平成30年09月13日中野区議会本会議(第3回定例会)
平成30年09月13日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録

.平成30年(2018年)9月13日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  杉  山     司

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  細  野  かよこ

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  いでい   良  輔

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  木  村  広  一       14番  甲  田  ゆり子

 15番  小  林  ぜんいち       16番  中  村  延  子

 17番  内  野  大三郎        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番     欠  員   

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  白  井  ひでふみ

 27番  森     たかゆき       28番  いながき  じゅん子

 29番  石  坂  わたる        30番  小  杉  一  男

 31番  い  さ  哲  郎       32番  大  内  しんご

 33番  高  橋  ちあき        34番  伊  藤  正  信

 35番  篠     国  昭       36番  小  林  秀  明

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長           副  区  長  横 山 克 人

 政 策 室 長    めぐみ      経営室長、新区役所整備担当部長  髙 橋 信 一

 都市政策推進室長 奈 良 浩 二      地域支えあい推進室長 野 村 建 樹

 区民サービス管理部長 上 村 晃 一    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺   眞

 健康福祉部長   小 田 史 子      保 健 所 長     

 環 境 部 長  白 土   純      地域まちづくり推進部長 角   秀 行

 都市基盤部長   豊 川 士 朗      政策室参事(企画担当) 杉 本 兼太郎

 経営室参事(経営担当) 石 濱 良 行

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  吉 村 恒 治      事務局次長    古 本 正 士

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  井 田 裕 之

 書     記  冨 士 縄  篤      書     記  野 村 理 志

 書     記  鎌 形 聡 美      書     記  遠 藤 良 太

 書     記  松 丸 晃 大      書     記  古 谷 友里香

 書     記  吉 田 光 洋      書     記  有 明 健 人

 

 議事日程(平成30年(2018年)9月13日午後1時開議)

日程第1 第68号議案 平成30年度中野区一般会計補正予算

日程第2 認定第1号 平成29年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

     認定第2号 平成29年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第3号 平成29年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第4号 平成29年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第5号 平成29年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

日程第3 中野区の財政の健全化判断比率について

 

午後1時00分開議

○議長(いでい良輔) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 白 井 ひでふみ

 1 高齢者等の住み替え支援について

 2 中野東中学校(旧第三中学校)跡地の活用等について

 3 生活困窮者の支援について

 4 保育園等の質の確保について

 5 災害対策について

 6 障がい者の就労支援について

 7 住民票の除票について

 8 その他

 

○議長(いでい良輔) 最初に、白井ひでふみ議員。

〔白井ひでふみ議員登壇〕

○26番(白井ひでふみ) 平成30年第3回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。

 質問は通告のとおりですが、8のその他については、東中野駅東口の再整備についてお伺いいたします。

 それでは、初めに、1、高齢者等の住み替え支援についてお伺いいたします。

 人が安心して生きていくために最低限必要なものとして、着るもの、食べ物、住まいの三つを指して衣食住が生活の基本的要件と言われてきました。近年は、着るものの衣類の「衣」は医療介護の「医」へ、食べ物の「食」は職業の「職」へ変わってきたと言われていますが、住まいの「住」は変わらず、新しい三つの要件は、音読みは変わりませんが、構成が変わった医職住であるとも言われています。

 しかし、年齢を重ね高齢になったとしても住み続けられる住まい、高齢者等の住宅の確保には課題があり、生活の要件としては変わらないかもしれませんが、むしろ住まいの確保はより難しくなってきているとさえ感じます。行政による高齢者等の住み替え支援策の必要性が増しているとも考えます。高齢であるとの理由から、賃貸物件への入居や賃貸契約の更新を断られ、住みなれた地域で暮らし続けることが難しい方がふえています。今後は更に増加すると推察されます。

 高齢者が体調を崩されたときなどに対応できるよう、中野区は、24時間365日の見守りとして、慢性疾患などを要件としない全ての高齢者や障害者を対象とした住み替えの支援策ともなる中野区独自の緊急通報システム事業を平成25年度から開始しています。さらなる課題解決の支援策として、身寄りのない高齢者がお亡くなりになった際の葬祭費や残された家財道具の整理について支援策が必要であると訴えてきたところです。

 本年度である平成30年度の新規事業として、この緊急通報システムと入居者の葬祭費、残存家財の整理を保証パッケージとした(仮称)中野区あんしんパック住宅制度のモデル事業が予算化されていますが、いまだ事業は開始されていません。当該事業のスキームの再検討を行っている段階にあると聞きます。

 この(仮称)中野区あんしんパック住宅制度は、東京都の公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターが実施するあんしん居住制度を利用した際に、区が費用の一部を助成する仕組みとなっています。初回契約時に70歳以上80歳未満までの方は、契約時や更新時の費用を国が全額負担し、月額4,280円から5,280円を本人が負担することとしています。また、初回契約時80歳以上の方は、更新費用は区が全額負担、本人負担の月額費用は300円から1,300円と、70歳以上のプランと比べ利用料金が低く設定されていますが、初回契約時の費用の一部を区が負担するものの、本人負担は一括して46万円余ものまとまった費用が必要としていました。

 モデル事業を始めることは大いに歓迎してきたところですが、区の助成額について、経済的に苦しい高齢者世帯への支援策に欠けると指摘し、さらなる助成額の増額等も含め、もう一重の検討を要望してきたところですが、現状はどのような検討がなされているのか、お伺いいたします。

 また、新しいスキームでの(仮称)中野区あんしんパック住宅制度はいつごろから開始の見込みとなるのか、お伺いいたします。

 高齢者等の住み替え支援を含め、住宅、住まいにまつわる問題、課題は山積しています。例えば区において条例が制定、施行され、事業者の届け出を受けての取り組みが本格化する民泊の問題や、現在、条例制定の準備を進めている空き家対策の問題があります。また、中野区においては、周囲の住環境に影響を及ぼしかねない危険な空き家、特定空き家の問題のみならず、将来的には空き家の利活用を目指し、さらに、空き家にしない取り組みを進め、借りたい人と貸したい人の住宅のマッチングの支援を目指すと表明してきました。これらの住宅政策における従来の考え方の方向性と今後の区の考え方に相違はないのか、確認のため、お伺いいたします。

 兵庫県神戸市では、神戸市すまいとまちの安心支援センター、愛称すまいるネットという「すまいの総合窓口」を開設しています。住まいとスマイルのかけことばとなっています。さまざまな関係機関と連携しながら、住まいに関する相談や情報提供、普及啓発等が行われています。阪神・淡路大震災の教訓から、住宅の安全性の向上と維持管理の適正化の重要性が再認識されるとともに、住宅の品質や機能に対する意識が高まったことなどを背景に、平成12年10月に設置されました。

 事業の概要は、住まいに関する相談・アドバイスとして、建築、空き家活用、契約のトラブル、高齢者の住み替え、マンション管理、住宅確保要配慮者支援など。情報提供として、住宅物件(民間住宅、高齢者向け住宅)、建築士・建設業者の選定支援。普及・啓発としては、セミナー開催、出前講座、住教育の支援。その他の住まいに関する支援制度として、中古住宅の流通促進、バリアフリー化促進、耐震化促進、密集市街地の再生支援、まちづくり活動支援などの事業を行う住まいの総合窓口となっています。中野区が目指す住宅政策として大いに参考にすべき点があると考えます。

 将来的には、中野区においても、さまざまな専門家や関係機関の協力を仰ぎながら、中野区版住まいの総合相談窓口の設置を目指すべきと考えますが、お伺いいたします。

 また、総合相談窓口の設置場所として、新庁舎等での開設も視野に入れ検討を進めるべきと考えますが、あわせて伺い、この項の質問を終わります。

 次に、中野東中学校(旧第三中学校)跡地の活用等についてお伺いいたします。

 本年より旧第三中学校と旧第十中学校の統合がなされ、旧第三中学校の場所に新しく中野東中学校が開設いたしました。平成32年には旧第十中学校の場所に新校舎が竣工する予定となっています。中野東中学校が新校舎へ移転後、旧第三中学校の跡地の活用については、現行の中野区10か年計画(第3次)には「民間教育機関の整備誘導」との記載がなされています。

 旧第三中学校の跡地の活用について述べるには、これまでの10年をさかのぼっての経緯を踏まえる必要があると考えますので、平成20年のころから述べさせていただきます。

 当時、旧東中野小学校、旧第三中学校、そして東中野における児童館建設予定地だった区有地などを柱として、東中野地域における必要な五つの機能を項目化し、今日まで再整備してきた経緯があります。五つの機能の中には、障害者の自立支援施設が項目立てされていましたが、区全体の施設再整備の中で行われることとなったため、この件は置いておきます。残りの四つの機能のうち、特に避難所機能などを担保するためにも、民間教育機関の整備誘導が望ましいとの考えが示されてきたものです。

 現在、中野東中学校(旧第三中学校)の跡地活用について検討が進められていると聞きます。酒井新区長は、新しい中野区の基本構想・基本計画の策定を行うとされています。中野東中学校(旧第三中学校)の跡地の活用については、これまでの経緯を踏まえ、特に避難所機能や地域において不足している屋外スペース機能を担保する跡地計画とするお考えがあるのか、お伺いいたします。

 本年の1月30日、東京都は土砂災害防止法に基づく基礎調査結果を踏まえ、中野区内21カ所に土砂災害警戒区域、うち11カ所に土砂災害特別警戒区域の指定を行いました。その土砂災害区域の一つが区立ひがしなかの幼稚園の敷地となっています。

 土砂災害への応急的な措置として、園舎内への土砂の流入を防ぐためのフェンスなどの対処がなされましたが、抜本的な対策とはなっていないと伺います。公表されている土砂災害の数値はどのような被害規模となるのか、また、応急措置の対策はどの程度まで対応可能となっているのか、お伺いいたします。

 区立ひがしなかの幼稚園の安全対策や園舎の老朽化を考慮すれば、改築、移築との考えに至ります。そして、暫定的に他の場所での仮設の利用、または移転用地としては日ごろより交流や利用している旧第三中学校跡地の活用が頭に浮かぶところです。区においても、旧第三中学校跡地の活用について検討がなされているとも聞きます。

 さきの議会において、区長は、「幼児教育の充実を図りつつ、多様化する保育需要の受け皿として幼稚園の区立の認定こども園化についても検討してまいります」と答弁されていました。区長の個人のホームページには、公約として、区立幼稚園の存続を掲載されています。区立ひがしなかの幼稚園の園舎の建て替えについてのお考えと、今後の区立幼稚園の形態について、いつごろまでに結論を導くお考えなのか伺い、この項の質問を終わります。

 次に、生活困窮者の支援について。この項では、熱中症対策としてのエアコン設置助成等について伺ってまいります。

 厚生労働省は、近年、熱中症による健康被害が数多く報告されていることを踏まえ、本年6月27日に発表した、社会・援護局保護課長通知で、保護の実施要領を改正し、一定の条件を満たす場合に、エアコン等の冷房器具購入費上限5万円と設置費用の支給を認めることとしました。

 エアコン購入費等が認められる場合の一定の要件とは、以下の五つのいずれかに該当し、かつ世帯内に「熱中症予防が特に必要とされる者」がいる場合です。2018年4月1日以降に、ア、保護開始された人で、エアコン等の持ち合わせがない。イ、単身者で長期入院・入所後の退院・退所時にエアコン等の持ち合わせがない。ウ、災害に遭い、災害救助法の支援ではエアコン等が賄えない。エ、転居の場合で、新旧住居の設備の相違により、新たにエアコン等を補?しなければならない。オ、犯罪等により被害を受け、または同一世帯に属する者から暴力を受けて転居する場合にエアコン等の持ち合わせがないとなっています。

 なお、熱中症予防が特に必要とされる者とは、体温の調整機能への配慮が必要となる者として、高齢者、障害児、障害者、小児及び難病疾患並びに被保護者の健康状態や住環境等を総合的に勘案の上、保護の実施機関が必要と認めた者が該当するとしています。

 まず、4月1日以降の対象者全員にこの制度の周知はなされたのか、また、支給された対象者は何人おられたのか、お伺いいたします。

 問題は、本年3月以前に保護を開始された方は対象となっていない点です。4月以降が対象であり、3月以前は対象となっていないことは、公平性を欠くと考えます。さらに、4月以降の転居先にエアコン等がない場合、従前の住宅にエアコン等があれば対象となるが、従前の住宅になかった場合は対象ではないとの解釈には、更に首をかしげたくなります。この一定の条件を満たす場合に、エアコン等の冷房器具購入費上限5万円と設置費用の支給を認める通知について、区の見解を伺うとともに、厚生労働省に対し現場の声を届けるべきではないかと考えますが、お伺いいたします。

 荒川区では、今年度の7月24日から8月31日までの時限的緊急対策として、65歳以上の高齢者のみ世帯や障害者世帯、就学前の子どもがいる世帯を対象に、5万円を上限とするエアコン等の設置助成の独自制度を実施しています。区では、保護世帯の状況を掌握するため、一定の調査に乗り出していると聞きます。どのような方を対象に調査を行っているのか、伺います。

 仮に3月以前の支給決定者の保護世帯のみを対象に区の独自支援策を組むとすれば、国の保護支給基準と異なることから、区の一般財源のみを賄う形となり、逆の不公平を招くことにもなりかねません。そこで、例えば一定の条件を付して保護世帯を含む対象とし、中野区においても独自の支援策を検討すべきではないかと考えますが、伺って、この項の質問を終わります。

 次に、保育園等の質の確保についてお伺いいたします。

 区は、過日の7月30日の子ども文教委員会において、仲町保育園、大和東保育園の民営化についての報告の中で、保育の質の確保に向けた改善について、全ての保育施設において保育、運営の質の確保が重要であると認識している、事業者選定から開始後の保育所運営の支援を通じて民間保育所の保育の質を確保していくとして、六つの取り組みの方向性を示しました。

 1、保育の質の向上に係るガイドライン等の策定、2、事業者選定の際の審査項目の追加、3、仲町保育園の事業者募集、4、保育士の確保支援、5、区立保育園から民間保育園への引き継ぎの円滑化、6、民間保育所に対する支援となっていますが、3の仲町保育園の事業者募集については、個別園での対応となるため、ここでは割愛しておきます。

 今後の保育の質の確保について、議論の中で、ガイドラインの策定にはおおむね1年ほどの時間を要するとの認識が示されたところです。保育の質の確保について、全ての取り組みの足並みをそろえて始める必要はないと考えます。ガイドラインの策定に時間を要するのであれば、他の取り組みを先行して進めることも必要ではないかと考えますが、お伺いいたします。

 特に4、保育士の確保支援については、現行の区の保育士支援策は、新規の保育士のみを対象とするものが大半と言えます。既存の保育士や職歴を重ねた保育士への助成制度を拡充し、保育士の定着や経験を重ねた保育士の確保により保育の質を担保すべきと考えますが、伺います。

 ここで待機児対策について確認させていただきます。

 区は、これまで毎年、待機児問題の解消を目指すとの決意を述べてきました。いまだ待機児の解消には至っていません。

 区長は、御自身の公約として、待機児童ゼロはもちろん、質の向上も、と掲げておられます。来年4月における待機児童の見通しと待機児の解消はいつごろとなるのか、お伺いいたします。

 待機児問題が解消するということは、本来の定員に満たない園が多く存在する状態を意味します。かつ、瞬間的に待機児が解消するだけでなく、それ以降も常に解消している状態を目指さなければなりません。これは、定められた保育士の配置人数以上を常に保つ状態との意味にもなり、園の運営に影響を及ぼすことになります。

 そこで、年度の途中からの転入や支援を必要とする子どもの入園による加配保育士の確保、現在の保育士を確保することの困難さ等を鑑みて、また保育士の雇用の安定を図る観点からも、定められた配置人数以上の保育士の配置について支援策を検討すべきと考えますが、お伺いいたします。

 次に、民設民営予定の(仮称)中央部認定こども園の開設についてお伺いいたします。

 障害を抱える子どもたちの通園率が区立幼稚園において高くなっている現状があります。区立幼稚園の園児の選定は抽選で行われており、障害児の受け入れについて特段の条件を設けているわけではありません。障害を抱える子どもたちの幼稚園へのニーズが高いことの証左です。

 区は、かみさぎ幼稚園、ひがしなかの幼稚園、そして(仮称)中央部認定こども園の幼稚園の入園枠を、3園で従来と同等規模の人数枠を維持するとの考えを示してきました。そこで、この人数枠の考え方には変更はないのか、お伺いいたします。

 また、(仮称)中央部認定こども園の幼稚園枠の選定についても、区立幼稚園の園児選定と同じく、区における抽選とすべきではないかと考えますが、伺って、この項の質問を終わります。

 次に、災害対策についてお伺いいたします。

 熊本地震では、避難所の過密さの回避やプライバシーの確保、自宅の防犯、建物の安全性への不安、避難所までの距離やペットとの避難等々さまざまな理由から、指定避難所以外にも独自に設置した避難所への避難や、在宅避難、車中避難、軒先避難等といった、避難所以外の被災者、避難者が多く存在することとなりました。その結果、被災者の把握や情報提供、救援物資の提供をはじめとする生活支援に課題を抱えたことから、対策の検討を進め、取り組みを防災計画に反映させている自治体が見られるようになりました。

 区の地域防災計画には、避難者等支援については、避難所への避難者、要配慮者支援、帰宅困難者支援の三つから成る避難者の支援についての記載があるものの、それ以外の記載がありません。

 例えば区は、平成24年4月に公表された首都直下地震等による東京の被害想定のうち、最も中野区の被害が大きく見込まれている東京湾北部地震の被害を前提として災害対策を進めています。この被害想定における避難所への避難者数はおおむね4万9,000人であり、区の人口と比べると6.6人のうち1人が避難する想定となっています。残りの約28万人の区民が避難所外被災者、または避難所外避難者となります。

 避難所に避難しなければ食料や物資の供給を受けられないとの認識をお持ちの区民の方もおられます。また、災害が起きたらすぐに避難所へ避難すべきとの認識の方もおられます。避難所に避難しなくても、自助による備蓄物資がなくなり、広域支援による物資の供給が始まれば、多くの方に配給が可能となります。また、被災後の生活再建には、自宅の建物の安全が確保されていることが前提となりますが、在宅での避難こそがいち早く生活再建が可能となると防災士の講義では学びましたが、防災計画にはこのような行動を促す記載もありません。

 さらに、被災者の把握する方法や区からの情報提供の方法も、検討も必要となってきます。区民の大半となる避難所外被災者への支援計画を検討し、区の防災計画へ反映させるべきと考えますが、お伺いいたします。

 次に、天災型のボランティア保険についてお伺いいたします。

 西日本豪雨災害に見舞われた岡山県倉敷市真備町に、同僚の木村広一議員、日野たかし議員とともに、災害ボランティア活動のお手伝いをしてまいりました。これまで被災地での支援活動を積極的に行ってきましたが、水害による被災地での支援は初めての経験であり、貴重なものとなりました。また、何といっても、猛暑の中でのボランティア活動は相当に厳しく、中野区が災害ボランティアの受け入れ側となった際には、さまざまな工夫を要するとも感じたところです。

 さて、ボランティア活動を行う前に、万一に備え、社会福祉協議会が窓口となっているボランティア保険への加入が促されていますが、地震、噴火、津波も対象となる天災コースに加入する必要があります。費用は、年契約で今年度は600円、1,000円、1,400円となっています。

 区は、これまで独自の支援策として被災地の支援に数多く取り組んできています。被災地の復興のためには、多くの人の力が必要不可欠です。例えば、被災地でのボランティア活動証明書をもとにこの保険料を還元し、ボランティア活動をする区民の安心を支えるとともに、被災地支援に積極的に協力する姿勢を区が示してもよいのではないかと考えます。積極的な被災地支援に取り組む区の姿勢を示すべきではないかと考えますが、お伺いいたします。

 次に、行政書士会との防災協定についてお伺いいたします。

 9月7日、杉並区は、東京都行政書士会杉並支部と防災協定を締結いたしました。この協定により、災害時に罹災証明発行申請をはじめとした行政手続の代行をしたり、被災者の生活再建のための相談を担うことになりました、と報じられています。

 行政書士会中野支部と我が会派の来年度に向けての予算要望懇談会の席上、災害時、中野区への協力の意向がありました。罹災証明や生活再建のための相談業務、軽自動車の廃車手続などの支援が考えられますが、協定締結に向けて行政書士会中野支部との協議を進めていただきたいと考えますが、伺って、この項の質問を終わります。

 次に、障がい者の就労支援についてお伺いいたします。

 区は、障害のある区民の就労支援を促進するため、特例子会社制度を活用し、事業者や団体等と障害者雇用に関する協定を締結し、二つの取り組みを進めてきました。

 一つは、商工会館の1階スペースを株式会社アイエスエフネットハーモニーに貸し出し、一定の障害者の就労人数を確保するとの取り組みです。アイエスエフネットハーモニーとの賃貸借契約が本年12月で終了となるため、障害者雇用の取り組みも本年で終了する予定となっています。

 もう一つには、シティビルメン協同組合が、法定雇用率を上回ることなどを条件に、区の発注する管理物件を定めての取り組みです。これは3年ごとに協定の更新がなされてきましたが、明年が協定更新の時期を迎えることとなります。

 障害者雇用に関する協定の更新を進め、区有施設を活用しての障害者の雇用の場を確保する取り組みが必要であると考えますが、お伺いいたします。

 次に、住民票の除票についてお伺いいたします。

 総務省の有識者研究会が過日の8月22日、所有者がわからない土地の増加に対応するため、転居や死亡により抹消された住民票の記録である除票の保存期間を現在の5年から150年に延長すべきとの報告書をまとめました。関連法案も含め、来年の通常国会への提出を目指し、法改正の準備が進められているところですが、法改正、施行までの数年の準備期間において、司法書士会から各自治体において現存する住民票の除票データの保存に協力を求める働きがあります。そこで、中野区としても今ある住民票の除票を積極的に保存すべきと考えますが、お伺いいたします。

 また、現行の住民情報システムが平成32年に次期住民情報システムに移行すると聞きますが、次期住民情報システムにはどの時点から住民票の除票データの保存が可能となるのかをあわせてお伺いいたします。

 次に、その他については、東中野駅東口の再整備について伺います。

 東中野駅東口の交流拠点形成については、本年度、新たな組織体制のもとで取り組みが進められています。新区長のもとどのようなまちづくりを考えておられるのか、また、今年度はどのように進めておられるのか伺って、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 白井議員の御質問にお答えします。

 まず最初に、高齢者等の住み替え支援について。

 (仮称)中野区あんしんパックの住宅制度についての御質問でございます。高齢者にとって、金額的に利用しやすく、また住まいの安心に必要なサービスが提供できるような制度内容について、不動産事業者や賃貸住宅のオーナー等の意見も伺いながら、現在検討を進めているところでございます。この安心パックの住宅制度の開始時期でございますが、今年度中には制度利用が可能となるよう準備を進めてまいりたいと考えております。

 次に、空き家利活用による住宅のマッチングについてということです。本年7月に公表した中野区空家等対策基本計画(案)において、空き家等の利活用促進により、さまざまなライフステージやスタイルに応じた多様な住宅ストックの形成を目指すこととしており、引き続きこの考え方に基づきこうした住宅ストックのマッチングを進めて、住まいに困っている方々への居住支援を推進してまいりたいと考えております。

 次に、中野区版住まいの総合相談窓口の設置についての御提案でございます。現在検討を進めている居住支援協議会の設置をきっかけとして、各種事業者団体等が個別に実施している相談体制とも緊密に連携しながら、住まいに関するあらゆる悩みや困り事に一括で対応できる、より総合的な住まいの相談窓口の実現に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。

 また、設置場所についても、区民の方が利用しやすく、効果的、効率的な相談対応が可能となるよう検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に、中野東中学校(旧第三中学校)跡地の活用等についての御質問でございます。

 中野東中学校跡地については、他の未利用となる施設と同様に、区民ニーズや将来の行政需要を見据え、今後の活用の方策を検討してまいりたいと考えております。地域の避難所機能を確保していく方針については、今後も継続していきたいと考えております。

 次に、公表されている数値と被害規模についてということでございます。ひがしなかの幼稚園の崖のところですね。都が指定した当該土砂災害特別警戒区域において発表されている数値は、建築物の構造の規制に必要な衝撃に関する事項として、土石等の移動により建築物の地上部に作用すると想定される数値であり、78.9キロニュートン毎平方メートルと発表されており、これは1平方メートル当たり約8トンの力が加わることとなるという数字でございます。なお、実際の土砂災害の規模は、累積の降水量や、現地の地形、地質、土地の利用形態などに左右され、正確に予測することは一般的には困難であると考えております。

 次に、土砂災害に対する園舎の応急的措置についてでございます。ひがしなかの幼稚園の東京都教育委員会の学校危機管理マニュアルに基づく応急教育計画では、大雨警報や土砂災害警戒情報等が発令された場合には、中野東中学校への避難や、傾斜側に窓のない2階ホールに避難することを前提としております。現園舎は鉄筋コンクリートづくりであり、一定程度の耐久性があるとは考えております。加えて、開口部から土砂が急激に流入することを防ぐため、園舎の崖地側に落石防止柵を設置するとともに、崖地側の開口部に重量シャッターを設置したところでございます。

 最後に、今後の区立幼稚園についてという御質問でございます。今後の区立幼稚園については、区立幼稚園として存続させるのか、あるいは保育ニーズの多様化を踏まえ認定こども園化するのか、検討を始めているところでございまして、今後策定する基本計画の中で示してまいります。

〔健康福祉部長小田史子登壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 私からは、生活困窮者の支援についての御質問と、災害対策についてのうちボランティア保険について、障がい者の就労支援についての御質問にお答えいたします。

 まず初めに、生活困窮者の支援についてでございますが、対象世帯への制度周知及び支給実績のお尋ねでございます。制度の対象者につきましては、訪問や電話にて周知を図っております。9月10日現在、保護開始世帯2世帯、転居世帯3世帯、合計5世帯に対しまして支給をしたところでございます。

 次に、厚生労働省への要望についてでございます。区といたしましては、家具什器費に冷暖房費の購入費や設置費が認められたことにつきましては、一定の評価を行っております。今回の冷房器具の設置対象とはならなかった被保護世帯については、その実態を踏まえ、毎年6月に照会のございます保護の実施要領、医療扶助運営要領及び介護扶助運営要領の改正に関する意見の中で、都を通じまして厚生労働省へ要望していきたいと考えております。

 続きまして、エアコンの設置状況調査の件でございます。区がエアコンの設置状況を把握していない方のうち、65歳以上の単身でヘルパーやデイサービスなどを利用していない方、または65歳以下の単身の障害者の方に対しまして、7月下旬から電話や訪問でエアコンの設置状況の調査を行っております。

 クーラーの設置に関します支援策についてでございます。本年9月1日現在、区内の65歳以上の高齢者のみ世帯だけでも3万7,800世帯ございまして、世帯の状態別にクーラー設置の実態を把握することは非常に困難な状況でございます。区の独自施策につきましては、国や他の自治体の動向も踏まえまして、十分な検討が必要であると考えております。

 続きまして、災害対策の中の被災地支援に取り組む区の姿勢についての御質問でございます。区といたしましては、積極的に被災地支援を行うことは重要だと考えておりまして、西日本豪雨災害の被災地へも職員を派遣してきたところでございます。災害ボランティアの支援も被災地支援の一つではございますが、区民が活動するボランティア活動は、福祉的な活動や国際交流など多岐にわたっております。被災地でのボランティア活動への支援のあり方につきましては、さまざまなボランティア活動への支援の状況や他の自治体などが実施している支援の状況を踏まえ、研究していきたいと考えております。

 最後に、障がい者の就労支援の障害者の雇用の場の確保についての御質問でございます。区は、平成22年3月、シティビルメン協同組合の雇用促進事業における障害者雇用に関する協定書を締結いたしまして、区有施設の清掃管理業務の一部を委託し、地域の障害者雇用を推進する取り組みの支援を行っております。現在、平成28年4月から平成31年3月までの協定を締結しているところでございます。区といたしましては、障害者の一般就労を推進していくことは重要な課題であると認識しておりまして、協定のあり方や内容につきまして今後検討していきたいと考えております。

〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕

○子ども教育部長(戸辺眞) 私からは、保育園等の質の確保についてお答えいたします。

 まず、保育の質のガイドライン策定以外の取り組みの方向性についてでございます。仲町保育園、大和東保育園の民営化についてで御報告した内容の中でお示しした保育の質の確保に向けた改善のうち、保育の質のガイドライン策定につきましては、学識経験者、保育運営事業者等を委員として、保護者からも広く意見を聴取する予定であり、一定の検討期間が必要であると考えているところでございます。保育の質のガイドライン以外の項目については、事業者選定の際の審査項目の追加、区立保育園から民間保育所への引き継ぎの改善、そうしたものについて早急に検討、対応する必要があると考えてございます。その中でも、事業者選定の見直しは喫緊の課題と考えており、事業者選定の審査項目に保育士の定員確保の考え方やより保育士に長く勤めてもらうための方策などを追加するとともに、選定基準を明確にすることや、応募事業者からのプレゼンテーションを受ける場を設定し、保育園運営の責任者や園長候補者へのヒアリングを実施することにより、質の高い安全で安心できる保育を行っている事業者を選定してまいります。

 続きまして、職歴を重ねた保育士、配置基準以上の保育士配置への支援についてでございます。現在、処遇改善等加算では、職員の平均勤続年数、経験年数により、経験年数に応じた加算率を乗じて加算しております。また、国の配置基準保育士数に加えて増配置をする場合については、区の制度により加算して給付し、民間保育園運営事業者を支援しているところでございます。保育園における保育の質の確保、向上に向け、保育士の確保、適正配置が重要であるということから、今後、具体的な支援策について検討してまいります。

 次に、待機児童解消の見通しについてでございます。待機児童につきましては、ゼロを目指し、認可保育園の新規誘致に力を入れているところでございます。

 最後に、(仮称)中央部認定こども園の幼稚園の定員枠及び選考方法についてでございます。平成31年4月に開園する(仮称)中央部認定こども園の幼稚園部分の定員につきましては、最低定員をお示しして運営事業者の公募を行い、選定された事業者からの提案を受けて設定したところでございます。今後の区立幼稚園のあり方につきましては、現在検討を進めているところであり、適切な定員につきましても、その中であわせて検証していく必要があると考えてございます。

 また、(仮称)中央部認定こども園の幼稚園部分の受け入れ児童の決定方法につきましては、区立幼稚園と同様に、抽選による方法を条件としているところでございます。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 災害対策のうち、避難所外被災者への支援計画の検討についてでございます。区といたしましても、災害発生時の避難の選択肢の一つとして、在宅避難や車中避難を選択する方があることは認識をしているところでございます。これらの方に対しましても、各種の情報提供や食料などの救援物資の提供をはじめ、被災者の状況の把握など、生活支援が必要となることから、その支援のあり方について検討いたしまして、次回の中野区地域防災計画の修正に反映させてまいります。

 それから、行政書士会中野支部との協定についてでございます。災害が発生した際には、被災者の生活再建を円滑かつ着実に推進していく必要がありまして、行政書士は過去の地震の際に大きな実績を上げていることから、東京都行政書士会中野支部と災害時の支援に関する協定の締結をしていただけるよう今後検討してまいります。

〔区民サービス管理部長上村晃一登壇〕

○区民サービス管理部長(上村晃一) 私からは、住民票の除票についての御質問にお答えさせていただきます。

 法施行前の住民票の除票データの保存でございます。総務省において、所有者不明土地問題等に対応する住民票等の除票の保存期間の延長に関して研究会が設置され、最終報告があったことは承知してございます。来年には総務省が住民基本台帳法など関連法の改正案を国会に提出する方針を固めたことから、区としましては、法施行前でも住民票の除票データを消除しないで保存していく考えでございます。

 現在の住民情報システムから次期住民情報システムへデータの移行を行っていきますが、平成30年8月に現行のシステムのデータベースの整備を行い、保存期間を超えたデータの廃棄を行ったところなので、それ以降のデータを保存していく考えでございます。

〔地域まちづくり推進部長角秀行登壇〕

○地域まちづくり推進部長(角秀行) 私からは、その他の東中野駅東口の交流拠点形成についてお答えいたします。

 今年度、地域まちづくり推進部に新たに当地区のまちづくり担当を設けてございます。当地区のまちづくりでは、東中野駅東口周辺のバリアフリー化、西口との回遊性の向上などにより地域の活性化を図りながら、交流拠点の形成に向けた取り組みを進めてまいります。

 今年度中に地域の意見や要望を集約、調整するような場を検討するとともに、西口を含めました駅周辺の回遊性も視野に、JRとも意見交換しながら、交流拠点にふさわしいまちづくりの方向性を見きわめていきたいと考えてございます。

○議長(いでい良輔) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員     司

 1 喫煙対策について

 2 中野二丁目および三丁目のまちづくりについて

 3 庁内情報システムについて

 4 経済団体との連携および区立商工会館について

 5 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、杉山司議員。

〔杉山司議員登壇〕

○4番(杉山司) 平成30年第3回定例会に当たり、立憲民主議員団の立場から一般質問を行います。

 質問は通告のとおりです。その他はございません。これまでの質問と重なる部分もございますが、私たち会派の立場から質問をさせていただきます。また、さきの補欠選挙で当選を賜って以来、初めての一般質問となります。お聞き苦しい点が多々あるかと存じますが、何とぞ御容赦賜りますようよろしくお願いいたします。

 私が区議会議員を目指したきっかけは、JR東中野駅西口線路沿い桜並木の強制伐採の件でございました。地域の人たちだけでなく、鉄道ファンなどの観光客にも人気で、地元民自慢の桜並木だったのですが、おととしに1本、ことし2月に16本、老木診断された桜が、近隣住民の対話もないまま、いわば強制的に伐採されてしまい、中野区から「切ります」「切りました」というような一方的なやり方に大きな疑問を感じました。老木を切ることそのものを否定するのではなく、住民の意見や希望を聞かないで、対話もなく伐採を進めたというプロセスがおかしいと思ったからです。

 ことし6月10日の補欠選挙の結果、区民の方々から多くの期待と不満の票を賜り区議会議員として歩み始めたわけですが、どの事業においても中野区と国民の話し合いが希薄であると感じていたやさきに、区役所とJTが検討を進めてきた東中野駅西口ロータリーへの喫煙所設置案。区民との話し合いも長く行われてきたとのことですが、ここへ来て結局設置場所だけが議論されていることに疑問を感じ、先日、中野区の喫煙所設置の方針や受動喫煙防止に対する方針についての緊急要望書を立憲民主議員団として区長に提出しました。

 先日の建設委員会での報告で、9月に予定されていた喫煙所の設置が無期限で見直されることになったのは、住民や私たちの声が区長に届いたものと思い、大変喜ばしいことと感じていますが、一旦保留となっただけなのではないかと不安を覚えております。

 そこで、まず初めに、中野区の喫煙対策について伺います。

 中野区は、2005年4月に中野区吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例を施行し、罰則規定や路上へのメッセージプリント、看板はあまりなく周知徹底されてはいないものの、一応歩きたばこも全区内で禁止、そして条例に基づき同年7月31日から中野駅周辺を路上喫煙禁止区域に指定しました。その後、2012年11月、もともと灰皿的なものがあった場所を含め、中野駅北口の東西連絡通路下、中野駅北口中央自転車駐車場付近、そして中野サンプラザ横の横断歩道脇の3カ所に喫煙所が整備されました。東西連絡通路下や中野サンプラザ脇の喫煙所近くには多くの歩行者や滞留者がおり、喫煙所から漏れあふれる煙やにおいを避けるためにわざわざ迂回して喫煙所の前を通らないようにする方も多くいると感じています。また、子どもを含む歩行者への受動喫煙による健康への悪影響も懸念されます。

 先般制定された東京都の受動喫煙防止条例、この条例の目的は、屋内での受動喫煙による健康影響を未然に防止し、誰もが快適に過ごせるまちを実現することとあります。子どもや働く人を受動喫煙から守ることがポイントで、幼稚園や保育園から高校までは敷地内禁煙、大学や医療機関などでは、敷地内に喫煙所が設置可能ですが、基本的には敷地内禁煙、その他施設も原則屋内禁煙となりますが、道路や公園など屋外は対象外になっています。

 都条例を加味した上で、公共エリアに対しても中野区として受動喫煙防止条例や区としての方針も必要だと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、現在、中野駅周辺だけが路上喫煙禁止区域に指定されていますが、これから子育て先進区を目指す中野区としては、子どもに対しての影響も大きいことから、徐々に路上喫煙禁止区域をふやし、近い将来、全区が対象となるべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 中野駅周辺の喫煙所は、多くの歩行者が通過もしくは滞留する場所への設置に至りました。私としては、今後、駅周辺や公園などを含む公共施設に喫煙所を設置することは本意ではないと考えますが、受動喫煙防止のためにも、喫煙所の設置基準を早目に設けておくべきだと考えます。

 大前提として受動喫煙防止の考えがあり、子どもたちを含む多くの歩行者に健康被害を与えない場所や煙が漏れにくい喫煙所の形状など区としての喫煙所設置の基準を定め、喫煙所設置の要望があった際には、その基準を満たすことができることを前提に、路上喫煙禁止区域の指定とともに設置を検討していく、このようなプロセスをとるべきだと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 中野駅北口やサンプラザのこと、平和の森公園のことなど、これまで公式、非公式にかかわらず区民との対話集会を開いてきた酒井区長。平和の森公園の2期工事の件では、五つの案が提示されて、多くの区民からの御意見を伺うという手法をとられております。区長は、区民との対話というステップを踏むことを常々とても大事とお話しされておりますが、この路上喫煙禁止区域の考え方について、これから区民の考えをどのように反映していくのか御意見をお聞きし、この項の質問を終わります。

 次に、中野二丁目および三丁目のまちづくりについて伺います。

 中野駅北口の区役所サンプラザ地区再開発に大きくスポットが当たっておりますが、中野駅西口の改札や南北連絡通路、中野二丁目や三丁目の開発も進んでおります。

 中野駅南口地区まちづくりとは、主に中野二丁目の公社中野駅前住宅の再編、駅前ロータリー東側のノイビル、駅周辺の市街地再開発、そして中野駅南口ロータリーを込めた駅前広場の整備の三つの事業を指しますことは、周知の事実でございます。

 2019年には公社住宅が完成予定、市街地再開発は2022年に工事完了予定、駅前広場整備は2024年に完了予定となっています。

 この事業が完了した場合、中野駅南口の昼間人口は3,500人から4,000人程度ふえると伺っておりますが、南口地区まちづくり方針には、中野駅南口改札の整備などは今のところ含まれておらず、歩行者ネットワークの動線も、中野駅南西側にある横断歩道と南口改札前の1本のラインしかない設計となっております。

 グランドデザインVer.3では、中野駅周辺の回遊性を高めるため、中野二丁目と四丁目がつながるように、中野駅の東側に南北につながる歩行者ネットワークの構想がございました。

 中野駅は、西口改札の設置が最優先課題となりますので、東側の南北歩行者ネットワークには手が回らないにしても、西口改札の工事時期などが南口再開発完了後になった場合、中野駅自体の処理能力が100%発揮できないことも考えられますし、昼間人口増加も加味しなければなりませんので、南口改札の拡張や改善策などが必要だと思うのですが、いかがでしょうか、伺います。

 2024年に完成予定の中野駅南口ロータリーを含む駅前広場整備事業、既に商業施設などができ、建物などが更新された後に完成するというタイムスケジュールになっています。駅前ロータリーの西側には人が滞留できるエリアができる予定ですが、改札外側と車道の幅は現状と変わらず、歩行者との往来がスムーズに行えない可能性もある上に、自転車がこの場所を走行することはそもそも禁止されているとはいえ、実際には道路交通法を熟知していなければ普通に自転車は走行できてしまうという設計になっております。

 現在の南口改札前も、本来は自転車の走行は禁止されているにもかかわらず、自転車が走行し、歩行者と接触するのを何度も目撃していて危ないと感じておりますが、駅前広場整備事業に、南口改札前の自転車走行の危険度には触れられておりません。

 設計では、自転車ネットワーク概念で、歩道と自転車が走行する流れは加味されているものの、結局、法律が周知されていないと、自転車運転者は南口改札前に自転車を走らせるでしょう。

 南口改札前の歩道で人と自転車の接触事故を防ぐためには何かしら手を打たないとならないと考えております。バスやタクシーのことなども考慮しつつとはなりますが、例えば南口駅前に計画されている歩道の外側にブルーの自転車専用レーンをつくるなど対策を講じるべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 利用者の安全確保につきましても、もう一つ。

 中野駅の南口、南北駅前はほぼ線路の高さのところから掘られているくぼ地です。桃丘、レンガ坂、千光前通りなどの坂に囲まれていることからもわかるように、すり鉢形のエリアとなっています。

 先日、西日本に大きな被害をもたらした豪雨、中野にも大雨をもたらしましたが、この中野駅周辺、特に南口から五差路交差点あたりまでは、ハザードマップを見ても、集中豪雨などでとても水がたまりやすい地形です。実際に先日の豪雨の際には、中野通りの線路下、ガード下のところに池ができておりました。

 整備された中野駅南口は、新たなにぎわいが生まれ、より多くの人が集まりますので、さらなる安全・安心のまちづくりを進めなければなりませんが、現在の駅前の広場の整備の項目に集中豪雨などが発生した場合のロータリー下の下水等の構造設計の記載はなく、多くの雨水が流れ込んできた場合にしっかりした処理能力が発揮できるようになっているのか不安に感じます。もし加味されているのであれば、どのような仕組みが盛り込まれているのか、伺います。

 三丁目地区の再整備についての質問です。

 中野区は、2015年に桃丘小学校跡地付近をUR都市機構に売却し、タイケン学園問題も終息し、現在、URによる土地区画整理事業が進んでいる中、中野三丁目エリアのまちづくり、中野駅西口まちづくりと位置付けられているとおり、中野駅西口改札と関連した橋上の南北連絡通路の南側エリアとなりますが、そのエリアの中で、旧桃丘小学校跡地の拠点施設に関しまして、URとの中野三丁目地区の整備に関する事業実施協定の桃丘小学校跡地活用事業の概要等、項目、第6条の(2)の②に記載されている利便性の向上及びにぎわいの創出のための拠点施設整備。UR側が土地を売却する前に、この情報も生かし、地域に開かれた公共性の高い拠点施設にするべく、そろそろ中野区側からURに働きかけなければならない時期に来ていると感じております。

 にぎわいを創出するただの商業施設ではなく、子どもやお年寄りが安心して利用できる施設、緊急時や災害時の対策拠点となり得る施設など、さまざまな方向を模索しながら拠点施設の方向性を決めていかなければなりません。

 現在、住民の方々との話し合いなどにより拠点施設の骨子を模索している段階だとは思いますが、この拠点施設のコンセプトや機能などをこれからどのようなスケジュールで、いつまでに決めるのか、手法なども含めてお聞きして、この項の質問を終わります。

 次に、庁内の情報システム全般の整備について伺います。

 中野区の情報システムは、基幹系システム、業務系システム、サービス系システム、情報発信系システムなどと多岐にわたり、それぞれのシステムが自前だったり、SaaS的なクラウドサービスだったりと、情報の持ち方もさまざまです。

 現在、庁内基幹システムの大規模リプレースのために開発が進んでいて、工程としては基本設計が行われると伺いました。2020年1月には本稼働を迎えるこの新システム、官庁系システム開発に多くの実績があるRKKコンピューターのパッケージ総合行政システムを利用し、中野区用にカスタマイズする形で進んでいることと思います。

 住民基本台帳にひもづいた基本情報などのほか、税の情報や国保などのデータが入力できて、災害時個別避難支援計画、それから名簿、かんがるープランや母子家庭情報、こんにちは赤ちゃん学級情報などの情報も含め、これからの区民サービスや業務効率の向上にとても役立つ基幹システムにしていただきたいと願っております。

 何年もかけて開発されるシステムと10年間を想定した保守という今回の基幹系システム開発、イニシャルコストは10億円弱、イニシャルコストを含め稼動後10年間の保守費を含めると37億円程度の規模となります。

 過去の大規模システム開発の際の議会報告は、このような効果が期待できるシステムが幾らかかり、いつごろ完成し運用開始となりますというような内容で予算審議でお話しされる機会が1回、システムが完成し予算執行されたときに報告される機会が1回という感じで、報告は最初と最後に行われます。システム開発、特に大規模なものであればなおさら、途中途中の報告が大事であると感じております。工程ごとに、要件定義完了後、基本設計完了後など、そしてテストフェーズの場合には現在の不具合件数と対応件数や残りの不具合件数などを議会にしっかり報告されるべきだと思うのですが、いかがでしょうか、伺います。

 稼働後、延べ10年間使い続けるということを見込んでいるこの基幹系システム、IT業界の技術革新のスピードはとても速いことは周知の事実で、一般企業では10年間という契約期間はなかなかございませんが、官庁システムでは一般的とも聞いています。しかしながら、システムの陳腐化も可能性としてはゼロではございませんし、また、万が一ではございますが、システムのデータベースメーカーのサポートがなくなる、OSが提供されなくなるなど、何らかの理由で外的要因によるマイナスの影響が大きく働いた場合、このシステムを生かしてそのまま使い続けることを前提にして、この対策案、また代替案などのお考えをお持ちでしょうか、伺います。

 さらには、この基幹システムが2020年に完成し、稼働フェーズとなっている真っただ中、タイミング的には中野区役所の移転も行われる予定となっております。新システムは、庁内にメインサーバーが設置されているとのことでしたが、区役所移転時にも、区民へのサービスや庁内の情報業務システムがとまらないような対策は考慮されておりますでしょうか。その際の費用は今の段階で検討されているのかどうかも含めてお聞きし、この項目の質問を終わります。

 経済団体との連携および区立商工会館にについて伺います。

 東京商工会議所中野支部や中野工業産業協会、中野区商店街連合会をはじめ、ほかにも中野区しんきん協議会や中野区観光協会、中野区産業振興推進機構や中野コンテンツネットワーク協会などの団体も中野区内の経済団体として存在しております。

 以前の田中区長体制時でも、産業界との定例懇談会や産業振興担当部署の設置などで一定の連携を図っているように見えておりました。ただし、区内産業の状況は、多くの中小企業が、取引先が減少し、採用難、事業承継難など、経営状況は決してよくないと伺っております。

 酒井区長となり、これからどのような距離感で区内の産業界と連携していくのか、もしお考えがあればお聞かせいただきたいです。

 ここ数年、中野区は、区内の重点産業をICTコンテンツ及びライフサポートと位置付けています。公的融資制度でも、このジャンルの中小企業だけが優遇され、賞金付きのビジネスコンテストもこのジャンルに限り年1回開催されています。

 中野区には、小さな劇団やお笑いプロダクション、個人経営の飲食店や古物商、零細部品メーカーなど、中野区の産業を支えている中小企業のジャンルはいろいろあると思いますが、なぜこのジャンルが重点産業となったのか、過去にも御説明があったかと存じますが、いま一度伺います。

 2016年5月に策定された新しい中野をつくる10か年計画(第3次)に、中野区立商工会館を現在の賃貸契約終了後売却との記述が盛り込まれました。区内産業団体である東商、中野工産会、区商連の3団体が現在区立商工会館を拠点としておりますが、この3団体は2019年の2月から3月ごろに中野二丁目にある中野区産業振興センターへの引っ越しが中野区側から通達されております。

 現在の商工会館は、施設台帳上1965年にでき上がった施設で、建物は老朽化が著しいものの、立地は中野区役所にも中野駅北口の繁華街にも近く、長年、区内産業の活発な活動が続けられてきた場所となっています。

 テナントビルなど商工会館にかわる新たな建物は民間の力をかりて建て直し、整備後に一旦退避している産業振興センターから再び入居する形で北側の産業の拠点とすることが望ましいと考えます。第2回定例会での質問にもございましたが、定期借地権などの活用も踏まえて、売却は見直すべきだと考えますが、いかがでしょうか、再度伺います。

 グローバルではなく、シビックプライド、区民の中野区への愛着度がより高められるような方針が出たことは、とてもすばらしいことであると感じています。区民目線を大事にする酒井区長となり、これからの中野区政に対して多くの区民の希望や期待が見出されることでしょう。

 先日、元西東京市のみどり公園課長で多くの実績を残した高井さんという方に公園づくりについて御教授いただきました。そのときに強く感銘を受けたお言葉、選択に迷ったときは区民目線で考えるということを肝に銘じつつ、全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 杉山議員の御質問にお答えいたします。

 まず一つ目の喫煙対策についてでございます。

 屋外受動喫煙防止条例の制定についての御提案でございました。区では、現在、道路上の吸い殻等の散乱防止や歩行喫煙による歩行環境の悪化防止等の観点から、条例を定めて歩行喫煙の防止や路上喫煙禁止地区の指定などを行っているところでございます。一方、東京都の受動喫煙防止対策は、屋内を対象としており、屋外については現在のところ対象とされておりません。区としては、以上の状況を踏まえ、まず屋内の受動喫煙防止対策を進め、今後は、国や都の動向を注視しながら、受動喫煙防止の観点からどのような対策が必要か検討してまいります。

 次に、路上喫煙禁止地区の指定についてでございます。まずは、人通りの多い駅周辺について、区指定喫煙所の整備状況や路上喫煙率、吸い殻のポイ捨ての実態、駅の乗降客数や通行量、それから地元町会・自治会や商店会の要望などを総合的に考慮した上で検討してまいります。

 区指定喫煙所の設置基準についての御質問でございます。喫煙所設置場所の候補地によりさまざまな状況が考えられるため、一律の基準を設けることは難しいと考えております。国の動向や今後取りまとめられる都の公衆喫煙所設置助成の要件などを注視し、区として、受動喫煙防止対策の視点も踏まえ、喫煙所設置や路上喫煙禁止地区の指定の考え方について整理してまいります。

 次に、喫煙対策についての区民の考えの反映についての御質問です。区民のさまざまな意見を伺える方法をタウンミーティングなども含めて考え、それらの意見を反映してまいりたいと思います。

 次に、中野二丁目および三丁目のまちづくりについての項でございます。

 再開発等の影響に対する南口改札の改善策についてでございます。区では、中野二丁目市街地再開発事業の完了後、昼間人口が3,500人ほどふえると推計しており、駅周辺の歩行者交通量についても、国土交通省の大規模開発地区関連交通計画マニュアルに基づき推計、検証しております。中野駅南口改札については、現在、改札機が5台となっており、事業完了後の駅利用者の増加を加えても、朝のピーク時について改札の処理能力の限界までは至らないと推計しております。区では、これまでにこうした駅利用者の想定についてJR東日本と共有しており、今後も駅周辺まちづくりの進捗状況について情報共有に努め、西側南北通路橋上駅舎の整備期間中においても、駅利用者の安全性や利便性の確保について十分配慮するよう求めてまいります。

 次に、南口駅前広場における自転車交通の安全確保策についてでございます。区では、中野駅南口地区まちづくり方針において、安全で快適な交通結節点とするために、南口駅前広場の拡張整備を進めることとし、交通空間の拡充、改札前歩行者空間の確保、ユニバーサルデザインに配慮した歩行者動線等の整備方針を示しております。

 こうした考えのもと、南口駅前広場の再整備、その後の交通利用のあり方については、区、中野二丁目土地区画整理組合、交通管理者及び交通事業者等と協議を重ね、自転車を含めた交通の安全性を高める方策、ルールづくりの検討を進めていく予定でございます。

 次に、集中豪雨に対する南口駅前広場の地下構造設計についてでございます。集中豪雨など都市型水害を防ぐため、中野区では、公共施設及び民間の大規模施設における雨水流出抑制施設の設置を定めております。また、下水施設においても、東京都の設計基準に基づき計画することとなっております。こうしたことを踏まえ、南口駅前広場を含め、施行地区内の整備に当たっては、雨水流出抑制を図るため、下水施設や貯留施設、透水性舗装等、集中豪雨対策に向けた整備を行っていく予定でございます。

 次に、旧桃丘小学校跡地に誘導予定の拠点施設機能についてでございます。旧桃丘小学校跡施設があった用地の一部は、拠点施設として地区の利便性の向上とにぎわい創出のための商業施設誘致などに活用することとしております。拠点施設の具体的な内容については、中野三丁目地区の整備に関する事業実施協定の中で、区の意向を踏まえ、URが立地可能な計画を策定することとしております。今後、URが拠点施設機能等の条件を付して当該用地の売却を進める予定でございますが、その際、区として、区民の意見を踏まえながら、拠点施設機能等に係る区の考えを取りまとめて、URに提案し、協議をしていく予定でございます。なお、具体的なスケジュールについては、現在、URと調整中でございます。

 次に、経済団体との連携および区立商工会館についての項の区内産業界との連携についての考えの御質問です。中野区には約1万2,000カ所の民間事業者があり、このうち約95%は従業者数30人未満の中小企業でございます。これら区内中小企業が更に活性化することは、区内産業界の発展のみにとどまらず、その提供するサービスによって区民生活の豊かさとまちのにぎわいをもたらすものと認識しております。こうした産業の活性化策について、区と国内経済団体とのコミュニケーションを日ごろから密にして、区内産業の現状と振興策について十分に意見交換することを通して、区内経済全体の活性化施策に努めてまいりたいと考えております。

〔区民サービス管理部長上村晃一登壇〕

○区民サービス管理部長(上村晃一) 私からは、庁内情報システムについてお答えいたします。

 大規模システム開発の議会報告でございますけれども、次期住民情報システムの構築や内部事務管理システムの再構築など、区の業務を支える大規模なシステムの開発につきましては、その進捗状況を所管の常任委員会で報告したいと考えております。

 次に、基幹システムの陳腐化やサポート切れ等への対応でございます。今回導入するパッケージシステムは、各種法制度改正などに対応して毎年数回のアップデートが行われ、機能の改修や性能の向上などを行うため、10年の間に陳腐化することはないと想定しておりますが、最新の技術を取り入れた大きな機能追加や仕様変更を行う必要がある場合には、システムのバージョンアップにより対応できないか検討してまいります。

 システムの稼働により必要なOSやデータベース等がマイクロソフト社やオラクル社等の都合により提供されなくなったり、サポートが受けられなくなったりした場合には、中野区だけの問題ではなくなってきますが、パッケージソフトの開発元と協議し、バージョンアップなどにより他のOSやデータベースへの移行に対応できないか検討していくことになると想定してございます。

 最後に、新庁舎移転時の対策でございます。区役所新庁舎への移転時に情報システムの障害等により区民サービスに影響が出ることのないよう、十分な準備期間をもって移行作業や新しい環境での運用テスト、業務フローのリハーサルを行うなど、十分な対策を講じてまいります。次期住民情報システムの構築事業者をプロポーザルにより選定する際に、移転時に必要となるハードウエアの費用も含めて見積もりを提出させているところでございます。

〔都市政策推進室長奈良浩二登壇〕

○都市政策推進室長(奈良浩二) 私からは、重点産業として二つの領域を定めた理由についての御質問にお答えいたします。

 ICTコンテンツ関連産業は、ICTよりその時代のニーズやライフスタイルの変化に対応した新たな業態や事業モデルの進展を加速させることができること、また、中野区を含め、JR中央線沿線にアニメ、映画等のコンテンツ産業が一定程度集積していることが立地のインセンティブになりやすいことなどから、重点産業としたものでございます。

 一方、ライフサポートビジネス関連産業は、少子高齢化や地域コミュニティにおける人間関係の希薄化が進む中、介護・保健・医療、防犯・防災、高齢者の見守りや買い物等の生活サポートなど、区民生活をさまざまな場面で支えるものとして、地域の中小企業が幅広いビジネスチャンスを見出すことができることなどが重点産業とした理由でございます。

 区としては、どちらも中野の地域特性を踏まえ、今後のニーズが一層高まることや区内産業発展の契機となり得ることから、重点分野と位置付け、区内経済全体の活性化の牽引役となるよう集積及び振興を図っているものでございます。

〔政策室長朝井めぐみ登壇〕

○政策室長(朝井めぐみ) 私からは、商工会館廃止後の跡地活用の御質問にお答えいたします。

 商工会館用地は、中野駅に近く、早稲田通りに面する、区民にとって利用価値の高い土地であると認識しております。今後、跡地につきましては、区民の御意見を聞いた上で活用の方策を検討してまいります。

○議長(いでい良輔) 以上で杉山司議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 伊 藤 正 信

 1 平成29年度決算の状況について

 2 鍋横区民活動センターの施設整備について

 3 町会・自治会の活性化について

 4 中野の交通安全について

 5 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、伊藤正信議員。

〔伊藤正信議員登壇〕

○34番(伊藤正信) 第3回定例会に当たり、自由民主党の立場で一般質問をさせていただきます。

 私の前に、先ほど杉山司議員が初めての質問ということで、私も20年前の平成10年第3回定例会でやっぱり初質問をさせていただきました。ここに立ちますと本当に身の引き締まる思いで、杉山議員の質問を聞いていて、まだ初々しさがあるなと思って、改めて私も初心に返って質問をしたいと思っています。

 本当にこの20年、大分議会も変わりまして、皆さんのお手元にはiPadがあったり、また、この発言時間なんてなかったんですね、20年前は。そして、きょうは、LINE WORKSですか、議員同士でLINEがつながる、情報を共有できるということで。大変進歩しましたし、また、酒井区長さんは、たしかその当時、20年前は区議会事務局にいたということで、非常に歴史を感じております。

 それでは、質問させていただきます。

 平成29年度決算の状況について伺いますが、詳細については同僚議員から決算特別委員会で伺いますが、私はここでは概略を伺います。

 平成29年度の歳入決算額は財政白書から見ますと1,252億円、歳出決算額は1,221億円で、翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は25億円、実質収支比率は3.3%となりました。歳入は、特別区税、国庫支出金、都支出金が増加しましたが、特別区交付金、財産収入、繰入金が減少したことにより、前年度1.0%の減となりました。

 特別区税の収入は、前年度比1.9%増の338億円となり、昨年度と同様に特別区民税と軽自動車税は増となりましたが、たばこ税は減少しました。

 特別区民税は、前年度比2.5%増の317億円となりました。主な要因は、納税義務者数の増でありますが、具体的にどのくらいふえたのか、伺います。

 特別区民税現年課税分の徴収率は0.5ポイント上昇しましたが、依然として23区平均を下回っています。さらなる徴収率の向上への取り組みが必要と思いますが、どのように考えているのか、伺います。

 普通会計歳出決算額の状況を見ると、総務費や土木費が減少しましたが、民生費や公債費が増加しました。総務費が減少した主な要因は、基金積立金が減少したためです。特に民生費は、民間保育に係る給付費の増などにより前年度比4.5%増の629億円となりました。目的別歳出構成比の割合でも51.5%となっています。

 普通会計の歳出決算額を性質別に見ると、義務的経費は人件費が2億円、扶助費が15億円、公債費が24億円となり、全体として前年度より6.7%、41億円増の655億円となりました。また、物件費も4億円の増となっている性質別による歳出決算額の状況をどのように捉えているのか、伺います。

 次に、財政指標のうち、経常収支比率について伺います。財政の弾力性を見る経常収支比率は78.6%となり、23区平均は79.8%となっており、前年度に引き続き23区平均を下回っていますが、少子高齢化による扶助費や繰出金などの増加が想定される一方で、地方消費税清算基準の見直しなど、今後の歳入状況も楽観できるものではないと思います。どのように考えているのか、伺います。

 次に、基金について伺います。平成29年度基金残高は、財政調整基金や減債基金、義務教育施設整備基金などへの積み立てにより、前年度より48億円増加し、725億円となりました。平成24年度から6年連続で増加していることは大変評価しております。しかしながら、今後のまちづくりや学校再編や新区役所の整備や大規模なプロジェクトに備えた財政需要を考えると、より計画的な積み立てと繰り入れなど、健全な財政運営を行う必要があります。今後の健全な財政運営に資する資金計画についてどのように考えているのか、伺います。

 国が進める地方法人課税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税などの不合理な税制改正等により、特別区の貴重な財源が奪われ、今後更に都市部から税源を吸い上げられる動きが表面化していることから、特別区長会として総務大臣に対し、不合理な税制改正などに関する要望を行ったと聞いております。要望が実現に至らなければ、区の財政は今後も継続して大きな影響を受けざるを得ないと考えます。持続可能な行財政運営を行うために区長はどのように考えているのか、伺います。

 次に、鍋横区民活動センターの施設整備について伺います。

 5月9日の厚生委員会で、(仮称)本町四丁目複合施設整備基本方針(案)についての鍋横区民活動センター整備については、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)において、本町四丁目44番の用地及び鍋横区民活動センター分室用地に高齢者会館機能を持つ施設として移転整備し、鍋横自転車駐車場を併設することとし、また、今後のすこやか福祉センターの圏域の見直しに伴い、弥生・鍋横エリアの圏域を担当する新たなすこやか福祉センターを併設し、(仮称)本町四丁目複合施設と整備するとの報告がありました。

 地元地域においては、昨年の7月から鍋横区民活動センター運営委員会のメンバーで鍋横区民活動センター建設検討委員会を発足いたしました。12回にわたり検討を重ね、その間、南中野区民活動センターと東部区民活動センターの施設見学をし、センター利用団体、町会、商店街等のアンケート、高齢者集会室の利用団体や若い世代の方々へのインタビューなどを重ね、今年度内に要望書をまとめて、4月16日、前田中区長に提出したところであります。その後、東中野区民活動センターを見学し、皆さんで期待と希望が膨らみました。

 区の担当の地域活動推進分野から、6月14日に鍋横区民活動センターで(仮称)本町四丁目複合施設整備基本方針(案)、区民向けに説明会が行われ、翌15日には弥生区民活動センターで行われました。整備スケジュール案として、平成30年度基本方針、基本計画、平成31年から32年度では基本設計、実施設計、平成32年から34年度で現鍋横区民活動センター分室解体工事をして、そして建築工事を行い、34年度には竣工、開設予定であります。

 しかしながら、酒井新区長になり、第2回定例会の施政方針説明で、地域コミュニティによる見守り・支えあいや医療・介護・生活支援などのサービスが必要な全ての区民に、関係機関の情報共有の連携がとれたネットワークによって十分なサービスが提供されることが必要です。関係機関の情報共有と行動の連携をつくり出すため、すこやか福祉センターの機能を強化します。一方で、今後の地域包括ケアシステムの構築に合わせて、すこやか福祉センターの8カ所整備の考え方については再検討してまいります、と述べられました。

 その後、7月5日の厚生委員会で再検討するとの報告がありました。すこやか福祉センターを8カ所整備するという方針に基づきまして整備を進めてまいりましたが、旧温暖化対策推進オフィス跡施設と(仮称)本町四丁目複合施設の2カ所のすこやか福祉センターの整備につきまして、一旦中断することといたしました。子どもや障害者など支援を必要とする全ての区民を対象とした地域包括ケアシステムを構築していくためには、新区役所におけるアウトリーチ業務の考え方、また、(仮称)総合子どもセンターの相談支援体制とすこやか福祉センターの役割分担や連携のあり方など総合的な検討を行う中で、すこやか福祉センターの設置数につきましても見定めてまいりたい、という報告でございました。

 その後の検討結果はどのようになっているでしょうか、伺います。

 かつてこの地に(仮称)産業振興センター建設の構想があり、地元の期待も膨らませて構想を立案したものの、立ち消えになり、残念な思いをしたことがありました。今回は、そのことがないように、積極的に地元区民の意見も伺いながら検討会を進めてまいりました。本整備用地は、鍋屋横丁通りの商店街など商業地区としてのにぎわいのほか、青梅街道や新中野駅に近く、多くの通勤・通学者が行き交う地区に立地していて、近くには中野本郷小学校や杉山公園などもあり、地域のコミュニティの中心に位置しています。

 鍋横地域では、現在でも鍋横区民活動センター運営委員会や地元商店会などの皆さんが中心となって見守り・支えあい活動や地域の活性化に寄与するイベントなどの取り組みが行われております。新たな施設整備により、これらの活動が更に活発になり、地域活動、自治活動に参加する方がふえることも期待されております。中野区の南の一大拠点となるように、災害への備えや環境へ配慮し、センターの機能を充実させ、豊かな活動ができる、50年先を見据えた地域の誇りとなるような施設を整備していただきたいと思いますが、どのように考えているのか、区長の考えを伺います。

 次に、町会・自治会の活性化について伺います。

 中野区には106の町会・自治会があり、それぞれ地域コミュニティ形成の基礎となっております。住民相互の連絡や行政機関との連携など、幅の広い活動をしています。

 私は、町会・自治会の組織活動は最大のボランティア活動だと思っております。先般、第2回定例会において、ある議員の質問で、区民活動センターの前身である地域センターを中心に地住構想が掲げられ、住区協議会により活動実践が行われてきました。再び同じ構想をと言いたいのではありません。ただ、区民活動センターを中心とした区内15の地域、ここでのコミュニティは歴然と存在しています。それを生かしていく仕組みを検討されてはいかがかと考えますが、御見解を伺います、との問いに対し、「魅力ある地域づくりを目指して多くの団体が地域課題への取り組みを行っており、これらの活動を区民活動センターの運営委員会が現在支援しております。今後、更に多くの区民や団体がこれらの活動に参加し、課題の解決を図れるよう、アウトリーチチームによる人材育成や活動の支援にも力を入れていきたいと考えております」との答弁がありました。

 地域の自治推進に対して一定の御理解はあるのかなと感じますが、区長は中野区の町会・自治会の組織をどのように考えているのか、伺います。

 ことし3月に、区民の町会・自治会活動への参加の促進に関する検討会の報告がまとまりました。最終報告案の説明では、役員の高齢化等による担い手不足、町会・自治会の業務が多いこと、増加したマンションをどのようにするかなどや、ある学識経験者からの総括では、町会・自治会は貴重な組織文化であり、日本の地縁組織の特徴であり、長所でもある。若い世代から町会・自治会を知ってもらえばより活性化していくと思う。また、小学校やPTAとの連携が重要である。若い人は連絡手段がLINEやSNSであるので、まずは参加してきた人とLINEでつながるなどネットワークづくりから始めて、情報が入ってくるような状況にして、緩いつながりを維持することが大事である。教育基本法改正や小学校学習指導要領が改正され、能力を高めようという方針から、コミュニケーション重視、地域の多様な人との交流が重要という機運が芽生えてきている。また、道徳授業の内容が変わり、より体験的なものに変わる予定である。伝統文化に触れる、自然に触れる、地域の人と交わるといったものになる。このチャンスを逃がさずに取り組んでほしい、と記載されております。

 区は、前回の定例会で、検討会で出された課題や成果を各地区町会連合会の場などで町会・自治会と共有を図っていく。検討会が町会・自治会の情報交換の貴重な場となったことから、今後も同様の機会を設けるなど、町会・自治会活動の活性化に向けた取り組みを充実させていきたい、と答えております。

 このことについて、その後どのような取り組みを行ったのか、伺います。

 検討会で行った町会長さんへのアンケート調査によると、町会・自治会の運営上の課題として、1、役員の担い手不足、2、役員の負担が大きい、3、住民の町会・自治会への関心が低いことの三つが上位に挙げられております。そして、最も負担があり、軽減したいと考えているものは、回覧板、掲示板の業務であります。

 区が庁内や関係機関などに調査した結果、平成28年度において町会・自治会に掲示板への掲示依頼は32件、回覧28件でありました。区内町会・自治会が保有する掲示板は1,728基、回覧板は区全体で8,000枚あるということです。1町会100枚を超える回覧板を回している町会が全体の3分の1あり、各町会は、主催行事などの広報周知活動のほかに、区などから依頼される掲示や回覧物の対応に追われて、相当な負担になっていることが容易に想像できます。

 今後、担い手をふやしたり、区民の関心を高めたり、さまざまな取り組みを粘り強く行っていく必要があると考えますが、まずは、今、負担が大きいと言われている部分について、区は速やかに何らかの対策をとるべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 一方で、町会・自治会の掲示板は老朽化しているものも多く、扉がない場合は掲示物が風雨にさらされ、剥がされてしまうことも少なくありません。私の町会でも、風で画びょうごと掲示物が飛んで、近所の方が何度も画びょうで自転車のタイヤがパンクし、町会の経費から修理代を支払ったこともあります。

 そこで、新たに扉つきの掲示板を新設しようとすると約20万円から30万円ほどかかりますが、現在、掲示板の設置に関する区の助成金は上限5万円となっており、なかなか新設できない状況が見られます。この点についてもぜひ積極的に支援すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、町会・自治会館を土地や建物を借用して利用している町会・自治会の多くは、毎月、賃借料を支払っていますが、区などの現行制度では、賃借料に特化した助成はありません。会館を建設したり、区分所有をして整備する際には一定程度の助成制度がありますが、全ての町会・自治会が資金を準備して適切な土地に会館を整備することは難しいことです。

 町会・自治会が安定した活動に取り組むためには、自由に使える会館の整備はぜひとも必要であります。賃借料への支援を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 最後に、中野の交通安全について伺います。

 昨年、平成29年、中野区内における交通事故死傷者数は590人で、このうち子ども、中学生以下の死傷者数は24人で、前年に比べ5人減少したものの、依然としてなくならない状況であります。

 中野署管内では、子どもの登下校時間帯に通行する車両の運転手に安全運転を呼びかける通学路安全運転呼びかけ隊を発足し、活動しております。

 桃園第二小学校、谷戸小学校、桃園小学校、向台小学校、そして先日は中野本郷小学校で結成式が行われ、地域とPTAが参加し、通学の安全を確保しております。

 子どもの安全を守ることは、極めて重要な課題であります。子どもと高齢者の安全な通行の確保と高齢者の交通事故防止の取り組みについてはどのように考えているのか、伺います。

 中野区内は、自転車が関与する事故が多く、自転車関与率は43.8%で、都内平均の33.4%に比べて高い状況であります。このため、歩行者や自転車利用者に対して交通ルール、マナーの周知を図ることが必要です。

 中野区内の中野、野方警察署で、それぞれ年に1回、区の助成金を活用して、スケアードストレート方式による交通安全教室の開催をしております。スタントマンの演技による交通事故再現方式の視覚疑似体験による交通安全教室は、交通事故防止に非常に効果があると言われております。私も第二中学校の校庭でスケアードストレート式による自転車安全講習会でのスタントマンによる事故の再現を目の当りにして、不注意やルール違反の危険性と恐怖を実感いたしました。

 今年度、中野、野方、両交通安全協会さんから、全国交通安全運動期間中に公共広場でのスケアードストレート式の開催費用の助成金の要望がされました。30年度の2回分52万円に加え、公共広場での開催1回分を加えて、31年度は3回分78万円に予算の増額を区としてどのように考えていくのか、伺います。

 平成25年7月に東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が公布され、自転車に関する事業者の義務、努力義務が定められましたが、中野区においても、自転車利用者個人に対して、交通事故防止に関し、同様に条例を制定して、区民の意識改革を図ることが重要と考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 今月の21日から30日までの10日間、秋の交通安全運動が実施されます。この運動は、町会、交通安全協会員などが街頭にテントを設けてボランティア活動の拠点として、中野交通安全協会は40拠点を設置して、野方交通安全協会は18拠点を設置して運動を展開していく予定ですが、テントは、長年使用していることから老朽化も進み、既に一部では更新の必要もあります。同様に、区民に対して交通安全運動実施中であることを広く知らせるための横断幕、懸垂幕なども、長年の風雨により文字が見えなくなったり、破れて使用不能のものもあるようです。また、歩行者の保護誘導活動に従事する町会員、交通安全協会員の安全確保のための反射ベストも大幅に不足していることも聞き及んでおります。このように交通安全活動に伴う設備や整備の助成に対してどのように考えているのか、伺います。

 区民一人ひとりが交通安全に関心を持ち、みんなの力で悲惨な交通事故を防止して、安全で安心して住めるまちづくりをしていかなければならないと思いますので、区の御見解を伺いまして、私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 伊藤議員の質問にお答えいたします。

 まず、平成29年度の決算状況についての中での納税義務者の増加数及びその要因は何かというお尋ねでございます。平成29年度の納税義務者数は19万1,178人となり、平成28年度と比較して4,440人の増加となっております。納税義務者増加の主な要因としては、区の人口増加と景気の緩やかな回復基調による就労環境の改善などを受けたものであると考えております。

 次に、さらなる収納率向上への取り組みについてでございます。収納率向上対策として、平成29年8月に国税のOBである滞納整理専門員を5人配置し、困難案件を中心に財産調査により効果的な滞納処分を行いました。また、現年度分未納者に対する電話、訪問催告の早期着手などに取り組んでいるところでございます。今後は、こうした取り組みに加え、現年度分未納者に対する電話、訪問催告の強化のほか、近年、収納率を上げている区を視察し、取り組み状況の把握、分析を行い、未納者の発生抑制の取り組みにつなげ、収納率向上に取り組んでまいります。

 次に、性質別による歳出決算の状況についてでございます。人件費については、共済組合負担金の増などにより増となっております。扶助費が増加した主な要因は、子ども・子育て支援新制度の取り組みを進め、子育て支援の拡充を図ったことに伴い、児童福祉司が増となったことによるものでございます。公債費については、公共用地先行取得等事業債の繰上償還により増となったものでございます。物件費は、委託料が増となっており、その主な要因は、有害物質の廃棄処理や、野方、都立家政、鷺ノ宮駅周辺のまちづくり検討によるものでございます。いずれにしても、今後も事業執行の効果検証、見直しを常に行い、最少の経費で最大の効果が上げられるよう取り組んでいくことが重要であると考えております。

 今後の歳入状況についてのお尋ねでございます。平成26年度から実施されている法人住民税の一部国税化や、平成30年度から実施されている地方消費税の清算基準の見直しなど、税制改正等によって一般財源が減少するリスクを抱えているところでございます。また、日本の景気動向については、現時点では緩やかな回復基調であるものの、国際間における通商問題の動向が世界経済に与える影響も懸念されているところでありまして、予断を許さない状況であるとの認識を持っております。

 次に、基金計画についてでございます。景気変動に伴う財政の年度間調整機能を担保するため、過去に単年度で50億円近くの一般財源が減収となったことから、2カ年から3カ年の区民サービスを維持するために、少なくとも100億円から150億円の財政調整基金の確保を図っていくことを考えております。また、今後本格化する学校施設の建て替えなど老朽化した公共施設の更新、改修に備えるために、基金への積み立てをふやしていく必要があると考えております。国民生活に必要な財源を縮小させることなく事業を進めるためには、毎年度の剰余金及び基準となる一般財源規模を超えた一般財源を着実に基金に積み立てていく考えでございます。

 次に、持続可能な財政運営についての御質問でございます。地方創生の推進と税源偏在の是正の名のもと、特別区の税源を一方的に奪う不合理な税制改正等の是正を求める要望について、平成30年7月17日に特別区長会会長名で総務大臣に対して行ったところでございます。この税制改正による影響が大きいため、必要な区民サービスや新たな課題への対応などを行うために、既存事業の不断の見直し改善を更に進めていくことが必要であると考えております。

 次に、鍋横区民活動センターの施設整備についての御質問でございます。

 鍋横区民活動センター整備を含む本町四丁目区有地の活用方針については、見直した基本方針を第4回定例会でお示ししていきたいと考えております。施設整備に当たっては、地域要望を踏まえ、多世代交流、地域活性化等に資する地域の拠点となるよう取り組んでまいります。

 次に、町会・自治会の活性化についての御質問になります。

 町会・自治会に対する区長の考え方ということでお尋ねがございました。町会・自治会は、地縁団体として、見守り・支えあいや子育て支援、住みやすく魅力ある地域づくり等に取り組み、安心・安全な区民生活の基礎となる部分をしっかりと担っていただいていると考えております。町会・自治会は、地域活動のネットワークにおける中核的存在として、その重要性は高いため、区としても活性化に向けた支援を行ってまいります。

 町会・自治会の活性化の検討会の結果を受けたその後の区の取り組みについてでございます。区は、検討会からの報告を受け、5月に全町会・自治会長宛て検討会の報告書を送付し、全15の地区町会長会議の場において検討会の報告を行いました。また、検討会を契機として、今年度、中野区町会連合会が新たに町会・自治会の課題解決のためのワークショップを実施し、区民が町会・自治会活動に参加するための事業企画を進めております。区は、より多くの区民が町会・自治会活動に参加するようしっかりと支援、協力してまいります。

 次に、町会役員の負担軽減についての御質問でございます。検討会に先駆けて実施したアンケートにおいて、町会・自治会役員にとって、回覧板、掲示板に関する業務が大きな負担であるとの結果でございました。区では、このことに対応するため、町会・自治会への依頼物を一定時期にまとめて送付するよう取り扱いを統一し、警察署や消防署等の関係機関に対しても同様の要請を行うなど、一定の負担軽減に取り組みました。今後も引き続き有効な対策に向けて検討を進めてまいります。

 次に、町会・自治会の掲示板設置に対する助成金についての御質問でございます。掲示板については、町会・自治会への加入の有無にかかわらず、全ての区民がひとしく地域や行政の情報を得る重要な機会となっており、設置支援の強化を検討してまいります。

 最後に、町会・自治会会館への支援についてでございます。町会・自治会会館は、自治活動の拠点として大きな役割を果たしていると認識しております。今後増大する地域課題の解決に向けて、町会・自治会がより身近に活動するための拠点を確保することは重要でありまして、そのための経費助成策については研究を進めてまいります。

〔経営室長髙橋信一登壇〕

○経営室長(髙橋信一) 私からは、4、中野の交通安全についてお答えいたします。

 交通事故の防止の取り組みについてお答えします。区としては、さまざまな取り組みを通じて、子どもや高齢者の安全な通行確保することが重要であると認識しており、警察や関係団体と協力しながら、小学校における交通安全教室や、児童館、保育園の保護者を対象とした自転車講習会の実施、交差点等での高齢者を対象としたキャンペーン等を積極的に推進してきたところでございます。今後更にこのような取り組みを推進し、子どもや高齢者の交通事故防止に努めてまいりたいと考えます。

 次に、交通安全教室の助成についてお答えいたします。スケアードストレート方式の交通安全教室は、費用面の問題のみならず、開催場所についても警察との協議が必要であり、今後、その点を踏まえながら検討を行ってまいりたいと考えます。

 次に、交通安全利用条例の制定についてでございます。東京都の交通安全利用条例は、自転車の安全で適正な利用のため、行政や自転車利用者、自転車小売店・業者等の各主体に、それぞれ努力義務の規定をする条例でございます。特別区においても、数区が同様の条例を制定しているところについては把握しているところでございます。今後、区として、まず先に警察、関係団体との連携を深めながら、区にとって効果的な自転車交通事故防止対策の検討、推進に努めてまいりたいと考えます。

 次に、交通安全活動の助成についてでございます。交通安全協会への助成については、今年度予算において増額したところでございますが、区民の交通安全活動の振興を図るため、交通安全協会、町会等の関係団体の現状を把握しながら、今後の対応について検討してまいりたいと考えます。

 最後に、安心・安全まちづくりについてでございます。区としては、さまざまな取り組みを通じて区民の交通安全に対する意識を醸成し、交通事故を防止していくことは重要であると認識しているところでございます。今後も区報やホームページでの効果的な広報に努めるとともに、警察や交通安全協会、地域の団体と連携しながら、交通事故防止に向けた啓発活動や各種キャンペーンの実施、交通安全教室の充実を図り、交通事故の減少に努めてまいりたいと考えます。

〔伊藤正信議員登壇〕

○34番(伊藤正信) 鍋横区民活動センターの件で再質問しますけれども、第4回定例会でお示ししたいということでお答えがありましたけども、その具体的なことはありませんでした。

 この鍋横区民活動センターは、ここを利用している区民活動センター運営委員会、6町会の町会長さんをはじめ、利用している団体、また商店街の人だとか、いろんな代表の方、いわゆる区民ですよね、区民の方が結集して、どうやってこの鍋横区民活動センターを描いていこうかということで。その前に南中野の区民活動センターも見ましたし、東部の区民活動センターも見ました。そして、ちょうど6月、5月でしたかね。東中野の区民活動センターも見に行って、すばらしい区民活動センターができたんだなという希望と夢を持って大変期待をしております。

 そこで、たまたま、区民向けの説明会、もう建設するんだと、前向きにやるんだというときに、酒井新区長さんが。たしか6月14日が鍋横区民活動センターで説明会を行って、翌15日が弥生区民活動センターで説明会を行って、ですから、ちょうど酒井新区長さんが就任したときですよね。それでもって方針説明ではあのような形になって。その後、説明会という説明会はないんですけれども、非常に残念でなりません。

 この鍋横区民活動センターは、一時、トイレと電気設備を修繕するという計画が2年前にあったんですね。ところが、建て替えをするんだという計画が持ち上がりまして、たしかあのときは弥生区民活動センターは修繕を行いました。鍋横区民活動センターは我慢してもらって、とりあえず電気だけしたんですけれども、そんな思いもあります。

 34年度には竣工、開設するんだということも明記しておりますけれども、この検討が長引くことによって完成がずれてはいかないのかという心配もありますし、鍋横区民は大変心配しております。その辺もう少し具体的に、区長、お答えいただきたいと思いますが、お願いします。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 伊藤議員の再質問にお答えいたします。

 この間の、鍋横区民活動センターの計画がありまして、途中ストップしていると。この状況については、経緯については、十分存じ上げております。

 すこやか福祉センターの配置の考え方について、やはりもう一度考え直す必要があるということでの判断でございました。地元の方々の不満や御心配ということはよく察しておりますので、なるべくこの計画をおくらすことのないように進めてまいりたいと考えております。

○議長(いでい良輔) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後2時54分休憩

 

午後3時15分開議

○議長(いでい良輔) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 若 林 しげお

 1 区内公園の環境整備について

 2 小中学校の教育課程の3学期制について

 3 IoT技術を活用した安心安全なまちづくりについて

 4 中野区の分煙推進について

 5 旧中野刑務所正門について

 6 その他

 

○議長(いでい良輔) 若林しげお議員。

[1]若林しげお議員登壇

○2番(若林しげお) 平成30年第3回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。

 質問は順番を変え、区内公園の環境整備については最後にいたします。ほかは順番どおり行います。その他はございません。よろしくお願いいたします。

 初めに、小・中学校の教育課程である3学期制についてお伺いいたします。

 3学期制については、我が会派内でも検討し、質問も数回にわたりさせていただいております。私も平成29年第3回定例会の決算特別委員会で総括質疑をさせていただきました。

 開始されてから10年が経過し、当時全国の小・中学校で導入が進んだ2学期制も、東京都では、中野区のほか、墨田区、江東区、目黒区、渋谷区、北区、足立区と羽村市の7区1市だけになりました。その中でも、羽村市は小学校が2学期制で、中学校は3学期制ということであります。

 前回も質問させていただいたとおり、2学期制に変えたことにより20時間から30時間の授業日数を確保したとしていましたが、実際のところは10時間程度の違いだったと伺っております。何より、周囲の多くが3学期制である中、中野の児童・生徒は通知表が2回しかもらえないため、自身の学習状況など、客観的に見つめ、課題を確認し、補う機会が2回しかないということに課題を感じます。

 そこで、日本の風土である四季を感じながら昨今の教育事情も対応していける新たな視点の3学期制に変えるべきと考えます。このことを踏まえ、改めて教育課程検討委員会で3学期制に対する検討を再開していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。10年が経過した今、しっかりと検証し、中野区の新3学期制を構築していただきたいと思います。区の見解をお聞かせください。

 次に、IoT技術を活用した安心安全なまちづくりについてお伺いいたします。

 まず、安心・安全なまちづくり、犯罪防止の抑止力になる防犯カメラ増設を、我が会派からの数回にわたる要望に対し、区内の主要交差点58カ所116台のネットワーク対応型防犯カメラを設置することになったことに対し、感謝申し上げます。さらに、360度の防犯カメラを設置することにより、現時点での予定としていた区内主要交差点が70カ所にふえたとのことでございます。

 そのことを踏まえ、今後の活用についてお伺いいたします。このたびの設置に当たり、ネットワークに接続するカメラの台数をお聞かせください。また、今後どのように順次接続していくのか、スケジュールをお聞かせください。

 IoTの活用による高齢者と子どもたちの見守りにおいて、我が会派から質問、要望させていただいております。平成30年第1回定例会の総括質疑において、区としても、IoT技術を活用した区民の安全・安心を守る取り組みについて、他の事例や技術の発展に注視し、よりよい安全対策の取り組みを構築したいと考えている、との答弁をいただきました。質問をさせていただいてからも、渋谷区や府中市など多くの自治体が実証実験をし、徐々に成果が上げられてきていることと思います。

 我が会派では、ネットワーク対応型防犯カメラとIoTの整備は一体的に進めていくべきと考えており、中野区においても、このたびネットワーク対応型防犯カメラの導入をしたことにより、IoT活用による見守りに一歩前進したものと思っております。

 今までの質問において、さまざまな自治体の事例や、各社の開発事例なども挙げさせていただきました。さらに、IoTの開発は、めまぐるしく進んでおります。現在の検討はどこまで進んでいるのでしょうか。また、どのようなことを想定していくのか、お聞かせください。

 中野区内の防犯カメラを把握し、空白地にこのたびネットワーク対応型防犯カメラを設置し、中野区全体を網羅したことにより、基盤はできました。次のステージである、防犯カメラを起点とし、IoTの整備に取りかかるべきと考えます。IoTを開発している各企業にプレゼンテーションをさせ、その提案内容から中野区に一番合ったものを選ぶべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 次に、中野区の受動喫煙防止のための分煙推進について伺います。

 平成30年7月4日に東京都受動喫煙防止条例が公布され、また、7月25日には望まない受動喫煙の防止を図ることを目的とした改正健康増進法が公布されました。

 東京都受動喫煙防止条例は、屋内での受動喫煙による健康影響を未然に防止し、誰もが快適に過ごせるまちを実現させるため、都独自の新しいルールとして、健康影響を受けやすい子どもや受動喫煙を防ぎにくい立場である従業員の方々を受動喫煙から守ることを対策の柱としています。原則屋内禁煙とし、小・中学校、高等学校、保育園、幼稚園においては屋外への喫煙場所の設置を不可としています。また、喫煙専用室、指定たばこ専用喫煙室設置、従業員のいない飲食店においては、事業者が屋内の全部または一部を喫煙することができる場所として定めることができるとしています。

 また、改正健康増進法では、施設の類型、場所ごとに、主たる利用者の違いや受動喫煙が他人に与える健康影響の程度に応じ、禁煙措置や喫煙場所の特定を行うとともに、掲示義務付けなどの対策を講じており、喫煙規制は都条例とほぼ同じですが、「既存の飲食店のうち経営規模が小さい事業者が運営するものについては、事業継続に配慮し、必要な措置を講ずる」とあります。既存する特定飲食提供施設においては、個人、または資本金、出資金総額が5,000万円以下かつ客席面積が100平方メートル以下の飲食店である中小企業は、標識の掲示により喫煙を可能としています。

 都条例は、改正健康増進法よりも厳しく、この違いが自治体に大きな影響を及ぼすと考えております。改正法で規制される飲食店は客席面積100平方メートル超え、また大企業が開設する既存店舗で全体の45%であるのに対し、都条例の規制される飲食店は、従業員を使用している店舗であり、全体の84%を占めます。特に中野区の飲食店においては大きな影響が予想されると考えられます。

 そんな中、各自治体ではさまざまな取り組みが始まっております。千代田区は、喫煙者と非喫煙者の共生を図ることを目的とし、設置及び管理については、設置場所のオーナーが業者を決め、完成した喫煙所に対し、助成金補助をしています。ほかに、港区、荒川区、世田谷区、練馬区が屋内型喫煙所の設置助成をし、分煙を推進しております。

 東京都は、区が設置運営する公衆喫煙所整備や改修経費に対する10分の10の補助を表明しています。つまり東京都も分煙を推進していると言えます。民間事業者に対する助成分では、国は飲食店などを対象として喫煙所の設置に対する受動喫煙防止対策助成を行っています。東京都でも外国人旅行客受け入れに積極的な飲食店に対する喫煙室設置経費の補助制度があります。他区の事例も見ながら、民間事業者の喫煙場所の設置に対し助成を開始してはいかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。

 また、東京都の屋内外公衆喫煙所の設置補助を十分に活用し、商店街の空き店舗などを活用して喫煙所整備を新たに展開してみてはいかがでしょうか。中野区の駅周辺全てを路上喫煙禁止地区に指定すべきと提案してまいりました。これを更に進めていただくためにも、喫煙者と非喫煙者の共生を図る観点から、駅周辺で喫煙場所をしっかりと確保していく。設置が不可能であれば、商店街の空き店舗を活用して喫煙所を設置することが有効な手段と考えます。区の見解をお聞かせください。

 さきの8月31日の建設委員会において、東中野駅喫煙所設置を、無期限ではなく、設置時期は未定との口頭報告がありました。地元の方々が反対の声を上げていることということですが、サイレントマジョリティーも存在をいたします。区内たばこ業者さんとの美化活動の際にも、喫煙所はどこですかと頻繁に聞かれております。ぜひそんな声も聞いていただきたいと思っております。

 我々は、喫煙所をしっかり設置した上で、駅周辺路上喫煙を禁止すべきと考えております。受動喫煙防止のための分煙推進を、喫煙者、非喫煙者の共生を図るために、東中野駅喫煙所の設置の再開を求めますが、区の見解をお聞かせください。

 以前から質問させていただいております加熱式たばこにおいては、区として、受動喫煙による健康影響等について、科学的知見の蓄積を行うとするものに対し、東京都は、指定たばことし、今後国から示される基準に準ずるとしているものの、指定たばこのみ吸うことができる部屋を施設の一部に設置することができ、室内で飲食も可能としています。

 加熱式たばこの喫煙所確保も進めていきたいと考えております。喫煙場所がかなわない場所に加熱式たばこなら設置ができる場所があると考えます。中野駅北口ガード下の喫煙場所は、2割から3割が加熱式たばこの方々です。ピーク時は外にあふれている状況であります。その解消のためにも、喫煙所横のよくブルーシートがかぶさり不法投棄がしてある場所になりますが、加熱式たばこの専用の喫煙所として、植栽を囲むようなスペースを設置することはいかがでしょうか。

 どこの自治体よりも先駆けて分煙をさまざまな形で進めていくべきと考えます。区の見解をお聞かせください。

 次に、旧中野刑務所正門についてお伺いします。

 旧中野刑務所は、大正4年に建設されました。名称も豊多摩監獄から豊多摩刑務所と変更され、その後、戦後、米軍に接収されていましたが、昭和32年に返還され、そのときから中野刑務所という名称になりました。昭和58年に閉鎖されましたが、閉鎖後の敷地は、平和の森公園、東京都下水処理場、法務省矯正管区となり、旧中野刑務所正門は、建築家後藤慶二の現存する唯一の作品として法務省矯正管区敷地内に保存されたという経緯があります。

 このたび、時間が少しかかりましたが、法務省矯正管区の移転に伴い、平和の森小学校の移転用地として取得が予定をされております。今後、旧中野刑務所正門の取り扱いについて、保存すべきという意見や要望が出ていると聞いております。また、小学校の教育環境情上の観点から、正門を現地に保存することに反対している声も聞いているところです。教育施設となる場所について、教育委員会との話、また協議を行うべき担当部局ときちんと話しているか不安でありますが、まず、二分する意見に対し、区としてどのような判断をし、区の考えをまとめていくつもりなのか、見解をお聞かせください。

 去る9月3日の厚生委員会で、旧中野刑務所正門のあり方に係る意見聴取の実施についての報告がありました。意見聴取の際に、調査にはどのくらいの予算がかかるのか、現地保存にしたらどのくらいかかるのか、移築の際は、またその財源はどのように予定しているのか、はっきりと予算額を皆さんに掲示した上で意見聴取をしていただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 平和の森小学校の移転に際し、平成30年第1回定例会の総括質疑において、我が会派の北原議員が、旧中野刑務所正門を残すとなると、新校舎整備に支障が出る可能性や、未来を担う子どもたちに良好な教育環境を提供できないのではという質問に対し、建築基準法上、新校舎施設整備計画などへの制約が大きくなることから、新校舎整備に当たっては、当該門を学校敷地内に残すことはないとの答弁をいただいております。にもかかわらず、学識経験者への意見聴取後に、意見交換会、区民と区長のタウンミーティングで広く意見聴取をし、区としての方針を決定するとしています。今後、平和の森小学校の学校運営にも大きく影響する課題について、議会での議論を経ずに方針をまとめていく考えなのでしょうか。議会の声は区民の声でもあります。区の見解をお聞かせください。

 また、学校の整備は区長の役割でありますが、学校教育を担うのは教育委員会であり学校です。教育委員会、または平和の森小学校の保護者の意見も十分踏まえる必要があると考えます。そうした意見聴取はどのように考えているのか、お聞かせください。

 中野区立小学校施設整備計画では、平和の森小学校の法務省矯正管区跡地での移転及び供用開始を平成35年としています。旧中野刑務所の取り扱いの方針によっては、平和の森小学校新校舎整備が遅れる可能性があると思いますが、区の見解をお聞かせください。

 旧中野刑務所正門を記録保存する方法の一つとして、デジタルアーカイブがあると思います。デジタル化して保存することにより、歴史民俗資料館などに文化資源等の公開や、ネットワーク等を通じた利用も容易になります。また、VR、つまりバーチャルリアリティーの技術を利用し、3次元空間で公開することも可能だと思います。電子媒体は、経年劣化がなく、永久に保存することが可能である上、知のインフラとしてインターネットによって世界公開をすることも可能になります。検討してみてはいかがでしょうか。区の見解をお伺いいたします。

 時間の都合上、今回、区内の公園環境整備についてお伺いするのは今度ということにさせていただきます。御協力いただいた理事者の方々、ありがとうございました。

 以上で私の質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 若林議員の御質問にお答えします。私からは、IoT技術を活用した安心安全なまちづくりについての御質問についてお答えいたします。

 まず最初に、ネットワーク化防犯カメラの拡充のスケジュールについての御質問でございました。現時点では5台程度の交差点防犯カメラについて、試験的にネットワークに接続して運用開始する予定としております。今後は、運用開始するネットワーク防犯カメラと外部記録媒体で画像記録を行う防犯カメラの運用状況等の検証を行い、運用面におけるネットワーク化の優位性が認められれば、順次ネットワーク化を進めていく予定でございます。

 次に、IoTを活用した見守り事業の検討状況等についてでございます。区としては、これまでIoT技術の進展に注視しながら、他の自治体での実証実験結果の確認や、事業者からの事業提案を受けてきたところでございます。高齢者と子どもは、それぞれ行動範囲が異なっており、その点を踏まえ、見守り区域を区内とするのか区内外とするのかという検討が必要となることからもわかるように、見守り対象によって事業推進の方向性は大きく異なってくるものと認識しております。本年度より日本の準天頂衛星システムが強化され、今後、高精度で安定した衛星測位システムを利用したサービスが提供されることについても視野に入れながら、区として優先的に推進していくべき見守り事業のあり方について慎重に検討を行い、事業推進の方向性を定めてまいりたいと考えております。

 最後に、防犯カメラを起点としたIoT整備の推進についてでございます。防犯カメラを起点としてIoT技術を活用した安全・安心なまちづくり事業を推進することは、一つの考えであると認識しております。今後、高精度で安定した衛星測位システムを利用したサービスが提供されることに代表されるように、さまざまな技術の進展や各企業の事業展開に注視しながら、中野区の実態に即した技術を活用した安全・安心まちづくり事業の推進に努めてまいります。

〔教育委員会事務局次長戸辺眞登壇〕

○教育委員会事務局次長(戸辺眞) 私からは、小中学校の教育課程の3学期制についての御質問にお答えいたします。

 学期制につきましては、平成27年度に教員及び保護者にアンケート調査を実施し、平成28年度には学期制について検討する委員会を設置し、1年間をかけて検討したところでございます。平成29年度からは新たに区のさまざまな教育課題について協議、検討する委員会を設置し、教員の働き方改革、特別支援教室のあり方等、検討を進めているところでございます。

 2学期制につきましては、実施から10年が経過するとともに、平成28年度における検証から2年が経過し、学校や子どもを取り巻く状況も変化してきております。2学期制のメリット、デメリットについてさまざまな視点から十分検証、分析し、それらを踏まえて今後の学期制のあり方について検討を進めてまいります。

 続いて、旧中野刑務所正門についての御質問のうち、平和の森小学校新校整備についてお答えいたします。

 平和の森小学校新校整備につきましては、今年度、法務省矯正研修所東京支所跡地の取得を前提に、新校舎の配置案や整備スケジュールを含む基本構想・基本計画を取りまとめることとしてございます。平成31年度から平成32年度にかけて新校舎の基本設計、実施設計を行い、平成33年度から平成34年度にかけて新校舎建設工事を行っていく予定となっております。また、新校舎の供用開始は平成35年度を予定してございます。

 現在の平和の森小学校におきましては、児童数及び学級数が増加しており、普通教室の不足や児童数に対して十分な校庭面積を確保できないなどの課題があるため、早期に新校舎を整備することが求められております。こうしたことから、現在の計画どおり新校舎の施設整備を進めていく考えでございます。

〔健康福祉部長小田史子登壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 私からは、中野区の分煙推進についてと旧中野刑務所正門についての御質問にお答えいたします。

 初めに、中野区の分煙推進についての御質問でございます。

 民間事業者が設置する喫煙所に対する助成についてでございますが、民間事業者に対しましては、国による飲食店等の中小事業主に対する喫煙室設置助成や、都の分煙環境整備に取り組む飲食店に対する喫煙室設置補助制度の活用を促しまして、周知に努めてまいりたいと考えております。また、喫煙所設置に対する助成につきましては、他区の状況や設置助成による効果などにつきまして研究をしてまいりたいと考えております。

 次に、商店街におけます喫煙所の設置についての御質問でございます。屋内公衆喫煙所の設置は、受動喫煙防止対策の一つでございますが、隣接店舗や商店街を利用する区民の方への影響が懸念されるところでございます。区といたしましては、商店街に公衆喫煙所を設置する予定というものはございませんが、各商店街に対しまして、飲食店の喫煙室設置に関する国や都の基準や助成制度などの情報提供に努めていきたいというふうに考えております。

 続きまして、旧中野刑務所正門についてでございます。

 相反する御意見があった場合の区の考えのまとめ方でございますが、旧中野刑務所正門の扱いにつきましては、区民や区議会、また関係者の皆様の御意見、費用及び文化財としての価値などを総合的に勘案いたしまして判断をしていきたいというふうに考えております。

 意見聴取に当たっての予算額の提示でございます。現在は用地取得前でございますので、外観から推計した見積もりではございますけれども、現地保存、移設等に係る費用、また財源につきましてお示しをした上で意見聴取を行うことを考えております。

 また、区議会での御議論の件でございます。今定例会の常任委員会におきまして、費用の概算や学識経験者からの意見聴取の概要などにつきまして御説明を行いまして、御意見をいただくことを考えております。

 平和の森小学校の保護者の方への意見聴取の御質問でございます。平和の森小学校の保護者の方に対しましては、学校を通じまして意見交換会のお知らせをお配りしているところでございます。また、当日意見交換会に御出席できない保護者や区民の皆様につきましては、メールや郵送、ファクスなどで御意見をいただくことを考えております。

 それと最後に、電子媒体によります保存と情報発信の御質問でございます。VRなどによります電子媒体による保存は、情報発信の手段として有効だと考えておりまして、電子媒体を活用した情報発信につきましても検討してまいります。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 中野区の分煙推進のうち、まず、東中野駅喫煙所の設置につきまして答弁いたします。東中野駅西口の区指定喫煙所につきましては、引き続き検討してまいります。

 それから、加熱式たばこの喫煙場所確保についてでございます。加熱式たばこにつきましては、民間の設置しております屋内密閉型の専用スペースの設置例は確認をしてございますが、屋外での設置についてはイベント等などでの一時的な事例が確認できたところでございます。今後も加熱式たばこにつきまして国や都の動向を注視するとともに、専用スペースについては調査等を続けてまいります。

[2]若林しげお議員登壇

○2番(若林しげお) 再質問をさせていただきます。

 先ほど東中野駅喫煙所設置についての質問に御答弁で検討していくとありましたが、検討していくというのを、ちょっとこの答弁では納得いかないんですが、どうしていくのか、はっきりとお答えいただければと思いますが、再質問とさせていただきます。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 再質問にお答えいたします。

 東中野駅の区指定喫煙所につきましては、引き続き設置を検討していきたいということでございます。

○議長(いでい良輔) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 生活保護について

 2 清掃事業について

 3 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○40番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑をいたします。

 この夏は、局地的な集中豪雨、台風と大地震、そして全国的な猛暑でした。岐阜市の病院では、冷房が故障し、熱中症が原因と思われる患者5人の死亡事故が発生しました。高齢者や病弱な方だけではなく、屋外の労働者の熱中症対策も忘れてはならないことです。そこで、生活保護のあり方についてお尋ねをいたします。

 ことし6月、生活保護法による保護の実施要領についての一部改正がなされ、最低生活費の認定に熱中症予防のための冷房器具の購入に要する経費5万円が認められました。昨今の気象状況を鑑み、生活に必要不可欠な家具什器費に冷房器具が加えられたのは当然のことと思います。

 ところが、エアコンつきのアパートにお住まいの保護受給者の部屋のエアコンが故障し、冷房なしで猛暑の夏を過ごされた方がいらしたことを知りました。この方は外出もままならないということで、一日中暑い部屋で生活を送られたようです。御本人は、不動産屋さんとかかわりたくないとの理由で、不動産屋さんに修理を依頼しなかったそうです。ケースワーカーは、その事情もエアコンの故障も知っていたにもかかわらず、御本人の意向を尊重し、いまだに修理せず故障中です。幸い今のところ熱中症にならずに事なきを得ているようですが、御本人がどう言おうとも、命にかかわる問題はケースワーカーが知った時点で直ちに対応するべきだったのではないでしょうか。この事例を踏まえ、命を優先するケースワークとなるよう努力するべきと考えますが、いかがお考えでしょうか、お答えください。

 中野区では、65歳以上の安定している高齢者保護世帯のケースワークの補助的業務をNPO法人に委託しています。ある高齢保護受給者がアパートの建て替えに伴い期日を決められ退去せざるを得なくなり転居先を探しましたが、そう簡単には見つかりませんでした。貸す側は、病死のリスクの高いひとり暮らしの高齢者に貸したくないというのが根底にあるようです。本来であれば、ケースワーカーが大家さんに高齢者の住まい探しの大変さを説明し、理解を求め、退去期日の延長を求めるべきでしたが、委託のケースワーカーは、期日までに転居できなければ一時保護施設に入ることになるとおどかし、本人が気に入っていないにもかかわらずケースワーカーが見つけたアパートの契約を迫りました。

 高齢のこの受給者は、ケースワーカーによるパワハラで疲れ果て、聴力が低下してしまいました。今後の転居は更に難しくなる中で、さらに、ひとり世帯の住宅扶助5万3,700円という制約の中で慎重に部屋を探すのは当然のことです。その後、弁護士により大家さんから立ち退き期日延長の了解を得ることができ、住宅政策分野の住み替え住宅の情報提供を利用し、気に入ったアパートに転居することができました。

 高齢受給者の多くが築年数が経過した木造のアパートに暮らしています。今後、建て替えに伴う転居の増加が予測できます。高齢者はお断りとする物件が多く、高齢世帯の物件探しは時間を要します。家で過ごす時間が長くなる高齢者が少しでも快適に暮らせる住宅を探せるよう、高齢受給者に寄り添った親切な支援が必要です。この事例を踏まえ、住宅政策分野との連携を強化するとともに、委託ケースワーカーの質の向上を目指す取り組みを求めます。いかがお考えでしょうか、お答えください。

 2013年第4回定例会でも質疑いたしました社会福祉主事資格について再度お尋ねいたします。

 当時の答弁は、資格はあるべきだが、国や都の研修に出ており、実務上支障は出ていないとのことでした。しかし、御紹介した二つの事例や年に一度実施される都や国の生活保護法施行事務にかかわる指導検査の指摘事項を見ても、支障があることは明らかです。

 社会福祉法第15条には、指導監督を行う所員、現業を行う所員は社会福祉主事でなければならないと規定されています。指導監督を行う所員とは、査察指導員のことで、係長です。また、現業を行う所員とは、いわゆるケースワーカーのことです。しかし、罰則規定がないため、社会福祉法が遵守されていません。国も都も自治体に社会福祉主事資格のある人の採用、資格のない職員には資格取得をするように指導をしていますが、中野区における資格保有者は、査察指導員12人中7人で58.3%、ケースワーカーは68人中46人で67.6%です。社会福祉法遵守を目指し、サポート体制を組み、通信教育受講費を支給し、資格取得を後押ししている自治体もあります。

 ケースワーカーは、さまざまな困難ケースを抱え、心身ともに病んでしまう場合も少なからずあります。社会福祉主事の資格取得のための勉強で身につけた知識は、職員自身を助け、なおかつ質の高い適切なケースワークにつながります。中野区でもエキスパート職員育成支援制度を活用し、資格取得費用の一部を助成していますが、過去においてこの制度を活用して資格取得はたったの1人でした。激務の中、帰宅後に勉強する時間をとるのは難儀なことだとは思いますが、社会福祉法遵守と質の高い適切なケースワークを目指し、区はサポート体制を整え、社会福祉主事資格取得に積極的に取り組むべきではないでしょうか、見解をお答えください。

 今、ケースワーカーの仕事を描いたテレビドラマが話題となっています。主人公は、猛暑の中、自転車で走り回っています。実際は公共交通を使うこともあるようですが、自転車での訪問は大変な労働です。使用者である中野区の安全配慮義務の観点からも、猛暑対策を講じることを求め、次の質問に移ります。

 清掃事業についてお尋ねいたします。

 ごみの収集運搬事業は、日曜日や年末年始の4日間の休日以外は、雨の日も、雪の日も、そして夏の酷暑の日も外での労働です。夏の高温多湿に加え、清掃車の排気ガスの熱風を浴びながら走り、灼熱地獄での過酷な労働と言えます。なおかつ、新規採用がないため、職員の平均年齢は上がるばかりです。今夏の酷暑の中で清掃事務所での熱中症の発生状況はいかがだったのでしょうか。また、救急車の出動件数があればお答えください。

 暑さ対策として、清掃事務所に冷凍庫、冷却グッズ、塩あめが支給されているようですが、不十分です。また、国が定めた労働安全衛生規則第617条では、「事業者は、多量の発汗を伴う作業場においては、労働者に与えるために、塩及び飲料水を備えなければならない」と規定しています。屋外での収集作業中に安全衛生上必要な飲料水を用意するのは区の責務です。来夏に向けて、熱中症予防対策として、飲料水を備え、人的手だてや清掃車のマフラーの方向改良など、暑さ対策の充実を求めます。区の見解をお答えください。

 また、弥生町六丁目にある清掃事務所車庫を、直営車だけではなく、区外から来る雇上車32台も使用してよいことになっていますが、現実的にはスペースに無理があります。その上、運転手さんが休める涼しい部屋はありません。さらに、車庫は南部に所在するため、効率面から雇上車は路上に駐車し、東京都の条例を守り、エンジンを停止した状態で車両の中で50度を超える状態で休憩する車もあるやと聞いております。公共サービスに従事する労働者の状況を把握するのは自治体の責務です。区は、雇上車の実態調査を行い、中野区の清掃事業をともに担う労働者として何らかの対応策を雇上会社に協力し検討するべきと考えます。区の見解をお答えください。

 他の分野でも、猛暑の中、屋外での職務があります。職員数に余裕のない状況で職員が倒れては、区民サービスが低下します。来夏に向け、誠意ある答弁を求め、質問を終わります。

健康福祉部長小田史子

壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 生活保護に関します御質問にお答えいたします。

 命を守るケースワークというようなことで御質問がございました。当該案件の不動産屋との交渉につきましては、御本人の意向を尊重しながら対応してきたところでございます。ケースワーカーは、生活状況を把握しまして、必要に応じて関係機関と連携を図りまして、適切な支援を行っております。援助が難しい援助困難事例につきましては、査察指導員会議でケース検討も行っておりまして、ケースワーク業務に生かしているところでございます。ケースワーク業務につきましては、区としてできることに限界というものはございますけれども、可能な限り個別の事情に応じました適切な支援を行うよう努めてまいります。

 住宅政策分野との連携についての御質問でございます。当該事案につきましては、中野区高齢者ケースワーク専門員が御本人に付き添いまして不動産屋めぐりや物件探しの支援を行っておりましたが、御本人の希望に沿うような物件がなかなか見つからずに、転居先が決まらなかったというような事情がございます。転居先を探している方が必要とする物件の情報が得られるように、必要に応じまして住宅政策分野とは連携をしているところでございます。

 委託事業者に関しましては、定期的な連絡会を通じまして、引き続き質の高い業務ができるように改善してまいります。

 ケースワーカーの社会福祉主事の資格の御質問でございます。先ほど御質問の中にもありましたが、生活援護分野のケースワーカー68人のうち46名、約7割の者が社会福祉主事の任用資格を持ってございます。都の専門研修や職場内研修などの機会を活用いたしまして、ケースワークに求められる知識、技術の取得を図っておりますが、社会福祉主事など福祉関連の資格取得につきましても、ケースワーカーには啓発を行っているところでございます。区から経費助成のあるエキスパート職員認定制度を推奨いたしますほか、その他のサポート制度につきましては今後研究してまいりたいと考えております。

環境部長白土純

壇〕

○環境部長(白土純) 私からは、清掃事業における熱中症の実態と対策についての御質問にお答えいたします。

 現場作業により熱中症または熱中症の疑いで体調不良を訴えた職員は5名おり、そのうち4名の職員が救急搬送されました。この結果を踏まえまして、来年度に向けては、これまで行ってきた体を冷やすための冷却材や塩タブレット等の配布、水分補給や体調管理の周知徹底などの対策を継続するとともに、産業医の助言や他自治体での取り組みなどのさまざまな情報を収集しながら、より有効な対策を検討してまいります。

 雇上車の運転手に対する熱中症の予防対策につきましては、本来、雇上会社が事業者の責任として行うべきものではございますが、区としても実態の把握に努め、雇上会社に対してどのような協力ができるか研究してまいります。

〔むとう有子議員登壇〕

○40番(むとう有子) 1点再質問をさせていただきます。

 熱中症予防対策として、清掃の職員に対して、来夏に向けて、先ほど言いました、国の規則をもとにしまして、飲料水の備えとか、人的手だてや、清掃車のマフラーの方向改良などというこの3点、具体的に来夏に向けてやっていただけるのかどうなのか、明らかにしていただきたいと思います。お答えください。

環境部長白土純

壇〕

○環境部長(白土純) むとう議員の再質問にお答えいたします。

 来夏に向けての検討ですけれども、今後、有効な対策を検討してまいります。水分の備え、これについてはしていきたいと思ってございますが、人的対応につきましては、今後検討してまいります。それから、清掃車のマフラーでございますけれども、これについては、23区で共通の仕様ということで、なかなか困難であるというふうに考えてございます。

○議長(いでい良輔) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近藤 さえ子

 1 区有施設の有効活用について

  (1)区有施設の整備計画について

  (2)清掃事務所リサイクル展示室の活用について

  (3)スポーツ・コミュニティプラザについて

  (4)その他

 2 地域包括ケアシステムの推進について

 3 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、近藤さえ子議員。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○39番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。

 区有施設の有効活用について伺います。

 区有施設の整備計画について。

 区は、平成26年9月、「持続可能な施設運営のために」を副題とした中野区施設白書を出しました。区有施設を、長期的な視点を持ち、総合的、計画的な管理を実現していくとしています。建物と橋梁等インフラ施設を含めた区有施設全体の更新経費の総額は今後40年で合計2,641億円となり、年単位に換算すると1年に平均66億円が必要となるという試算結果も出しました。また、平成29年3月に出された中野区公共施設総合管理計画建物編では、区有施設管理の基本的な考え方を示し、区が提供している施設のサービスのうち、民間によるサービス提供が可能なものについては、区有施設を廃止し、民間に移行する、区有施設の民営化を進める。また、区が提供する施設サービスについて、長中期の計画を立案するに当たっては、将来的なサービス需要をはじめ、サービスの供給量、提供手法等を精査し、同種施設の集約化を検討する等の基本的な方針を示しました。

 このように、区は既存の区有施設を維持管理していくことが財政面で厳しいことを認識し、計画的な民間活力の活用を推進してきました。しかし、賃貸契約を結んだタイケン学園と裁判沙汰になってしまった桃丘小学校の跡地、また、環境問題に取り組む区民から活動の場を奪い、区民の消費者運動、環境運動の機会を低下させてまで貸し出した環境リサイクルプラザの跡地の温暖化対策推進オフィス、どれも期待した成果が出なかったのみならず、結果として、裁判費用等、払う必要のなかった費用を負担することになり、区民の活動の機会も区に対する信頼も失ってきました。これは民間活力を活用することばかりにとらわれてしまい、まず考えるべきである区民にとって必要なのはどのような施設なのかの観点がまるで欠けていた結果であると思います。

 また、昨年は、補正予算を組み、緊急待機児童対策として、2年間限定の保育施設7園中6園に対して20億円以上のプレハブリース代を投じました。しかし、2年間という限定期間の4分の1が過ぎようとする現在、全ての保育園が定員に満たない状況であると聞いております。先日の同僚議員の質問に対する答弁ですと、42人定員中4人しか入園していない保育園もあると伺います。驚くばかりです。財政的に厳しいと言いながら、これまでの中野区の施設整備は、その計画性のなさ、強引な手法がさまざまなところで見られ、区民の不評を買ってきました。酒井区長の区民の声を聞く姿勢は評価しますが、区民それぞれが必要だと思う施設は同じではありません。違う意見を持つ区民の声を集約し、今後の区有施設整備計画づくりに生かすことは難題だと思いますが、今後の区有施設整備計画づくりはどのような手順で制定していくのでしょうか。また、区民の意見を聞く際、区民が適切に施策を理解し判断するためにも、財政的な根拠を示した上での議論が必要であると思いますが、御見解を伺います。

 次に、リサイクル展示室の活用について伺います。

 以前、他の議員からもリサイクル展示室の有効活用について提案はありました。現在、リサイクル展示場の1階は古着がほとんどの場所を占めています。古着以外には、粗大ごみで出てきた家具もきれいになって並んでいます。本棚もあり、古本も並んでいます。受付にはシルバー人材センターから派遣された2人の男性が座っていました。私が室内に入ると挨拶をされ、来館者1、1人来たというカウントをしていました。衣料は、背広、ズボン、シャツ等のように種類ごとに分類されていましたが、決して見やすいという状態とは言えません。室内には1人月2点までと張り紙がされています。大量な古着があり並べ切れない在庫が室内に積み上げられているのに、なぜ1人2点までなのかと不思議に思いました。

 しかし、何より、新井薬師前駅から近く、バスで中野に出るにも便利なロケーションのビルの1階の使い方としては大変もったいないと感じました。2階はごみゼロ推進分野の執務室となっていましたが、ごみゼロに取り組んでいる様子は全く感じられませんでした。区があっせんしている大きな機械式のコンポストが何台か使われていない扇風機や荷物と一緒に置かれていて、区民にあっせんしている商品であるとはとても思えなく、物置のようでした。好立地の施設は、区民が来て、2点の古着がもらえて、もしかしたら掘り出し物の家具が手に入るかもしれない場所、それ以外に何も活用されていない場所となっていました。ほかにフリーマーケットを定期的に行っているとは聞いていますが、ごみ減量リサイクル推進のために建物をもっと有効に活用することはできないでしょうか。

 リサイクルプラザ廃止以後、環境団体の方は活動の場所を失いました。一部区民活動センターを予約しながら活動している団体もありますが、以前のように環境団体は活発な行動が行えなくなっています。ごみ減量や本格的な資源循環型の社会を構築するためには、区民が当事者として主体的に取り組む環境が不可欠であり、そのためには、区民がリサイクル活動等公益活動に取り組む場と、それをフォローしてリードする行政の支援が必要であると考えます。リサイクル展示場をごみ減量リサイクル推進に寄与する公益活動の情報発信基地や活動者のコミュニティ空間として使ってはいかがでしょうか。

 次にスポーツ・コミュニティプラザについて伺います。

 区は、区内4カ所に区民が運営する地域スポーツクラブをつくる計画を立て、平成24年3月に1館目の地域スポーツクラブ──現在の名称、中部スポーツ・コミュニティプラザをオープンしました。地域スポーツクラブの目的は、地域住民が自発的に集い、身近な場所を拠点としてスポーツに親しむことで、地域のコミュニティを推進し、健康、生きがいづくり、活気ある長寿社会を目標とするものでした。

 当初、中部地域スポーツクラブは、区民のクラブマネジャーを置き、講座、教室の企画も区民が行い、講師も地域の区民が務めるなど、地域に密着したスポーツクラブでした。しかし、試行期間を経て区民主体のスポーツクラブとしてやっと軌道に乗ったころ、名前をスポーツ・コミュニティプラザに改め、今年度からは、指定管理者制度を使い、TACグループに運営を委託しました。2館目となる中野富士見中学校跡地につくられた南部スポーツ・コミュニティプラザも、同じTACグループが指定管理者として運営しています。そして、来春には、鷺宮体育館が鷺宮スポーツ・コミュニティプラザと名前を改め、3館目のスポーツ・コミュニティプラザとなります。現在、鷺宮体育館を運営している指定管理業者との指定管理の契約の期間は平成33年3月までですので、このまま3館目のスポーツ・コミュニティプラザもTACグループの運営で事業が行われていくと考えられます。

 そもそも地域住民がみずから主体となり地域の人が気軽にスポーツに楽しむための地域スポーツ施設を目指すはずが、同じ指定管理者が運営するスポーツ・コミュニティプラザが区に3館できることになりました。中部スポーツ・コミュニティプラザを利用している区民からは、TACグループになってから中野体育館──ここもTACグループの運営です。中野体育館で行っているのと同じメニューが中部スポーツ・コミュニティプラザでも行われていて、稼働率も低いのではないかという声も聞きます。

 基本計画では、今後、沼袋小学校跡地にも4カ所目となる(仮称)北部スポーツ・コミュニティプラザの開設を予定していますが、沼袋小学校跡地は、新しくつくられる体育館からも、平和の森公園に近接しています。民間が運営する同じようなスポーツ施設をわざわざ中野区が整備し、維持し続ける必要性も余裕もないと感じますが、いかがでしょうか。御見解を伺います。

 区の基本計画を再検討するということですが、その際には沼袋小学校跡地の土地の活用を再考していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 スポーツ・コミュニティプラザのホームページを見ても、どのような講座があるかとてもわかりにくく、たくさんの方に利用していただきたいという思いは伝わってきません。また、指定管理者の方々が使える事務所や部屋はありますが、区民のスポーツ用具を置ける場所はありません。高齢でも地域で気軽に健康づくりに取り組めることを目的としたスポーツ施設でありながら、高齢者は荷物が重くて気軽に通えない等の声も聞こえてきます。例えばスポーツ吹き矢など、的もスタンドも一々持ってこなければならず、使い勝手がよくありません。幅広い世代の区民が使えるような施設になるように工夫をしていただきたいと思いますけれど、御見解をお聞かせください。

 時間の関係で、地域包括ケアシステムの推進についてはまたの機会にさせていただきます。すみません。その他はございません。

 ご清聴ありがとうございました。

〔政策室長朝井めぐみ登壇〕

○政策室長(朝井めぐみ) 近藤委員の御質問にお答えいたします。

 私からは、施設整備について、区民の御意見を聞く手順などについての御質問でございました。

 区は、施設整備や配置の検討に先立ち、今年度中に施設白書を改定し、施設の現況や将来の更新経費を明らかにしたいと考えております。

 今後の施設整備や配置につきましては、基本計画などにおきまして、区民の声を反映させ、方向性を定めることを基本と考えております。

 個々の施設を整備する際には、想定される整備費等につきましてお示しをした上で、議論や検討を進めていきたいと考えております。

環境部長白土純

壇〕

○環境部長(白土純) 私からは、区有施設の有効活用についての御質問のうち、リサイクル展示室の活用についての御質問にお答えをいたします。

 平成6年度の施設開設時から行っておりますリサイクル展示室でのリサイクル可能な物品の展示及び提供は、ごみ減量リサイクル推進の重要な取り組みの一つであると考えております。

 資源循環型社会を構築するためには、ごみ減量リサイクル活動を行う団体への支援や連携も重要であると考えておりますが、スペースの問題から、リサイクル展示室を活動団体の情報発信や活動の拠点として提供することは困難であるというふうに考えております。

 ごみ減量リサイクル活動を行う団体への支援につきましては、団体の活動を紹介するコーナーを設けるなどの方法を検討してまいります。

健康福祉部長小田史子

壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 区有施設の有効活用についての中の(仮称)北部スポーツ・コミュニティプラザの整備見直しについての御質問にお答えいたします。スポーツ・コミュニティプラザは、スポーツや運動活動を通じた地域の交流拠点として整備をするために、平和の森公園に整備をいたします新体育館とは施設の性格がちょっと異なるものであるというところはございます。沼袋小学校跡地に開設を予定しております(仮称)北部スポーツ・コミュニティプラザの位置は、新体育館に近接していることもございますので、新たな施設の設置につきましては、新体育館の利用状況や関係者等の御意見も勘案しながら、今後検討していきたいというふうに考えてございます。

 スポーツ・コミュニティプラザの区民に使いやすい工夫についての御質問でございます。利用者の私物の形状や大きさなどによりまして、預かることの判断が公平性の観点──また、保管するスペースを十分に確保するということが難しいということから、公共施設であるスポーツ・コミュニティプラザで私物を預かるということは、施設管理上、望ましくないというふうに考えております。スポーツ・コミュニティプラザで実施いたします講座や教室などの効果的な周知方法ですとか、また利用者に配慮いたしました施設環境につきましては、今後検討してまいります。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○39番(近藤さえ子) 再質問させていただきます。

 リサイクル展示室を情報発信の基地にするのがなぜ困難であるかというところの部分がちょっとわからなかったんですけれども。やはり区民が主体となって当事者としてやっていかなければ──本格的なごみ減量や循環型社会の構築をするためには、当事者意識というのが一番大事だと思うんですけれど、もう一度教えてください。

環境部長白土純

壇〕

○環境部長(白土純) 近藤議員の再質問にお答えいたします。

 リサイクル展示室でございますけれども、リサイクル可能な物品の展示及び提供を行ってございます。スペースの問題もございまして、特定の団体の情報発信であるとか活動の拠点としてお使いいただくというのは困難であるという意味でございます。

○議長(いでい良輔) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 防災について

  (1)災害に強いまちづくりについて

  (2)障がい者等への支援について

  (3)その他

 2 今後建設される施設の防災とユニバーサルデザインについて

 3 持続可能な福祉・介護・子育て支援と行政の改革について

 4 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○29番(石坂わたる) 質問いたします。

 まず1番目に、防災についてです。

 (1)として、災害に強いまちづくりについて伺います。

 国の都市防災不燃化促進地区や都の不燃化特区指定地域など木造密集地域では、震災等に備えて、燃えにくく、耐震性のある建築物への建て替え促進が望まれます。区長は、木造住宅の耐震補強も導入するとしていますが、不燃建築物の建て替え促進と木造住宅の耐震助成との関係についていかがお考えでしょうか。

 また、耐震、防火のための古い建築物の建て替えについて、セットバックや建ぺい率の規制による建物面積の減少や建て替え費用の問題から、二の足を踏む例が少なくないように思います。老朽建築物除去の助成に加え、道路斜線や高さ制限や建ぺい率、容積率等の緩和を行うなど、建て替え促進の支援策を積極的に講ずるべきではないでしょうか。

 なお、こうした観点を踏まえつつ、面としての不燃化促進と点としての耐震化を調整し、一体的に防災まちづくりを進めていく上で、現在は、耐震改修は都市基盤部、中野一、二丁目の木造密集地区は都市政策推進室、それ以外の木造密集地区は地域まちづくり推進部が所管をしていますが、地域まちづくり推進部で統一的に扱うべきではないでしょうか。

 (2)として、障がい者の支援について伺います。

 災害時避難行動要支援者等が被災をした場合、例えば障害者への対応等は、防災とはまた別の観点での専門性が求められます。かつては、災害時医療救護訓練の際に、災害時に救援救護班を担う障害福祉担当の職員や障害当事者が参加をして二次避難所開設訓練を行っていました。しかし、近年は、防災担当のみの参加で行われているようです。

 そこで伺います。

 障害福祉担当が二次避難所の訓練に参加をし、訓練において気づいた点を指摘することや、実際の災害時の対応力を障害福祉担当は身につけるべきではないでしょうか。

 また、近年、障害者についての通常の一次避難所での受け入れは部屋を分けて行い、落ちついた段階で二次避難所への移動を行う想定となっております。また、水害時には、震災時とは異なる避難所での受け入れがなされます。なお、同じ障害者でも、動き回ることができる知的、発達、精神の障害者と自力で動くことができない肢体不自由者の避難場所を分けることや、情報弱者である視覚・聴覚障害者が広い体育館等で情報が遮断されて孤立をしないようにすることが必要です。どう対応されるのか。

 また、まず一次避難所で受け入れ、次に部屋を分け、その次に障害者、高齢者、乳幼児などに対応する二次避難所を開設し、さらに、二次避難所に移動するという流れについても訓練を行ったほうがいいかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 2番目として、今後建設をされる施設の防災とユニバーサルデザインについて伺います。

 まず、一例として、新体育館等について伺います。

 新体育館は、障害者スポーツにも対応可能となるため、障害者の方が多数利用しているときに地震や火災が発生する可能性もあります。新体育館では、停電時にも非常用電源でエレベーターが動き、非常用階段避難車も用意されていると伺っております。しかし、地震では、エレベーターは、電源が確保できても、揺れによってとまってしまい動かなくなる可能性があります。また、非常用階段避難車については、車椅子利用者が多い場合に、そのバッテリーの容量が十分もつのか不安が残ります。また、火災の場合、短時間に多くの人を避難させることが重要となります。火災や地震への対応はどのようになっていますでしょうか。

 また、地震発生時には電話がつながりにくくなり、東日本大震災や先般の北海道胆振東部地震ではSNSが有効な連絡や情報収集の手段となったと聞きました。新体育館では、災害時に無線Wi-Fi環境を開放することが多くの人にとって有益です。文化スポーツ担当が所管する従来の施設ではどのようになっていましたでしょうか。また、新体育館のWi-Fi環境の提供についてどのように行いますでしょうか。

 次に、施設全体として、だれでもトイレについて伺います。

 国や都が定めている基準は最低限であり、どういった場所に、どういっただれでもトイレを、どのくらいの数設けていくのかということを考えていくことが必要です。これまでは区独自の考え方はありましたでしょうか。

 また、見た目で困難がわかりにくい人工肛門、人工膀胱を使われているオストメイトの方や、性同一性障害を含むトランスジェンダーの方がだれでもトイレを使った際に、「健常者が長時間だれでもトイレを占拠して」と怒られるということがあると耳にします。また、PTA連合会との懇談でも、性別違和に悩む生徒も少なからず存在をしているとして、性的マイノリティーへの対応の要望がありました。

 現在や将来の利用者を勘案しつつ、だれでもトイレを複数カ所設置することや、複数カ所設置のある場合に、どのフロア、どの位置のだれでもトイレが使用中なのかがわかるLED表示板などを設けること。また、見た目ではわからないだれでもトイレを必要とする人に対する理解を求める表示などが今後求められます。

 また、障害者用のおむつ交換台を設けるときには、車椅子でトイレに入った場合にも利用できるようにしておくこと。複数カ所多目的トイレを設置するときには、右半身麻痺、左半身麻痺のそれぞれの人に対応できるようにトイレごとに手すりの位置を変えておくこと。トランスジェンダーの人や異性間介助の場合がある障害者を想定して、だれでもトイレが男女別ではないようにしておくこと。現在の利用者層以外の人が将来使えるトイレを整備していくことなどが考えられます。

 最低限の基準を上回る望ましいガイドラインをつくり、こうした工夫について、その可否や要不要を検討する過程を常に入れるようにすること。また、不具合があった場合には、その事例をまとめて、失敗を繰り返さないようにすることが求められます。いかがお考えでしょうか。

 3として、持続可能な福祉・介護・子育て支援と行政の改革について伺います。

 まず、確認として、どうして中野区には区立かつ区直営で公務員が事業を担う形での地域包括センターや介護サービスを提供する施設、障害福祉サービスを提供する施設がないのでしょうか。民間が全て担っている理由を教えてください。また、区直営でないことによる弊害がもしあるようでしたらお示しください。

 それから、念のために確認として伺いますが、今後、中野区で認可保育所が必要であるとした場合、区立でつくる可能性はありますでしょうか。もしつくるのであれば、区立でつくるメリットとデメリットを教えてください。

 さて、ここで人件費についても伺っておきます。

 区の人件費は、主要施策の成果(別冊)を見ますと、常勤の職員1人当たり年間約900万円超のコストがかかります。限られた予算で、今後、全部署平等に手厚く職員をふやすことは難しいことを前提に、区の財政状況が悪くなった際にも持続可能な職員の配置となるようなめり張りを考えることが必要と思われますが、いかがお考えでしょうか。また、めり張りのある職員配置のため、職員が担うところはどこかをよく考え、民間ができることは民間でと考えるができるべきですが、いかがお考えでしょうか。

 特に保育に関しましては、これまで破綻寸前の区財政のもと、人件費の圧縮やコストカットについて避けて通れない急速な痛みを伴う改革がなされてきました。現在も予断を許しませんが、職員2,000人体制が実現し、長期的な視点での検討が可能な状況となりました。保育園の民営化に際し、人件費等大きく圧縮することができた分の一部を私立園の補助という形で私立の保育サービスのさらなる質の向上や運営の安定化、障害児等のユニバーサルデザイン対応力の強化を図ること、またアポロ園等による私立、公立を含めた保育への障害児に関する巡回をふやすこと、また人員数的にあいた公務員の定数分を他の部署の人員増に充てることなどが必要ではないでしょうか。

 さらには、今後存続する区立保育園に関しましては、在園児を預かるだけではなく、在園児以外の18歳未満の子どもへの子育て支援の対応、子に不適切な対応をしてしまう親御さんや障害児の親御さんに向けた対応方法の助言、私立園や学童保育が中野区においては保育をしていない、日曜日や夜間などの保育を行う曜日や時間帯の拡大と、こうした時間帯への小学生の受け入れといった対象の拡大など、ニーズがありながら展開されていない事業をモデル的に実施し、軌道に乗った状態で民間に移すことなども検討されてはいかがでしょうか。

 公務員の保育士は、民間の保育士と比べて勤務の体制に柔軟性が乏しいという話も耳にします。区立保育園が生き残りをかけて頑張るということであれば、むしろ私立に勝てる保育の提供をするぐらいの気概を持って先駆的な取り組みを行うなども考えるべきではないでしょうか。

 私からの質問は以上です。答弁のほどよろしくお願いいたします。

〔地域まちづくり推進部長角秀行登壇〕

○地域まちづくり推進部長(角秀行) 石坂議員の質問にお答えいたします。

 私からは、1、防災についての中で、災害に強いまちづくりについて、木造住宅の建て替え促進と耐震助成についてであります。区は、木造住宅密集地域の改善に向け、不燃領域率70%の達成を目標として、不燃建築物への建て替え促進を原則として、これを実現するため、規制緩和等を含む地区計画の導入を行っているほか、建物の除却費や建て替えに必要な費用の一部助成を行う都市防災不燃化促進事業などを行ってきているところでございます。しかし、さまざまな事情により建て替えが困難な場合は、住宅の耐震改修を支援し、建築物の倒壊等による道路閉塞を防ぎ、円滑な避難や消火、救援活動の空間確保を図ることで、人的被害の軽減や延焼拡大を防止することも必要であると考えております。耐震助成の導入に向けましては、地区の特性や現在の事業状況も踏まえ、効率の高い施策を検討してまいりたいと考えております。

 次に、中野一丁目など防災まちづくりの所管部署についてでございます。区内には、中野一丁目など、不燃領域率が低い、あるいは地域危険度が高いにもかかわらず現在は防災関連事業が導入されていない地域がございます。これらの地域につきましても、防災まちづくりを所管しております地域まちづくり推進部が所管してございます。今後、木造建築物の分布や土地利用状況等の地域特性、危険度、課題を調査、分析した上で、導入効果の高い施策や地区計画の導入に向けた検討を進めるなど、計画的に防災まちづくりを推進していくこととしております。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、防災についてのうち、障がい者等への支援についてお答えいたします。

 まず、障害福祉担当の二次避難所開設訓練への参加についてでございます。各防災会が主催する一次避難所の開設・運営訓練におきましては、障害者や外国人の受け入れ訓練を取り入れているところもありまして、また、高齢者、障害者、乳幼児に対応する二次避難所におきましても、開設・運営訓練を行ってございます。これらの訓練へ障害のある方に対し、参加協力を要請するとともに、二次避難所の開設・運営訓練におきましては、実災害発生時に救援救護班を担う障害福祉担当及び生活援護担当の職員を参加させまして、災害時の対応を訓練するとともに、その動きを振り返り相互に検証するなど、災害時の対応力を向上させてまいります。

 それから、避難所での障害者への対応についてでございます。各防災会では、避難所運営訓練の一つであります避難所運営ゲームの頭文字をあらわすHUG訓練を実施してございます。この訓練では、避難所の運営で想定される物質の配給方法やトイレの問題など、さまざまな状況、問題に対しまして事前に検討するとともに、その対応の実働訓練を実施してございます。この中では、一次避難所における課題の一つであります障害のある方の受け入れ、部屋割りをはじめといたしまして、障害の種別による課題も検討してございます。

 避難所運営におきましては、各防災会と区職員が協力いたしまして、避難者数や使用できる部屋の状況を勘案して、障害のある方への対応も含めて、柔軟な対応をとることとなります。

 一次避難所の受け入れから二次避難所に移動に関する訓練につきましては、どのような方法で実施できるか検討してまいります。

健康福祉部長小田史子

壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 私からは、今後建設される施設の防災とユニバーサルデザインについてのうち新体育館に関する御質問と、持続可能な福祉・介護・子育て支援と行政の改革についてのうち区直営の地域包括支援センター等についての御質問にお答えいたします。

 新体育館の災害時における障害者への対応についての御質問でございます。

 新体育館は、エレベーターを2基計画しておりまして、そのうちの1基については停電時に対応できるエレベーターとしてございます。地震の際には、揺れがおさまった段階で稼働する仕様となってございますが、一定以上の強い揺れを感知した場合など、エレベーターの使用が困難な場合には、非常用の階段避難車の設置や、さまざまな事態を想定した訓練などを考えております。

 非常用階段避難車につきましては、多くの車椅子利用者の方が利用できるように、必要な予備バッテリーを備えることで対応していきたいというふうに考えております。

 火災や地震等の災害時におけます避難誘導につきましては、従事スタッフに対しまして必要な教育を十分行うほか、防災訓練を定期的に実施するなど、適切な措置を講じたいというふうに考えております。

 また、所管の施設ですけれども、Wi-Fi環境及び新体育館の対応についての御質問でございます。

 Wi-Fi環境の整備は、災害時などにおきましてSNSの活用が有効であるとともに、通常時にも施設利用者の利便性を向上するものであるというふうに認識をしてございます。中部及び南部のスポーツ・コミュニティプラザにつきましては、ロビー及びトレーニング室を有効エリアに、Wi-Fi環境を整備して運用しております。災害発生時には、キャリアにかかわらず使用できるようなフリーWi-Fiとなるものでございます。

 新体育館のWi-Fi環境につきましては、館内に整備を予定しておりますけれども、有効エリアの設定などの詳細につきましては、現在検討中でございます。

 区直営の地域包括支援センターに関する御質問でございます。

 中野区では、平成26年度の弥生福祉作業所の指定管理化によりまして、全ての地域包括支援センター、介護サービスや障害福祉サービスの事業所を民間による運営に切り替えてまいりました。

 区内におきまして一定のサービスが提供できる基盤が整備された時点で民間サービスに切り替えまして、各事業所が工夫を凝らしたサービスを提供することで、柔軟で多様なサービスが提供できているものと考えております。

 それぞれの所管では、事業所連絡会や研修会を開催するなど、各事業所の状況把握や制度改正への対応、またサービスの向上に取り組んでおりまして、区直営でないことによる弊害があるとは考えてはおりません。

〔政策室長朝井めぐみ登壇〕

○政策室長(朝井めぐみ) 私からは、だれでもトイレの御質問についてお答えいたします。

 まず、だれでもトイレに関する区独自の考え方があったのかについての御質問でございます。これまで区は新たな施設を整備するに際しまして、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、東京都の福祉のまちづくり条例、高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例などを踏まえて東京都が作成をした都立建築物のユニバーサルデザイン導入ガイドラインに基づきまして、各施設の用途や利用者の状況などを考慮の上、基本設計、実施設計等を行ってきたところでございます。このガイドラインと別に、区独自の考え方はまとめていない状況でございます。

 次に、だれでもトイレのガイドラインについての御質問でございます。だれでもトイレにつきましては、多様な身体状況の方が使用されることから、こうした方々の多様なニーズに対応できるよう、きめ細かく検討や検証を行って整備をする必要があると考えております。今後、だれでもトイレも含めた区有施設のトイレ整備について、都立建築物のユニバーサルデザイン導入ガイドラインを踏まえつつ、これまで整備した施設の利用実態なども検証した上で、区としての考え方をまとめたものを作成し、これを継続的に見直し、改善を行っていきたいと考えております。

○議長(いでい良輔) 質問時間は終了しております。答弁は結構です。

 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 保育の質の向上について

 2 クラウドファンディング型ふるさと納税について

 3 ランドセル重量の軽減について

 4 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

○18番(小宮山たかし) ただいまより小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。

 通告した質問のうち3番については、山本議員が同じテーマで大変すばらしい質問をしておりましたので、取り下げさせていいただきます。

 さて、インターネットや端末機器の発達した現代において、区政、行政に関する疑問や質問があれば、まずは検索する。それでもわからなければ、友人、知人に聞いたり、区役所に直接聞いてみる。そういう行動する方がふえてきたのではないでしょうか。

 区役所の窓口は、平日の朝から夕方までしかあいておりませんが、区のホームページであれば、文字どおり24時間365日営業で区民の知りたい情報を提供してくれます。

 区ホームページのアクセス数は月間約9万件もありますから、ホームページを充実させること、区民が知りたいであろう情報をきちんと提供することは、区民サービスの向上のみならず、区民からの問い合わせに電話やメールなどで直接応対する手間を省くことも可能となり、業務効率の改善にもつながります。

 私は、年間100件以上の保育園入園にかかわる相談に乗っております。いわゆる保活の相談ですから、皆さんが気にするのは、どうやったら保育園に入れるのか、どのように審査をしているのか、泣き落としの手紙をつければ有効というのは本当か、区長の特例による加点というのは一体何だという問題などで、区が発行している紙による保育園の募集要項には、保護者の知りたいポイントを踏まえた、よくある質問が大体はきちんと掲載をされています。

 しかし、区のホームページ上の保育園・幼稚園に関するよくある質問を見てみますと、それらの質問は掲載されておらず、保育園ではおむつを持参するのですか、保育園では父母会などの活動がありますか、親が参加する保育園の行事は年に何回くらいありますかなど、保育園入園後の保育内容に関する質問が多く掲載されておりました。

 今は民営化園も多く、保育園ごとの方針もあるでしょうから、そうした問題は区に聞くよりも入園後に園に直接聞いたほうが早いはずです。実際、それら質問の回答を開いてみますと、全ての回答が、入園後、保育園に御確認くださいと締めくくられておりまして、結局、ホームページ上では何も解決しない、かゆいところに手の届かないQ&Aとなっておりました。

 また、世間一般に「ならし保育」と呼ばれている保育を「なれ保育」と呼んでいる項目もあり、検索されやすい検索ワードの利用についても十分に配慮されていないのではないかと感じることもありました。

 本来であれば、幼稚園、保育園に限った話ではなく、全庁的に見直すべき話ではあるのですけれども、とりあえず保育園、幼稚園に関して質問いたします。区ホームページ上のよくある質問が実際によくある質問とは思えないケースが、全てではありませんけれども、散見されています。業務効率の改善のため、実際のよくある質問にマッチするように、また検索されやすい検索ワードを意識した言葉遣いにするように、よくある質問の見直しをされてはいかがでしょうか。

 引き続き保育園に関しての質問をします。

 保育園の入園、いわゆる保活に関しては、一番最初は無認可と認証と認可の違いもわからないところから保活をスタートする区民が大多数です。誰もが同じ苦労をして、同じ保活情報を集めるのはナンセンスです。こうした区民が窓口で個別相談を繰り返すことによって、繁忙期の待ち時間が数時間にも及んだりして、窓口業務が煩雑になっているのではないかと思われます。

 豊島区、板橋区、江東区などでは、多いときには一度に80人もの区民を集めて保育園入園申し込み説明会の類いを開催しておりますし、中央区にいたっては、区内3会場で延べ7回もそうした説明会を開催しているそうです。

 個々の事情に応じた個別相談ももちろん大事なのですけれども、区民サービスと窓口業務効率の改善のため、保活に関する基本情報ぐらいは、他区が行っているような区による公式の保活セミナーとか保育園入園申し込み説明会などを開催して区民に知らせてはいかがでしょうか。

 ちょうど1年前の決算特別委員会で同じ質問をした際には、検討しますという回答をいただきましたので、その検討結果を教えてください。

 さて、狭小住宅や集合住宅の多い中野区では、我が家もそうですが、自宅に庭のない御家庭や十分なサイズの庭のない御家庭がたくさんあります。そして、近年、待機児童対策を進めていく中で、園庭のない、もしくは園庭の狭い保育園が非常に多くなってきました。

 自宅にも庭がない、保育園にも庭がない。保育園でも家庭でもある程度認識をして公園に遊びに行ったりすることはありますが、そもそも中野区内には大きな公園が多くない。公園があったとしても、中野区内の公園は個性に乏しく、魅力的な遊具も多くありません。

 国立青少年教育振興機構の子どもの体験活動の実態に関する調査研究報告書によりますと、小学校低学年までの幼少期は、友達との遊び、動植物とのかかわり等の体験が大切である。幼少期の各種の体験が豊富な子どものほうが最終学歴が高くなるという報告がされております。

 ここで言う最終学歴というのは、それ自体が重要なわけではなく、積極性、意欲、関心などのいわゆるやる気とか、最後までやり遂げる根気とか、そうした人間として重要な能力の高まった結果が学歴という一面であらわれたのかなと、私はそう考えております。

 れっきとした国立機関が1万6,000人の大人と子どもを対象に調べたきちんとした大規模な調査の結果、幼少期の友達との遊び、動植物とのかかわり等の体験は大切であるという結論が出ております。

 友達とともに動植物と遊べる場所、それはまさに公園であり、園庭ではないですか。と、まあ、幾ら言ってもないものはどうしようもありません。と、諦めてはいけません。

 目黒区では、園庭のない、もしくは園庭の狭い保育園の園児を公園までミニバスのような車で送迎するという取り組みを今年度から全国に先駆けて始めるそうです。目黒区に聞いたところ、車はリース、運転手は委託、車の改造に時間がかかったため、11月より実施とのことです。予算は640万円。

 この事業に関しては、国の保育対策総合支援事業の広域的保育所等利用事業として2分の1の補助金が出るそうです。まず1台で試験運行し、評判がよければ複数台にすべく、現在、園庭のない保育園の子どもたちを応援する事業、通称子どもたちの「ヒーローバス」運行プロジェクトに関して、クラウドファンディング型ふるさと納税を募集しています。

 自宅には庭がなく、保育園にも園庭がなく、区内には魅力的な公園の少ない中野区こそ、園庭がない、もしくは狭い保育園の園児を公園までミニバス等の車で送迎するという取り組みを率先してするべきであると思いますが、いかがでしょうか。

 今申し上げたように、目黒区では、園庭の保育園の子どもたちを応援する事業、子どもたちの「ヒーローバス」運行プロジェクトについて、クラウドファンディング型ふるさと納税による寄附を受け付けています。

 クラウドファンディングというのは、寄附の一形態で、リターンの有無やその内容に差があるなどさまざまな形がありますが、一般的にSNSや専用サイトなどを通じて広くアピールされていることと、目的が特化されていること、少額の寄附でも参加しやすいという特徴があります。

 古くは19世紀、ニューヨークで自由の女神の台座をつくるための資金が底をついた際に、12万5,000人のアメリカ国民から1ドル以下の寄附を集めたのもクラウドファンディングだと言えますし、日本では、例えば室町時代に焼き討ちで焼失した東大寺や大仏を復興する際、再興事業を指揮した重源が全国各地で少額の寄附を集めて回ったことも、今にして思えばクラウドファンディングの一形態だと言えるでしょう。

 日本でのクラウドファンディング市場は、2013年には124億円と言われていましたが、2017年では1,000億円の規模に達したと言われており、右肩上がりで成長しています。

 しかし、中野区では、寄附を募るのに当たって、クラウドファンディングという単語や手法は用いておりません。目的を特化した寄附制度は、区民公益活動基金への寄附や中野区環境基金への寄附などに一部見られるものの、寄附したお金が具体的にどのように使われるのかということが可視化されているとまでは言えず、寄附者のモチベーションを刺激するところにまでは至っておりません。

 目黒区のように、目的を特化したクラウドファンディング型のふるさと納税による寄附を募ることで、たとえ寄附金がほとんど集まらなかったとしても、区がどんな事業に対して積極的に取り組んでいるのかという区の姿勢をアピールする機会にもなり、シティブランディングにもつながるはずです。

 あれもこれもというわけにはいきませんが、例えば中野サンプラザに関するものとか、哲学堂公園や平和の森公園に関するものとか、区政の最重要課題である子育てに関するものとか、寄附者のモチベーションを刺激するような目的を特化させたクラウドファンディングという名称や手法を用いた寄附制度を新たにつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 以上で私の一般質問を終了します。御清聴ありがとうございました。

〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕

○子ども教育部長(戸辺眞) 保育の質の向上についての御質問にお答えいたします。

 まず、ホームページの見直しについてでございます。区のホームページにつきましては、毎月の保育施設等の利用状況や空き情報、入所の申し込み状況の情報を見やすく改めるなどして適宜更新しているところでございますが、ホームページ上の保育施設の利用に関するQ&Aについては、電話や窓口でよく受ける質問、相談等を考慮し、今後改善を図ってまいります。

 次に、保活セミナーについてでございます。平成31年4月から保育施設等の利用を検討している区民を対象に、平成30年11月1日から1カ月間、区役所1階特別集会室でガイダンスを行う予定でございます。このガイダンスでは、各保育施設等の案内、保育施設の利用に係る選考基準、申請書類の記入方法等についてのビデオ上映や職員による説明を予定しているところでございます。

 次に、送迎バスの導入についてでございます。固有の園庭を有しない保育施設につきましては、近隣の公園を代替園庭として指定しているほか、小学校との連携により遊び場を確保するなどの支援を行っているところでございます。今後、新たな保育施設の開設に伴い、代替園庭として指定する公園もふえることが予想されることから、送迎バスの導入も含め、支援のあり方については研究してまいりたいと思います。

〔政策室長朝井めぐみ登壇〕

○政策室長(朝井めぐみ) 私からは、クラウドファンディング型ふるさと納税の御質問にお答えいたします。

 ふるさと納税につきましては、これまでも多くの方の共感が得られるよう、寄附金の使い道の明確化や返礼品などの充実を図ってまいりました。今後も、クラウドファンディング型の活用を含め、中野区の特徴を生かしたメニューを検討していきたいと考えております。

○議長(いでい良輔) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 細 野 かよこ

 1 発達障がいなど配慮を要する子どもへの支援と作業療法士との連携について

 2 ひとり親家庭への居住支援について

 3 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、細野かよこ議員。

〔細野かよこ議員登壇〕

○8番(細野かよこ) 市民自治を広げる中野・生活者ネットワークの一員として質問します。

 質問は通告どおりで、その他はありません。

 初めに、発達障がいなど配慮を要する子どもへの支援と作業療法士との連携について伺います。

 2005年の発達障害者支援法の施行から10年以上が経過し、発達障害という言葉は広く知られるようになりました。

 この法律では、発達障害者は、自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害そのほかこれに類する脳機能障害であり、その症状が通常低年齢で発現するものと定義されています。

 特性として、コミュニケーションが苦手、よく動く、集中できない、こだわりが強いなどが挙げられます。外見からはこうした特性が見えにくいため、一見問題がないように見える反面、怠けている、反抗的であるなど、その特性を否定的に捉えられたり、誤解を受けたりするなど、直面している困難さが一人ひとり違っていることから、その子どもの個性、能力、希望などを理解した上でサポートするなどの対応が求められています。

 当区における発達支援相談件数は、2011年に325件だったものが、2017年には2,673件と8倍以上に増加、すこやか福祉センターが把握している発達支援対象児童も、2011年に1,107人だったものが、2017年には2,157人と2倍近くまで増加しており、発達が気になる児童、発達に支援を要する児童がふえていることがわかります。

 初めに、発達障害など配慮を要する児童に対し、区はこれまでどのような支援を行ってこられたのか、また、その総括を伺います。

 ことし1月、日本弁護士連合会主催のシンポジウム「子どもの貧困と学童保育」に参加して、発達障害児の支援に取り組む先進的な実践のお話を伺いました。遊びと生活の場である学童保育を作業療法士が訪問し、対象児童を観察して支援方法を提案、それを現場の職員が実践し、その後、作業療法士がフォローアップするというものです。

 事業は、2017年から岡山県学童保育連絡協議会と備中県民局との協働事業として始まったもので、学童保育の現場で試行錯誤しながら支援に当たっている職員からは、自分たちでは気づかなかった新たな視点をもらえた、自分たちのやり方でよかったのだと自信をもらえたなどの感想が寄せられ、支援技術、チームとしての支援力の向上につながっています。

 この学童保育と作業療法士の連携事業が、今、全国に広がっています。当区の学童クラブにおける特別な支援を必要とする児童の受け入れ状況は、2018年4月1日現在、在籍児童1,775人のうち、特別支援児童は228人で、約13%。特別支援児童に対して配置する職員数は増加傾向にあります。

 そういう中で、学童クラブで働く方から、特別支援児童への対応は、ほかの児童とのトラブル回避のための見守りが中心になっているが、特別支援児童への対応の仕方を知っていれば、子どもの生活の場である学童保育でもっとできることがあると思う、との声をいただきました。

 確かに特別支援児童に対する職員の配置基準は本人やほかの児童の安全確保に注目して配置すると定められており、主たる役割は児童の安全確保、見守りとなっています。

 そこで伺います。当区の学童クラブにおいて、特別な支援を要する児童への対応について、どのような課題があるとお考えでしょうか。

 発達障害児などの問題と言われる行動には、文房具がうまく使えないなどの運動機能の問題、さわられることや音を極端に嫌がる感覚調整機能の問題、一度に二つのことを指示されるとキャッチできない情報処理の問題などの要因があると言われます。こうした要因を踏まえて、問題と言われる行動に対し、どうしてそのような行動をとるのかを考え、行動面からアプローチする作業療法は、子ども同士のトラブルや保護者の困ったをこれまでとは違う視点から捉えるものです。

 岡山県学童保育連絡協議会がまとめた実例集には、周りが気になって宿題ができない子どもには、視覚、聴覚への刺激を少なくする間仕切りを設けた事例、目の前のことしか意識できない子どもには、次にやることを一目でわかるようにホワイトボードに書いて行動しやすくした事例など、子どもたちの困り事を応援するためのヒントがわかりやすく紹介されています。

 3点目の質問です。当区の学童クラブでの特別支援児童への対応については、作業療法士による訪問支援や勉強会を開催するなど、より専門的な支援体制をつくっていくべきと考えます。区の見解を伺います。

 2年前に岡山から始まった学童保育と作業療法士との連携事業は、学童保育だけでなく、自立援助ホーム、乳幼児支援を実施するNPOなどでも実践が行われ、成果を上げております。

 この項最後の質問です。当区でも、発達障害など配慮を要する児童支援にかかわる人たちと作業療法士との連携を進めていくことが必要だと考えます。区の見解を伺います。

 次に、ひとり親家庭への居住支援について伺います。

 子どもの貧困が社会的な問題として認知され、学習支援や子ども食堂などの取り組みが広がっています。子どもの貧困はひとり親家庭に多いことが知られていますが、ひとり親家庭の約9割は母子世帯です。厚生労働省の2016年度全国ひとり親世帯等調査などの調査から、母子世帯の就業率は8割と高いが、非正規が半数以上で、平均所得は全世帯平均の2分の1で、8割が生活が苦しいと感じている。また、母子世帯の住居の状況で一番多いのは賃貸住宅などの借家で、約65%という結果があります。こうした状況から、子どもの貧困を減らす施策の一つとして、ひとり親家庭への居住支援が有効だと考え、質問します。

 まず、当区のひとり親家庭を対象にした居住支援にはどのようなものがあるか、伺います。

 2017年10月、新たな住宅セーフティネット制度がスタートしました。高齢者、子育て世帯、障害者、被災者など住宅の確保が困難な住宅確保要配慮者に対し、空き家や空き室を活用して住宅セーフティネット機能を強化するものです。

 この制度には、住宅の確保が困難な人の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度、登録住宅の改修費や家賃低廉化の補助などが盛り込まれています。この家賃低廉化補助制度を活用して、世田谷区では6月からひとり親家庭への居住支援をモデル事業として始めています。

 そこで伺います。当区では、新たな住宅セーフティネット制度にどのように取り組んでいくのでしょうか。

 登録制度はできたものの、セーフティネット住宅への登録は本日9月13日現在、中野区での登録はなく、その活用にはまだまだ時間がかかりそうです。

 杉並区、世田谷区では、住宅に困っているひとり親家庭に対し、区営住宅の抽選番号を複数発行して当選しやすくする優遇抽選制度があります。

 3点目の質問です。まずは自治体の意思で取り組める支援として、区営住宅にひとり親家庭が入居しやすい仕組みをつくってはいかがでしょうか、伺います。

 当区では、現在、空き家の適切な管理と有効利用を促進する中野区空家等対策基本計画の策定作業が進められています。

 ことし3月、計画に対する基本的な考え方を諮問された中野区空家等対策審議会から出された答申には、住宅ストックの活用推進と管理不全空き家の発生抑制につながることから、空き家と子育て世帯などへのマッチングを推進する、とあります。

 今後進められる空き家の活用においても、ひとり親家庭に対し、家賃の補助や優遇制度など工夫が必要だと考えます。

 最後の質問です。子育て世帯と空き家のマッチングにおいても、ひとり親家庭が入居しやすい仕組みを念頭に置いた制度設計が必要だと考えます。見解を伺います。

 世田谷区は、世田谷区子ども計画の策定に当たって、ひとり親家庭アンケート調査を実施し、家計を圧迫している支出として住居費を挙げている世帯が約半数あるという調査結果から、ひとり親家庭への居住支援につなげています。

 今回は居住支援について質問しましたが、ひとり親家庭に対して実効性ある施策につなげるためには、当区においても何に困っているかの実態把握が必要だと考えます。ひとり親世帯への実態調査実施の検討を要望しまして、私の質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 細野議員の御質問にお答えいたします。

 まず、発達障がいなど配慮を要する子どもへの支援と作業療法士との連携についてという項で、まず、発達障害の配慮を要する児童への区の支援についてでございます。区は、これまで発達に課題のある子ども及びその保護者に対する支援として、区立障害児通所支援施設のアポロ園、ゆめなりあ等における療育相談、児童福祉法に基づく児童発達支援や放課後等デイサービスの実施、心理職などの専門職が保育園、幼稚園や区立小・中学校を巡回しての職員への助言のほか、支援関係者や区民を対象とした研修や講演会、パンフレットによる啓発等を行ってまいりました。また、区立小学校では学校の特別支援教室、中学校は中野中学校の通級指導教室において、情緒や発達に課題のある児童・生徒に対して、特性に応じた指導、支援を行っております。発達障害についての保護者等の理解、すこやか福祉センターなど相談窓口の周知が進み、必要な支援が利用しやすい仕組みになってきたと考えております。

 次に、学童クラブにおける特別な支援を要する児童への対応についての御質問でございます。個別に配慮が必要な子どもは増加傾向にあると認識しております。さまざまな形であらわれている子どもの特性や発達の問題を的確に把握し対応するためには、職員には高いスキルが必要になってきていると考えております。これまで学童クラブでは、すこやか福祉センターの保健師、福祉職の巡回や、特別支援学校が行う特別支援教育コーディネーター派遣事業等も利用しながら、個々の子どもの状況に応じた支援のための職員のスキルアップを図ってきておりますが、今後、遊びの場を通した発達支援のスキルなど、作業療法士の活用についても研究してまいります。

 発達に課題がある子どもの支援者の作業療法士との連携についてでございます。これまでも区立療育センターのアポロ園とゆめなりあでは、心理職や作業療法士などの専門職が発達に課題のある子どもの支援に当たってきております。巡回による保育園等職員への指導、助言にも、心理職に加え、必要に応じて作業療法士が参加しております。今後もさまざまな専門職が連携し、それぞれの専門性を生かした支援を促進してまいります。

 次に、ひとり親家庭の居住支援についてでございます。

 ひとり親家庭を対象とした居住支援について。ひとり親家庭の場合においては、都営住宅入居に応募する際に、当選確率が高くなる優遇抽選、この御案内をしているところでございます。また、区の窓口においても、ひとり親家庭の住み替えの御相談に対し、区に登録している協力不動産事業者との連携により、民間賃貸住宅の情報提供を行っているところでございます。

 ひとり親家庭についての新たな住宅セーフティネット制度の活用についての取り組みの御質問でございます。居住支援協議会の設立のほか、住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティネット住宅の登録促進に向け、賃貸住宅所有者や不動産事業者への周知や情報提供を進めてまいります。

 次に、ひとり親家庭が入居しやすい仕組みについての御提案でございます。ひとり親家庭のほか、さまざまな事情により住まい探しが困難となってしまうような状況について認識をしております。一方、区営住宅については、戸数が限られており、空き部屋も少ないことから、新規に入居しにくい状況となっております。こうした背景を踏まえて、今後、区住宅運営の課題等を整理し、ひとり親家庭などが入居しやすい仕組みについても検討してまいります。

 最後に、ひとり親家庭と空き家のマッチングについてでございます。区では、空き家等の利活用促進により、さまざまなライフステージやスタイルに応じた、多様な住宅ストックの形成を目指すこととしております。こうした考え方のもと、ひとり親家庭の方々においても、空き家をはじめとした区内の住宅ストックの中から適切な物件を効率よく探し出し、入居できるような仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。

○議長(いでい良輔) 以上で細野かよこ議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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 第68号議案 平成30年度中野区一般会計補正予算

(委員会報告)

 

○議長(いでい良輔) 日程第1、第68号議案、平成30年度中野区一般会計補正予算を議題に供します。

 

平成30年(2018年)9月11日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 高橋 かずちか

  (公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

68

平成30年度中野区一般会計補正予算

911

 

 

○議長(いでい良輔) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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 認定第1号 平成29年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 認定第2号 平成29年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第3号 平成29年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第4号 平成29年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第5号 平成29年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

 

○議長(いでい良輔) 日程第2、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長横山克人登壇〕

〇副区長(横山克人) ただいま上程されました認定第1号から認定第5号までの5件につきまして一括して説明いたします。

 初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。

 平成29年度一般会計の歳入総額は1,242億4,794万58円、歳出総額は1,210億9,257万6,910円で、前年度と比較しますと、歳入で3.2%の減、歳出で3.0%の減となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支額は31億5,536万3,148円となり、翌年度へ繰り越すべき財源6億8,199万1,000円を差し引いた実質収支額は24億7,337万2,148円となりました。

 それでは、歳入につきまして主な款について説明いたします。

 第1款特別区税は総額337億7,500万円余で、前年度と比較して6億1,600万円余、1.9%の増となりました。

 第2款特別区交付金は総額354億9,500万円余で、前年度と比較して14億9,700万円余、4.0%の減となりました。

 第7款地方消費税交付金は総額68億1,300万円余で、前年度と比較して2億100万円余、3.0%の増となりました。

 第13款国庫支出金は、大規模公園の整備に伴う補助金の増などにより、前年度と比較して13億1,200万円余、5.9%増の総額約233億9,500万余となりました。

 第14款都支出金は、国庫支出金と同様に、大規模公園の整備に伴う補助金の増などにより、前年度と比較して17億2,400万円余、21.7%増の総額96億6,500円余となりました。

 第15款財政収入は、不動産売払収入の減などにより、前年度と比較して20億6,300万円余、84.3%減の総額3億8,400万円余となりました。

 第17款繰入金は、財政調整基金繰入金の皆減などにより、前年度と比較して43億2,100万円余、48.5%減の総額45億9,500万円余となりました。

 第19款諸収入は、ESCO事業に伴う補助金の皆減などにより、前年度と比較して8億8,900万円余、41.4%減の総額12億5,700万円余となりました。

 第20款特別区債は皆減となりました。

 これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は96.4%となり、前年度より0.5ポイント下がりました。

 次に、歳出につきまして主な款について説明いたします。

 第3款都市政策推進費は、中野駅新北口駅前広場用地の取得費の皆減などにより、前年度と比較して6億7,700万円余、17.1%減の総額32億8,200万円余となりました。

 第4款地域支えあい推進費は、南中野区民活動センター等整備費の皆減などにより、前年度と比較して5億1,900万円余、9.9%減の総額47億2,400万円余となりました。

 第6款子ども教育費は、民間保育に係る給付費の増などにより、前年度と比較して27億700万円余、9.8%増の総額302億2,900万円余となりました。

 第7款健康福祉費は、もみじ山文化センター大規模改修工事費の減などにより、前年度と比較して3億700万円余、1.0%減の総額305億6,900万円余となりました。

 第9款都市基盤費は、(仮称)弥生町六丁目公園用地の一部取得などにより、前年度と比較して35億1,100万円余、49.2%増の総額106億4,500万円余となりました。

 第10款公債費は、満期一括償還の減により、前年度と比較して38億9,600万円余、48.2%減の総額41億8,400万円余となりました。

 第11款諸支出金は、義務教育施設整備基金や財政調整基金、減債基金の積立金などの減により、前年度と比較して44億4,300万円余、31.6%減の総額96億700万円余となりました。

 これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は94.0%となり、前年度より0.3ポイント下がりました。

 この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費及び公債費を合わせた義務的経費は626億8,800万円余で、前年度と比較して3.3%の減となりました。また、投資的経費は148億8,200万円余で、前年度と比較して12.8%の増となりました。

 なお、平成29年度決算では実質収支額が24億7,300万円余となり、前年度決算に比べ4億7,200万円余の減となりました。

 また、財政指標から区の財政状況を見ますと、前年度と比較して実質収支比率が0.5ポイント下がり3.3%、経常収支比率が1.7ポイント上がり78.6%、実質公債費比率が2.1ポイント下がりマイナス1.7%となっています。

 平成29年度は、区の重要課題である待機児童対策、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域包括ケア体制の構築に向けた取り組み、健康増進に向けたスポーツ・健康づくりムーブメントの推進、道路、公園などの都市基盤の整備、中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進などの施策を展開しました。

 今後、法人住民税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直しなど歳入減少のリスクがある中、超高齢社会への対策、子育てサービスの質の向上、老朽化した公共施設の建て替えや大規模改修など歳出の増加が見込まれます。持続可能な区政運営を確保し、区民満足度が高い区政を維持するため、基金の確実な積み立てと適切な繰り入れなど、将来を見据えた財政運営を行っていく必要があると考えています。

 以上が一般会計決算の説明です。

 続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。

 歳入歳出の決算額は同額で41億3,382万8,699円、前年度と比較しますと、歳入歳出ともに133.9%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款財産収入が皆増で28億9,100万円余、第3款特別区債が10億9,900万円余で、前年度と比較して5億3,000万円余、32.5%の減となりました。

 歳出の主なものは、第1款公債費が30億3,400万余で、前年度と比較して28億9,600万円余の著増、第2款用地費が10億9,900万円余で、前年度と比較して5億3,000万円余、32.5%の減となりました。

 歳入総額及び歳出総額が増となった主な要因は、仮称弥生町六丁目公園用地の一部を一般会計へ売り払い、公共用地先行取得等事業債を償還したことによるものです。

 次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は383億5,785万565円、歳出総額は377億8,883万5,943円で、前年度と比較しますと、歳入で0.9%の減、歳出で1.6%の減となりました。

 歳入の主なものは、第1款国民健康保険料が90億9,600万円余で、前年度より2,100万円余、0.2%の減、第3款国庫支出金が78億5,100万円余で、前年度より3億9,300万円余、5.3%の増、第7款共同事業交付金が96億7,700万円余で、前年度より3億2,500万円余、3.3%の減、第8款繰入金が47億9,000万円余で、前年度より3億6,300万円余、7.1%の減となりました。

 歳出の主なものは、第2款国保給付費が199億9,500万円余で、前年度より4億2,100万円余、2.1%の減、第3款後期高齢者支援金が47億9,000万円余で、前年度より900万円余、0.2%の減、第7款共同事業拠出金が97億2,100万円余で、前年度より3億3,600万円余、3.3%の減となりました。

 次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は66億8,433万3,649円、歳出総額は66億1,641万7,291円で、前年度と比較しますと、歳入で1.0%の増、歳出で0.8%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が36億6,600万円余で、前年度より6,900万円余、1.9%の増、第2款繰入金が28億4,400万円余で、前年度より1,000万円余、0.4%の減となりました。

 歳出の主なものは、第1款広域連合納付金が65億1,600万円余で、前年度より4,800万円余、0.7%の増となりました。

 最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は221億7,394万9,959円、歳出総額は220億5,525万2,987円で、前年度と比較しますと、歳入で1.7%の増、歳出で2.7%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款介護保険料が48億7,600万円余で、前年度より2,800万円余、0.6%の増、第3款国庫支出金が48億1,600万円余で、前年度より5,800万円余、1.2%の増、第4款支払基金交付金が57億1,400万円余で、前年度より1億7,900万円余、3.2%の増となりました。

 歳出の主なものは、第2款保険給付費が193億4,900万円余で、前年度より3億9,200万円余、2.0%の減、第3款地域支援事業費が14億2,500万円余で、前年度より10億5,300万円余、283.3%の増となりました。

 以上、平成29年度の各会計決算について説明いたしました。

 なお、詳細につきましては、あらかじめ送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書」、「各会計事項別明細書」及び「各調書」「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして御確認いただきたいと思います。

 また、監査委員におかれましては、本決算につきまして慎重に審査をいただき、別冊のとおり「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」及び「中野区基金運用状況審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点につきましては十分に対処していく所存です。

 最後になりましたが、ここに平成29年度決算につきまして議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第です。

 以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、平成29年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。

○議長(いでい良輔) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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 中野区の財政の健全化判断比率について

 

○議長(いでい良輔) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について報告いたします。

 本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月11日付のお手元の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 

30中経経第1809号

平成30年(2018年)9月11日

 中野区議会議長 い で い 良 輔 殿

中野区長 酒 井 直 人

中野区の財政の健全化判断比率の報告について

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定により、別添のとおり報告します。

 

○議長(いでい良輔) 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時24分散会

 

会議録署名員 議 長 いでい 良輔

議 員 小宮山 たかし

       議 員 白井 ひでふみ