考え方と中野区立小中学校施設整備計画の位置付けについて、教育委員会の認識をお伺いいたします。

 考え方には、自然体験ができる屋外教育環境の整備として、小学校においては、生命を大切にする心を培うため小動物の飼育ができる場所を整備するとありますが、整備計画にはそれらの記述はありません。美鳩小学校では、旧大和小学校で飼育していた動物の飼育環境が統合校となった旧若宮小学校にはなく、PTAの方が苦労して手弁当で飼育環境を整備していると聞きます。しかし、現在改築を予定している美鳩小学校新校舎の基本計画には、屋外での動物飼育の場所が設定されておりません。学校での動物の飼育については、現在は学校ごとに判断が委ねられていますが、私は、考え方で目指したように、全ての小学校で動物の飼育が行われるべきであると考えます。仮に学校が動物飼育を検討しようとしても、既にある校舎に新たに飼育環境を設置するとなると、予算面も含め条件は厳しい中での検討となります。これからの小学校施設の改築に当たっては、屋外で小動物の飼育ができる場所を整備するとしてはいかがでしょうか。伺います。

 整備計画の施設構成等の考え方には、小・中学校ともに無線LANを敷設して、多目的室や普通教室を活用してパソコンや情報端末の使用ができるよう環境整備を行うとあります。今後、各種行事でのICT活用や災害時のことを踏まえ、体育館でも無線LANを使えるよう整備すべきであると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 小学校には、学校施設に地域開放型図書館とキッズ・プラザを併設するとありますが、中学校には学校施設以外の定めがありません。中学校については、エリアの状況に応じて地域の方の健康促進、スポーツ振興に資するための地域開放を意識した施設整備を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 旧大和小学校の解体工事はいつから始まるのかと、地域からの声を聞きます。一時的に避難所はどうなるのかという心配と、もう一つは、改修から改築となり、新校舎への移転時期が延びたにもかかわらず、校舎の改築工事のスケジュールが見えないことに対して、スケジュールを短縮できるのではないかという不信感です。みなみの小学校、美鳩小学校ともに統合委員会もなくなり、父母やOB、地域の方への情報発信の機会が減っています。不安の払拭のため積極的な情報発信を行うべきと考えます。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、障害を理由とする差別の解消の取り組みについて伺います。

 平成25年、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が制定され、行政機関等における障害を理由とする差別を解消するための措置も定められました。区も同法の制定を受け、取り組みを進める中、昨年の第3回定例会の厚生委員会において、「中野区における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領について」が報告されました。そこでは、3のその他で、意見交換会及びパブリック・コメント手続においては、対応要領とあわせて、中野区障害者対応基本マニュアルについての意見募集を行うとされ、中野区における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領の考え方、中野区における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領に係る留意事項と中野区障害者対応基本マニュアル、それぞれの案が示されました。しかし、さきの第1回定例会では、意見交換会及びパブリック・コメント手続を経て策定された対応要領と対応要領に係る留意事項が報告されましたが、対応基本マニュアルについては示されませんでした。昨年第3回定例会厚生委員会で示された中野区障害者対応基本マニュアルの案は3章構成でしたが、その後改定されたマニュアルは5章構成となっています。4章、5章が追加されたのは区民からの意見募集の結果なのでしょうか。伺います。

 区民の意見募集の結果が報告されていませんが、結果として二つの章を追加するという大きな変更であれば、議会に対しても報告があってしかるべきと考えます。報告がなされなかったのはなぜでしょうか。また、区民に対しても意見募集の結果を報告すべきではないでしょうか。伺います。

 追加された第4章に示されているフローには、相談者が担当所管(各分野)に相談・苦情を申し立てた際、対応不可の場合は、相談者に対応できない旨を正当な理由を示して理解を得るとあります。さらに相談者と担当所管の間で解決に至らなかった場合には、相談者は福祉推進分野に設置されている相談窓口に相談することができると記されています。しかし、担当所管から相談窓口への案内は義務付けられておらず、障害者である相談者に対しての相談窓口の存在を伝えるための配慮は十分とは言えません。対応要領に係る留意事項には、正当な理由の判断の視点が示されていますが、相談者の申し立てに対して対応不可の場合の正当な理由の説明が理解されたか否か、解決に至ったか否かは、相談者の視点からも図られなくてはなりません。対応基本マニュアルに、福祉推進分野に設置されている相談窓口の存在と、相談した場合の流れについて、きちんと御理解をいただくための説明を義務付けることを明記すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 最後に、自動二輪車、オートバイの駐車場について伺います。

 何を隠そう、私も自動二輪車を所有するライダーの一人であり、地元ツーリングクラブにも所属しております。自動車や自転車と比べ、都市部に自動二輪車の駐車場、特に一時駐車施設が少なく、苦慮しています。平成18年の駐車場法の改正により、自動二輪車も駐車場法の自動車となったものの、駐車場の整備は特に都市部ではなかなか進まず、国土交通省も平成22年、自転車法で対象外とされている自動二輪車を、駐車施設の附置義務条例において、自動二輪車用の駐車施設を追加する条例改正を求める通知を出すなど、積極的に駐車施設確保に取り組んでいます。東京都道路整備保全公社は、23区内で不足する自動二輪車駐車場の整備を促進するため、区の協力を得て、駐車場事業者等に対し自動二輪車駐車場の整備を支援する事業を行っており、平成16年から平成27年までに20区で169駐車場に対し3,403台分の整備支援が行われました。中野区でも区が窓口となり、同事業を活用した整備が平成16年1件、17年2件、19年1件、23年1件と、計5件行われました。区が窓口となる自動二輪車用駐車場整備助成事業は、対象範囲を東京都が推進してきたハイパースムーズ作戦、または区が推進する違法駐車解消重点地域等としていますが、区内では具体的にどのエリアが範囲となるのでしょうか。伺います。

 推移を見ると、事業開始当初に比べ近年は活用が見られませんが、どのように分析をされていますか。伺います。

 杉並区は同事業に整備費用を区費で上乗せする独自事業を行っています。区も上乗せ事業を行ってはいかがでしょうか。伺います。

 自動二輪車による中野への来訪者も見据え、今後、特に中野駅周辺で区が整備を行う駐車場には、二輪自動車の駐車スペースを確保すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 中野サンプラザには、現在、民営の自動二輪車の駐車場が設置されています。今後の区役所・サンプラザ地区再整備の中でも自動二輪車の駐車場の確保を行うべきであると考えますが、いかがでしょうか。伺って、私の全ての質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 平山議員の御質問にお答えいたします。

 旧桃丘小学校跡地の問題に関連しての御質問です。

 桃丘小学校跡地活用の成果について。平成24年から平成26年までは、タイケン学園からの基本協定に基づく年間の事業報告書の提出を受けているところですが、平成27年以降は事業報告書が提出されておらず、詳細な中身は確認できない状況となっております。提出された事業報告書によれば、桃丘小跡施設においては、児童から高校生までの漫画教室、アニメクリエーターなどを育成するアニメと漫画の教室、高校生、社会人の音楽レッスンを行うミュージック教室などが実施され、3年間で延べ1,200人が学んでおり、若い表現活動者の育成やアニメ産業への就職、アニメプロダクションへのあっせんなどが行われていたとされています。文化・芸術の活動・発信場所として、東京工芸大学芸術学部7学科の学生による作品展示、上映活動や若手アーティストの現代美術の作品展示会等が開かれ、平成25年には延べ900人程度の来訪者があったとされ、文化・芸術の情報発信が行われていたと考えています。このような日常的な事業だけでなく、にぎわいフェスタ、なかのまちめぐり博覧会、鍋横商店街などの地域イベントにも参加し、まちの活性化に一定の貢献は見られたと認識しているところであります。

 基本協定にのっとった事業展開の確認についてであります。桃丘小跡施設活用については、委託契約のように仕様を細かく決め実施を行うものではなく、基本協定を結び基幹事業等を定めた上で、施設の賃貸借契約を結び事業実施を行うものであります。事業についての実績報告は、基本協定に基づく年間の事業報告書の提出を受け、必要に応じて聞き取りなどによって確認を行っていたものであります。定期的な視察などは行っていませんでしたが、にぎわいフェスタなどの地域イベント参加時など、日常的な交流の機会を捉え、事業実施状況の把握などを行ってきたところであります。

 桃丘小跡施設の災害対策機能についてであります。旧桃丘小学校は、地元防災会の指定避難所となっていた施設であり、地域の求めに応じて、毎年、施設を使って災害時要援護者対応訓練、避難所開設訓練等を実施してきたところであります。

 施設の貸付契約について。区は学校法人に旧学校跡施設を貸し出す際には、期間を定めた上で普通賃貸借契約を結んでいたところでありますが、他の学校法人について特に問題が起こるといったようなことはありませんでした。プロポーザル、基本協定、賃貸借契約書のいずれにおいても、まちづくり事業を行うため期間を5年間とする旨、明示しており、タイケン学園も基本協定の趣旨を十分に理解し、5年間の事業計画書を提出しておりました。これを前提として普通賃貸借契約により対応していたところであります。

 公有財産管理委員会の検討状況について。契約等の案件にかかわる法的側面の事前チェックについては、今年度より新たに設置した法務担当副参事が専門的観点から審査することとし、新規の案件や重大・複雑な事案については事前に確認することを徹底しております。公有財産の管理、処分の適正化、効率的運用の強化に当たっての組織の設置等については、東京都や他区の事例を参考にしながら、中野区事業用地取得事務規則に基づく用地委員会の機能を、外部専門家の意見聴取を行う手続など拡大強化することを基本とし、そのための規則の改正、要綱の策定に向けて検討を進めているところであります。

 公有財産の貸付状況に係る総点検及び議会報告についてであります。公有財産の貸付状況については、中野区公有財産規則第4条及び第53条に基づき、行政財産及び普通財産である土地建物につき状況調査を実施してきたところであります。今後、速やかに議会へも報告していきたいと考えております。

 旧桃丘小跡地の一連の総括報告についてであります。旧桃丘小学校跡施設の一連の経過については、対応の経過の中で細かに点検を行い、その内容についても議会への報告や答弁などによりお示しをしてきたところと考えております。現在のところ、改めてこれらをまとめて報告するといったようなことは考えておりません。

 次に、中野駅周辺まちづくりについてであります。

 駅ビル計画内容見直しにおけるJRとの協議について。中野駅西側南北通路及び橋上駅舎の整備については、平成29年度内に実施設計に着手することとしており、区ではJRからの6月の駅ビル計画内容見直しの検討状況報告を踏まえ、区の区役所・サンプラザ地区再整備事業における公共基盤配置の検討と整合を図り、JRと実施設計協定を締結することとしているところです。これまでの協議の中では、区はJRに対し、駅ビル見直しの検討期間がさらに延びる場合には、駅ビルの必要性について再協議の方向性もあると伝えているところです。仮に駅ビルの必要性も含め再協議となった場合には、これまでと事業の方向性が異なるため、区とJRでの基本協定の再締結が必要となり、その後、修正基本設計、実施設計着手という流れになります。また、駅ビルを設置しない事業手法についても検討が必要となり、スケジュールの再調整が必要となります。現在までのところ、区とJRの間では、駅ビルに関する再協議を前提とした基本協定の見直しについて、話題になったことはありません。

 区役所・サンプラザ地区再整備のスケジュールについて。区役所の竣工予定時期を平成35年度としたことに伴い、区役所・サンプラザ地区整備実施方針において示した平成37年度竣工予定を見直すこととしております。区役所移転後に現庁舎を解体し、新施設の整備工事を行うため、単純にずれていくことが想定されますが、この間、事業協力者の協力を得て、事業手法や整備工程などの検討を行っており、そうした事業全体の展開を踏まえた目標スケジュールを定めてまいります。

 新区役所整備の財源を生み出す手法について。区役所・サンプラザ地区再整備の事業手法として、法定の面整備事業である土地区画整理事業と市街地再開発事業を組み合わせて行うこと、これを検討しているところであり、基本的には権利変換により財産を保全し、活用していくことになると考えております。しかしながら、詳細な内容については今後の検討によることになると考えます。

 スマートな環境・防災都市づくり戦略についてであります。中野駅周辺におけるスマートな環境・防災都市づくり戦略は、電気や熱といったエネルギーにかかわる先端的技術の導入や、面的利用による効率的かつ安定的な供給を実現することによって、まちとしての低炭素化を推進するとともに、災害時にも業務が継続できる地区の形成を目指すための指針として定めるものであります。対象区域となる中野四丁目地区全体の環境性の向上や防災性の確保を目指すものであり、整備が計画されている新区役所や区役所・サンプラザ地区をBCD(災害時業務継続地区)の中心と捉え、囲町地区や中野四丁目西地区などにおいては、機能的連携の可能性を検討してまいります。また中野四季の都市(まち)は、先行する環境・防災にすぐれたエリアとして、災害時業務継続性の強化や、建物や設備の更新時期に合わせた防災・環境対策の推進などを検討してまいります。

 災害時業務継続地区の整備について。中野駅周辺におけるスマートな環境・防災都市づくり戦略は、都市の低炭素化の促進に関する法律に規定される低炭素まちづくり計画の性格を有するものとして策定する考えであり、これに伴い、さまざまな特例措置の活用が可能となります。エネルギー面的ネットワークの支援事業である災害時業務継続地区整備緊急促進事業は、地域要件として都市再生緊急整備地域、または1日当たりの乗降客数が100万人以上の主要駅周辺にある地区などが設定されております。現在の整備に活用していくことを想定し、都市再生緊急整備地域の指定や当該事業の要件緩和などを働きかけるとともに、他の支援事業の活用の可能性を検討してまいります。

 中野通りの点字ブロックの早期設置について。平成27年度に策定した中野区バリアフリー基本構想では、要望箇所への点字ブロックの設置について、平成32年度までに都において実施予定となっておりますが、都に対して、これの早期の設置を要望してまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 中野区立小中学校再編計画(第2次)についての御質問です。

 初めに、施設改築等整備の考え方と施設整備計画の位置付けについての御質問です。中野区立小中学校施設改築等整備の考え方につきましては、中野区立小中学校施設整備計画を定めたことによりまして更新されたものと考えており、現在進めている統合新校の新校舎施設整備をはじめとして、建築後50年を経過する学校の施設整備につきましては、この計画に基づいて行うこととしてございます。

 次に、新校舎における飼育小屋の整備についてです。飼育小屋につきましては、動物と触れ合う教育のあり方を検討した上で、新校舎の整備を進める中でその取り扱いについて検討してまいります。

 体育館の無線LAN使用についてです。現在、区立小・中学校の体育館には、ジェイコム中野より無線LANが無償で敷設されており、避難所となった場合には一般の方も無償で利用できる状態でございます。災害時以外における活用ニーズの把握を含め、今後検討してまいりたいと考えてございます。

 続きまして、中学校の地域開放についてです。これまで中学校におきましても、スポーツ開放など可能な限り地域開放を行ってきてございます。今後、新校舎を整備するに当たりましては、地域への開放を前提とした体育館の施設整備を進めていく考えでございます。

 旧大和小学校など統合新校の学校施設のスケジュールの地域への情報発信についてです。旧大和小学校につきましては、平成32年度の新校舎竣工に向け、平成29年度末から校舎等の解体工事に着手する予定でございます。それまでの間は新校舎整備工事に向けて必要な地盤調査等を計画してございます。避難所の考え方につきましては、解体工事までの間は避難所として活用することとしてございます。解体及び新校舎建設の期間の避難所の指定につきましては早急に検討し、お知らせをしてまいります。今後も引き続き地域に対して適宜情報提供していく考えでございます。

〔子ども教育部長横山俊登壇〕

○子ども教育部長(横山俊) 保育の課題につきましての御質問にお答えをさせていただきます。

 初めに、3歳の壁に関する厚生労働省からの通知についてでございます。厚生労働省からは、本年2月に「家庭的保育事業等の連携施設の確保について」の文書が届いてございます。その内容といたしましては、家庭的保育事業者等が用意しました連携施設の候補先に対しまして、市町村みずから制度内容を説明することや、関係者間においての懇談の場を設けるなど、連携施設の確保に向けて必要な支援を行う等の記載がされてございます。

 次に、地域型保育事業と認可保育所の計画的な整備についてでございます。現在、民間認可保育所の新規誘致や区立保育園の民設民営化に当たりましては、募集要項の中におきまして、地域型保育事業からの接続に配慮した定員設定を図るよう求めているところでございます。保育施設のバランスに考慮した保育所整備を進めているところでございます。

 次に、夏場のプール等、小規模保育施設と学校との連携についてでございます。既に夏場のプール利用につきましては、要望のありました小規模保育施設と区立保育園との連携の実現を図っております。また、園庭を有しない認可保育所から希望のありました区立小学校の校庭の提供につきましても実施をしているところでございます。今後とも保育事業者からの声を聞きながら、近隣の小・中学校や私立保育園等との連携が進むよう積極的に働きかけを行ってまいります。

 それから、家庭的保育事業所の指導についてでございます。家庭的保育事業所に対しましては、給付費が支給されてございまして、その中には環境・衛生面に対応するための経費も含まれているところでございます。認可保育所につきましては、統一的な基準によりまして指導・検査を実施しているところでございまして、今後とも必要に応じ適切な指導を行っていくこととしてございます。

〔健康福祉部長小田史子登壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 障害を理由とする差別の解消の取り組みの御質問についてお答えいたします。

 障害者対応基本マニュアルは、区民の御意見を踏まえまして2項目の修正を行い、本年1月の厚生委員会でのパブリック・コメント手続の結果報告の際には、このこともあわせて御報告を行っております。第1回定例会終了後の今年3月に、第4章、第5章を加える改定を行っておりますが、これは策定後の区の検討によりまして追記したものでございます。このことにつきましては、改めて御報告をさせていただきたいというふうに考えております。障害者対応基本マニュアルは職員向けのものではございますが、相談窓口、相談の流れなど、区民の方々が必要とします改定内容につきましては十分な周知を図ってまいります。また、相談者の方が相談、苦情を申し立てても解決に至らなかった場合の相談体制は、障害者対応基本マニュアルに記載はして対応を行っているところではございますが、相談者に確実に伝える旨、付記をしてまいります。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、自動二輪車用駐車場整備に係る御質問のうち都市基盤部所管分についてお答えいたします。

 まず、自動二輪車用駐車場整備助成事業の対象地域についてでございます。東京都が推進していたハイパースムーズ作戦では、中野通りのうち新井交差点付近から南側の渋谷区との区界付近までの中野通り沿道の地区、鷺宮四丁目交差点付近、西武新宿線の鷺ノ宮第1号踏切付近、それから、新井薬師前第2号踏切付近及び丸山陸橋付近が対象の道路区間や箇所となっておりまして、これらが区内の主な助成対象地域でございます。なお、区では特に違法駐車解消重点地域は定めておりませんが、自動二輪車の違法駐車のある箇所が助成の対象となります。

 次に、この助成事業の活用事業が近年見られないのではないかとの御質問もございました。区ではホームページへの掲載や窓口でのリーフレットの配布等によりまして、助成事業の周知を行っているところでございまして、東京都道路整備保全公社におきましても、公社ホームページで周知を行っているところでございます。この駐車場をどこで経営するか、また駐車場整備においての助成事業を活用するかどうかなどは駐車場事業者等の経営判断によるものであり、活用事例がないということの分析は難しいところではございますが、今後とも助成事業の周知に努めていきたいと考えてございます。

 それから、自動二輪車整備の助成事業における区独自の上乗せについてでございます。自動二輪車の駐車場を整備する際は、騒音の発生などに対する周辺の理解を得ることが困難な場合がございまして、民間による整備はなかなか進まないものと認識しておりまして、区としては公共施設や大規模施設を整備する際にあわせて整備することが合理的であると考えてございます。したがって、助成額の上乗せによって民間駐車場の整備を促進することは考えてございません。

 私からは以上でございます。

〔都市政策推進室長奈良浩二登壇〕

○都市政策推進室長(奈良浩二) 私からは、自動二輪車の駐車場についての御質問のうち、中野駅周辺における自動二輪車駐車場の整備についての御質問にお答えいたします。

 中野駅周辺における自動二輪車駐車場の整備につきましては、都市計画駐車場とあわせて整備をしていくこととしておりまして、これまでに中野駅の南北に区が設けている駐車場と同程度を将来的に確保することとしてございます。都市計画駐車場につきましては、現在、区役所・サンプラザ地区再整備地区内の建物と一体的に整備することを検討しておりまして、自動二輪車駐車場の整備につきましても、都市計画駐車場とあわせて整備を検討しているところでございます。

○議長(いでい良輔) 以上で平山英明議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後2時51分休憩

 

午後3時10分開議

○議長(いでい良輔) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 長 沢 和 彦

 1 区長の政治姿勢について

  (1)「憲法擁護・非核都市宣言」を掲げる中野区の姿勢について

  (2)都政問題について

  (3)その他

 2 教育勅語の教材扱いについて

 3 平和の森公園再整備計画について

 4 中野駅周辺まちづくりについて

 5 中野区公共施設総合管理計画(建物編)について

 6 その他

 

○議長(いでい良輔) 長沢和彦議員。

〔長沢和彦議員登壇〕

○41番(長沢和彦) 2017年第2回定例会本会議におきまして、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。

 初めに、1番、区長の政治姿勢について。

 (1)として、「憲法擁護・非核都市宣言」を掲げる中野区の姿勢について、2点伺います。

 1点目に、安倍首相の9条改憲発言についてです。憲法記念日である5月3日付の読売インタビューと日本会議の改憲集会に寄せたビデオメッセージで、安倍首相は憲法9条改定に取り組むことを公然と表明しました。9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むというものです。安倍首相の改憲発言そのものが、憲法99条の憲法尊重擁護義務に反する違憲行為です。3項という独立した項目で自衛隊の存在理由が書かれれば、それがひとり歩きし、自衛隊の役割がどんどん広がることになりかねません。9条2項は、戦力を持たないと定めることによって、自衛隊の活動の無制限な拡大に対する重要な歯どめとなってきました。仮に2項の例外規定として自衛隊が明記されれば、自衛隊は9条2項の制約から解き放たれて、海外における無制限な武力行使に道を開くことになりかねません。

 安倍首相の9条改憲発言のシナリオを書いたのは日本会議であることも明らかになりました。日本会議発行の「明日への選択」昨年11月号では、速やかに9条2項を削除するか、あるいは自衛隊を明記した3項を加えて2項を空文化させるべきと、その狙いが2項の空文化・死文化にあることがあけすけに語られています。改憲を2020年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせてという点は、オリンピック憲章に反する露骨な政治利用でもあります。「憲法擁護・非核都市宣言」を掲げる中野区として、こうした安倍首相の言動は看過できないのではないですか。区長の見解を伺います。

 2点目に、核兵器禁止条約締結についてです。核兵器廃絶を求める立場から、核兵器禁止条約締結に向けての動きについて、改めて区長にお尋ねします。

 核兵器全面廃絶につながる、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する国連会議のホワイト議長は、5月22日、ジュネーブの国連欧州本部で核兵器禁止条約の草案を発表しました。草案は、条約前文で、核兵器の使用がもたらす人道上の破滅的な結果を強調するとともに、核兵器使用の被害者及び核実験被害者の苦難に留意すると述べています。さらに、核兵器廃絶のための市民的良心の役割を強調し、多数の非政府組織及び被爆者の取り組みを高く評価しています。条約に草の根の運動の意義が明記されることは異例ですが、被爆者の一貫した核兵器廃絶の訴え、日本と世界の反核平和運動の願いを正面から受けとめた条約草案が起草されたことは大きな意義があります。

 草案は、核兵器の法的禁止の内容として、核兵器の開発、生産、製造、取得、所有、貯蔵、移転、受領、使用、核爆発実験などを禁止しています。また、締結国は、その領土と管轄地域への核兵器の配置、導入、配備などを禁止する義務を負うとしています。これらは核兵器の法的禁止の主要な要素を包括的に規定したもので、核兵器を違法化する内容となっています。この条約がこれまでの核兵器に関する条約と決定的に異なるのは、この点にあります。さらに草案は、自国の核兵器を廃棄した国のための措置を盛り込み、全ての国連加盟国に条約の加入を促すなど、核兵器保有国にも条約参加の道を開いています。

 日本政府は、3月の核兵器禁止条約の国連会議に出席したものの、アメリカに呼応して、初日に条約に反対する演説をし、交渉への不参加を宣言しました。これまで自任してきた核保有国と非保有国の橋渡し役を放棄したと参加国からみなされました。被爆者団体や広島・長崎の被爆者からは「唯一の戦争被爆国の政府が言う言葉ではない」、「怒り心頭。がっかりだ」と落胆と憤りが表明されました。田上富久長崎市長は「被爆地として到底理解できず、深い失望を感じている」、「被爆国としてテーブルに着き、どういった条約なら前に進むのか、議論をリードしてほしかった」とコメントしました。

 核兵器禁止条約の締結は目前に迫っています。日本政府は、核兵器禁止条約に背を向ける態度を根本的に改め、今からでも条約への参加を真剣に検討すべきです。改めて、「憲法擁護・非核都市宣言」を掲げている区長の見解を求めます。

 (2)として、都政問題について。築地市場の豊洲移転について伺います。

 深刻な土壌汚染地であることがわかっていながら、東京ガス工場跡地に築地市場を移転しようとしていたことが諸悪の原因です。豊洲の東京ガス工場跡地は、市場を移転するには土地を相当深いところまで全て取りかえなければならないような汚染地でした。860億円以上の費用と十数年間の時間をかけましたが、いまだ深刻な汚染が残っています。都民との約束である汚染土壌の除去・浄化、盛り土で遮断のいずれも果たされていません。

 地上は安全と都の専門家会議の平田座長が言ったことが一部流布されました。しかし、その日に発表された専門家会議の資料には、将来想定されるリスクとして、地下水から気化した水銀、ベンゼン、シアンを含むガスが地下ピット内から1階部分へ上がってくるリスクが明記されています。甚大な被害が起きることになり、地上も安全ではありません。さらに5月18日に開かれた都の専門家会議では、無害化を約束することはできない、全て環境基準にすることを目指していないと、汚染土壌があることを認め、除去できないと告白したため、市場業者の皆さんの怒りが沸騰して、会議が中断になりました。豊洲への移転が行われれば、環境基準以下に無害化するとした都議会での付帯決議を守らないことにさえなります。

 また4月には、農林水産大臣が国会答弁で、東京都が汚染の除去の措置を行わず、盛り土等のみを行った状態で生鮮食料品を取り扱う卸売市場の用地とすることについて想定し得ないという認識を示しました。汚染土壌の上に生鮮食料品の市場をつくることは認められないというものです。事は都民・区民の食の安全にかかわる問題です。これまでに投じられてきた巨額の費用を惜しむ余り、危うきに近寄る過ちを犯してはなりません。豊洲への移転計画は中止すべきです。見解を伺います。

 二つ目に、教育勅語の教材扱いについて伺います。

 安倍内閣は3月31日、教育勅語を我が国の教育の唯一の根本とするような指導を行うことは不適切であるが、憲法や教育基本法などに反しないような形で勅語を教材として用いることまでは否定されることではないとの答弁書を閣議決定しました。教育勅語は、1948年6月19日に国会の意思として、衆議院で、その指導原理的性格を認めないとして「排除」と、参議院では「失効」の決議が全会一致でなされました。今日の時点に立って教育勅語の問題点を見てみます。

 第1に、憲法と教育勅語は歴史的に見ても対立します。教育を天皇の直接の支配のもとに置いた根幹の仕組みとしての教育勅語が完全に廃止されなければ、日本国憲法の教育に関する権利的規定である真理探求の自由、学問の自由、表現の自由、思想信条の自由等々は実現されないことになります。したがって、教育勅語の廃止は不可避の処理でした。だから、国会決議は教育勅語の理念を廃止し、日本国憲法に沿った教育基本法の明示する新教育理念の徹底普及を求めました。

 第2に、教育勅語が説く内容において根本的な問題があります。勅語の全体は、天皇を絶対的な神格として扱い、日本という国家の仕組みを天皇家の支配として描き出すことに基づいています。勅語に未練のある人々が徳目をつまみ食い的に取り出して、「父母ニ孝ニ」など現在に通ずる部分があると遠回しに勅語を支持する議論がありますが、「父母ニ孝ニ」には、主権者・天皇が臣民に与えた道徳という刻印があり、またその実践は皇運の扶翼のためという制限がつき、家父長制への結束による家思想という内容が盛り込まれています。それらをなくすには、教育勅語の枠から切り離すこと以外にありません。

 第3に、日本国憲法の示す人権と自由、民主主義と平和主義の日本をつくり出す主権者の形成のためには、侵略戦争に動員したこの教育勅語の精神による呪縛から国民を解放することが不可欠だったのであり、そのために教育勅語の教育を日本の学校教育から完全に一掃することが歴史的課題として求められました。

 ところが、その教育勅語を教材として扱うことも否定されるべきでないという趣旨を公然と政府が表明する事態が生まれました。閣議決定は、我が国の教育の唯一の根本とするような指導でなければよいと述べて、価値ある多くの根本の一つとしての位置付けで教育勅語を使い得るという論理を含んでいます。個々の徳目を取り出して、現在でもこの部分の徳目は憲法や教育基本法に反しないという形で、教育勅語を教材として使用する動きが正当化されていく可能性があります。

 そこで、3点について教育長にお聞きします。1番、内閣の閣議決定によって、何が教材として使用可能か不可かを決めることは、政府が直接教育内容を決定・管理することにつながるもので、教育への不当な支配に当たるのではないですか。二つ目に、教育勅語の排除・失効の国会決議は、今日においても引き継がれているとの認識を持っていらっしゃいますか。三つ目に、中野区の公立学校で、教育勅語を道徳の教材として使用することは認められないと考えますが、いかがですか。答弁を求めます。

 3番目に、平和の森公園再整備計画について伺います。

 東京都下水道局との新たな協定及び覚書の締結等について伺います。中野刑務所跡地利用に関する基本協定が、昭和54年7月3日に東京都下水道局長と中野区長によって締結され、昭和55年8月25日に一部改正が行われています。この改正は条文に加筆したものであって、締結した基本協定の趣旨を変えるものではありません。さらに、締結した日付で基本協定第1条3項に関する取り扱い、いわゆる中野処理場内に兼用工作物として設置する公園に関する取り扱いについて、覚書を交わしています。

 基本協定の第8条、協定の履行及び特例規定では、甲(東京都下水道局長)及び乙(中野区長)は、相互に信義を重んじ、誠実に本協定を履行するとともに、この協定の解釈又はこの協定に定めのない事項について、必要があるときは、甲乙協議の上、解決するものとするとされています。また、覚書の第13条で、この覚書に定めのない事項又はこの覚書に疑義が生じたときは、甲乙協議して定めるものとするとしています。

 平和の森公園は、昭和55年10月に最初の都市計画決定がなされていますが、平成28年11月に都市計画変更が行われ、昭和55年当時の都市計画決定にはなかった運動施設が新たに盛り込まれました。平和の森公園再整備計画においては、未開園部分であった場所に新体育館を整備することは、協定及び覚書に定めのない事項であり、協議して解決や新たに定めることが必要であったと考えられます。しかし、都市計画決定変更の手続は、都の下水道局と協議のさなかでの計画変更となりました。さらに平和の森公園再整備委託、新体育館整備の契約案件が矢継ぎ早に決められていきました。

 そこでお聞きしますが、現在においても都下水道局との協定及び覚書は交わされていないと伺っています。その理由は何ですか。また、協定及び覚書の改定前に、都市計画決定の変更や平和の森公園再整備、新体育館整備の契約が行われてきましたが、協定及び覚書の定めに反し、瑕疵があったのではないですか。見解を伺います。

 委託契約をめぐってお聞きします。

 平成28年12月14日に平和の森公園再整備実施設計委託が希望制競争入札で行われました。株式会社都市計画研究所が2,940万円で落札しました。しかし、その後、当該事業者が辞退したことで、平成29年2月6日に、今度は業者指定による随意契約が行われ、株式会社日本設計が採用されました。随意契約による場合として、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号が適用されたことになりますが、ここで規定している「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」は、前回に競争入札を行っていることから該当しないと思われます。では、「緊急の必要により競争に付すことができない場合」だったかといえば、こちらも当たりません。しかも、採用された金額が3,800万円と、希望制指定競争入札で都市計画研究所が落札した金額を大きく上回っただけでなく、日本設計みずからが入札した金額3,100万円を700万円も上回っています。この契約案件は競争性が働かず、公正・公平に欠くものと言わなければなりません。なぜこのような契約となったのですか。説明を求めます。

 4番目に、中野駅周辺まちづくりについて。

 初めに、中野駅西側南北通路・橋上駅舎とJR駅ビルについて伺います。4月21日の区内駅周辺等まちづくり調査特別委員会において、中野駅西側南北通路・橋上駅舎の整備についての報告がされました。委員会では、中野駅西側南北通路・橋上駅舎の整備については、平成29年度内に実施設計に着手することとしている、JRに対し駅ビル計画内容見直しの検討状況について6月までに報告するように要請しているとの報告がされ、JR側も報告することを約束していると答弁されました。一方で、駅ビル計画内容見直しの検討期間がさらに延びる場合には、区として駅ビルの必要性を含めJRと再協議を行う、ともされています。区は中野駅西側南北通路・橋上駅舎の整備がこれ以上おくれないよう、つまり今年度中の実施設計着手が最優先課題であるとの認識が示されたと理解します。そのことは、JR側が整備する駅ビルの検討次第では、基本設計で示された駅ビルの形状でない整備があるということでしょうか。

 そこでお聞きしますが、1番、JR側に駅ビル整備を期待してきた中野区が、南北通路と橋上駅舎を急ぐ理由から設計の大幅な変更をも視野に入れているということなのか。二つ目に、区役所移転、そして区役所・サンプラザ地区再整備事業に早く着手したいがための考えなのか。3番目に、そもそもJRは駅ビル整備に固執していないのではないか。以上3点についての答弁を求めます。

 もう1点、区役所・サンプラザ一体再整備について伺います。

 第1回定例会の建設委員会及び区内駅周辺等まちづくり調査特別委員会で、区役所・サンプラザ地区再整備事業の検討状況についての報告がされました。事業手法について、区は平成30年度に区役所・サンプラザ地区再整備事業計画の策定を予定しています。それまでは、土地区画整理事業についても、市街地再開発事業についても施行者は示そうとしません。まず、先に進められることになる土地区画整理事業について。都市計画決定を必要としている以上、公共団体施行かUR都市機構施行のどちらかしかなく、協定を締結していることや、別途事業実施協定等を締結することを予定しているため、UR都市機構が施行者となることに間違いはないでしょう。

 では、市街地再開発事業の施行者はどこか。民間が権利を取得する、民間の参画する可能性と繰り返しますが、都市再開発法で定めている施行者は限られています。委員会の答弁では、組合施行もあれば個人施行もあると言います。区役所・サンプラザ地区再整備実施方針では、施設整備に係る都市計画手続きと記載していることから、補助金・交付金が入る都市計画事業として行うことにしています。市街地再開発事業は、いずれの施行方式であれ、民間事業者、つまりデベロッパーに売り渡し、圧倒的な保有床を確保させてあげるというものです。50階以上、200メートルの超高層ビルと大規模集客交流施設である1万人程度のアリーナ整備は、区民にとって活用できるものではありません。区民財産を売り払ってまで、デベロッパー推奨の開発を行う意図は何なのか。都心部でめじろ押しとなっている再開発と同様の再開発が中野区において必要であるとは、多くの区民は望んでいないのではないですか。見解を伺います。

 5番目に、中野区公共施設総合管理計画(建物編)について伺います。

 中野区公共施設総合管理計画(建物編)が策定されました。本計画の計画期間は、2016年度から2025年度までの10年間としています。「現状と課題」の中で、中野区まち・ひと・しごと創生総合戦略の将来推計人口を例に、人口減少と年齢構成の変化が予測されているとしています。しかし、この計画期間に限って見れば、人口減少とはならないのではないでしょうか。人口動態を気にとめることや、中長期的な予測を立てることはあり得ることですが、30年、40年も先の行政需要を展望することは困難です。今日の認可保育園待機児童増加の問題一つ見ても、区民の行政需要を正しく捉えられなかった証左でもあります。総合管理計画によれば、2025年までの10年間、一番財政負担が生じることが記されていますが、この期間の人口動態や年齢構成に大きな変化が生まれない以上、公共施設の集約化・複合化ありきは不可解です。まして公共施設の廃止・売却は必要ありません。財政削減を前提とした総合管理計画でしかないのではないですか。

 世帯構成や年齢構成の変化で言えば、高齢者はふえ続けていくでしょう。施設の削減が行われれば、住民の公共施設へのアクセス・利便性は低下することが懸念されます。高齢者にとっては、公共施設に通うことが難しくなることにもなる。これは住民の生活権という基本的人権にかかわる問題です。

 さらに、地域社会は人口だけで成り立っているものではありません。そこには地域固有の産業、生活、環境、文化などの多様で複雑な地域システムが織りなされており、それらが相まって地域の将来を決めることになります。成熟社会においては、これらの地域システムを適切に活用することによって、真に豊かな社会を追求することが最大の政策課題になっているのではないでしょうか。そのような地域システムは市場に委ねることはできず、自治体や住民がそれぞれの地域社会においてつくり出していかなければなりません。そのための基幹的な役割を果たすものが公共施設にほかならないと考えます。しかし、総合管理計画ではこうした点は配慮されていません。総合管理計画は見直すべきではないですか。見解を伺います。

 総合管理計画は、10か年計画との整合性を図るとしていますが、総合管理計画では財政負担、歳出目標額を示しながら、10か年計画においてはそのことを落とし込めていません。区は、個々の施設更新は個別に判断するとしつつ、総合管理計画はその検討に当たってのベースの考え方になるとしています。毎年の施策・事業の展開とそこでの予算計上で取り繕うことにするというものです。

 総務省による「公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針」では、留意事項の中で、議会や住民との情報共有等が記されています。総合管理計画の策定段階において、きちんとした情報提供が行われたとは言えません。個々の施設更新の時期がいつなのかがわからず、施設の転換・廃止、また廃止後の活用など、10か年計画では一部しか明らかにしていません。公共施設は区民利用とともに区民財産です。区民への情報提供、説明責任が欠かせないのではありませんか。見解を伺います。

 U18プラザ・児童館の廃止について。具体的に公共施設削減の問題としてお聞きいたします。

 区では、既に児童館の廃止方針を決めていることから、区内全てのU18プラザ・児童館といった児童施設をなくしてしまうというものです。区の総合管理計画との関係で見れば、既に廃止を前提とした施設更新が必要ないものとして扱われています。さきにも触れたように、利用者の声を無視して目先の財政効率だけで公共施設をなくしてもよいのか、このことが厳しく問われています。

 一つ目に、乳幼児親子の居場所として利用され、乳幼児の成長・発達に欠かせない憩いの場として存在してきました。親子間の交流も活発に行われています。ほかでもできるというのは、利用者の意思を無視しています。商店街などの店舗活用で乳幼児親子の居場所の確保が言われていますが、具体的には何ら示されていません。児童館職員のかかわりも大切でしたが、単なる居場所として捉えているためか、専門性の発揮への言及もありません。

 二つ目に、中高生の居場所についてですが、区は失敗したという認識なのでしょうか。先行的に児童館からU18プラザに転換したところでは、地元の中学校との連携、交流が図られてきました。このような実績をないがしろにすることは許されません。同時に、区が中高生の居場所、活動の場を真剣に検討した形跡はありません。NPO法人等に任せるかのような話もありましたが、この世代階層と分野においても民間に丸投げの姿勢ということでしょうか。児童館職員の専門性を生かし、きちんと新規採用も図って、中野の子どもたちの成長・発達を推進していくべきです。

 我が党議員団は、そもそもU18プラザ構想は児童館の削減が狙いであることを指摘してきました。地域から子どもたちの館を取り上げることは断じて認められません。学校内にキッズ・プラザをつくり、小学生児童の居場所はここですよと押しつけてきましたが、成功しておらず、児童館とU18プラザに訪れる児童も多いのが実態です。今定例会にU18プラザ上高田と中央を廃止する条例案が提案される予定ですが、先般、議会に報告された、廃止後に認可保育園を整備するために急ぐというものです。子どもと子育て世代間に分断を持ち込むことは許されません。児童館・U18プラザの廃止計画は撤回すべきではないですか。答弁を求めます。

 以上で全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えいたします。

 まず、区長の政治姿勢についてということで、私の考え方をただされたところです。

 まず、憲法9条改正発言についてです。日本国憲法については、改正する場合があることが想定されていることから、第96条において改正の手続を定めているものと認識しているところであります。安倍晋三氏の発言が違憲行為であるとは思いません。

 核兵器禁止条約交渉不参加についてであります。政府が核兵器禁止条約締結の交渉に際し不参加の立場をとった理由は、核なき世界は、保有国と非保有国の現実的な協力のプロセスを経て実現されるべきであって、条約の成立は非保有国と保有国の対立を決定的なものにしてしまうとの考えからと認識しているところです。核兵器の保有については各国の政策に基づいており、外交交渉については国が判断し、行う事項であると考えているところです。

 都政問題について。豊洲新市場移転に対する見解というところです。現在、豊洲新市場だけでなく、築地の市場においてもさまざまな調査などが行われ、市場のあり方等について検討や議論がされているというところです。この件につきましては東京都の問題であり、区として容かいすべきこととは思っておりません。しかし、豊洲新市場の安全、これは専門家によって確認されており、早期の移転が適切であると個人的には考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教育勅語の教材扱いについてお答えいたします。

 閣議決定への見解です。平成29年3月31日の閣議決定につきましては、教材の選択肢を示したもので、不当な支配に当たるとは考えてございません。

 教育に関する勅語についての排除・失効に関する国会決議への認識です。昭和23年6月19日の教育勅語等排除に関する決議、教育勅語等の失効確認に関する決議については、その後、変更する決議等があったとは承知してございません。

 区立学校における道徳教材としての使用の可否についてです。教育に関する勅語を含め、さまざまな資料を道徳の教材として扱うかどうかは学校、校長が法令や学習指導要領にのっとり、学習の狙いを達成するために適した教材かどうかを十分検討し、取り扱うこととしており、今後も教育委員会としても適切に対応してまいります。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、平和の森公園の再整備に係る基本協定と公共施設総合管理計画についてお答えいたします。

 初めに、平和の森公園再整備に係る基本協定でございます。

 中野刑務所跡地利用に関する基本協定や、中野処理場内に兼用工作物として設置する公園に関する取り扱いに係る覚書は、下水道処理施設の上部を中野区が管理する都市公園とする旨を定めてございまして、平和の森公園再整備は、公園施設として整備する体育館を含め、この基本協定等に沿った整備を行うものでございます。都市計画の変更等に当たっても、下水道局との密接な協議のもと、下水道局の協力を得ながら行うなど、この基本協定等に基づき適切に事業を進めてきたところでございます。なお、新体育館は下水道施設との合築施設となるため、別途、合築に係る協定を結ぶこととし、現在、区と下水道局で条文の内容を精査しており、調整が整い次第、これについて新たな協定を締結する予定でございます。

 次に、総合管理計画でございます。

 中野区公共施設総合管理計画は、財政負担の軽減、平準化を図るという視点のみでなく、施設の複合化、集約化によるサービスのワンストップ化や民間活力の活用による施設サービスの質・量の向上、ユニバーサルデザインへの対応、利便性の高い施設配置の実現などにより、区民サービスの向上を図るという視点を取り入れているところでございます。今後この計画に基づき、施設の更新・保全を着実に進めるとともに、未利用となる施設の跡地等を有効活用して、地域の将来を見据えたまちづくりやにぎわいの創出など、新たな価値を創造していきたいと考えてございます。

 次に、総合管理計画の議会、住民との情報共有でございます。施設整備の方向性については、区民や団体、区議会からいただいた多様な意見を参考として策定しました新しい中野をつくる10か年計画において示しているところでございます。意見聴取に当たっては、意見交換会やパブリック・コメント手続などさまざまな形で行っているところでございます。中野区公共施設総合管理計画は、10か年計画において示される施設整備の方向性を施設管理の側面から実現するための基本的な指針を定めたものでございます。個々の施設の具体的な整備においては、その検討を進める中で区民や議会への情報提供等を適切に行うこととしてございます。

〔経営室長篠原文彦登壇〕

○経営室長(篠原文彦) 平和の森公園再整備に係ります実施設計、委託契約につきましてお答えいたします。

 平和の森公園再整備に係ります実施設計、委託契約につきましては、当初の契約を平成28年12月14日に締結いたしました。契約の相手方の申し出によりまして、平成29年1月28日に契約解除となったわけでございます。この時点で1カ月半ほどの履行期間が経過し、工期のおくれが懸念されておりました。実施設計の工期のおくれは公園整備のおくれに直結することはもちろん、並行して行われる体育館整備工事にも影響することになり、東京オリンピック・パラリンピックの事前誘致に間に合わない事態も想定されることから、当初の工期の範囲内で履行可能な業者を早急に選定し、契約する必要がありました。この選定に当たりましては、当初契約の入札参加者のうち、入札金額が落札価格に近い3者に対しまして、受注意向の有無及び履行期間の短縮といった条件でも対応できる業務履行体制及び履行能力を有することを確認した上で、再度の契約の相手方として同事業者を指定したものでございます。また契約金額につきましても、当初の予定価格の範囲内でございまして、適切な事業者選定プロセスであると認識しております。

〔都市政策推進室長奈良浩二登壇〕

○都市政策推進室長(奈良浩二) 私からは中野駅周辺まちづくりについての御質問について、まず、駅ビル計画内容の見直し等の検討状況についての御質問にお答えいたします。

 南北通路・橋上駅舎・駅ビルから成る道路一体建物につきましては、JRが建物上部の駅ビル部分について計画内容の見直しを進めているところでございます。JRは工事費がふえていることから見直しを進めておりまして、駅ビル部分について規模の縮小も含め検討していると考えてございます。区といたしましては、駅利用者の利便性の向上及び駅周辺まちづくりの進捗との整合から、南北通路・橋上駅舎をできるだけ早期に開業したいと考えておりまして、JRに対し、駅ビル計画内容の見直しとあわせて南北通路・橋上駅舎の工期短縮を求めているところでございます。区とJRでは、南北通路・橋上駅舎等事業に関する基本協定に基づき、相互に協力して事業を進めることとしてございます。JRは鉄道利用者の利便性の向上や地域のにぎわいの創出のため駅ビルを計画しているものとしてございます。

 次に、区役所・サンプラザ地区再整備についてでございます。区役所・サンプラザ地区再整備は、グローバルな都市活動拠点の形成を目指したものであり、その中核機能となる大規模集客交流施設や多機能複合施設は、東京や日本における国際競争力の強化や中野における持続的な経済発展に貢献するものでございます。こうした効果は企業などの民間活力によりもたらされるものでありまして、再開発手法は極めて妥当なものであると考えてございます。

〔子ども教育部長横山俊登壇〕

○子ども教育部長(横山俊) 公共施設総合管理計画のうち、児童館・U18プラザの廃止についての御質問にお答えをさせていただきます。

 児童館の遊び場機能につきましては、小学校に設置しているキッズ・プラザ事業で十分機能していくと考えてございます。U18プラザの乳幼児親子や中高生の社会参加への支援等といった機能につきましては、施設にこだわらない形でそれぞれ拡充して事業を展開することとしたところでありまして、これにより当初の役割は終了したものと考えております。廃止を撤回する考えはございません。

○議長(いでい良輔) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 中 村 延 子

 1 職員の人材育成について

 2 児童相談所設置に向けた準備について

 3 妊娠・出産・子育てトータルケア事業について

  (1)不妊相談支援事業について

  (2)妊娠・出産に係る普及・啓発事業について

  (3)妊婦健康診査について

  (4)その他

 4 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、中村延子議員。

〔中村延子議員登壇〕

16番(中村延子) 平成29年第2回定例会において、民進党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりです。

 初めに、職員の人材育成についてお伺いいたします。

 中野区では、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)に職員2,000人体制実現に向けた計画が位置付けられ、徐々に職員数を減らしてきました。10か年計画(第3次)には記載がされていませんが、これまでの区長の答弁からも、今後も2,000人体制を維持していく方針です。中野区が2,000人体制を実現したことは評価していますが、これからのあり方については検証が必要だと考えます。これから10年は大きく職員が入れかわる時期です。同じ2,000人といっても、ベテラン職員の多い2,000人と若手職員の多い2,000人では、おのずと仕事の質も変わってきます。また、区民ニーズは近年多様化しているため、その仕事は複雑化しています。自治体職員の役割は重要性を増してきている状況です。これらの点をきちんと認識し、若手の職員を確実に育てていく体制が現在の中野区にはとても大切です。

 人材育成の観点から、まずメンター制度について伺います。

 中野区では、平成20年度から育成支援養成研修として、平成21年度からは新人サポーター制度として、いわゆるメンター制度を導入されました。新任職員に対し中堅職員がサポーターとして1年間マンツーマンの指導を行っています。原則として同じ部署内の職員がサポーターにつき、適宜面接を行い、能力開発や職場の人間関係、将来のキャリアプラン等、幅広く相談に乗っています。一方で、1年間に限っているために、研修の延長である感が否めません。4月1日現在、区職員は男性が1,005人、48.91%、女性が1,050人、51.09%、男女がちょうど半分というバランス構成を見ても、ワークライフバランスに関すること等についても相談できるようなメンター制度にしていかなければならないと考えますが、いかがですか。

 現在、区として幾つかの相談窓口と制度がありますが、健康面やハラスメントなどが対象の窓口です。また、女性活躍サポートミーティングとして、女性職員のキャリア支援なども行っていると伺っています。一方で、結婚や出産、育児、介護など、人生の大きなイベントを通じ、ワークライフバランスの確立に悩む職員は女性に限らず男性職員などにもいらっしゃると思います。こういった悩みを気軽に相談できるメンター制度の仕組みづくりを検討してみてはいかがでしょうか。ワークライフバランスの確立に悩む職員は今後もふえていくと思われます。能力の高い人材をきちんと育てていくためには重要な観点だと考えます。区の見解をお聞かせください。

 中野区では、幅広い知識や経験を有する従来のゼネラリストとして組織に貢献する職員と、エキスパートとして新たな価値を創造する職員が共存する複線型人事制度を築くために、エキスパート職員認定制度を平成23年度から導入しました。毎年度、各部からの需要調査に基づき募集を行い、選考によって認定した上で、類型ごとに配置を行っています。一方で、エキスパート職員は総括係長までの仕組みとなっており、副参事以上では導入されていません。せっかく専門性を持ってキャリアを形成しても、その専門性を生かしながら昇進できなくては、豊かな人材育成とはならないと考えます。

 大阪市特別顧問の山中俊之氏は、これまで一度も経験をしたことがない部署、知識が全くない部署へ管理職として異動すべきではないと提唱されています。異動が本人のキャリアや育成を意識したものになるべきで、それこそが人材を育てるとおっしゃっています。専門性の高いリーダーも育てていくための取り組みをしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。

 2,000人体制という少数精鋭の中で、若手職員の間にさまざまな部署を経験しておくことも必要と考えます。また、現在は各部からの需要調査に基づいて募集を行っていますが、区としてどれくらいのエキスパート職員とゼネラリストとして活躍する人材の割合をどのように育てていくべきかの計画が必要だと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 中野区は、平成29年度から人事分野の中に人材育成の担当副参事が新設されました。急激なスピードで若返りをしている組織を育てなければいけない中で、人材育成の責任者を定めることは非常に重要です。また、若い組織だからこそ、今後の可能性は大きいとも考えます。葛飾区では、人材育成基本方針を平成22年に策定し、今後の課題と方向性を位置付けた上で、取り組みの視点や具体的な取り組み、推進体制などを盛り込んでいます。中野区でも平成23年に人材育成ビジョンが示されていますが、そのときから状況は大きく変わっています。若い職員が増加し、活力と可能性がある今だからこそ、中野区でも人材育成の課題を洗い出し、方向性を位置付けた上で人材育成の計画を立てるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 次に、児童相談所の設置に向けた準備について伺います。

 平成28年5月に児童福祉法が改正され、特別区でも児童相談所を設置できる規定が盛り込まれました。この改正を受け、平成28年7月には特別区児童相談所移管準備連絡調整会議が設置され、児童相談所の移管準備を進めるため、児童福祉に限らず、財政、人事等の担当も含めた関係部課長会との連絡調整、東京都との協議、課題調整などの検討を進めていると伺っています。児童相談所設置に当たっては、多くの専門職の人材確保や配置、育成が非常に重要です。区は、平成25年度より毎年1人の職員を1年間ないしは2年間、東京都の児童相談所に派遣し、人材育成を図ってきたところです。また、今年度は新たに専門職を4名採用し、子ども家庭支援センターへと配置をしています。中野区は平成33年に児童相談所の設置を予定していますが、何名の専門職が必要になり、どのような計画で人材確保や人材育成を行っていくのでしょうか。区の考えをお示しください。

 平成29年第1回定例会の少子高齢化対策調査特別委員会に、児童虐待対応等の機能強化について報告がありました。その中で、特別区における検討状況として、東京都からの提案では「設置希望区一括での人材育成への対応が困難であることから、二、三区についてモデル的に対応し、その調整状況について、適宜ほかの設置希望区にフィードバックする」とあり、東京都の提案に対し、特別区内で設置時期の最も早い世田谷区、荒川区、江戸川区を基本とし、対象区の拡大及び速やかな設置計画案の確認を求めることとしたとの御報告でした。さきの3区は平成32年度設置予定ですが、中野区と同じく平成33年度設置予定の区は10区あり、3区と同様の支援を東京都から受けることはなかなか難しい状況ではないかと危惧します。

 4月に金沢市の児童相談所を視察、所長にお話を伺ってまいりました。金沢市は平成18年に児童相談所を開設後、2年間は所長補佐としてベテランの児童福祉司を県から派遣し、事務移譲を行ったそうです。所長のお話では、事務移管には最低でも2年は必要とおっしゃっておられました。中野区では平成33年設置予定で、あと4年ありますが、同時に多くの区が設置を予定する中、東京都からの支援や情報提供を強く求めていく必要があると考えますが、御見解をお聞かせください。

 次に、要保護児童対策地域協議会の強化について伺います。

 法改正により、今年度4月から要保護児童対策協議会への専門職の配置及び研修受講が義務付けられました。中野区では、これまでも専門職の配置はしていましたが、研修受講等によりさらに調整能力を高め、関連会議や実務者研修の充実に生かし、協議会の体制強化を図るとしています。要保護児童対策地域協議会は、虐待事案等が重篤になる前にどれだけ早く見つけ出し、かかわり、また支援をしていくのかがとても重要です。関係機関との情報公開や支援内容に関する協議を行う機関であり、調整機関の役割を担う子ども家庭支援センターの役割はとても大切です。児童相談所の設置後は、(仮称)総合子どもセンターがこの調整役を担うことになるかと思いますが、要保護児童対策地域協議会が行う支援と児童相談所が行う介入の二枚看板を上手に使いながら、行き届いた対応を行っていくことが必要だと考えます。区の考えをお示しください。

 次に、一時保護所について伺います。

 中野区は、一時保護所については単独設置をする予定ですが、第三中学校と第十中学校の統合新校の校舎改築に伴い建設予定の複合施設内に設置予定の(仮称)総合子どもセンターとは別の場所に設置することとしています。以前に視察した名古屋市、先日視察した金沢市を含め、お話を聞いたどこの児童相談所でも、一時保護所は併設するべきとおっしゃっています。金沢市の児童相談所では、移管してから最初の3年間は県の一時保護所を使っていたそうですが、併設をしたことにより、子どもへのケアが大きく変わったともおっしゃっておりました。一時的とはいえ、多感な時期の子どもが入所し、さまざまなケアが必要になる施設です。区有施設跡の活用等を含め具体的な検討を進めると昨年12月の報告にありますが、総合子どもセンターと現場はできる限り連携を図りやすい場所に設置をすべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 今後の検討スケジュールでは、一時保護所の相互利用等広域調整の検討を進めていく予定とありますが、広域とはどこまでの範囲を想定しているのか伺います。また、どのような方法を考えているのか、区の見解をお聞かせください。伺い、この項の質問を終わります。

 次に、妊娠・出産・子育てトータルケア事業について伺います。

 この事業は、妊娠・出産・子育て期における全ての妊産婦、子育て家庭に対し、助産師、保健師等の医療専門職がかかわることで、出産・育児への不安や孤立感の解消と母子の健康維持増進を図るとともに、妊産婦が安心して出産・育児に臨むために、個々の状態に応じた包括的・継続的な支援やケアサービスの提供を行うことを目的としています。今年度からは新規事業として不妊相談支援事業もスタートしました。これまで我が会派からも不妊でお困りの方へのサポートについては要望してきたところで、不妊相談支援事業が中野区でスタートしたことは一定の評価をしています。相談支援事業の中には、不妊専門相談、ピアカウンセラー相談会、妊娠を望む方への保健指導事業があります。いずれにしても、不妊に悩んでいらっしゃる方々は相談だけにとどまらず、その後、治療につなげていくことが必要になります。区内には不妊治療に取り組まれている医療機関はないとのことですが、相談にいらした方々をどのように実際治療を行う医療機関につなげていく予定でしょうか。伺います。

 相談事業がスタートする一方で、今年度、中野区で不妊治療への助成制度創設まで至らなかったことは非常に残念です。国では妊娠期よりも前からの支援が必要との認識に立って、妊娠や不妊に関する相談支援、そして特定不妊治療への支援などを行ってきています。特定不妊治療の助成については、平成16年度から国と東京都において不妊に悩む方の経済的軽減を図ることを目的とし、取り組まれてきました。晩婚化や晩産化などにより特定不妊治療を受ける方は年々増加しています。不妊治療と向き合っている夫婦は身体的にも精神的にも、そして経済的にも大きな負担を抱えています。少しでもこうした負担を軽減するサポートは必要だと考えます。

 これまでも多くの同僚議員が不妊治療への助成について取り上げてきましたが、区の答弁は、研究するにとどまっております。23区内でも半数の自治体が東京都の助成制度に上乗せをする形で補助を出しています。中野区としても不妊治療への独自の助成制度の創設を具体的に進めていくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 中野区では、平成28年度から妊娠・出産に係る普及・啓発事業を開始しています。これは、国の地域少子化対策強化交付金を活用した若者への妊娠・出産支援事業を中野区医師会に委託して実施している事業です。昨年度は若年層へのライフプラン講座として、中野区医師会産婦人科医師による講座を11機関、およそ700名に対し実施されたと伺っています。まず、実施した効果を伺います。

 平成29年度も同じくライフプラン講座を実施予定とのことですが、この補助金を使って実施する事業は前年度と同じものではいけないという規定があると伺っています。今年度はどのようなライフプラン講座を行う予定なのか、区の考えをお示しください。

 昨年度は、この事業でリーフレットも作成しています。「女性のからだとライフステージ」というもので、漫画を使ってかわいらしく女性のライフステージごとの記述がされているものの、妊娠・出産をテーマに女性のライフステージだけが描かれていること、また男性に関する記述がほとんどないことから、妊娠・出産・子育てを女性だけのものと印象づけてしまうようなものになっていたのではないかと、非常に懸念しています。区はこの事業を実施する際、区議会への答弁で、「これから結婚や妊娠を迎えていく若い男女を対象としているものとし、事業の実施に当たり、男女平等の視点を含め、より有益な事業となるよう努めていく」とおっしゃっていましたが、果たして完成したリーフレットはそうであったのか疑問です。区では今年度もリーフレットの配布予定と伺っていますが、どのようなものを作成する予定なのか伺います。例えば、女性の卵子の老化だけではなく、男性の精子の劣化について、女性特有のがんについて、感染症に関する知識、望まない妊娠をしたときの相談窓口の記載、中絶のリスクなど、さまざまなライフステージで必要な情報を届けるべきと考えます。区の見解をお聞かせください。

 次に、妊婦健診について伺います。

 現在、中野区の妊婦健診では、妊娠届を提出し母子健康手帳の交付を受けた方に対し、全部で14回の妊婦健康診査と超音波検査1回分の受診票が配布されています。この受診票を持参することにより、初回で9,680円まで、2回目以降で5,160円まで、合計7万6,760円までの検査費用が助成されます。検査はそれぞれの回ごとに決められており、実際に行われている検査項目と助成対象として回ごとに認められている検査項目が一致していないことが多いようです。例えば、C型肝炎とHTLV-1抗体検査については、2回目以降の検査からでしか受けられないとなっていますが、実際は何度も血液をとられる妊婦への配慮や病院側の手間、分娩病院を決めるためのリスクの洗い出しなどから、1回目にできる血液検査は全て実施しているとのことでした。結果として、2回目以降にこれらの検査項目を認めるとした助成の仕組みは、妊婦と病院側の手間と採血の苦痛、妊婦の自己負担をふやしてしまっている現状にあります。現在の仕組みのままだと、妊婦の経済的負担を少しでも減らし、子どもを産み育てることを行政としてサポートするというせっかくの補助の仕組みが生かし切れていないのではと思えてなりません。

 妊婦健診については、東京都全域共通のルールで行われており、中野区だけが仕組みを変更できるものではありません。そのため、現状2回目以降の検査でしか受けることができないC型肝炎とHTLV-1抗体検査を1回目の検査でも助成対象になるような仕組みの変更を東京都下の自治体に呼びかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。この件に関しては、平成26年第3回定例会で我が会派の森議員からも同じ提案をいたしましたが、いまだ変更はされていません。

 また、厚生労働省が例示する標準的な検査項目について、全てを実施していくべきだとも考えます。厚労省の通知では、超音波検査は4回としていますが、中野区では現在1回の助成にとどまっています。厚生労働省が平成27年に発表した調査によると、妊婦1人当たりに支給された健診費の全国平均は9万9,927円になり、中野区を含む東京都の自治体より大きく上回っています。経済的な負担の重さから、健診を受けないまま産気づいて医療機関にかかる飛び込み出産が問題になったこともありました。また、近年は高齢出産で厳重な健康管理を必要とする妊婦もふえています。日本産婦人科医会は厚労省に「妊婦健診は健康管理上最低限のもの。公費負担の拡充をさらに働きかけてほしい」との要望もしています。お金のあるなしで子どもを諦めることがないよう、そして住んでいる場所によって受けられるサービスに格差が生まれないよう努力をしていくべきと考えます。

 東京都は、区から提案があれば、都はあくまでも取りまとめ役であるため、妊婦健診のあり方検討会などを再び開いて検討することは可能と伺いました。制度の実情に合わせて、より使いやすいサービスにしていくため中野区も動いていくべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。お聞きし、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 中村議員の御質問にお答えいたします。

 まず、職員の人材育成について。

 メンター制度についての御質問でした。新人サポーター制度、メンター制度をこう言っていますが、新人サポーター制度では、職場内OJT支援を中心に、職員としての行動や生活など、職務以外のことも相談できるサポーターを指定し、新人が安心して仕事に取り組める環境づくりを目的としております。その中で効率的な事務執行の側面についても支援を行っているところであります。ワークライフバランス、仕事と家庭の両立、こうしたことに悩んだときなどについて、管理職を中心に先輩や周囲の職員など、職場全体でサポートできる体制をつくっていきたいと考えております。こうした中で、まず、主として管理職が積極的に役割を果たすこと、また、こうしたメンター制度の改善なども含めて、さらに踏み込んだ職場全体での支援といったようなことについて、今後考えていきたいと考えております。

 管理職のエキスパート認定についてであります。区独自のエキスパート職員認定制度と、23区統一で実施しております管理職選考とは基準が異なりますので、エキスパート職員と管理職とを直接関連づけることは難しいわけであります。しかしながら、管理職選考の際には、区の評価、内申等が大変重要な位置を持つものでして、エキスパート職員としての実績、評価についても十分に考慮をしているものであります。

 人材育成計画についてです。求められる職員像については、現状や課題と実現に向けた取り組みを検討の上、エキスパート職員とゼネラリスト職員との比率なども含め、区全体の方針を示していきたいと考えております。また、その方針を踏まえて、若手職員や中堅職員の育成、職層別やエキスパート職員、ゼネラリストの職員の人材育成策など総合的な計画、戦略的な計画を定めていきたいと考えております。

 次に、児童相談所設置に向けた準備についての質問です。

 確保人員、確保・育成策について。児童相談所設置に当たっては、専門職の確保・育成を計画的に実施していくことが重要な課題であると認識しております。身近な自治体である特別区が児童相談所を設置することの利点を十分に生かしていくことが重要だと考えております。児童福祉法及び同施行令の規定による配置基準を基本としつつ、区が設置する児童相談所として、複雑化する虐待対応へのよりきめ細やかな対応、地域の資源と連携した総合的な支援の強化、措置等の法的対応の実施を確実に担うことのできる体制、これらを確保していく必要があると考えております。こうした考え方に基づいて、専門職の必要数や確保・育成策等についての検討を進めているところであります。

 都からの支援、情報提供の要請についてであります。現時点では、都が行うとされている確認作業の内容の詳細については明らかにされてはいません。また、3区の確認状況を踏まえ、区として準備を進めるとともに、都へは速やかな確認作業の実施、情報提供、支援について、引き続き協力を求めてまいります。また、複数区が同時に児童相談所を設置する状況を鑑みると、都外の自治体との連携も含め、区独自の努力も必要だと考えております。

 支援と介入措置の連携であります。(仮称)総合子どもセンターにおいて、要保護児童対策地域協議会の調整機関の役割、それと児童相談所機能、これをあわせ持つことにより、地域資源と連携した総合的な支援と介入措置等の専門的アプローチを一体的に、また迅速・的確に実施できることになると考えております。こうした取り組みが可能となる体制を着実に整備し、児童や家庭にとって、より行き届いた対応を図ってまいりたいと考えております。

 一時保護所の場所について。一時保護所は、児童の安全確保、保護をはじめとして、心身の状況、生活環境の把握等を行うことを目的とする施設であります。子どもを安心して過ごさせ、適切な支援へとつなげていくためにどういった場所に設置することがふさわしいか、さまざまな観点から現在検討を進めているところであります。

 一時保護所の相互利用について。一時保護所については、児童相談所を設置する区が身近な場所に確保することを基本としながら、児童の状況に応じた柔軟な対応を図るためには、その相互利用についても行っていく必要があると考えております。現在、相互利用の範囲や具体的な方策等について、特別区間で検討を行っているところであります。

 私からは以上です。

〔子ども教育部長横山俊登壇〕

○子ども教育部長(横山俊) 妊娠・出産・子育てトータルケア事業についてのお尋ねにお答えいたします。

 初めに、不妊相談支援事業について。医療との連携についてでございます。今年度から開始しております不妊専門相談、あるいは妊娠を望む方への保健指導につきましては、医師会への事業委託等により実施しているところであります。必要に応じて専門の医療機関を紹介する取り組みとしてございます。

 次に、不妊治療助成の創設についてでございます。妊娠を望む方への支援につきましては、医療的対応や、これにかかる経済面での課題などのほか、若年層への正しい知識の習得や、不妊治療に対する社会や職場等の理解の促進など、さまざまな取り組みが必要と考えております。今年度、新規に立ち上げた相談支援事業の取り組み状況等も踏まえ、今後どのような対応をしていくべきか検討してまいりたいと考えてございます。

 次に、妊娠・出産に係る普及・啓発事業について。国の地域少子化対策強化交付金を活用したライフプラン講座の効果・工夫についてでございます。

 昨年度実施しましたライフプラン講座は、若年層に妊娠・出産を含むライフプランを考える機会等を提供するため、区内の中学校、高校、大学等の協力も得て実施したものでございます。予定の500人を上回る参加があったこと、また、正しい知識の習得や結婚・出産に対してのライフプランを描くことができたなどのアンケートの回答が8割から9割を占めたことなどから、一定の効果があったと考えてございます。今年度のライフプラン講座の実施に当たりましては、実施回数を拡充するとともに、対象を学生に限らず勤労者まで広げるなど、より広くアプローチを図るといった取り組みの工夫を進めているところでございます。

 次に、普及・啓発のリーフレットの工夫についてでございます。今年度も簡易なリーフレットの作成を予定しております。記載内容につきまして、より広い視点からの考え方を反映できるよう、作成を委託している医師会との調整を行ってまいります。

 最後に、妊婦健康診査についてでございます。公費負担についてでございます。

 御指摘にもありましたとおり、現在、妊婦健康診査の項目のうち、C型肝炎等につきましては、2回目以降の検査が助成対象としてございます。実際には1回目に受診していることが多いというふうに聞いてございます。また、超音波検査は厚生労働省が例示しております検査回数4回全てを助成対象とはしていない状況にございます。都内の妊婦健康診査の公費負担につきましては、負担の公平性や医療機関における円滑な実施を図る観点から、東京都特別区医師会で協議の上、一定の統制を持って実施しているところでありまして、実情を踏まえ、どういった対応が可能となるか研究してまいりたいというふうに考えてございます。

○議長(いでい良輔) 以上で中村延子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 いながき じゅん子

 1 受動喫煙防止対策について

 2 待機児童解消に向けた更なる取り組みについて

 3 女性の活躍推進について

  (1)女性の再就職支援について

  (2)その他

 4 職員倫理条例について

 5 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、いながきじゅん子議員。

〔いながきじゅん子議員登壇〕

○28番(いながきじゅん子) 平成29年第2回定例会に当たり、都民ファーストの会中野区議団を代表し、一般質問をいたします。

 小池百合子都知事の掲げる都民ファーストの政治理念に賛同し、先月1日に区議会議員3名で同会の中野区議団を結成いたしました。中野区政においては、ハード面では中野駅周辺の再整備事業や西武線の連続立体交差事業、防災まちづくりなど、ソフト面では保育園の待機児童解消問題など、東京都とともに取り組んでいかなければならない重要課題が多数あります。我々都民ファーストの会中野区議団は、区議会におきましては区民ファーストの立場から都知事との連携もしっかりと図りつつ、これらの地域課題の推進に取り組んでまいります。

 それでは、質問に移ります。

 最初に、受動喫煙防止対策について伺います。

 昨日は世界禁煙デーに当たり、区でも街頭キャンペーンが行われました。世界では、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約に示されているように、受動喫煙の健康被害は明白なものとして、公共の場での受動喫煙防止の促進と、分煙ではない全面禁煙化が進められています。特にオリンピックについては、IOCがスモークフリー・オリンピックの方針を打ち出して以来、全ての開催国または開催都市で罰則規定つきの法律・条例が定められています。WHOからは日本の受動喫煙対策は時代おくれと指摘されており、現在、国でも東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて受動喫煙防止対策を強化すべく、健康福祉法の改正案についての議論が続けられています。

 東京都では、舛添知事の時代に受動喫煙防止条例制定に向けての動きがあったものの頓挫し、現在では小池百合子都知事が条例制定への強い意欲を示しています。一方で、区は受動喫煙防止対策については国や都の動向を注視すると言って明確な考えを示しておりません。我々都民ファーストの会は、職場、公共の場所での屋内禁煙を徹底し、利用客と働く人、子どもたちを受動喫煙から守るという立場であります。国立がん研究センターなどの調査で、受動喫煙による罹患リスクは肺がん・脳卒中が1.3倍、乳幼児突然死症候群が4.7倍とされるなど、健康への悪影響は医学的にも明らかになっています。

 そこで、まず東京オリンピック・パラリンピックがあと3年後に迫っている中で、都内の基礎的自治体として、公共の場での屋内全面禁煙化に対する区のお考えを改めて伺います。

 次に、学校と公園の受動喫煙防止対策について伺います。

 平成24年に文部科学省が全都道府県と指定都市、そして市区町村の教育委員会と全ての国公私立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校に対し、学校における受動喫煙防止の対策実施状況について調査を行いました。その結果、公立学校においては、学校敷地内全面禁煙措置を講じているところが小学校で86%、中学校で81.4%、建物内に限って全面禁煙措置を講じているところが公立小学校で11.9%、中学校で14.3%でした。前回の調査と比較して、敷地内全面禁煙の学校の割合が倍にふえ、逆に施設内全面禁煙の学校が半分に減っているのが特徴です。

 さて、中野区の区立小・中学校では、現在施設内禁煙となっており、校長の許可で敷地内に一部喫煙場所を設けているところもあります。しかしながら、今や全国の小・中学校の中ではそのような対応を行っているところは少数派であります。また、学校では保健体育もしくは体育科の中の保健の分野において、受動喫煙やたばこの害について教えており、警察等の関係機関からもセーフティ教室で薬物の害とともに、いわゆるたばこの害についても指導されることもあるということです。子どもたちには教職員がたばこを吸っている姿を見せないようにしているとのことですが、施設内に喫煙所を設けているのであれば、あまり意味はありません。たばこはよくないと授業で言いながら、先生たちは吸っているではないか、教育上おかしいじゃないかということにならないようにするためにも、教育施設である学校は、やはり敷地内全面禁煙とすべきではないでしょうか。区の見解を伺います。

 次に、公園について伺います。公園は赤ちゃんからお年寄りまで皆が集う極めて公共的な場所と言えます。中野区立の公園は現在、喫煙可となっていますが、子どもも多く利用することを考えますと、こちらもやはり基本は全面禁煙にシフトしていくべきではないでしょうか。特に平和の森公園は2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向けて、急ピッチで新体育館の建設、公園の再整備が進められており、オリンピック競技の公式練習場としても区として手を挙げていると聞いています。さらに、この公園のコンセプトは「スポーツとみどりで健康・交流を育む」とあります。健康を育む公園とうたいながら、健康に悪影響があるとされる喫煙を可能としたままでよいのでしょうか。非常に矛盾していると感じます。区の見解を改めて伺います。

 次に、待機児童解消に向けたさらなる取り組みについてお伺いいたします。

 平成28年4月の時点で、中野区の待機児童数は257人となっていました。これに対し、区は認可保育所4園、小規模保育事業所1園、合計331人の受け入れ枠をふやしましたが、保育園の利用者数、利用率の増加を鑑みますと、ことしの待機児童数は昨年の257人よりもふえることが予測されます。

 区は、この待機児童の解消を図るため、平成29年度にはおよそ1,300人の保育定員の拡大を目指し、新たに認可保育所12園、認可小規模保育園6園の新設を事業目標として掲げています。この事業目標の達成に向け、中野区は他の自治体と比較してもトップクラスと言える各種支援策の充実を図っております。具体的には、我が会派の渡辺区議が質問を通して主張してきたところでありますが、新規誘致のおよそ7割を占める賃貸物件の施設整備費の上限を、およそ7,000万円からおよそ1億4,000万円と2倍に引き上げたこと、建設型の物件に関しても、建設コストの高騰に対応し、補助対象をおよそ25%増加させ、補助割合もおよそ88%から94%に引き上げるなど、事業者にとりましても、23区の中で1、2を争う保育所を開設しやすい区となりました。

 予算ベースでは、新規保育所開設支援にかかる経費はおよそ19億円の増となっており、保育園事業者の間でも大きな話題となっています。中野区内での保育園開設に向けての動きが活発化しているという話も聞いており、我が会派においても大いに期待するところであります。

 このように、さまざまな保育ニーズに対応した量と質の提供は、基礎的自治体である区市町村が実施主体であるわけですが、東京都においても小池都知事の強力なリーダーシップにより、就任以降、昨年9月に発表された待機児童解消に向けた緊急対策に加え、当初予算の中でも支援策が上積みされており、実施主体である区市町村を東京都が強力にバックアップするといった都と区市町村の円滑な連携ができ上がってきています。

 この東京都の支援策は、保育所整備に関する補助の充実や創設をはじめ、活用できる都有地情報の提供、土地所有者と事業者のマッチングや宿舎借り上げ、処遇改善などの保育士確保策など多岐にわたりますが、特に保育所として活用可能な都有地の提供は大いに期待していたところであります。ところが、中野区に対して都から示された土地は1カ所のみであり、既に区としても織り込み済みの場所でありました。この数は他の区と比較して非常に少なく、改めて区が民有地に頼らざるを得ない状況が浮き彫りとなっており、民間の土地所有者が保育所整備を進んで選択できるような施策を展開していかなければならないのは明らかです。

 一方、同時期に東京都からは民有地を保育所整備に提供する場合、一定条件のもと、土地所有者の固定資産税・都市計画税を5年間全額免除するといった措置が発表されています。これはまさに都知事の英断であり、民有地に頼らざるを得ない中野区としては朗報ですが、保育事業者や土地所有者からは、「保育所としての土地活用を促すには5年間ではインパクトに欠ける。都が認可基準の中で10年間以上の開設を求めていることから、減免期間も10年以上とすべきではないか」との声が上がっています。また、同様の要望が都の緊急対策会議でも数名の首長からあったとも聞いております。

 そこで伺います。保育所整備を促進させるには民間の土地に頼らざるを得ない状況の中、固定資産税と都市計画税の減免期間を5年から10年に延伸することが、保育所整備に土地を提供する所有者への大きなインセンティブとなり、保育所整備を加速させるためのインパクトを与えることができると思われます。この延伸を東京都に強力に働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。

 固定資産税等の減免については、個人の土地をターゲットにしておりますが、将来の保育需要を支えるため、もう少し大きな開発行為に絡めた保育所整備を進める努力も必要になってくると考えます。既に聞いているところでは、江古田三丁目の元国家公務員宿舎跡地の開発行為や、東中野小跡地の活用、また中野二丁目再開発の土地区画整理事業にあわせ、保育所の設置を公募条件に盛り込んだり、開発側の自主的な地元還元施設として認可保育園を新たに整備するとの話が進んでいるとのことです。この点については、今後着実に進めていただきたいと強く要望するところであります。

 このように、開発行為に該当したり区が直接公募したりするもの、また、再開発等都市計画事業として区が確実に関与できるものについては保育所の設置を区が事業者へ促すことができますが、これまで区の関与がなされていない一定規模以上のいわゆる大規模マンションなどの建設の際に、保育所の整備を図っていく仕組みも必要なのではないかと考えています。

 他自治体の事例としては、例えば住戸が50戸以上または住宅部分の面積が5,000平米以上の建築物については、建築にかかわる届け出の前段階で事前相談・協議を行う期間を設け、区から保育所の整備要請を行っています。ただ、この制度により保育所の整備が大きく促進されるといった状況には至っていないのも現状のようです。しかし、このように建築関係の届け出に絡めて、今まで手のつけられてこなかった規模の建築行為において、事業者に保育所の設置を要請していく制度の構築が必要でないかと考えております。

 そこで伺います。中野区の建築の実態に合わせ、対象となる住戸数や面積とともに、建築主にとってどのようなインセンティブがあれば保育所の整備に協力してもらえるのか。他区の事例等の検証を行い、建築にかかわる届け出の前段階で事前相談・協議を行う期間を設け、区から保育所の整備要請を行っていく制度の構築を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。

 冒頭申し上げましたとおり、事業者にとって、今や中野区は23区の中で1、2を争う保育所を開設しやすい区となっており、今年度の保育所整備についても大いに期待しているところですが、一つ懸念点として挙げられますのは、新規誘致・整備にかかわる区職員の人数であります。現状の新規誘致・整備に携わる職員の数は、管理職を含め3名と聞いております。また、保育園開設に当たり区の職員が行う作業としては、現地確認、書類のチェック、事業者とのやりとりなど多岐にわたり、保育園を1カ所開設するだけでも大変な時間と労力を要すると聞いております。さらに、今回質問してまいりましたさまざまな取り組みも同時に進めていく必要があると考えておりますが、この人数で果たして十分なのでしょうか。

 杉並区では課長2人、職員15名体制で認可保育所を19カ所、小規模保育所を含めると40カ所の保育園を増設し、2,348名の保育定員をふやし、昨年度136人だった待機児童数をことしは29人まで減らしております。新宿区でも平成28年度に58人だった待機児童数に対して、8カ所の保育園の増設と524名の定員枠の拡大でことしの待機児童数を27人まで減らしたのですが、職員数6名では業務が追いつかないということで、ことしから8名体制にして、平成29年度は761名の増を目指し、さらなる保育所の整備の充実を図っております。このように、両隣である杉並区、新宿区と比較してみますと、18カ所の新規増設と1,300人の定員枠拡大の目標に対し担当職員が3名というのは、いかに優秀な職員を配置されているとしても、区としての本気度について疑義を抱かざるを得ません。

 そこで伺います。大量の事務処理や、さらなる定員枠の拡大を推進していくためには、それ相応の職員数が必要であると考えます。区の本気度を示すためにも、現体制の強化を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。

 待機児童問題は、当事者にとっては大変切実な問題であります。新しい家族がふえる喜びよりも、保育所を探す苦労や、希望しても保育所に入れなかった絶望感を味わった中野区民は、ことしも昨年と同様300世帯近くあったことを区は真摯に受けとめなくてはなりません。待機児童ゼロに向けての区の強い意気込みを形として示していただくことを強く要望し、この項の質問を終了いたします。

 次に、女性の活躍推進について。まず、女性の再就職支援について伺います。

 平成27年8月に国会で成立した女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、いわゆる女性活躍推進法により、働く場面で活躍したいという希望を持つ全ての女性が、その個性と能力を十分に発揮できる社会を実現するために、女性の活躍推進に向けた数値目標を盛り込んだ行動計画の策定・公表や、女性の職業選択に資する情報の公表が事業者に義務付けられました。法律ができて間もないということもありますが、公共機関や企業にこの法律が十分浸透し、女性の個性や能力を最大限発揮できるような内容になっているかというと、現実はまだまだほど遠い状況と言えます。

 日本では、結婚・出産で一度退職してキャリアブランクがある、あるいは介護や病気など別の理由で年齢を重ねてから退職した女性の再就職が大変厳しい状況となっています。もちろんパートやアルバイトの仕事はありますが、それ以上の仕事をしたいと思っても、年齢やキャリアブランクの壁に阻まれ、なかなか希望の職を見つけるのは困難な状況です。しかし、そのような女性たちの中にはすばらしいスキルや立派な社会人経験をお持ちの方々も少なくなく、そういった方々の活躍により、現在、そして将来の働き手不足の解消だけでなく、税収がふえ、経済の活性化にもつながる可能性が大いにあります。子育てを終えた後の女性が働いた場合は、保育所の確保も必要ありません。もちろん全員が無理に働く必要はありませんが、意欲があって、その能力を再び社会で発揮して活躍したいと考えている女性たちの再就職支援、特に正規採用を目指した支援を区としても行っていくべきではないでしょうか。

 中野区と包括連携協定を結んでいる明治大学では、「女性のためのスマートキャリアプログラム」という半年の講座を行っており、受講生の大半は再就職を目指す主婦だそうです。私もつい最近この講座の存在を新聞で知ったのですが、例えば、区内の再就職を目指す女性たちにこのようなプログラムの周知を行ってみてはいかがでしょうか。また、区でも再就職を目指す女性のためのプログラムを提供していますが、なぜか男女共同参画センターと産業振興センターが同じような講座をそれぞれ別々に開催しております。縦割り行政の弊害だと思いますが、ここはどちらかに一本化して、人と資源を集中するべきではないでしょうか。

 また、中野区には中小零細企業が多くありますが、その規模の企業の働き手不足が特に深刻だと言われています。産業振興センターの御担当者の話によりますと、再就職を希望する女性たちの支援だけでなく、女性を採用することを敬遠しがちな企業側の意識改革も必要だということです。区は職住近接を目指すとうたっております。ハローワーク等と連携して働き手を求める区内の経営者に女性採用のメリットをしっかり伝えながら、再就職を希望する区内在住の女性たちとマッチングさせることにつながる合同説明会等の開催を検討してみてはいかがでしょうか。

 なお、中野区を含むお膝元の特別区を見てみますと、特別区人事委員会を通して経験者採用と呼ばれる民間からの中途採用試験を毎年行っているものの、受験資格に年齢や企業等での一定以上の業務経験年数が定められており、年齢が高め、あるいは結婚・出産等による退職により、勤続年数が短めだった女性にとっては非常に高いハードルとなっています。区役所のようなところは住民生活に密着した身近な行政サービスを行っており、人生経験を積んだ女性ならではの対人能力やきめ細やかさが生かせる仕事、事業もたくさんあると思います。経験者採用に関しては、年齢や勤続年数の長さでははかることのできない意欲や能力を持ったよりよい人材を確保するためにも、今の制度は改善していくべきではないでしょうか。特別区人事委員会に対して、再就職に係る制約の見直しについて働きかけていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。区の答弁を求めます。

 中野区における女性管理職の割合は20%を超えており、民間企業の平均を大きく上回っているとはいえ、庁内では高い能力があるにもかかわらず、管理職になることを望んでいない、あるいはちゅうちょしている女性職員も少なからずいるように見受けられます。これは非常にもったいない話であります。先ほど述べましたように、役所の仕事は区民の日常生活に直結するものが多く、女性職員の割合も全職員の半分を占めていることを考えますと、意欲と能力ある女性たちが管理職として庁内でもっと活躍できる、活躍したいと思えるような環境を整え、区政の発展につなげていくべきであると考えます。

 そこで伺いますが、区では女性職員が昇任をちゅうちょしたり、望んだりしない理由をどのように分析されていますでしょうか。また、女性職員の活躍を推進するため、現在どのような取り組みを行っていますでしょうか。お答えください。

 続いて、中野区職員倫理条例について伺います。

 法律や条例などの法令を遵守することはもちろんのこと、それらを基本に区政に対する区民の信頼の向上を図り、区民の視点に立った区政運営を着実に推進することを目的に制定された中野区職員倫理条例は、来年で制定から丸10年になろうとしています。公務員はあらゆる職種の中でも特に法令遵守はもちろんのこと、公正かつ公平な職務の遂行が求められております。区では現在、臨時職員や委託事業者など、常勤職員以外の方々も多数働いていらっしゃるわけですが、誰が職員で誰がそうでないのかといった立場の違いは行政サービスを受ける側の区民の方々には見分けがつきませんし、関係ない話でもあります。常勤職員とそうでない人の間で職務に対する心構えや提供するサービスに差があってはならないわけでして、税金からお給料が出ている以上は、全員が公僕であるという意識で業務に当たっていただきたいと考えております。

 今や、行政運営は常勤職員だけでは成り立たない状況です。臨時職員は地方公務員法に基づき常勤職員と同じ公務員として位置付けられておりますが、その一方で委託事業者や派遣労働者については公務員とはみなされず、この条例においては公益通報に関する部分のみ対象となっています。しかし、全体における公平・公正な職務の遂行のためには、この倫理条例について、職員か否かにかかわらず、区の業務に当たる全員が立場を超えて内容を共有していただくことが重要だと考えますが、いかがでしょうか。

 ことしの1月には元臨時職員が住居侵入及び中野区個人情報の保護に関する条例違反容疑で逮捕され、大きなニュースとなりました。臨時職員はもちろん区の業務に当たる全ての人が法令遵守はもちろんのこと、公的機関で働く上での行動規範として、お一人お一人がこの条例の内容を十分理解することで、職場にも適度な緊張感とチェック機能が働き、結果として、より公正かつ公平な職務の遂行が可能になると考えます。区の見解を伺います。

 ただ、昨今の区政状況を見るにつけ、この条例ができた当初に比べ、職員たちの管理監督に当たる立場の方々のコンプライアンス意識が薄れ、この条例もだんだんと有名無実化していっているような気がしてなりません。それに伴い、リスクの発生の未然防止や早期発見、リスクが発生した場合に適切に対応するための内部統制の仕組みも十分機能しなくなっているように見受けられます。この職員倫理条例の中で、「任命権者は、職員の資質の向上及び職員の職務に係る倫理の保持を図るため、職員の意識の啓発、研修の実施その他の必要な措置を講じなければならない」とありますが、現在、管理監督者向けの研修はどのようなことを行っているのでしょうか。

 今年度は130名近い新入職員が入区したとのことです。田中区政も4期目の後半を迎える中で、まず隗より始めよではないですが、新入職員をはじめとする職員たちの模範となるべき区長以下管理監督責任のある立場の方々がいま一度気を引き締めるとともに、法令遵守への強い決意を宣言し、条例の行動原則にのっとった言動を内外でしっかりと部下たちに見せていくことこそ一番効果的な職員研修であり、庁内全体の意識改革につながる啓発活動と言えるのではないでしょうか。御見解を伺います。

 次に、条例に掲げられております職務に関する要望等の記録について伺います。

 最近、国会では学校法人への国有地売却や大学の新設学部認可などをめぐって、政治家の不当な働きかけがあったのかなかったのかが議論の焦点となっており、世間の衆目も集まっております。実際にそのような働きかけがあったのかなかったのかはともかくとして、国会議員に限らず、政治家もしくは第三者がその社会的地位に基づいて不当な働きかけや口ききを行うこと自体は当然許されるものではありませんし、ただでさえ政治や政治家への不信が根強い中で、国のみならず各地方自治体もそのような疑念を持たれないよう、しっかり対策に努めなければならないと考えます。

 区の職員倫理条例においては、政治家に限らず、何人も、自己又は第三者の社会的地位に基づく影響力の行使を明示し、又は暗示して、職員に不当要求行為を行うこと、また、職員もそれに応じることが禁止されており、不当要求行為又はその疑いのある行為が行われたときは、その事実を記録し、その旨を区長に報告しなければならないと明記されています。確認しましたところ、この条例が制定されて以降、この記録件数はゼロ件とのことです。つまり、中野区政において不当要求行為は9年間で一件もなかったということです。しかし、仮に職員が政治家もしくはそれ以外の第三者から社会的地位に基づく不当要求行為を受けたとして、果たしてそれを拒否し、記録し、区長に報告することがすんなりとできるものなのでしょうか。

 条例では、報告を受けて区長が必要と認めるときは、当該不当要求行為等に係る事実を調査し、中野区法令遵守審査会に諮問し、その答申に基づいて、警告、公表その他の必要な措置を講じなければならないとあります。また、不当要求行為を行った者から記録の内容を求められた場合にはこれを提示しなければならないとあります。仮に不当要求行為を受けた職員がいたとしても、このような仕組みのもとでは不当要求行為の内容、そして報告者である自分の身元が明らかになることを恐れて、報告したくてもできないといったケースも少なからずあるのではないでしょうか。そういったケースの可能性を考えますと、不当要求行為が起きてからの対応策のほか、事前に抑止する仕組みが必要だと考えます。

 条例第7条では、「利害関係者から職務に関する要望、申入れ等があったときは、その事実を記録しなければならない」とあります。しかし、これも本当に全部記録されているのでしょうか。実際に各所管で職員がそのような記録をきちんと残しているのかいないのか、また、その件数は何件でどのような内容だったのか、全庁的な把握と集約が全く行われておらず、本当にこの記録行為が庁内で徹底されているのか、疑問を抱かざるを得ません。もちろん、その場で要件が終了するような簡易な照会や資料要求、あるいは公開の場での意見、要望は除くなど、記録の対象となる要望に一定の基準を設ける措置は必要だと思いますが、不当要求行為の未然防止策として、また職員の公正な職務の執行を確保する観点から、職員への働きかけの記録の徹底と集約、概要と件数の公表を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 このようなことから一歩ずつ着実に区政の見える化、透明化を進め、より区民から信頼される区政運営の実現に取り組まれることを要望いたしまして、全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えいたします。

 まず、受動喫煙防止対策についてであります。

 公共的施設の屋内全面禁煙について。区は、中野区医師会等と共同で実施する禁煙キャンペーンや、公共施設における分煙の推進により、受動喫煙防止を進めてきたところです。国は3月に受動喫煙防止対策の強化についての基本的な考え方の案を公表していますが、官公庁施設などの公共的施設は屋内全面禁煙となることが示されております。また、東京都受動喫煙防止対策検討会は、2018年までに条例化を検討するよう都に提言しております。公共的施設の屋内全面禁煙については、引き続きこうした国や都の動向を注視・把握しながら適切に対応してまいります。

 公園の全面禁煙化について。現在、中野区内の公園においては禁煙としておらず、喫煙者へのマナー向上を促すことによって、周りの方に迷惑がかからないよう配慮しているところです。しかし、吸い殻のポイ捨てなど喫煙者に対する苦情が多く寄せられているため、今後、国や都の動向も踏まえながら、公園内の受動喫煙防止対策について検討していきたいと考えております。

 平和の森公園の禁煙化について。平和の森公園の体育館内では全面禁煙とする予定であります。屋外公園部分の受動喫煙防止対策についても、今後、国や都の動向も踏まえながら検討していきたいと考えております。

 次に、待機児童解消に向けたさらなる取り組みについてであります。

 固定資産税等の減免期間の延伸について。今年度から保育所等のために有料で貸し付けられる民有地について、固定資産税・都市計画税の全額免除の措置がスタートしており、土地所有者が土地活用を選択する際のインセンティブとなり、保育所整備が加速することを期待しているところです。保育事業者や土地所有者からの保育所整備の相談を受ける際、減免期間が5年間ではインパクトに欠けるといった指摘もあり、東京都主催の待機児童解消に向けた緊急対策会議の場で特別区のほうからも、期間を10年へ延長されるよう要望も出たところであります。固定資産税が都区財政調整の財源であることも視野に入れ、今後の動向を見きわめながら、必要に応じて働きかけを行ってまいりたいと考えております。都知事の英断とのことでしたが、これはあくまでも財調財源でありまして、私ども区の課題でもあるということを都のほうにも認識していただきたいと思っております。

 大規模マンション等の建設時における保育所設置の誘導について。開発行為や都市計画事業をはじめ、学校跡地や区財産の売却等に際して着実に保育所の建設がなされるよう、開発事業者や関係機関との調整を図り、今後の保育所整備に着実に結びつけているところであります。御指摘の件については、保育所整備の誘導策としての有効性を含め、今後の研究課題としていきたいと考えております。

 新規民間保育所誘致体制の強化についてであります。待機児童問題解消を区政目標に掲げ、その達成を目指した組織体制を整え、担当副参事も置き、担当も含め3名という少数精鋭ながら、昨年度は予算の繰越分を含め、認可保育所5園、小規模保育所2園の新規誘致などにより約430名の保育定員拡大の目途を立てるなど、成果を上げているところです。今年度は昨年度に比べ高い目標を掲げており、この達成に必要な人員体制を整えているところではありますが、着実な目標達成に向け、さらに必要があれば検討していきたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校施設における敷地内禁煙についての御質問にお答えいたします。

 厚生労働省は、本年3月に受動喫煙防止対策の強化についての基本的な考え方の案を公表しておりますが、その中では、小・中学校は主として特に健康上の配慮を要する者が利用する施設として分類され、敷地内禁煙としてございます。学校施設における敷地内禁煙につきましては、国や都の動向等も踏まえながら適切に対応してまいりたいと考えてございます。

〔都市政策推進室長奈良浩二登壇〕

○都市政策推進室長(奈良浩二) 私からは、女性の活躍推進についての御質問にお答えいたします。

 まず初めに、女性の正規採用としての再就職支援についてでございます。区は、就労意欲のある区民がその意欲や持てるスキルを十分に発揮して、それぞれのライフスタイルに応じた就労ができるよう、ハローワーク等とも連携し、支援をしているところでございます。保育事業や介護事業、あるいは高齢者や若者といったそれぞれの対象に特化した就労支援も行ってきているところでございます。出産・子育て等を機に離職した女性についても、潜在的な労働力の担い手として重要な人材であると考えておりまして、さまざまなキャリアを生かした再就職ができるよう、ハローワークとの連携を強めて取り組んでまいります。

 次に、明治大学主催による女性の再就職講座の周知についての御質問でございます。今後、包括連携協定に基づきまして明治大学とさらに連携を深めていく中で、大学側からの希望に応じて、こうした講座の周知に取り組んでいきたいと考えてございます。

 次に、女性の再就職支援事業の一本化をという御質問でございます。産業振興センターでは再就職を希望する女性を含め、就労意欲のある人が能力に応じて多様な働き方ができ、区内の事業者が優秀な人材を確保して事業を活性化できるよう、ハローワークなどと連携した支援を実施しているところでございます。一方、男女共同参画センターでは、男女共同参画社会の実現に向けまして、女性の就労による経済的自立を支援することを主眼とした事業を実施しているものでございます。今後それぞれの目標を踏まえ、一本化するよう検討していきたいと考えてございます。

 次に、再就職を希望する女性と区内企業とのマッチングの取り組みをといった御質問でございます。出産・子育て等を終了し、再就職を希望する区内の女性が、そのキャリアやライフスタイルに応じて地域で就労することは、区内産業の持続的成長や地域経済の活性化にとって重要なことと考えてございます。今後も区内事業者やハローワークとの連携を強めまして、より効果的な事業のあり方について研究していきたいと考えてございます。

〔経営室長篠原文彦登壇〕

○経営室長(篠原文彦) 女性の活躍推進と職員倫理条例の質問にお答えいたします。

 初めに、女性活躍推進についてのうち、再就職に係る特別区人事委員会への働きかけについての御質問にお答えします。御質問の経験者採用につきましては、民間企業等での有用な職務経験を有する人材を幅広い年代層において確保することにより、年齢構成の均衡を図るとともに、高度化・複雑化・専門化する行政サービスに対応することを目的に採用試験を実施しているところでございます。この受験資格につきましては、年齢区分に応じまして、民間企業等の経験が4年以上から13年以上となっておりますが、一定程度、女性の再就職にも対応できる仕組みとなっているというものと考えてございます。

 次に、女性の活躍推進をするための区の取り組みでございます。特別区人事委員会の調査によりますと、女性が上位職への昇任を迷っている主な理由としては、家庭と仕事の両立が難しくなる、自分の部下の仕事に対するリスク管理の範囲がふえるとなってございます。女性職員が仕事と家庭の両立をしながらキャリア形成をすることを目的として、本年2月、若手・中堅女性職員を対象に、子育てをしながら係長や管理職となった先輩職員との仕事や家庭、昇任など、さまざまな場面での思いや悩みを共有し、経験談や助言等を得る女性活躍サポートミーティングを実施したところでございます。

 次に、職員倫理条例の質問のうち、区職員以外の条例の趣旨への共有についての御質問にお答えいたします。中野区職員倫理条例の職務の遂行に係ります行動の原則は区職員を対象とした規定でありますが、条例の内容や考え方は、区の業務にかかわらず全ての者が共有することが望ましい。こうしたことから、条例の内容につきましては、区職員以外の者にもホームページ等で広く周知をしております。今後、より一層きめ細かく周知をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 次に、管理監督者向けの研修についての御質問でございます。管理監督者を対象とした研修といたしましては、係長級昇任者及び転入管理職を対象に研修を実施しておりますが、対象以外の管理監督職員の受講についても今後促していきたいというふうに考えております。また、職員を管理監督する立場の職員は、職員倫理条例の職務の遂行に係る行動の原則を理解し、遵守していくことが必要であり、その実践に心がけることで、職員に対しその姿勢を示しているところでございます。

 続きまして、職務に関する要望等の件数の公表についての御質問でございます。この条例では、職員は不当要求行為等に係る事案の事実を記録した場合については、区長に報告しなければならないと規定されております。これまで不当要求行為等の事実についてはございませんでした。利害関係者からの職務に関する要望等の記録は条例の規定にのっとって行っており、件数を集約してホームページ等へ件数を公表することについては考えておりません。なお、運用状況につきまして改めて精査し、必要があれば改善してまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

○議長(いでい良輔) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時00分延会

 

 

会議録署名員 議 長 いでい 良輔

       議 員 甲田 ゆり子

       議 員 いさ 哲郎