平成30年09月19日中野区議会決算特別委員会

.平成30年(2018年)9月19日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(41名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  杉  山     司

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  細  野  かよこ

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  いでい   良  輔

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  木  村  広  一       14番  甲  田  ゆり子

 15番  小  林  ぜんいち       16番  中  村  延  子

 17番  内  野  大三郎        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番     欠  員   

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  白  井  ひでふみ

 27番  森     たかゆき       28番  いながき  じゅん子

 29番  石  坂  わたる        30番  小  杉  一  男

 31番  い  さ  哲  郎       32番  大  内  しんご

 33番  高  橋  ちあき        34番  伊  藤  正  信

 35番  篠     国  昭       36番  小  林  秀  明

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席委員

      な  し

.出席説明員

 中野区長    酒井 直人

 副区長     横山 克人

 政策室長    朝井 めぐみ

 政策室副参事(企画担当)        杉本 兼太郎

 政策室副参事(基本構想担当)      永見 英光

 政策室副参事(予算担当)        海老沢 憲一

 政策室副参事(広報担当)        堀越 恵美子

 政策室副参事(業務マネジメント改革担当)永田 純一

 経営室長、新区役所整備担当部長     髙橋 信一

 危機管理担当部長志村 和彦

 経営室副参事(経営担当)        石濱 良行

 経営室副参事(法務担当)        尾関 信行

 経営室副参事(人事担当)        田中 謙一

 経営室副参事(施設担当)        髙田 班

 経営室副参事(行政監理担当)      森 克久

 経営室副参事(経理担当)        波多江 貴代美

 経営室副参事(用地担当)        吉沢 健一

 経営室副参事(用地調整担当)      小倉 洋

 経営室副参事(生活・交通安全担当)   佐々木 和夫

 経営室副参事(新区役所整備担当)    中村 洋

 都市政策推進室長奈良 浩二

 都市政策推進室副参事(産業振興担当)  浅川 靖

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当)  松前 友香子

 都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 石井 大輔

 都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 小幡 一隆

 都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設整備担当) 江頭 勝

 地域支えあい推進室長          野村 建樹

 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 伊藤 政子

 区民サービス管理部長          上村 晃一

 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 古屋 勉

 区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 中谷 博

 区民サービス管理部副参事(税務担当) 矢島 久美子

 区民サービス管理部副参事(保健事業担当) 河村 陽子

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  戸辺 眞

 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当、学校・地域連携担当)、

教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当、学校・地域連携担当)  高橋 昭彦

 教育委員会事務局指導室長        宮崎 宏明

 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、

教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 濱口 求

 子ども教育部副参事(子ども施設担当)、

教育委員会事務局副参事(子ども施設担当) 石原 千鶴

 健康福祉部長  小田 史子

 保健所長    向山 晴子

 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    岩浅 英樹

 健康福祉部副参事(健康推進担当)    只野 孝子

 健康福祉部副参事(保健予防担当)    水口 都季

 健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 平田 祐子

 健康福祉部副参事(生活援護担当)    小堺 充

 健康福祉部副参事(生活保護担当)    林 健

 環境部長    白土 純

 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   高橋 均

 環境部副参事(生活環境担当)      高橋 英昭

 地域まちづくり推進部長         角 秀行

 地域まちづくり推進部副参事(まちづくり企画担当、

西武新宿線沿線まちづくり企画担当)   荒井 大介

 地域まちづくり推進部副参事(北東部まちづくり担当) 高村 和哉

 地域まちづくり推進部副参事(北西部まちづくり担当) 藤原 慶

 地域まちづくり推進部副参事(西部まちづくり担当) 菊地 利幸

 都市基盤部長  豊川 士朗

 都市基盤部副参事(都市計画担当)    安田 道孝

 都市基盤部副参事(道路担当)      井上 雄城

 都市基盤部副参事(公園担当)      細野 修一

 都市基盤部副参事(住宅政策担当)    塚本 剛史

 都市基盤部副参事(防災担当)      中川 秀夫

 会計室長    鳥井 文哉

 選挙管理委員会事務局長         松原 弘

 監査事務局長  小谷松 弘市

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     吉村 恒治

 事務局次長    古本 正士

 議事調査担当係長 鳥居 誠

 書  記     立川 衛

 書  記     若見 元彦

 書  記     井田 裕之

 書  記     冨士縄 篤

 書  記     野村 理志

 書  記     鎌形 聡美

 書  記     遠藤 良太

 書  記     松丸 晃大

 書  記     古谷 友里香

 書  記     吉田 光洋

 書  記     有明 健人

1.委員長署名


午後1000開議

○高橋(か)委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会いたします。

 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。

 タブレット端末等で総括質疑一覧が閲覧できますので、御参考にされてください。

 

平成30(2018)9月19日

決算特別委員会

 

総 括 質 疑 一 覧

 

氏名・会派等

               

内川 和久

(自 民)

1 平成29年度決算について

2 災害に強いまちづくりについて

3 特殊詐欺について

4 保健所及び堀江敬老館の移転について

5 区長の政治姿勢について

6 その他

(1)保育の質の向上について

(2)契約について

(3)その他

久保 りか

(公 明)

     

1 平成29年度決算について

(1)債務負担行為について

(2)基金・起債について

(3)新しい中野をつくる10か年計画について

(4)その他

2 都市計画の課題について

3 災害対策について

(1)実行力のある協定について

(2)防災公園について

(3)その他

4 区立幼稚園について

5 西武新宿線沿線まちづくりについて

6 受動喫煙対策について

7 その他

広川 まさのり

(共 産)

1 2017年度決算について

2 住環境の保全・向上について

 (1)住宅宿泊事業法について

 (2)旅館業法について

 (3)公衆浴場について

 (4)魅力ある公園整備について

 (5)羽田空港の航路変更について

 (6)猛暑対策について

 (7)その他

3 子ども・子育て支援について

4 その他

酒井 たくや

(立 民)

 

1 平成29年度決算について

(1) 平成29年度決算と新しい中野をつくる10か年計画(第3次)について

 (2)特別区民税から見る公的説明責任について

 (3)決算剰余金について

 (4)歳計外現金について

 (5)教育費について

 (6)その他

2 公園における区民協働と民間連携(Park-PFI)について

3 友愛クラブへの支援について

4 保育園・幼稚園分野の組織について

5 その他

渡辺 たけし

(都 無)

 

1 平成29年度決算について

2 地域包括ケアについて

 (1)区が保有している個人情報について

 (2)アウトリーチチームと民間事業者の連携について

 (3)地域包括ケアにおける民間事業者の参入について

 (4)その他

3 犯罪機会論について

 (1)地域安全マップについて

 (2)ホットスポットパトロールと防犯カメラの設置方法について

 (3)犯罪機会論を取り入れたまちづくりについて

 (4)人材育成について

 (5)その他

4 インターネットを使った区の予約システムについて

 (1)施設予約について

 (2)保育園見学の申込方法について

 (3)その他

5 その他

高橋 ちあき

(自 民)

1 平成29年度決算について

2 中野区人事構想について

3 地域包括ケアシステムについて

4 防災対策について

5 議会と行政の関係について

6 その他

日野 たかし

(公 明)

1 (仮称)弥生町六丁目公園について

2 災害対策について

 (1)ボランティアの受け入れについて

 (2)災害への備えについて

 (3)災害の見える化について

 (4)その他

3 児童・生徒の安全対策について

 (1)通学路等における安全対策について

 (2)学校での熱中症対策について

 (3)その他

4 がん対策について

5 就労支援について

6 その他

小杉 一男

(共 産)

1 子ども子育て施策について

2 防災対策について

(1)震災対策について

(2)豪雨対策について

(3)その他

3 介護保険制度の拡充について

4 障害者施策の拡充について

 (1)重度障害者グループホームの整備について

 (2)精神障害者手当の創設について

 (3)障害者スポーツの普及について

 (4)その他

5 区民施設の利用について

 (1)区民活動センターについて

 (2)高齢者会館について

 (3)その他

6 その他

中村 延子

(立 民)

1 平成29年度決算について

 (1)歳入について

 (2)歳出について

 (3)その他

2 予算編成方針について

3 妊娠・出産・子育てトータルケア事業について

4 その他

10

北原 ともあき

(自 民)

1 平成29年度決算について

2 保育行政について

3 防災対策について

4 商店街振興について

5 防犯カメラについて

6 西武新宿線連続立体交差事業と沿線まちづくりについて

7 その他

11

平山 英明

(公 明)

 

1 平成29年度決算と来年度の予算編成方針について

2 新区政の目指す行財政改革について

3 子育て環境の向上について

4 障がい者を支える区政について

5 目玉のない環境政策について

6 その他

12

ひやま 

(立 民)

1 平成29年度決算について

 (1)歳入について

 (2)歳出について

 (3)新地方公会計制度について

 (4)その他

2 国民健康保険事業について

 (1)社会保険違法未加入問題について

 (2)国民健康保険料滞納者の差押えについて

 (3)その他

3 生活保護について

 (1)これまでの生活扶助基準の見直しが区の事業に与えた影響について

 (2)今後、生活扶助基準の見直しが区の事業に与える影響について

 (3)その他

4 その他

13

加藤 たくま

(自 民)

1 決算について

 (1)将来推計人口に基づいた歳入・歳出の将来予測について

 (2)施設改修費の将来予測について

 (3)今後の予算のあり方について

 (4)その他

2 子育て応援券の創設について

3 豪雨対策について

4 中野区におけるスポーツ推進について

5 その他

14

篠 国昭

(自 民)

 

1 自治基本条例について

2 親が子育てするのは神聖な仕事とみなす施策展開について

3 教育問題について

 (1)読書の重要性について

(2)小中一貫校について

(3)その他

4 義務的経費の推移について

5 その他

15

むとう 有子

(無所属)

 

1 保育の質の向上について

2 生活保護について

3 その他

16

近藤 さえ子

(無所属)

1 指定管理者制度と業務委託について

2 ごみ問題について

3 地域包括ケアシステムについて

4 その他

17

石坂 わたる

(無所属)

 

1 持続可能な福祉・子育て支援と行政の改革について

2 障がい者支援について

 (1)成人の発達障がい者支援について

 (2)その他

3 ホームレス等生活困窮者支援について

4 その他

18

小宮山 たかし

(無所属)

1 自然環境と生物多様性について

2 その他

19

細野 かよこ

(無所属)

1 アウトリーチチームについて

2 女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画について

3 中野区障害者差別解消審議会について

4 その他

 

○高橋(か)委員長 本日は総括質疑の1日目となります。1番目に内川和久委員、2番目に久保りか委員、3番目に広川まさのり委員、4番目に酒井たくや委員の順に4名の質疑を行います。

 次に、要求資料についてですが、前回の委員会で要求した資料294件、全て提出され、タブレット端末等で閲覧できるようになっております。資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようにお願いします。

 それでは質疑に入ります。内川和久委員、質疑をどうぞ。

○内川委員 おはようございます。きょうから4日間、総括質疑がいよいよ始まりました。我が会派自民党は、私も含めて5名質疑に立ちますので、それぞれ誠意のある御答弁をお願いいたします。また、区長におかれましては、就任後2回目の定例会ということで、直接区長にお伺いすることも幾つかありますので、御答弁をよろしくお願いいたします。

 最近、日本中のどこかで自然災害が続いています。台風であったり、地震であったり、ゲリラ豪雨であったり、本当にそういった災害に遭われた方々が、1日も早く普段の生活に戻れるように願うところであります。今回の質問でも、2番目に災害に強いまちづくりについてお聞きしたいと思います。

 それでは、質問に入ります。質問は通告どおりですけれども、6番その他の3番その他のところでサンプラザについてお聞きいたします。また、1番の平成29年度決算については、その中で歳入歳出、ふるさと納税、公債費負担比率、それと新公会計、これについても触れていきたいと思います。

 1番、平成29年度決算について。

 平成29年度決算の概要は、歳入で1,252億円、歳出で1,221億円、実質収支は25億円とのことです。前年度に比べ、歳入で3.2%の減、歳出で3%の減、2年続けて前年度を下回り、今まで右肩上がりの決算が続いていたんですけれども、一転しました。地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく四つの指標がありますけれども、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率については、それぞれ政令で定められた早期健全化基準を下回っており、いずれも健全性を確保しているとのことです。しかしながら、監査委員の意見書にもあるとおり、債務負担行為額は147億円増の197億円と、大きなマイナス要因と指摘されています。納税義務者1人当たりの総所得金額は、平成25年以降増加を続けてきましたけれども、平成29年度は1人当たり386万円余、23区平均の431万円余と比べると、その差は拡大をしています。また、ふるさと納税については、寄附金税額控除6億4,300万円余に対し、中野区へのふるさと納税寄附金額は2,330万円余と大きく水をあけられています。実に6億2,000万ぐらいの差額があります。景気に大きく左右される財政調整基金については、法人住民税の一部国税化の拡大により、さらなる影響が懸念をされています。消費税率10%が予定どおり実施された場合、そのときの法人住民税一部国税化の中野区への影響額は幾らと試算をされているでしょうか、お答えください。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 法人住民税一部国税化の影響額についてでございますが、特別区長会の事務局の推計によりますと、消費税10%段階における中野区の影響額は34億円の減収という形になってございます。

○内川委員 34億円ということで、非常に大きな額になってくるということです。それに備えた予算編成をこれからもしていかないといけないのかな、そのように思っています。このように景気変動による歳入減や今後の行政ニーズに的確に対応するためには、着実に持続可能な財政運営を行い、そして、行政改革に取り組んでいくとともに、基金への確実な積み立てを行っていかなければいけません。そこで、幾つか続いてお聞きいたします。

 まず、歳入についてです。区の基幹収入である特別区税ですが、その9割を占めるのは特別区民税です。平成29年度決算では前年度比2.5%増の317億円とのことです。そして、その徴収率ですが、平成28年度で97.9%、29年度で98.4%と上昇を続けています。23区平均の98.7%に、あと0.3ポイントというところまで来ています。これは区の取り組みの成果と考えますが、現在、中野区としてどのような取り組みをしているのか、その内容についてお答えください。

○矢島区民サービス管理部副参事(税務担当) 区の取り組みでございますが、収納率向上対策として、平成29年8月に国税OBである滞納整理専門員を5名配置し、困難案件を中心に財産調査など効果的な滞納処分を行っております。また、現在は、こうした取り組みに加え、現年度分未納者に対しても電話・訪問催告の強化のほか、転出時に納税相談を行う取り組みの強化など、収納率向上に取り組んでおります。

○内川委員 ありがとうございます。そういった区の取り組みがこういった結果につながってきたのかなと思いますけれども、それでも23区平均にはまだ追いついていないということで、23区平均に追いついて、さらにそこを追い越すためには、これから何が必要か、その辺のことをお答えください。

○矢島区民サービス管理部副参事(税務担当) 23区平均収納率を追い越すための必要な取り組みといたしまして、平成29年度現年課税分の収納率は98.4%となり、平成28年度と比較して0.5ポイント上昇いたしましたが、この収納率では23区平均には届いておりません。滞納繰越への移行をする現年課税分の収入未済額は5億1,000万円となっておりますが、この現年度分の収入未済額を減らし、翌年度への滞納繰越をしないことが重要だと考えております。このため電話・訪問催告による現年度分の早期納付や年度内納付の促進、滞納整理専門員を活用した財産調査の強化、特別徴収の徹底などを進め、現年度分の翌年度への滞納繰越を抑制するなど、より効果的な現年度対策が急務であると考えております。

○内川委員 現年度対策、そこが重要だということなんですけれども、23区平均を上回っている区、そこでやっている取り組みで、中野区でやっていない取り組みというのはあるんですか。それは調べていますか。

○矢島区民サービス管理部副参事(税務担当) 23区平均を上回っている区で、中野区でやっていない取り組みといたしましては、区外の居住者に対する徴収を委託して行っている区がございます。

○内川委員 区外の徴収を委託している。もう一回ちょっと答えてもらえますか。

○矢島区民サービス管理部副参事(税務担当) 区外滞納者に対する徴収につきまして、納税勧奨など、委託事業者に委託して行っている区がございます。

○内川委員 区外に住んでいる人のところにはわざわざ出向いて徴収を促していると、そういうことですね。はい、わかりました。

 それから、平成29年度からは、原則として全ての事業主を特別徴収義務者として指定していますと。その制度の説明と効果についてもお答えください。

○矢島区民サービス管理部副参事(税務担当) 特別徴収推進の制度、効果につきまして、特別徴収の推進は、東京都及び都内全62区市町村におきまして、安定した財源の確保と納税者の利便性向上を図るため、平成29年度から全ての事業者を特別徴収義務者として指定し、住民税の特別徴収を推進する制度でございます。全ての事業者を特別徴収義務者とする取り組みの前の平成25年度と比べ、平成29年度の給与特別徴収の納税義務者数は約2万4,000人の増加となりました。また、特別徴収の効果といたしましては、平成29年度の給与特別徴収と普通徴収の収入率の比較では、給与特別徴収が4.68%高く、取り組み開始時との比較におきましては、約2億1,700万円の税収効果があったと考えております。

○内川委員 これも徴収率の向上に一役買っているのかなと思います。ありがとうございました。

 次に、納税には、Pay-easy口座振替受付サービスや、自宅や外出先でも納付できるモバイルレジサービスなどがあると聞いています。これがどういったもので、また、その効果はどのぐらいあったのか、それについてもお答えください。

○矢島区民サービス管理部副参事(税務担当) Pay-easy口座振替受付サービスでございますが、区の窓口に設置の端末機にキャッシュカードを通し、暗証番号を入力するだけで、口座振替申込手続がその場で完了するサービスでございます。従来の口座振替依頼書の記入、届け出印の押印が不要となるとともに、口座振替開始までの期間が短く済むものでございます。納め忘れのない口座振替に移行することは、収納率向上につながると考えております。平成29年度は233件の利用を受け付けました。

 次に、モバイルレジサービスでございますが、納付書に印刷されたバーコードをスマートフォン、携帯電話のカメラで撮影し、インターネットバンキングを利用し納税できるサービスでございます。24時間いつでも納付でき、コンビニエンスストアや金融機関に出かけることなく、どこでも納付できるものでございます。平成29年度は1,373件、約7,200万円の収納実績がございました。

○内川委員 こういった簡素な納税の仕方がふえることで、余計その収納率アップにつながってくるのかなと考えます。そのほかにクレジットカードによる納付の取り組みとか、あとは、アプリのダウンロードの必要のないヤフー公金支払い、こういったものがあるそうなんですけれども、こういった多様な納税の仕組み、これを区として用意していくことも必要かなと考えますけれども、今後の区の取り組みをお聞かせください。

○矢島区民サービス管理部副参事(税務担当) 収納率向上のための取り組みといたしまして、現行の窓口や口座振替などにより住民税を納付する方法に加えて、クレジットカード収納やPay-easy収納を利用した納付など、多様な納税方法の整備が必要であると考えております。納付方法の整備に当たりましては、既にクレジットカードやPay-easyなどによる納税を導入している先行自治体の事例を参考に検討しているところでございます。

○内川委員 都税なんかはもう既にクレジットカードで払えるようになっていて、私も利用させてもらっていますけれども、そういった本当に多様な納税の仕方、こういうのがふえることによって徴収率が23区平均に追いついて、さらにそれを越していくと。今後もそういった取り組みを強化してもらいたいと思います。ありがとうございました。

 次に、歳出についてお伺いをいたします。全体として増傾向にある義務的経費についてですけれども、特に一貫して大きく増加しているのが扶助費ですね。そこをいかに抑制していくのか。ここがこれから大切になってくるのかなと思っています。平成29年度の扶助費は、前年度と比較して15億549万円余、4.1%増の379億9,000万円余となっています。その中で生活保護費、我が会派の篠議員も一般質問で触れておりますけれども、生活保護費に関しては平成28年度より2億円増の161億円です。平成25年から27年までの3年間に段階的な生活扶助基準改定が行われ、生活保護費の伸びが一定程度抑制されたと考えています。

 まず、生活扶助基準改定について簡単に御説明をいただきたいと思います。

○林健康福祉部副参事(生活保護担当) 生活扶助基準の改定は、一般低所得者世帯の消費実態との均衡を図るため見直しを行うものでございます。前回の改定では、平成25年8月から3年かけて段階的に実施され、今回の改定では本年10月から3年かけて実施される予定でございます。

○内川委員 平成25年度から27年度までと、また、今年度から新たな生活扶助基準改定が行われるということであります。これは扶助費の抑制に一役買ったと思っておりますけれども、それ以外に生活保護費の抑制にはどのような要素があったのかお答えください。

○林健康福祉部副参事(生活保護担当) 生活保護世帯のうち、その他世帯が減少しており、昨今の完全失業率や有効求人倍率の推移からすると、景気の安定が寄与しているのではないかと推測されるところでございます。また、平成29年8月に年金機能強化法が施行され、年金受給資格期間が25年から10年に短縮されました。区は、年金受給資格のある被保護者に対して年金受給権の調査を行い、平成29年度は約9,000万円の収入認定を行うことができました。このことも生活保護費の伸びの抑制につながったものと認識しているところでございます。

○内川委員 景気の回復、それと、年金制度が変わったといったことが抑制にまたプラスになったのかな、そういったことです。

 次に、中野就職サポート、中野就労セミナーによるハローワークとの連携も、生活保護費の抑制に効果があったと推測されますけれども、区の御見解をお聞かせください。

○林健康福祉部副参事(生活保護担当) ハローワークと連携した中野就職サポート及び中野就労セミナー等の支援を受け収入を得たこと、及び就労自立廃止によって年度内に削減された保護費は、平成29年度は約3,237万5,000円で、前年度に比べ約23万5,000円増加しているところでございます。これらの支援を受け、就労による生活保護廃止となった人数は、平成28年度15人、平成29年度は28人となっているところでございます。

○内川委員 ありがとうございます。今の御答弁にもあったように、就労可能な世帯の就労率を上げていく、こういった取り組みがこれからも重要なのかな、そのように考えています。さらに、今後の取り組みについても御見解をお聞かせください。

○林健康福祉部副参事(生活保護担当) 平成30年度から生活保護の新規開始時には、必ず就労支援員による就労可能性の評価を行うとともに、支援計画を立てた際にはケースワーカーが就労支援員とともにハローワークなど支援機関と連携の上、フォローアップの取り組みを強化しているところでございます。今後も個々の被保護者の就労可能性に応じた支援を行ってまいります。

○内川委員 きめ細やかなフォローアップをお願いしたいと思います。

 次に、生活保護費の約4割を占める医療費についてお聞きしたいと思います。この医療費を適正化することによる効果は大きいと考えています。医療扶助費の適正化としては、今、中野区ではジェネリック医薬品の促進、健康管理支援等ありますけれども、それぞれどのぐらいの効果があったんでしょうか、お答えください。

○小堺健康福祉部副参事(生活援護担当) ジェネリック医薬品の促進については、一定の前提で、普及率が1%上昇すると推定値で約30万円の削減効果が認められております。平成28年度に対する平成29年度のジェネリック医薬品普及率は約2ポイント上昇していることから、約60万円の削減効果があったものと推定できます。また、一般的に糖尿病重症化予防により人工透析に至らなかった場合、年間約400万から500万円の治療費が抑制できると言われております。生活保護の健康管理支援事業における、平成29年度の被保護者の糖尿病重症化予防事業の参加者は6人だったので、約2,400万から3,000万円の医療費削減効果があったものと思われます。

○内川委員 ジェネリックは1%よくなると30万円の効果があると。あと、健康管理支援でありますけれども、直接の金額にすぐ反映はしないと思いますけれども、こういった取り組みも引き続き重要なのかなと思っています。

 次に、向精神薬の重複処方調査、それと、頻回受診調査についてはどのように行われているんでしょうか。

○小堺健康福祉部副参事(生活援護担当) 向精神薬の重複処方調査については、電子レセプトの活用により、複数の医療機関から向精神薬の処方が行われている対象者を抽出し、嘱託医への協議及び主治医への確認を行い、適切な処方か否かを判断しております。平成29年度における頻回受診調査については、電子レセプトの活用により、同一月内に同一診療科目を15日以上受診している月が3カ月以上継続している者を把握し、事前に嘱託医協議及び主治医への確認により該当性を判断しております。

○内川委員 聞くところによると、とても1人では飲み切れないぐらいの向精神薬、そういうのを持っている方がいると聞いております。

 次に、向精神薬は麻薬ですよね。麻薬にも指定される薬と理解しているんですけれども、これは本人の健康面に与える影響も多いですし、なぜその重複処方が多いのか、区の見解はありますでしょうか。

○小堺健康福祉部副参事(生活援護担当) 麻薬及び向精神薬取締法に基づく政令により、向精神薬の指定が行われております。重複処方は、被保護者の向精神薬についての知識不足、及びお薬手帳の未活用が原因と考えられます。

○内川委員 以前聞いたニュースでは、向精神薬の横流しなんかも行われているんじゃないか、そんな報道もあったと記憶しております。向精神薬の重複処方と頻回受診を適正化するためには、さらなる調査の徹底が必要だと思っています。今後――向精神薬といっても非常に種類もあると思いますので、そういった薬に対する知識を持った、専門家を交えたチェック体制の強化も必要ではないのかなと考えますけれども、区のお考えをお聞かせください。

○小堺健康福祉部副参事(生活援護担当) 電子レセプトのチェックや精神科嘱託医の関与に加えて、保健師による適正受診指導を検討してまいります。また、必要に応じて、適正受診指導結果について調剤薬局を含む指定医療機関に対して情報提供を行って、連携した対応を図っていくつもりであります。

○内川委員 ありがとうございました。この生活保護費の4割を占める医療費のところ、ここをいかに抑制していくか、取り組みを続けていただきたいと思います。ありがとうございました。

 次に、人件費についてお聞きをします。田中区政のもと、中野区では職員2,000人体制が進められてきました。しかし、その実現後は、その範囲内で必要な職員数を新規採用することに切りかえたことから、平成29年度普通会計決算においては、平成28年度より2億円増の202億円となりました。今後、義務的経費の抑制の役割を担うことができなくなるとしています。人件費はこれ以上下がらなくなってくるということですね。新区長の求める新たな区民福祉に伴う職員採用、人件費は今後どのように推移をしていくのか、お考えをお聞かせください。

○田中経営室副参事(人事担当) 民間活用や事業改善等による職員定数の見直しにつきましては、今後も推進していく一方で、新たな行政需要等に的確に対応するために必要な職員、こちらの採用は計画的に行っていきたいと考えてございます。人件費の推移でございますが、職員2,000人体制を維持した場合、今後10年間、職員の新陳代謝が緩やかに進んでいくため、ほぼ横ばい、あるいは減少傾向になるものと考えてございます。

○内川委員 中野区の財政白書にもありますけれども、平成27年度まではもうずっと右肩下がりで来ています。それで、平成28年度から、わずかでありますけれども、人件費が上がってきています。職員の数も少しずつふえてきています。これはやっぱり義務的経費を抑える意味でも大切になってきますので、これからも人件費の抑制には努めていかなければいけないのかなと思っています。区長の一般質問の答弁では、計画的に職員の採用を行うとのことですが、人件費は後年度負担にも影響します。適正な職員数はどのぐらいと考えているのか。また、今後とも2,000人体制を維持していくつもりなのか、区長の見解をお聞きいたします。

○酒井区長 民間活力の活用や事業改善等による職員定数の見直しは、今後も推進していく考えでございます。一方で、新たな行政需要等に的確に対応するため、計画的な職員採用を行っていきます。その上で職員2,000人体制についても、見直すかどうかも含めて検討してまいります。

○内川委員 これは、職員数というのは条例で決まっていますので、今の区長の答弁のとおり、今後見直すとなると条例を出していかなければいけないと。そこら辺の判断は、はっきりお答えできないかもしれないですけど、いつぐらいまでにお出しするようなつもりでしょうか。職員数はこのぐらいが適正なんだと。それにより条例を出すんだと。ちょっとそれ、お聞かせいただけますか。

○田中経営室副参事(人事担当) 職員2,000人体制を見直すかどうかも含めて検討させていただくというようなことで考えてございますので、時期等につきましてもまた検討の中で、時期も含めて検討させていただければと考えてございます。

○内川委員 現区長さんは、児童館は残す、区立の保育園も残す、そういったことを公約として掲げていますので、これから職員数、ふえていくのかな、そんな気がしているんですけれども、これから基本構想ですとか10か年計画ですか、お出しになるということで、その中で示されてくるのかなと思います。ありがとうございました。

 次に行きます。公債費負担比率について、次、お聞きしたいと思っています。中野区では、中長期的な財政見通しの中で計画的に特別区債を活用しています。その指標の出し方は、今二通りあります。一つは中野区方式というもので、これはここ数年右肩下がりを続けています。平成28年度6.0%から29年度は5.4%。また下がりました。区が目標とする、おおむね10%という数値を下回っています。一方、普通会計、23区の平均比較では、平成28年度5.4%から一気に8.2%と大幅に上昇しているんです。23区平均値の2.6%に比べても、一段とその差が広がりました。これは、計算方式が違うとはいえ、これだけその両者の数値が違った結果が出た理由をお答えください。

○森経営室副参事(行政監理担当) 中野区方式の公債費負担比率でございますが、一般会計におけます一般財源に占める公債費の割合でございまして、平成29年度に数値が下がったということにつきましては、満期一括償還に伴う元金償還の減によりまして、公債費が減になったということでございます。一方、普通会計の公債費負担比率が増となった要因でございますが、普通会計を構成いたしますのは一般会計と用地特別会計でございまして、その用地特別会計の公債費が増となったこと、こちらが、比率が増となったという大きな要因でございます。用地特別会計の公債費が増となった主な要因につきましては、(仮称)弥生町六丁目公園用地の一部を一般会計に売り払いいたしまして、公共用地先行取得等事業債を繰り上げ償還したことによるものでございます。

○内川委員 この普通会計の数値が一瞬上がったというのは、一時的なものというふうに判断してよろしいですか。

○森経営室副参事(行政監理担当) はい、そのように捉えているところでございます。

○内川委員 次に、この中野区方式、10%以内に抑制するという指標ですけれども、これ、できたのが平成19年の財政運営の考え方によるものです。それから10年以上も経過したことから、先ほど言った23区平均値の2.6%に近づけるためには、おおむね中野区方式のこの10%という数字をより厳しい値へ見直しを図っていくべきと考えますけれども、区のお考えをお聞かせください。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 公債費負担比率の指標の見直しということでございますけれども、小・中学校再編や区役所の整備、あるいは中野駅周辺のまちづくりなど、今後、行政需要の増加が予想される中にありまして、一般財源を縮小させることなくこれに対応していかなければならないと。かつ、世代間負担の公平化を図る意味からも、今後、起債活用の必要性は増してくるなというふうに考えているところでございます。一方で、中長期的にわたりまして公債費負担が財政運営に支障を来さないように、起債の抑制に努めていくということが必要でございまして、発行に当たりましては将来の負担額を見据えまして、慎重に判断していきたいというふうに考えているところでございます。一般財源のうちの10%以内で起債を活用していくという目標につきましては、区の財政体力に見合ったものであるというふうに考えておるところでございますが、一方で他区の状況と比較しながら、できるだけ発行を少なくしていくという努力は今後とも行っていきたいというふうに考えております。

○内川委員 ぜひ、区長みずからおおむね10%以内という数字、もっと厳しい数字に取り組んでいただきたいなと、そのように思っています。監査意見書にもあるんですけれども、先ほど言った人件費が今後減らずに、扶助費の増が今後も見込まれる中では、この義務的経費全体の増を抑制する要因としては、この公債費に期待せざるを得ない。そのように監査の意見書では述べられております。特別区債の償還と発行の抑制に今後とも努めていただきたいと思います。

 次に、新公会計についてお聞きしたいと思います。中野区では、平成25年度に固定資産台帳の整備など公会計改革を進めてきました。持続可能な区政運営を行うためには、財政計画に基づいた財政運営の継続と事業別のコスト分析を行い、行政評価や事業見直し、施設マネジメントなど区政運営に活用していくことが重要としています。平成27年度に総務省より、平成29年度までに全ての地方公共団体において統一的基準で作成するよう要請がなされ、平成28年度決算からこの統一的な基準に基づく財務書類の作成を行いました。平成28年度は試作版、平成29年度は本格版とのことです。まず、従来の公会計と新公会計の違いをお聞きいたします。

○森経営室副参事(行政監理担当) 従来の公会計でございますが、現金主義に基づきまして現金収支の動きを捉えたものであります。予算の執行や現金収支の把握には適しているといったところでございますが、一方、負債の増加や資産の減少といったストック情報が認識されにくく、建物の減価償却費や退職手当引当金など、実質的に発生している現金以外の行政コストを把握できないといったような課題がありました。新公会計でございますが、これらの課題に対応するため、複式簿記・発生主義会計を導入いたしまして、総務省が示しております統一的な基準に基づいて財務書類を作成いたします。これによりまして、施設マネジメント、施設別のコスト分析ですとか他団体等との比較、こういったものが可能となるといったものでございます。

○内川委員 なかなかこれ、よく勉強しないとわからないんですけれども、いわゆる今御答弁にあった負債の増加ですとか資産の減少といったストック情報というものですか、それが認識されやすくなったということであります。まずはこの新公会計、今年度、本格版ということですが、まだまだ始まったばかりということです。この発生主義と複式簿記の必要性についてお聞きをしたいと思います。

○森経営室副参事(行政監理担当) 発生主義におきましては、現金の収支にかかわらず資産の移動や収益、費用の発生事実に基づいて、そういったものを記録いたしまして、一つの取引について、それを原因と結果の両面から捉えて、資産の移動や損益を把握することができるといった利点があるものでございます。これらの考え方に基づきまして、ストック情報、フロー情報をしっかり把握いたしまして財政状況の透明性を高めるとともに、職員についてもコスト意識を高めて、業務の見直し・改善につなげていくといったような方向性から、発生主義・複式簿記について必要性が高いと考えているところでございます。

○内川委員 それから、この新公会計による具体的な取り組みとして、作成された財務書類から――先ほど御答弁がありましたけれども――他団体との比較が可能になったということであります。社会資本等形成の世代間負担比率、区民1人当たりの資産額・負債額、地方債償還可能年数、実質的地方債の額など、他区との比較が幾つか掲載されています。例えば、社会資本等形成の世代間負担比率、これ、中野区以外に4区、比較が出ているんですけれども、これは、数字が低いほうがいいとされています。中野区は4.4%。他区と比べますと、新宿区の2.7%と比べますと高いんですけれども、名前を出して失礼なんですが、目黒区さんの6.0%と比べるといい数字だと。それから、区民1人当たりの資産額とか負債額も出ています。これも比較的中野区はいい数字で、1人当たりの資産額は164万円。お隣の杉並区、125万円と比べても高い数字です。それと、1人当たりの負債額も、中野区は15万円。高いところは、お隣の新宿が21万円と出ています。それから、唯一中野区が他区に比べてちょっと悪い数字というのが、有形固定資産減価償却率、こういったものがあるんですけれども、これは、数字が高いほど近い将来に大規模修繕とか改築・改修の必要が出てくるということで、計画的に資金を積み立てていく必要があるとなっています。これに対する数字は、中野区は67.4%。他区、4区と比べて一番高い数字になってしまっています。全体的に他区と比べてそんなに遜色のない数字かなと思うんですけれども、御担当は印象についてどうお考えですか。

○森経営室副参事(行政監理担当) おっしゃるとおり、中野区の数値につきましては他区と比べても遜色ない、むしろいい傾向かなというところがございますが、今、委員、一つ資産の部分について、資産老朽化比率、有形固定資産減価償却率ですけど、こちらについては他区より悪いといったような例を挙げられましたけれども、そういったところもありますので、そういったところについてはしっかり課題として受けとめているところでございます。

○内川委員 まだまだ始まったばかりの新公会計ということですけれども、これ、毎年毎年数字を積み上げていって、今後どのぐらいの数値が適正なのか。また、将来中野区としてどのぐらいの数値を目指すのか。今後の、ちょっと答えづらいかもしれないですけど、目標についてお答えいただきたいと思います。

○森経営室副参事(行政監理担当) こちら、新しい統一基準に基づいて作成された財務書類については、まだ2年目といったところでございまして、現時点で適正な数値、どれが適正かというのを判断するのはなかなか難しいのではないかと考えているところでございます。今後、委員も今おっしゃられたように、経年でしっかり積み重ねていく。また、他団体との比較も可能になっていますので、そういった他団体との比較も踏まえまして、適切な目標を定めていきたいと考えているところでございます。

○内川委員 この新公会計で期待される効果というのがあります。PDCAサイクルの実効力の向上、職員のコスト意識の向上、財政分析、予測力の強化等あるんですけれども、こういった効果がいつごろはっきりあらわれてくるのかなと思うんですけれども。新公会計制度導入ロードマップというところで、活用方法を検討して区政経営の有効活用モデル検討、これが大体平成33年度に確立、行政評価への活用検討、これは平成34年度に活用を始めるとあるんですけれども、まだまだちょっと先が長いのかなと思いますが、ここら辺の取り組みについて御担当のお考えをお聞かせください。

○森経営室副参事(行政監理担当) 今、こちらの新公会計の効果、委員、御指摘ありましたけれども、職員のコスト意識、また、区政経営への反映、それを踏まえた区政経営への活用といったところがあるところでございまして、行政評価への活用など、計画も定められているところでございます。そちらに向けてしっかり検討していきたいと考えているところでございます。

○内川委員 ありがとうございました。この新公会計ですけれども、区民等に対する情報開示、これも具体的な取り組みとして挙げられています。財政状況を多面的に明らかにすることを通じて、より一層の説明責任を果たすとされています。新区長になられてから、タウンミーティングや区民との意見交換会が多く行われています。広く区民の意見を聞くことも否定はしませんけれども、その際に財政的な裏付けもきちんと区民に対して説明するのが重要だと考えています。例えば、平和の森公園の300メートルトラックなどを、現計画を変更した場合、事業者に対してどのぐらいの違約金が発生する可能性があるとか、それから、これは我が会派の若林議員も触れていますけれども、旧中野刑務所の正門を保存・移転するにはどのぐらい予算が必要で、その財源をどうするかなど、区民の意見や判断に大きく影響すると思います。区の説明責任にもかかわるため、このことに関する区長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○酒井区長 区の施策を進めていく上で、区政の主役である区民の声を聞くことは重要であると考えております。区民の皆さんから意見を聞く際には、施策検討の経緯、それから、施策実施に要する費用・効果などをできる限り誰にでも検証可能な状態で示していきたいと考えております。

○内川委員 早速10月8日と10日ですか、平和の森公園再整備を考える会、こういったものがあるんですけれども、そこに区としては五つの案ですか、そういったものを示して意見・情報交換を行っていくということですけれども、その五つの案に関して、それぞれこういった場合にはこのぐらいの影響が続く可能性があるよと、そういうことを示すお考えですか。

○酒井区長 幾つかの案を示しましたけれども、どの案にするということではなくて、いろんなパターンを示した中で、どういう影響があるか、費用の面でもしっかりと説明してまいります。

○内川委員 いろんな区長の判断に大きく左右されることですから、特に予算にもかかわってくることですので、しっかりとそこら辺は伝えていってほしいなと思っています。

 次に、ふるさと納税に移ります。このたび総務省から地方税法改正も視野に、豪華過ぎる返礼品を自粛しない自治体について、制度の対象から除外するということが明らかにされました。最近のふるさと納税は、本来の趣旨から逸脱して返礼品競争となっているため、制度の公平性を担保する狙いがあります。中野区では、寄附金税額控除6億4,300万円に対し、区への納税寄附金額は2,330万円余と、その差は本当に歴然であります。一方、ふるさと納税には一定のルールがあります。返礼品の調達価格が寄附額の3割を超えないように、それと、地場産品以外のものはだめだとかありますけれども、中野区の状況についてお答えください。

○杉本政策室副参事(企画担当) 区の返礼品に、調達価格が寄附額の30%を超える返礼品はございません。地場産品以外のものにつきましては、なかの里・まち連携や被災地支援により、連携関係のある自治体の特産品などの品が77品ございます。

○内川委員 これ、総務省の方針に、里・まち連携のそういった返礼品がひっかかってくるんですか。

○杉本政策室副参事(企画担当) 総務省の考えとしましては地場産品に限るということでございますので、里・まち連携の返礼品につきましては対象から外れるというような見解が示されております。

○内川委員 残念な話だと思いますけれども、その里・まち連携の返礼品の占める割合といいますか、中野区に対する寄附の中で、里・まち連携の返礼品がどのぐらいのウエートを占めているんですかね。ちょっとわかりますか。

○杉本政策室副参事(企画担当) 直近、平成29年度の決算としましては、全体の76.3%を占めてございます。

○内川委員 稼ぎ頭ということが言えると思うんですけれども、来年の4月から総務省では法改正をするということが伝えられています。一定のルールのもとに、これ、していかなければいけないということで、中野区も対応する必要があると思いますけれども、今後の取り組みについてお答えください。

○杉本政策室副参事(企画担当) 地場産品に限るというような総務省の見解が示されてございますが、そもそも地場産品の定義が明確でないというような制度上の課題もございまして、そういった点を東京都を介しまして国に確認しながら、今後の取り扱いを検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○内川委員 同様の状況に置かれている都心部の自治体もあると思うんですが、そういうところと連携して、これからそういった声を上げていきたい、そういったことでよろしいですか。

○杉本政策室副参事(企画担当) そういった連携も含めまして、今後の対応を検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○内川委員 この総務省が予定している法改正が行われると、区から流出する税金も当然減りますけれども、先ほど担当が答えられたとおり、区への寄附も当然減っていくと。この入りと出の差額が6億2,000万円もあるんですね。この数字というのは、歳入でふえた特別区民税6億1,600万円余を相殺するぐらいの大きな額なんです。今後、この差がどうなっていくのか、区の見解をお聞きしたいと思います。

○杉本政策室副参事(企画担当) ふるさと納税制度による寄附金税額控除、これ自体は上昇傾向にございます。ですので、今回の総務省の通知に限った対応ということで考えを述べますと、このたびの総務省の要請によりまして区から流出する税額につきましては、地場産品を扱う他の自治体に寄附が流れるということが予想されることから、大きな変化はないというふうに考えてございます。一方で、区への寄附金額につきましては、先ほど申し上げましたように返礼品の7、8割が連携自治体の返礼品であることから、減少が見込まれるというような状況でございます。

○内川委員 2,300万円ぐらいの7、8割減ってしまうということは、またその差がすごく大きく広がるなということになってきます。本当に地場産品の少ない都心部の自治体においては、頭の痛い問題だなと思っています。ただし、区への納税寄附額をふやすアイデアも、今後取り組んでいく必要があると思いますけれども、そこら辺のことについてお考えをお聞かせください。

○杉本政策室副参事(企画担当) ふるさと納税事業につきましては、これまでも寄附金の使い道の追加・明確化など、返礼品以外のところにつきましても充実を図りまして、多くの寄附者の方から共感を得られるような制度の構築に努めてまいりました。今後も中野区の特徴を生かしたメニューを検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○内川委員 新聞に出ていたんですけれども、文京区さんの例ですと、生活困窮世帯に食事を届ける子ども宅食をふるさと納税の対象事業にしているそうです。これは当然、返礼品はないんですけれども、これが、昨年度は目標の4倍を超える8,200万円も集まったということです。中野区もこういった人々の心に訴えるような、気持ちに訴えるような、そういったものをぜひとも考えてほしいなと思いますけれども、もう一度御答弁をお願いいたします。

○杉本政策室副参事(企画担当) 今、委員から御提案いただきました、そうした事業も含めまして、中野区の特徴を生かしまして、多くの、全国の方から賛同を得られるようなメニューづくりを検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○内川委員 ありがとうございました。

 次に、2番の災害に強いまちづくりについてお聞きいたします。災害というと、まず地震を想像する方も多いと思います。東日本大震災、熊本地震、大阪府北部地震、最近では北海道でも大きな地震が起きました。また、首都直下地震はいつ起きてもおかしくないと言われています。地震に対する備えは喫緊の課題と言えます。区長の所信表明の中にも、「いつ起きてもおかしくない災害に備えて、区民の生命・財産を守るため防災まちづくりを進めていきます」と力強い発言がありました。一方、西日本豪雨災害等、台風やゲリラ豪雨による水害も最近特にふえたように感じています。過去には中野区でも、神田川や妙正寺川が氾濫して甚大な被害が出たことも、覚えている方も多いと思います。過去最大級ですとか観測史上初という水害に対する備えも、あわせて進めていく必要があると考えています。ゲリラ豪雨等の予知に関しましては、我が会派の加藤議員が専門的に取り組んでおられます。ここでは水害が起きた場合について幾つかお聞きいたします。

 まず、天気予報などでよく聞く注意報、警報など、その種類と意味についてお答えください。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) まず、注意報・警報の種類、意味についてお答えをさせていただきます。最初に注意報は、災害が発生するおそれがあるときに注意を呼びかける予報で、注意報の種類には、大雨、洪水、大雪、強風、風雪など16種類があります。次に警報は、重大な災害が発生するおそれがあるときに警戒を呼びかける予報で、警報の種類は、大雨、洪水、大雪、暴風、暴風雪など7種類があります。注意報・警報以外に、数年に1度しか発生しないような短時間に大雨を観測する、または解析した際に発表される記録的短時間大雨情報や、重大な災害が発生するおそれが著しく高まっている場合に特別警報が発表されます。特別警報の種類には、大雨、大雪、暴風、暴風雪など6種類があります。

○内川委員 簡単にいいますと、警報のほうが注意報よりもより危険の度合いが強いということです。

 次に、その発表にはある一定の基準があるとのことです。地域ごとで基準値が違うですとか、過去データから作成、見直し、更新もするなど三つの特徴があるとのことですけれども、中野区の状況についてお答えください。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) 注意報・警報の基準は、まず気象庁が定めております。災害の発生に関する各地域の特性に合わせて基準値が設定されております。また、過去20年以上の気象や災害のデータから作成され、災害の発生状況から随時改定されております。大雨洪水に関する基準は、累積雨量から積算された、雨が地表にとどまる表面雨量指数や、雨が地中に染み込む量、土壌雨量指数、雨が上流から集まる河川を流れる量、流域雨量指数などが定められております。一例といたしまして中野区の表面雨量指数は、注意報の段階で11、警報の段階で20となっております。また、風の場合は、注意報が平均風速13メートル、警報が25メートルとなっております。

○内川委員 ありがとうございました。気象庁の発表と、あと自治体での発表、2種類あるということです。

 避難勧告・避難指示といった言葉をよく最近耳にしますけれども、どのような行動が求められているんでしょうか。簡単で結構です。御説明ください。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) 避難勧告は災害が発生するおそれがある場合に発令するもので、強制力はありません。対象地域の区民の安全な場所への避難を促すものです。避難指示は被害の危険が切迫したときに発令するもので、避難勧告より状況がさらに悪化した場合や人的被害が出る危険性が非常に高まった場合に発令いたします。避難指示が発令された場合は直ちに避難する必要があります。

○内川委員 ありがとうございました。その次の質問に避難準備情報とあるんですけど、これはちょっと飛ばします。

 このように、こういった警報ですとか指示ですとか、そういった言葉の持つ意味というのが区民に正確に伝わっているのかな。また、どのようにこれが周知徹底されているのか、お答えいただきたいと思います。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) こちらの周知につきまして、本年9月に中野区の洪水ハザードマップを改訂いたしまして、避難情報の種類・内容や避難情報の収集方法、避難の仕方、水害への備えなどを追加掲載したところでございます。また、洪水ハザードマップは区役所、区民活動センターで窓口配布するほか、ホームページ等に掲載いたしまして周知を図っております。また、河川が氾濫した場合、浸水区域内の地域については全戸に配布しているところでございます。

○内川委員 避難行動をとるまでにはある一定程度の時間が必要ということです。それを考慮した上で、迅速に区民に対し正確な情報が行き渡ることがこれから重要となってきます。今後の区の取り組みについてお考えをお聞かせください。また、高齢者や障害者といった、いわゆる災害弱者に対する取り組みもあわせてお答えいただきたいと思います。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) 区では、中野区風水害タイムラインを作成いたしまして、台風性豪雨等の豪雨に対しまして、その災害の発生を想定して事前にいつ誰が何を行うということを定めております。そして、情報収集、分析、対応方針を事前にとることとなっております。河川の氾濫等のおそれが見込まれる場合には、防災行政無線をはじめ、各種情報発信手段を活用いたしまして、また、高齢者、障害のある方などへの対応も含めまして、必要により車両による広報を実施するなど、迅速・正確に区民に対して避難行動に関する情報を発信するよう努めております。さらに、高齢者、障害のある方などの避難行動要支援者については、区が作成した避難支援行動マニュアルに基づきまして、避難所における区民が組織する避難支援部と区職員の避難支援班が連携し、避難行動を支援することとなっております。

○内川委員 先日、東京都東部の江東5区、墨田、江東、足立、葛飾、江戸川ですけれども、そこの水害避難計画が発表されました。最大規模の洪水を想定したハザードマップと住民の避難計画ということです。その内容は、最悪のケースでは、実に人口の9割以上に当たる250万人に避難を勧告することとなっています。滞在先の確保など、課題もまだまだ多いとされています。こういった広域の災害に対しては、1自治体だけではなく、関係機関との十分な調整が必要となってきます。中野区においては、神田川、善福寺川、妙正寺川など、水域を同じくする他自治体とはどのように連携をしているんでしょうか、お答えください。あわせて、江東5区のように最大規模の洪水が発生した場合、中野区の被害想定についてもお答えください。

○井上都市基盤部副参事(道路担当) 他自治体との連携について、今年度から東京都を中心とした23区、26市、3町、1村で構成する東京都管理河川の氾濫に関する減災協議会、こちらが発足しました。また、東京都、新宿区、杉並区、豊島区及び文京区、並びに気象庁、自衛隊、消防庁及び警察庁から成る東京都第三建設事務所水防連絡会を組織しています。また、河川の水位については、常時東京都に情報提供をしているとともに、上流に位置する杉並区から情報提供を受け、下流に位置する文京区、千代田区に対して情報提供を行っています。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) ただいまの御質問の後段の部分をお答えさせていただきます。中野区において最大規模の洪水が発生した場合の被害についてでございます。こちらは、東京都が本年3月に改訂し発表した神田川流域洪水予想区域図及び荒川水系(神田川、善福寺川、妙正寺川)洪水浸水想定区域図においては、被害の想定について言及をしておりません。都が首都直下地震の被害想定の発表のように、今後、江東区などの5区と同様に、洪水・浸水の被害想定を発表した場合には区民の皆さんに周知徹底するとともに、その対策に努めていきたいと考えております。

○内川委員 今、中野区の最大規模の洪水のときの被害想定はまだされていないということなんですけれども、今後、そういった情報も区民のほうに発信をしていただきたいと思っています。

 中野区の洪水ハザードマップについてお聞きします。この地図は、神田川などが大雨によって洪水になった場合の浸水予想区域と各地域の避難所を示したものです。小規模な洪水の場合には、従来どおり区民活動センター等が一時避難場所となっています。では、大規模洪水の場合にはどうなんでしょうか。マップによりますと、これ、ハザードマップなんですが、避難場所とされている区民活動センターですが、例えば弥生区民活動センターはもう2メートルから3メートルの水没、東部区民活動センターも足元まで来てしまいますし、鷺宮区民活動センターもそうですし、江古田も、結構これ、かかってきています。区では、避難所は洪水の状況により開設するとありますけれども、タイムリーな区民への周知はどのようになっているんでしょうか、お答えください。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) まず、避難所の開設についてでございますが、大規模洪水が起きるおそれがあるときは、避難者を区民活動センターに収容し切れない場合は、河川から離れた浸水区域以外の避難所に移っていただくため、学校等に開設いたします。また、避難所の周知についてですが、防災行政無線や災対地域本部応急班による区有車での広報のほか、ホームページ、ツイッター、中野区防災情報メール、エリアメールによる緊急速報、ケーブルテレビ等で周知を図ってまいります。

○内川委員 ありがとうございました。ただし、この中野区の洪水ハザードマップは、総雨量690ミリとあるんですけれども、先日、総雨量1,000ミリを超える可能性もあるような豪雨が、そういった報道もされていましたので、これがもし1,000ミリになっちゃったらどうなっちゃうのかなと。そういった不安がありますけども、わかりました。ありがとうございました。

 それから、地震等災害後の取り組みも重要となってくると思います。そこにおいて公共基準点の維持管理、これが重要となってくると思いますけれども、平成29年度に公共基準点の現地調査が行われたと思いますけれども、その結果についてお答えください。

○井上都市基盤部副参事(道路担当) 公共基準点の現地調査結果についてですが、平成29年度の現地調査では、基準点の現地踏査を実施した結果、総数1,733点に対して滅失している基準点の数は466点でございました。

○内川委員 その結果を受けて、これからどう維持管理を進めていくかということなんですけれども、他区では公共基準点の維持管理として一定程度の予算を組んで取り組んでいます。例えば文京区では、5か年計画の再整備として8,000万円の予算を組んで30年度より始めています。今後、中野区のこういった公共基準点の維持管理をどうするおつもりなのか、お答えください。

○井上都市基盤部副参事(道路担当) 現在の維持管理については、中野区公共基準点管理保全要綱に基づいて行っています。また、区の工事関係部署はもとより、道路調整会議の開催時において東京都第三建設事務所、水道局、下水道局、NTT、東京ガス、東京電力など公共事業者に対し、公共基準点の異常、亡失、不明、要移転等に対応できるように周知並びに協力依頼を行っています。また、中野区公共基準点の再整備事業と今後の維持管理については、今後3年計画で公共基準点を再整備し、整備後は要綱、運用基準により公共基準点の維持管理を計画的に取り組んでいきたいと考えています。

○内川委員 ぜひ計画的に取り組んでいただきたいと思います。

 この項の最後に、災害に強いまちづくりについては区民の関心も高く、今後の取り組みが注目をされています。耐震性を上げることももちろん重要ですが、洪水による浸水からは逃れることはできません。緊急輸送道路の安全の確保や狭隘道路の解消、電柱の地中化など、点から面への総合的な災害対策が必要と考えています。我が会派の高橋かずちか議員も一般質問で触れておりましたけれども、今後、区としてどう区民の安心安全、災害に強いまちづくり、しっかりと行っていくのか、改めて区長のお考えをお聞きしたいと思います。

○酒井区長 一般質問の答弁でも、区の災害対策、喫緊の課題であるという認識を示しております。耐震化の助成などの検討もしておりますけれども、中野区の木密対策について、それから、水害についての対策についても、さまざまな施策を組み合わせて総合的に喫緊に取り組んでいく所存でございます。

○内川委員 生命と財産を守っていく。すごく大事だと思います。ぜひリーダーシップをとって取り組んでいただきたいと思っています。

 次に、3番、特殊詐欺についてお伺いいたします。自然災害ではないですけれども、やはり同じく区民の財産を守るという観点から、特殊詐欺対策についてお聞きします。まず、特殊詐欺について、簡単でいいです、御説明ください。

○佐々木経営室副参事(生活・交通安全担当) 特殊詐欺の定義についてお答えいたします。特殊詐欺とは、不特定の者に対し、対面することなく電話やメール等を使って行う詐欺のことです。代表的な手口といたしましては、電話を利用して親族や警察官、銀行員等を装い、高齢者等を欺き、現金やキャッシュカードをだまし取るオレオレ詐欺等があります。

○内川委員 代表的なものはオレオレ詐欺ということです。ここ数年の中野区の全刑法犯件数と特殊詐欺の件数、被害額についてお答えいただきたいと思います。

○佐々木経営室副参事(生活・交通安全担当) 昨年は、一昨年に比較いたしまして、中野区内における刑法犯認知件数は減少いたしましたが、特殊詐欺については増加し、81件の発生で、被害額は約9,600万円でした。本年も増加傾向が続いておりまして、7月末現在で59件の発生、被害額は約7,200万円に及んでおります。

○内川委員 中野区においては、平成27年までは減っていたんですが、平成28年、29年とまた右肩上がりで被害が上がっています。その額も相当な額に上っています。それで、特殊詐欺を防止するには、自動通話録音機が効果を発揮するとのことですけれども、その機能について簡単に御説明ください。

○佐々木経営室副参事(生活・交通安全担当) 中野区で購入・配布している自動通話録音機は、御家庭の電話機に工事不要で簡単に接続することができる機器で、電話着信時に相手方に対して、振り込め詐欺被害防止のために録音を行う旨の警告メッセージを流し、電話に出ると自動的に録音を開始する機能を有するものです。犯人は、自分の声を録音されるのを嫌がりますので、被害を防ぐ効果は絶大であると考えております。

○内川委員 その自動通話録音機ですけれども、警察、区としても区民のほうへ今貸与をしておりますけれども、今年度、そして来年度、平成31年度の取り組みについてもお答えください。

○佐々木経営室副参事(生活・交通安全担当) 今年度は300台の自動通話録音機を購入したところです。都内及び中野区内の特殊詐欺が昨年と同様、本年も増加傾向にあることや、自動通話録音機は特殊詐欺未然防止に効果を発揮しているところなどを踏まえ、自動通話録音機貸与事業の規模についても検討してまいりたいと考えております。

○内川委員 それと、その貸与の仕方ですけれども、本当に必要な方のところに有効にこの録音機が行き渡るような工夫が必要なのではないかなと思っております。そこら辺のことを、区のお考えをお聞かせください。

○佐々木経営室副参事(生活・交通安全担当) 現状においては区報による貸出案内を行いまして、65歳以上の高齢者が居住する世帯へ配布するとともに、地域包括支援センターや警察と連携しながら、被害に遭う可能性が高い世帯への貸し出しを行っているところでありますが、今後とも中野区内の特殊詐欺被害の減少に資する効果的な貸し出しに努めてまいりたいと考えております。

○内川委員 区民の財産を守るという視点で、今後も取り組みを強化していただきたいと思います。

 それでは、次の質問に移ります。4番の保健所及び堀江敬老館の移転についてお伺いいたします。公明党の平山議員も触れておりましたけれども、先日の委員会において中野区役所新庁舎に保健所機能を入れないということが示されました。その理由について改めてお聞かせください。

○中村経営室副参事(新区役所整備担当) 新庁舎への保健所合築でございますが、新庁舎の基本設計を進めるに当たりましてゾーニング作業を進めたところ、新庁舎に保健所を合築するには面積的に厳しいという結論に至りました。

○内川委員 独立性についても触れられていなかったですか。

○中村経営室副参事(新区役所整備担当) 現保健所が独立した保健所になってございまして、新区役所に合築した場合、専用のエントランス等も保健所には必要になりますので、新庁舎への合築は難しいとの結論に至りました。

○内川委員 以前は、新庁舎の中にも保健所が入るということを聞いていたんですが、今、担当がお答えになったスペースがないということと、あと、保健所の独立性の重要性、こういったことで新しい区役所には保健所が入らないというふうになったということです。当面の間、保健所は現在の場所で運営されるとのことですけれども、売却ですとか現地建てかえですとか、移転はどうするのか、そこら辺の判断はいつごろ示されるんでしょうか。

○杉本政策室副参事(企画担当) 現時点におきましては、当面の間、既存施設を引き続き活用することを考えてございまして、基本計画の改定とあわせて検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○内川委員 基本計画の改定というのはいつでしたっけ。

○杉本政策室副参事(企画担当) およそ今後2年後を目途にお示しするというようなことで予定してございます。

○内川委員 保健所は、今築45年ぐらいと聞いているんですが、2年後となると築47年ぐらいになっている。そこから方針を進めていくということで、そんなに放っておいていいんですか。

○杉本政策室副参事(企画担当) 今、委員から御指摘いただきましたように、保健所は昭和48年に建築した建物でございまして、昭和56年に増築をしてございます。現時点におきましては直ちに施設改修等が必要というような状態ではございませんので、当面の間は引き続き現施設を活用するというようなことで考えてございます。

○内川委員 基本計画の改定にあわせてということですけれども、なるべく早く方針を示していただきたいと思っています。

 保健所の場所には、その裏といいますか並びに、暫定的に堀江敬老館が設置されています。当面の間は保健所が現在の場所に残るとなると、堀江の移転は予定どおり中野三丁目の区への寄贈物件へ移転されるのか。また、その時期についてもお答えください。

○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 堀江敬老館につきましては、その高齢者会館としての機能を受け継ぐ、高齢者福祉に資する民間施設を現在中野三丁目の用地に誘致するために事業者選定を行っております。来月中には事業者を決定いたしまして、今年度中には既存物件の取り壊し、その後、新施設の建設を行いまして、予定どおり平成32年度には高齢者会館機能を持った高齢者の福祉に資する民間施設を開設する予定でございます。その時期にあわせまして堀江敬老館の暫定利用は廃止とすることでございます。

○内川委員 堀江は予定どおり移転をしていくということで、移転した後――もともと保育園だったんですよね、あそこは。それを何か有効活用ということも現時点で考えていらっしゃいますか。

○杉本政策室副参事(企画担当) 今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○内川委員 保健所の建てかえ等もまだまだ先、残った保育園の跡地も今後検討ということで、答えがはっきりしませんけれども、保健所跡地は売却され、平成35年竣工予定の新区役所庁舎の建設費に充てるというスキームがあったと思います。区役所とサンプラザを合わせた評価額が450億円と見積もられ、新庁舎建設費約220億円を上回り、一定のめどがついたことと、保健所の独立性を担保するために保健所跡地の売却が必要なくなったとの理解でいいのか、確認です。お聞きいたします。

○中村経営室副参事(新区役所整備担当) 新庁舎整備の財源につきましては、現区役所用地及びサンプラザ用地を有効活用し、整備を進めるということを考えてございます。つきましては、現保健所の活用については現在のところ考えてございません。

○内川委員 先送りの件が多いので、2年後の基本計画なんて言っていないで、早く示していただきたいなと、そのように思っています。ありがとうございました。

 それでは、次の質問は、その他の保育の質の向上にちょっと移らせていただきたいと思います。保育の質の向上ですけれども、区長の所信表明によりますと、「待機児童ゼロへの取り組み、また、保育の人材確保と質の向上に向けた対策を実施していきます」としています。まず、保育の質の向上とは具体的にどういうことか、お答えください。

○濱口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 保育施設におけます保育の質の向上・確保ということは大変重要なことだと認識してございます。保育の内容、保育技術、それから安全確保、衛生、そういったお子様を預かる施設において適切な保育がなされる環境整備、こういったものが重要であると認識しているところでございます。

○内川委員 今、安全の確保という御答弁がありました。本年2月の第1回定例会でも聞いたんですけれども、保育施設への立入検査についてもう一回お聞きしたいと思います。保育園待機児童ゼロへの取り組みは自治体にとって喫緊の課題であり、中野区においても保育園待機児童ゼロに向けて緊急対策本部を立ち上げ、今、取り組みを強化しています。こうした結果により、今後、保育施設の数はますます増加していく傾向にあるんですけれども、その一方、保育の質に関する課題が今後ますます顕在化していくと想定されます。こうした子どもたちの命にもかかわる問題については、決して手抜きがあってはいけないと思っています。安心して子どもを預けられる環境を確保するとともに、保育の質をさらに高めていくためにも、これまで以上に保育所への立入検査を充実させることが求められてくると思っています。調査結果によりますと、自治体による立ち入りの体制が充実していると答えたのは64%、やや不安と回答したものは35%でした。その理由としては、約90%が人手不足を挙げています。現在中野区においては、幾つの保育施設が現在し、その立入検査はどのように行われているのかお答えください。

○濱口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 中野区におけます指導検査の対象でございますが、現在、私立認可保育所38、指定管理者園4、小規模保育事業15施設、家庭的保育所10、事業所内保育事業所1の計68施設が対象となってございます。子ども・子育て支援法に基づきまして指導検査を行っているところでございます。なお、立入検査につきましては、区の担当者、事務職1名、それから、園長経験者2名がチームを組みながら、3カ年で行うというものでございます。

○内川委員 3年でとりあえず全ての施設を見て回るということです。それでは、立入検査の結果、どのような問題点が浮上して、それに対してどのように対処しているのか、お答えいただきたいと思います。

○濱口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 指導検査を行いまして、改善、指導等を指摘したというような主なものでございますけれども、毎月実施いたします避難訓練が未実施であったというような施設ですとか、あるいは、調理師の方の検便が行われていないときがあったというような指摘事項等がございます。これまでもこういった施設におけます日常の保育所の巡回等、指導検査を行う中で質の確保を行っているというものでございます。

○内川委員 区の職員の定数削減など行政のスリム化が進められる一方で、今後増加する保育施設に加え、企業主導型保育施設など新たな保育施設もふえていくことが想定されています。こうした状況のもと、立入検査にかかわる職員体制に不安はないのか、お答えいただきたいと思います。

○濱口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 新たな形態の保育施設等の指導検査に当たりましては、東京都等が開催いたします研修会へ参加するなど、検査方法の向上に努めているところでございます。また、検査対象施設の増加にも対処できるよう、適切な職員体制を整えてまいりたいと考えてございます。

○内川委員 そういった検査や指導を強化していくことはもちろん重要なんですけれども、そうした指導の結果を受けて各保育施設の運営に対する支援体制、これもより充実させなければいけないなと思っています。こうした保育施設に対する支援体制に対して、区は今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。

○濱口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 支援体制についてでございますが、これまでも日常的に保育所等の巡回によりまして、保育内容の改善について助言等を行っているところでございます。指導検査の結果、保育のあり方等について指摘事項があった場合にも、保育士の専門職による支援を実施いたしまして、保育内容の改善に関するアドバイス等を行い、保育の質の向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。

○内川委員 待機児童の解消とあわせて、子どもたちの安全を確保するための取り組みの強化をしていただきたいと思います。ありがとうございました。

 次に、その他の2番の契約についてお聞きしたいと思います。区内事業者の育成については、区内建築工事等の請負や、いざというときの災害協定等を鑑みると、その保護・育成は重要な課題と考えています。区長は変わりましたけれども、中野区としてその育成等を図るために基本的にどのように考えているのか、まずお答えください。

○波多江経営室副参事(経理担当) 区内事業者の受注機会の拡大により、区内の事業者が工事実績を上げることが地域への精通度を高めると同時に、地域インフラ事業の担い手となる区内事業者の技術力の向上に結びつき、区における災害等への緊急対応力を高めるということからも、事業者の保護・育成は重要なことと考えてございます。

○内川委員 持ちつ持たれつの関係ということで、これからもその育成には区としても継続的にかかわっていくということだと思います。

 次に、区としては、事業者の、今あった技術力向上や育成・確保を目的として、区の発注工事に対する受注拡大をするために、平成29年度以降、発注対象の金額拡大を行っていますけれども、今後もそれを継続するのか、お考えをお聞かせください。

○波多江経営室副参事(経理担当) 今後も区内事業者の技術力の向上や受注機会の確保のために、一定金額以下の発注工事における参加事業者の区内制限については、今後も継続して対応していくつもりでございます。

○内川委員 ありがとうございます。それと、区が工事を発注する際に入札参加の要件として、過去5年間の工事実績で、当該工事の見積金額の2分の1以上の実績がないといけないということを条件としています。実績期間の5年間をより延長することによって多くの事業者の参加が見込まれると考えますけれども、そこら辺の見直しも含めて区のお考えをお聞かせください。

○波多江経営室副参事(経理担当) 区の発注する工事に関する入札資格要件として定めた工事実績の期間については、今後、入札の競争性を高める観点、及び、より区内事業者における工事受注を促す意味でも、効果を予測しながら見直しの方向性を検討していきたいと考えております。

○内川委員 ぜひ積極的にここは見直しを行っていただきたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、6、その他の3のサンプラザについてお聞きしたいと思います。区長は就任後、サンプラザを残してほしいという区民の声を受けて、再整備や都市計画について一旦立ちどまる判断をしました。そして、区民会議やタウンミーティングを現在開催しています。9月7日に行われました区民会議では、サンプラザを今後15年間残す長寿命化、15年間残す場合、その費用として約32億円余りかかるとの試算が示されたのですが、その算出根拠についてお答えいただきたいと思います。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 中野サンプラザの長寿命化工事を行う場合の試算につきましては、財団法人自治総合センターが平成23年3月に取りまとめました、地方公共団体の財政分析等に関する調査研究報告書における更新費用の試算方式を準用し、施設の延べ床面積に文化系施設に係る工事単価及び長寿命化期間を乗じたものでございます。中野サンプラザの延べ床面積5万1,076平方メートルに工事単価4,200円と期間15年間、これを掛け合わせ、約32.2億円という金額になったものでございます。

○内川委員 そういった計算方式があって、非常にざっくりとした数字ということでよろしいですか。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 非常に簡易な算定方式で求めましたけれども、ざっくりとした数字ということで、32億円ということでお示ししたものでございます。

○内川委員 区民会議の場に示されたということなんですけれども、これと毎年金融機関から借金をしている元金の返済ですとか金利の返済、そういった数字等は含まれていないんですか。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) この試算経費につきましてはこの工事に係る経費ということで、その他の経費については含まれておりません。

○内川委員 今たしか毎月5,000万円ぐらい、金融機関のほうに返済していると思うんですけれども、掛ける15年ですと、それだけでも7億5,000万円ですか。ということは、実際にはこの32億円という数字よりも大分多くかかってくるということが言えるのかなと思います。この32億円という数字なんですが、サンプラザを存続させることは難しいという区長の判断に大きな影響を与えたと考えています。それほどの数字であったならば、まず議会に報告すべきだったのではないかと考えます。それから区民会議へ示してもよかったのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 8月21日に行われました区民会議におきまして、事業採算性や財政収支に関する情報を提示した上で議論すべきといった御意見もございまして、一定の議論を進めるためには再整備に関する定量的な情報をできる限り示すことが必要であると判断いたしまして、9月7日の区民会議で示したものでございます。その間の8月30日には、建設委員会及び中野駅周辺・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会が開催されましたが、その時点では他の資料も含め調整中であったことから、報告はしておりません。こうした試算額につきましては議論の素材と捉えていたところでございまして、施策の方向性など、その後の区政に影響する内容につきましてはまず議会に報告するものと考えております。

○内川委員 区民会議のあり方というのが、単なる意見交換ですとか情報交換と言っていますけれども、今回、新聞やニュースでもかなり報道されましたけれども、区長がサンプラザを残すことはきついなと判断するのに非常に重要な数字だったんですね。そういった重要な数字を、議会の議論をすっ飛ばしていきなり表に出してしまう。それに関してはやはり反省すべきと思いますけど、御担当の考えはいかがですか。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 今申し上げましたとおり、試算額ということで、非常にざっくりした数字であったということで、議論の素材ということで考えております。ただ、やはり施策の方向性に影響するということになりますと非常に重要なものになりますので、そうしたものについては議会にしっかりと報告していくべきというふうに考えております。

○内川委員 じゃ、もし今回サンプラを残すんだという判断がされた場合、そのざっくりとした32億円ということを議会で真剣に討論しないといけないんですか。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) サンプラザにつきましては、今後再整備を進めるという考えでございまして、仮に残すという方向があったとしても、その中でさらにそうした長寿命化の金額、また、負債の金額、そうしたものも合わせて総合的に判断していくものと考えております。

○内川委員 今後の区民会議なんですけれども、月に1回程度の頻度で行われると聞いているんですが、今後もこのような事後報告がふえていくのでしょうか、お答えください。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 9月7日の区民会議の内容につきましては、今定例会の委員会において報告する予定でございます。その後も区民会議を予定しておりますけれども、その報告も事後になる場合もあると考えております。

○内川委員 区政運営に当たって、要するに議会と区長というのはよく車の両輪と言われているんですけれども、こういった外で決まったことに関しては、議会としては責任を持つ必要がないのかなというふうに考えてしまいます。こういった議会の不信を招くようなことはしないほうがいいのかなと思いますけれども、もう一度お答えください。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 繰り返しになりますけれども、その試算額というのは議論の素材の一つということでございまして、この区民会議で何か物事が決まったわけではございません。さまざまな御意見を伺い、そして、昨日ですけれども、区長としては記者会見を行いまして、今後の方向性を示したといったものでございます。

○内川委員 早速きょうの新聞に出ていましたよね。中野サンプラザ、区役所とともに解体と。横には、ロック歌手のサンプラザ中野さんが、俺が買いたいなんて、こんなことも書いてありましたけれども。定例会初日の9月11日、サンプラザの取り壊しが確認されたとNHKの報道がありました。サンプラザの老朽化や周辺開発への影響、区役所新庁舎の建設費をどう捻出するかなど考慮すれば、今回の判断は現実的だと思います。しかしながら、区役所・サンプラザ地区一体再整備に関しては区民会議において議論が継続されており、この報道にはいささか唐突感があります。議論の途中でこのような報道があったことは、今後の区民会議の進め方にも必ず影響があるのかなと思っています。区民会議の今までの議論の中で、一体何が変わったのか、何が変わらなかったのか。サンプラザを残すべきという委員と今後建設的な議論ができるのか。さらに、もっと早い時期に区長の方針を示すべきだったと思いますけれども、区長の見解をお聞きしたいと思います。

○酒井区長 先般の一般質問では、中野駅新北口駅前エリアの再整備に関する考え方を初めて示したところでございます。きのうの定例記者会見では、それらを整理した形で初めて記者に発表いたしました。この間、区民会議のほか、区民と区長のタウンミーティングなどによって多くの意見を聞いたところでございますが、いずれも区長として方針や考え方を示す場ではなかったと認識しております。今後、区民会議の委員には、これらの経緯を丁寧に説明する必要があると考えておりまして、今後もアリーナ計画をはじめ、再整備に関して活発に議論をしていただくためにもしっかりと対応してまいります。

○内川委員 今回、定例会の一般質問で、確かにいきなりNHK、あと読売でしたかね取材に入って、本当に唐突感があったと思いますし、これ、語弊がありますけれども、出来レース、うまくマスコミを区長が使ったんじゃないかなというようなことも、私は……まあ、これは個人的な意見です。

 それから、最後の質問に移りますけれども、最後、区長の政治姿勢についてお聞きしたいと思います。区民の意見を聞く、この言葉を区長は頻繁に使います。確かに新しく区長になられ、さまざまな施策を決定する過程において、区民の意見を広く聞くことについては否定しません。しかしながら、区民との意見交換やタウンミーティングにおいては、さまざまな意見が出ることは当然予測ができます。しかし、いずれかのタイミングで区長として一定の方向性を示す判断が求められます。その判断は、決してトップダウンではなく、区長としてのリーダーシップと私は考えています。トップダウンとリーダーシップについてお考えをお聞かせください。

○杉本政策室副参事(企画担当) トップダウンとは、区政運営に当たりまして、上層部による意思決定を上位職から下位職に伝達し、その方針によって区政運営を行うことでございます。一方でリーダーシップとは、さまざまな意見を聞いた上で区として最善と考える方向性を示すとともに、判断に至った経緯などを丁寧に説明することで発揮されるものと考えてございます。

○内川委員 後で区長にもお聞きしますので。

 それから、本会議の今回の区長の答弁で、サイレントマジョリティーの意見も聞く仕組みづくりについて発言がありました。静かだからサイレントマジョリティーということもあって、具体的にどう取り組むのか。サイレントマジョリティーの意見をどうやって再現するか。そこをちょっとお答えください。

○杉本政策室副参事(企画担当) 区政への区民参加を呼びかける際には、区政に関心のある区民のみならず、サイレントマジョリティーなど多くの区民が区政に容易に意見表明や提案を行うことのできる仕組みについても検討してまいりまして、導入することが重要であると考えてございます。タウンミーティングの実施に当たりましては、幅広い区民の参加を得るため、テーマに関心のある区民だけでなく、無作為抽出によって区民に参加を呼びかけてございます。また、基本構想の改定に当たりましても、開催する区民ワークショップにおきまして、無作為抽出により区民に参加を呼びかけるなどの取り組みを考えてございまして、その他の取り組みにつきましても今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○内川委員 本来、区長にお答えしていただきたかったんですけれども、今言ったサイレントマジョリティーの意見も聞く仕組み、これは多分区長も具体的な案をお持ちだと思うんですが、もしお持ちであれば、これはちょっと聞かせていただきたいんですけど、よろしいですか。

○酒井区長 今、担当が答弁したとおり、サイレントマジョリティー、マジョリティーというかどうかもわからないですけれども、いろんな方の意見を聞く仕組みというのは必要だと思っております。一つは、今言ったように無作為抽出による対話集会もありますし、あとはSNSを使ったところでの意見交換や意見の募集もあると思います。また、テーマによっては、そのテーマに属するようなペルソナですね、人物像を捉えて、そういう方に、例えば年齢層だとか子育て層だとか、そういう層に向かって呼びかけをするということも考えられると思います。

○内川委員 そういった呼びかけに応えないのがサイレントマジョリティーだと私は思っています。

 経営学者でピーター・ドラッカーさんという方がいらっしゃるんですが、リーダーシップとは、組織の使命を明確にメンバーに提示できることであり、リーダーとは、目標を定め、目標に対しての優先順位の基準を決めて、その体制を維持していくものであると説明しています。私も確かにそうだなと思っています。今後さまざまな施策を決定する過程で、区長にはタイムリーにリーダーシップを発揮していただきたいと考えています。先日退任しました本田副区長さんも、挨拶で、物事を前に進める大切さを述べておられました。区長にもそうあってほしいと思います。区長の思いをお聞きして、全ての質問を終わりたいと思います。

○酒井区長 区長は、区民の皆様から信託を受けた自治体のリーダーとして、区民の皆様の期待に応え、区政をリードしていく重大な責務を負っていると考えております。区長としてのリーダーシップは、区民の皆さんと議論を尽くし、現状や検討過程、目標を理解・共有した上で、区として最善と考える方向性を示し、区民の期待に応える政策の実現を通して発揮していきたいと考えております。

○内川委員 先日、保育園の民営化に関しましては、一瞬その募集をとめたということがありまして、あれは拙速な判断だったと思いますし、混乱を招きました。そういったことが今後ないように、タイムリーに区長としてのリーダーシップを発揮して、区政を前に進めていってほしいなと私は思っています。

 それと、今回取材に関しましては、もう1日しか時間がなかったということで、取材に御協力いただいた理事者の方には大変に感謝をしています。少し時間が余りましたけれども、これで全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。

○高橋(か)委員長 以上で内川和久委員の質疑を終了します。

 委員会を休憩いたします。

前1154分休憩

 

午後1時00分開議

○高橋(か)委員長 委員会を再開いたします。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 2番目、久保りか委員、質疑をどうぞ。

○久保委員 公明党議員団の1番手として質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 質問は通告どおり。最後にその他で、はしか、麻疹予防接種についてお伺いいたします。

 私たち公明党は、平成29年度予算案に対し賛成し、一定の評価を示してまいりました。今回、決算の認定に当たり、議会の認めた予算が予定どおり着実に執行されていたのか、予算審査の過程の中で会派として求めてきたこと、意見を述べてきたことは反映されていたのかなど、さまざまな視点で確認をしなくてはならないと考えております。平成29年度は、田中大輔前区長の予算編成権を執行した最後の年度となりました。現在、前区長が予算編成権を執行した平成30年度途中からの政権交代により、非常に難しい時期に行政側も議会側もあると認識をしております。このようなときであるからこそ、平成29年度の決算を丁寧に、慎重に見ていかなくてはならないと思っております。

 初めに、歳入について伺ってまいります。平成29年度予算は、歳入では、一般財源においては、区の基幹収入である特別区税は納税義務者数の増などを見込み、前年度に比べ2.6%増、金額で8億2,900万円余の増となり、過去10年間では最高の325億7,600万円余としておりました。一方で、平成24年度以降、安定した伸びを示していた特別区交付金は、その財源である固定資産税が伸びる一方、市町村民税法人分については景気の影響などから減収となり、中野区では前年度比3.4%、12億円減の338億円としておりました。まずは、決算では、特別区税、特別区交付金がどうなったのか伺います。

○森経営室副参事(行政監理担当) まず、特別区税についてお答えいたします。特別区税につきましては、前年度比1.9%増、金額で6億1,600万円余の増、決算額としましては337億7,500万円余となったものでございます。特別区交付金につきましては、前年度比4%減、金額で14億9,700万円余の減、決算額といたしまして354億9,500万円余となりました。

○久保委員 歳入確保について我が会派は、最も重要な財源である特別区税については、徴収率及び収納率の目標を定め、これを達成するため、徴収体制と徹底した取り組みをより推進し、確実な税収の確保に努めるとされていることに期待をしておりました。着実な税収確保については徹底した取り組みがなされたのか伺います。

○矢島区民サービス管理部副参事(税務担当) 税収確保の徹底の取り組み状況でございます。平成29年度は収納率向上対策として、国税OBである滞納整理専門員を活用いたしまして、困難案件を中心とした財産調査と効果的な滞納処分、現年度分未納者に対する電話・訪問催告の早期着手など滞納整理を強化いたしました。こうした取り組みの結果、特別区民税現年課税分の徴収率は98.4%となり、前年度比で0.5ポイント上昇いたしました。ただし、特別区全体が上昇したため、23区平均には届かなかったものでございます。今年度は、年度当初より効果を上げている他区の先行事例を調査するなど、さらなる向上策を検討しているところでございます。

○久保委員 私は区民分科会でございますので、詳細につきましては分科会でお伺いをしたいと思っております。

 次に、特定財源については、大規模公園整備や(仮称)弥生町六丁目公園用地取得費などにより、国庫支出金が8.1%増の252億4,200万円余、待機児童解消支援などに伴い、都支出金は32.7%増の104億9,100万円余としておりました。特定財源については、予算と比較し、決算額はどうであったのか伺います。

○森経営室副参事(行政監理担当) 特定財源の予算と決算の比較でございます。一般会計で申し上げますが、平成29年度当初予算の特定財源は、全体で510億7,700万円余でございました。一方、決算でございますが、平成29年度決算、432億1,600万円余でございました。

○久保委員 特定財源の確保につきましても、全ての事業について適用可能な国や都の補助金を再度調査し、最大限の活用を図るという、区の歳入の確保のあり方については、会派としても強く求めてきたところであり、異論のないところでございます。今後も国や都の補助金の該当事業が判明した場合には、適切な対応をとられることと望みました。特定財源については、最大限の活用、適切な対応が図られたのか伺います。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 事業の実施に当たりまして、国や都の補助金等を最大限に活用していくことを徹底してきたところでございます。事業の進捗状況によるところもございますが、国や都の補助金等につきましては、およそ30億円の増ということで、決算額における構成比で対平成28年度、約2.7ポイント増となっておりまして、適切な対応が図られたというふうに認識をしているところでございます。

○久保委員 事業の進捗状況などにもよる部分もあるのかなと思います。

 次に、債務負担行為について伺います。平成29年度一般会計予算では、新規に40件の債務負担行為を設定し、その限度額は152億7,752万8,000円、新規分の平成30年度への影響額は72億4,716万3,000円となり、継続分も含めた債務負担行為の総額は276億2,068万4,000円でした。この点につきましては、翌年度以降の財政運営を拘束するものです。このことを十分に踏まえ、区は複数年にまたがる事業を効果的に、また、着実に行う責任があることを指摘してまいりました。平成29年度決算では、債務負担行為について執行状況がどうなっていたのか伺います。

○森経営室副参事(行政監理担当) 平成29年度一般会計予算で新規に設定いたしました債務負担行為事業の平成29年度当初予算計上額でございますが、33億5,300万円余でございました。その決算額は26億1,900万円余となりまして、執行率は78.1%でございました。

○久保委員 債務負担行為において78.1%がどうなのかというのは、まだちょっとわからないなというところでございます。

 次に、平成29年度新規分の債務負担行為のうちの3事業について伺います。

 一つ目は、新区役所整備基本設計についてです。決算額、翌年度限度額について伺います。

○中村経営室副参事(新区役所整備担当) 新庁舎整備基本計画設計等業務委託の平成29年度決算額は、前払い金としての5,000万円でございます。平成30年度の債務負担限度額につきましては2億1,708万円となってございます。

○久保委員 中野区新庁舎整備基本設計等業務委託の前払い金5,000万円、基本設計が完了するのは平成30年度との予定です。区は、平成28年12月に新しい区役所整備基本計画を策定いたしました。基本設計に当たっては、この基本計画の内容を適切に設計に反映するとともに、それを確実に実現する技術力や提案力、また、豊富な経験を有する事業者が必要不可欠となる。このため本業務に当たっては、企画提案公募型事業者選定方式により広く事業者を募集した上で、事業者からの技術提案を受け、その内容を評価するとともに、事業者の本業務に対する遂行能力、社会性、信頼性及び見積額等を総合的に判断し、最適な事業者を選定すると事業者選定を行いました。基本設計の業務委託については、日本設計が受託をしました。また、前年度の基本計画についても日本設計が受託をしています。先日の中野駅周辺・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会にて、新庁舎整備基本設計の進捗状況について報告が行われました。そこで新庁舎に備える機能の変更について、1、子育て関係スペース、2、保健所機能、3、休日固定診療所の3点について報告がありました。これは誰がどのような理由により変更を決定されたのか伺います。

○中村経営室副参事(新区役所整備担当) 新庁舎は、さまざまな方が自由に集い交流する、コミュニティの中心としての区役所を目指してございます。さまざまな区民サービスのうち子育て支援機能のニーズが高いことから、低層階に子育て関係スペースを整備することといたしました。続きまして、保健所機能につきましては、基本設計において具体的検討を進めたところ、保健所としての独立した区画、エントランス等の必要性が明確となりまして、新庁舎への合築は難しいとの結論に至ったものでございます。続きまして、休日固定診療所につきましては、区医師会と運営体制について協議を行ってきたところでございますが、管理運営のあり方等、課題が多く、新庁舎へは設置しないことといたしました。これらの考え方につきましては、本年5月ごろおおむねの方向性を確認しており、7月に区長を代表する新しい区役所整備調整会議において最終的に確認したものでございます。

○久保委員 5月から7月の2カ月間という中で、いろいろ変わった部分もあるのかなというふうに思っていますけれども、保健所機能ということになりますと、今スペースの話がありましたが、いろんなこの機能についても十分に考慮されて、今後の計画というのは立てなければいけないのではないかなと思っています。保健所スペースの確保ができないということはいつわかったのか伺います。

○中村経営室副参事(新区役所整備担当) 基本設計を進める中で、設計与条件の整理、ゾーニングに向けた検討などを行った結果、合築は困難であると判断したものでございます。

○久保委員 基本設計を進める間ということですね。基本計画も日本設計が策定をしていると。その時点ではなぜ保健所スペースの確保が可能であると判断していたのか伺います。

○中村経営室副参事(新区役所整備担当) 基本計画時につきましては、区役所機能に必要なスペースと現保健所の面積をもとに検討を依頼し、その時点では合築が可能と判断したものでございます。その後、基本設計段階になりまして、フロア構成や各部の配置について詳細なゾーニング検討を進めたところ、面積的に新庁舎への合築は難しいとの結論になりました。

○久保委員 何となく、とても不思議に思っているんですね、そこのところ。こういうことがございまして、また後にも伺いますけれども、この事業の進捗状況についての影響というのはないのか伺います。

○中村経営室副参事(新区役所整備担当) 新庁舎整備につきましては、基本設計を進める中でフロア構成や各部の配置について調整を行っているところでございまして、現在その調整に一定の時間を要しているところでございます。調整に要した時間につきましては基本設計の全体スケジュールの中で対応できると考えてございまして、基本計画のスケジュールどおり新庁舎整備を着実に進めていきたいと考えてございます。

○久保委員 今のところは、今回この基本設計で見直しはあったけれども、設計から次、実施設計に行くんでしょうかね、そこの間では影響はないということかと思います。

 次に、平成29年度新規分債務負担行為の二つ目に、中野駅西側南北通路・橋上駅舎実施設計について、決算額について伺います。今定例会にて補正予算が可決されております。平成29、30年度の2カ年の債務負担行為に繰越明許が設定され、3カ年の事業となりました。実施設計のおくれは、西側南北通路・橋上駅舎整備のおくれにはつながらないとの説明を受けております。債務負担行為については、債務を負担しなければならない期間と負担する金額の限度額は議決することとなります。当該事業の場合は繰越明許をかけることが適正であるのか、確認のため伺います。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 西側南北通路・橋上駅舎の実施設計の債務負担行為の設定につきましての御質問でございますけども、当該事業につきましては平成29年度の当初予算におきまして、債務負担期間を平成30年度までということで、債務負担行為限度額を3億6,509万4,00円と設定したものでございます。地方自治法施行令第148条の規定によりまして、債務負担行為も予算の一部であるということでございますので、設定した会計年度の経過後に債務負担行為を補正することはできないというふうにされているところでございます。実施設計のおくれから平成30年度中に事業が完了しないということが明らかになったため、債務負担行為の限度額内で平成30年度予算の当初に計上した3億1,245万3,000円のうち、未執行となります2億1,720万5,000円を繰越明許としたものでございまして、適正に執行したというふうに考えております。

○久保委員 平成30年度、逆にまたがってしまうと問題になってしまうということなのかなと、今の御説明は思いますけれども。

 また、債務負担行為から繰越明許をかけた事業は過去にもあったのか伺います。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 直近の事例でございますが、似ている事例といたしましては、平成29年度の第6次補正予算におきまして、中野四季の森公園の地下自転車駐輪場の整備事業でございまして、契約額に変更はないものの、年度内に出来高の見込み差が生じたことにより、これについては繰越明許したという事例がございます。

○久保委員 そういったこと、なかなかまちづくりの中では起きていくようなことが多いのかなと思っています。

 次に、平成29年度新規分の三つ目に、平和の森公園再整備工事について伺います。

 まずは、決算額、翌年度以降の債務負担限度額について伺います。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 平成29年度の決算額は、3億2,402万9,360円でございました。また、翌年度以降の債務負担限度額につきましては、平成30年度から31年度の期間で合わせて12億6,816万円でございます。

○久保委員 現在、平和の森公園については、さきの建設委員会で平和の森公園再整備第2工区について、改めてより多くの区民の意見を幅広く聞くため、区長同席の平和の森公園再整備を語る会を開催する。開催の趣旨及び実施方法、平和の森公園再整備工事第2工区に伴うトラック機能とバーベキューサイトの必要性などについて、改めてより多くの区民の意見を幅広く聞き、今後の整備について再度検討を行うため実施をすると。区民から区への質疑応答形式ではなく、以下の検討案を区より提示し、これに対してグループディスカッションなどを行い、幅広く区民の自由意見を集約するとの報告がありました。以下に示されている案という中に、この現行計画を含めた五つの案が示されております。これらの案の事業費についてはお示しいただいているのか伺います。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) それぞれの案につきまして、区としての増減額の試算は行っているところでございますが、具体的な額につきましては、請負業者との協議がまだ調っていないので、現段階ではお示しできません。

○久保委員 平和の森公園再整備工事は平成31年度までの事業ですが、事業期間の延長は予定されていないようです。現行計画ではない案が採択された場合、債務負担行為についてどのような影響を及ぼすのか伺います。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 変更案による想定の出来高によりましては、債務負担限度額の補正が必要になる場合もあるということを想定しています。

○久保委員 契約変更後、限度額範囲以上ならば増額分の債務負担行為が必要とのことですけれども、どのような手続が必要なのか。補正になるということなのかと思います。確認ですが伺います。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 限度額範囲以上の場合につきましては、契約変更の議決をいただく前に、予算及び債務負担限度額の補正が必要になるというふうに認識してございます。

○久保委員 ありがとうございます。今、三つの債務負担行為について伺いまして、どれも注目を集めている事業であると思います。債務負担行為がどのようなものなのかというところも認識をしていただきまして、事業をより的確に進めていただくことが重要ではないかと思っております。

 次に、起債と基金について伺います。中野区各会計歳入歳出決算書90ページには、繰入金では財政調整基金繰入金、義務教育施設整備基金繰入金の収入済額がいずれも0円となっております。このことについて御説明ください。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 予算では、財政調整基金につきましては約33億円、義務教育施設整備基金につきましては約13億円の繰り入れを予定してございましたが、一般財源が当初予算よりも増加したことなどによりまして剰余金が見込めたということでございまして、繰り入れを行わなかったものでございます。

○久保委員 また、平成29年度は起債の発行がありません。年度当初は起債をかけるということになっていたと思うんですけれども、それを起債をかけずに済んだのはなぜなのか伺います。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 平成29年度の一般会計における特別区債につきましては、予算では10億円余りを予定していたところでございますが、一般財源が当初よりも増加したということなどによりまして剰余金が見込めたということなどから、起債は行わなかったというものでございます。

○久保委員 合わせて56億円ほどになるのかなと思っておりますけれども、基金や起債を活用するとしていたものを一般財源に財源更正する際のポイントは何なのでしょうか。判断の基準と財源更正を決定する時期について伺います。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 判断の時期ということでございますが、決算剰余金の見込みを立てながら年度末に判断をしているというところでございます。

○久保委員 起債も基金を活用せず一般財源で事業を執行されたと聞くと、いかにも、初めにお伺いしましたけれども、平成29年度の決算の歳入の確保というのが好調のようにも感じますが、それだけではなく、他の事業の不用額が多額であり、財源更正を行ったとも考えられます。予算の見積もりが見誤っていたり、事業が予定どおり執行できなかったということではないのでしょうか、伺います。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 平成29年度一般会計につきまして、第6次補正予算で48億円余りの減額補正を行った結果といたしまして、予算現額は1,288億円余り、対する執行済額といたしましては1,210億円余りということで、不用額といたしましては77億円余り、執行率としては約94%となったところでございます。当初予算において予算の見積もりを適正に行い、おおむね計画どおり事業を執行したと考えているところでございますが、その後の状況変化などにより見込み差が生じた事業もあったと。このような認識を持っているところでございます。今後さらに精緻な積算を行いまして、予算編成を進めてまいりたいと考えております。

○久保委員 ぜひ次期予算編成には生かしていただきたいなと思っています。

 起債・基金の活用を予定している事業として、新区役所庁舎建設があります。予算総括質疑では、新しい区役所整備計画では、財源について現区役所敷地及び現保健所敷地を最大限有効活用することによって生み出します。整備費の支出については、財源の収入時期に応じて一時的に地方債や基金を活用して対応します。新しい区役所整備については、平成34年度までに事業費170億円、起債116億円、基金繰り入れ39億円と示されております。区役所整備方針案では、総建設費は221億円というふうになっております。一般的に財政調整基金の活用というところが、対応財源が確保されるまで財政調整基金より一時的に借りるという説明を受けております。保健所敷地の最大限の活用については、今回変更になりましたけれども、他の財源についての考え方には変わりはないのか伺います。

○中村経営室副参事(新区役所整備担当) 新庁舎整備の財源につきましては、現区役所用地及びサンプラザ用地を有効活用し整備を進めることを考えており、現保健所の活用については現在のところ考えてございません。

○久保委員 ということは、そこ以外は考え方に変化はないということでよろしいですね。

○中村経営室副参事(新区役所整備担当) そのとおりでございます。

○久保委員 いずれにいたしましても、区役所とこの区役所・サンプラザ用地というのは、一体的に進めていく事業であるということは変わりがないということかと思います。

 予算編成方針では、学校施設など老朽化した公共施設の建てかえ・大規模改修は、今後の財政運営で大きな負担となることは確実であり、将来負担を軽減するためにも計画的に基金積み立てを増加させていかなければならないと、基金の重要性が示されております。一方、基金の積み立てをため込みとやゆする声があることについてどのようにお考えでしょうか、伺います。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 平成30年度の当初予算案の概要におきまして、財政運営の考え方を示させていただいているところでございますけれども、今後、学校施設等の公共施設の建てかえやまちづくりの進展などが予定されているというところでございまして、基金活用の重要性がさらに増していくというふうに考えているところでございます。今後の財政需要を考えますと、持続可能な財政運営を進めるためには、基金への積み立ては必要不可欠ということでございまして、ため込みとの批判は当たらないというふうに考えているところでございます。

○久保委員 平成29年度の予算は、新しい中野をつくる10か年計画に基づいて決定されております。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の八つの戦略に基づき、中野駅周辺まちづくりや平和の森公園再整備など、区が取り組むべき施策を着実に実施し、直面する政策課題についても的確に対応するための予算としていたことは評価をしておりました。10か年計画の事業の進捗、こちらは総括の資料、総務の7番でもこの確認ができますけれども、決算額が極めて低いというような事業もございます。今後、基本構想・基本計画を策定される予定です。基本計画策定の中で、現10か年計画で進めてきた事業を継続、中止、廃止、見直しなど、選別する基準は何になるのか伺います。

○永見政策室副参事(基本構想担当) 今後、新しい基本構想と基本計画を策定するに当たりまして、基本計画はこれまでと同様に、新しい基本構想で描くまちの姿を実現するための総合計画というふうに位置付ける予定でございます。新しい基本構想は、今後、審議会や区民ワークショップを設置いたしまして、広範な区民参加を得るとともに、区議会における議論を経て策定する考えでございます。新しい基本構想を策定する過程で、それを実現するための基本計画に盛り込む事業についても検討していきたいというふうに考えてございます。

○久保委員 新しい基本構想のもとで新しい総合計画をおつくりになるということで、ただ、今動いている10か年計画(第3次)というものがございますので、やはりそことの整合性等もあり、そこもやっぱり一旦比較ですとか、そういったこともきちっとお示しをいただくことも重要ではないかなというふうに思っています。

 現10か年計画を推進する上で、すこやか福祉センターが重要な役割を担ってまいりました。区長はすこやか福祉センターについて、「すこやか福祉センター整備の再検討についてでございます。すこやか福祉センターは、地域包括ケアシステムの推進拠点として、今後もさらに機能を強化していくという必要があると考えています。子どもや障害者など支援を必要とする全ての区民を対象とした地域包括ケアシステムを構築していくためには、新区役所におけるアウトリーチ業務の考え方、(仮称)総合子どもセンターの相談支援体制、それから、すこやか福祉センターの役割分担、連携のあり方など総合的な検討を行う中で、すこやか福祉センターの設置数についても見定めていきたいと考えております」と、我が会派の平山幹事長の質問にお答えになっております。地域包括ケアシステムを進めていく上で、すこやか福祉センターの推進拠点としての役割は非常に重要であり、機能強化の必要性については望むところです。また、すこやか福祉センター開設の適正な位置や数も重要な課題であるとは感じております。主要施策の成果によれば、北部すこやか福祉センター整備の事業費、平成28年度215万9,000円、29年度266万6,000円と示されております。この間、しかし、ここでの検討というのは、議会への報告はありません。計画が進んでいないように思いますが、それはなぜなのでしょうか、お伺いいたします。

○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 北部すこやか福祉センターの整備事業についてでございますが、周辺まちづくり計画との調整、また、当該地区の用途地域の課題などの解決を図るために関係部署と協議を行っておりますが、事業化には一定の時間がかかるものというふうに考えてございます。

○久保委員 旧沼袋小学校の跡地の用途地域変更、また、地域のまちづくりの課題というのがあるということかと思います。この課題を解決するにはどうすればよいのでしょうか、伺います。

○藤原地域まちづくり推進部副参事(北西部まちづくり担当) 旧沼袋小学校周辺の用途地域は、現在、第一種低層住居専用地域となっておりまして、現用途地域ではすこやか福祉センターなどの建設にはさまざまな制限がございます。また、用途地域の変更におきましては、地域の生活環境が変わってしまう可能性があるため、地区計画の策定など地域住民の合意が必要であります。ですので、一般的にはハードルが非常に高いということが言えます。現在、当地区では、平和の森公園周辺地区地区計画で、地区計画の方針のみ定めておりまして、今後、旧沼袋小学校を含む沼袋三丁目地区におきまして、6メートル以上の道路整備等を含むまちづくりを検討することとしておりまして、住民の意向調査等を行いながら進めていく予定でございます。

○久保委員 北部すこやか福祉センターの計画決定後に、平和の森公園の未利用地を活用した中野体育館の移転が決定いたしました。旧沼袋小学校に開設予定のスポーツコミュニティプラザとは近い位置にあります。過去に御担当からは、スポーツコミュニティプラザは、スポーツ健康づくりを通じた地域住民の交流を図り、また、健康で活力ある地域社会の実現に寄与する、そういったことを目的として設置した施設と説明されております。中野体育館とは役割が異なるものとは考えますが、同じスポーツ施設であることには違いはありません。旧沼袋小学校跡地の活用については再検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 委員御質問の北部スポーツコミュニティプラザ整備の再検討についてでございます。委員御指摘のとおり、北部スポーツコミュニティプラザにつきましては、体育施設ということでは体育館と同等の機能を持つところもございますが、現在予定しております(仮称)北部スポーツコミュニティプラザの位置につきましては、新体育館に近接していることもございまして、新たな施設の設置につきましては、新体育館の利用状況、また、議会の御意見、関係者その他の御意見も勘案しながら、今後検討してまいりたいと考えております。

○久保委員 今御説明の中で、近接しているので利用状況をということがありましたけれども、その前段階でこの旧沼袋小学校跡地の用途地域の話もありました。ということは、そもそも今の状況では建設不可能な計画なのではないかと思うので、直ちに見直すべきではないかと思うんですけれども、もう一度御答弁をお願いします。

○平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 同じ御答弁になってしまいますが、機能等を勘案しながら再度検討してまいりたいと考えております。

○久保委員 スポーツコミュニティプラザを建設する、すこやか福祉センターを跡地に建設するために、そのために地区計画をかけるみたいな、そんな話になってしまうと、これは非常に地域から疑問の声が上がるのではないかなというふうに思います。ここはなかなか副参事のお立場では、お答えはそこまでになるかと思いますけれども、本当にしっかりと、先ほど地域まちづくりの担当も御答弁いただきましたので、調整を図りながら今後の計画を立てていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 現在の中野区の小・中学校は、大半が既存不適格の状況です。今後、再編後の学校跡地は既存不適格という課題を抱えていること、また、その地域におけるまちづくりの課題も十分に理解した上で、跡地計画を策定していく必要があるのではないかと考えております。学校及び各種施設、庁舎などの建てかえや改修、設備の更新、道路や公園などのインフラ資産の維持・更新などについては、中長期的な経費の最小化を図るため、将来負担を的確に把握し、効率的・効果的な整備の考え方を示すこと、特に施設の更新計画を進めるに当たっては、平成28年度に策定された公共施設総合管理計画(建物遍)の方針にのっとり、最適な資産運営が行われるよう計画的に事業展開を図ること、と予算編成方針には示されております。一方、公共施設総合管理計画は、本計画は、今後、区有施設の更新・保全を適切に進めるとともに、区民の大切な資産として有効に活用していくため、区の施設マネジメントの基本的な考え方を示したものであり、平成28年4月に策定した新しい中野をつくる10か年計画(第3次)に記載された施設整備の方向性を、施設管理の側面から実現するための基本的な指針となるものです。なお、本計画は、10か年計画(第3次)と整合性を図るものとしております。その位置付けを示しています。新区長のもと、10か年計画は改定される予定ですけれども、次年度予算編成時には10か年計画と整合性を図られている、計画の方針にのっとるという、この矛盾についてはいかがお考えでしょうか、伺います。

○杉本政策室副参事(企画担当) 小・中学校の跡地活用につきましては、現況等を十分に把握した上で区民の御意見をお聞きし、区民ニーズや将来の行政需要を見据え、今後の活用の方策を検討してまいりたいと考えてございます。また、中野区公共施設総合管理計画(建物編)につきましては、10か年計画において示されている施設整備の方向性を、施設管理の側面から実現するための基本的な指針を定めたものでございます。つきましては、中野区公共施設総合管理計画(建物遍)につきましては、基本計画とあわせて検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○久保委員 次年度の予算編成の中では、今、素材となるものが、新しいものがございませんので、今あるものをベースにお考えになるのかなとは思います。

 総合計画である基本計画とともに、計画を具体的に進めるための実施計画を策定し、これまで示していなかった年次や財源についてもわかりやすく示していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○杉本政策室副参事(企画担当) 新しい基本計画では、計画期間を5年間とする予定でございまして、より具体的な整備方針を示したいというふうに考えてございます。個々の施設を整備する際には、想定される整備費等につきましても、区民に情報提供しながら検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○久保委員 ぜひよろしくお願いいたします。また、随時議会にも御報告をいただき、今回いろいろ御指摘をさせていただきました件につきましても、そこのところも今後もお伺いしてまいりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、都市計画の課題についてお伺いいたします。

 初めに、新区役所庁舎建設予定地の中野四季の都市北東エリアについて伺います。先ほども決算に関する質問で触れましたが、区役所新庁舎の床面積の不足により、実際にフロアのレイアウトを検討していったところ、保健所機能については新庁舎への移転が困難とのことでした。そこで何点か確認のために伺います。中野四季の都市北東エリアで都市計画変更を行わずに区役所を建設した場合、どの程度の規模の建築物を建設することができるのか伺います。

○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 新区役所建設予定地につきましては、現在第一種中高層住居専用地域、容積率が200%となっております。この都市計画制限の範囲で建築をする場合、事務所が建築できない用途地域なので、特例許可を受けると仮定し、敷地面積は約8,500平米ですので、容積対象となる延べ床面積は約1万7,000平米程度の建築物となってまいります。

○久保委員 要するに、区役所の規模なんて到底建たないということですよね。区役所の新庁舎のフロア面積が不足しているというか、そのことによって今回保健所機能は外すということになったんだと思うんですけれども、これ以上延べ床面積をふやすということはできないのでしょうか、伺います。

○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 新区役所建設予定地、これは中野四丁目地区地区計画の範囲内にございます。この地区計画では、土地所有者の建築計画にあわせて再開発等促進区を活用した高度利用を図っているところでございます。具体的には、道路・公園等の区域内の公共基盤の整備状況、また、敷地内に確保される公共的な空地の大小に応じて、容積率が割り増しされるという仕組みになってございます。新区役所として機能上必要な建物のワンフロア当たりの面積を確保しますと、敷地内の空地の規模は制約されるという関係性にございます。したがいまして、現在想定しているワンフロアの規模や機能を確保しながら、空地をさらに拡大して延べ床面積をさらに増加させるということは難しいと考えております。

○久保委員 今の新区役所庁舎のいわゆる床面積というのが、マックスというか最適という結果なのかと思います。新区役所建設には、当該エリアの都市計画変更は不可欠であります。都市計画手続の進捗状況についてはどうなっているのか、伺います。

○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 新区役所の基本設計が完了する今年度末には、東京都決定の中野四丁目地区地区計画を変更するための企画提案書、これを都に提出し、都市計画変更の手続を開始できるよう現在関係機関と協議を進めているところでございます。

○久保委員 なかなかこの関係機関との協議というのが、長い時間がかかっているなというふうに思います。都市計画変更ができない場合、新庁舎建設への影響というのはあるのでしょうか。次年度は実施設計ということになっておりますが、実施設計まで進むことができるのか伺います。

○松前都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 今年度中に地区計画変更のための企画提案書を作成し、都市計画変更をもって実施設計に着手するということが望ましいところではございますが、実施設計を先行させることは可能でございます。

○久保委員 都市計画変更に少し時間を要して次年度にまたがったとしても、それは次年度の予算の中で実施設計を進めることは可能ということだと思います。ありがとうございました。

 次に、中野駅地区西口橋上駅舎及び南北通路と、中野駅新北口駅前エリアの関係性と面的整備について伺います。西口改札については、多くの区民が早期の開設を求めるところであり、その点については過去にもたびたび質問をさせていただいております。今定例会で区長は、中野サンプラザについては建物を解体して新施設を整備するとの方針を示されました。ようやく再検討の前提条件が整ってきたのかなと思います。とはいえ、どのような中野駅新北口駅前エリアの絵を描こうとされているのか、私には皆目見当がついておりません。先の見通しも立っていないのに都市計画手続を無視して、西口改札及び南北通路の開設はスケジュールどおり行うと言い切っていらっしゃったようにも感じております。その辺は無責任に思っています。改めて西口改札橋上駅舎及び南北通路の整備と中野駅新北口駅前エリアとの関係性について御説明ください。

○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業につきましては、区とJR東日本で締結しました実施設計協定に基づきまして、現在、JR東日本が南北通路・橋上駅舎・駅ビルから成る道路一体建物の実施設計を進めているところでございます。設計作業に当たりましては、区がこれまでに示しております新北口駅前エリアの都市計画変更素案の公共基盤形状を前提に進めているところでございます。建物の接道を新北口駅前広場でとり、駅ビルの荷さばき、身障者用駐車場を新北口駅前広場歩行者空間の地下に配置し、計画を進めているところでございます。

○久保委員 平成29年度は、中野四丁目新北口地区まちづくり方針に示した中野駅新北口駅前エリアにかかわる都市計画変更について、目標スケジュールが示されております。本エリアにおいては、まちづくりの目標を実現するため都市計画を段階的に定めながら、平成39年(2027年度)末の事業完了を目指す第1段階の都市計画(平成29年から30年度)、安全で円滑な交通結節機能を実現する都市基盤整備及び街区再編、駅前立地を生かした合理的かつ健全な高度利用を誘導する建築敷地設定、都市計画道路、都市計画駐車場、地区計画、土地区画整理事業、これらは駅地区整備と密接な関係にあり、この都市計画が完了しなくてはスケジュールどおりに西口改札・南北通路の整備を進めることはできないということだと思いますが、念のため伺います。

○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 西側南北通路・橋上駅舎等事業の設計作業は、都市計画変更の公共基盤形状が与条件となっておりまして、これらの都市計画が決定しないと道路一体建物の建築条件が定まらず、事業の推進に支障が出ることとなります。

○久保委員 今定例会で、先ほど述べましたように、区長は、中野サンプラザについて建物を解体して新施設を整備するとの方針を示されました。昨日の記者会見についても、新聞各紙に報道され、関心の高さが伺えます。サンプラザ解体の方向性が示され、都市計画はスケジュールどおり進めることができるのでしょうか、お伺いいたします。

○小幡都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設調整担当) 区としましては、中野駅新北口駅前エリアにつきまして再整備推進の方向性を示したところでございます。公共基盤に係る都市計画につきましても、本定例会中での都市計画変更原案の報告・公表を予定しておりまして、西側南北通路・橋上駅舎の早期開業の実現に向けまして、速やかに新北口駅前エリアの都市計画手続を進めてまいります。

○久保委員 ありがとうございました。私は、全てが振り出しに戻ってしまうということを危惧していました。そうはならなかったようなので、とりあえず手続のスタート地点には時間をかけながら戻ったという感じがします。先ほど内川委員の御質疑をお聞きしておりまして、サンプラザ解体は、もしかしたら既定路線であって、この間、時間をかけていたに過ぎなかったのかなというような感じも受けております。

 中野サンプラザの解体は、区民の大きな関心事の一つであったと思います。同様に、アリーナ整備の必要性についても多くの区民の声があると感じています。区は平成29年度、スポーツ庁委託事業、スタジアム・アリーナ改革推進事業先進事例形成支援として、中野駅新北口駅前エリアアリーナ整備官民連携協議会報告書を作成されました。短期間での報告書作成に、御担当は大変御苦労されたのではないでしょうか。アリーナ整備において、この報告書の位置付けはどのようなものなのか。また、アリーナ整備を見直す際には、事業委託を受けたことについてのペナルティーはないのか。また、この委託業務で行った成果物は、アリーナ建設案が廃止になった場合、生かすことができないのか、お伺いいたします。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 昨年度行いました中野駅新北口駅前エリアアリーナ整備官民連携協議会につきましては、スポーツ庁の受託事業でありまして、その報告書は成果物として委託元のスポーツ庁に提出したものでございます。受託期間中の不具合がない限り、ペナルティーはございませんが、その後の進捗状況については報告を求められておりまして、現状について情報提供をしているところでございます。また、成果物である報告書につきましては、官民連携協議会での検討を踏まえて取りまとめたものでございまして、スポーツやエンターテインメントの市場の状況、施設の運営や管理のノウハウなど、検討のプロセスで得たさまざまな情報・データは今後の集客交流施設の検討に生かせるものと考えております。

○久保委員 全くの無駄にはならなかったのかなというふうに思いました。

 区長御自身は、1万アリーナと呼ばれている施設建設の必要性についてはいかがお考えでしょうか、伺います。

○酒井区長 これまで中野サンプラザによってまちの文化が醸成されてきたように、今後も中野のまちを成熟させていくためには、中野サンプラザの後継施設としてのホールやコンベンション機能は必要であると考えております。こうした文化発信施設においてどのような文化コンテンツを発信していくのがよいのか、施設形状はアリーナ型がよいのか、1万人という規模は妥当なのかなど、区議会や区民会議において御意見を伺いながら多角的に検討を行ってまいりたいと思います。

○久保委員 1万人であるかもしれないし、アリーナという形状であるかもしれないし、そこに区長のこだわりはないということなんでしょうかね。あくまでも区民の声を伺いながら、その中でまた適切に検討していくということなのかと思います。私はもっと区長が、1万人アリーナよりも、もっと自分はこういうものがというようなことを主張されるかなということに期待を持っておりましたので、ちょっと残念ではございます。

 平成30年度の予算総括質疑で、私は区役所・サンプラザ地区整備で活用できる補助金・交付金についてお伺いをいたしました。この財源の確保について、そのときに御説明をいただいたわけですけれども、この都市基盤における財源の確保というのは可能なのか、このお考えをお伺いいたします。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 事業手法は都市計画と連動するものでありまして、この検討の進捗にあわせて都や国と協議を行い、事業の適用や財源確保の確認を行っているところでございます。

○久保委員 これについては着々と進めていただけるのかなと思っております。

 また、今後この建設を――その当時1万人アリーナというのが検討されておりまして、また、高層複合施設、これらの決定をされるのはいつなのかということをお伺いいたしました。平成32年から33年度というようなことを予定しているというふうに言われておりましたけれども、そのことについては現在も変わらないのでしょうか、お伺いいたします。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 建物整備に係る都市計画の手続の目標スケジュールにつきましては、現時点では変更はしておりませんけれども、今後、詳細な工程の検討を行い、具体的な日程を詰めていきたいと考えております。

○久保委員 現在まだ、このアリーナをどうするのかというようなことを、区民のお声を聞きながら区長が検討されているところだと思いますが、公共基盤整備の都市計画手続を進めながらアリーナや高層複合施設のあり方について、これ、いつまで議論ができる余地があるんでしょうか、伺います。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 集客交流施設をはじめとする導入機能や事業手法などの方針を取りまとめる、中野駅新北口駅前エリアの再整備事業計画でございますが、区議会や区民会議での議論を経た上で、来年の3月を目途に素案をお示ししたいと考えております。

○久保委員 3月を目途に素案を示すということになりますと、その議論が尽くせるのは1月ぐらいなのかなというふうに思いますので、そちらのほうを目途にしっかりと議論を積み重ねていただきまして、議会にも随時報告をお願いいたします。

 私は、中野駅周辺整備における回遊性、また、区役所・サンプラザ地区の再整備については、一体感のある町並み形成を図るためには、高層複合施設については町並みを分断する可能性もあるように思っておりましたので、その辺の景観への配慮ということも求めてまいりました。また、文化芸術に資する劇場や美術館などの機能も重要であることを過去の質問で繰り返し述べております。今後の再整備におきましても、回遊性・景観への配慮、文化芸術に資する機能について十分に考慮して進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 中野駅新北口駅前エリアは、将来にわたって人々の交流とにぎわいに満ちた、区民の誇りとなるシンボル空間を目指していきたいと考えております。そのために、再整備はこのエリアだけで完結する問題ではなく、周辺地区との回遊性や景観形成が重視されるものと捉えております。また、文化芸術につきましても、まちの価値を高めるものとして捉えておりまして、今後、エリアマネジメントを展開していく際にも視野に入れていきたいと考えております。

○久保委員 ありがとうございます。さまざまにまだまだ課題があるかと思いますので、本当に多くの注目を集めているということは、それだけやはり区民の関心が高い、区民以外の方たちも関心が高いというところでございます。全てがもとに戻るのか、新しい計画になるのか、それもこれからでございますけれども、本当にしっかりと議論をしながら、また、議会とも、私も調査特別委員会の委員長になっておりますけれども、そういった場面でも御報告をいただきながら進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、平和の森公園から早稲田通りを含む西武新宿線南側の防災まちづくりについて伺います。8月の西武新宿線踏切渋滞解消期成同盟大会に参加された方から、参加してさまざまな情報を得ることはできたが、地下化した中井から野方駅間の西武新宿線の南側の中野駅周辺への切れ目のないまちづくりについてはどう考えているのかという、そういったお問い合わせをいただきました。沼袋から中野駅北口まで歩かれる方も多く、沼袋、平和の森公園、新体育館から早稲田通りまでの、歩いても魅力的なまちづくりを進めてほしいとの声でございました。現在、平和の森公園から早稲田通りまでのエリアはどのような計画になっているのか伺います。

○藤原地域まちづくり推進部副参事(北西部まちづくり担当) 現在、当該エリアは、平和の森公園周辺地区地区計画がかけられております。地区計画では、安心して住み続けられる住宅地、平和の森公園を生かした緑豊かで快適なまち、広域避難場所を中心とした防災拠点地区の形成を目標としています。なお、目標達成のため、建物の建てかえに伴いまして道路用地の取得を行い、災害時の主要避難路としての地区集散道路、主要避難道路に取りつく主要生活道路、円滑な消防活動と日常生活の利便性向上のための区画道路の整備を行っております。

○久保委員 地区計画で沿道の整備を進めるというのは、非常に息の長い話のように聞こえます。ほかに公共用地の円滑な取得を進める手段はないのでしょうか、お伺いいたします。

○藤原地域まちづくり推進部副参事(北西部まちづくり担当) 現在は、地区計画の建てかえに伴いまして道路の用地を取得して整備を行っている状況です。しかしながら、地区計画に伴う建てかえ連動による道路整備では、平成29年度時点で道路整備率が37.7%と、進捗率が低いという、こういった現状もございます。よって、道路整備をより円滑に進めるために、さまざまな課題があるものの、建てかえの時期を待つのではなく、公共整備型の導入、こういったものが有効な手法であるという認識は持っております。

○久保委員 そういった認識は持っているということです。今のこの地区計画を防災や町並み形成を重視した優先整備路線というふうに位置付けて、公共整備を速やかに進めるべきではないかなというふうに私も考えておりますけれども、その点についてはいかがでしょうか、お伺いいたします。

○藤原地域まちづくり推進部副参事(北西部まちづくり担当) 道路をより早期に整備するために、公共型で整備する手法が有効であると考えております。しかしながら、地区計画の策定以来、原則建てかえ連動で整備されてきたことを考慮いたしますと、特に沿道住民に対しての合意形成に課題があるものと考えています。区といたしましては、道路の早期整備に対しての必要性は認識しておりますので、今後、道路拡幅の整備効果を見きわめまして、公共整備型に切りかえることが可能かどうかを検討するとともに、沿道権利者の意向にも配慮していきたいと考えております。

○久保委員 既に地区計画ということで進んでいるので、やはりその沿道権利者の皆様とも丁寧な協議が必要であることは十分承知をしております。

 平成29年度の予算総括質疑におきまして、火災危険度の高いまちということで野方一丁目から三丁目地域について質問をさせていただきました。この際、区としても弥生町や大和町地域と同様に、地元と連携して防災まちづくりを進めていきたいと考えているという御答弁をされておりますけれども、防災まちづくりの進捗状況についてお伺いいたします。

○藤原地域まちづくり推進部副参事(北西部まちづくり担当) 現在、地元の野方一・二丁目地域防災まちづくり協議会にて、防災マップ等の作成の活動が行われています。また、区の職員も会合に参加するなど、地元の動向を注視している状況です。区としましては、現在、大和町、弥生町等で行っている防災まちづくりの進捗を見きわめながら、事業化についての検討を行う必要があるというふうに考えております。

○久保委員 ぜひともよろしくお願いいたします。

 この項の最後に、未着手の都市計画についてお伺いいたします。区内には、例えば戦災直後などに都市計画決定をしたまま、現段階で全く事業化に至っていない、いわゆる未着手の都市計画というものが存在しております。この未着手のものにはどのような都市計画があるのでしょうか。また、それら未着手の都市計画はどこが決定しているのでしょうか、お伺いいたします。

○安田都市基盤部副参事(都市計画担当) そうした事業未着手の都市計画は区内にも存在いたします。主に昭和20年代に戦災復興都市計画として決定された中野通り、早稲田通りの一部、大久保通り、青梅街道などの既存の道路として存在はしますけれども、計画幅員まで拡幅されていない、いわゆる概成道路と言われる都市計画道路があります。また、戦後の住宅難の時代に都市計画決定された一団地の住宅施設、東京オリンピック後の市街地の開発期に計画された都市計画道路や土地区画整理事業をすべき区域などがあります。これらの決定主体でございますが、主に戦災復興都市計画として決定されたものは内務省の戦災復興院であり、その他は主として東京都が決定してございます。

○久保委員 主としては東京都が決定しているということですね。例えば、鷺宮にある都営住宅建設の都市計画決定をされている、未着手の一団地の住宅施設の都市計画について、こちらは実施の見込みがあるのでしょうか、お伺いいたします。

○安田都市基盤部副参事(都市計画担当) 本件につきまして東京都に問い合わせましたところ、住宅建設を実施する予定は今後もないということでございます。

○久保委員 住宅の見込みがないということでございまして、一団地の住宅施設の都市計画の決定権というのは、都市計画変更権も含め、これは現在どこが所管しているんでしょうか、伺います。

○安田都市基盤部副参事(都市計画担当) 本件につきましては、当初、東京都が都市計画決定したものでございますが、その後、地方分権の移管によりまして、現在は区が所管してございます。

○久保委員 区が所管をしているということでございまして、事業化の予定もないものを放置しているというようにも感じます。長年未着手であり、実施に見込みがない都市計画は、区として廃止をすることができないのでしょうか、お伺いいたします。

○安田都市基盤部副参事(都市計画担当) 本件につきましては東京都との協議が必要となってございます。事業化の見込みがない当該一団地の住宅施設の都市計画変更につきましては、協議先である東京都との調整が必要でありますけれども、相談しましたところ、今後、地区計画を策定し、一団地の住宅施設の都市計画を廃止するよう指導を受けているところでございます。

○久保委員 昭和20年代に決定されて、その後、社会経済状況の変化によりまして全く実施する見込みがない都市計画については、そのまま規制し続けることで、土地所有者などに多大な負担をかけ続けていることになります。また、区民にとっても、地域の良好な住環境形成の可能性があるものを、そうした契機をとめているようにも思われます。区としても都市計画の解除に向け取り組むべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○安田都市基盤部副参事(都市計画担当) 区としましても、既に民間住宅地として開発が進み、一定の住環境が形成されているにもかかわらず、実施の見込みが全くない都市計画規制が存続し続けていることは不合理であると考えてございます。今後とも協議先でございます東京都に働きかけ、都市計画の変更に向けた検討を進めてまいりたいと考えてございます。

○久保委員 よろしくお願いいたします。

 次に、災害対策について伺います。

 申しわけございません。ゆっくりやっておりまして、ちょっとペースを速めてまいりますので、大変申しわけございませんが、ついてきていただきたいと思います。

 平成29年度には二つの災害協定が結ばれております。これまで災害協定につきましては、協定内容の確認や見直しはされていたのでしょうか、お伺いいたします。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) これまでの災害協定の見直し等についてお答えいたします。災害協定の確認・見直しについては、毎年度、協定締結団体等に対しまして現況調査を実施しております。災害発生時の担当者の確認や災害協定に基づく中野区への支援内容、区総合防災訓練への参加の可否、協定に関する意見等を調査しております。

○久保委員 中野区地域防災計画、震災対策計画におきましては、救援物資のあり方ということが記されてございます。給水体制については、自宅で避難生活を送っている区民が3日間の水の確保をしていたとしても、その後断水などがあれば自宅での水の確保が困難になってまいります。避難所における避難者だけでなく、在宅で避難されている方に対しても物資の供給はされなくてはなりません。断水などにより水を必要としている区民への供給のあり方については、どのように計画されているのか伺います。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) 震災時の在宅避難をされる方への給水については、原則的には自給していただけるように、各家庭における飲料水の備蓄率を上げていきたいと考えております。区の応急給水活動としては、避難所各施設の受水槽による給水を行い、受水槽の使用が難しい施設にはペットボトルの飲料水を供給するほか、みずのとう公園、弥生公園、江古田の森公園の3カ所の小規模応急給水槽及び隣接区の給水拠点から取水し、原則として避難所にて給水を行うこととなっております。なお、在宅避難者への各種情報提供や食料などの救援物資の提供、被災者の状況把握等の生活支援については、次回の中野区地域防災計画の修正に反映させたいと考えております。

○久保委員 その点につきましては、一般質問で白井議員が質問をいたしまして、在宅でございますとか車両泊の避難者に対しての対策というのが、急がれる課題だという指摘をしてきたところでございます。

 食料の調達についてですけれども、都からの調達と区内供給業者からの調達というのが示されております。精米・食料品については、区内の小売販売業との供給協定に基づきまして調達をするとなっておりますけれども、これはどのような協定が締結されているんでしょうか、伺います。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) 東京都米穀小売商業組合中野支部や中野区商店街連合会をはじめ、物資等の供給に関する協定を合計9団体と締結しております。その内容は、区からの要請により、特別の理由がない限り、可能な範囲で米や水などの食料品、日用品、衣料品及び応急対策用資機材の提供を協力していただくこととなっております。

○久保委員 地域防災協定の炊き出しでは、4日目以降、炊き出しは区内供給業者から精米を調達し、地域防災会などで原則として避難所で実施するというふうに記されております。先ほど協定の内容を御紹介いただきましたけれども、現実に即しているのかということを疑問に思っております。先日、中野区災害時食料協力会の看板を掲げる地域のお米屋さんを訪ね、協定書にある内容について確認をさせていただいたところ、協定書には300キロの精米を常時確保しておくことということがございました。しかし、実際に300キロの精米を確保するということは非常に困難である。また、新鮮なお米をお客様に届けるために、精米をした状態でお米は置かず、なるべく販売時に精米をする工夫をされていることなどをお話しされておりました。かつては地域の防災訓練にも、炊き出しということでお米屋さんも協力していたということがあるようです。平成3年時のこの協定締結時とは、店舗数も減り、各個店での販売状況も変わっています。災害時に精米したお米300キロを1店舗で確保することは非常に困難です。時代に即した災害協定に見直しを図るべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) 毎年度、協定締結団体等に対して現況調査を実施しておりますが、時代に即した災害協定の見直しを図る必要があると認識しております。毎年度実施している現況調査に加え、協定先団体が無理なく実効性のある物資の供給をしていただける協定となるよう、どのような方法で見直していくべきかを検討していきたいと考えております。

○久保委員 ぜひともお願いをいたします。

 建設資料29にあるように、災害時には多くの関係機関との連携が非常に重要になってまいります。昭和61年に締結したという協定もあります。先ほども時代に即した内容ということで、見直しが必要であることを述べましたけれども、実効力のある協定によって、災害時に本当にこの企業・団体が力を発揮していただけるように協定書を総点検すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) 災害時の応援等に関する各種団体との協定内容は、締結するその時々の区民や行政の必要な事項に合わせたものとなっております。区民が必要とし、協定先団体も力を発揮していただけるような協定となるよう、どのような協定書の総点検ができるかを検討していきたいと考えております。

○久保委員 よろしくお願いいたします。

 また、新たな協定先ということも必要であるかというふうに思っております。例えば、中野区役所の裏側のサンクォーレには大手スーパーの食品館があります。杉並区では、イトーヨーカドーとの災害協定も締結をされております。新たな協定先として検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) 区の災害時の食料の備蓄は、主食となるものが中心であり、大手スーパーにあるお菓子などの食品は備蓄されておりません。被災した多くの子どもたちに配給できれば、避難所生活などが和むなど喜ばれることから、協定締結に向け検討していきたいと考えております。

○久保委員 よろしくお願いいたします。

 次に、乳幼児の液体ミルクのことについてお伺いいたします。液体ミルクの国内流通に向けて厚生労働省が先月、規格基準を定めた改正省令を施行し、国内での製造販売が解禁されました。早ければ来年後半にも販売が開始されるという見通しでございます。せんだっての西日本の豪雨の際にも被災した岡山県・愛媛県へ、東京都が既に大手イオン株式会社と災害時の液体ミルクの調達に関する協定を結んでおりまして、それを活用して液体ミルクの備蓄というのをお手伝いしたというようなことがございまして、大変喜ばれているところでございます。東京都の事例にならい、調達方法について具体的に検討し、液体ミルクを備蓄すべきと考えますけれども、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○中川都市基盤部副参事(防災担当) 粉乳に比べまして、水や燃料を確保しがたい災害時には、液体ミルクが有効であると認識しております。今年度購入した粉乳の賞味期限は2019年10月であり、来年度の発売時期、製品仕様等が現在のところ不明なことから、2020年度の購入に向けまして情報収集をしていきたいと考えております。

○久保委員 ぜひお願いいたします。

 現在多発する災害に対し、その備えを万全にするためには、防災分野の組織強化も重要な課題であると考えます。人的な配置も含め検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○田中経営室副参事(人事担当) 防災分野につきましては、本年度1名の定数増を図ったところでございますが、今後の人員配置につきましても適切に対応してまいりたいと考えてございます。また、組織強化につきましても、現在、全庁的な組織の見直しの検討を行っているところでございます。

○久保委員 ぜひともよろしくお願いいたします。

 次に、停電対策についてお伺いいたします。災害対策の上で停電対策は急がれる課題であると思いますが、ここでは公園の外灯について伺います。現在、防災公園ではソーラーなど蓄電による自家発電外灯になっております。停電時には、暗い中、明かりを頼りに避難をしてくる方も多いと思います。しかし、防災公園である江古田の森公園の外灯については、自家発電型にはなっていないと伺っております。これも直ちに再生エネルギー型の外灯に取りかえるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 防災公園として自家発電型――ソーラー式ですね――とする意義は感じておりますが、今後の施設改修時において交換を検討していきたいと考えております。

○久保委員 ぜひともこの江古田の森公園、防災公園でございますので、今後のというのがちょっといつなのかよくわかりませんけれども、本当に早期にお願いをしたいと思います。

 これからの防災公園には、外灯の機能の充実も重要な課題ではないかと考えております。自家発電であることは大前提ですが、電源、Wi-Fi、防犯カメラなど、多種の機能の外灯の設置も必要と考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 多機能型の導入につきましては、費用対効果も考え、また、公園の設備の状況によりまして検討してまいりたいと考えております。

○久保委員 ぜひともよろしくお願いいたします。

 他にお伺いすることがございましたけれども、防災対策については以上とさせていただきます。

 次に、区立幼稚園についてお伺いいたします。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の改定素案の段階で、区立幼稚園2園の民間による認定こども園への転換が突然出されたことにより、多くの保護者の方たちから不安と不満の声が上がり、陳情も提出されました。私は、区立幼稚園について、幼児教育の充実、保幼小中連携、障害児の幼児教育など、その存在の重要性について委員会の質疑の中で訴えてまいりました。しかし、その際の区側の答弁は、区立幼稚園の存在意義についての認識は低く、全く納得のいくものではありませんでした。新区長は、区立幼稚園廃止を見直すとの方針を示されております。しかし、ただ区立幼稚園を残す、区立の認定こども園にするというだけではなく、現在の就学前教育における区立幼稚園の担う役割や位置付け、存在価値を明らかにしておく必要があると考えます。中野区の就学前教育における区立幼稚園の役割、また、区立幼稚園の位置付けについてはいかがお考えでしょうか。明確にお示しいただきたいと思います。

○戸辺教育委員会事務局次長 教育委員会は、区が目指す幼稚園教育要領にのっとった就学前教育を実現するため、保幼小連絡協議会や連携教育検討委員会などを通じまして、全幼稚園・保育園・認定こども園に対しまして、就学前プログラムの理解促進や保幼小連携の推進を働きかけているところでございます。本区の幼稚園のほとんどが私立幼稚園という、こうした中におきまして区立幼稚園2園は、区が目指す就学前教育を実現するため、幼稚園教育要領にのっとった教育実践や保幼小連携を先頭に立って推進することと、そうした教育実践の成果を他の就学前教育、保育施設に還元する重要な役割を担っていると認識してございます。また、幼稚園教育要領にも示されているとおり、子育て支援におきましては、幼児期の教育に関する相談に応じたり、子育て情報を提供したり、保護者同士の交流の機会を提供したりするなど、幼稚園が核となり、家庭・地域との連携を基盤とした、地域における幼児教育の拠点としての役割もあると捉えているところでございます。

○久保委員 ありがとうございます。区立幼稚園が、就学前教育の中で本当に重要であるということを今述べていただきましたので、これで間違いなく本当に区立幼稚園、これから認定こども園という案もあるようでございますけれども、これはやはり中野区の教育において不可欠な、そういったものであるということが示されたかなというふうに思っております。

 認定こども園なんですけれども、区立の認定こども園がなぜできないのかということもその際に質問をいたしまして、区立ではノウハウがない、検討するに当たってはゼロからのスタートになるので、既に運営している民間のノウハウを活用したいというふうにその当時は述べられておりました。今回、区立幼稚園につきましては、区立の認定こども園化ということも検討されているというふうに伺っております。区立で認定こども園のノウハウを身につけることについてはいかがお考えでしょうか、お伺いいたします。

○濱口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 区立幼稚園の認定こども園化につきましては、これまで中野区において区立の認定こども園の運営実績がないことから、運営のノウハウが課題であると認識しているところでございます。しかしながら、区立保育園、区立幼稚園については長く運営してきた中で培ったノウハウがあり、それらを生かすことが可能であると考えております。また、今後、区立幼稚園で開始いたします幼稚園型一時預かり事業や他区の区立認定こども園の運営状況等を調査研究することで、ノウハウの取得を図ってまいりたいと考えてございます。

○久保委員 ノウハウはまだないのでというところもあるかと思います。十分にここのところも、1度やっぱりノウハウがないからできないというようなことを述べられておりますので、本当にできるのかしらというお声も返ってきているところでございます。決定した際には、皆さんが安心していただけるように、きちっと御説明できるようにしていただきたいなと思っています。

 それで、そもそも今お伺いいたしますと、では、10か年計画(第3次)で区立幼稚園2園を廃止するということを示した、その理由は何だったのかというところがまた疑問になるところでございます。それは何だったんでしょうか。また、継続するためには、その課題につきましても改善を図っていかなければならないかと思いますが、その点についてお伺いいたします。

○濱口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 10か年計画(第3次)におきまして、子ども・子育て支援新制度で国が認定こども園化を推奨していたこと、また、平成26年度に子ども・子育て支援事業計画策定に当たりまして行いましたアンケート調査において、認定こども園に対するニーズが一定程度あったことから、区立幼稚園を廃止、認定こども園化するとしておりました。一方で、多様な保育ニーズへの対応のあり方や、現在区立が2園であり、人事の停滞化の課題があるという認識を持ってございます。

○久保委員 今そういった認識を持っていることについての改善策はどうお考えですか。

○濱口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 多様な保育ニーズに対しましては、需要をしっかりと分析いたしまして、適正な保育施設等の整備も含めて区の確保策を進めてまいりたいと思ってございます。また、人事の停滞におきましては、人事交流ですとか、あるいは、よりよい幼児教育に向けたさまざまな課題に対しまして、提案制度などモラルアップを図る取り組みをあわせて推進していきたいと考えてございます。

○久保委員 ありがとうございました。

 施設の老朽化ということも一方ではあったのかなというふうに思っております。本年、区立かみさぎ幼稚園は開園50周年を迎えます。今後、この施設の老朽化などによります改築という課題がございまして、10か年計画では近隣の公園での仮園舎、現地建てかえというふうに示しております。しかし、かみさぎ幼稚園には隣接する上鷺公園というものもございます。そういった敷地を活用して今後建てかえをするということも可能なのではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○濱口子ども教育部、教育委員会事務局副参事(保育園・幼稚園担当) 区立幼稚園の園舎建てかえにつきましては、今後の区立幼稚園のあり方を検討する中であわせて検討してまいりたいと考えてございます。区立かみさぎ幼稚園園舎建てかえにつきましては、隣接する公園を活用することもあわせて検討していきたいと考えております。

○久保委員 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 以上でこの区立幼稚園についての質問は終わります。

 次に、西武新宿線沿線まちづくりについてお伺いをいたします。鷺ノ宮駅前拠点整備等まちづくり検討業務を、平成29年度はURリンケージに864万円で委託をしております。この点につきましては以前にも詳細を伺っております。この検討業務委託というのは技術的にも難しい課題が多く、プロポーザルで行われたとのことです。決算説明書183ページによれば、野方・都立家政・鷺ノ宮駅周辺のまちづくり推進業務委託、執行額は9,034万2,000円、不用額は1,382万6,300円となっております。この五つのまちづくり関連の業務委託がされておりまして、ほかにもまちづくり関連の業務委託については、入札の場合、不用額が多いような状況が見受けられると感じております。一般競争入札にするか、プロポーザルにするか、それを選択する基準は何なのか、お伺いいたします。

○波多江経営室副参事(経理担当) 企画提案を求める場合の基準としては、高度な技術力や専門性、芸術性、創造性、企画力を求められる場合や情報システムの構築や運用及び管理の委託など、あるいは、施設整備における基本構想と基本計画の策定支援業務の委託などのように、連続または一貫して実施することが効果的な複数の業務で構成された総合的な提案を求める必要があるもの、また、業務の実施方法や積算方法等が確立していない業務で、発注仕様を定めることが困難な場合などに、企画提案を通じた選定を実施している状況でございます。事業部から企画提案公募をしたい案件について評価選定委員会に提案をし、そこで企画提案公募型の募集をするかどうかを決めているということでございます。

○久保委員 企画提案型というのは、より高度なものを望まれているということなのかと思います。こうした調査や検討ということが、さまざま西武新宿線沿線まちづくりでは行われているわけですけれども、これらの検討結果を積み上げていくということが、野方以西の連続立体交差事業の事業認可にどう関係しているのでしょうか、お伺いいたします。

○菊地地域まちづくり推進部副参事(西部まちづくり担当) 連続立体交差事業は、沿線地域のまちづくりが着実に進んでこそ、その効果が高まるものであります。これまでの調査や情報の提供が各駅周辺地区からのまちづくり構想の提案につながっています。また、これを踏まえたまちづくり整備方針を策定していくことで、区としての野方駅以西のまちづくりの方向性や基盤整備の考え方を固めていくことができます。こうした調査や地元との検討を積み上げてまちづくりを進めていくことで、連続立体交差事業の早期実現、すなわち事業認可につながるものと考えております。

○久保委員 なかなかそういうところの中身が見えてこないようなものもありまして、一体何をしているのだろうというような思いになられる方もおいでになるようでございます。本当に早くにこの成果が見られるようなことを願っております。

 以前より指摘をしております、学校再編とあかずの踏切問題についてお伺いいたします。教育委員会として跨線橋の設置など西武鉄道に依頼をすべきではないかという質問を、この鷺宮小学校と西中野小学校の統合において質問をいたしましたが、その際、「教育委員会として児童の安全のために、改めて通学路の踏切対策についても要望することについて考えてまいりたいと思います」と御答弁をいただきました。教育委員会としてその後の取り組み状況はどうだったのか伺います。

○高橋子ども教育部、教育委員会事務局副参事(学校・地域連携担当) あかずの踏切に関しましては、本年の7月に設置いたしました鷺宮小学校・西中野小学校の統合委員会でも、解決すべき大きな課題として委員から発言があったところでございます。教育委員会としても児童の安全を第一に捉え、ハード・ソフトの両面から通学路の踏切対策を引き続き検討しているところでございます。

○久保委員 引き続き検討ということで、私は、本当に活発に議論を行い、教育委員会が子どもたちの通学路の安全確保のために真剣に取り組んでいるのだろうかというところに疑問を持っておりまして、そのことを再度お伺いしたわけです。西武新宿線の連続立体交差事業の事業認可が早期に実現し、例えば高架というような結果であれば、跨線橋は支障物になってしまう。そのことも十分承知はしておりますけれども、それでもやはりこの通学路の安全を守っていくということは、これは教育委員会としての命題であると思っています。跨線橋をかけるといっても土地の確保が課題になってまいります。統合新校の建設予定地である第八中学校の敷地は、線路に面し、線路を挟んで反対側には鷺宮体育館や運動広場があります。中野区が線路沿いに敷地を有しているという点では、跨線橋の設置の可能性があるのではないかと考えますが、跨線橋設置の区有地の活用は可能なのでしょうか、お伺いいたします。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 区有地の鷺宮体育館や運動公園の活用につきましては、利用者や近隣の意見等も踏まえる必要があるというふうに考えておりまして、さまざまな課題があるというふうに認識してございます。

○久保委員 今ここで突然伺っても、さまざまな課題があるというふうにしか御答弁はできないかと思いますけれども、そのさまざまな課題をしっかりと検討していただければなと思っております。

 最後に、学校設置者である区長に、子どもたちの通学路の安全のための跨線橋設置も含めた対策についての御見解を伺います。

○酒井区長 野方・井荻駅間の連続立体交差化事業がこれから動き始める中で、現在の線路上に新たな跨線橋を整備することはなかなか難しいと考えているところでございますが、児童の安全確保は何よりも優先されなければならず、たとえ連続交差事業が実現するまでの間という限定された期間となるとしても、跨線橋の設置が最も有効に働くということであれば、実現に向けた区有地の暫定活用の検討や西武鉄道への働きかけなど、必要となる条件整備を行っていく考えでございます。連続立体交差事業の1日も早い実現を目指すとともに、通学路の踏切対策に係るハード、それから、ソフトの両面からの検討を急ぎ進め、児童が安心して登下校できるよう最善の安全対策を講じてまいりたいと考えております。

○久保委員 ありがとうございました。

 それでは次に、受動喫煙防止につきましてお伺いいたします。平成29年12月付の東京都の福祉保健局の禁煙支援の取り組みには、中野区の取り組みの2事業が挙げられております。この事業についての効果はどのように評価されているのか、お伺いいたします。

○只野健康福祉部副参事(健康推進担当) 中野区の事業の取り組みの効果についてでございます。現在実施している禁煙普及啓発事業は、中野駅前街頭キャンペーンやパネル展示といった、広く一般区民を対象とした事業が中心でございます。禁煙普及啓発事業の効果をはかる指標の一つとして喫煙率の推移がございます。区としては喫煙率の統計はとっておりませんが、東京都の平成28年の喫煙率は18.3%で、平成25年の20.9%と比較し、マイナス2.6ポイントとなっており、一定の効果は上がっていると考えております。

○久保委員 受動喫煙防止の最も効果的なことは、喫煙者との接触を避ける、喫煙者を減らすことでございます。この東京都の禁煙支援の取り組みの事例には、千代田区、港区などの区内禁煙支援薬局で、薬剤師が禁煙方法などの相談に応じ、たばこに関する正しい知識や禁煙に関する情報を入手できる。中央区、品川区、北区、練馬区、荒川区、禁煙外来による治療を行う区民に、禁煙外来の保険診療にかかわる医療費及び薬剤費の本人負担額の一部を助成する。申請1回当たりの上限額は1万円などが紹介されております。さらに豊島区では、子どものための禁煙外来治療費助成事業をスタートさせ、妊婦本人または妊婦や18歳未満の子どもと同居している、お子さんのためにも禁煙したいと考えている方を対象として2万円の助成をするものでございます。受動喫煙による被害を防ぐことと、喫煙者本人の健康のためにも、禁煙外来医療費助成制度は非常に有効な手立てではないかと考えております。他区の事例にならい、中野区でも禁煙外来医療費助成を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○只野健康福祉部副参事(健康推進担当) 禁煙治療の助成についてでございます。受動喫煙の防止には、喫煙が健康に及ぼす影響について意識啓発を行うとともに、禁煙を促していくことが重要であると考えてございます。ホームページで禁煙支援プログラムを提供しておりますが、医師や薬のサポートが得られる禁煙治療は効果があると考えております。治療費の負担を軽くして禁煙に取り組む区民を支援するためには、禁煙する区民自身の健康増進に資するため、禁煙治療費助成については、他自治体の動向も踏まえまして今後検討してまいります。

○久保委員 ぜひともよろしくお願いいたします。

 また、品川区、禁煙外来マップの配布をしておりまして、禁煙外来を実施している区内の医療機関一覧をマップつきで掲載をしています。目黒区、こちらでも禁煙外来一覧、地図をホームページで掲載をしております。禁煙者の健康と受動喫煙防止対策として、先ほども効果が得られる事業ということで紹介させていただきましたけれども、禁煙外来や禁煙支援薬局を紹介する禁煙支援マップも作成すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○只野健康福祉部副参事(健康推進担当) 禁煙外来マップの作成についてでございます。禁煙事業に取り組む区民をふやしていくためには、禁煙を支援する環境を整えていくことが必要だと考えております。禁煙治療を実施している医療機関の周知、禁煙外来マップの作成については今後検討してまいります。

○久保委員 よろしくお願いいたします。

 先日、地域の方より、公園での喫煙による受動喫煙の御相談がありました。鷺ノ宮駅の近くに、大人が休憩するのに手ごろな場所でございます、みよし公園という公園がございまして、多くの喫煙者にとっての憩いの場所となっています。しかし、このたばこの煙、たばこの吸い殻などを心配されるお子さん連れの方からは、利用しづらいという声も上がっています。私はかつて、鷺六公園に設置された灰皿が破損し、たばこの吸い殻が灰皿から落ちている状況を見て、小さな子どもが拾うようなことがあっては心配との町会の方からのお声をいただき、灰皿撤去を区にお願いしたということがありました。その際、破損した灰皿は撤去していただくことができました。地域住民の声を聞き、区が公園の灰皿撤去をされるケースはほかにもあるのではないでしょうか。灰皿撤去の状況についてお伺いいたします。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 公園の灰皿につきましては、破損したものを撤去するという方向で進めてございます。現時点で41の公園に灰皿が設置してございます。ほかの状況ということでございますが、公園の利用状況等によって撤去した事案はございます。

○久保委員 撤去するという事例もあるということですね。公園は屋外ですので、受動喫煙防止条例の対象施設ではないと思いますが、児童遊園については灰皿の設置は既にありません。区立公園の灰皿の設置・撤去についての明確なルールはあるのでしょうか。例えば、大規模公園での喫煙所の設置については、小さな子どもたちの遊ぶ場所には灰皿設置をしない、副流煙による受動喫煙の被害に遭わないように喫煙所を設置する。灰皿撤去を行った際には新しく設置はしないなど、公園の灰皿設置及び撤去について明確なルールを持つべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 吸い殻入れにつきましては、新規の設置を行わずに、順次廃止をしていく方向で進めているところでございます。副流煙対策と受動喫煙防止策は必要というふうに考えてございますが、現在のところ、利用者のマナー向上の啓発を続けてまいりたいというふうに考えてございます。

○久保委員 ということは、今の御答弁によりますと、随時撤去ということなんでしょうか。私は、大規模公園などでは、喫煙所の設置の必要性というのも一方であるのではないかと思うんですけれども、その辺の中野区の設置や撤去についての明確なルールというものがないのではないかなということで今質問したわけですけれども、これは随時撤去ということで決定なんですか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 明確なということでは、明確なルールは現在持ってございません。現時点であるものを破損の状況に応じて撤去していくという方向でございまして、ルールというところではそこまでということでございまして、現時点では利用者のマナーの向上に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

○久保委員 破損した場合の撤去をすると、その後には設置をしないということかと思いますけれども、やはりきちっとルールを決める必要性があると思うんですね。その辺のところを、もちろん破損したものをそのまま放置しておくということは、いいことだとは思っておりませんので、それを撤去されること自体は、これは仕方がないことかと思いますけれども、やはり喫煙者の側の方たちや受動喫煙の被害のこと、さまざまに考慮して、一定の基準といいますか、ルールが必要なのではないか。そのうちに喫煙者の方たちが自発的に外ではたばこを吸わないというふうになっていけば、それはそれで喫煙者のマナーによって変わってくることかと思いますので、その辺のところはしっかりと検討する必要があるかと思いますけれども、いかがですか、お伺いいたします。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 現時点では明確なところがございませんが、大変重要な課題というふうに認識してございますので、今後、公園の喫煙のあり方についても検討してまいりたいというふうに考えております。

○久保委員 それでは、その他で1点お伺いいたします。はしかの予防接種助成につきまして伺います。本年6月11日、沖縄県は、保健医療部長名で、沖縄県における麻疹(はしか)の流行の終息宣言を行い、3月20日に4年ぶりとなるはしか患者が報告されて以降、99人の患者が報告され、はしかの発生動向について監視を強化してきたが、5月11日に医療機関を受診した患者を最後に、4週間新たな患者が発生していないということから、沖縄県におけるはしかの流行が終息したという宣言をされたということでございます。新宿区では、これまで実施していた風疹の抗体検査と予防接種の費用助成に加え、新たに麻疹の抗体検査と予防接種の費用助成を開始しますということで、本年8月27日から妊娠を希望する方などを対象に、新たに麻疹抗体検査と予防接種を実施するということがニュースになっておりました。

 中野区では、風疹の蔓延や先天性風疹症候群の予防のために、2014年4月1日から風疹抗体検査費用の全額及び予防接種費用の一部を助成しています。風疹は、かかった本人よりもお腹の赤ちゃんに悪影響が出てしまう病気ですが、麻疹はかかった本人が肺炎や脳炎を起こして入院したり、中には命を落としたり、後遺症が残ってしまう怖い病気です。中野区では風疹の抗体検査と予防接種の費用の助成を希望する方などに対しても、既にMR(麻疹・風疹)の予防接種が実施されているということでありますけれども、私はそのことを知りませんでした。新宿区のように、やはり中野区でもこういったことをきちっと行っているということをアピールすべきではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか、お伺いいたします。

○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 風疹抗体検査と麻疹・風疹混合予防接種の費用助成については、区報や区のホームページで周知を図るとともに、医師会にも周知を依頼し、また、すこやか福祉センター等の窓口で妊娠届け出時にチラシを配布し、お知らせをしております。今後もさらに工夫してまいりたいと思います。

○久保委員 ありがとうございます。やはり既にもう行っているということなのに、なかなかいいことをやっていることが評価されないというようなことだともったいないなというふうに思いまして、今回御提案をさせていただきました。

 以上で私の総括質疑の全ての質問を終了とさせていただきます。大変にありがとうございました。

○高橋(か)委員長 以上で久保りか委員の質疑を終了します。

 次に、広川まさのり委員、質疑をどうぞ。

○広川委員 2018年第3回定例会決算特別委員会におきまして、日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。

 質問に先立ちまして、西日本を中心とした豪雨災害や台風被害、そして、北海道胆振東部地震でお亡くなりになられた方の御冥福をお祈りいたします。また、被災された方、全ての方にお見舞いを申し上げるとともに、被災地の復旧・復興に当たっては国を挙げて取り組んでいくことを求め、質問に入ります。

 まず初めに、2017年度決算について伺います。

 最初に、積立基金についてお聞きします。決算年度基金残高は前年度から48億円積み増し、725億円に達しています。財政調整基金は、当初予算で297億円の残高を見込んでいたものの、決算では329億円となっています。まず、32億円ふえた要因は何でしょうか。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 財政調整基金の増の要因ということでございますが、平成29年度当初予算と決算との乖離が生じたという理由でございますけれども、歳入につきましては、特別区税や特別交付金などが景気の動向等を反映して伸びてございまして、一般財源が充足したというところでございます。また、歳出におきましては、事業の進捗の影響及び執行管理を徹底するなど内部管理の徹底を行ったことなどによりまして、経費節減が図られたといったことによりまして基金繰り入れを抑制できたことが理由であるというふうに考えております。

○広川委員 区は、急激な財政の悪化等により歳入の減少が生じた際も、一定水準のサービスを継続することが必要として、2010年のリーマンショック時に一般財源が50億円程度減収となったことを挙げて、財政調整基金については少なくとも50から60億円規模の複数年分を年度間調整分として準備する必要があると説明してきました。具体的にこの複数年とはどのくらいの期間を想定しているのでしょうか。また、想定している金額についても伺います。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 景気変動に伴う財政の年度間調整機能を担保するということで、過去に単年度で50億円近くの一般財源減収となったという経験から、二、三カ年の区民サービスの維持を行うための経費といたしまして、基準として少なくとも100億円から150億円の財政調整基金を確保していく必要があるというふうに考えているところでございます。

○広川委員 財政調整基金には、年度間調整分のほかにも退職手当引当金分など、区としての内訳があると思うんですけれども、その内訳を金額で教えてください。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 平成29年度末の財政調整基金の残高の内訳でございますけども、年度間調整分として208億円余り、施設改修分に充てる財政調整分といたしまして113億円余り、及び退職手当に充てる財政調整分といたしまして8億円余りとなっておりまして、トータル329億円でございます。

○広川委員 決算年度の区の標準財政規模は743億円となりました。一般的には財政調整積立金については、この標準財政規模の10%が適正とも言われています。中野区として財政調整基金は、区の標準財政規模に対してどの程度の比率であるべきと考えているのでしょうか。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 財政調整基金のうち年度間調整に活用する部分につきましては、標準財政規模に対する比率は現在のところおよそ20%となっているところですが、財政調整基金につきましては、標準財政規模に占める割合を目安に積み立てを計画しているというものではありませんで、急激な経済状況の悪化等によりまして一般財源の減少が生じた場合であっても、将来的に財政需要が計画されているものがございまして、これを停滞させることなく実施していくために積み立てている。計画として進めているというところでございます。

○広川委員 私たちは、この基金の積み立て自体を否定するものではありませんが、財政調整基金を含めて各種基金にため込まれている金額は、当初区が必要としている見込みよりもかなり多くなっているのが実態だと思います。基金の積み立ては一定必要ですが、明確な基準があってこそ健全な財政運営と呼べるのではないでしょうか。財政調整基金も積み立てる一方ではなくて、適切に活用しながら区民の要望に応える施策の充実に充てるべきと考えます。その立場でこれまでも会派として、財政調整基金を活用した国民健康保険料の引き下げであったり、介護保険料の引き下げ、区立保育園の増設、学校給食の無償化など、区民の負担軽減と施策拡充を求めてまいりました。財政調整基金の一部を活用することにより、こうしたことに応えることができたのではないでしょうか、伺います。

○海老沢政策室副参事(予算担当) これまでも実施すべき事業につきましては適切に進めているところでございまして、財源が不足する場合には財政調整基金からの繰り入れによって対応してきているところでございます。今後も基金の繰り入れ等も活用しながら、区民の要望に応えていきたいというふうに考えております。

○広川委員 ぜひしっかり応えていっていただきたいと思います。

 この間、財政非常事態の名のもとで削減してきた区民サービスの復活・拡充が求められています。少なくとも平成24年度事業見直しで削減されたものの中で、戻せるものについては戻すことを要望いたします。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 今のは要望されるという御質問だというふうに認識いたしますと、歳入面でも法人住民税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直しなど、一般財源が削減される措置がとられてきているところでございます。一方で、地域ケアシステムの拡充やユニバーサルデザインの推進、子育て支援支給としての対応といったところ、あるいは、学校施設の老朽化による建てかえ、それから、まちづくりの進展など、財政負担の大きい課題が山積しているところでありまして、その中で今後も持続可能な財政運営を担保しながら区民ニーズに適切に対応していくということで、施策展開を検討してまいりたいというふうに考えております。

○広川委員 次に、積立基金の資金管理についても伺います。積立基金は、歳計現金等の支払準備金の不足に備えるため、一定額を普通預金に預け、残りの資金を定期預金と債券により運用しています。会計年度の積立基金の資金管理実績によれば、運用収入は5,354万円となっています。基金運用の過去3年間の平均利率について伺います。

○波多江経営室副参事(経理担当) 基金の平均利率ということでございますが、平成27年度は0.15%、28年度は0.1%、平成29年度は0.08%でございました。

○広川委員 今おっしゃられたように、基金の運用の利率はこのところどんどん下がっておりまして、区の借金を減らしていくことに充てていくほうが、財政効果が高いのではないかと思います。区の区債残高は198億円あります。この2年間の10年債、銀行資金借り入れの平均利率は0.829%となっています。積立基金を区債の償還に充てることについて、区の認識を伺います。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 委員御指摘の基金の繰り上げ償還ということになるかと思いますが、財政調整基金は直接区債の償還に充てられないということでございますので、区債の償還を公債費として歳出予算に計上いたしまして、結果として予算の不足分を財政調整基金で補うと。そういった仮定をした場合でありますけれども、起債残高を縮小させるという効果がございまして、財政的に身軽になるということが見込まれるということができます。その一方で、繰り上げ返済を行う場合には、将来にわたって支払うべき利率分のうち、大部分を繰り上げ返済時に支払うこととなっておりまして、区債の多数でそういった繰り上げ償還時に利子分の大部分を支払うという形になっています。経費節減効果は小さいというふうに考えております。また、今後、施設更新など財政需要を踏まえまして、基金計画による積み立てを増加させていくという必要がございます。起債の償還よりも起債の発行を抑制していくということにより対応してまいりたいというふうに考えております。

○広川委員 わかりました。過去5年間の決算剰余金の金額を教えてください。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 過去5年間の実質収支額につきましては、平成25年度が18億円余り、平成26年度が44億円余り、平成27年度が28億円余り、平成28年度が29億円余り、平成29年度が25億円余りということになってございます。

○広川委員 このところ20億円を超える額が決算剰余金となっているわけなんですけれども、この決算剰余金を区債の償還に充てるということについてはいかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 先ほどの答弁の繰り返しになるところでございますけれども、繰り上げ償還による財政効果はあまり大きなものにはならないということ。さらに、今後の施設更新などの行政需要を踏まえまして、基金活用の必要性が高まるということでございますので、新規の起債発行を極力少なくすることで対応していくということで、適切な基金計画による積み立てを増加させてまいりたいというふうに考えております。

○広川委員 剰余金については、有効な活用を図るとともに、また、適切に高齢者や子育て世帯への支援であったり、低所得者への生活支援などに役立てていただくことを要望いたします。

 次に、特定目的基金のうち義務教育施設整備基金について伺います。決算年度、義務教育施設整備基金は10億円の積み増しとなりました。区は、今後5年間の小・中学校改築については、起債の活用をやめ基金で賄うとの方針が示され、今年度は当初予算で56億円余りの積み立てが行われました。今後、集中的に学校の建てかえが進むことになっていますが、平成30年度当初予算の概要によれば、今年度209億円ある基金残高が、4年後の2022年度には8億円にまで減少する計画となっています。具体的にどの学校に、いつ、幾ら充てていくことを想定しているのか、明確にすべきではないでしょうか。見解を伺います。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 平成30年度から平成34年度まで、5年間で学校施設の改築等の経費として繰り入れる義務教育施設整備基金の額でございますけれども、平成30年度が十中ほか二つの学校に対して30億円、平成31年度が桃丘小ほか3校で59億円、平成32年度が新井小ほか4校で56億円、33年度が多田小ほか4校で67億円、34年度が中野本郷小ほか4校で67億円を計画しているところでございます。学校改築につきましては複数年度に及ぶというところでございまして、経費等につきましては各年度ごとに必要額を繰り入れるという計画になっているところでございます。個々の学校に対する繰入額につきましては明示をしていないところでございますけども、学校再編としての基金の繰入額につきましては、平成30年度の当初予算案の概要の中で明示しているところでございます。

○広川委員 小・中学校では、PTAから毎年施設の改修を求める声が上がっておりまして、南中野中学校からは非常階段の補修について毎年要望が出されております。さびによる腐食が著しく、安全面で非常に危険性が高いのではないかと思われます。他の区立小・中学校からもフェンスの劣化や雨漏りなど、対応を求める切実な要望が上がっている中で、基金に積み立てるのではなくて、求められている設備の改修に充てることは十分可能だったのではないでしょうか。学校の老朽化や改修への対応については、財源計画を明らかにするように求めますが、いかがでしょうか。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 5年分の財源の計画につきましては、これまでも当初予算案の概要におきまして5年分の財政フレームを示すとともに、主な基金の積立・繰入計画や起債計画を活用する事業の一覧により示しているところでございます。今後も当初予算案の概要等で学校施設の改修における財源計画だけでなく、事業全般について区民にわかりやすい説明をしてまいりたいというふうに考えております。

○高橋(か)委員長 広川委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。

後259分休憩

 

午後0分開議

○高橋(か)委員長 委員会を再開します。

 先ほどの広川委員の総括質疑におきまして、理事者より答弁訂正の申し出がありましたので、これを許します。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 委員御質問の義務教育整備基金の充当事業につきまして、平成31年度の学校の充当先といたしまして桃丘小と発言してしまいましたが、正しくは、平成31年度、桃園小ほか3校に59億円でございます。訂正させていただきます。どうも申しわけございませんでした。

○高橋(か)委員長 広川委員、よろしいでしょうか。

○広川委員 はい。

 物件費についても伺います。2017年度決算の状況を示した中野区の財政白書によれば……

○高橋(か)委員長 今の答弁訂正についてよろしいですかと聞いたんです。

○広川委員 よろしいです。

○高橋(か)委員長 じゃあ、引き続き総括質疑に入ります。

○広川委員 物件費についても伺います。2017年度決算の状況を示した中野区の財政白書によれば、物件費は2012年から増加が続いており、決算年度は前年度から4億円増の165億円となりました。さらに今年度予算では、51億円増の216億円余りを計上しています。物件費の中で委託料が72%を占めるまでに増加をしております。その要因について伺います。

○森経営室副参事(行政監理担当) 委託料につきましては、民間活力の導入によりまして施設運営や事務処理などの委託を進めてきた関係で、昨今増加しているという状況でございます。平成29年度決算におきましては、有害物質の廃棄処理を一括で行ったことや、野方・都立家政・鷺ノ宮駅周辺のまちづくり検討の委託などによりまして増加しているといったところでございます。

○広川委員 区は、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の中で、民間事業者への委託が可能なものについては積極的に民間に開放し推進するとしてきた。また、施設の管理運営や開設に当たっては、民営化や指定管理者制度の導入等、効率的・効果的な手法により民間活力を実施していくと定めています。そうした考えに基づき、区直営であった事業や区民サービスを次々と委託してきました。今後、委託料の増加をどう予測しているのでしょうか。

○海老沢政策室副参事(予算担当) 委託料の主な事業といたしましては、緊急待機児対策による区立保育室運営委託経費や保育園事業運営委託経費、あるいは、システムの開発経費、公共施設等の基本設計・実施設計経費や各種事業の運営委託等がございます。これらの事業の積算に当たりましては、委託料に係る全ての事業につきまして、区民サービスの向上や効率性、事業の効果と改善の視点から点検を行いまして、事業見直しを徹底して進めているというところでございます。また、新規事業による経費増加分につきましては、既存事業の統合や再編・縮小などの見直し、執行方法の変更などを求めて予算編成を進めているところでございます。新たな課題に対応するために、効果を見きわめながら委託化を進めているところでありますが、委託経費につきましては、それに伴いまして今後も増加が見込まれるところでございます。今後も経常的な事業につきまして、PDCAサイクルを踏まえまして、効率性・効果性の観点から事業の廃止や統合、縮小、執行方法の変更などについて見直しを行いまして、委託料の拡大を抑制するという形を進めてまいりたいというふうに考えております。

○広川委員 区は、民間活力の活用により質は担保されている、サービスは向上するとしてきました。これまでの事業の委託によってどうサービスが変化したのか、向上したのかどうか、区としてどう検証しているのでしょうか。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 民間活力の推進につきましては、民間事業者の持つ専門性やノウハウを積極的に活用するとともに、業務の繁閑に応じた弾力的な人員配置などにより、より効果的で効率的なサービス提供を目指してまいりました。これまで各施設や業務の特性に応じまして、専門性を生かした事業メニューの充実や、施設の開設時間や日数の拡大などを通じましてサービスの向上を図ってきたところでございます。区といたしましては、業務の発注者として、あるいは施設の設置者として、事業の目的や仕様などを踏まえた上で、事業者とのヒアリングや現地確認、事業報告などにより業務の履行状況などについて把握してございます。また、福祉施設におきましては、東京都福祉サービス第三者評価を実施し、福祉の専門家が第三者の立場から利用者の声を聞いたり、運営状況を調べたりすることで、サービスの質の確保が図られてきたところでございます。

○広川委員 直営より安く行政サービスを提供できるというのが委託化の狙いです。区は、委託後も事業者との緊密な連携をとって、必要な改善の指示などを行っているということなんですけれども、業務の遂行過程を体系的に把握するということには限界があるのではないでしょうか。受託者が行った仕事の結果は目に見えても、どのような状況において、どのような現場判断で業務を行ったのかという過程の把握は困難です。また、委託化によるコスト削減は、結局労働者の人件費の削減によって実現されております。民間に任せ、対価を安くたたけばたたくほど、そのしわ寄せは立場の弱い労働者に及んでいるのが実態ではないでしょうか。区は委託業務の発注者として、労働者の賃金については把握しているのでしょうか、伺います。

○波多江経営室副参事(経理担当) 委託業務の入札については、委託総額についての見積金額で入札をしているため、労働者の賃金について直接把握はしておりませんけれども、予算を積算する段階では人件費を含め適正な積算としているものでございます。

○広川委員 賃金については、発注者としてしっかりと把握をしていただきたいと思います。委託であっても公務労働の事業従事者であり、そこからいわゆるワーキングプアが生まれているのが実態です。労働者の意欲の低下は質の低下に直結します。区の責任で処遇の改善に踏み込むべきではないでしょうか。神奈川県相模原市では、市が発注する予定価格500万円以上の業務委託に関する契約及び労働者派遣契約において、一定の労働報酬下限額を保障することを目的に公契約条例が設けられています。従事する労働者の労働意欲を高めることにより、安全かつ良質な事務及び事務事業の確保を図り、もって市民が安心して心豊かに暮らせる市民生活を実現するためとしています。区として公契約条例の対象を委託業務も含め検討すべきと考える。区の認識を伺います。

○波多江経営室副参事(経理担当) 23区の中では、5区が公契約条例を既に施行しておりまして、公契約条例の対象業務につきましては適用する工事金額や委託金額の下限を定め、公契約条例の対象にしている例がございます。既に公契約条例を施行している区について調査をし、今後検討してまいりたいと思います。

○広川委員 先行している5区の取り組みもぜひ参考にしていきながら、進めていってもらいたいと思います。

 区は、保育園や学童クラブ、キッズ・プラザ、図書館、学校給食、学校用務、区民活動センター集会室の受け付け業務など、経年的な事業も多く委託してきました。行政の都合で進められてまいりましたが、公共サービスを直営でやるのか、委託化かについて、十分に区民の意見に耳を傾けてこなかったという問題があると思います。区民にも委託化に当たっては、事前のニーズ調査や意向調査を徹底すべきではないでしょうか。区の認識を伺います。

○永田政策室副参事(業務マネジメント改革担当) 多様化し、ふえ続ける区民ニーズに対して、限られた経営資源で的確に対応していくためには、民間委託や指定管理者制度を推進し、より効果的で効率的なサービス提供の実現を図ることが必要と考えてございます。これまで民間委託や指定管理者制度の導入に当たりましては、利用者への説明会などを通じて御意見をいただいてきたところでございますが、今後もより丁寧に行っていくよう心がけてまいります。

○広川委員 ぜひ委託の是非を区民と共有することに加え、既に委託化された事業についてもサービスの質や運営の安定性、賃金などについて検証を要望して、この項の質問を終わります。

 次に、住環境の保全・向上について。

 まず、住宅宿泊事業法について伺います。一般住宅に旅行者などを有料で宿泊させる民泊を解禁する住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が6月15日に施行されました。新法は、自治体に届ければ、ホテルが営業できなかったような住宅地でも年180日まで営業を認めるとしています。住環境の悪化を懸念する多くの自治体は、独自に規制強化などをしました。中野区でも中野区住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する条例が策定され、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域に該当する区域では、月曜日の正午から金曜日の正午まで営業が制限されております。今現在、区内で届け出をして営業をしている民泊数を伺います。また、区内の制限区域内、制限区域外で営業している民泊数はそれぞれ幾つでしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 9月14日現在、区内で営業している民泊は89件でございます。また、制限区域内が39件、制限区域外が50件でございます。

○広川委員 区の条例では、制限区域内で住宅宿泊事業、民泊を営もうとするときは、届け出に先立って周辺住民等に対して書面等により事前周知を行わなければなりません。また、家主不在型についは、事前周知とともに周辺住民等への説明会を開催することが義務付けられております。事前周知や説明会において近隣住民の理解が得られたか否か、区として何をもって判断しているのでしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 住宅宿泊事業法は、届け出に際しまして近隣住民の理解を得ることを要件とはしておりません。このため届け出の審査において、近隣住民の理解が求められているか否かは対象とはなりません。一方で、区では、住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する条例により、制限区域――住居専用地域でございますが――において民泊を営もうとする者に対しては、事前の周知や説明会を義務付けており、許可申請者に対して事前周知や説明会の際に寄せられた意見や要望及び問い合わせに対する対応を記録し、報告するように求めているところでございます。この記録報告書の内容から近隣住民の理解が得られていないと判断される場合には、区から近隣住民に対して個別に調査するなどの方法により確認することとしてございます。

○広川委員 民泊を営業するに当たっては、近隣住民の理解が欠かせません。十分な理解のないまま開業に踏み切れば、後々大きなトラブルへ発展してしまう可能性もあります。一定割合の住民合意を審査基準に加えるべきではないでしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 区といたしましても、近隣住民の理解は重要であると認識しておるところでございますけれども、届け出制を採用しました住宅宿泊事業法の趣旨を踏まえ、事前周知等の方法により理解を得るようにしているところでございます。

○広川委員 中野区において受理した住宅宿泊事業届け出住宅の所在地などの情報は、ホームページでも確認できます。一方、地域の方から、届け出のない住宅にスーツケースを引いた観光客が頻繁に出入りをしているというような声が寄せられております。先ほど区内の民泊数、89件ということだったんですけれども、その他区が違法民泊として認識している件数は何件でしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 現在、苦情施設として区が把握しておりますのは123件でございます。

○広川委員 123件ということで、これだけの違法民泊の存在を認識しながら、営業を停止させることができないその要因は何でしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 違法民泊は旅館業法上の無許可施設であり、旅館業法第7条2項に基づき、必要な報告徴収や立入検査等により調査を行うことになります。営業停止にするためには、必要な調査を行い、実態を明らかにする必要がございますが、実態調査には多くの時間や手間もかかるとともに、また、違法な民泊を営んでいるのではないかと疑われる者と連絡がとれない場合や、宿泊者の協力が得られないケースなどが多いことから、営業停止にできない要因となってございます。

○広川委員 京都市では、違法民泊の根絶に向けて市と警察の民泊対策等連絡協議会を立ち上げ、情報共有や行政指導の強化などに取り組んでいます。また、大阪市では、市の職員と府警OBら約50人でつくる違法民泊撲滅チームという実動部隊が発足しております。第2回定例会の一般質問におきまして、いさ議員が違法物件に対処するための必要な人員の確保を求めたのに対し、違法民泊への対処のほか、住宅宿泊事業の主な業務であります開設の相談、届け出受け付け及び苦情対応等について的確に対応できるよう、さらに体制を強化したいと答弁がありました。その後、体制の強化についてはどのような状況でしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 事務の一部につきまして、事務の効率化を含む新たな執行方法により実施することを検討しているところでございます。また、違法民泊への対処のみならず、民泊や旅館業法の施設に関する開設相談などにより事務量が増大しておりますことから、今後も体制を強化する必要があると考えております。

○広川委員 区内から早急に違法民泊をなくすために、実効性のある取り組みを要望します。

 次に、旅館業法について伺います。ことし6月15日に、住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が施行されるとともに、改正旅館業法が施行されました。旅館営業とホテル営業に分かれていた営業種別が、旅館・ホテル営業に統合され、これらの最低客室数の基準を撤廃し、1室でも営業ができるようになり、構造設備の要件が緩和されています。また、緊急時の駆けつけ、ビデオカメラによる本人確認などを条件に、玄関帳場・フロントを設置しないことも認められました。簡易宿所の要件も同様に緩和されています。住宅宿泊事業法の民泊と比較すると、旅館業法上の旅館・ホテル営業や簡易宿所営業は、年間の営業日数に制限がないという特徴があります。住宅宿泊事業法の場合、届け出だけで民泊事業の運営が可能ですが、最大でも年間180日までしか営業ができず、各自治体が条例で営業日数や営業可能エリアを制限しているところです。年間を通じた収益性という観点で見ると、旅館・ホテル営業や簡易宿所営業のほうが事業者にとって魅力的であることは間違いありません。そうしたことから、今後、旅館業法を使っての宿泊事業が増加していくのではないでしょうか。ことし3月の時点で、区内ではホテル営業が3カ所、旅館営業が3カ所、簡易宿所営業が10カ所、計16カ所が営業しておりました。現在、区内の簡易宿所営業及び旅館・ホテル営業の許可件数を伺います。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 9月14日現在で、簡易宿所は19件、旅館・ホテル営業は7件でございます。

○広川委員 やはりふえてきているということです。先日、区内の戸建て住宅にお住まいの方から相談を受けたんですけれども、隣接する空き家で突然旅館・ホテル営業の宿泊施設が開設される計画があることを偶然知り、大変驚かれていました。その空き家は、住宅が密集する袋小路の私道の途中にあり、そういった場所に不特定多数の利用者が入ってくることへの不安や騒音についての懸念、さらには、空き家2階と相談者のベランダの距離が非常に近く、セキュリティの面でも心配をされておりました。相談者は、地域住民の署名を集め、保健所に開設の中止を求める要望書を提出するに至っています。まず、旅館業法上の旅館・ホテル営業や簡易宿所営業を始めるに当たり、住宅宿泊事業との大きな違いは、近隣住民への事前の周知や説明会などが義務付けられていない点にあります。突然隣の空き家や空き部屋が宿泊施設になることはトラブルの原因になります。区として、近隣住民との合意形成を前提として許可の判断を行えるよう、条例で定めるべきではないでしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 旅館業法におきましては、事前の近隣周知等の義務付けはなく、用途地域の制限だけになっておりますが、中野区の場合には、旅館業が実施できる地域であっても住宅が密集している地域もございますため、区では事業者に対して、近隣住民への事前周知や説明を十分に行うよう指導・助言をしているところでございます。事前の周知につきましては、今後、旅館業法施行条例の改正を検討してまいりたいと考えております。

○広川委員 今、指導や、いわゆるこの事業者に対して説明会をやりなさいよとか、周知をしっかりしなさいということを伝えているだけで、それがまだ義務化されていないということで、しっかりこのあたり、条例で定めていってもらいたいと思います。

 独自の条例により住環境の保全に取り組む自治体もあります。杉並区をはじめ、都内の9区で旅館業の施設に対し、条例により玄関帳場・フロントの設置を義務付けています。義務付けている世田谷区は、良好な住環境を悪化させる必要はないとし、渋谷区は、民泊利用者の安全確保にも必要な規制だと指摘しています。さらに台東区は、国の通知と逆行する形で3月末に条例改正をして、フロント設置要件を加えています。まず、中野区としても、近隣住民や宿泊者の安心・安全を考え、玄関帳場・フロントの設置を条例の中で義務付けるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 旅館業法施行令におきまして、旅館・ホテル営業につきましては、許可要件として宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場、その他当該者の確認を適切に行うための設備として、厚生労働省令で定める基準に適合するものを有することとなっておりますけれども、簡易宿所につきましてはそのような規定がございません。簡易宿所におきまして玄関帳場やフロント設置を条例により義務付けることは、事業者にとって負担が大きく、旅館業法関連法令の改正の趣旨に沿わないものとなるため、その導入につきましては慎重に研究する必要があると考えてございます。

○広川委員 ぜひ研究・検討していただければと思います。

 旅館業の施設に管理者の施設内常駐を義務付けている自治体もあります。また、おおむね10分以内に営業従事者が駆けつける体制を確保できていれば、ビデオカメラでフロント機能代替を可能とする条例改正を行った自治体などもありますが、中野区の条例には明確な規定がありません。騒音や近隣とのトラブル、また、火災や地震など緊急時に迅速に対応するためにも、少なくとも管理者の施設内常駐は義務付けるべきだと考えます。区の見解を伺います。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 管理者の施設内常駐も事業者にとって負担が大きく、旅館業法関連法令の改正の趣旨に沿わないものとなるため、その導入については慎重に研究する必要があると考えてございます。なお、玄関帳場やフロントがない場合や、管理者が常駐しない場合におきましても、事業者がトラブルや緊急事態に対して迅速に対応できるよう、その管理体制が適切に確保されていることを許可申請の際に確実に確認してまいりたいと考えております。

○広川委員 事業者の負担ということを先ほどから言われておりますが、やはり自治体としてより住民目線の条例、ルールづくりを行っていかなくてはならないと思います。許可した施設でも近隣とのトラブルや問題が確認された場合は、許可の取り消しを求め、厳格な対応を求めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 旅館業法及びその関連法令に基づきまして、適正に指導・監督を行ってまいりたいと考えております。

○広川委員 ぜひ住環境を最優先で考えていただきたいと要望いたしまして、次の質問に移ります。

 次に、公衆浴場について伺います。ことし2月、東京都公衆浴場活性化検討会が公衆浴場の活性化策を作成しました。その中で、公衆浴場の役割として、昭和40年代に入ると、家庭における内風呂の普及が急速に進み、公衆浴場の果たすべき役割も変貌し、積極的な意味での生活支援、住民福祉の向上に対する要請が高まったとし、公衆浴場の維持を図ることの意義は大きいと示されています。中野区において公衆浴場は減少の一途をたどっており、区としても住民の福祉の向上という観点から、公衆浴場の維持・活性化に取り組むべきだと考えます。まず、中野区において公衆浴場の件数がどのように変化をしてきたのか伺います。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 記録が残っているものでございますけれども、昭和63年度におきましては77件でございましたが、現在は20件となっております。

○広川委員 設備の老朽化や経営難、高齢化や後継者問題で、多くの浴場が閉鎖に追い込まれております。公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律第3条は、公衆浴場の経営の安定を図るなど必要な措置を講ずることにより、住民の公衆浴場の利用の機会の確保に努めなければならないと、国と自治体の任務を定めております。この法の趣旨と利用者の声をもとに質問させていただきます。

 まず、公衆浴場開放について伺います。中野区では、いきいき入浴として65歳以上の方を対象に、1回100円、月2回、浴場21カ所で定期開放入浴デーを実施しています。このいきいき入浴の登録者数の推移について伺います。

○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) いきいき入浴の登録者でございます。10年前、平成20年度は3,823人、平成25年度が3,751人、平成30年度は3,358人となっております。

○広川委員 現在、このいきいき入浴の実施に当たって、区は公衆浴場に対して1回当たり4万7,000円を支給していますが、場所によっては入浴者の人数が多く、そういった浴場には実績に見合った金額を上乗せして支給してはいかがかと思いますが、見解を伺います。

○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 今年度の4月の実績報告を見ますと、最も利用者の多い浴場と少ない浴場で約5倍程度、人数に差がございます。実績に応じた委託料のあり方につきましては、利用者を確実に把握する方法とあわせて検討していきたいと考えております。

○広川委員 ぜひ検討を進めていただきたいと思います。

 いきいき入浴の利用を希望する場合、浴場で直接登録の手続を行うこととなっておりますが、登録できる浴場は1カ所のみで、登録浴場の変更を希望する場合は、新たに希望する浴場で新規登録の手続を行い、変更前の浴場の登録証を返却しなくてはならない。利用者からは、1カ所に限らず、複数の浴場で使えるようにしてほしいとの声が上がっております。他区では入浴証やICカードなどを対象者に郵送し、区内のどの公衆浴場でも使える仕組みを導入しているところもあります。区としても、1カ所に限らずどの浴場でも利用できる仕組みを検討してみてはいかがでしょうか。また、登録者数の減少は、公衆浴場の減少も影響していると考えられますが、いきいき入浴の実施日をふやすことで登録者数がふえると考えられます。実際に複数の区で週1回実施されており、高齢者の外出の機会の創出にも寄与していると聞いております。公衆浴場の定期開放を月2回から毎週1回の実施にするなど拡充についても、公衆浴場組合と調整を行いながら検討してはいかがでしょうか。

○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 登録の方法ですとか実施回数につきましては、浴場組合からも今後見直しについて相談したいというようなお話をいただいているところでございます。浴場組合と区の事務がお互いに効率的に行えて、人数に差があった場合でも公平な制度となるような内容を浴場組合と調整してまいりたいと考えております。

○広川委員 ぜひ調整を進めていただきたいと思います。

 他区では、高齢者だけではなく、ちびっこ入浴デー、家族ふれあいの日、銭湯家族の日など、保護者と一緒に銭湯を利用する子どもや、また、その家族の入浴を無料にする事業も行われております。家族の触れ合いや地域のコミュニティの形成、浴場の活性化にも効果的であると考えます。また、足立区では、足立区浴場連合会と連携して、公衆浴場での入浴を通じて社会的マナーを学ぶ浴育を推進しており、中学生と高校生を対象とした通年学割を行っております。中野区でも高齢者に限らず、地域の方々が気軽に浴場を利用する機会を設けることを検討してはいかがでしょうか。

○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 子どもや親子を対象に、委託や補助事業として入浴事業を行っている区が幾つかあることは承知をしているところでございます。子どものころに公衆浴場を体験することは、公衆浴場の利用者をふやす方法の一つかと考えられます。浴場の利用促進は、各浴場や浴場組合が本来実施するものだというふうに考えておりますので、浴場組合から新たな事業の提案等がございました場合には、区としてどのような支援ができるか検討してまいりたいと考えております。

○広川委員 公衆浴場の中には、大変厳しい経営状況の中で頑張っておられるところも少なくありません。入浴をする人をふやすことが経営の最大の支援となると思います。中野区としても他区の取り組みを参考に、利用者の拡大を目指していただきたいと思います。

 次に、区が浴場に対して行っている公衆浴場設備改善助成について伺います。この助成の内容と、過去3年間の予算の執行状況を伺います。

○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 公衆浴場設備改善助成は、給湯設備や浴室・脱衣場の主要設備、レジオネラ症防止対策、耐震化による設備改善を行う場合の助成制度でございます。利用実績は、平成28年度が12件で974万円、平成29年度は15件で約1,416万円、今年度は既に6件、847万円を助成しているほか、現在4件の相談を受けております。助成件数としては昨年並みになるのではないかと考えております。

○広川委員 この間、この公衆浴場設備改善助成予算の増額などが行われているところであり、公衆浴場の設備改修に寄与していることがわかります。この助成について要綱では、助成金を受領した日から3年以内に転業し、または廃業してはならないとあり、その後、ただし、区長が特に必要と認めるときはこの限りではないとあります。どういった場合、この「区長が特に必要と認める」に該当するのでしょうか。

○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 区長が特に認める場合とは、災害により施設が被害を受けた場合ですとか、経営者の死亡等によりまして、そうした理由により経営が継続困難になった場合につきましては、助成の決定を取り消さないということが考えられると思っております。

○広川委員 区が行っているもう一つの助成、健康増進型公衆浴場改築助成事業についても伺います。決算年度は未執行が3,000万円ということで使われておりません。この助成は、中野区が公衆浴場の改築に10分の1、上限3,000万円、改修に4分の1、上限2,000万円を補助するというものです。さらに、東京都も施設整備費の4分の1を補助し、改築事業に上限7,500万円、改修事業に上限2,000万円が出ることになっています。しかし、中野区の要綱でも東京都の要綱でも、改築事業では15年、改修事業では10年という期間を設け、補助事業により取得した財産を処分した場合、交付金額を上限として返納させることができるとなっております。経営者の高齢化や燃料費上昇の不安、後継者不足などを抱える浴場も多く、この10年、15年というのが一つの壁になっているのではないでしょうか。港区などでは、区長が特別な理由があると認めた財産処分の場合は、この限りではないと明記しております。区としても、先ほど触れました公衆浴場設備改善助成と同様に、区長が必要と認めるときの返還免除を明記してはいかがでしょうか。

○岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当) 委員の御質問にもございましたけれども、当助成事業につきましては、改築の場合は15年間、改修の場合は10年間、区長の承認を受けないで財産処分等を行うことを禁止しているものでございます。また、区長の承認を受けて財産処分等を行った場合でも、助成金の交付日から処分日までの日数に応じまして、助成額の範囲で処分による収入を区に返還させることができるという規定になってございます。現在でも事例ごとに返還の有無については判断することになっておりますけれども、規定の整理については検討してまいりたいと思います。

○広川委員 検討していただきたいと思います。

 公衆浴場は、区民の公衆衛生、健康増進や住民相互の交流など、福祉の向上に重要な役割を果たしており、日本の庶民文化を継承・発信する存在として、浴場を楽しむ人や観光客などから注目も高まっているところです。中野区としても、残された公衆浴場への支援に力を尽くすことを要望いたしまして、この項の質問を終わります。

 次に、魅力ある公園整備について伺います。中野区の南部地域では、この間、南台いちょう公園や本五ふれあい公園など比較的規模の大きな公園が整備されており、現在、10月に開園する本二東郷やすらぎ公園や、来年度開園予定の(仮称)弥生町六丁目公園の整備が進められております。区民の憩いの場となり、災害発生時の広域避難、災害救援活動の拠点となる公園ともなることから、これらの整備は地域の住民から大変歓迎されております。新しい公園が整備される一方で、区内の公園は禁止事項が多く、子どもたちや保護者からは、より自然に近く、子どもたちが創造力で工夫して遊びをつくり出すことのできる遊び場空間、いわゆるプレーパークを求める声が聞かれます。プレーパークとは、子どもたちが自分の責任で自由に遊ぶことをモットーとした遊び場のことです。日本では世田谷区で1970年代に、住民が中心となり、遊び場を自分たちの手でつくろうという運動が起こり、1979年、区が記念事業に冒険遊び場を採択。区立羽根木公園の一角に日本で初の完全常設型プレーパークが開設しました。その後1982年に、区立世田谷公園の一角に世田谷プレーパーク、1989年に駒沢はらっぱプレーパーク、2003年に烏山プレーパークが開設し、現在も続いています。2005年には四つのプレーパークがNPO法人プレーパークせたがやを立ち上げ、世田谷区から直接委託関係になっています。こうした取り組みは全国から注目され、次々と同様の遊び場が開設されております。この間、平山議員からも、江古田の森公園へのプレーパークの設置について検討を求める質問が出されているところでありますが、区は公園マネジメント担当を新たに設置して、公園の管理運営における民間活用、民間連携について検討を進めている旨の答弁を行っております。

 まず伺います。区としてプレーパークについての研究、また、設置における検討状況はどうなっているのでしょうか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) プレーパークの実施につきましては、区内の公園の魅力向上の観点からも引き続き検討しているところでございます。

○広川委員 中野区でも世田谷区をはじめ他自治体の取り組みを参考に、禁止事項をなるべく設けずに、子どもたちが伸び伸びと遊べる冒険遊び場、プレーパークをぜひ現在整備中の弥生町六丁目公園内に整備をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) (仮称)弥生町六丁目公園につきましては、指定管理者制度を導入する予定でございます。その事業提案の中でプレーパークのような事業もできないか、今後調整していきたいというふうに考えてございます。

○広川委員 中野区及び公園マネジメント担当においては、整備業者や公園の運営に当たる事業者と連携していただき、ぜひプレーパークの設置において柔軟な対応を要望させていただきます。プレーパークの設置を検討している自治体では1日プレーパークを実施し、その設置に向けた準備やプレーパークリーダーの養成を行っているところもあります。区としてぜひ参考にしていただきたいと思います。

 この項でスケートパークの整備についても伺います。2020年東京オリンピックでは、スケートボードが新たに正式種目として決定いたしました。これまでストリートカルチャーやファッションとして根づいてきたスケートボードが改めて注目されており、都内でも新たにスケートパークがふえつつあります。オリンピックを契機に競技人口がふえていくことは目に見えており、その先の2024年ロサンゼルスオリンピックでは、スケートボードの本場ということもあり、今後さらに大きな盛り上がりを見せていくものと考えられます。まず、中野区において、恒常的にスケートボードの走行が認められている公園や施設はあるのでしょうか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 現在のところ、スケートボードが利用できる公園はございません。

○広川委員 夜間、サンプラザ前や中野坂上周辺でスケートボードに乗っている若者たちを見かけることがあります。しかし、これらの場所にもスケートボード禁止の張り紙がされており、実際にガードマンから注意を受けているというところも目にしたことがあります。安全確保や騒音、施設の保全などを考えてのことだということは理解できるんですけれども、スケートボード=危険行為・迷惑行為として捉えられてしまうことは非常に残念です。誰でも自由にスケートボードを楽しめる公共のスケートパークを区として整備、もしくは誘致すべきと考えます。見解を伺います。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) スケートボードで公園を利用されたいという要望があることは認識してございます。ただ、区内公園が住宅地の中にある、比較的小さなものが多いということがございまして、利用時の音などを考えると適地が今のところなく、現在のところは、整備または誘致は困難であるというふうに考えてございます。

○広川委員 中野区は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組み方針において、機運醸成やスポーツのインフラ整備、これを掲げております。この方針にのっとれば、オリンピック競技であるスケートボードが、区内どこも禁止ですよというのはちょっとおかしいのではないでしょうか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 御要望があり、御希望もあるというところは認識してございますが、現時点では公園としてそういった利用を可能にする適地が見当たらないので、意義は理解するんですが、難しいという考えでございます。

○広川委員 先ほど騒音の問題等々言われておりましたが、それもやはり工夫によっては、例えば屋内型にするだとか、そういった工夫で対応しているようなところも実際にあります。そういうところもぜひ参考にしていただきながら検討していただければと思います。

 この項の質問は以上です。

 次に、羽田空港の航路変更について伺います。国は、首都圏の国際競争力の強化や2020年に開催されるオリンピック・パラリンピック東京大会の開催に向けて、羽田空港のさらなる機能強化を打ち出しております。東京都内の内陸部上空を飛行経路として活用することにより、国際線の発着回数を年間で3万9,000回増加させる飛行経路案を検討しています。南風の場合の15時から19時までの4時間について、羽田空港に到着する航空機が中野区の上空約900メートル付近を通過する案が示されています。まず、中野区の上空の1時間当たりの最多通過回数について伺います。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 1時間当たり44回でございます。

○広川委員 1時間44回ということは、およそ1分20秒に1機の割合で通過するということになります。その間、感覚としてはずっと騒音が続くような状況になるのではないでしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 1時間当たり44回を単純に計算いたしますと、1分20秒に1機ということになりますけれども、実際は1キロメートル以上離れた二つの経路をそれぞれ飛行することになります。これを計算いたしますと、西側の経路は1時間に14便のため約4分に1機、東側の経路は1時間に30便のため約2分に1機となります。西側と東側を飛ぶ飛行機のタイミングにもよりますが、ずっと騒音が続くような状況にはならないと思われます。

○広川委員 中野区上空を大型の旅客機が通過した場合、騒音はどの程度を想定しているのでしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 大型機が高度3,000フィートで上空を通過する場合、騒音は70デシベル程度となることを想定してございます。なお、小型機の場合は63から67デシベル、中型機の場合は64から66デシベルとされており、羽田空港で使われている飛行機は、約10年前と比べると大型機の割合が減ってきている状態でございます。

○広川委員 専門家によると、航空機同士が一定の間隔で安全に飛行するには、それぞれの航空機が高度差をつけて飛行するということも聞いています。高度によっては聞こえ方が変わってくることが考えられます。また、天候や建物の立地によっては、騒音のレベルがさらに上がることも懸念されております。曇りや雨で雲が空を覆っている場合、航空機からの騒音は雲に反射され増幅して響き渡ることや、大きなビルに囲まれた地域では、反射により音がさらに大きくなる可能性があると聞いています。区として、そうした天気や周辺環境による聞こえ方の変化をどう想定しているのでしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 騒音に対します、まず気象の影響につきましては、風や大気環境中の温度分布など、関係する条件が複雑でございまして、騒音の増減につきまして数値で定量化することは難しいと考えてございます。また、周辺環境、特に建築物によります影響につきましても、建築物の大きさ、構造、デザイン、建築物間の位置関係、飛行経路との位置関係等により変動いたします。また、時間帯によりましても異なるため、事前の評価は困難と考えておるところでございます。

○広川委員 この航空機の騒音というものは、心血管系の病気のリスクを高めるという指摘をする専門家もいます。羽田空港の航路変更が区民の健康にどのような影響を及ぼすのかということを、区としても専門機関などと連携をして調査すべきだと思います。これは要望しておきます。

 中野区上空を通過するのは、羽田空港着陸の何分前となるのでしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 中野駅付近上空は、着陸のおおむね四、五分前となります。

○広川委員 航空機事故の8割は離陸後3分と着陸前の8分の間に起きており、魔の11分とも言われております。800万人を超える都民が生活し働いている都心で墜落事故が起きた場合、その被害ははかり知れません。さらに、航空機から部品や氷塊が落下することも懸念されています。成田空港周辺では、氷塊――氷の塊ですね――や部品などの落下物は年間最多で19件も発生しており、2008年5月の千葉県香取市の畑の落下物は最大約12キロもありました。また、国土交通省の調査では、飛行を終えた飛行機から機体カバーなどの部品がなくなっていたケースが、国内の航空会社だけで8年間に437件も確認されています。成田空港では、着陸のために機体に格納されている車輪をおろす際、衝撃で機体についた氷塊などが落ちる可能性があることから、風向きによって陸地を避けて海上で車輪を出すということを義務付けております。羽田空港の航路変更により、中野区上空で車輪をおろすというようなことはないのでしょうか。

○高橋環境部副参事(生活環境担当) 一般的に車輪を含む脚部は、高度約300メートルまでには出す必要があるとされておりますが、脚部を機体の外に出しますと、空気抵抗により騒音が大きくなります。このため全国の空港におきまして、脚部を出すタイミングをなるべく遅くすることで騒音軽減が図られております。中野区上空は高度900メートルでの通過となるため、車輪をおろすことはないと想定されますけれども、実際の運用については注視してまいりたいと考えております。

○広川委員 国土交通省はことし3月、未然防止策の徹底等、事案発生時の対応強化を柱にした落下物対策総合パッケージを公表しています。世界に類を見ない落下物防止対策基準を設けることなどが示されておりますが、同パッケージには、落下物に起因する物損等に対する見舞金制度の創設も示されております。どれだけ基準を厳しくしても、落下物の可能性はなくならないということです。区民の命と安全を脅かし、暮らしを犠牲にする羽田空港の航路変更について撤回を求めていただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。

 次に、猛暑対策について伺います。ことしは全国的に猛烈な猛暑日が続きました。気象庁はこの猛暑を一つの災害と認識していると述べ、日本救急医学会からも熱中症予防に関する緊急提言が発表されるなど、猛暑は単なる気温の高さとしてではなく、健康を脅かす具体的な脅威となっています。厚生労働省は熱中症対策のため、ことし4月から生活保護受給を開始した世帯のうち、高齢者や子ども、障害者、体調がすぐれないなど一定の要件を満たせば、5万円を上限にエアコンの購入費用の支給を認めることを決めました。まず、今回の厚生労働省の通知を受け、ケースワーカーや生活保護受給者への周知はどのように行われたのでしょうか、伺います。

○林健康福祉部副参事(生活保護担当) ケースワーカーにつきましては各係長を通じて周知を図り、生活保護受給者のうち制度の対象者につきましては、訪問や電話にて周知を図ったところでございます。

○広川委員 区は、区内の生活保護受給者世帯のエアコンの設置状況について実態を把握すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○林健康福祉部副参事(生活保護担当) ことしの夏は、区がエアコンの設置状況を把握していない方のうち、65歳以上の単身でヘルパーやデイサービス等を利用していない方、または、65歳以下の単身で障害者の方に対して、7月下旬から電話や訪問でエアコン設置状況の調査を行ったところでございます。来年の夏に向け、今回の調査対象世帯以外の世帯につきましても、今後の訪問活動の中でエアコンの設置状況を確認し、生活保護受給世帯のエアコンの設置状況について実態を把握してまいりたいと考えてございます。

○広川委員 ぜひ実態把握に努めていただきたいと思います。

 今回のこのエアコンの購入費用の支給というのは、3月以前に生活保護を利用し始めた人は対象外となっています。その理由について厚生労働省は、日常生活に必要な生活用品については、保護受給中の場合、経常的最低生活費のやりくりにより賄うことと説明しています。一方で、2013年の生活扶助基準、最大10%の引き下げ、期末一時扶助の引き下げ、2015年の住宅扶助基準と冬季加算の大幅な引き下げなど相次ぐ引き下げで、保護費を節約して数万円単位の貯蓄をする余裕などないのが現実ではないでしょうか。本年3月以前に保護を開始されたとしても、現に貯蓄のない人については、エアコンの購入費や設置費の支給対象として認めるよう国に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○林健康福祉部副参事(生活保護担当) 今回、冷房器具の設置対象とはならなかった被保護世帯については、その実態を踏まえ、毎年6月に照会のある保護の実施要領、医療扶助運営要領及び介護扶助運営要領の改正に関する意見の中で、都を通じ、厚生労働省へ要望してまいりたいと考えてございます。

○広川委員 ぜひお願いします。

 区としては、今回、対象外の生活保護受給者には、社会福祉法人の生活福祉資金の活用を案内したと聞いています。生活福祉資金を受けるに当たり、流れとしては、まず地区社協で貸し付けを申し込み、その後、区が意見書を提出し、民生委員による訪問、意見書の提出、東京都社会福祉協議会にて審査があり、その決定後、借用書の取り交わしを経て送金に至る。社会福祉協議会への申し込みから口座への振り込みまでどのくらいの時間がかかるのでしょうか。

○林健康福祉部副参事(生活保護担当) 社会福祉協議会からは、およそ1カ月程度かかると聞いてございます。

○広川委員 1カ月がかかるというのは長過ぎるのではないでしょうか。ことしの夏は、梅雨明けから一気に猛暑に突入いたしまして、連日連夜危険な暑さが続きました。まさに災害レベルと言われる今回の猛暑のような急を要するケースに迅速に対応できるよう、その期間の短縮を図るよう社会福祉協議会へ要望できないでしょうか。

○林健康福祉部副参事(生活保護担当) 実際に貸し付けを受けるまでの期間について短縮が図れないか、今後、社会福祉協議会と協議してまいりたいと考えてございます。

○広川委員 お願いします。

 今回の猛暑を受けて、全国でさまざまな団体から生活保護の夏季加算を求める意見が出されております。実際にことし熱中症で亡くなった方の中には、冷房がついていたにもかかわらず、電気代の上昇を恐れ使用していなかったというケースも確認されています。命を守るために冷房の使用は欠かせません。区として国に夏季加算の創設を求めるべきではないでしょうか。

○林健康福祉部副参事(生活保護担当) 夏季加算の新設につきましては、これまでも保護の実施要領、医療扶助運営要領、介護扶助運営要領の改正にかかわる意見の中で、厚生労働省に対して要望しているところではございますが、今後も引き続き要望してまいりたいと考えてございます。

○広川委員 よろしくお願いします。

 ことしの猛暑をはじめ、相次ぐ自然災害の発生時に問われるのは、備えと迅速で柔軟な対応と考えます。区として先進的な自治体も参考に、区民の命を最優先にした取り組みを進めることを要望し、この項の質問を終わります。

 子ども・子育て支援についても伺います。

 まず、子育て世帯の住宅施策について伺います。東京23区では賃貸住宅の家賃水準が高く、とりわけ子どもを育てるファミリー世帯では家計において重い負担となっています。そこでまず伺います。区内の18歳未満の子どもを育てる世帯のうち、賃貸住宅で暮らす世帯数とその割合、また、平均家賃について伺います。

○塚本都市基盤部副参事(住宅政策担当) 平成25年公表の住宅土地統計調査によりますと、中野区内におけます子育て世帯のうち賃貸住宅にお住まいの世帯数は4,760世帯でございます。これは子育て世帯全体のおおよそ46%の割合となってございます。同じく賃貸住宅にお住まいの子育て世帯の月当たりの平均家賃でございますが、こちらはおおよそ11万7,000円でございます。

○広川委員 中野区では、集合住宅に住む子育て世帯の約80%が都市居住型誘導居住面積水準以下で暮らしているという状況です。家賃は高い、しかし、十分な広さがないというのが実態です。子育て世帯の負担を軽減することを目的に、転入や転居の際に助成金が支給される制度が今広がっています。新宿区の子育てファミリー世帯居住支援(転入転居助成)は、区の内外から区内の民間賃貸住宅に移り住む子育て世帯を対象とし、区外からの転入の場合は一時金で最大36万円、区内の転居の場合は家賃を最大で月額2万5,000円助成をしております。また、引っ越し費用の実費も最大20万円助成されます。さらに、民間賃貸住宅家賃助成に子育てファミリー世帯向けの枠があり、月額3万円、最長5年間の助成制度があります。ほかにも15歳以下の子どもを育てる世帯の家賃を助成する豊島区や、18歳未満の子どもがいる世帯を対象にしている目黒区、小学校6年生以下の子どもがいる家庭を対象にする板橋区、その他、北区、大田区、世田谷区などでも実施されています。自治体によって金額や件数、期間などに差があるものの、家賃の高い都市部における子育て世帯の負担軽減が取り組まれています。子育て先進区を目指す中野区としても、子育て世帯への家賃助成や引っ越し費用の助成制度を創設すべきと考えます。いかがでしょうか。

○塚本都市基盤部副参事(住宅政策担当) 現在、中野区におきましては、新たな住宅セーフティネット制度の考え方に基づきまして、住宅確保要配慮者の方に対する居住支援の取り組みを進めているところでございます。子育て世帯につきましても、さらに適切な居住支援のあり方について今後検討を進めてまいりたいと考えてございます。

○広川委員 区営住宅への入居を希望している方もたくさんいらっしゃいます。子育て世帯は、区営住宅に応募する際に一般よりも所得基準が高い特別区分として取り扱われるなど、一定の配慮はされておりますが、しかしながら、そもそも区営住宅の戸数が少なく、抽選倍率は非常に高い状況となっています。こうした状況を打開するためには、区営住宅建てかえによる住宅戸数の増大化、あるいは区営住宅の新設整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。

○塚本都市基盤部副参事(住宅政策担当) 今後、区営住宅運営におけます課題、そういったものを整理いたしまして、民間住宅ストックの活用、そして、地域まちづくり等との整合、そういったものを図りながら、区営住宅の建てかえ・更新でありますとか区営住宅戸数の総量、そういったものについての検討をあわせて進めてまいりたいと考えてございます。

○広川委員 区営住宅は、住宅政策の根本だと思いますので、ぜひ前向きに検討していただければと思います。

 次に、適応指導教室について伺います。中野東中学新校舎に併設する(仮称)総合子どもセンターに、児童相談所、教育センター、図書館などを設置するとしています。現在、区の中央部、野方一丁目に位置する教育センターでは、教育についての調査研究及び普及、教育関係職員の研修、教科書及び教育資料の整備と活用、教育相談、適応指導に関する事業が行われております。こうした機能が中野区の南東の端に移るということで、これまで他の議員や区民からも利便性を疑問視する質問が出されてきました。また、不登校の児童・生徒に対して、相談活動や適応相談・適応指導を行う適応指導教室が学校内の施設に入ることについては、やはり問題があると感じています。改めて区としてどのような配慮を検討しているのか伺います。

○宮崎教育委員会事務局指導室長 学校に通えない児童・生徒にとって、登校時に同年代の生徒に出会ってしまうことはとても抵抗があると考えています。そこでまず新施設では、中野東中学校の生徒とは別の入り口を2カ所設ける計画です。そのうち1カ所は図書館利用者などと同じであるため、さらに誰とも出会わない相談者用入り口を設け、動線が重ならないようにしております。また、中野東中学校の生徒とは登下校時間をずらす配慮も行う予定です。

○広川委員 動線や通室時間、登校時間を工夫しても、やはり児童・生徒の中には心情的に抵抗を感じることも予想されます。通いやすさに十分配慮して、区内の南部と北部にそれぞれ新たに適応指導教室を設置すべきではないでしょうか。

○宮崎教育委員会事務局指導室長 中野東中学校敷地に併設される(仮称)総合子どもセンターから遠距離であったり、または、学校に併設されることに抵抗を持つ児童・生徒のため、これまでの巡回指導を拡充することはもちろん、南部や北部地域に分教室を設置することを検討しているところです。

○広川委員 検討されているということで、不登校の児童・生徒にとって通いやすい施設となるように、他区の施設なども参考に設置に取り組んでいただきたいと思います。

 最後に1点、自習室について伺います。中野区内には自習できる場所が少ないという話を聞いています。中野区立図書館のホームページに、御意見・御要望、よくある質問というコーナーがあり、区民から、中央図書館で自分の本を持って勉強してもいいですか、自習室などはないのでしょうかという質問が寄せられておりますが、それに対しての回答は、「図書館資料を用いない自習席としての利用は御遠慮いただいているところです。また、自習室につきましても特に設けてはおりません」とあります。自習は原則できないこととなっています。大阪市では、ことし、市立図書館24館中20館で自習を解禁しました。中野区でも試験や受験の勉強をする学生や、また、資格や仕事の学習をする社会人が自由に自習できるよう、区立図書館に自習スペースを設けるべきと考えます。いかがでしょうか。

○高橋子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 現在の区立図書館には自習スペースの確保、ございませんが、平成33年度に開設を予定している中野東中学校等複合施設内の新図書館につきましては、閲覧席を300席程度確保する想定であることを踏まえまして、児童・生徒、社会人が自習席として利用できるスペースの設置を検討しているところでございます。

○広川委員 中野東図書館にとどまらず、全ての図書館でぜひ自習スペースを設ける、また、自習を認めるということを進めてもらいたいと思います。図書の閲覧という図書館本来の業務の妨げにならない範囲で、ぜひ進めていっていただければと思います。要望させていただきまして、私の全ての質問を終わります。

○高橋(か)委員長 以上で広川まさのり委員の質疑を終了します。

 次に、酒井たくや委員、質疑をどうぞ。

○酒井委員 平成30年第3回定例会におきまして、立憲民主議員団の立場から決算特別委員会におきまして総括質疑をいたします。よろしくお願いします。

 それでは質疑に入りますが、質問を入れかえさせていただきまして、2番の公園における区民協働と民間連携(Park-PFI)からお尋ねして、決算の質疑に関しましては、あすに行わせていただきたいと思っております。先週末のおみこしでちょっと喉が潰れておりまして、皆さん聞き苦しい点があろうかと思いますが、どうかよろしくお願いします。

 それでは1点目、公園における区民協働と民間連携(Park-PFI)についてお尋ねします。先ほども広川委員のほうから魅力ある公園の整備についての質疑もあったかと思います。各会派の皆さんがそれぞれの立場で公園の魅力を高めよう、そういった質疑を今般されているんだなと思っております。すなわち、これまで公園というものは量の整備だったかと思うんですね。それがやはり公園の質の整備に変わっていかなければならない、そういうことが求められているんだろうと思っております。大きな公園も小さな公園も、より魅力を高めていくことが求められているんだろうと思います。

 そこで1点目、平成29年度の公園に対する苦情件数はどれぐらいありましたでしょうか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 電話やメール等により施設、樹木、ごみ、清掃に関する事項について連絡を受けた件数が、昨年度579件ございました。

○酒井委員 579件と考えますと、役所が開いているときなんかで考えると、1日2件程度苦情が入っているのかなと考えると結構な数なのかなと思います。毎日ね。公園は迷惑施設ですか。僕はそうじゃないと思うんですね。大規模公園から小規模公園まで多世代においてさまざま利用される、生活圏域において希少な空間であると思っております。それでは、苦情があったときの対応、どのようにされていますか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 苦情または御連絡をいただいた場合、原則職員が現場を確認するということをしています。その苦情、連絡をいただいた箇所を調査・確認した上で、直営または業者により速やかな対応をしているところでございます。

○酒井委員 例えばそういう苦情やクレーム、困り事の相談・問い合わせがあったときに、実際に職員さんが行って、区民と一緒になって考えてそういった課題を解消した、そういう事例は今までありましたか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 苦情やクレームに対して、苦情者や地域の住民と一緒に考えた事例、また、そういった仕組みについてはこれまでございません。

○酒井委員 そういったところからまず取り組んでいただきたいと思っておるんです。

 公園の市民協働における先駆的な取り組みをしている西東京市では、住民からの苦情や要望は大切な出会いの場と位置付けています。すなわち、ピンチをチャンスと捉えているんですね。例えば苦情の相談があると、周辺の方で同じ悩みやお困り事をお持ちの方はいらっしゃいませんかと返答するそうです。すると、中には同じ悩みを抱えている方々を集めてくれる方もいらっしゃるそうです。そこで、当該公園で青空懇談会を開き、住民と一緒に話し合い、考え、課題を解決していくそうです。例えば、公園でボール遊びができないことをママさんから相談され、市民青空懇談会をきっかけに生まれたのが、思いっきり遊びたいというミニプレーパークです。これは、子育て中のママさんたちが主催して管理するもので、その分ちょっと自由度の高い遊び場となっており、大変好評と聞きます。市民の方が実現したいと思う遊び場をみずから主体的に運営することで、それ自体が市民サービスにつながった好例だと考えます。この西東京市は、ともかく市民を巻き込み、市民と協働で公園の魅力を高めていっております。実に、公園緑地の維持管理ボランティアは900名もいるそうです。西東京市。中野区と自治体の規模感、たしか同じ程度だったと思うんですね。それでは、中野区の現状、いかがでしょうか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 残念ながら1団体のみで、登録されている方は18名にとどまっております。

○酒井委員 これから区民協働をしていって、そういったところもやっぱりふやしていけばいいと僕は思っておりますので。

 それでは、中野区として公園に対する考え方、そういうものはお持ちですか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 現在のところ明確にこういう考え方というのはございませんが、地域の人々に公園への愛着を持ってもらうとともに、区の維持管理費を少しでも減らすためにも、区民協働をさらに進めていきたいというふうに考えてございます。

○酒井委員 やっぱり中野区に対する――今だと公園の考え方をお持ちじゃないんですよ。今後は公園の長寿命化計画を策定するというふうな考えですけれども、やっぱり公園に対する区としての考え方、これをやっぱり整理していくべきだと思うんですね。それで、西東京市では市民による公園実態調査、一緒になってやっています。ワークショップを開き、公園配置計画の策定も一緒になってつくったそうです。このような事例を見て、区民協働において大切なことは、区民と信頼関係を築き、一緒に行動し、活動し、職員は黒子のコーディネーターとして、区民と職員が二人三脚で課題を解決する姿勢、これが必要と考えております。そういった中で、先ほど御答弁いただきましたが、公園の考え方というのは持つべきだと思っているんですけど、先ほど聞き取れなかったので、もう一度お尋ねできますか。公園の考え方、区としてつくってくださるんですか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 現在、明確なものはございませんが、これから、区民協働の推進の観点は大変重要というふうに考えてございます。委員御紹介いただいたような事例なども踏まえて、また、調査研究も行わせていただいて、区としての公園の考え方を取りまとめるという方向で進めてまいりたいというふうに考えております。

○酒井委員 研究というのは、僕の中では前向きな御答弁じゃないのかなと思うんですけれども、それはしっかり西東京市の事例を学んでいただいて、区として公園の考えを持っていくんだ、検討していくんだ、そういうお答えでよかったんですか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 深く勉強させていただいて、その事例を参考に検討を進めてまいりたいと考えてございます。

○酒井委員 すみません、失礼しました。西東京市では、他自治体の事例ばかりで申しわけないんですが、苦情・要望管理システムにより苦情・要望の処理状況と進行管理、課内での情報共有をしております。また、公園課に市民協働担当を置き、市民協働窓口を設置しております。また、公園市民懇談会を必要に応じて随時実施しております。こういう体制もぜひ参考にしていただきたいと思っております。

 公園は、これまで一律の配置基準によって設置されてきました。誰でも使える公園、これを重視した結果、誰も使えない、もしくは誰も使わない空間になっているのではないかと思います。公園は、誰にでも開かれた空間であるべきですが、誰でも使える、ターゲットを設定しない場所づくりではなく、場所によって利用の方向性やコンセプトを定め、それに合わせたルールづくりなど、目的を持ってデザインすることで地域生活と公園のかかわり方が変わってくると思います。できない公園からできる公園へと中野の公園が生まれ変わることを期待し、民間連携の質疑へと移ります。

 公園の民間連携(Park-PFI)ですね。平成29年度決算における公園の維持管理費の代表的なものを、10年前と比較して教えていただけますか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 公園数が10年前に比べまして13ふえてございます。8%ふえてございます。その関係で、公園樹木剪定は、比率では18%増。公園清掃・除草についても10%増。公園トイレの清掃についても16%増。今申し上げた三つの管理費を合計したものの比較でも、13%程度増加してございます。

○酒井委員 公園も増加しておりますから、それに伴って維持管理費などもふえているんだと思います。

 それでは、公園の維持管理の契約がそれぞれ細かく異なっていたと記憶しているんですけれども、そのあたりも簡単にお聞かせください。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 維持管理につきましては、樹木関係では枝の剪定委託、清掃関係で清掃・除草委託、あと、トイレの清掃委託、池流れの清掃委託、排水施設の清掃委託。あと、その他といたしまして、多目的運動広場の巡回管理委託や夜間の巡回警備委託など、業種別に分けて契約してございます。

○酒井委員 数はどれくらいあるんですか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 平成29年度の委託契約は、全てで50件ございます。

○酒井委員 公園の維持管理におきまして、それぞれ委託の契約で50件あるということなんですね。随分多いなというふうに感じております。以前も御紹介しましたが、港区では区内の107の公園全てに指定管理者制度を導入しております。区内を5分割し、それぞれの事業者が維持管理業務を行い、巡回、清掃、苦情や、強風や大雨の際の緊急対応など一体的かつ迅速に行っております。経費を節減し、サービスを向上させている民間活力の活用の典型ですが、このような取り組みへの見解をお聞かせください。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 全区的な指定管理制度につきましては、過去に中野区でも検討したこともございました。その際は事業者の収入の確保が困難であること等々、解決すべき課題があって、その時点では実現しなかったということでございます。

○酒井委員 すみません、スケールメリットの点もお答えいただけますか。指定管理だけじゃなくて。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) スケールメリットは、区内165園を一括ということでは上がるかというふうに考えますが、なかなか全てを受託する事業者が今のところはいないということや、あとは、現時点では公園の委託に関してシルバー人材センターや、あと障害をお持ちの方の雇用という面もございまして、一括での維持管理委託をしていないということでございます。

○酒井委員 それでは次に、四季の森公園の管理費と平和の森公園の管理費、これ、決算資料、建設20ですかね。平和の森公園のほうは微減ですか、平成30年度は。当然ですよね、工事が入っておりますから。四季の森公園に関しては、やっぱり4年間の推移を見ても1,500万円ほど上がってきており、8,500万円というふうな状況ですよね。こちら、四季の森公園に関しては右肩上がりに維持管理費というのが上がってきていると思うんですけれども、担当さんとしての見解はいかがですか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 四季の森公園につきましては、この間の拡張部の整備や芝生の通年化、年間を通じて緑を保つといったこと、また、池流れのじゃぶじゃぶ池をつくったことなどによりまして、経費が右肩上がりで増加しているものと考えています。また、平和の森公園につきましては、樹木の成長に伴う植栽の管理費の増が大きいものというふうに考えております。

○酒井委員 次に、平成29年6月に都市公園法が改正されましたね。その中での民間活力の活用に係る部分、改正のポイントをお答えください。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 主な改正点は三つございまして、一つ目が公募設置管理制度、委員が指摘されているPark-PFIの創設という点です。これによって、広場等の公園整備をあわせて行う収益施設の設置管理者を公募・選定する手続が確立されました。また、この手続に基づく設置管理許可の期間が10年から20年に延びました。また、建蔽率の緩和等がございます。また、2点目として保育所の占用物件への追加、3点目として公園の活性化に関する協議会を設置することができるといった点が改正点でございます。

○酒井委員 収益がとれる事業者に、今回の改正によって公園施設の運用をしてもらって、収益の一部を公園の整備に還元してもらう提案を事業者が選択できる仕組みができましたね。やっぱり契約期間も10年から20年に延びたことによって安定的な運営ができたりだとか、それから、建蔽率が緩和されたことによって建物の制限が緩くなったところが、やはりポイントであると思うんですけれども、民間にとってはビジネスチャンスだと思います。そして、公共団体は、公園整備に少しでも還元してもらえれば負担が軽くなる。住民にとっては公園のサービス水準が上がる。三方よしの公園の経営的な管理運営ができる制度ですね。中野区の公園管理においてこのような手法を導入すべきと考えます。そして、中野の公園の顔である四季の森公園には、そのポテンシャルが十分にあると考えます。右肩上がりの維持管理費を見直すこともできるでしょうし、民間の柔軟な発想を活用し、より魅力的な公園となるはずです。

 そこで、今年度から四季の森公園へのPark-PFIの導入の考え方、これを整理し、来年度はサウンディング調査に取り組み、四季の森公園をはじめ、中野の公園へのPark-PFI導入への道筋をつけるべきではないでしょうか。いかがですか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 今後、サウンディング調査やPark-PFIの道筋については検討してまいりたいというふうに考えています。1点、Park-PFIの条件の中に、公園管理者が指定する公園施設をあわせて整備することが必要という点がございまして、四季の森公園は既にでき上がっている施設なので、その点で今後、施工済みの四季の森公園なので、こちらに適用できるかは研究してまいりたいと考えています。

○酒井委員 その施工済みのところとの兼ね合いもありますが、やはり民間活力をいかに活用して公園の魅力を高められるか、こういったことをやっぱりしっかり取り組んでいただきたいと思っております。

 この項の最後に、公園トイレと遊具についてお尋ねします。現状、公園トイレは、特定財源をこれまでは活用しての改修というふうな考え方であったとお聞きしております。そうはいっても、区内の公園トイレを見ているとかなり老朽化が激しく、そろそろ更新しなければならない。手を加えなければなりません。過去にも提案しましたが、豊島区では公園に民間飲料メーカーの自動販売機を設置する、トイレの壁に企業広告を入れることも許可することにより、区の持ち出しなしで公園トイレを新設する取り組みを進めようとしております。そしてまた、新宿区でしたかね、中央公園のほうにネーミングライツで公園を新しく、区の持ち出しなしできれいにされました。区内にはさまざまな企業もあるのかなというふうに思っております。区としてもこのような取り組みを進め、公園トイレの更新をしていただきたいと考えます。それとあわせて、区長は、子育て先進区を目指すというふうな考えの中、区内の公園の遊具に関しても魅力あるものにしてまいりたい、そんなことも訴えられていたと思います。現在策定予定の公園長寿命化計画の中には、遊具・トイレに関してもしっかりと位置付け、更新する、こういった姿勢を示すべきだと思っております。あわせて、やはり事例でも出させていただきました民間活力の活用を行っていただいて、公園トイレを再生する、それからまた、遊具も更新する、そういう考えを持っていただきたいと思いますが、いかがですか。

○細野都市基盤部副参事(公園担当) 公園の遊具やトイレについては老朽化しているものが多く、計画的に更新が必要だと考えています。そのための計画づくりも行っているところでございますが、その中で民間活力の活用についても検討してまいりたいと考えてございます。

○酒井委員 以上で公園に関する質問は終わります。担当さん、変わって大変だろうと思うんですけれども、やっぱり本当に今、区民の皆さんは、中野の公園をより魅力的に、大小問わずやってもらいたい、そういう思いが強いと思います。しっかり取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 次に3番、友愛クラブへの支援についてお尋ねします。高齢社会において、年を重ねても、体が不自由になっても、尊厳を保って住みなれた地域で暮らし続けることができるよう、区では地域包括ケアシステム推進プランを策定されました。友愛クラブが活発に活動されることは、地域包括ケアシステムの推進にも大きく寄与すると考えます。地域でお年寄りの皆さんが活発に活動されることが一番だと考えますが、友愛クラブ、それぞれ地域で活動していると思いますが、まずそれに対しての評価をお尋ねします。

○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 友愛クラブは、高齢者の方々がそれまでの人生において培ってこられた豊富な知識や経験を生かして、地域での親睦・交流の促進、スポーツや文化芸術活動、また、歴史などの学習活動と、幅広い活動を活発に展開しておられます。また近年、外出する機会の少ない高齢者の見守りや声かけなどにも積極的に取り組んでおられ、高齢者の健康づくり、介護予防、見守り、支えあいの地域づくりに大いに貢献していただいているというふうに考えております。

○酒井委員 せんだって、友愛クラブの皆さんと懇談会を行わせていただきました。現在67クラブあるそうですね。他方、町会・自治会は109町会。必ずしも町会とイコールではないのは承知しているんですけれども、この状況、担当さんとしてはどのように捉えておりますか。

○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 友愛クラブの団体数ですとか会員数の減少は、全国的な状況となっております。中野区におきましても、最盛期の平成元年には90クラブ、8,000人の会員数というふうな組織でございました。その後、定年の引き上げですとか高齢者の就労意欲の増大、また、ニーズの多様化等、さまざまな理由から新規会員の減少や役員の後継者不足等、課題に直面しているというふうに考えております。一方で、当区におきましては、生涯学習大学の卒業生が町会・自治会の区域を越えて友愛クラブを設立しまして、現在11団体が活発に活動している状況も見られます。新しき注目すべき状況というふうなことで捉えております。

○酒井委員 高齢化の御時世にかかわらず、この友愛クラブは年々会員数も減っており、単位クラブも減っている状況でしょう。友愛クラブも地域包括ケアシステムの推進の主体者であって、それから、公共性も私は高いと思っております。また、活発に活動されることによって、介護予防や認知症予防にもつながるはずで、区内の友愛クラブがない地域、空白区がありますよね、そういったところを解消する取り組みを進めるべきだと思うんです。すこやか福祉センター、それから,区民活動センター、今、高齢者の皆様にアウトリーチをやっておりますよね。その職員の役割の中にそういったものを位置付ける。もしくは、区民活動センターの運営委員会の自主事業の中に友愛クラブへの支援、そういったものも位置付ける。いろいろ工夫できると思うんですよ。要するに、区として空白区があるこの友愛クラブの現状を解消していく、そういう取り組みが必要と考えますが、いかがですか。(「難しいよ」と呼ぶ者あり)難しいと言っていたら何もできないので。

○伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 友愛クラブ連合会の皆様が、今年度から地域支援活動部という部を新たに設立されました。この活動部は、10の地区ごとの活動を活発にして、3カ所ふやすことによって単位クラブを活性化し、後継者の育成をしていこうと。連合会からみずから企画して立ち上げた部活動でございます。この活動に各すこやか福祉センターの担当、また、地域包括ケア推進の担当、私ども地域自治推進の担当も参加して、一緒に協力して連携して取り組んでいるところでございます。空白地域につきましては、現在、近隣の友愛クラブさん、その近隣の地域を対象とするクラブさんが快く引き受けていただいて、入会ができないというふうなことはない状況でございますけれども、現在のクラブが廃止というふうなことにならないように存続していくこと、また、新しいクラブが立ち上がるようにということで、連合会さんと一緒に協力して取り組んでいきたいというふうに思っております。

○酒井委員 友愛クラブさんが、全てが全て町会とイコールじゃないので、そういうところもあるのかなとは思うんですが、やはり隣の地域で引き受けていただいているというふうな御答弁もあったかと思いますので、やはりそれぞれの皆さんが生活圏域で生き生きと活動できるような友愛クラブのあり方、支援、これはしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 以上で結構です。

○高橋(か)委員長 酒井委員の質疑の途中ですが、5時になりますので、今後の運営について協議するため理事会を開会します。

 委員会を休憩します。

後458分休憩

 

午後時0分開議

○高橋(か)委員長 委員会を再開します。

 理事会の報告をいたします。

 酒井委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、酒井委員から始めることを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。

 次回の委員会は、9月20日(木曜日)午前10時から当委員会室において開催することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の決算特別委員会を散会します。

午後5時03分散会