平成30年10月09日中野区議会厚生委員会(第3回定例会)
平成30年10月09日中野区議会厚生委員会(第3回定例会)の会議録

中野区議会厚生委員会〔平成3010日〕

 

厚生委員会会議記録

 

○開会日 平成3010

 

○場所  中野区議会第3委員会室

 

○開会  午後1時00分

 

○閉会  午後4時34分

 

○出席委員(8名)

 長沢 和彦委員長

 日野 たかし副委員長

 加藤 たくま委員

 ひやま 隆委員

 甲田 ゆり子委員

 いさ 哲郎委員

 篠 国昭委員

 むとう 有子委員

 

○欠席委員(0名)

 

○出席説明員

 地域支えあい推進室長 野村 建樹

 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 伊藤 政子

 地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当、地域包括ケア推進担当) 滝瀬 裕之

 中部すこやか福祉センター所長 志賀 聡

 中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 長﨑 武史

 中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 伊東 知秀

 北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 鈴木 宣広

 北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 滝浪 亜未

 南部すこやか福祉センター所長 石濱 照子

 南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 荒井 弘巳

 南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 伊藤 廣昭

 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 葉山 義彦

 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 大場 大輔

 健康福祉部長 小田 史子

 保健所長 向山 晴子

 健康福祉部副参事(福祉推進担当) 岩浅 英樹

 健康福祉部副参事(健康推進担当) 只野 孝子

 健康福祉部副参事(保健予防担当) 水口 都季

 健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当) 平田 祐子

 健康福祉部副参事(障害福祉担当) 菅野 多身子

 健康福祉部副参事(生活援護担当) 小堺 充

 健康福祉部副参事(生活保護担当) 林 健

 

○事務局職員

 書記 遠藤 良太

 書記 吉田 光洋

 

○委員長署名


審査日程

○所管事項の報告

 1 福祉サービス苦情調整委員(福祉オンブズマン)の委嘱について(福祉推進担当)

 2 平成30年度(2018年度)健康福祉に関する意識調査の実施結果について(福祉推進担当)

 3 中野区自殺対策審議会委員の委嘱について(保健予防担当)

 4 鷺宮スポーツ・コミュニティプラザの運営等について(文化・スポーツ担当)

 5 旧中野刑務所正門について(文化・スポーツ担当)

 6 知的障害者生活寮・在宅障害者(児)緊急一時保護事業の見直しについて(障害福祉担当)

 7 その他

(1)江古田三丁目(旧区立療育センターアポロ園跡地)認知症高齢者グループホーム等整備事業の開設時期変更について(福祉推進担当)

(2)棟方志功サミットin南砺への参加について(文化・スポーツ担当)

○所管事務継続調査について

○その他

 

委員長

 定足数に達しましたので、本日の厚生委員会を開会します。

 

(午後1時00分)

 

 本日の審査日程ですが、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんので、そのように進めます。

 なお、審査に当たっては、午後5時を目途に進めたいと思います。また、3時ごろに休憩をとりたいと思いますので、御協力をお願いいたします。

 議事に入ります。

 前回に引き続き、所管事項の報告を受けます。

 1番、福祉サービス苦情調整委員(福祉オンブズマン)の委嘱についての報告を求めます。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 それでは、中野区福祉サービス苦情調整委員の委嘱について報告をさせていただきます(資料2)。

 中野区福祉サービス苦情調整委員の任期が9月30日をもちまして満了になったことに伴い、早稲田大学法学部教授の岩志さん、弁護士の大島やよいさんの2名を委員に委嘱いたしました。いずれも再任でございます。

 委嘱期間は平成30年10月1日から2年間でございます。

 所掌事項といたしましては、福祉サービスに関する申し立てを受けること、申し立てに関して調査、審査、通知及び意見の表明を行うことなど、以下記載のとおりでございます。

 報告は以上です。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。

むとう委員

 お二人とも再任ということで、今回だけが再任ですか。ということは、過去に2年なさって、今回3年目ということでよろしいんでしょうか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 オンブズマンの任期は2年になっておりまして、岩志委員につきましては平成10年から、大島委員につきましては平成14年からお願いをしているものでございます。

むとう委員

 お二人とも結構長いんですね。参考までに、大体1年間で何件ぐらいのこういった実際の苦情処理みたいなものが行われているんでしょうか。何件くらいあるんでしょうか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 平成29年度は6件でございました。30年度につきましては9月時点でも6件来ておりまして、ここ5年ぐらい見ましても、少なければ5件ぐらい、多いと10数件という状況でございます。

むとう委員

 この方々の報酬というのはどういう形で支給されているんでしょうか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 月額でお渡しをしておりまして、月額8万円です。

むとう委員

 ということは、たくさん苦情が来ると頻繁に来なければいけないとかということになるかと思うんですけれども、そういう件数に全く関係なく月額8万円ということですか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 基本的に1件受け付けをしますと、最低でも二、三回は来ていただいて、あと、報告書をつくっていただいてということになりますので、回数に関係なく同じ金額でやっております。

むとう委員

 ということは月額のみで、議会で言うところの費用弁償的なものはないんですか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 調査におきまして、区内の施設に出張といいますか、出た場合には、その分の交通費は別にお出ししますけれども、来ていただく交通費込みの金額となっております。

むとう委員

 別に同じ方でいいとか悪いとかということではないんですけれども、やはりこれ、ずっとなれた方がいいということで区として同じ方にお願いをしているのか、受けていただける方がいらっしゃらないのか、その辺はどういう状況なんでしょうか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 基本的に長くやっていただいておりまして、区の事業についてもよく御存じの方でございますので、御本人の御意向をお伺いして、今回は再任をお受けいただけるということで、お二人にだけお願いをしたものでございます。

委員長

 他に質疑はございませんか。よろしいですか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了します。

 次に、2番、平成30年度(2018年度)健康福祉に関する意識調査の実施結果についての報告を求めます。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 それでは、平成30年度健康福祉に関する意識調査の実施結果について報告をさせていただきます(資料3)。

 本調査は、区民の健康福祉に関する関心や健康福祉サービスに対する意見を把握いたしまして、事業や施策の達成状況の評価、見直し・改善に活用するため、毎年実施をしているものでございます。

 調査の概要でございます。20歳以上の区民の方3,000名に郵送により配布、回収を行ったもので、有効回収数は1,046名、回収率は34.9%でございます。

 調査項目につきましては、回答者の属性のほか、地域活動や医療・健康など計58項目でございます。今回新たに質問項目としたものだけを簡単に説明させていただきたいんですけれども、本冊をお配りしているかと思います。表紙ともう1枚めくっていただきますと目次がございます。目次の2枚目、2ページ目、裏面になります。こちらの大きな2番、医療・健康についての2の9番、適正体重の維持や減塩などに気をつけた食生活を実践しているか、こちらと2の13、かかりつけの薬局の有無、2の19、20、自殺対策は自分自身に関わることと思うか、今後必要な自殺対策、こちらの4点が新たな項目というふうになっております。

 それでは、調査結果の概要につきまして、もとのA4、1枚のほうの資料で御説明をさせていただきたいと思います。

 最初に、(1)地域活動についてでございます。参加している地域活動の内容ですとか、近所とのつき合いの程度等、16問の質問をさせていただきました。代表的なものといたしましては、地域活動には参加していないという方が74.3%で最も高く、20代、30代では9割の方が参加をしていないというような結果でございました。また、近隣での見守り・支え合いが必要と思う方は73.8%、うち、日常的な声かけという方が65.9%と最も多くなっておりました。一番最後の四つ目の丸でございますけれども、民生委員の認知度では68.8%が知っているとなっておりまして、高齢の方の認知度が高くなっているという状況でございます。

 裏面をごらんいただきたいと思います。医療・健康についてでございます。こちらは、健康の状態ですとか運動の状況について32問の質問をさせていただきました。代表的なものといたしまして、自身の健康状態につきまして、健康である、どちらかといえば健康であるを合わせまして79.5%という状況でございます。年齢が上がるにつれて減少しているというものでございます。続いて、丸の三つ目です。こちらが新しい項目になりますけれども、生活習慣病の予防や改善のため、適正体重の維持や減塩などに配慮した食生活を送っているかという質問に対しまして、いつも気をつけている、気をつけているという方を合わせまして65.2%というものでございます。特に50歳代から70歳代の方は気をつけているという方が70%を超えているという状況でございました。丸の四つ目でございます。長期療養が必要となった際、医療機関や施設に入院・入所したいという方が44.6%で、全ての年代で可能な限り自宅でいたいという方を上回っているという状況でございます。

 次に、(3)番、制度等についてでございます。障害者差別解消法や成年後見制度の認知度などを7問質問させていただいております。障害者差別解消法の認知度は25.5%、成年後見制度は35.4%となっておりました。

 続きまして、相談窓口についてでございます。身近に感じる相談機関ということで、20歳代、40歳代では区民活動センター、30歳代ではすこやか福祉センター、50歳代以上では地域包括支援センターというふうになっておりました。

 また、健康福祉行政等に関する御意見、御要望につきましては、要望欄への記載が229件ございまして、情報提供ですとか、健康福祉全般に関する御意見をいただいたところでございます。

 今後の予定です。この調査結果につきましては、ホームページに掲載をするとともに、区政資料センターやすこやか福祉センター等で閲覧に供してまいります。

 報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。

加藤委員

 御説明ありがとうございました。いろんなアンケートでいつも思うんですけれども、例えば冊子の12ページにあります、居住年数とか伺っている質問があるんですけれども、その後ろのほうで、僕が今ぱっと見たところで、この居住年数とアンケートの結果に対してクロス集計をしているような形跡はないので、何のために聞いたのかなとか、そういうところもありますし、例えばこのアンケートを答える人たちが20年以上とか、中野にある程度愛着を持っている人しか回答していないという可能性もあるのかなとか。例えば冒頭のほうで町会活動に対してのアンケートがありますけども、やっぱり長く、例えば21ページとかの地域活動は何に参加していますかみたいなところとかと居住年数というのはかなり相関性が高い何かが得られるのかなとか、そういうところから何か問題が発見できるのかなとか考えるわけですけれども、そういったような分析というのはこの後されるものなんですか。この冊子が仕上がってしまったら、もうこれ以上の分析というのは行っていかないものなんですか。教えてください。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 居住年数による分析も、すぐにページがお示しできないんですけれども、幾つか入ってございます。今回私どもで取りまとめております分析というのはこの冊子で終わりになりますけれども、生のデータも庁内では見えるようにしておりますので、必要に応じまして各所管の方ではクロス集計できるような形にはなっております。

加藤委員

 区長もオープンデータの活用というところをおっしゃられていますし、そういったデータ、僕なんか、あれば絶対いろいろいじくりたいとは思っているんですけども。個人情報が隠せるレベル、住所と名前を消していれば個人情報はほぼないに等しい状態ですので、ある程度まとまったものを表に出せたらいいのかななんて思っていますので、その辺よろしくお願いいたします。

ひやま委員

 御報告ありがとうございました。この調査というのは毎年実施されているものでしたか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 健康福祉に関する意識調査というものは毎年行っておりまして、あと、3年に1回、健康福祉総合推進計画を策定するときには、高齢者調査ですとか障害者調査もあわせて行っているというものでございます。

ひやま委員

 所管は違いますけれども、中野区の区民意識・実態調査というのを中野区が行っていますね。これ、設問のいろんな中身とか拝見すると、結構重なっている部分というのがあるのかなというふうに思いました。例えば地域とのかかわり合いなんかも、中野区区民意識・実態調査の中でも、あなたはどういったつき合いがありますか、どの程度あなたは地域の活動をしていますかなんていうのも結構入っているんですね。その辺の設問が重なっちゃっている部分とか、居住形態とかもそうなんですけど、区民意識・実態調査とこの調査というのはどういう形で交通整理されているんですか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 その方の属性は、多分いずれの調査でも同じものを聞いているかと思います。この健康福祉に関する意識調査につきましても、私ども健康福祉部だけではなくて、ほかの所管からも質問を入れているものがございますので、基本的には所管として必要な質問、もしくは何か指標としているようなものを中心に載せておりますので、全く同じというものは少ないのではないかなと思うんですけれども、基本的には各所管のほうで調整をしていただいているという状況でございます。

ひやま委員

 例えばさっき御報告があった地域活動への参加状況は、参加していないが74.3%と多かったというふうに書いてあるんですけど、中野区の区民意識・実態調査を拝見すると、ここまで高くないんですが。そういうほかの調査とこの調査って、やっぱり照らし合わせながら分析なり、いろんな事業に活用したりという、ほかの区のやっていらっしゃるそういった調査と、これは、その辺はきちんと確認というか、照らし合わせながらやられているんですか。

伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当)

 今、意識調査のほうのデータをちょっと確認して御答弁させていただきます。答弁保留です。

加藤委員

 肝心なことを聞き忘れて。この意識調査の結果をもって、施策として何か反映しなければつくっている意味がないんですけれども、現時点においてこういう方向性がいいなというのが見出せているなら、御説明があったかもしれませんけど、ちょっとお願いいたします。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 各所管におきまして、行政評価ですとかの指標になっていたりですとか、あと、10か年等の指標になっているものがございますので、この結果を見て、各所管のほうでいろいろ、今後の取り組みを強化するかしないかとかというものを考えていくことになると思います。私が担当しているものでも、成年後見制度の認知度というのを指標にしているんですけれども、なかなか上がっていっていないという状況にはございまして、来年度の事業、これから予算について検討していくところでございますけれども、広く一般への周知というのと、特に関係の深い方、高齢者のいる家庭、世帯等への周知のほうに工夫をしていかなければいけないかなというふうに考えているところでございます。

甲田委員

 ちょっと質問が重なる部分もあると思うんですけども、これは何年にわたり調査をされているんですか。毎年ということだったんですけど、どのぐらい前からやられている調査なんですか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 細かくはちょっと調べないとあれですけど、10年ぐらいはもう、以上前からやっているものでございます。

甲田委員

 別に何年が何ということじゃないんですけども、傾向性というか、どういうふうに推移があるかというのは、各所管において多分見られるのかなと思ったので、お聞きしたんですけれども。じゃあ、10年にわたって、ずっと対象というのは同じ対象者で、標本数も同じようにされているんですか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 この冊子でも5年分ぐらいを経年変化をお示ししていますけれども、基本的には一般、20歳以上の区民の方を3,000名ということでやっておりまして、毎年実施しておりますので、前年度とは重ならないように、抽出をした際に重なっている場合には、それは除いて3,000名を選ぶというようなことでやっております。

甲田委員

 今回の場合、有効回収数が1,046名で、回収率34.9%ということなんですが、これは多いほうなんですか、少ないほうなんですか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 今回、20歳以上の区民の方ということで、一般の方にやっておりますので、例年35%前後を推移しておりまして、高齢者調査ですとか障害調査の、もっと対象を絞り込んで行った場合にはもうちょっと高い数値になっております。

甲田委員

 何カ月か前でしたか、子どものアンケートなんかはすごく多かったので、すごく少ないように思うんですけれども。3,000名お渡ししても、結局3割ちょっとの人しか回答がないということで、また中身についても、またその中でも、結局、先ほども出ましたけど、地域活動しているしていないというのも、地域活動をもともとしている人が割とこの中に多く入っていたりとか、例えば障害のある方が多く入っていたりとかということはあるのかなというふうに思ったりすると、やっぱりもう少し、設問が多過ぎるのかわかりませんけど、何か回収率を高める工夫というのが必要かなと思うんですけれども、そのあたりはどうお考えでしょうか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 例えば昨年行いました障害福祉のサービスで言いますと、一般的なもので43%の回収率で、施設入所者に限定した場合には77%という高い回収率になっています。一般的なアンケートのほうが低くなるというのが通常だと思いますけれども、通常これ、5月に実施をしているんですけれども、ゴールデンウィークの前に送ると回収率が下がるよと。委託しておりますので、事業者さんがいるんですけれども、送付の日程ですとか、そういったものはちょっと工夫といいますか、できる範囲ではやっておりますけれども、それ以上のことは今はできていない状況でございます。

甲田委員

 そうですね。送る時期というのも大事かなと思いますし、また、いろいろ、紙ベースではない部分で、今、インターネットで見る方も多いと思いますので、そういったことをやって若い方に回答していただくとか、期間を長くするとか、アプローチの仕方もいろいろあるかなと思いますので、これも時代に合った形でぜひ工夫をしていただきたいなと思います。

 一つ私が気になったのは、障害者差別解消法のところが、名前は知っているという方が全体の2割、この回収率34%の中の、1,000名のうちの2割しか名前を知っているという方はいないということで、知らない方が7割以上もいらっしゃるということ。平成28年4月の施行ですから、まだ2年ちょっとですけれども、障害者差別解消法については啓発をしっかりやってくださいということで、区のほうもイベントをやったりとか、いろいろやられているとは思うんですが、区報にも一度載ったことがあるかなと思いますけれども、もう少しやっぱり努力をしなければならないのかな。区だけではなくて区民の方が、いろんなチャンスがあると思いますので、そういったところにうまくやっていくとかというのが大事かなと思うんですが、これからの工夫というか、この数字を見て、担当としてどういうふうにお考えでしょうか。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 障害者差別解消法は施行されて以後、啓発事業などを通して周知を図ってきたところなんですけれども、今回の調査の中にございますが、125ページのところで、区が特に力を入れるべきところというところで、区民向けですとか、職員というところの啓発は行ってきているんですが、企業向けの啓発活動というところが、こちら、特に力を入れるべきことということで、31.5%という数字が出ております。こちらのほうで企業向けの啓発活動というのをまだ実施のほうをしてございませんでしたので、そういったところで、今後どういったことができるかというのを考えながら、どういった方法があるかというのを検討しながら、実施に向けて検討を進めていきたいと考えております。

甲田委員

 いつもお聞きすると、大体どういったことが考えられるか検討していきますというのがすごく多いんですけど、どういったことが考えられるかなということぐらいは、この数字を見た瞬間に選択肢を用意していただきたいなというのがすごくいつも実感するところなんですけども。別にそれをやるということではなくて、こんな方法、こんな方法が考えられる。じゃあ、それにはどうしたらいいのかというところまで、ある程度やっぱり考えていただきたいなというのが。そうしないと1年間すぐたってしまって、また次の予算で実施、また検討中ですというふうになってしまうなというのがすごく思うところです。企業向けというのが一番大事だということを私、障害者差別解消法ができたときに、啓発活動では一番そこが大事なんじゃないか。企業で、CSRなんかで障害者の支援というのをやっているところはすごく多いですから、そういうところをキャッチアップしていただいて、どんどん入り込んでいただく。障害者分野のところだけでは難しいと思うので、やはり産業振興だとか連携をしていただいてやるしかないかなと思いますけれども。また、これからオリンピック・パラリンピックがありますので、そういったところにかけてやっていく。何をやっていくのかというところもぜひ具体的に、次の予算に間に合う形で検討していただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 今、さまざま御意見等をいただきましたけれども、まずはできることといたしましては、例えば区内の商店街の方たちにちょっと、こういった法律のことですとか御説明するとか、理解をしていただくことは、出発点としてはできるかなというふうに所管のほうでは考えているところです。今後、企業という対象に向けてどういったことができるかというのは、今の御意見などを踏まえながらまた検討していきたいと考えております。

いさ委員

 細かく見ていくといろいろ聞きたいことがないことはないんですが、1個だけちょっとお聞きします。21ページ、調査結果の分析のページですね。ここの問1のところで「あなたは、どのような内容の地域の活動に参加していますか」、見ると参加していない方が圧倒的に多いわけですよね。今、区としても、町会活動なんかを通じて地域のつながりをつくっていこう、見守りしていこうという話だと思うんです。この数字を見てどう思われるかというところをまずちょっとお聞きしたかったんですが。

伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当)

 24ページに、つき合いがほとんどないというふうな状況の年代別なんかも分析が出ているんですけれども、町会・自治会活動が比較的ずっと高いというのは、割と変わらないというふうには一応認識しているところですね。年代にかかわらず、何かかかわっているというところでは、22ページですけれども、これはずっと過去から追ってくる中で、お答えの中ではやっぱり一番かかわっているところでは多いということです。参加していないというところで、非常に高い数字が、もうここ4年、5年見てもそういう状況なんですけれども、先ほどひやま委員から御質問があった、企画のほうの実施している区民意識調査のほうを見ますと、かかわりたいと思うけれども情報がない、時間がないというふうな御意見が割と毎年多く出ているところです。そこは担当としても認識をしておりまして、情報の出し方、それから、このたび、去年から町会・自治会活動などの参加の仕方について、少し活動を切り分けて、ワンポイントで参加できるというふうなものを生み出して、活動しやすくするというふうな工夫も団体側には必要じゃないかというふうな投げかけもしてきておりますし、また、区としてもそうですし、地域の区活の運営委員会があるわけですけれども、そこにおいても今後、地域の、気持ちはあるんだけれども情報や時間がないという方にどんな活動をコーディネートしていけるかというふうな、その辺は区にとりましても運営委員会にとりましても課題かなというふうに認識しているところでございます。

いさ委員

 ということは前向きですごくいいかなと思う一方で、これ、町会のコンサルの話がここの委員会で出たときも、町会そのものに魅力があるのかとか、何か入ってメリットがあるのかみたいな意見があるみたいなこともあったと思うんですよね。恐らくそういう方も一定いらっしゃるんじゃないかと思っていて。要は、そういう活動そのものを求めていない人というのは、こういうくくり方をすると、そもそもそこからあぶれてしまうんじゃないかなという懸念からこういうことを申し上げています。つまり、町会でいろいろお願いするというところも一定限界があるのかなという気持ちです。何らかこういう人たちにアクセスする新しい方法というのは、ちょっと考えなければいけないのかなと思っているんですが、この点いかがでしょうか。

伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当)

 町会・自治会を中心にしながらというのは、今の現状はそうなんですけれども、いろいろと地域にはさまざまな、小さくてもいろいろ地域のためにというふうな活動はありますし、お一人おひとりの気持ちもございますので、そういう情報をやっぱり拾い上げて、地域の情報として、地域の皆様に御紹介して、コーディネートしていくということがやっぱり、全て町会・自治会に集約されるわけではないと、それは承知しておりますので、いろんなことをまず地域の資源として見える化して、コーディネートしていくということが大事かなというふうに思っております。

いさ委員

 それはおっしゃるとおりかなと思います。できるところからやっていくということはもちろんあると思いますけど、一方で、例えば高齢者の独居なんかもふえているという話もあったりしますよね。そういう中で、当然御高齢で1人で住んでいれば、いろいろなデメリットを抱える、リスクを抱えて生きることになるわけですよね。そういう方々にどうやって手を差し伸べていくのかということだったり、そもそもかかわりを持つのがあまり好きでないという人たちもいらっしゃるところにどうやっていくのかというのは、簡単に答えが出ないと思うんですけど、大きな課題になっていると思うんですね。先ほどからこの調査の数字の信頼性みたいな話も出ているかと思うんですが、参加していない方がこれだけいらっしゃる中で、どう地域の見守りや、こういう中に包含していくのかというのが引き続き大きな課題だというところは改めて確認をしておきたいと思うので、何らかそのことも踏まえて対策をとっていただきたいということで、要望としておきます。

伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当)

 先ほどひやま委員の御質問を答弁保留させていただきまして、改めて、すみません。企画のほうで実施しております中野区民意識・実態調査の質問を見ますと、社会や地域とのかかわりというふうなことで、過去に参加したことのある活動は何か、過去1年間どのように社会や地域とかかわってきたかというふうな質問の立て方になっています。こちらの今回御報告させていただいております健康福祉に関する意識調査のほうは、地域活動というふうな表現で、趣味・スポーツ関係、ボランティア、学習、教養というふうな分け方になっているところで、そのまま社会とのかかわりという中で、選択肢の中には民間のスポーツクラブ等でのスポーツ活動とか、友人等との個人的な集まりとか、非常に細かく聞き取るような形になっておりますので、かかわっていない、かかわるつもりがない21.8%と参加していない74%が、ちょっとそのまま比較するのはどうかなというふうには思うところです。それから、企画のほうの調査では、最近1年間どのようにかかわってきたかで、かかわっていない、かかわるつもりがないが30というふうなことですので、ちょっとなかなか、必ずしもぴったりと比較するのは難しいというふうに所管としては思っております。

ひやま委員

 お調べいただいてありがとうございます。いや、私もそこ、同じところを見ているんですね。つまり、最近1年間にどのように地域とかかわってきましたかで、スポーツとか、企画さんのほうですよ。ただ、どのようにかかわってきましたかと、どのような地域の活動に参加していますかって、多分、受け手としてはほとんど一緒なんじゃないかなと思って。例えば町会とかスポーツとか趣味とかボランティアとか、ほぼ企画さんのほうにも入っているんですよね、項目の中に。企画さんのほうだと、例えば平成29年度で見ると、かかわっていないが30.9でしょう。こっちのほうで見ると、健康福祉に関する意識調査で見ると71.9になっているんですよ。結構これって大きく違うじゃないですか、かかわっていないが片や30、片や70で。ちょっとやっぱりこの数字、どうしてこういうふうに発生しちゃうんだろうなという、そういう疑問なんです。

伊藤地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当)

 企画のほうの調査を見ると、LINE、ツイッター、フェイスブック等のSNSを利用した交流ですとか、バーチャルなネットワーク等への参加、友人との個人的な集まりというあたりも全て参加したことになるというふうなことで、友人との個人的な集まりはもう35%とか47%という数字ですので、今回の御報告のほうだと、個人的な友人との集まりはちょっと参加していないに入っちゃうかなというふうにも思うところですので、今後そういう意味では、確かにちょっと似たような質問項目ではありますので、精査をさせていただきたいと思います。

ひやま委員

 これで最後にします。いろいろな課なんかでもこういった調査をやっていると思いますけれども、やっぱり問題意識としては、皆さんそれぞれ、地域をどのように参加を促していくのかとか、多分問題意識というのは一緒なわけですから、ですから、いろんな統計はありますけれども、それと照らし合わせながら、場合によっては設問の項目を変えるですとか、工夫するですとか、そういったところはぜひ取り組んでいただきたいなというふうに要望しておきます。

むとう委員

 この調査は毎年行われているということなんですが、委託をしてお願いしていることだと思うんですけれども、経費は幾らかかっているんでしょうか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 30年度の予算額は213万8,000円でございます。

むとう委員

 それで、これ、一度こういった形で調査票のお願い、後ろに書いてあるこれを郵送されるんだと思うんですけれども、なかなか回収率が、こんなものなのかなとは思いますけれども、もうちょっと回収率を高めるために、追っかけではがきを、例えばお手元に届いている調査票について再度のお願いということで、回答の御協力をみたいな、追っかけはがきみたいなものを出すとかということは考えられてはいないんでしょうか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 回収率を上げる方法として、今、委員がおっしゃいましたはがきを送る方法ですとか、あと、景品といいますか、そういったものをつける方法等、幾つか一般的なアンケート調査の実施にはあるというふうに聞いております。35%程度というのはここ数年ずっと大きく動いておりませんので、今の時点で何か新しい手を、費用がかかってくることになりますので、考えてはおりませんけれども、これが下がってくるということになってくれば、またちょっと違う方法といいますか、回収率を上げる方法についてもしていかなければいけないかなというふうには思っております。

むとう委員

 ということは、ずっと35%ぐらいで回収できているということで、こういった類いのアンケート調査では、35%返ってくればまずまずでよいというふうに区は判断しているということなんでしょうか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 インターネットとかで見ますと、一般的なアンケート調査、郵送で送付・回収をした場合には、10から40%程度が一般的というふうに言われているというようなことでございまして、その中でも35程度ということで、一般的なものでまあまあなのかなというふうに思っています。ただ、企業がやるものより、自治体がやったほうが多分本当は高くなければいけないんだと。身近なところから、安心できるところからの調査というのがございますので、本来はもっと高く目指すべきだと思いますけれども、今の時点ではちょっと、新しく特に何かというのは考えておりません。

むとう委員

 毎年毎年やっていて、毎年何か大きな違いというのは結果に出てきているんでしょうか。というのは、毎年やる必要があるのかどうかというところもちょっと疑問に思うので。何か毎年やることで、こういう大きな変化が毎回あるから、やっぱり毎年やる必要があるんだというふうに考えられていらっしゃるのか。もしくはこれを2年に1回にすることで、調査標本数を上げるということも考えられるかと思うんですけれども。このままでいいのかなというのはちょっと疑問に感じる部分なんですけれども、その辺はどのようにお考えなんですか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 区としては、行政評価といいますか、指標として利用しておりますので、毎年目標をつくって、達成度をこのアンケートを通してはかったりしているものもございますので、基本的には毎年やっていくのかなというふうに思っております。傾向としては、極端に大きく変わるというのはなかなかなくて、先ほど説明の中でお話ししましたけれども、長期療養が必要になった場合に、施設にいたいか、自宅にいたいかという質問が、毎年これもやっているんですけれども、昨年は自宅にいたいというほうが全体的には多かった。ことしは施設にいたいという人が多かった。今回、全ての年代、世代で施設に行きたいという方がふえてきているというふうに結果が出ておりますので、3年前、4年前は年代によっては自宅、どっちかは施設というふうに分かれていましたので、全体的な傾向としてそういうのはあるんだろうなというのは読むことはできますので、基本的には毎年やっていきたいと思っています。質問についても、経年変化を追っているものが多くなっておりますので、同じものが多いんですけれども、東京都の調査ですとか国の調査の項目が変わった場合には、それに合わせて比較できるように変えたりもしていっておりますので、毎年見直しはしながら続けているという状況でございます。

むとう委員

 先ほどの加藤議員の質問とも重なるんですけれども、今おっしゃったように、自宅ではなくて施設に入りたいというところが変わってきているよということだったんですけれども、それというのは家族構成が変わってきたりとか、最近、家族に迷惑をかけたくないというふうに考える世代がふえてきたという、やっぱり自宅で最期は迎えたいと思っていた人も、そういう年齢の人がどんどんお亡くなりになっていて、新たな人たちはやっぱり家族に迷惑をかけたくないというところが大きくなっているのかなというふうに思うんですけど、そういうことの理由というのはわかるんですか。そういうことがやっぱり、なぜ考え方が、データが変わったときに、どういう思いで変わっていったかとか、理由までは聞いてはいないんですかね。そういうところを知らないとこの調査が生きてこないのかなと思ったりもするんですが、そういうことも見られるような調査にはなってはいないんでしょうかね。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 世帯構成とは比較することは可能です。これでは分析しておりませんけれども、データはありますので、単身なのか、夫婦のみなのか、世代で同居しているのかということを確認することは可能です。細かくつけた理由までは聞いておりませんけども、質問項目をふやすというのもちょっとまた問題がございますので、今持っているデータの中で分析できるものについてはやっていきたいと考えております。

むとう委員

 今、こういった形できょう報告されたわけですから、区のほうでもこのデータをもとに、まだまだ各担当分野のほうでこの調査をどう生かすかというのは今後のことになるんだと思うんですけれども、結構1年ごと毎年やっていると、結果が出てきて、この結果で、今言ったように、ちょっと変わった部分はどうしてかとか分析をして、次の施策に反映させていくために、またそれをやっているうちに、施策に反映ができたかできないかわからないような状況で、次の調査の結果が来てしまっているというようなことにはなってはいないでしょうか。きちんと毎年毎年の調査が生かされているんでしょうか。生かされ方がやっぱり見えてこないので、毎年やるのはどうなのかなというふうにも思うんですが、その辺は内部ではきちんと分析をして、施策に生かした上で、施策を新たな展開をしたところで次の調査結果が来るというような、1年の期間という中で、この調査結果がうまいこと1年で機能を果たせているんでしょうか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 例年5月に調査を実施しまして、分析がまとまってくるのが9月ぐらいになってしまうというのがございますので、翌年度の予算編成とか事業計画を立てる中で、それぞれ確認をしてということになります。送っている対象者が違います。毎年当然異なる方に送っておりますので、1回の結果が全てだとはもちろん思っておりませんけれども、数年間の傾向を見まして、それを施策に反映していくというふうにやっていると考えております。先ほどの長期療養の際に施設に入所したいかしたくないかという理由については、104ページにも記載はさせていただいております。世帯構成とかはちょっと分析までくっついておりませんけれども、理由についてはこちらにも記載はさせていただいております。

むとう委員

 調査を1年ごとにやって、1年ごとで業務の中できちんとこれが反映できて、施策につながるというようなところが、ちゃんと1年ごとにできているんだったらば、それは外野から見ていて何かとやかく言う必要もないことではあるんですけれども、この調査で追われてしまっているようでは困るので、十分これを、結果を生かすような、生かせなければやる意味が全くないので、生かすことを内部でしっかり取り組んでいただきたいということをお願いしておきます。それで、おいおいは、本当に毎年やる必要があるのかということと、回収率を高めて、本当に多くの区民の意見がちゃんと反映できるような調査結果が得られるようにするためには、3,000でどうなのかというところも考えていかなければいけないと思うので、それを、毎年規模を広げるとお金がかかるということであれば、2年に1回というやり方もありかなというふうにも思うので、今後やっぱりもうちょっと調査そのものについて検討を深めていただきたいということを要望しておきます。

委員長

 他に質疑はございませんか。よろしいですか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了します。

 次に3番、中野区自殺対策審議会委員の委嘱についての報告を求めます。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 中野区自殺対策審議会委員の委嘱について報告させていただきます(資料4)。

 中野区自殺対策審議会条例第4条の規定に基づき、審議会の委員について、帝京平成大学・北川明教授以下14名を委嘱いたしました。委員の氏名・所属については資料をごらんください。

 任期は平成30年9月1日から3年間。

 所掌事項は、自殺対策基本法第13条第2項に規定する市町村自殺対策計画の策定及び変更に関する事項、自殺対策に係る施策の推進に関し必要な事項となっております。

 なお、9月27日に第1回の審議会を開催し、委員の互選により北川明教授が会長に選ばれております。

 御報告は以上です。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。

加藤委員

 ゼロから教えてくださいみたいな話になってしまうんですけど。最初は国が対策をやって、それがどんどん都道府県、そして、基礎自治体まで自殺対策というのを行っていく流れになって、この形になっていると思いますけれども、まず、国が対策、バブルがはじけて自殺者がふえたあたりでそういう対策ができたと思うんですけども、その段階で何が行われたのかという、流れの中でちょっと、国と都道府県はこれまで何をやってきて、今回、中野区に任されている責務というのはその全体の中でどこなのかというのをちょっと教えてもらえますか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 国は、平成18年10月に自殺対策基本法を施行いたしました。その後、自殺は個人の問題ではなく、社会の問題という認識を多く広げてまいりまして、自殺者の累計が3万人を超えている状態からは脱しましたが、いまだに毎年2万人を超える水準でございます。そのような状況を受けまして、平成28年に国が自殺対策基本法を改正し、我が国の自殺の実態を踏まえて、自殺総合対策大綱というものを29年の7月に発しております。その中で、誰もが自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指すということを今回大きく掲げてきておりまして、都道府県、市町村にそれぞれ自殺対策の計画を立てることというのを義務付けてまいりました。それを受けて、東京都の方でも平成30年6月に東京都自殺総合対策計画というものを出しております。それを踏まえまして、区としても今回計画の策定に取り組んでいるというところでございます。

加藤委員

 国としては、3万人以上いっていたものが2万人になる際にどういった対策を行ってきたんですか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 その時点での対策といたしましては、追い込まれた末の死を防ぐといったところがメーンとなっておりましたが、今回改正された中では、生きることの阻害要因を減らすということだけではなくて、生きることの促進要因をふやしていくといったところを目指しているというものでございます。

加藤委員

 そうすると、生きがいとか疎外感とか、生きる活力というか、その辺希望を持たせるためには、もう国単位ではなくて自治体でやっていかないといけないという流れの中で、各自治体で対策審議会とか、そのような類いのものができていると思うんですけれども、そういった流れの中で、この審議会、中野区においてどういったことをやっていくというような、国の今までの経緯と、国がやるべきこと、そして自治体がやるべきことって、その分けとしては、大きなところでどういうところがあるんでしょうか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 中野区としましては、地域で取り組む地域のつながりといったようなところですとか、教育といったようなところ、さまざまな身近な自治体でやっていくべきところをきちんと計画として出していきたいと考えております。

加藤委員

 そういった中で、地域とのつながりとかがメーンになるという中で、このメンバーが選ばれているという認識でよろしいんですか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 地域の中でのつながりというのもさまざまな部分がございますが、ちゃんと相談窓口につなげていくことですとか、精神医療につながるような部分ですとか、そういった地域の中のさまざまな連携を図ってまいりたいということで考えております。

加藤委員

 そういった中で、この委員のメンバーがそろっているというところにおきまして、小学校、中学校はもちろんそういったところがあると思うんですけども、大人に関しては、相談窓口につなげるというところがなかなかちょっと見えづらいところではあるんですけども、大ざっぱでもいいんですけど、どういったスキームで相談窓口まで持っていくような──それもこれから話し合うことなんですかね。ちょっとその辺、今、何を話し合っているかというのも含めて教えていただければと。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 今回の話し合っていく中でも、社会福祉協議会ですとか、いろいろなところで、学校を卒業してしまってから後、そういったフォローを外れてしまう方たちについて、何かあったときには地域の相談窓口があるよということを、まだ学校やいろいろな社会とのつながりがある時点できちんと周知しておくとかいったことも大事だろうといったようなお話もいただいております。いろいろな普及啓発の方法はあるかと思いますけれども、これからそういったことを委員の御意見もいただきながら取り組んでまいりたいと考えております。

加藤委員

 私からは最後にしますけども、そういったことを決めていくという内容は大分わかりましたけれども、これを何回でどのぐらいの期間で、それで、実務的にはどのぐらいをめどに何か形としてやりたいとかいうのが決まっていましたら教えてください。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 既にもう都の計画も出ていることではありますし、計画を進めていくということが肝心かと考えておりますので、来年度初めぐらいには計画を定め、国も都も今回5年計画で取り組んでおりますので、5年計画でまた見直して、その都度新たな課題に取り組んでまいりたいと考えております。

いさ委員

 ちょっと確認をしますが、一部重複するかもしれませんが、この委員がこの構成で選ばれたというのは、どこかで何か話し合って決めたような、そのプロセスみたいものはあるんでしょうか。どういう理由でこういう構成になったのかをちょっと知りたいんですけれども。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 東京都などの検討しているメンバーなどを参考に、区のほうで考えさせていただきました。メンバーを考える中でも、依頼しに行く中で、ほかにもこういったメンバーがいたほうがいいのではないかといったようなことを委員を依頼しに行った団体などからもいただきながら決定していったものです。

いさ委員

 どういう団体に聞いて、どんな声がありましたか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 例えば教育委員会のほうにお声かけしたときに、校長会のほうにもちゃんとお声をかけたほうがいいのではないかというようなアドバイスをいただいたりといった形で、それぞれの委員を決める中で、委員の全体像が見えてきたものでございます。

いさ委員

 わかりました。この間、第1回の審議会がありましたよね。それで、傍聴させていただいて、お話を聞いていた限りでちょっと私が感じたこととしては、一つは、小学校、中学校の校長先生と、それから、大学の方がいらっしゃって、若い層というのが一定カバーされていることはすごく重要だなというのは思ったんです。それぞれの年齢層で、ちょっとずつ自殺に至る原因というか、理由というのは異なっていると思うんですよね。そういうところで、若い世代というのはきめ細かくそういう対応ができる体制がないといけないと思うので、ここはすごくいいなと、議論を聞いていても安心感があるかなと思った一方で、今、加藤委員もちょっとおっしゃっていた、それから上の層のところをこれからどう考えていくのかというところが、あの議論を聞いていてちょっと気になったところなんです。

 例えば、ちょっと戻ると、この意識調査を見ていても、112ページのところに、自殺対策は自分自身にかかわることかというところの回答で、かかわると思っている世代が多いのが20代となっていますよね、明らかに。それも分析で出ていますが、明らかにここは膨らんでいる。それから、30代のところもちょっと多い。これは何らか原因があると思うんです。こういうことについては、じゃあ、ここだけ聞きます。このことはどう考えて、どんな議論になっていったらいいのかというところはどうお考えでしょうか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 こちらの項目につきましては、今年度新たに設定させていただいた質問項目になります。質問の文言につきましては、厚生労働省の自殺対策推進室が28年の10月に実施した調査のものを参考に、自殺対策は自分にかかわるという意識をどの程度持っていただくかというのをこれから区内に広げていきたいと考えている中で、ベースラインとなるものとして考えております。若い方が非常に自分ごととして自殺の問題を考えていただいているというのは大切なことかなと思いますが、反面、まだあまり全体としてそれほど、ちゃんと自分ごととして考えていただけている割合が高いわけではないので、今後、やはり自分の問題として自殺対策を捉えていただくということをいろいろな年齢層に広げていきたいなと思っております。

いさ委員

 というような議論が審議会で出ればいいかなと僕も思うんですけれど、今のところ、そういうふうになるのかなということも審議会を聞いていて思ったんですね。今の例えば20代とか30代恐らく前半でしょうね。そういう人たちが何らかそれを考えるって、明らかに僕は労働問題だと思うんですよ、働き方の問題。その問題を扱える人たちがここにいるのかなというと、そうでもないのかなと思うということがまず一つです。

 それと、委員会での質疑の中でも、たしか過去にやりとりしている中で、自殺率がほかに比べて高い層というのが存在しますよねとやりとりしていたと思うんですよね、LGBTであったり、生活保護の方であったり。そういう議論にもまだちょっと至っていないのかなと思う。とすると、やっぱり社会学的なアプローチというか、そういう話ができる土台をここにつくっていかなきゃいけないかなと思うんです。例えば自殺対策を扱っているNPOなんかの団体に来てもらったり、資料の提供を受けたりということで、この方々が議論できるような材料を用意する必要があるかなと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

向山保健所長

 今、委員がおっしゃられたように、自殺に関してはポピュレーションと言って全ての区民を対象にすべきところと、もう一つは非常にもうデータの積み上げがあって、LGBTもそうですし、身近なところで自殺者がいらしたという方の周辺の方ですとか、ハイリスクと言われるところはある程度、国や都の分析でも明らかになっております。一方で、プロファイリングということで、中野区の自殺の現状ということも来ておりましたが、実態としては究極のセルフネグレクトという、委員の御発言もあったように、いわゆるひきこもりの状態にある方々。国は労働施策で、ひきこもり対策というのを35歳というところの上限で切っておりますけれども、場合によったらその上の世代に至るまでセルフネグレクトといった実態がある。やはりそういったデータを少し事務局のほうから方向性としてお話をしておりますけれども、例えば東京都の自殺相談ダイヤルの中で集計されているメンタルケア協議会ですとか、あるいはライフリンクといったところで、自殺者の1万人規模の危険度の調査などもございます。前回あまり細かく説明をあえて差し上げておりませんが、こういったデータをお示ししながら、区としては少し焦点化をしていく部分、産後鬱なども含めて、そこを提案しながら御意見をいただきたいと思ってございます。

いさ委員

 ちょっとこういうこともあれだけど、自殺の対策、あまり得意じゃないなみたいな方もいらっしゃったわけなんですよね。さりとて、このメンバーでやっていくということなんですから、それはそれで、そういう現状、考える材料というのは絶対に要ると思うんです。加えて、自殺対策も、先ほどほかの委員の御説明の中にあったように、もっと手前のところでとめようよという話になっていると思うんですけれど、ちょっとそこまでの議論がまだまだ距離感を感じるんですね。例えば今の私が言った労働問題なんて、区でどこでできるかわからないけれど、区のできる範囲で、じゃあ、学生さんたちに、働く問題でこんなことがないように何か手を打てないかなみたいな議論にもなっていいと思うんですけれども、残りの回数でそこまで行くのかなという、ちょっと若干よぎったものもありまして。それはうまく資料提供なども含めて議論を誘導といいますか、持っていっていただきたいなというふうに思っていますが、どうでしょうか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 事務局のほうでできるだけさまざまなものを準備して、いい審議をしていただけるように努力していきたいと思っております。今、関係団体にも来ていただくという形ですと、やはり緊張感が高いということで、こちらからお話を伺いに行くというような形のことを、日程を調整しているところでございますので、そのようなヒアリングの結果なども委員の皆様にお返ししていきたいと考えております。

いさ委員

 ぜひそのようにやっていただきたいなというふうに思います。とにかく回数があまりなかったと思うので、実効性のあるような仕組みをしっかりつくっていただきたいなと、改めて重ねての要望としておきます。

むとう委員

 この委員、新しくできた審議会ですから、女性もたくさん入れてほしいなとすごく私は思うんですけれども、14人のうち何人の方が女性なんでしょうか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 医師会から来ていただいている方と薬剤師会からの委員が女性です。2名です。

むとう委員

 14人中2名ということで、女性が少なくて残念だなと思うんですが。今、やはりこういった区が新たにつくる審議会のあたりから、しっかりと女性の割合をふやしていこうというような思いが区のほうにあるんじゃないかなと思っていたんですけれども、これ、人選する際にそういう視点はなかったんでしょうか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 警察など、もともと大変女性の少ないところ等に依頼している部分等もございますので、なかなか難しいことではあるんですけれども、今後とも考えていきたいと思います。

むとう委員

 今後とも考えていくと言ったって、できちゃった審議会ですから、これから新たにここに女性を追加していくということを、考えていくということはそういうことなんですか。ただ考えるだけで、この審議会はこれで固定で、女性は2人のままでいくということですよね。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 今回の委員の任期につきましてはこの状況ではございますが、また新たにずっと、計画の改定ですとか、自殺対策の施策の推進について、引き続きこの審議会が続いていく予定ですので、今後その審議の中で、これが固定ということではなく、また新たな課題が出てきたときには委員の人選についても考慮していくということです。

むとう委員

 新たにつくる審議会ですから、そういう意味では期待をしていたわけですが、せっかくつくったのに2人しか女性がいないというのは、やっぱり人選する際にその視点の配慮が抜け落ちていたんじゃないかなというふうに言わざるを得ないかなと残念ながら思います。

 そして、これ、つくる際に委員会の中で、ぜひとも公募枠をということも私はお願いしたんだけれども、その際に、いろんな生のデータが出てくるので、そういったところの個人情報に係るようなものも出てくるから、公募の委員は入れないみたいな御答弁だったかと思うんですけれども。本当に公募委員もなしというのはすごく、ここに入られている方が云々ではなくて、議論の幅を広げる、それから、自殺ということで本当に、自分の家族で自殺者がいたとかという部分で、相当深くこの問題を掘り下げて取り組んでいる民間のグループもありますので、そういったところに行くと、割と女性も多くいらっしゃるので、そういうところの人たちも加わっていないというのはとても残念な気がしてなりません。

 そして、一番上に書かれている北川先生という方は、帝京平成大学でどの分野を専門とされていらっしゃる先生なんでしょうか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 自殺のこと等に取り組んでいらっしゃる団体につきましては、先ほど申し上げましたように、ヒアリングに行かせていただく予定です。審議会に来ていただくといったようなことも考えたのですが、やはりなかなか緊張感が高くなるということで、来ていただくほうがいいということで、こちらからお伺いして、できれば当事者の方のお話等も伺えるような形で、今、そちらとはお話をしているところです。

 北川教授につきましては、帝京大学ヒューマンケア学部看護学科の教授で、専門は精神科、発達障害、特に大人の発達障害が御専門と聞いております。

むとう委員

 それでは、そういう専門性のある先生が加わったということはよかったかなというふうに思います。

 それから、今のその前のお話ですけれども、区の事務局側が当事者の団体のところにヒアリング、お話を聞きに行ったものを報告するということですよね。ということは、委員さんがやはり生の声を生で聞くのと、その間に代弁者が入るのでは全然違うんですよね。その辺の考慮は何かされないんですか。相手方が受けてはいただけないんでしょうかね。やっぱり生の声で実際のお話を聞くというほうが、本当に実態がわかるかと思うんですよね、苦しみも含めて、その後残された家族の本当にずっと癒えない傷も含めて。だから、やっぱりそこに、間に職員が入って伝えるということだと、伝わるニュアンスも半減しちゃうかなというふうに私は思うんですが、それは工夫の余地はないんですか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 現在、団体等とお話をしている中で、やはりこちらから行く人数もあまり大勢だとというようなこともおっしゃられているところと、そのときの状況により、当事者の方にはお会いできないかもしれないといったところで、やはりこのようなヒアリングに行くことによって、より当事者を傷つけるようなことがあってはいけないと思っておりますので、そのあたり慎重に取り組んでいきたいと考えています。

むとう委員

 それは慎重にすべきことなんですけれども、当事者でも積極的にお話をしていきたいと、こういう悲惨なことは二度と起こらないようにということで、本当に自分が経験したことを乗り越えてお話を積極的にしていきたいとか、講演活動もされていらっしゃるような方々もたくさんいらっしゃいます。今まさにつらいところのどん底にいらっしゃる方にお話を聞くというのは、今おっしゃったように、その方の心がもっと不安定になってしまうということもあるので、そういうことはやっぱり避けたほうがいいというのは当然なことなんですけれども、そうじゃない、そこを乗り越えられた方々もいらっしゃるわけですから。こちらが総勢一遍にわっと来られたら話せないという方もいらっしゃるかもしれないけれども、そこは、そういうことを取り組んでいる団体さんとよく御相談しながら、委員さんが何班かに分かれてお話を聞きに行くということもあるかと思うので、やっぱりぜひ一度は当事者の声を委員さんになられた方は聞いたほうがいいんじゃないかなと。そういう機会を設けるという努力を私はしていただきたいと。今、接触を求めている団体はそういう団体かもしれないけども、ほかにもいろいろ団体はあるかと思うので、いろんな団体に協力を求めていただけたほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

水口健康福祉部副参事(保健予防担当)

 さまざまな団体に今お声かけをしているところですので、今後そちらと、相手の方を傷つけるようなことがないような形のことをきちんと配慮しながらやっていきたいと思っております。

むとう委員

 ぜひ、せっかく区の方が自信を持って選ばれた委員の方々ですから、相手を傷つけるようなことをするような人はいないはずというふうに私は思いますので、しっかり直接お話を聞けるような努力を今後していただきたいと。やはり生の声を伺うのと伺わないのではすごく違いますので、そこは努力をしていただきたいということを要望しておきます。

甲田委員

 この審議会を立ち上げるときに私も意見として、社会福祉関係の方々というところで、できれば全国的なネットワークであるとか、先ほども出ましたライフリンクとか、そういったところがかかわっていただけるといいなというふうな、なかなかそれは難しいんでしょうけれども、そのような要望も申し上げました。今いろいろお聞きして、そういった方々からの情報や、いろんな切り口で、資料提供とか、そういった形でやっていくということで、少し安心をしたわけなんですけれども。

 今、保健所長からもありましたように、セルフネグレクトとか、産後鬱ということもありました。そういういろんなタイプのところから勉強していかなきゃいけないというふうなお話があったんですけども、私も全然自殺対策専門ではない、素人の中で、やっぱりいろんな方からの御相談を受けるときに、本当に生活に困窮されている方とか、生活保護を受けなければならないような方々とか、もしくは精神が病んでいらっしゃる方とか、そういった方々のお話を聞くにつけ、やっぱり本当に親子関係、さかのぼっていくと、自分の親との関係がうまくいかなかったケースが、100%ではもちろんないんですけれども、そういうこともすごくあるなと。根っこにそういうところがあるなというのをとても気づかされることが多いのですけれども。また、産後鬱という話があったんですが、産後鬱から児童虐待が始まり、本当にこれをとめていくために今、産後ケアというのをやっていただいているので、すごくよかったなと思っているんですが、これが本当に行き渡っていない現実がありますし、虐待防止というのが、将来にわたって子どもが生きていく上で、やっぱり自己肯定感を持つためには、本当に親子関係をよくしていくということで、とても大事なことだなと思うんです。

 本当にぼんやり思う中で、ちょっとたまたま最近、そういった虐待をこれでもかというほど受けてきて、当事者として体験を話してくださった35歳の方のお話を聞いたんですけれども、そういう方も確かにいらっしゃって、それは、あまり合わない精神科医によって余計傷ついたお話と、それから、今、とても対話ができて、薬ではなくて、本当にその精神科医によって自分の過去をきちっと見詰めることができて、立て直していくことができて、またさらに、こういうつらい思いをしている人のために自分が何か役に立ちたいということで、そういう講演をするようになったという、すばらしい体験だったんですけれども、そういう方も確かにいらっしゃいますので、本当にいろいろリサーチをしていただいて、そういった視点も持っていただきたいなと思うところなんですけれども、いかがでしょうか。

向山保健所長

 今、虐待のお話が出ました。私ごとで恐縮ですけれども、自分が臨床で精神科医をしていた際に、やはり虐待で育った子どもたちにSOSを出させるってどんなに大変なことなのかなと。出してはいけないというような環境でずっと来てしまった人たちをどうしていったらいいのかなということを今もずっと考えているところがございます。産後鬱もそうなんですけれども、一般におめでとうと言われることで実は鬱の引き金になることがあるとか。まだまだ当事者の方のいろんなお声や実態が、なかなか自分ごと化していかないと。場合によると、相談を受けている者もこれをリスクと気づかず、事業を別の形でやっているということもございます。そういう点では、今回の計画の中でも、聞いていくことの支援という中で、改めて区が接点を持ち得る事業を少し広く見渡して、例えばあしなが福祉会ですとか、いろんなところに御遺族の子どもたちの会とかいうふうなものがありますので、そういう声を拾っていったり、あるいは今、ゲートキーパー研修というのをかなりやっておりますけども、そういう中で実態をお話できる方にお話をいただくと、こういった工夫もしていかなければいけないかなと思ってございます。

委員長

 他に質疑はございませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了します。

 次に、4番、鷺宮スポーツ・コミュニティプラザの運営等についての報告を求めます。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 それでは、私のほうから鷺宮スポーツ・コミュニティプラザの運営等について御報告を申し上げます(資料5)。

 鷺宮スポーツ・コミュニティプラザにつきましては、平成31年4月に現在の鷺宮体育館からスポーツ・コミュニティプラザへの移行を予定しているところでございます。既にスポーツ・コミュニティプラザにつきましては中部及び南部で運営をしておりまして、今回の鷺宮につきましても運営につきましては同様でございますが、体育館からの移行が初めてのケースということで御報告するものでございます。

 それでは、別紙1をごらんください。大きく5点ほど変更点がございますので、そちらの御説明をさせていただきます。

 まず1点目、会員制度の導入でございます。鷺宮スポーツ・コミュニティプラザでは、中部・南部と同様にスポーツクラブの会員制度を導入いたします。なお、手数料等につきましては、既に第2回定例会において条例の改正をしているところでございます。

 2点目、施設使用について申請期間の変更でございます。体育館では、区民団体につきまして、使用日の7カ月前の月の21日から月末までの抽せん申し込みでございました。スポーツ・コミュニティプラザにつきましては、使用日の3カ月前の21日からの抽せん申し込みとなります。

 3点目、施設使用料でございます。体育館の場合は、区立学校では減免がなし、区立以外の区内の学校が学校行事で使用する場合は5割の減免でございました。スポーツ・コミュニティプラザに移行後は、区立は全額免除、私立につきましては、会員になっていただければ、現在の体育館と同様5割の減免となります。その他の団体につきましても中部・南部と同様の取り扱いになります。

 4点目、公認クラブでございます。公認クラブになりますと、優先的に施設を使用することができるようになります。現在、南部・中部ともに3クラブずつございます。

 最後、5点目でございます。地域スポーツクラブ運営委員会の設置でございます。運営委員会は15名以内で、個人会員及び団体会員から区長が委嘱するものでございます。

 それでは、恐れ入ります。頭紙のほうにお戻りください。

 今後の予定でございます。来月、11月18日・21日の2回、利用者説明会を鷺宮区民活動センターで予定してございます。

 また、31年1月21日から31日につきましては、団体会員の抽せん申し込みを開始いたします。また、4月にはスポーツ・コミュニティプラザに移行することになります。

 なお、団体会員の抽せん申し込みにつきましては、これまでも施設予約システムにより抽せんを行っておりますので、申し込み方法等に関する変更はございません。

 御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。よろしいですか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了します。

 次に、5番、旧中野刑務所正門についての報告を求めます。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 それでは、旧中野刑務所の正門につきまして御報告をいたします。なお、本報告につきましては、子ども文教委員会と同じ資料で御報告をしておりまして、別紙のうち別紙3につきましては、子ども文教委員会の所管となりまして、当委員会では所管外でございます。

 それでは、お手元の資料(資料6)をごらんください。旧中野刑務所正門につきましては、区の取り扱い方針検討の際の参考とするため、文化財としての価値等につきまして学識経験者からの意見聴取を行い、また、取り扱いの方法別に概算見積もりを徴取してございます。

 それでは、恐れ入ります。お手元の別紙1をごらんください。別紙1につきましては、3名の学識者から意見聴取をした結果でございまして、全部で5点の観点から意見を聴取しております。意匠、技術、歴史的価値、学術的価値、それから、流派または地方的特色でございます。なお、この5点の視点につきましては、国宝及び重要文化財の指定をする際の判断基準となってございます。それを準用して意見をいただいております。

 それでは、恐れ入ります。別紙1の裏面をごらんください。6番の総括でございます。この5点の視点から学識者に御意見をいただいた結果の総括も御意見としていただいているところでございます。それぞれ3名の先生とも東京都の指定文化財になり得るというところでございますが、ただ、場所的な意味合いとして、現地保存としない限り文化的価値が低下する場合があるという御意見でございました。

 また、この門につきましての特徴的なものが写真で2点添えてございますが、北側部分の斜めの支え柱、こちらにつきましては、意匠としてすぐれているというところで、国の重要文化財にも見られないといった意匠だということでございます。また、写真2の覆輪目地でございますが、こちらも日本独特の技術でありますが、技術が失われており、東京駅の復元において技術の習得から復元したというものでございます。

 それでは、恐れ入ります。別紙2をごらんください。別紙2につきましては、門の保存等に係る概算経費でございます。こちらは、概算経費と申しますのは、中に現在入れないため、専門業者が外観から見積もったものでございまして、後に御説明します調査によりまして金額等の変動はあるということは前提として御了承いただきたいと思います。

 概算経費は全部で5点の観点からとってございます。

 まず、現地保存が2種類。①の現地保存につきましては、現地から動かすことなく、守衛室の1室に常設展示、もう1室をイベントに活用するなどして、内部も活用するということで、それなりの耐震補強をするということでございます。税別でございますが、合計で2億3,000万ほどでございます。

 それから、2点目の現地保存につきましては、現地から動かすことなく、外観からの見学にとどめるという形での保存につきまして、それでも最低限の耐震はしなければなりませんので、約8,500万円。

 それから、3点目は移築でございます。こちらは基礎部分から持ち上げ、レールに乗せた上、目的のところまで水平移動していくというところでございまして、こちらは移動につきましての補強等も必要になってきますので、総額4億6,000万円ほどとなっております。

 また、一部保存でございます。一部保存につきましては、解体した上で正面の一面を壁面に張りつける形で保存するものでございまして、今の門の大きさとほぼ同じ、高さ8.7メートル、横幅13.5メートル、奥行き2メートルほどを切断した上で、壁等に埋め込む方法でございます。

 そのほか、記録保存につきましては、模型及び映像、VR等の方法での保存でございます。

 なお、先ほどの学識経験者の意見につきまして、3名の先生からは、いずれの方法にしても記録、それから、調査の結果の公表は必要だという御意見はいただいているところでございます。

 それでは、別紙3をごらんください。こちらにつきましては、4点ほどの校舎のレイアウトの案をお示ししてございます。

 まず、別紙3-1、3-2につきましては、門を保存しない形での校舎のレイアウト図でして、ちょっと見づらいんですが、お手元の図面の上のほうに点々で小さい四角が示されてございますが、そこが現在の門の位置になっております。特徴としましては、3階建ての校舎になっており、それから、直線の50メートル、トラック120メートルの校庭にそういった運動機能が配置されているものでございます。また、この直線の50メートル、トラック120メートルにつきましては、小学校の基準の大きさとなっているということでございます。また、職員室・校長室等を、校庭への見渡し、防犯上の観点から適当である校庭に面した1階に配置することが可能となっているということでございます。

 おめくりいただきまして、別紙3-2でございます。別紙3-1は校舎のメーンを、この図面でいきますと右側に配置した図になっておりますが、別紙3-2につきましては、校舎のメーンの配置を図面の左側に配置した図になってございます。特徴としましては、現在の職員室・校長室を、校庭への見渡しや防犯上の観点から適当である1階に配置することができるというところで、変更等はございません。

 続きまして、別紙3-3でございます。別紙3-3と3-4につきましては、門を保存した場合の図面となってございます。門の面積を確保するために、別紙3-3、3-4につきましては、校舎は4階建てになっております。4階建てになっております理由は、延べ床面積を確保する必要があるということで、3階建て、4階建てとも、校舎の延べ床面積につきましてはほぼ同等のものになっております。

 また、別紙3-3、3-4の違いにつきましては、別紙3-3は、こちらの図面で向かって左側に校舎のメーンを配置したもの。それから、別紙3-4につきましては、向かって右側のほうに校舎のメーンを配置したものになってございます。

 また、紫色の旗ざお状のものでございますが、こちらが門の場所と、それから右側に長くなっているのは、門を見学するための通路を確保したものでございます。通路を確保した理由としましては、学校用地の正面のところに道路状のものがあるんですが、あれはいわゆる道路認定をされた道路ではなく、下水道局の管理する管理用通路ということで、人の通行ができるように東京都下水道局の許可を得て区が管理しているということで、道路ではないということから、そのための通路を確保している状況でございます。

 学校の4階建てにつきましては、現在、小学校が4階建てまでは建てることができるということになっておりますので、現在新設している学校につきましても4階建てをつくっている状況になります。

 表紙にお戻りください。今後のスケジュールでございます。10月14日に、区役所におきまして意見交換会を行います。また、10月22日、区民と区長とのタウンミーティングを新井区民活動センターで行い、第4回定例会でこういった御意見、それから予算、それから学校の制約等々を勘案しまして、門の取り扱いに関する考え方について、委員会に御報告をさせていただきたいと考えております。

 また、別紙1から3につきましては、意見交換会、また、タウンミーティングで使用する資料となってございます。

 また、参考としまして、平和の森小学校の校舎整備につきましてのスケジュールをお示ししてございますが、第4回定例会での御報告を受け、教育委員会のほうで基本構想・基本計画(案)を取りまとめていくということになってございます。平和の森小学校の校舎の供用開始につきましては、2023年度を予定しております。

 御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。

加藤委員

 御説明ありがとうございました。まず、一番初めに確認したいのが、今回の厚生委員会において、意見交換会とタウンミーティングにおいて配付する資料をお見せしていただけるという話だったと思うんですけど、今配られている資料が配付資料というか、区民の方々に見てもらう資料ということでよろしいですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 はい。別紙1、別紙2、別紙3を用いる予定でございます。

加藤委員

 子文教でも御指摘がいろいろあったとは聞いていますけれども、まだ修正はきくんですか、この中身について。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 意見交換会は10月14日でございますので、修正の必要があれば、修正は可能でございます。

加藤委員

 そういった意味で、ちょっといろいろと気になるところがありますので、お伺いさせていただきますけれども。現地保存とか移築とかする際に、調査が4,000万ぐらい必要だと言っていたにもかかわらず、それなしにある程度こういうふうに見積もりが出てきているわけですけれども、調査なしに出しているということは、大分ぶれが生じる可能性があるという意味でこの数字が出ていると思うんですけども、そういう認識でよろしいですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 あくまでこちらの見積もりは外観から見た見積もりでございまして、実際に用地取得後、中に調査に入りまして、れんがの状況ですとか、そういったものを調査した結果でないと、詳細な見積もりはとれないということでございます。

加藤委員

 そうすると、想定できる範囲内でぶれがあるんであれば、こんな限定的に数字が一つではなくて、幾らから幾らみたいな表示のほうが正しいのかなと思うんですけども、見積もり業者さんはある程度の仮定をした上でこの値段になっていると思うんですけど、ある程度の仮定を幾つか分類する上での見積もりというのは可能なんですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 現在できますのはあくまでも外観からですので、一定程度見積もりの幅を持たせることはできますけれども、想定される前提条件というのはなかなかとりづらいところでございます。

加藤委員

 例えば中を見ないとわからないといっても、最悪こういうケースもあるかもしれないから、こうなったら値段が4億6,000万円だと言っていたけれども、実際ふたを開いて調査したら3倍の値段になっちゃいましたみたいなこともあり得るということでよろしいですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 3倍までかかるというところはちょっと想定しにくいんですけれども、一定程度のぶれが生じることは想定できます。

加藤委員

 そうしたら、その辺のニュアンスもしっかりと書き込まないと、ちょっと、この数字ですと言って、結局、進めていく上で値段がどんどん、あまり下がっていくことって、公共事業を見ていく中で考えづらいというか、よくふえていく何だかんだ、掘ったらいろいろ出てきたなんてよくある話ですから、その辺の幅をしっかりと見せないといけないと思うんですけども、そういった表示の仕方というのは今から修正は可能ですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 時間的に見積もりの取り直しというのは難しいと考えておりますが、御説明の際に、そういった状況であるということはしっかり御説明させていただきたいと考えております。

加藤委員

 じゃあ、次のところへ行かせていただきますけど、別紙3のほうで、場所というか、残す際に、別紙3-3とかだと、紫の旗ざおの形をしているところの土地というのは、学校教育施設の土地ではないという認識でよろしいですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 はい。学校用地ではございません。

加藤委員

 そうすると、もともと、関東財務局が今所管しているんですかね。その土地から区が買い上げる際に、条件として学校教育のために買おうとしていたのが、こういう文化施設に残すというと、その値段というのは差は出るものなんですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 現在、まだ買い取り価格そのものが提示されてございませんので、そちらは現在のところ不明でございます。

加藤委員

 そうすると、先ほどのいろいろ、現地保存とかにしても、この辺の値段が反映しないと、本当のこの施設を残す際にかかってくる値段というのはわからないと。それで説明せざるを得ないと。もしわかった際に、改めて説明する機会はあるんですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 買い取りそのものが31年度を予定しておりまして、その段階まで価格が判明しません。ですので、改めて御説明をするというのは時間的に難しいと考えております。

加藤委員

 ここで結局、値段を並べたところで、これはもう、これも含めてほしいんですけど、だから、4億かかるのか2億かかるのかわからないですけど、そもそも区民というのは、区の財政がどのぐらいの規模か誰もわからないんです。僕も4年前区議会議員をやるとき、たった一千二、三百億円しかないのと思ったぐらいでしたから。その財政規模も照らし合わせないと、多分、判断というか、どう思ってもらうかです。判断するのは最終的には区長だと思いますけれども、区民の大勢の意見みたいなところを区長は気になさるからこそ、こういったタウンミーティングだったり意見交換会をやるわけですけれども、その財政規模みたいなのをお示しすることは可能ですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 御要望があれば、資料としてお示しすることは可能でございます。

加藤委員

 結局、この紫のところの値段というのがわからないというところもありますし、あと、小学校が3階建てだったり4階建てだったりで、これ、学校、配置だったり階数が違うことによって、値段がもちろん変わってきますよね。この辺は子文教の担当になっちゃいますかね。どう考えたって4階のほうが、基礎を強くしないといけないとかなったら──まあ、いいです、じゃあ。一般的にですけど、4階建てのほうが高くなるものですかね。ここでは答えられない。答えられないのであれば、だとすれば、それも差額として値段に含まないといけないと思いますけど、その辺の説明というのもちゃんとなさっていくということでよろしいですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 施設建設につきましては教育委員会の所管でございますので、教育委員会のほうにはそういった御要望があったということは伝えておきます。

加藤委員

 今度の意見交換会とかタウンミーティングというのは、教育委員会だったり担当者も参加されるものなんですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 意見交換会につきましては健康福祉部の主催でございまして、教育委員会は同席の予定でございます。また、タウンミーティングにつきましては企画分野が所管してございますが、所管としまして文化・スポーツと教育委員会のほうも同席する予定でございます。

加藤委員

 この委員会で何回も言ってしまっていますけれども、少子・高齢化におきまして、将来歳入が減ってくる、そして支出はどんどんふえていくという中で、これをここに残すということで非常に大きな支出が出てくるというのと、あと、小学校の運営をしていく中で、どの小学校もそうですけど、これがあることによって、運動会の場所が狭いとか、後々使い勝手が悪いなみたいな話とか、そういうことも意見として出てくるのかなとか、そういう懸念もあるわけですし。あと、そういった残したいという御意見も一方であるとは思うんですけども、その辺、最終的には、これを開くということは、この意見交換会だったりタウンミーティングというのが、区長が最終判断する際にヒントというか、大勢がどうなのかというのを意識した決断をされるのかなと思うんですけど、それは担当者じゃわからないのかもしれないですけど、そういうものに対してどう意見集約──この会を通じて判断が変わるものなんですか。

小田健康福祉部長

 今、委員がおっしゃいましたように、最終的な判断は区長がなさるだろうというふうに考えておりますが、所管といたしましては、意見交換会やタウンミーティングをすることで、広くどんな意見があるのか、当然御反対される方もいらっしゃいますし、残してほしいという方ももいらっしゃると思いますけど、どういう意見があるかというのを集約いたしまして、それを区としての意思決定の参考資料としていきたいというふうに考えております。

加藤委員

 このテーマだけじゃないですけども、いろいろ争点というか、地域地域のそういった地元の方々の声を吸い上げる際に、区民がこう言ったからこうやりましたよと言って、後々責任を区民のせいにするような形で仕上げられちゃ困るなと。あくまで、区民が言ったけども、区長が英断したというような形をつくっていかないと、一々区民のニーズに応じて、後々、どの政策においても、その後、5年後、10年後に大きな失敗が起こったときに、区民のせいにされては困るなということで、意見集約の仕方、そして区長への届け方というのは、しっかりとその辺を分けていただかないと困るなと思いますので、その辺は要望とさせていただきます。

ひやま委員

 御報告ありがとうございました。まず、この3人の有識者の方ですね。東京都の文化財になり得るというふうなことで御説明いただきました。そうすると、これは、中野区の文化財の指定というのは当然望めるんでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 東京都の指定を受けるためには、まず区の文化財指定を受ける必要がございますので、手順としては区の文化財指定が最初になります。

ひやま委員

 仮の話なんですけれども、東京都の文化財の指定を受けると、補助金ですとか、そういったところはどういった制度がありますか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 東京都のほうから2分の1補助が出てくるようになります。

ひやま委員

 それは、別紙2のところに門の保存にかかわる経費がありますよね。そこには東京都からは特にそういったものは出てこないんですね。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 時期的なものがございまして、中野区の文化財指定から東京都の文化財指定には数年程度かかる見込みでございますので、まだ決定したわけではございませんが、現在のところ、補助金が間に合わないというふうに考えております。

ひやま委員

 それで、学校の影響をちょっと気にしているんですけれども、先ほど3階から4階になると、現地保存にした場合ですね。というふうな御説明がありましたけど、仮に現地で保存したとすると、それ以外の何か学校のこういった整備に向けての平和の森小学校の影響というのはありますか。(「ちょっと休憩していただけますか」と呼ぶ者あり)

委員長

 委員会を休憩します。

 

(午後2時43分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午後2時53分)

 

ひやま委員

 すみません。子文教のちょっと関連した質問でございましたので、すみません。休憩中にいろいろと教えていただいてありがとうございました。

 私の質問、最後にさせていただきますが、参考までに教えていただきたいのは、中野区内にこうした建物で東京都の文化財を指定しているものというのは幾つぐらいあるんですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 確認しますので、少しお時間を下さい。

むとう委員

 これ、学識の方々の貴重な意見聴取の結果の報告を受けたわけですけれども、学識の方の御意見を読めば、今、現地でそのまま残したほうがというような、価値があるよというニュアンスというふうに私は受けとめているんですけれども。それぞれ学識者1、2、3というのは、これ、あくまでもずっと1、2、3ということで、お名前の公表は今後もないんでしょうか。お名前の公表はできないものなんでしょうか。その点はどうなんですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 現在のところ、門の保存に関しましては賛成・反対両方の御意見がある中で、やはり中立的な立場から御意見をいただくということで御意見をいただいていますので、現在のところ氏名の公表をする予定はございません。

むとう委員

 それぞれ学識の方は、自分の知見の中で責任を持った御意見をおっしゃってくれているんだというふうに思いますので、御本人の皆様方は自信を持って御意見を出されているから、名前を出されては困るということでもないのではないかというふうに私は感じてはおります。どの方も、ちまたでは御意見が分かれているというような状況かとは思いますけれども、この学識の方々は残す必要はないという御意見はないんですよね。そこは確認させてください。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 3人の学識の方々は、やはり文化財の専門家ということもございまして、3人とも残すべきだという御意見ではございました。

むとう委員

 それで、学識者2の方は国の重要文化財になることも期待すると書かれておりますけれども、国の重要文化財になる可能性もあるというふうに思ってよろしいんでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 3人の学識の方々からは、東京都の指定文化財相当ではあるということはいただいておりますが、さらにその上を狙う可能性は、お一人はあるとおっしゃっています。

むとう委員

 そういった学識の方々の貴重な判断・御意見を伺って、区といたしましては、担当者は、以前から聞くまでもなく文化的な価値はありますということを区の方もおっしゃってきていたことですけれども、さらにそういった専門家の方々から、文化的な価値もあり、もしかしたらば国の文化財にもなるかもしれないというようなことを伺い、担当者としてはやはり残していきたいというような御意見をお持ちなんでしょうか。担当者自身はどのようにお考えなんでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 担当としましては、区の政策が出ていない中で単独の判断はできかねるところでございますが、やはり調査、それから、記録保存は最低限必要だと考えております。

むとう委員

 調査はする必要がありますけれども、記録の保存じゃ私はいかがなものかと思いますので。私もこういった知識を持つ専門家では全然ないんですけれども、学識の方々が中立な立場でこの門を見ていただいたときに、文化的な価値もあり、残したほうがよいというような御判断というのは、しっかり区のほうでも決定する際に重く受けとめて、謙虚に受けとめていただけたらというふうに思います。そして、門なのか学校なのかというような私は選択ではなくて、門も重要だし、学校としての敷地や建物も必要だというふうに、両方必要だというふうに私は思いますので、どちらかを優先するとかではなくて、両方ともうまいことできるようなことをやはり調整していっていただくのが私は一番いいことかなというふうに感じているところです。

 そして、先ほど休憩の中で、別紙の3については教育委員会のことなのでということではあるんですけれども、先ほどの休憩のときの御発言の中で、この門というものの考え方で、建築物と考えるのか工作物と考えるのかによって、この敷地の使い方が違ってくるという要素がまだまだあるということを、休憩中ではありましたけれども、お伺いをいたしました。ですから、そういうことを踏まえると、次の区民との意見交換会のときにこの図面を出されると、これは多分、この別紙3-3とかというのは、門を残したときに紫色の線で敷地をくくっているわけですけれども、これは建築物として考えた考え方なわけですよね。でも、これが出てしまうと、これしか考え方がないのかなというふうに受けとめてしまうと思うんですね。だから、これを工作物として受けとめれば、またこの敷地の使い方、紫の部分も変わってくるよというようなこともしっかり区民に情報提供をしていただかないと、的確な判断にならないのかなと思います。そして、今ある紫の外側の通路と言われている部分が工作物ということであれば使えるということになると、この紫の部分、今の紫の部分のこの道をつくっている部分って幅がどれぐらいなんでしょうか。この部分の面積ももしかしたら学校ということで使えてくると、学校の建設そのものにも違った設計図面も出てくる可能性があるんじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがなんですか。答えることはできるんでしょうか。

小田健康福祉部長

 仮定のお話で先ほど休憩中にちょっとお話しさせていただきましたけれども、判断につきましては、建築主事の判断になる部分、建築物であるか否かというところもございますので、現在のところは、教育委員会といたしましても、通路が仮に将来的に使えなくなる場合もあるという可能性も踏まえた上での図面というふうに理解をしておりまして、あくまで今使えておりますけども、下水道局のほうが保有している土地を通路として使わせていただいているだけですので、未来永劫そこが確保されるかどうかというのは、区側の責任においては言い切れないところでありますので、現在のところはこういう形でお示しをしていきたいというふうに考えております。

むとう委員

 でも、それは、都側と交渉することによって、今のまま通路として使えるかもしれないし、これはあくまでも建築物ではなくて工作物ということを、建築主事の方の判断、建築主事というのは中野区の建築主事の判断なんでしょうか。

小田健康福祉部長

 区の建築主事ではありますけれども、今の段階では恐らくどちらかというような判断はできていないところですので、区といたしましては最大限の可能性の中での図面というふうに理解をしております。

委員長

 委員会を休憩します。

 

(午後3時02分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午後3時20分)

 

委員長

 休憩前に引き続き質疑を行います。

むとう委員

 休憩前の質問の途中になってしまったので、どこまで質問したかちょっとわからなくなっているので、重複するかもしれませんけれども。本当にこの門についての扱いが建築物なのか工作物なのかというところでも、道路が必要になるとか、今の通路をそのまま使わせてもらえるのかもしれないとか、まだまだ不確定な要素があって、考え方はいろいろ考えられるんだなということがきょうの質疑の中で私はわかりました。

 それで、やっぱりちょっと気になるのは、門を残した場合はこんなイメージですよというので、別紙3の3と4が出されているわけですけれども、これだけ見ると、これが示されると、通路はこっち側に行くのかな、こっちは考えられないのかなとか、門を残すためには校舎が3も4もどちらも片側にぐしゃっとまとめちゃっているような図面しかないんですけれども、実は中野のこの門のことを大切に考え、門も学校も共存する形で残すことができないかということを考えられている建築家の方々は何人もいらっしゃって、そういう方々が少ない情報の中でそれなりに図面を考えてくださると、こういう考え方だけではなくて、さまざま校舎の必要な面積であるとか、最低限学校に必要なトラックだとか直線をもっとたくさんとるような形で、全くこれとは、別紙3とか4とかと違うような図面のアイデアもいっぱい聞かれるんですね。だから、本当にこれだけを示されちゃうと、これで固定観念を持たれちゃうと、まだまだいろんな可能性があるということが潰されてしまいますので、説明会のこの部分の説明は、こちらじゃない、平田さんではないのかもしれないんだけれども、あくまでもこれは一つのイメージであって、これだけではないと。まだまだ学校も生かしつつ、必要な面積もとりつつ、門も残しつつというような、いろんな図面は、いろんなアイデアがまだまだあるんですということをしっかり伝えていただきたいというふうに私は思います。

 それで、やっぱりこれが出てすごく嫌だなと私が思ったのは、特徴で書かれている丸の一番上のところなんだけれども、門をこういう形で残すと、校庭を確保するために4階建ての校舎となるというふうに限定して書かれているんですね。これはどこかに委託して民間の業者がつくったものかと思うんですけれども、4階建てにならなくても、3階建てのままで面積が確保できるというような中野区在住の建築家の方々のアイデアの図面も実は私はもらっていたりもしておりますので、こういう形で決めつけたものを説明会に出すのはいかがなものかなというふうに私は思うんですけれども。これは多分所管が違うのかなとは思うけれども、「校舎となる」とか、それから、「学校敷地が狭くなる」とかというのもどうなるかまだわからないわけですから、決めつけたような書き方の説明資料は出さないでいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 学校の図面につきましては、今回、委員御指摘のとおり、あくまでもイメージとしてお示しするものでございます。ですので、決定ではないということは前提条件として御説明した上でお示ししていきたいと考えております。

むとう委員

 そこをしっかり説明されないと、こういうものが絵になって図面で出されると、こうしか建たないのかなというふうに素人は思ってしまうんですよね。私も全然建築の知識はないので、こういう図面を出されると、門を残すとこういうものしかつくれなくなっちゃうのかなというふうに思えてしまう。そしてなおかつ、こういうふうにする場合には4階建ての校舎になっちゃうんだよとか、学校敷地が狭くなるということが断定した言葉で書かれた説明書が出てくると、これ、全然、先ほど学識の方の考え方を忠実に描きたいとおっしゃったことと逆に教育委員会のほうは違っていて、中立どころか断定して書いてしまっているところがとても気になりますので、これは教育委員会と十分お話し合いをしていただき、この断定した書き方というのは改めていただきたいですし、文書を改める訂正ができないのであれば、説明会でその点は十分に説明していただかないといけないと思っております。そして、区はこれ、どこか業者に委託してやっているんですよね、教育委員会。この図面は誰がつくったものなんでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 所管外です。

むとう委員

 だから、多分、一業者の方が一業者の考え方を示しただけにすぎないので、まだまだ幸い中野区には平和の門も大事に残したい、文化的価値も大事だということと、学校の校舎も大事だから、学校と両方併用でうまいことできないかというふうに考えていらっしゃる建築家の方が多くいらっしゃいますから、これだけで決めてしまうとか、この図面だけをもってして突き進むようなことがあってはならないというふうに私は思っているところですけれども。区は、そういった中野区内に住んでいらっしゃって、両方をうまいことつくれるよみたいにおっしゃって、プランも出してくださっているような建築家協会の方であるとか、そういう方々と改めて懇談していこうというようなおつもりはないんでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 さまざまな方々からの御意見をいただきながら、最終的に検討していきたいと考えております。

むとう委員

 ぜひお願いしたいと思います。繰り返しになりますが、これ、教育委員会と説明会の前に、断定した表現についてちょっと避けるようにお話し合いとかはしていただけないでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 意見交換会やタウンミーティングに当たりましては、教育委員会と打ち合わせ等を行ってまいりますので、その中で御要望については伝えてまいりたいと考えております。

むとう委員

 本当にいろんなことを知恵を出し合って、両立するような考え方にまとまってほしいというのが私の願いですので、十分いろんな情報を意見交換の場で出し合いながら、門も両立、そのまま残せる、そして、学校もきちんと学校として成立するように建てられるということの両立を図るようなところで話し合いを進めていただきたいということを要望しておきます。

篠委員

 我々委員会としては、タウンミーティングですか、これ、意見交換会についての意見は述べることができる立場だというふうに思っていますので。それで、やはり書類をぱっと渡された場合、子文教で審議したのと両方渡されるという認識でいいんですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 子ども文教委員会と同じ資料で御審議いただいておりますので、同じものをお渡ししたいと考えております。

篠委員

 専門家の意見では、現地に残さなければ価値がないという部分は、別紙1の裏面で誰でも確認できると思いますね。それで、この委員会の範疇じゃないとは思うんですが、子文教の別紙3-3あるいは3-4というところはあくまでイメージという認識でおりますけど、特徴として、丸の四つ目ぐらいに、職員室・校長室を、校庭への見渡しや防犯上の観点に配慮した場所に配置することが難しいと。要するに、これはやっぱりさっきの別紙と同じように、相当強烈な書き方をされているわけですね。学校として本当の姿に持っていけないというぐらい強烈な意見として、さっきの土地が値段が違うんだろうとか、そういうこと以上にね。それで、タウンミーティングのところは、それぞれの特徴的なことはこういうことなんですというような、やっぱりみんなが特徴がよくわかるような話し合いの場にしていただきたいと思うんですけど、いかがですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 意見交換会ですとかタウンミーティングでは、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をいただきたいと考えております。そのために、資料としましては、できるだけ事実をわかりやすくお伝えするように工夫したいと考えております。

篠委員

 休憩中に申し上げましたとおり、最終的な判断は区長としても、やはり行動を起こすときには予算化して、議会の承認が得られないことにはまずいわけですね。予算が通らなくても、区長はやる権利はあるんでしょうけど、条例自体が通らないということになると、これはもう予算をつける価値もなくなっちゃうわけで。そういう意味では、我々大きくかかわっているわけですので。現時点ではタウンミーティングで本当にわかりやすい説明をまずして、子ども文教委員会の雰囲気はこうですとかということはまさか言えない場所ではあるんでしょうけれど、本当に資料の特徴的な部分はより鮮明に皆さんにわかるようにしていただくことを一応希望しておきます。

むとう委員

 私もちょっと、今、4階のことだけ、一番上のことだけで言いましたけれども、今、篠議員がおっしゃったように、この図面は、防犯上の観点に配慮した場所に配置することは難しい図面をあえて描いているというふうにしか実は思えないんですよ。だから、こういう配置にしているから、この図面の特徴はこうなのであって、これは門と小学校を配置したときの特徴ではないということです。この図面における特徴にすぎないということだと私は思っていますので、それがやっぱりこのまま配られると、実にこれ、誤解を与えてしまうものなんですよ。この図面だけ見ればそうなわけ。これはこの図面の特徴であって、本当に門を保存し、小学校の校舎をちゃんと校長室から、職員室から校庭を見渡せるような配置でつくることも可能なわけですから、そういう図面がこの業者は1個もないということが、この業者の力量のなさだと言わざるを得ないんですよね。

 ですから、当日これだけの資料だとすごく不備です。この図面の特徴はこうなんだけれども、この図面以外の特徴はこうではないんですから、両方、門も残し、校舎をつくったとしても。だから、そういう図面のアイデアを持っている建築家の方々が、幾つか図面、私、届いて、手にして見ていますけれども、目からうろこなんですよ。だから、そういう考え方ですれば、もっとトラックも50じゃなくて80メートルもとれるんだとか、いろいろありますから、逆に説明会で、こういうアイデアを出してくださっている区民の図面も、区民提案の図面というものも当日配付するとかということを許可していただければ、すごく広く議論が膨らむと思うんですけれども、そういうことを考えることは御無理でしょうか。検討してもらえないでしょうか。

小田健康福祉部長

 今回、子ども文教委員会も厚生委員会につきましても、当日、意見交換会で出すそれぞれの資料を提示して、各委員会の委員の先生方に御意見をいただくということになっております。今、むとう委員が御提案のように、区民の方が持ち込んだ資料、私どものほうもどういうものかわかりませんが、それを当日配った上で広く議論をするというのはちょっと難しいかと思っております。意見交換会で出すもの、タウンミーティングで出すものを事前に各委員会の先生方に見ていただきまして、御意見をいただいた上で臨むというのが区のほうの姿勢でございますので、さまざま各委員の先生方、御意見がありますところは承知してございますけれども、当日はこの資料に基づきまして、説明は丁寧にしていきたいと思いますけれども、意見交換会等臨ませていただければというふうに考えております。

むとう委員

 柔軟性がなくて残念だなと思いますけれども。あくまで、これ、ほんと書き方なんですけれども、繰り返しになりますが、この図面の特徴でしかないんですよ。この図面の特徴。だから、あえて4階建てにしたい、あえてここに、先ほど篠委員が問題にされた、職員室・校長室を校庭への見渡しや防犯上の観点に配慮した場所に配置することが難しいというのは、あくまでこの図面の特徴にすぎません。そのことをきちんと言っていただきたいですね。3階建てにすることも可能ですし、校長室や職員室から校庭が見渡せるところにつくることもできるということなども、そういう図面もあえてつくることは可能なんですということ。だから、この図面も単なる、こういう特徴を持った図面はこうなるけれども、この特徴というのは二つを残したときの特徴ではないと。あくまでもこの図面の特徴にすぎないということをきちんと、資料配付ができないのであれば、当日説明をしていただきたいということをお願いしたいと思いますが、いかがですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 当日は十分御議論いただけますように、資料の説明については丁寧にしていきたいと考えております。

甲田委員

 まず、ちょっと確認なんですけども、別紙の2で一部保存というのがありますけれども、これは仮の話で、解体のみ、保存しないという選択というのは幾らかかるのかというのが書いていないんですけども、それはわかるんですか、概算で。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 解体のみですと、現存します研修所の建物と一緒の解体となりますので、これのみを取り出した見積もりはとってございません。

甲田委員

 ということは、それはゼロということでよろしいんですか。向こうが、関東財務局のほうが、区が取得する前にということになるんですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 取得後の解体となりますので、区のほうで解体することになりますが、門を一緒に解体する場合はその中に含まれているということになりますので、特に費用等の見積もりには影響しないと考えております。

甲田委員

 じゃ、一部保存の場合の「解体し」というところの一部解体というふうになると、またこれは、この1億3,500万の中に入ってくると思うんですけれども、それは内訳というのはちょっとわからないですよね。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 この④の一部保存につきましては、正面を2メートルほどの厚さでスライスして壁に埋め込むという方法なんですが、スライスしたときに崩れないように保全をして、それで埋め込むという作業になります。もとの部分につきましては解体ということになります。ですので、今回の④の費用につきましては、スライスして保全して埋め込むという費用です。

甲田委員

 それで、別の建物の壁面に張りつける形なんですけど、この別の建物というのは何か想定があるんでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 現在のところ、既に決まったというところはございません。これからの検討でございます。

甲田委員

 でも、区内でもちろん、学校の中なのか、それか、もしくは公園なのか、何か想定というものがあると思うんですけど、それは全くないということですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 現段階では想定している壁というものはございませんが、運搬の費用等も考えますと、区内のできるだけ近接地がよいと考えております。

甲田委員

 でも、それが中野区の公共的な建物だとすればまだいいのかもしれませんけど、例えば駅だとか、何かそういったものにというと、またそこで費用がかかると思うんですけども、どうなんでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 現在のところ、民間施設の活用は考えてございません。

甲田委員

 これ以上聞いてもあれだと思いますので、一応確認でお聞きをしました。前回、いろいろ申し上げたんですけれども、我が会派としては特にこれがいいということを話し合っているわけでもありませんし、私自身として、個人的には地元で生まれ育って、この門をずっと見てきた立場として、本当に愛着はありますし、残したほうがいいんじゃないかとずっといろんなことを考えてきたところではありますけれども、ただ、議員になって、いろんな方々の生活ですとか、そういったことを見るにつけ、本当にそれでいいのかどうかいつも悩んできました。今、いろいろお示ししていただいた中で言うと、やっぱり平和の森小学校のこれまでの経緯が、本当に何年も何年も待たせてしまっているということがあって、ちょっと地元の方々に聞くと、やっぱり何でおくれているのかというのが、結局、区が何もしてくれないというようなふうに思っている人もいれば、ちゃんとした理由をわかっている方もいれば、この門のせいだと思っている方もいるみたいなんですね。この門がある、残すか残さないかということで、いろいろ考えている中で、決まらなくておくれているんだというふうに思っている方もいるみたいで、その辺は誤解のないようにきちんと説明をしていただいた上でやらなきゃいけないかなと思うんですけれども、法務省への移転がおくれた理由についてもう一度ちょっと。ここは所管外ですかね。でも、確認は、意見交換会のまず冒頭に確認をしておいたほうがいいのかなと思いますので、これは教育委員会のほうにお伝えいただけたらいいかなと思っています。

 大まかに言うと、やっぱり学校関係者にとっては、今も申し上げたように、一番大事なことはとにかく早く移転ができること。今、このスケジュールどおりに移転しても、今の1年生がやっと6年生になるときに開設できるということになりますので、早くしてほしいということが一番だということだし、また、残したい人にとっては、一番大事なことは現地に保存すること、これが一番大事だと。また、両方関係ない区民にとっては、お金がかからないことと、また、説明がしっかり、納得のいく説明がされること、これに尽きるのかなと思っていますけれども。もう本当に賛成・反対両方の意見というのはどんな場合にでもありますので、ぜひ、決定したときに納得のいく説明をきちっとできること、そしてまた、これが本当に、後になって、説明がないために、いろんなまた誤解を生まないようにしていただきたいなと思うんですけれども。

 この平和の森という名称も、やっぱり平和の森公園、また、平和の森小学校という名前がついた由来というのも、平和の門というふうに通称されていますけれども、ここの旧豊多摩刑務所に、本当に平和を請い願った人たちが実はいらっしゃって、そして、そのときは治安維持法違反ということで捕らえられていたと。だけれども、戦争を起こしてはいけない、そういう思いで平和という冠がついた、こういう地域になったのかなというふうに思いますので、そこのところはよく理解していただくことが大事かなと思いますし、この門自体に文化的な価値があるというのはもう今まさに示していただいたとおりだと思いますし、これは改めて確認しなければいけないと思うんですけれども、それと同じぐらいの大きさで精神的価値があるということも、あわせてしっかり区民の皆さんにもう一度よくわかっていただくということも大事かなと。その上で、本当に門という形あるものを残していくことが大事なのか、それよりも精神を引き継いでいくことが大事なのか、ここは本当に難しいところではありますけれども、そこにものすごいこだわりを持って私たちは言っているわけではなくて、区民の皆さんが本当にそれでよかったねと大方の人が言っていただけることが大事かなと思っていますので、ぜひそこを酌み取っていただいて、きちっと説明をしていただければなと思っています。

 なので、意見交換会に来られなかった方々、また、ここで意見を言えなかった方々の意見をどれだけ吸い上げるかということも大事だと思うんですけども、前にも申し上げたんですが、その辺は今どのように考えていますか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 2日間の意見交換会、タウンミーティングということもございますので、実際にいらっしゃれなかった方につきましては、メールやお手紙、それから直接の御来庁、ファクス等で御意見を賜りたいと考えております。また、期間につきましては、10月10日から今のところ26日までを想定しておりますが、決まり次第ホームページのほうでお知らせしたいと考えております。

甲田委員

 わかりました。そのお知らせもわかりやすくやっていただきたいと思いますし、教育委員会のほうで何かアンケートも配っているというような話も聞きますので、そういったものも活用して、しっかりと御説明をいただきたいなと思います。これは要望にしておきます。

いさ委員

 この門の価値についてもこれまでも何度も議論されてきたし、今も甲田委員がおっしゃっていたと思うんですけれども、歴史的な価値がある。そして、学術的な価値があり、技術としてもすぐれているし、意匠もすぐれている。これ、客観的な中立的な立場で呼んだ学識者の方3人ともそうおっしゃっているわけですよね。ですから、この門の価値についても疑うところはないというお話だと思うんです。その上で、東京都指定文化財になり得るということは、やっぱりこれは目指すべきだというお話、それはそういうストーリー、それは当然のことだというふうには思うわけなんです。

 その上でちょっとお聞きしておきたいのは、別紙3で示されたもの、3-3とか3-4にあるような格好のもの──全部から聞くか。これって、ちょっと重複するかもしれませんが、あくまで案であるということですよね。案の一つである。これの案については、今、むとう委員もおっしゃっていたように、いろいろな団体の方が既にこんなのがあるんじゃないかとおっしゃっている。その資料って区のところにも届いていますか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 私どものほうにはまだいただいていないような状況でございます。

いさ委員

 この先、案であるならば、そういった方の御意見も含めていろいろな方のお話を聞いてというところは、それはやるべきだというのはむとう委員と私も同じ意見です。これは、これから検討するのであれば、例えば建設にかかわる団体の方であるとか、今回は客観的な立場でないということで検討には入っていないけれども、平和の門の会の皆さんの中にも学識者の方がいらっしゃる。そういう方たちにもお話を聞いて、そこも案の中に、そのまま100%ということじゃないにしろ、アイデアを酌み取るなり、そういうことはルートをあけておくべきだと思うんですが、重ねてお伺いします。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 もしお寄せいただけるようでしたら、区民の御意見の一つとしていただきたいと考えております。

いさ委員

 わかりました。それで、先ほどのやりとりの中で、平和の門が建築物か工作物かの判断があるということだったんですけれども、これって、建築主事さんがいつごろ、何をもってというか、判断されるということなんでしょうか。それは何か今のところ明らかになっていることってありますか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 現在まだ土地の取得ができていない状況ですので、土地の取得をした段階で、改めてそのものを判断するということになろうかと思います。

いさ委員

 これでちょっと深まらないかもしれないけど、客観的な指標が必要だということなんですよね、それって、どちらであるのかというのは。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 工作物、また建築物の取り扱いについては所管外でございますが、建築主事がそれなりの法律に基づいて判断するものと考えてございます。

いさ委員

 ありがとうございます。だとして、ちょっとお聞きしたいのは、建築物か工作物かというお話が、中野区や東京都の文化財の指定と何かかかわりがありますか。つまり、建築物だったらオーケーだけど、工作だったらノーとか、そんなことはありますか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 そちらは特に影響ございません。

いさ委員

 とすると、3-3や3-4に示されたような通路のありようというのは、文化財の指定とは直接はかかわりがないということでよろしいですね。確認です。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 通路につきましては、公開のために通るための通り道として設定しているものでございますので、文化財そのものの必要性ということではございません。

いさ委員

 公開の方法なんですけれども、何か法規的に、通路があるかどうかという話をちょっとさておくと、例えばこれって、学校の中にぽんとそれがあって、学校が日曜日なりにお休みで子どもがいないときに、そのタイミングで公開するというような方法も検討されるかと思うんですが、これはいかがでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 学校運営上の話になりますので、現段階でまだ決まっていないことではございますが、常時開放するか、それとも時限的開放をするかにつきましては検討できるものと考えております。

いさ委員

 重要な回答をいただきました。つまり、それ自身もこれから先決まることであって、これありきではないということですよね。大変重要な回答だと思います。それで、この図面で言うと上ですよね、北側の通路の話、先ほどから出てきています。これは確認ですけど、土地は水道局のものであって、その上の利用についてお許しをもらって通っているという格好なわけなんですよね。これって、水道局と協定を結ぶなりして、利用の仕方をこうしましょうと取り決めを交わすということは考えられませんか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 現在、下水道局の管理用通路ということでして、歩行者の通路用に許可をもらって区が管理しているものでございます。ですので、現在も通路としての許可は都からもらっている状況ですので、今後それが永続されるかどうかというところについては、まだ現段階で保証がないものでございます。

いさ委員

 という回答を得ていたんですけれど、そこいらあたりを何らか協定を結ぶことで解消できないかなというつもりで聞いています。つまり、あらゆる可能性を排除しないでほしいということなんです。仮にこの通路が必要なんだとして、やっぱり校庭の中につくらないで済むならば、そのほうがいいかなと思うんです。であれば、そちら側もあらゆる検討をもって、水道局と協定を結んでできるならそうするし、それが、こういう通路や広場そのもの、見学の用地そのものを用いないで済む、先ほど言ったように、学校自身の児童がいないときに、ある日曜日に、その日だけ開放しますなんて方法がとれるのであれば、それだって検討していいことなんですから、であれば、この紫の土地の問題は解決するわけなので。そういうところも含めて検討いただきたいのと、それは、あらゆる材料があるのであれば、そのあたりも含めて説明会でお話しいただきたいんですが、この点どうでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 まず、通路の問題につきましては、下水道局との交渉が必要なことになりますので、今ここでできますという断言はできないと考えておりますが、可能性としてはなくはないという程度のものになります。また、意見交換会のときにどこまで詳細に説明するかということにつきましては、わかりやすさという点と時間的な点から、ちょっと工夫をしてまいりたいと考えております。

いさ委員

 というのもわかるんですけどね、限られた時間ですから、多分いろんな意見もばあっと出てくるだろうし。ただ、検討する材料が限られていると、やっぱりさっきむとう委員がおっしゃったように、この中で考えなきゃいけないのかなみたいになってしまいかねないと思うので、いや、そうじゃないよというところは明らかにしてほしいというのが要望です。

 それで、もう一つ、門の保存等に係る概算経費です。別紙2のところですね。現地保存についても2種類ありますね。これと文化財指定の関係についてお聞きしたいんですけど、そこはかかわりがありますか。つまり、どちらかだったらだめみたいなことはありますか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 現地保存の①、②につきましては、特に制約はございません。

いさ委員

 というようなことも含めて、ある限りの情報を意見交換会でお知らせいただきたいなということで要望としておきます。

加藤委員

 すみません。確認、二つだけさせてください。どの図面も東側の通りに面している、ちょっと出っ張っているところが、子文教の範囲かわからないですけど、紫の旗の根元のところの四角いエリアって何にも使われていないんですけど、これというのは意図があるんですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 所管外です。

加藤委員

 あと、もう一つですけれども、先ほど部長からもちょっとお話があって、今回に限ってはどうなのかわからないので確認したいんですけども。ちょっと大分いろんな指摘があって、このままの資料を今度の意見交換会、タウンミーティングで使われるのかなというところが非常に疑問なんですけど、修正をされる予定というか、修正していただきたいんですけど、その辺はどうでしょうか。修正というか、内容をもうちょいよくして。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 時間的な制約もあって、どこまで修正できるかというところが1点。それからもう1点は、閉会中の委員会で、説明に供する資料は委員会にお示ししますということをお約束したということもございまして、大きな修正は難しいと考えております。ただ、表現とわかりやすさにつきましては、教育委員会と協議の上、修正してまいりたいと考えております。

加藤委員

 いろんな懸案事項とか未確定事項とかが、ちょっともう箇条書きでもいいので書いてくれないと、多分まだまだわからないことだらけだよということだけでも認識していただきたいとか、あと、僕もさんざんさっき言いましたけど、区の予算が幾らかということを知らない限りは、この値段が高いのか安いのかも区民には全く理解ができないのかなと思いますので。そういった、ここの委員会の人たちほどの知識はなかったとしても、事の重要性みたいなのがわかるようなところを理解してもらえるような資料づくりをしていただいて、できればこれができる前にちょっと資料を拝見させていただけたらなと思いますけれども、いかがですか。難しいですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 最初の意見交換会が14日になりますので、それ以前に資料をお示しするのは難しいと思います。

加藤委員

 別に委員会でというわけじゃないですけど、持ち回りでもいいんですけど、そういったことは不可能ですか。難しいですか。

小田健康福祉部長

 さまざま委員の皆様から御意見をいただいております。今回、修正の箇所や内容につきましても、各委員の先生方で御意見が違ってしまうと、またそこの調整をどうするのかという話もありますので、なかなか細かい御要望をどこまで応じられるかというのは難しいかなというふうに思っております。

加藤委員

 別に、そこでもうこれ以上、意見交換会の当日にもうこれでやりますと、それは報告でいいとは思うんですけども、そこから要望は、こちらはできるわけもないとは思うんですけども、どういったので臨まれるかというのを確認することは難しいですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 区のホームページのほうになりますが、実際にメールですとかお手紙、ファクス等で御意見をいただく際には、説明会の資料を一緒にアップすることを今考えております。ですので、最終形はそちらで御確認いただけると考えております。

日野委員

 すみません。一つだけ確認をさせていただきたいんですけど。私個人の意見からすると、この門のあり方というのは、一番は、やはり学校を利用する方の意見というのが一番尊重されるべきなんじゃないかなというふうに私は思うんですね、今後利用される方。なので、ここの委員会では所管外になるので、なかなかその辺は質問できないと思うんですけども、1点、もしこの門を現地にそのまま残すのであれば、やっぱりこの門が文化財として、また、先ほど甲田委員からもあったように、精神性というのがしっかりと皆さんにわかるような形で残らなきゃいけないなというふうに思うんですよね。せっかく残したのに、例えばこの学校を利用する子どもたちから、何だ、邪魔だなと思われるようなものであったりとか、地域の方から何で残したんだろうというように思われては全く意味がないというふうに思いますし、その辺がすごく大事なのかなというふうに思っています。また、逆に残さない方向でいくのであれば、なぜここに門があったのか、やっぱりそういったことというのは残していかなきゃいけないと思うんですけども、その辺だけ1点確認させていただきたいと思います。どのようにお考えでしょうか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 豊多摩刑務所の門ということがございますので、その門がなぜそこにあるのかといった経緯につきましては、門があるなしにかかわらず、調査資料の公表、それから、記録保存等はしてまいりたいと考えております。また、もし門が残ることになった場合でも、そこにある意味ですとか、あと、豊多摩刑務所の経緯、そういったものにつきましては十分公開してまいりたいと考えております。

 先ほどひやま委員の御質問で、中野区に都の文化財が幾つあるのかという御質問でございました。現在、区内に4個、4カ所といいますか、指定がございます。正確に申し上げますと、場所としては3カ所、それから、無形が一つございます。

ひやま委員

 先ほど来、記録というような話がありますけれども、例えばこれって、旧豊多摩刑務所跡地については、歴民とかでいろんな資料とか、展示とかというのはされているんですか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 現在、常設の中で触れているような状況でございます。

ひやま委員

 わかりました。今回、改めてこういった文化的価値のあるものというのが客観的にこうやって示されたわけですので、コスト、それから、学校への影響などを見きわめていただきながら、しっかりと次世代に継承していただきたいというふうに要望しておきます。ありがとうございました。

委員長

 他に質疑はございませんか。よろしいですか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了します。

 次に、6番、知的障害者生活寮・在宅障害者(児)緊急一時保護事業の見直しについての報告を求めます。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 知的障害者生活寮・在宅障害者(児)緊急一時保護事業の見直しについて、お手元の資料(資料7)をもとに御報告させていただきます。

 知的障害者生活寮及び在宅障害者(児)緊急一時保護事業は、福祉作業所等に通所または就労している知的障害者に生活の場を提供することにより、地域社会での自立生活を助長することを目的として設置されたもので、やまと荘とやよい荘の2カ所がございます。

 知的障害者生活寮は昭和61年11月から、在宅障害者(児)緊急一時保護事業は平成2年1月からやまと荘において事業を開始し、実施してきました。その後は、平成18年に障害者自立支援法が施行され、平成25年に改正された障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の施行により、障害のある方が地域で安心して暮らすことができるよう、総合支援法による障害福祉サービスとして、共同生活援助及び短期入所の整備が進められ、区内におきましても施設が整いつつあるという状況でございます。

 本事業を開始した当時は、総合支援法などに基づくサービスがなかったため、区の単独事業として実施してまいりましたが、このたび、生活寮等の事業の見直しを行いましたので、その内容につきまして御説明をさせていただきます。

 1、見直しの理由についてですが、4点ございます。

 1点目は、やまと荘の建物は建築から48年が経過しております。エレベーターがないため、緊急一時保護事業を利用される方が限定されているという状況でございます。平成29年度の利用率について御参考に申し上げますが、やまと荘、やよい荘ともに定員2名で実施しておりますが、やまと荘は53.2%、やよい荘は67.7%で、やや低い状況でございます。

 2点目は、区単独事業の知的障害者生活寮事業は、グループホームによりサービス提供が可能となってございます。

 3点目は、区単独事業の在宅障害者(児)緊急一時保護事業は、ショートステイや中野五丁目障害者多機能型通所事業所「コロニーもみじやま支援センター」におきまして実施している区単独事業の短期緊急支援事業を組み合わせることにより、サービスを提供することが可能となってございます。

 4点目を御説明する前に、恐れ入りますが、資料の2枚目に添付しております資料、「生活寮及び緊急一時保護施設の概要」をごらんいただきたいと思います。

 生活寮の概要ですが、やまと荘、やよい荘ともに生活寮と緊急一時保護事業を実施しております。なお、やよい荘は平成4年9月から事業を開始しております。生活寮につきましては、利用期限を設けず生活の場を提供する長期利用と、地域での自立生活を体験することなどを目的として1年間の期間がある短期利用があります。長期に利用されている方は、定員2名に対しまして、現在、やまと荘は2名、やよい荘は1名でございます。短期に利用されている方は、定員2名に対しまして、現在、やまと荘は2名、やよい荘は1名でございます。やまと荘は大和福祉作業施設、やよい荘は弥生福祉作業施設と併設となっており、生活寮と福祉作業施設は異なる社会福祉法人が運営しております。二つの福祉作業施設は、就労継続支援B型、生活介護の事業を実施しております。

 恐れ入ります。1枚目の資料にお戻りいただきたいと思います。

 先ほど御説明しましたとおり、知的障害者生活寮は社会福祉法人が運営する福祉作業施設と併設になっております。生活寮の部分をグループホームまたはショートステイに転換し、単独で施設を運営した場合には、施設運営に必要な一定の規模が得られないため、事業の採算性という点から運営事業者の確保が難しいという状況がございます。

 次に、2、見直しの概要についてです。

 1点目は、生活寮等は、現在の指定期間が満了する平成30年度末をもって廃止いたします。

 2点目は、廃止後のやまと荘については、建築から48年が経過し老朽化しているため、新たな事業は実施しないことといたします。

 3点目は、廃止後のやよい荘は、(仮称)やよい寮といたしまして、生活寮に入寮されている3名の方がグループホームまたは高齢者施設などへ住みかえをされるまでの間の暫定的な施設とし、全員の方が住みかえられた後は、(仮称)やよい寮は終了いたします。

 次に、3、今後の予定といたしましては、平成30年10月、見直し案の利用者説明と区民周知を行い、同年11月、中野区知的障害者生活寮条例の廃止に関する議案を提出させていただき、平成31年3月末、やまと荘、やよい荘における生活寮、緊急一時保護事業の廃止を予定しているところでございます。

 御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。

いさ委員

 やまと荘には現在2名で、やよい荘に1名いらっしゃる。この方々は、そうなるとどうなるのでしょうか。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 現在、長期で利用されている方ということで、やまと荘2名、やよい荘1名の方につきましては、こちらは3月末をもって事業を廃止いたしますので、その後につきましては、やよい荘の部分、先ほどやよい寮と申し上げたんですけども、そちらのやよい荘のところで、長期の方につきましては、次のグループホームですとか高齢者施設などの、その先に移っていただくといいますか、そういうところが決まるまでの間、一時的に、暫定的に実施する(仮称)やよい寮のほうで移っていただくという予定でございます。

いさ委員

 ということであれば、その方が決まるまでの間は続けてそこでということでいいんですよね。それは本当に、すごく丁寧にやっていただきたいなという思いです。長期のところについては、今、グループホームがあると。もみじやまのあそこですよね。短期についてはどうなっているんだっけ。またかわりの、代替の事業があるんでしたよね。確認です。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 緊急一時保護事業のほうにつきましては、かわりになるサービスとしましてショートステイということを考えてございます。ことしの4月にもみじやま支援センターのほうが開設をいたしまして、そちらのほうが短期入所4名ということと、短期緊急一時支援事業としまして1名の定員で実施してございますので、そちらのほうの利用を受け皿として考えているところでございます。

甲田委員

 すみません。見直しの理由なんですけれども、やまと荘、これ、緊急一時保護の利用率が定員2名に対して53.2%、やよい荘のほうは67.7%で、やや低いとおっしゃっていたんですけど、緊急一時保護の利用率でこれ、低いんですか。緊急的に入る方がいるということは、多少あいていなきゃいけないので、いつも100%というわけにはいかないと思うので、これは理由にならないんではないかなと思うんですけど、どういう見解なんでしょうか。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 こちらの利用率についてなんですけれども、区内にございますほかのショートステイを実施しているところと比較いたしますと、比較的高いところと比較しますとやや低い状況にあるというふうに判断してございます。

甲田委員

 ちょっとよくわからないんですけど、緊急一時保護事業とショートステイというのはどう違うんですか。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 緊急一時保護事業とショートステイともに、利用される要件といいますか、そういったものは、介護されている方の御病気であったりとか、あとは冠婚葬祭であったりとか、レスパイトも入っているんですけども、そういったことで御利用いただけるものではあるんですけれども、根本的なものとしましては、緊急一時支援事業につきましては、総合支援法に基づくサービスではないというところと、この緊急一時保護事業というのは法律に基づくものではないので、区単独の事業として実施してきたというところでございます。ですので、利用される御要件としましては、同じように利用していただけるものでございます。

甲田委員

 利用される対象は同じだと思うんですけれども、ショートステイというと、計画的にレスパイトとかをやる部分が大きいのかなと思いますし、区独自で今まで緊急一時ということでやってこられたということで、これ、障害者だけではなくて障害児も対象だったと思うんですね。子ども家庭支援センターのほうだとか児童相談所のほうからの措置というか、そういう形でも使っていたのかなと思いますと、もみじやまにできましたショートステイのところが全て代替になるのかどうかというところがちょっと気になるところなんですけど、いかがでしょうか。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 緊急一時保護事業につきましては、対象になる方が小学校就学児からということになってございます。4月に開設をいたしましたコロニーもみじやま支援センターのほうにつきましては、そういった年齢にかかわらず、体制としてお受けできるようであれば受けられるというふうな話は伺っているところでございます。

甲田委員

 コロニーもみじやまのほうも、じゃあ、小学校に就学している障害児に関しても受け入れはできるんでしたっけ。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 一応年齢は要件ではないというふうに伺っておりますので、やはりお一人おひとりの障害ですとか、そういったことによるものは、全ての方がお受けできるということではないかと思っておりますけれども、一応年齢要件としてはお受けできるというふうに伺っております。

甲田委員

 このやまと荘、やよい荘に関しても、全ての障害児が受け入れられるわけではなかったと思います。ちょっと詳しく覚えていないんですが、一度相談を受けたときにいろいろ聞いた際に、そういったことがあったかなというふうに思いますので。ちょっと資料を勉強していないのでわからないんですけども。今まで使えていたものが使えなくなるということがないようにしていただきたいなというのがあります。

 長期で入られていた方がやよい寮のほうに移るということなんですけれども、今現在入られている方というのは、多分福祉作業所等に通所されている、または就労されているということですけども、通うのに不便になってしまったりとか、そういった何かふぐあいというのは生じないんでしょうか。その辺も教えてください。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 長期に利用される方につきましては、この委員会報告後に、御本人様ですとか御家族ですとか、関係する方に御説明を丁寧にしていきたいというふうに予定しておりまして、その中で、御本人様の御意向なども伺いながら、御要望に沿えるような形で検討していきたいと考えております。

甲田委員

 御本人様の御意向をまだ何も聞かないで、いきなりもう委員会に言われているんですか。そういうことってあるんですか。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 御本人様にはこれからというふうに予定しておりますが、御本人様の御家族ですとか関係者の方にはもう事前にお伝えしているところで、委員会終了後、御報告後にお話をさせていただく予定でございます。(「休憩してもらっていいですか」と呼ぶ者あり)

委員長

 委員会を休憩します。

 

(午後4時19分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午後4時21分)

 

甲田委員

 やよい寮に移られても、同じ指定管理者がやっていただいているので、そこは連携できるのかなというふうにも思いますけれども、そこはしっかりと、今通われているところとかの整合性とか、本当に住みなれたところから移るというときに、やっぱり丁寧にやっていただきたいなということがあります。

 あと、もみじやまのほうですか、中野五丁目のほうの、現在、利用率というのはどのぐらいなんでしょうか。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 利用率につきましては26%でございます。

甲田委員

 わかりました。グループホームももっともっとふやしてほしいというふうに、本当に親亡き後のことを考えられた保護者の方がたくさん言われていますし、高齢化もしていくということで、介護保険の制度に移っていくということもありますけれども、ただ、やっぱりふえていく可能性も高いですので、しっかりとここは事業者とも連携していただいて、サービスが低下することのないようにしていただきたいなと思います。要望にしておきます。

いさ委員

 ちょっと聞き漏らしました。やまと荘が建物が古いというお話でした。これ、福祉作業所とは建物は分かれているんでしたっけ。同じ施設なんでしたっけ。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 一つの建物の中に二つの、やまと荘と福祉作業所が併設となっているような形です。

いさ委員

 とすると、こちらも古いということになるかと思うんですけど、そのあたりは何か建て直し、補修、計画はあるんでしょうか。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 やまと荘のほうにつきましては、やはり築48年が経過しているというところでございますので、建てかえ等の計画というのは今後検討していく必要があると考えております。

いさ委員

 今、やまと荘とおっしゃったんですけど、大和福祉作業所でいいですか。

菅野健康福祉部副参事(障害福祉担当)

 はい、そのとおりでございます。

委員長

 他に質疑はございませんか。よろしいでしょうか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告については終了します。

 次に、7番、その他で理事者から何か報告はありませんか。

岩浅健康福祉部副参事(福祉推進担当)

 江古田三丁目のアポロ園跡地で、社会福祉法人によりまして整備を進めております認知症高齢者グループホームについて、口頭で報告をさせていただきます。

 当初、来年2月の開設に向けて準備を進めてまいりましたけれども、開設が1カ月、3月1日になるという御報告でございます。

 理由でございますけれども、当初、旧アポロ園の施設を除却後、本年2月から建設工事を開始し、11月上旬に竣工する予定でございました。除却工事に時間がかかりまして、工事開始が1カ月おくれの3月となったために、工事が終わらないというものでございます。当初予定どおりの開設を目指して工事を進めてまいりましたけれども、1カ月間のおくれを取り戻すことができずに、11月の下旬の竣工ということになりましたので、そこから1月中に指定を取ることは困難ということで、1カ月おくらせるというものでございます。

 なお、本施設が開設いたしますと、認知症高齢者グループホームは区内20カ所、330名定員、小規模多機能型につきましては7カ所、190名定員ということになります。

 報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。よろしいですか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 他に報告はありませんか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 それでは、私のほうから棟方志功サミットin南砺への参加について口頭で御報告させていただきます。

 昨年度当区で開催されました棟方志功サミットにつきまして、本年度は9月23日に富山県南砺市において開催されました。当区からは区長、議長のほか、関係者の方々に御参加いただいております。

 また、前日、22日にはサミットに関連した事業としまして、関連施設の視察及び情報交換会が行われてございます。視察では、棟方作品が展示されている福光美術館のほか、当時棟方と関係の深かった光徳寺等を訪問してございます。

 また、サミットでは基調講演としまして、棟方志功研究家の石井頼子氏の講演とともに、青森市、中野区、杉並区、南砺市の各市長により、棟方志功が地域に与えたものをテーマとしてパネルディスカッションをしてございます。

 各事業におけます参加人員は、視察が26名、情報交換会が95名、サミットが約230名となってございます。

 なお、来年度の開催についてでございますが、当初開催予定でありました倉敷市が今夏の台風被害による対応が続いている状況であるため、来年度は中止といたしまして、再来年度、杉並区において実施を予定しております。

 御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。よろしいですか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で本報告について終了いたします。

 他に報告はありませんか。

平田健康福祉部副参事(文化・スポーツ担当)

 すみません。1点答弁訂正をお願いいたします。

 先ほどの中野刑務所門のあり方についての御質疑の中で、区内の建築家の方々からの図面について区は受け取っていないと申し上げましたが、教育委員会のほうに提出していただいておりまして、これから情報を共有していきたいと考えております。

 以上、訂正でございます。

委員長

 訂正に対して何かございますか。よろしいですか。

いさ委員

 どういう団体から出たものというのは明かすことはできるんですか。

委員長

 委員会を休憩します。

 

(午後4時28分)

 

委員長

 再開します。

 

(午後4時28分)

 

 他に御報告はございますか。よろしいですか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で所管事項の報告を終了いたします。

 次に、所管事務継続調査についてお諮りいたします。

 お手元に配付の文書(資料8)に記載された事項について、引き続き閉会中も調査を要するものと決することに御異議ございませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんので、そのように決定いたします。

 審査日程のその他に入ります。

 委員会を暫時休憩いたします。

 

(午後4時29分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午後4時34分)

 

 休憩中に御確認いただきましたとおり、次回の委員会は11月7日(水曜日)午後1時に行うということで御異議ありませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんので、そのように決定します。

 以上で予定した日程は全て終了いたしますが、委員、理事者から特に御発言はございませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で厚生委員会を散会いたします。

 

(午後4時34分)