平成30年12月03日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成30年12月03日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録

.平成30年(2018年)12月3日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  加  藤  たくま         2番  若  林  しげお

  3番  日  野  たかし         4番  杉  山     司

  5番  ひやま      隆        6番  山  本  たかし

  7番  渡  辺  たけし         8番  細  野  かよこ

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  いでい   良  輔

 11番  高  橋  かずちか       12番  内  川  和  久

 13番  木  村  広  一       14番  甲  田  ゆり子

 15番  小  林  ぜんいち       16番  中  村  延  子

 17番  内  野  大三郎        18番  小宮山   たかし

 19番  広  川  まさのり       20番     欠  員   

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  伊  東  しんじ        24番  平  山  英  明

 25番  南     かつひこ       26番  白  井  ひでふみ

 27番  森     たかゆき       28番  いながき  じゅん子

 29番  石  坂  わたる        30番  小  杉  一  男

 31番  い  さ  哲  郎       32番  大  内  しんご

 33番  高  橋  ちあき        34番  伊  藤  正  信

 35番  篠     国  昭       36番  小  林  秀  明

 37番  久  保  り  か       38番  酒  井  たくや

 39番  近  藤  さえ子        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  白 土   純

 副  区  長  横 山 克 人      政 策 室 長  朝 井 めぐみ

 経営室長、新区役所整備担当部長  髙 橋 信 一      都市政策推進室長 奈 良 浩 二

 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹    区民サービス管理部長 上 村 晃 一

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺   眞     健康福祉部長   小 田 史 子

 保 健 所 長  向 山 晴 子      環 境 部 長  岩 浅 英 樹

 地域まちづくり推進部長 角   秀 行   都市基盤部長   豊 川 士 朗

 政策室参事(企画担当) 杉 本 兼太郎  経営室参事(経営担当) 石 濱 良 行

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  吉 村 恒 治      事務局次長    古 本 正 士

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  井 田 裕 之

 書     記  冨 士 縄  篤      書     記  野 村 理 志

 書     記  鎌 形 聡 美      書     記  遠 藤 良 太

 書     記  松 丸 晃 大      書     記  古 谷 友里香

 書     記  吉 田 光 洋      書     記  有 明 健 人

 

 議事日程(平成30年(2018年)12月3日午後1時開議)

日程第1 第77号議案 平成30年度中野区一般会計補正予算

 

午後1時00分開議

○副議長(南かつひこ) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 11月30日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 甲 田 ゆり子

 1 「孤育て」に対するあたたかな支援について

  (1)一時保育事業について

  (2)多子世帯の支援について

  (3)その他

 2 生まれ変わる新たな児童館について

 3 平和の森公園の犬の広場と動物愛護推進について

 4 西武新宿線沿線まちづくりの推進について

 5 防災・減災対策について

 6 就労支援について

 7 その他

 

○副議長(南かつひこ) 最初に、甲田ゆり子議員。

〔甲田ゆり子議員登壇〕

○14番(甲田ゆり子) 平成30年第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問をさせていただきます。

 質問は通告どおりで、7のその他はありません。

 初めに、1番、「孤育て」に対するあたたかな支援について伺います。

 今回のタイトルは、あえて孤独な育児という意味で、子育ての「子」を孤独の「孤」にさせていただきました。現代の子育ては、昔とは環境も異なり、未経験、孤独、予測不能だらけのワンオペ育児に疲れきっているお母さんの多いことを感じます。そんな家庭を応援する温かな支援こそが今こそ必要と考え、2点について質問いたします。

 まず、(1)一時保育事業について伺います。

 最近、自宅で子育てをしている方たちにお話を伺う機会に必ずと言ってよいほどあるのは、一時保育の要望です。短時間でもよいから子どもを預かってくれるサービスをもっと拡充してほしいということです。中野区の一時保育事業は、1時間につき600円、1カ月5日までの上限があります。現状は、区立保育園で2園、私立保育園で9園が一時保育の枠を設け、合計42名の枠がありますが、各園の枠が3名から5名のため、預けた日に預けたい園はなかなか空いてなく、予約がとりづらいと言われます。特に4月は、園が忙しいからなどという理由で断られているケースもあると聞きます。

 そもそも区の考えている一時保育事業の在り方は一昔前のものとなり、現代の子育てニーズに合ってはいないのではないでしょうか。区の案内には、「保護者が、用事やリフレッシュ等で一時的に家庭で保育することが困難となり、かつ、同居の親族の中に保育できる方がいない場合に、保護者に代わって保育園でお預かりします」とあります。しかし、様々な用事とリフレッシュとは異なるものであり、晩婚、晩産の多い現代の保護者は、両親も高齢で、いわゆるダブルケアをしているという場合もあり、これらの状況から考えたときに、人によっては、月5日の上限ではあまりにも少ないのではないでしょうか。

 さらに、産後鬱から育児ノイローゼとなり、精神科医に相談して子どもを保育園に入れている方も少なくありません。このまま子どもと四六時中向き合っていたら虐待も人ごとではないかもしれないとつぶやいた母親にも何人も出会いました。それだけ孤立する育児は思ってもみない結果を招くことがあります。

 中野区では、先進的な妊娠・出産・子育てトータルケア事業を開始し、産後ケアを希望する母子が誰でも受けられるようにしたことは大変すばらしいことです。しかしながら、産後ケア事業を利用できる産後6カ月を過ぎた方の在宅子育て支援についてはまだまだ手薄であると感じます。さらに言えば、お子さんが保育園に入園した家庭には多くの税金の恩恵がありますが、一方、在宅子育ての家庭に対しては何もないと言っても過言ではありません。全ての在宅子育て家庭について、週に1回でも2回でも一時保育が安価で提供されれば、少しは不公平を是正できるものと考えます。また、それだけではなく、児童虐待の芽を摘む支援の一助になっていくものと考えます。

 例えばですが、まずは、新規保育園を1カ所または2カ所でも3歳までの在宅子育て家庭の支援のための専用保育園としてつくり、通常の1名枠を週一、二回ずつ利用する人が数名でシェアをすれば、30名の枠で最大150名のレスパイト支援が受けられる仕組みとなります。このような施策で在宅子育て家庭を応援してはいかがでしょうか。伺います。

 さらには、子育てひろばとセットで、短時間でも一時保育事業の拡充ができるように工夫をしていくべきと考えます。ふだん通い慣れた場所でほんの少しのレスパイトができるだけでも、保護者のストレスは格段に下がります。一時保護のできる子育てひろばをつくることで、保育園に行かなくてもひろばにいる経験豊かな先輩や専門家のアドバイスを受けるきっかけとなり、「孤育て」の大きな助けになると考えます。

 例えば、まずはモデル的に区の中心部に一つ、一時保育ができる大き目の子育てひろばを思いきってつくってみてはいかがでしょうか。施設の面積などで難しいことは重々承知の上ですが、児童虐待の防止はいかに早い段階から地域の力を借りて予防していくかが大切であり、今後は大きな考え方の転換が必要と考えます。これまでのように、新規園ができたときに一時保育事業の枠を少し増やすという焼け石に水のような拡充の仕方ではなく、ニーズ調査をした上で、思いきった子育て支援として早急に考え方を転換していくべきと考えますが、区長の見解を伺います。

 次に、(2)多子世帯の支援について伺います。

 先日、杉並区のクリニックで、受付の横に、「すぎなみで子育て中の皆様へ・『もう一人』の子育てを応援します」といったチラシが置いてあるのを見つけました。2人目以上のお子様を「もう一人」といった表現で、多子世帯支援のアピールをしています。内容は、保育料の減額など中野区でも実施しているものもありますが、第2子以降で学童クラブ利用料の減額、第3子以降では、杉並区が独自で行っている子育て応援券の上乗せ、区営住宅の優遇抽選制度などもありました。

 そこで伺いますが、中野区の多子世帯を応援する制度としてはどんなものがあるのでしょうか。児童虐待の報道では、年の近い幼い兄弟姉妹に対するケースも少なくありません。特にひとり親世帯で多子世帯という家庭に対する支援は必要性が高いと考えます。経済的負担の軽減だけではない、多子世帯に対するきめ細やかな支援をもう一歩前進させることが子育て先進区として大切な方向性と認識しておりますが、区長の見解を伺います。

 第2子目以降で産後ケアを受ける際に、上のお子さんがいるため、ケアを受けたくても受けられないと言われます。上の子の預かり保育があれば2人目も安心して産めるとの声も少なくありません。せっかくのサービスを保護者が支障なくケアが受けられる体制へと検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。これも例えばですが、緊急的に開設した区立保育室の事業の一部転用なども検討してみてはいかがでしょうか。

 一時保育や多子世帯支援を本気で検討し、子育てを応援するという区長の意気込みを示していただくことを期待し、この項の質問を終わります。

 2番、生まれ変わる新たな児童館について伺います。

 児童館については、本年第1回定例会にて我が会派の平山幹事長が児童館廃止の再検討について質問し、当時の田中区長は、この質問を受け、近年の出生児数の増加や働く女性の増加、孤立した子育てへの支援、特別な支援を要する子どもの増加など、様々なニーズが顕在化していることから、現児童館施設をこうした増加する子育て支援の地域ニーズに対応する貴重な資源として活用を図るという考え方を示しました。実質的にはここから児童館全廃という考えの転換が図られ、この間、区は地域の子育て支援拠点について考え方を整理してきたことを評価いたします。

 10月5日の厚生委員会で整理された考え方が示されました。考え方として、小学生の遊びの拠点は今後もキッズ・プラザとして小学校内に整備をすること、これらの整備展開とあわせて、子ども、子育て世代に対する地域包括ケアの地域づくりを進めるために、児童館を地域の子育て活動支援拠点として位置付け、役割や機能を整理した上で適正な配置を行うとしています。これまでの児童館の役割と機能から、次世代育成委員をはじめとする様々な子育て団体のネットワーク活動を促進する場、小学生の知的・文化芸術的活動支援、多世代の交流機能、学校に行けない子どもへの配慮、子育てにかかわる個別支援、地域課題や地域資源の把握と地域コーディネート活動を行う場への転換を図るということで、この方向性については私も賛同するところです。

 しかしながら、まだ足りない部分があると感じます。保護者からの声では、子どもの遊び場としてやはり児童館が貴重であるが、中野区では一斉に日曜と月曜が休館となってしまうため、行き場がなく困っていると言われます。孤立する子育てへの支援として、民間の力も生かして、いつでも行ける児童館をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 これまでの児童館の良さには、児童館職員がいつも温かく励ましてくれ、時には様々な相談ができるという点もあります。その良さは残した上で、子育て世代地域包括ケアの情報発信機能を持たせていくには、地域資源をしっかりと把握することや、地域団体の力をお膳立てしていくことが大切です。地域コーディネート活動をどのように有効に機能させていくお考えでしょうか。伺います。

 現在、学校再編の影響もあり、以前と違って地域の中に複数の小学校へ通う児童・生徒がおり、育成活動も小学校単位ではなかなかやりにくくなっております。地域の目が行き届くためにも、育成する側のネットワークは重要な鍵と考えます。子どもを中心にしつつも、乳幼児期から小学生、中学生と切れ目なく支援をしていくため、地域のコミュニティの核が強固につくれるような配置を検討し、通いたくなる、誰もが安心できる児童館として格段のサービス向上を目指し、大きく生まれ変わる児童館としていくべきと考えますが、区長の見解を伺って、この項の質問を終わります。

 3番、平和の森公園の犬の広場と動物愛護推進について伺います。

 平和の森公園は、現在、第一工区の再整備工事が終わり、10月9日より供用開始となりました。新しくなったグラウンド、明るく見通しの良くなった園内、整備されたプロムナード、滝や池の水もきれいに流れています。また、養生中だった芝も青々としてきて、とても気持ちのよい公園となり、地域の方々からは、すてきな公園になったと喜びのお声を何十人からもお聞きしました。さらには、現地の生物調査の結果に基づき、防災機能が保たれ、かつ生き物の多様性が増加することが期待される階層構造の防災樹林帯への更新・管理、生物についても、多様な生物が水辺で共生できる環境が整えられ、日常的に子どもたちが興味を持って楽しそうに遊ぶ姿が見られるようになりました。

 また、犬の広場も再整備されたことで、犬を連れてこられる方が一層多くなっています。犬たちも、この広場の中でうれしそうに走り回っています。しかしながら、犬の広場を持つ公園は常に苦情がつきもので、これまでも、また、これからも、様々な苦情が懸念をされています。現状、平和の森公園における犬に関する苦情や相談はどんなものがどの程度寄せられているのでしょうか。伺います。

 犬と一緒に利用する飼い主の方たちがマナーやルールをしっかりと守ることで苦情は半減するものと思われますが、ルールがわかりにくかったり、区の担当から頭ごなしに言われるのでは、逆に利用者からの苦情にもつながりかねません。また、今後の維持管理や補修などについても、利用者の皆さんがある程度気付いたことへの提案ができると、より気持ちよく使い、お互いにルールを守ろうという心も自然とあらわれてくると考えます。

 新宿区立落合公園では、公園サポーターという制度のもと、地域のボランティア団体――バウCLUBが犬の広場の管理を行っています。区は、正式にこの団体に委任をして、わずかな活動助成金を出しています。先日、このバウCLUBの代表の方に詳しいお話をお聞きする機会をいただきました。組織としては、役員約10名と広場利用者の活動に協力いただくボランティアのサポーター約130名で構成されています。サポーター登録したことで何か責任を持たされるというわけではなく、広場を利用する際に、参加意識を持ってみずからルールを守り、できる範囲での簡単な掃除や、初めて利用されるという方が来たときに利用ルールの説明チラシをお渡しして理解を促しているそうです。利用者の約半数がサポーターとなり、区に代わって広場に関する疑問や質問にも答えることでクレームを吸収し、定着した運営が行われています。

 中野区で唯一の犬の広場も、皆さんが気持ちよく使っていただくために、落合公園のようなサポーター制度を参考にして、地域住民自らが主体的にマナーやルールの徹底に意識を持って参加できるように検討してはいかがでしょうか。伺います。

 また、このような犬の広場では、犬の愛称への配慮、公園周辺の道路でのふん尿の始末、ほえ声、人の話し声などの騒音対応など、一筋縄ではいかない様々な問題があります。さらには、ペットショップでかわいいからと安易に犬を飼ってしつけをしない飼い主などの教育も力を入れていくべき課題です。ペットは人間に癒しを与えてくれる大事な家族であり、今後、ひとり暮らしの高齢者などが増えていく中においても重要な存在であると同時に、しつけや予防接種などの課題を解決する方策もよりきめ細やかに考えていかなければならないと考えます。そのような啓発を行っていく場としても、犬の広場は大いに価値があるものと考えます。

 犬が防犯パトロールで社会貢献できる存在になることや、飼い主同士の交流で地域のコミュニティや認知症予防にも貢献できることを目指して取り組んでいるような団体もあります。そのような地域資源を生かして、今後、平和の森公園の犬の広場をはじめとした区内の公園において動物と触れ合う動物愛護イベントを開催し、ペットを飼う区民へのサービス向上に資する政策としてはいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 4番、西武新宿線沿線まちづくりの推進について伺います。

 現在、新井薬師前駅や沼袋駅では跨線橋や改札口などの変更が行われ、連続立体交差事業の工事が目に見えて一歩一歩進んでいる状況です。また、連続立体交差事業を契機とした両駅周辺のまちづくりも本格化してきたことを感じています。一般住民の方にはまだ理解が進んでいない部分も多いと感じますが、実際には、両地区とも、区は、方針や案について議会と議論を重ね、地域と協議や調整を行いながら、まちづくりの取り組みを着実に進めてきております。さらに、両地区のまちづくりを加速していくことは野方以西の連続立体交差事業の早期実現や西武新宿線沿線まちづくりの進展を促すものになると考えています。両地区の担当は、丁寧な説明と地域との意見交換を重ねていると評価しています。

 一方で、まだそれほど関心が向いていない区民の方のほうが圧倒的に多く、既存のまちづくり協議会においても、これからのまちを支えていく若い世代、女性や障害のある方の生の声は拾えていないのが現状であると思っています。私は、女性の視点、生活者の視点を何としてもまちづくりに反映したいと考え、地域の多くの皆様に声を掛けさせていただき、御意見を伺い、担当にその声を届けています。この呼び掛けに賛同してくださる方は多く、子育てをしている母親の視点、介護をしている人の視点、視覚や聴覚に障害のある方の視点から、斬新な意見がどんどん集まってきております。

 まちづくり整備方針やまちづくり推進プランをより一層具体的にし、将来に向けて持続可能な真に良いまちにしていくためには、地域で活躍されている方や商店街の皆さんはもちろんのこと、日頃なかなか御意見を伺うことができない子育て世代や若い人などに対して、適時に、かつわかりやすく必要な情報を提供し、理解を促しながら意見を伺う機会を設けることが重要であり、それこそが本当の対話のまちづくりであると考えます。声なき声を聞き、それらを踏まえたまちづくりを進めていくためには、意見交換会や区民と区長とのタウンミーティングだけではなく、様々な機会を通じて広報と意見の聞き取りを一層工夫していくことが重要と考えますが、区長の見解を伺います。

 新井薬師前駅周辺や沼袋駅周辺では、交通広場や補助第220号線、区画街路第4号線の整備に向けた調整が進んでいると聞いています。今後、交通広場や都市計画道路の整備が本格化していくと思います。事業の必要性や道路整備に伴う移転や用地取得について、区職員や用地交渉を行う委託事業者が丁寧な説明を心掛けて対応しているとは思いますが、権利者にとっては、これまで営んできた生活が大きく変わることが余儀なくされます。また、お一人おひとりがお考えや抱える事情も異なります。地域住民から移転してほしくないと切望されている商店もあり、まちの良さが継続できる方策はないものかと考えております。

 地元で長年住まわれてきた、営業されてきた方、地域に貢献されてきた方々が生活や営業の再建をするため、また、事業による建て替えや移転を前向きに捉えてもらうためには、用地取得に関する補償の問題だけではなく、移転先のあっせんや残地再建のプランをはじめ、様々な相談や悩みに対応することこそが必要であると考えます。それは、区の職員だけでは困難であり、民間の専門家による対応であることが有効と考えます。よって、今後は、街路事業の用地取得に関する補償とは別に、いわゆる生活再建のプランニングや仲介など専門的機関による支援が受けられるような仕組みを導入していくべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の見解を伺って、この項の質問を終わります。

 5番、防災・減災対策について伺います。

 不燃化、耐震化への取り組みについて伺います。我が会派では度々、耐震化の促進を加速するよう求めてまいりました。区は、所有者が主体的に耐震化に取り組むことができるよう、相談体制の整備や情報提供など必要な環境整備や技術的支援を行ってきました。とりわけ木造住宅密集地域については、住宅の倒壊による火災から甚大な被害が想定されるため、建て替え助成等の支援を行ってきました。しかしながら、目標とする耐震化率には及ばず、いつ起こるかわからない首都直下地震等に備え、早急に耐震化率を上げていく必要があります。

 中野区耐震改修促進計画では、平成26年度末現在の区内の住宅総数を約18万5,000戸と推計し、そのうち15%の2万8,000戸について、必要な耐震性が不十分であるとしています。耐震性が不十分であるとされている2万8,000戸については、実際に調査が行われているのでしょうか。例えば町丁別の耐震化率の調査を行う必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 耐震化率を向上させるためには、相談体制の充実や普及啓発だけでは目標達成をすることは難しいと思われます。耐震化率向上のための具体的な施策を推進すべきと考えます。耐震性が不十分であるとされている住宅に対し、具体的な指導や支援策があるのか、お考えを伺います。

 住宅の耐震改修を行うことで、逆に建て替えが進まず、防災まちづくりや不燃化の推進が遅れるようなことがあってはならないと考えます。区は、単に耐震改修助成を進めるのではなく、地域特性を踏まえた上で、不燃化、建て替えなどを効果的に進めていく必要があるのではないでしょうか。伺います。

 また、ブロック塀の安全性の確保も喫緊の課題です。先般、国土交通省は、来年1月1日より、避難路沿道の一定規模以上のブロック塀等を耐震診断の義務付け対象に追加するとの決定をしました。区は、民間所有のブロック塀に対し、ことし7月から9月にかけてサンプリング調査を実施したと伺っていますが、その後、調査の結果を踏まえてどのような方策をとっていくお考えなのか、お聞かせください。

 現在、国や東京都のブロック塀対策に対する補助金のスキームも出されています。住宅の建て替えを進める一方で、家具の転倒防止対策の強化やブロック塀の除却に対する具体的な支援策を講じ、パッケージにしながら周知徹底を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、聞こえない防災行政無線の対策について伺います。区は、防災会の会長及び副会長に対し、以前行っていたアナログ個別受信機での情報伝達支援が終了したことから、その代替として、5coVoiceというシステム、すなわち防災行政無線の情報の中でも緊急性の高いものについて、各御自宅の電話に対して自動音声を配信する緊急情報電話伝達システムを導入したと聞いています。このシステムの現在の登録者数は何名でしょうか。また、実証配信はされたのでしょうか。登録者は現在のところ防災会の会長及び副会長の皆様ということですが、これを拡充し、特に高齢者や障害者で希望する方へと対象者を拡充すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 さらに、聞こえない課題に対して、ポケベル会社がつくった防災ラジオを配布されている自治体が広がってきているということを知りました。ふだんはラジオとしても使用可能で、災害時には、ポケベル電波280メガヘルツを使用して情報を送ると、液晶画面に即座に文字メッセージが表示をされ、内蔵されている文字の音声変換機能でメッセージを読み上げてくれるというものだそうです。聴覚障害の方についても文字で届く仕組みがあり、障害のある方や高齢者に対する支援として、更にこのようなものの配布をすることも区民の安心を向上させることにつながると考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 6番、就労支援について伺います。この項では2点伺います。

 まず、女性、若者の就労支援について伺います。政府では、ことし、「女性活躍加速のための重点方針2018」が決定され、この中には、働く女性への支援として、テレワーク、復職・再就職に向けた学び直しの教育支援などが盛り込まれています。中野区では、今年度、産業振興センターで女性再就職プログラムや再就職支援セミナーなどを開催しており、このような取り組みを行うことは評価をし、期待をしています。

 また、中野区と東京しごとセンターが共催し、7月5日に中野サンプラザで行ったセミナーでは、「私らしく両立できる仕事との出会い方」と題し、女性のストレスを解消するためのリンパトリートメントの講習を受けた後、女性を積極採用している両立応援企業3社との交流会も持たれたと聞いており、参加者も46名と、評価できる内容であったものと思われます。

 墨田区では、就労サポート会社の協力を得て、すみだの女性支援として、情報を集める情報収集イベント、悩みを相談する就職・キャリア相談――1回50分、仕事・会社の情報を聞くすみだキャリアカフェ女子会として、墨田区にある女性が活躍できる会社の社員に対する考えや、そこで働く人の思いを聞けるという場などを頻繁に用意しています。

 中野区も、単発のセミナーだけではなく、子育て中や子育てが一段落して再就職を考えている女性、あるいは職を探している若者に対して、気軽に参加でき、キャリアカウンセリングなどができるジョブカフェのような事業を定期的に行うことで、就労に対し不安や悩みを抱える女性や若者をサポートし、就労につながるのではないかと考えます。

 来年度、産業振興センターに拠点を移す区内経済団体とも連携をしてこのような取り組みを行ってみてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 最後に、生活困窮者の就労支援について伺います。新たな職場において自分の特性を理解してもらい、1カ月、2カ月と定期的な定着支援を行うことが求められています。先日会派で視察をした民間の就労支援事業所でも、障害者に関しては、障害者総合支援法の改正により定着支援が義務付けられ、実施されていると伺いました。中野区は、平成27年の生活困窮者自立支援法施行時より、生活困窮者、生活保護の被保護者に対して就労準備支援事業を実施しています。昨年度の当事業における就労の実績は約半数ほどとお聞きしておりますが、その就労した方たちがどれだけの期間職場で働くことができたのか、定着率については把握していないと伺っています。よって、今後は定着率を把握した上で定着支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 以上を伺って、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 甲田議員の御質問にお答えいたします。

 まず1点目に、「孤育て」に対するあたたかな支援についての中で、在宅子育て支援のための専用保育園の設置についての御質問がございました。一時保育事業を利用したいときに利用できないということがあるということは課題として認識しております。現在、民営化を含む保育施設の建て替え、また、新規に認可保育所を建設する際に、地域の子育て支援事業の一つとして、一時保育の提案を事業者から受け入れることとしているところでございます。保育施設に一時保育に使用する専用室を整備する場合、国や都の保育施設建設費補助の対象となるということです。また、一時保育事業運営には、一時保育事業費補助金が交付されております。3歳までの一時保育利用のための専用の保育園を建設することは、こうした事業スキームの活用が難しくて、また、配置のバランスを考える必要があることから、今後、一時保育の充実の在り方については研究をしてまいります。

 次に、一時保育ができる子育てひろばについての御質問でございます。一時保育については、国の児童福祉施設の整備及び運営に関する基準に従い、専用の保育室、ほふく室などのスペースや保育士の確保が必要でございます。既存の子育てひろばへの併設については難しい状況がございます。一時保育は乳幼児を持つ保護者からの要望が高い事業でございまして、その在り方や整備方法について研究してまいります。

 次に、在宅家庭への支援として一時保育事業を拡充する点についてでございます。一時保育の利用を必要とする保護者が、必要なときに利用できる施設や保育室を確保することは、在宅で育児をしている家庭のみならず、要支援家庭の支援として不可欠と考えております。一時保育は専用室を設ける必要があることから、新規施設や建て替えの際に拡大を図ってきたところでございます。一時保育実施施設の配置や実施人数など、今年度実施する子ども・子育て支援ニーズ調査の結果を踏まえて、実施施設の充実について適切に対応してまいります。

 次に、多子世帯に対する支援制度でございます。多子世帯に対する区の主な支援としては、私立幼稚園就園奨励費補助金の増額及び児童扶養手当の加算措置、保育園の保育料減免制度については第2子以降が対象でございまして、児童手当は第3子以降が増額となっております。これ以外にも、本定例会で条例審査をお願いしている学童クラブ保育料の多子世帯に対する減免制度を考えております。

 次に、多子世帯へのきめ細やかな支援についてでございます。区が実施していなくて、他自治体が実施する多子世帯に対する支援としては、出生児の子育て応援券の増額や病児・病後児保育の利用料の無料化など経済的な負担軽減が中心となっておりますが、子ども・子育てニーズ調査の分析等を通じて、どのような育児負担の軽減ができるのか、検討を進めてまいります。

 次に、産後ケア事業における一時保育についてでございます。待機児童緊急対策として設置した区立保育室は2年間の時限措置で開設したものでございまして、平成31年度末で閉鎖予定であることから、産後ケア事業のための一時保育として一部を転用することは難しいと考えております。しかしながら、産後ケア事業における子どもの一時保育は課題として認識しておりまして、今後とも対応策について検討してまいります。

 次に、児童館の開館日についての御質問でございます。地域の子育て支援拠点についての検討の中で、新たな機能や役割を持つ児童館について、開館日や時間も含めた運営方法についてもあわせて検討してまいります。

 次に、児童館における地域コーディネート活動の機能についてでございます。地域コーディネート活動では、地域における乳幼児から中高生までの生活実態や地域活動団体の活動状況、地域特性などを把握し、課題解決に向けた地域の取り組みを推進する地域包括ケアの視点が必要であると考えております。こうしたコーディネート活動は、これまでの児童館職員としての経験や知識を活用することで、有効に機能させることができると考えております。

 次に、生まれ変わる新たな児童館についての見解でございます。子育て先進区を実現するためには、地域の中で子どもたちが元気に遊び、育つ環境や、安心して子育てができる拠点の整備と、地域の様々な育成活動の力が重要だと考えております。児童館については、子育てコミュニティの中心となる施設として、配置のあり方について検討し、しっかりと機能させていきたいと考えております。

 次に、平和の森公園の犬の広場について、まず最初に、犬の苦情等についてでございます。平和の森公園において犬の連れ込みができる部分は、園路と犬の広場に限られております。犬の広場については、大型犬と小型犬の二つに利用スペースを分けないようにしてほしい、小型犬スペースが混んでいて小型犬が大型犬スペースに入ってしまうので、ルールを徹底してほしいなどの要望、意見がございました。園路その他の部分については、草地広場側の園路にはふん尿をするので入れないでほしい、逆に、理解者はいるので今後も継続して園路に入れさせてほしいなどの意見がありました。

 犬の広場における住民参加についての御意見でございます。公園再整備により犬の広場が以前よりも広くなりましたことから、利用者も少しずつ増えております。犬の広場だけでなく、地域住民等が担い手となって、進んで公園の維持管理を行ってもらえるようにしていくことは、今後必要になってくると思いますので、速やかに調査、検討してまいります。

 次に、公園における動物愛護イベント開催についてでございます。飼い主のみならず、広く区民に犬の広場や活動する団体を活用し、犬を通じた動物愛護精神を広めていくことは重要だと考えております。今後もペットを飼う区民が増えていくことも想定されるため、公園でどのようなことができるか、調査、検討してまいります。

 次に、西武新宿線沿線まちづくりの推進について、広報と意見聴取の一層の工夫についての御指摘でございます。新井薬師前駅や沼袋駅周辺のまちづくりにおいては、オープンハウスの開催など丁寧な説明や適切な情報の提供、地域の方々の意見の聞き取りを工夫しながら行っているところでございます。また、区全体としては、区政情報の積極的な提供、それから、より幅広い主体の声を区政に反映するために、ICTを活用した広聴機能の充実や、無作為抽出による区民ワークショップの実施など、区民参加手法の改善等に取り組んでいく考えでございます。まちづくりの取り組みが本格化している両地区においては、そういった手法も積極的に取り入れながら、わかりやすい情報提供と生活者視点の意見聴取に一層努め、地域と協働した対話のまちづくりを進めてまいります。

 次に、街路事業に係る生活再建支援の仕組みについてでございます。新井薬師前駅や沼袋駅周辺については、連続立体交差事業と、それを契機としたまちづくりの取り組みが着実に進んでおりまして、今後、新井薬師前駅前交通広場や補助第220号線、沼袋の区画街路第4号線の整備が本格化していくところでございます。街路整備に関わる地権者の数は多く、また、お一人おひとりの考えや抱えている事情は異なるものと認識しております。街路整備を円滑に進めていくためには、用地交渉や補償の説明を丁寧に行っていくことはもちろん、地権者の生活再建を支援する必要があると考えておりまして、そういった仕組みの導入を検討してまいります。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、防災・減災対策についてお答えいたします。

 まず、建築物の不燃化、耐震化への取り組みについてでございます。実態調査の必要性についてでございますが、平成21年度に実態調査をいたしまして、その後の建て替え動向を加味し、耐震化状況を把握しているところでございます。町丁別の耐震化率などについては取りまとめをしておりませんが、東京都が示しております建物倒壊危険度などの資料が活用できるものと考えてございます。

 それから、耐震化率向上に向けた具体策についてでございます。これまでも、耐震フォーラムや東京都とのイベント共催、ホームページ及び広報等を通じて普及啓発を図ってきたところでございますが、今後も具体的な取り組みを模索、検討し、効果のある支援策を推進してまいります。

 それから、効果的な助成制度の在り方についてでございます。防災上重要な道路のネットワークを確保するため、原則建て替えを促進し、地域の不燃化による耐震化を進めてきたところでございます。しかしながら、建て替えが困難な場合は、建築物の倒壊による道路閉塞を防ぎ、円滑な避難や消火・救援活動の空間確保を図り、人的被害の軽減、市街地火災の延焼拡大を防止する観点から、住宅の耐震改修に対する支援も検討していきたいと考えております。

 それから、ブロック塀等の実態調査についてでございます。先般実施いたしましたサンプリング調査を踏まえまして、今後、国の補助制度を活用し詳細な調査をするとともに、その結果を踏まえまして、ブロック塀等の除却などの効果的な支援策を講じるとともに、日常の安全管理方法等について、助言、指導を推進してまいります。

 それから、耐震化への総合的な取り組みについてでございます。国や東京都の補助制度を最大限活用しまして、例えば生活道路拡幅整備事業とブロック塀除却事業、家具転倒防止器具の取り付けなどの具体的な支援をパッケージ化し、区民が利用しやすい制度に見直し、積極的な支援策を検討してまいります。

 それから、防災行政無線の対策についてでございます。まず、緊急情報電話伝達システムについてでございます。緊急情報電話伝達システムの登録は各防災会の代表者2名以内とし、現在、105防災会、207名の方が登録をしていただいております。11月22日にテスト配信を実施いたしまして、電波が届かない、または電源が入っていない電話8台を除きまして、全登録電話に対し、確実に配信が完了したことを確認してございます。登録対象者の拡大につきましては、協議、検討していきたいと考えております。

 それから、防災ラジオの活用についてでございます。防災ラジオで使用しているポケベル波の周波数280メガヘルツは、出力が高く、屋内でも受信しやすい特徴から、現在、約30の自治体で防災情報の伝達手段として導入をされてございます。区では、平成24年から、防災行政無線の内容を指定の電話へかけると聞くことができる音声自動応答サービスを開始したことをはじめ、中野区防災情報メールマガジンによりまして、Jアラートの災害情報を登録した方に文字で配信しておりますが、この防災ラジオにつきましても、災害情報の伝達手段の一つとして有効性を研究していきたいと考えてございます。

〔都市政策推進室長奈良浩二登壇〕

○都市政策推進室長(奈良浩二) 私からは、就労支援についての御質問のうち、女性と若者を対象にしたいわゆるジョブカフェの事業実施についての御質問にお答えをいたします。

 区は現在、子育て等により職場を離れた女性の再就職のため、個別相談やビジネススキル向上等を内容としたセミナー、事業を実施しているところでございます。また、杉並区及びハローワーク新宿との共催で、若者向け人材マッチング事業を実施しているところでございます。他の自治体では、就労を希望する子育て中の女性が地域の企業で実際に働いている女性社員と語り合う交流カフェ事業や、若者がいつでもキャリアカウンセラーに相談ができ、就労に至るまで個別にサポートする事業などが実施されており、一定の成果を上げているところもあると聞いてございます。こうした自治体の取り組みを参考に、子育て中または子育てが終わって再就職を考えている女性や就労を希望する若者等がカフェのように気軽に参加でき、効果的に就労に結びつける取り組みにつきまして、区内経済団体とも連携し、検討してまいりたいと考えてございます。

〔健康福祉部長小田史子登壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 就労支援についての御質問のうち、就労定着支援の御質問について御回答させていただきます。

 生活困窮者を対象とする就労準備支援事業は、直ちに一般就労を目指すことが難しい方につきまして、基本的な生活習慣の獲得、コミュニケーション能力の向上、就職に必要な知識やマナーの獲得のための支援など、個別に丁寧な支援を行っております。就労準備支援事業におきましては、原則として、支援期間は6カ月以内、就労開始後少なくとも1カ月の定着支援を実施しております。生活保護受給者につきましては個々の就労状況を把握することができておりますが、生活困窮者の方につきましては、支援期間を終了した後の就労状況を把握していることは現在のところはしてございません。今後、定着率向上に向けまして、御本人への連絡、確認だけではなく、就職先からも就労状況につきまして情報提供をしてもらえますよう事業所に協力を求めるなど、定着支援の方法につきまして検討していきたいと考えております。

○副議長(南かつひこ) 以上で甲田ゆり子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 い さ 哲 郎

 1 区民の声に寄り添う施策展開について

 2 住まいについて

 3 公園について

 4 防災について

 5 中野区のにぎわいについて

 6 若い世代の支援について

 7 公文書管理について

 8 その他

  (1)地域猫について

  (2)その他

 

○副議長(南かつひこ) 次に、いさ哲郎議員。

〔いさ哲郎議員登壇〕

○31番(いさ哲郎) 2018年度第4回定例区議会におきまして、日本共産党議員団の立場から質問いたします。

 なお、5番目の中野区のにぎわいについては改めての機会に質問させていただきます。

 最初に、区民の声に寄り添う施策展開についてお聞きします。

 酒井直人区長のもと3回目の議会を迎えましたが、この間行われた議会では、哲学堂公園再生整備計画、平和の森公園再整備計画の二つの事業は、大きな方針転換がありました。特に平和の森公園については、公園再整備計画第二工区において、前区政のもとで進められてきた草地広場への300メートルトラックや100メートルコースといった運動施設を設置しない案が示され、バーベキューサイト設置についても検討となりました。これまでの計画案には示されていたスポーツの拠点との記述も、最新の計画案では丸ごとなくなりました。これは、公園の性質や利用といった根幹に関わる部分でのコンセプトそのものの転換であり、歓迎すべきことです。

 建設委員会には、平和の森公園の第二工区について、再整備検討案に係る意見募集の実施結果が報告されています。その後の説明会では、それぞれの意見の数も示されていました。計画全般についてでは、「現状のまま残してほしい」、「現行計画を変更してほしい」は、合計で174の意見がありました。区が今の公園のまま手を付けないと説明した「E案に賛成」は23、「緑を多く残してほしい」が16、これらを加えると、再整備に反対の主旨は213となります。これまでの計画どおりでいいという、再整備に賛成の主旨の意見は二つだけです。300メートルトラック、100メートルコースについては、反対の主旨が220、賛成が1、バーベキューサイトについては、「必要ない」や「迷惑だ」が247、賛成は7です。この結果に、この間の議論における区民の意思がしっかり反映されています。

 また、これらの方針転換について、議会軽視などの意見もありましたが、これまでの区の計画は区民や公園利用者に対し十分に周知もされておらず、したがって、合意もとられていないことはもう何度も指摘してきたとおりです。前区政への批判が酒井直人新区長を誕生させ、今の状況を生み出していることは明らかです。区長選挙での区民の審判と、この間の区民を交えた議論、この二つが区民の声の趨勢がどこにあるのかをはっきりと示しています。

 伺います。草地広場は誰でも自由に伸び伸び過ごすことができる憩いの場として残してほしい、これが区民の総意であることが明らかになったからこそ、これまでの施策の転換を図った、こういう認識でよろしいでしょうか。

 次に、旧中野刑務所正門、通称平和の門に関わってお尋ねします。

 平和の門について、今定例会にて具体的な方針が示されることとなっています。この門については、これまでも平和の門を考える会の皆さんを中心に、区民だけでなく区外の文化人など、幅広く保存へ向け働きかけを行ってきたところです。区が貴重な文化遺産に対してどんな判断をするのか、全国から注目されています。

 この間の委員会では、有識者3名全員から文化的価値、歴史的価値が高いことを示され、東京都文化財相当であるとの結論となっています。平和の門の価値が客観的に明らかにされたのですから、門を保存する方向で検討するのが筋であると考えます。

 近隣からの意見の中には、学校という教育施設に旧刑務所正門はふさわしくないとの意見も一部に見られました。しかし、この平和の門の歴史を子どもたちに伝えることは、子どもの教育にとってマイナスどころか歴史を通じ、郷里への関心を強めるきっかけとなる教育的価値もあるのではないでしょうか。平和の門の位置が平和の森小学校の移転先であることから、様々に配慮が必要なことは指摘するまでもないことです。しかしながら、平和の門を適切に保存、管理し、かつ小学校にも影響が出ないように検討していくことは十分可能であると考えます。

 平和の門について、今定例会において区の方針が示されることとなっていますが、これまでの検討や決定においても平和の門を守る会の皆さんを含めた区民の意見が反映されているし、これから先についても同様に区民の意見を反映させていくとの認識でよろしいでしょうか。伺います。

 次に、区民の住まいに関わってお聞きします。

 本町五丁目に9階建てのワンルームマンションの建設が行われている場所があります。街道沿いでもない住宅街の真ん中です。なぜこんな場所にと近隣の皆さんは大変困惑されています。該当箇所の用途地域については第一種中高層住宅専用地域であり、高さの制限が設けられていません。この地域では高い建築物であっても4階もしくは5階でとどまっており、住民、事業者ともに、法令や条例でなく、地域との調和を自主的に重んじてきた結果、清閑な町並みが保たれてきたということです。こういった場所で地域に住む皆さんとの話し合いや清閑な住環境の保全を軽んじるような建設が行われていることに対し、行政として何らかの対応をすべきと考えます。

 中野区では、現状の用途地域では第一種低層住宅専用地域で10メートルの規制となっているだけで、それ以外の用途地域では高さ規制そのものがなくなりますが、新宿区では、この部分についても、地域ごとの土地利用の実情に合わせ、20メートルや30メートルといった段階的な規制とすることで町並みを保全する仕組みを用意しています。中野区においても、新宿区のような用途地域における絶対高さ制限による規制を検討すべきではないでしょうか。

 また、このマンションがワンルームであることにも懸念があります。中野区には、中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例の第10条第2項の定めにより、戸数に対し一定の割合でファミリータイプ住戸を設けなければならないとなっており、本来であればこれがワンルームマンションに対する規制として機能するべきものですが、この第10条第2項にはただし書きが記載されており、これを使ってワンルームマンションの建設が可能となることは、過去の議会でもただしているところです。

 「建築主は、建築しようとする特定集合住宅の総戸数から11を減じた数に2分の1を乗じて得た数以上の戸数をファミリータイプ住戸としなければならない。ただし、規則で定める場合を除くものとする」、この部分です。第10条第4項には、続けてこう書いてあります。「第2項の規定は、高齢者が円滑に入居できるように配慮した特定集合住宅又は高齢者若しくは障害者の居住に必要な配慮をした特定集合住宅として区長が認めるものには、適用しない」、この第4項が事実上ワンルームマンション建設の抜け穴として建設事業者に利用されています。高齢者もしくは障害者のためと手すりやスロープを附置したとしても、あくまで建築確認のために必要なだけであって、実際には高齢者や障害者の居住までは求められていないということです。これも過去の質問で確認しています。

 ワンルームだけでなくファミリータイプの住戸も設置せよとの理由は明らかです。住環境を保全するためです。居住スペースの狭隘化を防ぐこと、そして、コミュニティを健全に保つためには、その地域に根をおろすファミリー世帯が必要というのがこの条例の本来の趣旨ではないでしょうか。新宿区の同様の条例ではこのようなただし書き条項などは存在せず、スロープや手すりの設置とともにファミリータイプ住戸の一定数の設置が例外なく特定集合住宅建設の際に義務付けられています。

 改めて伺います。中野区においてもただし書き条項をなくし、新宿区と同様の義務付けを行う条例へと手直しをすべきではないでしょうか。

 中野区には、建築をめぐって紛争などに発展させないために、「中野区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」がありますが、条例に定めのあるあっせんにしろ調停にしろ、住民と事業者の間のトラブルについて、これを解決していくような実効的な力を持っていないことも、こういった問題に関わっている住民の皆さんや当の建設事業者にもよく知られていることです。こういうことでは、区民の皆さんの当たり前の住環境を守ることができません。事業者の建築の権利があるように、住民にも、安寧な住環境で生活する居住権があります。建築確認がおりてしまえば工事そのものをとめる手だてはないに等しく、実態としては、住民側の権利が守られないケースが増えているという現実があります。これを直視し、建築が始まる前に、住民と事業者の間できちんと協議の場を持てるような仕組みを検討するべきではないでしょうか。

 次に、(仮称)住宅確保要配慮者支援事業についてお聞きします。

 住宅確保要配慮者への支援については、会派として何度も推進を求めてきました。11月の少子高齢化対策調査特別委員会で報告されたこの支援事業は高齢者と障害者に特化した事業で、見守りサービスなどを使って賃貸事業者の不安を解消する取り組みです。滞りぎみだった支援事業を具体的に前に進めたことは大いに評価いたします。

 しかし、本来の住宅確保要配慮者という概念には、高齢者と障害者以外も含まれています。子育て世帯、生活困窮者、外国人、LGBT当事者など、住まいを確保する際に何らかの困難に出会う全ての人が住宅確保要配慮者です。今回対象となっていない方々に対する支援をどうしていくのか。必然的に今後の課題はこういう点になってきます。区の考えをお示しください。

 住宅確保要配慮者への支援については、これまでも会派として居住支援協議会の設置を求めてきました。しかしながら、国の想定した枠組みにおいては、不動産事業者の後ろにいる住宅の所有者、つまり、大家さんの存在がぽっかりと抜けており、この点が居住支援協議会設置の遅れの一つの要因となっているとも聞き及んでいます。居住支援協議会設置の推進という観点から、区の現在の認識をお尋ねします。

 居住に関わるテーマの一つとして家賃補助制度があります。会派としてこれも何度も求めてきました。特に子育て世帯への家賃補助は他に先立って検討するべきと考えます。首都大学は、都内4自治体、2万世帯にわたる子ども実態調査を実施していますが、同大学の小田川教授は、このうち賃貸住宅に住み、家賃を払っている1,435世帯について分析を行ったところ、家計に占める居住費の負担率が10%を超えると子どもの成長に負の影響を与えるとの研究結果を発表しています。家賃補助制度があれば、子育て世帯の暮らしを安定させて、子どもの不利を減らすということです。

 23区においては既に11区が何らかの家賃補助制度を設けていますが、そのうち7区が子育て世帯へ向けた家賃補助制度となっています。当区は現在住宅マスタープラン改定のための議論を進めているところですが、この改定においては、住宅政策における家賃補助制度についても排除することなく検討するべきと考えます。区の認識を伺います。

 次に、公園についてお聞きします。

 閉会中の11月の建設委員会において、「公園の維持管理等に関する基本的な考え方(案)について」が示されたところです。この考え方の取りまとめの現状と課題という項目の中で、施設が老朽化していることや、区民意識調査の結果としてきれいでないとの声があることも示されています。公園の管理が今現在十分でなかったということが見てとれます。

 また、公園の面積についての記述があります。公園条例では区民1人当たりの面積基準は5平方メートルですが、当区においては1.34平方メートルしかない。本来は4倍近い公園面積が必要ということです。条例の基準まで直ちに引き上げるのは困難だとしても、近づける努力は必要なはずです。にもかかわらず、今後維持管理費用が増大していく傾向にあり、縮減に努めるとの記載もあります。コスト削減という考え方そのものを否定するものではありませんが、補修や管理が十分でないことに加え、区内の公園の総面積が法の定めよりも相当低いことを鑑みれば、公園に係るコストや予算措置、費用負担の在り方といった考え方そのものを改め、区政全体の中で優先順位を上げていくことがむしろ必要ではないでしょうか。伺います。

 公園については、地域の皆さんから多様な御要望をいただきます。様々な立場や考え方の方がいらっしゃいますから、正反対の要望が出てくることもこの問題の特徴です。子どもが自由に遊べたほうがいい、いや、遊ばせてほしくない、トイレを設置してほしい、いや、設置してほしくない、どちらも区民の皆さんの要望です。しかしながら、公園にはその利用目的があり、行政としては一般論としてその利用を制限するような規制は好ましくないと考えます。この利益の相反について、区が間に入りながら近隣の皆さんと話し合い、利用に係るルールを検討していく必要があると考えます。

 現在の公園において、こういった地域の話し合いのもとにルールが定められた場所は一つもなかったと聞いています。トラブルになりがちなトイレの設置の問題やボール遊びなど利用の仕方をどうするのか、喫煙を禁止・制限することなど、捨て置くことができない問題が山積しています。この課題解決のためには、近隣の皆さん、公園利用者の皆さんの納得と合意が必要です。改めて、町会などにも協力いただきながら、地域の皆さんとともに、それぞれの場所で公園利用ルールを作成する検討を始めてはいかがでしょうか。お伺いします。

 個別の課題についても少しお聞きします。

 まずは、桃園川緑道について。ここは暗渠が杉並区とつながっていることから、比較して中野区側は見劣りする、何とかしてほしいとの声が日に日に大きくなっています。大きくは3点あると認識しています。一つ目が歩道や花壇部分の施設の破損について。老朽化や経年劣化によるひび割れや破損が多数見られます。二つ目が施設そのもののデザインや使われ方について。杉並区側に比べ空間が狭く感じる、植栽のスペースを広くして通路面を広くしてほしいという声や、路面がブロックでつまずく、雨で滑るという声、中野三丁目の遊具が古くなり心配という声、また、小休止のためのベンチが欲しいなど。三つ目が植栽の管理不行き届きについて。枯れて放置されている、伸び放題になっている、ごみの投棄があるなど。桃園が緑道については、地域の皆さんから区長宛てに署名と要望書も提出されており、解決すべき課題として地域に認識され始めたと考えています。

 その地域の皆さんだからこそ気が付く課題がたくさんあります。ほかの公園も同様かと思いますが、桃園川緑道についても、地域の皆さんとともに今後の在り方の検討をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、紅葉山公園について。ここは高低差のある公園で、複数の池がある場所ですが、その池の水の循環がとまっており、汚いとの御意見をいただくことが多々あります。もみじはこの時期がちょうど見頃ですが、池のためにせっかくの眺望が台なしです。清掃の頻度を上げ、池をきれいに保つべきと考えますが、この点はいかがでしょうか。

 次に、防災についてお聞きします。

 緊急時の避難先として区内には45カ所の避難所が指定されています。避難所に対応する防災倉庫には、食料にして5万人分が備蓄されているとのことです。そのほかに防災上必要な物品が格納されていますが、この防災倉庫については、その防災会の地域に必ずしも対応して設置されているわけではありません。いざというときの備えが地域外にあることについて、地域の防災会の皆さんからは不安の声もあります。

 改めてお聞きします。その地域のものでない防災倉庫が設置されている場所は何カ所あるでしょうか。そのうちの一つ、旧九中跡地には、時々動きつつも、常に七つから八つの防災会の倉庫があると聞いています。地域に防災倉庫がなければ、いざというときに役立てることができない、何かあったときに不安がある、こういった声を時々耳にします。ここのように、防災会と倉庫の設置場所のアンマッチは解消していくべきと考えます。今後の区の対応についてお示しください。

 防災倉庫の設置場所については、学校施設などに協力いただいている場所もあります。こういう場所は協定を結ぶものと考えますが、公立でない私学において協定を結んでいるのは区内で何カ所あるでしょうか。また、私学の中には、経営者の交代により方針が転換し、結んだはずの協定が事実上無効となったところもあると聞いています。民間企業などとも協定を結ぶケースもある中、経営方針が変わることによって防災協定が効力を失うことがないよう、何らかの手だてをとる必要があると考えます。区の考えをお示しください。

 続いて、ポケベル電波を利用した防災システムの活用についてお聞きします。

 90年代に爆発的に流行したポケベルが今防災対策として再び注目を浴びています。ポケベルの電波を利用して防災行政無線の受信機とするシステムが既に30の自治体で導入されています。通常の防災行政無線の受信機は1台3万円から5万円というコストがかかることから導入が進んでいませんが、防災ポケベルの場合は、1台2万円程度と割安です。また、電波が遠くまで届き、建物の中でも受信できることも大きなメリットです。行政が発信した情報を文字でも音声でも伝えることができることも、防災上、大きなアドバンテージになるものと考えます。

 伺います。ポケベル電波を利用した防災システムの検討を始めてみてはいかがでしょうか。

 次に、既存の担架に取りつける車輪――ストレッチャープラスについて伺います。

 先日、地域での防災訓練でも使われていました。車輪を備えたタイプの担架は既に製品として存在しますが、ストレッチャープラスは、各防災倉庫に配られている既存の担架をそのまま利用することが可能で、車輪部分は取り外して保存でき、緊急時に組み立てて使用します。二つの車輪より、4人で担ぐことが前提となっている担架を2人で使うことができるようになるため、災害時での活躍が期待できます。また、車輪と同じ高さの足も備わっており、足と車輪の4点支持で、担架をベッドのようにも利用できます。安価に導入でき、既存の担架をそのまま使えるこのストレッチャープラスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 若い世代の支援についてお聞きします。

 若者をサポートする事業について。行政が「若者」という言葉でくくる場合、対象は、現在では40歳前後まで含まれるのが一般的です。当区においてもこういった世代向けの支援メニューを強化するべきと考えます。若い世代と捉えた場合、中野区では、ひきこもりの問題ではすこやか福祉センター、就労支援では生活援護担当、中高生では子ども教育部など、区の担当部署は複数にまたがっています。他の自治体ではどうかというと、若い世代の包括的な支援が年々強まっています。厚生労働省の管轄する「地域若者サポートステーション」は、現在、都内に9カ所となっています。23区での区単独事業としては、渋谷区、板橋区、墨田区、江戸川区など、こちらも増えてきています。23区の半数が既に何らかの若者支援事業に着手しているのが現状です。

 なぜ「若者支援」という言葉でくくっているかといえば、支援の幅が広く、これまでの縦割り事業でおさまらないからにほかなりません。これまでの当区の若者支援事業は、部署がまたがっている以外にも、どちらかといえば就労支援のほうに力点が寄っていること、就労に至る手前の中間就労のメニューが弱いこと、就労が決まった後のサポートが弱いことなど、様々な課題を抱えています。こういった課題を解決するためには、入口から出口まで一本化した事業とする必要があるのではないでしょうか。先行している他の自治体にも学んで、当区でも若い世代の支援事業を検討すべきです。伺います。

 第2回区議会定例会において、中高生の居場所をつくることを検討という旨の答弁がありました。その後の検討がどうなっているのか、こちらもお聞きします。

 学校に心落ち着ける場所がない中高生もいます。既に廃止されたU18プラザでは、職員の皆さんが知恵を絞って居場所をつくり、異世代の交流などの事業も行ってきたと聞いています。旧U18プラザの職員の皆さんにもしっかり聞き取りをしながら検討を進めるべきと考えますが、この点はいかがでしょうか。

 また、(仮称)総合子どもセンターの検討案の中に、ひきこもりなどの支援機能についての記載がありました。もしもこういった機能を持たせるのであれば、施設の名称については配慮が必要ではないでしょうか。ひきこもりの問題の一つは、中高年に差し掛かっているということです。名称に「子ども」が入るのは施設の機能を正しくあらわしていないと考えますが、いかがでしょうか。

 公文書管理についてお尋ねをします。

 公文書というと現状ではどうしても国政レベルのテーマと捉えがちですが、公文書管理法第34条には、地方公共団体においてもこの法律の趣旨にのっとり、公文書の適切な管理について必要な施策を実施するよう努めなければならないとの記載があります。総務省による2017年10月の調査では、47都道府県で条例等が全て制定済み、うち公文書館設立は33となっています。これが市区町村になると、条例等の制定が全体の93.3%、公文書館設置では5.6%となっています。市区町村レベルではまだまだというのが現状です。

 区民の皆さんの区議会への傍聴も増えているところですが、その皆さんが共通しておっしゃるのが「知らなかった」という言葉です。区政を透明化し、区民参加を更に広げるためにも、区民の共有財産である公文書管理がこれまでのような手法でよいのか、再考するタイミングではないでしょうか。現在、中野区には情報公開制度があり、区政の情報をとることはできます。しかし、情報公開制度と公文書館の制度は内容が異なります。情報公開制度は、現用・半現用文書の開示についてのみ明らかにした制度で、非現用、つまり、使わなくなった文書については情報公開制度の外側で公開すべきと、情報公開法そのものの中に規定があります。つまり、情報公開制度と公文書館の制度は仕組みが異なり、すみ分けるべき性質のものであると考えます。この点について、区の認識を求めます。

 公文書を適切に保存、管理し、求めに応じて必要な資料を提供するためには、そのための仕組みも必要です。また、住民が容易に情報にアクセスするための仕組みという点において、現状のままで十分であるのか、再検討が必要ではないでしょうか。区政に係る文書を適切に管理し、保存することは、何年後であってもその時々の政策判断を振り返ることができる条件をつくるという上で欠かせません。

その時々の政策判断について振り返り、次の政策判断の材料とすること、そこに区民も参加してもらうこと、将来にわたって区民財産である公文書を残す意味を重く捉え直す必要があります。

 現在の中野区公文書規程では、文書の保存先が区民が常にアクセスできる場所ではありません。また、文書の規定が電磁記録でよいとなっていることなど、公文書法の概念、理念とは必ずしも一致していない点も留意が必要です。

 先日、23区で唯一自前の公文書館である板橋区公文書館に視察に行ってきました。板橋区公文書館は、廃校になった区立小学校跡地の2階と3階の六つの教室を利用して運営されています。専用の建屋を用意しているわけではありません。また、設備については、閲覧室に事務机とプリンター1台、書庫には金属ラックとダンボール製のアーカイブボックスやプラスチック製の収納ケース、それと除湿機。大仰な設備はありません。かかる経費も、再任用の職員や非常勤数名の人件費と除湿機その他の光熱費のみです。視察してみて、公文書館設立のためのハードルは思いがけず低いということが確認できました。

 中野区においても、今ある区有施設を活用し、公文書館を設立することは十分可能ではないかと考えられます。区政を透明化し、区民と同じ情報を共有し、更なる区民の区政への参加を促すためにも、中野区においても公文書館設立を目指し、公文書条例の制定を検討すべきものと考えますが、区の認識を伺います。

 その他のところで一つ、地域猫事業についてお聞きします。

 地域猫事業については、不妊・去勢手術などの費用は町会を経由して補助を受けるのが現在の中野区の仕組みです。この件については、過去の議会においてもただしてきました。助成制度があるにもかかわらず、使い勝手が良くないために、いまだに猫の不妊・去勢手術は区民の皆さんの善意に委ねられている、この状況を解決すべきです。

 改めてお聞きします。猫の不妊・去勢手術などを目的とした地域猫事業の助成対象を町会以外の個人や団体にも広げるべきではないでしょうか。伺います。

 地域猫をめぐるトラブルについてもお伺いしておきます。

 こういったトラブルの多くが、地域猫事業が普及せず、事業の概要が知られていないがゆえに起きています。餌やりをされている方に対して、敷地に入れるな、自分で飼えなどの無理難題を吹っかける、警察を呼ぶなどの事案が耳に入ってきています。しかし、その場で餌やりをしなくなればほかの場所から餌を手に入れるだけで、問題があちらからこちらに移動するだけです。猫の世話をされている方は、人によっては数十年にわたって高額の個人負担をされてきており、これ以上の個人への責任の押し付けはあってはなりません。公費負担を入れながら、去勢手術をして増えないようにしながら、今生きている猫は命を全うするまで面倒を見る、やはりこれしか解決の方法はありません。

 地域で話し合い、ルールを決める、餌やりもトイレも場所を特定させ、できるだけ皆で面倒を見る、そのための話し合いの場が必要です。町会などの力も借りながら、区が問題解決の仲立ちをするべきと考えますが、区の認識を伺います。

 以上をもちまして全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) いさ議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、平和の森公園再整備の施策の転換についての御質問でございます。平和の森公園の再整備については、これまで寄せられた意見も含め、総合的に判断し、整備見直しの方向性をお示しするものでございます。

 次に、旧中野刑務所正門の区の方針への区民意見の反映についてでございます。旧中野刑務所正門の取り扱いについては、平和の森小学校の保護者、区議会、区民等、御提案をいただいた建築家団体などの御意見を十分伺いながら、門の文化財的な価値、学校施設への影響、費用等を総合的に勘案し、判断していきたいと考えております。

 次に、住まいについて、中高層住居専用地域に高さ規制を設けることの御質問でございます。中高層住居専用地域について、区では、建物の絶対高さ制限を設ける方針は定めておりません。建物の高さ制限を設けることは、土地の高度有効利用や居住・住環境維持の双方の側面があり、区として土地利用の観点から慎重に検討すべきものと考えます。区は、現在のところ、住居系地域に一律に高さ制限を設けることを予定してございません。

 次に、中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例についての御質問でございます。ただし書きの適用は、高齢者もしくは障害者の居住に配慮をした良質な住宅の提供という住宅施策の目標に沿って適正に運用されており、ワンルームマンションの抜け道として利用されているとは考えておりません。したがって、現在のところ、条例を見直す予定はございません。

 次に、中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例を実効性あるものにという御指摘でございます。中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例は、建築に係る計画の事前公開、及び紛争に関するあっせん及び調停について定めております。あっせん及び調停は、合法に申請された建築計画に対して、事業者と近隣住民等が互譲の精神を持って自主的に解決する場を区として提供するものでございます。今後とも、本制度の趣旨について丁寧に周知を図り、建築紛争解決の一助となるよう取り組んでまいります。

 次に、高齢者や障害者以外の住宅確保要配慮者に対する支援でございます。住宅確保要配慮者は、それぞれの方が抱える事情が異なることから、状況やニーズを正確に把握した上で、それぞれの要配慮者に適した支援を行う必要があると考えております。今後は、要配慮者本人だけでなく、そうした方々に関連する支援団体や事業者との情報共有や連携を進め、ふさわしい支援の在り方について検討してまいります。

 次に、居住支援協議会の考え方でございます。国が示す居住支援協議会の仕組みでは、行政と不動産事業者及び福祉団体等が連携して居住支援を推進することとされておりまして、民間賃貸住宅所有者の意見についても、不動産事業者を通じて示すことができるものと考えております。居住支援協議会の役割も含めて、現在区が設置に向けた検討を進めている「総合的な住まい相談体制」では、不動産や福祉だけでなく、建設、法律、金融等の民間事業者や専門家との連携も図ることとしており、民間賃貸住宅所有者にとってより有用な仕組みであると考えております。

 若年層と子育て世帯への家賃補助制度についての御質問でございます。今後の居住支援の考え方については、現在進めている住宅マスタープラン改定作業の中で検討を行うこととしております。若年層や子育て世帯に対する家賃補助制度の導入は難しいと考えておりますが、それぞれの実情やニーズに応じた適切な居住支援の在り方を検討してまいります。

 次に、公園についてでございます。公園に関わるコストや予算措置の考え方について、公園維持管理等に関する基本的な考え方(案)で報告しておりますが、開園後30年以上経過した公園が多く、施設の老朽化に伴って、遊具等の公園施設の更新時期を迎えていると認識しております。公園整備や維持管理の必要性は十分認識しており、今後も区の負担をできるだけ削減できるよう、国費や都費の活用を図りながら、より効率的な執行に努めてまいります。

 次に、公園ごとの利用ルールについてでございます。基本的に区内の公園はボール遊びを禁止しておりますが、公園ごとに機能や利用方法などが異なるため、今後、利用ルールの見直しは必要と考えておりますので、その際は、町会などの協力も得てまいります。

 次に、桃園川緑道についての御質問です。桃園川緑道の再整備は、昭和60年度から平成5年度にかけて、杉並区側から都と区で工事分割して行ってまいりました。時代とともに当時の整備の考え方と要望も変わってきており、老朽化により施設の破損等もありますので、植栽の管理を含めて、地域の協力も得ながら今後も適切に管理してまいります。

 最後に、紅葉山公園の池についてでございます。紅葉山公園の池について、清掃の要望の多いため、来年度に実施する予定でございます。その後も状況を見ながら適切に対応してまいります。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、防災についてお答えいたします。

 まず、防災倉庫や備蓄物資についてでございます。防災倉庫や備蓄物資が防災会の地域内に設置されていない避難所は6カ所ございます。これらの対応といたしまして、近隣の公園などに防災倉庫を設置し、物資の一部を備蓄しているところでございますが、今後も、避難所となる学校や近隣の公園などに防災倉庫の場所を確保するなど、避難所と防災倉庫の設置場所が可能な限り一致するよう努めてまいります。

 それから、私立学校等の災害時の避難所使用等の協定についてでございます。私立学校との災害時の避難所使用等の協定を締結しているのは6カ所でございます。この協定につきましては、毎年度、定期的に連絡をとり、協定内容などの確認を行うなど、締結した協定が形骸化しないように努めているところでございます。

 それから、ポケベル電波を利用した防災システムについてでございます。ポケベル波の周波数280メガヘルツは、出力が高く、屋内でも受信しやすい特徴から、現在約30の自治体で防災情報の伝達手段として導入をされてございます。区としても、本システムは文字でも音声でも情報伝達ができることから、災害情報の伝達手段としての有効性を今後研究していきたいと考えてございます。

 それから、担架に取り付けるストレッチャープラスの導入についてでございます。区では、各防災会に防災用の資機材を貸与しているところでございます。その中に担架が含まれていることから、ストレッチャープラスを取り付けることにより担架を1人で搬送することができる利点もあることから、さらにその有効性を研究し、導入を検討していきたいと考えてございます。

〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕

○子ども教育部長(戸辺眞) 私からは、若い世代の支援についての御質問にお答えいたします。

 まず、中高生の居場所の検討状況についてでございます。近隣区の中高生支援施設に赴くなど、中高生支援の実態やその運営形態などを調査しているところでございます。中高生の活動拠点の在り方につきましては、自主学習の場や音楽・ダンス等の活動ができるようなハード面の整備に加え、多世代と交流ができるようなソフト面の整備について検討が必要であると考えてございます。

 次に、中高生の居場所づくりに職員の意見を入れた検討をしてはどうかという御質問でございます。新たな中高生の活動拠点の在り方に関しましては、児童館等で中高生支援のノウハウを持つ職員をはじめ中高生の意見も取り入れながら検討を行っていくことを想定してございます。

 次に、(仮称)総合子どもセンターの名称についての御質問です。(仮称)総合子どもセンターにつきましては、児童相談所機能をはじめ教育センターなどの複合的な施設となっており、子ども期から若者期における専門相談や、支援、措置・家庭復帰等を総合的に実施していくことにしております。名称につきましては、その機能にふさわしく、区民にとってわかりやすいものとなるよう検討してまいります。

〔経営室長髙橋信一登壇〕

○経営室長(髙橋信一) 私からは、公文書管理について、情報公開制度と公文書館の制度及び公文書管理条例の制定についてお答えいたします。

 公文書の管理については中野区文書管理規程で定めるところにより、情報公開については中野区区政情報の公開に関する条例で定めるところにより、区政の透明化を推進し、区民に対する説明責任を果たすよう適切に扱っているところでございます。現在のところ公文書条例の制定は考えてはございませんが、国や東京都、他自治体の状況なども参考に、今後も公文書の管理がより適切に図られるよう努めていきたいと考えます。

〔環境部長岩浅英樹登壇〕

○環境部長(岩浅英樹) 私からは、地域猫に関する御質問についてお答えいたします。

 まず、地域猫対策事業の対象拡大についてでございます。今後、町会・自治会の皆様やボランティア活動をされている方々などから御意見を伺い、現行制度を検証した上で、必要な見直しを行いたいと考えております。

 次に、地域猫に関するトラブルの解決についてでございます。区は、地域の方と関係者間の連絡調整を行うほか、必要に応じてボランティアや東京都動物愛護推進員の紹介なども行っているところでございます。こうしたことを通じて地域の問題解決を支援してまいりたいと考えております。また、飼い主のいない猫対策事業につきましてさまざまな広報手段を通じ更なる周知を図り、問題の解決につなげてまいります。

〔いさ哲郎議員登壇〕

○31番(いさ哲郎) 再質問をさせていただきます。

 若い世代への支援についてのところでは、他の自治体にも学んで若い世代の支援事業の検討をすべきではないかとお聞きしました。このことについてお答えがなかったように思うんですが、改めてお伺いします。

 もう一点、公文書館のところで、情報公開制度と公文書館の制度は仕組みが違う、すみ分けるべきものではないかというふうにお聞きして、区の考えをお聞きしたんですが、この点、もう一度お伺いいたします。

〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕

○子ども教育部長(戸辺眞) 再質問にお答えいたします。

 若い世代の支援について、他の自治体の取り組みを参考に総合的な若者支援をされてはという御質問でございます。(仮称)総合子どもセンターにおける若者支援では、若者の相談に対して総合的に把握し、状況に応じた支援ができるよう、様々な情報提供や自立支援機関の利用をコーディネートするなどを予定しているところでございます。その検討の中で、すこやか福祉センター、また、若者の自立支援事業を展開する団体等とどのように連携していくのか、詳細を検討してまいります。

〔経営室長髙橋信一登壇〕

○経営室長(髙橋信一) 公文書館の管理についての情報公開制度と公文書館はすみ分けるべきだという質問でございます。現在のところ、公文書の管理については中野区文書管理規程に定めるところによりまして、区の情報公開については中野区区政情報の公開に関する条例に定めるところによりまして、しっかりとすみ分けて規定をしているところでございます。

○副議長(南かつひこ) 以上でいさ哲郎議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時29分休憩

 

午後2時50分開議

○議長(いでい良輔) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 山 本 たかし

 1 子育て先進区への取り組みについて

  (1)「保育の質」向上への取り組みについて

  (2)大型室内プレイパークの誘致について

  (3)中高生の居場所事業について

  (4)児童相談所の運営と社会的養育について

  (5)ひきこもりの当事者実態調査について

  (6)その他

 2 中野区手話言語条例の検討について

 3 まちづくりについて

  (1)今後の大和町まちづくりについて

  (2)第四中学校を始めとした学校跡地の活用計画について

  (3)西武新宿線連続立体交差事業後に生まれる土地の利用について

  (4)区内在住・在勤のクリエイターとの協働について

  (5)その他

 4 その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、山本たかし議員。

〔山本たかし議員登壇〕

○6番(山本たかし) 平成30年第4回定例会に当たりまして、立憲民主議員団の立場から一般質問をいたします。

 質問は通告のとおりですが、1、(6)その他で乳幼児液体ミルクについて、3、(5)その他で町会掲示板ついて、あわせて質問させていただきます。

 1、子育て先進区への取り組み、(1)「保育の質」確保・向上への取り組みについて伺います。

 本日、来年度の保育所の利用申し込みが締め切りを迎えます。待機児童解消に向けて引き続き適切に需要を見込んで対策を進めていっていただきたいと思います。あわせて、保育の質の確保・向上も大変重要です。区は、新規保育施設等を含む全ての保育施設における質の確保・向上のため、保育の質ガイドラインを来年12月策定に向け現在鋭意進めており、示されていたスケジュールでは第1回検討会が先月行われているようですが、進捗状況について、まずお聞かせください。

 平成27年に国の子ども・子育て支援新制度が始まり、自治体の独自事業として学童保育が位置付けられ、運営の基準も設けられることとなり、多くの保護者が学童保育の質と量の向上に期待を寄せました。しかし、国は、来年の通常国会で児童福祉法を改正し、従うべき基準を参考にすべき基準にとどめる方針を示しました。つまり、1教室に職員は2人以上、そのうち1人は保育士や社会福祉士などで、かつ都道府県の研修を受けた放課後児童支援員を満たす必要がなくなるということです。基準の事実上の撤廃により、学童保育の運営は地方の裁量に委ねられることとなります。けがや急病で児童を病院に連れていく必要に迫られても、職員が1人しかいなければ対応に困ります。また、無資格者が十分な研修を受けぬまま1人で数十人の子どもを預かることも制度上可能となるなど、学童保育は放課後や夏休みなど家庭に代わる毎日の生活の場であり、安心を置き去りにするようなことは避けねばなりません。

 そこで伺います。量がまだ不足しており、今後の整備拡充の体制も考えられる中、学童保育の質の低下を招かぬよう、また、区民の不安を払拭するためにも、国の基準が事実上撤廃されても、中野区は子育て先進区としてこれまで同様職員配置基準を緩和しないと宣言すべきと考えますが、見解を伺います。

 既に札幌市のように宣言をする自治体が出てきております。また、現在区では、公設民営に加え、民設民営の学童クラブも増えており、今後更に学童保育のニーズが高まることが予想され、待機児童とともに放課後児童支援員の確保についても懸念されます。保育の質ガイドラインはあくまでも国の保育指針に基づいているものであり、学童クラブについては、国の放課後児童クラブ運営指針に基づくものです。区として、保育の質ガイドラインとは別に、小学生が通う学童保育の質向上のため、学童クラブの質ガイドラインを示すべきと考えますが、区の考えをお伺いいたします。

 また、児童館についてもお伺いいたします。先日、乳幼児を持つお母さんから、子どもが生まれてから初めて児童館に行った際、既にグループができており、輪に入れず、児童館デビューに失敗したと感じ、それからは一度も足を踏み出せていないと声が寄せられました。また、別の方からは、以前はこうした状況を生まないよう、ほかのお母さんたちに職員が仲介し、輪になじんだなと感じるまで数時間そばで見守ってくれていた話も伺いました。このように足が遠のいている方は、現在進行形でまだおられるのではないでしょうか。こうした状況を生まないよう、利用する親子がスムーズに交流したり、子育ての悩みを安心して相談できる環境づくりが大切です。

 中野区は、昭和63年7月に、全国的に先駆けて区独自で中野区児童館運営指針を策定しております。しかし、以後30年がたち、児童館に求められる役割や機能、日常活動や行事の意義、留意点なども時代とともに変化しております。10月には児童館ガイドラインが改正され、虐待など問題の早期発見から、利用する子どもや保護者の様子を観察してふだんと違ったところを感じ取ることなど、より具体的な内容の対応強化となっています。今後、児童館を存続し、子育て支援の充実を図っていくのであれば、休館日の委託をはじめ今後の運営体制を確保する上でも、今後の児童館運営指針の改定を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、(2)大型室内プレイパークの誘致について伺います。

 ことしの3月に、多摩動物公園前に乳幼児から小学生まで利用できる施設、京王あそびの森ハグハグがオープンしました。このほか都内には、東京ドームシティにあるアソボーノ、八王子駅直結の商業ビルにある市の子育てセンターに併設されているボーネルンドなど、天候に左右されず、子どもたちが思いきり遊べる魅力のある大型室内プレイパークがあります。

 しかし、こうした施設は、中野区に住む乳幼児から小学生を持つ親が子どもを連れて気軽に行ける距離の施設ばかりではありません。中野区内からこうした施設に行く際には、食事をいつどこでとらせるかや電車の混雑具合を計算するなど、天候やスケジュールをよく考えて動かねばならない距離です。区では乳幼児親子の広場を整備していく計画ですが、区内においても、中野で育つ全ての乳幼児から小学生の子どもたちが、雨天時でも思いきり遊びを通して学べる大型室内プレイパークの環境整備が必要だと考えます。民間事業者の誘致による設置を検討してはいかがでしょうか。伺います。

 次に、(3)中高生の居場所事業について伺います。

 中高生の居場所づくりとして、子どもの相対的貧困の視点からも見詰めるべきだと考えます。生まれた家庭の経済力によって受けられる体験の相対的不足も補う役割や、思い悩む多感な時期、心安らぐ居場所としての役割も大切です。この社会には、様々な生き方や職業や仕事があります。人生、いつどんなときに何によって影響され、生き方を形づくるかは人それぞれですが、多様な生き方があることを体験として知っておくことができれば、それは身体感覚を伴った財産になります。

 渋谷区の中高生の居場所事業として、代官山ティーンズ・クリエーティブがあります。様々な分野で活躍するクリエーターが講師を勤める事業や、日替わりで興味ある分野を体験できる事業など、10代の感性を刺激し、インターネットでは得られない生の体験を提供する居場所づくりを行っています。

 こうした、中高生が可能性を見出し、将来の夢を描くきっかけをつくったり、好奇心に出会う機会を平等に提供できる居場所を設置することは、今の時代に求められる行政の役割です。音楽やダンス等の活動が存分にできるスペースの確保に加え、様々な分野で活躍するクリエーターとの交流、地域で活躍する大人から学ぶ機会の提供などの機能が備わっているべきと考えます。区は中高生の居場所にふさわしい機能や設置場所についてどのように考えているのか、お伺いいたします。

 次に、(4)児童相談所の運営と社会的養育について伺います。

 先日、東京都が児童虐待防止条例素案を示され、親のしつけと称する暴力の禁止が盛り込まれました。また、国の社会保障審議会の素案では、児童相談所が強制的に子どもを保護する介入とその後の支援で部署や担当職員を分けることや、介入の際の弁護士、元警察官の活用、介入機能に重点を置いた児童福祉司の研修などが示されました。児童相談における初期対応と支援の在り方については議論のあるところですが、通告を受け、介入を行うチームと継続的な支援を行うチームを分けて設ける等、児童相談所ごとに工夫がなされており、中野区ではどのような体制で運営していく考えなのか、伺います。

 また、本年7月、国は、児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策として、現行の人口4万人に1人という児童福祉司の配置基準を上回る専門職配置の体制強化を掲げたところです。区は、児童相談所設置に向け、こうした国の動きに対応した専門職の人員確保をしっかりと行えているのか、伺います。

 また、一時保護所の夜間対応には警察OB等の活用が有効だと考えますが、お考えを伺います。

 次に、社会的養育について伺います。今年度も、中野区での養育家庭体験発表会に参加してまいりました。昨年度と違い、多世代の方や夫婦の方が多く見受けられ、里親への関心が高まっていると感じるところです。子どもには、施設だけではなく、家庭への養育支援から代替養育まで、帰れる家があることが子育ちにとって必要です。地域の中でしっかりと里親委託も実現できるよう、里親の拡充と、そうした新規支援者への支援を推進することが重要です。

 区は、本年度よりショートステイ協力家庭事業の創設や啓発イベントの実施などの取り組みを行い、ハードルを低くすることで里親普及を図っておりますが、要保護児童対策地域協議会や子どもの支援に係る関係機関、団体への周知の拡大や、よりきめ細かい区民へのPRなど、より様々な工夫により登録数の向上に努めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 関連して、養育費について伺います。先週、離婚の裁判などで広く利用されている養育費の算定表について、最高裁判所の司法研修所が時代に合わず低過ぎるとの考えを示し、見直しの動きが報道されました。厚労省の2016年度調査によれば、母子家庭のうち結婚相手から養育費を受け取っているのは24%と低い数字です。金額が見直されても相手方から支払われなければ意味はなく、ひとり親家庭の貧困を防ぐ取り組みが必要です。

 子育て先進自治体の明石市では、離婚前後の子ども養育支援として、面会交流の支援や離婚時における養育費の取り決めの支援、先月からは、債権回収会社に委託し、1年間養育費を保証する事業もスタートしました。また、全国の弁護士とタッグを組み、養育費回収の支援をする民間団体も出てきております。児童扶養手当の現況届提出にあわせて、養育費や無戸籍児などに係る法律相談等を受ける機会を提供し、サポートすることは、安心・安全な子育て環境を整える上で有効と考えますが、いかがでしょうか。

 次に、(5)ひきこもりの当事者実態調査について伺います。

 先月、横浜市において、自宅で病死した76歳の母親の遺体を放置したとして、長年ひきこもりで会話が難しい49歳の息子が逮捕される事件が起こりました。こうした80代の親が50代のひきこもりの子どもを世話する、いわゆる8050問題が、共倒れの危険性をはらみ、ニュースに流れてくるようになってしまいました。ひきこもり者には、福祉、保健医療、就労、教育など個別に多面的なサポートが必要ですが、長期化すればするほど支援の困難度は上がります。

 先日、ひきこもりの問題を長年取材し、ひきこもり家族会を支えているジャーナリストの池上正樹さんにお話を伺いました。ひきこもり者の掘り起こしをしても、見なかったことにする埋め戻しが行われている行政の実態があると強く警鐘されておりました。今まで行政は稼働年齢層に対して支援が薄く、行政に相談しても解決の糸口が見えず諦めていた家族も多くおられるのではないかと考えます。また、地域に知られないようにする保護者も多く、顕在化しづらくもあります。重大事となる前に、基礎自治体による機動的な支援の体制づくりが求められます。

 まず、これまでに区が受けたひきこもりの相談件数はどれぐらいか、伺います。

 また、ひきこもり状態にある方々に対する今後の区の支援の考えをお伺いいたします。

 町田市では、2016年までの5カ年の重点事業として、ひきこもり者支援対策推進事業に取り組んでまいりました。「相談」の文字を中心に据え、福祉、保健医療、就労、教育の4分野ごとの関係支援機関などの社会資源イメージ図を作成し、関係機関のみならず、相談される市民が支援イメージを把握しやすいよう共有を図っております。個別の支援施策を行うのではなく、全体としての支援の在り方を探り、つくることが必要です。町田市のように、中野区におけるひきこもり者支援イメージ図を作成し、職員、区民と共有することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 また、国の40歳以上を対象に改め直したひきこもりの実態調査報告が今月示される予定ですが、実際の自治体の実数とは乖離があるのではないかと考えております。町田市では、ひきこもりから回復された若者を対象に当事者調査を行い、今後のひきこもり支援政策の方向性を検討し始めました。誰でもひきこもりになる可能性があることや、なぜ支援が届かなかったのか、なぜ長期化したのか、支援ノウハウの蓄積・活用、地域ネットワークの必要性、予防としての学校現場へのフィードバックなど、見えるものは多くあります。まずは、中野区としてもひきこもり当事者調査を求めます。区の見解を伺います。

 次に、(6)その他で、乳幼児液体ミルクの導入について伺います。

 先月、江崎グリコが国内メーカーとして初の乳幼児液体ミルクの開発に成功し、2019年春の販売を目指しています。これを受け、いち早く文京区では災害時の備蓄に動き出しました。区としても災害時に備えて備蓄すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、この安全性、利便性について、妊産婦や関係者への周知が必要です。メーカーの広報と接触の機会を設け、まずはすこやか福祉センターでのこんにちは赤ちゃん学級などでイベントをしてみてはいかがでしょうか。伺いまして、この項の質問を終わります。

 続きまして、2番、中野区手話言語条例の検討について伺います。

 近年、手話を取り巻く社会の機運が高まりを見せております。手話言語条例を制定した自治体は年々増加し、平成30年10月25日時点で194自治体に上っております。現在、豊島区、北区、戸田市などでも条例作成の動きが見られております。平成28年6月8日には全国手話言語市区長会が設立され、370を超える市区長が入会し、中野区も入っております。平成28年7月21日は手話を広める知事の会が設立され、平成29年10月31日には全都道府県が加入となり、手話をめぐる動きは更に広がりを見せております。

 ろう教育の現場では、1920年代以降、手話は日本語の習得を妨げるものと誤解され、多くの学校などで意図的に排除されてきた歴史があります。その結果、手話の獲得はろう教育において後回しにされ、ろう者は長い間手話を使うことに引け目を感じさせられてきました。コミュニケーション手段と情報の保障は基本的な人権の一つとして守られるべきことであり、司法、立法、行政、医療、教育などのあらゆる分野で手話によるコミュニケーションと情報提供が保障されるには、手話は言語であることを広く明確に地域で認識されることが必要です。

 全日本ろうあ連盟によると、手話を言語として保障することは五つの権利を保障することが大切だとおっしゃっています。手話を獲得する、手話で学ぶ、手話を学ぶ、手話を使う、手話を守るの五つです。障害者基本法第3条に手話を言語として定義されていますが、現状は、手話が言語として認知され、ろう者の手話による情報取得やコミュニケーションが保障されているとは言いがたい状況です。

 残念ながら国の法整備の動きが鈍い状況にある中で、障害者基本法から踏み込み、特に生活に密着した行政である基礎自治体において手話言語条例を制定する意義は重要と考えます。生まれながらに聴覚障害を持つ方の中には、手話を習得しているが、文字が苦手で、筆談器ではコミュニケーションが難しいといった方が一定の割合おられると伺っております。手話をコミュニケーションの手段とするろう者にとって、手話はろう者と社会をつなぐ命綱であり、とりわけ日々の生活について一番身近な行政であり、災害時などにも直接的な関わりを持つ基礎自治体において手話を言語と位置付け、情報アクセスやコミュニケーションの手段を保障することは大変重要です。法整備を働きかけつつ、中野区として地域社会における手話推進への取り組みを行う必要があります。

 そこで伺います。当事者の意見を反映した手話言語条例制定の検討に努めることを求めますが、いかがでしょうか。

 また、心のバリアフリー実現のためには、手話の普及の観点が大切です。まずは区の職員においては全員、基本的な手話ができるようになることが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 また、小・中学校の総合学習の時間において、聴覚障害の理解を深める時間や、中野の子どもたちは皆自分の名前と基本的な挨拶程度の手話ができるようになれば、ユニバーサルデザインでうたわれているソフトとハードとハートの理念の実現ができるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、3番、まちづくりについて、社会関係資本の観点から伺います。

 (1)今後の大和町まちづくりについて伺います。

 現在、大和町防災まちづくりとして、中央通りの拡幅事業をはじめ八幡通りにおいても話し合いの場が持たれ始めました。防災まちづくりの実現として、縦に横に手が入ることにより、まちは大きく変化しようとしております。一大事業だからこそ、防災の視点以上のものを取り入れ、いいまちに変えていかなくてはならないと考えます。大和町中央通りの拡幅事業が早稲田通りから妙正寺川まで進められておりますが、大和町中央通りに連続して、早稲田通りより南側の庚申通りに係る杉並区側においても都市計画道路に位置付けられており、杉並区では話が出ていると伺っております。

 自治体として中野区と杉並区に分けられてはおりますが、生活する者にとっては、高円寺までの道路も含めて生活圏域であります。地域に住まう方々が自分の生活するまちがどう変わっていくのかについて、道路の連続性を踏まえた杉並区側の計画状況を知ることは、まちづくりをイメージする上で有益なことだと考えます。中野区側の大和町中央通りの整備効果を高め、よりにぎわいを考慮したまちづくりを進めるためにも、杉並区と中野区で情報の収集・連携をしてまちづくりを行うべきと考えますが、区の考えを伺います。

 次に、前回の建設委員会で報告された大和町防災まちづくり計画(案)において、土地利用の基本的な考え方として「にぎわい交流の軸」とありますが、区はどのような計画を考えているのか、まずお伺いいたします。

 また、まちづくりの展開4には、「大和町の地域資源を活かしたまちづくりを推進する」とありますが、地域資源には、そこに住まう区民も地域人材資源であることは言うまでもありません。大和町には民泊など短期宿泊ではない多くの外国人が住んでおられ、年々増加傾向にあります。こうした外国籍の方々を理解し、コミュニケーションがとれる環境づくりの後押しは、ユニバーサルデザインや多文化理解など多様性を認め合う共生社会の実現を目指す自治体の社会政策としても重要であります。現在区が進めている防災の視点に加え、お互いさまの精神で心が開かれた地域となるよう、オープンスペースの活用も探っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 また、まちづくりにはとても長い時間がかかります。これからの大和町を支えていく若い世代の視点を取り入れることは、今後のまちづくりで大切な視点です。その手段として、若い世代によるまちづくりワークショップ等の手法を取り入れることが有効だと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。

 次に、(2)中野第四中学校を始めとした学校跡地の活用計画について伺います。

 学校は、子どもたちの学びやとしての機能を終えても、災害時の避難所であるとともに、地域コミュニティの大きな核です。また、地域住民の学校への思いは非常に強いものがあります。この長年地域のシンボルとして存在してきた学校の跡地をこれからの行政需要や地域ニーズに的確に対応できること、また、地域コミュニティの拠点として生まれ変わるよう再整備していかなければなりません。

 区は、第四中学校、平和の森小学校、みなみの小学校の跡地の施設整備の方向性として、民間等を活用しながら周辺の住環境に配慮した都市基盤整備を進めるとともに、防災まちづくり等への活用を図るとしていますが、これでは、区民も議会も具体的なビジョンが描けません。北区では、区民共通の貴重な財産である学校施設跡地を有効に活用するため、利活用計画や基本指針を策定しています。区として今後の行政需要をどのように見込み、どのような規模で、どのような機能が必要なのかといった考えを示していただけるのか、また、地域の要望をどの程度反映させることができるのか、そうした考えを早期に示すことによって、区民やまちづくり会議において具体的な話が進められ、ブランクを生まない活用が図れると考えますが、示す時期も含めて見解をお伺いいたします。

 次に、(3)西武新宿線連続立体交差事業後に生まれる土地の利用についてですが、ここでは、(4)区内在住・在勤のクリエーターとの協働についてもここであわせてお伺いいたします。

 現在進められている中井-野方駅間の西武新宿線連続立体交差事業後には、鉄道上部空間として2万平米以上が生まれ、国の要綱ではこのうち都市側が利用できる面積は15%相当分とされており、また、策定した西武新宿線沿線まちづくり整備方針において、にぎわい空間の創出を含む四つの観点で考えていくと示されました。ここで生まれる土地は、利用できる土地の少ない我が区としては、区北東部のみならず、野方-井荻駅間が社会資本総合整備計画に位置付けられている北西部のまちづくりにおいても大変重要な価値を持ちます。まちづくりは人づくり、いわば社会関係資本であるコミュニティづくりと考えます。中野区で暮らす区民がコミュニティをつくりたくなる、また、生みやすくなる環境整備が行政には求められるのではないでしょうか。

 この上部空間利用の例として、小田急線地下化事業での新代田駅上部空間として、地域の方が管理する花壇や、中央線東小金井駅高架下の空間利用では、人が集まるオープンスペースを目指して生まれたコミュニティステーション東小金井をつくり、地元の飲食店や雑貨店が入居するコンテナ店舗が並び、店先の路地や店内では朝市が開かれるなど、近所の人々でにぎわう新しくコミュニティを生む活用が始まっております。

 そこで伺います。多世代が交流できるコミュニティの場として、例えば現在は白鷺二丁目に1カ所しかなく都心部においてニーズが高い、親子農園や花き農園として利用することや、あるいは区内在住・在勤のクリエーターの方が集うハブとなるような自由に創作活動ができる工房などとして活用を図ることは、にぎわい空間の創出、緑化の推進にも合致し、新たなコミュニティが生まれるものとして有効だと考えます。区の見解を伺います。

 次に、(5)その他で、町会掲示板について伺います。

 区が設置する区民向けの掲示板としては、区の情報発信する区のお知らせ板が348基と、区民が自由に活動を掲示することができる区民のひろばが171基あり、区民に様々な情報が発信される大切なアナログインフラとして機能しています。一方、地域情報のインフラとして、町会・自治会掲示板があります。中野区では、現在109の町会・自治会がそれぞれのエリアで様々な活動を行っており、その活動の周知や参加者の募集、事業の実施報告などにおいて、掲示板は近隣住民に欠かせない情報発信ツールとなっています。

 地域課題は尽きることがありませんが、近年、中野区が発信する多くの情報が、区のお知らせ板に限らず、町会・自治会の掲示板に対しても協力が寄せられており、負担となっております。掲示板は、一度設置すると恒久的に使用できるものではなく、定期的なメンテナンスや改修を必要とします。現在は、町会・自治会が自身の予算内でやりくりをし、新たな設置や老朽化した掲示板の交換に取り組んでいますが、設置にかかる費用は、基礎工事を伴うものが1基当たり20万円から30万円すると聞いております。これに対して、従来の町会・自治会への助成金のみでは年間の事業費を大きく圧迫するものとなってしまうのが現状です。

 そこで伺います。町会・自治会の掲示板に区からの依頼物が多く掲示されている現状において、その情報発信力に期待するのであれば、町会・自治会役員の大きな負担となっている掲示作業の負担を軽減するために区として積極的な支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、町会・自治会の掲示板は、加入者に限らず、その地域で生活する区民の誰もが地域情報を受け取ることができる重要な資源と考えます。区としては、町会・自治会、地域、中野区全域を活性化させるに当たり、この情報資源が継続されるよう、掲示場の設置に係る支援を拡大するべきと考えますが、いかがでしょうか。

 伺いまして、以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 山本議員の御質問にお答えいたします。

 まず、1点目、子育て先進区への取り組みについて、保育の質ガイドライン策定の進捗状況についてでございます。保育の質ガイドラインについては、11月に中野区子ども・子育て会議に諮問し、学識経験者や保育園園長、保育園保護者等を委員とした部会を設置したところでございます。今後は、平成30年12月中旬に第1回の部会を開催し、その後1年程度かけてガイドラインを策定していく予定でございます。

 次に、学童クラブの職員配置基準の緩和に対する区の見解についてのお尋ねでございます。国が学童クラブの配置基準を緩和する方針との報道があることは承知しておりますが、現在のところ具体的な説明は受けておりません。今後、国からの説明を踏まえて対応を検討することにはなりますが、現時点においては、必要となる従事職員が確保できているということから、基準の緩和については考えておりません。

 次に、学童保育ガイドラインの作成についてでございます。学童クラブ事業については、中野区放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例に沿って実施をしているところでございます。事業の目的、運営規定、非常・災害時対策等を定めております。今後も更に民間活力の活用を進めていく上では、これまで直営クラブの中で培ってきたノウハウ等も生かしながら、サービスの質の確保・向上を図っていくために一定の指針を示していくことが必要と考えており、検討してまいります。

 次に、児童館運営指針の改定についてでございます。今後の新たな児童館の運営については、現在子育て支援拠点に係る検討の中で機能や役割を再整理しているところでございまして、それにあわせて運営指針についても必要な見直しを行うことになると考えております。

 次に、大型室内プレイパークの誘致についてでございます。天候等に影響を受けず親子が楽しめる室内型プレイパークの魅力は認識をしているところでございます。しかし、集客のための立地条件や採算性など民間事業者誘致のためのインセンティブの面で様々に検討すべき課題もあるものと考えております。まずは各地の施設について情報を収集するなど、今後研究してまいります。

 次に、中高生の活動拠点についての御質問でございます。中高生の活動拠点の在り方については、自主学習の場や音楽・ダンス等の活動ができるようなハード面の整備に加えて、多世代との交流ができるようなソフト面の整備について検討が必要であると考えております。また、施設の運営や自主企画の実施についても中高生が主体的に参加できるような運営体制が望ましいと考えておりますが、今後、中高生の意見を取り入れながら具体的な検討を進めてまいります。なお、設置場所についても今後検討してまいります。

 児童相談所の運営体制についてでございます。児童相談所における初期対応機能と支援機能については、自治体ごとに人口規模や職員体制等に応じた機能分化や機能間の連携方策等、工夫がなされているところでございます。区としては、初期対応の迅速性を確保するとともに、それに続く支援を効果的なものとするため、各機能を分けたチーム体制での運営を想定しております。他自治体の事例等も参考に、各機能間の連携の在り方等について更に検討を深め、中野区としてのより良い体制を整えてまいります。

 専門職の人員確保についての御質問です。児童福祉司については、国の緊急対策による上乗せも想定し、17名程度の配置を予定し、区職員の人事異動により対応するほか、社会福祉士等の有資格者の経験者採用を活用し、確保に努めてまいります。児童福祉司以外の児童相談所機能に必要な専門職等の配置についても、児童福祉法及び同法施行令の規定による基準を基本としつつ、区が設置する児童相談所として、複雑化する虐待事例のよりきめ細やかな対応、地域の資源と連携した支援の強化等を確実に図ることのできる体制を確保してまいります。

 夜間対応における警察OB等の活用についての御質問でございます。一時保護所は24時間対応の施設であり、夜間においても一定の体制を確保する必要があると認識しております。常勤職員に加えて夜間の非常勤職員等の確保を想定しており、緊急時の対応等にスキルのある警察OBの方々の採用も視野に入れながら検討を進めてまいります。

 次に、里親の拡充推進についてでございます。里親の拡充に当たっては、子どもの支援に関わる方々等に周知対象を絞ったり、地域単位で実施したりするなど、制度を身近に感じていただく機会が必要と考えております。ショートステイ協力家庭事業やイベントの開催に加えて、よりきめ細かく、人の心に届く周知と里親委託数の拡充に向けた取り組みについて、区内の里親や関係機関と連携しながら検討し、実施してまいります。

 ひとり親家庭に対する専門相談機会の提供についての御質問でございます。毎年児童扶養手当の現況届は窓口に持参することになっており、その際家庭状況の変化の聞き取りを行っており、必要に応じてひとり親家庭の子育て支援事業を紹介するとともに、相談を希望する家庭に対しては、母子・父子支援員による生活や就労等に関する相談を行っているところでございます。法律相談等の専門的な相談については、母子・父子支援員の相談の中で、区の法律相談や法テラスあるいは東京都ひとり親家庭支援センター等の専門機関を案内しております。

 次に、ひきこもりに関する相談件数のお尋ねでございます。すこやか福祉センターにおけるひきこもりに関する相談――これは窓口と電話を含むものでございますが、件数は毎年平均して50件程度となっております。

 ひきこもり者支援に対する区の考え方についてでございます。ひきこもり対策は、子どもや若者のほか、ひきこもり期間の長期化による中高年への対応も課題となってきており、地域での継続的な支援が必要であると考えております。また、ひきこもり本人や家族が抱える精神保健福祉や教育、生活困窮、就労といった様々な問題に対して包括的な支援が必要と考えておりまして、すこやか福祉センターを窓口として、東京都のひきこもりサポートネットをはじめとした専門機関との緊密な連携体制を確保していく必要があると考えております。ひきこもり問題の性質上、すこやか福祉センターによるアウトリーチ型の支援が求められていると認識しておりまして、国や都の補助事業の活用も検討するとともに、早期発見や支援の取り組みを強化してまいります。

 ひきこもり者支援の社会資源をまとめたイメージ図についての御提案です。ひきこもりの本人や家族への相談対応においては、その年齢層に対応した相談機関や支援サービスなどの資源を一覧できるわかりやすい説明図の提示が必要と考えております。町田市の事例も含めて研究してまいります。

 ひきこもりの当事者に対する実態調査についてでございます。町田市の実態調査は、ひきこもりの状態から回復されている方を対象として調査を実施したと聞いております。ひきこもりについては、これまで国や都で主に15歳から39歳までの出現率についての実態調査が行われており、また、今年度は、国が40歳から59歳を対象とした実態調査を行い、全国の推計人数を算出するとのことでございます。区としては、これらの調査結果や推計値を参考としつつ、区が把握している対象者や社会福祉協議会が開催する当事者の居場所事業、カタルーベの会の利用者等からの聞き取りを行うなどの方法によりニーズ等を分析し、総合的な支援策を検討していきたいと考えております。

 乳児用液体ミルクについての御質問でございます。乳児用液体ミルクは、本年8月に国内製造が解禁され、メーカーが製品化を進めているところでございます。情報を収集したところ、保存期間は粉ミルクの1年半に対して、液体ミルクは6カ月から1年程度となるようであり、現在は発売前であることから、引き続き製品の品質や価格等について情報を収集し、導入を検討していきたいと考えております。また、周知については、区としてどのようなことができるかどうか、他区の状況も含め研究していきたいと考えております。

 まちづくりについての学校跡地の活用計画についての質問でございます。学校跡地については、将来の財政状況や行政需要の変化を見据え、区全体として必要とされる機能や地域の価値向上につながる機能などについて、区議会や区民の声を聞きながら、基本計画において活用の方向性を示していく予定でございます。学校跡地については、活用が可能となる時期や地域の実情がそれぞれ異なることから、まちづくりの進捗状況なども踏まえて、機を逸することなく適切な時機を捉えて、区議会や地域の意見を伺いながら、活用方法について具体的な検討を進めてまいります。

〔健康福祉部長小田史子登壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 中野区手話言語条例の検討についての御質問にお答えいたします。区では、聴覚障害がある方への手話通訳者や要約筆記者の派遣、手話のできる区民を養成するための手話講習会などを実施することによりまして、聴覚障害がある方が地域で自立していくためのコミュニケーション支援の充実を図ってきたところでございます。今後は、聴覚障害を含めコミュニケーション障害のある方がどのような支援を必要としているのか、当事者からの御意見も踏まえまして検討してまいります。

〔経営室長髙橋信一登壇〕

○経営室長(髙橋信一) 私からは、職員への手話の普及についてお答えいたします。昨年度より職員研修におきまして手話講習会を実施しており、今年度も実施する予定でございます。聴覚障害がある方には、筆談や手話、口の動きなど様々な方法でコミュニケーションを行っているところでございます。職員が聴覚障害がある方と基本的なコミュニケーションができるよう必要な情報提供について工夫してまいりたいと思います。

〔教育委員会事務局次長戸辺眞登壇〕

○教育委員会事務局次長(戸辺眞) 私からは、中野区手話言語条例の検討に係る学校での手話言語学習についてお答えいたします。

 現在、学校では、人権教育や道徳教育を中心に、教育活動全体を通して、一人ひとりの個性を理解し、相互に尊重し、助け合い、学び合う指導を行っているところでございます。特に総合的な学習の時間では、多くの学校が研究課題として福祉を取り上げ、子どもたち自らが設定した学習課題に基づき、点字や手話について調べたり、アイマスクや車椅子体験をしたりと、様々な学習活動を展開してございます。手話言語の学習につきましては、子ども一人ひとりの課題意識、目的意識に応じて課題の一つとして取り上げるとともに、今後とも本区が示すユニバーサルデザインの理念が実現できるよう継続して取り組んでまいります。

〔地域まちづくり推進部長角秀行登壇〕

○地域まちづくり推進部長(角秀行) 私からは、まちづくりについて、まず、今後の大和町まちづくりについてお答えいたします。

 初めに、杉並区との連携でございます。大和町中央通りを中心とした大和町におけるにぎわいの視点を取り入れたまちづくりを行うために、杉並区との情報交換は必要と考えております。現在、杉並区とは、鉄道連続立体交差事業や不燃化促進事業に対する情報交換を行う場があり、これらを活用して、まちのにぎわい創出等についても情報交換していきたいと思います。また、地元のまちづくりの会にもその内容を必要に応じて情報提供するなど、効果的なまちづくりを進めていきたいと考えてございます。

 次に、大和町防災まちづくり計画についてでございます。この計画におきまして、大和町地区の防災性の向上とともに、まちの魅力向上を推進していくこととしてございます。より良いまちづくりを進めていくためには、年代、国籍などにかかわらず幅広い住民の声を踏まえることが必要であると考えており、今後そうした声を取り入れるための仕組みを検討していきたいと考えてございます。

 まちづくりのワークショップについてでございます。まちの魅力向上の具体化を図っていく際には、若い世代も参加しやすいワークショップなどの手法の導入も検討し、区民の声を幅広く聞いていきたいと考えております。

 連続立体交差事業で創出される空間の活用についてでございます。連続立体交差事業で新たに創出される空間については、将来にわたる社会情勢の変化に対応して最大限有効に活用していくことが重要であることから、適切な時期において、土地の所有者である西武鉄道と事業主体である東京都とともに検討に着手していくべきものと認識してございます。委員の御提案である農園や工房につきましては、平成27年9月に策定いたしました西武新宿線沿線まちづくり整備方針でお示しした検討項目のにぎわい空間の創出と緑化の推進に関連するものであり、地域の皆さんの御意見を伺いながら区として検討してまいります。

〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、町会・自治会の掲示板あるいは掲示作業に関連した御質問にお答えをいたします。

 区では、昨年度実施しました区民の町会・自治会活動への参加の促進に関する検討会、これにおきます検討結果を踏まえまして、掲示板や回覧板による町会・自治会への広報周知依頼につきましては、真に必要なものに対象を絞った上で、年間計画に基づきまして、定期的に一括して掲示物を送付し、掲示依頼をするというようなことで一定の負担軽減の効果を上げているというふうに考えてございます。このような取り組みを更に徹底するとともに、さらに、負担軽減の支援策の在り方について検討していきたいというふうに思ってございます。また、掲示板でございますが、町会・自治会の掲示板が発揮する情報周知効果の大きさは区としても認識しておりまして、町会・自治会が所有する掲示板が適切に維持できるよう、設置支援について取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

○議長(いでい良輔) 以上で山本たかし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 渡 辺 たけし

 1 2019年度の予算編成について

 2 学校施設にかかる予算について

 3 その他

 

○議長(いでい良輔) 渡辺たけし議員。

〔渡辺たけし議員登壇〕

○7番(渡辺たけし) 平成30年第4回定例会に当たり、都民ファースト・無所属の会の立場から一般質問を行います。

 質問は通告のとおりですが、最後に、その他の項目で部活動指導員制度についてを追加いたします。

 まず、2019年度予算編成について伺います。

 天皇陛下が来年4月30日に退位され、翌5月1日に皇太子さまが即位されます。平成最後の年を迎えることが正式に決まった今年度、くしくも中野区では新たな区長が誕生し、来年度の予算編成においてどのような変化がもたらされるのか、大変気になるところであります。

 中野区の財政白書を見てみますと、基金残高よりも区債残高の割合が高かった時代が長く続いており、平成25年度からようやく区債残高を上回る基金の積み立てが行われるようになりました。平成29年度における区債残高は約198億円、基金残高は約725億円と、順調に区債残高を減らしながら基金を積み立ててきておりますが、特定目的基金や減債基金を差し引いた財政調整基金の残高が約329億円となっております。

 様々な議論のあるところではありますが、学校統合に伴う老朽化した学校施設の大規模な改築・改修をはじめ、様々な区有施設の建て替え費用、毎年右肩上がりで上昇し続ける扶助費や介護給付費の伸び率などを鑑みますと、私自身はまだまだ予断を許されない財政状況が続いていると考えており、今後も引き続き区債残高を減らしながら基金の積み立て、とりわけ特定目的基金の積み立てに注力していただきたいことを改めて強く要望するところであります。

 このような財政状況が厳しい中で、前区長が掲げてきた予算編成を見ていますと、教育費にかける予算の割合が他区と比べて低いというデータが出ております。以前からも同様の指摘が他の議員からもされておりましたが、平成29年度の特別区協議会が発行している特別区の統計を見てみますと、予算全体における教育費の構成比率は、23区中、台東区とともに最下位の10.0%となっており、トップの中央区18.2%と比べて8.2%もの開きが出ております。

 就任前から現区長は、公教育を充実させる、中野を子育て先進区にしていくという発言をされていましたが、本気で子育て先進区を目指すのであれば、まずは区内の子育て環境とともに教育環境も充実させていく必要があるのではないでしょうか。我が会派としても、子育て環境や教育環境を充実させていくための施策に力を入れていただくことは歓迎するところであります。

 そこで伺います。2019年度の予算編成に当たり、教育費にかける予算の割合を他区と比較しても遜色ない構成比率にすることを一つの目標に掲げて取り組んでみてはいかがでしょうか。区長の見解を求めます。

 予算額を増やすところがあれば、減らさなくてはいけないところも出てきます。特別区の統計から他区と比較をしてみますと、中野区は、総務費、民生費、公債費の割合が他区と比べて比較的高いことが特徴として挙げられます。超高齢社会を迎えるに当たり、今後、医療費、介護給付費などの伸びが予測される中、中野区は、更に待機児童解消のためにこれからも保育の質を確保しながら保育園をつくり続ける必要もあり、引き続き扶助費の伸びが予測されるところであります。その中において、総務費と公債費の部分については削減する余地が残されているのではないでしょうか。

 総務費の中身は、主に庁舎管理費が占めております。特別区の統計の中で、中野区の総務費に係る金額が約164億円に対して、例えば墨田区は102億円、荒川区は96億円となっております。総務費の内訳については各区によって構成内容が異なっておりますので、一概に比較できるものではありませんが、中野区より低く抑えられている他区の総務費と比較検討することで、削減できる部分や改善できる部分が見えてくるのではないでしょうか。

 また、公債費については、公債費負担比率を抑えていくために、できるだけ区債の発行を控えていくという意識が重要であると思われます。そのためにも、公債費負担比率の目標値をより厳しく設定する必要があるのではないでしょうか。

 そこで伺います。今後の予算編成において総務費に係る負担割合を減らすために、他区の総務費の内訳を分析してコスト削減につながる改善部分を探してみてはいかがでしょうか。

 また、公債費負担比率について、現状の目標値である10%から更に低く設定することを検討してみてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 子育て先進区を目指すということであれば、安心して子どもを育てることができる環境をまちづくりの段階から計画したり、小さかった子どもが大きくなっても住み続けることができるような住宅環境の整備を行うなど、今後様々な課題に取り組んでいく必要があるかと思われます。そして、質の高い教育を提供していくための施策を展開していくことも重要な部分であると思われます。子育て先進区を目指すにふさわしい予算を教育費に反映させることを期待いたしまして、この項の質問を終わります。

 続きまして、学校教育にかかる予算について伺います。

 さきの質問で教育費にかける予算を増やすべきであるという主張をいたしましたが、具体的にどの部分に予算をつぎ込むかということについて考えていかなくてはなりません。将来、職につき、長期的に安定した賃金を稼ぎ、その中から税金を納めていく人材をいかに輩出していくかということを考えていくと、教育は投資であるという側面を否定することはできません。子どもたちが将来にわたりどのような生き方を目指していくべきか、また、どのような職業につくかということを自分自身で考え、決断していくための考える力をどのように育んでいくか。各学校の現場での取り組みにもより一層力を入れてほしいところであります。

 そのためにも、各学校にあてがう校割予算の拡充は早期に実現すべきところであり、我が会派のいながきじゅん子議員をはじめ他の議員からも同様の声が出ておりましたが、来年度の予算の中に組み込んでいただくべく、私からも強く要望するところであります。東京都教育委員会が出している地方教育費調達報告書によりますと、中野区が子ども1人当たりの換算で学校経営にかけている金額は、23区中、小学校で15番目、中学校で16番目となっております。校長会やPTAなどからも、校割予算の拡充を求めている声が上がっております。私も教育現場に携わっている方々からお話を伺いましたが、現場からの声として、学校教育に係る予算が増えた場合、デジタル教科書の導入やICT支援員の各学校への配置など、主にICT教育の充実に力を入れていきたいという考え方が多く見受けられました。

 そこで伺います。今後ICT教育を充実させていくことについて、区長はどのような考えをお持ちでしょうか。区長は、公教育を充実させていくということを公言されていますが、ICT教育の充実も含め、区長が公教育全体の充実を図ることにおいて特に重点を置きたいと考えている部分についてもお聞かせください。

 最後に、その他の項目で、部活動指導員制度についてお尋ねします。

 来年度から、スポーツ庁からの制度変更に伴い、部活動の指導員を非常勤講師として採用することが可能となり、教員の同行がなくても部活動の指導を行うことができたり、部活動指導員の引率だけで、土・日などに行われる練習試合の遠征をすることが可能となりました。教員の負担軽減につながる画期的な制度改革でありますが、部活動指導員の人材確保が大きな問題として残っております。実際に、学校の現場では、教員の異動時期にこのような問題が起こっております。平日の16時から18時までの時間で部活動の指導ができる人材というのは、一般の働き盛りの方々にとっては確保することが難しい時間帯であり、現状では、学校側が求める人材とマッチングする方を保護者や地域の方々からの人脈の中から見つけようとしている状況であります。

 今後、人材不足の解消を図るためには窓口を広げていく必要があり、その中で、元プロスポーツ選手の人材登用に取り組んでいくことが課題解消の一助になるのではないでしょうか。部活動の指導員という形で、プロスポーツの世界で活躍していた方が指導者に就けば、生徒はプロの技術や知識、考え方を学ぶことができ、生徒たちにとってもかけがえのない大きな財産を得ることができます。現在このような人脈につながるルートを持っている組織体としては、体育協会が考えられます。今まで中野区の学校では、部活動の指導員を探す際に体育協会へ協力を依頼することはなかったと聞いております。体育協会を通してプロスポーツの世界で活躍された方々へのアプローチを試み、中野区の学校へ通う子どもたちにプロスポーツ選手の知識やスキル、考え方を学ぶ環境を構築するための働きかけをしてみてはいかがでしょうか。

 そこで伺います。区は、部活動指導員の人材不足の課題を解消する一つの手段として、体育協会の加盟団体に指導者の紹介を依頼するルートをつくってみてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 2019年度の予算編成が今までとどのように変わってくるのか、願わくは公教育の充実につながる予算編成になることを期待いたしまして、私の全ての一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 渡辺議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、2019年度予算編成についての教育費の構成比率の増について。平成31年度予算編成においては、子育て先進区に向けた取り組みとして、保育園の待機児童対策や子育てサービスの向上を進めるとともに、学校施設の改善や学校教育の充実など公教育の拡充を進めていく考えでございます。学校施設を増設している区などは教育費の構成比率が高まるなど、各区それぞれの行政需要から、実施する事業の内容によって教育費の構成比率が上下するものであると認識しております。今後は、他区の教育費の構成比率についても注視しながら、学校教育の充実を図る予算編成に努めてまいります。

 次に、総務費の縮減についてでございます。中野区では、基準となる一般財源規模を超過した歳入ついて基金に積み立てることとしており、主に財政調整基金に積み立てております。この財政調整基金への積立金は総務費に分類されることから、総務費の割合が高くなる要因となっております。総務費の内訳としては、総務費関係の職員給、それから、区庁舎の維持管理費、施設修繕費、住民情報システムの経費が主であり、ICT等の活用を進めるなど事務の効率化を図って、歳出の抑制に努めてまいります。

 公債費負担比率の見直しについての御質問です。起債については、世代間の負担の公平化を図るために活用しながらも、義務的経費となる公債費の抑制に努めることの両立を図ってきたところでございます。今後、中野駅周辺まちづくりや新区役所整備等に係る経費等、行政需要の増大が予定されており、区民生活に必要な財源を縮小させることなくこれに対応するには、計画的に起債を活用することは欠かせないと考えております。中長期的な行政需要を踏まえると、今後も区の財政体力に見合う10%前後を目標値に置くことが現役世代の負担の軽減に値すると考えております。一方で、できる限り公債費の抑制に努めていくことも必要であると考えておりまして、起債の活用に当たっては、中長期的な需要を見据えて慎重に判断してまいりたいと考えております。

 学校教育に係る予算について、まず最初に、ICT教育の充実に向けての私の考えについてでございます。情報化、グローバル化といった社会的変化が加速度的に進展している現在、コンピュータ等によってもたらされる情報を適切に選択・活用し、問題解決していく力が求められるとともに、コンピュータ等のICT機器そのものをより適切・効果的に活用していく力も身につけていく必要があると考えております。一方、これらのICT機器の活用については、子どもたちの興味関心、一人ひとりの実態に応じた学習など、学習活動のさらなる充実に向けても大きな効果があると認識しております。このようなことから、学校におけるICT教育の充実については、これまでも、普通教室や特別支援学級への電子黒板や無線LANの配備など、主としてハード面において計画的に取り組んできているところでございます。今後は、デジタル教科書の導入等、ICT教育のソフト面においても一層の充実に向けて取り組んでまいります。

 次に、公教育の充実についてでございます。子どもたちがこれから生きていく社会は、生産年齢人口の減少、グローバル化の進展、技術革新等により、社会構造や雇用環境が大きく変化するなど、予測が困難な時代を迎えております。このような時代にあって、学校教育には、子どもたちが様々な変化に積極的に向き合い、他者と協働して課題を解決していくことや、様々な情報を見極め、知識の概念的な理解を実現し、情報を再構成するなどして新たな価値につなげていくこと、複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようになることが求められております。これはまさにこれからの社会を生き抜くための生きる力であり、とりわけ公教育においては、子どもたち誰もがこうした生きる力を身に付けていくことが重要であると認識しております。特にICT教育は、新しい時代を担う子どもたちに必要な資質・能力を身に付けさせていく上で非常に有効な手段と考えております。今後もその環境整備に努めてまいります。一方、子どもたち一人ひとりが安心して学ぶ環境を整えることも不可欠であります。具体的には、特別支援教育の充実、いじめや不登校を防止するための教育相談体制の整備、巡回や分教室での指導も含めた多角的な適応指導などにも重点を置いてまいります。

〔健康福祉部長小田史子登壇〕

○健康福祉部長(小田史子) 3、その他の部活動支援におけます中野区体育協会との連携についての御質問にお答えいたします。

 中野区体育協会には現在35の団体が加盟しておりまして、区民の方を対象とした各種目の大会や教室などを開催しているところでございます。部活動への指導協力の相談などができるような仕組みにつきましては、今後、中野区体育協会と調整していきたいと考えております。

○議長(いでい良輔) 以上で渡辺たけし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 若 林 しげお

 1 高齢者施策について

 2 児童・生徒の安全見守りについて

 3 不妊に対するセーフティーネットについて

 4 その他

  (1)防災について

  (2)その他

 

○議長(いでい良輔) 次に、若林しげお議員。

〔若林しげお議員登壇〕

○2番(若林しげお) 平成30年第4回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。

 質問は通告のとおりで、1番、高齢者施策について、2番、児童・生徒の安全な見守りについて、3番、不妊に対するセーフティーネットについて、4番、その他で、防災について、中野の伝統工芸についてお伺いいたします。よろしくお願いいたします。

 初めに、高齢者施策についてお伺いいたします。

 平成37年――2025年、戦後の世代として最もボリュームのある団塊の世代の人々が全て75歳以上の後期高齢者になります。これにより、日本人の5人に1人が75歳以上、3人に1人が65歳以上という超高齢化社会へ突入してまいります。さらに、2040年は高齢者数がさらに増え、ついにピークに達していきます。団塊の世代に加え、その子どもたち、つまり団塊ジュニアの世代も高齢者に仲間入りするのです。その数おおよそ4,000万人。中野区においても、確実にこうした時代の波が押し寄せてくることになります。高齢者を中心とした見守りや福祉、介護といったバランスのあるサービスを保つためにも、今後、高齢者施策の充実が重要な課題となってきます。

 こうした状況を踏まえ、介護を中心にお伺いしていきます。

 区では、これら高齢者における地域包括ケアシステムの推進に必要な施策、事業を一体的に進めるため、来年度、区民サービス管理部の介護保険事業、及び地域包括ケアの推進に密接に関連する健康福祉部の高齢者サービス等に係る事業を地域支えあい推進部に移管する案を示されております。これにより、介護保険の入りの部分と地域包括ケア事業のいわゆる出の部分が別々だったものが一体化されることによって、より明確にサービス提供が行えるようになると考えますが、今後想定している事業の進め方についてお聞かせください。

 一方、区の組織体制が整ったとしても、その事業を担う介護施設等の事業者がしっかりと運営できていなければ、区民サービスに影響を及ぼしてまいります。先ほど述べたとおり、今後は更に介護者の急増が想定される中、介護施設の充実は喫緊の課題です。

 そこでお伺いします。現在、中野区における特別養護老人ホームの整備状況はどのようになっているのでしょうか。また、今後特別養護老人ホームの整備計画を予定しているのか、あわせてお聞かせください。

 次に、介護従事者についてお伺いします。

 これから最も厳しくなってくる社会的要因の一つが少子化による人手不足の問題です。これまで社会保障が直面してきた最大の課題は、高齢者の急増でした。しかし、これが2040年になると、新たに現役世代の急減、つまり働く人たちの急激な減少という新たな局面を迎えます。全国の就業者数、つまり働く人たちの数の見通しについては、現在6,580万人となっていますが、これが2025年には200万人少なくなります。そして、2040年には更に減って、今よりも1,000万人近く減少していく推計となっています。

 こうした状況下においては、介護サービスを受けたくても十分に受けられなくなる事態も想定されます。仮に介護施設としての入れ体制は整ったとしても、肝心な介護従事者不足により受け入れられないという問題が出てくるのではないかと考えます。現に、都内の全ての非常勤、パートも含めた有効求人倍率で、介護サービス職種は6.33倍、23区内においては9.22倍になります。また、第6期東京都高齢者保健福祉計画によれば、都内における介護人材需給推計は、2025年で3万6,000人不足すると記載されております。

 一方、東京都が調査した特別養護老人ホームにおける介護職員充足状況では、平成30年5月時点で、施設独自配置基準を満たしていない施設が53.6%、満たしていない期間が6カ月以上のものが71.1%、また、新規採用予定人数を確保できないものは56.6%となっています。こうしたことからも、明らかに介護従事者が不足していることが見てとれます。

 そこでお伺いします。こうした状況を踏まえ、中野区の特別養護老人ホームにおいて介護従事者の現状はどのように把握されていますか。お聞かせください。

 また、各事業所との連絡はとれているのか、どのように情報交換をしているのか、お聞かせください。

 今後、地域包括ケアシステムにおける地域・在宅介護を進めていく上でも、介護従事者雇用は大きな課題となってくると考えます。できるだけ多くの人材確保が求められますが、東京都は、介護従事者のための宿舎借り上げの補助事業を実施していると聞いております。今後、区としても介護人材確保のために家賃補助などについて検討する必要があると思いますが、区の見解をお聞かせください。

 次に、こうした施策の競い合いは、今後、各自治体間で介護従事者の奪い合いも想定されます。中野区としても、介護の仕事の魅力を伝えること、例えば講演会など、介護という職種の周知や理解を深め、積極的にアピールポイントを設けていくことが大切だと考えますが、区としてどのような見解をお持ちでしょうか。お聞かせください。

 また、人材確保に向けては、ハローワークと介護労働安定センターと協力しながら資格取得に対する援助をしていると聞いております。中野区としても、多くの方々が資格を取りやすくするために、補助制度の強化をしてはいかがでしょうか。

 老老介護と言われるのが今後当たり前のようになってくると考えます。私は、平成30年の予算特別委員会総括質疑において、介護という職種は、今後、高齢者の就業機会、高齢者就労支援にもつながると述べさせていただいております。定年退職した方を中心に、介護に携わる機会に触れてもらい、結果として、資格を取得し、介護の仕事についていただくことが可能なのではないかと考えます。特に地元の方々に介護をしてもらうと会話が弾むとも聞いております。シニア世代の方が介護の資格を取得しやすくするため、現行の中野区認定ヘルパー養成研修や初任者研修受講費用助成などに加え、今後、国が導入した生活援助従事者研修の受講費用助成を導入していただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 また、仕事に就いていただいたとしても、介護の仕事においては離職者が多いとも聞いております。その対策も講じなければなりません。区としてのお考えをお聞かせください。

 介護資格を目指す大学は、全国で105校、都内に13校、専門学校においては、全国で129校、都内で16校あります。介護従事者の担い手をあらかじめ確保するためにも、これらの機関に協力していただくのも手段と考えます。区の見解をお聞かせください。

 以上で、これまで述べたとおり、中野区で働く介護従事者に対する様々な支援や人材確保に向けた取り組みの強化を強く求め、この項の質問を終わります。

 次に、児童・生徒の安全見守りについてお伺いします。

 児童・生徒の通学路においては、安全確保の強化は全国的にも喫緊な課題であります。5月に新潟市で小学校2年生の女の子が下校中に連れ去られ、殺害し遺体を線路上に放置したという極めて残忍な手口の事件がありました。希望に満ちた子どもの将来が無残に断ち切られたことへの家族や学校関係者の無念ははかり知れないものであると考えます。

 中野区でも時折不審者情報が入るなど、いつ、どんな事件・事故が起こるかわからない中で、間違いない安全対策が必要になります。皆さんの子どもの安全に対する思いは同じであり、通学中の児童・生徒の安全確保のために様々な団体が見守りなどの活動を行っていただいております。区は現在、警察と協力し、平成29年第1回定例会において一般質問をさせていただいたゾーン30の交通規制を、道路管理者、地域住民と協議し、広げていくなどの施策を実施していただいております。また、月曜日から金曜日のスクールゾーン、通行禁止時間帯の外れている第2土曜日の学校公開日には、中野署管内の小学校のPTA、町会が通学路安全運転呼びかけ隊を結成し、見守りを実施していただいております。交通安全運動週間には、各町会の交通部が中心となり、各町会のポイント地点にテントを張り、横断歩道では旗を振り、交通安全を促していただいております。

 区の教育委員会も、児童の安全のために、シルバー人材センターを活用して通学路上の交差点などに通学路交通安全指導員を配置していますが、この通学路交通安全指導員はどのようなルールで配置しているのでしょうか。また、幾らかかっているのか、お聞かせください。

 子育て先進区を目指すのであれば、通学路見守りを通年で更に拡大させる必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。

 また、平成29年第1回定例会の一般質問で、児童の声を使い、登下校の見守りを防災行政無線を使って流してみてはという提案をさせていただきました。防災行政無線を使い、定期的に流している振り込め詐欺防止の放送にも、何を話しているか聞き取れないという苦情もあると聞いております。もし本当に聞き取れないのであれば、防災行政無線の意味がありません。児童の声で見守りをお願いするというのは、他の行政広報とタイプの違うものであります。また、苦情が心配であるならば、隣の新宿区は平成20年4月からずっと続けているのはなぜでしょうか。やり方や工夫を聞いてみてはいかがでしょうか。

 改めて、防災行政無線の改良、工夫も兼ねて、児童の声で防災行政無線を使い、登下校の見守りを区民に促してはと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。

 他の見守りの方法として、度々質問をさせていただいておりますIoTを活用した見守りがあります。ネットワーク対応型防犯カメラを設置し、通過を確認する、また、PTAからは、校門に設置して登下校の確認ができるようにしてもらいたいという要望もありました。平成30年第3回定例会一般質問の答弁で、日本の準天頂衛星システム「みちびき」が強化され、高精度で安定した衛星測位のシステムを利用したサービス提供も視野に入れとありましたが、IoT活用による見守りはどのような検討がなされているのか、お聞かせください。

 児童・生徒の安全確保のため、あらゆる方面から見守りを考え、中野区の子どもたちは安全である子育て先進区を目指していただきたいと要望し、この項の質問を終わります。

 次に、不妊に対するセーフティーネットについてお伺いします。

 平成28年第4回定例会一般質問で、我が会派から、区民にとって最も身近な自治体である中野区において、不妊に悩む心の寄り添い、また、妊活においても妊娠に至るまでの全ての相談に対し親身になって支援を行うため、医療機関などと連携し、専門的な相談体制を整えるべきと要望させていただきました。

 平成28年度から医師会の御協力を得ながら実施している若年層を対象とした妊娠・出産に関する知識の普及啓発事業をはじめ、平成29年度からは、専門医に妊娠や不妊に対して直接相談できる不妊専門相談、ピアカウンセラーなどによるほっとピアおしゃべり会、また、地域医療機関へ無料で相談できる妊娠相談保健指導事業の実施など、妊娠や不妊に悩んでいらっしゃる方への着実な支援が図られていることを評価いたしております。

 ただし、今年度第3回定例会で明らかになった平成29年度決算において、相談事業の実績として利用されている方が少なく、妊娠や不妊に対する施策として更なる工夫が必要なのではないかと考えるところです。不妊相談、不妊治療に対するハードルを払拭していただけるような仕組みづくり、更なる周知徹底が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。

 東京都の資料を確認すると、中野区には、残念ながら東京都特定不妊治療費助成事業の指定医療機関はありません。しかし、不妊相談や不妊外来をしていただける医療機関は何件か存在しております。子どもを授かりたい方々のために、不妊相談、不妊検査、不妊治療を受けていただき、そして、特定不妊治療が必要な方が少しでも金銭的に不安なく治療を受けていただくことは必要ではないでしょうか。

 子どもを授かるに当たり、不妊治療を受けられる方々の財政負担は大きいものがあります。ステージを踏んでいくごとに負担も増してまいります。途中で諦めてしまうケースも多いと伺っています。そうしないためにも、中野区民の方は、現在、東京都の制度である東京都特定不妊治療費助成事業を利用されているものと思います。東京都の特定不妊治療費助成事業が開始されてから中野区民の利用も徐々に増えているとは思いますが、近年の中野区民の方の利用傾向についてどのように分析しているか、お伺いいたします。

 他区の状況を見ますと、単独の特定不妊治療費助成をしているのは港区だけです。ほか12区は何らかの形で上乗せ助成をしております。特定不妊治療費助成事業指定医療機関が区内にないということ、財政的負担の面からも、港区のように自治体で独自の助成をするのは現実味がないと考えます。それならば、東京都の認定を受けた方に対し、不妊相談から特定不妊治療まで諦めずに進むことができるよう、区として後押しをしていただくことはできないでしょうか。子育て先進区を進めるに当たり、中野区に適した助成を求めますが、区の見解をお聞かせください。

 また、助成するに当たり、東京都と同じようにステージや所得により助成の仕方を変えていくのか、お聞かせください。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に、その他で防災についてお伺いします。

 この度、各委員会で報告がありました組織改正案において、危機管理、防災、生活安全が同じ部署となります。今後、災害時、震災時の際に組織として一体的に対応できるようになり、BCPもしっかり意図できると考えます。今回の組織改正によってどのような体制づくりをしていくのか、お聞かせください。

 次に、この組織改正を機に、提案があります。警視庁や東京消防庁から派遣されている職員の知識と経験が中野区の財産になっていないような気がします。安全や防災に関して、派遣職員が中心となり業務を進めていくのではなく、中野区職員が中心となり業務を進めていくべきと考えます。また、全庁的な話になりますが、本来、区職員が業務を進める苦労により身に付くスキルが、職員数の削減から外部委託により、身に付いていないことも気になるところです。警視庁や消防庁の派遣職員が派遣元に戻っても知識と経験が中野区の財産として残り、積み重ねていける体制づくりが必要であると考えます。たとえ区役所内で人事異動があったとしても、それは中野区の財産として保有することができます。警視庁や消防庁からの派遣職員が中心となって業務を進めるのではなく、オブザーバーとして指導していただき、区職員が知識、経験を継承できるよう育てていける取り組みを進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。

 ことし7月20日に、防災対策調査特別委員会で、神戸市の危機管理体制や防災に関する施設を視察してまいりました。阪神・淡路大震災後、様々な点の見直しを実施したそうです。この組織改正を機に、中野区もしっかりと見直し、組織体制をつくるべきと考えます。

 区内居住の職員数は22%程度となっていますが、区の危機管理として、重大事案の発生後1時間以内に勤務場所へ参集できる人員は何人を想定していますか。お聞かせください。

 神戸市では、速やかに危機管理体制を立ち上げるため、部長級の管理職員をはじめ多くの職員を市内の職員住宅に居住させていました。また、消防団員の立場からも、災害時の初動対応は大切であると痛感しております。中野区でも、今後、速やかに危機管理体制が立ち上げられるよう、職員住宅を増やすなど何らかの施策を考えたほうがよいと思いますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。

 さらに、神戸市では、大規模公園の地下に防災倉庫や水槽を設置し、有事に備えておりました。少子高齢化の状況から小学校の統廃合が避けられないことから、避難所や備蓄スペースが少なくなっているのが現状です。小・中学校の校舎に頼らない避難所や備蓄スペースを計画していくべきと考えます。区の見解をお聞かせください。

 次に、ブラックアウト対策についてお伺いします。

 平成30年9月6日3時7分に、北海道胆振東部を震源として、震度7の大規模な地震が発生しました。山崩れ、液状化現象などによって40名以上が亡くなり、行方不明者、けが人、また、これらによって避難されている人も多数に及んでおります。被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、一日も早く平常な生活が戻ることを祈っております。

 この地震により、震源地近くに立地する北海道電力苫東厚真火力発電所が被災をしました。電力が一瞬に失われ、系統のほかの発電所も発電設備保護のために順次停止し、北海道全体が停電する、いわゆるブラックアウト状態に追い込まれました。このようなブラックアウトの前例としては1977年のニューヨーク大停電が有名であり、日本でこれほど広範囲、長期にわたり発生したのは、おそらく初めてであろうかと思います。

 テレビが見られず、数少ない情報元や通信手段となったのがスマートフォンや携帯電話です。避難所内で電源を求める人々は、4時間待ったができなかったという方もいたようです。携帯販売所でもサービスを行いましたが、長蛇の列ができたと聞いております。災害時、情報収集、安否確認に最大限に力を発揮するスマートフォン、携帯電話であります。停電が起こったとき、ブラックアウトになったときに端末の充電ができる設備が必ず必要であると思います。災害時、ブラックアウトに備え、一時避難所に充電設備を設置していただくことを望みますが、区の見解をお聞かせください。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に、中野の伝統工芸についてお伺いします。

 熟練した職人が道具や機械を使用して伝統的な技法によって芸術的な工作品を制作する、工場で大量生産するものとは違い、日本の伝統的技法に基づく地場産業であるものが伝統工芸であります。区は、都市観光情報サイトにおいて伝統工芸職人の紹介や、区内伝統工芸の育成及び地域社会の発展に寄与することを目的として中野区伝統工芸保存会が行う伝統工芸振興事業に対し、支援を行っております。

 この中野区伝統工芸保存会は、昭和58年に職人と販売業者とで中野区伝統工芸研究会を設立し、昭和62年に職人だけの中野区伝統工芸保存会に移行し、現在に至っております。都内でも、伝統工芸会としては古い歴史のある団体であります。

 区が行っている主な支援としては、毎年6月に中野区保存会が開催する伝統工芸展に対して毎年補助金交付が挙げられます。区として保存会に対して継続的な支援はしているものの、他区を見れば、北区や台東区のように、パンフレットを区が作成し、後押しをしたり、墨田区のように専用ブースを常時設置したりという分厚い支援を行って、自分の区にある伝統文化、職人を保護、支援しております。

 一方、中野区の保存会は、自分たちでパンフレットをつくり、また、近年里まち連携をしているみなかみ町へ自費で会として赴き、みなかみ町の職人と交流を行ったり、みなかみ町の観光施設において中野区伝統工芸展inみなかみ町を開催して情報発信を行ったり、区の伝統保存会の活動は、近年、職人さんたちの頑張りもあり、更に発展しているところです。それに対し、みなかみ町の伝統工芸会は、中野区に出張する際にはみなかみ町が出張費を予算化しているようです。

 区は、第3回定例会において新たな組織改正の案を提示し、その組織には、文化産業観光担当部長を置き、文化、国際交流を担当とする組織をつくるとしています。内容については今後ということでしたが、文化に対する施策を今後強化していく姿勢を明らかにしております。

 文化とは、広い概念であるのはたしかであります。音楽やアートなどが文化という概念で入ってくると思います。しかし、中野に根差した伝統文化を継承し、発展させることは、文化施策の強化、重要な施策となるのではないでしょうか。この組織改正を機に、中野区伝統工芸に対する支援策について、これまで以上に、財政的な支援はもちろん、人的支援、組織的支援をするべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 若林議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、高齢者施策についてでございます。高齢者支援の一体的な提供という点についてでございます。今回の組織改正に当たって、介護保険に係る居宅サービスや施設サービスをはじめ介護予防・日常生活支援総合事業、さらに、様々な高齢者サービスを一体的に展開し得る体制の整備を検討しております。これによって、いわゆる元気高齢者から介護が必要な方など、高齢者の様々な状況やニーズに応じた総合的かつ包括的なサービス体制の強化・拡充を図っていく考えでございます。

 次に、特別養護老人ホームの整備についてでございます。現在、中野区内には10カ所の特別養護老人ホームがあり、定員は748名でございます。2019年6月に開設を予定しております定員84名の特別養護老人ホームの建設が弥生町六丁目において進んでいるほか、2020年4月には、定員100名の特別養護老人ホームが江古田四丁目に開設する予定でございます。また、第7期の介護保険事業計画においては、100名定員の特別養護老人ホームを1カ所、整備誘導する予定となっております。今後も、計画に基づき、特別養護老人ホームの整備誘導に努めてまいりたいと思います。

 次に、特別養護老人ホームにおける従事者の現状把握についてでございます。第7期介護保険事業計画を策定するに当たって、介護人材を確保するための方策を検討するために、特別養護老人ホームをはじめ区内各介護サービス事業者のアンケート調査並びに区内の全部の特別養護老人ホームの管理者から現状についての聞き取りを行いました。この中で、特別養護老人ホームにおいては人材確保への対応に努めており、人材派遣業者への依頼や職員への資格取得支援など、様々な工夫を行っていること、また、職員の住宅の確保などの課題を抱えている現状を把握し、計画づくりの参考としたところでございます。このほか、区では、区内の特別養護老人ホームの関係者が構成員として参加している中野区介護サービス事業所連絡会の例月の会議に出席し、必要な情報交換を行うなど連携を図り、状況把握に努めているところでございます。

 次に、人材確保に向けた家賃補助についての御質問です。区では、介護人材を確保するため、研修や資格取得支援など、様々な事業を実施しているところでございます。家賃補助については、国や都の施策の動向を見据え、介護人材の確保策としての効果などについて研究してまいります。

 介護のアピールポイントについての御質問です。区では、介護の仕事の魅力を伝える事業として、中野区介護サービス事業所連絡会が介護の仕事と仕事の魅力を発信するために作成するホームページや発行物への補助を行っております。また、介護の日に合わせて友愛クラブの活動の場に伺って介護制度説明会を行っているほか、同連絡会と共催で、区役所において、福祉用具の体験、主任介護支援専門員や看護職による相談、介護事業のパネル展示、パンフレットの配布などを実施しております。今後もこれらの事業の充実を図るとともに、来年度に向けて、介護の日に合わせた新たなイベントの実施などを検討していきたいと考えております。

 次に、生活援助従事者研修の導入についてでございます。生活援助従事者研修は、生活援助中心型のサービスに従事するヘルパーを養成するため、今年度、国が創設した研修制度であり、59時間の研修時間が設けられております。現時点ではまだ都内に研修実施機関が存在しませんが、介護人材の裾野を広げる施策として、研修の受講費用を助成する事業の導入を検討してまいります。

 次に、離職防止策についてでございます。区内介護サービス事業所を対象に行ったアンケート調査によりますと、離職の原因の主なものとしては、仕事上のストレス、職場の人間関係、健康の問題、給与などが挙げられております。区では、中野介護サービス事業所連絡会と研修のテーマ等について協議を行い、介護従事者のメンタルヘルス、管理者やリーダーに求められる役割についての研修を行っております。また、資格取得のための費用助成の上限額を引き上げたところでございます。区内の介護サービス事業所では大学生や専門学校生の実習等の受け入れを行っており、このような関係性を構築する取り組みは、区内で働いていただくために有効であると考えております。今後とも、区内の事業所が学生の就職先として選択してもらえるよう、先進自治体の取り組み事例などの情報収集等を行ってまいります。

 次に、不妊に対するセーフティーネットについての質問でございます。

 最初に、不妊相談事業の周知徹底についての御指摘でございます。事業の周知方法としては、すこやか福祉センターをはじめとする区内施設や、医師会や薬剤師会等の協力のもと、医療機関や薬局へのチラシ配布を行っているほか、区ホームページにより周知を図っているところでございます。今後は、検討している不妊治療費助成の実施段階に合わせて不妊相談事業の周知も行い、不妊相談や不妊治療に対する抵抗感の払拭に努めていくほか、平日に就労している方や夫婦で利用しやすい土曜日の事業開催を検討するなど、相談しやすい環境を整えてまいります。

 都の不妊治療費助成の利用傾向分析についてでございます。東京都特定不妊治療費助成事業の区民認定件数は、平成24年から平成29年にかけて、330件、415件、430件、476件、469件、493件と増加傾向にあります。出産年齢の高年齢化が進んでいる現状からも、今後も不妊治療を必要とする区民は増加すると予測しております。

 次に、不妊治療費助成の考え方でございます。不妊治療の経済的負担の軽減については、東京都の不妊検査等助成事業や特定不妊治療費助成事業の認定者に対して助成する仕組みを検討しており、特定不妊治療費助成に関しては、東京都と同様の治療段階に応じたステージ区分による上限額や年齢による回数制限、所得制限についても検討しているところでございます。

 続きまして、その他、中野区伝統工芸に対する支援についての項でございます。中野区伝統工芸に対する支援については、これまで区内産業の育成及び地域社会の発展に寄与することを目的として、毎年6月に開催する中野区伝統工芸展に対する事業補助、また、伝統工芸保存会の活動に関する情報発信、東京都ほか、他自治体や区内大学との連絡・連携の支援等を行っているところでございます。中野区伝統工芸保存会は、職人の技術や文化的価値に親しんだり、興味を持ってもらうため、区内小学生や外国語学校の生徒を伝統工芸展に招いたりしているほか、近年、みなかみ町との連携やふるさと納税の返礼品提供など新たな取り組みを始め、活動の幅を広げているところでございます。中野区伝統工芸に対する支援については、産業育成の視点のほか文化の継承や発展という視点も含め、今後の支援の在り方については検討していきたいと考えております。

 それから、申しわけございません。順番がずれてしまいましたけども、2番目の児童・生徒の安全見守りについて、その中でのIoTを活用した見守りについての御質問がございました、IoT活用による見守りについては、IoTと高精度で安定した衛星測位システムを利用した技術の開発状況について、把握に努めているところでございます。具体的には、低消費電力で広域をカバーすることが可能な通信方法を利用して、見守り対象者が所持するタグにより対象者の位置情報を把握する方法によって見守りを行う事業などであり、今後、同技術を含め、様々な技術の進捗状況の把握に努めながら、子どもの見守り事業の在り方について検討を行ってまいります。

〔教育委員会事務局次長戸辺眞登壇〕

○教育委員会事務局次長(戸辺眞) 私からは、児童・生徒の安全見守りについての中で、通学路安全指導員の配置についてお答えいたします。

 通学路交通安全指導員は、通学する児童の登校時及び下校時の安全を確保するため、通学路で危険と思われる場所に誘導員を配置しているもので、1日3時間、年間35日の範囲で、各学校が実情に合わせて配置しているところでございます。学校再編校により通学路が変更となる場合などは、原則として3年間の配置日数の延長、配置人数の増員を行っているところでございます。平成29年度の決算額については、約870万円でございます。通学路の見守りにつきましては、今後も、PTAや町会・自治会等の協力をいただきながら、充実してまいりたいと考えてございます。

 続きまして、防災行政無線を使っての見守りの御質問です。防災無線等を活用した見守りに係る呼び掛けにつきましては、地域の方々の意識を下校する児童に向けることにつながると考えられておりますが、防災無線のスピーカーは天候によって聞こえづらい場合もございまして、活用については更に研究してまいりたいと考えてございます。

〔経営室長髙橋信一登壇〕

○経営室長(髙橋信一) 私からは、4、その他、防災についてお答えいたします。

 初めに、危機管理、防災に係る体制についてお答えします。防災については、現在、平常時におけます防災まちづくりなどと区民の防災意識向上の取り組みを都市基盤部において行っているところでございます。また、組織内危機管理や生活安全とは組織が分かれているところでございます。一方、大規模災害時の緊急時には災害対策本部体制において全庁的対応を行っており、これまで分かれていた緊急時と平常時の体制を統一する組織に変更することを予定しているところでございます。組織内危機管理や生活安全と防災を一体的に取り組むことにより、更に緊急時の危機管理体制が強化されるとともに、平常時においても危機管理の側面から強化していく体制づくりを行っていきたいと考えているところでございます。

 次に、警視庁、消防庁派遣職員についてお答えいたします。これまでも警視庁や消防庁からの派遣職員を受け入れ、平常時はもとより緊急時においても、派遣職員の知識、経験、ノウハウなどについて、区の職員へのスキル継承を行ってきたところでございます。今後は、一体的な組織体制のもと、知識、経験を継承できるよう、人材育成の観点から職員の危機管理能力を強化していきたいと考えます。

 次に、1時間以内に参集できる職員数についてお答えいたします。中野区政のBCPの改定に当たり、平成30年1月に実施した調査では、出勤準備時間30分に道路の被害等を想定して1キロ当たり20分で計算した徒歩による所要時間を加算して算出した結果、震災発生後1時間以内に区役所本庁舎へ参集できる職員数は、2,096人中138人でございました。

 次に、危機管理体制を立ち上げるための取り組みについてお答えいたします。職員住宅を増やすことについては現在考えてございませんが、職員参集訓練を強化するなど、速やかに危機管理体制を立ち上げるための取り組みを推進していきたいと考えます。

〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕

○都市基盤部長(豊川士朗) 防災について、2点お答えいたします。

 まず、小・中学校の校舎に頼らない避難所や備蓄スペースの計画についてでございます。区では、建築物の耐震化、耐火化や防災まちづくりを推進するとともに、区の人口動向分析、人口推移などを勘案し、さらには、東京都が発表する中野区の避難所生活者数を参考に、あらゆる機会を捉えて、必要となる避難所や備蓄スペースを確保していきたいと考えてございます。

 それから、スマートフォンや携帯電話用の充電設備の設置についてでございます。区では、災害時に必要な情報を防災行政無線から掲示板まで各種の手段を用いて発信することとなりますが、多くの区民がスマートフォンや携帯電話を利活用していることから、充電設備の必要性については強く認識をしているところでございます。災害時には停電となることが予想されることから、自立型のエネルギー源により安定供給を確保するため、ソーラー発電や蓄電池などの導入を検討しているところでございます。

○議長(いでい良輔) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。

 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後4時35分延会

 

会議録署名員 議 長 いでい 良輔

       副議長 南 かつひこ

議 員 広川 まさのり

       議 員 平山 ひであき