1.平成30年(2018年)2月16日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 細 野 かよこ
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 いでい 良 輔
11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久
13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち
15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子
17番 内 野 大三郎 18番 小宮山 たかし
19番 広 川 まさのり 20番 欠 員
21番 佐 野 れいじ 22番 北 原 ともあき
23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明
25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明
27番 森 たかゆき 28番 いながき じゅん子
29番 石 坂 わたる 30番 小 杉 一 男
31番 い さ 哲 郎 32番 大 内 しんご
33番 高 橋 ちあき 34番 伊 藤 正 信
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや
39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 川 崎 亨
副 区 長 本 田 武 志 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 髙 橋 信 一 経 営 室 長 篠 原 文 彦
新区役所整備担当部長 相 澤 明 郎 都市政策推進室長 奈 良 浩 二
西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀 行 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹
区民サービス管理部長 戸 辺 眞 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横 山 俊
健康福祉部長 小 田 史 子 保 健 所 長 木 村 博 子
環 境 部 長 白 土 純 都市基盤部長 豊 川 士 朗
政策室参事(企画担当) 青 山 敬一郎 経営室参事(経営担当) 朝 井 めぐみ
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 吉 村 恒 治 事務局次長 古 本 正 士
議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 関 村 英 希
書 記 立 川 衛 書 記 若 見 元 彦
書 記 井 田 裕 之 書 記 冨 士 縄 篤
書 記 野 村 理 志 書 記 鎌 形 聡 美
書 記 遠 藤 良 太 書 記 松 丸 晃 大
書 記 香 月 俊 介 書 記 古 谷 友里香
議事日程(平成30年(2018年)2月16日午後1時開議)
日程第1 第1号議案 平成29年度中野区一般会計補正予算
第2号議案 平成29年度中野区用地特別会計補正予算
第3号議案 平成29年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
第4号議案 平成29年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算
第5号議案 平成29年度中野区介護保険特別会計補正予算
第11号議案 中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例
第12号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
日程第2 第40号議案 中野区住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する条例
日程第3 第6号議案 平成30年度中野区一般会計予算
午後1時00分開会
○議長(いでい良輔) ただいまから平成30年第1回中野区議会定例会を開会いたします。
本日の会議を開きます。
会議録署名員は会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。
16番中村延子議員、28番いながきじゅん子議員にお願いいたします。
次に、会期についてお諮りいたします。
本定例会の会期は、本日から3月28日までの41日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
この際、御紹介申し上げます。
平成29年12月14日付で、本区監査委員に就任されました下田政廣さんを御紹介申し上げます。
〔監査委員下田政廣登壇〕
○監査委員(下田政廣) ただいま御紹介いただきました税理士の下田政廣でございます。このたび監査委員の選任に当たり、当区議会の御同意をいただき、田中区長より平成29年12月14日付で監査委員を拝命いたしました。大変身に余る光栄と心から感謝しております。
監査委員は地方公共団体における財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理を監査するなど、大変重責のある職務権限を有していると承知いたしております。これから諸先生方の御指導、御鞭撻を賜りながら中野区民のために頑張りたいと存じております。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(いでい良輔) 以上で紹介を終わります。
この際、申し上げます。
本日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり、委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
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人 事 異 動 表
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発令年月日 平成30年2月16日
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【 統括副参事 】
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区長発令
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発令権者 中野区長
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田中 大輔
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発 令
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氏 名
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旧
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備 考
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地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(区民活動センター調整担当)
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伊 藤 政 子
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地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(地域活動推進担当)
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担当追加
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地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(地域包括ケア推進担当)
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伊 藤 政 子
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地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(地域活動推進担当)
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担当追加
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備考
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1 前地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当、地域包括ケア推進担当) 酒井 直人 は、平成30年2月15日をもって退職
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○議長(いでい良輔) この際、区長から第1回定例会に当たり、所信を表明したい旨の申し出がありますので、これを許します。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 平成30年第1回中野区議会定例会に当たり、本年の区政運営に臨んで私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
私が区政運営を担当するようになったのは2002年6月15日、今から16年前のことでした。当時、2001年度末における区の貯金、基金残高は合計約57億円にすぎず、いわゆる借金である区債残高と土地開発公社への債務負担行為額については合計約706億円に上っていました。職員数は3,200人を超え、人件費比率が33.6%と硬直した財政運営は、23区中最悪とも言われる危機的な状況でありました。このようにぎりぎりまで低下した財政力では、新たな政策の展望を見出すことも難しく、区政は極めて停滞した状況にありました。
直前に行政改革課長として、緊急の財政再建策である行財政5か年計画の企画立案を担当した私は、区政の根本的な改革を志して区長に就任しました。以来、マネジメント不在だった区政の改革に着手し、基本構想、10か年計画を基軸として「目標と成果による管理」に基づく区政運営を確立し、財政再建と具体的な施策の充実を進めてまいりました。
財政再建では民間活力の活用を進め、サービスは充実しながら人件費を削減するなど財務体質の改善に努め、2016年度末の職員数は1,991人、人件費比率は16.3%となっています。2016年度決算ベースで基金残高が約676億円、区債残高と土地開発公社への債務負担行為額の合計が約271億円となりました。貯金が619億円増加し、借金は435億円減少、合わせると1,054億円の財務改善効果があったことになります。
投資的事業についても計画的に財源を確保して事業を進め、2002年度から2016年度までの合計で約1,789億円に上る投資的事業を行っています。7カ所の大規模公園整備、南部すこやか福祉センターや南中野区民活動センターなどの施設、中野中学校の校舎建設など、将来にわたって区民の財産となる事業を数多く実現することができました。
それまでの区政で決して手をつけることのなかった学校再編計画にも取り組んできました。
町会連合会など地域団体と協力して進めてきた地域支えあいネットワークや切れ目なく全体をカバーする子育て支援の充実も進めています。東京都との交渉を踏まえ、国を動かして児童相談所の設置を可能にし、今その準備を進めています。地域に飛び出して支援を必要とする区民を見つけ出し、必要な支援に結びつけるアウトリーチチームを最前線とする地域包括ケア体制も充実を図っています。
今後を展望すれば、長期間かけて全ての区立小中学校で行わなければならない校舎の建てかえについても当面5年間は基金を活用することで借り入れなしでも実行可能であり、その後も財政的に十分実施可能なまでの状況となりました。また、西武新宿線連続立体交差化に伴う沿線のまちづくりや各地の防災まちづくり、中野駅周辺のまちづくりなども、補助金・交付金など制度的に可能な特定財源の活用を見込めば問題なく実行可能な状況となっており、来年度に向け執行体制の充実を図っているところです。
地方税の国税化など国の税財政政策による影響や景気変動のリスクなど、決して楽観できない要素は多くありますが、機敏な財政対応と不断の事業の見直し改善を励行していけば、将来に向けて必要な事業は遅滞させることなく着実に進めることのできる組織力と財政体力は十分に確保したというところまで来ています。
このように区政の基盤を強固に確立し、成果を上げてきたことについて、この間、御理解・御協力と御指導をいただいてきた議会の皆様には感謝にたえません。
しかし、こうした実績を踏まえたとしても、この間進めてきた取り組みの多くは道半ばであります。2025年問題に象徴される超高齢社会の到来と人口減少の進行は、今後数多くの課題を私たちに突きつけてきます。課題に応えるためにもこれまで進めてきた取り組みを確実に前進させ、軌道に乗せていかなければなりません。
改革によってつくり上げてきた区政の財政力、政策実行力をこれからも高めていかなければ、区政は区民の信頼に応えていくことはできません。16年前の歴史からの学びを風化させることなく、さらなる改革によって時代の変化に応え、安心で豊かな区民の暮らしをつくり上げる区政の継続こそが必要であります。
今月5日、ニューヨーク株式市場で株価の大きな下落が起こりました。史上最大の下げ幅と言われています。続いて翌日の日本国内の株も1,071円下落するなど、世界同時株安の様相となりました。その後も不安定な状態が続き、直近の状況ではやや落ちつきを取り戻しているようですが、昨年来の上昇で高値圏にあると言われる我が国の株価は予断を許さない状況です。
昨年からことし年頭にかけて、世界の経済は順調な拡大基調にあると言われています。しかし、グローバル化が進み、インターネットで瞬時に影響が駆けめぐる市場経済は、いついかなる形で危機が顕在化するかわかりません。日本で最近見られる株価や不動産価格の上昇も、同様のリスクを内在していると思います。
最近の国際情勢に目を向けますと、昨年12月にアメリカのトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都であるとして大使館の移転を明言したことについて、アラブ諸国を中心に反発が広がっています。ISILの勢力がかなり制圧されたとされる状況にあっても、全世界に広がったテロの脅威は依然として終息する様子がありません。
また、北朝鮮情勢についても緊迫の度合いを増しています。世界の世論に背を向けて核実験やミサイル発射を繰り返してきた北朝鮮に対し、世界は一致して毅然とした態度をもって接していく必要があります。
こうした中、韓国では今月9日に平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックが開幕しました。北朝鮮も選手を派遣しており、平和の祭典としてのオリンピックを機に姿勢が変化することが期待されていますが、見通しは定かではありません。
リスクとなる不安定要因を含みながら推移している国際情勢の中、何事が起きたとしても対応ができる区政であり続けることが求められます。
昨年の日本経済は緩やかな景気拡大が続き、雇用情勢や株価など、さまざまな指標が順調に推移する年でした。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の需要を考慮すれば、ことしこそ所得が上昇を始め、本格的なデフレ脱却も期待できるとも言われます。しかし、国・地方の累積債務はふえ続け、平成29年度末見込みで1,093兆円に上るとされています。財政赤字が増加する中で人口減少、超高齢化は着実に進行しており、医療・介護・年金など、社会保障の需要は今後も増大し続けます。我が国の社会の持続可能性は依然として危ぶまれる状況です。
残された時間は決して多くはありません。2025年には、いわゆる団塊の世代の人々が全て後期高齢者になります。合計特殊出生率を見ると1.44であり、人口維持に必要と言われる2.07には遠く及びません。ちなみに中野区の出生率は近年上昇傾向にありますが、最新となる平成28年の数値で1.06にとどまっています。
医療・介護・福祉・子育てなど、伸び続ける社会保障負担に耐えられる社会経済構造をつくり出していくことが欠かせません。公共の財源を生み出す経済の成長、社会全体の協働によって高齢者の暮らしや子どもの成長を守れる支え合いの社会づくりが求められています。
東京オリンピック・パラリンピックという日本にとって半世紀ぶりのこの催しを、経済構造や人々の生き方・暮らし方など日本の社会のあり方を転換し、2020年以後も自律的な活力を維持する真に持続可能な社会をつくり出していく足がかりにしていかなければなりません。その意味で2018年は、新しい時代に向けて大きな一歩を進める1年として極めて重要な意味を持つ年であると思います。
そうした新しい時代を展望し、切り開いていく上で、基礎自治体の力が真に問われる時代になったと私は感じています。国が方向を決め、政策をつくったとしても、情報化が進み、人々の暮らしが多様化し、ニーズも細分化している現在、国が決める大まかな政策だけでは暮らしや地域社会のあり方は捉え切れません。医療・介護・福祉やICTなど今後の社会の課題を解決し、経済成長を牽引する現場は地域社会に多く存在します。基礎自治体の創意あふれる政策ときめ細かな実行力によらなければ、これからの社会は守ることも変えることもできないと私は考えています。
国や都の言うことをそのまま反復的に創意工夫もなく実行するだけの区であるのか、地域の実情を踏まえ、区民とともに中野区なりの政策をつくり出し実行する区であるのか、区のあり方がこれまで以上に問われる時代になったと感じています。
今、中野区ではさまざまな区政課題について、行政の各分野で目標を定めた具体的な取り組みを進めています。昨年度からスタートした第3次の新しい中野をつくる10か年計画に基づく区政運営は着実に軌道に乗っています。こうした区政の歩みをことしはさらに加速させる年にしなくてはなりません。
人口の超高齢化は、医療や介護など社会保障費の増加につながり、区民1人当たりの負担を増加させる要因となります。社会の活力を維持し、こうした社会的コストを削減するためにも、区民の健康寿命を延ばしていくことが非常に大切です。東京オリンピック・パラリンピックに向けて、区民が継続的にスポーツを通じた健康づくりに取り組み、その習慣が東京オリンピック・パラリンピックの閉会後にも根付いていくように「スポーツ・健康づくりムーブメント」を地域に展開していきます。
身近な場所で気軽にスポーツや健康づくりが楽しめるよう、スポーツ施設の使用料を6年間半額とするとともに、4カ所のスポーツ・コミュニティプラザを整備し、地域スポーツクラブを中心としてスポーツ振興を推し進めてまいります。さらに、平和の森公園の再整備と新体育館の建設によって、屋内・屋外のスポーツに対応できる中野のスポーツの中心的な拠点としていきます。ほかにも日常的に気軽に体を動かせる公園づくりや、健診や医療費のデータを活用したデータヘルスの取り組みを進めるなど、区民の皆さんの健康増進に役立てていきます。
ますます進展していく超高齢社会にあって、高齢者の皆さんが心身ともに健康で生きがいを持って住みなれた地域で暮らすことができるようにするとともに、子育て世帯や障害のある人などを含め、誰もが必要な見守りや医療・介護・福祉のサービスを受けることができる地域包括ケア体制をつくり上げていくことが区の大きな課題です。
そのためには町会・自治会が中心となって、民生児童委員や関係機関と連携して進めていただいている地域支えあいネットワークの取り組みや、医師会、歯科医師会、薬剤師会など、医療・介護・福祉の各職種の関係団体の方々の先進的な連携の取り組みなどが大きな力となります。
この多くの皆さんの努力を効果的に結びつけるためには、すこやか福祉センターを中心に地域で展開する区の働きが極めて重要になります。区民活動センター単位で組織している「アウトリーチチーム」は地域の実情をつぶさに把握しながら、支援を必要とする人を見逃すことなく、適切な見守りや支援につなげていく活動を担っています。こうした機能をさらに充実することで、今は高齢者に重点を置いている地域包括ケアの対象を子育て世帯や障害のある人など全区民に拡大していきたいと考えます。
これらの活動を発展させていき、困難な状況が生じてから対応するだけでなく、予防と改善を重視して問題の発生を食いとめる、いわば「川上志向」の取り組みを地域社会全体が手を携えて進めることができるよう、区の役割を十分に果たしていきたいと考えています。
生産年齢人口の減少は、地域経済の活力を減退させ、税収の減少の要因ともなります。さらに経済面だけでなく、地域での活動を支える人材の不足をもたらすことにもなります。区の人口は増加傾向にあるものの、将来においては全国的な人口減少の影響を受けることは避けられません。こうした影響を抑制し、人口減少社会にあっても持続可能な都市として活力のあるまちを維持していくためには、高齢者や女性、障害のある人や機会に恵まれなかった若者など、全ての人が持てる個性や能力を発揮して社会に参加できる全員参加型社会を実現することが非常に重要になります。
また、全員参加型社会の実現によるまちの活性化のためには、高齢者や女性、障害のある人や外国人など、中野で暮らし、活動する全ての人がソフト面でもハード面でも障壁を感じることなく社会に参画できるユニバーサルデザインの考え方に基づくまちづくりが重要です。今定例会において条例案を御審議いただき、来年度には推進計画を策定して、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めてまいります。
女性の社会進出の促進と出生率の向上、いずれの側面からも子育て支援の充実は重要です。妊娠・出産・育児と切れ目のない子育て支援、予防や健診を通じた健康づくりや障害のあるお子さんへの療育、多様で質の高い幼児教育・保育の提供、学校教育におけるグローバル社会の進展を見据えた確かな学力の定着やコミュニケーション能力の向上、特別支援教育の充実など、安心してお子さんを産み育てることができる地域、環境を整えていきます。児童相談所を区が設置することで、課題を抱える家庭や子どもたちを含め、全ての子育て世帯を通じて区が責任を持って見守り、支援する体制をつくります。
子育て支援については、全ての区民の理解や協力を得ながら、地域社会や行政のあり方を子育て第一の形に変えていく根本的な発想の転換が必要だと思います。誰もが産み育てたいと思えるまち、どのような環境に置かれた子どもも健やかに成長できる地域社会を目指していくことが重要です。
日本の国際競争力を高めていく上で、東京が中心となってグローバルな経済活動を展開し、日本全体を牽引していくことが今後も期待されています。中野区においても東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機としたインバウンドの増加などのチャンスを逃さず、中野の立地特性や集積する産業・文化等の強みを生かし、グローバルな都市活動拠点の形成を図っていきます。
近年、中野区においては外国人の人口が増加傾向にあります。中野に暮らす外国の人々とはお互いにさまざまな価値観や習慣などがあることを認識し、地域社会の中で共生していくことが大切です。
また、区内の大学に通う留学生や、サブカルチャーなどを目的に中野を訪れる外国人も多く見られるようになってきました。中野を訪れる外国の人々に対しては中野の魅力を多言語で発信し、案内表示などもわかりやすくする必要があります。来年日本で開催されるラグビーワールドカップ2019や東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、中野区の概要や歴史・名所などの魅力を盛り込んだ多言語のガイドブックを発行すると同時に、区内の観光拠点や駅などにICTを活用した多言語対応の公共サインを整備するなど、取り組みを進めてまいります。
マイナンバーは、行政の各種手続において、添付書類の省略による利便性の向上や行政の効率化、負担と給付の適正化による公平・公正な社会の実現を図るものです。このマイナンバーについて、昨年11月から国や地方公共団体間での情報連携の本格運用が始まりました。国や自治体等が情報提供ネットワークシステムを利用して、確認が必要な方の情報を他の自治体等に照会できるようになったのです。これによって行政手続の申請者は、申請に当たってマイナンバーを記載すれば、確認のための書類の添付を省略できることとなりました。
また、同じく11月から、政府が運営するオンラインサービスであるマイナポータルも本格運用が開始されました。マイナポータルは、マイナンバーに関連する自分自身の個人情報や、行政機関同士の情報連携による個人情報のやりとりの履歴を確認できるインターネット上のサービスです。こうした仕組みが発展することにより、将来は生活全般にわたって必要な人に必要なサービスを通知し、届けることができる積極的なサービス提供が可能になります。
さらに情報通信技術は、新しい区役所のあり方を考える上で、区民サービスを飛躍的に向上させる大きな可能性を持っています。新区役所の整備に当たっては、これまでの区の職員の仕事のやり方を抜本的に見直し、最新の情報通信技術を有効に活用することで最適なサービス提供を目指します。区役所を訪れて行う手続のワンストップサービス化や、より短時間で用を済ませたい方への自動交付機、インターネット上に構築するバーチャル区役所においてパソコンやスマートフォンなどで24時間どこでも行える手続、自分で行動することが困難で支援が必要な方に対して区の職員がお宅を訪問して提供するアウトリーチサービスなど、区民のニーズやおのおのの行政サービスの性質に合ったやり方で、適切かつ効率的に実施していけるよう検討してまいります。
大規模災害への備えについては、長期的な課題として、建築物の耐火・耐震性の向上や避難路の整備と安全確保、大規模公園の整備を中心とする広域避難場所の安全性の向上など、災害に強い都市構造をつくるためのハード面での整備に引き続き取り組みます。また、中期的な課題として、災害時に人々の支えになる地域防災力と、その基盤になる地域コミュニティの強化にも腰を据えて取り組んでいかなければなりません。さらに、いざというときに備えた資機材の整備や防災住民組織との連携、非常時の即応体制の整備などについても、常時、万全を期すとともに充実強化に努めてまいります。
また、被災地の復興支援についても、東日本大震災の発生以降継続している被災地への職員の長期派遣に加え、一昨年からは熊本地震の被災地にも職員の派遣を実施しています。これからも被災地の人々に寄り添い、災害の経験を決して風化させることなく区の防災対策にも生かし、ともに復興への歩みを続けていきます。
中野区はこれまで姉妹都市として連携を行ってきた福島県田村市との交流に加え、「なかの里・まち連携事業」により、福島県喜多方市、茨城県常陸太田市、群馬県みなかみ町、千葉県館山市、山梨県甲州市と協定を結び、観光・環境・経済などの幅広い交流を進めてきました。これらに加え、特別区長会において立ち上げた「全国連携プロジェクト」の一環として、北海道の当別町や新篠津村との間においても、ふるさと納税の返礼品としての特産品の提供などの連携を行っています。中野区をはじめとする東京の自治体は、世界に開かれたグローバル都市として国全体の新たな成長を牽引し、地方の自治体は豊かな資源や文化を生かして活発に活動する。こうしてお互いに交流や連携を踏まえ、相互に刺激し合って活性化し、需要や供給を生み出して継続的に発展していくことが大切です。
また、東日本大震災からの復興を願って始まった「東北復興大祭典なかの」も、交流連携協定を結んだ青森県青森市の協力によりねぶたの運行を行うなど、毎年大変好評をいただいています。昨年はこの大祭典と同時期に、棟方志功にゆかりのある自治体が集う「棟方志功サミット」を中野で開催しました。こうしたことを契機に、新たなまちの魅力を発信していきたいと考えています。このようにさまざまな地域と連携して、文化や経済、人的交流などを活発に行い、お互いがウイン・ウインの関係でともに発展していくことを目指していきます。
東京オリンピック・パラリンピックはいよいよ開催まで2年半と迫っています。昨年は中野区をはじめ都内各地でオリンピック・パラリンピックのフラッグを歓迎するセレモニーなどが行われ、大会マスコットの最終候補も公表されるなど、日に日に開催に向けて気運が高まってきています。区が実施する事業に加え、各地域においてもさまざまな関連事業を行って盛り上げていただいています。
こうした取り組みは一過性のものにするのではなく、その後に生きるレガシーを形成することが大切です。哲学堂公園・みずのとう公園など、区内各地の都市観光資源の発掘と整備、ユニバーサルデザインのまちづくりなどを通して2020年以降も外国の方を含め、多くの人々が中野を訪れて歴史や文化に親しむとともに、区内の企業や経済団体などからも多くの情報が発信され、ビジネスの面でもグローバルな展開を目指していきます。あわせて大会の開催を契機として、ボランティアや地域活動などに参加する区民の増加と定着を図ります。
また、平和の森公園に建設する新体育館を、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて練習会場などとして提供し、区民の皆さんが身近にアスリートを見たり、オリンピアン・パラリンピアンや関係者と触れ合ったりすることで大会を実感し、継続的な交流などが行えるように、これまで交流の実績がある国や都市などへの働きかけも進めていきます。
次に、新しい中野をつくる10か年計画でお示ししている八つの戦略に沿って、新たな取り組みや拡充、推進する施策など、平成30年度の区政の方向について御説明いたします。
まち活性化戦略では、中野駅周辺をグローバルな都市活動が活発に行われ、東京の新たなエネルギーを生み出す活動拠点とするため、中野駅新北口駅前エリア、いわゆる区役所・サンプラザ地区など各エリアのまちづくりの検討を深めていくとともに、新たにシティマネジメントを推進するための事業を実施し、区とともにこの事業を推進する法人を設立します。
また、中野駅西側南北通路等の整備に向け、先行工事に着手するほか、中野四季の森公園の拡張部分の地下に自転車駐車場を整備します。中野二丁目地区や中野三丁目地区では土地区画整理事業・市街地再開発事業を着実に推進していきます。
西武新宿線沿線では、連続立体交差事業の実施に合わせ、新井薬師前駅や沼袋駅周辺地区で交通環境の改善、にぎわいと魅力あふれるまちづくりや防災性の向上に向けた取り組みを進めます。また、野方駅から井荻駅間の連続立体交差化の実現を目指し、野方駅・都立家政駅及び鷺ノ宮駅周辺地区でまちづくりの検討を進めます。
また、まちのにぎわいと地域商業、地域経済の活性化を図るため、哲学堂公園の再生整備など、歴史・文化を生かした都市観光拠点づくりを進めるほか、アニメコンテンツを活用した地域ブランドづくり事業の拡充等、都市としての多彩な魅力の創出に取り組みます。
安全・居住都市戦略では、大きく進展するまちづくりの現状を踏まえ、都市計画マスタープランの改定を進めるほか、空家等対策基本計画や無電柱化推進計画を策定し、良好な都市景観の確保と安全で魅力的なまちの創出を目指します。
区民の憩いの場、健康づくりの場であり、防災上も重要な機能を持つ平和の森公園の拡張整備をはじめ、(仮称)弥生町六丁目公園、(仮称)本町二丁目公園を防災機能を有する公園として整備するとともに、弥生町・大和町地区では建物の不燃化の促進、避難道路ネットワーク等の整備など、災害に強いまちづくりに取り組みます。
また、災害時要配慮者等のプライバシー確保に配慮した備蓄等の充実、罹災証明書を迅速に発行し、被災者の生活再建を支援するためのシステム導入、福祉施設等へのデジタル戸別受信機の配備など災害時への備えをさらに充実させるほか、日々の区民の暮らしを守るため、区内の主要な交差点への防犯カメラの設置や青色灯防犯パトロールカーの運行拡充等に取り組みます。
環境共生都市戦略では、ごみの発生抑制と資源化、地球温暖化対策や緑化推進のほか、グローバル化に対応する都市観光の推進策でもある住宅宿泊事業が適正に実施されるよう取り組みます。
今年度10月に開始した、陶器・ガラス・金属ごみの資源化の取り組みを通年実施し、ごみの減量と資源化率の一層の向上を図るほか、不法投棄などを抑制するため、ごみ集積所に監視カメラを増設するなどごみの適正排出を促進します。
環境に優しいライフスタイルが日常生活の中に幅広く根付くよう、なかのエコポイントのポイントメニューを充実させ、制度の魅力と認知度を高めて普及拡大を図ります。
また、中野区みどりの基本計画の改定を進めるとともに、民有地の貴重な保護樹木や保護樹林等が保全されるよう、維持管理費への助成を充実させるなど身近な緑を守りふやす取り組みを進めます。
生きる力・担う力育成戦略では、幼児教育や保育の量と質を確保し、子育て支援をさらに推進します。多様な保育需要に対応するため、幼稚園における保育の充実や民間保育施設の新規開設、区立保育園の民設民営化等を進め、保育定員の拡充を図るとともに、保育士等の人材確保のための支援を行います。このほか、緊急的な待機児童対策として区立公園等を活用し、区立保育室を2年間限定で運営します。
さらに、障害のあるお子さんの支援体制充実に向け、保育所や幼稚園等への巡回訪問指導を拡充するとともに、地域の相談事業や療育施設等の専門性向上のため、児童発達心理に係るスーパーバイザーを配置します。
また、児童相談所の2021年度の新規開設を見据え、都や他自治体の児童相談所への職員派遣、家庭的養護の体制づくりに向けた里親普及事業の実施、関係機関の連携強化を図るための巡回支援等の取り組みを進めます。
このほか、産後ケア事業や子育てひろば事業、学童クラブ事業の拡充など、安心して産み育てられる環境づくりに取り組みます。
学校教育では、東京オリンピック・パラリンピックに向けた体力向上や国際理解教育の取り組みの推進、社会科見学の充実など教育の充実を図ります。また、学校再編に伴う施設整備を着実に進めるとともに、普通教室の不足が見込まれる学校については増築等を行うほか、小・中学校の体育館等の非構造部材の耐震対策や特別教室の冷房化、トイレの洋式化、電子黒板など小学校のICT環境の充実等、計画的な整備・改修を進めて教育環境の向上を図ります。
地域見守り・支えあい戦略では、地域包括ケアシステム推進プランに基づく取り組みを着実に進めていきます。介護予防の取り組みをより効果的に進めるため、リハビリテーション専門職等を配置し、地域包括支援センターへの助言や地域の自主団体へのアドバイスを行う体制を整えるほか、高齢者が気軽に参加できる「なかの元気アップ体操ひろば」を区内8カ所で展開するとともに、区民が在宅で安心して療養できるよう在宅療養相談窓口を新設し、退院時の在宅医療の相談や介護サービス等との調整を行うなど、地域包括ケアシステムの機能を充実させていきます。
このほか、地域のコミュニティの核である町会・自治会や友愛クラブの活動に対する助成の拡充、鍋横区民活動センター等の移転整備に向けた基本計画の策定、区民活動センター及び高齢者会館等の集会室やトイレの改修など、地域における自主活動を支援するとともに、活動拠点である地域施設の設備や機能を向上させていきます。
スポーツ・健康都市戦略では、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて障害者スポーツの理解促進、普及啓発を行います。
平和の森公園での体育館整備を進めるとともに、(仮称)鷺宮スポーツ・コミュニティプラザの開設に向け、鷺宮体育館の改修を行うほか、上高田野球場の人工芝張りかえ、哲学堂公園野球場の改修に向けた設計、さらに、なかの芸能小劇場の改修、歴史民俗資料館の常設展示の再整備計画の策定など、スポーツや文化活動の場の充実と質の向上を図ります。
また、障害者多機能型通所施設の運営支援を行うとともに、知的障害者を対象とした文化・スポーツ事業を開始するほか、障害のある児童・生徒の通学等支援の拡充、バリアフリーマップの更新、民間の障害者施設等への防犯カメラ設置助成など、障害のある人が安全で安心した地域生活を送ることができるよう取り組みを拡充します。
また、がん検診等の申し込み方法を見直し、より受診しやすい検診として受診率の向上を目指すほか、学校でのがん教育の推進や医師会等の団体とともにオレンジバルーンフェスタを共催するなど、多様な主体と連携したがん対策の取り組みを進めていきます。
区民サービス基盤強化戦略では、区の情報システムの根幹を担う次期住民情報システムや内部事務管理システムの再構築を着実に進めます。国民健康保険など各保険の保険料収入の確保に取り組む一方で、データを活用した効果的な保健事業に取り組み、適切な給付や必要なサービスの提供を行います。
国民健康保険では、保険制度の運営が広域化され、東京では都が財政の運営主体となります。この制度改正を機に、中野区では従来23区統一保険料であったものを区が責任を持って制度運営を行い、国保会計の赤字解消を行っていくため、区独自に保険料設定を行うこととしました。高齢化が進み医療費の増加が避けられない状況の中で、健康づくりや保険料徴収に責任を持つ区が、自律性をもって国民健康保険の運営に携わることは、保険制度の持続性を守る上で意義の大きいことと考えています。
国民健康保険の特定健診受診率の向上を図るため、過去の健診受診歴や問診票の結果等のデータを分析し、効果的な勧奨を行うとともに、生活習慣病ハイリスク者に対する医療機関への受診勧奨にも取り組みます。このほか土日等に特定保健指導を実施し、利用率向上を図り、健康の自己管理への取り組みを支援します。また、介護保険においてはケアプラン点検等を充実させ、ケアプランの質の向上及び介護保険給付の適正化を促進します。
持続可能な行政運営戦略では、東京オリンピック・パラリンピック開催を区の長期的な施策展開や地域社会のさらなる発展につなげることを目指し、各戦略と連携しながら取り組みを進めていきます。町会・商店街などが実施する大会関連事業の支援、ボランティア活動の普及啓発、国内外に向けて区の魅力を発信する総合的なガイドブックの発行などのほか、ICTを活用した多言語対応の公共サイン整備やユニバーサルデザイン推進のための計画策定、既存施設のバリアフリー化などに取り組み、中野を訪れ、暮らす全ての人々にとって利用しやすい環境づくりを進めてまいります。
また、新たなサービス展開の基盤となる新区役所の整備に向けて基本設計を行うとともに、一つの窓口で用が済むワンストップ窓口等の導入について検討を行います。このほか、指定管理者に対する総合的な評価の実施や、道路、公園、ごみ集積所などの不具合について、通報者である区民が現地の位置情報や画像情報を区へ送信できるスマートフォン用アプリを導入し、迅速に対応するなど区民サービスの向上を図ります。
次に、本定例会において御審議いただく平成30年度予算案の概要を述べさせていただきます。
一般会計の予算規模は1,427億6,800万円で、前年度に比べ134億2,200万円、10.4%の増となりました。
緊急保育対策事業として約35億円を臨時対策費として計上したほか、未来を担う子どもたちを支えるためのさまざまな施策や健康・福祉施策の拡充、中野駅周辺や地域のまちづくりの新たな展開、東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みの充実、さらに学校や区民施設を長期にわたり、安全・安心、快適に利用できるよう施設の保全や更新を計画的に進めていることなど、将来につながる政策を着実に実行し、新しい中野をつくる10か年計画の取り組みをさらに加速するための経費を予算化したことから、前年度を上回る規模となりました。
歳入の状況は、雇用・所得環境の改善が続き、景気が緩やかに回復していることから、一般財源である特別区税及び特別区交付金について合計で約32億円の増加を見込みました。特定財源である都支出金も待機児童の解消支援等に伴い増加しています。また、学校再編や緊急待機児童対策などに対応するため、所要額の基金からの繰り入れを行いました。
一般会計の歳出のうち義務的経費は人件費がほぼ横ばい、扶助費は臨時福祉給付金の皆減により微減、公債費も計画的な償還により減となったことから、義務的経費全体も微減となっています。
投資的経費は施設や公園整備、まちづくりの進展など、物件費や補助費については保育施設に要する経費の増などによりそれぞれ増加しています。また、今後本格化する学校の建てかえを円滑に進めていくため、基金への積み立てを大幅にふやし、持続可能な財政運営のかなめとしました。
平成30年度予算については政策的な課題に即応しつつ、将来を見据えた取り組みや安定した財政基盤の構築に向け、引き続き財務規律を遵守しながら財源の配分に意を尽くしたところですが、一方でふるさと納税制度や法人住民税の一部国税化、さらに都市部を狙い撃ちした地方消費税交付金の清算基準の見直しなど、区が影響を受ける国の制度改正が続いており、その影響額は40億円以上の減収と見込んでいます。
保育園待機児対策や超高齢化への対応など、大都市圏が直面する課題に適切に対応するためには財源の充実強化こそが必要であり、今後も23区の先頭に立って主張し続けていきたいと考えています。
以上、御説明した一般会計に用地特別会計、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計を合わせた5会計の合計予算額は2,075億9,400万円となりました。前年度に比べ43億8,300万円、2.2%の増となっています。
なお、予算案の詳しい内容につきましては、提案の際に御説明をさせていただきます。
冒頭に申し上げたように、中野区は、区、区議会、区民がともに協力し合いながら区政の改革を実践し、成果を上げてきました。自立する自治体にふさわしい財政力や政策の立案・実行能力も身につけつつあります。しかし、2025年問題に代表されるように、時代は大きく変化を続けていきます。時代の変化の中で、これまで築き上げてきた成果を雲散霧消させてはなりません。
地域支えあいネットワークの取り組みを基礎にした地域包括ケア体制の構築、切れ目ない子育て支援の取り組み、未来に向けた各地域でのまちづくりや観光・産業振興、東京オリンピック・パラリンピックへの取り組みなど、区政にひとときたりとも停滞や後戻りは許されません。
私はこれまで区民の皆さんとともに区政を前進させてきた者として、区政の歩みをとどまることなく進める責任を痛感しています。現在の任期は本年6月をもって終了しますが、引き続き区政を着実に前に進めるべく全力をもって臨んでいく決意を新たにいたしました。区民の皆様の御判断を仰ぎたいと思っています。
以上、ことしの区政運営に臨む所信の一端を述べたところです。区議会並びに区民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げて、平成30年第1回中野区議会定例会における施政方針説明とさせていただきます。
御静聴、ありがとうございました。
○議長(いでい良輔) 以上で区長の所信表明を終わります。
次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。
一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。
これより日程に入ります。
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第1号議案 平成29年度中野区一般会計補正予算
第2号議案 平成29年度中野区用地特別会計補正予算
第3号議案 平成29年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
第4号議案 平成29年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算
第5号議案 平成29年度中野区介護保険特別会計補正予算
第11号議案 中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例
第12号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
○議長(いでい良輔) 日程第1、第1号議案から第5号議案まで、第11号議案及び第12号議案の計7件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長川崎亨登壇〕
○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第1号議案から第5号議案まで、第11号議案及び第12号議案の7議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第1号議案、平成29年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出の総額からそれぞれ48億3,934万円を減額するものです。これにより既定予算との合計額は1,279億2,989万円となります。
今回の補正は、歳入歳出予算の執行状況や今後の執行見込みを踏まえ、予算額について所要の整理を行うとともに、起債や基金からの繰り入れの抑制、また基金の積立額の追加などを行うものです。
初めに、歳出予算のうち、増額する内容を説明いたします。
まず人件費ですが、給与改定等により1億4,100万円増額するとともに、各款の間で所要の調整を行います。
次に、すこやか福祉センター地域ケア費ですが、産後ケア事業について利用日数等の増に伴い、823万6,000円を追加計上するものです。
次に、介護保険費ですが、介護保険特別会計の繰出金を増額するため3,225万2,000円を追加計上するものです。
次に、保育園・幼稚園費ですが、宮の台保育園民営化に係る南部すこやか福祉センター跡施設解体工事について、執行方法を変更したことにより781万8,000円を追加計上するものです。
次に、障害福祉費ですが、障害者に対する介護給付・訓練等給付に係る経費について、居宅介護や重度訪問介護等の利用時間等の増に伴い、1億5,063万6,000円を追加計上するものです。
次に、生活援護費ですが、国庫支出金返還金に係る経費1億234万5,000円を追加計上するものです。
次に、積立金ですが、財政調整基金ほか9基金への積立金1億2,464万8,000円を追加計上するものです。
次に、減額する歳出予算の内容を説明いたします。
まず、事業の内容や実施時期の変更などにより、地域観光情報プラットフォーム事業補助に係る経費5,000万円、宮の台保育園民営化に係る整備費補助経費9,244万8,000円、(仮称)本町二丁目公園整備に係る経費6,960万円等をそれぞれ減額するものです。
次に、契約額、または事業実績が当初の見込みより少なかったことなどにより、中野三丁目地区都市再生土地区画整理事業補助に係る経費4億7,977万円、内部事務管理システムの再構築に係る経費1億5,443万5,000円、児童手当に係る経費7,550万円、子ども医療費助成に係る経費7,022万3,000円、教育・保育施設給付に係る経費5億5,310万3,000円、民間保育所新規開設支援補助等に係る経費20億599万1,000円、保育士等宿舎借り上げ支援事業補助に係る経費7,969万2,000円、小学校及び中学校の施設整備工事等に係る経費7,383万4,000円、学校再編に係る施設整備工事等に係る経費1億4,794万2,000円、小規模多機能型居宅介護等、介護サービス基盤整備支援に係る経費1億3,900万円、臨時福祉給付金給付に係る経費3億2,900万6,000円、橋梁拡幅整備に係る経費8,511万9,000円等を減額するものです。
次に、公債費ですが、起債の借入先の変更により、区債元金償還金2,080万円を減額するほか、一時借入金利子1,643万9,000円を減額するものです。
このほか用地特別会計繰出金1,211万8,000円、国民健康保険事業特別会計繰出金3億7,931万6,000円及び後期高齢者医療特別会計繰出金1億5,768万円の減額につきましては、特別会計の補正予算に対応するものです。
このほか財源の変更に伴い、所要の財源更正を行います。
歳入予算といたしましては、特別区税10億8,300万円、特別区交付金1億9,000万円、地方譲与税4,000万円、利子割交付金2,000万円、地方消費税交付金2億円、自動車取得税交付金5,000万円、財産収入5,297万7,000円及び寄附金7,167万1000円を追加計上する一方、地方特例交付金1,400万円、国庫支出金16億695万1,000円、都支出金14億5,039万6,000円、繰入金6億3,626万6,000円、諸収入2,537万5,000円、特別区債28億1,400万円を減額するものです。
次に、繰越明許費の補正について説明いたします。
これは、今年度内にその支出が終わらない見込みである中野三丁目地区都市再生土地区画整理事業補助に係る経費3億7,547万9,000円、中野四季の森公園地下自転車駐車場整備に係る経費1億6,192万3,000円、沼袋駅周辺地区基盤整備に係る経費1億9,927万7,000円、宮の台保育園の民営化に係る経費781万8,000円、打越保育園の民営化に係る経費3億7,976万3,000円について、翌年度に繰り越しを行うため計上するものです。
次に、債務負担行為の補正について説明いたします。
緑野中学校及び中野中学校における体育館等非構造部材耐震対策工事設計について期間が2年度にわたるため、平成30年度経費288万円、柳橋拡幅整備について期間が2年度にわたるため、平成30年度経費4,895万5,000円、下鷺橋拡幅整備について期間が3年度にわたるため、平成30年度、平成31年度分経費1億1,445万円、丸山橋拡幅整備について期間が5年度にわたるため、平成30年度から平成33年度分経費6,722万5,000円をそれぞれ計上するものです。
なお、特別区債の補正につきましては、東中野区民活動センター整備などを目的とした民生債5億3,800万円、清掃事務所車庫整備を目的とした衛生債3億7,400万円、西武新宿線連続立体交差事業などを目的とした都市整備債16億2,200万円、学校施設整備を目的とした教育債2億8,000万円を減額するものです。
第2号議案、平成29年度中野区用地特別会計補正予算は、歳入歳出からそれぞれ8,011万8,000円を減額するものです。これにより既定予算との合計額は44億621万5,000円となります。
歳出予算の内容は、(仮称)本町二丁目公園東側入口用地について取得方法の変更及び利子償還額の見込み差により、公債費1,191万8,000円、用地費6,820万円を減額するものです。
歳入予算といたしましては、一般会計からの繰入金1,211万8,000円及び特別区債6,800万円を減額するものです。
第3号議案、平成29年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算は、歳入歳出からそれぞれ24億7,813万5,000円を減額するものです。これにより既定予算との合計額は385億5,286万5,000円となります。
歳出予算の内容は、国庫支出金等超過交付額の返還のための諸支出金2億3,555万4,000円を追加計上する一方、国保給付費15億1,000万円、共同事業拠出金11億6,000万円等を減額するものです。
歳入予算といたしましては、療養給付費等交付金3,234万4,000円、平成28年度からの繰越金2億9,219万6,000円等を追加計上する一方、国民健康保険料5億1,000万円、共同事業交付金11億6,000万円、一般会計からの繰入金3億7,931万6,000円等を減額するものです。
このほか財源の変更に伴い、所要の財源更正を行います。
第4号議案、平成29年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算は、歳入歳出からそれぞれ5,469万3,000円を減額するものです。これにより既定予算との合計額は66億8,530万7,000円となります。
歳出予算の内容は、広域連合からの交付額の返還等のため諸支出金757万8,000円を追加計上する一方、広域連合納付金6,227万1,000円を減額するものです。
歳入予算といたしましては、後期高齢者医療保険料3,667万2,000円、平成28年度からの繰越金3,512万円等を追加計上する一方、一般会計からの繰入金1億5,768万円を減額するものです。
このほか財源の変更に伴い、所要の財源更正を行います。
第5号議案、平成29年度中野区介護保険特別会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ4億1,522万4,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は223億2,822万4,000円となります。
歳出予算の内容は、介護サービス費給付の増等により保険給付費2,700万円、介護予防・生活支援サービスの増により地域支援事業費6,678万1,000円、平成28年度介護給付費に係る国や都などへの返還等、諸支出金1億5,493万円を追加計上するものです。
歳入予算といたしましては、国庫支出金3,031万8,000円、支払基金交付金2,842万8,000円、一般会計からの繰入金3,225万2,000円及び平成28年度からの繰越金3億1,245万5,000円を追加計上するものです。
第11号議案、中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例は、議員報酬月額及び期末手当の額の引き上げを行うとともに、平成30年3月に支給する期末手当について特例措置を定めるものです。この条例の施行時期は平成30年3月1日です。
第12号議案、中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例は、区長、副区長及び教育長の給料月額及び期末手当の額の引き上げを行うとともに、平成30年3月に支給する期末手当について特例措置を定めるものです。この条例の施行時期は平成30年3月1日です。
なお、区議会議員の議員報酬の額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額につきましては、平成29年10月23日に特別職報酬等審議会に諮問し、同年12月14日に答申をいただきました。この答申の内容は区議会議員の議員報酬並びに区長、副区長及び教育長の給料については一般職員と同様に増額するべきであり、常勤の監査委員の給料については据え置きとすることが適切であるというものでした。これを受け、答申どおりの措置を講ずることが適当であると判断し、本議案を提案した次第です。
以上、7議案につきましてよろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
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第40号議案 中野区住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する条例
○議長(いでい良輔) 日程第2、第40号議案、中野区住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する 条例を上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長川崎亨登壇〕
○副区長(川崎亨) ただいま上程されました第40号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
第40号議案、中野区住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する条例は、住宅宿泊事業法の施行に伴い、住宅宿泊事業の実施に起因する生活環境の悪化の防止を図るため、区等の責務、住宅宿泊事業の実施の制限及び許可等、周辺住民に対する周知等、住宅宿泊事業者の公表等について規定するものです。この条例の施行時期は平成30年6月15日で、一部は公布の日及び規則で定める日です。
以上、本議案につきましてよろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。
お諮りいたします。
議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、2月20日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後2時08分延会
会議録署名員 議 長 いでい 良輔
議 員 中村 延子
議 員 いながき じゅん子