平成30年03月02日中野区議会予算特別委員会の会議録 1.平成30年(2018年)3月2日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(41名) 1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお 3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一 5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし 7番 渡 辺 たけし 8番 細 野 かよこ 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 いでい 良 輔 11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久 13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち 15番 白 井 ひでふみ 16番 中 村 延 子 17番 内 野 大三郎 18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり 20番 欠 員 21番 佐 野 れいじ 22番 北 原 ともあき 23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ 26番 小 林 秀 明 27番 森 たかゆき 28番 いながき じゅん子 29番 石 坂 わたる 30番 小 杉 一 男 31番 い さ 哲 郎 32番 大 内 しんご 33番 高 橋 ちあき 34番 伊 藤 正 信 35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭 37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席委員 な し 1.出席説明員 中野区長 田中 大輔 副区長 川崎 亨 副区長 本田 武志 教育長 田辺 裕子 政策室長 髙橋 信一 政策室参事(企画担当) 青山 敬一郎 政策室副参事(ユニバーサルデザイン推進担当、オリンピック・パラリンピック推進担当) 宇田川 直子 政策室副参事(予算担当) 海老沢 憲一 政策室副参事(広報担当) 堀越 恵美子 経営室長 篠原 文彦 危機管理担当部長 志村 和彦 新区役所整備担当部長 相澤 明郎 経営室参事(経営担当) 朝井 めぐみ 経営室副参事(人事担当) 田中 謙一 経営室副参事(行政監理担当) 石濱 良行 経営室副参事(生活・交通安全担当) 三原 伸恭 経営室副参事(新区役所整備担当) 中村 洋 都市政策推進室長 奈良 浩二 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀行 都市政策推進室副参事(産業振興担当) 浅川 靖 都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 平田 祐子 都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 藤永 益次 地域支えあい推進室長 野村 建樹 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当、区民活動センター調整担当、 地域包括ケア推進担当) 伊藤 政子 地域支えあい推進室参事(地域子ども施設調整担当)、鷺宮すこやか福祉センター所長、 鷺宮すこやか福祉センター参事(地域ケア担当) 上村 晃一 中部すこやか福祉センター所長 志賀 聡 中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 大場 大輔 北部すこやか福祉センター所長、 北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 小山 真実 南部すこやか福祉センター所長 石濱 照子 南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 伊藤 廣昭 区民サービス管理部長 戸辺 眞 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 古屋 勉 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 横山 俊 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 高橋 昭彦 子ども教育部副参事(子育て支援担当、児童相談所設置準備担当)、子ども家庭支援センター所長、 教育委員会事務局副参事(子育て支援担当、特別支援教育等連携担当、 教育相談連携担当)神谷 万美 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、 教育委員会事務局副参事(就学前教育推進担当) 長﨑 武史 教育委員会事務局指導室長 杉山 勇 健康福祉部長 小田 史子 保健所長 木村 博子 健康福祉部副参事(福祉推進担当) 岩浅 英樹 健康福祉部副参事(健康推進担当) 只野 孝子 健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 永見 英光 健康福祉部副参事(障害福祉担当) 菅野 多身子 健康福祉部副参事(生活援護担当) 小堺 充 環境部長 白土 純 環境部副参事(地球温暖化対策担当) 高橋 均 環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 波多江 貴代美 環境部清掃事務所長 滝瀬 裕之 環境部副参事(生活環境担当) 高橋 英昭 都市基盤部長 豊川 士朗 都市基盤部副参事(都市計画担当) 辻本 将紀 都市基盤部副参事(都市基盤用地担当) 吉沢 健一 都市基盤部副参事(地域まちづくり担当、弥生町まちづくり担当) 安田 道孝 都市基盤部副参事(大和町まちづくり担当) 細野 修一 都市基盤部副参事(道路担当) 鈴木 宣広 都市基盤部副参事(自転車対策・地域美化担当) 伊東 知秀 都市基盤部副参事(公園担当) 千田 真史 都市基盤部副参事(建築担当) 小山内 秀樹 都市基盤部副参事(住宅政策担当) 塚本 剛史 都市基盤部副参事(防災担当) 中川 秀夫 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 吉村 恒治 事務局次長 古本 正士 議事調査担当係長 鳥居 誠 書 記 関村 英希 書 記 立川 衛 書 記 若見 元彦 書 記 井田 裕之 書 記 冨士縄 篤 書 記 野村 理志 書 記 鎌形 聡美 書 記 遠藤 良太 書 記 松丸 晃大 書 記 香月 俊介 書 記 古谷 友里香 1.委員長署名 午前10時00分開議 ○高橋(か)委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。 第6号議案から第10号議案まで計5件を一括して議題に供します。 昨日の理事会の報告を行います。 初めに、本日の委員会運営についてです。総括質疑4日目は、1番目に若林しげお委員、2番目に加藤たくま委員、3番目に高橋ちあき委員、4番目にむとう有子委員、5番目に近藤さえ子委員、6番目に石坂わたる委員、7番目に小宮山たかし委員、8番目に細野かよこ委員の順で8名の総括質疑を行うことを確認しました。 また、本日は総括質疑最終日であり、5時を過ぎる場合でも質疑を続行し、委員長判断で休憩を入れることを確認しました。 次に、要求資料の配付について、お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、新たに1件の資料要求について整理しました。 次に、6号議案、平成30年度中野区一般会計予算、第8号議案、平成30年度中野区国民健康保険事業特別会計予算及び第10号議案、平成30年度中野区介護保険特別会計予算の組み替えを求める動議を提出する旨の申し出がありました。資料については、後ほど委員会の席上に配付いたします。また、本日の総括質疑終了後に提案者から提案説明を受けることを確認しました。 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○高橋(か)委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高橋(か)委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。 次に、資料要求についてお諮りします。 お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、資料を要求することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○高橋(か)委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
予算特別委員会
予算特別委員会資料要求一覧(追加分)
追加分
◆区民分科会関係
29 次年度国民健康保険料の特別区共通基準による統一保険料との比較(モデルケースによる試算) <無>
○高橋(か)委員長 ただいまから総括質疑を行います。答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようにお願いします。 それでは質疑に入ります。若林しげお委員、質疑をどうぞ。 ○若林委員 おはようございます。きのうに引き続きまして、自民党4番で総括質疑を続けさせていただきたいと思います。 まず、きのう、IoT技術を活用した、安心安全なまちづくりということで少し触れさせていただきました。きょうの質問に当たり、復習ということですかね、若干触れさせていただきたいと思います。 区内にどれだけの防犯カメラが設置してあるかなんていう質問をさせていただいたところ、通学路、防犯カメラ125台、町会・自治会、商店街、地域団体で設置しているカメラが311台、合計436台……(「えらい多いような気がする」と呼ぶ者あり)いや、意外とありますよ。地域団体が設置する防犯カメラ等の整備に関する補助金交付事業の拡充という中で、空白地における防犯カメラの設置を進めていくというお話を伺いました。また、区長の記者会見などに出てくる、23区初として区内全域を対象に各交差点に防犯カメラを設置するということで、主要交差点58カ所、全部で116台設置するというお話を伺いました。そして、私が不安に思っている、昔、ちょっと前に町会、商店街、自治会で設置してあるネットワーク対応型カメラでないものにおいては、10年経過した防犯カメラに対して助成していただいて、できるだけ早くネットワーク対応型カメラに変えていただければと思っておりますが、町会・自治会、商店街に対して、できるだけ早目に情報提供をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) その件につきましては、近々に町会連合会の役員会、また商店街連合会の役員会を通じて事業の御説明を行うとともに、設置促進を図っていきたいと考えております。 ○若林委員 ありがとうございます。できる限り早く情報提供していただいて、少しでも早く防犯カメラ設置を進めていただければと思っております。 次に、中野区内全体でネットワーク環境について伺っていきたいと思います。区内各地にあるネットワーク対応型カメラを束ねていく電波環境が必要になってきます。現在存在する中野Free Wi-Fiで区内全域を網羅することというのは可能でしょうか。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 現在設置中の中野Free Wi-Fiが区内全域を網羅できるのか、また防犯カメラの画像データを転送できるのか否かについては不明でございます。 ○若林委員 不明ということであります。であれば、Free Wi-Fi以外の無線アクセスシステムなどを考えていく必要があるのかなと思っております。それにかわるFree Wi-Fi以外の無線アクセスシステムとして考えられるものはどのようなものがありますか。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 地域BWAなどが考えられます。 ○若林委員 地域BWAということで、防犯、災害時に使われる電波システムであります。ほかにもさまざまな企業が進めているもので、Wi-SUN、ワイヤレススマートユーティリティネットワークや、BLE、ブルートゥースローエナジーなど活用して整備計画をされている企業さんとかがあるようなので、そんなことも研究していただければと思っております。 このような中野区の環境の中で最適なIoT技術を活用した児童見守りシステムは、電波を発信し続ける電子タグ、アクティブタグを児童に持たせ、ネットワーク対応型カメラに電子読み取りタグを設置することが最適と考えられます。ネットワークカメラと電子タグ読み取り装置を連動させることにより、通過した児童の写真、静止画像などの発信も可能になるということでございます。ここまでやるとどうかと思いますけれども、そんなことが対応になってくるということでございます。 今、このIoT技術を活用した見守りは、ソフトバンク、富士通、ソニーなどの大企業をはじめ、アサヒ飲料、鉄道会社などさまざまな企業が開発を進めております。モデル地区として採用を希望する企業はたくさんあると考えられております。この整いつつある中野区のIoT技術整備の環境はどの企業にも最適な環境と言えると思っております。各企業にモデルケースとしてトップセールスをかけるなどのことが考えられますが、区の見解をお聞かせください。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 多くの民間企業がIT技術を活用した見守りサービスを展開しており、区としてもIoT技術を活用した区民の安全・安心を守る取り組みについて、他の事例や技術の進展に注視し、よりよい安全対策の取り組みを構築したいと考えております。 ○若林委員 我が会派からも参考事例として出した渋谷区、兵庫県伊丹市、大阪府箕面市、静岡県藤枝市など、さまざまな自治体が、IoT技術を使った見守りを行っております。中野区に最適なシステムをぜひ研究していただきたいと思っております。この見守りシステムを進めるに当たって、学校、PTA、地域の方々などのお話を伺いながら進めていかなければならないと考えております。まずモデル地区、モデル校として何校か選び、丁寧に進めていくことも考えられますが、区の見解をお聞かせください。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 区民への見守りサービスを行う上では、見守り対象者を誰にするのか、どのようなサービスを行うかなどを検討し、区民に対して丁寧な説明をし、理解を求めていくことが重要であると考えております。その上で初めて見守りサービスが展開されるものと考えております。 ○若林委員 前にもお話しさせていただいたとおり、IoT技術の活用は子どもの見守りだけじゃなく、認知症高齢者の徘回や災害時の避難の状況の確認など、活用はさまざまなケースが考えられると思っております。企業のバックアップも含め、国の補助金の活用なども考えられます。ぜひ進めていただいて、安心・安全なまちづくりのこの中野をどこの自治体にも負けないように進めていただければなと思っております。以上でこの項の質問を終わります。ありがとうございました。 次に、産業経済融資についてお伺いいたします。 中野区の99%は中小零細企業であります。2020年オリンピック・パラリンピックを東京に迎えるに当たり、中野区が他自治体に負けないようにしていくためにも、区内の経済の活性化、発展に中野区として強力な後押しが必要であると考えております。特に、身近である商店街の経済状況がよくなれば地域の発展に十分寄与すると考えております。まちの安心・安全をつかさどる事業者が維持・継続するために、予期できなかった突然の出費や、新しく事業を展開し立ち上げるための資金、あるいは時代に沿った創造の世界を広めるなどの事業者に対する融資の資金援助は重要であると考えております。 中野区の産業経済融資の主なものは、大きく分けて一般融資、特別融資、創業融資の三つになります。一般融資には、中小企業が区から年利0.6%分の利子補給を受けて整備資金や運転資金を借り入れる事業資金と、小規模事業者が区から年利1.1%分の利子補給を受け、より有利な金利で借り入れる小規模企業特例資金などがあります。また特別融資には、ICT・コンテンツ関連事業者及びライフサポート関連事業を実施する事業者が区から年利1.5%分の利子補給を受け、さらに有利に資金を借り入れるICT・コンテンツ事業者支援資金とライフサポート事業支援資金があります。また、事業を先代から継承する場合、現在の事業内容を展開させたり、多角化を図るなど創意工夫をしながら事業を存続・発展させようとする場合の事業活性化支援資金があります。創業融資は、中野区内でこれから創業する事業者、または創業して1年未満の事業者が区から年利1.5%分の利子補給を受け、さらに有利に資金を借り入れる創業支援資金であります。 まず、現在の利用状況をお聞かせください。 ○浅川都市政策推進室副参事(産業振興担当) 産業経済融資の利用状況につきまして、それぞれ28年度と29年度のあっせん件数をお答えいたします。なお、29年度につきましては1月末時点までの件数でございます。 まず、一般融資として、事業資金は28年度189件、29年度133件、小規模企業特例資金は28年度301件、29年度213件でございます。次に、特別融資といたしまして、ICT・コンテンツ事業者支援資金は28年度49件、29年度25件でございます。ライフサポート事業支援資金は、28年度、29年度ともに25件ずつでございます。事業活性化支援資金は、これは29年度に新設したものでございますので、29年度の1月末までに4件となっております。最後に、創業融資といたしまして、創業支援資金、28年度24件、29年度14件となってございます。 ○若林委員 かなりの多くの企業の方々が使われていると。28年度においては400件ぐらい、29年度においては300件ちょっとぐらい。多くの企業の方々が融資制度を使われているということであります。 先ほどお話しさせていただいたとおり、中野区内の99%は中小零細企業であります。一般に中小企業は信用力に乏しく、民間金融機関だけで資金繰りを円滑に進めることは困難であります。国は平成19年度、小規模企業者が資金を調達しやすくするため、信用保証協会が10割保証し、金融機関のリスク負担をゼロにし、いわゆる貸ししぶりを少なくするための全国統一保証制度である小口零細企業保証制度を設立しました。それに準拠して東京都制度融資、小口資金融資が改正されています。これに伴って、各区市でも同様に独自の制度として小口零細企業保証制度を創設し、中野区でも翌年度から小規模企業特例資金の制度を創設しています。 さらに、我が会派からの要望であった信用保証料補助について、区は小規模企業特例資金と創業支援資金において、都と区の条件を両方満たす場合、東京信用保証協会へ支払う信用保証料について、都から2分の1の補助が受けられるようにしていただきました。 一般融資の事業資金、特別融資のICT・コンテンツ事業者支援資金、ライフサポート事業支援資金においては、いまだに信用保証料補助はなしとなっております。こういったところにも東京都と連携して、信用保証料補助を拡充すべきではないでしょうか。他自治体の状況をお聞かせください。また、中野区としても東京に対し推進をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ○浅川都市政策推進室副参事(産業振興担当) 東京都に確認いたしましたところ、先ほどの都の制度と連携した信用保証料半額補助の仕組みにつきましては、特別融資のような政策的融資に対して都制度と連携しているのは、今のところ大田区だけとのことでございました。中野区といたしましても、重点的に振興しておりますICT・コンテンツ産業やライフサポートビジネスを展開する、あるいは積極的に事業転換や多角化を図ろうとする、こうした小規模事業者を支援するため都と協議を続けた結果、平成30年度からはこうしたメニューについても信用保証料補助が行える見込みとなったものでございます。 ○若林委員 東京都と調整をし続けていただいて、信用保証料の半額補助が行える見込みになったということは大きな成果だと思っております。信用保証料半額補助以外にも、区内小規模事業者がさらに融資を受けやすい状況をつくり出すことは考えていらっしゃいますでしょうか。 ○浅川都市政策推進室副参事(産業振興担当) 区内のほとんどの事業者が中小企業であるということは、委員御指摘のとおりでございます。さらに、その中でも中野区の場合、東京都平均あるいは特別区平均と比べても、一般的に融資の面での信用力は弱いとされる小規模な事業者が多いというデータが出ているところでございます。こうした状況の中、この4月からの国の産業競争力強化法の改正を踏まえ、中野区においても、平成30年度から小規模企業特例資金のあっせん融資限度額を1,250万円から2,000万円へと引き上げる予定でございます。 ○若林委員 ありがとうございます。また、創業資金及び区が重点分野と位置付けているICT・コンテンツ事業者支援資金とライフサポート事業支援資金について、事業者が区内商店会に加入して商店街で事業を展開する場合には、利子の自己負担分をゼロとする優遇措置がありますが、現在の利用状況を教えてください。 ○浅川都市政策推進室副参事(産業振興担当) 商店街出店者への特別融資あっせん件数でございます。ICT・コンテンツ事業者支援資金では、平成28年度3件、平成29年度は1月末現在で2件でございます。また、ライフサポート事業支援資金では、平成28年度14件、平成29年度は1月末現在で9件となっております。 ○若林委員 中野区が一押ししたい企業の種類ということもありますし、商店街という限られた地区のことでございますから、件数的にはなかなか進んでいないとは思いますけれども、商店街の活性化のために大いに利用していただきたいと思っております。そのための周知を期待しております。 次に、創業融資についてお伺いいたします。今、現状の創業融資はどのようなものになっているでしょうか。 ○浅川都市政策推進室副参事(産業振興担当) 中野区内でこれから創業する方、または創業して1年未満の方に対しまして、創業支援資金として1,000万円を限度に本人負担利率0.4%という条件で融資のあっせんを行っているものでございます。さらに商店街への出店者や中野区ビジネスプランコンテストの入賞者には、負担利率をゼロとしております。また、この創業支援資金につきましても、都制度との連携による信用保証料の2分の1補助を行っているものでございます。 ○若林委員 ありがとうございます。中野区にもっと経済発展を望むためにも必要なことが、新しい企業を誘致し、この地で起業してもらうことだと思っております。そのためにも、他区市に比べ有利な中野区独自の創業支援が必要であると考えております。新たなビジネスをこの中野区で行っていただくために、もう少し区として後押しをしてもらえるよう検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○浅川都市政策推進室副参事(産業振興担当) ここ数年、区の創業融資制度等を利用した創業は40件程度で推移してございます。融資制度を活用した区の創業支援策は一定の効果が発揮できていると考えてございます。しかし、平成30年度からは一層の創業支援を図るため、区内金融機関と連携いたしまして、創業融資制度の融資限度額を1,000万円から1,500万円に引き上げるとともに、本人負担率を0.4%から0.2%に引き下げることといたします。このことによって、創業を目指す方々が中野の地で起業し、また定着することを促していきたいと思っております。 ○若林委員 融資限度額を上げていただける、そして、本人の負担する利子率についても引き下げていただけるということですから、中野区内で起業するとこのように有利であるということをどうか広くPRしていただいて、しかも、それが商店街に立地したり、既存の産業とコラボレーションするなど相乗効果を生み出し、中野区全体の産業発展につながればよいと考えております。 さて、そのためにお聞きしたいと思いますが、隣接の新宿などから見ても、中野区には融資全面のメニューが少ないとの声も聞こえております。それについて区のお考えをお聞かせください。 ○浅川都市政策推進室副参事(産業振興担当) 新宿区との融資制度の比較でございます。確かに、新宿区の場合は本区よりもメニュー数は多いものでございますけれども、一つひとつのメニューは使途、使い道が制限されておりまして、上限額は本区よりも一般に低いものでございます。このため、事業者が一定額の融資を必要とする場合、条件に見合うメニューを幾つか選択して組み合わせて融資を受ける必要がございます。一方、中野区の産業経済融資は、できるだけ事業者にとって利便性の高いものとなるよう制度設計しているところでございます。具体的には、事業者が一定額の融資を必要とする場合、中野区では一般融資における貸し付け上限額が高く設定されているため、一つのメニューの手続だけで完了できるようになってございます。しかも、利子率や信用保証料の面でも事業主負担が比較的少ない制度となってございます。 ○若林委員 確かに、各自治体ごとそれぞれ産業の状況に応じてさまざまな融資制度があると思いますが、中野区は比較的によりよい制度になってきたということであると思っております。今後とも、利用しやすく事業経営に真に生かせる産業融資であるために、中野区の中小企業の実態や事業者の方々の声を受けとめ、制度の改善、改良を加えていってほしいと思っております。これらを踏まえ、区内中小企業や新たに創業しようとする区民に対して、さらなる経営力強化のための補助金制度の充実や事業継承支援など、産業振興策の拡充を図られたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○浅川都市政策推進室副参事(産業振興担当) 産業経済融資につきましては、今後も区内中小企業がさらに利用しやすい制度となるよう検討、改善を重ねていきたいと思ってございます。また、融資制度ばかりでなく、販路拡大のための各種ビジネスフェアへの出展補助や重点産業のPR事業を東京都の補助金等も活用しながら、さらに充実させていきたいと思っております。創業支援の面では、先ほどの融資の活用やビジネスプランコンテスト等の事業を通して創出された新たな産業が、商店街等、中野のまちで着実に育ち、既存の産業と相まって中野の産業全体がさらに発展するよう、区内経済団体や金融機関、また産業振興拠点ICTCO(イクトコ)等と連携しながら、平成30年度の産業振興の施策を積極的に展開していきたいと考えてございます。 ○若林委員 2020年オリンピック・パラリンピックまでおおよそ2年半、そのときに中野区が他自治体に負けずに世界からの来街者を迎え入れるためにも、活気あふれる人々の笑顔が絶えないまちにするためにも、中野区の経済の活性化を区として強力的に推し進めていただきたいと考えております。さきにも述べたとおり、中野区の経済の下支えをしているのは中小零細企業の皆さんであります。企業の経済面でのバックアップ、起業しやすいまち中野の可能性を見出すためにも、産業経済融資の充実・拡充をさらに進めていただきたいと要望しまして、以上で私の全部の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○高橋(か)委員長 以上で若林しげお委員の質疑を終了します。 次に、[1]加藤たくま委員、質疑をどうぞ 。 ○加藤委員 おはようございます。自民党5番目といたしまして、加藤たくまが総括質疑をさせていただきます。タブレットでやってみます。よろしくお願いいたします。 まず初めに、2月上旬にありました福井県におきます大雪によりまして亡くなられた方々に哀悼の意を示すとともに、それの除雪にかかわった自衛隊、そして地域ボランティアの方々に感謝の意を示すところでございます。気候変動による原因によりまして大雪が発生したものと考えられます。こういった気候変動に関する質問に関しましては、質問通告の2番目に挙げさせていただいているところです。質問は通告どおりで、その他はございません。 それでは、一つ目の民泊の利活用と国際交流についてから始めさせていただきます。 民泊に関しましては、自民党として2年前の平成28年第1回定例会の予算総括質疑におきまして、私の実体験に基づく民泊の危険性を御説明させていただいたとともに、ホームステイ型ならばその問題をクリアできるということを御提案させていただきました。当時は家主同居型、居住型、不在型などという言葉の定義もない中で提案させていただいたので、具体的な形でお示しすることはできませんでしたが、その後、国がガイドラインを定め、中野区も時間がない中、不断の御努力によりまして、結果的に先日の本会議で第40号議案、中野区住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する条例が可決されました。その中におきまして、区長は届け出住宅の居室の数が住宅宿泊事業法施行規則第9条第2項に規定する居室の数を超えず、かつ当該届け出住宅に宿泊者を宿泊させる間に住宅宿泊事業者が不在とならずに実施される住宅宿泊事業で、規則で定める要件を満たすものについては、制限区域における第1号に規定する居住住宅事業を実施してはならない期間においても、家主同居型住宅宿泊事業の実施を許可することができるという許可制度を、他の自治体では見られないすばらしい条例ができたのであろうということで多大な評価をさせていただくところであります。 住宅宿泊事業法が施行されることによりまして、いわゆる違法民泊が名実ともに違法となっていくということで、良質な民泊のみが残る形となってまいりました。そして、今後としては二つ重要となってきます。スムーズな届け出、許可申請の事務作業、そして国際交流を鑑みた民泊の利活用について検討していく必要があります。 まず、届け出、許可申請についてお伺いします。3月15日から届け出ができるわけですが、準備状況はいかがでしょうか。 ○高橋環境部副参事(生活環境担当) 現在、条例施行規則の制定作業、ガイドラインや周知用文書の作成、国が提供します民泊制度運営システムの確認と操作方法の習熟、区独自の許可制度に係る様式等の作成など、さまざまな準備を進めているところでございます。 ○加藤委員 住宅宿泊事業法の制度から、まず3月15日から住宅宿泊管理業者は国土交通省の地方整備局に登録し始めます。住宅宿泊事業者としても届け出に火災報知機の設置などが必要で、また、その火災報知機の設置がちゃんとなされているかということを消防署職員に点検してもらう必要などがあり、3月15日から住宅宿泊事業者が中野区にいきなり届け出をできるわけではないようです。6月15日までに出せばいいということになれば、逆にぎりぎりの時期に申請がなされる可能性もありまして、区としてはどの時期がピークになるか読めないところなんではないかなと推測します。区としても、事務手続で申請者一人ひとりに説明するには非常に労力がかかるため、説明会や相談窓口が必要かと思いますが、区の職員の負担を減らすためにも、このあたりの事務作業について、一部を行政書士等に担っていただくというのはどうか、お伺いいたします。 ○高橋環境部副参事(生活環境担当) 住宅宿泊事業を営もうとする方が、届け出等の手続につきまして行政書士の方に相談されることもあろうかと思われます。したがいまして、今後、区といたしましては、行政書士会等に対し、区の条例、規則に基づく規定の内容や届け出の手続等につきまして、ガイドラインの送付や説明会等の形で説明することを検討してまいります。このことを通じまして、円滑な届け出や許可申請がなされることを期待しているところでございます。 ○加藤委員 話は変わりますが、かぼちゃの馬車というサービスにおいて、民泊のトラブルのもとになると考えます。かぼちゃの馬車とは、いわゆるシェアハウス投資、サブリースの業態です。サブリースとは、不動産業者が建物などを一括して借り上げてほかの人に貸す転貸で収益を上げる事業です。かぼちゃの馬車については、物件のオーナーとして多くの会社員らが、ある銀行から多額の融資を受けてシェアハウスを建設しまして、家賃収入の長期保証をうたうスマートデイズという会社がサブリース形式で借り上げました。部屋を借りる際、非常に安い物件ではあるんですが、東京都の建築安全条例の共同住宅の居室の最低面積7平方メートルをぎりぎり満たす部屋、4畳ちょっとですね。あと、キッチン、トイレ、シャワーが共有で、物件を見ますと10部屋ぐらいで一つのシャワーとかトイレ、そんなような物件で、ちょっと、あまり住みやすくないのか、物件によっては入居率が非常に低くて、最低保証を支払う約束がその後一方的に破られまして、ことし、2018年の1月には家賃収入がゼロになっているオーナーもおりまして、自己破産が続出しかねない事態に陥っています。 そして、中野区にもその多くの物件がありまして、しかも、見ましたところ空室だらけとなっております。2週間前の2月19日、日本弁護士連合会は、サブリースを前提とするアパート等の建設勧誘の際の規制強化を求める意見書を国土交通大臣と金融担当大臣に提出したような状況です。 このような状況下におきまして、そういった不動産として使いづらい物件のかぼちゃの馬車となっているオーナーは、その収益を何とか確保しようとして民泊経営に乗り出す可能性もあるというようなことも示唆されております。こういったような事例で、さまざまな方法で闇民泊が行われる可能性があったりしますが、区としてはそういった違法民泊に対してどのような対応を行っていくのか、お伺いいたします。 ○高橋環境部副参事(生活環境担当) いわゆる闇民泊、無届けの民泊でございますが、旅館業法上の無許可営業となりますので、6月15日に施行される改正旅館業法によって付与されます報告徴収及び立入検査等の権限に基づいて厳正に対応してまいります。なお、無許可営業者等に対する罰金の上限額は3万円から100万円に引き上げられることとなっているところでございます。 ○加藤委員 届け出、許可を経て取り締まり体制がやっと確立されて、これでいい民泊ばっかりが残っていくような状況になって、やっと区としては民泊の有効な利活用について考えることができるようになった、スタート地点に立ったということが言えます。平成28年5月に策定されました中野区グローバル都市戦略、グローバル都市NAKANOの創造におきまして、外国人向け滞在施設(民泊)の整備誘導を図るとともに、まちなかの多言語化を進め、中野の日常的な暮らしや繁華街での飲食が味わえ、哲学堂公園をはじめとする歴史・文化や、ハイカルチャーからサブカルチャーまで多様なコンテンツが楽しめる中野ツーリズムの展開を図りますと記されておりまして、民泊をグローバル戦略の一つと位置付けております。また、民泊新法及び条例ができたことによりまして、グレーゾーンだった民泊は合法になるということで、やってみたいという人も出てくるのではないかと思われます。二の足を踏んでいたという方々も参入しやすい環境づくりをしていただければと思います。 それでは、今後、区として、そういった参入しようとする事業者に対してどのように制度についてわかりやすい説明や情報提供を行っていくのか、お伺いいたします。 ○高橋環境部副参事(生活環境担当) 住宅宿泊事業を営もうとする方に対しましては、区のガイドラインをお示しするとともに、届け出方法や添付書類等につきましてわかりやすく記したパンフレット類を作成し、周知を図ってまいります。また、区報やホームページなども活用し、積極的に情報提供をしていく所存です。 ○加藤委員 また、そういった形で参入してきた事業者の質のレベルのアップというものが必要になってくると思いますが、その辺についてどのように区としてはお考えか、お伺いいたします。 ○平田都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 事業者のレベルアップについてでございます。区としましては、合法的に参入した住宅宿泊事業者の質のレベルアップにつきまして、制度開始から一定の期間、地域のさまざまな活動との連携や国際交流などとの取り組みに関するセミナーを実施いたしまして、区内で住宅宿泊事業を営む事業者の質の向上を図ってまいりたいと考えております。 ○加藤委員 わかりました。爆買いと言われたモノの消費からインバウンド、そういう中で、今度は体験型のコト消費へとシフトしていると言われておりますが、そういった中でまちづくりについては、私の今回質問で、4番で取り上げます歴史民俗資料館のリニューアルと都市観光施策でも取り上げますが、中野区には潜在的な都市観光資源を最大限に利活用できると思っております。また、四季の森公園の拡張用地などでイベントをたくさんやっていけば、それもまたまちめぐりのコンテンツになっていくのかなと思うんですけれども、区としてはこういったところと民泊をどのように具体的につなげていくようなお考えがあるのか、お伺いいたします。 ○平田都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 観光コンテンツの利活用についてでございますが、哲学堂公園をはじめとしまして、区内に存在する観光資源の利活用につきましては、民間観光事業者や、その他区内の観光事業に取り組む団体等に区から情報提供を行いまして、区内での宿泊と観光、伝統文化の体験などを組み合わせた体験コンテンツの開発を促していきたいと考えております。また、区の役割といたしまして、そういった民間事業者同士の情報交換ですとか連携の仕組みづくり、そのための協議を行う場を設けてまいりたいと考えております。 ○加藤委員 また、伝統文化体験など、書道とか、着物を着たりとか、そういったものとかがありますが、そういったコト消費ビジネスというのは、既に、ビジネスですのでかなり展開されていまして、エアビーアンドビーなどで検索できるようになっていますが、ビジネスなので、区が積極的にそういったビジネスを支援するというのもおかしな話ではありますけれども、中野区内の業者に関しては何かそういったリストがあって、民泊事業者とはもう連携するということが条例の中に入っていますから、条例の中で定められている連携の中で、そういったところとつなぐような役割ぐらいはあってもいいのかなと思っております。 また、質問項目3で挙げていますローカルSNS「マチマチ」などの活用によりまして、地域の情報というものがさらにうまくそういったところと共有できる可能性もあると思っていますが、いろいろこれが可能性がありますけれども、現在のところ、区としてはそういった伝統文化の体験に関しまして事業推進をどうやって進めていくか、お考えをお伺いいたします。 ○平田都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 先ほどの御答弁の中で、区としまして連携の仕組みづくりを行っていくということを申し上げたところでございますが、区としましては、伝統文化も含めまして、さまざまな体験を提供する活動を組み合わせて、コト消費として都市観光商品として組み立て、中野区における都市観光としていくことが必要だと考えてございます。そのため観光事業者や区内で活動する団体の協議の場を設けまして、観光商品の開発を促していきたいと考えております。また、委員御指摘のSNS等をはじめといたしまして、さまざまなツールの活用についても検討してまいりたいと思っております。 ○加藤委員 この伝統文化とか体験をやっている事業者さんからちょっとお話を聞いて、なかなかそういった活動を、区民活動センターの会議室とかだとビジネスライクなので貸し出すことができないということで、やりたいけど場所がないみたいな話の中で、空き家を使えないかみたいな声がありました。オーナーがその家に住んでいないということなので、恐らく寝泊まりするというのはなかなかしたくないような物件なのかもしれませんけれども、日中、先ほど言ったような書道とか着物の着つけとか、そういったことぐらいはできますし、ちょっと聞こえよく言えば古民家という表現になりますので、そういった背景の中でインスタ映えするような写真を撮れるとか、そういったところによりまして、外国人にとってはちょっと魅力的なロケーションになっていくのかなというところもあわせると、空き家の対策にもなりますし、使い勝手がいいのかなというふうに思う中で、一つのアイデアとしてあります。 ということで、空き家の利活用について、今後協議会でオーナーとそういった利用者、事業者とのマッチングのあり方について検討を今進めているということではありましたけども、こういった文化交流事業についての利活用の可能性があるのか、お伺いいたします。 ○塚本都市基盤部副参事(住宅政策担当) 建物の用途制限でありますとか老朽度、そういったところに問題がなく、利用者の安全性が確保でき、また周辺の環境にもなじむものであれば、文化交流の場として空き家が活用されることは可能性としてあり得るものと考えてございます。今後さまざまな形態での利活用が想定されている空き家利活用でございますが、そういった空き家利活用のあり方につきましては、区と民間事業者等との連携体制の中で空き家に対するニーズ、あるいは所有者さんの意見、そういったものを伺いながら検討を深めてまいりたいといったふうに考えてございます。 ○加藤委員 以上でこの項の質問を終わりますが、こういった民泊という今までになかった行政課題ではありますけれども、また新たなチャンスとも思えますので、さまざまな行政課題をクリアしつつ、こういったものをうまく利活用していっていただければと思います。ありがとうございます。 それでは、2番の気候変動対策推進基本法案についてですが、申しわけないんですが、まず質問に先立ちまして、このタイトルではなくて、調べたところちょっと古いものでして、廃案になった法案を上げてしまったので、正しくは気候変動適応法案でございました。修正し、おわびさせていただきます。 今言いました気候変動適応法案が、先日2月20日に閣議決定されました。気候変動に対して自治体においてもいろいろやっていかないといけないという、そういった法案でございます。気候変動の原因は地球温暖化にあるわけですが、18世紀に始まった産業革命から、その前から二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスというのは40%増加したと言われております。産業革命のタイミングから気温が上昇しているタイミングが同じということなので、多くの科学者が人間活動と地球温暖化は切っても切り離せないということになっております。地球温暖化で、先ほど言いました大雪みたいになぜ寒くなるかというと、地球全体で平均気温は上がっていますけれども、そういった寒くなるところも出てくるというのは、気温が上がっていくと大気循環がぐちゃぐちゃになってきて、そうすると二極化するわけです。暑くなる日もあれば、寒くなる日もありまして、台風におきましては、数は減りますが、その台風一つひとつは大きくなるというような試算も出ております。そのため大雨が降って洪水になったり、また全く降らなくて渇水になったりということで、気象が二極化していくというのがまた気候変動の一因だと、その現象の一端であります。 2007年、アル・ゴア元アメリカ副大統領と同時にノーベル平和賞を受賞しましたIPCC(国連・気候変動に関する政府間パネル)は、気候変動に対して三つの対策を挙げております。一つ目は、地球温暖化をさらに進めないために緩和策ということで、温室効果ガスをこれ以上出さないためのものです。そのため森林とか、二酸化炭素を吸収するものをしっかり入れていこう、そういったものが緩和策になります。二つ目は、もはや気候変動によって災害は発生してしまうという近年で見られる、先ほど言った大雪だったり大きな台風だったり、そういったものはもう起きてしまうということで、それに対応できるように適応策を立てていこうということがあります。そういったものは自治体レベルでできます。三つ目は、影響評価というものがありますが、これは地球全体のモニタリングなので、研究機関に委ねるところであります。 そういうことで、中野区としてはこういった適応策と、あと緩和策についてやっていかないといけないということですが、その緩和策に関しましてはいろいろと、みなかみの森林などによりまして温室効果ガスの発生を抑制というか、二酸化炭素を吸収するような努力によって緩和策を進めておりますが、適応策に関してはあまり進んでいないというところであります。法案が可決すれば、気候変動に対して各自治体が適応策を進めていかないといけませんが、区としてはこういったところに対してどのような御見解をお持ちでしょうか。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 現在、環境基本計画に気候変動に関する適応策を盛り込んでおりますが、今後、気候変動適応法案が成立した場合、その内容も踏まえた上で、より具体的な対応について検討したいと考えております。 ○加藤委員 中野区環境基本計画にはたしか四つのプロジェクトと適応策が挙げられていますが、その辺、詳細を確認のために教えてください。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 環境基本計画において、中野区の目指す将来像として環境負担の少ない低炭素社会づくりを掲げ、これを実現するための四つのプロジェクトとして、1、低炭素なまちづくり、2、地球環境に優しい快適なまちづくり、3、みどりを守り育てる都市緑化、4、大規模事業者としての区の環境配慮率先行動、以上四つのプロジェクトを掲げております。 さらに温暖化に伴う気候変動への適応策として、1、水害対策の推進、2、高齢者の熱中症対策事業、3、デング熱対策等に向けた周知活動の推進、以上三つの取り組みを掲げております。 ○加藤委員 中野区の温暖化対策に関する代表的な取り組みとして、エコポイントやカーボン・オフセット事業などありますが、そういった温暖化対策、気候変動対策の他区の実施状況について、ちょっとお伺いいたします。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) なかのエコポイント制度と同様の取り組みとしましては、他区では千代田区をはじめ八つの区で実施しております。カーボン・オフセット事業につきましては、千代田区、港区、新宿区の3区が中野区と同様、森林資源の豊富な自治体で森林整備を行い、イベント等で排出されるCO2排出量の一部を相殺する取り組みを実施しております。ほかに足立区のほうでオフセットクレジットを購入し、区内のCO2排出量、こちらのほうを相殺しているというものでございます。 ○加藤委員 30年度の予算におきましては、エコポイントが500万円ほど増額になっておりますけれども、ことしまで、直近までのこれまでの実績とその効果みたいなところと、予算拡充をすることによってどういったことになっていくのか、教えていただけますでしょうか。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) なかのエコポイント制度につきましては、本年1月末現在で参加登録世帯数が2,194世帯、制度開始の平成23年度以降昨年度までの6年間で、制度参加者数の電気・ガスの節約により削減できたCO2排出量は、累計で312トンとなります。これは1本の杉の木が1年間にCO2を吸収する量を14キログラムとして換算しますと、2万2,286本分に相当するものでございます。 また、この制度の改善・充実の内容でございますが、来年度に向けましてCO2削減コースの取り組み期間を現在の1年間から、夏季及び冬季の6カ月間に短縮しまして取り組みやすくするほか、新たに環境行動コースを設け、温暖化対策や資源リサイクルなど環境に配慮したさまざまな行動にエコポイントを付与する予定でございます。この制度の改善・充実による効果につきましては、平成30年度の参加登録世帯数、こちらのほうを3,000世帯と、現在よりは1,000世帯ふえまして3,000世帯と見込みまして、これを平成28年度の1世帯当たりのCO2排出削減量で換算しますと、年間で21.45トンのCO2排出量を抑制できるというふうに見込んでございます。 ○加藤委員 すみません。質問通告にはないんですけれども、先ほど言われた減った量というのは、直近のデータと1年前に比べて杉の木何本分が減ったというのと、エコポイント制度を始めたというところを関連づけて今御説明されたんですか。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 最初に説明しましたのは、エコポイント制度を開始しまして、23年度から昨年度28年度までの6年間、各年度のお取り組みによってCO2排出量、これが全部6年間を合計しますと312トンになるというところで申し上げました。最後に御説明しましたのは、来年度の1年分、これは参加者数がふえるというふうに見込んでおりますので、その場合のCO2排出量、1年間で21.45トン、このぐらいは計算できるという御説明を申し上げました。 ○加藤委員 エコポイントを始めたからといって、区民全体の意識が一気に変わるということもなかなか難しいとも思いますし、そこを関連づけるべきでもないとは思いますが、これをやったからこのぐらいCO2が減りましたというのを、そういったところでしっかりと調査できるような体制をとりつつエコポイントについてはやっていただきたいと思いますので、今後ともその辺は研究をよろしくお願いいたします。 次に行きまして、先ほども話がありましたけれども、23区の中で中野区が取り上げられそうなとか、そういった中で先駆的なユニークな事例があったら教えていただけますでしょうか。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 他区の取り組みで、今回の中野区のエコポイント制度の改善案を作成する際に参考にした事例としまして、千代田区のエコ・アクション・ポイントという制度がございます。これは資源リサイクルや環境イベントへの参加など、一人ひとりの環境行動に着目してポイントを付与するとともに、区内のさまざまな場所にあります環境関連の施設をめぐり歩いて訪問し、その行程や体験内容をエコツアーレポ、御自身のエコツアーレポートとしてまとめまして、これを区に提出しますとポイントがもらえるという、こういうユニークな仕組みを設けております。 ○加藤委員 さまざま研究していただいて、新たなそういった緩和策に資するものをやっていただきたいと思います。 緩和策の中で柱となるのがみどりですけれども、中野区はみどりの基本計画の中で、むろんのことみどりをふやしていこうという内容となっていくわけですが、公園をふやしていくということは純粋にみどりが増加するというところで、今、公園の開発等がありますので、そういったところに進んでいくのだろうと思います。20年くらい前までゴルフ場開発というのは環境破壊だというようなレッテルが張られていた時代がありました。しかし、ゴルフ場というのは芝や草地とか、あと樹木というのが密林である山よりは、そういった管理されているときのほうがCO2の吸収量がいいというようなデータがあります。公園においても必ずしも樹木にこだわらずに、そういった芝や草地の整備のやり方によっては、緩和策としてはむしろCO2吸収量が高まるということも考えられるわけです。 手前みそですけど、私が昔、小石川後楽園内で延べ100日ぐらい気象観測していたことがあるんですけれども、森林がどのぐらい周りを涼しくするかという熱環境緩和作用についてちょっと研究していました。その中でCO2フラックスという、つまり森林が二酸化炭素をどのぐらい吸収するかというのを計測したりもしていましたし、他者の研究成果も見てきましたけれども、密林よりも、ある程度まばらのほうが樹木1本当たりの頑張りが違うということです。二酸化炭素を吸収しようとするときに、もちろん光合成をしないといけないんですけど、光合成するためには日光と二酸化炭素が必要なわけなんですけれども、密林であると結局それを奪い合ってしまうということで、その効率が悪いということです。だから、まばらに木があったほうがいいということになります。ちょっと表現が違うかもしれないですけど、綱引きの原理みたいな感じで、一人ひとりのほうが頑張れるということで、集合すると全体の力が落ちてしまうというようなことが言えます。 ということで、公園整備においても、密林があるということは必ずしもいいというわけではないので、また、密林によって街路の明かりが遮られて夜が怖いという声とかもあったりするので、そういった樹木の配置とか数とかというのは、地球温暖化の緩和策とか防犯に資するところにもなりますので、樹木の数に限らず、樹木の最適配置の研究を進めていただきたいなと思います。 そういったことを踏まえまして、みどりの基本計画に基づき事業を進めていただきたいんですけれども、現在どういった方向性で進められているかお伺いいたします。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) みどりの基本計画の改定作業に当たりまして、目標として設定いたしますみどり率というものには、樹木だけではなく草地や芝生、公園等のみどりで覆われていない部分の面積等も含め、対象として捉えております。みどりの基本計画を策定する際には、樹木だけではなく地球温暖化に効果のある草地や芝生、屋上緑化の面積などもふやしていくという視点も重要というふうに考えております。 ○加藤委員 緩和策に関しましてはここまでとさせていただきます。 適応策に関してですけれども、そういった暑さ寒さとか、天気、雨とか大雪みたいに対して適応策をやっていかないといけないということですが、あらゆる天候に対して適応できる、そういった区の体制が必要です。ゲリラ豪雨に関してはいつも私が話しているので、きょうはやめとしまして、ただ、予告として、私が所属します東京青年会議所のほうで水防関連に関する社会実験を夏に検討しておりますので、区の御協力を賜りたいということで、ちょっと防災担当が今回忙しいということなので、今回は質問はしませんが、またの機会に取り上げさせていただきます。 ということで、今回は暑過ぎ、寒過ぎみたいな対策のところで、環境ウエアラブルというものを紹介させていただきたいと思います。通販じゃないですけど。 今の時代は情報ウエアラブルということで、スマホから腕時計、眼鏡の機器が生まれています。ウエアラブルというのは、ウエア、着るに、エイブルできるということで、身につけることができるということで、情報ウエアラブルの次は環境ウエアラブルだと言っている人もいます。ちょっと今回紹介したいのはこの環境ウエアラブルで、動脈などを冷やすことによって個人の体温をコントロールする機械ということがあります。中野区役所のような役所においては、エアコンが使用できる時間、時期、曜日とかが限られている状況において、どうしても暑さ寒さに耐えられない人がいるわけであります。また企業におきまして、エアコンは別にそんな時間の定めがないとしても、例えば休日に1人でオフィスに出勤したりすると、その1人のためにエアコンを使うというのは非常に電力がもったいないということになってきます。暑がりの人に合わせてエアコンの温度を調整し過ぎても、その温度が寒過ぎて何か羽織ったりとかいろいろ、本会議場でもそういったことはありますけれども、一人ひとりの温度というのは個々によって理想とするものが違うということです。 時間があるので、ちょっと余談になってしまうんですけど、なぜクールビズが28度なのかということなんですけど、平成17年のクールビズの開始の際には、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令などに、その室温設定の範囲が17度以上で28度以下に基づいて、冷房時の室温が28度と呼びかけられました。つまり、建物の管理者は28度以下にできる建物にしないといけないということからそういった数字になったと言われています。 その法令、なぜ28度なのか、昔調べたことがあるんですけど、そういった文献が見つかりませんでした。ただ、裸で過ごしたら28度が適温という、ちょっとわけわからない文献が出てきました。裸で職場で働くわけがないので、この28度設定というのは暑過ぎるというのは、通常考えれば暑過ぎるという設定になっているということで、現在、環境省のホームページでは、28度というのは努力目標になっているということです。湿度との兼ね合いも含めると、個々に求める空調設定が違ってくるわけですけれども、そういったさまざまなニーズがある中で、環境ウエアラブル機器で自己の体温、感じ方を変えることができるということです。この適応策を進めるということになれば、エアコンの空調温度をさらに下げることができるかもしれませんし、そういったことによっては――下げるというか、上げても大丈夫か。電力量を下げることが可能になってくるということで、緩和策にも適応策にも一石二鳥ということになるということです。 今御説明させていただいた環境ウエアラブルが、ことしの夏にプロトタイプができる見込みということで、区の職員とかにもつけていただくという、そんなこともできるんじゃないかということで、こういったアイデアが今後も出てくると思いますが、区としてはそういったものが出てきた際に取り上げていくというような考えはあるかを御質問させていただきます。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 委員御指摘のような環境ウエアラブル機器に関しまして、今後さまざまな新しい製品が出てくるものと存じますので、例えば区民に積極的に御紹介していくなど、周知に努めていきたいというふうに考えております。 ○加藤委員 ありがとうございました。以上でこの項の質問を終了させていただきます。 では3番目、ローカルSNS「マチマチ」を活用した地域情報の発信について。マチマチというのは地域イベントや保育所、防災など、サイト利用者の欲しい項目を選択すると、そのエリアの情報が入ってくる無料のサービスです。使い方はフェイスブックと似たような仕組みで、SNS利用者なら誰でも使えるものです。自治体向けにはマチマチfor自治体というサービスが既に4区で導入されておりまして、利用者がふえているようです。地域デビュー促進のために地域の入り口を見つけやすくなる、また、敷居ハードルを下げるためにも非常に有用なツールであると考えます。 私は平成29年第4回定例会の一般質問におきまして、地域情報の発信方法の一つとして、このサービスの導入について御提案させていただきました。そのときの答弁で、区の事業のほか、町会・自治会等が行っている地域での活動についても、さらにきめ細かい情報提供ができる。実名登録のため信頼度の高い情報交換が可能になるとして、地域コミュニティの活性化に寄与する可能性があるため導入を検討したいという答弁がありましたが、その後、検討はどのように進んでおりますでしょうか。お伺いいたします。 ○堀越政策室副参事(広報担当) その後、類似のSNS等との比較などさまざまな検証を行いまして、現在、マチマチfor自治体について協定の締結を視野に入れ、導入方向での検討を進めているところでございます。 ○加藤委員 その活用方法については、各地域からの身近な場所からの情報発信により、きめ細かくタイムリーな情報提供ができる、地域課題をみずから解決していくことになるとし、中野区全体として、また各地域の特性に応じた活用方法やその効果についても検討したいとしておりましたが、その内容についてはいかがでしょうか。 ○堀越政策室副参事(広報担当) 中野区にはこのサイトの目指すところであります地域課題の解決に結びつく取り組みや、地域団体ネットワークづくりを進めております15カ所の区民活動センターがございます。おのおののセンターは地域自治の活動拠点でございまして、その地域の特性を生かしながら事業を展開しているところでございます。このセンターの取り組み、身近な場所からの情報提供等と地域版SNSを介しました利用者同士の交流などから、コミュニティのさらなる活性化へとつながっていくものと考えております。 ○加藤委員 区民活動センターの機能を生かしたというところで、区内全体のエリアごとのそういった情報が集約されて発信されるということで、ちょっと私が想像していたよりもすごいことになっているなということで、非常にわくわくする事業展開だと思っています。さらに進めていただきたいと思っています。 ところで、今のところ、利用者が30代から40代の子育て世代が多いようですが、保育園の入園にかかわる情報、いわゆる保活などの情報や子育て情報を提供すれば利用者がふえ、その後も地域に住み続けるなどコミュニティの継続なども期待できます。地域性だけではなく、そのライフステージに応じた地域情報の出し方が考えられると思いますが、導入というか、提携される予定ということですが、そのような内容、情報を提供されることも念頭に入れておられるのか、お伺いいたします。 ○堀越政策室副参事(広報担当) 活用内容といたしましては、他自治体同様、行政情報や地域でのイベント、防災、子育て支援の情報等を想定しておりますが、中野区の特徴といたしましては、地域の特性、実情に合わせましたきめの細かい情報の提供ということになると考えてございます。現在、マチマチに登録している世代はSNSの利用率の高い30から40代の方が多いようでございますが、それ以上の年代の方のスマートフォン利用率等も高まっているところでございます。ファミリー層、子育て世代の利用の多さを想定しつつ、登録者や地域での活用状況等も勘案しながら、提供する情報の内容を検証していく必要もあると考えてございます。 ○加藤委員 ありがとうございます。学校の同窓会とかに入っていますので、理事とかやっていますと、年間運営費というのは卒業生から徴収して、それで年間回す。ただ、OBの数は年々ふえていくというところで、1人当たりの年間運営費が年々大変になっていくというような会が非常に多いという中で、紙媒体を年に1回送っているというのも2年に1回になったりとか、そういったところでかなり負担がふえているというような状態があります。そういった中で、マチマチなど地域情報を発信できるというのが、ある種、回覧板とか掲示板にかわるところとしてちょっと期待ができるのかなと思うんですけれども、そういった観点から、きのうも山本委員からもありましたけれども、区報とか、こういったところから発信すると、カラーにするとかそういったところでもなく、読む人がふえていくのかななんて思うんですけれども、そういった検討みたいなこともできますでしょうか。 ○堀越政策室副参事(広報担当) 区報の電子版につきましては、現在、区のホームページのほか、マチイロというアプリ等でも読めるようになってございます。マチマチfor自治体には電子版の広報紙や行政からのお知らせが読める公共機関と地域のイベントチラシとが見られますニュースというメニューがございます。区内全域でのお知らせと地域の身近なニュースが一つのサイトで見られ、さまざまな情報を入手しやすいということがこのサービスのメリットでありまして、導入に当たりましては、電子版の区報についても登録を行い、区政情報の提供の場をふやしていきたいと考えてございます。 ○加藤委員 区全体とか、地域に特化とか、年齢とかライフステージに応じて出す情報、そして欲しい情報というものが変わってくるという多様性が求められていく行政サービスの中で、さまざま御検討していかないといけないところは多々あるかと思いますけれども、先ほども言いましたけれども、紙媒体とデジタル情報、こういったところ、今は併存して、まさに議会がそういったところで、紙媒体とタブレットの併用とか、完全に移行するとか、そういった過渡期で、地域におきましても、今のところはもちろん紙情報は非常に重要ではありますけれども、もうちょっと先になると、多分そういったところで過渡期になってくるのかなと思いますので、その辺いろいろと今後とも研究していただいて、どういった情報が一番いいのか。その最適解というのは、結局は地域活動がしっかりと活性化するという目標を、手段ではなく、情報配信はあくまで手段ですから、その目的の地域活動の活性化に対して資するようなことで情報発信のあり方について検討していただきたいと思います。今後御期待させていただきまして、この項の質問を終了させていただきます。ありがとうございます。 質問項目最後の歴史民俗資料館展示リニューアルと都市観光施策について質問させていただきます。 まちづくりは人づくりで、そして人づくりには郷土愛というものが必要不可欠だと考えております。今なくなってしまいましたが、中野区立仲町小学校、私が通っていた小学校の同級生が、島根県の隠岐島、人口3,000人ぐらいの島なんですが、そこで、いわゆるUターン、Iターンと言われる人口還流現象をつくるためにさまざまな試みをしておりました。その一つとして、地元の島の高校生に、島には大学がないので、本土に大学に行くという際に、それぞれ島の高校生たちをその島の観光大使に任命して、夏休みに自分の島に帰ってくるときに、その友達を連れて帰ってくるんだって、それが観光として循環していくんだということで、それぞれを観光大使にするというような試みがあります。そういったことをやるには、やっぱり郷土愛がなければできないということです。 また、そのほかにもインターネットができれば、できる仕事の方々に関しては移住してもらうとか、そういったことによりまして、その隠岐島の人口が単純減少していたんですけれども、横ばいもしくは増加する時期もあるというような状況になってきました。郷土愛がまちをつくっていくというような事例であります。 歴史民俗資料館リニューアルにおきましては、淡々と中野区の歴史を学ぶ場所とするだけではなくて、中野区の小学生が中野に誇りを持てる、中野に生まれてよかった、そんな郷土愛が生まれる場所にしていただきたいということで質問させていただきます。まず、リニューアルということなので、現況についてお伺いします。常設展示のリニューアルということですが、現在何が展示されているのか、確認で御質問させていただきます。 ○永見健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 歴史民俗資料館の常設展示室におきましては、武蔵野における中野の風土と人々の暮らしということを基本のテーマといたしまして、中野に生きた人々の歴史と民俗を紹介しているものでございます。区内で出土いたしました旧石器・縄文・弥生時代の土器、弥生時代のジオラマ、宝仙寺三重塔の模型、お囲いの関係資料、江戸時代の農家、かまど周りの復元、戦前・戦後の資料など、それぞれの時代の各種の資料を展示しております。 ○加藤委員 ここ数年の、歴史民俗資料館の入館者数は何人でしょうか。 ○永見健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 歴史民俗資料館の直近3年間の入館者数でございますが、平成26年度が3万6,354人、平成27年度が3万5,363人、平成28年度が3万3,757人でございます。 ○加藤委員 ちょっと実際に訪れると、そんな3万人規模いるのかなというようなところを感じるところですけれども、恐らく団体で来られるのかなというところではありますけれども、よくいらっしゃるような団体とかがいれば教えてください。 ○永見健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) まずカウントにつきましては、入り口にセンサーが設置されておりまして、来館の際にセンサーが感知した件数を、出と入りがありますので、2で割って算出しているものでございます。また団体につきましては、平成28年度の歴史民俗資料館の利用団体が230団体ございまして、小学校の社会科見学が21校、保育園・幼稚園が10園、デイサービス事業所が125所、その他の団体が74団体の利用がございました。 ○加藤委員 小学校、かなりのところが来ているということなので、冒頭に挙げましたとおり、なおさら郷土愛が育まれるようなリニューアル、そしてまた、せっかくリニューアルするのであれば、入館者数がふえていただきたいなと思いますが、リニューアル後の目標人数などが定まっておりましたら教えてください。 ○永見健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 今回のリニューアルに当たりまして、現時点では具体的な目標人数は設定はしておりませんが、より多くの方に御来館いただける施設にしたいというふうに考えてございます。来年度、再整備計画の策定を進めていく過程で、目標人数の設定についても検討していきたいというふうに考えてございます。 ○加藤委員 そうしましたら、リニューアルする展示内容について触れさせていただきます。ちょっと話が長いので、すみませんが、語らせていただきます。 私がこの区議会に入って初めての一般質問のときに、犬大好き、犬公方の5代将軍徳川綱吉公がつくった生類憐れみの令のシンボルである犬小屋が現在の中野区の中心にあったことは、大人になってから、大学生とかになったときに、おまえのまちの名物は何かみたいな話を聞かれたときに、犬小屋がありましたなんて言うと、何か、ああ、あの犬小屋かみたいな感じで、かなりばかにされたりすることもありました。そういったところを私が黒歴史だと、中野区の黒歴史だと認識して20代ぐらいまで過ごしてきましたけれども、最近のそういった歴史研究によりましては、当時、切り捨て御免などという言葉が物語るように、応仁の乱から続いた戦国時代、安土桃山時代、そして江戸時代、大坂夏の陣、島原の乱まで続いた戦争が、人を殺すことを、あやめることを何とも思わないという日本人の感性をつくりあげてしまったということが言われています。 そういった中で綱吉は、生類というのは人間を含めており、特に子ども、老人に対して迫害があった社会情勢下において、人権擁護の観点からそういった生類憐れみの令をつくったということを言う歴史家がおります。生類憐れみの令は1684、5年ぐらいから130ぐらいの法律群、法律の多くをまとめて言うものでありますけれども、犬に関しては1600年代の前半から野犬がまちじゅうにあふれかえっているという社会問題があったということで、そういった流れの中で犬小屋ができたというのが真実であるということです。生類憐れみの令は、日本人に殺すなんてとんでもないという人権擁護、動物愛護の感覚を育むために必要な条例であったという解釈があります。そういったところから、むしろ黒歴史から輝かしい歴史のシンボルである犬小屋であるというふうに、初めて立った議会で説明させていただきました。 そして、ことしの2月5日の区報裏面、これは許可を得てますけど、ここで裏面に小径・より道というのを書いてあります。ここで区長は、上高田の功運寺に墓所がある吉良上野介が歴史上の悪役にされているが、名君であったとの史実もあり、忠臣蔵のストーリー性が日本人の心情に受け入れられているという話に続けて、犬小屋の話に触れます。 同様に評判の悪い歴史上の人物が中野に犬小屋をつくった5代将軍徳川綱吉です。綱吉の生類憐れみの令も一般的に受け入れられている典型的な悪法という見方には反論が存在します。犬よりも先に孤児や病人を守るための令であり、福祉的な治世の先駆けだったというのです。犬小屋は廃止されても、福祉的な部分は江戸時代を通じて守られていたそうです。常識や先入観にとらわれず、物事を多面的に冷静に捉えることで、歴史をより深く楽しく学べると思います。区長・田中大輔。 そういったところで、区長にも同じ歴史認識を持っていただいているのかなと思ってうれしかったわけですけれども、区として全体として、これは区長1人の意見なのかもしれませんが、区としてはその辺の歴史認識をどのように捉えているのか、お伺いいたします。 ○永見健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 生類憐れみの令につきましては、徳川綱吉将軍が文治政治に着手する手法の一環として制定いたしまして、お囲いを設置したものと言われております。歴史的にさまざまな評価がございますが、見解の一つといたしまして、人権擁護や動物愛護の先駆けであり、治安の改善などの功績があった、そういった解釈が存在しているということは承知してございます。そういった多面的な解釈が存在するという点におきましても、綱吉とお囲いの歴史は中野の貴重な地域資源の一つであるというふうに認識してございます。 ○加藤委員 また、それも先ほど言った一般質問の中で取り上げていたんですけど、今の桃丘あたりにありました桃園が日本初の公園みたいな話でしたけども、中野区が監修に携わっていると思うんですが、J:COMチャンネル中野の番組の「ピックアップなかの」第56回、2017年の12月1日から、ことし18年の1月31日まで放送していました「なかの公園物語」において、桃園は犬小屋の跡につくられて、その庭園が花見の名所であり、花見文化の形成に一役を買っている。明治以前に公園と呼べるものであったと言っております。これは非常に中野の歴史を語る上でありますし、誇りになると思えます。 過去のいろいろなものを見てきますと、区が徐々にそういった中野駅周辺の歴史輝かしいものであったという認識のもと、内容が徐々にそういう明るい感じになっているようにも感じられるわけですけれども、歴民に関してもそういったコンセプトでリニューアルしていただきたいと思うところではあるんですけれども、どのように御検討されていますでしょうか。 ○永見健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 御紹介のありました「ピックアップなかの」の素材につきましては区が提供しているものでございまして、当時の桃園における花見文化につきましては、明治以前に日本に公園と呼べるような場所があったというふうに認識してございます。 歴史民俗資料館が開館してから29年が経過しておりまして、リニューアルの際には中野の歴史の魅力をより感じていただけるよう、開設後に得た新たな知見の反映についても留意していきたいというふうに考えてございます。 ○加藤委員 話は近代になりまして、1889年、中央線の前身である甲武鉄道は新宿から立川まで開業しました。東中野駅から立川駅までが27キロ程度ありますけれども、日本全国、現在のローカル線の中では、その直線距離は、新幹線を除いてローカル線では北海道1位、2位で、3位だと。東中野から立川が3位の長さだというふうに言われております。そのときの甲武鉄道の経営陣がえいやっと線を引いたということです。もともと甲州街道につくろうと思っていた中央線は、当時甲州街道沿いなので人がいっぱい住んでいたので、なかなかだめだということで、甲州街道の新宿南口のあたりから無理やり北のほうに行くというルートで今の中央線のところになった。そこには田畑が多かったということで、線路が引きやすかったということで、直線距離で引かれたというような話があるということです。 その後、甲武鉄道が1904年8月になると、今の市ケ谷と飯田橋の間あたりにあります飯田町という駅と中野駅の区間だけ電化、つまり汽車から電車にした。これが日本初の電車だそうです。中野駅が初めての電車の始発駅になるわけです。飯田町駅は今言ったようにないわけですから、今、中野駅は日本最古の電車の始発駅と言えるわけです。1919年になりますと、中野駅から東京駅はもう中央線で通っています。当時、下町だった秋葉原から上野の2.4キロぐらいなんですけど、これはなかなかつながらなかったということで、中野駅から中央線で東京へ来て、山手線の時計回りの東京、品川の南のほうへ行って、新宿へ行って、その後、池袋、田端、上野、こういった「の」の字の形で運行していた。つまり、中野から1本で上野に行っていた時代があった、そういったことがあります。そこの始発駅が中野駅であり、今、電車区がある、車庫が、今そんなフルに使われていないですけれども、そういったものがあるルーツなんではないかと推測するところであります。こういったところで、中野の電車の歴史だけで見ると、中野駅というのは非常に国鉄時代に、つまりJRの前身である国鉄のいろいろと発祥のものがあったということが言えます。 その後、陸軍省の電信連隊とか気球隊だったり、そういった最先端の技術がこの中野で育まれていったと。場所柄そういった最先端のものが置かれていったということです。 ということで、いろいろとこのJR中野駅周辺というのは、人権擁護、動物愛護、花見、公園、電車、通信、そしてつけ麺も入れれば、いろんな発祥、起源のものがあるということで、こういった中野の歴史をひもとくと、ほかにはない非常にすばらしいものがあるわけですが、そういったものも展示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○永見健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 中野には、他の自治体にはない歴史や文化遺産があり、それらを魅力として広く伝えていくことは、歴史民俗資料館の使命であるというふうに考えてございます。リニューアルに当たりましては、歴史的事実や解釈等について検証した上で、中野の魅力を十分に伝えることのできる展示内容を目指していきたいというふうに考えてございます。 ○加藤委員 ありがとうございます。資料館の内容次第で、中野のふるさと自慢を小学生がしてくれるのではないかということで、その内容については非常に期待するところでありますし、郷土愛だけではなくて、都市観光資源にもなっていくということも考えられます。現在、中野サンプラザ、また新サンプラザでもですけど、あと新しい区役所とか、そういったところから展望を、中野駅を見おろすような形にできるような展望室ができるのであれば、またグランドレベルでもいいんですけど、AR技術によって犬小屋だったり、そういった日本初――ARというのは、携帯とかをかざして、現実の映像に対してデジタルの画像を重ね合わせる技術で、ポケモンGOなど、そういったところで使われている技術ですが、そういった技術を使って中野の昔からの歴史が見えるような、AR技術を使うことによって、そういった中野初のものがいろいろ見られるような形にしていく、そんな歴史が見えるコンテンツがあってもいいのかなと思います。 また、当時犬小屋があった四季の森公園で犬のイベントなどをやって、1日限りの復活、中野の犬小屋みたいな、そんなインパクトがありそうな事業を展開できるのかなという私見を申し上げさせていただきますけれども、そんないろいろアイデアが生まれそうですけども、区としては今後、都市観光施策としてどのようなことを御検討しているのか、お伺いいたします。 ○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 中野の歴史をテーマとした観光施策についてでございますけれども、平成28年度の都市観光サイトのリニューアルにあわせまして、中野の歴史をテーマとするページを新たに作成してございます。このページでは、江戸時代を中心とした中野の歴史や文化を掲載して情報発信を行ってきたところでございます。今後につきましても、引き続き都市観光サイトを含む情報発信を中心に観光施策を行っていく予定でございます。 ○加藤委員 中野駅周辺が先ほど言ったみたいに都市観光資源の塊だということを考えると、スタートを都市観光歴史散策コースみたいなので、歴史民俗資料館をスタートとして哲学堂とか、先ほどの功運寺とか、新井薬師とか、そういったもので、ゴールが中野駅周辺みたいな、そういったところでかなりいろんな密度が濃いというか、濃密な都市観光のコースになっていくのかなと思うんですけど、中野全体の都市観光の推進として、今後どのような方向性で考えているのか、お伺いします。 ○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 中野駅から哲学堂公園周辺にかけてのエリアにつきましては、中野の歴史に触れることのできる歴史民俗資料館、また寺社仏閣、哲学堂公園のようなユニークな観光資源など、歴史の視点からも見どころのある地域であると認識してございます。今後につきましては、歴史民俗資料館のリニューアルや哲学堂公園の再整備などのハード事業にあわせまして、さまざまな関係者と協力関係を築きながら、歴史的な資源を活用した観光施策を進めていきたいと考えてございます。 ○加藤委員 ありがとうございます。以上で私の全ての質問を終了させていただきます。いろいろと都市観光、今後もいろいろ資源があるので、やっていただきたいと思います。それでは、御清聴ありがとうございました。 ○高橋(か)委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。 次に、高橋ちあき委員、質疑をどうぞ。 ○高橋(ち)委員 皆さん、お疲れさまでございます。今、私の前に我が会派の加藤委員の、貴重な中野の歴史の講座を聞いていただきまして、本当におつき合いいただきまして、まずは御礼申し上げます。 私たち昭和30年の結党以来、自由民主党、名前も変更せず、今も現在頑張っているその自由民主党の最後の質問者として質問をさせていただきたいと思います。 質問項目は順番どおりでありますけれども、3番目の都知事と区長の意見交換会について、理事者といろいろ話しましたところ、答弁者が区長しかいないということなので、今回は、それはせっかく出したんですけど、割愛させていただきまして、その他にちょっとお伺いをさせていただければと思います。 それでは、まず、1番目の施政方針の中からなんですけれども、児童相談所について若干お伺いしたいと思います。平成28年度の児童福祉法の改正によりまして、中核市に加え、特別区も児童相談所を設置できることとなりました。特別区は法改正以前より身近な地域で一貫して子どもと家庭を支援していくことの必要性から、東京都からの児童相談所の移管について検討を進めてきたところでありますが、法改正を受け、改めて多くの区が児童相談所設置に向け具体的な準備を進めているのだと認識しております。私たち子ども文教委員会でも金沢に行きまして、児相の視察をさせていただきましたけれども、本当に大変に熱心に活動しているというか、面倒を見ていらっしゃるんだなというのを実感してまいりました。 現在、平成32年度に設置を予定している3区がモデル区として、東京都と設置計画案についてさまざまな角度から内容の確認を進めていると聞いておりますけれども、中野区も翌年の平成33年度に児童相談所を設置する計画でありまして、モデル作業で示された都の考え方について、現段階から中野区としての対応方針を検討整理して都との内容確認にしっかりと備えていく必要があると考えています。 そこで、まず児童相談行政の体制や職員の確保については重要な視点であることから、この点について、現段階で示されている都の主な考えと、それに対する中野区の考えを教えてください。 ○神谷子ども教育部副参事(児童相談所設置準備担当) 東京都は、区が児童相談所を設置するに当たりまして、地域の関係機関と濃密な連携による虐待予防、家庭復帰を含めた在宅支援の強化といったことを強く求めているところでございます。児童相談所を区が設置することの意義は、措置、介入と支援と一連の対応として一体的に取り組める点にあると考えております。在宅支援の強化は必須と、準備を進めているところでございます。平成30年度におきましても、中野区要保護児童対策協議会の強化、ショートステイ、協力家庭事業などに取り組むこととしておりまして、関係機関等との連携も含め、区の対応の幅を広げていく考えでございます。また、人材の確保につきましても、専門職を順次確保していくとともに、他都市の児童相談所への派遣や、児童福祉司経験者のスーパーバイザーと専門的非常勤の配置なども進めていくところでございます。 ○高橋(ち)委員 区は第三中学校と第十中学校の統合新校にあわせて、(仮称)総合子どもセンターを設置し、児童相談所機能をあわせ持つことと考えているわけでありますけれども、一時保護所については、(仮称)総合子どもセンターとは別の場所に整備を予定していると伺っておりますけれども、一時保護所は、虐待、放任、非行等の理由により、その子どもを家庭から一時引き離す必要がある場合や、適切な援助方針を定めるために十分な行動観察、生活指導等を行う必要がある場合等に子どもを一時保護する施設であります。子どもが不安定な状況であることも多く、ハード面、ソフト面ともにさまざまな配慮が必要であると考えていますけど、施設整備や運用に当たってはどのような配慮が必要であると考えていますか。教えてください。 ○神谷子ども教育部副参事(児童相談所設置準備担当) 一時保護所は児童相談所の児童福祉司、児童心理司による子どもへの十分・丁寧なアセスメント及びケースワークの実施、緊急時の応援体制の確保などが必要となることから、児童相談所機能の設置を予定しております(仮称)総合子どもセンターから一定の距離内に設置することが望ましいと考えてございます。また施設面では、男女や年齢、一時保護された理由など、子ども一人ひとりの状態に合わせました個別的な対応ができ、またできるだけ家庭的な環境の中で子どもの安全・安心を確保できるよう、各諸室の配置をはじめ、職員体制について配慮をする必要があると考えてございます。 ○高橋(ち)委員 2月27日の都政新報には、区長会などで区の児相開設を目指す22区では一時保護所を区単独または複数区で共同設置し、合計で256人から268人の定員を確保する方向で検討を進めているというような内容も載っていたんですけれど、今、副参事がおっしゃったように、一定、そこの児相のそばにやっぱりあるほうが必要かなというのは、私はそう思うんですね。一時保護所は24時間対応の施設でありまして、そうした中でも安全・安心に子どもを受けとめることができるように、職員の体制の確保が非常に大変だと思います。職員の確保や育成をどのように行おうと考えていますか。 ○神谷子ども教育部副参事(児童相談所設置準備担当) 一時保護所の職員は最も不安定な時期の要保護児童を受け入れ、生活指導、行動観察、健康管理等を担うことになり、従事する職員には、児童心理、指導、保育、看護などの専門性と確かなスキルが必要となってまいります。また、24時間体制の勤務となることから、配置数やメンタル面の配慮も欠かせないと考えてございます。区では、必要な専門職種、人員を計画的に確保した上で、他自治体の一時保護所や養護施設等への派遣研修を行うなど、人材育成を確実に図っていくとともに、運用開始後の人事管理についても検討してまいりたいと考えてございます。 ○高橋(ち)委員 やっぱり今おっしゃったように、本当に大変なお仕事になってくるかと思うんですよ。それで、中野区としては児相をつくります。そして一時保護所もいろいろ検討していくという中において、この保護所についてもやはり今から設置場所や、それから時期などを含めて具体的に計画を進めていって、いつごろ明らかにしていくか、それもきちんと計画立てしていかないと、区民の皆さんに理解を得ることができないと思うんですけど、どうでしょうかね。 ○神谷子ども教育部副参事(児童相談所設置準備担当) 一時保護所の設置計画等につきましては、国が示すこととしております一時保護所ガイドラインや、先行3区の都協議の状況、また他自治体の視察なども踏まえながら、一時保護所に係る区の考え方、設置場所、設置時期などを取りまとめた基本計画を平成30年度中にお示しする予定でございます。 ○高橋(ち)委員 30年度中というと、そんなに時間がないわけでありますけれども、しっかりと計画していってほしいかなと思います。区が児童相談所を設置する強みの一つに、地域の関係機関との連携が挙げられるのかなというふうに思いますけど、要保護児童対策地域協議会を構成する学校、幼稚園、保育所等の連携推進、または地域における対応力の強化につながり、虐待の発生予防、早期発見、早期対応の現実に向けた重要な取り組みになっていくんじゃないかなというふうに思います。 平成30年度の予算案にも、今言った要保護児童対策地域協議会構成機関の連携強化を図るため、巡回支援等を行うというふうにありますが、どのような方策で行っていく予定なんですか。 ○神谷子ども教育部副参事(児童相談所設置準備担当) 虐待の早期発見、早期対応には関係機関との連携の取り組みが欠かせないものでございます。新年度より要保護児童対策地域協議会を構成する各機関の対応力強化を目的といたしまして、臨床心理士などの資格や児童虐待相談に係る豊富な経験を有する巡回支援専門員の配置を予定しているところでございます。巡回支援専門員は各機関への訪問によりまして、要支援、要保護児童に関する情報を広く収集し、必要に応じまして各機関へ助言・指導などを行うものでございます。 ○高橋(ち)委員 巡回支援をしていくということでありますけれども、それもやっぱり見える形で、やっているんだという、支援をしているんだというような方向というか、方法でやっていっていただければありがたいかなというふうには思います。区が児童相談所を設置することによって、課題を抱える家庭や子どもたちを含めて、全ての子育て家庭を通じて区が責任を持って対応しているんだと、体制が整うことになるというような、こうした体制のもとで一貫した見守り、支援が着実に行われるように、本当にしっかりと準備を進めていくことを期待しているところですけれども、御答弁があればお願いいたします。 ○神谷子ども教育部副参事(児童相談所設置準備担当) 区が児童相談所を設置することによりまして、必要な権限を持ち、支援から措置、介入まで一貫した対応体制を構築することができると考えてございます。平成33年度の児童相談所設置に向けまして、区の専門性の向上、関係機関との連携の拡充、社会的養護の推進など対応力強化を着実に進めていくことはもとより、見守りなどに大きな存在価値を発揮していただいている地域団体などとの協力関係の強化などにも留意して、地域での包括的なケア体制の構築に向けて取り組んでまいります。 ○高橋(ち)委員 力強い、その取り組んでまいりますというお言葉をいただきまして、一応ほっとはしておりますけれども、3区のモデル区の対応を見ながら、そして私たちもそういう取り組みのところを勉強させていただいたりとか、しっかりと30年度内には進めていく道筋をつくっておかないと、33年度開設しましたと言っても、あっという間に期間は過ぎていきますから、ぜひともしっかりと取り組んでいっていただきたい。要望しておきます。よろしくお願いいたします。 次に、子育て支援についてでありますけれども、中野が出している子育てハンドブックの「おひるね」を一通り見ますと、さまざまな支援が記載されております。感じるのは、23区は子育て支援は現在とっても充実されてきていると思っているんです。それでも子育ての第一義責任者は家庭や親でありますけれど、しかし、核家族が大変ふえてきていて、そういう子育て家庭のライフスタイルも多様化してきていると思います。家庭としての機能が弱体化している状況があるような気がしてならないんですけれども、将来の社会の担い手となる子どもたちの育ちと子育て家庭を支えることは、私たち社会全体で取り組むことの課題じゃないかなというふうにも感じます。 そうした中、子育てを終えた祖父母、祖父母に相当する世代の方々が、御自身のお孫さんに限らず子育て支援に携わっていただけることは、世代を超えた豊かな触れ合いにつながるものと思うんですけれども、しかしながら、一方そうした触れ合いについては世代間のギャップや行き違いがあったりして、地域の資源につながっていかないという負担感の増、またはさまざまな課題もあるように感じます。区として、こうした課題の未然防止を目的として、世代を超えた支援に係る留意事項や、利用できる区内の地域資源等の周知を行ってはどうかと考えますが、いかがお考えでしょうか。 ○神谷子ども教育部副参事(子育て支援担当) さまざまな世代の方々に子育てに携わっていただけることは、核家族化の進行に伴い孤立化する子育て家庭を支えるのみでなく、支援者側の社会参加の観点からも有効であると考えてございますが、御指摘のような課題も多く含んでいることも認識しているところでございます。関係者の方々が継続して効果的に支援にかかわっていけるよう、周知のほか、必要な対応について検討してまいりたいと考えてございます。 ○高橋(ち)委員 私がちょっとこれを思ったのは、自分の体験なんですけれども、うちの、私ごとであれなんですけど、娘がたまたま体調を崩して、子育て中なのに入院してしまった。そして、私がゼロ歳児を預かることになっちゃった。じゃあ、どうしましょうかというときに、相談したら、私は区内在住なんだけど、預かる子は区内在住じゃないからだめよというような壁があったりとかしてね。だから、そういう壁のあることに対して、子育て世代が終わった人たちが何かしてあげられるんじゃないかというような思いがあって、今聞いたわけでありますけれども、それぞれ使い勝手のいいように、またいろいろ検討してもらいたいと思います。 また、子育て支援の一つの施策になるかは別としまして、文京区の子育て支援は、昨年の7月からこども宅食プロジェクトという支援を始められたそうです。これは日本の子どもの貧困率が7人に1人という現状であって、貧困状態にある子どもたちは、自分たちを周りに知られたくないがために、今話題となっている子ども食堂などにはなかなか行かないという現状が把握できたそうであります。本当に支援が必要な子どもたちに支援が届いていないということで、このこども宅食というものを始めたそうでありますけれども、訪問して食材を手渡すことができればコミュニケーションがとれて、見える化するということが一番必要とも言っているんですけれども、宅食のゴールは食材を届けることだけではなくて、つながりができることにも意義があるともおっしゃっていました。見えていない貧困にいる子どもたちや家庭のニーズに応じて、食べ物に限らない、さまざまな支援を提供することを目指しているとも言っていらっしゃいます。こうした事業に取り組むことを考えたことはないでしょうか。 ○神谷子ども教育部副参事(子育て支援担当) 食事を含みまして、子どもの養育に課題のある家庭につきましては、相談、支援などを通じて把握しまして、養育支援ヘルパーなど取り組みを進めてきたところでございますが、文京区の行う宅食につきましては、実際の配食のほうは昨年の10月から始まり、今年度3回実施を予定していると聞いてございます。訪問から支援へつながる連携の効果の部分につきましては、現段階ではまだ明らかにはなっていないというところでございますので、こうした取り組みも参考にしつつ、訪問のきっかけとして、宅食の有効性につきましては引き続き検討してまいりたいと思ってございます。 ○高橋(ち)委員 あと、最後に一つですけども、宅食のような形で行うというのはどうかなと私も思いますけども、区で行っているアウトリーチチームの中でも、訪問とさまざまな取り組みによって、表に出にくい家庭の課題を把握し、必要な支援につなげていくということもできることだと思うんですけど、いかがでしょうか。 ○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域包括ケア推進担当) 今さまざま、先ほどの御答弁でもございました要保護児童対策地域協議会ですとか、発達にかかわる課題ですとか、子どもや家庭の課題に取り組む実態の把握、また、それに伴う支援のネットワークというふうなものはつくり上げてきておりますけれども、御質疑にございました、まだ表に出てこない家庭の課題の把握というところでは、まだまだ課題があるのかなというふうに認識しているところでございます。今後、子どもや子育て世代への地域包括ケアのシステムを構築していく中で検討してまいりますが、教育現場ですとか、地域の活動者の方々と十分協議しながら、御提案の趣旨も含めまして実効性あるシステムをつくっていきたいというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 ぜひそうしていただきたいと思います。ありがとうございます。 ○高橋(か)委員長 高橋(ち)委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。1時まで委員会を休憩します。 午後0時00分休憩
午後1時00分開議 ○高橋(か)委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 高橋(ち)委員、質疑をどうぞ。 ○高橋(ち)委員 質問に入る前に、冒頭、大事なことを皆さんにお伝えするのを忘れたんですけれども、中野区の名誉区民であられます山中慎介さん、昨晩、試合を見た方いらっしゃいますか。――どうもありがとうございます。2回目の御礼になりますけれども。本当に残念な結果でありましたけれども、名誉区民の彼が一生懸命闘う姿を私たちに常に与えてくださいまして、すばらしい区民がいてくれることを本当に誇りに思っております。よかったですよね、区長、本当に。これを冒頭に言いたかったんですけど、若干アクシデントがありまして、失礼いたしました。 では委員長、続けさせていただきます。 1番の3番目、保護指定樹木等の助成及び管理についてでありますけれども、予算の中を見ますと、3項目ほどが記載されておりました。まず、一つずつ確認させていただきたいと思います。いろいろ今回も総括質疑の中で、緑化戦略といいましょうか、そういうことに対して質問されていた方々がたくさんいらっしゃったかと思いますけれども、生け垣等設置助成とありますけれども、これはどういう助成なのか、詳細に教えてください。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 区内に居住または居住予定の方で道路に設置した接道部に生け垣や植樹帯を設置する際、その費用を一部助成する制度でございます。対象経費は樹木の購入費、植えつけ費等、直接緑化に要する費用となり、1メートル当たり1万円を限度に助成しております。 ○高橋(ち)委員 申請時に何か制約とかがあるんですか。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 助成金の支給要件は、幅員4メートル以上の道路に面していること、植栽部分の前面、前にフェンス等の障壁がないこと、延長2メートル以上の連続した生け垣、植樹帯であること、同一箇所で助成を受けたことがないこと、事前に相談、申請をいただき、助成金が決定してから着工いただくと、こういったことが要件でございます。 ○高橋(ち)委員 この助成を必要とされていらっしゃる方々って年間どれくらいいらっしゃるんですかね。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 昨年度の実績としましては6件でございまして、例年のペースですと、2ないし3件程度の申し込みがございます。 ○高橋(ち)委員 もっと多いのかと思ったら、そんなになかったっていってちょっと残念なんですけども。 それでは、まとめて後で聞きますけど、次に、保護樹木等の助成についてもお伺いいたします。これは今回拡充となっておりますけれども、この助成についても詳細を教えてください。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) こちら、中野区みどりの保護と育成に関する条例に基づきまして、条例に定めます一定の要件を満たす樹木、樹林、生け垣のうち、特に保護する必要があると認めるものを、その所有者等の同意を得まして保護の指定をし、その維持管理の費用の一部を助成するものでございます。 ○高橋(ち)委員 ここに拡充とありますけれども、どう拡充されたんですか。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 助成単価を増額してございます。増額の内容としましては、保護指定の樹木は1本当たり現行の7,000円を1万円に、保護指定の樹林は面積500平米以上1,000平米未満の樹林につきまして、現行3万6,000円を4万円に、面積1,000平米以上2,000平米未満の樹林につきましては、現行の4万8,000円を6万円に、面積2,000平米以上の樹林につきましては6万円を8万円に。続きまして、保護指定の生け垣でございますが、これは1メートル当たり現行600円を1,000円に増額しております。これによりまして、助成額は23区でも高いレベルになったというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 助成額が23区で高いレベルになったと、今、回答いただきましたけれども、保護樹木とか樹林の助成については、今、副参事がおっしゃったように23区さまざまな対応をされているようですけれども、この制度に対して、他区と比較をされて検討されたことってあるんですか。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 今回の保護指定樹木等助成の拡充に当たりまして、他区で行っております同様の制度と比較の上、検討を行いました。 ○高橋(ち)委員 その他区ですけど、必要に応じては剪定とか病害虫駆除を行っているような区もあるようですけれども、中野区としてはどうされているんでしょうか。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 中野区では保護指定樹木等の剪定や病害虫の駆除などにつきましては、所有者に維持管理の中で実施をいただいた上で、区はその維持管理費用に対して一定額の助成を行っているところでございます。 ○高橋(ち)委員 保護樹木等に指定されたところには、定期的に指導や調査とか、そのようなことがされているのかどうかなというのが一つあることと、指定しました、あとは、今おっしゃったように、そちらで管理をお願いします、必要なときにはその分をお支払いしますというような感じなのかなというふうに受け取っちゃうんですけど。拡充というのは、金額も拡充の一つなんですけれども、内容的にあまり拡充というふうには私は感じていないんですけど、どう思いますか。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 現在、保護樹木等につきまして相談や苦情等がありましたら、現地に出向いて相談をお受けしたり、指導、アドバイス等を行っているところでございます。今後、保護指定樹木等の適正な維持管理のため、定期的な調査や指導の実施についても検討したいと考えてございます。また最近の事例で、保護指定樹木の成長に伴いまして、根っこが住宅の基礎の下まで伸びて住宅に影響を与えるような事例がございました。このようなケースで根を切ることになれば、結果として区内の貴重なみどりが失われる場合もあるというふうに考えてございます。このため、助成の対象や範囲についても見直す必要があると考えてございます。区内の貴重なみどりを維持保全するため、来年度中に保護樹木等の助成制度の見直しについても再度検討したいというふうに考えております。 ○高橋(ち)委員 本当におっしゃるとおりだと思うんですけどね。ある指定されたお宅、今、事例でおっしゃってくださいましたけれども、私もそれは知っています。保護樹木で指定されているから、大切に育てていらっしゃって、その木を大事に大事にしているにもかかわらず、御自宅が大変な思いになっちゃったというような方々も今後出てくるかもしれない。そういう場合にも、やっぱり日ごろいろいろ調査または指導を巡回的にやっていかれたほうがいいんじゃないかなというふうに私は思います。緑化推進助成という事業は、区にとっても大事な事業の一つだと思いますし、区長の施政方針でも、中野区みどりの基本計画の改定を進めるとともに、民有地の貴重な保護樹木や保護樹林が保全されるよう助成を充実させるなど、身近なみどりを守りふやす取り組みを進めますともおっしゃっております。ですので、今、副参事がおっしゃったように、みどりの少ない中野においては、公園とはまた違う意味での事業だと思っております。もう一度伺いますけど、このことをどうお考えでしょうか。 ○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 区民に身近なみどりは、人々の生活に安らぎと潤いを与え、良好な生活環境の形成に大きな役割を果たしていると考えております。中野区のように人口や建物が密集している地域で都市のみどりを確保するためには、公共空間の緑化だけでなく、建物の屋上や壁面など、あらゆる空間で緑化に取り組んでいく必要があるというものでございます。また、区内で約7割を占めます民有地のみどりをどのようにふやしていくかという点が非常に重要であるということでございますので、今後、地域にゆかりのあるみどりの保全強化や、身近な緑をふやす取り組みにさらに力を入れていきたいというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 ぜひそうしていただきたいと思います。言うこととやることはすごい違って、大変な作業だと思いますけれども、民有地に頼っているみどりでありますから、ぜひとも今後、調査または指導を頑張ってほしいと思います。ありがとうございます。 次に、この1番の中の4番目の質問をさせていただきます。危機管理及び災害対策についてでありますけれども、施政方針の中でも、当初予算の概要の中でも、災害対策にはとても力を入れていると感じられます。2月20日の区報においても、災害対策の特集のように広報されておりました。行政が考えているように進めていくには、やはりしっかりとした組織体制が必須と私は考えております。行政だけが強化に向かっていても、現場で活動する地域住民の意識が区と同じでなくては、強化にもつながらないと考えます。そのことを踏まえ、何点かお伺いをさせていただきます。 本年の2月に東京都が公表しました地震に関する地域危険度測定調査についてお伺いをさせていただきます。本調査は東京都が震災対策条例に基づいておおむね5年ごとに調査し、都内の町丁ごとの建物倒壊危険度、火災危険度、災害時活動困難度、総合危険度を公表しています。これによると、南関東におけるマグニチュード7程度の大地震の発生確率は、今後30年以内に70%程度と予測されており、いつ起こるかわからない地震等への備えや、災害に強い区の防災まちづくりを進めるに当たっては重要な調査結果であると考えています。 また、今回の調査で、中野区において火災危険度や総合危険度が5となった地区がふえているというのに大変驚きました。これについて幾つかお聞きしたいと思います。前回の調査というのはいつ公表されたんでしょうか。教えてください。 ○辻本都市基盤部副参事(都市計画担当) 前回の調査でございますが、平成25年9月でございました。 ○高橋(ち)委員 平成25年ですね。そうすると5年たっているということですけど。中野区内では火災危険度5の地区が、前回は野方二丁目の1区だけでしたが、今回は大和町二丁目、そして三丁目、若宮一丁目を加えた4地区にふえているようです。そして総合危険度は、危険度5の地区が前回はゼロだったのが、今回は野方二丁目、大和町は二丁目及び四丁目、若宮一丁目の4カ所にふえています。このように区内の危険度5の地区がふえてしまった主な原因について教えてください。 ○辻本都市基盤部副参事(都市計画担当) 区といたしましては、火災危険度や災害活動困難度の測定方法が変更になったことが主な要因であると考えてございます。 まず、1点目の火災危険度でございますが、これは出火の危険性と延焼の危険性をもとに測定するものでございます。この延焼危険性の判断基準が前回は延焼時間6時間で設定されていたものでございますが、今回は12時間に延びてございます。また、2点目の災害活動困難度でございます。これは総合危険度に加味されるものでございますが、これがこれまで6メーター以上の幅員の道路まで到達する平均時間をカウントしていたものが、今回につきましては、幅員12メートル以上の幹線道路などにつながる幅員6メートル以上の道路までに到達する平均所要時間と基準が変わってございます。これらの基準変更などによりまして、避難道路ネットワークの整備がおくれている木造住宅密集地域の火災危険度及び総合危険度が相対的に高くなったということで考えているものでございます。 ○高橋(ち)委員 では、前回の調査と比較して、実際のところ、都内では建物倒壊危険度や火災危険度は高まってきちゃっているんですか。 ○辻本都市基盤部副参事(都市計画担当) 都によりますと、東京都全体では建物の倒壊危険量は平均いたしまして2割程度低下し、また、不燃化建てかえ、さらには道路・公園の整備などによりまして、火災危険量につきましては、平均して約4割ほど低下しているということでございます。 ○高橋(ち)委員 低下しているにもかかわらず、区が上がっちゃったというのがすごく不安になってくるんですけれども、不燃化特区のまちづくりを進めている弥生町三丁目地区の地域危険度が変わっていないというのはどうしてなんですか。 ○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 今回の危険度調査は、東京都によりますと、平成23年度の土地利用現況調査の土地・建物データを基準に測定されていると聞いているところでございます。したがいまして、平成25年度に不燃化特区の指定を受け、事業を導入している弥生町三丁目周辺地区における都営川島町アパート跡地の活用事業や避難道路等の整備、建てかえ促進等の成果は反映していないものでございます。 ○高橋(ち)委員 現状じゃないところから調査したということだから、それは仕方のないということですけど。同じく不燃化特区のまちづくりを進めている大和町地区については、火災危険度や総合危険度が上昇しちゃっているんですけど、区は今後どのように対処していこうと考えているんですか。 ○細野都市基盤部副参事(大和町まちづくり担当) 大和町地区の危険度の上昇につきましては、平成23年度の地点のデータを根拠としたものではありますが、木造住宅密集地域が広範に広がっていること、周辺に延焼遮断帯となる避難道路ネットワークが不足しているという本地区の課題が、評価方法の変更によって改めて強調されているものというふうに受けとめております。地区の課題の早期解決を図るべく、区は東京都とともに不燃化特区のまちづくりを進めているところでございます。今後は、大和町中央通りの拡幅整備とともに、整備効果の高い避難道路の優先整備路線の事業化に向けた取り組み、そしてまちづくりの一環として、不燃化建てかえに向けた取り組みをより一層進めていく考えでございます。 ○高橋(ち)委員 ぜひ弥生町も大和町も進めていっていただきたいと思っております。 東京都の防災都市づくり推進計画においては、優先的に防災まちづくりを進めるべき整備地域に指定されていない若宮一丁目は、火災危険度も総合危険度も5になってしまっています。こうした地区に区は今後どのようにまちづくりを進めるべきと考えていらっしゃるのか、教えてください。 ○安田都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 新たに地域危険度が5になった地区においても、既に木密事業を導入している地区と同様に、木造住宅密集地域の改善に向けた防災まちづくりが必要であると考えてございます。例えば、延焼遮断効果がある補助227号線などの都市計画道路の拡幅を含む避難道路ネットワークの整備、不燃建築物等の建てかえ促進、防災機能のある公園等の整備と、防災まちづくりを進めていく必要があると考えてございます。また、東京都に対しましては、整備地域の拡大や防災まちづくりに向けた支援策の一層の拡充を求めていきたいと考えております。 ○高橋(ち)委員 今、不燃化特区で進めているところは、5年たったらまた再度東京都が調べるんでしょうけど、変わっている、ゼロになっているということを目指してもらいたいかなというふうに思っていますけど、都内でも全5,177丁目中、ワースト85に入ってしまう地域危険度5の地区が区内で増加するというのは、相対評価であっても深刻なことになっているんじゃないかなというふうには受け取れます。区は安全・安心な区民生活の実現に向けて、地域危険度の改善を目指した防災まちづくりを着実に進めていくとおっしゃっているんですので、これは本当に着実に進めていっていただきたいと思います。これは一応要望にしておきます。 この防災関係で、今、地域の危険度地区がふえてきてしまった。まあ、結果なんですけど。これはさらに5年たてば解消されてくるとは思いますけれども、しっかりと対応してまいりますと言った中、予算の概要には、発生後と発生時の支援、対応の充実が記載されておりました。地域防災会に対しての支援や指導も、私は大変必須だと考えます。それぞれの地域によって活動が十分満たされているかどうか、区として防災会に対して何か働きかけを行ったりされているのでしょうか。お伺いいたします。 ○中川都市基盤部副参事(防災担当) 地域の防災会への働きかけについてでございます。地域では防災活動の状況としては、平成29年度の避難所運営会議の実施率は94%となっております。区の防災会議への働きかけは、全防災会を対象に防災会連絡会を毎年5月と1月に実施し、防災に関する事業の説明や避難所運営会議の開催と防災訓練の実施を依頼するとともに、さまざまな意見交換を実施しております。また、地域の防災活動には地域ごとに特色があるため、災害時に地域本部副本部長となる区民活動センター職員と防災担当職員が連携しながら活動支援を行っております。 ○高橋(ち)委員 連携しながら活動を行っているというお話ですけれども、今、94%行われている避難所運営会議、この避難所運営会議などに対しても、区としての対応はどうやって働きかけをしているんですか。 ○中川都市基盤部副参事(防災担当) 区職員の避難所運営会議への働きかけは、防災分野の職員をはじめ、災対地域部の地域班から地域本部長と副本部長が、避難所班から避難所班長と副班長が、さらに施設管理者として学校長等が参画しております。会議の主な議題は、避難所運営組織の役割と任務分担の確認、避難所ごとに作成される運営管理マニュアルの見直し、避難所開設訓練や防災訓練実施の事前打ち合わせなどとなり、この会議で使用する資料は防災分野職員が作成を支援させていただいております。その他、さまざまな意見や要望が出され意見交換を実施することから、避難所の開設及び運営には欠くことのできない会議となっております。今後も関係各位の協力のもと、充実した避難所運営会議としていただきたいと考えております。 ○高橋(ち)委員 今、次に聞こうと思ったような質問に関連した御答弁もいただいたんですけれども、避難所運営会議が全く開催されていなかったような地域もあるように聞いておりますけれども、やっぱり日常生活の中においては、地域が基本的に携わる防災会や避難所運営会議などは、地域だけじゃなくて、ほかの関係機関、今おっしゃったように学校とかさまざまないろんな機関とも連携をとっていくのが重要なものとなってきます。現在そのような指導を行っているところでありますけれども、今後さらにどのようなサポートをしていこうと考えていらっしゃいますか。 ○中川都市基盤部副参事(防災担当) 防災会の実施する防災訓練では、主に消防署や消防団と連携して、初期消火や煙体験ハウスなど各種の訓練や体験を行っていただいております。多くの防災関係機関とは、主に総合防災訓練で連携を図っているところですが、防災会は現在115組織、避難所は3月1日から45カ所になっております。防災関係機関と個別にこれらが連携することは難しいことから、各防災会からの要望を受けまして、区が代表して派遣依頼等をすることといたします。 ○高橋(ち)委員 常に上手に連携をとりながら、関係機関との運営も上手に進めていっていただきたいと思います。 また、発生時の対応等として、災害情報システムの導入とありますが、このシステムを活用して情報集約、分析を行うのを担うというか、担当するのはどの分野なんですか。 ○中川都市基盤部副参事(防災担当) 災害情報システムは、大地震や風水害発生時等の区の災害対策本部で被災状況や応急業務進捗状況などを共有管理するシステムとなっております。区の災害対策本部組織の中で主に情報収集・分析を担当するのは、防災分野、行政監理分野、広報分野、さらに中野駅周辺まちづくり分野の職員で構成される災対指令部というものでございます。 ○高橋(ち)委員 災対指令部が指揮をとるということでありますけれども、災害対策本部全体での共有管理を図るとも記載されておりますが、防災分野がこの場合先頭に立って行うという理解でいいんですか。 ○中川都市基盤部副参事(防災担当) 防災分野は、災害対応時に災対指令部指令班として、日ごろの勤務経験を生かしまして、他の分野の職員と協力・連携して災害情報システムの運用管理業務に従事することとなります。来年度、災害情報システムの導入後は、システムの運用に関する業務及び災対各部職員への研修等を担うことになります。 ○高橋(ち)委員 そうすると、またまた何か仕事がふえていらっしゃるのかなというふうな感じがするんですけれども。決算のときも質問させていただきましたけれども、災害発生時は区全体で対策本部を立ち上げるとのことでした。平成30年度でもこれだけ充実していくということであれば、やはり組織も私はきちんと立ち上げていくべきだというふうに思っています。現状、防災担当分野が全ての対策に対応しているように見えてならないんですけれども。防災分野は災害対策、地域防災、防災計画等三つの組織で形成されているんですけれども、危機管理の中に入るべきものだと私は思うんですけど、いかがですか。 ○田中経営室副参事(人事担当) 危機管理におきまして想定される危機でございますけれども、大地震などの自然災害のほかにも重大な事件、重大な事故、武力攻撃緊急対処事態、それから行政運営上の重大な事件・事故等、非常に多岐にわたっているものでございます。中野区では、緊急時におきましては全庁挙げた対策本部におきまして対応に当たる体制、これについては継続していく方針でありまして、現在のところは組織の体制を見直す予定はございませんが、災害等も含め、危機管理対応の中ではそれぞれ連携を十分に行いながら、区民の生命・財産をしっかりと守れるような体制としていきたいというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 何度聞いても答弁は同じなんですけれども、やっぱり施策の充実は最も大事なことであるんだけれども、それを一つにつかさどる組織というのは当然あっていいんじゃないかなというふうに私は思っています。ほかの自治体であっても、きちんとした組織を持っていて、その中にさまざまな分野が入っているというようなところもあるわけですよ。ですので、毎回しつこく言っていますけど、なかなかそれは組織全体で本部をつくるからいいんだという御答弁になっちゃうとは思いますけれども、今後どのように検討していくかいかないかというところだけはお答えしていただければと思います。 ○田中経営室副参事(人事担当) 繰り返しの答弁になって申しわけございませんが、災害等も含めた危機管理対応、こちらについてはそれぞれの連携を十分に行いまして、区民の生命・財産、これをしっかりと守れるような体制ということで今後も推進してまいりたいというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 答弁は変わらないとは思っておりましたけれども。たびたびまた質問させていただく可能性があると思いますけれども、やっぱり認識だけはしておいていただきたいなというふうに思います。ありがとうございます。 では、次に、2番目の再犯防止等の推進についてお伺いをさせていただきます。 平成29年の第4回定例会で、伊東しんじ議員が再犯防止に関する質問をさせていただきました。そのときの答弁は、再犯防止を推進するためには、生活や就労の支援、住宅確保、保健医療、福祉サービスの提供など、庁内の連携はもちろん、民間や地域との連携が欠かせないと考えている。こうしたことを踏まえ、総合的に取り組んでいくべく、今後、国や東京都の動き、また地域の状況の把握に努め、区が担うべき役割、こうしたことを見定めながら、この役割を効果的に進めていくことができるよう体制の整備について検討していくとのことでした。では、その後、国や都においてどのような動きがあったんでしょうか。 ○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 国におきましては、昨年12月15日に再犯防止推進計画を閣議決定しております。この計画を具体的に進めるため、今後、法務副大臣を議長とし、関係省庁の課長、室長、有識者による再犯防止対策等検討会を開催していくとのことです。都におきましては、青少年・治安対策本部総合対策部安全・安心まちづくり課が窓口となって、昨年10月より関係部局による庁内連絡会を開催しているとのことです。予定では、平成30年の8月ころまでには都としての再犯防止推進計画を策定するとのことでございます。 ○高橋(ち)委員 それでは、国の定めた再犯防止推進計画というのはどんな内容なのか、区に期待されていることはどのようなことになるんですか。 ○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 計画では、第1章において計画の位置付けや基本方針、重点課題、計画期間等を示し、第2章において今後取り組む主な施策、全7項目記載してございます。計画期間は平成30年度から34年度までの5年間。主な施策は七つございまして、1点として、就労・住居の確保、2点目、保健医療・福祉サービスの利用促進、3点目、学校と連携した修学支援、4点目、特性に応じた効果的な指導、5点目、民間協力者の活動促進、広報・啓発活動の推進、6点目、地方公共団体との連携強化、7点目、関係機関の人的・物的体制の整備の7項目でございます。 本計画から読み取れます国が区に期待していることとしては、再犯防止担当部署の明確化、実態把握のための調査、地域ネットワークによる取り組みの実施、再犯防止推進計画の策定などでございます。 ○高橋(ち)委員 そうすると、一応検討していくとおっしゃっていらっしゃいましたので、来年度からの担当部署というのはどこになるんですか。検討されていらっしゃるんですか。 ○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 来年度からの担当部署につきましては、地域支えあい推進室が担う方向で現在調整を行っております。 ○高橋(ち)委員 さまざま地域支えあい推進室は担うことがたくさんになって大変だと思うんですけれども、今教えていただいた国が区に期待している四つのことなども、本当にきめ細やかにやっていかないと大変なことなんじゃないかなというふうには思っております。現在、地域では保護司の方々が犯罪予防や非行防止、再犯防止等の活動に取り組んでいらっしゃいます。区における再犯防止の取り組みなどは、当然、保護司さんとの連携が欠かせないと私は思います。連携の窓口が統一されるのはよいことであるとは思いますが、先ほどの答弁で区に期待されていることが幾つか挙げられておりましたけれども、来年度の担当部署を決めただけでは、とりあえず部署が決まりました、さあ、どうしましょうという感じになってくると思います。30年度に想定される取り組みはどのようなことを検討しているか教えてください。 ○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 先日、東京保護観察所の所長から直接、区長とともに関係部署の管理職が現状と課題の説明を受ける機会がございました。来年度は区の保護司会の皆様からお話を伺い、区における状況、課題等について把握することがまず肝要というふうに考えてございます。また、庁内の関係部署の連携を図るため、情報共有、検討の場を設けていきたいというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 ぜひとも連携をとれる組織体は必要だと思っていますので、検討してほしいなというか、検討だけで終わってほしくないと思います。犯罪被害者の方々のサポートもとても大事なことだと私は認識しておりますけれども、再犯を未然に防ぐサポートもまた必要なことと思います。今後一層の取り組みを検討していっていただきたいというふうに思っておりますが、どうお考えでしょうか。 ○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 先ほどの御質疑もございましたように、再犯防止の取り組みはさまざまな分野がかかわるものでございますので、ほぼ全庁的な連携が必要となるというふうに考えてございます。また保護司の方々はもちろん、民生児童委員、更生保護施設、警察、地域の方々との連携、民間との協力関係も欠かせないものとなります。区民の方が安全に安心して暮らせるまちづくり、また、立ち直りを温かく見守る地域づくりということに注力して取り組んでいきたいというふうに考えてございます。 ○高橋(ち)委員 ありがとうございます。自治体が担う仕事がどんどん複雑かつ大切な重要なものがふえてきていると思います。その対応に対しての分野で担う仕事もふえていくとは思いますけれども、今後ともいろいろなさまざまな模索をしながらも進めていっていただきたいと思います。要望しておきます。 時間が大分与えられて、残っておりますけれども、最後、その他になってまいりました。 その他の中で二つほどなんですけれども、この間の2月6日の都政新報の中に、杉並区長が都の受動喫煙防止条例を痛烈に批判したと記載されておりました。これは条例案を公表するまでに区側との事前調整を行わなかったことや、一律に規制するのではなく、区市町村の実行計画を支援することが本来あるべき姿ではないかというような意見を述べられていたようです。この受動喫煙防止条例案は、都議会定例会への提出が一旦見送られたということでありますけれども、私も分煙推進議連の1人としまして、この条例案には納得いかないなというところもあります。さまざま同僚の皆様方がこの受動喫煙のことについては質問されておりましたけれども、現在、区はどのようにお考えなのでしょうか。一応確認しておきます。 ○田中区長 23区の区長と都知事との意見交換会で杉並区長が発言したことが記事になったものと、こういうふうに思っております。杉並区長1人の意見というわけではなくて、やはり東京都がその条例案を検討していく中で、23区に対する調整といったようなものがないという状況の中で、実はこの分煙の問題というのは各区が区の中のいろんなそれぞれの皆さんの意見を聞いたりしながら、各区がうまくコンセンサスをつくりながら、各区それぞれのやり方でやってきたと。そういう経過があるものですので、そういう経過を無視するというようなことで、東京都が決めたら一律に全部決まってしまうんじゃないかというのが懸念だったわけですね。そういったようなことにも十分配慮しながら進めていただこうじゃないかというのが23区の共通した考え方で、それを代表したというわけじゃないんですが、言ったのが杉並区長と、こういうようなことでありました。 都の考え方も、国の「望まない受動喫煙」対策の基本的な考え方が示されて、国との調整が都でも必要になってくるということで、提案が見送られたということを承知しております。そういう経過を踏まえて、東京都もこれからもしもう一度検討を深めるんだとすれば、各区の取り組みとか、そういったようなことも十分配慮していただいて、その上で実効性のある受動喫煙対策を進めていただきたいな、区としても進めていきたいなと、こういうふうに思っております。 ○高橋(ち)委員 ありがとうございます。先ほど、次回にすると言った都知事と区長の意見交換会、これは昨年から始められているようでありますけれども、そこにおいて、やっぱりさまざまな意見交換は深めていっていただきたいというふうに私は思っておりますので、ぜひとも、そこでも重要な案件等々が出てくるとは思っておりますので、区長の皆様方には、いい方向性といいましょうか、それぞれの区に合った方向性に持っていけるように頑張ってほしいなというふうに思います。これは要望にしておきます。 あと、その他の最後になってまいりましたけれども、区長の施政方針の中でも説明がありましたけれども、これもるる同僚議員の皆様方から、16年間のというようなお話もありましたけど、16年前の中野区は本当に悲しいくらいに財政が逼迫している状況に追い込まれておりました。このときの行財政5か年計画においては、行政はもちろんでありますけれども、議会も区民も理解して協力してということで、頑張って行財政を進めてきたわけであります。そして、何とか今の区の状況に至っているんだと私は思っているんですけれども、この厳しい現状を経験している議会側の人といったら、多分、現在4期生以上の方々なのかなというふうには思うんですけれども、このときは本当に大変な時代でありました。自分たちが住んでいる区を、区政を財政再建団体にしてはならないんだという思いで行財政改革が進んでいったというような記憶が私にはございます。 今、我が区は23区の中でもさまざまな注目を浴びるようになってきました。これからも23区をリードしていかなくてはならない立場にある中野区になってきているんではないかというふうに私は感じておりますけれども、そこで、区長にお尋ねして失礼かとは思いますけれども、16年間、さまざまな経験を積み重ね、今日に至っているわけでございますので、改めて区長のお考えを確認させていただきたいと思います。 ○田中区長 16年前、本当に大変厳しい状況の中で、区議会、区民、多くの皆さんに御理解、御協力をいただきながら再建を進めてきた、改革を進めてきたと思っております。しかし、ゴールがあるわけでは決してなくて、2025年に象徴されるような高齢化、人口減少、こういう時代をきちんと我々の区が、あるいは東京全体が乗り切っていけるという、そういう社会をつくっていくためには、本当に課題解決への取り組みというのは手を抜いてはいけない、とどまらせてはいけないことだというふうに思っております。地域包括ケアといっても、中野区の場合には高齢者だけではなく、障害のある方、子育て世帯、トータルに地域包括ケア体制をつくっていこう。その土台になる地域支えあいネットワークや、あるいはさまざまな関係団体との連携体制、こうしたものを中野区がしっかりと進めてきました。これをとめるわけにはいきませんし、中野区がやっていくこの取り組みが東京全体に対して影響を持ち、リードできる、こういうことが大事だと思っております。 また、持続可能な経済、さまざまな財源がしっかり確保できる地域活性化という面でも、東京の西側で中野駅周辺を中心として中野区が行ってきたまちづくり、さまざまな市長や区長からも評価をされている、そんな実感を持っています。こうしたまちづくりを着実に進めていくということの中で、東京の中で中野が示す存在感、これが東京をリードできる、そうしたまちになっていかなければいけないと思っておりますし、この取り組みというものを着実に進めるというのが私のやっていかなければならない仕事だろうと、こんなふうに思っております。 ○高橋(ち)委員 ありがとうございます。16年という年月は大変長い年月でありまして、私たち議会サイドも、その16年の間には大分さま変わりをしたように感じ取ります。若干、私なんかはもう古いほうに入っているのかななんて思いますけれども、今回だけではなく、さまざまな同僚の皆さんの質問を聞いていると、私が新人の時代とは全く違ってきているんだなと。その歴史の流れというのはとっても感じておりますけれども、でも、16年たった今、ここにいる私たち議会もやっぱりリードしていかなくてはならない。中野区において区長の思い、確かに受けとめながら、今後どんどん議会も変わっていくでしょうけれども、持続して、継続して中野区を発展させていかなくてはならない役割は両方にあるんだというふうに思っております。ですので、私たちの役割も大事だし、行政の役割も本当に大事なんだということを痛感して今感じているところでありますので、ぜひともリーダー的な中野でありたいと、それを願いまして、全ての質問を終わりにいたします。御清聴ありがとうございました。 ○高橋(か)委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了します。 次に、むとう有子委員、質疑をどうぞ。 ○むとう委員 持ち時間は33分です。機敏な行動と簡潔明瞭な御答弁の御協力をぜひともよろしくお願い申し上げます。 施政方針説明の中で、区長は区政運営16年を振りかえられ、危機的だった財政運営を救い、区政の基盤を強固に確立し成果を上げたとの自信に満ちた自己評価を述べられました。反省点が一つもないことに、長期政権の弊害を感じるのは私だけでしょうか。16年を振りかえると、中野サンプラザの取得の際、出資額2億円だけと説明したのに、13億7,500万円を追加出資したことや、区政にほとんど生かされることなく3年で廃止された政策研究機構に1億1,364万円を使ったこと、さらには茨城県常陸太田市に風車を建設する立地調査に774万円を使い、頓挫したこと、環境リサイクルプラザ、消費者センター、男女共同参画センター、施設を廃止したことは私の忘れられない田中区政の出来事です。 なお、最初は市民派100%に期待して、入り切れないほどの区民が参加した区民と区長の対話集会も、今ではその熱気は消え、対話にはならず、区長の考えを区民に押しつける会になっているとの区民の声が聞こえています。区民の意見や暮らしに寄り添う区政の実現を望みまして、質問の主題に移ります。 持続可能な社会についてお尋ねいたします。 施政方針説明の中で、東京オリンピック・パラリンピックという言葉が17回も登場しました。東京オリンピック・パラリンピックを、経済構造や人々の生き方、暮らし方など、日本の社会のあり方を転換し、2020年以降も自立的な活力を維持する真に持続可能な社会をつくり出していく足がかりにしていかなければなりませんと、区長はおっしゃいました。オリンピック・パラリンピックを足がかりにした持続可能な社会というのは、単に経済的な側面からだけの持続可能な社会ではないはずです。 オリンピックと持続可能性を結びつけたのは、2012年のロンドン五輪でした。このとき五輪史上初の独立した監視委員会が設置され、大会に関する工事の準備から建設、運営に至るまで、環境面、社会面に配慮した厳密で包括的な調達基準が設定されました。例えば、会場の建設に用いる木材や大会で使用する紙は、全て国際機関である森林管理協議会のFSC認証を取得したものとしました。FSC認証とは、森林の環境保全に配慮し、地域社会の利益にかない、経済的にも持続可能な形で生産された木材に与えられます。さらに、会場や選手村で提供される飲食品は、フェアトレード、有機栽培、持続可能な生産などの認証を取得したものが使用されるなど、徹底した環境配慮を実施し、史上最も持続可能なオリンピックとたたえられました。 そして2020年の東京大会誘致に当たり、日本はこのロンドン大会を超える意欲的な環境配慮の目標設定をアピールし、その実現を約束しました。組織委員会も幅広い持続可能性に関する取り組みを推進していくことを表明し、持続可能性に配慮した調達コードを策定しています。中野区でも、ポスト2020を見据えた中野区の取り組みを昨年11月に策定しました。しかし、環境面については、緑化推進、ごみの発生抑制と資源化の推進、環境に優しいライフスタイルの普及啓発の記載しかありません。新中野体育館、仮称ですけれども、オリンピック・パラリンピックの練習会場に使用してほしいと願うのならば、建設資材は持続可能性を配慮した調達コードを意識するべきですし、樹木の伐採による整備計画は、目指すべき持続可能なオリンピックに反するように思います。 東京オリンピック・パラリンピックを足がかりにした持続可能な社会というのであればなおのこと、経済面に偏重することなく、地球環境と生態系を中心に据えた上での持続可能な社会を目指すべきだと考えます。区が目指す持続可能な社会には、調達コードを意識するなど、環境面への配慮が具体的にどのように取り込まれているのでしょうか。お答えください。 ○宇田川政策室副参事(オリンピック・パラリンピック推進担当) 区は昨年11月、東京2020大会開催による成果を創出する取り組みということと、それから創出された成果を発展させるための取り組みを効果的に進めるため、ポスト2020を見据えた中野区の取り組みを策定いたしました。この中で、東京2020大会に向けて緑化の推進、それから、ごみ発生抑制と資源化の推進、環境に優しいライフスタイルの普及啓発など、環境や生態系への配慮の視点を持った取り組みというのを進めることとしております。その取り組みの成果を継承し発展する取り組みの方向として、環境負荷の少ないまちづくりの発展を掲げたところでございます。 東京2020大会につきましては、組織委員会ですとか、東京都ですとか、そういったところでもさまざまな環境に関する基準等も示しながら進めているところです。中野区におきましても、このポスト2020を見据えて、これを着実に進めていきたいというふうに考えているところでございます。 ○むとう委員 調達コードなど意識した、そこまで意識した環境配慮というものは全く取り組まないということでしょうか。 ○宇田川政策室副参事(オリンピック・パラリンピック推進担当) オリンピック・パラリンピックに関して、さまざまな事業を行っていく上での調達コードですとか、そういったものは基準に示されているものを考慮しながら進めていくということで考えております。 ○むとう委員 ありがとうございました。ぜひ、せっかくつくった調達コードですから、それを参考にしながら、中野区内のまちづくりにも生かしていただきたいというふうに要望しておきます。ありがとうございます。 続きまして、子どもの貧困対策についてお尋ねいたします。 施政方針説明の中で、区長は行政のあり方を子育て第一の形に変えていく、全ての子育て世帯を通じて、区が責任を持って支援する体制をつくると述べられ、大変心強く思いました。子育てにかかわる課題はたくさんありますが、今問題となっている子どもの貧困対策への取り組みを私は特に望んでおります。2008年、経済協力開発機構が子どもの相対的貧困率を発表し、OECD加盟国で日本の子どもたちの貧困率の高さ、特にひとり親家庭の相対的貧困が指摘されたことは大きな衝撃を日本社会に与えました。これを受け、2013年6月、子どもの貧困対策の推進に関する法律が成立し、生まれ育った環境によって子どもの将来が左右されることがないよう、教育の機会均等の対策を国、地方自治体の責務で行うことが義務付けられました。翌年8月には、子どもの貧困対策に関する大綱に、子どもの貧困率や生活保護世帯の子どもの高校進学率などの指標を改善することが盛り込まれましたが、その後も残念ながら親の所得格差は拡大し続け、子どもたちの置かれた状況は深刻です。 先日、日本学生支援機構が、奨学金返済が滞った自己破産が延べ1万5,000人に及ぶと発表しました。その内訳は、本人が8,108人、親や親族など連帯保証人が7,230人です。非正規雇用などのため、安定した収入の確保が難しく、返済が滞っている方が多数います。支援機構は返済猶予として奨学金の利率を10%から5%へ引き下げ、返還猶予の利用期間を5年から10年に延ばす制度改正をしましたが、2019年4月以降、猶予制度期間が切れるため、現在制度を利用している約10万人に影響すると指摘されています。晴れて社会人という希望の一歩を踏み出す時点で多額の奨学金返済を背負い、生きていかなければならない若者が増加しています。 先般、39歳で膵臓がんで亡くなられた方の両親に、支援機構が奨学金返済請求を行ったとの報道がありました。死亡後8年も経過しての請求額には、亡くなられた後の延滞金142万円も含まれていました。裁判に訴えましたが、結局、年金生活の年老いた両親が89歳まで月額2万円を返済し続けるそうです。悲しいかな、これが日本の現状です。 神奈川県の弁護士や司法書士などで構成しているNPOが、生活保護世帯から大学、専門学校へ進学するとのパンフレットを作成しました。パンフレットには、授業料とその減免制度、生活費などの必要経費、行政や社会福祉協議会の支援制度、奨学金の種類とアルバイトについてなど、細やかに大学進学後の生活設計、卒業後の返済計画が描ける内容が記載されており、県内の高校に無料で配布し、指導に役立てているそうです。 また、埼玉県では大学進学のための経済的支援ガイドを作成しています。この資料は大学の入学料、授業料の減免制度、給付型・貸与型奨学金、教育ローンなどの各種制度の特徴を詳しくまとめ、さらに関東を中心に大学が実施している約1,400件の進学支援制度を掲載し、大学選択に役立てています。経済的理由で大学進学を諦めないよう、低所得、生活保護世帯の若者の進学を支えるために支援制度等をまとめた生活設計が描けるパンフレットの作成を求めますが、いかがでしょうか。お答えください。 ○小堺健康福祉部副参事(生活援護担当) 現在も東京都の母子・父子福祉資金等の貸し付けに関する相談時には、そのほかの奨学金も案内するとともに、一覧できる資料をお渡ししております。若い世代に対しては、ウエブを活用した案内なども効果的であることから、学内奨学金、授業料免除や民間の奨学事業実施団体等の最新情報のほか、返済シミュレーションなどが検討できる日本学生支援機構のウエブサイト及びリンク先を記載するなどして、支援制度の案内について工夫していきたいと思います。 ○むとう委員 その御案内というのは、わかりやすいパンフレットをつくるというふうに思っていいんでしょうか。そういうのはつくらないで、ただ口頭で御案内なんでしょうか。 ○小堺健康福祉部副参事(生活援護担当) 現在も御用意させていただいておりますさまざまな奨学金等を掲載した一覧表がございます。こちらの案内をさらにわかりやすく改良するということによりまして、改善を図りたいと思っております。 ○むとう委員 では、改良してわかりやすいパンフレットをぜひつくっていただいて、学生の進路に役立つような取り組みをお願いしたいというふうに思います。 昨年の第4回定例会の一般質問で、文京区のふるさと納税を財源としたこども宅食プロジェクトを紹介し、中野区での事業化を提案しました。その際、家庭訪問のきっかけとして、食材等の宅配サービス活用の有効性を研究したいとの御答弁をいただきました。先日の北原議員、先ほどの高橋(ち)議員の質疑でも触れられました。ぜひ研究を進めて、事業化していただくことを再度要望したいと思います。 文京区のこの事例からもわかるように、子どもの貧困対策のためにふるさと納税を活用することは社会から受け入れられる有効な手段だと考えます。支援機構が今年度から給付型奨学金制度を創設しましたが、大変狭き門です。貧困の連鎖を断ち切るためにも、学ぶ若者の背中を押してあげる施策が急務です。2015年に小宮山議員が、2016年に浦野元議員が区独自の奨学金制度を提案されました。今回、区長が初めて子育て第一とおっしゃったので、私からもふるさと納税を原資にすることも視野に入れ、給付型奨学金制度の創設を求めますが、いかがでしょうか。お答えください。 ○小堺健康福祉部副参事(生活援護担当) 国は平成29年度から非課税世帯への給付型奨学金を創設し、日本学生支援機構により無利子奨学金枠の拡大、所得連動返還型の創設、低所得者返還猶予制度の拡充などを実施しております。新たな拡充制度とこれまでの制度を活用することで、高等教育への進学支援は整いつつあると認識しております。現時点で、区として給付型の奨学金を創設することは考えておりません。 ○むとう委員 とても残念な御答弁でした。区が責任を持って支援する体制をつくるというふうにおっしゃっているわけですから。まだまだ不十分なんですよ。先ほど来言いましたけれども、支援機構の猶予期間もまだまだ不十分ですし、給付型の奨学金も本当に狭き門なんです。ですから、ぜひともこういったことを具体的につくるということを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。残念だけど、しようがないですね。 次に、清掃事業についてお尋ねいたします。 東京オリンピック・パラリンピックに向けて、中野を訪れる外国からの観光客の増加を期待し、多言語ガイドブックを作成する予算が組まれています。まず中野駅におり立ち、道路や植え込みに捨てられているたばこの吸い殻や空き缶などのごみが気になります。また、北口ロータリーの集積所は常時ごみが出されています。集積所や付近に捨ててあるのを見れば、捨ててもいいのかなと思われてしまうかもしれません。外国人観光客に対して、ごみは宿泊施設まで持ち帰っていただくのか、どうしたらよいのか。観光中に排出するごみの捨て方について、まだ検討が進んでいないようですが、早急に検討し、作成予定の多言語ガイドブックに記載するなど、周知方法も含め検討してはいかがでしょうか。お答えください。 ○伊東都市基盤部副参事(自転車対策・地域美化担当) 御指摘の外国人観光客によるごみのポイ捨て問題についてでございますが、現在、区では条例を定めまして、たばこの吸い殻ですとか、飲み物などの空き缶、空きびん、紙くず、食料などの袋、容器、そういったものをごみ箱以外のところに放置する、捨てることを禁止しているというところでございます。これは区民に限らず、中野区内に滞在したり、中野区内を通過する者も対象としてございますので、当然、外国人観光客も例外ではなく対象となるというところでございます。 現在、具体的には、対策としては地域団体、関係団体・機関と連携して清掃美化活動、街頭でのマナーキャンペーンを行うとともに、ポイ捨て禁止の看板ですとかステッカーをまちの中に掲示して、周知啓発を行っているところでございます。周知啓発の看板、ステッカーですが、これまでは日本語表記のみでしたが、外国人観光客などにもわかりやすいよう、今後は外国語も併記するなどとしているところでございます。そういったところで、ごみはきちんとごみ箱に捨てる、そういったごみ捨てのルールやマナーをより一層外国人観光客などにも周知啓発していく考えでございます。 なお、御指摘の外国人観光客に対するごみの捨て方の方針など、そういったことを検討することにつきましては、その必要性について、既に外国人観光客が多く訪れる観光地を抱える自治体の事例などを調査してみたいというふうに考えてございます。 ○むとう委員 ありがとうございました。ぜひ急ピッチで検討していただきたいと思います。ありがとうございます。 異動の激しい中野区では、他自治体からの新住民や外国の方など、ごみや資源の出し方がわからない人が多く、分別の徹底が課題です。分別が不徹底なため、焼却不適正なごみや有害ごみが可燃ごみに出されると、焼却炉が故障して高額な修理費の支出となります。また、ダイオキシンや水銀などの有害化学物質が発生し、環境汚染や健康被害、労働者のけがや死亡事故などを引き起こす原因になります。 2016年第2回定例会で質疑いたしましたが、清掃一部事務組合が清掃工場で実施した2015年度常時搬入物検査結果によると、中野区の不適正ごみ搬入率は45.9%で、23区中ワースト4位でした。そのときの答弁は、今後、より一層適正な搬入を図っていく、適切な分別の周知徹底に努めていくとのことでした。2016年度の中野区の不適正ごみ搬入率はわずか1.1%の改善で44.8%になり、ワースト5位でした。検査台数67台のうち30台が不適物がサンプル堆積の10%以上ある、搬入可能な寸法を超える不適物がある、プラントを損傷させるなど処理施設の運営に支障を来すおそれのある不適物があるというC判定でした。つまり、粗大ごみや分別していないごみを収集し、清掃工場に搬入していることになります。清掃工場に搬入する可燃ごみは区の職員が収集しています。区はほとんど改善されない検査結果をどのように受けとめているのか、不適物とされたものはどのようなものなのか、簡潔にお答えください。 ○波多江環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 委員御指摘のとおり、前年度比で28年度につきましては、不適正搬入率は1.1%の改善にとどまっております。区としては、今後もさらにごみ分別の徹底に向けた取り組みの強化が必要であると考えております。不適正搬入物につきましては、布団やベッドパッド、毛布などの長尺物であり、本来粗大ごみとして粗大ごみ受付センターでの手続後、有料粗大ごみ処理券を添付して排出するものですけれども、燃やすごみの袋の中に入れて出され、それが不適正搬入物となっているということでございます。 ○むとう委員 本来は収集時に適正なごみを収集するということになっており、清掃工場への不適正搬入をしてはいけないことになっています。よって、粗大ごみが混入しているごみや、分別されていないごみなどの不適正ごみは収集せず、収集職員が警告シールを張り、収集しないというのが本来です。ところが、今御説明があったように、見た目ではわからないように折り畳んで、ごみ袋に不適正ごみを詰め込み、集積所に出されたごみを職員が見落とし、収集してしまうケースが多々あることが、不適正ごみ搬入率を高くしている原因だと思います。 時間に追われて走りながらの作業ですが、集積所で不適正ごみを見きわめ、警告シール張りを徹底し、収集車に積み込まない。ここで清掃工場への不適正ごみの搬入をとめるという職務意識をしっかり持って高めていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○滝瀬環境部清掃事務所長 御案内のとおり、ベッドパッド、シーツといった長尺物について、それを小さく折り畳んで燃やすごみに出しているといったようなケースの場合には、外見からの判別は困難なケースが多いということでございまして、また収集するか、そこの場へ取り残すかといったようなことについては、職員の経験則によるところが多いところでございます。こうした経験則を生かしつつ、搬入不適物とされた廃棄物について、収集する職員などへの周知ですとか注意喚起、そういったものを通じながら、また所内での事例討議研修の強化といったことを図っていきたいと考えております。 ○むとう委員 要するに、パッカー車に積んでしまったらば、そのまま清掃工場に行ってしまうわけですから、積まないでその場で適正に処理していくというか、指導していくということが必要になってくるというふうに思っています。時間に追われて、職員の方、走りながら作業していて、本当に大変そうなんですけれども、だけど、そこでやっぱりプロの職員としてしっかり見きわめるという目を研修等を通じて徹底していただきたいというふうに思います。 繰り返しますが、中野区は不適正ごみ搬入率44%のワースト5位です。ちなみにベスト1位は21.7%の台東区です。台東区との分別指導方法や収集体制の違いなどを学び、さらなる分別の徹底に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○滝瀬環境部清掃事務所長 御案内の台東区でございますが、平成28年度から、ごみの収集を戸別収集としていると聞いておりまして、不適正排出の抑制に一定の効果があるというところも聞いているところでございます。収集体制の違いもございまして、同様に考えることは難しいと認識しておりますが、参考となる部分については生かしてまいりたいと考えております。 ○むとう委員 参考となる部分は何でしょうか。 ○滝瀬環境部清掃事務所長 職員の収集の体制等ですね。今後ヒアリングなどを通じて、参考にできる部分については生かしていきたいと考えております。 ○むとう委員 じゃあ、まだ台東区の様子というのは詳しくは存じ上げていないということでよろしいですか。 ○滝瀬環境部清掃事務所長 台東区は戸別収集でありまして、中野区は集積所収集でございます。具体的な職員の体制等については、今後ヒアリングなどを通じて収集してまいりたいと考えております。 ○むとう委員 これからしっかりと調べていただきたいと思うんですけれども、台東区は計画的に職員をふやして、戸別収集を全域に広げていくためには職員数を計画的に採用し、ふやしてきちんと指導する体制まで持っていって、戸別収集を全域に広げていったというふうに聞いております。中野区は近年職員採用していませんよね。そのあたりも大きな違いかなというふうに私は思っているところです。とりあえずしっかりとベスト1位のところを検証して、中野区も取り入れられる部分は取り入れていただきたいというふうに要望したいと思います。 それで、不適正なごみというのは、警告シールを張ったそういったごみは、何のために警告シールを張るかといえば、排出者に改めて適正に出し直していただくことが目的で、2週間程度そのままにして置いていきますよね。だけれども、実際は出し直してくださる方はほとんどいないので、まちなかを見れば、警告シールが張られたまま放置されているのが見受けられます。最終的に警告シールを張ったごみというのは、委託会社が収集する陶器・ガラス・金属ごみの収集車に積み込み、新宿中継所に搬入し、最終的には中央防波堤に埋め立てられます。 せんだって、区民の方から、「分別されていません」と書かれた黄色い警告シールが張られたごみをそのまま収集していったと聞きました。その区民は、分別していないごみでも収集するなら、分別する必要ないじゃないのとも言っていました。警告シールが張ってある未分別のごみをそのまま収集するのは問題です。収集現場で分別を行うなどの検討が必要かと思いますが、いかがでしょうか。 ○滝瀬環境部清掃事務所長 区のほうで、未分別といった表記のシールがございます。こちらを張る場合のごみにつきましては、燃やすごみと陶器・ガラス・金属がまじったいわゆる混合ごみでございます。これにつきましては、清掃工場への搬入はいたしてございませんで、新宿中継所を経由して最終的には埋め立てるというようなものでございます。こちらにつきましても、しっかり区としては、未分別の収集ということの際には、陶器・ガラス・金属で収集しておりますので、適切に搬送などしていきたいと考えております。 ○むとう委員 本来であれば、それは分別されていないごみだから、警告シールを張って置いていっているわけですよね。だから、それをまたパッカー車に積んじゃう姿を区民に見せるのはすごいマイナスなんですよ。本当であれば、指導班の方と連携して、その場でごみをあけて、排出者が誰であれば、わかれば指導しに行かなければいけないし、排出者がわからないのであれば、陶・ガラ・金の金属はパッカー車に積むにしても、その他の可燃ごみが入っているんだったら、袋に入れ直して、そこに置いて、可燃ごみの収集のときにそれを積むというような手間をかけるべきだと私は思っていますが、いかがですか。それをやらないと、分別の徹底指導にならないと私は思いますが、いかがでしょう。 ○滝瀬環境部清掃事務所長 未分別のごみにつきましては、最終的には埋め立てるということでございます。実際のところでは、区内の2万7,000カ所ございます集積所からのそういったところを全て網羅した、区が再度、再分別をするといったようなことについてはなかなか困難と考えてございます。私どもといたしましては、今後も、混合ごみについては不適正な排出であるということで、中央防波堤への埋め立てをしていると。よって、その埋め立てについては限りがあるものであるということから、混合ごみは極力出していただかないよう、区民の皆様への周知啓発を強化して御協力いただくことも重要であると考えております。 ○むとう委員 ぜひ、分別の徹底と言っている以上、本来であれば陶・ガラ・金だけですから、可燃ごみが埋め立て処分場に行くということ自体が間違っておりますので、そういうことはきちんと防いでいただかないと、区民に対して分別の徹底の指導というふうにはならないのではないかというふうに私は思いますので、その辺はきちんと、今後、少ない人数でやっていて指導の手が回らないという問題もあるようですけれども、そこはきちんとやっていただきたいというふうに思います。 それから、区が許可を出している事業者による不適正な事業系ごみの持ち込みごみについては、東京二十三区清掃一部事務組合が、悪質な事業者名を区に知らせているということですけれども、区にはそういう悪質な事業者はいるのでしょうか。いるとすれば、指導をきちんと行っているのでしょうか。ちょっと時間がないので、端的にお願いいたします。 ○波多江環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 区内の許可業者が区内で収集した不適正搬入物を清掃工場に搬入するというケースはあります。それが判明した場合には、当該事業者から事情聴取をし、口頭指導の上、てんまつ書や改善計画の提出を求めております。さらに改善計画が実施されたかどうか、状況確認のため当該許可業者への立入検査をするなど、厳正な対応をしているところでございます。 ○むとう委員 何社ぐらい中野区内にあるんでしょうか。 ○波多江環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 29年度は1社ということでございます。 ○むとう委員 わかりました。区が許可を出している以上、きちんと事業者に対しても指導徹底を、今なさっているということですけれども、より一層していただきたいということをお願いしたいと思います。ありがとうございます。 持続可能な社会というのを目指しているということになりますと、やはり清掃事業というのは大きな課題です。清掃工場への不適正な搬入は防がなければいけませんし、基本は、出す区民の側にも大きな問題があります。分別指導の徹底ということをするためにも、清掃事業に必要な職員の採用を私はしていくべきだと思っておりますので、採用を求め、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○高橋(か)委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了します。 次に、近藤さえ子委員、質疑をどうぞ。 ○近藤委員 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。 1番目に、高齢者虐待防止体制の構築について伺います。 現在作成中の中野区健康福祉総合推進計画2018、平成32年度から平成37年度、現在は案ですが、改定前、平成27年度から29年度の計画に基づき実施した主な取り組みが書かれています。高齢者の虐待防止の項に、改定前の計画に基づき実施した取り組みという案があるのですが、一つ目、虐待防止のための啓発・広報活動、二つ目、関係機関との連携強化、三つ目、高齢者虐待防止マニュアルの周知、四つ目、緊急一時宿泊事業の拡大、五つ目、介護ストレス解消のための相談対応や家族同士の交流の充実と書かれています。どれも重要な取り組みで、区にはこの期間、特に関係機関との連携強化に力を入れ、地域ケア会議などの会議以外に専門のケース会議等を開き、高齢者の虐待防止に取り組んでこられたと思います。過去5年間の虐待通知件数の推移はどのようになっているか、教えてください。 ○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 養護者によります高齢者虐待の通知件数でございます。平成25年度は39件、平成26年度が45件、平成27年度17件、平成28年度29件、平成29年度、こちらは2月末現在でございますけれども、28件となっております。 ○近藤委員 平成25年度が39件、平成26年度が45件、平成27年度が17件、平成28年度が29件、平成29年度が2月現在で28件ということですね。年々、介護が必要な高齢者がふえて、認知症の方たちもふえています。地域包括支援センターの方にお尋ねしたところ、確実に虐待の御相談件数というのは年々ふえているとおっしゃっていました。しかし、今お聞きした平成27年度は、前の年の平成26年度の半分以下にと減っているのです。平成28年度も、地域包括支援センターの方が年々ふえ続けていますよと言うほどはふえていないのです。推進計画には図で示してあるのですが、高齢者虐待の通報・届け出・連絡の仕組みを簡単に教えてください。 ○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 一般的な通報の流れでございます。高齢者虐待に関する通報につきましては、本人や家族、近隣住民、医療関係者や介護サービス事業所、また警察などから、主に地域包括支援センターまたは区の福祉推進分野の高齢者専門相談担当に寄せられております。地域包括支援センターや区は、事実調査を行いまして情報共有を行いながら、個別の対応を行っているというものでございます。ケースによりまして、緊急性ですとか、関係者やキーパーソンの確認に基づきまして個別のケース会議を開催し、対応方針を検討していくということになります。これらの検討には、区や地域包括のほかにもケアマネジャーや介護保険事業所、専門医、親族などが加わって行っております。方針を決定後はそれに沿った対応を行いながら、長期間にわたりまして継続してモニタリングを行うというのが一連の流れでございます。 ○近藤委員 今伺ったように、やはり区を中心に総合的に、今事業を挙げたようにさまざまなところに周知をして、通報の仕組みですとか、区が受理するという形をとっていらっしゃると思うんですね。このように区は、区民、地域包括支援センターなどから連絡を受けて、虐待として受理して、適正な総合調整を図り、虐待の被害者を守っていく責任があると思います。しかし、かつて地域包括支援センターが通報しても、区が受理しなかったケースがあったと伺ったのですけれど、その辺はいかがでしょうか。 ○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 近隣住民ですとか警察など外部の機関から区にあった通報については、基本的には全て受理しているという状況でございます。地域包括支援センターも通報をされる機関ということになっておりますけれども、まず地域包括支援センターのほうに連絡があった場合には、事実調査を行いまして、その結果を踏まえて区が相談等に乗っていくということになります。もし仮に地域包括支援センターからの通報を区が受けなかった、受理しなかったということがあったとすれば、養護者による虐待ではなかったケースですとか、あとデイサービスやショートステイの利用をお勧めするなど、本人や養護者に対しましても一般的な対応で終了するようなケースがあった場合が考えられるかなと思っております。受理の有無にかかわらず、虐待に関する連絡や相談があった場合には、区が何も対応していないということは考えにくいというふうに考えております。 ○近藤委員 すみません。養護者による虐待じゃないというのは、御説明していただいていいですか。 ○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 高齢者の虐待の場合ですと、例えば認知症がある方ですとか、体の虚弱な方ですとか、強いほうが弱いほうに対する何か行った場合、虐待ということになりますので、そうではない場合、どちらも養護、支援を受ける、する側という立場にない場合に何かトラブルがあった場合ですね。その場合には養護者による虐待とは言わないということになります。 ○近藤委員 どれを虐待とみなすかという、その辺もかなり難しいんでしょうし、さまざまなケースがあって、その判断というのは難しいのかもしれないんですけれど、虐待を受けていた高齢者が、支援が届かなかったために大変な状態になってしまったケースなどがあったと伺っています。そして、医師や地域包括支援センターから、もっと早目に区は対応できなかったのかというお怒りの声が届いたと伺っています。このように区が虐待する人と、虐待をしているほうの方と被害者を分離しなかったケースが何件かあったんではないか。それが先ほどの数字ですね。虐待通報件数の推移とかにも出て、少なくなっているという状態になっていたんではないかと考えられるんですけれど、分離するかどうかという判断はどのように行っているのでしょうか。 ○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 分離でございますけれども、事実調査を行いまして、頭部や腹部への外傷ですとか、全身の衰弱の状態、栄養の状態、また御本人から、殴られるとか帰りたくないといったような発言、また養護者の態度や発言などが確認された場合には、健康福祉部長や福祉推進担当の副参事、すこやか福祉センター、地域包括、その他関係者が集まりまして高齢者虐待緊急対策会議を開催いたしまして、分離の可否を判断しているというものでございます。分離はあくまで最終的な手段というふうに考えておりまして、生命の危機が迫っている場合ですとか、あと親族とか介入の拒否があった場合には、区として分離という判断を行いますけれども、通常の場合ですと、親族等の調整をいたしまして、その同意を得た上で、入院ですとか、ショートステイを利用することによりまして、まず本人の安全を確保した上で、その後の対応について考えていくというものでございます。 虐待通報は、虐待が事実かどうか、またおそれがあるという場合も通報がございますので、分離の件数と通報の件数はなかなか比例していない状況でございます。 ○近藤委員 親族のやっぱり許可が要るというあたりにも、親族が虐待に絡んでいたりとかすると、なかなか難しいのかななんていう問題があるんですけれど、さまざまなケースがあって、なかなか虐待の受理ができなかったり、分離ができなかったり、そういったことがあったのかもしれないんですけれど、地域包括支援センターや医師は、区の支援がそこはなかなか及んでいなかったんじゃないかと言って、区は、区の対応はそれは間違っていなかったんですよと言っている。その状況、ある時期に何件ものケースに見解が違うという状態が起こっていたようです。これでは、連携ということからはほど遠い状態になっていたのではないかなと想像するんですけれども、高齢者虐待を担当している職員は何人で、虐待対応のほかにはどのような業務を行っているんですか。 ○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 虐待対応ですけれども、福祉推進分野の高齢者専門相談担当で、係長含め6人の職員が担当しております。この担当では虐待対応のほかに、高齢者の施設措置、また成年後見の区長申し立てを行っております。 ○近藤委員 高齢者の施設措置も、あと虐待対応も、成年後見人に関する相談というかも、年々ふえまして、複雑な手続も伴うお仕事だと思いますね。業務だと思います。明らかに人手不足も原因の一つだと思われますが、これは体制の強化を図るべきではないでしょうか。いかがですか。 ○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 成年後見の手続の件数ですとか、あと施設措置の人数というのは増加しております。今後も高齢者の単身世帯がふえることが見込まれているかなというふうに考えております。担当におきましては、事務分担の見直しや効率化もそうですけれども、そのほかすこやか福祉センターとの連携など、虐待に対して迅速に適切に対応できるような体制については充実させていきたいというふうに考えております。 ○近藤委員 ぜひ、これからますます高齢化社会になっていくのに伴って、この分野のお仕事は確実にふえていくと思われます。この体制では、また大変な案件を見逃してしまうようなことにもなりかねません。職員数の増加だけではなくて、虐待をしてしまう方は精神的にも追い込まれている方が多いと思いますので、このような方々の対応をされている職員のメンタル面も組織としてしっかりと支えていかなくてはならないと思います。どのようなサポートを行っているのでしょうか。 ○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 担当職員におきましては、外部の研修の受講ですとか、あと事実確認や訪問、面接におきましては、係長か主査を交えた複数人で対応していること、また必要な判断につきましては管理職が行うなど、組織として対応することで個人の負担ができる限り大きくならないように取り組んでいるところでございます。 ○近藤委員 これ、職員の方の御苦労も本当にかなり大変だと思うんですね。でも、地域包括支援センターや医師に連携、連携と、あと区民に連携、連携と区が協力を呼びかけているにもかかわらず、区がみずからその連携を断ち切ってしまうような状態をつくってしまうということはとてもまずいことであって、かかわった医師や地域包括支援センターの関係者は大変残念な思いをされたと言っていらっしゃると伺っています。今後、虐待を見逃さない体制をつくることをお願いしたいと思いますが、いかがですか。 ○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 地域包括支援センターやすこやか福祉センター、警察など、関係機関とよりよい協力関係を築きまして、虐待を見逃さないようにしたいと思っております。今、委員お話しございましたけれども、養護者の方が追い込められている状態もあるかと思いますので、利用可能なサービスの周知等も行いまして、虐待の予防から取り組んでいきたいと思っております。 ○近藤委員 どうもありがとうございました。 次に、障害者の就労支援について伺います。 中野区健康福祉総合推進計画2018、第5期中野区障害福祉計画(案)を見ますと、平成30年度から障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスとして創設される就労定着支援を実施しながら、職場定着率の向上を目指しますとありますが、第4期中野区障害福祉計画にも就労定着支援の充実が書かれていますが、現在は職場定着の支援についてどのような取り組みを行っているのでしょうか。 ○菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当) 中野区障害者福祉事業団に委託して実施しております障害者就労雇用促進事業では、一般就労した障害のある方を対象として定期的な職場訪問等を行い、障害者が安心して働き続けられるよう、ジョブコーチが相談や助言等を行っております。また、障害当事者同士が困り事を共有したり、課題解決に向けた学びの機会となるたまり場事業など、就労している障害者の勤労意欲の維持向上を図っております。 ○近藤委員 平成30年度から創設される就労定着支援というのはどのようなサービスなのですか。 ○菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当) 平成30年度から創設されます就労定着支援は、就労移行支援、生活介護、自立訓練等を利用いたしまして、一般就労した障害のある方に対しまして、就労に伴う環境の変化により生じた生活面の課題の解決に向け、必要な支援を実施するものでございます。具体的には、就労の継続を図るため、御本人と対面して相談を行うほか、就職した企業への訪問などを行い、生活リズムや家計、体調の管理など課題の解決に向け、必要な連絡調整や指導・助言等を一定の期間にわたり行うサービスでございます。 ○近藤委員 特別支援学校等を卒業後、一般就労した障害者はこの就労定着支援を利用できないと思いますが、就労定着支援のサービスが利用できない障害者の方はどのような支援を受けることができるのでしょうか。 ○菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当) 特別支援学校等を卒業後すぐに一般企業に就職した方や、サービス利用期間満了後も支援を希望する方などは、就労定着支援の利用対象とはなりませんけれども、障害者就労雇用促進事業の職場定着の支援を受けることができるものでございます。 ○近藤委員 先日、平成29年度中野区発達支援啓発事業区民講演会に参加させていただきました。発達障害のお子様を4人育てたお母様の「発達障害の子が働くおとなになるまで~当事者親子から子育てのヒントを見つけよう!~」という題名のお話でしたが、区役所の会議室は満員の盛況でした。幼いお子さんを連れた御夫婦もいらっしゃいました。お父様と思われる男の方もたくさんいらっしゃいました。発達障害の当事者である息子さんもいらして、お話をしてくださいました。講師のお母様は、お子さん4人が皆、不登校になった経験談などを話され、大変御苦労された生活のお話をしてくださいました。子育てのそういった話をしてくださったのですが、講演後の質問の時間には、就労の心配をされて質問される保護者の方が数名いらっしゃいました。御自分のお子さんが就職しても定着することができるか心配されていました。お子さんが不登校であるという状態は、支える家族にとっては大変苦しくつらいのですが、さらにその後の就職を考えたとき、親は何とかして子どもが自分の力を最大限使って社会で生きていけるような大人になってほしいと考えます。しかし、就職の定着の段階になると、行政の支援がなかなか及んでいないように感じています。 この講座の「発達障害の子が働くおとなになるまで」という題名に、特別な支援を必要とするお子さんを抱えた多くの保護者の方が興味を持ち、参加していたように感じます。発達障害のある方に関する就労支援の重要性はとても高まっていると考えますが、今後、発達障害を含め、障害のある方への就労支援、就労定着支援についてどのように取り組んでいくのでしょうか。教えてください。 ○菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害のある方への就労支援といたしまして、就労に関する相談やアドバイス、就職活動への支援などを行っております。また、特別支援学校在学中から早期に支援を実施し、継続的な就労支援を進めております。今後も障害者就労雇用促進事業を引き続き実施するほか、ハローワークなどの関係機関と連携を図りながら就労支援の強化を図り、安心して継続就労できるよう、就労及び就労定着支援の取り組みを、就労移行支援事業所などと連携いたしまして推進していきたいと考えてございます。 ○近藤委員 ありがとうございました。行政の支援を求めている方はたくさんいらっしゃいます。そこのところ丁寧に支援していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 3番目に、学童クラブについて伺います。 区立緑野学童クラブ、平成30年度新1年生の申し込みの人数を教えてください。 ○上村地域支えあい推進室参事(地域子ども施設調整担当) 緑野学童クラブの一括申請受け付け時の新1年生の申請数は36人でございます。 ○近藤委員 緑野学童クラブの定員は何人ですか。 ○上村地域支えあい推進室参事(地域子ども施設調整担当) 定員は55人でございます。 ○近藤委員 55人ですから、あと新2年生と新3年生は19人しか区立の学童クラブに入れません。現在の1年生、2年生の区立学童クラブに入っている人数は何人ですか。 ○上村地域支えあい推進室参事(地域子ども施設調整担当) 現在在籍している1年生は26人、2年生は20人でございます。 ○近藤委員 そうしますと、新2年生と新3年生でたくさんの待機になりますが、このお子さんたちはどうなるのでしょうか。 ○上村地域支えあい推進室参事(地域子ども施設調整担当) 学童クラブの待機児童につきましては、児童館、キッズ・プラザで対応を行っており、緑野学童クラブについても同様の対応を行うこととしてございます。また、4月からは学区内の民設民営学童クラブ、ピノキオハウスが利用できることから、こちらの紹介を行っております。 ○近藤委員 緑野学童クラブは、丸山児童館を廃止してしまったので、児童館対応ということはできませんよね。それで、民間のピノキオ学童クラブの申し込みは現在何人ですか。 ○上村地域支えあい推進室参事(地域子ども施設調整担当) ピノキオハウスは定員25人で、現在申し込みは13人と聞いてございます。 ○近藤委員 区立の学童クラブには待機しているけれど、民間の学童クラブは定員になっていないという状況ですよね。私は今までしつこいぐらい丸山児童館がなくなってしまう前から、丸山児童館がなくなることで、丸山地区の子どもたちの環境が悪くならないかと質問してきました。乳幼児、小学生、それぞれに対してサービスは低下しないかと何度も伺ってきました。そのたびに区は、キッズ・プラザがあるから大丈夫ですという趣旨のお答えをいただいてきました。しかし、緑野キッズ・プラザは中野区で一番狭いスペースで、雨の日は校庭で遊べないので、子どもたちは窮屈な思いをしています。そして、そのことを質問すると、体育館があるから大丈夫と言われてきました。 では、本当は区立の学童クラブに入りたかったけれど、定員オーバーで民間のピノキオハウス、学童クラブに行くことを余儀なくされた子どもたちは、緑野学童クラブのある場所から、児童の足で8分ぐらい離れた民間のピノキオハウスに行くことになると思いますが、民間学童クラブには校庭もなく、体育館もありません。自分や家族の意思で初めから民間の学童クラブを選択して行くのでしたら問題はありませんが、区立の学童クラブに入りたくても入れずに民間学童クラブに行く子どもたちは、狭いビルの中で過ごしていくことになると思います。他の児童が外遊びや体育館で体を動かしているときに、民間の学童クラブのお子さんはどうしたらよいのでしょうか。どこに行ったらよいのでしょうか。 ○上村地域支えあい推進室参事(地域子ども施設調整担当) キッズ・プラザ緑野の活動室は広く確保できてございませんけども、広い校庭と体育館を利用して活動することでカバーしてございます。また、長期休業中の雨の日などは学校の御理解で教室を利用させていただいてございます。民設民営学童クラブはいずれも外遊びができる園庭はございませんが、事業者に対してはキッズ・プラザや児童館の行事に参加するなど、これらと連携したクラブ運営を働きかけてございます。ピノキオハウスにつきましても、指導員が引率してキッズ・プラザ緑野を利用することで、体を動かす遊びも十分に行えるものと考えてございます。 ○近藤委員 指導員が引率してと簡単におっしゃっても、雨の日など、みんなにかっぱを着せて傘を差してぞろぞろと移動していく。そして、その移動先も、雨でしたら校庭が使えなくて、狭いキッズ・プラザと体育館をほかの地域の人たちとかわりばんこに使っているという状態で移動して、民間の学童クラブの先生たちがそんなことまでなかなかできないと思うんですよね、実際問題として。できたとしても、とても大変なことだと思うんですね。それで、また民間の学童クラブに通うとなると、お友達のいる学校からも離れてしまうので、キッズ・プラザを選択するというお子さんも出てくると思います。 そして区も、いつも私が学童クラブの待機児童の問題を質問すると、学童クラブではなくて、キッズ・プラザを選んで行かれるお子さんもいらっしゃいますって、これまでもいつも、キッズ・プラザがあるから大丈夫論を必ず展開します。低学年のうちから親からも学童クラブの職員の手からも離れてキッズ・プラザだけに行くことは、児童福祉法の精神からも、保護に欠ける子どもの対応として大変問題があります。児童館を安易になくしてしまい、子どもたちを分断し、狭いスペースに押し込み、民間の学童クラブの若い職員だけに保護に欠ける子どもたちの健全育成を任せてしまっていることは大変残念であり、心配です。いち早く丸山児童館をなくしてしまった緑野小学校の学童クラブの状況を質問させていただきましたが、今後の区の学童クラブのあり方をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。 ○上村地域支えあい推進室参事(地域子ども施設調整担当) 学童クラブの適正な規模を確保することも必要でございます。また、ニーズの多様性に対応できる民設民営学童クラブの利点を生かし、2カ所の学童クラブを用意することとしてございます。現状として、特定の地域で待機が発生するなど、ニーズの偏在もございますが、今後も働く女性の増加などニーズの拡大も予想されることから、民設民営学童クラブの開設により待機児童の解消を図り、多様なニーズに応える学童クラブの設置を進めるとともに、キッズ・プラザの整備も図ってまいりたいと考えてございます。 ○近藤委員 これは、区長がおっしゃる子育て第一の考えとは本当に遠いものだと申し上げておきたいと思います。ありがとうございました。 その他の項で、新区役所整備の検討状況についてお聞きします。 新区役所については、新しい区役所整備基本計画によれば、平成35年度竣工に向けて、平成30年度は基本設計を進める年とされております。基本設計の中で新区役所に備えるべき機能として、環境配慮型区役所の実現の項で、緑化推進の取り組みについて、区役所敷地には屋上緑化などとあわせてヒートアイランド対策やCO2削減に配慮した施設を整備しますと記載されています。また、あわせて壁面緑化による日射抑制についての記載もあります。屋上緑化や壁面緑化を採用した場合、その機能の維持管理に多くのランニングコストとメンテナンスの手間を要するおそれがありますが、環境への配慮は大事なことですが、環境という名のもとに、必要以上に多額の税金を投入することを区民は望んでいません。今後、基本設計を進めていく上で、費用対効果をしっかりと検証すべきと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 ○中村経営室副参事(新区役所整備担当) 新庁舎については、ヒートアイランド対策やCO2削減に配慮した施設整備を検討しているところでございます。採用する環境性能につきましては、今年度開始する基本設計において維持管理方法についても十分に検討し、費用対効果を含め総合的に検証を進めてまいります。 ○近藤委員 ありがとうございます。その他の項でもう一つ、シティマネジメントの事業予算について伺います。 高齢者の虐待防止や障害者の就労支援、放課後、大人の保護を受けられない子どもたちの問題等を質問させていただきましたが、どれも区民の日々の生活の中で区が責任を持って取り組まなければならない課題が山積する中で、来年度予算の中には不要不急と見られる施策も予算化されています。例えばシティマネジメントでは1億円余の予算がとられていますが、区が予定している中野駅周辺の整備、平和の森公園と体育館の整備、哲学堂公園の観光拠点の整備、西武新宿線のまちづくりなど、どれも現在まだ未完成な状態です。そうであるにもかかわらず、形にもなっていない未来の中野区のシティセールス事業を行うというのは、事業としても優先順位が低く、不要不急の事業ではないでしょうか。これから大規模な工事が始まっていく中野区や駅周辺のどこにデジタルサイネージを設置すれば、より効果が発揮できるんでしょうか。今本当に必要な事業であるのか、事業を精査する必要があるのではないでしょうか。いかがでしょうか。 ○平田都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) シティマネジメントの事業についてでございます。中野区では経済の成熟化、超少子高齢化に伴う生産年齢の減少といった日本全体が抱える課題を見据え、地域の人々の生活を支えながら、持続可能な都市の成長モデルを描いていくこととしてございます。シティマネジメントは、そういった持続可能な都市の成長モデルを推進していくためのいわばソフト事業でございまして、ハード事業である中野駅周辺まちづくり等と歩調を合わせて、中野区の活力を生み出していくものでございます。中野区が今後も活力にあふれた成長を続ける都市であり続けるためには必要な事業であると考えております。 ○近藤委員 また見解がなかなか違うんですけれど、やっぱりこれから中野区の周辺は大きな工事になっていくと思います。そこを終えて、きちっとしたすばらしいものができてから、アピールというのをしていっても遅くはないのではないかと思いますけど、夢のようなことを描いても、なかなか区民の理解はないと思いますので、くれぐれも税金の無駄遣いにならないことをお願いして、私の全ての質問は終わります。ありがとうございました。 ○高橋(か)委員長 以上で近藤さえ子委員の質疑を終了します。 ここで休憩をとりたいと思います。3時15分まで委員会を休憩します。 午後2時54分休憩
午後3時15分開議 ○高橋(か)委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 石坂わたる委員、質疑をどうぞ。 ○石坂委員 質問いたします。初めに、1点目として、区の広報のあり方について伺います。 北海道大学・北村倫夫教授によると、住民からの支持と信頼、共感と人気を得る経営の実践など、こうした自治体の外を意識した経営を実践し、成果を上げるために戦略的広報が不可欠であると言われています。まず初めに確認のために伺います。万が一、区や区の職員による不祥事等をめぐるような状況に対して広報的な対応をする場合や、災害等でデマが流れたときに、区がデマを払拭する情報を流すような状況に対して、広報に関する危機管理のあり方や、マニュアルあるいはガイドライン的なものはありますでしょうか。また、これらの場合にはどのような対応をすることになっていますでしょうか。お答えください。 ○堀越政策室副参事(広報担当) 緊急時における情報提供等の対応につきましては、区民の皆さんの不安を解消することを目的といたしまして、中野区危機管理ガイドラインや全職員向けの広報マニュアル等において手順等が示されております。その中には事件・事故等の発生時におきましての職員が危機を覚知――知った場合、覚知したときからの情報連絡のフローや報道機関等への情報提供の具体的な方法などが記載されておりまして、各所管部において情報の収集や整理を行い、広報分野や行政監理分野との調整等を行い、発信することとしてございます。 ○石坂委員 広報のところが絡んでいらっしゃると。各部署でやりながらも広報が絡んでいるということで了解いたしました。 毎年、区のホームページにも掲載されます翌年度の予算案の記者会見資料、これも来年度の予算は既にホームページに出ておりますけれども、新規、拡充・推進について、主な事業として、例えば来年に関しては、認知症高齢者グループホーム等整備事業費補助事業、上高田野球場改修工事、保護指定樹林等の助成制度の拡充、指定管理者に対する評価の改善などが掲載されています。予算の執行によって区民の利便性や住民向けサービスが向上することや不便の解消が期待されたり、他の自治体にはない中野区独自の取り組みに対する期待、こうした取り組みによって今後中野区がどのように変わっていくのか、区民サービスがどうなるのかなど、関心を持つ人もいます。 また一方で、場合によっては、大丈夫かな、うまく進むのかなと不安に感じる人もいるかと思います。予算がこう決まりましたというだけではなく、直営の場合も業務委託や指定管理の場合も、あるいは民間施設への補助等の場合も、例えば工事によるビフォー・アフターや工事後に区民に使われている様子、あるいは指定管理下の業務委託後の様子、さまざまな事業の様子を随時SNSやホームページや区報などを用いて掲載したり、それに加えて、決算の認定がされた時期にまとめて掲載するなどしたほうがよいのではないでしょうか。 ○堀越政策室副参事(広報担当) 区民の皆さんへの事業説明、理解促進につきましては、区報、ホームページほか各種媒体により適時に、またパブリック・コメントや区議会への報告等によりさまざまな御意見もいただきながら進めているところでございまして、広報活動につきましても、経過報告を含めまして、現在適切に行われていると認識しているところでございます。しかしながら、区民生活への影響が大きいと思われるものにつきましては、各所管部とともに状況を適切に見きわめ、さらにきめ細やかな発信を行っていくことに努めてまいりたいと考えております。 ○石坂委員 ありがとうございます。どんなによい事業であっても、また行政がよかれと思ってやっている事業であっても、その受けとめ方は区民さまざまであり、納税者であり有権者である区民に対してしっかりと報告し、区が行っていることについて正当な評価が得られるようにしていくことが必要であると思われますので、よろしくお願いいたします。 また、区が行う事業について、区民に不正確な情報が伝わる、話に尾びれがついたり、うわさがうわさを呼んでデマのような情報が流れる、不必要な不安が広まるなどが生じると、正確な情報が得られないままに疑心暗鬼になったり、不正確な情報に振り回される方も出てきます。 例えば、公園のど真ん中に体育館ができると聞いたのだけども、斜面の木を切った後ののり面がコンクリートで固められてしまうと聞いたのだけどという話を耳にしたことがありました。誤った情報が広まった際には、正確な情報を適時適切に流すことや、あらかじめわかりやすい形で可能な限りの情報を出していくことが必要だと思いますが、その辺いかがでしょうか。 ○堀越政策室副参事(広報担当) 区の施策を正しく区民の皆さんに理解していただくためにも、正確な情報を適時適切に、わかりやすい形で広報することは重要であると捉えております。個別の施策の広報は各所管部が主体となって進めることが基本ではございますが、区全体としての発信、広報活動のマネジメントにつきましては広報分野が実施していく必要があると考えております。具体的には、各事業の計画段階からの戦略的な広報活動の検討や、執行段階等におけます進捗状況や成果等の情報発信について、各所管部と連携を図りながら、効果的に進めていくということになると考えているところでございます。こうしたマネジメントとともに、情報を得ていただくための手段、方法の周知等についてもさらに工夫を行いまして、正しい情報が区民の皆様にきちんと届くよう広報活動の充実に努めてまいりたいと思っております。 ○石坂委員 賛否があるものに関してもやはり建設的な議論をするためには必要なことですので、お願いいたします。 日ごろから区が出す情報に対して区民が信頼を寄せる状況をつくることが、万が一、区や区の職員による不祥事をめぐるような状況に対して広報的な対応をする場合や、災害等でデマが流れたときに区がデマを払拭するような情報を流すときにも、区民から信頼してもらうことにつながると思いますし、また対立があったときに、表面的には静かになっても、区民の中に不信や不満がくすぶり続けるような状況を避けることにもつながりますので、よろしくお願いいたします。 次に、順番を入れかえ、先に3項目めの質問について伺います。 3点目として、性的指向・性自認に関するセクシュアルハラスメント、ソジハラ――ソギハラと読む場合もありますけども、「SOGIハラ」及びLGBTについて伺います。 ソジ、SOGIと書きますけども、この言葉は、特別区長会から都の施策及び予算に関する要望書にも既に登場していますが、性的指向と性自認を指す言葉で、好きになる相手が同性なのか、異性なのか、両性なのか、自分の自認している心と体の性に違和感があるのか、ないのかといった多様性をあらわす際に使われる言葉で、性的マイノリティーだけではなく、多数者の人も含めた考え方です。そして、ことしの2月1日に放映されたNHKハートネットTVの「“SOGI(ソジ)ハラ"って知ってますか?」というタイトルの放送では、SOGIに関するセクシュアルハラスメントがSOGIハラとして紹介されました。 さて、中野区の10か年計画では、LGBT等に対する理解を深め、共生社会を実現とあります。そして、中野区職員倫理条例の第3条では、職員の職務遂行における従うべき原則として、主権者である区民に対する責任を自覚、区政の目標と与えられた使命に基づき、みずから考え提案し、積極的に職務に当たる、区民や利用者の立場に立ち、柔軟な発想を持ってサービスの向上を図る、などが掲げられています。カップルの場合も単身の場合も含めて、LGBTの住民に対する不都合や困り事の解消に取り組むことや、目の前に来たLGBTの住民に対して差別や偏見のない対応をすることは、当然の区職員の責務ということでよろしいでしょうか。 ○田中経営室副参事(人事担当) 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)でございますけれども、グローバル化の進展を踏まえ、LGBTを含む人権課題に対する理解を深める共生社会実現のための啓発活動や事業を推進することとしてございます。区の職員としましても、住民に対する差別や偏見のない対応をすること、これは当然の責務であり、共生社会実現のための取り組みを推進していく必要があるというふうに認識してございます。 ○石坂委員 さらに、中野区の職員服務規程には、「セクシュアル・ハラスメント及びパワー・ハラスメントの禁止」として、第7条の3第1項で、「職員は、他の職員又はその職務に従事する際に接する職員以外の者を不快にさせる性的な言動を行ってはならない」とあります。カミングアウトしているかどうかにかかわらず、LGBTの職員に対してはもちろんのこと、そうでない職員に対しても、その人の性的指向や性自認に対してハラスメントをすること、当然これにはLGBTではない職員に「おまえはLGBTなんじゃないの」と疑惑をぶつけるような発言なども含むわけですが、それは厳に慎まなければならない言動という理解でよろしいでしょうか。 ○田中経営室副参事(人事担当) 委員からもお話しあったとおり、中野区の職員服務規程、こちらでは、職員は、他の職員、それから職務に従事する際に接する職員以外の者、これらを不快にさせる性的な言動を行ってはならないというふうに定められてございます。LGBTも含めて、他の職員も含め、不快にさせる言動は禁止されているというふうに認識してございます。 ○石坂委員 事前に担当に確認したところ、区の新人職員研修や係長6年目研修で行われている人権セミナーでは、法務省の人権啓発ビデオ、「あなたがあなたらしく生きるために 性的マイノリティと人権」が使われています。その中では、LGBTの人口比率は諸説あるが、3から5%ということが述べられています。中野区には約2,000人の職員がいますから、少なくとも区の職員に60人のLGBTの職員がいることになります。なお、私の中野区在住のゲイの友人は、公務員として都内他自治体の役所に勤務しています。当然、中野区職員にもLGBTの当事者がいると考えられます。誰がLGBTの職員であるのか、わからないのであれば、常に相手がLGBTである可能性や、同性のパートナーがいる可能性もゼロではないというつもりで対応することが必要になると思いますが、いかがでしょうか。 ○田中経営室副参事(人事担当) LGBTなどの可能性も含めまして、他の職員などを不快にさせる言動、これは先ほども申し上げたとおり禁止されているところでございまして、そのような対応をする必要があるというふうに認識してございます。 ○石坂委員 さて、この研修ビデオの中では、トランスジェンダーの当事者の事例とゲイの当事者の事例が登場します。相手の素地を決めつけること、相手がLGBTであるかどうかにかかわらず、ホモやオカマと間違われるぞと言うこと、特定の誰かに向けた発言でなくても、ゲイって気持ち悪い、ゲイはみんなオネエタレントのような存在であるような話題で盛り上がること、性的指向や性自認が趣味であるかのように言うこと、LGBTを認めるほど世間は甘くないという発言、偶然知り得た同僚の性的指向や性自認を他人にばらすこと、事実かどうかにかかわらず、他人の性的指向や性自認に関するうわさを流すことなどについて、それがいかに他人を傷つけるのかを考えさせる、そうした内容となっています。こうしたようなSOGIハラは、当然、中野区職員服務規程に係るセクシュアルハラスメントとなるという認識でよいでしょうか。 ○田中経営室副参事(人事担当) 繰り返しになりますけれども、中野区職員服務規程では、「職員は、他の職員や職務に従事する際に接する職員以外の者を不快にさせる性的な言動を行ってはならない」というふうに定めているところから、この服務規程に係るハラスメントともなり得るというふうに考えてございます。 ○石坂委員 また、区の職員は、さまざまな現場でSOGIハラやそれに類する言動を目にする機会が少なくないと思います。民間事業者や区民のこうした言動を目にした場合、区の職員はこうした差別的な発言や偏見について逐一解消していくことや、それが難しくても、徐々にSOGIハラがないのが当然という雰囲気を区内全体に醸成していくように心がけていくことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。 ○田中経営室副参事(人事担当) 区はこれまでも、パワハラであるとかセクハラ、これらを防止するための基本的な方針を定めまして、ハラスメントの防止に向けた取り組みは推進しているところでございます。出産・育児・介護等のハラスメントも含めた全てのハラスメント防止のための基本方針、こちらにつきまして改めて策定する予定でございまして、職員向けにもさまざまな機会を通じまして、職場のハラスメント防止についての周知徹底を図るなど、SOGIハラも含めましたハラスメント防止の取り組みをさらに推進してまいりたいというふうに考えてございます。 ○石坂委員 ありがとうございます。安心できる答弁をいただけまして、よかったと思います。この総括質疑もたくさんの理事者の方がいらっしゃっていますので、ぜひそれぞれの部署でしっかりと進めていただければと思います。 そして次に、LGBTに関することとして、後段で同性パートナーシップの証明について伺います。一般質問での平山議員の質問や、総括質疑での甲田議員や来住議員の質問でも取り上げられました同性パートナーシップについて伺います。 同性パートナーシップ制度について、私も過去に一般質問で取り上げたことがありました。今回のこの一歩はとても大きな一歩となりますし、しかし、この一歩は最初の一歩でもあります。ともすると、メディア等ではパートナーシップ制度がゴールであるかのように取り上げられることがあります。パートナーシップ制度でできることは、民法に基づく男女の婚姻と比べると、解決できる不便や困難の範囲はかなり限定されたものです。また、パートナーシップ制度スタート後も、区でできる取り組みを着実に進めていくことが必要です。パートナーシップ制度はできたけれども、困り事は何も解決しない、解消しないということや、単身のLGBTやカミングアウトができないカップルなどが置いてきぼりにされることは避けなければなりません。 他の議員からの指摘にもありましたが、金融機関、不動産屋さんや大家さん、医療機関などの民間事業者や区民や全職員に対する周知徹底や、当事者が抱えている問題についての啓発が不可欠です。また行政のサービスについても、例えば区営住宅の入居要件の緩和など、着手すべき事柄はたくさんあると思います。パートナーシップ制度を新たなきっかけとして、ユニバーサルデザインの考え方に基づき、制度の周知とあわせた人権啓発や従来の行政サービスの見直しや改善を進めていくということでよろしいでしょうか。 ○宇田川政策室副参事(ユニバーサルデザイン推進担当) ユニバーサルデザインにつきましては、支障なく円滑に利用できる都市基盤、施設の整備の推進とともに、平等かつ円滑に利用できる商品、サービスの提供の推進と、一人ひとりの個性や多様性が理解・尊重され、さまざまな人が支え合うための理解の促進という三つを基本理念としまして推進してまいりたいというふうに考えております。この理念に基づき、同性パートナーシップに係る公的な証書等の発行について検討を行っているところでございます。区が提供するサービスにつきましても、誰もが平等かつ円滑に利用できるよう、必要な見直し・改善に向けた検討を行いながら、個性や多様性が理解・尊重され、さまざまな人が支え合うことができるように、理解促進を図っていきたいというふうに考えております。 ○石坂委員 また、単身のLGBTやカミングアウトができないカップルについても、合理的な配慮ですとか、不当な差別的取り扱いの禁止といった障害者差別解消法の考え方を踏まえたようなユニバーサルデザインや10か年計画に基づいて、しっかりと配慮や支援がなされるという理解で大丈夫でしょうか。 ○宇田川政策室副参事(ユニバーサルデザイン推進担当) 区はこれまで障害者差別解消法に基づく障害者対応基本マニュアルを作成し、合理的配慮ですとか、それから不当な差別的扱いの禁止の考え方に基づいて、全庁挙げて必要な配慮ですとか支援を行ってまいりました。ユニバーサルデザインにつきましては、先ほど御答弁させていただきましたとおり、三つの基本理念に基づき推進を図りたいと考えているところでございます。この基本理念に基づいて障害者差別解消の取り組みなども踏まえて、サービスの見直しですとか改善の検討、それから理解促進に取り組むことが、個性や多様性を尊重した配慮、支援につながっていくというふうに考えております。 ○石坂委員 確認ですけども、そうした今おっしゃったような答弁の中に、当然パートナーシップ制度登録をしていないカップルですとか、単身のLGBTの当事者も含まれるという理解でいいでしょうか。 ○宇田川政策室副参事(ユニバーサルデザイン推進担当) 区のユニバーサルデザインにつきましては、全ての人がということで考えておりますので、LGBTの方も含んでいるというふうに理解していただいて結構です。 ○石坂委員 単身者も含まれているということで理解をいたしました。 また、今回の制度は、パートナーシップ制度を検討されていく中で、公正証書が必要になるということですけども、生活保護の受給者ですとか生活困窮者など所得が少ない人、男性と比べて所得の少ない女性カップルにとっては、公正証書にかかる費用がネックとなる可能性があります。渋谷区の場合は、任意後見契約と合意契約公正証書の両方の作成が必要な原則手続の費用を負担する場合と、あともう一つの形として、合意契約公正証書の作成のみで足りる特例扱いに該当する場合の費用の規定があります。実態としては、原則手続よりも特例扱いのほうが多い状況になっているそうです。公正証書を自力で作成した場合でも、原則手続の場合は高額な負担が生じますし、より負担が少ない特例扱いの場合も1万円を超える費用がかかると言われております。その結果、渋谷区の場合、男性のカップルと比べて女性のカップルの登録者数は少ない傾向があるとも言われています。 なお、任意後見契約、これに関しては、医療機関の中においては成年後見人が手術等の代理ができるという誤解もあるようですが、千葉家庭裁判所がつくっている成年後見人、保佐人、補助人の書類などによると、第三者の後見人としては、医療行為に関して同意すべきではないとあります。また、医療同意に関しては代理権、同意権はないとされ、身元保証、身元引き受け、連帯保証はできないというのが、成年後見人を養成するための各種研修会などでも言われています。こうしたことも考慮の上、経費負担も考えて、よりパートナーシップ制度に対するニーズが切迫している所得が少ない方が排除されることがないような配慮や費用助成の検討なども要望して、次の質問に移ります。 順番が入れかわりましたが、2番目の質問としまして、ユニバーサルデザインや特別支援の考え方を踏まえた母子の保健福祉・教育について伺います。 まず、障害児について伺います。教育に限らず、母子の保健福祉などについても特別なニーズや特別支援の考え方は不可欠です。また、教育や保健福祉について、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れることも今後求められます。 さて、幼児は1歳6カ月と3歳の段階で全員が健診を受けることになります。先日視察に行った鳥取県倉吉市では、5歳児段階で、しっかりではないものの対象児をピックアップして5歳児発達相談を行い、就学直前に支援を急に考えるのではなく、常に寄り添いながら支援を行っていくようにしているそうです。また、一方で都内では、就学相談、就学時健診は特別支援学校、特別支援学級、通常学級などの振り分けの機会なのではないかと構えてしまって、子育ての不安を吐露しづらいという声も聞きます。1歳6カ月と3歳の幼児健診を踏まえ、就学相談、就学時健診よりも手前の5歳児などの段階で相談の機会を設けたり、その相談の機会に気軽に相談に行けるような声かけなどをすべきではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。 ○伊藤南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) すこやか福祉センターでは、現在でも3歳児健診後、経過観察など相談の機会を設けてございます。1歳6カ月健診の委託にあわせまして、今後、健診日以外でも発達などさまざまな相談に対応できる体制を組むため、心理職の配置も予定してございます。こうした新たな展開につきまして、保護者に対し十分な周知広報を行うとともに、気になる乳幼児につきましては、すこやか福祉センター側からも声かけをすることで、親子で参加するグループ事業などを通して保護者支援を強化していきたいと考えてございます。 ○石坂委員 ありがとうございます。ちなみに、こうした取り組みに関しては、就学時健診よりも前の段階で、学齢期についての不安などに関する相談も受けてもらえるという理解で大丈夫でしょうか。 ○伊藤南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) すこやか福祉センターは、子育てや保健福祉に関する第一線の相談窓口でございますので、区民にとって、より相談しやすい環境を目指して今後も取り組んでいきたいと考えてございます。 ○石坂委員 就学に向けての時期の相談をしっかりと進めていただければと思います。 また、倉吉市では合理的な配慮として、障害のある子どもにもわかりやすく覚えてもらえるように、1日の保育園や幼稚園などの園で過ごすスケジュールをグラフィカルに伝えるために、公立保育園における視覚スケジュールの企画、内容、シンボルを統一し、さらには私立の幼稚園や認定こども園にも周知をし、使用を進めているそうです。また、私立の特別支援学校旭出学園では、対象児童がいる場合のみ開設される幼稚部で使用するシンボルと、常設の小学部で使用するシンボルについて、発達の状況や段階を踏まえつつ統一しています。 中野区においても、各園、各クラスごとの工夫も必要ではありますが、障害のある幼児のために各保育園、幼稚園間で統一的に導入して取り組むことができ、小学校の特別支援学級などへの接続も視野に入れた合理的配慮の取り組みを考え、実践していくことが効果的だと思いますが、いかがお考えでしょうか。 ○長﨑子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 各保育施設におきましては、特別な支援を必要とする子どもへの対応といたしまして、言葉だけではなく視覚から理解しやすいように図式化する表示、これを児童の発達段階に合わせ指導を行っているところでございます。こうした発達や学びの連続性を踏まえながら、小学校への接続を見据えました情報共有、これをしっかりとしてまいりたいというふうに考えております。 ○石坂委員 ぜひお願いいたします。 それから、以前の議会質問でも取り上げましたが、中野区の小・中学校の特別支援学級では、子どもの発達の状況や能力にかかわらず統一した教科書が使われていたという、そうした状況に関して、子どもの発達状態や能力に応じた個別の教科書の導入について提案いたしましたが、その後、状況はどうなっていますでしょうか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 特別支援学級で使用する教科書の採択については、1教科につき1学年1種類の教科書を採択することを原則としておりますが、児童・生徒の障害の程度に著しい差があり個別指導等を行う場合は、教育委員会の責任で判断することとされております。来年度は小学校、中学校各1校において、必要のある学年で1教科について複数種の教科書を使用する予定でございます。 ○石坂委員 たくさんある特別支援学級の中で1校ずつということではありますが、広げていっていただければと思うところでありますし、また他の市区町村の特別支援学級や特別支援学校では、個々に合わせた教科書を選ぶほうが通常のスタイルという場合も多々あります。保護者とも相談しながら、その子に合わせた教科書を使うことを積極的に進めていくべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。 ○杉山教育委員会事務局指導室長 今後も児童・生徒の実情を把握している学校からの具申に基づいて、教科書を適切に採択していくものであると考えてございます。また、教科書とあわせて副教材等も活用し、障害の程度に応じた指導の充実に努めるとともに、教科書を含めた学習の進捗状況については保護者に丁寧に説明してまいります。 ○石坂委員 しっかりとその子に合わせた形で行うとともに、保護者との信頼関係もしっかりとつくっていただければと思います。 次に、日本語の指導が必要な母子について伺います。横浜市など、特別な教育的ニーズに日本語の指導が必要なお子さんを含めて取り組んでいる場合などがあります。また日本語の支援が必要なのはお子さんだけではなく、保護者も必要としている場合があります。ニューカマーの外国籍の保護者は会話ができても読み書きは難しいということがあります。そうすると働く場が限られ、低所得の状況に陥る。保健や福祉や医療をはじめとする子育てに必要な行政サービスの情報を手に入れられない、保育園や学校から配られる配布物や連絡帳の内容が理解できない等が生じます。また、子育て中に身近な相談相手もいない状況で孤立してしまうことなどがあります。外国籍の親向け、あるいは外国籍の親も不自由や不安を感じることなく参加ができる産前産後の親向けの講座や、乳幼児や小学校入学前後などの親や子を支援する相談の機会や居場所の提供などを新たに行ったり、拡充をしていくべきではないでしょうか。 ○神谷子ども教育部副参事(子育て支援担当) 日本語の支援の必要な家庭への相談、支援等につきましては、現在、身近なボランティアの方々の協力や国際交流協会との連携に加えまして、通訳タブレットの活用などにより各種事業における対応が行われているところでございます。日本語の支援が必要な子育て家庭が地域で安心して暮らしていけますよう、関係機関と連携を図りながら、引き続き身近な場で相談を受けとめられるよう対応を進めてまいりたいと思ってございます。 ○石坂委員 そうした支援の手だてがあることをやはり気づかない、知らないという方もいると思いますので、しっかりとその辺のことが伝わるような形で進めてもらえればと思います。特に日本人も外国人も参加しコミュニケーションができる、そうした固定した場所での定期的な場があることなどが問題の解決にも役立つと思いますので、そうしたことなども含めながら検討を進めていただければと思います。 次に、LGBTの家族の場合について伺います。国内でも男女間の夫婦の場合に、夫が無精子症の場合にドナーから精子の提供を受ける非配偶者間人工授精、AIDが認められています。そして、このAIDを用いてFTMトランスジェンダー、女性から男性に性別変更するトランスジェンダーと、トランスジェンダーではない女性のカップルの場合や、女性のカップルが海外の医療機関の支援を得て子どもを持つケースが出てきています。一方が女性から男性に戸籍変更したFTMトランスジェンダーで、もう一方が通常の女性のカップルの場合、2013年12月10日の最高裁判所の判例で、AIDを用いて生まれた子どもは、戸籍上、このカップル2人の子どもとして扱うことが確定しました。一方、女性カップルの場合は、AIDによって子どもを持った場合には、実態として母2人と子ども1人という家族状態で生活していても、戸籍上、出産した母親とその子どもとの関係しか認められず、母親とそのパートナーについては、自治体によって存在しているパートナーシップ証明で関係性を証明することができる場合もありますが、母親のパートナーと母親の子どもは赤の他人ということになってしまいます。 子どもを育てることは大人2人だけのカップルであるという以上に、社会と密にかかわることになります。職場や社会は受け入れてくれるのか、差別や偏見があっても気丈にやっていけるのか、普通と異なる環境で育つ子どもの気持ちはどうなのか、それが結局自分たちのエゴになってしまうのではないかということに不安を抱えながら子育てをしていく、あるいは、生まれた子どもに障害があっても愛し抜く、これは一般の男女と同じですけれども、そうした覚悟があるのかなど、親はさまざまな悩みを抱えながら子育てを始めます。 ふだんの保育園の送り迎えや、保育園にいる子どもが急に熱を出し、お迎えが必要なとき、子どもから見ればどちらもお母さんであっても、法律上、子どもの親のパートナーという立場では、保育園や周りの保護者の理解を得るのに時間がかかったり、職場の理解が得られず、送り迎えに支障を来してしまうことがあるそうです。現在、中野区にいる幼児期の子どもを持つレズビアンカップルの事例について、幼稚園・保育園担当は把握されていますでしょうか。 ○長﨑子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 入園相談におきましては、利用調整に必要となる家族の利用形態等を申請していただいているというところでございます。御質問にあったような事例につきましては、個々の家庭の状況等を把握する中におきまして、さまざまなお悩みも含めまして、適宜相談等に応じているというところでございます。 ○石坂委員 実際にいらして、相談に来ていらっしゃるということですね。 こうしたカップルは戸籍も名字も違うため、子どもの親が事故や病気で亡くなってしまうようなことがあった場合、故人――亡くなった方ですね。故人のパートナーと故人の子は、それまでどんなに長く家族として生活を積み上げていても、離れ離れにされてしまうかもしれないという不安がつきまといます。区ができることには限界もありますが、少しでも子どもが不利益をこうむらない環境を整えることが必要です。 なお、中野区で生活している子育てをされているレズビアンカップルの場合、保育園も区役所の幼稚園・保育園担当もとても親切に相談や手続の対応をしてくれているという声を聞いております。しかし、子どもが保育園を卒園して学齢期に差しかかる際にもさまざまな不安を抱えるという話も聞くところではあります。保育園から支援を受けていた状況から、すこやか福祉センターや子ども家庭支援センターや、あるいは学校での支援を受けたり理解をしてもらって受け入れてもらえるようにしていくことが必要ですが、保育園から他の機関への引き継ぎに向けて働きかけや連携をしてもらうことは大丈夫と思ってよろしいでしょうか。 ○長﨑子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 各保育施設におきましては、特別な支援を必要とする乳幼児をはじめさまざまな悩みを抱える園児には、すこやか福祉センターなど関係機関とも連携をとりながら連携を図っているところということでございます。また、小学校への入学に際しましては、保育施設からの申し送り、これを行うことによりまして、円滑な接続を図っているところでございます。こうした連携や引き継ぎを通しまして、園児の健やかな成長、これを支援してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○石坂委員 ありがとうございます。保育園のときはどうしても福祉的な観点が強いのですが、学校に行くと教育という観点が強くなったり、また、お子さん同士の関係が、親の関係よりもお子さん同士の関係が大きくなっていく中で、やはり小学校に上がった後のことが心配だという声を聞きますので、しっかりと進めていただければと思います。どうもありがとうございました。 以上で私の質問を終わらせていただきます。 ○高橋(か)委員長 以上で石坂わたる委員の質疑を終了いたします。 次に、小宮山たかし委員、質疑をどうぞ。 ○小宮山委員 大変長らくお待たせいたしました。ただいまより小宮山たかしの総括質疑をさせていただきます。都合により、産業振興センターにつきましては、また別の機会に改めさせていただきます。 きょうはおひな様のネクタイをしてまいりました。子どもたちの健やかな成長を願いながら、そしてまた問題発言等しないように気をつけながら質問をさせていただきます。 ここ中野区は、サブカルチャーの聖地と呼ばれています。例えば、漫画とかアニメとかゲームとか、アールブリュットとか、お笑いとか、スケボーのようなサブカルチャーのみならず、写真や演劇のようなメーンカルチャーも区内では盛んであり、区としてそれを積極的に支援するべきではないかと私は考えています。しかし、現在の田中区政下における文化芸術の振興策は貧弱です。棟方志功が世界的なグレートアーティストであることに異論はありませんが、青森で生まれ、昭和26年から昭和50年まで、死ぬまでの四半世紀もの長きにわたって杉並区に住んだ棟方志功を、中野区が2,000万円以上かけて再評価するということに、私は、実は違和感を感じておりました。 新年度予算においては、棟方志功に関する支出は約54万円と大幅に削られた一方で、アニメコンテンツを活用した地域ブランドづくり事業を拡充し、地域におけるコンテンツ産業を振興することにしたのは、いかにも中野区らしい地域ブランディングに寄与するものであると評価したいと思います。しかし、それ以外に中野区固有の文化芸術を振興させるような施策について、新年度予算で目ぼしいものといいますと、歴史民俗資料館のリニューアルと哲学堂とみずのとうのリニューアル、再整備が挙げられそうです。 中野区はちょうど1年前、哲学堂公園及び哲学堂公園周辺都市観光拠点整備事業(案)に対するパブリック・コメントを募集しましたが、応募は何件ありましたでしょうか。 ○千田都市基盤部副参事(公園担当) 応募は1件でございました。 ○小宮山委員 哲学堂公園内の児童遊園に関しましては、今、区民の関心が非常に高いということは承知しておりますけれども、それに先だって1年前に行われたパブリック・コメントへの反応がたったの1件というのは何とも寂しい話でありまして、現在の哲学堂に対する区民の関心の低さを物語る結果なのかなと、そういう気がしないでもありません。ほかの議員も言及しておりましたけれども、例えば海外とか遠くの地方から友人が中野区に遊びに来たときに、上京してきたときに、ディズニーランドとか浅草とか、スカイツリーとか東京タワーや原宿や渋谷には行くかもしれません。その友人がオタクっぽい趣味の友人なら、中野のブロードウェイもなかなかおもしろいと思います。しかし、遠くからわざわざ来た友人をあえて哲学堂やみずのとうに連れていく気には、私はなかなかどうしてもなれない。哲学堂を観光拠点にしたいと本気で考えるのであれば、ディズニーランドと勝負するつもりで、全面勝負はさすがに無理でしょうけれども、一点突破でもいいので、ディズニーランドには負けない魅力を持つことを考えていかなければいけないと思うんです。 冒頭にも申し上げたように、中野区はサブカルの聖地と呼ばれております。そして、哲学堂の創設者、井上円了先生は妖怪学の祖、妖怪博士、お化け博士とも呼ばれ、その書斎には妖怪やお化けの絵が多数張ってあったそうです。哲学堂に行きますと、その名も妖怪門と呼ばれる門があり、門の両側には天狗と幽霊の像が置かれています。また、園内には幽霊が出るという梅の木が植えられ、ユーモラスなタヌキや鬼の石灯籠も設置されています。哲学堂ができた当時は娯楽も情報も少ない時代でしたから、そうした妖怪の姿を見た人々はぎょっとして、それを見た井上円了先生、恐らくにやりとほくそえんでいたのではないかなと私は勝手に想像しています。妖怪とかお化けというものは決してメインカルチャーではない。古来からサブカルチャーとして存在しているものです。 サブカルチャーの聖地と呼ばれる中野区がせっかく哲学堂をリニューアルするのであれば、単に創設当時の姿を復元するだけでなく、新たな妖怪と哲学と、ついでにお化けのテーマパークとしてもっとわくわくするような、インスタ映えするような、例えば、今現在も哲学堂には聖徳太子やお釈迦様の等身大の像はあるそうですけれども、リアルな等身大妖怪のフィギュアを複数設置したり、イベント時に使える妖怪の着ぐるみを用意したり、それをついでに中野区内の各種イベントに貸し出しをして哲学堂のPRに努めたり、井上円了先生の遺訓を受け継ぎつつも現代に生きている我々もわくわくできるような、そんなテーマパークにしてはいかがでしょうか。 ○千田都市基盤部副参事(公園担当) 哲学堂公園を魅力ある公園として運営していくためにはさまざまな取り組みが必要であり、哲学堂公園が持つ文化財としての価値や品格に配慮しながら、柔軟に検討していきたいと考えております。また、国の名勝指定を目指す取り組みとあわせて、井上円了氏や哲学堂公園のPRに資する取り組みと情報発信も行ってまいります。 ○小宮山委員 ありがとうございます。品格、そうですね。お化けとか天狗とか幽霊というのは、当時も品格があったかどうかわからないものです。それは今も哲学堂にある。だから、決して今の時代のものを置くことが品格に欠けるかどうかというのはまた議論の別れるところだと私は考えますけれども、もし井上円了先生が今も生きていれば、そうしたリアルな妖怪のフィギュアとか着ぐるみにびっくりする人々とか子どもたちとかの姿を見て喜んだんじゃないかなと、私はそんなふうに思うんです。ぜひ前向きな御検討をよろしくお願いいたします。 次の質問に移ります。次に、街中に歌があふれる素敵な街づくりについて質問します。 海外などのまちに行ってまず最初に目に見えるもので、そのまちの印象は大きく左右されがちです。例えば、土産物売りにまとわりつかれたり、怪しげな観光案内を持ちかけられたり、路上に寝泊まりしていることが類推される方が駅前に多くいたりすると、そのまちの印象はあまりよいものにはなりません。一方で、駅前で大道芸をしていたり、音楽家が路上演奏をしていたりすると、そのパフォーマンス自体の魅力を感じるのとはまた別に、そうしたまちの活気や自由な雰囲気に心が浮き浮きしてくるものです。ニューヨークの地下鉄に乗るに当たって、最初は不安でどきどきしていたけれども、地下鉄の構内のあちこちで歌声やストリートミュージシャンの演奏が聞こえたり、手品などのパフォーマンスをしていたので、最初は不安などきどきだったけれども、それが次第にときめきのどきどきに変わったと、そういう人の話も聞いたことがあります。 さて、ここ中野区で言えば、来街者が初めており立つ場所といえば、まずは中野駅です。東京都にはヘブンアーティストという制度がありまして、これは皆様御存じだと思いますけれども、中野区内でヘブンアーティストの活動が公式に認められている場所、一つもありません。今、千葉市、船橋市、柏市、朝霞市、ふじみ野市などの関東近県の自治体や文化財団等の外郭団体で、ヘブンアーティストと類似の音楽を中心としたアーティストに公共スペースでの音楽演奏を許可するという、それぞれ自治体独自の制度を設けており、またその中には、アーティストを必要とする人に紹介するアーティストの人材バンクのような制度を設けている自治体もございます。 柏市のケースを御紹介します。柏市では、平成17年ごろに当時の人気テレビ番組「電波少年」の影響で、駅前でストリートライブをするミュージシャンが多数集まってしまい、それを撲滅したほうがいいのかどうかという議論になったそうです。そうした議論の中で、排除してしまうことは簡単であるけれども、例えば、アンプを使わないとかドラムを使わないとか、許可されていない場所では演奏しないなどの一定のルールを定めた上で認めていくべきではないかということになったそうです。演奏可能な場所は柏駅前のペデストリアンデッキ、歩行者専用通路ですが、道路交通法上の道路に該当するそうです。道交法によりますと、道路において一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態もしくは方法により道路を使用する行為、または道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為をする場合は、管轄の警察署長の許可を得なければならないとなっています。 ここで重要なのは、「一般交通に著しい影響を及ぼす」という文言です。逆に言えば、著しい影響を及ぼさないような形態であれば、道路使用許可は不要だということです。柏市ではここに着目し、市と警察が協議して、一般交通の著しい妨げにならないのであれば、道路使用許可は不要であるという解釈になったそうです。現在、この柏市の制度は市から認定された市民団体が自主的に運営しているそうです。手続のための少額の実費は参加希望のミュージシャン側から徴収しているようですが、市からの予算はついていないそうです。何か問題が発生した場合は、その市民団体と市が共同で責任をとる体制であるそうです。柏市では、市の総合計画の重点事業として「音楽の街かしわの創出」を掲げ、市が柏音楽大使という制度をつくったりもしています。 もう一度繰り返しますが、市からの支出は全くないにもかかわらず、過去10年以上も運営され、1,000人以上のアーティストが登録し、「音楽の街かしわ」のにぎわい創出に成功している。まちのにぎわい創出に大きなお金をかけなくても、ちょっと規制を緩和するだけで街中に歌があふれる、すてきな試みであると私は感動いたしました。 中野駅で言えば、中野駅北口の駅前広場あたりがまちの顔として理想的な場所かなと思うんですが、あそこは道路でしょうか、それともJRの私有地ですか、それとも区有地ですか。過去にあそこで区の避難訓練なども含めたイベントを行ったことがあると思いますが、どのような手続を経て開催されたものなのか、教えてください。 ○鈴木都市基盤部副参事(道路担当) 中野駅北口の駅前広場でございますが、これは区道の部分とJRの敷地の部分で構成されているものでございます。駅前広場につきましては、区とJRの協定等に基づきまして区が管理しているものでございます。過去に行われましたイベントにつきましては、使用のお申し込みを受けまして、内容を審査した上で協定等を根拠として使用を承認したものでございます。 ○小宮山委員 わかりました。ありがとうございます。 中野区には現在、中野区民交響楽団、中野区民合唱団、中野と杉並をベースとする吹奏楽団があるなど、実は中野区民の中にもアマチュア音楽愛好家は少なからずいるようです。しかし、区の公益活動に関する政策助成を受けてコンサートなどの音楽活動をする団体は、例年1団体から2団体程度しかありません。もちろん団体の個別のコンサートをやっているとは思いますけれども、区がかかわってコンサートをやる団体は1団体から2団体ぐらいしかありません。中高生発信応援助成として、新たにフレッシュロックフェスティバルが立ち上がったことは例外的に評価しますけれども、区として文化芸術の振興を目指し、音楽家を支援する体制、育てていく体制が全くできていない。 世の中にはストリートミュージシャン出身の有名アーティストも多数おります。ゆず、コブクロ、川嶋あい、いきものがかりなど、皆さんも一度ぐらいは耳にしたことがあるでしょう。中野区がまだ芽の出ないアーティストを支援していくことで、今現在のまちのにぎわいに結びつくと同時に、ひょっとしたら、ひょっとしたらですけれども、将来有名になるかもしれないアーティストへの投資になるかもしれない。リバプールと言えばビートルズみたいに、中野と言えばあのアーティストと、まちの代名詞のようになるかもしれない。そうなったら、若いころの一時期、中野に住んだだけの棟方志功さんに頼る必要はなくなります。過去の遺産である棟方志功にお金をたっぷりかけるよりは、未来に投資をして、第二、第三の棟方志功を中野区から生み出そうと、そのぐらいの気概を持って文化芸術の振興に取り組んでいただきたいと、私はそう考えております。 とはいうものの、有名になることが全てではありません。メジャーになってもならなくても、区が芸術家を支援して、夢のある人や音楽を含む芸術を愛する人たちを応援して、街中に歌があふれる、歌やアートがあふれるすてきな中野区をつくっていただきたいと私は考えております。 質問をそろそろします。先ほど、中野駅北口の駅前広場の管理、利用についてお伺いしました。あそこは区とJRの協定に基づき運営をされているようです。現行の制度のままで区が主催とか共催とか後援をして、一般通行に著しい影響を及ぼさないという一定の条件を整えて、音楽家やパフォーマー等のアーティストが駅前広場を利用して演奏等ができるようにしてはどうかと私は考えていますが、一定の条件が整えばできるという解釈でよろしいでしょうか。 ○鈴木都市基盤部副参事(道路担当) アーティストの駅前広場の利用についてでございます。一般的に駅前広場を特定の者が使用すると、歩行者等の安全かつ円滑な通行などの支障を来すおそれがある、このように考えております。しかしながら、公益に資することを目的とする地域団体の活動で、区が共催もしくは後援を行っている行事やイベントなど、公益性のある行為であり、かつ歩行者等の通行に支障がないと判断できた場合には、例外的に使用承認を行い得る、こういったふうに考えているところでございます。 ○小宮山委員 ありがとうございます。今のお答えにもありましたように、現行の制度のままでも、区がちょっと本気を出して条件整備をすれば、あの広場でストリートミュージシャン等が演奏等することも決して荒唐無稽な話ではないということがわかり、安心いたしました。 先ほどは柏市の事例を取り上げましたけれども、次に、船橋市の事例を取り上げてみます。船橋市では、まちかど音楽ステージ事業で、船橋駅と駅ビルをつなぐ連絡デッキ上でストリートミュージシャンや音楽家による路上ライブを毎週金曜日に市が実施しています。また、それだけでなく、まちかど音楽ステージ認定アーティストを市内のイベントに派遣してくれるそうです。 私も、川島商店街の東京行灯祭など、アートと音楽のイベントを何度か手がけております。川島商店街の東京行灯祭には、2日間で延べ50組ぐらいのミュージシャンが参加しますから、参加ミュージシャンの数から考えると、実は中野区の民間ベースでの最大の音楽イベントは川島商店街の東京行灯祭なんじゃないのかなと私は考えております。中野区最大の音楽イベントのプロデューサーである私としましては、イベントを盛り上げてくれるパフォーマーやアーティストを探したり、手配したりということに毎年かなりのエネルギーを注いでおりまして、それを中野区さんが紹介してくれるのであれば、こんなにうれしいことはありません。アーティストにとっても、地域振興するイベンターにとっても、お互いにウイン・ウインの関係を大した予算を使わずにできるのですから、船橋市のようなアーティストバンク制度は、こんなにすぐれた制度はありません。 中野区歌の一節に、「街中に歌が溢れたら素敵さ」と歌われています。中野区では、北のヌーノジャズフェスタ、南の東京行灯祭など、大きな音楽イベントが幾つかありますが、ヌーノジャズはことしで終了と聞いています。川島商店街の東京行灯祭もこれまで6年間続けてきましたが、毎年綱渡りでの開催が続いており、ことし開催するかどうか、できるかどうかはまだわかりません。毎年音楽ステージが設けられるにぎわいフェスタの運営もいろいろと大変なようですし、中野区の現在の貧弱な市民活動や文化芸術の支援体制を考えると、このままいくと、中野区のまちから歌声が聞こえなくなってしまいそうな予感がしてなりません。 質問します。街中に歌があふれるすてきな中野区を実現するために、先ほど申し上げたストリートミュージシャン等への場所提供と並行して、アーティストバンクのようなものをつくってはいかがでしょうか。 ○永見健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 現在、文化施設の指定管理者が主催事業の出演者情報等に基づきまして、中野区在住及び中野区出身の文化人や芸術家に関する情報を取りまとめたリストを作成しているところでございます。こうした情報を有効に活用する方法につきまして、他自治体の事例等も参考にしながら、今後検討していきたいというふうに考えてございます。 ○小宮山委員 情報を集めただけでは大した意味ないですから、その情報をうまいこと使って活用して、区内の芸術の活性化に結びつけていっていただきたいと思います。ありがとうございます。 本当は井の頭公園のアートマーケッツのようにアーティストが公園で発表しながら販売もできるような、そんな制度もぜひ皆さんに御紹介したいと思ったんですけれども、今の中野区には時期尚早かと思いますので、これはまた別の機会にさせていただきたいと思います。 次の質問に移ります。保育の質の向上について質問させていただきます。 現在、認可保育園などでは乳幼児突然死症候群の予防のため、ゼロ歳児であれば5分置きの呼吸確認、ブレスチェックなどを行っているそうです。実の親であっても、5分置きの呼吸確認はしないことも割と普通にあることです。実の親でもなかなかできないようなことをしていただいている保育士さんには本当に頭が上がりませんが、こうした安全対策が保育士の身体的・心理的負担になっていることは容易に想像ができます。ひいては、そうした負担が命を預かる重責である保育士の人材不足の遠因となっていることも否定はできません。 足立区では、安全対策の強化と保育士の身体的・心理的な負担軽減を目的に、今年度の補正予算において、1施設当たり100万円までの睡眠時監視モニターと無呼吸等を検知するベビーセンサーの導入経費補助事業を始めたそうです。この事業は東京都の保育所等における児童の安全対策強化事業を活用し、東京都からの10分の10の補助がつき、区の負担は発生していないそうです。ただし、都が補助対象とするのは民間施設のみですから、今年度は民間施設を中心に導入を進め、30年度から、来年度からは区の全額負担で公立施設への導入を実施予定としているそうです。中野区でも、東京都の10分の10の補助金を活用するなどして、睡眠時監視モニターやベビーセンサーの導入経費補助を検討されてはいかがでしょうか。 ○長﨑子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 現在、認可保育施設におけます乳幼児の突然死症候群予防のための取り組みといたしましては、睡眠時の子どもから離れずに様子を観察いたしまして、5分から10分置きに記録をとりながら子どもの安全を把握する予防策を講じているところでございます。監視モニターにつきましては、あくまでも補助的なものでありまして、基本は人間の目によります確認が重要であるというふうに考えておるところでございます。このため、使用している自治体における効果・検証等も参考にしながら、注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○小宮山委員 もちろん足立区でもモニターとかセンサーを導入したからといって、人による、人力による監視をやめたというわけではありません。あくまでも補助的なものとして、保育士の心理的な負担と身体的な負担の軽減のために導入したということでございます。10分の10の補助金がつくわけですから、先に民間施設だけでも先行してもいいですから、ぜひ導入を検討していただきたいと重ねて要望いたしまして、私の全ての質問を、ちょっと早いですけれども、終わりにさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○高橋(か)委員長 以上で小宮山たかし委員の質疑を終了します。 次に、細野かよこ委員、質疑をどうぞ。 ○細野委員 市民自治を広げる中野・生活者ネットワークの一員として総括質疑をいたします。質問は通告どおりですが、その他として、地域包括支援センターについて伺います。 初めに、男女共同参画センターについて伺います。 当区では現在、中野区男女共同参画基本計画が改定中で、来年度から第4次の計画がスタートする予定です。第4次の計画(案)は女性活躍推進、働き方改革を進める国の動向などを踏まえた内容となっています。しかし、各国における男女格差をはかるジェンダー・ギャップ指数で、日本は2017年は144カ国中114位と、2016年の111位からさらに後退しました。男女が平等であるとは言いがたい現状ですけれども、基本計画の改定を機に当区の男女共同参画の取り組みが推進されることを期待しまして質疑いたします。 中野区男女共同参画基本計画(第4次)(案)では、主な取り組みとして72の事業があり、所管する分野が20以上に及んでいます。全庁にまたがる横断的な事業ですが、男女共同参画センターは具体的にどのような役割を担っているのでしょうか。 ○青山政策室参事(企画担当) 男女共同参画センターは、例えば中野区DV防止連絡会を開催して、区の関係部署や外部の関係機関などとの連携により、配偶者などからの暴力の防止に取り組んだり、区の産業振興担当や区内経済団体との連携により、事業所向けのワーク・ライフ・バランス推進講座や、女性向けの再就職支援セミナーを実施したりするなど、区の男女共同参画施策を推進するための連携の調整役を担っております。 ○細野委員 連携の調整役ということなんですが、事業の中には、例えば事業番号26の区民活動センター運営などのように、男女共同参画としての事業というより、もともと各所管の事業として実施しているものがあります。基本計画の取り組みにあるこうした事業において、男女共同参画センターがかかわる意味というのはどんなところにあるのでしょうか。 ○青山政策室参事(企画担当) 区の各所管がおのおの取り組んでいる事業、それは各所管の本来目的に沿ったものというものもございます。それが男女共同参画に資するものというような意味合いがあるというものもございます。男女共同参画社会の実現を目指すに当たりまして、区の各所管がおのおの個別に取り組むのではなく、総合的に連携することで、より効果的な取り組みを推進することができるため、男女共同参画センターが連携を調整する役割を担っているものでございます。 ○細野委員 男女共同参画は全ての分野で基本的な視点と盛り込み、取り組んでいただきたい事業です。男女共同参画センターのかかわり方の度合いによって、各事業における男女共同参画の視点を踏まえた事業としての強弱が出るのではないでしょうか。男女共同参画センターが各所管と積極的に連携をとりつつ、その機能をしっかりと発揮していただきたいと思います。 次に、来年度の事業や取り組みに向けて幾つか伺います。男女共同参画センターの事業、取り組みにはどのようなものがあるか伺います。 ○青山政策室参事(企画担当) 男女共同参画センターの事業でございますが、まず、男女共同参画の推進に関しては、男女共同参画週間関連講座とパネル展、男女共同参画の視点を踏まえた防災講座などを行っております。また、仕事と生活との両立支援に関しては、事業所向けワーク・ライフ・バランス推進講座や女性のための再チャレンジ支援事業を行っております。さらに、女性に対する暴力の防止に関しては、女性に対する暴力をなくす運動期間パネル展やDV防止連絡会の運営を行っております。 ○細野委員 この中で、区民との協働で実施しているものはありますか。 ○青山政策室参事(企画担当) 区民との協働により行っているものの例でございますが、男女共同参画センターの情報誌「アンサンブル」は、区民との協働により編集を行っております。この「アンサンブル」の編集に当たっては、公募により区民などから編集委員を選定しており、日ごろから区民目線での編集にかかわってもらっているものでございます。 ○細野委員 そうしますと、男女共同参画センターの中で区民との協働で実施しているものは、情報誌「アンサンブル」の作成・発行ということなんですけれども、区民の方からは、講演会やセミナーについても一緒に企画するなど、もっと区民との連携を考えてほしいという意見を伺っております。これに対しては区のお考えはいかがでしょうか。 ○青山政策室参事(企画担当) 男女共同参画センターが実施する事業につきましては、参加者や来場者に対するアンケートや、情報誌「アンサンブル」の編集及びそれに伴う区民の声なども聞き取っており、今後も実施に当たってはこれらを踏まえながら進めてまいりたいと考えております。 ○細野委員 例えばなんですけれども、6月の男女共同参画週間に合わせた事業や、生き方についてじっくり考える、単発の講座ではない連続講座など、区民が企画段階から参加することで男女共同参画の推進に主体的にかかわることができると思います。男女共同参画は区民と区が協働で取り組んでこそ実効性のある事業になると思いますので、この点についてもぜひ検討をお願いいたします。 男女共同参画の実現には、女性だけでなく男性の意識改革も必要です。2015年に発表された内閣府男女共同参画局の男女間における暴力に関する調査報告書によると、女性の約4人に1人は配偶者から被害を受けたことがあり、女性の約5人に1人は交際相手から被害を受けたことがあるという報告があります。当区での過去5年間の女性相談におけるDVなどの相談の割合は、年度によっておよそ4割から6割強で、これも高い割合となっています。 先日、DV加害者男性へのインタビュー番組がありました。そこでは、自分がしていることは愛のむちだと思っていた。大声で問い詰めたり、物を投げたりはしたが、ぶったり蹴ったりしていないので、暴力だと思わなかったなど、自分がDVをしているという自覚が当事者にはありませんでした。DVの防止には男性に向けた取り組みも必要だと考えます。来年度の事業では男性を対象とした講座なども検討されてはいかがでしょうか。 ○青山政策室参事(企画担当) DV防止に関しては、女性に対する暴力をなくす運動期間パネル展、デートDV出前講座、中野区DV防止連絡会などを実施しております。DVの根絶に向けては、自分の行為がDVであるという自覚が薄い加害者側への啓発も重要だと認識しております。事業の実施に当たっては、女性の安全・安心に主眼を置きつつ、加害者側にも気づきを与えることのできるような工夫をしてまいりたいと考えております。 ○細野委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。 千代田区は、区役所10階に活動拠点施設を備えた男女共同参画センターを設置しています。MIW(ミュウ)という愛称で親しまれ、私も何度か利用しています。随分前ですが、MIW(ミュウ)が主催する講座に参加して以来、メールでお知らせが送られてきます。参加したいと思うイベントや講座が大変多くあって、お知らせを見ているだけでも、男女共同参画に関する話題を知ることができる貴重な情報となっています。拠点施設のない当区においては、男女共同参画に関心を持って講座などに参加した方たちと単発の関係で終わらせず、継続した取り組みにつなげる工夫が必要だと考えます。男女共同参画センターが主催するイベントや講座などの参加者にメールなどでの情報発信を行ってはいかがでしょうか。 ○青山政策室参事(企画担当) 先ほど御紹介しました情報誌「アンサンブル」には、男女共同参画センターのメールアドレスを記載し、区民からさまざまな意見を求めているところでございます。また、男女共同参画センターが実施する講座の参加者やパネル展の来場者などに対して、希望者にはその後に実施する講座などの事業の情報をメールで提供するほか、先ほどの「アンサンブル」を配布するなど、情報発信に努めていきたいと考えております。 ○細野委員 ありがとうございます。こちらも、より積極的な広報というところで、参加した方たちとのつながりを深めていっていただきたいと思います。 次に、男女共同参画センターのあり方について伺います。男女共同参画センターは、現在区役所4階にありますが、開館時間は区役所同様、平日の朝8時半から午後5時までのため、働いている人は利用できません。働く女性、男性も対象にした男女共同参画センターのあり方について、区はどのような見解をお持ちでしょうか。 ○青山政策室参事(企画担当) 男女共同参画を進めるに当たっては、仕事と生活の調和や男性中心の働き方の改革、職場における女性活躍推進などの課題に対応するために、働く人の声を聞くことも重要であると考えております。男女共同参画センターへの問い合わせについては、窓口以外に電話やメールなどでも受け付けており、日中の仕事の時間中や休憩時間中などは電話やメールなどで問い合わせが可能でございます。また、夜間、休日などはメールで問い合わせることができるため、仕事などにより直接窓口に来られない方についても対応は可能でございます。 ○細野委員 電話やメールも一つの手段とは思いますけれども、例えば、今、男女共同参画センターに行きますと、各自治体の情報誌や相談案内など、本当にいろいろな資料がそちらで収集されています。こうした資料を図書館でも手にとれるようにするなどすれば、夜間や休日でも情報を得ることができます。まだまだ工夫の余地はあると思いますので、いろいろ検討をお願いしたいと思います。 当区では2013年に男女共同参画センターが区役所本庁舎に移転し、拠点施設としての男女共同参画センターは廃止となりました。中野区婦人会館、女性会館、男女共同参画センターと名称を変えながらも、1984年から2013年までは男女平等社会の形成に向けた取り組みを支援するための総合的な拠点施設がありました。区役所本庁舎への移転によって、相談機能については、法律相談は区民法律相談に整理統合され、DV相談は生活援護分野に移管されました。啓発、学習、情報発信の機能については、男女共同参画センターが各種講演会の開催や情報誌「アンサンブル」の発行などで行っています。しかし、拠点施設としての男女共同参画センターが持っていた交流、活動支援の機能をどのように継承・発展させていくのかについては、施設の廃止に当たってあまり重視されていなかったのではないでしょうか。今の男女共同参画センターにその機能を見ることができません。 この項の最後の質問として、拠点施設が持っていた交流、活動の支援といった機能を現男女共同参画センターはどう補完・強化していくのかについて伺います。 ○青山政策室参事(企画担当) 男女共同参画センターは区役所本庁舎に移転いたしましたが、拠点施設の有無にかかわらず、男女共同参画意識の啓発を進めることが必要だと考えております。また、男女共同参画センターが区役所本庁舎にあることで、女性に関する相談・保護及びその後の自立支援までの一貫した支援や、区の各所管や関係機関等との緊密な連携などが行える利点があると考えております。区民同士の交流や活動につきましては、男女共同参画センターで実施している講座などを通じて広めていっていただきたいと考えております。 ○細野委員 2017年にNPO法人リソース・エンパワメント・ネットワークRENが、男女共同参画センターとのかかわりについての調査報告書をまとめました。男女共同参画センターの利用者、職員などを対象に、利用状況やかかわりについて調査したものですが、幾つかの調査項目の回答で共通しているのが、人との出会いが大きな魅力になっていることです。そこには職員の方との出会いについても触れられています。利用者と利用者、利用者と職員、こうした出会いによって思いを共有する仲間ができ、利用する側から運営する側へと変化するケースも見られます。横のつながりができる交流、問題を自分たちで解決していくための活動支援、こうした機能は男女共同参画を推進させる大きな力であり、欠かせない要件であると考えます。いま一度、男女共同参画における拠点施設の意味を考えていただくことを要望しまして、次の質問に移ります。 次に、自転車の安全利用について伺います。 自転車は子どもから高齢者まで幅広い世代が手軽に利用できて、環境に優しく、健康増進にも役立つ乗り物です。また、7年前の東日本大震災を思い起こしますと、あのとき帰宅困難者の方の中には自転車を購入して自宅に帰った人がいました。交通機関が麻痺するほどの災害時においても、機動性を発揮します。こうした自転車の活用を総合的・計画的に推進するために、自転車活用推進法が2016年に制定され、2017年5月に施行されました。 当区では、自転車利用の総合的な施策の指針として中野区自転車利用総合計画が2017年12月に策定され、来年度から本格的に始動します。この自転車利用総合計画にもあるとおり、今後ますます自転車を利用する人がふえると予想されます。身近な移動手段である自転車を安全に利用できるようにするために、幾つか伺います。 初めに、過去3年間の中野区における交通事故件数、その中の自転車が関与する事故の件数と割合について教えてください。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 平成27年は事故件数525件、そのうち自転車事故件数が219件、自転車関与率が39.2%でした。平成28年は事故件数492件、そのうち自転車事故件数が199件、自転車関与率が36.6%でした。平成29年は事故件数530件、そのうち自転車事故件数が270件、自転車関与率が43.8%でした。 ○細野委員 区内の交通事故に占める自転車事故の割合は、過去3年間で見ますと4割前後になるということですね。 次に、23区の中で自転車が関与する事故の割合が高い上位3区とその割合を教えてください。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 上から順に御説明いたします。荒川区51.9%、中野区43.8%、次いで江戸川区41.4%となります。 ○細野委員 そうしますと、中野区は、2017年は23区の中で2番目に自転車事故の割合が高い区ということになります。ちなみになんですが、都内全域で見た場合、中野区は何番目になりますか。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 都内全域におきましては4番目となります。 ○細野委員 東京都全体では4番目、23区では2番目に自転車が関与する事故が多いという区になります。中野区で自転車事故が多い原因についてはどのように分析されていますか。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 中野区に限ったことではないのですが、道路交通法や交通ルールなど交通法規を遵守しないことが原因の一つと考えられます。 ○細野委員 道路交通法や交通ルールを守らない自転車利用者が多いということですね。中野区に限ったことではないということでしたけれども、2017年2月にまとめられた中野区区民意識・実態調査によると、5年以内に自転車の安全教育を受けたことがありますかの問いに、あると答えた人は5.9%で、無回答が4.4%、9割が自転車の安全教育を受けたことがないと答えています。自転車事故の割合の高さとこの調査結果を見ると、自転車事故を減らすには、交通安全教育が有効ではないかと思われます。 そこで、自転車安全利用教育について伺います。先ほどの中野区自転車利用総合計画では、交通安全教育の推進として、小・中学校における自転車安全利用教育の実施、高校への自転車安全利用教育の要請、高齢者を対象とする交通安全運動、一般向けの講習会の実施が挙げられています。 まず、小中学生と高校生への自転車安全利用教室について伺います。小中学生への実績としては、2017年に小学校22校で自転車安全教室を実施し、中学校2校でスタントマンによる疑似交通事故実演、コースを使用した実技などの講習会が行われています。高校生には2016年に鷺宮高校で実施されています。警察庁のまとめでは、人口1万人当たりの事故件数では、小中学生や高校生による事故が多発しているという報道が2月にありました。子どもたちを被害者にしないためだけでなく、加害者にしないためにも交通安全教育は重要だと考えます。中野区の子どもたちが一定の年齢で全員が自転車安全利用教室を受けられるよう、未実施の学校についても実施を促していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 自転車安全利用教室につきましては、全校で実施できるよう学校や警察と連携しながら実施していきたいと考えております。 ○細野委員 よろしくお願いします。時々、自転車に乗った子どもたちが道を二、三人も横並びで走っていたり、暗くなっているのにライトをつけずに走っていたりする光景を目にすることがあって、冷やっとすることがあります。小さいころに身についたことは習慣になりやすいと思いますので、子どもたちへの自転車安全利用教育を徹底していただきますようお願いします。 先ほどの安全教育の推進の中には、乳幼児親子を対象とするものが見当たりません。朝の時間帯、保育園や幼稚園への送りで、自転車に乗った保護者と子どもの姿を多く見かけますが、中には、かなりスピードを出して走っていらっしゃる方もいます。入園の時期に合わせて、保育園、幼稚園での親子を対象にした自転車安全利用教室の実施を推進してはいかがでしょうか。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 今年度は児童館で乳幼児親子を対象に実施いたしました。保育園、幼稚園での実施につきましては、今後、関係分野や警察と協議の上、検討していきたいと考えております。 ○細野委員 お父さんやお母さんが運転する自転車に乗った乳幼児が、乗りながら感覚として安全運転を覚えるためにも、ぜひ推進していただきますようお願いします。 ここで、自転車が関与する事故について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。2017年の自転車事故件数は270件ということでしたけれども、年齢層、事故が起きた時間帯、あと、一緒にお聞きしちゃいます。事故の類型としてはどのようなものがありますか。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 年齢層におきましては、30代、40代が多く、次いで20代が多い傾向にあります。また、時間帯におきましては、通勤・通学時間帯である午前8時から午前10時の間が最も多く、次いで、午後2時から午後4時までの間となっております。 また、事故の類型といたしましては、交差点での出会い頭の事故が最も多く、次いで、交差点における右左折時の事故となっております。 ○細野委員 そうしますと、この層は仕事をしている方々、あるいは学生が多いと思われます。昨年、区が中学生以上の区民を対象に主催した講習会は5月から7月の間に4回、参加者の合計は30名と伺っています。いずれも土曜日の午前中に実施されていますが、仕事をしている30代、40代の方々が参加しやすい曜日かと思います。こうした講習会の実施回数をもっとふやしてはいかがでしょうか。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) これまで区役所内で実施してきましたけれども、参加人数が決して多いとは言えない状況でした。今後は効果的なPR、広報に努めまして、区役所以外での実施など、実施場所や実施回数についても検討していきたいと考えております。 ○細野委員 仕事をしている方とか学生の方も参加しやすいような工夫をよろしくお願いいたします。 東京都では、5月の自転車月間にあわせ、区市町村、警視庁及び東京都交通安全協会などの関係団体と連携して、自転車安全利用東京キャンペーンを実施しています。当区でもこうしたキャンペーン時期にあわせて、自転車の安全利用に関する啓発、講習会などを積極的に展開されてはいかがでしょうか。 ○三原経営室副参事(生活・交通安全担当) 警察などの関係団体と協議いたしまして、5月の月間にあわせ、自転車事故減少に向けた交通安全啓発、キャンペーン、講習会の開催などを検討していきたいと考えております。 ○細野委員 大変前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。私の質問でなかなかそこまでいただける機会はないので、ちょっとびっくりしておりますが、ありがとうございます。よろしくお願いします。 次に、区役所での安全対策への取り組みについて伺います。東京都には、自転車安全利用推進事業者制度があります。これは昨年2月から始まった制度で、事業で自転車を使用している事業者、従業員の通勤に自転車の使用を認めている事業者を対象に、安全利用の取り組みを推進する事業者を自転車安全利用推進事業者としてさまざまな支援を実施するものです。届け出事業者には2種類あって、一つは自転車安全利用推進者を選任する一般推進事業者、もう一つは、これに加え自転車の安全利用に関する社内規程を整備するなどの優良推進事業者です。現在、区内の優良推進事業者は4、一般推進事業者は26で、合わせて30の事業所が届け出ています。この中には中野区役所も入っており、一般推進事業者になっています。区役所には通勤で自転車を使用している職員の方々、仕事で自転車を使用する職員の方々がいますが、それぞれ何名くらいいらっしゃいますでしょうか。 ○田中経営室副参事(人事担当) 通勤で自転車のみを利用している職員がおおむね400名、それから、鉄道利用者で駅まで自転車を利用している職員、これがおおむね200名程度でございます。また、仕事で自転車を使用するためには、本庁舎で約130台、それから、出先を含めると数百台の自転車を保有してございますが、職員は職務におきまして適宜自転車を利用しているものでございます。 ○細野委員 ありがとうございます。そうしますと、通勤、業務を合わせてかなりの方が自転車を利用していることになりますので、区役所内での安全利用の推進も重要な取り組みだと思います。中野区役所における自転車安全利用推進者はどこの御担当でしょうか。 ○田中経営室副参事(人事担当) 職員が日々の業務または通勤におきまして、法遵守、または自転車の安全運転に心がけるなど、区の職員に対する自転車の安全利用に関する情報提供、また注意喚起を行う窓口といたしまして、人事分野が担当してございます。 ○細野委員 その人事担当は、これまでどのような自転車安全利用推進の取り組みをされていらっしゃいますか。 ○田中経営室副参事(人事担当) 都からは定期的に自転車事故情報、それから自転車の通行ルール、あと交通事故に遭わないためのポイント、こちらにつきましての情報提供を受けてございまして、これらの啓発用リーフレット、これを全職員向けに庁内情報システムを利用し、職員の意識啓発に取り組んでいるところでございます。今後とも職員の自転車安全利用推進の取り組みを推進してまいりたいというふうに考えてございます。 ○細野委員 東京都では、この制度の事業者への支援として、自転車安全利用に関する研修などを行うリーダー育成セミナーなども実施しています。業務がある中での受講は難しい面もあるかとは思いますけれども、こうしたセミナーの受講を促すなど、制度の活用を積極的に検討していただきたいと思います。 職員の方々が率先して自転車の安全利用を推進することは、区民の方への啓発としても効果があると思います。区役所でのこうした取り組みは、私も今回の質問作成に当たって初めて知りました。区所有の自転車のかごに啓発のポスターを張るとか、いろいろPRの方法はあるかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 自転車の安全利用を進めるには、安全教育とともに自転車の走行空間の整備も必要です。昨年の予算特別委員会で私は、自転車ナビマークについてお尋ねしました。そのときの御答弁では、区道におけるナビマークの設置割合は2.6%ということでした。自転車利用総合計画には自転車走行空間の整備のため、東京都や警察署と協力して自転車ナビマークの導入を推進するとあります。区道への自転車ナビマークの設置はどれくらい進んだのでしょうか。 ○辻本都市基盤部副参事(都市計画担当) 今年度、新たに延長400メートルにわたりまして、区道上にナビマークを設置することを予定しているところでございます。 ○細野委員 申しわけありません。もう一度いいですか。 ○辻本都市基盤部副参事(都市計画担当) 失礼いたしました。今年度中に新たに延長400メートルにわたりまして、区道上にナビマークを設置することを予定しているところでございます。 ○細野委員 ありがとうございます。中野区は、先ほども言いましたように、交通事故に占める自転車事故の割合が非常に高い区です。自転車ナビマークの検証なども行いながら、自転車の安全利用に関する対策に力を入れて取り組んでいただくことを要望しまして、次の質問に移ります。ありがとうございました。 次に、その他としまして、地域包括支援センターについて伺います。 現在8カ所ある地域包括支援センターですけれども、時々区民の方から、地域包括支援センターという名前が何をするところなのかわかりにくいという御意見をお聞きします。他区では、例えば杉並区はケア24、世田谷区はあんしんすこやかセンター、練馬区は高齢者相談センターなど、わかりやすい愛称をつけているところがありますけれども、当区で地域包括支援センターを設置する際――すみません、この質問は飛ばします、時間がないので。申しわけありません。 二つ目の質問にします。わかりにくいという御意見をいただきますけれども、現在、地域包括支援センターがどのように広報されているかを見てみましたところ、ホームページには、地域包括支援センター(高齢者保健福祉サービス相談窓口)とあります。「わたしの便利帳」には、地域包括支援センターとあるだけです。中野区が発行しているこのパンフレットには、「こんにちは 保健福祉の高齢者なんでも相談所 地域包括支援センターです」とあります。このように、区で広報なさっているものが結構統一されていなくて、ばらばらの状態なんですけれども、ここにある「保健福祉の高齢者なんでも相談所です」というのは、非常にわかりやすい表記ではないかと思いますので、このような表記にホームページなどいろいろな案内で統一されてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。 ○大場中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 区はこれまでも「高齢者なんでも相談所 地域包括支援センター」と表記したパンフレットを配布するなど、利用者にとってわかりやすいPRを行ってまいりました。今後もホームページ等の広報につきましては、地域包括支援センターの機能をよりわかりやすく表記できるよう工夫してまいりたいと考えております。○細野委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。これで私の質問を終わります。 ○高橋(か)委員長 以上で細野かよこ委員の質疑を終了いたします。 以上で総括質疑を終了いたします。 この際申し上げます。お手元の資料のとおり、第6号議案、平成30年度中野区一般会計予算、第8号議案、平成30年度中野区国民健康保険事業特別会計予算及び第10号議案、平成30年度中野区介護保険特別会計予算に対し、長沢和彦委員外5名から組み替えを求める動議が提出されております。 提案者の説明を求めます。長沢委員。 ○長沢委員 ただいま提出しました第6号議案、平成30年度中野区一般会計予算、第8号議案、平成30年度中野区国民健康保険事業特別会計予算及び第10号議案、平成30年度中野区介護保険特別会計予算の組み替えを求める動議について、日本共産党議員団、提出者6名を代表して提案理由の説明を行います。 アベノミクスによる景気拡大が言われていますが、国民、区民にその実感はありません。本当に景気が拡大しているのであれば、設備投資、資金、消費支出、物価も上昇するはずですが、逆に停滞しています。このようなもとで、中野区の平成30年度の予算原案を眺めてみますと、区民施策の拡充は一定図られているものの、区民生活の実態や区民要求から見て不十分です。中野駅周辺の大型開発偏重と、区民合意のない大規模公園整備を優先させている予算から、区民負担を減らし、区民の願いに応える予算に組み替えることが必要であると考えます。 したがって、区民の福祉と暮らしを守る立場から、子育て、教育、防災をはじめとした事業の創設と拡充、不要不急の中野駅周辺の開発事業と大規模公園整備などの見直しを求め、予算の組み替えを求める動議を提出するものです。 見直しと改善・充実を求めたいことは多々ありますが、施策・事業を絞り込んだ組み替え動議といたしました。 以上でありますが、委員の皆様の御賛同をお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。 ○高橋(か)委員長 以上で提案説明を終了します。 念のため申し上げます。3月5日(月曜日)から行われる分科会での審査において、組み替え動議に対する質疑を行う場合は、1、原案の該当部分で提案会派所属委員及び理事者に対して行うこと、2、質疑の順序は、一巡目までは原則大会派順に行うことが確認されております。また、全体会での質疑は3月9日(金曜日)の主査報告後に行うことになりますので、御承知おきください。 以上で本日の日程を終了します。 3月5日(月曜日)からは各分科会が開催されます。本日の委員会終了後、会場設営を行いますので、持参された資料等につきましては、机の中のものを含め全てお持ち帰りいただくようお願いいたします。 次回の委員会は3月9日(金曜日)午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。 以上で本日の予算特別委員会を散会します。 午後4時49分散会 |