平成29年09月13日中野区議会本会議(第3回定例会)
平成29年09月13日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録

.平成29年(2017年)9月13日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  木  村  広  一

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  細  野  かよこ

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  いでい   良  輔

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  甲  田  ゆり子        14番  小  林  ぜんいち

 15番  白  井  ひでふみ       16番  中  村  延  子

 17番  内  野  大三郎        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番     欠  員

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  小  林  秀  明

 27番  森     たかゆき       28番  いながき  じゅん子

 29番  石  坂  わたる        30番  小  杉  一  男

 31番  い  さ  哲  郎       32番  大  内  しんご

 33番  高  橋  ちあき        34番  伊  藤  正  信 

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや 

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  本 田 武 志      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  篠 原 文 彦

 新区役所整備担当部長 相 澤 明 郎    都市政策推進室長 奈 良 浩 二

 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角   秀 行      地域支えあい推進室長 野 村 建 樹

 区民サービス管理部長 戸 辺   眞   子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横 山   俊

 健康福祉部長   小 田 史 子      保 健 所 長  木 村 博 子

 環 境 部 長  白 土   純      都市基盤部長   豊 川 士 朗

 政策室参事(企画担当) 青 山 敬一郎   経営室参事(経営担当) 朝 井 めぐみ

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  吉 村 恒 治      事務局次長    古 本 正 士

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  関 村 英 希

 書     記  立 川   衛      書     記  若 見 元 彦

 書     記  井 田 裕 之      書     記  冨士縄   

 書     記  野 村 理 志      書     記  鎌 形 聡 美

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  松 丸 晃 大

 書     記  香 月 俊 介      書     記  古 谷 友里香

 

 議事日程(平成2年(2017年)13日午後1時開議)

日程第1 第46号議案 平成29年度中野区一般会計補正予算

     第47号議案 平成29年度中野区用地特別会計補正予算

日程第2 認定第1号 平成28年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

     認定第2号 平成28年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第3号 平成28年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第4号 平成28年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第5号 平成28年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

日程第3 中野区の財政の健全化判断比率について

 

午後1時00分開議

○議長(いでい良輔) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 伊 藤 正 信

 1 平成28年度決算の状況について

 2 安全で安心して住めるまちづくりについて

  (1)防犯カメラの設置と運用について

  (2)交通安全の取り組みについて

 3 子育て支援の取り組みについて

 4 食の安全について

 5 その他

 

○議長(いでい良輔) 最初に、伊藤正信議員。

〔伊藤正信議員登壇〕

○34番(伊藤正信) 平成29年第3回定例会におきまして、自由民主党の立場で質問をさせていただきます。

 まず初めに、平成28年度決算の状況について伺います。

 平成28年度の歳入決算額は1,265億円、歳出決算額は1,230億円で、翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は29億円、実質収支比率は3.8%となりました。歳入は、特別区税が増加した繰越金、国庫支出金、地方消費税交付金が減少したことにより前年度5.1%の減となりました。特別区税は前年度比2.5%増の332億円となり、区民税と軽自動車税は増となったが、たばこ税は減少しました。特別区民税は前年度比2.7%増の310億円となり、主な要因は、納税義務者数の増でありますが、具体的にどのくらいふえたのか、伺います。

 特別区民税現年課税分の徴収率は0.1ポイント上昇しましたが、依然として23区平均を下回っております。さらなる徴収率の向上への取り組みが必要と思いますが、どのように考えているのか、伺います。

 普通会計歳出決算額の状況を見ると、公債費が大幅に減少する一方、民生費は保育に係る給付費の増など、前年度比3.0%増の602億円となりました。目的別歳出構成比の割合でも48.9%となっております。性質別に見ると、義務的経費は人件費と扶助費は増加しましたが、公債費が大幅に減となり、前年度より4.4%、29億円減少の613億円となりましたが、扶助費が19億4,000万円、物件費が11億円の増となりましたが、性質別による歳出決算額の状況をどのように捉えているのか、伺います。

 次に、財政指標のうち、経常収支比率について伺います。

 財政の弾力性を見る経常収支比率は76.9%となり、23区平均は79.3%となっており、前年度に引き続き23区平均を下回っていますが、少子高齢化による扶助費や繰出金などの増加が想定される一方で、市町村民税法人分の一部国税化など、今後の歳入状況も注視していかなければなりませんが、どのように考えているのか伺います。

 次に、基金について伺います。

 平成28年度末の基金残高は、財政調整基金や義務教育施設整備基金、まちづくり基金などの積み立てにより前年度より84億円増加し、676億円となりました。平成24年度から5年連続で増加していることは大変評価をしております。しかしながら、今後のまちづくりや学校再編や新区役所の整備や、大規模なプロジェクトに備えた財政需要を考えると、より計画的な積み立てと繰り入れなど健全な財政運営を行う必要があります。今後の健全な財政運営に資する基金計画について、どのように考えているのか伺って、この項の質問を終わります。

 次に、安全・安心なまちづくりについて伺います。防犯カメラの設置と運用について伺います。

 今回の定例会で平成29年度一般会計第3次補正予算案の中では、防犯設備整備に関する地域団体への補助費として1,288万4,000円が計上されています。地域の見守り活動支援事業として、東京都の補助率が上がることにより、大幅な防犯カメラの設置台数が見込まれることと思います。しかし、依然として中野駅周辺や大きな商店街や繁華街に多く取りつけられていくのではないかと思います。住宅地など設置が進んでいない地域、いわゆる空白地域をどのように考えているのか、伺います。

 最近、小中規模の区立公園に設置していただきたいとの区民からの要望もふえております。区立公園の防犯カメラの設置についてはどのように考えているのか、伺います。

 補助制度を活用して、多くの町会・自治会や商店街では、地域の防犯及び安全・安心の確保のため、地域での防犯カメラの設置を進めております。この防犯カメラの電気料をはじめとした維持管理費用は、設置者である町会・自治会や商店街が負担しているところであり、結構な経費を費やしているところもあると聞いております。

 これら防犯カメラの設置効果については、犯罪抑止や事件の早期解決において、大きな力を発揮しており、地域の安全・安心のためには欠かせないものとなっております。防犯カメラの運用の負担軽減に向けての経費の補助の考えはいかがでしょうか、伺います。

 以前から防犯カメラ設置状況の調査を求めており、地図データで一元的に管理する必要があると考えますが、どのように考えているのか、伺います。

 品川区では、平成15年からGPS機能つき防犯ブザーを区内の小学生に無料で貸与している防犯システム、近隣セキュリティシステムを行っております。「まもるっち」という名の子どもが携帯する子機で、ストラップにリフレクター、いわゆる反射板を取りつけて、下校時間が暗くなる季節にドライバーからの視認性を高め、子どもたちを交通事故からも守ろうという一石二鳥の取り組みと言われております。

 この「まもるっち」は、子どもが身の危険を感じたときに、発報ピンを引くと大きな音とともに子機に登録された子どもの情報、学年、性別と発報した位置の地図が区役所内のセンターシステムや事前に登録した協力員の電話または携帯電話に流れ、情報を受け取った協力員は現地に駆けつけ、子どもを事件から守ろうというシステムです。

 協力員は1万3,000人おり、今まで13件の事件を防いできました。GPSや通信などのデジタルネットワークと区と近隣住民によるアナログのネットワーク、双方から子どもを守る画期的なシステムと言え、IoTがますます活用されることから、これからの時代こそ必要になってくる取り組みと言えることと思います。しかし、予算が2億円とかかり、コスト削減に努力しているようでございます。また、兵庫県伊丹市では、市内に安全・安心見守りカメラ1,000台を設置して、同時にビーコン受信機を設置し、発信機を見守り対象者に所持していただくことで、対象者の居場所を把握することができ、保護者の安心につながっています。環境整備は伊丹市、サービス実施は阪神電気鉄道株式会社の官民共同事業で実現し、安心して子育てできることと同時に、ふえ続ける認知症高齢者の徘徊対策への支援で、日本一安全・安心なまち伊丹市を目指しております。

 こうした事例を申し述べましたが、町会・自治会、商店街ではなく、区がIoTを活用して、企業などと官民協働事業で安全で安心して住めるまちづくりをしていかなければならないと思いますが、区の考えを伺います。

 次に、交通安全について伺います。

 昨年、平成28年中、中野区内の交通事故発生状況は、発生件数は493件、死亡者数が2名、負傷者数が559名で、発生件数、死者数、負傷者数はともに減少しました。しかしながら、手軽に利用できる自転車が関与した交通事故は相変わらず多発しております。昨年の中野区内での交通事故493件のうち、自転車が関与した人身事故は200件で、関与率40.5%、前年比より3.5%増でありました。このように、昨年の交通事故発生件数状況を区としてはどのように捉えているのか、伺います。

 ことしの中野区内における交通事故件数は、7月末現在で289件、死傷者は330人で、自転車が関与した事故件数は123件と、関与率42.6%と昨年より高くなっております。また、8月10日午前9時ごろ、青梅街道で杉並方向から新宿方向に走行の乗用車がコンビニエンスの駐車場に入ろうと左折したところに自動二輪車が巻き込まれて、自動二輪車の運転手さんが亡くなる、痛ましい事故が発生しました。原因は、つけていたヘルメットのあごひもが縛られていなく、転んだ拍子にヘルメットが外れて、頭部を打って亡くなられたようです。

 また、都内における交通事故死者数は159人と前年と比べ2人減少しましたが、しかし、そのうち子ども、中学生以下の死者数は5人と、前年に比べ2人減少したものの、依然としてなくならない状況であります。

 少子化が進む状況においても、子どもの安全を守ることは極めて重要な課題であり、子どもを交通事故の脅威から守る意味からも、一層の取り組みの強化を図ることが大切と考えます。

 一方で、全国の高齢者の交通事故死者数は、高齢者人口の増加に伴い、全体に占める割合は年々増加し、平成28年は全交通事故死者数の54.8%と他の年齢層と比べて極めて高い割合にあります。

 昨年の都内における高齢者の死者数は63人で、高齢者の全死者数に占める割合は39.6%で、年齢層別では最多となっております。高齢者の歩行中及び自転車などを交通手段として利用する場合と、自動車を運転する場合の相違に着目して、それぞれの特性に応じた交通安全指導を推進していく必要があると考えます。

 また昨今、高齢運転者の事故が多発している状況を見て、高齢者の運転免許証の自主返納についても推進していかなければならないと思います。子どもと高齢者の安全の通行の確保と高齢者の交通事故防止の取り組みについては、どのように考えているのか、伺います。

 昨年の中野区内の交通事故件数を見ても、夕暮れ時間帯、午後4時から午後8時、22.4%と高い割合を示しております。さらに、昨年の都内の状態別の交通事故死者数は、歩行中が59人で37.1%、自転車乗車中が36人で22.6%を占めています。中でも交通事故発生件数別に見ると、自転車乗車中の発生件数は1万417件と全交通事故発生件数の32.1%と極めて高い割合を示しております。このため、歩行者や自転車利用に対して、交通ルール・マナーの周知を図ることが必要です。

 中野区内の中野・野方警察署で、それぞれ年に1回、区の助成金を活用して、スケアード・ストレイト方式による交通安全教室の開催をしております。スタントマンの演技による交通事故再現方式の視覚疑似体験による交通安全教室は、交通事故防止に非常に効果があると言われております。野方警察署管内では、9月2日の土曜日、区立北中野中学校で雨のため体育館で行われ、また、中野警察署管内では9月27日の水曜日に南中野中学校で開催予定であります。また、鍋横地区町会連合会では、東京都の地域の底力再生事業の助成金を活用して、9月9日の土曜日に第二中学校の校庭でスケアード・ストレイト式による自転車安全講習会が行われました。私も主催者の一人として参加して、スタントマンによる事故の再現を目の当たりにして、不注意やルールの違反の危険性と恐怖を実感いたしました。

 また、自転車安全講習会後も、生徒の皆さんから交通事故の絵画と標語を募集し、地区まつりでも掲示して、入賞作品を紹介し、地域の交通安全意識啓発のために、優秀作品はポスターにして地域に広く掲示する予定であります。

 今回、中野・野方両交通安全協会さんから、全国交通安全運動期間中に公共広場でのスケアード・ストレイト式の開催費用の助成金の要望がされました。29年度の2回分、52万円に加え、公共広場などでの開催1回分を加えて、30年度は3回分、78万円の予算の増額を区としてどのように考えていくのか、伺います。

 今月の21日から30日までの10日間、秋の交通安全運動が実施されます。この運動は、町会・交通安全協会員などが街頭にテントを設けて、ボランティア活動の拠点として中野交通安全協会は40拠点を設置して、野方交通安全協会は18拠点を設置して運動を展開していく予定でありますが、テントは長年使用していることから老朽化も進み、既に一部では更新の必要もあります。同様に、区民に対し、交通安全運動実施中であることを広く知らせるための横断幕、懸垂幕なども長年の風雨により文字が見えなくなったり、破れて使用不能のものもあるようです。また、歩行者の保護誘導活動に従事する町会員、交通安全協会員の安全確保のための反射ベストも大幅に不足していることも聞き及んでおります。このように、交通安全活動に伴う設備や備品の助成に対してどのように考えているのか、伺います。

 区民一人ひとりが交通安全に関心を持ち、みんなの力で悲惨な交通事故を防止して、安全で安心して住めるまちづくりをしていかなければならないと思います。区の見解を伺いまして、この項の質問を終わります。

 次に、子育て支援の取り組みについて伺います。

 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)では、10年後のまちの姿を「安心して産み育てられるまち」を掲げ、施策の一つとして、「子どもの育ちを支える地域づくり」を標榜しております。また、施策の目標とする姿を「地域の中で育成活動のネットワークが広がり、社会全体で子どもの育ちを支えています。その中で、時代の担い手である子どもたちは、さまざまな世代の人との交流や豊かな体験を通じて成長していきます。さらに、子どもの安全を守る活動が充実しています」とあります。

 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)で掲げた子ども・子育て支援施策のうち、小学生の放課後対応、子育て広場事業の展開、子どもの育成団体の支援について、それぞれ事業の今後の方向性、内容について伺います。

 まず一つ目の小学生の放課後対応です。全ての小学生が放課後などを安全・安心に過ごし、多様な体験や活動を行う場として、全小学校にキッズ・プラザと学童クラブを設置し、一体型の運営を行う。また、民間の活力を生かした魅力的な活動を展開するため、民間事業者に委託し、運営するとしていますが、今後の整備の基本的な考え方について伺います。

 二つ目に、子育てひろば事業の展開です。

 乳幼児親子の交流と仲間づくりや相談の場として、子育てしている保護者の孤立感や不安感の解消を図る子育てひろば事業は、地域でニーズが高い事業です。現在もすこやか福祉センターや児童館などで行われておりますが、今後、どのような場所で何カ所程度、また、開設日や時間帯など想定している事業の内容について伺います。

 三つ目に、子どもの育成団体の支援です。地域の子育てや育成活動を支えるためには、今ある団体の活動の支援のほか、地域の育成活動の中核となる人材を育てることや、ボランティアなど新たな人材の発掘などが重要となってきます。子どもの育成団体の支援について、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

 次に、食の安全について伺います。

 食生活は、私たちの生命と健康を支える基礎となっているものです。しかし、最近では、鳥インフルエンザ、食品偽装表示、輸入食品の危険添加物など、食への信頼が揺らぐ問題が数多く起きております。

 新聞でも、毎日のように食の安全について記事が載っているのを目の当たりにして、これからは個人個人が食の安全性に注意していかなければならないし、認識していかなければなりません。夏には埼玉、群馬の惣菜店で販売されたポテトサラダを食べた客から、腸管出血性大腸菌O-157が相次いで検出された問題で、惣菜店を経営する業者は全17店舗を自主休業し、話題になりました。

 また、中野区内においても、8月28日の月曜日、世田谷区の事業者から、世田谷保健所に8月25日の金曜に、仕出し弁当を喫食した社員168名中、少なくとも10名が腹痛、下痢などの症状を発し、連絡があり、調査の結果、当該弁当は中野区内の仕出し弁当店が調製していることが判明しました。中野区の保健所としては、食中毒の疑いで調査を開始し、患者は当該仕出し弁当店で調製した弁当を喫食した23グループ、110名で8月25日の金曜日、午後10時から翌29日火曜日、午前8時にかけて、腹痛、下痢、発熱、吐き気などの症状を呈したということであります。

 区の保健所としては、患者の共通食は当該仕出し弁当が提供した食事のほかにはないことや、患者が発症するまでの潜伏期間及び症状が類似していたことや、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことなどで食中毒と断定し、当該仕出し弁当店の営業者は8月30日の水曜日から営業を自粛し、中野区は5日間の営業停止処分を行ったところであります。

 このように、中野区内においても、仕出しの弁当店だけではなく、繁華街に点在する飲食店が数多くあり、特に最近では、手軽に飲食ができる立ち飲み屋さんもふえてきております。食の安全や衛生面でも気になるお店も見受けられます。区の保健所として、最近の食中毒の事例はどんなものがあったのか、伺います。また、食中毒の発生や違反食品などが発見されたときの対応や、東京都や関係機関との連携はどのようにされているのか、伺います。

 最近の東京都における食中毒発生状況は、カンピロバクター、ノロウイルスを原因とするものが多発していると聞いております。食中毒発生時の対策はどのようにされているのか、伺います。

 食中毒を起こさないためにも、施設への立入検査及び収去検査などを行うことにより、監視や指導、また、食品取扱者などを対象にした衛生講習会の実施などによる食の安全を推進していかなければならないと思いますが、区の考えを伺います。

 また最後に、一般区民に対する食中毒を防ぐための知識の普及啓発も大切なことだと思いますが、いかがお考えかお伺いいたしまして、私の全ての質問を終了いたします。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊藤正信議員の御質問にお答えいたします。

 平成28年度決算の状況についてであります。納税義務者の増加数と徴収率向上への取り組みについてであります。平成28年度の特別区民税現年課税分の納税義務者数は18万6,738人であり、前年度に比べ5,733人増加いたしました。特別区民税の徴収率を向上させるためには、特に現年課税分の徴収率向上が重要であり、給与特別徴収の推進や電話催告、訪問送達委託など、平成27年10月に策定した収納率向上対策に掲げたさまざまな方策により、滞納繰越に移行させない対策、これを着実に進めているところであります。

 また、納付書に印刷されたバーコードをスマートフォン等のカメラで読み取り、インターネットバンキングを利用して納税できるモバイルレジサービスなど、納期内納付を促す環境づくりについても、さらに充実をさせてまいります。

 性質別による歳出決算の状況についてのお尋ねもありました。扶助費が増加した主な要因は、保育にかかわる給付費の増など、子ども・子育て支援新制度の取り組みなどを進めた結果、児童福祉費が増となったことによるものであります。物件費は委託料が増となっており、民間活力の活用の拡大などによるものであります。

 扶助費、物件費については、今後も増加が続くと想定されるところです。人件費については、今後も2,000人体制を基本としつつ、行政需要に適切に対応できるよう定員管理を行い、人件費の抑制に努めてまいります。

 今後の歳入状況についてのお尋ねもありました。特別区の歳入構造は、景気変動の影響を受けやすいことに加え、市長村民税法人分の一部国税化や国が地方消費税の精算基準の見直しを開始するなど、特別区の財源が減少する可能性をはらんでおり、今後もこうした減収リスクに留意をする必要があります。

 区が直面する行政課題に的確に対応し、安定的な行政サービスを実施していくため、引き続き財政基盤の強化や行財政改革に取り組むとともに、基準となる一般財源規模をもととした財務規律を遵守し、計画的な財政運営を行ってまいりたいと考えております。

 健全な財政運営に資する基金計画について。急激な景気の悪化により一般財源に減額が生じたときや、今後集中する小・中学校の再編や大規模改修、中野駅周辺まちづくりや新区役所整備等に係る経費に備え、区民生活に必要な財源を縮小させることなく区政運営を行っていくためには、十分な基金残高を確保することが必要であると考えております。財政調整基金のほか、それぞれの目的基金に今後の事業計画に合わせて計画的に一般財源を積み立てしていくほか、土地の売却益や剰余金等を積み立てていきたいと考えております。

 次に、安全で安心して住めるまちづくりについて、防犯カメラの設置及び助成に関する御質問がありました。空白地帯についての御質問、また、町会・自治会の設置、維持管理費等に関する助成についての御質問がありました。どの地域が空白地帯になっているのかを把握し、区が独自で設置するかどうか、関係する町会・自治会とも十分協議をした上で対応策を検討していきたいと考えております。また、防犯カメラを維持していく上でのコストについては、今後、その負担に応じた適切な支援のあり方について検討してまいりたいと考えております。

 公園への防犯カメラの設置について。これまでは小・中規模の区立公園への防犯カメラ設置に当たっては、防犯上の問題から、地域や警察から要請のあった公園を優先して設置してきております。要請のあった桜山公園と本郷ふれあい公園の2公園に防犯カメラを設置していく予定であります。

 今後も、公園を安心して利用していただくために、防犯カメラの設置を継続していきたいと考えております。

 防犯カメラを地図データとして一元的に管理することについての御質問です。現在、区内の防犯カメラの設置状況を調査中であり、区として設置状況を把握した上で、そのデータ管理について、関係機関と協議をしてまいりたいと考えております。

 他区で見られるようなIoTを活用した見守り事業のあり方についての御質問がありました。それらICT技術の進展によって、各自治体でさまざまな取り組みを行っていることは承知しております。区としても、ICTを活用した区民の安全を守る取り組みについて、他の事例や技術の進展に注視し、よりよい安全対策の取り組みを構築していきたいと考えております。

 私からは、以上です。

〔経営室長篠原文彦登壇〕

○経営室長(篠原文彦) 交通安全に関する質問にお答えをいたします。

 初めに、交通事故の発生状況を踏まえた交通安全の取り組みについてでございます。御質問にもありましたが、ことしも自転車が関与する交通事故は高い割合で発生していることから、区としても重く受けとめているところでございます。

 警察と連携しながら、今後も交通事故の防止に向けた啓発活動や各種キャンペーンの実施、交通安全教室等の充実を図り、交通事故の減少に努めてまいります。

 次に、いわゆる交通弱者に対する取り組みでございます。警察や関係機関と協力しながら、小学校における交通安全教室の実施、交通安全運動や各種キャンペーンを通じまして、交通事故防止に向けた取り組みを実施していくほか、また、高齢者につきましては、高齢者会館や友愛クラブでの活動を通じまして、交通事故防止のPRに努めてまいります。

 次に、交通安全教室の拡充でございます。スケアード・ストレイト方式の交通安全教室につきましては、交通事故を再現することで、その恐怖感から啓発効果を高める面で効果があると推奨されております。交通事故を防止していく上で、スケアード・ストレイト方式の交通安全教室など、効果的な啓発のあり方につきまして、警察と協議するなど研究してまいりたいと考えております。

 次に、交通安全活動への助成についてでございます。区民の交通安全活動の振興という観点から、現状について、町会等関係団体の状況を把握しながら、今後の対応について検討してまいります。

地域支えあい

進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、子育て支援の取り組みについての御質問にお答えいたします。

 最初に、キッズ・プラザの整備についてでございます。キッズ・プラザにつきましては、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の各ステップごとに計画的に20カ所を整備してまいります。今後、校舎の改築に伴い整備するキッズ・プラザにつきましては、活動室と学童クラブ室、さらに子育てひろば場等を整備し、地域開放部分への出入り口を分離するなど、学校運営に配慮した設計としてまいります。委託事業者には、民間ならではの力を発揮し、学童クラブ児童も一緒に参加することのできる、魅力あるプログラムを提供することを期待しているところでございます。

 続きまして、子育てひろば事業についての御質問でございます。現在、子育てひろば事業は、すこやか福祉センター2カ所、U18プラザ3カ所、児童館14カ所、民間委託2カ所で実施してございます。今後、乳幼児親子が利用しやすい身近な場所に展開することとしており、すこやか福祉センターのほか、保育所、学童クラブと併設するなど24カ所以上開設し、運営は区民団体あるいは民間事業者に委託して実施するというものでございます。

 運営の内容といたしましては、週5日以上、1日については5時間以上開設し、見守りのためのスタッフを2名配置するなど、子育てに関する相談や子育て講演なども実施を予定しているところでございます。

 最後に、地域の育成団体支援についての御質問でございました。各地域で活躍する次世代育成委員や地区委員会との連携を深めるとともに、地区懇談会の実施により、地域の子育てネットワークの広がりに取り組んでまいります。地域での新たな人材の育成などにつきましては、区の地区担当職員、アウトリーチチームを中心といたしまして、必要な情報を収集し、支援に努めてまいります。

保健所長木村博子

壇〕

○保健所長(木村博子) 私からは、食の安全についてお答えいたします。

 まず、区における最近の食中毒事例につきましてでございます。先ほど伊藤議員からもお話がございましたが、ことし8月に発生いたしました食中毒事件では、仕出し屋弁当を食べた100人以上の方が下痢、腹痛等の症状を呈し、発症いたしました。原因といたしましては、耐熱性毒素保有大腸菌でございました。

 ことし6月の食中毒事件は、居酒屋が提供いたしました加熱不十分な焼き鳥により3人が発症したもので、原因はカンピロバクター菌でございました。平成28年度における1件及び平成27年度における2件の食中毒事件は、いずれも居酒屋が提供いたしました加熱不十分な焼き鳥や生の鳥刺しにより発症したもので、カンピロバクター菌を原因とするものでございました。

 次に、食中毒発生時の対応及び連携についてでございます。都保健所設置市、八王子市、町田市及び特別区が作成いたしました食中毒調査マニュアルに従い、関係自治体と連携しながら対応しております。食中毒調査は、役割分担して行っております。患者の調査は、その住所地の自治体が実施し、事業者の調査は、その所在地の自治体が実施いたします。東京都は主として各自治体間の連絡調整を行っております。

 次に、食中毒発生時の対策につきましてでございます。食中毒が発生いたしました場合は、直ちに調査を開始し、被害の拡大防止に努めます。患者が区民の場合は、直接患者に約1週間の喫食調査として、食べたものや場所のアンケートや検便の依頼などを行います。区内の事業者に対しましては、店舗に立ち入り、従業員の健康状態や衛生管理の聞き取り、従業員の検便などの調査を行います。さらに食品の残り等を持ち帰り、東京都健康安全研究センターにおいて、原因菌等の究明のための検査を実施いたします。調査の結果、原因施設とされました営業所に関しましては、営業自粛の要請及び営業停止処分を行い、再発防止のための衛生指導を行います。

 次に、食中毒の未然の防止対策でございます。区では、毎年度中野区食品衛生監視指導計画を定めております。この計画におきましては、年間立入検査予定件数を定めるとともに、重点的に監視すべき業種の定期的な監視を実施しております。業種につきましては、季節によって異なり、例えば夏季には弁当屋、仕出し屋、学校、保育園などの給食施設などについて監視、指導を行っております。その他、夏季や歳末などの食中毒が多発しやすい時期には、東京都全体で一斉監視を実施することにより、食品衛生の徹底に努めております。

 事業者に対しましては、年間を通じ、定期的に講習会を実施し、衛生知識の普及を図っております。また、食品衛生に関する自主管理団体と連携した取り組みや事業者主催の講習会に対する講師派遣なども行っております。

 最後に、区民に対する普及啓発でございます。区民一人ひとりに食中毒を防ぐための正しい知識を持ってもらうことは、非常に大切だと考えております。区民が正しい手洗いの方法や肉の生食、加熱不足に伴う危険性など、食中毒予防のポイントを知ることにより、発生リスクを軽減することができると考えております。

 現在、食中毒の原因として最も件数の多いカンピロバクター菌は、市販鶏肉の調査では新鮮な鶏肉でも6割から7割付着しております。鳥わさのように表面だけの加熱では菌は死滅しないため、中までしっかり加熱して、安全に食べることが非常に大切でございます。

 これまでも各種の展示や区報、ホームページ、また、講習会などを通じて、食品衛生に関する普及啓発に努めてまいりましたが、今後とも積極的に取り組んでいきたいと考えております。

○議長(いでい良輔) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 久 保 り か

 1 障害者・児支援について

  (1)高次脳機能障害者支援について

  (2)空家活用による障害者居住支援について

  (3)障害児福祉支援計画について

 2 乳がん検診について

 3 イクボス宣言後のワーク・ライフ・バランスの取組みについて

 4 妊娠・出産・子育てトータルケア事業の充実について

 5 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、久保りか議員。

〔久保りか議員登壇〕

○37番(久保りか) 平成29年第3回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問をさせていただきます。

 質問は通告のとおり、その他はございません。区長並びに理事者の皆様には、前向きでわかりやすい御答弁をお願いいたします。

 初めに、障害者・児支援について質問させていただきます。

 1番目に、高次脳機能障害者支援について伺います。

 高次脳機能障害とは、頭部外傷、脳血管障害など、けがや病気により脳の損傷の後遺症として、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害が生じ、これに起因して、日常生活、社会生活への適応が困難となる障害のことです。高次脳機能障害の90%は記憶障害で、物の置き場所を忘れる、新しい出来事を覚えられない、同じことを繰り返し質問するなどの症状があります。身体障害を伴わない高次脳機能障害の方も多いため、外見からは障害がわかりにくく、見えない障害と言われることもあります。突然の病気やけがにより誰にでも起こり得る障害でありながら、高次脳機能障害への理解は進んでない状況です。

 現在、障害者地域自立生活支援センター「つむぎ」において、高次脳機能障害者及び発達障害者支援の専門相談を開設し、本人及び家族への相談支援が行われています。当事者、家族のみならず、周囲の人にも周知を図るべきと考えます。区として、高次脳機能障害への理解促進のため、普及啓発活動を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 現在、中野区には、高次脳機能障害者当事者の会、家族会などが組織的に形成されていません。高次脳機能障害者当事者、また、家族を支える仕組みとして、当事者会や家族会の活動支援を行うべきではないでしょうか、伺います。

 平成20年度の東京都内の高次脳機能障害推計値より算出した中野区内の高次脳機能障害者数は1,192人で、その後は調査が行われておらず、正確な数字は把握できていません。実態調査を行い、高次脳機能障害者の掌握が必要であると考えます。実態を把握するためには、医療機関の協力が不可欠であり、中野区民であっても、医療機関は広域で利用している可能性が高く、区だけでの調査は難しいと思われます。区として東京都に対し、実態調査の協力を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 「平成29年地方分権改革に関する提案募集」に対し、特別区長会において、身体障害のない高次脳機能障害者に対しての自立訓練(機能訓練)実施のための対象者要件の緩和が提案されています。具体的には、障害の種別によらず、いずれの自立訓練も受けられるよう、対象者の要件を緩和するよう求めるとしています。この提案が公表された後、他の複数の自治体からも追加共同提案団体として意見表明がされています。国に対し、要件緩和を提案するとともに、区としても取り組みを進めるべきではないでしょうか。

 中野区内の通所事業所に高次脳機能障害者が自立のための訓練に通っている事例もあります。事業所において、高次脳機能障害について理解し、適切な訓練が行えるように、事業所のスキルアップ支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 「名古屋式」と呼ばれる総合拠点方式による名古屋市の高次脳機能障害者支援システムがあります。

名古屋リハビリテーションセンターでは、相談から医療、訓練を経て、社会復帰に至るまでの総合的で一貫したリハビリテーションサービスを提供しています。中野区では、一つの拠点にとらわれるのではなく、医療機関、リハビリ、福祉作業所、福祉サービスなどの関係機関を連携させ、現状の資源を活用したネットワーク型による高次脳機能障害者支援のシステムを構築することができると考えます。医療機関、リハビリ、福祉作業所、福祉サービスなどの関係機関を連携させ、中野区版高次脳機能障害者支援システムの構築を推進すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか、伺います。

 2番目に、空き家を活用した障害者の居住支援について伺います。

 空き家等現地実態調査では、空き家などの所有者に対し、利活用のあり方として、保育施設、高齢者支援サービス施設への意向調査を行っています。これらに加え、居住支援の必要と思われる精神障害者など、障害者の住宅としての活用も視野に入れ、空き家の利活用を検討すべきではないかと考えます。

 第8期中野区健康福祉審議会障害部会報告書には、今後、地域移行支援にかかわる関係機関が情報共有など連携を強化し、精神科病院からの地域生活への移行を促進していく必要があると長期入院者の地域移行・地域生活を支える相談支援体制の強化の重要性が挙げられています。また、地域生活の体験機会の提供も挙げられています。

 精神障害者が地域で自立した生活を送るためには、住宅への入居という課題を解決する必要があります。精神障害者及び入居のしにくい障害者のための空き家を活用した居住支援を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 さらに、空き家所有者、不動産管理の関係者に対し、障害に関する情報提供、理解促進、また、入居に対するサポート体制を構築すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 この項の最後に、障害児福祉支援計画について伺います。

 現在、区では、第1期障害児福祉支援計画の策定が進められています。今回の計画策定について、過去の質問や障害児を抱える保護者の皆さんからの御要望を踏まえて質問をさせていただきます。

 先日、南議員とともに、アポロ園にお子さんを通わせている保護者の方たちから御要望を受ける機会がありました。障害児の御家庭から多く聞かれる課題の一つが、保育園・幼稚園への入園へのハードルの高さです。特に区立幼稚園廃止案が出てからは、自分たちの子どもを受けとめてくれる幼稚園がなくなってしまうと、その悩みは切実なものになっています。

 お母さんたちからは、障害のある子どもを健常の子どもと同じように育てることが進んでいると聞いていたが、実際にはいろいろな園で受け入れがなく、門前払いを受けることがほとんど、成長のおくれを考慮し、2年保育の幼稚園を希望していたが、幼稚園は3年保育でほぼ定員が埋まっていて、2年保育の道が閉ざされている。また、最も私たちが胸を痛めたのは、療育を受けているというだけで、保育園の一時保育を受け付けてもらえなかった。子どものために療育機関に通わせることが重要とわかっているが、療育機関を受けている、そのことでマイナスイメージを与え、入園ができないのであれば、療育を受けさせるべきではなかったのではないかと悩んでしまうとの声です。

 こうした現状を聞くにつけ、早い段階からの気づきと支援を進める一方で、次のライフステージに応じた切れ目のない支援、保護者・家族の支援に結びついていないと感じています。受け入れる体制が整っていない中では、危険も伴い、十分な教育や保育ができないので、入園させるわけにはいかないという幼稚園・保育園側の状況も理解はできます。

 区として、幼稚園・保育園などが子どもの障害特性や発達課題を正しく理解し、適切な配慮や支援の実施につながるよう、バックアップ体制を強化すべきではないでしょうか。さらなる障害児の幼稚園・保育園などへの入園支援を推進すべきと考えます。いかがでしょうか、伺います。

 次に、医療的ケア児の支援について伺います。

 平成28年の児童福祉法改正により、医療的ケアを要する障害児が適切な支援を受けられるよう、自治体において保健・医療・福祉などの連携促進に努めるものとされました。これまで我が会派では、医療的ケア児の居宅型訪問保育事業やレスパイト事業について求めてまいりました。今後の課題として、報告書にも「保育所・幼稚園等や学校等、子育て支援施設においても、医療的ケア児を受けることができるよう受け入れのあり方を検討していく必要がある」とされています。

 私は、平成27年第3回定例会にて、杉並区の独自の制度である障害児保育の「ヘレン」の視察を通じ、長時間保育、医療的ケア、療育を可能とする障害児の保育施設を開設すべきではないかと質問させていただきました。当時、杉並区のみで実施されていた事業も、他の自治体でも医療的ケア、療育を可能とする保育園が開設されています。医療的ケア児専門の体制の整った保育園の開設を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 現在、障害者・児施策をめぐる国などの動向が大きく変化し、区が第1期障害児福祉計画を策定することも、障害児を抱える保護者には知られていない状況です。最もこの計画の影響を受ける当事者であるアポロ園、ゆめなりあなどを利用する方たちに向け、区は情報提供をするとともに、利用者の声を聞き、計画策定に反映させるべきではないでしょうか。お考えを伺います。

 これまでも切れ目ない障害児支援のために、障害児の相談機能について、区の取り組みを強化すべきと求めてまいりました。しかし、まだまだ身近な地域の実情を知った専門的な障害児相談支援体制が整っているとは思われません。すこやか福祉センターに相談しても、知識が浅いように感じる、担当者が毎年のように変わり、十分な引き継ぎもされていないとのお声も聞きます。障害児相談支援事業の拡充と既存の施設における情報共有やスキルアップが必要と考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 障害児、障害児の保護者に対し、出産、育児、保育、就学などステージごとのサポート体制を強化するとともに、切れ目ない支援と情報共有など継続的な支援体制を早急に整備すべきと考えます。お考えを伺います。

 この項の最後に、児童発達支援センターの設置について伺います。

 障害児福祉計画に係る基本指針において、児童発達支援センターを中核とした重層的な地域支援体制の構築を目指すため、平成32年度末までに児童発達支援センターを各市町村に少なくとも1カ所以上設置することを基本とされています。中野区の障害児発達支援センターの設置方針を示すべきと考えます。区のセンター機能についてのお考えを伺い、この項の質問を終わります。

 次に、乳がん検診について伺います。

 現在、乳がんは女性のがん罹患の第1位で、増加傾向にあり、40歳代の罹患が多く、11人に1人が罹患、全国で9万人が罹患し、2016年の乳がんによる死亡数は1万4,013人と、残念なことに増加し続けています。しかし、早期発見により、90%以上の生存率と生存率は向上しており、早期発見から早期治療に結びつけるための乳がん検診を受診することが非常に重要です。

 平成28年2月4日改正のがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針によれば、乳がん検診の検診項目は、問診及び乳房エックス線検査とする、なお、視診及び触診は推奨しないが、仮に実施する場合は、乳房エックス線検査とあわせて実施することとなっています。

 厚生労働省の検診受診のための指針を受け、現在、視触診による乳がん検診を廃止し、マンモグラフィ検診のみを行っている自治体もあります。しかし、中野区においては、視触診検診をこれまで同様に継続をしています。

 一方で、自己触診の重要性を考えたとき、視触診検診時に正しい自己触診についての指導を受けることを目的とすることは効果的であると考えます。区における視触診検診は、乳がん検診の位置付けとして継続をするのか、自己触診指導とするのか、お考えを伺います。

 区の検診の実施状況を見ると、視触診の受診数は7,000件、マンモグラフィ受診数は6,000件で、約1,000人の方が厚生労働省の推奨する乳がん検診を受診できていないことになります。しかし、検診対象時に視触診のみの受診で、マンモグラフィによる検診を受診できなかったとしても、乳がん検診を受診したこととなり、翌年度には検診を受診することができません。これは、視触診のみのがん検診は推奨しないとしている国の方針とは異なるのではないでしょうか。視触診のみの検診により、マンモグラフィ検診を受診することができなくなる現状を改善すべきと考えます。いかがでしょうか、ご見解を伺います。

 乳がん検診の受診勧奨について伺います。

 中野区では、平成27年度に受診した方、28年度に申し込みをしたが受診しなかった方に受診券の発送を行っています。しかし、2回連続で受診されなかった方には受診券は送付されませんので、再度申し込みをお願いしますとしています。なぜ再度申し込みの手続を推奨しているのでしょうか。全ての対象者に受診券の送付をすべきではないでしょうか、伺います。

 新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業を活用し、子宮頸がん、乳がんの初年度無料検診クーポン及び検診手帳を交付している自治体もありますが、中野区では実施されていません。実施しなかったのはなぜなのか、伺います。

 また、「新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業実施要綱」によれば、検診受診の利便性向上について、市区町村は休日、早朝、夜間における検診の実施、特定健康診査など他の検診との同時実施、マンモグラフィ車の活用、定員を超えた場合の日程調整や追加検診の実施など、対象者への利便性に十分配慮するよう努めることとしています。

 中野区の乳がん検診の現状は、対象者への利便性の配慮に欠けていると言わざるを得ません。土日、早朝、夜間、マンモグラフィ車による検診など、あらゆる機会を拡大し、乳がん検診の受診をしやすい環境を整えるべきであると考えます。区の御見解を伺います。

 乳がん世代は、働き盛り、子育て、仕事に、地域活動など、ついつい自分のことは後回しにしがちです。一人でも多くの女性が乳がん検診を受診し、尊い命を乳がんから守ることができるようにと願い、この項の質問を終わります。

 次に、イクボス宣言後のワーク・ライフ・バランスの取り組みについて伺います。

 初めに、区職員に向けた取り組みについてお聞きします。

 中野区では、職員の個人としての充実した生き方を仕事に生かすことによって仕事の質が高まり、それが区民にとっての最大の価値を生み出すことにつながる、そのような働き方や組織をつくり上げていくことが重要であるとの考え方に基づき、それらを実践するため、区長をはじめとした全管理職が6月15日、イクボス宣言を行いました。また、同日、中野区議会本会議においても、「中野区イクボス宣言を支持する決議」が全会一致で可決され、7月10日には、中野区立小中学校の全校長もイクボス宣言を行い、区と区議会、教育委員会がこのイクボス宣言により、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、一体となって行動するのは23区では初めてのことです。

 区長は、宣言後、直ちに家族との時間や趣味など、朝夕の時間を職員自身の生活に合わせられるようなワーク・ライフ・バランスの推進と、東京都が進めている通勤ラッシュ緩和のための時差勤務、時差ビズの推進に向け、本年7月に一部職場で時差勤務の試行を実施されました。さらに、8月には第2回目の試行を本庁舎の全職員に拡大して実施しています。

 これまで私は、議会でイクボス宣言を提唱してまいりましたので、区長が実行力の伴う宣言をされたことを高く評価しています。2回の時差勤務の試行を実施されましたが、時差勤務の導入について、具体的にはいかがお考えでしょうか、伺います。

 ワーク・ライフ・バランスの推進は、働き方改革の推進でもあります。時差勤務の試行で見えてきた課題の解決、また、超過勤務の縮減、年次有給休暇の促進などを実現するための職場の環境づくりが重要であると考えます。今後、新区役所が整備されるとともに、マイナンバーの進展などによって窓口業務も省略化するなど、効率的な業務の改善が進み、職員の働き方も大きく変化していくことになります。

 さらに、若い職員が増加していく中、将来的な区の職員像や職員の働き方の視点は非常に重要となります。区は、若手職員育成を視野に入れた中野区職員実務基本書「中野のなかのコト」を本年5月に作成し、ここでも仕事の進め方や育児などの休暇制度などを掲載しています。

 ワーク・ライフ・バランスを着実に推進させるためにも、将来に向けた職員の働き方や将来の職員像を描いた人事面における長期的な方針を示すべきと考えます。人事の長期的な方針の策定について、いかがお考えでしょうか、伺います。

 次に、区内事業者に向けたワーク・ライフ・バランスの取り組みについて伺います。

 ワーク・ライフ・バランスを企業戦略と捉えている企業は8割と言われます。しかし、現状では、企業としてのワーク・ライフ・バランスを実現するには課題も多く、企業戦略として効果があるとは理解しているものの、実行が難しい。特に中小企業においては、残業ゼロの取り組み等が困難であると言われています。

 東京都では、従業員が生活と仕事を両立しながら、生き生きと働き続けられる職場の実現に向け、すぐれた取り組みを実施している中小企業などを「東京ワーク・ライフ・バランス認定企業」として選定し、その取り組みを「ワーク・ライフ・バランスフェスタ東京」などにおいて広く公表することにより、生活と仕事の調和など、働き方の見直しについて社会的醸成を図るとともに、都内中小企業の雇用整備を推進するという事業に取り組んでいます。

 また、他の自治体でも既に仕事と生活の調和の推進に取り組み、またはその取り組みをさらに向上させようとする区内の中小企業などに対して、ワーク・ライフ・バランス推進のための社会保険労務士などの専門家派遣事業を進めている事例が見られます。

 中野区でも、区内中小企業に向けた「ワーク・ライフ・バランス支援アドバイザー」の派遣制度を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか、御見解を伺います。

 この項の最後に、区民に向けたイクボス宣言PR、イベントの開催について伺います。

 イクボス宣言が行われたことが区民にはあまり知られていませんし、区役所の中だけのことと思われ、区民への波及効果が感じられません。職員の働き方が変わることで区が変わる、区長の改革の意気込みが伝わるように、区民に対するPR事業を開催すべきと考えます。

 例えば、男女共同参画週間にイクボス宣言とあわせたイベントとして位置付け、コングレスクエアや中野ゼロホールなどを会場に、区民参加のイベントを開催する。また、区内経済界との共同開催の講演会でワーク・ライフ・バランスをテーマに、企業におけるイクボス向けの講演などを実施してはどうかと考えます。お考えを伺い、この項の質問を終わります。

 最後に、妊娠・出産・子育てトータルケア事業の充実について伺います。

 中野区では、平成27年10月より、「産前・産後・子育てを切れ目なく応援します!」として、妊娠・出産・子育てトータルケア事業がスタートし、好評を博しています。特に赤ちゃんの出産後、御家族のお手伝いが見込めない方などを対象に、施設の助産師がお母さんや赤ちゃんのケアをする宿泊型のショートステイ事業、通所型のデイケア事業、また、産後のお母さんの過ごし方や赤ちゃんのケアを御自宅で実施するケア支援者派遣事業の三つの産後ケアの事業が利用できることから、利用者からは大変喜ばれているとともに、他の自治体からも注目されています。

 初めに、28年度の産後ケア事業の実績について伺います。また、産後ケア事業の効果については、区としてどのように評価をしているのか、伺います。

 この事業の利用には、1、中野区在住でお住まいの地域を担当するすこやか福祉センターの保健師などと面談し、かんがるープラン、妊産期相談支援事業を作成している。2、かんがるープラン作成後、中野区産後ケア事業利用申請書を管轄のすこやか福祉センターに提出し、利用承認され、産後ケア事業利用カードが発行されていることが必要となります。また、新生児訪問の際などにも、訪問した保健師が支援を必要としている方に対し、産後ケア事業を紹介し、申請、利用へとつなげることも可能です。

 特別な事情がなくても、誰もが出産後、育児に不安や疲れを感じるものです。多くの産後のお母さんの休息と安心、育児の知識を身につけるためにも、この事業を利用してほしいと思います。しかし、現実には、利用したいが、母子家庭など特別な事情がない限り利用できないと思い、申請をあきらめてしまう、事業の内容について説明が不足していて、利用者に情報がうまく伝わっていないというお声を聞きます。

 ファーストタッチの母子手帳交付時のかんがるープラン策定の周知時、かんがるープラン策定時、新生児訪問の際など、全ての機会を通じ、産後ケア事業について、利用対象者に対し、周知や説明がされるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 さきに、これまでの利用実績を伺いましたが、デイサービスやショートステイの需要は、里帰り出産などが望めず、産後の手伝いが不足している現代において高まる一方であります。しかし、ショートステイやデイサービスは、実施する施設も必要であり、簡単には増加が見込めるとは思えません。産後ケアのニーズに応えるために、計画的にショートステイ、デイサービスの拡充を進めるべきと考えます。お考えを伺います。

 産後ケア事業は、初産の方を想定しているためか、経産婦向けの機能が整っていないように感じます。産後ケアを受けたくても、上のお子さんと一緒には受けられず、兄弟児を預けなくてはデイサービスの利用ができない状況です。例えば、南部、中部のすこやか福祉センターでのデイサービス事業を利用する際、上のお子さんを預けることのできる一時保育の仕組みを検討すべきではないでしょうか。すこやか福祉センターでのデイサービスの際、施設内での一時保育を可能とすべきと考えますが、いかがでしょうか、お聞きいたします。

 これまで我が会派の甲田議員も求めてまいりましたが、多胎児世帯への支援の拡大を早急に図るべきではないかと考えます。進捗状況を伺います。

 最後に、妊娠・出産・子育てトータルケア事業に関連し、望まれない妊娠などに対する支援について伺います。

 昨年の第3回定例会で、にんしんSOS東京の取り組みを紹介させていただきました。出産後の虐待などによる乳幼児の死亡で一番多いのはゼロ歳児、しかも、生まれたその日に遺棄されているという悲しい現実が後を絶ちません。ことしの8月にも出産した女児の遺体を遺棄したとして女性が逮捕されたなどの2件の報道を目にしました。いずれも20代の未婚の女性で、母子手帳の交付はされていません。

 こういった報道を目にするたびに、彼女たちがどこかで救えることはできなかったのかと思います。思いがけない妊娠を誰にも相談できず、苦しい思いを抱えている女性が中野区内にもいるかもしれません。行政だけでは対応できない困難事例について、にんしんSOS東京など、外部の専門家機関と連携を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 以上を伺って、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 久保議員の御質問にお答えいたします。

 障害者・児支援についての御質問であります。まず、高次脳機能障害の理解促進のための普及啓発活動の推進について。障害者の理解を深めるための啓発事業として、平成26年度から障害者地域自立生活支援センター「つむぎ」で区民向けセミナーを開催しております。平成26年から平成28年度までの3年間でセミナーの開催回数は7回、参加者は255人でありました。今後も高次脳機能障害者に対する理解を深めるため、セミナーの周知方法の工夫なども行い、引き続き啓発事業を実施してまいります。

 高次脳機能障害の当事者会、家族会の活動支援について。高次脳機能障害者の家族支援は、家族の心理的負担や不安の軽減を図るとともに、当事者と家族との関係や家族機能を良好に保つために重要なものと考えております。平成27年度よりつむぎに高次脳機能障害者支援コーディネーターを配置し、家族会の立ち上げ支援の一環として、当事者と家族の活動に対する支援を行っております。今後も当事者会や家族会の組織的な展開について、当事者や家族の意向を踏まえ、支援を行ってまいりたいと考えております。

 高次脳機能障害の実態調査の実施について。高次脳機能障害者実態調査は、東京都が高次脳機能障害者の実数及び生活状況、発症の原因や障害の内容などを把握するため、平成20年に都内の全病院651カ所、診療所287カ所などの医療機関及び医療機関を受診している高次脳機能障害者を対象に行ったものであります。この東京都が行った実態調査をよく読み込んだ上で、区としての対応を考えていきたいと考えております。また、区内の高次脳機能障害者の実態については、中野区医師会等関係機関にも協力を依頼し、把握に努めていきたいと考えております。

 通所事業所職員のスキルアップについて。就労継続支援や就労移行支援などの障害福祉サービス事業所を利用している高次脳機能障害者を適切に支援するためには、事業者が失語症、記憶障害、失認症などの高次脳機能障害の特徴的症状やその対応方法などの基礎的知識を獲得し、スキルアップを図ることは重要だと考えております。

 区は、区内通所系事業所従事職員の人材育成を図るため、今年度から職層別研修を実施する予定であり、研修内容に高次脳機能障害など多様化する障害の項目も導入することとしております。その他、東京都が専門職等を対象に実施する高次脳機能障害に関する研修について、関係機関等に周知を図り、スキルアップに向けた支援を行ってまいります。

 高次脳機能障害者支援のネットワークの構築について。区では、つむぎにおいて、高次脳機能障害者の支援の拡充を図るため、医療機関や相談支援機関、障害福祉サービス事業所などを対象にした情報交換会を開催し、関係機関のネットワーク構築に努めております。今後は、このネットワークを活用しながら、近隣区、区外の障害福祉サービス事業所等も含めた連携を強化する体制づくりについて検討していきたいと考えております。

 空き家活用による障害者居住支援についてであります。住宅セーフティネットの観点から、障害者を含む住宅確保要配慮者全体に対する空き家を活用した居住支援のあり方について、空家等対策審議会での議論等も踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。

 具体的なサポートの一環として、障害者が住みやすい中野をつくることを目的として、区と自立支援協議会が連携し、毎年1回、大家さん向けセミナーを実施しており、空き家所有者等に対する障害者への理解促進に努めているところであります。

 障害児福祉支援計画についての御質問がありました。障害児に対する入園支援についてであります。区では、これまでも障害のある園児に対し、保育園等の入所に関しては、利用調整時に加点を実施するほか、私立幼稚園については、今年度から受け入れの推進として、補助金の大幅増額などを実施してきたところであります。

 今後、各園からの声も十分に聞きながら、保育園、幼稚園における保育士、教職員の研修充実を図るなど、より効果的な受け入れ支援策について検討を行っているところであります。

 医療的ケアを必要とする障害のあるお子さんの保育についてであります。他区の事例では、医療的ケア時の療育を中心とする障害児通所支援施設の利用と、居宅訪問型保育事業の組み合わせにより、長時間の保育を行っていると聞いているところであります。

 区では、医療的ケア時の対応について、従来より区立障害児通所支援施設において受け入れを実施するとともに、平成28年度からは居宅訪問型保育事業を開始したところであります。現在、保育の必要な医療的ケア児の状況を把握しながら、区立保育園における受け入れ体制や既存事業の組み合わせによる対応等について検討しているところであります。

 区立療育施設の利用者の声の反映について。障害児福祉計画の策定に当たっての区立療育施設の利用者の声の反映について。計画策定に当たって、発達支援サービス利用者等を対象に、障害福祉サービス意向調査を実施し、ニーズや意向を把握しているところであります。今後、計画素案について、区民意見を聴取していくに当たっても、施設利用者等へ周知を図り、きめ細かく意見や要望等を伺う機会をつくってまいりたいと考えております。

 同じく、障害児福祉支援計画について、ライフステージに応じた切れ目のない支援体制をという御質問でした。ライフステージに応じた切れ目のない一貫した支援をするためには、就園、就学等の際の情報連携や就園、就学後の関係機関連携を行う体制の強化が必要であると考えております。こうした体制を確保するため、保育園、幼稚園、学校、医療、福祉、地域等の関係機関の情報連携が継続して有効に行われる常設の連携会議や、関係機関を調整する中核機関の設置等について検討しているところであります。

 さらに、児童発達支援センター機能の位置付けについての御質問がありました。国の基本指針において、平成32年度末までに各区市町村に1カ所以上設置することを基本とするとされている児童発達支援センターでは、児童発達支援や保育園等巡回訪問等の直接的な専門支援と、その専門機能を生かした地域の障害児やその家族の相談支援、他の施設への援助、助言を行うことが求められております。

 区では、現在、直接的な専門支援については、区立障害児通所支援施設アポロ園及びゆめなりあにおいて実施し、相談支援については、すこやか福祉センターを中心に実施をしているところであります。今後、この両機関の機能強化を図るとともに、全体のマネジメントを行う中核機関、(仮称)総合子どもセンターを設置し、各機能がそれぞれの特性を生かして、きめ細かく連携することにより、児童発達支援センターに求められる重層的な地域支援体制を構築していきたいと考えております。

 私からは、以上です。

健康福祉部長小田史子

壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 私からは、乳がん検診についての御質問にお答えいたします。

 初めに、視触診検査の継続についてでございます。国の指針では、乳がんの検診項目は、問診及びマンモグラフィとし、視触診は推奨しないが、仮に実施する場合は、マンモグラフィ検査とあわせて実施することになったということにつきましては、認識をしているところでございます。

 乳がん自己検診法の普及啓発の強化を進めつつ、視触診検査のあり方につきましては、国の指針を踏まえ、検討していきたいと考えております。

 次に、視触診のみの受診者への対応につきましての御質問でございます。区では、視触診のみの受診者に対しましては、総合判定ができないため、マンモグラフィもあわせて受診するよう、検診案内等に記載をしてございます。マンモグラフィの未受診者がたくさんいることは好ましくない状態であるというふうに考えております。

 乳がん検診では、必ずマンモグラフィ検査もあわせて受診していただけますよう、問診票の改善により受診を促していくほか、啓発にも力を入れていきたいというふうに考えております。

 全対象者に対します受診券の送付についてでございます。乳がん検診は、2年に一回受診できる仕組みとしておりまして、40歳以上の女性の区民で前年度に区の乳がん検診を受診していない方を対象としております。受診申し込みをして、乳がん検診を受けた方には、受診2年後に受診券を再送付してございます。また、検診を申し込んだけれども、受診をなさらなかった方に対しましては、翌年度に受診券を送付しております。

 今年度は9月下旬に、がんの罹患率の高い40歳から60歳までの乳がん検診の未受診者全員の方に対しまして受診券を送付する予定でございまして、受診勧奨を効果的に進めていきたいというふうに考えております。

 子宮頸がん・乳がん無料クーポンについての御質問でございます。区では、がん検診受診率の向上を図るため、平成21年度から5年間、子宮頸がんでは20歳から40歳までの5歳刻みの対象者に、乳がん検診では40歳から60歳までの5歳刻みの対象者の方に、無料クーポンや検診手帳を送付いたしまして、受診勧奨に努めたところでございます。5年間の実施によりまして、一定の成果は得られたわけでございますが、対象者が一巡したこと、また、受診率のさらなる向上を目指しまして、子宮頸がんや乳がんの罹患率の高い年代の方全員に対して幅広く受診勧奨はがきを送付することといたしたものでございます。

 受診勧奨はがきの送付によりまして、受診者数の増加、また、受診率の向上が見られましたが、今年度はさらに効果的な受診勧奨を進めていくために、勧奨はがきに関しまして、先ほど申し上げましたように、受診券を送付する予定でございます。

 最後に、土日・早朝・夜間、マンモグラフィ車による検診実施等についてでございます。マンモグラフィ検査につきましては、区内4カ所の医療機関で実施しておりまして、どの地域からもある程度、受診しやすい位置にございまして、そのことは相当程度、区民の方々にも周知される状況になっているというふうに考えております。休日・早朝・夜間等の実施、診療時間の拡大につきましては、委託医療機関と協議するなど、実施の可否につきましては、研究してまいりたいというふうに考えております。

〔経営室長篠原文彦登壇〕

○経営室長(篠原文彦) イクボス宣言後のワーク・ライフ・バランスの取り組みについての御質問にお答えをいたします。

 初めに、時差勤務の導入についてでございます。ワーク・ライフ・バランスの推進に向け、本年7月、本庁舎の一部の職場におきまして、時差勤務の施行を行ったところ、大きな支障もなく、利用職員の8割が満足であったという結果となりました。また、本年8月には、本庁舎の全職場に拡大をいたしまして、2回目の時差勤務の施行を行ったところでありまして、さまざまな課題等を検証の上、本格実施に向けて検討していきたいというふうに考えてございます。

 次に、ワーク・ライフ・バランスを推進させるための長期的な方針の策定についての御質問でございます。将来的な区役所像を見据えながら、職員の働き方やワーク・ライフ・バランスの推進、人材育成の方策など、区の職員の将来像を描いた人事面におけます長期的な方針を策定することは重要であると認識をしてございます。こうした方針につきましては、年内に策定する予定の(仮称)人事構想の中に盛り込むこととしてございます。

〔都市政策推進室長奈良浩二登壇〕

○都市政策推進室長(奈良浩二) 私からは、区内事業者に向けた取り組みといたしまして、ワーク・ライフ・バランス支援アドバイザーの派遣についての御質問にお答えいたします。

 ワーク・ライフ・バランスは、区の組織にとどまらず、広く区内民間事業者の従業員にも普及していくことが大切であると考えてございます。このため、区内の経済団体等に対し、区がイクボス宣言をしたことを周知するとともに、加盟事業者へのワーク・ライフ・バランスの取り組み推進を呼びかけたところでございます。また、産業振興センターや産業振興拠点「ICTCO」が実施するセミナー等の事業や就労支援サイト「ぐっJOB・なかの」等、さまざまな場面でワーク・ライフ・バランスの普及に努めているところでございます。その上で、区内事業者におけるワーク・ライフ・バランスのさらなる普及・定着のため、産業経済融資制度における利率の優遇など、事業者のインセンティブとなるような具体策を現在検討中でございます。そうした検討の中で、専門家派遣につきましても考えていきたいというふうに考えてございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、区民に対するイクボスPRのイベントについてお答えいたします。

 今年度は区民向けに、6月の男女共同参画週間に合わせたパネル展において、中野区イクボス宣言のPRを行ったところでございます。また、記者会見の実施、なかの区報への掲載、イクボスバッジの管理職への配付などにより、イクボス宣言の趣旨普及啓発を行ったところでございます。

 また、区内事業者向けには、本年度中に区内経済団体と連携した事業を実施することを検討しているところでございます。

 今後も、こうした区民向けの事業や区内事業者向けの事業などにおいて、広くイクボス宣言の趣旨普及啓発を図ってまいりたいと考えます。

地域支えあい

進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、妊娠・出産・子育てトータルケア事業の質問のうち、3項目についてお答えをさせていただきます。

 まず、産後ケア事業の実績と事業周知という御質問でございました。産後ケア事業の平成28年度の利用実績は、ショートステイ事業が216名、デイケア事業が316名、支援者派遣事業が171名となってございます。これは平成27年10月から開始した事業でございまして、この27年との半年分の実績、これを通年換算した場合と比較しますと、数値的には1.3倍程度の伸びになってございます。

 産後ケア事業は、全ての産婦が対象となる事業でございますので、妊娠期の支援プラン、いわゆるかんがるープランの作成時のほか、新生児訪問など産後の面接機会も捉えまして、産後ケア事業のわかりやすい周知をさらに徹底してまいりたいというふうに思ってございます。

 続きまして、産後ケア事業の拡充についての御質問でございます。産後ケア事業につきましては、公募により事業者を選定しておりますが、利用者の選択肢を広げるためにも、サービス基盤整備が必要であるというふうに認識してございます。より多くの事業者に対しまして広く参入を呼びかけ、事業の拡大を図ってまいりたいというふうに思ってございます。

 デイケア事業利用者の上の子どもの一時預かりという御質問でございました。初めて出産を迎えた産婦以外にも広くこの事業を利用していただくために、上の子どもの一時預かりというのは課題であるというふうに認識してございます。施設内預かりあるいは一時保育事業との併用等、利用者利便の向上に向けて、今後検討してまいりたいというふうに思ってございます。

 最後、多胎児母子へのサービス拡充という御質問でございます。産後ケア事業におきましては、一定の運用基準に基づいてサービスを提供してございます。多胎児出産のほか、早産等による低体重児の出産の場合などにも配慮した運用が必要だというふうに考えてございます。現在、これらに対する利用日数の加算等の措置について考え方をまとめてございます。近日中には改善を図ってまいりたいというふうに思ってございます。

〔子ども教育部長横山俊登壇〕

○子ども教育部長(横山俊) 私からは、妊娠・出産・子育てトータルケア事業のお尋ねの中で、望まれない妊娠等への支援についてお答え差し上げます。

 現在、区では、すこやか福祉センターや本庁舎の子ども総合窓口におきまして、妊娠に対する不安が大きいといったハイリスクの妊婦等に対しまして、保健師等による相談支援を行うほか、中高生を含む若年層を対象とするライフプラン講座では、女性の体や妊娠・出産についての正しい知識理解の啓発を進めているところでございます。

 こうした取り組みを通じまして、必要に応じて関係機関を案内するなど、連携についても進めてまいりたいというふうに考えてございます。

〔久保りか議員登壇〕

○37番(久保りか) 2点再質問をさせていただきます。

 一つは、空き家を活用した居住支援のことでございます。先ほど区長のほうから、大家さん向けのセミナーが行われているということで、私もその点は承知をしてございます。福祉関係の方を講師にセミナーを行われているということですが、なかなか参加者数というのが伸びていない状況かなと思います。大家さんに対するアプローチのあり方もひと工夫必要なのでは、いわゆる不動産鑑定のところなどにもしっかりとアプローチをかけていかないと、なかなか参加者の伸びというのが見込まれないのではないかなと思っております。その点について再質問させていただきます。

 それから、乳がん検診についてでございます。視触診のあり方について、今後、国の指針を踏まえた上で検討という御答弁でございましたけれども、検討のあり方といいますか、既に検討している状況ではないのかなと、指針はもう出ておりますので、その辺のところをお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 障害者などのための空き家を活用した居住支援等についての再質問にお答えいたします。

 現在行っている事業の紹介というような意味で大家さん向けセミナーについて触れさせていただきましたけれども、必ずしもこのセミナーが効果的な事業となっているかというようなことでいえば、基本的な仕組みというところからの構築が大事だということのほうが重要だと思っております。そういう意味で、障害者を含む住宅確保要配慮者全体に対する空き家を活用した居住支援のあり方について、空家対策等審議会での議論も踏まえながら検討を進めてまいりたいということで考えておりまして、できるだけ早い時期にこうしたことについてのトータルな考え方をお示しできるようにしていきたい、こう考えております。

健康福祉部長小田史子

壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 久保議員の乳がん検診に関します再質問についてお答えさせていただきます。

 国のほうの指針が出ておりますことは、区としては認識しているところでございます。今後、視触診とマンモグラフィの検診をどういうふうにしていくかということにつきましては、まだ検討というのは始まっておりませんので、今後検討を進めていくというような状況でございます。関係医療機関との調整等もございますので、その辺の協議等も踏まえながら進めていきたいというふうには思ってございます。

○議長(いでい良輔) 以上で久保りか議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 大 内 しんご

 1 「2017東北復興大祭典なかの」について

 2 補助227号線、今後の整備の進め方について

 3 小学生対象の「海での体験事業」について

 4 地域防災住民組織について

 5 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、大内しんご議員。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 平成29年9月13日、中野区議会第3回定例会におきまして、自由民主党の立場から質問をいたします。

 1番目に、「東北復興大祭典なかの」について質問いたします。

 東日本大震災及び熊本地震で被災された地域への継続的な復興支援として、今回で6回目の開催となる東北復興大祭典なかのですが、本年10月28日、29日の開催まで40日余りとなりました。

 大祭典は、被災各県の復興の歩みや現状を区民の方に知っていただく大変貴重な場であると同時に、東北6県や熊本県の観光や文化の発信をし、日本国民の固いきずなと連携を一層強化する非常に意義深いイベントであると認識しております。

 私ども中野区議会の超党派の議員有志で構成している東北復興ねぶた振興議員連盟では、この夏、青森県の青森市役所、黒石市役所、五所川原市役所を訪問し、双方の自治体で抱えている現状や課題、政策や展望についての意見交換を行うなど、各自治体との交流を深めてまいりました。本視察を通して、人と人とのつながりの大切さ、将来へ残すべき伝統や文化の尊さを改めて深く感じたところです。

 ことしの大祭典がこれまで以上に多くの方々にとって継続した被災地の復興支援に思いをめぐらせる機会となり、さまざまな地域の人々、さまざまな文化と触れ合い、交流できる貴重な機会となると考えています。また、東北復興ねぶた振興議員連盟が中心となり、祭りのPRや販売ブースへの参加など、これまで以上に大祭典が盛大に開催されるよう協力していきたいと思っております。

 そこで、区長の見解をお聞きします。

 ことしについては、これまで共催で開催されていた「青森人の祭典」が開催されないと確認しております。大祭典の催しやその準備状況はどのようになっているのでしょうか。例年、区役所会場を中心に、区の主催事業として行っている「東北復興祈念展」の実施内容、準備状況についてもあわせてお伺いいたします。

 また、特別区全国連携プロジェクトの一環として、田中区長が特別区長会に強く働きかけ、支援、協力を行ってきた東北六魂祭については、東北6市を一巡したことから、「東北絆まつり」と名称を変更し、ことしは6月に仙台市で開催されたと聞いております。この東北絆まつりを契機とし、東北復興大祭典なかのの式典に、東北各県の首長や議長をはじめとする関係者を招待し、交流を深める機会とすることで、関係自治体との連携関係を一層強化していくことが非常に重要だと考えています。

 さきの定例会では、区長から被災地の復興支援や東北各県の自治体との連携、協力関係を深めていけるよう、東北絆まつりの大祭典でのPRについて、関係自治体に働きかけていくとの御答弁がありましたが、今年度の関係自治体のかかわり方はどうなっているのでしょうか。

 次に、大祭典におけるメインの企画として定着してきているねぶたの運行についてですが、毎年、見物する方もふえ、多くの区民の方から本場さながらの雰囲気や文化を感じるなど、楽しめる催しであると好評です。ねぶた運行パレードのとりを飾る中型ねぶたについては、今回、独眼竜伊達政宗をモチーフにしたねぶたが青森市から寄贈されるということですが、このねぶたは、ことしの東北絆まつりでも使用されていることから、東北と中野のかけ橋として、中野区でも多く方を感動させる運行パレードになることを強く期待しております。

 そこで、伺います。ことしのねぶた運行パレードはどのような内容を考えているのでしょうか、お伺いいたします。

 また、本年は東北復興大祭典と同時期に、棟方志功ゆかりの五つの自治体である青森市、倉敷市、南砺市、杉並区、中野区が集う「棟方志功サミットIN中野」が開催されます。棟方志功サミットは、昨年の青森市での開催に続き、ことしは中野区で執り行われることになりました。

 棟方志功サミットについては、コングレスクエア中野において、10月29日に開催され、その前日には多くの関係者をお招きした情報交換会などが開かれると聞いております。10月25日から10月31日までの期間で特別企画展が開催されるとのことです。

 一人でも多くの区民に棟方志功画伯の功績を知っていただく貴重な機会とするためにも、大祭典、棟方志功サミット、両イベントの関係部門がしっかりと協力し、実施されるよう準備を進めていくことが重要だと考えます。どのような連携を現在模索あるいは考えているのでしょうか、お伺いいたします。

 この項の最後に、東北復興大祭典に関係して、ふるさと納税の活用検討について、提案をさせていただきます。

 今や中野区の最も大きなにぎわいとなっている東北復興大祭典なかのは、区外からも多くの方にお越しいただいております。区の歳入確保の向上を図る上でも、多くの方に関心を寄せていただいている大祭典において、例えば、中野区に対して1万円のふるさと納税を行った方を対象に、大祭典のねぶた運行時の跳人の衣装レンタル費用と衣装の着付け費用、パレードに参加できる特典を返礼するといったことは提案してみたいと思います。区長の見解をお伺いいたします。

 次に、2番目、補助227号線の今後の整備の進め方についてお聞きいたします。

 去る7月7日に鷺宮区民活動センター、8日に野方区民活動センターにおいて、補助227号線の現況調査説明会が開かれ、鷺宮区民活動センターにおいては48名、野方区民活動センターにおいては86名の方々が説明会に参加され、地域の方々の関心の高さを感じます。また、野方駅や都立家政駅の各駅のまちづくり検討会においても、補助227号線についての関心が高いようです。

 この補助227号線は、起点が杉並区高円寺南二丁目の青梅街道から、終点が練馬区中村北一丁目の目白通りです。途中、高円寺駅、早稲田通り、新青梅街道を横切る都市計画道路で、昭和41年7月30日に都市計画決定されています。

 このうち、中野区内では、主に早稲田通りから新青梅街道までが予定計画線で、そのうち早稲田通りから妙正寺川までは現在、平成31年度までを目途に、東京都が事業主体となって、延焼遮断帯の形成に寄与すべく、不燃化特区内の特定整備路線として事業を進めております。

 また、妙正寺川から北側の新青梅街道までの部分、約690メートルにおいては、中野区が施行するものとして、東京都における都市計画道路の整備方針(第4次事業化計画)において、優先整備路線として位置付けられております。

 今後、都及び区の整備により、補助幹線道路軸として南北方向道路ネットワークの形成、一般延焼遮断帯の形成が大きく進むものと考え、私も地元の人間の一人として期待をしています。

 そこで、今回の説明会で関心の高かった主な質問事項、区の回答内容についてお聞きいたします。

 また、境界線の近くに接している住民からは、今後の生活設計等を考えたときに、いつごろの完成を目指しているのかなどの問い合わせがあります。関心が高いのは当然です。区は、事業認可取得後、どのように動いていくかについて、あわせてお尋ねいたします。

 三つ目、小学生を対象の海での体験事業についてお伺いいたします。

 海での体験事業は、平成24年に岩井臨海学園にかわる事業として、海での体験を通じ、多様で豊かな体験を通じ、生きる力を育むことを目的に始められた事業です。実施場所は、一貫して静岡県沼津市の大瀬海水浴場で行われています。

 過去の参加人数は、平成24年度は83人、25年度は95人、26年度が68人、27年度が94人、28年度が93人と、昨年までいずれも100人に満たない人数で推移してきています。また、昨年度は3回の事業のうち1回を北原小学校、向台小学校を指定した学校単位で実施し、その結果を今年度の事業に生かすということでした。

 それらを踏まえ、第2回定例会では、今年度の海での体験事業の取り組み事業についてお伺いいたしました。そのお答えの中で、事業の効果を上げるためには、学校単位でより多くの児童が参加することが大事と考えていると述べられるとともに、今年度の定員については、300人程度を予定しているということでしたが、今年度、実際に参加した児童は何人だったのでしょうか、お尋ねいたします。

 また、今年度は300人程度を予定していることもあり、全ての回で学校を指定して事業を行ったとのことです。これまで、いろいろな学校の子どもたちが一緒に参加したときに比べ、同じ学校の子どもたちが一緒に参加する学校単位の事業にしたことで、どうだったのでしょうか。また、昨年度の第3回目で試行した学校単位の取り組みを、今年度事業を行う上でどのように生かしていったのでしょうか、お伺いいたします。

 次に、今後に向けた検討状況についてお伺いします。

 第2回定例会では、児童がふえても十分に収容できる規模の海岸や宿舎などの条件を満たす場所として、以前、臨海学園を実施していた岩井海岸を含め、複数の場所を候補地として検討しているとお答えいただいています。もし来年度、実施場所を変更するならば、事業実施1年前のこの時期にある程度の方向性が決まっていなければ、実施がおぼつかないと思います。現在、実施場所のめどはついているのでしょうか、お伺いいたします。

 また、事業規模が拡大し、学校ごとの参加児童がふえた場合、当然、学校がかかわる場面をふやす必要があると思います。当然、運営方法も事業者任せでは済まなくなるのではないでしょうか。日ごろの学校教育を踏まえた新しい運営のあり方について、検討していっていただきたいと思います。教育委員会としてどう考えているのかをお聞きいたします。

 海での体験事業は、小学校の高学年という多感な時期に、子どもたちが海という大自然の中で、学校では味わえない体験ができる貴重なものです。かつて中野区で臨海学園を経験した多くの方が、今でもあのときのことは忘れないと岩井での臨海学園の思い出について話されます。ぜひこの事業を拡大させ、中野区立小学校の全ての児童が経験できる機会、そういったものをつくっていただきたいと思います。そのためには、保護者が気軽に送り出せる環境づくりも必要です。教育委員会の事業とはいえ、現在の海での体験事業の2万1,000円の参加費用は、簡単に負担できる金額ではあると思えません。事業の拡大を行う上では、経済的な理由で参加をためらう方に対する援助も必要になってくると思います。区が何かしらの補助を行うことについて、ぜひ検討していっていただきたいと思います。いかがでしょうか、お尋ねいたします。

 四つ目、地域防災住民組織についてお伺いいたします。

 これは皆さん、御承知のとおり、防災会とは、町会・自治会をベースに区内全域で組織されています。町会・自治会組織と防災組織の違いは、町会・自治会組織は居住者自身が申し込み、会費を払い、会員となり、地域活動を行うものですが、防災会とは、年齢、性別、国籍を問わず、災害発生時にその地域にいる人々全員が防災会員という考えです。災害時には、見知らぬ人でも助け合わなければなりません。また、助けてもらうことができるということです。この考えと行動を担う核となるのが防災会であり、多くの区民から災害時の活動を期待されております。

 阪神・淡路大震災のときには、3万5,000人もの人が倒壊建物内に取り残されましたが、約8割近い人は近隣住民の手により助け出されています。消防や自衛隊の専門家のレスキューの手によって救助されている映像を思い起こしますが、これは取材のカメラなどが被災現場を映し出したタイミングと重なっていたためで、被災直後の消火や救助活動は、被災者でもある近隣住民がみずからの危険を顧みず、救助活動を行いました。

 現在、中野区の避難所は、災害により自宅での生活困難となった区民の生活の場及び地域での救援、救助活動の拠点としています。小中学校など48カ所を指定し、その管理、運営は地域の防災会を中心とした区民が行っていますが、避難所の指定は、一つの防災会で2カ所の避難所を指定されているところがあります。まさしく私の所属する野方北町会防災本部は、環状7号線を境とし、北原小学校と緑野小学校の2カ所に分かれて指定されています。

 防災訓練を行う場合は、同じく北原小学校と緑野小学校の2カ所に分かれて、指定されている丸山町会と一緒に、北原小学校と緑野小学校とを1年ごとに防災訓練を実施しています。

 通学している学校と避難所が同一、同じ場所であることが理想ですが、現実は、町会、防災会の区域と小学校の通学区域が違います。通学している小学校と避難所に指定されている小学校が異なる児童・PTAも大勢います。特に子どもたちは、通いなれている小学校ではない学校が避難所に指定されるなど、混乱してしまうという課題もあります。また、訓練を実施する際、当該校のPTAに協力をお願いしていますが、自分が所属する防災会ではなく、隣の防災会の訓練に参加する場合もあります。防災会ごとに同じ避難所で訓練を重ね、日ごろから同じ防災会同士が顔なじみになることは、防災訓練の一つの目的ですが、このような矛盾も抱えています。

 実際、幾つかの課題を抱えながら、各防災会は訓練を行っていますが、このような体制で災害時において地域を主体とした避難所での運営に不安を覚える防災会もあります。区はこのような課題を認識しているのでしょうか。また、今後どのような対応をしていく考えなのかをお聞きします。

 中野区では、中野区地域防災住民組織に対する交付要綱に基づき、震災時などに使用する資機材を交付しています。この資機材の点検は年に一度、地域防災会に依頼しています。点検の際、品名を記したリスト表を渡されるだけであり、日常的に使用していないものであるため、そのリストにあるものがどのような形でどのような場合に使用するのか、判断に苦慮しています。地域防災住民組織活動の手引を各防災会に1冊は配付していますが、写真や使用方法等の開設を添付し、点検を依頼するなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。また、資機材の点検後、足りない資機材があった場合は、そのリストをもとに、どのような対応をしているのでしょうか、お伺いいたします。

 次に、資機材の点検の時期ですが、次年度の予算積算に合わせるため、8月下旬から9月末までの期間としています。点検実施者は各防災会に依頼していますが、高齢者や女性も多く、熱中症などの問題も危惧されています。涼しい季節などへの移行など見直し検討すべきではないでしょうか。御意見をお伺いしたいと思います。

 また、各防災会に配備している防災会の旗は、面積が小さいことから、災害時の混乱した大勢の集まる広域避難場所や避難所では、旗の機能を果たすことができないと思われます。旗にこだわるのではなく、総合防災訓練などで使用しているプラカードなどを配付してみてはいかがでしょうか。お聞きいたします。

 以上、これで全ての質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 大内しんご議員の御質問にお答えいたします。

 「2017東北復興大祭典なかの」についての御質問であります。大祭典なかのと東北復興祈念展の実施内容について。ことしの東北復興大祭典なかのの開催に当たりましては、例年同様、実行委員会が中心となり、計画的に準備を進めているところであります。サンプラザ前広場でのステージイベントや各会場での特産品販売、四季の森公園北側道路でのねぶたの運行などの催しを実施しており、充実した内容にしていきたいと考えております。

 青森人の祭典との共催はことしは行いませんが、青森県人会からの協力も得られており、前年以上の内容にしていきたいと考えております。

 中野区の主催の事業であります東北復興祈念展、これにつきましては、中野区が職員を派遣している被災自治体の復興状況の報告を行うなど、来場された方に継続した被災地支援の大切さを訴える内容としていきたいと考えております。また、自衛隊、警察、消防の協力のもと、区民の防災意識向上のための展示、体験コーナーの設置も行う予定であります。

 東北復興大祭典なかのは、会を重ねるごとに来場者数もふえ、多くの区民が楽しみにしていただいているところです。実行委員会と区が十分協力することで盛大に実施されるようしっかりと進めてまいります。

 東北絆まつり関係自治体との連携について。東北復興大祭典なかのの開催に当たり、東北絆まつりの関係自治体に参加・協力を求めたところ、東北絆まつりや各自治体の観光文化のPR、物産ブースへの出展のほか、宮城県仙台市のすずめ踊りや岩手県盛岡市のさんさ踊りなどの郷土芸能をステージイベントで披露してもらえるよう協力を得ることができました。これを契機として、今後とも各自治体との連携、協力関係を深めていけるよう、積極的に働きかけてまいります。

 ねぶた運行パレードの内容であります。ことしのねぶた運行パレードでは、浦島太郎などをモチーフにした小型ねぶた3基と独眼竜伊達政宗の中型ねぶたの合計4基が運行する予定であります。小型ねぶたと中型ねぶたに囲まれて、その間ではおはやしや太鼓台車、跳人がパレードに参加する隊列となっております。また、ねぶた運行とあわせて、四季の森公園北側道路で日本三大流し踊りの一つとして有名な青森県黒石市の黒石よされも披露される予定となっており、多くの方に伝統的な東北の文化芸能に触れていただく貴重な機会になるものと期待をしております。

 パレードが盛大に実施され、来場された方お一人おひとりにとってすばらしい思い出となること、これを期待しているところです。

 東北復興大祭典なかのと棟方志功サミットIN中野との連携について、今年度は東北復興大祭典なかのと棟方志功サミットIN中野が同時期に開催されることから、例年以上に幅広い方々に関心を持っていただける事業となるものと考えております。

 両事業の実施に当たって、チラシを一体的に作成したほか、今後、ポスターやパンフレット、ホームページといったさまざまな広報媒体においても、相互にPRを行うなど、両事業を効果的、相乗的に周知する広報活動を展開していきたいと考えております。

 東北復興大祭典なかののメインステージで棟方志功サミット等のPRを行いますほか、来場者が両事業ともに余すところなく参加していただけるようプログラム構成を工夫してまいります。同時開催の相乗効果により、両事業の集客性を高め、例年以上に区民の皆様に楽しんでいただける事業としての実施を行うよう努めてまいります。

 東北復興大祭典へのふるさと納税の活用、これについての御質問であります。区では、昨年度より区の魅力発信、地域の産業振興、地方連携の推進等を目的に、ふるさと納税事業を推進してまいりました。東北復興大祭典は、地方と中野のきずなや連携を深め、地域の活性化にも寄与するイベントであり、ふるさと納税事業の趣旨や目的に合致するものだと考えております。そのため、今後、東北復興大祭典へのふるさと納税制度の活用について、具体的な課題や方法の研究、検討を進めていきたいと考えております。

 次に、補助227号線、今後の整備の進め方についてであります。まず、説明会での主な質問事項と回答についてであります。説明会におきましては、まず、補助227号線の位置付けについての御質問があり、平成28年3月発表の「東京における都市計画道路の整備方針(第4次事業化計画)」、これの中で、今後10年間で優先的に整備すべき路線として位置付けられていること、また、区の南北道路ネットワークの構築に欠かせない路線であること、また、防災まちづくりにおきましても、延焼遮断帯等の形成に寄与するといったことについて、お答えをしてきたところです。

 また、新青梅街道沿いの地区等、一部現道がない箇所についても整備予定としており、このため、今後の整備スケジュールについての御質問が多く出されたところです。これにつきましては、既に東京都が事業を着手している早稲田通りから妙正寺川までの南側区間と切れ目なく事業化することを目標に、平成32年度を目途に事業認可を目指している旨、回答してきたところです。

 また、道路整備に伴う補助227号線沿道のまちづくりに関する質問もあり、延焼遮断効果を高めるための延焼遮断帯を形成するべく、道路境界線からおおむね30メートル程度の範囲で倒れにくく、燃えにくい建物に変えていく等のまちづくりを検討していく、このことを御回答したところであります。

 事業の完成目標時期と認可後の手順についてであります。整備着手については、新しい中野をつくる10か年計画において、ステップ3としているところでありまして、平成32年度を目指しているところです。

 現在、東京都が事業を進めている早稲田通りから妙正寺川区間の事業認可期間は、平成25年から平成31年までの7年間となっておりますが、妙正寺川北側区間につきましては、現在、道路のない区間も存在するなど、整備区間の設定や事業推進の手順など、検討課題が多く、現段階におきましては、完成時期を想定するといったようなことは困難であること、このことについて、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

 事業の計画段階では、沿道のまちづくりについて、ビジョンを確立することが大事だと思っております。事業認可後につきましては、地権者の生活再建に支障が生じないよう、できるだけ速やかに事業を進めたいと考えております。

 私からは、以上です。

教育長田辺裕子

壇〕

○教育長(田辺裕子) 小学生対象の海での体験事業についての御質問です。初めに、今年度の参加児童数について、今年度は区立小学校23校から208名の児童が参加いたしました。

 続いて、学校単位での実施による事業への効果についての御質問です。予備の参加希望調査を経て、学校ごとの実施日を決めたことで、担任からの声かけがしやすくなり、子ども同士が誘い合っての参加がふえたと認識しています。同じ学校の子ども同士が学校とは違う一面を発見できる機会となり、子どもたち同士の関係が深められました。また、学校では体験しにくいさまざまなプログラムを子どもたちが経験できたこと、学校とは違う子どもたちの姿を目の当たりにすることで、昨年度事業視察を行った校長をはじめとする教職員などがこの事業の意義を実感し、今年度事業のPRに役立てられたと認識しています。

 来年度の実施場所です。来年度の実施場所につきましては、移動距離やアクセスのしやすさ、海岸や宿舎の規模の大きさなどを考慮して検討してまいりました。過去に臨海学園での実績もある岩井海岸を有力な候補地として考えてございます。

 それから、学校教育と事業との関連についての御質問でした。学校における人間関係や子ども一人ひとりの状況などについて、学校と密に連絡をとりながら、円滑な事業運営ができるよう、引き続き検討してまいります。

 最後に、参加しやすい環境づくりについてです。事業内容の周知に努めるとともに、多くの児童が参加できるよう、事業の実施方法について、さらに検討してまいりたいと考えてございます。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 地域防災住民組織の御質問にお答えいたします。

 まず、防災会の活動及び課題についてでございます。防災会が自助、共助、公助の精神による日ごろの活動、訓練によって、災害発生時には避難所の運営や減災活動の中心となられることを大変重要なことであると認識しております。

 また、北原小学校と緑野小学校を避難所として指定されている防災会との状況は、従前より認識をしてございます。しかしながら、環状7号線を境として避難所を分けて指定している理由といたしましては、東京で震度6以上の地震が発生した場合、環状7号線の内側は一般車両の進入が禁止となり、環状7号線を迂回路として相当な渋滞の発生が予測され、その横断は非常に危険であり、困難になるからでございます。

 区としても、こういった状況につきましては、今後とも避難所運営会議の場におきまして、十分な説明に努めるとともに、御理解と御協力をお願い申し上げたいと考えております。

 それから、防災資機材のわかりやすさについてでございます。防災資機材の点検を各防災会に依頼している趣旨といたしましては、資機材の点検に合わせまして、災害時に使用できるよう取り扱い訓練等を行っていただくためでございます。今後、資機材の写真や活用方法などの開設を各防災資材倉庫に配備する予定でございます。

 それから、防災資機材の点検時期についてでございます。点検依頼期間は、皆様の体調管理を考慮いたしまして、暑さ、寒さが厳しい時期を避け、気温の安定した時期へ変更することを検討いたします。

 それから、防災会に交付している旗の変更についてでございます。他の防災会の御意見も聞いた上で、プラカードなど旗にかわる軽量で機能性があるものの配備を検討してまいります。

 それから、防災資機材の点検後についてでございますが、資機材を点検した点検リストを確認いたしまして、補充・修理等が必要な場合には、優先順位をつけて対応いたします。ただし、在庫がなく、新たに購入しなければならない場合には、次年度予算での対応となるものもございます。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 再質問させていただきます。幾つかあるんですけど、絞って。

 海での体験事業のところでお答えが、この事業を拡大するためにも、何らかの児童に対してあるいはその家庭に対して補助といいますか、援助といいますか、さまざまな方法があると思うんですけども、そういったことを何かしら考えていかなければ、ことし300人目標でしたけども、200人しか来ない。また、来年、何人を目標にするかわかりませんけども、ふえていかないのではないのかなと。やはり一度やめた事業を元に戻すということは、それほど大変なんですよということも教育委員会はよくわかっていただきたいと思います。その責任をとる意味でも、一度やめた事業を元に戻すという責任をしっかりとってもらうために、みずからが何かしらそういったことを考えないと、元には戻らないんじゃないのかなと思います。もう一度、そこの答弁を、説明していくのか何なのか、よくわからない、あっさりしたものですから、もう一度しっかりお答えをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

教育長田辺裕子

壇〕

○教育長(田辺裕子) 再質問にお答えいたします。

 海での体験事業の有効性といいますか、子どもたちに対する成果、効果というものについては、るる御説明をしていると十分認識をしています。その上で、多くの子どもたちに私どもも多く参加していただきたいと思っています。ただ、子どもたち対象の体験事業がある中で、総合的に考えながら、御提案の趣旨も含めて検討してまいりたいというふうに考えています。

○議長(いでい良輔) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後3時12分休憩

 

午後3時30分開議

○議長(いでい良輔) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 加 藤 たくま

 1 待機児童解消に向けた緊急対策について

 2 民泊の推進と生活環境保全の両立について

 3 世界最先端の洪水予測システムの運用について

 4 区内事業者育成のための工事発注のあり方について

 5 その他

 

○議長(いでい良輔) 加藤たくま議員。

〔加藤たくま議員登壇〕

○1番(加藤たくま) 平成29年第3回定例会に際しまして、自由民主党の立場から質問させていただきます。

 質問項目に変更はございません。その他はありません。

 それでは、1、待機児童解消に向けた緊急対策について、日本全国共通喫緊の課題である待機児童問題に対して、中野区も平成29年8月1日から10月31日まで、待機児童解消緊急対策本部を設置し、全庁挙げて解決に向けて取り組まれていると伺っております。待機児童を解消する方法は二つ、保育所への入園以外の育児方法を提示・提供すること、もしくは保育所の入園者数の枠をふやすことであります。

 前者に関しましては、今定例会、篠議員の質問にもありましたが、江戸川区において、乳幼児のいる家庭においては、乳児養育手当、保育ママといった政策もあるように、2歳児くらいまでは親と子どもとできるだけ一緒にいる環境が望ましいという考えもあります。

 しかし、現実的には、決して安くはない地価の中野に住み続けるのに、共稼ぎでなければ難しい家庭もあれば、ビジネスキャリアを向上させたい家庭もあります。本当は育休で1歳になるまで家庭で育てたいが、そのタイミングからだと子どもを預けることが困難であるなど、家庭によってさまざまなニーズがあります。保育所をふやさざるを得ない現状は他区と一緒で、中野区においても、ほかの自治体と変わりはありません。

 今回の待機児童緊急対策を進めるに当たっては、大きく分けて三つ、一つ目が場所の確保、二つ目に保育士の確保、三つ目が近隣住民の理解と協力を得ること、この三つが不可欠であり、どれが欠けても成り立たないと考えます。緊急対策に係る保育所整備には、保育事業者の力をかりることは不可欠でありますが、この都心部に保育所の整備ラッシュの中で、保育需要のピークが何年後なのか見定められない現状、保育士確保の困難さ、整備費用の高騰などを受け、保育事業者も自治体からの要請に手を挙げづらい状況であります。

 先ほど一つ目に挙げた場所の確保というのは、保育所の運営を行う保育事業者の確保ということとイコールになります。何年先に保育需要が落ちつき、保育施設をほかの用途に転用せざるを得ない場合などもあり得ると思います。ビル内の保育所であれば、保育施設後の利用に関しても想定した上でなければ、ビルオーナー等は再開発で保育所を入れづらいのではないでしょうか。

 昨年、同僚議員からスケルトン・インフィル方式による施設整備について質問があったように、改修が容易に行える施設整備を事業者も考えているようですが、例えば保育施設の後に福祉施設にすることなどを担保するなど、将来的に想定される施設改修に区が子ども教育、健康福祉等が分野横断する体制を構築した中で、何らかの助成ができるようにインセンティブを働かせることにより、事業者も将来負担へ軽減が図れることになるのではないでしょうか。現在の保育所整備がそれによって進むものではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 二つ目に挙げました保育士の確保に向けては、育児などで一定期間職場を離れた有資格者の採用も重要と考えられ、各議員から質問があったように、保育士の子どもの優先入所を図ることは、ぜひとも確実に来年の4月から効果が上がるように実施していただくことを強く要望するところです。

 このほか、保育士の保育人材の確保に向けては、宿舎借り上げの補助として事業者への支援があり、今年度からの新しい取り組みとして、区内の保育所に就職する保育士への奨励金の制度などがあります。このような制度も事業者にとっては有効であると考えますが、やはり保育士がその職につきたいと思えるような賃金にしていくことが一番の近道ではないかと考えます。

 そこで、キャリアアップ補助の増額も行われているところですが、直接、保育士の給与にはね返る支援を区として検討し、区内保育所の保育士の確保につなげていくのはいかがでしょうか。また、今回の緊急対策の実施に当たっては、さらにどのような支援を考えているのか、あわせて区の考えをお伺いいたします。

 三つ目に挙げました近隣住民の理解と協力を得る必要があるということですが、昨今、保育施設が迷惑施設だという声もあり、整備を断念する事例などがほかの自治体で散見されます。2014年12月に東京都の環境確保条例における子どもの声に関する規制について見直しが図られ、近隣住民の方々に理解を求めていくものであります。

 また、保育施設を静かにしてもらうという考え方もあろうかと思います。埼玉県松伏町、こどものもり認定こども園は、ゼロ歳から5歳の園児160人がいる大きな施設でありますが、静か過ぎる保育園として一時期マスコミで大変話題になっていました。開設以来、騒音に対する苦情が一切なく、海外からも視察が来るほどです。その秘訣は、多くの遊び道具をそろえた中で、どの遊びをするのか、ランチタイムはビュッフェ方式で何をどれぐらい食べるかなどを全て自分で選べるということにしているそうです。その安心感があれば、変に騒いだりすることはないということです。主体性を持った教育は、卒園後に大きな人格形成の基礎となっていくということです。

 また、もともと子ども施設だった小・中学校跡地の利用は、そういった騒音に対する理解が得られやすいのではないかと思います。そこで、この地域住民の理解に関しては、本当に区が力を入れる必要があるということですが、時間がない中で地元住民に理解をしていただくため、区としてどのような工夫をなさるのかお伺いして、この項の質問を終えます。

 二つ目、民泊の推進と生活環境保全の両立についてお伺いします。

 住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が平成29年6月9日、参院本会議で可決し、成立しました。これにより民泊ホストは都道府県に届け出することで、年間180泊を上限として、住宅の空き部屋に旅行者を合法的に宿泊させることが可能となりました。新法は来年、平成30年6月に施行、その準備行為としては、平成30年3月から始まるとされております。新法の施行によりまして、民泊ホスト及び民泊ホストにかわって物件を管理する住宅宿泊管理業者は、国土交通省への登録、エアビーアンドビー、ホームアウェイなどに代表される住宅宿泊仲介業者も官公庁への登録が義務付けられます。

 民泊施設はホテルのように看板がないために、基本的にはこういった民泊仲介サイトにおける掲載がなければ運営が成り立ちませんが、SNSを使った業者、また、仲介サイトを利用しなくても大量の顧客管理ができている業者においては、違法民泊を続けていく可能性があります。

 国がこの民泊新法について、まだ詳細を示していないため、区としては具体的に対応ができない時期ではありますが、各自治体が条例により宿泊日数、区域の制限をかけることが可能であるとの方向性は示されているようですが、それらを受けて、現段階において、区はどのような対応をする方針であるかをお伺いいたします

 平成28年の予算特別委員会総括質疑において、私は中野駅北口かいわいの民泊施設に宿泊し、身をもって民泊のメリットとデメリットについて調査し、説明させていただきました。サイトで民泊施設を予約すると、当該物件の住所と関係者しか知り得ないオートロックのパスワードを教えてもらい、建物に入れました。その物件の鍵が郵便ポストに入っているわけですが、誤って当該民泊施設以外のポストをあけて、そこに鍵が入ってしまって、本当は泊まるべきはずじゃない物件に私が入りそうになったというエピソードです。騒音、ごみの処分などの苦情が区に挙げられているところでありますが、それ以上のリスクが民泊に関しては内在しているということを強く感じたところであります。

 中野区民の生活環境を悪化させてまで民泊を導入する必要は全くありません。現段階において、住宅宿泊事業法は、名前のとおり住居を宿泊できるようにする法律であり、これは住宅専用地域においても同様です。むしろオフィスビルなど住居でないところは、旅館業法にのっとり運営すべきという内容です。そして、基本的に周辺住民に民泊として運用することを知らせる必要もないということを伺っております。

 住環境を保全するという観点で、ほかのさまざまある情報を総合してみますと、ポイントは三つになろうかと思います。一つ目が来年、平成30年6月以降は民泊の届出をしなければ罰せられる。二つ目、届出制度ができても、違法民泊物件がなくならない可能性がある。三つ目として、住宅専用地域を含めたどの物件が民泊施設になるかわからないということです。

 一つ目に言いました届出がされることで、違法民泊を罰することができるというのは、住環境の悪化を防ぐ一助となっていくでしょう。二つ目の違法民泊物件がなくならない点においては、区は全ての物件の監視が不可能であるということをある程度割り切りまして、トラブルが発生したときに無届け物件に対して迅速に対応できる体制を敷ければいいと思っております。道交法でシートベルトをつけていない人を全員検挙することができないのと同じだと考えます。

 問題は三つ目で、どの住居が民泊になるかわからない中で、区の条例などがなければ、戸建ては間違いなく許可をせざるを得ません。しかし、マンションなどの集合住宅は、民泊新法ができるまでにマンション管理規約に民泊禁止の文言を入れなければ、トラブルのもとになることが想定されます。もし新法の施行もしくはその準備行為期間、つまり来年の3月以降にマンション内の民泊実績があり、届出も出してしまえば、どんな手だてを使おうと、後からその民泊ホストを追い出すことは困難となっていくでしょう。

 区は、今からでも集合住宅に管理規約の改定の検討を促すことも必要かと思いますが、そのような住宅リストがないというふうにも伺っております。

 そこで、区条例などで定めるところの届出の要件として、マンション管理規約に民泊としての利用が認められている条項が含まれている、もしくは理事会で民泊利用の承認の資料などが提出、そういったものが義務付けられるものがあれば、マンションの管理規約の改定が民泊新法ができるまで間に合わなくても水際対策として、悪質な民泊がふえるのを抑制できるものと考えます。

 区としては、違法民泊が届出を出さないように何か規定を定めるべきと考えますが、区の方針はどのようなものか、お尋ねいたします。

 民泊による住環境の悪化は到底許せませんが、制度を利活用して、わくわくするまち中野にしていきたいということは一つ考えていきたいところです。

 日本のそういった住環境のルールを理解されていない外国人による問題がクローズアップされておりますが、民泊は日本人も使えるものであります。何人か中野の民泊施設の利用者と接触することができましたが、大抵は日本人学生の長期休暇中の利用が多かったです。そして、いわゆる居住者滞在型と言われるオーナーもしくは管理人がいることによって、周辺にクレームが出にくい民泊施設の利用者でありました。また、そういった施設は、オーナーの努力によりまして、モノ消費、あと、最近言われています体験型のコト消費につながる可能性もあります。中野の地域性、ホテルが密集している新宿などに隣接している地理条件、民泊利用者の所得、世代などを考えますと、中野の民泊利用者は若者が多いと考えられます。居住者滞在型はクレームが少ないと考えられ、どの地区においても推進してもいいものかと考えております。

 中野における民泊に対するニーズ分析をしっかり行って、環境施策に反映していただきたいと考えますが、区は観光施策において民泊事業をどのような位置付けにすべきとお考えなのか、お伺いいたします。

 今後は、180泊ルールなどを勘案して、マンスリーマンション、そして民泊、そういった組み合わせの新しいスキームが既に登場しているなど、民間業者はさまざまなアイデアを持っています。区は生活環境を悪化させないことを念頭にして、臨機応変の対応をお願いして、この項の質問を終わります。

 三つ目、世界最先端の洪水予測システムの運用について、中野区議会におきまして、再三取り上げさせていただいておりますが、国土交通省がゲリラ豪雨に伴う洪水・内水氾濫の予測・警報システムを完成させまして、一部の区民、区内施設にその情報を配信し始めたということで質問させていただきます。

 このシステムの現在に至るまでのプロセスといたしましては、アベノミクス3本目の矢の成長戦略に向けて、省庁、分野の枠を超えた研究開発のために、内閣府が戦略的イノベーション創造プログラムというプロジェクトを立ち上げまして、そこに予算がついたところから始まっております。

 その中で、防災技術の向上、その育った技術を海外へ輸出することを視野に入れまして、水災害に対する観測・分析・予測技術の開発及び導入を進め、国土交通省国土技術政策総合研究所、通称国総研は、プロジェクトの果実として、神田川、善福寺川、妙正寺川流域を対象とした洪水予測システムを昨年度末に完成させました。

 しかし、このシステムは、河川周辺の関係者に活用してもらわなければ、何の意味もありません。そこで、今、プロジェクトはそのシステムを地元の方々に使ってもらうという実証実験が始まりました。国総研は中野区の防災担当、神田川流域の地域防災会会長と防災会のメンバー数名、障害者施設と老人ホームの管理責任者にこのシステムの使い方を説明し、利用してもらっているということです。また、現在、学校、消防団に交渉していると聞いております。

 そこで、伺いますが、国総研と中野区、また、三つの流域の関係者がタイアップしながら実証実験を進めているということでありますが、中野区としては、この実証実験において、どのようなかかわりを持っていくのか、お伺いいたします。

ここで、実証実験のメンバーが限定的であるのは気象業務法で、気象、また、雨などの水の現象である水象などの予測をできるのは、気象庁長官もしくは気象予報士のみとあり、それがボトルネックになっているということであります。

 気象庁が発信する1時間後の雨量予測情報をもとに、国土交通省が1時間後の洪水予測をしているため、気象業務法の範疇を超え、区民全員が使える予測情報ではありません。今は不特定多数ではなく、特定少数と人数を絞ってやっておりますが、今後、国土交通省は、免責事項を設けるなどして利用者をふやして、システムの改良に向けて実証実験規模を拡大する意向だということです。

 今後は、気象業務法の緩和を念頭に、国家戦略特区に申請するという手もあろうかと思いますし、区長には、必要があれば、その辺は善処していただけるとの回答をいただいております。

 それにしても、1時間後に洪水が来るという情報がわかったとしても、どのような行動を起こせばいいのかというのは、あまりにも最先端で誰もやったことがないので、誰にもわからないということです。そのため、最悪のパターンの豪雨が中野区に降ったときの洪水シミュレーション結果を用いて社会実験をするなどして、地域防災会、各施設、消防団、ボランティアなどが有事の際にどのような行動をすべきか理解するための避難訓練をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、その成果を中野区地域防災計画などに反映して、豪雨対策タイムラインなどの策定を進めていただきたいと思いますが、区としてはどのようにお考えか、お伺いします。

 洪水シミュレーションは、都市水害の権威であります早稲田大学の関根教授から御提供していただけると伺っております。国土交通省としても、中野区が社会実験に積極的に参加していただければ、今後、防災システムのさらなるバージョンアップをさせるモチベーションが上がり、中野区に対し研究投資するインセンティブが働く可能性があるということです。区民への防災意識の向上を図ることで、またシステムをバージョンアップしてもらえるという可能性があるということで、よいこと尽くしとなります。

 区には、水害対策のさらなる推進をしていただき、防災力の強化に努めていただきたいとお願いして、この項目の質問を終わらせていただきます。

 四つ目、区内事業者育成のための工事発注のあり方について。第2回定例会の一般質問でも取り上げさせていただきましたが、今年度からの取り組みとして、工事請負契約における最低制限価格等の上限額引き上げ、業務委託契約における総合評価方式の導入、区内事業者優先枠の拡大などがありました。発注は安さと質、双方を兼ね備えないといけませんが、一朝有事の際に区内事業者がいなければ迅速な復旧ができないということで災害協定を結んでおり、中野区のことを熟知し、電話一本で対応できる区内事業者の優位性が保たれております。

 しかし、区内事業者であるから、高くて粗悪な工事になっていいというわけではありません。中野区としては、公共調達の品質向上に向けた区内事業者の技術力を高める仕組み、発注者と受注者双方がスパイラルアップしながら、持続的に成長する仕組みをつくり、区外でも十分闘える力を培っていただきたいと思っております。そういった観点で、区内事業者が成長でき、品質が担保される工事発注のあり方を考えていく必要があります。

 例えば、区内事業者育成、災害協定などを勘案しまして、区内事業者には有事の際に避難場所等、及び、またそこへアクセスする道路の復旧などをお願いするわけでありますが、どの施設、どの道路の復旧優先順位が高いのか、決まっていないのが現状であります。スパイラルアップしていくための区の今後の防災計画をしっかりと考え、そのストーリーをもって区内事業者を育成することを考えながらやっていくべきだと考えます。

 また、具体的なところでいいますと、区の工事請負契約における入札参加要件として、類似工事案件における受注実績を有していることが求められております。しかし、この要件は、元請として受注した実績だけに限られており、下請の実績は認められておりません。下請事業を地道に積み重ねた技術力ある区内事業者の入札参入機会を拡大するため、下請としても、その実績を一定程度考慮すべきと考えますが、区の考えはいかがでしょうか。

 また、区の工事請負契約において、近年、さまざまな内容の工事を包含して一つの契約として発注している案件が多く見受けられます。納期短縮、コスト縮減を目的としてのことと考えられますが、区内中小事業者の受注機会を減少させるのではないかと危惧されております。

 官公需法においても、中小事業者の受注機会の増大を図る目的で、経済合理性を担保した上で、分離分割発注の推進を促している中、区発注の工事請負契約においても、区内事業者の受注機会拡大の観点から、分離分割発注の検討をすべきと考えますが、区の見解を伺います。

 これにて、以上で全ての質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 加藤議員の御質問にお答えいたします。

 待機児童解消に向けた緊急対策について、保育所から他の用途に転換する際の区の支援についてであります。民設民営の認可保育所につきましては、新規開設時において、最低10年以上運営を続けることが認可の条件とされており、やむを得ず閉園しようとするときには、1年以上の期間をもって区長及び都知事に協議することとされているところであります。こうして運営されている保育園が条件を満たして閉園等の相談があった場合などにつきましては、区としても御相談に応じるなど、可能な範囲でさまざまな対応を考えていきたいと考えております。

 保育士の給与に寄与する支援の検討について、民間保育所の人件費を含めた運営費の補助に当たっては、国の定める公定価格とともに、区独自の加算措置を行っているところであり、宿舎借り上げに対する補助も、保育士に対する経済的な支援の効果があると考えております。

 今後、区内への新規の民間保育所の整備を促進するとともに、既設保育所における保育士の定着促進を図るため、私立保育所等と話し合いを行いながら、保育士の確保や定着支援が図られるよう、さらに検討を行ってまいりたいと考えております。

 緊急対策に係る認可外の区立保育所の運営に関しては、保育士確保のための開設前準備経費の支援とともに、運営に当たっては、現行の私立保育所と同等の運営費を委託料として支出するほか、私立保育園に適用している宿舎借り上げ補助を行っていく考えであります。

 緊急対策における地域住民の理解と協力について。緊急対策における保育施設の整備に当たっては、近隣住民を含む地域住民の理解と協力が不可欠であります。理解と協力を得るために決定的な近道はない、こう考えておりますが、町会組織整備予定の用地を利用している個人や団体をはじめ、近隣住民の皆様に丁寧に説明を行い、理解と協力を得ていきたいと考えております。

 民泊の推進と生活環境の保全の両立についての質問がありました。条例への対応方針について、住宅宿泊事業法18条に基づく区域及び期間の制限のほか、住環境の安全・安心を確保するために必要な区独自の制限を盛り込むことを検討しているところであります。具体的な制限の内容につきましては、今後、公布される政省令を踏まえて検討し、区議会における議論や区民参加の手続を経た上で、できるだけ早期に条例の制定ができるよう取り組んでいきたいと考えております。

 違法民泊の届出防止策についてであります。区としては、違法民泊によるトラブルを未然に防止するための規定を区の条例等で定めることを検討しております。住宅宿泊事業を禁止するためのマンション管理規約の改正の問題についても、管理組合が適切に対応できるような対策を検討していきたいと考えております。

 観光施策における民泊の位置付けについて。2020年のオリンピック・パラリンピック開催で東京都を訪れる外国人旅行客は2,500万人を超えると見込まれ、中野区においても、集客施設を含む中野駅周辺まちづくりが完了するころには、現時点よりも来街者数の大幅な増加を見込んでいるところです。一方、Nakano Free Wi-Fiによる利用者の動向データでは、現在、区内を訪れる人のほとんどが短時間の滞在となっており、今後、区内での滞在時間を延ばし、消費による経済効果を高め、地域の活性化につなげていくことが必要であります。

 新たな宿泊サービスである住宅宿泊事業を効果的に活用し、今後増加する宿泊事業に的確に対応するとともに、近隣地域や観光コンテンツと優良な民泊が連携することで、地域の活性化につなげていけるような取り組みを進めていきたいと考えているところです。

 私からは、以上です。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 洪水予測システムについてお答えいたします。

 この実証実験における中野区の立場についてでございます。中野区では、平成26年度より国土交通省国土技術政策総合研究所のゲリラ豪雨に伴う洪水・内水氾濫の予測・警報システムの開発プロジェクトに協力してまいりました。引き続きこのシステムを活用した洪水予測情報の配信実験が進められることから、区は河川周辺の防災会や施設関係者等と国土技術政策総合研究所との仲立ちを行うなど、協力・支援を行っていくものでございます。

 それから、洪水シミュレーションを活用した避難訓練についてでございます。洪水予測システムによりまして、1時間後の河川の氾濫が予測可能となるため、どのように周辺住民へ避難情報を伝達し、避難行動を促すかは、区としても大きな課題であると認識をしております。また、洪水シミュレーション結果に基づいた避難訓練が必要となることから、避難訓練方法について検討するなど、効果的な水害対策を推進してまいります。

〔経営室長篠原文彦登壇〕

○経営室長(篠原文彦) 区内事業者育成のための工事発注のあり方についての御質問にお答えいたします。

 初めに、入札参加資格におけます下請受注実績の考慮についてでございます。入札参加要件に受注実績を課す目的につきましては、事業者が一定水準の工事履行能力や技術力を有しているか否かを確認をするためでありまして、工事全体の工程管理や品質管理、近隣・関係機関調整等のマネジメントを含んだ技術力を求める観点から、元請事業としての実績に限定をしているところでございます。下請事業としての受注実績では、総合的な施工能力の確認をする上で十分ではないというふうに考えているところでございます。

 次に、中小事業者の受注機会拡大のための分離分割発注についてでございます。発注につきましては、基本的に工種を細分化をせず、全体を包含した工事とすることを原則としているところでございます。しかしながら、工事内容、工期、現場の状況や経済合理性など、そういったことを総合的に勘案しまして、中小事業者の育成に資するものと判断される案件につきましては、分離分割発注を行っておりまして、今後も同様に行っていきたいというふうに考えてございます。

○議長(いでい良輔) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 後発・ジェネリック医薬品について

 2 清掃工場の安全操業について

 3 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○40番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑をいたします。

 後発・ジェネリック医薬品についてお尋ねいたします。

 中野区では、増大する医療費の削減を目指し、保険医療分野や生活援護分野、生活環境分野などでチラシやパンフレットにより、積極的にジェネリック医薬品の利用を区民に促しています。さらに、先発医薬品からジェネリック医薬品に切りかえると、薬代が幾ら軽減できるかを試算した差額通知も区民に送付しています。

 御存じのように、ジェネリック医薬品とは、これまで使われてきた先発医薬品の特許期間が切れた後に先発医薬品と同等の品質で製造販売される低価格の後発医薬品です。どのパンフレットにも薬の価格が3割から5割以上安くなり、効き目も安全性も同等なので、安心して使うことができるなどと記載されています。

 近年、テレビコマーシャルの効果もあり、一般的にもジェネリック医薬品は「安い上に効き目も先発品と同じ」と認識されている方が多くいらっしゃるかと思います。

 しかし、注意しなければいけないのは、同等とは、同じ程度という意味で、完全に同じではないということです。詳しく書かれているパンフレットには、「有効成分は新薬と同じだが、薬は有効成分以外に保存料や着色料などの添加剤が含まれており、この添加剤や形状は各メーカーで異なり、効き始めにかかる時間や持続時間も違い、かゆみや発疹などあらわれることもある」との記載があります。しかし、中野区が発行している「医療費についてのお知らせ」「なかの国保だより」「みんなの国保ガイド」「生活保護のしおり」には、そのような説明はなく、安価で医療費が削減されることばかりが強調されています。特に「生活保護のしおり」においては、同等とはせず、同じ効き目と断言しているのは問題であると指摘しておきます。

 ちなみに、アメリカなどでは、ジェネリック医薬品はもはや全く別の薬との認識が一般的だそうです。

 先日、区内の市民団体が帝京平成大学薬学部の先生をお呼びし、ジェネリック医薬品についての学習会をしました。そこで学んだことは、1、後発品は莫大な開発費用がかからないので、薬価を低く抑えられているが、調剤薬局での負担金は薬剤料プラス調剤技術料プラス薬学管理料の合計点数で決まるので、後発品の薬価が先発品の半分だからといって、窓口負担金が半分になるわけではない。2、ジェネリック医薬品は先発品と同一主成分を有しているものの、添加物や製造工程が同一とは限らないので、ジェネリック医薬品に変えることによって思わぬ副作用やアレルギーが発症する可能性を否定できない。3、後発品は大きく分けて主成分のみが同一であるジェネリック医薬品と先発メーカーから承認を得て製造した原薬と添加物及び製造工程が先発品と全て同一であるオーソライズド・ジェネリック医薬品の2種類がある。4、オーソライズド・ジェネリック医薬品の信頼性は高いとのことでした。

 大学では、さまざまな先発品とジェネリック医薬品の成分や効き方の違いについて研究が進められているそうです。私は、学習会で学んだことにより、ジェネリック医薬品は安い上に先発品と効き目も同じとの認識を改め、先発品と同一ではないので、ジェネリック医薬品に変えることによって、思わぬ副作用が発症する可能性があるということをしっかり認識し、切りかえは医師と十分に相談し、慎重にするべきとの認識に至りました。

 そこで、お尋ねいたします。ジェネリック医薬品の効き目や効き方の違いや副作用について、区はどのような認識をお持ちなのか、お答えください。

 また、区の発行物において、後発品にはジェネリック医薬品とオーソライズド・ジェネリック医薬品の2種類があることや、先発品とジェネリック医薬品は同一ではないこと、効き方の違いや副作用の可能性があることなど丁寧な説明の記載を求めるとともに、「生活保護のしおり」に記載の「同じ効き目」との文言の訂正を求めます。区の見解をお答えください。

 安いことは消費者も望むところですが、先発品から後発品への切りかえは、安さばかりを強調せず、医師と十分に相談し、慎重にするべきであることを区民に周知することを求め、次の質問に移ります。

 次に、清掃工場の安全操業についてお尋ねいたします。

 8月27日、新江東清掃工場において、ごみクレーン上にてワイヤー張りかえの準備中に工事を請け負っている株式会社タクマの下請会社、香川県にある北畑開発研究所の従業員1名が約8メートル下のコンクリートの床に転落し、死亡するという痛ましい事故が発生しました。どうやら安全ベルトをつけていなかったようです。

 現在、労働基準監督署が調査中とのことで、事故の詳細は不明です。このたびの補修工事は、契約金額1,090万8,000円で、タクマとの特命随意契約でした。タクマと特命契約した理由として、工事に伴うクレーンの停止期間の最小が挙げられており、工場の稼働効率を優先する東京23区清掃一部事務組合の姿勢をかいま見ることができます。そのためでしょうか。死亡事故は日曜日に発生しました。

 新江東清掃工場においては、2002年に定期補修工事中に燃焼ガスの温度を下げる減温塔で清掃用の足場の設置中に転落死亡事故、2013年、ボイラーに付着した灰の除去作業中に転落死亡事故があり、今回で3度目の転落死亡事故でした。いずれも工事を請け負っているタクマの下請会社の作業員です。死亡した3人の作業員は安全ベルトを装着しておらず、2013年の死亡事故は、元請のタクマが策定した作業手順に不備があったとのことでした。

 新江東清掃工場はタクマの製品であり、他のプラントメーカーへの変更は難しいからこそ、事故のたびに原因究明をし、安全作業の確保と徹底した再発防止対策を清掃一組がタクマに求めてきたはずです。しかし、その教訓が生かされず、同じ工場で同じ請負会社タクマの転落死亡事故が3回も発生したことは異常事態であり、タクマの責任は重大です。

 今年度既に新江東清掃工場におけるタクマとの随意契約金額は9億7,000万円を超えています。下請け労働者の安全管理責任は、元請の業者であるタクマにあることは言うまでもありませんが、請負業務にかかわる職安法、人材派遣法、労働安全衛生法などの法令遵守をさせる責務や安全配慮義務は、発注者である清掃一組にもあり、清掃一組の構成員である中野区にも責任の一端があることを自覚するべきです。

 2013年の死亡事故の際に区の見解をお尋ねし、「安全管理をより一層徹底し、事故の再発防止に努めるよう清掃一組に求める」との答弁でした。求め方が足りなかったんでしょうか。

 私は、さらに、みたび死亡事故を発生させないよう、安全管理体制の確立に向け、区長は評議会で発言していただきたいとも求めました。しかし、みたび死亡事故が発生してしまいました。補修工事の際に、日勤の清掃一組職員を監督員として配置する清掃工場もあるようですが、工場ごとに違いがあり、いまだに監督員の配置が徹底されていません。

 2013年の死亡事故以降の清掃一組の安全管理体制の取り組みについて、及びこのたびの3人目の死亡事故について、清掃一組の構成員である中野区の見解をお答えください。

 清掃一組は、これまで委託会社が起こした事故に関しては一切関係ないという態度で公表していませんでした。その姿勢について、多方面から抗議を受け、今回、翌日に公表したことは評価します。清掃一組に分担金を払っているので、あとはお任せではなく、さらに区の責任において、死亡事故の原因究明とその公表、再発防止対策の確立とその公表を清掃一組に求めるよう求めます。お答えください。

 どこの誰が清掃事業の区移管を進めたのかを忘れてはなりません。清掃事業が23区に移管されて以降、清掃工場の業務委託が拡大の一途をたどり、工場の安全管理体制が極めて危うい状態になっていることを清掃一組の構成員である中野区長がしっかり認識され、よたび死亡事故が起こらぬよう願い、質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) むとう議員の御質問にお答えいたします。

 後発医薬品についての御質問です。ジェネリック医薬品の効果について。ジェネリック医薬品には、先発医薬品と同一の有効成分が同一量含まれており、先発医薬品と同等の効き目があると認識しております。先発医薬品と異なる添加剤が使用されることもありますが、有効性や安全性、品質については国が厳格な審査をしているところです。体質によっては、添加剤が原因でアレルギーなどの副作用を引き起こす可能性もあることから、ジェネリック医薬品の使用に当たっては、かかりつけ医や薬剤師に相談するよう案内をしているところです。

 ジェネリック医薬品の区民への説明について。区はジェネリック医薬品の使用促進を目的に、区のホームページやパンフレット等でジェネリック医薬品を紹介するとともに、その有効性や安全性については、区のホームページから国や都のホームページにリンクを張り、情報提供に努めているところであります。

 また、国民健康保険加入者のうち、ジェネリック医薬品に切りかえることにより、自己負担額が安くなる方にはジェネリック医薬品差額通知を送付していますが、効能や効果、副作用については、かかりつけ医または薬剤師に問い合わせるよう説明しているところであり、今後とも丁寧な説明に努めてまいります。

 私からは、以上です。

健康福祉部長小田史子

壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 私からは、後発・ジェネリック医薬品についての御質問のうち、「生活保護のしおり」における記載につきましてお答えいたします。

 現在の「生活保護のしおり」におけるジェネリック医薬品に関する記載につきましては、平成25年に厚生労働省から発行されましたジェネリック医薬品に関するパンフレットに基づき作成したものでございます。厚生労働省が平成27年2月に発行した「ジェネリック医薬品Q&A」によりますと、ジェネリック医薬品は先発医薬品と同一の有効成分を同一量含有しており、効能、効果や用法、用量も基本的には変わらないとされております。ジェネリック医薬品は、先発医薬品とも治療学的に同等であるとされておりますが、添加剤まで含む全くの同一製品ではないことについて、今後、誤解のないよう、より適切な表現に改めることといたします。

環境部長白土純

壇〕

○環境部長(白土純) 清掃工場の安全操業についての御質問にお答えいたします。

 2013年の新江東清掃工場での二度目の死亡事故を受け、清掃一部事務組合は補修工事等の受注事業者との契約において、安全管理の対策を具体的に盛り込んだ仕様書を作成し、事故の再発防止に取り組んでまいりました。しかし、今回同じ工場で死亡事故が発生したことは、区としては大変ゆゆしき事態と考えており、安全管理をより一層徹底し、事故の再発防止に努めるよう、清掃一部事務組合に求めていきたいと考えております。

 なお、清掃一部事務組合からは、事故の原因や再発防止策についても公表する方向であると聞いております。

○議長(いでい良輔) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 アウトリーチチームの役割について

 2 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、近藤さえ子議員。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○39番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。

 アウトリーチチームの役割について質問いたします。

 区民が住みなれた地域で安心して暮らし続けるための仕組みとして、ことし3月、区は「中野区地域包括ケアシステム推進プラン」を作成しました。平成28年度から10年間の計画の地域包括ケアシステム推進プランのステップ1では、平成28年から30年度に喫緊の課題である高齢者の地域包括ケアシステムの構築を主として、ステップ2では、平成31年度からその対策を子育て世帯、障害者などを含む全世帯、全区民へ拡大していくとしています。このプランに即して、今年度から支援が必要な人を早期に発見し、適切な支援につなげるコーディネーターとして、区の職員、事務職2名、医療、福祉の専門家2名で構成されるアウトリーチチームがつくられ、活動が始まりました。このアウトリーチチームについてお尋ねします。

 区は、アウトリーチチームの主な活動を、支援が必要な人を見つけ出して、地域包括支援センターや支援団体につなげていくこと、地域で支援活動をしている団体を探すこと等を挙げ、アウトリーチチームの存在を区民にPRし、町会や他の団体などに顔を出す、地域の行事に参加する等で地域の団体との関係性を築こうとしています。

 しかし、これまでも支援が必要な高齢者については、町会、民生・児童委員や他の地域の方々も地域包括支援センターに情報を寄せてきました。今回、その情報をまずアウトリーチチームに知らせ、そこから地域包括支援センターにつなげる必要性はどこにあるのでしょうか。アウトリーチチームが地域から得た情報を地域包括支援センターにつなげる役割にどのような意味があるのでしょうか。何が変わったのでしょうか。

 アウトリーチチームが地域の団体のイベントに参加し、地域との関係性を築くということですが、この必要性が見出せません。そもそも6年前、地域センターが区民活動センターに移行した時点で、区民活動センターに残った区の職員は、地域住民とのパイプ役を任されました。区民活動センターの職員は、地域の団体との関係性は既に築いているはずであり、区民を支えるいかなる団体が地域にあるか等、区民活動センターの中で把握できているはずだったのではないでしょうか。

 今回新しくアウトリーチチームが地域団体のイベントやお祭りに出て情報収集や関係性を築かなければならないとすれば、今まで顔の見える関係性を築いてこられなかったということで、今さらイベントに出て関係性を築いているのはおかしいのではないでしょうか。地域センターから区民活動センターへ変換した目的が果たされていなかったのではないかと考えられますが、どのようにお考えでしょうか。

 8年後には、65歳以上の5人に1人、新オレンジプランでは4人に1人が認知症になると推定される中、私は喫緊の課題である認知症対策について、中野区は他区と比較して認知症支援コーディネーターや認知症地域支援推進員等が少な過ぎること、早期発見、早期治療の必要性などを申し上げ、保健師や福祉職などの専門職の増員を求めてきました。

 アウトリーチチームは、その専門性を高めるため、専任の保健師、社会福祉士を配置し、さらに社会福祉士の育成、15の地区での情報交換、研修体制を整え、職員のスキルアップを図る取り組みが必要と思われますが、いかがでしょうか。

 中野区で唯一の地域連携型認知症疾患医療センターは、中野区に新たにアウトリーチチームができたことで、自身で地域包括支援センターに連絡できない、家庭に閉じこもりがちで外に出られない区民に対して、専門性の高い医療職や福祉職の目で早期発見、相談、支援に結びつけるというきめ細やかな対応が始まると期待していました。しかし、中野区のアウトリーチチームは、地域のイベントに参加することで交流を図り、情報を得る段階どまりで、これまでと何も変わっていないと危惧しています。

 そもそもアウトリーチ活動は、「手を差し伸べる」という意味で、精神疾患、鬱、引きこもり等、表にあらわれない支援を必要とする人々を精神科や子ども医療に結びつける役割を持ってスタートしたもので、素早い対応を求められる施策です。それゆえ、医療関係者も、今回の区のアウトリーチチームの活動の遅々として進まぬ展開に疑問を抱いています。

 地域連携型認知症疾患医療センターでは、他区の医療疾患センターとの会議が定期的に開かれ、情報を共有し、支援が必要な高齢者の問題を検討しています。中野区も15カ所のアウトリーチチームが全体で検討を行い、課題を共有し、専門性を高めていただきたいと思います。

 また、今回の中野区地域包括ケアシステム推進プラン、ステップ1(平成28年~30年度)は主に高齢者の支援体制の構築を目指していますが、15カ所の区民活動センターに配置された4人のアウトリーチチームの1人は児童館の館長ですが、児童館長がアウトリーチチームのメンバーとなった理由をお聞かせください。

 児童館は、乳幼児からお年寄りまで、地域のさまざまな人々が集まる場所ですので、地域の情報が多く集まります。区民活動センターではできなかった区民の情報を把握できる場所として児童館は最適な場所です。地域包括ケアシステム推進プランのステップ2、ステップ3、ステップ4と本格的に子どもたちを対象としていく今後は、これまでの児童館の通常機能である支援が必要な子どもたちを見出し、適切な機関につないでいく役割がさらに必要になっていきます。

 しかし、区は、全児童館を廃止する方針であり、地域から児童館長がいなくなり、これまで児童館が担ってきた子どもたちをめぐる地域とのコーディネーター機能は消えてしまいます。アウトリーチチームの情報収集ではカバーすることができないのではないかと危惧されます。今後、全児童館が廃止されてしまえば、中野区のどこにも区の職員が見守る子どもたちの施設はなくなってしまうことになりますが、情報収集や地域との連携は現在より低下してしまうのではありませんか。どのようにお考えでしょうか。

 少数精鋭の2,000人体制のもと、認知症対策の医療職の人材が他区と比べても少ない中野区で、地区担当のアウトリーチチームは大変重要な役割を担っていくことになります。迫り来る超高齢化社会に向けて、最大限有効的なアウトリーチチームの整備をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 この夏、私の父は、区外の有料老人ホームのショートステイを利用しました。また、私は毎週病院の通院につき添いました。多い週は週3回病院に行きました。その場所、場所で70代、80代、90代の御主人を介護する奥様たちから悲鳴のような声をたくさん聞きました。「介護が大変ならショートステイを使ってくださいと簡単におっしゃる方もいらっしゃいますが、たくさんの書類を書いたり、支度をしたり、熱が出れば呼び出され、私のほうが疲れてぐあいが悪くなってしまいました。短期の利用は結局慌ただしいですね」「病院には通っていますが、薬が合わないみたいです。先生には言うのですが、これでいいというので、今さら病院を変えて連れていく元気は私にはありません」「地域の方がいろいろな息抜きの場所にお誘いくださるのですが、主人を家に残してはいけませんし、主人を連れていくのはもっと無理です」、そして、疲れ果てた誰もが共通しておっしゃることは、「もう在宅での介護は無理なのかしら」ということです。たとえ介護保険や医療、地域の方とつながっていても、支援を必要としている方はたくさんいらっしゃいます。こんな疲れ果てた状況でも、医療の知識がある、またはさまざまなケースを理解しているアウトリーチチームの職員が気軽に家庭を訪れ、さまざまな助言をしてくれる体制になっていけば、外出が困難な高齢者にとってはとてもありがたく、もう少し頑張れるかもしれません。今年度から始まったアウトリーチチームの実効性のある高齢者支援に期待して、私の質問は終わります。その他はございません。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 近藤議員の御質問にお答えいたします。

 アウトリーチチームの役割について。今回のアウトリーチチームの配置は、単身高齢者の増加をはじめ、社会の変化による多様化、複合化したニーズへの対応や、従来の申請主義による窓口対応だけでは見落とされがちな人への直接的、積極的な働きかけを可能とするものであります。これまでの町会や民生委員による情報提供とともに、行政情報などを踏まえた多職種による迅速で多面的な対応により、見落とされがちだった要支援者の発見等ができるものと考えております。町会や民生委員の方などが地域包括支援センターにケースをつなげる、こういった活動は、これまでどおりやっていただければ結構だと思っています。

 区民活動センター職員は、これまでも地域のネットワークづくりについて役割を果たしてまいりました。また、地域での実態調査などを踏まえて実情把握に努め、必要な支援を届けるような役割を果たしてまいりました。今回はこうした役割を踏まえ、支援が必要な方の発見など、地域包括ケアを進める新たな観点から役割を再定義したものであります。これまで以上に密接な関係、連携が必要であるため、地域のイベント等には積極的に参加することなども行ってまいります。

 アウトリーチチームの研修体制について。保健師や社会福祉士等の専門職については、それぞれの専門領域に関する研修への積極的受講を推奨しているほか、国や都の生活支援コーディネーター研修についても受講させているところです。また、区民活動センター単位やすこやか福祉センター単位でのチーム員会議、全担当職員を対象とした研修会等により、情報の共有とスキルアップを図る体制としているところです。

 アウトリーチチームに児童館長が入っていることについて。中野区の地域包括ケアシステムは、高齢者、子育て世帯、障害者など、地域の全ての人を対象としていますが、ステップ1においては、主に高齢者を対象とし、段階的に取り組むこととしております。その中で、アウトリーチチームの活動については、地域の高齢者だけでなく、全ての人を対象に要支援者の発見などを行うものであります。児童館長は、地域の子育て世帯の現状をよく把握しており、今後の地域包括ケアシステムの取り組みを広げていく上でも重要な役割があるものと考えております。

 子ども情報の収集についてであります。これまではキッズ・プラザへの移行後も、引き続き区の職員がキッズ・プラザと区立学童クラブの所長としての職務を担っており、子どもの状況や地域の子育て支援環境等について、実情を把握してきているところであります。

 今後は、アウトリーチチームとして配置している地区担当職員、福祉職を含んでおりますが、これが地域の子どもと子育て世帯の状況を的確に把握し、必要となる支援やサービスの利用につなげるとともに、民生・児童委員や次世代育成委員、育成活動団体等と協力し、地域課題の発見と解決に当たっていく考えであります。

 最大限有効なアウトリーチチームの整備をということであります。アウトリーチチームについては、多職種の専門的知識を生かしたチーム編成により、地域包括ケアシステムの実現に向けて、より効果的な取り組みとなるよう、強化、改善を重ねていきたいと考えております。

○議長(いでい良輔) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 区営住宅について

 2 ペットについて

  (1)犬について

  (2)猫について

  (3)その他

 3 障がいを持つ人の居場所と支援について

 4 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○29番(石坂わたる) 質問いたします。

 1、区営住宅について伺います。

 現在、住宅に関し、住みかえ支援事業が事実婚状態の同性カップルも制度の利用ができる仕組みである一方、区営住宅はいまだに異性間カップル、同性間カップルの間に格差が残っています。

 公営住宅法の第1条では、国及び地方公共団体が協力し住宅を整備し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的と定め、同3条では、区域内の住宅事情に留意し、必要に応じて公営住宅の供給を行う義務を地方公共団体に課しています。

 また、当初はファミリー向け住宅とされていた公営住宅は1980年の改正で高齢者、身体障害者、生活保護の被受給者の単身入居が可能となるなど、入居可能な対象は法改正のたびに広げられてきました。2011年の改正からは、入居要件は自治体ごとに定めることになり、公営住宅法からは同居親族要件が削除されました。

 2014年の国連人権委員会の総括所見は、LGBTへの差別的規定である自治体レベルの公営住宅事業に関して、同性カップルに適用される入居要件に残されている制限も取り除くべきであると述べています。

 そして、中野区営住宅条例では、第6条1項で申込資格を、第1号で「現に同居し又は同居しようとする親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他婚姻の予約者を含む。)があること」とし、第2号で所得制限を設け、第3号で現に住宅に困窮していることが明らかな者であること、第4号で、契約者や同居者が暴力団員でないことを定めています。条例上は必ずしも同性カップルを排除しないものとなっていますが、実際の募集要項では、世帯用は現に同居している、または同居しようとしている親族がいること。内縁関係の場合、住民票の続き柄の記載が「未届けの夫(または妻)」となっており、戸籍上の配偶者がいないことという規定になっています。将来にわたって婚姻をする予定のない事実婚の男女のカップルでも区営住宅に入居できる反面、婚姻することができない事実婚の同性カップルの入居のみが暴力団と同様に入居ができない扱いとなっていることは問題であり、運用の変更または条例の改正が必要だと思われますが、いかがお考えでしょうか。

 2、ペットについて伺います。

 ペットも家族だという意識の広がりとともに、ペットの数は増加をしています。動物の愛護及び管理に関する法律は、第1条で動物の虐待、遺棄の防止、生活環境の保全上の支障などの防止、人と動物の共生する社会の実現を目的としてうたっています。その上で、第2条で動物への虐待の禁止や習性を考慮した適切な取り扱いについて、飼い主を含む国民の役割を定め、第3条で国及び地方公共団体に普及啓発を図る努力義務を課しています。

 しかし、密集した都会では、ペットをめぐる近隣問題が顕著となり、鳴き声、悪臭、不衛生がペットの三大トラブルと言われます。しかし、トラブルの多くは、適切な手入れやしつけをめぐり、ペットが当然享受できるべき機会を享受できておらず、飼い主が責務を果たしていないこと、地方公共団体が努力義務を十分に果たしていないことが起因しています。

 そこで、(1)として、犬について伺います。

 現在、平和の森公園では、仮設のドッグランがあり、本格的なドッグランの整備が求められます。また、大規模公園では、園路を犬を連れて散歩ができる場所をふやしていくべきです。まずハード面の整備に関していかがお考えでしょうか。

 また、公園などを使って、直営か、民間の力を使ってかは問わず、ペットのしつけやマナーや飼い方について学ぶことができる機会を提供し、区民の満足度を高めることが必要ではないでしょうか。特に公園の運営を民間に委ねる際には、募集要項等にそうした機会の提供に関する提案を求めることなども必要ではないでしょうか。

 (2)として、猫について伺います。

 区では、現在、飼い主のいない猫対策事業、いわゆる地域猫の取り組みを進めており、捨て猫、野良猫の不妊・去勢手術を行うことで、野良猫を1世代にとどめ、野良猫が最終的にいない地域をつくることが本来の目的です。

 この事業を進めるに当たり、新たな地域猫として不妊・去勢手術が行われる件数の推移などをきちんと把握しながら、地域猫の事業の成果を評価し続けることが必要ではないでしょうか。そして、地域猫だけではなく、猫を飼うための心がけや遺棄の防止、次々と子どもを産んで飼い主の手に負えない状況を避ける必要などについて普及啓発し、しっかりと飼い主に徹底する機会の提供を行政の責務として果たすことが必要ではないでしょうか。特に猫を捨ててしまっても、地域猫になるから大丈夫、あるいはみんなで飼えば大丈夫という意識にならないように進めていただきたいと思うところです。

 3として、障害を持つ人の居場所と支援について伺います。

 まず、居場所について伺います。

 学齢期の障害児については、例えば、タンポポやみずいろでは、18時までの放課後デイのサービスを受けることができます。また、成人の精神障害者の場合はせせらぎを平日は19時半あるいは金曜日は20時半まで、土日も17時まで利用できます。しかし、知的・身体障害者などにはこうした場がありません。障害児が学齢期を過ぎた途端に就労の場から15時台に帰ってきてしまうようになり、親がフルタイムの仕事を続けられなくなったなどの声も耳にします。

 また、さきに挙げた放課後デイやせせらぎの場合にも、あいていない曜日や複合施設の関係で年末年始の休業期間があります。

 区は、障害のある成人の子どもを含む子を持つ親が子どもの障害の有無や障害種あるいは年齢に関係なく共働きができる権利保障をどのように考えていますでしょうか。

 また、高齢者や児童と比べ、障害者は居場所機能を持つ施設も身近な居場所も少ない状況です。また、社会福祉協議会のまちなかサロンも高齢者向け、乳幼児親子、いわゆる子連れ向け、どなたでもという形態に限られていて、障害者向けのものがありません。あと、どなたでもという場合でも、障害者の利用があまり想定されていないケースも見受けられます。

 地域で暮らす障害者の身近な居場所の拡充、この必要性をどうお考えでしょうか。また、民間事業者や団体が場所を確保し、年末年始の居場所事業を実施しようとする場合、区が支援を行うことはできないでしょうか。

 次に、支援について伺います。

 障害児を含む特別な支援や配慮が必要な児童・生徒やその家庭について、学校には特別支援教育コーディネーターの教員、介助員、学校支援員、心の教室相談員などさまざまな専門性を持つ職員がおり、また、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、特別支援教育巡回指導員あるいは教育センターやすこやか福祉センターの学校と連携して、子どもや家庭の支援をしています。また、生活援護担当が行う生活困窮者向けの学習支援事業につながっている児童もいます。

 こうしたさまざまな専門性を持つ職員等について、障害の特性や支援の仕方、中野区における子どもや家庭に対するさまざまな専門職の役割や事業メニュー、あるいは他職種連携についての共通の研修や事例検討会などの機会を設けることが必要ではないでしょうか。

 また、小学校では、全校に介助員が置かれていますが、中学校の通常学級では、介助員の配置は原則的に肢体不自由児に限定されています。2007年度には通常学級在籍の自閉症のある知的障害児に介助員がついたケースもあり、知的・発達障害を持つ中学生の場合にも介助員をつけられるようにする必要があると考えます。いかがお考えでしょうか。

 そして、成人の障害者の支援についてです。

 現在、すこやか福祉センター内の四つの相談支援事業所では、区内外でさまざまな障害者の支援実績のある事業者が受託をして担っています。知的障害、身体障害、精神障害に関する強みは、事業所ごとにさまざまです。それぞれの強みのある4事業者が強みを生かして、対応が難しいケースやもっと良い支援の可能性があったケースについて、事例検討や合同の研修をし合い、スキルアップをし、居住地域やすこやか福祉センターの圏域に左右されないサービス提供ができるようにすべきです。現状ではどのように事例の共有をしていますでしょうか。

 また、今後は四つの相談支援事業所の職員について、どのようなスキルアップを行っていくのか、教えてください。

 私からの質問は以上です。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えいたします。

 私のほうからは、障害を持つ人の居場所と支援について。障害者の身近な居場所の拡充についてであります。中野区社会福祉協議会が行っているまちなかサロンは、区内に37カ所あり、地域の皆さんが集える憩いの場所となっております。高齢者や乳幼児親子などを参加対象としているものもありますが、どなたでもと呼びかけているサロンも多くあり、障害のある方も参加することができると考えております。障害のある方につきましても、ぜひどなたでもというサロンにおいでいただければと考えております。

 障害児、障害者の年末年始の居場所についてであります。年末年始の居場所といった問題について、区としてはそのニーズを現在のところ十分には把握できていないという認識であります。その必要性について、今後研究してまいりたいと考えております。

 他機関連携のための情報共有や研修について。障害のある子どもの支援には、さまざまな関係機関がかかわっており、そうした関係機関が連携し、一貫した適切な支援を行う体制の強化が必要であると考えております。そうした体制を確保するため、保育園、幼稚園、学校、医療、福祉、地域等の関係機関連携が継続して有効に行われる常設の連携会議や関係機関を調整する中核機関の設置等について検討しているところであります。

 一番最初の質問を飛ばしてしまいました。失礼しました。

 障害のある子を持つ親の共働きをする権利保障についてであります。共働きに限らず、家庭の多様な価値観やライフスタイルに応じたさまざまなニーズに対応できるよう、これまでも放課後デイサービスをはじめとした各種サービス等を行っているところであります。今後もこのような観点から、個々の状況に応じた必要な施策のあり方について検討していくべきものと考えております。

 4カ所の障害者相談支援事業所のスキルアップについて。相談業務に必要となる国や都からの通知情報、研修情報等については、事業所との連絡会の場で周知、共有化を図っております。また、処遇上の困難を抱える事例や地域包括支援センター等の他機関との連携を必要とする事例については、すこやか福祉センター保健師、障害福祉分野のケースワーカーが参加し、事例検討を行うこととしているところであります。

 今後は、さらに事例発表会等の機会を設けて、それぞれの事業所の経験交流を図るなど、スキルアップの取り組みを強化していきたいと考えております。

 私からは、以上です。

教育長田辺裕子

壇〕

○教育長(田辺裕子) 障害を持つ人の居場所と支援についての質問のうち、中学校への介助員の配置についてお答えいたします。

 現在は、通常の学級において支援を要する児童の生活の介助や安全の確保のため、全小学校に介助員を1名ずつ配置しているところでございます。今後、中学校で特別支援教室巡回指導を導入することにしておりますが、その中で小学校での実績や中学校での実情を踏まえ、介助のあり方について検討してまいりたいと考えております。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 区営住宅についてお答えいたします。

 区営住宅への同性同居人の入居についてでございます。区営住宅への同性同居人の入居に関する取り扱いにつきましては、都営住宅及び他区の状況等を踏まえながら、適切な運用のあり方を検討してまいりたいと考えております。

 続きまして、ペットの犬についての御質問でございました。平和の森公園再整備におけるドッグランの整備内容についてお答えいたしますと、丸太などの障害物を使って犬を遊ばせたり訓練する施設であるアジリティ用具を配置するとともに、飼い主同士のコミュニケーション形成に資するベンチを配置する予定となっております。

 それから、ペットのしつけ等を学ぶ機会の提供についてでございますが、公園の管理運営におきまして、民間活用を検討しているところでありますが、ドッグランを活用したペットのしつけやマナー、飼い方に関する自主事業提案がなされる場合もあると考えてございます。

 それから、民間委託する際の募集要項についてでございますが、ドッグランの活用提案を募集要項に折り込むかなどの具体的な募集方法については、今後、ペットが同行できる公園の民間活用を検討する中で特定していく予定でございます。

環境部長白土純

壇〕

○環境部長(白土純) 私からは、ペットについての御質問のうち、猫に関する質問についてお答えいたします。

 まず、飼い主のいない猫対策事業の成果の評価についてでございます。飼い主のいない猫対策事業は、平成26年度の開始以来、手術件数及び助成団体数はおおむね横ばいでございますが、飼い主のいない猫は着実に減少していると地域で活動している人から聞いてございます。

 今後も飼い主のいない猫の実態の把握に努め、事業の成果を検証しながら、事業を推進してまいりたいと考えております。

 次に、猫の飼い主への普及啓発についてでございます。区は、動物愛護及び管理に関する法律の趣旨に基づき、動物愛護の精神の普及啓発を行うことは必要だと考えております。猫の飼い主に対する普及啓発としては、飼養ルール、マナーの啓発を目的に2年に一度、愛猫手帳を作成し、配布しているほか、正しい猫の飼い方と習性を学ぶ猫の飼い方教室を年2回開催し、獣医師会と連携したペット相談会も年一回実施しているところでございます。

 また、ペットの適正飼養に関するポスターを町会・自治会の掲示板、区のお知らせ板、動物病院などに掲示してございます。

 今後もさまざまな機会を捉えて、動物愛護の精神の普及に努めてまいります。

○議長(いでい良輔) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 区有施設の設備について

 2 鍋横区民活動センター移転について

 3 紙地図作成について

 4 子育てひろばの今後の展開について

 5 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

○18番(小宮山たかし) 小宮山たかしの一般質問を行います。

 今から4年前の第4回定例会一般質問におきまして、私は区有施設のトイレをできるだけ温水洗浄便座、いわゆるウォッシュレットやシャワートイレに変更するように。とりわけ当時、南中野に新設を予定されていた南部すこやか福祉センターや、南中野区民活動センターなど、新設区有施設のトイレには、清潔で快適な温水洗浄便座を採用するようにと質問させていただきました。

 しかし、実際は、25億円かけて新設された南部すこやか福祉センターにも、11億円かけて新設された南中野区民活動センターにも、温水洗浄便座は一つもついておりません。

 その一方で、この区役所本庁舎は建てかえ間近だというのに、温水洗浄便座が新たに設置され、また、4年前にリフォームされた野方図書館やことし9月にリフォームされた弥生区民活動センターなど、区内の一部施設においては、少しずつ温水洗浄便座の採用がされております。

 既存施設はさておき、新設や改修をされたばかりの区有施設の中に温水洗浄便座を採用しているところと採用していないところがあるのは一体どういうことなのでしょうか。今後、新区役所をはじめ、小中学校や体育館、区民活動センターなど、各種の区有施設の新設が予定されております。そうした区有施設においては、温水洗浄便座の家庭普及率が81%を超えているという現実も踏まえて、清潔で快適な温水洗浄便座を積極的に採用していくべきではないでしょうか。

 次に、10か年計画の中から、鍋横区民活動センターの移転新設について伺います。

 現在の鍋横区民活動センターが老朽化しており、鍋横商店街にある旧消防署敷地に移転新設されることは、地元住民の一人として喜ばしいことであると考えております。その予定地には、現在、鍋横自転車駐輪場があるのですが、区民活動センターと駐輪場を併設していくのか、またはどこか別の場所に駐輪場を移転新設させるのか、また、建てかえ期間中はどうするのか、鍋横エリアは住宅密集地で土地の余裕があまりありませんから、非常に悩ましい問題であります。

 この鍋横駐輪場から徒歩5分程度、新中野の杉山公園には、現在、電動の地下駐輪場があります。この駐輪場の現在の利用率はたったの18%。区内には、利用率100%を超す駐輪場が6カ所もある中で、18%というのは寂しい数字であります。

 電動エレベーターで出し入れするため、利用に当たっての敷居が高いことや、近年、自転車のサイズが大型化し、子ども乗せ自転車など収容できないサイズの自転車も少なからずあることがその原因ではないかとのことです。利用率たった18%の杉山地下駐輪場に係員を配置して、人件費や機械式の装置の維持管理コストを払い続けたほうがいいのかどうか、駐輪場開設から10年近くたつ今、改めて見直す時期に来ていると思います。

 鍋横区民活動センターの移転、現在の鍋横駐輪場の在り方、そして、利用率18%の杉山公園地下駐輪場の存続、これらについては、新たな土地の取得と駐輪場の設置も含め、全てワンセットにして考えていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 また、鍋横区民活動センターの移転、新設について、今後どのようになっていくのか、温水洗浄便座がつくのかどうかも気になるところではありますけれども、今後どのようなスケジュールで移転新設が行われていくのか、明らかにしていただけますでしょうか。

 次に、区は、ウォーキングマップの作成を先般発表したそうなんですけれども、ウォーキング用の地図がどれだけの区民に必要とされているのかなと私は疑問に思います。ウォーキングの起点は、普通は自宅です。自宅の周辺を歩くのに、地図って必要ですか。一体どんな対象に向けて、このウォーキングマップをつくるのか。これは10分の10の補助金事業であるそうですが、幾ら補助金とはいえ、税金ですから、費用対効果をきちんと考えてつくっていただきたいなと私は考えております。

 そんなことよりですね、中野区には2012年まで、中野区生活マップという地図がありました。中野区全域を模造紙1枚弱程度のマップにおさめてあり、大変に利便性の高いマップでありました。

 この議場にいる皆さんの中にも、選挙などの際にあのマップを活用して、区内のあちこちを走り回ったという方ももしかしたらいらっしゃるのではないでしょうか。中野区の道は本当に複雑で、細くて入り組んでいて、行きどまりも多くて、一方通行も多い。城山ふれあいの家とか中部すこやか福祉センターとか、U18プラザ上高田とか、住宅街の真ん中の何も目印のない細い道沿いに重要な区有施設があったりしまして、道に迷ったという話も時々聞いたことがあります。

 インターネットによる地図の閲覧が容易になったことが、生活マップ廃止の大きな理由の一つでしたが、例えば防災関係のワークショップとか、子育てマップづくりとか、地図を囲んで複数人で話し合う会議には、紙の大判マップは欠かせません。

 ウエブ上を見ますと、「なかの便利地図」という公式地図が確かにあるんですが、こちらはスマホ対応していないものですから、拡大、縮小、移動などの操作が非常にしにくく、今どきのウエブマップには当たり前についているナビ機能もありません。スマホサイズのこんな小さい地図というのは、本当に使いづらい。あまりに使いづらいので、私はわざわざ印刷して使っていました。私でも使いづらいんですから、高齢者にはなかなか使いこなせないはずです。便利と言いながら、非常に不便なマップですから、こんなものに維持管理コストをかけるぐらいなら、いっそのこと、グーグルマップとかにデータを落としてしまったほうが、ナビ機能もついていますし、よっぽど使いやすくて低コストなんじゃないのかなと、私は考えております。

 さて、あの便利な、今となっては懐かしい、紙の、中野区生活マップが廃止されてから約5年がたちました。ごく一部の人が使うウォーキングマップは必要だけれど、32万全ての中野区民が対象となる生活マップは必要ではないという、その区の判断が、私にはどうも理解ができません。大は小を兼ねますから、生活マップが一つあれば、それを見てウォーキングすればいいじゃないですか。

 毎年発行しろとは言いませんし、広告の分量をもっとふやしても構いませんし、有償販売しても構いませんし、民間事業者に委託しても構いませんし、やり方次第では、「おひるね」のように、ほぼ無料でコストをかけずに発行することもできるんじゃないのかなとも思います。

ですから、せめて5年に一度ぐらいは、中野区全域を一目で見ることができる紙の大判の公式の地図を発行してもいいのではないでしょうか。

 次の質問です。

 中野区は児童館を全廃して、今後、24カ所の子育てひろばを整備していく予定であるそうです。既存の子育てひろばを幾つか見学したことはありますが、これまで地域において児童館が果たしてきた機能・役割をそのままカバーして引き継ぐようなものではありません。とりわけ南部すこやか福祉センターなどは、児童館と比べてあまりにも狭過ぎる。今後の子育てひろば整備に当たっては、十分なスペースを確保することを要望いたします。

 また、児童館事業の一部を引き継ぐ形で展開されるはずのキッズ・プラザの乳幼児親子事業も、それが小学校内にあるということから、利用者にとっては敷居が高く、あまり利用者が多くないと聞いております。さらに、これまで児童館が担ってきた地域連携のハブとしての役割や場の提供、それらは一体どうなってしまうのか。区内にたった4カ所しかないすこやか福祉センターで、地域連携機能や場の提供を、本当に果たしていけるのか、大きな不安がぬぐい切れません。

 当初、この子育てひろばは、商店街等の身近な場所に整備されていくと発表されていました。これまで4カ所の子育てひろばが先行開設され、そして、今後、幾つかの子育てひろばの展開スケジュールが公表されていますが、今のところ、その中に商店街は一つもありません。商店街等に整備していくと言っていた子育てひろばは、一体どこの商店街にどれだけ整備されていくのか、子育てひろば事業の今後の展開について、どのような形でこれまでの児童館機能を引き継ぎ、そして、今までの児童館以上に魅力的な施設をつくっていくというのか。そろそろもう少し具体的で明確な事業計画を区は出すべきではないでしょうか。

 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小宮山議員の御質問にお答えいたします。

 区有施設の設備について、温水洗浄便座の導入についてであります。今後も区有施設の新築や改修に当たりましては、施設の利用状況なども勘案しながら、温水洗浄便座を設置していきたいと考えております。

 鍋横自転車駐車場及び杉山公園地下自転車駐車場についてであります。鍋横自転車駐車場については、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の施設整備の方向性の中で、鍋横区民活動センターについては、本町四の44の用地及び鍋横区民活動センター分室の用地に高齢者会館機能を持つ施設として、鍋横自転車駐車場を併設して移転整備することとしており、現在、その方向性で検討を行っているところであります。

 杉山公園地下駐車場につきましては、限られた土地を有効に活用するため、公園の地下部分に機械式の自転車駐車場を整備したものであります。現在、利用率が20%前後と少ない状況にありますが、引き続き周辺の放置自転車に対する指導などに必要な自転車駐車場でありますので、今後とも維持をしていく必要があると、こう考えております。

 新中野駅周辺につきましては、この自転車駐車場が整備されたことによって、放置規制区域にできて、放置自転車が非常に少なくなり、結果として駐輪場の利用需要も減っている面もあるかと、こんなふうにも思っております。

 鍋横区民活動センターの今後のスケジュールについてです。10か年計画では、第4ステップというふうに位置付けられているところであります。なるべく早い時期に鍋横区民活動センターと高齢者会館機能に関する整備の基本方針の案を地域の皆様にお示ししていきたいと考えております。

 私からは、以上です。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、生活マップの発行についてお答えいたします。

 平成24年度までに転入者を中心に配付していました区の「生活マップ」でございますが、主に区有施設等を掲載していたものでございます。現在は、スマートフォン等もさらに普及しまして、民間サービスにおける地図情報も数多く提供されているような状況でございます。

 地域情報につきましては、全戸に配付しています「私の便利帳」にエリア別の地図を掲載しているところでございます。また、施設のほか、バリアフリーや防災の情報も含み、ホームページで公開してございます。

 「なかの便利地図」についてございますが、現在、スマートフォン対応の作業を進めており、電子、紙媒体とも目的別に見やすく整理し、利便性の向上を図っているところでございます。そのため、区全域を一目で見られる大判の地図については、再発行することは考えてございません。

〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) 子育てひろば事業の計画、商店街への設置に関する御質問でございました。今後の子育てひろば事業の展開は、国が示す地域子育て支援拠点事業の基準に基づき、週5日、1日5時間以上の開設を条件として、地域の団体や民間事業者へ委託運営を考えてございます。事業目的は、地域の乳幼児親子の交流と仲間づくりや子育て相談の場として、家庭で子育てに当たる保護者の孤立や不安感の解消を図るものでございます。現在、すこやか福祉センターやキッズ・プラザ、保育所、その他の公共施設等を活用し、区民の身近な場所に24カ所程度設置していく予定でございます。改定準備中の中野区子ども・子育て支援事業計画にこのことについて盛り込む予定でございます。

 また、商店街への設置も選択肢の一つと考えてございます。今後のまちづくりや再開発の動きの中で設置できれば、地域の賑わいに資する取り組みにもなるというふうに考えてございます。

○議長(いでい良輔) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 細 野 かよこ

 1 グリーンインフラの推進について

 2 「男女共同参画基本計画」の改定について

 3 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、細野かよこ議員。

〔細野かよこ議員登壇〕

○8番(細野かよこ) 市民自治を広げる中野・生活者ネットワークの一員として質問します。質問は通告どおりで、その他はありません。

 初めに、グリーンインフラの推進について伺います。

 昨年の第3回定例会で私は、雨水の活用と地下浸透の推進について一般質問をしました。都市部では地面のほとんどが舗装されていること、23区の8割は合流式下水道で、雨が降ると下水管に入ることから、豪雨対策は雨水をいかに下水管に入れないようにするか、つまり雨をためて暮らしに生かす、地中にしみ込ませる施策に転換することが必要であるという内容の一般質問をしました。

 7月に九州北部を襲った豪雨災害は記憶に新しいところで、被害に遭われた方たちの一日も早い復興を祈るものです。首都圏でもゲリラ豪雨が珍しい現象ではなくなっています。災害が激甚化する今、雨水をどう処理するかがますます問われています。そこで、今回はグリーンインフラについて質問します。

 2015年度に閣議決定された国土形成計画、第4次社会資本整備重点計画では、国土の適切な管理、安全・安心で持続可能な国土、人口減少、高齢化等に対応した持続可能な地域社会の形成といった課題への対応の一つとして、グリーンインフラの取り組みを推進することが盛り込まれました。

 では、グリーンインフラとは何か、その定義については、さまざまな議論がありますが、国土交通省は次のように整理しています。「社会資本整備や土地利用等のハード・ソフト両面において、自然環境が有する多様な機能(生物の生息、生育の場の提供、良好な景観形成、気温上昇の抑制等)を活用し、持続可能で魅力ある国土づくりや地域づくりを進めるもの」。つまり、自然の力を賢く使った社会資本整備や土地利用の計画ということです。

 グリーンという名前から緑がイメージされがちですが、植物に限定したものではなく、もっと広く、自然の力の利活用を意味するものと理解しています。国土交通省は、グリーンインフラの多様な効果として、防災・減災、地域振興、環境を挙げています。

 そこで、お尋ねします。

 国が取り組みを推進しているグリーンインフラの防災・減災、地域振興、環境、それぞれへの効果について、区はどのように捉えておいででしょうか。ことし4月、日本政策投資銀行などが、自治体が都市の緑地化を進めた場合の経済価値を算出した結果をまとめたとの報道がありました。神田川上流域約23平方キロメートルを対象に、緑地の増減に応じた浸水規模と被害額を試算したところ、緑化を進めた場合、浸水する建物が減少し、100億円超の経済効果が得られたと報告されています。大型の下水設備などの老朽化が進む中、グリーンインフラをうまく活用することで、都市の防災機能を高めたり、インフラ整備の財政負担を抑制できることから、自治体への提言を行っていくということです。

 また、コンクリートに象徴される従来型のグレーインフラが、安全性、利便性を優先してきたのに対し、グリーンインフラは、これらに加え、アメニティを高める効果など、自然の力が持つ多機能性が期待されています。都市部では、緑化、公園・緑地、庭、農地、道路、河川などでのグリーンインフラが考えられます。

 グリーンインフラは、個人の庭から大規模な都市開発まで、その応用範囲は広く、グレーインフラを補完するものとして大いに期待するところです。

 当区では、2009年策定の現都市計画マスタープラン第2章、全体構想の中で、グリーンインフラによる地球環境にやさしい都市づくりとして、主に緑の保全・育成を打ち出しています。

 お尋ねします。当区の都市計画マスタープランに描かれたグリーンインフラと国が推進しているグリーンインフラの違いは何でしょうか。また、国が計画の中にグリーンインフラの推進を位置付けた今、区としてどのように取り組んでいくのか、伺います。

 公園はもとより、道路や住宅地など、まちのわずかなスペースにもレインガーデンや緑地が整備され、雨水の循環と生物多様性が実感できる、すなわちまち全体が環境学習の場となっている、近い将来、中野区がグリーンインフラの先進自治体と呼ばれる、そんな姿を想像しながら、次の質問に移ります。

 次に、男女共同参画基本計画の改定について伺います。

 世界経済フォーラムが毎年発表するジェンダーギャップ指数は、各国の社会進出における男女格差を示す指標です。ことしも来月発表される予定ですが、昨年の指数は144カ国中、前年の101位から下落して111位でした。なかなか日本の指数が上がらない理由の一つに、女性の政治参加が低いことが指摘されています。さきの通常国会で成立するはずだった全党一致の議員立法である政治分野における男女共同参画推進法案が、政局に振り回され、秋の臨時国会に持ち越されています。政策決定の場に女性がふえることで、社会の質的な変化ももたらされると考え、法案の成立を期待するところです。

 さて、当区では現在、第4次男女共同参画基本計画への改定に向けて作業が行われています。当区の男女平等及び男女共同参画社会に向けた歩みが一層推進することを期待するものとして質問します。

 初めに、男女平等に関する基本的な考え方について3点お尋ねします。

 男女共同参画社会の構築のためには、男女平等の意識の醸成を図っていくことが必要だと考えます。区長の男女平等に対する基本的なお考え、それを踏まえて、男女共同参画社会をどのように描いておられるのか、伺います。

 また、男女平等意識の醸成について、当区のこれまでの取り組みについて伺います。

 次に、現在の第3次基本計画の総括について、1点お尋ねします。

 改定に当たっては、現計画の成果と反省点を踏まえて、第4次の計画に生かしていくことが必要と考えます。第3次基本計画をこれまで5年の間取り組んでこられた成果と課題、特徴的なものにどのようなものが挙げられるか、伺います。

 計画の改定に当たって、区は昨年、二十歳以上の区民2,000人、区立中学2年生1,000人、そして1,500の事業所に区民意識調査を実施しています。この意識調査について、2点伺います。

 1点目、子どもへの調査で対象を中学2年生とした理由は何でしょうか。

 2点目、子どもへの調査結果からどのようなことがわかり、計画にどう生かしていくのか、伺います。

 8月22日の総務委員会で、中野区男女共同参画基本計画改定の考え方が報告され、考え方の柱と体系図の案が示されました。将来像の実現に向けた施策に取り組む姿勢を明らかにし、新たに顕在化した課題にも柔軟に対応するために、体系を課題解決型から将来像実現型に変更したとあります。しかし、この体系変更によって、課題が見えにくくなるのではないかと懸念するものです。

 例えば、保育所が足りなくなるほど女性が普通に働く社会になったとはいえ、ひとり親家庭の貧困率は50%を超え、2016年の国民生活基礎調査では、生活が苦しいと感じる母子世帯は82.7%に上っています。輝くどころではない状態に置かれているこうした女性の実態を課題としてまず捉える必要があるのではないでしょうか。

 そこで、2点伺います。

 1点目、基本計画の改定に当たっては、女性が置かれている実態にも焦点を当てて必要な支援に取り組むことが寛容だと考えます。区の見解を伺います。

 最後に、体系図について伺います。

 目指すべき将来像として、自分らしい生き方と働き方、男女がともに参画する地域社会、人権が守られる安全・安心な暮らしの三つが挙げられていますが、男女共同参画の基盤とも言える「人権」が最後に置かれていて、位置付けが低いと感じます。男女平等は民主主義の指標であり、一人ひとりが大事にされることが根底にあっての基本計画であるべきです。

 そこで、2点目として伺います。体系図で「人権」の捉えが後になっている理由は何でしょうか。

 今回の質問は、女性に焦点を当てたものとなりましたが、男女共同参画社会は、性別、性自認に関係なく、全ての人が生きやすい社会だと考えます。今回の改定が多様性を認め合う寛容な社会の実現につながることを期待しまして、私の質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 細野議員の御質問にお答えいたします。

 私のほうからは、男女共同参画基本計画の改定について幾つかお答えをいたします。

 男女平等についての考え方、男女共同参画社会の構想ということです。区は、基本的人権が保障され、性別にとらわれず、一人ひとりがかけがえのない命と人生を持った人間として尊重される社会の実現を願い、平成14年に中野区男女平等基本条例を制定したものであります。本格的な少子高齢化社会を迎え、社会の急速な変化に対応する中で、区が活力あるまちとして発展していくためには、女性も男性も性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮し、ともに社会に参画して、責任を分かち合うことが重要だと認識をしております。

 区民の男女平等意識の醸成に向けた取り組みであります。男女共同参画社会の実現に向けては、固定的な性別役割分担意識や性差に関する偏見の解消など、区民の男女平等意識の醸成を図る必要があると認識をしております。

 区民の男女平等意識の醸成を図るためには、区は男女共同参画の推進に関する基本計画である男女共同参画基本計画を策定し、男女共同参画週間に合わせた講演会やパネル展、ホームページや情報紙「アンサンブル」などによる普及啓発活動、調査研究などの取り組みを行っているところであります。今後もさらに取り組みを進めてまいります。

 計画の成果と課題であります。現在の計画は、固定的な性別役割分担意識の解消、人権尊重意識の向上と暴力被害への支援体制強化、ワーク・ライフ・バランスの推進を課題として、平成24年に改定を行いました。ワーク・ライフ・バランスについては、普及啓発の取り組みにより、認知度向上等の成果が得られたと考えております。一方で、固定的な性別役割分担意識や人権尊重意識については、目標と実績に乖離のある項目が見られたことから、計画の改定に当たっては、目指すべき姿を明確にし、それらに対する効果的な取り組みを示すとともに、PDCAサイクルに基づく評価改善により充実を図ってまいりたいと考えております。

 私からは、以上です。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) グリーンインフラの推進につきましてお答えいたします。

 まず、グリーンインフラの効果でございます。公園などの公共施設、地域の身近な緑の保全や活用、河川の多目的利用など、環境配慮型の社会基盤を整備するグリーンインフラの取り組みによりまして、二酸化炭素吸収量の拡大及びヒートアイランド現象の緩和が図られるほか、地域の魅力向上や活性化、低コストのインフラ維持管理、防災力の向上など、次の世代に向けた都市像の実現にも寄与するものと考えております。

 それから、グリーンインフラ、区と国の取り組みの相違でございます。現行の中野区都市計画マスタープランにおきましては、グリーンインフラとは、公共施設などの緑、身近な緑、地域のゆかりの緑、農地及び水辺と緑の小空間、こういったものを指しておりまして、それらを保全・育成することによりまして、地球環境にやさしい都市づくりを目指すとしております。

 一方、現在、国が推進しているグリーンインフラとは、御質問で御紹介がありましたとおり、持続可能で魅力ある国土づくりや地域づくりを進める取り組みであるとしております。したがいまして、区の都市計画マスタープランにおけるグリーンインフラとは、具体的な緑を指しておりまして、国が推進しているグリーンインフラとは、国全体の土地利用や社会資本整備の質を向上させるための取り組みを指しております。

 それから、今後のグリーンインフラの取り組みについてでございます。中野区都市計画マスタープランにおきましては、都市の骨格として、区民生活に活力と文化を生み出すインフラ、潤いを生み出すグリーンインフラの育成、強化を図るとしております。今後も魅力とにぎわいにあふれ、環境と調和した都市機能の充実を図るため、施策の展開を図っていきたいと考えております。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、男女平等参画基本計画の中で、男女共同参画の意識調査の対象と活用についてお答えいたします。

 男女共同参画の意識調査は、平成28年度に区民、中学生、事業者を対象として実施したものでございます。中学2年生を調査対象としたのは、この時期は第2次成長期であり、精神的な成長を遂げる時期であるため、若年層の意識を把握するとともに、この調査を契機として、男女平等意識の醸成に資することができると考えたためでございます。

 中学生向けの調査により、社会全体の場で男女が平等だと感じている中学生の割合やデートDVの認知度が高くないことなど、現状を把握することができました。この結果を今後の若年層に向けた取り組みに生かしていきたいと考えてございます。

 次に、女性が置かれている視点とはということでございます。現状の女性が置かれている状況でございますが、女性の就労形態が男性と比較して非正規雇用が多いことや、給与所得においても女性のほうが所得が低い傾向にあることなどを認識してございます。そのため、改定する計画においても、女性の経済的自立への生活支援を施策の方向性の一つに位置付けており、この方向性に従って取り組みを進めていくところでございます。

 最後に、人権に関する将来像の位置付けについてでございます。改定する計画において設定した三つの将来像については、1番目に最近の課題としての女性活躍や働き方改革の視点を盛り込み、2番目に全員参加型社会の実現を目指した男女共同参画のあり方を描き、3番目に男女共同参画の根幹となる人権の尊重について述べたものでございます。その記載の順序に優劣の関係はあるものではなく、この三つの将来像の実現に向け、積極的な取り組みを進めていくものでございます。

○議長(いでい良輔) 以上で細野かよこ議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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 第46号議案 平成29年度中野区一般会計補正予算

 第47号議案 平成29年度中野区用地特別会計補正予算

(委員会報告)

 

○議長(いでい良輔) 日程第1、第46号議案及び第47号議案の計2件を一括議題に供します。

 

平成29年(2017年)9月11日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 高橋 かずちか

  (公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

46

平成29年度中野区一般会計補正予算

911

47

平成29年度中野区用地特別会計補正予算

911

 

 

○議長(いでい良輔) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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 認定第1号 平成28年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 認定第2号 平成28年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第3号 平成28年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第4号 平成28年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第5号 平成28年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

 

○議長(いでい良輔) 日程第2、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

〇副区長(川崎亨) ただいま上程されました認定第1号から認定第5号までの5件につきまして一括して説明をいたします。

 初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。

 平成28年度一般会計の歳入総額は1,283億8,899万5,237円、歳出総額は1,248億6,949万9,563円で、前年度と比較しますと、歳入で4.5%の減、歳出で4.9%の減となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支額は35億1,949万5,674円となり、翌年度へ繰り越すべき財源5億7,322万1,000円を差し引いた実質収支額は29億4,627万4,674円となりました。

 それでは、歳入につきまして主な款について説明をいたします。

 第1款特別区税は総額331億5,800万円余で、前年度と比較して8億2,300万円余、2.5%の増となりました。

 第2款特別区交付金は総額369億9,200万円余で、前年度と比較して4億3,200万円余、1.2%の減となりました。

 第7款地方消費税交付金は総額66億1,200万円余で、前年度と比較して6億6,400万円余、9.1%の減となりました。

 第13款国庫支出金は、(仮称)弥生町六丁目公園用地などの公園整備のための補助金の減などにより、前年度と比較して12億3,800万円余、5.3%減の総額220億8,200万円余となりました。

 第17款繰入金は、まちづくり基金繰入金や減債基金繰入金の増などにより、前年度と比較して15億3,000万円余、20.7%増の総額89億1,700万円余となりました。

 第18款繰越金は、総額31億6,700万円余で、前年度と比較して17億8,000万円余、36.0%の減となりました。

 第19款諸収入は、土地開発公社からの用地取得に伴う貸付返還金の減などにより、前年度と比較して8億4,100万円余、28.2%減の総額21億4,700万円余となりました。

 第20款特別区債は総額2億800万円で、前年度と比較して24億4,000万円、92.1%の減となりました。

 これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は96.9%となり、前年度より0.7ポイント下がりました。

 次に、歳出につきまして主な款について説明をいたします。

 第2款経営費は、新区役所用地の取得費の皆減などにより、前年度と比較して28億3,100万円余、29.2%減の総額68億7,900万円余となりました。

 第4款地域支えあい推進費は、南部すこやか福祉センター等建設費の皆減などにより、前年度と比較して10億3,500万円余、16.5%減の総額52億4,400万円余となりました。

 第6款子ども教育費は、保育に係る給付費の増などにより、前年度と比較して17億7,500万円余、6.9%増の総額275億2,200万円余となりました。

 第9款都市基盤費は、(仮称)弥生町六丁目公園用地の取得費の皆減などにより、前年度と比較して36億3,400万円余、33.8%減の総額71億3,400万円余となりました。

 第10款公債費は、満期一括償還の増などにより、前年度と比較して26億3,700万円余、48.5%増の総額80億8,100万円余となりました。

 第11款諸支出金は、まちづくり基金や財政調整基金、社会福祉施設整備基金の積立金などの減により、前年度と比較して35億4,500万円余、20.1%減の総額140億5,100万円余となりました。

 これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は94.3%となり、前年度より1.0ポイント上がりました。

 この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費及び公債費を合わせた義務的経費は648億5,500万円余で、前年度と比較して6.8%の増となりました。また、投資的経費は131億9,900万円余で、前年度と比較して36.9%の減となりました。

 なお、平成28年度決算では実質収支額が29億4,600万円余となり、前年度決算に比べ1億2,700万円余の増となりました。

 また、財政指標から区の財政状況を見ますと、前年度と比較して実質収支比率が0.1ポイント上がり3.8%、経常収支比率が0.4ポイント上がり76.9%、実質公債費比率が2.5ポイント下がり0.4%となっております。

 平成28年度は、中野区基本構想と新しい中野をつくる10か年計画(第3次)のスタートの年であったため、区が直面する課題への対応とともに、2025年の将来像の実現に向けた取り組みとして、「未来への扉をひらく8つの戦略」に基づいた施策を展開しました。

 今後も、少子高齢対策や公共施設の更新等に係る経費などの増加が見込まれている中、新しい中野をつくる10か年計画を着実に進めるために、基金の確実な積み立てと適切な繰り入れなど、財政運営の基本方針に基づき、将来を見据えた財政運営を行っていく必要があると考えています。

 以上が一般会計決算の説明です。

 続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。

 歳入歳出の決算額は同額で17億6,741万9,769円、前年度と比較しますと、歳入歳出ともに63.6%の減となりました。

 歳入の主なものは、第2款特別区債が皆増で16億3,000万円、財産収入が皆減となりました。

 歳出の主なものは、第1款公債費が1億3,700万円余で、前年度と比較して45億3,500万円余、97.1%の減となりました。

 歳入総額が減となった主な要因は、清掃事務所車庫移転用地などの用地売払収入の皆減によるものです。歳出総額が減となった主な要因は、弥生町六丁目用地処分などの公共用地先行取得等事業債元金償還金の減により公債費が減となったことによるものです。

 次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は387億1,088万8,955円、歳出総額は383億8,869万695円で、前年度と比較しますと、歳入で3.1%の減、歳出で3.2%の減となりました。

 歳入の主なものは、第1款国民健康保険料が91億1,700万円余で、前年度より4,100万円余、0.5%の増、第8款繰入金が51億5,400万円余で、前年度より4億3,900万円余、7.9%の減となりました。

 歳出の主なものは、第2款国保給付費が204億1,600万円余で、前年度より9億4,100万円余、4.4%の減、第7款共同事業拠出金が100億5,700万円余で、前年度より1億6,600万円余、1.7%の増となりました。

 次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は66億1,606万3,032円、歳出総額は65億6,533万932円で、前年度と比較しますと、歳入歳出ともに5.2%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が35億9,700万円余で、前年度より1億3200万円余、3.8%の増、第2款繰入金が28億5,400万円余で、前年度より1億7,600万円余、6.6%の増となりました。

 歳出の主なものは、第1款広域連合納付金が64億6,700万円余で、前年度より3億2,100万円余、5.2%の増となりました。

 最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は218億220万1,231円、歳出総額は214億8,279万4,463円で、前年度と比較しますと、歳入で2.4%の増、歳出で3.1%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款介護保険料が48億4,800万円余で、前年度より9,500万円余、2.0%の増、第5款都支出金が29億7,700万円余で、前年度より8,600万円余、3.0%の増となりました。

 歳出の主なものは、第2款保険給付費が197億4,100万円余で、前年度より2億1,900万円余、1.1%の増となりました。

 以上、平成28年度の各会計決算について説明をいたしました。

 なお、詳細につきましては、あらかじめ送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書」、「各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして御確認いただきたいと思います。

 また、監査委員におかれましては、本決算につきまして慎重に御審査をいただき、別冊のとおり「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」及び「中野区基金運用状況審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点については十分に対処していく所存です。

 最後になりましたが、ここに平成28年度の決算につきまして議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第です。

 以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、平成28年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。

○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託することに決しました。

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 中野区の財政の健全化判断比率について

 

○議長(いでい良輔) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について報告いたします。

 本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月11日付の配付文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 

     29中経経第1681号

     平成29年(2017年)9月11日

 中野区議会議長 い で い 良 輔 殿

         中野区長 田 中 大 輔

中野区の財政の健全化判断比率の報告について

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、別添のとおり報告します。

 

○議長(いでい良輔) 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時35分散会

 

 

会議録署名員 議 長 いでい 良輔

議 員 小林 ぜんいち

       議 員 小杉 一男